イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第14号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2004/06/02
会議録
○委員長(清水達雄君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、松山政司君及び吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として有村治子君及び井上哲士君が選任されました。 ─────────────
○委員長(清水達雄君) 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案外九案件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 本日は、海上輸送規制法案について冒頭お伺いしたいと思いますが、本日、西田総合外交政策局長がお見えだというふうに思いますが、先日も石破長官とこの第三国商船に対する停船検査の根拠について議論をさせていただきました。もう一度この点について詰めさせていただきたいというふうに思います。 本件では、昨日も議論したように、交戦権を持っていない我が国は、自衛権を根拠にこの第三国商船に対する停船検査というものを行うわけでございますが、日本と違い交戦権を持っている主要国、これも同じように自衛権を根拠にして臨検若しくはこういった停船検査、日本の言う停船検査をするという解釈でよろしいわけでございましょうか。
○政府参考人(林景一君) これは交戦権というものをどうとらえるかというところはございますけれども、実際の国家実行といいますか、各国がどういう考え方を今まで取ってきているか、表明してきているかという観点で申し上げますと、主要国ということですので、アメリカにつきましてあるいはイギリスなんかにつきまして、実際照会もしたりしておりますけれども、その際の説明といたしましては、アメリカにつきましても、やはり自衛権の範囲内でこの武力紛争当事国や非紛争当事国の非軍事目標である商船に対して臨検、拿捕、戦時禁制品の没収を行うことが可能だという考え方を取っている。また、イギリスにつきましても、臨検、拿捕等の法的根拠及び契機、トリガーですけれども、は、安保理決議の存在か国連憲章第五十一条に基づく正当な自衛権の行使であるというふうに理解しておるというふうに聞いております。
○榛葉賀津也君 五月二十八日の石破防衛庁長官の答弁の中でも、この米国に照会した際の説明を行ってくださったわけでございます。 ただ、その中で長官は、交戦権と自衛権との概念整理が各国で行われているものではないというような趣旨の答弁をされました。これだけを見ますと、自衛権だけではなくて交戦権もこの根拠にしていると、主要国がですね、というふうにも見受けられるわけでございますが、この辺は林条約局長、どうなんでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 冒頭ちょっと申し上げましたその交戦権という言葉の意味合いにもよるかと思います。 今日、現在の国際法におきましては、御案内のとおり、実力の行使を伴うような行動というのは、安保理の決議であるかあるいは自衛権というものを根拠にして行動が行われるということになるわけでございますけれども、そういう、さっきトリガーというような言葉をちょっと申し上げましたが、そういう行動が行われた後、どういう形で、例えばこの問題につきまして申し上げれば、臨検であったり停船検査という言葉で表現したりしておりますけれども、そういう活動をどういうルールの下で行うのかというようなことというのがございます。 それは、その場合には、実際に戦闘を行っている、交戦している国というものとそうでない国というものをやはり分けて考えるというところがございますので、そういう意味において交戦国とそうでないものというものを分けて、その交戦国との関係をどうお切りするかといったようなことで、交戦国の権利、ベリジェラントのライト、ベリジェラントライトなんというような言葉を使ったりすることがございます。そこは若干紛らわしいところがございますけれども、少なくとも、そもそもなぜその種の活動を行い得るのか。 本来、恐らく平時であれば、他国の商船について臨検するということであれば、これはその主権の侵害を構成するということになる、違法になり得るわけですが、それがなぜ違法にならないかということのその根拠といいますか、そもそもなぜそういうことを行い得るのかという根拠について言えば、これは自衛権、あるいは安保理決議は別にいたしまして、自衛権というもので説明せざるを得ないだろうというのが今の国際法の、現代の国際法の在り方だろうというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 過去にこの自衛権を根拠に第三国商船に対する臨検を行った例として、昨日、石破長官もおっしゃいましたが、外務省も度々エジプト、インド、パキスタン、そしてイラク、イランという国を挙げるわけでございますが、私も若干調べさせていただいて学ばせていただきましたことは、一九四八年から、いわゆる第一次中東戦争から六〇年までのエジプト、それから一九六五年、印パ緊張当時のインド、パキスタン、そして一九八〇年から九年間続きましたイラン・イラク戦争の当時のイランとイラクと。実は、この三つしか過去において例がないというわけでございまして、この国が極めて、過去においてこの主張に基づいて実績を結果にしたというのが実はこの三例しかないということで、それで一体主要国はどうなっているのだという議論になるんだと思います。 先ほど条約局長は、イギリスそしてアメリカに照会をし、今具体的にどのような返事があったということを答弁してくださいました。そのほかに、フランス等その他の主要国は一体どのようなことになっているんでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 済みません、ちょっと今手元に引用のところが今見付からないんですが、私の記憶で申し上げますと、フランスにつきましても、あと例えばオーストラリア辺りも、基本的にはこの種の活動を行い得る根拠、トリガーといたしましては安保理決議又は自衛権というものであろうという考え方を持っているというふうに承知しております。
○榛葉賀津也君 通告をしなくて大変申し訳ないんですが、事実確認として、事実問題として、このフランス若しくは今条約局長のおっしゃったオーストラリア、これに対してもどのような照会結果、どのような回答がそれぞれの国からあったのか、是非お示しをいただきたいというふうに思います。これは後日で結構でございます。 日本の有事を考えた場合、先ほど主要国というふうに言いましたが、むしろ日本に隣接している中国であるとかロシアであるとか、こういった日本近隣の国々が一体この自衛権の問題についてどのようにとらえているのだという議論、そしてこの事実確認が極めて大事だというふうに思うんですが、外務省は、ロシアそして中国に対しまして、この自衛権に対する問題、照会をされましたでしょうか。
○政府参考人(林景一君) いたしておりません。
○榛葉賀津也君 中国、ロシアは、これはアジアにとって、そして世界にとって極めて大事な主要国であり、また我が国の有事にとりましても大変関係の深い国になり得る条件を持っております。こういった国々に対して、外務省は照会をするべきではないでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 御指摘は重く受け止めさせていただきますが、他方、冒頭申し上げましたとおり、この今の国際法の下におきまして、この種の活動というものをどういう正当化事由に基づいて行い得るかということで考えますと、そもそもその交戦関係に立ち得る根拠というものが、伝統的な意味の交戦関係に立ち得る根拠というものが、元々戦争が違法でなかった時代であればいざ知らず、現代においてはそれが基本的に原則として違法とされておる。そういう中において合法的にこの種の活動を行い得るとすれば、これはもう安保理の決議であるか、あるいは自衛権というもの以外に根拠を求めることはできないわけでございまして、実態の問題として、ある国がその種の行動を取るかどうかということと、それを正当にどういうふうにして行い得るか、その正当化の根拠付けということとは分けて考える必要があると思いますけれども、その正当化の根拠付けとしては理論的に今二つ申し上げた以外にないということではないかというふうに私ども考えております。
○榛葉賀津也君 第二次世界大戦以降の戦争違法化の現代においての現状についてはまたこの後議論したいと思いますが、若干確認をしたいんですが、昨日の防衛庁長官との議論でも、この第三国に対する停船検査、これはあくまでも、その第三国に対する自衛権ではなくて、ないけれども、日本の自衛権の行使としてこれをするんだというような御答弁がございました。 これについて若干確認をしたいんですが、敵国なら分かるんですが、その第三国に対して自衛権が行使できると、このことについて、なぜその第三者に対する自衛権の行使が認められるのかということを少し教えていただきたいと思います。
○政府参考人(林景一君) これはそもそも、今、臨検、いわゆる臨検というものが国際法上の問題として議論されますといいますか問題になりますのは、正に第三国との関係においてそういうものを合法的に行い得るのかどうかというところがポイントでございまして、その場合に、その考え方といたしましては、何がしかの正当化事由というものがあって、これを正当化、正当に行い、行う、その正当に行う対象というものが、武力攻撃を掛けておる相手国に一定の物資等を輸送しておる第三国の商船というものがあった場合に、その当該第三国に対して攻撃を掛ける、あるいは実力の行使をするということではなくて、その相手国、敵国という言葉が適当かどうか分かりませんが、その相手国からの武力攻撃を排除するために必要な行動、その行動自体は自衛権として正当化されるわけでございまして、そういう行動の対象として、第三国の船が運んでおる、商船が運んでおる物資を止めると、インターセプトするという、そういう活動を行う、そのことが認められるかどうかということでございますけれども、それが、そもそもその種の活動を行います契機として自衛権というものがあって、それが合法的な活動としてそういうことを行い得る限りにおいて第三国はそれを受忍するということになると。これは一定の要件があるわけでございますけれども、そういう要件の範囲内であれば受忍するというのが国際的な規範であるということについて、これは割と幅広い共有された信念というものがあるというふうに理解しております。
○榛葉賀津也君 分かりました。 第三国への自衛権行使ではなくて、日本と敵対関係にある、自衛権行使の一環としてその第三国に停船検査できるということ分かったんですが、この日本と第三国との行為、これは国際法上どのように呼んでいるんでしょうか。
○政府参考人(林景一君) これは、今申し上げましたとおり、我が国が行う場合について申し上げますけれども、我が国がこの活動を行う場合には、当該第三国から違法な侵害を受けてこれを排除しようとしているのではなくて、別の敵国から侵害を受けていると、それを排除するためということでございまして、その行動自体が自衛権というものによって正当化される限りにおきまして我が国の活動は違法、不正の活動ではないということでございますので、当該第三国は、正に今申し上げましたとおり受忍とする立場に立つということでございますので、その当該第三国から見まして我が国の活動が急迫不正の侵害であるということであれば、例えばそれに対してじゃ反撃するということが認められるのかということがあるわけでございますが、今繰り返し申し上げておりますとおり、その我が国の活動自体がそもそも正当な、正当化される契機によって行われるものである以上そういう関係には立たない、したがって当該第三国はそれに受忍する立場にあるということを申し上げているわけでございます。
○榛葉賀津也君 まあいいでしょう。次の質問に移りたいと思います。 これ、臨検若しくは停船検査と称するものを受けた第三国から日本が抗議若しくは反撃をされるというおそれは、これあるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 先ほど申し上げましたとおり、これは一定のルールと申しますか、の範囲内で行うことが必要なわけでございますけれども、そういう限りにおきまして、我が国の活動は言わば違法性を阻却されるということでございますので、そういうものである以上、正にそういう要件をきちっと守った形で行っている限りにおきまして受忍する、すなわちそれに対して抗議するあるいは反撃するといったことは行われないものというふうに理解しております。
○榛葉賀津也君 では、日本が客観的に判断をして、どうもこのA国のこの船舶が怪しいぞと、停船検査をしようとしたが、向こうから攻撃をされ、反撃をしてその船が沈没してしまったと。しかし、後日、これが戦争若しくはこの有事が終わった後、この船を調べてみたら全くそういうようなことはやっていなかったと。すなわち、第三国の主張どおり、この国が不正行為を行っていなかったということが分かった場合、これは日本が抗議をされるということは当然だと思いますが、このようなことは想定されないでしょうか。
○政府参考人(林景一君) これ、具体的な事実の当てはめということになりますと非常に難しいわけでございますけれども、今おっしゃったような状況というのが、そもそもそれは正に我が国の落ち度において発生したのか、そもそもその停船命令というものが適法になされ、それが伝わっておったにもかかわらず逃走したといったような事態があるのかどうか、その種の具体的な事情というのを見極める必要があると思います。 そういうことが何もないにもかかわらず、つまりこの全体のプロセスにおきまして、もし我が国の、当局といいますか、この場合自衛隊でございますけれども、に、途中においてそれは不法な行為あるいは過失というものがあって、その結果として何がしかの被害を受けた、これは別に沈没までというような極端な場合でなくてもいいわけです。それは正に、捕獲といいますか、失礼しました、臨検、拿捕された結果として何がしかの損害を被るということはあるわけですが、そのプロセスにおきましてもし不法の行為というものが仮にあったとすれば、それは一般的にこれは国家責任の問題ということになって、その法理に従って処理されるということであろうかと思います。
○榛葉賀津也君 国連憲章五十一条の自衛権を行使した場合、国連安保理にこれは報告しなければなりませんということだと思うんですが、仮に日本が自衛権を行使して、これを国連安保理に報告をしたと。しかし、この段階で異議が出たり、国連安保理で認められなかった場合、こういうことは国際法上、結局、日本の自衛権によるこの行為が認められなかったということにはならないんでしょうか。
○政府参考人(林景一君) これは恐らく、もう独り臨検とかそういう問題ではございませんで、今おっしゃったような事情というのは、そもそも我が国が武力攻撃を受けた事態において、自衛権、これはもう、したがって臨検とかそういう話ではなくて、そもそも反撃をするということ自体が許されないというような認定が安保理においてなされるということをおっしゃっているわけでございまして、ちょっと私、正直申し上げて、武力攻撃という事態というのは相当それは明白な攻撃がなされるという事態でございまして、これについて、それはもちろん安保理においてそれは適切な措置を取る、安保理がこの武力攻撃を排除するための適切な措置を取るということというのはもちろん憲章上も想定されておるわけでございますけれども、我が国に対する武力攻撃がそもそも存在しないのだといった認定を行うといったことはちょっと私は想定し難いんでございますけれども。
○榛葉賀津也君 分かりました。 先ほどの、もし相手国を過って転覆させてしまったらということをおっしゃいましたが、今、山崎先生が、やじで、攻撃しているんだからというようなことをおっしゃいましたが、これ、相手国も同じように、いや、自衛権で反撃するんだというようなことを言った場合、これ、大分議論が混乱して収拾付かなくなると思うんですが、いいやじを飛ばしていただいたというふうに思っているんですが、これはどうなんでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 済みません、相手国というのは、この臨検の対象国ということでございましょうか。いわゆる第三国ということでございますか。
○榛葉賀津也君 はい。
○政府参考人(林景一君) その第三国がその自衛権を、その臨検に対して自衛権を行使するといったことがあるかどうかということでございましょうか。 そもそもこのプロセス、この法案に基づきますプロセスというのは非常に恐らく公明正大に行われるんだろうと思いますけれども、そういうそのプロセスにおきまして、我が国が国際ルール、この種のいわゆる臨検に関連します国際ルールにのっとって、これを商船に対して行うということでございまして、そのことをもって、何といいますか、その自衛、何といいますか、その相手、当該第三国が自衛権の発動の要件とするということはちょっと想定し難いのではないかというふうに考えますが。
○榛葉賀津也君 最後の質問なんですが、先ほど条約局長が、戦争違法化の時代においてはというような議論をされましたが、確かに第二次世界大戦前の伝統的戦時国際法の中では中立国の中立義務という形で臨検を受けなければならなかったわけですが、確かに戦争が違法化になりました。ところが、この中立義務といった定義、中立規定といったものは実はまだ生きているんではないかというふうに、現場ではですね、思うんですが、この問題についてはどのように御認識でしょうか。
○政府参考人(林景一君) 中立法というのは確かに非常に難しい問題がございまして、特に今御指摘ありましたように、戦前から戦後の国連憲章の下におきます戦争違法化の時代における中立法規というものがどういうものであるのか、厳密にどういうものであるのかということについては必ずしも確立した考え方というのがあるわけじゃございません。ただ、今のその国連憲章の考え方というものが、これは確立した考え方でございます。戦争が違法であるということについてのこの考え方は確立しております。 そういう中におきまして、伝統的な意味におきます中立義務、いわゆるその避止義務であるとか防止義務であるとか、そういったいろんな義務がございました。そういうものがそのまま妥当するのかどうかということについては相当大きな疑問符が付いておるということだろうというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 次の質問に移りたいと思います。 ジュネーブ条約の第一追加議定書五十九条についてでございますが、これ、衆議院の議論の延長なんですが、四月二十六日に同僚の平岡衆議院議員が、このジュネーブ条約第一追加議定書五十九条、無防備地区宣言についてでございますが、質疑をされております。この無防備地区に関しまして、無防備地区宣言を自治体から政府に要請できる権限を入れるべきだというような質問に対しまして、井上大臣は、自治体だけの判断でやるのは不適当だと、国として判断すべき問題であるというふうな御答弁をされていますが、その答弁に変わりはないんでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) ええ、その答弁のとおりだと考えておりますけれども、要は、この武力攻撃を排撃するために国全体としてどのような反撃をしていくのかというようなことを考えました上で、この作戦を立て実行に移すわけでございまして、一自治体の考え方で全体の行動に影響を及ぼすようなことは適当でないと、そういうふうに考えているわけでございまして、正に国自身が責任を持って決定すべきことであるというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 平岡委員は、自治体が宣言をできるということではなくて、無論最終的に判断するのは国であるけれども、この自治体が要請をする権限、この権限を与えたらどうだというような議論なんですが、この点についても、自治体はそういった権限も持つべきでないというお考えでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) 正に武力攻撃を排撃するのは国全体の立場に立ちて判断をすべきものでありまして、一自治体がその立場で全体に影響を及ぼすような判断をするのは適当でないと、そんなふうに考えております。
○榛葉賀津也君 この無防備地区に対しましては、四つの条件がこのジュネーブ条約五十九条の中にあるわけでございまして、(a)、(b)、(c)、(d)と四つの条件があるわけでございますが、この四つの条件をすべて満たさなければいけないと。ただ、この中に(b)の「固定された軍事施設の敵対的な使用が行われないこと。」というふうに入っているわけでございますが、そこでこの(b)についてですが、国内の米軍基地、これが(b)の軍事施設というものにこれ入るという解釈でよろしいでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) これは国際条約でありますので、外務省の方の御答弁の方がよろしいかと思うんでありますけれども、一般的には米軍の施設も入るというふうに理解をすべきだと思います。
○榛葉賀津也君 私もそのように解釈しているんですが、入るとなると、これ実際に米軍施設が集中している沖縄なんというところはほとんどこの無防備地区の宣言ができなくなるおそれがあると思うんですが、その点について外務省はどのように御認識でしょうか。
○政府参考人(荒木喜代志君) お答え申し上げます。 先ほど井上大臣の方から御答弁ありましたとおり、我が国が、ジュネーブ条約追加議定書の五十九条、この無防備地区を設定することが必要であると判断する場合には、政府として定める武力攻撃事態への対処に関する基本的な方針、対処基本方針、この中で定めるということになるというふうに承知しております。 他方、五十九条の規定というのは、武力紛争が発生している場合に適用されるものであって、発生していない状況の下でこういうものを想定したものではございません。また、我が国に対する武力攻撃に対して無防備地区を実際に設定することとなるか否か、また設定することとする場合に具体的にいかなる地域、これに設定するのか。これは実際に武力攻撃が発生した後に、無防備地区が対峙する紛争当時者により占領されるということを前提に設定されるものであるということも踏まえて、その時点の状況に応じて個別具体的に判断されるべきものと考えます。 ということで、実際の具体的な状況を離れて現時点において、仮定に基づいてお答えすること、これは難しいということを御理解いただきたいと思います。
○榛葉賀津也君 そうですか。 では、日本政府がこの無防備地区を宣言しようとして米軍から反対されたと、この場合は政府はどういう対応を取るんですか。これ宣言を取り下げることになるんでしょうか。簡潔にお願いします。
○政府参考人(荒木喜代志君) そういう、そもそも米軍との調整が必要となるか否か、また仮に必要となるとして、具体的にいかなる調整が必要となるか、これについては先ほど申しましたとおりに、繰り返しになりますが、仮定に基づく調整の在り方について確定的に申し上げることというのは困難です、であります。 その上で、あえて一般論ということで申し上げれば、我が国は日本及び極東の平和及び安全に寄与するために米軍に施設・区域の使用を認めているのであって、そもそも武力攻撃事態等において我が国が米軍に施設・区域からの撤退等を求めることは想定されていませんし、また、日米安保条約の義務に従って我が国に対する武力攻撃を排除するために必要な行動を取っている米軍に対し、我が国が軍事行動の中止を求めることも想定されておりません。 いずれにせよ、我が国に対する武力攻撃に際しては、日米両国は調整メカニズムの運用を早期に開始し、整合性を確保しながら適切に共同で対処することということになるということでございます。
○榛葉賀津也君 もう一度聞きます。ちょっと簡潔に分かりやすく答えていただきたいんですが、荒木さんなりに分かりやすくお答えしたつもりかもしれませんが、もう少し分かりやすくお答えしていただけたらと思います。 宣言をします、日本が。しかし、そこにいる米軍から困ると、ということがあった場合、日本政府はその宣言を取り下げることになるんじゃないんですか。
○政府参考人(林景一君) 済みません。ちょっと基本的なところなんでございますけれども、まず無防備地区というものについてよく御理解いただきたいんでございますが、これは規定にも書いてございますとおり、相手国の占領のために開放するということでございまして、要するに、あるところがもう何ら、攻撃といいますか、相手の攻撃にさらされないようにそれをするということがその目的ではございますけれども、そのために言わばもう白旗を揚げて、そこを相手の占領にゆだねてしまうということなんでございます。その後、それじゃ、相手方はそれを占領してしまうわけでございまして、それをどういうふうに使うかということについて特段の制限があるわけではない、これを軍事的に利用するということだってあるわけでございます。 そういうものであるということを認識した上で、我が国がそれをなおかつその無防備地区ということにするのかどうか。これは正に、それは軍事、全体的な軍事オペレーションの中で本当にそれが不可欠なのかどうか、それが本当に我が国の防衛という観点から必要かつ適切なのかということを判断するわけでございますけれども、当然そのときに、一方的に我が国が宣言をして、その後からアメリカと相談するといったようなことはそれは考えられないわけでございまして、当然のことながら、それは例えば、あるそれは飛行場なら飛行場があったといたしましょう。それが米軍の飛行場であった場合、これを言わば無防備地区として指定するということは、そこを相手の占領にゆだねるということなんです。それが今度は我が国の武力攻撃に使われるかもしれないと、そういうことも全部含めてそれは厳しい判断をしなければならないということでございますが、当然のことながら、日米間で十分なすり合わせがなされた上で行われるという話だろうと思います。
○榛葉賀津也君 分かりました。次の問題に移りたいと思います。 自治体との関係でございますが、これ外務大臣にお伺いしたいと思いますが、有事においても非核三原則というものは堅持されるんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 有事においてということでいろいろな状況を含み得るというふうに思いますけれども、まず、そもそもこの非核三原則、これについて、あえてこの意味については繰り返しませんが、その趣旨にかんがみますと、武力攻撃事態というものが発生をしているという、これはもう我が国にとって存亡の危機になっているわけです。そういったことが発生をしているときに、例えば核兵器、これを使うということでもなく、基本的に持ち込ませるとか、そういうことは本来であれば意図をもちろんしないわけですけれども、核兵器の使用を目的とするのではなくて、自分たちに、日本に対して使わせないようにする、そういう状況というのは考え得るわけでございまして、例えばそれをどこかで核兵器を捕獲をして、そしてそれを廃棄するために我が国の中に一時的に入れる、そういうような可能性というのは、それは排除を必ずしもされないかもしれないということであると思います。 核兵器、その非核三原則というのは、これは作らない、持たない、持ち込まさないということであって、通常の場合これは守るということが我が国の国是、ほぼ国是であるわけですけれども、存亡の危機において相手国がそれを持っている、それを、例えば航行中の船の中でそれを捕まえて、取って、そして廃棄するために日本国内に一時的に、本当に一時的に入れるということは必ずしも否定されないということであるかと思います。 済みません、それでもう一つ大事なことですけれども、それ自体は、非核三原則、これに違反をするということではないというふうに考えているということでございます。
○榛葉賀津也君 それでは、日本は、正に先ほど議論しましたこの海上輸送規制法案の外国軍用品のうち、核も含めた大量破壊兵器がある、ある可能性があるわけでございますが、この核が仮にあった場合、これを廃棄する技術というのは日本にあるのか、若しくはそれを日本でやるのか、それはどういうことでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、今回の海上輸送規制法案におきましては、国際法というものを守るということになっておりまして、そのような観点からも、核を含めての大量破壊兵器につきましては、御案内のとおり、国際法上の決まり等々ございますので、当然にそれに従うということになりますので、廃棄をするということが法律上規定をされているわけでございます。 そのような技術が実際にあるかないか、あるいはどういう形の言わば大量破壊兵器であるか、個々具体的なことに応じまして、自国でできる場合には当然自国でやる、自国でやらない場合には友好国等々の協力を求めるということも当然あり得るというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 神戸市は一九七五年の市議会の決議の中で、核積載艦船の入港を認めないと。非核証明書を市の方に提出しないと神戸港を使えないような制度になっていまして、これはむしろ私の解釈の中では、国の艦船を入れる入れないといった議論よりも、市民に対しての非核運動の一環としてこのようなしんの通った行動をされているんだというふうに理解をされていますが、他方、特定公共施設利用法の審議の中でもありましたが、自治体の港湾管理権よりも、有事の際は無論、内閣総理大臣の決定が優先するということが明らかになっているんですが、これはこれで無論分かるんです。 しかし、他方、我が国がやはり原爆被爆国として、被爆国として非核というものの我々の日本の使命をやはりどのように世界にアピールしていくか、世界に発信していくかという大事な我が国の責務があるように思うわけでございまして、これは極めて難しい議論かもしれませんが、有事法制を整備していくという議論と核軍縮、そして核不拡散の外交をどのようにバランス持って日本の政治としてやっていくかということが極めて難しいですけれども、大変重要な私はことになってくるんだろうと思いますが、この点についての、大臣でも外務省でも結構ですが、御見解なり御認識があったらお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりだろうと思います。正に、非核三原則がどうしてこれまで歴代内閣によって主張され維持されてきたかということに、原点にさかのぼれば明らかでございまして、広島、長崎の例を挙げるまでもなく、唯一の被爆国として、核兵器の持っている恐ろしさ、それが住人にとっていかに問題であるかということを痛切に感じている日本国民として、いかに究極的な核兵器の廃絶を求めるかということは、これまで外交等の一環としても非常に重要な柱としてやってきたわけでございます。 猪口大使等におかれても、正にこのようなことでもって軍縮、軍備管理の外交をやってきていただいたというふうに考えております。 先ほど御指摘のございました神戸市等の各地方自治体における非核都市宣言ということについては、正に委員御指摘のとおり、地域の住民の方々、市民の方々の持っている政治的な意思表明というふうに考えておりまして、そのことと、外交というものをつかさどる中で中央政府が判断します外交上の特に法律的な仕切りというんでしょうか、というものとは、これは取りあえずは別個のものというふうに考えて、当然ながら、政府としてはそのような市民の方々の気持ちは十分に体してしかるべき軍縮政策を進めると、これは当然のことであろうと思っております。
