外交防衛委員会 第5号
- 発言数
- 249 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/11/09
会議録
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。 また、去る五日、那谷屋正義君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。 ─────────────
○委員長(林芳正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に内閣法制局第二部長横畠裕介君、内閣府政策統括官武田宗高君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛庁運用局長大古和雄君、防衛施設庁施設部長戸田量弘君、防衛施設庁建設部長河野孝義君、法務省入国管理局長三浦正晴君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房審議官鶴岡公二君、外務大臣官房審議官西宮伸一君、外務大臣官房審議官長嶺安政君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、外務省経済協力局長佐藤重和君、外務省領事局長鹿取克章君、文部科学大臣官房審議官樋口修資君、厚生労働大臣官房総括審議官長谷川真一君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、農林水産大臣官房審議官吉村馨君、農林水産大臣官房審議官皆川芳嗣君、農林水産大臣官房参事官伊地知俊一君、農林水産省生産局畜産部長町田勝弘君、経済産業大臣官房審議官三輪昭君及び資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(林芳正君) 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。 日本・メキシコ経済連携協定、EPAは我が国とメキシコ合衆国との貿易・投資の自由化、ビジネス環境整備、中小企業支援など、幅広い分野で連携が強化されるというものですが、具体的にはどのような発展が我が国にもたらされるとお考えでございましょうか。
○副大臣(谷川秀善君) 先生も御存じのように、メキシコはその人口また経済規模において世界でも大変有数な市場でございます。その経済規模も年々拡大をいたしておりまして、我が国にとりましては重要な貿易投資相手国となってきておるところでございます。 こうしたメキシコとの経済連携を強化することは、我が国にとりまして大きな利益につながるだけではなくて、これによりましてアメリカ市場への橋頭堡を築くものであるというふうに我々は期待をいたしております。 また、メキシコにおきましては、完成品の輸入や進出日本企業による部品の輸入に対する関税、あるいはまた政府調達市場におきまして日本企業が大変不利益を被っておりますが、日・メキシコ経済連携協定を通じまして、こうした問題が解決されますことは我が国の経済の更なる発展につながるというふうに考えているところでございます。
○山谷えり子君 先日、経団連の経済ミッションが帰国しました。東南アジア四か国、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシアをEPA締結の後押しになればと回ったものでしたけれども、各国から、省庁の縦割りによって非常に交渉しにくい、窓口が不親切である、もう中国はもっともっとすごい勢いで行っているんだぞというようなことがございまして、窓口を一本化してほしい、官邸がもっとリーダーシップを取ってほしいというような意見がありましたが、いかがお考えでございましょうか。
○副大臣(谷川秀善君) 御指摘のような報道がなされていることは承知をいたしておりますが、我々は、EPA交渉につきましては、従来より、官邸を中心に閣僚レベル及び事務レベルの関係省庁連絡会議を設置をいたしまして、関係省庁が緊密に協議しつつ、政府一体となって取り組んでいるところでございます。 したがって、我が国の交渉体制は各省庁の縦割りであり相手国が交渉しにくいと感じているという報道は当たらないものと考えておりまして、現時点では新たな体制を取るという必要はないと考えております。
○山谷えり子君 私、ミッション側の人から、ちょっと取材をいたしまして、そのような意見を聞いて、報道からということよりも、そちらの声でございますので、是非謙虚に御検討いただきたいと思います。
○副大臣(谷川秀善君) 十分、連絡を密にするようにいたしたいと考えております。
○山谷えり子君 よろしくお願いします。 中国は日本にとって大切な関係国です。建設的な信頼関係を作らねばなりません。日本の高校生の海外修学旅行で、近年一番多く訪れるのは中国です。両国の生徒が行き来して、お互いに理解、信頼を深めることは将来、非常に両国にとって意義のあることだと考えます。 しかしながら、サッカー・アジアカップ大会で中国側が六万七千人もの警備関係者を増員し、不測の事態に備えたにもかかわらず、試合中の反日ブーイング、その後、公使の車が壊されたり、また日本人サポーターが午前二時近くまで会場から出ることができなかった、大変残念な出来事がございました。 私も、中国政府高官とお話ししましたとき、このような反日行動に対して遺憾の意を示され、相互理解から一歩進んだクロス理解というような表現をなさったんですが、クロス理解の必要性、また様々な階層の人たちが相互交流を重ねることが大切であると言っておられました。 ところで、中国人の反日感情の一つに、学校での反日教育や中国各地の抗日記念館の存在が大きいと思います。記念館は外国の旅行者も訪れるので、世界各国の人に誤った日本観、日本人観、歴史観を持たれる危険性がございます。北京の抗日戦争記念館は千二百万人余りの人が、南京大虐殺記念館、入口に三十万犠牲者と書かれておりますが、一千万人余りの人が訪れたと言われております。私も北京の記念館に行ったことがありますが、本当にたくさん、子供たちもたくさんおりました。 各地での記念館を訪問した複数の人から内部の様子を聞きました。日本軍の残虐さ、史実ではない史料、キャプション、写真があったというジャーナリスト、学者も複数います。人骨などを展示し、エモーショナルな仕掛けが施されております。 外務省に伺います。二百を超えていると言われているこのような愛国主義基地、抗日記念館はどのような目的で設営されていると考えておられますか。
○政府参考人(西宮伸一君) 中国におきまして、一部の博物館、歴史旧跡などが愛国主義教育基地として指定されております。主な目的は青少年の愛国主義教育に活用することであるというふうにされております。この数は二百三か所でございますが、このうち御指摘のいわゆる抗日戦争を明らかに題材としたような施設は六か所というふうに聞いております。 中国の指導者は、中国愛国主義教育を行っているが反日教育は行ったことはない、一貫して、大多数の日本人は侵略戦争の被害者であり、日本人と友好的に付き合い、代々友好を続けるよう教育している旨、述べております。
○山谷えり子君 内容を見ればそのような中国側の言い方というのに首をかしげざるを得ないような状況があるんですけれども、抗日記念館に外務省自身が出向いて、事実確認をして調査すべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○副大臣(谷川秀善君) おっしゃることもそのとおりであろうというふうに思いますが、我々政府といたしましては、現在、在中国関係公館を通じまして、中国の国内情勢に関する情報収集等の一環といたしまして、御指摘の施設も含めまして、鋭意、中国国内の状況の把握に努めているところでございます。 また、政府といたしましては、御指摘の施設等の状況にも注意を払いつつ、両国の国民感情について的確に把握いたしますとともに、国民レベルの交流を強化をいたしまして更なる一層の日中間の相互理解、相互信頼を深めていきたいというふうに考えているところでございます。
○山谷えり子君 今、日本と中国の間で修学旅行生を増やしていこう、未来の日中関係を良くしていこうという声と動きがございます。私は本当に日本にたくさん中国の修学旅行生来ていただいて、もうホームステイでもしていただいて本当に真の日本の姿を、実態を知っていただきたいというふうに思うものでございますけれども。 文部省にお伺いします。所管の財団法人日本修学旅行協会をお持ちでございますので修学旅行の実態を調べておられると思いますが、抗日記念館を訪れている修学旅行生、何校、何人ぐらいでございましょうか。
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。 修学旅行は、御案内のとおり学校教育活動の一環として行われているものでございますが、文部科学省では高等学校等における国際交流状況調査というものを隔年実施をさせていただいております。これによりますと、直近の平成十四年度におきます中国への修学旅行を行った中学校は五県六校、参加生徒数は七百八人となっております。また、高等学校につきましては二百一校、四十都道府県にまたがっておりますが、二百一校で参加生徒数は三万六千六百七人となっております。 修学旅行におきます個別具体的な訪問先につきましては、すべてについて私ども把握しているわけではございませんが、事例として、中国への修学旅行を実施しております三県に照会をさせていただきましたところ、平成十四年度におきまして中国を訪問した高等学校八校中二校において抗日戦争記念館を訪問をされたとお聞きをいたしているところでございます。
○山谷えり子君 二〇〇八年北京オリンピックには多くの外国人が北京だけでなく中国各地を訪れることでございましょう。その人たちが、さきにも述べましたけれども、誤った内容の展示、英語のキャプションもかなりこう、ひどいキャプションが付いていたりということが指摘されております。日本の国益にとって大変マイナスでございますし、また中国にとっても日本人への憎悪の増幅というのは日中友好を壊し、中長期的に見ても大変マイナスだというふうに考えております。 外務大臣にお尋ねしたいと思います。二〇〇八年北京オリンピックまでにこの問題に何か対応する必要があると考えます。外務省は、先ほどもお聞きしましたが、抗日記念館に出向いて事実確認をすること、いつごろまでにしていただけるのかということと、政府高官との中国との協議の中でこの記念館の在り方、それから、日本は戦後大変良い外交、平和外交をしているわけです。ODAもたくさん協力しているわけでございますので、そういったことを国民に伝えることも必要であるのではないかということなど、日中相互理解、いかにあるべきかということを議題としていただきたいんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 山谷委員御指摘のとおり、日中両国間でそれぞれが正しい理解をするところから本当の友好は始まるんだろうと、私もそのように思っております。 今、修学旅行の学生も非常に多いという話もありました。三万数千人。韓国に私、先週末行ってきたんですが、やはり韓国にも三万数千人やっぱり行っておりまして、ほぼ同じ数の高校生あるいは中学生の修学旅行が行っているということだろうと思います。 一つは、まず、我が方高校生にも正しいそういう歴史認識といいましょうか、事実をいかに持ってもらうかということで、せっかく中国に行くんですから、中国との、日本との関係にスポットライトを浴びせたきちんとした資料などを行く高校生には事前に渡してよく勉強をしておいてもらうと、そんなことも必要なのかなと思っておりまして、まだ文部省とよく相談したわけじゃございませんが、元文部大臣という経験も踏まえながら、一つは、きちんとしたそういう、一方的なそういう情報が日本の高校生の頭に植え付けられないように何か資料を配布する等々の工夫の余地があるのではないかなと思って、まず一つそこは検討をさせていただきたいと思います。 それから、今の抗日記念館の話を含めて、どうしてもそれぞれの国の考え方というのがこの辺一番違いが出てくる分野だろうと思います。それがこの間のサッカーの、あれが何が原因でああいうふうになるのか必ずしもよく判然としないところはありますけれども、一部にはそういう行き過ぎた愛国心教育というものがあるのではないかという御指摘もあるわけでございますので、私も先般、ある中国の有力者と話をしたときに言ったらば、やっぱり彼らも、いや、絶対反日教育はやっておりません、愛国心教育なんですと、こういう説明なんですね。ですから、それはしかし愛国心には愛国心でいいけれども、しかしそれはややもすれば反日教育になってしまうんじゃないかということは大分強く申し上げておきました。 いずれにしても、互いの正しい理解をきちんとしていく中でいい意味の愛国心、そしていい意味の国際交流の気持ちがないと、これはやっぱりオリンピックが大失敗するとこれ中国にとっても困るんですよということを彼らにははっきり言っておきました。それはもちろんよく分かっておりますと、あの事件は本当に遺憾でしたと今委員が言われたようなことでありまして、そういう意味でやっぱり彼らにも正しい国内での政策を取ってもらうように今後機会あるごとに申し入れていきたいと思います。 なお、御指摘の抗日記念館等々の在り方、全く我々は中身を知らないわけではありませんし、かなりの事実は知っておりますし、過去においてこれは事実と反するのではないですかという是正方、事実関係の是正方を申し入れたこともございます。それに基づいてどう変わったかどうか、余り変わっていないのかもしれません。この辺も引き続き外交努力をしていきたいと思いますが、最終的にはそれはしかし彼らの中国の主権の問題だということで限界はあるのかもしれませんけれども、できるだけの努力をしたいと、こう思っております。
○山谷えり子君 史実に基づいたものではないという申入れをしてその後どう変わったかというチェックをまたしていただきたいのと、互いにその理解が深まるよう、史実に基づいた正しい理解が中国側に深まっていくように御努力をお願いしたいというふうに思います。 昨日も種子島沖で中国海軍の艦艇が不審な行動を取りました。尖閣、沖ノ鳥島周辺でも問題は穏やかならず、防衛庁がまとめた文書には、中国は交渉による解決ではなく、海洋調査の実施や海軍艦艇の展開など既成事実化を進めることで支配権を作ろうとしている可能性があるというような文書もまとめていらしたこともございましたけれども、春暁ガス田の採掘についてお伺いしたいと思います。 日中の中間線をまたいでいるというデータがあって、中国に出してほしいと言ってもそれが出てこないと。日本側としてはとても納得できない状況であります。また、中国のホームページには、中間線を越えて複数鉱区、日本側に設定、鉱区設定が書き込まれているということもございまして、これは領有権と資源の問題、また安全保障の問題に深くかかわってくる問題でございます。日本の民間会社も鉱区許可を申請しているけれどもなかなか下りないということもございます。 そしてまた、今、日本はノルウェーの民間船を借りて物理探査を始めているわけでございますけれども、よその国の民間船を借りなきゃいけないと、これ日本は非常に情けない状況でございます。中国は探査船十二から十六隻持っている、韓国は四隻持っている、しかしながら日本はまだ一隻もないと。予算要求して再来年ぐらいにはできるようではございますけれども、これ試掘、どういうふうになさるのか、また、ここ、どういうふうにこの領有権、資源の問題を考えていらっしゃるのか。非常にこう、のらりくらり、日本側の対応が遅い、それから緊張感がないのではないかと感じられますが、いかがでございましょうか、町村外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 委員の御指摘の問題、今物理探査はやっておりますけれども、試掘についての具体的な計画は今のところないというふうに私も聞いております。 先般の中国との話合い、私も結果はお聞きしましたけれども、誠にこれまた不十分な先方の対応であったということで、中川経済産業大臣とも相談をして、今後どういう対応をしていくのか今相談をしているところでございます。先方は第一回目の会合ですからという言い方をしているようでありますから、どっかの国の交渉と何か似てるなという印象も持ったりもいたしましたけれども。 いずれにしても、第一回目ということもあるでしょう。したがって、また少し作戦を考えながら第二回目を開いてきちんとしたデータ等々の提供を求めていくということにしたいと思いますし、いずれにしても、我が方も必要な資源開発というのは、これやらなければならないわけでありまして、この辺は実際にやる民間の方々ともよく相談をし、経済産業省ともよく相談をしながら、我が方も必要な資源開発というのはやっぱりやらなきゃいけないなと思っております。ただ、それが本当にあるのかないのか、多分あるんだろうと思いますけれども、その辺をしっかり踏まえながら対応できるようにしていきたいと、こう思っております。
○政府参考人(近藤賢二君) 資源・燃料部長の近藤でございます。 今御指摘のあった点の中の海洋調査船の方の点について少し御報告をしたいと思います。 我が国は御指摘のとおりこういった船を持っておらないわけでございます。私どもこういう中で、我が国、国として三次元の物理探査船を保有するべきかどうかということにつきましては、中長期的なニーズがどのぐらいあるのか、維持運営費がどのぐらい掛かるのかといったことの分析、把握をした上で決定をしなければいけないと、このように今思っておるところでございます。 東シナ海の現在の状況を踏まえますと、こういう分析を非常に急いで行いまして、国が三次元物理探査船を保有するべきか否かということについてできるだけ早く結論を出したいと考えておるところでございます。その結果を踏まえまして、財政当局とも相談をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○山谷えり子君 大野長官にお伺いします。 専守防衛と自衛権の発動についてでございます。 石破前防衛庁長官は昨年二月十三日、衆議院予算委員会で、ミサイル攻撃に対する自衛権発動について次のように答弁されました。「これから日本に向けて撃つぞ、そのためにミサイル燃料を注入し始めたぞということになれば、それは一つの要素たり得るのではないか。」という発言でございましたけれども、大野長官はこの御発言、専守防衛とそれからその防衛的な打撃力というんでしょうかね、抑止力というんでしょうか、この辺についてはいかがなお考えをお持ちでございますか。
