文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/03/18
会議録
○委員長(北岡秀二君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十七日、谷博之君及び畑野君枝君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君及び大沢辰美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北岡秀二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房長白川哲久君、文部科学大臣官房総括審議官玉井日出夫君、文部科学大臣官房文教施設部長萩原久和君、文部科学省生涯学習政策局長銭谷眞美君、文部科学省初等中等教育局長近藤信司君、文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君、文部科学省高等教育局私学部長加茂川幸夫君、文部科学省科学技術・学術政策局長有本建男君、文部科学省研究振興局長石川明君、文部科学省研究開発局長坂田東一君、文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君及び文化庁次長素川富司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北岡秀二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北岡秀二君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有馬朗人君 自民党の有馬朗人でございます。おはようございます。 日ごろの河村大臣以下、文部科学省が大変御努力になっておられることを心から感謝を申し上げます。 まず最初に、私が最近非常に心配していることから始めたいと思います。それは、小学校、中学校の安全であります。非常に残念な事故が度々引き続いて起こっておりますので、この事故に対してどういう対策をお考えか。安全について、特に教職員、地域社会、そしてまた家庭に対して、十分安全に関して考えが進んでいるかどうか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) おはようございます。 有馬先生、教育全般にわたって、また科学技術、あらゆる面にわたって格別な識見を発揮していただきまして、文部科学行政推進に御努力いただいております。敬意を表する次第でございます。 今日は一番バッターとしてお立ちいただきまして、まず一番学校が安心で安全なところでなければいけない、私も全くそう思いまして、親にとって学校に行っているのが心配だということでは本当に困るわけでございます。しかし、現実にはそういう問題が起きておる。既にこれまでも大変悲惨な事件も起きてまいったわけでございます。これにやっぱりきちっとこたえる、これは正に文教行政の基本中の基本の問題でございまして、私どもとしても大いな心配をしながらこのことにきちっと対応しなきゃいかぬ、こういう思いでございます。 今、有馬先生御指摘ございましたように、まず学校現場の教員、組織、一体となってこの安全に対する知識をきちっと持って対応する。そして、家庭や地域社会、関係機関、これとの連携をしながら安全管理の徹底を図るということが極めて重要であろうと思います。 そういう面で、先般来より、学校における事件、事故が大きな問題となって、この状況を重く受け止めながらマニュアルを作っておるところでございます。学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル、これを平成十四年十二月に発信をいたしました。それから、学校施設整備指針といいますか、これによって防犯対策関係規定を充実させた、このような対策を取ってきたところでございます。 また、しかるに、今年一月二十日には、宇治小学校事件も起きました、子供たちの安全を脅かす事件が絶えません、より具体的に学校の安全対策、それもマニュアルどおりやっていけば安全だということではございません、地域によっては地域のいろんな対応の仕方がございます、そういうもので、子供の安全確保のための具体的な留意事項、あるいは学校、家庭、地域、関係機関の連携の方策、これを取りまとめまして、学校安全緊急アピールというのを公表いたしたところでございます。これを通じて、学校安全の基盤というのが、教職員一人一人の危機管理意識をきちっと持つこと、それから実践的な防犯訓練等を通じて学校独自の危機管理マニュアルを不断に検証する、さらに改善をする、実効性の高いものにしていく、こういう努力を求めるということが必要でございます。 さらに、子供の安全確保のためには、家庭、地域社会、関係機関との連携協力による地域ぐるみの取組、これが不可欠でございます。そこで、学校内外の巡回をいただく、あるいは学校安全の取組に御協力いただける方の組織作り、こういうこともお願いをするということになっておりますし、また不審者情報等も地域で共有できるネットワークも作っていただく、こういうことが重要である、この点も強調いたしておるところでございます。 今後とも、地域ぐるみで子供の安全確保のための取組が推進されるように、警察庁など関係省庁とも連携しながらこの学校安全に関する施策についても取り組んでまいりたいと思っておりまして、実は小野国家公安、警察取締りについて小野清子委員長にもお願いを申し上げながら連携策についても協議をさせていただいたところでございまして、国家公安委員長にも格別の御協力をいただくお返事もいただいておりますが、一体となって組織的、継続的に対応していく必要が大事でございます。 さらに、それは学校だけではなくて、最近は学校の行き帰りの問題もございまして、これも含めて組織的、継続的に対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○有馬朗人君 ありがとうございました。ひとつよろしく御努力をお願いを申し上げます。 もう一つ、最近しばしば起こることで私が非常に残念に思い不幸に思っておりますことは、両親による子供のいじめ、死に至るようないじめであります。この児童虐待が何とか止まらないかと私は思っているんですが、その中で一つ気になったことは、特に学校に関係があることと考えられることで気になりましたことは、不登校の子供たちの中に両親が非常にそういういじめをするというようなことで不登校になっている子供がいるように見受けられる点があることであります。 この点に関しまして、学校、そしてまたその他の様々な機関、例えば児童相談所であるとか警察であるとか、そういうところの総力を挙げて、子供たちがいじめられない、特に肉親によっていじめられないようにできないものか、このことについてお伺いいたします。
○大臣政務官(馳浩君) 児童虐待はまさしく子供の人権の侵害でありますし、将来の我が国を担う子供たちにとっての大変憂慮すべき大きな問題であるというふうな認識を持っております。 岸和田の事件等も受けまして、今年の一月三十日に我が省の児童生徒課長の名前で通知を出しまして、いわゆる不登校の児童に対しての実態調査をするように、これは河村大臣の方からも先般予算委員会で表明されたことであります。 それに基づきまして、一月三十日以降、三十日間不登校の状態であるという児童生徒に対しましては、基本的には、まず本人との面会を求めて状況を把握する、またそういった中で虐待があると疑われるような場合には児童相談所に通知をし、また児童相談所としても本人との面会を通じて安否の確認をする、それが拒まれる場合には、現行の児童虐待防止法にもありますように警察に援助を求めることができますので、親戚などの関係者とともに訪問をし、最終的には警察官がその判断により職務執行法によりまして立入りをして実際には調査を行う、こういった形で学校の現場とそれから児童相談所等の福祉施設、また警察とも連携を取り合いながら状況を把握して子供が最悪な事態に陥らないような対応をすべき、今現在、文部科学省としてもそういった実態調査とともに対応に入っておるということであります。
○有馬朗人君 是非よろしくお願いをいたします。 最近、学力低下ということが世の中でよく議論されておりますが、私は学力についてきちっとした客観的なデータなしにこの種の議論が行われてきたことを大変心配しておりました。幸い、一昨年、やっと小学校五、六年生、中学校一、二年生の学力についての調査が行われたことを大変喜んでおります。そして、その前教育課程、旧教育課程と言うべきかもしれませんが、旧教育課程で行われた子供たちの学力がどういうものかが分かり、それが一九九四年、五年に行われた同種の調査と比較することができるようになってやっと学力というものがよく分かってまいりました。 この結果、私は、前と変わってない、すなわち一九九四年、五年と余り変わっていないということを喜んだ次第でありますが、さて、二〇〇二年四月に導入されました現在の教育課程での学力がどうかということは、現在調査中のことであろうかと思いますが、その結果がいつ発表されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(馳浩君) いつ発表されるかというのは、今、今後の一つの課題でありますので、早急に発表できるようにいたしたいと思っております。 そして、今、先生御指摘いただきましたように、子供の学力というのは、これはまさしく学力テストであったり、また児童生徒に対するアンケートに基づきまして実態が把握されて、それに基づいて今後の指導要領の改訂に不断の見直しがなされるように取り組むべきものと思っておりますので、今後、継続的にこういったことを行っていきたいと思っております。
○有馬朗人君 私は中央教育審議会の会長以来、毎年とは言わないけれども、数年に一度は必ずこのような調査をして、日本の子供たちの学力が本当にどうなっているか、その子供たちの希望がどういうものであるかということを調査の上で施策を立てていただきたいと申し上げていた次第であります。ただ、ただいま馳先生がおっしゃられるように、継続してやってくださるということでありますので、大変喜んでおります。是非お願いをいたします。 そして、その結果を見た上で、今の指導要領の手直し、これは中央教育審議会の中にも手直しがすぐできるようにという仕組みをお願いしてあったと思いますので、手直し、そしてまた、五年あるいは十年先に考えられます新指導要領への作成の際に参考にすべきだと思っております。今までこういう調査をせずに指導要領が改正されたと私は思っていて、その点が大変不思議でありました。是非とも調査を詳しく、しかも引き続きおやりいただきたいと思います。 さて、この新しい指導要領、現在の指導要領の下での授業時間が大幅に減ったということが大変心配を皆さんに掛けているわけでありますが、私も非常に気にしております。しかしながら、私は全時間数は決してそんなに減っていないと思いますが、御確認いただきます。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 今回の学習指導要領の改訂によりまして、全体の授業時間数が、これは学校完全週五日制の導入というようなことに伴いまして、標準授業時数が年間約七十単位時間程度削減されておるわけでございます。そういったことに伴う減でございますが、小学校、中学校とも総授業時数にいたしまして七%の減と、こういう状況でございます。
○有馬朗人君 七%減ということを強く私も認識している次第であります。にもかかわらず、世の中では、三〇%減った、だから学力はみんな三〇%減って、日本の国民の知識は、学力は低下するんだと、三〇%低下するんだという話が世の中では行われております。私はこれを非常に心配をしております。 減った理由の最大の理由は総合的学習の時間の導入であったと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) 新しいこの学習指導要領の下で、先ほど申し上げましたように、全体の授業時数は約七%縮減をされているわけでございますが、各教科について申し上げますと、例えば小学校では、算数を含めまして、教科の種類によって若干縮減率は違うのでございますが、一四%から一八%この六年間で減っておるわけでございます。ちなみに、小学校の算数は一四%の減ということでございます。 この減った原因でございますが、今、先生御指摘のように、小学校、中学校におきましては総合的な学習の時間を創設をしたということ、また中学校につきましては選択教科に充てる時間数が拡大をしたと、こういったことが主な理由でございます。
○有馬朗人君 総合的学習の時間の導入は私も大賛成でございました。しかし、現場では何をどう教えるのか、さらに、負担が極めて増えるんだという批判が大変大きいと聞いております。実施状況や成果についてお教えいただきたいと思います。 なお、ここで御礼を申し上げておきますが、この文教委員会で、数学と理科を総合的に教えるとか英語で数学や社会を教えたらどうかというような提案をしたことがございますが、御採用になり、スーパーサイエンスハイスクールで実行されるようになったことに関しまして感謝を申し上げます。 ただし、ただし、なぜスーパーサイエンスハイスクールというこういう分かりにくい言葉を使うのか。文部科学省でしょう、片仮名を減らそうとおっしゃったのは。何で、科学重点高校でよいのではありませんか。この辺についてお伺いいたします。
○大臣政務官(馳浩君) 私も元々国語の教員でございまして、少々違和感を感じるところではございますが、従来の研究指定高校とは異なる取組を行うことが期待されているという観点から、スーパーサイエンスハイスクールという名称としたと承知しておりますし、また平成十四年度に開始されて現在三年目を迎えようとしているところであり、この間、学校や教育委員会はもとより、大学や研究機関等においてもこの名称が幅広く受け入れられており、関係者の間でも定着しているものと思っております。 また、平成十三年の六月二十七日に自民党の文部科学部会で、科学技術・理科離れ対策小委員会で取りまとめいただいた中にもスーパーサイエンスハイスクールの創設という文言もございまして、こういった経緯、流れからスーパーサイエンスハイスクールという言葉として定着してきたのかな、そしてこの事業も現場に定着してきておるというふうに認識いたしております。
○政府参考人(近藤信司君) 総合的な学習の時間の状況等でございますが、平成十四年度から本格的に実施をされ、各学校ではその趣旨に即していろんな創意工夫をしながらも実際に取り組んでいただいていると、こういうふうに承知をいたしております。 教員、保護者あるいは児童生徒に対する意識調査の結果等からも、創意工夫された授業計画の組立ての機会が増えたとか、あるいは児童生徒が自ら調べ、まとめ、発表する力あるいは学習意欲の向上につながったと、こういう肯定的な声も出されているわけでございますが、一方では、先生御指摘のように、教員の負担感が増したとか、あるいは学習のテーマ設定が難しい、具体的な実施内容に関する教員の悩みと、そういったものを考慮して何らかの参考となる手引は必要ではないかとか、いろんな声があることも事実でございまして、私どもは、各学校の取組を支援をするために、モデル地域におきます実践研究でありますとか、あるいは総合的な学習の時間の実践事例集の作成、配付と、こういったようなことを行っておるところでございまして、今後とも、各学校における総合的な学習の時間がその趣旨に沿った形で充実をしていくように、私どももバックアップしてまいりたいと考えております。
○有馬朗人君 新しい、例えば総合的学習の時間の導入というふうな際には、やはり現場の方々の理解を十分深めるよう御努力を賜りたいと思います。 さて、細かい話でありますが、一つ気になっているのは、今度の、現行の指導要領になってから高等学校へ移されたもの、進化論やイオンというふうなものがあるわけでありますが、今のやり方ではこの重要な進化論やイオンを一生勉強しない者が出てくるということであります。 それはどういうことかというと、高等学校で選択が余りにも多過ぎる。選択必須という学校で確かに必要な科目の社会科学や自然科学は学んでいるんですけれども、しかし選択必須の学校に対して批判的であります。 例えば理科で、高等学校の理科でありますが、物理、化学、生物、地学のごく基本的なところを必須で二年間ほど全員に学ばす、社会についても同じでありますが、学ばすようにして、三年目に至って初めて選択必須にしたらどうかと考えております。この点についてお考えをお聞かせください。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 高等学校への進学率が現在九七%ということで、いろんな多様な子供たちが高等学校に進学をしてきているわけでございます。そういったことからこれまで選択学習の幅を拡大をしてきたわけでございまして、平成十五年度から実施をいたしております新しい高等学習指導要領でも、理科につきましてもそういうことで改訂をしたと、こういう経緯があるわけでございまして、具体的には、これはもう有馬先生も御専門でございますが、選択必修科目の理科基礎、理科総合A、理科総合Bのうち少なくとも一科目を必ず学習することによって理科の分野についてより幅広く基礎的なことを学ぶことができると。このほかに、選択必修科目の物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰ、地学Ⅰの科目からも選択できるということから、選択の仕方によってはこれまでより多くの分野を履修するということも建前の上では確かに可能となっておるわけでございますが、ただ、先生からのそういう御指摘、こういう声もあるわけでございまして、実は先般、全国的な学力調査等の結果も踏まえまして、学習指導要領の不断の見直しの一環として、国語教育ですとか英語教育と併せまして、この理数教育の一層の充実改善を図るための検討に着手したところでございます。 そういった御指摘の点も含めまして、総合的に幅広く検討してまいりたいと考えております。
○有馬朗人君 よろしくお願いいたします。特に、繰り返しますが、進化論であるとかイオンであるとか、極めて基本的なことは全国民がきちっと勉強するようにしていただきたいと思います。場合によっては、中学校へ戻すということも視野にお入れいただきたいと思います。 さて、授業数のことでございますが、諸外国の授業数を調査して比較していただきたいということをこの文教委員会でお願いしたことがございましたが、早速御調査をいただいたことに感謝申し上げます。 その結果、日本の総授業数は、決して世界の中で最低ということではありませんけれども、やっぱりやや低いんじゃないかと思います。それは、ハッピーマンデーとかそういう休日が多過ぎるのではないか。何でフランスがあんなに授業数が多いか私は非常に不思議なんですが、非常に多い。 そういうことで、ここで提案でありますが、日本は春休みなどというのが長過ぎやしないか。夏休みはそうでもないと思いますが、いずれにしても、春休みを少なくするとか夏休みを短くするとか、授業時間を少し抜本的に増やす方策をお取りになったらどうか。土曜日、日曜日は休みで絶対やるべきだと思いますが、総時間数を増やす工夫はいかがでしょうか、お聞きいたします。
○大臣政務官(馳浩君) 調査の結果、確かに我が国は調査を実際にいたした諸外国とも比べて少ないというのは実態です。例えば、小学校の総授業時間数で見れば、一位がイタリアの五千七百八十時間、これは小学校一年生から六年生までの総授業時間。インドの五千七百六十時間が二位ですが、それに比べて我が国は三千八百七十二時間ですから、三割近く少ないわけですね。また、中学校段階でいえば、香港、フランスに比べてもこれまた二割近く少なくなって、総授業時間数で少なくなっているのも事実でございます。 ハッピーマンデーとかも確かにございますが、これは法律で定めた休日でございますので、法律で定めた休日を諸外国と比べても、確かに我が国は十五日とちょっと多いのかなというふうな印象を持ちますが。 そこで、先生おっしゃるように、これは学校教育法施行令第二十九条で、「公立の学校の学期及び夏季、冬季、学年末、農繁期等における休業日は、当該学校を設置する市町村又は都道府県の教育委員会が定める。」となっておりますので、設置者である教育委員会それぞれの取組であろうと思っておりますし、実際に、二〇〇二年には広島県で二十八校の高校が夏休みを短縮しておりますし、また、来年度からは葛飾区でも夏休みの短縮をしていわゆる補充する授業を確保するといったようなことがございますので、それぞれの市町村、都道府県における取組であろうと思っております。
○有馬朗人君 ありがとうございます。 やはり学校の総時間数というのをきちっと確保するべく御努力を賜ると同時に、多少短過ぎるようであれば手直しをなさることをお願いをいたします。私も中央教育審議会の会長として土曜日休みにすることを決めた人間の一人でありますので、是非ともよろしくお願いをいたします。 次に、私もアメリカの大学の教授として長年講義をしておりましたし、国際会議や様々な会議で英語で発言することが非常に多いんですが、何といっても私は英語が駄目だなと自分で思うんですね。 そこで、小学校から是非英語の授業をやっていただきたいと私はかねがね思っているんですが、そのまず前に、周辺の諸国、中国、韓国、シンガポールは既に英語で授業を行っていると。英語の授業を行い、場合によっては英語で授業を行っている国、シンガポールなどがあると思いますが、お確かめください。
○政府参考人(近藤信司君) おっしゃるように、中国、韓国、シンガポールではいずれも小学校段階から英語教育に取り組んでおりまして、韓国では第三学年から、大体これは、三年、四年では週一時間、五年生、六年生では週二時間というようなことで必修科目として導入をしていると、このように承知をいたしております。中国は、ああいった広い国でもございまして、全国一律には導入はされていないようでございますが、一般的には第三学年から週二時間ないしは三時間ということで英語教育が導入をされているということでございます。シンガポールは、これはまた英語が独立以来公用語の一つであると、こういうお国柄もあるんだろうかと思いますが、第一学年から授業が英語で行われていると、こういったように承知をいたしております。
○有馬朗人君 是非とも英語の授業を早くお始めいただきたいと思います。特に、発音を言えるだけではなく、耳に聞こえるようにしていただきたいと思います。 さて、一昨年の、先ほど申し上げました教育課程実施状況調査で分かったことの中で、私が一番驚いたことがあります。一つは、長年、この十何年理科離れということで、私も実験をしながら子供たちに理科の講義をするというようなことを続けておりますけれども、確かに理科離れの傾向なかったわけではありません。しかし、それ以上に今度驚いたことは、勉強離れですね、勉強が好きだと言った人が、中学校の二年生が二〇%以下であったと思います。特に二年生は一六%じゃなかったかと思うんですね。 ですから、理科好き、確かに、理科大好きスクール、サイエンス・パートナーシップ・プログラム等々で文部省が大変理科の振興については御努力賜っていることは有り難いと思いますし、後にちょっとお伺いしたいと思いますが、それ以上に私が心配していることは、なぜかといいますと、今の調査ですと、国語、算数、理科、社会、英語の中で理科は一番好きなんですね。全クラスを通じて、中学校一年生だけが英語が一番になりますが、それ以外全部理科が一番好きなんですよ。その一番好きなのが、理科離れでこれだけ騒がれているんですね。それよりも更に半分ぐらいの人しか勉強が好きだと答えていない。 そこで、この勉強嫌いを一体どうするんですか、学校嫌いを何とか減らせませんかということが私のお聞きしたいことであります。その点で、文部科学省では、現在、学力向上アクションプランというふうなものを実行しておられるようでありますが、このことについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えいたします。 先生御指摘のように、平成十三年度の小中学校の教育課程実施状況調査結果におきましても、生徒の勉強は大切だと、こういう意識は高いものの、勉強が好きだという生徒の割合が低く、学ぶ意欲が必ずしも十分でないということが出ているわけでございますし、また、国立教育政策研究所のグループが平成十四年度に児童生徒を対象に実施をした学習意欲に関する調査研究によりますと、やはり授業がよく分かるとき、あるいは将来就きたい職業に関心を持ったときなどに学習意欲が高まると、こういう調査結果も出ておるわけでございまして、何とか私どもも、やっぱりこの学ぶ意欲向上のためには、生徒一人一人の理解や習熟の程度等に応じたきめ細かな指導を通じまして分かる授業の実現を図っていくと、これがやっぱり重要だろうかと思っております。 そこで、教職員の定数改善計画でありますとか、今、先生が御指摘になりました、平成十五年度から学力向上アクションプランという事業を実施をしておるわけでございますが、これは例えば、国内外の第一線で活躍する有名な方々を学校に派遣をいたしまして学ぶことの楽しさを伝える、その道の達人派遣事業と、こんなような名称で呼んでおりますが、あるいは、学校で学ぶ内容と日常生活、仕事とのかかわりを紹介し学ぶ意義を伝える、学習内容と日常生活の関連性についての研究を行うとか、あるいは総合的な学習の時間モデル事業、こういったいろんな事業を展開をいたしておりまして、何とか先ほど来課題になっております学習意欲の向上あるいは学びの質の向上につなげていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○有馬朗人君 是非、子供たちが勉強しようという、喜んで勉強しようというふうな気持ちになるよう御努力を賜りたいと思います。 私は、日本の義務教育は世界に優れていると思うんですが、いろいろ批判がありますけれども、先生の実力等々見ても優れていると思います。さらに、高等学校の幾つかは相当高い水準を保っていると思います。 そこで、こういう教員の人たちがいろいろの批判にさらされるばっかりではいけないと私は思うんですね。やはり優れた教育をしている人たちに対して顕彰をするというふうなことが必要だと思いますが、文科省でそういうお考えはないものでしょうか。大臣にお聞きをします。
○国務大臣(河村建夫君) 大変大事な御指摘だと私も思います。 私も、義務教育が日本で非常に全国一律に高い水準を維持しながら優秀な教員をそろえておるということ、これがやっぱり誇るべきことであって、これはやっぱり世界から見ても評価されている部分だと思います。だから、このことをないがしろにしてはいけないし、このことを落としてはいけないし、これからの大きな課題でございます。 そのためには、学校教育の一番中心を握っている教員がやっぱり意欲を持って、自信を持って子供たちの指導に当たっていただける体制を作るということ、また力を最大限発揮する、それはやっぱりその人たちの能力が適正に評価されることが大事だと、こう思っております。 そのことで、評価をすることによってその先生方の能力をきちっと見て実績を評価して、それを処遇とか待遇とかあるいは人事等々に結び付けると、これは大事なことだと思います。また、学校が、信頼される学校を作ろうという観点からしても、教員に対してきちんと評価を行う、これは欠かせないことでございます。 文部科学省は、平成十五年から三か年計画で、都道府県とそれから指定教育委員会、調査研究を今、毎年予算も一億円余り付けておりまして、教員評価の改善充実について今指導をし、また委嘱をし、そのことを受けておるわけでございます。そして、優れた評価を受けた、優れた成果を上げた教員をきちっと評価をして教員の意欲を高める、これを意義あらしめるためにも教育委員会によってこれをしていこうということで、実は京都市でありますとかそれから香川県の教育委員会では既にそういうことを実質やっているところもございます。 そういった先進的な取組も参考にいたしながら、教員評価の改善充実、この点を更に各県あるいは指定都市の教育委員会に促してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○有馬朗人君 ありがとうございました。是非、現場の教員の方たちを励ましていただきたいと思っております。 そこで、ちょっと戻りますが、先ほど申し上げましたことで、教育の、理科教育の部分でありますが、科学技術創造立国というものを実現しようと努力をしておりますけれども、そのためには、お金以上に重要なことは人材の育成であります。人材の養成、育成、確保ということが極めて重大であると思いますが、いかがでしょうか。 文部科学省では、現在、これもまた英語なんだけれども、サイエンス・パートナーシップ・プログラム、お分かりになりますか、どういう意味か。パートナーシップというのは私よく分からないんですけれども、スーパーサイエンスハイスクールとかでもいいことだと思います。サイエンス・パートナーシップ・プログラム等の理数科目を中心としたカリキュラムの研究開発や理科教育のための大学と高等学校の連携というふうなことを取り組んでおられると思いますが、この辺について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(稲葉大和君) 今、有馬先生が御指摘されましたように、我が国は科学技術創造立国の実現を目指しておるところでありますし、小泉内閣におきましても最重点施策として取り上げ、人材の確保、養成に相努めているところであります。 したがって、この中身について、先生御指摘のように、スーパーサイエンスハイスクールあるいはサイエンス・パートナーシップ・プログラム、さらには、さらに小学校、中学校、中学生を対象としました理科大好きスクール等を実施しているわけでありますが、いずれにしましても、特に最初に理科、数学、算数に触れ合う小中学校の生徒さんたちが、先生がお話しされる、理科が一番好きなんだ、算数、数学が一番好きなんだ、この状態を我々は逃さないようにしていかなきゃならない。それには、すばらしい教員の確保、これも、養成も大事なことなんじゃないかと思います。 私たちは、いろんな場面において、国民の皆さんに国政に関心を払っていただけるような努力をしなければならない立場にある者でありますが、同時に、学校の教員、大学の教授、それぞれの方々におかれましても、それぞれの生徒あるいは研究者を教育する立場におられる、あられる方々でありますから、分かりやすい言葉で、それから、今私たちが生活の中に存在する理科、数学がどういうふうに絡まってくるのか、こういったところを細かく教えていただけるならば、小学校、中学校の生徒さんたちも、将来もまたその道で進みたい、この意欲が増進するものと思っています。 そのためにこの計画が存在するわけで、今スーパーハイスクールについては全国で五十二校存在していますが、これをもっともっと増やしていきたい、そしてもっと、参加する高校も国公立だけでなくて私立がもっと参加してもらえるような、そんな幅広いプログラムにしてまいりたい、充実してまいりたいと、かように思っております。
○有馬朗人君 ありがとうございます。是非ともその方向でお進みいただきたいと思います。やっぱり、子供たちが理科、数学が好きになるようにひとつ御努力を賜りたいと思いますが、繰り返して、しかしながら、やっぱり根本的には勉強好きにしないといけないと思うんですね。根本はそこでございますので、よろしくお願いいたします。 さて、質疑をさせていただこうと思いましたけれども、提案に限らせていただきます、時間の関係上。 このことは、指導要領の改正等々において、現場の声が聞こえない、届いていないというふうなことをおっしゃる方が非常に多いのです。私もその点を憂えておりまして、中央教育審議会等々では努力はしていると思いますが、積極的な提案といたしまして、文部省の将来中心を占めるような方々の何人かは、一年か二年、現場、小学校、中学校、高等学校の現場でちゃんと授業をする、そういう経験を持たすことはどうであろうか。教育庁なんかじゃ駄目なんですよ、やっぱり上からしか見えないんです。だから、現場に入っていって一年生から授業をやってみる、このことの提案。 そしてまた、文部省と、かつてのですね、今もちろんお続けだと思いますが、かつての文部省と大学の関係が非常に良くなったことがあります。それは科学官という制度であります。科学官の制度によって大学側のいろいろな意向が文部省に直接伝わるようになった。 そこで、もう一つの提案は教育官というふうなもので、現場で現在教育をしている人を一年ないし二年、常勤ないしは非常勤で文部科学省に御採用になるようなことはできないのでありましょうか。このことは提案として申し上げますが、もし大臣でもやろうとおっしゃってくださるなら大いにお聞きいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(白川哲久君) まず、現状を御報告をしておきたいというふうに思います。 有馬先生の方から御指摘ございました、現場の意見をしっかり聞くべきであるということの重要性、それは私どもも強く認識をしておるところでございます。 私どもが現在やっております工夫につきまして御報告をしたいというふうに思いますが、教育委員会等への職員の派遣につきましては、先生既にお触れになったわけでございますけれども、それに加えまして、最近の取組といたしまして、若手職員を市町村の教育委員会等に派遣をして実務を経験させる教育行政等実務研修、これを最近大幅に拡充をしております。 それで、原則としてⅠ種の採用の若手職員は全員この実務研修を受けさせるということに現在しておりまして、この研修におきまして、補助教員等として学校現場における授業を実際に経験する若手職員も現在はいるわけでございます。 数字を申し上げますと、平成十五年度、今年は三十二名の者がこの実務研修を受けておりますけれども、そのうちの半数以上、十七名が実際に授業補助の経験をしております。先生御提案がございました一年二年というわけにはなかなかまいりません、短期でございますけれども、まずそういう努力をしておるということを御報告申し上げたいというふうに思います。 もう一点、教育官というお話があったわけでございますけれども、これにつきましても、これも先生御案内のとおりでございますけれども、現在でも学校や教育委員会で活躍している職員等を視学官あるいは教科調査官、学校給食調査官等として受け入れておりまして、その知識や経験を私どもの教育行政に生かさせていただいておりますし、教育委員会の指導主事の方々を研修生として受け入れる制度もございまして、こういう方々の中には、当然でございますが、教員の方々もかなりいらっしゃるわけでございます。 私ども、是非こういう努力を引き続き続けていきたいというふうに思っております。