○榛葉賀津也君 この手の議論をしますと、どうしてもイデオロギーの話になる方が多いわけですが、私はやはりこれから、イデオロギーから見たこういった議論だけではなくて、我が国の外交にどのように利するかといった問題でこの非核の問題、そして核不拡散の議論、そして有事の問題等も建設的に議論をしていきたいというふうに思いますが。 本日は残りが短くなりましたので、次の最後の問題に移りたいと思いますが、先日も、アルジェリア系フランス人が日本に入国をし郵便口座を開設していた、いわゆるデュモン事件について議論をさせていただきました。 日本は比較的テロにねらわれない国だというふうに私自身認識をしておりました。たくさんな理由があるんだろうと思います。まず一つは、やはり日本の警察がこれは優秀だということだと思います。そしてもう一つが、やはり日本語を使う、特殊なこういった日本語という言語を使っている国、また極めて外国人が少ない日本の特徴といったものが、他国から来る日本語をしゃべることのできないテロリストが活動できにくいといった条件があるんだろうと思いますが、他方、こういった日本にプラスになっている環境も若干崩れつつあるのかなと。外国人も大変増えてまいりましたし、警察の検挙率も最近はだんだん下がってきているというような報道もあるわけでございます。 ただ、そういった状況下であっても、私はやはり他の東南アジアの国であるとか他の国に比べると、とりわけアルカイダ系であるとかイスラム過激派によるテロというのは、日本という特徴上、極めてテロをやりにくい国であることはいまだもって間違いないと思います。 しかし、他方、この国が極めて便利であるのは、やはりこういったテロに対する危機管理がいまだ途上状態にございますので、資金を調達してマネーロンダリングをしたり、この資金調達の面では極めて日本というのは便利な国として使われかねない状況にあるという懸念を持っておりました。その中でこのデュモン事件が起こったわけでございまして、きちっとこのことはもう一度自分自身勉強しなければならないなというふうに考えております。 昨年一月から、金融機関等による顧客等の本人確認等による法律、いわゆる本人確認法というやつでございますが、これができまして、きちっと金融機関の窓口でその本人であるかどうか確認をしなければならないということが法律で定められたわけでございますが、デュモンがこれ銀行口座、郵便局の口座を開いたのは、この本人確認法が制定される前のことという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) お話にありますデュモン事件と申しますのは、平成十四年の九月から十二月までの間に行っていた海外送金という話でございますので、今話題に挙げられました本人確認法の施行前ということになります。
○榛葉賀津也君 では、この法律があったら、このデュモンの事件というのは阻止をできたというふうに五味局長はお考えでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 具体的なその案件の話となりますと、なかなかその御答弁が難しいわけですが、本人確認法によりますと、もちろんそのテロ資金の追跡というようなことを捜査当局が順調にできるようにその情報を確保するということ、そして金融機関がテロ資金供与に利用されることを防ぐといったようなこういった趣旨がございますので、口座開設はもちろん、大口の現金送金などの取引を行う場合というのも、これも金融機関は本人確認法に基づく本人確認義務があるということになるわけです。 この本人確認と申しますのは、しかるべき本人確認資料、公的な資料に基づいて行うということでありまして、銀行に要求されますのは、通常必要とされる注意を持って十分に確認をするということでございます。 私どももこの監督に当たりましては、そういった確認のための体制というのが十分できていないといけないということで、例えば検査マニュアルにおきましては、こうした本人確認等顧客管理の責任者を置いているか、あるいはマニュアルを各職員に配付する、研修をするといったことをやっているか、さらにはこの本人確認に関する記録あるいはそういった人との取引の記録、こういったものをきちんと取って、かつ保存しているか、こういった点からチェックをしております。 ただ、実際に具体的な事案になってまいりますと、銀行が仮にこうした点から十分な注意を払っていたとしても、なお把握が難しい事例というのはあり得ると思います。特に、本人確認の資料というものが公的な資料、例えば外国人登録証ですとか、あるいは運転免許証ですとか、こういったものによることになってきますけれども、これが非常に精巧な偽造のものであったとかいうようなことになってまいりますと、銀行の通常のその顧客に対する注意義務ということでは難しいケースもあるかもしれません。これは一般論として申し上げておきます。
○榛葉賀津也君 今回、郵便局だけではなくて、他の金融機関には、外務省と財務省と経済産業省の連名で、テロリスト等やタリバン関係者に対する資産凍結の措置というようなメールで、約四百名くらいのテロリストの名前がずらっと行っていまして、私の田舎町の特定郵便局も、そして信用金庫等もこのリストを実は全部持っているということで、外国人の方、外国人の方だから疑うというわけではございませんが、当然、そのリスクマネジメントとしてすべて検査をすると。大変窓口業務としては御苦労があるわけですが、正直、私の人口三万の小さな田舎町においてもそのような名前が行っているということに若干安心をしました。 ただ、他方、これが私も見せていただいたんですが、本名ですね、そのテロリストの本名がずらっと四百名書き込まれているわけでございますが、当然テロリストとおぼしき人間が自分の本名で開設するわけがないわけでございまして、偽名を使ったり、先ほど局長のおっしゃった偽造パスポート、偽造の身分証明書等を使ってやるわけでございますが、こういった本人確認法の際、現在は名前だけで照会をしているわけでございますが、例えばその顔写真であるとか、例えば可能、予想されている、よく使用されているその偽名であるとか、そういったものを掲載するような考えというのは金融庁の方にはあるんでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 私どもからは、現在、たしか二十四回にわたって各金融機関にお知らせを出しておるんですが、国際的な情報交換等で分かります範囲でこれを情報提供をしておるわけですが、そうですね、写真ですか、そういうものが本当にうまく手に入るようであれば何か考えなければいけないかもしれません。ちょっと今まで検討したことがありませんでしたので、申し訳ありませんが、そういうようなお話があったということを重く受け止めさせていただきます。
○榛葉賀津也君 次に、法務省の方に入管の関係についてお伺いしたいんですが、日本でテロリストが活動をする場合、幾つかのハードルがあるわけでございますが、やはりこの日本の国に入る、入管をパスするということが第一の、そしてこれさえクリアすれば、先ほど以来話がありますように偽造パスポートを作ったり、偽造の国内の証明書を作ったりということができるわけでございまして、地方自治体におきましても、旅券に入国の、上陸許可証の印が打ってあれば、これやはり自治体の窓口では外国人登録証を発行するわけでございますので、やはり一番の山が、この入管の水際でどのようにテロリストを防ぐことができるかということだろうというふうに思いますが。 法務省はきちっとこれ入管で管理やって、長い行列ができると行列が長いじゃないかというふうに文句を言われ、また、簡素化してなるべく簡単にその手続がなるようにすると安全管理はどうなんだというような、ダブルスタンダードで議員たちは言うものですから、これなかなか大変かと思いますが、これ入管の際、現在は顔写真を、パスポートが本物かどうかであるとか、様々なチェックはしているんでしょうが、ある種、入管の担当者の勘と言ったら変ですが、こういったものに頼るところが多いんではないかというふうに感じております。 今回、デュモンの件も偽造パスポート、写真を張り替えて、本物のパスポートだけれども写真を替えて日本に入ってきたというような報道もあるわけでございまして、各国で今議論をされている、例えば指紋であるとか、目の虹彩であるとか、骨格であるとか、こういったいわゆるバイオメトリックスといったものを、これ比較的スピーディーにチェックできるものでございますので、こういったものを入管で、ベテランの担当者の勘というものに頼るのもこれは大事かもしれませんが、こういった目の虹彩であるとか、指紋であるとか、そういったバイオメトリックスを導入してテロリストの入国を防ぐといったような検討はされているのでしょうか。
○政府参考人(増田暢也君) お尋ねのバイオメトリックス導入に向けましたその進捗状況ですけれども、現在、テロリストの入国阻止ということは非常に重要な課題であると認識しております。 旅券へのバイオメトリックス導入に当たりましては、現在、国際民間航空機関において、顔画像を基本としつつ、追加的に指紋や虹彩を採用することができるという方針が決定されておりまして、現在技術面での標準化作業が進められていると承知しております。 入国管理局といたしましては、このバイオメトリックス導入旅券に対応できる機器の開発、設置に向けまして、今年度は、旅券に組み込まれるICチップに記録されたバイオメトリックス情報の読み取りが迅速確実に行われるかどうか、こういったことにつきまして調査研究及び実証実験を行うことといたしております。 今後は、こういった実験結果などを踏まえまして、出入国審査において渡航者が旅券の名義人本人であることに間違いないかどうか、そういった確認を一層厳格に行いますとともに、旅券の偽変造対策、これを効果的に進めるべく、バイオメトリックスの活用方策について更に検討を進めてまいりたいと考えております。
○榛葉賀津也君 こういったバイオメトリックス等を電子データ化して、することによって、やはり東南アジアを始めとする各国とデータ共有できますので、大変有用な抑止策、防御策になるんだろうというふうに思っております。先日も小野国家公安委員長が最後におっしゃってくださったんですが、やはり東南アジア、とりわけASEAN諸国とどのような情報を共有するか、捜査等も協力していくかということが大変大事なんだろうというふうに思っております。 例えば、二〇〇二年、あのインドネシアでJIのアルゴジという幹部が逮捕されたのも、シンガポールからフィリピンへ情報提供がされてこのJIの幹部が逮捕されたというような実績もあるというふうに承知をしておりますが、是非、この情報捜査の状況や、情報だけではなくて、こういったバイオメトリックス等を使った具体的な情報も東南アジア、とりわけASEAN諸国と共有をし協力をしていくように検討をしていただくことを要望すると同時に、例えば獨協大学の竹田いさみ先生であるとか、日本国内にも極めて、この東南アジア、JIやアルカイーダのテロの動向や習性やそしてその対応策等を具体的に研究なさっている先生が実は幾人かこの国にもおりまして、是非そういった官と学の連携も加えて要望させていただいて、同僚委員に質問を替わりたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○平野達男君 同僚議員の平野達男でございます。 冒頭、一番最初にイラクに関しまして外務大臣にちょっと伺いたいと思います。 今朝の新聞に、暫定政権の大統領で、ヤワル氏に決まったというのが一面記事に出ておりました。イスラムのスンニ派の方だそうです。その一方で、イラクの最近の状況は、フセイン前に、国民生活は良くなったという声が聞こえる一方で、治安状況は全然良くなっていない、悪化の一途をたどっているんじゃないかというような感じがします。ムサンナ県周辺でも、最近ではいろんなテロが起きたとか、非常に物騒な状況になってきている。 その中でこの暫定政権の大統領が決まりまして、この暫定政権の大統領が決まる経過において、どうもCPA、失礼しました、統治評議会主導でやられたというような報道になっていまして、必ずしも国連の主導になってこなかったということが言われています。その先ほど言ったイラクの状況が、治安状況が非常に悪化しているという背景の中には、反米感情がやっぱりあるんじゃないかということが言われています。 その反米感情がある中で、統治評議会、これはCPAのかいらいとも言われていますけれども、そのCPAのかいらいと言われる統治評議会主導の中で大統領が決まったということが今後のイラクの状況に対してどういう影響をもたらすのか。特に来年一月には国民選挙をやるということになっているわけですが、その間までの暫定政権ですね。こういった政権ができたことに対して外務省としてどのようにとらえているか。あわせて、今のイラクの状況と併せて、今の治安の状況をどのようにとらえているかと併せて御答弁願えれば有り難いと思います。
○委員長(清水達雄君) 堂道中東アフリカ局長。
○平野達男君 外務大臣にお尋ねいたしたいんです。大臣に。
○国務大臣(川口順子君) 細かいことは後から局長からお話をさせていただきますけれども、この大統領、首相等が選ばれたということにつきまして、私どもとして談話を出させていただきまして、その中でブラヒミ特別顧問の努力、これを支持し、評価をさせていただきました。 それから、今回、人選があって、イラクの暫定政府の主要なところが決まったわけでございますけれども、今想定をされている政治プロセスがこれによって着実に前に進展をしていくということが重要であるというふうに考えております。そして、国際社会、これは国連を始めとする国際社会全体が一致をしてイラクを支援していくということが今不可欠であって、我が国としてもこれを積極的に支援をしていきたいというふうに思います。 この人選についていろいろなお話を先生からありましたけれども、結果的に、前からのガバニング、統治評議会から続いている人というのは四人であって、メンバー、女性を六人を含むということで、非常にバランスの取れた閣僚の布陣でございますし、それから、これについてアナン事務総長も発言をしていますけれども、例えばアラウィ首相はブラヒミのリストから選ばれたということで、それからアラウィが首相としての特権を行使してブラヒミのリストから自分の閣僚を選んだということで、国連として、一月十九日の国連、CPA、統治評議会三者会議を受けて自ら行うということを言ったことを正確に行ったんだということを言っているわけでございまして、これがおっしゃったように七か月、次の国民議会の選挙に至るまでの期間、今正に議論をされています国連決議、これが国際社会の支持を受けてきちんとしたものになり、それとこの布陣でイラクの暫定政権が占領を終わらせ、そしてイラクの人による政府の第一歩をきちんと踏み出していくということが重要であると思います。 それから、治安について、これは情勢が緊迫をしているという状況は引き続き続いておりますし、六月三十日までの期間、それぞれ一番難しい時期であるとみんなが今認識をしているというふうに思います。 これの細かいことについては局長からお話をします。
○平野達男君 いずれ、その今のイラクの情勢が私は治安は悪化しているというふうにとらえていますし、その背景の中にはやっぱり反米感情、米国に対する感情の悪化もやっぱりあるんじゃないかと。その一方で、日本はこれからイラクに外交方針としてどのように臨むかというときに、国連中心主義でいくのか、あるいはやっぱりアメリカ寄りでいくのか、アメリカ寄りという言葉がいいのかどうか分かりませんが、そのスタンスはやっぱり明確にすべきだと思うんです。 私は、国連中心主義、国連を中心としたイラクの建設ということをやっぱり考えていかなくちゃならないということで、今回の大統領の選出ということについて、国連中心主義という立場から考えればどのようなコメントになるのかなと、あるいはそういう立場を取らなければどういうコメントになるのかなという観点でちょっと聞かせていただきました。 この点につきましては、また、今日はここで止めまして、別な機会にいろいろ聞かせていただきたいと思います。 そこで、有事関連法案に入りますけれども、まずもって、冒頭、七つの法律と三つの条約、たくさん提供いただきましてありがとうと言いたいんですけれども、本当にこれは中身が豊富で、これを全部法律を読みながら審議するなんというのはとてもできないことなんで、本当に十分な審議時間が欲しいなということを改めてちょっとお願いしておきたいと思います。 その上で、今日はこの七本の法律の中でも、私はこの特にもう重要な法律の一つとして位置付けているんですが、この海上輸送の規制に関する法律案、これを中心にちょっといろいろ聞いていきたいと思います。 実は、この海上輸送の規制に関する法律案について、昨日いろいろヒアリングをしておりましたら、ああ、要するに臨検、拿捕法ですかという言葉がぽんと来まして、ええっと思って、ちょっとびっくりしたんですが、どうもこの中では臨検も拿捕ということも使っていない。停船検査と回航という言葉を使っています。この停船検査と回航、それから臨検、拿捕、これは一般的に見た場合どういうふうに違うのかということをちょっと防衛庁長官に冒頭ちょっとお聞きしておきたいんですが。
○国務大臣(石破茂君) これはそれぞれ細かに申し上げますか、ここはこういうふうに違うということを……
○平野達男君 一般論でいいです。
○国務大臣(石破茂君) 一般論として申し上げれば、臨検ですとか拿捕ですとか、そういうものは一般国際法上に基づくものでございまして、没収ですとか占有権でありますとか、そういうことを有するものでございます。ところが、私どもが考えております自衛権に伴う措置と申しますのは、例えば没収というものも伴いません、あるいは占有というものも伴いません。要するに、そこは自衛権行使の三要件の必要最小限というところが一番利いてくるのだろうと思っておりますけれども、要は、我が国に対する攻撃に資するということを阻止するという、この点に着目をしておりますところが臨検、拿捕等々と異なるところだというふうに御理解をいただきたいと思います。
○平野達男君 拿捕というのは、例えばイカ釣り、我が国の漁船が北方域に、北方領域に行って、北方、北の海に行って拿捕されたという、その意味でも拿捕って使うんですね。臨検と停船検査の違いというのはそういうことで言葉のワーディングとしては分かりますけれども、拿捕ということはここであえて使わなかったというのは、これはやはり今防衛庁長官が言われた三要件、自衛権の三要件の発動要件にかぶさっているからという、そういう御説明だったと思うんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そう御理解をいただいて結構です。
○平野達男君 それでは、以下、この法律について順次何点か確認させていただきたいと思いますが、その前に、冒頭、この停船検査あるいは回航と言われるものが、ちょっとワーディングの問題で確認しておきたいんですけれども、自衛権の行使に伴い実施する措置というふうに言われています。これは自衛権の行使そのものではないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 伴う措置でございます。自衛権の行使の要件を満たすことは自衛権の行使に伴う措置でございますので必要でございますが、自衛権の行使に伴う措置というのは自衛権の行使そのものという概念とはぴったり重なるというふうには考えておりません。
○平野達男君 つまり、この自衛権の行使に伴い実施するというふうになっていますけれども、これは前提条件として自衛権の行使ができるという状況にあると、この条件が整うことによって停船若しくは回航ができると、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。 つまり、前提条件として、この自衛権の行使が発動されたら、自衛権の行使が使え、もう発動されていると、武力の行使が発動されているというような理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 少なくとも、我が国に対する急迫不正の侵害があることということは必要でございます。その他に、ほかに取るべき手段のないこと、必要最小限にとどまるべきことというのが自衛権行使の三要件でございますが、我が国に対する武力攻撃が行われておるという自衛権行使の三要件の第一番目、先生が御指摘になりました武力行使が必要かとおっしゃられるとおりにお答えするとするならば、我が国に対する急迫不正の武力攻撃があることというのは必要でございます。
○平野達男君 私の聞きたかったのは、かつて内閣法制局の答弁の中に、自衛行動と自衛行動権という言葉使って、自衛行動というのは要するに武力の行使のことを言っているんです。自衛行動権の中でいわゆる停船検査みたいなことを、ここで概念を分けているんですね。 それで、ここでももう一回繰り返しますけれども、自衛権の行使に伴い実施する措置ですから、じゃ、そもそもここで言う自衛権の行使というのは一体何だということなんですが、これは何になるんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、自衛行動権という言葉でもそれはよかったんだろうと思います、実は。ただ、その自衛行動権をじゃ英語に訳したら一体どうなるのというと、非常に妙なことが起こりまして、自衛権行使そのものではないんだということは言いたい、それがその自衛行動権という言葉にしたことの含意なのだろうと、こう私は思っていますが、そこで、自衛行動権というような一つの権利としてそういうものを編み出すべきなのか、それが国際法的にこう通るのかねということを考えましたときに、そういう概念を何となくクリエートするような感じよりは、自衛権の行使に伴う措置といった方がより実際には近似するのではないかという考え方をいたしております。
○平野達男君 三要件がそろった場合に武力行使をしますね、これは自衛権の行使ですね、これはですね。ところが、ここは自衛権の行使に伴い実施する措置と言っているわけです。自衛権の行使と言っていないんです。だから、この自衛権の行使そのものでないということは、結局さきの冒頭の質問に戻りますけれども、自衛権の行使に当たらないという、そういう理解でよろしいんですね。
○国務大臣(石破茂君) 自衛権の行使に伴う措置でございますから、自衛権行使の三要件を満たすということは当然必要になるわけでございます。ですから、これは概念上の整理として自衛権の行使に伴うとしか申し上げようがない。では、それじゃ交戦権なのかと、こういうようなお話になりますと、それは先ほど来、榛葉委員の御質問にも政府委員の方、参考人の方からお答えをしておりますように、交戦権ではないのだということになります。ですから、自衛権の行使に伴う措置という、そういう概念に基づきまして、先ほども条約局長から何度かお答えがございましたように、それは適法な行動であるということでございます。
○平野達男君 ちょっとまだ概念的な整理がどうもすっきりしていないような気がしますが、ちょっとそれはひとまずちょっとおかしていただきまして、ちょっと条文につきましてちょっと確認をさせていただきます。 第四条が、これがいわゆる防衛出動を命じられた海上自衛隊に停船、回航措置を命じることができるという想定になっているわけです。これを素直に読みますと、防衛出動をされた状態であれば、いわゆる停船、回航措置を命ずることができると素直に読んでしまうんですが、そういうふうに素直に読んでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 素直に読んではいけませんという答弁をするのも妙な話でございますが、防衛出動が下令されているということと、それから自衛権を行使できるという状態、これはまた別のお話でございます。 防衛出動は、当然のことながらおそれ出動も入っておるわけでございますし、自衛権行使の三要件と防衛出動下令の要件とは、これは異なっておるわけでございます。防衛出動が下令をされておる場合でも、じゃ常にそういう海上自衛隊の艦長はそういうことをなし得るかといえば、常にそうだというわけにはまいりません。
○平野達男君 そのとおりだと思います。 これは防衛出動をされている、しかも、それから防衛出動されている状態は、いわゆる武力行使の三要件満たしているかどうか分かりません。で、停船と、それは回航措置は武力行使の三要件満たしてなくちゃ駄目ですから、この措置が、条件が満たした段階でしか命令措置ができないんですね。ところが、四条にはそれ書いてないんですね。だから、今そういった意味でも防衛庁長官は、これは素直に読めませんと言ったんです、という答弁だったわけです。 しかし、まさしく、じゃこれ素直に読むとどうなるかといえば、防衛出動をされていればその措置を出すことができますよということで、こちらはすき間なく読めてしまうんだけれども、運用上はそのすき間を作らなくちゃなりませんということなんですね。 これは、今の自衛隊、隊法もそうですよね。防衛出動をやりますと。防衛出動即武力行使ではございませんと。それから、武力行使は別途の規定があって、三つの条文で、三位一体か知りませんけれども、三つの条文を併せ読みながら内閣総理大臣が決定しますと、これはこういう整理でしたですね。 これは、自衛隊法の不備なんですけれども、この四条も、この手続、そういった意味では全く欠落しているんですね。どこで読むんですかとなれば、これは今までのいろんな国連じゃない、失礼しました、国会での議論、あるいは内閣法制局のいろんな見解、こういった継ぎ合わせの上でこれを運用しますということになるんでしょうけれども、それはどこにも書いてないわけです、これは。 だから、これは、吉岡議員が前の事態特のときに、やっぱり自衛隊法のやっぱり不備じゃないかということで、つまりは三要件の要件も法律にどこにも書いてない、それから武力行使をどういう手続でやるかも定めていない、武力行使そのものの権限というのは内閣総理大臣って書いていますけれども、どういう手続で武力行使というのを、行使を認められるかという手続も入っていない、書いていない、これはもう法律上の不備じゃないかというふうに、これは前の国会でしたけれども吉岡議員が言っておられました。 それと全く同じことが、自衛隊法がなっているからこの法律もそうなってしまうんだという答えかもしれませんが、この四条はこのままじゃやっぱりちょっと問題が多過ぎませんか。どうですか、これ。
○国務大臣(石破茂君) 似たような御指摘を何か去年の五月も先生からいただいたような覚えがあって、今ちょっと一年前のことを思い出しておるのでございますが、私は必ずしも条文上不備があるというふうに思っておるわけではございません。 先生御指摘の四条第一項は、防衛庁長官は、自衛隊法第七十六条第一項の規定により海上自衛隊の全部又は一部に出動が命ぜられた場合において、我が国領海又は我が国周辺の海域、いわゆる公海において外国軍用品の海上輸送を規制する必要があると認めるときと、こう書いてあるわけでございます。 つまり、そういう防衛出動が下令下にあって、海上自衛隊に出動が命ぜられた場合において、防衛庁長官が規制する必要があると認めるとき、この必要があると認めるというのはどういう意味なのかという、そこの部分にそこの要件というのは入っているということになります。これは、防衛出動そのものについてもそうでございまして、じゃ防衛出動の規定のところに、では三要件を満たした場合にというふうに書いてあるかというと、そのように書いてあるわけではございません。 しかし、じゃどうやってそれが適正に行われる担保があるのかというふうに御指摘を受けるんだろうと思いますけれども、例えばこの四条の海上輸送規制につきましても、最終的にだれが判断をするかといいますと、まず防衛庁長官が判断をするわけでございますが、自衛隊の最高監督権を有する内閣総理大臣の承認、これは必要だということになっておるわけでございます。 つまり、そのジャッジをだれがやるのかといえば、それは内閣総理大臣がやるのである。そして、条文上にもそのことは書いてあり、あわせて、必要があると認めるというのは、要件を満たさない限りそれは必要があると認むるという行為には至らないわけでございます。 そこへ事細かに自衛権行使の三要件ということを書くということが、じゃ害あって利なしかといえば、そうは私は思いませんけれども、今の条文の構成で、じゃ何か不備があるかといえば、私は体系的に不備があるとは考えておらないところでございます。
○平野達男君 私の一般的な理解では、必要があるというときというのは、やっぱりいろんな条件が、状況があって、その中でやっぱり必要があると認めたときだという、一般論で言えばそういう言葉になるんですが。 先ほど言った、三要件の条件が満たすということと、必要があると認めるときというのは、私は表現違ってくると思いますよ。 これは、きちっとした条件が整って、かつ必要が、必要があると認めるときはならいいですよ。だが、今の防衛庁長官の答弁はちょっとこの解釈上はちょっと違うんじゃないかというふうに私は取ってしまいますね。 それで、逆にじゃ、この四条の中では、「第四章の規定による措置を命ずることができる。」ということで、ずっといって、第四章、これ十六条から始まります。すると、ここは、「艦長等は、武力攻撃が発生した事態において、」と、ここで初めて武力攻撃が発生した事態においてと唐突に出てくるんですね、ここでね。で、実施区域を航行している船舶が外国軍用品等を輸入、輸送していることを疑うに足りる相当な理由があるときはと、ということなんですが、この主語は、相当な理由があるときはというふうに判断するのは、これは艦長だと思います。 艦長等という理解でよろしいですね。それは、条文上それでよろしいですね。もしあれでしたら事務方、事務方でも結構ですから。
○政府参考人(飯原一樹君) 条文上も、また実際の必要上も、艦長ということになります。
○平野達男君 じゃ、これも極めて条文上の話で聞きますけれども、「武力攻撃が発生した事態において、」と、あえてなぜここに、ここに入れましたか。
○国務大臣(石破茂君) それは、武力攻撃が発生しなければこれを行うことができませんので、そのことはきちんと書いておかなければいけないという判断に基づくものでございます。 先ほど先生、必要があると認めるときはということでは駄目なんだという御指摘でございますが、必要があると認める、つまり、そういうような書き方をしておりますのは、要件をきちんと満たさなければそういうようなジャッジメントにはならないんだということを書いておるわけでございまして、それは不備だということにはならないと思います。 そういうことでそういう書き方をしておるわけでございまして、私はこれはほかの条文につきましても同じことだと思っています。