○国務大臣(大野功統君) 結論から申し上げますと、石破前長官の御意見と私の考え方、変わりません。 一般的に言いまして、山谷先生御存じのとおり、自衛権発動の三要件というのがありまして、一つは急迫不正の侵害の存在、二つ目は他に代替する手段がない、それから三つ目が必要最小限の実力行動、こういうことでございますけれども、燃料を注入してというだけではまだ、どういうふうな判断があるか、これは別問題といたしまして、相手が武力攻撃に着手したとき、これは自衛権発動、つまり急迫不正の侵害の存在になると思います。ただ武力攻撃のおそれがあるということだけでは不十分だと、これはもう当然のことであると思います。 また、現実に弾が撃ち込まれて損害が発生した、これでは遅過ぎます。ですから、準備をした段階、じゃ、どういうときが準備をした段階なのか、ここが問題になりますけれども、これは、一つは、相手国がどういう意思表明をしているのか、そのときの国際情勢はどうなんだろうか、ミサイルだけじゃなくて、例えば護衛艦、船の場合にはどの程度まで来たらそういう急迫不正の侵害が発生したのか、やっぱり攻撃の手段によってもその判断は変わり得ると思います。 そのように様々な対応、事情を総合的に勘案いたしまして、まあ一概には言えませんけれども、個別的、具体的に判断するとしても、やはり相手の意図、もうミサイルに燃料を注入した、日本を向いているぞと、こういう場合は当然自衛のための武力行使ができる段階と、こういうふうに判断さしていただいております。
○山谷えり子君 侵略的なことは日本はもちろん行いません。守るための最低の打撃力の整備というのは、やっぱりいろいろなことを検討していくべきだろうと思います。この中には日米同盟の質的強化とか戦略的対話を重ねていくというようなことも含まれるというふうに思います。 専守防衛というのが政治的造語であってはならず、実態が本土決戦で座して死を待つというのでは困るわけでございまして、この辺は昭和三十一年に鳩山一郎総理もおっしゃっていらっしゃるわけで、憲法上否定されていないということで、やはり具体的に国民は不安を持っておりますので、御検討をお願いいたします。 続きまして、防衛力の装備の違いもございますので、人数だけでは比較できませんけれども、周辺諸国、例えば北朝鮮は百万人、中国は百七十万人、韓国は五十六万人の軍事力を保持しております。こうした中、政府が十一月末に策定する防衛計画の大綱をめぐって、防衛庁は常備自衛官七千人増員を要望していますが、財務省は四万人削減を要求して十二万人体制とするという新聞報道がございました。 領海、領有問題、外国からの侵入の心配もございます。北東アジアの状況は決してのんきではいられません。与那国島の住民から自衛隊の駐屯の要望があったとも聞いております。阪神大震災クラスの地震が南関東で起きたら十七万人の陸自要員が必要であるという指摘もございます。陸上自衛隊十二万人体制では国の守り、テロや大規模災害、それからまた国際協力に対応できないのではないか。 大野長官、周辺諸国との軍事力のバランス、そしてまた今の状況についてどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(大野功統君) 報道でいろんな報道があります。御質問は、十二万人となったらどうなんだろうかと。私は大変、山谷先生いろんな面からこの点を御心配なされていらっしゃると評価さしていただきたいと思うんです。 それはなぜかといいますと、自衛隊の評価、例えば、もちろん国を守るということはもう主要任務、本来任務でございますけれども、例えば災害派遣活動ですね、これは今、今阪神・淡路のことをおっしゃいましたが、新潟県の中越地震でも一日当たり最高四千四、五百人の自衛隊が派遣されております。今減りまして三千数百人になっておりますけれども、それでも四千数百人が一日あそこで働いて救援活動をしているんですね。 そういうことを思いますと、本当に日本国全体にわたってきちっとマンパワーを配置してなきゃいけない、自衛官を派遣してないと即応態勢が取れない、こういうことは非常に我々考えていかなきゃいけない問題だと思っています。何といっても、政治の要諦というのは国民の皆様に安心と安全をお届けする、こういうことですから、そこは本当にマンパワーというものの重要さを考えていかなきゃいけない。 それから、山谷先生おっしゃいましたけれども、もう一つは国際協力義務であります。国際協力義務はこれまでは付随的、自衛隊の付随的業務とされておりましたが、今度の安全保障と防衛力に関する懇談会、総理の私的諮問機関でありますけれども、その諮問機関で、これは本来業務にしたらどうかと、こういうような御示唆があります。 正に国際協力業務というのは、日本の場合、戦争に参加することではありません。事前に予防的措置をするために協力する、あるいは紛争が起こった後いろんな復興作業、人道支援活動を行う、こういうことで大変重要なことでありまして、例えばイラクでも数百人行っている。一つの部隊を構成するとなるとまたマンパワーが必要なわけであります。そしてまた、その背景には世界の平和は日本の平和、こういう考え方があるわけですから、本当にマンパワーの重要性というのはこれから考えていかなきゃいけない大変大きな問題だと思っております。 また、脅威というのが本格的な国対国の戦争ということでなくて、例えば島嶼部のこの安全を確保する、あるいはテロに対処する、こうなりますと、正にそういう問題も人間、マンパワーが本当に対処していってくれるわけですから、そういう意味で本当にこのマンパワーの大切さ、それを認識しながらこの防衛大綱、中期防作りをやっていかなきゃいけない、こういうふうに思っております。 それから、周辺事態、周辺諸国の軍事力とのバランスの問題でございますけれども、特定の国の脅威を念頭に置いているわけではありません。しかしながら、やはり、明快な言い方ではありませんけれども、周辺諸国の軍備には配慮しながら種々の要素を総合的に判断して定めていかなきゃいけない、こういうふうに思っております。
○山谷えり子君 どうぞよろしくお願いいたします。 春暁のガス田のデータもなかなか中国から出してもらえないということで、そのODAの外交カードが十分に機能していないのではないかということも感じますけれども、我が国も財政状況厳しい折ですね、また中国は有人宇宙船を打ち上げたり、軍事費が二けたの伸びだったり、あるいは核兵器を所有していたり、またアフリカやミャンマーなどに援助を出しているというようなことも言われておりまして、これまでの六兆円の日本のODA関係費ですね、これはちょっと見直したらいいんではないかというのが国民感情なわけでございますけれども。 町村外務大臣、例えば中国はどこの国に援助しているのかとか、あるいはまた、その例えば環境プロジェクトといって日本がODAを出したけれどもそれが別の意図に使われているとか、そういうことは実際に調べていらっしゃるのか、今後のODAについて御所見をお聞かせください。
○国務大臣(町村信孝君) 中国に対するODA実績でございますけれども、一九九八年の二千二百四十億円、これは有償、無償、技術協力含めてですが、が二〇〇三年には一千八十億円と半分以下になっております。二〇〇四年は一千億を切るということで、傾向としては私はそろそろ卒業に近付いたなと、こう思っております。したがいまして、いつまでも中国に対するODAを続ける必要はないと、こう思っております。 ただ、ODAのプロジェクトについては、環境案件とか教育案件を中心に、かつては北京空港とかかなり大規模なインフラ整備にもやっておりましたが、今やっているのは専らそういう環境あるいは教育訓練、人材、こういう分野でございまして、それらについても外務省あるいはJICAあるいはJBIC、こういうところでそれぞれの評価をやってですね、本来の目的どおり進められているかどうかということについての評価をやっておりますけれども、さらにまた第三者の視点を入れたりですね、これは対中国のみならず全体のこのODAの評価をしっかりやっていきたいと、こう思っております。 なお、中国は、必ずしも正確にはよく分からないところあるんですけれども、二〇〇三年に約五十二億元、六百八十億円の援助予算というものが計上されておりまして、アフリカ諸国を、アジア・アフリカ諸国を中心に百五か国、それから機関と、百五の国又は機関に対して二百十六の援助協定を締結しているというふうに聞いておりまして、中国の対外援助、不透明なところもありますので、今年の四月の川口外務大臣と先方大臣との間でより透明性を高めるような申入れもしたりしておりまして、引き続きそういう働き掛けをしていきたいと、こう思っております。
○委員長(林芳正君) 山谷君、時間でございますのでまとめてください。
○山谷えり子君 はい。 関係各方面への御努力を引き続きお願いし、質問を終わります。ありがとうございました。
○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。 本日は、まず日本とメキシコとの間のEPAについて御質問をさせていただきまして、その後はイラクの昨日発令されました非常事態宣言、これに関連して御質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず第一番目といたしまして、小泉総理大臣が九月十七日にメキシコのフォックス大統領との間で署名を行った経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について、いわゆるEPA、経済連携協定についての質問をさせていただきたいと思います。 町村外務大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、大臣は、先月の二十九日に衆議院の本会議において、このEPAにつきまして、日本にとって大きな利益になるのみならず、米州市場への橋頭堡を築くことが期待されておりますと御答弁されており、また本日も、先ほど谷川副大臣からも同じような話を承りました。 そこに橋頭堡という言葉が入っているんですけれども、やけに、私、個人的にはやけに過激な言葉だなみたいな感じがいたしまして、国語辞書、国語辞典見ましたところ、この橋頭堡というのは、川や海を隔てた敵地に造る足掛かりの陣地って書いてあるんですよ。まさか、このメキシコということ、アメリカは敵地になっちゃっているんですね、これ。このメキシコを通じて、その日本がこの敵地のアメリカに対して大規模な迂回輸出をするというふうに取られかねない。 私は、逆に、この橋頭堡じゃなくて、せめてその新たな足掛かりとかなんとかということにしておきゃよかったんじゃないかなと思っているんですけれども、まずこの件につきまして町村大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 適切な御指摘をいただきましてどうもありがとうございます。 何も戦争するわけでもございませんし、要するに、迂回輸出をしようということでもございません。それは、それぞれのまた原産地表示というのが、きちんとやらなきゃいけないわけでありますから、そういう意味ではございませんけれども。 ただ、メキシコはこの自由貿易協定を結んでいる国と結んでいない国というのを非常に差別的に扱うということが顕著でございまして、そういう意味で、今までのところ日本企業は大変不利益な扱いを受けているんですね、競争上、欧米の企業と比べまして。そういう意味で、そういった不利益の解消というのは一つ大きなポイントだろうというふうに思っておりまして、そういう意味でですね、メキシコの市場というのはですね、世界で十番目ぐらいでしょうか、タイとかですね、このASEAN諸国を全部足したのと同じぐらいの大規模なマーケットであると、メキシコ自体がですね。 さらに、そこで現地生産をしたものなどが、そのFTAを通じて他の、メキシコとFTAを結んでいるアメリカ等々へいろいろな活動がしやすくなるという意味で、そういう意味のメリットが大変大きいというのを称して橋頭堡と申し上げましたが、厳密な意味で適切な言葉であったかどうか、よく反省しなきゃいけないと思います。
○白眞勲君 別にその反省を求めるために……
○委員長(林芳正君) 白君。
○白眞勲君 あっ、済みません。 反省を求めるために申し上げたわけではございませんけれども、私は、この件につきまして、逆に日本は輸出で、今、正に町村外務大臣からもおっしゃいましたように不利益を被っているんじゃないかという部分とは逆にですね、日本の国内業界においてはですね、例えばそのアメリカの製品がメキシコを通じて迂回して日本市場に入るんではないかと、こういった懸念も指摘されているわけでして、一番怖いといいますか、その今懸念されているのが、例えば現在そのBSEですね、狂牛病の発生のための、輸入が禁止されているそのアメリカ産の牛肉、これがメキシコ産という表示で日本に輸入されるんじゃないかとか、あるいはそのアメリカ産のその肉骨粉を食べた、輸入されてですね、メキシコに入って、肉骨粉がメキシコに輸入されて、それがその豚や、その食べた牛が、牛や豚が今度日本に輸入されるという可能性。 逆に言うと、このアメリカが輸出できないものをそのメキシコを通じた形で、橋頭堡にされちゃうんじゃないか、そういう懸念というものがあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、外務大臣、どういうふうにお考えでいらっしゃいますか。あと、また農水省の意見なんかも聞きたいと思っております。
○副大臣(谷川秀善君) 先生のおっしゃる懸念はあろうかと思いますけれども、この迂回輸入というものにつきましては厳格な原産地規則を定めておりますので、そういう御心配は当たらないのではないかなというふうに思っておりますし、また、原産地証明の取扱いにつきましても詳細な手続が定められております。例えば、メキシコの原産地証明に疑義がある場合には、メキシコの政府や輸出者、生産者に情報提供を求めたり、また、我が国の関税当局がメキシコの生産施設の確認に立ち会うということも認められているところでございます。
○白眞勲君 農水省さんは何か御意見ありますか。
○政府参考人(伊地知俊一君) お答えいたします。 農林水産省では、牛肉、豚肉等の畜産物の輸入に当たりまして、家畜伝染病予防法という法律に基づきまして動物検疫を実施をしております。その輸入に際しまして、輸出国政府が具体的に証明する事項を定めた輸入条件をあらかじめ二国間で取決めをしております。 メキシコからの牛肉の輸入につきましては、この輸入条件に基づきまして、メキシコ政府に対しまして、メキシコで生まれ飼養された牛のものであること、又はBSEや口蹄疫の発生のない国で生まれ飼養された牛のものであることの証明を求めるなどしまして、BSEが確認をされました米国からの牛肉がメキシコを経由して日本に輸入されることがないよう措置を講じているところであります。
○白眞勲君 国民の間でも極めて関心が高い、国民全員がこのBSEの問題については本当に敏感になっている、そういう食の安全性という問題でありますので、基本的にはやはり危なっかしいものは輸入しないのが大原則じゃないのかなと私は思うわけでございます。 実際、それと同時に、農産物の輸入というのは国内の農業に対しても大きな、非常に大きなインパクトを持つ可能性があるわけでして、こういう、こんなFTAとかEPAというものを結んでいる、あるいは検討している国においても非常に敏感なそれぞれの交渉をしているというふうに私は承知しているわけなんですけれども。 メキシコ政府が例えば日本以外の国と結んだ協定、例を挙げてみますと、二〇〇〇年に発効しましたEUとメキシコとのFTA、自由貿易協定では、農産物の自由化については対象に入れてはいるものの、実際には国内の農業の保護とかいうために、肉類とか酪農品、穀物などはウエーティングリストとして扱われていると。ですから、実際にはFTAといいながらも農産物はウエーティングリストとしているわけでして、それも協定発効日から三年以内に自由化へ移行するための検討を始める、三年以内に、三年以内に検討を始めるわけでして、またそれから先だということで、実質的にはいつ自由化するかどうかの具体的な期日は一切ないわけなんですね。 そういうふうにヨーロッパは、私、個人的に言うと何か結構交渉うまいなという感じがするんですけれども、日本政府にとってみてもそういうやり方というのもあるような感じがするんですけれども、外務省としてどうでしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) ただいまの委員の御指摘の点でございますけれども、メキシコとEUのFTAにつきましては、EUが農業補助金を出しておると、ここの辺がやや日本と違う点でございますけれども、そういう点で、豚肉等の農水産品を含めまして一部品目については、先生が今おっしゃられましたとおり、発効日から三年以内にこの再検討すると、再協議するという扱いをしていることは御指摘のとおりでございます。 他方、我が国の場合、どういうことになっているかということでございますが、我が国としては基本的には国内の農水産業に影響を与えないように、構造改革の努力に影響を与えないように十分留意して交渉しなければいけないということで、いろんなここで手だてを尽くして、この目的を達成するようにしております。 EUの場合は、完全に十年以内に撤廃するか、あるいは一部の品目について再協議すると、こういう二つのカテゴリーで基本的には交渉結果になっているわけでございますが、日本の場合はもう少しバラエティーがあると申しますか、もちろん関税の撤廃もあるわけでございますが、そのほかに、いわゆる完全に除外すると、そもそも将来も関税撤廃の対象にしないもの、あるいは先ほど先生のおっしゃられましたように再協議の対象にするもの、あるいは関税は引き下げるけれども撤廃しないもの、この引き下げるけれども撤廃しないものというカテゴリーはメキシコとEUとの協定にございません。日本の場合はこのカテゴリーの品目が相当多いということでございまして、したがいまして、いろんな形で、特にこの難しい品目につきましては、この輸入につきまして、この特恵の輸入枠を設けて、あるいは税率もそんなに大きく下げないということで、また、それをまた将来の交渉にゆだねるということで、いろんな形で国内に影響を及ばないような工夫がされているということでございます。
