決算委員会 第2号
- 発言数
- 320 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/12/02
会議録
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、齋藤勁君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君及び櫻井充君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度決算外二件を議題といたします。 本日は全般質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾と申します。御質問させていただきます。 本日は、十五年度決算及び十四年度決算への警告決議への回答等の資料を早期に提出していただきました。財務大臣の御努力にまず感謝申し上げる次第でございます。 来年の常会でも、省庁別審査などを通じて決算の議論を進めさせていただきたいと思います。今国会では、予算編成期を控えておりますので、決算審査を通じて予算に反映すべき事項を中心に、国政の中心課題を総括的に質問させていただくこととさせていただきたいと思います。よくプラン・ドゥー・シーと言われますが、私は、シー・プラン・ドゥーの順が大切だと思っております。プランに結び付くシーの部分を議論するつもりで質問をさせていただきたいという気持ちでございます。 去る十一月二十一日、チリのサンティアゴで中国の胡錦濤国家主席と総理大臣、御会見されました。また、今般、ラオスの首都ビエンチャンでアジア各国の首脳と会談をされて御帰国されました。本当に御苦労さまでございました。 首脳間の直接対話は現在とても重要であろうかと思います。特に、中国を始めとするアジア首脳との会談は、日中間及びアジアにおける発展的な未来を築くためにとても大事だと思います。実績を上げてこられたのに心強く思う次第でございます。 報道によりますと、中国の胡錦濤国家主席は、総理との会談において、首相の靖国神社参拝について、歴史問題は避けて通れない、適切に対処してほしいと求めたとされ、総理は誠意を持って受け止める、心ならずとも戦場に赴いた人々に哀悼の誠をささげ、不戦の誓いのために参拝している、歴史を大切にすることは重要だと説明されたとされております。 靖国廟は、幕末以来国事に従事して命を落とした方々が祭られており、第二次大戦で亡くなられた将兵、民間の方々が二百三十万柱以上、日露戦争で亡くなられた八万柱以上、日清戦争で亡くなられた一万柱以上の方々も含まれております。 国を守るため、又は国のために亡くなられた人々への慰霊なくしては永続的な国の繁栄と発展はないものと考えております。このことを述べられた総理の姿勢を高く評価する次第でございます。 一方、第二次世界大戦はどうして起きたのか、だれにその責任があるのかなどについて過去の歴史を見詰め直し、二度と戦争を自ら起こすことのない国とする礎を築く努力を、他国に言われなくとも自ら行うことは必要なことと考えております。 今後の靖国神社参拝について、また、我が国独自の歴史認識の仕方について総理のお考えを伺うとともに、アジアと世界にとって極めて重要な日中関係を、未来志向で、経済、文化等あらゆる分野の関係を発展させ、友好関係を築くために対中外交を今後どのように進められるのか、まず総理のお考えを伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) チリでの中国胡錦濤国家主席、そしてラオスでの温家宝総理との会談におきまして、日中全般の今後の友好増進について話合いをいたしました。日中関係というのは今後ますます交流が深まっていく、この日中重視でいこうという共通の認識を持つことができたと思います。 経済の面におきましても、私は、かなり日本国民の間に、中国の目覚ましい経済発展によってどんどんどんどん安い中国製品が日本に入ってくるという状況が数年前顕著だったわけでありますが、そのとき、かなり中国警戒論が出ておりました。そういう中で、私は、中国の目覚ましい経済発展というものに対して警戒論、脅威論という取り方でなくて、むしろこの目覚ましい中国の経済発展というものを日本は好機、チャンスととらえるべきだと。お互い、相互依存関係、これが深まれば深まるほどお互いの協力関係が必要だという認識に変わってくるはずだということから、私は、中国警戒論、脅威論から、むしろこの中国の目覚ましい発展をチャンスととらえて日本経済の活性化に生かすべきだという観点から、そのような講演を、中国のボアオの会議におきましても、アメリカを訪問した際のアメリカでの、日本政府の考え方も含めて、中国の経済発展は日本にとって好機と受け止めるべきだというような講演もいたしました。 数年たってみて、今や、やはり中国の経済発展は日本に脅威や警戒を与えるよりも日本経済に刺激を与えているという見方がだんだん私は広がってきたと思っております。現に、中国製品の日本に対する輸出、これで日本の経済が打撃を受けるだけでなく、むしろ中国の好調な経済発展によって日本の製品も輸出できるという実態が出てきております。日中貿易を見ても、今や十年前に比べれば飛躍的な増加をしておりますし、今でこそアメリカとの関係が輸出、輸入ともに第一位でありますが、今後、アメリカ、日本との日米貿易を近い将来、日本と中国の輸出、輸入とも、貿易額においても日本と中国の関係が一位になるんじゃないかという専門家の見方も出てきております。 こういう関係から、お互い、対立する点を過大に取り上げるのではなく、日中友好増進を深めていこうという話合いを大局的にする必要があるのではないかという話をしたわけであります。 靖国の問題につきましては、確かに中国にとりましては第二次世界大戦で大きな被害を受けた、この過去の戦争の過ちというもの、こういうものを反省して、未来志向で日中関係に取り組んでいくべきだと。私も全く同感でございます。 私が靖国に参拝するのも、これは、二度と戦争を、過ちを踏んではならないと、そして同時に、現在の日本の平和と繁栄というのは、過去の戦争の過ちを反省し、二度と戦争を起こしてはいけない。同時に、現在の日本の平和と繁栄というものは現在生きている人だけで成り立っているものではないんだ、多くの先輩方の努力、そして戦争の際に心ならずも戦場に行き、尊い命を犠牲にせざるを得なかった方々の犠牲の上に成り立っているんだということを片時も忘れてはならないんだという、戦没者に対する敬意と感謝、哀悼の誠をささげるために私は靖国神社に参拝しているんだという気持ちを率直に申し上げました。 今後、中国との問題においても、あるいは米国との問題においてもロシアとの問題においても、意見の違う問題あるいは摩擦の起こる問題、対立する問題があるけれども、それぞれの国と、対立点ばっかり取り上げるんではなくて、協調できる分野、協力できる分野の方が多いはずだと。それは二国間だけではないと。国際社会の舞台でも中国と協力できる分野がますます増えているということを考えて、大局的に日中重視、日中友好関係の重要さを認識して今後考えていくべきではないかというお話をしたわけであります。 そういう観点から、私は、今後も靖国の問題に対しましては適切に判断してまいりたいと思っております。
○荒井正吾君 日中重視のお考え、また靖国問題について大変率直にお言葉いただきまして、有り難いと思っております。 出身の、私出身の奈良の地は、鑑真和尚が千二百五十年前に訪日されて大変な功績のあった地でございます。千二百年の間、日中の間では、八百年前に元寇があり、それから百年内に二度大戦があったのみで、そのほかは平和に暮らしてきた隣国でございます。日中の関係について引き続きの御尽力をお願い申し上げます。 総理はまた、胡錦濤主席との会談で、中国原潜の領海侵犯事件の再発防止策を要求されたと報道されております。明快な意見表明をされたことを評価させていただきます。 海洋法上、潜水艦は他国の領海内では浮上し、国旗を掲げるものとされております。中国原潜は同法違反でありました。日本の国境は現在すべて海上でございます。国境付近の各種のトラブルを国家間の紛争事件にしないために、そのような事案については武力の行使を極力抑制するのが歴史の知恵だと思っております。 一方、隣国の軍艦や不審船の動向監視は国家の安全保障上極めて重要でございます。このような事案につきましては、海上保安庁、自衛隊の連絡の下、我が国の監視能力の向上、発見した際の具体的行動指針、その際のROEの策定、武器使用抑制方針等を盛り込んだ具体的な対処方針を策定する必要があるんじゃないかと思います。 さきの事案では、海上警備行動は領海を出てから発令されたものでございます。海上警備行動は領海内で作業をする方針を書いたものでもあったわけでございます。今後の方針の策定について、防衛庁長官にお考えを伺いたいと存じます。
○国務大臣(大野功統君) 荒井先生十分御存じのとおりでございますけれども、我が国の領海内で潜没航行する外国の潜水艦に対しましては、平成八年の閣議決定におきまして、自衛隊に海上警備行動を発令いたしまして、そして、相手潜水艦に浮き上がってこい、そして領海外に退去してくれと、こういう要求を行うことができることといたしております。 閣議決定は、海洋法条約の締結に関連しましてこのような潜没潜水艦への対応を検討した結果、海上保安庁のみでは対応できない、これが第一の条件でございますが、海上保安庁だけでは対応できない困難な状況にある場合には、まず迅速かつ的確に自衛隊が海上警備行動により浮上要求、退去要求を行うことができるようにあらかじめ閣議において対処方針を決定しておき、個々の事案発生には、個々に事案が発生した場合には内閣総理大臣の承認を得られる、こういうことにしたわけでございます。先般のあの中国潜水艦の問題につきましては、この閣議決定に基づきまして初めてこの措置を取った、海上警備行動を取った次第でございます。 政府として、問題点は、位置が特定するのが非常に難しい、潜っている潜水艦でございますから。こういう問題は御理解いただきたい。しかし、また、慎重に手続を踏んだ、これも御理解いただきたい。しかし、やはり迅速に適応しなきゃいけない、それから毅然として適応しなきゃいけない、こういう問題はあると思います。 したがいまして、今回の問題につきましては、検証すべき点は検証する、それから反省すべき点は反省する、こういうことがあろうかと思います。透明性を持って今後対処していかなきゃいけないと思います。ただし、武器使用等につきましては、やはり相手国から攻撃されていない、こういう状態でございますから、まあ、やはり武器の使用については慎重であるべきである、このように思っております。
○荒井正吾君 ありがとうございました。 潜水艦などの監視、位置特定を我が国の能力だけで続けられるように希望もいたす次第でございます。 また、東シナ海の天然ガス田の開発問題に関して、総理は、適切な対応が必要で東シナ海を対立の海にしないことが大切と、こう主席に述べられたと報道されております。適切なお考えを述べられたと思っております。 現在、両国、EEZの境界線が確立していない中で、今後、両国でこのような事案に具体的にどのように対応していくのか、共同開発の提案などがあった場合には積極的に対応していくお考えなのか、経済産業大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 日中間の基本的な考えは今総理から御答弁があったとおりでございまして、それを前提にいたしまして、今、日本側の中間線にまたがる水域で中国が石油ガス開発をやっているということでございますので、基本的に話合いを前提にして、この問題を両国間で解決をさせていただきたいというふうに思っております。 他方、中国側は共同開発ということも提案をしておりますが、これは尖閣の問題あるいはまた日中の中間線の日本側を前提にして中間線の内側を共同開発にしようというような趣旨の発言をしておりますので、日本としてはそういう前提での話合いに応じることはできないというのが私どもの基本的な考え方でございます。 しかし、この共同開発というものは、基本的な二国間のこの境界未画定の地域における紛争解決の手段としてあるということも国際的な事実でございますので、我々といたしましては、情報、必要な情報を互いに交換し合い、そのために去年から情報提供してくださいということを何回も申し上げているところでございますが、そういう情報を前提にし、話合いをし、有効な話合いの下でこの問題が解決するように政府一丸となって努力をしているところでございます。
○荒井正吾君 ありがとうございました。 今年一月からの中国政府首脳の訪問外交の実態を調べました。 一月から最近までに胡国家主席は、フランス、エジプト、ガボン、アルジェリア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ウズベキスタンなど十三か国を個別訪問されております。温家宝総理は、ドイツ、ベルギー、イタリア、イギリス、アイルランド、キルギス、ロシアなど九か国を歴訪されております。その他、呉儀副総理が八か国、呉邦国全人代常務委員長が六か国など、多くの中国政府、国会の首脳が多数の国を計画的に個別訪問しているように見受けられます。 選挙も外交も個別訪問が極めて重要だと思います。外交上の個別訪問は法律違反にならない上、お土産など持っていっても違反にならないというふうに思います。我が国の総理を始めとする政府首脳、政治家などの訪問外交はもっと計画的、体系的、戦略的に幅広く多くの国々を訪問すべきと考えますが、そのように対応できないものでございましょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 小泉総理あるいは従前の総理大臣もそうだと思いますけれども、総理が外国に行かれるというのは、一つはサミットでありますとか、先般のAPECあるいはASEANプラス3、国連総会という国際会議、大きな国際会議が一つございます。 もう一つは、国際情勢全般を見渡し、あるいは二国間の関係を見たり、さらには特にその国を訪問すべき理由があったりというようなことで、今度は個別の関係を見ながら最終的には総合的に組み立てていくということでございまして、先ほど、今委員は中国の首脳の外国訪問の例をお出しいただきましたけれども、総理も今年に入りましてからは、五月の北朝鮮、六月のシーアイランド・サミット、七月の韓国、九月のブラジル、メキシコ、国連総会、十月のベトナムにおけるASEM首脳会議、十一月のAPEC首脳会議、それからチリの公式訪問、さらにはASEANプラス3等々がございますし、またその国際会議に行った折には二国間の会談も積極的に行うというようなことでございまして、中国の訪問の仕方がどれだけ戦略的であるのかどうかうかがうこと、知ることはなかなか難しいわけでございますけれども、私どもとしては、まず一つは国会の会期という制約が大変大きくございまして、その点、非常に自由に行ける中国とは大分趣を異にしているんだろう、こう思っておりますけれども、そうした様々な国内の事情の許す限り小泉総理には積極的に対外訪問をしていただき、日本の国益のためにいろいろな活動をしていただいていると、このように理解をしております。
○荒井正吾君 よろしくお願いいたします。 多少実務的な話になりますが、いろんな国際会議に出席する我が国代表団の人数は他国に比べて非常に多いものと言われております。各省にまたがる事案は各省すべてが出席するという慣行もあるように思っております。そのような事案であっても、他省庁の立場をも代弁する代表を定めるとか全体の人数を制約するとか、またWTO、FTAなど長期にわたって各省調整に手間が掛かる国際案件については内閣官房で国を代表する立場になり得る人を選ぶなど、内閣官房がもっと積極的、中心的に果たすことによって節約はできないかというふうにも思うわけでございますが、官房長官、いかがでございましょうか。
○国務大臣(細田博之君) WTOの交渉、新ラウンド交渉もいよいよ大詰めの段階に入っております。また、EPA、経済連携協定につきましても、先般のフィリピンで大筋合意、そしてその前のメキシコ等々、非常に交渉も進んでおります。 そのときに、荒井委員御指摘のように、関係各省が非常に多くなっておりまして、例えばEPA等につきましても、関税撤廃、貿易・投資関係、あるいは看護師、介護士の受入れ問題、制度面での協力、知的財産権、政府調達、基準認証等々に広がっておるものですから、どうしても関係各省が出掛けていって、自分のところに影響しないように、あるいはちょうどいい、望ましい合意ができるようにということでたくさん出掛けていったり、いろいろ各省の立場を主張すると、こういうことはよく今見られることが多いわけでございますが、そういった一つ一つの問題点を乗り越えて積極的にやれというのが小泉総理の強い御指示でありまして、また内閣官房でも、今官邸におきまして、七月の一番大事なWTOの一般理事会前には私の主宰の下で関係閣僚による打合せ、調整を行ったところでありますし、EPAにつきましては、三月にも九月にも経済連携促進関係閣僚会議を主宰をしております。 これは総理及び私が主宰してやるわけでございますが、必要に応じて関係閣僚の意見交換の場を設けるなど、できるだけ各省の枠、限界を乗り越えて積極的に対応するように努力しておりますし、今後とも、おっしゃいますように、余り膨大なこの代表団が占拠するような交渉の仕方でなくて、しっかりと方針を決めて、少人数、コンパクトで強力な推進を行う、交渉を行うということが大切であると思っております。
○荒井正吾君 国際会議の場で各省が角突き合わせたり自省の利益のために走り回ることのないように是非御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。 防衛の話を質問させていただきたいと思います。 米政府が進めております世界規模での米軍再編、トランスフォーメーションの動きは、我が国の安全保障の考え方、防衛力整備の今後の方向、在日米軍との協力の在り方、テロなど新しい脅威との闘いを軸とした米国の世界戦略に日本がどこまで協力をするかなど、安全保障に関する国家戦略について重要な論点を提起しております。日米安全保障協議の場では、柔軟に深い洞察に基づく意見を展開していただきたいと思います。 その中で、米軍再編の内容の一部として、世界に四つしかない米陸軍軍団のうち、米西海岸のワシントン州シアトルの約八十キロ南にあるフォートルイスというところにあります米陸軍第一軍団司令部が神奈川県のキャンプ座間に移転する話があると聞いております。 同司令部の我が国への移転は、在日米軍の戦略的価値を拡大させ、我が国の抑止力に寄与するものとも考えますが、一方、米軍の世界戦略に深入りし過ぎ、とりわけ日米安保条約第六条の在日米軍の駐在目的を日本の安全と極東における国際平和と安全の維持への寄与としたいわゆる極東条項を逸脱しているという意見もあります。しかし、これまでも沖縄普天間基地の米軍海兵隊や横須賀米海軍の艦船は極東の地域を超えて活動をしておりますし、キャンプ座間の米陸軍情報部隊の分担地域は極東を超えたものになっているように聞いております。 米軍団の司令部が我が国の安全、極東の平和と安全に専ら寄与するとすれば、極東条項は同司令部の我が国移転の障害とならないのではないかと考えますが、同司令部の我が国移転について防衛庁長官から、極東条項の解釈について外務大臣から考えを伺いたいと思います。 また、同時に、米軍再編と併せて、沖縄にとって過重となっている米軍基地の地元負担、とりわけ普天間基地の負担を軽減すべきだと考えますが、沖縄の米軍基地の負担軽減について、併せて外務大臣のお考えを伺いたいと存じます。
○国務大臣(大野功統君) まず、現在、世界規模で行われております米軍の再配備の問題につきまして、日本との間の交渉状況でございます。話合いの状況でございます。 先生御指摘のとおり、小泉総理大臣が常におっしゃっております、まず沖縄等の過重な負担を減らしていくんだ、それが一つ、それからもう一つは、米軍の日本における抑止力を維持していくんだと、この二つの原則がまずあるわけでございまして、その中で、まずいろんな区域・施設、日本にある区域・施設を米軍がどう利用していくのか、どう再考、考え直していくのか、こういう問題でありますが、それが先行するんじゃなくて、そういう話が先行するんじゃなくて、やっぱり日米でお互いに世界の戦略、平和戦略、安全保障の状況についてどう認識しているのか、つまり戦略対話が必要である、そしてまた日本とアメリカとの間で役割分担の話が必要じゃないか、そして同時に、やはり区域・施設の問題があろうかと思います。 そういう前提でお話ししますと、今の区域・施設のアメリカ側の利用につきましては、具体的な意見交換、アイデア、具体的なというよりもアイデアの交換を行っているという状況であります。したがいまして、具体的なことは今の段階で申し上げられないわけでございますが、そういう前提で一般論として申し上げますならば、仮に我が国の施設・区域を使用して指揮統制を行うアメリカの司令部が日本に来た場合どういうことになろうか、どういう活動が可能であり、具体的にどういうふうになっていくんだろうか、こういう問題がありますので、その問題についてはもういろんな可能性があると思います。したがいまして、一概に今の状況で安全保障条約第六条との関係を申し上げることはできません。 今次の問題につきましては、現行の安全保障条約の関連取決めの枠内で行われる、このことは当然のことでございます。したがいまして、極東条項の見直しということは考えておりません。
○国務大臣(町村信孝君) ただいまの大野長官の答弁で大体尽きているかと思います。極東条項の関連も含めての御答弁があったところであります。 なお、沖縄のことについてもお触れをいただきました。米軍の抑止力の維持と沖縄の過重な負担の軽減という二つの大きな柱で今取組をしているところでございます。先般の普天間基地の事故などをやはり見たときに、あるいはもう既に長い間にわたって米軍の七五%の基地が沖縄に集中をしているといったような実態等を踏まえたときに、やはりこれは過重であるというふうにほとんど、これは多くの方が認めておられるところだろうと思います。 今回の米軍再編成の議論の中で、そうした長年の御主張でありますところの沖縄の過重な負担を軽減するということは一つの大きな柱として今後取組を進めてまいりたいと考えているところであります。
○荒井正吾君 我が国の防衛費は、十五年度決算では四兆九千二百七十四億円で、一般歳出の六%と大きな額でございます。 我が国は軽武装で経済発展重視の国家戦略を持つというふうに言われておりましたが、予算規模から見れば防衛装備大国というふうにも思います。財政論だけで防衛力整備に枠をはめるのは適当ではないと思いますが、今後の防衛力整備の適正な水準と内容を十分考えていかなければいけないと思います。 防衛庁長官にも議論させていただきたいんですが、この予算時期でございますので、総理に、財政再建のために防衛予算も聖域とは言えないという意見もございます。米軍再編の動き、近隣諸国の考え方等を踏まえて、防衛費を抑制する方向で自衛隊の構造改革に取り組むということについての総理のお考えをこの際伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) どの予算も、その担当する省庁は大体増額を要求してきます。これは必要だ、あれは必要だ、新しい対応をするためには予算を増やさなきゃならない。減らすとはなかなか言ってきません。しかし、国全体の財政状況を考えますと、各省庁の予算、必要だからといって全部を増やすことはできません。今年度も防衛予算は前年度以下に抑えております。 私は、来年度も、新しい時代に対応した防衛力の在り方を考えるべきじゃないかという中で、増やすべき予算と同時に減らすべき予算もあるんではないかということで、増やす方ばっかり、新しい時代に対応する装備が必要だということで要求はもう盛んに来るんですけれども、いざ、それでは今の時代にそぐわない面の削減というのはどうなのかと。その方は余り言ってこない。 そういうことでありますから、私は防衛予算も聖域はないと。前年度以下に抑制するように、増やすべき方は増やしていいけれども、その分、見合った削減の方も考えてくれということを言っております。その方針で来年度の予算の編成も行う方針であります。
○荒井正吾君 来年度予算編成について総理のお考え伺いまして、ありがとうございました。 イラクの自衛隊派遣の問題でございます。 先日、参議院自民党の勉強会で、第一次イラク派遣自衛隊復興支援隊長でありました番匠幸一郎一等陸佐の話を伺いました。日中は六十度になるという厳しい気象条件の中、給水支援、医療支援、学校等の施設復旧支援。日本人である、日本人であり自衛隊である誇りを持って、隊員である誇りを持ってされてきた様子がよく分かりました。 例えば、ライオンの心構えでロバのような仕事をするという意識を持っておられます。人道支援に来たという気持ちを明示するために、他国軍のように砂色の砂漠用迷彩服は着用しないで、日の丸を付けた緑色の迷彩服を着用する、あるいは自分たちは軍服を着たNGOと思っているなどの話がございました。また、サマワ地域住民との接触の際はGNNやABCDEを心掛けているという話を聞きました。GNNは義理、人情、浪花節ということだそうでございます。ABCDEは、当たり前のことを、ぼうっとしないで、ちゃんとやる、できれば、笑顔でと。政治家もこのように心掛けなきゃいかぬという貴重な話を伺った次第でございます。立派な態度で任務を果たされていることがよく分かりました。 一方、イラクの他の地域、例えばファルージャでは一月の選挙の実施を控えて激しい戦闘が行われております。イラクの民主化プロセスの実行はなかなか容易ではない様子がうかがわれます。十二月十四日に期限が到来する我が国自衛隊の派遣期間の延長については、必ずしも国民の間で支持が高くないと言われておりますが、現地で人道支援活動を行っている自衛隊活動の実情、イラクに我が国自衛隊が駐留するという軍事プレゼンスの意義、イラクの復興をイラク人の手で行うという民主化プロセスの進捗状況、またどのような状況になれば我が国自衛隊は撤退できるのかについての具体的な状況の明示などについて国民の間で情報が不足しているのも一因じゃないかと思います。 この際、総理自らのお言葉でイラクの自衛隊派遣の延長はどうするのか、撤退はどのような状況になればできるとお考えなのか、聞かせていただければ幸いでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先日の委員会におきましても、公明党から、自衛隊が撤退する四条件という提示がなされました。それについてどう思うかという質問がありまして、私もこの提案については賛成であるということを述べました。 これはどういう提案かと申し上げますと、一つには、自衛隊が人道復興支援の目的を達成したとき。二つは、イラクの暫定政府から同意を得られないとき。三つには、サマワの地域が非戦闘地域でなくなったとき。四つ目には、自衛隊の安全確保ができなくなったとき。私は、これは妥当な四条件だと思っております。 そういう中にあって、今自衛隊の諸君がサマワの住民と友好関係を維持しながら復興支援、人道支援活動にいそしんでおられる、交代で活動しているわけでありますが、私は、自衛隊の活動というものはイラクの暫定政府からも高い評価を得ている、またサマワの住民からも撤退しないでくれという請願も来ている、イラクの全土の中においても比較的サマワの地域は安定しているということでありますので、現在の自衛隊の活動というのは全体的に言ってイラクの住民から歓迎されていると思っております。 そこで、今朝の新聞ですけれども、私は見ておりまして感心したんです。いい話ですからちょっと紹介させていただきたいと思います。 それは、サマワの自衛隊の田浦隊長に聞くという新聞のインタビュー記事が出ておりました。一部だけ紹介させていただきますが、この田浦隊長いわく、日本を出たとき、私は小学生の二人の息子を正座させ、お父さんは困っている人を助けに行くのだから、半年間、寂しくても我慢しなさいと諭したと。新潟等の地震被災の被害県民も、またサマワにおける住民に対する人道復興支援のことを両地域と言っているわけですけれども、両地域の自衛官は皆、我が子と被災した子供をダブらせ、この子らのためにもしっかりやらぬとという決意を新たにしていると。しっかり勉強して、郷土復興の担い手は君たちなのだから、必ず明るい未来が待っていると、心の中でエールを送っていると。こういう気持ちで自衛隊の諸君はサマワで活動している。感銘しております。 だからこそ、今サマワの住民は滞在の延長を自衛隊に願って、市民千五百人が署名活動をしているということであります。自衛隊員諸君の献身的活動がうかがわれると思っておりまして、日本も、今一番イラクが困っている、その困っているときに、自らの国づくりに日本は支援の手を差し伸べてくれたと評価を得られるような活動を今後も続けていかなきゃならないと思っております。
○荒井正吾君 自衛隊の隊員の士気に対して総理が評価されるというのは、大変自衛隊の士気にとって大切なことと思います。 国連安保理の常任理事国入りについてお伺いしたいと思います。 国連安保理は、世界の紛争について軍事力の行使をオーソライズする、あるいは自ら軍事力を行使できる国際的に認められた唯一の機関でございます。その安保理の規模の拡大と併せて、その常任理事国に我が国がなるというのは重要な意味があると思います。 現実には、しかしなかなか容易でない事情もございます。例えば、中国外交部は、国連は取締役会ではない、拠出金の多少によって構成を決定されるものではない。我々は日本が国際社会において更なる役割を果たすことを希望していることに理解を示している。歴史問題については、我々は、国際問題に責任を負う大国は必ず自己の歴史に関する問題にはっきりとした認識を持たなければならないと、この九月二十一日に述べております。 加入を成功させるためには総理の強い決意とイニシアチブが必要だと思います。米国票が一票増えるだけだというふうなやゆする言葉も聞こえてきます。安保理常任理事国にはどのような戦略で加入するのか、どのような安保理外交を展開するのか、総理のお考えと決意を伺えれば幸いでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連発足当時から六十年たちまして、加盟国も大きく増えております。また、当時、日本国は敵国だという条項がいまだに今の国連憲章の中に記載されているわけであります。日本が敵国だということが明記されているというのは甚だ遺憾だと思っておりますし、この創設以来、日本の活動というものは国際社会の中でも、平和に対してもあるいは地域の安定に対しても、人道支援、復興支援に対しても他国に遜色ない活動をしてきたと思います。そういう中で、国連の常任理事国、そして安保理の会議というのは世界の平和と安定に大きな影響力を持っております。 私は、現在、国連事務総長の下にハイレベルの諮問委員会ができて、創設当時と現在との国際情勢も変わっている、その中で国連改革、安保理改革、この機運は高まっている、そういう時期に際して、日本の発言権、今までの活動というものを評価されるべき改革が必要ではないかということで、日本も安保理常任理事国になる資格があるということを明確に表明し、国連改革の必要性を訴えてまいりました。 今後、この国連改革というのは各国も大きな関心を持っておりまして、過日、ニューヨークの国連総会が開催された折には、私は、国連安保理常任理事国として、ドイツ、ブラジル、インド、日本、この四か国が、ともにお互いが安保理の常任理事国になる資格があるのではないか、お互いが支持し合おうということで合意を見ることができたわけであります。 今回、安保理の問題につきましても、国連の改革におきましてもハイレベル委員会で案が出てまいりました。今までにない国連改革の機運が高まってきた機に、何としてでも国連改革を実現するべく各国に働き掛けて、世界の繁栄と安定のためには、武力行使だけではない、武力行使以外にも平和と安定に資することができるのではないかと、そういう立場から日本も安保理常任理事国の資格があるということを訴えて、この国連改革を実現させるように今後も努力をしていきたいと思っております。
○荒井正吾君 引き続きよろしくお願い申し上げます。 経済協力費、ODAについて外務大臣に伺いたいと思います。 十五年度決算では、ODA決算は八千九百九十七億円となっておりまして、大きな費目でございます。参議院は、十一月十日、中国、東南アジア、中南米への政府開発援助に関して実施した実態調査の報告書をまとめました。その中で、対中国ODAについて、調査では、執行について特段の問題点はなかったものの引き続き推進する必要性は見当たらなかった、特に対中円借款に関して廃止も視野に入れ縮減すべきとの指摘がなされております。 参議院調査報告書を念頭に置き、対中国ODA予算を次年度予算編成にどのように反映させ、また今後、対中国ODAをどのように進めるのかを外務大臣に伺いたいと思います。 また、あわせて、ODAは我が国外交の重要な柱でございます。外国を訪問した際も、地味な分野を、地味で余り宣伝もしないやり方で、日本らしいやり方で続けているという評価を伺って、正直言ってうれしく思っている次第でございます。 これからの我が国ODAは、平和構築、貧困削減、途上国の能力開発、人道支援などを重視する必要もあろうかと思います。また、発展途上国のためには、ODAのみで経済発展を達成することは無理で、結局、外資の導入、外客の訪問、地元中小企業の育成など、民間活力を導入、育成する必要があろうかと思います。民間活力を導入するようなODAの利用方法が重要になってきていると思います。 今後、我が国ODAを目的のはっきりした戦略的考えを持って行うことについて、併せて外務大臣の御見解を伺わしていただきます。
○国務大臣(町村信孝君) まず、対中ODAについての御指摘、また参議院の報告についてのお尋ねがあったところでございます。 委員御承知のとおり、中国、上海等々沿海部で非常に発展を遂げてきておりますが、他方、内陸部ではまだまだ貧困あるいは環境問題、いろいろな問題も指摘をされております。したがいまして、私どもとして、それだけ今著しい発展を遂げている中国でありますから、全体としての対中ODAはこの何年間で随分減ってきているところでございまして、二〇〇三年度におきましてはたしか供与額よりも回収額の方がもう上回っているという、あるいはとんとんぐらいになっていると、そんな状態にまで来ているところであります。 そういうことでありますから、いつまでも私はこの対中ODAをずっと大きな金額で続けていくということにはならないであろう、いずれかの機会にODAを卒業してもらうというような事態も当然来るんであろうと、そんなことを考えながらやっていきたいと思いますが、しかし他方、先ほど申し上げたような貧困の問題あるいは環境の問題等々が現実にあるわけでありまして、そうした面を中心に今私どもは対中ODAを展開をしております。 今後の進め方については、国別の援助計画というのを私ども持っておりまして、それに基づきながら、中国とよく相談をしながら今後のODAについて進めていきたいと思います。 さらに、ODA全般について、今委員の方から、平和構築あるいは貧困削減、途上国の人的な能力開発にもっともっとその重点を置くべきではないかという貴重な御指摘をいただいたところでございます。 私ども、昨年ODA大綱というものを改めて改定をしたところでございまして、その中にも、重点課題として貧困削減、持続的な成長、地球的規模の問題への取組、平和の構築と、この四つを重点課題ということで取り上げておりまして、今委員が御指摘をいただいた問題意識と非常にオーバーラップしていると、こう思っております。 そしてさらに、それらを中心にODAを供与すると同時に、委員御指摘のように、やはり民間の活力とうまくミックスさせていく、あるいは民間活力を引き出すことができるようなそういうODAに心掛けるということもまた非常にもっともな御指摘でございまして、例えば、道路、港湾等の運輸インフラであるとか、あるいは情報通信インフラといったような整備は非常に重要なポイントであろうと思います。さらには、政策立案とか知的財産の整備でありますとか、こういった法的な面、あるいはそれを担当する行政官の研修といった、そうした面での支援もやっていくことが民間活力導入にも大いに役立っていくだろうと。このようなことで、今委員御指摘いただいたようなことをしっかり踏まえながらODA政策を展開してまいりたいと考えております。
○荒井正吾君 よろしくお願いいたします。 農業水産予算についてお伺いいたします。 農業水産関係予算は十六年度で三兆五百二十二億円と、一般会計総額の中で三・七%を占める大きな予算でございます。WTO、FTAを通じて世界的な貿易自由化が進展し、農産物の貿易も拡大しております。その中で日本の農業の構造改革が必要になっているものと認識しております。 我が国は、極めて農業労働力の減少と高齢化に見舞われております。また、農地も先進国中第二番目の減少率と聞いております。 また、国際化の中では、食の安全のための法令遵守、コンプライアンスの体制充実など、農産物、食品の長距離の流通に対応した環境整備をする必要があろうかと思います。 国際化に対応した今後の農業改革の姿勢について、農水大臣に所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 農政に関しましては、WTOの国際規律の強化や東アジア諸国との経済連携交渉など、農業のグローバル化の進展、また国内における農業従事者の減少や高齢化、さらには農地面積の減少や耕作放棄地の増加等々、諸情勢は誠に大きく変化しているところであります。そういう意味で、これらの状況に対応し得る、言わば政策の改革をしていくことが急務であると我々は心得ております。 このため、現在、来年三月の閣議決定に向けまして、今後の政策推進の指針となります食料・農業・農村基本計画の見直し作業を進めているところでありまして、これにより構造改革を通じた農業の競争力強化を図るとともに、国際規律の強化や中長期的な貿易自由化の流れにも対応し得る政策体系を構築してまいりたいと、こう考えております。
○荒井正吾君 農業、大変大事な分野でございますので、引き続きよろしくお願いいたします。 経済、財政の運営について若干伺いたいと思います。 地域格差の問題でございます。 総理が構造改革に取り組まれる中、我が国経済は、外需依存的ではございますが、投資や消費を中心とした民間需要主導の景気回復を続けてきているものと思います。 しかし、一方では、地域間の格差と年齢別の格差が発生してきております。例えば、県民所得で最も高い東京と最も低い沖縄では二倍以上の格差があるとか、失業率は、最も高い北海道、東北では七%、六%でございますが、最も低い北関東、東海では四%を下回っているとか、大変よく見ると大きな格差がございます。 このような経済上の地域格差、個人間格差をどう埋めるかは政治の中心的課題で、知恵が要るところだと思います。政治は劣った人への懸け橋になるというふうに心得ております。 地域間の経済力格差を是正するためには、中央政府の財政力に頼らず、地域が自立的な経済力を増大する必要があると思います。特に、農業と観光を重視した地域再生プランや外資など域外の資本が地元に直接投資できる環境づくりなど、地域活性方策はこれまで地方に活力を吹き込むほど十分確立されたものになっていないように思います。 定率減税の廃止などを成功させるためには地域経済の活性化が必要とは考えますが、今後どのように進めればよいと思っておられるのか、竹中大臣に所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、地域の格差というのはやはり我々が取り組むべき新たな構造問題として大変重要になっていると思っております。 全体としての景気は、この一年半強、回復の過程にはあるわけでございますけれども、委員御指摘のように、民需主導であると。そうしますと、今でいいますと、例えばIT、自動車等々、そういった部門を持っている地域は比較的良いけれども、そうでない地域の回復はどうしても後れてしまう。そういう格差を是正するということが政策の大きな課題であるというふうに認識をしております。 今、そうした観点から、地域再生本部、この本部長は小泉総理御自身でいらっしゃいますけれども、本部の中でいろんな対応策を取ってきました。今、委員が御指摘になりました、その際に、農業、観光、そして直接投資というのは非常に重要な三つのキーワードになるというふうに私たちも考えております。 農業につきましては、今、農水大臣から答弁がございましたけれども、観光についても、正にちょうど二日前だったと思います。観光立国推進戦略会議の報告で、五十五のアクションプログラムが出されまして、これをまあ是非地域再生の一つのかなめにしようというふうに我々思っております。 また、直接投資に関しては、これは直接投資の残高を倍増するということを目指して、昨年の三月に対日投資促進プログラム、これは私が取りまとめの役割を担ったものでございますけれども、これやはり着実に推進していくということが重要であると存じます。 いずれにしましても、この地域再生の分野で是非しっかりとした成果が出るように、今の三つの点を中心に我々も是非努力をしていきたいと思っております。
