厚生労働委員会 第2号
- 発言数
- 274 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/10/27
会議録
○鴨下委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府規制改革・民間開放推進室長河野栄君、法務省大臣官房審議官蒲原正義君、外務省大臣官房参事官佐藤悟君、厚生労働省大臣官房総括審議官福井和夫君、大臣官房総括審議官長谷川真一君、医政局長岩尾總一郎君、健康局長田中慶司君、医薬食品局長阿曽沼慎司君、労働基準局長青木豊君、雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君、社会・援護局長小島比登志君、社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君、老健局長中村秀一君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁次長小林和弘君、社会保険庁運営部長青柳親房君、農林水産省大臣官房審議官高橋直人君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第二局長増田峯明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石崎岳君。
○石崎委員 おはようございます。自由民主党の石崎岳でございます。 先般の内閣改造で就任をされました尾辻大臣それから西副大臣、委員会で初めて質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 尾辻大臣におかれましては、直前まで自民党の厚生労働部会長を務められて、年金問題を初めいろいろ御苦労をされてきた、そういう経験を生かして、ぜひ、この課題山積の厚生労働行政について御尽力をいただきたいというふうに思っております。 まず、新潟県の中越地震のことについてお聞きをしたいと思います。 発生から五日目になりましたけれども、まだ十万人という方の避難あるいは孤立という状況の中で余震が続くという大変厳しい状況が続いております。 きのうは小泉総理も現地の視察をされておりますけれども、思い出すのはやはり阪神大震災のことでありますが、当時、初動のおくれとか、各省連携の不十分とか、国と地方の連携の不十分とか、いろいろな問題点が指摘をされて、その後、防災体制について国も取り組み、防災専任の大臣を置き、いろいろ危機管理についても検討を重ねてきた、そういう状況の中で、今回また大きな地震が発生をしたわけであります。 その中において、厚生労働省として、今回の新潟県中越地震においてどういう取り組みをされているのか。特に、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた各省連携でありますとか地方との連携でありますとか、そういう反省というのをどのように生かされているのか。また、災害弱者といいますか、高齢者、障害者あるいは子供、乳幼児、あるいは、総理もおっしゃっておりましたけれども、精神面、心の面の今後のケア、こんなことについて、厚生労働省として、今回の地震についてどのように取り組んで、これからどう取り組まれるのかをお伺いします。
○尾辻国務大臣 まず、今回の地震によりお亡くなりになりました方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。 厚生労働省では、地震の発生を受けまして、省内に災害対策本部を設置いたしました。そして、政府合同の先遣チームが直ちに派遣されましたので、その一員として救急医療の担当官を派遣いたしました。そうしたことで、被災情報の収集に努めつつ、応急対策等に全力を挙げて取り組んでおるところでございます。 また、地元自治体と緊密な連携を図るために、二十五日には現地連絡室を設置いたしまして、よりきめ細やかな情報収集や対策の実施に努めているところでございます。 そして、お話しのように、阪神大震災の反省もございますので、高齢者や障害者などの要保護者について特に配慮が必要であることは十分認識をいたしておりまして、旅館等を避難所として活用することや社会福祉施設等での受け入れなども検討するように新潟県に連絡をいたしました。 また、心のケアの対策が、きのう来御指摘もいただいておりますし、私ども大変大事なことだと思っておりますので、国立精神・神経センターから専門家を派遣するなどの取り組みも進めておるところでございます。 今後とも、関係省庁や地元自治体を初めとする関係機関との連絡調整及び情報交換を緊密に行いまして、応急対策には万全を期してまいります。
○石崎委員 対応に万全を期していただきたいというふうに思います。 さて、大臣就任をお祝い申し上げたいのでありますけれども、やはり今は、大変厳しい状況の中で大臣に御就任されたというふうに認識をしております。 私は日ごろから感じておりますけれども、大臣というのはなぜ選挙で選ばれた人間が就任するか、なぜ政治家が省のトップになるかというその意味合いをぜひ御認識いただきたい。大臣というのは、やはりその役所の代表者ではありますけれども、役所の代弁者だけではないんだ、それは、選挙で選ばれた、有権者の代表として、国民のかわりに役所に入ってその役所を指揮監督するという重要な役割を帯びて入るんだ、だから政治家が大臣に任命をされるんだというふうに、私は大臣の位置づけということを基本的にそう認識しております。 そういった意味で、代々ほかの大臣、通常の大臣は、大臣になった途端に、何かその省の中の役人が準備したペーパーを読み上げるだけ、役所の代弁者に大臣になった途端になってしまう、そういう点が、私は非常に、わざわざ政治家が、選挙で選ばれた人間が大臣になるという意味合いがそこでそがれてしまう、そういう問題点がこれまでもあったんだと思います。ぜひ、そういった意味で、政治的なリーダーシップというのを大臣には発揮をしていただきたい。 特に、今、厚生労働行政というのは急激な少子高齢化時期に入って、大変難しい問題を抱えている。しかも、これからますます国民に対して厳しいあるいは痛みを伴う改革を断行しなければならない。そういう局面に立っているにもかかわらず、今の厚生労働省、社会保険庁の実態を見ますと、不祥事の連続というような状況にありまして、国民の信頼はもう地に落ちている、そういう状況下にあります。 しかし、改革を進めるためには、信頼を回復して、何とか国民の理解と信任を得た上で改革を進めていかなければならないというプロセスがどうしても必要である、そういう二重、三重の意味で、大臣の役割、大臣に課せられた使命というのは非常に重くて大きいというふうに私は認識をしておりますけれども、その辺の大臣就任の基本的な考え方、そして、今のこの厚生労働省の不祥事、ていたらく、この状況をどうやって打開していくか、その点の基本的な認識をお聞かせいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 今のお話は、私もそのとおりだと思います。肝に銘じて頑張ってまいります。 そこで、不祥事についてのお尋ねがございました。私は、このことについても先頭に立たなければならない、そう考えております。 そこで、就任直後に、とにかくこう不祥事が続いたのではこれは国民の皆さんの信頼を得られないと思いましたから、副大臣をトップにいたしますチームをつくりまして、そして、ここで徹底して調査をしよう、そして再発防止に向けて努力をしようということを今いたしておるところでございます。 先日、監修料の問題につきましては、私どもの内部の調査でわかったものはすべてお出しをしたつもりでございます。今後とも、まだまだ幾つも問題が残っておりますから、徹底してうみを出そう、そういうことを今言っております。その先頭に、重ねて申し上げますが、立つつもりでございます。
○石崎委員 そういうプロセスと、大臣、副大臣、大臣政務官という政治家が役所に入って、その役についておられる方々の政治的なリーダーシップというのがなければこういう問題は解決しないということをぜひ御認識いただきたいと思います。 今、不祥事というお話がございましたが、ちょっと調べてみましたら、ことしに入って、収賄容疑による厚生労働省、社会保険庁を含めて、職員の逮捕者は五名。また、先日、いわゆる監修料問題の調査が行われて、厚生労働省自身の調査結果、五年間で十億円、延べ千五百人の職員がお金を受け取っていた。その後の使い道、いろいろあったかと思いますけれども、少なくとも、税金あるいは保険料というものが補助金の形で出て、またそれが還流をして職場のいろいろな経費にプールされていたという実態が改めて明らかになった。こういう状況を見て、国民は今、怒り、不信、もうあきれ返って、そういうふうに今回の一連の動きを見ているんじゃないか。 それから、ことしに入ってからだけでも五人も逮捕者が出るなんというのは本当に異常な状況でありまして、どういう役所の運営をしているんだろう、どういう倫理観に基づいて職員が仕事をしているんだろうかと、甚だ疑問に思うわけであります。 先般いろいろ問題になりました、ここに「厚生年金保険の早わかり」という冊子がございますが、平成十四年版と十五年版を持ってまいりましたけれども、中身を見るとほとんど変わらないんですね。ちょっと体裁を、フォーマットを変えたりしているんですけれども、中身的にはほとんど変わらない。この平成十五年度の監修料が、三名の職員に対して二百十七万円。三人に二百十七万円が還流をしているという状況にあります、十五年度ですね。十四年度を見ますと、同じこの小冊子に対して、三人の職員に二百二十五万円。還流の比率も大体同じ、額も大体同じ、職員数も大体同じということで、つまり、そういう仕組みになっているわけですね。補助金を出して大量に買い取って、そのうちの四・数%を還流する、そしてそれをいろいろな経費に使う、プールする、役所の中で毎年毎年、年々歳々、そういう仕組みができてしまっているということを、例えばこの「厚生年金保険の早わかり」の例で見るとよくわかるということであります。ですから、つまり、役所の仕組みにビルトインされているということですね。 こういう状況に対して、国民は、自分たちが払った税金、自分たちが払った保険料というものがしっかり社会保障のために使われているんならそれは納得するんだけれども、こういう形で還流をされる。もちろん、その職員の、例えば深夜、残業をしてタクシー代、あるいはいろいろな打ち合わせとか公的な任務に使ったといういろいろな言い方もあろうかと思いますし、税務申告もちゃんとしているよというふうに、いろいろなエクスキューズはできるかもしれないですけれども、少なくともこの実態を見れば、国民の、あるいは納税者あるいは保険料を払っている人たちの納得は、全く得られない。むしろ、社会保障あるいは厚生行政を進める上で決定的に信頼を失わしめる、そういう事例ではないかなというふうに思っております。 そういった意味で、大臣も先ほどおっしゃいましたが、信頼回復対策推進チームというのをおつくりになったということであります。ここが、やはり大臣のお仕事、非常に重要な役割がこれから出てくるんだというふうに思います。さきの年金問題についても、我々が幾ら年金改革の正当性を主張しても、国民の胸に届かない、その前に、未納、未加入とかいろいろな問題についての不信感が高まって、改革というものが国民の心に届かない。また今回もこういう事例が発生すると、幾ら何をやっても国民の信を得られないということでございます。 そういった意味で、この対策推進チームの役割というのも非常に重要だと思いますが、ちょっと具体的に、何をやるのか、どういうことをやるチームなのか、その中身についてもぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 申し上げましたように、就任直後にこのチームを発足させました。そこでは、まず私が言いましたのは、不祥事案等の事実解明に向けた調査方針、それから、綱紀粛正及び再発防止のための具体的な方針等についてきっちり答えを出してほしい、議論をしてほしい、こういうことを指示いたしたところでございます。今、監修料のお話もございましたけれども、先ほど申し上げましたように、既に私どもがこのチームで調査をいたしました、わかる限りの、今知り得ておる限りのものは、まず公表をいたしました。 そこで、今後でございますけれども、先ほど来先生御指摘のように、まだまだいろいろな問題を抱えておりますので、カワグチ技研問題等調査班を一つつくっております。それから、兵庫労働局不正問題調査班もつくっております。そうしたところで、まだ残っておる事柄について徹底した調査をしようと思っております。 それからもう一つ、大変御批判をいただいておるのが随意契約のことでございますので、今、社会保険庁を含めまして厚生労働省で、随意契約やったものを全部上げるように指示をいたしておりまして、これまた作業中でございますので、先ほど申し上げましたように、こうしたものを徹底して調査して、出せるうみを全部出してもう一度やり直したい、こういうふうに考えておるところでございます。
○石崎委員 改革の大前提は、うみを出して、その体質を変えるということであります。よろしくお願いをしたいと思います。 かわりまして、社会保障の一体的な見直しについて、ちょっと大臣の見解をお聞きしたいというふうに思います。 五月に三党合意というものがなされまして、衆参両院の厚生労働委員会に小委員会をつくって、年金の一元化を含む社会保障の一体的見直しを議論しましょうということが合意されております。また、与野党の協議会もつくりましょうということが合意されておりますが、その三党合意はまだ具体的に実施されていないということで、非常に残念であります。きょうの朝日新聞の社説にも、「与野党協議をさぼるな」という見出しで、早く議論を進めなさいという社説が載っております。 この問題は、やはり少子高齢化時代の二十一世紀の日本の社会保障制度の構築という意味では、目先の政局的な意味合いではなくて、小泉政権が、小泉総理が信用できない、そういう目先の政局的な対応じゃなくて、もっと長いスパンの、日本の安心できるあるいは持続可能な制度構築のための議論を与野党でしっかりやろうという趣旨でありますから、ぜひこれは早く議論を開始していただきたいというふうに思っております。また、残された時間というのも、私はそんなにないんだろうというふうに思っております。 そこで、何度も出てくる、一体的な見直し、一体改革というこの言葉、よく考えたら、これは何を意味するのか。どういうフィールドの、どういう範囲の、どういうことを目的とするものなのかということを具体的に定義づけたいと私は思います。 税制の問題、保険料の問題、トータルでいろいろ幅広い問題があろうかと思いますけれども、大臣は、この一体的な見直し、一体改革というのは具体的に何を指すのか、何をどうすることなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 この一体的見直しにつきましては、今政府といたしましては、官房長官のもとに社会保障の在り方に関する懇談会を設けまして議論をいたしておるところでございます。 まず、その議論がどういう方向で進んでおるかということを御紹介申し上げますと、今おっしゃいますように、一体的な見直しをしなきゃいかぬのですが、まずは、年金、医療、介護といったような、分野ごとに議論をして、どこに問題があるのか、そうしたことをまず議論した上で、さあ、一体的にどういうふうに見直していこう、こういう手順で議論が進められる、こういうところでございます。 そこで、では、厚生労働省としてどう対応するかということでございますけれども、まずは、そうした御議論も私どもなりに参考にさせていただきながら私どもの答えを出さなきゃいけませんが、申し上げましたように、まずその全体を共通の理念で整理する。そして、共通の理念の中で、これはこうあるべきだね、これはこうあるべきだねといったようなこと、そしてまた、全体を通して、負担と給付の関係をどうしようか、あるいは国民の皆さんにまさに負担をお願いする、いろいろその御議論もありますので、そうしたものを見きわめながら私どもの答えを出していきたいと思っております。 ただ、そうした中で、一つ、時期を合わすべきではないか。例えば介護保険、私どもは来年度からやり直したいと思っておりますし、医療保険は十八年度、こういうことを言っております。それを少し時期を合わせるべきだという御議論もあるんですけれども、私どもは、時期を合わすというのはちょっといかがかなと思っておりますことだけは率直に申し上げておきたいと思います。
○石崎委員 これまで社会保障改革全体について国民的議論というのは余りなかったんじゃないかと私は思います。ですから、官房長官のところの懇談会等々、一層議論が加速されるということは大変いいことだというふうに思いますし、何よりも、今の日本の人口動向、高齢化の実態あるいは財政事情、そういったものも国民に正直に報告をして、日本の社会が置かれている状況の理解というものが進まないとこの改革は前に行かないんだというふうに思っております。 そして、よくマクロだけで議論が行われる。国民負担率というのもそうですけれども、マクロの全体の何十兆、何百兆という話になると全然国民一人一人の実感がわいてこないという議論がいつも行われるんですけれども、やはりマクロだけではなくて個人レベル、ミクロの個人レベルの収支というか、給付と負担の個人勘定といいますか、そういうレベルで丁寧に国民に説明をしていくということがないとなかなか理解が進まないんじゃないか、国民に信頼感、納得感が得られないんじゃないかというふうに思います。 また、将来、例えば消費税という議論が出てくるかもしれない、そういう給付と負担の問題、年金もそうです、介護もそうだ、医療もそうだということになったら、それはやはり選択肢を国民に提示する。それはトータルで、厚生労働省的には、段階的に、年金をことしやります、来年は介護をやります、その次は医療をやりますということになるのかもしれないのだけれども、もうちょっとトータルで長く、パッケージで給付と負担の関係について国民に選択肢を提示する。 例えば保険料がこうなる、そのとき消費税はこうなる、その上で国民がどっちを選択するか、どっちの国の社会保障のスタイルを選択するかという選択肢を提示するという努力、そのことがこの改革の上では必要不可欠ではないかというふうに私は思いますが、見解はいかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 まず、先ほど時期の問題を申し上げましたので誤解を招いたとすれば、それはそういう意味ではありませんということをまず申し上げておきたいと思います。決して個別にやろうということでありませんで、やはり一体的に見直して、全部きっちりした一つの考え方のもとに社会保障を進めていく、その考えであることを改めて申し上げたいと思います。 そこで、今先生から国民負担率という言葉も出ました。一方に、特に財政を考える立場の方々は、社会保障に対して国民負担率みたいなものでキャップをはめろという御議論があることも承知をいたしております。ただ、私どもの立場からいたしますと、私どもは、やはり社会保障の必要なものを一つずつ積み上げていかざるを得ません。 この前もあるところで、議論のところで、わかりやすく言ったんですが。病気になった人がいたら、まず私どもは、その病気になった方に治っていただかなきゃいけない、お金がありませんからやれませんなんということは決して言えないという。そんなことで、個々の積み立てが必要なんですということも申し上げたつもりでございます。したがいまして、今先生がおっしゃいました個人のところでということはそのとおりだと思っておりますということをまず申し上げたつもりでございます。 そうした中で、積み立てていきまして、私たちのあるべき社会保障ということ、そして、今先生がおっしゃいましたように、恐らく大きな政府にするのか、小さな政府にするのかといったような議論になるんだろうと思いますけれども、そうしたことに対する私どもの持っている数字は全部お出しをして、国民の皆さんの御議論をいただければというふうに思います。
○石崎委員 ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、三位一体改革について最後にお聞きしたいと思います。 今、自民党の中でもこの三位一体の議論が大変な激論になっておりまして、これをどう最終的に決着させるのか、一つの政治問題になっております。 厚生労働省関係分について考え方をお聞きしたいんですけれども、地方団体の方からの提案では、施設整備費関係あるいは民間の保育所あるいは少子化対策、児童虐待対策というようなところで九千四百億余りですか、そういう提案がなされた。一方、厚生労働省側としては、それに対する対案を、あした最終的な案が出るのかと思いますけれども、聞くところによりますと、国保と生活保護と児童扶養手当の補助率の引き下げということによって対応したいという基本的なお考えだというふうに聞いております。 私も、地元札幌市の意見等々もいろいろ聞きましたけれども、基本的に、厚生労働省が出してきた対案については地方の側から物すごい反発が出ている、今そういう状況であります。ですから、地方団体の案がなぜだめで、厚生労働省の対案のどこがいいのか、そのことをまず端的に御説明いただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 地方団体の皆さんとは今も議論をいたしておるところでございます。そこで、端的に答えろという御指示でございますから申し上げます。 今、地方団体が提案してこられたものは、事業ごとに、これは地方にやらせろ、これは地方にやらせろ、こういうことで御提案いただいておるわけでございます。例えばであります。ほとんど、子供の福祉の関係は自分たちでやろう、こうおっしゃるわけでありますけれども、そうなりますと、今の少子化対策どうするの、年金のことでもこの少子化というのが大議論になっておりますけれども、私ども国の責任で少子化対策、国家の運命を決めるような話でありますからやらなきゃいかぬと思っておりますけれども、そうしたことが責任が持てなくなる、こういうふうに思っておりまして、今の地方団体の御提案には直ちに賛成しかねる、こういうことを言っておるところでございます。
○石崎委員 そもそも今回の三位一体議論というのは、どうも私は、ボタンのかけ違いというか、おかしな展開になってきていると。三位一体はそもそも、地方の自由度とか地方分権、地方主権、地方にもうゆだねる、そういう地方の仕事のしやすさということが趣旨ではなかったかと思うんですけれども、どうもお金の、金額のやりとりに何か終始をしてしまって、国がやるべきことは何なのか、地方がやるべきことは何なのかという根本の議論がないままに、あっちだこっちだ、そういう議論が展開をしてきて、どうも非常に不毛な議論が続いているのではないかというふうに思います。 最終的な形がどのようになるのか私はわかりませんけれども、生活保護の補助率を下げるということになりますと、例えば四分の三から三分の二ということだとすると、私の住んでいる札幌市を例にとると七十三億円ぐらい持ち出しがふえる。大阪市は断トツで百七十億ぐらいですか、札幌市が二番目ということでありますね。そういう地方財政に端的に物すごい影響が発生をするということで、なおかつ、それは国がやろうが地方がやろうが同じようにやらなきゃならない仕事、つまりそこに自由度というのは何もないわけですね。ルーチンのやらなきゃならない仕事。それから国保もそうだと思います。 そういった意味で、改革の趣旨からすると、国保、生保、児童扶養手当というものを地方に預けるというそのメニューが、この三位一体という改革の趣旨にそぐわないのじゃないか、そういう意識を私は持ちます。 大臣、先ほどおっしゃったように、少子化対策とか、児童虐待とか、国で、全体として責任を持ってやらなきゃならない仕事ももちろんございますが、この国保、生保、児童扶養手当、これは地方の自由度のない改革であるということで、三位一体の議論の本来の趣旨からするとそれているんじゃないか、そういうふうに私は認識しますが、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 今生活保護のお話がございました。これにつきましても、先日大都市市長会の皆さん方とお会いしましたけれども、率直にもう生活保護は制度疲労を起こしておるというふうに表現をされました。生活保護が制度疲労を起こしておるというのは、ほぼもう大方の共通認識ではなかろうかと思います。 そこで、この生活保護をどうするか、どういうふうに見直すかというのは、これは今私どもが抱えておる大きな課題の一つでありますので、どういう方向に向けようかということで、そうした考え方の中で御提案を申し上げておるつもりであります。そして、先ほど来申し上げていますように、私は、今後の社会保障のキーワードの一つは自立だと思いますから、生活保護についても、自立を促進するような制度をつくりながら、地方の皆さん方と手を携えて一つの方向が見出せればいいなというふうに思っておるところでございます。 そして申し上げますと、私どもは税源移譲、財源の確保というのは当然行われるべきもの、それを前提にしていろいろ御提案を申し上げておるつもりでございます。
○石崎委員 趣旨を言っても、なかなか地方の社会福祉の現場的な感覚で言うと、自立を促進するというのは、言うは簡単なんだけれども、現場的には物すごく難しい問題がある。そこを、どんとこういうふうに地方にゆだねてしまうというところが本当に難しい面があるというふうに思っております。 時間がなくなりました。そういった課題山積の厚生労働行政でありますが、これまでの経験を生かしてぜひ大臣に御健闘をいただきたいというふうに思います。質問を終わります。
○鴨下委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。 まず冒頭に、二十三日夕刻から深夜にかけて発生いたしました新潟県中越地震に対しまして、不幸にも亡くなられました方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。 地震発生から五日を迎えましたが、避難生活者は十万人を超えております。また、三十回を超える震度四以上の地震もあり、雨や寒さの中、疲労が重なり、避難住民の健康被害が大変心配されております。今後も強い余震が予想をされますが、我が党といたしましても、即日、対策本部を設置いたしまして、議員団も現地入りをいたしました。また、今後は正確な被害状況の調査を行うとともに、早急な救済策の実施にも努めてまいりたいと考えております。 まず、厚生労働省として把握している本日現在の被害状況をお知らせいただきたいと思います。次に、厚生労働省管轄の災害救助法による指定状況はどうなっておりますでしょうか。今後の見通しもあわせてお伺いいたします。 今後被害がふえていくことが予想をされますが、被災者が希望が持てる再建への道筋を示すとともに、自治体を強力に支援するなど、被災者住民の立場に立った迅速な対応を大臣に強くお願いしたいと思います。 そして、厚生労働省におかれましては、省でできることはスピーディーかつ全力で救済策を実施するとともに、補正予算の編成に当たりましては、遅滞なく要望に応じたきめ細やかな対策を十分に実施できるしっかりとした規模の予算を組むよう、総理に対して進言されることを望みたいと思います。この点に関しまして、尾辻大臣の御所見をお伺いいたします。
○小島政府参考人 まず、私の方から中越地震の被害状況及び災害救助法の適用状況について御説明を申し上げます。 本日、朝七時半現在の新潟県の報道発表資料によりますと、死者三十一名、行方不明者三名、重軽傷者千七百六十四名、住居被害につきましては全壊二百二十七戸を含む五千五百三戸に及んでいるということでございまして、避難所四百七十カ所に八万六千人の方が現在避難をしておられます。 新潟県におきましては、こうした状況を踏まえまして、二十四日九時までに、六市二十三町村、合計二十九市町村につきまして災害救助法の適用を決定したところでございます。今後とも、必要があればさらに災害救助法について適切に対応をしていくというふうに聞いております。 以上でございます。
○尾辻国務大臣 補正予算についてのお尋ねでございました。被害者の被害額の早期把握にまず努めなければなりません。そしてその後、政府全体の方針もございますので、それに従いまして必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ともかく、全力を挙げての救済、復旧支援をお願いしたいというふうに考えております。 このたび厚生労働大臣に就任されました尾辻大臣におかれましては、私たちの生命と生活に密着した重要課題が山積する中で、大変な重要な責務を担われるわけでございますけれども、心からお祝いを申し上げるとともに、エールを送りたいというふうに考えております。 報道によりますと、大臣も学生時代、五年をかけまして七十七カ国を車で放浪されたことがあるということを聞いております。車の運転も大変お得意でいらっしゃるんだなというふうにも思いますけれども、私はぜひともその行動力で諸問題の改革に取り組まれることを大いに期待をしております。 さて、御承知のように急速に進む日本の少子高齢化社会、この対応策が待ったなしで求められている中で、公明党は少子化対策の大きな柱として、児童手当の拡充、また待機児童ゼロ作戦の推進、そして育児・介護休業法の拡充など、希望と喜びを持って子育てできる環境整備を推進するために全力で取り組んでまいりました。 また、本年三月、仕事と生活の調和に関する検討会報告書が厚生労働省によりまとめられました。その中には、働く者の意識が多様化する中で、一人一人が、仕事、家庭、地域、この活動を組み合わせ、バランスのとれた働き方を選択できる仕事と生活の調和の実現が重要であると訴えられております。 これらを踏まえまして、私たち公明党といたしましても、みずからの働き方を見直し、また安心、納得できる環境整備をしていこうと、党内にワーキングチームを設置いたしました。識者から意見を聴取したり、先日も慶応大学の清家教授をお招きいたしましたけれども、また仕事と生活、この両立に先進的に取り組んでいる企業の視察などを企画し、精力的に取り組んでいるところでございます。 私は、子育てをしていく中で特におくれているこの働き方ということについて考えてみますと、大臣が先頭に立って国、地方自治体、さらに企業も巻き込んでリーダーシップをとられて重要課題に取り組むべきというふうに考えております。 そこで、長期的な展望ではございますが、仕事と生活の調和に向けて、多様な働き方を認める社会の構築に向けまして大臣の御所見をお伺いいたします。
○尾辻国務大臣 公明党がワーキングチームをつくられて、委員が座長になられたということをお聞きいたしております。敬意を表させていただきたいと存じます。そしてまた、いろいろ御議論いただきまして、御指導いただければ大変ありがたいと存じます。 そこで、今働く皆さんの意識やニーズが非常に多様化しておる、そういう中での働き方ということについての御質問でございましたけれども、これはもうお話しのとおりに、バランスのとれた生き方、働き方が選択できるように考えることが大変大事なことだと私も認識をいたしております。 そうしました観点から、時短促進法につきましては、個々の労働者の健康や生活に配慮した労働時間の設定を促進するものへと見直しますとともに、労働安全衛生法につきましては、過重労働による健康障害防止対策及びメンタルヘルス対策を充実することなどをいたすための検討を今いたしておるところでございます。
○古屋(範)委員 これは長期的な問題でもございます。二十一世紀を展望して、さまざまな少子化対策やまた高齢者対策、それから家庭のあり方、ましてや個人の生き方、経済活動、こうした根幹をなすべき問題であるというふうにとらえておりますので、ぜひともまたこの辺の熟慮もお願いしたいというふうに思っております。 次に、単発の質問ではございますが、小児難病の薬、フルナリジンについてお伺いをいたします。 非常にまれですが、小児交互性片麻痺という疾患がございます。発作性に片麻痺あるいは四肢麻痺を来し、原因はわかっておりません。発作は生後十八カ月以前に発症し、左右いずれか一方から始まり、他方の片側に移行し、四肢麻痺となったりいたします。多くは弛緩性の麻痺で、数分間から数日間続き、強直発作、眼球運動異常、けいれん発作、自律神経異常及び知的障害を伴うことがある疾患であります。 治療に関しては、抗けいれん剤や偏頭痛治療剤などが用いられており、現在、フルナリジンが最も効果があり、発作時間短縮、発作強度の減少が認められていることがわかっております。 海外での報告には、一九八四年、カエザルとアゾウが報告して以来、発作の軽減や発作持続時間の短縮などが認められております。また、我が国におきましては、国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科の佐々木征行先生らが全国の集計を行い、第四十二回小児神経学会で発表された報告によりますと、対象の六〇%余りに発作持続時間の短縮や発作強度の軽度化が認められております。 しかしながら、このフルナリジンは、その適応が脳梗塞後遺症や脳出血後遺症に伴う慢性脳循環障害による諸症状の改善とされており、再評価においてはその申請がなく、平成十一年秋より日本国内においては販売中止となりました。結果として、小児交互性片麻痺の患者では、薬剤の服用の中断が余儀なくされている事例が発生しております。 前述の佐々木先生の報告では、フルナリジンの服用の中止により、発作の悪化を引き起こした事例がかなり存在することが指摘されており、小児交互性片麻痺の親の会の方々からは、何とかこのフルナリジンの入手が国内において容易にならないかという要望が出されております。 医薬品の製造販売にかかわる承認の申請は専ら製薬企業の判断によるものでありますが、このようなまれな疾患に関しての治療薬は、その市場規模が小さいために、企業の経営判断により治験などコストのかかる承認申請に至らないことが以前から指摘をされております。そのような問題を解決するため、医師主導の治験などの制度もスタートいたしました。 個人輸入の薬剤の入手に頼っている現在の状況を改善するため、何らかの国の対応が必要と考えますが、この点、御見解をお伺いいたします。