○白眞勲君 先ほど谷川副大臣からも、このBSE、狂牛病がメキシコ産の牛肉を、メキシコ産の牛肉というふうな形の中にあろうかと思うというお話がありました。 実際にその可能性が、やはりメキシコ産の牛肉の中にアメリカ産のBSEの牛肉が入っている可能性もあるかと思うんですけれども、ここで外務大臣にお伺いしたいんですけれども、せんだって外務大臣、韓国におとといまで行かれていたということもあるんですが、韓国でメキシコ産と言われていた牛肉が実はアメリカ産だったということが判明して大騒ぎになったという事件をどのように評価されますでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 恐縮ですが、寡聞にして存じ上げません。
○白眞勲君 知らないんですか。
○委員長(林芳正君) 白君。
○白眞勲君 済みません。知らないということですか。
○国務大臣(町村信孝君) 私は存じ上げません。
○白眞勲君 そうしましたら、農水省は知っていらっしゃいましたでしょうか。
○政府参考人(伊地知俊一君) ええ、そういう事実があったということは承知しております。
○白眞勲君 それでは、なぜ外務省に連絡しなかったんでしょうか。
○政府参考人(伊地知俊一君) 我が国に輸入されたものでないということで、そういう事実自体は我々は承知をしておるということでございます。
○白眞勲君 我が国に知られていないといいましても、協定のこれ締結当事者というのは外務省だと思うんですけれども、当然、外務省に対してこういった懸念というものがあるということをなぜ農水省は、知らないで、外務省に通告しなかったんでしょうか。
○政府参考人(伊地知俊一君) 私ども、メキシコからそういうことを通知を受けたということではなくて、我々そういう情報を承知いたしましたので、我が国として動物検疫上の措置の検疫の強化を行ったと、農水省として行ったということでございます。
○白眞勲君 協定にサインをするのは外務省であって、今外務省の方から、あるいはそういう懸念は当たらないというふうにしっかりとした答弁をされているわけですよね。でも、隣の国韓国でこういった事件がついこの間起きて大騒ぎをしているということについて農水省は把握していて、なおかつ外務省が把握していないということになりますと、ちょっとこれ私、その先に進もうかと思ったんですがここでちょっと止まっちゃうんですよね、この話が。 これ結局、政府でこれ不一致になっているんじゃないでしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほど農水省の当局の方から御説明があったわけでございますが、そもそもこの交渉の原産地規則、あるいは、を含めて日墨交渉を行った際に、当然のことながら、その問題と、それからもう一つは検疫の問題でございますけれども、主として先生が今焦点を当てておられるのは検疫の方の問題ではないかというふうに思いますけれども、我々としてはメキシコに対してもこれをちゃんとする義務は基本的に、一義的にメキシコ側にあるということははっきりと主張しまして、そのことについてしっかりとメキシコ側が措置を取るということは約束されておるわけでございます。 したがいまして、もちろんメキシコと韓国との間の協定で、その結果としてそれがどういうふうに行われているのかということは、一つのこの参考にすべき事例であるというふうには思いますけれども、日本とメキシコとの間においては、あくまでもメキシコ側がしっかりと措置をして行うという前提に立っております。 したがいまして、今後メキシコ側の状況において、何らか我々として納得できないという点があれば、それは当然メキシコとの、当局との間で話をしていかなければいけませんし、先ほど韓国の事例もお話がありましたので、我々としてもこの問題については気を付けて、更なる情報収集と検証を行ってまいりたいというふうに思っております。
○白眞勲君 非常に長く親切に説明していただいているようなんですけれども、結果的に何もやっていませんよと。メキシコとのことを、メキシコについては信じているので、それについて我々は粛々と、隣の国でこういうことが起きたとしても粛々とやっていくということであるんじゃないんでしょうか、今お話しになるのは。検疫の問題だと言ったって、検疫は日本政府の問題でしょう、それは。違いますか。 ですから、そういった観点からすると、日本政府のこのEPAとかFTAの問題について、非常にその、何ですか、省庁間の連絡が非常にできていないということを今正に如実に表しているというふうに思えるんですけれども、それについて、外務大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) まあ、いろんな情報がありますからね、それすべてを、あなた、私の大臣のところまで知っているはずがないじゃないですか。そんなことでその省庁間の連携が悪いなんという極端な結論を導き出すのはやめていただきたいですね。
○白眞勲君 何かいろいろな情報があるからというものを集積して一つのものとしてまとめていくのが私はこういった交渉であるというふうに思うわけなんですね。何か細々したちっちゃな情報のようなことを町村外務大臣は今おっしゃいましたけれども、これ韓国では大騒ぎになっているということを知らなかったんでしょうか。 ですから、そういった観点からして、農水省は知っていたと、農水省は知っていて、外務省が知らない、で、検疫するから大丈夫だということで、その三つのその省庁、まあいろいろな省庁あるでしょう、経済産業省もあると思いますよ、このEPAの問題については。その横の連携というものをしっかりと取っていくのが必要なんじゃないかというふうに私は申し上げているんです。それについて、もう一度御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 連携はしっかり取ってまいります。
○白眞勲君 ではですね、ちょっと話を変えまして、町村外務大臣は十月二十九日の衆議院本会議でこのEPA締結に関してこう言っています、この協定の締結により我が国の迂回輸入が行われるようになるのではないかという御懸念は当たらないと考えておりますというふうにはっきりと御答弁されていたわけなんですけれども、この時点においては、隣の国の韓国で、実は迂回輸入がメキシコ産にアメリカ製の牛肉が入っていなかったことを知らないまま、この御懸念は、この御答弁をされていたということですよね。 ですから、もし今後こういったことが、隣の国で起きたということは、ここの国でも起きる可能性は十分に私は考えられるというふうにも思えるわけなんですけれども、その際の、外務大臣、この責任どこで取られたらいいというふうに思われますか。 いや、私、外務大臣に聞いているんですけれども。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほど来御答弁申し上げているように、この問題について我々として、先ほどの韓国の事例につきまして、この重要なことは今後協定が発効してからそれが実態上輸入にどういう影響を与えるかという観点の方がより重要であると思います。 もちろん、その過去に起きたことはそれをよく検証してやらなければいけないと思いますけれども、我々としてはせっかくの御指摘でありますので、その点も含めて、更にこの情報収集をしてしかるべき対応を行っていきたいというふうに思うわけでございます。
○白眞勲君 私、このEPA、特にメキシコとのEPAについては賛成の意向だったんですけれども、ちょっとこうやって政府の中でばらばらであり、ましてその韓国とのことについて全く分かんないというような外務省で、それでいてサインをしちゃったということについては甚だちょっと何か、どうしていいんだろうというふうに今自分でも困っているわけでございますけれども。 まあともかくこのEPAというのは、一般論としては私は本当に進めた方がいいというふうに思っている立場です。しかし、先ほどのその食の安全性というものに関するこの迂回輸入、こういった懸念というのはやっぱりあるわけですし、実際にそれが隣の韓国で起きていたということを考えますと、より一層この省庁間の連携というものを密にしてこういった情報を共有してもらうということがやはり一番重要ではないかというふうに思っております。 それと同時に、もう一つ、やはりこの食料自給率と、何かいつも産業で輸出品、輸出商品輸出商品が非常に不利益を被るという、その見返りと言っちゃなんですけれども、その部分においてやはり食料自給率の更なる低下の心配という問題というのも私はやっぱり無視できないんじゃないのかな。つまり、海外からの大量の農産物の輸入というのは、やはりこの日本の農業というものの位置付けに対しての大きなインパクトをもたらす可能性があるんではないかというふうにも考えられます。 私は、実はこの七月の選挙をずっと回るときに、結構その農民の、農業をやっていらっしゃる皆さんから、もう農民これ以上いじめないでくれって言われました。やはりもう幾らその工業で輸出ができたとしても、やはりこの食料自給率というのは日本の安全保障にとってみても非常に大きなやはりポイントでもあるというふうにも思いますので、逆に農業が国際的な競争力を持つ、あるいは逆にそれも輸出商品としてのしっかりとしたそういう商品性を持つような形を私としても願っているんですけれども、外務大臣とそれから農水省の方に、それぞれ簡単でございますが、コメントをいただきたいと思います。
○副大臣(谷川秀善君) 食料の自給率につきましては、今先生がおっしゃったように、できるだけ高めていくということは大変必要なことであろうというふうに思っておりますが、一方、輸入に関しましても、いろいろとその食の安全とかそういうことを図りながらバランスを取ってまいるということも必要であろうかというふうに思っておるところでございます。
○政府参考人(吉村馨君) 我が国の農業の体質強化、さらに輸出も含めてと、こういうことでお尋ねでございますが、我が国の農業をめぐる状況につきましては、消費者の食の安全、安心への関心の高まりや構造改革の立ち後れなどの課題に対応した政策改革が求められている状況であるというふうに認識しております。 こういった状況の中で、現在、食料・農業・農村基本計画の見直しにつきまして、食料・農業・農村政策審議会で精力的検討を進めているところでございます。こういった検討を踏まえて、食料自給率の目標、それから基本政策の方向について、来年三月の閣議決定を目指して今取り組んでいるところでございます。 一方、各国とのEPA交渉に当たりましては、農業の多面的機能の配慮、それから我が国の食料安全保障の確保に加えまして、今申し上げましたような我が国農業における構造改革の努力に悪影響を与えないように、具体的に申しますれば、我が国の基幹作物や地域農業における重要作目といった、守るべきものを守り、譲れるべきものは譲れる、こういう考え方の下で交渉を進めているところでございます。
○白眞勲君 いずれにしましても、私も含めてここにいらっしゃる皆さんあるいは国民全員が、基本的にはやっぱり自分の目の前で作られた食物を食べたい気持ちに最近なっているというふうに私思っております。できる限り国内で消費できるようなスタイルというか、そういったものも取りながら、やはり安心できる食料というものも考えていただきたいというふうに思っております。 続きまして、このイラクの非常事態宣言につきましてお伺いさせていただきます。 まず、外務大臣にお伺いいたします。 このような非常事態宣言がなされた中、現在イラクには一体何名の日本の人が滞在しているのでしょうか。外務省の把握しているところを教えていただきたいと思っております。
○副大臣(谷川秀善君) 若干名ぐらいではないかと思いますが、生命の安全等もございますので、詳細な数字については控えさせていただきたいと思います。
○白眞勲君 若干名程度というのはどういうことなんでしょうか。もう一度御答弁願います。
○副大臣(谷川秀善君) 若干名でございます。
○白眞勲君 まあ、どこにいるとか何やっているかとか、その方々の危険性はある程度十分に認識されているということでしょうか。
○副大臣(谷川秀善君) 十分所在も認識をいたしておりますし、適宜連絡が取れる態勢になっております。
○白眞勲君 その中で、この前の人質で不幸にもお亡くなりになられた香田証生さんのような方というのは入国されているというふうに把握されていますでしょうか。
○副大臣(谷川秀善君) ああいうケースは現在のところ把握をいたしておりません。
○白眞勲君 この非常事態宣言というのはいわゆる北部のクルド人自治区を除くイラク全土を対象としているということですけれども、イラクの暫定政府というのは、この非常事態宣言を発令したということからして、全土にひとしく治安情勢の悪化という判断があったのではないかというふうに私は判断しているわけなんですけれども、ところが、逆に政府としましては、サマワを非戦闘地域と位置付けているということであるという中で、以前の、これ平成十六年一月二十九日の石破元防衛庁長官の御答弁によりますと、イラクの状況、そしてイラクの北部あるいは中部、南部、どこが、これは私の言葉で言えば、イラクの自衛隊をどこに派遣するかというところで、どこが一番ニーズがあるだろうか、どこが一番安全なんだろうということを判断して、では北部、中部、南東部というふうに落としてみて、そしてそれでは南東部の中でもムサンナ県に落としてみて、そしてサマワ市に落としてみたときにどうなるかということを検討しているということからして、その北部、中部、そして南東部で、この石破防衛庁長官のこの話からして、治安情勢がそれぞれの場所によって違うということを、そのときに御答弁があったんではないかと私は認識しております。 大野防衛庁長官にお聞きしたいんですけれども、その認識に今も変わりはないんでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 先生も十分御存じのとおりでございますけれども、クルド人の北部三県、それから南東部でございますけれども、南東部は比較的治安は良いと、こういうふうに言われておりまして、その認識は変わりません。 しかし、サマワ宿営地におきましては、あの迫撃砲、ロケット弾が飛んできております。それはもう重大に受け止めておかなきゃいけない、このように思っております。 したがいまして、今後どういうふうな展開になるのか、予断は許さない、こういう認識でおります。
○白眞勲君 農水省、厚生省の皆さんはもう御退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。 今防衛庁長官、そういうふうにおっしゃっているんですけれども、この非常事態宣言というのは北部だけ発布されてはいない、発令されたわけではない。全土に発令されているということは、当然治安情勢が相当に悪くなっている、いわゆる騒乱状態、そういうことがこれから、あるいは今もイラク全土に拡大をしているんだということをイラク暫定政府が認めたということになるんだと思うんですけれども、その辺につきましての御認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(吉川元偉君) イラクにおきまして、御指摘の非常事態宣言ですが、二つ申し上げたいんですが、まず七日には、イラクの暫定政府は、これは七月七日の、日本語に訳せば国家安全法とか国家治安維持法という、そういう法律の規定に基づきまして、北部のクルド地域を除くイラクの全土について非常事態を宣言しました。 それで、この具体的な内容につきましては、第二点目ですが、昨八日の記者会見におきましてアッラーウィー首相は、具体的な内容として三点言っております。 一つは、現地時間の八日の夕方からファルージャとラマーディーという二つの町について外出禁止令を発令します。それから二番目は、バグダッド空港を八日の夕方から四十八時間閉鎖します。三番目は、シリアとヨルダンとの国境を封鎖して、食料を運搬する車両以外の通行を禁止するということを言っております。 つづめますと、北部のクルド地帯を除くイラク全土に対して非常事態宣言というものはなされておりますが、それの執行の部分についてはさっき申し上げた三点というのが現時点でのイラク政府の決定であるというふうに理解しております。
○白眞勲君 今の御説明によりますと、現時点ということであるわけでございまして、今後、これが例えば包囲をされて、私も軍事的なことはまあよく分かりませんが、ただ、まあ私みたいな素人でもこれが、どんどんどんどん戦闘が拡大していく可能性というのも私は否定できないんではないんだろうかというふうに思っておりますけれども。 まず、ちょっとその前に、じゃ前提条件として聞きたいと思いますけれども、大野防衛庁長官にお聞きします。ファルージャは戦闘地域でしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 戦闘地域、非戦闘地域という議論は、国際的にまずなされていない議論であります。 なぜ議論が起こるかといいますと、自衛隊が外国へ行きまして、武力行使と一体化するような行動をしてはいけない、武力行使と一体化するような活動と見られるといけない、こういう議論がありまして、やっぱり戦闘地域へ行って活動しますと、武力行使と一体化しているじゃないかと、議論を誘発しかねないわけであります。 したがいまして、日本独特の議論で、非戦闘地域でやりますよと。ですから、我々はサマワについては非戦闘地域という判断をしております。その他の地域につきましては、自衛隊が活動している地域以外についてはそういう判断はしておりません。 したがいまして、先生のお問いに対しては、これは判断、何もそういうことは判断しておりませんとしかお答えようがないんであります。
