金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 138 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/04/19
会議録
○委員長(櫻井充君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、大脇雅子君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君及び大門実紀史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に金融庁検査局長佐藤隆文君、金融庁監督局長五味廣文君、法務省民事局長房村精一君、国税庁次長村上喜堂君、経済産業大臣官房審議官桑田始君、中小企業庁事業環境部長大道正夫君及び中小企業庁経営支援部長西村雅夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。竹中内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年十二月十九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十五年四月一日以降九月三十日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。 初めに、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について御説明申し上げます。 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。 次に、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。 報告対象期間中に、預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については三十五件で、債権額千七百五十三億円、支払額千六百三十二億円であり、あおぞら銀行については二十六件で、債権額四百三十七億円、支払額三百七十三億円となっております。 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について御説明申し上げます。 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千六百八十六億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取りは、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆三千六百六十三億円となっております。 これらの預金保険機構による資金援助等について、十五年九月三十日現在における公的資金の使用状況について申し上げます。 一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定、金融機関等経営基盤強化勘定における政府保証付借入等の残高は、各勘定合計で二十一兆千三百七十二億円となっております。 最後に、参考として報告しております公的資本増強に係る取組のうち主なものについて御説明申し上げます。 昨年五月十七日、金融危機対応会議の議を経て、りそな銀行に対して、預金保険法第百二条第一項に基づく資本増強の必要性の認定が行われました。五月三十日、同行から資本増強の申込み及び経営健全化計画の提出がなされ、六月十日、一兆九千六百億円の資本増強を行うことを決定し、預金保険機構から六月三十日に公的資金が払い込まれました。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(櫻井充君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林温君 自由民主党の小林温でございます。 本日は参議院ではこの金融問題及び経済活性化に関する特別委員会のみが審議が行われておりますので、一言、無事解決をされましたイラクの人質問題につきまして、大変熱心に御努力をいただきました政府並びに関係の皆様に御礼を申し上げたいと思います。 そこで、今日は、金融と経済、二つの名前が付いた委員会で質問させていただくわけでございますが、私、かつて企業の経営をしておりましたので、どうしても借り手側あるいは企業の立場から政府の打ち出される政策、施策が金融を仲介にどう借り手側である企業に影響を与えるかという方に目が行きがちなんでございます。参議院でも衆議院でも、例えば財金あるいは経済産業それぞれで経済問題、金融問題の議論が行われているわけでございます。例えば、後ほどちょっと質問申し上げようと思いますが、金融検査マニュアルについては財金で議論が行われると、それから中小企業の関連でいいますと、融資の証券化を中小公庫に担わせる公庫法というのを実は経済産業の委員会で先週成立をさせていただいたわけでございます。こういったそれぞれの法整備あるいは政策の展開が一体となってやはり景気の回復の道筋を付けていくということが大事なんだろうというふうに思うわけでございます。 そこで、今日、竹中大臣に幾つか御質問をさせていただきたいというふうに思いますが、先日、月例経済報告が発表になりました。私、常々、景気回復の途上にあるのは間違いないが、まだ壁があるんだと、そしてその壁は、一つには大企業から中小企業、そして都市部から地方へ、そして製造業から非製造業へいかにこの景気回復の橋渡しをしていくのか、これが今の日本の政治にとって大きな課題だということを申し上げてきたわけでございますが、先日の月例経済報告を見ると、この問い掛けに対する答えがかなりの部分見受けられるという印象を私は持たせていただいたわけでございます。 ここまで来ると、景気回復が本格化してきたという議論に、意見にそれほど異論もないような状況になってきたのかなと思います。少し前までは、この景気回復というのは循環型なので、決して内閣や政府の施策の効果が出ているわけではないという批判もあったわけですが、そういう声もどうも聞こえなくなってきたんじゃないかというふうに思います。先月には予算も成立したわけでございますが、総理もよくおっしゃりますけれども、補正予算必要だと、こういう声も実は聞こえないわけでございます。 こういう流れを受けて、とはいえ、やはり景気というものは国民にとって最大の関心事でございます。小泉内閣として、この確かな足取りをしっかりと国民の皆さんにアピールをしていただく、そして安心感を持っていただいて消費回復につなげていくと、同時に、私は後ほどまた質問をさせていただきたいと思いますが、ではどこにまだ課題が残っているのかということについても明確に示す必要性があるんだろうというふうに思うわけでございます。私、今回の景気回復を見て、議論のかみ合わない部分もあるのは、一つには、過去の経験則が適用できない、そういう形での回復が進展しているんじゃないかというふうに思うわけでございます。 そこで、竹中大臣に、政策の責任者として、あるいは経済学者、エコノミストという立場も踏まえて、今回の景気回復の特徴というものをどういうふうにお考えになっているのかということについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 冒頭、小林委員から大変包括的な現状についての御説明を既に非常に丁寧にいただいたというふうに思っております。 委員の直接の御質問、時間の制約もあろうかと思いますので、に限らせていただきますと、景気回復の特徴をどのように議論するのか。ここはやはり、実は経済の現状判断の上でも大変重要なポイントであると我々考えております。いわゆるバブルが崩壊しましてからこれまで、過去にも二度景気回復のチャンスがありました。一つは九六年から九七年ぐらいにかけての時期、もう一つは九九年から二〇〇〇年にかけての時期、そのような時期であったというふうに記憶をしておりますけれども、そのときと比べると私はやはり三点ぐらいの点で違いがあるというふうに認識をしております。 第一の点は、やはり過去二回に比べて金融が非常にしっかりとしたものになってきている。少なくともそういう実績が現れつつあるし、またそういう認識が広がりつつあるという点ではないかと思います。 金融の問題に関しては、以前、まだ回復期にあったときも、そもそも不良債権がどれだけあるのかと、そういうことを非常に疑問視する専門家が多数いた。そうした中で、しかし、資産査定のルールをきちっと作って、それが浸透している中で今検査をしっかりして、もちろん個々にはいろんな問題まだ残ってはいるわけですけれども、資産査定がしっかりして不良債権が洗い出されてきているということに関しての認識は広がっているんだと思います。 また、特に主要行に関しましては、目標を決めて、それで不良債権比率が今着実に低下して、来年の三月期には四%台というのを我々是非実現したいと思っておりますし、またできるというふうに思っておりますが、不良債権が減っている。そういう中で、経済の根幹を成す金融に対する信任、コンフィデンスがやはり過去二回とは大幅に違っている。こういう点は、株価全体が上昇する中でも、特に銀行の株価が上昇してきたということに集約的に現れているんだと思います。 繰り返しますが、個別にはもちろんいろんな問題あるわけですが、昨年一年、日本の株価は四七%上がっております。これ、アメリカのダウが三〇%、イギリスが二〇%ぐらいですから、それを上回って上がっているんですが、実は四メガバンクの株価は、平均が四七%で上がる中で、四倍に昨年一年に関してはなっております。それまでの低下が大きかったんだという御批判はもちろんあるわけですが、しかし、それにしてもこの信任の上昇というのはそこに現れている、これが第一だと思います。 第二は、需要面で見て、政府の需要に頼らない形で、正に民需主導になってきているということだと思います。 前回の景気回復局面では、数次にわたる経済対策、これは二十三兆円ないし二十四兆円ぐらいの累次にわたる規模の経済対策を取られて、それによってようやく全体の需要が持ち上がったということでございますが、今回は大きな補正予算を組むことなく、正に民需主導でこのような回復になっているという点がやはり二番目の大きな特徴だと思います。これは、総理が将来にツケを残さないんだという非常に強い姿勢の下で、政府に頼らない自助自律の成長を目指すということが、これはメンタルにも日本の経済の各部門に浸透していっているということであると理解をしております。 第三番目の特徴は、実は第一、第二とある意味で関連するんでございますが、実は地域間の格差がやはり今までとは少し違う形で出てきている。端的に言いますと、一律に公共事業を各地域に配賦する場合、その各地域の成長率というのは似てくるわけでありますが、今回、そういうことをやらないということになりますと、例えば今でありますと、非常にIT等々に特化している地域は伸びるんだけれども、そうでない地域はなかなか伸びないと、そういう問題が新しく出てきているという点もこれは問題点として認識をしなければいけない、これも特色であろうかと思います。 したがって、小林委員、将来の課題ということを挙げられましたけれども、実はこの地域格差の是正、地域再生という新たな構造問題に取り組むということが大変重要な課題になっているというふうに認識をしております。さらには、これを、やはり今企業部門が引っ張っていっているという形を、早くやはり消費を巻き込む形、家計に広げなければいけない、それも引き続く課題であるというふうに思っているところでございます。
○小林温君 大臣から、今、金融、民需、地域という特徴を挙げていただいたわけでございます。今幾つかの課題についてもお触れをいただいたわけでございますが、先ほど申し上げました中小企業の問題としては依然として残っている。これは少し大臣にも中小企業の問題についてお答えいただいて、後ほどまた中小企業庁にもお伺いをしたいと思いますが。 それから、経済指標を見ると、デフレの克服ということについては、これはいまだ道半ばの感もあるわけでございますが、この点についてどういうふうにお取り組みになられるか。それから、企業の業績が改善したと、これを家計あるいは消費へどうバトンタッチしていくか、つなげていくか。今日、実は日経新聞に賃上げの記事が出ておりまして、賃金上昇率が七年ぶりに前年実績を上回るという、こういう統計があるわけでございますが、これが消費の拡大につながるんであれば消費マインドの改善が景気を下支えすると、こういう状況にもなるんだろうと。これを一日も早く是非実現をしなければならないんだというふうに思います。 それから、失業率も全体としては改善をしているわけです。数字にも表れているわけでございますが、ただ、例えば高校を卒業された方、大学卒業された方、若年雇用の部分についてはまだこれ依然として課題が残されていると。フリーターということが言われるんですが、この増加も失業率とはまた別に、一種の社会現象だということもあるんでしょうが、仕事に就きたくてもまだ就けない、見付からない若者がたくさんいるというのも現実だろうと思います。この若年雇用の問題についてどういうふうに今後、今申し上げたような課題について取り組まれるかということについてお答えをいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、主に四点御指摘をいただきましたが、どれも大変難しい問題でございます。できるだけ簡潔に御答弁をさせていただきますが。 まず、デフレの御指摘、御指摘のとおりでありまして、実物経済はかなり良い方向に向かっているんであるんだけれども、デフレの問題は依然として残っている。これは引き続く我々にとって大変重要な課題であると思っています。デフレを解消するには、実物経済を良くして需給ギャップ率を小さくすること、同時に一方でマネーが増える状況を作っていくこと、この二つを実現することがどうしても必要であると思っておりますが、実は需給ギャップの方はかなり改善したという状況に今至っております。しかし、マネーが増えない。昨年一年間のマネーサプライの伸び率は、その一年前に比べてむしろ半分ぐらいに低下をしている。このためには、引き続き金融仲介機能を高める努力を金融庁の方でしっかりとやっていく、一方で日本銀行にも一致協力していろんな御努力をいただくと。これはやはり引き続く課題であると考えております。 企業部門から家計部門への波及がどうなるかという第二の点は、正に今の景気回復が更に持続し加速するかという大変重要な分かれ目になると思っております。 この消費、家計部門に至るプロセス、その王道というのはある意味で私は単純明快であろうかと思います。それは、企業がしっかりと稼いで、しっかりと稼いだ成果をしっかりと給料として支払う、そうすることによって家計も潤って消費が伸びていく、これがやはり何といっても王道なわけでございます。今そこが、ようやく微妙にそこに差し掛かる可能性があるというところに来ている。これは一部まだ自動車等々を中心とした好況業種ではありますけれども、そうしたところで、一時金という形ではあれ、史上最高の一時金を支払う会社が出てきている、そういう状況を拡大していけるかどうかに懸かっていると思います。ここは注意深く見ていくつもりでございます。 地域への広がりについては先ほど申し上げましたけれども、以前から申し上げておりますように、ここは公的部門のアウトソーシング、それと農業、建設業といった地域の基幹産業の競争力強化、事業転換促進、さらには観光に象徴されるような各地域の新しい個性を生かした産業の創出、これらをやはりすべて行っていかなければいけないと思います。地域再生本部ができておりまして、その中で正に今そういう取組をしておりますので、このやはりチャンスを生かす努力を是非したいと思っております。 最後の、雇用の問題でございますけれども、御指摘のように雇用情勢、実は景気が良くなっても雇用が余り良くならないじゃないかという御指摘をよく受けるんですが、実は過去二回の好況と比べると、正に景気が良くなっても失業率は高まったわけです、過去二回は。しかし、今度は景気が良くなって失業率は若干だけれども下がっておりますので、少しは良い方向が見えている。しかし、失業率の水準そのものは高いし、何よりも御指摘のようにそのしわ寄せが若年層に集約して現れる形になっている。 これについては非常に、教育を含めて非常に中長期的な取組が必要だと思いますが、当面は、昨年六月に取りまとめました若者の自立・挑戦プラン、それに基づく諸施策、ジョブカフェを作り、ワンストップでいろんな情報提供をしていく、いろんなトレーニングの機会を多様化していく、この点は産業界等とも密接に連携しながら力強く前向きに取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
