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159回国会参議院2004/02/03

予算委員会 第2号

発言数
96
登壇者
14
会派数
2
開催日
2004/02/03

会議録

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十五年度補正予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 平成十五年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日及び明日の総括質疑方式による質疑の割当て時間の総計は百四十五分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党五十五分、民主党・新緑風会五十分、公明党十五分、日本共産党十五分、社会民主党・護憲連合五分、無所属の会五分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 平成十五年度一般会計補正予算(第1号)、平成十五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。若林正俊君。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 自由民主党の若林正俊であります。  限られた時間ですので、衆議院予算委員会の論議との重複を避けて、テレビを見、ラジオを聴いている皆さんが関心を持ち、そしてまた疑問に思っている事柄につきまして絞り込み、総理と関係大臣にお伺いいたします。大分欲張っていますので時間がなくなるかもしれませんが、その点をお許しいただきたいと思います。  まず、イラクの問題であります。  イラクに自衛隊の先遣隊が入って二週間になりますが、今までのところ宿営地建設の準備作業は順調に進んでいるようですし、現地サマーワ市の市民や部族長らから温かく迎えられ、自衛隊の人道復興支援活動に過大なほどの期待が寄せられているようです。  自衛隊の支援活動にはその性格上や法律上制約がありますので、余りに期待が大き過ぎると失望も大きく、反発を受ける心配もあります。ですから、自衛隊だけでなく日本の国家として、イラク人の人道復興支援に一致協力して当たることを総理始め関係大臣が機会あるたびに十分説明してもらいたいと思います。  総理は、さきの自由民主党大会で、イラクに自衛隊を派遣することに賛否両論、国論が二分されているとの認識を明らかにし、幕末から明治維新にかけて鎖国か開国かに国論が二分した。結果はすべて開国派となって日本の発展を築いてきたし、第二次世界大戦後においても、日米安保条約、米国との同盟関係を結んで日本の安全と繁栄を確保するかどうかについて国論が二分し、十数年前には平和維持活動に自衛隊を派遣するかどうかで国論が二分をしたけれども、今では反対していた勢力もそのほとんど多くは賛成し、日本の平和と発展を考えるという勢力に変わってきている。こういうことを例に挙げながら、イラクへの自衛隊派遣もいずれ国民の理解が得られるとの信念を述べておられました。  今年に入ってからの世論調査を見ると、イラクへの自衛隊の派遣に賛成する意見が急速に増えて、反対の意見とほぼ同じか、やや賛成の方が多くなっております。  そこで、イラクへの人道復興支援のために自衛隊を派遣するのは、日本の置かれた国際環境から見て日本自身の平和と安全のためなんだということを、テレビ、ラジオを通じ国民の皆さんに総理の口からまず分かりやすく説明していただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今年の施政方針演説の締めくくりの言葉として古代中国の思想家、墨子の言葉を引用いたしました。「義を為すは、毀を避け誉に就くに非ず。」と。世の中のためにいいことをなすということは、そしりを避ける、悪口を恐れたり、誉れに就く、人から褒められるためにやるのではないと、人間として当然のことをなすことであるという意味でありますが、私は、今一番苦しんでいるのはイラク国民であると。そのイラク国民のために日本が、また世界各国何ができるかということを考えなくてはいけないと。日本一国で安全なり繁栄、平和を確保することはできません。世界の平和と安定の中に日本の発展と繁栄があるということを考えるならば、日本も国際社会の一員として今イラクに何ができるかということを考えれば、日本も敗戦後、多くの国の援助を受けて今日まで発展してきた。資金的な援助、物的な援助、そして人的な援助、それぞれその国にふさわしい支援をしていくべきだと考えております。  そういう中で、人的貢献ということになりますと、今のイラクの情勢で、一般の市民なり普通の方が、NGOなり、安全な地域とそれほど戦闘がされていない地域でもできるかというと、なかなか難しい状況だという中にあって、今人的貢献ということを考えますと、必ずしも安全ではないかもしれないが、不測の事態あるいは危険な事態が招来した場合にはそれを避ける能力を持っている、また日々訓練を積み重ねている自衛隊の諸君に行っていただこうと。自衛隊が行くから戦争になるんだと言う人もいますけれども、そうじゃないと。復興支援活動だと、人道支援活動だと、戦闘行動に参加するために行くんじゃないということを十分御理解いただきながら自衛隊諸君の持っている能力を生かしていくことが、日本として、イラクが苦しんでいる、イラクの復興を成功させるために必要ではないかと。  イラクに安定した民主的政権ができるということは、まず第一に喜ぶのはイラク国民でありますけれども、同時に、イラク国民だけじゃない、周辺諸国、そして国際社会。日本においては、イラクが安定して中東が安定すれば、これはエネルギーの多くを日本は依存しておりますし、日本にとってもこれは世界的な経済貿易関係を考えますとイラクの安定というのが極めて日本国民にとっても利益になるし、そして苦しんでいる国民に、ああ、いつか、イラクが発展している、日本人は我々に援助の手を差し伸べてくれたな、日本の国家は我々に協力してくれたなということにおいて、そういう国際社会の中で信頼を高める上において最も恩恵を受けるのは日本国、日本国民ではないかと思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 さてそこで、菅民主党代表はイラクへの自衛隊の派遣そのものが憲法違反だというふうに決め付けております。このことについて議論を繰り返すつもりはありませんけれども、基本的な間違いを一つ指摘すれば、憲法で禁じられている武力の行使と正当防衛の武器の使用とを混同しているんじゃないかというふうに思うんですが、この点について総理はどのようにお考えですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この憲法の議論は、まず自衛隊の存在そのものが憲法違反だと言う方も現在でもおられます。また、PKO、いわゆる平和維持活動においても、海外に自衛隊を派遣するということについてこれまた憲法違反であるという議論がPKO活動のときにあったわけであります。  しかし、何年か議論を積み重ねて、戦争に行くのではないと、しかも戦闘行為に参加するものではない。これは、憲法に言う国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇あるいは武力の行使によるという、それに当たらないと。自己防衛、正当防衛、自己を守る、そういうための武器を持っていく、身を守るということが、これは武力行使にはつながらないという、私は今までの国会の議論の積み重ねでもう大方の理解を得ていただいていると思います。  ですから、今回も、イラクに、非戦闘地域において自衛隊が武器を持っていく、これは自らの正当防衛のための武器ですから、安全の確保のための武器である、これはやっぱり戦争するための武器じゃないということから、私は憲法違反であるという議論にはくみしないと。まあ、これは議論すれば学者の中でも意見分かれるんですから難しい問題だと思いますけれども、今までの国会の議論の積み重ね、多くの国民の議論から見て、大方の国民は御理解いただけるんではないかなと思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 私も全く総理と同じ考えを持っております。  さきに既に述べましたけれども、現に自衛隊の先遣隊がイラクの方に出て基地の設営準備に入っているわけでありますが、イラクの人たちは自衛隊が来るということを大変歓迎しているというふうに報道されております。それは、水の浄化、そして給水、あるいは病院の復旧と医療、学校の復旧、道路、電力など生活基盤の整備と併せて、自衛隊が来ることによって、働く場所、雇用の機会が増えるという期待があるからだと思います。  その面では自衛隊の支援活動には限界があるんですけれども、それにしても、できるだけ現地イラク人の労働力を活用するように工夫を凝らすべきだと、こう思いますけれども、防衛庁長官、いかがですか。

石破茂自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石破茂君) お答え申し上げます。  現在、サマワの失業率というのはかなり高いというふうに聞いております。五割を超える、あるいは七割という数字もございます。それは、今までサダム・フセインの基本的に社会主義の体制下において社会主義的な雇用というものがあったのだろう、それが失われてしまった、軍務に服していた人もその職も失ってしまった、したがって高い失業率である。自衛隊に対する期待は、先生御指摘のとおりでございます。  ただ、今総理からも答弁がございましたように、なぜ自衛隊が行くのかというのは、一つは、危険を避けることができる能力を持っているということが一点。もう一点は、昨年、先生が委員長をお務めいただいて法案を御審議いただきましたが、自己完結型ということを申し上げました。すなわち、泊まるところにしても食べるものにしても、あるいは飲み水にしても、あるいは医療、病気を治すにしても、現地の方々に御迷惑を掛けずに自分たちですべてできる、現地の方に御迷惑を掛けない自己完結型だからこそ自衛隊なのだというお話でありました。  しかし、地元において、自衛隊が来る、日本が来る、雇用が増えるのではないか、そういう御期待もございます。  私どもといたしましては、まず第一に、造成というものをいたします、宿営地の造成。その場合にいろんな役務が出てくるのではなかろうか。もう一つは、言葉を訳してくださる方、通訳の方、あるいは警備の要員としての雇用、そういうものがあるのではないか。もう一つは、清掃、きれいにしていただくとか、あるいは食器等を整備していただく、そういうような雇用があるのではないかと思っております。  気を付けなければいけないのは、大勢の失業した方がおられて、雇用がどれぐらい発生するか、これはまだ精査をしてみなければ分かりませんけれども、不公平が生じないようにということ、もう一つは、現地の方を雇用するわけですけれども、中にテロリストなぞというものが混じっていたらば、これ、とんでもないことになるわけでございまして、不公平感が生じないように、そしてまた危険が生じないように、しかしながら基本的に自己完結型でございますので、雇用につきましては、ODA等々併せ日本政府全体として取り組んでいくべき問題と考えております。  以上でございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 私がいろいろ工夫を凝らすべきではないかと申し上げておりますのは、例えば水の浄化、給水を取ってみましても、基地の方で水の浄化施設をもって浄化をする、浄化をしたその水を市街地の方に運ぶというようなことは、アウトソーシングではありませんが、その地域の人たちに車を提供するなどして運んでもらう、あるいはそれを更に細分化して運んでいくというようなことは、できるだけ現地の人が使えるんではないかと思いますし、あるいは病院の施設復旧などにしましても、あるいはお医者さんに対する指導にしても、そのアシスタントとしてイラクのそういう技術者を使っていくというようなことも考えられるんではないかと。もちろん危険を伴うわけですから、一気に機械的にというわけにはいきませんでしょうけれども、そういうような工夫をいろいろと尽くしていっていただきたいということを申し上げたわけであります。  それにしましても、自衛隊による人道復興支援活動というのは、今お話がありましたように、おのずから限界はあると思います。その意味で、現地の受入れ体制というものが整ってこなければなかなかODAの有効活用は難しいんですけれども、それにしても、このODAによる支援を迅速かつ効果的に実行するというためには、治安の安全が確保されるまで、今実際は外務省の職員が数名同行、自衛隊に同行して同じ宿営地の中にいるということがあるんですけれども、この中に民間のお医者さん、ドクターだとか、建設関係の設計や何かの技術者、そういった技術者なども同行して宿営地の中で一緒に人道復興支援活動に当たっての指導業務に従事すると。  そういう民間の活用をして、それをODAの仕事につなげていくというような、そのシーズを拾い出してくるというようなことも幅を広げて実行してはどうかなということを御提案したいんですけれども、いかがでしょうか。

石破茂自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石破茂君) まさしく今先生がシーズ、種というふうに御指摘になりました。そういうような、どうしても自衛隊の雇用創出には限界はございます。  では、どのように雇用を確保していくか。あるいは外務省からお答えいただくのが適切かもしれませんが、イラクには今全土を対象といたしまして退避勧告が出ておるわけでございます。民間人が行くということはなるべく避けていただきたいという状況にございます。その中で、どれだけ民間人の方、お医者さんなり技術者の方なりが行っていただける環境になっていくであろうかということはその時点で慎重に考えていかねばならないことだろうというふうに思っております。  私どものお医者さん、私どもというのは日本政府という意味でございます、防衛庁の技術者やお医者さんではなくて民間人の方、NGOの方々がどういうような治安の状況になれば行っていただけることになるであろうかという、それはもう安全性をにらみながら考えていくことになるのではないか。しかし、日本人が、自衛隊員だけではなくて民間の方、NGOの方々が行っていただくということは、先生御指摘のとおり極めて重要なことだと思っております。それと、安全性というものをどのように考えていくか、そういう問題だというふうに認識をしておるところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 いや、私が申し上げたかったのは、自衛隊の宿営地の中にそういう民間のお医者さんや建設関係の設計技術者などを一緒に外務省職員のように同行して、そこで一緒に知恵を出し合うというようなことはできないか。もし、民間人だから、今言った退避勧告をしているからというのは余り私は理由にならないように思うんですけれども、民間人を宿営地に入れるということについていろいろ問題があるとすれば、公務員としての採用、兼務発令をするというようなこともあり得るんじゃないか。  そう多くの数の人ではありませんが、外務省の職員の四、五人がいろいろ地域との間でシーズ開発をしているのを更にそれをサポートするような意味で、民間の人も宿営地内に同行して一緒に力を出してもらうというようなことができないかという意味であります。

