厚生労働委員会 第22号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/06/03
会議録
○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、宮崎秀樹君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として愛知治郎君及び池田幹幸君が選任されました。 ─────────────
○委員長(国井正幸君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民年金法等の一部を改正する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長吉武民樹君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(国井正幸君) 国民年金法等の一部を改正する法律案、年金積立金管理運用独立行政法人法案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。 年金改革法案に対する質疑、月曜日に実施しました地方公聴会を含めまして本日で六回目となります。答弁、よろしくお願いしたいと存じます。 先週、厚生労働省は平成十五年の国民生活基礎調査の概況というものを発表されました。これによりますと、平成十五年六月五日現在、我が国の世帯数は四千五百八十万世帯、そのうち高齢者世帯、この高齢者世帯は、定義によりますと、六十五歳以上の者のみで構成するか、又はこれに十八歳未満の未婚の者が加わった世帯、これを定義されているわけでございますが、この高齢者世帯の数が七百二十五万世帯に及んだという、これは全世帯に占める割合が一五・八%になったことを意味しております。この数字は、平成元年、この同じ調査によりますと、高齢者世帯の全世帯に占める割合が七・八%でありました。したがいまして、十五年間で高齢者世帯の占める割合というのは二倍強になった、そういうふうに増加したんだということを意味しております。 また、高齢者世帯の一世帯当たりの平均所得金額というものも調査されておりまして、その数字は三百四万六千円、そしてその高齢者世帯の所得の何と六七%は公的年金と恩給によるものだ、そういう調査結果が出されております。そして、公的年金と恩給を受け取っている高齢者世帯の中におきましては、公的年金と恩給の総所得に占める割合が一〇〇%の世帯、つまり所得のすべてを公的年金と恩給に頼っている世帯、これが六一・二%であったと、そう報告されております。私は、このような数字を見ますと、世代間扶養を基本理念とする公的年金の意義、年金制度改革の重要性を改めて強く認識させられたところでございます。 この調査結果に対しまして、厚生労働大臣の御感想、また年金改革に対する御決意をお尋ねしたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) ただいま藤井議員からお話がございましたとおり、六十五歳以上の者のおります世帯、七百二十五万とおっしゃいましたでしょうか、一五・八%というふうにおっしゃいました。これ、現在六十五歳以上でございますが、これから先、それが二十年先なのかあるいは十五年先なのか、その辺のところ分かりませんけれども、七十五歳以上の皆さん方が大体このぐらいなパーセントを占める時期がそのうちやってくるだろうというふうに思っております。 こうした、一方におきまして高齢社会が進んでおります中で、御承知のとおり少子社会もまた一方で進んでいるわけでございまして、そうした中でお互いにどう支え合うかということがこれから甚だ重要になってまいります。この少子高齢社会の中で、そしてお互いに負担をしていただく、しかし負担が余り重過ぎないようにどうしていくかといったようなことも念頭に置きながら、将来の年金制度というものを確立をしていく以外に道はないわけでありまして、そうした意味で、いよいよ本格的な少子高齢社会に突入してきたという実感を受けながら、この数字をかみしめたところでございます。
○藤井基之君 今回の年金改革におきましては、将来の保険料負担、それから給付の水準というものをある一定の前提の下に見通しをされて制度設計をされているわけですね。おおむね百年間の間で給付と負担の均衡を図る、これが今回提案されました改革の柱となっております。しかし、これに対して今までいろいろな議論がございました。保険料の上限固定、受給水準の五〇%維持は、これは難しいんではないんだろうか、政府の出生率や経済発展などの見通しが甘くて、これは単に政府の願望にすぎないのではないだろうか、こういった批判もあったわけです。 そこで、改めてお尋ねをしたいと存じます。 まず、今回の改正案の前提となっておる見通しで、それによると、今後、平均して、我々日本国民の人口というのは年間どの程度減っていくというふうに見られたのか、そして、例えば百年後の二一〇〇年に我が国の人口というのはどのような規模で、どのような状況になっているのか、それについてまずお答えいただきたいと存じます。
○政府参考人(吉武民樹君) 今回の年金制度改正案におきます人口推計の標準的な前提といたしましては、国立社会保障・人口問題研究所が平成十四年一月に行いました日本の将来推計人口の中位推計を使用しております。 この推計では、二〇五〇年時点の合計特殊出生率を一・三九と仮定をしておりますが、日本総人口について申し上げますと、総人口のピークが二〇〇六年、一億二千七百七十四万人、その後、二〇二五年に一億二千百十四万人、二〇五〇年に一億六十万人、それから二一〇〇年でございますが、六千四百十四万人という推計でございます。 合計特殊出生率が一・三という仮定で申し上げますと、親の世代に比べまして子供さんの世代が三分の二になってまいります。さらに、お孫さんの世代になりますと更に三分の二になりますので半分以下になるという、構造的にはそういう急速な人口減少が起こることを意味をいたしております。 実際に、二〇二五年から二〇五〇年にかけましての毎年の人口の減少は平均して八十万人程度という規模でございまして、現在の世田谷区あるいは福井県あるいは高知県に相当する人口が毎年減少するという見通しでございます。
○藤井基之君 それでは、もう一つの改革の前提として提案されましたものに関係して、我が国の経済成長率についてはどのように予測しているんでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 物価上昇率を上回ります実質で見ました賃金上昇率、これ、お一人お一人でございますが、これは一・一%と設定をいたしております。この前提では、今後の労働力人口の総数は減少いたしますので、これを考えますと、マクロ経済全体の実質的な成長率は〇・七%程度になるのではないかというふうに見込まれます。
○藤井基之君 今、人口の推計とそして経済の成長について、もちろんこれは予測でございますので、それはだれもが確信して言えるというわけじゃないわけですが、一定の予測がなければ当然制度設計はできないわけでございますね。 今お答えいただいた今回の改革の前提となっている将来人口、経済成長率等の前提、私は、これはかなり厳しめの見通しから成り立っているのではないかというふうな感じがしております。 これでも見通しが甘いという批判がいろいろなところから出ております。我が国の人口はもっともっと急速に減少するのでしょうか。あるいは、経済はマイナス成長を続けて、低成長をずっと続けるのでしょうか。そういった危機的な状況を予測するからこそ、この見通しが甘いという言い方になってくるのではないかと思います。 私は、この政府の見通しは甘いという批判に対して、厚生労働大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 見方はいろいろあるだろうというふうに、率直にそう思っております。 人口につきましては、二〇五〇年に一・三九まで何とか回復をさせたいと、こういう予測でございます。 先ほど言いましたように、この一・三九というのは、分かりやすく言えば、おじいちゃん、おばあちゃんの時代に比べて孫の時代はその半分になると、こういうことでございますから、一・三九でも大変な数字であるわけでありまして、もし仮にそれ以下になってくるということになれば、日本のこの年金制度だけではなくて、そのほかの、社会全体が大変なダメージを受けてくることは間違いがございません。そうした中で、いかにしてこれからこの少子化対策というものを打ち出していくかということが非常に日本の将来を左右する大きな問題だというふうに思っております。 したがいまして、一・三九という数字をどう見るか、人によって違いますけれども、私は、この辺のところは堅持しなければならない数字だというふうに思っている次第でございます。 もう一つ、経済状況の方でございますが、確かに現在、日本の労働生産性というのは低いわけでありまして、G7の中におきましても、現在、イギリスと並んで最低でございます。ここをどう労働生産性を上げていくかということがこれから大事なことでございますし、この労働生産性を上げる一方におきまして、いわゆる労働力人口が一方で減ってくるわけでありますから、この労働力人口が減りますのと、それに合わせて生産性を上げていかなければ今後の経済成長がなかなか見通せないわけでございます。 その労働生産性を計算に入れまして、今後の成長率〇・七%ぐらいに見積もっているわけでありまして、これは、それぐらいは何とか行かなければ、これは日本の国として大変だというふうに思うわけでございまして、今後の世界経済の動きにもかかわりますけれども、日本にとりましては堅持をしなければならない最低ラインではないかというふうに私は思っております。
○藤井基之君 今回、将来にわたって給付と負担を均衡を図るためにマクロ経済スライドという方式が導入を図られているわけでございますが、この制度は、はっきり申し上げまして、今後の日本の経済の動向に大きく依存するものだと考えられるわけでございますね。ですから、経済動向をいかに的確に把握して検証し、そして適切に年金の財政運営を行っていくか、これに一に掛かっているんだろうと思うんですね。だから、制度そのものはいいんですが、それをどういうふうに使えるかということだと思うんですね。 厚生労働省は今後の年金財政の、特にその前提となる検証というものについてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと存じます。
○政府参考人(吉武民樹君) これまでは五年に一回財政再計算を行うという考えが基本でございました。 それで、財政再計算の一番基本を申し上げますと、給付に要する費用、将来の給付に要する費用、それから予定の積立金の運用収入、それから国庫負担、こういう枠に照らしまして、将来にわたりまして財政の均衡が保てる保険料水準を考えていくという形でございますが、今回は、基本的に保険料率の上限を設定をいたしまして、それから国庫負担を、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一へ引き上げていくという道筋を明らかにさせていただきまして、この保険料、それから国庫負担、それから百年間の財政均衡期間ということを考えておりますので、この間におきます年金積立金の運用収入、それから年金積立金の元本の活用という形で百年間の財政期間におきます全体の均衡を検証していくという形でございます。 したがいまして、財政再計算を五年ごとに行うということは行わないことになりますけれども、財政検証を常に五年ごとに行うという形で、今、藤井委員がおっしゃいましたチェックをしていくという、そういう仕組みを提案させていただいております。
○藤井基之君 給付水準の問題につきまして、いわゆる水準としては五〇%を確保するんだという、いやいや、時間がたつとこの数字は下がってしまうじゃないか、四割台になるよとか厳しくなると、こういうような議論がずっと繰り返されておりました。 私は、このいわゆる所得代替率の話について、これを考える際に、時点をどこに置くかによって話しているところの、言っている人間と答える側とでずれが出ているのであろうという感じがしてならなかったわけなんですが、年金の所得代替率というのは一体どの時点で考えて数字というものを考えるべきなのかということについて、現在の制度では所得代替率というのは一体どの時点を参考として作られているのかをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(吉武民樹君) 平成十一年度の年金改正によりまして、年金のいわゆる年金額改定につきましては、年金を受給されるまでにつきましては賃金によって評価をすると、いわゆる賃金スライドでございますが、そして受給を開始された後は物価によってスライドをするという、そういう形でスライドの基本を考えるというふうに改正をされたわけでございます。 こういうことを踏まえますと、通常、老齢期の生活というのは現役期の延長線上にございますので、今申し上げました仕組みの下におきますと、引退をされまして年金を受給を始められる、通常は六十五歳でございますが、六十五歳の時点におきましては、それまでの過去の賃金上昇を反映いたしまして年金額を算定をいたします。それから、それ以降につきましては、物価スライドによりその購買力を維持をするということをしておりますので、現役の平均手取り賃金と年金額の比較であります所得代替率につきましては、引退をされて年金を受給し始める六十五歳の時点における割合で示してきているところでございます。 今回の改正におきましては、将来の保険料負担との関係で給付水準につきまして調整をさせていただくということを提案させていただいておりまして、標準的なケースで二〇二三年までというふうに想定をいたしておりますが、この調整期間内におきましては、今申し上げました賃金あるいは物価の上昇から実際の現役の方の支える力を反映をしようということでございまして、先ほど申しました、人口が減少してまいりますので、被保険者数の減少を反映した調整率を控除させていただきまして、これを控除した率を年金額の算定あるいは改定に用いることとしておりますが、この調整率は、六十五歳で支給を開始をされた時点、それからその後の時点、いずれも基本的には同じ調整率でございますので、基本的な構造には変わりがございませんから、前回改正同様に、引退をされまして年金を受給し始める六十五歳の時点におきます割合で所得代替率をお示しをしているところでございます。
○藤井基之君 いわゆる年金を受け取り始めた後、その時々のその現役世代の平均の手取り賃金と受け取る年金額比べれば、この比率が下がっていくという。今言われたように、その理由の一つには、年金の受給開始した後、賃金上昇率ではなくて物価上昇率というのを基準にして年金の額を調整して改定していく、そういったことによってその比率というのが下がってくるんだと思うんですが、ただ、一つのこれは計算のやり方だと思うんですけれども、このような年金額の改定の方式というのは、これ我が国独特のものなんですか。それとも、いわゆる年金等の社会保障の先進国と言われているヨーロッパ諸国というのは、これは一体どんなやり方でここを計算されているのか、できましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(吉武民樹君) そういう意味で、このスライドにつきまして、ある意味で一番まあ手厚いスライドをやっておりますのはドイツでございます。ドイツは賃金に対応したスライドを行う、しかもそれは、可処分所得、それから高齢者の可処分手取りといいますか、両方を見てということでございます。 ただ、御案内のとおり、ドイツの年金制度も非常に苦悩をいたしておりまして、今のところ保険料率二二%ぐらいに引き上げないと安定をしないだろうと言われておりますが、その二二%のめどは立ってないという状況でございます。ドイツにおきましても、そういうことを踏まえて年金制度の改革の議論が行われてございます。 それから、一番厳しいのはフランスでございまして、フランスは、先ほど申しました日本の賃金スライドを行いませんで、年金支給に至るまでも物価でスライドをいたします。それから、年金を受給された後も物価でスライドをするという、まあこれ、一番厳しい制度でございます。 それから、日本と同様の、年金の受給を開始されるまで賃金で評価をさせていただきまして、その後物価で購買力を維持していくという考え方を取っておりますのがアメリカ、イギリスでございます。 それからスウェーデン、スウェーデンの年金は非常に注目されておりますが、スウェーデンにおきましては、年金受給後の年金額の改定につきましては、賃金上昇率から一・六%を控除した率を用いることとしておりますが、この場合も、受給開始後の年金額とその時々の現役世代の平均手取り賃金の比率はまあ徐々に低下していくという形でございます。 スウェーデンはちょっと独自の考えございまして、年金受給直後の年金額を少し高めに設定をいたしまして、だんだん減っていくという、まあそういう考え方で設定をいたしておりますが、今のような、今申し上げましたような独自の調整を行っています。実質の賃金上昇率が一・六%、物価を超える実質の賃金上昇率が一・六%ありますと、物価の上昇率で改定をいたします。それで、それは、例えば実質の賃金上昇率が二%でありますと、一・六の差が〇・四ございますので、物価プラス〇・四で改定をする。逆に、実質の賃金上昇率が一%ということでございますと、一・六に対して〇・六足りませんので、物価の上昇率から〇・六を控除して改定をするという、先ほど申しました、ちょっとほかの国とは違う非常に独自のスライドの考え方を取ってございます。
○藤井基之君 私はこの委員会で年金問題について何度か政府の皆さんの考え方をただしてまいりました。そこでいろいろお答えをちょうだいしたわけでございますね。 この国会でもしもその年金改革法案が成立しなかった場合、現状でも非常に厳しい状況である年金財政が更に悪化して、将来の、次の世代に対して負担を先送りすることに結果としてなってしまうんだと。一元化を含めまして公的年金制度にはいろいろな問題があることというのは、冒頭に述べたように十二分分かっておりますけれども、国民の老後を支える公的年金制度を持続可能なものにするためには、やはり、ここで年金制度を今のままでいいという答えにはならないと思うんですよね。 私どもとしましては、この年金改革というのは、より良い年金制度を作るためにも、その前提としてこの改革法案というのは必須なものだと考えております。そのことを強く御指摘申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 質問に入ります前に一言申し上げたいと思います。 今日の委員会の持ち方、私どもが求めていたような形ではなくて、委員長の御判断でという形で開かれたことについて、極めて残念であります。 是非、委員長にお願いしたいわけですが、引き続き、中央公聴会の開催も含めて、慎重な審議をお願いを申し上げたいと思いますが、いかがですか、委員長。
○委員長(国井正幸君) 十分これまで審議をしてきたと思います。今日もより充実した審議をお願いいたします。
○朝日俊弘君 審議をしたいことは山ほどありますから、早速質疑に入ります。 前回、私の質疑、もう入口で止まっちゃいましたから、もう全部残っていますので、今日はまずそこから一つ一つ片付けていきたいと思います。大臣の方も、ぶれないで、よく考えてお答えをいただきたいと思います。 まず最初の御質問は、やっぱり、前回も給付建てかそれとも掛金建てかというお尋ねの仕方をしましたが、今回はその質問の仕方を変えます。明らかにしたいことは、現行制度がどうなっていて、そして改正案がどうなっているかということをはっきりさせたい、こういうことで、質問の仕方を変えます。 まず私の制度に関する理解を申し上げて、そのことについての大臣の御見解を伺いたいと思います。 改めて、私、現行制度の内容と、それから改正案の中身、法律をちゃんと読み直しました。で、じっくり読めば読むほど、現行制度は明らかに給付水準に見合う保険料負担を求める仕組みになっておりまして、その意味では、給付水準の確保を基軸に据えて、保険料はその変数、変動する数値として定めているというふうに私は思います。一方、改正案は、保険料及び保険料率を一定の刻みで引き上げていって、一定の水準で固定をするということを明記しております。一方、給付水準はその範囲内で段階的に引き下げざるを得ない仕組みを取っています。そういう意味で、給付水準の方がむしろ変動する数値、変数で、保険料、つまり負担水準が基軸に据えられていると、こういうふうに私は現行制度と改正案の中身と比較検討して理解をしておりますが、このような理解でよろしいかどうか、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(坂口力君) 前回のときに、私もう、なかなか十分に先生の御指摘になりますことが理解ができず、少し混乱をいたしまして、お許しをいただきたいと存じます。 確かに、現行制度におきましては、財政再計算に基づきまして、給付に要します費用、それから予算、運用収入、それから国庫負担の額に照らしまして、将来にわたって財政の均衡が保てますように保険料水準を見直すこととされております。 これまでの財政再計算におきましては、人口推計でありますとか将来の経済の見通し等の変化を踏まえまして保険料水準の見直しを行ってまいりました。これは、基本的には給付に基軸を置いて負担を見直してきたものでございます。御指摘をいただいたとおりだというふうに思います。 ただし、五年ごとに行われましたこの財政再計算におきましては、保険料と同時にこの給付水準の見通しも行われてきたところでございます。 こうした方式につきましては、この少子高齢化が急速に進行をいたします中で、現役世代、特に若い世代にとりまして、見直しのたびに将来の給付水準も保険料水準も不透明なものとなる、そういう御指摘をいただいたところでございまして、年金制度に対する不安につながっているとの指摘もいただいてきたところでございます。 そこで、今回の改正法案におきましては、保険料水準につきましては、将来の負担が過大とならないように抑制をしつつ、その上限を法律上に明らかにいたしました。その収入の範囲内で財政の均衡が図られるように、年金を支える力であります被保険者数の減少等に応じまして、給付を自動的に調整する仕組みを導入をしたところでございます。 このことによりまして、年金制度が将来にわたって高齢者の生活の基本的な部分を支えるという役割を果たすことを目指しまして、持続可能な制度の姿を明らかにしてきたところでございます。この意味では、御指摘いただきましたように、改正案は御指摘のように負担に基軸を置いた考え方を基本としているものでございます。 この仕組みによりまして、現役世代の平均的賃金との対比で見ました年金の水準は緩やかに低下していくこととなりますが、その場合でも公的年金制度としての水準は確保していく必要があります。このため、給付の下限につきましては、夫が平均的賃金で被保険者として四十年間働いた場合の年金額で見て、現役世代の平均的な手取り賃金との対比で五〇%を上回る給付水準を確保することとして、その旨をこの法律附則に規定したところでございます。
○朝日俊弘君 本則のところで見ると、今お答えいただいたように明らかに制度は大転換をしているんです。そのことははっきりおっしゃるべきだし、我々もはっきり受け止めるべきだというふうに思っています。 ただ、附則が付いたのは、恐らく、その法律を策定する経過を心理的に分析しますと、本当はもっと保険料を高いところまで行くかもしれぬと思っていたんですよ。ところが、いろいろ言われて一八・三〇とぐっと抑えた。抑えたんだけれども、給付水準も五〇%以上確保しなきゃいかぬという不安感が働いて附則に入れたんですよ。ところが、両方約束するということは難しいなというふうに気が付いて、附則に二、三項を入れたんですよ。そういうふうに私は分析をしているんですが、そこで、二番目の質問に行きます。 附則第二条の第一項、今、大臣が一番最後におっしゃった、いわゆるモデル世帯の給付水準は平均的な賃金の五〇%を上回るレベルを確保すると、こういうふうに書いてある。そういう意味では、本則では大転換をしたものの、一方で給付水準にもぎりぎり配慮しなきゃいけない、せざるを得ないということで附則に書いた。附則に書いたんだけれども、続けて読むと、第二条の第二項で、五〇%を下回ることが見込まれる場合には調整期間の終了その他の措置を講ずるというふうに書かざるを得なかった。そして、続いて第三項で、調整期間の終了その他の措置を講ずる場合には、給付及び負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずる。所要の措置とは法改正だというふうに書かざるを得なかったわけです。 ですから、これを、この附則を素直に読めば、確かに一方で保険料負担水準を固定しようということで出した、本則の中に。しかし、附則の第一項で、一方で給付水準もある程度保とうというふうにした。しかし、両方の条件が満たせない場合があると認めざるを得なかった。だから、提案者自らが見直し規定をここに書かざるを得なかったと私は理解するんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、省としてスタートをいたしますときには、二〇%を上限というふうに考えていたことは事実でございますし、いろいろの御意見を聞きながら一八・三〇にしなければならなかった。その経緯につきましては、朝日議員の心理的分析、これはもうお任せをいたしますけれども、スタートの時点でそういうことであったことだけは紛れもない事実でございます。 この改正法案におきましては、保険料水準の上限を平成二十九年、二〇一七年以降、一八・三で固定をいたしております。マクロ経済スライドを適用することによりまして給付水準の調整を行っていくことになりますが、その場合にも五〇%を上回る給付水準を維持をしていきますためには、経済の活性化や次世代の育成支援対策に全力を挙げて取り組んでいく必要があるというふうにまず考えております。 なお、社会経済の大きな変動によりまして五〇%の給付水準を維持できないおそれも出てくることは、これは理論的に否定することはできません。その際には、御指摘のあった附則第二条の規定に基づきまして、マクロ経済スライドによります給付水準の調整をいったん終了しまして、給付と負担の在り方について改めて検討を行い、国会で合意を得て法改正により必要な措置を講ずることとしております。 この検討に当たりましては、五〇%の給付水準の確保を規定します附則第二条第一項の趣旨を踏まえまして、その時点における経済社会の動向を総合的に勘案をして給付と負担の全般にわたる見直しを行うことになるものでありますが、現時点でその具体的な内容を特定することは難しいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、五〇%の給付水準を確保できるように、総合的な政策で全力を挙げていきたいというふうに考えているところでございます。