○有馬朗人君 是非とも、教育行政の上で現場の声が聞こえるというふうに世の中に認められるよう御努力を賜りたいと思います。 さて、大臣にお願いをすることでありますが、日本の義務教育は優れていると私は述べました。その理由を考えてみますと、義務教育費国庫負担制度ということがあることと、それから全国に共通の学習指導要領があるという、この二点によっていると思います。 最近、義務教育国庫負担制度を考え直せという動きが出てまいりました。私はこの制度を絶対守るべきだ、続けるべきだと考えております。この点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思いますし、同時に、来年度に向けての義務教育国庫負担法等一部改正法案が提出されておりますが、将来、一体この義務教育費国庫負担制度をどういう方向に持っていかれようとしておられるか、大臣のお覚悟をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のとおり、日本の義務教育制度というものが立派にこれまでその役割を果たしてきたということ、特に知徳体と言われる知育、徳育、体育のバランスを持った児童生徒を養成しながら、そして国民として共通に身に付ける、正に基礎的資質を培うと、この義務教育の役割、そしてあわせて、すべての国民に水準の高い教育を無償で受けさせる、そして優秀な教員を確保しながら教育条件を整備する、こういう意味においてこの義務教育の果たした役割、そしてこれを最終的に国が責任を持ってやるんだと、この精神が正に義務教育費国庫負担制度の中にもあると思います。 また、あわせて、学習指導要領によってすべての児童生徒が共通に学ぶべきこと、基礎的なこと、これがきちっと基準が定められておって一定水準以上の教育が受けられるということ、あわせて教育水準の条件もこれによって整っているということ、こういう役割をこの義務教育国庫負担制度によって財政的な裏付けをちゃんと持ちながら、そして教育水準を維持するという、この二点を相まって持っておる。非常に大事な課題だし、これを今から続けていかなきゃならぬと、こう思っているわけでございます。 特に、義務教育の質を維持するということについては教員の資質に非常に懸かってきていること、優秀な教員をいかに確保するか、これが極めて重要なことでございます。そういう意味で、義務教育国庫負担制度は、この考え方に基づいて財源を確保するという意味で、国が責任を持ってその二分の一を地方と役割分担をしているという現状でございます。 一方では、国の経済財政構造改革といいますか、あるいは行革の方針、地方分権の流れ、そういうもので地方に自由度を持たせろと、こういう大きな流れもあるわけでございます。 文部科学省といたしましては、この義務教育国庫負担制度の根幹を維持しながら、そして地方に自由度を持っていただきながら、地方で、正に現場、教育現場は地方でありますから、自由度を発揮していただく。そのために総額裁量制という考え方も持ちながら、この義務教育国庫負担制度の根幹を維持しようという形で今取り組んでおるわけでございます。 実は流れの中には総務省の動き、財務省の動き等々もあるわけでございますが、今回、新たに法案といたしまして、そのうち正に根幹を守る本体給与といいますか、これについては我々は根幹だと考えておりますが、できるだけ地方の自由度を持たせる、こういう意味もあって、今回、退職金、児童手当について一般財源化するという方向を打ち出したところでございます。 これに対してもいろいろ御議論もいただいておるところでございますが、義務教育国庫負担制度の根幹を維持するという大方針の下に今国会に法案を出させていただいておりまして、国が義務教育についての責任を持つ、そして地方との役割分担をちゃんとしていく、こういう方針はこれからもしっかり堅持してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○有馬朗人君 是非ともこの点、よろしくお願いいたします。日本の義務教育が本当に世界に優れている根本はそこにありますので、是非ともこの点は堅持していただきたいと思います。 なお、初中教育に関して質問申し上げたいこと多々ございますけれども、時間の都合上、高等教育に移りたいと思います。 しかし、その前に一言申し上げておきたいことは、やはり私は、中教審の会長のときに三十人学級を実現してほしいということを申し上げましたけれども、なかなか三十という数字を入れられずに、諸外国並み、先進諸外国並みにするという方針を盛り込んだ覚えがあります。是非ともそれを実行するようにお進めいただきたいと思います。 ちなみに、三十人学級は諸外国でいうと多過ぎるんですね。先進諸外国はもう二十人の学級時代でありますので、是非とも御努力を賜りたいと思います。様々な御工夫をいただいておることを感謝いたします。 そして、改めてもう一度まとめておきますけれども、現在、教育の上での根本的な問題は私は学力低下論ではないと思うんです。それ以上に重要なことは、意欲の低下、志の低下、そしてまた倫理観の低下であると思います。 そして、もう一つ、今日御議論賜りたかったことは体力及び運動力であります。体力に関しましては、今度食育というようなことをお考えでありまして、大変有り難いと思います。しかし、運動力の低下は甚だしいものがある。これは文科省の調査で示されております。そこで、やはり今後、学力だけではなく、倫理力そして志のような、言わば第二の学力と言っておきましょう、そういうものであるとか、体力、運動力を増すべく御努力を賜りたいと思います。 初中教育についての話はこれで終わりますが、その前に一つだけ確認をさせていただきたいことは施設であります。私は、非常に、耐震施設、小学校、中学校の耐震、及び非常に老化している校舎が多いので、この点、施設部にお聞かせいただきたい。御努力を賜っていると思いますが、いかがでしょうか。手短にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(萩原久和君) 学校施設の耐震化についてお答えいたします。 学校施設につきましては、地震が発生したときに、児童生徒の安全を守るのはもちろんでございますが、地域の住民の方々の避難場所になることも多うございまして、学校施設の耐震性能の向上を図るということは大切な課題であると認識しております。 それで、今現在の学校施設の耐震化の状況でございますが、まず公立の小中学校でございますが、これは昨年の四月現在の調査でございますが、全体、建物のうち四七%が耐震性があるということになっております。次に、国立大学等の施設でございますが、これも昨年の五月現在でございますが、耐震性のある建物は全体の約六〇%となっております。また、私立の小中学校、高校でございますが、これは平成十四年十二月現在の調査でございますが、耐震性のあると推定される建物は約六五%というふうに認識しております。 文部科学省といたしましては、それぞれの学校の設置者に対しまして、耐震診断未実施、まだやっていない、耐震診断をやっていない建物について早急に診断を行い、そして耐震診断の結果補強等が必要ということになれば、計画的にその対策を実施するよう求めております。また、文部科学省といたしましても、今後その必要な財源の確保等努めまして耐震化の推進に努めてまいりたいと考えております。
○有馬朗人君 よろしくお願いいたします。何といっても、子供たちにとって学校で安心して勉強できるようにすることでありますので、よろしくお願いをいたします。 さて、高等教育関係の問題に触れさせていただきたいと思います。 いよいよ国立大学法人が四月に発足いたしますが、ここで、あくまでも国立大学法人は大学人を中心に構築してきた大学改革の方策の具体化であって、行政改革の一環ではないと私は考えておりますが、この点について御確認いただきたい。すなわち、独立行政法人と国立大学法人とは別なものである、もちろん関連するところはありますが、別なものであるということを私は思っておりますが、大臣に御確認をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 正に有馬先生御指摘のとおり、この国立大学を法人化するについて様々な議論があったわけでありますが、その根幹を流れたものは、国立大学法人化ということはいわゆる行政とは違うんだと、教育は行政とは違うんだと、こういう基本的な概念、正に教育改革の一環として、大学改革の一環としてとらえていこうという視点でこの法人化に進んだわけでございまして、この考え方をこれからもきちっと貫いて大学の活性化を図っていきたいと、このように考えております。
○有馬朗人君 ありがとうございます。是非ともそのことを御理解賜りたいと思います。 さて、文部科学省の大変な御努力によりまして、心配をしておりました運営費交付金のうち人件費、すなわち基本的経費を除いた分に対して毎年一%減ということでとどまったことを喜んでおります。大変、もっと大きいんじゃないか、心配をしていたんですが、一%の減にとどまったということに対して文部科学省の御努力に大いに感謝いたします。 この四月より入ってまいります第一期の中期目標、中期計画中にはこの方針が継続されると考えてよろしいものでしょうか。国立大学が法人化後も基礎研究や教育において役割をしっかり果たせるよう、平成十七年以降も十分な運営交付金を確保する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、国立大学法人の運営費交付金算定ルールにおきまして、一つには、特別教育研究経費など新たな教育研究ニーズに対応し各大学の努力に応じ支援できる仕組みとした上で、国民の理解を得ながら、引き続き国費を投入するために、教育研究組織の特性に配慮をしまして、大学設置基準等により最小限必要とされます教員の給与費相当額を除外した上で一%の効率化を求めたと、こういうことでございまして、この点につきましては中期目標期間中はずっとこのルールでいくというふうに認識をしておる次第でございます。
○有馬朗人君 その辺の御努力を更に一層お願いをいたしたいと思います。 非常に具体的な質問でございますが、国立大学の附属病院というところは、診療面でもちろん経営努力をしていくことが求められておりますが、一方、新しい治療等々に関しまして教育研究を行うということが非常に重要な使命であります。その役割を十分果たせるように適切な予算措置が必要であると考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、国立大学病院の使命と役割、大変広く深いものがあるわけでございます。したがいまして、国立大学法人化に伴いまして、大学病院の運営経費の算定に当たりましては、大学病院における教育研究と一般的な診療に係る経費を区分いたしまして、教育研究に係る分につきましては運営費交付金ということで積極的に財政措置を行い、病院収入の増減に影響されることなく教育研究が着実に実施されるようということで、そういうことで確保しているということでございます。
○有馬朗人君 病院の施設等々についても十分考慮をいただきたいと思っています。 国立天文台とか高エネルギー研究所というのがたくさんございます。これは全国大学共同利用研究所と言われておりますが、これは全大学の人が平等に使えるという意味で大変画期的な考え方であり、世界に日本しかない考え方であります。一方、基礎物理学研究所、京都大学であるとか、スーパーカミオカンデとか地震研究所などは東京大学。一大学に附属していながら全国大学の共同利用研究所になっております。さらに、大学にはそれぞれ固有の附置研究所を持っています。例えば、東大の医科学研究所であります。 こういう研究所を法人化以降どのように維持していくかということがなかなか一大学にとっては難しい問題であると聞いております。特に共同利用の附置研につきましては、共同利用の経費を一大学に任せるということは不可能ではないかと思っております。この辺についてどうお考えか、お聞かせいただければ幸いです。
○政府参考人(石川明君) 附置研究所についてのお尋ねでございますけれども、現在、国立大学には五十八の附置研究所がございまして、いずれの附置研究所も、先生今おっしゃったとおり、学内の基盤的研究組織としての役割にとどまらず、我が国の学術研究の中核的な研究拠点として大変重要な役割を担っていると認識しております。 このような附置研究所の研究活動に支障が生じませんように、平成十六年度の予算案におきましては、ただいま御指摘のありました共同利用のための経費を含めまして、運営費交付金の中で所要の経費を適切に措置しているところでございます。 今後は、まずそれぞれの附置研究所におきまして、研究活動の状況ですとかあるいはその成果なども含めてその重要性を内外に積極的にやっぱりアピールしていただく、こういうことがまず必要ではないかと思いますし、それを通じて学内外の理解と支援をきちっと取り付けていただくと。そしてまた、文部科学省といたしましても、そういった基礎研究の重要性あるいは優れた研究の意義などについて積極的にいろいろな場を利用してアピールをしていきたいと、こんなふうに考えております。 また、先生既に御案内と思いますけれども、今度の運営費交付金の中にはいわゆる特別教育研究経費というような枠組みも設けられているところでございまして、こういった新しい試みをするような枠組みも積極的に活用いたしまして、また必要に応じて科学技術・学術審議会の評価、サポートというようなものも得ながら、積極的に研究活動を支援してまいりたいと、このように考えております。
○有馬朗人君 よろしくお願いをいたします。 先ほど、運営費交付金の一部に一%減ということが課せられるようになると思いますけれども、大学では新しい研究や教育の芽が育っております。こういうところは運営費交付金をむしろ増やさなければいけない。私は、運営費交付金を減らすんだという建前じゃなくて、必要に応じて増やすんだというふうにお考えいただけると幸いでありますが、その方策をお考えでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 運営費交付金の算定ルールにおきまして、新たな教育研究ニーズに対応した各大学の努力を支援できますように、特別教育研究経費と、こういった仕組みを設けまして、先端的基礎研究の推進や社会のニーズに対応した教育の展開など、それぞれの国立大学の個性や特色を生かした教育研究上の意欲的な取組を幅広く支援することができるよう、そういう枠組みとしているところでございます。
○有馬朗人君 どうぞよろしくお願いいたします。 さて、大学ではかなり前から自己点検、自己評価を厳しく行ってまいりました。いよいよ国立大学が法人化する際に、様々な評価ということが問題になってまいります。その上で、文部省の中にできます大学評価委員会、こういうところがどういうふうな評価を行っていくのか。そしてまた、それと現在既にあります大学評価・学位授与機構との関係をどうするのか。特に、文部科学省の中における大学の第三者評価に対する取組の格好、そしてまた第三者評価は各大学の特色を踏まえたものであるべきだと思いますが、その点に対して御考慮、お考えがあるかどうか、この辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(馳浩君) 国立大学が法人化されることの一つの一番の意味は、評価機構ができて、その評価に基づいて今後の中期目標の立て方、計画の立て方について評価の在り方が今後の運営に反映されるものと、中期目標の、中期計画の立て方に反映されるものと、こういった評価がまた第三者としてもなされることが大きな意味があるものだと思っております。 これまでの、これまでが悪かったとは申しませんが、まさしく国立大学の中に、競争的な意識であったり、また独自の取組とか教育研究に関してより一層の取組をしようという意欲をわき立たせるための仕組みになったものと思っておりますので、第三者による評価であったり、国立大学法人評価委員会の役割といったものは大変大きいものと認識しておりますし、その所期の目的が達成されるように指導していきたいと思っております。
○有馬朗人君 その教育と研究の評価についてでございますけれども、あくまでも当事者と同僚によってなされなければならないと思います。 例題を申します。今非常に有名になった小柴昌俊さんのノーベル賞のニュートリノでありますが、このニュートリノ天文学の面白さ、重要性、可能性の評価は、やはり研究者自身とその協力者、そして少数の同じ又はそれに近い分野の研究者によってのみ評価が可能であります。 小柴さんの研究について、私はずっと何十年、同僚の研究者とし、さらに、理学部長とし、総長として見守ってまいりましたが、その意義を理解してくれた人は非常に少なかった。幸い当時の文部省、大蔵省が理解してくれまして、また海外からも私のところに非常にたくさんの推薦状が参りました。そういうことによってスーパーカミオカンデが造られまして、今世界的に大仕事をしていること、大変喜んでおります。 しかし、このような基礎科学の研究や教育、また別の例を申しますれば、サンスクリットや古代ギリシャ語の研究とか教育、こういうものの重要性はまず同僚にしか分かりません。しかも、このような人類の英知を継承し発展させることこそ大学の使命だと私は思っております。 こういうふうな基礎科学、基礎学術をどういうふうにお守りになっていかれるか。そしてまた、この評価をだれがどう行うのか。特に、同僚の意見を、その面での同僚、研究者の同僚の意見を是非お酌み取りいただきたいと思いますが、その辺に対してどうお考えか、お聞かせください。
○副大臣(稲葉大和君) 先生がおっしゃられるように、小柴博士の研究の成果については、私たちは、というか私は全く門外漢でありまして、あったわけで、正にノーベル賞が小柴先生に授けられたことによって、ああ、すばらしい研究なんだろうという、そういうところの認識でしかまだないわけであります。 しかしながら、私たちが、我が国が科学技術を更に伸ばしていかなければならない、そのためには、各方面の研究者のその研究成果をしっかりと正しく評価できる、またPRできるその組織をきっちりと作っていくことが何よりも肝要だと思っております。 そういう組織があってこそ、新しくその方面に進んで研究をどんどんしていこうという意欲ある研究者も育成することができるものと思っておりますので、更に我々はその方面の充実に一層努力してまいる所存でございます。
○有馬朗人君 是非とも、基礎科学、基礎学術、技術においても、基礎技術を大学で十分研究し進めていき教育ができるように御努力を賜りたいと思います。 さて、国立大学が法人化されまして、国立大学特別会計制度がなくなります。それに伴って、国立大学の予算も一般会計の中に入ると私は了解しております。ここで一つ大心配が起こってまいります。一般会計に対して予算のマイナスシーリングが行われる可能性があることであります。 国立大学の予算にマイナスシーリングの悪い影響が出ないようにしながら、しかも国公私立大学を通じて高等教育の予算を増額すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(馳浩君) 有馬先生おっしゃるとおり、こういったシーリングの枠に縛られないように、これはまさしく高等教育関係者もそうですし、こういった国会の皆さん方もそうですし、財界からもそうですし、こういった御理解をいただきながら予算の獲得には十分努めていかなければならないというふうに考えております。
○有馬朗人君 特に国立大学の予算、そしてまた私学の予算を同時に増やしていくということについて、うまい考えを生み出していただきたいと思うんです。 そのことを考えてみますと、私は一九九五年の科学技術基本法というのは画期的だったと思うんですね。あのことによって一九九六年に科学技術基本計画ができました。その基本計画によって、第一期の五か年は十七兆、第二期は二十四兆円というふうな大きなお金が出て、そのことによって科学技術関係は科学研究費補助金も含めまして大幅に増大いたしました。 そういう意味で、何か高等教育に関しても、高等教育基本法というもの及び基本計画というふうなものができないかとかねがね思っておりますが、可能性はないものでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 高等教育の予算、先進諸国と比較しても、これはまあ数値の取り方、なかなか難しいんでありますが、上位にないという現実もあるわけでございまして、この点についてもっと我々力を入れていかなきゃいかぬと、こう思っております。 特に科学技術部門につきましては、遠山大臣のときにCOEプログラムを出しました。これはかなり思い切って予算獲得に貢献をしておりますが、こういうもの。今、有馬先生がおっしゃったような形で、さらに科学技術基本計画にのっとるような高等教育を整備する基本計画を立てて年次的にやっていくというのも一つの私は方法だろうと思いまして、非常に厳しい財政状況にあることは承知しながらも、正にこれからの日本を教育立国、科学技術創造立国をやるならば、そうした基本的な考え方をきちっと打ち立てて、予算的にもこれを確保していく。 総理が就任当初に言われた米百俵の精神も、最終的には正に教育投資にあると、こう思っておりますので、こういう観点でこの問題、御指摘の点については努力を更にしていかなきゃいかぬと、このように思っております。
○有馬朗人君 ありがとうございました。是非ともお願いをいたします。 そして、今、大臣おっしゃられましたように、高等教育に関するGDP比の割合は日本が一番低い。先進諸国どころか、あらゆる国を入れてと言っていいくらい低いんですね。これを何とか二倍にできないか、〇・四%。確かに、大臣のおっしゃるように勘定の仕方にもよりますけれども、是非ともこれを伸ばしていただきたい。その上でやはり私学助成を大きく伸ばしていただくということが必要であろうかと思います。 しかし、それを待つのはなかなか時間が掛かると思いますので、ひとつ具体的な提案を考えてみたいと思います。それは、科学技術基本計画が第三期に入ろうとしております。それが二十四兆円を超えるものになるかどうか私は全く聞いておりませんけれども、その金額のかなりの部分に、かなりの部分に教育の面を入れていただけないかということです。 この科学技術基本計画によって、大変、国立大学や私立大学、そしてまた研究所の研究施設が良くなりました。抜本的に良くなったということを喜んでおりますけれども、そしてまた、科学研究費補助金が、私が東大の総長のときはたった年間五百億円だったのが、この十数年に千八百億ですか、まで来ました。後ほど今年度の予算要求は幾らかちょっとお聞きしたいと思っておりますが、こういうふうに大幅に伸びてきたことを喜んでおりますが、もっと必要なことは人材の育成だということでありまして、この次の科学技術基本計画の中には、大学における教育、大学院における教育、そして初中教育における理科・技術教育などを抜本的に良くするべく柱を一本お立ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 極めて貴重な御提言だと思いまして、是非その点を打ち立てながら、科学技術予算を始めとする、そこに教育的視点を入れて高等教育予算を伸ばすというのは一つの方法だと思います。 科学技術基本計画の中にも、これは平成十三年に閣議決定いたしておりますが、その中にも、まず研究者、技術者の養成と大学等の改革ということで、やっぱり技術者の養成といういわゆる人材養成、教育、こういう視点が入っておりますので、これを前面に打ち出すということが一つの方法だと思いますので、そういう視点で是非頑張りたいというふうに思います。
○有馬朗人君 ありがとうございます。 これに対しては、具体的にどういう面にどの程度お金が要るか、大学及び大学院、そしてまた研究所における人材養成、こういうことを精緻に計画をお立てくださって、具体的に、五兆は教育である、その中の一兆円は初中教育の理科教育であると、こういうふうな格好で具体的に政策をお進めいただければ幸いであります。お願いをいたします。 さて、先ほど申しましたように、私が東大の総長であったころ科学研究費補助金は五百億円、年間五百億円にすぎなかったのが、この十何年で千八百億円まで伸びたこと、大変喜んでおります。来年度の予算について幾らかをお聞かせいただき、同時に、しからばこのような競争的研究資金はアメリカに比べて競争できるところまで伸びたかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(稲葉大和君) 端的にお答えいたします。 来年度の予算要求におきましては、科学研究費補助金の要求額は千八百三十億円、前年比六十億円増を見越しております。 二番目の競争的資金のアメリカとの比較でありますが、これは一けた違うと、そんなところにまだ我が国が存在するわけで、アメリカが三兆六千億に対しまして我が国はわずか三千五百億にとどまっているわけであります。大変まだまだ情けない状態にありますので、ここのところをもっと我々は強力に主張していかなければなりませんし、また同時に先生方のお力も拝借したいところでございますので、よろしくお願い申し上げます。
○有馬朗人君 様々な点でアメリカが大変活力を持っているというのは、やはり先立つものがあるからだと思うんですね。頭だけで勝負するだけじゃやっぱり駄目なんで、やはり資金の方、よろしくお願いをいたしたいと思います。 一つ、国立大学の施設設備がどう改善されたかについて確かめておきたいと思います。改善計画が大変進んでいると聞いておりますけれども、そのことについてひとつ御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 先ほど科学技術基本計画のお話がございました。この中には国立大学の整備という課題もあるわけでございまして、第二期科学技術基本計画の中に国立大学等施設緊急整備五か年計画ということで重点的に計画的に行ってきたところでございます。これで、平成十六年度の予算を含めて、これまで整備量といたしましては三百七十三万平米、事業費にいたしまして一兆二千五百八十六億円の整備を行ってまいりました。これによって、本計画に対する整備状況といたしましては、整備目標は約一兆六千億でございますが、これに対して八〇%の改善を行ってきたところでございます。 これは、ややもすると、本予算もさることながら、補正予算でかなり充足してきた部分もございまして、最近の経済情勢、補正予算がなかなか付かないという状況もございまして、やや伸びが止まっておるわけでございますが、これも科学技術予算を伸ばす一つの大きなツールでございますし、また、景気対策から考えても極めて有効でもございます。科学技術振興からも有効でございますので、着実にこれからも進めてまいりたいと、このように思います。
○有馬朗人君 ありがとうございます。 大変心配しておりました国立大学がかなりきれいになってきた、良くなってきたことを喜んでおります。 ただ、一つお願いをしたいことは、急に予算が付いたためにばたばたと建てて、特に東京大学の建物の並び方なんか非常に悪い、芸術的じゃないと思うんですね。この辺に関してやはり指導をしていただきたいと思っております。 最後に一問お願いをいたします。 十年ほど前でありましたか、大分違う話題でございますが、十年ほど前でありましたか、当時の文部省の初中局の依頼を受けまして、職業教育を一体どうしたらいいだろうかということを検討したことがございます。それは、職業高校、すなわち現在の専門高校の人気が非常に悪くなってきたことについての何らかの対案を考えてくれということでありました。 そこで、私は、先生も生徒も自覚を持ってスペシャリストへ進んでいくんだという気持ちを持たせようというスペシャリストへの道の提案をいたしましたが、しかしなかなか根本的にこの問題は解決していないと思います。産業界も職業高校を出た人をなかなか採りたがらないというふうな傾向にある、そういう問題がありますし、また、子供たちも、あるいはお父さん、お母さんも大学へ進学させたいというようなお気持ちが強いということであります。 しかし、一方、日本のものづくりは非常に弱くなってきた。そしてまた、これほど事故が立て続けに起こっている、様々な事故が起こっているということをこのごろお気付きの方おられると思いますが、そういう意味で日本のものづくり、そしてまた基本的な技術力を育てていかなきゃならないと私は考えているわけであります。 そこで、一つの提案でありますが、ものづくりの専門家を養成するために、現在専門高校と言っておりますかつての職業高校、その一部を大学化することはどうであろうかと。すなわち、高等学校、あるいは更に中学校にさかのぼっていいんですが、職業意識を非常に強く持っている人々を安心して大学に行けるようにしていただけないものか。既にものつくり大学が一つ厚生労働省の下にありますけれども、文科省でもお考えいただけないか。その第一歩といたしまして、現在非常に活躍しております工業高等専門学校を大学化することを速やかにお進めいただけないか。この二点について提案し、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) 第一点の方についてお答えをいたしたいと思います。 ものづくり教育の振興、これは大変重要なことだと考えているわけでございまして、専門高校でも将来のものづくりのスペシャリストを育成するための教育が行われているわけでございますが、ものづくり教育を行うこの専門高校と大学との一貫教育と、こういったことがもう少し進められないであろうかと、こういうことで、現在、研究開発学校でありますとか目指せスペシャリスト指定校と、こういったものを設けまして、工業高校の単位の一部を大学の単位として認定するなどのカリキュラム接続に関する研究開発が行われているわけでございます。 一例を挙げますと、京都の市立洛陽工業高等学校では、国立の京都工芸繊維大学の支援、参画を得まして、工業高校と大学工学部におきます七年間の工業教育において継続的、系統的にプログラム開発を行おうと、こんな今取組も行われているわけでございまして、しかし、こういった研究成果を踏まえて、各地域、学校の創意工夫を生かして、この工業高校と大学が連携してものづくり教育がもっと一層推進をしていくと、こんなようなことが更に進んだらなと、こんなふうに考えておるところでございます。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 工業高校の大学化というお話でございます。 恐らく意図は、ものづくりの教育の主力がかつては工業高校であったと、ただいろんな技術の進展等々を考えますと、ものづくりの人材養成の中心が工業高校からむしろ大学の学部レベル、学士課程が主力になるような方向というのは考えられないかと、こういう御提案だと思います。十分受け止めさせていただきたいと、こう思います。