石破茂自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石破茂君) まさしく先生御指摘のように、その民間人がどういう身分を持つかということなのだろうと思っております。  自衛隊員あるいは政府復興職員というものがございます。同時に、今宿営地の中に入れてという御指摘がございました。あわせて、その方々が医療行為やあるいは建設行為というものを行うときにその安全をどうやって確保するかということは、特措法十七条をどういう読み方にするかということだと思っております。  総理から武器使用の権限について答弁がございましたように、基本的に正当防衛である、自己保存の自然権的な行為であるという構成をいたしております。その場合に、ではこの法律によりまして、その職務を行う、それは我々の職務でございます、自衛隊の職務を行うに伴い自己の管理の下に入った人というのが守ることができる、こういう構成になっております。この法律がそういうことになっておりまして、実際に行かれた方々の安全を自衛隊がどのように確保することができるのかというのは、その点との議論なのだろうと思っています。  しかし、それが全然駄目とかそういうことを申し上げているわけでもございません。人数が少ないということも先生御指摘のとおりでございます。その上で、どのようにしてそういう方々の安全を確保するか、その身分をどのようにするかということは、今後御議論をいただき御教示をいただくことだと思っておるところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 是非工夫を凝らしていただきたいと思うのでございます。  外務省の職員が五名ほど同行して宿営地にいると。この人たちもやはりいろいろ仕事として支援活動の中で各地域に行くときには、当然、その人たちを守るという意味で自衛官の、身を守るための人が同行していくことになるんだろうと思うんですね。そういう意味で、民間人という立場であれば身分的に何らかの工夫を凝らすなどして、できるだけ幅を広げていくことを御検討いただきたい、こんなふうに思うのでございます。  さてそこで、イラクのサマーワにおける自衛隊派遣部隊の現地活動に関しまして、新聞やテレビなどの取材をめぐっていろいろとメディアの側から批判があるわけでございます。  そこに入る前に、外務省、外務大臣にお伺いしたいんですが、今、石破防衛庁長官、お話ありましたが、外務省はイランの治安の現状から見てイラン在住の日本人に、失礼、イラクの在住の日本人には退避勧告をしておられるということでございます。しかし、サマーワにはかなりの日本人の新聞、テレビ局の記者などが既に入っていて取材活動をしているというふうに聞いております。この人たちは民家に居住して、現地スタッフを雇用するなどしてその取材活動を展開していると聞いているわけでございます。  そこで、この日本人の記者たちの安全あるいは保護につきまして国に責任があるのかどうか、あるとしたらこれはどういう責任があるのか、この点を外務大臣にお伺いしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、二〇〇三年の二月から、すなわち、二〇〇三年の二月からということですが、全土について退避勧告をしますということをイラクについては出しております。それから、その時々、いろいろな情報に応じ、状況に応じスポット情報という形で注意喚起もいたしております。  今回、先生がおっしゃるように、大勢の記者の方がいらっしゃるわけでございまして、外務省といたしましても、これは邦人保護という役割がございますので、必要な安全対策を適時適切に講じております。いらっしゃるところについて連絡をしてほしいとか、情報に応じてスポット情報を流すとか、そういったことをやっているわけでございます。  その中で、自衛隊活動を取材なさるために現地にとどまっている記者の方が多いわけですけれども、その方々の安全については、外務省としては非常に強い懸念を抱いております。もちろん、自衛隊の活動が日本国内で多く報道をされるということによって、我々は非常に多くの理解の、まあ多くの人間が自衛隊の活動について理解をすることができるようになった、あるいはイラクについて理解をすることができるようになったという意味で、その意味は非常に大きいと思いますが、このようなイラクの地で活動をなさっているということについては懸念を覚えております。  外務省としては、引き続きいろいろな折に注意喚起をするということでございまして、この退避勧告はあくまで勧告でございますので、強制力を持っているというものではございません。したがって、プレスの関係の方がそれをごらんになって、いかなる行動が適切であるかということを十分に理解をなさって行動していただけるということを望んでいるということでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 今お話にございましたけれども、やはり日本人の記者が日本人の目で現地を確かめながら日本に情報を提供すると、あるいはまたイラクの皆さん方あるいはその他諸外国にも自衛隊の活動を報道するということ自身は、非常にそれ自身は有益、有効だろうと思うんです。そこにはしかし安全の面から一定のルールがないと、その記者諸君らの安全について国は保護の責任を負うという関係にありますので、その辺についてコミュニケーションを十分取れるような体制、状況を是非作っていただきたいと思います。  聞くところによりますと、一月の十九日、先遣隊の派遣初日でありますけれども、各社の記者たちが現地イラク人とネットを組みながら部隊の車列を追い掛け、並走、伴走するといったようなことから、危険も予測されたようでございます。そんなことから、直ちに翌二十日から、朝八時にはオランダ基地の正門前でプレスリリーフをすることとして、現在は毎朝約二十名前後の記者諸君らが集まって平穏に取材をしているというふうに聞いています。しかし、これは正門の外での立ったままのブリーフでもありますから危険を伴うということもあり、オランダ軍と協議をして、この記者諸君らを基地内に入れてブリーフをすることができるようにしようという話をしていると聞いております。  いずれ本隊が来れば日本の宿営地内にそのことを移していくことになると思うんですが、部隊や記者の安全から、取材のルールを定めて、同意した記者に言わば通行証のような記者証を発行し、宿営地での取材ができるようにすると、こんな準備を進めているというふうに聞いております。このことについて、取材制限であるとかあるいは報道規制であるといったような反発、批判があり、中には報道統制だといったようなことを言っている人もいると聞いております。  そこで防衛庁長官にお伺いしたいんですが、自衛隊の活動が生で正しく日本国民や諸外国に情報発信されるということは重要であるんですが、安全上全く自由というわけにいかないのは当然で、防衛庁では、米軍の従軍取材指針、エンベッド方式によるグランドルールというんだそうですが、それに準じたルールを考えているようですけれども、早く現地における記者の皆さんの取材が円滑に行われるように対処すべきだと思いますが、今の具合はどうですか。