○朝日俊弘君 今日はかなりよく考えてお答えをいただいたと思います。 給付と負担の全般にわたる見直しを行うことになるわけであります。もちろんその中に幾つかの選択肢はありますけれども、給付と負担の全般にわたる見直しを行うことになるということは確認しておきたいと思います。 さて、次に、前回宿題になっていました点を二件確認しておきたいと思います。 皆さんのお手元にカラフルな資料が配付されていると思います。これはあえて厚生労働省の方に作っていただいて、お手元にお届けしております。私の提出資料とありますが、作成は厚生労働省であります。 そこで、まず第一番、私が求めましたのは、国民年金・基礎年金のみを受給する人たち。今までの議論がどうも厚生年金の標準的な年金額が幾らになるかという議論が多かったので、厚生年金の受給の年金額のことは、それはそれとして、国民年金・基礎年金だけの場合はどうなるんだということで、その図を作ってくださいと、その図を見ながら改めて説明をしてくださいと、こういうお願いを申し上げました。そこで、お手元に出されている資料の一の下の段の図が新たに作っていただいた図であります。その図を見ながら改めて、国民年金・基礎年金の年金額は今後どうなっていくのかについて御説明をいただきたいと思います。 その際、あわせて、一昨日、柳田委員が指摘をし、それに対して答弁がございました。平成十六年度価格でいくとどうだと、何かある種の流行語になりそうな気がするんですが、平成十六年度価格でいくとどうかということも含めて御説明をいただければと思います。
○政府参考人(吉武民樹君) それでは、朝日先生のお手元の資料に即しまして御説明をさせていただきます。 まず、今回の改正案におきます基礎年金のスライドの仕組み、これは厚生年金と同様でございます。標準的なケースで二〇二三年まで掛けて給付水準の調整が行われるわけでございますが、標準的な期間で調整が終了しました後は、基礎年金を受給される時点での水準は賃金によってスライドをされます。それから、受給をされますと物価によってスライドをされます。これは従来、厚生年金はこの原則が確定をいたしておりましたけれども、基本的には基礎年金につきましても厚生年金と同様の仕組みでスライドをするという、ただ、二〇二三年までの支給期間について申し上げますと、年金を受給し始めたときの年金額、今申し上げたようなことで、一人当たり賃金上昇率で、それから受給後の年金額では物価上昇率で改定が行われることは今申したような基本でございますが、マクロ経済スライドによる調整期間中は、公的年金の被保険者数の減少率、これは言わば賦課方式の年金におきます支え手の減少、それから平均余命の延びを勘案しました調整率分だけ年金額の伸びを抑えることといたしております。 お手元の資料は年金を受給し始めたときの基礎年金の給付水準について説明したものでございます。これをごらんをいただきますと、基礎年金は厚生年金のように給付水準を手取り収入額との比較といった形ではお示しできませんが、給付水準を金額で見ていただきますと、基準的なケースにおきます基礎年金の新規裁定年金額、年金を受給開始されたときの基礎年金のいわゆるフルペンション、満額は、名目額で二〇〇四年度、六・六万円でございます。これは、実は物価スライドのまだ特例スライドが行われておりますので、その横にございますが、本来水準で申し上げますと六万五千円でございます。特例スライドで若干スライドのかさ上げがされておりますので、本来水準で申し上げますと六万五千円でございます。これが二〇二三年度、標準的なケースで調整が終了いたしますが、その時点には七万九千円、それから二〇二五年度には八万三千円、それから二〇五〇年度には十三・九万円となる見込みでございます。 これを現在の価値で比較をするために物価上昇率で割り引きまして、現時点における額に換算をいたしますと、二〇〇四年度は今申しました六万六千円でございますが、二〇二三年度、調整終了時点でございますが、これは六万六千円でございます。それから、二〇二五年度は六万七千円でございます。それから、二〇五〇年度は八万八千円となるということであります。 それから、先日の御質疑で柳田先生から御指摘のありました、基礎年金の実質価値といいますか、物価の購買力で表した価値が低下するという点につきましては、給付水準の調整期間中、二〇二三年までの、六十五歳で支給が開始された後の年金額についてのものでございます。 二つのケースについて申し上げますが、具体的に、二〇〇四年に六十五歳の方について見てみますと、受給を始められたときの年金額は六万六千円でございます。受給後の年金額につきましては、物価の上昇から調整率分だけ伸びを抑える仕組みを導入をいたしますので、名目額は伸びてまいりますが、物価上昇率で割り戻しました現時点での額は低下をいたします。例えば、八十歳時点の基礎年金額は名目額で六万八千円でございますが、物価上昇率で割り戻した現時点における額は五万八千円となります。 なお、二〇二三年に給付水準調整期間が終了した基準的なケース、標準的なケースで申し上げますと、その後に年金を受け取り始める方について申し上げますと、二〇〇四年に四十五歳の方が二〇二四年に六十五歳となられます。この時点でこの方は年金を受給をし始めるということになりますが、その受給を始めたときの年金額は八万一千円でございます。これを物価上昇率で現在の額に割り戻した額は六万六千円でございます。受給後の年金額につきましては、名目額が物価上昇分伸びますので、物価上昇率で現時点の額に割り戻した額は基本的には六・六万円が維持をされまして、受給後に購買力が低下することはないという形であります。 厚生年金の例で申し上げますと、所得代替率が年金受給開始で五九・三%から五〇・二%に徐々に低下をいたします。その間は、先ほど申し上げました、年金を受給された後の方についてもこれから新しく年金を受給される方と同様に調整をお願いをいたしまして、全体の安定化を図るという形でありますが、五〇・二%ということで、所得に対する、給与に対する年金の水準が、調整が完了しまして二〇二三年で安定をいたしますと給付水準そのものは下がってまいりますが、今申し上げましたように、本来の賃金スライド、物価スライドに戻るというのがこの仕組みでございます。
○朝日俊弘君 ちょっと後段の説明は余分だったんですが、結局、まずこの図を見ると、厚生年金の初めていただくときの額というのはほぼ横ばいなんですよね。それで、年数がたつに従って、今度は既裁定者になっていくとじわじわと実質価値が下がっていくと、こういうことなんですよ。 だから、正直に、国民年金・基礎年金だけをいただいている方についてはこうなりますということをきちっと説明しなきゃ駄目ですよ。一方で、厚生年金をいただいていて、モデル的な世帯の場合はこうですよ、ここを分けて説明しなさいよ。一緒にごちゃごちゃな説明をするからいつも分からなくなっちゃう。専門家にはその方が分かりやすいかもしれないけれども、メッセージとしては余計混乱をする。きちっと区分けをして、この資料を基に説明をしていただきたいし、先日の柳田委員にいただいた説明も併せて、資料として付けていただくと一番親切かなというふうに思います。(「国民が反対しちゃう」と呼ぶ者あり)そうです。 その次に、その次に、じゃ、次行きます。(発言する者あり)協力してください。 国民年金の保険料負担水準に関するパンフレットの説明で、前回の質問のときにも申し上げました、最終保険料が一万六千九百円になるように書いてあるけれども、括弧平成十六年度価格となっていると、これは誤解を生むよと、あえて誤解を生むように書いたんじゃないのと、もう少し正確に理解いただけるように作り直してほしいということで申し上げました。それで、作っていただいたのが二枚目の資料二であります。やや私としては不満足ですが、ちょっとこれについてどう工夫をされたのか、工夫したところを中心に御説明ください。
○政府参考人(吉武民樹君) 今回の改正案におきましては保険料水準の上限を法律上明記しているところでございますが、六十五歳となり新たに年金を受け始めるときに、それまでの賃金上昇を反映をいたしました年金を受け取る制度の下で、国民年金の保険料については、現在の賃金水準を基本といたしました平成十六年度価格で保険料水準を固定をいたしております。そういう意味で、十六年度価格で固定をいたしております。 前回の朝日先生の質疑の中で、この国民年金保険料の平成十六年度価格について、パンフレットの記述が誤解を与えるものではないか、あるいは不適切ではないかと御指摘をいただいたところでございますが、平成十六年度価格というのは、平成十六年度の賃金水準を基準として価格表示したものでございまして、実際に賦課されます保険料額は、平成十六年度価格として表示された額に、賦課される時点までの賃金上昇率を乗じて定められることになります。したがいまして、その額は今後の賃金上昇の状況に応じて変化するものでございます。 今後、国民年金保険料の説明を行う際には、保険料水準固定の意味を説明をし、誤解を与えないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 それで、確かに説明は付け加えていただいたんですけれども、結局、もちろん、今後の賃金上昇がどのぐらいあるかというのは、これは確定できない。だけれども、例えば、一方で、労働者の皆さんは当然賃金を上げてほしいということで要求をされる。例えば二%程度上がればそのときには幾らぐらいになるという試算もあってもいいのではないかと思いますが、取りあえず一工夫していただいたということで、今日のところはとどめておきましょう。 ただ、私からあえて指摘しておきたいのは、そういうふうに賃金が一定程度上昇をしていくとすれば最終保険料も二万円を超えることが十分にあり得るということを国民の皆さんは知っていただかなきゃいかぬ。ここをはっきりしなきゃいかぬと思う。(発言する者あり)今、柳田委員からも指摘が出ていますが、その上を行くと三万円になるということもあるということでありますから、一万六千九百円があたかもこれで最終で、上がりませんよというイメージを与えてはいけないということを指摘しておきたいと思います。 それでは次に、がらっと話題を変えまして、この間、いわゆる国民年金の未納、未加入、そして免除等々ありまして国民年金全体が空洞化しているんではないかという指摘がされています。先日、ある県の知事さんにもお会いしました。収納率が五〇%を割るような制度はもう制度としては成り立たないというふうにおっしゃっていました。そういうことをどうしていくのかという点について今回の改正案はほとんど触れられていません。 特に、私は、自分自身が、平成十一年、今から五年前、地方分権推進一括法案の審議のときに、多分あれは一番最後のときの締めくくりの質疑だったと思います。当時の宮下厚生大臣にお尋ねをしました。地方事務官をすべて国に一元化をしまして、社会保険庁としてこれから年金の徴収事務をやっていくんだと、こういうことですが、これは本当にこれで大丈夫ですかと。そのときにも、未納の問題は免除者も含めて三百万ぐらいある、大変なことになる、くれぐれも大丈夫かという質問をさせていただいたんです。そうしたら、宮下厚生大臣は、国民年金事務につきましても、例えば勧誘事務その他は市町村にお願いせざるを得ませんから、しかるべく財政措置を講じながら住民の不便のないようにやっていくと答弁をされました。財政措置も講じながらやっていくんだと、こういう答弁をされました。つまり、なかなかやはり社会保険庁だけで国民年金の徴収をきちっとやっていくということには難しい面がある、市町村の協力連携がどうしても必要だと、こういう認識だったと思うんです。 ところが、その後、そういう約束がきちっと果たされた節がない。それどころか、施行段階においてだんだんと市町村との協力連携が思うようにできないという事態になっていって、その結果が国民年金の空洞化を一層促進させることにつながったんではないかと、私はそう思うんですが、改めて、当時の宮下厚生大臣が答弁されたことについて、その後どうなっていますか、そして、どうされますかということを大臣にお尋ねしたい。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、私も読み返してみましたが、そのとき宮下大臣はこのように、今述べられましたとおり述べておみえになるわけでございます。 しかし、それからの経緯は、これも今御指摘をいただきましたとおり、市町村との間の連携というものは決してスムーズに進んでこなかったわけでございます。特に、今まで市町村が、町内会でありますとかあるいは婦人会でありますとか、そうした諸団体にもお願いをして、そしてそういう組織との連携の下にお進めになってきた側面も非常に大きかったわけでございます。そうしたことについて、今までのノウハウ、あるいはそういう今までのおやりになってきたことを引き継ぎたいというふうに思ったようでありますけれども、そこがうまく引継ぎができなかったと申しますか、それはもう、自分たちでもう引き受けたんだからやってくれという、あからさまに言えばそういう結論になったと。 社会保険庁は、この下がった理由はほかにいろいろあってと、こう言うわけですけれども、私は、ここを国が引き受けたところがやっぱり一番大きかったと私も実は思っているわけでありまして、ここは率直に私も実はそう思っております。 ですから、今後、いろいろの改革を行う中でこれをどうするかということを今考えているわけでございますが、これからどうするかというのは、現在、私の考える範囲というのは、社会保険庁を現在のままにしておいて、そしてその中でどうしていくかという話になるわけでございます。その社会保険庁の中の改革というものも当然やらなきゃいけないだろうというふうに思います。そうしたことも、今度は人事の問題も含めながらやっていこう、そして各市町村におきましては、様々な諸団体との関係の構築ということについても、もう一度やり直すということをしていかなければいけないというので今進めているところでございます。 しかし、全体で一万六千人の、その中で半分近くは医療保険のことをやっておるわけでありますから、年金でやっておる人は一万人あるいはまた一万人弱ぐらいな人数でございますから、その中で徴収と、そして今度は、年金の今度は給付と両方やっておるわけでございますから、限られたところでどうやっていけるかということをもう一度私も考えざるを得ないというところに来ているということでございます。
○朝日俊弘君 だから、認識はかなり一致していると思うんですよね。 ただ、今のお答えだと、厚生労働大臣としての範囲の中で考えると一定の考える範囲があるというようなお答えに聞こえたんですが、もうちょっと思い出していただいたらお分かりだと思うんですが、地方分権推進一括法案を作るときの切り口は、とにかく機関委任事務をやめる、そして自治事務と法定受託事務に分けると、こういうところでずうっと切っていったから、そもそも問題の立て方が違っていたから、切り口が違っていたから、その結論によってかなり年金制度や医療制度についてはゆがみが生ずることは十分予想された。だから、御存じのとおり、大臣も御存じのとおり、附則が付いて、衆議院であえて附則が付きまして、そして医療保険制度や年金制度の改革に伴っていろいろ再検討しなければいけない場合が出てくるであろう、その場合には、必要があると認めるときには所要の措置を講ずるんだと、こういう附則が付いているわけです。 実は、思い出してほしいんですが、去年ですか、職業安定法を改正しましたよね。あれも、無料職業紹介については国に基本的には一元化したんです、ちゃんと。だけれども、これだけ失業者が出る、大変だ、もっとやっぱり地方公共団体も職業紹介についてやっぱりやっていけるようにしようじゃないかということで法改正をしましたでしょう。だから、既に職業紹介の事務については一定の所要の措置を講じていると私は思うんですよ。まだどこまで効果が出ているかちょっと見定めにくいんですが。 だから、ここはひとつ、今回の法改正の中では残念ながらそういうことも含めての検討がされていないので、大きな宿題として残っているということはきっちり確認をしておいていただきたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話ございましたとおり、地方分権推進委員会におきましていろいろ御議論をされて、その地方分権推進委員会は委員会としての割り切り方というのがあったと思うんです。その割り切り方の中で割り切っていくとこういった欠陥が生まれてきたということでございまして、ここのところは問題点として私も持っております。 それで、これは社会保険庁そのものの在り方、もう少し全体の在り方を考えようではないかという御意見も実はあるわけでございます。他のこれはところと合併してはどうかとか、一緒にやってはどうかとか、いろいろの御意見、総枠の御意見がある。私は、それは、そうした話をもう遠い話ではなくて間もなくそうしたことも開始されるんだろうというふうに思っておりますが、そうした中で社会保険庁としての役割、社会保険庁はどこまでの仕事をこれから維持をしていくのか。 これはなかなか、今やっております仕事は増えることはあっても減ることはなかなかないと思うんですね。年金の、皆さんにきめ細かくやっていかなきゃならないことでありますとか、徴収の問題でありますとか、その実務は、それはなかなか減らないわけでありまして、ですからそこが定められた陣容の中でどこまでできるかということのもう一度割り切りというものが、私は、全体像の見直しの中で私は必ず出てくるというふうに思っております。 今御指摘いただきましたことを十分念頭に置きながらやっていきたいというふうに思っております。
○朝日俊弘君 来年になるか再来年になるか、医療保険制度の再編成、統合の問題、その中では政管健保をどうするかという課題も当然出てくるわけでありまして、そういう意味では、附則に書いたとおりの事態、年金制度が変わる、医療保険制度が変わる、そういう中で社会保険庁の在り方どうすべきか、どうしたって考えざるを得ない。是非そういう問題意識はお持ちいただきたいと思います。 それでは最後に、時間も過ぎているんですが、同僚議員にお許しをいただいて、最後に生活保護のことについてお尋ねします。 実は、年金制度の問題を考えるに当たって、一方で生活保護の制度がどうなるかということが大変重要であります。先日、ちょっとお調べいただきました。そうしたら、平成十四年度で生活保護をお受けになっている方が約百二十万。結構増えてきているんですね、最近。その百二十万の方の中の四十五万が六十五歳以上の高齢者なんです。その四十五万人の高齢者の方のうち約二十二万人が年金をいただいているんです。 ところが、その平均は実に四万五千円ないし四万六千円程度。だから、もちろんいろんな経緯があるんでしょうけれども、大ざっぱに考えて、現在の年金の水準、特に私がずっと問題にしてきた国民年金・基礎年金の給付水準というのは、残念ながらそれをいただいても、なおかつ生活保護を併せて受けざるを得ないような水準だと。これでいいのかという問題はやっぱり大きな問題として残っていると思うんですね。先ほどの質問に対する答弁、説明では、今後、現状維持か若しくは下がっていくかもしれないということをおっしゃっているとすると、こういう人たちについての言わば生活保障はどうなるのだという気がしてなりません。 そこで、現在、生活保護全体の見直し作業が進められていると、こういうお話を聞いております。どんな状況でしょうか。特に心配していますのは、生活保護費の国庫負担金の見直しについて平成十七年度に結論を得るというふうにどこかでだれかが決めたようでありまして、それが一体どうなっているのかも含めて教えていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 生活保護とそれから年金と、本来は趣旨が違うわけではございますけれども、現実問題として、高齢者の皆さん方で、そして生活ができていけないということになれば、今お話ございましたように年金プラス生活保護という形になっていかざるを得ない。そういうことであれば、年金としてそれをどこまで見ていくか、生活保護ならば生活保護としてそれは引き受ける形にするのか、ここは少し整理を今後しなければならない課題であるというふうに思っております。 この生活保護につきまして、やはりもう市町村に渡してはどうか、市町村じゃないですね、都道府県ですね。都道府県に渡してはどうかという正直お話があるわけでございます。現在のところ、まだ具体的なところまでは進んでおりません。おりませんが、そういう話が昨年も出ましたことも事実でございます。もし仮に渡すということになりますと、それに対する財政を、財源をどうするのかという話とこれはセットのことでございます。 地方自治体の方も、そこを一体、明確にした上で事を進めてほしいと。まず地方にそれをゆだねるということが先にあって、財政問題は後でやるというようなことでは困る、こういう知事さん方からの御意見が既に届いているところでございまして、そこのところの議論というのをこれからやっていかなければならないということで、ここはまだ今どうするというところまで正直なところいっていないのが現実でございます。 この生活保護の問題のときに、やはり地方にゆだねるということになりますと、それで自由度が、地方自治体に渡すことによって、それで自由度が増すかどうかという、地方自治体がそれを引き受けて自由度が増すところがあるのかという問題が一番大きな私は論点になるというふうに思っております。四十七都道府県の中で見ましても、確かに一番多いところと一番少ないところでは十倍の格差があることも事実でございます。そして、その認定の仕方等につきましても若干のやっぱりニュアンスの違いがあることも事実でございますが、地方自治体にその認定の仕方も含めてお渡しをするのか、それはやはり国の方が一律にちゃんとやっていくということで、そしてお渡しをするのかといったところが最大の問題点になるのではないかと。 それ以外のところで自由度というのはなかなかないものですから、私はそこのところが一番大きな課題になるというふうに思っているところでございます。
○朝日俊弘君 終わります。
○大脇雅子君 先回、私は、政府案のモデル世帯というのは片働きの世帯になっているということを申し上げまして、実は、働く女性は、一九八六年以来、専業主婦を上回って、既に千五百万ほど上回っている。 〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕 しかし、にもかかわらず、百三十万円の壁をもって年金に加入しなくてもいいという、いわゆる専業主婦という名のパートタイム労働者というものをそこに加える形でいわゆるモデルが作られている。百年の設計というのならば、正に奇想天外な百年の設計だということを申し上げました。 確かに、近代家族というのは、働く夫と家を守る妻と子供二人と犬一匹という、そういうのが近代家族のモデルと言われたわけですけれども、既にどの先進国でもこのようなモデルというのは二〇%を切っていると言われておりまして、社会保障の基本的な構造の中では、こうしたモデル世帯を共働き世帯へ踏み込んだ形で改正をしない限り、将来設計はできないと考えるわけであります。 先回、様々な個別問題は申し上げましたが、女性のライフスタイルの変化に対応した年金の在り方に関する報告書、これに対する厚生労働省のスタンスはどこにあるのでしょうか。そして、いわゆる枠組み転換、モデルの転換ということはいつ行われるのでしょうか。そして、いかなる段取りで行われるおつもりがあるのでしょうか、お尋ねします。