○平野達男君 必要があると認めるときという解釈については、ちょっと私は別な見解を持っていますので、持っています。 ただ、今の防衛庁長官の中に、武力攻撃が発生した事態でないとこれはできない、これはそのとおりなんですね。だけれども、これは今までの答弁からいきますと、正確に言えば、武力攻撃が発生した事態であって、なおかつ武力行使の三要件が満たされた場合ですね、これは、正確に言えば。そうなんですね。 実はそのことは、もっと言えば、これは条文上の問題なんですから、まあどうでもいいといえばどうでもいいのかもしれませんが、そのことはもう第四条でもう担保されているんですね、これは。そういう条件でなければ実施命令出さないと言っているわけですから。 つまり、第四条でこの停船検査、回航を始めていいですよ、やりなさいよと言うのはあくまでも防衛庁長官で、それは内閣総理大臣の承認を得るという、こういう手続になっていますね。それを受けた形で第十六条は、艦長が、それを受けた形で、実際に目の前に船が通っていく、この船は怪しいじゃないかと、第三国の船だけれども怪しいじゃないかということで停船命令をやるというのが十六条で、ここで「武力攻撃が発生した事態において、」というのは何か別な意味があるのかなというふうに取ってしまうんですね。 だから、これ、条文上はほとんど何も意味がないんじゃないかとも取れちゃうんですが、これちょっと防衛庁、どういうふうに説明されます、ここは。
○政府参考人(飯原一樹君) そこは大臣からも御答弁されておりますとおり、現場の艦長の判断に関する条文でございますので、明確にその、実際の武力攻撃が起こる前には船舶検査を行わないという意味で、概念を明確にするためにこの条項をといいますか文言を挿入したものでございます。
○平野達男君 いや、そこで概念の明確化をしておいて何で四条で、じゃ、しないんですか、これ。 さっきから、さっきから言っているように、私は、四条では、第四条の発動は武力行使の三要件があること、あるという前提だ、ということが必要だと言っているわけですよ。それがあえて防衛庁長官の「必要があると認めるときは、」ということの解釈なんですね。ところが、十五条になりますと、ここでは「武力攻撃が発生した事態」と言って、わざとその範囲を限定する言葉をここに持ち出しているわけですよ。これはどういう意味があるんでしょうかということを聞いているんです。
○政府参考人(飯原一樹君) 四条は命令者の側の規定でございまして、十六条はそれを受け取った艦長の規定でございます。 それで、防衛庁長官の方は、当然防衛出動下令という事態もございますので、それについての連続的な意味で船舶検査を行う場合の命令規定を規定したものと。それから艦長の規定というのは、命令を受け取った側の規定ですので、よりその内容を明確にする必要があると。現場の指揮官に対する権限のといいますか、命令の範囲の、どういう行動をどういう場合にするかという規定でございますので、より詳細に規定をしたということでございます。
○平野達男君 多分、恐らく、今このやり取りを聞いている方は、仮にこの条文見たとしても何が問題なのかというのはなかなかつかめないと思います。それぐらい、この防衛出動とそれから武力の行使、それから停船、回航というその概念がちょっと、一体化しているように見えてばらばらなんですね。ばらばらであって、かつ第四条の中には、武力行使ということも、自衛権の行使という概念も、条文上は、長官の言葉で言えば「必要があると認めるときは、」というところで読むんだというふうに言っていますが、何も規定していない。 だから、手続的にはこの条文の外の世界で、恐らく、防衛庁じゃない、防衛庁長官は今までの議論の積み重ねの上で決まってきたルールにのっとってやるんだという説明になるんだろうと思うんですが、どうも私はこの法律を見ていて思うのは、どこまで法律に書いていて、どこまでが法律の外で、しかもその法律の外にあることが法律と同じような効力になっているかというものが全くやっぱりこれ不明確だと思いますよ。 こういうやり取りをした上でも、やり取りをした上でこういう形が、例えばこの運用上の問題が、例えば三要件の問題だとか出てくる話であって、こういう説明が、ここでやり取りしているような説明がやっぱり何かの形でしっかり国民というか、に明示することが必要なんじゃないでしょうかね。
○国務大臣(石破茂君) いや、先生の御指摘は、それは首肯し得る部分もないわけではございません。御指摘、そう言われればそういうふうにお考えになる方もあるかなという気もいたします。ただ、そういたしますと、防衛法制というのは多分物すごく今よりも膨大かつ繰り返しの多いものになるだろうと思います。 それは決して、先ほど局長の方からも答弁を申し上げましたが、四条を読めば、「防衛庁長官は、」云々かんぬんとありまして、規制する必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、同項の規定により出動を命ぜられた海上自衛隊の部隊に措置を命ずることができると、この「できる」規定ということになっておるわけでございます。そしてまた、それを受けた艦長はどうするかということを更に明確に書いておるわけでございまして、それは私、条文上不備があるとか、聞かなければ分からぬとか、そういうものだとは思っておりません。防衛法の体系というものはそういう形になっておるわけでございます。 しかし、それをきちんと明確にする意味におきましても、国会における御議論があり、私ども政府側の答弁がありということで、更にそのことを明確にしていく、そういう意味で大変に有り難い御指摘だと思って、確認をさせていただいておるわけでございます。
○平野達男君 私が言いたいことは先ほど言ったとおりです。法律で書くところと、それから、だけれども法律だけでは実際の運用がされなくて、その外の世界というのがやっぱり国会の議論の積み重ねの上にあるということなんですが、それがどうも国民から見た場合、私みたいにまだ、まだ、これまだよく全体像をよくつかみ切っておりませんが、外から見た場合には本当に分かりづらいということだけは重ねて指摘しておきたいと思いますし、それから、防衛法制につきましては、やっぱり自衛隊法も、やっぱり武力の行使についてはだれが行使のあれを命ずるかというのを一行ちょっと、内閣総理大臣だというようなことをきっちり書くとか、そういった、もう将来的にはやっぱり抜本的な見直しをやっぱりやっていくべきだということをちょっとここで指摘をさせていただきたいと思います。 ちなみに、もうちょっとこの四条に関しまして確認させていただきますが、しからば、これは防衛出動が下令された段階では、これを読みますと、「第四章の規定による措置を命ずることができる。」というのがありますから、ありますから、というふうにありますが、停船、回航措置を命じない場合も当然ありますね。防衛出動と併せて停船、回航措置を命じない場合も当然ありますね、これ、命じない場合。これは今までの答弁からそうだと思いますけれども。
○国務大臣(石破茂君) それは当然あり得ることでございます。
○平野達男君 そうすると、これは防衛出動、これ武力事態に関する、攻撃事態に、武力攻撃事態法とも関連していますから、そうすると基本方針をその都度変えるということですね。要は、これは武力攻撃事態法もこれ関連していますから、防衛出動されているときは基本方針決まっていますね、対処方針は。その中には停船、回航による措置というのは何も記載されないわけです。何も記載されない場合もあるわけです。それで、事態が変わって停船、回航措置をやれという場合に、命じた場合には基本方針も当然変わってきますねという単純な確認です。
○政府参考人(飯原一樹君) この措置を実施するためには、まず第一歩、基本として、対処基本方針に記載しなきゃいけませんので、当然それは記載していないものを行うためには変更が必要でございます。
○平野達男君 分かりました。 じゃ、そうすると、結局、これ確認しなくても大体分かったんですが、そうすると、停船、回航措置を始めてもいいと、やれというその判断はあくまでも内閣であって、その命令は防衛庁長官ということになりますね。そういうことですね。
○政府参考人(飯原一樹君) 正にそのとおりでございます。
○平野達男君 分かりました。 私、これ、ずっと素直に読んでしまいますと、第十六条で艦長等がということになってしまいまして、艦長等が判断するようにも読めちゃうんですね。今のようなやり取りでそれがないということなので、それは確認をさせていただきました。 次に、停船検査を実施する区域を定めるとありますが、これはどういう考え方で定める、決めるんでしょうか。停船検査をやれるという、海上自衛隊の能力ということなのか、それともいろんな状況に応じて決めるということなのか、ちょっと一般的な、漠とした質問で申し訳ありませんが、御答弁をお願いします。
○国務大臣(石破茂君) それは能力ということではなくて、必要な地域という概念だと私は思っております。 これは先ほど来御議論にありますように、第三国船舶も対象といたしますので、あらかじめここでやりますよということを決め、それを告示をし、手続の適正性と透明性をきちんと確保しなきゃいかぬという趣旨で設けたものでございます。 そういたしますと、周辺の海域と、こういうことになっておるわけでございますが、じゃ、それはどこをといいますと、やっぱりこれは必要最小限というところが利いてまいりまして、どこが必要な地域であるのか、それをきちんと明示して、第三国にも分かるように定めるということでございますし、これ、なぜ内閣総理大臣が告示をするかというと、内閣府の長たる内閣総理大臣が行動の地域内に限られるということを必要、きちんと明確にするために定めるというものでございます。 ですから、能力が及ぶとか及ばないとかいう話ではなくて、もちろん及ばなければできないじゃないかと言われればそういうことになりますが、必要な地域であればそれは定むることができる。しかし、それはあくまで自衛権行使三要件の必要最小限にとどまるべきことということが掛かることは言うまでもないというお話でございます。
○平野達男君 それじゃ、もう一点、条文に関して基本的なことをお伺いします。 外国軍用品で、頭は核兵器、最後は食糧というふうになっていまして、イロハから始まってヲで終わっておるんですが、これを二つに分けていまして、いわゆるイからチまでのいずれかに掲げる物品で外国軍隊等が所属、所在する地域を仕向地とするもの及び次のリからヲまでのいずれかに掲げる物品で外国軍隊等が所属する、所在する我が国の領域又は我が国周辺の公海上の地域を仕向地とするものということで、まあ条文を持っておられない方は何のことか分からないかもしれませんが、線を一応分けているんですね。 これよく見ますと、兵器そのものについては、これは外国軍隊、つまり敵国軍隊がいたところは、どこで、どこにいるか分かりませんが、そこに向くものについては全部、停船、回航措置の対象になり得るというふうに言っておって、部品でありますとか食糧につきましては、敵国に向かうものまでは対象にしませんと、こう言っているわけですね。その考え方は分かるんですが、随分日本というのはやっぱり優しい国だなと思ったんですけれども、これはほかの国でもこういう分け方をして対応するんでしょうか。
○政府参考人(飯原一樹君) ほかの国がどうかということは、先ほど外務省の条約局長の方から御答弁申し上げたとおり、必ずしも一般的に共通の、現行におきまして対象物品等の明確な国際的な統一的な取決めがあるわけではございませんが、正に私ども、今回の法案を立案するに際しまして、必要最小限にとどめるべきであると。一般的にその相手国の軍需に役に立つもの一般を網羅するということではなくて、直接我が国を武力攻撃している軍隊の補給に役立つものが最初にございまして、さらに民用の場合も、汎用品としても使い得るけれども、その場合明らかに我が国を占領している、あるいは我が国の領海内にいる軍隊に向けられたものであれば、これまた我が国の武力攻撃に直接資するものでありますので、それらを限定して対象にするという考え方でございます。
○平野達男君 この中には、航空機、ロケット、船舶若しくは車両の修理若しくは整備に用いられる装置又はその部品、部分品若しくは附属品とかと言って、要は、すぐにでも軍用品に転用できるようなものも入っていると。これが第三国、いや敵国に向けられたものであっても、停船、回航措置の対象にならないということになっているんですね。こういうことでいいのかなという感じがしますが、まあ抑制的にやるという趣旨からはそうなんだということだというふうに取っておきますが、取っておきます。 それから、ちょっと話が変わりますが、米軍との関係なんですが、米軍もこれは当然、停船、回航、まあ米軍の場合はもう臨検、拿捕というのかもしれませんが、停船、回航措置をやるんだろうと思います。そのときに、米軍も、第一点目は、日本の海上自衛隊と同じようなルールでもって、すなわち三要件が発動される、三要件に満たされるような条件が起きた状況で、いわゆる、米軍の場合は停船、回航措置というのか、臨検、拿捕というのか分かりませんが、その措置をやるのか、この一点をまずちょっと確認させていただきたいんですけれども。
○政府参考人(林景一君) 先ほど御同僚の方にお答えしたことの繰り返しでございますけれども、アメリカのこの考え方と申しますのは、自衛権の範囲内で、武力紛争当事国や非紛争当事国の非軍事目標である商船に対し臨検、拿捕、戦時禁制品の没収を行うことは可能であるという考え方でございまして、自衛権の範囲内というところがポイントでございます。
○平野達男君 そんな当たり前のことを聞いているんじゃないですよ。そんなもの当たり前じゃないですか。 私が聞いたのは、手続上の問題として、この法律で言うところの海上、防衛庁長官が、防衛庁長官がその回航、臨検でない、停船検査、それから回航措置を命じた段階でもって、米軍も、その臨検なのか臨検、拿捕なのか何か知りませんが、その措置をやるんですかと聞いているんですよ。
○政府参考人(林景一君) 自衛権の範囲内でということが当たり前だというお話ございますけれども、お言葉ではございますが、その自衛権の範囲というのは、正に武力攻撃が発生した後において、これを排除するために必要な範囲内の措置として行われるということでございまして、そういう事実がどこかの、我が国に対する武力攻撃が発生したということを前提にしておるわけでございましょうけれども、そういうことを排除するために必要な措置というものを米軍がどう考えて行動するかということでございます。
○平野達男君 だから今のお話は、それは現象面の話を言っているんで、じゃ、例えばですよ、米軍がどの段階で停船検査、それから回航措置をやり始めるか。じゃ、どの段階でやるんですか。──ちょっと待ってください。今の、今のやっぱり外務省でちょっと答えてください。
○政府参考人(林景一君) この措置はやらなければならないわけではないわけでございまして、だから米軍がどこからできるかということについていえば、それは正にその武力攻撃が発生した後であれば、正に必要に応じてできるということでございます、タイミングの問題として申し上げれば。
○平野達男君 だから、それは一般という、一般論の話だと言っているでしょう。 いいですか。この海上輸送の規制に関する法律の中では、第四条と十五条でどう書いているか分かっていますか、これ。
○政府参考人(林景一君) もちろん日米で共同対処するわけではございますけれども、米軍は別にこの海上検査法に従って行動するわけではございません。米軍はあくまで自衛権の範囲内で米軍の法令に従って行動するということでございます。
○平野達男君 分かりました。 じゃ、今の答弁は、これは第四条で、この法律では、いいですか、第四条で防衛庁長官が武力行使の三要件に該当する場合にといった、まずその条件がまず第一点。それから回航措置、それから停船検査、これが必要だというこの二つの要件を、の命令を出すんです。その命令に併せて、私の質問は、米軍もその命令と併せて、同時並行でやるんですかという質問だったんです。 今の答弁は、違うと。米軍はこの法律とは別の枠組みで停船、回航ができるという、こういう理解でよろしいんですね。
○政府参考人(林景一君) これは法的な仕組みの問題とそれは実態の問題とあろうかと思いますけれども、法律論からいえばそれは別の形で発動するということでございます。別の形で発動し、別の形で運用される、これは当然のことでございます。 しかし、同時に、それは正に日米共同対処ということがあるわけでございますから、日米間で具体的に実態の問題においてどのように調整するかというのは、これはまた別の次元の話であろうかと思います。
○平野達男君 それはあれですか、考え方の問題としては、同時ということではなくて、同時でなくてもあり得る。つまり、米軍は防衛庁長官がその十五条に定めるところの停船検査、回航措置の措置を命じなくても米軍が行動することもあり得るという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(林景一君) これはもう武力攻撃が発生した後でございますので、それは日米共同対処ということが当然想定されるわけでございますけれども、個別具体的にどういう形でその日米各々が活動を行うのかというのは、それは必ずしも全く同じように行動しなければならないということではないというふうに考えております。
○平野達男君 そうすると、今の概念上の、実態上はまず別というお話ありましたけれども、今の制度上の中では自衛隊に、海上自衛隊にこれは防衛出動を命ぜられているわけですけれども、もう一度だけ確認しますが、停船検査、回航措置が命じられていない段階で隣に米軍がいましてそれがもう臨検をやるということはあり得ると、そういう理解ですね。
○政府参考人(林景一君) 米軍の活動といたしまして要件を満たした場合には、米軍がその必要があると判断すれば活動すると思います。その必要があると判断するに当たって、当然のことながら日本、日米間で緊密なすり合わせというものが行われようかと思いますけれども、理論的な問題といたしますれば、それにアメリカがそういう活動を行い、日本が必要と認めないので行わない、あるいはその逆に日本のみが行いアメリカは行わないといったことがそれはあり得る、理論的にはそういうことだろうと思います。
○平野達男君 ちなみに、この法律は米軍にはちゃんと見せていますよね。
○政府参考人(飯原一樹君) 正にガイドライン関連の、成立いたしました場合にはガイドラインのまた重要な中身になろう案でございますが、十分緊密な連絡を取っております。
○平野達男君 今の問題につきましてはまたちょっと議事録とよく精査させていただきまして、疑問等があればまた後日いろいろ質問させていただきたいと思います。 いずれ、私は日本、日本というか我が国の自衛隊がどの段階で武力行使をするか、あるいは停船検査、回航措置をやるかというのは、これは物すごい議論の議論を重ねて、それで慎重の上に慎重にやろうとしているわけですね。その一方で、米軍が実は別な行動の原理でやることもありますというふうに言われてしまったら、国会の議論というのは一体何のためにやっているんだと。これは要するに、この法律はこういう趣旨でございますよと、共同歩調取りましょうねという話は当然出てこないと私はおかしいと思うんですよね。ところが、今の話でいきますと、今のいわゆる法律上はそうでございますと言って、その詰め何もしていない、されていないとしか取れない。いずれ、もう一回、さっき言いましたように、このことについてはもう一回いろいろと精査しながら後日またいろいろやりたいと思います。 それで、今日は忙しい中わざわざ来ていただいた原子力関係のことをちょっと聞かないと、来ていただいて無駄になりますので、ちょっと話はちょっと飛びます。 今回、緊急対処事態で原子力発電所に対する攻撃がたしか類例として出されてきました。一方で、自衛隊法の中には原子力災害派遣というのが既にもう整備されておりまして、原子力災害特別措置法、対策特別措置法ですか、これは平成十二年にたしか制定された法律じゃなかったかと思うんですが、なかったかと思いますけれども、これを受けて自衛隊の中にも派遣規定が設けられています。 今回、緊急対処事態の中でいわゆるテロによる原子力発電所の破壊等が起こった場合と、この原子力災害特別措置法に基づく、あるいは自衛隊法に基づく原子力災害派遣というのは何か大きな違いがありますか。これだけちょっと、条文との関係でちょっと御説明願いたいと思うんですが。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 国民保護法案におけます原子力災害が仮に発生したような場合の考え方でございますけれども、国民保護法案の第百五条において幾つかの条件が規定をされております。この保護法案におきましては、具体的に自衛隊の派遣についての規定はなされておりません。 なお、大規模テロ等の緊急事態においてどうなっているかということでございますけれども、基本的には、国民保護法制の下で本部が設けられますと、原子力災害対策特別措置法の規定はすべて準用するという形で、この傘下に入って対応を行うことになるわけでございます。
○平野達男君 やっぱりそれを準用するということになっているわけですね。はい、分かりました。 ちょっと時間が、ちょっとなくなってきましたけれども、最後に、今回、ジュネーブ条約で、捕虜の扱いについてのいろんな条約が批准されましたけれども、中身見ますと随分いろんなことが書いてありまして、その一方で、小泉総理も言っていましたけれども、日露戦争のときの捕虜の扱いというのは非常によかったと。当時、坂本龍馬が万国公法を持っていたとか、東郷元帥が非常に当時の国際法に通じていたとか、あと一九〇〇年にあの義和団事件がありましたけれども、あのときの日本の軍の行動も国際法規に応じた非常に整然とした行動を取ったとか、非常に当時の日本の軍隊といいますか、国民といいますか、国際条約、約束を守るという国民性が強かったようですが、太平洋戦争によって随分変わってきたと、変わってしまった、太平洋戦争のときは変わったと。 今回、ジュネーブ条約の中身はこれしっかりと、特に今の自衛隊員の皆様方、場合によったら国民ということも必要かもしれませんが、教育する必要があると思うんですが、知らしめる必要があると思うんですが、これに対する取組をちょっと最後にお伺いしまして、時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(石破茂君) その必要性がジュネーブ条約上も規定をされておるとおりでございます。先生御指摘のとおりであります。 しかし、それは、事細かには申し上げませんが、幹部自衛官に対しましてはもう条約集等をきちんと徹底をしております。また、曹士クラスにつきましては、図画をもちまして、図面を示しまして、こういうことをやってはいけないということを徹底をしておるわけでございます。これはアブグレイブの例もございますが、私どもの国として本当にジュネーブ条約の精神を徹底するように、それぞれの現場においてきちんと教育を今後とも更に行っていくべくその体制を確立してまいりたい、それは私どもの国のジュネーブ条約に対する義務だというふうに考えております。
○平野達男君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 私も、この海上輸送規制法案について質問をいたします。 今も議論になっておりましたけれども、本法案は、武力攻撃事態において、我が国の領域に、領海にとどまらず、公海上においても外国軍用品等の海上輸送を規制するというものになっております。海上自衛隊が停船検査や回航措置を行う対象になる船舶は、交戦相手国だけでなく、第三国の船舶も含むというものであります。 今日も、交戦権に基づく臨検と本法案で言う停船検査の違いということが議論になっておりました。先日の防衛庁長官の答弁見ておりますと、まず地域が違うという答弁をされております。交戦権に基づく臨検は、中立国の領海、領域を除くすべての海域だと。一方、この停船検査は、我が国の領域又は我が国周辺の公海において、第四条の規定に基づき告示をし定める実施区域内に限られていると、こういう答弁でありますが、では、ここで、その告示をする実施区域、ここに地理上の限定というのが法律上は定められているんでしょうか。その点、どうでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 法律上は地理上の限定ということがあるわけではございません。
○井上哲士君 となりますと、例えば、いわゆる敵国の領域に隣接した公海まで進出をして停船検査する、こういうことも法的には可能だと、こういうことですね。
○国務大臣(石破茂君) 隣接をした公海までは可能ということでございます。
○井上哲士君 いや、相手国の隣接した公海までは可能だ、こういうことですね。
○国務大臣(石破茂君) 例えば、Aという国等が我が国に対して武力攻撃を仕掛けてきたという場合を仮定をいたしますと、A国の領海に隣接する公海まで可能ということでございます。
○井上哲士君 かつて自衛権の及ぶ範囲についての答弁もありますけれども、理論の問題といたしましては、数百海里ないしは数千海里と申しますか、今防衛計画の大綱で海上自衛隊が整備目標としてやっている範囲、この範囲に限られるものではないと、こういうようなことも言っているわけで、ほぼこういう考えと、ここまで広がっていくと、こういうことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これを何海里というかというのは、これを数字できちんと申し上げることは適切では全くないと思っております。 ただ、先ほど平野委員の御質問にもお答えをいたしましたが、要は必要最小限というものをどのように考えるかということでございまして、無限定ではないというのは、この必要最小限という自衛権行使の三要件の第三要件にかかわるものでございます。したがいまして、七つの海どこでもと、こういうわけではございません。必要最小限と思われるものをきちんと定め、告示をし、第三国も当然にここにおいてはそのような日本の措置がなされているのだということを了知せしむる、そういうような枠組みとなっておるわけでございます。
○井上哲士君 必要最小限と先ほど来繰り返されるわけですが、それは判断の問題でありまして、法的には、先ほどありましたように、地理的な限定はないということでありました。 次に、この停船検査をする際に、第六条で外国軍用品等を輸送している疑いのある船舶、相当な理由のある船舶ということを認定するわけですが、この基準というものはどういうことになっておるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それ、基準はどうなのかというお尋ねでございます。 それは相当な理由がある場合に認められるというわけでございまして、では何をもって相当な理由なのかということを一概にこれを申し上げるということになりますと、これも必ずしも適切ではないということになるだろうと思っております。つまり、こういう場合には疑いがあるといいますよというふうに定型的に申してしまいますと、じゃ、それから外れればいいのだなと、こういうことになってしまいかねませんので、これを定型的に申し上げることは必ずしも適切ではないと申し上げているのはそういう意味でございます。 じゃ、どういうふうにして判断をするのということになりますと、そういうふうに告示をしておるわけでございますね、ここからここまでというふうに告示をしておるわけでありまして、そこを通る船がどのような外観をしているか、どのような態様をしているか、あるいは乗組員がどのような挙動をしているか、それぞれの状況というものを見まして、本当に疑うに足りる相当な理由があるかどうかということを判断することになるわけでございます。 それは必ずしも、いや、必ずしもというのは取り消します。それは恣意的な判断を可能にするという意味ではございません。それ、やはり客観的にきちんとした合理的な根拠というものは必要でございますが、それはかくかくしかじか、こういうものというのを定型的に申し上げることは必ずしも適切ではないということを申し上げておるわけでございます。
○井上哲士君 現場の自衛艦の艦長が判断をするわけですね。私はもっと客観的な合理的な理由というのを示しておく必要があると思うんですね、恣意的な判断にならないように。不審船の問題とか、いろいろありますけれども、例えば漁船のはずなのに全くそういう漁業の道具がないとか、大変大きな通信施設があるとか、そんな客観的な問題というのはあろうかと思うんです。そういうものをやはり現場に向かって示しておく必要があるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これ、法律用語の解説みたいなことになると恐縮でございますが、相当の理由があるというのは客観的にというものを含む概念でございます。相当のという言葉を使いますときは、恣意性を排除をいたしまして、客観性に基づく合理的なものでなければならないということが相当の理由があるということに結び付くわけでございます。 もちろん、艦長たちが、艦長たちがといいますか、艦長が判断をいたしますときに、自分の考えでこうである、ああであるということにはなりません。それは一定の客観的な基準、こういう場合、こういう場合、こういう場合ということをきちんと示しました上で相当な理由がある、疑うに足る相当の理由があるにはこういうようなことが必要だよということは示すことになります。それがそれぞれの艦長の恣意に任せられるものではございません。それは態様でありますとか、あるいは乗組員の挙動でありますとか、あるいは外観、そういうものから導かれることになるであろう。しかし、これは、客観的にはこういうものだということは示しますが、それをすべてに向かって示すということになりますと、先ほども申し上げましたが、じゃ、それを外れればよいのだねということにもなりかねませんので、これをすべて申し上げることは必ずしも適切ではないというお答えの繰り返しになりまして恐縮でございます。
○井上哲士君 それを明らかにする必要があるんじゃないですか。それ、結局それが示されないと現場での恣意的な判断が行われると、こういうことのやはり懸念は消えないんじゃないですかね。
○国務大臣(石破茂君) いや、仮に委員のお説のとおりだといたしまして、じゃ、どのように明確に示すのかということに、逆に立法作業としてはそういうことになるだろうと思います。 じゃ、明確に示すというときに、じゃ、このような態様があった場合、あるいはこのような外観であった場合、先ほど委員が工作船の例をお示しになりましたが、このような外観であり、このような態様であり、このような異常な挙動があった場合には相当な理由があるものであるというような、そういうような形で示すことが必ずしも適当だとは思いません。 要は、我が国に対するそのような武力攻撃がなされておるときにどのようにして効果的にそれを阻止し得るかということであり、繰り返して申し上げますが、この地域におきましてはこういうことをやっておりますよということをきちんとお示しをし、予測事態では行わず、武力攻撃事態が発生しなければそれを行うこともないわけでございます。そこにおいて、きちんと適法に航行しておる、そういう船に害を加えるということはございませんし、あくまでこの発動は、先ほど来の議論にありますように、極めて慎重な上にも慎重に行わねばならないものと考えております。 先ほど、不規則発言で、日本って親切な国だねというようなことをおっしゃる方がありましたが、私どもといたしましては、これが決して濫用されることがないように、そしてきちんとした行為を行っております船舶に対しまして害を加えることがございませんように、しかしながら日本国の独立と平和というものを侵すに資するようなそういうものをきちんと阻止しますために、それを、その二つを止揚するために、アウフヘーベンという意味での止揚でございますが、相当にこのことは厳格に運用していかねばならないと考えておるわけでございます。
○井上哲士君 そういう濫用がないためにこそ、私はちゃんと示す必要があると思うんですね。といいますのは、これは三十七条の二項では武器の使用まで認められております。停船を命令したにもかかわらず抵抗、逃亡する場合には船体射撃まで可能になっているわけですね。 これは、相手が武器を使用していなくてもこちらが先に武器を使用すると、こういうことも認められているわけですね。
