経済産業委員会 第4号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/03/24
会議録
○委員長(谷川秀善君) ただいまから経済産業委員会を開会をいたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、谷博之君及び富樫練三君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君及び緒方靖夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(谷川秀善君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 平成十六年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官堀内文隆君、内閣府産業再生機構担当室長江崎芳雄君、金融庁総務企画局審議官中江公人君、金融庁監督局長五味廣文君、総務省自治行政局長畠中誠二郎君、厚生労働大臣官房審議官金子順一君、農林水産大臣官房参事官齊藤登君、農林水産省生産局畜産部長井出道雄君、経済産業大臣官房審議官桑田始君、経済産業省経済産業政策局長杉山秀二君、経済産業省商務情報政策局長豊田正和君、資源エネルギー庁次長石毛博行君、特許庁長官今井康夫君、中小企業庁長官望月晴文君、国土交通大臣官房審議官松原文雄君及び国土交通大臣官房技術審議官門松武君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(谷川秀善君) 去る三月二十二日、予算委員会から、本日の一日間、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 中川経済産業大臣から説明を求めます。中川経済産業大臣。
○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。 平成十六年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。 我が国経済は、全体として、企業収益の改善や設備投資の回復等明るい動きが見られます。しかし、地域経済や中小企業の景況の改善にも遅れが見られます。経済産業省は、経済の活性化を図り、本格的な景気回復を実現すべく、内外の諸課題に取り組んでまいります。 このため、平成十六年度予算におきましては、厳しい財政制約の中で、以下の六分野を中心に、重点施策を絞り込み、めり張りのある予算編成を行ってまいります。 第一の柱は、経済を牽引する人材の育成であります。 我が国の将来を担う若年者の失業問題に的確に対応するとともに、経済を牽引する高度な専門能力を持った人材、チャレンジ精神あふれる人材を育成するため、総額で百十五億円を計上しております。 第二の柱は、意欲・潜在力のある中小企業等の支援であります。 やる気と能力のある中小企業のチャレンジが報われる社会を実現するため、産業金融機能の強化、金融セーフティーネット対策に万全を期するとともに、中小企業再生支援協議会の体制強化などを図ってまいります。 また、中小企業の技術革新、人材育成、新市場創出を後押しするとともに、中心市街地や商店街への支援を通じて地域経済の活性化を図ります。 中小企業対策予算として、総額で一千三百五億円を計上しております。 第三の柱は、日本ブランドの確立であります。 我が国が強みを有する製品、産業などが日本ブランドとして魅力を発揮できるよう、特許審査の迅速化に向けた審査体制の整備、コンテンツ産業の競争力強化、「愛・地球博」を活用した日本ブランドの発信などを行ってまいります。また、東アジアビジネス圏の形成に向けた経済連携の強化、対日直接投資の倍増を目指した外国企業の誘致活動に対する支援などを推進してまいります。 第四の柱は、技術革新の推進であります。 技術革新を通じた経済活性化を図り、科学技術創造立国を実現するため、研究開発への支援を強化し、産学官連携を更に推進してまいります。科学技術振興予算としては、総額で一千三百七十七億円を計上しております。 第五の柱は、ITの利活用を通じた社会革新であります。 安心、便利な社会の実現につながるITの利活用を集中的に促進し、必要となる環境整備を進め、世界最高水準のIT国家を実現してまいります。 第六の柱は、新しい環境・エネルギー社会の構築であります。 省エネルギー対策や水素エネルギー社会の実現を目指した新エネルギー対策、石油、天然ガスの自主開発や備蓄事業を引き続き推進します。また、原子力の安全確保対策の充実、一層安定的で効率的な電力システムの実現に取り組みます。 同時に、経済と環境の両立に向けて、地球温暖化対策や循環型社会の構築に向けた取組を着実に推進してまいります。 以上御説明をいたしました政策を中心に、平成十六年度の経済産業政策の実施に向け、一般会計で総額八千六百五十二億円を計上しております。また、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に総額六千二百四十二億円、電源開発促進対策特別会計に総額五千三十三億円、特許特別会計に一千四百十六億円、貿易再保険特別会計に一千五百七十六億円を計上しております。 さらに、財政投融資計画におきましても、産業金融機能の強化などを図るため、所要の措置を講じております。 なお、経済産業省の平成十六年度予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてございますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(谷川秀善君) 次に、竹島公正取引委員会委員長から説明を求めます。竹島公正取引委員会委員長。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成十六年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。 内閣府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は七十八億一千九百万円となっております。これは、前年度予算額に比べますと、総額で三千四百万円、〇・四%の減額となっております。うち、人件費は三千七百万円の増となっております。人件費の中には、違反事件の審査部門を中心とした三十五名の増員のための経費が含まれております。また、物件費は七千百万円の減となっております。 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として七十六億三千八百万円を計上しております。 これは、独占禁止法違反事件に対する迅速かつ実効性のある法運用、競争環境の積極的な創造、市場における公正な競争秩序の確保等、競争政策を積極的に推進するための経費であります。 第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として九千八百万円を計上しております。 これは、役務の委託取引を下請法の対象として追加すること等を内容とする法律改正が行われたことも踏まえ、下請法の厳正な運用と啓発普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。 第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として八千三百万円を計上しております。 これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持促進することにより、消費者利益の保護を図るための経費であります。 以上、平成十六年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
○委員長(谷川秀善君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林温君 自民党の小林温でございます。 今日は、経済産業委員会での委嘱審査ということでございます。 小泉内閣の下で、平成十四年度、十五年度と財政再建への取組が図られ、三回目の予算編成で今回の十六年度予算案が作られたわけでございますが、経済産業の関係予算についてめり張りの付いた非常にいい予算を組んでいただいたと、まず評価をさせていただきたいと思います。 そして、今年度の予算全体を見たときに、私は、一つ注目すべきは、経済財政諮問会議が骨太の方針二〇〇三で予算編成のイノベーションというものを打ち出した、そして、その取組の一つとしてモデル事業というものを試行的に導入したことではなかろうかというふうに思うわけでございます。 このモデル事業というのは、まず明確な目標を定めてコミットをする、そして厳しい事後評価をする、併せて予算執行を弾力化して、そして効率化によって効果が生じた場合には更にその効果を翌年度以降の予算にも反映させると、こういう取組でございます。 本年度は、十省庁で十のモデル事業、約七百億円の予算が付いているわけでございますが、この中に経済産業省、そして特許庁の案件があるわけでございます。電子経済産業省の構築、それから特許事務の機械化、こういう二つのモデル事業がこの予算案の中に入っているわけでございますが、経産省として、この予算要求を、新しい取組として財務省及び各査定当局と折衝していただいた、そして予算案に盛り込んでいただいたわけですが、予算官庁側から見てこのモデル事業の意義というものについてどういうふうにとらえられているか、是非、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、小林委員御指摘のとおり、十六年度から、いわゆる政策群あるいはモデル事業という新たな手法が予算の中で取り入れられたわけでございます。 これは、いわゆる予算の目という一つの単位がございますけれども、目間の流用という言葉がちょっとイメージ的にいいのかどうか分かりませんが、ほかの目でも使うことができる、あるいはまた、複数年度にわたって、予算は御承知のとおり単年度主義でございますけれども、複数年度間にわたってこれを中長期的に政策実現のためにやれることができるということでございまして、今御指摘がございましたように、電子経済産業省構想とか特許庁の特許事務の機械化、この二事業にモデル事業として予算計上しているところでございまして、大いにこの制度を活用して政策実現のために我々努力をしていかなければならないというふうに思っております。
○小林温君 同じ質問を財務省に差し上げたいと思うんですが、私は、IT予算の関係でこの委員会でも何度か質問させていただきました。予算の柔軟化を是非図ってほしい、特に複数年度の予算というものに前向きに取り組んでいただきたいということを財務省にお願いをしてきたわけですが、一方、例えば憲法八十六条あるいは財政法の十二条で予算の単年度主義ということもしっかりと明記されているわけで、この辺のところが今まで壁になってきたわけでございます。しかし、このモデル事業の取組というのは、ある意味では一つの成果として私は評価をしていいだろうと思います。 そこで、査定当局として、今、経産省側からもお話がございました、モデル事業導入の初年度においてどのような意義があったか、また来年度以降の予算においてこのモデル事業をどう生かしていくかということについて、財務省さんからお答えいただければと思います。
○大臣政務官(山下英利君) 小林委員御指摘のとおり、今回のモデル事業、正に財政の効率化、そして柔軟性を持たせるという意味で一つの大きなテストといいますか試行であると、そのように思っているところであります。 モデル事業につきましては、限られた財政資金を本当に効率的に活用する観点から、プラン・ドゥー・チェック・アクションと言われますいわゆる考え方に基づきまして、定量的な成果目標を定めまして、事後にその目標達成の状況を厳格に評価してまいります。そしてその上で、目標の効率的な達成のための、事業の性格に応じて、予算執行を弾力化していく、その効率化の、効果を予算に反映させていくと、そういった趣旨のものでございます。 十六年度の予算におきましては、十の事業につきまして、モデル事業としてこれを試行的に導入することといたしております。複数年度にわたるモデル事業につきましては、国庫債務負担行為等の活用によりまして、複数年度にわたる予算執行に支障のないようにいたしているところでございます。 十六年度の予算では、この十の事業につきまして、それらの政策目標が行政サービスの質の向上など、いわゆる成果に着目した定量的な目標であるか等の観点から検討を踏まえて試行的導入を図ったところでありますけれども、今回の経験を踏まえまして、予算の効率化に向けた効果を見極めながら、今後とも、歳出改革を推進する観点からより良い予算手法の構築に努めてまいるつもりでございます。
○小林温君 今、政務官からもお話がありましたように、国庫債務負担行為、繰越明許という複数年度予算の方法というのは今までもあったわけですが、なかなか要求官庁側からするとハードルが高くて使いこなせなかったということがあって、今回、このモデル事業というものを是非切り口にして、更に予算の柔軟化というものにお取り組みをいただければ有り難いというふうに思います。 少し今回のこのモデル事業の中身について、その特許庁の特許事務システムを例に触れたいと思うんですが、特許庁は、システムを開発して管理してきた企業、いわゆるシステムベンダーとの間にデータ通信役務サービス契約というものを締結して、ベンダーがシステムを開発して保有をする、特許庁は使用料を払うという、こういう仕組みで今までシステムの維持管理を、開発も含めて行ってきたわけですが、これだと、毎年、制度変更に伴って例えばシステムの開発あるいはコスト負担が発生した場合に未償却残高、これは、いわゆる残債と呼ばれる隠れた債務を特許庁は負うという結果になってきたわけでございます。 今回のこのモデル事業の取組の中で、特許庁は、来年度、他省に先駆けてこのいわゆる残債を一括償還するためにこの特許事務の機械化予算、十五年度は二百八十億だったものを十六年度予算案では五百二十九億計上しているわけです。これは、先ほど、十のモデル事業、七百億の中の五百二十九億でございますからかなりの部分を占めるわけでございますが、これは、私、大変画期的なことだろうというふうに思います、この残債の処理に取り組んでいただいたと。 これは、特許庁並びに財務省さんにも、こういう取組をしていただいたことに敬意を表したいと思うわけでございますが、この経緯と予算増額に関する基本的な考え方について特許庁からお考えをいただければと思います。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 特許行政のIT化につきましては、昭和五十九年からペーパーレス計画ということで積極的に取り組んでまいりました。これによりまして、特許行政の効率化、出願人の利便性の向上ということで頑張ってきたわけでございますが、このうち、出願の受付のシステムなどの非常に基幹的なシステムにつきましては、平成二年度以降、いわゆるデータ通信サービス契約ということで、先生御指摘の形で行っております。このデータ通信サービス契約につきましては、先生が主要メンバーをなさっておられます自民党のe―Japan特命委員会からも、この脱却を図るように御指摘を受けてきたところでございます。 特許庁といたしましては、このような御指摘なども踏まえまして、昨年、外部の専門監査法人を用いまして徹底的なシステム監査を実施したところでございます。その結果、価格はおおむね妥当でありますけれども、調達方法の見直しによってコストの低減の余地があるというような監査結果をちょうだいしまして、これを踏まえて、今回、システム開発費用の残額でございますいわゆる残債を一括して支払いましてデータ通信サービス契約から脱却するということで、御指摘の残額二百七十七億円を含みます五百二十九億円を予算として計上したところでございます。 このいわゆる残債の一括返済によりまして、支払によりまして、特許庁が情報システムソフトウエアの著作権を持つことになります。この結果、特許の審査迅速化に向けましてより効率的なシステム開発を実施することが可能になるかなというふうに思っておりますし、また今後、いわゆる残債を払った後、WTOの政府調達ルールにのっとって入札準備を行い、平成十七年度から競争入札による調達を実現してまいりたいと、このように思っております。
○小林温君 今お話ありましたように、党の方で、我々、こういう古い大きなシステム、レガシーシステムと名付けて、これからの脱却ということをお願いをしてきたわけでございますが、今回の特許庁の改革というのは大変各省庁を始めとして関係者も注目をするところだろうと思います。 こうしていわゆる残債を一括して支払った結果、どういうコスト削減効果が見込まれるか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 データ通信サービス契約のいわゆる残債を一括して支払いますと、レガシーシステムというものから脱却するということになりますと、この残額に掛かります金利負担が二十億円、これを節約することができるというふうに考えております。 また、今後、先ほど申しましたように、競争入札方式に移行いたしますと、その調達コストが削減されるというふうに私ども期待しておりますし、考えております。
○小林温君 これは最初の取組でございます。是非これを他省庁にもまだ存在するレガシーシステムに広げていただきたいと思うわけでございますが、先ほど来申し上げているように、財務省さんに今回踏み込んでいただいたわけです。そして、他の省庁でいまだ存在している大きな古いレガシーシステムについても、今後それぞれ刷新可能性調査というものが行われて業務の内容あるいはシステムの見直しを行うわけですが、こういう点について、各省庁から仮に要求があれば、この残債の一括償却というものについては財務省さんとしてはしっかり前向きに取り組んでいただけますでしょうか。
○大臣政務官(山下英利君) 小林委員にお答えを申し上げます。 これは昨年の七月に取りまとめられました電子政府構築計画におきまして、簡素で効率的な政府を実現するための、いわゆるレガシーシステムにつきまして各府省で見直しに向けた行動計画が策定をされているところでございます。各府省におきまして、この行動計画に沿いまして、近年の情報通信技術の進歩を踏まえて、システムの開発、運用に掛かる全体のコスト、これを引き下げることが可能かどうかという判断をするための刷新可能性調査というものが順次行われることになっているというところでございます。いわゆる契約というものにつきましてのこれからの在り方というところが大きい問題であるなと思っているところであります。 財務省といたしましても、この各府省の業務見直し等を含めたコスト縮減に向けたこの取組を積極的に促すとともに、各府省における検討結果を踏まえまして、限られた財政資金の中で運用に対しての予算の効率化に最大限努めてまいりたいと、そのように思っております。
○小林温君 中央の省庁あるいは地方自治体あるいは特別会計の対象においても、二兆円とも言われるようなシステム予算があるわけでございますので、それぞれにおいてこういう取組をしていただければ歳出改革の成果というものはかなり期待できるんじゃないかと思いますので、是非引き続き財務省さんにはお取組をお願いをしたいと思います。 次に、情報関係のセキュリティーについてお伺いをしたいと思うんですが、コンピューターウイルスが多発をしております。私も今日、朝、自分のパソコンを開きましたら、四十七通のメールが、ホームページで自分で公開している方のアドレスでございますが、入っておりまして、皆さんもそういう経験をされているんだろうと思います。それから、今年に入ってから、大手のプロバイダーあるいは大手の通販業者からの個人情報の流出事件等も大きく報道されているわけでございます。 情報をいかに守るか、例えばデータや情報システム、それからネットワークを正当な利用者が必要なときに利用できるように完全な状態で保つ、これが情報セキュリティーの定義だと思いますが、これは安全で安心な社会をIT化の中で実現していくためには大変重要なことだというふうに思います。また、サイバーテロという言葉もありますように、国民生活や社会経済に深刻な被害を与える可能性もこの情報セキュリティーの扱いによってはあるわけでございます。 そこで、現在、政府においてはこの情報セキュリティーについての取組、どういう体制で行っているか。人数はどのぐらいか、だれが指揮権を持っているのか、それを諸外国と比較した場合にどうなのかということについて、これは内閣官房からお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(堀内文隆君) お答えをいたします。 御質問の政府における情報セキュリティー体制につきましては、IT戦略本部の下に、内閣官房副長官を議長とし内閣危機管理監を副議長とします情報セキュリティ対策推進会議が設置され、関係行政機関が一体となった情報セキュリティー対策を推進しております。 また、この推進会議の事務局として、内閣官房に情報セキュリティ対策推進室が設置され、関係省庁の協力を得つつ、官民における情報セキュリティー対策を推進するための企画立案及び総合調整を行っているところでございます。情報セキュリティ対策推進室の体制につきましては、現在常勤九名、非常勤二十七名でございます。 諸外国の情報セキュリティー担当部署の体制を見ますと、例えば米国は約六十名、英国は約三百名、フランスは約九十名であると承知しておりますが、これらの各国と比較しまして、我が国の情報セキュリティー体制は必ずしも十分ではないと認識をしております。 政府といたしましては、先般策定されましたe―Japan戦略Ⅱ加速化パッケージ、これにも掲げられておりますように、今後、内閣官房を含めた政府の情報セキュリティー体制の段階的かつ速やかな強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小林温君 今、情報セキュリティ対策推進室、常勤九名というお話、他国との比較もしていただいたわけですが、アメリカなんかの取組を見ていると、今数字を挙げていただいた以外にもいろんな部署が、例えば国土保全省等も含めてこの情報セキュリティーにかかわっているわけで、是非、まず責任者を決めていただいて、本当に何かが起きたときに対応できる体制を取っていただきたいと思います。 今年度の予算案の中でも、どうも満足な予算付けが行われていないなという感想も私持っておりますし、この点については、例えば省庁間の縦割りということも実は散見される、あるいは報道もされているというところでございます。 ところで、民間の重要インフラですね、例えば電力でありますとかガスでありますとか運輸、ここは公的な情報システムに次いで非常に重要な部分だと思うんですが、政府は民間による重要インフラのセキュリティー対策をどのように把握しておるか。また、仮にサイバーテロ等によって重要インフラの情報システムにシステム障害が起きたときに、政府の危機管理体制はどういうふうになっているか、お答えをいただけますでしょうか。