○有馬朗人君 どうもありがとうございました。 私は、旋盤学士、ガラス工学士があったっていいじゃないかと思いますね。このごろ非常に大工さんなんかの優れた人が少なくなってきていますが、そういう人を育てていく上で学士出したって一向おかしくないと私は思いますので、お願いをいたします。 少し、十分予定を超過させていただきまして、ありがとうございました。これをもって私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○亀井郁夫君 有馬先生に引き続いて質問させていただきたいと思います。 河村文科大臣には、就任後数か月、大変頑張っていただいておりますことを心から感謝申し上げたいと思います。 考えてみますと、六年前に国会へ出ましたときに感じたことは、文科省ってこんなに保守的なんだなと、変えることは一切断ってくるという本当にひどい役所だと私は思ったのも事実でございます。しかし、最近は少し変わってきまして、大分前向きになったな、守りから攻めに少しずつ変わってきたなという思いがするわけでございまして、そういう意味では河村大臣に本当にしっかり頑張っていただきたいと思うんです。 ちょうど六年前に、思い出しますのは、新米の国会議員ですから、文科省に、私は広島の実態、ひどい状況をたくさん訴えたわけであります。そして同時に、広島と同じような県がほかにもあるんじゃないかということを何度も聞いたんですが、異口同音に、そんなことはありません、ほかのところではちゃんとやっておりますというふうな話でございまして、これは広島が一番悪いなと思って一生懸命頑張ってきましたけれども、その後、北海道や三重県やら、あるいは兵庫県や神奈川県や、具体的な事実がどんどん分かってきたものですから、私なりに指摘してきましたら、最近では、そういうところだけ問題があるんだと言っていただけるようになったんで、ちょっと進歩したなと思うんですけれども。もちろん教育についてはころころ変わるということはまずいんで、保守的にならざるを得ないという面はよく分かりますけれども、ひとつ前向きにこれから頑張っていただきたいと思うわけであります。 有馬先生に続いて何点かお尋ねしたいと思いますけれども、河村大臣から国民の皆さん方に分かりやすく、ひとつ御説明願いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 最初にお尋ねしたいのは、やはり何といっても幼児教育の問題であります。 三つ子の魂百までと言われますけれども、そのとおりでございまして、幼児期における教育が一番私は大事だと思うわけでありますけれども、日本の場合、本当にこれで大丈夫かなという思いがするわけでございます。またそういう意味では、特に幼児の半数を預かっている保育所における教育がこれでいいんだろうかということを私は思うんで、それは厚生労働省だから知らないよと言われてしまうとふたのしようもないわけでありますけれども、しかし、この問題についてはしっかり考えてもらわないと、単なる託児所的な考え方でやっている厚生労働省の保育所運営では困ると私は思います。 ただ最近は、文科省の力で大分保育所も幼稚園の教育を見よう見まねでやるという形になってきておりまして、これも皆さん方の御努力だと思って感謝するわけでございますけれども、もっともっとそういう意味では文科省もこの問題については幼児教育という観点から入り込んでほしいなと思うわけでございます。 それに絡みまして、今幼稚園と保育園との一体化ということが言われておるわけでございまして、特区では総合施設が作られるというふうなことも言われておるわけでございますけれども、そういう意味では、例えば三歳までは保育所だということで、三歳以下はもう保育所だと、四歳以上は幼稚園が全部預かるんだというふうな、例えば横割りの形で割り切っていくとかという形で、幼児教育と保育所教育を一体化していく方向というのを考えるべきではないかと思うんですけれども、この一体化の問題について大臣はどのようにお考えかということをお尋ねしたいと思います。 そしてまた、幼稚園について、今預かり保育が行われておりますけれども、今のことに絡んで積極的にこれをどんどんやっていくと。幼稚園の子は昼過ぎに帰ってくるというのじゃなしに、事情によっては夕方まで預かるということも幼稚園としては考えていくということも必要ではないかと思いますし、そういう意味では、幼児に対する教育について文科省としてはどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 日本の、教育のみならずいろんな縦割り行政の弊害といいますか、いろいろな問題点指摘されておりますが、この幼児教育の保育所と幼稚園こそこんな縦割り行政の最たるものはないと私は思っております。 親にとっては、自分の働く都合から考えて保育所に預けておりますが、そこの期待感というのは幼稚園が持っている機能に期待するものも多分にあるし、現実そういうことも行われている。それから、幼稚園側もやっぱり親のいろんなニーズにやっぱりこたえなきゃいかぬと。こういう状況からいいますと、正にその流れとしては、今これを一緒に考えようという動きが出てきたことは私は当然のことだし、歓迎すべきことだと、こう思っておりまして、この統合化に向けていろんな知恵を出しながら進めてまいりたいと、こうも思っておるところでございます。 ただ、今の現実は、幼稚園を文部科学省が所管をさせていただいております。幼稚園も保育所の機能的なものを備えれば、その目的に近づくわけでございます。そういう意味を含めながら今幼保の連携を図りつつあるわけでございまして、幼稚園におけるその子育て支援機能といいますか、そういうものをもっと充実していけばいいわけでございます。 現実にもう、やっぱり現実に幼稚園にしても、これは私立幼稚園が圧倒的に多いんでありますが、もう既に幼稚園全体の六五・五%、さらに私立幼稚園ではもう八四・七%が預かり保育を実施していると、こういう現況もございます。そこで、十六年度予算においても、夏休みなどで休業期間に預かる、あるいは夜間、早朝、こういうことはちゃんと事業として予算化もいたしておりまして、そういうふうになっております。また、保育所側も三歳児以上を預かっておるわけでありますから、これについては幼稚園の教育要領に準ずると、中身は。そういう方向にもう今なってきておりまして、厚生省側の担当課長、それから担当者、それから文部科学省の担当者、絶えず連携を取って会議等も行っておりまして、内容を整合性を図っていると、こういう状況下にございます。 また、これからの保育士、それから幼稚園教諭、免許を両方取れるようにという形で今進んでおるわけでございまして、もう正に両方、言わば幼保園的なものが今進みつつございます。 それから、役所側ももっと連携を深めよと、こう言われておりまして、総理からも、幼稚園担当のトップレベルの官僚とそれから厚生労働省側の幼児保育をやっている担当トップレベルを入れ替えよと、こういう話も今実は来ておりまして、こういう形で今統合化の方向へ向けて協議を進めておるという状況下でございます。 そういうことで、現実に特区等においても統合施設を作ろうという方向にも来ておりますので、この方向というものは更に強まっていきますし、それに向けて我々も、どういうふうな形でどういう点を変えていけば正に統合化の形になってこの縦割り行政がなくすことができるか、そして真に幼児教育の質を高めることができるか、これは正に真剣に考えなきゃいけないときに来ておると、このように考えております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 いろいろ御努力いただいていることはよく分かりましたけれども、文科省ではいろいろ努力されているんですけれども、県の方に行きますと、県の教育委員会では、幼稚園に対しては全く、担当の課もないようなところでございまして、ほとんど行われていないのが実態ではないかと私は思うんです。 特に地方では、今おっしゃったように私立の幼稚園が多いわけでございますけれども、私立の幼稚園に対しては、本当は県の知事がやるんでしょうけれども、しかし担当のところが、学事課がちょっとやっているかどうかは全然分からないということで、ほとんど手が付けられていないというのが実態でございますので、私立の幼稚園に対する位置付けというのは私は全く行われていないんではないかと思いますし、そういう意味では、文科省としていろいろ努力されているんですけれども、地方に行くとなかなかこの幼児教育に対する考え方というのがいま一つ、いま二つといいますか、まだまだ大変だと思いますので、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。 そういう意味では、私立の幼稚園に対する考え方については大臣はどのようにお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) おっしゃるとおり、幼稚園も、全体の園児の八割は私立の幼稚園に通っているという現状がございます。 それで、県において現実に幼稚園をどのように管理しているかという問題もございます。これは、私立幼稚園に対しては都道府県知事が行うと、こうなっておりまして、そして公立幼稚園は都道府県の教育委員会と、こう二本立てになっている現状、これは義務教育段階においても、私学の小中学校を持っているところは私学部がやり、公立は教育委員会がやると、こういう形を取っております。この流れがそのまま来ておるわけでございます。 そういう意味で、私立幼稚園については私学助成という形でございますし、また就園奨励費という形で特別な支援体制を取っております。しかし、現実に、じゃ保育所、厚生省、厚生労働省予算と比べてどうかと言われると、かなり措置費等において差があることも現実でございまして、そういう意味では私立幼稚園をもっと力を入れていく必要がある、今後統合するにしても、そういう視点で両方の条件をそろえていくということが必要になってくるんではないかと、こう思っておるところでございます。 先ほど、実際に私立幼稚園も含めながら、幼稚園、幼児教育的なもの、特に県において実態がよく分からないというお話もございました。先生の御出身の広島県において、いや、全く行われていないということはないのでありまして、広島県においての情報によりますと、幼児教育ビジョンというのを持っておりまして、やっぱりこれ、公私の問題、それから保育所との関係、これやっぱり充実を図るために、特に県の教育委員会と私立幼稚園を所管する県の環境生活部と、それから保育所を所管する福祉保健部とも一体となって幼児教育を進めておるという現状もあるわけでございまして、しかも幼保だけじゃなくて小学校との連携も深めるというようなことも既に取り組んでおるわけでございます。 しかし、現実に全国の幼稚園の流れは私立が受け持っていることは間違いございません。そういう意味で、私立幼稚園をもっと充実させていくということは非常に大事なことでございます。そういう意味で、私学助成の観点とプラス幼児教育を充実と、そういう二点から私立幼稚園を更に支援をしてまいりたいと、このように考えております。
○亀井郁夫君 今おっしゃったように、やはり私立というのは手の届かないところに行ってしまっているというのが実態じゃないかと思いますし、特に、文科省では確かに高等教育局の中に私学部がございますけれども、それだけでもって、大学の私学が中心かもしれないけれども、そこで幼稚園のことまで実際は見ていないのであって、そういう意味では、公立の幼稚園についてはいろいろやっておられるかもしれないけれども、非常にこれは、何ですかね、幼稚園が非常にエアポケットみたいな格好で、みんなから目の届かないところになっているのが実態ではないかと思うんですからあえて言わせてもらっているわけでありまして、そういう意味では、私学に金を渡してしまうと、そうか、幼稚園にどれだけ金が行っているのか、いろいろ見ておられるのかもしれないけれども、私は非常に心配でございますので、それについてもいろいろと御指導をちょうだいしたいと思うんですけれども、そういう意味では、私立学校というのは、今、幼稚園の場合もそうでしたが、高等学校の場合は大体三割、大学になると七から八割が私学という状況で、そのウエートは大変大きいわけでございますし、そのためには私学に対する助成というのもどんどんやっていかなきゃいかぬということもよく分かるわけでございます。 それにまた、私学の場合には建学の精神があるものですからなかなか文科省としてもタッチしにくい点があるかもしれませんけれども、しかし、私学助成という形で金も十分とは言えませんけれども出しているわけですから、そういう意味では公的な立場からも私学に対する指導というものを十分やっていただかなきゃならないと私は思うわけでありまして、特に、これから大学、国立大学変わってくる過程の中で、私学の大学がどう変わってくるか。 特に、私は、理科系の大学も頑張ってもらわなきゃいかぬなと私は思うんですけれども、これから私立の大学含めて私学をどう持っていったらいいのかということについて、大臣の考え方を聞きたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 私立学校については、御案内のように、高等学校までについては県知事の所管という形にいたしておりまして、そういう意味では私学の独自性、自主性というのは尊重されなきゃいかぬわけでございますが、しかし、全体としてやっぱり教育の大きな、担っているわけでございますから、そういう意味で、例えば私立学校、高等学校までにおいては学習指導要領というものが全体の基本にあるわけでございます。これをやっぱり基本にしながら、すべての国公私立、すべて適用されるものでありますから、これをきちっとやっぱり適用していただくということは、やっぱり都道府県の知事の管轄にあるといえども私は非常に大事なことではないかと、こう思っております。 例えば、国旗・国歌の問題等々についても、やっぱりこれはきちっと通達をして、正に子供たちの国際性を磨くとか、いろんな観点から指導をお願いをしているわけでございまして、これは私立学校等においても適切になされておるべきものであろうと、このように考えておりまして、そういう意味では、その私学だけがエアポケットになってはいけない、やっぱり日本国の学校である、日本国の子供たちを教育しているんだと、こういう視点でなければならないというふうに思っております。 私立学校等においては宗教的な基盤を持つ学校もたくさんあるわけでございまして、極めて国際感覚豊かな学校もございます。しかし、やっぱり日本にある学校でありますから、そのことをやっぱり考えながら教育に当たっていただくということはやっぱり大事なことではないかと、こう思っておりまして、あわせて、私立学校の事務を教育委員会に補助執行させるというようなケースもございますし、あるいは教育委員会も私立学校も一体となって教員の研修を行うという形、公立との連携もしっかり持っていただいて、私立だけが別の全く違う教育をやっているということにならないように配慮も必要だと、こう思っておりまして、そういう意味においては、学校の指導主事、あと専門的職員、そういう者を知事部局に配置するような工夫をされておるところもございます。 そういう意味で、私学が先生御指摘のような教育においてエアポケットになるということは、やっぱり教育全体の水準を維持しながらいく日本の教育を平等に受けさせる教育の機会均等、いろいろな角度から必要なことだろうと、こう思っておるところでございまして、御指摘の点も踏まえながら、これからの私学振興、もちろんこれは財政的な裏付けも必要でございまして、県が所管といえども、私立学校に対してはこれは補助金も出しております。もちろん大学においては当然のことでございますが、特に理科系の私学についてはなかなか厳しい状況もあるようでございます。これは、科学技術総合基本計画の一環の中にもこれは取り入れていかなきゃいかぬ。先ほど有馬先生御指摘ございましたが、総合的な計画の中に私学の考え方、それもうまく取り入れながら全体の私学振興を図っていくと、こういう視点も必要であろうかなと、このように考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、私立学校が担っている役割の大きさ、貢献度、そういうことを考えますと、やっぱり私立学校をしっかり振興していくということが極めて重要な課題でございまして、文部科学省は国立ばっかりやっているんじゃないかという御指摘も、特に大学側はそういう思いもあるようでございますが、一方でやっぱり私学の重要性、これは欠かせない視点だと思いまして、両方相まって日本の教育がうまくいくと、このように考えておるところでございます。
○亀井郁夫君 大臣のお話を聞いてよく分かりましたけれども、再度申し上げますと、文科省のそういう考え方が末端ではなかなか実行されてないという実態で、そしてさっき言いました幼児教育なんかについては県の教育委員会は全くノータッチ、知事の下で学事課がちゃっちゃと予算をやるという程度のことですからね、そういうのじゃやっぱり駄目だと私は思うんですね。そういう意味では、県の教育委員会が全くそういう意味ではタッチできないというふうな現在の仕組みそのものが私は問題ではないかと思うんですね。知事がその県の例えば教育について責任を持つのであれば、私学も両方について公立もちゃんともう見てやっていくというふうな統一的にやっていくような機関もなければいけないんじゃないかと思うし、文科省からも、文科省の方は私学を見ているんですから、末端が分かれてどうにもならなくなっているんですから、その辺も強く指導していただきたいなと思うんです。 それで、今、大臣が触れられました学習指導要領の問題ですけれども、私学はちゃんとやっているんだという前提ですけれども、今おっしゃった国旗・国歌の問題なんかについて、私学の場合どうなっているんでしょうか。 県立高校については国旗・国歌の履行状況いろいろと報告受けますけれども、私学については聞いたことがないんですが、広島県の場合も私学については全くそういう調査もされているのかどうか分かりません。多分調査してないと私は思いますね。聞いても、あれは関係ありませんという態度ですからね。これじゃやっぱり困るんで、やはり学習指導要領にちゃんと国旗を掲揚し国歌を歌うんだということが書いてあるんですけれども、こうした学習指導要領が私学では全く無視されているということでいいのかどうなのか。まあ一生懸命やっている学校もありますけれども、全部が全部じゃありませんが、その辺はやはりよく指導してもらう必要があるんではないかと思うんです。 広島の場合は国旗・国歌の問題に絡んで高等学校の校長先生が自殺し、また小学校の先生が、校長先生が自殺するというようなことまでついこの間起こったんですから、そういう意味では、この辺について真剣に取り組んで、これからも地方の私学の問題にもちゃんとやるように文科省から指導してほしいなと思うんです。 それにつきまして一番大事なのは、やっぱり何といいましても教育委員会の在り方が問題でございまして、県の場合はまだいいんですが、小さな町の教育委員会というのは、私が言うまでもなく大学教育委員には分からないというような実態で、教育の問題について尋ねると、町長は一切答えない、それは教育委員会の仕事で教育長が答えるんだと言う。しかし、考えてみると、その教育委員を推薦したのは町村長さんだということなんですけれども。そういう意味では非常にあいまいになってしまっておるわけでありまして、教育委員会どうしたらいいかということをこの前中教審にも諮問掛けられましたから楽しみにして待っておるわけでありますけれども、文科省の方も、中教審の答えを待つまでもなく、文科省としてどう考えるべきだと、考えているんだということをやはり教えてほしいと私たちは思うんですけれども、ひとつ大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 亀井先生御指摘のとおり、このたび教育委員会制度の在り方について中教審に諮問をさせていただきました。現実に今地方分権が進んでまいりまして、合併も大きく進んでおりまして、市町村の形態も大きく変わろうといたしております。 そうした中で、教育委員会の在り方、これからの時代にふさわしい教育委員会の在り方、ややもすると教育委員会の在り方が形骸化しているという御指摘もあります。うまく機能しているところもあるけれども、現実に機能していないところもあるんではないかといろんな御指摘もございますし、教育委員会と首長さんとの関係はどうあったらいいのかとかいう問題。やはり、さはさりながら、教育の中立性をいかに担保するかという問題もございます。そういう役割も果たしてきておりますから、これからの教育委員会の在り方をどうすべきかということ。教育委員会がそれぞれの地域の独自性も発揮しながら機能してもらわなきゃなりません。一部批判されるのは、教育委員会というのは何か文部科学省の方ばっかり向いて地方の方を向いてないんじゃないかとか、こんな指摘もあるわけでございますが、それだけではならない。しかし、国の教育水準をいかに維持するかという国の責任もある。そういうものもやっぱり教育委員会は受け止めていただかなきゃならぬ部分もあります。 そうした連携関係はどうあったらいいかとかということを、これから正に地方の分権の時代にふさわしいものに、どうあったらいいかということを教育委員会制度の在り方について検討し見直しをしていただこうという観点でございまして、正にいろいろ教育委員会についての御批判がある、御指摘がある、そのことを正に踏まえてこれから改革に取り組もうということで、中央教育審議会に諮問をいたしたわけでございます。 そういう意味では、文部科学省といたしましても絶えずこの教育委員会の在り方、理想の姿、そういうものをこれからも求めてまいりたいし、今、こうなきゃいかぬということを明確に今、じゃ文部科学省が打ち出して、方針を出してやったということではありませんけれども、現実に指摘されている問題点をどのように変えていったらいいかということを今指摘をさせていただきながら諮問をしたと、こういうことでございます。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 中教審のメンバー以上に私は文科省の皆さん方の方が教育委員会の問題についてはいろいろと問題点をつかまえておられると思いますので、この場ではなかなか難しいと思いますけれども、平素のそういった研究の成果を是非とも中教審の中でも反映させながら、いい形の方向で持っていくように一緒に努力していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、もう一つちょっとお願いしたいのは、先生の評価の問題ですけれども、不適正な教員は職員の現場から外していこうというふうな形になっており、何人か替わっておるようでありますけれども、そういう意味では、何といっても先生の評価ということが大きな課題になるわけでございますから、いわゆる人事考課ですけれども、評価制度についてどのような形で持っていくかということが私は大事だと思うんです。 このことについても、前、国会議員になりましてから聞きましたら、随分分厚い資料を持ってこられまして説明を受けたことがあるんですけれども、そんなことをやっている学校なんか一つもなかったわけでございますけれども、そのときにはまじめにやっているんだという説明を受けたわけでありますけれども、私は実態的にはやってないと。 今、私のおる地元の広島でも評価制度に取り組んで、日本で初めていいものを作るんだということで今頑張ってやっておりますけれども、目標管理を入れながらやるということで試行しておるようでありますけれども、しかし、一番大事なのはやはり、今問題なのは、先生方が余り時間取っちゃいけないので、余り時間取らない形でいい評価というものはないかということで考えていただきたいと思うし、これについては民間企業が、私がおりました会社もそうでしたが、民間企業では前から人事考課制度をずっと取り組んでおり、評価そのものも目標管理を入れた格好でやるとか、いろんな形でやってきておるわけでございますから、民間の考え方も十分取り入れながら先生の評価制度を考えていただきたいと思うわけでございます。そうしないと、先生が子供に接する時間がないんだという不満を随分聞くものですから、そういう意味では是非とも考えていただきたいと思いますが、この評価制度に対する大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 昔は勤務評定というのでいろいろ、教員組合との間にもいろいろの問題点が指摘されながら、なかなか教員の評価というのは難しいと、こう言われてきたのでありますけれども、しかし、現実に今の時代考えてみたら、やはり能力のあるといいますか、非常に成果を上げた教員に対してそれをきちっと処遇していく、これは大事なことでございます。そういう意味で、学校教育の成否を担う正に教員に負うということであればそのことをきちっとやっていこうということで、教員の評価制度が具体的に十五年、十六年、十七年、こういう形で今正に研究段階に入ってきておるわけでございますが、現実に広島県教育委員会では既に教員評価制度を取り入れて今正に行っておられるわけでございます。 ただ、このことはもうちょっと校長あるいは教職員の皆さんに周知徹底いたしませんと、先生御指摘のように、これ物すごい時間を取って、教育に、とても時間を取られて、子供と向き合う時間がないという指摘もございますので、このことについては更に周知徹底させる。それから、研修等によって評価者の評価能力を向上させると、こういうことも大事でございますので、そういう点で十分今いただきました御指摘を踏まえながら新しい教員の評価システムの導入に向けて更に研究を進めてまいりたいと、こう思っておりますし、制度導入の際の円滑な受入れといいますか実施、それを図っていかなきゃならぬと、こう思っております。 広島県はそういうことでお取組をいただいているわけでございますが、すべての都道府県、指定教育委員会についても、どうあるべきかということについても調査研究を委嘱をいたしておるところでもございまして、広島県の先進的な取組に大いに関心を寄せておりまして、これをうまくおやりいただくことによってそれを全国的に広めていくということも考えなきゃなりません。 御指摘の点を十分踏まえながら、この教員評価がきちっと時間が掛からず効果的にやれるように更に研究し努力してまいりたいと、このように考えています。
○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。これからもよろしく御指導願いたいと思います。 次にお聞きしたいのは、先ほど有馬先生も触れられましたけれども、義務教育費の国庫負担の問題ですけれども、この問題については本当に慎重に考えなきゃいけない。 今回、退職金と児童手当が一般財源化されるという形になるわけでございますが、それに対して総額裁量制を導入するということになるようでございますけれども、この総額裁量制、地方分権を進めるという意味ではよく分かるわけでありますけれども、これを法律で決めないで、むしろこれを政令その他でやっていこうということで考えておられるようでありますけれども、しかし私は、そうなると総務省との交渉なり財務省との交渉になりますから、むしろこの問題についてははっきり法律でこうなんだということを決めていった方がいいんではないかと私は思うんですけれどもね。 そういう意味では、この一般財源化の問題に絡んでこの総額裁量制の問題、単なる政令その他でやるのではなしに、もっと我々にも参画できる格好で考えさせてほしいと思いますので、この点について大臣はどうお考えか、お尋ねします。
○国務大臣(河村建夫君) 亀井先生の御指摘も一つの考え方の中にあるんだろうと思います。 この総額裁量制というものを法制化をすべきかどうか、私どももいろいろ検討をしたわけでございますが、私どもとしては、義務教育費の国庫負担制度、都道府県が支出した教職員給与費の実支出額の二分の一を国庫負担すると、これを原則としながら、国が想定する規模と内容を超える場合には最高限度を政令で定めると、こういう形で来ておるものでありますから、今回、法律改正でなく、この原則を維持できるということで政令改正という形を取らせて今いただいておるわけでございます。 この総額裁量制によって、義務教育費の国庫負担制度の中で、地方の自由度を拡大するという大きな視点があるわけでございます。この問題は、全国知事会から、義務教育国庫負担制度の見直しの中で、すべての給与費を一般財源化にという方向が打ち出されたわけでございます。これは、総務省、財務省また文部科学省との間でいろいろ議論をされておるところでございまして、実は平成十八年度までにこれについては結論を得ると、こういうことになっておりまして、私どもとしては、文部科学省といたしましては、この制度は義務教育の根幹にかかわる問題でございまして、義務教育は国で責任を持つんだという憲法の要請、これからしてもこれを堅持していかなきゃいかぬと、こういう思いでおるわけでございます。その代わり、地方の自由度を増すというこの地方分権の流れに我々としてもきちっとこたえていかなきゃいかぬということで、総額裁量制という形を打ち出したわけでございます。 正にこれはもう、あとは地方において、我々の方で一々その中でこれをどうするああするということじゃなくて、これはあとは地方が正に、それぞれの地域の取組、地方のいろんな取組をしっかりやっていただこうという思いでこの方向を打ち出したわけでございます。 これについては、全国知事会でもかなりまた評価が変わってまいりまして、今流れも変わりつつございます。総理からは、地方の意見を十分聞いてこの問題に対応するようにと、こう言われておりまして、正に知事会ともこれから議論を深めながら、この総額裁量制の意義を理解をいただきながら、そして同時に、この国庫負担制度の意義というものを十分御理解をいただいて、国と地方の役割分担をきちっとなしていこうと、この思いでこの義務教育国庫負担制度を堅持するという立場を貫いてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○亀井郁夫君 我々も一生懸命応援したいという気持ちでこう言っているわけでございまして、総額裁量制、是非とも頑張っていただかなきゃいけないと思いますけれども、やはり地方分権だとか、三位一体だ、何だかんだで、なかなか文科省も非常に苦労しておられるというのもよく分かるわけでありまして、しかしその中でこの義務教育費についての国庫負担という原則はいろんな形でしっかり守っていかなきゃいけないと私は思いますし、それから地方の知事さんによってもいろいろ様々ですからね、教育よりも道路が大事な人もおるし、いろいろですから、そういう意味では、簡単にはこの教育の問題、地方に任していいものではないと私は思うんですね。 それに絡みまして一つお尋ねしたいのは、教育の場で一番大事なのは人材の育成で、先生方が一番大事なんですけれども、この前、さっき言いましたように北海道は非常にひどい状況になっているということを知ってから、三年前か四年前ですかね、大島大臣のときでございましたけれども、この場で指摘さしていただきました。そして、四六協定というとんでもない協定がずっと生きてきていると、それに基づいて日教組がむちゃくちゃなことをしているということも分かったわけでありまして、そのことを一つ一つ私は一時間余り掛けて指摘して、そして大島大臣も、これについては調査もしたいというようなことで話しておられたわけでございますけれども、もうあれから四年たって、この四六協定、今どういう状況になっているのか。多少は良くなっているとは聞きますけれども、しかしまだまだ日教組の強い北海道でございますから、まだまだ難しい状況にあって苦労しておられるんじゃないかと思います。北海道でいえば札幌市は少し良くなっているということでありますけれども、私もそう思いますけれども、それについてちゃんとしてもらわないといけないと思います。 広島県の場合には、文科省が調査に入ってもらって、それから随分変わって今は随分良くなっておるわけでございますけれども、随分良くなって、まあ昔がひどかったからね、ちょっと良くなったということかもしれませんけれども、昔に比べればちょっと良くなっているという状況ではないかと思いますし、これからも頑張ろうという状況でありますけれども、北海道についてどうなっているのか、大臣からお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 亀井先生御指摘のように、大島大臣のときにこの問題について実態調査をやると、こういうことでございまして、平成十二年に詳細な実態調査を求めました。その結果、道教委、北海道で調査に基づいて是正の取組が行われてきたところでございます。 その中で、四六協定の一部破棄や鉛筆年休に係る給与返還とか処分、一定の改善が見られたわけでございます。しかし、さらに、まだ問題点が全部ではない。平成十五年、その後、道教委においては、主任制及び主任手当に関する二十一項目確認の全面破棄を行うと、こういうことをやったんでありますが、これもまだ一部破棄にとどまって、全面破棄という点についてはまだ指導を行っている部分もあるようでございます。 文部科学省といたしましても、道教委の責任者と、定期的に報告を受けながら、今是正を図っておるわけでございまして、さらに北海道教育の全面正常化、特に四六協定の全面破棄、この指導のために一層取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○亀井郁夫君 北海道については要注意ですからね。文科省に対してはちゃんとやりましたという文書を教育長が出しても、同じ日に、部長なり課長が庁内には従来どおりでいいですよという文書を平気で出すところなんですからね。ですから、文科省、だまされないようにひとつお願いしますね。そこは大臣、よろしくお願いしたいと思います。 それからもう一つ、ジェンダーフリーという言葉が今はやっておりますけれども、それが小学生や中学生に対する性教育に大きな影響を及ぼしておりますので、ジェンダーフリーという言葉は内閣委員会でも内閣府の方から、これは日本に、日本だけにある言葉だということを局長言っておられましたけれども、そういう意味では、子供たちに対する性教育、大事なものでございますから、そういう意味で、男らしさ、女らしさを失うことなしにそれぞれの立場を大事にしていくことは私は大事だと思いますけれども、そういうことから個人決定方式だということで小学生、中学生に性教育を間違った格好でやっているというのが実態ですから、そういうことで、昨日の新聞見ていましたら、産経新聞によると、横浜の方で小学校が六年かけて一貫教育が何かと思ったら性教育をやっているというような話で出ておりましたけれども、非常に親の目の届かないところでそういうことをやっているということがありましたから、しっかりその辺も指導していただきたいと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思いますが、大臣のお言葉を聞きたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 学校において性教育、これも人間尊重ということを基盤にして、子供たちの、児童生徒の発達段階に応じてやっぱり適切に、また科学的知識も持ってもらう、理解してもらう、これは、こういうことは必要なことだろうと、こう思っておりますが、今、亀井先生御指摘されたようにあの横浜のケースが新聞にもございました。これ、ジェンダーフリーという名の下にあのような行き過ぎた性教育が行われることが正に今申し上げたことに合致しているかと非常に心配で、ともかく聞いてみますと、家に持ち帰って親に見せるなというような、そのような世間に見せられないようなものが学校現場で行われているということは、これはやっぱり行き過ぎと言わざるを得ません。 やっぱりそれは、男には男、女には女の役割分担というのはちゃんとあります。もちろん、社会的進出、いろんな課題から男女共同参画というものは大事なことでありますけれども、これが行き過ぎないようにという思い、これは内閣の方針でもそういうことでございますから、教育においてもその点はきちっと対応してまいりたいと、このように思っております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 大臣、ひとつ、なかなか大変だとは思いますけれども、十分目を届かして御指導のほどお願いしたいと思います。 最後に、一点だけお尋ねしますけれども、昨年、例のHⅡAロケットが失敗したということで残念だなと思ったわけでございますけれども、この一月にはこの委員会で現地視察もしたわけでございまして、現地の皆さん方は一生懸命あの孤島で頑張っているということがよく分かったわけでございますけれども、こうした日本の科学技術の最先端を行っているこのロケット問題、非常に象徴的ですから、これについてこれからも頑張っていただきたいと私は思いますけれども、文科省としてどう取り組んでいくつもりか、お話し願いたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) HⅡAロケットの打ち上げ失敗、誠に残念なことで申し訳なく思っておるところでございますが、その調査研究、宇宙開発委員会調査部会においてその原因究明というのはほぼできてきたところでございまして、この状況を踏まえながらこれからどうやったらいいかということで、HⅡAロケット全体について宇宙航空研究開発機構、いわゆるJAXAにおいて設計の基本までさかのぼった再点検を実施するということになっております。専門家によって確認をこれをしてもらう、そしてメーカー側とJAXA側との役割分担をもうちょっと明確にしていこう、責任体制をはっきりさせようという方向で今進んでおりまして、具体的に特別会合を持ちまして一昨日から調査、審議を今開始したところでございます。 今後のHⅡAロケット打ち上げ、私も最高責任者の一人としてこの失敗を乗り越えていかなきゃいかぬ、これでひるんではいかぬ、こういう思いもございまして、この取組は、原因究明だけはきちっとしながら更に必要な対策を講じて、品質の信頼性、そういうものをきちっと向上を図りながら、次の運輸多目的衛星新一号がございます、それから陸域観測技術衛星というのが、国として重要な衛星を今から打ち上げていかなきゃいけません。これを着実に打ち上げを実行してまいりたいと、このように考えております。
○亀井郁夫君 大臣、どうも長時間ありがとうございました。私、これをもって終わりますので、どうもありがとうございました。
