農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/03/25
会議録
○委員長(岩永浩美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 植物防疫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省医薬食品局食品安全部長遠藤明君、農林水産大臣官房総括審議官村上秀徳君、農林水産大臣官房統計部長山本領君、農林水産省総合食料局長須賀田菊仁君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長白須敏朗君、農林水産省経営局長川村秀三郎君及び林野庁長官前田直登君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩永浩美君) 植物防疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○三浦一水君 自由民主党の三浦一水でございます。 昨年、委員長をさしていただきまして、その間、委員会の運営で大変委員の皆様方にはお世話になりました。遅くなりましたが、お礼を申し上げたいと思います。 久方ぶりに質問の機会をいただきました。同僚の皆様方の御配慮にお礼を申し上げたいと思います。結構やってみると、また手間が掛かるものだなと感じております。 今日は植物防疫法ということでありますが、歴史的に果たしてきた役割は非常に大きいものがあると思っております。今回、そういう中で、三位一体の改革方針に基づきまして防除所の職員経費の一般財源化が図られるという内容になっておりますが、そういう影響が各方面で出ないのかなと危惧をしております。 まず、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) お答え申し上げます。 植物防疫事業交付金は、大きく分けますと、その対象、交付対象というのは三つに分かれております。一つは、今、先生がおっしゃいました病害虫防除所などの職員に要する経費でございます。こちらにつきましては、今回一般財源化をされるということでありまして、一般財源化によりまして都道府県の裁量の余地が増すわけでございますし、効率化が期待されるところでございます。 あと二つの交付対象でありますけれども、都道府県におきます植物防疫事業の確実な実施のための経費、一つは国が行います発生予察事業に協力をするための経費でございますし、またもう一つは病害虫防除所の運営に要する経費でございます。この二つにつきましては、引き続き交付金の対象として維持をすることといたしております。 それからもう一つ、一般財源化をされます減額、交付金として見れば減額になる分でありますけれども、これは所得譲与税という形で全額手当てをされまして、各都道府県の方に交付をされるということでございます。 それから、さらに加えますと、この植物防疫事業に要します経費は、全体としまして地方財政計画の歳出に計上されることになってございます。したがいまして、国からの交付金あるいは所得譲与税で手当てをされるほかに、必要なものにつきましてはこういった交付税の世界で別途手当てをされるというふうなことになってございます。 こういうこと全体を通じまして、今回の交付税の一部についての一般財源化によりまして、各県で行われております病害虫防除所の運営に支障が生じることがないようにというふうに私ども考えて、そのようにしたいと思いますし、また今回そういうことにはならないというふうに思っているところでございます。
○三浦一水君 御答弁どおり影響が出ないようによろしくお願い申し上げたいと思います。 植物の防疫体制の中で、検疫体制も組むというふうに聞いておりますが、昨今の状況の中では、WTOの協議あるいはFTAのそれぞれの各国との協議の場所でこの問題もよく議論をされるようであります。 リンゴの火傷病につきましては、我が国も大分アメリカの訴えに対してその不合理性を主張をしてきたところでありますが、残念ながら先般、パネルの勧告がなされたと、我が国に対する、ということを聞いております。今後、その問題についてはまずどういうふうに対応されるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) リンゴの火傷病についての今後のアメリカとの間での協議、あるいはこれに関連いたします取扱いということでのお尋ねでございますけれども、昨年の十二月の十日でございますが、WTOの紛争解決機関の方から我が国が取っておりましたこのリンゴの火傷病に関します植物検疫措置につきましては、SPS協定に整合していないという判断が下されたわけでございます。日本の主張が認められなかったということで大変残念なことだというふうに思っておりますが、そういう判断が下されました以上、それを受け入れるということで、一月の九日でありますけれども、そういうことを日本として表明をいたしました。 その結果、アメリカとの間で、具体的にいつまでにそれではSPS協定に整合した形の措置を実施をするのかというそういった妥当な期間というものにつきましてまずアメリカ側と協議をいたしまして、この点につきましては今年の六月の三十日までに実施をするということでアメリカと合意をいたしました。 次に、今年の三月の四日でございますけれども、それでは具体的にどういう措置にするかということがアメリカとの間での協議事項になるわけでございます。三月四日に第一回目の日米の技術協議を行いました。SPS協定に整合していないとされております問題につきまして具体的に日米間で協議を行いましたが、この第一回目の協議ではまだ合意に至るところまで行きませんでした。 そこで、期間としましては六月三十日までということで期限が限られておりますので、引き続きこれからアメリカと技術的な協議を行っていくということになります。その中で、私どもとして一番大事なことは、SPS協定に整合しているということはもちろんでありますけれども、やはりリンゴの輸入に伴いまして火傷病が我が国に入ってくることを防ぐ、これが何よりも大事なことでございます。この点をしっかりと念頭に置いてこれから日米間で協議を続けたいというふうに思っております。また、アメリカとの間で技術的な協議が一応調いますと、これは日本のリンゴの産地と関係者の方々にきちっとやはり説明をしなくてはいけないというふうに思っております。それから、パブリックコメントなどの実施も必要でございます。 そういったもろもろの手続を経た上で、六月三十日までに実施の体制を整えることができますように措置をしたいというふうに思っております。
○三浦一水君 今伺いますと、これは私、勧告が行われますと問答無用でそのルールに基づいて我が国はいろんな条件を受け入れなければならないのかと思っていたら、かなり二国間の協議の中に残されたことも多いような気がいたします。そこはしっかり粘り強く、今おっしゃっていただいたように、火傷病がやっぱり入ってこないことなんですね。その措置が取れるように、この点でもお願いを申し上げたいというふうに思います。 私は、FTAの各国との協議については大いに進めるべきという基本的な立場を持っておりますし、考え方をしております。ただ、まだそれを進めるためにも我々が考えなきゃいけないこと、併せて考えなきゃいけないこともかなり多いんだなというふうに感じております。 そういう中で、この植物あるいは動物の防疫、それを水際で防ぐべき検疫という点については各国から我が国の体制を緩和してくれということが大分要望であるやに聞いておりますが、その辺の状況を少し教えていただけませんか。
○政府参考人(中川坦君) FTA交渉との関係で動植物検疫について相手方からどういう要望が出ているかというお尋ねでございますけれども、先般、我が国について交渉が決着いたしましたメキシコとの交渉におきましても、当初はメキシコ側から食品衛生ですとか検疫措置について緩和をすべきであるというふうな提案がなされておりました。また、韓国、タイ、マレーシア、こちらの方はこれまで産学官の研究会をずっと行ってまいりましたけれども、その段階でのお話でありますが、動植物検疫措置が貿易制限的な性格を持っていると、そういうふうなものが貿易障壁とならないようにしてもらいたいといった、そういう相手側からの見解は幾つか示されているところでございます。
○三浦一水君 FTAは我が国の国民の利益全体を考えて、私は促進すべきという考えは持つものの、国民の安全、安心を損なうようなことが妥協の産物として行われるなら、それはとても容認できることではないと。この検疫体制もそのうちの一つではなかろうかというふうに考えております。 それと、やっぱりこれはもう実態論として考えなきゃいけないのは、なかんずくやっぱりウルグアイ・ラウンド以降、我が国の農業は関税を全体的に引き下げたということで大変なやっぱり国際的な競争の中で今あえいでいるという状況ではないかと思います。野菜辺りも、トマトはもう三%とか、メロンはもう六%であるとか、ナス、ピーマンも三%と。もうほとんど関税は、その言葉を国際協議の中で使うべきか、我が国にとってはもう関税障壁として頼りにはならない状態になっているということが言えるんではないかと思います。 この上で、いわゆる植物・動物検疫の体制が緩和されるとするならば、それは大きな痛手を農家経営上も与えてしまうということも我々十分留意しなければいけないんではないかと思います。その辺で政府のお考えもちょっと聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 先ほどお答え申し上げましたメキシコとのFTA交渉の際に、当初メキシコ側から動植物検疫の緩和の要求がされたということをお話しいたしましたけれども、我が国といたしましては、こういった動植物検疫を貿易促進の観点から取り扱うというのは適当でないということを強く説明をいたしまして、メキシコ側からの要求については拒否をしたわけでございます。 今後とも、各国とのFTA交渉というのが始まりますが、こういった動植物検疫につきましては、その解決のためには、やはり個別事案ごとにWTOのSPS協定に則していくというのは当然でありますが、それぞれの事案ごとに専門家同士によります科学的な根拠に基づいた技術的な検討というのが不可欠であるというふうに思っておりますし、またこのSPS協定に認められております輸出国あるいは輸入国の権利につきまして、あるいは義務につきまして、それを変えるようなものであってはならない、それからまた、協定上のこういった権利につきまして侵害するようなものであっては受け入れることができないという、こういう基本的な立場で臨むことにいたしております。 したがいまして、このFTA交渉によって我が国が現在取っております動植物検疫、その基本的な措置というものが揺らぐようなことはあってはならないというのが私どもの考え方でございます。
○三浦一水君 そういう中で、最近、我が、私の選挙区の熊本も含めて、全国的に非常に困った病気が一つはやっております。それは黄化葉巻病というトマトに付く病気でありまして、これは何か聞くところによると、平成八年ごろ静岡県での発生が最初に報告をされたと聞いておりますが、熊本辺りじゃ十一年ごろから急速に広まりまして、どうも聞くところじゃ、何かシルバーリーフコナジラミですか、そんな害虫が日本に入ってきて、それが何かウイルスを媒介して、これが付いたやつを私も見ましたけれども、このトマトの株が株ごともう全部駄目になるという状態で、最初は熊本でいいますと八代平野が一部だったんですが、今やそれがもう急速に拡散しまして、玉名平野あるいは熊本平野、あるいは私が住んでおります鹿本の農地まで広がってしまいまして、熊本県の今一千百ヘクタールと言われるトマト耕作栽培面積がありますが、一割以上は少なくとも被害を受けているという状況なんです。 これについて、これもうしっかり私は原因をつかんでいただきたいと思いますし、また対応もしてもらいたいと思うんですが、全国的な広がりがあるというふうに聞いておりますので、その状況を少し、それから原因も含めて教えていただければと思います。
○政府参考人(中川坦君) この黄化葉巻病でございますけれども、先生今おっしゃいましたように、日本で初めて発見をされましたのが静岡県でございまして、平成八年の八月でございました。 その後、西日本、中部日本から西にかけて広がっておりまして、現在では十二の県でその発生が確認をされております。残念ながら、これまでの国内での発生の原因、それから十二県に広がった、その広がった経路といいますか、発生の経路といったものにつきましては十分分かっておらないところでございます。 この黄化葉巻病は、シルバーリーフコナジラミというもの、コナジラミの一種によって媒介をいたします植物ウイルス病でございます。なかなか対応の手法というのも決定的なものがありませんで、結局、コナジラミが、媒介をしますこのシルバーリーフコナジラミがそこの施設に入らないようにということがまず第一点でありまして、いったん入ってしまったらこのコナジラミをできるだけ早く撲滅をするということが二点目であります。そして最後に、どうしても植物体に感染をしてしまったということになりますと、この植物を引き抜いて焼却をするという、そういう措置をすると、三段構えのことでありまして、このウイルス自体に対します有効な薬がないという中で、各産地においては大変苦労されているというのは私どもも承知をいたしております。 現状ということで申し上げれば、今のような状況でございます。