○阿曽沼政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘の塩酸フルナリジンでございますけれども、御指摘ございましたように、脳梗塞後の後遺症や脳出血の後遺症に伴います慢性脳循環障害による諸症状の改善ということで効能、効果として、昭和五十九年の十一月に国内で承認を取得しております。 その後、お話にもございましたように、平成十一年に再評価指定が行われましたけれども、企業の方から再評価申請を行わないということで承認が整理されておりまして、現在、国内での供給は行われておりません。 一方、海外の事例でございますけれども、目まいとか偏頭痛を効能、効果としてこの薬を承認している国はございますけれども、残念ながら小児交互性片麻痺を効能、効果として認めている国はございません。 ただ、お話がございましたように、こういう対象患者数が極めて少ない疾患の治療に使われる医薬品につきましては、大変重要でございますので、厚生労働省といたしましても、希少疾病用医薬品、いわゆるオーファンの指定をいたしまして、優先的に審査をしたいというふうに考えております。
○古屋(範)委員 引き続き調査検討をお願いしたいというふうに考えております。 いよいよ、今回の私の質問の中心のテーマでございます女性の健康づくり、また、働く女性の支援に資する乳がんの検診の充実についてお伺いをしてまいります。 私ども公明党は、本年初頭から、マンモグラフィー検診の普及を求めまして全国で署名運動を展開してまいりました。全国から寄せられました三百九十五万人分もの署名を当時の坂口厚生労働大臣に提出するなど、一貫してマンモグラフィーの対象年齢引き下げと早期導入を推進してまいりました。 そして、本年四月、厚生労働省の指針改正では、対象年齢が五十歳以上から四十歳以上に拡大され、従来の視触診にマンモグラフィーの併用を求め、実施体制の整備に努めるよう都道府県に通知をされましたが、これは多くの国民の皆様の声が反映されたものと大変感謝をいたしております。大臣におかれましても、女性の大敵である乳がんの死亡率減少に向けた支援を引き続きお願いいたします。 さらに、来年度の予算概算要求には、五百台のマンモグラフィーを整備するため、七十九億円の計上が盛り込まれており、死亡率第一位の乳がんの対応として厚生労働省が迅速な対応をしていただいたことに全国から喜びの声が私のもとにも届いております。 また、厚生労働省がこの九月に発表されましたマンモグラフィーによる乳がん検診実施状況等の調査結果によりますと、本年三月時点で五八・三%、千八百三十九市町村だった導入率が二〇〇五年には九〇・六%、二千八百五十九市町村に上昇することが明らかになりました。 マンモグラフィー検診ができる体制を推進するには、各自治体の財政事情と、検診に必要な高い技術を持つ技術者、医師の確保が必要であることはこれまでも指摘されております。改めまして、マンモグラフィー導入拡充への意気込みをお伺いいたします。
○西副大臣 お答え申し上げます。 古屋委員の熱心なお取り組みにまずもって心から敬意を表したいと思います。 既にほとんどの部分、委員から御説明がございましたけれども、我が国では最近、急速なライフスタイルの変化で、年々乳がんの患者数が増加しているということは御存じのとおりでございます。その結果、現在、女性のがんの第一位を占めるという現状になっております。そして、約一万人の女性が乳がんによって亡くなっている、こういう大変重大な結果になっております。そんな意味で、乳がんの対策というのは大変重要なものだというふうにとらえております。 しかしながら、現状を御報告申し上げますと、我が国における乳がん検診の受診率はまだまだ低くて約一〇%程度という水準でございまして、欧米諸国は大体七〇%という受診率を示しております。そういうわけで、早急な対策を講じなければならない、これが現状でございます。 先ほどお話がありましたように、厚生労働省といたしましても、本年度の概算要求で約五百台分のマンモグラフィーを早急に設置しようということで要求を出しておりますが、省といたしましても、マンモグラフィーの導入拡充を含めて、乳がん検診の実施体制整備に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
○古屋(範)委員 ただいまもお話がございましたけれども、導入が進まなかった自治体においては、やはりマンモグラフィーの機械が一台約三千万と高額であるということが一因となっております。これが来年度の概算要求で五百台、七十九億、この予算措置によりまして多くの自治体は救われるのではないかというふうにも思っております。 しかしながら、三月時点で、乳がんの検診を実施していない市町村のうち、今後も予定なしと答えたところが二百九十六市町村ございます。このうち、財政的に困難と答えたのが六十二。今回の財政支援によって少しは導入の意欲が出てくるのではないかとお考えでしょうか。マンモグラフィー検診を身近な市区町村で受けられるかどうか、全国一律の受診機会を確保するという観点が大きな課題でございます。この地域格差解消の具体策についてお伺いいたします。 また、現在ある三千台のうち半数は基準に適合していない古い機械であると伺っております。この基準に適合していないものを新しい機械に切りかえていく必要がある。こうした市区町村への支援についての具体策をお示しいただきたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生からお話がございましたように、乳がんの検診につきましては、老人保健法の老人保健事業に基づきまして、市町村にお願いをしております。さまざま従来の検診方法に問題があるというふうに指摘されておりましたので、ことしの三月に、がん検診に関する検討会から、乳がんの検診の仕方、やり方を直すということで、エックス線を使った検診、これはマンモグラフィーでございますが、マンモグラフィーの検診を基本とするというか、マンモグラフィーで検診していただくことにしたわけでございます。 そこで、私ども、現在、市町村でどのようにマンモグラフィーが使われているかを緊急的に調査いたしましたところ、御指摘ございますように、平成十五年度でマンモグラフィーの検診を実施している市区町村の割合が五八・三%でございました。平成十二年度では二九・二%でございましたので、年とともに拡大していることは確かでございますが、まだまだ低いということで、先ほど来お話に出ておりますように、十七年度の概算要求で五百台のマンモグラフィーの設置をお願いしております。 五百台設置させていただきますと、これによりまして、老人保健事業の乳がん検診対象者の半数の方はカバーされる、こういう状況でございます。半数では少ないんではないかという御指摘があるかもしれませんが、現在の乳がんの検診の受診率が一二%ということで大変低いこと、これが問題になっておりますので、まず検診の受診率を上げる、それからマンモグラフィーを整備する、この両面からやってまいりたいと思います。 先生から御指摘がありましたように、財政力がなくて整備ができないとか、いろいろな問題がございますけれども、先ほどお話がございましたように、こういう必要な検査が全国民に機会が与えられることが一番大事だと思っておりますので、まずは都道府県で計画をつくっていただきまして、漏れが出る市区町村がないように、例えば、三千万円の機械ですから小さな町村は設置できないというようなことがあると思いますので、お話がございましたように、広域的に利用していただくとか、さまざまな手法を通じまして、乳がん検診を全国民が受けられるように努めてまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ぜひとも、市区町村へのそういった的確な指導をお願いしたいというふうに思っております。 次に、このマンモグラフィーを的確に読み取る技術者、医師の養成についてお伺いをいたします。 財政支援とともに市区町村を大いに悩ませているのが、この撮影技師や画像を的確に読み取ることができる医師の不足でございます。実際、撮影する技師、フィルムを分析する読影医の不足などを理由に導入を見送る市町村も多いわけであります。 私の住んでおります神奈川県では、神奈川県予防医学協会のマンモグラフィー検診車が集団検診を希望する県内八市十三町村を回って検診を行い、そのフィルムを、県内四つの大学が週ごとに担当を決めて、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会が認定した読影医が持ち回り読影を始めるなど、体制づくりを進めております。 マンモグラフィーや読影医、技師などが不足している市町村にとって、市町村の枠にとらわれず連携することができるような体制が必要であり、国としても早急に取り組むべき課題であると思います。 また、人材育成について、現在、医学界で独自の認定制度を設け、撮影技術や読影能力の習得に取り組まれているというふうに伺っておりますが、その習得の機会が少ないことが指摘をされております。 マンモグラフィー普及のためには、習熟した撮影技師、また読影医師の確保が必要であり、国としても技術者養成のため講習会を開くなど人材育成への支援を早急に行うべきと考えますが、いかがでございましょうか。
○中村政府参考人 先生御指摘のとおり、機械が設置されたとしても、きちんと撮影できること、またそれを読み取ることができることが必要で、そのための医師や撮影技師の養成が大事になっております。 先ほど先生からも御紹介いただきました、来年度の概算要求でマンモグラフィーの機器の緊急整備で予算要求をいたしておりますが、それとあわせまして、マンモグラフィー撮影技師、読影医師の養成研修の費用につきましても予算要求をさせていただいておりまして、都道府県がこの養成研修を実施していただく場合に国として助成してまいりたい、こう考えております。
○古屋(範)委員 乳がんの検診の受診者、二〇〇二年におきましては受診率が一二・四%となっておりまして、大変低い状況にございます。また、さらに、マンモグラフィーによる検診の受診者に至りましては、五十六万三千八十二人、受診率わずか二・一%となっております。一方、欧米では乳がんの検診の受診率が七〇%以上に達しておりまして、近年乳がんの死亡率が減少している原因はこの高い受診率にあると言われております。日本では、一二・四%。残りの八七・六%の方々はほうっておかれているということになるわけでありますけれども、この一番の問題点は受診率を上げることではないかというふうに思っております。 私もこの夏、マンモグラフィーを受診いたしましたけれども、実際、吸引をするわけなんですが、それも多少の痛みが伴いまして、吸引するだけではなくて、引っ張って挟んで撮るということがございまして、女性にとっては行くということもなかなか勇気が要ることでございまして、たまたま私はその技師さんが女性だったものですから、非常に個人的には心情的にありがたかったというふうに思っているわけなんですが、このように、簡単に、気軽に受診に行くというのが、女性にとっては子宮がんの検診も含めましてなかなか難しいというのが現状ではないかというふうに感じております。 公明党におきましては、そういったものを、女性のために女性専門外来というものも設けまして、女性医師が懇切丁寧に悩みを聞いてあげるというような場を多く設置しよう、そういう活動もしておりますけれども、このような環境づくりというものが一つには必要ではないかというふうに思っておりますが、欧米から比べると大きくおくれている受診率の現状と改善についてお伺いしたいと思います。
○中村政府参考人 先ほど来御紹介しておりますがんの検診の検討会でも、受診率の低いことが問題になりました。乳がん検診によりまして死亡率が下がる程度に検診の効果が上がるには、六割から七割の受診がないとだめだろうと専門家は言っておられます。そういう意味では、我が国の一二%という受診率の低さは非常に問題だと考えております。 原因はいろいろ検討会でも出たわけですが、とにかく女性の三十人に一人は乳がんになるというような状況でありますが、専門家の御意見によりますと、ヒアリングも行ったわけですが、自分はがんにならない、自分に関係ないと思っておられること、それから、検診を受けてがんと言われるのは怖いという一般的な話のほかに、確かに、先生から御指摘がありましたように、乳がんの検診について男性医師に診てもらうことの抵抗感とか、さまざまな問題があると思います。 それにしても一二%という低さは問題ですので、我が国の女性に対する啓発も必要だと思いますけれども、検診の実施の仕方等につきましては、先生から御指摘のあったことなどもよく考慮して進めてまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 次に、今回の見直しにおいて、三十代の検診が廃止されたことについてお伺いをいたします。 今回、三月に出されましたがん検診に関する検討会中間報告の中で、乳がんにかかる年代が四十代以上に最も多いということから、四十歳以上の女性をその対象として、三十歳代に関しては、その効果を証明する根拠がないという理由で検診が廃止となっております。 三十代、せめても一度は検診を受けられる、そのような通知を出すなど、また意識啓発、そのようなことも必要なのではないかというふうに考えますが、三十代の検診を廃止した理由また説明をお願いいたします。
○中村政府参考人 まず、今回の検診の見直しに当たって検討会で一番重視されましたことは、検診してがんの死亡率が減るということについて科学的根拠があること、これが一番重視されました。 その結果、マンモグラフィーは検診による死亡率減少効果がある、これは実証されておるし、科学的根拠があるということになりました。それでは全年齢でマンモグラフィーすればいいかということですが、エックス線撮影でございますので、副作用もあるので、効果と被害とを見て、大幅に効果がある年代からすることが好ましいということで四十歳以上になりました。三十代からは、マンモグラフィーすることは副作用の方が大きいと判断されたわけでございます。 従来やられてきました視触診による検診は、死亡率減少について効果がないとする根拠がある、つまり効果がないということについて根拠があるということでありましたので、視触診による三十代の検診はやめようということになりました。実は、検診見直しの経過の中で、三十代の女性で、視触診によって大丈夫ですよと言われた方が実は進行性のがんであったというようなこともあって、むしろ弊害が大きいのではないかということでありました。 そこで、検診の対象年齢につきましては、検討会では、三十代については、現在のところ、検診による乳がん死亡率の減少効果について根拠となるような研究や報告がなされていないため、今後引き続き調査研究を行うことが必要である、本検討会としては、乳がん罹患の動向や検診による死亡率減少効果、発見率等から判断し、四十歳以上とすることが妥当であるとされたところでございます。ここに書いてありますように、引き続き調査研究を行ってまいりたいと思っております。
○古屋(範)委員 もう時間ですので最後の質問になりますが、今回、改めてこの健康診査に関する制度の資料を見て感じましたことは、制度は、老人保健法、労働安全衛生法、健康保険法、国民健康保険法、母子保健法、学校保健法など根拠法ごとに制度が分かれ、実施主体も、市町村、事業者、保険者、学校など多岐にわたっております。このように、年齢や職業によってばらばらに実施されている健康診査では、せっかくの健診データも生涯にわたる健康づくりに役立っていないのではないかというふうに思われます。 健診事業の改革をめぐっては、公明党が推進した健康増進法に基づき、厚生労働省により健康増進事業実施者に対する健康診査に関する指針が八月に施行されました。これは各制度に共通する基本的な事項を定める初めての試みとなる画期的な指針でございます。ここには、将来的には統一された生涯にわたる健康手帳の交付等により、健診結果などの情報を継続的にすることが望まれるとあり、今後の健診事業の改革に方向性が示されました。 この指針を踏まえ、来年度概算要求には四億円の研究予算が盛り込まれ、生涯にわたるあるべき健診モデルの構築が期待をされております。個々ばらばらの健診事業を結びつけ、その健診データとともに、生涯にわたって健康状態の変化を把握でき、予防に役立てるよう力強い取り組みを期待しております。 このように、生涯にわたる健康手帳等による健診体制の構築について、最後に御見解をお伺いいたします。
○西副大臣 お答えを申し上げます。 古屋委員御指摘のとおりだというふうに思っております。先ほど御指摘がありましたように、健康増進法ができまして、健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針を策定いたしましたが、それをもとにいたしまして、さらに具体的な内容について、これからそのあり方について検討していきたいと思っております。 具体的には、厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会というところでも議論していただくこととしておりますが、こうした議論を踏まえまして、より効果的また効率的な健診体制はいかにあるべきか、特に、御指摘の、お一人お一人の生涯にわたる健診体制の履歴をきちっと把握した上で健康の増進に努めていくという観点は、大変大事なものだというふうに考えております。
○古屋(範)委員 国民全員におきます概念の調整また健康づくりに、今後とも全力で施策を遂行されますよう強く希望いたしまして、質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
○鴨下委員長 次に、横路孝弘君。
○横路委員 私は、厚生労働委員会というのは初めてなものですから、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。 最初に、今回の新潟中越地震についてお尋ねしたいと思います。 本当に大変な被害で、被害を受けられた皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、亡くなられた方も多数に上りまして、その人々へのお悔やみを申し上げたいと思います。 今の状況を見ていますと、これは避難生活も相当長引くんじゃないかということが非常に心配されます。地震の対応で今必要なことは、現状がどうなっているのか、それから、避難されている人々が今何を求めて、何が必要なのかということを見きわめて、しっかり対応することだと思っています。長期化すればするほど、そういう人々のニーズも変化してくるんですね。私も奥尻の地震を体験いたしまして、一週間ごとに、もう本当に人々の要求が変わってくるということを目の当たりにいたしました。 今、非常に大事なことは、高齢者の人とそれから赤ちゃん、小さいお子さんだと思うんですね。奥尻のときも感じたんですが、日本人というのは非常に我慢強いです。そんなに要求を、大きい声を上げて言うということをしないんですね。特にお年寄りの人たちは言いませんので、先ほどもちょっとお答えの中にありましたが、私は、できるだけ、新潟県内あるいは近隣を含めて、施設もたくさんあると思いますので、そういうところに、ある一定の状況の方は早くそちらの方に移された方が——この寒さの中で体育館での生活というのは、これはもう本当にストレスがたまって大変だというように思います。 厚生労働省としてやらなければいけないことはたくさんありますが、まず一番心配な高齢者の方々あるいは赤ちゃん、こういう人への対応を、特にその施設や病院などあいているところに、できるだけ早く、状況を見て体育館などから移された方がよろしいんじゃないかというように思いますので、その点についてちょっと大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 お話のとおりだと思いますので、今、私どももそのことを考えております。グリーンピアなどを含めまして、ありとあらゆる私どもの所管いたします施設にお移りいただくことを今考えておるところでございます。
○横路委員 そのことをしっかりやっていただきたいということと、仮設住宅が必要になってくるというように思うんですね。もう自治体の方から要望も上がっているというように聞いております。 仮設住宅も、これは、普賢岳の災害、それから奥尻、それから神戸の阪神・淡路大震災というときに、一定の基準でつくられるものですから、暑いところも寒いところも、夏も冬も関係なしにつくっちゃうんですね。ですから、ぜひそこは柔軟に、これから冬の寒さにどう耐えるかということですから、暖房のことなども十分考えた仮設住宅を、何か一律に、これでいいんだという基準に基づいてつくることをしないようにしていただきたいということと、ケアつきの、高齢者向きの住宅もたしかできるはずでして、何軒かまとめてバックアップシステムをつくるというようなのも、たしか基準の中に入っていたのではないかというように思います。福祉仮設住宅なども高齢者の多い地域ですと必要になってくるというように思いますので、ちょっと過去の事例を検討されて、そして仮設住宅についてのいろいろな地域からの声というのがあると思いますので、それを踏まえて、同じことを繰り返さないようにして、地域のニーズに対応する仮設住宅を早くしっかりとつくって対応していくことが必要じゃないかと思いますので、その点、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 冒頭お話しになりましたように、現地の御要望、状況を丹念にお聞きすることが大事なことだと存じております。 そこで今、具体的なお話でございますけれども、確かに、今回の地震の被災地は寒さが大変厳しいところでございますし、雪深い地域でもございます。そこで、仮設住宅の建設に当たりましては、二重窓の設置、断熱材の使用及び防湿、凍結対策などというところの寒冷地仕様とすることといたす、こういうふうに聞いております。聞いておりますと申し上げましたのは、実施主体が都道府県にございまして、今回の場合、新潟県でございますので、私どもはよく相談しながらでございますが、そういうふうに聞いております。
○横路委員 対応に万全を期していただきたい。繰り返しになりますが、長くなればいろいろとニーズも変わってまいりますので、そこを見極めていただきたいというように思います。 それでは、少し今の社会の状況についてお尋ねをしたいと思います。 今お手元に配りましたのは「社会状況の比較」という数字です。これは、小泉内閣がスタートしたときから現在までどうなったかという厚生労働省関係の数字をまとめてみましたが、これを見ますと、生活保護がふえていますね。ホームレスもふえ、自殺もふえ、児童虐待、ドメスティック・バイオレンスはふえています。婚姻は減って離婚がふえて、赤ちゃんは減って、犯罪はどんどんどんどんふえて、失業もふえて、自営業主の人は減っていっています、やめていっています。そして、非正規社員がふえて、フリーターがふえて、障害者の雇用は減って、収入は減って、支出も減ってということです。 本当に、今の日本の社会の状況や国民の生活、暮らしというのは、小泉さんは景気はよくなったと言っていますけれども、数字を見る限り、どんどんやはり悪くなっていっているんですね。これで、麻薬は厚生労働省の担当でしょうが、犯罪以外は全部厚生労働省の管轄なんですね。こういう今の日本の社会にあるということ。どうしてこうなったのか。大臣、その辺のところをどのようにお考えですか。
○尾辻国務大臣 大変難しい御質問を賜りまして、厳しい数字が並んでおることだけは確かでございます。そして、私どももそのように認識をいたしております。 そこで、このよって来るところでございますけれども、私が厚生労働大臣としてお答えいたしますと、私どもも、国民の安心と生活の安定のために、これを支えるセーフティーネットとして社会保障が存在すると考えておりますから、そのために努力はしてきたつもりでございますが、言いますならば、努力足らずでこういう数字かなとは思います。今後とも努力を続けてまいりたいと存じます。
○横路委員 私はやはり、九〇年代初めのバブル、それから、それが崩壊してからずうっとリストラが続いてきたこの十年間、よく失われた十年と言われますけれども、この間、日本的なよさも失った十年じゃないかと思うんですね。 日本の社会というのは、非常にモラルの高い社会だったわけです。みんな汗水流して働けば必ず報われるという思いで、家族や会社のために一生懸命働いてきたわけですね。しかし、あのバブルのときには、汗水流して働くのはばからしい、頭を使え、ハイリスク・ハイリターンだ、私利私欲が大事なんだということが言われて、あのころから、公正とか公平とか正義とか平等とか、そういう言葉がだんだん日本社会の中から失われていったんですね。そして、モラルも謙虚さも失ったと私は思うんです。 結局どうなったかというと、日本の社会というのはお互い協力し合ってやってきた社会ですが、競争と効率ということがどんどん言われていくということで、家庭のきずなや社会のきずなもだんだんなくなって薄くなって、本当に寒々とした社会状況に今日なっているんですね。 ですから、いろいろな調査、どの調査をやっても、年をとったらどうなるのかとか、病気になったらどうなるのかとか、仕事を失ったらどうなるのかとか、子供を産んだらどうなるんだろうかという不安ばかり、七割とか八割とかいう数字が世論調査をやれば出てくるわけですね。これはみんな厚生労働省の管轄の仕事ですね。 今大臣がおっしゃられたように、やはり安心を給付するということが、社会保障の一つの非常に大きな基本です。人々がこれだけ不安を感じているというのは、その安心の給付がやはり十分でないということなんですね。 ですから、そこに私ども、年金から医療から介護から雇用の問題も含めて、やはりしっかり議論していくという意味では、厚生労働省の責任も大きいですし、この委員会の責任も非常に大きいというように考えていますが、安心の給付という意味で、やはり国民の信頼はそこにないということがこういう不安の数字になっていると思いますけれども、いかがお考えですか。
○尾辻国務大臣 まず、前段おっしゃったことには私も全く同感でございます。 その上で、今また御指摘のような今日の状況がございます。申し上げましたように、私どもは、国民の皆さんに安心していただかなきゃならない、そのための社会保障でなければならないと考えておりまして、先ほど申し上げましたように、私どもは万全なことができてこなかったということは反省をしなきゃならぬと思っておりますので、その反省に立ちまして、今私は省内で、とにかく御批判に対して素直になろう、こういうふうに言っておりますけれども、素直に国民の皆さんのお声を聞きながら、いかにあるべきか、いかに社会保障をまさに一体的に見直していくかということに取り組まなければならない、こういうふうに考えております。
○横路委員 こういう社会の状況や国民の暮らしというのは経済が基本なんですが、では、経済が成長すれば解決するかというと、このごろ大分変わってきていまして、アメリカと同じように、経済が成長しても雇用というのはなかなかそれに伴って伸びていかない。雇用の質も変わってきている。雇用についてよく多様化とか流動化といいますが、私は雇用が不安定化したことが今の一番大きな問題だと思うんですね。 先ほどお渡しした資料のちょっと下の方を見ていただきたいと思います。これはことしの九月の賃金についてなんですが、非常に大きく正社員と非正社員と契約社員で所得分布が分かれていますよね。非正規社員というのは、今大体三五%ぐらいが非正規社員ですから、働いている勤労者の三分の一はここに該当するわけです。十万円未満、月収ですよ、三七%。十万から二十万が四〇%というのが非正規社員。日本の働いている人の三分の一は、ここに該当する給料しかもらっていないんですね。契約社員になりますとそれがワンランク上がりまして、十万から二十万のところが四五で、二十万から三十万が二七。正社員になるとまたワンランク上がりまして、二十万から三十万が三三、三十万から四十万が二五ということで、年収でいいますと、正社員が大体三百五十万ぐらい、そして契約社員が二百五十万ぐらい、非正規社員というのは百五十万ぐらいというのが大体平均値ぐらいの数字になるわけなんですね。 きょうは雇用の問題は議論いたしません。後ほど機会があったらやりたいと思うんですが。 雇用サミットというのが世界で行われていましたよね。あの雇用サミットの結論というのは何かというと、長期的、継続的、安定的な雇用があって初めて社会は安定し、経済は発展するというのが何回もやった雇用サミットの結論なんですよね。ところが、今の日本の雇用の不安定化というのは、ここに数字を示したように、非正規労働がどんどんふえていっている。これは後で時間があれば議論したいと思いますが、実は年金制度が雇用の形態を決めるというようなばかなことに今なっているわけです、厚生年金、国民年金の関係で。それは後で時間があったら行いますが。 今の、雇用が安定するということ、しかも長期的、継続的に安定しているということが社会の安定、経済の発展の核だ、この基本的な考え方については、いかがお考えになられますか。これは世界の、特にヨーロッパなどはずうっと失業が高い中でいろいろ議論してきて、やっぱり雇用だ、安定した雇用なんだという結論が雇用サミットの結論なわけですが、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 お話しのような状況にございます。 そこで、正社員とパートタイム労働者との均衡処遇、これは大変重要なことでございますから、これを進めるためにパートタイム労働指針を改正いたしまして、昨年十月から適用いたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、お話しのように、均衡処遇、このことに努めてまいりたいと存じております。
○横路委員 雇用に関する問題はたくさんございますので、それはまた別の機会に議論したいと思います。 そこで、安心の給付はだれが行うかということになるわけですね。これは、ベースは地方自治体を含めてやっぱり国の責任なんですね。私は、選択的、補完的に市民セクターや民間セクターがその役割を果たしていくということだと思っていますが。 日本の社会というのは、よく、先ほども大きい政府か小さい政府かという話がありました。みんなは非常に大きい政府だと思っているんですね。その思っている理由というのは、公共事業のウエートが高いことと許認可が強いことなんですね。 負担の面からいいますと、これはよく言われるように、税負担も社会保障の負担も先進国の中では本当に低い方なんですね。例えば、日本の二〇〇三年度の税と社会保障の負担、合わせて三六・一。国民所得比です。これに対して、アメリカは三五・九。アメリカとほぼ同じ。イギリスになると五一・二、ドイツですと五六・五、フランスですと六四・八、スウェーデンですと七六・五ということなんですね。 問題は、国民も、世論調査では、税金を納めることに別に反対しているわけじゃないんですね。税金が自分たちに使われるかどうか、ちゃんと使われていないという不満が非常にあるわけです。スウェーデンは国民負担、租税負担と社会保障負担がこんなに高いのに、どうして国民はそれを受け入れているか。戻ってくるからなんですね、自分たちのところに。そこが大事なんですね。 私は、今の、安心の給付ということの中で、ベースはやはり国と地方公共団体が行って、そしてその上に市民セクターと民間セクターが選択的に、あるいは補完的に役割を果たすということが基本的な姿ではないかというように思いますが、この基本的なところ、特に税や社会保障の負担、これから上がっていくということでの議論があるわけですが、現実はこういう非常に低い負担になっているということについて、どうお考えですか。
○尾辻国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、今の委員のような御指摘もございますし、また一方からは、潜在的国民負担率がもう五〇%近くになっているではないかという御議論もございます。 そうした中で、お話しのように、給付と負担の関係をどうするか。これはもう今後の社会保障、まさに一体的に見直す中での一番重要な課題でございますから、御議論もいろいろいただきたいと思いますし、私どもも真剣に検討してまいりたい、このように考えます。
○横路委員 土光臨調をやった土光さんですね、一、二度お話を聞いたことがあるんです。経営者というのは何を考えているか。土光さんは、まず第一に、やはり従業員と家族の生活のこと、それに非常に重い責任を負っているということがいつも頭の中を離れない。そして、一生懸命働いて国に税金を納める、ああ、ことしもこれだけ税金を納めることができたということを誇りにしているんだというお話をお伺いして、私は感激したことがございます。 今の小泉さんと竹中さんの周りにいる経済人の一部の発言を聞いて、私はもう腹が立ってしようがない。税金はできるだけ納めない、社会保険の負担もできるだけ少なくして負担しないようにしたい。そして従業員の生活。生活給なんというのは古い考えで、成果給だというようなことで。あまつさえ、いろんな発言をする場に出てきて、自分の会社の利益になるようなことを堂々と主張しているような経済人までいます。この辺まで名前出てきていますが、やめますが、本当にこれじゃ困るんですね。 税金はそれなりに責任に応じて払ってもらうということを、やっぱりしっかりしなきゃいけないわけですよ。それを、小泉さん、竹中さん、トップにいるところの経済人からそんな話ばかりどんどんどんどん出てくると、みんなそれが当たり前だと思っちゃうんですね。ですから、厚生労働大臣からも経済界に、きちんと社会的な責任は果たすということ。それと同時に、非常に大事なことは、社会保険庁の今回のような、ああいうことをやると、みんながお金払う、社会保険の負担するというのが嫌になるんですね。社会保険庁の今回のさまざまな問題は、これはどれほど多くそういう意味での信頼を損なったか、これは皆さんが考えている以上に大きいものがあります。もう私も会うたびにみんなに言われるのは、社会保険庁を何とかしなさいよという話ばかりですね。ですから、厚生労働大臣として、責任ある本当に重いお立場に立っているわけでございまして、その基本のところをやはりしっかりとリードされるように頑張っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○尾辻国務大臣 まず最初の方のお話でございますが、先ほど来お話しいただいておりますように、厚生労働大臣を拝命いたします前の一年間は党の方の厚生労働部会長をいたしておりました。この間、厚生労働部会長としてかなり主張してまいりました、かなり議論をさせていただきました部分でございまして、ここまで申し上げて御理解いただきたいと思います。 それで、その後の、社会保険庁のことでございますが、もうこれは本当にお恥ずかしいと思っておりまして、ここできっちり私どもが出直しをしない限りにおいて、国民の皆様方の信頼を得ることはできないと思っておりますから、私の責任におきまして、これは今、いつもはっきり申し上げておるんですが、私の責任におきましてとにかくやり直すということを申し上げたいと存じます。