○後藤博子君 有馬先生そして亀井先生に続けて質問させていただきます。本日、日ごろから敬愛してやまない文部大臣、河村大臣に質問させていただけますことを心からうれしく思っております。 私は議員になる前に小さな会社を経営しておりました。そして、時折、会社経営のプロと言われる先生方とお話しする機会がありまして、そのときに会社の、私は経営していたものですから、一流の会社とは、二流の会社とは、三流の会社とはと、そういうお話を聞いたことがございます。 下からいきますが、三流の会社ということは、何か一生懸命財を残そうとするのが何か三流の会社だそうでございまして、仏教用語では何か下品、下と品格の品を書いてゲホンと読むそうでございまして、私も知らなかったんですが、言うそうでございます。また、二流の会社は一生懸命事業を残そうとすると。これは中品だという表現をいただきました。そして、では一流の会社は何を残そうとするのか。それは人を残そうとする、これが上品だそうでございます。 それで、私はこの文部科学の質問を作っていたときにそのことを思い出しまして、では政治に当てはめたら人を育てるための文部行政は一流であり最も上品であると思いますし、そうでなければならないと思っております。今、時代が大きく変わって、国の根幹あるいは教育の最も根っこの大事な部分を今私たちは取り組んで真剣に考え、取り組もうとしているところでございます。それには、私も、日ごろ委員といたしましては一生懸命大臣の御見解をお聞きしながら頑張っていく覚悟でございます。 そこで、具体的に、私は十年後の日本、十年後の教育、どうなっているんだろうか、またどうあるべきかということを思いました。多少時間が短いので少しまとめて質問させていただきますので、多少、二問、三問目が一緒になるかもしれませんが、御了承くださいますようにお願いいたします。 ですから、十年後に突入しているであろう新時代、十年後の新時代を考えましたら、その新時代を切り開いている人は今教育過程にあると思っております。ですから、六歳の子が十六歳になり、八歳の子が十八歳になり、十歳の子は二十歳になるわけですね。だから、その児童から若者そして大人になっているわけです、十年後には。 そして、世界を見ましたときに、お隣の中国の例をちょっと取らせていただきますけれども、お隣の中国の今の勢いというものは、政治面でも経済面でも、また技術面でも、先ほど日本もHⅡAロケットの成功を目指して今頑張っているところでございますけれども、中国も有人ロケットが成功いたしました。ですから、技術面も我が国を追い越す事態を私は想定しております。その事態を迎えたとき、我が国が誇りとすべきは、私は日本の文化、すなわち人だと思っております。 それについて大臣のお考え、あるいは教育に対する基本的なお考えがありましたら教えてくださいませ。お願いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) 後藤先生御指摘のとおり、これから日本が二十一世紀に向かって世界から信頼される国づくり、尊敬される国づくり、それを負って立つのはやっぱり日本人でございます。その人材をいかにつくっていくかということ。これまでもそういうことで日本の今日までやってきた、資源のない日本がここまで来た、やっぱり人づくりにある、このことは国民の皆さん、大きなコンセンサスでございます。 しかし、その中でやはり、中でも文化力という点がこれからも新しい視点としても特に強く我々意識するようになったことは大変私は意義のあることだと、こう思っておりまして、人づくり、これも文化であるという後藤先生の御指摘というのは私も我が意を得たりというような思いでございます。 文化芸術振興基本法というのも作りまして、やっぱり日本が、日本のこれまでの長い歴史、伝統の中でいかに文化を持ってきたかということ、これは国内はもちろんでありますが、世界に発信をしていく、そういう取組をこれからもやっていかなきゃいかぬ、学校教育においてもやっぱりそういう視点をしっかり持っていく必要があろうと思います。 私も、小泉総理から昨年九月に大臣の指名を受けましたときの冒頭の指示は、正に人間力向上の教育改革と、こういうことでございました。この人づくりの中に人間力、これはやっぱり後藤委員指摘のように、正に日本の伝統、文化、そうしたものの中で国際社会を生きていく教養のある日本人、これを育成していくんだと、こういうことにあるわけでございますから、その中に、いわゆる人間力の総合的な中に、文化の薫りの高い人材をつくっていくということも、これは非常に私は大事なことだろうと、こう思っております。 学校教育においても、その日本の文化、そして諸外国の文化を尊重する態度を作っていく、こういうことも必要でございますし、国語力、この中にはやっぱり国語力というのも必要でございますから、そうした日本がこれまで持ってきた昔話、伝統、そういうものもちゃんと国語においてしっかり学ぶということも必要でありましょう。あるいは、これまでの日本の伝統文化と言われておる、古来からあったいわゆる茶道とか華道とかそのようなこと、そのようなことを学校の教育の中に取り入れながら、そういうものにもきちっと親しんでいく。日本の和装なんかもそうでありましょうが、そうしたものもしっかり身に付けさすということも、やっぱりこれからの正に文化力を持った日本人をつくる、人材養成の中に入っていかなきゃいかぬ、そう思っておるわけでございまして、そういう意味で、文化という視点で人づくりを見ていくという視点は非常にこれから大事な視点だろうと思います。 御指摘を踏まえながら、そういう視点を更に高めながら文部科学行政を進めてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
○後藤博子君 大臣、ありがとうございます。本当におっしゃるとおりです。このたびの所信の中にも、心豊かでたくましい人間、そしてそれを育てたい、人間力のある、力のある子供たちを育てたい、そういうことが大臣の所信の中でも私は述べられていたと思います。 その心豊かでたくましい人間、日本人、それはどこではぐくまれるのでしょうか。誇りとすべき日本の生活、まあ文化といっても有形、無形ございますけれども、伝統もございますけれども、誇りとすべき日本の生活の文化の中で私は人間力もあり心豊かな子供たちが育っていくと考えております。 その生活の中にある日本の文化を今の子供たちにどう伝え、どう学ばせようとしているのか。重複するかもしれませんけれども、お答え願えれば有り難いです。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) これはまあやっぱり日々の正に生活の中にすべて含まれておるわけでございます。それは正に家庭教育の中にあり、また地域の中にあり、そして学校の中にもあるわけでありますが、正にその年齢に応じていろんな学びがあろうと思いますけれども、日ごろから、それはやはり教育を受ける側とそして教育を与える側といいますか、両方がやっぱりそのことを意識をしなきゃならぬと、こう思っておりまして、学校教育の中においては、正にその教育の中に文化をいかに入れるかという視点、これはやっぱり日本の歴史、伝統文化、そういうものをきちっと学ぶ、このことが非常に大事だろうと、こう思っておりまして、この日本の歴史、伝統文化を尊重する仕組みをどういうふうに作っていくかということがこれからの課題だろうと、こう思っておりまして、家庭の中でいえば、正にこの日本の食生活の中にもマナー等々にもございます。それから年中行事の中にもある。正にそういうものにしっかり入っていただくということが大事だろうと思いますね。 文部科学省も、実は子育てのヒント集の中に家庭教育手帳なんか作りまして、正月の行事、ひな祭り、そういうものに、日本の伝統文化、そういうものにしっかりなじむようにということも指摘をしておるということ。 それから、子供の居場所づくりということを今度考えてまいりました。そうした中には、土曜、日曜日なんかで学校の文化施設等を利用して、茶道、華道、日本舞踊、こういうものにずっとなじむことができるように伝統文化こども教室事業なんということもやっておるわけでございますが、そのような形の中で日本の歴史、伝統文化を学ばせてもらう、こういうことが日々の中に非常に必要になってきた、これを進めてまいりたいと、こう思っておるわけであります。
○後藤博子君 ありがとうございます。 私は今日は時間の許す限りしつこく日本の文化についてお尋ねをしたいと思っておりました。それはもう皆様お感じになっていることかと思いますけれども、最近は美しい日本人を見掛けることが私は少なくなりました。この中にいらっしゃる先生方は皆さん美しい日本人だと私は思っておりますが、ちまたでいる若い学生たち、地べたでべたっと座ってあぐらをかいている女子高校生、そしてそれを注意すると、私の勝手でしょといった返事が返ってまいります。 そういういわゆる今、大臣がおっしゃったような日本のすばらしい伝統文化、生活の中の文化は、私はしつけから生まれてくると思います。その幼児期から学んでいくことがそして絶対に私は必要だと思っております。そう考えたときに、保育園児、保育園と幼稚園の一元化のための総合施設の在り方、これは私は真剣にこれから議論をし真剣に取り組んでいかなければならないと考えております。家庭というものがもう今なくなりつつあります。ですから、家庭に代われるような総合施設の在り方、これはこれから議論すると思いますけれども、もっとそれは考えていかなければならないと思います。 で、後でまとめてコメントをお答えというか、お考えいただきますので、先に言わせていただきます。 先ほど大臣もおっしゃいました。知育、徳育、体育にプラスして食育が加わりました。これは私は非常にすばらしいことだと思います。最近、最近というか、文部科学省から私はこういう教材をいただきまして、それを見ました。そうしたら、今、大臣がおっしゃるように、日本の伝統食、行事食、伝わってくる文化の食事というものが小学校生用あるいは中学生用の中にちゃんとうたっておりました。 ですけれども、この中に欠けているものは、日本人の先ほど大臣おっしゃったマナー、作法、礼儀作法、そういうものがないんです。私がもし見落としているのであれば後で文部科学省の方に教えていただきたいんですけれども、これを見る限りではありません。 日本人が、先ほど美しい日本人と言いました。はしを持って食べる、そして人に迷惑を掛けない、腕を広げないとか、私は父親やら母親から手をぱしっとたたかれながら食事のマナーを家の中で教えていただきました。これからはそういう家の中で教えなければならないしつけも、家庭が壊れていく中でだんだんとそういうことがなくなってまいります。そういう、せっかく教材を作っていただくのであれば、そういう日本人としてのしつけ、マナー、礼儀作法を織り込んだ教材を作っていただきたい。 そして、そういうものが、理屈ではない、まだまだ判断力がない幼児期の間、ゼロ歳から施設に預けられ、そこで生活する幼児、園児、それは頭で、理屈で覚えるんではなくて、体で覚えていける幼児の時代、園児の時代に必要になってくると思います。それは有馬先生もおっしゃいましたし、亀井先生もおっしゃいました。人材ということは、途中からではなかなか人材を育成することができません。科学技術立国日本、教育・文化立国日本を目指すのであれば、私はこのゼロ歳からの、幼児期からしっかりと総合施設の中で学ばせ、学んでもらう、そういう施設であってほしいと思います。 時間がなくなりましたので、最後に大臣のお考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 貴重な御指摘をいただいたと思います。最近の若い男女の姿というものに対して、もうちょっと他人への思いやりといいますか、そういうものが欠けていて非常に自己中心、自分さえよければいいというふうになっている嫌いがあります。そういう格好をしたら人がどう思うかとか、相手に不快感を与えないかとか、そういうことがやっぱり家庭の中でちゃんとできていない面もあるんだろうと思います。 正に、これは幼児教育のときからきちっとしつけていかなきゃいけない課題がどこかで落ちているんだろう、このことをきちっとやってもらう。これからは学校も、幼稚園も含めて学校ももっと力を入れてくれ、しかしやっぱり、学校はやっぱりそうはいっても親の代わりはできませんから、この部分をどうするかというのがこれからの課題です。 これは一つのこういう手引になって、また家庭にも配られるようなものに作っていく。それにはやっぱりそういうしつけの部分をしっかりちゃんと強調したものが必要だろうなと、こう思いまして、そういう面での人材をつくるということが非常に大事になってきたと、こう思っております。 食育という面は、もちろん食生活、食習慣をきちっと付けるという大事な部分もありますが、同時に、食の中にそうしたマナーがあるということ、これも重要な視点でございますので、そういう意味を総合的に考えて学校教育の中で文部科学省としてはしっかり取り組んでまいりたいと、このように思います。
○後藤博子君 ありがとうございました。 最後に一言だけ。もうそういう大臣の心強いお言葉で安心いたしましたけれども、それにしては大臣、予算が少ないんです。科学技術立国に対する予算は約八千億ですかね、教育、文化に対する予算は約一千億と、ちょっとこれは概算で聞いたんですけれども、是非人材育成する部分に私はもっともっと予算をつぎ込んでいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。 本日は四十分時間を使いまして、留学生政策と若年雇用、この二点に限って御質問させていただきたいと思っております。 まず初めに留学生政策につきまして、先日、東京都内の日本語学校であります新東京語学院を実質的に経営する方が、経営する人が、実態のないペーパーカンパニー十数社などを就労先や就学先とした虚偽の証明書などを次々に作成し、八年間に計約八千人の中国人を不法入国させていたということが警察当局の調べで分かったわけでございます。たしか十年ぐらい前だったと思うんですけれども、同じように就学というものを隠れみのにして不法就労が問題となったことがありまして、かなり対応を急いだことがあったと思うわけなんですけれども、なぜ再びこうした事態が起きたのか、大臣は今、今回の事件をどう受け止めていらっしゃるのか、まず最初に御認識をお伺いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) 今、留学生が十万人計画を達成して、これから更に質を高めたい、こういうことを考えておるわけでございますが、一方では、山本委員御指摘のように、留学ということを隠れみのにして問題を起こす人たちも増えてきた。これには何か問題点はどこにあるのかということもあったわけでございますが、今回こういうことでそういうことが現実にあるということ、事実が明らかになったということは、そういう意味では私はやっぱりそういうことがあったのかと、やっぱりこれは徹底的に捜査をしてきちっと対応してもらわなきゃ困るなと、こう思っておりまして、学校現場もこういうことで非常に、現実にそういう手引きをする人があっせんをすることを知らずに学生を受け入れて大変な思いをされる学校もありまして、逆に入国管理局側が審査をむちゃくちゃ厳しくして、せっかく留学希望が出てきたその地域はもう全部駄目だというようなケースも出てきたりして、我々も非常に私学振興の面からいっても困った現実を訴えられておりました。 そういう意味で、私どもとしては、留学生政策の一環として日本語教育機関が質的に向上していただくということは大事なことでございますから、まず、いまだ、警察は今、正に捜査をやっているところでございましょうが、この点は厳正にきちっとやっていただく、このことを我々望んでおりまして、そして文部科学省としては、更に日本語教育を進める上でそのように向学心に燃えた留学生をしっかり受け入れる、こういうふうに進めてまいりたいと、こう思っております。
○山本香苗君 今回、今警察がいろいろ捜査しているということなわけなんです。 〔委員長退席、理事亀井郁夫君着席〕 でも、警察が今回調べて分かったわけなんですけれども、こうしたことは事前に文部科学省の方で何らかの形で把握するすべというのはなかったんでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 日本語学校につきましては、日本語教育振興協会、これがいろんなことをやっておるわけでございますけれども、その一環として日本語学校の審査、認定を行っており、さらには三年ごとにその認定の更新を行うと、こうなっておりまして、その際、学生の在籍状況の確認なども行っておるわけでございます。 ただ、今回報道されております新東京語学院、ここにつきましては、審査した際に他校と比べて著しく在籍状況が悪いと、こういう事実は見当たらなかったというふうに聞いておりまして、残念ながらこういう事態を事前に把握するには至らなかったということでございます。
○山本香苗君 日本語学校の実態、今おっしゃったように、日振協というところですか、そこがチェックすることになっていたわけですね。しかし、今回の事件でそのチェックというものがきちっと機能していなかったようなおそれもあるというか、ずさんだったんじゃないかというふうに報道では書かれているわけなんです。 そもそもこの協会というのは、文部科学省だけじゃなくて文科省と法務省と外務省、この三省の共管だというふうにお伺いしました。そこで設立認可を受けて指導と援助を受けている財団法人だと。つまり、この三省が共管だというわけなんですけれども、どの省がじゃ一体どういう指導をしてどういう援助をするのか、この責任範囲は明確になっているんでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) この御指摘の日本語教育振興協会、これ三省の共管の公益法人ということでございまして、昭和六十年代に日本語学校が急増して劣悪な教育条件など様々な問題が発生したということを踏まえまして、日本語学校の関係者により設立されたということでございます。 〔理事亀井郁夫君退席、委員長着席〕 その業務の一つに、先ほど申しました日本語学校の設立に審査、認定を行っております。この審査、認定を行うに際しては、法務省におきまして、協会の認定結果を参考として就学、留学の在留資格を与えることができるという日本語教育機関の告示を法務省が行っている。すなわち、その入国という、管理という点に絡んだことにつきましては法務省の言わば所管といいますか、そういう形になっておるということでございまして、文部科学省におきましては、この日本語学校の質的向上や学生への支援を図るために、この協会に対しまして教職員等へのセミナーの開催、日本語教材の開発、研究開発等のための補助を行うと、こういったような教育的観点からの指導、助言、これを行っているということでございます。さらに、外務省ということでございますけれども、これは外国との文化交流と、こういう観点からの指導、助言を行うと、こういうことでございまして、簡単に言いますと、日本語教育振興協会に対して法務省は出入国管理の観点、文部科学省は教育的観点、外務省は文化交流の観点、そういう観点からそれぞれ指導、助言を行うと、こういう仕切りになっておるということでございます。
○山本香苗君 となりますと、今回のが、この新東京語学院というところ、実態として日本語教育をきちっと行っていなかったこともあるわけですよね。本来、そうすると文科省の方がきちっと指導、助言をしなくちゃいけなかったということでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 教育がきちんと行われていないということであれば、そういうこと、間接的になるかもしれませんけれども、そういうことになると思います。
○山本香苗君 今回、もう早々と入管の方では、この学校だけでなくてほかの三つぐらい、あと、日本語学校の方に入ってくる中国人の方々の一律入国拒否、拒否というか不許可という形を、百五十人という形で昨日の夕刊とかいろんなニュースに出ていたわけでございますけれども、文部科学省としては、じゃ今回の事件を受けまして何らかの対応を具体的にお取りになるおつもりなんでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 私ども、こういった就学生、留学生による不法滞在、不法就労等の防止ということにつきましては、法務省、警察庁など関係機関と連携を図りながら政府全体として対応すべき問題と、こう認識しておりまして、そういう機関と密接に連絡を取り、情報交換に努めるということでございます。 実は、今日この二時から、警察庁、法務省、外務省、厚生労働省、国土交通省の担当課長を私どもの留学生課長の方が主宰をして集めまして、第一回の連絡会議を開きまして、情報交換、これからの対策ということを話し合おうということにもしております。
○山本香苗君 今日なさるという話ですけれども、しっかりやっていただきたいわけなんですが、その中でも、今、先ほど御答弁の中に、三年ごとにこういった認定している日本語学校を見直すという話を先ほどされたと思うわけなんですが、こういう日本語学校、こういう形になった場合、認定の取消しってあるわけですか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) ございます。
○山本香苗君 そうした実態きちっと把握した上でのきちんとした対応というものを早急に取っていただければと思います。 こうした事件が続くというのは本当にもうすごく残念だと思うわけなんです。といいますのも、私もすごく、自分が留学した経験があって、留学というのは非常にいいことだっていう思いがあるものですから、留学生政策というものに対して非常に思い入れがあって今までも推進をしてきたわけでございますけれども、近年、いろんな形で留学生というものが日本にたくさん来るようになってきた。それに伴って、大臣も初めにおっしゃられましたけれども、質の低下という部分が懸念されるようになってきているわけなんですけれども、質が低下してきているこの原因については、文部科学省としてはどういう原因があるとお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 留学生の数、昨年十万人を突破して約十一万人になったということでございます。これも過去五年間で五万人から十一万人ということですから、倍増以上しておるという大幅な増加があったわけでございます。 そういうことから、いろいろ質の低下、いろんな原因があると思いますけれども、私ども、一つには、やはり各大学等における入学者選抜、教育研究指導、在籍管理と、こういった面におきましてこういう留学生の増加に対応したその受入れ体制がまだ十分なかったということが一つあるのではないかと。それからもう一つは、やはり海外の教育機関、留学あっせん機関等に関する情報収集、これも不十分であったのではないかということ等々考えておるわけでございます。
○山本香苗君 そうした質の低下の原因、まだいろいろほかにも私は要因があるんじゃないかと思うわけなんです。もっと日本の大学はやっぱり魅力的にならなくちゃいけない部分もあると思うんですね。そうした部分もあるとは思うんですが、今、こうした質の低下という、十万人、まあ数を追って十万人達成したところでありますけれども、質の向上を図っていく、そのためには具体的な手だてというものが必要だと思うわけですけれども、具体的にどういった質の向上施策を取ろうとお考えになっていらっしゃるのか、またいつその具体的な手を打たれるのか、この二点につきまして御説明をお願いいたします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) この質の問題、これからのやはり一番大きな課題だと、こう思っておるわけでございまして、留学生等の質の確保、そしてまた受入れ機関の質的な充実と、こういうことを図るということが必要だろうと、こう思っておるわけでございます。 そこで、一つには、成績が良くないような留学生、これは、成績が良くないということはきちんと勉学していないということになろうかと思いますけれども、そういう人たち、人への奨学金の打切りということなど、国費外国人留学生制度の見直しを図ることが一つございます。 それからもう一方で、やはり私費の外国人の留学生に対して支援をすると、これをやっぱり充実していく必要があるだろうと。私費の留学生、やはり生活に困っているという、万やむなくということもあろうと思いますので、そういうことでの支援制度の改善充実を図るということも一つだろうと思います。 それからもう一つは、海外における日本の留学説明会、これを海外できちんと開催をいたしまして、留学情報の提供、そしてまた相談をできると、そういう体制についても強化をしていく必要があるだろうと、こう考えておるわけでございます。 そして、大学、日本語教育機関等に対しましては、引き続きその留学生の受入れ関係機関と連携を図りながら、適切な入学者選抜、学生の在籍管理の強化ということについてやはり注意を喚起し、それを促していくということが大事だろうと思っておりますし、また、留学生等によります不法滞在、不法就労と、こういったような問題がございますけれども、先ほど申しましたように、政府全体としてこれは取り組むべき課題ということでございますので、それぞれの官庁と綿密な連絡を図りまして、先ほど申しました連絡会議ということもございます、そういった連携協力を図っていくということとしているわけでございます。
○山本香苗君 質の低下という問題について、受入れ体制等々不備があったという話も先ほどあったわけですけれども、受入れ体制といったときに、大学がやるわけですよね。大学側にきちんとした受入れ体制作りなさいねと、そういう形で促してこられたと思うわけなんですけれども、やっぱりそこの不備がずっと続いているわけでありますから、国としても積極的にそういった受入れ体制の整備に取り組んでいく、そういった姿勢を是非とも示していただきたいと思っております。 昨年十二月にこの留学生十万人受入れ計画も達成されましたし、中教審で新しい留学生政策の在り方についての答申というものが出されております。これを受けて、できるだけ早く我が国の新たな留学生政策というものを国内外にきちっと示すべきだと思うわけなんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のとおり、中央審議会に新たな留学生政策の展開について取りまとめをいただいたところでございますが、これまでの、留学生がこれだけ増えてきた、しかし現実に不法滞在も増えていって不法就労も表面化したと、こういうこと。これはやっぱり大学側の受入れ体制、留学生の質への懸念、これをまず踏まえていかなきゃいかぬということ。 それから、あわせて、これからは、国際貢献ということで留学生の受入れにどちらかというと重点を置いてきました。今度は日本から派遣をする留学の問題、これも併せて、この政策が十分でなかったんではないかと、こういう指摘がございましたので、これで両面、いわゆる日本人の海外留学の支援、それから受け入れる留学生の質の向上、これを確保するという観点から、大学側の受入れ体制の充実と留学生交流を進めると、こういう視点でこれから政策を具体的に取っていかなきゃならぬと、こう思っております。 まだまだ日本の、じゃこれで受入れが十分かといいますと、フランス辺りを見ますと、受入れも日本の在学者に占める比率が二・六に対してフランスは七・六出ておりますし、派遣も日本は一・五に対してフランスは二・六ということでございますから、まだまだこれから焦点をそういうところに絞りながら、この留学生受入れ、また派遣留学生、両面からもっとこれを強めていく必要がある、こういう思いでこれからの政策に取り組んでまいりたい、思い切った抜本的な対策を取り組んでまいりたい、このように考えております。
○山本香苗君 ありがとうございます。 抜本的な、本当に日本として、日本の留学生政策としてきちっと出していただくという中で、一つ、今までは受入れという形の方に重点が置かれてきたと。これからは、日本から外に出る、海外に出る日本人学生に対する支援という視点が盛り込まれたところが一つの抜本的なところかなと思うわけなんですけれども、以前から海外へ留学する日本人学生に対して奨学金をどうにか貸与していただきたいということをずっと言ってきたわけでございまして、今年というか来年度、平成十六年度の予算から、枠はわずかではございますけれども今回新たな制度を創設していただきまして、本当に感謝しているところなんですけれども、この制度、一体どういう形に今回制度設計になっているのか、概要について教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、新しく有利子の奨学金貸与制度、ここに海外へ留学する人ということで平成十六年度から実施をするということにしたわけでございます。 概要といたしましては、国内の高校、大学を卒業した後に学位の取得を目的に外国の大学、大学院に進学を希望をする人と、そして、今、日本の現にいる高校、大学の学校長あるいは大学長の推薦を受けた人と、そういう人を貸与の対象とするということでございます。貸与の予定人員は予算上千人と、こういうことにしてございます。 また、貸与月額でございますけれども、日本の大学に進学するのと同じように、現行の有利子奨学金と同様にしてございまして、具体的に言えば、学部レベルで言いますと三万円から十万円の選択制、大学院レベルで言いますと五万円から十三万円の選択制と、こういうことになっておるわけでございますし、また、日本人学生に対して入学一時金三十万という有利子貸与も始まったわけでございますけれども、これも併用も可能というふうにしたいと、こう考えております。
○山本香苗君 この制度はいつからスタートする予定になっているんでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 十六年度でございますから、この四月からということでございます。
○山本香苗君 ということは、もう既に募集掛けたりとか締切りとか、そういうものは行われたということですか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) そういうことでございまして、平成十六年度、新制度、それで予算できっちりどうなるかということがありましたので、それの見極めを付けてからこの周知や募集をやっておるわけでございまして、制度の周知につきましては、日本育英会で昨年の十二月に各都道府県の教育委員会の高校担当課長を集めた会議でこの説明をし、さらに一月下旬には、各大学の奨学事務担当者を集めた説明会で制度の趣旨や仕組み、貸与条件等の周知を行いました。このほか、日本育英会のホームページ、ここでも制度の概要、申込み方法等を掲載をしてございます。 そして、具体的な申請受付でございますけれども、学生本人に対し早期に予約採用の内定を通知できるようということで、予算の成立と関係省令等の整備を前提でございますけれども、本年の二月中旬に全国の高校長に、高校の校長さんに対しては各育英会の支部を通じ、そして大学の学長さんに対しては日本育英会から直接通知をして、募集を行って、三月上旬までに推薦していただくようにと、こういうことで依頼をしてございます。
○山本香苗君 この制度を作っていただいて非常に有り難いと思っているわけなんですけれども、いまだに、いろいろこの制度について、どうやったらできるんですかという声がいまだに寄せられるわけなんです。今、いろいろこう周知徹底したと、広報したというわけなんですけれども、実際、学生さんが知らなかったら使われないわけですよね。 この枠はもう千人、予約で埋まってしまっている状況なんでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) まだ途中集計でございますけれども、大学進学希望者が二百五十人、大学院の進学希望者が四十人ということで、全体で約三百人弱からの申請という状況でございます。
○山本香苗君 じゃ、まだ枠が埋まっていないという状況であるということであるのであれば、これからもしっかりと育英会の方なり、また大学の窓口なりできちんと受け付けていただけるようになる、していただけるということでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 新しい制度で、しかも予算ということもございますので、短期間で周知をさせていただいたわけでございます。一応三月上旬まで受付ということでございますけれども、こういう初年度の事情ということでございますので、何らかの事情により申請できなかった学生につきましては、現在でも問い合わせがあった人につきましては個別に申請を受け付けておりますが、やはり引き続き三月まで、三月末まで学校で、まだ在籍期間中、三月末までの在籍期間中に学校で学生からの申請を受け付けるということにつきまして改めて各大学等に早急に通知をして周知を図りたいと、こう考えております。
○山本香苗君 本当に、今回新たに作っていただきまして、これから日本から、今七万人ぐらい日本から海外に年間行っているという状況で、ヨーロッパが中心なわけですけれども、こういう形で奨学金出してもらったので、ヨーロッパだけじゃなくていろんな地域に、アジアの方にも行く学生さんたちって増えていくと思うんですね。 そういう形で、どんどん外に出ていって、学んで帰ってきて、更に人間力アップした日本人というイメージというか、そういう将来像みたいなものを、そういうものを作っていくためには更にこれを拡充していくべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 私も全くそう思います。 今、有利子の関係は新規に千人で十二億円の予算でございますね。あとは給費によって、渡し切りのやつがございます。これは修士、博士レベルが多いんですけれども、これも学位取得は百人、二億四千二百万。それから短期留学は、これは六百三十五人おりますが、これが二十六億、ちょっとこれは減額されておるような感じでございます。それから、先導的留学生交流プログラムというのがあって、これも修士、博士課程で一億余りということで六十人。このような政策を持ちますが、これをもっと飛躍的に伸ばす方法をこれから考える必要があると思います。 特に、山本委員御指摘のように、やっぱりアジアにもう少し行くということ、これを奨励する方法はないのかな、こういう奨学金の中でもそういうことを考えながら少し誘導策を取るということも必要じゃないかと。そして、やっぱり人間力をしっかりアップして、世界を見て、そういう視野を持った学生が日本に帰ってきて、またあるいは世界的に活躍する、そういう人材をつくることが非常に大事だと、こう思っておりまして、この面を更に充実するために努力してみたい、このように思います。
○山本香苗君 是非、大臣、期待しておりますので、そういった具体的な手をばんばん打っていただければと思うわけでございますが、次に、留学生政策から移りまして、若年雇用関連の御質問をさせていただきたいと思います。 今、若年雇用、今年度、平成十六年度は若者自立・挑戦プランということで非常に大きな予算が付いているわけでございますけれども、その中でも非常に懸念されているのは、フリーターがどんどん増えている。フリーターが増えている。このフリーターというものについての見方、大臣はどういう見方をされていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 最近、新しい言葉でフリーターというのが出まして、これが二百万余り、さらに派遣社員とかそういうものも含めると四百万を超えているというような指摘がございまして、やっぱりこれは非常に心配な点がございます。 特に、このフリーター現象の中には、もちろん景気が厳しいということがあって正規の職に就けないという人たちもおりますし、と同時に、やっぱり額に汗をして働くことの大切さとか、そうした勤労観とか職業観、これが薄れておるということがあります。その根底には、やっぱりある意味では家庭が豊かになってきて、例えば高校出ても親掛かりであったりなんかして何とか食べていけるという状況がある、こういうものも背景にあるとは思いますけれども、やはりこれはきちっと対応していただきませんと、だって現実に、一般の正規の人たちよりも月に得る収入なんというのは非常に低いものですね、二分の一か、一以下ですから。そうすると、その人たち、若い人たちは将来の設計、生活設計を持たないで、あるいは結婚の問題等々になってくれば、これは少子化、このまま行くともうちゃんとした結婚できないというような現象も起きてくるんではないかというような社会的な大きな現象に、日本の正に負の現象が起きているというふうに考えておりまして、この対応はやっぱり教育の面からもしなきゃいかぬと思っております。 特に雇用という面から見ても、フリーターをやっている間には、職業についての知識、専門的な知識、また手にきちっと職を付かない、こういうことの蓄積ができないということもございますので、これにどう対応するのかということ、そういうことを含めて若者自立・挑戦プランということで、いわゆるキャリア教育といいますか、そういうことも考えながら、小学低学年時代、子供たちの発達段階に応じて勤労教育といいますか、いわゆる職業観、そういうものを自然に身に付くようなキャリア教育をちゃんとやらなきゃいけないということ。それから、この受入れについては、これは関係省庁、厚生労働省ともしっかり協議をして、この子供たちの若者自立・挑戦、これを一緒に進める政策も取っていかなきゃならぬではないかと、こう思っておりまして、これは一つの大きなこれからの課題になってまいりました。文部科学省としても、これを教育面からきちっと対応していくということが必要になってまいりました。 当面、まずは景気の早く立ち直りと雇用増進で早く正規の職業に就けるように国を挙げての今景気対策もやっておるわけでございますが、そういうものが期待を持ちながら、しかし同時に、今申し上げたような要因を早く職業に向かってきちっと、子供たち、生徒、学生、子供たち、ちゃんと対応できる仕組みを教育の中で植え付ける、こういうことが非常に大事になってきておりまして、これを進めなきゃいかぬと、こう思っておるわけであります。