○国務大臣(坂口力君) 大脇先生から今お話のございましたとおり、女性と年金検討会の報告書、確かに五つの案をお示しをいただいたわけでございます。その後、それを受けまして、今度は社会保障審議会の年金部会におきまして、そうした案も中心にしながら御議論をいただいた経緯、そして、その経緯を経て今日を迎えているわけでございます。 ここは、確かに、女性と年金検討会の方で御議論をいただきました御意見と、それからこの社会保障審議会年金部会の御議論とは、若干のやっぱり議論の違いと申しますか、そうしたところもございまして、そして、女性と年金の問題一つにまとめるということはなかなかまとめにくい状況が続いたわけでございます。 そうした中で、配偶者であります第二号の被保険者が負担する保険料につきまして、第三号被保険者が共同して負担をしたものであるとの基本的な認識を法律上明らかにするというところで、現在のところ落ち着いているわけでございます。離婚をしました場合などには、第二号被保険者の厚生年金の保険料納付記録の分割ができる仕組みとするということになったわけであります。 女性と年金検討会の報告書の案のうちで、潜在的な持分権の具体化による賃金分割を行った上で、妻自身にも分割された賃金に対して定率の保険料負担を求める、こういう一項目があったわけでございまして、この理念といいますか考え方を最大限生かしたものでございまして、考え方に立てば、共働きと独身者だけでなくて、第三号被保険者も共同して負担していると、こういう考え方に立っているわけでございます。 今後どうするのかというお話でございますが、第三号被保険者制度をどのようにしていくかということを考えます場合に、一番大きい問題は、国民年金の方は個人単位、厚生年金の方は世帯単位になっておりますところを、今後これをどう変えていくかということが、今後一番大きい問題にならなければならないというふうに思っております。ここを決着を付けながら、この第三号被保険者問題というのを更に今後決着を付けていくという方向ではないかというふうに思っております。 ここ、まだ決まっていないことを私が先走って言うのはいけませんけれども、私個人は、個人単位にしていくという方向が望ましいのではないかというふうに思っているわけでありまして、そうした中で、この女性と年金の問題を解決をしていくということをしていくという、そういう道筋ではないかというふうに思っております。
○大脇雅子君 その潜在的な持分、いわゆる内助の功を評価する形で、働く夫が妻の分も支払っているという認識というか、みなしを行うということは、これはまあ一つの私は擬制であろうかと思います。単身者とそうした専業主婦を持つ夫の保険料に差があるわけではありませんし、共働きの場合はそれぞれの給与に関して行われているのですから、やはり片働きの世帯を一つのモデルにすれば、それは単身者や共働きの人たちのいわゆる擬制というか、その人たちの拠出に何らかの形でフリーライダーで乗っかっているというふうに考えるのが事実の認識としては正しいだろうと思います。 したがって、私は一日も早くやはり世帯単位から個人単位への政策の方向転換を明示しなければならないと。枠組み自体を変える形で様々な問題、パートタイム労働者の年金適用とか、第三号被保険者の問題とか、遺族年金の問題とか、年金分割の問題に一つのきちんとした哲学と方向性を持って取り組んでいく必要があるということを考えておりますので、是非この点は内部で御検討をいただきながら、しっかり方向性を出しながら、個別問題の解決に取り組んでいただきたいと思います。 さて、様々な政府案の財政計算の根拠についてお尋ねしますが、一つは人口予測であります。一・三二ショックから少し立ち直りましたものの、二〇五〇年、一・三九という根拠が示されておりまして、過去二十年間人口予測を甘く見積もり過ぎたという過ちがあったわけですけれども、この根拠はどういうところから出ているのでしょうか。晩婚化、非婚化の改善が見られるということもない中で、この一・三九という数字はどこから出てきたのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 出生率の推計についてお尋ねでございます。 先生御指摘のとおり、国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口、平成十四年一月でございますが、その中位推計によりますと、二〇〇〇年の合計特殊出生率一・三六から二〇〇七年にいったん三・一まで低下をして、その後一・三九となると、このように見込まれているところでございます。 この動きについてでございますが、技術的な補足説明をいたしますと、ここで申します合計特殊出生率と申しますのは、期間合計特殊出生率でございまして、ある時点における出産可能年齢である十五歳から四十九歳までの女性の年齢別の出生率を合計したものでございます。このために、平均的な出産年齢が上昇傾向にある間には、言わば産み終えた世代と、産み送りを、出産を先送りしている世代との出生率を単純に合計したものでございますので、見掛け上の数値が低くなるわけでございます。したがいまして、平均的なこの晩産化傾向というものに歯止めが掛かる時点以降はこの数値が推計上上昇するというものでございます。 なお、具体的に申しますと、この一・三九の根拠でございますけれども、推計時点で、これは平成十二年でございますけれども、十五歳でございました一九八五年生まれ候補を目標といたしまして、平均初婚年齢につきましては二十七・八歳、生涯未婚率は十六・八歳、さらに夫婦出生力の低下の影響というものを見込みまして、この世代の合計特殊出生率が一・三九になると、このように見込んだところでございます。
○大脇雅子君 これはいわゆる統計上の人口予測の今御説明をされたのだと思いますが、しかし、ともかく出生率を上げるためには様々な子育ての支援を行わなければならない、そして政策効果の言わば評価とか予測も織り込んだものでなければならないと考えます。 現役世代の子育て支援で最も効果があるのはどの政策だと大臣は考えておられますか。
○国務大臣(坂口力君) これは非常に難しい御質問だというふうに思いますが、現在様々なことを行っております。これは特効薬的に一つのことを行えばそれで少子化対策ができるということはないものですから、様々な施策の組合せということを現在やっているわけでございます。 しかし、私はもう少しここは科学的な分析が必要だというふうに実は思っております。と申しますのは、スウェーデンにおきまして様々な少子化対策の中身を勉強に参りまして、向こうの統計局の皆さんや人口問題に取り組んでいる皆さん方のお話をずっとお聞きをいたしましたときに、今までの政策の中で何を行えばどれだけの改善をすることができるかということを数字で出しておみえになるわけであります。で、もしそれが不可能であったと、それが実現しなかった場合には、今度はまた、それがなぜ実現をしなかったかということについてまた分析をされまして、その数字をお出しになっている。そういうことがずっと続いておやりになっている。 〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕 日本にはそういう基礎的なデータが今までなかったものですからなかなかできなかったわけでございますが、少子化対策、かなりいろいろのことがやっておりますので、ぼつぼつ私は、そうした過去の実績を踏まえてそうしたこともやれる時期に来ているのではないかというふうに思っております。 そういう話を聞きまして、こちらに帰りましてから、人口統計をおやりをいただいている皆さん方に、是非そういうふうな人口統計のひとつ検討をやってほしいということをお願いをしたわけでございます。 過去のそういう検討しますときのいわゆる検討材料と申しましょうか、そのときにはまだそんなに多くなかったものですから、もう少し何か基礎的なことが蓄積されなければできないというお話をいただいたわけですけれども、私はもうぼつぼつそうしたこともできるのではないかというふうに思っておりますので、もう少し科学的な分析を行って、何をやはりやったら一番効率的かということを考えていく時期に日本も来ている、やらなければならない時期に来ていると思っている次第でございます。
○大脇雅子君 私も大臣の考え方を支持をいたします。その政策効果の予測とやはり人口予測推計というものが合致しない限り、実際上の人口の出生率は上がらないだろうというふうに考えます。 次に、政府案は持続可能性ということをキーワードにして負担と給付のバランスを取るということを言っておりますけれども、現実に労働現場で進行しておりますのが、常用雇用の非正規労働者に対する代替化の進行であります。 求人が増えたといってもその質が問題でありまして、細切れ雇用で生活の基盤になり得ないような雇用の多様化が進んでおります。そして、短期雇用は低賃金と組み合わせられまして、いわゆる保険者たり得ないということで、いわゆる支え手の喪失というものが政府の財政計算においては非常に固定的にとらえられていて、そうした正社員のパート等の非正規労働者に対する代替ということの中で、そうした支え手の減少ということを考えていないのではないかというふうに思っておりますが、この要件はどのように計算されているのでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 年金の財政計算におきましては、例えば人口推計のように将来推計がある程度行われるものにつきましてはこれを計算の前提に織り込んでおります。雇用で申し上げますと労働力率、労働力人口というのは盛り込んでおりますが、将来推計がなくて将来どのようになるかはっきりしない要素については直近の状況を将来に投影する方法で考えております。 先生がおっしゃいますとおり、最近、正社員のパート化といいますか、非正規雇用労働者への代替が進んでおりますが、改正案の財政再計算におきましては、この雇用形態の変化の実績は反映をさせておりまして、これに基づいて被保険者数の推計を行っております。 私どもも、女性と年金の検討会などでも、いわゆるパートの問題というのはずっと数字も、あるいは社会保障審議会の年金部会でも数字をごらんをいただいて御議論をしていただいておりますが、例えば若い方、フリーターと言われる方のパート化の問題、それから女性ですね、女性のパート化の問題というのは、数字をちょっと分析をいたしますと、例えばこの数年の間にも相当変化がございまして、特に女性の場合には雇用者比率というのは基本的に伸びておるわけでございますが、その中で厚生年金の適用比率というのは余り伸びない、あるいはほとんど伸びない、これは多分パート化と言われる現象だろうと思います。 しかし、その中でも、例えば三十五から四十ぐらいな方、あるいは三十から三十五ぐらいの女性を見ますと、これは実はこの数年の間に厚生年金の適用比率は伸びておりますので、これはよく言われます男女共同参画以降の女性の方がここは中心でございますので、そういうことがどういうふうに影響を与えるかということも、マイナスの要因だけではなくて、よく考えていく必要があるだろうというふうに思います。 そういうこともございますので、現実に今起きています、この数年非常にパート化が進んでいる状態は、それをベースとして織り込んでございます。
○大脇雅子君 現実にそのように織り込んでいるとおっしゃいますが、将来、これを百年の設計と言われる場合に、このスライド調整率なんかでそういう数値というものは検討されているのでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) スライド調整率の場合には被保険者数総数で考えております。つまり、スライド調整率の中に、例えば最近の状態で考えていただきますと、厚生年金の被保険者数というのは、この非常に経済が厳しい状況の中では、言わば初めてに近い経験でございますが、減少しております。そういう経済変動がある短期間に起きますので、仮に厚生年金の被保険者数だけでスライド調整を行いますと、急激な減少になりますので給付調整が非常に大きく進むということがございます。 私どもは、これは少し時間を掛けて緩やかに安定して調整することが一番本来の目的だろうというふうに考えておりますが、そういう意味では、スライド調整率の対象となりますのは被保険者数でございます。被保険者数も二〇二三年まででございますので、被保険者というのは通常は働いておられる現役の方、それはサラリーマンであれ、自営業者であれば働いておられる方でございますので、実は二〇二三年ぐらいまでは、その時期に二十歳になられる方というのは基本的にはもう生まれておられますので、先ほど来御議論があります今後の出生率の動向というのはその以降生じるわけでございますので、この被保険者数の動向というのはそう大きな変動がないだろうというふうに考えております。
○大脇雅子君 それはかなり問題があって、支え手の雇用政策とセットでないと駄目だと思います。 これは一九九七年ですから非常に古いちょっとパネルですけれども、これはOECDで雇用政策費の対GDP比の割合の国際比較であります。ドイツ、フランス、イギリスに比較して非常に、日本の雇用政策というのは非常に低いということであります。それからもう一つ、この先進諸国におけるGDPに占める雇用政策の支出の割合で、いわゆる積極的雇用政策、教育訓練とか若年対策とか給与助成とか障害者給付という、そういう積極的な雇用対策の比率が非常に各国に比較して低いという数値がございます。 先ほど私は人口推計の中に人口政策効果を織り込むようにと申し上げましたが、こうしたスライド調整を経済悪化で被保険者数の減少として推定するのならば、こうした雇用政策とセットにした政策効果というものを厳密に評価していかなければいけないと思います。 もう一つ、このモデルのチェンジのために大きな壁になっているのが、先回、男女の賃金格差だというふうに言われました。それで、この賃金格差の解消のめどとか方策というものについてはどのように今大臣はお考えでしょうか。 このところ、ILO百号条約の条約と勧告に関する専門委員会の二〇〇二年の意見書によりますと、やはり女性のパートタイム労働の賃金格差が非常に大きいので、その平等を促進する措置とか、あるいはその統計や雇用実態の情報を提供しろというふうにILOの委員会は言っているわけであります。 最後に、大臣に賃金格差解消に向けてのめどと方策というものをお尋ねして、質問を終わります。
○国務大臣(坂口力君) 男女の賃金格差につきましては様々なことを行っているわけでございますが、これはもう法律にも、労働基準法にも書かれている話でありまして、本来ここはもうしっかり進めていかなければならないわけでございますが、現実問題として、各企業におきましてもいろいろの理由でもってなかなかそれが現実になっていないというのが現状でございます。 ここは、この定められました法律に従って、ひとつ、是非ここはやらなければいけないんだということをより説得をしていくと申しますか、広くこれは訴えていく以外にないというふうに思っておりまして、この賃金格差解消に向けてひとついろいろの、それぞれの地域でやっぱり対策も違うというふうに思いますので、それぞれの地域でもやはり検討をしてここをやはり改善をするようにしてほしいと今言っているところでございます。 この辺のところは問題意識としては十分に持っておりますので、今後ともしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 私の質問は、先ほどの朝日委員の問題意識とかなり重なっておりますので、その中でかなり明らかにされましたから、その辺のところは割愛しながら伺いたいというふうに思います。 といいますのは、この法案は、保険料水準固定方式を導入するという形でこれまでの年金制度の体系を変えるんだという宣伝がずっとなされております。政府の説明も、厚生年金及び国民年金の将来の保険料水準を固定した上で、その収入の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みだというふうに説明されてきました。 先ほどの朝日委員との審議の中で、その上限、国民年金については一万六千九百円、これは十六年価格ということで誤解を招くぞという指摘もあったんですが、他方、厚生年金の方、これは一八・三%、二〇一七年時点、そこまで徐々にこう引き上げていって固定すると、こういう形になっております。しかし、そうなっているけれども、実際は、経済情勢の変化の中ではそれを変えることもあり得るという、そういう答弁だったというふうに思います。 確認しておきたいんですけれども、この点は、自民党、公明党、それぞれパンフレット出しておられる。それから、連名でパンフレットも出しておられる。例えば、その連名のパンフレットを見ますと、これ、「これが私たちの考える「暮らせる年金」です」というところでは、保険料引上げのゴールを明らかにしますと、ゴールですね。保険料は、厚生年金で本人九・五%(事業主負担込み一八・三%)、国民年金で一万六千九百円、二〇〇四年度水準の価格以上には引き上げませんと、こう書いてあるわけですね。 しかも、自民党のパンフレットではもっと明確でして、これは「年金改革いっしょに考えませんか。」というパンフレットを見ますと、支払保険料の上限を決めます、給付水準の最低限度を確保します、基礎年金の国庫負担割合を三分の一から二分の一にします。で、矢印をしまして、こうした改革により、おおむね百年を見通した長続きする年金制度を作りますと、こうあるんですね。 こう宣伝されますと、大体百年の長いスタンスで見て、百年というのは皆信じないかもしれないけれども、相当長期にわたって、少なくとも数十年にわたってこの一八・三%、それから現役世代の平均の五〇%を下回らない、上回る給付というのが保障されるんだなと、だれしも国民が考えるわけですね。そういうふうに宣伝されてきた。 しかし、今日の先ほどの御答弁で、この法案の仕組みは、一つではそういう形でするけれども、経済情勢の変化によっては、これ法改正して上限も取っ払う、下限も取っ払うということができるんだという答弁だったと思います。それ一つ確認したいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この法律の根幹になっております、いわゆる給付の上限、それから負担率の、失礼しました、負担率の上限、それから給付の下限、この決定をいたしておりますが、これにはそれぞれの前提条件がありますことは、これはもう委員も御承知のとおりでございます。 前提条件としていろいろありますけれども、その中で一番大きいものは何かといえば、一つは、実質賃金の上昇率を一・一五というふうに踏んでいる。これは全体の労働力人口が減っていくということもありますので、国全体で見ました場合には、総生産で見ました場合には〇・七%ぐらいの成長率に見ているわけでございます。そうした経済の今後の動向、それだけは確保をしていくという一つの前提条件。 もう一つは、いつも御指摘をいただいております合計特殊出生率でございまして、二〇五〇年の段階で一・三九を堅持する、そういう政策を行っているということでございますから、そうした前提条件を堅持をするための政策をまずこれはどうしても行わなければならない。そこを達成するように最大限努めますけれども、しかし、そうはいいましても、論理的な問題として、それじゃ、いかなることが今後、起こらない、起こるとも限らないではないかという御主張があるわけでありまして、それに対しましては、もし、それが起こらないというふうに、起こらないとは言えませんから、起こりましたときにはどういうふうにするかという手順を決めさせていただいている。その手順につきましては、先ほどから御議論のありましたような手順で行わせていただくということを書かせていただいているところでございます。
○池田幹幸君 それは、だから最初からそのことをきちんと私は説明すべきだと思うんですね。 今おっしゃったけれども、先ほど紹介しました自民党、公明党、連名のパンフ、どれを取ってみましてもそんなことは全然書いていないんです。先ほど紹介したように、支払保険料の上限決めます、一八・三%、これ以上上げませんと。自民党のもう一つのパンフレットではこう言っていますね。「最終保険料水準は、厚生年金保険料で個人の負担分九・一五%」、これまあ事業主負担半分ですからね。「これ以上は絶対に引き上げません。」と書いてある、これ以上絶対に引き上げませんと。経済情勢によって云々の話はパンフレットの中には一言もありません。でも、それは公明党のパンフレットも同じです。そういう宣伝をしてきているわけです。 今先ほど朝日委員との質疑の中では、附則第二条のことが問題になりましたけれども、附則でそれを書いているだけじゃないんですね。これ、本則できっちりと書いてあります。これは、国民年金では第四条の二、そして厚生年金では第二条の三という形で書かれております。そこでは、「著しくその均衡を失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。」こととすることとあります。この「所要の措置」というのは明らかに法改正ですよね、先ほども御答弁ありました。その法改正というのは、上限と下限を決めたこの法律を変えるんだと。つまり、この法律の仕組みがまず根底から変更される、そういうことを意味するんではありませんか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから議論のありますとおり、これは論理的にはそういうことも否定できないということを申し上げているわけでありまして、そのときに一体どういう選択をするか。一八・三〇まで引き上げても、なおかつそれで五〇%が維持できないということになりましたときに、どういう選択をするかという問題に現実問題としてはなるんだろうというふうに思います。 そのときの選択肢は、これも論理的な話として、保険料を引き上げる、あるいは税制を導入をする、あるいは現在積み立ててあります積立金を利用する、問題としては三つあるだろう。その中で、一八・三〇以上には上げませんということを一つのこの法律の前提にしておるわけでありますから、私は、その一八・三〇を守りながら他の選択肢をどう選ぶかということになってくるのではないかというふうに思っております。もし万が一そういう事態に立ち至ったということを仮定しての話でございます。
○池田幹幸君 そういう万が一のことでしょうけれども、要するに、一八・三%、引き上げることもこれあると、五〇・二%、引き下げることもある、こういうことですよね。
○国務大臣(坂口力君) そこを言っているわけではなくて、それは、行き詰まるということは財政的に足りない部分が出てくるということが起こり得るということを言っているわけでありますから、それは起こりましたときにその財源をどこに求めるかという話になってくるだろうと。どこに求めるかということについては、先ほど申しましたような選択肢がある。その中で、我々はこの法律の中で一八・三〇を守ります、五〇・二%を守りますということを言っているわけで、それを守っていくためにどういう選択があるかということを選択していかなければならない、だから先ほど申しましたようなことが起こり得るのではないかと、こういうふうに言っているわけでございます。
○池田幹幸君 運用金をどうするかとか積立金どうするかとか、あるいは国庫負担をどうするかとか、そういった収入の道、別にあります。そういうことも勘案する、あるでしょう。しかし、この法律は本則で明確に、速やかに所要の措置を取るという形でうたうわけですね、法律の最初のところで。ここで明確にしているにもかかわらず、政府の宣伝は、先ほど言いましたように、絶対に引き上げません、絶対に引き下げませんと、こうなっているわけです。ここが重大なんですよね。国民には百年間の長きにわたって変えませんよというふうに思い込ませる、そういう宣伝しているわけです。 これは、政党それやっているだけじゃありません、政府自身がやっている。これは厚生労働省年金局の、この立派なパンフレットを出しています。これの説明の中で、「おおむね百年の間で給付と負担を均衡」、「保険料の将来水準を固定し、その引上げ過程とともに法律上明記」、「給付水準の下限を法律上明記」。確かにそのとおり明記してあります。ところが、このパンフレットでも、そういう情勢になったときに一八・三%を上げることもあり得るとか、あるいは給付を引き下げることがあり得るとかいうことは一言も書いていないんです、これ。明らかに国民を、誤解するように、いわゆる誤導しているわけです。こういうことが許されるか。 今、大臣が答弁されたということであれ、そういう方向であるのであれば、こんなパンフレットは直ちに回収して正直に言うべきじゃありませんか。