○荒井正吾君 最後に、地方財政の運用について伺わせていただきたいと思います。 地方交付税交付金は十五年度決算におきまして十六兆三千九百二十六億円という額で、歳出の一九・九%を占める大きな項目でございます。 地方財政計画では、標準的財政モデルに基づきまして地方の歳出歳入予算の総額を算出し、この歳出と歳入の差額が地方の財源不足として地方交付税交付金によって措置されているのは皆さん御承知のとおりでございます。 同計画におきまして、投資単独経費が、計画額が決算額を約五兆円、六兆円程度上回る過大計上となる一方、一般行政経費では反対に計画額が決算額を大きく下回り、言わば計画と決算の乖離が目立つ状況でございます。 総務省では経常的経費と投資的経費のプラスマイナスは見合っているので問題はないという評価もされていると伺いますが、これは誠にどんぶり勘定のように思います。食べるどんぶりは大変好きでございますが、予算と決算のどんぶりは余り良くないと思います。予算の民主的統制、決算による財政規律の維持という観点からは容認し難い考え方であります。 一方、地方交付税の削減を急ぎ過ぎると地方財政が立ち行かなくなるという懸念も現実のものとして無視できないと思っております。 十七年度予算編成においては地方公共団体の財政事情も踏まえつつ地方財政計画の見直しも含めて地方交付税交付金をどのように予算措置されるおつもりなのか、どんぶりもお好きであるかどうか分かりませんが、担当大臣の御所見を伺って質問を終わります。
○国務大臣(麻生太郎君) BSEのおかげで吉野の牛どんが食べられなくなって久しくなるんですが。 今のお話で、荒井先生、これは一番最初に御理解をいただいておかにゃいかぬのは、これは国家公務員を長いことしておられましたので、地方の話を見られるときに、この地方財政計画というものは、元々がこのいわゆる地方の中に占めます歳入の部分は地方税と地方交付税ということになっておるんですけれども、これは元々地方で自由でやるというんで、国家が介入する種類の話とは全く違う話であるという点が第一点、是非頭に入れておいていただきたいところなんですが、大枠で地方財源を確保するという仕組みになっていますので、地方が自主的に主体的に判断して、これやります、あれやりますということを単独事業を中心にいろいろやれば、単独事業というのは、会社用語で言えば企業費ですが、企業費でやるということになるんですが、当然のこととして、地方がそれは自由でやっていいということになった上で作っておりますので、ずれがある程度出てくるというのはこれは当然のことなんであって、いわゆるどんぶり勘定の持っているイメージというのは、何となく役所の単年度決算に基づく何とかかんとかとか、複式簿記じゃないからとか、いろんな話に取られかねないと思うんですが、まずそこのところは、基本的には元々そういう仕組みになっておるという点を是非頭に入れておいていただきたいところであります。 その上で、今御指摘にありましたいわゆる乖離があるではないかというお話が出てきているんですが、その乖離がありますところは地方としては自由に使っていいことになっておりますので、企業費で上げている部分を会社用語で言えば固定費に回しておるのはけしからぬと、役所用語で言えば一般財源と単独事業ということに振り分けられるんだと思いますけれども、その内容自体を見ると、地方にしてみれば、介護とか医療とか、そういったいわゆる固定費に係る部分の方がもう今は現実としては大変だと。したがって、単独事業をやるよりはそっちに回さざるを得ないと。したがって、交付税とかそういった地方税というものをそっちに優先的に回すという判断は、それは地方の判断ということになっておりますので、それを国の方が、そうじゃない、こっちにしろ、あっちにしろというのは、これは元々ルールが全然違っていますので、そこのところをちょっとまず御理解をいただいておきたいところだと思っております。 ただ、その上でも、今ずれがある、ずれがあるとよく言われますけれども、現実問題、足してみていただくと、回した部分はどっかへ、横、変なおかしなところに消えているわけではなくて、一般財源といわゆる単独事業というものを比べてみますと、増えた分と減った分とを足してみますと、その乖離はほぼ四千億ぐらいということになります。こっちで増えた分はこっちでどんと減っていますので、足してみますと約四千億ぐらいの差なんだと思うんです。その四千億の差のうち、何がというと、老人医療関係で約二千、児童関係で約一千ということになって、よく一般に言われております何とかの子供が生まれたら幾ら金やったとか、何とか金やったとか、いかにもちょっと怪しげな話というのによく出てくる話というのはほぼ一千億ぐらいのものだと私どもは思っております。 したがいまして、そういうものを含めて、乖離が、こっちに計上するべきを元々こっちに計上すべきではなかったかという点につきましては、それは私どもも今後とも指導していかなきゃならぬところだと思っておりますが、ただ、何となくやたらめたらとやみくもにこっち側に二兆も五兆も金が行っちゃったというような話に取られかねないと思いますので、是非その点は御理解いただきたいところであります。
○荒井正吾君 ある程度理解させていただきました。 物を買うつもりの予算が人件費に回っているんじゃないかという心配もあるところでございますので、てんどん食べたら御飯の方がやたらに多かったということ、これ参議院の食堂はカツとライスを別々に出てくるようでございますので、是非分けて御指導願いますようによろしくお願いして、以上で終わります。(拍手)
○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。山下英利君。
○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。 荒井委員に引き続きまして、関連ということで質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、先ほど荒井委員の方からの話もございましたけれども、この決算、小泉総理、リーダーシップを発揮していただいて、前回よりも更に前倒しということで、この十一月、十二月という臨時国会の場においてこの決算審査に入らせていただいたということに対しまして、心から敬意を表したいと思います。 そして、やはりこのプラン・ドゥー・シーですね、予算、そして予算の執行、そして予算の執行調査と申しますか検証、やはり決算があって次の予算につながっていくという思いを私も持っておりますし、それが一般の国民の皆さんからしても非常に分かりやすい流れではないかなと、そういうふうに思います。 したがいまして、情報技術、大変進みました。一昔前であればこのように早い決算、国の全体の決算ですから大変な事務量ではあります。それを克服して前へ進んでいただいていること、これは有り難いんですが、引き続き御尽力をいただきまして多少なりとも前へ進む御努力を続けていただきたいと、そういうように思います。この決算審査が早く入れれば入れるほど予算の策定に対して非常に有効かつめり張りの利いた予算という形が取れるんではないかと、そういうふうに私は思っているところであります。 私の質問は、荒井委員から引き続きまして、やはりこの今の経済、財政の運営についてから入らせていただきたいと思います。 もう経済、財政、非常に厳しい今の国の財政状況ではありますけれども、また一方では非常に分かりにくい部分でもあります。一般の国民の皆さんから見て本当に分かりやすいという形での運営をしなければ、国民の皆さんに対して新たな負担を求めるということについては、大変やはりアカウンタビリティーというもの、説明責任というものが要求されるんではないかなと、そういうふうに思っております。 そして、まず、冒頭ではありますけれども、小泉総理に基本的なお考えをお聞かせをいただきたいと思っております。 今総理が進めておられます構造改革、その中での財政改革と、財政構造の改革という中で、二〇一〇年代初頭においてはプライマリーバランス、これの黒字化を目指すということが言われております。プライマリーバランスと申しますと、いわゆる一般的な歳出はこれは税収で補うと。しかし、今、国は膨大な借金をしょっている状態でありますから、引き続き、プライマリーバランスを黒字化してもこの借金に対する利払いの負担は引き続き残っていくと。しかし、まずその前に、まずその前段階として、まずプライマリーバランス、いわゆる一般歳出をこれは税収で賄っていくという一つの理念の下に、今財政の構造の改革、これを進めていただいているところでありますけれども、歳出面を切り詰めると申しますか、予算を圧縮をしながらやはり無駄を省いていく、無駄のないところを、見直していく。 これは、毎年の予算編成を見ても非常に厳しい状況というのが続いているということは私も十分理解しております。しかし、この二〇一〇年代初頭のプライマリーバランス黒字化への道筋について、やはりこれから先どういうふうにその方針を持って、方針といいますか、歳出歳入の方針を持っていかれるのか、この辺につきまして、やはり総理としての基本的なお考え方、これを伺いたいと思います。 平成十五年度の決算におきましても、いまだに税収の減少に歯止めが掛かっていない状態であります。国全体の予算からして半分近く、四五%は公債で賄う。実際に税収が半分しかないのに、その倍近い歳出があると、このような状態というのは非常に、改善をしなければいけないと、これはだれもがそのように思うところだと私は思っておりますけれども、そういった中で続けておられます歳出の改革。しかし、一方では、歳出はどこまで切り詰められるんだといったら、これはおのずと私は限界があるものだと、そのように思っております。したがって、今度は歳入の方をどのように確保していくのかと。いわゆる歳入と歳出の双方の改革が、これはもう待ったなしの状態ではないかなと、そういうふうに思います。 この歳入の改革も含めて、小泉総理の全体的な基本的なお考え、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財政の改革というのは経済の発展に欠かせることはできないわけでありますが、現在の財政状況を見ますと、財政健全化を目指すということと、現在の経済情勢というものを好転させていき、民間主導の持続的な景気回復基調を定着させたいという、こういう両面をにらんでいく必要があると思います。 私、就任して以来、できるだけ国債の発行を抑制しなきゃならないと、財政健全化と経済の活性化を両立させていこうということで今までやってきたわけでありますが、この問題につきまして、財政再建、財政健全化を急ぐと、これは増税もすると同時に歳出削減もするとなると財政は健全化の方向に進みます。しかし景気を見ますとね、これに対して増税というのは景気を考えるとプラスに働くものではないと。歳出削減も総論は賛成ですけれども、関係者は、自分のところの予算は削減しては困ると、自分に関係ないところは削減しろということであって、全体の立場から見れば全部関係してくるわけですから、これまた総論賛成各論反対が噴出してくるわけであります。 そういう中にあって、私どもとしては、一般の歳出というのはできるだけ小さくしていこうと、これ以上一般歳出を増やしていきますと、将来この財政負担というものが大変な問題になるということから、一般の歳出というものは前年度以下に抑えていこうという努力を続けてきているわけであります。 しかしながら、今までの借金の返済等を考えますと、国債発行を減らすというのも容易じゃないと。景気が低迷していますと税収も上がってこないということから、予定した税収を下回ってくる。となると、更に削減すると景気に悪い影響を与える。それじゃもっと国債を増発するとなると、これまた経済にいい影響を与えないということで苦労してきたわけですが、ここに来てようやく景気も回復基調になってきて、税収も、今まで予定した税収を下回ってきたわけでありますが、最近の状況をにらみますと、税収も、下回るという状況よりも、見通しよりも上回る状況になってきたんじゃないかという見方が強くなってまいりました。 こういう状況で、景気の現状を見ながら、財政健全化と経済の回復というものを両にらみで、できるだけ国債の発行を抑制していく、増税を避ける、そして歳出削減、これは増やすべきところを増やした場合には減らすところも減らそうということで、来年度も実質的には今年の一般歳出は前年度以下に抑える努力をして、財政健全化と景気の回復、両立を図るように、これからも懸命な努力をしていきたいと思っております。
○山下英利君 ありがとうございました。 総理はそういう形で景気にも配慮するというお話ではあったんですが、ただ、今の財政の状況を見ますと、それで、あと十年、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスが本当に黒字化をするのかといったところの不安というのは引き続き残っているわけでございます。したがいまして、余り急激なそういった国民に負担を求めるような形であっては、今度は本当に日本の国自体が破綻、破綻と申しますか、やる気をなくしてしまうと。ですから、その辺の運営のところにつきましては、やはり時期をしっかりと見て方向付けをしていただきたいと、そのように念願をするところであります。 そういった意味におきまして、このプライマリーバランス黒字化への展望につきまして、今度は内閣府の竹中大臣にお考えをお聞きしたいと思うんですが、やはり通常国会におきましても議論はされました財務省が出しておりますいわゆる後年度試算、これと「改革と展望」の内閣府試算におきましては乖離があるわけでございます。その乖離については、既に前提条件あるいは手法の違いがあるということで両論併記のような御説明をいただいているところなんでありますけれども、内閣府の見るこのプライマリーバランス黒字化への展望に対して私から御質問申し上げたいのは、まだ日本の経済、デフレが止まっていないという状況であります。 このデフレが止まっていないという状況を一日も早く克服しなければ、内閣府の展望のあのシナリオにはならないんではないかなという私自身の疑問があるので、竹中大臣からその辺のところと、それからやはり歳入の確保のために税という国民に対する負担というものをどの程度織り込んでいらっしゃるのか、その辺につきましてちょっとお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基礎的な財政収支を回復する、委員がおっしゃいますように、年々の政策的な経費はその年の税収で賄えるようにする、それが基礎的な財政収支を回復させるということの意味ですけれども、それをまずやる。そのための枠組みというのを、内閣府の試算、それを裏付けに持っております「改革と展望」というもので内閣としては示していっているところでございます。 委員のお尋ねは二点ございまして、一つは、内閣府の試算と財務省の試算、それは違うのは分かると。いつも申し上げているように、これは範囲が違います。財務省は一般会計、我々は国全体の財政ですから、範囲が違います。前提も違います。前提は、我々はある一定の政策を続けていったらどうなるか、財務省の方は今の状況が続けばどうなるかということ、横置きをしているというところで違う。手法も、我々はモデルでやっているのと違う。 その中で、質問の第一点は、デフレというものが本当に克服されるのか、大丈夫なのかという点でございます。 言うまでもなく、このデフレを克服して名目成長率を高めていきませんと委員御心配の税収が増えていきませんから、その意味で、名目成長率を大変重視しているという立場を取っています。 具体的には、二〇〇六年度に二%の名目成長率が達成できるように、そのためには実質成長率もしっかり高めて、一方で物価が下がらないようにデフレを克服する。実質成長率に関しましてはおおむね我々が目標としてきたところに、この一年間に関しては、過去一年間に関してはしっかりと戻ってきているという状況にございます。しかし、緩やかなデフレは続いております。この緩やかなデフレ、私はかねてから申し上げておりますように、やはりマネーが、通貨の供給がしっかりと増えていかないと、これは物価というのは上がっていきませんので、そこは日本銀行にも努力をいただいて、政府、日銀一体となって引き続き努力を続けるという中で是非これを実現していきたいと思っております。 もう一つ、税の具体的な見積りをどのように行っているのかと、この「改革と展望」で示された試算は大丈夫かと、そういう御質問だと思います。 税に関しましては、基本的には過去の税制改正の影響をきちっと見込んで、かつ、ある程度名目成長率が回復していく中でそれを租税の関数等々によって推計をしているわけでございますけれども、政策に関しては、例の基礎年金の国庫負担率を引き上げるための税源をどう確保するかということ、これは政策的に加味をしております。 具体的には、十七年度から二十一年度までの五年間、各年度約六千億円ずつ段階的に国民の負担を増やしていただくというような前提を置いております。どのような形で増やすかというのは、これはモデル上の技術的な問題でございますので、これはどのような形を取ろうともマクロ的な結果というのは余り変わらないんでございますけれども、一定の前提を置きまして、それで六千億ずつ家計にその分を負担していただくということは、これは税収の見込みの中に織り込んでしっかりとした見通しを作っているつもりでございます。
○山下英利君 どうもありがとうございました。 今の御説明でも、やはりそのデフレを克服するというところが大きな目標にはなっているんですけれども、じゃ、いつデフレが克服できるのかというところと、この「改革と展望」の二〇一〇年代、プライマリーバランスが黒字化できるかどうかと、大変重要なポイントになると思います。デフレを克服させるための努力と、そして二〇一〇年代のプライマリーバランスを黒字化するというところとがきっちりと分からないと。私が申し上げたいのは、二〇一〇年代、プライマリーバランス黒字化するために、やはりデフレの状態であっても、ここまですればこうなりますよ、黒字化できますというふうな考え方というのも頭に置いておかなければいけないんではないかなと、そのように思うわけであります。 デフレの克服、これ自体の努力というのはもういろいろやっておりますし、それ自体理解をしておりますけれども、これが人為的にデフレをインフレの方へ転換できるというふうな技術論では語れないところが私はあると思いますので、その辺のところをしんしゃくしなければいけないというふうに私は思います。その点につきまして、財務大臣にもう一度お伺いをしたいと思います。 基本的にこのプライマリーバランス黒字化への考え方についてなんでありますけれども、国民の負担と給付の在り方についてということをかねてから大臣もおっしゃっておられます。財政制度審議会が試算を行いまして、現在の財政構造を前提としますと、これは財務省の後年度試算ですから国の一般会計というところを中心にお話をさせていただきたいんですが、十年後の二〇一四年度のプライマリーバランスはマイナス二十七・八兆円にまで拡大するというふうな数字が出てきております。もちろん、先ほど竹中大臣が御説明いただいたところとは前提が違いますからこれはそういうふうに受け止めますけれども、これだけの大きなギャップができてしまうということについて、これ、歳入、歳出両面からの財政構造改革が必要とする中で、国民の負担と給付の在り方ということについての財務大臣の基本的なお考えの中にやはり税というものをどのように位置付けていらっしゃるか、これをちょっとお話をいただきたいなと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 山下委員が今御指摘になりましたように、財政等審議会で一つ試算を作っていただいて、先ほど竹中大臣のおっしゃったのは、いろいろな構造改革の努力を積み重ねていって二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復していくんだという一つのシナリオでございますが、現在の構造をそのままに放置しておくと、十年後、二〇一四年度にはプライマリーバランスはマイナス二十七・八兆まで拡大してしまうと。これはまあいろんな前提を置いた一つの試算でございますからいろんな見方ができると思いますが、そういう計算も一つ出していただいたと。 そうすると、それをどうやって克服していくかということになりますと、まず、先ほど総理もおっしゃいましたように、無駄な歳出を徹底的に省いていく、無駄な給付は抑えていくということが大前提としてあることは言うまでもございません。ただ、その努力は徹底的にやるとしましても、現在、高齢化等がどんどん進んできておりますと、どうしても高齢化に対応する費用というのは抑えるといったって限界がある、むしろ増えていく方向にあると。じゃ歳出だけで、歳出面の抑制だけで、じゃプライマリーバランスを回復していこうとすると相当無理な姿を想定せざるを得ないということもあの試算で示しておりまして、昔から入るを量っていずるを制すと申しますけれども、結局、歳入、歳出両面でバランスの取れた財政再建の姿を模索していくということではないかなと、こういうふうに考えているわけでございます。 〔委員長退席、理事田浦直君着席〕 それで、そうしますと、この入るを量るというのはいろんなことがございますけれども、一つは、景気を良くして持続的な成長を図る中で入るを量るというのがまず大きな方向としてもちろんございます。 しかし、それと同時に税制改革というのもやはり念頭に置いて、前提としての歳出の抑制ということと併せて税制改革ということも念頭に置いていかなければいけないんではないかと考えておりまして、この税制の面につきましては、昨年末の与党税制改正大綱で、持続可能な社会保障制度を確立していく、あるいは地方分権を推進していく、いわゆる三位一体でございますが、そういった課題に対応する観点から向こう数年間の道筋を示していただいておりまして、私どもはこの道筋に沿って検討を進めていこうとしているわけであります。 具体的には、平成十七年度、それから十八年度の二年間で、景気対策のための特例措置として小渕内閣のときから実施されてまいりましたいわゆる定率減税の見直しと併せて、国、地方の三位一体の改革を進めて税源移譲をしていくということの中で国、地方を通じた個人所得課税の抜本的な見直しを検討するということが今の大きな課題になっているというふうに考えております。 それから、与党大綱では、年金、医療、介護、こういった社会保障給付全般に要する費用の見通しなどを踏まえながら、平成十九年度を目途に、消費税を含む抜本的税制改革を実現するとされておりまして、社会保障制度の見直しのこの検討状況をにらみながら、踏まえながらといいますか、にらみながら、消費税についても前広にいろんな議論をして、この社会保障負担に対しての国民の、どういうふうに幅広く担っていただくかというこの方向を模索していかなければいけないのではないかと、こういうふうに思っております。 今後、与党の税制調査会における審議も踏まえながら税制改革の具体化に向けた取組を私どもも進めていきたいと、こう思っております。
○山下英利君 ありがとうございました。 先ほど、総理からの御説明もいただきました。税というのは、やはり景気に対しての大きな圧迫要因になるということも踏まえながら、しかし国民に、納得と理解を得る努力をしてお願いをしなきゃいけない。しかし一方で、やっぱりその納得と理解を得るというためには、アカウンタビリティーと申しますか、やはり歳出面におけるきっちりとした説明というものがこれは不可欠であるというふうに思っておりますので、その歳出、歳入両面におけるバランスというものをしっかりと見ていただいて、そしてやはりお願いするときはお願いする、できるように政府として対応をしていただきたいと、そういうふうに思うわけでございます。 そして、今、谷垣大臣の方からお話もございました、その三位一体の改革であります。正に今、財政構造改革の中で、三位一体と総理がおっしゃいましたこの改革というのは、大変地方においても大きな反響といいますか、影響をもたらす大改革であります。 実は、私の地元というか出身が、大変、滋賀県の山の中でございまして、高齢化率が三〇%を超える、そして過疎化が進んでいる小さな町であります。来年一月からその郡が六か町村一つになって合併をする、そういったところで走っているところなんですけれども、そこの町長さんが私に手紙を送ってよこしてくれたんですが、その中にやはり、将来の展望というものが見えないということをまずお書きになっていらっしゃいました。 それはなぜかというと、確かに今まで国依存型のそういった体制の中で、やはり財政の健全化というところに対しての力が弱かった部分がありますと。しかし、ここに来て、この三位一体の改革で、人口の少ない町がやはり税源移譲という形で収入が減ったときに、本当にもう田舎の町ですから、そんな国家的な大プロジェクトをやっているわけではないと。また、住民にとって必要なインフラの整備であるとか、それから特に高齢化が進んでいますから、高齢化対策といったものに対しては大変財政的にも困難に直面している中でこの三位一体の改革がやってきたわけです。そして一方、来年年初から合併をいたしますけれども、その近隣市町村おしなべて財政的には強くないという中で、弱い者同士が一緒になって本当にこれでやっていけるのかという不安がその手紙の中に書かれておりました。 私も、いや、今ここで三位一体の改革というのは、本当に地方が自立するための一つの大きなハードルです、ハードルを越えなきゃいけないけれども、その先に将来の展望が開けるようなきちっとした改革に仕上げていかなければいけない、そういった配慮を私からもお願いを申し上げるというようなことを申し上げておったところでございます。 それで、ただいまの今言われている三位一体の改革の中で、総理常々おっしゃっておられます。地方にできることは地方にということ、すなわち地方、この改革というのは地方に自立して活力を持ってもらうための改革であるというふうに私は理解をしております。そしてそれは、地方が自立するということは、地方がその特色を生かしてやはり地方の活性化を図っていくというところが大きな目的というふうに私は理解をいたしておりますけれども、同時に国と地方の財政のスリム化ということも目指していかなければいけないという中にありまして、昨年度、地方予算に対しては大変、要するに予算を圧縮するという流れの中で地方の体力を著しく削ってしまっているんではないかと。やはり体力というものを蓄えておきませんと、実際に今度活力を生み出すというところの足腰が立たないんでは、地方としては動きが取れないというふうなところもあろうかと思いますので、そういったところ、谷垣大臣に御所見をお聞かせいただきたいと思います。 あわせて、私からちょっと申し上げたいのは、これは企業と違いまして、地方自治体の中に勝ち組、負け組が存在するというふうなことはあっていいものではないんじゃないかというのが私の個人的な所見でございますので、これからの三位一体の改革、しっかりと成功させるためにどうすればいいのか、その辺の御示唆をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山下委員が、御自分の選挙区、一番過疎地と申しますか、山奥の長の方からのお手紙を紹介されました。一番、多分、山下さんの選挙区で山奥である朽木村は、私のホームタウンである福知山の、そこから出てきました朽木公が城主をなさいまして、江戸時代、この朽木公は私の地元の福知山と山下さんの朽木村両方の、三万二千五百石で領主であったという、県は違います、京都府と滋賀県で違いますが、共通のつながりがあるわけでございます。 そこで、そういうところから御心配がある。これは、三位一体は、先ほど委員が御指摘になりましたように、地方の自主性、自立性を高めるということと同時に、こういう国、地方の財政状況でございますから、両方のスリム化も併せて追求していかなきゃならないと、こういうことではないかと思っております。 そうしましたときに、今、山下さんの御心配は自治体の中に勝ち組、負け組が出てくるんじゃないかということであったと思いますが、これは麻生大臣からお答えいただいた方がいいのかもしれませんが、私はかなり多面的に見ていかなきゃいけないと思うんですね。 一つは、先ほど三位一体で、所得課税体系を国の所得税から地方住民税に移していくと。こういう中で、地方税体系というのをこれはよく見直すということによって財政力が余り、何というか、差が出ないようにするような税制改革を所得課税の中で、所得課税だけではありませんけれども、見直していくということがまず大前提としてあると思います。 その上で、地方交付税の調整機能をどう発揮していただくかという問題があろうかと思いまして、これは今度のその三位一体の方針の中でも適切に財源措置をするということで決めさせていただいております。 その上で、先ほども荒井委員からも御主張がございましたけれども、麻生大臣からも御答弁がございましたけれども、やはり無駄なものは排除していく。それからやはり、こういうときでございますから、透明性を高めて、アカウンタビリティーと申しますか、説明責任をやっぱりしっかりして苦しいところを乗り切っていく。そういう、住民に御理解もいただくということも必要なのではないかと思います。 大綱にはそういう形で、大綱といいますか、この間の三位一体のでき上がった方針の中ではそういうことを書かせていただいておりますので、今後麻生大臣とよく御相談をしながらいいものに仕上げてまいりたいと思っております。
○山下英利君 ありがとうございます。 今の谷垣大臣のお言葉を伺って、非常に私自身もこれからの総務大臣、財務大臣のしっかりとした御議論を大いに期待しているところであります。と申しますのも、先ほど荒井委員の方からちょっと御質問させていただいて、麻生大臣の方から御説明をいただいたこのいわゆる決算乖離の話であります。 私もどんぶり物好きなんで、先ほどのお話は非常にインパクトが強かったことを覚えておるんですが、これ地方財政計画と決算額の乖離について、やはりいろんな意味で、外野から聞いておりますと、これ地方税ではあるけれども、正式名称は地方税交付金という名称が付けられております。地方税、元々国が要するに地方のために税を徴収して、それを地方に分配すると。その中で調整機能、いわゆる保障機能という形を付けて地方に公平、公平といいますか、地方が人口の少ないところでもしっかりとやっていけるような財源措置をすると。したがって、これは元々地方の財源なんだという考え方と、交付金が付いておりますから、これは国が地方に対して交付している、いわゆる与えているお金なんだというふうな印象と、どっちなんだろうかというふうな、外野から見ていると単純素朴な疑問がするところであります。今回のこの決算乖離の話にしましても、今の点というのがすり合っていないんではないかなというふうな印象を受けたところであります。 したがいまして、この決算額の乖離については、確かに投資単独経費と、それから一般行政経費、この辺が入り繰っているというか、ほとんど同額に近いくらい金額ずれているわけなんですけれども、それに対する見方というものももちろんありますし、それからやはり経費の中身がしっかりと精査といいますか、分かるようにこの地財計画の透明性を高めるということもまた一方では大変必要なことではないかなと、そういうふうに思っておるんですが、その辺のところ、その辺のところを、これからの対応につきまして、財務大臣、総務大臣から、一言ずつで結構です、お話をいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) この点は実は麻生大臣と私の長い論争と申しますか、議論の争点でございまして、今、地方税交付金というんですか、その両方の名前からくる印象の差というのはやや麻生大臣と私でうずまっていないところがございます。 確かに、先ほど麻生大臣が御答弁されましたように、地方の自主性というものを無にするような形での予算の議論というのは私はいけないと思いますが、他方、地方財政計画を組みますときに、言うならばその歳入と歳出の足らない部分は国からも補てんするという財政の保障機能というものがあるわけでございますから、国が標準的な財政として補てんをしなければならないようなところは私はオープンに議論をしていく必要があるのではないかなと思っております。この辺は余り私と麻生さんがけんかばっかりしているという印象を持たれないように、よく、仲良く議論をしていきたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、先ほど荒井先生の御質問にも御答弁を申し上げたとおり、基本は、同じことをもう一回申し上げるようで恐縮なんですが、地方財政計画というものは、そもそもの話からして、地方に入っております歳入は地方税、交付税ということになろうと思いますので、それは元々使途が明確にされたわけではない形で地方財政計画というのは作ることになっておりますので、大枠で決めて、そしてどれだけ足りないかという話で、枠で決めておる話であろうと思っております。したがいまして、細目はある程度ずれてくるというのはもうある程度当然の前提として元々作られておりますので、何となくそちらも三菱銀行でいろいろ人様の会社のあら、ずるっと洗っておられるのが商売だったんでしょうから分からぬことはないんですが、そういうところと違って、地方の自主性に任せてやるというところでここまで来ておりますのがまず第一点。 〔理事田浦直君退席、委員長着席〕 二つ目は、今、滋賀の山奥に限らず、それは丹波の山奥でも皆同じようなところの山の表裏で似たような状況で、幾らこれは町村合併しても貧しいところ集まったって豊かになるわけないじゃないかという御指摘も、私、それはそれなりに合っていると思っております。それなりに効率化はできますよ。村長さん十人が町長さん一人に変わってみたり、いろいろ随分経費の節減はできるとはいえ、それでも財政格差は僕はなくなるということはないと思っております。したがって、何らかの形でそこを埋めるという手段というものを持っていないといけないと思っておりますので、そのバッファーというか調整を、微調整、調整をする意味のものとしてこの交付税とか特別交付税というものはきちんとして持っておかないと不公平が起きるではないかということになろうと思います。これが二つ目。 ただ、三つ目に、もう一つ考えておかないけませんのは、これは明らかに地方に対して、地方が地域を経営するんですよという地域主権とか地方分権という流れになってきますと、私は地方自治体というものを預かっておられる首長さんは、その同じ町で、人口も似たようなサイズ、環境も似たようなところで、片っ方はこんなに良くて片っ方は内容が悪いというんであれば、それは町長さん、首長さんとしての経営能力みたいなものが問われることになると思うんですね。 そういった意味で、私どもとしては、今いろんな形でこの十月からホームページに、同じような町村で自分の町をクリックしたら、おたくの町はほかの町に比べて同じようなサイズでこんな具合に比較が出るんですよと全部出てくることになっておりますので、そういったのを見ていただいて、自分のところはもっととかいうような意味で、町長さんも同じような意識を持っていただくような形で経営努力をしていただくということも必要ですし、そのためにはアウトソーシング、地方自治法の改正もやらしていただいて、いろいろなものが結構自由にできるようになっておりますので、更にその種の方向で、自由度が増す方向でやっていく方向で事は進めていくべきだと存じております。
○山下英利君 どうもありがとうございました。 引き続きこの論争は続くんではないかなと、そういうように思います。 しかし、先ほど私が御質問しました国全体の財政と、それからやはり地方の自立というもののバランスをこれはしっかり取っていかなければいけないということが一番の根幹にあると思いますので、確かに税制改正によってその辺のバランスを取っていくというようなところは、今度は技術論的なところも大いに含まれてくると思いますので、その辺、両大臣、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、今、また国全体の財政についてちょっと戻らせていただきたいんですが、やはり今、日本の国、大変な借金を抱えております。国、地方を合わせて七百兆と言われております。国だけでも十五年度末で普通国債残高は約四百五十九兆円に達しております。そして、この大変膨大な国債というものを安定した状態で管理維持するということ、これが財政上の最重要課題の一つだと、そのように私は今考えているところでございます。 そういった意味におきまして、現在、政府でいろいろお考えいただいています郵政の民営化プラン、こういったことに関して、この国債という問題から考えてこの郵政民営化のプランが国債市場の混乱要因とならないか、その辺危惧している部分がございます。国債がちょっと金利が一%跳ね上がっただけで、要するに国の財政、硬直的なところがますます大きいと、役所の予算を圧縮させていただいても、その金利が上がった分であっという間に吹き飛んでしまうというところがございます。 したがって、この国債管理政策上、国債市場の混乱要因というものに対してどう対応していくのかということは非常に重要な問題ではないかなと、私はそのように思っているわけでありますが、実際、財務省においても、買入れ消却あるいは個人向けの国債の導入等、国債管理政策を進めてその不安を解消に向けて努力をされているところでありますけれども、やはり百五十兆という大変膨大な国債を保持しているこの郵貯がこの郵政の民営化の中でやっぱり動きますと、それが一般の投資家に対する印象、これもまた不安定な要因の一つではないかなと、私はそのように思いますが、その辺のところ、御所見を大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 現在、我が国は大量の国債を発行せざるを得ない状況でございますけれども、郵政事業というのは、長きにわたってこの国債を安定的に消化するインフラの役割を果たしてきてくれたと私は思っております。 現在でも郵政公社は大量の国債を所有しているわけでございますが、私はかねがねこの郵政民営化の議論の中で、委員が御心配のように、国債市場におかしな影響が及んでしまってはなかなか影響が大き過ぎると、こう思いまして、一つは民営化への移行過程というのは透明じゃなきゃならないと、市場関係者に、ああこういうふうな方向に進んでいるんだなという、あらかじめ予測ができるような形で進めていかなければならないと、こういう点がまず第一点でございます。それから第二点目に、民営化が具体的に進んでいく姿に応じて移行期における適切な配慮をする必要があると、この二つのことを申し上げてまいりました。 そこで、先般閣議決定されました郵政民営化の基本方針では「移行期のあり方」として二つ書いていただいておりまして、一つは「国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行う」ということであります。それからもう一つは「大量の国債を保有していることを踏まえ、市場関係者の予測可能性を高めるため、適切な配慮を行う。」と、こういうふうに入れていただいておりまして、これまでの主張をおおむねこの基本方針の中に受け入れていただいたなと受け止めております。 今後、今から具体的な制度設計に入っていくわけですが、国債市場に不測の影響が及ばないように、この基本方針を踏まえまして、具体的な制度設計については関係方面ときちっと検討、調整していかなければいけないと思っております。 一方、郵政民営化が進展いたしますので、今後も国債の大量発行が続くとこれは見込まれるわけでございますから、今後とも、今委員がおっしゃいましたような、国債の商品の多様化ということを通じて保有者層を拡大していくとか、あるいは借換債をいろいろ工夫して円滑な消化に努めるとか、その大前提は財政規律をしっかりするということでございますが、国債管理の在り方も工夫をしていかなければならないと思っております。