○白眞勲君 一般的に考えてこのファルージャが戦闘地域かどうかは、日本政府はそうすると、一般的に考えるとこれは、ファルージャは戦闘地域であるというふうに私はこれ完全に取れるし、戦闘が行われていますということをこれは世界じゅうのメディアが伝えているわけですけれども、日本政府はその判断を保留しているということでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 同じことの繰り返しで恐縮なんですけれども、戦闘地域か非戦闘地域かという議論は、国際的にそういう概念論、やっていないんですね。ですから、我々としては、サマワ以外については何の判断もしていない。しかし、サマワについて、つまり自衛隊が人道復興支援活動をする地域については非戦闘地域である。そしてまた、治安情勢を見ながら、安全確保、自衛隊の安全確保については注意を払っていく、細心の注意を払っていく、こういうことでございます。 したがいまして、私の口からどこが戦闘地域でありということは、自衛隊以外の問題として、ちょっと控えさせていただきたいと思います。
○白眞勲君 それでは、今、先ほど申し上げましたように、ファルージャの戦闘というものが自衛隊の、防衛庁というか日本政府は戦闘とは言わないかどうか分かりませんということなんですが、私たち、一般論として言えば戦闘が行われていると。その中で、これからその戦闘というものが例えばサマワ地域において行われる可能性ということも私は否定できない。残党が、ファルージャから逃げた残党が例えばサマワ地域に逃げ込んで、そこにアメリカ軍が来て戦闘が行われたというふうに仮に仮定した場合に、防衛庁長官、それは戦闘地域というふうになるんでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) まず、現在においては非戦闘地域であります。それから、戦闘地域か否か、将来どうなるか、これは現在予断をもって言うわけにはいきません。 しかし、我々は、あくまでもこの自衛隊が活動する地域においては非戦闘地域であり、自衛隊が活動する期間を通じてずっと非戦闘地域である、あり続ける、こういうことを念頭に決めているわけでございます。 さらに、これは御質問ではございませんけれども、今回の非常事態宣言に基づいてムサンナ県で何らかのアクション、行動が起こされたとは、何らかの暫定政権の行動が起こされたとは聞いておりません。
○白眞勲君 今防衛庁長官は、自衛隊があり続けるときは非戦闘地域でありますというお答えをされたというふうに私聞いたんですけれども。
○国務大臣(大野功統君) 自衛隊がその地域で活動する期間を通じてですね、非戦闘地域であるということを申し上げたわけであります。自衛隊がいるから非戦闘地域という議論ではありません。
○白眞勲君 先ほど、非戦闘地域とか戦闘地域というのは国際的にはなされていない議論であるということを二度にわたって防衛庁長官おっしゃられたんですけれども、この何というんでしょうね、国際的になされていない議論を国内的にこれやっても、これはもちろん海外では理解できない部分になっていくんではないかなというふうに思いますけれども、それにつきましては防衛庁長官はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 海外でも、これは日本国憲法九条との関連でこういう考え方をしているんだな、知る人ぞ知るでございます。
○白眞勲君 知る人ぞ知るということは知らない人も一杯いるということに私はなると思うんですね。 そういう中で、この前の香田証生さんのああいう不幸な事件の際に、香田証生さんに対して、日本、香田証生さんはこのビデオの中でこう言っているんですね。日本政府が法を破ってイラクに自衛隊を、法を破ってなぜ、ごめんなさい、もう一回言います。なぜ日本政府が法を破ってイラクに自衛隊を派遣したのか尋ねていますというふうに香田証生さんはそのビデオの中で言っているわけなんですね。この彼らというのは、テロリストたちがなぜ法を破っているんだと。まあ、もちろんテロリストたちの話を、法を破っているといってそれをそのまま認識するかどうかというのは、これはまた別の問題だとは思いますけれども、当然、日本には日本国憲法というものがあり、平和憲法があるわけですけれども、その平和憲法の精神に沿って作られるべきイラク特措法というのが、これ日本国民にとってみても、今の議論を国民が聞いて戦闘、ファルージャについては戦闘地域か戦闘地域じゃないかここでは言いませんみたいなことを言われても、一般国民ちんぷんかんぷんだと思うんですね。 それだけじゃなくて、こういったテロリストたちも言っているぐらいで、イラクでも十分に理解されているとは言えない、それが、知る人ぞ知るという大野防衛庁長官のお話からしてもそうだと思うんですね。 こういったものというのは、やはり日本国憲法の趣旨からして、一体これが本当にそのイラクの特措法との兼ね合いというものの中で生きていくのかどうかというのは私は非常に疑問であると。例えば、何というのか、こういった議論というのは、これ外国人が例えばこの議論を聞いていると本当に何だかさっぱり分からないよという話にもなりかねないわけなんですね。 で、この日本国憲法の前文を私が皆さんに読むのも変ですけれども、中に、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」というふうに書いてあるわけでして、そういった観点からすると、このイラク特措法とか何かについて内閣法制局はこの憲法前文との兼ね合いをどのように考えているのか、あるいは今までこういった国際社会における日本の地位というものの観点から内閣法制局は検討した法律というのはあるのかどうか。それについて、ちょっと法制局の方の話を聞きたいと思うんですけれども。
○政府参考人(横畠裕介君) 内閣法制局が行います法令案の審査におきましては、立案省庁等から法令案の内容についての説明を受けつつ、憲法や他の現行法制との関係、立法内容の法的妥当性、立法の意図が法文の上に正確に表現されているかどうか、また条文の表現や配列等の構成が適当であるか、用字用語が正確であるかというような点について、法律的、立法技術的に幅広い角度から審査を行っております。 法令案の審査に当たっては、内容の明確性や理論的な一貫性の確保に特に意を用いているところでございまして、このことを通じて、我が国の法令が国民はもとより他国の関係者からも理解しやすいものになるというのではないかと考えております。 イラク特措法について申し上げますれば、その第一条、第二条、第三条、第八条などをごらんいただきたいと思いますが、今御指摘の憲法前文にあります国際協調主義等を含む憲法及び国際法の下で、我が国がイラクにおいていかなる趣旨で何をするのか、また何をしないのかということを法文上明らかにしたところでございます。 そのような観点でそれぞれの法案の審査を行っているところでございます。
○白眞勲君 今の中で、内容の明確性とか何かというのは分かりましたけれども、憲法の前文との絡みにおいて内閣法制局がそういうふうな審査をしたことがあるのかというふうに聞いているわけでして、今の話ですと、何ですか、イラク特措法のその条文の中にそういうものがあるということを認めたということですよね。憲法の前文等の趣旨に照らし合わせているということなんでしょうか。
○政府参考人(横畠裕介君) すなわちイラク特措法の第一条、目的規定をごらんいただければ、「国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組に関し、我が国がこれに主体的かつ積極的に寄与する」というようなことなども明記しておりまして、正に国際協調主義を踏まえた我が国としての措置というものを取るに当たって、かつその法令を作るに当たって、その趣旨を法文の中に明記するという努力をしてきているところでございます。
○白眞勲君 このイラク関連につきまして最後にちょっと御質問したいんですけれども、大野防衛庁長官に聞きます。 現在、非常に情勢がだんだん緊迫化しているということは御認識していただいているということだと思うんですけれども、この先、自衛隊の、端的に申し上げて、撤退の可能性というものについて、総合的な判断に基づきというのは本当にもうあちこちの議事録に書いてありますので、それを抜いて是非ちょっと御答弁いただきたい、そういうふうに思いますが。
○国務大臣(大野功統君) 総合的という言葉を抜きにして語るというのは非常に難しいんでありますけれども。 一番の問題は、やっぱり非戦闘地域でなくなった、こういうことであります。非戦闘地域とか戦闘地域というのはまた別途議論がありますけれども、それはちょっと抜いておきまして。 その次に、やはり治安が極めて悪くなって自衛隊の隊員諸官が安全に支援、人道復興支援活動ができなくなったとき、これはやはり業務を中断したりあるいは最終的な撤退ということも考えなければならない、こういうことであります。 今、繰り返しで恐縮ですが、まず、非戦闘地域が戦闘地域になったという判断はありません。非戦闘地域であります。サマワは非戦闘地域。それからもう一つは、治安の問題について言いますと、比較的落ち着いている、ほかの地域に比べて落ち着いている、ただ予断は許されない。特にその中で、迫撃砲、ロケット砲が宿営地を目掛けて飛んできているようであると、このことは重大に受け止めて、今後とも細心の注意を払って安全確保、隊員の安全確保に努めてまいります。
○白眞勲君 最後になりますけれども、戦闘地域についてはほかのところは分からない、その判断はしませんというふうに言っても、それはやっぱり判断するというのは比較があって判断ができるわけですから、そういった観点からしますと、知る人ぞ知るとかそういう、そういうその、まあいい加減な答弁と言っちゃなんでございますが、私にとってみたら非常に不可解な答弁だなというふうにも思っておりますが、ともかくそのぐらい、正直申し上げて防衛庁長官も外務大臣の町村さんも恐らくもう相当何か苦しそうな感じになってきているという感じもしますので、そろそろ自衛隊は撤退をした方がいいんじゃないのかなというふうに私は思っておりますし、民主党としてもそういう考え方でございますので、是非そういう観点からの検討もよろしくお願いして、私の御質問とさせていただきたいと思います。 以上です。
○国務大臣(大野功統君) 一言だけ。 知る人ぞ知るといういい加減な答弁だと、こういうふうにおっしゃったんですが、これ、日本国憲法の下で武力行使と一体になる海外での行動はしていけない、このことはなかなか世界的に一般の方には難しい議論かと思います。しかし、専門家の間では、それは日本にはこういう事情があるんだということは分かっている、こういうことを申し上げたのでありまして、そのところは御理解をちょうだいしたい、このように思います。
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会の喜納昌吉と申します。 平和の配当のない基地の島、沖縄というテーマで質問します。 一九八九年十一月九日、正に満十五年前の今日、ベルリンの壁が崩壊しました。その日に私のこの質問の機会が訪れたことに、何か歴史的因縁を感じざるを得ません。ベルリンの壁崩壊に続いて、その年の十二月、地中海のマルタで当時のブッシュ米大統領、現大統領の父ですね、ゴルバチョフ・ソ連大統領が東西冷戦の終結を宣言しました。それから二年後の一九九一年八月、ロシア共和国が新しい統治者として登場し、ソ連はその年十二月、消滅して歴史から消え去りました。 あのころを思い出してください。世界じゅうで平和の配当という言葉が使われました。人類の二十世紀は、第一次、第二次世界大戦と長い東西冷戦の下で終わってしまいました。冷戦といえども、アジアだけを取ってみても、朝鮮戦争、ベトナム戦争を始め様々な、様々な熱戦、熱い戦争がありました。世界じゅうで地域戦争があり、キューバ核ミサイル危機がありましたけれども、冷戦は米ソ両陣営が直接戦火を交えなかっただけの話でした。 戦争の二十世紀が終わって、人々は今度こそ平和の到来を望み、平和の配当を強く期待しました。日本ではとりわけ沖縄がそうでした。第二次世界大戦末期、沖縄は米軍の大攻勢で非常な戦場となり、幾多の人命が失われ、山河は無残に破壊されました。 その沖縄ですが、来年、米軍基地の島になって六十年となります。皆さんが十分御承知のとおり、沖縄は日米安保条約を依然支え続けています。在日米軍占有基地面積の実に七五%が沖縄にあります。日本の安全保障は沖縄の危険負担によって成り立っていると言っても過言ではありません。ならば、沖縄こそ冷戦終結後の時代に真っ先に平和の配当にあずかってしかるべきでしょう。 ところが、いつも裏切られてきました。その典型的な例が、一九九〇年代半ばの米海兵隊普天間航空基地の返還約束と引換えの名護市辺野古沿岸での大型代替基地建設という新しい重苦しい悪夢です。沖縄県民の八〇%以上が辺野古沖での新基地建設に反対しています。これは世論調査で明らかです。なのに、日本政府は沖縄の人々の意思を裏切って建設計画を進めています。この基地建設は広範な海域の自然環境の破壊を意味します。米政府も、米国民も、米国領土のこのような自然破壊を絶対に許さないでしょう。海兵隊は日本の国外に段階的に移転させ、米戦略に穴を空けることなく普天間問題を解決できるのは、多くの軍事専門家や識者が指摘してきました。米政府当局者を含め米国には、日本政府が言い出せば辺野古沖基地建設条件を排除することが可能という考え方があります。 質問します。 なぜ、政府はこれを言い出さないのですか。百歩譲って、日米が沖縄の米軍基地を安定的に運営したいならば、百歩譲ってですよ、普天間基地を無条件で沖縄に返還するという本物の平和の配当があってしかるべきではないでしょうか。小泉首相が沖縄の基地過重負担を軽減させたいというのならば、真っ先に実現すべきは、普天間無条件返還を実現させるためのSACO合意意見、合意見直しだとなぜ言えないのですか。なぜ政府は、愚かですさまじい環境破壊に目をつぶろうとしているのですか。答えてください。
○副大臣(谷川秀善君) 普天間飛行場につきましては、先生も御存じのように、同飛行場が市街地にあることもありまして、政府といたしましては一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいと考えておるところであります。そして、引き続き、平成十一年の閣議決定に従いまして、沖縄県等の地元公共団体と十分協議を行いながら、普天間飛行場の移設・返還の問題に全力で取り組んでいるところでございます。 また、従来から申し上げておりますとおり、SACOの最終報告や代替施設基本計画等を踏まえまして、早急にこれを実現すべく、これまで米側と緊密に協議をいたしているところでございます。
○喜納昌吉君 周辺住民の意見といいますけれども、八〇%の人が反対しているんですよ。その数はどうお考えなんですか。
○副大臣(谷川秀善君) その点も十分踏まえながら米側と協議を進めているところでございます。
○喜納昌吉君 その十分という意味は何ですか。その八〇%を無視する、この十分という意味はどういうお答えなんですか。
○副大臣(谷川秀善君) それも念頭に入れながら米側と十分協議をいたしておるところであります。
○喜納昌吉君 その念頭とはどういうことですか。
○副大臣(谷川秀善君) いや、ただいま申し上げましたとおり、念頭に入れて十分協議をいたしておるところであります。
○喜納昌吉君 だから、その八〇%の住民が反対しているのに、周辺の意識を考慮してという言葉がありますけれども、数字上からいいますと、当てはまらない言葉なんですね。だから、その念頭という言葉に明確な言葉を与えてください。
○副大臣(谷川秀善君) だから、ただいま申し上げましたとおり、十分念頭に入れて協議をいたしておるということであります。
○喜納昌吉君 ああそうですか。をもということですね。分かりました。 それじゃ、二番目の質問。 SACO合意の最終決定から八年もたっています。当時と国際情勢一変し、米軍は来年までには再編を実施しようと様々な検討を始めています。閣議で決まったというならば、閣議決定をし直せばよいのではないですか、外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) この委員会でも何度か申し上げて、多分、委員もお聞きをいただいていると思いますが、米軍の再編成の問題、今全世界的な規模で進行し始めているところであります。日本との間でも、どういう形でこの再編成をとらえるのか、アジア太平洋地域、その中で日本の平和というものをどうやって維持していくのかという際に、米軍の持っている抑止力、平和維持機能というものを確保しながら、同時に沖縄県の皆さん方の過重な負担というものをどう軽減をしていくのかということを一つの大きな要素としながら、今いろんな話合いをやっている最中でございます。 現状は、むしろ総論からもう一度きちんとやろうということでやっておりまして、その具体の話というところにはまだ至っていないわけでございますが、いずれにしても、この普天間のお話、先ほど来からございますけれども、これは全体の再編成の中でもちろん議論はいたしますけれども、このSACOの最終報告、そしてその後に出てきました代替施設基本計画の話は、それはそれとして今粛々と進めていこうというのが政府の基本的な考えであるということは累次申し上げているとおりでございます。 なお、先ほど来から平和の配当というお話がございました。そういう言葉が一時期、随分世の中に議論されたことは事実でございます。しかし、結局、米ソのあるいは米ロの全面的な対決という姿は確かになくなったかもしれないけれども、しかし、残念ながらこの北東アジアにおいてはまだそうした対立構造の残っている部分もございます。また、テロあるいは大量破壊兵器の拡散等々といった新しい安全保障を脅かす要素も出ている。 そういったこともやはり考えながら、私どもとしては日本の平和、極東の平和というものをどう維持発展をさせていくのかということをやはり多面的に考えなければならないと、かように考えているところでございます。
○喜納昌吉君 大臣の話を聞くと、可能性はあるということですか。辺野古は撤廃する可能性はあるということですか、日本の安全のためには、いろいろな諸問題も含めて。
○国務大臣(町村信孝君) SACO最終合意及びそれとは、最終合意とは少し違う形でこれはもういつも大田議員から御指摘をいただいておりますが、辺野古の問題につきましては粛々と進めていくという考えでございます。
○喜納昌吉君 粛々の中には可能性もあるということと取っていいんですね、それじゃ。米側は、日本政府が辺野古に移設しないと言い出せばそれは検討すると言っています。それでも辺野古移設に執着する理由は何ですか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっと私の日本語の表現がまずかったらお許しをいただきますが、私は辺野古に移転、辺野古沖に行くという話をやめるということを先ほど申し上げたわけではございませんで、粛々と進めていくと、こう申し上げました。