○政府参考人(堀内文隆君) お答えをいたします。 電力、ガス、公共交通、情報通信、金融などの重要インフラの情報セキュリティーを確保するため、政府におきましては、平成十二年十二月の情報セキュリティ対策推進会議において策定されました重要インフラのサイバーテロ対策に係る特別行動計画、これに基づきまして、内閣官房を中心とした関係省庁と各重要インフラ事業者との連絡連携体制を確立し、被害の予防や緊急対処に必要な情報の共有などを行っているところでございます。万一、重要インフラの基幹を成す情報システムに重大な障害が発生した場合や、これらのシステムに対する攻撃やその予兆が検知された場合には、先ほど申し上げました官民の連絡連携体制に基づき、所管省庁を通じて内閣官房に情報が集約されることになっております。 内閣官房及び所管省庁では、これらの情報を基に、各事業者に対する指示、助言等を行うほか、重要インフラの情報システムの被害によって国民生活に影響が生じるおそれがある場合には、国民に対し迅速かつ適切な情報の提供を行うこととしております。 政府といたしましては、今後とも、国民生活や国民経済の基盤となる重要インフラの情報システムのセキュリティーを確保するために万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○小林温君 今、国際情勢不透明な中で、テロの可能性というものも言われているわけでございますので、政府、そしてこの重要インフラについての情報セキュリティーの取組、是非よろしくお願いしたいと思います。 そこで、総務省さんにお尋ねをしたいんですが、三位一体改革が今進められている、それから市町村合併も進んでいるわけで、地方公共団体を取り巻く枠組みが今大きく変化しているわけです。その中で、いかに情報セキュリティーを各自治体が確保をして、そして電子自治体というものを推進していくか、その取組についてお答えをいただければと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。 総務省といたしましては、電子政府とともに電子自治体を推進しておりまして、この電子自治体を推進するに当たっては、先生も御指摘のとおり、十分なセキュリティー対策が講じられることが不可欠であるというふうに考えております。 そのため、まず各地方公共団体に情報セキュリティーポリシーというものを作っていただくと。これで、そのセキュリティーポリシーを作っていただいて、組織的かつ総合的に情報セキュリティー対策を講じていただくというのが一点でございます。二点目は、このセキュリティーポリシーを作っただけでは駄目でありまして、これが有効に機能しているかどうか、それから改善すべき点がないかという観点からの情報セキュリティー監査を実施していただくというふうに要請しておるところでございます。 総務省としましては、こうした地方公共団体における取組を支援するため、このセキュリティーポリシーとその監査に関するガイドラインをお示しするとともに、情報セキュリティー対策のための必要な地方財政措置を講じているところでございます。なお、規模の小さい地方公共団体におかれては、独自でこういう情報システムを運営するとかセキュリティー対策を十分講ずるというのは難しい面もございますので、この自治体、電子自治体の構築のために必要となる情報システムを共同で整備運営する共同アウトソーシング事業というのを私ども積極的に推進しているところでございます。 このように電子自治体の構築に向けた取組が本格化していくことから、この地方公共団体の情報セキュリティー対策が一層強化されますよう、更なる支援に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○小林温君 こういう情報セキュリティーに対する攻撃というのは脆弱なところをねらうのが常でございますので、今の自治体の枠組みが変わる中で、是非その辺の対応をお願いしたいと思います。 そこで、民間部門の情報セキュリティー対策について責任をお持ちの経済産業省さんとして、どういった政策の推進に取り組んでおられるかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 情報セキュリティーというのは極めて大事であると同時に、この中に入ってくることをどうやって防いでいったらいいのかと。いわゆるのぞき見あるいはデータの改ざん、あるいは成り済ましといったようなものに対して残念ながら追っ掛けっこみたいな状況が現実だろうと思っております。 そういう中で、経済産業省としては、寺島実郎三井物産戦略研究所所長に数年間にわたってこの問題に取り組んでいただきまして、そもそもセキュリティーに絶対はなく、事故は必ず起きるものだという一つの前提の下で、しかしそうはいっても、これは日本の民間もあるいはプライバシーも、官も含めて最善の努力をしなければいけないということでございますから、ある意味では情報の追っ掛けっこ、あるいはまた、それ以前に、情報が漏れるということは何もIT社会以前の問題として、きちっとしたモラルというものが必要であると思いますし、また、それに反すればきちっとしたそれに対する処罰も含めた対応というものも当然考えなければいけないというふうに思っております。 そういう意味で、何かが起こってからばたばたということがここのところ続いておるわけでありますけれども、とにかく官民一体となってあらゆるノウハウを結集してこういう情報セキュリティー、特にITセキュリティーといった問題は、今、小林委員も、朝起きたら何かいろんなメールがわっと入っていたという状況の中には、ひょっとしたらということにもなりかねませんので、そういうことがないように官民一体で、政府もちろん一丸となってこの問題に取り組んでいかなければならない最重要課題だろうというふうに考えております。
○小林温君 今、大臣のお話にもございましたが、セキュリティーに対する意識がやはり日本の場合、まだ希薄だということも事実だと思いますし、そのセキュリティーというもの、それぞれの情報をどう位置付けて、それをどう守っていくかという、こういう文化を根付かせていかなければならないということがOECDのガイドライン等でも明記されているわけでございますので、是非、今後ともその取組については積極的にお願いをしたいと思います。 話が全く変わりますが、FTAの質問をさせていただきたいと思います。 中川大臣にも御苦労いただきまして、メキシコとのFTA交渉は大筋合意に達したわけでございます。これは是非評価をさせていただきたいと思うわけでございますが、今後、年内にアジア各国との交渉にも結論を出していかなければならない。 その中で、人材の流動化、これが幾つかの国から大きなテーマとして提案をされているわけでございますが、この点について今後のFTAあるいは経済連携交渉の中でどう位置付けていかれるか、経済産業省のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中川昭一君) メキシコとは、委員御指摘のとおり、世界で十番目のある意味では経済的に大きな国ということになっておりますけれども、そこと貿易あるいは投資を中心に実質合意ということになりましたが、お隣の東アジア、韓国あるいはASEAN三か国とはより密接な、幅広といいましょうか、いろんなレベルでの交流というものを先方も望んでおりますし、また我々も、協議を通じて国益上プラスになるということになれば、これはやっていくということも十分交渉の中で進めていかなければならないと思っております。 そういう意味で、日本にとっては今度は人の問題という、今御指摘のとおりでございまして、新たな問題についてどういうふうにやっていけばお互いにメリットがあるのか、また考えられるデメリットはどういうことなのかということも深めて、ここ、今年、来年とじっくりと考えて、向こうにとってもメリットがある、また日本にとってもメリットがあるということはどういう部門なのかということを、まだ交渉が始まったばかりでございますから、双方、胸を開いてじっくりと交渉をして、お互いにいわゆるウイン・ウインの関係でFTAの交渉を進めていきたいというふうに考えております。
○小林温君 時間も来たようでございますが、最後にお願いをさせていただきたいと思いますが、中国が取組においては先行しているという雰囲気もあるわけでございますが、やはり中国、まだ発展途上国でございますので、中国が主導で例えばASEAN諸国とFTA、EPAを結んだとしても、これはやっぱり関税撤廃の域を超えるような質の高い経済連携にならないと思います。そういう意味においては、やはり将来の東アジアの自由貿易圏を質の高いものにしていくためには日本のリーダーシップというものが求められているんだろうと思います。 そういう覚悟で是非大臣には今後の交渉にも臨んでいただきたいと思うのと同時に、メキシコも農水、外務、そして経産と三閣僚がおそろいでございました。これがアジアになるとまた法務省あるいは厚生労働省、五閣僚がそろうような結果になるかと思うんですが、ここはしっかり専任の大臣を置くなり専任の体制をしくなりということをやっぱり積極的に進めていただくことがあえて必要だということをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎でございます。 まず、最初に大臣に、昨日の日経にも出ておりましたけれども、新産業戦略というのを打ち出されておられます。燃料電池、ロボット、情報家電、バイオテクノロジー、環境、コンテンツ、ナノテクノロジーという七つの産業分野を取り上げておられるわけでございます。 この七つの産業分野の技術開発の目標、また市場規模、雇用規模、GDPへの押し上げ効果等、どういうふうに考えておられるか、また支援策としてどういう支援策を考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) まだこれは、昨日、経済財政諮問会議で私から総理に中間報告という形で御報告をしたわけでございますが、骨格は、今、福島議員御指摘のとおりでございまして、先端分野、日本がこれから世界の中でリーディング産業としてやっていく分野、そしてまた、と同時に、日本の北海道から九州、沖縄に至る地方とか、あるいはまた中小企業、あるいはこれからゼロから始めていこうという企業に対しての一つの大きなインセンティブを与えたいということも含めまして、今やっているところでございます。 そういう意味で、今御指摘のそれぞれについては日本が先頭を切っていくんだと、そしてそれは日本国民のみならず世界の人々にとってもプラスになるんだということで、今、骨格を出し、大体、五月、六月ぐらいには最終的に具体的な数字等も含めてお示しできると思いますけれども、御必要であれば、今の段階でどういうふうな経済規模あるいは波及効果等を、まだ事務的な専門作業をやっている最中でございますけれども、御要望であればお答えさせますが。
○福島啓史郎君 今、試算中だということで、後日お伺いするとして、私は、経済産業省がリーディング産業を設定し、それを振興する、育成していくという、そういう産業政策を改めて始められたということは私は評価したいと。これは先日、大臣の所信表明に対する質疑においても申し上げたところでございます。ただ、そのやり方につきましては、かつての六〇年代、七〇年代とは違ったやり方を取るべきだろうというふうに思っております。 その違ったやり方といいますのは、一つは、この核となります技術開発の目標、技術研究開発の目標を設定し、併せてそれを前提とした規格、基準を作るということ。それを明らかにし、かつ、かつてのような研究開発組合といったようなカルテル体質ではなくて、それを設定して、あとは競争によって、市場競争によって促進さしていくという、そういった産業政策を講ずべきだと考えるわけでございますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 私も福島委員のお考えと基本的に同じでございまして、明治の初め、あるいは戦後のように国家としてこういうものをやるべきだと。食料だとか鉄鋼だとか石炭だとか、いわゆる傾斜生産方式にわっとやるということもある意味では一部必要だと思います。というのは、研究開発費に物すごいある意味ではお金が掛かる分野もございますから。 と同時に、何といいましょうか、御承知のように最低資本金以下でベンチャーでやるとか、大学発でベンチャーでやりたいとか、そういうところに対して、第二の何とか世界的な企業を起こすというのは、スタートは決してそういう状況ではなかった企業もあるわけでございますから、そういう意味で、国家戦略として応援できる部門。それから、大学発ベンチャー、あるいは極端にいえば、資本金一円からスタートする企業を含めて、あらゆるところからみんなで切磋琢磨して競争してやっていく、その土俵、環境を我々が、例えば税制の問題とか研究開発の問題とか、そういうところを含めてあらゆる形で応援をしたい。主役はあくまでも意欲ある事業者であるという位置付けでこの問題に取り組んでいきたいと思っております。
○福島啓史郎君 是非その方針で取り組んでいただきたいと思います。 景気が回復の兆しが見えてきているわけでございます。今申し上げました産業政策と並んで金融政策が重要だと考えます。その中心は資金供給の増大、これを継続していくということだと。これは先ほど、先日の予算委員会で申し上げたわけでございますが、今回は個別な問題についてお聞きしたいと思います。 まず、足利銀行の問題でございます。昨日、簗宇都宮商工会議所会頭を参考人として来ていただきまして、いろんな実情等をお聞きしたわけでございます。足利銀行は、県内の貸出しシェアが五二%、また貸出し先といいますか取引先が二十一万先ということで、非常に県内のウエートは高い銀行でございます。県民の再生への希望は強いわけでございます。 今、国有化されております足利銀行の再生につきましてどのような対応を考えておられるのか、その再生についての金融庁の考え方をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 御説明申し上げます。 足利銀行におきましては、今年の二月六日に新経営陣の下で策定、公表されました経営に関する計画というものがございます。この計画に沿いまして、銀行の健全化に向けた経営改革を進める、同時に債務者企業の再生などに積極的に取り組む、こういうことでこの足利銀行の企業価値を向上をさせた上で受皿に引き継いでいきたい、こういう考え方でやることに、実行していくことにしております。 この経営に関する計画におきましては、債務者企業の再生について、まずは客観性を重視した厳格な自己査定を行う。これを踏まえた上で、この自己査定結果を一律的に適用するのではなくて、経営者の、その債務者の経営者の改善意欲あるいは経営動態、こうした定性的な側面というものを重視して企業の再生可能性を判断をするということにしております。 この再生可能性が高いと認められます企業については、あらゆる企業再生手法を想定するということで、個々の企業に合った方法で再生を図りたい。具体的に申しますと、産業再生機構あるいは整理回収機構、中小企業再生支援協議会など、こういった機能を活用する、同時に、企業再生ファンドなど様々な手法の活用を検討して幅広い角度から中小企業等の再生を支援する、こういった考え方で企業再生に積極的に取り組むと、こういう計画になっております。
○福島啓史郎君 今言われたことを現実に実行していかなければならないわけでございます。 昨日も簗参考人は、一にも二にも三にもこの産業再生だと、企業再生だと、貸出し先の、言っておられたわけでございます。今、五味参考人が言われたように、やっぱりそのやる気だと思うんですね、基本的には、やる気。そのやる気のある経営者に対しましては、是非この再生への可能性を探っていただきたいと思うわけでございます。 そうした場合に、鬼怒川等の温泉旅館等の場合には、個別企業の対応のみならず、例えば共同運営会社などの共同的な対応を視野に入れた産業再生を考えることが重要だと思うわけでございます。これは昨日の簗参考人の発言にもあったところでございます。 また、金子大臣もタウンミーティング等の場で同様に、この共同運営会社のような構想を発言されたと承知しているわけでございますが、これらについての見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(江崎芳雄君) 機構が今現在、水面下でいろんな御相談を受け、いろんな御相談をしているかと思いますが、こういうこと、どういう検討なり交渉を行っておるのかということにつきましては、関係事業者の経営に多大の影響を与え、不測の事態を招きかねないということで、具体的には一切コメントをしないということになってございますので御了解をいただきたいと思います。 ただ、一般的な方針といたしましては、機構の支援決定は支援基準を満たす個々の事業者に対して行う、その際にどのようなスキームが最も個々の事業にとって再生が一番可能性が高いのかということを正にプロが詰めてまいります。 今、先生御指摘のようなフレームも含めまして、あらゆる可能性の中から最もいい戦略を選択をするということでございますので、御了解いただきたいと思います。
○福島啓史郎君 大臣の発言もあるわけでございますので、また地元でも共同的な対応ということを要請しておりますので、是非真摯に受け止めて対応していただきたいと思います。 それで、次にDDS、デット・デット・スワップについてお聞きしたいと思います。 先ほどの中小企業検査マニュアルの改訂によりまして、このDDSが加えられたわけでございます。その考え方及びその実績、また債務者区分の変更に加えての利点など、考え方をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中江公人君) お尋ねの点につきまして、まず今回、検査マニュアルの別冊にDDSへの対応を盛り込んだ理由について御説明をしたいと思います。 我が国の中小企業金融の実態を見ますと、資本調達手段が限られている中小企業におきましては、事業の基盤となっている資本的性格の資金をいわゆる根雪的な融資の形で調達していることが多いという実態がございます。このような中小企業金融の実態に着目をいたしまして、今回の検査マニュアルの別冊の改訂におきまして、金融機関が、借り手の経営改善計画の一環といたしましてデット・デット・スワップにより債権を資本的劣後ローンに転換をしている場合には、資産査定上の取扱いといたしまして、当該資本的劣後ローンを資本とみなすことができるということとしたところでございます。 それからもう一つお尋ねの点で、DDSを実施することによって債務者区分がどうなるのかという点でございますけれども、このようなDDSを実施した債務者につきましては、資産査定上、債務が資本に転換をされるということになりますので、バランスシートが改善をされるということがございます。さらに、合理的で実現可能性の高い経営改善計画と一体としてDDSが行われるということで、再建可能性が高まるということがございます。 こういったことから、債務者の信用リスクの状況が改善される場合が多いと考えられますので、そのような場合には、債務者区分の上位遷移、例えば要管理先の債権がその他要注意先に上位遷移をするということが可能になるというふうに考えているところでございます。
○福島啓史郎君 私は非常に中小企業の実態に合った改訂だと思います。惜しむらくは、もっと早くやってくれれば私は良かったと思うんです。 それで、現在の地域金融機関、地銀、第二地銀、また信金、信組合わせまして約七兆円を超える要管理先債権があるわけでございます。私は、このDDSを活用するなどしましてこの七兆円の要管理先債権をその総量を削減する、そういう総量削減作戦を金融庁はやるべきだと考えるわけでございます。大手は二年間で半減すると、地域金融機関についてはそれは少し延ばしているようでございますけれども、こういったいい手法があるわけでございますから、是非総量作戦をやっていただきたいと思うわけでございますが、金融庁の見解はいかがですか。
○政府参考人(五味廣文君) 中小地域金融機関のリレーションシップバンキングの機能強化、この進捗状況を見ますと、まだ集中改善期間、十五年度、十六年度始まって間もないわけですけれども、既にデット・エクイティー・スワップですとかDIPファイナンスですとか、こういった先進的な施策が一部の金融機関で行われています。また、DDSに関しましては、先ほど実績というお話ございましたが、これまでまだ一件でございますが、商工中金で一件、これは東京都の中小企業再生支援協議会と連携をするという形で実現の方向になっております。 地域金融機関でまだ実績がないんですけれども、これも第二地方銀行協会が二月にデット・エクイティー・スワップとコベナンツの活用に関する報告書を出しておりまして、このDDSを活用するという機運が非常に高まってきております。 不良債権の処理はDDS以外の方法、例えばさっき申しましたデット・エクイティー・スワップなどの方法もございますが、いろんな手法を総動員するということが基本になろうと思います。特に、要管理先債権につきましては、債務者によって様々なふさわしい手法というのはございますので、それを総動員して地域の経済の活性化、中小企業の再生を図り、結果として不良債権が減っていく、こういう形が基本になろうかと思います。 DDSにつきましては、もちろんそれがふさわしい債務者、つまり実現可能性の高い経営改善計画と一体的に行われるといったようなケースでは、これを積極的に活用するというのは金融機関にとっても合理性のある判断でございますので、私どもといたしましても、このDDS、ふさわしい場合には積極的に活用されるように金融機関ともよく話をしてまいりたいと思っております。
○福島啓史郎君 私は、このDDSは使えるんだろうと、使えるというふうに思っております。監督面また指導面で是非その活用を促し、この七兆円を超える要管理先債権の削減を達成していただきたいと思うわけでございます。 次に、公取委員長、竹島委員長に独禁法の改正状況につきまして御質問をいたしたいと思います。 まず第一に、この今回の独禁法改正の一つの大きなねらいになっております課徴金の引上げ、これにつきましては、学者等あるいは業界関係者等、罰金との関係を問題をしております。つまり、両方取るのは二重処罰に当たるという意見、また制裁金である課徴金という、この課徴金の性格論でございますが、罰金を、罰金相当額の半分を課徴金額から減額するということは、罰金と制裁金の関係をあいまいにしている、要するに両立するならば半減する必要がないわけでございますし、どちらか一本であれば正に一本にすべきだというふうに考えます。 したがって、私は、制裁である課徴金に一本化すべきだというふうに各種関係業界あるいは関係者の、学者等の意見もあるわけでございますが、この点についての公取委員長の御意見はいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 幾つかの点、御質問いただいたんですが、まず最初に申し上げたいのは、行政処分と刑事処分ということになるわけですが、公正取引委員会が行っておりますのはすべて行政処分でございまして、課徴金の命令も行政処分でございます。一方、同じ独禁法の中に、悪質で社会的に大変重大な影響を及ぼすというものにつきましては、公正取引委員会が専属告発権に基づいて告発をし、その結果、司法の場で刑事罰が科されると、こういうことになっておりまして、両方が併存しているということも事実でございます。 ただ、この問題を考えるときに大事なのは、日本における刑事司法というのはあくまでも個人が中心でございまして、個人がまず違法行為を働く、それが極めて悪質であるということが大前提でございまして、それが社員の場合には企業として監督責任等が問われて両罰規定によって企業に罰金が科されると、こういう仕組みになって運用もそうされておるわけでございます。 ただ、そういう中で、ただといいますか問題なのは、独禁法違反事件というのは典型的な企業犯罪でございまして、当然、社員が関与するわけでございまして、中には悪質な行為というものもあるわけでございまして告発に至りますけれども、圧倒的な事案というのは行政処分で済まされるというのが現実でございます。企業犯罪であって社員は正に黙々と前任者から引き継いでカルテル、談合をやっていましたと。そのこと自体、もちろん違法行為でございますけれども、それよりもむしろ企業としての犯罪行為という側面が非常に強いわけでございます。これを刑事処分ですべて処理をするというのは、今申し上げたような個人中心主義の日本の刑事司法の体系からいって、ミスマッチと言うと言い過ぎかもしれませんが、それは現実的ではないと。したがって、私どもは刑事処分にすべてを依存するわけにはいかない、行政処分でできることは行政処分できちんと対応するということが現実的に必要であるというふうに考えております。 そこで、じゃ現実的に課徴金を含めた今の独禁法のいわゆる措置体系というものが独禁法違反を思いとどまらせるに十分な抑止力を持っているのかということになるわけですが、残念ながら私どもはそうは思っておりません、見ておりません。その証拠に、いろいろ指名停止とかいろんなことも重なってあるわけでございますけれども、にもかかわらず独禁法違反事件というのは、増えることがあっても減ることはないという現実があります。したがって、きちんとした公正かつ自由な競争を日本の経済取引において定着させるためにも、独禁法違反事件というものは割に合わないものだというようなことに行政処分上もしていく必要があるという基本的認識に立っておりまして、そのために課徴金の引上げが一つ必要であるということでございます。 課徴金を引き上げると、従来の不当利得の剥奪といった説明からいたしますと、不当利得の剥奪以上の金銭的な要するに不利益を与えなけりゃいかぬということでございますので、課徴金の性格がより行政制裁ということになるということでございますけれども、そうはいいましても、さっきおっしゃったように、二重処罰、憲法の禁ずる二重処罰の禁止に当たるかということについては、基本的にはそれは当たらないと考えるのが法律家の、私は、見るところ、多数説ではないのかと。あくまでも目的も性格も違うと、やり方も違うということであって、制裁性を増した、また行政上の制裁と言い切ってもいい課徴金ということになりましても、罰金との関係で二重処罰にはならない、基本的に別なものであるというふうに思っておりますが、ただ、これから先はいろいろな議論がまだありまして、それはやはり実質的にどうなんだというような議論もあります。私どもは、基本論としては、今申し上げておるとおりで、それぞれ別問題であるから、併存してよろしいと。かつまた、圧倒的に課徴金だけで処罰が付くんであって、ごく少ないケースが悪質、重大だということで刑事告発されて、刑事罰も掛かると。 そういう確率的には低いケースにおいて両方が科されるということがあるわけでございまして、その場合に、ぎりぎり議論したときに、憲法の二重処罰の禁止規定に触れないようにするために、言ってみると、政策的判断も込めて調整規定を設けた方がいいだろうという議論をずっとしてまいりまして、その結果として、半分を、罰金も科されるようなケースの場合には罰金相当額の半分を課徴金から差っ引くという調整規定を設けたらいいんではないかという考え方に今なっているわけですが、その考え方は、刑事罰というものは、正に懲罰機能と同時に、予防効果といって、そういうことをしちゃいかぬのだということを抑止する機能もあるというふうに言われているわけでございまして、その抑止機能、予防効果という側面は行政処分の目的と共通するものがございますので、その機能を半分と考えまして、半分を差っ引くという考え方でございます。 以上申し上げて、御質問の二重処罰の問題、制裁金になるではないかという問題、それから半分の調整の問題、それから、いずれか一方にすべきではないかということは日本の体系では非現実的ではないのかということで答弁申し上げます。