○山下英利君 ありがとうございました。 続きまして、また谷垣大臣に御答弁をいただきたいと思います。この決算委員会でも、前回の通常国会のときにやはり議論がありました特別会計の見直し、これについて御質問をさせていただきたいと思います。 現在、三十一特別会計ございます。特別会計の見直しにつきましては、歳出の合理化であるとかあるいは効率化、透明性を高めるといった観点からこれを見直しをしていかなければいけないというふうに言われております。また一方では、多額の不用が発生している費目の抑制であるとか、あるいは一般会計への繰入れの減額であるとか、構造自体も見直していかなければいけないと。要するに、運用の効率化という点も配慮しなければいけないというふうに言われているところであります。 これ、一般財源と違いまして、特別会計の場合は資金使途も限られているということで、資金の流れの透明性は本来は一般財源よりも明確になるというふうに言われておりますけれども、実際、一般会計に比べましてネットでも二倍以上の特別会計、これを今、国は持っているわけでございますので、こういった効率的な財政運営の観点から、特別会計は使途目的が限られているため運用が硬直的になってしまうと、こういった物の考え方につきましては私は必ずしも、じゃ柔軟にやっていいんだということは言えないと思います。というのも、やはり資金使途の目的が限られているからこそ間違いがないといいますか、継続的に仕事ができるという意味もございます。 そういった点から、今進めていただいておりますこの特別会計の見直しにつきまして、財務大臣から特別会計の在り方というものにつきまして御意見をいただきたいと思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 特別会計、いいとこ悪いとこと言うといけませんけれども、今委員が指摘をされましたように、一つは使途を一定の目的に限ると、こういうことで、要するに受益と負担の関係が明確化してくるとか、それから事業ごとの収支が明確になってくると、こういう利点がございます。 そういうことによって、適正な受益者負担は何なのかとか、あるいは事業収入がこういうふうにすれば確保できるとか、あるいはこういう歳出が無駄であるということが一般会計の中に入れ込んでしまうより分かりやすいという、まあそういうメリット、特徴があるわけで、そのために使われているわけですけれども、他方、御指摘のように、その中で不用なものが出てくる、それから繰越しとか多額の剰余金がもう何というか、恒常的にあるような特会もございます。そうして、それをそのままにしておくと国全体の歳出歳入というものが非常に硬直化してくるという欠点が指摘されているわけで、まあプラスの面とマイナスの面と両方あるんだろうと思います。 それで昨年十一月、財政制度等審議会で御報告をいただきまして、報告書をいただきまして、この中に、「恒常的に不用を生じ多額の剰余金が発生しているものや、積立金等の保有高が一定の合理的な限度を超えている特別会計について、その要因を精査し、」「歳出の合理化を進めるとともに、一般会計からの繰入れの減額、一般会計への納付等、国全体の財政資金の効率化の観点も踏まえ見直しを図る必要がある。」と、こういうふうに指摘していただいて、歳入歳出構造の硬直性をどう取り除いていくかということで、基本的な考えを示していただくと同時に具体的な提言もいろいろいただきました。それから、それを受けまして、また今年も財政審でこの特会の見直しをしていただきまして、その報告書でも追加的な提言をいただいております。 こういう提言などを指針として特別会計の見直しを積極的に進めてまいりたいと思っておりますし、特に委員、この中で、昨年指摘されました中で、特別会計見やすいというけれども、数もたくさんあってその全体像を把握していくというのはなかなか容易ではないということがございます。全体像もできるだけ把握しやすい資料等を作って、また国会でも相当御審議をいただいたところでございますが、今後とも全体像を把握して、国会でも活発な御審議をいただくように、私どもも努力をして資料を作ってまいりたいと思っております。
○山下英利君 ありがとうございました。 引き続き、特別会計については、本当に分かりやすいというところに視点を置きましてこの改革、見直しを進めていただきたいと、そういうふうに思うところでございます。 続きまして、私はこの決算というところの大変重要な役割を果たしているいわゆる検査というものにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。 いわゆる会計検査院の検査と、それからこれは要するに事務手続の検査ということであります。そして、もう一つは予算が適切に使われているか、これについては予算の執行調査というのを財務省もやっていただいているところでありますけれども、予算が適正に使用されているかチェックする機能としてこの二つの今申し上げたことにつきまして、会計検査院の検査は、現状、カバー率見ましても本省で約四割、四一・二%ですか。そしてこれは、今度は地方におきます出先、これのカバー率なんかを含めますと二割程度に落ち込んでしまうと。 要は、その検査のできるエリアというか範囲はまだまだ限られた部分ということはこれは否定できないところであります。で、会計検査院の調査官の数も八百五十人と、まあ人的に見てそれで本当に全部カバーできるのかといったら、これはなかなか厳しいんではないかなと、そういうふうに私は思います。 そういった中で、会計検査院の検査の指摘金額が、これは年々増加してきております。ここ数年来ずっと増加なんです。ということは、これ検査院、検査非常に頑張ってもらっているということは言えると思うんですが、そういった中で、まだまだこの検査というものを充実させていくためには、これやはりもっと抜本的な検査体制の構築、これが必要ではないかなと、そういうふうに私は思うところであります。また、一方で、財務省予算執行調査についても、これは財務省の中で非常に限られた部分でやっているということであります。 政策評価というものを予算に反映させるといった意味において、そして決算の中でその政策評価というものとしっかりと突き合わせをして、実際有効に予算が使われているかという面におきましては、まだまだ限られた部分でやられているこの予算執行調査というものにつきましても、これからどういう体制でもっとカバー率を広げていけばいいのかというところは非常にこれから見ていかなければいけないと、そういうふうに思っているところであります。これは、谷垣大臣にお聞きをいたしたいと思います。 それから、もう一つ加えて申し上げますと、先ほどの会計検査院の検査に戻るんですけれども、いわゆる一般職員の不祥事だけでなくて、やはりその件数の多くが本当に単純なミスなんです、ミスということもあるわけです。例えば、会計処理が違っているとかですね。そういったことにつきましては、会計検査院が入って検査をする前に、やはり内部的な検査体制、これもしっかりするということは必要ではないかと思います。今日は谷垣大臣にお聞きをしたいと思います。 そして、加えて、そういった中で、そういった検査で指摘される部分も含めますと、いわゆる随意契約というのが最近よく話題に上がってまいります。例えば、競争で入札した場合にはいわゆる普通の契約。しかし、そういった競争入札というものじゃなくて、むしろ随意契約の方が金額も小口であればコストも安く付きますし、いいという判断もあろうかと思いますけれども、今度はその随意契約の基準というものを悪用した、まあ言ってみれば小口化して随意契約で処理してしまうといったことが事件として出てきている中で、こういった随意契約の問題について財務省の方としてどういうふうに見ておられるのか、その辺のところを答弁をお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 会計検査院の平成十五年度決算検査報告で指摘金額が四百三十億に上がっていると、年々増えているということはもう大変残念なことで、我々としてもこれは厳粛に受け止めて、改革をしなきゃいかぬと、このように思っているわけでございます。 財務省としては、予算執行調査というのをやっておりますが、これは予算担当者、主計としての問題意識などをきっかけとして予算編成に役立てるためにやっているものでございますから、これはこれでそれなりの効果を上げておりますけれども、限定されたものであるということも事実でございます。 今、委員から、内部監査の強化についてもう少しやる必要があるんじゃないかというお問い掛けがございましたけれども、これをどういう、もう少し内部監査を強化できるかというのは、私どももよくこれから考えていかなきゃならないポイントの一つじゃないかと思っておりまして、総務省あるいは会計検査院ともよく連携を図って、私どもも国民からお預かりした金が有効に使えるようなことを更に工夫していかなきゃいけないと、こう思っております。 それから、随意契約の問題をお触れいただきましたけれども、今の会計法令では一般競争入札が原則でございますが、契約の性質が競争を許さないといった一定の場合には随意契約によることを認めているわけでございます。しかし、こういう随意契約でも透明性、効率性というものが確保されなければならないのは当然でございますけれども、随意契約の場合は入札公告等が行われないとか、それから特段の理由もなく少額の調達に分割して随意契約としているとか、あるいは随意契約によるものの大きな部分が委託契約で、再委託とか再々委託が繰り返されて効率性が損なわれていると、いろんな問題がございます。 先般の閣議後の閣僚懇談会でも、総理から、会計検査院の検査報告で随意契約の問題点が指摘されているという御発言がありまして、各閣僚に対して、参議院での決算審査の内容などを踏まえた改革に率先して取り組めと、こういう御指示をいただいたところでございます。 私の方からは、随意契約について透明性の向上等に向けた方策を検討していきたいという発言を行ったわけですが、今委員からも随意契約の見直しについて御提言をいただいたことも踏まえまして、財務省としては取りまとめを全省庁に率先して行いたいと思っておりまして、来年度予算の政府原案決定までには私どもとしての方針を取りまとめたいと思いまして、今作業しているところでございます。
○山下英利君 ありがとうございました。 それじゃ、私の担当ということで、もう一問だけ質問をさせていただきたいと思います。 景気も大分良くなってきたというふうな話もお聞きするんですけれども、地方はまだまだまだら模様だと。これはいわゆる大企業、中小企業、それから地域性というところでまだら模様の、まだ景気回復が本当に実感として伝わってこないと、そういった状況ではあります。 ここでお聞きをしたいのは、いわゆる信用保証制度、これについてであります。 銀行が、実際にはこれは信用保証協会等の保証付きでやっておりますから銀行の不良債権という形にはなっていないんですけれども、ただ中小企業総合事業団信用保険部門、これの決算を拝見いたしますと、この信用保証制度における中小企業融資の焦げ付きというものがかなり多いんではないか、そのような印象を持っております。 実際に、保険金の支払額、これも大分多くなってきております。平成十五年の損失を見ましても、ネットで三千七百八十八億円、損失だけを見ますと九千六百十九億円、こういった数字が出ております。ネットと申しますのは、今度は保証料の収入もありますから、その分差し引きますとその程度の金額だと。言ってみれば、金融機関では実際に不良債権ではないんだけれども、これがいわゆる政府系の中で不良債権化しているということは言えるんではないかなと、そういうふうに思います。 そこで、中川経済産業大臣にお聞きをしたいんですが、この信用保証制度、これと併せて他の政府系金融機関を含めたセーフティーネットとしてのこの中小企業融資、不良債権に対して考えをお聞かせいただきたいと思います。ちなみに、中小企業、今必死で頑張っている正に地方の中小企業を支えるための最後のとりでというふうなところも私は非常に強く聞かされているところでありますので、どうぞ御答弁よろしくお願い申し上げて。
○国務大臣(中川昭一君) 今、山下委員御指摘のように、日本経済全体としては良くなっている方向だということですけれども、地域によって、また業種によって、そしてまた日本経済の土台ともいうべき中小企業は全体にまだまだ厳しい状況にあるという認識でございます。したがいまして、頑張っているところでちょっと苦しいところに対してどうやって支援をやっていくかということは、もちろん民が主体であって、官、政府系金融機関等がバックアップをするというのは基本的な考え方ではありますけれども、民ができない部分について政府系金融機関あるいはまた保証制度というものを大いに活用していただきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。 その結果、民の査定なりその結果の不良債権率と、官のあるいは無担保無保証等の制度あるいは保証制度によるいわゆる不良債権率とは、若干時間的にも、それから質的にも後れてくるというのが現状だと思います。これはもう官の役割として最後のとりでというお話がありましたが、私もそういう認定で、認識でずれているということが現実だと思っております。 他方、その結果、余りにも何でもかんでも貸手不良になるということも、これは公的な制度、公的な資金である以上はおのずから限界があるということは重々認識をしております。したがいまして、資産のきちっとした管理等も含めまして、総合的にきちっとしたチェック体制等を、その官の立場、補完の立場、あるいは信用保証という趣旨の立場を前提にしてやっていきながら、引き続き中小企業に対する支援は積極的にやっていきたいというふうに考えております。
○山下英利君 どうもありがとうございました。 私の質問をこれで終わります。(拍手)
○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。森元恒雄君。
○森元恒雄君 初めに、三位一体の改革について数点お聞きしたいと思います。 今回の三位一体の改革に当たっては、十七年、十八年の二年度でまず三兆円税源移譲をしようと。ついては、それに見合う国庫補助負担金を何を削減するのか地方の方から案を出してもらいたいと総理は要請されました。地方の方は、まあ多少いろいろ意見あったわけですけれども、小異を捨てて案をまとめてこられた。これに対して、過日、まあ政府・与党、大枠が決まりましたけれども、先送りされたもの、あるいは地方が必ずしも望んでいなかったものも含まれた案になっておりますが、総理御自身は、地方団体に何の条件も付けずにとにかく出してくれとおっしゃられたわけでございまして、それに対してどの程度こたえられたとお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、当初から、地方六団体がまとめてきた案でありますから、この地方案を真摯に受け止めて対応すべしという指示を関係省庁に出してまいりました。結果的に、この案を真摯に受け止めてよくまとめてくれたなと思っております。額も明記しておりますし、今後検討すべき課題につきましても地方ともよく協議していくということで、私はこの地方案を真摯に受け止めることができたと思っております。
○森元恒雄君 地方案に対して、各省あるいはまあ党内からもいろんな意見が出ました。私は、そういう意見が出る原因の一つが、四年前にやりました地方分権一括法、これで、国と地方の権限あるいは事務の在り方、事務配分を整理したわけであります。しかし、その事務配分と今回のこの財源配分、この関係について、これ、一本筋の通った、基本的な理念といいますか、そういうものがしっかりと政府の中で確立されていない、そのことがいろんな議論が出る大きな根本原因になっていたんではないかなと、こういうふうに思います。 私は、個人的には、地方の権限と責任で処理すべしとされました自治事務、これについては、その執行に要する経費は全部地方の財源で負担する、これが基本的ではないかと。他方、国の権限と責任であるけれども、その実施については地方に任せた方が国全体として考えたときには合理的だ、効率的だと。例えば、我々の衆参の選挙ですね、こういうものを、ただ単にそれをやるためだけに国の出先を作るのかと。そんな無駄なことはないわけでありまして、執行は地方に任せると、こういうものが法定受託事務であると思います。そうであるとすれば、法定受託事務の執行に要する経費は全部国が負担すると、これが基本的な姿ではないかと思うわけでございますが、総理はこの点についてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、解釈は両方取れる場合が多いんです。自治事務、委託事務、そういう点についてよく協議する。地方の役割、国の役割、これについては今後も協議していかなきゃなりませんが、要するに、地方でできることは地方にということで、裁量権を地方に今よりも拡大していこうという方向で、この地方案を生かすようにこれからも考えていきたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、森元先生から御指摘のありましたとおりに、また同時に総理からも御答弁があったとおりなんですが、自治事務と法定受託事務というのは、これはいずれも地方でやっております事務なんで、その経費の在り方についての御質問なんだと思うんですが、それは国の利害のかかわり合いの度合い等やっぱり勘案してやらないかぬということなんだというのが前提なんでしょうけれども、一般的に言えば、法定受託事務より地方自治事務の方が一般財源化にはなじみやすいことははっきりしているんだと思います。 しかし、いずれにいたしましても、今御指摘のありました点は、これは大変基本的なところだとも思っておりますので、傾聴に値するお考え方だと、基本的にそう思っております。
○森元恒雄君 私のような考え方でいくと、現在の地方財政法第九条の規定の仕方がいささかどうかなという思いがいたします。 といいますのも、自治事務であろうが法定受託事務であろうが、その執行する地方団体側が原則として経費を全額負担すると規定しております。ただ、もちろん例外はあって、国が負担すべきものあるいは国が委託するもの等々については国が経費も一部負担するとはなっておりますが、私に言わせると、その原則と例外がひっくり返っているんじゃないかと。この際、その事務配分と財源配分をすっきりとした形にするために地方財政法九条を改正するお考えがないのか、総務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の意味はよく分かりますけれども、直ちに今それを改定をするという考えは、今あるかと言われれば、今の段階では持っておりません。
○森元恒雄君 是非、三位一体にしましても地方分権にしても、今年、来年で終わる話でもございませんので、より根本的に日本の内政の国家体制どうあるべきか、しっかりと議論する中で是非前向きに御検討いただきたいというふうに思います。 次に、厚生労働省に具体的なことで二、三お聞きしたいと思います。 私の今のような考え方でいけば、議論がありましたこの義務教育費は自治事務であります。しかし、文科省は、自治事務である義務教育については国が国庫負担やめたら国としての責任を果たせなくなると、これは是非国が負担すべきだと言っておられます。他方、厚生労働省は、生活保護費、これは四年前の事務配分のときに、法定受託事務、要するに国の事務だと言って権限を留保された。しかし、この法定受託事務である生活保護については今度は逆に地方にもっと負担してくれと、こういうふうに言っているんです。 基本的に、考え方が逆さまになっているんじゃないかと思うんですけれども、この辺のところを厚生労働大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の三位一体の改革の議論の中でいろいろ議論されたところでございます。 まず、この法定受託事務についての考え方でありますけれども、総理からも総務大臣からも御答弁ございましたように、必ずしも国が全額負担するものではない、国の関与の度合いでありますとか、地方の住民に与える利益の程度などを総合的に勘案して決定されるものだと、こういうふうにまず基本的に考えます。 地方事務の、地方自治の専門家の先生に、委員に釈迦に説法になりますけれども、実態としても実情としても、法定受託事務の中でも生活保護は四分の三国が持っておりますけれども、戸籍事務などは、これは法定受託事務でありますけれども、国は一切持っておりません。こういう現状がありますということをまず申し上げたところでございます。 そして、そういう基本的な考え方を申し上げたところで、では生活保護がどうなるかということでございますけれども、国が給付水準など制度の基本的な枠組みを設定する、こういうことがまず国の立場としてございます。一方、保護の認定だとか保護費の支給等は、これは地方自治体に行っていただいております。さらにまた、申し上げますと、生活保護の対象となるこの要保護者は国民であると同時に地域住民でもございますから、生活保護行政は地方の利害にも関係いたします。したがって、制度の発足当初より地方自治体にも費用の一部を負担をしていただいている、こういう経過でございます。 したがいまして、こうした行政は、国と地方が正に重層的な形で協力しながら実施をしているところでございますから、今後とも国と地方はそれぞれの役割分担をして行政に当たっていくべきだと、こういうふうに考えておるところであります。
○森元恒雄君 地方に今おっしゃられたような認定事務等を委任しているわけですけれども、地方団体のその事務処理が必ずしも適正でない、厳正に行われていないんじゃないかという声を聞きます。それを地方団体にしっかりとやってもらうためには、むしろ自らの、自分たちの負担を重くした方がしっかりとやるだろうと、こういう意見もあるわけでございますが、私はそれは違うんじゃないかと。 同じ厚生労働省が所管しておられる失業保険は、これは全く国の事務として国が自ら執行しておられる。短期的に職を失って生活に困った人については国が自ら執行している、長期的に職に就けなくて生活に困っている人は県や市に委任をすると。理屈が一本筋がやっぱりこれまた通っていないんじゃないか。 私は、特に社会福祉の面、社会保障の面では、現金支給に直接係る事務は、これは自ら国が執行するというのが基本ではないか。対人サービス的なことは地方に任せるというのがむしろ望ましいと思いますが、お金をやり取りすれば済む話は、地方団体が豊かだから、貧しいから差を付けていいという話でもありません。そういうものは国が自ら執行するべきではないかと、私は是非そういう方向で今後考えていただきたいということだけ申し上げたいと思います。 次に、国保についてお聞きしたいと思います。 国保について、今回、新たに都道府県に負担を求めることになりました。しかし、医療保険は国保以外にも組合健保、政管健保がありますけれども、なぜこの国保についてだけ都道府県に負担を求めるのか、理屈がないんじゃないかと。医療費の増嵩を抑制するについて県としても一定の役割を果たしてほしいというなら、ほかの保険についても同じじゃないかというふうに思いますが、なぜ国保についてだけ都道府県に負担を求めるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) これは一言で言うと、保険の性格が違う、こういうことでございます。企業主の、事業主の負担があるもの、ですから、被用者保険である政管健保と組合健保、これと国民皆保険を支えております国保とは性格がどうしても違うということでございます。
○森元恒雄君 しかし、中小企業に勤めておられる方々の被用者保険については、これ政管健保として国が自ら管理運営しておられる、自営業の人あるいは無職の方については市町村に任せていると。やっぱり私は、そこ合理的な説明になっていないんじゃないかと思いますが、もう一度しっかりと御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 国民健康保険というのは、したがいまして国が五〇%負担をいたしております。被用者保険の方はそれぞれ、本人もですが、また事業主の負担がある。ここは決定的に違うと思っております。
○森元恒雄君 いや、それであれば、まだ現行のままで継続しますというならその説明は通ると思うんですけれども、私がお聞きしているのは、じゃ、何で都道府県に新たに負担を求めるんですかと、その説明にはつながらないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) お尋ねの趣旨が正確に分かってないのかもしれませんが、医療費全体の抑制ということについては、これは国も頑張らなきゃいけませんが、やっぱり都道府県にもそれなりの役割は担っていただきたい、こういうことであります。特に、医療計画、これは都道府県が作る立場でありますから、どうしてもその権限がある、責任もあると私どもは考えます。したがって、そういう立場での今回の私どもの御提案であると、こういうことであります。
○森元恒雄君 じゃ、端的にお聞きしますけれども、組合健保とか政管健保については医療費増嵩について県は何の役割を果たさなくてもいいと、こういうふうにお考えですかということなんです。
○国務大臣(尾辻秀久君) ですから、申し上げておりますように、医療計画は、県、都道府県が作るものでありますから、当然、医療全体についての役割はあると、こういうことでございます。
○森元恒雄君 私としては納得できません、理解できませんが、根本的には、社会保障制度全体にどうしていくのかと、今後大きな問題だと思うんです。 特に、その中でも保険制度は、年金、医療、介護、いろいろございます。現在の仕組みは各々分野ごとに違った形の制度になっている。ここのところが根本的に大問題じゃないかなというふうにかねがね思っておりまして、今、年金について一元化の議論が出ておりますが、それもさることながら、私は、この医療保険こそ保険制度どうあるべきかと、一元化すべきかどうかと根本的にこれ議論していただきたいと思うんですけれども、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 一元的、一元化とかといいますと、すべて一体化という理解のされ方もあるだろうし、そういうふうにとらえられることもあると思いますのであえて申し上げるんですが、そういうことよりも、まず給付の平等だとか負担の公平というような意味での一元化、これは当然図られるべきだと思いますので、その方向においては検討を進めていかなければならないと、こういうふうに考えております。
○森元恒雄君 これも明日あさってどうこうなるという話でもないかと思いますので、私としては、是非、大きな観点に立ってどうあるべきかという検討を是非真剣に進めていただきたいと思います。 それで、重ねて一点お聞きしますが、都道府県に医療費増嵩の一定の役割を果たしてもらうんだと、そのために負担してもらうんだとおっしゃられましたけれども、それでは都道府県にどのようなその医療費増嵩を抑制できる権限を与えられるのか、先ほどの医療計画以外の国保の運営について都道府県に新たに権限をゆだねる部分があるのかどうか、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 国民健康保険の仕組みは、先ほど申し上げましたように、保険料二分の一、国が二分の一、五〇%、五〇%となっております。その国の五〇%のうちの、四〇%と一〇%に分けて、四〇%の方は定額で補助をする、そして一〇%の方は調整部分に充てております。より平たい言い方をいたしますと、困っておられる地方団体にお渡しすると、こういう調整部分が一〇%国が持っております。これを、この国が一〇%持っている分を都道府県にお願いをして、都道府県で調整をしていただきたい、簡単に言うとそういう仕組みでございます。
○森元恒雄君 今のお話ですと、お金を配る役割だけを任せるというお話のように聞こえますが、それ以上に、やっぱり国保の運営そのものについて、従来国が担っておった部分で今後県にそういう役割を期待するのであれば、それを十分に県として果たせるような仕組みを考えるべきではないかと、これは意見を申し上げておきたいと思います。 それで、先ほど総理の方からは、各省も地方の案を真摯に受け止めてくれたと思うというお答えございましたが、全体として必ずしも私は百点満点とは思いませんけれども、各省それなりにやっぱり努力をされたと思います。 ただ、厚生労働省の方は、今の国保もそうですし、生活保護も、地方が望んでいない、むしろ地方としてはやめてくれと言っているようなものを代案として出して、地方が望んでいるものについての対応は極めてわずかしかないことになっているんじゃないかな、非常にその対応が全体として真摯とは、とても受け止めたとは思えない。大臣の姿勢を改めてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもが御提案申し上げたものの一つが、まず生活保護でございます。このことについて見ましても、私のところに指定都市市長会の皆さんから意見が寄せられております。 この御意見に何と書いてあるかというと、生活保護制度は制度疲労を起こしておると、こういうふうに明確に書いてあります。市長の皆さんの御意見でございます。そして、どういうところに問題があるかというと、まず制度上の課題として一番最初に書いてあるのが、「「自立の助長」としての機能が不十分」だと、こう書いてあります。私どもの今度の御提案は正にこの辺のところを申し上げたつもりであります。 それから、国保についても先ほどいろいろお話ございましたけれども、この国保については本当に市町村が悲鳴を上げている。これはもうみんなお互いに承知しているところでありますから、ここを何とかしなきゃいけない。 そして、先ほど、じゃ都道府県どうだというような、権限どうなんだというお話もありましたけれども、したがって、この保険者を市町村から都道府県に移そうかという御議論もあることは承知いたしておりますけれども、そうした御議論なども今後いろいろと検討させていただきながら私どもの答えを出していきたいと、こういうふうに考えております。
○森元恒雄君 次に移りますが、今回の三位一体の改革の中で関連して各省からは、負担金あるいは補助金を廃止できないけれども交付金化したいという案が幾つか出ております。私はそれも一歩前進だとは思いますが、問題は、単なる名前のすり替わりであれば何の意味もありません。交付金と名の付くものにも、現存する交付金という名の付くものにもいろんなタイプのものがあります。私は、交付金化を三位一体の改革の流れの中で、そのものとは思いませんが、その流れの中で地方分権化の方向でやるというなら、限りなくその配分は標準的な客観的数値で配分する。そしてまた、その使途についても、一定の枠は設定するにしましても、その中での箇所付けとか設計変更とか精算とか、そういうものは一々やっていたんでは補助金、負担金と何ら変わりませんから、原則としてやらないと。 そういう意味では、現在の交通安全特別交付金というのがありますが、これが交付金の中では一番私から見て理想に近いものではないかと思います。交付金化するなら極力交通安全特別交付金的なものにしてもらいたいと思いますが、これ、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、地方の裁量権を拡大していくと。中央が、これをやれば出しますよと、あれをやりなさいと言うよりも、まとめてある程度裁量権を地方に与える、そういう指示で対応した方がいいと。御指摘のとおりだと思っております。
○森元恒雄君 次に、若干それに関連してお聞きしたいと思いますが、先ほども話が出ましたが、地域、地方をどう再生するかというのが私は大きな問題にいずれなってくると思います。現在のように、民間にできることは民間にという路線で改革を進めていけば、どうしてもハンディキャップを負っているといいますか、条件の恵まれない地域は取り残されてしまうおそれがあります。さらに、日本全体が少子高齢化していく中で、地方のそのテンポは更に、現在もそうですけれども、一段と加速化されてくる。どういうふうにして自分たちが生まれ育ったふるさとで生涯を安心して生活できる基盤を作るかと。大問題だと思うんですね。 その中で、地域再生本部が今いろんな試みをやっておられます。そのことは評価いたしますし、それも大事なことだと思いますが、ただ、それだけで本当にこの大きな、今、国の中で起こっている流れというものが止められるだろうか、反転できるだろうかと、いささか疑問に思います。政府が直接手を下せる分野というのは極めて限られているんだろうと思うんです。 そんな中で何ができるんだろうかと私なりに考えますと、一つは、道州制の議論が今検討始まっておりますけれども、道州制の導入ではないかと。これは、一対四十六を一対十のような、あるいは一と十が並ぶような構造に日本を変えていくという意味で一つのインパクトがある施策ではないかと。 そしてまた、日本はこれから科学技術立国、それの力で産業経済を下支えしていくというか引っ張っていくということが不可欠だと思いますけれども、そういうふうに考えましたら、教育予算あるいは科学技術振興予算を地方に重点的に傾斜配分するというような思い切った措置が必要ではないかと。 それ以外にもしこういう方策があると言うんならお聞かせいただきたいと思いますが、私の考えるところ、大きな柱としてはそういう二つではないかなと思っておりますが、この点についての総理の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 道州制の議論については、これはまだどういうものかということについて分かりにくい点がたくさんあると思います。 まず、どの県を統合していくのか。国全体を十程度という話でありますが、今の衆議院の制度のように、比例ブロックのようなああいう形で県を統合していくのか。あるいは、その統合した場合に、県議会と市町村議会の関係はどうなっていくのか、国と。国の役割、道州制の役割、これをどうやって持っていくか、なかなか議論が集約しておりません。国民もまだ分かっておりません。地方の方々も、じゃおれの県はどこの県と一緒になるのかというのも分かっていません。県議会と市議会の関係はどうなっちゃうのか、町村議会と。要らないのか、一つになるのか。国会議員と地方議員との関係はどうなるのかということも、まだどういうものか提示されておりません。 そういう中で、私は、道州制をそれはやりたいという人はかなり私のところにも言ってきます。検討しろ、具体案を示せという中で、私はそれだったらば北海道を考えたらどうかということを言っているんです。北海道は、これから将来道州制が仮に導入されたとしても、北海道の地域をよその県と付けるとか、あるいは北海道の地域を分割してよその地方に付けるとかいう案は出ないだろうと。そういう可能性は高いというから、まず道州制を考えるんだったらば、北海道だけは北海道自身の単位で道州制が仮に導入されたとしても存在するのではないかということから、それでは北海道が、もし道州制が検討された場合、北海道の自治権、裁量権、役割を拡大したいんだったらどういう方法があるかよく検討して、政府に持ってきてくださいということを今投げているわけです。 そうすると、北海道の道議会議員と市町村議会の関係は分かってきますし、北海道には国の出先機関があります。北海道の道庁、北海道庁と国の出先機関との役割の問題、国家公務員と地方公務員との役割、こういう点について北海道が自らの権限、裁量権を拡大したいというんだったらば、その国の出先機関をどう考えていくのかということもあるから、北海道自身で提言を出してくださいと言っているんです。 そうすれば、おお、北海道の裁量権、自治権は拡大したなと、こういう形で、将来、国の役割と道州制の役割はなるのかというのはほかの地域でも分かってくるだろうということで、私はまず、北海道がその自らの裁量権、役割を拡大したい、道州制を望んでいるんだったらば、提言を出してください、それが先だと。国全体の道州制というのはまだ現在、具体案がまだ出せる段階ではないだろうということから、北海道から始めた方がいいのではないかということで、今、北海道の提言なり具体的な裁量権の拡大、こうしてほしい、ああしてほしいということについて積極的に対応してほしいという指示を出しているところでございます。
○森元恒雄君 一点、地方財政についてお聞きしておきたいと思いますが、昨年の地方財政対策が余りにも地方にとって厳しいものになったために、今年も地方団体、また同じようなことが繰り返されるんではないかと。特に財務省の方から、先ほども話が出ていますように、財政計画と決算の乖離、特に財務省に言わせれば、過大計上があるから削るのは当然だという話があります。 それから、二年で七、八兆円圧縮するというような話が正式に出されておるわけでありますが、そういうことがもし現実なことになれば、もう私は、去年の状態で数年横ばいで仮にいったとしても、相当再建団体が出てくるんではないかということを懸念しておりますが、もう本当に、加えて、去年の三兆円に加えてそれを上回るような、あるいは少しでも更にマイナスをするというようなことになれば、地方団体はもう成り立っていかないと、もう悲鳴に近い声を上げております。 是非、この三位一体の改革の中でも、十七年、十八年については、地方の財政に配慮して、適正な規模を確保すると書かれておりますが、是非、財務大臣から、去年のようなことはしないと、今年は地方財政の一般財源は削らないということをこの場で明言をしていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、この間作られました三位一体の方針が出ましたけれども、その中で、必要な財源は確保すると、適正に確保するという表現だったかと思いますが、載っておりますので、私どももその方針にのっとって麻生大臣とよく御相談してまいりたいと思っておりますが、しかし、減らさないと明言せよとおっしゃられますと、やはり国、地方の財政が非常に厳しいときでありますし、三位一体も、地方の自主性を高めるものであるとともに、その両方の財政をスリム化していって立て直していこうという意図が含まれているわけでありますから、スリム化の努力も私は併せてお願いをしなければいけないと思っております。