○喜納昌吉君 ああ、そうですか、粛々。だから、粛々というのを、その両方の語があるのかなと解釈したんですね、私はね。そのときははっきり言ってくださいね、そういう言葉を使わずに。 どうですか。米軍は造らなくてもいいと言っているんですけれども、日本政府はなぜそれに反対、執着するんですか。
○国務大臣(町村信孝君) 日米間で辺野古沖移転を不要であるという議論が出たということはございません。
○喜納昌吉君 そうですか。まあ、それならば、それはそれとして。 それでは、このSACO合意以降使われた経費は幾らで、その中で辺野古移設に関しては幾ら使われました。
○政府参考人(戸田量弘君) SACO合意以降現在までに要しました費用のお尋ねでございます。 SACO関係経費につきましては、平成八年度から支出を開始しておるところでございます。平成十五年度までに約千六百三十億円支出しているところでございます。また、お尋ねの普天間の代替施設の建設関係経費でございます。代替施設の建設に関連する経費につきましては、平成九年度から支出をしておるところでございます。平成十五年度までに約十六億円を支出しておるところでございます。 以上であります。
○喜納昌吉君 ある情報では八百四十億円ももう使ったという話もありますけれども、それは単なるうわさですか。
○政府参考人(戸田量弘君) お尋ねの金額がどのような経費を指すのか必ずしも明らかではございませんけれども、例えばこのSACO関係経費の中で沖縄県に対しまして支出あるいは計上している予算、これを見てみますと、平成八年度補正予算から平成十六年度予算までの合計が約八百四十億円、これは歳出ベースでございますけれども、ございます。八百億円を超す金額というのは、一つはこういうものも考えられるところでございます。
○喜納昌吉君 今後、辺野古の海上基地が完成するまで幾ら掛かると見積りを立てていますか。
○政府参考人(河野孝義君) 代替施設の建設工事の件につきましては、護岸、埋立て、連絡橋等の建設に要する費用、経費としまして約三千三百億円を見積もっているところでございます。ただ、この中には、いわゆる上物工事であります建物や滑走路等については現在関係機関と調整しているところでありまして、見積りには入っていないところであります。
○喜納昌吉君 とにかく、全体的にどれぐらいになるんですか、最終的な。
○政府参考人(河野孝義君) 今、ただいま申し上げましたように、工事につきましては護岸埋立て等で三千三百でございますけれども、このほかに、関連する建物がどのような、建物がどのようなところに造られるか、今後調整しまして見積もらなきゃ分からないところもございます。 調査等につきましては、今ただいま施設部長から、今まで使ったお金については十六億円という御説明をいたしました。
○喜納昌吉君 財政がこんなに逼迫しているときに、こんな大きな計画を総事業費の見通しを付けずにやみの中で進めていくというのは、非常に僕は、私は疑問に思います。まあ、これは質問ではありません。 それから、もう一つ。下地島空港に関して、一九七一年に交わされた覚書によって軍事使用はしないとされているのは大臣も承知していると御答弁されています。にもかかわらず、米海兵隊はフィリピンなどでの演習の往復に給油と称して下地島にヘリコプターを着陸させています。沖縄県も地元も毎回抗議をしていますが、そのとき政府はどのように対応しましたか、政府は。外務大臣でも結構です。
○政府参考人(海老原紳君) 今の委員の御質問は、在沖の米軍の海兵隊がフィリピンに演習に行きますときに、途中、給油のために立ち寄っているということについてのお尋ねかとも思いますけれども、米軍の航空機は、地位協定五条に基づきまして我が国の飛行場に出入りする権利を認められております。 実際の使用に当たりましては、米軍は、民間機による飛行場の使用への影響を最小限にとどめますように、空港管理者当局と所要の調整は行っておりますけれども、そもそもその地位協定五条に基づく米国は権利に基づきまして、下地島の飛行場に給油のために立ち入っているということでございます。
○喜納昌吉君 上限というのがちょっと分からないんですけれども、もう一度説明してくれます。
○政府参考人(海老原紳君) 条件と申し上げたのではなくて……
○喜納昌吉君 ああ、条件。
○政府参考人(海老原紳君) ええ、調整と申し上げたんですけれども……
○喜納昌吉君 ああ、そうですか。
○政府参考人(海老原紳君) 実際に空港を使うときには、あるいはほかの民間航空機等が使用するそのことと、例えば時間等を調整するとか、そういうことがあり得るものですから、そういう意味で空港の管理者と事前の調整を行っているということを申し上げたわけでございます。
○喜納昌吉君 今のその答弁というのは、その覚書には違反しないんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 今申し上げた米軍が下地島空港を使うということについては、これは国際約束でございまして、国会の御承認もいただいている地位協定に基づく米側の権利の行使という性格のものでございます。
○喜納昌吉君 それは、政府側としてはもう正当な理由だということで、正当な理由に基づいているということですか。
○政府参考人(海老原紳君) 地位協定に基づく米側の正当な行為であるというふうに認識いたしております。
○喜納昌吉君 分かりました。はい、どうも分かりました。後ほどまたその辺は研究して質問します。 改善されていないということは、抗議も無視されているということではないでしょうかね。下地島空港は日本の管轄ですから、この辺は今後外務省もしっかりアメリカに強く申し入れてください。 もう一つ質問。米軍が下地島とは別の選択肢として伊江島飛行場を普天間の代わりに使用したいという情報がありますし、報道もされています。米側から伊江島飛行場を普天間の代わりに使いたいという打診はありましたか。また、政府として事実確認の調査は始めていますか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(海老原紳君) そのような打診を米側から受けた事実はございません。
○喜納昌吉君 なぜこのような大事なことを調査しないんですか、周辺住民のことを思いやるようなこの政府が。答えてください。
○政府参考人(海老原紳君) 今の御質問は、普天間施設の代替施設として、代替の施設としてその伊江島の空港を米側が使いたいということで米側から打診があったかというお尋ねだと思いますけれども、それにつきましては、そのような事実はないわけでございますので、米側に確認するという性格ではないというふうに思っております。
○喜納昌吉君 もしそのようなことがあれば抗議は、抗議はしますか。
○政府参考人(海老原紳君) 実際ないわけでございますので、仮定の問題にここでお答えするのは適当ではないというふうに思って、お答えするのは差し控えさしていただきたいと思います。
○喜納昌吉君 分かりました。 次の質問ですね。辺野古への移設案が出る前は、普天間基地の嘉手納基地への吸収合併が一番強い案でした。ここまで沖縄の世論が辺野古移設反対を唱えているのに、なぜ嘉手納統合案の可能性を今改めて真剣に探らないのでしょうか。答えてください。
○政府参考人(海老原紳君) これは、先ほども町村大臣、谷川副大臣が御答弁したとおりでございまして、政府の方針は一貫しておりまして、平成十一年の閣議決定に従いまして、普天間施設の移設・返還を一日も早く実現するということでございますので、今御質問のような案につきまして、改めて政府が検討しているということはございません。
○喜納昌吉君 一時的措置として下地島や伊江島に普天間基地を移設するより現実、現実的だと思いますが、どう思われます。
○政府参考人(海老原紳君) 一時的という意味が、辺野古の代替施設が完成するまでの間に普天間飛行場を閉鎖いたしまして下地島空港を使用するということであれば、そのような案を米側から打診されたという事実はございません。
○喜納昌吉君 そのお言葉が本当になるように、下地島空港が将来トランスフォーメーション、アメリカのトランスフォーメーションの一つの計画の中に組み込まれないように願う思いで、今の質問は収めていきたいと思います。 それから、今度の政局で、次の衆議院の政局で、決して普天間基地や辺野古をサプライズとして使わないように、沖縄県民をだまさないようにお願いします。 次に移ります。国連安保理常任理事国入り問題、ちょっと。 政府は、このところ極めて積極的に国連安全保障理事会の常任理事国に仲間入りしようと外交活動を展開さしています。九月の国連総会の首脳演説時に、やはり常任理事国入りを志しているインド、ブラジル、ドイツの首脳らと小泉首相がそろって握手をして、国際社会にアピールしようとしたのは典型的な例です。 しかし、考えてみましょう、私たちの日本が本当に常任理事国になるのにふさわしいかどうかということをです。日本は一定の支持を得ていても、本当に常任理事国になるのを期待されているのでしょうか。小泉首相が口にしている、世界の中の日米同盟を掲げる突出方策は、日本が常任理事国になったとしても米国のお先棒担ぎになるだけだという以前からの非難を増幅させる方向で作用するのではないでしょうか。 また、現在の国連の決まりに従えば、常任理事国五か国は新たな常任理事国承認に際して拒否権を行使することができるはずです。すると、関係が特に政治面で冷却化している中国のことを念頭に置かずにはいられません。首相が掲げる世界の中の日米同盟は、憲法が歯止めを掛けてきた集団的自衛権、すなわち日米合同の自衛の名分の下での武力行使につながりかねません。その方向に日本が動けば、いや、既に動きつつあると言う方が的確ですが、日本は地元アジアで孤立していくでしょう。そんな動きは、とりわけ中国を警戒させます。既に軍事大国でもあり、米国に追従する日本を常任理事国にしようとは中国は思わないでしょう。中国は、日本軍の侵略を受けた国として当然でしょうが、歴史問題に敏感であり、小泉首相の靖国神社参拝継続に怒っています。 私は、靖国問題に関しては持論がありますが、それは次の機会に譲るとして、中国は、戦争犯罪人が一緒に祭られていることに特に怒っているのです。いいですか、ヒトラーが祭られている施設を堂々と参拝するドイツ首相がいたとしたら、ナチスにじゅうりんされた諸国が黙っていると思いますか。靖国参拝は、国際社会では似たような受け止め方をされているのですよ。それに気が付かないとは、あるいは気が付いてもなお参拝するのだとすれば、余りにも無神経だと言えませんか。首相という地位の者にとっては、参拝は日本人の自然の感情の問題では済まないのです。 さらに、日中間には尖閣諸島の領有権だけでなく周辺海域での水産資源や海底資源開発をめぐる対立があります。中国側の天然ガス採掘問題は現在進行中です。こうした中国側のやり方には、ブッシュ政権の軍事的な出方を探ろうとして中国軍部が意図的にやっているとの見方もありますが、尖閣諸島をめぐる諸問題が解決からほど遠いのは事実です。 案の定、東京で今月四日行われた日中外務次官級協議で、日本が求める常任理事国入りへの支持について、中国側は、いろいろな国が手を挙げている中で特定の国への支持を表明はしていないと支持を断りました。当たり前でしょう。日中関係は、靖国問題が重くのし掛かって首脳間の相互訪問さえできない状況なのですから。 さて、質問します。 中国に常任理事国入りへの支持を期待したのは外交的に幼稚だと言えませんか。首相が一方で常任理事国入りの思想を強く表明し、もう一方で靖国参拝をして対中関係を損なっているのは、政策上矛盾していませんか。つまり、首相も政府も本気で常任理事国になりたいのではないということですか、答えてください。
○国務大臣(町村信孝君) 総理の靖国参拝云々につきましては今の御質問の外のことかと思いますので、まあそれはそれとしてまた別途お答えをしてもよろしゅうございますが、今の御質問は、中国の賛成が日本の常任理事国入りで得られるんですかと、こういう御質問だと受け止めましたので、それについてお答えをいたしますが、委員御指摘のとおり、関係する諸国あるいは近隣アジア諸国から、特に中国は現実に常任理事国の一つでございますから、その賛成なくして常任理事国入りはできないだろうと、それは御指摘のとおりだろうと思います。 中国自身も、国連改革あるいは安保理改革ということについては、累次の場面においてそういう発言はいたしております。今のままの国連ではやっぱり機能不十分だということを彼らも認めているわけであります。そういう意味での方向感覚は日本も中国も変わりがないと、こう私は思っております。 先般、ハノイで私は中国外交部長、外務大臣ですが、とお目に掛かりまして、私の方から、国連安保理改革の必要性、それからさらに、日本は常任理事国入りの意欲を国連総会で示しましたよという話もいたしましたが、もちろんその場で明確にそれを支持しますと彼らは言いませんでしたけれども、しかし、同じ方向を向いて一緒に作業はできますねというような回答にはなっているわけでございます。また、彼らも明示的に日本の常任理事国入りに反対だと言ったことはございません。 したがいまして、今後、いろいろな場面を通じて中国の首脳、トップあるいは事務レベル、いろいろなレベルを通じて日本の常任理事国入りに中国の理解を得る努力をしていく、これは外交として当然のことであろうと、かように考えているところでございます。
○喜納昌吉君 その国連安保理のその改革の意味、方向では、どこかで一つの意思が、統一が感じられるということがあると聞きまして、それならば、なおさらもっと中国との外交に関して努力しなくちゃいけないと私は思っています。 その意味では、やはり今の政府の中国に対する外交は余りにもずさんで幼稚で、もう一つ歴史的な問題に関して、あと一つ避けているのがあるのではないかという感がします。特に、経熱政冷という言葉も中国の首脳から出ていますし、経済だけじゃなくて政治をもっともっと熱くしていく方向から、私はその常任理事国入り、強いて言えば国連の改革さえも、あるいは僕はターゲットの多い点でいいんではないかと思っています。なぜならば日本は国連の分担金を五分の一、まあ沖縄に言わせれば、思いやり予算含めれば十分に国連運営するお金を払っていますから、もっともっと主張することが必要じゃないかと思っています。そのためには、一番、当面、これは中国の問題がありますから、もっともっとしっかりやってください。よろしくお願いします。 それから、常任理事国入りを本気でもし考えているならば、余りにも国際世論に疎いと思いませんか。今大切なのは、ジュネーブにあるような国連機関本部をアジア支部として沖縄に新設する構想など日本の政策を示すことではないでしょうか。このような大きな構想を打ち出し実現させていくことこそ、常任理事国化への近道ではないでしょうか。よろしくお願いします。
○副大臣(谷川秀善君) 沖縄へ国連機関等を誘致する可能性につきましては、政府といたしましては、本年三月、内閣府において行いました委託調査の結果がまとまったものと承知をいたしております。現在、この調査結果を踏まえ、何ができるかということにつきまして内閣府において検討が行われておるものと承知しております。 外務省としても、国連諸機関への沖縄への誘致の可能性につきまして、沖縄の歴史的、地理的特性を生かして何ができるかにつきまして引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
○喜納昌吉君 いやいや、そのような計画があるのは非常に有り難いなと思っていますね。なるべく紛争をなくす方法を考えることも可能でありますので、もっともっと日本政府は知恵を絞ることを努力、お願いします。 もう一つの質問。防衛庁が十一月末にも策定する新防衛大綱に向けた部内協議で、中国が日本を攻撃する可能性について、海洋権益をめぐる対立と、一つに海洋権益をめぐる対立と尖閣諸島領有権問題、中国、台湾間の紛争からの波及の三つを具体的に想定しているということです。この事実関係をただしたいと思います。外務大臣、よろしく。
○国務大臣(町村信孝君) 防衛計画の大綱につきましては内閣で議論を始めているところでございます、また安全保障会議でも議論を始めているところでございますが、今委員が言われたような具体のことについてまだ閣僚レベルで話し合ったことはございませんし、また、そういうことはちょっと、大綱の議論の中で今おっしゃったようなことが議論になるとはちょっと思えないのでありますけれども、ちょっと御趣旨がよく分かりません、率直に申し上げまして。
○喜納昌吉君 共同通信ないし東京新聞では既に報道されていますが、それなのに政府は事実関係を把握していないのですか、外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 一々の報道について、私は一々そのお答えをする立場にはございません。
○喜納昌吉君 もっともっと、特に日本は情報管理が非常に、日本政府、特に外務省に関してはアメリカの機関なのか日本の機関なのかはっきりしないといううわさもある中で、情報に関してはもうちょっとしっかりつかむぐらいの努力してほしいですね。これでは、ただでさえ悪化している日中関係に火に油を注ぐようなものだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっとその新聞記事を私は承知をしておりませんが、日中関係というのは基本的に友好的な関係にあり、様々な友好増進のための活動が行われているところでございまして、具体に、今ちょっと委員がおっしゃったその新聞記事見ていないから分かりませんが、もし中国を、どういうんでしょうか、仮想敵国として軍事的ないろいろなシミュレーションをやっているのかというお問い合わせであれば、そういうシミュレーションはやっているとは私は考えておりません。それは多分、防衛庁長官に聞かなきゃならないかもしれませんが、防衛庁においてそういうシミュレーションをやっているとも私は思いません。
○喜納昌吉君 それは、防衛庁と外務省とには一つ、コミュニケーションがうまく流れていないということの一つの現れですか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっとそこまで、委員ね、新聞記事一つでそこまでの断定をされるのは控えていただけませんか。