○国務大臣(石破茂君) それは、お答えから申し上げますと、自衛隊の方から先に船体射撃を行うことはできます。 それはなぜなのかと申しますと、先ほど来申し上げておりますが、これは自衛権の行使に伴う措置として行うわけでございます。それは三要件を掛けておりまして、そういうような物資、そういうものが運ばれている、疑うに足る相当な理由がありますときに、それを見逃すということは我が国の独立と平和、国民の生命と財産、それを守るためには決してプラスにならないというふうに考えて行う措置なのでございます。そうしますと、この実効性というものはきちんと確保をしなければなりません。 それは、もうお考えをいただければお分かりになるかと思いますが、何度も何度も止まりなさい、止まりなさいというふうに命じるわけですね。にもかかわらず非常にその疑いの濃い船が止まりませんという場合にどうなるかといいますと、海上保安庁法第二十条というのを委員御案内かと思いますが、この武器使用の規定ぶりに倣いまして、相手が武器を使用していない場合であっても、この法案三十七条に定めるところによりまして、船体の進行を停止させるために、いいですか、船体の進行を停止をさせるためにという目的をもちまして、合理的に必要な限度におきまして、私どもの方から武器を使用することはあり得るということでございます。
○井上哲士君 海上保安庁の行動というのは、基本的に我が国領海内で、まあ追っ掛けていくことはありますよ。しかし、これはあくまでも公海上の第三国ということなわけですね。 今、合理的に必要と判断される範囲内というお話がありました。先制的に使うこともあるんだということは認められました。そうしますと、この合理的に必要とされる範囲というのはどこまでなのか。例えば、武器を使用した結果、相手が沈没してしまったと。そうなりますと、これは合理的に必要な範囲を超えたことになるんですかね。
○国務大臣(石破茂君) それは、何が合理的に必要なのか、範囲なのかということを明示的にお示しするということは極めて難しいことだと思っています。それは起こるケースがそれぞれ違いますので、事前に定型的に、はいはい、これが合理的に必要な限度でございますということを申し上げることは、非常に技術上も困難であるということであります。 ただ、先ほど私が、停止をさせるためにということを強調して申し上げましたのは、船体射撃を行います場合でも、例えばスクリューをねらって、あるいはかじをねらってということで、その船を止めるためにはどうすればいいのかということについて、必要にして合理的な範囲ということは定まることになるだろうというふうに思っております。 先生が今、沈めた場合にはどうなのだということをおっしゃいましたけれども、これは結果的にそうなることが全面的に排除をされるわけではございませんが、現場を御視察をいただければ分かりますけれども、海上保安庁にいたしましても私ども海上自衛隊にいたしましても、いかに正確に当てるかということ、そしてまた、それに足りる武器というものはきちんとそろえ、そしてまた整備をし、訓練も行ってきております。ですから、船体に当てるというよりも、むしろスクリューでありますとかかじでありますとか、そういうものをねらって船体の、ごめんなさい、船の進行を阻止するという目的を成就させ、そして検査を行うという段取りになるのでございます。
○井上哲士君 いろいろ言われましたけれども、しかし結果としてその相手の船舶が沈没するというようなことも、そういう形の武器使用も結果としてはあり得るんだということでありました。先ほど海上保安庁のことも言われましたけれども、実際、自衛艦の艦船の武器装備に照らしますと、言わば武力行使とみなし得るようなことが可能になってくるわけですね。問題は、こうした行動が一体何によって裏付けられているのかと。 周辺事態法のときにも船舶検査法というのがありましたけれども、あれは安保理決議又は旗国の同意に基づきということになっておりました。本法ではこの安保理決議、旗国の同意、これは必要になっているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 自衛権の行使に伴うものでございますので、それがマストというものではございません。必要だというふうには判断をいたしておりません。 また、今、委員が今、武力の行使になるじゃないかという御指摘をいただきましたが、私ども、逆にお教えをいただきたいのですが、なぜ、どういう場合が武力の行使に当たり得るというふうに御判断になり、御主張になるのか、ちょっと私、分かりかねますので、御教示をいただければ幸いに存じます。
○井上哲士君 現実に海上自衛隊が公海まで行って相手が、沈没させるような行為までやるということに対して我々は言っているわけであります。 今、結局これまでの中で、敵国の領域に隣接した公海まで進出をすることができる、しかもこちら側から武器を使用することもある、相手を沈没させることもあり得ると、こういうものが停船検査の内容として含まれているということであるわけですね。しかも、船舶検査法のような安保理決議も旗国の同意も必要でないと。じゃ、一体なぜこの公海上にある第三国の外国船舶を検査し、規制できるか。その法的根拠というのはどこにあるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは先生、るる申し上げておりますように、自衛権に基づくものでございます。それは、我が国に対する武力攻撃があって、再三再四停船を命じても止まらず、疑うに足りる相当の理由がある船舶が全速力で逃走しているような場合に、それを放置することが本当に我が国の国益にかなうかという実態論から考えてみましても、こういうことを行うなという御主張がちょっと私にはよく理解をいたしかねるところでございます。 そして、それを沈めるということを目的にして射撃を行うことはございません。それは船体、その船体の進行を止めるために射撃を行うのでございまして、撃沈をするために行うものではございません。そういう場合に、これを放置し看過することが、我が国に対して武力攻撃が加えられ、そして何回止まれ止まれと申しましても止まらず、非常に疑いの強い船が全速力で逃走する、それを看過するということが、私は、なぜ適当だというふうに御主張になるのか私にはよく分からないところでございます。
○井上哲士君 公海上における第三国の行為なわけですね。それに対してこうした武力、武器の使用も伴うようなことをやる以上はきちっとしたやはり法的な根拠が必要だと思うんですね。 自衛権に伴うものだと言われますけれども、しかし、その第三国の輸送している船舶それ自体が日本に対して武力行使をしているわけではないわけですね。なぜそれが自衛権行使の対象になるのか、そこをお願いします。
○国務大臣(石破茂君) それは何度も答弁を申し上げておりますが、その第三国に対して自衛権を行使しておるわけではございません。私どもは自衛権の行使に伴う措置を実行しておるのであり、第三国の立場というのは何かといえば、我が国の自衛権に、行使に伴う措置というものを受忍すべき立場にいるということになります。つまり、権利と義務という関係に必ずしも立っておるわけではございません。私どもは、自衛権の行使に伴う措置を合法に行っておるわけでございますし、第三国船舶とすれば、それを受忍すべきものという関係に立っておるわけでございます。 そして、我が国に対して武力攻撃が行使を、武力攻撃が行われている、そしてそのことを行うほかに手段がないという第二要件を満たし、そして必要最小限度にとどまるべきこと、この三つを満たしました場合に、これは自衛権行使の態様といたしまして船舶検査、停船措置というものができるということになるわけでございます。 ですから、これは本当にきちんと確認をしておく必要があると思いますが、私どもは自衛権の行使に伴う措置を行っているのであり、第三国はそれを受忍すべきもの、こういうような関係に立っております。
○井上哲士君 今、自衛権行使の三要件を挙げられたわけですね。 そうなりますと、この第三国による軍事用品、軍事輸送というものが急迫不正の侵害をそれ自体構成をしていると、こういう判断ですか。
○国務大臣(石破茂君) そうではございません。第三国に対して自衛権を行使するわけではございません。
○井上哲士君 いや、しかし、第三国のその船舶に対して行使するわけですね。それは、先ほど来ありましたように、この自衛権行使の三要件に当てはまるのだということになりますと、急迫不正の侵害があるという一つ目の要件にこの船舶がやっている行為が当てはまると、こういうことじゃないんですか。
○国務大臣(石破茂君) 第三国船舶が公海上を航行しておる、非常に疑いが濃い、よって本条による措置を行うというような状況を想定をしましたときに、その公海を航行している船の行為それ自体が我が国に対する急迫不正の侵害という法的な評価を受けるものではございません。
○井上哲士君 ですから、分からないんですよね。ですから、その船の航行自身が急迫不正の侵害を構成しているというんでないのであれば、なぜそこが、それがこの自衛権に伴う行為の対象になるのか、もう一度お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 是非御理解をいただきたいと思いますが、私どもは、自衛権の行使に伴う措置としてこれを行い、その根拠は国連憲章五十一条であり、憲法九条によって当然認められる国家固有の権利としての自衛権でございます。第三国の立場というのは、我が国が適法に行使をし得る、そのような権利、その権利の行使を受忍すべきものという関係に立っております。これはそういうような状況にあります。 我が国に対する急迫不正の武力攻撃が行われており、例えばAという国が我が国に対して急迫不正の武力攻撃を行っておる。第三国、Bの船が、Bという第三国の船がA国に向かってそのようなものを運んでいる。しかし、その運んでいる行為自体が、じゃ急迫不正の侵害なのかといえば、そうではございません。 るる申し上げておりますように、私どもは第三国に対して自衛権を行使しているわけではありません。しかし、自衛権の行使に伴う措置としてやっておるわけでございますし、そのことは国連憲章五十一条からも、日本国憲法第九条からもこれは当然適法なものであるということを申し上げておるわけでございます。
○井上哲士君 それは全く理屈にならないと思うんですよ。現に第三国の輸送している船舶というのは日本に対しては直接の武力行使がない、急迫不正の侵害を構成していないということはお認めになった。ところが、例えば先ほどありましたように、これが船舶検査に従わずに抵抗した場合には武器使用もできる、結果として沈没することもあり得る、こういうことになるわけですね。 先ほど来、自衛権の行使と自衛権に伴うものは違うんだと言われますけれども、じゃ、こういうふうに船舶検査に従わないで、結果として武器を使って沈没までさせた、これは自衛権の行使ということではないんですか。
○国務大臣(石破茂君) いや、先生は先ほどから、沈没させた、沈没させたとおっしゃいますが、実際問題に、必要最小限の措置、そしてまた航行を停止するための措置として沈没をさせるということはまず考えられないということでございます。そのようなことをしても意味がございません。それを沈めないできちんと止めて検査をするというところがまさしくこの法案の意味するところでございます。 また、こちらの方から撃つこともあり得るのだなというような御指摘で、私はあり得るというふうに申し上げました。それは、それを行わなければこの実効性が担保をされないという場合であれば、それは行わなければいけないというものでございます。実効性を担保するというのはそういうものでございます。 私は、先生の問題意識はよく分からないのですが、そういうふうにやることが適法であり、そういうことを行うことが国民の生命、財産あるいは国の独立と平和、これを守るために必要なことであり、適法なことであるというふうに私どもは考えておる次第でございます。そして、この法案を提出をしておるわけでございますが、これが何が不都合というふうにお考えになり、そのような御指摘をなさるのか、ちょっとまだいまひとつ理解しかねますので、御指摘を、御教導をいただければと思います。
○井上哲士君 現に日本に武力を使っていない第三国の船舶に対して日本が武器も使うこともあるということは、その船舶の所属する第三国との関係もあるでしょう。何よりもやっぱり国際的なルールということが守られなくちゃならないと、こういうことを崩すことになるんじゃないかと、こういうことなんですよ。 この法案の外国軍用品等には燃料も入っているわけですね。例えば、周辺事態法、それからテロ特措法、こういうときには、日本が行う武器や弾薬の輸送、そして燃料の提供というのは武力行使と一体のものでないということを言われました。ですから、後方支援をやっても、そうした相手の自衛権などの対象にならないんだと、こういうことをやってきたわけですね。それと矛盾するんじゃないですか。
○国務大臣(石破茂君) 全く矛盾はいたしません。 先ほど来先生御主張のことでどうしても私は理解がいたしかねますのは、このような行為を行うことが国際的なルールなのですね。どの国もこのようなことを行うわけでございます。むしろ、そちらの方がルールなのでございまして、ただ私どもの場合に、国内法上きちんとした根拠規定がなければ、それは当然行うことができません。法治国家でございますから、これは当然のことでございます。国際的なルールに合わせるために国内法整備をしたわけでございまして、そしてまたそういうルールを作ることが必要なのではないかという御指摘ですが、ですから、そういうルールがあるわけです、国際的には。しかし、我が国は、それは自衛権の行使に伴う措置だということでそれを極めて抑制的に抑制的に考えてやっておるわけであります。 そして、我が国はこういうことを行うのだということをきちんと定め、告知をし、第三国船舶に対してもそのようなことを行うよということをきちんと了知せしむるような、そういう仕掛けを作っておるわけでございます。 なお、それにもかかわらず、そういうような疑うに足る相当の理由がある船舶が走っておるというときに、これを見逃すということの方が私はよっぽど害が大きいであろうし、独立主権国家としてそういうことを見逃すというようなことが正当化されるルールというものが私はこの世の中に存在しているとは考えておりません。
○井上哲士君 日本、我が国は憲法において武力の行使という問題について厳しい制限をしてきた。その下で様々な、この間のテロ特措法にしても周辺事態法にしてもあったわけですね。 私は、これまで、今回の法律で、武力行使と後方支援を先ほど来は一体のものでないと、こう言われるわけですけれども、そうすれば、今回の第三国船舶を停船検査するやっぱり法的根拠というのは幾らお聞きしても見えてまいりませんし、正に憲法にも抵触してくる、こういう問題だということを指摘をしておきます。 最後、若干、米軍支援法についてお聞きをしますけれども、第五条で、地方公共団体及び事業者がこの要請に応じるように努めるようにすると、こういう規定がありますけれども、なぜここで事業者を規定をしているんでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) もちろん、地方公共団体だけではなしに関係する事業者にも協力をお願いをしたいということで、事業者も含めて規定をしているわけでございます。
○井上哲士君 自衛隊法の百三条では、防衛出動の際に事業者に対して物資の収用等を命じることができると、こういうふうになっておりますが、では、この防衛出動時以外に、第八十六条で「協力するもの」という規定をされていますけれども、この八十六条で規定されている「協力するもの」というのはどこになっていますでしょうか。
○政府参考人(西川徹矢君) 自衛隊法八十六条の規定でございますが、これは、防衛出動、あるいは防衛施設構築の措置、あるいは治安出動、それから自衛隊の施設等の警護出動、そのほか災害派遣も含めてでございますが、こういうものを命ぜられた自衛隊の部隊等が行動する場合における当該部隊とその当該部隊等に関係のある都道府県知事等関係機関との連絡及び協力について規定しておりまして、これらの自衛隊の部隊等と連絡協調する関係機関と申しますのは、当該部隊等に関係のある都道府県知事、市町村長、それから警察消防機関その他の国又は地方公共団体の機関とされております。 なお、具体的にこれらの関係機関はどこまでの範囲だということにつきましては、これは個々の事態により個別に判断されるべきでございますので、ここで一概に申し上げることは困難かと存じます。
○井上哲士君 今ありましたように、自衛隊の場合は予測事態の段階では事業者に協力させる規定はないわけですね。なぜ、米軍支援に対してだけ事業者に対する協力規定を設けたのか。
○国務大臣(井上喜一君) 正に、武力攻撃事態の準備のために事業者の協力も必要であると判断したためでございます。
○井上哲士君 衆議院の議論で、国の安全自身が危機にある事態だからというような答弁もありましたけれども、それであれば自衛隊の場合にでもこういう事業者の協力規定を置くはずでありまして、私は、今回のこの有事七法案というものが全体として、アメリカに対しての本当に際限のない協力支援をするという、こういう仕組みになっていると、これは大きな問題だということを最後、指摘をいたしまして、質問を終わります。
○小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。 昨日に引き続きまして、昨日はイラクへの多国籍軍の問題、それから米軍支援法の問題をやりましたが、今日はまず、公共施設の利用法案の問題について、まず中心に質問をさせていただきたいと思います。 私、昨日も申し上げましたが、今回の法案、有事法案は、国民保護法案という形でくくられておりますけれども、私は、法案の中身を見ますと、米軍支援法、公共施設利用法案も米軍への支援を定めておるという、大変米軍支援の中身が非常に濃い法律になっているというふうに思います。 そこで、まず私は、九七年に策定されました日米防衛協力の指針、日米ガイドラインと今度の公共施設利用法案の関係についてお尋ねしたいと思います。 日米ガイドラインを見ますと、日本が武力攻撃を受けた場合の後方支援活動として、日米両政府は、後方支援の効率性を向上させ、かつ、各々の能力不足を軽減するよう、中央政府及び地方公共団体が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用しつつ、相互支援を実施する。つまり、日米ガイドラインでは、中央の政府ばかりじゃなくて、地方公共団体や民間、こういうものを米軍の活動の形で支援できるということが定められておりますが、米軍はこのガイドラインに基づきまして、具体的に今度の法案でどういうことを要請してきているのか、このことについてまずお尋ねします。
○政府参考人(増田好平君) お答えいたします。 今度の例えば米軍行動関連措置法案、また特定公共施設利用法案の策定過程に至りまして、同盟国であります米国ともいろいろ協議はいたしておりますけれども、その詳細について公にすることは必ずしも適当ではないというふうに考えております。 それから、もう一点、先生が今御指摘になりました特定公共施設等の利用に関する法律案は米軍のために便宜を図ろうということを主眼とする法律ではございませんで、正に特定公共施設等というところの空域、海域、飛行場、港湾施設、また電波、道路というふうな限られた公共資源が、いわゆる武力攻撃事態等になりますと、そこに国民の保護のための必要性、また自衛隊の行動のための必要性、また当然米軍の行動の必要性もある中で、その利用の調整をいかにして効率的に図るかと。正に優先的に利用させるものがあった場合に、その優先的に利用させるものにいかにしてうまく利用させるかという観点から考えておる法律でございます。
○小泉親司君 私、そういう発言が私は国民に対するごまかしだと思うんですよ。なぜかといったら、今度の公共施設利用法案で提供するのは港湾、飛行場、空域、電波、道路、海域でございます。これが何で国民が、もろもろの者が利用するなんということはあり得ないんですよ。実際にあり得るのは、米軍、自衛隊、国でしょう。だから、米軍のものだというふうに私は言っているのは、別に言われたことを全部否定しているわけじゃございません。ただ、米軍が、これは特定の者として優先権を与えることは先ほどるる御答弁になったことであります。 そこで、私、お尋ねいたしますが、次にお尋ねいたしますが、日本有事の場合の後方支援と違いまして、周辺事態法の方は大変具体的にできております。周辺事態への米軍に対する日本の支援として、施設の利用という形で、「補給等を目的とする米航空機・船舶による自衛隊施設及び民間空港・港湾の使用」、「自衛隊施設及び民間空港・港湾における米国による人員及び物資の積卸しに必要な場所及び保管施設の確保」、「米航空機・船舶による使用のための自衛隊施設及び民間空港・港湾の運用時間の延長」、「米航空機による自衛隊の飛行場の使用」、「訓練・演習区域の提供」、「米軍施設・区域内における事務所・宿泊所等の建設」、こういうのが挙げられている。これは御承知のとおりだというふうに思います。 この周辺事態というのは、これは周辺事態じゃないと提供できないですが、やる施設の利用、この問題では今回の法律と大変類似した項目がある。つまり、港湾や飛行場、こういうものが利用できるような仕組みになっている。こういう問題について、私は、これは今度の法案の中では、この周辺事態の問題としては大変満たされて、合意されているものが満たされているというふうに思いますが、これは防衛庁長官、いかがでございますか。
○政府参考人(増田好平君) 今、先生がお読みになりましたのはガイドラインの付表、別表でございましたか、そこで周辺事態に対応する支援の例というところをお読みになったんだろうと思います。そういう例は確かに周辺事態において念頭にあることは事実でございます。 他方で、今度のいわゆる特定公共施設等の利用法案というものは、正に先ほども申しましたけれども、先生、先ほど米軍のことしかないという御指摘もございましたが、例えば一般論として申しますと、道路というものがあり、そこに住民が避難するという、正に安全なところに避難するケース、そして他方で、その自衛隊なり米軍が戦闘場面に赴くという場合に、そこに競合が起こります。道路は限られております。そこでいかにうまく調整するかという観点から利用の調整を図ろうとするものであります。 また、例えば飛行場につきましても限られておりますので、そこに正に国民の皆さんが避難するために、安全なところに避難するために飛行機が離着陸しなければならない、他方で、戦闘地域に米軍なり自衛隊というものが進出するために飛行場を利用しなければならない、その正に利用の調整をどう図るかという観点から設けられている法律でございます。
○小泉親司君 いや、その法案の仕組みは私も分かっているんですよ。だから、私が言っているのは、それじゃ道路であっちから、あなた方の想定ですよ、あっちから避難民が流れてきた、こっちからは米軍が行く。じゃ、どっちを優先したらその時期はいいだろう。そのときは米軍を優先するということだってあるんでしょう。そんなことをして、そういうことになっちゃうんですよ、こういう議論をやっていたら。米軍だって優先するということはあり得るんだから、私はそのことを今お聞きをしているんでございます。よろしいですか。 そこで私、お尋ねしますが、あのね、そういう話は幾らやってもそんなことは何遍も聞いているから、同じことを繰り返しても仕方ないんで、私時間が四十分しかないんで、あっ、三十分だ。だからね、そういうこと分かっていますから、余り言っても、釈迦に説法とまでは言わないけれども。 今回の法案では、私、港湾、飛行場、道路、空域、海域、電波を米軍に優先的に提供すると。もし地方自治体が拒否した場合については、第九条で総理大臣が国土交通大臣を指揮して港湾、飛行場施設の使用を、私は強権的に行えるようになっていると。つまり、強制的に行えるようになっている。この点についてはなぜこのような規定を置いたのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(増田好平君) 先生が今強権的なということを言われましたけれども、ちょっと御説明させていただきますと、今、先生九条について御質問になりました。九条は港湾施設の利用に関する規定でありまして、それは六条から始まっております。したがいまして、まず第一に、六条に基づきまして港湾の利用指針というものを作るということでございます。その利用指針に沿って、うまくいっている場合にはそれでうまくいくわけでございます。しかし、それでうまくいかない場合には、まず国は要請をいたします。要請でうまくいけばまたそれで終わりでございます。要請でもうまくいかない場合には、内閣総理大臣が指示をするというところがございます。その上で九条が出てまいりまして、その指示にも従っていただかない場合には、内閣総理大臣が直接に執行するということが制度として設けられておるということでございまして、これは昨年成立さしていただきました武力攻撃事態法の十五条の規定の具現化であるということでございます。
○小泉親司君 だから、何遍も申し上げているように、そういう分かっていることを幾ら説明したって駄目なんですよ。それは今あなたが説明したのは法律の案文を言っているだけの話で、それじゃ、あなたは、利用方針を作る、要請する、拒否する、そうしたら指揮を基づいてやるんだと。これは四度目の正直なんだから、四回やるんだから。ということは、四回やるということは、最後は強制的にやると。これ、あなたが実際的に証明したこととこれは同じなんですよ。 だから、私が言っているのは、なぜこのような措置を規定されたんですか、四度目の正直でやらないとやれないようなことをなぜやっているんですかと。あなたが言っているのは、一番目にやったら、ああ、これで結構です。二番目にやったら、できません。そうしたら次のことに進みます。最後は強制的にやると言っておられるんだから、じゃ、なぜ強制措置を取るんですか。その点をお答えください。
○政府参考人(増田好平君) 正に国として、例えば港湾施設の利用に関して、こういうものに優先的に利用させようという判断が行われ、それがうまく確保されないという場合にそれを確保する必要があると。それは何のためかと申しますと、正に国の安全を保つ、また国民の安全を保つという観点から、こういう港湾施設の利用が一番優先されてしかるべきであると判断したことを担保するためでございます。
○小泉親司君 私、後で議論しますが、今回の法案で強制措置を強制的に私、やれるようになっているのは具体的には港湾と飛行場ですね。電波とか空域はこれやられない。これ、なぜそうなっているかといえば、御承知のとおり、ほとんどが国がやれるからなんですね。なぜ飛行場と港湾を置いているかといったら、港湾はほとんどと言っていいほど地方自治、自治体、これが管理しているから。飛行場はほとんどが、まあ大きなところは国ですけれども、小さな飛行場も全部国が利用したい、軍事的に利用したい、そういうふうな私は目的があるから、これはこのような規定を港湾と飛行場だけに置いている、私はこう理解しております。 そこで、私お尋ねしますが、先ほどもこの委員会で議論になったことでありますけれども、兵庫県の神戸市では、御承知のとおり、七五年から神戸方式という形で、核兵器の積載可能艦船につきまして、これは外国艦船全体なんですが、外国艦船について非核証明書なしに入港はさせない、こういうふうな条例を持って方針を貫いておられる。その結果、アメリカ軍の艦船はほとんどと言っていいほど入港しておりません。つまり、アメリカは核兵器をあるなしは絶対に明らかにしない、公表しないという方針を取っておりますので、当然のこととして非核証明を提出しない、だから米艦船は神戸市には入港しておらない。 私は、この日本有事においても核兵器の艦船、特に核兵器の持込みという問題は、たとえ日本有事でもこれは日本には持ち込ませないというふうな不動の方針があるというふうに思いますが、その点、外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるとおりです。
○小泉親司君 いつもはいろいろと反論するんですが、今日は核持込みをしないということですので。 この神戸市の条例は、私は、日本への核を持ち込ませないという非核三原則を非常に実際の問題としてこの点では貫いていると。これは実態論としても、核兵器はいかなる意味でも持ち込ませないというふうな立場を私は非常に実効的に貫いている重要な方式だというふうに思います。 そこで、私がお聞きしたいのは、もしもこの神戸方式で、米軍がどうしても神戸港に入りたいと。それも非核証明なし、これは当然アメリカ軍としては核兵器の有無は公表しないという方針ですから、これは非核証明なしになる。その場合について、これは米軍が何としても入りたいという場合については、こういうふうな場合に一般論としてこの法案第九条が適用されて、総理大臣が国土交通大臣を指揮して神戸市に非核証明なしの米軍の入港を要求する、ないしはそれを実施するというようなことは、実際にこれはあるんですか、ないんですか。これは重要な問題ですから。井上大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(井上喜一君) 神戸市がああいう非核宣言をいたしましたのは、それなりの経緯だとか状況があったと思うのでありますけれども、事は、日本の安全あるいは防衛とか国民生活の保護ということに関しまして、果たしてそういう従来のようなやり方でいいのかどうかということがあると思います。 私は、その神戸市の場合にも、こういう武力攻撃事態等におきます状況判断をして恐らく賢明な対処をされるとは思いますが、万々が一そういうようなことに相ならない場合は、お説のとおりしかるべき手続によりまして適切な措置が取られるというふうに考える次第でございますが、ただその場合にも、私は、これは全く何の問題もないときにこういうことをやるわけじゃないのでありまして、こういう措置が取られる場合にはそれなりのやっぱり緊迫した必要のあるときでございますので、神戸市民もこれは理解をしていただける、そういう措置になると、そんなふうに確信するものでございます。
○小泉親司君 今度のこの今問題になっている九条というのは、まず理解をしてもらうように要請するわけですね。しないときの処置なんですよ、今度のやつは。 だから、私は、それは理解してもらえばそれが一番いいけれども、現実問題として条例で、現実問題として神戸ではこれは非核証明を明確に取るということが条例で決まっておるわけですから、これは当然のこととしてこれは遵守せざるを得ないと。こういう形でこの条例つぶしが私はあっちゃならないと思いますが、その点は大臣いかがでございますか。 そこは、神戸市の非核条例、いわゆる神戸方式と言われるものは最大限これは尊重されるという立場は当然、核艦船の持込み、核兵器の持込みは、艦船の寄港は絶対にならないというのはこれは外務大臣がさっき答弁されましたから、それは当然、神戸市の非核条例は最大限尊重されてしかるべきなんじゃないですか。その点、いかがですか。
○国務大臣(井上喜一君) 正にこの武力攻撃事態あるいは武力攻撃予測事態でありまして、情勢が大変急迫している、緊迫している状況でありまして、その時点におきましてアメリカ軍の艦船の入港を認めるかどうかという判断を迫られるわけでございまして、それは正にそのときの状況におきまして最も適切な判断がされるものと考える次第であります。 どうしてもその条例に触れるというような問題でありますれば、神戸市は神戸市として独自の対応をされるんじゃないかと、私はそんなふうに考えております。