○森元恒雄君 私の言いたいのは、国の方も確かに努力はしておられますけれども、地方の方の一般財源のカットの方がはるかに規模的に上回っているんです。特に去年は、先ほど申し上げたように、三兆円ももう既に一回で削ってしまった。率にして一般財源で一二%です。これでは本当にまともな予算組めるかと。それも、年末押し迫って突然そういう数字を突き付けられて、予算組めないというところが続出しました。実際どうしているのかといえば、なけなしの、とらの子の基金を全部はたくと、基金がないところはやむを得ず赤字予算を組むという状態に追い込まれております。 削らなくていいと私は言っていませんけれども、去年どおんと削っちゃったんだから、横ばいでいっても去年のあのひどさが継続しているんです。回復するわけじゃないんです。そこのところを考えて、来年度の地財対策をしっかりと組んでもらいたい、一般財源は削らないでもらいたいと、こう申し上げておるんで、総務大臣にも決意のほどをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) もう一回財務大臣に聞いてほしかったんですが。 今の森元先生のお話のところで出てくるところでいけば、二年間で地方税七兆、八兆削るということは、二年間で国が三十兆の赤字公債、全部削ってみせたら地方も考えてあげますよと、まあ簡単に言えばそれぐらい極端な話だろうと、多分地方の受け止め方はそんな感じだったろうと、私自身はそんな感じがしております。これは、御本人には申し上げましたし、いろいろ申し上げたところでもありますので。 あれを実際実行いたしますと、今言われましたが、昨年、今年度の分が一二%のマイナスというのの約二・七、八倍になると思いますので、とてもじゃないという数字だろうと思っております。したがいまして、私どもとしては、この種のお話は、少なくとも、今年度に、十七年、十八年度で見ますと、少なくとも地方に案を考えるという総理の決断で、地方に案を考えさせる、出てきた。昨年は一兆でお返しは約四千億、今年三兆出てきたらお返しは一兆というんじゃ、それは二年続けて、三年続けてその種の手口が通る話ではないと基本的にそう思っておりますので、少なくとも十七年、十八年度につきましてはきちんと総額を確保していただくということでないと、総理としては真摯に受け止めて、その差額は埋めないで、差が出ますので、御存じのように、その差を全然埋めることをしないということになりますと、これは幾ら何でも地方としてはとても成り立つ話ではないということだと思いますので。 ここのところに、十七年、十八年度は、地域において必要な行政課題に対しては、適切に財源措置を行うことなど、基本方針二〇〇四年を遵守することとし、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保すると明記されたのが、この間の、二十六日の日の話のことであります。 したがいまして、私どもとしては、地方としてスリム化をする努力をされるのは、これは当然のことなんであって、これまでも毎年一兆円ずつぐらい、この数年間見ましても毎年一兆ずつぐらい頑張ってきておられるのが地方と思っておりますので、そういった意味では、私どもとしては、今後とも引き続き努力するのは当然のこととしても、地方というものがきちんと成り立つような上での財源措置が必要と思っております。
○森元恒雄君 私は、大げさに言えば、もう地方の国に対する信頼感が切れ掛かっていると思います。これまで国がいろんな状態に直面して困った事態になったときには、国と地方は車の両輪だと。片方がおかしくなったらこの国はまともに成り立たない、地方も是非協力してくれと言って、いろんなことをお願いしてきたわけですね。地方はそれに、私はそれこそ真摯に地方はこたえてきたと思うんです。しかし、それを今、どんと後ろから背中を突いてどぶに落とそうとしている、もう落とされ掛かっている。そういうことの是非ないように、しっかりと地方と国が手を取り合って、信頼関係を築いて国政の運営を万全ならしめると、この決意で是非臨んでいただきたい。 再度、じゃ、財務大臣に決意をお聞きします。
○国務大臣(谷垣禎一君) また御指名をいただきましたんでね。 いや、もちろん、今、森元委員がおっしゃったように背中をどんと押そうなんという気持ちは、私はございません。やはり、それは国も地方も成り立っていくような形で物事を考えていかなければいけないと。先ほど決まりました方針の下で麻生大臣とよく協議していきたいと思っておりますが、一つ申し上げたいのは、昨年も一二%カットされたというお話がございました。地方財政計画は、小泉内閣になりましてから、平成十四年度一・七兆、平成十五年度一・四兆、平成十六年度一・五兆という形にこれはスリム化の努力をしていただいている、事実でございます。 で、昨年一二%とおっしゃいますが、昨年は一・五兆の縮減でございまして、なぜ一二%とおっしゃるような数字が出てきたかと申しますと、税収も一・四兆増えました。ですから、この差額と、歳出と歳入のその差額が、今おっしゃったような、縮んできたものですからカットしたと。それが一二%というような前年度に比べると数字になっているわけでございまして、そこのところだけを取り上げておっしゃるのは、森元委員のように地方財政よく御承知の方の御発言としては、もう少し別な数字も言っていただきたいなと思っているわけでございます。
○森元恒雄君 そこまでおっしゃられたんで一言だけ私も。 それは、おっしゃられたとおり十分承知しております。しかし、それはやっぱり東京都を始め財源の豊かなところはそういうメリットを受けるんです。しかし、そうでない、もうかつかつで財政運営を強いられているところは、元々そういう状況にあるところは物すごく、もっとむしろ拡大して影響を受けるんです。そこのマクロとミクロのこのとらえ方が違うんだということも十分踏まえて、すべての団体に、うまくいくように措置を考えてもらうというのが国の在り方ではないかと、再度申し上げておきたいと思います。 それから、先ほど来、長期の財政運営についての質疑がございましたけれども、私もその点で一、二申し上げたいと思います。 で、財務省が出されましたその十年後の財政見通しの中で、歳入歳出の均衡を、基礎的財政収支の均衡を図るためには社会保障費などを大幅に、具体的には三分の一ですけれども、カットしないと増税しない場合には均衡しないと、こういうのを出しておられます。それは、単純計算ではそうなるんだということではそうなんでしょうが、私が申し上げたいのは、現在の財政からカットする必要がある部分というのはその範囲ですけれども、私から見れば、今後の日本の状態を考えたときに、むしろこれから拡大していかなけりゃいけない部分もあるんじゃないかと。それは何かといえば、一つは少子化対策であり、一つは教育費であると思います。 少子高齢化とよく言われますが、高齢化も大問題でありますが、それ以上に私は日本に長期的な影響を大きくするのは、少子化の方ではないかと。二〇五〇年には九千万人を割るんじゃないかと、二一〇〇年には五千万人を割るんではないかという推計がございます。こういう状態になったとき、果たして現在の日本というのがこういう今の姿で成り立ち得るのかということさえ心配するわけでございます。 少子化対策は少々てこ入れしても、二・〇七%まで合計特殊出生率が回復しないと総人口は止まらないんです、減り続けるんです。一日も早くこの出生率の低下を止めないといけない、国を挙げて取り組むべきではないかと思いますが、総理の決意のほどをお聞きしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在の趨勢が続けば五十年後には九千万人、百年後には半分ぐらいになってしまうと。現在の趨勢が続かないように今、努力しているわけです。 五十年後、百年後を見通すというのは非常に難しいわけでありますが、我々としては、この少子化対策、少子化傾向をどのように食い止めて、子供を持つことの喜び、また育児というものに対する負担を軽減して子供というのはやっぱり社会の宝であるんだというような認識を持って、親御さんたちの子供を持つ喜びというものも含めた少子化対策全体というものを、単に厚労省だけじゃない、文科省、各省庁連携しながらこの少子化対策を進めて、今よりも少しでも出生率を高めていく努力をしていかなきゃならないと思っております。
○森元恒雄君 なぜ、若いお母さん方が今までのようにたくさんの子供さんを産み、育てようとしないのかと。いろんなアンケート調査ありますけれども、それを見ておりますと、いずれも七割以上の人がやっぱり今の時代、子育てに大変お金が掛かるということを真っ先に挙げておられます。 単に出産、育児だけではなく、大学まで含めての教育費ということを考えますと、一人の子供を育てるのに一千万、二千万というお金が掛かる時代でございまして、やはり私は、育児対策を強化するということとその教育費を削減することが、負担を削減することが大事じゃないかと。 教育費の予算を見ますと、日本はOECDの加盟国の中で残念ながら最下位クラスであります。公費の投入費がGDP比で三・五%ぐらい、OECDの平均が四・八%であります。もしこれをOECD並みに上げようとしますと六兆円ぐらいの教育費予算を増額しないといけないんです。相当これは力を入れて取り組まないとそういう水準には、こういう厳しい財政状況の中ですからできないと思いますが、この点について文部科学大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 今、森元委員御指摘のように、OECDの調査によりますと確かに日本は最下位ということになっていますけれども、ただ、この数字は、GDPに占める公財政支出の割合、あるいは教育制度の相違、人口に占める子供たちの割合と、要するに、子供たちが多いか少ないかとか、あるいは私立が多いか少ないかとか、そういったことで国によっていろいろ違うわけでございまして、単純な比較は困難であると、このように考えていますが、しかし、御指摘のように、いずれにしても教育というのは未来に対する投資でありまして、教育をおろそかにする国に未来はないと、このように考えているわけでございまして、非常に苦しい厳しい経済情勢でありますけれども、これからの日本をしょって立つ子供たちの教育という観点から教育費の確保ということについてはこれまで以上に頑張っていかないかぬと、このように考えておるところでございます。
○森元恒雄君 今、少しちらっとお話ありましたけれども、ヨーロッパの国々は幼稚園から大学までもうほとんど国公立で、授業料がほとんど掛からない、そういう状況でございます。それに対して日本は、私学のウエートが高い、さらにその私学の授業料負担が重いと。公私間で三、四倍も格差があります。これはやっぱり放置できない問題だと思います。 私は、そういうものも含めて、更に文部科学大臣には頑張っていただきたいと思いますが、やっぱりそういう中で、この財政の均衡を図っていくもう一つの課題を達成するためには、国民の皆さんにも少しずつ負担をやっぱりお願いしていく、いかざるを得ない部分もあるんじゃないかと。しかし、国民が増税に反対するのはなぜかということを、この際、我々真剣に考えないといけないと思います。 やっぱり、基本的には、国に対する信頼が国民自身も薄れておるんではないかなと。この国民の信頼取り戻すためには、情報をオープンにしてガラス張りの国政を推進するということが基本的に大事じゃないか。もう一点は、身近な行政はできるだけ住民の目の届きやすい地方で行うと、地方分権を更に進めていくと。この二つが大事じゃないかと思いますが、その二点を申し上げまして、質疑を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
○委員長(鴻池祥肇君) 午前の質疑はこの程度として、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十五年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○羽田雄一郎君 民主党の羽田雄一郎でございます。民主党・新緑風会の同志の皆様にお許しを得て、小泉総理、また関係大臣に質問をさせていただきます。 今年は例年になく自然災害が多発しております。豪雨、そして台風、私の地元でありますまた浅間山も噴火をしたり、地震、新潟に続いて、つい先日も北海道でも大きな地震が起こりました。各地で大きな被害が出ていることについて、関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた皆様に御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 小泉総理も現地を視察をされました。新潟中越大震災だけでも三兆円の被害があると新潟県の試算では言われております。小手先の予備費対応のようなことではなく、国民の命と安全を守り、安心していただくためにも、民主党が再三求めてきた補正予算を直ちに組み、激甚災害指定だけでは不十分な措置について、特別立法化も含めて考えるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。総理、お願いいたします。財務大臣から、財務大臣から。
○国務大臣(谷垣禎一君) 補正予算を早く組めということだと思います。 私どもも今災害復旧額の把握に努めておりまして、そしてある程度この見通しが立ちましたら補正予算を出すということで、今一応想定しておりますのは通常国会冒頭ということでございます。 それで、今委員もおっしゃいましたように、何も通常国会まで待つ必要はないじゃないかと、年度内にやれという御主張がありますが、今私のところにも新潟等から知事さん、あるいは首長さん、議員の方々などお見えになりますが、一番の問題は、なかなか、細かいところに至るまで事実把握がなかなかできないということで、それぞれの職員も一生懸命やっているんだと思いますが、それをまずはっきりつかむことが大前提だと。そうでありませんと補正を作っても対応できないということがございます。 ただ、今までやってきたことを申し上げますと、緊急に必要となる経費については、この間、新潟県中越地震等の災害に関する予備費使用を決定いたしました。それから、当初予算や予備費で対応した以外の被災箇所でも、復旧等の迅速な対応を図る観点から、緊急に復旧等が必要な箇所については事業費が確定していなくても応急工事等に着手が可能である、査定前の着手は可能であるということを各主務大臣から地方公共団体等に指示しております。 そういう形で万全を図っておりますので、実務的にまず早期の災害の把握に努めたいと思っております。
○羽田雄一郎君 新潟でも、もう既に補正予算を新潟県で組んでいるということでございます。また、谷垣大臣は、この新潟大震災が起こる前にもう既に今まで以上に掛かっていると、そして予備費も使っていかなくちゃいけないかもしれないというようなお話をされている中で、この新潟大震災が起こり、そして北海道でまた地震が起こっているということでございますので、早急にやはり今年、年内じゅうにもう補正予算を組んでいくんだというような決意をしていただきたいと思っております。 総理、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今年は特に台風の被害も多く、地震あるいは噴火と、自然災害で被害者が多く出ております。この対策に対しまして、今、財務大臣答弁いたしましたように、必要な費用、これに対しては地元の実情をよく聞いて対処しますが、補正予算ということではございますが、これはやはり早くても通常国会になるだろうということでございます。よく実情を踏まえまして、必要な支援措置を予算面でもきちんと対応していきたいと思っております。
○羽田雄一郎君 総理はこの新潟の大震災が起こったとき国際映画祭に出席をされていた。そして、起こってすぐ退席しないで、一時間ぐらいいたと言われている。そして、そのお答えに、関係者に申し訳ないからというようなことを言っていると。 アメリカのブッシュ大統領、同時多発テロが起こったとき、フロリダの小学校にいたんです。ところが、テロが起こって二十分間そこにとどまっただけでも大きな批判を受けた。しかし、四十五分後にはもう記者会見をして、国民に安心してくれという、私が先頭に立ってやるんだということをしっかりと訴えている。 総理はそのまま公邸に帰られて一日は出てこなかったという、この日本とアメリカの差、そしてリーダーの在り方として、しっかりとこの今年の集中的な災害についてリーダーシップを取っていくということをもう一度お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あの日はちょうど国際映画祭で、私があいさつをした後、新潟で地震が起こったという情報が入りました。 私は、情報は随時入れるようにと、被害等の面におきましても随時対応ができるようにするからと。そして、私は東京におりましたから必要な対策はきちんと打つと、官邸にいなくても担当者がしっかり対応をしておりますから、しかるべき対応は取れたと思っております。東京にいる限りは随時情報が入ってきておりましたし、その式典終わるまでにも私は、しかるべき情報は既に入っていましたから、何ら私の対応に落ち度はないと今でも思っております。
○羽田雄一郎君 いや、姿勢の問題を言っているんであって、その説明をしてくれという話ではないんです。もう時間稼ぎみたいな話はしないでいただいて、私は国民に安心を与えるのが総理の役目じゃないかという話をしているんで、まるっきり話がかみ合わないんで、次の質問に移りたいと思います。 決算についてでありますけれども、参議院は衆議院のカーボンコピーとか参議院不要論ということが聞かれる中で、参議院議長の下設置された参議院改革協議会の提言によって、今臨時国会中に、しかも次年度の予算が出てくる前に十五年度決算の議論をスタートすることができたことは、良識の府として、参議院としてうれしい限りであります。衆議院が予算で優位に立つのであれば、参議院はそれをしっかりとチェックをして次の予算編成に反映させるという役割を担っていくべきなんだろうと考えております。 会計検査院の在り方についても、単に税金の無駄遣いや役所の不正な経理を報告、指摘するだけでなくて、参議院に直結されることによって、不正等が見付かったらその都度参議院で審議をし、そして不正や無駄についてお金を返還させる、告発する、翌年度の予算を自動的に減らす等、その権限を参議院に持たせることで会計検査院に期待される機能が果たせるのではないかと考えます。 参議院改革協議会では、ODA経費の効率的運用に資するために調査団も派遣も提言され、そして委員長も行かれましたけれども、実行されました。日本の顔の見える援助、援助国の国から喜ばれる援助が必要であり、世界の平和を求める立場にある日本としては、軍備を増強又は輸出している国などには援助しないことにより軍縮と平和を促進できると考えますが、いかがでしょうか。参議院から閣僚に出ていらっしゃいます三期生のお二人にまずお伺いをさせていただきたいと思います。 ハイチに私一緒にお伺いをさせていただきました、ODA視察。谷垣大臣も団長として一緒に行かせていただけたわけですけれども、南野大臣からまず今の決算の在り方、ODAの在り方について一言いただきたいと思います。また、本日、我々共生社会調査会で努力をしてきたDV防止法、これも施行されました。そのことについても一言感想があればお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) まず、国際派である羽田先生に、ありがとうございます。 私は、まず参議院のことでございますが、良識の府として民意を多角的に反映するという重要な役割があると考えております。そのためにも参議院の独自性を打ち出す方策を検討することは極めて重要であり、長年我々が参議院としての独自性を取るためにこの方向を目指してきたということは先生も御存じだと、お仲間だと思っております。 この参議院の決算重視につきましても、参議院改革協議会で検討され、決算の早期審査のための具体策について報告されたところでございますが、国家予算がどのように使用されているかを十分に吟味して、これを翌年度予算に反映するということは、国の予算執行や施策の在り方を見直していく上で極めて重要であると思います。この役目を参議院が担うということは大変意義のあるものだと思っております。 もう一つの御質問でございますODAについてでございますが、特に私の思い入れは、ODAは女性に対して、子供に対して、先生と御一緒に同行させていただいたハイチはエイズの問題が大変困ったこと、続いております。そういった問題についても、ODAをどのように適切に使われているかということをチェックするのも大切なことであり、それも参議院が主導を取ってやったということもやはり参議院の独自性を打ち出しているというふうにも思っております。 さらに、お尋ねのDV法でございますが、先生は愛妻家でおられますからそのようなことには影響ないと思いますけれども、DV法という問題については、あれは男性も女性もどちらにも目を向けていく課題でございます。女性だからという課題ではございませんが、このたびも改正をさせていただきました。そういった中では、やはり女性の心身の安全、暮らしという問題が一番大きな問題であり、それも今私が携わらさせていただいている人権問題に大きく影響があるものと思います。 ありがとうございます。
○羽田雄一郎君 次に、外務省とドミニカの入植の問題とかで、まあやり合って大変力強い思いをしたわけですけれども、尾辻大臣の方からも是非、決算のことについてお答えください。ODAも。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私たちはずっと長いこと決算の参議院ということを言ってまいりました。言わばその悲願が成って、今日こうしてこの時期に決算審査が行われるということを大変感慨深く存じます。この審査が是非実りあるものになって、新年度予算により良く反映されれば、こんなうれしいことはないと一人の参議院議員として思います。
○羽田雄一郎君 それでは、外務大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 我が国のODAの在り方につきまして、参議院の皆様方が現場に行かれ、かつその報告書を出していただいたということに対して、まず心から敬意を表したいと存じております。 うまく使われているのかどうか、本当にニーズに合っているのか、またそのことが先方の国の国民などにもちゃんと知れ渡っているだろうかどうだろうか、かねてよりの御指摘でもございますし、また私どももその点については十分注意をしなければならないということでございます。 昨年の八月にODA大綱というものを私ども決定をいたしまして、ただいま委員御指摘のような諸問題、諸外国における広報でありますとか、あるいは先ほどのエイズ等々、本当に必要な分野にこの援助が使われているかどうか、常に心しながら、大綱に沿い、さらには国別の方針に沿って、より透明性の高い、また国民にも、日本の国民にも理解される、そういう援助を実施するように努めてまいりたいと考えております。
○羽田雄一郎君 今までのお話を聞いた中で、総理、是非御発言をお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ODAの必要性は大方の方々は理解を得られても、その使い方、あるいは効果的、効率的にどう使用されているかについては、常に国会で議論されてきたところであります。しかし、海外で各国首脳あるいは国際社会での多国間会議、出席して痛感していることは、いかに日本のこのODAが多くの国々から高い評価を得ているか、痛感しております。 ODAの見直しは当然でありますが、このODAというものが、各国の貧困削減あるいは保健・医療対策、教育対策、人道支援、復興支援、こういうものに今後も評価され、効率的に使われるように、不断の見直しが必要だと思っております。
○羽田雄一郎君 是非、有効に使われるようなことを、しっかりとチェックをしながら進めていただきたいと思っております。 次に、スペシャルオリンピックス、来年行われるわけですけれども、総理、先日、アーノルド・シュワルツェネッガーさん、カリフォルニアの州知事が総理を表敬されました。そのときに、多分スペシャルオリンピックスの話があったんではないかと思っております。 来年、二〇〇五年二月から三月にかけて、世界八十か国、三千人を超えるアスリートが、一九九八年に冬季オリンピックとパラリンピックを成功させた我が長野にやってきます。長野県にやってきます。参加アスリート、そしてその家族、ボランティア、この数を足すと、オリンピック、パラリンピックよりも多くなるんではないかと、参加人数がですね、言われております。 知的発達障害を持ちながらも、それを乗り越えて、我々に感動を与えてくれる国際大会であります。国会としても、スペシャルオリンピックス冬季長野大会支援議員連盟を立ち上げ、河野洋平会長の下、超党派で何とかこれを成功させようと活動してまいりました。今臨時国会では、我々の推進してきた法案も成立させていただき、円滑運営に一歩道が開けたところであります。 総理は、ドキュメンタリー映画の「エイブル」、そして「エイブル2」と二本あるわけですけれども、これをごらんになったでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 「エイブル」は見ておりませんが、先日、シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事が来日したときに、そのスペシャルオリンピックスの話が出ました。というのは、ケネディ元大統領の姉上がこのスペシャルオリンピックスに実に熱心で、そのめいごさんですか、御縁戚がシュワルツェネッガーの奥さんだと伺っております。そういうことから、そのスペシャルオリンピックスの話題になりまして、是非とも成功させようと、日本で行われるので私もそれを楽しみにしていると、支援していきたいと、そういう話をいたしました。
○羽田雄一郎君 まだごらんになっていないということでございます。これ、是非見ていただいて、もうこれ見るだけで感動して、私も涙するぐらいでございまして、きっと皆さんも参加してみたいと思っていただけるんではないかなと思っております。是非御理解を深めていただき、政府としてもこの大会が円滑に開催されるよう、そして大成功して終われるように御支援をお願いしておきます。そして、一人でも多くの国民の皆さんが知的発達障害に対する理解を深める機会にしていただきたいなと考えております。 シュワルツェネッガー知事も、あの名ぜりふ、アイル・ビー・バックという言葉を国民の皆さんに残して、理解と参加の輪を広げるよう呼び掛けて帰られました。是非、総理、認識と、もう一度国民の皆様へのメッセージをお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、あのパラリンピックの皆さんの姿を見まして非常に感動した一人でありますし、激励会にも、あのパラリンピックに参加している方々、自らの障害を苦にせず、これをいかに克服していくかという姿というのは、多くのいわゆる障害を持っていない方々にも勇気を与えているし、もちろん障害を持っている方にも大きな励ましになるんではないかというお話をしたところであります。非常に皆さん頑張っておられる、こういう方々に対してできるだけ多くの国民が支援できるような、そういう環境、制度を作っていくべきだと考えております。
○羽田雄一郎君 次に、エイズ、そしてHIV感染者の拡大についてお伺いをしていきたいと思います。 昨日、十二月一日は世界エイズデーであり、今週は世界エイズウイークであります。理解を深めていこうという、そして差別をしないということをいろんな形で、国内でも多くのチャリティーイベントなどが開催されておりますし、エイズに関する正しい知識による感染の防止と間違った知識による感染者や患者への差別の問題、これが広く国民に再認識される週間にしなければならないと思っておりまして、尾辻大臣もレッドリボン今日お付けいただいておりますし、私も付けておりますけれども、これは理解をして差別をしないというあかしであります。 そういう中で、二十代、三十代の若者のエイズ患者やHIV感染者の拡大が見られる。五年、十年の潜伏期間があるということは、もう十代で既にHIVに感染していた可能性というのがあるわけであります。これは少子社会において我が国の将来を危ぶむ大変大きな問題と考えております。 十月二十一日の予算委員会で、我が党の前田議員が政府参考人に質問をしました。その答弁で、若者の感染報告数は近年は急増という状況ではないというような認識を示されました。若年層の性動向や、また潜在的感染者数を考えれば、そのような認識は甘いとしか言いようがありません。 厚生労働省だけではなくて政府一丸となって、広報の充実、そして検査体制の改善に取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。総理、お願いします。いや、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 近年、日本においてもエイズの感染者が増加しているという報告は受けております。また、国際会議におきましても、このエイズというのは一国だけの問題じゃないと、世界全体が危機感を持ってこの予防、防止、現在の被害者救済に当たるべきだということはいろいろな会議で多くの国が話題にします。これはもう先進国、発展途上国問わず、この問題深刻に考えております。 こういう問題に対しまして、日本国内でやらなきゃならないこと、国際社会と協力してやらなきゃならないことをよく検討いたしまして、少しでもこのエイズの怖さ、エイズによって大きな被害を受けている状況、危機感を持って、これが拡大しないように更に努力を重ねていかなきゃならないと思っております。
○羽田雄一郎君 エイズの怖さという話をされましたけれども、エイズが怖いという植付けをしてしまうといけないと思うんですね。そうではなくて、早期発見、そして治療によって発生の抑制もできるということでございます。是非これはもう、少子社会においてこれが拡大していく、潜在的にどんどん拡大していくというようなことになったら、日本は成り立たなくなっていくわけですね、この日本が。ですから、そのことを踏まえて、政府一丸となって考えていただきたいと思いますし、総理のリーダーシップに懸かっておりますので、尾辻厚生大臣とともによくお話を伺っていただいて頑張っていただきたいと思っております。 それでは次に、BSE、狂牛病ですね、このことについてお伺いをさせていただきたいと思います。 国民の皆さんは、全頭検査によって日本の牛肉に対する信頼をやっと回復しています。日本では、今年の四月から、実は四月からなんですね、四月からやっと死亡牛まで含めた全頭検査をスタートしたばかりなんです。しかも、農水省は、この政策評価、これにAランク、これを位置付けていると。それにもかかわらず、それを自ら今放棄しようとしております。 九月二十一日には、小泉総理とブッシュ大統領との会談で、両者が早期輸入再開のコメントまで発表しております。これはブッシュ大統領再選の後押しということを言われているわけですけれども、同じころ、実は島村農水大臣は、大臣就任直前でありましたけれども、外食産業の業界団体幹部と一緒に細田官房長官の下を訪れ、牛肉輸入早期解禁に向けた陳情をしていたと言われております。 つまり、輸入再開ありきの総理と、外食産業の皆さんと輸入早期解禁の陳情をした後に任命された農水大臣、このお二人で本当に日本の食の安全とそして安心が守られるのか疑問に思います。輸入再開についての見識をまず、これはもう尾辻大臣に聞くしかないと、尾辻大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) この問題は、私はポイントは二つだと思っております。科学的知見に基づいてちゃんとやるということと国民の皆さんの御理解を得るという、このポイント二つだと思っております。 そのことを前提にしながら今後の対応を考えていきたいと思っておりますし、この米国からの輸入再開の問題も正に今申し上げたことがポイントでありまして、食品安全委員会の諮問などもお聞きしながら私どもの態度を決めるべきと、こう考えております。
○羽田雄一郎君 それでは、島村大臣、是非御答弁をお願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 本件に関しましては十月五日の衆議院の農林水産委員会で答弁申し上げたところでありますが、実は私は、農林水産大臣就任の前、食品産業議員連盟でございます、これの言わば会長を務めておりまして、御承知のように、牛どんその他を扱って言わば庶民から大変な歓迎を受けていた業界、今やもう本当に四苦八苦、要するに青息吐息が実情であります。何とかしてほしいけれども、少しく国民の方もマスコミ報道その他で神経過敏になり過ぎているけれども、世界の実情は大分違うと。これを、官邸にその趣旨を聞いていただきたいので場を作ってほしいと、こういう要請がありましたので、私は確かに官房長官のところへ案内をいたしまして、業界の代表から官房長官にいろいろな角度から説明をしたというのがそのときのディテールであります。 ただ、その後たまたま、今御指摘があって、何かまやかしがあるんじゃないかというようなちょっと印象がありましたけれども、実はそうでありませんで、私も割と強硬に物を言う方ですから、アメリカとの交渉の中でも、やはり我々も早期に再開したいのはやまやまだけれども、やはり食の安全、安心というのは我々の大前提なので、これを全うするためにも、我が国と同等の措置をしてもらわないとこれを受けるわけにいかないと。あくまで科学的知見に基づいて、それで安全、安心が確認されれば、是非ともできるだけ早い機会にこれを再開したいと。できるだけ早い機会というのはそれらの前提に立っているわけでありますから、誤解を生むものはないわけであります。
○羽田雄一郎君 そうはいっても、官邸を訪ねて、いつまで神経質なことを言っているんですかと、日本人は海外でいろいろなところで大いに食事を楽しんでいるじゃないかと、日本にいるときは神経質になるのはつじつまが合わないと、もうここまで言っているわけでありまして、これではなかなか、本当に日本の食の安心、安全を守らなければならない立場の農水大臣がこんなことでは国民の信頼を得られるのかなという危惧は残るわけですけれども、しかし、しっかりと国民の今の動向を考えても、とても早期に輸入再開という話にはならないわけでありまして、このことを強くお願いをさせていただきたいと思います。 任命権者の総理、今の話を聞いてどう思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは九月のブッシュ大統領と私との会談でも話題になりました。その際に、私は、この問題は政治的判断というよりは科学的知見に基づいて判断すべき問題であると、そして食の安全、安心、これが大事であるということを申し上げまして、そのような対応で今後とも確認して、お互い輸入再開できるような状況になればいいなと、そういう話を申し上げました。
○羽田雄一郎君 科学的見地とかいろいろ話はあるわけですけれども、やはり国民の意識がしっかりと、アメリカの牛肉輸入再開しても安心だと思えなければしようがないわけで、やはりそういうことであれば、国民の皆さんが理解するということが大前提になってくると思いますので、そのことを強くお願いをしておきたいと思います。 続いて、年金制度の在り方についてお伺いをさせていただきたいと思います。 年金制度と今後の社会保障制度についてですけれども、小泉総理は、国民の八〇%が反対している中で、さきの通常国会の、小泉総理というよりは政府・与党ということになるわけですけれども、通常国会で野党の審議権をも奪った上で、総理御自身がいる前で強行採決に出ると。こんなの前代未聞なんですよ。野党の審議がしっかり終わった後ということはあるんですけれども、野党の審議権をも奪った上で、その上で総理のいる前で強行採決していくと。これは、もう総理がもたないから早くやっちゃえというようなことなのかなと思わざるを得ないような節があります。 この年金改悪法案は事実上破綻している制度だという認識を総理はお持ちですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あの審議の過程におきましては、国会対応、これは国会にお任せしているわけでありますから、私はそれに従ったまでで、その審議の様子を見ておりました。 同時に、あの年金改正法案が成立しない限り、ほっておいたら、これは今の高齢少子社会を見る限り、現状維持する限りはとてももちません。だからこそ改革が必要で、自民党、公明党、民主党がお互い改革する方向で合意がされたわけであります。この問題につきましては、党派を超えて率直にどうあるべきかという話合いを私は早く始めた方がいいと思っております。
○羽田雄一郎君 総理も、このまんまではもたないという強い認識を持っているということでございます。 総理は、今も言われたように、三党合意、三党合意ということを繰り返し言われるわけですけれども、あの参議院の厚生労働委員会、そして本会議における強行採決のこの時点で、三党合意なんというものは私から言わせてもらえば白紙なんですよ、あんなものは。あの時点で法案採決をあきらめて、そして将来に向け持続可能な年金制度を三党で作り上げていく、こういうことでなければいけなかったんじゃないかなというふうに私は思っております。 我々、参議院選挙で、そして今日まで、年金制度の抜本改革と、そして介護、医療も含めた社会保障制度を国民が将来への安心を見いだせるようなものにしていかなければならないとずっと訴えてき、そして考えてきました。年金制度一つ取っても、我々民主党は、まやかしではなくて、サラリーマン、自営業など区別なく全国民が所得に応じて保険料を納めていただき、最低保障年金に税を使わせていただくと、消費税も入れますよというようなことをしっかりと言い、将来への安心を得るためにはおいしいことだけ言っているのではどうにもならない状態だということを今臨時国会に提出した年金抜本改革推進法案でもはっきりさせております。 まずは、政府・与党が混迷の責任を取り、あの強行採決は間違いであったということを認め、自分たちの考えを示す必要があるのではないかと考えますけれども、いかがでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう問題があるからこそ、各党で早く協議を進めるべきじゃないでしょうか。 一元化といったって一様じゃありません。本当に、この自営業者始めの国民年金とサラリーマンの厚生年金と公務員の共済年金、一元化できれば望ましいと私も思っていますけれども、その過程ですね、国民は一元化というのをどういう姿かまだはっきり分かりません。 一元化賛成だと言うのは易しいですけれども、一元化やった場合に所得捕捉はどうなるかといった場合に、じゃ納税者番号すぐ言いますけれども、納税者番号もどういうものかまだ分かっておりません。サラリーマン、これは所得把握率はしっかりしておりますけれども、自営業者、収入にしても経費にしても所得にしても違います。しかも、一定じゃありません。あるときは課税される場合もあるし、あるときは課税されない場合もあります。そういうのに、じゃ納税者番号振る場合に、今の金融所得だけ納税番号を振られるのにも嫌がっている人が多いわけであります。その場合、納税者番号、どういう形で納税者番号を持っていくか、これ一つ議論するだけでも大変な議論が起こる問題であります。一元化の問題においても、まず厚生年金と共済年金を一元化していこうという話と、その後に国民年金どうするかという話と、これ一緒にやっちゃうのかという話もあります。 民主党が言っているように、私は正面から答えてあります。すり替えておりません。十分議論、この場、時間ありますから、するんならして結構であります。そういう中で、私は丁寧に答弁しているつもりであります。 その場合に、それでは年金保険料負担している方と、負担しなくても一定の所得を与えて税金でそれを保障しようという場合に、じゃ保険料を払っている人と払っていなくても一定のもらえるというのはどうなるのかと、そういう具体的な問題がたくさんあるからこそ、早く胸襟を開いて率直に党派を超えて年金の重要性を認識しながら持続可能な制度を維持していこうという協議を始めようと言っているわけです。 こういう問題をどう思われるか、質問があれば私は十分時間を掛けて更に答弁いたします。