石破茂自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石破茂君) 全く先生御指摘のとおりでございます。  報道機関の皆様方からも、報道機関として危険や混乱を招くような取材は行わないという申合せがなされ、私どもの方にもその旨お話がございました。  我々は、報道管制、報道統制なぞということをやっていいとも思いませんし、そんなことができるとも思っておりません。戦前の大本営発表ではないかという御指摘もございますが、戦前の有事法制には、それこそ報道に係る規制がもう山ほどあったわけでございます。今の民主主義国家におきましてそのようなことをやっていいとは思いませんし、そんなことをやれば、民主主義における実力組織というものは成り立たないのだということはよく認識をいたしております。  他方、私どもがお願いをいたしましたのは、自衛隊の安全にかかわるようなことについては、いつ何時何分どこに行くのだとか、どのようなものをどれぐらい、数量の問題でございますが、これを持っているのだと、そのことが相手方、つまり自衛隊に危害を加えようと思っている人が仮にいたとして、そういう人に伝わることによって被害が生ずるようなことは極力避けていただきたいという、それだけをお願いをしておるわけでございます。  私は、報道機関の御理解なくしてきちんとした報道ができるとは思いません。今回の自衛隊派遣ができるとも思っておりません。昨日、夜七時のNHKテレビのニュースだったと思いますが、先遣隊の佐藤隊長が現地からの中継でかなり長い時間現場の状況を説明をいたしておりました。私どもは、安全にかかわることでない限り包み隠さずきちんとした形で応対をしていきたい。そのために、報道陣の方々の安全も確保しつつ、今先生の御指摘のようなアメリカのルール、あるいはオランダのルール、イギリスのルールというものも踏まえながら、本隊派遣までにそのようなルールができますよう、報道機関との調整というものをきちんとやっていきたい、そのように考えておるところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 是非この報道が自由に、そしてまた的確に豊富に発信できるようなルールをお互いに定めた上で措置していただきたいと、このように希望を申し上げたいと思います。  そこで、総理、この私の胸に黄色いハンカチがここにございます。これは、一〇〇%安全とは決して言えない、危険を伴うイラクに人道復興支援活動に出掛ける自衛隊員の皆さん方が、立派に日本人として日本の責任を果たすということで大事な任務に就くわけですが、無事に帰国することを御家族とともに願い、激励するという意味合いのハンカチ運動でございます。  私たち国会議員も、民主党議員を含む超党派の議員で海外派遣自衛隊員を支援する会というものを作っていますが、是非これが多くの国民の皆さんに御理解をいただいて、各地にこのような運動が波及することを願っておりますが、このことについて総理の御感想を伺って、この問題を締めたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラクに自衛隊を派遣することについては賛否両論あります。しかし、反対している方の中にも、自衛隊員が無事で立派に任務を果たしてほしいと願っている方は私はたくさんいると信じております。  そのような意味から、この黄色いハンカチを胸に付けて声援するという意味が、自然発生的に自発的に盛り上がっていくということは、大変健全な運動であり、人間であるならば、普通の人、なかなかでき得ない仕事に自衛隊の諸君はよくやってくれる、厳しい状況、環境、生活習慣、全く違う中で、使命感に燃えて一般の国民ができないことをやってくれる諸君に対して、敬意を持ってそういう黄色いハンカチを心の中で振っているということが多く広がっていただくということが、自衛隊員、イラクで仕事をする自衛隊員にとっても大変うれしいことではないか、また張り合いのあることではないかと。自然発生的に広がっていくことを期待しております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 テロの犠牲に遭った奥大使がメールを送っておりました。それを収録した「イラク便り」という本が今発売されております。大変淡々とイラクの事情、状況を報告いただいているわけですけれども、その中で「「自由の国イラク」の建設」というくだりがありまして、限りない可能性を秘めた国だということを言われた上で、最後のところで、自由を手にしたイラクの人々は、テロの恐怖と闘いながらも着実に新しい国づくりを進めています。私たちも、イラクという国がテロリストの手に落ちないように懸命の努力をしているイラクの人たちと手を携えていかなければなりません。これは自由を守るための私たち自身の闘いでもあるんですということで締めくくっております。  奥大使の御冥福をお祈りしながら、やはり私たちはテロに屈してはならないという基本をしっかり据えていかなきゃいけない、このように思うのでございます。  そこで、次に、北朝鮮との問題についてお伺いしたいと思います。  もう今更私が申し上げるまでもなく、北朝鮮は金正日総書記という独裁者に率いられた軍事国家でありまして、破綻状態の経済、飢餓の食糧問題に直面しながらも核開発を強行する、ミサイルにより我が国を威嚇し、領海への不法侵入を繰り返し、拉致など日本の主権を侵し人権を無視している、誠に危険極まりない国家であります。  このような北朝鮮に対し、小泉総理は現職の総理大臣として初めてピョンヤンに自ら乗り込んで金正日総書記との首脳会談を実施をし、日本人拉致事件の是認と謝罪、被害者五人の帰国を見るに至りましたが、どうもその後の展開がはかばかしくいっておりません。しかし、日本としては、この五人の被害者の御家族八人を無事日本の御家庭の元に戻す責任がありますし、安否未確認の十人を含む方々に対する情報提供も強く求めていかなければなりません。  昨年五月に小泉総理とブッシュ大統領の会談において、北朝鮮に対しては対話と圧力の姿勢で外交を展開していくということで一致をし、これを基本方針としてきているわけですが、核開発の放棄について、いわゆる日米中韓ロ、そして北を加えた六か国会議というものは、この核開発の問題についてはテーブルにのるということのようですけれども、拉致問題については北朝鮮は議題にしないという姿勢でいるようであります。  したがって、我が国独自で何らかの圧力を掛けていくための交渉手段の選択肢として、我が国独自の経済制裁を行うようにするために、このたび外国為替及び外国貿易法の改正案が議員提案で提出され、衆議院で可決を見ております。一日も早いこの改正法案の成立を願うとともに、私は、これに加えて、今後、我が国の港の利用制限ができるような特定船舶の入港禁止措置に関する特別の法律の制定も検討に値するんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) まず、おっしゃられた外為法の改正でございますけれども、これは今、国会で正に御審議をいただいているわけでございまして、特定の船舶の入港禁止措置につきましても各党において検討が重ねられているところと承知をいたしております。  北朝鮮をめぐるいろいろな問題を平和的に解決をするという意味では、外為法改正などいろいろな選択肢を持つということは有意義であるというふうに考えております。仮にこのような立法が行われた場合、立法の趣旨、外交的な観点等を踏まえながら、適切に運用を政府としていく考えでおります。  現在、政府といたしましては、北朝鮮に対し、いわゆる経済制裁を行う考えは持っておりません。北朝鮮が更に事態を悪化させる場合、この場合にはアメリカや韓国等の関係国と緊密に連携を取りながら、状況をよく見極めながら、事態の改善、問題の解決のために適切な措置を講じていきたいというふうに考えております。  それから、おっしゃった特定の船舶の入港禁止措置に関する法案につきましては、詳細なことは必ずしも承知をいたしておりませんけれども、一般論として申し上げれば、国際法上、各国は、不合理又は恣意的な扱いなどにより権利濫用にならず、また、自国が締結した国際約束に抵触をしない限り、入港に関して一定の規制を行うということは可能であるというふうに考えております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 圧力手段としていろんな手段を持つと、選択肢として持つということは大事でありますし、一定の条件を設定した上で、よく言われています新潟港への入港などにつきましても、一定の危機的な状況が発生したときには止められるというような手段を持つのも一つの有効な方策ではないかなというふうに思って御提案を申し上げたわけであります。  来日中のアーミテージ国務次官補は、昨日テレビで私見ていたんですが、中国の意向も打診した結果として六か国会議が近々開催される見込みということを言っておりましたが、二月中にも開催される可能性はあるのでしょうか。その点をお伺いしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 今までずっと六者会談を一日も早く開催をしたいということで調整を続けてまいりました。先ほど、北朝鮮が二十五日に開催をすることに決まったということで発表したようでございます。下旬ということでずっと調整をしてまいりまして、中国側からは最終的に確認は取れておりませんけれども、そのような方向で今調整を行っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 次に、年金制度改正についてお伺いしたいと思います。  急速に進む高齢化社会において持続可能な社会保障制度をどう構築していくかということが最重要課題になっておりますのは申すまでもありません。今国会において何としても年金制度の改正を実現しなければなりませんけれども、来年には介護保険制度、再来年には医療保険制度と、社会保障制度について次々と大幅な改正をしなければならない事態が考えられるわけであります。  そこで、今日の新聞を見ましたら、年金の受給者が三千万人を突破したということが報道されておりますし、また被保険者の数も三千二百十四万人というふうになっております。年金の給付額、年金総額も四十二兆三千二百二十三億円という、過去最大を更新しています。国民年金につきましても十三兆八百八十六億円、厚生年金は二十二兆七千四百九十一億円と、こういうふうに報道されております。非常に高齢者の生活に大きな意味合いがあるだけじゃなくて、将来のことを考えましても、大変この国民年金に対する国民の皆さん方の関心、期待、あるいは不信、不安、大きいわけでございます。  そこで、この国会に提出が予定されております年金制度の、年金法の改正について、あらまし概要を厚生大臣からお伺いしたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) お話ございましたとおり、年金の問題、これは多くの皆さん方が御関心をお持ちをいただいている問題でございますし、そしてこれから先、来るべき少子高齢社会の中をどのようにこれはやっていけるかという、そうした不安もお持ちでございます。  今一番大事なことは、これから先、二十年先、あるいは三十年先、あるいは五十年先もにらんだいわゆる中長期的な展望の中で負担と給付をどのように構築をしていくかということが最も大事なことであるというふうに考えている次第でございます。  そうした意味で、今回提出をさせていただこうというふうに思っております法案の内容、現在詰めているところでございますが、大筋から申し上げれば、そうした負担と給付の道筋を付けさせていただく、お示しをさせていただく、そして皆さん方に負担の上限、そして給付の下限、それをお示しを申し上げて、大体こういうふうな年金制度を今後続けていかなければなりませんということをお示しを申し上げたい。現在大体合意に達しておりますのが、負担におきましては一八・三%という、これを上限にしていく、そして給付の方、いわゆる年金額のときには、若いときに皆さん方が受け取りになりました手取り、その五〇%を確保していこう、こういう制度でございます。  そうしたことを中心にお示しをするということは、日本の国として、やはり中負担中福祉、あるいは、この場合は中年金と申し上げるべきかと思いますけれども、それしか、今後この少子高齢社会を生き抜いていくのにはそれ以外に方法がありませんということの一つの意思表示を政府としてさせていただくということになるだろうというふうに考えております。  そうしたことを中心にいたしまして、更に具体的な問題も取り組まさせていただきたいというふうに思っておりますが、まずは路線を引く、そうした中長期的な展望の中で路線を引くということがまず大事というふうに思っている次第でございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 かねて国会におきましても、重大な問題であり附帯決議をもって明らかにしたところでありますが、基礎年金部分の国庫負担の三分の一を二分の一に引き上げるという問題についてはどのような形になっておられますか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 失礼いたしました。  もう一つ大事なことは、基礎年金部分の国庫負担を二分の一まで引き上げるということを前回のこの年金改正のときに附則の中に書いていただいたわけでございます。したがいまして、それを今後どのように実現をしていくか、実現の手順を今回示そうというふうに思っております。道筋を示すということにさせていただきました。  したがいまして、平成十六年からスタートさせていただきまして、平成十九年には完全に二分の一になるような手順を示そうということになったわけでございます。平成十六年度分につきましては、高齢者の年金課税の見直し等を行う、そしてそれを充てるということをいたしますし、十七年、十八年におきましては、いろいろの税制改革等を含めて、その中で財源を積み上げていく、そして平成十九年を目途に、年金、医療、介護、そうしたことを念頭に置かなければなりませんが、消費税等も含めて今後どういうふうにしていくかということの決着を付けさせていただく、そういうことで与党の方でも合意をいただいたところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 今お話ございましたが、自由民主党、公明党、与党で年金問題についての協議を続けてまいりました。三十日の日におおよそ合意ができまして、近く政府の方に正式に申し入れることになると思います。  この年金問題については、それぞれ各地各層の人たちの意見を皆さんお聞きのことだと思いますが、私も私なりにいろいろと意見を聞いてまいりました。その中で、是非この改正に当たって留意いただきたいという点を与党の立場から四点ほど重点を置いて御要望を申し上げておきたいと思います。  一つは、七十歳以上の在職老齢年金の適用についてでありますが、年金以外の所得がある人については、その所得の額に応じて、給付については六十歳代後半の人と同じような調整をして減額するのはやむを得ないと思いますけれども、保険料の負担はいろいろ理由があるんですけれども求めないというふうにしていただきたい。  二つ目は、短時間労働者、いわゆるパートタイマーについてですが、これは大変重要な課題であると思いますけれども、経済の状況や家計のために働いている主婦等の実情を考えて、今回の改正では実施しないようにしてもらいたい。  三つ目は、女性と年金の問題でありますが、そのうち、特に配偶者の同意又は裁判所の決定があれば離婚時に厚生年金を分割できるという制度を作り、離婚した場合や分割を適用することが必要な事情と認められる場合には、第三号被保険者のその期間に限って二分の一を分割できるようにしてもらいたいと。  四つ目は育児休業でありますが、育児休業を取ったときの保険料の免除期間を一歳から、今一歳、一年ですが、これを三歳までに拡充をしていただきたいと。  こういう点について与党の方からの申入れがあると思いますが、是非この点を御配慮いただきたい、このようにお願いを申し上げる次第でございます。  最後に、若年、中堅層の人たちが、年金は果たしてもらえるのかという不信感があるように聞いておりますが、自分は将来幾ら年金を受け取ることができるかということについての試算を自分でやるというのはなかなか難しいと。そういう試算サービスの範囲にこの若年、中堅層まで拡大をしていってもらいたいと思うのです。この人たちが今後長期間年金を支えていくわけですから、この人たちの不安に丁寧にこたえていくということが大変大事なことではないかと思いますが、その点をお伺いをしたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 大変大事な御指摘だというふうに思っておりますが、二十歳から例えばスタートしていただくといたしましても、例えば二十五とか六ぐらいなときでございますと、これはまだスタートしていただいたばかりでございますから、今後どうなるかということをなかなか言うのもなかなか難しい話ではあるというふうに思いますけれども、まずこの高齢者の、高齢者、中年の部分ですね、五十歳とか四十歳代とか、そういう皆さん方のところから御要望があれば、それにおこたえる体制を作り上げていって、だんだんと若い方にそれを下ろしていくということをやりたいというふうに思っております。  まず最初は、そうですね、四十五歳以上ぐらいなところからスタートさせていただいて、そして四十歳、三十五歳、三十歳というふうに下ろしていって、現在の状況が今後続くというふうに仮定をすればそのあなたは、場合にはこういうことになりますということを、あらあらのお示しができる体制を、お聞きをいただきましたら、それにおこたえのできる体制を今回作り上げたいと思っているところでございます。  それから、先ほど御指摘のありました四点の問題につきましては、よく私たちも考えさせていただきまして、結論を出させていただきたいと思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 次に、地方分権と三位一体の改革についてお伺いしておきたいと思います。  三位一体の改革は、小泉内閣において、官から民へと、国から地方へという考えの下で地方分権と、その責任を大幅に拡大して国と地方の役割分担を明確にし、自立自主の地域社会から成る地域分権、地方分権型の新しい行政システムを構築すると。そんなことから、国庫補助負担金の一般財源化、削減、税源移譲を含む税源配分、地方交付税改革を一体として改革しようとしているものであります。  この国庫補助負担金の一般財源化につきましては、指定都市の皆さん方は十八兆円だと、こう言ったり、全国市長会では十五兆円とか、全国知事会では十一兆円とか、様々な意見がございますけれども、政府は「改革と展望」二〇〇三の中で、まず十八年度までにおおむね四兆円ということを目標にすると定めて進めてきたわけですが、小泉総理の決断でとにかく手を付けろと、こういう御指示でありまして、十六年度から一兆円を実施して、併せて税源移譲と交付税改革に着手をするということでございます。結構なことだと思います。  なお、税源移譲については、最終年は基幹税、住民税なり消費税で対応するという方針を決めているわけでありますけれども、そういう方針としては、方向としては大方みんな理解はしているんですけれども、実際これを下ろしていくとなると、国庫補助負担金というのは大体後れた地域の方が全体の依存度が高いと、国庫補助負担金に対する依存度が高いというところが一般的に言える。特に、地方の町村というのはそういうことになることが多いわけだと私は思うんですね。こういう問題については、当然この税源配分を受けても課税対象のあれがない、少ないというようなことで十分な、それに見合った税収が確保できないということが心配されています。  これについては基準財政収入額、基準財政需要額の算定の中で十分調整できるんだというようなお考え、説明を受けるんですけれども、一方、地方交付税自身の改革も進めているということもあって、急速なこういう改革をしていく場合に、地方の町村ですね、市もそういうところあるかもしれませんが、主として町村は大変に経過的に心配をしておりますから、私は何かそれを特別に調整するような、もちろん地方交付税の中でそういう特別調整の措置を講ずると、あるいは特別の、後で交付税で見合って対応できるような特別の起債措置を考えるといったような何かやらないと、四兆円を処理し、基幹税で対応するという制度をセットするときに、そういうアンバランスを調整するような措置は考えるんだということが必要ではないかと思うんですけれども、総務大臣の御見解を伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 三千二百市町村ございますので、その中には人口の多いところもあれば少ないところも、また法人税対象になり得ますような、いわゆる地方事業税を払っていただけるような法人の多いところ、少ないところ、いろいろ地域によってもばらつきがありますのはもう若林先生よく御存じのとおりでして、それに対しまして、今、交付税等々、特別地方交付税、いろいろ御存じのようなものがございますけれども、そういった形で今、そういったバランスが取れていない、いわゆる地域がかなり偏っているというのに対しまして、それを何らかの形で補てんする意味で交付税等々、特別交付税などなど、いろいろ調整をする一つの仕掛け、システムというものがあるのは御存じのとおり。  今回、御存じのようにかなりな額減っておりますので、それに対応するに当たりましてはかなり、一二%、総額になりますと約一二%ぐらいの削減になりますので、一割の、まあ会社用語で言えば売上げが減るわけですから、それに対応するためにはそれ相応の削減をして対応しなきゃならぬ。税源移譲いたしますにいたしましても、その分が均等にいくわけでは、人口割では均等にいきますけれども、その他の部分ではなかなか簡単にはいかない部分がありますのは御指摘のとおりですので、いろいろ市町村長含めまして御心配の向きはもう一杯私どもも伺っておるところでありますので、一つ一つ、これで言うところは一律これというようなわけにはなかなかいかぬものだと思いますので、御心配の向きにつきましてはそれに対応するべく調整等々はいたしたいと、基本的にはそのように思っております。  しかし、他方、これはいろいろ、地方が独立するに当たりましては、これはそれ相応の地方も努力をしていただかにゃいかぬところなんだと思う。地方税法、地方交付税をするに当たりましても、いわゆる法律を変えておりまして、地方自治法なんか変えて、今までは市の職員でなければできないものもアウトソーシングしてもいいですよとか、そういった特別なものも随分大幅に認めておりますのは御存じのとおりですし、いろんな形でこれは、経費の削減などなどいろいろな形で規模のメリットを探すとか、やり方はいろいろ地方の首長さん、それぞれ違うんだと思いますが、そういった対応も含めてやっていただいて、その上で私どもとしては改めて別個に、個別にお話に応じたいと思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 地方の行政改革も必要だということは十分承知をしながら、合併を進めたりいろいろしております。でも、是非、今お話にありましたように、地域の、特に地方の町村に対する配慮を特に特にお願いを申し上げたいと思います。  もう一度確認します。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 十分に検討させていただきます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 次に、農林業、環境問題に移りたいと思います。  WTO交渉の交渉妥結期限は来年の一月一日ということになっておりますが、どうも今までの進み具合を見ていますと、なかなか容易ではないというふうに思います。この一月二十三日に、ダボスにおけるダボス会議で各国の担当大臣が非公式に議論をしておりますが、アメリカのゼーリック通商代表の書簡というのが出ていまして、これはどうも会議としてはおおむね前向きに受け止められているというふうに聞いておりますが、これでは、いわゆる我々が主張してきた日本提案というのの実現は私はできないと、こう思っております。  その意味で、日本提案の実現につきまして、まず農林大臣の方から決意及び状況説明をお願いしたいと思います。