○山本香苗君 この若年雇用における文部科学省の役割というのは非常に大きいと思うんです。というのが、フリーターになる、フリーターの方、フリーターの約四割が高卒という形になっている、かつ、最近は新卒のフリーターの方が増えている、そういう状況であるわけですので、その教育段階において、外に、社会に出る前の教育段階においてしっかりとしたまず就業観、そうしたものを養わなくちゃいけない、キャリア教育を推進していくんだと、そういうことをおっしゃっていらっしゃるんだと思うわけなんですけれども。 この一月二十八日にも、キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議で報告書を出されていらっしゃいます。その中で、キャリア教育の中核、中核を成すものとして進路指導ということを位置付けていらっしゃるわけなんですけれども、じゃ一体この進路指導というものは現在どういう形でなされているのか、その実態につきまして、体制につきまして教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 高等学校におけます進路指導の実態でございますが、進路指導主事が中心となりまして、学級担任と協力をしながら、生徒一人一人が望ましい職業観ですとか勤労観を身に付け、自ら進路を選択、決定できるように、入学時から、第一学年から教育活動の様々な機会をとらまえて生徒からの相談に応じたり指導を行うこととしているところでございます。 しかしながら、これまでの進路指導の実態といたしまして、ややもいたしますと、志望先の選択、決定等に係る言わば出口指導に終始しがちになったり、あるいは生徒の進路や生き方に関する意識の変容でありますとか、進路を選択、決定する能力、態度の育成に必ずしも十分結び付いていなかったんではないかと、こういう反省点もあるわけでございます。 いずれにいたしましても、文部科学省では、この協力者会議の報告書も参考にしながら、生徒一人一人の勤労観、職業観を育てるために、学校教育活動全体を通じて組織的、系統的な経済教育の一層の促進に努めてまいりたいと考えております。
○山本香苗君 進路指導主事の先生というのは学校に一人なわけですよね。 二〇〇二年秋になされた調査で高校の進路指導に関する調査というのがあったんですけれども、この調査においては、進路指導を行っている先生方の約九割が困難、進路指導というのは大変困難だと、そういった感じていらっしゃるという調査結果があったわけなんです。その中でも一番難しいなと思われる点というのがいろいろありまして、その中でも一番難しいのは、高校生自身の意識というものが難しい、先生がとらまえるのが非常に難しいということだと思うんです。とりわけ生徒の意欲の低下を嘆く声が多かったと、そういうふうに言っている調査結果があったわけなんですけれども、やはり学校に一人、かつ意欲があって経験豊かで、もういろんな研修、そういった進路指導主事の先生方は研修受けますよね。その指導を受けたとしても、若者一人一人の多様な価値観に応じて適切なアドバイスができるかどうか、限界があると思うわけなんですよね。幾ら一生懸命やっている方でも限界がある。 そうした場合に、進路指導においてもっと積極的に厚生労働省さんとかと連携を取りながら、今ハローワークの方と連携を取りながら、そうした進路指導をもうちょっと充実する形で、社会に出る前にきちんとした情報提供だとか、例えばフリーターに対するリスクに関しての情報提供だとか、そういうものをできる体制を取るべきじゃないかと、早急に取るべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 山本委員御指摘のとおり、これは早急にそういう課題に取り組んでいかなきゃいかぬと思っております。 先ほども申し上げました若者自立・挑戦プランも、これ一文部科学省だけじゃなくて、厚生労働省、経済産業省、それから内閣府、これに文部科学省、関係四府省が一緒になって連携して今取り組んでおるわけでございます。 厚生労働省との連携、特にハローワークとの連携、特に進路指導の先生は絶えずそことの連携をしっかり持つということが大事だと思います。いろいろ相談を受けたものがそっちへすっと入っていけるようにということで、また厚生労働省側も、高校生の就職を支援するというんで、ハローワークに若年者用の就職支援相談員というんですか、ジョブサポーターと言うそうでありますが、これを配置して、場合によっては高等学校へ出ていって話をする、あるいは就職していない人たちを全部ハローワークの方へ登録をさせるとか、こういうことでやっておるようでございます。 文部科学省も、各都道府県教育委員会に、高卒でまだ就職の未定者ですね、この方々に対しては就職準備講習とか就職面接機会を積極的に持つようにということも通達をしておりますし、特に都道府県労働局とかあるいはハローワーク、これとの連携をしっかり持った形で就職支援をしていくということが大事だと、こう思っておりまして、それを求めておるわけでございます。 また、進路指導の先生方、非常に苦労されているということ、研修なんかも受けておられるでしょうが、アメリカのようにキャリアカウンセラーというんですか、本格的なそういう研究をして一つの資格を持った方というのは、日本には制度がございません。こういうことも私は考えていく必要があろうと、こう思っております。そういう人材を養成するということも必要だと思いますが、既にそういう専門的に、企業におられた方々を学校においては一時的にお願いをしてキャリアアドバイザーとして雇って、そしてそういう方々に一緒になって面談を受けていただくというようなこともやっておるようでございます。 いずれにしても、厚生労働省とかとの連携が非常に必要でございますし、各学校もそうした人材を活用してこの問題に対応していくということが今喫緊の課題になっておるようでございますので、そういう意味を含めて進路指導が徹底するように文部科学省ももっと努力をしなきゃいかぬと、こう思っております。
○山本香苗君 是非とも、国の方では省庁間ではそういう連携を取っていたとしても、現場で連携取っていなかったらどうしようもないわけでありまして、現場できちんと連携取れる体制を是非とも取っていただきたいわけなんです。 やっぱり進路指導を含めましてキャリア教育というものを行っていくには、もう教師とか学校だけの力じゃ限界があるわけなんですね。ですから、民間だとか自治体、市民団体、地域、家庭、いろんな活力を大規模に導入しながら相互に連携を図っていくことが非常に重要じゃないかと思うわけなんです。 そういう中で、兵庫県とか富山では中学校、早い段階ですね、そういう段階で、キャリア教育のいい例として、学期中の五日間、地域の中で社会参加、職場体験を行う事業、トライやる・ウイークと兵庫県では言っているわけですけれども、こういうのをやっているわけです。不登校の減少にも役立っているとお伺いしております。これ、県がやっていると、そういう、だけじゃなくて、いい例ですから、是非とも国として全国的にやっていけるような形を取ったらいかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の兵庫県のトライやる・ウイークというのは非常に効果的だということで、これをまたやる県も少しずつ増えてきておりますが、こういうことをもっと奨励しようということで、全国各地で一斉にやっていただくということで、この十六年度の予算で、全国四十七地域で地域ぐるみで職業体験をやっていただこう、そういうことでキャリア教育推進地域指定事業という名前で、そしてその実施をして、それぞれの県が取り組まれて、その地域で取り組んでいただいたことをそれを更に広めていこうという形をもって、そして児童生徒がやっぱり働くこと、職業観、そういうものが身に付いて、やっぱり働いてみると、汗を流して働いてみるとこんな楽しいことでこんな意義のあることかということが分かってくると、やっぱりいい仕事に就こうという努力も生まれてくるんではないかと、こう思っておりますので、そうした組織的で系統的なキャリア教育といいますか、この一環として正にそうした体験をさせる、こういうことをこれからも更に取り組むということで全国的にこれを広めてまいりたい、御指摘のとおりやってまいりたいと、こういうふうに思います。
○山本香苗君 どうもありがとうございました。
○委員長(北岡秀二君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(北岡秀二君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西岡武夫君 私は、文部科学大臣の所信を拝聴いたしまして、これに基づきまして文部科学省としての基本的な考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。 初めに、大臣の所信でもございましたけれども、この知育、徳育、体育のほかに食育も重視しつつということが所信の中で述べられてありますが、この食育というのはどなたの発想で、どなたの造語なんでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 造語と申しますか、この食育というのは、私が正式な公的に近い文書で見ましたのは、九月二十二日、昨年九月二十二日に総理から指名を受けまして、組閣本部に参りました。その指示書の最初のところに、これまでの知育、徳育、知徳体育に加え、食育を重視した教育改革、特に食育を重視した人間力向上の教育改革に努められたしというのが第一項にございました。私は大臣として最初に記者会見でそのことを発表いたしました。これが公的になった第一だと思います。したがって、それ、だれがされたか、総理からいただいた指示書に公的にあったと、こういうことであります。
○西岡武夫君 私は、文部科学省は日本の国語についてまず責任を持っている役所であると、こう思っています。したがって、最近の日本語の乱れといいましょうか、そうしたことを考えたときに、この食育という言葉が果たして適切な言葉なのか。これが言葉として、少なくとも、総理がおっしゃったのかお考えになったのか知りませんけれども、文部科学大臣の所信の表明の中で正式に文字として出てきて、これから知徳体というふうに、大体、書を多分大臣が頼まれたりされるとお書きになることも多いんだと思いますけれども、その場合に大臣は知徳体食とお書きになるんですか。
○国務大臣(河村建夫君) 今回、食育も重視してと、こういうことになってきたわけでございますが、これまでの伝統的な知育、徳育、体育のバランスの取れたという表現は、これまでも、これからもそういう形で基本的には持ってまいりたいと思っておりまして、全く同列にという考え方ではございませんが、今回、人間力向上という観点に立てば、食育という非常に幅の広い考え方がございますので、教育の一環として重視していくと、こういう姿勢でまいりたいと、こう思っております。 なお、改めてこの食育という言葉が一方で出ましたのは、あのBSE問題に端を発して、日本の食の安全というところから、これは教育的にも非常に重要な観点であるという声がそういうサイドからも強く出ました。それから、民間の方からも、食べることの重要性については、それは民間の学者とか、あるいは食に関する専門学校とか、そういうところでは食育という使われ方をしていることは、その後こういう言葉を使いましたら、いろんな方から実はうちはもうこういうことは先にやっているんだというようなことで随分言われてきたことも事実でございます。
○西岡武夫君 私がなぜこういうことを申し上げているかといいますと、やはり文部科学省としては、日本語を大事にしていくという観点からいいましても、所管の役所として、仮に総理大臣がそういうことを指示されたとしても、そういう言葉は必ずしも適切ではないということを忠告するというようなことも文部科学大臣としての役目ではないかと、こう私は考えます。 そうしませんと、先ほど来、有馬委員からも、いろいろ学校の名前とか片仮名が多いとか、いろんなお話があっておりましたけれども、そういう中で、急に食育って何だかよく訳の分からないことが出てきて、私は、こうしたことは体育という中に今大臣が言われたようなことは含まれて今日まで知徳体というふうに言われてきたんだと、私はそう思っているんです。その点についてはいかがですか。
○国務大臣(河村建夫君) これまでの伝統的な考え方からいきますと、確かに学校給食は体育局、スポーツ・青年局、その所管に入っておりますから、そういう考え方に伝統的にのっとればそういうことになるであろう、私もそう思います。しかし、今回、やっぱり人間が生きる力を発揮するとか、健康の大事さとか、そういうことを考えたときに、やっぱり食べることの重要性というのは少し教育の中で力を入れていくべき課題ではないかと、こう思っておりまして、食育も重視したと、こうなっております。 食育という言葉は、私も、食育といいますと、学校給食を中心としたしつけ等、いろんなことがありますから、もうすぐ私はそのように取ったわけでございますが、広く皆さんお考えになったときに、西岡先生御指摘のような御指摘はあるということもこれは私の方も受け止めさせてはいただきますが、やっぱりその食べることの重要性を教育の中でもっと強めていこうという観点から、それから食べるということから発する、いわゆるそこまでに、食事を取るまでのいろんな過程、そういうことを学ぶとか、いろんな学びがあるものでありますから、これをこれから重視して広めるということは教育的観点からしても私は大切であると、こう受け止めて、この言葉を素直に受け取ったわけでございます。
○西岡武夫君 この問題は私の、私の考えとして大臣に申し上げさせていただいたわけでありまして、多分小泉政権が終わればこの言葉は消えていくんだろうなと私は実は思っております。 ところで、今度の国会を通じまして一番文部科学省として重要な課題は、一体義務教育国庫負担制度というものがどうなるのかということが私は当面の最大の課題であろうと思います。もちろん、私が反対いたしました国立大学の独立行政法人化という問題についても、その後どういうふうになるのかと。午前中の有馬委員の御質問の中にもありましたように、現在の小泉政権の下での予算編成の方針からいたしますと、義務教育のみならず高等教育についても一般の予算と同じように削減の方向に向かう可能性は大であると、こう考えます。 そう考えますと、独立行政法人化になった場合に、その運営費についてどこまでこれが確保できるのかということは、有馬委員はさらっとお触れになっただけですけれども、これは深刻な問題として今後ございますので、引き続いてこれについても質問をしてまいりたいと、この国会を通じて、思っておりますけれども、今日特に中心的に大臣のお考えをお聞きしたいのは、この義務教育国庫負担制度というものが持っている意味、そして今回、非常に私、ちょっと言葉が適切でないかもしれませんが、文部科学省としては苦し紛れに総額裁量制というような言葉を、これもまた言葉としてどこから持ってこられたか知りませんけれども、こういうことで何とか切り抜けようとされているようですけれども、しかし小泉政権の今の向かっている方向は、どうもこの義務教育国庫負担制度そのものをなくしてしまうという方向のような気がしてなりません。 現に、ここでは大臣も、私、大臣にいろいろこうして御質問申し上げているわけですけれども、私は文部科学省の応援団のつもりで実は質問しているわけで、非常につらいんですね。大臣を責め立てるような質問になるのは非常につらいんですけれども、実際は所管の責任者ですから、総理が間違ったことを言ったときには、やはりそれは間違いだということをはっきりおっしゃるべきだと思うんです。 そういう点からしますと、今度の予算でも、一体、義務教育費国庫負担制度の中における根幹は守るというふうにおっしゃっているけれども、じゃ退職金というのはその給与の制度の中で全然付け足しのような制度だということになりますよね、あるいは児童手当というのは付け足しだと。根幹は守るけれどもこれはいいんだということで今度予算編成をされているわけですね。これについては大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(河村建夫君) この問題をどう考えていくかということでございます。 これまでもいろんな手当があったものを枝葉を切り落とすように落ちてきた、これは事実でございます。その中で様々なこれまでも議論をいただいて、このまま行ったらそのままずっと行くんではないかというお話がございました。私は、これは、根幹を守るというのは、この制度が持つ意味をきちっと守るということでなければいけない。 本当言うと、本当言うと、どこからお金が出ようときちっと先生の待遇がきちっとされればいいんです、これは。文部科学省が出そうと、そっち側、政策とかそういうのを抜きにして考えたら、それは給与費ですから、もらう方はきちっともらえればいい、これはどっちから出ようとというふうに国民はひょっとしたら思っているかもしれない。 しかし、今の義務教育の水準を守り、そして立派な教諭を確保していく、そして全国あまねく高い水準の教育を維持していこう、教育の機会均等を守っていこうという憲法の精神からきて、そして国と地方の役割分担がある。この役割分担を担保するのは何なのかというこの一つの在り方、これは学習指導要領もその中の一つだと思いますが、その裏付けとして人材確保法もある、これまたいろいろ議論があるかと思いますが。こういう観点からきたときに、私はこの給与の根幹であります本体を守るということは、この義務教育国庫負担制度、これを残すということによってこれが担保されると、こう思っておりまして、だから退職金や児童手当はどっちでもええんだということじゃありません。これもきちっと数字は担保してもらえる、担保するんだという前提に立って今回法案を出させていただいたわけでございまして、今日、実は衆議院で今日成立をしたところでございます。 ただ、一方、内閣の方針といいますか、これまでの方針として、地方に自由度をいかに高めるかということ、それから地方の教育行政に対する努力、地方の取組、そういうものをやっぱりしっかり受け止めるようにと、これは総理から私に言われたわけで、私もこの問題については総理と話し合いました。そして、この義務教育費国庫負担制度の意味というもの、それから人確法の意味というもの、そういうものも申し上げたわけであります。 知事の方は、しかし、さはさりながら、文部科学省はそう言うかもしれないけれども、地方、知事会は、いやこれを一般財源化してもらったら、いやもっとうまくやりますと言っておるよと、この声をやっぱり文部科学省もきちっと受け止めた上でと、またそれを聞いた上でこの問題については更に議論をしようと、こういうことになっておりまして、実は今、知事会ともこの問題について、文部科学省としてはこう考えると。しかし、やっぱり地方の自由度を増す、今までのやり方が、国立学校の準拠法に基づいた非常に細部にわたった給与の決め方もあった、それではなかなか加配も思うままに任せないというような意見、やっぱりこの自由度をやっぱり増しましょうと、既に地方ではそういう取組を今から正にされんとしております。 そして、国立学校準拠法がなくなるということは、正に地方自治法に基づいて、正に県で条例をもって教諭の給与も決めていただく方法を取らざるを得ない、取っていただく、こういうことになってまいりましたから、そのための自由度を増すための総額裁量制ということで、全体の財源は国が給与費の本体について確保しますから、あとについてはこれは二分の一の制度、御案内のとおりでありますが、あとの問題については是非地方でいろんな取組をしていただく、これについて文部科学省としてはしっかり応援をいたしましょうと、そういう仕組みをこれから作っていこうというのが総額裁量制というものでありまして、地方の自由度もこれによって今までよりは増すということ。 しかし、心配な、地方が心配する財源、これまでの義務教育国庫負担制度、いったん戻されたのがまた戻ってきた経緯、そういうことを考えてみても、やっぱり教育費は人件費ですから、大部分が。非常に、人件費ですから、そういう面じゃかなり高額になっていく。この財源を手当てするというのは地方にとっても大きな課題になってまいりますから、やっぱりそういうことならば、一般の交付税よりも財源が確保できて、そして地方の教育に取り組む自由度が増すということであれば、それはそれとして考える必要がある、またそれは評価すべきだという声が今知事会の中にも起きて、ほうはいとして今起きております。その流れができておりますから、これを踏まえてこの問題に私はきちっとした堅持する方向というものを文部科学省として打ち出さにゃいかぬ。 これは、御案内のように、十八年度までに検討すると、ここまで言われておることでありますから、検討するというところまではこれは閣議で決めてきておりますから、これを私は一切、就任したときにそんなものは知らないというわけにいきませんから、これを受け止めながら文部科学省としての方針をここできちっと打ち出して、十八年度までの結論の中にこの義務教育国庫負担制度を堅持させていただくという方針を位置付けてまいりたいと。 これまでの、今回の法案についても、衆議院の委員会におきましても叱咤激励のいろいろ御指摘をいただきました。今日、今既にもう西岡先生からもいただきつつあるわけでございます。これまでもそうでございましたが、これをしっかり踏まえてやってまいりたい、このように考えておるわけであります。
○西岡武夫君 それではお尋ねしますが、義務教育国庫負担制度というのは、この二分の一を国が責任を持つということは、私の認識では最低水準、それが最低の水準であると、それ以上のことはそれぞれの地方自治体でいろいろと工夫をされて上積みされることは一向に構わないと、そういう制度だと私は認識しておりますが、どうでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) これは、各地方自治体が財源をもっておやりになるということであれば、これはそういう意味では最低といいますか、標準と言ったらいいでしょうか、そういうものであって、地方自治体がいろいろ取組の中で自分のところの財源をもって更にやりたいとおっしゃることについては、私はそれは結構なことだと、こう思っております。
○西岡武夫君 ですから私はおかしいと申し上げているんです。別に総額裁量制度なんということを殊更におっしゃらなくても、今まで最低は国が責任持ちましょうという制度だったわけですから。 そして、そもそもこの制度というのは、現在の法律そのものは昭和二十七年に国会で審議をされて成立をして、二十八年から正式にスタートしたわけですけれども、実は戦前、敗戦前ですね、戦争前でございますけれども、昭和十五年にこの制度は実は存在をしていたんです。これが、シャウプ勧告によって御承知の平衡交付金の制度が導入をされまして、それによって廃止されたわけです。これが昭和二十五年であります。それから、地方の責任で学校の先生の給与その他を全部賄うということになって、給与の遅配も起こったり、いろんなことが起こって混乱が起こった。これを何とかしなければいけないということで、いろいろと政府も相当の議論をされたようでございますけれども、当時の文部省は全額国庫補償をすべきであるという案を出したんです。それは御存じですか。
○国務大臣(河村建夫君) 当時の最初の案にはそうあったということは私も承知しております。
○西岡武夫君 大臣は、本来そうあるべきだとお考えじゃありませんか。
○国務大臣(河村建夫君) 本来、義務教育を国が責任を持つということであれば、それが本来の在り方だろうと思います。 ただ、教育は現場が実際に行っている。それで、国と地方の役割分担ということ、これを考えたときに二分の一というのは一つの私は考え方として許容範囲であろうと、こう思っておりますし、それは一つの知恵で、これによって地方の役割、国の役割というものがはっきりするといいますか、そういうふうに私は考えておるわけでございます。
○西岡武夫君 いや、私がお尋ねしているのは、理念としてそうあるべきではないだろうか。いかがですか。
○国務大臣(河村建夫君) その理念は前にも伺ったことはございますが、西岡先生おっしゃるように、義務教育はすべて国立でやるべきだと、こういうお考えにもなっていくものだろうと思います。 それは、私は一つの考え方としてそういうのはあると思います。恐らく、世界にはそういう形でやっている国もあると思います。日本は、今、地方分権という考え方も取り入れながら教育現場を重視するという考え方あって、教育については、義務教育段階については正に市町村立の形で実際に運営していただくという方針を取っておりますから、その過程において二分の一負担ということになったと思います。 私は、これは、やっぱり教育現場というのは正に住民に一番身近なそこにありますから、そこでやっていただく。しかし、全体の維持、水準を維持し、全体のそのための教員を確保するとかそういう基本的なインフラといいますか、そういうものを国がきちっと考えながら実際の運営を地方でやっていただくという現実がございます。また、これでこれまでやってきたわけでありますから、そういう意味で二分の一ずつ負担ということになっておるんだと、このように理解をしておるわけであります。
○西岡武夫君 私は、小泉政権の下で文部科学大臣をなさっておられるということは非常に大変な御苦労なことだなというふうに御同情申し上げているわけでございますけれども。 私があえてこの義務教育国庫負担法の、現在の法律の成立した経緯を振り返っておりますのは、当時、文部省は全額国庫補償の制度を創設したかった。ところが、役所全体、政府としてなかなかそれが、もちろん大蔵省は大変だったでしょうし、当時のですね、なかなか政府としてまとまらなかった。そこで、現在の義務教育国庫負担法というのは議員立法なんです、これは。まとまらなかったから議員立法だったと思うんです。 それを考えますと、当時の文部省は全額国庫補償の制度を、実はシャウプ勧告でも、これは当時の占領軍の政策ですから有無を言わさずやらせられたと。しかし、その後の大混乱が起こった。そういう状況の中で全国一律の教育水準を維持するためにはこれがいけないという議論が起こって、文部省としては全額国庫補償の制度を作りたかった、しかし役所としてはそれは全部まとめることができなかった、政府としては。そこで議員立法になって、これが現在に至っているわけです。 その経緯を考えると、私が、あえて国の責任で行って、具体的な文部行政の、現場の個々の行政についてはもちろんそれは地方自治体も多くの責任を負ってもらうと、しかし、その費用については国が補償すると。これは正しいやり方じゃないかと思うんです、当時の文部省の考え方は。いかがですか。
○国務大臣(河村建夫君) 当時、あの大混乱の後ですから、これはやっぱり国が全責任を持たなきゃいけないと、そういうふうに思われたんだと思います。また、その考え方は、私は、当時の考え方として間違っていると私も思いません。それができればいろいろあれこれ言われずに今も済んだかもしれないなと思います。 思いますが、しかし、あのときのシャウプ勧告の考え方、正に地方自治を大事にしろという、そういう視点もあった。それを受け入れられて、議員の皆さん方もいろいろ知恵をお出しになって、恐らくいろんな議論がされたんだと思いますが、そういう形をお取りになってそれが今定着してきたということを考えれば、今、しかし、この二分の一、これを、この制度を崩すということになると、また昔へ戻る。正にあのシャウプ勧告から様々な議論があった。 この前、先般、先週、昨日ですか、衆議院でもいろんな議論をいただいた中で、あの当時の毎日新聞や朝日新聞の社説も見せていただきました。そうすると、正に今同じ議論がまた始まったのかと思うような議論、今も通じるような議論がそこに行われていることを私は知りまして、これはなかなか、私が考えた以上に、これは極めて大きな、教育にとって重大な課題であるということを認識をいたしたようなわけでございます。
○西岡武夫君 そうしますと、大臣は、検討するということだから、大臣としても平成十八年度までに検討するということについては検討せざるを得ないけれども、義務教育費国庫負担のこの精神はきちっと守り、この制度は死守すると、そういうお考えですか。
○国務大臣(河村建夫君) この根幹を死守する、根幹を守っていく、この覚悟でこれからのあらゆる対応をいたしてまいりたいと、このように思っております。
○西岡武夫君 その根幹ですけれども、私ずっと拝見しておりますと、ここ数年の動きは、文部科学省、城が一つ落ち、また一つ落ちと、だんだん城が落とされていっている感じがするんですね。 そういう状況の中で、例えば、これは私自分で申し上げるのははばかられますけれども、学校教育の現場にやはり優れた人材を集まってもらわなきゃいけないということを考えて、人確法という法律を私は発案をし、皆さんの御努力でこれを成立させることができたんですけれども、これは事実上、今回のような小泉政権の下でのやり方では、国立大学はなくなりましたから、独立行政法人になりましたから、人確法という法律も、これは国立大学の国家公務員の給与をこうするんだということに基づいて、それに準じて地方の教職員の皆さん方の給与もと、そういう仕組みに作ったわけですね。たった四条の法律だったわけですけれども、今回、国家公務員の教職員が一人もいなくなった。そのことによって人確法というのが宙ぶらりんになってしまっているんですね。法律は残しましたよ。残しましたけれども、風前のともしびだと私は思うんですね。いかがですか。
○国務大臣(河村建夫君) 国立大学法人化に伴いまして、人確法、一部そこの部分は外して、しかし人確法が残っていることは事実でございます。 これはきちっとこれからもこの人確法を基にして、当然、地方においては県条例によって教員の給与をお決めになります。この人確法の精神を生かしていただいて決めていただく、これはもう遵守義務、遵守してもらわなきゃいけない課題だと、こう思っております。 ただ、御指摘のように経済財政諮問会議で、これはもう公開されていることでありますからごらんになれば分かるわけでありますが、経済財政諮問会議の議事録は公開されておりますが、財務大臣は、総額裁量制といえども人確法や標準法があればこれが的確にできるかどうか分からないと、人確法も外せと言わんばかりの発言をされていることも事実でありまして、そうした流れが一方ではあるということを我々は承知して取り組まなきゃいかぬと、こういうことだろうと思います。
○西岡武夫君 私が人確法を発案をいたしまして立法化する過程で、私の本来やりたかったことは、当時非常に困難でしたけれども、学校の先生の給与については人事院勧告の対象から外して独立の給与体系にしたかったわけです。ところが、それこそ、その当時の日教組の皆さん方を中心として、特に参議院での議論は非常に活発でございまして、学校の先生の給与を引き上げるというこの法律を当時の日教組の皆さん方は、当時ですよ、毒まんじゅうと言われたんですよ。その後、毒まんじゅうが別の形ではやった言葉になりましたけれども、当時作られた言葉であります。それぐらいの中で、何でこんなにたたかれなきゃいけないのかなと思いながら私は一生懸命やりました。ところが、全部の役所は反対なんです、これには、学校の先生の給与だけを特別視するわけですから。ですから、ほかの特別の給与体系を作りたいというところまでは、微力にしてそこまで至らなかったんです。 そうしますと、あの法律そのもの、人確法という法律そのものは人事院というものの存在を正に無視する法律なんですね。したがって、人事院はその後、人事院勧告のたびにずっと溝を埋めてきて、人確法は事実上ほとんどその法律の立法したときの趣旨からは現在は既にほど遠いところにあるんです、既に。一時、私の記憶では、人確法が、四年掛かったんでございますけれども、実現するまでに。人確法に基づいて給与の引上げを行いまして、四年目に大体、学校、小学校の校長先生の給与と、県の部長クラスの給与よりちょっと上ぐらいまで行ったんです。ところが、その後、人事院勧告のたびにどんどんどんどん相対的にその溝が埋められてしまって、人材確保法というのは余りその存在の意味をなさなくなっているんです。 それをどうしようかなと思っているやさきにこういう状況になってきた。大臣、どう御認識でしょう。
○国務大臣(河村建夫君) 人確法を法制化されるときに、大変、西岡先生を始め皆さん大変苦労されたこと、小説等でも聞いておりますが、毒まんじゅうでも毒をちゃんと抜けりゃ食べられないことはないということで応じたという話も聞いておりますが。 その精神、たしか私が聞いているだけでも、あの当時二五%ぐらい引上げがあったと聞いております。今、現実にはもう五%から四%台です、差は。ということは、もう理念法じゃないかということで、財務省側が言う、これがあるために高額が出ているという、それはうそだと。しかし、この理念法があって日本の教育水準は守られてきたんだということを今私も力説をしておるわけでございまして、そういうことからいいますと、やっぱりこの人確法があるということ、これはやっぱり外国から見ても大変なことでありまして、日本にこういう法律があるのかと。 日本の教育レベル、今日、それはいろいろ言われておりますけれども、日本の経済大国の道、これが人づくりにあったということ、この評価というのはやっぱりあるわけですね。これをやっぱり崩すということは、日本の正に伝統といいますか、正に教育文化、そういうものを崩していくことになる、私はこう思っておるわけでございまして、財務大臣の口から、元、個人名を挙げてはあれでありますが、今の財務大臣のお父さんは文部大臣をやられた方でありますから、分かっていて財務省の作文どおりお読みになったかどうか、それは知りません、本当にそう思って言われたのか、まだ確認しておりませんが。これは今から議論しなきゃいけないところでありますが、私は問題だと、こう受け止めておりまして、このこともきちっと、この理念を説きながら、この人確法とともに今の義務教育国庫負担制度というのがあって、人確法があって、そして優秀な教育、教員、人材が確保されているんだということは、これはきちっと論破していかなきゃいかぬ課題であると、このように思っています。