○羽田雄一郎君 延長してそういう議論を集中審議するということでもいいわけですよ。 この場所で私がお答えを求めているのは、政府・与党が混迷を最初に作ったわけですから、この強行採決は間違いであったということをまず認めて自分たちの考えをしっかりと示すと、そういうようなことが必要なんではないかという話であって、まず、その舞台に上がるまでに、その前に、総理、また与党の方からこの強行採決について三党合意だ三党合意だとか、こっちが乗っかってこないじゃないかという話はないんですよね。我々はしっかりとこの法案も出していますし、議論する土壌は作っているわけです。まずは、前回の国会で強行採決したあれは間違いだったと、そういうところからしっかり入ってこなければ話が前に進まないんだと私は思っております。このままでは来年以降の介護、そして医療保険の改革についても国民不在、そして国民に負担を押し付け、安心も得ることができないものになってしまうのではないかと心配をする次第であります。もう答弁は結構でございます。 次に、小泉総理、臨時国会でもまだまだ積み残してしまっている政治と金の問題があるわけであります。総理自身にも疑惑が掛かった問題があるので、聞かせていただきたいと思います。 総理の政治団体同志会の事務所費問題でありますけれども、今までの総理の御答弁を総合すると、事務所費の二重計上又は家賃収入の未計上による脱税の疑いがあると思います。 この経常経費、このパネルをごらんいただきたいと思います。皆様方には資料を配付させていただいております。(資料提示) 昭和五十三年から平成十五年まで、多いときは一千万、ならすと毎年五百万円程度、事務所費を支出しています。 衆議院での原口議員に対する答弁では切手代や電話代と説明されていました。しかし、参議院で福山議員が同様の質問をすると答弁が変わり、平成十五年に自宅敷地内から自民党神奈川県第十一総支部と同じスペース、外ですね、自宅から外に出たと、スペースに引っ越しをしたので家賃を負担しているというふうにおっしゃいました。 これが事実であるとすれば、引っ越しの後には家賃が発生し、経常経費は増えて当然であると思っております。しかし、引っ越し以前の経常経費とほとんど変わっていないということは何でだろうという素朴な疑問が浮かび上がります。 そして、切手代など、これもう一つのパネルを御用意したわけですけれども、切手代などは別納で、しっかりと領収書付きで政治資金として処理をされているので、この事務所費が切手代や電話代だというのはおかしいんですよ。これは間違いであるというふうに言わざるを得ないわけです。 総理は、前回の答弁で、事務所費は明細を示さなくてよいという理由で内容の御説明はされませんでした。しかし、こうやって切手代だ電話代だと言っていたのが家賃だと。しかし、家賃は十五年に外に出てから掛かっているにもかかわらず増えてなくて、そのまま今まで、五十三年から十五年、変わらないわけですから、それで説明をされないで説明責任を果たしていると言えるのでしょうか。是非、これだけの疑惑を持たれているわけですから、説明責任があると思います。 総理のお金の問題は、今後、私の三番バッターであります、二番バッター、一、二、三ですね、櫻井充議員にもしっかりと答えていただきたいと思いますけれども、まず説明責任を果たしていただきたいと思います。どうぞ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 前にも出た質問でありますが、全く問題ないんですから同じ答弁しかないんです。 さっきの、組織活動、選挙関係、機関紙発行事業、政治活動ですからいろいろあります。年間事務所費の今資料を出されましたけれども、五百万から一千万というのはむしろ少ない方じゃないでしょうか。一般の国会議員に比べて、野党の民主党の議員に比べても、決して特別に多い額じゃないと思います。 また、おかしいのではないかという今までの答弁でありますけれども、私は、衆議院、参議院、同じような質問をされ、同じような答弁をしておりますが、事務所費を二重に計上しているのではないかと聞かれたので、収支報告書に提出してあるとおり、事務所の家賃を二重に計上していることはなく、全く問題ないと答弁しております。 なお、同志会というのは、私の自宅にある場合と自宅から移転した場合がありますから、移転以前は私の自宅の敷地内の建物にあったから、当時から家賃の支出はありません。移転した場合には、これはやっぱり人の建物を借りるわけですから、それは費用を払います。 そういうことにおいて全く問題ないと思っております。後ほど質問があれば、またお答えいたします。
○羽田雄一郎君 私の話したことをまるっきり理解していない。もう幾ら答弁もらっても、国民の皆さんは分かっていると思いますよ、これ、本当に簡単な話ですから。それが全然総理には通じないんで、これ以上やってもしようがないんで、あとは櫻井議員にお譲りをして、私は次の問題に入らせていただきたいと思います。 小泉総理、あなたはイラクに日本の自衛隊を派遣していることの重みを重く感じているのでしょうか。世界唯一の被爆国であり、敗戦からこれだけの経済大国になった日本。我々の役割は、武力ではなく、外交によって世界平和を目指すことではないでしょうか。 総理は、イラクに大量破壊兵器があるとアメリカが仕掛けた戦争にすぐに支持を出し、戦争終結宣言が出されると、サマワは非戦闘地域だと言って自衛隊を派遣すると。総理はイラク復興のために自衛隊を派遣しているとおっしゃっておりますけれども、武器を持ってそして軍服を着た人間、外国人が、外国人の部隊が来れば、一般市民、それを軍人だと思い、恐れを抱いて当然であります。それが本当の普通の市民の感情ではないかと思います。 日本人は五名、そしてイラク全体ではもう何万人もの死者が出ていますが、これだけの人が亡くなった現実をどうとらえているか、総理、お答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 犠牲が出るということは極めて残念でありますが、私は、自衛隊が出ているからイラクの住民がこれは敵視しているという状況に今ないと思っています。現に、サマワにおきましては、自衛隊、継続活動してくれという要請を受けておりますし、自衛隊の諸君もサマワの住民と友好関係を維持して人道支援・復興支援活動にいそしんでおります。 そして、自衛隊は、何よりも武力行使のために行っているわけじゃないんですから、自衛のための措置はしかるべくきちんと取らなきゃならない。その上で、イラクの、今活動しているサマワの地域の生活改善、あるいは多くの方々の困窮している姿を少しでもお手伝いしようと思って頑張っているわけであります。決して占領するものでもないし、イラクの国民に被害を出そうと思ってやっているわけじゃなく、むしろ、いかにイラク人のイラク人による国づくりに対して支援をするかということで毎日大変な苦労をされているわけであります。 そういう点からいって、私は、今の自衛隊の諸君の活動というのはイラク国民からも評価を受けていると思っております。
○羽田雄一郎君 総理は、自衛隊が活動しているところが非戦闘地域であると、そしてその発言がいい答弁であったと自分で褒め上げておりましたけれども、だれが何度聞いても、こんな理屈はあり得ないわけであります。それではもう法律なんか必要ないよと言っているのと同じであります。今の大変な中東情勢の中で自衛隊を派遣している一国の総理の認識だとは情けない限りであります。 十二月十四日に期限を迎える自衛隊の派遣延長についても、まだ決めてない、ぎりぎりまで検討してと言いつつ、撤収に掛かる期間、自衛隊の派遣期間だと、撤収に掛かる期間も自衛隊の派遣期間であるとおっしゃっておりますけれども、それならば、少なくとも撤収には一か月掛かるようでありますから、十一月十四日には決めていなければならないと思います。それでも決めていないというなら、延長が前提にあるから、撤収論が多数派となった世論の中で議論するのが嫌で逃げているという、説明責任を果たさない、いい加減な態度と言わざるを得ません。 我々民主党は、そして他の野党と共同でイラク特措法廃止法案を国会に提出しております。現段階では、自衛隊派遣延長には絶対に反対であると、国民の皆様の前で言わせていただきたいと思います。これについて、総理、何かございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、何回もこの質問に答えておりますし、国会の委員会にも何回も出て答弁しております。説明責任を果たしていると思っております。 私は、これから、十二月十四日後どうするかということについては、そのときの時点の状況をよく見極め、そして判断しなければならない問題だと思っております。先日の委員会の質問にもありましたように、イラク特別委員会には、私は衆議院の委員会にも参議院の委員会にも出席して、その質問に答えているわけでありまして、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域であるという答弁がなぜおかしいのか、私は分かりません。なぜおかしいんですか。 自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である。非戦闘地域以外、戦闘地域では自衛隊は活動いたしません。それを勝手に、自衛隊の活動している地域は非戦闘地域である答弁はおかしい、おかしいと言って、おかしいんならもっと聞けばいいじゃないですか、何でおかしいのかということを。これほど分かりやすい答弁ないでしょう。戦闘地域には活動できないんです、しないんです、イラク特措法によって活動しているんですから。それを勝手に、やって、説明しているのに説明責任果たしていない、改革を進めているのに改革駄目だと、野党だから仕方ありませんけれども、それはよく考えていただきたい。おかしいと思ったら遠慮なく質問してください。十分答弁します。
○羽田雄一郎君 いや、もう答弁を求めさせていただいても、返ってくる答えが全然届かないんですよね、総理の答弁は。いや、質問の意味がまるっきり分かっていただけないので、次の質問に移らせていただきたいと思います。 まあ、同じように北朝鮮日本人拉致問題、イラクと同様に大変重要な問題でありますので、私の時間限られていますから聞かせていただきたいわけですけれども、三回目の日朝実務者協議の結果を受けて、総理はどのような評価をされておりますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まだ納得できる状況でありませんので、更に調査を進めて、誠意ある対応を求めていきたいと思っております。
○羽田雄一郎君 北朝鮮は、八人死亡、二人は入国の事実もないと、従来の主張を繰り返すにとどまっておりますし、横田めぐみさんの写真も見れば偽装写真だと分かるようなものであります。テレビで見ただけですけれども、テレビで見てもこれはおかしいなと、影の方向が違うということでありまして。 こういうふうに、示された情報や物証にも信頼性がないと、そして六者協議の早期再開も拒否している。このような状況の中で、政府は北朝鮮の交渉姿勢を慎重に見極めていただきたいと思いますし、今後の展開によっては食糧支援の再考、これはもちろんのこと、改正外為法や特定船舶入港禁止特別措置法などによる経済制裁、これも視野に入れるべきと考えております。 拉致事件は我が国の主権と日本国民の生命、身体の保護に対する犯罪行為であります。総理はその認識をしっかりと持って、全面解決に向け全力を尽くすよう望んでおきたいと思っております。 いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先般、チリでのAPECの会議におきましても、北朝鮮を除いた日本、韓国、アメリカ、中国、ロシアの首脳が参加した会議におきまして、いい機会でありますので、五者会議だけじゃなくて、ほかのAPECのメンバーも出ていた会議で私は申し上げました。この北朝鮮の問題、日本におきましては核の問題だけじゃないと、拉致の問題もあると。そういう問題がある中で、やっぱり核の問題については六者会議の場を十分活用すべきだと、APECの、いわゆる六者以外のAPECの諸国の首脳に対しましても理解と協力を求めたわけであります。 今回、六者会議の問題におきましても、胡錦濤国家主席との会談におきましても、ラオスでの温家宝総理との会談におきましても、できるだけ早期に北朝鮮側に対して六者協議の開催を求めていくという方向で一致しているわけであります。 まだ年内に開催されるかどうか定かではございませんが、できるだけ早く北朝鮮側もこの六者協議に応じるべきだと、そのことが平和的解決に結び付くものであるということを今後も働き掛けていって、できるだけ早くこの六者会議を開いて、北朝鮮側に誠意ある対応を求めていきたいと思っております。
○羽田雄一郎君 全面解決に向けて全力を尽くしていただきたいと思います。 小泉総理は、今回の改造内閣の使命として、郵政民営化と三位一体を実現する内閣と述べておりましたけれども、国民が求めていることの優先順位、これが誤っているんではないかと思っております。景気対策とか雇用、年金、介護、医療などの社会保障制度、そしてイラクの問題や北朝鮮、この拉致事件、こういう問題。まだ公社化されたばかりの郵政民営化などは、世論調査の順位としては最下位の方であると思っております。 地方分権、三位一体なども、国民の感覚からすれば順位としては低いようですけれども、これは、小泉内閣が二十一世紀の日本の方向性を示すこともせずに、ただ地方六団体に対して根拠なき三兆円の数合わせを丸投げし、地方六団体が出した具体案に対して、丸投げしたはずの小泉内閣の大臣までが官僚に動かされて右往左往すると。自民党も、与党としての責任より、自分たちの権益を守ることに翻弄されているようにしか我々は客観的に見ることができません。 国益を考えないような改革、総理のリーダーシップの見えないこのやり取りでは、到底任せておくわけにはいきません。我々民主党は、地方分権、地域主権の国家を創造し、地域、地方の活性化によって日本の再生を目指しております。十八兆円の補助金を廃止し、これを五・五兆円の財源移譲と、そして町づくり、教育、社会保障、農業・環境、地域経済という大くくりの五分野の一括交付金に改めるという大胆なものを提議させていただいております。この改革によって、この国の形、法体系を抜本的に改める真の構造改革を我々は目指しております。 これからも、我々は、政府・与党に対して、しっかりと対案、そしてまた二十一世紀のビジョンを示しながら進んでいきたいと。そして、早く政権交代をし、我々の政策が実現できるように頑張っていきたいと思っております。 もう時間になりますので、関連質問を神本美恵子議員に譲らせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。神本美恵子君。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。羽田議員の関連として、質問をさせていただきたいと思います。 参議院改革の一環ということで、この決算審査及び会計検査の決算報告が早期提出をされております。 私、三年前に初めて参議院の議員になったんですけれども、そのときから決算委員会に所属をしておりました。たしか決算委員会の審査があったのは閉会中だったような記憶がございます。しかも、九九年度と二〇〇〇年度分を一括して審議が行われておりました。議員になって初めて、こんな昔のことを、しかも二年一遍にやって何になるのかなということを思ったのが率直な感想でございましたし、それから、閉会中、ほかの皆さんはもうみんなそれぞれ地元に帰られている閉会中に、なぜか寂しく決算委員だけが集まりまして審議をしておりました。でも、先輩の皆さん方、本当に熱心に検査院の不当事項の指摘事項などを一つ一つ丁寧に審査をしてありました。しかし、その審査をしても、どこかこんなことをして何になるんだというようなむなしさが漂っていたのも事実でございます。 そういった意味から、今回、本当に、昨年までも先輩の決算委員にかかわってこられた議員の皆さん、与野党超えてです、これは、御努力によって今年は更に早めて二か月前倒しで、今予算編成中、ただ中のこの時期にこの決算審議ができるということは大変有意義なことだということを私の浅い経験の中からも思っております。 では、何のために早めたのかと。ただ早めればいいのかということではない。これも先週の本会議、これ、与野党問わず代表質問の皆さんおっしゃっていましたし、今日も午前中から皆さんおっしゃっています。予算にいかに反映させるかということが大変重要な、私たち決算委員に限らず、政府の皆さん方にも課せられた課題ではないかというふうに思っております。 そういう立場から今日は質問をさせていただきますが、まず、総理は、会計検査院の検査結果が国の決算及び予算に反映するシステムを構築するということを目的とした、覚えていらっしゃるかどうか分かりませんが、国民会計検査院運動の会というのに入っておられるというふうに聞いております。総理になられてからは、二〇〇三年度予算編成に当たって二〇〇〇年度決算検査報告の活用を各閣僚に指示されたということを当時の福田官房長官の記者会見で明らかになさっております。その内容は、自ら率先して透明で効率的な政府の実現のため検査報告事項を踏まえた改革に取り組むよう指示をされたということでございます。 そのときの決算検査報告では、皆さんも御記憶だと思いますけれども、参議院決算審査において、外務省のプール金、それから航空自衛隊の初等練習機の調達に絡んで不適切な入札や契約が行われたということに対して参議院で警告決議を発しております。 今回の二〇〇三年度の決算報告においても、不当事項として指摘されております。たくさんありますけれども、その中で、社会保険庁の金銭登録機の購入をめぐる贈収賄事件あるいは特定検査対象として検査状況が報告されております警察の裏金問題。この前の警告決議と今回の、もう本当によく似ている契約の問題や、それからプール金、裏金というようなことで、本当によく似たまた報告が出されているということです。ほかの指摘事項も合わせると指摘金額は過去二十年間で最高の四百三十億にも上っているという、本当に、何回も言いますが、会計検査院あるいは決算審査が予算に反映されていないということのこれはあかしではないかと思います。 つまり、総理があえて検査事項を踏まえた改革に取り組むという指示をなさったにもかかわらずこういう検査結果が出たということについて、総理のまず所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 会計検査院から是正すべき点が数多く出てきたと、また額も増えていると、遺憾なことだと思っております。 こういう検査が出るまでもなく不断の見直しが各省庁必要でありまして、会計検査院の検査の結果というものについては真剣に受け止めて、是正に今後とも格段の努力をしていくべきだと考えております。
○神本美恵子君 格段の努力、そういう答え方しかできないのかなと思いますが。 今年の通常国会の最後の方に、六月二日ですね、やはり二〇〇二年度決算審査における警告決議が本会議で決議されました。そのときにも、小泉総理は、御決議の趣旨を十分に踏まえ、今後そのような御指摘を受けることのないよう改善してまいりますと、同じようなことをおっしゃっています。そのときの警告決議、御記憶でしょうか。やはり北海道警察や福岡警察の組織的な裏金疑惑、それから年金保険料の福祉施設、スパウザ小田原とかグリーンピアとか様々な問題が指摘されておりましたけれども、そういったものに使用しないというようなことに言及しております。警告決議ですね。 今、二〇〇五年度予算が編成されておりますけれども、この編成に当たって、この警告決議をどのように踏まえてどのように改善されようとしているのか。踏まえて改善してまいりますではなくて、もう少し具体的に答弁いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 具体的に検査の報告というものを各省庁受けて、こういうようなことがないようにするように指示しております。 その点について、毎年同じような答弁ではないかという御指摘でありますが、それだけなかなか難しい問題だと思いますが、この検査の結果というものを真剣に受け止めて不断の改善努力が必要であり、今後もその努力を続けていきたいと思っております。
○神本美恵子君 じゃ、あとちょっと具体的な問題を幾つか指摘しながらどのように改善されたかお聞きした後で、また総理にお伺いしたいと思います。 十一月十九日に国会に提出されました決算検査報告、この中では、警察の裏金問題、社会保険庁の金銭登録機購入をめぐる贈収賄事件について指摘がされております。これらの指摘を受けた警察庁及び社会保険庁を所管される国家公安委員長及び厚労大臣にまずお伺いをしたいと思います。 まず、国家公安委員長にお伺いしますが、決算検査報告の中で、北海道及び福岡県警の裏金調査報告及び返還方針というものが出されましたけれども、それはお読みになっておりますでしょうか。
○国務大臣(村田吉隆君) まずは、会計検査院からの検査報告、それから道警からのその調査報告書が出ておりますが、そういうものについては私は目を通しております。
○神本美恵子君 この決算報告は後で触れますが、その前に、返還方針というのが出されておりますが、その中で、北海道警では一九九八年から二〇〇三年度の六年間に不正に支出された捜査費等の裏金総額が十一億円、そのうち七億一千五百万円を国と北海道に返還するとしております。また、国費に限ると五億一千万が裏金として不正に使われていたということです。 福岡県警の方は、捜査費の不正支出総額が一億七千万、そのうち国費は一億五千百万、法定利息を含めて返還額は二億円を超える。まだこれは確定していないということなんですけれども、そういう状況にございます。これはそれぞれ、北海道警、福岡県警が内部調査を進めた上で、その中でこれだけの不正執行があった、国や道や県に返さなければいけないお金があったということを認めたわけですよね。 この北海道警の場合は、どのようにしてこれを不正に裏金にしていったかといいますと、偽造領収書、架空領収書。福岡の場合は、基本経費という名前で天引きが行われていた。また、支払事実が確認できない支払精算書などが、このそれぞれ自らの内部調査で報告されたことに記述されております。詳しく触れる時間がありませんのでこのくらいにしますが、このこういう内部調査だけでも国費の不正使用がこれだけの金額明らかになっているわけです。 私は、これで全部明らかになったとは思っておりませんけれども、今時点でのこのことについて、警察全体の総責任者として、架空、偽造、それから天引き、こういったことが行われていたということについて見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(村田吉隆君) 北海道警察あるいは福岡警察におきまして、先生御指摘のような会計の不適正な処理が行われたということに関しまして、国家公安委員長として誠に遺憾に存ずる次第でございます。 今、私も指摘しましたような会計検査院の検査報告、あるいは道警、あるいは福岡県警の報告書によりまして、できるだけ速やかに処分を行い、あるいは返還所要額を確定し、そして何よりも大事なことは、今後、二度とこういうような会計の処理が行われないように、内部において会計執行のための適正化を図るという認識を徹底させること、そういうことが私としては必要ではないかと考えております。
○神本美恵子君 これが単なる会計処理の、何といいますか、不備みたいなとらえ方でいらっしゃると、私は、この問題はここでいったん幕引きのような形になりますけれども、また違った形で出てくるんではないかというふうに思っております。そう思わざるを得ない。 私、内閣委員会でずっとこの問題については質問、質疑をさせていただいてまいりましたので、経過をある程度分かっているんですけれども、この前の内閣委員会で質問させていただきました。それは、こういう問題が新聞で報道されたりしますと、必ず警察庁の方から各都道府県警に様々な改善という名で指導が行われております。その会議の中身を私たちが知る由もありませんので分からないんですけれども。 実は、二〇〇〇年の八月から十二月にかけて、警察庁の方でブロック別監査室長会議というのが開かれた。これは内閣委員会で確認させていただいたんですが、そのときの会議録のメモのようなものを私、入手しまして、そのことをお尋ねしたんですが、その会議録の中には、これは警察官房長の方は、いや、もうそのときの記録もないし、そのときに配った資料もないので確認ができないというふうにはおっしゃっておりましたけれども、私は、これはその会議に参加していた人でなければ書けないようなメモだなと思っておりますので、一部紹介をしたいと思います。 そのブロック監査室長会議、これなぜ開かれたかといいますと、情報公開法が施行されるに当たって、これまで公開されない文書が市民の要求などによって公開されなければいけないような事態になるので、その前に会計関係の方を集めてやった、監査室長を集めてやったという会議です。 会計課長のごあいさつの中で、このような情勢の中で警察において不正経理、捜査費、活動旅費の不適正執行が明るみに出たら組織として相当のダメージになると。これは警察庁の方が各都道府県の警察の会計関係者を集めたときにこういうふうに発言をされている。 それから、まだたくさん、全部読み上げたいぐらいなんですけれども、(発言する者あり)いえいえ、時間がもうありません。捜査費の執行見直しについて、これは本庁説明というふうになっておりますが、公金を使うためにはルールがあり、ルールに基づいた執行を確立し、定着させないとユーザーから何を言われるか分からない。ということは、これまでそういうルールが確立していない、なかったということを、だからこれからは情報公開求められるのでやらなきゃいけませんよということをおっしゃっているんです。 それから、四月にその情報公開法がスタートするわけだが、出せない文書が一杯ある、何でもかんでも出せないものではないが、だが、文書整理が間に合わない、不在文書の検討、ないことにする文書については首を懸けてやらなければならないというようなことが発言されております。 それから、捜査費の請求の仕方などについてはちびのうちから教養しなければならない。このちびって何ですかと警察関係のジャーナリストの方に、専門用語ですから、お聞きしましたら、それは新米のことだというふうに。だから、新米のうちから捜査費の請求の仕方はこうするんだと、架空領収書の書き方とかをしなければいけないという意味なのかどうか分かりませんけれども。 こういうことが、警察庁のこれまでの様々な裏金疑惑、不正流用疑惑に対して、改善という名で全国会議を集めたり、ブロック会議をして、こういうことが行われているのではないかと私は強く疑っておりますが、公安委員長、いかがでしょうか。
○国務大臣(村田吉隆君) そうした事実の存在というのは、私は承知をしていないわけでございます。
○神本美恵子君 それは当たり前でしょう。公安委員長はまだそのときは、二〇〇〇年のことですから、担当ではないわけですよね。だから、承知なさっていないのは分かっております。 ただ、今年の五月も、会計の内部監査を強化するということでまた全国会議を開かれて、こういった指導が行われております。ですから、警察庁を所管する大臣として、国家公安委員長、こういったことが行われないようにという努力をしないことにはこの問題は永遠に、永遠にとは言い過ぎかもしれませんけれども、ずっと国民の間にもやもやとした霧が掛かったままでずっと形を変えて続いていくのではないかというふうに思います。私はこれで幕引きにしてはならないと、私だけではなく国民の皆さん思っていらっしゃると思います。 特に、特に警察庁へ上納があったんではないかとか、それから、せんべつという名でキャリアの人たち、上の方の人たちにこの裏金が渡されていたというようなことも、これはもう、公式に認められておりませんけれども、常識のように皆さんおっしゃっております。これは福岡も北海道もそのことは否定していますけれども、国家公安委員長として、この存在についてはどう思われますか。
○国務大臣(村田吉隆君) まあ、先ほど私がそういうことが行われていることは存じないというふうに申し上げましたのは、前回の内閣委員会での神本委員の御質問がございまして、私はそのときは在席をしておりましたものですから、その関係で私の見解は述べたということでございます。 なお、今回起こったいろいろな会計にかかわります不適正の執行に関します調査を踏まえて、私どもは、処分あるいは所要額の返還、これを早く確定すると。 それから、一番大事なのは、先ほど申しましたように、会計執行についての、これを正しくしなければいけないという認識を、幹部から、それからその捜査員まで含めまして、そうした認識を徹底すると、こういうことが必要であると。 今回の報告書におきましても、そこの認識が軽いところが、足らないところがあったという、そういう報告もございますので、私は、そうした訓練あるいは教育を徹底するということが最も将来に向けて大切なことであると、こういうふうに私はお答え申し上げたわけでございます。 なお、御質問の上納とか、そういう事実がなかったかということでございますが、今回の報告書でも指摘されておりますように、個々の捜査員への問い合わせ、あるいは関連の人間に対しての問い合わせをし、かつ関係書類を突き合わせた上で、そういう事実はなかったという報告でございます。
○神本美恵子君 前の内閣委員会で私は先ほど紹介した会議メモのことを御質問したんですけれども、こういった会議があったかどうかはその後お調べになりましたか。
○国務大臣(村田吉隆君) 調査の事実については、官房長をして答弁をさせてもらいたいと思います。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。 委員御指摘の会議は、その当時開かれたということはこの前の内閣委員会で申し上げたとおりであります。
○神本美恵子君 ですから、私が聞きたいのは、その中でこういった発言やこういった指導があったかということをお聞きして、それともう一つ、官房長がせっかくおいでですから、そのときに、自分もせんべつを制度があったころは受け取ったことがあるというふうにおっしゃいましたけれども、その制度についてもう一度。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。 その内閣委員会で私、確かにせんべつ制度というふうに言葉をちょっと不正確に申し上げておりまして、申し上げたかったのは、従前せんべつというのは、警察だけではないと思いますが、職員相互間の儀礼的なものとして、それぞれの職員の私費によりまして個人的な関係の中で平成八年ごろまで行われていたものと承知しております。 しかし、平成八年以降、警察庁及び都道府県警察におきましては、せんべつを含めた職員相互間の儀礼的な贈答の自粛等について、これは繰り返し指導を行っておりますので、そしてその徹底を図っておりますので、現在そういうことはございません。 それからもう一点は、先ほど御指摘の、当時の会議でどういうことが議題になったかということでありますが、この前の内閣委員会で申し上げましたように、これは翌年、新たに国として初めて情報公開制度が導入されると。加えて、これは全く新しい制度でありますが、予算執行を的確に行うために捜査雑費制度という、一線の警察官、捜査員ができるだけ使いやすくするようなこの改革をしたと。 この新しい制度が二つ導入されるということで、その説明、概要とか、そういうものを中心にした、目的とした会議でございまして、その今御指摘のような会議メモというのは、もちろん当時の会議資料は残っておりませんが、当時の関係者に当たりまして聞きましたところ、先ほど私が申し上げたようなこの会議の趣旨というのはそういうことでありますので、その会議メモというものに書かれているような内容というのは不正確なものだと思っております。
○神本美恵子君 これが正確かどうかというのはちゃんとお調べになったんですか。そのときの会議の資料は、配付資料とか会議録とかは残っていないっておっしゃったんです。 そしたら、それが残っていないのに、私が申し上げたことが正確か不正確かということは断定できないんじゃないですか。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えします。 今申し上げましたように、その当時の会議出席者、特に警察庁の幹部といいますか、会計課の者からその事情聴取といいますか、当時どういう、言葉はちょっと不正確で申し訳ない、インタビューをいたしまして、いろいろ確認的にですね、いろいろ当時どうであったかということを聞きまして、その結果、我々の心証として、そういうことで、その会議というのはそういうものであったということでありますので、もちろん物的な証拠として会議資料というのは、当時のもう古い話でありますので残っておりませんが、そういう結論に達しているということを申し上げたかったんです。 以上です。
○神本美恵子君 事情聴取とインタビューと随分と表現が違いますけれども。 そのときの会議録が残っていない、でも、二〇〇〇年ですから、まだ四、五年前ですよね。四、五年前の文書が、文書といいますか会議録が残っていないということも、また、新たにそのときは諸雑費制度などを導入するための会議ですから、どういう資料を配付して会議をしたかと、その指導徹底、周知徹底はできているかというようなためには、そういった会議録というのは非常に重要ではないかと、まあ普通の常識では考えますけれども、残っていないと言い張られますので、これ以上は言いませんけれども。 私は、やっぱりこの警察の裏金問題というのは、様々な文献等を読んでみましても、戦後ずっと続いてきた問題だと。まだ、私は、この今回、会計検査院が調査を特定事項としてされて、かなり詳しい検査状況報告がされておりますけれども、これで終わってはいけないと思います。まだ本当に疑惑が晴れたとは言えないというふうに思います。 なぜ私がこんなこの警察の問題にこだわるかといいますと、余り警察のこといろいろ言うと後が怖いよとかいう話も先輩の方からも聞くんですね。そんなことはやっぱりこの法治国家であってはいけないことでありますし、何よりもこだわりますのは、こういった裏金作りということを、新たに正義感に燃えて警察に就職をし、警察官になった人たちが、先輩、それは組織ぐるみで行われていますから、そんなものだと言って架空領収書、偽造領収書の書き方を教えられ、捜査費はこういうふうに請求してせんべつとして制度が、制度の中でこうやるんだとか、上の方の人にはこの裏金が上納されているというようなことをずっとその中にまみれていくというか、そうしないとその組織の中で生きていけないということで、立派過ぎる建前と汚れ切った現実をともに受け入れなければならない意識の二重構造化が起きて、精神的に自己矛盾に陥り非常に苦しいというようなことを現場の警察官の方たちがおっしゃっているんですね。 こういった、もう不正行為はどこかで断ち切ろうと思っても、一人だけそういうことを言い出しても言った人間が排除されるというか、そういう組織になっているというようなことを何人もの現場の第一線の警察官の方々が、公にはもちろん言われません、言うと組織から排除されますから言えないで、そういったことを言っていらっしゃる。 こういうことが、今、日本は治安が悪化しているとか、警察のその治安対策が不十分だとか、様々に批判も言われていますけれども、私は本当に、正義感に燃えて日夜今でも第一線で苦労している警察官の人たちが、本当に住民のため、市民のため、あるいはこれからの子供たちのためにもう平和で安全な国をつくる一翼を担っているという、そういった誇りを持って働けるようにするために、私はこの問題はきっちり透明化してすっきりしなければいけないというふうに思っていることをまず言わせていただきたいと思います。 公安委員長、そういう意味で、例えば第三者機関を設置して徹底的に透明化するというような提案とか、それから、各都道府県に公安委員会がありますけれども、その公安委員会も形骸化、空洞化しているというふうなこともよく言われております。ですから、本当に実質的に監察機能を公安委員会が発揮できるようにするために、例えば公安委員の公選制とか、まあこれは公安委員長一人では答えられないかもしれませんけれども、そういう外部の目を入れるということについて、じゃ、公安委員長と、総理もその後お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 治安の問題、特に犯罪防止、地域、国家の治安を改善していく、安定していく、国民が安全にして生活を送る上において警察活動は極めて重要であります。そういう犯罪防止のためにも必要な捜査のための資金というのはきちんと手当てする措置を講じなきゃいけないし、警察官が世の中からまた国会から指摘されるような問題を起こさないようにしっかりとした対応が今のお話で必要だということはよく分かります。 警察官自身が使命感と誇りを持って、地域の安全確保のために、国民生活が、安心して生活できるような捜査活動に十分効果的に費用が使われるような改善措置を今後していく必要があるということを痛感しております。
○神本美恵子君 総理、ちょっと誤解があるといいますか、捜査に専念するために捜査費が必要だと、それは分かります。ところが、その捜査費が実際に捜査している人たちの手に渡らないで、組織ぐるみで裏金になってせんべつや上納金になったり、それからまあ飲食代と、捜査の打ち上げとか、いろいろ必要経費もあるでしょうけれども、そういったものになっている。この組織ぐるみの、組織の中での捜査費の使い方が問題になっているわけですよね。 ですから、これについてどういうふうに、本当に現場の一線の警察官が捜査に専念できるようにするためにこの捜査費の在り方をどうしたらいいというふうに思われますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今御指摘の捜査費が捜査にきちんと使われるような対応が必要だと思っております。
○神本美恵子君 私は御提案申し上げているんですけれども、こういったことがちゃんと使われるようにするためには、例えば各都道府県の公安委員会の実質的な監察機能を強化するために、人を増やすとかなんとかではなくて、公安委員が監察できるような、例えば公安委員を公選で選ぶとか、あるいは外部監査を入れるとか、それから第三者機関を設置してもう全国的に、今、福岡と北海道だけが内部調査進められていますけれども、全国こういった問題が、愛媛でも聞いていますし、長崎とか幾つか私も聞いております。あちこちでぶすぶすぶすぶす出てきたままになっておりますので、捜査費が捜査費として使われるようにするために、そういう提案についてはいかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国家公安委員会また国会で、今御指摘の点を踏まえて改善しなけりゃならないと思っております。
○神本美恵子君 今、私が指摘した点を踏まえて改善するという総理の力強い御答弁をいただきましたので、あと具体的にはまた内閣委員会なりでやっていきたいと思います。 次に、厚労大臣にお願いします。 この検査院報告の中で、厚労省関係では不当事項として、まあいろいろありますが、その中でも目に付きましたのが社保庁の金銭登録機の随意契約の問題、これは不当金額四億四千六百四十八万円、それから届出用紙等印刷システムの導入について、これカワグチ技研の関係、金銭登録機がそうですね、二十二億七千百三十六万円というふうに指摘されております。このほかにも、国庫補助金関連、大量購入関連等出版物等に係る監修料問題も発覚しております。この監修料に関しては、厚労省としては全省調査を行われまして、これは尾辻大臣の御指示でしたですね。で、早速そういう全省調査を行われて、十月二十二日には大臣談話として結果も公表されております。 この社保庁関連の不当支出、贈収賄事件及び監修料問題について、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働省そして社会保険庁の度重なる不祥事につきまして、国民の皆様に心からおわびを申し上げたいと思います。もう全く弁解の余地はないと私は考えております。 そこで、出すべきうみは全部出す、今そう言っております。一言お願いすれば、少し時間をおかしくださいということだけをお願いしたいと思います。今、私は、省内では年末年始の休みも返上しろと、こう指示をいたしております。そういう取組で、一日も早くやりたい、この結果は出したいと、こういうふうに思っております。