○福島啓史郎君 網羅的な答弁であったわけですが、なかなか苦しい答弁、前後が矛盾する答弁されておられると思うんですね。つまり、両方併科するのが言わば原則だとすれば、半額を引くというのが私はおかしいと思います。その辺りは更に研究を進めていただきたいと思います。 それと、もう一つ、この課徴金の性格です。 制裁だと、それの色彩がより強くなったと言われたわけでございますが、今回、同時に、この累犯の場合の加算制度と、それから申告した場合に軽減措置と、加算・軽減措置を設けております。これは、私は、正に、この課徴金が不当利得の返還ということでなくなったと、つまり制裁金であったというふうに考えざるを得ない、もうそういうふうに割り切ったと、公正取引委員会としては割り切ったと考えるわけでございます。 そうしますと、私は、もう一つの大きな、この独禁法のもう一つの大きなねらいであります公正な取引を確保する、そのための、優越的地位の濫用につきましても制裁金としての課徴金が理論的には導入可能だというふうに考えるわけでございますが、これについてはいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のように、我々も、新しい課徴金は行政上の制裁であるということを法的な性格としてはっきりさせていこうという考え方でございます。したがって、一定期間の間に累犯、要するに何回もやると、複数回違反行為を働いたという者については加算をするという制度を導入したいと思っております。 一方で、措置減免制度、課徴金減免制度と申し上げてもいいんですが、これは減額をするわけですが、これは、要するに、カルテルや談合というのは正に密室で証拠も残さず行われるという特殊性を持っております。したがって、なかなか発見がしにくい、かつ疑わしきは罰せずでございますから、証拠がきちんとなければこれは立件できないという、当然のことでございますが、ことになっておる。したがって、いかに発見し、いかに証拠をきちんと我々が集めてそれを立件するかということが大事なわけでございます。 そういうこと、そういう点において、諸外国で既に導入されておって日本にはないという、リニエンシーと言うんですが、措置減免制度というのを是非入れる必要があると。一定の要件をあらかじめ明示しておきまして、それに該当する、要するに、当局が知らないうちとか立入検査する前に、企業として、一個人じゃなくて企業として自首をしてきた場合に、一番最初に来たものについては課徴金はゼロにしますと、刑事告発もいたしませんと、こういうことで減額をする。それ以降のものについてもしかるべき減額を設けると、こういうこと。これは、先生のおっしゃるとおり、課徴金が制裁金化するということとの平仄も合う話であるというふうに思っております。 三番目のお尋ねの、それでは優越的地位の濫用もこれ課徴金の対象にできるんではないかというお話で、これはもうかねてからいろいろ先生を含め、何とか優越的地位の濫用、不当廉売等についてもっと取り締まれと、罰則も設けよと、こういうお話をいただいて、私どもも今回の改正でそこは本当にいろいろ関係方面と前向きに議論いたしました。 残念ながら、優越的地位の濫用について直罰を設けるということについては構成要件を明確化する上で非常に難しいと。何となれば、優越的地位の濫用というのは、言わばA業者とB業者の間の相対的な関係でございまして、もう一律に何か律するということはできない。やっぱり個別個別で判断していかなきゃいかぬというものでございます。したがいまして、それについて直罰を設けるということは、これはやっぱり法制的にそれは無理だというのが専門家の御意見でございます。 私どもは、そういう意味で、直罰は今回はできないというふうに今判断せざるを得ない状況にございますが、ただ、こういった問題は今回の消費税の総額表示をめぐっても見られて、我々は今持っている手段でもって最大限やらせていただいているつもりですが、これからは、例えば大規模小売業者が納入業者、消費税の総額表示にかかわらず、納入業者に対して一方的な減額請求でありますとか、いろんな人材の派遣を強要するというような場合には、これは全部不公正な取引方法に当たるわけでございますが、こういったものについてはきちんと法的な措置を講じていきたいと。単なる注意とか勧告ではなくて、法的措置として排除命令を出して、排除命令に違反してまた同じことを繰り返した場合には、現行においても確定審決違反罪というのがございますので、これは、今、法人については三百万以下ということに安くなっておるんですが、今回の改正でこれを何億の、億のオーダーに上げて、それでそういう、言わば悪質な業者について確定審決違反罪が問えるようにすると、問えてかつきちんとした、間接的ではございますけれども審決違反罪ということで告発するというような方向で、御意見に少しでも前向きに対応していきたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 公正取引委員会として、消費税内税問題について本当に取り組んでおられると、これは、私はそれは評価したいと思います。それと同じように、私は日本経済の運営のルールだと思うんですね、公正な取引というのは。それを取り締まらない公取委というのは、それは私は意味がない。 したがって、今回の独禁法の改正におきまして、前回、委員長は、罰則か課徴金かと私の質問に対しまして、罰金の方がなじむんではないかというような答弁をされたというふうに記憶しているわけでございますが、私は今の議論をお聞きしますと、どうも課徴金の方がなじむと、それはなぜならば、課徴金を制裁金と割り切った以上、それはどういうレベルに制裁金を設定するかというのは、これは行政当局、公取委として詰めていただければ、法制度的また政策的にも、法律的、政策的にも、私は、優越的地位の濫用に対しまして課徴金を設定することはできると、またやるべきであるというふうに考えます。これは、引き続き議論していきたいというふうに思います。 最後の質問になりますけれども、この談合問題の背景には、ゼネコンの問題があります。これには、一つは、入札におきまして、例えば品質、性能を価格と同じように同等に評価する。また、過剰な供給を農林水産業や介護、福祉などの分野、あるいは海外、イラク等を含めた海外へ向けていくということを含めた供給過剰のゼネコンの供給の削減と、それから品質重視と入札ということを必要だと思いますが、これについては国交省、いかがでしょうか。
○政府参考人(門松武君) 公共事業の品質を確保しつつコスト縮減に努めるということは非常に重要なことでございまして、民間の優れた技術力をいかに有効に活用していくかということがポイントでございます。 このような観点から、国土交通省といたしましては、平成十一年度から、価格だけで落札者を決定するんではなくて、機能や性能といった品質も総合的に評価して落札者を決定いたします総合評価方式を導入したところでありまして、今年、十五年度には工事発注量、金額でございますが、約二割を目標に実施しているところでございます。あわせて、国だけじゃなくて地方公共団体もこういった方向に進んでほしいということで、事例集などを作成して普及に努めているところでございます。ただ、価格と品質の評価の重み付けでございますが、なかなか対等まで行ってございません。そういう方向で努力してまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、御指摘のように、価格のみによる競争から、価格と品質、企業の技術力を総合的に評価する方式の拡大に努めてまいりたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 以上です。
○広野ただし君 民主党・新緑風会の広野ただしです。 今日は、経済産業省関係全般に対する委嘱審査ということでございますが、まず大臣に、現下の経済情勢、昨日も実は地方経済あるいは中小企業関係ということで参考人から話を聞かしていただきまして、全国商工会連合会清家会長、大分県でいらっしゃいますが、そしてまた東京の産業再生支援協のマネジャーの方、そしてまた足利銀行関係で栃木県の、先ほど話もありましたが、商工会議所会頭また中小企業再生支援協の会長というところからもお話をお聞きしましたけれども、現在の経済情勢、確かに輸出、外需依存で輸出関連大手企業は一部良くなってきていると、こういうふうには思いますけれども、やはり地方経済と中小企業関係、非常にまだ厳しいものが続いていると、こういうふうに思っております。 まず、その現下の経済情勢についての大臣の見解を改めて伺います。
○国務大臣(中川昭一君) 委員御指摘のとおりでございまして、いわゆるミクロを見る立場の我々といたしましては、全体をぐっと牽引しているところが少しずつトータルの数字としては良くなってきていると。これは委員御指摘のとおり、輸出産業あるいはまた設備投資等々で全体を引っ張っているという状況だと思いますけれども、しかし、地域別あるいはまた業種別、あるいはまだ特に中小企業といった状況は依然として厳しいという認識を私は現在も持っているところでございます。 特に、最近になりまして、雇用のいろいろな統計を見てみますと、正規労働の方々と非正規労働の間で所得に関してかなりの二極化が進んでいるというようなデータもございますし、また北海道のような私の地域を始めとする九州あるいは関西、沖縄といった地域も出ておりますので、全体としてはこの流れを何とか民間を中心に全体に、全国津々浦々というふうにいけばいいんですけれども、少しでも広げていきたいというふうに思っておりますし、雇用状況、それから若年の失業者と有効求人倍率とのミスマッチの問題もちょっと私自身は気になっているところでございまして、依然として、回復基調という表現を使うには私はまだまだ、その言葉をまだ使うにはちょっと引っ掛かる部分があるなというのが率直なところでございます。
○広野ただし君 そこのところは全く認識を共通すると思います。 それに対して中小企業予算、先ほども御説明ありましたけれども、一般会計、特会等を加えますと二千億円に満たないわけです。千七、八百億円と、こういうところでありますが、中小企業は御承知のようにやはり日本経済の源でありますし、日本経済が発展するかどうかもやはり中小企業の力ということだと思うんですね。中小企業が将来中堅企業になり大企業になりというジャパンドリームというかジャパニーズドリームというものがやっぱりあって、そういうものが今まで日本経済を非常に発展させてきたということでありますが、私はこの二千億円弱という予算は明らかに少ないんじゃないかと。 ですから、私たち民主党は、七倍増にしなきゃ駄目だというくらいのそういう意気込みで予算を組まなきゃならないと、こう思っておるわけですが、大臣、その中小企業予算は足りないんじゃないですか。
○副大臣(坂本剛二君) 先生おっしゃいますように、我が国経済活性化のかぎを握っているのが中小企業でありまして、しかしながら、今現在非常に厳しい状況にも置かれております。 経済産業省としましては、この中小企業の活性化を図るために様々な施策を講じておりますが、まず一つは、中小企業金融セーフティーネット、これを質、量ともに今充実をさせていっております。それから、中小企業再生支援協議会の充実による再生支援の促進のための予算措置もしております。さらには、新規事業展開などで活路を見いだそうとしている経営意欲のある方に対して資金、人材、技術など各面から強力に支援をしていくという施策でございます。
○広野ただし君 まず、予算が足りないということを私は申し上げているわけです。そしてもう一つ、今、坂本副大臣おっしゃいましたけれども、全般的な中小企業金融ですね、政府関係機関じゃないですよ、全般的な金融措置でもどんどん減っているんですね。ここ数年前は三百四十兆ぐらいの融資残があったんです。ところが、今や三百兆を割りまして二百八十数兆の貸出し残になっているんです。明らかに五十数兆、六十兆円近く全般的には減っているんですよ。政府関係機関はそれをカバーしているかといいますと、大体横ばいあるいはちょっと増だけであって、ですから中小企業金融は全般的には物すごく厳しい事態になっているということなんです。 予算も足りない、また中小企業金融、これは全般ですよ、市中金融も全部含めて、金融も悪いと、こういうことですから、全般的に良くなるわけがないと、こういうふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○大臣政務官(菅義偉君) 全体とすれば委員のおっしゃるとおりでありますけれども、そういう中で、私どもとしましては、正に中小企業のニーズにこたえるための様々な施策展開、支援を全力を挙げて取り組んでおるところであります。 先ほど坂本副大臣の答弁にもありましたけれども、正にこの金融セーフネット対策、例えば具体的に申し上げますと、このセーフネット保証貸付けの積極的な活用でありますけれども、現在五十八万件、十兆七千億円の利用実績がありますし、さらに皆さんから御理解をいただいています借換え保証、現在は三十八万件、五兆七千億円の利用実績であります。 さらに、担保なしでお金を貸してほしいと、非常にこれ要望が強いものでありますから、例えば本年の四月から、国民金融公庫においては、創業する場合は五百五十万だったのを七百五十万に二百万拡大する、あるいは第三者保証なしの融資を一千万から一千五百万まで拡大をする。また中小公庫及び商工中金の創業、新事業向けの融資制度、これは若干の金利の上乗せはありますけれども、これも三千万までの融資を創設をする。さらに今国会におきまして、この無担保の無保証、こういう支援が行えるための法律も実はお願いをしておるところでありまして、私どもとしましては正に挙げてこうした中小企業の資金の円滑化のために全力で取り組んでまいりたいと思いますので、是非御理解と御協力をいただきたいと思います。
○広野ただし君 全般的に、やはり経済産業省は、ミクロのことも見ているけれどもマクロのことも見ている、そういう省だと思うんですね。ですから、全般的な金融措置、そしてまた予算措置というものはあるんだろうと思うんですね。 そういう中で、中小企業全体の金融が細っているという事実ですね。セーフティーネットは、確かに保証は初め三十兆円、しかしそれも返済を含めますと実際は十数兆に落ちていますよ。ですから、決して潤沢な金融措置が中小企業に行っているということではないんです。 しかも、セーフティーネットというのは、どっちかというと後ろ支えですよね。もっと前向きに、中小企業が発展するように、正に中小企業の潤滑油あるいは血液になるような、そういう金融措置あるいは予算措置というものを本格的にやらないと、先ほど大臣言われた地方経済あるいは中小企業に対する活力といいますか、そこが行き渡らないと思っておるわけですが、大臣に改めて伺います。
○国務大臣(中川昭一君) 全国に五百数十万社でございますか、もう大半が中小企業という中で、地域によって、また業種によっていろんな要素があるわけで、そういう中で、我々としては、あえて大きく分けますと、セーフティーネット的なあるいは借換え保証的なあるいは再生支援的な、もう少し頑張れというところと、それから、今これから意欲を持ってやりたいんだけれどもどういうふうにしたらいいですかというときの、いわゆる一円株式会社からを象徴的な、そういうところと、幾つかに仕分けていくということがあえて必要なのかなと。そうした場合に、あなたはこっちです、あなたはこっちですということはなかなか言えないんでしょうけれども、こういう状況。 そして、今委員御指摘のとおり、日本を支えているのは中小企業なんだと。今こそ頑張る人を応援するんだというときに、いろんなメニューを今国会でも御審議をいただくことになるわけでありますけれども、いろんなメニューでもって頑張っていこうというときに、借換え保証だとかセーフティーネット保証だとかいろんなメニューをも、いわゆる再生支援的な、再生ファンドも含めてこれからスタートしておりますし、そういう意味で、その中小企業、頑張りたい、頑張れるんだ、そのために力をかしてよというところにきめ細かいいろいろな中小企業支援対策というものを作っていくことが、我々にとって、今ニーズを求めている企業側にとってできるだけの支援ができる方法ではないかということでいろいろと御審議をいただきたいということでございます。
○広野ただし君 やはり、私は、明らかに中小企業予算が少ないと、もっと増やさなければならないというふうに思います。そうすることが、日本の経済を更に活力を持つ、そういうものになる、こういうふうに思っております。 そしてまた、現下の経済情勢、ある程度株価は戻ってまいりました。しかし、これはあくまで七千円台の底割れ的な危機的な状況からちょっと戻ってきただけであって、小泉内閣が発足の一万四千円台にはまだ遠く届かないと。これだけ、経済がある程度復活してきていると言っているのに、なぜ行かないのか。株価だけではないとは思いますけれども、やっぱり株価というのは先行指標ですから、なぜ上がらないのかと。 このところで、私は、やはり先行きについての不安がまだあるんだと。この景気回復がどれぐらい続くんだと、余り続かないんじゃないかと。オリンピックのときまで、あるいはアメリカ大統領選までというようなところはある程度行くかもしれないけれども、その後は見えないと。こういうやはり不安心理といいますか、先行き見通し感、不透明感というものが全部跳ね返ってきていてマーケットがそういうような評価をしているんではないかと、こう思うわけですが、今後の見通しについて、国内の見通し、あるいは外需、外国の、特にアメリカ、中国、欧州といったようなという大まかなところに分けてどういうふうに見ておられるか、大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(坂本剛二君) 御承知のように、設備投資や貿易で非常に活発になっていますが、消費の面が少し、内需が進みません。雇用の問題とかあるいは所得の問題とか地域経済、中小企業にはまだまだ陰りが見えるわけでして、この辺は注意して見ていかなきゃならぬなと思っているところでございます。 また、アメリカ経済、それからアジア経済、これが非常に活発になってきております。そういう面では、幾分その影響を受けながら雇用や所得の面で流れが出てくるかなと、そうすることによって家計にも若干のゆとりが出てくるのかなと、こんな見方はできるかと思います。十六年度の政府の経済見通しは、名目成長率が〇・五%程度、実質成長率で一・八%程度の見通しを立てておるところでございます。ただ、先ほども述べましたように、現在の景気は輸出に支えられている面が大きいわけですから、海外経済の動向が我が国に与える影響は非常に大きいと考えております。引き続き、その動向を十分注視しながら対処してまいりたいと思っております。
○広野ただし君 もう一つ、本当に盛り上がってくる、そういう経済回復にはやはりなっていないんだと思いますし、それが株価にも反映していると、こういうふうに思っておりますが、もう一つ、この間も大臣にもお伺いしたんですが、デフレ不況と、こう言われたわけですね。そのデフレ不況から、まず、今どうなっているんでしょうか。脱出してきているんでしょうか、どうでしょうか、大臣について伺います。
○国務大臣(中川昭一君) トータルとしての経済の見方はもう既に政府としても言っておりますが、デフレという状態は依然として続いていると思います。その根拠は、やっぱり実質成長率と名目成長率とのいわゆるデフレーターのギャップの問題、これがやっぱり象徴的だろうと私は考えています。
○広野ただし君 それで、そのデフレ不況をどうやって克服できるのかということだと思いますが、この間もお聞きしたんですが、対内的な要因と対外的な要因と、こういうことがいろいろと重なってこのデフレ不況からまだなかなか脱却できないと、こういうことだと思うんですけれども、もう一つ、国内空洞化の問題ですね。 海外、対外にばっかり投資が出ていって、国内の方に投資が行われないと。こういうことによって、結局、海外には投資が行われ、仕事が落ちる、あるいは雇用が増えると、そしてまた、そちらで税収が上がってくると。ところが、国内はそこが、それが抜けちゃうわけですから、そしてまた、それがブーメラン効果のようになって輸入に跳ね返ってくると。こういうことになりますと、国内空洞化対策、ここに何か抜本的なことをしないと、本当にこの不況から脱出できるんだろうかと、こういうような懸念を持つわけです。 ところで、この対外投資ですね、対外投資で製造業が、特に海外生産比率というものがどんどん上がってきていて、日本ももう既にこの製造業においては一七、八パーですか、ぐらいにまで上がってきております。そしてまた、物によっては、輸送機械なんかもう急激に上がって、四割近くまで海外生産比率、上がっていると。電気機械でももう三割を超すと、こういう形になってきているんですね。そういう、日本の経済を引っ張っている自動車ですとかあるいは電子・電気機械関係ですね、そこの海外生産比率がこんなに高くなってきているということについて、大臣はどういうふうに思っておられますか。
○国務大臣(中川昭一君) もちろん、日本をといいましょうか、ある意味では世界を引っ張っております自動車、あるいはIT産業、家電等、これが非常に生産が順調であるということ、これはトータルとしてはいいことだろうと思いますけれども、特に今、委員と私との共通認識であります、中小企業、地方という観点からいうと、いわゆる産業の空洞化になりかねない、一部はそういうことにもなっているんだろうと思っております。 このデフレの問題をどういうふうに考えたらいいのかというのは、私も専門家じゃございませんからよく分かりませんけれども、海外に企業が出ていくと、こういうこと、これはあえていい悪いの判断は申し上げませんけれども、一つの企業のビヘービアなんだろうと思います。それを無理やり首に縄付けて、行くなということもなかなか日本ではできないわけでございますけれども。一つの数字としてはGNPという、ちょっと最近は余り聞きませんけれども、GDPじゃなくてGNPの受取額約九兆円、これはまた、名目の方がまた少ないという正にデフレなんですけれども、GDPの数字で見ると、やっぱり九兆円の海外からの受取が多いということを考えると、これをもってGDP、GNPの関係がまたどういうふうに見たらいいのかという、また私には分からない難しい問題が出てくるんでありますけれども。 いずれにしても、資源を輸入し、そして国民の知恵と技術で世界に物や技術やサービスを輸出している日本として、この原材料高という問題も一つ最近大きな問題になってきておりますし、またいいものを作って価格が下がっていくという価格性能という一つの動きというものも、これはデフレとは関係ないのかもしれませんけれども、デフレ的な分類になってしまうわけでございますから、本当に我々としてもどうしていいかということで、二週間ほど前に輸入原材料の省内での調査チーム、連絡会議というのを作って、これは迅速に対応しなければいけないと思っておりますので、鋭意省内でやっているところでございまして、早急にこれを何らかの方向性、やっぱり業種によっても少しずつ違いますので、対応を出していかなければいけないと考えております。