○横路委員 大臣に、今、日本の社会の抱えている、先ほど冒頭にお示しした数字、頭の中に置かれて専念されますように御要望いたしたいというように思います。 次に、三位一体改革について御質問いたします。 小泉総理は、地方の案をどうも真摯に受けとめていない、なぜか勘違いしている大臣もいるようだというお話をされたわけですが、明日が何か、どういう答えを出すのか、締め切りということのようなんですが、地方六団体からの要望に対しては大体どんな方向で答えを用意しておられるんですか。
○尾辻国務大臣 まず、御提案の枠組みがございます、九千四百四十億という枠組みがございます。このことにつきましても若干私どもなりの意見は申し上げておりますけれども、基本的にはその枠組みの中で私どもの代替案を出したい、こういうふうに考えております。 ただ、その中身でありますが、先ほど申し上げましたように、地方六団体から御提案いただきましたいろいろな負担金を廃止しようという個別の事業がございますけれども、そのうちの幾つかは、私どももそのように思いますから廃止をさせていただきます。 ただ、それだけですべてというわけにまいりませんので、国民健康保険、生活保護、児童扶養手当の国庫負担の見直しを中心にした代替案をお示ししたい、こういうふうに考えております。
○横路委員 それで、生活保護と児童扶養手当についてちょっとお尋ねをしたいと思うんですが、生活保護が急増していますね。急増しているのは、高齢者世帯と「その他世帯」のところが急増しているんです。これは原因がどこにあるか、どのようにお考えですか。
○尾辻国務大臣 まず、高齢者の数がふえておりますことは、高齢者そのものが、高齢者の人口がふえておりますから、どうしても人口が多くなると生活保護を受けられる方も多くなる、そういうことだと認識をいたしております。
○横路委員 その他世帯の急増の方は、これはやはり失業なんですね。失業で仕事がなくなってということ。それから高齢者世帯は、高齢者世帯がふえているということのほかに、地方の話を聞きますと、もう一つ原因があるんです。 それは、国民年金受給の世帯でふえているんですね。医療費などがかさむことから生活保護を受けるケースがふえている。特に、老齢加算が三年間で廃止になるということになりますよね。そうするとその部分は減って、介護保険の負担なんかがふえていっていますから、医療費の負担も、したがって生活保護がふえている、こういう実態にあるんですが、それは御存じでしょうか。
○尾辻国務大臣 いずれにいたしましても、生活保護をお受けになる皆さん方の方の、どういうふうに言えばいいんでしょうか、その形といいますか御事情といいますか、そうしたものが非常に多様化しておるというふうな認識はいたしております。
○横路委員 今度、地方自治体への補助率をカットする理由として、自立・就労支援を実施する制度に転換するんだというように皆さん方は説明されていますよね。 実際問題、数字を見ていますと、高齢者世帯とそれから身体とか傷病世帯、それから母子世帯で、大体九割近い世帯をそこで占めている。その他世帯というのは一〇%ぐらいの話になっているわけです。そのうち、就労されている方が、母子世帯ですとどのぐらいでしょうか、半分ぐらい。それから、その他世帯でも三〇%から四〇%ぐらい、地域でいろいろ違いはあるというように思いますが、就労されているわけですね。 ですから、自立・就労支援といった場合に、問題は、多分「その他世帯」が中心になるんだと思うんですね。高齢者世帯の場合は、なかなか、稼働するだけの能力もなくなってきているという方が多いわけです、実際問題。 ですから、皆さん方、簡単に自立・就労支援をすると言うけれども、自立・就労支援をしなければいけない人々は生活保護受給世帯の中で今どのぐらいいるのかということを掌握されてこういう政策を立てられたんでしょうか。どうも私は、そうじゃなくて、カットすることが前提になっているように思えるんですけれども、いかがですか。
○尾辻国務大臣 今、直ちにその数字を申し上げることはできませんけれども、今度の生活保護の見直しということは、確かに、おっしゃいますように自立ということも中心になっておりますが。その他の制度の見直し、先ほど来申し上げていますように、いずれにいたしましても、生活保護というこの制度は大きく見直さないと、制度疲労を起こしておるというようなこともございますので、そうした点で見直しを図りたいということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○横路委員 これは、皆さん方からいただいた資料です、十月十二日の資料ですが。生活保護制度、「経済的な給付に加え、地方自治体が自主性・独自性を生かした自立・就労支援を実施する制度に転換」、したがって補助率カット。これがどうして論理的につながるんですか、大臣。 つまり、自立・就労支援するということと、地方への負担をふやして地方に仕事を負わすんだから、少し負担をというかバックアップしましょうというのはわかるけれども、地方の負担をふやす。つまり、自立・就労支援するということと補助率をカットして地方の負担をふやすというのは、これはどういう因果関係があるんですか。何にも関係ないじゃないですか、これは。どこか関係ありますか。関係あるなら説明していただきたいと思いますが。
○尾辻国務大臣 まず、今度の三位一体の改革の中で、地方団体の皆さんに私どもが申し上げておりますのは、国と地方と手を携えて今後の社会保障全体を考えていただきたいということをお願いしておるところでございます。そうした中での一つだととらえていただければありがたいのでありますけれども。 では、今のお話でありますけれども、私どもとしては、自立のためのいろいろなメニューを考えます。それは国としてやらせていただきます。そうしたことの中で、地方のそういった意味での裁量をより大きくいたす、そこの部分でまたそれなりの御負担をくださいということを申し上げておるつもりでございます。
○横路委員 児童扶養手当についても同じような考えです。 児童扶養手当を受けている母子家庭、これは今どのぐらいの人が働いて、どんな所得なんですかということを厚生労働省にお伺いしたら、そういう調査はしていないと。それは市町村でやっていることなので、厚生労働省としては掌握していないという話だったんですね。 今回の児童扶養手当についての地方自治体の負担の割合をふやすというのも、就労・自立支援なんだ、児童扶養手当中心の支援から、自立・就労に向けた総合的な支援へと施策を変えるんだ、こういうことで提起されているわけですよ。変えるのならば、では、一体、母子世帯の就労状況というのはどうなっていて、どんな所得にあるんですかということをもちろん前提でこういう政策を打ち出したんだろうと思って聞いたら、それは調べていませんという話だったんですね。だから、これも要するに財政カットだけの話であって、非常に観念的な対応策なんですね、これは。だって、実際に母子世帯の方がどんな労働の状況にあってどれだけ所得しているかというのは厚生省は何も把握しないで、そして、転換だ、就労・自立への転換だと言われたって、これは困るんじゃないでしょうか。 母子寡婦連合会の人たちにいろいろ話を聞いたら、みんなびっくりしていますよ。もうそんな自立・就労支援なんて、新しいメニューは何にも必要ありません、今までのものでもって十分いろいろ努力していますと。後でお話ししますけれども。だから、これも、何にも実態把握しないで、ただ財政カットのために理屈として、就業、自立に向けた総合的な支援に変えるんだという理屈を打ち立てているだけのように私には思えますけれども。
○尾辻国務大臣 御質問をそらすつもりはありませんけれども、この児童扶養手当のことも随分長い間議論をしてまいりました。そして、そもそも父親の責任、普通は女性の方に扶養手当は行っておりますから、父親の責任はどうなるんだとかいろいろな議論をしてまいりました。そうした中で、これもこのまま放置できない問題だと私どもは考えておるところでございます。そこで、今回の私どもの提案をいたしたところでございます。 今、先生お話しのように、数字がきっちりしておりませんでしたら、そういうふうにお答えいたしたのであれば、これはやはりそうした数字はきっちりした上で議論すべきだと思いますから、早速に、私もまたきょう帰りまして、その数字を出すべく努力をいたしたいと思います。
○横路委員 母子寡婦連合会の皆さんのお話ですと、現行でも自立支援の制度というのはいろいろあって、それぞれ努力していて、新規に何か必要だということは感じられないということで、幾つかの問題点をお伺いしてまいりました。 一つは、技術を身につけても就職先がない、これなんですね。これは生活保護世帯についても同じことが言えるわけで、何らかの技術を身につけても働く場所がないということが一つですね。ハローワークなどとももちろん連携していますし、資格を取得できるいろんな講習会がたくさんありますよね。しかしそれも、申し込みをしても、母子家庭で枠がとられているわけじゃないから、希望しても、まず第一なかなかそれを受けられない。受けて資格を手にしても就職するところがないということなんですね。 では何を一番やってもらいたいかというと、保育所の休日保育、それから、時間の延長だというんですね。どこかへ勤めたいと思っても、夜はだめですよと言うと、もう大体断られてしまう、最近の会社は。だから、ぜひ休日保育それから夜間の保育、そのための時間の延長ということをやってもらうことが大事であって、新規に何かやることは、もう今までの施策でいろいろあるから十分ですよと、実際にたくさん相談を受けて対応している連合会の話です。中にはもちろん相談を受けて就職している方もおられます。札幌ですと、千人のうち七十人ぐらいはそれで就職しているということがありますから、皆さん一生懸命努力されているわけですね。 今回のことでびっくりしているわけですよ。要するに、これで地方の負担をふやせば、地方の財政はもちませんから、生活保護費と相まってカットするということになるでしょう。本来ならば対象になる人が対象にならないというようなことで、その上、自立支援について余り努力しない人は給付をやめさせることができるとか、そういうような話になっています。 だから、本当に私は、生活保護にしても児童扶養手当にしても、財政のカットを横に置いて、現実がどうなっているのかという実態を、やはりしっかり現場から話を聞いてもらって、それに対応する施策としてどういう政策が必要なのか、何が足りないのかということをやはりやってもらわないと、ともかく財政カットありきで、政策を非常に無理して組み立てておられるというように、私は、この生活保護についても、児童扶養手当にしても、補助率カットの問題については本当に感じます。 ぜひ、大臣、そこのところを、あしたどんな御回答をされるのかわかりませんけれども。いろんな議論があると思いますよ、この問題については。我々国会議員みんな、地域でいろんな人と出会って、話を聞いていますから。ですから、やはりそういう実態、現実に即した対応をされるようにお考え直しをいただきたいというように思いますが、あしたの回答、どうなるのか。小泉さんが言っていた、さっぱり理解していない大臣に入るのか、理解していた大臣に入るのかというのがあしたはっきりするわけですが。今の点、基本的なことについてちょっとお考えをいただいて、もう一度ちょっと見直していただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、最初にお話しいただきました皆さん方のお声につきましては、今度の三位一体改革の答えをどう出すかということにかかわらず、私どもがしっかりお聞きしなきゃいけない問題だと思いますから、そのことについては真剣に検討をさせていただきたいと思います。 その上で、今まさに先生がお話しいただいたようなところが私どもの悩むところでございます。今のお話のように、保育所の休日保育もやりたい、延長保育もやりたい、夜間保育もやりたい、私どもはそう思っております。しかし、今度の三位一体改革の地方の方の御提案は、この辺ももう地方でやろうというお話でございまして、地方の皆さんの御提案では私どもの手を離れる。そこも私どもはどうしても困ると思っておりますから、それもやりたい。 しかし、では、その分をどうするのと言われると、また私どもは、いろんな、全体の中で答えを出さなきゃいけませんから、明日答えを出したいと思いますけれども、いわば、表現が適切であるかどうかはわかりませんが、あちら立てればこちら立たずの中で悩んでおるところでございまして、今晩一晩ございますので、もう本当に悩みに悩んで明日の答えを出したいと思います。
○横路委員 その答えで現実に多くの人々の生活が影響を受ける、すぐ影響を受ける話ですから、そのことだけしっかり頭の中に置いていただきたいと思います。 次に、介護保険と支援費の統合問題、これには精神障害者の人々の施策も一緒にということのようでありますが、それとグランドデザイン案について少しお尋ねをしたいと思います。私もいろいろな障害者の団体の皆さんと最近お話しする機会がございまして、大変心配をしておられます。そこで御質問をいたしたいというように思うんですが。 どういう点で心配を持っているかというと、今後の障害者の人々の生活がどうなるのか、どういうサービスが受けられるのかということです。 御承知のように、措置制度から支援費制度に変わってまだ一年半ですね、実施されてから。そして、支援費制度の大きな原則というのは、障害者が自己選択、自己決定できるということと、施設から地域へという、この二つが大きな原則なわけであります。このことをやはり障害者の人々は非常に心配をしています。これは私、後戻りさせてはいけない原則だというように思いますが、大臣、その基本のところはどのようにお考えですか。
○尾辻国務大臣 措置を支援に変えました。措置費から支援費に変えました。これは、もう措置なんという言葉は決して好ましい言葉ではないと思いますので、支援費に変えた、支援という言葉に変えた、そして中身も今お話しのとおりに変えた。このことは、私どもは大変よかったというふうに、いいことをしたと、自画自賛になりますけれども考えておりまして、そのことを後戻りさせる気はございません。
○横路委員 支援費制度というのは、やはり、障害者の人が持っていた潜在的な需要といいますか、需要を非常に掘り起こしたというように思うんですね。在宅サービスでありますとか、地域の生活を支援するさまざまなサービスというのが急増したわけであります。 この支援費制度、一年半で、では実態はどうなっているかというと、これは厚生労働省のホームヘルプサービスについての調査でも明らかになっていますけれども、やはり地域に格差がある。地域に格差がある理由は、一つはやはり自治体対応ですね。やはり、積極的にやっている自治体とそうでない自治体との間に差がある。それから、サービスの受け皿といいますか、サービスを行う事業者、これも偏在していて、やはりそれによっても相当格差があるということなんですね。 ですから、支援費制度は、スタートしたばかりで、まだまだその体制というのは十分整備されていない。障害者が地域で生活する上でのいろいろな基盤というのは、整備がどうしても不可欠です。私はそういう段階にあるんだというように思いますけれども、この障害者の地域生活基盤の整備、さらに進めていかなくてはいけないという状況なんだという認識はございますか。
○尾辻国務大臣 そのように認識をいたしております。
○横路委員 そこで、今年度も何か在宅サービスに関する予算が二百五十億ぐらいですか、何か不足しているというお話なんですが、これは修正、補正を行う予定なんでしょうか。
○尾辻国務大臣 昨年も支援費が不足をいたしました。何とか省内のやりくりでこれを切り抜けました。ただ、ことしは、今お話しのように二百億を超えておりますから、省内のやりくりで処理できるかどうか、正直に申し上げて大変難しいと考えております。したがいまして、何か知恵を絞らなきゃいけない、こういうふうに今考えておるところでございます。
○横路委員 つまり、その不足は解消して、要望にこたえるということがもちろんベースですよね。そのために御努力されるというように今の御答弁は伺ってよろしいですか。
○尾辻国務大臣 少なくとも、金がありませんから支援費をやめますというようなことはいたしません。
○横路委員 補正予算も災害対応で組まなきゃいけませんから、そのときにもぜひ、知恵がつかない場合は、そこで対応するように御努力いただきたいというように思います。 そこで、この統合問題にしてもグランドデザインにしても、やはり障害者、当事者の声を聞くということが非常に大事だというように思うんですね。 障害者団体ともずっと厚生労働省は話し合いをしてきておられます。障害者の七団体ですか八団体ですか、ことしの一月十六日に厚生労働省との話の中では、障害者団体が反対することは進められない。つまり、合意なくして統合なしという点について、一応、話し合いの結果、そういうことになりましたというように私は話を聞いているわけですが、ともかく、障害者団体との十分な話し合い、そして、それらの人々との合意ということが何より大切だと思いますので、これから大いに議論が盛んになっていくわけなんですが、その中で、基本的な厚生労働省の姿勢として、その点をはっきりさせていただきたい。 やはり障害者の人々のいろいろな不安がたくさんあるから、それを何とか解消してほしいということで問題提起しているわけでございますから、十分話し合いをして、その理解を得る、そして初めて進められるということだと思いますので、その点、大臣からも、その旨のお答えをいただければと思います。
○尾辻国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、一年間、厚生労働部会長をいたしておりました。その中で、障害者団体の皆さんとの勉強会もございまして、このところ毎週金曜日に勉強会をいたしておったのでございますが、大臣になりましたので、その勉強会からいわば抜けてしまいました。そこで、その勉強会の方が、今度、それなりの答えをつくられたものですから、昨日もお目にかかりましていろいろなお話をしたところでございます。 今委員お話しのように、障害者の団体の皆さんから「障害者の地域生活の確立に関する緊急要望」というものもお出しいただいておりまして、私も持っておりますから、その中に書いてありますように、とにかく、団体の皆さん、障害者の皆さんのお声を聞きながら事を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○横路委員 いろいろと心配がたくさんあるんですが、例えば介護保険のサービスの支給限度額というのは、要介護度五でも、訪問介護ですと一日三、四時間ぐらい、月約三十六万円ぐらい。これに対して、地域で生活している全身性の障害者の方のうちの七割近くは、やはり一日五時間以上の介護を受けているんですね。これが上限を決められてカットされるんじゃないかという心配を持っておられます。こういう幾つかの心配、時間もなくなってまいりましたからまとめてお聞きしたいと思いますが、そういう心配が一つですね。 それから、支援費制度では、応能負担を原則として、本人と扶養義務者を対象とした利用者負担額というのは決められていたわけですね。これに対して介護保険は一割の負担で、いわば応益負担があるわけです。 しかし、では、障害者の人々の収入、就労というのはどうなのかといえば、これは進んでいませんし、授産施設に通っていても、月、本当にわずかな金額しかまだもらえないという状況の中で、これが応益負担になって一割負担ということになれば、負担ができなくてサービスが受けられないという人が出てくるんじゃないか、こういう心配も非常に強いわけですね。 それからさらに、今度、審査会でチェックをする、サービスの共通の尺度をつくって審査会に諮って。介護の場合ですと、要介護度幾つかということを決めて、はい、サービスはこうですよとなりますよね。これを障害者の人々が、例えば、あなたのところはこうですよと決められて、そしてそのサービスしか受けられないということになると、また地域から施設へ逆戻りじゃないかということで、これはグランドデザインの中で言われていることでございますけれども、サービス共通の尺度とか、審査会での支給決定システムの導入ということに対して、やはり非常に大きな不安を皆さん方は持っておられます。 大臣のところにもその要請書が行っていると思いますが、そこで述べられているさまざまな不安、これはやはりしっかり解消するということで答えを出していただきたい。私どもも、これから、幾つもいろいろな点がありますので、上乗せや横出しの問題を含めて、ありますので、細かい点の議論はこれから同僚議員で行っていくことになると思うんですが、基本的に、今私が言った幾つかの点を非常に不安に思っています。これについて、今の状況における大臣のお考えと、それから、やはりそういう不安解消のためにどうされるのかということも、あわせてお答えいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、このところ誤解があるように思いますのは、よく、介護保険と障害者福祉、一体で見直す、こういう表現をいたします。そうした中で、誤解があるのではないかなと私が思いますのは、障害者の福祉が介護の中に全部取り込まれてしまう、すべて介護保険制度の中で全部行われるというふうに理解をされておる、その誤解があるのではないかなと思います。一部介護保険も使っていただきますが、障害者福祉の部分は福祉としてきっちりやらせていただこうと思っておりますので、そこのところは御理解いただければというふうに思っております。 そこで、具体的ないろいろなお話が出てまいります。今御指摘のようなこともございます。障害者団体の皆さんのお話を聞いていると、今までは二十四時間、サービスを受けられたのが、介護保険では二十四時間にならないだろうとか、そういったことも含めていろいろなお話がございますので、これは今後しっかり皆さんの御意見を聞きながら詰めさせていただきたい、こう思っております。
○横路委員 それは誤解というよりも、最近の中央政府の政策、大体みんな財政カットですから、財政カットがベースにありますから。そうすると、だれだって、そういうぐあいに。 今度のような、政策的には、障害別を統合してやるとか、それはみんな賛成している方向はたくさん出ているんですよ。出ているんですが、お金の話になると、どうしても、今まで出てきている厚生労働省の政策も、ともかく中央の負担を軽減して地方の負担を重くする、できるだけ財政カットするという流れの中にこういう問題が出て議論していますから、そこを不安に思うというのは、誤解じゃなくて、それはやはり皆さん当然心配されるわけです。 形ができても、地方の自治体の負担だよと言われた場合、では自治体が負担できるのかとかいろいろな問題がございまして、これは本当にこれからの大きな、障害者福祉、精神障害者の人も含め、高齢者の人々への政策も含めて、大変基本になるところでございますから、これもばたばたとやらないで、やはりしっかり時間をかけてやるべきだと思います。 私は、冒頭ちょっとお伺いしたように、支援費制度についても、まだまだ始まったばかりで、その運用の実態は物すごい地域格差があるということですから、本当は、まずその地域格差を埋めて、しっかり対応できる、そういう基盤というのをつくってから議論したって遅くはないというように思います。中途半端なままでもってやって、一体どこに何が行っちゃったのかということになったのでは困りますので、そのことを御指摘しておきたいと思います。 時間がなくなりましたので、本当は国民年金と厚生年金の空洞化の問題を議論しようと思っていたんですが、一つ、国民年金について言いますと、国民年金というのは自営業者のための年金だ、だから国民年金の給付額というのはかなり低いですよね。これは厚生年金に比べたって半分ぐらいの話になりますよね。それは、自営業者が中心の保険制度で、自営業者は定年がなくて、ずうっと働くことができるからだということが前提になってでき上がっていた制度の根幹なんですね。 それが最近非常に変わってきた。どういうぐあいに変わってきたかというと、自営業者のウエートというのが二四、五%になって、あとは雇用者、フルタイム、あるいはフルタイムでない雇用者、アルバイト、あるいは失業者というような人たちが残りなんですね。ほぼ、だから七五%はもう自営業者じゃないわけですよ。 そうすると、今の定額の一万三千三百円、夫婦ですと二万六千六百円になりますね。そういう定額の制度でいいんだろうかと。そして、ここに、失業したり、それから正規社員からはじき飛ばされた人々が国民年金のところにたまってきているわけですね、他方で。 そうすると、今の制度そのもので空洞化というのは解消できるんだろうか。特に、免除をふやして収納率を上げるというのは、これはもう邪道ですよ。そうじゃなくて、本当に今のこの制度の中で、こういう現実、実態を見て、このままでいいんだろうか、やはり何とかしなきゃいけないということになると思うんですね。この辺はいかがですか、基本的な点ですが。
○尾辻国務大臣 年金の空洞化を招いてはいけませんので、私どももあらん限りの努力をしたいと考えております。そこで、収納率八〇%という目標を掲げまして、これに向かって年度ごとの目標の数字をきっちり定めまして努力をしていくつもりでございます。今後とも空洞化を招かないように努力をしたいと存じます。
○横路委員 いやいや、今の自営業者のウエートというのはどんどんどんどん下がっちゃって、ほとんど雇用者ですよ、あるいは失業者ですよ。そうなっている現実というのを、それで、今の制度でいいんですか、今の制度で。これは本当に大きい問題だと思います。だから、今の定額制度でやっていくというのでいいんですか、こういうことです。基本的にはいかがお考えでしょうか。
○尾辻国務大臣 委員御指摘のとおりに、国民年金第一号被保険者において、自営業者の割合が低下してきておるのに対しまして、臨時、パート労働者や無職者の割合が増加していることは、これは私どもも重要な変化だと認識しております。 そこで、大きく議論いたしますと、まさに税方式なのか保険方式かなどという議論にいくんだと思いますが、その辺はまた私どもも真摯に議論させていただきたい、こういうふうには存じております。
○横路委員 もう一つ。厚生年金の空洞化なんですが、厚生年金、例えば雇用保険との間だけでもこれは結構大きな差があるわけで、四十万ぐらいあるということですよね。それから、あといろいろな数字、国税の申告の事業所との差でいいますと、これは物すごく大きいですし、給与所得でいいますと、いろいろな適用除外を考えても、やはり人によっては三百万から九百万ぐらい、これは人数でいうと本来厚生年金に入るべき人が入っていないんじゃないかということなど、いろいろございます。 それで、厚生年金の空洞化対策、まず空洞化の実態をつかまえること、この実態把握がまずできていないと思うんですよ。そして、それに対してどうするのかということですね。これを議論しようと思ったんですが、時間がなくなりましたので、基本的なところ、どうやって厚生年金の空洞化の実態を把握するのか、そして、それを把握した上でどういう政策を展開するのかということをお答えいただいて、私の質問は終わりたいと思います。
○尾辻国務大臣 厚生年金の空洞化のお話でございます。 厚生年金の未適用事業所につきましては、定期的な法人登録簿の閲覧などによる新設法人の把握に加えまして、平成十四年度からは雇用保険とのデータの突合により未適用の疑いがある事業所を把握いたしまして、加入勧奨状の送付や社会保険労務士の巡回説明等により未適用事業所を把握してきたところでございます。こうした数字についてもできるだけ的確に公表させていただきたいと思いますが、いずれにしましても、そうした数字を把握し、さらに空洞化を招かないように私どもの努力を続けてまいりたいと存じます。
○横路委員 いずれにせよ、年金は、国民年金を含めて一元化の問題、それからこれからの年金の税負担の問題と、たくさん課題がありまして、ことしの法改正というのも決して抜本的改正ではない、たくさんの問題が残っているというのは、本会議で総理もたくさんの問題があるということを言っておられました。ですから、これをどうしていくのかということもこの委員会の大きな議論でございまして、私どもも、来月になるかと思いますが、党としての年金の法律を提出しようというように思っていますので、またそのときにいろいろと議論させていただきたいというように思っています。 以上で終わります。
○鴨下委員長 次に、五島正規君。
○五島委員 民主党の五島正規でございます。 この委員会で質問させていただく前に、今回の中越大地震において、また、十八号、二十二号、二十三号の台風によってお亡くなりになられた方に対して御冥福をお祈り申し上げるとともに、被害を受けられた方々に対して心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 尾辻大臣、今回、厚生労働大臣におなりになられたわけでございまして、私とは、かつて村山政権のときにともにいろいろと議論したことがございました。そういう意味においては、小泉総理もかつて厚生労働大臣をされ、尾辻さんもこの間自民党の中において、この社会保障あるいは医療制度問題について、役職についてやってこられた方でございます。こういう方々が今回内閣に入られて、この国会冒頭において総理は、その所信表明の中で、郵政の民営化問題と並んで、混合診療ということを挙げて、これが何か非常に基本政策であるかのようにお話しになりました。また、尾辻大臣も、大臣に任命されると、この混合診療の解禁という形についての御発言をなさっています。 混合診療というのは、言葉だけがひとり歩きして、中身は一体何なのか。医師会はいち早く混合診療反対の国民署名運動ということでやっているようでございますが、混合診療ということについて、文字どおり自費医療と保険医療との混合ということでございます。しかし、自費医療とそれから保険医療との混合といっても、既に特定療養費とか、そういうふうなさまざまな制度の中で、皆保険制度と整合性を持たせた形でのシステムはでき上がっています。今、混合診療解禁とおっしゃっている以上は、新たな分野をそのような形でやっていきたいという内容だろうと思っております。 そこで、今小泉さんがおっしゃっている混合診療あるいは尾辻大臣がおっしゃっている混合診療というものは、具体的に、その内容においてどの部分を自費診療として認め、それと保険診療との混合を認めたいとおっしゃっているのか、その点についてお伺いしたいと思うんですね。 まず、大臣にお伺いするとともに、きょうは内閣府の方からもおいでになっていただいておりますので、このそもそもの出発である規制改革・民間開放の委員会の方は、一体それはどこを指しているのか、御両者にお答えいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、混合診療の定義についてでございますが、型どおりお答えいたしますと、一連の診療につきまして、保険診療と保険外診療、よく自由診療と言っておりますけれども、この併用を認めることと理解をしております。
○河野政府参考人 お答えいたします。 混合診療の定義についてお尋ねでございますけれども、尾辻大臣からもお話ございましたように、一連の診療行為において保険診療と保険外診療を併用することが混合診療であるというふうに存じております。
○五島委員 そんなことは私が言ったことであって、わかった上で具体的に何を指しているのかと聞いているわけです。 例えば、新たな医療技術や検査方法、そうしたものが医学的、学問的に必要であったとしても、医療保険制度という建前からいうと、この技術の適用に一定の普遍性がないと保険制度になかなかのせられない、高度医療などというものはそういう内容です。そういうふうな場合には特定療養費としてこれまでも処理してきた。もしその処理がおくれているとするならば、厚生労働省のこれまでの行政のおくれ。 薬についても同じことでございます。例えば、さまざまな新薬の認可、あるいは適用範囲の拡充、拡大、そうしたものをメーカーから申請がないからといって検討してこなかった。先ほど公明党の議員さんの方からフルナリジンについての御指摘がございました。まさにそうした一定の専門医による治験の成果が現在の中央薬事審議会において検討ができず、メーカーから申請がないからといって検討しないという状況にあるとするならば、そうした薬に対する検討のシステムが問題。まさにそういう薬については特定療養費として使用を大幅に認めていくべき内容。これは、私は、保健医療制度との整合性において何ら問題ない。 重粒子線治療というものも最近では言われてきています。全国で一カ所か二カ所しか設置できないこうしたものを保険診療の中に直ちに取り込むことができないから特定療養費にする。あるいは、遺伝子治療についてもそうです。しかし、それが全国的にこの提供に普遍性が持てるようになれば保険診療の中に取り込んでいく、これまでも厚労省もおっしゃってきたじゃないですか。 とすると、この部分は、小泉さんや尾辻さんがおっしゃっている特定療養費の範囲、議論の対象にならないと。では、そうした分野以外何なのか。あえて薬の問題をもう一度言うならば、現在の新薬の認定、適用範囲の拡大認可というものが大変おくれており、そして、その審査についてさまざまな利権やそういうものがあって進めないというのであれば、例えば諸外国で、とりわけアメリカのFDAなんかで認可されている薬については、医師の責任においてそれを特定療養費として自費で使わせていくというふうなこと。すなわち、これまでの厚生労働省のやってきたことの誤りや国民に対する利便性の提供のおくれということを指しているのであれば、厚労省は混合診療なんという問題ではなく、そこに改善をすべきだろうと思うわけです。 もう一つの課題は、私は実は説明を受けて唖然としたんですが、さっき河野室長は言いませんでした。私は一体何を指しているのだと聞いたら、乳がんの術後の乳房の形成術、こうしたものが対象になりますと盛んに強調された。ちょっと待ってくれと。確かに乳がんの術後乳房の形成術をする場合に、美容整形として乳房の形成術をする場合は、これは保険外診療です。しかし、美容整形として乳房の形成術をする場合は、例えば食塩水パックなんかを使ってやるわけですけれども、通常は創面が治癒して数カ月後にやるものであって、明らかに区別がされる。一方、術中に、乳がんの手術と同時に患者さんの苦痛、時間の軽減のためにやられる乳房の形成術は、例えば腹部の皮膚や脂肪を使って、いわゆる筋皮弁術というんですか、のような形でやられるものであって、これは現在でも診療報酬上きちっと措置されている。何も知りもせずに、でたらめな、その場しのぎのことを言っているんだというのが私のこの問題に対する大変な怒りです。 だれが考えたってこの混合診療というのは、現在保険診療に適用されている例えばがんの手術ならがんの手術、その部分だけを切り離して、保険診療を適用させず、その部分だけを自費診療で請求することを認めるか認めないか、あるいは、保険診療で例えば十万円と決められている一定の医療技術に対して、それを、私のところは三十万取るから、二十万円を差額医療として請求しますよ、そういう内容として、ほとんどの開業医にしても、患者さんにしても、この混合医療というのをそのようにとらえている。 この後者の二つの点については、あなた方は、含んで考えているけれどもあえて言わないのか、それとも、そうした現在診療報酬に包括されているものを一部自費に変えていく、そのほかは全部保険診療でやっていくというふうなこと、それを認めてくれと言っているのか、あるいは、保険診療で評価されているものについて差額で自由に上乗せの自己負担を請求することを認めようと言っているのか、それとも、そういうことは言っていないのか、この点について尾辻大臣と河野室長、もう一回答えてください。