○西岡武夫君 今申し上げたような経緯でございますから、この義務教育国庫負担法という制度が平成十八年度までにどういう方向になるのかということによっては、正に日本の教育の基本が私は大きく揺らぐと思うんですね。 今、大臣正におっしゃったように、人確法を作るときに、これはなかなか皆さんを説得するのは大変だと、世界じゅうでこういう法律を作っている国はないだろうかと思って私はでき得る限り調べてみたんです。どこにもありませんでした。ですから、説得する材料はなくてあの法律作ったわけでございますけれども。 人確法という名前も、何でああいう妙ちくりんといいますか、人材確保という法律の名前にしたかといえば、義務教育諸学校等の人材確保に関する法律と、そうしませんと文教委員会にかけられないで内閣委員会に行ってしまうと、給与だから、そうするとこれはつぶされると、そういうことで実は人確法という法律の名前も実は決まったわけであります。 そういうような経緯を経ておりますから、私としても、これは小泉政権は、実はスタートの時点で、米百俵ということをおっしゃってかなり国民の皆さん方の心をつかんでスタートをされた。その後、前遠山大臣、副大臣であられたからよくお分かりと思いますけれども、百俵どころか供出させられていますと。現に供出しているでしょう。どうですか。
○国務大臣(河村建夫君) 退職手当を一般財源化するということをもって供出と言われればそういう意味になるかなと、私が思い当たるとすればそう思いますが。 私も、総理には、米百俵の精神というのは、確かに前段は我慢することにあった、しかし後半は人材育成だと、したがって、小泉改革の起承転結は教育改革ですよということは折に触れて言っているわけでありまして、その責任が私にあると、こう思っておるわけであります。
○西岡武夫君 私は文部科学省の応援団のつもりでございますから、これ以上大臣にいろいろ申し上げるのを、この問題については差し控えます。 ところで、この人確法の問題ともかかわるんですけれども、また義務教育国庫負担法とも深くかかわってまいりますけれども、今の学校の先生の資格ですね、教師の資格、これは現状でいいとお考えでしょうか。 と申しますのは、私は、国民の皆さん方、父兄のいわゆる学歴ですね、多くの方が大学を出ておられる。そういう状況の中における教育というのは大変だと思うんですね。そういうことを考えますと、教師としてのいわゆる力量というのは、その専門的な分野についての広い見識と蓄積されたもののほかに教育する力というのが必要だと、それを養っていく、育てていくためには父母と同じ学歴でいいのかなと。具体的には、修士の卒業が教師の資格であるべきなのではないだろうかと。そうしますと、かなり学部の段階で実習の時間が取れると。私は、副担任などの制度を設けて、これだけでも相当な、全く別の視点ですけれども、雇用になるなと実は計算していたんですけれども、これは昔の話です。 そういう学校の先生の資格という問題について、大臣はどうお考えでしょう。
○国務大臣(河村建夫君) 実は私も、今、西岡先生おっしゃったことと同じような思いを抱いております。まだ公式に、文部科学省内部で公式に話したことはまだないのでありますから、これは私のまだ個人的な気持ちでございますが、教員免許の在り方も、今ある面では十万人近い方が教員免許に挑戦をされている、そのことが日本の教育全体を上げているという面からいえばすばらしいことなんですが、その簡単に取れる教員免許です、今は。そして、文部科学省は、文部科学省はといいますか、各県が今採用しているんですけれども、そのときはまた改めて学力テストをやらなきゃいかぬという状況があります。私は、そういう面では教員免許を高度化するということはまず必要ではないかと思っておりますね。これをどういうふうに入れていくかという問題。 それに伴って、当然、先生今御指摘があったように、そうならば修士あるいは博士課程と、こういう問題が出てまいります。これは、これちょっと検討をしなきゃいけない課題になってきているなと、こう思っておりまして、前々からPTAの皆さんやいろんな懇談いたしますと、やっぱり二十二歳で社会経験も乏しい、その方々が教壇に立つ、先生と言われる、今度父兄と正に子供の教育について対等に話をしなきゃいけない、余りにも今の現状からいうと非常に寂しい思いがある、この形ですね。 この形は、やっぱり保護者の間からも、今ごろは何か、父兄と、こう言うと、これは父兄だけじゃなくて保護者、みんな女性も含めた、一緒に一体で言わなきゃいけないということになっておるそうで、今日はテレビがありませんが、全国で一回やりましたら、私のところへメールやら電話が殺到いたしましたので、今、先生も父兄とおっしゃいましたが、言い慣れた言葉でありますからつい我々も使っちゃうのでありますが、保護者、保護者、親という形で言わなきゃいけないそうでありますが。 そういう点で、私は、西岡先生の御指摘というのはこれからの、これからのというよりも真剣にやっぱり受け止めて、これを一つの課題として、どうあったらいいかということを考えなきゃいかぬと思いますね。昔の師範学校制度、今ももちろん教育大学とかいろいろあります。しかし、二十二歳、現役でいけば二十二歳でみんな免許を与えて、それで教壇に立っていっております。そのことを、そのものを、中にはそれはそれでちゃんとやるのもおるのかもしれませんが、現実、総じて国民の皆さんの気持ちはその辺にあります。 それから、父兄の方々も、保護者の方々も高学歴化の時代になってまいりました。ただ学歴だけで尊敬されるされないということはないでしょうけれども、しかし、やっぱりきちっと高い教育を受けてきて、信頼できると言われるだけのやっぱり教員としての体験を積んでいく、その中に私はこの余分、もし修士ということであれば二年プラスするわけで、この間にいろんな社会体験的なものを取り込まにゃいかぬと思いますね。そういうことで、私は、これは検討課題であると、こういうふうに考えております。
○西岡武夫君 いつまでに結論出されますか。
○国務大臣(河村建夫君) まず、私どもとしても内部でこの問題については私が提議をして、どういう課題があるのかということを詰めた上で、今文部科学省としては、こういう一つの教員資格に関する大きな課題でもございますので、中央教育審議会に諮問する課題であろうかなと、こう思っておりまして、今、実は中央教育審議会にいろんな課題を今諮問をいたしておるところでございますが、それも踏まえ、見極めながら、その方向付けといいますか、今私も、公式の場で西岡先生、今御提議ありましたから、それを公式の場で初めて受け止めた形になっておりますので、それをいつどういう形でやるかについてはもうちょっと私時間をいただけると有り難いと思っております。
○西岡武夫君 今、大臣から中央教育審議会というお話がございましたけれども、私は、中央教育審議会の委員の皆様方が大変歴代それぞれ熱心に御議論いただいているということは私もよく承知をしております。ただ、私自身は、まず文部科学省がこの問題はこう考えるんだと、それについてどうだろうか、どうであろうかという形で諮問されるのが本当の姿だと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(河村建夫君) 私もそういうのが本来の在り方だと思いますね。まあしかし、なかなか、これは私が言うと差し障りがあるかもしれませんが、官僚機構といいますか、その仕組みというのはそういう意味ではなかなかうまくできておりまして、今まで中央教育審議会の答申を見ていると、大体文部科学省が考えていたとおりに大体なっているんじゃないかと。全く、文部科学省が考えているのと全く反対の答申が出てきたというのは聞いたことがありませんから、やっぱり文部科学省の中で一応検討して、どういう課題があるということを踏まえて諮問はするので、まるで丸投げ、どういう意見になるか分からないというようなことじゃなくて、やっぱりこういう問題がある、こういう問題があるということを踏まえてやってきたと思います。 そういう意味で文部科学省、もちろん文部科学省が最終的な責任を持つわけでありますから、そういう課題で、先生御指摘のように、まず私を中心にして、今文部科学省には副大臣二名、大臣政務官二名、計五名の政治家もいるわけであります。我々もきちっと議論をいたしますし、また官僚の諸君とも十分議論をして方針を出して諮問すべきであろうと、このように思います。
○西岡武夫君 それでは、学校の先生の資格を修士課程、最低修士課程まで上げると、そういう改正を行うということを中教審にできるだけ早い機会に審議をしてもらう、これでよろしいですか。
○国務大臣(河村建夫君) これは文部科学省の内部で検討をいたしたいと私も思いますが、修士課程にするのか、どういう形にするのか、これを、総合的な形になると思いますが、今の時点で、どの時点でいつどういう課題でやるかについては私はまだ明確に申し上げられませんけれども、方向としてはそういう課題をこれから考えていくときに来ておるということで、この問題について取り上げてみたいと、こう思っておるわけであります。
○西岡武夫君 まだこの問題につきましてはいろいろと申し上げたいことございます。 中教審の問題については、今日、有馬委員からもいろいろな御指摘がたくさんあっておりましたけれども、私はたまたま、たまたまでございますけれども、坂田文部大臣の下で政務次官をやらせていただいたときに、森戸辰男先生が第三の教育改革と銘打って、中央教育審議会の会長森戸辰男ということで答申を出されたわけです。これがその全容でありますけれども、同じことをずっと議論しているんですね。幼保の問題もしかり、全部ここに書いてあるんです。ここ何十年間、私自身も含めて、何をやっていたんだなと、こう考えるんです。しかも、教育は今やってあした答えが出る問題ではありませんから、やるべきことはできるだけ早く着手しないといけない、その御決意で是非お願いをいたしたいと思います。 そこで、今、中教審で御審議になっておられるようですけれども、教育委員会制度というのを大臣は、大臣としてはどうお考えですか、現行の。
○国務大臣(河村建夫君) 今日、町村合併も進んでまいりまして、いわゆる地方自治体の体系も大きく変わりつつある中でございます。今、千人規模の村であろうと何十万の都市であろうと、みんな教育委員会があって、それぞれの役割を果たしておると思うわけでございますが、現実に形骸化しているというような、いろいろな御指摘もございます。それから、首長さんの中には、もう教育委員会要らないからおれに全部任せてくれと、こうおっしゃる方もいらっしゃる。知事さんの中に、おれを教育委員にしてくれとおっしゃる方も現れる、こういう現況下にございます。 しかし、教育の中立性をいかに担保するかという問題もございますし、また、首長と教育委員会の在り方がどうあったら適正なのかという問題も考えなきゃいけないときに来ておる、あるいは教育委員会がどこまで関与するのかという問題、あるいは文化、スポーツ、いろんな課題もございまして、そういうことを踏まえて、今のこの改革の時代に教育委員会もどう見直していったらいいかということを今諮問をさせていただいておるところでございまして、私自身としては、教育の中立性を担保する形としての教育委員会がやっぱり健全に機能することが望ましいと、こう思っております。 形骸化していると言われることはどういう点にあるのかと。それから、やっぱり教育はそれぞれ、今のこれだけの地方分権の時代において、その知事なり市長なり町長なり村長さんなりのやっぱりリーダーシップというものもやっぱり教育にも発揮されなきゃいかぬと、こういう課題もあるわけでございます。これは、やっぱり一方では、住民から選ばれ、選挙をして選ばれるという首長の政治的な立場もあるわけでございまして、そういう面でやっぱり教育の中立性ということもうたわれているわけでしょうから、そのバランスをどう取るかという課題もございますので、そういうことについて識者の皆さん方でどうお考えになるか。 私は、今の教育委員会制度の形骸化と言われる問題については、やっぱりこれは見直すべき課題だろうと思います。やっぱり教育委員に人を得なきゃならぬということもございますし、いろんな私は課題がそこにあると、こう思っておりますから、今日、諮問をしたわけでございまして、その答申を受けて、これからのこの時代に教育委員会はいかにあるべきかということを考えてその方向付けをしなきゃいかぬと、こう思っておるわけであります。
○西岡武夫君 私がこの問題を申し上げたのは、義務教育というのは地方分権の対象かどうか、私は疑問に思っているわけです。憲法の精神からいいましても、現行憲法の精神からいいましても、地方分権ということは非常ににしきの御旗で、非常に言葉としてはいいんですけれども、そのためにどこに教育の責任が存在するのか分からなくなっている。この点、どうお考えでしょう。
○国務大臣(河村建夫君) この憲法の精神からすれば、やっぱり義務教育は国の責任においてやるべき課題だと、私もそういう基本的な認識を持っております。しかし、現実に教育制度、教育制度を運営しているのは地方でございますから、それに実際の教育を今ゆだねておる部分がございます。 地方がやっぱりその地域に合わせて教育をやっていただくということでありますから、国は教育制度の枠組みを、これをきちっと設定をして、これを維持していく責任がありますし、学習指導要領等をもってこの基準といいますか、この基準を制定する、これをきちっと維持していただくということがありますし、また、義務教育国庫負担制度の下で地方公共団体に対しては正に財政支援をする、教育環境の整備を整える、その支援を国がきちっとしていくという仕組み、こういうことで地方の自治体に対しては正に指導、助言、援助を行うという立場がございます。 これによって教育の機会均等とそれから教育水準の維持ができると、こう考えておりまして、国はそういう責任を持っておるわけでありますが、しかし直接の実施部隊であります地方自治体、これがやっぱり、この役割分担がうまくいくということによって初めてこの教育の成果が上がると、こう思っておりますから、義務教育におけるそういう意味での国の役割ははっきり私はしておると、このように考えております。
○西岡武夫君 そうしますと、最終的な義務教育の、いろいろな、いろんなことが起こっておりますけれども、残念なことがいろいろ起こっておりますが、最終的な責任はだれが負うんですか。
○国務大臣(河村建夫君) 最終と言われれば、これは義務教育段階における最終責任は文部科学省であり、これは文部科学大臣のところに起因すると、こういうふうに思います。
○西岡武夫君 責任を負うということは、責任を果たせるという法律的仕組みというものがきちっとしていなければ責任は負えないと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(河村建夫君) これは、法的根拠、義務教育国庫負担制度にもその一端があるわけでございますし、広い意味では、広い意味といいますか、根幹的にはいわゆる教育費、義務教育費を無償とするというこの憲法、これをきちっと守っていかなきゃいかぬ、この責任があるわけですね。そういう意味で、法的根拠に基づいて義務教育について国が責任を負っていると、このように考えております。
○西岡武夫君 時間がわずかになりましたので、全く違うことを最後に、大臣のお考えだけで結構でございますから、お尋ねをいたします。 私は、かねがね、いろいろな分野で一生懸命働いた方、それに尽くされた方が、最終的にそれぞれの分野において努力した者がきちっと報われると、こういう社会を作っていかなきゃいけないと、こう考えています。これについては、大臣、いかがですか。
○国務大臣(河村建夫君) 私もそうあるべきであると、このように思っております。
○西岡武夫君 これは非常に個人としては発言しづらい事柄でございますけれども、陸上競技連盟の会長は今どなたがなっておられますか。
○国務大臣(河村建夫君) 河野洋平先生であると承知しております。
○西岡武夫君 私は、高橋尚子選手が選ばれたとか選ばれないとかということは全く、その問題に関して申し上げているわけではなくて、私が申し上げたいのは、この種の陸上競技連盟とかそうしたようなところの最高の責任者を、国会議員がその責任を負っているということについてどうお考えですか。
○国務大臣(河村建夫君) たしか、かつて陸連は河野謙三先生もおやりになったように覚えておりますが、各団体、今までいろいろ、各団体いろいろ判断をされて理事会でお決めになったことでしょうから、私はその判断にゆだねるといいますか、各団体でお決めになったことはそれでそれなりに各団体が責任を持っておやりになればいいんではないかと、こう思っています。
○西岡武夫君 実は、私はこのことを取り上げますのはいきさつがございまして、今お話のございました河野謙三参議院議長が体協の会長に御就任になりましたそのときに、河野洋平さんと二人でお辞めになるべきであると、体育の分野の方が体協の会長になられるべきであって、参議院議長、私は議長だからお辞めになるべきだということよりも、国会議員がなるべきじゃないということを言いに行ったわけです。そのときは、参議院議長室で、の応接室でございましたが、もう非常にお怒りになりまして、河野さんは黙っておられましたけれども、洋平さんは。そういう場面がありました。 私が文部大臣に就任をいたしましたときに、体協の会長については政治家がなるべきではないという方針を大臣として打ち出したわけであります。そういう経緯を踏まえて申し上げているわけです。いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 西岡先生が先輩大臣として見識を発揮されて、体協といいますと体育全体にかかわりますから、そういう意味で、国の支援等もあります。そういう意味で、そういう見識をお出しになって、それが今踏襲されて民間から体協の会長が出ておられる。私はそれはそれで見識だと思いますし、地方自治体、地方におきましても、私も地方の体協に絡んでまいりましたが、会長については政治家はしないという考え方、これは地方にもきちっとしておると思います。 ただ、各競技については、私は卓球をやっておったものですから、推されて卓球協会長になりました。それぞれその競技をやっておった者がそれを分かっているからという形でなったりは全国たくさんあると思います。そういう意味で、全体の体協というのは私はそれでいいと思いますが、各競技種目についてまで私はそれが適用されるかどうかについては、これはもう各それぞれの競技会でお決めになればいいのではないかと、このように思います。
○西岡武夫君 もうこれで終わりますが、私は、ともに、一時期大変な政治行動もともにした友人でありますから非常に言いづらいんですけれども、オリンピックの選手を決める陸上競技連盟の会長として衆議院議長が鎮座しているというのは非常に奇異な感じを受けたわけであります。 大臣の御感想を一言お願いをして、終わります。
○国務大臣(河村建夫君) 私、河野洋平先生は、箱根駅伝等々にも絶えず顔をお見せになって、非常に陸上競技協会、陸上競技について造詣の深い方だと思っておりますから、先生が会長になられたと聞いたことについて適任だと思いました。その方が今、衆議院議長になっておられるということであって、これはまあ衆議院議長と陸連とは結び付かない、そうそれを無理に結び付ける話では私はないんではないかと、こういうふうに私は思っているのであります。
○西岡武夫君 終わります。
○中島章夫君 民主党・新緑風会の中島章夫でございます。 私は、長い間の希望がかないまして、初めてこの文教科学委員会で大臣の所信に対します質問をさせていただきます。今日は二点、大きな枠にしまして、二つのポイントに絞ってお話をさせていただきたいと思います。 その二つのポイントと申しますのは、いずれも大臣の所信の中にはある意味で出ている、一つは明示的に出ているものでございまして、もう一つは、恐らく大臣が文部科学省という大きな組織を背負わずにお一人でこれをまとめられたらもう少しめり張りの付いたものをお書きになるだろうと、こう思っておるんですが、そういう中には必ず登場したであろうと思うことであります。 最初の問題は、文部省の初等中等教育の仕事の中で非常に大事な問題であります学習指導要領の改訂のシステムの問題であります。これがもう時代的に合わなくなってきている部分について指摘をしてまいりたいと思います。もう一点、二番目は、中等教育の活性化、個性化対策でございます。今の一点目については大臣が所信の中で学習指導要領の不断の見直しを推進しとおっしゃっております。今申しました中等教育の活性化、個性化というのは、もう長い我が国の教育の課題でございますし、この中には、あえて言えばキャリア教育の充実等のことで出てもまいりますし、その他にも触れた部分があると思いますが、この二点について申し上げたいと思います。 これから私が申し上げますことは、実は長年、私も文部行政に携わってまいりました。その後、縁がありまして、アメリカに自分の子供四人を連れて生活をしまして、中学校、小学校、幼稚園、保育園といったところへ子供を送って、向こうのある意味でPTAの経験をしてまいりました。その後、これも縁がありまして、ほとんど毎年ほどアメリカのコミュニティーに戻りまして、先生を連れて戻って向こうの状態を比較をする機会に恵まれております。 そういう中から、我が国が抱えております問題点について御指摘を申し上げたいと思いますので、役人諸君にとっては恐らくいささかドラスチックに過ぎる問題かとも思います。すぐにどうしろといっても、それはちょっとというお話かもしれません。しかし、私は、極めて大事なシステム改革を経なければこの国の教育は変わってこないと、こう信じているわけであります。 もう一つ、これは責任は我々政治家にあります。実は、これはまた余りに教育というものが、今義務教育の問題が西岡先生からお話しされておりましたけれども、余りに大きなシステムの問題であります。我々だけでこれができるものでもございません。そういう意味で、少し皆さん御一緒に考えていただきたいと思います。 まず、文部省、これは局長に伺いたいんですが、学習指導要領の改訂は戦後ほぼ十年に一度行われてまいりました。昭和二十六年、それから昭和三十三年、昭和四十三年、あと昭和五十二年、それから平成元年、そして二年前、この間のは一部の改訂ですが、ほぼ十年間か十数年に一遍改訂されてまいりました。私はこれからお聞きをしたいのは、一九八〇年、つまり昭和五十五年から始まった、つまり今言いましたのは五十五年から小学校の現場で始まった教育課程の改訂、それから平成元年のものは九二年からたしか現場で始まっていると思いますが。それから二〇〇二年、学校が完全週五日制になったときの教育課程、この最近の三回の教育課程の基本的な方針とその達成についての簡単な評価について聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えいたします。 もうこれは中島委員のよく御存じのところでございますけれども、昭和五十二年、五十三年の教育課程の改訂、これはゆとりのある充実した学校生活の実現ということで、各教科等の目標、内容を絞ったわけでございます。 当時、ゆとりと充実というようなのが一つのキャッチフレーズでございましたが、そしておおむね十年ごとということで、平成元年の改訂、ここは社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成ということで、生活科の新設でありますとか道徳教育を充実をすると。そして平成十年、十一年の改訂では、基礎、基本を確実に身に付けさせるんだと、そういったことから、教育内容を大幅に厳選をする、あるいは総合的な学習の時間の新設と、こういったことを盛り込んだわけでございますけれども、それぞれ、例えば昭和五十二年の改訂以降は五十六年から五十八年にかけまして教育課程実施状況調査を行ったわけでございます。私もそれに携わったことがございますが、そういった基礎資料を基にして平成元年の改訂に入り、さらにその後は平成五年から七年にかけてこれまた教育課程実施状況調査を実施をいたしました。 もちろん、こういったペーパーテストだけではなくて、研究指定校におきますいろんな取組でありますとか、これまた委員御案内のとおりでございますけれども、研究開発学校でいろんな取組がございます。これが例の小学校の生活科でありますとか今回の総合的な学習の時間の導入という一つの契機にもなったわけでございますけれども、それぞれ、その時点その時点での教育課程実施状況調査の結果あるいは研究指定校等での成果を踏まえてこれまでこういった教育課程の改訂を行ってきたと、このように承知をいたしております。
○中島章夫君 実は、これは少し話が変わりますけれども、一九八〇年ごろから、我が国の国家予算の中に占めます教育費の割合が大きく落ち込んできております。たしか一九八〇年、まあ八〇年代のちょっと前では一三%台半ばぐらいでありました。これが現在では八%の前半に落ち込んできております。 これは私は、ある意味で、それは生徒数の減少というそういうことも一つの原因かもしれませんが、教育がそのころまでに量的な発展を終えまして、実は高校の就学率は一九七五年に九割を超えました。つまり、量的な発展がマキシマムに行って、教育の質の時代に入ったという時期だと思っておりまして、質の時代の特徴というのは、私は、予算要求上も全く別のバージョンが考えられてしかるべきであったと。これから私が申し上げますこともそのことに関連をしております。 教育の地方自治であり、そして教育の質というのは、それまでは役人でも、あるいはもう予算を立て法律を作れば教育改革はある意味で進んでいった、追い付き追い越せの時代であります。しかし、質の時代、すべての人たちが参加をしてくる、そこでそういう人たちにも意見を聞いていく、参画をしてもらうと、こういう形で、教育の目標であり指導方法であり、そして教育の内容の分析であり国際比較でありと、そういった問題が中心になってくるし、特に中等教育、第二番目に申し上げますような中等教育などについては非常に多様な展開が必要な問題であります。これをいつまでも国の基準一つに頼っているという状況は私はおかしいと、こう思っているわけでございます。 教育の質の時代に入る前に、実は今、近藤局長が説明をされた、一九八〇年から始まりました学習指導要領の改訂は、御指摘のとおり、ゆとりと充実という改訂でありまして、もう一つ大きな属性は、創意と工夫ということを各地方や学校に言ったはずです。さっきも言われましたように、基準を絞り込んで、そしてそれをきちっと教えながら、あとは創意と工夫でということでありますが、この創意と工夫をフィードバックをするというシステムが今日までほとんどでき上がっていないのであります。 そこで、続けて、教育課程の実施状況調査の活用状況についてお伺いしますが、これは、これもおっしゃったように、この一九八〇年から始まった学習指導要領から実施状況調査というのが、学力が数字で出るようなものについてはペーパーテストで、そうでないものにはいろんな、指定校等に調査官が出向いたりしてこれを調べると、こういう形で進んでいるのはもちろんでありますが、これがどういうふうにして次の、今度の九二年の学習指導要領の改訂につながったのか、その辺のところがよく分かりません。もう少し御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) 教育課程の改訂は、おっしゃるとおり、大体おおむね十年ごとに行ってきたわけでございます。 一つは、そういった教育課程実施状況調査を行うことによりまして、ペーパーテストで測れるものにつきましてはそれぞれの教科で子供たちの、そういったどこに問題点があるのかと、そういったことを分析をいたしまして、更なる次の教科の教育内容を決めていくときにもちろん参考にしたわけでございますし、なかなかペーパーテストになじまない教科もございます。それは、先生御指摘になりましたような指定校を設けて、その中で、そのときの学習指導要領のねらいがどういった形で学校現場で実践をされているんであろうかと、それぞれのそういった課題をにらみながら、また一方では、教育の内容について社会全体が、あるいは国がいろいろと要望する部分もございます。 そういったいろんなことを加味しながら、大体おおむね十年に一度でございましたけれども、教育課程審議会を発足をさせまして、そこでいろんな教育関係者の御議論をいただきながら次の改訂を行っていたと、こういうこれまでの実態があるわけでございますが、確かに、これは委員の御持論でもございますけれども、いわゆるナショナルカリキュラムセンターと、こういったようなものもなかったわけでございますし、そういう点からいけば、その評価が十分であったのかどうか、検証が十分であったのかどうかということについて、私も振り返ってかんがみれば、やはり十分でなかったんではないか、そういう側面もあったんではないかと、こういうことは反省として思っておるところでございます。
○中島章夫君 今、カリキュラムセンターのことについてお話をしていただきましたが、そのことはいずれすぐに触れてまいりたいと思いますが、その前に、教育課程審議会というのがどういう形で開かれているかと、詳しくは要りませんが、どういう、総会とかそれから学校段階別、それから教科領域別という審査が行われるはずであります。局長から簡単に御説明願えますか。
○政府参考人(近藤信司君) これまでの教育課程審議会はおおむね十年に一度ということでございますから、まず文部科学省の側から諮問をいたしまして、そこで今回の教育課程のやっぱり基本的な方針はどう考えていくのかと、これをおおむね総会等で議論をすると。おっしゃるように、小学校、中学校、高等学校、それぞれ発達段階がございますから、それぞれ小学校段階での教育課程の在り方、これはやっぱり、小学校の部会と言っていいかどうかはあれでございますけれども、もちろん小中高一貫した教育課程を作っていかなきゃいけませんから、そういったものの連携を密にしていくと、こういったこともあるわけでございます。 また、当然、それぞれの段階のものは大きな方針でございますから、それを受けて、それぞれその後では各教科ごとの専門部会で、例えばあるいは数学なら数学の専門部会ではこういったものを、分野を小学校段階で教える、中学校段階ではこういったものを教えると、こういった各教科ごとの専門部会で更に学習指導要領の基本的な部分について検討すると、こういう仕組みであったかと思います。
○中島章夫君 今の御説明のとおりでありますが、実は、結果は、現在の学習指導要領の各教科別の配列というのは、あえて言えば戦後のものが整理されましたのが昭和二十六年ですから、その当時にできました教科の配列とほとんど差がございません。私は、そういう意味ではパッチワークになってしまった、改訂がパッチワークになってしまっている。 今日、社会がこれだけ変動してきてまいりまして、そして子供たちも変化し、社会も変化してきている。そういう中で、何に重点を置いて、特にどこに重点を置いて指導すべきかと。それはもう学校段階別に教科領域別に構造的に考えるということが極めて大事でありますけれども、これが実は、今総会というお話が、間違っておれば、大きな間違いがあれば正していただきたいですが、二十五人前後のたしか総会がありまして総論をやるんですが、そのときはなかなかいい意見が出ているんです。すぐに小中高の学校段階別の審議に入りまして、ほぼ同時並行的に各教科別の審議に入ります。そういたしますと、この各教科別の審議というのにそれぞれの教科にもう定数が決まっております。別途教員の定数配当が決まっておりまして、それぞれに応援団が付いております。 そうしますと、最近二十年間の教育課程を減らしていく、減少させなければならないという大きな趨勢の中では、みんなで血を流しましょう、減らしましょうというだけで、別に理論的に意味があって構造的な検討はなされないままに痛みを分け合いながら削ってきた。最も典型的な例は、九二年の中学校で波形と称する選択科目を設けたときであります。 こういうふうにパッチワークになっていくということは、私は、もう教育課程というのを、十年に一度教育課程審議会を開いて、ああいう形で審議をしてその結果を地方に伝達をしていくという方式はもう機能しなくなっている、そういうことを申し上げたいのであります。 もう先に私が申し上げたいことを言っておきますと、小学校の低学年というのは比較的、どこの国でも比較的、基礎、基本でありますから、安定をしております。毎回十年に一度お祭りをして、例えば音楽の歌にどういうものを入れるかなどということが一々大騒ぎをする必要などはないのであります。しかし、高等学校、それに続きます中学校といったところの社会科という問題を取ってみますと、これはこの激変の世の中でありますから、これは本当に十年に一度ということを言わないでも、変えていくシステムをどうするかということを真剣に考える必要があると考えております。 そこで、たしか教育政策研究所というのが、前の国立教育研究所が教育政策研究所に変わり、その中に教育課程開発センターというものができたはずでございます。併せてお伺いをいたして、もし、大臣、これがどういうふうに今日まで育ってきているかについてお教えをいただければ、もし、大臣でなければ局長でも結構でございますが。
○政府参考人(近藤信司君) お答えいたします。 確かに、昔は国立教育研究所という組織でいろんな事業を行っておったわけでございますが、平成十三年一月に、省庁再編と合わせまして国立教育政策研究所の中に教育課程研究センターを設けたわけでございます。 これは先ほど来申し上げておりますように、これは中央教育審議会等からも御提言をいただいておったわけでありますが、やはりナショナルカリキュラムセンター的な機能をやっぱり持っていくことが大事なんだと。そういうことからこの教育研究センターを設けまして、全国的、総合的な学力調査の継続的な実施、結果の分析でありますとか、またそういった結果を教育委員会、学校に提供をしていくと。 あわせまして、やはり先ほど来申し上げておりますように、また委員も御指摘がありますように、十年に一度教育課程審議会を発足をさせて二年か三年議論をする、そしてそれが終わるとまた解散をするという仕掛けがいいのだろうかと。むしろ、常設化した審議会の下において教育課程の不断の見直しをやっぱりやっていく必要があるだろうと、こういうことで中央教育審議会の中に教育課程部会を常設をして検討もしていただいているわけでございますけれども、その中央教育審議会の教育課程部会における不断の見直しを行っていく際にもやはりバックデータがなければいけないわけでもありますし、そういった専門的な調査研究をこの教育課程研究センターでやっていただく、これがこのセンターの役割であると、こういうふうに承知をいたしております。
○中島章夫君 もう一つお聞きしたいんですが、この教育課程開発センターで、この発足以来、たしか三年ぐらいたっているかと思うんですが、発足以来、主として先日発表されました高校生五十万人余りの学力調査、あれのテスト作りをやっていたと考えてよろしいのでありましょうか。