○国務大臣(坂口力君) いやいや、それは守ると言っているんですよ、守る。守るということを言っておりますが、もし仮にそういうことが起こったときにはどういう手順を踏むかということを法律の中にも書いているわけであります。その中で、財政的にそれをどう処理をするかという、結局はそういうことになるわけでありまして、そのときのことをそこに書いてあるわけでありまして、我々は一八・三〇というのを守りますと。 そして、それまでの経済運営その他、あるいは少子化対策等々によって現在提出されておりますものが守られていくようにいたしますということを前提にしながら、しかし、そうは言うけれども、世界経済というものの影響も受けるわけでありますし、そういうことが一切起こり得ないということはないではないかという御指摘がありますから、もしそういうことが起こりましたときには、先ほど申しましたように、選択肢はいろいろあります。その中で、この法律に書かれておりますことを守りながらその選択肢の中からどれかを選んでその場その場を切り抜けていくということ以外にないということを申し上げている。
○池田幹幸君 今おっしゃったことは当たり前の話なんですね。法律を作る、それを一生懸命守りましょうと、守れないような情勢が起きた場合には法律変えましょうと。こんなのは、法律変えますとか書かなくたって変えざるを得なくなるんですよ、それは。 わざわざ冒頭にこれを書いておきながら、仕組みとしてこういうことを作っておきながら、それをいざ実際宣伝することになりますと、そこのところは伏せて、百年間安心だと、百年間一八・三%を守るかのようなそういった宣伝するということは、これは絶対許されない。明らかにこれは国民を意図的にだましていく、そういった意図がここに見え見えだと言わざるを得ないじゃありませんか。こんなパンフレット幾つも出して、絶対に引き上げませんだの百年安心だの言っているわけですよ。しかも、社会保険庁までそれに乗っかって言っている。これ、絶対に許せない。 私は、これは撤回すべきだということを指摘しておきたいと思います。どうですか、それぐらい考えたらどうですか、大臣。これは、もうこのことで行きますと、要するに、保険料水準固定していると言うけれども、これは結局青天井じゃありませんか、場合によっては。五〇・二%、下限を決めたと言うけれども、これ、底なしになるじゃありませんか。そういうこともあるんだよと。 しかもこれ、二〇一七年という、あるいは二〇二三年という一定の調整期間というのを設けておられますけれども、これは本則で、先ほどのいわゆる附則の第二条で読みますと、五年ごとのいわゆる財政計算、そういったことをやっている中でそういった事態が起きた場合には変えるって書いてあるんですけれども、本則はそんな縛りは何にもないんです。いつでもこれできるんです、所要の措置を取るということは。だから、百年先どころか、五年、十年先、あるいは二、三年先においてもそういったことができるような仕組みにこれなっているじゃありませんか。そういう仕組みになっているということを明確に国民に説明する義務があると思うんです。そのためにはこういったパンフレットは直ちに撤回すべきだと思いますが、いま一度大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(坂口力君) 今それを撤回するつもりはありません。
○池田幹幸君 それは国民の判断にゆだねたいというふうに思います。 次に、これもまた朝日委員の問題意識とかなり重なるんですけれども、基礎年金給付額と基礎的消費支出の問題、そのことについて私伺いたいと思うんです。 基礎年金の水準のことについてですが、最も基本的なことをまず大臣に伺うんですけれども、ここで定められております、四十年間ずっと納めて受け取る六万六千円、この六万六千円というのは、高齢者の生活、これをどのように保障していくという考え方の上に設定されているのか伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 中にはそれはお独りの方もおみえでございますけれども、多くの皆さん方は御夫婦で老後を迎えられる、御夫婦で老後を迎えられましたときに十三万円台になる、そうしたことを前提にして現在のこの基礎的な消費というものを考えているわけであります。 最近は、この国民年金にお入りになります方は様々な方がお入りになるようになってまいりましたが、過去におきましては、自営業の皆さんでありますとか農林漁業の皆さんですとか、そういう人が多かったわけであります。この皆さん方というのは、お元気であります限り定年というのがないわけでありますし、いわゆるサラリーマンの生活というものとは少し違っております。そうした皆さん方に対する年金としてどういう年金をお出しをしたらいいか。それはいろいろのタイプの人がおみえになりますから、その共通項でくくってこうした年金ができたという経緯があるというふうに私は認識をいたしております。 しかし、将来、この基礎年金だけで生活ができるかどうかと。それはもうそのときの経済動向にもよりますけれども、できるだけそれはできるようにしていかなければならないというふうに思っておりますけれども、現在のこの基礎年金制度というのは、それをてこにしながら生活をしていただくということになるんだろうというふうに思っております。
○池田幹幸君 基礎年金と言う以上、国民の生存権を保障する水準というのが本来あるべきだというふうに考えているんですけれども、今のお答えでもはっきりはしなかったんですが、生存権を保障するというふうなところまではもちろん考えていないわけですよね。そうしますと、何が基準なんだといろいろ聞いてみますと、これまでの論議も読ませていただきました。 そうしますと、要するにこの基礎年金額は、基礎的な消費支出、基礎的消費支出、それを一つ基準にして、それを上回る水準を考えておると。基礎的消費支出というのはいわゆる衣食住ですよね、衣食住。非消費支出とかに属する医療費等は入っておりません。衣食住に関する支出、基礎的消費支出を超えておれば大体いいんだと、そういう水準に持ってきているんだという説明がこれまでずうっとなされてまいりました。 そこで、私、厚生省にお願いして資料を出していただいたんです。三十一日にいただきましたけれども、それは基礎年金の年金額の月額の見通し。 ちょっとこの資料を配ってください。 〔資料配付〕
○池田幹幸君 いただいたやつを見やすいようにちょっとこちらで打ち直してカラーでカラー刷りにしたんです。読みやすいように直しましたので。 この上の基礎年金の年金額見通し、厚生労働省試算というのは、いただいた数字そのままです。それと対比するために基礎的消費支出も、これ政府の平成十六年財政再計算の諸前提に基づく、その数字をそのまま使って試算したものです。ですから、すべて政府の資料に基づいてなされておるということをまず申し上げたいと思うんですけれども。 これを見てみますと、これ、いわゆる二〇〇四年の時点で六十歳から六十五歳、そしてしかも四十年間国民年金保険料をずっと払ってきた、全部納め切った、そういった人が二〇〇四年から二〇〇九年にかけて基礎年金を受け始める、そしてマクロ経済スライドが終了する二〇二三年、それまでに受け取る基礎年金の給付額、それから下の欄に基礎的消費支出を比べてみました。 これを見たら非常に明らかなんですけれども、どの年齢層、現在六十歳から六十五歳なんですが、その六十歳から六十五歳、どの年齢層を見てみましても、七十二歳から七十五歳の時点で基礎年金給付額が基礎的消費支出と並ぶんですね。そして、それ以後はずうっと下がっていくということになっております。これは、もう先ほどから盛んに言われておりますマクロ経済スライドを適用するからこういうことが起こるわけなんですけれども、問題は、このことによっていわゆる基礎的消費支出、それすらこれカバーできないといった現実が出てくるわけです。 私は、その基礎的消費支出という、六万六千円が生存権に見合ったような数字だと思っておりません。思っておりませんが、一応そういう最低生活を保障するものと見たとすると、これはもうどんどんどんどん下がっていくというのは重大事態なんですね。 このことについては正にこういう状況だということは、大臣、まずお認めいただけますね。短くやってください。
○政府参考人(吉武民樹君) 先ほど御説明申し上げましたいわゆる受給開始の時点、それから受給を開始された後の状態をごらんをいただきたいというふうに思います。 この六十五歳時点の左のところをずっとごらんいただきますと、二〇〇四年、六十五歳の方、六万六千円でございまして、二〇〇九年に受給される方はやはり六万九千円でございます。それで、二〇二三年までの間は、本来の受給時点におきまして、基礎年金の水準は賃金の上昇に応じて改定をしますし、それから受給開始後は物価に応じて改定をさせていただくわけでございますが、その間の調整過程では先生のおっしゃるような形がございます。 ただ、実際上の高齢者の生活を考えていただきますと、高齢者の年齢による消費支出は、やはり年齢が上がるほど下がるという傾向がございます。基礎的消費支出で申し上げますと、大体、七十五ぐらいから七十九歳ぐらいの方は、六十五から六十九歳の場合のおおむね九割程度でございます。それから、消費支出全体で申し上げますと、消費支出というのはもうちょっと、教養でありますとか娯楽という問題がございますので、消費支出全体で取りますともっと、七五%ぐらいでございます。 ですから、もちろん、先ほど申し上げましたような調整によりまして、二〇二三年までにこの調整の対象となられる方につきましては、先生がおっしゃいますようにこういう額でなってまいるわけでございますが、一方で、消費支出全体、それから基礎的消費支出につきましても、やはり年齢が加齢になると減ってくるという傾向も考えていただく必要があるだろうと思います。
○池田幹幸君 いつもそういうふうに答弁されるんですが、ちょっと政府の統計を、また別の統計を見せていただきました。 これは、五年ごとに出される全国消費実態調査報告というのがございますね。これ見ますと、平成元年、六年、十一年といただいたんですが、それ見ますと、今の説明と少し違うんですね。大体高齢者の方、前期高齢者と後期高齢者と言われるようですけれども、この差がだんだんだんだん今下がっていくと、消費が減っていくとおっしゃったけれども、そうなっていない。一番新しいのは平成十一年の調査なんですけれども、それを見ますと、六十五歳から六十九歳を一〇〇とした場合、七十歳から七十四歳は一〇一という形でむしろ増えているんです。それから、七十六歳以降については九三。これが十年前だと一〇〇に対して九五、八四になっていますから、確かに年を取るに従って下がっていくということを言っているけれども、しかし今の時代ではそうはなっていないですね、ほとんど変わらないという状況になっているわけですから。そうすると、そのことを考えますと、だんだんだんだん下がっていくということがいかに重大なことかということをお分かりいただけると思うんですね。 だから、結局これ、基礎的消費支出をカバーするというふうに盛んに厚生労働省答弁されているんですけれども、カバーできない。そうすると、この基礎的消費支出をカバーするという考え方そのものをこれは一つ変えたと言わざるを得ないんじゃないかというふうに思います。 それ余り長い答弁だったら困るんですが、大臣、そういうふうに、ちょっといいです、局長いいです。そういった考え方の変更というふうにこれは取らざるを得ない、性格が変わってきているというふうに言えると思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(吉武民樹君) 平成十一年の消費実態調査報告をよくごらんをいただく必要があるというふうに思いますが、収入で申し上げますと、実は、六十五から六十九の方が一〇〇でございまして、七十から七十四の方が一〇三という形で増えてございます。従前の六年、十一年で申し上げますと収入はだんだん減っておるわけでございます。多分そういうことも影響しているだろうというふうに思います。 そういう意味では、これはある時点だけで全体的な傾向はなかなか、それだけで検討することはなかなか難しいんだと思いますが、これずっと見ていただきますと、基本的には、七十ぐらいを超えられますと、平成十一年の時点でも消費支出は八四%でございます。それから基礎的な消費支出は九三%という形でございまして、全体的にやはり年齢を重ねられると消費支出が減っていくというのは間違いのない傾向だろうと思います。
○池田幹幸君 少し統計を、これは政府自身が出している消費実態調査報告で私は見たんですが、消費支出全体、家計調査を基にした答弁で、少しこれ擦れ違っているというふうに思いますがね。 要するに、今まで政府が言ってきたことについて考えれば、こういう傾向をどうとらえるかということを私伺ったつもりだったんですけれども、大臣のお答えがなかった。それはそれでいいでしょう。 それで、問題は、こういうことが起こるのはなぜかといいますと、物価上昇率を下回るマクロ経済スライドというのを導入したことに原因があるわけですよね。これがなければこういうことにならない。そのマクロ経済スライド、物価上昇率を下回るようなマクロ、そういった指標に連動するといったような方式を導入しているような国はあるんでしょうか。先ほどの説明だと、そういうことをやっている国はなかったというふうに私は思いますけれどもね。どの国も、そんな自動的に物価上昇率を下回っていくようなそういう仕組みを作っているような国はないでしょう。
○政府参考人(吉武民樹君) スウェーデンの年金制度改革の中にはその条項がございます。ただ、我が国と違いまして、スウェーデンがそういう意味では、ある意味ではまだ、ある意味で楽観的に考えることができるだろうというふうに思っておりますのは、出生率が現在一・五からちょっと上ぐらいでございますが、かつて二・〇の状態もございまして、平均的には多分一・六から一・八ぐらいでございます。したがいまして、スウェーデンの場合には、財政再計算をやります場合に、定常人口で推移するという前提で財政再計算をやっております。ですから、人口は変わらないというそういう前提でやっておりますが、そのほかにも経済変動が起きますので、仮に年金の将来の給付に必要な費用と、それから積立金と保険料の現価といいますか、これで給付に必要な費用の方が上回った場合には、それに応じましてスライド率を調整をするという規定は持ってございます。
○池田幹幸君 スウェーデンの場合、それから日本の場合、年金の、いわゆる生存権を保障するといいますか、そういった年金の水準が全く違いますよね。そういったところで比べていくというわけにはいかぬだろうと思う。 今問題にしております基礎的年金、基礎年金というのは、これはもう明らかに本来、先ほど言いましたように、生存権を保障するという考え方に立たなければならない、そういったものだと思うんですね。それがこの今度の法律によって、ともかくどんどんどんどん受け取る額が減っていく、年を取れば取るほど減っていく、こういう正に将来を、将来不安をどんどんどんどんかき立てるような仕組みになっていっている。この仕組みが問題だということを指摘しておきたいと思います。 それで、非常に時間が短くなってしまったんですけれども、もう一つ、いわゆる財源の問題について伺いたいと思うんです。 今、年金財源に消費税を充てようという論議が非常に盛んですね。今国会においては、民主党提案された法案が消費目的税ということをうたっておったということで、衆議院では随分論議がされました。 私は、年金のみならず社会保障の財源に消費税を充てるということは、これは正に邪道だというふうに考えております。もう逆進性の強い税制を持ってくることは間違っておるというふうに思うんですが、年金だけ取ってみても、それを消費税を財源とするのは私は国民の理解を得られるものではないというふうに思いますけれども、大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(坂口力君) これからの社会保障、年金、医療、介護を始めとして大変大きな財源が必要であることは今更申し上げるまでもございません。 それを何で賄っていくか。一つは保険料、一つはこれは税、そしてもう一つは自己負担、この三者で賄っていく以外にないわけですよ。その中で、やはりどういう組合せでいくかということがこれから大事でありまして、私は、やっぱり広く薄く負担をしていただくという消費税というものを排除をして、そしてそのほかのものだけで考えていくということはなかなか私は難しいと思っております。 したがって、そこはやはり含めて、どの割合にするかということはこれから議論しなきゃならないというふうに思いますけれども、そこを含めて私は議論をしていくのは当然だと思っております。
○池田幹幸君 これ、衆議院での議論を紹介しますと、これは公明党の冬柴幹事長、それから北側政調会長が論陣を張られたわけですね。民主党の提案しておられる年金消費目的税取り上げて、わざわざ財務省に試算させて、民主党案だったら一体どれぐらいの消費税になるんだ、それは五%になりますというふうなことを答弁させた上で、こう言っているんですよ。要するに、年金保険料を払い終わった年金受給者、もう一回消費税という形で年金保険料を払わせる、二重払いだ、高齢者の理解を得られないという形でこの消費目的税というのをこてんぱんにたたいている。御本人たちが国民年金を払っておればもっと説得力あったろうと私は思うんですけれども。 大臣、この主張はどう思われますか。
○国務大臣(坂口力君) いや、私はそういう負担の仕方もあると思うんです、それは。そういうことも念頭に置いてやっていかないといけない。高齢者だからもう高齢者は何も払わないというのではなくて、これから支えていただく人の数が減ってくるわけですから、それは高齢者も含めてある程度支えていただくということも念頭に置いてそれは考えていくということが大事になってくると思います。 だから、そこを排除をしていくということになりますと非常に選択肢は限定をされて、保険料で今以上の保険料を払っていただかなければならないということに私はなってくる。それこそ一八・三〇どころではなくて、もっともっと払っていただかなければやっていけないということになるというふうに私は思います。
○池田幹幸君 公明党の幹事長や政調会長が言っておられることと少し違うお考えをお持ちのようですけれどもね。 しかし、それじゃ伺いますけれども、厚生労働省としてどういうことを言っているか。 これは社会保険庁の公的年金制度に関するホームページですけれども、「公的年金制度に関する考え方」、QアンドAというふうに出ています。それを見ますと、基礎年金を税金で賄う方式にした場合どんな問題あるのかという問いに対して、幾つか答えているんですが、その中の五番目にこう言っているんです。「税方式化の財源を消費税に求めるとすると、消費税は一般消費者が負担するわけですから、結果的に、事業主負担が減少する一方で、これが一般消費者に転嫁され、被用者本人の負担が増加することになりますが、それでいいのでしょうか。」、これ一つ。もう一つは、漫画をかきまして、こういうような漫画が出ておりますけれども、その中で、先ほど正に冬柴幹事長や北側政調会長がおっしゃった、二重払い、とんでもないということを書いているんですよね。 厚生労働省社会保険庁ですよ。これ、大臣、考え方違いますね。
○国務大臣(坂口力君) いろいろの選択肢があって、その中に私は入れなきゃならないということを言っているわけであります。だから、社会保障の今後を考えましたときに、やはり消費税抜きにして考えるということは、これはなかなか私は難しい段階、今、国民の皆さん方にもはっきりそのことはお願いをしなければならない時期に私は来ているというふうに思います。 それをどういう割合にしていくかということは、これはこれから議論をして詰めていただかなければなりません。それは、現在の年金額も、それからいわゆる医療費におきましても、もっともっとこれから倍近くに増えていくわけでありますから、それを何によってこれを負担をするかということになれば、やはり私は消費税というものも排除せずに、その中に入れて考えていくということがこれは私は正常な考え方ではないかというふうに思っております。 それは、党内、いろいろそれは意見ありますよ。私のところも一本じゃないですから、それはいろいろありますけれども、それは別に、いろいろ考え方はあるというふうに思いますけれども、私はそう思っております。
○池田幹幸君 民主党案けしからぬということで、そういう質問をされたんだろうというふうに思います。ある面では、それは私は当たっていると思うんですね。 しかし、考えてみますと、今、大臣おっしゃったように、消費税を年金及び社会保障の財源にするという考え方は、十六年度税制改正大綱、与党の、これの中で言われているわけですから、これはもう正にそのとおりだろうと。しかも、今度の、国庫負担を三分の一から二分の一にする、それ五年間掛けてやるというわけだけれども、その計画の中に既に消費税を盛り込んでいる、そういった試算まで政府としては出されてきているわけですね。 そうすると、今の大臣のお答えで大体方向見えたんだけれども、十九年度をめどに、年金、医療、介護の社会保険給付全般に関する費用を、その見通しを踏まえて要するに消費税を含む抜本的税制改正やるというのが税制改正大綱ですけれども、正に十九年度の時点で、割合はともかくとして、消費税増税を織り込んでいかなければならぬと、そのように大臣は考えているというふうに受け取っていいですか。
○国務大臣(坂口力君) 消費税を含めて検討するということになっているんですから、私はその文字どおりというふうに思っております。 それと併せて、社会保障全体をどうしていくか、その中で年金の割り振りをどうしていくかということもその中でやっぱり考えていくわけでありますから、その中で私は、これは問題になってまいりますし、やはり消費税も含めて考えていくということだと思います。
○池田幹幸君 時間がほぼなくなってきましたので申し上げておきたいと思うんですが、社会保険庁は、先ほど紹介したこれは、これは正しいんですよ。要するに、消費税というものは消費者が負担するもので、事業主負担が減少する、事業主負担、その分が一般消費者に転嫁される、もし消費税を社会保障の財源とするというふうなことになりますと、今事業主が負担しております年金あるいは医療保険、そういった部分の負担がゼロになる。大企業にとってはもう笑いが止まらないだろうと思いますけれども、そういったものなんですね。この消費税財源を正に年金や社会保障に充てるという点でいいましたら、正に貧乏人といいますか、弱者から巻き上げた金を弱者の社会保障のために使うという、非常に矛盾したものになっていかざるを得ない。そこを本当に考えていかなければならない。消費税というのは、年金、社会保障の財源とするには最もふさわしくない税金なんだということを指摘して、私の質問を終わります。
○委員長(国井正幸君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。 ─────────────
○委員長(国井正幸君) 休憩前に引き続き、国民年金法等の一部を改正する法律案外二案を一括して議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○南野知惠子君 ありがとうございます。自由民主党の南野知惠子でございます。 この委員会の審議も今日で六回目となり、御多忙のところ再度総理に御出席いただき審議を行うこととなりました。よろしくお願いいたします。 午前中に同僚の藤井議員が議論されましたが、年金制度は、その支える力である経済力がしっかりしていなければ成り立ちません。少子高齢化による労働力人口の減少も予想される中で、少子高齢化社会に向けた対応策と年金について全般的に質問をさせていただきます。 まず、その前に、五月二十七日の委員会で平成十四年に厚生年金に統合されました農林年金について質問いたしましたが、この点に関して二点ほど確認させていただきます。 一つは、今回の農林年金の特例年金に関する見直しによって特例年金の給付水準が下げられると承知していますが、給付額はどのように変わるのでしょうか。また、受給者の影響についてどう考えておられるのか、農林水産省にお伺いいたします。
○政府参考人(山田修路君) お答えいたします。 平成十五年度及び十六年度に他の公的年金がマイナス物価スライドを実施する中で、御質問にありました特例年金につきましてはマイナス物価スライドを実施してこなかったところでございますが、今般の厚生年金における年金額の改定の状況や特例年金の財政事情を踏まえ、特例年金額の実質的価値を損なわないよう、過去五年間の物価スライド分、これは二・九%分でございますが、この分について特例年金額を引き下げることとしております。これによりまして、平均的な特例年金受給者のモデルで見ますと、特例年金月額は三千五百八十円の減額となります。 これ、特例年金受給者が世帯で受給する年金の全体額で見てみますと、これは具体的には、本人と基礎年金のみ受給する配偶者の場合の年金額の全体額でございますが、これで見ますと、一・四%に相当する減額に当たります。月額で見ますと約二十五万二千円となります。一方、高齢者夫婦世帯、夫が六十五歳以上、妻が六十歳以上の夫婦の世帯の一月当たりの消費支出を見ますと、直近のデータでは約二十四万五千円となっております。先ほど申しました年金額全体はこれを上回る水準でございますので、特例年金の引下げが特例年金受給者の生活に及ぼす影響は大きなものではないというふうに考えております。