亀井善之自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀井善之君) WTO農業交渉につきましては、我が国の基本的な考え方、多様な農業の共存、これを基本理念にいたしまして、さらには柔軟で継続性、そしてさらにバランスの取れた基本ルールを、これを確立をすることを考え方として臨んでおるわけであります。  昨年九月、メキシコのカンクンにおきましてもそのことも主張し、特に委員も列国議会同盟の参議院の団長として大変積極的に議員外交を努めていただき、その場でも我が国の主張、これを入れるべく大変な御努力をいただいた次第でございます。  私どもも、先ほど申し上げました基本理念に基づきまして努力をしてきたわけでありますが、農業分野の枠組み合意ができずに、また、他分野を含む途上国と先進国との溝が埋まらなかったと、こういうことであります。そして、昨年十二月の一般理事会を目指しましていろいろの努力も行われました。  依然として各国間の立場の違い、これは埋まっていないわけでありまして、なお、本年、引き続き早期の交渉グループを再開をして議論を進めると、こういうことになっております。カンクン閣僚会議におきましては、デルベス議長のペーパーも出されました。  そういう中で、上限関税の設定、こういうことにつきまして、我が国は基本的な問題、こういう面で、上限関税に関しまして、非貿易的関心事項の観点から、限定品目につきまして例外とする括弧書きが入れられたわけでありまして、何とかこの問題を中心に我が国と考え方を一緒にする国々とも連携をし、さらに、いろいろ我が国に協力をしてくれます国々とも更に積極的な外交を進めて努力をしてまいりたいと、このように考えております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 WTO交渉が壁にぶつかって暗礁に乗り上げているという状況の中で、FTAの各国交渉というものが進んできております。メキシコ、タイ、マレーシア、韓国など、我が国も既に交渉の予備段階に入っていると思いますが、この状況について御説明いただけますか。

亀井善之自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀井善之君) お答えをいたします。  現在、我が国は、FTAにつきましてはメキシコと政府間交渉を行っております。また、韓国とは昨年十二月、さらにマレーシアとは本年一月から政府間交渉を開始しております。さらに、明日四日からフィリピンとの交渉を開始することとなっておりますし、タイとの間におきましても今月中に交渉開始を予定をいたしておりまして、各国との協議に取り組んでまいりたいと、このように考えております。  このFTAの交渉に当たりましても、農林水産業の多面的な機能へ配慮するとともに、我が国の食糧安全保障、この確保や、農林水産業において進めております構造改革の進展具合を十分留意しながら取り組んでまいりたいと、このように考えております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 BSEの米国あるいはカナダでの発生に伴う問題とか、あるいは鳥インフルエンザウイルスの関係とか、食の安全にかかわる問題、それと関連して食品基本法の問題もお伺いしたいと思いましたが、他にいろいろと質問したいこともありますので、それを飛ばすことにいたします。  最後に一言、私、これは意見として、小泉内閣でバイオマス・ニッポン総合戦略というのを決めていただきました。大変すばらしい、循環型社会の中で特にこの農業資源というものをどう使っていくかということでありますので、各省縦割りの中ですからこれをしっかりと各省が連携して、更に連携を強化してこれを進めるような対応を是非お願いしたいと思います。  そこで、地方経済、中小企業の対策についてお伺いしたいと思います。  非常に景気は明るさを増してきていると、そう思います。月例報告を見ましてもそのように言えるわけでありますが、しかし、地方経済、とりわけ中小零細企業ではその明るさが実感できていない、なおも苦しいという状況があります。地方が元気にならなければ国全体が元気になれないわけでありまして、かつては大企業が好況になってきますと時間を置いて中小企業、地方にも及んできたわけですが、どうも最近はそんなパターンが必ずしも言えないんじゃないかという気がいたします。  そこで、地方のこういういい波及、いい例と、なかなかうまくいっていないという地域、業種などについて竹中大臣から御説明を伺いたいと思います。

竹中平蔵内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、地域が元気にならないと日本の経済は元気にならない、我々も正にそういう思いでおります。マクロ経済全体としては良い方向が見えている中で、そうした勢いを地域に浸透させたい、中小企業に浸透させたい、そういう思いで今政策を運営しているわけでございますが、お尋ねの地域の格差をどのように考えたらよいだろうかと。  これは、地域の格差については実は非常にいろんな見方があろうかというふうに思っております。現状に関して申し上げるならば、地域に確かにばらつきはございますけれども、御承知のように、今の経済全体がどちらかというとIT部門に先導される形で良くなっているものですから、IT部門への依存度の高い地域で比較的早く良くなっている、IT部門の依存度の低いところではそれが後れていると、そういった動きが一つは見られます。  しかし、同時に、さらに別の動きも見られておりまして、例えば沖縄でございますけれども、沖縄の場合は長年にわたって観光業に大変力を入れてきた。その観光客が年間五百万を突破するというような勢いの中で、観光に主導される形で、沖縄はほかの地域に比べて、その変化率から見ますと、水準そのものはまだ厳しい面もございますけれども良くなっているという傾向が見られる。  その意味では正に、今までのようにマクロ経済が良くなって製造業が良くなってそれが一律に地域に波及していくということではなくて、それぞれの地域のやはり自助自律的な努力そのものが非常にその経済にも反映されてくるというような状況が生まれているのではないかと思っております。そうした観点から、地域再生についての今、地域の提案も受け付けておりまして、これは後ほど金子大臣から御説明があるかもしれませんが、そのような意味でのその地域の正に知恵、努力、そういうようなものが相まって今、今までとは違った若干のまだら模様になっているのではないかというふうに思っております。  いずれにしましても、様々な手段を使いまして、今のマクロ経済の動向を地域に、中小企業に浸透させていくための努力を今後とも続けていきたいというふうに思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 その場合に、地方の建設業というのは軒並み大変な公共事業の縮減なんで苦しんでいますが、地方の建設業の生きる道といいますかね、その方向というのは竹中大臣、どうですか、どう思いますか。

竹中平蔵内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 地域の再生で、とりわけ三つの問題が重要であるというふうにかねてから認識をしております。  一つは、公的な行政サービスを民間部門に外部委託していく、そうすることによって民間部門を活性化していくということ。  それと、地域に新しい産業を起こしていくということ。とりわけその中で、先ほど申し上げた観光というのは大変重要だと思いますが、これは各地各地でいろいろある。  もう一つ、最後にやはり残された非常に重要な問題が地域を支えている基幹産業を活性化することである、再生させていくことである。その中心にあるのが一つは建設業であり、一つは農業であるというふうに思っております。  建設業につきましては、今、石原大臣といろんな御相談をしておりますけれども、まずその実態、その会社数が五十万とかいろいろ言われるわけでありますけれども、その実は中身は非常に多様でありまして、その実態をしっかりと把握して、どういうゾーンにその焦点を当てて再生をしたらよいか。  これは先般、経済財政諮問会議でも石原大臣から御報告を受けましたが、やはり建設業の中で非常にしっかりと事業転換等を行って新しい分野に進出しているところもあると。そういう成功事例等々も参考にしながら、まずその実態調査を踏まえて、私はやはりその中堅のところに焦点を当てることが大変重要なのではないかというふうに現時点では思っておりますが、しっかりと国土交通省と相談をしながらその対策を講じていきたいというふうに思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 石原大臣、どうですか。

石原伸晃自由民主党国土交通大臣

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま竹中大臣がお答えをいたしましたように、五十五万社のうち公共事業の元請的性格を持っている会社が八万社ございます。  このうち地方の中堅企業と言われるような会社がおよそ三万社、ここに今フォーカスを当てましていろいろな調査、昨年来させていただいておりまして、三月にも地域再生本部、金子大臣の所管のところでございますが、こちらでこの調査結果の中間取りまとめみたいなものを御提示させていただき、問題点、またうまくいっている例を少ししっかりとした数でとらえてみて、どのような政策というものがこれから政策転換があり得るのかということを議論をさせていただきたいと考えております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 金子大臣、地方再生本部での取組を。

金子一義自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革・産業再生機構)

○国務大臣(金子一義君) 国土交通大臣からお話ありましたとおり、若林先生、相当に進んでいるところは進んでいるのかなと。県ベースあるいは市町村ベースで何とかしていきたいということで進んでいる。  ただ、実態調査、お話がありましたように、やれるところはやれるんです。残念だけれども力がないところがなかなかできていかない。具体的な例でいきますと、やはり株式会社のまんま農業に参入していくと。業をやめてしまいますと、なかなかそれで食べていけない、雇用を維持していくということが大事なものですから。そういう意味では、兼業農家という言葉じゃなくて兼業建設業、三十人従業員がいれば、二十人は建設業をやって十人は農業をやってもらうというような形というのが、今雇用を確保しながらやっていく。  それから、長野県もそうだと思います。雪が多いでしょうから、やっぱり、いざ雪が降った、災害があったときに、だれが道路を雪かきをやってくれるのかというところは、やっぱり地域によっては大事な分野なんだと思っております。  東北の方でも、新潟県でも随分出てきましたけれども、農業に転換、転業をしていく部分、それからもっと力があるところは新しい技術を使っていろいろなビジネスをやっている例もありますし、福祉の部分で、ホームヘルパーの資格を取らしまして、それで会社のまんまホームヘルパー事業をやっているというようなのも例も出ておりました。  何とか我々、地域再生本部の中の一つの柱としてこの転業を基幹産業、どうしても地方に行けば行くほど建設業というのは基幹産業でありますので、それをどういうふうに雇用を維持していくかという観点も含めて転業していくのかということを、我々いろいろな研究をし、支えていきたいと思っております。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 今話が出ましたけれども、建設業が、企業が農業をやると、こういう話になるんですよね。株式会社であるならば、株式会社の農地取得というような話も含めまして問題になるんですけれども、農林大臣、それはどうですか。

亀井善之自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。  今、特区等々で農業をやると、これはいろいろ基準もありますけれども、リースによりまして、ただあくまでも農地の取得というだけでなしに、いかに農業を営農するか、こういうことが私は基本的なことではなかろうかと。そういう面で、やはり地域、環境、水等の問題もありますし、地域に密着をして、そして集落としての営農が展開できるような、そういうことは必要なことではなかろうかと、こう思います。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 竹中大臣、金融担当大臣として伺いますが、足利銀行の破綻といいますか、それが起こって地方銀行への不安というのは非常に出ていると思いますが、今国会で金融関係の制度、新しい制度を検討しているように聞いておりますが、どのような対応になりますか。