○広野ただし君 やはり日本として、大事な産業、製造業、そういう中で、余りにも外に出過ぎるということは、私はやっぱりある程度考えなきゃならないんじゃないかと思います。そこがどこの線が、どこいらが適切なのか。 確かに、投資と、海外投資というのは経済協力関係を密にしますし、また相手国の発展にも寄与しますから、また別の、経済協力関係では非常に大事なものではありますけれども、じゃ逆に、日本国内が空洞化していった場合にはどうなるのかと。 だから、どっかで、例えば五〇%を超しちゃいますと、これは本当に中に、本当に空洞化してしまうというような、その線がどこなのか分からないんですけれども、やっぱり野方図に自然に任しておけばいいと、こういうものではないんではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、世界に進出する日本企業ということがある一方で、小泉内閣としては、世界から投資あるいはまたサービスの面、観光客を誘致しようということで、五年間で対日直接投資を二倍にしようと、もっと日本にも投資をしてください。でも、今のままではなかなか難しいことがあるかもしれませんけれども、どうやったら世界じゅうから観光客あるいはビジネス、投資といったところも含めてやっていくということで、ただ行くのをけしからぬと言っているだけではなくて、どうぞ世界からも日本へ投資をしてください、世界じゅうから日本を訪問してくださいということも一生懸命今やっているところでございます。
○広野ただし君 私も、行くのはけしからぬと言っているわけじゃないんです。先ほど申しましたように、相手国をも発展させて相互に共存共栄の道を取るという意味では、ある程度のところは大事だと。だけれども、そこにもうおのずと何か日本で持たなきゃならない産業というものを考えたときに、やはりしっかりとした戦略を持ってやっていかなきゃいけないんじゃなかろうかと、こういうことをお話ししているわけです。 そしてまた、先ほども福島委員からもありましたけれども、FTAの問題ですね。このことは、経済産業省としては、ただ中立的な考え方でやっておられるのか、やはり積極的に共存共栄の道を求めるために大いにやっていこうと、こういうふうに思っておられるのか。その、確かに、メキシコとの間で、またシンガポールの間でまとめてこられましたが、それをどういうふうに今後やろうとしておられるのか、そこの戦略をちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 日本は、もとよりエネルギー資源あるいはその他いわゆる鉱物資源、それから食料も大半が輸入でございますから、そういう中で一億二千数百万の国民が豊かで平和に暮らしていくためには世界と仲良くをし、そして世界の国々と貿易をしていくことが、ある意味では日本に与えられた唯一にしてベストの道だろうというふうに考えております。 そういう中で、メキシコ、そしてまた今、東アジアの国々とも政府間交渉をやっておりますけれども、何も日本だけが独り勝ちしようなんということは毛頭考えておりません。一対一の関係において、これが、お互いに譲るところは譲って、そしてお互いに交渉をした結果、一対一の、FTAに限らず、今後ASEANなんかも出てくるわけでございますけれども、それによってお互いの国がハッピーになっていくことが、これは日本にとっても幸せなことでございますし、相手国にとっても幸せだろうと思いますので、今鋭意各国と交渉をやっているところでございます。
○広野ただし君 そのときに、まず推進本部というものができたようでありますけれども、その体制の問題も必要でしょうし、もう一つ、私は、必ずやはり農産品ですとか農業の問題とか、そういうこととも非常に絡むことだと思うんですね。そのときに、私は無手勝では簡単にはFTAはやれないんじゃないかと思っております。簡単に言えば、角栄さんのような考え方ですね。 あの繊維のときに、日米繊維交渉のときにもありましたけれども、何らかの形で日本の被害を受けるところにきちっとした予算措置をするということ、あるいは農業関係で守らなきゃいけないというところで、被害を受けそうなところにはちゃんとした所得補償なり救済措置を講ずるという何らかの予算措置というものがないと、本当にFTAを結ぶということはなかなか難しいんじゃないかと。ところが、経済産業省予算にはそういうものがのっかっていないと。 こういうところについて、大臣、いかがですか。
○国務大臣(中川昭一君) 冒頭申し上げましたように、日本にとっていわゆるセンシティブな分野がございますし、相手国にもあるわけでございますから、この一年数か月交渉してきてお互いにそういうところが分かってきて、そしてしかも十五か月も交渉していますと、ある意味ではその交渉する上での信頼関係、とにかくまとめようと。そのために、最大限譲るところは譲り、また譲ってもらうところは譲ってもらうということでやってきたわけでございますから、それによって大筋合意ということになったわけでございますけれども、今後の、まだ正式署名とか細かいところまでの条文の整理ができていないわけでございますけれども、万が一にもこれが日本にとって大きな影響があるということが、これはメキシコの場合にもそういうことが考えられると思いますけれども、そういう場合には、日本としては、もちろん交渉でも頑張りましたけれども、一般論としては、これは最大限の国内的な配慮というものも必要だろうと思っております。 今、現時点においてメキシコに関して、あらゆる分野についてどうこうしようということを私自身、今、頭に思い浮かぶものはございませんけれども、ぎりぎりの交渉をやったことは事実でございます。
○広野ただし君 やはりFTAのメリット、日本は貿易国あるいは対外的な関係を極めて大事にしていかなきゃいけないということからいいますと、積極的にFTAをやっていかなきゃいけないということがあろうと思いますが、先ほども申しましたように、ただ無手勝ではなかなかそれはやりおおせないんじゃないかと。やはり、しっかりした何らかの、被害を受けるようなところに対してはきちっとした措置をするという意気込みでないと、これからなかなか、ますます難しくなるんではなかろうかと思いますので、是非、角栄さんばりの考え方で推進をしていっていただきたいというふうに思っております。 それと、先ほど空洞化対策の中で、外からも呼び込むんだと、こういうようなお話もありました。私も全くそのとおりだと思います。しかし、一番大事なのは、日本経済そのものを元気にしていくためには、新規、先ほどもありましたけれども、新規産業というか、開業をどんどんどんどん増やしていくということだと思うんです。経済産業省は頑張って、例えば資本金も小さくても、一円であってもどんどん作れるようにしましたとか、あるいはTLOで大いにベンチャー的なものをやりますということを努力しておられますが、まだ、そういう措置で企業が起こってくるのはまあ一万前後の話なんですね。 開業率と、また仕事をやめてしまう、もう廃業してしまうということから考えますと、日本の経済、現在は廃業率の方が高くて開業率が少ないわけですね。新しく増えてくる企業というのは、ある意味では少ないわけです。アメリカはそれが一四%の開業率と一二%台の廃業率、二%ぐらい高いわけです。そうすると、例えば日本でも六百万社、七百万社あるとしますと、十何万社が新しく起きてくるということになります。そこが五人とか十人雇いますと、すぐ百万人とかという雇用が増えるわけですね。ですから、全体としては大きく開業率を上げていくということを、ただ個別予算的なことでは私はできないんじゃないかと。もっと大幅に、一けたも二けたも上なんですね。という形にしませんと、とてもじゃないけれども日本経済はよみがえらないと、こういうふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 元々日本は、何といいましょうか、企業経営に失敗したときの敗者復活というのが非常に難しいと言われております。アメリカなんかはもう、倒れては起き、倒れては起きというのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、非常にその辺がフレキシブルだということでございますが、そこに加えて、このバブル崩壊以来十数年の状況ということで、今御指摘のように、やっぱり開業率が廃業率を大きく上回るというのは、ある意味では企業のエネルギー、活性化の一つの大きな象徴だと思います。 そういう意味で、先ほどの最低資本金以下での特例でありますとか、頑張れベンチャー支援でありますとか、そして、これは法務省等が御審議いただくことになっていると聞いておりますけれども、破産法等の改正の問題とか、そういうものを含めて、法律面あるいは制度面、それから資金面、資金面も単なる商法上の問題だけではなくて、ベンチャー支援のための自由なスピーディーな資金供給というものも含めて、何としても開業率が廃業率を上回るということが、ある意味では日本経済が再生する一つの大きな指標になってくるんだろうということで、私も非常に注目というか、期待していると言うんじゃちょっと無責任なんですけれども、そのためにいろいろと努力をしていかなければならないというふうに思っております。
○広野ただし君 それと、国内経済を活性化をしていくときに、IT戦略ということで、平成十三年にe―Japan戦略ということで、e―Japan計画ですか、やってきて、来年には世界最高の水準の情報国家にするんだという目標があったわけですが、現段階、それはどうなっておりますでしょうか。どういうふうに評価されますか。
○副大臣(泉信也君) 委員御指摘のように、e―Japan戦略で掲げました五年以内に世界最先端のIT国家となるということを着実に実施しておるところでございまして、例えば世界で最も速く最も安い水準に既に達しておる、電子政府では二〇〇三年に四万件というような手続も電子化が進んでおるというように、我々としては実績が上がっておると思っております。 しかし、さらに、このインフラ整備に加えまして、もっと利用促進を図るという観点からe―Japan戦略Ⅱというのを先ほど策定をしたところでございまして、こうした戦略の下に更に加速をしていくということを考えておるわけです。 なお、余計なことかも分かりませんが、IT産業自体も当初から既に、五年前に比べますと五割というふうに急速に伸展をしておりますし、総額も百二十兆円に達するというように、この戦略に基づく効果は着実に上がっておる。これを更に進めようというのが我々の考え方でございます。
○広野ただし君 ITによって需要がぐっと増える分野もありますし、もう一つ、波及効果的なことで、IT経営革新といいますか、そういう形で非常に競争力の強い企業あるいは産業が生まれてくると、こういう面もあろうと思いますが、その波及的なIT経営戦略によって、非常に競争の強い、競争力の強い、そういう企業、産業というものが今生まれてきているのかどうかという点はどうでしょうか。
○副大臣(泉信也君) 正にe―Japan戦略Ⅱの中では、ITを利用するということで、効率化、国民生活の利便性の向上を図るといった、産業の効率化、それから国民生活の利便性の向上という、そうしたことが積極的に取り組んでまいっておるわけでありまして、これ具体的に数字の上で表すというのはなかなか難しいところがございますが、各企業の生産体制の効率化の中などに具体的に現れておると、このように思っておるところでございます。
○広野ただし君 それと、先ほど大臣、国内に海外企業なり海外投資を呼び込むと、こういうことをおっしゃっておったんですが、そのときにやっぱり基本になるのは法人税の問題、そして今度も問題になっております年金等の保険料の企業負担分ですね、ここのところの問題が海外と比べて、海外諸国に比べて、日本に来ると物すごく負担が多いと、こういうことになりますと来ないわけですよね。ですから、単なる呼び込み政策、これはPR作戦もいろいろとあろうと思います。 一番根本は、その法人税プラスの保険料負担ということだと思いますが、まず法人税についてどう思っておられるのか。更に引き下げるべきだと、こういうふうに思っておられるのか。あるいはまた、保険料負担、今度、年金、一八・三〇まで上げていくと、その半分は事業者負担です。言わば、今一三・五八から三十数%引き上がることになるわけですね。そういうものが事業者にとって、経済にとってどういう影響を持つというふうに思っておられるか、大臣に伺います。
○副大臣(坂本剛二君) 企業環境を整える、事業環境を整えるということは非常に大事なことで、海外から企業来る来ないもその辺に懸かっているかと思います。 そこで、今、先生お尋ねの法人税の問題でございますが、これは欧米諸国の水準も踏まえながら、昨年、法人税の引下げを実はやったわけでございます。これは、一九八八年が四二%だったんですね。その後、三七・五にし、三四・五にし、今回三〇%まで実は落ちていると。この三〇%というのは、データで見ますと、アメリカ四〇・七五、ドイツと、こう並んできているわけでございます。ですから、大体欧米水準になってきたかなと。 さらには、十五年度税制改正におきましては、研究開発減税、これを随分大幅なことをやりまして喜ばれておりますし、IT投資促進減税の創設も、これも大規模にやったわけでございます。これらで大体一兆四千億円ぐらいの減税を講じてきたと、こういうわけでございます。 また、年金制度でございますけれども、これは長期間にわたって安定的に運営されることが不可欠であるというこの理念から、将来不安に備え、きちんとした給付を維持することが必要であって、同時に負担する側でも勤労者や企業の活力をそがないことが重要だと。そんな意味で、今回の年金制度の改革は、厳しい状況にある中小企業を始め、経済の影響にも配慮し、保険料負担と給付水準のバランスも踏まえた一つの結論であると、こう考えております。 データをちょっと申し上げますと、社会保険料企業負担分でございますが、この国際比較でいきますと、日本は一二・〇三五%、ドイツが二〇・八五%、フランスが三〇%と、こういうことで、企業負担の面でもかなり低水準を維持しているということでございます。
○広野ただし君 私は、その法人税についても、あるいは地方税が加わりますから、そしてまた年金関係、保険関係の負担、これの事業者負担というものを考えますと、それはアメリカ、イギリス等と比べますと明らかに高い、負担が高い、こういうふうに思います。ですから、それはどんなにかね太鼓でやっても、やっぱり実益的なものがないと海外はなかなか来ないんじゃないかというふうに思うわけで、これは更なる努力をしていただきませんと、そのインフラ的なものをやりませんと、そのほかに土地代が高いとかエネルギー代がどうだとか、いろんな問題があるわけですね。ですから、やっぱり実質的なところをきちっとやりませんと、なかなか日本に海外投資を呼び込む、海外から呼び込むということにはならないんじゃないかと、こういうふうに思います。 ところで、先ほど大臣もおっしゃいました、失敗しても再挑戦できる、そういう国にしなきゃいけない。こういう意味から、私は、実際、海外ではケンタッキー・フライド・チキンですとかアップルコンピューターなんというのは、みんな一回倒れたけれどもちゃんとやってきたすばらしい例なわけですね。ですから、日本でもちゃんとそこは再挑戦できる国家にしていかなきゃいけないと、こう思っております。 そして、そういう意味で、昨年、ちょうど今ごろ、産業再生機構のことをよく審議をしました。国が閻魔大王になって生死を決めるのかというようなことがありましたから産業再生機構というのを作った。それで、産業再生機構は民間の野村証券の幹部の人を持ってきたと、こういうことになったわけですね。その人をここに呼んでいろんなことをお聞きしたいと、こう思っているんだけれども、なかなか出てこない。とんでもないことなんで、私はまたいつかそれはきちっとやりたいと思っておりますが、今日は経済産業大臣にその再挑戦についての様々な点でお聞きしたいと思っております。 中小企業の産業再生については、これは足利銀行関係ですとか、もう各地でみんな一生懸命やって、中小企業、各県の中小企業再生支援協議会、よく頑張ってやっています。しかし、そこで産業再生機構のお金を使っているわけではないんですね。中小公庫ですとか政府関係機関を使い、そしてあるいは民間の再生ファンドを使いという形でやっています。しかし、そこで救われてきているのは二百八十数社です。このたくさん日本にある中小企業の中で二百数十社、三百社足らずですということです。 そして、産業再生機構はどうも中小企業をあんまり相手にしないで、ほとんど中堅・大企業だと。そして、それが昨年から十二件だと。二千何百億の買取りを、不良債権買取りをしたということです。中小企業は二千億円弱の予算です。そして、今度、カネボウだとかなんかのことについて四千億円とか五千億円という大きなお金を投入をする。しかし、ここへ来て何一つ説明をしない。 こういうことについて、大臣、どういうふうに思われますか。
○国務大臣(中川昭一君) 私も産業再生機構担当の主務大臣の一人ということになっているわけでございまして、何件かその再生機構で事業を手掛け、そしてまた最近は非常に大きないわゆる名門企業が産業再生機構の支援を受けるということになったわけでありますが、政府保証をするということ、という計画、これから、これから何ですか、再生計画をスタートして、まあどういうスキームになっていくかは分かりませんけれども、私としても、また注意深くこの事業、カネボウの再生に当たっての事業については最初から最後まで注意深く見守っていきたいというふうに考えております。
○広野ただし君 私も、昨年、いろいろと当委員会で審議もさせていただいて、お話もしたんですが、やはりいろんな意味で、民間に任せるべきときには民間に任せるという観点が非常に強い、大事なんじゃないかと、こう思っております。 今度の場合、私は個別案件まであんまり言いたくなかったんですが、なかなか説明に来ないものですから余計おかしいなと思いましてあれするんですが、カネボウの場合は、御承知のように、花王ですとかあるいは別の再生ファンドが名のりを上げているんです。ですから、民間企業さんに任せればちゃんといく、その予算、お金はこっちの中小企業の方に使ってもらいたいというふうに思うんですが、大臣、民間にこの案件は任せたら駄目なんですか。どういうふうに思われますか。
○国務大臣(中川昭一君) ここ数か月、いろいろマスコミ報道等で承知している限りでございますけれども、基本的にはこれは民間の事業会社とその他の事業会社、その他民間金融機関とで一義的に今後のことが決められるべきことだろうと思っておりますが、まあああいうことになったということだろうというふうに思っております。
○広野ただし君 どうしても、ああいう、言わば私は駆け込み寺だと思うんですよ。そういう駆け込み寺がありますと、ああ、こっちに、民間企業でちゃんとやろうとしていたものがこっちへ行ってしまうというような点がやっぱりあるんではなかろうかと、こう思うわけです。 ですから、本当にそういう意味では、慎重の上にも慎重にやっていったらいいんじゃないかと、こう思いますし、そういうお金があるんならば中小企業の再生のために大いにやってもらいたい。各地でもう中小企業は困っているわけですよ。そして、そういう中小企業は、地域の良さといいますか、地域の文化ですとか、あるいは地域のしにせですからね、いいものを一杯持っているわけです。そういうものを、地域の文化を大切にする意味でも、私はそっちの方にお金を使ったらよっぽどいいと、こう思っておりますので、大臣、改めて御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 文字どおり産業再生のために、法律に基づき、担当大臣の下できちっとした本来の使命を再生機構は果たすべきであり、私も関係大臣として、そのことについてきちっと、ほかの主務大臣と共々、きちっと見守っていきたいと思っています。
○広野ただし君 じゃ、午前中はこれで終わらせていただきたいと思います。
○委員長(谷川秀善君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時四分開会
○委員長(谷川秀善君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 平成十六年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官山本信一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(谷川秀善君) 休憩前に引き続き、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○広野ただし君 午前中に続きまして、経済産業予算一般、そして経済全体のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。 午前中にも、日本の経済、少しは良くなっているけれども、中小・中堅あるいは地方経済、まあまだまだがたがただというようなお話をさせていただいたわけなんですが、それについて、予算の問題あるいは空洞化対策あるいは金融の問題等を的確に、もっと大幅にやってもらいたいというお話をさせていただきましたが、もう一つ大きなことでは、自由化といいますか、規制の撤廃といいますか、緩和といいますか、そういうものをもっと進めなければならないんじゃないかというふうに思っております。 やはり日本経済、特に護送船団方式を取った業界、業法のあるところは、ある意味では金融を始めとして、あるいは建設もそうですが、必ずしも世界に出ていって頑張れるというような強靱な体質は持たないというふうに思います。金融界なんかは自由化の失敗でもう全くひどい状況になって、日本経済を瀕死の状況にまで押し込むというようなことになったわけで、業法といいますか、銀行業法を始めとして、そういうものの運用というのは極めて護送船団ではないことをやらないととんでもないことになるんではないかと思うわけです。 経済産業省所管では、自動車ですとか、電子機器ですとか、電機ですとか、ここいらはもう業法も何もありません。言わば非常に厳しい競争の中で、世界へ出ていってやれるような強靱な体質を持ち合わせるようになった。ですから、ライオンが子供を育てるときに、がけから落としてでも育てていくと。厳しい試練の中でかえってやっていくことが強い、強靱な体質を持つというふうに私はやはり思っておりまして、そういう自動車業界あるいは電子機器関係の業界、そういうところが言わば外貨を獲得してやってきているというふうに思うわけです。 ですから、事業法といいますか、業法と申しますか、そういうものを、これについて私は大幅に、そして迅速に、またしかし、ただやればいいというものじゃなくて、計画的に自由化をしていくという観点が非常に重要なんじゃないか、それが日本の経済を強くしていく、活性化していくという意味では、大きな観点でそういうふうな考え方を持っております。 ところで、経済産業省関係の事業法といいますか業法というのを、数え方によるんですが、大体十九あるいは二十私はあると思っております。まあ細かくは申しませんけれども、そういう事業法関係を私は大幅に見直して、迅速に、そしてまた計画的に自由化をしていくことがその業界を強くしていくというふうに思っているわけです。 もっと分かりやすく言えば、例えば地方でお店を出しますと。大規模まではいかないんですが、あるお店を出しますというときに、そこの社長さんが言われたんですけれども、いや、広野さん、もう八十ほど許認可がありますと。八十本も許認可を受けなきゃいけない。これは何も経済産業省所管じゃないんですよ。例えば、農振を、農業振興を外したり農転をしたり、そういうことから始まって、建築基準法からありますし、そしてまた、建てるとなりますと消防法から、そしてまた、電気を引く、ガスを引くと、その安全基準を満たさなきゃいけない。また、食品衛生関係を使うと食品衛生法をクリアしなきゃいけない。もう山ほどそういう、それぞれ理屈はあるんです、それぞれの法律は。だけれども、七十も八十も許認可を取って歩かなきゃいけないということになると、これは企業を育てようとしているのか足を引っ張ろうとしているのか、さっぱり分からぬということなんですね。 元々日本は、経済全体、自由主義とはいうものの、官僚社会主義みたいなものですよ。ある意味で官が関与する割合、私は、計算、大体四割近いんじゃないかと思っておりますけれども、そういうことではせっかく伸びようとしている力をそぐんじゃないか、本当に育てようとしているのか、何か足を引っ張ろうとしているのか、さっぱり分からない、こういうふうに思うわけです。 そういう観点から大臣にお伺いしたいんですけれども、経済産業省所管の事業法関連のことについて、どういうふうな考えを持っておられるか、お伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 小泉内閣の大きなキャッチフレーズの一つが民間でできることは民間で、これはある意味では、規制緩和とあるいは事業法の柔軟な対応ということになるんだろうと思っておりまして、規制改革推進三か年計画、十三年から閣議決定やっております。 経済産業省ですと、電気とガスということになるわけでございますけれども、委員御存じのとおり、平成七年から発電部門、十二年から小売部門を自由化いたしまして、本年四月からは小売の自由化の範囲は四〇%、それから来年四月には六三%にする計画を持っております。また、ガス事業につきましても、今年の四月からは約四四%、十九年からは五〇%を小売の自由化ということにしております。 自由化というのは、ある意味では自己責任ということも裏腹だろうとは思いますけれども、自由化というのは一つの大きな流れだろうというふうに思っております。