○小林温君 是非この今の流れを更に強くするような施策を、それぞれの課題を抱えた部分においてお願いをしたいというふうに思います。 地域のお話にもお触れをいただきましたが、例えば東北とか東海の地域の景況感というのは非常にいいわけでございまして、私も委員会の視察等で各地の経済の実態について現地でいろいろ拝見をさせていただいてもおるんですが、その中で、例えば最近よく取り上げられますITの設備投資を始め非常に力強い部分があるのと、今大臣のお話にもあったように、各企業が構造転換、産業としても構造転換を図っているところがある。 先日、奄美大島に予算委員会の視察で行ったわけでございますが、現地の地場のゼネコンさんが軒並みしょうちゅうを実は工場を造られて生産をされて、しかもかなり業績がいいという実態も拝見をさせていただきました。ゼネコンが例えば福祉の分野に乗り出していくという例も見られるわけですが、地域による景況感のばらつきというものをしっかりと政府で把握をいただいて、そしてまだいろんな形で施策が、手当てが必要な部分については地域再生あるいは特区、こういった部分でその底上げにまた努力をいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 橋本政権下、先ほど過去二回の景気回復という御言及もいただきましたが、やはり景気が失速してしまったと、この経験からいかに学ぶかということも我々の大きな課題であるかと思います。その景気の回復がある程度進んだときに手綱を緩めてしまったのかなと、私はこういう感想を持っているわけでございますが、今大臣からも御答弁いただいたように、今回の景気回復が構造改革のある意味では結果だとするんであれば、規制緩和であるとか金融改革、財政構造改革、こういった部分を緩むことなく進めていただきたいと。改革なくして成長なしという有名なキャッチフレーズがありますが、成長があるからこそ更に回復を進めると、この成長と回復が両輪となって日本全体の構造がまた変わっていくという方向に是非導いていただきたいと、こういうふうに思うところでございます。 それで、少し金融検査マニュアルの点についてお伺いをしたいというふうに思いますが、私が福島で中小企業の経営者をしていたときに、私の朝起きて一番の仕事というのは、シャッターを開けて店の掃除をしてから銀行に行くんですね。それで、私が行かなくても従業員が行けばいいんですが、私が前の日の売上げを袋に入れて持っていって窓口に預けている間に、少し奥に入って支店長さんなり次長さんとお茶飲み話をすると。これがリレーションという、リレーションシップというんであれば、こういった形でいろんな金融機関と借り手の信頼関係というのは実は生まれてくるのかなと。これは私の率直な感想でございますが。 今回の金融検査マニュアルの中小企業版の改訂というのは、ヒアリングを中小企業、借り手側にもしていただいたと、それから中小企業に向けたインセンティブを付与をしていただいた、あるいは中小企業金融の実態に即した内容になるべく改訂をしていただいたというふうに私は拝見をさせていただいているわけでございますが、この改訂が、金融機関はもとより、借り手企業に対してどういう影響を与えるのかということについて、その効果がどこにあるのかということについてお答えをいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 冒頭、委員から金融システムというのは利用者のためにあるんだという御趣旨のお言葉ありました。全くそのとおりだと思います。そうした観点も踏まえて中小企業の実態に合わせたマニュアルの改訂を行ったと、大変大きな作業であったというふうに我々自身も実は考えているところでございますが。 お尋ねの借り手企業に与える影響でありますけれども、我々のねらいというのは、金融機関の非常に積極的な中小企業再生への取組というのを正に多様な観点から評価したい、そういう様々な対応を評価したいというふうなのがその中の重要なポイントとしてございます。これが恐らく借り手企業に対して非常に重要な環境変化をもたらすのではないかというふうにも考えているわけですけれども、例えば具体的に言いますと、検査を行うに当たりましては、金融機関が債務者と行う日ごろのコミュニケーションを通じて債務者の経営実態を、把握状況を、どのように行っているのか、どの程度行っているのか、それをしっかり検証する。正に朝、支店長とお話しになる、しょっちゅう顔を合わせてやっている、ないしは企業に実際に金融機関の人が行って見る、そういうような状況をしっかりと検証する、中小企業の債務者区分においてはキャッシュフロー等々の経営実態を非常にきめ細かく検証する等の運用の改善、その明確化を図る、そういうことをしっかりとその中には織り込んだつもりでございます。 もう一つ重要なのは、これもまあこの委員会でも何度か御議論をいただきましたけれども、日本の中小企業というのに対する資金、特に長期運転資金というのは言わば根雪のようなものであって、本来は貸付けというよりは出資的な性格を持っている、これをやはりしっかりと位置付けないと正に本当の意味でのリレーションシップバンキングにはならないだろうと。そうした観点から、金融機関が借り手の経営改善計画の一環として、いわゆるデット・デット・スワップによって当該融資を資本的劣後ローンに転換するというようなことの場合には、この資産査定上の取扱いとして、資本的な劣後ローンを借入れではなくて資本、自己資本とみなすと、そのようなことができるようになりました。ここはやはり是非大いに活用していただきたいし、実際活用するところも出始めているというふうに認識をしております。 今後は、こうしたデット・デット・スワップの取扱いも含めまして、別冊の改訂に含まれているメッセージでありますとか、こういったきめ細かな検査の実施が中小企業の融資の円滑化又は中小企業に対する再生を促す、そういう取組に資するということを期待をしております。 この中身は金融機関だけではなくて事業者にもやはり分かっていただかなきゃいけませんので、その辺の周知徹底もしっかりと行いたいと思っております。
○小林温君 是非、借り手側にも今周知徹底をという話もありましたが、お願いします。 今、DDSの話がありましたが、私も平成五年に福島の実家に帰って家を継いだんですが、そのときに現実的には過少資本、実質的には債務超過の状況でございました。これをカバーするために、先ほど大臣が根雪とおっしゃられた、その長期固定的に銀行はお金を貸してくれているわけでございますが、これは大体三か月で手形を書き換えてその分利子だけ払うという仕組みなんですが、私が帰ったときに私の会社にありました手形は実は最初昭和四十六年のものでございまして、私は平成五年に帰りましたので、私のじいさんが借りたものがずっと借換えを通じて結果的にはその資本をカバーしているという形でございました。これが実は金融危機、九〇年の末のころには、おたくの担保状況を見直したら実は足りないから、この根雪の部分についても少し見直しをさせてもらえないかという話を実は窓口でされたわけでございまして、数十年前にうちのじいさんが借りた借金なんでありますが、こういう対応を実は中小企業は窓口で迫られているという現状もあるというのが事実だと思います。 やはり、いろんなところで言われますが、幾ら日銀がベースマネーの供給量を増やしても、窓口で中小企業向けの融資が進まない。これは窓口の方が考えるのか、その上の責任者の方が考えるのか、はたまた支店長さんが考えるのか、これは様々でしょうが、やはり言い訳ができないような金融の把握というものを是非金融庁にしっかりとお願いをしたいと思うところでございます。 それで、最後に中小企業の景気回復の点について、少し中小企業庁さんにも経済産業省さんにもお伺いしたいと思うんですが、先ほど来景気の話で申し上げましたように、大企業の収益力の改善に比べてやはりまだ中小企業の収益改善というのは進んでいない、これも現状だろうと思います。 その原因には今議論させていただいた金融の問題もあるわけでございますが、この中小企業になかなか景気回復が波及しないということについて、どういう現状認識をお持ちか、御質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(西村雅夫君) 我が国経済につきましては、全体といたしましては設備投資と輸出に支えられまして着実な回復を続けておりますが、一方、中小企業の景況につきましては、製造業、非製造業ともに持ち直しの動きが見られますものの、回復に後れが見られる状況であると認識しております。これは、大企業が設備投資、輸出に大きな影響を受けるのに対しまして、中小企業の大部分を占めます非製造につきましては、民間消費に大きな影響を受けることが原因であると認識しているところでございます。 私ども経済産業省といたしましては、中小企業の景気動向につきまして引き続き万全の注意を払ってまいりますとともに、中小企業の金融対策、中小企業再生支援、挑戦する中小企業支援を三つの柱といたしまして、中小企業をしっかり御支援してまいりたいと考えております。
○小林温君 もう時間もありませんので、一つ大臣にもう是非お願いをさせていただきたいと思いますが。 実は、参議院の自民党では、月例経済報告が出ますと、すぐに大田統括官に来ていただいて、その御説明をいただいて景況の把握に努めているわけでございますが、このデータの基になっております産業の把握というものが果たして実体経済に即したものであるのかと。これは業種でありますとか、分野でありますとかというところでございます。なかなか景況感が良くならない中に、やはり旧来型の、どちらかというと古い産業構造の部分が今まで経済統計の体系として主となって、対象として主となってきた部分があるんだろうと思います。景気ウオッチャーという指数も取り入れていただいていますが、これはあくまでもやはりサブの指数でございまして、その元々の、例えばこれは日経平均あるいはダウも含めて、経済構造が変わるに応じて業種を入れ替えて加重平均を変えていくという手法もあるわけでございますので、現実に新しい産業の芽が育ちつつある、あるいは育ってくるのであれば、そういう分野もしっかりとこの指数を取る対象に入れていただきたいと思うわけでございます。 一例を申し上げますと、例えばかつてのバブル時の景気が良いというのをどういうふうに見ていたかというと、例えば不動産や建設でもうけた方々がいろんなものを買って、夜も銀座や六本木に行ってお金を落として、帰りはタクシーやハイヤーで帰っていたわけでございます。ところが、今現実に、例えばIT等で公開をしてお金を持っている方は、そういう消費構造ではなくて、マンションもいいマンションがあれば買うよと、あるいは夜は飲みに行かずに家で例えばワインを買っていって高級ワインをたしなむよと、タクシーには乗らないよと、こういう部分もあるわけでございます。ですから、消費の構造自体も実はかつての形では把握できない。これは産業の部分もそうだと思いますが。 是非こういうところを、その各種の指標の取り方の中でも勘案していただきたいということをお願いをしたいというふうに思います。簡単にお答えいただければ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な御指摘であろうかと思います。なかなか難しい、作業としては難しい面、もちろんあるわけでございますが、どういう形が可能か、新しい問題意識を持って是非取り組みたいと思います。
○小林温君 ありがとうございました。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。 今日は、この破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告の報告書に即して質問をさせていただきたいと思います。 確かに、景気あるいは金融機関の経営状況がターニングポイントを迎えつつあるなというのは、同じような認識を持っておりますので、今日はそのターニングポイントをより確かなものとするために、二つほど気になる点を聞かせていただきたいと思います。 まず、事実関係の確認をさせていただきたいんですが、今現在の、あるいは三月末でも結構ですが、公的資金投入の現状について数字的な御報告をしていただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 御説明いたします。 預金保険機構による主な資金援助の累計額でございます。御報告申し上げております十五年九月末までの主な資金援助の累計額、金銭贈与十八兆六千六百八十六億円、破綻金融機関からの資産買取り六兆三千六百六十三億円、資本増強十二兆三千八百六十九億円となっております。
○大塚耕平君 今、全体としての数字をお伺いしたわけですが、公的資金が今投入されている銀行の数としては幾つになるでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 私の記憶では二十一行だったと記憶しております。
○大塚耕平君 その二十一行について、去年の三月期決算で三割ルールに抵触するような決算となった先は幾つありますでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 昨年八月一日に、経営健全化計画対比での大幅な実績の下ぶれということを来しました資本増強行に対して、業務改善命令を発しております。収益改善策を含む業務改善計画の策定と履行を求めるものでございます。これは十五年三月期の決算を基にしたものでございます。 十五先についてこの業務改善命令を発しております。
○大塚耕平君 今日御指摘させていただきたかった点の一つというのは、やはり今内外の日本の金融に対する信頼が少し復元してきているという理由は、やはり日本の金融行政がルールどおりに行われるのかどうかということだと思っております。 そういう観点で申し上げますと、去年りそな銀行がああいうことがありまして、財政金融委員会を中心にいろいろ議論させていただきましたが、大臣も難しい立場におられることはよく承知しておりますので、我々の目から拝見すると、少しフラクチュエートしながらもある一定の方向に向かっておられるような、そんな感じでお見受けさせていただいたわけでございますが、その流れを受けて、更に日本の金融行政が透明性が高く、事前に告知をしたルールどおりに行われるかどうかということを内外の市場関係者は注視をしているというふうに私は思っておりますので、そういう点で確認をさせていただきたいんですが、今、監督局長からお話がありました十五先について、この三月期決算においても仮に三割ルールに抵触するようなことがあれば、それはきちっとした御対応をされるということでよろしいでしょうか。これは大臣にお願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今はまだ、もちろん個別には、決算を一生懸命今やっている最中でございますけれども、我々としては当然のことながらルールどおりにやらせていただくと。これまでも、フラクチュエートするという御指摘がありましたが、我々はこれまでもルールどおりしっかりとやってきたつもりでございますし、これからもしっかりやっていくという決意でおります。
○大塚耕平君 いや、ゴルフでも右に振ったり左に振ったりしても、上がってみたらパーなんということもありますので、別にフラクチュエートすること自体は悪いことではないとは思いますが。 そこで一点ちょっとお伺いをしたいんですが、このいただいた報告書の中に「公的資金による資本増強行(地域銀行等)に対するガバナンスの強化について」という去年の六月三十日の資料がございますが、この中で、地域金融機関に対しては主要行に対するこのガバナンスガイドラインを、ガバナンス強化ガイドラインを準用していくんだということが書かれているわけでありますが、その中でも、経営陣の交代に関して、「当該資本増強行の顧客基盤やその属する地域の経済情勢等に関する知見、さらには地方公共団体との関係等に照らし、当該資本増強行のリレーションシップバンキングの機能の十分な発揮につながるものであるかどうかに留意することとする。」と、こう書いてあるわけですが、これもう少し具体的に判断基準をお聞かせいただけないでしょうか。 つまり、地域金融機関の経営陣に仮に交代を求めるような場面が来たときに、何をもってして地域に対する知見であるとか地域公共団体との関係に照らして替えなくてもいいとか替えた方がいいとか、そういう判断になるのか、その基準をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 経営健全化計画未達の場合の措置につきましては、その未達の原因と程度に応じて行政的な措置の必要性ということが検討されることになります。 今お話のありました地域金融機関のガイドラインでございますけれども、この部分につきましては、代表権のある役員の退任あるいは役員の職務上の責任分担に応じた責任追及、こういった事柄につきまして、つまり経営の改善が見られなかったことについて責任を負うべき役員、これに代わって経営改善に必要な人材を広く登用していくことが行われたかどうか、こうしたことがガバナンス強化のガイドラインにおける経営体制の刷新ということに該当をするというふうに考えられます。経営の改善が見られなかった内容を精査をいたしまして、責任を負うべき経営陣についてはこれを交代させるというのが原則であるというふうに考えております。 地域金融機関の場合、収益力の回復ですとかあるいは財務の健全化というような点を、主要行とは異なりまして、リレーションシップバンキングの機能を十分に発揮していただくことで達成をしていくと、こういうことが求められます。 したがって、こうした観点からは、お尋ねの点へのお答えといたしましては、現在の役員の中に引き続き経営に参画していくことがむしろその金融機関の経営改善に資すると認められるような者がいる場合には、一律に退任を求めるという措置ではなく、例えば役員報酬の大幅な引下げなど退任以外の方法による経営責任の明確化といったようなことも、一つの選択肢として否定をされるべきものではないというふうに考えております。
○大塚耕平君 なぜこんなことをお伺いしているかといいますと、これは衆議院の方で仮に今審議しております公的資金新法が通過してまたこちらに参りますとこれ審議しなきゃいけないわけですが、これは地域金融機関の皆さんにとってこの新法の下に規定されている経営陣の交代にかかわる判断基準というのは大変関心の深いところでありまして、今の局長の御説明で多少は理解はできるんですけれども、当事者の立場からするとまだまだ不明確なところがありますので、そこは是非明確にしていただきたいと思います。 現実に、私の元には、過去に合併に関する金融庁の、あるいは財務局と言った方がいいかもしれませんが、方針に従わなかったということで引退を勧告された信金の理事長さんからのお手紙などもいただいております。これはもう旧聞に属する話ですので今日のところは出しませんけれども、そういうことが、これからいよいよ、金融再生の五合目なのか六合目なのか分かりませんが、そういう場面で、またぞろ不透明な交渉なり、あるいは相手方からすると強要のようなことが行われないということが一つ重要なポイントだと思いますので、是非ここの経営陣の経営体制刷新のところにかかわる判断基準についてはより明確にしていただきたいということをお願いをして、この件について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ございません、判断基準というのは、今衆議院で御議論いただいている新法におけるということではなくて、このガイドラインについてということでございますか。
○大塚耕平君 はい、ガイドライン。
○国務大臣(竹中平蔵君) ガイドラインにつきましては、これを更に詳しくしたようなものを我々別に持っているわけではないわけでございますけれども、そこはやはりこれ以上具体的な基準を示せともしおっしゃられるとその意味では我々もちょっと困るんでございますが、あくまでこの趣旨にのっとってきちっとやっていく、そういう中で、事例が幾つか出てくる中で、一つのその判断の基準みたいなものが広がっていくというのがこれはこういうガイドラインの場合の自然な在り方なのではないかなというふうに考えております。 したがって、個別に、これは御理解賜れると思いますけれども、個別にはいろんなケースがございますから、そのケースに基づいて、正にその責任の所在等々を踏まえてしっかりと判断をしていくということしかないのかと思っておりますけれども、リレーションシップバンキングの場合は、リレーションシップバンキングであると正に間柄、地域の間柄が重要であるということにかんがみて、その経営の選択肢を少し広げるという趣旨でこういうことを掲げているわけでございますので、その趣旨にのっとってしっかりと運用していく。ただし、そこはケースで、多くの方々に納得いただけるような、正に結果的に見て不透明とは感じられないような、そういう運用を我々としてしっかりとやらせていただくということではなかろうかと思います。