竹中平蔵内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 地域経済の活性化にも関連しまして、やはり地域の金融の問題というのは極めて重要な問題であるというふうに認識をしております。  大手の銀行、主要行に対しては、御承知のように、あと一年後ぐらいに四%台に不良債権比率を下げるという目標を課しておりますんですが、地域の金融機関の場合は、その実態に十分目配りをいたしまして、まず地域の金融機関は地元の企業を再生させてくれと。地元の企業が再生される中で金融機関自体の財務基盤もしっかりしていくようにと。いわゆる間柄を重視したリレーションシップバンキングのプログラムというのを重視して、その中でしっかりとやっていこうという体制を取っております。  幸いにして、その日本の、日本には地域金融機関、六百を超える数がございますけれども、そのうちの八割の金融機関が今の時点で、例えばですけれども、担保に依存しない新たな融資の制度を作ろうとしたり、様々な動きが今始まっております。  そうした中で、地域の金融を中心に、特に金融機能を強化するための新たな法律の枠組みを今検討しているところでございます。これは、経営改善を行ってしっかりと金融機能を発揮できるような金融機関に対して政府が資本参加して、そうすることによって地域の金融を更に円滑化していこうと、そういう趣旨のものでございます。制度の枠組みそのものにつきましては今まだ与党と最終的な詰めをさせていただいておりますけれども、これも是非、地域金融、地域経済の活性化に資するものとして是非良いものにしていきたいというふうに思っているところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 次に、住基ネットに関連してお伺いしたいと思います。  昨年八月に住基ネットが本格稼働をし出しまして、本年一月二十九日には、この住基ネットを基盤とした、インターネットを使った行政手続に必要となる電子証明書を発行する公的個人認証サービスがスタートをいたしております。  こうなりますと、これを利用して、二月から名古屋国税局管内を皮切りに国税の電子申告、また三月からは岡山県を皮切りにパスポートの電子申請が始まるなど、電子政府の中核的サービスであるインターネットを使った行政手続が続々と出てくるわけでありますが、こういう流れにさお差してといいますか、ある地方公共団体があります。これは、残念ながら我が地元長野県でございます。長野県は、住基ネットは運営しているものの、不適切な手法で侵入実験を行うなど、本当にネガティブキャンペーンを繰り返しております。こういう個人認証サービスが受けられないというようなことになると、これは一番困るのは長野県民であります。  そんなことを考えながら、大変私は遺憾なことだと思っておりますが、この長野県知事の対応につきまして、総務大臣の見解、所見を伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 甚だ遺憾ということに関しては全く同じです。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 じゃ最後に、児童虐待のことについてお伺いをいたしたいと思います。  先日、またもや衝撃的なニュースがあったわけでございます。中学三年生の児童が一年半にわたって食事が与えられずに、餓死寸前まで放置されたというようなことであります。  この児童虐待について、最近の状況というのは厚生労働大臣お分かりでございましょうか。児童虐待がどんな状況になっているかということ、お分かりであればちょっとお伺いしたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 具体的な数字まで少し今手元にございませんけれども、かなりな増え方をしていることだけは間違いがございません。したがいまして、この児童虐待に対応できる制度を構築をしていかなければならないというふうに思っております。  多くの場合、この児童虐待の場合に、いろいろ学校なりあるいは児童相談所がお聞きをいたしておりますけれども、その御家庭に、しかし本当のことがなかなかそこからは伝わってこないということでございまして、それはやはり虐待をしている家庭は言わないということの方が私は多いのではないかという気がするわけでございます。したがって、たとえ御家庭でそれが、そういうことはありませんということが言われたといたしましても、いろいろの客観的な事実の総合で、ここはしかし、このお子さんに一度会わせてほしいといったことを徹底的にやはり申し上げるべきだ、それが不幸を防ぐことになり得るというふうに思っておりまして、既に現在でも警察官の付添いで立入りができるようにしていただいてございますけれども、もう少しここを徹底してできるようにいたしまして、そして連携をもっと密にしていきたい。  各学校でありますとか、あるいは民生委員の皆さんでありますとか児童相談所でありますとか、それぞれの立場の皆さん方の連携をより密にして、そして対応をさせていただく。御家庭がたとえ反対をされたとしても、そういう客観的なことが疑われるときにはお子さんに会わせていただいて、現実を見させていただくということをしないとやはりここはならないのではないかというふうに思っておりまして、議員立法で今回また見直し等もお考えをいただいているようでございますし、我々の方も児童福祉の方の法案を提出をさせていただきたいと思っているところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 児童虐待防止対策につきましては、十六年度予算で前年の三倍であります百六十五億七千百万円という三倍も要求しておられるわけです。施策の充実に取り組んでいることはよく分かるんですが、しかし施策の充実だけじゃなくて、今大臣がおっしゃられましたような、やっぱり親権を制限するというようなそういう意味から、児童福祉法と併せまして、児童虐待の防止に関する法律というものの見直しが必要になっていると、私はそのように考えております。  もう一度、厚生労働大臣のこの法律改正が必要だという点につきまして所見を伺います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話を申し上げましたとおり、今国会におきましてこの児童福祉法の改正法案を提出をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。  その主な取組と申しますか、柱と申しますか、その部分だけ申し上げさせていただきますと、一つは児童相談に関する体制の充実でございます。先ほど申し上げたとおりでございます。もう一つは、児童福祉施設それから里親制度等の見直しを行わせていただきたいというふうに思っております。さらに、最後の一つは、保護を要する児童に対する司法の関与の強化ということ、司法、裁判、そうしたことも含めまして総合的に検討をさせていただいて、皆さん方の御理解を得たいというふうに思っているところでございます。

若林正俊自由民主党

○若林正俊君 ありがとうございました。  残余の時間は同僚議員が補足いたします。

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。岸宏一君。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 ただいま若林先生の質疑の中でイラクの雇用が期待されていると、自衛隊に対して。これ、本当に雇用があれば自衛隊の安全に大きく寄与すると思いますかどうか。防衛庁長官と外務大臣にお聞きします。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) イラクの社会の安定のために、イラクの今失業状況が非常にひどいものですから、雇用が増えるということは非常に大事なことであると私どもは思っております。元々、イラクの復興支援のときに車の両輪という言葉を使わせていただいておりますけれども、自衛隊等の人的な支援、そしてODAということを言っております。その二つが必要であると考えております。  それで、具体的にそれではどのようなことを考えているかということでございますと、若干申し上げますと、既にサマーワについては一月十六日に、国連人間居住計画経由で学校再建事業及びコミュニティー再建事業において一日当たりイラク全体として二千人程度、うちサマーワでは五百人から六百人の雇用拡大にこれが寄与するであろうというふうに考えられております。  それから、今後とも関連の国際機関経由、国際機関とも連携をしながら現地の生活基盤の再建、それから雇用を増やすということを視点に置いて活動していくということを考えております。  それから、雇用以外にもサマーワにおいて自衛隊と連携をしながらサマーワの人たちに基盤を、生活の基盤を再建をしていくためのいろいろな試みということはできるであろうというふうに思っております。例えば、自衛隊が医療活動をするわけですけれども、それに付随をして地域の病院に緊急に必要な医薬品ですとか医薬器材、医療器材を送ることができるのではないだろうかと。これを草の根・人間安全保障無償でやることができるのではないかと、そういったことを考えております。  雇用を増やすための最善の策というのは、もう経済、治安が安定をして、経済が良くなって、それによっていろいろな企業や商店、中小企業が活動を始めて雇用が増えていくというのが一番いい形であるわけでございまして、ODAのみでそれを持ち上げるということにはおのずと限界があるわけでございますけれども、雇用拡大ということを視点に入れてODAもやっていきたいと考えております。

石破茂自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石破茂君) 自衛隊に対する非常に高い期待があると。それは、たくさん人を雇ってくれるんじゃないの、あるいは一杯物を買ってくれるんじゃないの、そういう期待があるわけですね。私、よく申し上げるんですが、期待値と実現値に余りに乖離があり過ぎますと、こんなはずじゃなかったじゃないかと、期待が失望に変わることは非常に恐ろしいことだと私は思っています。  しかしながら、それでは自衛隊がたくさんそんなに人が雇えるのかといえば、それはおのずから限界はあるわけでございます。そしてまた、この法律で自衛隊にそのような権限が与えられているかといえば、必ずしもそうではないわけでございます。  そうしますと、今外務大臣から答弁がございましたように、自衛隊が、今先遣隊が行っておりますが、これから本隊が行く、それと合わせてどのようにして期待値と実現値を近づけていくか。過大な期待があるとすれば、やっぱりそれはある程度下げていかねばいかぬだろう。そんなに無理なこと、サマワの失業者全部雇えと言われても、それはできない話です。同時に、どれだけ雇えるかというのも上げていかなければいけない。  ですから、自衛隊に対する過大な期待がひっくり返って失望に変わり、それが自衛隊に対する、つまりサマワの市民みんなで自衛隊を守ろうよという話になっているわけですね、今。あるいは、宗教指導者の方が自衛隊を守ることはサマワ市民の義務であり宗教的な義務であるとまで言ってくださっているわけですよね。その気持ちをどうやって維持をしていくのか。それは、やはり自衛隊だけではなくて、日本政府として草の根無償であるとかいろんなものでやっていかねばならぬ、私はそういうことなんだと思っています。期待が失望に変わることが一番恐ろしい。そうならないように、どうやって間断なく施策を打つことができるかということが我々に問われていることだと。  ですから、雇用の安定ということが自衛隊の安全につながるのかという先生の御指摘は、まさしくそのとおりだと思って、つながります。(「非常につながる」と発言する者あり)つながると思っています。  ですから、要は、サマワ市民の方々が自衛隊を守ろうよと。例えば、何でサマワという地域を選んだかという理由の一つに、このサマワという地域が部族社会である、伝統的な部族社会である。よそ者が入ってくればすぐ分かるのだと。あいつ見たことがない、どうもおかしな、おかしなといいますか、そういう人間がいるということが必ず伝わる、そういうようなシステムが機能しているというところなわけです。  ですけれども、それをちゃんと教えなければいけないねと。自衛隊を守るということが市民の義務だよという気持ちが続くということはやはり大事なことだろう。そこはやはり治安ということが結び付いてくる、雇用というものが結び付いてくるということ。ただ、それは自衛隊だけではできるわけではないというのも先ほど来答弁を申し上げているとおりでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 外務大臣、今、防衛庁長官は、雇用が期待されておって、雇用が増えれば自衛隊の安全に大きく寄与すると思うと、こういうお話がございましたが、外務大臣はどうお思いになりますかね。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 今のイラクの人たちの中にある不満感というのは、復興支援が思ったほど速いスピードで動いていないということが一つあると思います。目に見えてそれが良くなっていくということのために日本政府として何ができるか。その一端が自衛隊等の人的な支援であり、そして車の両輪と申し上げたODAであるということであると思います。  それだけでイラクの国民の不満が解消されるかといったら、それはそういうことでは必ずしもないだろうというふうに思います。将来に向かって希望が持てる、将来の政治プロセスがきちんと動いて、イラク人の手によるイラク人の政府、これが予定どおりきちんとした形でできる、このために国際社会が協調していくということもまた重要なことであろうかと思います。  そういった国際社会が様々集まって協力をして先に向かって動いていくという形を作っていくことが大事であると思いますので、我が国としても、そういった意味で国連に働き掛け、国際社会に協調を働き掛け、努力をしているということでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 私は、もし自衛隊の皆さんが不幸な事態に陥ることは、国民のすべてがあってはならないと、何とか無事に帰ってきていただきたいというふうに考えていると思うんですね。  そういう意味で、雇用を日本がやってくれると期待しているということであるならば、ODAを持っている各省庁が会計検査の心配だとか手続とか余り心配しないで、総理がこれほど心配して決断をしたわけですから、是非、イラク国民の期待にできるだけこたえて、自衛隊が無事に帰ってこられるように、これをひとつやっていただきたい、こういうふうに思うんですがね。外務大臣、もう一回。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) おっしゃるお気持ちは私どもも全く共有をいたしております。  自衛隊の方々が行って人的な支援をなさるに当たって、これがいい形でイラクの方々のお役に立つということが非常に重要であるというふうに思っています。  同時に、鶏か卵かというところもないわけではないと申しますのは、こういったODAあるいは経済協力がうまく展開をしていくためには国際機関が戻ってきてくれることが重要であり、そして、我が国の援助関係者、NGO等がイラクで安全に仕事ができるような環境が一日も早く来るということが大事であるわけでございます。そういう意味では治安ということが非常に重要であるというふうに考えておりますし、先ほどの話につながるわけですけれども、そういう意味で、イラクの人たちの将来に向かっての希望が一日も早くきちんとした形で実現をされ、そして不満が解消していくということが重要であるというふうに考えております。  先生のおっしゃる問題意識は私どもも共有をして経済協力を進めているところでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 どうぞ外務大臣、各省庁に是非協力を呼び掛けて、ひとつできるだけイラクに雇用を日本の力で作ったと、こういうことをやっていただきたいものだと、こういうふうに思っております。  さて、総理、本当に日夜御苦労さまでございます。  総理の新年のあいさつ、自民党大会等でこういうふうなごあいさつがありますけれども、国民一人一人が誇りを持てる、国際社会から尊敬される品格ある国家としての理念を明らかにしたいと。要するに、品格ある国家をつくりたいということを総理お述べになっていらっしゃるわけですけれども、総理の考える品格ある国家とは、あるいは品格ある国家の国民とはどういうものでしょうか、ひとつお聞かせいただきたい。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今や日本の平和と安定は世界の平和と安定の中にあると。日本一国だけで繁栄できるものではありませんし、安全の確保もできるものでもありません。  今まで日本は、敗戦後、多くの国から援助を受けて、国民の努力も相まって今日まで発展することができた。世界はますます狭くなっております。政治、経済、情報、もうあらゆるものが瞬時に情報が発信され、また受信される。こういう中にあって、日本がこれから自分の国だけが平和で発展すればいいという考えを持つことは、国際社会の中でも責任ある国家とは言われないと思っております。やはり、日本自身がこれから世界の平和と安定のために何ができるかということを考えていかなければならない時代に入ったと思います。それだけ政治的にも経済的にも大きな影響力を持つに至ったと。  そういう中で、私は、今後、日本としてできるだけのことを、国際社会の中での責任をどう果たしていくか、PKO活動もその一環であります。あるいは海外青年協力隊の方々のように、自らの持てる力を、自分の国だけではないと、世界の地域の困難なところ、人々が苦しんでいるところに自分の能力を生かしたいと、日本よりももっと環境の悪いところに自ら志願して、進んで働いて、地域を助けようという方々もたくさんある。そういう方々の日々の行動というのが、ああ、日本人よくやってくれているなと。これがやっぱり目に見えないところで日本国家の評価を高めている。自衛隊も日本の国民として、一般国民、そんなに訓練受けておりません。そういう中で、PKO活動として、現在もゴラン高原に自衛隊の諸君は活躍されている。あるいはあの暑い東ティモールにも、建国の事業として、自衛隊は住民と友好関係を維持しながら、PKO活動、平和維持活動あるいは地域の復興活動に取り組んでおられる。  いずれにおいても、今まで、一時はPKO活動に自衛隊を派遣するのはいかぬという、賛否両論、国論分かれましたけれども、現在そういう方々の活動によって、日本はもう世界の中で、自分の国のことだけでなく世界のためにも活躍してもらいたいという機運が国際社会の中にも盛り上がっている。やはり日本としては、自国の繁栄のためにも国際社会の中でできるだけの協力を果たしていこうという姿勢が、取りも直さず我が国の平和と繁栄のために一番大事なことではないかと。  これが憲法前文に言う、自国のことのみにとらわれないで、自国ばかりにとらわれて他国を無視してはならないと、国際社会の中で日本の責任を果たしていこうという、やっぱり憲法の前文に掲げた理念、精神に合致するのではないか。それがやっぱり日本としての、品格ある、責任ある国家像ではないかなと。そういう理念を今回、イラクの復興支援においても問われているんだと思います。  日本は口だけじゃないなと、日本の平和だけ考えているんじゃないなと、日本の発展ばかりを考えているんじゃないなと、このイラク復興支援、失敗させてはいかぬと。国連が世界各国にイラクを復興させようということで協力を要請してきている。危険だから日本はお金だけやろうという事態ではないということに今苦悩があるわけです。憲法の整合性、人的貢献は何か。そこであえて、反対論かなりありますけれども、自衛隊の諸君にイラクに赴いてもらうと。これは戦争に行くんじゃないと、テロ掃討作戦にも参加するんじゃないと、復興支援活動、人道支援活動をやるんだと。自衛隊が行けばアメリカ同様に日本国が敵視されると、日本国民が敵視されると言ったけれども、現実はサマワの市民は歓迎しています。早く自衛隊来てくれと、おれたちが自衛隊を守るからとまで言ってくれている。  やはり日本の自衛隊がイラクからそういう好感を持たれている、その好感に沿ったような活動をこれからしていかなきゃならない。それがひいては日本国民の利益に合致するのではないかなと思っておりますし、自衛隊の諸君だったらば、イラクの国民からも評価され、歓迎され、そして日本の一般国民にはできない分野の仕事もできるのではないか、それがひいては将来日本の国際社会の中での評価にもつながっていくのではないか。そういうことによって、日本というのは信頼に足る国だなと、世界にあって日本という国はなくてはならない国だな、そう思われてこそ日本の平和と発展が私はあるんだと思っております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 非常に分かりやすい丁寧な御説明でございましたが、テレビをごらんになっている国民も理解ができ、共感を感じたものと思います。  ところで、総理、総理は国民に、大事なときに記者会見を通じて様々に対話といいましょうか、お話を語り掛けておるわけでございます。メールマガジンもそうですし、ラジオでも何か十回ほどやられましたですよね。それから記者会見を通じて国民に重要な問題を訴えていますけれども、私、どうもそれを見ていて、何か一つ物足りないものを感じているんですよ。それは何かといいますと、いつも記者会見を通じて国民に訴え掛けているという形がほとんどなわけですよね。あるいは、人から質問を受けて答えているというのが一般的、ほとんど全部そうですよね。  私は、今、国民の皆さんが政治離れでありますとか政治不信でありますとか、そういういろいろ言われている時期ですから、是非総理にやっていただきたいのは、直接テレビを通して国民に、記者会見をなしで、しかもゴールデンタイムに、家庭の団らんのときにひとつ国民に訴える、そういうお話の機会というのをこれ作る必要があるんじゃないかと。(「今予算委員会でそれやったらいいじゃないですか」と呼ぶ者あり)いや、予算委員会だけでは駄目だ。それは国民にも分かりやすくやっぱり訴えていく必要がある、このように思うんですが、総理、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ゴールデンタイムに私が一人で話し掛けると、多くの国民は別のチャンネルを回しちゃうんじゃないかと、総理の話よりほかの面白い番組を見たいと思っている国民の方が多いんじゃないかと思いますが、私はできるだけ毎日、記者諸君の質問に答えて、今どう考えているかという機会を持っております。それと、この国会の委員会におきましても丁寧に質問に答えているつもりでありますし、あるいは必要なときには自ら記者会見を行って、それぞれ説明しなければならないことに説明し、そしてメルマガとか、あるいは月に一回ラジオ番組、十分弱ではございますが、私の考えていることを述べております。いずれにしても、いろんな機会を通じて国民の耳に、声を、傾けながら、今私がどう考えているかということに私なりに努力しているつもりであります。  ただ、この報道機関というのは一つだけではありませんし、たくさんあります。公平を期さなきゃなりません。そういう点から報道機関のいろんなルールもあるようであります。やっぱり整然とした、秩序立った正確な報道をしていただくためにも、そういう習慣なり秩序、ルールを守らなきゃなりませんので、勝手に私がこの時間出させろと言って、それが許されるようなそんな時代じゃありませんし、その点は、今の御指摘も踏まえて、できるだけ私の考えていることを国民が理解していただくように、これからも努力をしていきたいと思います。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 いずれそういう時代が私は来るだろうと思っておりますので、是非、総理も改革をするつもりでそういったこともお考えになっていただきたいものだと、こういうふうに思っております。  それから、タウンミーティングというのも大分なすっていらっしゃいますよね。総理は、御就任以来千日を数えると。千日を超えたわけですね。それで、今までもう百回やっているんだそうですね。数えてみると、十日に一回やっているんですよ。これは大変な数だと思うんですが、その割にどういう効果があったかというのはよく分かんない。  一番人気があって呼ばれるのは竹中大臣が呼ばれているというそうですが、竹中さん、どうですか、その内容というのはどんなものですか。