○広野ただし君 何でもかんでもすぐにやれと言っているわけじゃないんです。自動車の場合でも、輸入自由化に絡んであるいは資本自由化に絡んで、段階を踏んで対抗できるような強い強靱な体質を持ってきて、もう今や世界で有数のものになってきていると、こういうふうに思うわけで、これは先ほど電気事業法、ガス事業法、出されましたけれども、そのほか航空機製造事業法ですとか、それはもうたくさんあるんですね。それと、事業法と銘打っておりませんけれども、言わば実質事業規制をしているようなものも経済産業省関係で一杯あります。 経済産業省は、やっぱりそういう面では非常に段階を踏んでうまくやってこられたと私は思っております。ですから、ほかの省庁、談合体質の、そう言っちゃ悪いかもしれませんけれども、ところが一杯あって、護送船団をやっているところはなかなかそうはいっていないと、こういうことでありますので、是非そこのところは大きく踏み出していただきたいと、こういうふうに思っております。 ところで、公正取引委員会委員長にお伺いしますけれども、各事業規制について研究会等を設けられて随分積極的に研究をしておられると思いますけれども、ところで、全般的に見て日本の経済の中で官が何らかの形で関与をしている、私は四割ぐらいじゃないかと思っているんですけれども、そういう観点で何か調査されたことはございますでしょうか。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私も、いわゆる官製市場というのが四割ぐらいあるんではないかとかいうお話を聞いた記憶はございますけれども、公正取引委員会としてそういう観点の調査をしたということは、申し訳ありませんが、私、聞いておりませんし、恐らくやっていないと思います。
○広野ただし君 ところで、私は、各種事業法、日本全体で、カウントの仕方があるんですが、実質規制をしているなというのは百七十本ほどあると思っております。業種的には二百五十本ほどあるんですが、それは主力の業界ですから、そういう面では日本経済に占める割合というのは非常に大きいと思いますけれども、ところで、経済産業省関係の事業法関係について、それの自由化の観点から公正取引委員会はどういうふうに見ておられますか。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私は、公正取引委員会というのは独禁法の執行機関であるというのがもう一番大事な役割、申し上げるまでもないんですが、そういう意味で、政策官庁ではないと自分では思っております。 ただ、そうはいっても、規制関係の調査なり分析というのは、仕事の上で言わば基盤を成すということもございますから、従来、有識者を集めていろいろな研究会を開いてきたということは事実でございますが、私としては、規制改革は、正に規制改革会議も今度模様替えされるようでございますし、そういうところへ担当大臣もおられるわけでございますから、全政府的な立場で統一的になさるのが一番いいだろうというふうに思っております。 それはそれといたしまして、今のお尋ねの、経済産業省関係の事業法の見直しに伴う自由化、これは電気、ガスが一番大きな話だと思いますが、これにつきましては、私どもも私どもなりの立場から研究会を開いて勉強してきた、そういった蓄積も踏まえまして、具体的には経産省と共同ガイドラインを作って、電気事業者、ガス事業者に、要するに予見可能性を与えるべく、こういったことをやると独禁法違反の問題が出てまいりますよというようなことを含めてガイドラインを作っているというような形で、せっかくされた自由化において実が上がるように、公正取引委員会としても、そういう共通の問題意識に立って仕事をさせていただいているということでございます。
○広野ただし君 政策官庁か番人かは別にしまして、やはり市場経済の中で業法で除外をされていくということになりますと、ある意味では市場経済原則というものが非常に弱まって日本経済全体の活力をそぐ、こういうことになってはいけないので、番人とはいうものの、法律改正等もいろいろと出しておられるわけですから、それはどういう観点から出すかというと、全体的な日本の市場をどうしたらいいのかという、経済をどうしたらいいかという観点からやはり法律改正等をしようとされるんでしょうから、そこのところは大いにまた考えていただきたいと思います。 ところで、官から民へということで、公団、事業団を独立行政法人に変えるというようなことがありました。私は、思い切って、官から民へという場合に、電源開発のように思い切って民営化をして、そして将来、株を上場できるということになればまたそれが国に収益をもたらすわけですから、そういう面では大いに思い切った官から民へというものを、単なる独立行政法人だけではなくて、もっと進めていくということが必要なんじゃないかと思っております。事業団、公団を独立行政法人に変えるというのは、まあ言わば看板のすげ替えぐらいにしかすぎなくて、日本経済全体からいってどれぐらいそれが活力をもたらすかというと、ほとんど活力をもたらさないということであって、言わば掛け声倒れに終わっているんではないかと、こう思っております。 経済産業省はやはりそういう面では、この事業団、公団、特殊法人、独立行政法人、私は十、カウントの仕方ですが十三か十四あると思いますし、政府関係金融機関もそのほか三つか四つ持っているわけですね。ですから、言わばかなりの部分を経済産業省所管があるということでありますけれども、それで官から民へということから考えて、今までの石油公団を始めとして何とか機構というふうに持っていかれたことについて、大臣はどういうふうに思っておられますか。
○国務大臣(中川昭一君) 特殊法人改革につきましては、簡素・効率的・透明な政府を実現するということで、先ほども申し上げましたように、民でできることは民でやっていこうという大きな流れの中でございます。 今御指摘のとおり、既に独立行政法人化をしているものもございますし、今後また移管をしていくことについて予定をしているものもございますので、前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○広野ただし君 やはり、例えば石油公団、一兆円を上回るような大きな赤を作ったと。こういうことで、その中でも石油、私は石油開発というのは物すごく大切だと思いますし、日本のエネルギーの根本をやはり石油関係は五〇%は持っているわけですから、しっかりとしたものをやっていかなきゃいけないと思いますけれども、ただ野方図に一杯開発にお金を出していくとああいうようなことになる。そして、先ごろ、石油資源開発を上場しましたね。これによってどれくらいの金額が国庫に入るようになったんでしょうか。ちょっと教えていただけますか。 あるいは、そのほかにアブダビ関係のことでは、関係企業、上場してやっていけばもっと良かったんじゃないかと思いますけれども、何かこちらの赤字のあるところへぐっと合わせちゃってというような形をやっておりますが、何しろ優良な企業は早く上場をして、それでもってしっかりと穴埋めをする、そしてまた体制を整えて、いつまででも引っ張るんじゃなくて体制を整えて開発をしていけばいいと、こう思いますけれども、何か分かったことがあったら、政府委員で結構ですから。
○政府参考人(石毛博行君) 資源エネルギー庁次長の石毛でございます。 今の広野先生の御質問ですけれども、たしか、この間の上場を一部について行いまして三百億円ほどの収入になっているかと記憶しておりますが、今ちょっと手元に数字を持ち合わせておりませんので不正確かもしれませんが、それぐらいの数字だったと記憶しております。
○広野ただし君 やはりそれなりによくやっているところもあるわけですから、いつまででも政府の監督の下に置いて手放さないというようなことのないようにやっていただきたいと思います。 ところで、やはり日本の根本を成すエネルギーのことについてお伺いしたいと思いますが、エネルギー、炭酸ガス等を出す、エネルギー起源の炭酸ガスといいますか、その炭酸ガスがまた地球温暖化になっていると、こういうことなものですから、エネルギーと地球環境といいますか、それはもう非常に密接にかかわる。ですから、炭酸ガスが出てきている九〇%ぐらいはエネルギー源と非常に関係をしていると、自動車ですとか全部入りますから、いうことなわけですが、このエネルギー問題と環境問題についてどのように大臣は思っておられるか、お伺いします。
○副大臣(泉信也君) 委員御指摘のように、エネルギー問題と環境問題は不可分の関係にあるという認識を持っております。温室効果ガスの排出量の約九割が御指摘のように二酸化炭素であるという意味からも大変この問題を重視しておるわけでございまして、我々の考え方としましては、環境との調和ということがエネルギー政策の最大の課題である、したがって省エネルギーを進める一方、新しいエネルギーを開発するという、そうした両面から現在取り組んでおるところでございます。
○広野ただし君 そのエネルギー政策の根本を支えているのに電特と石特があるわけですけれども、この特別会計、一般会計に匹敵するぐらいに大きくて経済産業省関係でも一兆円ぐらいになっていると思います。一般会計よりももっと大きい量が特別会計であるということだと思いますが、そういう中で、なかなか、専門家がよく考えても、こちらは石油特会からお金が出ているのか、こっちは電源特会ある、電特から出ているのかよく分からぬときがあります。特に、最近は電源関係ではコジェネだとか、電気も出す、熱の方も使う、いろんなものになってきているわけで、そういう意味では私は、特にまた特会関係が全体的に三十一本あって、特会は特に全体的に連結でやっているわけではありませんから、何かよく見えないわけですね。昨年、塩川さんが言われたように、特会、母屋ではもう、一般会計ではもう大変な、みそ汁ぐらいしか食っていないのに、それを離れへ行ったらすき焼きも食っていると。 こういうようなことで、もう正に何かよう分からぬようになってきているということからいいますと、言わばよく似たエネルギー関係ですから、石特と電特、合体して総合的にエネルギー特会というような考え方で運用する考え方はないかと、こういうことで大臣に御意見を伺いたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 御承知のように、一般論として特別会計は受益と負担の関係が明確でなければならないということが言われておるわけでありまして、そうした前提に立ちながら、石特会計、電特会計を今日まで運用してきたことは委員御承知のとおりでございます。 そうした中にありましても、御指摘のように非常に事業の形態が変わってくるというか、コージェネレーターみたいに熱を出す、片方では電気を出すというようなところが出てまいったこともありまして、さきの国会で一部見直しをしております。従来の新エネルギーの導入促進対策については発電用途、太陽光発電でありますとか風力発電等は電特特会であり、それからいわゆる発電用途以外のものは石特会計で支援したわけですが、これを前国会で見直しまして、新エネについては石特会計に一元化するという対応を取らせていただいたところであります。これもすぐに単年度で切り替えてしまうということはなかなか難しい状況もございまして、十九年度までに段階的に整理をするということで今進めております。 しかし、これからもそうした見直しをやっていく必要があるわけでありまして、現在、総合資源エネルギー調査会で御検討をいただいておりますようなエネルギー政策あるいは地球環境政策について議論していく中で、御指摘のような問題についても新しい支援、政策支援の在り方について検討してまいる所存でございます。
○広野ただし君 例えば、石特で不用ですとか剰余金、あるいは電特でも不用とか剰余金というのがあって、これ、会計検査院までが指摘しているわけですね。しかし、エネルギー政策全般としてはやることは山ほどあるんですよ。ですから、しっかりと無駄のないように統合をして、そうしませんとこれは一般会計か何かに持っていかれて本当にエネルギー政策やれるのかどうかというようなこともまたありますし、もう一つ、環境問題ですね。 先ほども、地球環境の問題とエネルギーの問題は非常に密接にやっていると。環境対策をすることから環境税だとかというような考え方もあるわけです。しかし、そういうところへ一遍に行くよりも、エネルギーと非常に関係するんですから、環境政策をこのエネルギー特会の中で大いにやってしまうということだってまずあるんじゃないかと私は思うんです。 ですから、そのときはもう、石油特会とかエネルギー特会だとか言っている、電特だとか石油特だとか言っているんじゃなくて、エネルギー全般としてもう一回税体系も考えてもらって、そういうことをやったらどうかなと。環境関係もその中でかなりのものをやってしまうという大胆なことをやっていくということが大事ではないかと思っておりますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) エネルギー政策を遂行していく上で、いわゆる新エネ、そして環境対策、これは極めて大事でございまして、もう今や一体不可分のものだろうというふうに思っております。特に省エネ対策等、あるいはまた新エネ、バイオマスとか燃料電池とかいったものも、研究、普及ということも見据えながらエネルギー政策と環境対策とを両立をしていく。そのために、限られた財源ではございますけれども、できるだけの施策の遂行を進めていかなければならないというふうに考えております。
○広野ただし君 総合エネ調でも何か検討もしているようではありますけれども、私は積極的にそういう、会計検査院も指摘している、そしてまた、特会を統合していくということ。あるいは環境問題、環境省も、あるいは農林水産省も、先ほどおっしゃいましたバイオマス・ジャパンですか、というような戦略を設けて、これもある意味では、メタノール燃料をやっていきますと、これも我が国の自主エネルギーなんですね。ですから、そういうものに対しても幅広くお金を出していくというようなこと、あるいはリサイクルのこともできるわけですから環境にもいいというようなことから考えていきますと、やはりもう一歩踏み込んでいただいて、思い切って幅広いエネルギー特会という形でやって、エネルギー安全保障のこと、そしてまた環境問題のこと、幅広く扱えるようなという観点で是非踏み込んでいただきたいと、こう思っております。大臣の決断を是非お願いをしたいと思います。 それでは、私の質問を終わります。
○国務大臣(中川昭一君) 日本に自主エネルギーが今までないという前提でエネルギー政策を進めてまいりましたが、クリーンで安全なという原子力エネルギー、あるいはまたこれから、今、委員からも御指摘のありましたバイオマスエネルギー、エタノール、メタノールと、そして若干時間が掛かるのかもしれませんけれども水素エネルギー等の新たな環境に優しいエネルギー、しかもそれが基本的に海外に依存することなく環境にも両立するという観点でやっていくことが今後ますます重要なことだろうというふうに思っておりまして、委員の御指摘は誠にもっともなことだと思っております。
○藤原正司君 民主党・新緑風会の藤原でございます。 今、同僚の方からエネルギーと環境問題について触れさせていただきましたが、関連して私は、まず地球温暖化対策との関連について、エネルギーとの関係についてお尋ねしたいわけです。 大臣は地球温暖化対策推進本部の副本部長ということで、経済産業省を代表して出ておられるわけでございますが、まず京都議定書について、御案内のように、京都議定書には五五%ルールというのがあって、国の数、排出量の数で五五%をクリアしないとこれが発効しないと。ところが、大量排出国でありますアメリカとか、あるいはインドとか中国はもう希望できないし、若干望みがあるのがロシアぐらいかなというふうに言われてきた中で、大臣も就任早々カシヤノフ首相とお会いになったというふうにお聞きしております。 こういう京都議定書の発効が大変危ぶまれる中で、先ほど、先般、ちょっと消極的と言われるプーチンさんが圧倒的勝利をされて大統領に再選されたというか、大統領に再選されたということで、ちょっと暗雲が立ち込めているかなという感じもするんですけれども、このロシアの参加ということについて一体どのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 御指摘のように、五五%ルールというものを達成しますためには、一番今有力な国としては、ロシアがこのことに参画をすればこのルールを突破できるという意味では我々も大変期待をし、また努力をしておるところでございます。 御指摘いただいておりますような政府としての努力につきましては、昨年の八月に日米ハイレベル協議で環境大臣が京都議定書の締結にアメリカについても働き掛けをしていただきましたし、ロシアに対してはエビアン・サミットで、また昨年十月のAPECの際に総理からこの問題についてのロシア側の対応に日本側の考え方を伝え、是非、この五五%ルールの突破について働き掛けをしておるところでございます。 なお、このことについてはこれからも機会を通じ、あらゆる機会を通じて努力をしてまいりたいと思っておるところであります。
○藤原正司君 まあ正直言って大変難しいと。ただ、今この段階でロシアがどうの、アメリカがどうのと言っても始まらないわけでして、むしろ、なかなか批准国が増えてこないというのは、結局は京都議定書の問題点というものを露呈したのではないか。幾らいい協定をしたからといって、国が付いてこなければ結局意味がないと。ですから、やっぱり京都議定書の問題点というものを露呈したのではないかというふうに思うわけです。 そこで、二〇〇五年末までに第二約束期間の以降の枠組みについて論議が始まっていく。これは先のように思われますけれども、交渉というのはもう最後の最後であって、これからそれに向けてどういう外交努力をしていくかということが極めて大事だということで、決して早い話ではないというふうに思うわけですが、これに対して一体どういう方針で臨もうとされるのかと、大臣として。 そこで、昨年の七月に産構審の地球環境小委員会がレポートを出されております。私はこのレポートを読みまして、本当に気持ちに何かすとんと落ちる、非常によくできたレポートだというふうに私は思っているわけでございまして、役人の文章にしてはよくできて、思い切ったことを書いておるなというふうに思うような文章になっているわけですけれども、この地球環境小委員会のレポートをどのように受け止めて、これからの新しい枠組みに向けて経済産業省としてどういう対応をされていこうとするのか、この点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、委員御指摘のように、アメリカが参加をしないとか、最大のCO2を吸収する国であるロシアが不透明であるとかいう状況の中で、大変、見通しは決して楽観を許さないわけでございますけれども、そうはいっても、何といっても京都議定書という、日本の京都で決められた約束でございますから、何としても実現をしていくというのが日本の立場であるわけでございますが、そのためにもロシアの参加、あるいはまたアメリカに対しても引き続き働き掛けをするということ、そしてまた、この産構審のペーパーにもございますように、何といいましょうか、一人一人の心掛けといいましょうか、地球的な規模での一つの運動といったものも含め、もちろん産業界の皆様方にも御努力をいただきながら、本当に一人一人が頑張っていきながら、地球規模で何としてもこの温暖化を防止するための努力をしていきたいということが重要だろうと思っております。 経済産業省としては、引き続き、このスケジュールにのっとって、できるだけの努力を、国際的枠組みの中で努力をしていきたいというふうに考えております。
○藤原正司君 環境といいますか、温暖化問題を考える場合、大気には国境がないわけでして、どこで炭酸ガスを減らしても、その受益はすべてが受けると、こういうことなんですよね。 この地球環境小委員会のレポートは非常によくできていると申しましたのは、例えば、この四つの基本方向というものが出されている中で、一つは、規制やペナルティーではなくて技術というものを伴ってこれをやっていかないとこれは長期的に持続可能な対策になりませんよとか、あるいは、今の議定書の批准国というのは排出の三割しかカバーしていないわけですよね。三割しかカバーしていないところが一生懸命やるんじゃなくて、いかに多くの国が参加をして、それでトータル的にどう減らしていくか、そういう視点をやっぱり持たないと駄目。ですから、幾らいい協定、議定書を作ったとしても、参加しないで、参加国がわずかな中で一生懸命やりましょうと言ったってそれは効果がありませんよとか、あるいは、ぬれぞうきんのところは一生懸命絞れるけれども、乾いて、日本のようにGDP当たりの炭酸ガス排出が先進国の中で最も少ないような国で更に絞り込もうとすると相当のコストが掛かる。そうすると、どこで炭酸ガスを減らしても同じ効果ならば、安いコストのところで一生懸命やりましょうとか、これは正にこれ心髄をついているわけでありまして。 それと同時に、特にこのレポートの中で私は大変重要なのが、この主要排出国の議論による先導という中で、「環境担当閣僚のみならず、経済・エネルギー担当閣僚も積極的に議論に参加すべきである。」と、「気候変動に関する議論がより実態を見据えた、実効ある取り組みに高められることが期待される。」ということで、決してこの議定書問題が環境大臣だけでやられたとは言わないけれども、先ほど同僚議員も申し上げましたように、これは温暖化問題というのは経済活動の一現象なんで、この関係を、経済活動との関係を切って物を考えるわけにいかない。だから、経済担当大臣として、よりこの環境問題にコミットして積極的に、本当に持続可能な方策を打ち出してもらうということが極めて大事なんだということで、単に議定書を議長国としてまとめたからやりますということでは、誠にちょっと寂しい気がするんです。 そこで、もう一度、経済産業大臣としてのお考えをお聞きしたいわけでございます。