○南野知惠子君 今回の見直しに当たりましては、現在の受給者の生活にも配慮しておられるということが承りました。 二つ目の質問でございますが、今後新たに特例年金を受給することとなる方もいらっしゃると。そういうものを踏まえますと、将来にわたって安定的な制度運営を確保していくことが必要と思いますが、農林水産省のお考えをお伺いします。
○政府参考人(山田修路君) 特例年金の受給者は現在三十六万人ございますが、委員からお話がありました今後特例年金を受給する方は、現在、農協等の農林漁業団体に働いている方を含め九十七万人となっておりまして、今後も特例年金の受給者は増加していくこととなります。特例年金は、統合により、厚生年金に上乗せされるいわゆる三階部分のみの年金でありますが、特例年金が老後の安定した生活に必要な年金であることは変わらないと考えております。 このようなことから、今回の見直しにおいては、農林漁業団体で働いておられた方が安心して老後を暮らせるよう必要な措置を講じたところであり、農林水産省としては、今後も特例年金制度の安定的運用が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
○南野知惠子君 では、今回の見直しが特例年金の制度を将来にわたって安定的に運営していく上で必要な見直しであり、今後新たに特例年金を受給することとなられる方々のためにも必要であるということの御主張であることは分かりました。 次は、若年者の雇用と年金についてでございますが、これからいわゆる団塊の世代の方々が年金受給者となり、我が国が本格的な高齢社会に突入していくこととなりますが、これから中核的な支え手となる現在の若者、若年者の失業率が高く、フリーターと呼ばれる人々も増加していることに危機感を感じております。企業が正社員を減らし、非正規職員を増やしていることもフリーター増加の一因となっていると思います。これでは若年者が技能を身に付けることができず、坂口大臣の言われる少子高齢社会の負担に堪え得る生産性の高い社会の実現もおぼつかなくなるように思われます。 そこで質問でございますが、ヨーロッパ諸国におきましても若年者の失業問題が深刻だということを聞いております。欧米の状況と比較しながら、我が国若年者の雇用の現状をどのようにとらえておられるのか、若年者の働く意識や技能の向上などにどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 欧米先進国におきましてもやはり若者の失業率というのは非常に高く出ております。一番高いのがフランスでありまして、二〇・七%、十五歳から二十四歳層でございますが、一番高いわけであります。アメリカが一二%、イギリスが一一%、ドイツが九・七%と、こう続いているわけ。日本も一〇%の大台に乗っておりますので、これは非常に日本も諸外国と同様に高くなってきたということを言わざるを得ません。 そこで、これを起こしました理由をいろいろと検討してみますと、一つは、企業の側が即戦力の人たちを必要として、高校生等に対する雇用が非常に少なくなってきているということも一つの原因になっております。また、今御指摘になりましたように、今まで事務的な仕事を高校卒の皆さん方がやっておりましたが、その分野がパートの分野に置き換わっているといったようなこともあるわけでございます。 そこで、この若い人たちに即戦力になっていただける方法をどうするかということが急務だというふうに思っております。昨年、デュアルシステムという、経済産業省やあるいは文部科学省と御一緒になりまして、卒業いたしました皆さん方に技術を身に付けていただきながら、いわゆる勤めていただきながら、一方においてそうした技術を身に付けていただくということを併せて行うというシステムを今年の四月から導入をいたしまして、これ、積極的に進めていきたいというふうに思っております。それからもう一つは、学生時代であればインターンシップでありますが、いわゆる、何と申しますか、試し運転、試し雇いということでトライアル雇用でございます。こうしたことを併せて増やしていって、そして皆さん方に積極的に就職していただける体制を確立をしたいというふうに思っております。 きめ細かさも必要でございますので、今まで高齢者のことにかなり偏っておりました問題を、これを少し若年者の方に人の配置も移動をさせまして今やっているところでございます。
○南野知惠子君 ただいまのお話の中に、即戦力、技術力、更にそれをきめ細かくしていくという大臣のお言葉をいただきました。 国民年金保険料の未納が増加している一つの原因は若年者の失業、フリーターの増加にあると考えられます。若年者が前向きな気持ちになり技術を身に付ける努力をいたしましても、その間は一人前の保険料を納めていただくとしても無理があり、技術を身に付け、保険料を納められるようになってから無理なく納められる工夫が必要であろうかと思います。 そこで、今回の改正では、若年者が無理なく保険料を納められるように、どのような措置を講じておられるのか、坂口大臣にお尋ね申します。
○国務大臣(坂口力君) 今回の改正案におきましては、若年者の失業だとかフリーターの不安定就労が増加をしておりますので、こうした皆さん方に対しましても、収入が一定以下である三十歳未満の人に対しましては保険料の納付を猶予をする。それから、十年以内であれば保険料を負担できるように、負担ができるようになったときに追納をしていただくということができるようにしたわけでございます。それから、負担能力に応じまして少しきめ細かくいたしまして、四段階にいたしました。保険料を四段階にいたしまして、四分の三、二分の一、四分の一というふうに、それぞれの能力に応じてお支払をいただけるような制度も導入したところでございます。これらのことを御理解をいただいて御参加をいただくように是非お願いをしたいと思っております。
○南野知惠子君 いろいろの施策を講じながら大臣頑張っていただいていると思います。 次に、障害者の雇用と年金でございますが、障害者が企業で雇用されるなど、就業を通じて社会に参加できるようにすることは、障害者の自立、ノーマライゼーションの観点から非常に重要なことと考えております。障害者にとりまして、障害基礎年金の下支えがあって、これに雇用、就労により得た賃金を組み合わせることで、経済的にも自立した生活を送ることができ、障害者が働くことにより、また現役世代として社会保険の担い手にもなることができると、そのようなことであろうかと思いますが、こうした観点から、従来、福祉施策の範疇の中で単にサービスの受け手とだけとらえられるのではなく、福祉的就労の低い工賃にとどまっていた障害者の方々を、企業での雇用、就業に結び付けていけるようにすべきと思っておりますが、今後の障害者雇用促進のためのお取組について坂口厚生大臣にお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 障害者の雇用も大変大事な問題でございますが、しかし、現実は、経済の動向もございまして非常に厳しい状況が続いてまいりました。 それで、この障害者の雇用につきまして、ここは量的にでもございますが、質的な転換をしていただかなければならないというふうに思っております。中には、非常にこの障害者をお雇いいただいて、今までのように、例えば一万とか二万とか本当に少ない賃金しか払っていない、そういう企業が多かったわけでございますが、そうではなくて、かなり一般の人と同じような評価をして雇う、そういう仕事を作り出して、そして雇用をするという企業が、まだ数はそんなに多くはありませんけれども、出てまいりましたことは大変私は有り難いことだというふうに思っております。 そうした皆さん方の例を紹介をしながら、できる限り質的な面におきましても内容の高い雇用というものを高めていかなければならないというふうに思っております。そのためには、IT化がだんだん進んでまいりましたので、そうしたこともうんと利用させていただきながら、十分に能力を発揮していただけるような環境を整えていかなければならないわけであります。障害者の皆さん方もそれぞれその障害の程度が違いますし、また身体的には場所が違うわけでありますので、それぞれの皆さん方に合ったIT化を含めた機械器具といったようなものも整備をしていかなければいけないというふうに思っておりまして、そうしたことにこれから全力を挙げたいというふうに思っているところでございます。
○南野知惠子君 さすが大臣、障害者のアビリティーに従いながら量と質の転換、さらにまた最近のIT、そういった問題点にもいろいろと御配慮していただいていることを感謝いたします。 さらに、障害者雇用促進法が制定されまして相当な年月が経過し、重度障害者多数雇用事業所など、障害者の雇用を先駆的に進めてきた企業では、実際に定年を迎え老齢厚生年金の受給に至る人も多いと思われている今日でございます。 そこで、今回の障害年金の改正によりまして、このような方々に実際にどのようなメリットが生じることになるのでしょうか。厚生労働大臣にお伺い申し上げます。
○国務大臣(坂口力君) 障害者の皆さん方が、お若いときから職場で働いておみえになった方もあるわけでございます。その皆さん方は障害基礎年金が出ているわけで、障害基礎年金が出ておりますと、今まで厚生年金などにお入りをいただいておりましても、その分が生かせないということがございました。 そこで、今回、この障害基礎年金を受給しながら被用者として長く働き続けてこられた、そうした皆さん方に、この年金制度を評価いたしまして、その働いておみえになった分を評価をしてそれに上乗せをすることができる、厚生年金なら厚生年金を上乗せをすることができると、今回の改正では障害基礎年金と老齢厚生年金との組合せの選択を可能にすることとしたところでございます。これから、今まではそんなに数は多くなかったわけでございますが、これからはそうした皆さんの数も非常に増えてくるというふうに思いますので、これは皆さん方にも一歩おこたえをしたことになると思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 基礎年金と厚生年金、それを組み合わせてもらえるようになるということは、やはり朗報になるのではないかなと、そのように思っております。年金の改正についてのメリットもそこにあるのかなと思っております。 次に、短時間労働者の厚生年金適用につきましてもお伺いします。 これまでの審議の中で高齢者雇用、女性の雇用の問題が取り上げられ、今日、若年者の雇用、障害者の雇用について今質問いたしました。いずれも意欲と能力を持つ人がその能力を世の中に対して発揮し、価値を生み出して所得を得ていくということは、これからの社会にとって重要なことであろうと思っております。 そこで、短時間労働者の増加は企業側の都合でもあるでしょうけれども、より多くの方々の能力を社会に生かし、そのことを自分自身の年金に結び付けていくことが重要であろうと思います。このような観点から、短時間労働者の厚生年金への適用については、今後最重点で取り組んでいただきたいと思いますが、小泉内閣総理大臣のお考えをお伺いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 短時間労働者は各企業で増えているようでありますし、企業の都合で短時間労働者の方が自らの会社にとっていいのではないかという考え方が今多いようでありますが、実際、短時間で働いている方の中には、少数だと思いますけれども、むしろ自分は長時間よりも短時間の方がいいんだと、選んでいる方もいるそうであります。これはまだ少数だと思っております。やっぱり時代の変化に対応するためには、どういう雇用がいいのかということを企業は考えているでしょうし、また、こういう多様化した個人個人の考え方がいろいろある社会の中では、個人自身が一日じゅう縛られるのは嫌だという方もおられると思います。そういうことから最近短時間労働者が随分増えている。 となりますと、問題点も出てきます。それは今御指摘の厚生年金の問題であります。短時間労働者であるがゆえに厚生年金加入できないと。加入するとなると企業の負担が増えると。やっぱり短時間労働者でも、国民皆年金制度ですから、できるだけ保険に入っていただいて、将来の給付ということも考えてもらいたい。企業も社会的責任を果たしていただきたい。両面ありますので、今後、時代の変化に対応して、短時間労働者に対してどのような対策が必要かという点につきましては、この法案成立後、十分に現実を踏まえながら、両者にとって望ましい対応はどういうものかということを考えながら検討していきたいと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。やはりそのようにこれからの検討が一番だということでございますが、現行制度では短時間労働者は国民年金の第一号被保険者にも第二号被保険者にも第三号被保険者にもなり得るということでありまして、これを同じように取り扱うことは、総理がこれから先に展望しておられる年金一元化という課題とも方向は同じであろうというふうに思っておりますので、是非積極的なお取組をお願いしたいと思っております。 次には、次世代育成支援の対策ということに関連いたしますが、午前中の審議の中でも、甘い見通しと指摘されることの多い将来人口の中位推計でも、我が国社会にとっては極めて厳しい急速な人口減少の見通しであることが指摘されております。五月二十七日に、私の質問の中でも今後の次世代育成支援対策について幾つかの角度から質問をさせていただきましたが、今日は総理がお見えになられておりますので、改めて質問させていただきたいと思います。 次世代育成支援対策につきましては、内閣を挙げて今般の施策を推進していくことが必要であると思っておりますが、今後の取組に向けた御決意を内閣総理大臣にお伺いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 少子化対策については、厚生労働省のみならず、政府一体として取り組まなきゃならない課題が多いと思っています。夫婦の問題でもあるし、社会保障、国の在り方から見れば将来の社会保障全体の問題でもあります。子育てまで余り政治が口出すなと言う方もおられますが、余計な口を出すんじゃなくて、やっぱり社会の在り方として、最近はお母さん方も仕事を持つ方々増えております。現時点におきましては、年金をいただいている方、給付の側に立てば、夫が働いて専業主婦、この世帯が今は一番多いわけでありますけれども、将来は必ずしもそうでないと思いますね。むしろ、夫婦共々働いている家庭の方が多くなるんじゃないでしょうか、今の趨勢を見ていますと。 となりますと、昔でしたらば、おじいちゃん、おばあちゃんなり、あるいは兄弟も多かった。それぞれ家族、親戚が子供の世話をする環境もかなりあったと思うんであります。しかし最近は、もう核家族といいますかね、夫婦と子供だけといういわゆる核家族のが多くなってきているということから見ますと、子を持つと仕事にも影響が出てくると、また、子育てというのが、身内にいろいろ教えてくれる人もいないという、そういう状況になってきますと、子を産んで本当に育てられるかと、自信がないという若い夫婦もかなりいるようでございます。 そういう社会全体で子育ての環境を整えていくということは、私は、政治が余計な口出すというんじゃなくて、政治としてもやっぱり必要じゃないか、政治の役割として。そういう観点から、夫婦共稼ぎでもお子さんをしっかり育てることができるような環境なり対策を取っていくというのが政治としても重要な役割だと認識しなきゃならない時代だと思っております。 だからこそ、今、小泉内閣になりましても、待機児童ゼロ作戦を展開しておりますし、今国会におきましても、児童手当、この法案もこれから皆さん方によく協議してもらおうというような準備も進めております。ほかにも、こういう社会保障だけでなくて、教育あるいは会社、いろいろな総合的な面から考えていかなきゃならない問題ありますから、この少子化については、私は、政府一体となって社会全体としてこの問題は重要だという認識を持って、少しでも多くの方々が子を持って幸せだと、また子育てに生きがいを感ずるというような社会にしていくような環境を政府としても政治としても重大な役割だろうという認識する必要があると思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 家庭の世帯の様相まで総理しっかりとお考えになっていただいていると思っております。 保育、それから食育、さらにまたいいお産というところまで我々キャッチフレーズにしながら、少子社会の問題点にも取り組んでいるところでございます。 少子社会といえば、児童虐待がないことが一番大切なことであろうというふうに思っております。昨日は少し残念なニュースがテレビで出ましたけれども、やはり子育てに価値観を持つ、子育てを好きになるというところから、家庭におけるはぐくみも一番大切な観点ではないかなと思っております。 総理のお考え、共感いたします。 次に、社会保険庁の改革について質問させていただきます。 これまでの審議を振り返りますと、年金福祉施設の問題、経費や契約の在り方の問題、国民年金の適用や徴収の問題など、社会保険庁の事業運営の在り方にかかわる問題が浮かび上がってきております。制度の側からの理論で運営するのではなく、もっと国民の立場に立った運営が求められると思います。 そこで、社会保険庁の事業運営に対する様々な批判がありますが、それに対しまして、その問題点についてどのような総括をしておられるのでしょうか。また、問題点を踏まえて、社会保険庁の改革のために事務方の責任者としてどのような取組が必要と考えておられるのでしょうか。社会保険庁長官にお伺いいたします。
○政府参考人(真野章君) 社会保険庁の業務運営の在り方につきまして、これまでいろんな御批判、御指摘をいただいております。私ども謙虚に受け止めまして反省をいたしておるところでございます。これらの御指摘、御批判を受けまして、国民の理解が得られるように徹底した見直しを進めてまいりたいと考えております。 また、大臣からも社会保険庁の大改革について御指示を受けておりまして、今後、大臣ともよくよく御相談の上、被保険者、受給者の必要なサービスの確保を図りながら経費の節減に努める、また国民年金の保険料の納付率の向上に努める、また年金福祉施設の整理合理化、個人情報の管理の徹底、そういった課題につきまして取り組みまして、国民に信頼される透明度の高いより良い組織となるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
○南野知惠子君 それでは、今、坂口大臣のお名前も出てまいりましたので、社会保険庁の改革に関しまして、審議の中でもお考えを述べてこられましたけれども、改めて、改革をどのようにお進めになるのか、坂口厚生労働大臣、一言いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 時間も迫っておるようでございますから簡単に述べさせていただきますが、やはり大枠でどういうふうに社会保険庁をしていくのかという議論があることはよく承知をいたしております。これはこれでまたいろいろ政府全体として御議論をしていただきたいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、この社会保険庁のやっております仕事がどんな形であれなくなるわけではございません。仕事はなかなか増えることはあっても減ることはないというのが現実でございまして、ここをどのように国民の皆さん方に透明度を持っておこたえをしていくか、透明性のある運営をどうしていくかということが一つ。そして、今日まで様々な問題が起こってまいりましたが、そうしたことを体してどうしていくか、そしてまた人事の交流等につきましてもどのようにしていくかといったようなことで、総合的にその中身の仕事につきましても見直しを行いましておこたえをするようにしていきたいというふうに思っているところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございました。是非そのようにお願い申し上げたいと思っております。 次に、社会保障全般の見直しに関してでございますが、この法案の衆議院通過の前に、自由民主党、民主党、公明党の三党の間で三党合意が行われ、それに基づいて法案が修正され、そして参議院に送付されてまいりました。三党合意の中には、衆参両院の厚生労働委員会に小委員会を設けること、与野党の協議会を設けることなどが記されており、少子高齢化が急速に進行する中で、年金制度を始めとして、社会保障制度が国民の安心、国民生活の安定を確保し続ける、そのようにするための非常に重要な合意であったととらえられております。 そこで、政府としまして法案の修正をどのように受け止め、社会保障全般にわたる一体的見直しに向けてどのように取組を進めていかれるのか、小泉総理のお考えをお伺いするとともに、これからの見直しを早期に着手するためにもこの年金改革法案の一日も早い成立に向けた総理の御決意をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この三党合意の問題ですが、今までの年金法案の審議から、年金制度というのが非常に複雑であるということで、自民党、公明党、民主党の間で、年金一元化を含めて社会保障全体の在り方を見直そうと、協議していこうという場が設けられるということになりました。また、厚生労働委員会の中にも小委員会を衆参両院ともに作って、今審議の中で出てきた問題点も改善していこうということでございます。政府としては、このような場ができますれば、審議、協議しやすいような協力は全面的にしていきたいと思っております。 もとより、政府にある立場として、年金を受け取っている方々にとっては、政権がどんな形であれ、自分たちは、老後になれば、かくかくしかじかの制度に入っている、また給付は受けられる、これから保険料を負担する方々も、できるだけ、自分の年金はどうなっているのかと、どういう制度だろうかと、分かりやすい形にしていかなきゃならないという議論が今国会でも行われております。また、未納問題もあります。 そういう点も含めまして、私は、できるだけ早い機会に、与野党の立場を超えて、持続可能な公的年金制度をどのように改革していくかということについて、やはり胸襟を開いて協議すべきじゃないかと思っております。当然、社会保障全体という問題もかかわってくるということでありますから、税の問題も絡んでまいります。医療保険、介護保険にも、そして年金一元化ということに議論が入っていきますと、これはやっぱり生活保護の問題も入っていくでしょう。雇用保険の問題も入ってくると思います。 実に多岐にわたる問題であると思いますので、できるだけ早くこの協議会を立ち上げて、それぞれの協議に入る方がしっかりとした建設的な議論に結び付けていただくことを期待しております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 通告申し上げている質問はこれで終わるわけでございますが、昨日の党首会談を見せていただきました。その中で、総理がもう一言何か言い足りないところがあったんじゃないかなと、そのようなことを私、画面を見て思いました。 終わりました党首はさっさと、民主党の党首、菅代表はさっさとお引きになられましたが、──岡田、岡田。総理、何かお付け足しのことがございましたら、私まだ持ち時間ございます、どうぞお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ、いいんですよ、何を言われても耐えていかなきゃなりませんから。言いっ放しでぱあっと引き揚げられちゃったものですから、私も手挙げたんですけれども、もう時間がなかったから、まあそのままと。時間は守らなきゃならないなと思って委員長の指示に従ったまででございます。 政治家でありますから、それぞれの立場のあることは分かっております。これからも真剣に議論をしていければいいなと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 通告もなく、総理にはお心を今述べていただきました。本当に耐えて耐えて耐えておられる総理、坂口厚生労働大臣、どうぞいい方向での政策、これを我々サポートしてまいります。いい年金改革ができますようにお祈りいたしておりますし、我々も努力してまいります。 ありがとうございました。
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。 この委員会で二回目の質問に立たせていただきますけれども、私は、今国会、年金国会と言われておりますけれども、この年金のことについて議論をする国会という場、それはある意味では、この審議は国会の権威を高める、あるいは国会の権威をしっかり守っていく、そういうことも意識しながらこの委員会審議にも臨んでいかなければいけない、そういう思いでやってまいりました。その点において、前回申し上げましたけれども、私は大変に悲しい思いをしております。一つは地方公聴会でございます。 地方公聴会が開かれたと聞けば、何か審議をよくやっているな、こういうふうに聞こえるかもしれません。しかし、総理、御存じでしょうか。この地方公聴会は新横浜、新幹線の新横浜駅のすぐそばのホテルで行われました。新横浜といえば、今やもう東京の通勤圏でございます。新幹線に乗ればわずか十五分で行けるようなところで、これが地方公聴会をやったという、正に形だけを取る与党の皆さん方のこのやり方というのは、私はやっぱり国民をだましているというふうに思います。 私は、やはり中央公聴会というところできっちりと賛否を明らかにしてもっと多くの国民の皆さん方にこの国会で御発言をいただく、国民の声を国会としてよく聞くことが大切だと思っております。またもう一つ、人口の動向あるいは経済のこれからの推移というものが年金財政、年金制度に大変大きく影響してまいります。その点でも、関連しての学識経験者の皆さん方の御意見を参考人として是非この委員会でも聴いていくべきだと思っております。 そういう意味で、是非この中央公聴会とそれから参考人質疑、数回あってよろしいかと私は思っておりますけれども、委員長には是非御配慮をいただきたいと思います。