○尾辻国務大臣 確かに記者会見で、混合医療をもう少し前向きに進められるかどうか検討してみろということを指示したということは申しました。ただ、そのときに私がつけ加えて申しましたことは、あくまでも私の考え方として、それは一定のルールがあっての上だぞ、無条件に混合診療解禁という意味で言っているわけではない、こういうふうにつけ加えております。そして、そのときに記者の皆さんの中から、特定療養費制度の枠の中で考えることかという御質問もありましたから、率直に言って、今私が考えておるのはそういうことだ、そういう範囲の中でのことを考えておると。ただ、今後の検討だとは言いましたけれども。というふうに申したところでございまして、したがいまして、ただいま先生のお話の御認識とそう大きく変わったところで私は物を申したつもりはないことだけを申し上げたいと存じます。
○河野政府参考人 お答えします。 保険に含まれているものを自費に変えるようなこと、あるいは保険で決められているものに上乗せして負担を取る、こういうことを考えているのかということでございますけれども、規制改革民間開放推進会議におきましては、保険診療と保険で認められていない保険外診療の併用を認めることについて議論し、提言をいたしておりますけれども、御質問いただきましたようなことについては想定し、あるいは議論をいたしておりません。
○五島委員 今の大臣の御答弁と河野室長の答弁を聞くと、なぜ総理が所信表明で混合診療はあたかも小泉内閣の主要政策であるかのような話をされたのか、私には理解できない。実際上、中身はないじゃないですか。 保険診療で認められていない部分というのはそれぞれあります。例えば予防給付の部分、あるいは出産の部分、あるいは美容整形などに属する部分、そういうふうな部分はございます。そうしたものを保険診療と一体にするかどうかという問題は、その問題として考えればいい。むしろ、治療そのものに関する問題についていえば、やはり現在非常におくれております特定療養費の拡充、とりわけそれを抗がん剤などの薬に対しても広げていく、あるいはメーカーが申請しないと認可をしないというばかげたことをやめて、やはり医学的に国際的に一定の効果が認められるものについては、医師の責任においてそれは処理していく。それは一たん特定療養費として認めていき、症例を集めて、保険の枠の中に入れていく。極めて常識的なことをやればいいわけです。その常識的なことができていないということを、ぜひ厚生労働省は反省していただきたい。 そういう基本的なところでは、非常に今の尾辻さんの話なんかも常識的なんですよ。そうすると、医師会と小泉さんの言っているこれとの対立点というのは何を騒いでいるんだろうか。私にはわからない。私は、人をうがって見るのが嫌いなので、ふだんは余り見ないんですけれども、例の日歯事件の問題を見たときに、私はああと思ったんですね。 きょうおいでの委員の皆さん、あの時代におられたときに、あのときは、ちょうど歯科医療の中における自費医療というものが非常に減って、九十数%が保険診療になりました。そして、調剤薬局よりも歯科医療は低いという状況になってきて、このままでは歯科医療は何ともならないよね、だから何とかしないといけないねというのが、恐らく委員会のほとんどの人が思っていた内容。あるいは、別に委員会の審議の内容ではなかったけれども、そういう話をお互いに盛んにした覚えがあります。 そこに、なぜ日歯がそのことを理由にして金を出したのか。非常に不得意なうがち方をすれば、新しい執行部が、間違いなく取れる部分を材料に、歯科医師会の中で歯科医師の先生方から信頼を獲得するための工作に使ったのかなと思っています。 僕は、今回のこの混合診療というのも、小泉さんと腹を合わせているとも思わないんだけれども、ひょっとしたら、中身から見たら、医師会としても、医師会が反対した成果が上がったといって、開業医の先生方にもう一度信頼が集められる、そういう内容なのかもわからない。何かそういうばかげた政治取引、それも大した実体のない政治的な取引のために、これは小泉さんが冒頭しゃべられたのかなというふうにすら思っている、思わざるを得ない。一体なぜこれが小泉内閣の主要な課題なのか、私はわからない。私はわからないので。 それで、大臣も先ほどおっしゃったような範囲の内容だというと、これ以上聞いて、どうなんだと言ってもお答えはないんでしょうけれども、こうした空虚な言葉だけ、中身がきちっと定義されていない、そして、それが具体的にどういうことを意味しているかということが国民にもわからない、そういうふうな用語の使い方はやめてほしい。小泉さんは何が何でも言葉だけで混合医療という言葉を使いたいのかもわからないけれども、特定療養費のことを混合医療というんだというふうにきちっと定義してくれるのならそれでも結構。その辺のところをやはりぜひお願いをしておきたいと思います。 この問題で十分も十五分も時間をとってしまったんですが、次の問題として、先ほどから与党の議員も、今横路議員も御指摘になった三位一体改革の問題ですが、生活保護の問題を中心に指摘をされておられました。私は、今回、地方六団体の出された意見に対して、厚生労働省が対案を出された。対案なら対案らしいものを出してほしかったんですね。 その中に、国民健康保険の公費の負担を地方につけ回すという話が出てきています。これも非常におかしい話なんです。というのは、この三位一体問題というのは予算編成上の問題ですね。ところが、国民健康保険をどうするかということは、国民健康保険法の問題です。 これまで坂口前大臣のもとにおいて、市町村国保の県レベルにおける一元化の話も出されてまいりました。そして、医療保険制度全般の改革を、少なくても再来年度にはしないといけないという話が出てまいりました。私もそのように思います。 例えば、私はあのとき坂口前大臣と意見が違ったのは、県のもとで新たな保険者をつくろうというお話に対して、それで保険料は集まりますか、現在の市町村を軸にした市町村国保で、国保連合会に県も入ってもらって、そこで、財源も一元化できる、あるいは制度の一元化に向けての協議ができるようにして、県にも入ってもらったらどうなんでしょうかということを申し上げた覚えがあります。これはどういうふうになるか、政府の方も、現在、用意はされるんでしょう。 とすると、この国保を市町村に負担をつけ回すという話。例えば、県も加入するとすれば、私は、当然、県にも保険料の面においても負担してもらうのは当たり前だろうと思っています。それが国からなり市町村からなりどれだけ持ってもらうかという議論は、当然これからあると思います。その辺の議論をする中で、結果として、厚生省が言われたような内容になるというお話であれば、私は、この部分について言えば、必ずしも理解できないというわけではありません。 しかし、三位一体という来年度の予算措置の中でこんなものがぼんと出てきたら、極端なことを言えば、これが通ってしまう。通るはずがないから出したとおっしゃるのかもわからないけれども、もし通ってしまえば、来年度の予算ですから、現状においては、市町村に対して、県じゃなくて市町村に対して負担増を求める、そして、そのための法案を、来年の通常国会冒頭、予算関連法案として強引に通すということができないとできないわけです。 医療保険制度の問題をそんな乱暴なことでできると思っておられるのですか。あの年金問題であれだけ乱暴なことをやられたんだから、もう一回やれると思っているのかもわからないけれども、なぜそういうふうな乱暴な提案をされたのか、お伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 冒頭お触れいただきましたように、かつて自社さと言ったころに、与党協と呼ばれたチームの中で一緒に議論させていただきました。そのころから既に、この国民健康保険をどうするんだというのは大きな私どもの課題でございました。ですから、大きな流れの中で、今、私どもはこの問題も提案をさせていただいているんだということは御理解をいただきたいと思います。 そこで、今、私どもが提案させていただいておりますのは、国保は、二分の一、二分の一になっていますから、国が二分の一持っています。先生に申し上げると釈迦に説法みたいになりますが、国の二分の一、五〇%の方を、一〇%と四〇%に分けて、四〇%が定率の調整の部分でありまして、あと一〇%、各市町村のいろいろな事情に応じて調整する部分もございます。 あの部分を、あの部分中心なんですが、まだ私ども、きっちり答えを出したわけじゃないんです。この四〇、一〇という割合もどうかなというのを今議論しておりますけれども、基本的に、あの一〇%の部分を国から都道府県に少しお渡しして、この交付金部分をお渡しして、都道府県の方で市町村の調整をしていただければどうだろうかというようなことを御提案するつもりでございまして、またこのことについてのいろいろ御議論をいただければと存じます。
○五島委員 そうおっしゃると、どうも厚生労働省が対案としてあれを出したのは、中身は余り煮詰まっていないままの勇み足であったというふうに大臣がおっしゃっているようにしか聞けないわけでございますね。 私は、その一〇%の調整の部分、一〇%であるかどうかというのは、果たしてどうなのか。基本的に、やはり都道府県間の格差を是正するのは国の責任でしょうし、それから、一つの県の中におけるさまざまな格差を是正する仕事は県だろうと。現在もその一〇%のところには県も実は金を出しているわけでして、そういう意味では、そういう調整はあり得るし、もっと積極的に県が財政も含めてかかわってもらわないといけないと私は思っています。 だから、そういう議論をするということで、その結果としての話はわかる、私個人はわかる。しかし、そういう議論も抜きにして、三位一体が出た、さあ大変、地方六団体も、実際上ちょっと無理な提案もあるわけですが、出てきた。省益が削られる、何か対案出さないかぬという形であのような提案をされたことになるわけですが、これはやはり基本的には、来年とか再来年ではなくて、医療保険制度そのものを変えていく中において検討する中において、間違いなく、市町村国保をどうするかというのは、議論としては老人医療と並んで大きな大きな課題になるはずです。 また、先ほど御指摘がありました、混合診療としてそれに含まれておる内容についても、例えば検診なんかの問題について、国が制度上でとやかく決めるよりも、やはり健康と医療費との相関の中で、各保険者がそれぞれの判断において検診をやるのかやらないのかというふうなことを決めることによって保険者機能を強化しないといけないんです。これは私の意見です。 そういうふうなことを議論した上においての話であるというふうに理解していいかどうか、その点を再度お伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 まさしく今お話しいただいたように私どもも考えております。
○五島委員 わかりました。尾辻大臣はそうお考えになっているということで、厚生労働省の皆さんも勇み足をなさらないように、私からも老婆心ながら申し上げておきまして、私、次は午後の三十分の質疑時間をちょうだいしておりますから、午前中はこれで終わらせていただきます。
○鴨下委員長 午後一時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時十七分開議
○鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五島正規君。
○五島委員 午前中に引き続きまして、質問させていただきます。 今般、中越地震があったわけでございまして、現在もまだ被害が続いているという状況でございます。新聞報道などを見ますと、ようやく道路その他も車が通れるようになったというふうな話もあるわけですが、被災地域の医療の体制はどうなっているのか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 お答え申し上げます。 被災地の医療体制についてのお尋ねでございます。 新潟県中越地震での新潟県内百三十九カ所の全病院の人的被害及び物的被害を県を通じて確認をいたしましたところ、被害の大きかった小千谷市及び十日町市の三病院を除き、若干の人的被害及び物的被害の発生はあるものの、被災者に対する適切な医療の提供が行われているところでございます。
○五島委員 前回、阪神大震災があったわけですが、あの阪神大震災のときに、基幹病院を中心として神戸大学あたりまで、例えば透析の医療機器が使えないとか、そういうふうな問題が起こりました。また、医療を進めていく上においてどうしても欠かせない大事なのが、電気あるいは水道といった、そういうライフラインの回復であります。 現在、被災地域の医療機関に対するライフラインの回復状況はどうなのか、また、生命にかかわるような医療機器が今回の地震によって使えなくなるというふうなことはあったのかなかったのか、そのあたりはどうなんでしょうか。 〔委員長退席、北川委員長代理着席〕
○尾辻国務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします前に、一点だけ触れさせていただきたいと思います。 先ほど、国民健康保険における都道府県負担の導入につきまして、医療保険制度改革に引き続いてやるべきだというお話がございました。誤解があるといけないと思いまして、あえて申し上げておきたいと思います。 医療保険制度改革につきましては、現在、まさに二巡目の議論を始めているところでございます。その中で、第一のテーマとして、医療保険における都道府県の役割の強化、具体的には財政調整機能の付与といった議論を行っているところでございます。国民健康保険における財政調整機能の付与等に伴う都道府県負担の導入につきましては、すべての都道府県に対し、税源移譲のような確実な財政措置が図られる今回の三位一体改革とあわせて御議論いただくことが適切であると考えております。具体的な内容につきましては、もう間もなく御提示できるものと考えております。 以上、改めて申し上げておきます。 そこで、ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。 厚生労働省では、地震発生の翌日でございます十月二十四日に、新潟県を含め近隣四県及び日本透析医会に対して、適切な対応を講ずるよう要請を行ったほか、継続的に情報収集を行うとともに、関係機関への情報提供等を行ってきたところでございます。 この人工透析のことは、前回、前回といいますか、あの阪神大震災のときの反省がございますので、私どもも対応を慎重に行ったところでございます。被災を受けた医療機関で受療をしていた人工透析患者につきましては、新潟県及び日本透析医会等の迅速な対応によりまして、近隣の透析医療機関等の協力のもと、受け入れ及び搬送体制を確保するなど、受療確保等は適切に行われており、大きな支障は生じていないと聞いております。また、その他につきましても、格別の問題は生じていない、こういうふうに聞いております。
○五島委員 それでは、現在既にそうした基幹的な医療機関に対するライフラインの回復はもう完了しているというふうに考えていいんでしょうか。
○尾辻国務大臣 特に医療機関の場合は、先ほどの人工透析のことでいいますと、水のことが心配でございます。それからまた、特に電力供給、これは一番気をつけなければならないことでございます。 そこで、先ほどから申し上げておりますけれども、小千谷市の小千谷総合病院並びに十日町市の中条病院及び中条第二病院を除き、現状の医療ニーズに対応できる程度の電力は供給されているというふうに聞いております。
○五島委員 私は、今回医療の体制については現在問題なく進んでいるということでございますので安心いたしましたが、しかし、避難をしておられる方々、あるいは現在も続いているそういう余震との関係の中で、現在もなおショック死をされたりなさっている患者さんがふえていっている。あるいは、これから寒冷期に向かい、避難をしている人々の中における疾病の発生の心配もございます。 そうした方々に対する医療について格段の配慮をお願いしたいと思いますが、今回の場合も阪神大震災のときと同じように、被害を受けられた方々が、医療機関を訪れる場合に、保険証その他を当然お持ちになれないケースがあり得るわけですが、そうした方々に対する措置はもうお済みでしょうか。
○水田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、患者さんが受診される際に、保険証を持たなくてもいいということにつきましては、阪神・淡路のときにやったわけでありますけれども、それと同様の措置をとる。したがいまして、氏名、生年月日、住所、連絡先等を申告していただければ受診ができるという措置をとりたいと思っております。 それから、国保並びに老人保健につきましては、条例によりまして、一部負担につきまして減免措置がとれるということがございます。それから、国保につきましては、保険料についても減免措置がとれるということがございますので、その点について周知をしようというふうに考えております。
○五島委員 阪神大震災のときもそうだったわけですが、これから、被災を受けられた方々が新潟市とか被災地域から離れて受診をされていく場合があります。そういうふうな方々に対しても、そうした、なくなった保険証なしに受診できるような対応をぜひお願いしたい。 それからもう一つ、いわゆる高齢者を中心とした福祉施設、ここにおける被害状況はどうなんでしょうか。全員の方が従来のまま、そこでお年寄りが生活していけるのかどうか、お伺いします。
○中村政府参考人 特別養護老人ホームや老人保健施設など高齢者の施設でございますが、被害の状況は、私ども受けております報告では六十を超えるということで、施設にはかなりの被害が出ているようでございます。ただ、入所されている高齢者の方、若干の、数名のけがをされたという報告は受けておりますが、幸いなことに、高齢者施設において入所者の方の重大な被害はないようでございます。 今私どもが聞いておりますのは、むしろ、デイサービスセンターとかグループホームあるいは高齢者施設、入所されている方以外に緊急にそういった施設で避難をされたいというふうなお話があったりいたします。そういったことに対して柔軟に対応できるように、例えば通常の場合ですと、定員以上にお預かりした場合には介護報酬の減額とかそういう問題があります。しかし、緊急時のことですから、そういったことについてはよくよく現地の状況を踏まえて対応できるように、何よりも被災者の方々の救援第一に考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○五島委員 あわせて、現在、テレビで見ましても、ビニールハウスの中で避難生活をしておられたり、公共施設の中で非常にたくさんの方が避難しておられます。早急にやはり仮設住宅等の建設が必要になるかと思うわけですが、厚生労働省としては、この仮設住宅の問題、どのようにお考えでしょうか。 〔北川委員長代理退席、委員長着席〕
○尾辻国務大臣 お話しのように、現地の状況を考えますと、緊急に応急仮設住宅の確保が不可欠となっております。新潟県では、既に長岡市内に二カ所、四百戸でございますが、仮設住宅の建設を決定いたしまして、昨日より作業に入っておると聞いております。きょう着工予定でございますので、既に着工いたしておると存じます。 今後、さらに、被災状況や被災者の方々の要望を踏まえながら、新潟県と相談しつつ、仮設住宅の建設のほか公営住宅の活用や民間住宅の借り上げなどさまざまな手段を講じることにより、必要な住宅の確保を進めてまいりたいと考えております。
○五島委員 これから寒冷期に進みます。仮設住宅の必要な確保、建設、そして何よりも当面急いでいただきたいのは、やはり仮設トイレ、この問題は非常に深刻でございます。こうしたものについて一日も早く処理をしていただきたい。 また、阪神大震災のときに、当時の村山政権のもとで与党協でも議論させていただきましたが、ちょうど一月で寒いときでございまして、仮設住宅には暖房用の施設はつけられないというのに対して、そんなばかなことがあるかということで、暖房施設を、今隣におられる衛藤副大臣と一緒になって頑張った覚えがございます。 今回も、これから冬に向かってまいります。今の仮設住宅は、鉄板でございますから、そのままでは寒いところでとても居住に耐えられるものではないということも踏まえて、一日も早くそうした問題について、これは厚生労働省の管轄の分野でございますので、そのことについて、ぜひお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○尾辻国務大臣 今回の被災地といいますと、寒さが厳しいところでございます。また、大変雪深い地域でもございます。そうしたことを考えますときに、このたび設置をいたします仮設住宅は、二重窓の設置、断熱材の使用、防湿、凍結対策など寒冷地仕様をする、こういうふうに聞いております。
○五島委員 ぜひ被災者の方々に対する対策を急いでいただきたい。また、既に一部やっておられますが、余震でのショック死等の状態を見ますと、やっぱりカウンセラーが大量に必要なんだというふうにも思います。ひとつ、その種のことも含めてお願いをしておきたいと思います。 次に、いま一つ、介護保険制度についてお伺いをしていきたいと思っています。 来年は介護保険制度の全般的見直しをするということで、用意をされているというふうに聞いています。そして、その中で、既に我々が聞いているところによりますと、障害者福祉については障害者福祉として一定の体系の見直しと整備をしながら、それと介護保険と重なるところは介護保険と重ねていくというお話でございました。この介護保険と障害者福祉とを重ねるということを考えますと、介護保険を二十歳まで引き下げるのかという話になりますし、それは厚労省としてはそのようにおっしゃっていたわけですが、それが現在どうなっているのか。もし仮に二十歳まで引き下げられないとすると、この介護保険との重なりというのは若い方々についてはないわけでございまして、そこのところをどういうふうに整理するのか。その点について、一点お伺いします。
○中村政府参考人 先生の方から介護保険の検討状況のお話でございますので、まず私の方から検討状況の問題、特に、今お話のありました介護保険の問題設定といたしましては、現在四十歳以上で介護保険制度を支えている被保険者の範囲をどうすべきか、また、原則六十五歳以上の方、また四十から六十四歳までの間の方には加齢の原因に伴う十五の疾病に起因する要介護状態に対して給付がなされておりますが、そういった受給者の対象年齢をどうするかということの問題でございます。 この問題につきましては、平成九年十二月に介護保険法が成立したわけでございますが、その介護保険法制定の当初から課題となっており、介護保険法の附則の第二条でも、被保険者、受給者の範囲はどうあるべきか、法施行後五年の見直しの際に検討すべき課題として規定されているところでございます。 介護保険制度といたしましては、その支え手である被保険者の範囲を拡大していくのかどうか。受給者につきましては、六十五歳以上の要介護であれば原因のいかんを問わず介護保険の給付になっておりますが、四十歳以上につきましては、四十から六十四については要介護となった原因が限定されておりますので、その問題をどういうふうに扱うのかということでございます。 また、障害者行政の立場で見ますと、現在、六十五歳以上の障害者の方で要介護状態の方は介護保険で給付の対象になっておりまして、その部分は障害者制度の方で整理しておりまして、介護保険にゆだね、障害者制度としては、介護保険にないサービス、横出しですとか、介護保険で十分でない部分、上乗せはできるというふうに整理されているわけでございます。六十五歳以上については介護保険制度が一般的な制度でございまして、障害者制度は、保険が優先し、公費で補完するという位置づけになっております。 したがいまして、今先生から御指摘ございましたように、介護保険の被保険者、受給者の範囲を動かすことについて、年齢を下げてまいりますと、障害者行政の立場からいえば、例えば二十代の若年の障害者が、そういう整理を行うとすると、介護保険の制度が適用され、障害者の制度については横出し、上乗せで補完する制度になるわけですが、そういったことをしていくかどうかが課題になっております。 検討状況の御報告という意味では、社会保障審議会介護保険部会で昨年五月から介護保険制度の見直しについて審議をしていただいておりまして、この七月三十日に意見書を取りまとめていただきましたけれども、ここの部分、被保険者、受給者の範囲については、積極的な意見、慎重な意見、両論ございまして、引き続き審議をしようということで、九月二十一日から審議を再開しております。 今月中にももう一日審議を行い、十一月にも審議を予定しておりますので、さらに議論を深めていただきたいと考えておりますし、私どもも判断材料が、これまでの厚生労働省から提出したものでは十分ではないと言われておりますので、例えば保険料が今後どういうふうな推移になるか、支え手を拡大した場合、いろんなケースがあると考えられますが、そういったケースについて保険料がどういうふうになるかということについて検討してまいりたいと思います。 また、先生の方から御指摘がありましたように、障害者行政の方でも障害者部会でこれからの障害者のあり方について検討していただいておりますので、そういった両方の流れが来月中にも集約でき、国民的なある意味でコンセンサスが得られればありがたいと思っておりまして、審議会の方にはそういった観点から審議の促進をお願いしているところでございます。
○五島委員 ほかの委員からもようわからぬという声が出ておりますが、聞いていて、よくわかりません。 要するに、障害者福祉についても議論し、まとめていっている。介護保険についてもまとめていっている。重なる部分が出てくるのか、出てこないのかというのは、基本的にはやっぱり介護保険が何歳から加入になるかという問題にかかわってきているわけですが、そこのところは中村局長としては物が言えずに、今のような御返事になっているんだというふうに思います。その点について、大臣はどのようにお考えなのかをお伺いしたいと思っております。 それからもう一つ、今の話と非常に関係するわけですが、二十歳まで介護保険の加入者を引き下げた場合、二十歳以上の障害者については介護保険に相当する部分は介護保険の適用ができるよというお話なんですが、障害者というのは障害児もあるわけですね。二十歳未満の子供は保険料を払うていないから介護保険の適用を受けられないという整理の仕方をあえてされる理由は何なのか。 この二点はどうも政治家の判断が必要だと思いますので、大臣、お伺いします。
○尾辻国務大臣 まず、局長からお答えいたしましたように、今、このことにつきましては、社会保障審議会介護保険部会において精力的な議論をお願いしておるところでございます。したがいまして、私どもとしては、この議論がどういうふうになるのか、まずはこれを見たいと考えておるということでございます。 そしてまた、この部会に、私どもの議論していただくためのいろんな数字はお出しをしようと思っております。具体的に言いますと、今お話しのように、二十まで下げたらどうなるのか、あるいはこれを三十まで下げたらどういう数字になりそうだとか、そうしたものを全部お出しして御議論いただいて、結論をまず出していただこう、その結論を見た上で、私どもの答えをまた改めて出そう、こういうふうに考えております。 そこで、その議論の行方、また、幾つから、このままで四十からスタートするのか、あるいは三十に落とすのか、二十に落とすのかとか、いろんな御議論があって答えが出てくるだろうと思いますし、また、その答え次第というところもありますけれども、もう一つ御議論いただかなきゃならないと思っていますことは、今まさに御指摘いただきましたように、では、これも例えばの話で、二十まで年齢を下げたときに、その二十から上の人しか福祉の方の介護保険との絡みを考えないのか、あるいは、もう思い切ってゼロ歳児まで下げて、保険の対象者は例えば二十だとか三十だとかいろいろあるかもしれないけれども、介護保険でやらせていただくという年齢はゼロ歳児まで下げて考えるのか、こうしたところまで御議論いただきたいと思っております。 そしてまた、申し上げたように、その御議論の結果で私どもの結論を出したい、こういうふうに思っているところでございます。
○五島委員 八月中にこの審議会の結論が出るだろうと言われていたのが十二月の上旬に延びて、どうも現状ではまだ十二月の上旬でも出ないかもしれない、これで本当に介護保険制度の改革、きちっとできるのかなという心配を持っているわけです。 いま一つ。今中村局長の方は、いわゆる加齢に伴う十五疾病についての医療保険と介護保険の併用問題をお話しになったわけですが、年齢を下げていきますと、加齢に伴うというこの要件を外さざるを得ないんだろう。そうした場合に、在宅で要介護であり医療が必要な人の場合は、介護認定をした上で介護保険の適用になる。たとえその疾病ががんであれ何であれ、なるということで理解はできるわけですが、医療機関の中に入っている患者さんをどうするのか。特に、現在、介護療養型と、これは介護保険からいっておりますが、医療療養型という慢性疾患の問題がございます。この辺はどうするのかというのが一つ出てくるんだろう。 それからもう一つ、非常に大きな問題は精神医療の問題だと思うんです。 前坂口大臣は、七万二千床の社会的入院が精神病棟にあるとおっしゃった。数字まで出たわけです。社会的入院という以上は、医療が必要であって入院しているわけではなくて、さまざまな要因はあるにしても、社会的に在宅に戻れない、そういう患者さんがおられるという話だと思います。そして、もちろん今、精神疾患も障害福祉法の中で他の障害者と一つのものとして位置づけられています。 そうしますと、精神病院に入院しているこの七万二千床の社会的入院と言われている方々、この方々は、理屈の上からいって、介護保険が二十歳までいけば対象にせざるを得ないんだろう。どういう制度にするのかまだ聞いていませんからわかりませんが、全く無関係というわけにはいかないんだろう。在宅の場合ならまだわかりやすいけれども、精神科の中に、現在、介護療養型病床があるわけでもありませんし、一体、そこの医療保険との間の重なり合いはどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○中村政府参考人 先生からお話のございました問題、突き詰めて申しますと、精神医療も医療保険の対象になっておりますので、まさに医療保険と介護保険の関係をどうするか、こういうことだと思います。 七月三十日に、介護保険部会の方で今回の介護保険の見直しについて意見書を取りまとめていただきましたが、その中の重要な項目の一つとして、医療と介護の関係の再整理の問題がございます。 介護保険、福祉と医療サービスを統合するということで二〇〇〇年四月にスタートいたしましたけれども、四年間、これまでやってきまして、非常に高齢者の方で重度化している方もおられる。そういった場合に、一人の人間の中に医療ニーズと介護ニーズがある。制度の方は二つに分かれておりますので、介護保険で分担する部分と医療保険で分担する部分、今先生からお話がございましたように、在宅の場合には非常に、ある意味でわかりやすくできておりますが、施設の場合でわかりにくい面もある。施設の中でも、例えば特別養護老人ホームで、四割の方が特別養護老人ホームのベッドの上でお亡くなりになりますが、そのターミナルのところの医療サービスについて十分かという問題はございます。 それから、先生から御指摘がございました介護保険の中の病院、介護療養型医療施設と、医療保険の中の介護療養型の病院との関係はどうなるのか、その辺は再整理が必要だと思っておりますので、私ども、これは重要なテーマであります。在宅でも、グループホームの中で亡くなられる痴呆性高齢者に対してターミナルをしたいという御要望も非常に強く、そういった場合に、訪問看護のサービスはどうなのか。訪問看護のサービスも、定型的な介護保険のサービスと、緊急時あるいは非常に集中的に投入する場合の医療保険の訪問看護もございますので、要すれば、そこのことをすべて再整理させていただきたいというふうに考えております。 もちろん、このことについては、医療関係者、介護関係者とよく相談の上やってまいりたいと思います。その上で、応用問題として精神医療の問題があり、障害行政の方でも、知的障害、精神障害、身体障害、あわせて統合的なサービス体系をつくっていきたい、こういう方向でございますので、先ほど先生からお話のあった、今、精神病院に入院されており、社会的入院と申しますか、在宅復帰が可能な七万人程度の方の扱いは、そういう中で福祉サービスと精神医療との役割分担が出てくるものと考えております。 精神医療と精神福祉の間の役割分担と、今度は介護保険の中で、介護保険で一般的なサービスは介護保険が優先するとなりますと、仮定に仮定の話をして今御説明をしているわけです、年齢を引き下げた場合という仮定の話を申し上げているわけですが、精神保健福祉の部分の中で、介護保険を適用する部分については介護保険でお引き受けしていく、こういう整理になるんだというふうに考えております。 いずれにしても、現在六十五歳以上で精神障害をお持ちで要介護状態にある方は、介護保険制度のサービスの対象になっております。ただ、十分それが自覚的に行われているかどうかという問題もございますし、精神医療の分野では、社会復帰サービスなり、いわゆる在宅サービスがまだまだ未発達でございますので、まずは精神医療、精神保健福祉の分野でそういったサービスを確立していただいて、その中で、介護保険の使える部分については活用していただくというのが道筋ではないかと考えております。