○神本美恵子君 尾辻大臣とは、決算委員会で尾辻大臣が外務省のドミニカ共和国の問題を鋭く追及されるお姿を見ながら、先輩議員として本当に、正義感といいますか不正を許さないというその姿勢を感じておりました。今の御答弁でもそのことは伝わりましたし、今日はテレビも入って国民の皆さんも見ていらっしゃると思います。この社会保険庁の問題は、とりわけ国民の年金保険料にかかわる問題ですので非常に、大きな問題に対してうみを出し切るとおっしゃった尾辻厚生労働大臣に是非御期待申し上げたいと思います。 今の尾辻大臣の答弁を是非とも、村田国家公安委員長もお聞きになったと思います。警察のうみを出し切るという御答弁、いかがですか。いかがですか。
○国務大臣(村田吉隆君) 警察の不正経理の問題につきましても、各都道府県公安委員会におきましてこれまで厳正な調査をやってまいってきたわけでございます。それに基づいて、損害額、これにつきましても、私としましても大変、多い人は二百万円まで返すという決意をしていると、それは並大抵の決意ではないというふうに思います。 そういう中で、私は、警察のそうした予算をめぐる不正経理の問題につきましても、一刻も、一刻も早く国民の警察に対する不信の念を取り除くと、こういうことが必要だと考えておりますので、私は警察がきちんと処断をするということを督励してまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 明らかになった不正流用のお金を返すのは、これは当たり前のことですね。それはもう当たり前のことだと思います。 なぜこういう不正流用のシステムが、なぜこういうことが起きてきたのか。そのシステムを変えないと、また次々とそれは生み出されていくということで、第三者機関を作って徹底的にその原因も全容も解明をしていただきたいと。そのことを私は、尾辻大臣は言葉を換えてうみを出す、出し切ると、そのことだと思いますので、全容解明、徹底原因究明、裏金システムを明らかにするということを是非もう一度。
○国務大臣(村田吉隆君) 十年からの十五年にわたりましての不正経理の調査を行いまして、事実、そうしたその後のいろいろな警察の会計の処理をめぐっての適正化の指導、これもございまして、事実、数字的には不正の額が年々減ってきているということもありますので、私は努力をしているのだと考えております。 北海道公安委員会においても、そして福岡においてもきちんとした調査委員会を作ってやってきているわけでございますので、私どもはそれぞれの公安委員会できちんとした処断がなされると、こういうふうに考えております。
○神本美恵子君 捜査費が減ってきていることは私も承知しております。それはもう二〇〇〇年ぐらいを境に、それまで八十億ぐらいあったのが今はたしか五十億台になっていると思いますし、予算額と執行額にはかなり差が出てきています、執行額も減っております。 その理由を聞きましたら、それは、例えばベテランの捜査員がどんどん退職していって捜査活動が減ってきたので捜査費を余り使わなくなったんだとか、街頭犯罪が増えて、組織的なあるいは長期的な捜査を必要とするような捜査が、今そっちに手が回らないんだとか、何とも訳の分からない御答弁があったんですけれども、いずれにしても不正の額が減ってきたんだろうと私は思います。 そういう意味では少しずつ改善されているのかもしれませんけれども、このままで終わりますとまた違った形で出てくるのではないかという不信を国民に抱かせたままになりますよ、だからこの際、うみを出し切ったらどうですかという意味で幾つかの御提言をしたんですが、もう今日はちょっと御答弁いただけそうにないので、是非、是非真剣に検討していただきたいということを再度申し上げます。 次に、会計検査院にお伺いしたいと思います。 会計検査院は、今回、今日はちょっと余りにも厚くて持ってこなかったんですが、こんなに厚い検査報告、これ、概要だけでもこれだけになります。こういう検査報告を出されたことに対しては本当に一生懸命仕事に務めていただいたというふうに敬意を表するものですけれども、その中に、これはいいかな、そうですね、もう言う必要はないですね。 この警察問題については、報告の中で、組織的に説明の責任を回避しようと図ったものとか、国の会計制度の基本原則が軽視されていたものとか、秘匿性の要件を利用して、警察の捜査にかかわるから秘密保持ということで、それを利用して慣行的及び組織的に真実を反映しない架空の会計手続を踏むことによっていったん資金を捻出した後、正規の手続によらないで支払を行うなどの不適正な会計経理が行われていたというような、そして極めて遺憾、極めて遺憾が連発されるような記述になっております。このような表現をされたその意図といいますか、検査院長、是非率直なところを、この警察の問題について御所見をお願いします。
○会計検査院長(森下伸昭君) 今年、警察の捜査費について国会の各委員会、この参議院の決算委員会におきましても種々の議論が行われました。 会計検査院としては、それらを受けまして、従来に増して検査要員を投入をして精力的な検査を実施したわけでございます。捜査費の支払内容の分析でありますとか、今までにない検査の観点を入れて検査を実施してきました。その検査の状況について、ただいまお話がありましたように、平成十五年度決算検査報告の中で取り上げたわけでございます。そういうふうに従来に増して検査をした結果、それらを総合的に判断をいたしました。 そうしますと、捜査費の経理については、不適正な会計経理が一か所ではなくて複数の所属において行われているというようなことが認められたり、それから、北海道警の北見方面本部においては会計実地検査に際して虚偽の領収書などによる説明があったりした。そういったことがありましたので、私ども会計検査院として、「極めて遺憾な事態」、「極めて憂慮すべき事態」という表現を取って検査報告とさせていただいた次第でございます。
○神本美恵子君 二〇〇三年七月に北海道北見方面本部の実地検査に入られて、その結果が今会計検査院長おっしゃったようなとんでもない犯罪行為をも含む検査結果だったと思うんですけれども、そのことがこういった形で公表されるのは一年も二年も後になってから、後出しじゃんけんではないかと新聞にも書かれたりしておりますけれども、もう明らかにこれは不正行為だと分かった後で検査報告を出しても、私は会計検査院の本来の任務ではない、果たせているとは言えないんじゃないかというふうに思います。 それで、会計検査院法の三十三条には、「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない。」というふうに通告義務が課せられているわけですけれども、これ、もう時間がありませんので、ちょっと会計検査院の方にお聞きしましたら、これが犯罪であるというふうに認定するための捜査機関ではないので認定できない、だから通告できないというふうに御答弁、お答えを聞いたんですね。 例えばこういう警察の不正な、不正といいますか犯罪ですよね、偽造領収書なんというのを見付けた場合、それを検察に告発なり通告なりをするためにはこの会計検査院をどのように変えたらそれができるんですか。検査院長、ちょっと。
○会計検査院長(森下伸昭君) 犯罪であるというふうに認定するわけでございますから、それにはいろんな関係の書類、事実関係などなど、たくさん調査しなければいけないことがございます。そういったことで時間を要するということになろうかと思います。早くするというノウハウといいますか、早くするためのいい方法というのはないんではないかというふうに思います。
○神本美恵子君 この警察の捜査費に関しては、現金が金庫の中に毎月入れられて、そこから必要な分が出されていくというふうになっているんですけれども、会計検査院はその検査に当たって、その金庫、帳簿だけではなくて、帳簿と、これは機密費などと同じで、特別な簡易証明という検査のやり方になっていて、手元保管ですかね、の書類を、やり取りの中で心証を得られるかどうかという検査の手法だとお聞きしたんですけれども、実際にその説明と金庫の中のお金と照らし合わせて検査されたことはあるんでしょうか。
○会計検査院長(森下伸昭君) 会計検査に実地に行きましたときに帳簿と金庫を調べる、これはイロハのイであります。
○神本美恵子君 ところが、先日、我が民主党の警察不正経理問題対策本部でヒアリングを行いましたときに、会計検査院は、捜査費の金庫に保管されている現金を検査したことはないとおっしゃって、一方で、警察庁にそれは見せないのかというふうに聞きましたら、いや、こちらは見せろと言われれば見せると、そういうそごがあるわけですね。 私が言いたいのは、会計検査院は、やはりそれだけの、憲法で保障された独立機関として、国民の税金をチェックする、不正不当な使い方はないか、無駄遣いはないかということをチェックする唯一の独立機関ですので、内部調査で見付からないものを、そういうものを見付けてくれると国民は大きな期待を抱いていますけれども、そういう検査が本当に行われているのか、それとも、法的にそういう機能を実質的に果たすことが不備でできていないのか、そういったことを見極めたいと思いましてお聞きしたんですが、どうも何か法的な不備というよりも、本当にそれだけの意欲といいますか、もう不正は一円たりとも許さないというような御決意を持ってやっていらっしゃるのかどうか、いかがですか。
○会計検査院長(森下伸昭君) 会計実地検査に当たって金庫の検査をしていないというような何か説明があったということですが、それは何かの行き違いではないかと思います。私どもは、そういう検査は必要があれば必ずやるというふうにやっておりますし、一円たりともそういう不正がないように検査をするというふうに職員、調査官を指導しているところでございます。
○神本美恵子君 一円たりとも不正は許さないという、不正支出は許さないという御決意も聞きたかったんですけれども、またにします。 次に、教育の問題について幾つかお伺いをしたいと思います。 総理は所信表明演説で、教育基本法について、国民的な議論を踏まえ精力的に取り組むというふうにおっしゃいましたけれども、この国民的議論というのはどういう議論を考えていらっしゃるのか、それから、今どういうふうにこの教育基本法について国民が受け止めているというふうに思っていらっしゃるか、その二点、お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国民それぞれ、教育には非常に大きな関心を持っていると思います。また、教育の重要性、これはだれでもが認めていることだと思います。 教育基本法改正につきましても、教育というのは人格の完成を目指しているというこの理念、これは今後いかなる改正があろうとも私は変わらないと思っていますし、変えてはならないと。と同時に、今後、個人個人の能力とか個性とか、これをいかに発揮できるような教育環境を整えていくか、これは学校だけでできるものではありません。家庭、学校、地域、全体で取り組まなきゃならない。そして、社会の形成に当たって、個人個人が参画しようという公共の精神、こういうのも重要だと思っております。もちろん、国を愛するということはだれでも思っておりますが、そういう我が国独自の伝統、文化、こういうものも尊重していかなきゃならない。 いろいろな議論が今、国会におきましても、あるいは中央教育審議会においても行われておりますし、私はそういう点を踏まえまして、新しい時代にどのような、教育の重要性を多くの国民が理解して、いい人材を輩出できるような環境をつくっていくか、これがやはり教育基本法改正にとって大事でありまして、私は、こういう点につきまして十分国民の意見、国会の議論も踏まえまして今後検討し改正していかなきゃならないと思っております。
○神本美恵子君 国民的な今の議論の意見として幾つかおっしゃいましたけれども、そういう意見も確かにありますが、必ずしもそういう意見ばかりではないということも是非、幅広く国民の意見や議論を踏まえるとおっしゃるのであれば、受け止めていただきたい、受け止める努力もしていただきたいということを申し上げたいと思います。 人格の完成を目指すという、これは理念というよりも教育の目的として教育基本法に定められております。教育基本法は、もちろん総理はお読みになったことありますよね。聞くまでもないと思います。その前文に、教育基本法前文に、我らは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意をした。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものであるというふうに書かれております。なぜこの教育基本法が作られたのかということは、今の前文をお聞きになればもうそれで言うまでもないことだと思います。 今、憲法については衆参の調査会で議論がされておりますし、そこでの議論の中で、もちろん教育のことも議論されていることだろうと思います。私は、教育基本法に関して、来年の通常国会にも与党として出そうというようなことが報道されておりますけれども、もっと幅広い意見を聞きながら、この憲法と密接にかかわった教育基本法について、拙速に改正ありきではなくて、議論をもっと幅広くやりながら、憲法議論の結論を待ってそれからやるべきことで、今教育の改革、教育を見直す必要があるとすれば、もっと違ったものを国民は求めていると思いますが、総理、今国民が教育改革に求めているもの、それはどんなことだと思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は天然資源に恵まれておりませんが、今日にまで発展してきたのは教育を重視してきたからだと思っております。一番大事なのは人であります。人間力といいますか、人材であります。こういう観点から教育というものの重要性を多くの国民が今認識している。果たして現在の状況でいいんだろうかということから、教育に対しましてそれぞれ改正すべき余地があると。基本法の改正も重要でありますし、現在の学校教育の在り方も改善すべき点があるのではないかと。あるいは、大人の子供に対する対応、社会全体で子供たちの健全な育成をどう図っていくか、いろいろな問題があると思います。 そういう点について、やっぱり幅広く議論をしていく必要があるという点については、私も同様の認識を持っております。
○神本美恵子君 もう時間がありませんので。 今、総理は、教育、日本は資源もないのでやっぱり人だと、私も全くそのとおりだと思います。この人、人を育てるのは教育であります。その教育を行うのもまた人であります。そういう意味で、政府が教育に対して行うべき責務というのは、そういう教育の条件をいかに整備していくかということであるということを一つ申し上げたいと思います。 それから、最後に、今、日本の教育に私は最も求められている改革は、信頼というキーワードで言えるのではないかと思います。子供たちの間にいろいろ出てきている問題も、子供同士、あるいは子供と親、子供と教職員、子供と大人、子供を取り巻く様々な人と人あるいは人と組織の中での信頼関係が危うくなっている、そのためにそのゆがみが弱い子供たちに出てきているというとらえ方をした上でこれからの教育改革を考えていかなければ間違っていく、教育改革は間違っていくということを御指摘しながら、私の質問を終わり、次の関連質問に移りたいと思います。(拍手)
○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。櫻井充君。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充でございます。 今日は会派を代表いたしまして、国の決算及び小泉総理の政治資金管理団体と小泉総理御自身の決算の問題について質問させていただきたいと、そう思います。 今、橋本元総理が日歯から一億円を献金されたということが問題になっておりますが、これは合法的でございますね、総理。総理は合法的に平成十三年の七月の四日に自由民主党から同じく一億円を受け取っております。これは政治活動費として総理に就任した年に受け取られておるわけですけれども、これは政治活動費として受け取られた。これはどのぐらいの期間でどういうことに使われたのか、御説明いただけますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、活動費につきましては各党それぞれお調べいただければ分かりますけれども、党の総裁として、あるいは幹事長として、役員として政党が政党活動に使うというのは自民党だけじゃなくたって各党にあると思います。そういう点についてどういう活動に使われているかと、そういうことに対して言う必要はないと思っております。
○櫻井充君 そうお答えになると思っておりました。これは説明していただかないと私はいけないと思っているのは、実はこれをもし政治資金として、政治活動資金として使わない場合には雑所得として計上しなきゃいけないんです。つまり、これは所得税法違反になります。 ここのところは極めて大事なところでして、総理の所得を調べてみますと、その年に計上されていないということは、この年、実は一億だけではありませんで、ほかにも八月の三日に二千九百万、ほかにも三百万受け取っておりまして、全部でこの年だけで一億三千五百万円受け取っているわけでございます。 しかも、これを半年間で使い切らないと、もし翌年に持ち越すようなことがあれば、これは雑収入として計上しなきゃいけない。そうでなければ脱税になるわけですよ、総理。我々は、私は医者の時代にそんな、例えば講演したり何かしたりしたときに雑収入として計上する場合には必要経費を全部一応ちゃんと明細みんな持っていって、我々はそうしているんですよ。一億数千万円のお金をどのような形で、私は一年間の政治活動費が大体三千万ですから、どうやったら一億数千万円使えるのか、そこをまず教えていただきたいんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、お話ししましたように各党同じようなことをしていると思います。よくお調べいただければ分かりますよ。総裁として受け取っている、幹事長として受け取っている、しかし個人で活動しているんじゃないんです、党全体の活動のために使っているんです。それは民主党も、ほかの、共産党も調べていただければ分かります。政党で認められていることなんです。
○櫻井充君 それはちょっと違うと思いますよ。政党としての活動費であったとしたら、所得税法の中で個人の所得としてカウントされるということにはならないからです。これ昨日、財務省に私は確認したんですから。 財務省に確認したところ、これは雑収入として本来計上すべきところですが、これは信頼関係の中で政治活動費として使うものを前提として、政治活動費として使うものを前提として計上しなくていいということになっているんです。ですから、ここのところで総理はきちんとした形で説明する私は責任があると思いますが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは今の法律で認められているところなんです、政党の活動というのは。それは各党、与党も野党もそれは同じですよ。よく調べていただきたい。個人で使っているわけじゃないんです。個人の所得として使っているんじゃないんです。野党がどういうふうに使っているか、言ってほしいなら私もそれぞれ調べれば分かると思いますよ。それぞれの活動は、総裁がもらおうが、代表がもらおうが、幹事長がもらおうが、それは政党活動全体として使っているんです。個人の所得で使っているんじゃないんですよ。政治活動の自由というのは法律で認められているんです。それをあたかも私一人で自分の所得などのように使っていると。これは議員同士としていかにも失礼じゃないですか。
○櫻井充君 ここのところは、ちゃんと明確に御説明いただければそれで納得するわけですよ。 例えば、この間だって同僚の福山議員が随分聞いたときに、これは切手代だとか電話代だとか、それは御説明あったじゃないですか。つまり、そこのところでちゃんときちんと説明さえしていただければいいんですね。 例えば、アメリカはすごいなと思いました。総理の大好きなアメリカは、これは、これはケリーさんの報告書ですけれども、実は、実は地下鉄で、多分地下鉄なのかどうか分かりませんが、秘書なんでしょう、スタッフ・トランスポーテーションとありますが、これ一ドルまでここに計上しているんですよ。こうやって使いましたということが全部記載されているんですよ。(発言する者あり)はい、アメリカの話は日本には通じないというのはそのとおりかもしれませんが、しかし、このぐらい今は日本で政治と金の問題が取りざたされているときに、今のように、いいですか、国民の皆さんはもしそういうような所得を得た場合、雑所得として得た場合には、きちんとした形で、領収書なりなんなりを付けて、添付して、そしてそこのところを収支報告を出さなければいけない中で、そこのところだけが、総理だからそういうふうなことが特別で何も答えなくていいということではないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全く違うんです。総理だからじゃないんですよ。政党の総裁として、あるいは各党でもそうだと思いますが、党の役員として、幹事長として、あるいはそのほかの役員として、政党の活動費として、党の活動費として使って雑所得とは全く違うんです。そこがよく分かっていない。
○櫻井充君 それは総理が分かっていないんですよ。税務上は雑所得として扱うんです、本来は。 ところが、じゃ谷垣大臣、それはどちらですか。これは財務大臣、昨日、私は財務省に確認したんです。財務省に確認したところ、本来は雑所得として計上しなければいけないけれども、これは政治資金として使われている場合には、使われている場合には雑所得として計上しなくていいということを財務省から私は聞いたんですから。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は主税局ほど解釈には詳しくございませんけれども、正に今、櫻井委員がおっしゃったように、余れば雑所得としてきちっと計上しなきゃいけませんけれども、政治活動に使っている、きちっと使っているんで、余りがなければですよ、雑所得として計上する必要はないと、こういうことだろうと思います。
○櫻井充君 そういうことです、総理。だから、総理の認識違っているんですよ。雑所得として計上しなくていいって最初から言っているけど、そういうことじゃないですよ。 じゃ、もう一点申し上げれば、加藤紘一議員が、加藤紘一議員がああいう形でお辞めになったときにだって、それは私的、政治資金の私的流用ではないかということが問題になったはずです。ですから、私的流用でないのかどうかということを証明していただかなきゃ私はいけないと思っているんですけどね、谷垣大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) それは、先ほど御答弁申し上げたとおりで、やはり政治活動の自由という見地から、政治活動に使っているんだったらその特別の申告は必要がないと、こういうことになっているんだと思います。
○櫻井充君 それは使っていればという話です。こういうことを言うと怒られるのかもしれませんが、総理の資産公開の借入額を見てみると、ずっと四千万以上の借金があったにもかかわらず、二〇〇三年からゼロになっているんです。二〇〇四年もゼロなんです。それまで四千五百万ありました、二〇〇二年にですね。ですから、そういう数字を見せていただいて、今みたいな御答弁だと、まるで私的流用しているんじゃないか、まるで加藤議員のときと同じなんではないのかなという感じがするんですけど、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは心外ですね。それは、借金は私は毎年返していますよ。そして、余裕ができればできるだけ借金を返済しようとしております。それは個人の所得から返済しているんです。個人の所得と政党活動と全く違うんです。それは、いかにも四千万円の借金が急になくなった、とんでもない、よく調べてくださいよ。毎年毎年少しずつ返してきて、この四千万円を返すのに二十年も掛かっているんですよ。一挙に返したわけじゃありませんよ。これは、借金の返すのは苦しいですよ。
○櫻井充君 資産報告書にそう書いてあるから、その事実を私はお伺いしているだけの話です。 じゃ、もう一点。これは、この間、同僚の福山議員が質問した件ですけれども、ここは細田官房長官、ちょっと聞いておいていただきたいと思いますが、これ総理が平成五年から十三年の四月、総理になるまでにはこれはセルシオに乗ってられたと思うんですね。で、この車は実は二台目でして、平成五年から十一年までが一台目、その後二台目なんです。で、この運転手さんが実はある衆議院議員の方の運転手さんでして、で、その方がこの間のときに、総理が御答弁なされたとおり、運転手は民間人の方なわけです。車も、これは実はその民間の所有の車なんです。つまり、このことは、実を申し上げますと、細田官房長官が政治資金規正法にのっとって修正されたんです、寄附に、これは寄附行為に当たるとして修正されたんですね。全く同じことじゃないのかと。 もう一度申し上げますと、車も運転手さんもその民間企業のもの、そして民間企業の人であります。そこのところの車に総理がずっと乗っておられたと。これは細田官房長官と、私は、全く同じじゃないかと。そうすると、当然修正が必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは違うんです。御指摘のセルシオは、三十年間にわたって民間会社で自動車と運転手付きで非常勤役員として勤めておりまして、私の当選以来、公設秘書として働いている者が使用しているものであるんで、私に対して民間会社から提供されたものではないんです。私の政治活動のために使用しているものではないんです。したがって、政治資金収支報告書を訂正する必要はないんです。
○櫻井充君 まず一つは、総理御自身もこの車は使われていますよ。総理になる前はこの車にずっと乗られていたはずです。今はその方が使われているかもしれませんが、その当時は違うんじゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 違わないんです。秘書が使う車にたまには乗ることありますよ。
○櫻井充君 私が調べた範囲ではそういうことではありません。 じゃ、もう一つ。実は、総理は政治資金規正法第四条の寄附の定義を御存じでしょうか。そこの中にこう書いてあります。要するに、ここの寄附の解釈は、民間企業から車や運転手給与の肩代わりといった財産上の利益の供与を受けて、それを公職の候補者若しくは、ここです、政治団体が行う政治活動に使っていた場合には寄附に当たると、そう書いてあるんですね。つまりは、公設秘書の方が使っていて、それが政治活動を行っていた場合には、これは当然のことながら寄附に当たるんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それも違うんです。その趣旨はそのとおりですよ、法は。しかし、車は非常勤役員としての職務に使用しているものであって、私に対する寄附には当たらないんです。
○櫻井充君 その方が政治活動を行った場合には、じゃ、総理、どうなりますか。その秘書の方がその車に乗って政治活動を行ったらどうなるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは私の政治活動とは違うんです。
○櫻井充君 公設秘書の方の活動は、総理の、総理の公設秘書の方が総理の政治活動じゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、もう何回も答弁しますが、会社の非常勤役員として使用しているものであって、政治家小泉純一郎に対する便宜供与ではないんです。
○櫻井充君 これは、公設秘書の方が使われても、総理、総理、理解されているんですか。いいですか。ここのところに、政治団体が行う政治活動に使っていた場合には寄附に当たるんですよ、これは。 じゃ、もう一つ実証、一例挙げておきますが、例えばその方が、その方が十一月四日の朝には、赤坂プリンス、都内のホテルでモーニングセミナー、これは総理の資金管理団体の東泉会が主催する政治資金パーティー開いているわけです、そのときに司会者役としてこの方はセルシオに乗ってパーティーに行っているんですよ。つまりは政治活動を行っているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは個人の活動ですから。個人の活動につきまして、私がその活動まで一々これが政治活動だとか。個人の活動だって許容されるんじゃないですか、提供されている車は、個人の活動だから。
○櫻井充君 これが一国の総理の答弁ですか。いいですか、総理。総理は法律を守らないことは何でもないんでしょう。恐らくは公約を守らないから大したことがないと言っているのと同じように、法律を守らないことなんか大したことじゃないんでしょう。 私は今日、総理、ちょっと待ってください、今日は刺し違えるつもりで来ているんですから。 いいですか、なぜそういうことを言うかというと、私は、(発言する者あり)まあ皆さん聞いてくださいよ、十四年間医者としてきちんと活動してきたときに、本当に患者さんに一日でも長く、そして健康で生きていただきたいという思いでずっとやってまいりました。この六年間の政治活動の中で一番悲しかったのは、自殺者の数が三万人を超えて、男性の平均寿命が下がったときです。すべてが、すべてが政治の問題だとは言いませんが、しかし、小泉総理になってからも自殺者の数は減るどころか増えるばかりです。凶悪犯罪も増えてきています。きちんとした形の政治を行っていかなきゃいけないと思っています。 しかし、国会での答弁なんかどうでしょうか。一連の発言はどうでしょうか。それを見ていて、私は、総理がですよ、この国のトップとしてやり得る資質があるとはとても思えません。ですから、今日はそういう意味で、問題点を明らかにしていきながら、僕は総理に早く辞めていただきたい、そういう思いで質問させていただいています。 改めてお伺いしますが、これは法律上、政治活動に当たっているんですよ。政治活動に当たっているときに、公設秘書の方がこの車を使っているんです。当然のことながら寄附に当たるじゃないですか、法律上の解釈は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 非常勤役員として車を使っているんであって、私に対する政治活動の便宜供与ではないんですよ、いつまで言っても。 それは、自殺の原因まで私の責任にするのはあなたの勝手ですけれども、それは自殺が多いということは私も残念、遺憾に思っております。自殺がなくなるようなそういう世の中に早くしたいと思うのは、政治家だったらだれでもそう思うでしょう。 しかし、今回の問題におきましても、あたかも私が法律違反を犯しているような、そういう疑惑がないのに、あるかのような議論を何回も同じような質問をしている。私は同じような答弁しかないですよ。
○櫻井充君 それじゃ、この朝行った、この朝行った十一月四日の東泉会主催の政治資金パーティーは、政治活動ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、個人が役員の自動車として使っておりますから、それはどこに行こうが、私は、役員としての活動で自由だと思いますよ。
○櫻井充君 答弁になっていませんよ。今の政治パーティーが、いいですか、これが政治活動かどうかって聞いているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、政治パーティーと名付ければ政治活動の一環でしょう。しかし、活動はそれは個人の活動ですから、それは政治活動の私に対する便宜供与じゃないんです。
○櫻井充君 これ、本当にまともな、まともなんですか、これで。いいですか、この東泉会というのは総理の政治資金管理団体ですよ。だれのためでもないですよ、これは。これは個人のですよ。自民党の総裁としてのものではなくて、ここの部分は総理と、総理じゃなくて小泉純一郎個人の政治資金管理団体のパーティーですよ。ですから、どうしてそれが総理、総理と全然関係ないことになるんですか。関係あるじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その政治活動の一環としてのパーティーに、どうして個人が持っている車を使っちゃいけないんですか。
○櫻井充君 まず、勘違いしないでください。個人が持っている車じゃありません。 総理、それに、要するに、こういう場合に民間企業からその供与を受けているような場合に関して、それを政治活動に使った場合はこうしてくださいというルールなんです。別に使ったっていいんですよ。使ったって構わないけれども、そこに使ったら、これは寄附に当たるから、だから政治資金、そこのところを修正したら、収支報告書を修正したらどうですかと申し上げているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、選挙街宣カーとかそういうふうに使っているならともかく、個人の役員としての車として使っているんですから、それは個人が使っているものなんですよ。私に対する政治活動の便宜供与とは違うんです。
○櫻井充君 済みません、全然解釈が違っていますから、ちょっと今、質問できません。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○櫻井充君 それでは、総務大臣にお伺いしますが、私の解釈が間違っているのかどうか、まずそれについて御答弁いただけますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 予定外に質問なんで、もう一回質問を言ってください。
○櫻井充君 要するに、民間企業から車やそれから運転手さん肩代わりを行って、その方が、肩代わりを受けて、その方が政治団体が行う政治活動を行っていた場合には、そこの政治団体はこの車とかそういうものを寄附として報告しなきゃいけないのかということです。
○国務大臣(麻生太郎君) これは個別の事案ですな。個別の事案ですね。個別の、(発言する者あり)いや、確認しているんですよ。個別の事案ですね。
○櫻井充君 一般的にですよ。
○国務大臣(麻生太郎君) 個別の事案に違反するかどうかというのは、これは具体的事実関係というのを承知する立場にありませんので、お答えということは基本的にはできない。当たり前でしょう。
○櫻井充君 東泉会の、東泉会は、もう一度申し上げますが、政治団体なんですよ。政治団体の代表者が小泉純一郎さん、総理、そして会計責任者がその方なんですよ。政策秘書であって、なおかつこの東泉会の会計責任者であります。 それじゃ、もう一つ別な観点からお伺いすれば、先ほど役員、役員で動いていると言っておられますが、じゃ、政策秘書の仕事はしていないんですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは政策秘書としての仕事もしていますが、法律的に認められているんです。よく法律を読んでいただきたい。
○櫻井充君 それは法律上認められていますが、じゃ、どこまでが、どこまで活動すれば、それはきちんとした形で政策秘書の活動をしていると取られるかどうかということになるんじゃないですか。先ほどのお話ですと、役員で一人であっちこっちに行って、関係ないんだという、そういうお話じゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは法律にのっとって活動しているんですから、役員車として使ってもいいし、それは公設秘書としても使ってもいいと、法律で認められているんです。私もそのぐらいは分かっていますよ。
○櫻井充君 そのとおりです。じゃ、役員車として使っている場合と公設秘書として使っている場合がある。そのとおりですよ。公設秘書として使っている場合にはこれは寄附しなきゃいけないことじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、公設秘書を兼職していることが非常勤役員としての職務に支障があるとは聞いておりません。
○櫻井充君 総理は今ちゃんともうお認めになったじゃないですか。公設秘書としても働いている。そのときに、公設秘書としてそのときに使っていればこれは政治活動に使っているということだから、その時間帯は寄附じゃないですか、じゃ、譲ったって。はっきりしましたよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その点はよく法律を調べていただけば分かると思いますが、認められていることなんです。法律の範囲内なんです。
○櫻井充君 使うことは認められていますが、法律上はこれは寄附としてちゃんと収支報告書に載せろってやっているわけです。 こういうことをやって、きちんとした形で政治と金の問題、決着していきましょうとみんなで努力しているんじゃないですか。総理だけですよ、こんな、努力していないの。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、法律の……
○委員長(鴻池祥肇君) 総理、総理、今のは質問じゃないですよ。 質問の形にしてください。
○櫻井充君 分かりました。 総理、こういうことをずっと繰り返し繰り返し行ってきていることが政治不信を招いてきているんですよ。政治、総理自らそういう姿勢を正したらいいじゃないですか。細田官房長官はきちんとした形で修正されているんですから、総理もお認めになって、まずそうされたらいいんじゃないですか。 もう一つ、じゃ済みませんが、時間がないので、小泉総理がやってきた改革、改革ということについて、ちょっとひどいなと思うことを一つだけ今日はお話しさせていただきたいと思いますが、私は国立病院に勤めておりまして、国立病院が今回独立行政法人化になりました。(資料提示) どういうふうになったかというと、厚生労働省があって、その下に今までは国立病院部がありました。そのほかに今度は、地方医務局があったわけですが、これがどう変わったのかというと、ただ単純に独法国立病院機構というふうになって、そして、その地方医務局はブロックに変わっただけでして、形が何も変わっていません。人が若干減っただけです。やっている仕事の内容もほとんど変わりません。 もっとひどいなと思うのは、この組織図でして、その理事、この本部のところにどうなっているかというと、理事がいまして、理事は五人以上います。常勤の理事が五人いるんですが、その部門が全部で五つぐらいに分かれていて、各々のところにその理事が全部いて、理事と部長の仕事の区分けはどういうんですかと聞いても何も答えてくれません。 もう一点申し上げたいのは、このブロックというところが今までどういうことをやってきたかというと、例えば政策医療をやれ、そして一方では収支を上げろと、相反することを言われ続けてまいりまして、我々現場で働いている医者にとって全く不要のものでございました。この組織だけで人件費が二十六億でございます。こういうところをまず改めていかなければいけない。形は変わって、改革、改革をしたと言っていますが、改革の中身、改革の中身はこんなお粗末なものです。そして、この二十五億なり二十六億近いその人件費はどこから出ているかというと、現場の医療従事者が一生懸命働いた分から拠出されるということになっています。 まず、ここの国立病院の無駄遣いをやめるんであるとすれば、この組織そのもの自体を私はやめるべきだと、そういうふうに思っています。いろんな役割があるというふうに厚生労働大臣、おっしゃるかもしれませんが、現場にいた者として、こんな組織要らないんですよ。 ですから、まず、きちんとした形でこの組織を再編される、若しくは完全に民営化されてしまった方がいいんじゃないのかなと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 率直に申し上げて、この図は今日初めて見せていただきましたので、その中身について承知をいたしておりません。 したがいまして、私なりに……