○大塚耕平君 今のは、厳しく御対応されるときでも相手側にとってその判断基準を明確にしていただきたいということでありますが、逆に、本来厳しく対応するべきところを厳しくしないという逆向きのこともないようにお願いをしたいわけでありますが。 そういう意味で、これも一般論として確認をさしていただきますが、地域金融機関のみならず、メガバンクにおいても正念場のところがあるわけでございますが、財政金融委員会で去年、出口協議という言葉をこの場で確認をさしていただきましたが、特別検査の出口協議においてその結果をマニピュレートするというようなことがないというふうに我々は信じたいと思っております。これは、冒頭申し上げましたように、いよいよこれから本当に日本の金融行政が、昔の、まあまあ局長、一杯と言って料亭に呼ばれて局長が一杯経営陣からごちそうになると、そうですかと、じゃ、まあぎりぎりのところで何とかしましょうというような料亭政治ならぬ料亭行政が行われないようにしていただきたいと思っているわけでありますので、一般論として確認をさしていただきますが、出口協議において結果をマニピュレートするようなことはないということを改めてここで大臣に確認をさしていただきたいと思います。大臣に確認をさしていただきたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) もちろん協議でございますから、協議はしっかりとやらなければいけないと思います。しかし、だからといって、まあマニピュレートという言葉が、判断基準を恣意的に変えるとか、何か私的な状況によって何かをバイアスを掛けるとか、そういうことは断じてございません。我々は正々堂々と議論をして、それで行政の目的に沿って、また法枠組みに沿って粛々と毅然とした態度で続けると、このことはお誓い申し上げてよろしいかと思います。
○大塚耕平君 もう一つ確認をさしていただきますが、時々忘れてしまうんですが、私は元々金融業界出身なものですから、金融業界の立場から質問、確認をさせていただきますが、いろいろ、さっき申し上げましたような料亭行政の延長線上、過去にさかのぼった延長線上の話として、今日の様々な問題は、実はあのときこういうふうにしろと金融庁がおっしゃったじゃないか、あるいは旧大蔵省がおっしゃったじゃないかと、そういう言い分も金融業界側にはいろいろあるわけであります。 そういう意味では、過去の行政においてそういういろんなある意味で大所高所からの御指導の結果今日があるんだというようなエビデンスが出てきたときにはその対象行政官についてはきちっと御対応いただけると。これも、要するに片方だけに甘くて片方だけに厳しくては困りますので、それについても、これは一般論ですが、そういうことでお約束をしていただけるかどうかを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一般論ということで、ちょっと仮定のお話はもちろんできないわけでございますが、一般的に考えて、今委員がおっしゃったのは、よく言われる過去の貸し借りとか、そういうものがあるのではないか、そういう過去の貸し借りにとらわれて今の行政のバイアスを掛けると、にバイアスを掛けると、そういうことはこれはもう断じてなりません。 過去に貸し借りがあったかどうかも私は定かではございませんが、いずれにしても、今のルールに基づいて我々はしっかりと今の責任を果たしていく。先にその判断を延ばしたり解決を先に延ばしたりすればそのコスト、解決コストはますます大きくなると、これは私自身そのように感じておりますので、バイアスは掛けることなく今の問題としてしっかりと対応していく。 もう一点、過去にいろんな問題があったということが明らかになった場合どうするかと。これもまあ仮定の問題でございますけれども、これ例えば重大な法律違反があったと。これは法律でありますからひょっとしたら時効の問題があるのかないのか、それはいろいろ判断もございましょうけれども、これは過去に問題があったのであるならば、我々は行政当局としての信頼感を維持し、回復し、そのためにやるべきことはしっかりとやると、そのようなつもりでおります。
○大塚耕平君 竹中大臣のお言葉を信じて金融行政の成り行きを注視させていただきたいと思いますが。 去年は、りそなの後には東京海上の件でいろいろとお手数をお掛けしましたけれども、その結果として、言ってみれば監督指針というものが今回お示しをいただいて、行政手続法に沿った適正な金融行政が行われるべきだというようなことを今御検討いただいているわけでありますので、是非そこは一歩前進したというふうにとらえさせていただいておりますので、コード・オブ・コンダクトをきちっと決めていただきたいと。 去年は高木長官に関してはああいうやり取りになりましたけれども、あれは今回、監督指針の中に原案として書かれている内容や、あるいは行政手続法の本来の解釈からいえばもう明らかにクロであります。たまたま、我々側から申し上げれば、国会情勢の関係で竹中大臣への問責決議を出させていただいたこともあって、順序が逆になったために今日のような結果になっておりますが、高木長官、悪意はなかったにしても、あそこで出てきた事実に照らすと、私は、本会議でも申し上げましたが、やはり金融行政に対する信頼を取り戻すためには潔く身を引かれるべきであったと思っておりますが、それはそれとして、今日こういう展開になっているわけでありますので、この監督指針をきちっとしたものにしていただくということと、先ほど来るる大臣から御回答いただいたもろもろの点について粛々と御対応いただけるということを見届けさせていただきたいというふうに思っております。 ちょっと話は若干変わりますが、細かい話を聞かせていただきますが、以前、これは一昨年の、やはりこれも財政金融委員会で質問をさせていただいて、金融庁とそれから総務省あるいは農水省からも数字をいただいたんですが、日本の金融機関の一店舗当たりの人口数が諸外国と比べてどうなっているかというようなことを聞かせていただき、そして資料もお出しいただいたわけですが、今日はその職員一人当たり、金融機関の職員一人当たりの担当する法人数、さっき小林委員が昔経営していらっしゃったとおっしゃいましたが、担当しているそういう与信先の法人数、これがどのくらいのものであるかというのを欧米諸国と比較してちょっと数字を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 今、金融機関というお話でございましたが、まず預金取扱金融機関、我が国の銀行、信金、信組の合計機関数に対してどういうことになるかということで、失礼、職員数に対してどういうことになるかということでございますが、全国銀行、信用金庫、信用組合の職員数は、平成十五年三月末で四十六万八千百九人。他方、我が国の法人数、普通法人でございますが、これは国税庁の調査、税務統計から見た法人企業の実態、平成十四年度版、これによりますと二百八十万六千三百四十七社となっております。したがいまして、金融機関職員、日本のこの今申し上げました金融機関職員一人当たりの法人数というのは約六社、六・〇社というふうになります。 欧米諸国なんですが、同様のこういう預金取扱金融機関の職員数についての統計というのが把握できない。今お話がありました、平成十四年に大塚議員から資料要求をいただきました際も、外国に赴任しておりますアタッシェに照会をいたしましたけれども、統計的なデータがないということでございました。 ただ、お尋ねでございますから分かる数字の範囲でちょっと申し上げさせていただきますと、統計的に取れる外国の金融機関職員数というので一部取れるものがございまして、これは総務省の統計局のホームページから取るんですが、金融仲介業、預金取扱金融機関に証券会社と保険会社を含めた場合、この場合の職員数が外国で取れる国が二つございまして、イギリスとドイツでございます。 この数字を申し上げますと、イギリスが、職員数が、これは千人ですから、四百四十四万人でございます。これに対して法人数が三百七十四万六千となっております。──申し訳ございません。ちょっと準備が不足で申し訳ございません。 イギリスにおきます、失礼しました、金融仲介業の職員数が百二十三万人でございます。百二十三万人。そして、法人数が三百七十四万六千ということになります。したがって、金融仲介業職員一人当たりの法人数が三・〇五。ドイツは、ドイツがもう一つ分かっておりまして、これの金融仲介業の職員数が百三十四万六千人、法人数が二百八十七万。したがって、仲介業職員一人当たり法人数二・一三。同じベースに日本をそろえますと、金融仲介業職員数が百六十五万七千人、法人数は先ほど二百八十万六千でございまして、金融仲介業職員一人当たり日本ではこのベースですと一・六九という法人になります、法人数になります。
○大塚耕平君 小泉首相は数字に弱いので有名ですが、五味局長に金融庁の小泉首相というお名前を御提供申し上げたいと思いますが。 今、数字をお伺いすると、日本の方がイギリスやドイツよりも一人当たりの担当法人数が少ないという形になっておりますが、これ数字はこれから精査をしていただきたいと思いますが、おととしお伺いした一店舗当たりの人口数といい今の問題といい、これから金融再生を図る上で最終的に日本の国民に提供する金融サービス網というものをどういうふうにしたいんだということをもう少し定量的に御検討いただきたいという意味でお伺いをしたわけであります。今の数字を拝聴すると、何か日本の方がきめ細かく担当しているかのように聞こえますけれども、実際は全体の職員の数にテラーさんとかバックオフィスの方も入っていますので、きめ細かく見ているかどうか、小林委員のような経営者が銀行に行って茶飲み話をするときにきちっと付き合ってくださるような状況にあるかどうかというのはもう少し精査をしていただきたいと思いますが。 なぜこんなことをお伺いするかといいますと、これから公的資金新法、仮に成立した場合に、地域金融機関の再生をしていく上で、地域金融機関を資本集約型のメガバンクと同様の合理化合理化という形で経営再建をしていくということは、結果として地元の企業や経済に対する細かい目配りができなくなる可能性があるというふうに思っておりますので、是非霞が関だけで物を判断しないで、現場の声を聞いて、あと定量的な目標も掲げてやっていただきたいなというふうに思います。 それに関連して、一つ竹中大臣にお伺いをしたいと思いますが、やはりこれからいよいよ郵貯の、郵政公社の民営化の話も出てきているわけでありますが、これは相互乗り入れで、日本の金融業界及びその周辺業界をきちっと競争原理を働かせる形に持っていくべきだと思っていますので、郵政公社で生田さんが金融業界にどんどん入ってくるということであれば、私は金融機関の窓口で郵便の取次ぎをさせてもいいと思っているんですが、大臣、それについては、ちょっと御所感をお伺いしたいんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵政の民営化はもちろんたくさんの問題がありますけれども、金融という観点からとらえた場合に、預金量がやはり二百三十兆、二百四十兆に達しているという点にあると思います。預金の、四メガバンク合わせても、預金で約二百兆ぐらい、二百兆強ぐらいだと思います。資産量を比べるともっと違うんですけれども、預金に関してはそのぐらいだと思います。 実は、ドイツでもドイチェ・ポストの民営化で大変大きな試みを行ったわけですが、ドイツのいわゆるポストバンクの預金量は日本円に直しますと九兆円ぐらいであったというふうに思います。その意味では、この非常に大きな公的管理の預金の固まりを、もちろんその裏といいますか表というには資産運用があります。その資産運用はまた国債等々公的なところに投資されているわけで、それをどのように日本の民間金融市場の中に統合、インティグレートしていくかということは、これはちょっと想像を絶するほどの難作業であるというふうに思います。 その過程で、実は、一方で窓口ネットワークというのは、これは二万四千ある窓口ネットワークというのは、これは多くの国民が大変重要な国民的な資産であるというふうに感じている。 今はこの窓口ネットワークの上に三つの事業、三つのサービスだけが提供されているわけですね、郵便、郵貯、簡保。ドイツはその窓口ネットワークの上に今二十四のサービスが提供されているというふうに言われている。その中にはいろんな、投資信託とか保険とか、ちょっと、投資信託はちょっと今記憶しておりませんが、入ってくるわけでありますけれども、そういう中で今度は、それに併せて、民間の規制改革も併せて行っていかなければいけないということに当然なってこようかと思います。 今すぐそこで郵便をやっていいかどうかというようなことはとても判断できませんですけれども、今申し上げたようにその大きなネットワークは、ネットワークは資産である。しかし、そこに運用されている資産は膨大に大きい。それを民間の中にインティグレートする過程で今委員がおっしゃったような問題意識、民間の規制緩和も当然整合的に絡めて、本当に周到な議論をしていかなければいけない問題であるというふうに思っております。
○大塚耕平君 利用者としては、銀行の窓口行って、ついでに郵便も預けられたらこんな便利なことはありませんので、是非御検討いただきたいと思います。 さて、谷垣大臣においでいただきましたので、今日は与えられた時間の中で御指摘申し上げたいと思っておりました二番目の点に移らさせていただきますが、まず金融庁にお伺いをしますが、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の案が示されておるわけでありますが、その中で、中小企業金融の再生の促進ということで、担保、保証に過度に依存しない融資等新しい中小企業金融への取組の強化ということが掲げられておりますが、これは具体的にはどういうことを念頭に置いておりますでしょうか。
○委員長(櫻井充君) どちらでしょうか。伊藤副大臣。
○副大臣(伊藤達也君) 私からお答えをさせていただきたいと思います。 金融機関の融資の在り方については、担保や保証に過度に依存せず、与信先の事業計画、財務状況、返済財源等を的確に把握をし、適切な融資を行うことが重要であると考えております。このような観点から、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムにおいて、事業からのキャッシュフローを重視をし、そして担保、保証に過度に依存しない融資の促進等新しい中小企業金融への取組の強化を図ることといたしているところでございます。 さらに、今委員から御指摘がございましたように、今般策定をし、四月二日にパブリックコメントに付しました、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の案においてもリレーションシップバンキングの機能強化を図ると。こうした観点から、中小企業金融の再生の促進を監督上の評価項目として位置付け、そしてその中で担保、保証に過度に依存しない融資等新しい中小企業金融への取組についても一層促進を図ることといたしているところでございます。 具体的には、各金融機関が提出をした機能強化計画に基づいて、ローンレビューの徹底やあるいは財務制限条項、スコアリングモデルというものを活用し、それを通じることによって担保や保証に過度に依存しない適切な融資を促進をすると、そういう体制が整備されているかどうかと、こういう点に着目をいたしまして、半期ごとにその実施状況をフォローアップすることといたしているところでございます。 金融庁といたしましては、こうした取組を通じて、中小企業金融の円滑化が促進されると、こういうことを期待をいたしているところでございます。
○大塚耕平君 私どもの党でも企業会計ワーキングチームというものを立ち上げておりまして私がお預かりをしているわけでありますが、そこで四月五日に中小企業庁にもおいでいただいて、これから中小企業の会計の質をどういうふうに上げていくんだというふうにお伺いをしたわけでありますが、その中で、中小企業庁から出てきた資料で、金融機関によるインセンティブの構築、会計の精度が高い中小企業について保証や担保等の面でメリットがある融資プログラムの普及がかぎと、こういう御見解をちょうだいしたわけでありますが、中小企業庁にこの内容についてもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(大道正夫君) お答えを申し上げます。 中小企業が担保や保証に過度に頼らずに資金調達を行うという意味で信用力のある決算書を作成するというのが非常に重要だと、こういうふうに思っておるわけでございますけれども、中小企業がどういう会計処理を行えば関係者の信頼を得られるのか、その辺りが従来明らかでなかったと、こういう御指摘があったわけでございますので、中小企業庁といたしましては、平成十四年の六月に、中小企業にとって望ましい会計の在り方を明らかにし、その普及に取り組んでいるところでございます。 その普及に当たりまして、信用力のある決算書の作成に努める中小企業が具体的なメリットを受けられるようにするということが非常に重要でありまして、その環境整備をする必要があるということから、私どもといたしましては、金融機関に対しまして、信用力のある決算書を作成した中小企業に対して、例えばその担保や保証を不要にするというような形で一定のメリットを付与するような融資プログラムを是非整備をしていただきたいというふうにお願いをしているところでございまして、実際そういう取組が広がりつつあるんではないかというふうに理解をしておりますけれども、引き続き中小企業の会計の質の向上と資金調達の円滑に向けた環境整備に努めていきたいと思っております。
○大塚耕平君 竹中大臣、これは、中小企業庁もああいうふうにお考えですし、金融庁も、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムで、財務諸表の精度が相対的に高い中小企業に対する融資プログラムの整備ということを掲げておられるわけで、これはまあ足並みがそろっていることで結構なことだと思うんです。 谷垣大臣にお伺いをしたいんですが、これは御存じなくてもしようがないと思うんですが、今、法務省が会社法制の見直しの中で進めている適正担保制度というものは聞かれたことがございますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 詳細は承知しておりませんが、そういう議論があるということは聞いております。
○大塚耕平君 それでは法務省にお伺いしますが、その会社法制の現代化対応を今案を練っておられるところだと思いますが、その中で会計監査人の任意設置ということが掲げられておりますが、今の適正担保制度という言葉と併せて簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、現在、法務省では、法制審議会におきまして会社法制の現代化の検討を進めております。その中で会計監査人の任意設置の範囲を拡大するということが取り上げられております。 これは、現行法上、資本金が一億円未満のいわゆる小会社、商法特例上の小会社につきましては会計監査人の制度が設けられておりません。ただ、そのような会社であっても、円滑な資金調達を図る等の目的から、法制度としての会計監査人制度の適用を受けることにより計算書類の適正の確保が図られていることを対外的に明らかにしたいと、こういう実務上のニーズがあると、こういう指摘を踏まえましてそのような提案をさせていただいているところでございます。 昨年の十月に発表をいたしました要綱試案に盛り込みましてパブリックコメントを求めた結果、まあ多くの賛成意見も寄せられておりますが、しかし同時に、小会社に会計監査人制度を適用することは、監査費用の負担等を考えると、利用可能な会社が極めて限定されてしまうので合理的でないと、こういうような反対意見もございます。 現在、法制審議会におきましては、これらのパブリックコメントの結果を踏まえまして、平成十七年の通常国会に法案を提出すべく検討作業を進めているところでございます。 なお、これらの問題と担保制度の関係でございますが、これは御指摘のように、過度に物的担保あるいは保証人に依存した現在の融資制度を見直すという方向から、法務省では、現在、まず保証人の保証の在り方について見直しをしておりまして、特に問題の大きい包括根保証、これについて適正な規制の在り方を考えているところでございます。 また、新たな担保制度として、動産担保あるいは債権譲渡担保、こういうようなものも予定しておりますが、これらの一環として、正に会社の財務内容等を適正に評価するという在り方で考えられておるわけでございます。