○小泉親司君 私は、この法案の仕組みの第九条、つまり国土交通、総理大臣が国土交通大臣をしてこのような条例をつぶすようなことは絶対あってはならないというふうに思います。その意味で、この九条の仕組みをこの法律が持っているというのは大変私はおかしいと、問題だというふうに思います。 その点でちょっともう少しこの問題について議論させていただきたいと思いますが、この問題については周辺事態のときにもこれは問題になったんですね。そのときに外務大臣が、外務省の外務大臣が見解を出されていて、私もちょうどこれは三月十六日の外交防衛委員会でも外務大臣とやりましたので、外務大臣は覚えているかどうかよく分かりませんが、何と言っているかというと、神戸方式の問題については、この問題については外交関係の処理の問題なんだと、だから神戸がこういうふうな条例を作っているというのは港湾管理者の権能を逸脱するものなんだと、しかも米艦船の日本への民間港への寄港については日米安保条約上も認められているんだと、こういうふうなお話をされてきた。 そして、そうなりますと、別に、周辺事態のときにそういうふうに認められているんなら、別にこんな法律を作る必要は更々ないわけで、日米安保条約上認められているんだったら、これは武力攻撃事態等においても当然これは認められるということになるわけですね。私は、この問題についてはこれは、そうじゃなくて一番の根幹というのは、この武力攻撃予測事態で今度の処置は取られることになっているんですね、それは大臣も、井上大臣も御理解のことだというふうに思いますが。 そこで、私お尋ねしたいのは、今までの政府の見解では、周辺事態と武力攻撃予測事態は併存する場合があるんだと、つまり、アメリカが一方で周辺事態という戦争をやっている、それが今度は日本が武力攻撃予測事態と、これを認定することがあるということになる。そうすると、今度は武力攻撃予測事態というふうに日本が認定することになると、事実上第九条が働くことになる。そうですね。 そうなると、現実問題として、周辺事態で戦っているアメリカの艦船も、これは武力攻撃予測事態と認定した途端にこの九条の発動によって神戸港や様々な港湾に強制的に入れる仕組みがこれはできるというふうに思いますが、この点、井上大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(井上喜一君) 私は、この武力攻撃事態なりあるいは武力攻撃予測事態は、これは正に日本にとりましての有事の事態ですね、異常な事態でありまして、こういう事態におきまして、これは国はもちろんでありますけれども、地方公共団体におきましても、そういう事態に照らして一番賢明な私は対応をされるものと期待をしております。 ですから、今委員がおっしゃるように、すぐに九条が発動してというようなことではなしに、それはそういう場合もあり得ますが、私は、やっぱり状況を皆さん方、関係の皆さん方は賢明に判断をして適切な態度を取られるということを期待いたしますし、恐らくそのようになると思うんでありますが、万々が一そうならない場合には、この九条の規定を発動させていただくと、こういうことに相なるわけでございます。
○小泉親司君 大臣ね、これは極めて重大な答弁されているんですよ。 周辺有事と日本有事、これはどっちも有事という名前があるから同じ有事だと思ったら、これは間違いなんですよ。周辺有事というのは日本有事と関係ないんですから。日本有事は日本有事なんです。だから、様々な処置も様々に区分けされてきているでしょう。そうでしょう。それはお分かりじゃないですか。あなたと私がこの前、参議院予算委員会でやったときも、弾薬の提供の問題についても周辺事態と、日本有事とは違うんだと。だから、あなたは何て答弁されたかというと、日米調整メカニズムで調整するから大丈夫なんだと言ってきた。 ところが、あなた、今の発言は、じゃ周辺有事と日本有事が一緒だと、全部理解してくれると、だから、それは当然のことですと、周辺有事においても第九条を適用してこれやるんだという御答弁だということになったら、これは重大ですよ。今あなた、そうおっしゃったんですよ。どうですか。
○国務大臣(井上喜一君) まあ私の言っていることをそのまま御理解をいただきたいと思うんでありまして、私が言っておりますのは、これは日本の有事、武力攻撃事態とか武力攻撃予測事態を特定をして言っているわけでありまして、そういう事態に照らせば関係地方公共団体は適切な判断をされるものと私は期待しておりますし、恐らくそうなると思うんであります。 したがいまして、九条も発動は万々が一ありますが、それに至るというような場合は、それは至るかも分かりませんけれども、私は極力そういうことにならないような形で適切なる対応がなされるものと期待をいたしているものでございます。
○小泉親司君 私は大臣の御答弁をそのまま理解しております。 その上で御質問いたしますが、周辺事態と武力攻撃予測事態が併存する場合がある、これはもう政府の答弁でございます。その場合でも、それじゃ武力攻撃予測事態と認定した場合については九条の適用がそれはあると、こう今おっしゃっているんですが、そのとおりでございますね。
○政府参考人(増田好平君) 法律の適用の問題でありますので、私からお答えさせていただきます。 この特定公共施設利用法案のカバーしている範囲は、法案でいいますところの二条二項で定義をしております。対処措置等という概念を設けております。 その中で、今先生の御下問の観点でいいますと、その「「対処措置等」とは、」というところで、対処措置、対処基本方針が定められてから廃止されるまでの間に武力攻撃事態等を終結させるためにその推移に応じてアメリカ合衆国の軍隊が実施する日米安保条約に従って我が国に対する武力攻撃を排除するために必要な行動、これが対処措置等の中身でございます。 したがって、正にこういう活動、こういう行動のカバーされているものがこの法律の仕組みの対象になるということでございます。
○小泉親司君 ということは、武力攻撃予測事態において、この一連の六条からの処置はないということなんですか。
○政府参考人(増田好平君) いや、私が申し上げておりますのは、我が国に対する武力攻撃を排除するために必要な行動、そのために必要な準備の行動も入るわけでございます。したがって、予測事態も入ります。
○小泉親司君 ごまかしちゃ駄目なんだと言っている。 私が言っているのは、武力攻撃予測事態においてもあなたが説明した六条から九条までのことはやるんだろうと言っているんですよ。やるんでしょう。やらないんですか。
○政府参考人(増田好平君) 六条から九条までに基づく措置は、武力攻撃予測事態においても適用になります。
○小泉親司君 だから、私はそのことを聞いているんです。武力攻撃予測事態においても九条の処置がある。そのときに周辺事態と併存することがある。そのときにどういうふうに切り分けするのかと。そんな切り分けができるのかと、大臣、聞いているんですよ。 そうなったら、周辺事態と併存していたら、例えば周辺事態で戦った、戦っている船がある日本の港に来る。例えば神戸港に来る。そういうときに九条をどんと適用する、そして地方公共団体の長にそういうことを従わせる、そういうことも可能になるじゃないかと、こういうことを聞いているんです。これは法案の解釈じゃなくて、重大な政治問題です。だから、私は、大臣にその点、明確にしていただきたい。
○国務大臣(井上喜一君) これは、先般の予算委員会の、参議院の予算委員会におきまして御答弁いたしたことと全く同じでありまして、そこは、事態の認識、認定というのは全くこれ別の法律でやるわけでございまして、確かに両者が併存する場合がありますけれども、これは事態が全く違うわけでありますし、またそういう事態の中で、これは米軍等の関係でいえばいろんな物品とか役務の提供がございます。それは、正にこの日本の法律に基づいて、今審議をしていただいております法律の規定に基づいてこれ実施するわけでありますし、アメリカの方は今度改定に係るACSAの方でそういう物品役務を受け取るということでありまして、こういったことは正に調整メカニズムの中できちっと調整をされて実施をされていくと、そういうことを申し上げたわけでございますけれども、正に今回も同じことを申し上げたいと思います。
○小泉親司君 あなたは、事態が違う、それから日米調整メカニズム、これ繰り返し言っておられるんですよ。いいですか。 ところが、弾薬の問題はなかなか難しい問題あるけれども、今度の問題というのは施設の利用ですから、そうなってくると、例えば船、米軍艦船が入ってくる。これは周辺事態用の船ですよ、だからこれは武力攻撃予測事態には認められませんよと、この船は武力攻撃予測事態用の船ですか、そういうふうな切り分けしなくちゃできなくなっちゃうんですよ、大臣。そんな、私は、ごまかしの日米調整メカニズムで調整するなんという、私は、こんなでたらめな解釈は私はないと、こういうふうに思いますが、大臣、そんな切り分けがあなたは本当に可能だと、本当に可能だというふうに思っているんですか。
○国務大臣(井上喜一君) 正に港湾の利用調整というのは、武力攻撃事態あるいは武力攻撃予測事態に即してといいますか、それを前提に調整をするものでございます。周辺事態、そのために調整をするものではないということは、これはもう明確になっているわけであります。
○小泉親司君 私はこの問題は引き続きこれやりますが、これは周辺事態と武力攻撃予測事態が本当に併存したときにどうなるのかと。この問題についてはちゃんとあなた方十分なこれ整理を、あなた方の論理からしたって整理しなくちゃおかしいんですよ。一方は戦争をやっているんですから。一方はこれから戦争、攻撃される。あなた方の論理からしてもそういうふうな仕組みなんですから、この点では私はこれは納得いかないことを申し上げて、特に今度の法律はこういうふうな処置を通じて地方の自治権を大変侵害すると。 これは、例えば港湾法でいきますと、港湾管理者はほとんど地方自治体ですから、それに対して国がやると。これは地方の、港湾法という仕組みは、御承知のとおり、元々中央集権制を排すということで、地方自治体の権限、これへ移譲するということを最も重要なねらいとして作った法律なんですね。だから、今回、あなた方はこの港湾法を改正しないでどういう形でやったかというと、国の権限を強化することによって、事実上、港湾法を私は形骸化してやる仕組みにしたと。これは、この点でも私は重大な問題だということを指摘して、引き続きこの問題については、私、やります。 時間もありませんから、もう一つ、今度の法律及び武力攻撃事態法で、これは国民ないしは公務員に対して罰則を付けておりますけれども、この罰則は一体、全体として何件、具体的にはどのようなものがあるのか。時間がありませんから、完結にお答え願いたい。
○政府参考人(増田好平君) では、まず最初に内閣官房から出しております法律について申し上げます。 まず、国民保護法案では、一つ、原子炉等に係る武力攻撃災害の発生等の防止のための措置命令違反、二つ、特定物資の保管命令違反、三つ、交通規制に対する違反等について、災害対策基本法などの現行法と同様の罰則を科すこととしており、これにより、国民の保護のための措置の円滑な履行を担保することとしております。 二つ目は、米軍行動関連措置法案におきまして、合衆国軍隊の用に供するために行う土地等の使用に係る立入検査の拒否について罰則を設けております。また、特定公共施設利用法案では、船舶の航行制限に対する違反について罰則を設けております。
○政府参考人(飯原一樹君) 防衛庁提出三法案の中で、海上輸送規制法案におきまして、審判所による証拠の取調べにおいて宣誓した参考人等が虚偽の陳述をした場合の罰則、及び捕虜取扱法案におきまして、敵国衛生要員等が行う医療活動に関する守秘義務違反に関する罰則を設けております。
○小泉親司君 私、資料をいただきましたが、これ全部で二十二件あるんですね、国民への罰則。公務員も入りますけれども、罰則がある。この二十二項目の問題は、私、元々、これらの問題質問すると、いや、国民には自発的な協力を望むんだと、しかし、十分に担保されない場合、効果性がない場合があるので一応罰則で担保しているんだというような御答弁なんですが、私は、こういうふうな形で国民に罰則を付けるというのは非常に重大な問題だというふうに思います。 そこで、時間がないのでちょっと飛びますが、私、自衛隊法の百三条の問題、これはもう既に罰則措置ができている問題でありますけれども、この自衛隊法百三条は、例えば物資の保管命令、物資の収用、施設の管理、土地の使用、こういう問題がありまして、これは防衛庁長官もよく御存じのところですが、これも憲法上いろいろと議論があった。これは、御承知のとおり百三条は、一九五六年でしたか、自衛隊法ができたときに、百三条ができたときにもこれは政令ができなかった。なぜ政令ができなかったかというと、いろんな罰則をめぐって古来様々な議論があった。 今回は、問題は、私はこういった物資の収用、施設の管理、土地の使用、それから国民への従事命令、こういうものについては、やはり財産権を侵害したり国民の基本的人権を侵害するという点で私は、憲法上認められないというふうに私は思いますが、こういう点について、防衛庁長官になるのか井上大臣なのか分かりませんが、この点について、私は憲法上重大な問題があるというふうに思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(石破茂君) これ、昨年も議論があったところでございます。逆に、例えば業務従事命令違反に対して罰則を掛けていない、この点はどうなんだと、災害の場合と比べてどうなんだという議論も他方においてございました。 私は、こういうものに罰則を付けるということ自体が憲法の規定に反するものだというふうには考えておりません。その罰則を科する場合も、先ほど来政府参考人から答弁がありましたように、極めて限定した場合に限っておるものでございます。私は、自衛隊の関係について申し上げましても、非常に限定的に抑制的に行っておるものでございまして、憲法に抵触するものとは考えておりません。
○小泉親司君 私は、防衛庁長官が昔は徴兵制は合憲だと言っていた方ですから、さしてあれなんだというふうに思いますが、私は、従事命令の問題については、これは憲法上重大な問題だと。 例えば、八一年の四月二十七日の参議院の安保委員会で、これは当時の夏目春雄防衛局長、「憲法につきましては、確かにこうした問題について罰則を設けるということは国民の権利義務というものに非常に重大な影響があるということが一つあろうかと思います。そういったことも私どもの念頭にあったことは事実でございます。」ということで、言わば国民への従事命令の問題については罰則を設けないということにしたんだというふうに述べられている。 同時に、これまで防衛二法の、自衛隊法の議論の中でも、百三条の、これは宮崎さんという、当時法規班長をやっていた方が論文書いておりまして、その論文の中で、百三条の制定の際、災害救助と異なり、防衛目的のための従事命令に違反する者に刑罰を科することが、日本国憲法第十八条、苦役の禁止、第三十一条、正当な手続に関連し可能であるか否かの問題については結論に至らなかったんだという議論をされている。 私は、法制局長官、わざわざ今日お出ましいただいて、昨日は多国籍軍でやりましたが、今日はこの憲法上の従事命令の問題、この点については、長官は、これ憲法上の問題ですから、従事命令は憲法上認められるという、への罰則処置は認められるという御見解なんですか。
○政府特別補佐人(秋山收君) ただいまの御指摘の問題につきましては、従来、内閣法制局としてこれに罰則を設けることを前提とした法案の審査を行ったことはございませんので、明確に白、黒ということをここで申し上げることは難しいのでございますが、したがいまして、一般論として申し上げるほかないのでございますけれども、このような問題は、公共の福祉の観点から私人の権利に対して制約を課すことがどの範囲で許されるかという問題に帰着するものでありまして、制約を課すことにより達成される公共の福祉の内容、あるいは罰則を設ける必要性の有無、それから私人の権利の保護の必要性など、総合的に勘案した上で、憲法との関係を慎重に検討すべき問題であると考えます。
○小泉親司君 防衛庁長官は、いや、憲法上認められると言っておいて、法制局長官は、いや、それは慎重な問題だと、どっちが政府の見解なんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは私の答弁と法制局長官の答弁は何も食い違っておるものではございませんので、どちらも政府の見解でございます。
○小泉親司君 どこが違わないんですか、教えてください。
○国務大臣(石破茂君) いや、ですから、憲法上問題があるかどうか。先生のお尋ねは意に反した苦役なのかどうなのかということについてのお尋ねなんだろうと思います。 いずれにいたしましても、法制局長官が先ほど答弁をいたしましたのは、恐らく私の理解におきましては、そのことについて罰則を設けるかどうかということ、実際に罰則はないわけでございますから、そのことについて、私どもこれは罰則をもって強制をするものではない、その実効性を担保するものではない、これは去年も答弁をしたと思いますけれども、そのほかのことによってその実効性は担保され得るのだ、それは代替性とか、そういうようなことを随分と私、昨年答弁したような気がいたします。そのことについて議論をしておるわけでもございませんし、罰則を加えているものでもございません。私は罰則を加えることが合憲だということを申し上げておるわけでもないのでございます。 したがいまして、私と法制局長官の答弁は、だれがどのように考えられたといたしましても矛盾をするものではございません。
○小泉親司君 あなたはさっき憲法上認められると言ったじゃないですか。問題ないと言ったじゃないですか。あなた問題ないと言いましたよ、憲法上。これはそういうごまかしの答弁やっちゃ駄目ですよ。私は、この点では──いいですよ、もう時間ないから。いや、私の発言時間ぐらい下さいよ。もう時間が来ていると言っているんだから。 私は、こういう国民の権利を侵害する中身がいろんな法案に盛り込まれている、特に罰則処置の問題については、我々もこれからこの問題については具体的な、更に具体的な問題としてやりますが、こういうやはり憲法上の重大な問題を含んでいるこういう法案は、我々は絶対に認めるわけにはまいりません。 このことを申し上げて、私の質問を終わります。
○三浦一水君 自民党の三浦一水でございます。 幾つか今日は質問をさせていただきたいと思いますが、まず、大変残念でございましたが、イラクのアブグレイブ収容所、ほかにもあったようでございますが、いずれにしましても、捕虜の虐待という事件が起きてしまったわけであります。それは、我が同盟国の米軍によるもの、あるいは一部はイギリスということであったわけでございますが、誠に残念な思いがいたします。 その事件の概要について、まず確認をしたいと思います。
○政府参考人(堂道秀明君) お答え申し上げます。 四月二十八日でございますけれども、米国のCBSテレビは、米兵が拘束した複数のイラク人男性を虐待する写真を放映しております。これに対しまして、ブッシュ米大統領は四月の三十日に、イラク人拘束者の取り扱われ方に対し深い嫌悪感を共有する旨発言し、その後、本件の真相解明を指示しております。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 米国としても本件虐待事件を深刻に受け止め、ブッシュ大統領自身が謝罪を行い、引き続き調査を行うとともに、軍事法廷での訴追など、関係者の処罰及び再発防止などに着手していると承知しております。 これまでに七名が訴追されまして、五月十九日の軍法会議におきましては、今回の事件の中で、虐待、勾留者に対する不適切な取扱いなどがなされたことを前提に、米兵一名に対し有罪判決が下されております。我が国としましては、引き続き米側において適切な措置が取られることを期待しております。 また、五月の二十四日でございますけれども、ブッシュ大統領は、米陸軍戦争大学における演説におきまして、アブグレイブは前政権の拷問のシンボルであったけれども、米国の価値を無視し、米国の誇りを汚した米軍兵士の不名誉なシンボルともなった、米国は現代的な重警備刑務所の建設のための費用を提供する、その刑務所が完成されれば、イラク政府の承認の下ではありますけれども、アブグレイブ刑務所を破壊すると発言しております。
○三浦一水君 阿部副大臣に御出席いただいておりますが、ちょっとお尋ねをしたいと思います。 誠にこの事件は、我が国が今イラクの復興支援に精力を尽くしているという状況の中で同盟国としても誠に遺憾である、我が国の名誉をも傷付けるものではないかと私は考えます。今正に、そして我々はこの有事法制を整備をし、そしてジュネーブ条約に基づきましてこの捕虜の扱いに関する法制をも整備しているさなかであります。なおさらであると思います。 五月の六日、小泉総理は極めて遺憾とのコメントを出されているようでありますし、また翌日には米国大使への抗議もなされたというように聞いておりますが、その内容について副大臣、お聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) お答え申し上げます。 今、先生がおっしゃられたとおり、局長からお話がありましたような概要の中で、我が国としても遺憾の意を表明し、総理の談話も出し、かつ外相会談等におきまして、そうしたことについてきっちりした対応を取ってもらいたいというようなこともお話ししたり、様々なルートを通じて私どもの、日本政府の考え方を米国にお伝えし、厳正に対処されるものというふうに考えております。
○三浦一水君 副大臣に引き続きお尋ねをしたいと思いますし、後で石破防衛長官にも所感をいただきたいと思いますが、もう全くこの事件は、アラブの方々の感情をも正に逆なでする事件だと、いかに戦った相手であれ、捕虜に対する扱いというものは歴史の中で求められてきているものがあると私は思っております。そういう中にこの問題が引き起こされて、その感情というものは長いパレスチナをめぐる争いの中でもアメリカ人も知るべきだと私は強く思います、その点は。それにもかかわらずこういう事件が起きてしまうというのは、私は、この問題は米国内におかれましても、独り個人の問題として軍法会議、処罰云々で済む話ではないと、道義的に私はそのように考えます。また、本当に米国民が世界の平和を望むとするならば、それはしんから気付くべき問題でもあろうというふうに思います。 その点、政府としましては、どんな、今後その姿勢を持って臨むことが私は必要だと思いますが、後ほど副大臣に所感を賜りたいと思います。 それから、関連しまして、今国会中に国際問題調査会で、いろいろとアラブに関連することに対しまして審査を行ってまいりました。各国の大使をお呼びしたこともございました、参考人として。詳しくは、今日その報告を承認をしましたので、是非御一読をいただければなと、政府の関係の皆様方にもお願いを申し上げたいと思います。 ただ、その中で私が非常に印象的でしたのは、ある大使が申されました、もう歴史を超えて、もう明確に言葉を挙げられましたが、日露戦争以来という言葉を使われました、それ以来、本当にアジアの同胞として日本人には大きな敬意を払ってきたという言葉がありました。そして、アラブの方々の日本人に対する気持ちというものもしっかり受け止めておいてくれという話がありました。なかんずく、パレスチナ問題では、アメリカの同盟国である日本の立場はよく知りながら、日本独自の姿勢をきちっと持ってくれないか、また発言をしてくれないかということが切々とあったことが非常に印象深かったわけであります。 そのような中で、この捕虜の問題についても私はもう一度本当に深く憤りを感じるところでありますが、今後、我が国の独自の姿勢を持って同盟国アメリカに当たるということは非常に大事な点だと思いますが、副大臣の所見をいただきたいと思います。 そしてまた、防衛庁長官に、この問題全体に対して防衛担当大臣としてどのような所感を持たれるか、併せてお伺いをさせていただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) 率直に申し上げまして、私自身の気持ちとしても、ああしたふうな場面を、事実かどうかは別にいたしまして、伝えられたような場面を見ますと、正に嫌悪感を催し、目を背けたくなるような場面が多かったような気もいたします。 〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕 したがって、今のままの状態ですと、やはりアメリカという国やあるいはアメリカ軍の名誉にもかかわる問題にもなるんではないかということをむしろ懸念しておりまして、今先生がおっしゃられたような、アラブ諸国民の言わば日本国民に寄せるまた別途の期待というようなものを十分踏まえた上で、アメリカ軍のあるいは米国の信頼回復というようなことに向けての極めて厳正な対応を求めていくようなことをこれから考えていかなきゃいかぬのじゃないか、そんなふうな感じ方を今持っております。
○三浦一水君 次に、北朝鮮の問題につきまして幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。 私は、ちょうどもう六年前でありますが、九八年の三月に自民党の食糧事情調査団の一員として訪朝させていただきました。そのとき二つの印象を持ちました。 一つは、もう全く本当に申し訳ないぐらい疲弊した国だなという印象であります。 ちょうど水害が二年、その当時の二年前と三年前に起こっておりました。その災害地の視察をいたしました。見渡す限りでありますから、その広さというのは、私の郷里の八代平野五千ヘクタールに似たものがありました。その見渡す限りの水田、農地が二年ないしは三年前の水害で全く石ころだらけの圃場になってしまい、その様子が、一切復旧をその二年ないしは三年間されていないという現状を目の当たりにしたわけであります。 平壌の町が暗かった、車を走らせる石油がない、高速道路を三時間走っても擦れ違った車は十台以下というような状況からも、それから、農村に行って我々の支援米がどのような配給をされているか、様々な状況を見させていただきました。 しかし、もう本当に疲弊した国だなという思いを率直に持たざるを得ない、国の体制はともかくとして。そこで本当に、家の片隅から、家の陰から外国人だとて、ちらっと見られる子供さん方の顔が出たり引っ込んだりしておりました。その表情を見るにつけ、やはり一日も早くこの国には世界の正常な一員として復帰をしてもらう、そのことのために我が国は何をできるのかということを強く感じたところであります。 一方で、私は、中華人民共和国に一九七九年、八〇年前後を通しまして四年、ビジネスをしたり留学をしたりしておりました。ついついその同じ共産体制の国と比較をしてしまうんですが、意外と、行ってみて、人口のその差のとおり小さい国だなということをもう一つの印象として持ちました。 二千二百とも二千三百万とも言われております。中国の十三億あるいは十四億という数字からしますと六十分の一と言えるものです。この国があれだけ想像を上回る形で、この二十年間、中国は発展をしてきました。だれも、我々ビジネスマンとして、十五年前、二十年前、今の発展ぶりというのは想像することができませんでした。本社に対してはこれからのマーケットだと、香港にいながら随分言いました。うそも言いました。オーバーな表現もしました。しかし、これほどの状況になるということはだれも想像ができなかった。 それはやっぱり、真っ当な、鎖国状態を解いて海外との経済交流をつとに努められた結果であろうと思っております。そのことが北朝鮮に起きるならばどうなるんだろうかなということを率直に思いました。コンパクトがゆえに、よりその発展の速度は下手すると速いんじゃないか。我が国がもしその中で協調できる面があるとしたら、対中に対するものよりはもっと大きな効果も期待できるんではないかな、そんな感じを率直に持ってまいりました。 副大臣はそのような点についてはどういうお考えをお持ちか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) 私自身、そういう現場を見ていませんので、先生のまた見た感じと違うと思いますけれども、やはり疲弊の度合いといいましょうか、というものは相当なものだというふうに感じております。 私ども、なかなかああいう国柄ですから、実態をきちんと掌握し、かつテレビその他で見るというのはなかなか機会がないわけでございますけれども、この間、非常に正にヨシの髄から天井を見ているみたいな話ですけれども、総理が平壌に行きましたときに、我が国のマスコミの方々もテレビも入りました。そのときに町の様子などもちらっと映りましたよね。やはり相当貧しいなという、それに映る市民の服装、言わば整然とマスゲームのような形でやっている風景とまた違いまして、非常に何かこう疲弊しているといいましょうか、貧しさだけではなくて、少し緩んでいるかなというか、場合によっちゃ若者なんかも日本の若者の服装とある意味じゃ似ているような、少し風紀が乱れ、風紀と言うとオーバーでございますが、いうふうな、非常に全体として疲れておる国になっているんじゃないかというふうな印象を強く受けた次第でございます。 その他の詳細、もしデータその他予測数値、ちょっと手元にありませんので申し上げかねますけれども、そういう意味でのいろんな意味での人道支援その他も国際的にも行われておるような状況にあると、そういうふうなことも当然に行われなきゃいかぬような状況にあるのではないかということを容易に察せられる状況ではないかと、こんなふうに思っております。
○三浦一水君 私は、即この状況をして人道支援に結び付けるべき話をしているわけでもありませんが、できるだけ近い将来にそういう正常な関係を築く必要がある、それが国際社会としても非常に期待されるところではないかという点で申し上げさせていただきました。 今回の総理の訪朝の意義についてお尋ねをしたいと思いますが、その前に、本当に曽我さんの家族を思いやる気持ち、あるいは曽我さんと同様に誠に厳しい北朝鮮の中での、環境の中で二十数年間生き抜いてこられたそのほかの拉致被害者の方々の心情、あるいはまた十名もの安否不明者の方々、その中には我が郷里熊本の松木さんもいらっしゃるわけでありまして、そういう方々、あるいはその家族の方々の心情を思いますときに、どうしてもやっぱり、私もそうでありますが、国民のみんながこの結果にはまだ重たいものを残しているという状況ではないかというふうに思います。 今回の、そういう意味におきまして、副大臣にお尋ねしたいと思いますが、今回の訪朝で足りなかったものがあるとすれば、副大臣の御認識はどういうものでありましょうか。ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) 今回の総理の訪朝ということによって、国交正常化交渉が前回でのことでその扉が開き、それに一歩踏み込んで、また最大限の成果を得ようと思って努力された結果だというふうに思っておりますし、今先生の挙げられた家族の帰国、あるいは残された曽我ひとみさんの御家族の方々のできるだけ早い再会というようなものもこれからの課題だと思いますし、同時に、先生の挙げられたいわゆる不明者についての調査についても、白紙に戻して一生懸命やると、こういうふうに言っておりますけれども、まだ実行がこれからでございますし、この辺についてのフォロー及び場合によっては日本からも必要な人員を送って調査を実行に移すというふうなことの段取り、そういったもので、足りないものといいましょうか、むしろ交渉の途中だと思っていますので、現在のものの成果でここが足りないということよりも、これからの対応次第によって成果を上げていくというのが我々の態度じゃなかろうかなと、こんなふうに思っておりますし、そうした結果をうまく出せるかどうかというのがこれからの仕事であり、その後での評価というものは行われてしかるべきなんじゃないかなと、こんなふうに思っております。
