予算委員会第七分科会 第1号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/03/01
会議録
○中馬主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願いいたします。 本分科会は、経済産業省所管について審査を行うことになっております。 平成十六年度一般会計予算、平成十六年度特別会計予算及び平成十六年度政府関係機関予算中経済産業省所管について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。中川経済産業大臣。
○中川国務大臣 平成十六年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。 我が国経済は、全体として、企業収益の改善や設備投資の回復等明るい動きが見られます。しかし、地域経済や中小企業の景況の改善にはおくれも見られます。経済産業省は、経済の活性化を図り、本格的な景気回復を実現すべく、内外の諸課題に取り組んでまいります。 このため、平成十六年度予算におきましては、厳しい財政制約の中で、以下の六分野を中心に、重点施策を絞り込み、めり張りのある予算編成を行ってまいります。 第一の柱は、経済を牽引する人材の育成であります。 我が国の将来を担う若年者の失業問題に的確に対応するとともに、経済を牽引する高度な専門能力を持った人材、チャレンジ精神にあふれる人材を育成するため、総額で百十五億円を計上しております。 第二の柱は、意欲・潜在力のある中小企業等の支援であります。 やる気と能力のある中小企業のチャレンジが報われる社会を実現するため、産業金融機能の強化、金融セーフティーネット対策に万全を期するとともに、中小企業再生支援協議会の体制強化などを図ってまいります。 また、中小企業の技術革新、人材育成、新市場創出を後押しするとともに、中心市街地や商店街への支援を通じて地域経済の活性化を図ります。 中小企業対策予算としては、総額で一千三百五億円を計上しております。 第三の柱は、日本ブランドの確立であります。 我が国が強みとする製品、産業などが日本ブランドとして魅力を発揮できるよう、特許審査の迅速化に向けた審査体制の整備、コンテンツ産業の競争力強化、愛・地球博を活用した日本ブランドの発信などを行ってまいります。また、東アジアビジネス圏の形成に向けた経済連携の強化、対日直接投資の倍増を目指した外国企業の誘致活動に対する支援などを推進してまいります。 第四の柱は、技術革新の推進であります。 技術革新を通じた経済活性化を図り、科学技術創造立国を実現するため、研究開発への支援を強化し、産学官連携をさらに推進してまいります。科学技術振興予算としては、総額で一千三百七十七億円を計上しております。 第五の柱は、ITの利活用を通じた社会革新であります。 安心、便利な社会の実現につながるITの利活用を集中的に促進し、必要となる環境整備を進め、世界最高水準のIT国家を実現してまいります。 第六の柱は、新しい環境・エネルギー社会の構築であります。 省エネルギー対策や、水素エネルギー社会の実現を目指した新エネルギー対策、石油、天然ガスの自主開発や備蓄事業を引き続き推進します。また、原子力の安全確保対策の充実、一層安定的で効率的な電力システムの実現に取り組みます。 同時に、経済と環境の両立に向けて、地球温暖化対策や循環型社会の構築に向けた取り組みを着実に推進してまいります。 以上、御説明をいたしました政策を中心に、平成十六年度の経済産業政策の実施に向け、一般会計で総額八千六百五十二億円を計上しております。また、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に総額六千二百四十二億円、電源開発促進対策特別会計に総額五千三十三億円、特許特別会計に一千四百十六億円、貿易再保険特別会計に一千五百七十六億円を計上しております。 さらに、財政投融資計画につきましても、産業金融機能の強化などを図るため、所要の措置を講じております。 なお、経済産業省の平成十六年度予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてございますので、委員各位のお許しをいただき、御説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○中馬主査 この際、お諮りいたします。 ただいま中川経済産業大臣から申し出がありました経済産業省関係予算案の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中馬主査 以上をもちまして経済産業省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○中馬主査 この際、質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下貴史君。
○山下分科員 自民党の山下でございます。 去年十一月の総選挙で初めて当選をさせていただきまして、きょうが国会での質問の最初ということでございます。予算委員会の分科会審議での質問に立たせていただきましたこと、大変光栄に思います。 この分科会審議は、いわゆる地域問題というか、ローカル問題も取り上げても構わない場というふうに伺っておりますので、きょうは私の地元の問題について幾つか取り上げさせていただいて、大臣なりあるいは担当の方の御所見をいただきたいというふうに思います。 私の地元は、北海道の中の空知と留萌が地元ということになりますが、空知は、御承知のようにかつて大変炭鉱で栄えた地域でございまして、一つには、産炭地対策についてお伺いをしたいわけであります。 かつて、本当に、日本の国内エネルギー源としての石炭を大変産出する一大石炭供給地域であったわけでございまして、一番栄えておりましたころが昭和三十五年、住民基本台帳ベースでこの空知管内の住民は約八十七万人を数えた地域であります。それが、ちょっとことしのデータで、去年、平成十五年五月の段階で三十七万人に人口はなりました。四十年余りで五十万人の人口減に見舞われた地域がこの空知でございます。 