○大塚耕平君 法務省にお伺いしますが、その会計監査人の任意設置ということで、この会計監査人をどういう人たちにやらせることを想定していますか。つまり、物すごい数ですよね、小企業というのは。 簡単でいいです、一言で。
○政府参考人(房村精一君) 現行法上、会計監査人には公認会計士又は監査法人ということになっておりますので、任意の適用の範囲を広げた場合にも同じ考え方でございます。
○大塚耕平君 じゃ、谷垣大臣、これ、ああおっしゃっておられますけれども、数が足りないんで税理士さんにやってもらったらどうだという、こういう話が今出てきているわけであります。 そこで、財務省にちょっとお伺いをしますが、税理士の今の登録人数と、その登録者数のうち財務省OB、国税庁OBが何人いるかということを、数字だけで結構です、端的にお答えください。
○政府参考人(村上喜堂君) 税理士の登録者数、これは弁護士さんとか公認会計士さんも含まれますが、あくまで税理士の登録者数は今全国で六万六千六百七十四人です。そのうち、勤務の年数にかかわらず、まあ一年でもいいわけですが、財務省なり国税庁に籍を置いたことがある者が二万三千五百五人であります。
○大塚耕平君 谷垣大臣、私が何を申し上げたいかといいますと、今日、大臣がいらっしゃる前に、日本の景気や金融機関というのは少しいい方向に来ているという話が出ていたわけでありまして、それをより確かなものとするためにもポイントが二つあるということで、今、その二点目の私なりの私見を指摘さしていただいているんですが、これから、金融機関の与信先である企業がいかに信頼できるものであるかということと、その企業、特に中小企業、小企業がいかに円滑な金融を受けられるかということがポイントだと思っておるんですが、この会社法制現代化自体は必要なことだと思いますが、それをやるに当たって、小企業の決算書類が適正なものであるということを、数が足りないから、税理士さんたちが判こを押せばこれは適正だと、こういう適正な財務諸表が出てくると。 先ほど来、中小企業庁と金融庁にお伺いをした、財務諸表の精度が高い中小企業に対する言わば融資プログラム、優遇された融資プログラムということを、いずれリンクしてくると私は思っているんですが、そのときに、やはり税理士の皆さんと公認会計士の皆さんは、昔から税法と会計制度の問題はもう指摘されて長いわけでありますが、その役割が違うわけですね。違うから、私は、税理士の皆さんにやらせるべきではないというふうに申し上げているつもりはないです。現に、公認会計士の皆さんも人数が少ないですからね。 しかし、そのときに、もし税理士の皆さんにそれをやっていただくならば、やはり今まではどちらかというと税を安くするためにどうしたらいいかという工夫を一生懸命されていた立場とはちょっと違う立場で決算書類に判こを押すわけですから、そういう能力があるかないかということは、言ってみれば何か別の試験制度を設ける必要もあるかもしれないですし、あるいは金融庁側、中小企業庁側の検討材料として、適正書類だというふうにそれを証明した人がどういうカテゴリーに属する人かによって、やはり金融機関の査定における扱いも変わってくるべきではないかという、そういう問題意識を持っているわけであります。 更に申し上げれば、監査役制度というのがあるんですね。これは、竹中大臣も足利銀行の件でいろいろお耳に入っているかもしれませんが、公認会計士ばかりが責任を問われていますけれども、足利銀行には県庁から出ていた県庁職員の監査役がいたわけです。本来は監査役がチェックをするべきことをしていなかったわけですね。だから、この会計監査人の任意設置で適正担保制度を設ける以前の問題として、監査役制度をどうするかという大きな問題もあるわけです。 だから、私は、もしこの会計監査人の任意設置のところでまた公認会計士と税理士の業際問題のようなことになるぐらいだったら、それ以前の問題として、監査役には税理士とか公認会計士、これはどなたでもいいです、別に士業以外の方でも監査能力があれば就いていいわけですが、まずそういうところにそういう人たちが入れるようにして、そして、しかし監査役としてきちっとした責任を果たしていなければ、これは監査役の責任が問われるという形で、まず監査役制度がきちっと機能するようにすることが第一だと思っています。 そして、それでもなおかつこの監査、会計監査人が必要だということであれば、やはりこれは今まで税法を中心にやってきた方々、とりわけ国税のOBは、立派な方もいますが、時々、長官までやった方が脱税指南までやっていますので、そういう方々が、言ってみれば適正書類だといって判こを押す代わりに法人契約を山のように取れるということになると、これは、せっかく日本の経済が新しい方向に今向かいつつある中で、逆行することになりかねませんので、重要なポイントだと私は思っています。まだ私自身も結論は出てませんが。私どもの党内でも、これは企業会計ワーキングチームで議論をしている話ですが、実は法務部門会議で議論しなきゃいけないんですが、法務部門の皆さんには、今このアカウンティングの世界でどういうことが起きているかと、必ずしも十分に御理解いただいてないんですね。 したがって、政府にも、金融庁と法務省の間でしっかりと意見交換をしていただきたいと思いますし、谷垣大臣にお願いをしたいのは、間違ってもこの適正担保制度というものが国税OBの税理士さんたちの仕事の種を増やすための制度にしないでいただきたいと。これはこれから出てくる議論でありますが、今日の時点でそういう問題意識をお伝え申し上げまして、谷垣大臣と竹中大臣から御所感をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変高い視点からの御指摘で、私も今の御意見を踏んまえて勉強させていただきます。 要は、恐らく大塚委員の問題意識は、本当に広い意味でのガバナンスの問題ということだと思います。先ほどから三割ルール等々も御指摘もありましたけれども、そのたびに、ああいう議論をお伺いするたびに私は思うんですけれども、実は、株主のガバナンスはどうなっているんだと、株主は経営者をどのようにまず見ているんだと、そういう議論と我々の監督がやっぱり適切にかみ合って初めてシステムが機能すると思いますし、その意味では、監査役、会計士、そこに新たに税理士云々というようなお話今されましたけれども、その問題意識はしっかり持って勉強させていただきます。 ただ、当面ということになりますと、これはやはりあくまで商法の問題であろうかと思いますので、その範囲で法務省にしっかりと御検討いただいて、我々としても協力できることは万全の体制で協力をしていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員、会計の世界でどういうことが起こっているか、法務の世界でと二つに分けておっしゃいまして、私はどちらかというと、かつて我が党の司法制度調査会の会長などをさせていただいて、そういう中でこの問題は随分議論をしてきたつもりでございますが、まだ会計ということで何が起こっているのか、実は十分にまだ把握していないところもございます。 ただ、今法制審議会で御議論を、法務省の方で御検討いただいているわけでございますし、我々としても、小企業に、小会社にそういう制度が入ることによって小会社の会計というものの質が上がっていくということになりますと、これは非常にプラスの面が多いと思いますし、国税庁を所管する立場としては、税の申告という面からもこれはプラスの面があるんだろうと思っております。 ただ、まだ検討中ですので、もう少し検討が進んでまいりましたら、私どもとしてもそういう新しい対応のためには何を考えたらいいのか、これは税理士会とも議論をしなければならないですし、関係省庁ともいろいろ詰めなきゃならないと思っておりますが、そういうことも我々もやらなければならないと思っております。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。 今日は、足利銀行の一時国有化へのプロセスということで、まだ私は、まだ金融庁に直接この足利銀行について質問したことがございませんので、今まで幾つかたまっていた疑問を今日はちょっとここでちょっと吐き出したいと思います。 お手元に一枚の紙を用意させていただきました。「足利銀行の一時国有化へのプロセス」ということで書いてございまして、もう皆様方御承知のことと思いますが、二〇〇三年の三月決算、自己資本率四・五%、自己資本額七百四十五億、繰延税金資産一千三百八十八億ということで、一応規定上は健全行にはなっていたということなんですが、これまた御承知のように、この段階では自己資本率最低、それから税金資産の割合が一八六%で最高、それから不良債権比率は最高ということで、決して、決してというどころではない、悪い指標の三冠王であったという事実がございます。 その後、金融庁検査が入りまして総資産の査定をやるわけですが、右側に第Ⅰ、第Ⅱ、第Ⅲ、第Ⅳ区分というふうにございまして、第Ⅲ区分、第Ⅳ区分の割合がどっと増えてきたと。これを受けまして引き当てが積み増しをされたわけでありまして、この積み増しによって自己資本額がマイナスの二百三十三億、自己資本率〇・七%、繰延税金資産については一千三百六十億円ございましたけれども、こういう結果になったと。これを受けて、二〇〇三年の九月決算で債務超過ということで、これを受けてさらに預金法百二条第一項第三号の適用で一時国有化ということになったと、こういうプロセスかと思います。 そこで、質問なんでありますけれども、今まで何回もこの委員会あるいは予算委員会の中でも、この委員会じゃない、財政金融委員会あるいは予算委員会の中でも出されましたけれども、自己資本率が四・五%から、マイナス〇・七%までつるべ落とし的に落ちている。自己資本額は七百四十五億円からマイナス一千億ということでマイナス二百三十三億と、また落ちているわけです。こういうこれだけの例がここ二、三年の金融庁検査の中でまずあるのかどうかという事実を一つ確認しておきたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 私どものやっている検査におきましては自己査定を厳格に検証しておりますので、ほとんどの金融機関においてある程度の要追加償却、引き当てが発生しているということでございます。それで、この中で深刻さの度合いというのが、足利銀行ほどではございませんけれども、ある程度の規模の要追加償却、引き当てが発生している、あるいは自己資本額が減少する、自己資本比率が低下するというケースが、数は少ないですけれども、皆無とは言えないということでございます。 ちなみに、破綻した金融機関については具体的な数字を申し上げられますので、この三年間と申しましょうか、この間に破綻した石川銀行と中部銀行のケースを申し上げますと、石川銀行の場合は、自己資本の減少が四百二十億円、自己資本比率が、検査前五・七%が検査後マイナス五・四%になる、あるいは中部銀行の場合には、自己資本が五十億減りまして、検査前四・九%が検査後三・〇%になっている、こういった事例がございます。
○平野達男君 何例かあるというお話だったと思うんですが、しからば、足利銀行にちょっとこれから話をちょっと集中したいと思いますけれども、この総資産の査定区分、第Ⅲ区分と第Ⅳ区分が非常に大きく増えたわけですけれども、この資産査定において自己査定と金融庁検査が大きく違ったというその大きな原因というのは、そもそもどこにあるというふうに認識しておられますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 今回の足利銀行に対する検査におきまして、自己査定と検査結果が大きく乖離して多額の要追加償却、引き当てが生じたわけでございますけれども、その原因は、基本的には当行の信用リスク管理体制が不適切であったということであろうかと思います。 具体的には、一つには自己査定基準が妥当性に欠けるものであった、二つ目に、債務者企業の実態把握につきまして、財務内容の悪化とか経営状況の悪化とか、そういったことについて十分な把握がなされていなかったこと、三つ目には、担保不動産の評価あるいは処分可能見込額の算出について十分適切でなかったこと、さらには四つ目には、引き当て手法が妥当性に欠けておりまして、特に要管理先あるいは破綻懸念先に対する償却、引き当てが不十分であったと、こんなことが主な要因だろうと思います。
○平野達男君 日向野前頭取は財政金融委員会でこういうふうに言っています。収益還元法ということが今回適用になったんだと、足利銀行側はこの適用についておかしいじゃないかということで、こう言っています、激しく抵抗しましたと言っています。 それで、先ほどの、今三つか四つぐらいの要素を挙げましたけれども、不動産の担保評価ということなんですが、足利銀行は不動産鑑定士のその鑑定書を基にしていろいろ金融庁とやり合ったということなんですが、金融庁の方は、収益還元法でやってみろと、低い方でやった方が保守的だからいいんだということで押し切られたというようなことを無念感をにじませながら答弁されているわけです。 この収益還元法というのは、私どもの理解では基本的には大手行だというふうに理解しておりましたけれども、どうもこの日向野さんのいろんな答弁を聞きますと、貸出先の多い部分、多い貸出しについてはほとんど収益還元法を適用されたというふうに言われておりますが、この辺の事実関係についてはどういうふうになっておりますか、なっておられるでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 担保評価の問題でございますけれども、検査におきましては、この貸出し債権について担保が果たす役割ということにかんがみまして、担保の回収見込額あるいは処分可能見込額というものについて客観性、合理性があるかということを検証しておるところでございます。 検査マニュアルにおきましては、賃貸ビル等の収益物件の評価に当たっては、売買実例による評価あるいは公示地価等による評価といったものに加えまして、収益還元法による評価を行うことが望ましいと、こういうふうに書いてあるわけでございます。こういった担保評価の基本的な考え方そのものは、検査マニュアルの制定、つまり平成十一年七月以降変わっておりません。また、規定上は、大手行と地域銀行を明示的に区別すると、こういう仕組みにもなっておりません。 それで、収益還元法でございますけれども、これは物件の性格によって、その物件が将来生み出すであろう収益によって当該物件の価値が量られると、こういった性格、収益物件というふうに言っていますけれども、こういったものについては、先ほど申しましたような公示地価とか売買実例とかに加えて収益還元法による検証もやることが望ましいと、こうなっているわけでございまして、実際に収益還元法を適用いたしましたのは、検査で収益還元法を適用いたしますのは、そういう性格を持った物件であって、かつ大口の債務者で必要があるものについてやったということで、全体の中でいいますと数としては相対的にわずかなものでございます。
○平野達男君 どうも、今日は日向野さんがおられませんでしたから、今の答弁を日向野さんが聞いたら何と答えるか、ちょっと気になりますね。こういうふうにも言っていますよ。金額の多い部分については、先ほど申したとおり、収益還元法などを用い、大きな差が出たことは確かでございますということで、金額の多い部分については収益還元法を適用されたというような認識でたしか答えられていたと思います。 今の答弁の中で、それでは収益還元法なんですけれども、足利銀行のこれ金融検査というのは二年前にやられていますね。やられていますね、これは。
○政府参考人(佐藤隆文君) 十三年三月でございますので、約三年前ということだと思います。
○平野達男君 そのときはまだ収益還元法というのは一般化していなかったわけですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 一般的に、担保不動産の評価を行います際に、先ほど申し上げましたようないわゆる収益物件に関しては収益還元法というやり方は別に珍しいものではなくて、一般的なものであったというふうに思います。
○平野達男君 いや、ですから今、三年前に、平成十三年にやったときに収益還元法はどうなっていたんですかということをお聞きしたかったんですが。
○委員長(櫻井充君) 竹中大臣、何か発言がございますか。
○平野達男君 いやいや、検査、検査でいいですよ。局長しか分からないんだから、これ。
○委員長(櫻井充君) じゃ、佐藤検査局長。
○政府参考人(佐藤隆文君) 前々回の検査におきましては、収益還元法というのは使っておりません。 今回、なぜこれを一部の大口物件について使ったかということでございますけれども、この銀行の場合には、前回、前々回検査から前回、今般の検査に至るまでの間に、現実に債務者が破綻した際に担保割れ、あるいは引き当て不足ということが多数起きていたわけでございます。したがって、担保評価のやり方そのものに非常に大きな問題があるということで、収益物件をとらえて、かつ大口の債務者についてこういう検証をやったということでございます。
○平野達男君 そうしますと、この足利銀行との関係でいいますと、先ほど言いましたように、日向野頭取のもう一度言ったことを繰り返しますと、激しく抵抗したと言っているんです、この収益還元法の導入については。なぜ足利銀行は激しく抵抗したんでしょうか。 今のお話聞いていますと、収益還元法を適用するのはさも当たり前のような答弁されていますけれども、足利銀行の方ではこういった意識はほとんどなかったと、これはずるくてなかったのか、そういうことを理解していなかったのか、これはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) それは銀行側の認識のお話でございますので、私どもが決め付けるべきものではないと思います。 ただ、実際には、足利銀行自身が自己査定において一部の物件について収益還元法を直接自ら使っておる事例もございます。