○喜納昌吉君 それでも、まあ意外と、外務大臣の顔を見ると分かっていそうな顔をしているんですけれども、まあこれはちょっと笑って僕も終わらせましょう。 あと何分あるんですか。それをぱっと読みます、あと一つ残っていますのでね。ブッシュ・小泉、ちょっとダブる、白さんとちょっとダブる分がありますけれども行きます。ブッシュ・小泉連携とイラク自衛隊問題。 小泉首相はブッシュ米大統領再選を受けて、世界の中の日米同盟という観点から世界の安定と平和のために両国は大きな責任を担っているという認識の下で協力していかなければならないと言いました。ところが、ブッシュ大統領は、自分の国米国で過半数を少し超えた有権者からしか支持されていません。米国の社会と政治状況は真っ二つに割れています。国際社会も、特に欧州の有力諸国は、ブッシュ政権の単独主義を始め国際社会での立ち振る舞いに嫌悪感をあらわにしてきました。アラブ諸国の多くも、米国の絶対的なイスラエル支持やイラク侵略戦争に怒りを示してきました。今回の米大統領選挙の直前に世界各国で新聞などによって世論調査のような形で実施された模擬選挙では、国際社会が圧倒的にケリー氏の勝利を願っていたことが明確となっていました。このように、米国内や国際社会で反対者の多いブッシュ大統領とその政権とともに世界の中の日米同盟を掲げるとは、余りにも単純かつ楽天的であり過ぎると言えるのではないでしょうか。 パレスチナではヤセル・アラファト議長が人生最後の日々を送っているかに伝えられています。アラファト議長が万が一亡くなれば、パレスチナで権力闘争が表面化し、しばらくは政治的に一層不安定な時期が到来する可能性が濃厚です。悪化しては膠着状態になるという悪循環を繰り返してきたパレスチナ・イスラエル情勢は、パレスチナの一層の政治的不安定化によって更に混迷の度を深める公算が大きいと言えます。 一方、イラクでは、来年一月に国民議会選挙が予定されていますが、イラク人反米勢力と外国からイラクに来ている武装勢力はテロ戦術などを使ってますます激しく抵抗してくる可能性が大です。 サマーワの自衛隊駐屯地の内側と外側に、このところ迫撃砲弾やロケット砲弾が相次いで飛来しています。何回かは内側に着弾しました。武装勢力に拉致され殺害された香田証生さんはサマーワを訪ねたいと口にしていたと伝えられ、武装勢力に自衛隊の関係者、すなわち米軍の協力者と誤解されて殺害された可能性があります。殺害される直前に星条旗の上に座らされていた事実からもうなずけるでしょう。 政府は、一つ覚えのように非戦闘地域という空虚な用語を振り回していますが、自衛隊駐屯地一帯が日々に危険になりつつあるのは客観的事実と受け止めるべきです。そんな状況の下で、世界の中の日米同盟を掲げるのはのうてんきに過ぎませんか。自衛隊員の生命をかえって一層の危険にさらす理由にはなりませんか。アラブ世界はアルジャジーラなどのメディアを通じて、今や日本の政治や社会の動きを毎日フォローしているんです。世界の中の日米同盟という首相の言葉は、イラクでは自衛隊と米軍が一体化しているということを意味する以外の何物でもないんです。 質問します。どうですか、この世界の中の日米同盟という首相の言葉と、自衛隊と米軍一体化している、言葉の安直さに、質問、お願いします。
○委員長(林芳正君) 喜納君、どういう御質問でございましょうか。
○喜納昌吉君 あっ、ごめんなさい。それじゃ、日本と周辺地域の、質問します、日本と周辺地域の安全確保が本来の目的の日米安保条約を、世界の中の日米同盟に膨脹させる権限を国民がいつ政府に与えたと判断しているのですか。
○国務大臣(町村信孝君) 世界の中の日米同盟、私は、今委員が、それは、ブッシュ大統領がなるのか、ケリーさんがなるのがいいのか、それはよその国の選挙のことですから、あれこれ言うことは差し控えたいと思いますが、現実にブッシュ大統領が勝った。しかも、その米国と日本は今非常にいい友好関係にある。日米同盟があるからこそ日本の平和と安定が保たれているという基本認識を私は持っておりまして、委員はその基本認識を多分共有されないというのでありますと、そこで大分議論は分かれてくるんだろうなと、こう思います。 その上に立ってなお、現在の日本とアメリカの関係が世界にどういう影響を持つか、どういう関係に立っているかというお問い合わせであれば、日本及び極東、その周辺は日米安保条約によって担保された形での様々な平和維持活動が行われるわけでありますし、更にそれを超えて、現在、アフガンあるいはイラク等で特別な国会での立法をもって、特にアフガンはテロ対策、テロとの戦いという目的でこの法律ができ、日本はそれを支援をしておりますし、イラクにつきましては日本の独自の主体的な判断で現在自衛隊を派遣していると、こういうことでございます。 しかし、それらをトータルで引っくるめて見たときに、それは世界の中の日米同盟という言い方をして決して間違っていないし、そのことがまた世界の平和と安定の、十分役立っていると、私はかように認識をしております。
○喜納昌吉君 分かりました。 時間はもう限定されていて、しっかり終わらなくちゃいけないんですか。
○委員長(林芳正君) はい。
○喜納昌吉君 それじゃちょっともう、たくさん質問あったんですが、省いて、ちょっと選んで質問をします。 陸上自衛隊と緊密な関係を保ってきたサマーワを州都とするムサンナ州のハッサン知事が来年一月の国民議会選挙に立候補し、国政に転出する意向があるそうです。そうすると、ムサンナ州の知事が、ムサンナ州の知事が交代します。その事実は政府は把握していますか。
○国務大臣(町村信孝君) 確たる情報ではございませんが、ムサンナ県の知事が国政への意欲を持っているという報道には接しております。そういう意向も持っている話も内々では聞いておりますが、これは余り、人様の内政のことですから、余り確認したりしなかったりという性格のものではないような気がいたします。
○喜納昌吉君 日本は新しい知事との関係、一から構築しなければなりません。また、ハッサン知事に関しては腐敗の噂があります。政府はハッサン知事の腐敗をめぐって調査したことはありますか。
○国務大臣(町村信孝君) 腐敗。
○喜納昌吉君 腐敗。
○国務大臣(町村信孝君) 腐敗の調査をされたかという御質問であれば、そういう観点の調査はしておりませんが、いずれにしても、私どもが、必要なODA等々の供与に当たっては知事とも相談をしたり、あるいは暫定政府とも相談をしたりしてやっておりますから、もし我が方のODA予算等が万が一そういう不正に使用されている懸念があるのではないかという御質問であれば、それは当たらないと思います。
○委員長(林芳正君) 喜納君、時間でございますので。
○喜納昌吉君 はい。 日本政府からの援助金が日本政府の知らない間に知事の腐敗につながった可能性はあると思いますので、これ、ハッサン知事が国政に転じた場合、新しい知事が就任するわけですが、政府は次の知事になる可能性のある人物について調査し、接触したりしていますか。
○国務大臣(町村信孝君) 私どもは、どなたが次の知事になるのか、選挙がどういう形で行われるのかは承知をしておりません。
○喜納昌吉君 もう終わります。 いや、なぜならば、あれだけの自衛隊を送って安全を保障するためには、ある程度の状況を、環境を整えて状況を読んで自衛隊の安全を図るのが私は外務省の務めだと思いますし、そういう方向でもっと努力しているのかなと私は思っただけなんですね。 それから、今日は時間がなくて質問できなかったんですけれども、次、在外公館の不正問題に関しては、時間も来ましたので次に僕は回します。よろしくお願いします。 どうもありがとう。
○荒木清寛君 イラクの北部を除く全土に非常事態宣言が発令されましたことを大変重要な関心を持って見ております。 そこで防衛庁長官、先般来、サマーワの宿営地内に迫撃弾あるいはロケット砲が着弾をしたわけであります。日にちが経過をしておりますが、その犯行の背後関係について分析はできたんでしょうか。すなわち、外国の武装勢力によるものなのか、あるいは旧フセインの支持者なのか、あるいは部族内の中の問題なのかですね、そうしたことについてどういう根拠で分析をされているのか、お尋ねします。
○国務大臣(大野功統君) 直ちに事案の背景等について現地の治安当局と密接に連絡を取りながら情報収集・分析をやっているわけでありますけれども、今の段階でははっきりとしたことを申し上げられる段階ではありません。 ただ、今、この一連の事件が直ちに現地部隊による人道復興支援活動に影響を及ぼしているものでもありません。今後、更に現地治安機関等による治安確保への努力をもちろん続けてまいります。 さらに、これ本当に早く情報を取って、そして背後関係も確かめたい。当然のことでありますけれども、そういう努力、更に続けてまいります。
○荒木清寛君 それでは、今日の案件の日本・メキシコ経済連携協定についてお尋ねをします。 経済外交というのが非常にこれから大事でございます。日本は貿易立国でありますが、今後、WTOとEPAあるいはFTAのどちらを重視するんでしょうか。かつて経団連も、地域主義反対、WTO重視という建議を時の総理にしたということもあるわけでありますが、日本はWTO中心主義から政策を、軸足を移した、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘の、ガット・WTOということで戦後一貫してやってきたわけでございます。それによって貿易の自由化等々推進をしてくるということが基本でございました。 現在もその基本は変わりませんものですから、WTO交渉、来年の香港会議ですか、これがかなり大きな山になると思いますが、それに向けて努力をしていくということでございますが、それを補完する取組ということでFTAあるいはEPAというものを戦略的に活用していこうという考えでございますので、あくまでも中心はガット・WTOということでございます。 どんどんどんどんブロック化していったら世界規模の自由貿易体制にならないじゃないかということでありますが、あくまでもこのFTA、EPAというのは、ガット・WTO体制に反しない限りで、むしろそれを自由化する方向に進めるために補完的に機能するという位置付けで私ども取り組んでいるということでございます。
○荒木清寛君 九〇年代は我が国にとりまして失われた十年と言われています。企業は内向きで不良債権処理に追われ、なかなか対外経済投資も進みませんでした。これに符合するように政府の対外経済戦略がおろそかになりまして、その結果が今のFTA後進国というような状況であるという反省を持つべきであると思いますが、大臣、いかがですか。
○副大臣(谷川秀善君) 先生御指摘のとおり、現在、我が国はシンガポール及びメキシコとの経済連携協定に続いて、現在は韓国、タイ、フィリピン、マレーシアとの協定交渉を積極的に進めているところであります。また、ASEAN全体の間でも来年四月の交渉開始を見込みながら協議を行っております。 この観点から、FTA後進国という御指摘は必ずしも当たらないのではないかなというふうに思っておりますが、我が国は当面、経済的な相互依存関係が深い東アジア諸国との間で経済連携を優先的に進めていく考えでありまして、今後とも、協定締結が遅れる等によって我が国の国益も損なうことにならないように、引き続きスピード感を持って経済連携を推進してまいる考えでございます。
○荒木清寛君 二〇〇二年十一月に日本・シンガポール新時代経済連携協定が発効をいたしました。二年がたとうとしておりますが、この発効による経済的あるいは政治的なメリットというのはどうした形で現れておりますか。
○副大臣(谷川秀善君) おっしゃるとおり協定発効後二年が経過をしたわけでございますが、その協定の下で、関税が撤廃された物品の貿易やらシンガポールからの対日投資等が増加をしてまいっております。また、協定に基づきまして、これまで十二の協力分野で合同委員会が開催をされまして、各分野における協力が進んでおります。こうした発展を踏まえまして、昨年十二月に開催されました閣僚レビュー会合の共同声明では、協定の締結以来、二か国間の経済関係が一層強化されていることを確認いたした次第であります。 このように、協定を通じまして、従来よりも良好な日本・シンガポール二国間関係が進んでおるものと考えております。
○荒木清寛君 この対メキシコEPAについてお尋ねをいたしますが、このNAFTA、北米自由貿易協定ですか、の発効に伴い、メキシコに対する輸出の我が国のシェアは低下をしまして、逸失利益が年間約四千億円発生しているとも聞いております。 今回の協定締結、発効によりまして、こうした我が国の不利益要因はすべて取り除かれるのか、そうでないのであれば、この約四千億円と言われるうちのどの程度が回復できるという見込みなのか、お尋ねいたします。
○副大臣(谷川秀善君) メキシコは、関税面その他の分野におきましても、自由貿易協定を締結しております国とそうでない国を差別的扱いをしている政策を取っている国でございまして、我が国の企業がこれまでは様々な面で欧米企業と比べて競争上不利な状況に置かれておることは事実であります。その結果といたしまして、例えばメキシコの輸入における日本のシェアがどんどんと低下をしてまいりましたし、メキシコの政府調達における日本企業の受注が困難になってまいりましたなど、具体的な不利益が生じておったところであります。
○荒木清寛君 ですから、その不利益がどの程度回復できるのかということですが。 別の観点でお聞きしますと、この協定締結による我が国のマクロ経済上の効果というのはどのように試算をしておりますか。GDPがどの程度押し上げられるとか、そういう試算はあるんでしょうか。
○政府参考人(三輪昭君) 本件につきましては経済産業省の方から答弁させていただきます。 議員御指摘のマクロ経済上の効果ということについては経産省は試算しておりませんが、先ほど答弁にありましたとおり、我が国の輸出で失われた機会というのがどのぐらいあるかということにつきましては、交渉に入る前の両国の産官学による研究会の報告に記載されておりまして、約四千億との試算を行っております。 今回の協定発効の効果の一つとしてこうした不利益が解消されるものと期待しております。
○荒木清寛君 そうした不利益の回復だけではなく、更なるプラスの要因が実現をすることを期待をしております。 農水省にも来ていただいておりますので、農産品の自由化につきまして一点だけお尋ねいたします。 最もセンシティブな問題とされました豚肉の関税引下げに関しましては差額関税制度の維持等の配慮がなされておりますけれども、これで国内養豚業者の保護といいますか、その実効性が確保されておるんでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) お答え申し上げます。 豚肉につきましては、メキシコ側の強い関心品目でございました。このため、私ども大変粘り強く交渉いたしました結果、合意の中身でございますが、現行の従価税率四・三%を二・二%にするというメキシコの占有枠をまず設定すると。この枠内数量でございますが、現行の数量、五年間平均で三万八千トンでございましたが、これを五年目に約二倍の八万トンにすると、こういう合意をしたところでございます。 この合意につきましては、安価な、安い価格での豚肉の輸入を抑制するという、御指摘のありました差額関税制度、この根幹は維持できたというふうに考えておりまして、国内養豚経営への影響は極力回避できるものというふうに考えております。 引き続きまして、私ども、生産コストの低減ですとか、品質の向上を図るための対策などなど現行の養豚対策を着実に実施することによりまして、国内養豚経営の合理化、またその安定に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 次に、ビジネス環境の、対メキシコのビジネス環境の改善についてお尋ねいたします。 本協定の日本側のメリットとしては、メキシコ側の関税撤廃、削減と並んで、ビジネス環境の改善が期待されています。現在、メキシコのビジネス環境上の問題点として、頻繁に変わる法制度、あるいは治安の悪化の問題が指摘をされています。 私も、二〇〇〇年の九月にメキシコに参ったときに、タクシーはホテルの玄関に着いているもの以外には乗るな、このように言われまして、日本の駐在員も相当苦労されているなということを思いました。 そこで、本協定によりまして、こうした状況の改善のためにビジネス環境の整備に関する委員会が設置をされますけれども、今指摘をした治安の改善も含めて、どういう提案を日本としてしていくのか。私は、ODAなどもリンクして提案をしていくべきであると考えますが、どうでしょうか。
○副大臣(谷川秀善君) 先生ただいまおっしゃいましたように、非常に治安の問題と、それから法制度がころころ変わるということで、ビジネス環境が非常によろしくない、整備をしていく必要があるということにつきましては、日本とメキシコで共通の認識に到達をいたしております。したがいまして、このような問題に対処いたしますために、協定発効後に開催をされますビジネス環境委員会の場等で具体的な方策につきまして随時協議は進められるものと考えております。 発効後は速やかに同委員会を開催をいたしまして、メキシコ進出日系企業の要望等を踏まえながら、メキシコ政府によります治安問題の解決のための取組を聴取をいたしたり、またビジネス活動に大きな影響を与えます法制度につきまして情報交換を行いながら、ビジネス環境の改善に向けた、向けて具体的な方策をメキシコ側と協議をしてまいりたいというふうに思っております。 例えば、日本人が多く住む地域におきまして、日本人会等の邦人組織とメキシコの治安当局との間の協力体制の構築だとか、在メキシコ日本商工会議所とメキシコの関係省庁との情報交換の場の設置などというようなものを行いまして、設置をいたしまして、法制度の透明性、予見性の向上を図ってまいりたいというふうに考えているところであります。