○三浦一水君 シルバーリーフと、何かグレートバリアリーフじゃないけれども、非常に何かかわいい虫かと思うと、もうとても始末に負えない、五ミリぐらいの虫らしいんですよね。目で見えるわけでありますが。 今、対応を現地でも聞いておりますと、今おっしゃったように、ただネットを張ると。だけれども、その虫がいて病気になった株を抜くというような、もう実に涙ぐましい範囲の努力しかできないわけですよ。これもうちょっと抜本的な対策というものが要りますよと私は思うんですが、是非その辺は、沖縄でのウリミバエを撃滅したという実績もあるようでございますから、短期的にやれることと、それからやや腰の要る話と区分けをしながら、もう少し腰を入れてやっていただかないと、これはもう全国的な拡散になってしまいます。もう非常に早いです、これ、私が見る限りでは。ということでお願いを申し上げたいと思います。もう、先ほど言ってもらったことで答えは結構でございますので。 それから、ちょっと植物防疫を離れますが、せっかく質問の機会をいただきましたので、新しい経営対策について若干聞かせていただきたいというふうに思います。 まず、私は、農業基本法、我々数年前に取組をしまして、立派な基本法ができたと。一つだけ私はもう今でも自戒の念を持っておりますのは、あの前文に書きました農業生産については国内の農業生産を基本とするという条文を、国内農業生産の増産を基本とするというふうに与野党の調整の中で修正がされたと。私は、これは法律としては、国内農業生産を基本とするということの方が明確かつ強いんではないかという気持ちを持っておりましたので、国内増産を基本とするということであれば、もうその時点からの、現状からの、その段階からの増産に取り組んでいればそれでいいということになってしまうので、ここは是非本来の趣旨を生かしながら、国内農業生産を基本とするなら五割を割り込む自給率ということは食料安全保障上もあり得ないんだという、この基本的な精神にのっとって今後も基本計画等やっていきたいということを冒頭にお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 それで、基本法以降は、これはWTOの協議の整合も図りながら、価格は市場に、そして所得は政策でという一つの大きな方針でもって我々は農業政策を議論してきたと思うわけでありますが、今回の作目横断的と言われております、また大臣が昨年八月にそのことを指示されましたことは、もう本当に大きな私は拍手をもって期待をしたわけでございますが、一方で直接支払も視野に入れたといったようなことも指示の中にあったようでございます。包括的に、まずこの新しい経営対策については何を目的にしていくのか、その点をお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 食料・農業・農村基本計画の見直しに当たりましては、今、委員からも御指摘がありましたが、諸外国の直接支払の制度も視野に入れて、個別品目ごとの価格支持的な施策から担い手に対する品目横断的な政策へ移行することを含めて、施策を担い手へ集中すると、これを基本として競争力の強化に向けた農政の展開を見定めていきたいと。またそれと同時に、担い手の経営に対する支援策の検討、これに併せまして、やはり食料供給基盤、こういう面でのこの確保とあるいは多面的機能の発揮、こういう観点から、環境やあるいは農地、水等の資源を保全、また増進する政策体系を整備する必要があると思います。 そういう面で、これらを一体的に取り組むと、こういう中で食料の安定供給や多面的機能というものの発揮というものが図られ、基本法の理念というものが実現できるように考えてまいりたいと、こう思っておるわけであります。
○三浦一水君 今の答弁の中でもありました、担い手に一つの重点を置いていくということは私も十分理解ができるところでありますが、全体の大局をやっぱりよく見ていかなければならないんだろうと、若干異論も感じます。 と申しますのは、これがまた土地利用型ということになっていきますと、どうしても米、麦、大豆重点になってくると。作柄としての米、麦、大豆重点になってくるんではなかろうかというふうに思います。そのときに、対象の担い手は別に置いて、それが結果として地域がどういうところになってくるのかということもよく念頭に置かなければならないと思います。 我々が議論し、そしてまた国民の最も大きな期待があるのは、多面的機能を農業がいかに十分に発揮できるかというところが期待であるようでありますし、食料安全保障上の、特にBSE騒動あるいは鳥インフルエンザ騒動の中では、やっぱり食料自給率の向上、あるいはそれを維持すること、最低でも、食料安全保障面での期待というものが非常に大きいんだろうということを感じるわけであります。 そうしますと、やっぱり地域的に、特に我が国の大多数の国土というのは、上流、山が、里山があって、そこでためられた水、保全された水資源が、そして下々の生活を支えていくという構図にあるわけで、人口の集中しているところもそういう地域が多いんだと、全国的に。この政策は、やはり税金に基づいて我々は国民の福利を求めるものであるとするならば、そういう大局的な視点というものがまず第一に必要なのではないかと。それは担い手ということよりも更に優先されるべき私は問題であるなと。そこを抜きにしてこの新しい経営対策というもの、またWTOとの整合を図ったいわゆる直接支払も視野に入れた、どっちにしてもWTO上の黄色の政策は打ち立てられないわけでありますから、少なくとも青かあるいは緑の政策でしか我々は対応ができないわけでありますから、そこはきちんと見ていく必要があるんだろうというふうに思います。 大臣、さらにお考えがありましたら。
○国務大臣(亀井善之君) 今の施策を担い手に集中する、このことを基本として農政の展開、これを求めていきたいと、こう思っております。 しかし、今、委員からも御指摘のとおり、やはりプロ農業経営と一体になって、地域におきます環境や農地やあるいは水等の資源の保全と、多面的機能の発揮の面で積極的な役割を果たしていくことも十分考えられることでありますので、そうした位置付けの中で新たな政策体系を整備してまいりたいと。 そういう面で、やはり担い手以外の零細小規模な農家、こういう農家の問題、これはやはり集落経営体、そういう中の構成員としてのプロ農業経営への参画であるとか、あるいは自給的、生きがい的な営農活動を選択する、あるいは生涯現役で営農活動を継続するとか、あるいは農地を周囲のプロ農家、農業経営に貸し出す等によりまして賃料収入を得ていくというような、いろいろ農業者の意向というものはあるわけでありまして、それらの選択というものも十分考えられるわけでありますので、委員御指摘のように、先ほども申し上げましたが、地域における環境あるいは農地、水等の保全、そういう面で多面的機能の発揮等の問題というのは十分考慮して対応していかなければならないと、このように思っております。
○三浦一水君 ちょっとそれに関連して、この新しい対策をやっていく中で、その財源と規模というのはどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(亀井善之君) 厳しい財政の中でこれらの問題、今基本計画の見直しを、食料・農業・農村審議会、この企画部会でいろいろ議論をしていただいております。そういう中で、やはりこのような財源が厳しい状況下でありますので、いろいろの施策を総合的に、また効率的に対応していく中で考えていかなければならないわけであります。 やはりそういう面で徹底した歳出の見直しをやらなければなりませんし、また無駄なものはこれ考え直しをすると、そして必要なものは特に重点化をした形で進めていくと、こういうことが基本的なことになろうかと思います。
○三浦一水君 内容がこれから議論されるわけでありますから、財政の規模というのはそれからの議論になるかと思いますから、それ以上聞きませんが、ただ、私が懸念しますのは、やっぱり今国民の期待はどこにあるか。 私は、実は昨年のWTOに関しますミニ閣僚会議が我が国で主催をされました折、これは自民党の話で恐縮でありますが、各消費者団体の方々にお集まりをいただきました。その席で、全国主婦連始めいろんな方々が、系統を問わずお呼びいたしたわけでありますが、口々に農業政策の在り方について意見を述べられたこと、非常に驚くべきことがありました。 それは、基本的に農業予算を減らすなと、そのことをはっきりと言われました。そしてまた、ただしその中の組替えをしてもらいたいんだと、やっぱり農家に対する直接支払を国民に目に見える形でやってもらいたい、そのことが今農家を支える、そして、ひいては農業が果たす多面的機能を維持していくために、我々サイドからも、消費者のサイドからも是非お願いしたいんですよということを言われたことが非常に鮮烈な印象を今も持っておるわけでございます。 そのことは、第一義に我々はやっぱり国民の予算を見ていく者としては考えていかなければならないんではないかなというふうに思っております。私は、やっぱり今国民のこの面に対する理解が急速に進みつつあると。十年前とは随分違うなということを率直に感じます。で、そこまでのやっぱり話が出てくるんだろうと思いますが、やっぱり農業は環境の保全機能を果たし、農民は、農民農家は自然の番人であるわけでありまして、そこの機能をどう国として位置付けていくかと。自然の番人である、環境の番人であると私はそう思います。そのことがやっぱり国民の一番の期待だろうと。ここに視点を置いた政策であるべきだということを是非言っておきたいと思います。 ちょっと、これはもう質問の最中に余談になりますが、WTOの交渉の関係で、私も議員外交の一端を務めさせていただいて、各国、話をさせていただきました。その中で、我が国の農業、なかんずくウルグアイ・ラウンド以降がどれぐらい厳しいかということを私も訴えるわけです。各国の理解を得たいと。 ところが、それから、向こうから返ってくる言葉、私は少なくとも三人の方からそのことを言われました。一人は、一般理事会議長をお務めになっていたカスティーヨさんですね、ウルグアイの。カスティーヨさんにそのことを言ったときに、カスティーヨさんはしばらく考えて、三浦さん、それは分かると、日本の窮状も分かると、しかし日本は手だてがあるじゃないかと、デカップリングという方法があるじゃないかということも明確におっしゃった。これだけの経済力を誇りながら、どうしてそういうことで国内的に農業者守るという手だてを日本はしないんだということを明確に言われた。それから、先般、イギリスの貿易相と、日本、我が国で言うと経済産業相、ちょっと正確には私は今記憶していないんですが、朝食会で意見交換をさせていただきました。先月だったと思います。その折も同様の趣旨をおっしゃる。日本は、私の質問に対してやっぱり、デカップリングという手法があるじゃないかと、EUもそのことを導入をしてきたということを言われます。 まさしく私は、今のマスコミの方々と意見を交換する中でも、明確にすべきはここの点だというふうに思っております。これは、ですから残念ながら作目横断的経営対策というのは非常に私は納得がいきません、そういう意味で。今このWTOの交渉の時期にあるからこそ、我が国の、我が国独自のデカップリングという明確な打ち出し方を私はして、そのことを国民議論にのせていくべきだと思うんです。のせていくべきだと。(発言する者あり)いや、そう、そうなんですよ。何か自民党かと言われているけど、そうじゃないんだ、そうじゃないんだ。 審議会も、食料・農業審議会が今、大臣の御諮問でこのことを議論されていると聞きますが、非常に作目横断的と、なかんずく担い手、そして土地利用型、あるいは生産性の格差というところに視点が、そこに多く視点が当たっていった場合に、我々が国民の期待にこたえる政策を打ち立てられるかと。この機を除いてないんじゃないかと、私は。 それを実は昨年の八月二十八日、大臣が御指示があった後に新聞を読みまして、私は大変な期待をした。そして、そのことを大いに熊本県の農家の方々とも期待を持って今日まで語ってきましたが、残念ながらどうもそこのところは少し方向が違うような気がしております。 これは、規模の問題、予算の問題を私は言うんではありません。それは、いろんな今の財政状況に合った形があると思いますが、私は、そこのところをやっぱり国民的議論として、打ち出し方としてきちっとやっていくべきではないかと思いますが、大臣のお考えを更に。
○国務大臣(亀井善之君) 現在、この企画部会でいろいろ議論をしていただいております。この問題、今、諸外国の制度、こういうものも視野に入れてということを私は申し上げておるわけでありまして、そういう中で、精力的に会議を開いていただき、そしていろいろの意見をちょうだいしておりますし、またオープンにやっておるわけでありまして、そういう中で、いろいろの議論を踏まえてしっかりした対応をしてまいりたいと。 特に、今日、BSEや鳥インフルエンザの問題と食料の自給率の問題等々、消費者の皆さん方も大変関心をお持ちをいただいておるわけでありまして、農業の問題というものは、それは大変、今まで以上に国民の理解というものが得られるような状況にあるわけでありますので、それにこたえるような対応と、このことを十分意識、認識をして、今その基本計画の見直しの作業に入っておるわけであります。広く、幅広くいろいろの皆さん方の御意見というものを承って対応してまいりたいと、こう思っております。
○三浦一水君 是非そのようにお願いしたいと思います。 ここから先は蛇足だと思うんだけれども、もう一言言わせていただきますと、おとつい段本先生もちょっとそのことをさらっと御指摘されましたが、今まあWTOの交渉の状況があります。 私ももうつぶさに繰り返して言いませんが、その中で、関税の上限を引こうという考え方が大きくクローズアップされてきたわけでありまして、米、麦、大豆というと、日本のやっぱり関税の高い主要品目の三つでありまして、米四九〇%ですか、小麦が二一〇%、大麦は一九〇%と、そういった状況でありまして、あの議論がどうも、アメリカ、EUは二〇〇%というのが念頭にあったんじゃないかと、表には出てきてないようでありますが、そういう議論をされておる。それをどうも前提に今の新しい経営対策は話をされているんじゃないかといううがった見方も出てきますから、ここはよりやっぱり、先ほど来申しておりますことはきちんと基本として整理をされるべきだろうというふうに思っております。 もしそんなことが、我が国は事前準備をこの協定の成立に対してしているようなことになりますと、これはもう全世界に対して我々はこれを上限設定を、関税の上限設定を受け入れるというメッセージを発してしまうことにもなるわけですから、これはもうそういう意味からも、十分気を付けなければいけないことだというふうに思っておりますので、ここは蛇足でございますが、その点指摘をしておきたいというふうに思います。 次に、さっき申しました食料自給率の問題というのは、これはもう非常に頭の痛い問題でありまして、本当にそれを上げるための努力というものは大変なやっぱり国民全体の努力も理解も必要だなというふうに感じております。 ただ、どうも先般のアメリカのBSEの発生、BSE、それで我が国のその牛肉の三分の一が今空白が取りあえずできたといったような状況やら鳥インフルエンザのことで、最近自給率を言われることがやっぱり選挙区においても多いんですよ、非常に。それまでの議論とはまたちょっと違うんですね。 その辺は大臣、どういうふうに感じ取っておられますか、ちょっとお伺いします。