○平野達男君 今の発言はもう一回後で確認しますけれども。 今回の問題は、足利銀行が自己査定で四・五%あったやつがマイナス〇・七%に落ちているわけですからね。その根本の一つの原因が幾つかあったとして、もし収益還元法に対する理解が足利銀行が理解していなかったとすれば、これはこれからの他の金融機関でどのようになっておるかということは当然気にしなくちゃならないんでしょう。それは私どもが判断することではございませんなんというのは答弁としておかしいですよ。 あなた方は、あなた方はこういった検査を同時にやると同時に、金融機関を健全化するためにやっているんでしょう。そういう収益還元法について足利銀行がなぜこういうふうに激しく抵抗したのかということに対して、あなた方はこの検査の終わった後にちゃんとチェックしていないんですか、総括していないんですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 前々回の検査で、終わるときに担保評価の問題について指摘をしております。 それで、今般の検査で私どもがどうこう申し上げるべきでないと申し上げましたのは、銀行側が激しく抵抗したと、そのことを強調していらっしゃいましたのでその部分について申し上げたということでございまして、先ほども申し上げましたように、足利銀行自身が自ら収益還元法を適用している物件もあったということで、銀行自身がこの収益還元法というものを知らなかったということは考えにくいと思います。
○平野達男君 今日は、繰り返しますけれども、日向野参考人は、日向野前頭取がおりませんから、両者の本当は見解を伺いながら進めたいんですが、要は、もし足利銀行が本当に抵抗したと、これはおかしいじゃないかと言ったとすれば、なぜそうなったんだと、そういうことを言ってきたのかということについては、これは金融庁はちゃんとチェックする必要があると思いますよ。 それからもう一つ、じゃ、次の質問に移りますけれども、じゃ、そうすると、収益還元法はもうこれからいろんな金融検査入るときにそれが適用するものが妥当だということについてはどんどん適用するということだと思うんですが、その考え方というのは、これはきちっとまとめて公表されているという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほどもお答え申し上げましたように、検査マニュアル、平成十一年七月にできましたけれども、そこには当初から、いわゆる収益物件については公示地価による評価、あるいは近隣の売買実例による評価、これらに加えて収益還元法による検証が望ましいと、こういうことを書いてございますので、この点は既に明らかになっているということです。
○平野達男君 ただ、私が感じるところは、足利銀行さんはそういう意識は余り持っていなかったんじゃないかと。それで、持っていなかったということについては、先ほど言いましたように、意図的にそれを使わなかったのかという問題、これは推測、一つ成り立ちます。いや、そうじゃない、もっとその金融検査マニュアルというのを別に解釈していたという推測も成り立つ。この辺については、再度繰り返しになりますけれども、私はきっちりチェックする必要があると思います。 それから、じゃ、次の質問に移りますけれども、三年三月期の決算の繰延税金資産一千三百八十八億、金融庁検査はこの繰延税金資産を二十八億減額で金融庁の検査を終わっております。 御承知のように、金融検査マニュアルには、自己資本比率の正当性の検証ということで、繰延税金資産についても一応チェックするということになっています。 そこで、ちょっと話は変わるんですけれども、衆議院の財政金融委員会で、これは上野理事長だったと思うんですけれども、繰延税金資産というのはどのような観点から検査しているんですかという質問に対してはこういうふうに答えています。金融、どのように検査しているかというよりも、なぜ繰延税金資産が全額否認になったのかということについて質問がありまして、それに対して三つの観点で答えています。 金融庁検査による不良債権への引き当て増による自己資本率の低下、税効果資本のわずかな変動で債務超過に陥る脆弱性、三番、将来の利益計画の実現性への疑念、非常に明確な三つのポイントを挙げています。 これ、金融庁さん、この三つの点についてはどのように思われますか、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 上野理事長が一月十四日の参考人質疑で今御指摘の三点を挙げられたと承知をしております。継続企業の前提、それと自己資本の脆弱性、将来収益の実現可能性について、そのとおりであると承知をしております。 しかし、これ、これをどのように評価するかというふうに聞かれると、実は正直言ってちょっとお答えようがございません。これは、検査はあくまで独立性を持ってするものでありまして、監査、独立性のある監査法人に対して当局が意見を挟むというのは、これは関与する立場にはない、むしろ差し控えなければいけない、我々はそういう立場にいるというふうに思っております。 いずれにしましても、足利銀行の決算につきましては、これは独立した監査法人がしっかりとしたルールに基づいて手続を踏んで正に独立して厳格に査定をされたものと、そのように我々としてはやはり申し上げるべき立場にあるというふうに思っております。
○平野達男君 この三つのポイントについては基本的に異議はないということだというふうに理解いたしました。あとはその解釈の問題については多少あるという含みは残したようですが。 私は、この金融庁検査による不良債権への引き当て増による自己資本率の低下ということは、これはもう四・五%からマイナス〇・七%まで落ちていますから、これは一目瞭然であります。それから、税効果資本のわずかな変動で債務超過に陥る脆弱性、これもマイナス〇・七%にまで落ちていますから、ちょこっと繰延税金資産が動けば、ますますもって債務超過に陥る可能性が出てくると。あと、三番目の将来の利益計画の実現性への疑念というのは、これは多少あるかもしれません。 ただ、一般、一番目と二番目というのは極めて明快なんですね。それにもかかわらず、金融庁検査では繰延税金資産一千三百六十億円認めているんです。たったマイナス二十八億円減額。片方で、資産査定はぎっちりやりまして七百四十、失礼しました、自己資本が七百四十五億円あったのが一千億ぐらいが引き当てで積ませて自己資本を削って減額になっていると、こういう状況になっているわけですけれども、この繰延税金資産というのは、これは何か金融庁ではこのマイナス二十八億円という査定なんですけれども、これについてはその後足利銀行に監査法人が入って、繰延税金資産が全額否認されるわけです。その自分たちの金融検査と二〇〇三年九月期決算とのその差額についてはどのような総括されましたか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 私どもの行いました検査は、先生御案内のとおり平成十五年三月期の決算を対象といたしております。したがいまして、銀行の決算作業として、この十五年三月期時点における状況を前提に適正に計上していたかということが基本的な検査の観点ということになるわけでございます。 他方で、監査法人の監査というのは、十五年三月期に対する検査結果も踏まえまして十五年九月期というものを対象として検査をいたしておりますので、一つは時点が大きく異なるということがあろうかと思います。
○平野達男君 そんなものは全然説明にならないでしょう、そんなものは。 今の二〇〇三年の三月期決算では自己資本比率四・五%がマイナス〇・七%までにあなた方の検査で落ちているんですよ。そうでしょう。それから、先ほど、これでさっきの言った三つの基準のうちの一番目は、金融庁検査による不良債権の引き当て増による自己資本比率の低下ということで、この条件は満たしているんですよ。 二番目、税効果資本のわずかな変動で債務超過に陥る脆弱性、これも自己資本額がマイナス二百三十三億円になっておりますから、この二番目の条件もあなた方の検査のときにはもう満たしているわけですよ。 では、なぜこの検査のときに、税効果のときに、税効果、税、繰延税金資産がマイナス二十八億円の減額しかなされなかったんですかということを聞いておるわけです。
○政府参考人(佐藤隆文君) 監査と検査の対象時期の違いを先ほど申し上げたわけでございますけれども、私どもの検査におきまして、十五年三月期でございますが、追加償却、引き当てによって実質、債務超過の状態であったということを一方で認識しているわけでございます。 このときに、いわゆる、私どもは公認会計士協会の六十六号の実務指針というものに沿って検証を行うわけでございますけれども、その解釈文といたしまして、五号ではなくて四号ただし書というのを採用した結果、今後五年間の課税所得に対応する繰延税金資産を計上することが許されると、こういうカテゴリーに該当するであろうという判断をしたわけでございます。 では、債務超過であるにもかかわらず、なぜ四号ただし書ということを適用したかと申しますと、五号の方は、例えば債務超過にある状況の下では、短期間に当該状況の解消が見込まれない場合には、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産について回収可能性がないものと判断すると、こういうふうになっていて、これが六十六号の五号であるわけです。 これに対しまして、私どもが五号を適用することは必ずしも適当ではないというふうに判断いたしました根拠でございますけれども、十五年三月期時点において、一つ目に、十五年九月期以降の期間利益の発生、それから株価の回復による含み益の拡大と、こういった要素があり得る。それから二つ目に……
○平野達男君 いいですよ、結構です。
○政府参考人(佐藤隆文君) 十四年一月における自力増資の実績等もございますので、増資の実現可能性というのを否定できないということで、十五年三月期におきましては先ほどの実務指針の第五号、短期間に債務超過の解消が見込まれないと、こういうふうに断定することは不適切だと、こういうふうに判断したことでございます。
○平野達男君 あのね、私は金融庁のこのマイナス二十八億円というのを、その妥当性を聞いているんじゃないんですよ。 あのですね、足利銀行が二〇〇三年三月期決算で監査法人が入って自己資本比率四・五%になった。で、資産査定をやって、今度は金融庁がやって、金融庁がやったことで自己資本率がマイナス〇・七%に下がるんです。しかし、繰延税金資産はほとんど認めた形になっているんです。 今後はそれを受けて、二〇〇三年九月期のときに監査法人が入ってですよ、足利銀行はこの金融庁検査を受けて総資産の見直しをやりました。それを受けた形で繰延税金資産をやったら、今度はゼロになったんです。つまり、ここには二つの溝があるんですよ。 一つの溝は何かというと、監査法人が見たことに対して金融庁が否と唱えた。金融庁が見たものに対して、今度は監査法人は繰延税金資産の観点からおかしいと言ったんです。この二つの断絶があるんですよ。この断絶に対してマイナス二十八億円が正当だとかどうとか、そんな説明を聞いているんじゃないんですよ。これだけの差があるということに対して金融庁がどういうふうな総括をされたんですかというのを聞いているんです。 今のお話を聞いていますと、マイナス二十八億円は正しかったということで終わっているようですけれども、これだけの銀行の検査と金融庁の検査と、そしてさらに、ごめんなさい、二〇〇三年三月期の決算の金融庁検査を受けた二〇〇三年九月期の決算、この中に二つの溝があるということに対しては、これは深刻にとらえなくちゃいけないと思いますよ。 これに対する認識を聞いているわけで、そんなマイナス二十八億円がどうのこうのなんて聞いているわけじゃないですよ。もう一回答えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今委員がおっしゃった二つの溝について、ちょっと途中で委員遮られましたけれども、今の佐藤検査局長の答弁、大変私、正確に答弁をさせていただいたつもりでおります。 まず第一の溝というふうにおっしゃいました。これは、その三月期時点での資産査定、これは確かに溝がございます。これはしかし、先ほども答弁にありましたように、どこの検査をやってもその溝はあります。その中で、たまたま平野委員は今回、資産、担保査定について言及をされましたが、これも若干付言させていただきますと、ちょっと誤解があるといけないんですけれども、ディスカウント・キャッシュ・フローという企業の評価そのものは、これは大手銀行に対して適用されておりますが、担保の評価で、ディスカウント・キャッシュ・フロー及び収益還元は、これは以前からずっと一貫して中小を問わず適用させていただいております。私も銀行員の経験がありますが、三十年前に銀行員をしておりましたときに既にこの収益還元法でしっかりと担保を行っておりまして、これは既に定着しているもの。それを適用するかどうかということに関しては、これはいろんな御判断があろうかと思いますが、これはやはり保守的な見通しということでしっかりとやっていただくという結果、これが結果的には溝になったかもしれませんが、これは我々としては検査としてしっかりやった。これ以上ちょっと御説明はできないというふうに思います。我々としてはしっかりと資産査定を行いました。 二番目に溝とおっしゃったことでございますけれども、これは繰延税金資産の評価を監査法人が変えたのは九月期であります。ここは三月期と九月期でありますから、これはもう時点が全く異なっております。我々検査局が三月期の時点でその計上を基本的には、若干の減額はしたけれども、計上を認めたのは、債務超過であってもこれは一時的なものであって、復元可能である状況であるというふうに総合的に判断したからです。その時点での判断は私たちは別に間違っていなかったというふうに思います。 しかし、その後、いろんなことがございました。九月期になって監査法人がそういう解釈はもうこの時点ではできないということで、正に四条ただし書ではなくて五条を適用したと。ここはもう時点の違いでございます。
○平野達男君 ちょっと今日は時間が限られておりますので、私が言いたいことはこういうことなんです。 足利銀行、二〇〇三年の九月期決算は、銀行側は一千二百八億円の税金資産を計上予定していたんです。これは財政金融委員会の中で日向野前頭取が言っていたことです。これを仮に認めますと、自己資本率は辛うじて、辛うじてですよ、ゼロを超えるんですよ。 先ほどのもう一回三つの基準言いますよ。金融庁検査による不良債権の引き当て増による自己資本率の低下、それから税効果資本のわずかな変動で債務超過に陥る脆弱性、これを見て、二〇〇三年九月期の決算で監査法人は繰延税金資産を全部否認しているんですよ。ところが、金融庁検査の日、二〇〇三年三月期の検査のときは自己資本率はゼロより下回っているんですよ。しかも、債務超過に陥っているんですよ、これ。それでも何で繰延税金資産を、マイナス二十八億を減額しなかったんですかということを言っているわけです。 それは時期の問題じゃなくて、いいですか、時期の問題じゃないんですよ。この二〇〇三年九月期の段階の中に考え方を適用して、監査法人は繰延税金資産を、さっきの三つの基準を適用して繰延税金資産を否認したんです。その考え方が何で金融庁に適用されないんですかということを、別の言葉で言い換えれば、聞きたいわけです。
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えしているつもりなんでございますけれども、例の会計指針の六十六号というものには、四号のただし書と五号、どちらを適用するかという問題なんです。要するに、実質的な欠損、債務超過になった場合は、これは五号で全額が認められません。しかし、四号ただし書が適用される場合もある。それは先ほど言ったように、欠損、債務超過が一時的な要因であると判断される場合は適用されるんです。私たちはこのルールに基づいて、三月時点ではこれは一時的なものであり、その後のいろんな要因で回復可能である。実際に増資の計画もあったというふうに聞いておりますし、そういうことを含めて、三月ではこれは一時的なものであるというような判断の上に立ってこの計上を限定的に認めた。しかし、その後、半年たって増資も行われなかった等々いろんな要因もある。その後、悪くなったという要因もある。その時点で会計士も、会計士も同じ六十五条を適用して、これはもはや四号ただし書は適用できない、五号だという判断をした。もう正にこのルールに基づいてその時点で判断をしているわけです。
○平野達男君 いわゆる、そうすると、要は見通し、今のお言葉をかりますと、見通しが悪かったということですね、そうすると。状況の判断ですね。 ただ、私は、この金融庁検査のこの段階で、先ほど言いましたように、上野理事長のこの場合の三つの基準を適用する限り、三番目の将来の利益計画の実現性の疑念という、これについては解釈大きく分かれるかもしれません。一番目と二番目は、私は繰り返しになりますけれども、ぴったし、この金融庁決算の、三月期決算の検査の段階で適用しようと思えばできたというふうに思わざるを得ない。金融庁は、ここの判断を意図的に避けたのか、逃げたのか、そういう疑念が非常に付きまとうんですけれども、まあそういうようなことを言ったとしても、そうでございますなんて認めるわけはないですから、質問にならない質問になってしまいますけれども。 いずれ、そういう繰延税金資産の判断につきましては、会計監査法人が考える判断と金融庁が考える判断について一つのまた溝がありますし、大きな溝があるし、それから資産査定につきましては、この関係会計監査法人がやってきた監査の仕方と金融庁の監査の仕方ということについての大きな溝があるということだと思うんです。 そこで、先ほどの、今言った二つの溝のうちの一つの、一つの溝、つまり資産査定について何でこんな違ったんですかということをこの参議院の財政金融委員会で質問しましたところ、これからチェックしますということで、最近、日本公認会計士協会から出てきたのが監査と検査に関する調査検討プロジェクトチームの調査報告の概要であります。この二枚紙です。今日はちょっと資料として用意しませんでしたけれども。 まず、総論として、これ金融庁さん、これどのように評価されていますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先月の二十三日でございますね、銀行監査と金融検査の乖離問題について公認会計士協会が調査分析をして、今後の具体的な対応を報告書という形で公表されたと。これに対する金融当局、我々の立場でございますけれども、これはまあ先方がやられたことでありますので、その内容がどうこうと言う立場にはありませんけれども、今後こうした結果が監査に生かされて、結果的にその監査の信頼性が高まっていくと、これはまあ大いに我々としても期待していきたいところでございます。 この報告の中において、当局に対して一定の協力を求めるという箇所がございます。これらについては、これは我々は我々としての守秘義務がありますし、また監査法人の独立性というものにも配慮しなければいけないのではありますけれども、これはやっぱり趣旨からいって協力できることはしっかりと協力して、監査の質がより高まるような状況は是非作っていただきたい、そのように我々としても対応していきたいと思っております。