○荒木清寛君 先ほども先行委員から指摘がございました。私も、今後のEPAあるいはFTA協議に当たりましては、日本版USTRを作るべきではないかと考えます。 確かに、先ほどの副大臣のお話で、このメキシコとのEPAにつきましても十分各省連携を取ってやってきたということでございまして、それは私も承知をしておりますが、今後スピードということが非常に大事になるわけですね。今回のメキシコの問題も、遅れることで不利益が生じているという話であったわけであります。しかも、国際問題、参議院の国際問題調査会報告、私もその委員でございました。その中にも、交渉体制の見直しということで、内閣総理大臣直属の組織として日本通商代表部、JTRの設置を検討すべきである、こう国会の、参議院の意思として報告を出しているんですから、まあそう一刀両断に必要ないと言わずに、やはりメリット、デメリットを検討した上でこの国会に在り方を報告すべきであると考えますが、どうでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) このUSTRというのがとてもすばらしい組織と言う方もいらっしゃいますが、私はたまたま今から二十五年ほど前にアメリカで勤務をしておりまして、米国内でこのUSTRというのはどういう存在なのかというのが相当議論がありまして、正に屋上屋を架す組織で、誠に無駄の典型であるという批判がありました。今でもございます。 私はこれ、USTR、まあJSTRですか、JTRですか、を作ったらという御意見、分からないではないんですけれども、結局これも、そういうJTRが交渉しても、じゃあ農水省、あるいは建設省、あるいは厚生労働省、あるいはどこそこということと結局相談をすることになるんですね、同じことになってしまうんだと思うんですよ。そういう意味で、私は余りこの屋上屋的な組織は、今、行政の簡素化等が盛んに言われている折柄、私は率直に言って余り、いかがなものかなと思うんであります。 ただ、経団連からの御指摘、あるいは国会からの御指摘もございます。そういう意味で、連携悪いよという御指摘も全くないとはあえて申し上げません、そういう部分があることもよく承知をしておりますが、要は各省庁が同じ方向に向かって努力をしていくという姿勢の問題だろうと私は思うんであります。その姿勢にばらつきがあるようであれば、せっかくのこういう交渉も進まないということになります。そこは正に内閣総理大臣のリーダーシップを発揮し、また私は外務大臣としてのリーダーシップを発揮し、各省庁ともよく相談をしながら同じ方向に向かって作業をしていけばいいのではないだろうかと、こう思っておりまして、ちょっと個人的な意見を申し上げて失礼だったかもしれませんが、私自身はそんなふうに考えております。
○荒木清寛君 大臣のお考えはよく分かりました。 そこで、今後のEPA戦略についてお尋ねいたします。 先ほど、東アジアとのEPAの交渉を優先をするというお話でありましたが、その東アジアの中でもいろんな国や地域と、いろんな国や組織と交渉しているわけでありますけれども、その中でもどこの国との締結を優先するんでしょうか。私は、隣国であり、しかも経済発展のレベルも比較的高い韓国との交渉締結を最優先課題とするべきだと考えますが、どうでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょうど私、先週末韓国に行ってまいりまして、先方外交通商部長官と話をいたしました。このEPA、FTAの問題も話をしてきたところでございます。 率直に言って、先方大臣の方からは、日本の農産物のオファーが少ないねと、こちらは弱い工業製品を犠牲にしてやっているんだから日本ももう少しやってくれぬかねという率直な話がありました。この段階ですから、それぞれの意見の違い、考え方の違い、オファーの出せる度合いの違いというのは、それは現状あるだろうと思います。これは両国首脳間で来年中、二〇〇五年中に締結をしようという方向で進んでおりますから、今は確かにいろんな意味で議論の、意見の違いがありますが、一年掛けてしっかりと、何も来年末と言わずともできるだけ早く進めていきたいと、こう思います。 あと、フィリピン、マレーシア、タイ等々、それぞれまた問題があるんで、それは早い遅いはこの四か国の中で現実生ずると思いますが、それはどれを真っ先にやらなければならないということではなくて、いずれにしても、可能な限りスピーディーに、先ほど副大臣申し上げたように、スピーディーにそれぞれの国と交渉を妥結していくと。しかも、その内容が余りみすぼらしくてはいけないという御意見も最近大変強く出されておりますので、その辺も十分留意しながら、トータルとしてはスピーディーにやっていきたい、韓国も同様だろうと、こう思っております。
○荒木清寛君 東アジアとのEPAにつきましては、人の移動の自由化が重要な論点でありまして、相手国の期待値が高いわけです。フィリピン辺りにつきましては看護師、看護師、介護士等の労働市場の開放を強く求めておりますけれども、この両国についての交渉状況を簡単に報告していただけますか。
○副大臣(谷川秀善君) 現在我が国は、タイやフィリピンとのEPA交渉におきましては、今先生がおっしゃいましたように、看護師、介護士等専門性を有する外国人労働者の受入れを推進するとの観点から、そのために必要な制度作りを、具体的な受入れの在り方等を含めまして、相手国と協議を行っているところであります。 現在交渉中でもありますが、協議の詳細につきましては差し控えさせていただきますが、特にフィリピンから強い要望のございます看護師、介護士の受入れにつきましては、候補者の選抜、送り出し、研修、滞在等についての日本側の考え方を説明し、協議を行っているところであります。 また、タイとの間でも、先方が関心を持っております看護師、タイ料理人及びタイ式マッサージ師の受入れにつきまして協議を行っておるところであります。
○荒木清寛君 私は、多様性のある社会を実現をする必要を強く感じておりまして、そうした意味で日本の外国人労働者受入れ政策は厳格に過ぎると考えます。このことがこの政策と現実の乖離というような現象になって、不法滞在者が現実にはいろんなところで仕事をしているということになっていると思います。しかし、少子高齢化に伴う労働力不足を外国人労働者の供給で補おうという考えは安易でありまして、私は反対であります。余りにもそれは社会的コストが多過ぎると思うからであります。 そこで、この東アジアとのEPAにつきまして、人の移動についてはどういう方針で対処していくんですか。
○副大臣(谷川秀善君) 外国人労働者の受入れにつきましては、今先生がおっしゃったように、少子化に向けましても我が国にとっての重要な問題であるというふうに考えておりますが、現在行っている東南アジア諸国との経済連携交渉における人の移動の議論は、特定の交渉相手国の特定分野における専門職業従事者に限定的に受け入れることを想定したものでございまして、我が国の労働市場を一般的に開放するという考えを念頭に置いて行っているものではございません。
○荒木清寛君 是非そうしたスタンスでお願いしたいと考えます。 最後に、外務大臣に、今後のEPA交渉につきましては、この東アジア経済圏ということを強く構想をして進めていただきたいと考えます。私は、今後この人口が減少し、経済の規模の減少が避けられないであろう我が国にとりましては、この東アジアとの経済的な結び付きの強化というのがもう不可欠であろうと思います。 昨年の十二月に東アジア共同体、EACという宣言もされておりますけれども、単なる政治的な宣言に終わらせず、終わらせずですね、これが具体的になるように強いリーダーシップを発揮していただきたいと考えますが、どうですか。
○国務大臣(町村信孝君) 荒木委員御指摘の点、非常に私はこれからの日本にとって重要な課題だと、こう思っております。 EUができ、また昨今はアフリカでもAU、アフリカユニオンというような形で、まだまだスタートしたばかりですけれども、そういう動きが出されてきております。その際に、やはり東アジア共同体経済圏という発想でいろいろな試みをしていく。なかなか現実には政治形態の違いもありますし、また北朝鮮という存在もあったり、一挙に物事が進むとは思いません。思いませんけれども、しかし、その方向に向かっていろいろな努力をしていくということが大切だろうと思います。 そういう意味で、先ほど申し上げました韓国を含む四か国と今個別のEPA交渉をやっております。さらに、来年四月からはASEAN全体と包括的なEPA交渉もやっていくという予定にいたしております。さらに、日中韓三国間でも今産学官でのいろいろな研究を行ったり、日中間でも日中経済パートナーシップ協議というようなものを通じて経済面でいろんな相互補完関係ありますので、その強化を図っていくということでございます。 さらに、いろいろな試みがこれから出てくると思います。私は、基本的には委員御指摘のこの東アジア共同体、東アジア経済圏という形で、決して閉鎖的な意味の共同体ではなくして、外に向かって開かれたそういう共同体をどうやって作っていくのか、大きな政策課題でありますし、それに向けて今後いろいろな政策を展開していきたいと、かように考えております。
○緒方靖夫君 メキシコとの経済連携協定について質問いたします。 私たちは、FTA、EPAについて、お互いの条件をよく考慮して進めるなら互恵の経済関係を深めることができる、そういうように考えております。しかし、このメキシコとの協定についてよく見ますと、やはり問題点と懸念がいろいろあるなと、そんな感じがするわけですね。最大の問題点は、農産物の輸入が拡大すると日本の農業はどうなるかという問題だと思います。 その点で外務大臣に包括的にお伺いしたいんですけれども、FTAのメリットは、かいつまんで言えば経済関係の拡大と進化、貿易条件の改善、紛争処理のルール化などがよく挙げられます。本協定のデメリットを挙げるとしたらどういう点にあるんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) メリットは今委員の方から簡潔にお話をしていただいたとおりであろうと思います。 確かに、いろいろな意味で自由化等々を進めていくと一部産業に影響が出てくるという面も率直に言ってこれは否定できないと、こう思います。その悪影響というものを最小限にしながら、しかし譲るものは譲る、守るものは守るという形でお互いにそのメリットを享受し合うという、一方的にどちらかがメリットがあって、一方的にデメリットではこれは成り立ちません。そういう意味で、双方の利益になるような協定を作っていくということが大切なんだろうと、こう思っております。
○緒方靖夫君 この協定は農業分野を含む初めての協定となります。その点でやはり非常に大事なことだと思うんですけれども、農産品に関する協定の内容をきちっと吟味していく、この点が必要だと思います。 農林水産省によりますと、この協定は、農産品五品目の措置にとどまらずに、農産品全体の約二千三百四十品目のうち半数近い千百七十品目は段階的な撤廃措置を取るものも含めて完全撤廃の対象となっております。 そこでお伺いしますけれども、国内農業への影響はあると見ているのかどうか、何らかの試算はされたのかどうかをお伺いいたします。
○政府参考人(吉村馨君) メキシコとの農林水産物の関税交渉に当たりましては、農林水産業の多面的機能への配慮、我が国の食料安全保障の確保や農林水産業における構造改革の努力に悪影響を与えないように十分留意して交渉に取り組んできたところであります。今回の合意におきましても、品目ごとの国内農業における重要性を勘案して、必要に応じて例外品目、関税割当て、経過期間を設定し、国内農業への影響を極力回避するとともに、関税引下げ又は撤廃により輸入が急増して国内で影響した場合に発動できる二国間セーフガードを確保したところであります。 具体的な輸入の増加につきましては、為替レートの動向や他の国の輸入動向等を勘案することが必要でありますので、個別品目の具体的な輸入増加量を見通すことは率直に言って困難でございますけれども、今回の合意によって農畜産物の輸入が急増するというふうには考えておりません。 いずれにしましても、今後、本協定締結の効果や影響に留意しながら、我が国農林水産業の国際競争力の強化を推進していくことが重要だというふうに考えているところでございます。
○緒方靖夫君 簡潔で結構ですから。今後お願いしますね。 今、御答弁によると、試算は困難だ、しかし急増するとは考えていないと、なぜこう言えるんですか。
○政府参考人(吉村馨君) ただいま申し上げましたように、輸入の増加の見通しにつきましては特に他の国の輸入動向との兼ね合いということを勘案することが重要だというふうに考えておりまして、特に今回、当然メキシコの他の競争相手との競争条件は改善する、それによる効果はあると思いますけれども、一方でそれは他国のシェアを奪うということにもなりますので、全体としての農畜産物の輸入が急増するとは考えていないと、こういうことでございます。
○緒方靖夫君 大変部分的なことをとらえてそういうことを、結論を導くと、私はやはり非常に乱暴だと思うんですね。要するに、影響はよく分からない、しかし取りあえず自由化したと、そういうふうに聞こえるわけですね。 私は、そういうことから考えたときに一つ思い起こすのは、二〇〇二年に出されました経済関係強化のための日墨共同研究会報告書、それがあります。そこに書かれていることは、国内で生産のない熱帯果実でさえも輸入量が増加すればほかの国内果実の消費に影響を生じる可能性が高く、熱帯果実といえども国産果実との競合関係にある、また、野菜、牛肉、豚肉、飲料等に関しては正に国産品に対し競合関係がある、こういうふうに指摘されているわけですね。農家への影響、これを二年前には認めていた、報告書で認めていた、この事実はやはり指摘しておきたいと思うんですよ。試算がないからといって国内農家への影響がないとか、極力抑えたいとか、そういうことというのはやはり私は成り立たないと思うんですね。 幾つかの品目を具体的にお伺いします。 まず、豚肉。今回の協定で今まで実行税率がどう変わるのか、特恵枠の設定が国内生産者に与える影響についてどう認識されているのか、簡潔で結構ですから要点答えてください。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 豚肉につきましては、今回の合意内容でございますけれども、従価税部分の税率を現行の二分の一にすると、四・三%を二・二%にするということでございまして、これを、この枠でございますけれども、過去五年の輸入実績三・八万トンございますが、これを五か年間掛けて八万トンにしていくということでございますけれども、ただ、安価な豚肉の輸入を抑制をいたしております差額関税制度の根幹というものは維持しておりますので、そういう意味で豚肉について非常に大きな影響が出るということは想定をしておりません。
○緒方靖夫君 大変甘いと思うんですね。 養豚業界では、五年後の八万トンの特恵枠まで輸入が伸びた場合、国内生産量とほぼ拮抗することになるから養豚経営が非常に厳しくなるとの声が零細はもとより、中規模の企業者の間で指摘されている、それが事実ですよ。農水省にはその点で、まあ今のような形で答えるならば養豚業界の方々の願いに全くこたえることにならない、このことを指摘しておきたいと思うんですよ。 メロンについて。今回の協定で今まで実行税率がどう変わるのか、また現在の輸入量、主な輸入国のシェア、そして国内生産者に与える将来への影響についての問題についてお伺いします。
○政府参考人(皆川芳嗣君) メロンにつきましては、今回関税率が六%であったものを五か年間を掛けて撤廃するというようなことになってございます。 現行、メロンにつきましては、国内生産と輸入の関係でございますけれども、国内生産が約九割、輸入が約一割ということでございまして、その中のメキシコ自体はかなり大きな輸出国ということで、輸入シェア自体はかなり高いわけでございますけれども、国内産メロンとの関係では、いわゆるメキシコから輸入されております品種ということになりますと、輸入時期が国産の主な出回り時期と競合いたしておりませんし、そういう意味で、五か年間でまあ六%と余り高くない関税を引き下げていくということでございますので、影響は限定的なものにとどまるというように考えてございます。
○緒方靖夫君 これも甘いと思うんですね。 日本のメロンの作付面積は減少しておりますけれども、主産地は北海道、茨城、熊本でこれで五二%シェアを持っているわけですよ。今でもメキシコは六七%の輸入シェアがあるわけです。実行税率が将来ゼロになると、国内生産者に影響を与える、かなり大きな影響を与える、このことが大変懸念されている。もう御存じだと思いますけれども、この点も指摘したいと思うんです。 次、オレンジジュースについて、実行税率はどう変化するのかと、それから国内生産者への影響、お伺いします。
○政府参考人(皆川芳嗣君) オレンジジュースにつきましては、関税率を二分の一にする特恵枠を、最近の輸入実績四千トンぐらいございますが、五年後に一・五倍程度の六千五百トンということで増加をするということにしております。ただ、いずれにせよ、メキシコ産果汁が、まあいわゆるブラジル産、他の国との代替関係にございますので、その間での代替関係が強まるということでございます、ではないかと思っております。 いずれにせよ、国内果樹農業への影響というものは極力回避でき得る合意内容ではなかったかというふうに考えてございます。
○緒方靖夫君 オレンジジュースは、今の輸入量は約十万九千トンです。輸入シェアは、ブラジル産が七二%、四%がメキシコ産です。実行税率が半分になって価格が下がるわけですから、日本のミカン農園の経営が苦況に陥る、このことは業者からそういう声が出ている。私も大変懸念しております。 そうすると、極力影響力を抑えるとか、そういうお話ですけれども、私はこれでは駄目だと思うんですね。天下の農水省が試算をされていない、試算は困難と言われる。私たちは、部分的ですけれども、党の独自の調査を行いました。豚肉、オレンジジュース、タマネギ、アスパラガス、冷凍野菜、メロン、ブロッコリー、ピーマン、カボチャなど、国民がよく食べている農産品が打撃を受ける、このことが明らかになっていると思うんですね。 先ほどから話ありますように、今後、東アジアとのEPAが結ばれることになる。今交渉中で、もう条文のそういう策定まで至っているとさえ言われている、そういう状況だと思うんですね。そういうときに、やはり今回のように農産物への影響について試算は困難である、そういうことで済むんでしょうか。 私は、これからの問題として、やはりこうしたものについてやはりきちっと農水省として調査をすべきだと要求したいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉村馨君) 先ほど申しましたように、私どもの基本的な交渉に臨む態度は、農林水産業の多面的機能への配慮、それから食料安全保障の確保、それから農林水産業における構造改革努力に悪影響を与えないように十分留意して交渉に取り組むということでございまして、具体的に申し上げますれば、我が国の……