○櫻井充君 じゃ、いいです。じゃ、オーケー。
○国務大臣(尾辻秀久君) 調べさせていただいてからお答えをいたします。
○櫻井充君 そして、ここのところが、この機構が今どういうことをやっているかというと、医薬の購入に、医薬品の購入に関してこういうことを始めました。 今までは地域の卸さんとお付き合いをしていたんですが、全国一括で調達するということを決めました。しかし、それは極めて、ちょっと不自然なところがありまして、五月の十四日に国立病院機構本部がある四社だけを呼びまして会合を持ちました。そして、その後、今度は入札、その後に入札の、入札できる会社の要件を定めた結果どうなったかというと、この四社だけが入札に参加できるようになりました。 そして、この四社だけが、なぜか知りませんが、入札公告の前にもう事前に情報が入っていて、ここの四社の傘下に入れということを中小の卸さんに話をしてきています。そして、そこの中で、白紙の委任状を付けてこれに従えと、全部やってこいということになりました。で、わずか、わずか約二週間の間に入札が行われるわけですが、約六千品目の医薬品を七十九群に分けて、これで入札をします。これだけの期間に果たしてできるのかどうかということ。そして、やった結果がこういうことです。四社は、ほぼ二二%から二七%ぐらいのところに入っておりまして、ほぼ四社均等にシェアを分けてきています。こういうことをやって、結局のところは中小の、中小の卸を排除するようなことをやってきている。 つまりは、地元の中小企業をつぶすだけの問題ではなくて、結果的には、無駄な組織を作っておいて、無駄な組織が、これは全部談合だとは言いませんが、談合の極めて高いようなことをやってきている。 私はすごく問題じゃないのかなと思いますが、厚生労働大臣、このことについてきちんと調査していただけないでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) いずれにいたしましても、これ、どこの話だとか、どういうことだとか、具体的にお示しをいただければ、また調査もいたします。
○櫻井充君 ありがとうございます。 実はもう少し情報を得たいと思って、昨日調査をしようと思ったところ、もう今まで話をしてくれた人たちが全く話をしてくれなくなっています。ある種、箝口令がしかれてしまったのかなと、そういうふうに思っている状況です。 ただ、大事なことは、大事なことは、結局、独立行政法人に変えました、それからもう一つ大事なことは、結局何でもうけようとしているのかというと、談合して薬価差で利益を得ようとしているわけです。国は薬価差で利益を上げるようなことはやめようという話をしている中で、薬屋さんたちの多くの卸さんたちと談合、談合かどうか分かりません、そういうことをやって、結果的に薬価差だ、薬価差で利益を得ようとしているわけです。 そういうことではなくて、本来は、先ほど言った組織一つ一つを見直して、不要な部署を削っていって、今度は、もう一つ言えば、例えば今、混合診療が解禁になるのかどうか分かりませんが、混合診療の解禁にならなきゃいけない理由は何かというと、今使いたい薬が使えないからですから。その薬を早く保険に収載できるような形のところに人を回すべきなんだと思うんですよ。そういうところに人員の配置をしないで、すぐに混合診療、混合診療と言ってくること自体、私はおかしいと思っています。 日本の医療制度は世界でナンバーワンです。問題になるのは、確かに医療の標準化が図られていないとか、それからもう一点申し上げれば、患者さんの権利とかそういうものが確保されていないというところに問題点はありますが、日本の医療制度は極めてすばらしい制度です。是非それを守っていただきたいと思いますし、そのためには、是非無駄な組織をやめて、人員の配置換えをしていただきたい。そうでなければ、そのことは実現できないと思います。 最後に、私は、総理はもう少しきちんとした形で法律を理解してくださると思っておりましたし、そのことを今日は期待して質問いたしましたが、残念ながらそのような回答を得られませんでした。 私は、例えば自民党の中にも谷垣さんのような真摯でまじめに一生懸命やっている方がいらっしゃいますから、我々民主党が政権取る前であっても、そういう方に総理になって本当にこの国を建て直していただきたいなとそう思います。 質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○山下栄一君 公明党の山下でございます。 今日は参議院の決算審査、非常に新しい決意を込めて始まっておるわけでございます。参議院の役割についても、憲法調査会等でも今議論されておりますけれども、ともすれば評価が余り高く評価されない、そういう参議院にあって、特に参議院の独自性として決算審査を重視して、そして本格的な議論をしっかりしていこうと。そして、予算の使い方をチェックして、それを次年度の予算編成に生かしていこうと、国民の統治機構に対する信頼をこういうことから始めていこうということから行われておるわけでございます。 そういう観点から、まず最初に、先ほど、ちょっといらっしゃいませんけれども、神本委員がおっしゃったことに関連することをお話しさせていただきたいと思います。 私も今回この会計検査報告、会計検査院の検査報告、見させていただきまして、特に先ほど来御指摘されておりますように、この厚生労働省の金銭登録機の入札問題、そしてまた北海道にある警察に対する不正経理の問題、このことに対する憲法機関たる会計検査院のこの権威が、こういう状態であっていいのかという、非常に、何といいますか、これはおかしいなと、制度の改革が必要だなと、検査院の権限強化が必要だと、三権から距離を置いた、憲法機関としては非常に珍しい憲法的地位を与えられている検査院にもかかわらず、先ほどの院長のお答えを聞かせていただきましても、そのような気位といいますか、精神的なもの、張りといいますか、そういうことは余り感じられないなというように感じまして、それはどこに原因があるのかなということを、ちょっと私今日御提案も含めてさせていただきたいというふうに思います。 特に北海道の県警の問題、県警じゃないですね、北海道の警察の組織の問題につきましては、会計検査院の職員が会計検査に、実地調査に入ったと、現地で書類のやり取りしながら検査しているわけです。それに対して、既に何度も御指摘されておりますように、領収書が、会計にかかわる書類の領収書が偽造されたと。そして、それだけではなくて、その偽造された領収書が正しいように見せるために偽装工作が行われておったということまでこの公表されております検査報告に掲載されている。しかし、それに対して、私は犯罪行為だと思いますけれども、それに対して手出しができないという、そういう状況になっておるわけです。これは無念の思いを込めて、怒りを込めてここに書いてあるのかなというふうに思うんですけれども、ちょっと読まさせていただきます。 北海道警察北見方面本部において会計実地検査の際、虚偽の領収書による説明が行われたり、その後の説明のために資料が偽造されたりしたことは、会計経理の適正化の心証形成を阻害するものであり、極めて憂慮すべき事態である。このように組織的に虚偽の情報による説明が行われた場合には、会計検査は有効に機能し得ないことになると。といいながら、結局どうなっているかというと、このような行為が会計実地検査の場において現実に行われた事実の重大性を十分に認識する要があると、このようにおっしゃって、このような事態が再度発生しないように、警察等がその説明責任を果たし得る健全な体制であるか内部監査などにより点検する必要がある。この程度しか言えないわけです。それで、これは私は会計検査院法そのものに限界があるというふうに思います。 ちょっと話がそれますけれども、最近、連日報道されております金融庁のUFJへの金融調査、これは行政機関による民間銀行への調査でございます。そのとき同じようなことが行われたわけですね。偽造の書類、そして書類隠し、そのようなことが行われた。これに対しては銀行法にのっとって、要するにそのような虚偽の書類を作ったり隠したりすること、そのこと自身が犯罪行為だと、このように明確に銀行法に書いてあって、それに基づいて、それに基づいて犯罪行為なんだから、罰則も刑事罰が付いているんだからということで金融庁は告発したわけです、銀行法違反ということで。銀行法の中にそういう虚偽の書類とか検査妨害した場合には犯罪だということを明確に書いてあるわけですね。それが会計検査法には書いてないわけです。これは、私、一番大きな問題ではないかというふうに思いました。 何でこんなことになるのかなと。まず、同じ国の機関だと。国の機関が国の機関を検査するんだから、そういう偽装工作を行われても、なかなか、その指摘はできても、それがそのまま犯罪だと、行政機関による犯罪だということがなかなかこれは壁があるというふうに私は感じたわけです。 じゃ、壁があるんだったら、それを検査院法に書いたらいいんじゃないのかなと。実地調査を行って、そういう行政機関がそういう対応をした場合には、その検査妨害そのものが犯罪であるということを書き込めばいいと、このように私は感じました。 それで、同じ行政機関なんですけれども、ちょっと、人事院総裁来られておりますか、国家公務員法ですけれども、ちょっと確認させていただきたいと思います。 人事院というのは、これは国家公務員法に中央人事行政機関として位置付けられている。これは、憲法第十五条の全体の奉仕者たる公務員に対して一部の奉仕者にならないように、そういう観点から、中立、公正な機関として人事院が、これは憲法じゃありません、国家公務員という法律できちっと位置付けられておるその人事院の権限が国家公務員法に書いてあります。 人事院も調査権があります。どこを調査するか。相手、行政機関です。その調査の際に虚偽の陳述をしたり虚偽記載の資料を提出した場合に罰則があるかどうか、これをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 今御指摘の人事院の調査権につきましては、国家公務員法第十七条にございます。そこには、人事院は人事行政に関する事項に関し調査ができること、調査の一環として証人喚問や書類提出を求めることが可能であることなどが定められております。 それから、罰則に関しましては、同じく国家公務員法第百十条にございまして、その際、虚偽の陳述をしたり虚偽の事項を記載した書類を提出した場合、正当な理由なく証人喚問に応じなかったり書類を提出しなかった場合、こういう場合につきましては、刑罰、これは三年以下の懲役又は十万円以下の罰金が科せられることになっております。
○山下栄一君 このように、国家公務員法では、人事院の権限として、相手が行政機関であろうと、虚偽の書類が提出された場合、これはそのこと自身が刑罰、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金という、科せられるということが国家公務員法に書いてあるわけです。そういう行為が、具体的に虚偽の書類が提出された場合は、それが犯罪行為として告発できると、こういう仕組みになっているわけですね。 ところが、先ほどお話があったように、会計検査院の方では、犯罪と認められることがあった場合は告発できると書いてあるけれども、犯罪と認めるか認めないかは非常に難しくて、告発実際できないという、検察庁に通告できないというふうに会計検査院法にはなっておって、じゃ、虚偽の書類を提出すれば、検査妨害をすればそのまま検査院法に犯罪だとこれ書き込めば、これは紛れもない事実ですから、これはちゃんと告発できると、そういう規定を書けばいいと、このように私は思います。 それからもう一点ですけれども、じゃ、その会計検査院法をだれが改正するんだと、これが極めてあいまいになっていると思うんですね。 会計検査院法で会計検査院が権限強化したいなと思う場合は、どのような手続ですればいいのかということを会計検査院は思っていらっしゃるんでしょうか。
○会計検査院長(森下伸昭君) 会計検査院の権限でありますとか地位につきましては、非常に高度の立法政策の問題であろうと思います。したがいまして、当事者である会計検査院がただこのようにというふうに申し上げるのは非常に僣越ではなかろうかと思います。 〔委員長退席、理事田浦直君着席〕 ただ、こういう議論を国会の場で広く行っていただいて、で、そういう方向だというふうにまとまっていきますと、私どもも、そういうものに法律ができますれば、それに従って厳正に検査に当たっていくということになろうかと思います。
○山下栄一君 これ最初、会計検査院というのは戦前から続いている役所なんですけれども、戦後はこれは憲法上の機関として非常に高い地位を与えられておるわけです。 じゃ、その戦後の会計検査院を、衣替えして新しく民主化された検査院法という法律はどこが提出したんでしょうか。
○会計検査院長(森下伸昭君) ちょっと今の御質問の具体的なところを聞き漏らしたんですが、戦前の会計検査院法……
○山下栄一君 昭和二十二年の検査院法。
○会計検査院長(森下伸昭君) 二十二年の、はい。 これは内閣の提案でなかったかなと思います。もし事実と相違したらまた後ほど訂正させていただきますが、会計検査院が提案をした、そういう法案ではなかった、政府提案であったのではないかというふうに思います。
○山下栄一君 そうだったというふうに私も理解しているんですけれども、検査受ける側が作って提出するわけだから限界が出てくると。ただ、まあ案は、確かに検査院で案を作ったんだろうなとは思うんですけれども、それ自身もはっきりしていないというふうなほど会計検査院のスタートの原点が非常にあいまいだというふうに思っております。 それで、また人事院に戻ります。人事院という組織には法案提出権はないと。しかし、人事院の所管する行政、人事行政、公務員人事管理に関しては、法律の改正が必要と考える場合はどういう手段を取ることができるか、人事院総裁にお聞きします。
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) ただいま御指摘の件につきましては、国家公務員法第二十三条にございまして、人事院は、国家公務員法の目的達成上、法令の制定、改廃に関する意見があるときは国会及び内閣に意見を申し出ることができるというふうになっております。
○山下栄一君 この国家公務員法二十三条、今おっしゃいましたように、人事院は、自分の法律提案権はないけれども、国家公務員法の精神を生かしたいと、その目的を達成したいと思う場合は、法律を改正を、また廃止、そういうことを国会及び内閣に意見を申し出ることができるという規定があるわけです。 先ほどから会計検査院おっしゃっているように、いろいろあっても自らは何もできないというふうにおっしゃいましたけれども、私はこれも、会計検査院法に同じようにこのような意見の申出を国会及び内閣にできると。いろいろ検査しながら、矛盾を感じながらやっていると、もうちょっと権限欲しいなと思った場合には、国会とか内閣にこのような案でいきたいけれどもということで意見の申出ができると、そしてその意見が申し出られた場合はそれを尊重すると。このようなことを私は書き込めば、この今回の非常に虚偽の、検査妨害までされながら手も足も出ないというふうな、そんなおかしなことにはならないだろうと。 同じ国家の機関であるけれども、特にこの会計検査院という組織は、憲法から与えられた、立法も行政も司法に対しても会計検査ができる、そういう立場を与えられながら生かし切れない。そして、そういう権威をあざ笑われるかのような対応のされ方しているということ自身が本当におかしいなというふうに思います。 そういう意味で、この参議院のこの決算審査も、この会計検査院の検査報告を大事にしながら審議している。その会計検査院そのものの権威が非常に実質上余りないということであるならば、少なくともこの国家公務員法における人事院に与えられているような、先ほど申し上げました虚偽の、検査妨害された場合はそれがそのまま犯罪になるという規定や、また様々な制度改正を必要と感じた場合は国会や内閣に意見を申し出ることができる、その意見を尊重しなきゃならないという意味の規定をきちっと書けば、これは、人事院というのは憲法機関でも何でもないのに、国家公務員法というのは戦後大変な思いを込めて私は昭和二十二年にできた法律ではないかと、非常に崇高な私は国家公務員法という法律であるというふうに思っていますけれども、その法律がちょっと最近揺らいでいるように思うんですけれども、そういうやっぱり思いを込めてできた法律と同じぐらいの規定ぐらいはやはり置くべきだなというふうに感じます。これは内閣ではなかなかやりにくい権限だなと思いますので、特にこういうところで参議院の独自性を発揮して、例えば議員立法等をすべきではないかということを申し上げたいというふうに思います。 それから、キャリアシステム、これも公務員の話ですけれども、公務員制度改革が、三年前に十二月に公務員制度改革大綱が閣議決定されて以降、公務員制度改革をするための様々な今取組をされているというふうに聞いております。なかなか思うように進んでいないということも聞いておるわけでございますけれども、その大きな柱が私はこのキャリアシステムを見直すということではないのかなというふうに思います。 改革すべき問題として、キャリアシステムはあしき慣行だと、また民主的ではないということがあって見直しということが言われているんではないかというふうに思いますけれども、このキャリアシステムについての認識を人事院にお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) キャリアシステムについてのお尋ねでございますけれども、キャリアシステムというのは、一口で言えば幹部候補生の選抜と育成の在り方ということだと思います。同じようなシステムは民間会社もそれぞれ持っておられると思いますし、会社の将来を託すという意味で、幹部候補生の養成、選抜ということに対してはいろいろ工夫をされておられると思います。 そこで、公務員の世界のいわゆるキャリアシステムはどうなっているかということでございますけれども、まず最初の選抜は採用試験の段階で行われます。具体的には、Ⅰ種試験の採用者をまず幹部候補生として位置付ける、そして採用後もそのⅠ種試験採用者というのは引き続き幹部候補生として処遇され、そして結果的には各省庁の幹部公務員のほとんどの者がⅠ種採用者で占められているという現状になっております。 このシステムに関しましてはいろいろな方面からいろいろな御批判ございます。それらの中で私どもが大変重要だと思っているのは二点ございまして、一つは、ただ一回の選抜、しかもそれが二十二、三歳で受ける採用試験であるということ。果たしてその二十二、三歳で受ける採用試験での選抜が、二十年先、三十年先の幹部としての能力というものを証明できるのかという疑問がまず第一点目の問題点としてございます。 それから二点目は、Ⅰ種試験のほかにⅡ種試験、Ⅲ種試験というのがございまして、それからの採用者というのはⅠ種試験の採用者よりもはるかに多くの人数を採用されているわけでございます。現状では、そのⅡ種試験、Ⅲ種試験の採用者からの選抜というのは実際問題として、ほとんどと言っていいかと思いますけれども選抜が行われていない。実際、その多数のⅡ種試験採用者試験からの採用者の中にはやはり優秀な人材というのが隠れているに違いない。したがいまして、その選抜の方法というものを具体化し、さらにその育成の方法というものを今後十分考えていく必要があるということを私ども考えております。
○山下栄一君 キャリアシステムというのは法律上の制度でも何でもなくて、慣例として今日まで続いているという認識があるので、それを見直そうということになっているというふうに思うんですけれども、とにかく採用時の一回限りの試験がその後の昇進にまで、最後まで影響するという、(発言する者あり)一生ですか、そういうことがおかしいんだというふうに言われておるわけです。 ところが、元々、国家公務員法の任免、任用の根本基準という項目がございまして、そこではそういうことを言われていなくて、実力主義、成績主義、実績によって昇進というのをやるんだということがきちっと書いてあるように思うんです。ということは、現在の慣行というのは国家公務員法三十三条の根本基準に矛盾するのではないかというふうに考えるんですけれども、三十三条の意味するところとそのキャリアシステムは本来相入れないのに、実際は慣行として続いているというその認識、私の認識についてのお考えを人事院にお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 国家公務員法第三十三条の規定には、職員の任用は、受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基づいて行われなければならないというふうな定めがございます。私ども、これはいわゆるメリットシステム、まあ成績主義のことでございますけれども、を定めた原則であって、戦前の身分制的な旧官吏制度から新しい民主的で効率的な公務員制度に改革するときの最も重要な基本的な原理であるというふうに思っております。 お尋ねの、現在のキャリアシステムはそれに違反しているのではないかということでございますけれども、私どもといたしましては、現在、各府省の任命権者が採用後についても勤務評定等を参考にして職員の能力を適切に判定しているというふうに認識しております。ただ、先ほど申し上げましたように、Ⅱ種、Ⅲ種試験からの合格者については、その選抜や育成についてやや目配りが足りないのではないかなという感触は持っております。 したがいまして、今後、そういう選抜や育成の方法、それから評価の仕方等々を総合的な一つの施策にして、一つのパッケージとして、今検討中の新しい公務員制度改革の中で是非実現していきたいというふうに思っております。
○山下栄一君 ちょっと、はっきりした答え言っていただけなかったんですけれども、私は、昭和二十二年に元々できた「任免の根本基準」というふうに書いてある。それは、あくまでも昇進は実績主義、成績主義なんだと、それにのっとってやるということが書いてあるけれども、キャリアシステムというのはそれに私は矛盾するというように考えるわけです。 それで、ちょっと、これはある一つの省の話なんですけれども、具体的な名前申し上げませんけれども、ある省におきましては、現在の課長以上の、課長、参事官、審議官、次長、局長まで、その上の事務次官に至るまで、これはいわゆるノンキャリアの方はゼロで、これはある本省だけですけれどもね、本省だけです。ノンキャリアはゼロになっております。いわゆるⅠ種試験でない試験で合格して採用された人は一人も、課長以上の、本省においてはポストに就いてないという実態がございます。 確かに、中には数人いらっしゃるようなところもあるかも分かりませんけれども、基本的には、キャリアシステムというのは厳然と、あしき慣行と言われながら今も続いていると。これをこの平成十三年の十二月閣議決定では、公務員制度改革大綱の中にこのキャリアシステムの弊害の是正ということを厳然とうたわれたのではないかと。そして、翌年の十四年の八月の行革推進本部、これは総理が本部長でございますけれども、そこにおいてもキャリアシステムの見直し、そして弊害の是正ということが厳然とうたわれて、そして能力に基づいて、例えば能力等級法のような法律を作るとか、そういう昇任基準、評価基準を明確にルール化して、そしてキャリアシステムを見直していこうという、そのようなことで改革が今行われようとしているのではないかというふうに理解するわけですけれども。 行革担当大臣にお伺いいたしますけれども、いわゆる能力主義、そして成績主義ということを取り入れようとして今改革が進んでいるというふうに思いますけれども、これは、キャリアシステムはこのことによって見直す、またこういう能力主義の人事管理が推進されればキャリアシステムというのは不要になると、このように考えておられて、今改革が進んでおるのかということを確認をしたいというふうに思います。
○国務大臣(村上誠一郎君) 山下委員の御質問にお答えします。 委員先ほど来御質問しているように、やはり今の国家公務員の昔の上級Ⅰ種というのは、最初に二十歳ちょっとのときに採用されて、ずっとそれが大体退官するまで拘束力があると。それから、先ほど人事院の総裁も言われたように、Ⅱ種、Ⅲ種の人がなかなか本省の課長以上に登用されないと、そういういろいろな問題があると思うんです。そういうことで、やはりいろいろ特権意識の問題やらセクショナリズムの問題やら、閉鎖性だとかいろいろ御意見があることは十分承知しております。 その一方で、さはさりながら、フランスでもENAがありますように、どうしても公務員システムにおいて幹部の確保や育成についてもやっぱり同時にやっていかなきゃいけないと。そういう中で我々は、一つは、Ⅰ種採用については厳正な評価を行うとともに、Ⅱ種、Ⅲ種の採用された方においては採用試験区分にとらわれない能力重視の人事管理というものを大きく推進していきたいと、そういうことを考えて、今鋭意公務員制度改革の具体化に取り組んでいることであります。 以上であります。
○山下栄一君 だから、もう一遍確認、大臣ね。能力主義、成績主義をルール化して、そういうような制度ができればキャリアシステムというのはもう不要になると、そう考えてよろしいんですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 全くなくすという意味ではなくて、やはりⅡ種、Ⅲ種でも能力のある人がいるわけですから、そういう能力のある人もきちっと実力が評価されてやはり登用されていくということが必要だと思います。 ただ、先生、非常に僣越なんですが、私の同級生も一杯いますが、実際を見て、同級生もⅠ種で通っているからといって必ずしも採用時の試験ですべて決定されているわけじゃないというふうに、私は私の同級生を見ているとそういうふうに感じております。 以上であります。
○山下栄一君 総理にお聞きをいたします。 〔理事田浦直君退席、委員長着席〕 何度も確認しましたように、公務員制度改革大綱、平成十三年に閣議決定、そして翌年におきましてもキャリアシステムの見直し、弊害の是正をうたわれて能力主義の、私は法制化を目指してやられているとは思いますけれども、そういうことで、改革の柱としてこのキャリアシステムを見直さなきゃいかぬということをうたわれているのに、今何かあいまいな答弁をされておりますけれども、閣議決定された最高責任者の総理にもう一度確認いたしますけれども、キャリアシステムを見直しをする、これをもしできなければ公務員改革にはならないと、こういうお考えの下で、そういう理念、哲学の下で今公務員制度改革は進めようとされておるはずだと思うんですけれども、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。いえいえ、総理大臣。総理大臣です。総理です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) キャリアシステムの弊害もあると、そしてキャリア以外の方も優秀な人がたくさんいると、そういうことに対して、現在の状況のままではいけないから見直そうということでやっているわけです。この点については幅広い意見ありますから、よく検討していかなきゃならないと思っております。
○山下栄一君 明確な分かりやすい、国民も納得できる、そういうルール作り、ルール作りは非常に難しいとは思いますけれども、それをしなければ結果的には今の制度が温存されていくというふうに思いますので、当初の閣議決定されたときの精神、公務員制度改革の一つの柱が、キャリアシステムを見直すんだと、弊害を是正するんだというその基本理念だけは強く持っていただいて改革に取り組んでいただきたいというふうに思います。 ちょっと時間があと数分しかございませんけれども、行政効率化推進計画につきまして、これはもう非常に税金の無駄遣いにかかわる話ですので、これをちょっと確認させていただきたいというふうに思います。 これは我が党が強く提案し、省庁挙げてこの無駄遣いをなくす無駄遣い一掃体制を内閣に作るべきだという、それを総理、重く受け止めていただいて、今年の既に二月からこの行政効率化のための省庁連絡会議が立ち上げられまして、六月には行政効率化推進計画、すべての省庁が参加し、そして独立行政法人までも射程に置いて、この行政の効率化を目指していこうという取組が今始まっております。そして、十七年度予算に反映させるということになっておるわけですけれども、この行政効率化推進計画がどういう観点で、非常に国民から見て分かりやすい観点があるというふうに認識しておりますし、それを省庁挙げてやれば歳出構造改革につながると。非常に今回の見直しによってどれほどの歳出改革ができるのかなと楽しみにしておるわけですけれども、その観点、そしていつごろこの推進計画が次年度の予算に具体的に反映されたということが分かってくるのかということを含めまして、これちょっと総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 行政効率化に対して公明党が常に熱心に働き掛けておりますということは私もよく承知しております。その要請にこたえまして、現在、各府省において行政効率化推進計画というものを取りまとめるように鋭意努力中であります。 例えば、具体的にどういうものかと御質問でありますが、公用車というのは多過ぎるんじゃないか、削減しろという要求もございます。これは削減する方向で今努めております。また、航空運賃利用する場合には原則割引航空運賃というのがあると、出張など、こういうのを利用したらどうかと、これも言われればそのとおりだなと思っております。市場調査を反映した予定価格の適正な設定に基づく調達、これを各項目において各府省に広げていかなきゃならない。 こういうものを十七年度予算案にも適切に反映していきたいと考えておりまして、この点につきまして、予算案がまとまった後、十七年度予算案のまとまった後、一月中、できれば一月中をめどに、可能な限り数値的に明示させたいと考えております。 行政の無駄を省くと、簡素で効率的な政府という公明党の申入れ、真剣に受け止めて、具体的に進めていきたいと思っております。
○山下栄一君 あと一点だけ。 その中に、国民への様々な領収書をお渡ししたり、また生存確認を今まで郵送でやっておられたりしたことがあったと、これを効率化するための取組がどんどん進んでおって、各省庁、特に、財務省の様々な書類なんか特に進んでいるというふうに思いますけれども、これ省庁挙げてやることによって非常に具体的な実績が今上がりつつあるのではないかと、これは簡潔にお答えいただければと思います。
○政府参考人(鈴木正規君) 御説明申し上げます。 ただいまの御質問につきましては、議員から御指摘等を踏まえまして、既に計画策定時までに三つの項目について実施に移しておるところでございます。 一つは、恩給受給者に対します恩給受給権調査につきまして、従来毎年度実施しておりましたが、住基ネットの活用を踏まえまして隔年に実施することで、約六千万円の費用の節減を行っております。 また、国家公務員共済の年金受給権調査につきましても、住民基本台帳ネットワークシステムにより生存確認を実施することにより、六千六百万円の費用節減を行っております。 さらには、議員御自身から御指摘いただきました国民年金保険料の口座振替納付者に対する領収書の発行に関しましては、従来、振替のたびに領収書を発行しておりましたものを年一回まとめて発行することによりまして、約二十五億円の経費の縮小を図っております。 これ以外につきましても、今後計画後に実施する予定のもの三事項ございまして、順次実施に移していきたいというふうに考えております。
○山下栄一君 西田議員に替わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 本日は、まず、さきに日本と中国との間で首脳会談が行われました。小泉総理を中心にお聞かせ願いたいと思います。 午前中の質疑でもございましたけれども、総理は、持論であります中国は脅威ではないと、チャンスなんだと、このように強調され、また、日本と中国との貿易量が日本にとって今、今年千六百億ドルぐらい行きそうですけれども、近い将来アメリカを抜いて最大の貿易パートナーになるのではないかと、このようなことも言われたというように報道されておりまして、大変重要な御指摘でもございますし、経済について日中間で大変に交流が深まっていると、こういう御指摘をいただいたわけでございます。 最近の日中関係を見てまいりますと、ややもう死語になっているのかもしれませんけれども、思わず政経分離という言葉を思い出してしまうわけでございまして、かつてまだ中国との国交がない時代に政経分離、すなわち、政というのは一つの中国がどちらかということは取りあえずおいておいて貿易等の拡大を図っていくという、政治と経済を分離させていくという考え方を取ってきたわけでございます。最近、あえてそれを例えさせていただくならば、政治はやや靖国参拝等の問題であり、経済の問題は貿易量の拡大、またひいて言えば東アジア共同体ということにもなろうかと思いますけれども、まず総理にお聞きしたいのは、今後の日中関係につきまして、この政経分離を取っていかれるのか、それとも政経は一体であるというふうに取っていかれるのかということをまず総理にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治と経済、一体であるかどうか、これはなかなか難しい問題であって、中国の政治体制と日本の政治体制は違います。中国は一党体制ですから、経済においては市場経済を取り入れようとしておりますが、政治体制を比べてみますと、いわゆる複数政党を認めるという、選挙が行われるという、そういう我々の考えている民主政治とは違う。しかし、経済においてはできるだけ統制経済から市場経済を取り入れているということで、今目覚ましい経済発展を遂げております。 そういう中で、私は、政治的にも経済的にも、あるいは人的、文化的な交流にしても拡大していった方がいいということから、今盛んな交流が行われ、特に経済面においては相互依存関係がますます深まっております。 今後とも、このようなお互いが交流を深めて、政治、経済にとらわれないで、あらゆる分野で二国間で協力していく、さらには国際社会の場で協力していく。端的に言えば、北朝鮮に対する六者会合、これについてはもう中国と協力していく、六者と協力していくということで、国際社会の中でも日中間が協力していく分野はたくさん増えています。二国間の交流も拡大していくという観点から、多少、一つ二つ摩擦や対立あるいは意見の違いがあっても、それを殊更拡大するのではなくて、より大きな日中友好関係の重要性というものを認識しながら、これからの日中友好を増進していく考えを取るべきではないかなということで、さきのチリでの胡錦濤国家主席との会談、そして先日、ラオスでの温家宝総理との会談でも共通した認識を持てたと思います。 これからもこのような日中関係の重要性をよくわきまえながら、お互いの交流を深めていきたいと思っております。
○西田実仁君 午前中も、また今も議論ございましたけれども、対立点があるのは、これは必ずしも中国との関係だけではなくて、どの国ともそういった点はあるわけでございまして、問題は相互にいかに信頼関係を築くかということが大事であると思います。相互の信頼関係があれば、対立点があってもそれはそのコミュニケーションは取っていけると。言わば今の自民党と公明党の連立もそうでございまして、対立点はもちろん全くないわけじゃありませんけれども、相互に信頼をしていると、こういうことがベースとしてあって長続きするわけでございますと。 その上で、コミュニケーション、この行き違いというものをなくしていくと、こういうことが大事だと思いますけれども、日中間にはいまだこの首脳の間のホットラインというものがないわけでございますけれども、直接に話をできる、こういう体制を整えていく必要があるのではないかと思われますが、総理の御所見をお伺いできればと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 首脳間の交流、話合い、それは私は必要だと思っておりますし、これからもそういう対話の促進に努めていきたいと思っております。
○西田実仁君 今回のビエンチャンでの首脳会談、ほかにも重要な点があると思います。余り新聞等で報道されておりませんが、私は大変今後の日本にとって大事な首脳会談、特に総理とインドの総理との、首相との対談が行われたということを大変重視をしております。 日本のアジア外交を考えた場合には、やはりこの縦の外交というか、コミュニケーション大変取られていると思いますけれども、逆に日本にとって横の外交というものがいま一つまだ手薄ではないかというふうに感じているわけでございまして、その横の外交の代表は、正にインド、中国そして日本という、この三か国がもっと交流を深めて、今、様々な経済的な規模とか違うということは度外視して将来の日本ということを考えたときには、この日印中という、この三か国での対話のフォーラム、枠組みというものを持つことが必要ではないかと、このように考えるわけでございますけれども、総理、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) インドはもう十億人を超える人口を持つ大国であります。そのインドが、日本との関係、現在よりももっと増進させたいという強い意欲を持っておるということを、今回のラオス・ビエンチャンでのインド・シン首相と私との会談で強く感じました。 私ども日本政府も、インドと日本の関係、今よりももっと発展させていかなきゃならないと考えております。非常に大きな発展の可能性、潜在力を持っているのがインドだと思っております。 そういう観点から、今回の会合でこれから、インドが特に関心を持っているのは経済関係の強化であるということでありますので、そのための日本とインドの共同研究会を立ち上げるということで合意いたしました。今後、日印共同研究会の人選については、どういうメンバーがいいかというのは担当事務当局で調整させたいということで人選を進めてまいりますが、これからインドもアジアの繁栄について自分たちの存在というのは大きいということを自負を持っておりますし、今回のASEANプラス日中韓の会合にもインドは招待されて、インドとASEAN諸国との会談もなされたと聞いております。 これから、日本としてもインドとの経済関係強化に向けて積極的に取り組んでいきたいと思っております。