○国務大臣(亀井善之君) 一つの調査でありますけれども、昨年末、これはBSE、鳥インフルエンザの以前の調査でありますけれども、食料自給率目標に関する意識・意向調査、昨年十一月中旬から十二月中旬に実施をしたことでありますけれども、これによりましても、食料供給に対する不安と食料自給率の向上の必要性に関する意識が高い結果が得られております。またさらに、その後のBSEあるいはインフルエンザの問題等々から、国民の食料の自給率に対する関心というのは非常に高くなってきておると思います。 やはり、そのような状況の中で、この食料の供給とまたそれに不安のないような問題と、自給率の要請にこたえていかなければならないわけでありまして、そういう面でも、食料の安全と信頼を確保すると、そしてこの食料・農業・農村基本法に基づきます国民に対する食料の安定供給、あるいは食料自給率の向上に全力を尽くすということが当面大きな課題と。 また、先ほど来の御議論の中でも、農業に対する国民の皆さん方のお考え、これは自給率の問題と全く私は重要な関連のあることでありますので、そういう中で、基本計画を見直しをし、そういう心配のないような努力をしていかなければならないと、このように思っております。
○三浦一水君 やっぱり自給率の向上を図ろうと、その努力をするならば、なぜ下落してしまったかという原因をまず的確に把握することだろうと思いますが、その点、政府参考人あるいは大臣からでも結構ですが、どのように見ていらっしゃいますか。
○国務大臣(亀井善之君) 現在、御承知のとおり、我が国の食料自給率、カロリーベースで四〇%と、もう主要先進国の中で正に最低の水準にあるわけであります。 やはり、消費の面で、また消費、生産あるいは食品産業、これ三位一体なったいろいろの努力をしなければならないと、こう思っております。消費の面でも、やはり風土に適した農水産物を食べるという考え方が必要なことでありますし、これは食育の推進ですとか、あるいは今、我が国の食料の消費、非常にバランスが欠けて、またそのことが外部化、洋風化と、こういう中でバランスが欠け、それから習慣病と、こういうような問題にもいろいろ指摘をされるようなわけであります。 また、生産面では、国内作付け可能なものはできるだけ国産で賄うと、こういう考え方、これはもう必要なことでありますし、振り返って考えれば、昭和三十五年ころは八〇%、こういう数字だったと思います。しかし、何といっても米の消費がその当時に比べたらもう半分という時代と、これがやはりこの自給率の低下の大きな要因でもあると思います。 また一方、飼料や原料を輸入する畜産物、油脂類、こういう消費がそれぞれ五倍、当時に比べたら五倍、三倍に増加していると、食生活の変化と、こういうものが主な低下の原因でもあるわけでありまして、いろいろ消費、生産、また食品産業一体になった形で自給率の向上のために努力をしていかなければならないんではなかろうかと、こう思っております。
○三浦一水君 どうも聞くところによりますと、とにかく米が減ったというのは、その分、肉や油を取るようになったと。だからといって、肉を食うな、油を取るなとは言えないですね、これは。これは言えないわけで、そういう是正はできないわけであります。 ただ、私が着目しておりますのは、国内の肉の供給ですね。国内産の牛肉の供給の比率というのは、昭和三十年、四十年当時とそう大きく変わっていない。そういう意味では、畜産の供給量、最終的な供給量は我が国はまだ維持ができているんだと。ただし、その最終製品、肉を作るための飼料ですね、飼料の輸入の比率が非常に高くなってきているというところが目に見える食料自給率を下げる要因としては一番ではないかと。これはもう答えは要りません、これまでも明らかな議論でありますので。そういうふうに言われております。 そういう中で、やっぱり飼料を我々がどう今度は生産面から国内産に、国内化を図っていくかというのはやっぱり大事な視点だろうというふうに思っております。それにしますと、やっと水田の対策の一環で、耕畜連携という考え方で畜産の予算も一部投与してきたかとは思いますが、ちょっとやっぱり手薄じゃないかという感じがします。そして、給与実証事業というのも今年までは年度一杯やっているんですが、来年はそれを、給与実証、えさをやってみてと、これはホールクロップサイレージの話であると思いますが、やってみて、それをやってみようと。 そうしたら、非常に好評なんですよ。酪農家が言いますには、非常にいいと。乳量は五百キロぐらいは減るかもしれないと、年間で見て。しかし、九千もの乳量が必ずしも必要なわけじゃないと。その分WCSでえさ代が下げられると、それがキロ十五円ぐらいにはなると言っているんですね。ですから、これはもう非常にやってみて有効だという話をしております。 ただし、やっぱり耕畜連携ということになってきますと、地域的に横持ち運賃というのが発生をしてくるわけでありまして、それをどうカバーするかというのが非常にこの耕畜連携の中のキーポイントになってくるわけですね。よってもって、どうも畜産が身近に余りあってない北の方、近畿以北になってくるとそういう取組が、WCSの取組が少ないという結果にもつながっているようであります。 九州は、いずれにしても五千ヘクタールのうち約六割ぐらいは九州がやっているようでありまして、熊本千三百ヘクタール、宮崎千ヘクタール、鹿児島七十ヘクタール。でも、一つ着目しておりますのは、新潟でも百七十ヘクタールやっているそうでありますね、新潟でも。佐賀はちょっと数字がなかった。ごめんなさい。 ということで、私はその耕畜連帯をより広域的に図っていく、そのために政府が水田の対策の一環という枠を超えて、やっぱり国内の自給率向上の、今度は一方で食育等は消費者に、消費に着目をした方法でしょうが、生産面からもやっぱりこれはきちっと着目していく必要があると、裏付けをしていく必要があるということで、この飼料を今後どう扱っていくか、粗飼料でありますが、そのお考えをちょっと聞かせていただきたいと思います。
○委員長(岩永浩美君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(亀井善之君) WCS、稲発酵粗飼料の問題、これは稲作農家にとっても作りやすい転作作物でありまして、畜産農家にとっても家畜が好みます飼料作物として評価されておるわけでありまして、これは稲作農家と畜産農家との連携が重要なことでありまして、十六年度もこの助成事業も継続してまいるわけでありまして、この飼料の自給率の向上のために水田を活用した飼料作物を生産の推進をし、WCSなど水田に適した飼料作物の作付け拡大を図ってまいりたいと、このように考えております。 ─────────────
○委員長(岩永浩美君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として西山登紀子君が選任をされました。 ─────────────
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。三浦前委員長の大変すばらしい視点に富んだ質問の後、四十五分間、若輩者ではありますけれども、お付き合いをいただければと思っております。 二〇〇一年に、九月十日に日本で初めてのBSE感染牛が発表されてから、日本では食の安全、安心が叫ばれて、そしてまた食への危機管理、予防への日ごろからの意識を問われてまいりました。その後も偽装表示等、モラルを問われるような、そんなことが次々に起こってまいりました。現在もアメリカのBSEの問題、豚のコレラについて、また鳥インフルエンザについて等、連日プレスリリースのような形で私の事務所にも送られてくるような状態が続いているというのが現状であります。 私が現在気になっているのは鳥インフルエンザのことですけれども、一月に山口で患畜が確認、確定されて、大分、京都と広がり、カラスからもインフルエンザが確認される中、いろいろな形での対応をされてきていると思いますけれども、特に三月の十六日には関係閣僚の皆さんの会合で鳥インフルエンザ緊急総合対策についても取りまとめられたというようなことがあったようですけれども、現在の鳥インフルエンザの現状、これを確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) まず、お尋ねの趣旨でございますけれども、一つは、現在、京都において鳥インフルエンザの防疫対応というものが行われてきておりましたので、まずそちらの方につきまして御説明をさせていただきたいというふうに思います。 この高病原性鳥インフルエンザへの防疫対応というのは、私どもの方で去年の九月に作っておりました防疫マニュアルに沿って行うことにしておりまして、発生がありますと、まずそこのところを中心にいたしまして半径三十キロの範囲につきまして移動制限というものをお願いをするわけでございます。その上で、発生した農場におきましては、そこにおります鶏の殺処分、あるいは殺処分したものについての埋却といったような措置を行いますし、あわせて、農場の消毒なりあるいは関係車両の消毒といった必要な防疫措置を進めてきているわけでございまして、この京都の事例について言いますと、当該農場の飼養羽数が約二十五万羽ということで大変量も多かったということで、その殺処分をした鶏の埋却に相当の時間が掛かりました。それから、最後まで残りましたのは鶏舎の中に残っておりました鶏ふんでございまして、これはやはり汚染物品ということになりますので、きちっとそのウイルスが周囲に飛散をしないような形で処理をしなければなりません。京都府の方でも大変御苦労されまして、最終的には、その鶏舎の中で消毒をした上でビニールシートをかぶせて、そこで発酵消毒という形で処理をするということが決まりまして、去る三月の二十二日でありますけれども、こういった措置ですね、安全、ウイルスが外に飛散しないような形でする措置が終了いたしました。ですから、この三月二十二日が現地におけます防疫対応、防疫措置が終了した日にちということになります。ここから起算をいたしまして、新しいマニュアルでは、二十一日間基本的に移動制限というものを現地においてお願いをするということになってございます。 現在は、この京都の移動制限区域内におきまして、第一次の清浄性の確認のための検査、すなわち周りの養鶏農家の方々が飼っておられる鶏に臨床症状が出てないかどうか、あるいはウイルス分離なり抗体検査をして、この鳥インフルエンザのウイルスが検出されないかどうかといったチェックを今いたしておりまして、この第一次の清浄性確認の検査が一応終了した時点で、専門家の方々にまた御意見を聞いて、この三十キロ圏内の移動制限措置についてどうするかということについて御意見を伺った上で判断をしてまいりたいというふうに思っております。 これが京都におきます取りあえずの今の状況でございます。
○羽田雄一郎君 それでは、緊急の総合対策についての方をお願いしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 高病原性鳥インフルエンザの問題は、家畜衛生上の問題だけではなくて、食の安全、安心の確保という点でも大きな問題でもありますし、また、この鳥インフルエンザのウイルスが人に感染をしないように注意をしなければなりません。そういう意味で、国民の健康確保といった問題とも関連する大変大きな問題でございます。 そこで、関係府省でこれまで緊密な連携を取って対応措置を講じてまいりましたけれども、三月の十六日でございますが、関係閣僚会議が開催されまして、そこで鳥インフルエンザ緊急総合対策というものが取りまとめられたところでございます。 大きくは六つの柱から成っておりまして、まずその一つ目は、蔓延防止対策の徹底ということでございまして、発生防止に向けて、きちっと生産農家段階で、例えば野鳥が入らないようにする、あるいはネズミが入らないようにするといった、そういったきめ細かな発生防止の対策を取っていただく必要があること。また、不幸にしてその発生があった場合には、早期発見・早期通報というふうなことをきちっと対応していただくというようなこと、もろもろの蔓延防止対策の徹底ということが一つ目の柱でございます。 それから、国民の食に対する不安を払拭するための措置ということで、正しい情報をきちっと国民の方々にお知らせをする、そのための措置が二つ目の柱でありますし、また、三点目としまして、人への感染防止、国民の健康確保のための措置というものも項目として挙げられてございます。 それから四点目の、先ほどもちょっと申し上げましたが、この高病原性鳥インフルエンザの対応というのは、何よりも早期通報をしていただいて、そして早く対処するということでありますので、その早期通報の促進と、それから一定の範囲の養鶏農家の方々に移動制限を課すわけであります。そういった被害防止のために一定の協力をいただく、そういった方たちを対象といたしました被害防止のための法制度の整備というものがございます。家畜伝染病予防法の改正ということになりますが、こういった手だてがその四点目の柱であります。 さらには、養鶏事業者の方々あるいは関連事業者の方々への経営上の対策を取っていくということ。 そして最後に、六点目といたしまして地方自治体に対します対応でございますが、人的支援あるいは財政的な支援といったものもきちっと取っていくという、こういう六つの柱でもって政府全体としての整合性の取れた総合的な対策を取るということにしたわけでございます。 農林水産省といたしましても、この緊急総合対策を踏まえまして、特に蔓延防止のために全力をこれからも引き続き取っていくということと加えまして、この通常国会に家畜伝染病予防法の改正案を提出すべく、今鋭意法案の作成作業を急いでいるところでございまして、通報義務違反に対しますペナルティーの強化と移動制限命令に協力をいただいた、そういった養鶏業者の方々に対します助成措置を内容といたします制度化を図っていきたいというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 鳥インフルエンザの問題は、食の安全、安心、信頼ということに新たな波紋を起こしてしまった大きな問題であると思っております。関係省庁のしっかりとした連携を取っていただき、また信頼回復に努めていただきたいと思っております。 緊急総合対策の中に、先ほど御説明をいただきました六つの柱があるという中の一つ目で、蔓延防止対策の徹底ということがあるわけですけれども、早期発見・早期通報の措置に大変気になる点があるのでお答えをいただきたいわけですけれども、これは厚生労働省だと思いますが、食鳥検査についてであります。 今回、三例目の鳥インフルエンザについては、発生農家のあり得ない行動により食肉として出回ってしまうというところまで行ってしまったということでありまして、本来であれば食鳥処理場において行われる食鳥検査で出荷差止めということまでできるわけでありまして、その場でしっかりと分かっていれば流通に乗ることもなかったんではないかと思っております。 鳥インフルエンザ緊急総合対策の早期発見・早期通報の中では、食鳥検査の際、異状のない養鶏場から出荷された鶏である旨の確認を行ってきたところであるということを書いてありますし、また引き続きこのことを徹底と明記されておりますが、その食鳥検査がしっかりとされていないあのときには、数百羽の鶏が死んで、異状があるんじゃないかということを会社側が言ったにもかかわらず、珍しいことではないということでそれが流通に乗ってしまっているというようなことを聞いております。 そういう中で、緊急対策の中でも、その反省等もなしに、今までやってきたと、それを徹底するんだみたいな形で書かれているということで、このことについてお答えをいただければと思います。