竹中平蔵内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 人気があって呼ばれているのではなくて、私が言い出した関係で行かざるを得ないということだというふうに思っておりますが、これは、タウンミーティングというのは私が大学におりましたときの学生のアイデアでございます。若い人のアイデアで、それを総理、官房長官がすぐに取り入れてくださいまして、これ、百回を超えたというのは、御指摘のとおり一つの実績であろうかと思います。  その中で、やはりタウンミーティングにいらっしゃる方々というのはやっぱり非常にしっかりとした問題意識を持っておられて、これはもう大変良い、鋭い御質問も出ますし、同時に、我々が一生懸命話したらかなり分かっていただけるところも非常にある。これは、そこに集まってこられる方々にとっては、それなりに大変良い機会を持っていただいたのではないかなというふうに思っております。同時に、そこで出されましたアイデア等々について、それが政策として実現したものもございます。  今後さらに、例えば地元のメディアに、それがテレビに乗っかったタウンミーティングも可能でありましょうし、さらには地元のいろんな経済団体と一緒になったタウンミーティングも可能でございましょうし、そういうことを通して、やはり多様な対話のチャンネルというのを是非広げていきたいというふうに思っております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 石原大臣はタウンミーティングへ出ましたか。ちょっと、じゃ、その感想を聞かせてください。

石原伸晃自由民主党国土交通大臣

○国務大臣(石原伸晃君) 残念ながら山形はお訪ねさせていただいておりませんが、仙台、東北では仙台に二回ほど行かせていただきましたが、ちょうど雨の日で、塩川財務大臣と行ったんですが、それでも七百人ぐらいの方がおいでになって、お話をさせていただきまして、今、竹中大臣が言いましたように、問題意識の強い御質問がございました。  感想から申し述べますと、私は、七百人よりもう少し小さい、やっぱり百人ぐらいで、もう少しこれからは言葉のやり取りがあるようなタウンミーティングの方がいいのかなということを二年ぐらいたちまして印象として持っております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 厚生大臣はいかがですか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 私も、どちらかといえば何回か行かせていただいている方だというふうに思っております。十回は超えているというふうに思っておりますが。  例えば、いろいろのことを、社会保障なりなんなり、いろいろの問題、テーマについて御意見いただく。タウンミーティングのときにお越しいただいている皆さんが何に一番興味をお持ちになっているか、どういうことをお考えになっているかということがそのときに一番よく分かるというふうに思っております。  例えば、先日、年金で東京にお邪魔させていただきました。そのときにいろいろの御発言ございました。ただ、ある一人の人が言った発言に対して場内から万雷の拍手があった。何かといったら、議員立法を、議員の年金を直せという話。これに対してはもう会場から万雷の拍手。だから、皆さん方が何を一番今お考えになっているかということがよく分かるというのは、私はそういうもので申し上げたわけであります。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 聞いてみますと、やっぱり非常に効果があるみたいでございますね。どうぞひとつ総理、このタウンミーティングも、是非総理も時間を見て出席されて、親しく国民と触れ合う機会を作っていただきたいものだと、こういうふうに思っております。  さて、次の問題に移りますが、私、山形が選挙区でございますから、選挙区へ帰りますと景気の問題がよく話に出てくるわけです。それで、このごろ、新聞なんかによりますと、各経済指標がみんないい方に、失業率も今度下がったとか短観もいいようだとか、いろんないい指標が出ておって景気も回復基調かと、こういうふうに言われているようでございますけれども、どうも地元に帰りますと、こういうふうに言われるんですよ。いや、先生、景気良くなったといっても大企業ばかりじゃないかと。それからもう一つは、大都市圏が景気がいいのであって地方は全然駄目じゃないかと、そういうふうなことも言われる。それからもう一つ言われることは、リストラなどによって雇用者の報酬というんでしょうか、賃金が下がっているので個人消費が余りぱっとしないんだと。一体どうしたら中小企業も地方も景気が良くなるのか、これをひとつ考えていくのがおまえの務めじゃないかみたいなことをよく言われるわけですよね。  そこで、総理には、地方再生本部長として、地方再生という、地域再生ですか、あれの理念と、それが地方の景気、経済にどんな効果を及ぼすというふうなことを期待されておるのかということ、それから竹中大臣には、竹中大臣、少し早口ですから、少しゆっくり国民の皆さんにその辺のところ、大企業と中小企業、大都市圏と地方、それから個人消費、こういったところについてひとつ説明をしていただきたい、このように思うんですが、いかがですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 後ほど竹中大臣からもお話あると思いますが、地域再生は、これは今後日本全国の発展につなげていかなきゃならない大事な問題だと思いまして、今、地域再生本部を作りましていろいろ知恵を出していただいているわけであります。    〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕  一つ言えば、一地域一観光もその一つであります。特区構想もそうであります。さらに、これから地域がかなり裁量権を持って地方分権、裁量権を地域に拡大していこう、地域の意欲というもの、やる気を出していただこうということは企業だけじゃありません。それと、地域には非常に、自分たちの町は、村は自分たちの力でおこしてやろうという意欲にあふれた人がいます。そういうのを今、観光カリスマと呼んでいるんですよ。十人ほど、全国、非常に停滞していたところを自分の知恵で地域をおこしてやろうと、成功している、よその地域よりもにぎやかになってきたと。これを、今十人表彰しましたけれども、もっと百人あるいは千人につなげていこうと。  山形でも結構特区の申込みが出ておりますよ。簡単に言えば、鶴岡じゃバイオキャンパス特区とか超精密技術、この特別にプロジェクトを考えようと、山形から出ているんですよ。これは、今、金子大臣に、こういうのを、意欲を取り上げてやればいいじゃないかと。  サクランボだって、かつては、輸入したときには日本のサクランボ駄目になっちゃうと。ところが、今、山形のサクランボは輸入のサクランボよりも高くてもうまい、売れているでしょう。だから、そんなしょぼんとしちゃ駄目ですよ。    〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕  農業だって、輸出ぐらいしようと、輸入ばっかり被害妄想じゃなくて、いや、高くても売れるんだというそういう発想の転換というのが必要じゃないか。山形なんというのは、私もよくスキーで行きましたけれども、まだまだ眠っている資源がたくさんある。  そういう地域の再生を、先ほど言った、建設業が農業をやる、あるいは建設業が今までない介護の仕事をやると。あるいは、どぶろく特区、農家が今、今まで自分の造っていたどぶろくを売れるようにすると、これも東北で始まっています。そのようないろんな知恵をむしろくみ上げて支援していく、これが政府としても大事じゃないかと思います。