○五島委員 時間がなくなったわけですが、この問題は、例えば、保険収入と給付との関係を財政的に論じるだけではだめなんだろうと思っています。障害者福祉全体、また医療の中においても、精神科医療をどうするのかという大きな課題であったわけでございます。そうしたものを、これを機に、どういうふうに医療と介護とを切り分けて対応していくのか。 簡単に言えば、それは、三千数百億の社会的入院の患者さんの費用を介護保険に単に移したというだけでは何にもならないわけで、そういう意味では、精神病院におられる患者さんが、療養というニーズがなくなった場合に在宅でどのように暮らしていけるのか、あるいは、在宅は難しいとすれば、どのような社会福祉施設の中で過ごしていけるのか。そういうことも含めてやはりきちっとした絵をかいて、その上で、介護保険を、現在の四十歳のままでいって別の方式でいくのか、それとも、二十歳まで下げて、それを保険制度という共通の土台を持ちながら運営していくのか、その議論だろうと思っています。 そういう意味では、これについて、早いこと厚生労働省としても我々の方に、どういうふうな案をお持ちになっているのか試案を示していただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○鴨下委員長 次に、中根康浩君。
○中根委員 民主党の中根康浩でございます。 ただいまは、大変説得力のある、深みのある議論を我が党の五島先生と、それから、新幹線の中で「WEDGE」という雑誌があって、その中に、中村老健局長は切れ者であるということで評価されておりましたけれども、そのやりとりを、まさにだいご味のあるものとして拝聴させていただいておりました。 私の質問は、かねてから、与党の皆さん方に言わせると枝葉末節だというようなことになってしまって、まことに申しわけないんですけれども、こういった枝葉末節のことでも、きちんと私のような一期生に時間を与えていただいて質問の機会を与えていただく、そのことに、まさに国民感覚に根差した民主党のあり方が象徴されているということで、そういった責任ある立場で質問を展開してまいりたいと思っています。 まず初めになんですけれども、中医協、これは事件と全く関係ないことを一つ、冒頭、お尋ねをしておきたいと思います。 私どもの同僚が大変心配をしておりました。今、中医協の委員二十名のうちの、例の事件関係で二名の欠員が出ていらっしゃる、歯医者さんの関係だと思うんですけれども。そのことによって、まじめに働いておられる歯医者さんの方々が大変心配をしておられるということを伺っております。支払い側にも欠員はあるんですけれども、この二名の診療側の欠員について、早急に補充をしていくべきだという声もあるようでございますけれども、そのあたりについて御見解を伺いたいと思います。
○西副大臣 お答えを申し上げます。 中医協をめぐる贈収賄容疑事件を受けた中医協のあり方の見直しにつきましては、委員のあり方等を含めて、今、中医協において精力的に議論をしていただいているところでございます。ちょうど、本日午前中に中医協の全員懇談会が行われまして、その懇談会の折に、このあり方の見直しについて、速やかに取り組むべき改革案の取りまとめが行われたというところでございます。 中医協の中の支払い側の委員、それから診療側の委員、それぞれ各関係団体の推薦によって厚生労働大臣が任命するということになっているわけですが、今後、診療報酬のあり方についての本格的な審議を早急に再開させるということも大変大事なことでございまして、委員の後任については、本日取りまとめられた考え方を踏まえて、できる限り早期に任命のための手続に入りたい、こういうふうに考えているところでございます。 なお、その折に、今まで二名の日本歯科医師会からの推薦がございましたが、そのうちの一名は日本歯科医学会の方から選んでいただくということで、もう一名につきましては、これは日本歯科医師会が、改革案の取りまとめが終わりましたのを待って、歯科医師会の方から委員の推薦をしていただく。これも早急に行われることと承知をしております。
○中根委員 ありがとうございます。 きょうはなかなか重要な日だということがよくわかりました。午前中、そういった会議があった。それから、きょうは新しい内閣ができてからちょうど一カ月ということで、大臣就任一カ月記念になるということでございます。それから、きょうの午前中、東京地方裁判所で一つの判決が下りました。例の選択エージェンシーの事件で、石川の社会保険局にいた森隆行さん、この方に対して、懲役三年執行猶予四年、追徴金四百六十万円という一審の判決が下った日でもありますし、それから、大臣が就任された日と同じ日に何があったかといえば、例のカワグチ技研の汚職事件、川崎義幸社長、それから渡辺俊之地方課長が逮捕されたのもちょうど一カ月前であったということで、なかなかきょうは意味のある日だなということで感じさせていただいておるわけなんですけれども。 そういった中で、午前中からの議論も出ているんですけれども、社会保険庁は腐っている、それぐらいの気持ちになって、そう国民が思っていらっしゃるというぐらいの自覚を持って改革に臨んでもらわなくてはならない。それぐらい厳しい状況にあるということだと思います。 国民年金の徴収作業に使う金銭登録機をめぐる、今申し上げましたカワグチ事件。カワグチ技研の事件というのは、小泉さんの言葉をかりれば、まさに社会保険庁改革の本丸ですね。この部分をきちんと検証していくということが、本当に社会保険庁が国民の信頼を回復できるかどうか、試金石になるというふうに思っています。キーワードとしてある随意契約、監修料、天下り、すべてがこのカワグチ事件にかかわって集約をされているわけでありますので、本当に腹を据えて、警察や司法の方に任せてあるということではない、緊張感を持って対応していただきたい。 随意契約で独占的に受注させた見返りに、渡辺さんは現金五十万円を受け取った。カワグチ技研の社長の川崎義幸さんともどもに、九月二十七日に逮捕され、十月十八日に起訴されました。まさにこれは、社保庁、厚労省を舞台とした公務員と業者との根深い癒着。そしてそれは、これだけではなくて、明らかに氷山の一角であると言わざるを得ません。 そして、川崎義幸さんの奥さんは、御案内のとおり、元厚労省あるいは社保庁の職員だった。そのことを知っていながら、カワグチ技研に対して、パピアートであるとか、あるいは金銭登録機というものを発注して、購入していた。そのこと自体がモラールというか見識を問われることであろうと考えさせていただいておりますけれども、その義幸さんの奥さんの千尋さん、元社保庁の職員さんが社長を務めているニチネン企画が、九八から〇二年の五年間で約十一億円の印刷物を随契で社保庁から受注をしています。そして、その見返りとして、この間約一億円の監修料を関係の職員の方々にお渡しをしているということも、この間明らかになってまいりました。 まさに癒着、個人的なものではなくて構造的なものであるということが言えると思っています。随契の見直し、監修料は、どこかで線引きをして、そこから上はやめるけれどもここから下はいいということじゃなくて、もう全部一回やめて、凍結して、関係の業者さんとのそういった癒着の関係を断ち切ってみる。天下りも一度凍結してみる。そういった思い切ったことをしないと、まさに地に落ちたとも言われている社会保険庁の看板を立て直すことは、幾ら民間から、それこそ希望の星、期待の星として登用された村瀬長官であろうとも、これは難しいということになってきてしまうということだと思っています。 もちろん、私ども議員の側も、反論もあるかもしれませんけれども、議員年金はやめる、政治資金規正法はきちんと国民の納得できる形で改正をしていく、こういうことも、私ども議員の側もそういったことはやらなきゃいけない。 九月十七日に示されました、官房長官のもとにある社保庁の在り方に関する有識者会議、ここが了承した、当初六十五項目、きのうかおとといつけ加えられまして七十七項目になったと聞いていますけれども、この緊急対応プログラム、すばらしいと思って、拍手喝采を受けているとは、恐らく村瀬長官も感じておられないのではないでしょうか。そこにかいま見えるのは、改革よりもむしろ組織防衛という、やはり保身の体質であると言わざるを得ない、そんな内容になっていると指摘されています。 有識者会議なるものが発足したのは、社会保険庁による年金保険料のでたらめで際限のない流用、あるいはサービスの悪さ、不透明かつ不正な契約のあり方、個人情報の漏洩、こういったものが背景にあって、まさに、少子高齢社会というより以前に、私たちのこの公的年金制度が社会保険庁の方々みずからによって大きなダメージを受けて、そして国民から年金不信を招いて、そのことが収納率の大幅な低下につながっているということを改めて自覚していただきたいと思っています。 したがって、社会保険庁の存続というものが前提にある社会保険庁改革というのは、全く力強さを国民に感じさせることができない。民主党が提案しておりますように、例えば国税庁との統合、まさに社会保険庁の徴収業務は民間にゆだねる、そういった抜本的なこと、いろいろなそういった思い切った選択肢をきちんと見据えていかなければ、そしてあり余る危機感を持って対応していかなければ、とてもこの改革というものは遂行することができない。言い方を変えるならば、保険料が適正に使われる、そういう国民からの信頼を取り戻すことができるならば、未納、未加入という問題はおのずと解決をする、減少していく、そういう考え方で取り組んでいただきたいと思っています。 緊急対応プログラムの中に目立つのは、未納、未加入者への、例えばパスポートやあるいは国民健康保険、運転免許証の資格取得制限、そういった、ある意味で本末転倒のようなものばかりであって、まだまだ社会保険庁の方々の、あるいは官房長官のもとに置かれた有識者会議、こういった議論に参画している方々の認識不足は甚だしいと言わざるを得ないと思っています。 大体、こういった運転免許証とか国民健康保険証とか、社会保険庁とか年金と関係ないところで何かペナルティーみたいなものを与える、こういうやり方は、国民から見てやはりちょっとおかしい、ひきょうであるというふうに言わざるを得ない。徴収を問題にするなら、まずその前に、みずからのむだ遣い、流用というものを解消していく努力を行っていただかなくてはならないと思っています。 予算執行についても、競争入札の導入、あるいは、保険料を職員宿舎や公用車、ゴルフボール、プロ野球観戦、ライオンキング鑑賞、こういったものに充てないという当たり前のことが羅列されている。まず当たり前のことからやらなきゃいけないというのは当然なんですけれども、ちょっと余りにも、繰り返し申し上げますけれども、改革の力強さを国民に感じさせることはとてもできない。十月十二日の総理の所信表明演説にも、この社会保険庁改革について言及された部分はありましたけれども、やはりそこにも、切実さやあるいは真剣さが余り感じられるような内容ではなかったと思っています。ペナルティーよりもまず、入りたくなる、そういう年金制度をつくるということで考えていっていただきたいと思います。 こういったことを申し上げた上で、まず長官にお伺いしたいと思います。 長官、民間から登用されたということでありますけれども、したがって、しがらみにとらわれず判断し行動していくことができる、そういう立場が、そういうことが期待をされておられると思いますけれども、今までの検討の中で、社会保険庁の解体とか、私ども民主党が一つの選択肢として御提案を申し上げている国税庁との統合とか、そういったことは今までの中で検討されたことがおありなのかどうか。 あるいは、〇七年に収納率八〇%というものを目標にしておられるわけなんですけれども、この八〇%という数字は、例えばカワグチ技研の金銭登録機を導入する、そのとき、徴収対策ならば何をやっても許される、そういう理由づけがなされたと思うんです。そのときからもう既に八〇%という数字は出ていた。村瀬長官が就任されたら〇七年度に思い切って一〇〇%に持っていくんだ、そういう力強い決意を示していただくことはできないかどうか、まずお聞きをしたいと思います。
○村瀬政府参考人 社会保険庁の村瀬でございます。今の先生の質問にお答えを申し上げます。 まず、一〇〇%目標という件でございますけれども、当然のことながら、これは段取りを決めながらやるということでございまして、その点で、私といたしましては、平成十九年度に八〇%、これをまずやり遂げることが先だろうというふうに思っています。目標を掲げることは簡単でございますけれども、段取りを持ってどうできるか、これが一番大事な部分だろうと思っております。 したがいまして、今回、平成十六年度から十九年度にかけましての具体的な目標率、それに対するアクションプログラムを各事務所単位に立てておりまして、これを着実に実行するのが、八割、さらに上の目標を達成することになっていくのではなかろうかというふうに思っております。 それからもう一点、組織の問題でございますけれども、あり方につきましては、頭出しを前回の有識者会議にさせていただいておりまして、その中にも入っておりますように、当然のことながら、国税庁の統合の問題であるとか市町村での収納の問題等々を含めて、今後どういう形で議論していくかということで、頭出しをしているというふうにお考えいただけたらというふうに思っております。 現在、社会保険庁改革につきまして、どんな形、スタンスでやっているかということについて、御報告を申し上げたいと思います。 先ほど先生からも御指摘ありましたように、先般の有識者会議で七十七項目の緊急対応プログラムをまとめておりまして、これをやるところからまず実行する、こういうスタンスで進めているところでございます。その中で、特に構造的な課題の中で私自身が重視している点というのは、三点ございます。一点目は、国民サービスの向上の問題でございます。二点目は、予算執行の透明性とコストの削減でございます。それから三点目が、国民年金保険料の収納率の向上、この三点を掲げてございます。 いろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、当面の課題は、やはり実施庁といたしまして、実務を着実にこなしまして結果を出し、国民の皆様から社会保険庁が変わったねという形で評価を受けることがまず第一だろうというふうに思っております。 現在、国民の皆様に接点を持っておりますのは、職員一万七千五百名のうち、一万六千五百名の地方事務局、事務所の職員でございます。それと国民年金推進員等、非常勤職員でございます。まず現場、第一線が意識が変わって初めて組織自体が変わっていくのだろう。したがって、その部分を着実に変えることが最大重要事というふうに私自身は考えております。 したがいまして、改革に当たりましては、就任のときに申し上げておりますけれども、透明性とスピード、それから組織内のコミュニケーション、これをしっかり持ちまして、間違いなく社会保険庁は変わったというふうに持っていきたい、このように考えております。 以上でございます。
○中根委員 国民年金推進員が導入をされて、そのことが金銭登録機の導入の理由になった。国民年金推進員の方々は、大体フルに働くと年間二百二十万円の所得をもらっているわけなんですけれども、その費用対効果も非常に大きな疑問が持たれている。それに加えて、今度、この改革の中で特別国民年金推進員というものを新たにつくっていく。地方の町内会の会長さんとか婦人会の会長さんなんかをそういったものに非常勤の国家公務員として任命して、徴収を行ってもらう。まさに、かつての隣組のような、お互いがお互いを監視するような社会をつくろうと社会保険庁はしている。プライバシーあるいは個人情報の流出といいますか保護の問題も、そのことに伴って非常に怪しいものになってくる。 そういったことが本当に抜本的な改革と言えるのかどうかということを指摘しながら、長官、就任されてから、精力的にいろいろな地方を回られたというふうにも報道等で伺っておりますけれども、どんなところを回られたでしょうか。一つ、二つ、三つ、四つ挙げていただければありがたいと思いますが。
○村瀬政府参考人 場所といたしましては、一番北は青森へ行っております。そして一番南は沖縄まで、十四都道府県にお邪魔しまして、事務局長、事務所長、それから各若手職員等と一応懇談をしてきております。 それで、一番重要なのは何かと一言だけつけ加えさせていただきますと、現場がどういう気持ちで仕事をしているのか、それから、現場が本庁に対してどういうふうにしてもらいたいのか、ここがやはり吸い上げるのが一番大事だと思っておりまして、これにつきましては、各項目を現在本庁で登録しまして、時間軸を決めて、解決できるものはしっかり解決していく、こういう形で現場活性化につなげていきたい、このように考えています。
○中根委員 北海道から沖縄までということなんですが、それぞれの社会保険事務局に足を運ばれたということですけれども、社会保険事務局にそれぞれ立ち寄って、どんな感じを受けましたか。どういう場所に社会保険事務局はありましたか。思い出していただけますか。
○村瀬政府参考人 念のため申し上げますけれども、事務局だけ行ったわけではございませんで、事務所へもお邪魔をしております。 事務局は県庁所在地にございまして、御存じのように、地方事務官制度から移行するときに、各県庁所在地で各県庁の中等に入っておられました部分についてを近場で事務所を選んで移行したということで、今現在、ほぼ大部分のところが各県庁所在地で事務所を借りて、そこで事務局として営業している、こういう形でお考えいただけたらと思います。
○中根委員 その社会保険事務局の場所なんですけれども、それぞれ四十七都道府県の、超とつけてもいいような一等地に全部存在しているわけなんですね。私なんかのような素人は、社会保険事務局というものはどこか合同庁舎とか、そういう公的な、国有財産のようなものの中に入っていらっしゃるのかと思っていましたら、ほとんど、そのうちの四十五カ所ぐらいは民間のビルを借りておられるわけなんですけれども、しかも、すばらしい、いいところなんです。 社会保険事務局というのは、船員保険は若干ありますけれども、社会保険事務所とは違いまして、被保険者とそんなに密接にかかわるところではない。したがって、必要以上に豪華なところ、あるいは便利なところに、必要以上のお金を使って入居している必要はないというふうに思っています。 しかも、この社会保険事務局の家賃というものは、長官、大体どれぐらいか御存じですか。それぞれ個々のところでもいいし、全体でもいいし、聞いておられますか。
○村瀬政府参考人 総額につきましては聞いております。 一言申し上げますと、現在、随意契約の全体の見直し、それから事務所、事務局のあり方の問題等を踏まえまして、どういう状況になっているかというのは調査中でございまして、今後、この部分につきましては、先ほど申し上げました予算執行の透明性の中で、予算執行調達委員会というものを緊急プログラムでお話し申し上げておりますけれども、あそこの中で個別具体的に見ていきたい、このように考えています。
○中根委員 調達委員会という話が出ましたので、まずそこをちょっと言いますけれども、たしか随契の、やっていいか、やっていけない、入札にするか随契にするかのその線引きは千六百万円という数字が出ていたと思うんですけれども、例えば、この間事件になったカワグチ技研の、あの小口分割発注、入札逃れ。大体二百五十万円ずつぐらいに各社会保険事務局、全国の社会保険事務所に、そういう形で入札逃れをしているわけなんですね。したがって、二百五十万円、今までの予決令といいますか、ああいうもの、会計的な規則でも守られていなかったのに、調達委員会が基準としているものは、今までの事件ですら防ぐことができない、そういう基準がつくられているというふうに聞いて、大変失望しております。 その社会保険事務局の家賃なんですけれども、実は私が、質問主意書ではこういうものを聞いてはいけないという話で、うまく皆さん、政府が答えてくれないんですけれども、社会保険事務局の平成十六年の見込み総額は、二十一億四千九百十二万二千三百十四円ですね。平成十五年度の実績でいいますと、二十一億六千四百四十万八千七百五十五円ということになっているんですけれども、これは全部が国民の年金掛金、保険料から、厚生保険特別会計ないしは国民年金特別会計から出ているわけなんですよね。 国民の納めた年金を、まさに食い物にして、むだ遣いをして、例えば新宿、この間行ってきました。あの都庁の横にあるNSビルという、真ん中が吹き抜けになっているビルの八階のフロアを全部借り切って、社会保険事務局として使っておられる。その新宿の社会保険事務局の家賃は、年間、平成十五年度で四億三百四十三万九百五十二円税込みという額が出ているわけなんです。四億円も年間かけて、しかも保険料を使って、保険料だから予算の枠の外にあって、まさに今百五十兆円積立金があるから、もうとにかくそこまでは幾ら使ってもいいと、青天井で、コスト意識なくこういった家賃にも使って、自分たちだけ快適なそういうビルで仕事をしていて、被保険者には、加入者には、二時間も三時間も待たせて、年金相談、待ってもらっている。 そういう現状と比較をして、対照して、長官、こんないいところに、しかも保険料を年間四億円も使って、全国で二十一億円も使って、社会保険事務局がそういういいところに陣取る必要が本当にあると思っていらっしゃるんでしょうか。さっき大臣も、きっちりと見直す、やれるところからやると皆さんおっしゃっておられるわけなんですよ。まさにこの部分が、やれるところからやる、そういう部分じゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○村瀬政府参考人 検討を始めたところでございまして、先ほど大臣も発言にあったと思いますけれども、すべてゼロから見直すという形で見ていただけたらと思います。 ただ、お話し申し上げたいのは、事務局の職員の数という問題もございますから、その数の人間が入れる部署がどれだけあるのか、ここの選択肢は非常に限られている部分もあるということは御理解いただけたらというように思います。
○中根委員 数がまず先にあって、それからその分だけ入るところだったら、幾らお金をかけても、どんな豪華なところでも、国民感情を逆なでしても、何やってもいいという話じゃないと思っておりますけれども、ちょっと今の長官の御答弁は、余り納得できるものではないなというふうに言わざるを得ないなと思っているんですけれども。 大臣、これはいかがですか。こんなに豪華なところに二十一億円も保険料を使って社会保険事務局が存在している、社会保険事務局が存在するのはいいんですけれども、そんないいところに保険料を使って陣取る必要として、今まで多分検討の中に、本当に入っていましたか、この社会保険事務局の家賃の問題、所在地の問題。 そしてまた、もしかしたら、その契約の相手方、実は私がこの家賃、それぞれの契約金額出してくださいというふうに社会保険庁にお願いしましたら、何か理由がついて返ってきませんでした。余り大した理由じゃないんですけれどもね。社会保険事務局の家賃については、契約の相手方との交渉により成立するものであり、これを公にすることは相手方の利益を害するおそれがあるから不開示としております、何とぞ御理解をお願いしますと。 年金を使ってやっていることに、何でそのことの家賃をお聞きするということが相手方の不利益になるのか。それでは、必要以上に高い家賃として借りているのか、あるいは必要以上にといいますか不自然に安い家賃で借りているのか、どちらかかもしれないということを疑わざるを得ないじゃないですか。 契約の相手方が、それぞれ見ると、一覧表があるんですけれども、これは推測なんですけれども、また調べていただきたいと思いますけれども、各都道府県の社会保険協会の役員、理事であったり評議員であったり、そういうところから借りているところはないかとか、あるいは、この中には日本生命とかUFJ信託銀行、住友生命保険とか、日本生命が特に多いんですけれども、そういったものというのは、まあ、今この場ではっきりわからないものですからまた調べてほしいんですけれども、年金資金の運用の委託先になっているというようなことはないのか。 そういった特殊な関係にある中で、不開示、開示することができない、国民の前に明らかにすることができない不都合な理由がそこに存在しているのかどうか。大臣、いかがでしょうか、そういったところ。
○尾辻国務大臣 必要以上のぜいたくをすることは許されませんから、私も早速に見に行きたいと思います。私自身の目で見て判断させてください。
○中根委員 すぐに引っ越すといえば、またそこに引っ越し代が発生をしてきてしまいますので、それも現実的ではないのかもしれません。 しかし、一定の期間を区切る中で、こういった、四億円もかけて、あるいは、これは全国を平均すると大体、年間五千万円なんですね、北海道から沖縄まで。そういった保険料ですね、保険料が足りない、収納率をだから上げなきゃいけない、そういうふうに言っているにもかかわらず、こういったところでじゃぶじゃぶじゃぶじゃぶと保険料を垂れ流していっては、幾ら、前から言っているように、穴のあいたバケツに水を入れるようなもので、この公的年金制度を信頼に足るものとして再構築していくことはできないということになるわけでありますので、大臣、今、みずからの目で確認をしていただくと約束をしていただきましたものですから、国民感覚から見てちょっとこれはというふうなところがありましたら、早速、まずこのことから見直していただきたいというふうに思っています。 それから、社会保険庁というのは、全国にいろいろとずっと順番につくっていくというのが結構得意でして、今までも、社会保険庁だというわけじゃないんですが、年金を使って、財団法人厚生年金事業団が全国にサンピアをつくりました。財団法人、都道府県の社会保険協会が社会保険センター、いわゆるフィオーレというものを全国につくった。その後、第二ペアーレというものをつくろうとして途中でやめました。それから、社会保険健康事業財団というものが全国にペアーレをつくりました。それから、社団法人全国国民年金福祉協会連合会というところがエミナースとか、あるいは保養センターというようなものを次々とつくってきた。 あるいは、それと同じような発想で行われたかもしれないというのがもう一つありました。私は、社会保険健康事業財団というものを調べておる中で、この社会保険健康事業財団というものが東京と大阪に配送センターを持っていて、本来ならば政管健保の業務を主にやっているところが、配送センター、倉庫業を行っている、しかし行っているのは全く形だけで、実は、五十年間にわたって、ある特定の会社と随意契約によってこん包業務あるいは配送業務といったものを行わせていた、そういったことを調べている中で、このことについてはまた改めてまとまった時間の中で御質問を申し上げますけれども、一つ発見したことがありました。 今申し上げましたように、全国の四十七ということと同じような構図が社会保険事務局の周りにもあったんです。それは、平成十五年の四月一日、社会保険庁長官訓令というものによって、業務管理室を社会保険事務局ごとに設置して、社会保険事務局事務センターという名称で、また豪華なといいますか、先ほどの社会保険事務局が存在するのと同じように、それぞれ県庁所在地の一等地のビルの中に部屋を借りて、この社会保険事務局事務センターというものを持っているわけなんですよね。 一体これは何なんでしょうかということなんですけれども、お聞きをしたところ、保険者機能の強化を図り、あるいは業務運営の効率化及び事務の合理化を図っていくことが求められており、そのために、効果的な事業の実施及び組織体制を整備することが必要不可欠であったがために、この業務管理室、社会保険事務局事務センターというものをつくったということなんですけれども、むしろ、こんなものをつくったことによって、合理化というよりも、また新しい保険料のむだ遣いが生じてしまったということだと私は思っています。 平成十六年度の見込みでいいまして、これは総額は社会保険庁が出してきてくれたんですけれども、十五億三千四百十六万九千六百二十二円、厚生保険特別会計、それから国民年金特別会計から、国民の掛金を使って、社会保険事務局事務センターというものを、平成十五年四月、去年ですね、去年からまた新しく設置をしているわけなんです。 合理化とか、むだ遣いが許されないとか、こういったことがもう本当にかまびすしくといいますか、しきりに言われている中で、国民の目から全く届かないような隠れたようなところで、こういう十五億円以上もの、むだ遣いと言えるかどうか、まだはっきりわかりませんけれども、今から聞いてみなければわかりませんけれども、少なくとも保険料を使い切ってしまっているということなんですよね。 このことについて、社会保険事務局事務センターというものが本当に、あるいはどのように合理化に役に立っているか、あるいは保険者機能の強化に具体的にどのようにつながったかということをまずお聞きしたいと思います。
○青柳政府参考人 ただいまお尋ねの業務管理室、社会保険事務局事務センターでございますが、先生の方からも一部御紹介ございましたように、主な仕事は、一つには診療報酬明細書、いわゆるレセプト等の点検、調査業務を行っていること、それから二番目に、健康保険、厚生年金保険、国民年金の納入告知書等各種通知書の作成、発送業務を行っていること、三番目に、健康保険、厚生年金保険、国民年金の届け出書の入力業務を行っていること、この三つが主たる仕事でございます。 今も御紹介ございましたが、十五年四月からこの機関を設けておる、こういう御紹介でございましたが、経緯を申し上げれば、平成十年の七月ごろから、レセプト点検の事務センターという形で、まずこの原型となるものがスタートいたしました。当時、いわば保険者の機能として、レセプト点検をきちんとやるということが社会的要請でもございましたので、これを充実強化し効率化を図るという観点から、一括に集中処理し、政管健保についてのレセプト点検を始めました。 さらに、平成十四年に至りまして、御存じの、国民年金の保険料の収納業務を市町村から国の方に引き揚げるということに伴いまして、この事務処理の効率化を図るための集約化が必要となってまいりましたので、共同事務センターという形でこれらの業務を集約化することを行いました。 そして、これらを合わせる形で、十五年の四月に、従来のレセプト点検事務センター、共同事務センターを廃止いたしまして、これらを共同で行う業務管理室を設け、さらに、本年の四月一日以降、健保、厚年の納入告知書等各種通知の作成、発送、届け出の入力等をこの事務センターで行うという経緯を経たものでございます。 いずれにいたしましても、ただいま申し上げた経緯のように、その時々で保険者が果たさなければならない仕事を、社会的に要請をされたということを背景に、漸次このような形の体制を整えてきたものでございまして、従来は個々の社会保険事務所ごとに行っておりましたさまざまな業務を集約化し、これによって生じたマンパワーを、社会保険の適用、保険料の徴収、あるいは年金相談など、より専門性が高く、あるいは国民に直接サービスとして提供させていただく必要のあるような対人業務にシフトをさせて対応しているという経緯でございます。
○中根委員 今御説明があったんですけれども、もともと社会保険事務局というのは、対人業務というのはそんなに多いところではないわけなんです。各社会保険事務所の業務を集約してということだと思いますけれども、また社会保険事務局と同じように十五億も、今まで各社会保険事務局とか社会保険事務所でやっていた仕事をそのままやればいいんじゃないでしょうかね。それぞれのところで鋭意努力して合理化に努めてやればいいものを、わざわざ、集約したといいながらも、ある意味で分散したような形にもなっているんじゃないかと思いますし、そういう名目で、今繰り返しましたように、何といっても許せないのは、十五億円もまたここで保険料を使っている。十五億円を使うほどの合理化が本当になされたのか。 いかがでしょうか、もう一回、どうですか、この十五億円に見合うものとして価値のあるものかどうか。この社会保険庁改革として、だからいいんだ、今説明があったような理由だからいいんだということじゃなくて、やはりここも、十五億円も使っている、年金をそこに費やしているということで、これもまた改革に当たっての見直しの、第一とは言いませんけれども、優先順位の高いものとして位置づけていただくことはできないでしょうか。 またここも、さっき指摘したように、社会保険事務局と同じように、全国の都道府県庁所在地のいいところのいいビルに入っているんですよ、間違いなく。しかも、日生とか住友生命とかUFJとか、特に日生が多いんですけれども、どういうわけだか知りませんけれども、いいところに陣取っているわけなんですね。 そういう仕事であれば、例えば駐車場がきちんと確保できて人の出入りがしやすいような、もうちょっと郊外に持っていった方が、発想の転換としていいんじゃないかとか、そういうことも含めて、職員の方々だけが快適な環境の中で仕事をする、その一方で国民に負担を新たに押しつける。 厚生年金保険料、この十月一日から上がりました。十四年間ずっと引き上げですから、平均的な世帯で十四年後には十四万円も引き上がっていることになってしまうかもしれない。そんな負担をお願いしながら、社会保険事務局の家賃として二十一億円、社会保険事務局事務センターというわかったようなわからないようなものを、平成十五年四月一日から合理化と称してつくって、実はここに十億円も使ってむだ遣いをしている。こういったことを改めていくということが、できることからやる、きっちりとやる、そういう今まで長官や大臣が表現してこられた言葉に当てはまることではないかというふうに思わせていただいています。 それぞれの社会保険事務局事務センターの個々の家賃についても、総額十五億三千四百万円という数字は出してまいりましたけれども、私には、先ほどと同じ理由で、これを公に開示することは相手方の利益を害するおそれがあるということで、提出をしていただいておりません。 この委員会で、改めて、国民の掛金を使って快適な職場を与えられている職員の皆さん、それぞれの職場が家賃が幾らか、こんなことを開示したって何の不利益にもならないはず。そこに何か後ろめたいことがあるから不利益になる、不開示しなければならない。そうでないならば、直ちに、きょう、今すぐにとは言いませんから、後ほどこの厚生労働委員会に対して、個々の家賃のそれぞれの額、契約金額。あるいは契約の形態、これは恐らく随意契約だと思いますけれども、契約の形態。それから単位当たりの価格。それから広さ。順番がいろいろになってしまいましたけれども、そういった数字を全部明らかにしていただきたい。 そしてまた、その上で随意契約の見直し。調達委員会というものを設置して随意契約の見直しを行うと言っているわけですので、こういった、どのビルを使うか、やはり、一円でもとは言いませんが、一万円でも千円でも安いところを借りるという感覚でなければいけないと思いますので、こういったところにも、競争原理を働かせるような仕組み、機能を導入していっていただけるようにお願いをしていきたいと思っております。 それは出していただけますか。