○国務大臣(中川昭一君) 私は、産業政策とエネルギー政策と二つ担当しているわけでありますが、まずエネルギー政策につきましては、前回も委員と少し議論をさせていただきましたが、クリーンなエネルギーというものの重要性というものがますます大事になってくるでしょうと。いわゆる化石燃料的なものでCO2を出すことをできるだけ抑える、その一つが安全性を前提にした非常に環境に優しい日本の基幹電力エネルギーであります原子力発電というものの位置付け、それから新エネ、環境に優しい新エネ、それから水素エネルギー的に最後に水に戻っていくというようなもの、こういうものの重要性というもの、バランスというものが重要になってくるんだろうと思います。 それからもう一つ、産業政策の方につきましては、日本の代表的なエネルギー産業、重厚産業の中にも随分とCO2等の、あるいはNOx等の、SOx等の排出を抑える努力を企業自身が大変御努力をされているのではないかと。私は、そういう、これは日本だけではないと思います。ヨーロッパ等の企業の話なんかも伺いますと、いかに、本来ですとエネルギーを使うことによっていろいろなものが大気中に排出されるわけですけれども、それをできるだけ抑えて温暖化あるいはまた環境汚染を防止しようというような努力を大変に御努力されておるということを聞いております。 そういう意味で、環境面、産業面、両面から、今委員御指摘の目標というのは私も全く共有しておるところでございますので、そういった面、さらには先ほど申し上げたように、個々の、一人一人のちょっとした心掛けというとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そういうものも含めてみんなでこの地球環境、あるいは空気の、きれいな空気の少しでも確保、さらには六%のうち三・九%が植林、森というデータもございますので、そういうこと等も含めて総合的にこの大気の汚染を守ると、汚染を守るじゃないですね、汚染をしないように努力をするために経済産業省としても政府挙げて努力をしていきたいというふうに思っております。
○藤原正司君 そこで、関連してちょっと京都メカニズムについてお尋ねをしたいわけです。 これは省エネ法の審議のときにも、経済産業省としては京都メカニズムの重要性というものを認識して対応すると、こういう御答弁をいただいているわけですし、予算の中にもこの京都メカニズム関連対策ということで、予算の増額が図られているわけです。ところが、ともすればこの京都メカニズムというものが何となく真正面から環境対策に対応していないかのような受け止められがちになっているわけです。先ほど言いましたように、大気には国境はない、どこで炭酸ガスを減らしたとしても、その恩恵は地球全般に及ぶものだということであるならば、いかに安くいかに効果的にいかに持続的で、あるいは各国にバランスの取れたものをやっていくかという、これはこういう考え方に基づいて一つは京都メカニズムというのはあるんだと思うんですね。 ですから、この問題をもっとびしっと、これから第二約束期間以降の取組についても、今確かにマラケシュ合意の中にも京都メカニズムというのは認知されて、その取引も認められてはいますけれども、あくまでも補完的措置という状況になっているわけでして、我が国のようにもう世界に先駆けて温暖化対策をやってきた国にとって更にこれを進めていこうとすると、自国の中だけではなかなか進まない、経済との衝突も出てくる。これをやっていくというのは、やっぱり京都メカニズムをどう活用していくか、そしてまたその参加国がすべてどう前向きに認め合うかということが極めて大事なことだと思いますし、そのことに向けて我が国としても積極的に働き掛けていく必要があると思うんですね。 と同時に、原子力などについてもこの京都メカニズムの中の一方法として認められていないんですね。これは、全般にわたる問題はEUなどの政治的な思惑が背景にあるというふうに推察はされるわけですけれども、我が国としては、当然、やれること、そしてそのことが地球環境にプラスになっていくんだということであるならば、堂々とこれは求めていくべきではないかというふうに思うわけですけれども、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 京都議定書の六条、十二条、十七条、三つの施策について、我が国でも積極的に取組をしておるところでございまして、六条、十二条にかかわる部分については、今七つか六つぐらい、プロジェクトは具体的にしておりますが、その中で経済産業省がすべてかかわり合いを持っておると。我々としては、この問題に対して関係省庁、環境省など関係省と連絡を取りながら積極的に取り組んでいくということで、また関係国にも働き掛けをしていくということは当然やらなきゃならないことだと思っております。特に、京都議定書という、今日の状況では唯一合意を見た内容でございますので、これをしっかり守っていくということが我が国に課せられた問題でもあるし、また地球温暖化防止に大変有益だと思っております。 それで十分かということになりますと、あるいはまた、日本国内でもっとやるべきことがあるんではないかと、こういうことは常に考えていかなければならないわけでありまして、そういう意味では、一九九〇年度比で二〇%以上の排出増となっております民生・運輸部門への対応などについて、家電製品や自動車の普及など、いわゆる省エネルギー対策をもっと、トップランナー方式をもっと十二分に活用するなどの方式、方法を取りまして進めていく、国内にあってはそういうことをしっかりやっていかなければならないと思っておりますし、ちょうど地球温暖化対策推進大綱の節目になりますこの二〇〇四年に改めて対策あるいは施策の進捗状況等を評価し、見直しを行って、更にやるべきことを、追加するべきことがあれば追加しながら取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○藤原正司君 結局私は、今の我が国の六%の中で、京都メカニズムというのは補完的措置として単に引き算の残りという位置付けになっているわけでしてですね。ところが、現実に全体的に我が国としてでもこの六%を進めていこうとすると、やっぱりきちっと認知をして積極的に進めていかなければならないんではないかというふうに今思うわけであります。 次に、この第一ステップの進捗状況についてお尋ねしたいわけですけれども、現在の長期エネルギー需給見通しの改定作業が行われているわけですけれども、要はエネルギー起源のCO2の排出量の現状ですね、要はその第一ステップの進捗状況と。特に民生・運輸部門がなかなか思いどおりいっていないというふうにも承知をいたしておりますが、ここら辺の現状と、そして課題に対してこれからどういうふうに臨もうとされるのか、認識をお尋ねしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 二〇〇一年に策定いたしました長期エネルギー計画というのは、議定書の第一拘束期間、約束期間を念頭に置いて作ったものでございまして、今改めて二〇三〇年を目標に検討をいただいております分は、正に新しい長期計画の視点が必要であるということから今議論をしていただいておるところであります。 したがって、これからの議論にまつ部分が多いわけですが、今日までのところでは、温室効果ガスの排出量は一九九〇年、基準年に比べまして五・二%増加しておる。このうち、エネルギー起源の二酸化炭素の排出量については八・六%という、本来むしろ削減すべきものが増加をしておるということでございます。このことで、我が国としては削減目標がマイナス六%という目標を設定しておる中で増加をしておるわけでありますので、相当また積極的な取組をしなけりゃならないという考え方でございます。 現在は、省エネルギー、新エネルギー対策や技術開発などで地球温暖化対策推進大綱に定める対策、施策を着実に実行しておると、実施しておるということでございますが、今申しましたようにマイナスどころかプラスになっておるという現状から、もっと厳しいものが求められると思っております。 先ほども少し触れさせていただきましたが、一九九〇年度比で二〇%も排出増になっております民生・運輸部門につきましては、省エネ性の優れた家庭電化製品、自動車の普及、こうしたことを進めておるところでございます。 なお、先ほど申し上げましたエネルギー消費量や排出量の現状、あるいは現在改定作業を行っています長期エネルギー需給見通しなども踏まえましてこの大綱の評価、見直しを行って、議定書の目標を達成できますように最大限の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○藤原正司君 特に当省の場合の所管は民生ということになってくると思うんですけれども、前回、省エネ法の改正のとき、今回のこの法改正によって業務用ビル等による省エネが相当進む、あるいは各事業所ごとのきっちりした実績の定量的把握ができると。政府としても国民へのPRに努めるとか、この省エネ法の改正に伴って相当の期待というか自負をされたわけですけれども、現実に、少なくとも民生に限って見ても九〇年度比で二〇%もの増になっておると、このことに対して一体どういう、なぜこうなったのかという受け止めと、どういうふうにされようとするのかということをお聞きしているわけですけれども。
○副大臣(泉信也君) この六%マイナスというのが、こういう日本の経済状況の中でなおかつ増加をしておるということは深刻に受け止めなければ目標達成ができない、その厳しい認識を持っておるわけでありまして、全体的に見ますと、先ほど来申し上げておりますように、鉄鋼などの産業部門というのはほぼ目標を達成できる状況で推移をしておるわけでありますので、むしろ一般家庭やオフィス部門、それから何度も申し上げますが運輸部門、こうしたところを、現実増加をしておりますので、この部分をどうやって減らしていくかということにこれからの対応が求められておるということを思っておるわけであります。 したがって、省エネ法に基づきますエネルギーの管理でありますとか、情報技術を活用した自動的な温度調整、自動制御、そうしたことを一層推進していくと。民生部門につきましては、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、トップランナー方式による電気製品等の省エネを更に進めなければならない。運輸部門につきましても同様なことを考えておるわけでありまして、省エネ法は昨年四月に改正をさしていただいたところでございまして、具体的な実績は、成果を量るのは正直これからのことであると思っております。 しかし、現実は大変厳しいという、最初に申し上げましたような認識で取り組んでまいりたいと思っております。
○藤原正司君 それほど難しい目標に対して実現可能なものが今用意されていないということではないかというふうに思っておるわけであります。 そこで、温暖化大綱の中でも、これは環境省の問題なのかもしれない、しれませんけれども、やっぱり特にこの民生の中でも家庭部門というのは、それぞれエネルギーをお使いになる方がどれだけ意識をされるかという、その省エネ意識をどのように醸成していくかということは極めて重要である、これは大綱の中にも書かれているんですけれども、それが一体その後どういう取組をされ、そしてイニシアチブを発揮されてきたのか、取組に、ということ。 それからもう一つは、環境と経済の両立という面から見ますと、先ほど言いましたように、規制とかペナルティーだけではいかない、いかにその技術を開発をしていくか、そのことに対して国は政策的、戦略的な支援をいかに後押ししていくか、これが極めて重要で、要は、前向きの政策を取っていかないと長続きしないし効果が出てこないと。 これらの点についての見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 一般の国民お一人お一人に省エネに対する意識を高めていくということについては、いろいろなメディアを使って広報活動を努めておりますし、夏冬二度にわたって街頭に出て、経済産業省、エネ庁一緒になって広報活動をしております。今年は、私、東京駅頭でそうした活動をさせていただきました。 そうしたことがどれほど効果が上がっているかというのはなかなか計量的には把握できませんが、学校教育の面においてもそういうお力添えをいただく、総力戦を挙げて取り組んでまいりたいと思って今日まで努力をし、自動車を持っておられる方にはアイドリングストップをお願いするというような、一つ一つは小さなことかもしれませんが、全体的に御協力をいただく中で地球温暖化対策を意識をしていただくという努力をしております。 技術開発につきましては、当然、これは私ども、大切な役割を担わなければならないと思っておりまして、具体的にちょっと今申し上げられるところまではございませんけれども、先ほど申し上げました運輸部門等についてはこれまでも各種の施策を行ってきたわけでございまして、何度も繰り返して恐縮ですが、いわゆるトップランナー方式で、エネルギーの消費の少ないもの、現在の基準を超えるものを優遇していく、税制面でもそうした対応を取らせていただいているところでございます。
○藤原正司君 私は、去年もこの委員会で、たしか松先生が、東京電力の原子力問題でまだ需給が非常にタイトなときに、寒くて寒くてというお話をされておりましたけれども、結局、これは国会の問題とはいいながら、夏にクーラーをがんがん利かせて背広を着ながら国会で審議していること自体が、国民の目から見て本当に省エネというのをやっているのと、一番分かりやすい問題ではないかという気すらするわけでございます。 その上で、もちろん省エネというのは、単に温暖化対策だけではなくて、エネルギーセキュリティーにも大変効果があるという意味で、一面だけとらえるわけにいかないんですけれども、この省エネ法、省エネに対する国民の理解という面からも、エネルギー消費管理の基準というものについて見直していく必要があるんではないかというふうに思うわけであります。 現在、省エネ法のエネルギー管理の在り方につきまして、昨今の技術進展によりまして、熱と電力間の相互代替性が非常に高まっているわけであります。例えば、ガスを引き込んでそれで発電しながら熱を使う、あるいは電力を引き込んで熱に換える、こういう熱と電気との相互互換性といいますか代替性が非常に高まっている中で、エネルギーの管理手法についても別々でいいのかどうかという問題があるわけですが、この点についていかがでしょうか。
○副大臣(泉信也君) 委員御指摘のように、先ほども広野先生からのお話ございました、コージェネレーターというようなものが現実の問題として出てまいりますと、なかなか、仕分をしていく意味が改めて問われるというようなこともございまして、省エネ法に基づくエネルギーの管理の在り方につきましては、今申し上げました状況変化が起きておりますので、そうした状況を踏まえながらこれから検討してまいりたいと思っております。
○藤原正司君 要は、もう熱電トータルで管理するよう省エネ法上きちっと整理する、そういう方向で検討していくと、こういうことでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 何か、現在は熱と電気を別々にするという現状ですけれども、これもやっぱり藤原委員御指摘の、エネルギーをクリーンで、そしてできるだけ節約をしてというようなニーズの中で技術開発をきちっとすることによって、私は、それぞれ別々に分けておく必要がいずれはなくなってくるのではないかなと、そういうふうに期待をしております。
○藤原正司君 もう、いずれの段階は来ているんではないかなというふうに思うわけでございます。 特に、ビルなどの電源といいますか電力、熱の使用に関しては、もう様々な形態が取り入れられてきているということで、きちっと整理をしないと、結局、トータルで管理しないと、省エネ目標に向かって政府がいろんな対策を打っても結局抜け穴ばかり出てしまうということではないかというふうに思うわけでして、先ほど、問題意識をお持ちなので、義務化、法案化に向けて検討されるというふうに御理解をしておきたいと思います。 そこで、次に新エネ法の問題についてお聞きしておきたいんですけれども、こういう地球環境を進めていく上で、新エネを技術開発して、そしてこれを進めていくというのは極めて重要な問題であるわけですけれども、この中で、今、ヒートポンプというのが非常に普及をしております。冷暖房でありますとか給湯とか、様々な形でヒートポンプが進んでいるわけでして、例えば一のエネルギーを出して、これは、ヒートポンプというのは大気から熱を吸収してこれを暖房に換えたり冷房に換えたりする。一のエネルギーを投入して三ぐらいのものを、大気から吸収して利用エネルギーに換えていくというのはもうざらでして、もう既に八レベルまで進んでいると。そうすると、一を引いたものは全く新しい利用エネルギーというふうになってくるわけです。 これは、もちろん燃料電池だとかそういうふうなものもこれも大事なんですけれども、今、現実にもう利用可能な状態に来ていて、しかも大変大きな新しいエネルギーを生み出している。これをなぜ新エネ法上の再生可能エネルギーに位置付けていないのか、むしろ、かえってその方がおかしいんではないかというふうに思うわけでございます。総合資源エネルギー調査会の会長の茅さんなんかでも、こんなものはもう新エネじゃないかと、こういうふうに言っておられるわけですけれども、この点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 御指摘のように、圧縮と膨脹の際の熱の出入りを使ったヒートポンプというのが既に家庭の中にも一部活用されてきておるというようなこともございまして、新しいエネルギーの中に入れていくべきではないかと。確かに、今日の新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法という中には、まだ新しいエネルギーとして位置付けがなされていないかと思います。 このことにつきましては、これから更にヒートポンプの技術あるいは熱効率が高まるというようなこともあろうかと思いますので、こうした高効率空調機の導入でありますとか高い効率の給湯器、こうした導入の補助を行い普及を図っていくという施策を取る一方、新しいエネルギーの導入促進や省エネルギー推進の観点からこうしたことを続けていくことにいたしておるところでございまして、このヒートポンプを法律上どう位置付けるかという観点はまた後ほど、その状況を、普及の状況等を見ながら取り組ませていただく必要があるかもしれませんが、当面は普及促進に引き続き取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○藤原正司君 私は、先ほども言いましたように、天然ガスコジェネやとかクリーンエネルギー自動車とか燃料電池だとか、こういうものの将来を否定するわけではなく、積極的に導入のための開発をやっていく必要があるというふうに思います。ただ、燃料電池にしましても、すぐ実用化できるというレベルには来てない。コストの問題でありますとか寿命の問題でありますとか、そういう面があって、まだ、まだまだ実用化には少し時間の掛かる問題であります。 片側のヒートポンプというのは、現実にもうビルにおいても家庭においても使われているわけでして、そして明らかに、一のエネルギーを投入すれば三から八の大気からエネルギー、利用エネルギーを吸収できるわけで、これは、この炭酸ガス抑制という意味においては、ある意味では今進められている燃料電池だとかコジェネよりはるかに高い抑制効果があるわけであります。同時に、当然これは省エネ効果もあるわけでして、私は、そういう現実にあるものを政策的にサポートしていかないと、先ほど、元へ戻りますけれども、例えば民生用のCO2の削減目標が、削減どころか二割も増えてしまったと、どうしましょうというときに、これというのはまだ出てきていないわけですね。そうすると、最終期限は二〇一〇年、プラスマイナス二年はあるにしても二〇一〇年、平均二〇一〇年のときに目的達成しなければならないと言っているときに、今その燃料電池だとかそういうものが果たして主役になり得るかといったらなり得ないわけでありまして、現実にどうするのか、そこに私は、技術支援あるいは政策的サポートが必要だと言う、申し上げる理由はそこにあるわけであります。 例えば、あるそのセンターの研究によりますと、従来の燃焼方式から高効率のヒートポンプに換えた場合、約一億トン、年間一億トンのCO2削減のポテンシャルがあると。この効果は現在の民生部門の年間炭酸ガス排出量の三分の一に相当すると。現行大綱におきます削減目標値、これは年間五千八百万トンですけれども、これの一七〇%に相当すると。一遍にそれは無理でしょう。無理でしょうけれども、それだけのポテンシャルを有するものであると。 ということになれば、現実にそれを政策的にサポートしていくということは、例えば再生エネルギーと位置付けして政策的にサポートしていく、これ、金要らぬのですよ。そういうことも必要なのではないかというふうに思うわけですが、もう一度お聞きしたいと思います。
○副大臣(泉信也君) 今御指摘のようなこのヒートポンプの給湯あるいは空調機、高率の空調機に対しましては、経済産業省でも、昨年度も既に五十五億ほどの予算を、これは給湯器の方でございますけれども付けて補助をしておると。それから、もう一方の高効率の空調機につきましては、この十六年度、来年度から三十億の新規の予算を付けて補助をさせていただくということで、御指摘のように大変重要な問題だという認識をして取り組んでおりますが、これからもまた努力をいたします。
○藤原正司君 補助をされているということは十分承知をしているわけでして、問題は補助ではなく、補助も当然なんですけれども、いわゆる新エネ法における新エネルギー利用等、この中に位置付けて、政策的な支援対象にしていく必要があるんではないかというふうに申し上げているわけで、民生用のエネルギーの需要の六割は熱エネルギーなんですね、冷暖房とか給湯とか。こちらに対して先ほど言いました飛躍的な新しいエネルギーを生み出すヒートポンプというのは、今後の省エネあるいは炭酸ガス抑制に大変大きな効果がある。その意味で、積極的にこの問題をとらえて、政策支援の対象にしていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○副大臣(泉信也君) 一つだけ訂正をさせてください。 先ほど空調の問題、三十億という補助額を申し上げましたけれども、三億の間違いです。申し訳ございません。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 知的財産戦略と知的財産の価値評価及び流動化について御質問をさせていただきます。 昨年も申し上げたんですけれども、我が国は知的財産立国を標榜しているところでございます。お隣の中国を見ますと、中関村に、大臣もよく御存じだと思うんですけれども、理工系の清華大学など六十八校、今もう少し増えているかもしれません、大学を集め、学生は約四十万人、理工系の学生だけで四十万人もいる。そしてまた、多国籍企業を集めまして、ハイテク産業ですとかIT、ベンチャーまで含めまして、IT関連の企業だけでも四千五百社以上集まっていると。今はもう正に、シリコンバレーなどはその最たるものなんですけれども、産と学が一緒にならなければもうこれは進んでいかない、当たり前だということなんですね。そうした意味で、中国などは知財立国をばく進しているということでございます。 翻って、我が国はでございますけれども、小泉総理の主導の下に、政府を挙げて、知的財産戦略が、日本の国際競争力を回復して強化するために現在鋭意構築中であるというふうに私は思っているところでございます。産学連携もこの一環でありまして、国立大学の独立行政法人化に伴い、更に一層の知的財産戦略が推進されると信じているところでございます。 知的財産を創造し、権利化し、保護すること、これは大変重要なことでございますけれども、一歩進んで、その価値を正確にかつ適切に評価することが、広く知的財産に対する投資を呼び起こしまして、その戦略を推進するために大変に重要であると言っても過言でないというふうに私は思うわけでございます。 政府は、知的財産が有する価値に関し客観的に評価できる基準の在り方について二〇〇四年度までに検討、整理する、また、今後本格化すると予想される合併、買収における特許等の価値評価事例を整理、公開することにより、特許等の譲渡に関する相場確立を目指す、こういう方針を示しているわけでございます。 現在、証券化ビジネスというのが非常に盛んでございまして、信託業法の改正に伴い、更に各種の分野でも証券化が進むものであるというふうに思うところでございます。知的財産の証券化も今後大きなテーマになるのではないかなというふうに思っております。その知的財産を活用するための重要な資金調達の手段となり得る、そういうふうに私は思っているところなんです。最も著作権についてはその可能性は大きい。これは評価ができるわけですね、著作権については。しかし、なかなかこの特許権についてはそれが難しいということで、その将来の事業力のマーケットが存在しないために、これに関する証券化には大きな困難が存在するというふうに考えられるわけでございます。 いずれにいたしましても、知的財産の開発及び利用を促進するには、客観的に知的財産の価値を適切に評価することが重要であるというふうに思っているところでございます。 平成十六年度より、政策投資銀行の財投を通じて知的財産の流動化支援策が講じられているというふうに理解をしております。その政府の対応方針に関しまして、知的財産の客観的かつ適切な価値判断につきまして、現状、どのような検討、整理がなされているのか、まずお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(桑田始君) お答え申し上げます。 知的財産の価値評価につきましては、先ほど先生の方から御指摘がございましたように、昨年の七月、政府全体では、知的財産戦略本部において策定されました知的財産推進計画におきまして、知的財産を一層活用するという観点から、知的財産の有する価値に関しまして客観的な評価、特に定量的若しくは定性的な分析をして、知的財産の種類ごとの特性に応じて、二〇〇四年度までに整理、検討しなさいということになってございます。 私ども経済産業省におきましては、昨年十月から産業構造審議会に専門家の方々にお集まりいただきました小委員会を設置をしております。現在、知的財産権の価値の評価の手法とかの整理を検討を開始をしたところでございます。具体的には、特許権、商標権、著作権、それぞれ権利の特性がございますので、また実際に取引をされております市場の状況などを十分踏まえながら検討していくことが大事でございます。 そういう意味で、今、価値評価の目的や価値評価が必要となる場面に応じた適切な手法につきまして、課題や留意点について検討を行っていただいている最中でございます。