○西田実仁君 正に今、総理御指摘いただきましたとおり、このインドプラスASEANプラス3、ここのところは、インドのシン首相が言っておられますけれども、アジア繁栄の弧と、不安定の弧に対する正にアジア繁栄の弧というふうに指摘をしているわけでございまして、日本としても、今申し上げましたインド、そして将来はインドは中国よりも成長率が高くなるという指摘もあるぐらいでございますし、このアジア繁栄の弧に日本としても主導的な役割をしてそこを発展させていくということが是非とも必要であるということを御指摘させていただきたいと思います。 残り時間もございませんので、この決算審査を踏まえた上で、来年度、平成十七年度予算の編成方針につきまして、中小企業とのかかわりで一つ御質問をさせていただきたいと思います。 平成十七年度予算編成方針の中にはこのような御指摘がございました。活力ある中小企業の革新と再生を積極的に支援するため、中小企業再生支援協議会の一層の活用等を行うと。中小企業再生支援協議会をもっと活用していこうと、こういう御指摘があるわけであります。 それによって地域の再生、そして中小企業の再生を図ろうと、こういうことかと理解しておりますけれども、その際、実際、ではどのぐらい今、中小企業再生支援協議会で中小企業が再生をされているのかと。この数字を見ますと、十一月十五日現在でございますが、相談企業数は五千余り、そして再生計画が策定完了している件数は二百三十四と、大変にまだまだ数が少ないという現実がございます。 そして、併せて申し上げますと、この再生支援協議会、相談はしますけれども、最終的に主力行がノーと言えばノーでありまして、その計画はほかの中小の金融機関が肩代わりしない限りは中小企業は再生されないわけでございます。一定の役割は確かにありますけれども、しかしながら中小企業の再生というものが、金融の再生が喧伝される中で、やや置いてきぼりになっているという懸念を私は持っております。 その上で、この中小企業再生支援協議会、確かに役割はありますけれども、今申し上げたとおり、大手行がノーと言えば成り立たないわけでありまして、その大手行が持っている中小企業の債権を買い取るという、そうした金融機能を持たないからそのようなことになってしまうわけでございまして、ここでまず総理にお聞きしたいのは、この中小企業再生支援協議会、更に一層活用しようという、来年度予算編成方針の中にございますけれども、こういった限界があると、こういう御認識については、総理、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 今、西田委員御指摘のように、これはもう政府としての決定でございますから総理に代わって私からお答えさせていただきますが、今委員御指摘のように、去年からスタートして四十七都道府県に一応すべて設置をされております。今、五千数百件の申出に対して六百件の策定計画、二百三十件がもう卒業ということで、地域にばらつきが多少ございますけれども、総じて果たしている役割は大きいというふうに私どもは考えております。 まだまだスタートして二年もたっていないわけでありますし、また中小企業の果たす地域の役割も大きいわけでありますし、また雇用面でも、御承知のとおり、二万人近い雇用を確保しているという実績もございますので、更に生かしていきたいというのが来年度に向けての政府の基本方針であります。 そういう中で、金融機能といいましょうか、債権の買取り機能であるとか資金を出す機能をくっ付けたらいいのではないかという御指摘でありますが、これそのものは地域の総力を結集した、ある意味ではネットワーク組織という役割で、中立的であると同時に一番地域の情報なり人脈が集まっている組織という位置付けでございます。 そういう意味で、自らはその資金的な機能は持たずに策定計画の中に資金計画あるいは再建計画等も盛り込んでいく中で、例えば民間金融機関との関係、あるいは政府系金融機関との関係、さらには、御承知のとおり、現在、四都道府県プラス今後二地域で再生ファンドが立ち上がってまいります。これも順次、全国で立ち上げて、再生協議会と再生ファンドとある意味では連携を取りながらという形にしていきたいと思っておりますが、そういう再生ファンドでの金融の在り方、あるいはまた再生計画に基づく債権のカットでありますとか、あるいは債務を資本的な債務に換えていくというようなことも、再生協議会としての決定ということになりますと地域において相当の、まあ影響力といいましょうか重要性がありますので、そういう中で総合的な支援の、まあ一つのコーディネーターといいましょうか司令塔的な役割の中で、資金面もいろんなところに協力をしてもらいながらやっていくという役割の中で、先生の御指摘のようなことも更に充実していきたいというふうに考えております。
○西田実仁君 今御指摘いただいたとおりでございますけれども、中長期的には、今後、郵政民営化の議論を進めていく中で、こうした中小企業を再生していく資金に使っていくということも是非お考えいただきたいということを御指摘して、終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手) ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小林美恵子君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。 ─────────────
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 二〇〇三年度予算の予備費からイラクへの自衛隊派兵経費二百六十八億六千万円が計上されています。支出されました。今日の審議でこのイラク戦争とは一体何だったのか、検証したいというふうに思います。 イラク戦争では多数の民間人が犠牲となりました。さらに、十一月八日からは、米軍はイラクの都市ファルージャを一万五千人の兵力を投入して総攻撃を行いました。人口三十万人の都市を空爆して、包囲、封鎖をして、市街戦を行って病院やモスクまで攻撃をする。アメリカ自身がベトナム戦争以来最大の攻撃だと言う大規模な戦闘であります。これだけ大規模な戦闘の結果、市民にも多数の犠牲が出ております。(資料提示) 御承知のように、国際人道法はこうした無差別攻撃を厳しく禁止をしておりまして、ジュネーブ条約第一追加議定書第五十一条、民間人、住民への攻撃は禁止をしています。それから、住民の間に恐怖を広めることを目的とした暴力による威嚇、これも禁止をしている。それから、軍事目標と民間人、民用物を区別しない無差別攻撃も禁止をしています。さらに、文民病院はいかなる場合にも攻撃してはならないというのが第四条約の第十八条。で、第一追加議定書の第五十三条では、文化財及び礼拝所、まあモスクも含めて、敵対行為という広い範囲で禁止をしています。 小泉総理にお伺いしますが、今回のファルージャ総攻撃は明らかにこうした国際人道法に違反するものではないでしょうか。 ちょっと、総理に聞いているんです。
○国務大臣(町村信孝君) 今回のファルージャの事態で民間人が死傷者が出たということは、それはもう残念であるということは、もうそれは論をまたないところであります。 今、イラク暫定政府は、ファルージャにおけるこうした活動を含めて、要は法の支配をできるだけ早く確立をしたい、そして来年一月三十日に行われる予定であるこの選挙を始めとして、来年は様々な政治プロセスが展開をされ、年末までには一つの独立した民主的な国家として自立をしていく、そのためのプロセスの中で誠にやむを得ざる措置であったのではないだろうかと、こう認識をしているわけであります。 委員御指摘の様々なジュネーブ諸条約、あるいはこの追加議定書にお触れをいただきました。実際どういう活動が現地であったのかということは詳細に私ども承知をし得る立場にはありませんので、余り確定的なことを申し上げるのは難しいとは思いますが、あえて申し上げれば、確かに今、委員御指摘のようなことはそれぞれ決まっているわけでありますけれども、例えば一般論ですけれども、文民であるとか病院、文化財、礼拝所、これらについては別に無条件にそれは保護が与えられるということではなくて、敵対行為にその文民が直接参加していないことであるとか、あるいはそこに書いてある民用物も、軍事上の支援のために使用されていないこと、文化財、礼拝所も、軍事上の努力を支援するために利用してはいけないということが別途決まっていたり、そういうような限定付きのものであるということは委員御承知のとおりであろうかと思います。
○小池晃君 目的のためならどんなことをやってもいいのかということなんですよ。こういう無差別攻撃が許されるのかと。私は、いろいろとおっしゃいましたけれども、アメリカがファルージャで行った総攻撃の中身を見れば、これは絶対に正当化できるようなものではないというふうに思うんですよ。 例えば、どんなことをやっているか。まず、病院を占拠したんだと。これは、なぜ病院だったのかと。四月の攻撃で民間人の犠牲を告発する発信地となったからだと言われている。アラブの通信社、クドス・プレスによれば、米軍がファルージャ総合病院を急襲して、外科医をすべて拘束して、緊急手術できる医師が一人もいなくなったと伝えています。 AP通信カメラマンの証言によれば、米軍の狙撃兵が、川を泳いで渡ろうとした五人家族を撃ち殺したと。どこもかしこも破壊された。死体が道に横たわり、けが人が血を流しているのに助ける人もいないんだと。 BBCの現地記者は、たくさんの遺体が路上に放置をされて、死臭が耐えられないほどだと惨状を報じている。 十一月二十七日のBBCは、イラクの赤十字、赤新月社のスポークスマンが、攻撃の犠牲者は六千人以上の可能性がある、こう報道しています。このスポークスマンは、死体が余りにも多いので町の中を移動するのは困難だと。 赤新月社の緊急援助団の報告では、路上のあちこちに遺体が放置され、野犬が遺体を食べる姿を目撃されたと。 もう正に地獄絵なんですよ。三十万人の市民のうち二十五万人が避難民になっている。この中から死者が出ているという報道もあるんです。 私、総理にお聞きをしたい。総理はこのファルージャ総攻撃を成功させなければいけないと言った。しかし、これは正に国際人道法違反を日本が認めたと世界に表明するようなものじゃないですか。どうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ただいま町村外務大臣が答弁したとおり、その国際人道法の規定というのは無条件に定められているというものではないと。あるときには、民用物を武装テロリストが普通の民間人を殺傷する一つの手段として使っている場合もあると。また、私がファルージャの作戦は成功させなければいけないと言っているのは、これは一月末に行われる国民議会の選挙、これを成功させるためには、この選挙を妨害させようとしている、混乱させようとしている武装勢力、テロリスト勢力、こういう勢力を排除しない限りは難しい情勢であるということから、米軍はイラクの暫定政府の部隊とともにこのファルージャを武装勢力の拠点としないために行った作戦であると。そして、この作戦実施の前にはファルージャの住民に対して退避勧告を出して、できるだけ民間人に被害が及ばないような対応をしているということでありまして、私は、今イラク人自身がようやくフセイン独裁体制から解放されて、自分たちの国をつくろうとして選挙を実施しようとしている極めて大事な時期にあると思っています。だからこそ、この選挙を成功させるためにファルージャの武装勢力を排除して、選挙が実施されるような努力は成功させなければならないと言っているのはそのためであります。
○小池晃君 イラクのすべての人が参加する選挙を成功させなければいけない、これは当然のことであります。しかし、アメリカの軍事行動が正にその選挙を不可能にしつつあるんですよ。イスラム聖職者協会は選挙ボイコットを呼び掛ける声明出した、さらにスンニ派やクルド人系など十五の政党が選挙の延期を求めている、これが現実なわけです。 しかも、何かその攻撃によってそういういい方向のように向いているかのように言うが、例えばアメリカ国防総省、まあつい先ごろ発表しましたが、駐留米軍の規模を現在の十三万八千人、十五万人にすると。これ、イラク戦争以来最大規模ですね。これ、正に治安がどんどんどんどん悪化をしている何よりもの証拠じゃないですか。テロがなくなるどころじゃないんだ、アメリカの攻撃によってそれが怒りを引き起こしてテロをまた呼んでいるんだ、これが現地の実態なんですよ。 イラク戦争でアメリカは今まで一体どれだけ軍事行動やってきたか。ブッシュ大統領は昨年五月に戦闘終結宣言出しましたが、それ以来名前が付けられた作戦、これが一体幾らあるか、総理は御存じですか。
○国務大臣(町村信孝君) 米軍の一々の活動について今どれだけの作戦があったかと、突然のお問い合わせですから私も今答えるすべはございませんけれども、それはいろいろな形でのあれがあったと思います。 ただ、念のために申し上げておきますが、私は、先般エジプトで行われましたシャルム・エル・シェイクにおけるイラクに関するG8及び近隣諸国会合に出席して、そこでイラク暫定政府の外務大臣と私は直接話をいたしました。ズィバーリ外相は、ファルージャにおける作戦は成功であったと、今回の活動を通じてファルージャがテロリストのセーフヘーブンであった、どう訳すのか、多分安全地帯とでも訳すんでしょうか、であったことが判明をしたと。ファルージャでは大量の書類、武器を押収をしてきたということでございますし、また実際にファルージャでは市民の格好をした者たちが武器を取って戦っていた事実も多数あるというような発言もあります。 さらに、これは米国防省の発表でありますけれども、ファルージャでは二百か所近い武器貯蔵庫、多数の即席爆弾、大規模な爆弾製造施設、拷問部屋等を発見したというような発表もございます。現に、大変驚いたわけでございますけれども、香田さんの旅券も現地において米軍が発見をしたというような事態もあるわけでございまして、こうしたことをやはり私どもは総合的に勘案して、なぜこういうものが必要であったのかということをやっぱり考えなければいけない。 それから、選挙がもうすっかりできないであろうというような今御指摘もございましたけれども、現実には選挙に向けて数多くの政党あるいは有権者が今登録をしていると。百六十以上の政党が登録をして、そのうち二十以上はスンニ派だということで、先ほど委員は、ちっとも選挙に向けて準備が進んでいないではないかと、ファルージャの攻撃によって選挙ができなくなってきているんじゃないかというお話がありましたが、決してそういう事態ではないということを念のためにお話をさせていただきました。
○小池晃君 テロは断じて許せないのは当然ですよ。しかし、このアメリカの攻撃がどんどんどんどんテロリストに怒りを呼び起こして、イラク全土をテロの泥沼に引き込んでいるじゃないかと。 例えば、今質問に全く答えなかったんですけれども、十一月八日からのファルージャ総攻撃が、アメリカのその名前の付けられた攻撃の中では百十八番目なんです。そうして、それが終わってもいないのに、十一月二十三日からは百十九回目の新たな作戦、オペレーション・プリマスロック、これが始まっているんですね。もうとにかく、軍事行動をやれば住民の怒り高まり、テロが起こり、それに対してまた軍事行動で制圧をする。もう本当に泥沼の事態になっているんですよ。 問題はファルージャの総攻撃だけじゃありません。イラク戦争の一年九か月というのはすさまじい規模での無差別爆撃の連続だったわけです。 例えば、クラスター爆弾。これは投下された爆弾が地表近くで炸裂をして、二百個の子爆弾が飛び散ると。これがばらまかれて無差別に人々を殺傷すると。しかも、一割以上が不発弾となっていると。地雷になっちゃうわけです。マイヤーズ統合参謀本部議長は、イラク戦争で約千五百発のクラスター爆弾を使用したと発表しています。つまり、三十万発の子爆弾がばらまかれて、多くの不発弾が今もイラク市民を傷付けている。 さらに、劣化ウラン弾。これは湾岸戦争でも大量に使用されて、その影響で白血病や悪性リンパ腫あるいは先天障害を持つ子供が相次いで生まれ、国際的批判を浴びながらも、またイラク戦争でこれを使用をしていると。 バンカーバスター爆弾はどうか。これは地下三十メートルまで貫通をして、地中で大爆発をして周囲を根こそぎ吹き飛ばすと。これ、十一月十四日のCNNでは、ファルージャでもバンカーバスター爆弾が投下をされている。 総理、今までこういうその数々の残虐兵器をアメリカは使ってきた。総理は今まで一度でもブッシュ大統領にこういう残虐兵器を使うのはやめるべきだと言ったことはありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、そういう話はしておりませんが、イラクの復興支援を国際社会が一致協力して進める体制を作らなきゃいかぬということを話しているわけであります。そして、できるだけ早い機会に米軍がイラクから撤収できるような体制を国際協調体制の下で作って、イラク人のイラク人のための政府を作るような支援をしていかなきゃならない。 そして、ようやく今イラクの勢力が自分たちの国をつくろうとして、武装勢力、テロリストと断固として戦おうといって、選挙の実施に向かって努力している最中であります。もちろん、これからますますテロリストがばっこするような状況になるんじゃないかという意見もあります。逆に、いや、武装勢力がかなり勢力は弱まって、これは選挙に向けて着実に一歩前進だという見方もあります。 そういう中で、私どもとしては、この一月の選挙に向けて暫定政府が強い決意を示している、そして多くのイラクの人たちがこの選挙に向けて参加しようとしている、この努力を今支援しない限り、果たして米軍が撤退したらどういう状況になるかと、これも考えなきゃいかぬと。この開戦の経緯においてはフランスやドイツとアメリカと対立いたしましたが、フランスもドイツも今米軍が撤退しろなんて一言も言っていません。米軍のイラクへの駐留は必要だと、治安活動は必要だということをはっきり言っているわけであります。 そういう中において、日本は日本なりの支援活動をしなきゃ、このイラクの国民が今ようやく苦しい中でも自分たちの国をつくろうとしているときにどういう印象を与えるかということもやっぱり考えていかなきゃならない。 確かに戦争は残虐です。戦争を避けなきゃいけないという気持ちはだれでも持っていると思います。しかし、今ここでテロリストの思うつぼにはまったら世界はどうなるのか。イラク国民だけが非難、批判、被害を受けるだけじゃありません。ここにテロリストが拠点にイラクをしようとする考えが成功したならば、我々はもっと不安な状況に陥るということもやはり考えていかなきゃならないのではないでしょうか。
○小池晃君 国際社会は一致して、こういう国際法違反の無差別攻撃に対しては批判していますよ。そのことを、過度の武力行使はすべきでないということをはっきり言っているじゃないですか。 総理は何度も何度もイラクがあたかもいい方向に向かっているかのように言うけれども、何よりもアメリカが増派を決めたんですよ、この時点で。これが何よりも今本当に事態が深刻化しているということの、何よりもアメリカが行動で示しているじゃありませんか。 そもそも、日本はどれだけこれにかかわってきたのか。イラクに対する先制攻撃の第一撃は、横須賀に配備されていたミサイル巡洋艦からトマホークが発射されたんです。そして、イラク戦争に、在日米軍基地からは、横須賀を母港とする空母キティーホーク打撃群、厚木基地の第五空母航空団、それから三沢基地からも、嘉手納基地からも沖縄の第三海兵遠征隊、約一万人の米兵が参加をして、新たに二月、八月と部隊も派遣されている。 総理、現在、ファルージャの最前線に沖縄の海兵隊がいることを御存じですか。
○国務大臣(町村信孝君) 米軍の、米国の発表によりますと、約五千名の沖縄の海兵隊員が日本を離れているということは承知をしております。
○小池晃君 ファルージャの最前線には、八月に沖縄から出撃していった第三十一海兵遠征隊がいるんです。アメリカ海兵隊ニュースでは、その戦果が誇らしげに報道されています。ある砲兵部隊が百五十五ミリりゅう弾砲六門から十二発をファルージャに撃ち込んだ。指揮官は部下に対して、今日我々は敵を殺した、後味の悪さを感じているかもしれないが、これが我々の任務だと。 総理は真っ先にイラク戦争を支持して自衛隊を派遣した。そして、日本から出撃した米軍が今ファルージャの最前線で国際法違反の無差別攻撃を行っている。結局、この戦争は一体何だったのか。イラクが大量破壊兵器持っていると。結局なかったじゃないですか。そして、国連決議なしに先制攻撃やった。国連憲章は無惨に踏みにじられた。残虐行為は数限りない。テロをなくすためと言いながら、イラク全土がテロリストの巣窟になっている。正にイラク戦争は人権と人道を踏みにじる、無法に、その連続だったというのが実態だと私は思う。 総理、あなたは日本をこんな戦争の共犯者にしたんですよ。そのことをどう考えているんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロというのはイラク戦争の開始前からあったんです。テロとの闘いというのは、国際社会が今一致して対応しなきゃならないということであると思います。 我々としては、このテロとの闘い、これは国際協調体制、日米同盟、そしてイラクがイラク自身の復興支援に努力している、そういう活動を支援するということでやっているんであって、あの国連決議に基づいて、フセイン政権が大量破壊兵器を持っていませんと、国連決議を遵守して査察を受け入れていれば戦争は起こらなかったんです。こういう点も考えなきゃいけないと。現在、じゃフセイン政権が存在していたら、どれだけまたイラク国民が被害を受けたかと、世界に脅威を与えたかという点も同時に考えなきゃいけないと思っております。
○小池晃君 何と言おうと、国際人道法違反の無差別攻撃を支援しながら、人道復興支援なんて口にする資格はありません。 政府と与党は、あした国会の幕無理やり引き下ろして、閉会後に自衛隊派兵の延長を決めようとしていますが、これ断じて許すことできない。このまま無法なイラク戦争に加担続ければ、日本が犯している誤りが一層取り返しの付かないことになる。二十一世紀に本当に禍根を残すことになるんだと。憲法違反の自衛隊派兵は直ちに中止をして撤退せよと、そのことを強く求めて私の質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 去る二十六日の本会議での総理答弁に基づいて、特別会計の改革問題について、まず財務大臣に三点ばかり御質問を申し上げたいと思います。 まず、この特別会計の改革についてですけれども、一つは、このNTTの無利子融資制度は廃止し、産業投資特別会計の社会資本整備勘定を廃止するということで総理から答弁ございました。これは会計検査院や、そして私たちも主張してきたところでありますから、遅まきながらこれは結構なことだと思います。 そこで、回収される残高三兆二千億円ということになるわけですが、今後これをどう利用するということになるのか。また、産業投資特会の本体も、この名目だけの投資、出資先で数千億円も国費が毀損しているというのは、私何回もこれ追及してきました。これをどういうふうに反省をし対処されようとしているのか。この二点、財務大臣、まずお答えください。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいまの問題、又市委員もう前からいろいろ議論をさせていただいております。 まず第一に、NTTの無利子貸付事業を廃止して産投会計の社会資本整備勘定は廃止すべきという提言をいただきまして、この間も総理の御答弁にありますように、平成十七年度の予算編成においてはこの提言を踏まえた対応をしていくということで、そうすると、ここに償還されるNTT株式売却収入はどうなるかということですが、これは一般会計を経由して国債整理特別会計に繰り入れられまして、国債の償還財源として活用させていただくということでございます。 次に、産投会計、産業投資勘定についてはどうするのかということでございますが、これも今まで随分議論をさせていただいておりますが、私の表現で言えば、リターンが期待できるけれども民間だけではなかなかリスクが取れない少し難しいところにやっているということでございますので、これは国民経済の発展と国民生活の向上に役立つものじゃないかと考えております。 ただ、委員が今まで御批判をいただいておりますことをそのまま何にもしないで行ってしまうというのはやっぱり私もよくないと思いますし、昨年の財政審でも指摘をしていただいておりますので、研究開発法人への出資についてはやはり出資先を厳しく精査して、投資対象事業の公益性をよく考えながら収益性の向上に努めていくということをやらなければいけないと、こう思っております。 そこで、出資が毀損しているじゃないかと、こういうことでございました。確かに、先ほど申しましたような、民間ではリスクの取れない、リターンは期待したんだけどリスクが取れないところにやってみたら結果として当初見込んだ収益が上げられなかったと、そこで出資が毀損したということがございましたのは残念ながら事実でございます。 そこで、この産投勘定におきましては、財政審からの指摘も踏まえまして、研究開発法人向け出資を減額するであるとか、あるいは収益の一部を納付するという方式から売上げの一定割合を納付する方式へ変更するとか、あるいは採択時、それから中間評価時、それから終了評価時、三段階で外部有識者から事業化評価体制を強化してやっていただくというようなことで、先ほど申しましたような収益性の向上に努めているところでございます。
○又市征治君 それじゃ、二つ目に、この道路特会、電源開発特会など巨額の繰越しの不当性についても、つとに我々は指摘をしてきたところです。 総理は、各担当大臣に不用、繰越しの発生要因なども含めて各特別会計の性格に応じて中期的な抑制の目標を作らせる、こう答弁をされたわけですが、どうも私は、各大臣の自主性に任せるというんではさきの三位一体改革同様どうも期待はできない、こう言わざるを得ないわけでありまして、これはひとつ、財務大臣、財政法を改正をして、イギリスの例など去年、我々も研究させていただきましたが、特別会計の一定の率を超える不用額などは自動的に一般会計に繰り入れることにしてはどうだろうか、あるいはまた各特会の積立金や資金という名の隠し預金もやっぱり厳しく規制すべきじゃないかと、こんなふうに思いますが、この点どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この点も今まで委員が英国の事例等を研究されて、いろいろ御提言もいただいております。 ただ、各特別会計の剰余金、この要因や性格というのはかなり多様でございまして、例えば保険事業に関する特別会計の剰余金というのは、結局、主に翌年度の保険金支払とか将来の支払のための準備金だと、それから、公共事業に関する特別会計の剰余金というのは、主に事業の繰越見合い財源でまた翌年歳出されるという、それぞれ各特会の性格に応じた使途がございます。 他方、去年十一月の財政審の報告書では、恒常的に不用を生じ多額の剰余金が発生しているものであるとか、積立金等の保有高が一定の合理的な限度額を超えている特別会計などについては、その要因を精査して、繰越事業の見合い財源や中期的な事業計画などを勘案しつつ、歳出の合理化を進めるとともに、一般会計からの繰入れの減額等、国全体の財政資金の効率化の観点も踏まえ、見直しを図る必要があるという提言をいただいておりますので、私どもも、こうした提言を踏まえながら、この各特会の性格に応じて見直しを行う必要があると考えております。
○又市征治君 そこで、三点目に、一般会計からの繰入れも抑制するなど、温存を許すことはなく、一層徹底して見直すと総理はおっしゃっておりますが、ただし、一般会計による支援というのは、これは個別の会計、今もおっしゃいましたけれども、個別の会計によって違うと思うんですね。 例えば、この国有林野特会なんというのは採算性なんて取れるわけないんでありまして、だけれども、やはり環境保全、農林業の維持という、これは重要な政策目標を持っての話でありますから、こんなことを削るなんて話はならぬわけでありますが、しかし一方で、これもこれまで申し上げてまいりましたが、石油・エネルギー特会、これは大変批判が強いんですね。減らすといっても、繰入額そのものが三千九百六十五億円、まだまだ巨額であります。 それからまた、道路整備特会ですけれども、今年度、財務省は道路特定財源を理由に見直しをしませんでしたけれども、これを聖域扱いしたんでは、これ抑制にならぬと思うんですね。総理の言葉は全く飛んでしまうと思うんですよ。 どのようにこれらのところは、この二つの会計、特に今申し上げた石油問題と道路特会、ここら辺のところをどんなふうに抑制される考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、道路特会ですが、これは、道路特定財源は、厳しい財政事情の下で、納税者の理解を求めながら使途の多様化を図っているというのが今の方向であります。 それで、平成十六年度は、本四公団の債務処理とか環境対策としての酸化触媒の導入支援、こういったものを実施して、道路特定財源の一部をこれらの一般会計での歳出の財源といたしました。 他方、道路事業を始めとする公共事業につきましては、「改革と展望」に基づいて今抑制しておりまして、こういった結果、平成十六年度の一般会計から道路整備特会への繰入額は二兆三千三百六十億円、対前年度比マイナス四・四%というふうになっております。 今後とも、公共投資については「改革と展望」に示された線に従って重点化を図って、道路特定財源の使途の多様化を図るということが必要じゃないかと思います。 なお、公共投資の抑制を図る中で、公共事業関係の特会全体で見ても、平成十六年度の一般会計繰入れは対前年度比マイナス三・六%ということになっております。 それから、石油及びエネルギー特会ですね、これにつきましては、昨年の財政審の特会小委の報告で、多額の不用が発生している費目の予算計上額を抑制していく一方、一般会計からの繰入れの減額を進めて、不用、剰余金の削減を進める必要があると、こういう指摘がございました。十六年度予算では、こういう指摘を踏まえまして、多額の不用が発生していた備蓄などの費目を削減するとともに、一般会計からの繰入れを縮減いたしました。これは、対前年度に比べましてマイナス四百四十五億縮減をしたということであります。 それから、十七年度をどうするかということでありますが、十一月十九日にその財審より平成十七年度の予算編成についての建議を出していただきまして、その中で、エネルギー対策については、省エネ対策等の一層の推進が求められているが、各施策の有効性や効率性を厳しく検証することにより、既存事業の徹底的な見直しを進め、施策の効率化、重点化を一層進めるべきだという指摘をいただいておりますとともに、それから石特、それから電特については一般会計繰入れの抑制、歳出の合理化等を進めることで引き続き不用、剰余金の縮減を進めていくべきだという指摘をいただいております。 それで、今、十七年度予算の要求内容についてはただいま精査中でございますけれども、こういう建議等の指摘を踏まえて、歳入、歳出両面にわたって厳しく査定、精査してやっていきたいと、こう思っております。
○又市征治君 今日は三点のことをお聞きをいたしましたけれども、前の塩川さんに言わせれば、本当に、母屋はおかゆをすすっているのに裏へ行ったらすき焼き、裏というのは、離れは、というのは特別会計のことを言っているわけですが、すき焼きを食っていると、こう言われたわけでありまして、非常に面白い表現だと思いますが、私も同感なんですね。本当に国、地方を通じて大変な財政難の折、本当にこれまでのしがらみにとらわれずにやはり抜本的に見直して、削るべきところはどんどん削っていく、こういうことを申し上げたいと思う。 私は本会議でも、だからそういう財源を削っていけば年金財源だって出てくるじゃないかと、こう申し上げたんで、これからの、今日を皮切りに本格的に各省庁別の議論はしていきますから、そういう中で更に質疑をさせていただきたいと、こう思っています。 そこで、次に、私もイラクの問題についてお尋ねをいたします。 二〇〇三年から始まったわけですけれども、まず、その前段に、アフガンの米軍支援について、この二〇〇三年度予備費だけでも九十四億円が費消されておるわけですね。インド洋上での米軍への給油はなぜか無償で行われておりますが、この年度に米軍等に何回給油して幾ら使われたのか、これ、防衛庁長官、お答えいただけますか。
○国務大臣(大野功統君) 米軍の艦艇に対して五十七回でございます。ちょっと申し訳ございません、詳細、何キロリットルという数字は持っていませんが、五十七回給油いたしております。
○又市征治君 金額は言わないんですか。
○国務大臣(大野功統君) 金額は、総計、全体でございますが、金額は、総計で百六十八回、五万七千キロで約二十三億円でございます。 米軍の五十七回が幾らというのは、ちょっと手持ち持っておりません。
○又市征治君 二十三億円を給油して、そのために自衛隊、自衛艦を、艦は艦でも船の方ですが、インド洋上に浮かべて、その分合わせて九十四億円を使った。アフガン国民には全然届いていないわけですね。 そこで、総理に次にお伺いしたいんですが、じゃ、イラクはどうだろうか。二〇〇三年度分の防衛庁分の約二百六十九億円はほとんど自衛隊自体の経費ですね。二十六日の本会議でも私、指摘いたしましたが、医療や公共施設の復旧、水といった自衛隊派遣の目的はどうも既に達成をされたり、あるいはほかの主体、つまり文民による方が合理的、効率的であるというのは多くの識者がこれは述べられているわけです。 他方で、自衛隊以外の対イラク協力は、未実施分も含めて千九百億円で、うち実施又は決定が千三百億円というわけですね。この中には、だれもが支持をいたします病院の整備であるとか電力の復旧がありますけれども、これは現地の民間人が担っているわけですね。総理の言う、民間人による本格的な支援活動ができるような状況にはないなどというのはどうも根拠が薄弱、現実にそういう形で現地で民間人でやられているわけですから。 最も期待されたのは雇用の創出ですけれども、これが自衛隊と全く無縁であることも、またこれは繰り返しあちこちで述べられています。むしろ、自衛隊を撤退をさせて、その経費を日本らしく平和的な資金協力に変えた方が有効ではないかと私は思いますが、総理の認識をお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは民間人が、企業にしても、活動できる状況になった方が今よりももっといろんな支援活動はできると思います。民間人が行けないから……
○又市征治君 いや、違うでしょう。民間人、やっているじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはイラクの民間人がやっているんですよ。それは自衛隊としても、できるだけイラクの民間人にいろいろな事業ができるように今努力しているんです。日本人の活動というもの、これはできれば企業も民間人も、日本人も行ければいいんですが、それができないから、イラクの人たちがイラクの国づくりをしようとしているんだから、まず日本としてはイラク人自身が努力してくれと。自衛隊が撤収した場合も、自衛隊と同じような効果的な給水活動あるいは医療支援活動、教育活動、公共施設整備活動、それができ得る今、イラク人にそのような活動ができるように今努力しているんです、日本の自衛隊というのは。 私は、その民間人に、できるだけ雇用の面においても、自衛隊がやらなくてもイラクの民間人ができるような状況に持っていくべきだと思っていますから、そのような指導をするようにも指示しております。私は、できれば、自衛隊が出ていかなくても、日本の民間企業が、民間人が出ていけるような状況になれば、その方が望ましいと思っているのは、イラク人自身もそう思っているんではないかと思いますし、私もそう思っています。 しかし、今の時点において、日本の企業も民間人も出ていけるような状況じゃありません。だからこそ自衛隊が、自らの努力によって自分たちができることは自分たちがやると、自分たちがやらなくてもイラクの民間人ができることはできるだけイラクの民間人にできるようにしていこうという努力をしているところであります。これは今後も続けていきたいと思います。
○又市征治君 私の言っていることと全然擦れ違っているわけですよ。私は、何も日本の民間人が行けなんて一つも言っていないんですよ。問題は、政府が使ってやっている金でイラクの現地人が現実にいろんなことができているじゃないか。例えば、今日はそこまで言うつもりなかったんですが、外務省が出している草の根無償援助の問題で、それで七万人以上の給水活動が現実にできている。いや、もう来月行ったら、そういう意味では三月までですか、十三万人分まで供給できる、こういう話がある。自衛隊でやられているのは三万人程度だった、こう言われているわけでしょう。問題は、したがって現地に私はそういう資金というものをむしろ渡してやってもらったらどうかと、こう申し上げたんです。 そこで、今、今も総理はおっしゃったんですが、民間人による本格的な支援活動ができるような状況にない、だから自衛隊の派遣が必要だと、こうおっしゃっているわけですが、私は翻って言うと、これは因果関係が逆だと思うんですね。イラク戦争前の日本というのは、イラク国民からはそれこそ平和で友好的な国、民族として尊敬をされてまいりました。しかし、ここ二年足らずの間に、イラク国民からは敵対国、こんな格好で日本というのは変わりつつある。小泉総理が国際法違反の米国の攻撃を真っ先に支持をなさる。その占領支配の一環として自衛隊が派遣をされている。最近では、ファルージャの大虐殺、この攻撃の成功を祈るとおっしゃる。それで五千五百億円も支出したって、これはもう全く私は死に金だと思うんですよ。 今、日本の政府がなすべきなのは、正にアメリカの政権に対して、ブッシュ政権に対して、イラク戦争とこの実質占領支配というのが誤りだった、これは国際的にはみんなそういう思いじゃないですか。そのことをやっぱり同盟国と言うんならばしっかりと言う、そして速やかに国連を中心とした国際協調によるイラク復興に立ち返るべきじゃないのかと。このことをやはり、同盟国とおっしゃるならば、小泉総理がやるべきことであって、全土が非常事態宣言が出されておるところに、砲撃のレーダー探知機まで持っていかざるを得ないような戦闘地域へ自衛隊の派遣を延長することではないんじゃないかと私は思うんです。 もう一度改めてその理由を、総理、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、又市議員は自衛隊は敵対視されていると言っておりますが、そうではありません。全く逆であります。 それは、つい最近も、自衛隊の献身的な人道復興支援活動の姿を知る多くの人々からの高い評価と引き続き駐留することに対する期待が寄せられております。現に、例えばムサンナ県で行われた朝日新聞と現地の共同世論調査では、対象者の八四%が自衛隊の駐留を支持している。去る十一月十一日には、サマワでは約百五十名の市民による自衛隊駐留支持の行進が行われていると。現に、自衛隊帰らないで、これからも引き続き活動をしてくれという請願まで現在出されている。そして、さらに、私がイラクのアラウィ首相と、九月、ニューヨークで会談した際には、アラウィ首相いわく、日本が多国籍軍の一員として活動してくれていることを感謝しており、先般、自分、アラウィ首相です、アラウィ首相が、サマワの有力部族長と会談した際、部族長は、日本の自衛隊の活動に対し感謝の意を述べていたと。日本と日本人はイラクで非常に尊敬されているということをアラウィ首相が私に述べているんです。 こういうことも考えて、自衛隊の皆さんが本当に努力してくれているなと、だからこそサマワの住民は自衛隊の継続活動、支援要請を現在も行っているということもよく理解いただきたいと思います。
○又市征治君 時間が参りましたから終わりますが、私は、その部分的なその点だけ取れば、当然、人道支援をそこでやっているのは歓迎されるのは当たり前ですよ。トータルとして日本という国が、日本国民がテロの対象になっているんじゃないのか、こう申し上げているのであって、小泉内閣の判断の誤りが遠くない日に明らかになることは非常に残念なことですけれども、そうなるだろうということを申し上げて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますので、本日の審査はこの程度といたします。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) この際、お諮りいたします。 今後、省庁別に審査を行うに当たりまして、各省各庁及び政府関係機関から提出されております決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取につきましては、議事の都合により、いずれもこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十五年度決算外二件の審査につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会