○平野達男君 日本公認会計士協会は、この自分たちの監査と金融庁検査の違いということを、今実態がどうなんだろうかということでこれ、アンケート調査でやりました。新聞によりますと、この二枚のペーパーには何も書いてないんですが、この結果が、アンケート調査によると二割未満の部分に相当数の金融機関が分布している、だからこれは容認すべきだと、許容される範囲だというようなことが、旨の発言があったということが日経新聞にちょっと出ていましたけれども、金融庁もそういう認識なんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほども申し上げましたように、検査と銀行の自己査定との間の乖離ということが一般的にある程度あるということは申し上げました。そのことは、取りも直さず結果的に検査と監査の乖離ということにもなるんだろうとは思います。ある程度の乖離が出てきていることは事実でございますけれども、奥山会長がおっしゃられたような具体的な数字については言及を差し控えさせていただきたいと思います。
○平野達男君 これは公認会計士協会が自主的にやったということなんですけれども、これは今度は金融庁が、これは私が先ほどより総括、総括と言っていますけれども、今回の足利銀行の例を踏まえまして、この資産評価の在り方、それから繰延税金資産の評価の仕方、これは総括をするというつもりはないんですか、これは。
○政府参考人(佐藤隆文君) 今般、検査と監査の乖離ということに着目して、公認会計士協会の方で独立したお立場でこういう報告をまとめ、これを今後の検査と監査の乖離の縮小に役立てていきたいと、こういうことでまとめられたわけでございます。これを受けて、例えば金融庁との定期的な協議といったことが提案されているわけでございますけれども、これらにつきまして、私ども、具体的な提案を受けましたら可能な範囲でできるだけ協力をし、その中で様々な会計ルール、あるいは検査での検証項目等についてなるべく一般的な認識の共有化を図る、こういう努力をするという余地はあろうかと思います。
○平野達男君 それでは、ちょっと時間がなくなってきましたけれども、各論にちょっと入りますけれども、この二枚のプレスリリースの中にこういう調査結果が出ています。 立入検査時における会計監査人と金融検査官の意見交換については、ガイドラインは三回の意見交換を要請するとしているが、多くは一回しか実施されていなかったというような、こういう結果が出ていますけれども、これに対してはどのように判断されておりますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 私どもの検査、事後検証の中で、銀行による自己責任に基づく決算作業、それからそれに対する外部監査人の監査ということを前提にしてやっているわけでございますけれども、そういう意味で監査人との意見交換というのは非常に重要なことだというふうに思っております。そして、一般的に、立入検査を行いますと少なくとも一回は監査人との間の意見交換をやっている。あと、必要に応じて行うこともありますし、複数回やっているケースも、数は多くございませんけれども、ございます。
○平野達男君 これは通告しましたかどうかちょっと覚えていないんですが、足利銀行の金融検査のときにはこの会計監査人との意見交換というのは何回やられましたか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 個別銀行の個別の検査において具体的にどういう取り運び方をしたかということについては、一般的には言及を差し控えさせていただいております。 ただ、足利銀行の場合には預金保険法の百二条が適用になったということで、これまでの質疑の中で会計監査人との意見交換会、五回やったというふうにお答えを申し上げております。
○平野達男君 じゃ、もう一点。 公認会計士協会から何点かの要請というか要望が出ております。その要望の中に、金融検査当局に対し定期的な協議の場を設けるよう要請し、共通の基準等について相互に議論し乖離の縮小に努めること、検査立入り時における金融検査官との意見交換を積極的に要請し、検討事項に対して深度ある意見交換を実施するよう会計監査人を指導することということで、こういう要請が出ていますけれども、これについては、先ほどの答弁に若干触れられていたんではないかと思うんですが、金融庁としてはどのように考えておられるでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 意見交換会の開催につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、言わば検査と監査で認識を共通にしておくことが望ましいような各種のルールについて相互理解を深めるということは有益だろうと思いますので、私どもも、課せられている守秘義務あるいは監査人の独立性、こういったことに配慮しながら、具体的な御要請があれば対応していきたいというふうに思っております。 それから、意見交換会の回数を増やすべきだという部分につきましては、これは私ども、外部監査人から要請があれば、検査官は忙しい中ではありますけれども、できるだけそれに応じるということで対応いたしておりまして、今般のこの報告を踏まえて、より積極的に監査人の方から意見交換の場を求めていらっしゃるということがあれば、これについても極力応じるようにしていきたいと思っております。
○平野達男君 会計監査と金融庁検査というのは時期も目的も違うんだということで、結果に相違があるのはやむを得ないというようなことも何回かこの委員会でお話があったと思います。 それはそれとして受け入れますけれども、私のような素人から見ますと、突然こういう債務超過に陥るとか、検査の結果によって債務超過の結果が出てくる、それから監査法人が認めたものが金融庁検査によってほとんどひっくり返される、それからまた、これはちょっと認識の差があるようですが、金融庁検査の中では繰延税金資産ほとんど手を触れなかったんですが、三年九月期の決算では全額否認される、この断絶があるということがもうほとんど私には理解できないんです。それが当たり前のものだということではないというふうに私は理解しておりますけれども、そういう差を縮める努力というものが、私は、まだまだ公認会計士協会、こういうプレスリリース出しましたけれども、この調査についてはまだまだ不満ですし、その姿勢がまだ欠けているんだと思います。 また、金融庁に関しても、今日の答弁を聞く限りは、自分たちの要するに検査の正当性を主張するだけで、これからどうするんだということについての答弁というのはほとんどなかったようにも思います。そういう一つの結果が出たということは、これは結果が出たということで受け入れるということだと思いますけれども、今回の足利銀行の例、あるいは、今日はりそなの話しませんでしたけれども、りそなの例が一体何だったんだということについての整理と今後の金融検査、あるいは会計監査法人のいい方向へ向かうような整理をやった上でそれを適用するということを是非やっていただきたいと思います。 今日のやり取りでは、まだまだ私は納得していない部分も多々ありますので、この問題につきましてはまた別途いろいろお聞きをしたいと思います。 時間になりましたので、私は、今日は終わります。
○千葉国男君 公明党の千葉国男でございます。本特別委員会では初めての質問となりますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず最初に、りそな銀行と足利銀行の件についてお伺いをしたいと思います。 りそな銀行におきましては公的資金が投入、注入が行われた後、現在も再建に向けて懸命な努力が続けられているところでありますが、失われた信頼の回復が、果たして回復が可能なのかどうか、行政当局としてもしっかりと見据えていかなければならないところであると思います。 そこで、公的資金の注入されたりそな銀行について、経営健全化計画では十七年三月期までを集中再生期間と定めております。もし、この計画が軌道に乗らなければ公的資金の返済はできず、国民の負担になりかねません。現在はまだ中間期ではありますが、公的資金が注入された後初めての決算になるこの十六年三月期において、計画された各種の目標達成の見通しについてどうなのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 御説明申し上げます。 りそなグループ、現在、例年五月に行われます決算の発表、これに向けまして十六年三月期の決算作業を行っておるところでございますので、具体的に目標値との関係でこの決算がどうなるかという見通し、現時点ではコメントをすることが難しいということを御理解いただきたいと思います。 十五年九月期の中間決算発表時にこの三月期の業績予想というのを発表しております。これは、十六年三月期では当期損失を計上するという見込みになっておりますけれども、これは十五年九月期において財務改革を徹底して実施をして将来のリスクファクターはすべて徹底的に排除をするという、こういうことで九月期の中間決算を組んだ、その結果としての三月期の業績予想ということでございます。りそなの早期の再生、今お話がありました公的資金の返済も含めたりそなの早期再生に向けた第一歩としての経営改革がスタートしたところという状況であります。 私どもとしましては、これから決算策定作業を見守りながら、新しい経営陣の下で徹底した経営改革、そして経営の健全性確保と収益性の向上、これが図られるようにフォローアップをしてまいりたいと思っております。
○千葉国男君 このところ、株価に若干のぶれはあるものの順調に推移しております。報道では、りそな銀行においても、有価証券の含み益の発生によって業績の向上が予想されると、そう言われているわけでありますが、しかし、今年度の決算において業績の向上が見られたとしても、その業績は不確実性が伴う株価に依存しているものであって、真の意味で業績の回復を表すものではないと、こういうふうに思われます。 今後とも本業の収益性を確保し、着実に業績の向上を見込める経営体制を確立していくことが課題となります。新しくりそなホールディング会長に就任されました細谷会長は、収益力強化、半年が勝負と、このように決意を述べられているわけでありますが、りそな銀行が新たなビジネスモデル銀行として再生するために、新経営陣に期待することはどのようなことでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、千葉委員がりそなの細谷会長の言葉を御引用くださいましたけれども、持続的な黒字経営の体質改善を行う、そのための収益力を高める、それを可能にするビジネスモデルを構築していく、やっぱりこれはもう本当に国民負担を最小化するという意味からも極めて重要なことであるというふうに思っております。 その方針で今まで何をやってくるかと、これはかなりいろんな報道も最近なされているようでございますけれども、まず、企業価値を最大化するために確固たる財務基盤を構築するんだということで、十五年九月期の中間決算においては非常に思い切った財務改革を行いました。将来のリスクファクター、将来のリスクファクターを徹底的にもう排除するんだと。そのためには、関連会社、関連ノンバンクの完全処理、そしてキャッシュフローベースの引き当て強化、そういった取組を行って、まず財務基盤を将来のリスクを先取りして強化したということが重要だと思います。 それにまた加えまして、収益構造としましては、経費を下げる、そのローコストのオペレーション、それと、元々のこのグループの強みでもあります中小企業向け貸出しや住宅ローンに経営資源を集中する、そういった観点からの様々な試みを行っています。店舗も非常に軽量化してコスト削減する。それと、平日の営業時間を延長して顧客の利便性を高める。さらには、好感度を増すという意味から、待ち時間ゼロ等を目指すと。 ちょっとこれは逸話でございますけれども、社外取締役として就任されたコストカッターとして有名な取締役が支店に行ってみたら、みんな雑誌を読んでいたと、待っているときですね。その雑誌の購入料だけで全店合わせてみると何億にもなっていたと。なぜこれを、これを削れないか、そのためには待ち時間をゼロにすればいいんだと。そうすると、コストもカットできるし、好感度も高まる。それ、最初、現場ではできないというふうに言ったんですけれども、それを実はやってのけたんだそうでございます。これはテレビ等々でもそういったことが今報道されるようになっておりますけれども。 こうした挑戦の姿勢をやはり持ってもらって企業の価値を高めてもらいたい、これが経営陣に対する私どもの期待でございます。
○千葉国男君 今、大臣からそういう努力が語られましたけれども、更なる経営陣の努力を期待したいと思います。 次に、足利銀行の処理の状況について、先ほども平野委員の質問もありましたが、お伺いをしたいと思います。 足利銀行が特別公的管理銀行となったことは、地元融資先の企業を始めとする多くの関係者にも動揺が走り、この問題は単に一金融機関の問題にとどまらず、栃木県経済全体の問題として行政当局の対応が求められているところであると思います。 そこで、まず足利銀行に対する預金保険法第百二条第三号措置の終了時期の見通しについてお伺いをしたいと思います。 現在、平成十六年三月末の決算を織り込んだ経営に関する計画、これがまとめられているところでありますが、この第三号措置を終了される今後の見通しについて、また受皿機関の選考状況等についても併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 御説明いたします。 お話がありましたように、十六年の三月期の決算の策定作業を現在行っており、それを踏まえました新しい経営に関する計画、数値的な目標なども入ったものをこれから確定をさせていくと、こういう今段階でございます。現時点では、今年の二月六日に公表いたしました計画、これに沿って健全化に向けた経営改革というのを進めております。 現状は、まずこうした経営改革を進めまして、地域金融を円滑化する、そして中小企業等の再生に取り組む、こうしたことで足利銀行の銀行としての企業価値を高めると、これがまずやらなければいけないことであると、こういう段階にございます。これを行いまして、できる限り早期に特別危機管理を終えるということが重要である、こういう段階にございます。 したがいまして、現時点において受皿の選定ということについて具体的な検討を行うという段階にはございませんので、特別危機管理の終了時期、あるいは受皿の選定ということについて確たることを申し上げるのは困難ではございます。 ただ、何よりもやらなければいけない企業価値の向上ということに全力を注入していただきまして、私どももそれを見守りながら今後の在り方についての検討を適時適切に進めてまいりたいと思っております。
○千葉国男君 足利銀行の持ち株会社であるあしぎんフィナンシャルグループは、今年三月三十一日に会社更生法手続の開始が決定されております。そこで、管財人に選任されました清水弁護士は同日の記者会見で、国を相手取った訴訟も視野に、国以外の株主への公平な配当を目指すと、こういうふうに考えを示しました。 その先ほどの三号措置による足利銀の破綻処理について違憲性があると指摘した上で、国が国民に正当な補償をせず足利銀の株を無償で取得したことは憲法違反に当たる可能性があると、会社更生法の手続申請から六か月以内に実施されたことも公平の原則として正しくない、こういうふうに批判をしておりまして、優先株主である国に対して配当や残余財産の分配の際に権利放棄を求め、地元の普通株主などにできるだけ配当するよう考えを示しております。 実際に権利放棄の要請がこのようにあった場合、どのように対応するおつもりなのか、所見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 大変恐縮ではございますが、仮定の質問でございますのでコメントにつきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、政府は、あしぎんフィナンシャルグループの一優先株主として会社更生手続に参加する立場にございまして、法令、約款等にのっとり、その手続の中で適切に対応してまいりたいと考えております。
○千葉国男君 先ほども平野委員からいろいろお話がございましたが、この足利銀行に関連して、監査法人による銀行監査と金融庁による金融検査の結果との乖離の問題についてお伺いしたいと思います。 この問題は、昨年十一月の足利銀行の一時国有化を契機に議論になりましたが、金融庁の検査と監査法人の監査の結果に大きな違いが生じた理由を調査するために、日本公認会計士協会が調査と検査に関する調査検討プロジェクトチームを設置をいたしまして、今年三月二十二日にアンケートによる調査の報告がなされました。 その中で、結果の乖離の原因として幾つか挙げられているわけですが、債権者の実態把握等に関して会計監査人と金融検査官の判断等が相違していること。要するに、考え方が違うということですね。それから二番目としては、総監査日数が必ずしも十分ではなく、結果として資産査定に直接に費やした日数も少ないものとなっていること。実際、監査の日数が足りないと。三番目として、立入検査における会計監査と金融検査官の意見交換が十分でないこと。意見がよく交換されていない。こういうふうなことを挙げられているわけであります。 公認会計士協会では、今後の対応策として、金融検査当局に対して定期的な協議の場を設けるように要請する、また検査立入り時期における金融検査官と意見交換を積極的に要請する、今回のアンケート調査において自由意見欄に記載されたように様々な意見を金融検査官当局の協議の場でよく伝えると、こういうことを述べております。 金融庁は、この報告、調査報告に対してどのような感想を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 乖離が生じました原因についての部分のお尋ねと、それから会計士協会が今後の対応として示している項目についてのお尋ねと、両方にわたる御質問であろうかと思いますが、乖離の原因につきましては、御案内のとおり、監査人による監査と私どもの検査、異なる法律に基づいて異なる目的でやっておりまして、法的な位置付けも異なるということで、その進め方も差異がございますので、ここである程度の結果の差が出てくるということはあり得るものだろうと思います。 それで、乖離の原因のうち、債務者の実態把握に関する会計監査人と金融検査官との判断の相違という部分が記載されておりますけれども、ここの部分につきましては、今申し上げた検査と監査の目的とかあるいは実施の仕方に由来している部分もあるわけでございますけれども、例えば、この報告書自身が言っておりますけれども、監査、特に資産査定に使う日数が監査の中では少ないといったこと、あるいはその結果といたしまして、私どもの検査におきましては債務者の抽出ということをやるわけですが、その抽出のカバー率が金額ベースでいいますと五〇%ぐらいになっている、金融機関が持っている全債権のうち金額ベースで五〇%ぐらいはチェックをする、こういう形でございますけれども、監査の場合には二五%ぐらいになっていると、こんなこともあろうかと思いますし、あるいは監査の場合は決算確定作業の一環として行っておりますので、決算確定前にその作業を終了する必要があるということで、時間的な制約といったこともあろうかと思います。 それから二つ目の、立入検査時における会計監査人と金融検査官の意見交換が十分でないという点についてでございますけれども、検査、私どもの検査におきましては、実態を本来一番詳しく知っているはずの金融機関と協議を行っているわけでございますけれども、もちろん必要に応じて会計監査人の意見を聞くということでございます。この協議の過程で検査班の方が把握した問題点を監査人の方にお伝えするという逆の流れもあり得るわけで、そういうプロセスが結果として事後の会計監査における監査作業の質の向上ということに資するという面もあろうかと思います。 それから、今後の対応として、この今回の公認会計士協会の報告書が三点挙げている部分についてでございますが、一つは、定期的な協議の場を設けるということでございます。これは、先ほどの平野先生の御質問にもお答えいたしましたけれども、協会の方から正式な要請があれば、当方に課せられた守秘義務とかあるいは監査人の独立性ということにも配慮しながら具体的な枠組みについて検討していきたいと思っております。この中で、検査と監査で認識を共通に持っておくべき分野があるとすれば、そういう部分については有意義なものになるんだろうというふうに思います。 それから二つ目の、検査立入り時において検査官と意見交換を積極的に要請するという話につきましては、従来から監査人から意見交換の求めがあった場合には極力これに応じてきているわけでございますけれども、今回の報告に即して更に積極的な要請があった場合、極力これに応じるということで対応してまいりたいと思います。 それから、アンケート結果で自由意見欄に記載された様々な意見をその当局に伝えるという件につきましては、先方よりそうした意見が伝えられた場合には、お伺いをして参考にしてまいりたいと思っております。