○緒方靖夫君 調査するかしないかどうかだけ。
○政府参考人(吉村馨君) 我が国の基幹作物でありますとか地域における重要作目について、これは守るべきものは守ると、こういう基本的な立場で交渉に臨んでまいりますので、具体的な調査はやはりそういう前提ですと困難だというふうに考えております。
○緒方靖夫君 これはやはり重大な答弁だと思いますよ。なぜこういう、メリット、デメリット、それから国内の産業にいろんな形で影響を及ぼすということはもう前提なわけですよ、こういう経済協定のときには。そのときに、農家への懸念が一番大きな問題になっていると指摘され、実際、生産農家から大きな懸念が出ているときに、やらないんですか、調査を。もう一回答弁してください。
○政府参考人(吉村馨君) 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、私ども、やはり基幹作物、地域における重要な作物について守るべきものは守ると、こういう基本的な立場で協定の交渉に臨んでまいりますし、これからもそういう立場で臨んでいきたいというふうに考えておりますので、そういう意味で、その前提での調査は困難というふうに考えております。
○緒方靖夫君 おかしいじゃないですか。交渉で守るためにも、どういう実態があるかということを調査しなければ、その主張だって貫かないでしょう。納得できないですよ。調査してください。 どんな調査かということは、いろいろあると思いますよ。しかし、調査抜きに今表明された立場も守れないじゃないですか。
○政府参考人(吉村馨君) 正に、これはその、裸で何らの配慮もなしに交渉すればこうなるということを言うのがいいのかどうかということ自体、これは慎重に考える必要があると思いますし、先ほど申しましたように、実際の協定交渉に当たりましては、極力影響を回避する、守るべきものは守ると、こういう立場で交渉をいたすわけでございますので、その前提では影響を試算するのは困難だと、こういうことを申し上げているわけでございます。
○委員長(林芳正君) 緒方君、時間でございますので……
○緒方靖夫君 あなたの答弁を聞いたら、生産農家は怒り出すと思いますよ。非常に重大な答弁だということを述べておきたいと思います。 最後に、外務大臣に大きな包括的な問題について一つ伺いたいと思うんですけれども、昨年二月に外務省が実施いたしました経済外交(WTO・FTA)に関する意識調査、これによりますと、FTAを積極的に推進するべきかどうかという問いに対して、約四五%の質問に答えた方は分からないと答えているわけですね。私は、これは今の国民の意識状態をよく表しているなと思ったんですね。 交渉事とはいえ、利益を受ける業種と分野、またダメージを受けるそういう分野、業種、様々な影響、こういう問題についてやはり、こういう国際交渉ですから、国民に対して政治的、経済的な判断根拠と内容を十分に情報を開示して知らせていく、そして理解を得ていくということは、これからの日本にとってとても大事であると思いますけれども、その点について外務大臣にお伺いいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のこのFTAあるいはEPAの十分な国民の理解が得られているかという御指摘、非常に重要なポイントだとも思います。ややもすると、関係者、一部関係者のみへの説明に終わってしまって、国民全体に対するPR等々が十分行われているかということ、これは反省をしなきゃならないなと、こう思います。 外交交渉というのは、やっぱり幅広い国民の理解に基づいて行われるべきだろうと思いますし、それは賛成、反対、それは最後あったとしても、まず基本的な理解を得ていくということが大切であるということはごもっともだと思います。 今後とも、そういう意味で、その半分近くがやっぱり分からないという答えがないように、いろいろな面での広報活動等々を一生懸命やっていかなければいけないと、かように考えます。
○緒方靖夫君 終わります。
○大田昌秀君 社民党の大田でございます。よろしくお願いいたします。 外務省にまずお伺いしますけれども、我が国最初のFTAはシンガポールと締結されたわけですが、今回のメキシコとの協定は経済連携協定、つまりEPAとしてFTAを拡大する内容となっていますが、なぜこのような形となったか、簡潔に御説明ください。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) EPAとFTAということでございますが、委員御承知のとおり、FTAと申しますのは、一般的にこの相手国との間での物品、それからサービスの貿易自由化を目的とした協定であるということでございますが、我々がこれまで取り組んできておりますEPA、すなわち経済連携協定は、そのような貿易の自由化に加えて、これはもちろんその中の中心的な枠組みとしてあるわけでございますが、投資、人の移動、知的財産権、競争政策のルール作り、あるいはビジネス環境の整備、様々な分野でのその協力を含みます幅広い協力を対象とする経済連携協定であるということでございます。 〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕
○大田昌秀君 参議院の外交防衛委員会の調査室の資料によりますと、今回のEPAを締結すると、メキシコとの貿易では約九六%の関税が撤廃されるとあります。 そこで、経済産業省にお伺いしますが、EPA締結による関税の撤廃によって、今後、メキシコとの間の輸出入がどれくらい伸びるのか、その辺の見通しについて簡潔に御説明ください。
○政府参考人(三輪昭君) メキシコがNAFTAやEUとの自由貿易協定を締結した結果、主要先進国がメキシコのマーケットに有利なアクセスをする一方で、我が国の企業は平均約一六%の関税負担を被り、競争上不利な立場に置かれてまいりました。 今回、日墨経済連携協定を締結することにより、我が国企業が基本的に欧米企業と対等な立場で競争することが可能となり、今後は我が国企業が本来有している競争力を発揮して、ビジネスが拡大し、日本からの輸出が増大するものと期待しております。 具体的な貿易増加額の試算はございませんが、他方、NAFTA締結、これは九四年でございます、の際のメキシコ市場における日本産品の輸入のシェアは六・三%、それが九九年には三・七%に減少しております。仮にこの九九年の三・七が九四年の六・一で横ばいであったと仮定したときにどれだけの輸出の機会が失われたかということを経産省として試算しておりまして、その額は四千億円ということになっております。今回の協定締結により、こういった不利益が解消されることが期待しております。 〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕
○大田昌秀君 いま一度外務省にお伺いします。 我が国とASEAN諸国との間でFTA交渉が進んでいますけれども、これも内容的にはEPAの性格となっていくのでしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほどのお尋ねと関連すると思いますが、我が国は基本的にはアジアの諸国とは経済連携協定を目指しているということでございます。 とりわけ、そのアジア諸国との間では非常に密接な経済の相互依存、それから政治的にも極めて近い関係にございますので、このような包括的な経済連携協定を達成すべく努力をしていく考えでございます。
○大田昌秀君 経済同友会主催の日本・ASEAN経営者会議が先月二十五日、東京都内で開かれ、中国、韓国を含む東アジア経済会議の設立を求める共同声明が採択されました。御案内のとおり、東アジア経済会議構想は、マレーシアのマハティール前首相が一九九〇年十二月に東アジア経済グループ構想として提唱なさって、その後、名称が変わったものであります。そのマハティール氏は、去る九月十二日付けの朝日新聞によりますと、そのインタビューに答えて、この構想に対して日本は消極的だと、どちらかというと批判的なことを述べておられますが、外務大臣の御所見をお聞かせください。
○副大臣(谷川秀善君) ただいま先生の御指摘の東アジア経済会議というのは、先般開催されました日本・ASEAN経営者会議がその共同声明におきまして設立をいたし、設立を提言をした東アジア経済共同体のことを指すものと思います。 世界の人口の三分の一が居住をいたします東アジアは、今や世界のGDPの五分の一、世界の外貨準備高の約半分を占めるに至っております。巨大な経済的潜在力とダイナミズムの中心となっております。また、グローバル化の加速はこの地域における諸国間の関係をこれまでになく緊密なものといたしております。 このような背景の中で、東アジアでは将来、共同体の形成が今や地域共通の目標となっております。我が国といたしましては、東アジア共同体はFTA、金融協力といった御指摘の経済的側面を始め、国境を越える幅広い分野での機能的協力の積み重ねにより形成され、透明で対外的に開かれた、また民主主義、人権等の普遍的原則にも沿ったものとなることが必要であると考えております。 我が国といたしましては、このような観点から、ASEANプラス3その他の枠組みを通じまして行われる地域の機能的協力を積極的にリードいたしますとともに、将来の東アジア共同体の形成に向けたコンセプト形成にも主導的な役割を果たしてまいりたいというふうに思っております。
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。 先日もちょっと伺った質問でございますが、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文による事前協議制の三項めの、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用というのを、外務省はどのようにお考えになっておられるでしょうか。どういう状態の場合に日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地というふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 作戦行動の定義につきましては、これについて昭和四十七年に政府統一見解というものが出されておりまして、事前協議の主題となる日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用にいう戦闘作戦行動とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すものでありますと。したがって、米軍が我が国の施設・区域から発進する際の任務・態様がかかる行動のための施設・区域の使用に該当する場合には、米国は我が国と事前協議を行う義務を有するという具合になっております。
○大田昌秀君 新聞報道によりますと、在沖米海兵隊が今のイラク戦争の言わば主力みたいに戦っていると報じられておりますけれども、そうしますと、この沖縄から出ていっている米海兵隊というのは、今のこの作戦、軍事行動というものと関係ないというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) これは、また累次答弁をしているとおりでございまして、通常の補給、移動、偵察等直接戦闘に従事することを目的としない軍事行動のための施設・区域使用は事前協議の対象とならないということでございます。
○大田昌秀君 今のその補給とかそういうことではなくて、今私が申し上げていることは、在沖米海兵隊がイラク戦争の主力となって戦っていると報じられているわけなんです。実際に戦闘に従事しているわけですよ。ですから、今のこの対象とならないという条項には当てはまらないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) これはですね……
○委員長(林芳正君) 町村大臣。
○国務大臣(町村信孝君) どうも済みません。 米軍の運用の都合で米海兵隊等が日本から他の地域に移動をするということで、移動した後具体にどこでどういう活動をするかということは我々の関知をするところではございませんので、したがって、これは事前協議の対象とはならないと。これも言わば確立した答弁になっております。
○大田昌秀君 これは大変重要な問題だと考えます。国と国がちゃんと結んだ協定の中で、在日米軍の基地から出ていくのが戦闘行為する場合には対象になるということがうたわれているにもかかわらず、実際に沖縄の基地から出撃していって戦闘している部隊が、単に一地域から他の地域に移動したというふうな受け止め方は、全くだれが考えても通用しない議論だと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 繰り返しで恐縮でございますが、従前からそういう説明をして、まあ御理解をいただいているかどうかは分かりませんが、私どもはそういう解釈でずっと説明をし続けております。
○大田昌秀君 私は、前から外務省が使っている用語、例えば今沖縄で問題になっております都市型戦闘訓練施設というようなそういう言葉も陸軍総合訓練施設みたいに言い換えて、ある意味で人々の考えをミスリードするようなことをなさっておられることに対して、ちょっとこれはおかしいじゃないかということを何度も申し上げているわけですが、この事前協議制の問題も今の外務省の御説明ですと、到底普通の常識では納得できない。これが政府間でそういう取決めがなされているということになると、事前協議制度の根幹にかかわる問題だと思うわけなんですが、その辺は相変わらず沖縄から出撃したのは、一地域から他の地域に移動したというふうに国民が納得できるとお考えでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 実際、イラクでどういう活動をしているのか、沖縄から出ていく際に、まず、例えば中東方面に移動すると、その後、じゃ具体にその後、どこに行ってどういう活動をするか、どこどこを守れとか攻めろとか、そういう指令はまた別途現地でもらうんでしょう。 したがいまして、別に私どもは今のこれまでの説明でおかしいとも思いませんし、ただ、現実にイラクの方に移動しているという話は、米軍の方も二千人あるいは三千人移動していますということで説明をしているわけでありまして、これは事前協議の対象にはならないということでございます。
○大田昌秀君 米軍の方は、この三項めに当たる場合には事前協議の、要するに、なす義務を持っているわけなんですね。ですから、外務省としては、当然これは事前協議の義務を果たす上でちゃんと何をしているかという、沖縄から出撃した、沖縄から移動したその海兵隊が、今イラクで遊んでいるわけじゃないし、実際に戦争をしているということ、しかも主力になっていると報じられているわけなのに、このような形で沖縄から移動していって何をしているか分からないという外務省のそういう御答弁はちょっと余りにもひど過ぎると思いますが、そう思いませんか。
○国務大臣(町村信孝君) これは、アメリカ側に事前協議というのは義務付けているわけでありまして、一般的な両国間の協議、随時協議を行うというのは安保条約第四条であるわけでございますが、それとは別に、具体の行動、具体のケースについてこの六条は決めているわけで、これを交換公文で裏付けているということでありまして、一定の行動を取ろうとするときに事前協議をするというのは、これはアメリカ側への義務付けであるということは委員御承知のとおりでございます。
○委員長(林芳正君) 大田君、時間でございますので。
○大田昌秀君 今、大臣がおっしゃっているとおり、確かにアメリカ側に義務付けされているわけですから、随時協議の場で、日本政府は、どちらか一方は絶えず協議を要求することはできるようにこの交換公文ではなっているわけですよね。ですから、沖縄から出撃して実際に戦闘に参加しているというのが明らかであるにもかかわらず、日本政府がそれに対して随時の協議もなさずに、対象にならないというふうにしますと、これは、やはり基地を抱えている地域の人々を欺くことになりかねないと私は思うわけです。その辺は是非、今後考慮していただきたいと思います。 最後の質問に、一点だけお願いします。 防衛庁長官にお伺いしますけれども、先ほどサマーワは非戦闘地域となっているという趣旨のことを繰り返されました。コンサイス法律用語辞典によりますと、非常事態宣言とは、戦争、内乱の発生又はその危険性及び大規模災害の発生などにより通常とは異なる特別の措置を必要とする事態と定義されています。イラクにおいてクルド地区を除く全土に非常事態宣言が発せられているわけなんですが、もちろんサマーワもこの非常事態下にある地域です。そうしますと……
○委員長(林芳正君) 大田君、時間でございますので、簡潔にまとめてください。
○大田昌秀君 現地のイラク政府がサマーワも戦争、内乱のおそれのある非常事態地域としているのに対して、日本側がそうじゃないと言う根拠はどこにあるんですか。
○国務大臣(大野功統君) クルド地区以外のイラク、もちろんムサンナ県を含む全土に非常事態宣言が発せられました。しかし、それによって具体的な措置を取りましたのは、ファルージャ、ラマディでございます。で、サマワあるいはムサンナにおきましては、何ら具体的措置は取られておりません。取られたということは聞いておりません。したがいまして、今回の非常事態宣言というものがサマワの自衛隊の活動に現在は何ら影響を及ぼしていないということが一つあります。 それから、非戦闘地域という問題は、イラク特措法の中で非戦闘地域に派遣するということを書かれておりまして、先ほども申し上げましたように、この非戦闘地域、戦闘地域ということにつきましては、正にサマワを中心とする地区が非戦闘地域である、これはイラク特措法の要請によってそう判断しているわけでありまして、その他の地域についてはそういう判断を下す立場にはない、こういう趣旨でございます。
○大田昌秀君 終わります。
○委員長(林芳正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林芳正君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時六分散会