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 竹中経済財政政策大臣、ゆっくりと。

竹中平蔵内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な御指摘をいただいていると思っております。  経済全体としては良い方向に向かっているだろうと。しかし、それが地域や中小企業ではなかなか実感されづらい。両方ともまさしく、これは両方とも本当なんだと思っております。その両方をしっかりとまず確認しながら、我々の方向を誤らないようにしていくということが大変重要なんだと思っています。  全体の話でまず申し上げますと、例えば失業率が今四・九%ということで、五%を切りました。これは三十か月ぶりでございます。さらに、これ、有効求人倍率が〇・七八でございますけれども、この〇・七八という数字、実は十年ぶりの回復でございます。もう一つ、昨年の平均の失業率というのが五・三%という数字が出まして、一昨年に比べて〇・一%ポイントでありますが、下がりました。この年平均の失業率が下がる、下がったというのは、実はバブル後初めてでございます。その意味では、財政拡大に安易に頼ることなく、しっかりと経済の筋力を付けて、構造改革を少しずつ進めることによって経済全体が良い方向に向かっている、このことをやはりしっかりと我々はまず確認しなければいけないんだと思っております。  しかし、そうした中で、地域や中小企業がその回復のテンポが遅れていたということもこれまた事実であろうかと思います。特に一昨年に関しましては、昨年度に関しましては、例えば、上場企業の収益というのは、利益というのは七割の増益になっているわけでありますけれども、中小企業の利益というのはそんなに増えてはいなかった。それもようやくここに来て、中小企業に関しても良い方向が出始めたということも確認され始めたという段階であろうというふうに思っております。  例えば、先般の日銀の短観によりますと、二〇〇三年度に関しては、むしろ大企業よりも中小企業の方が企業収益の増益幅は大きくなるだろうというような結果が出ております。これもやはりしっかりとここは育てていかなければいけないものだと思います。  我々、景気ウオッチャーと言いまして、まあ数年街角の景気、タクシーの運転手の方々ですとかスナックの経営者の方々に景気の実感を聞いておりますが、これもすべての地域で以前より良くなっているということを確認をしております。  問題は、やはりこれを本物にしていくということだと思っております。重要な点は、今その意味ではやはり非常に大きなチャンスがあるんだということを是非地域の皆様にも御認識をいただいて、我々はそれを制度として後押しして、しっかりと前に進んでいただくということであろうかと思っております。  先ほど、総理から特区の具体的な事例がございました。観光カリスマの話がございました。こういう話でよく出てくる事例として、長野県の小布施の町というのは、これは必ず事例として出てまいります。一万人、人口一万人ぐらいの町に今、年間百二十万人の観光客がいらっしゃって、これ、町おこしそのものが観光の資源になったというような事例。そうした中で、今地域再生の幾つかの提案を先般金子大臣のところで中心になって受け付けたわけでございますが、詳細、金子大臣からお話があるかもしれませんが、三百を超える主体から提案がございました。これは、大変その中にはやはり元気付けられるものもございます。  しかし同時に、考えようによっては、三百の提案、三百数十の提案でございますから、三千三百ある地方自治体の中からはまだ一割ぐらいしかこれを出していただいていないという面もございます。ここはやはりまずチャンスととらえていただいて、是非、我々もしっかりと制度を作りますし、各地域の方にもこれはチャンスととらえていただいて、前向きの対応をしていただきたいと思っております。  最後に、個人消費が大事だというふうにおっしゃいました。そのとおりであろうかと思います。今の景気は、上向きとはいっても、ほとんどが企業の設備投資に支えられております。企業が競争力を高めて、中にはリストラ等々もありましたが、そうした中で企業のキャッシュフロー、お金が増えて、それが一部は借入れの返済に回りましたが、しっかりとそれが設備投資に回るようになったというのが現段階でございます。  加えて、最近の統計を見ますと、それが企業だけではなくて、雇用者所得の増加にもつながり始めたという点に是非我々は注目したいと思っております。正に企業が良くなって、それが家計に及んで消費を押し上げていく。  そういう意味では、そうした企業から家計へのスイッチがうまくいくかどうかというのが今年の前半の私は大変重要なポイントであり、そこを我々はしっかりとフォローしていきたいというふうに思っているところでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 企業から家計へのスイッチということですね。これ、本当だとしたら大変いいことだと思いますから、もう一回、後から説明願います。  それと金子さん、大臣、せっかく総理が特区のことを言ってくださったんで、あなたからもひとつ、いい例などを挙げて国民の皆さんに説明してあげてください。

金子一義自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革・産業再生機構)

○国務大臣(金子一義君) さっき三百七十件の提案主体、約六百七十件の案件が、具体的にはこの一月の十五日、第一次の提案募集をさせていただきましたけれども、びっくりするくらい出てまいりました。まだまだこれから続いて出てくるんだろうと思っております。  そのうち、お地元の山形から八件出てまいりました。農業、商業、温泉、それから総理が超精密機械とおっしゃいましたけれども、産業関係も出てまいりました。この超精密機械というのは、やはり、米沢にアルカディアという団地が、工業団地があるようでありますけれども、ここにやはり公募・募集型でそういう精密機械の企業を集めていきたいということで、かなり積極的に、規制の緩和は出てまいりますけれども、進めてまいりたいという案件であります。  商業では、山形県ってお蔵が多いんですか、蔵、空き店舗になった蔵を活用して、そして新しいビジネスをそこでやりたいと。何やるんですかね、蔵を使って。ちょっと中身分かりません。これ商店活性化対策。  そして同時に、その商店の商店主たちが会員制で宅配サービスをやりたいと。デリバリーサービスを会員制を作ってやっていきたいという地域の活性化の案件も出ております。  農業では、やっぱり補助金制度について、補助要件を緩和して更に農業を更に進めたい。同時に、農薬、農薬をもっと使える範囲を拡大してほしいと。何に使うんですかね。ラ・フランスに使うのか、さっきお話あったサクランボに使うのか分かりませんけれども、ここのところは提案として出てまいっております。  こういうふうに、各方面でいろいろな分野の御提案が今出ておりまして、これを規制をここまで緩和するかどうかということについて今各省庁と事務折衝をスタートしておりまして、安全性基準はもちろん検討事項の中で今やっております。局長折衝から、やっぱりそれぞれの地域のこういう御提案でありますから、それが何とか実現を、地域のこういうやる気ができるように、必要があれば閣僚折衝で交渉していって、そして地域の皆さん方の思いというのを実現をさせていく、そしてこういうものを一つ一つ実現をさせていくという土壌を作っていくことが、今先生が御指摘いただいている地方の活性化につながっていくんだと思っております。  以上であります。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 今、地域再生やら地方の活性化等々についていろいろございましたが、総理、地方はやっぱり農業、林業、そういったものは余り振るわない状況でありまして、やっぱり地域再生、地方の方に目をやるということは非常に大切だというふうに思いますので、是非ひとつよろしくお願いいたしたい。  そこで、農業問題を一つ、総理、ちょっと嫌な話だと思いますが、一つだけ我慢してお聞きしたいと思います。  総理は、バンコクか何かで、鎖国云々と言って農業団体等々から少し批判をされまして、どうも真意が伝わっていなかったようだと。まあ、それは伝わっていなかったんでしょう。それで、しかし、今でも農村もそういう農業不振なものですからなおさらですけれども、どうも総理は農業に対する認識が余り少ないのではないかと、こういう声も一部くすぶっているところがあるんですよね。  そこで、ここで、せっかくの機会でございますから、農業は国民にとって大切なんだよ、食糧自給率も守らなきゃいけないよと、そういうことを総理の声から直接国民に語り掛けていただきたい。いかがですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 農業の重要性は、私は農村の方に勝るとも劣らないと思っています。  都市農業、都市から一時農地はなくていいんだという考え方があった。それに断固として反対したのは都市に住んでいた私ども都市の自民党国会議員だったということも御記憶していただきたいと思うのであります。特に、私の選挙区は横須賀、三浦、野菜の産地ですよ、三浦大根にしてもスイカにしてもカボチャにしても。最近は、葉山牛って御存じですか。隣の、葉山御用邸といって天皇陛下の御用邸があるでしょう、あの地域で牛、もうブランド牛ですよ、葉山牛。こういう、神奈川県は都市だけれども農業も盛んなんです、言わば横須賀、三浦は都会の野菜を供給しているし。  今のBSEとか鳥のインフルエンザ、問題になりますと、やっぱり日本の国内で作った農産物は安全だしおいしいし多少高くても買いたいという人がだんだん増えてきた。こういうことを今後農業関係者もよく考えていかなきゃならない。常に、輸入は阻止しよう、輸入品に、安いものに太刀打ちできないという考え方だけでなくて、いや、少しは高くてもおいしければ売れるんだと。さっき言ったサクランボなんかいい典型でしょう。群馬でかつて一時、中国から安いネギが入ってきて大変だと。群馬の下仁田ネギなんか全然こたえないで頑張っているらしいね。やっぱり日本にはどんな安い品物で、困っちゃうところもあるけれども、そうでも困らない農業があると。むしろ、輸出できるんだという、そういう視点も農業関係者持つときじゃないかと。  ただ、安いのが入って自分たちはもう太刀打ちできないという、そういう後ろ向きの考えでなくて、今や牛肉がこれだけ増えてきても、まだ四割、国内の畜産農家、牛肉四割あるんだと。アメリカ、豪州が三割、三割でしょう。それで、アメリカ人が来ても、ブッシュ大統領はこの間来たときに言っていましたよ、日本の牛はうまいと。もう世界で有名ですよ。すしだって、生ものは日本国民しか食べないなんといったのはうそだったじゃないですか。欧米人は生もの食べない。とんでもない、今モスクワだろうがロンドンだろうがニューヨークだろうがどこでも、すし、すし。うまいだけじゃない、日本人は世界一長生きできるから健康食だと食べるようになった。  こういうことを考えると、日本だけで確かにエビとか魚介類、マグロ、日本国民の胃袋を満たすことはできない。輸入も大事です。だから、そういう点も考えて、輸入もするけれども輸出もできる、そして基本的な自給率四〇%以上確保しようと、そういう農業の新しい改革は是非とも必要だと。  そういうことで、改革特区で、今まで株式会社が農業に参入することを認めなかった、しかし、ある程度認めてもいいじゃないかということで、また新しい発想が起きてくるかもしれない。先日、岐阜県だったかな、岐阜県のところの農業を視察に行ったんです。そうしたら、今までやっている農家が土地を貸して、富山かな、富山と岐阜の県境だったかな、自分の農家を貸して、今まで農家の、農業の経験ない若い人が農業に従事するようになって、いろんな地域の農産物、好評を受けている、新しいやり方だと思う。だから、農家の方も、株式会社は絶対に参入させないという、閉じこもるんじゃなくて、新しい時代にどういう農業をもたらしていこうかと。かつて、産業でも、自動車なんか、アメリカの自動車にかないっこないと思ったら、今の自動車会社はアメリカや外国で売れなかったはずだと。だから、農業だって、日本は安くてかなわないということじゃなくて、安くても対抗できる農業、高くても売れる農業と。  そういうことをやっぱり考えて、農業の活性化、それがやっぱり日本の健康作り、食育という、私が施政方針演説で言ったのも、知育、徳育、体育はみんな有名だけれども、食育という言葉は知らない。食べるというのはもう心身の健康に最も基本的な、それを作るのが農業であるし、農業というのは自然の恵みに感謝しないと農産物は出てこない。  そういう点をやっぱりよく認識しながら、食糧の安全確保、自給率向上のためにも、農業改革に是非とも積極的に農業関係者も取り組んでいただきたいと、それを政府としても支援していきたいと思っております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 大変力強いお話でございましたが、そこで、総理、富山県か何かに農業の御視察行かれたという話もお聞きしましたが、年に数回、一回か二回は農業も視察するということもその総理の姿勢を示すものだと思いますので、これを是非お勧めしたい。その場合、やっぱり山形県辺りは一番いいんじゃないかと。  なぜかといいますと、総理、これは余談になりますけれども、総理が初めて総裁選挙に立候補したときの得票率が一番高かったのは山形県で、神奈川県じゃないんですよ。山形県が一番だった。それほど総理の改革に期待している方々がたくさんいらっしゃいますので、是非これ、農業を視察する場合は、これ、山形を一回見ていただきたいと、こういうことをお願いをいたしておきます。  そこで、農林大臣、まあいろいろ今総理がおっしゃいましたけれども、なかなか、農業、大臣として専門家ではありましょうけれども、難しい問題がたくさんありますよね。プロの農家を育てる、一方では農村の社会の兼業農家もやっぱり導いていかなならぬ、それで国際競争がある、WTOやFTAもある。こういったところで、今何か三つの視点で農業の基本計画を見直しているという話をお聞きしました。大臣のごあいさつもちゃんと読みましたが、ここでひとつ、大臣として、こういう難しい農業問題、この基本法、基本計画を考えていく上でどのようにお考えを持って進めていきたいか、これをひとつ、じっくりひとつ語っていただきたい。