○千葉国男君 次に、預金保険の可変料率構想についてお伺いをしたいと思います。 現在の預金保険制度では、すべての金融機関が均一の保険料率になっております。そのため、金融機関自身の健全性確保のインセンティブやモラルハザードの防止などの有効性は低いと、このように言われております。 保険料率が金融機関のリスクベースの整合性がなく、健全な金融機関にとっては相対的に割高な保険料となっていることなどから、この制度の改革を検討するのは有意義であると思われておりますが、一方では、保険料率の設定において、金融機関の健全度を測る基準の透明性確保の問題や可変料率の導入が信用不安を引き起こすとの懸念などから、導入に反対する意見もあると伺っております。 そこで、預金保険の可変料率制度の導入について、大臣の見解を聞かせていただきたいと思います。 また、保険料率の設定においてどのような基準が考えられるのか、大手金融機関と中小の金融機関とでは異なる基準が必要であるかどうかに関しても、併せて御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆる預金保険の可変保険料の問題、今もう論点、実はすべて千葉委員が御指摘をくださったというふうに思っているんでありますけれども、平成十一年十二月の金融審の答申におきましてこの問題について二つの点が示されている。 一つは、諸外国の預金保険制度においてもこうした可変制度の導入の動きが見られる、また市場規律を補うという観点からも本来望ましいと、そのような考え方が一方である。しかし、他方で、一般勘定の借入金の早期返済が必要だという今の状況の下で直ちにこうした可変保険料の制度を導入してしまえば、経営が悪化した金融機関に対する保険料率というのは相当に高い水準になってしまうことが見込まれる。したがって、その実施については当面慎重に対応すべきである。 これは平成十一年の答申でありますけれども、今も基本的には考慮すべき点、状況は基本的には変わっていないというのが私の認識でございます。 それともう一点お尋ねがありましたのは、その設定、大手、中小で異なる基準が必要か云々というお問い掛けでございますけれども、この預金保険料率は、法令上、保険金の支払、資金援助その他機構の業務に要する費用の予想額というのが一方であって、それに照らして長期的に機構の財政が均衡するようにしなければいけない、かつ重要なことは、特定の金融機関に対して差別的な取扱いをしないように定めなければいけない、このようにされているわけでございます。また、この料率の決定に当たっては幅広くその意見を聞くという意味で、金融界、各業態の代表を含むところのこの運営委員会の決議等を経るということにもされているわけでございます。 これを踏まえて、預金保険料につきましては、機構の運営委員会における決議等を経て、正に適切に決定されているというふうに認識しているところでございます。
○千葉国男君 ペイオフ解禁についてお伺いをしたいと思います。 来年四月のペイオフ解禁まであと一年となりました。大手銀行グループが株価回復にも後押しされて不良債権処理などが健全化を着実に進めている一方で、中小金融機関においてはペイオフ対策が遅れていると。報道等ではペイオフ延長を期待する声も上げられるとお伺いをしております。 そこで、中小金融機関における不良債権処理や自己資金充実など、健全化の進捗状況について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 中小金融機関、地域金融機関の問題は、主要行とは違う形で、正にリレーションシップバンキングのアクションプログラムに基づいてその改善を進めている。特に、十六年度までについては集中改善期間という中で、まず地元の企業をしっかりと再生し、健全化してもらう。そうした中で、金融機関自身がその財務も良くしていく。そうすることによって、同時に不良債権を処理していく。そのようなアプローチを今取っているわけでございます。 そうした中で、中小の地域の金融機関、様々な努力を今重ねているわけでありますけれども、結果的に、不良債権の状況につきましても、徐々にではありますけれども改善の方向に向かっているというのが現状であると認識をしております。 例えば、十五年九月期の地域銀行の再生法開示債権額は、半年前、十五年三月期に比べまして〇・八兆円減少、五・二%減少している。不良債権比率も〇・三%ポイント低下して、七・八から七・五に低下しているという、着実に不良債権の処理は進捗しているというふうに思っております。また、その健全性基準に関しましても、これは、足利銀行を除き、すべての金融機関がこの健全性基準を満たしている。 我々としては、したがいまして、このリレーションシップバンキングの枠組みを更にしっかりと進めていくことによって地域の企業にも良くなってもらう、銀行にも良くなってもらう。そうすることで地域の利用者から十分な信任が金融機関、得られるように、そういう環境を作っていくという方向で最大限の努力をしていきたいというふうに思っております。
○千葉国男君 ペイオフ全面解禁に備える体制整備の遅れの一つとして、中小金融機関の名寄せ作業の遅れが指摘されております。預金保険機構の松田理事長は新聞のインタビューの中で、体制的にも整備されつつあるが、まだ精度の、精密さの精度の面で改善を要する金融機関もあると発言されております。 金融庁として、現在の名寄せ作業の進捗状況をどのように把握されておるのか、また、今後、名寄せに関して具体的にどのような指導監督をされていくのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 申し訳ございません、金融庁というお尋ねでしたので私から御説明します。 預金保険法で名寄せ関連データの整備を行っておくことを求められているのは御承知のとおりでございまして、これに基づきまして十四年三月期までに、金融庁といたしましては、すべての金融機関がシステム面について預金保険機構による確認を受けるなどの整備を行っているということを確認をしております。 ただ、今お話にもございましたが、これまで検査で把握をいたしましたところでは、名寄せのための預金者データの精度が十分でないというものが見られたということは事実でございます。理事長のお話のとおりでございます。 そこで、名寄せのためのデータの精度を上げるための努力というものを金融機関に求めておりますが、預金保険機構とも連携をいたしまして、引き続き検査を厳正に行うということ、それから、名寄せの際に支障を生じるおそれがあるというような指摘がもし検査で行われました場合には、是正策の報告を求め、これをフォローアップするといったやり方で今後監督をしてまいりたいと思っております。
○千葉国男君 最後になりますが、松田理事長にお伺いします。 実際にペイオフが解禁される前に、具体的に名寄せの作業を行うためにどんな検査あるいは研修、あるいは啓蒙も含めて対策をお取りになろうとしているのか。よろしくお願いします。
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。 先生御指摘のとおりでございますが、ペイオフ解禁後の金融機関の破綻処理を迅速適正にやるためには、預金保険法で、金融機関に対しまして、あらかじめ名寄せのための預金者データの整備、システムの対応というのを平時からやっておいてくださいということが一つ。それから、破綻したときには預金保険機構に対して預金者データを磁気テープに入れて、それを直ちに提出してください、こういう二つのことを義務付けております。 そういうことの前提がございますので、当預金保険機構といたしましては、それらの措置が実際に実効性を持つように、より高めるようにということから種々の取組をいたしておりますが、その主要なものが、先ほど五味局長からお話がございましたように、平成十三年八月以降実施しております名寄せのデータ整備についての立入検査がございます。これは、約、預金保険機構で百七十八先について実施をいたしました。その検査結果や指摘事項につきましては当該金融機関に直接文書で通知をいたします。と同時に、金融庁が実施されております改善状況等についてのヒアリングにも私どもも同席をさせていただきまして、そこで具体的に助言を行わせていただいて、より精度が増すように心掛けているというところでございます。 このほか、それらの一環としましては、個別の金融機関からの相談照会に対する助言、指導、それからデータ整備に関する留意点等についての文書による各金融機関への通知、連絡、また業界の研修会への講師の派遣など、研修や啓蒙活動にも注力をいたしておりますが、さらに昨年十月以降、各金融機関から名寄せのための、先ほど申しました預金者データを含む磁気テープを順次提出してもらいまして、それが当機構の指定フォーマットに沿って作成できているかどうか、いろいろな点で検証をいたしております。不備の事例がございますと、それを全部の金融機関に対しまして文書で通知をしまして注意を喚起し、その後も遺漏のないような対応を図っていきたい、このように考えております。
○千葉国男君 ありがとうございます。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 先ほど来、リレーションシップバンキングの機能強化とか監督指針について触れられているわけですけれども、私もこの問題について質問したいと思います。 この問題について、私は昨年のちょうど四月に財政金融委員会で質問したんです。そのとき、リレーションシップバンキングの機能強化という考え方が、私どもが提案している地域金融活性化法案、これと方向性において同じだということで評価した上で、それじゃリレーションシップバンキングの機能強化を図るアクションプログラムが本来の在り方から見てそれを正確に反映したものであるかというと、そうじゃないんじゃないか、かなり問題があるよと。運営いかんによっては何ら変わらないか、あるいはもっと悪くなるおそれもあるということを私、指摘しました。一年たった今日、残念ながらその危惧が、懸念が実現してしまったというふうに私は見ております。 言わば、アクションプログラムというのは玉石混交ですよね。それを、玉の方をほったらかして石ころの方ばかり大切にするという傾向が強まってきているというふうに私は言わざるを得ないんです。 具体的な問題を例にして質問したいと思うんですけれども、その前に、リレーションシップバンキングのそもそも論についてちょっと一つ確認しておきたいと思うんです。 このリレーションシップバンキングという言葉を輸入されたのは竹中大臣なわけですよね、この国会に持ち込まれた。しかし、その定義という点ではまちまちでして、金融審の報告もいろいろ書いておりますし、金融庁はかなりまとめています。金融庁はこう言っていますよね。長期継続する関係の中から借り手企業の経営者の資質や事業の将来性等についての情報を得て融資を実行するビジネスモデルというふうに言って、大分分かるんですが、竹中大臣は「あしたの経済学」の中で、国内で地域の企業や人々と深くかかわって産業の発展に寄与していくというリレーションシップバンキング、非常に分かりがいいんです。分かりはいいんですけれども、やっぱりもう一つ、じゃ、具体的にはどんなものだということではなかなか分からない。 それで、これを定義じゃなしに、日本語にそろそろ大臣、翻訳していただきたいと思うんですけれども、どんなふうに翻訳されますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 実はリレーションシップバンキングという言葉を発表したときから、これはとにかくもう少し分かりやすく日本語で言わなきゃいけないという問題意識をずっと持っております。 実は今日に至ってもそんなにはっきりとした結論が、これならいけるというところに至っておりません。幾つかのことを言わなきゃいけないような気はするんでありますけれども、間柄重視のバンキング、銀行業というふうに言うのも一つかもしれませんけれども、それだけでは少し関係だけが強調されていると。それが新しいやはりビジネスモデルとして定着していなければいけないんだろうなというふうにも思います。 その意味では、地域に根差した間柄重視の金融、そう言うとだんだんだんだん実は長くなってきて余り、もうちょっと訴えなくなるんでありますけれども、気持ちはもう、先ほど金融庁のあの文書を池田委員読み上げてくださいましたけれども、そういうことをやりたいと。正に間柄を重視して、定性的な情報を重視して地域にしっかりと根を張って、長期的な視点から地域とともに共存共栄を図っていくような金融の関係を作っていっていただく。大変申し訳ありません。日本語でちゃんと言い尽くせていないかもしれませんけれども、そのようなことを目指したいと思っております。
○池田幹幸君 由里宗之さんという中京大学の助教授ですね、「リレーションシップ・バンキング入門」という本を書いておられますけれども、それではこう言っておられます、こう訳していますね、顧客との人間的関係に基づく銀行業務運営と。大分いろいろ削られてしまっております、地域の関係も削られているし、あるんですけれども、しかし割と分かりがいいというふうに私は思います。参考にしていただいた方がいいんじゃないかなと思いますが。 そこで、確認しておきたいんですけれども、中小企業は財務諸表等の定量的な指標が乏しいということからこういうことが出ているんじゃなしに、そういう理由よりも、元々定量化が困難な信用情報といいますか、長い付き合いで入手する経営者の資質とか技術力とか、あるいは事業の成長性と言われていますけれども、こういうことに基づく貸付けをするのがリレーションシップバンキングだというふうに解釈するということではこれは異存はないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 定性的な数字にならない情報に価値があるという点はもう私全くそのとおりだと思います。 信用金庫、信用組合の理事長さんから見て、あそこの商店の御主人はこれはもう絶対うそをつかない人だ、人を裏切らない人だと、ないしは、そこの息子さんというのはこれはもう本当に前向きに一生懸命やる人で、ちょっと髪の毛を奇抜に染めているけれどもあの人は大丈夫だとか、そういうやはり定性的な、それにやはり金融情報としての価値があるということだと私は思います。 しかし、同時に金融業でありますから、そこは金融業として持続可能な形でないといけないということもやはりリレーションシップのバンキングとしては大変重要なポイントであろうかと思っております。
○池田幹幸君 正にその最後に言われた持続可能性の問題をめぐっての論議に最後はなっていくと思うんですけれども、その前にもう少し見ておきたいんですけれども。 金融審の報告ではこう言っていますね。日本の「中小・地域金融機関の貸出の中心は長期継続的なフェイス・トゥー・フェイスの関係に根ざして融資判断が行われるリレーションシップ貸出となっている。」と、元々が。しかし、最近、どうも担保に偏重したり、保証に過度に依存したりということでどうもおかしくなってきている、また貸し渋り、貸しはがしも起こっているということで本来の在り方から乖離している、そういうことから収益性もおっこちている、そういうことで持続性も危ぶまれるような問題が出てきているから健全化を図っていかなければならぬということが書いてあるんですね。 そういうことでアクションプログラムが出されたわけなんですけれども、じゃこの一年間、この一年余り、私、ひがしん、東京東信用金庫ですね、これを例にしてちょっと見てみたいと思うんです。 これ、二年前にもひがしん問題取り上げたんですけれども、二〇〇二年の一月に破綻した永代信用組合、それから船橋信用金庫、この二つの金庫の救済金融機関になっているのが東京東信用金庫なんですが、当時、事業譲渡に際して、資産買取り分も含めて船橋信金分が七百五十一億円、永代信組分が千五百九十二億円、公的資金が破綻金融機関に入れられて、そして、結局、債務超過もなくバランスシートがきれいになって、それを受け継いだわけですね、ひがしんは。 同時に、営業店舗について見ますと、船橋信用金庫から十七店舗のうち十三店舗がひがしんに移ったと、それから永代信組から全二十六店舗中四店舗がひがしんに承継されたと、こうなっているんです。じゃ、今、承継した合計十七店舗のうち、いわゆる支店が、一般支店、ちゃんと人がいて融資もできるという一般支店、そういう形で営業を行っているのは幾つになっているかといいますと、これは船橋信金が七店舗、永代信組はゼロになっているんです。 これ、金融庁、ちょっと確認していただきたいと思うんですが、間違いないですね。
○政府参考人(五味廣文君) 船橋信金、船橋につきましては、支店として残っておるところはなくて、出張所で二店舗ということですね。ちょっと済みません、永代の方がちょっと今手元になくて、申し訳ございません。
○池田幹幸君 こういうことになっているんです。結局、ふなしん、船橋信用金庫、ふなしんの事業譲渡日は二〇〇二年の六月なんですけれども、このとき承継した店舗六店舗、それが今、出張所というのはあるんですけれども、窓口も営業担当もいない出張所、そういうところに格下げされた分と、それからなくなった分という形に分かれております。永代信組に至っては四店舗すべてが出張所に変わっちゃったということで、今申し上げたような形で支店が減っちゃっているんですね。 これは、預金保険法に基づいて合併を承認したのは金融庁なんですよね。合併しなければ永代やふなしんがその業務を行っている地域での利便性が損なわれると、資金の円滑な需給がなされないということで、合併することによってそれが守られるということを判断して合併を認めたわけです。ところが、それを認めて二年もたたないうちにこんな形でがたがたがたがた店舗が減らされるといった状態になっていることについて、これは問題じゃないかと思うんですが、大臣、いかが考えますか。