○政府参考人(遠藤明君) 食鳥検査を実際に実施をしましたのは、今回のケースでは兵庫県ということでございますけれども、二月二十五日、六日に浅田農産から兵庫県内の食鳥処理場に約一万羽の鶏が出荷をされ、処理場における検査員の検査において処理前に死亡が確認をされ処理されなかった四百三十五羽、それから食鳥処理を行ったその他の鶏においても、いずれも伝染性疾患を疑うような外観、内臓等の異常が認められなかったというふうな報告を受けております。 高病原性鳥インフルエンザに罹患をして急死する鶏においては、山口県あるいは京都府においても確認をされましたように、肉眼所見が乏しいとされておりまして、こうした事情を考慮すると、食鳥検査の段階で兵庫県において高病原性鳥インフルエンザであるということを疑うことは困難であったのではないかと考えているところでございます。 このような事例を受けまして、厚生労働省といたしましては、まず、食鳥処理場において都道府県等が行います食鳥検査の際に、農林水産省とも連携を取りまして、異状のない養鶏場から出荷をされた鶏であるという旨の確認を行うということ、それから、食鳥検査において、高率の死亡あるいは呼吸器症状などを呈する鳥インフルエンザに感染している疑いのある鶏が持ち込まれたという場合には、簡易検査キットを用いたスクリーニング検査を行うといったふうな検査体制の整備を図ったところでございます。 今後とも、都道府県等との連絡体制を密にし、また農林水産省とも十分連携をしながら、食品の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
○羽田雄一郎君 今の話、ちょっとよく分からないんですが、結局食鳥検査を続けると緊急対策の中でも言われているわけですけれども、それでは分からないわけですか、鳥インフルエンザにかかったかどうか。それだとやる必要がないと思うんですけれども。
○政府参考人(遠藤明君) 今回、農林水産省の方で、養鶏場から毎週、死亡状況などについての報告を求める、また異状があった場合には直ちに報告をするようにというふうな措置をお取りになったところでございますが、私どもの方でもその状況を把握をして、食鳥検査場でもそういった状況を勘案をして検査をしていくというふうな措置を取ったところでございます。
○羽田雄一郎君 今のでもちょっと答えになっていないような気がするんですね。 結局は、食鳥検査では分からなくて、そんなことはしょっちゅうあることだということで、珍しいことではないという判断。会社側は、鳥インフルエンザが起こっている最中ですから、これだけ死んでいるのはおかしいんじゃないかということを訴えたけれども、いや、そんなのは珍しいことじゃないですよということで通ってしまっているのが食鳥検査なわけですよ。それを徹底することが大切だといまだに言われるということでいいんでしょうか。新たにもっといろんなことを付加して食鳥検査を充実させていくというか、そこで食い止めるんだというような形になっているのかどうかということをしっかりとお答えいただければと思います。
○政府参考人(遠藤明君) 食鳥検査につきましては、それに当たります職員の研修などもやってきたところでございますけれども、こういった事態を受けまして、今後ともそういった食鳥検査員の資質の向上なども図り、可能な対策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。
○羽田雄一郎君 ますますどんどん分からなくなって、これで本当に大丈夫なのかなという不安を抱きながらも、こんな問答を続けていてもしようがないので次に入らせていただきたいと思っております。(発言する者あり)もう一歩という話もあるわけですけれども、これ以上続けても同じ答えしか返ってこないので、改めてしっかりと各省連携を取ってやっていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、昨日の予算の委嘱審査の中で心を動かされたというか、先ほども三浦前委員長が大変すばらしい視点の中で日本の国のこれからの農業の在り方についてお話をされておりましたけれども、やはり食の安全、安心ということ、そして農業に対して安全保障の視点をしっかりと持って、そしてその上での直接支払というようなお話もありまして、我々民主党は、実はさきの選挙ではマニフェストの中にそれを入れて、私なんかはずっと山の中でそのことばかりを繰り返し言い続けていたものですから、何とかそういうことが実現できればいいなと思っておりますが、昨日の中でも、日本の安心、安全ということで、やはり世界一の安全、安心、信頼を確保して世界の輸出機会の拡大というものを図っていくということも大切な視点ではないかなということをつくづく感じたところであります。 実は、私の父親も農水大臣、二回ほどやらせていただいて、最近は輸出に向けての話ばかりを地元でもしておりまして、いろいろな全国の事例なんかも聞いたり、中国にお米を輸出できないかとかいって中国の関係者の人とかJAの皆さんとか農水省の皆さんと懇談をさせていただいたりというようなことを続けているわけですけれども、高品質な農産物、農林水産物ですね、食品の輸出機会の拡大について、支援体制をどのように確保していこうとしているのか。予算の中に入ってきているわけですから、そのことについてお答えいただければと思っております。
○政府参考人(村上秀徳君) 委員御指摘のとおり、我が国の農産物の安全性ということと、それから品質がいいということを一つの売り込み材料として輸出促進を図っていくということは非常に重要だというふうに思っておりまして、その農林水産物、それから食品の輸出の促進に向けた総合的な支援をしていく、その体制を確立することが重要だというふうに思っております。 輸出促進事業といたしまして、諸外国の貿易制度などの調査、あるいは輸出先国への市場開拓ミッションの派遣、海外セミナーなどを活用した国産農林水産物、食品のPRなどを強化したいというふうに思っておりますし、それから国内外のニーズに対応した生産体制を構築するということで、高品質化ということの取組も一層推進したいというふうに思っております。そのような関係の事業を推進するために、予算といたしましては全体として八億ほどの要求をさせていただいたという状況でございます。 それから、これらの取組を調整します組織といたしまして、農林水産省に平成十六年度から輸出促進室を設置するということもお願いしている状況でございます。この輸出促進室では、こういう事業の調整をいたしますし、それから国産農林水産物、食品の輸出を阻害している外国の制度あるいは運用状況なども把握しまして、これを是正する取組を強化していきたいというふうに思っております。こういう取組の事業、あるいは組織を十分活用いたしまして、農林水産省だけではなくて、地方やジェトロ、それから民間団体と連携して、今後とも努力をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
○羽田雄一郎君 厚労省の方はもう質問ございませんので、どうぞお帰りください。 そういう中で、今までのこの輸出の現状、成功例等、また今考えられているものがあれば是非お答えいただけたらと思っております。
○政府参考人(村上秀徳君) 全国各地におきまして、輸出に向けた取組が種々行われております。 これまでの成功例といたしましては、例えば北海道のナガイモ、これは日本では余り需要の少ない大きいナガイモが台湾では重宝される、薬膳料理などに使われるということとか、あるいは青森県のリンゴでございます。これは台湾がWTOに加盟いたしまして、関税引下げ、数量制限の撤廃などを行いまして輸出が伸びているという状況でございます。それからホタテがございますが、これはEUが一時期衛生の問題で禁止しておりましたが、その衛生基準に合格をして輸出を再開しておると。あるいは静岡県の緑茶、鳥取県のナシなどが実績を上げている状況でございます。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 今後どういうものが期待されるかということでございますけれども、例えば中国の富裕層をターゲットといたしまして、国産の高級果実を売り込むというようなこと、あるいは木材、あるいは内装材などにつきまして、輸出を拡大する取組が検討されている状況でございます。また、米につきましては、例えば島根県の農協が海外の販路拡大にチャレンジしておりまして、台湾や中国沿海部の富裕層においては、日本の米につきまして、割高であっても購入しようという動きも多少出てきているという状況でございます。
○羽田雄一郎君 六〇%輸入している中で、どれぐらいの比率で輸出が伸びているのか、今資料があればお答えいただければと思いますが、もし資料がなければ後ほどでも結構でございます。
○政府参考人(村上秀徳君) この農林水産物の輸出、その範囲をどこに取るかということが一つあるわけでございますけれども、真珠とかたばことかアルコール飲料などを除きますと、平成十四年で二千七百六十六億円、全体の農林水産物の輸入が六兆六千億円ということで、二十分の一ぐらいになるわけでございます。この範囲の農林水産物の輸出は、平成十二年度は二千三百六十五億円ほどでございますので、かなり、少しずつでございますが、伸びているという状況でございます。
○羽田雄一郎君 なかなか力の入らない答弁でありますけれども、何とかこのことについては、国内で自給率を上げることもそうですけれども、また、私はもう何度か質問をさせていただきましたが、二十一世紀、必ず飢餓の時代が来るというようなことを言っておりまして、そういう意味でもしっかりとした輸出を確保していくことも大切なんではないかなということも思っておりますし、また、備蓄についても国際的な備蓄というような観点なんかもしっかりと入れていく必要があると。 中国なんかでも、日本のものは安全、安心だからということで、インテリ層というか、そういう人たちが日本のものを求めて日本のホテルとかいうところに行って食事を取るというような話も聞いておりまして、そういう意味ではまだまだいろんな機会を通じて促進できる部分があるんではないかなと思いますので、是非、せっかく予算を取ったわけですから、調査をし、そして進めていただければいいなと思っております。 それでは、私の与えられた本題であります植物防疫法の改正案について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 そもそも、この法律というのはどのような役割を果たしてきたかというようなことをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 植物防疫事業そのものはどういうものかというお尋ねかと思います。 この植物防疫法に基づきます植物防疫事業、これは病害虫の我が国への侵入、それから我が国で発生をしております有害な様々な病害虫の発生、そういったものの蔓延を防止をするということを通じまして、我が国の農業生産の安定とそれから発展のために非常に重要な役割を果たしてきたと。これは申すまでもないことですけれども、病害虫が発生するということは農業生産に大変大きな影響を与えるわけでありますから、そういったことがないように、あるいは起こったとしても最小限に食い止められるようにこの植物防疫事業というものがあったわけでございます。
○羽田雄一郎君 やはり、そういう意味では安心、安全、そして信頼ということも含めてもこのことは大切な法律であるというふうに考えますが。 それでは、今回三位一体の改革という中でこれを改正していくということでありますけれども、そもそも三位一体改革とは何を目指していくのかということを閣僚である大臣にお答えをいただければと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 三位一体の改革、これは官から民へ、また国から地方へと、こういう考え方の下で進められるわけでありまして、そういう面で地方の権限と責任を拡大をする、自主自立、そういう地域社会から成る行政システムを確立する、こういうことを目指すものと、このように認識をいたしております。 そういう面で、農政の面におきましても、農水省、この三位一体の改革の一環として十六年度の予算におきましても国庫補助負担金の見直しと、こういうこともいたしたわけでありますし、それ以上に、私は農水省として農政改革を進めていく上におきましては、やはり我が国の農業、変化に富んだ自然条件、そういう中で多様な経済条件の下で営まれておるわけでありまして、そういうことから、それぞれの地域の特性が十分に生かされ、特色ある農業生産が行われることが重要と、このように認識をいたしております。 そういう面で、三位一体の改革という中でそれらが推進されることを期待をし、またその実現のために努力をすることが必要なことではなかろうかと、こう思っております。
○羽田雄一郎君 なかなか小泉総理の言葉を聞いていても、その行き着く先というか、将来像というのがまるっきり見えてこないわけでして、その全体像、将来像が示されないままの迷走した中での三位一体改革というような気がしてならないものですから、しっかりとその部分、小泉総理にも将来像を示してもらいたいというように思っております。 そういう中で、なぜこの予算が三位一体改革の対象になったのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(中川坦君) 国と地方に関します三位一体の改革の推進に当たりましては、これは昨年の六月の閣議決定でありますけれども、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三という中に書かれてございますが、「真に住民に必要な行政サービスを地方自らの責任で自主的、効率的に選択する幅を拡大する。」という、そういうために、人件費補助に係る補助金、交付金などについて原則として一般財源化を図るというふうに大きな方針が示されておるわけでございます。 そのことと、今回、今御議論いただいておりますこの植物防疫関係の事業におきます、特に病害虫防除所の職員の設置経費でございますけれども、これは都道府県の職員でございます。全国に五百九十一人今いらっしゃいますが、こういった病害虫防除所の職員の経費というものにつきまして今回一般財源化を図ることにしたわけでありますが、具体的な病害虫防除所の業務というものも、最近におきますIT化の推進、それからいろいろな病害虫の発生をあらかじめ予測をする、そういった調査手法あるいは予測手法につきましてもだんだんと経験を積みまして、確度の高いものが出てきてございます。ですから、植物防疫事業を確実に実施をしていく上で、人員の確保というものが、従来、これは比較の問題でありますけれども、従来ほど人員の数をそろえるということが必須の要件ではなくなってきているというふうにも思われるわけでございます。 大きな流れの中にあります三位一体改革の趣旨にのっとりながら、病害虫防除所の職員設置費を一般財源化することによりまして、都道府県の責任でどこに重点を置くかというある程度の自主的な判断、あるいは効率的な行政運営という面からの選択の幅を拡大していくことが必要ではないかと、あるいは適当ではないかというふうに思いまして、この交付金の中の職員設置費の部分について、三位一体改革の大きな流れの中で対象にしたということでございます。