○村瀬政府参考人 まず、資料の前に、改革プログラムの中で事務処理の抜本的な見直しをしたいというのを入れておりまして、そういう点で、現在職員がやっている部分についても、例えば外注に出すとか、今言いました、一定のところに集めて謝金職員でできるようにするだとか、そういう点も含めて考えておりますので、さらに事務局、事務所の関係で現在ある組織も変わってくる、こういう前提でお考えをいただきたいというのが第一点目でございます。 それから、二点目のコストの問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、予算調達委員会ですべてを開示して、そこで議論をしたいというふうに思っていますから、当然、今入っている場所につきましても、むだがあるのであれば、例えば面積を少なくするだとか、家賃交渉をして減らすだとかということは起こってくるんだろうと思います。 ただ、賃貸の場合、先生もよく御存じだと思いますけれども、一年ごとにかわりますと、事務コストの問題だとか家賃コスト、修理コスト等を含めますとかえって高くなることがありまして、通常、家賃関係につきましては何年かの長期契約になっているのが通例でございまして、そこはコストを見た上で、随意契約という一年契約ではない形もあり得るんだろうというふうに思っております。
○青柳政府参考人 先ほども一部お答えいたしましたように、基本的には情報開示についての一定の制約があるというふうに認識しておりますが、契約の相手方と個々に御了解をいただけることができれば、そのいただいた分だけでも、先ほどお尋ねのあった分について、開示するように努力をさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○中根委員 今も声が出ていますけれども、了解をいただけない場合というのはどういうことなんでしょうか。そんな、了解をいただけないような家主さんとこれ以上契約をする理由はなくなってくるんじゃないでしょうか。国民の前に明らかにできないような、国民の前に隠し立てをしなければならないようなオーナーさんとこれ以上、金額云々の以前に契約をする資格がない人だと言わざるを得ませんけれども、改めて、それぞれの契約金額、四十七都道府県全部出してもらうことができるかできないか、お願いいたします。
○青柳政府参考人 情報公開法の規定に基づきまして、私ども、できる限りの努力をさせていただくというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
○中根委員 出してもらうということを信じているしかないということなんでしょうか。しかし、情報公開法というのは、詳しくわかりませんけれども、どうしてこんな家賃ぐらいのことが明らかにできないのか、これは不思議でなりませんね。(発言する者あり)そうですよね、民間の感覚からいって今みたいな答弁はちょっと、どうですか、おかしいと思いませんか、長官。 長官、どうですか、これ、出してもらうこと。長官、それぞれの契約金額出して——だって、皆さんは御存じなわけでしょう。少なくとも皆さんは御存じになるすべはある。だけれども、我々議員はどうしてそのことを知ることができないんでしょうか。
○村瀬政府参考人 法律違反をして出すということはできないと思いますので、先ほど申し上げましたように、法律上問題がないということであればすべてお出しするということでお考えいただきたいと思います。
○中根委員 それでは、法律違反の可能性があるとするならば、どういう理由が法律違反の可能性としてありそうでしょうか。今、ちょっと説明してください。
○青柳政府参考人 詳しい条文名は今手元にないので確認できませんが、記憶に基づいてお答えいたしますと、契約の相手方の契約が不利になるような形での情報公開については、これを開示しないことができるというふうになっておったと記憶しております。 したがいまして、先ほど申し上げたように、契約の相手方に、これで公表してよいかということを一々確認する必要があるというふうに考えております。
○中根委員 不利になるというのは、例えばどういうことが想定されますか。相手方、オーナーさんがこれを明らかにすると不利になるというのは、考えられることとして、例えばどんなことがあるんでしょうか。
○青柳政府参考人 私も個々のケースについては詳しくは存じておりませんが、各オーナーさんがテナントさんと契約する際に、その契約の時期、時点等の違いにより契約単価等が異なるというケースは間々耳にすることもございますので、そのようなケースがとりあえずは考えられるかと思います。
○中根委員 そうですよね、ケース・バイ・ケースで、借り主と貸し主といろいろな交渉の中で金額が変わるということはよくあることですし、もしかしたらそれは、では、何かほかのテナントさんにとって不快感を与えるような事実がそこにあるかもしれないということだと思うんですけれども、でも、やはり今の説明ではよくわからないですね。 オーナーさんが不利になる、だから開示できない。それも、プライバシーに関することだったら我々もあえて追及することはいたしませんけれども、税金がそこに投入されていたり、そして、今国民の間で最も疑問視されている、年金の保険料が、保険料というのは給付に使われるというふうに思っていた、ところが、社会保険住宅、ゴルフボールあるいは公用車、こういったものに使われているということが明らかになって、愕然としているわけです。それで国民の年金不信が高まって、もう年金制度なんか入りたくない、保険料なんか納めたくない、こういう理由づけになってしまっているわけなんですね。保険料で十五億円も使っているんです、十五億円も。 しかも、そういった話題ががんがん出てき始めた平成十五年の四月一日、約一年半前から、この社会保険事務局事務センターというものは、合理化という大義名分の中で設置をされ始めたわけなんです。合理化というきれいごとでやられているわけなんですから、やはりこれは、契約金額だって合理的に契約されていて、国民の前に何らやましいことはない、明らかにしたって何の問題もない、中根さん、この金額を見て一体何を問題にしようとしているんですかというぐらい何の意味もない数字がそこに並んでいてもいいわけなんですけれども、それだけ隠すと、何かあるんじゃないかというふうに疑ってしまうわけなんです。 これは出せるのか出せないのか、大臣、どう思いますか。
○尾辻国務大臣 率直に申し上げます。 お聞きいたしておりまして、私の常識では、今委員がおっしゃっておられるとおりのような気がします。 ただ、法に触れると言っておりますから、よく調べてみまして、本当に法に触れるということであれば、これはやってはいかぬでしょうし、そうでなければお出しいたします。
○中根委員 では、法に触れるか触れないか、出せるか出せないかという期限を、いつまでにこの委員会に御返事をいただけますか。
○尾辻国務大臣 きょうここではっきりお約束するわけにはいきませんが、こんなことの判断にそんなに時間がかかるはずもございませんから、近いうちにということでお答えをさせていただきます。
○中根委員 個々の契約金額というものは、もちろんこれだって一覧表みたいなのがあって当たり前ですから、どこかへ行けばすぐにぽんとコピーして出てくるような気がします。 法律違反か違反でないか、このことも、まさに皆さん法律の専門家なわけでして、そういう法律の専門家で法律に詳しいから、いろいろな監修業務をやって高い監修料をもらっていらっしゃるわけなんですから、そのことも、きょうは六時過ぎまでこの委員会が行われるわけですから、資料としてこの委員会が終了するまでに御提出をいただけますように要望をさせていただきます。 どうも納得できないことなので、これ以上進みたくないような気もしますけれども、次の問題に移らせていただきます。 我が党の長妻議員が、社会保険住宅について調べたことがありました。その中に、私の選挙区、地元にも、ウェルサンピアという財団法人厚生年金事業振興団というところがつくった施設の職員住宅が、岡崎市明大寺町というところに存在をしております。 今申し上げましたように、これはあくまでも財団法人厚生年金事業振興団のウェルサンピア岡崎という施設の職員が入る住宅であるということなんですけれども、ここに社会保険庁の職員さんが入居をしているということなんです。こういったことは違法でしょうか、合法でしょうか。今のお話、これはお詳しそうですからまた運営部長に聞いた方がいいのかもしれませんけれども、これはどうなんでしょうか。
○小林政府参考人 お尋ねの、社会保険庁職員がウェルサンピア、こちらの施設職員住宅に入居していたということにつきましては、御指摘のとおり事実でございます。 当時、社会保険職員の職員宿舎がかなり不足しておるという状況がございました一方で、このウェルサンピア岡崎の施設職員用の宿舎に未貸与、あきがあったということから、その時点で便宜的に入居をさせたという状況であったと聞いております。 しかしながら、委員御指摘のように、社会保険庁の職員が施設職員用の宿舎に入居をするということにつきましては、国家公務員宿舎法の手続上の問題があって、やはり好ましくないと言わざるを得ないと考えております。こういうような事情から、既にこの七月末までに全員の退去をさせていただいたところでございます。
○中根委員 さっきは、家賃のことを聞いたら、これは合法か違法かわけがわからぬからまだ出せないということを言いながら、今、小林次長は、便宜的にということを、空き家があったから入れちゃったということをおっしゃるわけなんですが、都合のいいときには都合のいい解釈をして、我々にとってやってほしいということは法律を盾にとってやってくれないというふうに思えてならないんです。 実は、このウェルサンピア岡崎職員住宅は、サンピアは平成八年にできたんですけれども、職員住宅は、平成十三年になって、ある日突然、忽然とあらわれたというような形ででき上がりました。この職員住宅のある土地なんですけれども、もともと地元の岡崎市が所有をしていた。それを、今度逮捕された渡辺俊之さん、この方が愛知県の社会保険事務局長だった時代に岡崎市から土地を購入して職員住宅をつくったという経緯がもう既にわかっておるわけなんです。この渡辺俊之さん、一体、ここでまた何か利権絡みのことでも考えたのかどうかわかりませんけれども、偶然、このサンピアの職員住宅のことについて調べたら、渡辺俊之という名前が出てきたということなんです。 もう時間がありませんのでちょっと飛ばしますけれども、先週の金曜日に監修料の資料として発表された資料の中に、この社会保険関係者名録というものも、監修業務を行っていて監修料を受け取っている、そういった出版物の中の一つとしてあるわけなんですね。 この中に、三百三ページに、名前は申し上げませんけれども、この職員さんの住所がありまして、その住所は「ウィルサンピア職員宿舎四〇三号」、あるいは、こういう人が同じように、「岡崎市明大寺町義路十—一 サンピア岡崎宿舎四〇一」、こういった方々の名前、今申し上げた方は社会保険事務所の職員さんなんです。 したがって、今申し上げましたように、厚生年金事業振興団がつくった職員住宅に違法に入居していたということになるわけなんですね。違法に入居していた、そういうものがはっきりとここに書いてあるものに対して、皆さんは監修業務を行ったとおっしゃっているんですよ。監修業務を行って監修料を受け取っていながら、実はその中身は、全く違法なこともそこに含まれていた。一体何の監修を行ったのか。それ以前に、この社会保険関係者名録という、いわゆる名簿ですよ、名簿に対して監修業務を行うということは、一体どういうことなのか。 ちょっと一連のことについて、これはどなたでしょうか、衛藤副大臣かな、だれかな、お聞きします。
○衛藤副大臣 今、私ども、挙げて調査をさせていただいております。本当にもう情けないというか、申しわけないという感じでございます。 監修についても全面的に見直しをすべきであるということで、今それに着手しているところでございます。いわゆるぶっ込み監修みたいな形で行われてきたりというようなことについて、これはやはりちゃんとストップをさせるということをして、見直しをやらなきゃいけないというように思っております。 そういう方向で検討させていただく予定でございます。どうぞよろしくお願いします。
○中根委員 今、副大臣の方から心意気をお示しいただいたんですけれども、もう一回改めて専門家の方どなたかにお尋ねしますけれども、名簿を監修するということはどういうことか、それで監修料を受け取るということは適当なことであるのかどうなのかということ。いかがでしょうか。
○小林政府参考人 今御指摘のその名録のようなものの監修につきましては、定期的に、これは年に一遍の異動の状況等について、その直近の情報として訂正をするというようなことがその監修行為の中身になってくるのではないかと想像するわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今副大臣からも御答弁がございましたように、こういう監修の行為自体について、これまでのやり方について我々としても深く受けとめて、いろいろ反省しなければならぬ点が多々あるわけなので、そういう意味では、これからしっかりしたルールをつくり、また改めて、これから改め直して改革していくということで、この監修料問題についても対応してまいりたいというふうに思っております。
○中根委員 最後に申し上げます。 監修料というものがもう事実上のわいろとしてビルトインされていると午前中の話の中にもありましたけれども、そういった性質のものであるということを前提にして改革に取り組んでもらわなくてはならないし、今次長がおっしゃったような説明ではとても納得できない。 監修業務というのは、監修料を受け取るかどうかは別として、監修業務そのものを私どもは否定しているわけじゃない。監修業務をきちんと行っていただいて、きちんと法律にのっとった、法律に照らし合わせた出版物や書籍がつくられるということは望ましいことだというふうに思っていますけれども、しかし、皆さんが法律の専門家として法律を生かして、その知識を生かすということであるならば、余りにもこの社会保険関係者名録、この名簿を監修業務というには、お恥ずかしいという言葉も今ありましたけれども、まさにそのとおりで、絶対にこのことだけは改めてもらわないといけないというふうに思っております。 用意したものが全く使いこなせませんでしたけれども、本日は、これにて終了させていただきます。ありがとうございました。
○鴨下委員長 午後四時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後二時五十二分休憩 ————◇————— 午後四時三分開議
○鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大島敦君。
○大島(敦)委員 こんにちは、民主党の大島です。 引き続き、民主党の時間の枠内で、厚生労働行政について大臣の考えを伺わせていただきたいと思います。 今回、先日の厚生労働委員会で厚生労働大臣のあいさつを拝見させていただきまして、恐らく大臣御自身のいろいろな思いが入っていらっしゃるのかなと思いまして、これまでとは違い、御自身の意見がしっかり出ているあいさつだったなと思っております。 その中で、論点として一つ自分が気になっている論点がありまして、一つ盛り込んだらなと思っていたのが、今、FTAあるいはEPAという交渉が行われております。厚生労働委員会では、余りFTAとかEPAの交渉についてはこれまで触れられたことがなかったかと思います。経済産業あるいは外交を扱っている委員の方、あるいは農業関係の委員の方は非常に関心を持たれている二国間の協定でございます。その中で、今回初めて、東南アジア、東アジアの諸国から、我が国の労働市場に対して自国の労働力を供給したいという意向が非常に高いかと思います。 その中で、まず大臣に、このFTAとかあるいはEPAから若干離れまして、今後の日本の労働市場を考え、かつ外国人の労働力を考えた場合に、これまで厚生労働行政に携わっている中でどのようなお考えをお持ちなのか、まず冒頭、質問をさせてください。
○尾辻国務大臣 この各国とのFTAの交渉は、物の行き来と人の行き来がございます。その中で、厚生労働省として考えなきゃならないのは人の行き来の方でございます。 そうした中で、私ども厚生労働省の立場からいいますと、まず厚生行政ということで申し上げますと、国民の生命と健康を預かる立場でございますから、どうしても、そういうことにどういうふうな影響が出るかな、そのことを守らなきゃいけないという立場で一つ考えなきゃいかぬと思っております。それからもう一つは、労働行政を預かる立場でございますから、国内労働市場に及ぼす影響がどうなるかな。この両面からこのFTAの交渉について私どもは考えるべきだ、こういうふうにまず思っておるところでございます。
○大島(敦)委員 今大臣の方から、厚生行政としては国民の健康の問題、あるいは医療の問題、そして労働行政的な立場からは労働の需給の問題について触れられました。この問題というのは、これから、さまざまな国から我が国が議論を持ちかけられ、そして我が国も東アジアの中でどういうポジショニングをとっていくのか、これは我が国のあり方にかかってくる問題かと私はとらえております。 それで、まず冒頭、外務省の方に、FTAとかEPAと言われましても、よくなじみがない用語でございますので、今回行われているこの交渉がどういうステージにあるのか、そのことについて伺わせてください。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。 現在、我が国は、いわゆるEPA交渉を韓国、それから東南アジアの国と進めております。 その際、EPAとFTAの関係でございますが、FTAは、一般に、相手国との間で物品、サービスの貿易自由化を目的とした協定を指しております。他方、我が国が取り組んでおりますEPA、経済連携協定というのは、そのような貿易の自由化にとどまらず、投資、人の移動、知的財産権、競争政策のルールづくり、さまざまな分野での協力などを含む、幅広い分野を対象とした経済関係の強化を目指したものとなっております。したがいまして、現在行っております韓国、タイ、フィリピン、マレーシア等との交渉も、幅広い分野を対象とするEPAでございます。 我が国として、これら緊密な関係を擁します東アジアの国々との間でEPAを推進することは、相互の経済活性化を促すとともに、東アジアのコミュニティーづくりという視点からも非常に重要なものであると考えております。
○大島(敦)委員 よく新聞紙上ではFTA、自由貿易協定という用語が使われておりますけれども、今御説明ございましたとおり、EPA、経済連携協定ということで、自由貿易協定ですと、それは恐らく水際までの、非関税障壁を取り除いていく、関税を下げていくという交渉事だと思うんです。今御指摘がありましたとおり、経済連携協定、EPAの協定を結ぶというのは、それぞれの国の内政まで交渉の範囲としてなっていまして、多角的に交渉が行われていると私は考えております。 それで、例えば、今行われている日本とタイ、あるいは日本とシンガポール、あるいは日本とマレーシアの交渉の中で、日本とそれぞれの国の交渉の中で私たちの国がどんなことを求められているのか、どんなことを求めているのか、そのことについて説明してください。
○佐藤政府参考人 現在行っております韓国それから東南アジアの交渉につきましては、先ほど申しましたように、貿易、サービスのみならず、競争、知的所有権、人の移動等々、幅広い分野がございまして、このような分野においてさまざまな観点から、先方からの要求もございますし、当方からの要求もあるということでございます。 それで、人の分野ということで申し上げますと、特にフィリピンについては、看護師、介護士の受け入れについて強い関心が示されております。タイについては、介護士、タイ料理人、それからタイ式マッサージ等の職種についての受け入れへの関心が示されているというようなことで、交渉の相手国によって人の移動の分野についても具体的な関心事項が異なりますが、先方の要望を踏まえながら、また日本の実情を踏まえて交渉に当たっているというのが現状でございます。
○大島(敦)委員 そうしますと、今、フィリピンあるいはマレーシア、タイ、そして韓国ですか、行っているEPAの交渉。日本国として、例えば平成十五年に日本とASEANの首脳間で共同宣言が承認されています。そして、日本・ASEAN包括的経済連携の枠組みというのができておりまして、その目指す枠組み——というのは、今までのこれらの国々に、今度は将来的にはASEANとの包括的な経済連携協定というのが締結されることを目指していると思うんですけれども、その目標とするところというのはどういうあり方なんでしょうか。
○佐藤政府参考人 大島先生が御指摘になりました日本とASEANとの包括的経済連携の枠組みと申しますのは、平成十四年の一月に小泉総理がシンガポールでまず提唱した考え方でございまして、この日・ASEAN包括的経済連携構想ということに向けて、昨年の十月に日本とASEANとの首脳会合がインドネシアでございましたが、その際に、こういう方向に向けて協議、交渉を始めようということが決められました。 この枠組みと、それから今進んでいます二国間の交渉との関係でございますが、基本的に、現在行っています二国間交渉の成果をもとにしながら、ASEAN全体との包括的な枠組みをつくっていくということになります。先般合意されました枠組みにおきましては、二〇〇五年の初めぐらいからASEAN全体との包括的な連携協定の交渉を始めようということになっておりまして、その実現に向けての措置は、二〇一二年ごろを目標に合意するという作業が進んでおります。
○大島(敦)委員 今御指摘のあった平成十四年一月十四日の小泉首相の演説の中で、ともに歩みともに進むコミュニティーの構築を目指すべきで、その試みは、日本・ASEAN関係を基礎として、拡大しつつある東アジア地域協力を通じて行われるべきだと言っていまして、日本国としては、今二国間協定を発展させることによって、相互、要は外交的にはマルチと呼ばれている多国間の経済連携の仕組みに持っていく意思があるのかなと私は理解しているんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
○佐藤政府参考人 基本的考え方は先生が御指摘のとおりでございまして、二国間の交渉を積み上げる形で、それに基づく形での包括的な枠組みをつくっていくということになります。 当然、包括的な枠組みの中に盛り込まれるものと、二国間の枠組みに盛り込まれるものと違いが出てきますけれども、例えば、細かい話でございますけれども、関税等の撤廃、削減をどういう形でやっていくかというような話は二国間で合意する必要がございますけれども、協定の本体についてはASEAN全体の枠組みに、協定に入れ込んでいくというような形になると思います。
○大島(敦)委員 そうしますと、これまで御説明していただいた中で、人の移動の問題、特にフィリピンとタイが強いと伺っています。フィリピンとタイの人の移動というのは、その中でもフィリピンが強いと私は伺っておりまして、初めてだと思うんです、諸外国から特定の業種についてぜひ日本の国内で働かせてくれと言われることというのはこれまでなかったことだと思いまして、その交渉事は、日本は人を受け入れるかわりに工業製品をそちらの方の関税を低くしてくれというような、多角的にお互いの条件の交渉が行われていくかと思うんですけれども、そういう理解でよろしいですよね。
○佐藤政府参考人 御指摘のとおり、協定交渉におきまして、双方の要求事項については、それぞれの国内事情等を配慮しながら、交渉の中で決まっていくということになります。
○大島(敦)委員 その中で今、交渉としては、いつごろまでに終結、合意を結ぶ予定なのか。これまでの新聞報道等ですと、今年度、ことし末までには条約を締結する、したいという目標があるやに、そういう記事を読んでいるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 現在行っている交渉につきましては、韓国は昨年の十二月から、東南アジアの三つの国についてはことしの初めから交渉しております。双方ともにできるだけ合理的に早い時期に妥結しようということで合意しておりまして、交渉事でございまして、相手のある話でございますので、双方ともにできるだけ早くということで交渉しておりますが、いつごろ合意できるかというめどについては、現時点では立っておりません。
○大島(敦)委員 交渉事ですから、いつごろ交渉を妥結するかについては言えないと思うんです。ただ、交渉の山がいつごろ来るかということのお答えはできるかと思うんです。それは交渉事ですから、再来年か、あるいはその先なのか、あるいは年内いっぱいなのか、あるいは来年早々には山を迎えるかという、その辺のめどというのは立っているのでしょうか。
○佐藤政府参考人 各国との交渉の進捗状況は国によっていろいろ差異がございまして、双方のリクエストオファーを交換し、今鋭意すり合わせをしているところでございまして、どの辺に山場が来るかというのは、残念ながらこの場で申し上げることはできないかと思っております。
○大島(敦)委員 そういたしますと、いつごろ締結するかが言えない。それは相手方があることですから、その相手方の出方によって、あるいは私たちが譲れない点があった場合には、それは交渉をやめる、打ち切るということもあるかと思うんですけれども、そういうことも考え得るということでよろしいでしょうか。
○佐藤政府参考人 それぞれの交渉につきましては、首脳レベルでぜひ合意しようという強い政治的意思のもとに始まっておりますので、そう簡単に中断ということはないと思いますが、現時点においては、それぞれ四つの交渉ともに、できるだけ早い時期に合意しようということで、それぞれの交渉チームが一生懸命努力をしているという段階でございます。
○大島(敦)委員 これは人の移動に関してなんです。人の移動に関しては、これまで平成十一年の閣議決定がございまして、人の移動に関しては、我が国としては、専門的、技術的な人の移動については認めるけれども、それ以外の単純労働者に対しては認めないという方針だったかと思うんですけれども、その点について、これは法務省の方に、その考え方についてちょっと御説明ください。
○蒲原政府参考人 お答えいたします。 我が国の外国人の受け入れに関しましては、我が国の経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者の受け入れをより積極的に推進していくという基本方針に基づいてやっておりまして、今討議されておりますEPAの交渉におきましても、入管としてはこの点を踏まえて進めてまいる所存でございます。
○大島(敦)委員 まず一つの縛りとしては、平成十一年の閣議決定があるということが一つあります。 ただ、先ほどお話ありましたとおり、二国間の協定では実はないんです。日本とフィリピンが結んだその条件というのは、恐らくこれから交渉するほかの国々についても適用される可能性が高いと私は考えているんです。 ですから、フィリピンだけのテーマでしたら、余り私もここで取り上げて、その細かいスキームについて皆さんに質問するということはしないんですけれども、僕は、今回のこのフィリピンとの交渉事というのは、今後の日本における外国人労働者を受け入れる一つのスタンダードな形になる可能性があるなと思ってこの問題を取り上げておりまして、外国人労働者の受け入れの問題についてどのように厚生労働省、大臣は考えているのか。受け入れた方が、要は、今の閣議決定がありますから、閣議決定を踏まえて受け入れるつもりはあるのか、あるいは、厚生労働を預かる立場として、やはりそれはちょっと待ってくれというのか。 それは、今求められている、先ほど御説明ありました看護師とかあるいは介護福祉士についてとともに、ほかの分野についても求められる可能性は高いと私は考えているんです。ですから、そこの厚生労働省としての大臣の御見解を伺わせてください。
○尾辻国務大臣 先ほど来お話しいただいておりますように、基本的に、まず、平成十一年八月の閣議決定でございます第九次雇用対策基本計画がございます。お述べのとおりでございます。それを受けまして、厚生労働省といたしましては、五つの原則を決めております。 すなわち、申し上げます。一つが、専門家の移動に限定する。次に、身体、精神にかかわり、チームで提供する医療、福祉サービスの専門家として働くために、一定の知識、技術を要する国家資格の取得を求める。次に、労働市場への悪影響を避けるため、受け入れ枠を設ける。さらに、不法滞在等を避けるため、送り出し及び受け入れの組織、枠組みを構築する。ステップバイステップのアプローチをとる。 これだけの五つの原則を決めておりますから、この原則にのっとって今後話を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○大島(敦)委員 恐らく外務省の方には答えづらいとは思うんですけれども、これは厚生労働省の原則であって、我が国の原則ではないわけなんです。ということは、外交交渉の中でこの原則は変えられ得ると考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 外交交渉の現場におきましても、我々としては、日本国内の制度、法令それから現状等を踏まえて交渉に当たりますので、日本側として受け入れられないものについては、交渉の現場でもノーと言わざるを得ないと考えております。
○大島(敦)委員 では、ただいま大臣が御指摘になった五つの点について、ちょっと細かく掘り下げさせてください。 まず、一つの、専門家の移動に限定するというのがありまして、専門家の移動というのは、今対象となっているのは看護師さんと介護福祉士さんなんですけれども、その枠を今後広げることは、医療行政においてまずは考えていらっしゃらないという理解でよろしいでしょうか。
○岩尾政府参考人 現在、フィリピンとの交渉ということでこの二つが出ているというふうに承知しておりまして、それ以外の職種については考えておりません。
○大島(敦)委員 次に、国家資格の取得を求めるということを言っていらっしゃいまして、韓国とかあるいは中国のように漢字文化圏であれば、多少我が国の言語に対してのハードルは低いかなと思うんです。フィリピンとかタイランド、タイもそうなんですけれども、漢字文化圏ではないところのハードルは非常に高いということが想定されまして、我が国の国家資格の取得を求めるというところは、非常に他国からみればハードルが高いのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○岩尾政府参考人 交渉に当たっては、少なくとも看護師の質の確保という観点が大事だろうと思っておりますので、日本の医療現場で円滑に就業されるように、看護師の国家資格を取得しやすくなる、つまり、日本語の試験を受けて合格しやすくなるような環境の整備ということも、あわせて考えていきたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 今の、日本語の言語能力をつけるための施策を、仕組みを考えたいということなんですけれども、具体的にどういうような内容なんでしょうか。
○岩尾政府参考人 一般的に、資格取得の環境整備ということであれば、日本語教育の実施とかがあるかと思いますが、こういうようなことも相手国との交渉の条件であるかと思いますので、具体的な内容については、これ以上コメントすることは差し控えたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 これは厚生労働省の意見でいいと思うんですよ。相手国との交渉ですから、今、我が陣営がどういうような条件を向こうに出しているということは言えるかと思うんですけれども、今、多分交渉をしているタイミングなのかな。ですから、ちょっとそこの、我が陣営としてどういうことを相手にぶつけるかということを、ぜひもう一度御答弁お願いします。
○岩尾政府参考人 まさに今週交渉しているというふうに私も聞いておりますので、少なくとも、国家資格の取得ということが大前提でございますから、受けやすくするということは、別に、例えば合格基準を下げますとか、そんなことはもちろん言えないわけですから、私どもとして出せる条件というのは、あくまでも試験に通りやすくなる、つまり、日本語がよくわかるような教育というものを何らかの形で向こうに提供するということは、交渉の条件の中には入っているかというふうに思っております。
○大島(敦)委員 大臣、今の答弁を聞いていまして、よくわからないんですよ。 交渉事だからどうなるかわからない、それは当たり前のことでして、ただ、足元、交渉している中で、厚生労働省として、こういう枠組みじゃないと私たちは受け入れられない、そういう線というのはあるはずなんですよね。 そのことについて、例えば、日本語教育をどうするのか。その日本語教育について、よくちまたで言われているのは、ODAの予算を使ってフィリピンに日本語の学校をつくって、そこで日本語教育を受けさせて、かつ、医療の現場で従事されますから、その専門語の教育も含めてされるのか、あるいは、日本に一たん受け入れて、日本の中で日本語教育を付して、そこから試験を受けてもらうのか、いろいろなことが考えられるんですけれども、そこのところはどういうふうに考えればよろしいんでしょうか。 それは大臣、ぜひ御答弁ください。