○委員長(国井正幸君) この問題については既に理事会で協議をいたしております。 山本孝史君。(「今後どうするかだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)もう既に理事会で、いやいや、そんなことありません。今日は──そんなことない、そんなことない、そんなことない。そんなことありません。そんなことないって。今日は総括質疑をするということを決めました。今日は締めくくり、今日は締めくくり総括質疑をすることを決めさせていただきました。質問を続けていただきます。山本孝史君。山本孝史君。
○山本孝史君 一方的にそうして決めていかれると、私、今こう御質問申し上げて、自民党の先生方もそうだねと、参考人もやる方がいいねと、中央公聴会、これほどの重要な法案で、これから先、これまでですと五年に一遍財政再計算で国会で審議をしてまいりましたけれども、そういうことがやらなくてもいいという法律の立て方になっていますから、そうすると、年金というものがこれから先国会で議論されるということは約束されているわけでもない。そういう意味で私は、一〇〇年安心プランと言うならば、今回こそしっかりとした議論をすべきだと、こう思っています。一方的に委員長がそういうふうに仕切られるということについて、私は強く抗議を申し上げたいと思います。 私、五年前に衆議院議員でございました。そのときも残念ながら年金法案は自民党と公明党の連立政権の下で強行採決されました。今回もそういう動きになるのではないかということを大変に心配をしております。度々に指摘をしておりますけれども、政府の責任は極めて不十分、あるいは意図的に年金制度がどうなるかということについて国民に説明を回避していると思っています。このことも私は大いに反省をしていただきたいと思います。 もう一点、大変悲しい思いをしておりますと申し上げましたのは、国会議員の中に国民年金の保険料未納あるいは未加入である方が大変に多いということです。それは、残念ながらこれは社会保険庁の制度の運営がまずい、あるいは年金制度が複雑である、そういった事態の中で起こってしまったという方もたくさんおられるというふうに思います。私どもの菅代表もそんなお一人だったと思っております。しかしながら、そのときに、私は国会議員としてどういう姿勢を取るべきかということを前回も申し上げました。それは、自らが国民年金の加入状況というものをよく把握をして、万が一そういう事態にあるならば、そのことを国民に公表して謝罪をして、そして委員会の審議なりあるいは国会の採決なりに臨んでいく、これが国民に信頼される国会の運営の在り方であると、こう申し上げてきたわけであります。 しかしながら、今日ここにこうやってお座りの委員の皆さんの中に、とりわけ自民党の皆さん方の中に、昭和六十年以降、国民年金加入が義務化された以降で、かつ国会議員になって以降の年金保険料の納付状況を公表しておられない方がおられます。私の調査が間違っていれば後で訂正をさせていただきますので、その方は是非委員長のところに私はちゃんと納めているということを申していただければと思いますが、各新聞社等の調査によりますと、ここにおられますところの中原先生、それから今日は宮崎先生の代わりにお座りの愛知先生、そして有村先生、伊達先生も私は調査しましたけれども、分かりません。もし…… 〔伊達忠一君「新聞社、テレビに答えています」と述ぶ〕
○山本孝史君 分かりません。だから私が間違っているとすれば御訂正を申し上げますので、そう申し上げています。武見先生も藤井先生の名前もどちらも出てきません。しかし、お二人ともホームページ上で自分たちは納入していると、こういうふうに公表しておられます。要は、自民党の皆さん方がまとまって調査をされないものですから、私たちはどうなっているんだろうなと、こう思っているわけです。 〔伊達忠一君「全部答えています」と述ぶ〕
○山本孝史君 答えていただいていれば結構なんです。 では、その場で答えてください。伊達先生、そうおっしゃるなら答えてください。 〔伊達忠一君「払っていますって、全部北海道……」と述ぶ〕
○委員長(国井正幸君) 不規則発言は慎んでください。
○山本孝史君 私の調査が不十分であれば訂正申し上げますと申し上げました。なぜそう申し上げるか、伊達先生、いつものところと座るところ今日違うんだもん。そこにおられて目の前にマイクがあって、何であなたそこにいるのと私は聞きたいわけ。何か衣の下からよろいが見えているような私は気がするんですけれどもね。もしも伊達先生公表しておられるというんなら、いいんです。公表されないままにここでもしいろんな動議を出されるとか採決に加わられるとかということであれば、それは国会が大変に汚いものになってしまうと、私はそう思うものですから、そういうふうに申し上げております。 前回の私委員会質問で、悲しい思いがありますからということで、言葉が大変に両副大臣に対して厳しかったのかもしれません。あなたたちはここにいる必要はないんだから出ていってくださいと。あるいは、もうあなたたちは質問を私はしませんから、仕事がお忙しいでしょうから出ていっていいよと、こう申し上げて、何か理事会の中では削減を求められているそうですけれども。削減していただくのは結構ですが、私の気持ちは変わらないということだけもう一度申し上げておきたいというふうに思います。 そういうことのないように、是非皆さん方は自らの胸に手を当てて国会の権威をこれ以上汚さないように、自分の国民年金の加入状況を国会議員が全然知らないままに、国民の保険料を引き上げる、あるいは国民の給付を切り下げるということについて自分がタッチをするんだというこの重さを是非認識をしていただきたいというふうに思います。(発言する者あり) 総理に御質問申し上げます。総理に御質問申し上げます。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) お静かに願います。
○山本孝史君 総理に御質問申し上げます。 今回の政府提出の年金法案のセールスポイントは保険料の上限の固定と給付水準五〇%の維持であり、一〇〇年安心プランというのがうたい文句でございます。しかし、この委員会審議の中でも、この数字は限られたときの数字であるということがようやく厚生省の方からも御説明がございました。 私、年金は将来の不確実性に備えるものだと思っておりますが、私は、将来は大変に不確実なもので、予測が極めて困難なものだと考えておりますけれども、総理はどのようにお考えでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 将来のことについて不確実性があるという点については、そのとおりだと。確実なものは、一〇〇%確実なものはなかなかないなと思っております。
○山本孝史君 いやもう私も同じ思いでございます。 したがって、人口ですとかあるいは経済の前提というものは、必ずしも一つのものではないわけですね。それが、年金額や所得代替率について、例えばこういう条件になればこうなるという様々なシミュレーションをして国民に、そして、そういう状況ならこうなっていくんだなということが判断できるような、そういう材料を提供すべきだと思っています。 ところが、今回は、この政府側のこの法案について、例えば人口がこういうふうに動けば、経済がこう動けばといったようなことを世帯類型別に細かく所得代替率やあるいは年金額の点ではお出しになっていないんです。これで国民に対して、あるいは国会議員に対して、この制度がいいか悪いかということを判断するというのは、これは極めて乏しい材料の中での判断になってしまうんですね。これはやはり、後でもう一度厚生大臣にもお伺いしますが、これはやはり私は出すべきだったというふうに思っています。 その点で、厚生大臣にお伺いをします。 まずは人口動態ですけれども、年金財政に大変大きな影響を与えてまいります。政府案は、合計特殊出生率が一・三九まで回復するということを前提にしております。一昨年、平成十四年の合計特殊出生率一・三二というふうに普通言われますけれども、これは四捨五入されておりますので、実際の数字は一・三一八六、これが四捨五入されて一・三二と、こう言われています。去年は恐らく一・三〇を切っているのではないかと思います。 資料をお配りをさせていただきました。資料一をごらんください。 これは我が国の人口の動向を書いたものですが、私も第一次ベビーブームの一人でございますけれども、その次に第二次ベビーブームでもう一つ山ができ上がるんです。ところが、第三次ベビーブームと言われるような山がここにできてこないんです。大きな山の次が、先ほど坂口厚生大臣は孫世代とおっしゃいましたが、ここに山がないんですね。山がないということで、大変今日本の中の社会の形が変わってきているということがここにも出ていると思っています。 そういう意味で、去年は恐らく一・三〇を切ってくるのではないかと思っておりますが、実はこの人口動態統計は毎年六月に前年の統計数字が発表されております。今年はいつになるんでしょうか。また、合計特殊出生率はどのぐらいの数字になると今予測されておられるのでしょうか。坂口厚生大臣にお伺いをします。
○国務大臣(坂口力君) 私もできるだけ早く計算をして出してほしいというふうに言っております。現在のところ、この一・三二という前回の公表いたしましてから、昨年の分はまだ出ておりません。早く出してくれるように言っているところでございます。 私は、今年、去年の今年でございますから、そんなに去年と違わないところぐらいにあるんではないかと予測をしたりいたしておりますけれども、現実問題として、私の手元にはまだ参っておりません。早く出すように催促をしておるところでございます。
○山本孝史君 去年、去年ですね、平成十四年の数字の発表があったんです。去年の発表、いつだったか御存じですか。──御存じないと首ひねられているので申し上げます。去年は六月五日だったんです。今日は六月三日なんです。 だから、私申し上げたいのは、こういう年金制度の国会審議をするときこそ、できるだけ早くこの数字を取りまとめて、ここの国会審議の場所に出すべきだと思うんですね。去年は六月五日ですから、今年出せないはずはないと思っています。ほかの数字は全部用意してあるのに、合計特殊出生率の欄だけ空欄になっているんです。 一・三一八六、十四年ですね、その前の十三年が一・三三三九ですから、この一年間で〇・〇一五三下がったんですね。同じトレンドで下がれば、去年一・三〇三三、あるいはここをちょっと切るかもしれないので、四捨五入すると一・二九かもしれないぐらいの数字を私は予測しているんですが、坂口大臣はそういう目で統計数字を見ていないんですか。
○国務大臣(坂口力君) これはなかなか予測できにくいところでございますが、しかし、去年、この十四年の数字とそんなに大きな変化があるとは私も思っておりません。したがいまして、この一・三二というこの数字の近いところの数字ではないかというふうに私は思っております。 すべてがこうだんだんと減っていくのかどうか、それとも、もういよいよこの辺で一つの底になってきているのかということを今のところ予測することは甚だ難しいというふうに思っております。
○山本孝史君 大臣よく御存じだから、そういう答弁、ちょっとひどいと私は思うんですけれども、年金は数理の上に成り立っていますので、いろんな数字を予測しながら、そこにどうやってこの数字が動いていくかということを想像しながらやっているわけですよね。 だから、去年六月五日に出されたのは、去年、この時期には年金審、今は社会保障審議会の年金部会が開かれていますので、部会に提出するためにやっぱり早く数字をまとめられたんだと思うんですね。今年は国会審議なんですから、やっぱり今年も早くまとめるべきなんです。六月五日と六月三日、ほとんど変わらないんですから。 私はもう手元に持っておられると思うんですよ。出しちゃうと、ここの国会で、また少子化そんなに進んだのかということで議論が止まるから出さないのであって、それは情報隠しですよ。国会審議を軽視していると私は思います。もう一遍答弁してください。
○国務大臣(坂口力君) 正直申しまして、私の手元にはまだ来ておりません。 したがって、私も急がせているんです。早くひとつしてほしい。皆さん方、この前もそういう御意見ございましたりしますから、早くしてほしいということを私も言っているところでありまして、実際問題、私のところには今のところ来ておりません。急がせたいと思います。
○山本孝史君 後で申し上げますけれども、厚生省がやっぱり私たち国民の近くにはいないんですね。どこかで、どこか扉の向こう側にいて、そこで隠れて数字を操っているということになると、ますます国民の年金に対する信頼が乏しくなっていく。だからこそ、今年は早く出すべきだったと私は思います。 厚生大臣、引き続きですけれども、厚生省が推計しております人口の合計特殊出生率に伴っての下位推計に基づく推計をしますと、資料二ごらんいただきましたらお分かりになるように、少子化進行ケースですと、平成三十六年、二〇二四年に五〇%のところまでで底を打ってしまって、そのままマクロ経済スライドを続ければ、二〇三一年、平成四十三年に四六・四%まで落ち込んで、ここで財政が均衡するという数字になっています。 もし、これ五〇%で給付調整が終了した時点で、維持をするために調整期間がそこで終了して、厚生大臣おっしゃっているように、年金保険料あるいは税、あるいはその他の所要の措置を取るということですが、もし保険料を引き上げるとすれば、何%引き上げればここで均衡するのでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 計算をいたしておりますものを見ますと、一・三%上昇する見込みでございます。
○山本孝史君 一・三%、一八・三で上限だとおっしゃっているところに一・三。一九・六、一九・六までにすれば均衡すると、こういうことになるということですね。 だから、やっぱり、先ほどの朝日先生の質問にありましたように、お互い心理の読み合いじゃありませんけれども、二〇と一六という数字があって、その真ん中一八があって、一八と一五があって、一八・二五とか三とかという、何か足して二で割ることをずっとやってきたんですね。だから、どこにその根拠があるのかということになるんだと思います。 そういう意味で、いろんなやっぱり前提を出してみて、それだったらどうだという国民に対する判断をさせる材料を出すということが大変重要だと思っています。 もう一つの問題は、経済の前提なんです。経済動向は、一人当たり賃金上昇率二・一%、物価上昇率一・〇%が続くと、こう想定されているわけですけれども、この数字は本当に現実的な数字だと思って坂口厚生大臣はこの国会に提出されておられるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これも経済の話でございますから、確実にこういうふうになるということではないかもしれません。しかし、我々が今予測できる範囲の数字を申し上げますとこういうふうになっているわけでございます。 今回のこの年金の財政計算に用いております経済の前提につきましては、平成二十年までは「改革と展望」二〇〇三年度改定に基づきましてこれは出したものでございます。内閣府が作成したものでございます。それから、平成二十一年以降につきましては、物価上昇率、これは一・〇%につきましては、この消費者物価の上昇率の過去二十年、その平均が一・〇でありますこと、こうしたことを念頭に置いて、これは平成二十一年以降は採用をしているところでございます。 それから、実質賃金上昇率一・一%は、これは先ほども申しましたとおり、経済成長率に直しますと、労働力人口減ってまいりますので、〇・七%ぐらいになる数字でございまして、今後の労働生産性の向上等を見込み、そして労働力人口の減少等を見込んでいきましたときに、一・一%ぐらいはこれは今後妥当な線ではないかというのが我々の推計でございます。
○山本孝史君 今の御説明聞いていても、なぜ妥当と考えられるのかということについて合理的な説明がないと思います。 社保審の中の議論でも、過去のトレンドをそのまま引き継いでいったらどうなるかという考え方と、足下をどう見るかという考え方の二つがあって、割と委員の皆さん方は、やっぱり足下の経済というものが過去と大分違ってきているんじゃないかという、こういう御指摘がかなり強かったんですね。横におられる浅尾委員の方が多分経済の専門家だから、彼の方がもっと詳しい。私はそういう意味では素人考えかもしれませんけれども、お配りしました資料の三を見てください。 これは、太い線が実質GDPの動きでして、細い線が人口の、いわゆる労働力人口、十五歳から六十四歳の人口ですけれども、人口がやっぱり日本の社会減っていくわけですね。その流れに沿ってGDPの伸びがやっぱり同じように下がっていくわけです。こういう状況の中でいかにして生産性を高めて賃金を上昇させるかということは、大変に厳しい状況なんだと思うんです。 私は、今後、物価という面からしますと、中国の動向が非常に大きく影響してくると思いますけれども、原油価格が高騰してくる、エネルギーが大変逼迫してくると、物価は基本的に上がっていくだろう、そっちの方向にあるんじゃないかと、こう思っています。ところが、賃金の方が、先ほども柳田委員も、二・一、政府が保証してくれるんだったら春闘なんかやらなくてもいいねという声もありましたけれども、しかし本当に賃金がそれだけ上がっていくだろうか。 というのは、中国ですとか東南アジアに大変に安い労働力が存在をしていますので、今、日本経済で起こっているのと同じことで、必ずしも日本の国内の雇用というものにつながってこないんじゃないか。外国の方に生産拠点が動く。あるいは、FTAが締結をされると、例えばフィリピンから看護師さんとかあるいは介護の方とかが日本に来られる。外国人労働者どうなるかということもありますけれども。 全般的に日本経済のこれから先行き考えると、賃金は非常に上がりにくい、しかし物価は上がっていくという、そういう傾向にあるんではないかと私は思っているんですが、一国の総理大臣としての小泉総理は、どんなふうにこれから先、この賃金上昇率二・一、物価上昇率一・一という数字を受け止めておられるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、予想といいますか情勢、経済専門家ではありませんから、多くの方々の意見を聞いて、こういう趨勢になるなと、見方があるのはよく聞きますが、実際、政府の見通しを上回る場合も下回る場合も現実には起きております。現に、今年の政府見通しは予想より上回って、実質においても名目においてもプラスになっている。 賃金の上昇と、今、物価の上昇について山本議員が、物価は上昇の傾向にあるが賃金は必ずしもそうでないのではないかという御指摘は、それなりに理解はできます。今の原油の高騰とかあるいは素材の高騰、隣の中国の過熱と言われるぐらいの経済成長ということを考えれば、物価についてはそういう予想もできるなと。また、賃金について、確かに日本の賃金が高いということで、今、近隣諸国、発展途上国からどんどんどんどん日本に来たいと、あるいは日本で仕事もしたいという方が増えている。また希望も多い。そういう方は低賃金でも働きたいと思っておりますから、それが日本全体の賃金を下げるのじゃないかという議論も分かります。 しかし、最近の中国経済の活気を見ると、かつては、日本は、もう中国の安い商品がどんどんどんどん入ってきて日本の産業がかえって大きな打撃を受けるのではないかという見方から、むしろ、輸入を防ぐというだけでなくて、安い商品が入ってくるのを防がなきゃならないという考え方から、最近は逆に、輸入も入ってくるけれども、中国の経済が活気を帯びた影響で日本がむしろ中国に輸出しなきゃならないという場面もできております。そして、工場なんかも、安い、広い土地を利用して日本の企業は工場をほかの発展途上国に出してしまうという動きが、最近はまた日本に帰ってきております。賃金が低いから、物価が安いからというだけで各企業は自らの戦略を考えているのではないと。やはり、日本は確かに物価も高いし賃金も高いけれども、よその発展途上国にはつくれない人材とかあるいは教育力とか人々の技術、他国では得られない価値を持っているものが日本にたくさんあるということで、また戻っている傾向が見えます。 そういうことを考えますと、私は、長い目で見て、今の専門家が集計して、十年、二十年の範囲で見て一定の指標といいますか目標を置くというのは不自然なことではないなと思っています。また、不確実であるということは認めますよ、山本議員の言うように。不確実なことは認めますけれども、全部確実じゃなきゃ前提を置けないとなると議論が成り立ちません。可能性を認めると。であるからこそ、いろんな専門家の意見を聞いて、一定の、一〇〇%確実とは言えないけれども、基準を置いて制度設計をするというのは、これは私は、どの国でもあり得ることじゃないか。日本でも、これから将来設計をする場合には、人口の動向も一つの大きな基準であります。同時に、人口だけじゃない、経済の状況、これも、賃金にしても物価にしてもある程度一定の基準を置かないと設計はでき得ないということも私は御理解いただけるんじゃないかと思っております。
○山本孝史君 経済の前提数字を置かなければ年金の将来の財政見通しですとか給付の所得代替率が幾らになるかという計算ができないとおっしゃっていることはそのとおりです。 しかしながら、その数字が妥当な数字かどうかということになると、全く違ってきます。一八・三%まで今の一三・五八から引き上げる、このことに堪えられるのかどうか、常に衆議院の段階から議論をしてきました。この賃金がまず上がる、あっ、賃金上げられないわけですね。賃金上げなくても保険料の負担だけは上がっていくわけですし、そういう意味で、上げたらその分だけ増えてきますから、企業としては賃金は上げられない。賃金のやはり支払総額は減らしたい。そのために今外国へ出ていく。輸出が盛んなのは外国に部品を輸出しているからであって、日本の今の足下の経済がいいのは、明らかに中国ですとかアメリカですとかの好景気に引っ張られているという部分であって、おっしゃいましたように中国のバブルが崩壊すれば、これは全然状況が変わってきます。 そういう中で、やはり前提を厳しめに置くと、一八・三まで本当に上げられるのかという前提で計算するということ自体がかなり妥当性を欠いていると思うんですね。生活をしている、保険料払っている人たち、若い人たちからすると、保険料が上がっていくので可処分所得は減っていく。その中で物価が上がってくる。そうすると、ますます生活は苦しくなってくる。高齢者は、物価が上がっても、年金はこれから先十五年間全く上がらない。額は一緒ですけれども、額は下がりませんけれども、同じ額、六万六千円がずっと十五年間続く。 だから、マクロ経済スライドということの説明は、実はどう説明すればいいのかといえば、実は、これから先、物価が上がっても年金は全く変わりません、あなたの受け取る年金はこれから先十五年間全く同じ金額ですと、こう言うことの方が実は正しいんですよ、マクロ経済スライドというのは。そのことを総理は御存じでしたか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、物価スライドというのはあるんです。これは、当然、年金については物価スライドあるし、それから今言ったように、一八・三%でも払い切れないといいますけれども、この政府案が駄目になると、今の制度では二六%ぐらい、あるいはそれ以上上がる予定になっているんですよ。これも考えていただかないと。それは、これ、今の法案を廃案にしろと言っていますけれども、今の制度だとどんどん上がっていくから、これは負担し切れないだろうということで考えている案ですから、その点もやっぱり考えていただかないと。
○山本孝史君 三回厚生大臣をおやりになって、大臣のときに年金改正があったかどうか、ちょっと私、記憶にないんですが、健康保険はあったこと承知していますが、今お口にされました物価スライドということとマクロ経済スライドと、これは意味は同じですか、違いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済全体のそのマクロ的な観点からいえば、年金とは違いますよ、それは。