○羽田雄一郎君 農林水産省も、地方分権推進委員会からのヒアリングに対して、行政区域を越えて広域的に影響が及ぶ病害虫防除などについては国が責任を持って対応する必要があると主張されていたようでありますし、また、国、都道府県、双方の協力なしには目的を達成することができないとしております。その協力の下に交付金が交付されているということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 都道府県に対します交付金でありますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、中身は大きく分けて三つございます。 その一つが、今御議論いただいております職員の設置費でありますけれども、そのほかの交付金の対象経費としまして、都道府県が国の発生予察事業に協力するのに当たって必要となる経費というもの、それから病害虫防除所の運営に要する経費、この二つにつきましては、今後とも国から都道府県への交付金の対象経費として引き続き交付をすることになっております。 したがいまして、病害虫防除所の具体的な活動経費につきましては、今申し上げた後者の二つの項目でありますから、これを従来どおり交付をするということによりまして、具体的な病害虫防除所の日々の活動については支障がないというふうに私ども思っております。
○羽田雄一郎君 この法改正によって職員設置費が一般財源化されるということでありますけれども、このことによって支障が生じないのか、弱体化につながらないのかということについてお答えをいただければと思います。
○副大臣(市川一朗君) 先ほどもその辺の議論がなされたところでございますが、今、局長から御答弁いたしましたように、今回の交付金の一般財源化されますのは職員設置費でございまして、いわゆる人件費部門でございます。 これは全体の問題ではありますけれども、一応そこの部分に限定されているというところを私どもはひとつ着目しているわけでございまして、理論的には、都道府県の姿勢によってはそこの部分が弱められる危険性といいますか可能性はゼロではないとは思いますけれども、ただ、今、局長が御答弁いたしましたように、いろんな経費は全部手当てしておりますし、それから人件費につきましても、一般財源化された分につきまして所得譲与税で全額手当てされているというようなところからいたしまして、私どもから、それからもう一つは、この植物防疫事業自体の重要性からいって、都道府県におかれましても、これは今後とも重要視していってもらえる行政であるというふうな観点から、この問題につきましては今回の措置によって弱体化されるということはないというふうに確信しておるところでございます。
○羽田雄一郎君 県の中にはこれまで現実に交付されていた交付金額から大きく減額されてしまうというような県も出てくるでしょうし、確信されていると言われても裁量はあちらにあるということでありますから、なかなかそのことを副大臣が確信されても、相手がそこに重きを置かなければ弱体化していくというようなことだと思っておりますし、全国知事会でも、この三位一体改革に基づくものに対して地方自治体の自由度の拡大につながるものでは到底ないということを言っていますし、地方への負担転嫁にすぎないということをはっきり言っているわけで、これでは、こういう意識を各県持っているわけですね。知事会が、全国知事会が言っているわけですから。 そういう中で、本当にしっかりとしたものが確保されていくのかという疑問がありますし、我々民主党としても、義務的経費を一般財源化しただけのこんな改革には到底賛成できないわけでありまして、これからの日本の農林水産業発展、特に食の安全、安心、信頼を世界一にするということを目指していくんであれば、この制度というのはもっと強化していく必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お答えいただければと思います。
○国務大臣(亀井善之君) この制度、一つは一般財源化の人件費の問題と併せて発生予察制度、こういう問題と、正にこれは天気予報の病害虫版と、こう申してもよろしいような病害虫の発生状況や、あるいは作物の生育状況と、また病害虫の発生に大きく影響を与えます気象条件、気象の必要な調査と、このデータを解析する、また病害虫の発生を予測すると、こういう点から、正に病害虫の発生予察と、これは先ほども申し上げましたとおり、天気予報の病害虫版と。 こういうものを通じまして、やはり防除の適期であるとか、あるいは方法と、この病害虫の多発生、これに対しましてそのような対応ができるわけでありまして、効果的な防除に役に立つわけでもあります。さらには、病害虫の少発生、こういう情報が得られれば、無駄な農薬の使用と、こういうことは抑えられるわけでありまして、そういう面で大変重要な役割も果たすわけであります。 そのようなことから、この制度につきましては、各都道府県、いろいろ協力する面が多々あるわけでありますし、さらには、この病害虫防除の運営につきましても、経費につきまして、引き続き交付金の対象が維持することが必要なことでありまして、その事業の重要性と、こういうことを十分踏まえて、農水省といたしましても、支障の生じないよう更なる努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○羽田雄一郎君 今年はこの一つで済んだわけですけれども、これからどんどん減らしていけという、四兆円ですか、に持っていくということでありますから、まだまだこれからしっかりと注視していかなければならないなと、こういうことを感じておりますし、また、この大幅に減った県で植物防疫事業の遂行に影響が出た場合はどのように対処すればいいのかなということをちらっと頭の中をよぎるわけですけれども。 最後に、平成八年の衆参の附帯決議にもあるように、輸出入の植物及び国内植物の検疫、駆除、蔓延防止のためのネットワーク化ですか、ネットワーク化についてお答えをいただければと思っております。 〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
○政府参考人(中川坦君) 平成八年の植物防疫法の改正の際に、当院の方から附帯決議がなされておりまして、全体、六項目たしかあったというふうに思います。その中の一つに、植物防疫体制の強化と、それからネットワーク化というふうなことが出ておりました。 まず最初に、その植物防疫体制の強化でございますけれども、平成八年と直近のといいますか今回の予算に関係をいたします平成十六年とを比べますと、植物防疫官の数も、当時は七百七十五名でございました。十六年では八百四十九名ということで、この間七十四名の増員を行ってきておりますし、またそれの、こういった人員の配置につきましても、ニーズに応じまして適材、何といいましょうか、的確にそれぞれの植物防疫所に配置をいたしているところでございます。 また、植物検疫に関します情報の提供でありますが、平成十二年にホームページを開設をいたしまして、関係者の方々への情報提供を円滑に行うようにということでやってきております。このホームページには平成十四年で年間約九万五千件のアクセスがございまして、専門的なホームページということからいたしますと相当のアクセス数ではないかというふうに私ども思っております。 それから、こういった植物防疫事業について、病害虫の駆除、蔓延防止のためには何よりも都道府県の病害虫の発生状況について迅速に情報収集をし、それを関係機関、さらには個々の現場で農業をやっておられる農業者の方々に情報提供するということが何よりも大事だというふうに思っております。 平成九年に植物防疫情報総合ネットワークというものを構築をいたしまして、国と各都道府県の病害虫防除所、それから試験所などを結びまして、全国的なネットワークということでその体制整備に取り組んできたところでありますし、また、こういったネットワークの一番末端のところで病害虫防除所とそれから個々の農家の方々との間も、電話だけではなくてファクスだとかいろんな、最近いろいろ出てきております新たな情報機器を使って迅速に情報を提供するというふうな努力もいたしております。 これからも引き続き、何より情報、正確な情報を早くお伝えをするということがポイントでありますから、そういった努力は続けてまいりたいというふうに思っております。
○羽田雄一郎君 ありがとうございました。 我々民主党としては、今回の小泉総理の三位一体の改革、これに基づく法律ですね、ただただ交付税を減らし、補助金を減らして、そして一般財源化して自由度を増すんだというふうに言っておりますけれども、格好だけはいいわけですけれども、義務的経費を一般財源化していくというような形での改革、これに対して我々民主党としては断固として反対していくという姿勢を持っておりますので、この法案にも賛成しかねるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○千葉国男君 公明党の千葉国男でございます。 まず最初に、植物防疫法の一部を改正する法律案の内容についてお伺いをしたいと思います。 本法案は、経済財政運営と構造改革に関する基本方針に基づく、いわゆる三位一体の改革、官から民へ、国から地方へという考えに基づいての法改正であります。また、国庫補助負担金等整理合理化方針に基づいて改革を進めるものであります。 その中で、病害虫防除所等の国内対策として、全国五百九十一名の都道府県職員については交付金の対象から除外し一般財源化することになっております。また、都道府県が国の発生予備事業に協力するために要する費用、経費については従来どおり交付金の対象となっております。病害虫防除員は全国で四千二百一名、この方々については人員削減はないと思いますが、病害虫防除所等の都道府県職員については一般財源化されたことによって減少するのではないかと、このように心配しておりますが、いかがでしょうか。また、病害虫防除所等の職員、病害虫防除員の業務内容とその専門性及びその役割はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) まず、今回交付金の一部につきまして一般財源化を図ることに伴って病害虫防除所の職員が今後減少するんではないかというお尋ねでございますけれども、先ほどからお答え申し上げておりますように、今回一般財源化がされます部分につきましては、別途所得譲与税という形で都道府県に交付をされるという、そういったことによりまして、総額として各県に交付をされます財源としましては従来と変わりがないということをまず御理解いただきたいというふうに思いますし、それから、これは余り大きな胸を張って申し上げることでもないかとは思いますが、従来からこの病害虫防除所の職員に対します交付金の対象になっておりましたこの額でございますが、全体の所要の経費のうち、一五%程度が国からの交付金ということで手当てをされておりまして、逆に言いますと八五%はこれまでも都道府県の独自の手当てによって、自ら、各都道府県が自ら負担をしてきたということでもございます。 各都道府県におきましては、やはりそれぞれの地域におきます農業生産の重要性、農業生産をこれからも安定的に図っていくということの重要性は大きな違いはないかというふうに思います。今後とも変わることはないかというふうに思いますので、そういった必要性ということからいたしますと、この病害虫防除所の職員が今回の措置によって直ちに減少につながるということはないというふうに私どもは思っております。 それから二点目のお尋ねでございますが、病害虫防除所の職員とそれから病害虫防除員の機能、役割でございますが、病害虫防除所の職員、県の常勤の職員でございます。 こちらの方の主な機能といたしましては、病害虫の発生状況あるいは気象の変化等、様々な調査を行いますが、その調査を行う際の調査設計あるいは企画調整といったようなこと、それからデータの解析などがこの常勤の職員の役割でございます。もちろん、現場におきまして、後ほど申し上げます病害虫防除員が実際に調査をいたします際の指導なりも行っているわけでございます。 それから、病害虫の防除員、病害虫防除員、こちらの方は非常勤の職員といいますか、方々でして、主には現地ではJAなどの職員の方にこの部分を担っていただいているということでございまして、実際の仕事はそれぞれ担当の地区がございますが、そこの地区内の圃場を回って病害虫が今どういうふうに発生をしているか、あるいは今年の気象条件から見て作柄はどうかというそういう生物の、あるいは農作物の生育状況なども勘案しながら具体的なデータを集めていただいている、これが病害虫防除員の方々の主な役割でございます。
○千葉国男君 特に昨年、異常気象により、いもち病の発生、あるいは冷害による農作物の被害、自然環境の厳しい北日本、東北、北海道に集中したわけであります。この構造改革によってこういう病害虫対策が弱体化することのないようによろしくお願いをしたいと思います。 冷害などの気象災害は、土地利用型農業である限り避けて通ることはできないと思っております。問題は、いかに被害を最小限に食い止めるか、そのために水稲冷害早期警戒システムの確立により、農業者に対し気象状況や農作物に対する影響に関して、より確かな情報の提供が大事であると考えております。その点についての農水省の取組についてお伺いをいたします。
○大臣政務官(福本潤一君) 独立法人農業・生物系特定産業技術研究機構の東北農業研究センターにおきまして、冷害の被害を最小限に食い止めるため、必要な情報を生産者や農業関係者に分かりやすく提供するため、平成八年より水稲冷害早期警戒システムをホームページで運用しております。これ農水省から、本省のホームページからリンクして入ることができますが、このシステム、三点を提供しております。一点目に、東北地方の低温と水稲生育の遅れに関する警戒情報、二点目に、低温時における深水管理の必要な地域情報、三番目に、葉いもちの発生危機危険地域情報、これらをリアルタイムで日本地図上にプロットで表示して提供しておるところでございます。昨年の冷害時には八月だけのホームページに対する総アクセス数が百二十万件以上あって、一日に四万件平均あったということでございます。 今後、このシステム、使いやすいシステムへ改善を取り組んでまいりたいと思っております。 以上でございます。