○尾辻国務大臣 先ほど来御答弁申し上げておりますように、今交渉の段階でございますから、余りそこの内部に至るようなことを申し上げるわけにはまいりません。ただ、今、まず委員おっしゃいました私どもの一つの原則といいますか、先ほどの一般的な原則は申し上げましたけれども、今度のことで、これもやや交渉事の内部なのでいかがかとは思いますが、せっかくの御質問ですから、このぐらいまでは申し上げていいだろうと思って申し上げるところでございます。 それは、英語で試験をさせてくれというような話もないわけではございません。しかし、私どもとしては、日本の資格を取ってもらう、そして日本で働いてもらうのが前提でありますから、やはり日本語で試験は受けてもらう方がいいだろうというようなことを言っております。その辺のところは私ども譲れない線だと実は思っておりまして、交渉事の中身はといいながら、この辺ぐらいまではせめて申し上げなきゃと思ったところで申し上げたわけであります。 日本語で試験を受けてもらう、それで、受かりやすくするために我々もまたできることはしてあげないと、試験を受けてください、それで通らない試験して何の意味があるんですか、こうなりますから、そんなことをするつもりも言うつもりもありません。そうすると、今まさに委員お話しのように、現地でまず日本語の勉強をよくしていただく、それについては外務省が今努力をしていただいておるようなことでございますから、そういうことも当然やっていただきたい。 それから、今委員がいみじくもおっしゃったようなこともいろいろ考慮に入れながら交渉をしていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○大島(敦)委員 恐らく、我が国とフィリピンの関係を考えれば、これがある程度発展した国との交渉であれば、相手国に対して予算を伴う措置をするということは多分ないんでしょうけれども、多分、こういう貿易交渉においては多少日本が譲るところもあるかなと考えております。 その次に、受け入れ枠というのがありまして、なかなかこの受け入れ枠というのは、今後、ここでフィリピンと幾らの枠を結んだ、例えば千人なのか、一万人なのか、百人なのか私は知りませんけれども、これはその次の交渉に、次の国と交渉事になったときに、フィリピンよりも人口が二十倍だから二十倍受け入れてくれとか、そういうことというのは、やはり交渉の相手国としてはスタンダードになって求めてくるケースになると僕は思うんです。 ですから、受け入れ枠について、それはどのような考え方で受け入れ枠を設定しようとしているのか。やはり理屈がないと後になって、一つの理屈を入れた方が私はいいと思うんです。 例えば、日本の看護師さんとかあるいは介護福祉士さんの労働市場、従事されている方のパーセンテージで示すのか、総枠として示して、フィリピンはその中でやってくれ、他国が入ったら皆さんここから削りますよとか、そういう交渉事というのは僕は非常に大切だと思っていまして、何事も、一番最初の段階でまずい条件を結ぶと後々響くものですから、そのことについて、特に受け入れ枠の考え方についてお考えを伺わせていただければ助かります。
○尾辻国務大臣 おっしゃるとおりでございます。 そこで、今フィリピンとの交渉中でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、専門職の国内労働市場への影響などを考えざるを得ませんから、何らかの人数制限を設けることが必要だと考えております。 その人数制限でございますが、これはまた率直に申し上げますが、年度ごとのフローみたいなことで人数を制限して言うのか、あるいはストックで言うのかというようなことを今考えておるところでございまして、今後の交渉でそこいらも詰めていきたい、こういうふうに思っております。
○大島(敦)委員 数字を持っていれば伺わせてほしいんですけれども、フィリピンの、要は、私は国として人材派遣を行っていると言えるかなとは思うんです。でも、聞くところによると、国内のGDPの一〇%が海外からの送金によって賄われているという話も伺います。 フィリピンとして、どのくらいの規模で海外に労働者、労働力を供給しているのか、数字があったらちょっと述べてください。 〔委員長退席、北川委員長代理着席〕
○佐藤政府参考人 フィリピンが全体としてどれほどの数の労働者を海外に送り出しているかというのを把握する具体的数字は余りないのでございますけれども、フィリピンの統計によりますと、毎年海外に約八十七万人ぐらいの労働力を出しているということでございます。 今話題になっております看護師、介護士に限って申しますと、中東諸国や欧米の英語圏を中心に、看護師については年間一万人強、介護士については年間五千人強の人材を送り出しているというふうに聞いております。
○大島(敦)委員 今、看護師については一万人、介護士については五千人という数字がありまして、恐らく、これからの交渉の中で、余り少ない数字だと、相手は、交渉当事者、当事国は拒否するのかなと思っていまして、ですから、枠の問題というのは、我が国としては、受け入れる受け入れないの判断とともに、どういう枠の設定をするかというのは結構大切となってくるんです。 その受け入れのスキームについて、日本語の教育の問題、あと、試験を日本語で受けてもらう問題がございまして、もう一つ、コミュニケーションの能力も必要なのかなと思うわけです。これは、医療の現場で働くわけですから、命にかかわることもあるかと思いまして、その辺のコミュニケーションの能力についても、我が日本の予算あるいは日本の持ち出しでそれを行うのかどうかというところをちょっと伺わせてください。そういうことをお考えかどうかというところを伺わせていただければ幸いです。
○岩尾政府参考人 現在でも、医療で在留資格を取得するためには、日本の学校を卒業して日本人と同様の日本語による国家試験に合格することを要件としております。臨床の実習を含む看護の専門教育の中で、日本語のコミュニケーション能力はもとより、医療現場の理解というのも必要だろうと思っております。 したがいまして、今回のフィリピンとの協議においても、そういうことで日本語の国家試験に合格することを条件としていますが、それにとどまらずに、今後、日本の医療現場での円滑な就業が確保され、看護師の国家試験を取得しやすくなるような環境の整備ということも、先ほど来申しておりますように、検討していくということでございます。 日本の医療現場が混乱しないということが大前提で、医療の安全が確保されることを旨として交渉には臨んでいきたいというふうに考えております。
○大島(敦)委員 今までの答弁の中で、フィリピンから看護師さんとか介護福祉士さんを我が国に受け入れるということについて、先ほど御説明あったとおり、我が国の学校を出て、我が国の試験に受かった方は、多分四年間でしたか、我が国で従事はできる、そういう仕組みを持っています。そういうふうになっているとは聞いています。 今回のスキーム、今回の仕組みの中で枠を決めた場合に、多分、だれがその対象となる方を決めるのかという問題が一つには出てくると思うんです。これは、今小泉首相がよく言われている官から民へという発想が一つあるわけです。余り官製市場をつくることについてはよくない、できるだけ今回の、私は小泉さんの改革については意見はたくさんあるんですけれども、小泉首相としてはそのようなお考えで今国の仕組みを変えようとしているわけですよね。 そうしますと、今回の受け入れというのが、余り国が関与するところ、受け入れ枠を決めること、あるいはどの人に我が国に来てもらうかを決めることについて、我が国が判断するよりも、条件、ルールをつくったらルールに任せた方が私は今の政府のあり方として正しいかなと思うんですけれども、その点のルールの考え方について、いや、そうじゃないよ、最初のことだからきっちりと政府が管理してやっていくんだという考え方なのか、ルールは決める、そのルールにのっとって、後はどういう人に入ってもらうかは任せてやっていくのか。ちょっとその点の大きな考え方、二つあると思うんですけれども、大臣の御所見を伺わせてください。
○尾辻国務大臣 先ほど、五つの原則を御説明申し上げました。そのときに、四番目として、不法滞在等を避けるためというまくら言葉はついておりますけれども、その後に、送り出し及び受け入れの組織、枠組みを構築する、こういうふうに決めておりますので、ここの部分を官でやるのか民でやるのかはございますけれども、今私どもが考えていますのは、そういう組織、枠組みの中でやろう、こういうふうなことでございます。
○大島(敦)委員 これまでですと、外国人研修・技能実習制度というのがありまして、三年間に限って我が国が受け入れておりまして、その人数も四万六千人、ここ十年間で四万人ぐらいふえているのかな、時々、KSDの問題とかアイム・ジャパンの問題とかで問題も起こしながらも、受け入れ人数はふえている。 そういう枠組みを想定されているのかなと思う反面、では、ちょっと外務省の方に伺いたいんですけれども、そういう枠組みというのは、これも外交交渉だからわからないという答えが来るのかもしれないけれども、これはよくあることなんですか。枠を決めて、我が国が受け入れもすべて管理して、要は、だれを受け入れてだれを帰すかというのをしっかりと管理して受け入れるということは、これまで諸外国の交渉の中で前例があったかどうかだけ伺わせてください。
○佐藤政府参考人 人の移動についてのいわゆる枠組み、制度については、必ずしもここに資料を持ち合わせておりませんが、御参考になるかと思いますのは、物の輸入の場合でございます。原産地証明というのを発給しています。例えばフィリピンから特定の産品を入れる場合に、その物がちゃんとフィリピンでつくられたものかどうかということを確認するという意味で、原産地証明の発給というような制度がございます。 人と物とは当然違いますけれども、そういう物の移動についても、何らかの制度とか証明書の発給とか、いろいろな枠組みがございますので、人についてもそういうような形での枠組みというのは当然できてくるんだろうと思っております。
○大島(敦)委員 初めて行うことですから、恐らく厚生労働省としては、慎重の上にも慎重に考えて、きっちりとした枠組みを多分提示しているのかなとは推察をされるんですけれども、この問題というのは、先ほど冒頭でも述べたとおり、この問題だけにとどまらなくて、今後のテーマにもなってくると思うんです。今回は、平成十一年の閣議決定があり、その中での話し合いですけれども、この閣議決定を五年後、十年後、見直していくということも求められてくると思うんです。 もう一つは、この閣議決定の中で、どうして単純労働者を受け入れないかというのは、労働を供給したいという強い圧力があるから、そこについては待ったをかけているという記述がございまして、それも私はそうだなと思うんです。 その中で、我が国として、今後、労働市場については、特に外国から受け入れるという問題が多分頻繁に議論として出てくるはずなんです。ですから、今回は医政局の方が、看護師さんとかあるいは介護福祉士さんを中心に御議論をされているようですけれども、ほかのテーマにも多分波及してくるのかなと自分は考えておりまして、そもそも論に立ち返った議論というのが必要であるのかなと。 今後、すぐに結論は多分出ないと思っているんですけれども、その点について、大臣の御所見を伺わせていただければ幸いでございます。
○尾辻国務大臣 先ほど来原則論を申し上げておりまして、また重ねて申し上げることになりますけれども、私どもの五つの原則の中で申し上げましたように、チームで提供する医療、福祉サービスの専門家として働くために、一定の知識、技術を要する国家資格の取得を求めるということでございますので、当面、そうした人たちに限り受け入れるということを申し上げざるを得ません。 そして、先ほど来言っておられますように、最初のことでありますから、私どもとしては慎重に、そして基本どおりに、受け入れるものなら受け入れたいと考えておるところでございます。
○大島(敦)委員 大臣、これは非常に難しい判断だとはよくわかるんですけれども、慎重に慎重を重ねてやっていくと、多分、主導権をとれない。自分たちが中心となってこの外国人労働者の問題を議論できなくなるんですよ。相手国から言われたのに対して、私たちはこう反論するという守りの姿勢になるわけですよ。ですから、我が国としてどうやって受け入れるかというのは積極的に議論して、攻めでやっていった方が私はいいかなと考えているんです。 それは、多分皆さんの後ろには業界団体等があるかなとは推察はされるわけですよ。その圧力を感じながらというのはわかるんですけれども、それだと、多分、自分たちが思ったような受け入れというのが将来的にはできなくなるというおそれを私は感じているものですから、積極的な議論を大臣のもとでやっていただければなと思うんですけれども、その点について、最後にちょっと伺わせてください。
○尾辻国務大臣 私ども厚生労働省といたしましても、大きく国益ということを考えなきゃいかぬということは承知をしておるつもりでございます。 また一方、冒頭申し上げましたように、私どもには国民の医療、心の、体の安心、安全をお守りするという立場がございますし、また、もう一つ加えて言いますと、労働行政を預かっております。そうした中で総合的に判断して、私どものとるべき道を考えていきたい、こういうふうに考えます。
○大島(敦)委員 積極的な議論と、受け入れから送り出しまで、それを国が詳細に管理することについては、恐らく、多分なかなかできなくなってくるんだろうと思っていまして、自分としては、ルールを決めてルール内でやる、後は市場あるいはマーケットに任せていくのが正しいかなと思っていますが、それはまた後の議論にします。 非常に地味な質問に移りたいと思います。地味なんですけれども大切なのが、ちょっと話は労働行政に移りまして、災害の問題なんです。 要は労働災害の問題でして、余りこの厚生労働委員会でもこの問題についても議論はこれまでされてきませんでした労災の問題につきまして、まず、私の記憶している限りにおいては、製鉄所の中でガスタンクが爆発する事件があったり、あるいはゴム、タイヤのメーカーの火災があったり、あるいは造船所で二回続けて火災があったりして、日本の労働災害というのが、特に重大災害がふえているのかなという自覚を持っているんですけれども、その点についてどういう認識を持っているのか、ちょっと伺わせてください。
○青木政府参考人 労働災害につきましては、死亡者数あるいは休業四日以上ということで整理をいたしておりますけれども、死傷者数は長期的には減少傾向にずっと来ております。 例えば、平成十五年の死亡者数は、千六百二十八人と過去最少でございます。また、休業四日以上の死傷災害も、十二万五千七百五十人ということで、平成十五年が過去最少であります。 しかしながら、今委員御指摘のありました重大災害、これは、一度に三名以上の労働者が被災するものを重大災害というふうに整理をしておりますけれども、これは逆に、昭和六十年以降増加傾向にございます。昨年は、お話にもありましたように、我が国を代表するような大企業で重大災害が多発をいたしまして、結果として二百四十九件というふうになっているところでございます。
○大島(敦)委員 重大災害が多発している原因、いろいろな原因があると思うんです。 私が考えるに、熟練した労働者が今皆さん退職をされているわけです。安全衛生に関する工場の中での、作業場の中でのノウハウというのがしっかりと伝承されなくなっているのかなと自分は今考えているんです。ですから、重大災害について国として常に注意を喚起しておかないと、重大災害は減らないと思いますし、ふえるかもしれない、ふえるおそれがあると考えているんです。 ですから、重大災害について国としてどう取り組んできたのかを、ちょっと伺わせてください。
○青木政府参考人 昨年夏以降、我が国を代表するような大規模製造業の事業場で、お話にもありましたように、爆発とか火災とか重大な災害が多発しましたので、そういった事業場の安全管理の実態を調査いたしまして、安全管理活動の強化を促すために、それらの事業場で自主点検を行わせました。 また同時に、そういった状況でありましたので、関係省庁が集まりまして、重大災害に関する情報を交換したり、あるいは安全対策の検討を行って災害防止を進めていこうということで、総務省あるいは経産省と一緒になりまして検討をして一定の考え方を出して、事業場自身に十分体制をとってもらうことと同時に、各省でも対策を進めていこうというようなこともやってきたところでございます。 自主点検をしました結果、いろいろな原因が考えられましたけれども、その分析をいたしますと、災害発生率が高い事業場では、事業場のトップみずからによる率先した安全管理活動といったことが不十分であるということでありますとか、事業場のトップ自身が安全管理に必要な人員だとか経験だとか経費というものについて事業場において不足感を抱いている、あるいは、事業場の中におります労使が協力をして安全問題を考えていこうということで、安全委員会ということで活動をやってもらっているわけですけれども、そういった活動が低調であるとか、あるいは、設備だとか作業の危険性の大きさを評価しまして、それに基づいて災害を防ぐというための措置の実施が低調等の問題点が見られましたので、災害防止のために事業場のトップの積極的な取り組みが重要なことであるという認識のもとで、これらに対する働きかけ、あるいは指導、そういったことを進めているところでございます。 〔北川委員長代理退席、委員長着席〕
○大島(敦)委員 この安全管理というのは地味な作業をずっと続けないといけないわけでして、これはなかなか御理解していただけるのは難しいかなとは思うんですけれども、自分の経験でも、何回も工場の中で安全管理、安全教育をしたとしても、必ず死亡事故は起きるんです。人間というのは、何回も注意を喚起しても、どうしても事故をしてしまう。例えば、工場の中で、二十トンのコイルがあって、それがゆっくり回転したときに、はた目ではとめられると思ってとめに入ったらひかれてしまうとか、鋼材を積んでいるトレーラーが急ブレーキをかけると後ろから鋼材が来てやはり死亡事故につながるとか、こういう問題というのは、工場内には至るところに災害につながる種というのか原因があります。 ですから、一番必要なのは、トップ、経営トップ、あるいは製作所内、工場内でのトップが常に安全衛生に関して関心を持つこと、そして、今ですと、工場の中の安全衛生委員会なりあるいは安全委員会が形骸化もしているのかなと自分は危惧するわけなんです。 ですから、その点について、衛藤副大臣、労働担当でいらっしゃいますので、ぜひ、労働行政を所管する立場から、安全衛生についての御所見を伺わせていただければ助かります。
○衛藤副大臣 仰せのとおり、最近の重大事故を見ておりますと、非常に超優良な工場において起こっているというか、大きな有名な工場において起こっているということで、非常に残念でもございますけれども、そういうことに関しまして、先生の今おっしゃいましたように、経営トップ、それから工場トップの取り組みが常に大事になってきているというように思います。 そのことについて、昨年には、総務省、厚生労働省及び経産省の連絡会議の取りまとめにおきましても、近年の新規採用者の絞り込み等によって、安全衛生技能の伝承が確実に行われなくなってきているのではないのか、それから、熟練工の減少等によってそういうことも起こっているんじゃないのかと。それは、やはり最終的にはトップの取り組み方が大変大きな影響を与えるということでございまして、このことについてさらに徹底してまいりたいというように思っております。 この経営トップに対する安全管理の徹底、それから事業場のトップによるところの、常にやはり安全衛生方針の表明を初めとするいろいろな指導について徹底をしてまいるということが重要であるというように思っておりますので、この安全管理につきまして、さらに厚生労働省挙げて徹底して取り組むという姿勢で臨みたいというふうに思っておる次第でございます。
○大島(敦)委員 もう一つ、ことしの三月一日から製造業に対して労働者派遣が認められています。 製造業に対しての労働者派遣というのは、皆さんの、派遣をする側、される側でしっかりとした安全衛生教育をしてほしい、してくださいという要望はされているんですけれども、安全というのは、本当に繰り返し、しつこく教育あるいは注意を喚起していかないと守れないのが安全でございまして、ですから、ぜひそこのところも、今後、厚生労働省として、まだ統計資料は出ていないと思うんです、どのくらい事故が起きたのか、労働災害が起きたのかという点については。でも、今後の、要は注意をしていく必要があるのかなと思うんですけれども、その点について御所見があれば伺わせてください。
○青木政府参考人 お話しのように、ことしの三月に物の製造業務への労働者派遣が可能になりまして、そういう意味では、一つの製造現場において事業主が異なる労働者が一緒に働くというようなことになってきつつあるわけであります。 そういうことでありますので、派遣労働者に対する労働安全衛生法上の責任というもののうち、一般健康診断とか雇い入れ時教育については派遣元事業主が責任を負うということになっていますし、危険または健康障害を防止するための措置については派遣先事業主が負うことになっておるわけでありますけれども、物の製造業務への派遣が可能となったことに伴いまして、製造業務専門の派遣元、派遣先責任者の選任というのが義務づけられたわけであります。そういう意味で、製造業務についてとりわけよく留意、配意をしようということであります。その人に、安全衛生に係る連絡調整の業務をさせるということであります。 また、同時に、今お話ありましたように、まだ具体的な統計数字が出ているわけではありませんけれども、派遣労働者が被災をしたというような場合に、的確にそういった事案を把握するために、労災が起きた場合には事業者に一般的に提出を義務づけております死傷病報告というのがありますが、これに派遣先事業場の名称等を記入することとしまして、的確にまず把握をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。 本当に、労働基準局、そして労働基準監督署の皆さんは、特に監督署の皆さんは地味な仕事を常にやっていらっしゃいまして、ぜひ今後も注意を経営あるいは工場の中で喚起していただくことによって、労働災害がさらに減ることをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○鴨下委員長 次に、山口富男君。
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 きょうは、私は、災害にかかわる厚生労働行政の問題、それから障害者施策の問題、それと公益法人と政治団体の関係にかかわる問題などについてただしてまいりたいと思います。 まず初めに、災害なんですけれども、今回起こりました新潟県の中越地震なんですが、これは死傷者の問題でも、十万人を超える方が避難生活を強いられているという点でも、極めて深刻な大災害だと思うんです。それで、現在、先ほどの報告でも、災害救助法が六市二十三町村に適用されている、それから、被災者生活再建支援法については新潟県下全域で適用ということになっているようですけれども、この被災者の救出、救援、復旧に全力を挙げるというのが私たちの務めだと思います。 それで、大臣は先日のあいさつの中で、被災者や被災地の支援に万全を期す、これは地震の前でしたけれども、台風災害を例に挙げてそういうふうにお述べになりました。今、被災地からの声というのは、連日新聞でもテレビでも報じられておりますが、食糧の問題でも、飲料水、それからトイレにかかわることでも、それから毛布、いずれも、とにかくまだ届いていないという声がひっきりなしに聞こえてくるわけですね。 ですから、私は、やはりこれらは被災地域で生活する場合に本当に最低限のものですから、あらゆる手だてを使って必要な物資を届け切るように、この点での国を挙げて、そして厚生労働省挙げての万全の仕事を求めたい、このことをまず初めに大臣にお伺いします。
○尾辻国務大臣 関係省庁とも連携をとりまして、これはもう連携をとらなければできないことでございますから、私どもも全力を挙げて取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
○山口(富)委員 全力を挙げる場合、どこに目を向けるのか、なかなか大事なことがいろいろ起きていると思うんです。 私は、今回の場合、二次被害がこれだけ広がったというのも、私たち手を打たなきゃいけないと思うんですね。具体的に挙げますと、地震による精神的ショックや避難生活による疲れで、高齢者の方を初めとして二次被害としてお亡くなりになっている。これを見ますと、きょうも余震がこの委員会の最中に起こりましたけれども、長期間の避難生活が強いられるということが想定されますから、そうなると、私、やはり全国的な支援も要請して、避難所に医師や保健師さんをきちんと置く必要があると。 今、新潟県の発表を見ますと、大体四百七十から四百九十七避難所がある。報道によっていろいろですが、大体八万人から十万人そこにいらっしゃるということなんですけれども、車でも避難の生活を送られている方がいらっしゃるわけですね。ですから、避難所に医療や保健の体制をとると同時に、地域を巡回するような支援の体制も含めて、二次被害の防止に当たらなきゃいけないというふうに思っているんですが、この手だてはどうなっていますか。
○岩尾政府参考人 現在、心のケアも含めて、新潟県の方で医療チームの派遣等々の計画を既に立てております。 具体的には、避難所に行く医療班のメンバーをそれぞれ、例えば国立の病院からですとか、それから赤十字からですとかというような割り振りをすべて決めて、きめ細かな配置などをしているというように聞いております。 既に多くの日本全国の医療機関、それこそ県内のみならず遠くの自治体からも幾つかの医療班が派遣されて、既に、十月二十六日現在ですが、現地に到着して活動しているというような情報も新潟県からいただいておりますので、被災者の医療の確保については万全を期して、また、新潟県からの要請があれば、我々も必要な援助というのを行ってまいりたいというふうに考えております。
○山口(富)委員 聞いていますでは困っちゃうんですね。 大臣にお願いしたいんですが、避難所がこれだけ広がっておりますから、もちろん一カ所一カ所に全部、全二十四時間体制というのはなかなか現状難しいかもしれませんけれども、いろいろなかけ持ちも含めまして、全域にわたって医療と保健師さんの体制をとる、そういう方向での努力を求めたいと思うんですが、いかがですか。
○尾辻国務大臣 ただいま医政局長よりお答えしたとおりではございますけれども、もう一度よく現地の状況を聞いてみまして、必要なことがあればその措置をとりたい、こういうふうに考えます。
○山口(富)委員 それでは、現地の状況をよく調べて、必要な体制をとっていただきたいんですが、もう一点、先ほど医療施設や社会福祉施設の問題で、それぞれ被害を受けているという報告がありました。医療施設ですと百三十九病院の調査をやったという話があったんですけれども、確かに被害状況については、厚労省のホームページに入っております「被害状況及び対応について」という、私が今手元に持っているのは第九報で、この後出ているかもしれませんけれども、これを見ても一応書いてあります。 問題になるのは、例えば、地震の際に経口チューブが外れてお亡くなりになった方がいらっしゃるんですね。こういうことから考えましても、今被害がこれだけあるということをつかむだけでなくて、二次被害を防止するために復旧の問題を考えざるを得ない、このことも含めた対応がきちんとできているのか、確認しておきたいと思います。
○岩尾政府参考人 まず、地震の被害を受けた全損の病院が三つあるということでしたので、そこの患者さんをどうするかということは喫緊の課題でしたので、それらについては全員の方々を別の施設に移したというふうに聞いております。 それから、そのほか診療所等々、実際に施設で十分な医療が行えないということである状態が想定されますので、私ども、災害拠点病院というのが新潟県の中に幾つかございますので、そのようなところに二十四時間対応可能な体制をしいているというのが通常でもございます。 それに加えまして、県内あるいは県外から大勢の医療チームが現地に入っているということですので、確かに、実際、地震が起きている最中にいろいろな事故があるのは痛ましいことでありますが、その後の処置が速やかにできるような体制というのは一応現状ではできているというふうに認識しておりますが、改めて新潟の方にもまた確認はしたいというふうに思っております。
○山口(富)委員 先ほどから、聞いているという話が多いんですけれども、現地に対策室を持って、厚生労働省は派遣しているんですから、私たちはこれを現地の対策本部に格上げすべきだという提案をしておりますけれども、きちんと把握していただきたい。そして、日常的に今テレビがありますから、見ている限り、余震が起きたときの病院の風景というのは大変なものですよ。私は、安心から出発するんじゃなくて、現状から出発して、そして避難されている方々の要望から出発して、きちんとした対応をとっていただきたいと重ねてお願いしたいと思うんです。 それから、厚労省の発表を見ますと、二十四日ですけれども、人工透析、難病患者などへの医療の確保体制をとるということで、関係の県にその確保を求めたということなんですけれども、これは確実な確保が既にできているというふうに考えてよろしいんですか。
○田中政府参考人 透析患者さんの対応について申し上げます。 地震発生の翌日、十月二十四日に、新潟県を含め近隣四県、それから日本透析医会、これらに対しまして、厚生労働省の防災業務計画、こういうのがございまして、これに基づきまして適切な対応を行うように要請を行いました。また、継続的に情報収集を行うとともに、その情報を関係機関とともに共有しているというところでございます。 現時点におきまして、人工透析患者の受療確保は、新潟県、それから先ほど申しました日本透析医会等の迅速な対応によって適切に行われているというふうに聞いております。
○山口(富)委員 大臣に一つ重ねてお願いしておきたいんですけれども、きょうの質疑を通じましても、厚生労働省としてこういうことができるとか、こういう手を打っているという話が随分あったんですね。例えば、お医者さんにかかるときに保険証がなくても、とりあえずは御本人がわかればいいんだという話がありました。しかし、今避難されている方々はそういうことを別に知っているわけじゃないんですね。ですから、厚労省自身が、直接この避難されている方々に、こういう問題はこのように対応できますとかそういうことを知らせるような、例えばチラシをつくるとか、何らかの説明会をやるとか、そういう努力を今すべきじゃないでしょうか。
○尾辻国務大臣 こういう場合には、厚生労働省としてはすぐ、都道府県を通じてお願いします、こういうことになるわけでございまして、今度も、災害救助法の関係もありますので、まずは新潟県を通じてということになりますけれども、一方、今お話しのように、きっちりPRしなきゃならない、これは当然のことでございますから、私どもも最大限の、先ほど来最大限の努力という言葉ばかりを使っておるようで申しわけないんですが、まさに最大限の努力をしたい、こういうふうに思っております。
○山口(富)委員 その点は、私たち含めて最大限の努力を一緒にしたいと思います。 それで、山古志村が二千人の全村避難をやったわけですけれども、長島村長さんがこういうふうにおっしゃっているんですね。長期間になると覚悟している、知事には三宅島並みの支援を要望すると言っているんですが、皆さんも報道で御承知だと思うんです。 この三宅島の全島避難の問題なんですが、もう既に噴火災害から四年を経過していまして、とにかく前例のない事態になっている。村役場が来年二月に避難指示を解除して帰島方針というのを打ち出しているわけですけれども、私も先日、直接現地へ調査に行ってまいりました。見てみますと、道ですとかいろいろな復旧をやっているようなんですけれども、その一方で、ガスの問題があり、また降灰の、灰の問題があって、随分家屋は傷んでいるなというふうに思ったんです。来年二月ということになりますと、私は、帰島に当たっての安心と安全と、そして希望のある帰島ということになりますと、それこそ全面的な支援が欠かせないなと思っております。 その中で一つ、高齢者に帰島の希望者が多いんですが、今、高齢者の方が都内で三宅島関係で特養ホームに四十七人入所されています。それで、この方々が帰ろうとしますと、今三宅島には一カ所しか特養ホームがないんですね、あじさいの里といいまして。そこに足を運んだのですが、建物が、噴火災害で傷んでいるのと、潮風を随分浴びていますから、村自身が、そこで再開するのか、それとも別のところに新規でつくるのか、まだ判断に迷っているというところでした。 私は、三宅島の特養ホームについて、これは一カ所しかないわけですから、改修するにしても、それから新規に建設するにしても、村や東京都の要望をよく聞いて、社会福祉施設の災害復旧というものがあるんですから、積極的に国としても取り組んでいただきたいと思うんです。この点、お願いします。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 三宅島における特別養護老人ホーム、ただいまの御指摘の件でございますが、私どもも承知いたしております。 現在、東京都において、施設全体の移転改築が必要なのか、その場所において災害復旧をするのか、そこの点についても、運営されている法人との間で調整をしている、こういうふうに伺っておりますので、現段階では確定的なことを私の方から申し上げることは困難でございますけれども、移転して改築する場合にも、それから現在の場所で原形復旧する場合にも、災害復旧の場合は、土砂崩れなどでその土地がなくなってしまうというようなことがあった場合にはそこで復旧できませんから、そういった場合には当然場所を移すということもありますが、そういうことがないとその場所で復旧するのが基本だとは思いますけれども、いずれにしても、帰島される皆さんの御意向ということを一番に考えて、どちらの形であっても対応できるように、よく東京都とも御相談しながら対応してまいりたいと思っております。
○山口(富)委員 もう一点、関連しまして、国民健康保険や介護の保険料にかかわる問題なんです。 既に国保と介護保険の一部負担や保険料についての減免措置はとられているようですけれども、介護の保険料が、一号保険料は納付期限が延長されているんですが、減免については全壊した家屋になっているんですね。ところが、実際に行ってみますと、全壊家屋というのは大体泥流被害の家屋なんですけれども、それ以外に、火山ガスによってトタン屋根なんかはもうぼろぼろで腐食しちゃっていますから、事実上の全壊家屋というのはかなり見られるんです。 厚労省の方は、被災状況などを確認の上、減免措置を講ずる予定だという立場のようなんですけれども、私は、泥流家屋だけでなくて、火山ガスの影響も受けて事実上の全壊に近い状態になっているところについては、よくそれを見きわめて減免措置をとる、そういう方向での作業を急いでやっていただきたいと思うんですが、この点、いかがですか。