○三浦一水君 この点につきましては、特に安否不明の方々につきましての北朝鮮の情報というものは誠に誠実さを欠くものであるということは度々議論をされております。私もそう思います。 それに対して、我が国は百五十の質問項目をもう既に去年の段階で出している。これに一項目たりとも返事がもらえてないと聞いておりますが、それはそのとおりですか、事務方。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。 正に、この安否不明の方々の調査ということで北朝鮮側から当初あった我々に対する報告というのは全く納得がいかないものでございました。そこの疑問点、様々な疑問点を整理したのが百五十項目の我々の質問点でございます。 これにつきましては、御承知のとおり、一昨年の十月、こういう調査結果に対する我々の質問書を出しましたけれども、それ以降、日朝関係が様々な理由で停滞するという中で、督促はしておりましたけれども、今まで回答が来ていなかったというのが状況でございます。
○三浦一水君 これはもう全く不誠実極まりない。私は、こちらの信義も、相手がいかにどんな国であろうが、協議をするということを決めたんであれば、こちらの信義というものは先に守るべきだというふうに考えております。しかしながら、同時の、同等のことは向こうに求めなければいけない、これは基本原則だろうと思います。 そういう中で、この問題が全く進捗をしていないということは、私は、我が国の外務御当局としてもこれは努力がもう一つ足りないんじゃないかと、全体のことは評価しながらもそう思いますので、頑張っていただきたいと思います。 私は、今回の訪朝は基本的な意味においては大変評価すべきものであろうというふうに感じております。また、評価しなければならないというふうに感じております。それは、日朝平壌宣言の基、そもそもが持つ意義の大きさということに基づくわけであり、ただこの一年数か月の間は、私は、どういう行き違いであったかもうその経過は申しませんが、状況としては風前のともしび状態にもうあったという認識をしておりました。 それを今回、いろんな努力があったと思います、それも評価をすべき点だと思います。その中に、総理の再訪朝を果たして、この日朝平壌宣言を生き返らしたという点がまず第一義的に私は大きな評価だというふうに思っております。同時に、この会議のテーブルを更に我々が維持することができたということは同時に大きな評価をしていいことだろうというふうに思っております。 これは私の考えでありますが、政府は、政府自身どのような評価をお持ちか、その点をお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(阿部正俊君) お答えいたします。 今回の総理の訪朝は、正に委員の言われたように、しばらく正直申しまして停滞ぎみだった、いったん開けた扉がもう一回踏み込んで一歩進めたというふうに思っております。 正に、朝鮮半島の安定、我が国と半島との良好な関係を作るために、あるいは我が国自身の安全保障と北東アジア地域の全体の安定と平和に極めて重要な意味を持っていたというふうに思っております。 御指摘のように、日朝双方が日朝平壌宣言を改めて履行していくことを確認するということであり、そのことが我が国の国益に資すると大局的な政治判断によって小泉総理が、御自身が決断し実行されたことによってもたらされたものだというふうに思っております。 拉致問題については御存じのとおりなことでございますし現在も続行中でございますが、ただ同時に、拉致問題と同様に、あるいはそれに劣らず大事なことは核問題等々ではないかというふうに思っております。 今委員が、テーブルを用意したと、用意といいましょうか、それを維持したということを表現されましたけれども、正に核問題は私らにも、生活の実感としては遠いものかもしれませんけれども、非常に大事な、日本の平和と安全保障にとりまして大事だというふうに思っておりますし、その点につきましては、金正日委員長自身から核問題について発言がありまして、朝鮮半島の非核化が最終目的だということ、あるいは凍結は非核化への第一歩だということであり、当然、検証を踏まえるものだというふうな発言があったこと、あるいはそれを前提にして、いわゆる六者会合を通じて核問題の平和的解決に向けての努力をするんだというふうな発言がございまして、そういう意味で一定の前進があったというふうに思っておるし、またこれを六者テーブルの、六者会合のテーブルにきちっとのせていくことも大事だというふうに思っておりまして、せんだって川口大臣が韓国を訪れまして、外交通商部長官あるいは盧武鉉大統領との会談においても以上のようなことを説明し、これらについて韓国も高く評価をし、同じ考え方を持って六者会合の中でその実現を努力していこうというようなことを確認した次第でございます。 また同時に、この会談におきましては、いわゆるミサイルの発射につきましてもモラトリアムの継続を確認したとかいうことがありますし、全体を通じまして我が国の拉致問題を中心とした国益といいましょうか、やらなきゃならぬことということと同時に、やはり北東アジア地域を全体における安全保障関係の改善にも資するものであったというふうに考えておる次第でございます。
○三浦一水君 この平壌宣言の中に、核、ミサイル問題、いわゆる我が国、対日本のみならず世界が注目する項目が含まれていること、これは非常に重大な意義を持つと思っております。それに、我が国独自の外交努力と我が国の力でもって北朝鮮と話し合うテーブルが持てるということが最大の私は意義ではなかろうかというふうに思っております。 それについては大変諸外国も、我々の本当にこれまで試されてきた外交の力、我が国独自の外交の力というものに対しましても非常な注目をしているところであろうと、あるいは期待をしているところであろうと思います。その点は十分意識を持ちながら、今後もお取組をいただきたいというふうに思います。 ただ、中断した話に戻りますが、これが万が一にも我が国の信義上の何か瑕疵によるものであったとするなら、もうそのことは問いませんけれども、私はこういう形で風前のともしび状態になったことの責任は重たいというふうに思っております。これは十分に外務省全体として反省すべきことがあるなら反省をもって、今後はこの協議が真っ正面から進められるような状況をきちっと確保していっていただきたいというふうに思います。 次に、次の質問に入りたいと思いますが、北朝鮮はかつて重大な国際事犯を起こしてまいりました。一つは、八三年のビルマ・ラングーンの爆破事件であろうと思います。韓国の外務部長官を始め二十一名の犠牲者が出ております。また、北朝鮮の工作員でありました金勝一、金賢姫、この両名が実行したということが後ほど明らかになったわけでありますが、百十五名が犠牲になりました大韓航空の爆破事件もございました。そういう中に、時期を前後して我が国の国民を拉致するという事犯も起こったわけであるわけであります。 しかしながら、北朝鮮を見るに当たりまして、その国際事犯につきまして、個人の責任に追い込むことはあっても、北朝鮮が国家としてそれを認めてきたという事実はなかったわけであります。その点におきましては、我が国のこの拉致問題に対しまして、金正日氏自ら認めたということはこれは非常に大きな私はことで、それ自体がことであろうというふうに思います。 一方で、そのためには北朝鮮、いろんな見方がされますが、北朝鮮としても大きな決意を持たなければできないことだと、それほど平壌宣言というものは重大といえば重大であるという受け止めができるんではないかというふうに感じております。 その中で、私は、この北朝鮮が拉致問題を認めた最大の理由は何であったか、お話しいただける範囲で、これは推察にもなるかと思いますが、外務省側からは説明をいただきたいと思います。また、日本側から見て、何が北朝鮮にこのことを認めさせる決め手になったのか、そのことも併せて御説明をいただければと思います。
○副大臣(阿部正俊君) 先方様のことでございますので、私らの方でやはりこれ憶測するわけにいかぬし、それほど重要な情報を持っているわけじゃありませんけれども、先ほど、まず第一に、先生先ほど触れられましたように、現在の疲弊した国情といいましょうか、いうものが一つ背景にあるだろうなというふうに思います。 あともう一つは、リビアの例を持ち出す、と同じだとは言いませんけれども、ああしたふうな意味での、御自分たちの国づくりというものがどういう形で成り立っていくのか、国際社会に参加するというのはどういうことなのか、そのことにつきましても総理が非常に大変熱心に口説かれたような話を聞いておりますけれども、そうしたふうなことも感じながら、国際社会の中での国の在り方というのを考えますときに、今のままではいかないのではないかというふうなことを感じられた上での判断があったのではないかと、こんなふうに思いますし。 それはやはり具体的に、ああいう国柄ですから、直接、総理なり一国の代表が行って直接談判することによって初めて変化を来し得ることだったのではなかろうかというふうに思いますし、一般論でございますが、繰り返しになりますが、先ほど言ったような国際環境の中での国の在り方、それから国情の、疲弊した国情というものが背景にあったのではないかというふうに推察している次第でございます。
○三浦一水君 我が国の誠に残念な拉致、我が国の国民が拉致をされるという問題でありますが、この前、私は息子とテレビを見ながらその話をしておりました。中学校の三年生でありますが、お父さん、ああいう拉致事件を日本人が起こされたら北朝鮮に何か求めてよかったろうたいと熊本弁でそう言いました。求償のことであります。何か求償できる手だてはないのかと、あるいは相手にペナルティーを与える手だては事件としてないのかということを子供なりに聞いたようでありました。私も素人ながらにそう思います。 万が一にでも、国際社会の中にこの我が国に関係ある拉致問題を認定できる手だてがあるのか、あるいはその事件認定によりまして求償できる手だてがあるのか、その点、外務省にお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。 現在のところ、個別の拉致事案、拉致問題について、その存在を認定する国際機関というのは存在していないということで私どもは承知しております。もちろん、これは明らかな拉致問題は国際違反行為、違法行為でございます。 国際的な取組としては、例えば国連の人権委員会がございます。ここは強制的失踪作業部会というのを設けまして、様々の情報をそこできちんと確認する事項、確認するようなことは行っておりますけれども、なかなかにこの拉致問題について国際的にそれを取り締まっていくと、そういう形でのものはございません。
○三浦一水君 ないということであります。ないとするならば、我が国が独自にそれは努力をしていかなければならないことであることは外務省も御認識いただいているところだろうと思います。 対話と圧力、これはもうやっぱりこの両方の手法が要るということであります。それ以外にはないと、他力本願はできないということであります。これは、きちっと我が国としては求めるべきものは求めるという姿勢を決して崩してはならないというふうに思います。 圧力ということでは、しかし私も考えます。我が国独自の圧力もあるだろう。しかし、それにも勝るものはやっぱり日米韓、この三か国の安全保障に基づいた協調であろうというふうに基本的に思います。その点、副大臣の御所見を賜りたいと思いますし、長官、何かその点お話がありましたら、併せてお願い申し上げたいと思いますが。
○副大臣(阿部正俊君) お答え申し上げますが、先生の御指摘のとおりでございまして、先ほど局長から話がありましたけれども、どこか、国際司法何とか裁判所みたいなところへ訴えて何とか解決するというような、だからそういう手はないというのも現実でございますので、やはり我が国として毅然としてやる、要求すべきことは要求し、解決すべきことは解決する姿勢で、堅持していかなきゃいかぬというふうに思っております。 ただ、だから相手、長い交渉でございますので、そのたびごとの成果というだけではなくて、最終的に解決すると、包括的な解決ということが願いだと思っておりますので、一つ一つのことについての判断だけではなくて全体についてどうやっていくのか。そのときには、先生御指摘のとおり、事態の推移に応じて、あるいは交渉ということはお互いの信頼、何がしかの信頼の上に成り立つものでございますので、その信頼を損ねるようなことがあればそれなりの対応を考えるということもまた必要なことではないかと、こんなふうに思っておりますし、その辺は国会、今国会等で様々な言わばツールを御用意いただいたように思っておりますので、そこにつきましても十分頭に入れて毅然とした態度で臨んでいきたいと。 ただいたずらに、いわゆる脅すというようなことだけで交渉は進まないということも確かでございますので、その辺の対応の仕方ということにつきましては慎重に、かつ毅然としてやっていくかと、こんなふうに思っておりますし、先ほど韓国との外相会談等々に触れましたけれども、日米韓の協調といいましょうか、特に最近、私ども、うっかりすると忘れがちなのは韓国の対応ということではないかと思いますが、あの国はまた、正に同胞が、同じ民族が二分された国家でございますので、北朝鮮に寄せる思いというのはまた、私らとまた違ったものであり、それを受ける北朝鮮側の方の反応もまた違ったものではないのかなというふうな期待も持っておりますので、そうしたふうな連携も強化しながら働き掛けていきたいと、こんなふうに思っております。
○国務大臣(石破茂君) 先生の御認識はそのとおりだと思います。対話によって平和的に解決をすべきことであるというのは当然でございますが、圧力のない対話というのは、下手をすると懇願になりかねないというところがあるのだろうと思っております。 それは当然、私どもが北朝鮮に対して侵略行為を行うとかそういうものではございません。専守防衛的に、本当に攻撃が加えられたときに、今回御審議をいただいております有事法制もそうでございます。特定の国を脅威として念頭に置いているわけではございませんが、本年度予算においてお認めをいただきました弾道ミサイル防衛システムもそうであります。仮にそういうような非対称的な脅威というものが迫ってきたときに、それから我が国の独立と平和、国民の生命と財産というものをきちんと守り得るのだということを示しておくということが第一点。 もう一点は、日本とアメリカの間には同盟関係がございます。アメリカと韓国の間にも同盟関係ございます。これは二国間同盟でございます。しかし、日本と韓国の間に何かそういうような関係があるかというと、それはございません。この三か国というものがどのようにして認識を、すべてが一致をするはずはございませんが、どれだけ状況において一致を見、そしてまた政策において一致を見、共同行動する場合において一致を見るかということは常にやっておかなければならないことだと思っております。 私どもとして、当然、北朝鮮を侵略するとかそのようなことはゆめさら考えておるものではございません。しかしながら、何かあったときにきちんとした備えができるという体制を整え、認識において共有をし、そしてまた、行動において同じような認識に基づいて行動ができる体制を整えておく、それが平和的に交渉というものを行い、この地域に平和をもたらす道であるというふうに思っておる次第であります。
○三浦一水君 次に、人道支援に関する問題についてお尋ねをしたいと思います。 数次にわたり北朝鮮に対する人道支援は行われてきました。政府米の支援だけでも、もう九五年ぐらいから以降でも百万トンを超えるぐらいあるんじゃないかというふうに思っております。そういう中で、私もそうでありますが、私も九八年に平壌その他、視察をしてまいりましたときには我が国の支援米の所在も見てまいりましたが、我が国国民の中にこの支援に対してはいろいろ疑念があるわけで、まず、それが、冒頭申しましたような、北朝鮮の本当に国民一人一人にきちっと役立つ形で配給をされているかという問題には非常に疑念が多いようでございます。 その点、これまで外務省としてはどのように確認をされてこられたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。 二〇〇〇年の五十万トンの米の人道支援というのがございました。その際は、二〇〇一年でございますが、九月から国会議員の先生方、そして政府からも参りまして、現地の調査をするということを行いました。国際的にはWFPあるいは国際機関が現地に入って人道支援をしているその中で、正に委員御指摘のとおり、きちんと必要なところに配られているのかどうかということで、いわゆるモニタリングと言っておりますけれども、これをできるだけ綿密に行うということ、これを行っておりますけれども、日本政府が行いました米支援につきましても、WFPと連絡を取りながら協力しながら、日本自身が調査団を送って、そして実際にどういうふうに使われたかというモニタリング調査をし、そのときの調査結果では、全体として所期の目的どおり配給が行われているということが確認されておるというふうに承知しております。
○三浦一水君 WFPの北朝鮮に対する食糧支援の体制があるかと思うんですが、その辺ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。 私がちょっと聞いたのは、自分でしゃべってしまいますけれども、北朝鮮に駐在をされているWFPの職員の中には我が国、日本国の職員はいないと、同時に韓国の方もいないと。これは北朝鮮側が拒否をされるというふうに話を聞いております。しかし、今後、我々は、支援もし協議もする中で、これはこれとして、私は要請をしていくべきじゃなかろうかというふうに思います。それで、そのために手だてが必要であるならば、WFPに対する我が国の支援そのものをやっぱり強めていくということも必要であろうというふうに考えております。 その辺の状況を最後に聞かせていただきまして、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。 正にWFP、現在、北朝鮮内、平壌以外に五か所に事務所を持っておりまして、そして様々のモニタリングあるいは配給を行っているということでございます。その中に、四十七人の国際職員が北朝鮮にWFPの職員として入っておりますけれども、日本人はいないというのは委員御指摘のとおりでございます。 今後、全体といたしましては、WFPの事務所の中には日本人職員が二十名おりますけれども、こうした北朝鮮の中での体制としては、御指摘のとおり日本人はいないという現状の下で、我々は、もちろん全体として、国際機関としてのWFPでございますから、きっちりとしたモニタリングはしてくれることは確信しておりますけれども、そのWFPと日本政府自身が協力していくということも今後必要になってくるというふうに考えております。
○三浦一水君 ありがとうございました。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 各大臣におかれましては、先般の本会議において丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。今日はその質問に関連することを若干お聞きしたいと思います。 まず初めに、石破防衛庁長官に伺います。 海上輸送規制法案に基づいて停船検査を実施する場合には、その実施区域を告示をするという制度になっているかと思います。また、これが武力攻撃事態に際しましたときには、防衛出動をする範囲、これもまた実施区域、活動区域というものを公示するという仕組みになっておりまして、それらのそれぞれの実施区域は必ずしも同一ではないんだろうと思います。特にこの海上輸送規制、これが第三国の船舶を対象にするということがありますことから、その諸外国にもこの地理的範囲について、実施区域については透明性を確保した形で具体的に明らかにしていく必要がある、その理解を得ていく必要があると思います。 この点についての考え方をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 結局のところ、どのようにして定めるのかということでありまして、日本周辺の公海とか、例えばその何々島の周辺とか、そういういい加減なこと、いい加減なことというのは表現が良くないのかもしれませんが、では駄目なんだろうと思っております。 その先生の御趣旨を踏まえて私どもの方で考えてみますに、結局、その東経何度とか北緯何度とか、そういうふうにしてかっちりとした形で定めることが必要なのではないかというふうに私どもとしては考えておるところでございます。 これ、要するに、その地域というものが客観的に第三国から見て明らかに分かるということでなければいけない。やはりそこのところの明確性、客観性というものは要求される。それを担保しようと思いますと、告示される地域というのは、緯度、経度を用いてはっきりと明らかにするという必要があるのではないかと私ども考えておるところでございます。 先生の御指摘の御趣旨は恐らくそういうことではなかろうかというふうに考えておりまして、そのような方向で検討をいたしてまいりたいと考えております。
○山口那津男君 現在、海上自衛隊のそれぞれの地方隊の警備区域というものも、これは各都道府県の範囲とその接点というものを示しながら地域を指定しているわけでありますけれども、これはまあ各都道府県ということでおのずから範囲が分かるということで、これで足りるということでありますが、これを外国にということになりますと、今大臣がおっしゃいましたような緯度、経度、これをきちんと示して、国際的に理解の得られる、そういう範囲の示し方の工夫が必要だろうと思いますので、是非具体的に詰めていただきたいと思います。 さて次に、緊急事態に対処することとなる組織として、典型的なものは自衛隊、海上保安庁あるいは警察、消防も入るかもしれません。それらの組織があるわけでありますけれども、この各機関相互に情報通信システムの互換性がないということが近年訓練を重ねることによって明らかになってきております。例えば警察と自衛隊が共同訓練をしたという場合に、お互いの持っている通信システムが違うものですから、その連絡要員をお互いの部隊の中に出し合って、それで本来自分の持つ通信機材を使って連絡を取り合うと。まあ、国民の常識から見ると非常に迂遠なことをやらざるを得ないというのが現状であります。 これは、長い間共同して作業をするということが、まあ幸いなるかな、必要なかったからかもしれません。ですから各々別々な調達をしてきたということもあるんでしょう。また一方で、これが別なシステムになっていることから、結果的にセキュリティーが確保されるという面もあったかもしれません。 しかし、今後、この緊急事態に的確に対処していくためには、この対処の迅速性を確保すると、あるいは被害を最小化するということを達成するためには、セキュリティーに配慮しつつも、抜本的なシステムの改善というものが必要になろうかと思います。 この点について、井上大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(井上喜一君) 正にお説のとおりでありまして、この各組織ごとのこの連絡体制というのは今御指摘のとおりでございまして、この中央無線、災害の中央無線におきましてもまだ一定のところしかお互いに通じ合わないような状況でありまして、それらを含めまして、したがいまして、一つは各組織ごとですね、今お話しになりましたように自衛隊と警察でありますとか、あるいは国と住民までの縦の体制ですね、こういうもの、両方ですね、私、必要だと思うんであります。 両方とも大変問題があるといいますか、不十分なところでありまして、これから本当に充実に向かって検討していかないといけないと思います。これ、かなりお金も掛かるようでありますので、そんなことも考えながら、整備の方向で検討していかないといけないと、こんなふうに考えております。
○山口那津男君 今御答弁になったところでありますが、これが自衛隊についても陸海空とあるわけですが、それぞれがやはりこの情報通信システムが別々の体系を持っております。ですから、一つの組織の中で言わば縦の通信というものはやりやすいわけでありますが、横の通信というものがなかなか思うようにいかないという問題もあろうかと思います。 そこで、防衛庁長官の方で、この三自衛隊相互の互換性を持ったといいますか、横の連携、縦の連携がうまく取れるようなこの情報通信システムの確立というものについてどのような方向性で臨まれるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員がまさしく先ほど的確に御指摘いただきましたように、今まではそれをやらなくても済んだんだなどという、ある意味夢のような時代があったのだと思います。新しい大綱を今年の末までに作ります。これは国会におきましてもいろんな御議論を賜りたいと思っておりますが、そこにおいて最も重点を入れなきゃいけないことがこの通信ネットワークの整備であり、互換性の確保だと思っております。これをやりませんと、統合運用なんてできるわけない。このお互いの情報伝達というものがきちんと相互に互換性を持ち、陸海空があるいは統幕がきちんと連接をするということがなくて統合運用ができるはずはありません。そしてまた、バックアップ、その全部が連接をするということになりますと、それをバックアップするシステムというものも当然必要になるわけでございますが、このことを私は次期大綱において、防衛力整備において一つの中心的なものに据えていかなければいけないと思っています。 ともすれば正面偏重という御批判もいただきましたが、そうではなくて、これをやらなければ統合運用はできないのだということ、そして防衛庁内で今何が問題であり、これをクリアするためにどのようなものが必要であり、それにはどのようなお金が必要か。今、井上大臣から結構金が掛かるというお話がありました。政府全体としてもそうでありますが、自衛隊におきましてもその辺を明らかにいたしまして、本当に国民の皆様方のために機能する自衛隊というものを実現するために今後とも先生方の御教導をいただきながらやってまいりたいと考えておる次第であります。
○山口那津男君 これまでともすれば正面装備にお金を掛けがちであったということでありました。しかし、これを変えていこうという意欲は誠に当を得ていると私は思います。しかしまた、実際この技術的な進歩というものが著しいものですから、一気にお金を掛けてシステムを確立できればいいんですけれども、やっぱり年次を追って累次にこれを整備していくとなると、全体が整ったころにはもう時代遅れというようなこともないとは限らないわけですね。そういう整備の迅速性ということも含めて、やはりかなり決意を持って予算を投入しなければならないということがあろうかと思いますので、是非その辺も配意していただきたいと思います。 あわせて、今の三自衛隊間の問題は、警察も都道府県警察というふうになっております。また消防の場合は市町村ごとに整備をしているということになりますから、やはり各々相互間に互換性が乏しいということがありますので、是非とも井上大臣にはその大局的な立場からこの整備をお願いしたいというふうに思います。 さて次に、自衛隊の任務というものは、当初自衛隊法が作られたわけでありますけれども、しかし有事に実効的に動けるということにはなっておりませんでした。そして、冷戦下において国際的な任務といいますか、仕事というものも当時は余り見られなかったわけであります。主として国民に親しみやすいものは災害派遣における自衛隊の役割というものが高く評価されてきた時代が長く続いたと思うんですね。しかし、冷戦が終了してからPKO協力活動でありますとか、あるいは国際緊急援助活動でありますとか、自衛隊の国際任務というものが順次追加をされていくという立法過程をたどってまいりまして、そして今この有事法制の整備に至っているわけであります。 この立法的な、時間的な経過はともかくとして、そういうことをたどったことから、いろいろな自衛隊の任務というものが雑則で規定をされたり、あるいは附則にこれが書かれたり、そしてまた重要な分野は個別法がまた別にあるというようなことで、若干国民から見て分かりにくいということもございます。 私はこの主たる任務、あるいは従たる任務、あるいは付随的な任務と、それぞれ軽重、役割の違い、又はそれに対応する組織の在り方というものもそれぞれ異なると思いますので、ここで有事法の整備を契機にして、この自衛隊の任務というものをとらえ直して法体系をむしろ整理統合するということをやるべきではないかと、こう思っておりますけれども、防衛庁長官の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 現状は先生御指摘のとおりであります。 イラクに出しております第一次隊、帰ってまいりました。昨日、番匠群長が私のところへ報告に参り、今日、官房長官、総理にも御報告をしたところでありますが、やはりこの十年間のPKOの積み重ねというものがイラクにおいて評価をされ、今回一人のけが人もなく任務を一次隊が終えたということは、それは偶然でも何でもなく、やはりきちんとした積み重ねがあったのだということ、そして国際的に評価をされるということもこの十年間営々とした積み重ねがあって今日に至っているというお話を番匠一佐がいたしておりましたが、それはそのとおりなのだろうと思っております。 他方、じゃこのいわゆる雑則でずらずらずらっと百条系列で書いてあります、これをどうするんだというお話であります。これが本来任務ではなく付随的任務である、本来の任務を行うにおいて支障のない範囲においてやるものであるというのはおかしいではないか、やはり本来任務にするべきだという御議論がございます。政府内でもいろんな議論はいたしております。その範囲においてはそうだそうだとおっしゃる方もおられるのだろうと思います。政府としてまだ確たる答えを持っているわけでは全くございません。 そうしますと、イメージとして、本来任務の従たる任務なのかなというようなイメージも一部の方から主張される場合があります。整理としてはそういうのも考え方としてあるのだろうと思います。ただ、問題は、法的整備はそれで一つの結論がいずれにせよ出るでしょう。じゃ、それに伴うだけの人員、予算、装備、これをどのようにしていくべきなのかということも併せて議論をしていくことが必要なのだろうと思っております。 国際任務というものをどうすべきかということを議論をいたしますときには、それに伴います人員をどうするか、そしてまた装備をどうするか、じゃ国際任務に専門の部隊というものを設けるべきなのかそうではないのか、じゃ国際任務に合うような装備体系というのを別に持つべきなのかどうなのか、そういうことも全部併せてきちんと議論をしていった上で我が国としての国際任務の在り方というのが出てくるのではないかというふうに私は思っております。 整備の必要性は、私ども多方から、多くの方面から御指摘をいただいておりますが、それどうあるべきかということを今議論をしておるところでございまして、日本として世界のために何をなすべきかという観点から、またいろんな御指導をいただきたいと思っておるところでございます。