○千葉国男君 是非、さらにこの今やインターネット時代ですので、農家の方々、御年配の方が多くて苦手の方も多いわけですけれども、そのためにミスが起きないように是非よろしくお願いしたいと思います。 そういう意味で、農家と病害虫防除の職員あるいは防除員との情報の共有と連携が極めて大事になってくると思っております。冷害の警戒態勢に入った段階で、今お話ありましたように、水田の排出改善とか深起こしとか有機物の還元とか畦畔の整備あるいは適度な代かき、深水管理をきちっとやっているところとやらないところの差が平成五年の大冷害においてもありました。また、昨年の冷害にも起きました。本年一月二十一日、国際コメ年二〇〇四シンポジウムイン東北の平成十五年冷害を徹底検証せよとの報告書でもいもち病の発生については減農薬、栽培圃場や管理放棄圃場が伝染源になったとして報告されております。また、兼業農家、専業農家と比較した場合、どうしても病害虫防除への取組は専業農家より兼業農家の方が対応が遅れがちになっているのではないかと心配をいたしております。 この点、農水省としてどのような対策を講じられているのでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 冷害時におきますいもち病対策、一般論としましては、最近は育苗の段階でこの葉いもちに対します予防効果が大変高い、育苗箱に薬剤を施用するといいますか、箱施用剤というものが普及してまいりましたので、生育のかなりのステージまでの段階での葉いもちの予防というのはかなり効果があるような、そういう技術的な開発もされてきておりますけれども、さらに、この冷害に伴いますいもち病の蔓延が懸念される場合には、県の病害虫防除所が発表いたします発生予察情報に基づいて適切な追加の防除をしていただくということが大事でございます。 特に、この冷害の年といいますのは長雨が続くということでもありますし、そうなりますと、なかなか雨が降っている中で薬剤をまいても適期の防除が進まない。さらに、それが被害の拡大につながるということもあるわけでありまして、できるだけ正確な情報を早くお知らせをして、また現場において対応いただくということが何よりも重要ではございます。 ただ、今、先生おっしゃいましたように、兼業農家の方々ではなかなかウイークデーでは対応が難しいと。週末に作業するとなると適期を逃すというふうなこと、確かにございます。 具体的にどうこれに対応するのかというのは余り決め手はありませんけれども、例えば兼業農家の方々が多い地域におきましては、地域全体としての防除組織を作っていただいて、そこに委託をして防除をやっていただくというふうなこと、これ幾つか事例などを調べますとうまく機能しているというところも我々聞いておりますし、是非、兼業農家が多い地帯での適期の防除ということといたしましては、こういった地域の防除組織の活用というのが有効な手段ではないかというふうに思っております。 こういったものの育成について都道府県に対しまして指導し、皆さん、できるだけそういった方向で育てていただきたいということを私どもとしてはやっていきたいと思っております。
○千葉国男君 昨年、冷害のとき、私は太平洋岸の各県に赴きまして被害状況を視察してまいりました。その中で、宮城県の南方町というのがありますけれども、そこの稲作は冷害から被害がほとんどありませんでした。その取組が大変参考になるのではないかと思っております。 そこで、簡単にちょっと御紹介をしたいと思いますが、まず徹底した土づくりを進めております。これは「みなみかた環境保全農業のあゆみ」、この小冊子に出ているわけですが、昭和六十一年から安全・安心農産物生産への取組に取り組んでおりまして、一朝一夕にでき上がったものではありません。町営の堆肥センターの稼働、環境保全米栽培のマニュアル作りなどなどが出ております。様々な取組をしておりますが、ともかく徹底した環境保全農業を進めているわけであります。 また、稲の植え方についても、植付け本数の疎植化、いわゆる通常の栽培体系では坪七十株を植えておりますが、それを坪六十株の栽培にしている。あるいは植付け本数を一株二、三本、また田植の時期を五月十七日から二十一日の晩植にした、いわゆる旧暦栽培みたいな結果、環境保全稲作の状況として五百八ヘクタールが冷害の被害を防ぐことができたと、このように報告をしております。 私も町長さんに会ったり、農家の方々にいろいろ聞いてまいりましたけれども、農水省にはこの状況が報告されているのでしょうか。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいま御指摘をいただきました宮城県の南方町でございます。私ども、委員からもるるお話ございましたが、環境保全型農業というふうな面で模範的な取組だというふうに承知をいたしているわけでございます。 委員からもございましたが、昨年六月下旬以降の低温あるいは日照不足ということで北海道、東北地方を中心に作柄が大きく低下したところでございますが、この南方町では徹底した土づくり、それからただいまお話ございましたが、植付け本数の疎植化というふうなことで、茎が太くなるということで非常に冷害に強い。あるいはまた、田植の時期につきましても、ちょうど七月中下旬のいわゆる一番減数分裂期ということで大事な時期に重ならないというふうなことで遅植え、いわゆる晩植という工夫をしておられたと。あるいはまた、深水管理を徹底するというふうなことで、県平均の作況指数が六九で十アール当たりの平均収量も三百五十九キログラムという大変著しい冷害であったわけでございますが、県平均を上回る四百六キロという平均収量が確保されたというふうに聞いておりまして、私どもとしても模範的な取組であるというふうに承知をしているところでございます。
○千葉国男君 現地の農家の方々は当然、永年の努力の結晶によるものだ、そういうふうに思っております。やはり有機肥料に徹したことで苗の体力が強い、そういう冷害に対応したと、そういうことが最大の理由ではないかと思っております。 農水省としても、南方町の状況を検証して他の地域にも教えてもらいたいと、こう思いますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 日本の稲作農業の発展、そういう中で北海道、東北地域の冷害対策と、このことは避けて通れないところもあるわけでありまして、そういう面で先ほども答弁しておりますが、やはり作付け品種の耐冷性の向上とあるいはまた深水管理の普及、あるいはまたいもち病の防除の問題、いろいろこれやらなければならない課題があります。 しかし、今、南方町の状況、いろいろお話を伺ったわけでありますが、また私も先般、岩手県に参りまして、その地域でのやはり田植の時期、一時期に集中すると。そういう中での田植時期の分散化の問題ですとか、あるいは何といっても堆肥の問題、土づくりの問題というのはこれは大変重要なことであるわけであります。そういう面での取組がいろいろ成果を上げておるわけでありまして、こういういい先進的な事例というものは十分検証して、それを普及させるということは大変重要なことと、こう思っております。 やはり厳しい気象条件、条件下の中でまた生産性を上げると、こういう面ではやはりいろいろの情報と技術というものを十二分に私ども農水省としてもそれを発信するということは大変重要なことと、こう思っておりまして、是非この南方町の例というものは貴重な資料としていろいろ活用させていただければと、このように思っております。
○千葉国男君 一方で、残念ながら、私の知っている地域でもこの冷害に強い有機農法をやめてしまったところがあるんですね。 それなりに有機農業をやるにはやるなりの困難さもあるような気がいたしますが、どのようなところに難しさがあるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員の御指摘でございますが、やはり有機農業につきましては、それなりに大変強いニーズ、実需者あるいは消費者あるわけでございますが、他方、やはり我が国におきましては、ただ一つ気候条件を取りましても大変に高温多湿であるというふうな状況がございます。平均の気温を取りましてもヨーロッパ等々と比べましても相当高い、あるいは年間の降水量につきましても大変に多いわけでございまして、そういった意味で、高温多湿ということで雑草あるいは病害虫の発生が著しいということがあるわけでございます。 また、二つ目としましては、火山灰の土壌が多いというふうなことで、肥料成分であります燐酸の施用がこれを多くする必要があるといったような、そういう自然条件ということで、技術的な面での大変困難さが伴うわけでございまして、したがいまして、ただいま御指摘ございましたように、やはり冷害が発生するというふうな年になりますと、いもち病の発生のリスクが高まるというふうなことで、残念ながら、この農薬の使用を削減するというこの有機農業をやむを得ず中止せざるを得ないという場合もあったのではないかというふうに承知をいたしている次第でございます。
○千葉国男君 次に、米政策改革についてお伺いしたいと思います。 私は昨年八月に繰上げ当選させていただいたもので、六月の法案審議の時点では議員ではありませんでしたので、基本的なことかもしれませんがちょっと確認のお願いをしたいと思います。 一つは、この平成二十二年までに、米作りのあるべき姿に向け三つの改革の考え方を示し、地域の特色ある水田農業を目指すものであります。平成十六年度がその実質的なスタート、その第一歩として水田農業構造改革交付金制度が講じられております。その交付金交付の条件として、地域水田農業ビジョンの作成を義務付けられておりますが、現在の進捗状況はどうなっているのでしょうか。
○政府参考人(白須敏朗君) 現在のビジョンの進捗状況でございます。 私ども三月上旬に行いました調査結果によりますれば、回答しましたすべての市町村におきましてビジョン策定に向けた取組が行われておりまして、このうち九六%の市町村ではビジョンの案又はたたき台を作成したというふうに聞いておるわけでございます。このビジョンの策定は、やはり交付金の、ただいま委員からも御指摘ありました交付金の交付要件ということでございまして、遅くとも今年度中に各市町村で案が作成されている必要があるわけでございます。 そこで、私どもも、大臣からも御指示をいただきまして、本年一月早々から、それぞれ本省各局長によります、現地ブロックにそれぞれ出向きまして、督励活動も行いましたり、あるいはそのビジョン策定の促進につきまして都道府県を通じた指導、あるいはまた、遅れております地域向けにそれぞれ地域段階での合意形成に資するような形での様々な情報提供も行っているわけでございます。 現在、いよいよ最後の詰めの取組というのが行われておりまして、現地での集落座談会の開催というものもいろいろと行われておるようでございますので、今後とも、各農業団体とも連携を図りながら、地方の農政事務所等を活用しまして、一丸となって私どももビジョンの策定を働き掛けてまいりたいというふうに考えております。
○千葉国男君 一月下旬の時点では五九%だったので、まあ今御報告では九六%ということですから、それぞれの地域の皆さんが積極的にこの地域ビジョン作りに取り組んでいただいたものと思っております。 是非お願いしたいんですが、全国でまとめると相当分厚くなりますので、地域単位でも結構ですから、冊子にするとか、あるいは先ほどありましたように、今はインターネット情報発信の時代ですから、極めて地域の交流、農業の発展に有意義であると思いますので、そういうふうなまとめ方をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(白須敏朗君) お話のとおり、地域水田農業ビジョン、やはりこれからの地域の今後の目指すべき姿を明らかにするということでございまして、言わば構造改革なり産地づくりの設計図とも言うべきものでございます。 そこで、委員御指摘のとおり、そういった地域水田農業ビジョンをまとめて公表いたしましたり、あるいは、インターネットで情報発信するというふうなことは、大変に他の地域におきましても優良な取組を参考にすることが可能になるわけでございまして、地域間の交流あるいは水田農業の発展に非常に有意義であるというふうに考えている次第でございます。 そこで、現在、多くの市町村におきましてビジョンの案なりたたき台が作成されているところでございます。私どもとしましても、特色あるこの水田農業ビジョンの例を集めますとともに、生産者団体とも連携を取りまして、例えば地域でそれぞれビジョンがホームページに掲載をしていただきまして、多くの方々に活用できるように早急に検討してまいりたいというふうに考えております。
○千葉国男君 この農水省が出しております米政策改革の概要によりますと、ビジョン内容について四点示されております。その中で、担い手という言葉が強調されているわけですね。交付金の単価から見ても担い手部分が大きな比重を占めておりますし、担い手中心の米政策へシフトしていると、こういうことを感じております。 この担い手像について明確なイメージ及び担い手づくりのための今後の道筋について御説明をお願いいたします。
○政府参考人(川村秀三郎君) 地域水田ビジョンの中で担い手を明確化するということにしております。それは、ただ、地域の実態が非常に様々でございますので、この水田ビジョンの中の担い手というものにつきましては、国が一律的な基準というものを示しているわけではなくて、集落段階で将来どうあるべきかという話合いを重ねていただく、その中で、例えば特定の個別経営に農地の利用を集積していくのか、あるいはそういう担い手がいらっしゃらないので特定農業団体を組織化していくのか、正に地域の実情に根差した形で、今後育てるべき担い手像というものを合意の上で特定していただこうというのがビジョンにおきます担い手でございます。 一方、この米政策改革の中でいろんな支援策をしておりますが、その中でも担い手ということでございます。これはただ、事業でございますので、その事業の趣旨なりあるいは内容によって要件が付加されたりしておるところでございます。例えて言いますと、水田農業構造改革交付金の算定の基礎におきます担い手につきましては、将来の期待される認定農業者と特定農業団体を担い手として算定をしておりますし、担い手経営安定対策におきましては、この対策が、稲作収入の減少等が大きい、その影響の大きい水田農業の担い手ということの上乗せ対策でございますので、これは一定の規模要件といったものを付加しておるということもございます。 そういうふうに、それぞれの対策の趣旨に応じて担い手の要件を付加しているという実態がございます。