○山本孝史君 違うんです。これは、厚生省が巧妙なんです。スライドという言葉を使っているから、総理もそうだと思うんです、皆さん、最初、物価スライドとか賃金スライドと同じものだと思ったんです。でも、マクロ経済スライドという言葉は物価スライドとは全く意味が違うんです。そこ、ちょっと、申し訳ないけれども、ちょっと時間止めていただいて、総理にまずそのことをあそこで理解してもらってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは違うと今言ったでしょう、今違うと答弁したでしょう、違うと。(発言する者あり)
○山本孝史君 済みません。だから、どう違うかということを総理はどう理解しておられるか、恐れ入ります、御自分の言葉で……
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはね、専門家に聞いてください、専門家に。(発言する者多し)
○委員長(国井正幸君) 厚生労働大臣。坂口厚生労働大臣。(発言する者あり)坂口厚生労働大臣。坂口厚生労働大臣。(発言する者あり)
○国務大臣(坂口力君) まあ総理が、総理が全部が全部お答えになられるというわけじゃありませんから……
○委員長(国井正幸君) 坂口厚生労働大臣、どうぞ。
○国務大臣(坂口力君) まあ全部が全部総理が御理解いただいておるわけじゃありませんから私が申し上げたいというふうに思いますけれども、それは、物価スライドとそれからこのスライドとは違います。 このスライドの場合には〇・九%ずつ現在の物価スライドから引いていくわけでありますから、そこは二〇二三年まで違うわけでございます。
○山本孝史君 今、坂口大臣の説明も何かあやふやですけれども、それを聞かれて、総理大臣、小泉さん、あなたの口からマクロ経済スライドは何だということを言ってみてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、そういう経済の専門家の知識が乏しいですから、これは、こうやっていろいろ分かっている方も出ているわけですから、総理大臣としてはそういう専門家の意見を聞きながらやっていると。総理大臣の立場というのはそういうものじゃないでしょうか。 極めて技術的な質問に答えろというんなら用意いたしますが、今の言っている点がマクロ経済スライドという定義とか、そういう点については調べれば分かるわけですよ。そういうことについて私が答えなければならないのかと、質問者として。そういう要求があれば答えてもいいんですけれども、私は、そういう答弁は私よりも他に適切な方がいるんじゃないかということを申し上げているわけでございます。どうしても私が答えなきゃいけませんか。(発言する者あり) それでは、私は、そういう言葉の定義とかいうのを、そういうものを果たして答えた方がいいか、できるだけ私よりもよく詳しい方に答弁していただいた方が皆さんのためにも、審議のためにもいいんじゃないかと思っているんです。ただし、どうしても答えろというんだったらば、定義ですけれども、間違いないように答えなきゃいかぬと思っております。 マクロ経済スライドとは、物価の上昇率から人口の減少率や平均余命の伸び率を引いたものであるというのが定義でありますけれども、こういう定義まで総理大臣が答えなきゃならないのか。 私は、こういう場でほかの議論でもいろいろできるわけであります。そこはやっぱり質問者としても、何で総理大臣というのがここに出席しなきゃならないかということも考えていただきたいと思うんであります。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) お静かに願います。
○山本孝史君 総理、いつも負担なくして給付なしとかと、こうおっしゃいますけれども、そして、年金というものは、みんなが多ければいい、こしたことはない、負担は少なければ少ないにこしたことはない、こうおっしゃるんです。 この今回の政府が提出された法案の最大のポイントは、さっき冒頭に申し上げましたように、保険料の上限固定と五〇%所得代替率の維持です。それをどうやって実現するかというそのキーワードがこのマクロ経済スライドなんです。だから、これは法案の骨格なんです。今回の法案の、ほか全部捨て去ったとしても、このマクロ経済スライドが今回の法案の中身なんですよ。背骨なんです。これがなくなったら、今回の法案、政府が提出した意味はないんです。それぐらいの重要な問題をなぜ、なぜ総理は御存じないのですかと。これは用語の定義とかの問題じゃないんです、考え方の問題なんですから。(「全然分かってない」と呼ぶ者あり)全然分かってないんじゃないですか。分かってないなら、いや、分かってないんなら分かってないと言ってください。分かってないんなら分かってない、分かっているんなら分かっていると言って答えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、この法案の本質というのは、負担がどうあるべきか、給付がどうあるべきか、これは一番根本的なものだと思っております。そして、なおかつ持続可能な制度にしなきゃならぬと。そういう観点からやっぱり論議されるべきじゃないかなと思っております。
○山本孝史君 だから、そのために、そのために厚生省が編み出した今回の巧妙なこの表現、マクロ経済スライドという表現がそのツールなんですよ。背骨なんです。 もう何回も繰り返しますけれども、このことがなければこの法案は意味がないぐらいな話なんですよ。だから、そこはやっぱり御理解をしていただきたいんです。(「それを総理が分かってなかったんだよ」と呼ぶ者あり)ということです。総理は御存じなしにこの法案を提出されたんですか、この年金国会で一番重要なポイントを。御存じないんなら御存じないと言ってくださって結構ですよ、教えてあげますから。御存じないんでしょう。吉武さんに聞いてないよ、総理に聞いているんです。
○政府参考人(吉武民樹君) 私の方から御説明申し上げますが、マクロ経済スライドの一番基本にございますのは、先ほど来お話がございますけれども、少子高齢化が進むということでございます。少子高齢化が進みますので、全体的な支え手、支え手そのものが減ってまいります。支え手が減ってまいりますので、従来のスライドの基本でございます賃金あるいは物価に対応してスライドをするということにつきまして、公的年金の被保険者数の減少率、これは大体平均的には毎年〇・六%ぐらい減少するだろうと想定されております。それから平均余命の伸び率、これを勘案しまして、一人当たりの賃金の伸び率あるいは物価上昇率から調整するという考えでございます。(発言する者多し)
○委員長(国井正幸君) ちょっと静かにしなさい。静かに。静かに。
○山本孝史君 総理、御存じないかもしれないと私も思っていたんで、今日の資料の七というところを見てください。 そこ見ていただいて、右端に「公的年金被保険者数の減少率」と書いてありますでしょう。ここ、マイナスの数字がずっと並んでますよね。この数字に、平均寿命が伸びるというものを一定率、〇・三、マイナス〇・三を足すんです。〇・四に〇・三足すとマイナス〇・七、その次の年がマイナス〇・六、その次の年がマイナス〇・五。この数字と、〇・九という数字、これは〇・九を上限にしていますので、この数字と掛け合わせて〇・九を超えても〇・九に止めるんです。だから、〇・八とかになってくれば、マイナス〇・三を足すとマイナス一・一になりますので、マイナス一・一引かないでそこは〇・九で止めるということなんです。それを実はマクロ経済スライドと言っているんです。 これは、物価が上がればそれに乗じて上げますとかという話ではなくて、別の意味でいえば給付の段階的なカットなんです。その結果何が起こるかというと、年金の名目額は、もう予算委員会でも申し上げましたけれども、年金の名目額は一緒なんです。六万六千円の基礎年金なら六万六千円だけもらうんです。それがこれから十五年先ずっと六万六千円もらうんです、政府の計算でいくと。しかし、その間に実は世の中は物価が上がっているんです。物価が上がった分だけ年金額が上がれば物価スライドが適用されているんですが、今回はマクロ経済スライドで、物価が上がったときには年金額を上げない、これを実はマクロ経済スライドと言っているんです。御理解いただけましたでしょうか。 総理、御理解いただけましたでしょうか、御答弁ください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう話になると思います。
○山本孝史君 法案提出の最高責任者であって、年金国会と言われて、年金に対してこれだけの関心があって、御自身、厚生大臣を三回経験されて、その方が、やっぱり今回のこれ骨格なんですよ。そのことについて、私は言葉をしっかり定義しろなんて言っていません。考え方、どういう考え方をもってして年金額をカットしようとしているのか。すなわち、結論として出てくるように、基礎年金と言われている高齢者の基礎的な生活費、食費ですとか住居費ですとか、こういった医療費ですとか……(発言する者あり)ちょっと、ちょっと委員長、ちょっと整理してください。(発言する者あり)
○委員長(国井正幸君) 質問を続けてください。 静かにしてください。
○山本孝史君 委員長、頑張ってよ。 高齢者の基礎的な生活費を賄うと言われている基礎年金が、これから先物価が上がっていっても、それに見合って基礎年金は上がらないんです。高齢者はだから、これから十五年ぐらいの間年金額が上がらない中で、世の中物価が上がっていったとしても、その生活費の中で何とかやりくりしてくれというふうに国が頼んでいるんですよ、今度の法案は。そのことの痛みを感じていないと、国民の側は理解しないんじゃないですか。 だから、私はマクロ経済スライドをきっちり定義しろなんて言っていませんよ。だけれども、さっきのお話どおり、物価スライドと同じように動くだろうと思っておられるようだから、そうじゃないんですよと、これはもう骨格なんですよと、こう申し上げているんです。もうこれだけ言ったら理解していただけますよね。申し訳ありません、総理大臣に私レクチャーするような立場じゃありませんけれども、このことは非常に重要なポイントですので、御理解いただけましたでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはもう山本孝史先生ほどの年金に対する造詣が深い方はなかなかおりませんから、そういう議論というのはこれからもしっかりしていかなきゃならないと思っております。
○山本孝史君 こんな状態で、このぐらいの認識で、国会が国民にこれから毎年一兆円ずつの保険料として負担増を求めて、一五%も賃金をカットするというのは、大変に私はひどい今の皆さん方、政府・与党のやり方だと思います。 もう一つ、総理がよく理解されておられない点について、私時間が少ないので申し上げたいと思いますが、これは総理の国民年金の加入歴の問題です。どうもここも理解されておられないようなのであれですが、昭和三十六年に国民年金ができた以降、厚生年金に加入していない人は原則として国民年金に加入しなければいけない、それが義務になった、このことは御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 加入、強制加入だったということは承知しております。
○山本孝史君 昭和三十六年以降、強制加入になりました。(資料提示)そのことについて、マスコミは取材しないままに云々と総理はおっしゃいますので、もう一度整理させていただきますと、十七年一月生まれですのであれでございますが、三十七年の一月時点で二十歳になられたときに国民年金は強制加入でした。この間、いわゆる三か月、これは予備校に行っておられたか慶応大学に行っておられたか、ややこしい話になっていますが、いずれ、ここに三か月という未納期間があったのではないかと言われている。もう一つ、慶応義塾大学卒業後、ロンドンに留学されます。お父様が亡くなられて帰ってこられます。この間、帰ってこられてからの、不動産会社に勤められるまでの間の八か月というこの期間、三か月と八か月と、かねて問題になっています不動産会社に就職して厚生年金に入られたいわゆる五十五か月、三か月問題と八か月問題と五十五か月問題があるんです。 今日、私、この八か月問題についてお尋ねしたいんですが、総理の御認識として、この八か月間、お父様が亡くなられて、帰ってこられて、そして選挙に出られて、翌春に不動産会社に就職されるまでのこの八か月間は、国民年金に加入しなければいけない期間であったとお考えか、あるいは入らなくてもよかったとお考えですか、どちらですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 最初の三か月間というのは大学生だから入らなくてもいいんじゃないですか。それは私は違うと思いますね。 だから、最初の三か月は、私は学生ですから入る必要はないんだと思っています。八か月の、後の八か月も、私は当時は全く知りませんでした。入らなくてもいいものだと思っていました。
○山本孝史君 済みません、この国会で国会議員の未納のことが問題になっているときに、知らなかったとかついうっかりでしたとか、こうおっしゃるんですが、問題はそういうことではないんです。 先ほど来から申し上げているように、自分の加入歴というものがどうであるかということすら知らずに国会の審議をする、あるいはそこで答弁をする、このことは国民に対して非常に誠実な姿で私はないと思っています。あなた自身がやっぱりこの期間、今から考えてみれば、国会議員にはなっていない、いわゆるロンドンから帰ってこられて選挙に出られる、そしてそれに残念だけれども落選をされて、翌年四月に、太っ腹な社長がいてねとおっしゃる、お墓参りに行こうかと思ったら生きておられたというこの話ですけれども、その間の八か月間、この間は、今照らし合わせても、加入しなければいけない時期なんです。そのことを当時はお知りにならなかったかもしれないけれども、今この時点になると、これは明らかに加入義務違反があるということについて総理の認識はどうですかとお聞きしているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まだ国会議員になる前ですからね、それは全く知りませんでしたね。
○山本孝史君 それは当時の認識です。そうではありません。今、年金法について審議をしているこの時点において、みんながそれぞれ自分の年金加入歴を見てみて、あのとき入っていなければいけないのに入っていなかったな、ついうっかりしたな、しかし、ついうっかりしたのは私のミスですということで、皆さん国民に公表し謝られてこの国会の審議に臨んでおられるんです。私は、だから、未納、未加入があったことを問題にしているのではありません。 御自身の認識として、一国の総理大臣として、この間あなた自身は、お父さんが亡くなられて、そして選挙に出るために帰ってこられるということですよね。この間について、その間あなたは国会議員に立候補するときに国民年金に加入する義務を果たしていなかったんです。年金加入の義務を果たしていない人が国会議員に立候補したんです、今から考えると。そのことは当時の不明を恥じるべきだと思いますが、しかしそこは素直に、今振り返ってみると、あの時期はやっぱり入っているべきだったんだと、自分はやっぱり国民年金の未納・未加入期間があるんだということをお認めになったらどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今気付いたわけであって、当時は気付かなかったですね、これは。まだ国会議員になる前で、急に学生から帰ってきて、おやじが亡くなって、選挙で、選挙で落選したと。私はこういう、それは不明だと言われればそれまでです。しかし、そこまでは全く気付きませんでした。今から考えれば、それはやっぱり払うべきだったのかなと思っていますけれども、当時は全く気が付かなかった。
○山本孝史君 だから、当時の認識と、今私初めて知りましたと、こうおっしゃったんで、今初めて知った総理大臣として、国民に対してどういうふうにおっしゃるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、国会議員になる前に、私のような状況で、果たしてそれじゃ、年金義務を知っていた人がいるかどうか。私は、現在の基準で三十年以上前のことを判断されれば、それは不明と言われれば確かに不明です。しかし、当時は全く気付きませんでしたからね、それは仕方のないことだったかなと。しかし、今指摘されてみて、これもやっぱり義務だったのかなと思えば、確かに、それは義務だったのかなと、私の不明の致すところかなと思っております。
○山本孝史君 年金の審議が今国会始まって度々同じ質問を総理はされているんです。この予備校時代や慶応に、友達に聞いたら、おまえあのとき慶応に行っていたじゃないかと言われて訂正される、この最初の三か月の問題。そして、イギリスに行っておられるから、この間は住民票は国内にあったとしても、外国におられるのは仕方がないとして、国内に帰ってこられて、お父様が亡くなられて、そして昔の記録を見ていると、もう総理はすぐに立候補の意思を固められて、公認を受けられて、十二月のいわゆる沖縄解散に打って出られて、残念だけれども落選をされるわけですよね。そのときに、もう既に捲土重来を期して、次の解散を待って一生懸命活動をしておられるわけです。だから、厚生年金に加入されるまでの間、日本国内にもうおられるんです。その間ずっと総理は払うべきだったんです。 そのことを指摘されて、この時点になって初めて分かったとおっしゃいますけれども、この間何回同じ質問されてきたんですか。この間、国会議員が自分の年金加入歴をちゃんとチェックしようと、そのことについて問題があるかないか判断しようというふうにみんなが思ってやってきたんじゃないんですか。それがいよいよこのどん詰まりの段階になって、いや、不明を恥じるな、分からなかったのかな、当時の感想を聞いているんじゃないんです。あなたは国会で、これまで入っていますかと、こう三井議員に、衆議院の厚生労働委員会に聞かれたときに、払うべき期間はすべて払っていますと、こうおっしゃっているんです。これは結果的にうそですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは私は本当だと思っているんですよ。国会議員になって、強制加入というのは、本当に入んなきゃいかぬと。国会議員になる前のことを問われているなんて全然感じていませんでした。
○山本孝史君 そんなことを言っているんじゃないんです。国民の皆さん方に、入らなければいけませんよ、保険料払ってくださいと言っているんです。それさっき、昨日もそうですけれども、何で四十年前のことが今更こういうふうに言われるのか不思議だと、こうおっしゃいますよね。御承知のように、年金は四十年入って初めて満額なんです。自分たちはこれまで四十年間の過去の記録がどうだったかなということをみんな国民の皆さん方は一人一人チェックしているんですよ。そのことについて自分はどうでもいいんだと、入っていなかったんだと。どうせ、国民側から見れば、あなたたちは議員年金があるんでしょうと、あなたは三代続いた資産家だから一杯お金はあるんでしょうと、だから国民から幾ら取ったって構わないんだと、一五%減らすようなマクロ経済スライドをやっても構わないんだと。こういう総理大臣を頂いているということについて国民がどれだけ政治不信を持つか。だから、ちゃんとした説明をしなさいと言っているんですよ。間違ったのなら間違っていたと言えと。そして、みんなに、こういうふうに自分はと謝りなさいと。そして、結果的にうそをついたんだということについて、総理はあとは自分は自分の責任考えればいいが、今になっても、まだあのときのことは、そんなものは分かるはずがないですねと。だったらみんなそう言いますよ。それで世の中通るんだったら、こんな簡単な話ないじゃないですか。ちゃんと答えなさいよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ちゃんと答えなさいよと言ったって、ちゃんと答えているじゃないですか。私は、強制加入、払うべき時期はすべて払っていた。前から払っていた。(発言する者多し)
○山本孝史君 さっきは、払うべき期間があったけれども払わなかった、あのときは分からなかったけれども、今から考えたら払っていなかったんだなと。これ払うべき期間なんですよ。払うべき期間に払っていなかったという認識は今もまだ、変えるんですか、ないんですか、あるんですか、どっちですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三十年以上前のことですから、しかも国会議員の、なる前ですから、そう言われればそうだったのかなと。当時は全く気付いていませんでした。今、今指摘されれば、ああ、やっぱりそれは義務だったのかなと。それは私の不明の致す点だと、私の不明の致す点だったなと、そう思っております。
○山本孝史君 ちゃんとまともな答弁をしてくださいよ。
○委員長(国井正幸君) 山本孝史君。山本孝史君。質問してください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 山本さん、山本さん、私はちゃんと答えているんですよ。あなたと、見解とは違う、あなたの意見とは違うけれども、ちゃんと答えている。払うべき期間は払っていたんだ、国会議員になって。そして、国会議員になる前の時期、これは、国会議員になる前の時期は、これは私は払わなくていいと思っていたんですから。それを指摘されれば、今指摘されれば、確かに、そういう法律だったかと、それを知らなかったのは不明の点があるということを言っているんだ。これは答弁じゃないと言われれば、答弁のしようがないですよ、これが私の答弁なんだから。ちゃんと答弁していないなんて、私はちゃんと答弁しているつもりなんだから。ただ、それは山本さんが、違う、違うと、自分の考えと違うと、責任になっていないと言うのは自由ですけれども、私はちゃんと答弁しているつもりです。
○山本孝史君 議員になる前、払っていなくてもよかったんだと言ったら、この人たちみんな払わなくてよかったという話になっちゃいますよ。だったら、何になる前は払わなくてよかったんだと言ったら、みんな国民年金払わないじゃないですか。でも、衆議院厚生労働委員会、四月二十八日、あの強行採決の混乱のところですが、三井議員の質問に対して……(発言する者多し)
○委員長(国井正幸君) 静かに。静かに。
○山本孝史君 済みません、総理、済みません、済みません。 四月二十八日、衆議院厚生労働委員会、民主党の三井議員の質問について、私は、議員になって、払うべき期間は国民年金を払っておりますということでございます。で、その前を教えてくださいと、こう三井議員は聞いたんです。それは私は、過去、払うべき期間におきましては払っておりますと、こうおっしゃったんです。だから、当然自分の年金加入歴についてはお調べになって、そして、この期間は、議員になる前のこの期間も払うべき期間であったという御認識をされてないんですよね、だから。だから、今もうんとうなずかれるけれども、だから、済みません、この時点、今日この時点からあなたは認識を変えてください。 冒頭申し上げましたように、昭和三十六年以降、厚生年金に入っていない人は原則国民年金に加入しなければいけない義務があるんです。届出の義務もある。届け出ていなかったら罰則も付いている。納入しなければいけなかったんだ。 あなたが、お父さんが亡くなられてロンドンから帰ってこられる。選挙に出られる。この厚生年金に入られる前の八か月間は、日本の国の法律、国民年金法に基づけば、あなたは国民年金に加入して保険料を払っていなければいけない期間だったんです。その認識をまず持ってください。持っていただけましたか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういうことは知らなかったんです、私。 それで、今、なるほどなと。確かに、そういう義務があったのかなと言われれば、ああ、そういうことかと。その点、知らなかったのは私の不明の致すところだと言っているんです。
○委員長(国井正幸君) 山本孝史君、もう時間が来ていますので、そろそろ。
○山本孝史君 この国会でどれだけ国会議員の未納問題が議論になり、(発言する者あり)そう、谷畑も、森両副大臣も、自分たちは未納であったと。そして坂口厚生労働大臣も、加入の時期はあれだけれども、しかし自分もそんな時期がいっときあるんですと、こういう認識をお示しになって、みんなそれぞれに自分の年金加入歴について、あるいは年金制度というものについての知識を持ったんですよ。あなただけじゃないですか、持っていないのは。この最後のこの段階まで来て、ようやく今になって言われて、そうだったのかな、当時のことを聞いているんじゃないんです。法律はこうできているんですよと、このことを踏まえて、これまで非常に無責任な答弁をしてこられて、人ごとのようにおっしゃって、しかし自分の年金については入っていないんだということについて、今もそうやって開き直りをされるでしょう。私は、この開き直りの姿勢というか、国民から見たら、払っていないものはいいじゃないか、あのときは知らなかったんだからいいじゃないかと、みんなそう言いますよ。そういう言い方に、あなたはしてもいいんだと。年金制度崩壊の引き金を引いているのは小泉総理、あなたですよ。その認識ないんですか、あなたは。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、国会議員になって払うべき期間は払うということの認識だったんじゃないでしょうか。国会議員になる以前の、しかも三十年以上前の、そこ前まで皆さんが、払っていなければならなかったという認識を持たなきゃならないという点、御意見あるのは分かりますが、私は国会議員になってからの払うべき期間はすべて払っていたということで御理解をいただけると思っております。