○中村政府参考人 介護保険の方の保険料のお話でございますが、まさに介護保険がスタートした年にこの三宅島の噴火がありまして、全島避難もその年の九月ということでございました。 今、御指摘ございましたように、利用料につきましては減免措置が講じられておりまして、国の方でも特別調整交付金により支援を行っているところでございます。 それから、保険料の方につきましては、全島避難されてから今日までの間に保険料の見直しがございまして、十五年四月に保険料の算定があったわけですが、大変特別な状況にあるということで、保険料につきましてもかなり、三宅島の保険料設定に対し広域化等保険者支援事業で、三割くらいこういう支援事業によって保険料の水準も抑えることができたのではないか。そういう意味では貢献しておると思います。 減免措置につきましては、特別な事情がある場合に市町村の方でできるようになっておりますので、どういう減免措置がふさわしいのか、村の方のお話もあろうかと思いますが、よくその辺についても、全島復帰後きちんと介護保険が運営できるように御相談させていただきたいと思っております。
○山口(富)委員 三宅島関係で、最後に保育所の問題をお尋ねしたいんです。 あの島は、これまで三カ所保育園があったんですけれども、来年二月に向けて、それを一つとりあえず再開するということなんです。全島一周すると大体四十キロという、マラソン並みのところになるんですけれども、一カ所に子供たちを通わせるとすると、これはなかなか大変なんですね。 それにかかわる問題もあるんですけれども、今、お子さんをお持ちの家庭が心配されているのは、ガスが出た場合にどうやって子供を守るのかという安全装置の問題なんですね。これは脱硫装置をつけることになっているわけですけれども、私は、保育園ですとか、それから社会福祉施設もそうなんですが、公的な福祉を担っている分野については、子供たちや利用者、保育士さん、それから、そこには親の方も行っていらっしゃいますから、その安全を守るために、脱硫装置ぐらい国庫で全額つけるべきだと思うんですが、その検討をぜひしていただきたい。
○伍藤政府参考人 三宅島の保育所でございますが、災害復旧というものは原形復旧、原形に戻すということが原則ということでありまして、脱硫装置はこういった補助の対象ではないという取り扱いでありましたが、三宅島の特殊事情にかんがみて、これを何とか補助の対象にできないかということで財務当局とずっと議論を重ねてまいりまして、本日、これを対象にするという回答を得たところでございます。 補助率はほかの災害復旧費と同じような補助率になると思いますが、これを一応対象にするという方向で進めてまいりたいと思っております。
○山口(富)委員 災害問題は、その地元の要望と実情に応じて、本当に機動的、上手に対応していただきたいと思うんです。 次に、支援費制度についてお尋ねしたいんですけれども、昨年、十一カ月ベースで五百十六億円の当初予算が、在宅サービスの利用が大きく伸びましたから、これは非常に喜ばしいことですけれども、当年度不足が百二十八億円だった。何とかやりくりをつけて百十四億円を確保したんですけれども、ことしはどうなるのかというのが、利用されている障害者の皆さん、それから自治体の本当の不安の種です。 きょう午前中に大臣は、大体ことしは二百億円ぐらいじゃないかという答弁をされたんですけれども、現実に、結局、昨年度を上回る規模の不足が現状では出かねない、そういうふうに見ていらっしゃるんですか。
○塩田政府参考人 平成十六年度の居宅生活支援費の予算の見込みでありますけれども、ことしの四月と五月の地方自治体の実績をもとに粗い推計、試算をいたしましたところ、本年度、国庫補助所要額が予算額に比べまして二百数十億円程度上回る可能性があると考えております。 これはあくまで四月と五月分をもとにした粗い推計でありまして、さらに自治体から実績あるいは伸びを取り寄せまして、現状に即した所要額を把握いたしまして、国として必要な対応を検討していきたいと思います。
○山口(富)委員 二百数十億というのは相当なものですね。これは、支援費制度そのものがもともと障害者みずからがサービスを選択できる、そして契約によってこれを利用するという仕組みですから、私は、利用者の選択に十分こたえられるようにしていただきたい。 それで、私たちが聞いているところでは、なかなか昨年のようにかき集めるのは大変だ、そればかり聞こえてくるんですけれども、となりますと、不足しますと、結局、サービスの利用の抑制につながっていってしまうんですね。ですから、これは私は、補正予算での措置を含めまして、それこそきょうは万全という言葉が繰り返し使われておりますが、必ず不足額を補うようにしていただきたいと大臣に求めたいと思います。
○尾辻国務大臣 昨年度は、確かに関係予算の流用等で対応をいたしました。それが可能でございましたけれども、ことしは、今お話しのように、そして午前中も、私は、二百億を超える、こう表現をさせていただいたつもりでございますが、いずれにいたしましても、今部長が二百数十億というお答えをいたしました。そういう不足額になります。そこで、精いっぱい知恵を絞って、必要な予算の確保に向けて最大限の努力をしてまいります。
○山口(富)委員 では、次に、私は、時間の許す範囲で最後になりますが、公益法人の活動と政治団体の区別の問題を取り上げたいんです。 この四月二十七日に、ここに持ってまいりましたが、医政局が「公益法人の活動と政治団体の活動の峻別について」という事務連絡を出しています。これを見ますと、八月末までに該当する問題については報告しなさいということになっていますが、今どういう結果が出ているのか、その特徴は何か、報告してください。
○岩尾政府参考人 御指摘の調査でございますが、四月二十七日に、各都道府県を通じまして、市区町村、郡に至るまでの医師会、歯科医師会、看護協会のそれぞれの支部の実態調査を行っていただくことになりました。約千百ございます。八月末の時点で、四十六の都道府県から来ました。一つの県から未回答ということでございました。それから、回答のあった都道府県のうち八つの府県については、市区町村、郡単位の公益法人については回答がございませんでした。ということで、正確を期すために、一つの県及び八つの府県につきまして、再度結果を求めているところでございます。 今まで来た中で比較的多いのが、公益法人と政治団体の会費の振り込み先を公益法人名義の同一の銀行口座にしていたとか、それから、公益法人のファクス、封筒を用いて会員に対して政治団体の会費納入を依頼していたとかというような事例がございます。 今後とも、結果がまとまり次第、また御報告させていただきます。
○山口(富)委員 この峻別というのは非常に大事なことなんですけれども、きょう、私、ここに日本看護連盟の栃木県支部の資料を持ってまいりました。これを読んでいきますと、「日本看護連盟は、看護協会の目的を達成するための団体として誕生」したと。そして続いて、こういう簡単な図が入っているんですけれども、これは看護連盟と看護協会が相互の矢印で双方向で結ばれておりまして、そしてそれが参議院の場合は清水さんと南野さん、そして自民党、国会に働きかける、そして厚労省も出てくるんです。こういう仕組みになっていまして、これについてはこう説明しているんですね。「看護職の代表を国政の場に送り、連盟と協会が役割分担し一体となって組織的支援をしなければなりません。」 それで、一体どういうことをやっているのかを調べてみますと、毎年、この県の看護連盟と協会が合同の研修会をやっている。ことしは二月六日にやったんですけれども、そこに参加した人たちのアンケートというのがあるんですね。それもきょう持ってまいりました。これをちょっと読んでみますと、看護協会や連盟の役割を理解することができた、参議院選挙投票をきちんと行う必要がある、選挙には必ず足を運ぶように声かけをしていきたいと思った、こういう話がずっと並んでいるんです。 一体、看護協会というのは、看護連盟は政治団体ですけれども、看護協会というのは看護連盟と一体となって選挙をやる組織なんですか。
○岩尾政府参考人 社団法人日本看護協会は、私どもの所管する、民法三十四条に基づく公益法人というふうに理解しております。それから、日本看護連盟というのが総務省所管の政治団体というのは承知しております。 各自治体にあります看護協会につきましては、それぞれの自治体で認可している法人というふうに理解しております。それから、県にあります看護連盟というのは、多分、私の理解では、中央にある組織の支部に当たるものというふうに理解をしております。
○山口(富)委員 先ほど局長が、不適切な事例として、具体的に、公益法人のファクスなどを利用して政治団体の会費納入を依頼していた事例があるという話をされました。 私は全部調べてみたんです。そうしますと、日本看護連盟の支部と看護協会なんですけれども、大体、本部が、所在地が同じですから。全国で四十七のうち、二十七の支部が所在地が同じなんですね。所在地が同じだけじゃないんです、電話もファクスも同じなんですね。例えば、これは群馬県、群馬県の支部と看護協会が同じ。埼玉、新潟、高知、宮崎、全部所在地と電話、ファクスが同じ。今の世の中で電話とファクスを一緒に使っているということになったら、これは紛れもない、一体化しているということになるんじゃないか。 しかも、私、驚きましたのは、このことをきのう、おとといと調べたんですけれども、きょうになって念のためもう一回このホームページを開いてみましたら、早速、私が調べているとわかったのかどうか、直っているところがありましたよ、一夜にして。直っているのが群馬と宮崎。私は、これだけをとってみても、やはり一体化が進んでいるということの反映だと思うんですが、これはやはり調査をして、必要な是正を求めるということが必要だと思います。 昨年もこの委員会で、当時の、先任の坂口大臣がこういう答弁をされているんですね。このときは医師会だったんですけれども、医師会と医師会の政治連盟とが同じ場所で同じ電話番号で、同じ人がその会長でというのはやはり好ましいことではない、そこは明確に区分をしていただくように私たちは申し上げているところでございますという答弁をされているんですが、この看護連盟と看護協会の所在地や電話やファクスが同一だ、これについては直ちに調査をして、改善を求めるべきではありませんか。
○岩尾政府参考人 先生御指摘のようなことも含めて、この八月末までに届け出ていただいたわけでございますが、最終的な結果を見て、また判断したいと思います。 ただ、私ども、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」という平成八年の閣議決定によりますと、一般的には、公益法人と政治団体の事務所の所在地が一緒であるということをもって、直ちにこれに違反するとは考えておりません。 そういうことですから、その結果を見て、また適正な指導をするよう考えていきたいというふうに思っております。
○山口(富)委員 時間が参りましたので終わりますが、適正な指導をするということですから、きちんとやっていただきたい。 終わります。
○鴨下委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 まず冒頭、尾辻厚生大臣には、今最も国民の期待と、そして逆に言えば不安も強い、この二十一世紀の社会保障政策を担当なさる省の最高責任者として、新たな御就任、大変に御苦労さまでもありますし、また、お体にもお気をつけられて、よいお仕事をたくさんしていただきたいと存じます。 また、当委員会は、新たに鴨下委員長、そして与野党の理事の皆さんの御好意で、最も小会派である私どもにも最低質問時間三十分というのをお与えいただきまして、十分な審議ができる場を与えていただきましたことを、冒頭お礼申し上げます。 私の一問目は、各委員が繰り返し御質疑でもございましたが、新潟県の中越地方を中心としました現在の大震災についてでございます。 先ほど委員会の最中にも、私どもにも体感される地震がございましたが、果たして、新潟地方でも震度六を上回る地震が記録されておりまして、これが余震に当たるのか、まだまだこれから先に続いていくものであるのか、現地では非常にまた深刻な不安感が広がっていると思います。 私は、本日の冒頭の横路委員からの大臣への御質疑の中で大臣がお答えになりましたが、既に十月二十四日に、避難生活が必要となった御高齢者や障害者などの要支援者については、旅館、ホテル等の避難所としての活用や、あるいは社会福祉施設への受け入れを行って差し支えない旨を新潟県に通知という御報告がございました。 私は、大臣の所信表明の中で、これからの社会保障制度の構築を自立と予防というところをキーワードにとお書きになっていて、果たしてこれは何を意味するのかなと思ってはおったのですが、きょうはそのことを直に伺う前に、今こそやはり予防的に、この引き続く、避け得る死に対して対処していただきたいので、まさに大臣がおっしゃる予防的措置としての、御高齢者や障害者や、あるいは妊婦さんや子供たちについて、近隣のホテルや、保養所や、さまざまな宿泊施設を積極的に借り上げての対策ということを、非常に前向きに受けとめております。 なぜなら、きょうもまた冷たい、きのう、きょうの雨、雪に変わろうかという中で、車の中で長い時間泊まっておれば、飛行機に長い時間乗っても起こるような、エコノミー症候群といって、血栓が足から脳や心臓に飛んだり、あるいは妊産婦の方であれば早流産の危険を来したり、子供たちもさらに引き継ぐ感染症等の危機にさらされるは必定でございます。 今とりあえず、仮設住宅のお話等も出ておりますが、でき上がるまでの時間と、雪やこれからの災害の進捗状況に私はまだまだ気を抜いてはならないし、むしろ、昔、戦争中であれば疎開と申しましたように、今そこにある御高齢者や子供、妊婦さん、要保護の方たちを積極的に移す、もちろん御自身が拒否される場合は別でございます、しかし、移すような対策こそが、二次災害、防ぎ得る死を防ぐ肝要な政策と思っておりますが、大臣のお心の中では大体どのくらいの数、そして、そのことにかかわります予算。 例えば、先ほどもおっしゃっていただきましたグリーンピア津南という施設がすぐ近隣にございます。私は、きのうの質問通告のときにも、場合によっては、そちらに御高齢者や子供たち、とにかく手足を伸ばして、温かく、揺れを大きく感じずには済むところで眠る、そして、必要であれば、新潟県下のみならず近隣の都道府県でも、とりあえず一週間でもよい、寝ていただく、そのような場が今必要と思っております。 大臣の諸政策の中で、この点、とても私はいい政策と思いますが、十月二十四日の御通知は、果たしてどれくらいの人数規模、予算の枠組み、そして実際にそこに、ホテルならホテルに、国の方から宿泊代を、立てかえではなくてお支払いという意味でおっしゃっているのかどうか、一点目、お願いいたします。
○小島政府参考人 ただいま先生御指摘のように、二十四日に、旅館、ホテルの避難所としての活用、あるいは社会福祉施設への定員を超えた受け入れを認めるという通知を新潟県に出したところでございますが、この趣旨は、災害救助法に定められております福祉避難所ということで、災害救助法に基づきます費用が支弁され、これに対して国庫補助が出る、こういう趣旨でございます。 ホテル、旅館でもよろしいですし、社会福祉施設でも福祉避難所となった場合には費用が支弁されますが、現在、その受け入れにつきましては、新潟県におきまして、県内の社会福祉施設と関係市町村と、受け入れの可否及び受け入れの可能者数について調整を行っているところでございまして、今後、できるだけ速やかにその状況を把握してまいりたい、このように考えております。
○阿部委員 私が御指摘申し上げたいのは、いわゆる既存の社会福祉施設に限らず、ここに書かれているようなホテル、大型宿泊保養所、あるいは、私はたまたまグリーンピア津南に視察に参りましたときに、越後湯沢近辺では多くのマンションが、建てたはいいけれどもお人が入らない状態で空きマンションになっておりました。そういうところも借り上げることも可能だと思います。 とりあえず、今の不安な状況、寒い状況、この中からお一人でも多く、御希望があれば移せる受け皿をおつくりいただくことだと思いますが、大臣のお考えのほどを再度確認させていただきます。
○尾辻国務大臣 私に対しまして温かいお言葉を賜りまして、御礼申し上げます。 お答えを申し上げます。 夜間の寒さなどの現地の気象条件を考えますと、一日も早く被災者の方々の生活環境を整えることが重要と認識をいたしております。とりわけ、高齢者や障害者など、特に支援を必要とする方々につきましては、十分な配慮が必要だと考えております。緊急的な措置として、今お話しのように、グリーンピアなども含めまして、旅館やホテルを避難所として活用したり、それからまた、社会福祉施設へも定員を超えてもいいから受け入れるようにということなども含めまして、万全な対応をとるように新潟県に要請をいたしておるところでございます。 また、これも午前中からずっとお話が出ておりますけれども、心のケアを含めた具体的な保健サービスの需要の把握等を行うために、担当官を現地に派遣いたしました。新潟県からの要請を受けまして、避難所等における巡回健康相談に対応するために、他の都道府県の保健師を派遣することについて、今調整を進めておるところでございます。 これからの時期でございますから、またインフルエンザも心配しなきゃなりません。そうしたことに対しまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○阿部委員 巡回相談等で、既に症状が出てから対処いたしますと、これがまた期間も長うございます。やはり予防というのは、明らかにハイリスク群をあらかじめ処置、措置するという、措置という言葉はよろしゅうございませんが、そういう対応をいうのだと思います。妊産婦さん、子供、御高齢者、障害者など、十分にリスクの勘案される方は移動をさせていただきたいと思います。 引き続いて、本日は大臣に御所見を伺う初日でございますので、私も実は議員になりましてから四年間求め続けてまいりました遺骨収集問題で、大臣の御決意のほどを伺いたいと思います。 実は、私はこの夏、ちょうど、まだそのときは尾辻大臣でございませんで、尾辻さんたちの御一行がモンゴルにいらっしゃるとき、参議院のモンゴル議連の皆さんがモンゴルにおいでのときに、私もモンゴルを訪問させていただきました。 私が最も知りたいと思ったことは、一九三九年のノモンハン事件で、当時八千人以上の方が亡くなられ、いまだ御遺骨は三千以上が未帰還でございます。ことし、たまたま、戦後六十五年ぶりかと思いますが、亡くなられてから六十五年ぶりだと思います、十六の御遺体が帰還なさいました。まだまだ多数がそこに眠っておられることだと思います。 私もモンゴルの首都のウランバートルからヘリコプターで五時間飛びまして、ノモンハン、かつてのハルハ川と呼ばれる周辺にも行かせていただき、今回遺骨が収集されたあたりも少しは見せていただきましたが、その壮大な草原を本当に御遺骨を一つ一つ求め、そしてこちらに連れ帰ってくるには、よほど国として覚悟をして、決意をして臨まないとできない作業であるということを、改めて私は思いを深くしました。 この間ずっとお尋ね申し上げておりますのは、いまだ百十万の御遺骨が我が国には帰ってきておられません。そして、特に、法律ということを見渡してみますと、御遺骨をどのように遇するか、扱うかということに関して、実は私の気づく限り、法としての定めは見当たりません。 まず、このことに関しまして、今の遺骨収集、現状、どのようなものにのっとってなされているのか、担当部署のお話を伺いたいと思います。
○小島政府参考人 政府が実施しております戦没者の遺骨収集につきましては、個別法による立法措置はなされていないわけでございますが、まず、厚生労働省設置法のほか、昭和二十七年六月の海外諸地域等に残存する戦没者遺骨の収集及び送還等に関する衆議院決議を受けた、昭和二十七年十月の米国管理地域における戦没者の遺骨の送還、慰霊に関する件の閣議了解等に基づき、この遺骨収集を実施しているところでございます。
○阿部委員 今お話しいただきましたように、昭和二十七年の衆議院の決議と、それが閣議了解された、そしてその文面も、国民感情からして非常に放置することは忍びがたいという一文でございます。私は、本年、ちょうど明年にかけて戦後六十年の節目を迎えておる中で、ぜひとも尾辻大臣に、やはり国の責任として、あるいは立法をもって、この遺骨の収集ということをきっちりと私どもの政治の中に位置づけていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○尾辻国務大臣 私自身、遺骨収集はそれこそ何回も何回も出かけております。したがいまして、現場の状況だとか御遺骨の状況だとか、だれよりも一番よく知っておる一人だと考えます。 そこで、今お話しのように、立法化することがいいのかどうか、このことはよく考えてみなきゃいかぬことだと思いまして、といいますのは、どこまでやれるのか。来年はもういよいよ戦後六十年でございます。よく私は言っておるのでありますけれども、六十年たってまだ遺骨収集している、そんな情けないこともない、そういうふうに言ってもおりますし、そうしたいろいろなことを考えますときに、どういうふうに今後進めていけばいいのか。 これは難しい問題もいろいろあると思いますので、立法化を含めていろいろ検討させていただきまして、私が厚生労働大臣をやっておりますときにしっかりした道筋だけはつくっておきたい、こういうふうに考えております。
○阿部委員 私も、立法化ということを望む本当の根拠は、やはり、国の責任で御遺骨を御帰還させていただきたいという、この大きな、国の覚悟の示し方でございます。それが立法という具体的形をとるか、あるいはまた国の責任ということの明確化という形をとるかは、私ども院にいる者の論議の結論にもなるかと思いますが、ぜひともそれは尾辻大臣のリーダーシップも含めてお願いしたいと思います。 先ほど大臣がおっしゃいましたように、現在、たまたまと申しますか、この間、旧ソビエト連邦に置かれた遺骨、あるいは向こうで抑留中にお亡くなりになった方については遺骨収集が進んでおりますが、既に、南方方面、あるいは私が行ってまいりましたモンゴルなどでは、歳月が御遺骨のありかをなかなかわかりづらくしておる。と申しますのは、当時の戦友の皆さん、あるいは戦没者の子供さんたちすら既にお若くはない、あるいは御高齢で現地に出向けないという状況です。 これまでの遺骨収集の方式は、御遺族や関連する方々から何らかの情報を得て、それを厚生省がまた確認し、伺う、いわば限られた厚生省の人数の中で行われてまいりました。やはり、私は、その法的位置づけを望むと同時に、何らかのやり方における改善、というのは、御高齢者、八十を超す方をお連れして、どこですかと聞くわけにいかない条件がございます。 そういう中で、やり方について、ことしは実は予算措置も去年とさしたる変わるものでなく、私は正直言って非常に不安になります。このペースで毎年千体であれば、あと千年かかります。海に沈んだものは拾えないとして、半数と見て、五十万と見ても五百年かかります。それでは余りに悲しいし、新たな方式、新たなやり方を何らかのことでお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 申し上げましたように、私自身何回も遺骨収集に行っておりますから、問題点はよく承知をしておるつもりでございます。 収骨した遺骨数につきましても、当初、私どもは、御遺骨の柱数をどういうふうに数えていたかといいますと、大腿骨二本をもって一柱と数えておりました。それで丹念に丹念に数えておりました。 しかし、散乱遺骨と私どもは呼んでおりましたけれども、南方の方での戦闘の途中で亡くなった方々の御遺骨というのは、埋葬されておるわけじゃありませんから、そういうふうに散乱しておるわけであります。そういう御遺骨を収骨して、大腿骨二本で一柱と数えますと、恐らく収骨した御遺骨の本当の柱数よりもうんと小さく数えたんだろうなと今思ったりもいたしております。 そういうものを集計した今の数字でございますし、お話しのように、海没した方々の御遺骨なんというのは、これはもう収骨不可能でありますから、そうした、どのぐらい今収骨できたかなということについても、もう一回考え直してみるといいますか、だから済んだと言うつもりなど全くありませんけれども、そうしたことも考えてみなきゃいかぬかなと思ったりもいたしております。 一方、お話しのように、シベリアの方の御遺骨は、これはもう埋葬された、墓地になっておる御遺骨でありますから、今でも、そういう意味で収骨がしやすいという状況にございます。また、冷たいところでありますから、御遺骨もそうそう土に返るという状態ではございません。 そうした中で、いろいろ申し上げましたけれども、つい遺骨収集の話になりますと私も感情がこもるものですから、いろいろな話を申し上げておるわけでございますが、御趣旨を踏まえて、今後どうするかということを本当にもう一度よく考えてみたい、こういうふうに思っております。 私の大臣の間に、先ほども申し上げましたが、きっちり道筋をつけておきたいと思いますので、よろしくまた御指導ください。
○阿部委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。 私は、命の尊厳、あるいは、国により赤紙、ピンクの紙一枚で出向いて帰らぬまま過ごしておられる御本人を初め御遺族のお気持ちを思うと、やはりこれは国の責務であろうかと思います。 引き続いて、私どもはこの世に生まれ、育ち、やがて朽ちていくわけですが、その生命の起源のところで、今また我が国では大変におぞましい出来事が起きております。いわゆる中絶胎児の問題であります。 きょう、皆さんのお手元に配らせていただきましたが、これは本年七月の、各新聞に報道されましたが、横浜市で起きた、ある産婦人科医院での中絶胎児の扱いに関してでございます。この産婦人科医院では、妊娠十二週以上の中絶胎児は、形がある程度ございますので、切り刻んで、そして十二週以下は、形がなかなかないものですから、そのまま胎盤などと一緒に、あるいは分けて一般ごみとして捨てておったという事件でございます。 このことを受けて、厚生省、そして環境省、ごみは環境省になりますから、果たして胎児はごみかと言われると、皆さんもぎょっとなさるでしょうが、現実の扱いはごみでございますから、そのような両省のお集まりの中で実態調査というものが進められたのが、おめくりいただいて二枚目であります。 この中では、いわゆる妊娠十二週以上は、日本では墓埋法、いわゆる亡くなった方の墓地埋葬法あるいは死産届などで処理されますが、十二週以下は全く法の規定がございません。 妊娠四カ月、十二週未満の中絶胎児の取り扱いに関して市町村が独自の条例を持っておるかどうかを調べたものが、以下のグラフでございます。ある自治体はわずか一〇%でございます。残るものは、何ら法的な根拠もなく、取り扱いも、あるときはごみ、あるいは感染性の廃棄物、あるいは、場合によっては水子供養などで火葬場で焼却されるものもあるかと思いますが、とりあえず、無法、野放し状態になっております。 そして、もし妊娠四カ月未満の中絶胎児に対して火葬場で焼きたいと思ったとき、それが受け入れられるかというのが下でございます。ここには、六割、そうした火葬場を提供することができるというところは六割しかございません。あとはどこで扱うのか。犬、猫でもあるまいし、本当に扱う場がございません。 まず、こうした実態について、大臣にどのようにお感じであるかを伺いたいと思います。
○尾辻国務大臣 どのように感じるかとお尋ねになりますと、大変悲しい気がいたします、こういうふうにお答え申し上げます。 もう少し取り組みなどについてお答え申し上げますか。
○阿部委員 悲しい以上に、こういう実態が知られていないということ、やみからやみであるということが、やはり今後にいろいろな問題を私は生むように思います。 そして、今、大臣のおっしゃってくださった今後の取り組みとして、厚生省の方の指導で、焼却ということをお進めいただくという指導が配られておりますが、さて、焼却場の実態というものについて十分把握しておられるか。先ほどの焼却場で可能なところは六割で、そのほかの別のところで焼けるところもございますが、なかなかこの実態が把握されておらないと思いますが、担当の部署からの調査結果をお願いします。
○伍藤政府参考人 この問題につきましては、環境省と私どもで調査をした結果、今委員からいろいろ御紹介のありましたような大くくりの結果にはなっているわけでありまして、大きく分けて四つの方法で自治体が対応しておるということでございます。 具体的に、都道府県あるいは保健所設置市というような単位でそれぞれアンケート調査をして、条例を持っておるか、あるいは火葬場で焼却をしておるかということを自治体単位で答えていただいたのが先ほどの結果でありまして、これをもとに、今具体的な指導として、少なくとも廃棄物でない形での取り扱いをしていただきたい、こういう指導をしておるところでございまして、これを徹底していくということが当面の課題だというふうに思っております。
○阿部委員 この間明らかになりましたことは、いわゆる生命の萌芽や起源の部分が各自治体ごとにばらばらに対処され、そして場合によってはごみに扱われておるという事態でございました。 そして、そうしたことの一方で、国の厚生科学審議会というところで科学技術部会というのがございまして、これは中絶胎児の一部を、体性幹細胞、いわゆる今さまざまな治療にも用いられる、再生医療に用いられる体性幹細胞の取り扱いの折に、中絶胎児からもこの体性幹細胞をとってよいのではないか、そのときは中絶をしたお母さんたちにどんな同意をとるかと、専ら技術論の方が盛んでございます。 私は、この審議会の報告書を読んで、非常に割り切れないものを感じました。一方ではごみ扱い、一方ではどうやって拾って利用しようかと。やはりここには、国として本当に、生命の起源をどのように尊厳を持ち、なおかつ社会文化の中に位置づけていくかということの大きな根本論議が欠落しているように思います。 そこで、尾辻厚生労働大臣にぜひお願いがありますが、厚生科学審議会科学技術部会での中絶胎児の取り扱いを云々する以前に、やはりそれなりの論議、国民がいわゆる中絶という悲しい事態を踏まえて、そのことに生命の起源ということもどう感じておるかというきっちりした論議、それは先ほどの遺骨の問題でもそうですが、生命というものがこんなに軽んじられては、絶対にいい国は、あるいはいい社会はできませんので、この厚生科学審議会の審議そのものをもう一度厚生労働省として見直していただきまして、技術的な利用のみならず根本的な論議を御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 臨床研究におきます死亡胎児の取り扱いにつきましては、今お話しのように、倫理面でもいろいろな御意見がございまして、これは本当に慎重に、さらに議論を行うことが必要だと考えております。したがいまして、厚生労働省としても、その対応のあり方につきましては、よく考えて慎重に扱ってまいります。
○阿部委員 審議会の委員の中からも、根本論議がないのではないかという疑義が出ておりました。先ほどから何回も申して恐縮ですが、一方でごみ、一方で使い方みたいな論議が行われる国は悲しゅうございますので、ぜひよろしくお取り組みのほど、お願いいたします。 あとBSE関連は、申しわけありません、時間がなくて次回に送らせていただきます。ありがとうございました。 ————◇—————
○鴨下委員長 この際、お諮りいたします。 第百五十九回国会、小坂憲次君外四名提出、独立行政法人福祉医療機構法の一部を改正する法律案につきまして、提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○鴨下委員長 次に、独立行政法人福祉医療機構法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付をいたしてございます。 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。 本案は、近年の低金利の影響を受け、独立行政法人福祉医療機構における障害者スポーツ支援基金の運用益による助成金額が減少傾向にあり、また、一方で、平成十七年に長野県において、知的障害者のスポーツ競技大会であるスペシャルオリンピックス世界大会がアジアで初めて開催される予定であり、それに必要な助成を確保するための対応が求められている等の状況を踏まえ、障害者のスポーツの振興のため特に必要な活動について助成を行うための必要な措置を講じようとするもので、その内容は次のとおりであります。 第一に、独立行政法人福祉医療機構は、当分の間、障害者のスポーツの振興のため特に必要と認められる活動について特に必要な助成を行おうとする場合であって、基金の運用にかんがみやむを得ないと認めるときは、当該基金の一部を取り崩し、助成に充てることができるものとすることとしております。 第二に、取り崩しは独立行政法人福祉医療機構があらかじめ厚生労働大臣の承認を受けて行うものとしており、厚生労働大臣は、その承認に当たって、厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聞くとともに、財務大臣に協議しなければならないこととしております。 なお、具体的な取り崩し額は、このような公正かつ透明な手続を経た上で決まるものでありますが、スペシャルオリンピックス世界大会に対する民間からの寄附や地元自治体の支援との均衡等を考慮した真に必要な助成及び他の障害者スポーツ国際大会に関する選手派遣等のために真に必要な助成につき、当分の間必要な額となるものと考えております。 また、他に同様の障害者スポーツ国際大会の日本開催は当分の間予定されていないことから、取り崩しは、基本的には今回一回限りのものになるものと考えております。 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 独立行政法人福祉医療機構法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○鴨下委員長 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案を独立行政法人福祉医療機構法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨下委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時八分散会