○政府参考人(近藤信司君) おっしゃるとおり、このいわゆる学力低下論争と申しましょうか、これもまた今日の午前の有馬先生の御指摘ではございませんけれども、やはりきちっとしたバックデータに基づく議論が必要であるわけでございまして、そういう意味でこの平成十三年度、十四年度、十五年度と学力調査を実施をしたわけでございますが、これはこの教育課程研究センターにおいて実施をしたと、こういう経緯がございます。大変大規模な、かつて昭和五十六年、五十八年当時はこれ十五、六万人であったかと記憶をしておりますが、今回はその三倍の四十五万以上と。そういうことからしてもなかなかこれ大変な事業でございました。また、その事業の実施の結果を分析をし、報告書をまとめ上げると、こういう事業を実施をしておるわけでございますが、私どもはこれだけがこの教育課程研究センターの役割であるとは思っておりません。 例えば、今回の新しい学習指導要領ではいわゆる絶対評価と、こういうものを重視をしたわけでございますけれども、そのための評価基準あるいは評価方法の参考資料を作成をするとか、あるいは総合的な学習の時間というのが今回の新学習指導要領の一つの大きな柱でございますけれども、これもまたなかなか、今、各学校現場でいろんな取組をしていただいておりますけれども、更にそれを参考になるようにということで事例集も作成をしていると、こんな、確かに学力調査の部分が非常に現在ウエートが大きいわけでございますけれども、今申し上げたような事業、あるいは役割も、これもきっちりとやっていただきたいと思っております。
○中島章夫君 今のお話のように、昭和四十たしか四年ぐらいにやってから、文部省というところが教育課程の基準を作っていながら、学力テストもやらずに十年に一度の改訂をやってきたということ自体が全く不思議な話であります。局長が言われたように、きちんとしたデータを分析をしながら次の教育課程改訂が行われなければ科学的、実証的な教育課程改訂になるわけがない。まして、教育課程、現在例えばやっている教育課程の基準というのはあるねらいがあるはず、それぞれのときにはねらいがある、教科別にもきちっとねらいがあるはずです。それが本当にねらいどおりにいっているのかどうかということは調べる必要がある。そういうのを、これはもうあえて問い掛けませんが、総括的な評価ということになるわけですが、そういうことがなされずにやってきたというのは問題ですし、そのことのために今回やられたのは結構なことです。 まあついでに申しておきますと、この間、新聞に出ておりました高等学校の各教科の問題を作りまして、設定期待値、設定通過率というのを設定しておいて、それに対して調査をやってみたところ、数学では三十問中の二十四問、化学では五十三問中の三十二問、物理では五十一問中の三十一問というふうに、あとの生物とか地学でも同じように七割以上ですが、数学に至っては八割がその設定した期待値に届いていないという結果が出ておりました。 これは後でもし時間があればとも思っておったんですが、これは、我々が学力を問題にするときに最も問題にすべきは中等教育の学力であると私は思っておるんです。そして、併せて申しますと、だからこの期待値そのものが文部科学省の中で作業をしている調査官とずれがあるのではないかと。後で申します都道府県の教育センターというところにもっと調査、研究、分析の機能を持たせる、それを文部科学省が支援すると、そこから情報を集めると。正に、創意工夫を現場に任せて、そしてそのフィードバックシステムを作るという、ここの部分を怠ってきているのではないかと私は申し上げたいのであります。 そして、文部科学省で、国民が一番、この学習指導要領、私は大事だと思っています。しかし、極端なことを言えば、高等学校の学習指導要領が、今九七%の同年齢人口が学習をしている高等学校の学習指導要領が、国の基準がたった一つと、これにだれも、中等学校、高等学校関係者が文句を言わないということがこの国の私は教育の貧困を物語っていると思うんであります。 それとは逆に、国民が本当に守ってほしいと思っているのは、基礎教育、義務教育の水準だと思います。全国どの地域に生まれても、どんな家庭に生まれても、子供が、読み書き算の基礎、今日の激しい国際交流社会の中で自分の人権、自分の存在をきちっと主張していける最小限の能力というものを付けてあげるというのが義務教育の役割です。 それはそれぞれの国に伝統があるわけですから、それを国民の共通の財産として次の世代に教えていくというのが中等教育の大事な役割ですから、これはある種の画一性と共通性がある。そういう意味で、そこの部分は文部科学省がひとつ守って、全国的に水準を相談をしながら守っていくという体制は私は非常にこれからも大事だと思っております。しかし、高等学校については、一つの基準を作ってそれで全国一律にというのは、もうとっくに、二十年前どころじゃない、もうとっくにこれはもう時代が錯誤になってしまっていると、こういうふうに申し上げたいと思います。 そこで、その次にお伺いをいたしたいんですが、都道府県の教育センターという、教育研究所とも呼びますが、どういう現状になっていて、大体各都道府県に一つはあると思いますが、それの役割、機能について簡単に御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 私どもが承知をしている限りでも、現在はすべての都道府県と政令市におきまして教育センターが設置をされているんだと思っております。各地域の教育センター、もちろんこれはそれぞれによって若干の違いはあるかと思いますが、従来はどちらかといえば教育課程編成に関する研修等が多かったのかなと思っておりますが、近年、やはり各県のこういった教育センターも充実をしてきたんだろうと思っております。 各学校が創意工夫に満ちた教育課程を編成することができるように、いろんな実践事例を集めましてデータベース化するとか、あるいは指導計画の作成などの情報の収集、提供と、あるいは独自の調査研究、教員等の相談対応とか、いろんな意味でその県のカリキュラム作りの支援の一つの拠点と申しましょうか、そういった機能を果たしてきているんではないんだろうかと、こんなふうに理解をいたしております。
○中島章夫君 今、局長が言われたような形にもし本当に脱皮をしてきているならば大変結構なことだと思うんですが、多くの都道府県の実態を見ておりますと、やはり研修、講座の開設、その研修も、いわゆる行政研修的なものは都道府県の本庁でやると。つまり、文部科学省と直接的にいろいろ、行政五年研修とかなんとかという、そういう行政研修は本庁がやると。家庭科の、理科のといったそういう専門研修は教育センターという感じが非常に強い。それから、もちろん教育相談はやっておりましょうし、それから貸し施設としての機能も持っているかもしれません。 しかし、私は、何といっても大事なのは、教育現場に一番近いところの教育センターがカリキュラム開発センターに脱皮をするということが必要だと思っております。それこそ私は三位一体でありまして、先ほど言いましたように、教育の質の時代って何かと。それまでは役人だけでもできた教育改革。もう今日、それではない。教育現場の人たちには必ず参画をしていただかなくしてはならない。そこに一杯知恵があると。当たり前の話。そして、教育行政官も入る。特に、お客さんとなって講師になって呼んでもらうような大学なんか要らないです。大学が積極的にこれに参画をすると。そういう三位一体となってその県にふさわしい教育課程の基準というものを作っていく必要が私はあると思っております。 実は、イギリスでもアメリカでも、御承知のとおり、アメリカでは一九八三年の危機に立つ国家、それからイギリスでは一九八六年に、八年でありましたか、ベーカー法というのができまして、国の教育課程が長い論議の末にできました。いずれも、我が国が非常に教育水準が、まあ今日いろいろ問題があるんですが、高いということにある意味でショックを受けて、基礎教育を中心にして教育水準のアップに大変な勢いで取り組んでいるわけであります。 そういう中で、実は各都道府県が、教育水準の維持ということに今まで文部科学省だけが責任をある意味で持ってまいりました。実は、先ほど申しました初等教育、基礎教育については、それで結構だと思いますし、コンセンサスが生まれると思います、生まれていると思います。しかし、中等教育の最大の課題は何かといいますと、これは、共通性ではないんです。多様化なんです。 実は、今何が起こっているかといいますと、高等学校については、中等教育については多層化が起こっているんです。つまり、学習指導要領というものが一つあって、そして受験戦争というがんじがらめの社会ができ上がっていて、みんながそういう教育課程に追い込まれているという大変不幸な形が今起こってきているわけであります。 そこで、この水準の維持ということに、人材と情報とそして経験が蓄積をしております都道府県というところに、また比較ということが可能になります都道府県というところの教育センター、いわゆる教育研究所が、単なる研修屋にあるいは単なる講座屋になっているんではなくて、こういう次のカリキュラム研究、特に中等教育のカリキュラムというのは様々であっていいはずで、そういうものが競い合うような条件にならないとこの国の教育はエネルギーが上がってこないと思うのであります。 その点について、今申し上げましたようなことについて、大変大臣に御質問もしないで恐縮でありますが、もしお考えを聞かせていただければ大変有り難いと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 中島先生おっしゃいますように、中等教育が非常に多様化してきているし、これに応じたカリキュラムを作り、これに対応していくということ、そして、教育の現場、各都道府県が、いわゆる中等教育、高等学校の責任を持って今実際に学校運営をしているという状況がございます。そういう意味で、私は、委員おっしゃるように、そうしたそれぞれの地域の教育センターといいますか、正にそれがカリキュラムセンターとしての機能を果たしていくということはこれから私、非常に大事だと、こう思っております。 各県によってはいろいろ事情も、それぞれ条件も違うようでありますが、一つは、私どもの方は義務教育の責任を持つということで、教育の水準維持といいますか、これは義務教育国庫負担法等々も持ちながらやっておるわけでありますが、高等学校についてはその上に大学入試ということがあって、何かそれに応じたような形で今まで来ておるわけでございますが、一方では、これから、今回、私の所信にもありますように、人間力向上、人間力戦略ビジョンと、こういう観点からいきますと、やっぱり多様なそうした教育がやっぱり行われる必要が出てきたと、そういう御指摘、私も正にそのとおりだろうと、こう思っておりまして、そういう意味において、国は全体を見ていろいろな情報は持っておるわけでありますから、それとタイアップしながらそれぞれの各県における教育センターの機能をもっと高めていく、そしてカリキュラムセンターとしての役割を十分果たしていくということが、正に行政、教育現場、研究者、そういうことを研究する方々、これも三位一体ということでありましょうけれども、そういう中島委員の御指摘というのはこれから非常に必要になってまいりますので、国としてもそういう視点を持ってこのカリキュラム作りについて支援をしていくことにもっと力を注いでいかなきゃいかぬなと、私はそういう認識を持っております。
○中島章夫君 大変積極的なコメントをいただきましてありがとうございます。 実は、私も、自分が住んでおることもありましてアドバイスをいたしました神奈川が既にそういうカリキュラム開発センターへ二年ほど前に脱皮をしております、必ずしも私が思うような形になっておりませんが。 是非お願いをしたいのは、経済特区のような形で、特区の形の向こうに教育の地方分権ということが起こってくることは、私は公教育システムそのものが問題になっているときにはそれほど問題にならない。それは参考にはなります。意味がないとは言いません。しかし、文部省がもっとそういう地方に力を付けていくということに支援をする、大事なところに支援をしていくということが大事なことだと思っております。特に、今おっしゃっていただいたカリキュラム開発センター的なところへは、基幹的な、将来そのセンターを生かしていくための基幹的な人材の養成、場合によっては海外への派遣といったようなことに例えば支援をするといったようなことでうんと変わっていきます。是非御検討をいただきたいと思います。 時間が大分この問題で進んでまいりましたが、極めて大事な問題と思っておりまして、今までの中に既に幾つか申し上げておりますが、次に二番目に、中等教育の活性化・個性化対策について少しお話をさせていただきたいと思います。 実は、私は、非常に大きくとらえまして、明治初年の、一八七二年の、あの明治五年の学制発布以来、明治三十三年には今の義務教育国庫補助制度というのがスタートしたんですが、このときから就学義務を課しているわけです。国とそれから市町村とが共同で義務教育の責任を負うという体制がもう世界のどの国よりも早く、既に一世紀以前前から既にこの国には入っているんです。そのことが今日の我が国の非常に大きな潜在的な力になっていることは言うまでもありませんし、戦後の大きな経済発展の原動力になったことももう既に世界から認められております。 それに対しまして、中等教育は、戦前からも確かに、大正六年、七年、八年の臨時教育会議で長い懸案でありました中等教育制度が非常に拡大をしてまいりまして、あのころから昭和にかけてでありますが、つまり一九二〇年代に入ってから中等教育は少し増えてまいりましたけれども、どちらかというと戦前のものは国家有為な特定の人材を養成していくという絞られた中等教育、つまり限られた者のための中等教育システムでありました。 御承知のとおり、戦後はアメリカのシステムが入ってまいりまして、セカンダリー・エデュケーション・フォー・オールという、すべての者のための中等教育ということがこの国のもう共通になりました。これはもう名は体を表す。九七%ということで、量的にはもう完全に実現をしておりますが、私に言わせれば、どこの国でも常識でありますけれども、中等教育の中身についてあえて言えば、空洞であります。ほとんど中等教育、せっかく世界に冠たる立派な六年の初等教育、これ世界比較をしましても、何度やっても我が国はほぼトップに出てきます。まだこれ、うかうかしているとほかの国、小さな国なんかにはやられますけれども、トップに出てまいります。それはシステムがきちっとしているからです。どこに生まれても、そして学習指導要領をきちっと持っておりますから必ず基礎、基本は教わっているという、これは大事なことです。 ところが、この中等教育については、戦後、せっかく発達をしてきましたけれども、中等教育の六年間を本当に良かったなと思って卒業する生徒が本当に少ないのであります。あえて言えば二割か二割五分、相対的優位性を持って受験戦争に勝ち残った者が中等教育である種、特異で出てまいります。しかし、その他の者は、評価基準がたった一つなものですから、つまり成績順に並べてみたら、君は、あなたは勉強ができないなと、こういうことで、中等教育の一番大事な、何のために行くかというと、それは学習しに行くわけですが、そのことが面白くないんです。もう今日ではそれが中学校で起こっている。中学校で導入を誤っているんです。当たり前です。小学校のところで既にみんな差があるんです。もう塾が今日発達をしておりますし、各家庭がもう一人、二人の子供に対して非常に教育を、様々です。 そうしますと、それに同じ内容の教育を同じ時間、同じ方法で教えて、それは、それに分かる分かるということで付いていく子と分からない子が出てくるのは当たり前です。こういうやり方を当たり前のように、しかも各教科細切れで教えていたのでは、子供が本当に面白いという教科の導入になっていないというのが私の問題意識であります。つまり、出口についても、本当に良かったと。先ほど体験学習のこともお話に出ました。これなどは極めて大事な教育目標です、中等教育の学生にとって。 実は、先ほど申し上げましたいわゆるトップ層の受験エリートと言われる子供たちを、私はたまたまある小さな国際交流財団の理事長をしておりまして、アメリカへ毎年、フューチャー・ワールド・リーダーズ・サミットと言うんですが、将来の世界のリーダーのためのサミットという、世界の高校、世界の各国の四十か国ぐらいの高校生が環境問題とか開発とか貿易とか人権とか平和とか軍備とかという十ほどの重要なテーマについて英語で一週間議論するんです、お互いに。そして、レゾリューションを出すんです。 英語は何とか付いていくようになりました。なるでしょう。これは国際社会、そうしなければいけないと思いますが、しかし問題はそういうディスカッションに付いていけないんです。そういう問題を高等学校等で本当に、テーマを与えられて、調べてきて、みんなの前で提案をして議論をして、そういう過程の経験を持っていないんです。そこで大きな戸惑いをします。つまり、これは、インターナショナルバカロレアのカリキュラムなんかと比較したら日本の教育課程はもうすっかり後れておりますが、もう世界からも取り残されてしまいました。つまり、教育課程について、中等教育、特に高等学校の先生、正に、あえて中等教育と言いますが、先生方がカリキュラム開発ということについてほとんど意識がないんです。 つまり、あの教科書使用義務というのが高校にも、これは小学校の使用義務があるし、中学校にも高校にも当然のことながら今まであって、だれも不思議に思っていなかったんです。 高等学校に、例えば社会科でたった一つの教科書というのは、先生方にとってはもう全く楽なことです、こう言っちゃ失礼ですけれども。その内容、毎年やっていることを子供に伝えると。こういう中からは、今言ったように、子供の本質を見付けて、そして課題を与えて、教材のそろえ方を考えて、そして指導方法を様々に工夫をして、それは一人一人違ってくるかもしらぬ、そして、それを達成を、きちっと評価をしてみて次のカリキュラム開発の基準につなげていくという、こういう迫力が今日の高等学校、中等教育にはほとんどなくなってしまっている。つまり、中等教育がそういう部分がなくなってしまっていると思っております。 私は、そういう意味で、これはいささか極論でありますが、高等学校の教科書使用義務ということについて考え直してみるという考え方について、これは大臣、コメントだけで結構ですから、どうぞ、これはもう簡単なことではないと思いますが、是非お答えをいただきたい。
○国務大臣(河村建夫君) 中島先生の御指摘で私も思い当たったのは、最近の学力テストの結果を見ても、四割の高校生が自分の学習時間を持っていないというような指摘もありました。それから、いわゆる教育エリート、さっきはエリートとおっしゃいましたが、受験戦争に勝ち組、負け組といいますか、表現は悪いかもしれませんが、何か両方、両極端に走っている、その真ん中のところの、そこで学びをやめている人たちが随分出始めた。それはやっぱりそういうカリキュラムとか、恐らくその授業、それに対する魅力を感じなくなっている、あるいはもう目的を見いだし得なくなっている、そういう課題が私もその中に潜在していることを否定できないのではないか。私は今、中島先生の御意見を聞きながら、そういう意味では、もっと高等学校の教育内容といいますか、そういうものをもっと活性化させる必要がある。 まるでそういうことに高等学校側が気付いていないかというと、やっぱりその地域性と実態に応じて、いろんな選択科目を持ちながら、あるいは単位だけを取る学校を作ったりとか、いろんなことで今対応しようとして、できるだけ生徒のいわゆる教育的な関心を高める、そういう意味でも、教科書もかなり多様な教科書が出ておりまして、その中から選択をしてもらって、そしてそれに対する副教材を使って教育内容を豊かにするという努力がなされておると、私はそう思っておりまして、そういう意味で教科書の使用義務というのがあって、教育の機会均等、それから全国的な教育水準の維持というのはやっぱり高等学校においても同じような精神は生かされていると思います。 しかし、おっしゃるように、もっと学校の教育内容といいますか、そういうものがもっと豊かになっていかなきゃいかぬと。そして、生徒たちの教育的関心、学ぶことへの関心といいますか、そういうものをもっと高める努力、さきの学力テストの結果、そういう結果が出ておる。世界の中等、高等、中等教育に比べて余りにも、その子供たちの学ぶ意欲とか、そうした学校外で学習時間を持っていないというような現状を見るときに、やっぱりそれは研究の余地が私はそこにあると。先生の御指摘を踏まえて、更に高等学校教育の内容を高めるという意味に、我々努力が課せられておるというふうに思います。
○中島章夫君 中等教育の多様化に取り組む必要があるというお話をいただきましたが、実はここで一つ、中学校の選択科目を、一九八〇年のときには高校に習熟度別学級編制というものを持ち込むほど高校が非常に問題になりました。そこで、高校の多様化がここから始まり、臨教審でも議論になり、一般化してまいりました。そして、次はもちろん中学校の問題と。その前に、中教審の第十三期の中間報告がありまして、中と高を一緒に考える必要がある、つまり中学校を中等教育の前期としてとらえ直すべきだという御指摘が出ているのは御承知かと思いますが。九二年に、中学校に、それまではもうほとんど中学校の三年生と二年生、ほとんど実態的にはもう三年生にちょっと一時間か二時間、選択科目があっただけです。 アメリカに私は子供が行きましたときあえて聞いてみましたが、大体、普通の一般的な教科も全部選択みたいなもので、一人一人みんな違ったカリキュラムを教わっているようなものですが、それでも選択は三割近くは中学校、インターミディエートでもあります。ところが、この国ではなかったと。そこで、選択ということを入れたんです。この入れた、波形という形で入れたことになっているんですが、その結果について簡単に教えていただけますか。実際に動いたのかどうかということ。
○政府参考人(近藤信司君) かつての中学校の選択教科の状況と申しましょうか、先生おっしゃるように、必ずしも、形の上ではそういった仕組みができた、しかし、必ずしも十分に選択教科が拡大されたかどうかという部分はあるんだろうと思っております。 そして、この平成十四年度から実施をされております中学校学習指導要領では、更に中学校段階の生徒の能力、適性、興味、関心等の多様化に一層適切に対応すると、こういう観点からこれ更に今回選択履修の幅を拡大をしたわけでございまして、十四年度の公立中学校におきます選択教科の開設状況を調べてみますと、例えば、開設教科数で申し上げますならば、第一学年で三教科以上開設している学校が約七割ございます。第二学年で六教科以上開設している学校が約八割、第三学年では八教科以上開設している学校が約八割ということでございまして、週当たりの開設時数で申し上げますならば、第一学年で選択教科を一単位時間程度開設している学校は約七割、第二学年で週二単位時間以上開設している学校は約八割、第三学年で週四単位時間以上開設している学校は約七割と、こんなような状況であろうかと承知をいたしております。
○中島章夫君 もう時間がなくなってまいりましたが、今のお話は恐らくまあよくやっているなと感心をいたしますが、実は中等教育の多様化には、その多様化を必要とさせる、その可能にさせる条件が必要であります。つまり、小さな中学校がたくさんあると。つまり、もう十二学級、各学年もう六学級ですか、二学級ぐらいといったものが大体標準的になって、もっと小さいものもたくさんあると。そういうところでたくさん選択科目を置けと言ってもこれは置けるわけがない。 今のは、恐らく、その選択というのは、同じ教科の先生が、易しい、難しいという違った段階の選択を置いているはずです。その他、多様になってまいります子供のそういうその選択教科を置くゆとりはまずないはずです。私は、あえて言いますが、中学校の教員を例えば倍増をするというぐらいの思い切った措置をしないと、今日の中学校教育の多様化は起こってこないと思っておりますし。 もう一つだけ例を申し上げてもう今日は終えたいと思いますが、アメリカに御承知のとおりスクール・ウィズイン・スクールというのがあります。私が住んでおりましたワシントン郊外のフェアファクス・カウンティーというのは約百万の人口を持っておりますが、高等学校二十五校と。日本なら、中学校は少なくとも五十校、七十五校とかという、三倍ぐらいはあるんです。ところが、中学校も二十五校なんです。つまり、規模が二千人とか三千人とか、大きいんです。へえ、大丈夫かと思われるかもしれませんが、そのスクール・ウィズイン・スクールというのは、大規模化することによって、多様な先生方がその中にそろえられると。そして、共通の大きな立派な施設、体育館とか、そういう立派な施設を共通に置けると。 それでは、しかし、子供と先生との間の、あるいは生徒同士のインチメートなその人間関係が阻害されますから、小さなグループに二百人単位のぐらいに分けて校長を置いて、スクール・ウィズイン・スクールとしてそういう人間的な接触というものを補っていくという、そういう苦肉の策を作っているわけであります。 そういう工夫までも含めて中等教育の多様化というのは、各学校にそういう基礎条件をそろえながら指導要領の多様化ということをやりませんと、これはほとんど絵にかいたもちになるということを申し上げたいと思いますし、中等教育というのは本質的に、先ほども申しましたように、多層化でなくて多様化しなければいけない。それは、それぞれの地域に発生をしております知恵というものをかりながら進めていくという必要があると思っております。それにもう各都道府県は少なくとも頼るようになってきています。そういうものと連携を結びながら国の行政も行われていくということが必要ですし、それに積極的な支援をしていくということこそが地方分権ということを進めていく極めて大事な視点であるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。 私は予算委員会でも子どもの権利条約に関して質問をいたしましたが、時間も大変短かったものですから、今日も子どもの権利条約の教育にかかわる部分について質問をさせていただきたいと思います。 日本は子どもの権利条約を一九九四年に批准しました。二年目に第一回の政府報告を国連に提出し、その後五年ごとに報告を提出して、どれくらい進んでいるか進捗状況について国連の子ども権利委員会の審査を受けることになっている、こういうことになっているわけですが、私はこの一月、ジュネーブで行われました第二回の国連の審査の傍聴に行ってまいりました。NGOに対しても事前に聞き取りが行われたわけですけれども、子どもの声を国連に届ける会、子供たちがこういう会を作っているんですが、その報告が大変すばらしかったんですね。 審査の前日にこの子供たちの意見発表があったわけですけれども、自分たちの経験を、競争教育の苦痛や生き苦しさ、体罰の問題、先生主導の学校の在り方、定時制高校の統廃合の問題、こういうことを次々と八人の子供たちが述べたわけなんです。 先ほど英語でディスカッションするというお話もありましたけれども、この子供たちは、例えば途中で学校に行けなくなったような子供もいるわけですから、そんなにみんなぺらぺらと英語がしゃべれるというわけではなかったんですけれども、やっぱり自分の体験を国連の委員にどうしても英語で伝えたい、そういう思いが非常に強かったものですから、特訓に特訓を重ねた。行きの飛行機の中もほとんど寝ずにずっとそれに取り組んで一生懸命覚えているし、ホテルの朝の食事のときも一生懸命やっていると、そういう状況だったんですけれども、とうとう英語で報告したんですね。そして、その声はしっかり国連の子どもの権利委員に伝わったと。審査にも勧告にもその内容は反映されました。私は、子供が意見を発表し、それを大人がしっかり受け止める、それはこういうことなのだということを目の当たりにしたなという感想を持って帰ってまいりました。 そこで、私は今日は、この子どもの権利条約の子供の意見表明権、そのことについてお聞きしたいと思います。 子どもの権利条約の十二条にはこういうふうに書かれております。「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。」、こういうことなんですけれども、この十二条の考え方というのは、一人の人間として子供の意見は重視されるし、そして子供の人権は尊重される、こういうことなんだなというふうに思うわけですね。 これが子どもの権利条約のかなめだと、国連の子どもの権利委員の中からもこれが一番重要な条項なんだという発言もありましたけれども、大臣にお伺いしたいと思います。この十二条の意見表明権というのをどういうふうにお考えになるか。そして同時に、参議院にいらしたときから子どもの権利条約について大変熱心に取り組んでいらっしゃいました馳政務官にも同じことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 日本におきましては、憲法上すべての国民に基本的人権が保障されているということがございます。学校においても、児童生徒の人権にやっぱり十分配慮して教育活動を行うということは大事なことであると、私もそう思います。 今回の御指摘のございました児童の権利条約十二条、この条約の趣旨、これはこれまでも、各学校においても学校現場においても、教育関係者、保護者には周知徹底を図ってきておると思いますし、各地方公共団体におきましても、条約の内容を分かりやすくしたパンフレットを作る、配布する、こうした広報活動も行われておるわけでございます。 この条約、今お読みいただいたわけでございます。この趣旨についても、これは児童の意見を年齢に応じて相応に考慮することで求めるということであって、児童の意見を無制限に認めるものではないと。例えば、校則やカリキュラム、そういうものは学校と、学校の判断と責任において決定されると、こういう条項もあるわけでございまして、この趣旨にのっとって、学校においても十分子供の、意見表明権と先ほど御指摘になったと思いますが、そういうものを配慮しながら教育活動が行われていて、この本条約の趣旨にのっとることを周知徹底を図りながら、この趣旨にのっとって教育が行われている、このように感じておるところであります。
○大臣政務官(馳浩君) 学校教育のあらゆる場面においてこういった子供の意見表明権といいますか、いわゆる子供が自ら情報を収集して、そして意見を構築して、それを表明して、また他者と交渉して、そしてそれをまとめて、またそのまとめたことに関して他者からの評価も受け、自分なりの検証もしながら、そしてそれがすべて受け入れられないときもありますし、他者からまたたしなめられたり、あるいはアドバイスをいただいたりするときもあります。 この学校教育の現場において、あらゆる場面において子供たちができる限りそういう情報収集から意見構築、そして表明をする、そしてその表明に対して受け取る側が対応する、そういったまとめる能力、またそれに対する評価を受け入れる能力、こういったことが年齢に応じて、また個々に能力の差もありますから、その能力の差に応じてそういった能力が養成されるように取り組まれることが必要であろうというふうに思っておりますし、そういった中から子供たちが成長をする、学校を卒業して社会人になる、それぞれの組織に所属する、そういった場面において子供のころから培ってきたそういった意見表明の能力といったものが発揮されて、社会の一員として貢献できるように、自己実現ができるように、そういったことが自主的に発揮されるようになることが望ましいというふうに思っております。
○林紀子君 今、お二人の意見を聞いておりますと、子供たちが自分の意見を表す、表現する、そういう能力を身に付けるということは必要なことだとそれぞれお考えになっていると思いますが、もう一度確認をいたします。
○国務大臣(河村建夫君) 最も私は大事なことだと思いますね。私の子供のころを考えてみても、例えば学級委員選挙なんてありますと、立候補者が出てそれぞれ意見闘わせて、そして投票してもらってということをあの当時からやっていたようなこともあります。あれもやっぱり自己表現の一つであろう、だったんだなと、こう思っております。 そういう教育環境を絶えず学校においては作っていく、そしてそういう能力を伸ばしていくことが大事なことだと、こう思っております。
○林紀子君 私は、この意見を表明するということで最近の事例ですぐ思い浮かびますのは、宮崎でしたでしょうか、高校生が、イラク戦争は何とか平和的に解決してほしい、各国の軍隊を撤退させてほしいと、そういう思いで五千人以上の請願署名を集めて小泉総理に提出をした、これも立派な意見表明だと思うんですけれども。 総理の方もこのことについてコメントをなさっておりましたけれども、河村大臣はこのことに関してどのようにお思いになりますでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 私は、こういう形があったということを最初に記者団にも聞かれたのであります。総理の発言、あのときの総理も、ぶら下がりだったと思いますが、記者団に聞かれて、自衛隊がどのような目的で派遣されるかということはきちっとやっぱり理解をしてもらう必要があると、政府としてはそう思うというお話でありましたし、また二月五日の参議院の特別委員会においてもその質疑があったようでございまして、イラクへの自衛隊派遣については様々な意見や考え方があるので、やっぱり客観的な判断ができるような材料を提供して、生徒同士で議論をするのもいいことではないかという趣旨の答弁をされました。 教育現場が、こうした時事的な問題については、一方的なといいますか、特定の見解だけを教育現場に押し付けるものではないと思います。こういうやっぱり意図したものではないというふうに理解を、総理もそういうふうにしておられると思いますが、私も聞いたときに、それではないとは思いますけれども、やっぱり公平な、私は一つの例えとして、こういう問題、例えばイラクの場合には、政府はこういう形でイラクへ派遣した、いわゆる国際貢献の一環である、そしてイラクの早く現場を復旧・復興させたいという思い、これから出たんだということ。これに対しては、例えば新聞ではこういう意見がある、推進の意見、やっぱりこれにはこういう問題があるという意見もある、だからそれを課題にしてみんなでやっぱり話し合うと、そういうことであれば、私は、社会に対して国際的視野を広める一つの学習素材としてもなります。そういうことをこれからの次代を担う高等学校の生徒、児童生徒、児童も含めてですが、そういうことをやるということは非常に結構なことだと思っております。 私はやっぱりそういう面で、多面的な考察といいますか、そういう指導を学校現場はやるべきであろうと思います。それは、もっと率直に言いますと、その教員がもう最初からイラクへ行くというのは戦争に結び付くと思うというふうに思っておられて、それだけで指導するとなりますと、やっぱりそれだけの知見しか持たないということになってしまう。それはやっぱり問題でありますから、やっぱり自分はそう思うけれどもいろんな意見がある、それを踏まえて、特にこういう賛否もあるようなケースについては両方の意見を踏まえながら子供たちにいろいろ考えさせるという指導をすべきではないかなと、こう思っておりまして、この生徒の場合、私も、ああいう請願書的なものを私も後から、そういうことが話題になったものでありますから、拝見をいたしました。 これは、学校現場で、一人、個人もそれぞれ発言するあれがあるんだと、こう言われますが、高校生がこういう形でと言われると、やっぱり高校でみんなで話し合ったと、その結果みんなはこうだったということで、皆さんでこう思いましたというのは一つの考え方だと思うんですが、個人の私はこう思う、皆さんどうでしょうと。今インターネットの時代ですから、それは発信すれば賛否両論いろいろ来る。そういうことでやられた。やられたことそのものは私はいいとも悪いとも言いません。それは一つの権利ですからいいんですけれども。事、学校で高校生がと言われると、私どもふっと思ったのは、高校の現場できちっとそういうことを議論してということだったのかなと思ったら、どうもそうじゃないなという私はあのとき思いを感じたわけであります。