○松あきら君 これ、大変に難しいというのはよく分かっておりまして、今その専門家の方たちが来て正に商標権あるいは特許権、著作権、これについて詰めているというところなんだと思いますけれども、今後、知的財産の価値評価及び流動化を推進していくための法律上あるいはその会計上、またビジネス上の問題、具体的に主にどのようなものがあるのか聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(桑田始君) お答えさせていただきます。 先ほどから、先生がおっしゃいましたように、知的財産につきましては、私ども、流通と流動化に分けて検討しております。 まず最初の知的財産の流通についてでございますけれども、御承知のように特許の流通につきましては、これはベンチャーとか中小企業、さらには最近大学での研究開発の成果を企業に移転するということがございますが、こういった、ある意味ではベンチャー、中小企業にとりましては、事業化でございますとかその有効活用のための重要な手段だというふうに考えてございます。これまで工業所有権総合情報館を通じまして流通促進に向けた施策を講じてきてございます。しかし、より本格的に知的財産を流通をさせようといたしますと、特許の内容が分かって、それを企業や大学との間に入って特許の流通を支援をしていただく人材、これが圧倒的に不足をしております。また、マッチングのための仕組みが不足をしているというふうに認識をしている次第でございます。 二点目に、他方、知的財産の流動化、いわゆる資金調達の面でございますけれども、先ほど御指摘がございましたように、日本政策投資銀行が平成七年から知的財産権担保融資を実施をしております。これは着実に実績を上げておりますけれども、ただ著作権とは異なりまして、特許権とか商標権につきましては、その価値がある意味では企業の事業戦略と密接に関連をしていると。特許はそのうちの、あるいは製品化の中の一部を構成をしているということでございますし、また実際にキャッシュフローが生んでいない限りはなかなか価値評価が難しいと。それから、さらに、担保を実行するという場合にもコストとか手間暇が掛かるということで、民間銀行ではなかなか一般化していないのが現状でございます。 流動化のうち、特に知的財産の証券化に関しましては、昨年三月、日本で初めて特許権の証券化案件が実施されたところでございますけれども、不動産なんかの証券化に比べまして金額が非常にけたが違うぐらい小さいということもございまして、同じような手間暇、コストが掛かるにかかわらず、何といいますか、金額が小さいものですから、なかなかそれが一般化しないというのが状況でございます。 今般の信託業法改正案におきまして、その辺りにつきまして少し動きが出ればというふうに期待をしております。
○松あきら君 特許というのは、多分、私はもちろん専門家ではないんですけれども、勉強しましたところ、やっぱりこのブロックの一つであると、要するに、それだけですべてができる、ですから、いろいろ今裁判などにもなっておりますけれども、その辺が非常に難しい。その一つのブロックがなければできないのか、あるいはそれだけでできてしまうのか、いろんな問題が含まれているということで、多分そういったことで著作権も、残念ながら、そうした証券化してもお金の額が非常に小さい、手間暇掛かってもということだと思うんですけれども、特許権ということになるとまたその辺が例えば難しいということなのかなというふうに今伺っておりました。 その知的財産権の評価に関しましては、今もお話ししましたように、著作権を除きましてはマーケットが存在しないわけでございます。すなわち、その知的財産の流通市場が未発達のため、適正な価格形成機能が働いていないわけでございます。様々な評価モデルが検討されておりますけれども、その評価というのは極めて困難かなというふうに私も思っているわけでございます。 そこで、これらの評価等をなるべく容易に、少しでも簡単にする方法として、政府としてどのような対策を講じようとしていらっしゃるのかお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(桑田始君) お答え申し上げます。 知的財産の価値評価につきましては、先生から御指摘いただきましたように、著作権については著作物そのものが商品となり得まして、したがいましてキャッシュフローも見積もりやすいという特性がございます。ところが、特許権につきましては、一般にそれが製品化をされて、さらに売れていくというためには、事業に貢献する要素の一つということでございまして、事業が実際に実現していなければ特許権の価値も具体化していないということで算定もしにくいということでございます。また併せまして、商標権でございますと、これは過去の企業の信用でございますとか製品のイメージを化体したものでございますので、将来もしこれを信用失墜のようなことがあれば、一瞬にして商標権の価値が大きく減価をするといったようなことがございます。 したがいまして、なかなかこの特許権、商標権につきましては価値評価は難しいということで、先ほど御紹介をさせていただきました産業構造審議会の小委員会の検討におきまして、価値評価をできるだけ容易に皆さんが使いやすいようにするために、これまで特許権、商標権について、例えば売買をされているとか、流通をしているような事例をどんどん集めてくるのがまずは不可欠ではないかという御指摘をいただいております。 私ども、今後、民間企業の事業の選択とか集中が進んでいく中におきましては、特許権や商標権の流通がこれから活発になっていくのではないかというふうに期待しております。そういう観点から、当省といたしましては、実際の流通の事例をまずは集めていきたい。また、想定される価値評価の目的でございますとか、価値評価を実際に必要となる場面ごとにモデルケースを作って、想定のケースでございますけれども、それで試しに価値評価の計算をしてみるといったようなことをやりながら、またそれを、結果につきまして情報提供することによりまして、少しでも関係者の方々が価値評価に向けての評価の容易化になっていくようにという形で私どもも情報提供を一層努力していきたいというふうに思っております。
○松あきら君 なかなか苦しんでいらっしゃるような感じでございますけれども、やはり今、モデルケースを作って、事例を作って計算してみて、そしてそれを情報公開をして皆さんにお示しをしてというようなことを伺いました。 やはり、この知的財産の流動化というものを推進していくためには、具体的にどんなインセンティブを与えることが必要なのかなと思うんですけれども、例えば加速度償却税制とか、そういうことも考えられるのかななんて思うんですけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○大臣政務官(江田康幸君) 今日は松先生、知的財産ということをテーマに取り上げていただきまして、確かに今、新産業、新事業の創出というのを行っていくというのが非常に重要な時期でございますが、そういう場合、特許権、商標権、著作権等の知的財産が非常に重要になってきます。また、それを証券化していこうと、証券化して新たな金融制度を作っていこうとする動きも非常に重要なことでございます。 今、松先生が御質問なされた、どのようなインセンティブを与えていくかということについてお答えさせていただきますが、先ほども桑田審議官の方から申しておりますように、知的財産の流動化というのは、証券化などの手法によって知的財産を担保に新たな資金を調達するという制度であると思っております。で、これにつきましては、この流動化に当たっての受皿を整備する必要がございます。 今国会に金融庁から、知的財産を信託財産の対象に加えるという信託業法の改正案が提出されております。また、来年度からは日本政策投資銀行におきまして、改正後の信託業法等を活用して、知的財産の流動化を行う事業会社に対する融資、さらには保証、そういう支援を実施することとしているところでございます。 さらには、特許の流動化につきましては、キャッシュフローが途絶えた場合、この場合に転売したり担保を実行したりすることが難しいということが問題になっておりますので、このために新たなライセンス先とか転売先を紹介してあげるという、そういう特許流通アドバイザー、こういう制度も作っておりますので、これを活用して流通市場の整備を進めてまいる予定でございます。 もう一つ、松先生は芸術等にも非常に深厚、お深いので、これらに加えまして、例えば映画等のコンテンツの制作のための資金調達というのにつきましては、映画ファンドの組成の規制緩和とか完成保証制度の整備を検討しているところでございます。 これは、例えば商品ファンド法において、ファンドマネジャーは三年の業務経験を持っていなくちゃいけないというのがありますが、これが非常にそういう経験を持つ方々が少ないと、映画業界におきまして。ですから、これを緩和する方向。また俳優さんとかが死亡したとき、また事故でトラブルが起こったときなんかは、これを最後まで映画を完成させるという、そういう責任を負う完成保証制度、こういうことが整備されてくれば知的財産の流動化も更に進んでくるということでございますので、努力をしてまいります。
○松あきら君 ありがとうございます。 映画コンテンツのお話までしていただいて、非常に心強い思いがしております。コンテンツ、また出てまいりますので、そのときもまたしっかりと御質問させていただきたいと思いますけれども、どちらにしてもこの知的財産というものは非常に大事な問題でございますので、引き続きしっかりと取り組んでいただきたい、お願いを申し上げる次第でございます。 次に、全く変わりまして、有害図書の問題について御質問させていただきます。 内閣府が取りまとめております平成十五年度版青少年白書によりますと、青少年を取り巻く社会環境に関する記述がされておりまして、この中で有害図書については、「露骨な性描写のある少年少女向けコミック誌・単行本等の追放については、各方面で住民の活発な地域活動が展開され、かなりの成果が収められている。」と、「しかしながら、近年の社会情勢の変化に伴い生活環境も年々変化し、青少年を取り巻く新たな有害環境の発現もみられるようになってきている。」と指摘をされております。しかし、今コンビニでもうこれは本当に過激な、正にポルノと言わざるを得ないような、一見見ますとすごくきれいな女性が表紙で、女性誌かなと思うんですね。あるいは普通のコミックかなと思うんですけれども、これを開けてみますと、もうびっくりするような中身であります。 私は、これは過日、数年前ですけれども、文部科学委員会で本を持っていきまして、これが現実ですよと。二十ページ以上が有害図書で十九ページ以下は有害図書じゃないと、この科学的根拠を示せと言ったんですよ。何か意味があるのかと、何で二十ページ以上が有害。 一応、有害図書といいますと、この有害図書というふうに囲われていまして少し、地上からいいますとまあ二メーターぐらいのところから一応ちっちゃく有害図書と書いてある欄にあるんです。けれども、十九ページ以下のものですと、もう地上三十センチぐらいの、例のコンビニのだあっと並んでおりまして、それが本当にたくさんあるんですね。それを実際持っていきまして、それを理事会でお見せいたしましたら、もう男性の先生方はちょっと目に涙を浮かべるぐらいショックだと。こんなのが本当にコンビニに売っているんですか、そうですよ、コンビニでこれ買ってきたんですからと。 今、しかし、要するにそのときも科学的根拠なんか示せなかったわけですよ、十九ページ以下と二十ページ以上の。有害図書と有害図書じゃない証拠というのはない、科学的根拠示せないわけなんですね。そしてまた、小さな子供でもみんな手に取れる場所にそういうものが幾らでも置いてある。これ、しかも大手の出版社がみんな出しているんです。そして、これらに対する市民からの苦情などが、もうどんどん今新聞でも本当に連日のように出ているわけなんです。子供の手の届くところにこういうものを置いておく、こういうものがあふれている。内閣府、青少年対策、どういう認識をお持ちですか。そして、どういう対策を取っていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(山本信一郎君) 今、松委員から御指摘いただきました有害環境の浄化というのは、青少年の育成にとりまして非常に大切なことで、言わば大人社会の責任であるという具合に考えておるところでございます。 今お話しございましたように、コンビニなどでそういう有害図書を子供の目に触れるといったようなことは良くないという基本的な認識に立っているところでございます。 その対策といたしましては、今、松委員も御指摘ございましたけれども、各都道府県でいわゆる青少年の保護育成条例というものを定めまして、有害図書というものを十八歳未満の子供たちには販売しないと、それから分別陳列をするということを定めて規制をしておるところでございます。またコンビニ業界団体、日本フランチャイズチェーン協会というところがございますが、ここではそういった有害・不健全図書についてはきっちりと、そういう条例に沿って分離陳列、それから十八歳未満の者には閲覧・購入禁止表示と、こういうことをきっちりやっていこうということを末端のコンビニにも徹底をして今取り組んでいただいているという具合に理解をしておるところでございます。 しかしながら、今、松委員御指摘ございましたようないろんな状況があるということも事実だろうと思います。昨年末に青少年育成施策大綱というものを定めましたけれども、こういったものに基づきまして、これからそういったようなものが、有害環境に対する適切な施策もきっちりと確実に講じられていくというために関係省庁一体となりまして、一つはこういった条例も含めました法令に基づく取締り、これをきっちりとやっていくということ、それから広報啓発活動といったものを地域の保護者も含めてきっちり推進をしていきたい。それから、都道府県、市町村、関係業界、こういったところにもそういう趣旨を、関係省庁緊密に連携を取りまして要請を行っていきたいという具合に考えているところでございます。
○政府参考人(豊田正和君) 松委員御質問の中で、出版社それから書店等における有害図書に対する対策について補足をさせていただきます。 今、内閣府の方から御説明を申し上げましたような状況でございますが、出版社、書店等におきましては、彼らが作ります団体として出版倫理協議会というのがございます。ここにおきましていわゆる十八禁マークといったものを作りまして、これを表示をする。それから、成人コーナーなど区分陳列の実施など、青少年が有害図書を閲覧、購入できないよう自主的な取組を行っているところでございます。さらに、出版倫理協議会でございますが、コンビニ店それから同協議会に非加盟の販売店に対しましても同様な取組を行うように理解と協力を求めているというふうに聞いております。
○松あきら君 法令で取り締まるというふうにもおっしゃいましたけれども、どうやって取り締まるのと。 本年一月に、成人向けわいせつな漫画本を出版したとしてわいせつ図画頒布罪に問われました出版社の判決公判が東京地裁で行われまして、被告の出版社社長に対しまして懲役一年、執行猶予三年の有罪の判決があったわけでございます。この事件は、平成十四年に成人向けの漫画を青少年が読んでいることに疑問を感じた市民の投書がきっかけで、出版社社長らがわいせつ図画頒布の疑いで逮捕、起訴されたわけであります。被告側ですが、表現の自由を保障した憲法第二十一条に違反すると、こう主張いたしまして、しかし、判決でこの主張を退けられたために、これを不服として控訴をしております。 私は、出版社側はただ売れればいいのかという、やはりこういう思いがあるのではないかと。行き過ぎた内容の漫画は、例えばそれがコミックであっても、やっぱり青少年の健全育成というものに対して悪影響を与えないわけがないと。 私は、憲法で保障された表現の自由が無制限に認められるわけではないというふうに考えます。出版者側は社会通念を大きく逸脱しておりまして、表現の自由は最小限の道徳観が維持されていることを前提に保障されるものだと私は信じているわけでございます。何でもかんでも表現の自由でいい、残念ながら今まだこんなような感じかなという残念な思いでございますけれども、私は本来ならばやはり最低限の道徳観というものは必要ではないかというふうに思っております。 先ほど、青少年の保護育成に関する条例、これもそれぞれ出しておりますし、また各自治体で有害図書の問題にいろいろ取り組んでくださっております。しかし、実際はコンビニ等で売られているんですね。それを子供たちや大人が喜んで、そうしたポルノまがいの、ほとんどポルノですけれどもね、そうしたものを置いておくとよりいろんな人が群がって店番になるというんですね。夜なんか特に危ないですから、このごろ。だからあえて置いておくという、こんな話も聞いているんですよ、冗談じゃないというふうに思いますけれども。皆さんよく、ただ読みというんですか、そういうふうにしてもらうと助かると、お店が、そういう話も聞いているわけでございます。 出版社が優良な書籍を発行する、これはすばらしい。この間も、過日、芥川賞に十九歳と二十歳の方が受賞されまして、私はまだこれ読んでいないんですけれども、積み上げておりますんですけれども、まだなかなか読む時間がないんですけれども。ともかく、こうしたものが今ベストセラーになっているということで、これはすごくすばらしいことです。活字文化、こういうものを私は振興を図る観点からも大変重要だと思っております。 しかし、だからといって、片方でそうした出版社が有害図書を垂れ流しするような社会問題化しているような状況で、私は、経済産業省としても、これは所管じゃありませんよなんて言っていられないというふうに思うんですね。先ほど豊田局長もお答えになっていただきましたから、所管じゃないと言っていられない、縦割りなんかしていらっしゃらないと思いますけれども、やっぱりこれも出版業という産業の一つでもございますので、やはり私は、経済産業省としてもこの実態をよく調査をして問題点を浮き彫りにする必要があるのではないか、積極的にこの問題にかかわっていただきたいというふうに思っております。 経済産業大臣の御所見あるいは個人的な感想でも結構でございますので、よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(中川昭一君) 今の松あきら委員のお話を伺って、私も時々コンビニ行ってお握り買ったり牛乳買ったりしますけれども、確かに入口のところに雑誌類があって、そこに立ち読みしている人たち、なかなか、その本を読みたいということではなくて、一般論としてちょっとそこは避けて通りたい、特に夜はですね、というような感じがいたします。 今、委員からも御指摘ありましたように、表現の自由、これはもう民主主義国家において守らなければいけない問題ですけれども、それと同じようにといいましょうか、優劣はあえて付けませんけれども、公序良俗というものがあるんだろうと思います。そういう意味で、前半の御議論は知的財産をどうやって守っていくかという御議論でございまして、拝聴いたしましたけれども、知的財産を守るということは、何でもいいから知的な、知的といいましょうか、無体財産権を守るということでは決してないわけでありまして、あえて私は、守るべき知的財産と守るべきではない知的財産とを区別して考える必要があるのかなと。 これは最終的には裁判とか公的なところでの判断ですから、なかなか口で言うのと実際にやるのとは難しいことになると思いますけれども、特に子供たち、私も実は小学生の子供がいるわけでありますけれども、健全に育ってもらいたいと思っている一人の人間として、守るべき知的財産と、守る必要のないというか、守ってはいけない無体財産権とははっきり区別するべきではないかなと、今、委員のお話をお聞きしながらそう思ったところでございます。
○松あきら君 どうぞ、しっかりとした御認識をお持ちでいらっしゃいますので、この有害図書に関しましても経済産業大臣としてお取り組みいただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 十五日の予算委員会で取り上げさせていただきました鳥インフルエンザの問題につきまして、中小企業や地域経済へ非常に大きな影響を持っておりますので、引き続き質問をさせていただきたいと思います。 私の地元の京都では正に鳥災害に遭ったというような状態でございまして、住民の物理的、心理的、経済的な負担と被害は大変なものでございます。地元の住民の皆さん、丹波町、京都府の府民の皆さんの御努力と丹波町や京都府の本当に寝食忘れた御努力によりまして、また国の支援もありまして、三月の二十二日五時半ですね、防疫措置の完了が宣言をされまして、小委員会での検討を経た上で、四月の十三日に移動制限などの解除の見通しが出てまいりました。大変喜んでいるところでございます。 問題は、二度とこういうことが起きないでほしいと思いますけれども、感染ルートもまだ定かではないというこの問題、しかも、私、予算委員会で問題提起をさせてもらいましたが、浅田農産は二十数万羽を飼う非常に巨大な、正に私は養鶏場というよりも鳥工場じゃないかというふうな印象を持つんですけれども、そういう巨大な養鶏農家が今日本の養鶏農家のどれぐらいを占めてどれぐらいのシェアがあるのかということで明らかにしていただきましたが、およそ、十万羽以上、卵の場合は三百六十戸で五四%のシェアを占めている、ブロイラーは十万羽以上で一千八百八十戸、出荷シェアは八八%を占めているという、大きなシェアが占められている巨大な養鶏農家が増えているという実態でございます。一たびそこでああいうような事態が起こりますと、また大きな問題になりかねません。単に生産者だけの問題ではなくて、関連業者や中小企業への影響は非常に大きいと思います。 そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、この鳥インフルエンザの、七十九年ぶりに日本を襲っておりますが、この事態について経済産業大臣としてのどのように受け止めていらっしゃるのか、最初にお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) ここ数年、本当に食に対するいろいろな問題といいましょうか、国民的な食に対する安全性の関心というのは、残念ながらといいましょうか、いろんな出来事が発生した結果、非常に高まってきているわけでございます。 そういう中で、今回、一月ですかから続発をしております鳥インフルエンザ、委員の御地元の京都でも大変な影響をお受けになっているということは予算委員会でも御質問で伺っているところでございます。 我々、経済産業省といたしましては、経済に与える影響が第一義的な所管でございます。もちろん、食品の安全性については農林水産省、厚生労働省が主な所管でございますから、綿密に連絡を取り合いながらやるべき対策は取っておるところでございまして、発生と同時に特別相談窓口を設置をいたすと同時に、セーフティーネット貸付けの対策もすぐ取りましたし、また二十六日からはセーフティーネット保証の特別別枠の保証制度も取っておるところでございまして、この件に関して、影響が生じる可能性のある関係業界に対して、我々といたしましても万全の対策を取るよう準備をしているところでございます。