○千葉国男君 済みません。時間がなくなってきたので、先に進ませていただきたいと思います。 産地づくり対策についてお伺いをしたいと思います。 その単価が、麦、大豆、飼料作物とその他の一般作物あるいは永年性作物、特例作物との間に三千円から五千円もの差を設けた根拠はどこにあるのでしょうか。
○政府参考人(白須敏朗君) 今回の産地づくり対策でございますが、現行の転作奨励金の助成体系を抜本的に見直しをいたしまして、それぞれ国から都道府県段階に交付する金額につきましては、水田作物としての位置付け、あるいはまた担い手の確保という視点を踏まえました一定の基準で算定をすることとしたところでございます。 ただいまの委員の御指摘の国から都道府県段階に交付をいたします金額の具体的な算定に当たりましては、これまでの政策との継続性あるいは連続性を踏まえまして、麦、大豆、飼料作物は特に水田におきまして振興を図るべき重要な作物として位置付けまして、またその一方、その他一般作物、これはソバとか菜種とかでございます。あるいはまた永年性作物、あるいはまた野菜、そういった地域条件に応じまして多様な作物があるわけでございますが、そういった作物の振興、それを、それぞれ兼ね合いもございまして、そういった観点から、それぞれの算定上の単価に格差を設けたというところでございます。
○千葉国男君 転作の件なんですが、これは東北のある首長さんからの要請を受けたものであります。 地域によっては、麦とか大豆あるいは一般作物に適さない土壌の事情がありますと、たまたまこの地域は地下水脈が非常に高く、米作りには適している、米の十アール当たりの生産量は、水脈が高いことで全国でも五本の指に入る収穫量を誇っておるそうです。ところが、飼料作物については、畜産業が近くにはないから、余り生産しても利用されない、こういう事情もあると。したがって、米以外のものは生産できないために担い手の加算も適用されないことになります。産地づくり対策が現実にはなかなか機能しない、こうなっております。こういう地域地域によっていろいろ事情がありますが、産地づくり対策として農水省はどのようなアドバイスを考えられるのでしょうか。
○委員長(岩永浩美君) 時間が来ております。簡潔に答弁願います。
○政府参考人(白須敏朗君) 委員御指摘のような地域でございましても、例えば耐湿性の比較的高い野菜でございますとか、あるいは工芸作物、あるいはまた水稲の有機栽培の導入といったようなことによりまして、水田を活用しまして新たな産地づくりが可能であるというふうに考えているわけでございまして、こういう視点を踏まえて御検討をそれぞれいただきたいというふうに考えているわけでございます。 特に、ただいまの産地づくり交付金につきましては、広範な要すればこれからは使い方ができるというふうなことでございまして、例えば米の有機栽培など、特別なそういう栽培方法に取り組んだ場合には慣行栽培との減収分相当につきましても助成することができるというふうな措置もございますし、いずれにしましても、それぞれの地域の、ただいま議員の御指摘のとおり、それぞれ条件があるわけでございますので、地域の創意と工夫を結集されるというふうなことで、まずは関係者間でよくお話合いを重ねていただきましてビジョンを作成いただいて、その実現に向けまして産地づくり交付金を有効に御活用いただきたいというふうに考えている次第でございます。
○千葉国男君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 まず、法案の問題についてなんですけれども、今回の改正で職員設置費の交付金が一般財源化されるわけです。これまでの交付金部分は全額所得譲与税として手当てされるというふうに言われているんですけれども、果たして本当にそうだろうかというふうに思うんですね。補助負担金の廃止分の四千七百八十億円のうち、所得譲与税として措置されるのが四千二百四十九億円ですね。大体八九%と。お金に色は付いていないので、仮に交付金が一〇〇%県に入っても、そのほかの部分が少なくなったら、結局そのしわ寄せを受けることになるんじゃないかと思うんです。 しかも、基本方針二〇〇三では、こうした全額移譲される義務的経費についても徹底した効率化ということが言われていますし、すなわち可能な限り削減するというのが前提なんですね。それでも農水省は、やっぱり全額所得譲与税として措置されるからこれからも心配ないというふうに言うのか、都道府県に税源移譲された暁には職員設置経費分は十分保障されるから心配ないというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 今回一般財源化されます人件費部分につきましては、今、先生もおっしゃいましたけれども、所得譲与税として都道府県に配分をされるということでありまして、この額は五億七千万ということでございます。これは都道府県にその額が配分をされるというふうに承知をしております。
○紙智子君 地方交付税で見ても一二%結局削減されるわけで、そういう中でこの植物防除活動も厳しくなることになるんじゃないかと。これはやっぱりどうしても否定できないんじゃないかというふうに思うんです。 従来、交付金の都道府県への配分というのは、農家数、それから農地面積、それから市町村等の基準によるというふうになっていたわけですけれども、所得譲与税は人口配分ですよね。その配分の違いによって、今まで職員設置費の交付金として配分されていたよりも今回譲与税として手渡される額の方が少ない県が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺どのようにお考えでしょう。
○政府参考人(中川坦君) 確かに、植物防疫事業交付金の従来の配分といいますのは、おっしゃったように、農家数あるいは農地面積等が基準になっておりますし、今回の一般財源化されます所得譲与税というのは各都道府県に人口を基準として譲与されるということでありますから、人口が比較的少ない農業県、そういうところを一つ例に取りますと、この一般財源化された部分について、従来の交付金と比べると額が小さくなるということはあり得ると思います。 ただ、その際に、もう一つ申し上げなくてはいけないことは、植物防疫事業に要する経費全体のうち、今回国から残された部分として交付金の姿として更にこれからも引き続き交付される分、あるいは一般財源化されて所得譲与税の形で交付される分を除いたそれ以外の部分については、全体としまして基準財政需要額としてこの植物防疫事業に要する経費全体が認められておりますから、仮に一般財源化されましたその見合いの所得譲与税の部分が従来よりも少ないといたしましても、基準財政需要額全体の中でその足りない部分というのは一般交付税の方で補てんをされるというふうに理解をいたしております。 そういうことからいたしますと、従来と今回の措置を比べましても、先生今おっしゃったような、人口割になるから、その部分が農業中心の県において、人口の少ない県において従来よりも交付額、財源が少なくなるんではないかという御心配はないということでございます。
○紙智子君 幾つかの県に、県の病害虫防除所に意見を伺ったわけですけれども、改正によって経費の削減につながることを大変危惧をしています。 それで、交付金の対象は国の発生予察事業への協力費とそれから防除所の運営費だけというふうになって、三億六千万円が予算化をされたわけですけれども、この総額が今後どうなっていくかということもあるんですね。これまでも年々じりじりと削減をしてきているというのがあって、この交付金総額も一般経費を一律何%削減せよということで減らされて、県の負担分が多くなっていく懸念があるわけです。そういうことのないように農水省は頑張るというふうに言えるのであれば是非言っていただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 今回一般交付税化をされます部分を除きました額につきまして、三億六千万、十六年度で手当ていたしておりますけれども、この部分について、これは私ども、各都道府県が行います植物防疫事業全体のレベルというものをやはり落とすことがあってはならないというふうに思っております。したがいまして、これからも、交付金の形で都道府県に交付をいたします額につきましては、国が各都道府県に期待をいたします植物防疫事業のその水準を維持するために必要な額が引き続き交付されますように、できるだけ最大限の努力はしていきたいというふうに思います。
○紙智子君 今、努力されるということなので期待をしたいわけですけれども。 それで、あと冷害に見舞われた場合に、いもち病などが発生もして、そういうことも心配されるわけですけれども、発生予察事業の業務がこういうときは増えるわけですよね。昨年も異常気象で低温で業務が増えたということを聞いているわけですけれども、このようなときは、例えば特別交付税で補うなど、予算の補てんに努力するのでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) これは特別交付税によります財政支援、このことは当然可能なわけでありまして、これら都道府県からの要請があれば、私どもは総務省にその支援、これを強力に要請したいと、こう思っております。
○紙智子君 それでは次に、マイナー作物の問題についてお聞きします。 病害虫防除所の業務に農薬による防除がありますけれども、登録農薬がないか少ないマイナー作物に適切な農薬使用ができることが課題になっています。それで、一定数の使用可能な農薬があってこそ少ない量で効果が発揮できるということなんですけれども。そこで今、作物グループ化と、それから二年間の経過措置による使用と、その間における都道府県等の試験実施で登録や製造につなげていく方法が取られているわけですね。 そこでお聞きしますけれども、都道府県等でどれだけの試験が計画されていて、これは要求されているマイナー作物の農薬登録促進などの、どの程度カバーしようとしているのか、それから計画から除外されるマイナー作物、その農薬はほとんどないと見ていいのでしょうか。これについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 平成十四年の十二月の農薬取締法の改正によりまして、農薬について登録された適用作物以外に使用するということは禁止をされたわけであります。二年間の経過措置の間にその登録、必要なものについては登録をしていただくということになるわけですが、当面のこの経過措置の間に農林水産大臣の承認を受けた件数というものは、作物とそれから農薬との組合せで申しますと、現在約九千件に上っております。 もちろん、この中には、これは各県から申請を受けたものの全体の件数でありますので、同じものが違った県から申請を受けたということでダブりはございます。そういったものを今整理をいたしまして、実際に作物の残留試験等を行って、登録をする必要があるものについて今精査をいたしております。国なり都道府県なり、それから生産者団体が協力をしながら今絞り込みの作業をいたしておりますが、都道府県等で分担をしながらこの適用拡大に必要なデータを取らなければいけない、そういうものとして、およその数字で申しますと千数百件、これは具体的な試験を実施をし、計画をしていると、そういう状況にございます。 もちろん、必要なものが農薬の登録がされませんと現場において大変な支障が生じるわけでありますので、そういったことが生じないように、残された期間、約一年でありますけれども、この間に全体として必要なものが登録をされますように、できるだけ私どもとして指導なり支援をしていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 都道府県等もこうした試験やるわけですけれども、非常に多額のその試験に費用が掛かると。それで、国が補助することになっているわけですけれども、予算の制約もありますよね。 それで、どれくらいの計画、試験に対して補助できる見通しなのか、そして補助件数の拡大をこれから図っていく考えがあるのか、そこのところをお答えください。
○政府参考人(中川坦君) このマイナー作物への対応といたしまして、これは先生もおっしゃいましたけれども、一つは、必要なものについて農薬の登録をしていただくということのほかに、グループ化を図って、できるだけその類似のものについては幅広く適用できるような仕組みをするということも片一方でやっているわけであります。 農薬登録の件に絞ってお答えを申し上げますと、この作物残留性のデータが必要なものにつきましては、先ほども申し上げましたが、三段階の、マイナー作物等農薬登録推進協議会におきまして、今鋭意調整を行っております。 国の助成措置としまして、全体、十六年度で予算措置もいたしておりますが、これでどの程度カバーできるかということでありますけれども、私ども現在承知している限りでは、都道府県から申請が上がってきている額とそれから予算で措置をしている額ということを突き合わせてみますと、現在では都道府県からの申請におおむねこたえられる額が措置されているというふうに理解をしております。
○紙智子君 せっかく試験をしても、あるいは試験しようとしても、経過措置が終わったときにメーカーが造らないとか造ろうとしないということになると困るわけですけれども、この辺の協力をどうしてもらうのか、国からの主導でやってもらえるのか、その見通しがどうかということと、それから、登録に必要な試験を公費でやっているわけですから、農薬価格も適正なものにならなきゃいけないと思うんですけれども、この点はどのように指導していくつもりなんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 先ほど申し上げましたマイナー作物等農薬登録推進協議会、この中には農薬メーカーの団体であります農薬工業会も参加をいただいておりますし、この工業会も参加をして、その傘下のメーカーが分担をして必要な残留試験等のデータの収集というものもやっていただくということになってございます。 ですから、一つは国が一定の支援をしながら都道府県でやる分と、それからメーカーが独自に試験をされる分、そういうふうなことでありますし、都道府県が試験をして得られたデータにつきましては、必要なものは各農薬メーカーもそういったデータが使えるようにするということでございまして、その辺は調整をしながら重複がないように、また効率的に行えるように私どもとして措置をしたいというふうに思っておりますし、また各農薬メーカーにおかれましても、こういったマイナー作物についての農薬登録というものが生産サイドで非常に必要とされているということを理解をされて、きちっとこれは商業、何といいますか、コマーシャルベースの話ではありますけれども、できる限りの協力をしていただきたいということで、そこは要請をしていきたいというふうに思います。