○山口那津男君 今のことに関連して、別な側面から、あえて答弁は求めませんけれども、指摘しておきたいことがあります。 武器の使用について、先般、捕虜の取扱法案について、捕虜の再拘束等について新たな武器使用の権限というものが定められたという御答弁をいただきました。これまで武器の使用については、防衛出動の際の武器の使用でありますとか、そのほか治安出動時の警職法の準用に基づく武器の使用でありますとか、あるいは国際任務に伴う武器の使用ですとか、それぞれの範疇というものがありまして、個々の法律には規定ぶりが若干文言が違うということもございます。そういった多種多様な武器使用について、一体前線の自衛隊の隊員がそれをきちんと認識して使い分けられるんだろうか、指揮官は大丈夫なんだろうか、また一般国民から見てどうなんだろうかということが分かりにくくなっているようにも思うわけであります。 この武器の使用についてもいろいろと整理をしていくということも考えるべき課題かと思いますので、併せて御指摘させていただきます。 さて次に、国際人道法を遵守するという観点から、ジュネーブ条約第一追加議定書、これを我が国は締結、発効させるということになるわけでありますが、アメリカは、米国はこれまだ締結していないわけですね。そして、アメリカは日本で活動する場合には日本の国内法を尊重するという義務も負っているということであります。 そういたしますと、イラクで起きた虐待の実態、米軍の実態を見ますと、まあ到底この国際人道法の基礎的な教育を受けているとは思えない結果とも見えるわけであります。そしてまた、我が国で人を拘禁する仕事をする公務員は、例えば特別公務員暴行陵虐罪などの適用もあり得るわけですね。 そういうことで、そのアメリカの言わば条約や法律の体系と、この我が国が作ろうとしている条約、法律の体系とは異なる面があるということでありますから、少なくともこの共同対処をしようとする米軍と我が方、我が国とは共通の認識を持つという必要があろうかと思います。 この点について、外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員が今おっしゃられましたように、我が国に駐留する米軍が我が国の国内法を尊重する義務が一般国際法上あるということでございます。そして、米軍は日米安保条約ですとか地位協定、あるいはジュネーブの諸条約を含む国際人道法等を、これはそこに従って行動するということは当然であろうというふうに考えております。 したがって、そういうことを前提にして申し上げるということでございますけれども、日米安保体制の下で日米間では種々なレベルにおきましての情報交換ですとか連絡が行われているわけでございます。それで、また日米防衛協力のための指針にも書かれておりますが、我が国に対して武力攻撃があった場合に、日米両国は調整メカニズム、これを早期に、この運用を早期に始める、そして整合性を確保しながら共同対処をするということでございます。 こういった観点から、米軍が自衛隊と共同対処を行っている際に国際人道法に違反をするという、調整メカニズムでいろいろ対処をしながら行動しているということでございますので、人道法に、国際人道法に違反する行為をするということは想定をしていない、想定されないということでございます。 そのような前提の下であえて申し上げるということでございますけれども、一般論としまして、我が国政府としては、これは米軍を含む米国政府に対して必要なことはこれはきちんと言っていくということは当然のことであると考えております。
○山口那津男君 今の御答弁には満足できませんけれども、時間もありますから、次の質問に移りたいと思います。 イラクの派遣について、今、多国籍軍の新たな枠組みを作ろうということが国連で協議されていると伺っておりますけれども、この多国籍軍が主権移譲後どのようなものになるのか、そして、これに我が自衛隊が参加をしていくとすればどのような方針で臨むのかということを、基本的な考え方、これをまずお伺いしたいと思います。外務大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今、イラクの政治プロセスについては、国連の決議の議論がなされていますし、ブラヒミ特別顧問が大統領等を指名をしたということでございます。そういった中で、今後の暫定政府の在り方、これについては我が国としても非常に関心を持っているわけでございます。 我が国として、これはまずイラク特措法の範囲内で人道復興支援活動を中心にした活動を維持するということで、今、最善の努力を行っております。 今の時点で、自衛隊の位置付けについては、これは多国籍軍との関係も含めまして確定的なことを申し上げるという段階にはないということでございますけれども、統治権限の移譲後も我が国の自衛隊がそういった活動をするということは大事なことでありますので、現在、こういった立場から、国連関係者あるいは関係国の政府、そういったところと随時協議を行っているところでございます。 何らかの確定的なことを今申し上げるということはできないということです。
○山口那津男君 今のような方針でもし国連決議ができ上がるということになれば、イラクの特別措置法というものは国連決議、従来の国連決議を基にして人道復興支援活動を盛り込んだ内容になっているわけでありますから、私は、新たな法律を作らずとも、それを生かした形で活動を継続できるんではないかと、今そういう感想を持ちましたけれども、いずれにしても、明確な形が出てから議論を詰めるべきであるということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○大田昌秀君 大田でございます。 二、三、通告はしてございませんけれども、ごく基本的なことで、特に今日の質疑応答と関連することでございますので、お許しいただきたいと思います。 今回議題となっています有事関連七法案と三条約、協定は、文章にしますと約六百ページ余り、字数にして四十万字ほどと言われておりますが、関連する文書類を合わせますと一千ページを超える、しかも六十万字を数えると言われておりますが、これだけの膨大な量の法案を短期間に読んで理解するというのは非常に至難な業だと私は思います。 私も努力してみましたが、正直に申し上げて、まだ十分に読み終えていないというのが実態ですが、三大臣、大変お忙しい方々ですが、この法案を読み通すお時間がございましたでしょうか。それぞれから簡潔にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(井上喜一君) 読みの深さということもあるいは関連あるのか分かりませんけれども、所管の大臣といたしまして一通りは全部目を通させていただきました。
○国務大臣(石破茂君) 条文は一通り全部読んでおります。 あとは、大体これ、読みましても字面だけ読んだのでは分からないことがございますので、当庁の中で、いつごろからでしょうか、二月ごろからでしょうか、今年初めからでしょうか、勉強会はいたしました。私の勉強会だけで恐らく三十時間ぐらいは使っておろうかと思っております。
○大田昌秀君 外務大臣、お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 私の担当の条約のところはきちんと勉強をいたしておりまして、頭に入っているつもりでございます。 ほかの部分については、関係があるところを中心に説明を聞きながら理解をし、そこの部分について読んだということでございます。
○大田昌秀君 なぜこういう御質問をするかと申しますと、改めて指摘するまでもなくて、これらの法案が戦争にかかわる法案でありまして、国民の生命、財産、人権の保護等の問題と極めて結び付いているからでございます。それだけに十分な時間を掛けて慎重に審議する必要がありますが、国会での審議を見ておりますと、残念ながら国民に十分に理解されるような形にはなっていないように私は恐れております。 これらの法案については、国内の憲法学者八十名が連名で反対のアピールを出しているだけでなく、去る五月十二日には日本弁護士連合会が、人権と民主主義にかかわる重要な法案が十分な国民的論議の時間を保障されることなく次々に国会に提出される事態は極めて異常と批判しています。 井上大臣はこのような批判に対してどう対応なさるおつもりでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) いろんな見方があるかも分かりませんけれども、この国民保護法案が俎上に上り掛けましたのはいわゆる武力攻撃事態対処法来でございます。その対処法の審議の過程で国民保護法案が必要だという議論がなされてまいりましたし、その武力攻撃事態対処法の成立後は知事会等の間におきまして、その概要でありますとかあるいは要旨というような形にまとめまして、その都度発表してまいりまして、細かい各条文は別にいたしまして、大体、物の基本の考え方につきましては一般にお知らせをしてきた、一般に勉強しようと希望されるならば勉強できるような状況にしてきたと私どもは考えているわけでありまして、日本を守ることですね、武力攻撃があるかも分からない、あるいは緊急事態が起こるかも分からない、これに対するこの対応を考えておかないといけないと、こういう考え方を理解をしていただけるならば、私どもが今提出しておりますこの法律案等につきましても御理解いただけるものじゃないかと思うんでありますけれども、そこのところが、つまり、何にも備えがない、その法律で何にも規定しない方が日本を守るんだというようなお考えの方も一部おられるわけです。 だから、そういう考えに立ちますと、それはいろんな意見が出るんだろうと思うんでありますが、極めて常識的な考え方に立つならば、細部にわたりましては多少意見の違うことがあるかも分かりませんけれども、大筋におきましては私どもが考えておりますことは御理解をいただけるんじゃないかなと、そんなふうに考えております。
○大田昌秀君 一般の人がいろいろと批判するのはあらゆる問題で起こるわけなんですが、この場合、憲法学者たちが批判、反対のアピールをするということはただ事ではないと思われますので、その辺は是非御記憶に留めていただきたいと思います。 改めて申し上げるまでもなく、日本国憲法は恒久平和を基本的理念として、武力による威嚇又は武力の行使を永久に放棄し、国の交戦権は、これを認めないとうたっています。言い換えますと、我が国は戦争のできない国と国の内外で認知されて半世紀以上たっているわけですが、今回の法案が通りますと、日本は文字どおり戦争のできる国に変わるのではないかと一般国民の間に不安が高まっていると私は見ているわけですが、この点につきまして井上大臣はどういうふうに国民に説明なさいますか。
○国務大臣(井上喜一君) それは先生、この法律案をきちんと読んでいただきますと、それは全くそういうことでありませんで、正に日本が武力攻撃を受けますとか、あるいは武力攻撃が予測されるような事態に対処するこれ法律でございます。 しかも、そういう事態になれば、武力攻撃の事態が起こればそれを排除するということはまた当然でありますけれども、その場合にも、国民の基本的人権が極力、何ていいますか、制限されぬような形で国民の保護をしていかないといけないと、こういうことでありまして、そういうような考えの下にこの国民保護法案等はまとめたものでございまして、ましてや、戦争をするために、戦争への道を歩むために日本はこんな法律を作ったというのは、本当にそれは、私は正に、非常にきつい言葉で言わせていただければ、それはためにする議論でありまして、私どもとしては全くそんなことは考えておりませんし、各条文を読んでいただきますと、そのことは明快に御理解をいただけると、そんなふうに考えております。
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。 憲法で保障された地方自治の本旨に基づいて、港湾の管理権は地方自治体にゆだねられています。 先ほどもちょっと同僚議員から話題になりましたけれども、神戸港は、一九七五年に市議会で決議して以来、寄港する船舶に非核証明書の提出を義務付けています。米軍艦船は、これを拒否しているために、市議会での決議以来一度も寄港していないと報じられています。しかし、今回議題となっている七法案の一つ、特定公共施設利用法、利用法案には、この地方自治体の持っている港湾管理権を政府権限で覆すことができるようになっています。 先ほど同僚議員が、有事の際に非核三原則を守れるかという趣旨の質問をいたしまして、川口大臣はそれにお答えになったわけですが、大変失礼ですが、よく内容が受け取れませんでしたので、改めて確認させていただきたいわけです。 いわゆる神戸方式と、それから非核三原則というものは、有事になった場合にどのような形になるのでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず、地方公共団体がいわゆる非核証明書の提出を求めてその結果に基づいて港湾施設の使用に関し決定を行うということは、外交関係の処理に当たる国の決定に地方公共団体が関与をして、又はこれを制約をするものでございまして、港湾管理者の権能を逸脱するものであって、地方公共団体の権能の行使としては許されないものであると考えます。 非核三原則ですけれども、これは我が国は国の基本政策として堅持をしているということでございまして、この国が外交、外国の軍艦に対して寄港の同意を与えるか否か、これについて決定をする際には、このような基本政策を堅持するという立場を踏まえて対処をしているわけでございます。 ということで、米軍艦船について、日米安保条約及びその関連取決めに基づいて我が国の港への出入りを認められていますけれども、日米安保条約及びその関連取決め上、いかなる核の持込みも事前協議の対象でありまして、核の持込みについて事前協議が行われた場合には、我が国としては常にこれを拒否をするという考えを持っております。 以上のように、国の対応によって非核三原則ということは確保されているということでございます。非核三原則は平時においても有事においてもこれは守られるということでございます。
○大田昌秀君 今、国の権限を地方自治体が握っているという趣旨の御答弁でございましたが、それでは、今日まで神戸方式が生きているというのはどうしてでしょうか。外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) これは、神戸市がおやりになっていらっしゃるということであるかと思います。国としてこれを特に今やめさせる権限はないということです。
○大田昌秀君 井上大臣、今の点についてはいかがでございますか。国としては地方自治体に対してこれをやめさせる権限はないという趣旨のお話ですが、一方では権限があると言いながら一方では権限がないと言うのはちょっと理解に苦しむわけですが、いかがですか。
○国務大臣(井上喜一君) 具体的に米国の艦船が神戸港に入港したいというような要請があったのかどうか、私は承知いたしませんけれども、あるいはなかったかも分からないし、あるいはあったかも分かりません。その場合には、やはり神戸市の方とアメリカ側との話合いによりまして、事実上、米国の艦船が入港しなかったということだと思います。 日本政府の港湾の利用につきましての見解は、今外務大臣から御答弁申し上げたとおりでありますけれども、事実の問題としてこれは入港しなかったということなんだろうと思います。
○大田昌秀君 外務大臣、今ちょっと非核三原則を平時も有事の場合も変わらずに維持なさるという御答弁なさいましたけれども、本当にそうですか。有事になって非核三原則を政府は毅然として守っていけるというふうにお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) そういった立場を持っております。
○大田昌秀君 今回の特定公共施設利用法案には政府権限での船舶の移動命令も新たに規定されています。これによって船長の専権事項が奪われ、危険のところに追いやられるおそれがあるとして、全日本海運組合の方々が懸念を表明しています。同組合の幹部は、この法案は戦前の船舶保護法の復活ではないかと言い、戦前の船舶保護法によって一千隻の船が沈められたほか、六万名の船員が犠牲となった事実を挙げています。 ちなみに、船舶保護法は第二条でこう述べています。「海軍官憲は戦時事変その他の場合に於て船舶保護上必要あるときは命令の定むる所に依り運航業者、船舶所有者又は船長(船長に代りてその職務を行ふ者を含む)に対し船舶の航海、碇泊、通信、装備、乗組員、乗客、積荷その他に関し臨機必要なる指示を為すことを得」と規定しています。船舶保護法といいながら、実際には今申し上げましたように一千隻の船が沈められたり五万名の船員が犠牲になるというようなことが起こったわけですが、この船員組合の方々のこのような心配に対して、この戦前の船舶保護法の再現とならないというふうにおっしゃることができますか。
○国務大臣(井上喜一君) この戦争中を含めた戦前の法律といいますのは、委員御承知のとおり、大変なこれ委任立法でございました。法律には極めて中心的な概念しか書きませんで、あとは勅令でありますとか省令、規則ですね、これに任せて、実際の一般の国民の権利を制限をしたり義務を課したりしたと、これはもう御承知のとおりでございます。 私どもが出しております法律案は、法律に原則としてみんな書きまして、政令に委任することもありますけれども、それはどういうものを政令に委任するのかということをきちっと書きましてこの政令で定めるということにしておりまして、もう基本的にこの法律の規定の仕方、とりわけ基本的人権ですね、権利だとか自由についての制限につきましては、私は細心の注意を払って規定をしていると思います。 同時に、法律の規定だけじゃなしに、やっぱり運用につきましても、この港湾の利用指針というものを作ります。これは対策本部長が作るんでありますけれども、これを作るにつきましても、必要な資料の提供を求めたり、あるいは港湾管理者の意見も聞きましてこれを作るわけでございまして、できるだけの配慮はこれはしたつもりでございます。 その運用につきましても、不必要な、必要以上のことを規制をしたり制限をしたりする必要は全くないわけでありまして、そういったことにわたらないようなことは十分注意をしていかないといけないことだと考えます。
○大田昌秀君 外国軍用品等海上輸送規制法案について、防衛庁長官にお伺いいたします。 本法案の目的の停船検査等の措置と、周辺事態船舶検査法第二条で言う船舶検査は同じものですか、それとも異なるものですか。
○国務大臣(石破茂君) 当然、異なるものでございます。
○大田昌秀君 恐縮ですが、基本的にどういう点が異なるかということを簡単にお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 簡単に御説明しますと、本質が違いますといけませんが、あえて簡単に申し上げれば、船舶検査活動法に基づきます船舶検査活動は、安全保障理事会の決議がある場合を除きまして、旗国、旗国の同意を要するというものでございます。その船に乗りますときも船長等の承諾が必要とされておりますが、今回の御提案申し上げております、提案申し上げております措置は、我が国が武力攻撃を受けている場合でございます。これは周辺事態とは違うわけでございまして、同意は要しません。旗国の同意は要りませんし、乗り込む場合に船長の許可というものも必要としない。端的に申し上げればそのような相違点がございます。
○大田昌秀君 本法案で言う海上規制は、その第一条の「目的」で、「自衛隊法第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた海上自衛隊の部隊が実施する停船検査」などとなっていますので、防衛出動してからの、つまり戦時下の行為であります。 したがって、停船検査とは、戦時国際法、例えば一九〇九年二月二十六日の海戦法規に関するロンドン宣言等で言ういわゆる臨検と同じものであると理解してよろしゅうございますか。防衛庁長官、お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 違います。 それは、臨検と今回の停船検査といいますものは、臨検がいわゆる戦時国際法、伝統的な戦時国際法に基づいておりますものであるのに対しまして、停船検査というものは自衛権に基づくものでございます。それは違います。 それは、例えば対象船舶についても違います。実施する海域についても違います。規制の対象とする物品も違いますし、その措置が持っておりますところの法的効果、それもすべて違います。これは各々どこが異なるかは、ほかの、この当委員会のほかの委員に対する、委員の御質問に対する答えでも申し上げております。繰り返しになりますと恐縮でございますので、お許しをいただければ割愛をさせていただきたいと存じます。
○大田昌秀君 海上規制活動中に停船を命じた民間船が逃げ出した場合、その船舶に危害射撃をして沈没させたとします。しかし、それが関係のない船舶であった場合、その行為は憲法が禁じる武力行使になるのではありませんか。その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、疑うに足る相当の理由がある場合ということを申し上げました。井上委員に対するお答えであったかと思います。相当の理由というのは客観性、合理性が求められるものでございまして、何の関係もない船を撃って、逃走し、それに対して撃ちそれを沈めるということが私はあるとは思っておりません。それが仮に重大な過失等々によりましてそのようなことを行いました場合には、それは国家としての責任が問われるということもございましょう。しかしながら、疑うに足る相当の理由がある場合にはということを書いておりますのは、そういうことがないようにということを担保しておるというふうな御理解をいただいてもよろしいかと存じます。
○大田昌秀君 停船をさせて積荷が軍事物資であるかどうかを判断するわけですが、その方法はどういうふうになさるわけですか。
○国務大臣(石破茂君) この検査の方法でございますが、疑うに足る相当の理由があるかどうかという判断は先ほど来申し上げているとおりでございます。 これが軍事物資であるかどうかということにつきましては、それは実際に停船をいたしました後に、これが軍事物資であるかどうか、それは備え付けてあります書類でありますとか実際にそういうものの実物を見まして、それがそのようなものに該当するかどうかということを判断をすることになるものでございます。
○大田昌秀君 本法案第七条で、防衛庁に特別機関として外国軍用品審判所を置くと定めていますが、審判所の任務は、第八条によると、海上規制活動に伴う事件の調査及び審判を行うとなっており、したがって、これは憲法第七十六条で設置を禁じた特別裁判所とはなりませんか。
○国務大臣(石破茂君) なりません。 それは、理由を申し上げることをお許しをいただきますとするならば、例えば海難審判所というものがございます。じゃ、海難審判所は憲法違反なのかといえば、それはそうではございません。海難審判所は海難審判法に基づいて設置をされておるものでございますけれども、これはあくまで行政手続としての調査及び審判を行うものでございまして、これは特別裁判所として設置されるものでもございません。 これにつきましては、憲法七十六条第二項、先生御指摘になりましたところの特別裁判所の設置の禁止というものに抵触するものでもございませんし、あるいはこれに不服があります場合には、裁判所の裁判にかかるものでございます。したがいまして、終審として裁判を行うことができないという憲法の規定に反するものでもないわけであります。
○大田昌秀君 我が国の港湾管理の考え方について、改めて井上大臣にお伺いしますが、戦後、港湾法が制定されるとき、戦中に国の管理の下で港湾が管理され、そのことによって戦火が拡大したことの反省によって港湾の管理権が自治体に付与されたと言われております。現在、港湾法第二条にあるように、都道府県及び市町村が港湾管理者となっていますが、自治体が港湾管理者となっているこのような経緯について、大臣はどのように御認識されておられますか。
○国務大臣(井上喜一君) 敗戦後、国と地方の関係というのは大変変わったと思います。その関係を規制する法律が地方自治法でございまして、これ昭和二十四、五年だったと思うんでありますけれども、非常に大きな法律でございまして、これで事務は大きく分けまして三つに分かれたんですね。一つは国の機関委任事務です。それからもう一つは団体委任事務、それから固有事務と、この三つが地方自治体の事務に相なりまして、それぞれのこの法律がございます。 これについて、その港湾関係の事務はどこが所管するのかということを決めた、振り分けたわけですね。私はその港湾法のその関係につきましては詳細存じ上げませんけれども、恐らく、今のお話から申し上げ、言いますと、団体委任事務ないしは固有事務と分かれたと思うんです。恐らくは団体委任事務でなかったのかと思うんですね。といいますのは、地方だけのこれ事務じゃありませんで、やはり港から港へ行く船の、船が利用する問題でもありますので、国がある程度関与をするということでありましょうから、団体委任事務ということになったんじゃないかと思うんでありますが、これが最近また変わりまして、国の事務の場合、例えばこの有事の関係なんかは国の受託事務になっているわけですね。それから、固有事務ということになっておりまして、恐らく、私はそこをちょっとチェックをしておりませんけれども、港湾関係の事務というのは恐らく固有事務の方に移ってきているんじゃないかなというふうに考えるわけでございます。これちょっと確証はありませんけれども、大体そんなところじゃないのかなと思うんです。 総じて言いますと、戦前の中央の規制が非常に厳しい、厳しかったその時代の港湾の事務と最近の事務というのは大変違っているというふうに思います。
○大田昌秀君 本法案の第七条には、有事の対処措置において、国は港湾管理者に港湾の全部あるいは一部を優先的に利用させるよう要請できるとあります。これは自治体に対して要請とありますけれども、強制するという形にはなりませんか。強制だとすれば、港湾法の本旨、また地方自治法第一条の二の三項で定めている地方公共団体が、ドック、防波堤、波止場、倉庫、その他海上又は陸上施設を管理し、使用の禁止を規制する等の地方自治の役割を始め、地方自治の本旨を否定することになりかねませんが、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(井上喜一君) この点につきましては、正に国の有事の場合におきましてどの程度国の関与を認めるのかということでございまして、正に国民の保護のために、あるいは有事に対処するためにどの程度の受忍をお願いをするかという、こういうことでございまして、国は港湾の利用指針を決めまして、その指針に基づいて港湾管理者に港湾の運営についてお願いをしていくということでございまして、正に有事であります、国民を保護しないといけないということでありますんで、その限度の受忍といいますか、制約というんですか、それは地方自治体にお願いをしましても地方自治の本旨に反するということはないんじゃないかと、こんなふうに思います。
○大田昌秀君 国民保護法案との関連でお伺いします。 武力攻撃事態あるいは予備事態、予測事態が発生した場合に、都道府県知事は本法案第五十二条等に基づき避難場所を確保し、同第七十一条等によって交通手段を確保するほか、同八十一条一項の物資の売渡しの要請や、同三項の保管の命令、あるいは同八十五条の医療関係者に対する医療行為の要請等を行うことになっています。 しかし、その要請を受ける国民や業者等にとって、保管命令には罰則がありますが、医療行為には拒否しても罰則の規定がありません。罰則があるものとないものとはどこがどう違うんでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) 国民の自由を制限したり、あるいは権利を制限するということは、これはもう最小限度にとどめないといけないということでございまして、一番望ましくはその関係者の同意を得て国がいろんな措置を実施をするということだと思うんであります。 そういったことで、極力その趣旨を生かしまして、例えば運送の場合などにつきましては、この運送をしてほしいという求めをするわけでございますが、いろんな事情でできない場合もあろうと思うんでありますが、そういった場合の罰則は規定をしておりません。 それから、物資の使用と土地の収用あるいは医療につきましては、これ若干状況が変わっているんでありますが、この物資の収用、土地の使用等については一定の場合にこれも収用ができるということにいたしております。 これはどうしても、御承知のとおり、物資で例えば医薬品が足りないと、どうしても医薬品が必要だというような場合に医薬品を持っている人から買い上げるということですね。どうしても応じてくれない場合は強制的に収用するということもそれはやむを得ないんじゃないかということでございます。土地なんかの使用につきましても、どうしても土地が必要だと、こういう場合がありますんで、その場合には収用の規定が働く場合があり得るということでございますが、医療ですね、医療につきましては、これもお願いをするんでありますけれども、実際問題としてそれに応じていただけない場合がありますけれども、これは医療の実施の指示をするということであります。指示というのは、ある意味でそうしてほしいという正に指示でありますけれども、これも強制的にやりまして実際にその医療につきましての効果が上がるかと言ったら、そうでもないだろうということで、これも指示止まりにしておりまして、特に罰則では担保をしておりません。 それから、物資の保管命令ですね、これにつきましては、どうしてもその物資を確保して保管をすると、こういう場合がありますので、これに従わない人につきましては六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する旨の罰則規定を設けております。 したがいまして、罰則でもって担保をするというのは極めて、何と言いますか、限定的なところにとどめているということでございます。
○大田昌秀君 最後に、あと一問だけお願いいたします。 昨日の本委員会でも質問が出ましたけれども、御指摘がありましたけれども、本法案の第三十二条一項にある内閣総理大臣が定める国民の保護に関する基本指針は、同条四項で国会への報告で足りるとされていますが、国会の承認が必要だと思われますが、そうはいきませんか。
○国務大臣(井上喜一君) これは、この基本指針といいますのは、昨日も御答弁いたしましたけれども、正にこの法律の運用方針なんですね。運用方針でございまして、かなり細かいことまで、つまりそれを参考にして計画を作ったり業務計画を作っていただくものでございます。 昨日の答弁のように、この法律、大変詳しくずっと事細かに書いておりまして、この国会での議論なんかも踏まえまして基本指針を作ろうと思っておりますので、特別に国会の御承認をいただかなくてもよろしいんじゃないかというふうに考えているわけでございまして、国会に報告をさせていただきますと、またそこで十分な御検討をいただけるものじゃないかと、こんなふうに思います。
○大田昌秀君 あと、済みません、あと一分だけありますのでお願いします。 国民保護法制は大まかなことを定めて、具体的な同法に基づいて国の基本指針を受けて各省庁と自治体は国民保護計画、そして指定公共機関は国民保護業務計画をそれぞれ作ることになっていますが、いつごろまでにそれは作ることになるんでしょうか。