○西山登紀子君 特にお考えいただきたいのは、これはもう過去の問題に本当になればいいわけですけれども、いつこういうことが起きるか分からないということから非常に、私も大変危惧していることでございます。まだ事態は、地元ではこれからもいろいろな問題が起こっております。 十六日に総合対策が出されたんですけれども、地元をずっと歩いておりますと、一体いつからどれだけの支援がどれだけ手元に来るのかという具体的なことを明らかにしてほしいという声がやっぱり強いですね。もう本当に一か月ばかりたっておりますので、もう大変です。 そこで、厚生労働省にお伺いいたしますが、予算委員会では衛生環境激変対策特別貸付けの中で検討しているという御答弁が大臣からありますが、いつから実施をするのでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) お答え申し上げます。 衛生環境激変特別貸付制度につきましては、明日、三月二十五日より発動する予定とさせていただいております。
○西山登紀子君 かしわ屋さんという言葉は大変何か京都とか関西の言葉というように聞きまして、余り通用しないところもあるようですけれども、かしわ屋さんというのは、京都では京都地鶏、丹波地鶏ということでとてもブランドでございます。 京都府の食鳥肉販売業生活衛生同業組合理事長、長い名前ですけれども、河原さんという方がインタビューをしていらっしゃって、このままでは全滅してしまうと、私の店も創業百二十年になるが、こんなひどいのは初めてだとおっしゃっていまして、低利融資があっても影響がいつまで続くか分からないので、今後返済していけるかどうか非常に不安が大きいというようなことも言っていらっしゃるぐらい、いわゆる突発的な鳥災害が今起こっているわけですね。 せめて、明日からということでこれは結構なことなんですが、無利子で一年以上の据置期間などを設けるようにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきました特別貸付制度でございますけれども、これは今回のような、感染症のような発生によりまして衛生環境に著しい変化に起因して業況が悪化したような、こういったケースに生活衛生同業組合に所属する事業者を対象といたしまして貸付けを行う制度でございます。こういった同業組合の方では業界全体の公衆衛生水準の向上を図っていただくということでございまして、こういったことにかんがみまして、現在最優遇金利でございます、現段階では〇・七五%でございます、こういった低利の運転資金の融通をしているわけでございます。 こうしたことでございまして、この貸付制度についてはなかなかこれを無利子とすることは難しいわけで、困難であるわけでございますが、返済につきましては、借入れの日から六か月以内であれば元本についての返済猶予に応じることとしておりますし、また個々の営業者の実情によりましては猶予期間を最大一年間延長することも可能としているところでございます。 私どもといたしましては、無利子とすることは困難ではございますが、こういった形での返済方法もございますので、こうした制度の運用によりまして適切な対処をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○西山登紀子君 かつて経験したことがない事態が起こっておりますので、よく声を聞いて対策をお願いしたいと思います。 次に、生産者に対する損失補てんの要望なども出ているわけですが、具体的に私も養鶏農家のところをお訪ねいたしました。すると、やっぱりこういうことなんですね。 十三万羽の鳥を飼っていらっしゃるところで毎日十一万個の卵が生まれる、産むわけですが、それを箱詰めにしてトラックに載せて制限区域内の倉庫に運んでいるわけですね。それで全部消毒をしてトラックに詰め込んでおりますが、その箱詰めの箱代も要るし、運送代も要るし、倉庫代も要るし、こういうものは本当に補償してもらえるんだろうかというお声を聞きました。 もう一つは、卵が増え続けて大変なんで強制換羽というものをやっていると。これは、十日間ぐらいえさを与えないで卵を産まないようにしているそうですけれども、そういうふうにした鳥の分は、大変かわいそうなことをしているわけですけれども、補償の対象に一体なるんだろうかというお声がありましたが、その点はどうでしょう。
○政府参考人(齊藤登君) お答えいたします。 今般、十五年度の予備費を使用いたしまして措置する高病原性鳥インフルエンザ蔓延防止緊急対策事業というもので、移動制限区域内の養鶏農家に対しましては、まず鶏卵でございますが、移動制限期間に生産され出荷が困難となりました鶏卵につきましては、鶏卵価値の減少分それから輸送・保管経費につきまして、また、移動制限により出荷が遅延した肉用鶏につきましては、飼料の増加分それから鶏肉価値の減少分をそれぞれ府県を通じまして助成することといたしておるところでございます。これによりまして、移動制限に伴う養鶏農家が被る損失の主要な部分はカバーできるものというふうに考えております。 また、ただいま委員からお尋ねのありました強制換羽の関係でございますけれども、これにつきましては、産卵中止ということになるわけで、これでデメリットがあると。これはお説のとおりでございますが、一方、産卵再開後に産卵鶏の採卵期間が増えるという、延長するということもございますので、このなかなか判定が難しいということがございます。 そういうことで、これにつきましては、補助金の適正執行の面からなかなか、その損失分を参酌するというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○西山登紀子君 これ難しいんですよね。卵をちゃんと置いておかなかったら、後、その損失分の計算ができないからといって卵を箱に入れて倉庫に入れているんだけれども、換羽した分は卵を産まなくしているわけですから卵はないわけですよ。その分をカウントしてもらわなかったら大変だというのがお声ですよね。これはやっぱり、何とかやっぱり聞くべきだというふうに思いますが、検討をお願いして、次の質問に移りたいと思うんですね。 実は、丹波の方には高田養鶏というところが、二次感染ということで三月の三日に発生が明らかになって、その後、処分を進んで申し出るというような農家がございます。そこにも私、行ってまいりました。 そこでお伺いしたことは、こういうことです。高田養鶏は一九一三年から創業していると、私で三代目だと言っておられました。そして、その場で、もう一度養鶏場を再建したいと言うんですね。訪ねてみますと、やはりそこの養鶏場は浅田農産から少し、丘を越えてこちら側というようなところなんですけれども、消石灰がまかれておりまして、鳥の姿が一匹もいないというのは、確かにそういう光景で私は本当に大きなショックを受けましたが、そこに住み、家族経営で四人でやっていらっしゃる高田さんは、九月をめどにして是非再建をしたいと強い意欲を持っていらっしゃいました。再建をすることによって、ここは安全なんだということを証明もしたいんだというふうにも言っておられました。立派な心掛けだと思います。応援をしなきゃいけないというふうに私も思いました。 その間のえさ代は一千五百万円掛かると。この補償も何とか考えてほしいということと併せまして、ブロイラーが一人前になるのには百日掛かると。これも具体的に伺ってなるほどなと思ったんですけれども、四月の中旬から卵を仕込んで、ひなが手に入るのは五月の連休明け。六月から八月の間は鳥を育てて、九月に一人前になると。そこで売るということになるわけですね。その間、じゃ自分たちの生活は、お金は何にも入ってこないわけだから、休業補償というようなものを考えていただければ有り難いんだけれどもなというお声がありました。これはやはり当事者でないと分からない要望じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(井出道雄君) お答えいたします。 高病原性の鳥インフルエンザの発生農家には、家畜伝染病予防法に基づきまして、患畜、疑似患畜の殺処分や汚染物品の焼却、埋却について国が手当金を支払うことになっております。今回の発生では、当該農場の場合、殺処分をされた鶏のうち疑似患畜として一万四千七百羽おりますが、これについては評価額の五分の四、それから患畜として指定されました三羽については評価額の三分の一の手当金が支払われることになっております。また、埋却に対しましても、その要した費用の二分の一が交付金として支払われることになっております。また、発生農家の経営再開につきましては、新たに鶏を導入したり飼料とか営農資材を購入するための経営再開に要する資金を低利で融通する家畜疾病経営維持資金というのがございまして、これの融資等を通じまして支援を行うところでございます。ちなみに、この資金の貸付限度額は二千万円となっております。 このような措置を通じまして、発生農家の経営再開に向けた取組を支援してまいりたいと考えております。
○西山登紀子君 その休業補償というような、経営再開までのものは検討はされていないんでしょうか。
○政府参考人(井出道雄君) 経営再開に当たっての資金については、今御説明いたしましたように、家畜疾病経営維持資金という形で低利の資金を融通をするということで対処をいたしております。
○西山登紀子君 借金はしたくないというお声がございましたので、是非検討の課題に入れていただきたいなというふうに思います。 次に、生産者の側じゃなくてむしろいろんな形での影響を受けたという中小業者の問題なんですけれども、予算委員会でも例に出しましたが、浅田農産、高田農場の近くで交通の移動制限を受けた民宿がございます。また、丹波自然運動公園という、すぐそばなんですが、高田農場の、そういう使用が禁止されたものですから、それを利用しようとしていたところでお泊まり客が全然なくなってしまったという花丘センターという宿泊、宴会などの民宿がございます。宿泊収容は百名ということですから、かなり大きなところです。ここでやはりどんどんどんどんキャンセルが増えてきてしまって、五月、今、五月の連休までほぼ客がない、今日これ預かってまいりましたけれども、これ予約表がこうやってペケペケって、こうペケ印がずっと続いているという、これを見せていただきましたが、大変なことでございます。このキャンセル料三百六十万円ということなんですが、この損害の回復が見通せない中で融資の利用も考えられ得ないということで、是非、こういう二次災害といいますか風評被害も受ける、それから直接の交通制限の被害ももろに受けると、こういう中小業者に対する支援策、是非お考えをいただきたいんです。いかがでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。 損失補てんのようなものにつきましては、基本的に関連する事業を所管する省庁におきまして必要に応じ検討されるものと認識をいたしております。一口に損失補てんと申しましても、個々の事案により損失の原因、損失の大きさ、それからその事業者への影響、経営への影響などはまちまちだと思います。このため、損失補てんにつきまして私どものような役所が一般的な制度を設けるというのは非常に困難でございまして、制度の要否や内容につきましては、個別の事案に応じて関係する省庁において御検討いただくことが適当と考えております。 いずれにしても、私どもとしては、セーフティーネット貸付け、セーフティーネット保証に万全を期して関連中小企業に対する円滑な資金供給に努めてまいりたいというふうに思っております。
○西山登紀子君 私も丹波町の商工会に行ってお話を聞いてまいりましたが、そういう影響を受けているのは民宿だけではございません。風評被害というものもやっぱりあるわけですね。そして、またちょうど真ん中辺り、移動制限の真ん中辺りにあるドライブイン、やまがた屋さんというのがあるんですけれども、そこなんかはもう観光バスもそこを通らないようなコースを選んでしまう。つまり、夏の海水浴客用の観光バスですから、そうなりますと、非常に恐ろしい影響が出ておりまして、売上げががたんと三割減になっているというようなことで、これは本当に大変なんだということでした。 ですから、こういうホテルだとか旅館だとか飲食業だとかそれからドライブインだとか、そういったようなところも損失補てんをしてほしいと、自分たちの責任じゃないんだからというお声はもう強うございまして、私もその気持ちはそうだろうというふうに思いますけれども、こういう点で、中小企業庁がお考えになっている支援の、支援策というか、それを具体的に教えてください。
○政府参考人(望月晴文君) お答え申し上げます。 損失補てんに関しましては、基本的には先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、特にあえて一般論を申し上げれば、財政資金を個別事業者における行政行為に直接起因しない損失への補てんに用いることはやはりその慎重な検討が必要と認識しております。したがいまして、先生今例示に挙げられましたような風評被害等々で被害を受けておられる、あるいは被害を受ける事業者の方がおられるとすれば、融資、保証等の金融対策というのが私どもとしては今適切な対応策であろうかというふうに考えておるところでございます。
○西山登紀子君 三月の二十三日に、セーフティーネット保証五号の発動ということで発表されておりますけれども、中身を説明してください。
○政府参考人(望月晴文君) 先般発表いたしましたものは、先ほど大臣からもちょっと申し上げましたけれども、三月二十六日から食鳥処理加工業、鳥肉卸売業、鳥肉小売業、卵卸売業の四業種の中小企業者について、農水省の調査によりまして影響が出ているという結果を踏まえまして、セーフティーネット保証を、信用保証協会のセーフティーネット保証の対象にするということでございまして、これによりまして、全国のこの関連中小企業者は、一般枠に加えまして別枠、普通保証二億円、無担保保証八千万円などの保証を利用することができるようになるという措置でございます。
○西山登紀子君 この五号指定はこれは発動になったと、これは大変結構なことなんですけれども、これ四業種だけなんですね。今、私が例に出してきましたいろんな関連業者というのは救済がされないということになります。 ですから、この風評被害も含めて非常な今困難に陥っていらっしゃるそういう業者さん、あるいは地域のドライブインやいろんな関連業種の皆さんを何とか救いたいと。そのためには三号の地域指定、こういったことができないものかどうか、また五号の業種の拡大と要件の緩和、こういうこともできないものかどうか、その点を大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(坂本剛二君) 今までずっと御答弁ありましたように、農水省の調査の結果を踏まえて五号の保証を実行するようになったわけですが、京都府などの地方公共団体がいわゆるセーフティーネット保証三号等の指定を受けるために地域の産業への影響調査を行う場合、影響調査、京都府や市が行う場合には経済産業省としてはその調査結果を踏まえて適切に対応したいと、こう思っています。
○西山登紀子君 京都府の方からの要請があればということなんですけれども、私たちも地元で是非頑張りたいと思います。三号の地域指定ということで多くの業者さんが救えるようにしたいと思うんですけれども、五号の不況業種の要件の中には三か月間の平均とかそういうのがあって、これはほかのところからの調査の結果を経産省が判断をするというふうになっているんですけれども、これはやっぱり要件をきちっと緩和をしていくということでないと、この突発的な鳥インフルエンザの被害には対応できないというふうに思います。 それはなぜかといいますと、京都市が、あるいは京都府と京都市が高病原性鳥インフルエンザ緊急融資という制度を三月の十五日から行いましたが、それには緊急融資の申込みが殺到したということで、新聞報道によりますと、三日間で八十件殺到しているということでございます。これにはいろんな要件の緩和がありまして、四業種だけではありません。飼料販売業や飲食店等ということで、広く融資の対象に見ていると。それから、具体的な対象要件も最近一か月の売上げの減少、こういうふうに要件をうんと緩和して融資の対象にしております。 大臣、予算委員会でも聞きましたけれども、こういう地域の、地方自治体の突発的なこのインフルエンザに対する緊急融資制度を国が支援をするということが、今後広がらないとも限らないわけですから、検討しておくことが必要ではないかと思うんですが、大臣に、最後に大臣にお伺いして──いや、大臣に、大臣に。
○国務大臣(中川昭一君) 本当にこのインフルエンザの三地区、特に京都が最近でございますけれども、養鶏農家始め関係の皆さんには大変なことだろうと思っております。そういう中で、できるだけの我々としても、窓口相談あるいはまた貸付保証等の制度を農林水産省からの要請に基づいて迅速にやったつもりではございます。また、これからも地元とよく連絡を取りながら関係業界の皆様に対して経済産業省として何ができるかということをよく相談をしていきたいと思っております。
○西山登紀子君 よろしくお願いをいたします。 次に、業者婦人の問題についてお伺いしたいと思うんですが、まず大臣に、私もこの経済産業委員をさせていただいて六年目になるんですけれども、業者婦人の問題をずっと質問をさせていただきました。実態調査も取り組んでいただきました。そこで、中川大臣は四人目の大臣ということになりますので、中川大臣、この業者婦人、業者婦人という慣用語はないようでございますが、女性の中小企業などに従事していらっしゃる皆さん、あるいは起業を、起こしていらっしゃる女性を総称して私たちは業者婦人と呼んでおりますけれども、そういう方々の日本経済や地域社会に果たしている役割、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 私も経済産業省の大臣を拝命する以前に北海道のいわゆる農村地帯を地元としているわけでありますが、私の地元の例でいくと、本当に地域の経済というのは、その地域で頑張っていらっしゃる業者婦人、自営業を営んでいる女性の方々の役割というものは非常に大きい。委員は念頭にはいわゆる自営の女性の方を置かれているかもしれませんけれども、自営の方も、それから私のところは農業が多いものですから農業に従事している方、もう本当に奥様の、女性の力なくしては私のような大規模で非常に自然条件の厳しいところではやっていけないぐらいに重要な位置を占めているわけでございます。 そういう意味で、日本の経済を今頑張って、一生懸命歯を食いしばって頑張っているのは中小企業者、全国の中小企業者であり、その中核は、家庭人としてと言うとひょっとしたら怒られるのかもしれませんけれども、そういう役割も果たしている方もいらっしゃいますが、さらに自営業として頑張っておられる女性の方の役割というものは大変大きいというふうに認識をしております。
○西山登紀子君 農家の女性もそうなんですけれども、中小企業の中で働いている女性というのは、家庭のお母ちゃんであると同時にまた仕事も家族ぐるみ一生懸命やっている、そして地域活動もやっていると、もう一人で何役もやっていらっしゃるというすごいパワーを持っている。 問題は、やっぱりそれが日本経済を支えている中小企業、その中小企業を支えているお母ちゃんたちの力というものが社会的にきちっと評価されているのかどうかということが私は問題だということでいろんな問題提起をしてまいりました。自家労賃の問題もそうでございますし、またその健康管理なんかについてもどうなんだ、実態調査も必要じゃないかというようなことをずっと言い続けて、政府としても二十二年ぶりの業者婦人の実態調査にも取り組んでいただいて、一回こっきりにしないというお約束も前の大臣からはいただいております。 そこでお伺いしたいんですけれども、今年度の予算の中で、そういう取組も踏まえまして、この業者婦人の施策の拡充点、どのように行われようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君) 自営中小企業に携わる女性の方々に対しましては、全国各地の商工会、商工会議所において個別の経営相談に対するきめ細やかな対応を図っております。また、商工会、商工会議所向けの予算でございます若手後継者等育成事業の中で、女性部それから青年部が行う各種の研修等の事業活動を支援しているところでございまして、平成十六年度予算案におきましても九億九千万円、今年度の、十五年度予算額と同額でございますけれども、を計上し、引き続き積極的に支援していくことといたしております。 また、女性等の創業ニーズにこたえるために創業者に無担保無保証で融資を行う新創業融資制度というのがございますけれども、一般創業者よりも低い金利が設定されており、さらに、これ全体でございますけれども、融資限度額を十六年度当初より五百五十万から七百五十万円へ拡充することといたしております。さらに、創業に必要な実践的能力修得を支援する創業塾において、女性向け創業塾を十五年度においては全国合計六十か所で実施をいたしました。十四年度は当初で二十三か所、補正も含めて三十二か所とするなどの取組も行っているところでございます。十六年度においても引き続き積極的に実施をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○西山登紀子君 この十年間でこの女性事業主あるいは家族従業員の数というのはどれぐらい減っているでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) 総務省の労働力調査によりますと、女性の自営業主数は、一九九三年が二百十七万人、二〇〇三年が百五十四万人となってございまして、この十年間で六十三万人減少しております。また、女性の家族従業員数は一九九三年が二百二十三万人、二〇〇三年が百五十五万人となっており、この十年間で六十八万人減少をいたしております。
○西山登紀子君 最後に、大臣にお伺いいたしますが、今お聞きになりましたように数減っています。OECD諸国の中で日本だけがこの女性の自営業が約二十年にわたってずっと減り続けています。つまりそれは、大規模店がこう増えていって、小さな小売店が減っていくということも背景にはあるんじゃないかというふうに思いますが、昨年の十一月に実は民間団体、全商連婦人部協議会というところが、これ三年ごとにやっている全国業者婦人の実態調査というものをやられて、昨年の十一月に記者会見をされましたが、十回目の調査だということなんですね。この実態調査は、非常に深刻な業者婦人をめぐる実態を浮き彫りにしております。政府も調査をやっていらっしゃるんですけれども、こちらの方もきちっとやっていらっしゃる。三年ごとにやってきて十年目ですから、非常に経過が分かります。実態把握とか、言ったらば総合的な把握というものがきちっとやはり必要だなと思っております。特に、外国と比べた場合に、G7の諸国においてはこの二十年間で、イタリアなどでは二八%台をずっと維持しているだとか、業者婦人を支援する施策が非常に発達していると、出産休業補償もイタリアなどは補償しているというようなことなので、是非、大臣、この海外の例も含めて業者婦人の地位の向上を施策に盛り込んでいただきたいと思いますが、最後にお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 日本の自営業の皆様方は大変今頑張ってというか、御苦労されているということは先ほど申し上げたとおりでありますが、特に女性の自営業を営んでいる方々は、今御指摘あったようにいろいろと大変だろうなということは私も承知をしているところでございます。したがいまして、今後とも調査をしていきたいと思いますし、委員御指摘のように、海外との比較等も踏まえて、よりきめ細かな調査をしていきたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 終わります。
○委員長(谷川秀善君) 以上をもちまして、平成十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十一分散会