○紙智子君 次に、特別防除資材の問題なんですけれども、農薬法の改正で、その原料、原材料に照らして人畜等に害にならないことが明らかなものを特定農薬、特定防除資材として規制しないことになったわけですけれども、これに寄せられた七百四十種類の候補のうちにわずか三つしか認められていないわけですね、今。それで、余りにもこれ少ないということなんですが、有機農業や自然の循環機能を増進させるべく、そして化学農薬を少なくしていくために積極的に指定拡大をしていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、この点、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員からもお話しのとおり、約七百四十種類、平成十四年末と、こういうことでございます。その後、やはり平成十五年三月に三種類につきまして特定防除資材として指定したわけでありまして、他の多くの資材は農薬としての効果や安全性、これが不明であるとして指定を保留したわけであります。その後、この評価指針を本年三月に策定したところでありまして、指定が保留された資材につきましても、評価指針に基づきまして、薬効やあるいは安全性にかかわる資料の収集と、そして必要な書類が整ったものから順次、食品安全委員会、また農業資材審議会の意見を聴いた上で指定をしていく考えでおります。 個々の農家等、自家用として小規模に製造をし、また使用しているもの等、その製造者自ら資料を提供することが困難な場合もあるわけでありまして、こうした資材につきましては必要に応じまして農林水産省及び環境省において資料の作成を進めることとしているところでございまして、今後とも特定資材の指定に向けた取組を着実に進めてまいりたいと、このように考えております。
○紙智子君 その中で木酢酢なんですけれども、土壌改良資材として広く使われているわけですが、特定防除資材に指定されなかったことで売上げが二割、三割落ちたということなんですね。これは林業にもかかわっていて、自然の循環の上で非常に重要な産物だというふうに思うんですけれども、農薬効果としても特定防除資材への指定が望まれていると思うんです。現在、業界は認証制度を立ち上げて、一定の基準をクリアしたものを認証して、品質の均一化への努力が行われているということなんですけれども、しかし指定されるには莫大な費用を掛けた安全性や薬効の試験が必要だということなんですね。 そこで、特定防除資材の指定のために農水省、環境省が検討対象資材について調査、作成、収集した資料を整理して審議会にかけていくというふうになっていると思うんです。指定拡大に積極的ならば、業界や生産者団体任せではなくて、やはり薬効、それから安全性、こういうことに対する試験資料などを自ら作るなどして推進すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 木酢液ですけれども、平成十五年の一月の資材審議会におきまして、それまでそろっておりました資料だけでは農薬としての効果の判定が付かないということで特定防除資材としての指定は留保したところであります。 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、この特定防除資材につきましては、その指定のための評価指針を今年の三月に策定をいたしましたので、木酢液を所管いたしております林野庁と連携をいたしまして、この薬効なり安全性の試験について実施をいたしております。 これまでの試験結果を申し上げますと、この木酢液の急性毒性試験におきましては安全性を明確に否定するような結果は出なかったということでございまして、十六年度におきまして更に反復毒性試験などの安全性の確認のための試験、それから薬効試験を継続して実施をすることとしております。こういった試験に必要な、何といいましょうか、支援措置といたしまして、農林水産省におきましても予算措置をいたしているところでありまして、そういった支援によりまして必要なデータがそろった段階で、この指定の要件を満たすことが確認できました場合には食品安全委員会それから農業資材審議会の意見を聴きまして指定するかどうかの判断をしていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 この木酢液の認証制度が立ち上がって、品質のいい木酢液の生産が維持拡大されるということは、特用林産物の振興の面でも重要だと思うんです。しかし、認証組織の運営や現地調査、それからサンプリング、サーベイランスなどに少なくない費用が掛かる。それで、関係者は零細な業者で森林組合などなんですけれども、この認証組織は公的な役割があると。適切な助成をすべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、先生御指摘もございましたけれども、この木酢液、これ原材料からあるいは炭化温度等によりまして非常に品質のばらつきがございます。そういったことで、品質の安定した木酢液、こういったものを認証していくことは大変重要だというふうに考えているわけでございます。 林野庁といたしましては、これまでも業界団体が行いますこういった木酢液の成分分析の実施でございますとか薬効調査、あるいは規格作りですとか認証基準、こういったものの作成に助成措置を講じてきているところでございますけれども、私どもといたしましても、今後とも、特にこの特定防除資材、こういったものの指定に向けまして、木竹酢液の認証協議会などが行います業界の取組、こういったものにつきまして支援してまいりたいというように考えている次第でございます。
○紙智子君 それじゃ最後に、埋設農薬の処理事業が来年度から始まるんですけれども、関連して、国有林内に埋設されているダイオキシンを含む除草剤の管理についてお聞きしたいと思います。 ストックホルム条約によって、残留性有機汚染物質、これ十二種類の製造、使用の禁止、そして排出の削減が決められたわけです。国内では、農薬として使われていた六種類について適正管理事業が行われ、来年度から掘り起こして最終的な無害化の処理をすると。 ダイオキシンは非意図的生成物として排出削減が求められているわけですけれども、この条約の批准や埋設農薬の処理事業の発展に応じて、国有林内埋設のダイオキシンを含む除草剤の管理に何らかの強化策を取る必要がないのかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 先生御案内のように、この2・4・5T剤、昭和四十六年、中止をいたしたわけでございますけれども、これにつきましては、実は、五十九年、これが漏れているというようなことで大きな問題になりました。 そういった当時、専門家によります2・4・5T剤の検討委員会、これを設けまして当時検討いたしまして、またその後もフォローしてきているわけでございますが、実はこの2・4・5T剤検討委員会におきまして、五十九年から平成十一年まで、十六年間にわたりまして土壌調査、こういったものの追跡調査を実施してまいっておりまして、同委員会の検討をいただいた上で、現状において地域住民生活等に及ぼす影響はないということが確認されまして、その際、今後は立入り及び土壌攪乱の禁止等の措置を継続することという見解がいただいているところでございます。 林野庁といたしましては、こうした2・4・5T剤検討委員会の見解に基づきまして、今後とも引き続き埋設箇所への立入り、それと土壌攪乱行為の禁止並びに定期的な点検の取組、こういったことを確実に進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○紙智子君 以前の委員会でも質問したんですけれども、五十四か所に埋められたところに林野庁の職員が年に二回見回ると、で、記録すると。異常があれば国有林がある自治体に連絡を取るということですよね。しかし、七〇年代の埋設で幾つかの自治体に聞くと、もう忘れているというのか、自覚が非常に弱くなっているわけですよね、時間がたちますと。中には、自治体と森林監督局が一緒に見回っているところもあるやにも聞いています。 何か所のところでこういう共同点検が行われているんでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 十五年度の実績で調べましたところ、実はこれ、年二回ということで、そのほかに追加的にやっているものもございまして、延べにいたしますと十五年度に百三十九回の点検を実施いたしております。このうち、市町村等の地元自治体からの要請を受けまして共同で実施いたしました回数は延べ十七回ということになっているところでございます。 なお、これにつきましては、先生御案内かと思いますけれども、この2・4・5T剤検討委員会の指導を踏まえまして、埋設箇所の適切な保全を図るということを進めるためにこういった点検を行いますと同時に、点検を行いましたものにつきましては、各森林管理署等に備え付けております点検記録簿、これに記録することにいたしているところでございます。 今申し上げましたけれども、その際、市町村等地元の自治体の方から共同で点検を実施するというような要請があった場合には共同で行っているところでございまして、今後とも適切にそういった方向で対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○紙智子君 市町村の要請で十七回ということですが、県でいうと何県なんですかね。
○政府参考人(前田直登君) これは岩手県一県と、あと熊本県、そちらの方で、不定期でございましたけれども、ここでも一部で共同で実施したというように承知いたしております。
○紙智子君 やっぱり少数だと思うんですね。やっぱり電話掛けてみると、もう大分薄れていると。万一のことを考えるならば、やっぱりそういう点検を、何かあればということではなしに、やっぱり林野庁の内部でも点検の結果はその都度、異常があってもなくても少なくとも自治体には報告をするし、そして希望しているところは一緒に点検も徹底するしと、新たな埋設農薬処理の段階においてはそのような積極的な管理策を盛り込むことを提起したいというふうに思うんですけれども、林野庁の考え方はいかがでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 自治体の方から要望等ありました場合には、今申し上げましたように、私どもといたしましても共同で点検していこうということにいたしているわけでございまして、そういったところにつきましてはそういった方向で対応させていただきたいというふうに思っております。 ただ、点検結果自身につきましては、特別異常もないというようなものにつきましては、特にこちらから自治体にお知らせする、あるいは広くPRしていくというようなことまではやっておりませんけれども、やはりこれにつきましては、いたずらにそういったことをやりましても社会不安をあおると、そういった面もございますので、要請等ありましたら当然私どももお知らせ申し上げておりますけれども、何もないのに積極的にこちらからあちこちに、こうでした、こうでしたという話をやっていくことについてはちょっといかがなものかなというように思っている次第でございます。 いずれにしましても、そういったことにつきまして要請等ございましたら、即時的確に内容につきましてはお知らせするというようなことで対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○紙智子君 ちょっと最後は意見が違うというか、やっぱり何かに、あおるということではなしに、やっぱりきちっとそういうことを、なかったとしても報告をするというのをやる方が都道府県にとっても自治体にとってもいいというふうに思いますから、そこは再度そういうふうに申入れをいたしまして、質問を終わります。
○委員長(岩永浩美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(岩永浩美君) 森林法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。亀井農林水産大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 森林法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年、森林に対する国民の要請は、国民生活の向上や価値観の多様化等を背景として、ますます多様化、高度化しており、これに的確にこたえ、森林の多面的機能を持続的に発揮させていくためには、森林の適正な整備及び保全を図っていくことが不可欠であります。 しかしながら、これを支える林業をめぐる状況を見ますと、採算性の悪化等に伴い、必ずしも適正な森林施業が行われているとは言い難い状況にあります。 このような中、特に喫緊の課題となっている地球温暖化防止のための森林吸収源対策の施策の柱を成す健全な森林の整備、保安林の適切な管理、保全、国民参加の森林づくり等を推進するため、これに対応する措置を講じることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、要間伐森林制度の改善であります。 間伐等の施業が適正に行われていないものとして市町村長が指定する要間伐森林について、市町村長がその指定する者と施業の委託について協議するよう勧告できることとするほか、最終的な措置として都道府県知事が行う施業代行の裁定の要件を緩和して、適正な施業が確保されるように措置することとしております。 第二に、特定保安林制度の恒久化であります。 保安林の機能を適切に発揮させていくため、森林法において行為規制と併せて施業確保のための措置を講じることとし、これまで保安林整備臨時措置法において講じられていた機能が低下した特定保安林に係る施業の勧告等の措置を森林法に移行させるとともに、この場合に保安施設事業を実施する際の手続の簡素化の措置等を講ずることとしております。 第三に、施業実施協定制度の拡充であります。 国民参加の森林づくりを助長するため、森林ボランティア活動を行う者と森林所有者等とが締結する森林施業の実施に関する協定について市町村長が認可する制度を創設することとしております。 このほか、林業普及指導事業について普及指導職員の一元化を図る等の措置を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(岩永浩美君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会をいたします。 午後三時三十三分散会