○国務大臣(井上喜一君) 大略は大体は頭の中にありますが、これやはり自治体の方のお考えもありますんで、そういうお考えも聞いて、あるいは関係機関のお考えもありますんで聞きまして作りたいと思いますので、これかなりやっぱり時間が掛かると思います。まあまあ一年以内ぐらいに何とか作り上げたいと、そういうことでございます。 さらに、それを基にして都道府県とか市町村が計画を作っていくわけでありますけれども、これも、これは本当に具体的な細かいことを計画の中に織り込んでいくわけでありますから、これも大方一年ぐらいは更に、更に一年ぐらいは掛かるんじゃないかというふうに考えますが、もうできるだけ早く作っていきたいという、そういう考えでございます。
○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
○山本正和君 私は、今日からの質問は、この対処法に基づいて今度の法案が出されたと、したがって政府としてはどういう事態を想定して考えたんだと。したがって、どういう事態というのは要するに武力攻撃という状況ですね、それを、どういう状況を考えてこの法案を作ったんだろうかと。また、こういう法案を作るについては、当然、日本がたった一つ世界にあるんじゃなしに、アメリカと防衛条約を結んでいる国が幾つかありますし、またNATOもあるし、いろいろと軍事同盟関係があって、武力攻撃に対処するための様々な状況があると。そういうものの比較した上で政府の考え方をただしたいと、こういうことで今日から質問をしたいと思います。 そこでまず、武力攻撃という事態についてですけれども、これは読みようによっては、何万何十万という軍隊が我が国のある部分にやってきて攻撃をするという事態まで想定しているのかいないのか、そこをまず聞きたいと思う。
○国務大臣(石破茂君) それは、そういう事態も当然あり得ることでございます。想定しているかどうかというのは、防衛白書にも書いておりますとおり、本格的な大規模侵略というのの蓋然性は相当に遠のいたという認識は持っておりますが、全くないというふうには考えてはおりません。
○山本正和君 要するに、何万何十万という軍隊が攻めてきた場合にでもこの法律によって対応できると、そういうことを前提として作られている法律だと、こういう解釈で井上大臣よろしいか。
○国務大臣(井上喜一君) まあ一応法律というのはいろいろな起こり得べき状況を想定しながら、しかも現実的に起こらないようなことを想定しても仕方がありませんので、まあまあ起こり得るだろうというようなことを想定いたしましてこの法律案を作っております。
○山本正和君 したがって、これは、攻めてきたんだからこれを排除しなきゃいけないと、排除するに当たっては国権の発動としての武力行使を行うと、こういうふうに解釈してこれはいいですね。ちょっと責任者、ひとつお答え願いたい。
○国務大臣(井上喜一君) それはそうだと思います。正に自衛権を発動するんでありますから、そうだと思います。
○山本正和君 そこで、今度は外務大臣にお聞きしたい。国の基本にかかわることですからね。 憲法で言うところの国権の発動たる戦争と国権の発動たる武力の行使とどう違うのか、説明してください。
○国務大臣(川口順子君) 国、国権の発動としての戦争というふうに今おっしゃられたわけでございますけれども、現在の考え方といいますか、問題の整理の仕方として、そういった権利としての、一国の権利としての国の政策を実施をしていくための手段としての戦争という考え方は存在をしていないというふうに考えています。 今、国が武力行使をするということができる、それが違法でないのは、国連憲章によるものあるいは自衛権の発動ということであって、そういう状況においては武力行使をするということはできるということでございますけれども、政策を実行する手段としての戦争というのは違反であるというのが、違法であるというのが現在の国際法の考え方であるというふうに承知をしています。
○山本正和君 ちょっと、外務大臣が頭が良過ぎて私が頭悪いのかもしれぬけれども、もっと簡単に説明してほしいのは、戦争とは何か、武力行使とは何か、どう違うのかと。憲法で書いてあるんですよね。国権の発動たる戦争ということ、国権の発動たる武力行使と、両方書いてある。なぜ違って書いてあるのかということを説明してくれと、こう言うんですよ。今からどうするとかこうするじゃないんですよ。憲法上こう書いてあるのはどういう違いのあるかというのを説明をしてくれと、政府の責任者として。こう聞いている。
○政府参考人(林景一君) 済みません、ちょっと。 国際法の問題じゃなくて憲法の問題なんでちょっとあれでございますけれども、戦争と申しますのは、先ほど大臣から御説明がございましたとおり、従来の伝統的な考え方に基づきます、国が国際紛争を解決するためにいわゆる武力を行使すると、正に国権の発動という言葉ございましたですけれども、そういうものが正当なものとして認められておった時代の考え方であるというふうに考えております。 今、武力の行使というのは何かということにつきましては、武力の行使というのは、これは我が国の憲法に、憲法九条一項に言います武力の行使というのは、一般に、我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうという、こういう説明を従来してきておるということでございます。
○山本正和君 ちょっと、どうも頭のいい人が説明しているんだろうけれども、国民から聞いて、憲法で書いてある戦争と武力行使とどう違うのかといった、国民が聞いて分かるような説明をしてほしいんだけれども、ちょっと今のはどうも、皆さんは、頭のいい人分かるかもしれぬけれども、私はどうも今のは分かりにくいんですよね。 だから、これは、ちょっと今日は私、質問準備していなかったから、だから、したがって政府の見解をあしたもう一遍聞きますから、あしたは国民に説明する言葉で戦争と武力行使の違いを是非ひとつあしたはお答えいただきたい、これ宿題にしておきますから。 そこで、次にお伺いしたいのは、日本が、今度の武力行使まで含めて、いわゆる緊急事態に対応するために、国民の皆さんに向かって、ある程度我慢もしてくださいよと、こういうこともしてくださいよというようなことも含めてやる。しかし、国民の皆さんを守りますからと、こういうことで出している法案ですね、政府の気持ちはね。 そこで、近代、近代と言ったらおかしいかな、やっぱり現代でしょうね、現代でアメリカと一緒になって防衛をした、あるいは戦争をした、あるいは武力の行使をしたという歴史ちょっと見てみると、大きな国でいくと、一番遠くになると、第二次大戦ですよね。第二次大戦でフランスはドイツに侵略されて、むちゃくちゃに占領されたんですね。フランスは外へ出て行って連合軍と提携して、ノルマンディーの上陸作戦からフランス本土で戦った。ドイツ軍を排除したわけですね。要するに、アメリカ軍と組んでドイツ軍を排除した。が、しかしこれはちょっと余りにも占領され過ぎですから。 しかし、その次どこかと見たら、韓国ですよね。北朝鮮からの侵略で釜山まで追い込まれた。アメリカ軍の支援を得て戦って、三十八度線まで追い返した。これも戦争ですよね。 だが、その二つ以外に、私は不幸にしてか、寡聞にしてと言ったらいいですかね、勉強不足なのかもしれぬけれども、アメリカ軍と、要するに、国土にどこか外国から占領してきたときにアメリカに助けてもらってやった戦争というのはほかにあったかしら。もしあれば教えてほしいんだけれども、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、例えばクウェートが占領されたという湾岸戦争がございました。クウェートが占領されたことに対しまして、アメリカ合衆国は、それは集団的自衛権の行使というのは必ずしも条約の存在をマストとしておりませんので、たしかこれ集団的自衛権に基づきまして、アメリカを始めとする多国籍軍がそれを排除したというような例があろうかと思います。 あるいは、ベトナム戦争の場合には、南ベトナムがこれはかいらい政権であったとかなんとかそういう議論は別といたしまして、北ベトナムが侵略をしてきた、それに対してアメリカ合衆国は集団的自衛権を行使したというような主張をアメリカ合衆国はしておったかと記憶をいたしております。
○山本正和君 おっしゃるのは具体的事実だけれども、私は事前にきちっと協定をしてやったという場合はちょっと余り今のに当てはまらないような気がするんだけれども、それは若干の経過としてですね。 したがって、今、世界各国でアメリカと防衛条約というか相互条約というか組んでやっている中で一番近いのは韓国なもんで、韓国のをちょっと見てみたんですけれども、韓国の場合はこんなに細かい国内法を決めていないんですよね。 韓国民から言わせれば、北朝鮮の侵略の激しさ知っていますから、戦争になったら、そんな一々市町村長さんやどこの役場と相談してああじゃこうじゃと、逃げなさいとかこっち行けとかになる、そんなに言う暇ないと肌身にしみて知っているんですよ。私も戦争に負けたときに中国におったから、これは関東軍と協議なんかする暇ないですよ。みんな逃げ回って殺されるんですよね。 だけど、それはしかし、韓国では例えば大統領令というものでやれる。しかも、アメリカ軍というのは今完全に、独立してというか、おかしいけれども、韓国人に対しても指揮命令権を持っておる、戦争になったら。その中で、韓国はアメリカとの提携の中で武力侵略に対する対抗をしようとしている、こういうふうに私は思うんですけれども、今の韓国の場合はそうなっているということで、これよろしいですか。
○国務大臣(石破茂君) 国連軍という形を取りますけれども、その司令官は米国が取るということになっております。指揮権は米国の、米軍人の指揮の下で韓国軍が行動する、そういうような先生の御指摘のとおりでございます。
○山本正和君 おっしゃるように、文書は国連軍だけれども現実はアメリカ軍であるということは、韓国もよく了解しているし、国会もそれは見ておるんだね。それはそれでいいんですが。 日本の場合はそことどう違うのか。もしも外国の軍隊が日本のある地方に何万人もやってきて、占領されたと。さあ排除だと。自衛隊は先頭切って戦いますよね。アメリカ軍も戦うわけですよね。戦わないんかな、アメリカは、そのときは。戦うんでしょう。戦うとなったら、作戦司令部が要るわけですよね。 それで、アメリカの、韓国の場合ははっきり決まっている、アメリカ軍の指揮下に入る、みんな。日本の場合はどうなるのか、その辺をちょっと説明してください。
○国務大臣(石破茂君) アメリカの指揮下に入るわけではございません。これは何度も同じ答弁をして恐縮でございますが、個々の指揮権というものは併存をすることになっております。日本は日本の指揮権に基づきまして行動するわけでございますし、アメリカはアメリカの指揮権に基づいて動いております。 これを両方どのようにして行うか、オペレーションを行うかということは、それは調整メカニズムというものがございまして、そこにおいて緊密に調整してそれを行うということになっております。 これは、先生御指摘になりましたように、韓国は違う、日本はこうだ、これで本当に大丈夫なのかというような御指摘は多方面からいただいておるところでございます。しかしながら、日本におきましては、それを日米きちんとした協調の下に、そのメカニズムを有効に各レベルにおいてワークさせることによってきちんとした体制を構築をするべく私ども努力をしておるところでございます。
○山本正和君 おっしゃるのは、日米安保条約の流れから当然そうなるし、行動に当たっては調整しなきゃいけない、また当然、アメリカ政府と日本政府との間で協議が行われて、そういう中でだと、こういう流れだから、だからおっしゃるようになると思うんだけれども。 現実問題として戦争が始まったら、調整なんかしておったら負けちゃうんですよ、戦争、本当の話は。私、だからそのときは、私はアメリカ軍は戦うと思うんです、知らん顔して、関係なしに。だって、自分たちは殺されるから、戦うというのは。そんな調整する暇もないですよ。ばんと戦いますよ。私がアメリカ軍の指揮官でもそうする。同じように自衛隊も戦わざるを得ないんですよ。 現実問題は、そういうきれい言葉じゃなしに、大変な事態になりますよと、その段階は。そのことは皆さん知っておって、そしてこの法案を作ったのかどうか。言葉の上では調整になっているんです、はっきりね。安保条約の中で調整という言葉は使わざるを得ないんですよ。しかし、現実の戦争はそうじゃないということはみんな知っておって、まずはそこまで覚悟してこの法案が作られておるのか、ちょっとその辺はどうですか。
○国務大臣(井上喜一君) まあいろんな事態の展開はあろうとは思うんでありますけれども、こういう法律に基づくそのルールですね、組織だとか、今お話ありました指揮権なんかは、これはもうあらかじめ決められたそういうものにのっとって実施をしていくということに考えているわけでございます。 ただ、どういうような事態の展開になるか、これはやっぱりその事態によって違うわけでありますけれども、だからといって全く我々が今考えておりますこの組織といいますかルールが全く使えなくなるというような、そういうことは考えておりません。
○山本正和君 恐らく三人の大臣、それぞれ、何というか、このことについてのイメージはお持ちになっていると思うけれども、私は正直言いますけれども、何万という軍隊や何十万という軍隊が日本の国に来ることを想定していないと思うんですよ、頭の中では。可能性はあるだろうと、しかしそんなことは現実起こったら大変だと、国が滅びるときだと皆さん思っていると思う、実際はね。だけれども、この法律はそういう場合でもいいんですよという構成になっているから、私は心配なんだ、逆に言えばね。 この法律は、例えば、これ武力で排除すると書いてあるんですからね、武力で排除といったら戦うんですよ、徹底的にね。しかも、アメリカ軍も戦うと書いてある。それは何万、何十万という軍隊が、我が国を占領されて、それでも戦うという、それなんですよ、これはね、流れは。 しかし、これは私のような年齢の者から言わせたら、もしそうなったら、この国はもう大変ですよ、滅びてね。水際で排除すると、あるいはミサイルが飛んでくるのをどう止めるかと、これは真剣になって考えなきゃいけないけれども、その辺が一つ気になりますけれども、まあそれはちょっとおいておいて。 私がここで申し上げておきたいのは、自衛隊が作られたときに、大変な苦しみで作られた。警察予備隊作ったときに、実は私も、そのとき高校の教師しておったけれども、警察予備隊に入ろうかと思ったですよ。そういう青年もたくさんおった。それで、その警察予備隊が作られて、それから今日の自衛隊までいく経過の中でどういう役割を国民が自衛隊に対して期待してきたかといったら、少なくとも、中で武装革命、武力革命が起こって大騒動になったら困ると。 それから、朝鮮戦争のときですから、もしそのときに朝鮮戦争の流れで変なものが来たときには困る、そういういろんな気持ちありましたよ。しかし、全面戦争まで期待して警察予備隊作ったのでなければ、当時の防衛隊作ったんでもないと私は思っている。隊員の諸君もそうだと思っている。しかし、守るよと、国を守るよという気持ちは一生懸命やってきたと、これが歴史だと思うんですよ。 その次に、自衛隊に対して国民が本当に感謝し始めたのは、大変な苦しみをこらえてでも、災害に、国内での災害に必死になって取り組む姿、それからまた訓練しながらも、ああやってもし何か攻めてきたときには戦ってくれるなという、その姿を見て国民が自衛隊に対して私は認知を始めたと思うんですね。 外国へ行って云々というのも確かにありますよ。しかし、国民の間にだって、実際に私どもの世代の親は、子供が自衛隊に行くといったら、皆やめてくれって言いよったですよ。このごろは、私の孫も自衛隊行きたいと言っておるんですよ。それぐらい変わった、空気が。しかし、その、じゃ変わった自衛隊はどうあるべきかといったら、この国の平和のための自衛隊と、何としてもこの国は戦争をしない国としての自衛隊であってほしいというのは私の気持ちだし、恐らく日本人の大部分はそう思っておるんですよ。自衛隊、本気になって戦争する、嫌だと思う。 それは別にして、こういう法案を作ってこられた以上は、政府の責任がある。その責任とは何かといったら、この法案の趣旨をきちっと説明してほしいんですよ。要するに、私に言わせたら、これは正直言って、北朝鮮はかつて、ノドンだったか、あれ飛ばしましたよね。あれを見て、これ守らにゃいかぬという気持ちになった、確かにね。それからこの拉致問題ですよ。こんな、我が国に勝手に出てきやがって、捕まえて引っ張っていって、承知ならぬと。あとは、まあちょっとこれは語弊あるけれども、尖閣諸島で、ちょっと元気のいい議員もおったけれども、何かちょこちょこやったもんだから何とかいい話になったんでね。しかし、私は、しかし今やっぱり国民が思っている、我が国を守るということは、朝鮮の拉致なんか承知せぬぞと、こんなことさせぬでくれと、それから地震、災害のときに絶対自衛隊守ってくれよと、外国から守られたら承知せぬよと、国内で内乱起こすようなことしたら困るよと、それはあると思うんですよ。 だけれども、そういう中で、しかし、自衛隊に今度は、何万、何十万という軍隊が来ても戦う自衛隊にするんですよということを言う以上は、国民にそれだけのことを説明する責任が私は政府にあると思っているんですよ。 そこの議論が余りされていないままに、何かノドン、朝鮮半島からぼんとあれが飛んできたということと、そんなものとひっ付けて、さあ緊急事態だ緊急事態だとこう言って、しかも国民にはぴんとこずに、そんなこと言って、正直言って、この法律通ってですよ、仮に、どこかの家が出ていけって、今から、戦場になっているから、こんなこと言われて、それを一々手続してやってというのは、そうしたらその個人が抵抗したらどうなりますか。国民の理解を得て初めてできるんですよね。そこの国民の理解を得るための手続が私は欠けていると、この法律を作るについてね。だから、やっぱり遅くないから、やっぱり国民の皆さんという訴えを私は政府としてほしいと思うんですよ、この法案の意味をね。 その辺が、そして私が冒頭にこの問題に対して最初の質問のときに総理大臣に質問しました、外国の軍隊が攻めてきたときには国民はどうするんですかと。国民には戦ってもらわぬでいいんですと、自衛隊が戦うだけですと、国民の皆さんと、こう言った、総理大臣がね。また余計心配になった。担当大臣としてどう思われますか、そういう問題について。
○国務大臣(井上喜一君) 正に国の有事でありますから、国が先頭に立ちまして地方自治体とかあるいは関係の公共的な機関、あるいは国民の皆さん方全体に支援をしていただくような、そういう対応じゃなければ本当に効果的な国を守るという、そういう効果が上がらないと私は思います。 中心になるのは国でありますが、そういう意味で、今先生御指摘のように十分なる国民の理解を得て協力をしていただくということだと思うんですが、ただその場合も、それじゃ国民が銃を取ってやるのかというふうになりますと、それはできないということでありまして、ただいろんな形での国民の協力というのは私はあると思います。 例えば避難をする場合に避難の誘導をするとか、あるいは救援の場合に救援物資を届けるとか、あるいは治療する場合にやっぱり治療の手伝いをするとかということはあると思うんでありまして、銃は持たないけれども、広く国を守るために皆さんの協力はこれはもうどうしても必要なことだと、そんなふうに思います。
○山本正和君 おっしゃる意味はよく分かるし、それから政府もそんな国民をだまくらかしてというような気はないと私は思うんですよ。真っすぐに、いざといったときにどうしますかと、備えはないよと、備えあれば憂いなしというのが本心ですと。こうおっしゃりたいと思っているんですよね。 しかし、現実の問題として、この場における質問も衆議院の質問も十分には読んでいます、ちゃっとちょこちょこ散見したんですけれどもね。やっぱり中にあって、ここで議論するときにはどうなるかといったら、一つ一つの問題についてこれは本当はどうなのということを聞きたくなるわけですよね。そうすると、聞いていくと、さっきの話で三万、いや何万、何十万という人が来たときもそれも含めて対応せざるを得ないというふうに答えざるを得なくなってきますよね。 私は、そこでこれはおやりになったんだろうと思うんだけれども、自治体の長に対してこの法案について骨子なりなんなりを示して説明をされたと思うんですけれども、そういうときの反響はどうだったんでしょうか。全国の市町村長会でもいいし、知事会でもいいし、そういうことに対して御相談をされたのがあったとしたら、そのときにどんな意見があったかも含めてお答えいただきたい。
○国務大臣(井上喜一君) 知事さん方あるいは市長会あるいは町村会ですね、また関係の指定公共機関の代表的なところですね、そういった方にはそれぞれ説明をしてまいったわけでありますが、とりわけ知事さんにつきましては、大まかな法案の概要から説明しまして、さらには、それを多少条文に引き直したような形のかなり詳細な要旨と、要旨というようなものもお配りをして議論をしていただきまして、さらにはまたもう一回練り直して、要旨なんかも知事会に諮りまして、そのときに出てまいりましたのは、幾つかありますけれども、一つはやっぱり知事の権限を強化をしてくれと、あるいは市町村長の権限を明確にしてほしいというようなことですね。 例えば、市町村、知事でいいますれば、緊急に避難をすべきこと、国の方で必ずしも十分な判断できないでしょうと、だから知事が独自に判断をして緊急避難の措置を取るようなこともしてくれとか、自衛隊との関係をきちっとしてくれとか、そういう何といいますか、知事の権限を強化をするということ、それが一つ。それからもう一つは、国と都道府県と市町村との権限関係ですね、指揮監督関係、特定の事項についてどうだということを明確にしてくれというようなことですね。それから、あとは財政負担の問題も大変御関心がございました。 そこで、私はやっぱり最終の要旨の説明の知事会に出たんでありますけれども、そこでは珍しく、知事会というのは大体いろんな意見を言われるんでありますけれども、いや、これは非常によくできた案だと。大体、知事会が今まで言ってきたことも中に取り入れてくれると、取り入れてくれているというふうなことで、私は大体余り異論なしに御承認をいただいたと、こんなふうに思うんです。ただ、財政負担についてはきちっとやってくれと、それはございましたけれども、全体の知事会の評価としてはそんなような評価じゃなかったかと、そんなふうに考えます。
○山本正和君 ということは、知事さんたちはおおむね了承を得られたと、全国知事会は。市町村会までは十分いってないかもしれぬけれども、おおむね大体流れは知っていると、こういうことですね。 私は、そこのところが、どうも実際は、非常事態の場合、住民に対して命令を発して住民を動かすのは首長さんですよね。首長さんたちが本気になってこのことが分かっているかどうかちょっと心配だったものでお聞きしたんですけれども、その辺は、有事の事態になった場合は市町村長さんまで含めて住民に対して、ちょっとあんた家出ていけと、こっちへ来なさいよと、こういうことが言えるということは、大体市町村長さんたちもおおむね理解をし了解をしているということでよろしいですか。
○国務大臣(井上喜一君) 市長会の方は、この最終の案で了解をいただいたものと思いますし、恐らく町村会といいますのは、全員をここにお集まりいただいて説明するということはできませんので、町村会の方に説明しておりますけれども、特別の御意見はなかったというふうに考えているわけでございます。 ということで、もう知事さんの方は、これは県によって多少違いますが、大変、安全、国民の安全といいますか国民保護につきましては考え方が進んでおりまして、例えば鳥取県なんかはもう既に県で特定の地域を設定して、そこの住民を避難をさせるようなことをやっているわけですね。それで、避難に何日間ぐらい掛かったから、訓練はちゃんとこのようにせぬといけないとか、そんなような意見も言っておられましたので、私は、少なくとも知事さんレベルまでは大体この法案の概要は御理解いただき、やっぱりきちんきちんと知事が責任持ってやらないといけないなというような意識は持ってきておられると思います。 市町村、市とか町村段階はこれからもっともっと啓蒙して、理解を深めていただけるような努力をしないといけないと、そんなふうに考えます。
○山本正和君 いろいろと配慮をされていると思うんだけれども、どうも私は、まだ十分に浸透しているように、理解が行き届いているようには見えないんですね。 田舎なものだから、小さな町や村の首長さんだから分からないかもしれぬけれども、いろんなことを話していると、特にやっぱり一番この説明、僕もいろいろ、私もこうじゃないかああじゃないかというような話はするけれども、確定的なことは、政府じゃありません、言えませんけれども、その中で一番出てくるのは、本当にアメリカ軍にそうなったら守ってもらうんですかと、アメリカ軍のためにそうすると全部土地や何かも提供するんですかと、そこはそういう印象が非常に強いんですよ、この事態法。 自衛隊ならまだいいと言うんですよ、自衛隊なら。アメリカ軍に何でそんなことまでして助けてもらわないかぬと。海岸まででいいですよ、アメリカに助けてもらうのは。本土ではそんなもの、アメリカ軍に助けてもらわぬでよろしいと。もっと言えば、私は、先ほど大田委員が質問しておられたけれども、沖縄県民の皆さんが、もしアメリカに、じゃない、よその国が沖縄に来て占領されたと、戦わないかぬと、自衛隊が戦ったと。アメリカ軍も一緒になって行動すると言ったら、どんな感情を持つでしょう。本当の国民の感情ですよ。だから、こういう法案を作るについて私が一番大事にしてほしいのは、国を守るということは国民が一つにならにゃいかぬのですよ。一つになるための手だてをどうするかということが非常に大事だと思うんですよ。 だから、そういう中でこのアメリカ軍のいわゆる、これ私、今からまだあと質問するつもりでいますけれども、本当にそのアメリカ軍の行動というのは何なのと、我が国における。そこがどうもぴんとこないものだから、これはあした以降、アメリカ軍の行動とは何かについて、これは主として防衛庁長官にお聞きすることになると思うけれども、だけれども、国民が思っている日米安保条約でアメリカが守ってくれるというのは、日本の国に攻めてくるまでに守ってくれる、国土が、守るために日米安保条約はあるんだと思っているんですよ。国土の中でアメリカ軍に守ってもらおうという意識は余りなかったと思う。文章は、文章はひょっとしたら国土の中も含めているかもしれぬ。しかし、国民感情ですよ。 そういう中でこの法案が今議論されているわけですから、政府としてはそういうものも含めてひとつ十分な説明をしてほしいと、こう思うんです。 今度は、アメリカ軍の行動等について、ひとつ自衛隊の行動と全く一緒なのか。さっき私は作戦統制権の話しましたけれども、だけれども、そういう本当にこちらで戦うときのそういう発想の仕方ですね。私は、その調整する、協議すると言っているんだから、アメリカさんよ、済まぬけれども海岸まででいいからと、こういうことを言っていいと思うんだ、私は、極端なことを言ったら。そうはいかぬといってアメリカは言うと思うんですよ。そんな弱い日本と一緒に戦ったらひどい目に遭うと言うかもしれぬですよ、それは。 だけれども、私はしかし、少なくともこの法案を作ってやる以上は、国民の皆さんが安心できる、国民感情もある程度理解できるということまでしなければ、どうもこれは不安で仕方がないんですよ。どんどんどんどんちょっと先走っていって、国民がまだ付いていないうちにどんどん行っちまったと、そういう気はするんだけれども。 そうすると、そのアメリカ軍の行動ということについてひとつあしたまた詳しくお聞きしますけれども、今おおむね、もし、簡単に説明していただいた方がまた質問しやすいですから、おおむねこういうことは想定していますということがありましたら御説明願いたいんですけれども。
○国務大臣(石破茂君) 一つは、どういう攻撃があると考えているか説明をもっとしなさいという御指摘であります。それは私どもも本当にそのとおりだと思っております。 これは、毎年防衛白書も出しておりますが、十五年版がようやっと二万部売れたとかいうような話でございまして、これをもっともっとたくさん読んでいただかなければいかぬと思っておりますが、なかなかお金出して防衛白書を買おうという方もいらっしゃいませんで、これどうやって国民の皆様方に分かっていただくべく努めるかということだと思っています。 その中におきまして、冒頭でもお話をいたしましたが、大規模な着上陸侵攻作戦というものが我が国に対してあるという蓋然性が高いという認識は持っておりません。本当に、もう何万、何十万という大軍が攻めてきて日本のどこかの島を占領してしまうというようなことを考えておるわけではございません。そのことは、防衛力整備は大綱に基づいてやっておるわけでございます。五十一年の大綱、今は平成七年の大綱に従ってやっております。今年の末までに新しい大綱を作ることにいたしておりまして、そこにおきまして、どういうような周りの安全保障環境かということは今政府部内でさんざん議論をしておるところでございますが、これは明らかになるものでございます。 私どもが考えておりますのは、まず一つは、そういうような大規模な何万、何十万という感じで攻めてくるというのは確かに少なくなった。しかし、旅客機を乗っ取ってぶつかってくるとか、あるいは冷戦期はアメリカ、ソビエトしか持っていなかった弾道ミサイルを小さな国あるいはグループが持つようになったとか、あるいは核・生物・化学兵器みたいなものをそういう集団が持つようになったとか、あるいはもう個人でもできるサイバーテロみたいなものが起こるようになった。そういうものが、実は何万、何十万というのが攻めてくるのと同じような被害をもたらすのかもしれない。 それは核兵器による抑止力も利かない、非対称的な手段によって非対称的な勢力が、実は何万、何十万というのが攻めてきたのと同じだけの被害を日本に与え得るということがあるのではないか。それは従来のように抑止力が利かないとするならば、それをどのようにして対処すべきなのかということが私どもにとっての一番の課題だと思っております。そこの辺を本当に先生の御指摘のようにきちんと分かりやすく、なかなか今まで五十年間イメージしたことがない話ですからイメージしていただくのは極めて難しいと思いますけれども、御説明しなきゃいかぬ。 後段の質問に、御質問にお答えをしますと、日本の本土に、本土にといいますか、もう日本の領土に攻めてこられる、上陸されるということになったらばもうそれだけで主権の侵害でございますから、そうならないようにどう排除するかということを日米連携して考えなきゃいかぬということは当然のことだと思っております。 そういうことにならないためにはどうするかということでございますが、他方、日米安全保障条約というものは日本の施政下にある地域、領域というふうに決められてございますので、日米安全保障条約の適用範囲はそうなっておる。あわせて、自衛権は公海、公空まで及ぶ、こういう形になっております。 その辺りをどのように整理をするかということでございまして、明日、先生から御質問を賜りますれば、その辺りをもう一度きちんと分かりやすく御説明できるように私ども努力をしてまいりたいと考えております。
○山本正和君 ひとつ是非よろしくあしたの質問のときにできたらいただけるようにお願いいたしまして、これで質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(清水達雄君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後六時六分散会