○政府参考人(五味廣文君) 御説明いたします。 合併をいたします場合、やはりそれぞれ承継をいたしました支店の立地でございますとかそういったこととの関係でやはり規模を縮小する必要があったり、あるいはその後の経営の全体の方針の中で支店としては廃止をしていかなくちゃいけないというようなことも起こり得るということでございまして、引き受けるときは当然それなりのメリットがあるということで引き受けますけれども、決して無条件で引き受けるということではなくて、合併後の経営方針に沿ってその後の支店の運用というものはそれぞれ考えられていくことになる。初めから廃止する予定で引き受けるということではなかろうと思いますし、仮にそういうことがあった場合であっても、利用者の方の利便にできるだけ影響が出ないように取引の方については適切な選択を行って、取引が継続すべきものについてはそれができるようにという配慮をしておるのであろうというふうに考えております。
○池田幹幸君 承継するとき、合併するときは契約書を交わしてやるわけですが、そのときは既にもうこの店舗は要りませんということでもうはじかれていて、そして、この店舗は引き受けますと、それはこの地域にとって必要だからということで引き受けるわけですね、当然のことながら。そうでなければ承認しないわけでしょう、金融庁は。そういうことで承認したんですよ。ところが、たった二年です。たった二年でそうなっている。 しかも、合併のとき、これはひがしんとふなしんのことを見ましても、共同で記者会見をやってこんなことを言っているんですね。ひがしんの中沢会長は、ふなしんさんとは人的つながりがある、店舗や人員は原則そっくりそのまま受け入れたいと、そっくりそのまま受け入れなかったんだけれども、それぐらいのことを言っているし、時の関東財務局は、地域の金融システムの一層の安定化と預金者を始めとする取引先の保護、利便性の確保に資することを期待しているという局長談話まで発表して合併させたんですね。しかし、結局、今言ったように二年もたたずしてがたがた減らした。 これどんな状態になっているか、今日お配りした資料を見ていただいたら分かるんですけれども、これは、ふなしんと永代信用組合だけじゃなしに、さらに昨年、小岩信用金庫もこれ吸収合併しているんです。 これ、トータルして表にしてみたんですけれども、ごらんのように、東京東信用金庫の店舗数が、船橋信用金庫を引き継いだときが二〇〇二年の六月で、九十五店舗に増えています。それから、永代信用を受けたときが、その後九十四店舗に増えていますね。当然のことながら、従業員も一定程度引き継いで増えてはいるんですけれども、いよいよ小岩信用金庫を受け継いだ昨年の七月は百三店舗に増えているわけです。ところが、それが九月には九十二店舗に減り、今や、この三月、六十九店舗に減ってしまっている。これは六十九店舗ですから、百三から六十九、三十四店舗減っている。従業員も千七百七十五人から百四十三人減って千六百三十二人ということで、大幅に減っているんです。 こういう状況になっているわけですが、余りにも地域のリレーションシップバンキングの在り方という点からいって、こんな減らし方というのは、大臣、どう感じられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これ、ちょっと個別の事情について私は存じ上げておりませんし、また、個別のこれは経営判断についてまた物を言う立場にもないという前提でしか申し上げられないんでありますけれども、地域の金融機関としては、地域に根差して正にリレーションシップを大事にしてやっていくことこそがまず自らの生きる道でございましょうから、必要な店舗は当然残すんだろうというふうに思います。 しかし、いろんな営業活動を通じて、これ日々、経営はすさまじい戦いで、その中でのいろんな手法は見直していかなければいけない。店舗を統合する、ないしは母店制をしいて、母店以外のところは機能を縮小させる、そういうことはこれは当然どこの今金融機関でも行っているところでございますから、その中でそれなりの経営判断をしておられる、自らが不利になるようなことは決してしていないはずだというふうに基本的には、一般論としては思います。 ただ、そういう中でやっぱり注意しなければいけないのは、例えばですけれども、リストラを急ぐ余り不当解雇をしているのではないだろうかとか、そういうことはこれは許されるものではありませんし、さらには強引な形で一部の顧客を切り捨てているとか、つまり銀行という強い立場を利用して圧力を掛けているとか、これはやはり許されないことであろうかと思います。こういう問題は我々は非常に多面的に、また公正取引の立場からも公取委等々でしっかりと、また労働監督の立場でもしっかりとやっているはずでございますけれども、ここは一つの経営体としては常に厳しい状況の中でいろんな、正に先ほど申し上げたサステーナブルな状況を作りながらリレーションシップを深めていくという方向を模索してやっている一つの結果ではないかなというふうに思います。 ただこれは、繰り返しますが、個別の経営の判断についてはちょっと申し上げる立場にはございませんので、この点については御了解を賜りたいと思います。
○池田幹幸君 私も時間ないから今日深くは入れませんが、要するに、ここでやられていることは、人減らしについてはパワーハラスメントと言われているんですね、嫌がらせ。嫌がらせをしてどんどん人を減らしていくというやり方がやられています。残念ながら、吸収された側の信用金庫の職員がいじめられるという状況が今起きておりますけれども、そういう問題として現われているんですが、問題は、この急激な減らし方、店舗の減らし方、私、今日はそこのところを問題にしたいんです。 つまり、百三から六十九、どう考えたってこの地域でフェース・ツー・フェースの融資をしていくという上で物すごく機能がおっこちていることはもうだれが見てもこれ分かるはずです、もう出張所というところで人一人しかいないんですから。出張所、人もいない、機械だけのところもあります。そういう状況ですから、とてもじゃないけれども、地域金融のために働けるとかリレーションシップバンキングなどというふうな機能は、これはもうおっこちているわけですよ。 それで、サステーナブルだとおっしゃる。経営がおかしくなったんじゃもう元も子もないからということなんですけれども、しかし、このリレーションシップバンキングというのは、リレーションシップを強化する方向で経営改善していこうというのが正に今度の我々の、あるいは金融庁も元々はそういうふうな考え方に立ってやっていたはずなんですよ。 ところが、こういうことがなされておっても何にも手を打たない、何にも手を打たないという状況が今あります。しかも、どんなふうになっているかというふうに私聞いても、従業員がどうなっているか、店舗数がどうなっているかについては、経営にかかわる問題だから私たちはそれを追っ掛けていませんと言うんですね。そうじゃないでしょうと。リレーションシップバンキングということを考える以上は、正にこれは人の問題ですから、リレーションシップというのは。人がどうなっているのか、店舗がどうなっているのか。ともかく、フェース・ツー・フェースと言ったって、顧客のお顔はあるけれども、職員の顔がなくなったらフェース・ツー・フェースできないじゃないですかね。そういう問題だとして、誠に簡単な問題なんですからきちっととらえていただきたいというふうに思うんです。 そこで、問題は、こういったことがやられるのは、勝手に信用金庫が経営を守るためということでやっているんじゃなしに、やらざるを得ない状況にやっぱりどんどんどんどん追い込まれていっているんだということなんですね。つまり、アクションプログラムが発表されるまでは竹中大臣も本当にもう立派なことを言っておられて、私、ずっと一年半にわたる竹中さんの衆参両院における答弁を調べさせていただいたら、これ五枚びっしりになりましたよ、答弁だけで。いろいろリレーションシップバンキングの答弁ですよ。それについていろいろありますけれども、まあここで時間がないから余り言いません。 しかし、要するに、日本の風土、歴史、制度に根差したリレーションシップバンキングの在り方を検討していくということとか、それからグローバルバンキングとリレーションシップバンキングは違うルールでやらにゃいかぬということとかいろいろ言っているんです。 結局、まとめますと、リレーションシップバンキングというのは、市場原理とは異なる別の原理、グローバルバンキングとは別の論理が働く世界であり、その在り方について包括的な議論、包括的な政策の枠組みを用意したいと、こう言われてアクションプログラムを作られた。ところが、その作られた後の発言はもう全部変わってくるんですね。 典型的なやつを読みますと、こういうことです。一言で言って、市場原理、収益性第一に逆戻りしているとしか言いようがない。こんな発言です。「今後二年間の集中改善期間、これは平成十五年、十六年というのをリレーションシップバンキングの集中改善期間と位置付けておりますけれども、こうした期間において中小地域金融機関の不良債権問題の解決を着実に目指していきたいというふうに思っております。」「それに向かって、それを実現していく以外に金融システムを改善する道もないわけでありますので、金融機関にも頑張っていただきたいし、我々としてもしっかりと検査・監督をしていきたい」ということで言っているんですね。 結局、リレーションシップバンキングの機能強化で第一番にやることは不良債権の処理だということですよね。目標値は決めないと言いながら言っているんですけれども、そう言いながら、平成十五、十六年、この二年間でやりなさいと言っているんですよ。二年間で不良債権問題解決しなさいと。これはもう主要行にやっていることと全く同じじゃないですか。そう思いませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと今、池田委員要約してくださいましたが、ちょっと違うのではないかなという感じを正直言って持っております。 まず、リレーションシップバンキング。銀行というのはすべて市場の中にあります。したがって、その市場の中でしっかりとやっていっていただかないと存続し得ないわけです。しかしその際に、非常に短期に収益を最大化するとか、期間を決めて不良債権比率の低下を目指す、そういうことは求めておりません。今、あれですよ、中小企業、中小金融機関に対して不良債権の処理を求めていませんですよ。しかし、もしも、これは仮定でもし、想像していただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、リレーションシップバンキングをやる中で、不良債権比率は着実に今少しずつだけれども減っています。もしこれが一割、二割不良債権が増えていたら、リレーションシップとか、そのものが言ってられなくなっているわけですよ。 その意味では、地域の、今冒頭にこれは池田委員がおっしゃったような、地域情報、定性的な情報をしっかりと把握しながらしっかりと貸付けをしていただいて、その企業もよくしていただいて、その結果、やはり銀行の財務そのものもよくしていただかないと、これは銀行も相手の中小企業も両方存続し得ないわけですね。 そこをしかし、スピードとかそういう点についてはグローバルなところとやっぱり明らかに違うわけだから、そこはしっかりと見てやっていこうではないか。それは正にリレーションシップバンキングの我々の精神であって、それが私はやはりようやくにして軌道に乗り始めていると思っております。 今御紹介いただいた個別の案件については、これは繰り返しますが、個別の経営判断について我々は立ち入る立場にはありませんが、すべてのこの地域金融機関に関しては、リレーションシップバンキングの強化計画を出していただいていますから、その強化計画がどのようになっているのか、このフォローアップは我々としてはしっかりといたします。もしも、リレーションシップバンキングというふうに言いながら、強化計画を作りながら全く逆のことをやっていると。これは当然のことながら、我々はそうした観点から監督をしていかなければいけないわけでありまして、全体としては、不良債権も徐々に減りながら、しかも正に相手の立場に立って、担保に依存しない市場の融資というのを八割の地域金融では考えている。そういう中で、これは個別にはいろんな経営判断あるでしょうけれども、全体としての金融リレーションシップバンキングをしっかりと育てていきたい、この気持ちは全く変わっておりません。 それと、二年で不良債権処理をどうこうすると、そういう発言は私はしていないつもりでございますので、二年で不良債権比率を下げるとか、そういう発言は、これは地域、中小機関についてですよ、そういう発言は私はしていないというふうに承知をしております。
○池田幹幸君 御自分ではそのおつもりかもしれませんが、十五、十六年、この集中期間に不良債権処理をしろと言っているんですから、同じじゃないですか。 しかも、しかもこれをあなたがおっしゃるのは、それは当然なんですよ。これは、金融機能強化に向けての、これの中にちゃんとそういう形でもってリレーションシップバンキング機能強化の中で進めながら不良債権の処理もその期間にやるべきだということを書いてあります、確かに。恐らくそれと同じことをあなたおっしゃったんだろうと思うんです。だから、それは言っていないというのは、そうじゃないと。 申し訳ないですけれども、そのことについては、時間がないですから、あと五分しかないものですから、まだまだあるんですが、もう最後に一つの問題だけに絞ってちょっと伺いたいと思うんですが、結局、いろいろいろいろおっしゃって、検査・監督問題については、検査とか基準については、これはもうちゃんとルールでやりますと、主要行と同じルールでやりますと、監督は別ですということを言っていますよね、いろいろ答弁で。 しかし、監督は別ですとおっしゃって、確かにこのパブリックコメントに出しているこの地域金融機関向けの総合的な監督指針というのを出されていますが、この監督指針だって、こんなすごいんですよね、こんなすごいやつ。これ、一々やるだけでも中小金融機関大変だろうと思うんですけれども、それはそれとして、それはそれとしてですよ、検査される方もこれは見てないかぬですからね。する方の文書でしょうけれども、される方もこれは見てないかぬわけですから、大変なものだと思うんですが、それはそれとして、結局は、これを見ていましても、やることはその主要行と同じ形での検査・監督ということに進んでいくんじゃないかというふうに思うんです。 というのは、ここで書かれていることをずっと見ていましても、結局、収益の改善ということについては、我々はリレーションシップバンキングというのは、正に軽量化できない、そういった問題について定性的とおっしゃったけれども、そういった問題について評価をし、融資をしていく、そしてもって中小企業を立ち直らせていく、再建していく、そういう形で援助していこうというやり方で立ち直るんだ。 ところが、そうじゃなしに、やっぱり結局は見てみますと、様々な資産査定、信用リスク管理の厳格化という形で、信用リスクの軽量化ということ、それに基づく健全化という形になっていっているんですよ。なっていっているんです、ここへ書かれてあることは。そうでしょう。だから、考え方が結局はそこへ戻っていっちゃう。で、不良債権の処理というところへ進んでいくと。元へ戻っちゃうというふうにならざるを得なくなっているなということを私は指摘したいと思うんです。 その点については、一九九〇年代の金制調の報告があるんですけれども、それなんかで明確にしていますね。要するに、今度の報告では盛んに収益性のある、収益性を上げないかぬということを書いてあるけれども、しかし、収益性をある程度犠牲にしても地域住民のニーズにこたえるのが、これが地域金融機関だという形で、一九九〇年ですよ、まだリレーションシップバンキングという言葉は輸入されておりませんです。しかし、この考え方が本当にリレーションシップバンキングの考え方じゃないか。ともかく、収益がおかしくなってきているから、適正な金利、適正な手数料を取れという形で言っているんですよ。しかし、やっぱり信用コストを下回る、そういう金利でも貸さなけりゃいかぬときがあるし、むしろそういうことをやって中小企業を助けて、長期的な視点で助けていくというのがこのリレーションシップバンキングの考え方じゃないのかと。それからすると、余り短絡的、短期的な成果を求めていっている、この監督指針が、ということを言わざるを得ないと思うんです。 細かく指摘したいんですけれども、非常に時間がなくなりました。そのことについて私は、大臣のお考えをいま再び聞いて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 余りお時間がないようでございますけれども、一つは、こんなに分厚いじゃないかと。私も実はそのように思います。ただ、まあ、これも突き詰めて考えていけば、よく私たちに求められる、ルールに基づく行政、透明な行政というのは、一方でやはりそういうものをきちっと整備していかざるを得ないのではないのかなと、そういう一つの必要コストという面がその分厚さの中に示されているのではないのかなというふうにやはり考えます。 重要な点は、私は、池田委員がおっしゃったようなリレーションシップバンキング、私たちは目指しているつもりでありますけれども、やっぱり重要な点は二つあろうかと思います。 一つは、その地域での貢献とかそういったものは非常に多面的な評価でやはり行わなければいけないということだと思います。場合によってはやらなきゃいけない場合がある、長期的に評価すべきである、私はその件に関してもそのとおりだと思いますけれども、そういった長期的な評価が可能になるような観点で非常にきめ細かくハンドブックというのは作っているつもりでございます。 そして、しかしもう一つ重要なのは、地域に貢献していたはずの金融機関が市場の中でやっていけなくなって、結果的に預金者や、取引企業が大変つらい思いをしたという実例はもうたくさん我々経験しているわけです。その意味では、地域に貢献するということと市場の中で自立するということをやはり両立していただかないと、これがまさしく銀行経営者の私は責任であろうかと思います。それが両立が可能になるような、そういった意味でのリレーションシップバンキングを私たちは目指しているつもりでございます。
○池田幹幸君 正に両立しなければ意味がないということはそのとおりなんです。そのとおりなんですが、それをさせていくためにどういうふうにやるのかというのがこのリレーションシップバンキングの機能強化ですよね。そのやり方の問題なんですよ。そんなにやはり短期的にそれを求めていっちゃいけないということと、ここで盛んに言われておる、私は、コミットメントコストをできるだけ負担を抑えると、こう言っているんですけれども、これ地域とか中小企業支援という形でなされるコミットメントコストと言われておるわけですけれども、正にコミットメントコストを負担するのがリレーションシップバンキングだという考え方にまず基本的に立つことから始めないと、最初からコストを抑えようコストを抑えようという形でいったら、結局同じになっちゃうんだということを申し上げたいと思います。 終わります。
○委員長(櫻井充君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会