亀井善之自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。  今総理からも御発言ありましたが、私も神奈川県でございまして、私のところは神奈川県の県央と、かつては穀倉地帯と、また都市近郊農業と、先ほど土地税制の、農地税制の問題で総理もお触れになりましたが、大変先進的な施設園芸、花であるとかあるいは野菜であるとかあるいは酪農であるとか、いろいろの、農村地帯に私住んでおりますし、また、総理も先ほど富山県に御視察をいただき、また二十三回のJAの大会と、あるいはまたJAの会長以下幹部の皆さん方といろいろお話をしていただくなど、農業につきまして大変積極的にいろいろのお話をしていただき、また農業団体のお話もちょうだいをしておるわけでもございます。  そういう中で、今委員御質問の基本計画の見直しのことでございますが、昨今、御承知のとおり、BSEの問題と、鳥インフルエンザの問題と、そういうこと、こういう点、またそれ以前から、消費者、国民の食の安全、安心と、この確保に対する関心というのは非常に高まっておるわけでもございます。  そういう中で、農業の構造改革の立ち後れ、あるいは先ほど若林委員からもお話しのWTOあるいはFTAの問題と、こういうことで、国際規律の強化の問題等々を踏まえまして、農業の競争力の強化、また国民の期待にこたえ得る農業、農村の実現に向けた農政全般の改革が求められておるわけでありまして、私は、昨年四月就任をいたしまして、八月の時点でこの食料・農業・農村基本計画の見直しを指示をいたしたわけであります。  それは、やはり消費者あるいは生活者の視点に立った施策の一層の強化と、あわせて食の安全、安心と、また国際関係の問題等々を踏まえまして、この見直しをいたさなければならないと、このような視点に立ちまして指示をいたしました。そして、委員御指摘の三点につきまして考え方を申し上げたわけであります。  今までの品目別の価格、経営安定対策と、この政策から諸外国の直接支払、このことも視野に入れまして、意欲と能力のある担い手の経営を支援をすると。そういう面から、品目横断的な政策への移行と、このことをひとつ指示をいたしました。  さらには、望ましい農業構造と土地利用を実現するための担い手あるいは農地制度の改革と、このこともやはり考えていかなければならないと。  さらには、農業は環境と水との問題、これは大変重要なことでございますので、この環境保全を重視した政策の一層の推進と、そして農地や農業用水等の資源の保全のためのやはり政策の確立と、この三点につきまして本格的な検討を進めておるわけでありまして、実は去る一月三十日に食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきまして、これは三点を中心に具体的な検討を始めたわけでありまして、でき得れば今、私も先般の企画部会に出席をいたしまして、部会長を中心に積極的な御意見もちょうだいいたしまして、月に二回くらいのペースでいろいろ御議論をいただきたいと。そして、できるだけやはり、来年の三月にということをお願いをしておりますが、やはりスピードが必要なわけでもございます。しかし、若干そういう面でも拙速ということも十分考えていかなければならないわけでありますが、中間取りまとめを七月ころまでに是非お願いできないかと。  そういう面で、来年度の概算要求にその中でも入れられるものは是非入れて、そしてこの基本計画の見直し、そして今求められております農政の改革、構造改革を進めて、先ほど来、総理からも御発言いただきましたとおり、守りの姿勢から攻めの農政まで含めた展開と、このことに努力をしてまいりたいと、このように考えております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 財務大臣、今総理が農業に対する思いを語られ、農林大臣も攻めの農政というようなことをおっしゃったんですけれども、これやっぱり財務省も応援しなきゃいけないと思うんですが、どうですか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 非常に今お話がありましたように農業は大事な産業でありますし、先ほどお話にありましたように、農水大臣もプロ農家の養成とかいろいろな政策を考えていただいておりますので、財務省としては、きちっとそれをバックアップする予算を今年は組ませていただいたつもりでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 どうもありがとうございました。  それでは、総務大臣にお伺いいたします。  総務大臣、私はつい先日まで、片山予算委員長が総務大臣のときに総務大臣政務官を務めさせていただきまして片山大臣の薫陶を受けてまいりましたが、ところで、このごろ、どうも三位一体の改革が我々が大臣から話を聞いていたころと大分違ったように地方では受け止められている節がある。すなわち、どうも、何というんでしょうかね、これ、国の財政の余裕がないので付き合わされているんじゃないかと、こういった地方の不満というのが非常に強くなっているんですよね。  この辺、まずひとつ、大臣、この三位一体の改革の本旨というのをもう一回大臣の口から説明していただけませんか。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 片山大臣、委員長から直接答弁を受けられた方がいかがかと思わないわけではないんですが、後任を受けまして、片山大臣のお話と基本的にそんな違っていないと思うんですが。  三位一体、前にも申し上げましたが、これは大体宗教用語だったものがいつの間にか法律用語に変わったのが特徴の一番だとは思いますが、いずれにいたしましても、この意味するところは、地方が元気になるというところが一番の本来の目的、そのためには地方の自由度を増やす、そのためには地方に自由裁量権が出てこないと駄目、その裁量権を発揮するためには地方にしかるべき税源が移譲されていないとなかなかできない等々、いろいろ目的に対する手段として、地域を元気にさせるための手段としてこの三位一体という話が同時にやらないと、時系列的にいきますとなかなか、一時期に偏ったりなんかすると地方が迷惑をするから三つ一緒だという話を前大臣がされたという背景なんだと、私はそのように理解をいたしております。大体合っておると思うんですね。確認をさせていただくわけじゃありませんけれども、合っておると思います。  それで、事実、今回の予算を組むに当たりましても、いろいろ御意見はありましたけれども、少なくとも地方に税源移譲をするに当たっては、地方が自由に裁量ができるいわゆる地方税という、基幹税と申しましょうか、そういったものをきちんとせにゃいかぬということで、いわゆる所得税を地方住民税に振り替えるというのを、きちんとその方向を踏み出すなどなど、いろいろ方向としてはかなりはっきり方向を見せたというのは、これは少なくとも今までではちょっとないほどきちんとした方向は出てきたということだと思っております。所得譲与税という名前を付けさせていただいておりますけれども、これを三年間できちんとその方向に合わせていくという方向が出てきておりますので、いろいろ、きちんと三千二百の市町村全員がそれが正しく理解されているかどうかというところはいろいろ御懸念もおありでしょうし、委員自体七期町長しておられますので、よく地方の実態というのはよくお分かりのところだと思った上で聞いておられるんだと思いますけれども。  今申し上げましたように、そういった懸念がないように、私どもとしては、先ほどの答弁で申し上げましたように、地域によっていろいろ差があることは確かですし、人口差、法人のあるなし、いろいろ差があることは事実だと思いますので、そういった意味で、やっぱりこれは国の財政も厳しい状況にありますので、それぞれ、国だけが厳しい、同じように、国もいろいろ人員削減等々いろいろやらせていただいておりますのは御存じのとおりですので、地方も同じようにしていただく。  皆それぞれ合理化と、先ほど若林委員の質問に対してもお答えいたしましたように、そういった形で、地方の方にもいろんな形で法律も変えさせていただいておりますので、アウトソーシングすることによってコスト削減等々、いろんな努力もしていただかにゃいかぬところだと思いますが、それでもなおかつ足りないところは必ず出ます。その分につきましては、交付税等々の本来のものがありますので、そういった形のものである程度努力というものにこたえて少しずつやっていかにゃいかぬものだと思っておりまして、何にも努力しなくてそのままというわけにはなかなかいかぬのだと思っておりますし、また、もらえばもらった分だけやるかというと、それはいろいろ各市町村によって内容が大分違うと思いますので、今そういった御心配もあるのは確かだと思いますし、私どもいろいろ陳情をいただいておりますのも確かですので、そういったものに丁寧にこたえていきたいと思っておりますので、本来の目的は、地方が元気が出るためには、地方の自由度が出すため、そこの、本来の趣旨はそれだと思っております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 地方が自由度を増すためというお話はもっともでございますけれども、地方交付税が、これは平成十二年には二十一兆円あった。それが来年度は十六・九兆円、十七兆円に下げられる。それから、臨時財政対策債、赤字用の起債なんですけれども、これが一兆七千億ですか、削られるということで、地方では自由にできるなんというもんじゃないんですよ、総務大臣ね。ここのところをやっぱりどのように説明してどのようにリードしていくかということは、これは総務省としても非常に重要な問題。  どこかの県知事さんは、いいことがあると思ったらだまされたような気分がするなんて、そんなことまで言われて、これは総務省だって黙っていられないわけでございますから、恐らく知事会か何かを開いてこの状況について詳しく大臣から説明をされて、やっぱり地方の皆さんに納得ができるように、理解をしていただけるようにやっぱり対応する必要がある。期待が大きかっただけにやっぱり失望も大きかったと思うんです。  ただ、救いは、基幹税と言われて、たばこじゃないかといってみんながっかりしておったところに、所得譲与税という、これは予算委員長頑張っていただいたわけですけれども、これは非常に希望を与えたわけでございますけれども、どうぞひとつその辺、もう少しやっぱり総務省と地方自治体の間の意思の疎通を予算編成の前から本来やっぱり図っておく必要があったのではないかなという気がいたしますが、その辺を含めてひとつ総務大臣からもう一回御答弁をお願いします。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 岸先生よく御存じのとおりに、特別交付税というものは既に今、済みません、交付税の特別会計借入金というのは既に御存じのように五十兆ということになっておりますし、また、いわゆる特例的な交付税として、別名臨時財政対策債の残高も御存じのように膨れて今十四兆五千億、四千億ぐらいになっておると思いますので、やっぱりその意味ではきちんとした対応をしないとなかなか難しいことになってきていると。ほっとくとえらいことになりますので、そういったことのないように今のうちからあらかじめやっておかないかぬということだというのがまず大前提にあると思っております。  そういった意味で、今回、今一二・〇%でやっておりましょうか、そういった形で減っておりますのは事実でありまして、県で二、三百億、県によって違いますけれども、それくらいの形になっておると思いますので、十万ぐらいの市町村でいきますとどれぐらいでしょう、八億から九億ぐらいということになると思いますので、そういった意味では、町村合併を含めて、いろんなみんながそれぞれ努力をしていただいておりますし、また、それまで持っておられた基金を一部取り崩されているところもありますし、いろんな形で今予算編成をしていただいている、努力をいただいているところだと思っております。  ただ、それでも、御存じのように、県、県というか市町村によって随分差がありますのはもう御存じのとおりでありますので、そういった問題が急に出てくると問題だということで、少し説明が足らぬのではないかという御指摘でございますので、その点につきましては、私ども、それに対応するためにはいろいろな交付金等々の調整をさせていただこうと思っておりますので、お話合い含めまして、前回の予算のときも、全国町村会、また知事会等々、総理出席していただいた上でいろいろ説明をしていただいたりした経緯これあり、また御意見を拝聴させていただいた上での予算編成だったということもありますので双方ある程度納得ずくだったとは思いますけれども、あのときの話は、皆さん方の質問はそっちよりはむしろ別の方の話が多く出ましたので、そちらの方にきちんと話を聞かれたのであって、一応話は一応したんですけれども、そっちよりは別の方に皆さんわっと質問が行ったためにどうもそうなったんではないかと。あのときの、六時間、七時間座っておりますけれども、そんな感じがいたしておりますので、この種の話に説明が足らぬというのであれば、御要望に応じて、私、きちんと対応なり説明なり、いろんな方法について説明をさせていただく用意はございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 今お話がありましたように、一県当たりに平均いたしますと、たしか三百億ぐらいの財源が足りなくなるんだということで、地元に帰りますと、もう新聞は全部、予算が組めないだとかなんとかという記事が一杯なんですよね。どうぞひとつ大臣、説明をするというお話でございますから、早速にも地方六団体等と調整を取って、ひとつ、総務省と地方自治体というのはもう本当に信頼し合ってきた仲だと思いますから、よろしくひとつお願いを申し上げたいと、こういうふうに思っております。  次は、これは小野大臣にお答えいただきたいんですが、青少年の健全育成に関する法律を早く作るべきだという声が我が党には非常に強いんでございますけれども、いかがですか。この辺はどう考えておられますか。

小野清子自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策・食品安全)

○国務大臣(小野清子君) お答えをさせていただきます。  御案内のとおり、小泉改革宣言の中で、自民党政策公約二〇〇三年には、青少年健全育成基本法の早期成立という問題が掲げられておりますし、先月、一月に行われました自民党の運動方針の中にも、青少年健全育成基本法の早期制定に取り組もうという、そのような宣言もございます。  今先生御指摘のように、今年はオリンピックの年でもありますし、青春を懸けて汗している青年たちがいる反面、青少年関係におきましては、事件の真っただ中にその主役をなしているという大変な反面もございます。影と光がございますけれども、いずれも大事な日本の二十一世紀を担う宝物、これが青少年であると私は認識をさせていただいております。  そういった意味におきましては、昨今の少子化あるいは都市化あるいは情報化の時代におけます社会の一つの、何というんでしょうか、変革期の現在におきまして、青少年関係は、非常に多く波の中にのまれ、あるいは乗り越えようと必死にもがいているという、それが現状ではないかと思います。  そうした意味におきましては、家庭あるいは学校あるいは社会、そういうものが一貫となって青少年の健全育成というものを図っていかなければなりませんし、御案内のとおり、十二、先月の、先月というよりは、年越しましたけれども、十二月には、政府の方で青少年育成施策大綱というものを策定をさせていただきました。その基本法というものが、先生今おっしゃいましたように青少年健全育成基本法なるものがまだできておりませんので、これを是非何とか作り上げていただきたい。そして、両方相まって、これからの青年たちが本当に健全に育成され、そして日本の宝として活躍していただけるようにと、そんな気持ちで大変大きく期待をしながら、私どもも全面的に協力をさせていただきたいと、そのように考えております。

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 岸宏一君、もう時間ありませんから、簡潔、早口。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 はい。最後に一つ、はい。  総理、総理の施政方針演説の最後に、「義を為すは、毀を避け誉に就くに非ず。」というお言葉ありましたが、ひとつ国家国民のため、品格ある国家をつくるために、ひとつ今後一層の御努力を心からお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

片山虎之助自由民主党

○委員長(片山虎之助君) 以上で若林正俊君の質疑は終了いたしました。(拍手)  明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会

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