○委員長(国井正幸君) 時間が来ておりますので、時間になっていますので、これであれしてください。
○山本孝史君 今の言い方だったら、国会議員になっていない人はみんな払わなくていいということですよ。だから、そういう不誠実な態度でやってきて、今回の年金法案の骨格であるマクロ経済スライドが何なのか、これから十五年間年金生活者の年金はどうなるのか、その中で物価が上がっていく、賃金がどうなるか分からない、そういう状況の中でみんなどういう不安な思いをしているのか、そのことを共有できないという総理大臣がいるのであれば、これはやっぱりあなたは責任を取って辞めるべきです。 そういうことを申し上げて、私、質問を終わります。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。 今日です、今日まで参議院の当厚生労働委員会で法案の審議を続けてまいりました。総理、私、こちら側座っていますけれども与党の一員ですので、御理解をいただきたいと思いますが、衆議院の方ではいろいろ問題がありまして、審議拒否等があって大変に十分な審議ができなかったという声が国民の間であったわけでありますが、参議院の方は、今日、もう三十五時間超えて四十時間近くまで審議をするということでございまして、私は、やはり言論の府としてしっかりとこの法案の中身について最後まで審議をしていくことが私たちの責務だというふうに思っております。 ただいまもございましたけれども、今回の政府・与党案については野党の委員の方々からいろいろな御批判がありました。その御批判の中身についてつまびらかに今申し上げる時間もございませんけれども、中には大変鋭い御指摘もございましたし、深い見識に基づいた御主張もあったというふうに私は理解をしております。 〔委員長退席、理事藤井基之君着席〕 そういう意味で申し上げれば、もし自民党、民主党、公明党の衆議院でなされた三党の合意が有効であるならば、それらの野党の皆さんの当委員会で出された御意見についても、この三党合意に基づいた与野党の協議機関、あるいは衆参の厚生労働委員会の下に設置をされる小委員会で大いに議論をさせていただきたいというふうに思っております。 また、ただ一つ残念だったのは、山本委員もそうですし、柳田委員もそうですし、森委員も辻委員もそうですが、非常に優秀な厚生労働の問題に関する専門家が多くいらっしゃる野党の皆さんから対案が参議院では出されなかった。昨日の夜、何かちらっと出したみたいですが、具体的な数値の入った、国民が判断のできる、国民が政府・与党案とちゃんと比較することができる、その案をしっかり出していただければ、私たちはこちらで、委員会でしっかりと議論ができたと、そういうふうに思っております。我が公明党に対しても名指しで何度も批判をされてきましたけれども、私はこの点をしっかりと申し上げたいと思います。 〔理事藤井基之君退席、委員長着席〕 野党の、野党のですね……(発言する者あり) よろしいですか。委員長。(「対案出したんだよ」と呼ぶ者あり) 分かりました。野党の皆さんは昨晩対案を出されたというふうに理解をしております。訂正いたします。 その上で……(発言する者あり)申し上げますが、ピーチクパーチク、私が質疑しているときぐらい黙ってください。 それで、野党の皆さんの意見の一部を聞きますと、給付は下げるな、負担は上げるなというような主張をされている方もいらっしゃいましたけれども、私は、現在のこの人口構成あるいはこの国民の負担率等の割合の問題等考えますと、やはりどのような、長期的な期間で見れば、どのような改革案を考えても、一定の給付の抑制あるいは負担の増加というものは私は避けられないと思っております。もし給付の抑制をしなければ、それは若い世代に全部ツケが回っていくということになるわけでございますし、また、保険料の負担を上げるなということになっても、それは税負担の方で跳ね返ってくるという可能性も大きくあるわけでございます。 ただ、国民一人一人が自分のお財布を考えますと、やはり給付は下がる、そして負担は上がるとなりますと、これは大変どうしてかなというふうに思う気持ちは私も分かりますけれども、この国、社会全体の動向にかんがみて、給付の抑制と負担の増加はどうしても避けられないという点について国民の皆さんに御理解をいただくことがやはり出発点でなければいけないと思います。 この点について、坂口厚生労働大臣から改めて御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 国民年金保険料を始めといたしまして、これからの負担と給付の問題をどうしていくか、少子高齢社会に見合ったこれは負担であり給付でなければならないということを今回のこの法律の中でお示しをしているところでございます。 そうした中で、負担につきましては、今までの負担というものが今のままではこれからの高齢者の年金を十分に負担をすることができ得ない、また、年金の額が現在の額のままであれば負担の方が更にどんどんと大きくなってしまう、そこをどう調整をするかということで、私たちは負担と給付の上限や下限をお示しをしたところでございます。 数字のプレゼンテーションの仕方につきましてもいろいろと御指摘をいただいたところでありまして、我々のプレゼンテーションの仕方に十分でなかったところがあるかもしれない、そこは我々も率直に反省をしなければならないというふうに思っております。 そうした中で、はっきりと国民の皆さん方に御理解をいただいて、ここは前進をしなければならないというふうに思っているところでございます。
○遠山清彦君 ありがとうございます。 今、坂口大臣がちょっと先回りをして後段御答弁をされたかなと思いますけれども、私も、この委員会で指摘をされた問題の一つが、やはり数字の、厚生労働省のいろんな出版物の中に書かれている数字のプレゼンテーションがちょっと問題がやっぱりあったということは私も感じております。 例えば、例の今後増えていきます国民年金の月額負担額について、一万六千九百円で止めますと。これは当然、平成十六年度価格でいえば間違いではないわけでありますけれども、本来、賃金上昇率とか物価上昇率を加味した実際の先の段階ではそういう名目額にならないということは、なかなか厚労省のパンフレットからは分からないということがありました。それから他方で、給付される金額については、ずっとその賃金上昇率、物価上昇率の係数を掛けた上で、名目額は下がりませんというようなプレゼンテーションをしていたと。この点について、片方では平成十六年度価格を使って、片方では余りそれを使ってなかったということが指摘をされたわけです。 そこは、まあごまかしをしたというふうには私は思っておりません。思いません。思いませんが、プレゼンテーションのやり方にやや配慮が欠けた部分があったというふうに思っておりますので、そこは坂口大臣がおっしゃったように改善をしていただきたいと思っております。 ただ、例の国民年金の月額が一万六千九百円ではなくて二〇一七年には二万八百六十円ではないかといったような議論は、これは確かに国民保険の一号被保険者の目から見るとそういう議論になるわけですが、実際に国民保険の二号被保険者、サラリーマンの皆さんというのは当然割合で示されていますから、保険料が。例えば仮に一八・三〇%ということであれば、これは賃金が上昇すれば、実際に払う額自体も一八・三〇%で比例して上がっていくということは自明のことでありまして、そういう観点からいえば、実はこの一万六千九百円の表示をめぐる問題というのは、一号被保険者と二号被保険者の間のバランスを取った政策であるから、実際にはそうなるんですね。 ただ、そこの説明とプレゼンテーションの仕方がちょっと十分ではなかったという点は私も指摘をさせていただきたいというふうに思います。 次に、時間もありませんので、先ほどちょっと話題になりましたマクロ経済スライドについて、厚生労働大臣と幾つか議論をさせていただきたいというふうに思っております。(発言する者あり) 済みません、委員長、ちょっとピーチクパーチク、黙らせてください。 それで……
○委員長(国井正幸君) お静かに願います。
○遠山清彦君 私も、これ山本委員もおっしゃっていたと思うんですが、今回の法案でやっぱり非常に重要なポイント、このマクロ経済スライドという考え方が導入されたことだと思います。先日の地方公聴会でもこの点を評価していただく発言があったというふうに聞いておりますけれども、やはりこの少子高齢社会が進展する中で、年金をこれから受給する世代が若ければ若いほどこの受給率が過去の世代に比べると低下をするということが言われているわけです。 これは厚労省のパンフレットにも載っておりますが、国民年金で見ますと、掛けた保険料総額に対する受給される金額の倍率でいいますと、一九三五年生まれの方、現在大体七十歳の方は五・八倍いただけると、受給できると。一九四五年生まれ、これは今六十歳前後の方ですが、三・四倍。これに対しまして、一九八五年生まれ以降、つまりこれから二十歳になっていく以降の方々は一・七倍になるわけですね。ですから、今六十前後の方と比べるともう半分の倍率しかいただけないというようなことになっているわけです。 私は、そういうことを考えたときに、やはりこの年金を支えている若い働き手の負担をできる限り抑制するために、また、その時々の経済社会の状況を改定率に反映するためにこのマクロ経済スライドが出てきたというように思っています。これ、先ほど山本委員の方からも詳しく説明がありましたけれども。このスライド調整による改定率というのは、実は新規の、新規に年金をもらう人とそれから既に年金をもらっている人とちょっと違う計算になっております。この点、まだちょっと余り強調されていなかったと思うんですが。新規裁定者、新規に受給する人の改定率というのは、賃金の上昇率からスライド調整率、つまり〇・九%を引いた改定率を新規については使うということですね。既に年金をもらっている人に関しては、物価の上昇率から〇・九%を引いた改定率で抑制をするということなんですね。 そうすると、政府の試算ですと、賃金上昇率が前提として二・一%、年平均と言われているわけで、物価上昇率一・〇%ですから、単純に考えますと、新しく年金をこれからもらう人の方が改定率は高くなると。マイナスで考えると低くなるんですが。つまり、やや有利になっているということなんですね。つまり、物価上昇率の方が低いと見込まれていますから、高い賃金上昇率から〇・九%引く形で改定率掛かる新しい世代の方がやや優遇されているという制度になっております。これは、世代間格差というものをなるべく是正するための調整率として私はすばらしいと思っておりますけれども、ただ、いつまでもやれる措置じゃないと思うんですが、大臣、これはいつまでこの調整をしていくおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これは、既に現在年金をもらっておみえになります方等につきましては、これから二〇一七年までですから、現在からいいますと十四年間お願いを申し上げるということに──違う、違う、二〇二三年、失礼しました、十四年間でありまして、二〇二三年まででございます。二〇二三年まででございます。
○遠山清彦君 なぜ二〇二三年までこのマクロ経済スライドによる調整を図るんでしょうか。理由があれば、どうぞ、局長。
○政府参考人(吉武民樹君) 先ほど申し上げました基準的な社会経済の前提におきます試算では、二〇二三年度にマクロ経済スライドによる給付水準は終了するという形でございます。したがいまして、この時点以降例えば年金の支給を受ける方、十九年後に六十五歳ぐらいになられる方でございますんで、現在四十五、六歳ぐらいの方から以降の若い方につきましては、所得に対する年金の給付水準は、厚生年金で申し上げますと五〇・二%ぐらいに低下をいたしますけれども、ただいまお話ございましたスライドについては、本来の賃金スライド、物価スライドに復帰をするということでございます。 したがいまして、先ほどから既裁定の方のお話もちろんございます。この既裁定の方にも御理解をしていただくということでございますが、それは厚生年金のモデル年金で申し上げますと、基本的には所得に対する比率が高い方でございます。高い方につきましても、その既裁定の物価スライドについて同じような調整を御理解をしていただいて、後代の若い方とともに負担をしていく。そのことによりまして、今回、百年の有限均衡方式というふうに考えておりますので、従来と違いますのは、年金の積立金につきまして、百年後に一年分程度を保有をする、その年金の積立金の元金分と、それからその間の利子収入がございますし、それから給付と負担の関係が相当安定をしてまいりますので、その給付とそれから一八・三%の保険料というのがありまして、これによって百年間財政が均衡を保つことができるということでございます。それで、百年後の一年分の積立金でございますが、この状態で申し上げますと、大体毎年の若干の財政収支のマイナスがございますが、これに対してその一年分の積立金でほぼ二十年対応できるという状態でございます。 ですから、この問題は、いわゆる調整率の問題は、先生の御質問のとおり、全体として給付と負担を安定をさせていく、そのために例えばこの年金の改革の論議の中でも急激にその給付水準を切り下げたらどうかというような御議論もあったわけですけれども、そこをスライドの中で徐々に徐々に給付と負担のバランスを図っていく、そして将来的には五〇%という目標を持ちながら、それで五〇%という目標が達成できた状態の後の、若い方でございますが、年金を受給される方につきましては、本来の賃金スライド、物価スライドに戻っていくという考え方で、その前の世代の方は、若い世代の方に対しますと少し賃金に対する給付の水準が高いわけでございますから、そういう意味で、この世代の方につきましては、既裁定の方につきましてもこれから新しく年金を受ける方と同様にその調整について御理解をしていただきたいというのが今回の案でございます。
○遠山清彦君 まあ二〇二三年まで調整するというのは、私の一つの、もう一つの理由として今局長おっしゃらなかった理解としては、今ゼロ歳の子供が大体その辺りで二十歳になっていく、で、既に生まれておられまして、人口構成は把握されておりますから、そういう意味でいうと、調整率の〇・九%をはじき出した中に被保険者の減少率とプラス平均余命の延びというのがありますから、余り間違うことなく、予測できる範囲でこの〇・九%というのを作って、それが通用するのが大体二〇二三年ごろだと思うんですね。 ちょっと次の質問なんですが、この厚労省のパンフレットの中にはQアンドAがあります。ちょうどこの調整の表の下にですね。(資料提示)そこで、給付水準が五〇%を割り込むことが予想されるときはどうしますかというクエスチョンに対して、答えは、財政検証、これは五年ごとにこれからもやっていくわけですけれども、あの百年の有限均衡方式の中でですね、財政検証の際に、次の財政検証までに五〇%を割り込むことが予想される場合は、マクロ経済スライドの停止、給付や負担の在り方について再検討ということが書いてあるわけでありますが、この点に関して一つ質問させていただきたいのは、この二〇二三年までと言っておりますけれども、これ大幅に前倒ししてマクロ経済スライドをやめるということがあり得るのかどうか、これは割り込みの場合ですね、五〇%を割り込むと予想された場合、これが一つ。 それからもう一つ関連で質問なんですが、これ通告してありますけれども、例えば、逆に、今政府が持っている前提条件の数字が好転、要するに予想よりも上に行く、可能性としてはあるわけですね、未来ですから。上に行った場合に、例えば、このスライド調整をしていくんだけれども、経済回復とか出生率の向上があって所得代替率が大体五三%ぐらいで下げ止まるというような場合には、このマクロスライド経済調整をそこでやめて、そこでもしやめると賃金スライドに今度引っ掛かってきますから、そうすると賃金の上昇率とともに五三%移動してきますので、新規裁定者に限っていえばこの五三%の所得代替率というのは維持できる話になるんですが、これはこういう理解でよろしいのか。 二点、まとめてちょっと質問をさせていただきます。
○政府参考人(吉武民樹君) 非常に分かりやすいケースで申し上げますと、私ども少子化改善ケースというふうに申し上げておりますが、出生率が一・五二ぐらいまで回復するという、これは高位推計より低いわけでございます。 その一・五二という状態を御説明申し上げますと、結婚された方が希望される子供数と実際に産む子供数が違います。仮に、いろいろな基盤整備ができて、結婚された方が希望する子供を持たれるというのが一つでございます。それからもう一つ、今回の人口推計で非常に厳しい状態になっておりますのは、一九六五年生まれ、大体今三十代の後半から四十代ぐらいの方の、コーホートといいますか、この世代が実は、その前の先輩の世代と比べますと、結婚をされても産む子供の数が一割減ってきておるわけでございます。ここが最大の影響でございます。 今回の中位推計はもちろんこの一割減るということを前提にして推計をいたしておりますが、仮に、その後の世代、例えば、今三十代前半の世代あるいは二十歳代の世代の方々が、むしろ一九六五年生まれの世代よりもうちょっと先輩の世代と同じように、k1と申し上げておりますが、それが〇・九が一・〇に回復するようなことになれば、これは今申し上げました一・五二という状態になってきます。そうなりますと、所得代替率は五一・七%という形でございまして、五〇・二%より一・五%改善をされます。もちろん、五一・七%という状態は二〇二〇年に達成がされますので、調整期間は短くなってくるという形でございます。したがいまして、少子化あるいは経済の状況が私どもの標準的なケースより良くなれば、調整期間は短くなり、給付水準は上がっていくという形になってまいります。 それから、先ほどのお尋ねのいわゆる現役の世代の減少の状態を反映させるということでございますが、今回の〇・六%、平均〇・六%という数字で取っておりますのは、年金制度の全被保険者数の減少率でございます。この全被保険者の減少ということは、実際の現役の世代がどの程度変わるかということとほぼ一緒でございますから、そういう意味では、二〇二〇年ぐらいまでは、二十歳になられる方が、今ゼロ歳の方が二〇二〇年ごろに二十歳になられるわけでございますので、出生の問題、出生率の問題はこれから生まれる子供さんの問題でございますから、二〇二〇年ぐらいまではほぼ日本の労働力人口は安定をしているといいますか、出生率の変化によって変化はございませんので、今申し上げました道筋というのはほぼ確実な道筋だろうというふうに思っております。
○遠山清彦君 最後に、総理に一つだけ質問をして終えたいというふうに思います。 一元化の問題でございますけれども、当委員会でもいろんな委員の方からこの問題出ました。今の現行の二階建ての制度を前提といたしましてこの一元化を考えても、いろいろな意味とか要素というのは私はあるというふうに感じております。 例えば、一階部分の国民年金については、給付面では一元化がもうなされていると。しかし、負担面で見ますと、一号被保険者の自営業者とか学生さんは毎月定額一万三千三百円払っている。二号被保険者の方々、サラリーマン、共済年金加入者の場合には、一三・五八%の比率から支払っている、中から支払っている。三号の専業主婦の方等は、この二号の全体で払っているところからカバーをしていただいているという状況になるわけです。 しかし、これ、一概に負担面を一元化しようというだけでも大変な作業であることは分かるわけでして、じゃ、一号も二号も三号も、今のカテゴリーで言うところの一号も二号も三号も全部月額定額制で払い込むように、別建てでするようにしようか、あるいは、いやいや、それは駄目だ、所得比例にしようということになれば、三号の方々どうするか、あるいは一号の方々、今で言いますと、自営業者も、年収が一千万の方も三百万の方も同じ定額を払っているわけですけれども、ここをどうするかという問題があるわけで、非常に難しい一元化の問題になるわけです。これはもう、あくまでも一階部分の負担面の一元化の議論だけでかなり悩んでしまうわけです。 三号の専業主婦の方々の保険料をどうするかという問題は、これはもう年金の単位を世帯から個人にするかどうかという哲学的な問題とも絡んでくる問題ですから、これは非常に難しい。さらに、二階部分の話になりますと、国民年金で言うところの二号の被保険者は二階部分ありますから、これは正に厚生年金、共済年金ですが、そこをどうするかという話はある程度やりやすい。しかし、今の一号、それから三号となってくると、二階建てが元々ない人たちですから、ここをどう統一するかというのはまた非常に難しいと。 ですから、私は、この一元化の議論については、できれば与野党でしっかりとこの法案成立後に話合いをして、難しい問題ですから議論をしていかなきゃいけないと思っていますが、総理、一言だけお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今御指摘のとおり、一元化の議論は今までも何回か行われてきたわけでありますが、国民年金、厚生年金、共済年金、これを一緒にしようとする議論は、今御指摘のとおり実に難しいんです。定額、定率、これは一つ取ったって大変ですよ。だから、そういう点もありますから、私は、こういう問題、まず一元化でどういう一元化が望ましいかという認識を共有するだけでも大変な時間が掛かると思います。 しかし、与野党合意で、一元化を含んで、そして消費税の問題も入ってきます。年金の消費税と、医療保険は、介護はどうなるのかという問題もありますから、早くこの協議に入った方がいいと思います。 この法案を成立させて、その後、この協議の合意に基づいて、それぞれの議員が政治家として建設的な議論に持っていくような方向で進めていきたいと思っております。
○遠山清彦君 終わります。
○委員長(国井正幸君) 伊達忠一君。
○伊達忠一君 私は、国民年金法等の一部を改正する法律案、年金積立金管理運用に……法案及び年金等の雇用安定等に関する法律案の一部を改正する法律案の質疑を終結し、討論を省略して、直ちに採決に入ることに……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)
○委員長(国井正幸君) ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)と認めます。 続いて、国民年金法等の一部を改正する法律案……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)行います。 賛成の方の挙手を願います。(発言する者多く、議場騒然) 〔賛成者挙手〕
○委員長(国井正幸君) 賛成多数と認めます。よって、本法律案は可決されました。 続きまして……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)法案の採決を行います。 本法律案に賛成の方の挙手を求めます。(発言する者多く、議場騒然) 〔賛成者挙手〕
○委員長(国井正幸君) 賛成多数と認めます。よって、本法律案は可決されました。 続きまして……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)法の……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能) この法律案に賛成の……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(国井正幸君) 多数と認めます。よって、本法律案は可決されました。 この際、お諮りいたします。 本日の審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能) 賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(国井正幸君) 多数と認めます。(発言する者多く、議場騒然) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時八分散会 ────・──── 本日の本委員会における伊達忠一君の発言の 後の議事経過は、次のとおりである。 ○国民年金法等の一部を改正する法律案(閣 法第三〇号) ○年金積立金管理運用独立行政法人法案(閣 法第三一号) ○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の 一部を改正する法律案(閣法第三二号) 右三案は、質疑を終局した後、いずれも 可決すべきものと決定した。