○林紀子君 私も、ですから、これは高校でこの子はイラク戦争はいけないよというふうに教わってやったんじゃなくて、その辺は私もはっきり本人には別に聞いているわけではありませんけれども、しかし自分の思いで、それはマスコミや何かでたくさん情報は入るわけですから、そういう思いで素直な気持ちで、しかも五千人という数からいいますと、一つの高校だけというのも大きくはみ出ているわけですから、そういう本当に個人的な素直な思いでこれをしたんだと思うんですね。 総理はそれを中身も見ないで批判をしたということについてもまた大きな批判があったわけですけれども、私は、この意見表明権、この子どもの権利条約のこの十二条のことに照らしても、ここでは自由に自己の意見を表明する権利を確保する、自分に影響を及ぼすすべての事項についてと書いてあるわけですから、それは、学校の問題、家庭の問題、正にこうした世界の問題にだって自由に発言をすることができるわけですよね。こういう意見を表明した、本当に敏感に表明した、そして署名を集めるという行動に踏み切った。私たちは、私は本当に、わあ、すばらしいことだなというふうにまた思ったわけですね。 ですから、この意見表明権ということを考えますと、大人、今回は政府ということになるのかもしれませんが、都合のいいことは言ってもいいですよ、意見を、しかし都合の悪いことは意見を言ってはいけませんと、そういう態度であるとしたら、これは意見表明権を全く理解しないものだと言わざるを得ないというふうに思うわけですね。 そこで、意見を表明する能力、必要なことだというお話ありましたけれども、じゃ教育の中ではどのようにしたら身に付いていくというふうにお思いになりますでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 最近の日本の教育の中でディベート能力が不足しているんではないかという指摘がございます。課題を持って、そしてそれに対していろんな意見を闘わせるといいますか、賛否両論あるようなことについては、これは最近の、しかし最近の現場ではそういうことをやっていると思いますけれども、ある考え方があると、これに対して賛成か反対か両方に分かれてディスカッションをやると、こういうことをやればやっぱりそのことについて真剣に考えていく。そして、自分はこの問題について反対だと思って議論をしてみたけれども、賛成側の意見を聞いてみるとやっぱりそっちが正しいように思うというふうになってくるかも分からぬし、やっぱりこれを、自分の意見をそれで押し通して、その自分の意見が正しかったというふうになるかもしれない。こういうのが一つの機会だと思いますが。 私は、やっぱりこれからの子供、正にグローバル時代、いろんなニュースがもう瞬時に飛び込んでくる時代であります。やっぱりそういうことに関心を持たせる、例えば新聞を使って教育をやる、最近NIEと言っておりますが、新聞、こういうことも一つの手法だと思いますが、そういう教育環境を整えながら、そうしたものを学習の中で取り入れながらやっていくということは有効ではないかなと、こういうふうに思いますが。
○林紀子君 NIEのお話もありましたけれども、正にイラクの問題などはその一番大きな題材になるのではないかというふうに思うわけです。 そしてまた、学校では、特別活動ということで生徒会の活動などというのもあるわけですよね。先ほど河村大臣がちょっとこれにお触れになったのではないかというふうに思うんですけれども、それに関してお聞きしたいことがあるんですが、それは、一九九四年の五月二十日に文部省が、当時は文部省でしたね、事務次官が教育関係者にこの子どもの権利条約に、児童の権利条約についてということで出された通知の問題なんですよね。 〔委員長退席、理事亀井郁夫君着席〕 この子どもの権利条約は九四年の五月二十二日に発効いたしました。この通知は、その二日前、五月二十日に出されているんですね。この内容なんですけれども、この通知で意見表明権ということに関して述べられているところは、項目は四項目めと五項目めにわたるわけですが、その第四というところで何と言っているか。本条約の規定において、意見を表明する権利、表現の自由についての権利等の権利について定められているが、ちょっと飛ばしますが、必要な合理的範囲内で児童生徒に対し指導や指示を行う、また校則を定めることができるものであること。校則は、これは学校の責任と判断において決定されるべきものであることというふうになっているわけですね。 私はこれを読んで、これがどうして子どもの権利条約について出された通知なのかとびっくりしてしまったわけですね。というのは、今のこの十二条の意見表明権ということからいいましたら、子供の意見をちゃんと聞くということが第一なわけですから、校則は、これは、子供の意見をよく聞き、話し合って決定されるべきものであることというふうに書くのが当たり前ではないかと思っているんですが、学校の責任と判断において決定されるべきものであることというふうになっているんですね。これちょっと反対なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) この四項めですか、本条第十二条から十六、意見を表明する権利、表現の自由についての権利等の権利について定められているが、もとより学校においては、その教育目的を達成するために必要な合理的範囲内で児童生徒等に対し指導や指示を行って、また校則を定めるべきものであることと、こうなっておりまして、これは、意見を表明する権利に関して、やっぱりこれは、あそこの条約にもありますけれども、表明された児童の意見がその年齢や成熟の度合いによって相応に考慮されるべきという理念を一般的に定めておりまして、児童生徒等の発達段階に応じて、児童生徒の実態に十分把握してきめ細かな教育指導に留意すると、こうなっておるわけでありますから、これは、これを非常に押し付けておってという内容、これ、御指摘されたように、これはやっぱり子供の人権、児童の人権というものを配慮しながら、一人一人を大切にするような教育を一層推進する観点から、これ全体はそういう、そういう趣旨で全体が流れておるというふうに私はこれを読んで思うわけでありまして、この条約にそういう意味で反していると、こういう理解はしていないんでありますが。 〔理事亀井郁夫君退席、委員長着席〕
○林紀子君 それがどうも分からないんですけれども。確かに、その「なお、」ということで、児童生徒等の実態、保護者の考え方、地域の実情等を踏まえ、校則がより適切なものになるように配慮せよというふうに書いてはあるんですけれども、しかし、この四の言っていることは、校則は学校の責任と判断において決定されるべきものであること、十二条では、子供の意見表明権、子供の意見を十分に聞きなさいと、そういうことを言っているのに、校則はわざわざ学校の責任と判断において決定されるべきだということを通知しているわけですよね。 その次の五というところには、十二条一の理念を、十二条の一、先ほど言いました、子供は意見を表明する権利があるんだというその理念は一般的に定められたものであり、必ず反映されるということまでをも求めているものではないと、御丁寧にそういうふうに言っているわけですね。だから、子どもの権利条約では意見聞きなさいと言っているんだけれども、あれは一般的だから、実際、学校の中では、例えば校則決めるときには子供の意見なんか全然聞かなくっていいんですよ、御丁寧にこういうふうに注釈まで付けて出している。これは本当におかしいと思うんですね。 だからこれは、子どもの権利条約を周知徹底するといいながら、正に反対のことを周知徹底している、そういう通知じゃないかと思うんですね。 ですから、これは十年前に出されたことです。十年前には子どもの権利条約のその考え方というのがまだ文部省の中でも徹底していなかったのかもしれない。だから、もう十年たって今は、これは本当におかしい、反対のことだというのが分かったわけですから、これ撤回していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) この校則とこの条約との関係でございますが、憲法でも確かに意見表明権とあるわけでございますが、当然、こういったいろんな権利は公共の福祉による制限を受けるということはあり得るわけでありますし、学校の、しかも児童生徒の発達段階がある中で一つの決まりとして学校がこういう校則を定めると、これは当然あり得るわけでございまして、学校で定める校則が学校の教育目的を達成するために必要な合理的な範囲内の中であるならば、それらの校則によって児童の権利にある意味では一定の制限を課するというようなことも当然これは認められることでもあるわけでございます。 当然、意見の表明ということはその子供の年齢とかいろんな発達段階に応じて考えていくことでございますけれども、校則でありますとかそういう一つのルールというものを定めるということ、これは学校の判断と責任において決定をされると、そういう当然のことを述べていると、こういうふうに理解をいたしております。
○林紀子君 十年前と全然考えが変わっていないと。本当にこの十二条について文部科学省は何にも分かっていないというか、本当にねじ曲げるようなやり方をしているというふうに思うわけですよ。だって、校則なんというのは、さっきの世界の問題よりもっと自分に身近な問題でしょう。それがどうして子供の意見が入れられないんですか。学校が決めてしまうんですか。 これは、前回、九八年のときの日本政府の報告に対する審査について、当時の子どもの権利委員の一人がここに触れながら大変分かりやすく述べている部分がありますので、そのことをちょっとお知らせしたいと思います。 この通知というのは極めて制限的なものです。子供の意見を聞く機会について、機会については述べているけれども、子供の意見を耳に傾けるということについては何にも言っていません。そして、子供の意見を聞くということは、子供の意見を本当に考慮に入れるということを意味しますし、その意見が現実に考慮に入れられるということを保障しなければならないということを意味します。そして、今おっしゃいましたね、年齢の問題とか成熟度の問題とか、それについてもちゃんと言っているんです。 子供の意見が受け入れられないのであれば、なぜ意見が取り入れられなかったのかを子供に説明する義務があります。自分の意見を考慮してくれたこと、その決定に理由があるのだということを子供が理解すれば、望まない決定でも受け入れるのを容易にします。子供は理性を持つ合理的な人間なのです。 本当に子供をこういうふうに考えない、子供というのはもう大人の言うことを一方的に聞くものだ、こういう考え方だと校則は学校が決めますになるんです。しかし、子供というのは、自分の意見をちゃんと言う、しかしそれが間違っていることもあるかもしれないし、年齢発達途上ですから間違っていることというのも確かにあるでしょう。だけれども、あなたの意見はよく分かりました、だけれども、ここがこういう理由で受け入れられないんですよと、そういうことをきちんと説明すれば、きちんと子供はそれを受け止める。子供は理性を持つ合理的な人間です。このことがちゃんと受け取れるのかどうか、考えられるのかどうか、ここにかかわってくるんじゃないでしょうか。 大臣と、馳政務官、お願いはしておりませんでしたけれども、ちょっとここが一番大事なところですのでお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 四のところの表現の仕方でありますが、意見を表明する権利、表現の自由について、これについて、もとより学校においては、その教育目的を達成するために必要な合理的な範囲内で児童生徒に対しと、こうなっておりますから、この合理的な範囲内で指示や指導を行いながら、また校則も決めることができる。 この第十二条の第一項の趣旨も、児童生徒の、児童の意見を無制限に認めるものではなくて、例えば校則やカリキュラムは学校の判断と責任において決定されるものだと、このように理解されるわけでありますから、これが極めて押し付けがましいといいますか、一方的なというよりも、児童生徒の発達段階に応じて児童生徒の実態を十分把握して指導していると、このような趣旨でありますから、この条約に私は反していないと、このように理解をいたします。
○大臣政務官(馳浩君) 児童の権利条約の第十二条と校則という観点と、何か急に結び付けて議論しているのも私もいかがかなと思っておりますが、最終的な学校の運営に関する権利、決定権といったものは学校側にあるとしても、そのプロセスにおいて何がしかの検討がなされるのは常識でありましょうし、そういう観点からいえば、余り私はこの文部省の通知に関しても、そういったいわゆる検討のような問題についても排除している文言もございませんし、またそれは子供の意見表明する権利を排除しているものとも思えませんので、私は十分に第十二条の趣旨も反映されたものだと思っておりますが。
○林紀子君 お二人の今のお答えから見ますと、そうしますと、これは子供の意見というのは校則の場合も、ここは校則になっていますからね、校則の場合も十分聞くんだということなんですね。 そして、だから合理的な範囲内でとかということは、いや、それはちょっと違うよということがあった場合は、子供に納得のいくようにきちんと話し合って、そして、じゃ、ここを変えましょうと。子供が言ったことは、ここは取り入れられませんよということもあるかもしれないけれども、その大前提として、じゃ子供の意見をきちんと聞きましょうと。それが違っているよというときも、先ほど委員から指摘されたように、あなたたちの意見はここが違う、こういうふうに違う、それも納得ずくで話し合うと、そういうことだということですね。
○政府参考人(近藤信司君) やや手続的な問題になりますから私から申し上げたいと思いますが、個々の児童を直接対象とした行政上の手続ではない、校則の制定でありますとかカリキュラムの編成等の決定につきましては、条約上の義務としての児童の意見を聞く機会を設けなければならないと、ならないわけではないと、このように承知をしているわけでございます。あくまで校則は、児童生徒が健全な学校生活を営み、より良く成長をしていくための一定の決まりでありますから、学校の責任と判断で決定されるべきことであります。 ただ、もちろん、学校で校則を定めるときには、それは学校運営をうまくいく、あるいは子供たちに守ってもらいたいということもあるわけでございますから、当然そこでは校則の制定、見直しに当たりまして学級会、生徒会等で生徒に自らの問題として討議する場を設けるなどの指導上の工夫を行うと、それらの場面において必要に応じて児童生徒の意見も考慮していくと、こういうことは当然あることではあろうと、こういうふうに考えております。
○大臣政務官(馳浩君) 今、大臣ともちょっと検討して、検討というか話しておったんですが、私も実は中学生のとき一年間生徒会長を務めておりましたが、そのときも、そうですね、校則の問題について検討しましょう、各クラスに持ち帰って議論しましょうと。持ち寄って、じゃ改正するべきところはこう改正しましょうと。生徒会活動担当の教員にお願いをして、そして教頭先生、最終的には校長先生と話をして、そうですね、変えましょうねと。こういうふうなプロセスを経験したこともございますので、それは恐らく各学校の校長の判断であったり、またそういった意味では担任の先生方の判断もあるんでしょうと私は思っておりますので、検討は十分子供たちの意見を尊重しながらも、最終的な決定権は、これは学校長にあるとするならば、それを受け入れるという、こういったことは十分現場において尊重されているものと私は承知して、理解しておるものでございます。
○林紀子君 でもね、この文書を見た人たちは全部はそうは考えないんですよ。だから、これがやっぱり間違っている。 今度の勧告でも、これはまだ正規の訳ができていないかもしれません、NGOの訳ですけれども、教育、余暇及びその他の活動を子供に提供している学校、そのほかの施設において方針を決定するための会議、委員会その他の会合に子供が組織的に参加することを確保することと、こういうふうに明確に勧告をされているわけですね。ですから、この勧告を受けまして、またここをもっと分かりやすく、子供にも学校にも分かりやすくきちんと書き換えていただきたいということを是非お願いしたいと思います。 そして、それと同時に、やっぱりこの子どもの権利条約というものを子供自身がまだ知らされていないというところが随分あるわけですね。先ほど御紹介しました子どもの声を国連に届ける会の子供たちが委員に発言をしたとき、その委員の中から、君たちはどうやってこの権利条約を知り、それがどのような内容であるのかをどうして知ったのかという質問があったわけですね。そうしたら、その発言をした子供たちの一人が、子供アンケート調査を行った結果権利条約を知っている子供は三割しかいなかった、知っていてもこの権利条約っていう名前だけしか知らなかった、教科書に載っているが、名前しか載っていなくて、その内容やそれをどのように活用していいのかは書いていなかった、このような、だから自分たちが国連に声を届けようという、そういう活動をするまで自分も内容については知らなかったって言っているんですね。 だから、三割知っていても、三割の子供たちというのは、ああ、自分たちがこういうふうな意見を表明して、校則でも、今言ったように自分たちがこれにかかわって言っていいんだってこの通達からは読めないし、この通達が、通知が子供たちの手元に行っているか、行ってはいないと思いますけれども、でも子供たち自身が知らなかったら、やっぱりこれは子どもの権利条約にはならないと思うんですね。 そういうところをきちんと子供たちに知らせてほしい、そのことについてはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(河村建夫君) 文部科学省は、従来からこの本条約の趣旨、学校現場に周知するために事務次官通知出すとともに、各種の広報誌、あるいは教育委員会の担当者、校長、教員対象として各種協議、研修会等も行ってきておりますし、この条約の趣旨、内容等の周知徹底に努めてきておるところでございます。 これ、あわせて、各都道府県委員会においても児童生徒向けの啓発資料、あるいは教材の作成、配付等の取組を図っておられるわけでありまして、これらを通じて児童生徒に対して条約の趣旨、内容の周知を図ってきておりますので、今、十分でないという御指摘もございました。今後とも、各種会議、研修等を通じてこの趣旨が徹底されるように更に周知を図っていかなければいけないと、このように思っております。
○林紀子君 子供たちに、特にあなたたちはこういうことをすることができるんですよと、そういう能動的な、正に自分たちは意見を表明することができる、その能力は必要だとおっしゃっているわけですから、こういうことができるんですよということを知らせるような、そういうものを是非子供たちに直接渡していただきたい。それは、国連ではこういうことも勧告されているんですと、そういうことも含めて、是非それを大量に作って子供たちに直接渡していただきたいということもお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 先ほど御答弁申し上げましたように、この条約の趣旨が周知されるように各教育委員会、関係者、これを理解をいただいて、今、生徒向けのそうした分かりやすいテキストといいますか、そういうものを作って、冊子を作って、これを子供たちに周知徹底をしてもらう。このことはこれまでも我々通知を出しておるところでございますので、更にそのことの周知を図っていきたいと、このように思います。
○山本正和君 ちょっと質問の前に委員長以下理事の皆さんに申し上げますが、現在、出席人員は十一名であります。先ほどから時々一名いなくなって流会の状況が何回かありましたけれども、今後ひとつそういうことのないように、特に委員長並びに理事の皆さんはこれは責任を持っていただきたい、これをもう厳重に申し上げておきます。昔ならこれはもう一発で流会ですよ。与党だけで十一名おらぬと駄目なんです、本当は。これはちょっとやかましく言いますが、理事の皆さんにね。 そこで、今度は文部省に、大臣にお伺いしますが、実は私もいろんなことを振り返って考えているんですけれども、教育の基本的な国との関係についての議論が本当に文教委員会で今まで十分されてきたんだろうかということがやっぱり気になります。今日は、かなり、そういう意味でいったら、与党からも野党からも本当に義務教育はこれでいいのかというふうなお話がありましたから、大変私も勉強になりましたし、また文部省の方も大臣以下まじめに本当に取り組んでおられることがよく分かりました。 ただ、ちょっとここで私は振り返ってみたいんですけれども、いわゆる日本国ができて、いわゆる旧大日本帝国から日本国に切り替わって日本国ができたときに、日本国というのは教育を何よりも大事にしようというふうな国民的な合意があったと思うんです。国会でもそういう合意があったと思うんですね。もちろん、その背景に敗戦という事態がありましたし、アメリカ占領軍の民主化政策もあった。ちょうどイラクを民主化しようというふうな意気込みでアメリカも来たわけですからね。そこで、いろいろとあった中で、日本の教育の国との関与の在り方についての議論がされて、最初は教育刷新委員会だったかな、それからずっとこう変わっていったというんですけれども、いずれにしても、今度は、正式にアメリカ占領軍の関係がなくなってからできたいわゆる国の基本にかかわる審議会として、教育の問題の審議会として中教審ができたというふうに私は思っていますね。 その中教審ができたんだけれども、これがこの前の審議会等の再編で変わりましたですね。これは、ですから、前の中教審と現在ある中教審とどこが違うのか、この辺は文部省はどういうふうにお考えになっておるのかということをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(河村建夫君) 山本先生から今その歴史を振り返ってお話がございました。かつて教育刷新委員会というのは総理大臣の下に置かれておったということ、これは一つはやっぱり教育を大事にしようということであったと、私も歴史を見ながらそう思うわけでございます。そして、更に教育が普及してきた段階でこれから本格的なきめ細かな教育をしていこうということで、文部大臣の恒常的な諮問機関になっていったわけですね。 今回、平成十三年の一月六日に中央省庁が再編になってまいりました。このときに、省庁再編の一環といいますか省庁改革の一環として、この中央教育審議会は、今までいろんな審議会があって、を母体として、生涯学習審議会、理科教育・産業教育審議会、それから教育課程審議会、教育職員養成審議会、大学審議会、保健体育審議会、こういうものがあったわけでございますが、この機能を残しながら、これを整理統合して、それぞれ、それぞれの部会にして中央教育審議会の中に入れたということでありますから、全体の中央教育審議会の機能というものは今までと変わっていないというふうに私は理解をしておるわけであります。
○山本正和君 私も実はそう思っておったんですが、よく見てみると、表現が違うんですよね。これなぜ変えたんだろうかと思うんですがね。前の中央教育審議会は「文部大臣の諮問に応じて教育に関する基本的な制度その他」云々と、こうあるんですね。今度の中教審はここのところがないんですよね。ありますか。私が読み違えたらこれは私が謝りますけれども、「教育に関する基本的な制度その他教育、学術又は文化に関する基本的な重要施策について」と、こうなっていますよね。そこが抜けているように思うんだけれども、どうですか、抜けていませんか、今度の審議会。
○政府参考人(銭谷眞美君) 現在の中央教育審議会は、文部科学省組織令を根拠として設置をされております。それの、組織令の第八十六条に中央教育審議会の任務が掲げられております。その中に基本的なものとして、「文部科学大臣の諮問に応じて次に掲げる重要事項を調査審議すること。」と、こういうことになっておりまして、その一番最初に、「教育の振興及び生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に関する重要事項」ということがこの中央教育審議会の審議の真っ先に、審議事項の真っ先の事項として掲げられているわけでございます。 これは、このたびの中央省庁の再編に当たりまして、文部科学省の任務として、教育の面では、ただいま申し上げたような「豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成」ということが文部科学省の任務として規定をされておりましたので、そのことを受けて、そのことがすなわち文部科学省の教育部分の非常に重要な事項を審議をするこの中教審の審議事項として真っ先に挙げられたということでございます。
○山本正和君 強いて持って回せばそういうふうに読めぬこともないんだけれども、なぜ国の教育の基本的なという表現をここで取らなきゃいけないかと。要するに、それは取らなきゃいけない理由があったから取ったわけですよね。元々、そういうことでいったら、前の文部省設置令から始まるんだから、文部省設置令に書いてあるんだからね。なぜそうしたら国の基本的な事項と、これを書いたのと、こうなるわけだ。 要するに、ここはなぜこうなったかといったら、他の審議会と同じように体裁を整えたんですよ。いいですか。要するに、この審議会、審議会をこうやって整理するときに、各省にたくさんあったやつを全部整理しなさいと。五年以上使っていないものはやめなさいとか、いろいろ言ったわけですよ。それと一緒に中教審も扱われたということなんです、簡単に言えば。もうなぜ中央教育審議会が、例えば、こんなことを言ったらおかしいけれども、何だったかな、何とか病対策審議会というのがあるんですよね、厚生省には。それから、何やら振興審議会というのがある、いろんな細かいやつも。その全体の審議会と同じような扱いにこの文部省のこれもやられておるんですよ、形式的に見たらね。 文部省からしてみれば言い分があるから、どっこいそうはいかぬよという気持ちで、ここにこうあるからというふうな気持ちだったかもしれぬですよ、そのときの人は。しかし、少なくとも、この日本の国の教育を預かる責任を持っている文部省の立場からいったら、ここは一歩も引けませんと、文章はというようなことが私はあってほしかったと思うんですね。 だから、やっぱり中教審を、しかも前は文部省の法律の中にあったものを八条委員会にしたわけでしょう、これ。これも正に位置付けが違うんですよ、明らかに。格が下がっているんですよね。私は、ですから、国の基本というものが、昔は、貧しいときは、もう明治維新になって、世界じゅうの国と比べてこんなに貧しい国だから、教育を一生懸命やろうと思ったんですよね。だから、文部卿を何よりも大事にした。文部卿が一番偉かったですよ、昔は、大臣。今はこれは偉くないとは言わぬですよ。今も偉いかもしれぬけれども、昔ほど大事にしてもらっていないですよ。 しかし、そういう中で、今度は戦争に負けた、もう何も食う物ない、どこ行こうと、さあ文部省だと、こういうふうに役人の皆さんも一生懸命思ったんですよ。だから、私、前にも言ったことあるけれども、東京大学出て一番優秀な子が文部省に入った、かつては。それぐらいこの国を憂えて、やっぱりみんな教育のことを考えたんですね。 だから、私はそういう先輩の伝統を何とか文部省は引き継いでいただきたいと思いますし、大臣もひとつそういう決意で、今日は所信に対する質問ですから、文部大臣としてのその辺の決意をひとつ伺っておきたいと。
○国務大臣(河村建夫君) 山本先生の御指摘いただきまして、正に心を新たにして、正に日本の教育、国家百年の大計と言われ続けておりますが、こういう形で、その中央教育審議会の持っている機能、そういうものが後退することが、一歩でも後退することがあってはならないわけでありまして、そういう意味で、中央教育審議会の在り方というものを重視する、これからの文部科学省の政策の中でもその位置付けというものを間違えないようにちゃんとしていきたいと、このように思います。
○山本正和君 そこで、もう一つまたこれは大臣に頑張っていただきたいんですけれども、私は遠山前大臣にも申し上げましたし、その他の大臣経験者の皆さんにもお話ししたことがあるし、また森前総理とも話しました、この義務教育問題で。で、いろいろ見解を承った。 そうすると、正直言って、この中教審の方も若干誤解しているんですよね。文部省から受けた今度の三月の答申の中にもこういう言葉が入っているんです。いろいろとあってきて、要するに、学校の管理運営を包括的に決定することの意図について、こういう中で、こうした提案を踏まえ云々と書いてあるんですね。そこで、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三、骨太の方針においては、消費者、利用者の云々と書いてあって、ここでは、公立学校の民間への包括的な管理運営委託についてと、こうなってくるんですね。そうすると、何か知らぬけれども、文部省が責任を持たなきゃいけない教育の分野に、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三、これが国家の基本にかかわる問題にまで言うんですよ。 こればっかりじゃない、もっと前にもあったですよね。例の補助金整理のやつ。私は前も質問したけれども、申し上げたけれども、補助金というのは物すごいたくさん数がある、種類もある。ところが、義務教育国庫負担法という補助金は、それと一緒じゃないんですよ。ところが、扱い方は全く同じように扱われているんです、形はですよ。もうそれが私は不愉快だった。今度は特殊法人もそうですよ。大学なんというのは違うんですよね。これも、最終的には何かいろいろ、何というか、押されっ放しになっている。 私は、ちょっとこれは名前言いませんよ、しかし、自民党内の大変な実力者がこういうことを言ったですよ。いや実は小泉君は文教をやったことないものでと。だから、もっと本当に僕らも話せぬといかぬと彼言っておったんですよ。 私はここで皆さんにお願いしたいのは、大臣に特にお願いしたいのは、これまでは遠山さんは政党人じゃなかったですから、今度は大臣、政党人で、与党のホープですからね。だから、何とか文教の皆さんを集めて、これでいいんですかと、こんなことで本当に自民党が戦後五十年間やってきた政治は継続しているんですかと、国に責任持てますかと。何でもかんでも経済だとか効率だとかいうところへ行かれて、財政論から来ている、こういうふうな印象を私は受けるんですよ。 昔の自民党はこうじゃなかったと。私は昔の社会党ですから、ばんばんやられた方ですよね。それでも、やり合いしながら、有無相通ずるところあったですよ。それが今ないような気がして、しかし、何か昔の自民ではなくなってきた気がする。それから、文部省の方もちょっと元気がなさ過ぎるような気がしてね。文部省といいますか、文部省の第一線の皆さんが。 やっぱり元気出して与党に対してどんどん物を言っていただいて、与党を変えてもらわぬことには、私は正直言って、こういうことの三本立ての張本柱は、後ろに、後ろ盾が竹中大臣だと思ったものだから、竹中大臣と数人の議員で会ったんですよ。それで、この義務教育の話した。彼もこう言うんですよ。いや実は私も和歌山の小さな学校の小学校の出身なんで、こんな、もし義務教育国庫負担がなくなったらえらいことだと思いますと、こう彼も言っておるんですよ。 ところが、絶対、みんな彼をそういうふうに思っていないでしょう。骨太の方針でそれ行けやれ行けの仲間じゃないかと思っている。だから、私は、皆さんが話すれば、これは小泉さんもああそうだったかと言うと私は思うんですよ、本気になって話すりゃ、教育の問題もね。 先ほど有馬さんが言われたけれども、義務教育国庫負担と学習指導要領でもって戦後の日本を築いてきたんですよ。その一番根っこのところがもう心配で仕方ないんですよ、私は。そこを、そういう意味でひとつ何としても、今日は所信の日ですから改めてまたこのことを申し上げますので、本当に大臣にひとつ最後に決意を言っていただいて、これで私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 大変勇気付けられる御指摘をいただいて、有り難く思います。 私も、初めて経済財政諮問会議に臨みまして、財務大臣等から人確法があったんではその自由度が増さないような話も出て、私も実を言うとびっくりしたわけでございまして、これはこのまま放置はできないと思っておりまして、これまで大事にしてきた義務教育をいかにしてこれ堅持していくか、この根本を堅持していくか。これは一大臣だけの問題ではなくて、やっぱり教育を大事に思っておられる議員の皆さんを動員してでも対応しなきゃいかぬ。 この問題については、既に一度文部大臣経験者にもお集まりをいただきまして、この事実を訴えつつ、御理解をいただいて、官邸にも基本的な認識を訴えていただいたり一緒に助けていただいたりしておりますが、私自身も、これからまた総理ともこの問題について話し合わなきゃいけないときが来るわけでございます。特に総理からは、この地方の時代でやっぱり知事会から特にこの一般財源化にしろという話が出てまいりましたから、まず地方の意見をしっかり聞いてくれと、こういうことでございました。 そこで、総額裁量制の問題を含め、自由度を我々は無視するわけじゃないんだと、しかしその義務教育の根幹は国は守ると、こういうことをやってきて今日の日本を築いてきた。また、結果的にその方が財政的に、もし、よしんば財政的に考えてみてもこの方が安定した教育ができるんですと、しかし、ややもすると、これは教育論ではなくて財政論が先走っているということを我々としてはそのまま認めるわけにいかないと、こういう理論を今展開をいたしておりまして、知事会に対してもこの義務教育国庫負担制度の在り方についてきちっと理解を求めるように、文部科学省挙げてと言っていいと思いますが、今この問題にも取り組んでおるわけでございまして、今、山本先生御指摘いただいた点をしっかり受け止めながら、全力を尽くして頑張ってまいりたいと、このように思います。
○山本正和君 終わります。
○委員長(北岡秀二君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十八分散会