その人口減の大部分は、炭鉱が閉山をして、そこに働いておられた方が大量に地域を離れた、それが原因で、それだけではもちろんないんでありますが、中心の原因であります。残された市町村は、しかし、産炭地域の市町村は一つもなくなっておりません。引き続き、自治体として、その地域で地域社会を守るべく頑張っているわけであります。 炭鉱が累次閉山をして、立て坑がすべてなくなり、今は本当にわずか露頭炭、露天掘りの炭鉱が何カ所か残っているだけでありますが、そうした産炭地の地域づくり、これは産炭地域振興臨時措置法という法律に基づいて、それぞれ空知でも産炭地振興に自治体は熱心に今取り組んできたわけでございます。新たな企業誘致あるいは観光振興、そういうことに力いっぱい取り組まれたわけでありますが、しかし、なかなか厳しい現実がございまして、産業振興のもと、当初のねらいどおりにはなかなか進んでいないという現実がありました。 そんな中で、平成十三年ですか、二年ぐらい前に、今申し上げた産炭地振興対策の柱でございました法律が失効いたしまして、五年間の激変緩和期間は設けられているとはいえ、柱となる法律がなくなってしまいました。 具体的な数字は、ちょっとこの場では、申し上げても結構なんですが、時間もありません。大変厳しい状況に引き続き旧産炭地域自治体が置かれている、これは紛れもない事実でございまして、やはり私は、法律はなくなりましたが、もう一度、重度に負担を持って、ハンディキャップを持って、何とかしかし地域社会を守るべく頑張っている産炭地域自治体に対して、いま一度、経済産業省が中心になりまして、政府において何らかの地域に対する支援策、こうしたものについて検討の上講じていただけないか、そういう思いを持っておりますが、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○中川国務大臣 山下議員の御地元が石炭でずっと栄えてきた、石炭は近代日本の主要なエネルギーとして大変大きな役割を果たしてきたことは、私も承知をしているところでございます。 そういう中で、いろいろな諸事情から、石炭に対する状況が大変厳しくなってきて、今御指摘のように、臨時措置法が平成十三年度をもって失効をするということになったわけでございますが、この産炭地に対する振興策が円滑に終了するように、激変緩和措置ということで、今御指摘のように、平成十八年まで補助率の引き上げ措置を継続ということにしているところでございます。また、地域の自主的な振興対策を講じられるように、新たに産炭地域新産業創造等基金というものを創設して、補助金の交付をしているところでございます。 石炭をめぐる状況は大変厳しいと思いますけれども、例えば、逆に、夕張メロンなんというのも、あの地域では、総理もよく言っておりますが、日本から世界に誇る、そういう農産物も出てきておりますし、観光地としても大変御地元、御努力されているところでございますので、そういう新産業創造のために一生懸命御地元が努力をしていることに、我々も、産業政策、地域政策として一生懸命お手伝いをさせていただきたいというふうに考えております。
○山下分科員 今大臣のお話にもございましたが、この産炭地域振興のための基金が二度にわたって造成をされております。一度目は、平成四年、五年度、これは名前が産炭地域活性化基金ということで、こっちの方は、空知の場合でございますが、国と道と自治体と民間会社が出し合って五十億五千万ぐらい。二回目が、平成十二年、十三年度にわたって、これは産炭地域新産業創造等基金ということで、これは国と道だけで四十五億円。合計九十五億五千万円ぐらいあるわけでございますが、これは確かに本当にありがたい基金なんでございますが、当初考えておりましたように、果実運用で何か仕事をやるというスタートだったと伺っております。御案内のように、大変低金利状況でございまして、果実での運営ということではほとんどまともな仕事はできない状況に追い込まれている、それが現実でございます。 一方で、先ほど申し上げましたように、自治体が大変財政的にも追い込まれていて、一方で合併論議にいや応なく巻き込まれている。さらには、合併したくても相手が見つからないがゆえに、もう独自に何とか道を探求していかなければならないと覚悟を決めた自治体もあります。 そんな中で、この今申し上げた九十億円ぐらいの基金について、一部の関係者から、こういう情勢でもあり、これを関係自治体間で公平に分割をして、それぞれ分割してもらった額を自分たちの町づくりのために、振興のために使わせていただけないかという声が上がってきております、全部ではありませんが、全部の自治体ではありません。 そのときに、やはり、これは国が出していただいた、また道も拠出をしていただいた金でありますので、簡単にそう願っても実現されるものではなかろうかと思いますが、やはり、そういう分割の可能性について、ぜひ、今後必要性が迫られてくることも考えられますので、その考え方といいましょうか、それは是か非か、そういうことについてちょっとお考えを聞かせていただければと思います。
○塚本政府参考人 お答え申し上げます。 先生お尋ねの産炭基金でございますが、二つございます。一つは、石炭鉱業の構造調整に即応した先行的な地域振興対策等を講じるためということで、先生御指摘のように、平成四年度から九年度にかけましてできましたのが産炭地域活性化基金でございます。もう一つが、平成十二年度から十三年度にかけました産炭地域新産業創造等基金でございます。こちらの方は、産炭法失効後も見通しまして、自立的経済社会の構築のための基金ということでございます。とりわけ、後者につきましては、その一部を取り崩し可能なような措置をしてございます。 そういう意味では、地元の関係市町村の方の御要望といいますか、そういうものを踏まえまして、関係市町村自治体でその両基金の設立の趣旨をよく御賢察いただいて、必要に応じて、特に後段の基金につきましては取り崩しも可能でございますので、そういう形で、地域の振興のために活用いただくように期待しているところでございます。 以上でございます。
○山下分科員 今の関連で、九十五億円余りあるという基金でありますが、実態の運用上は、既に関係自治体に貸し出されている現実もあるというふうに聞いております。合併が仮に、今検討が進められております、合併が現実になって、五市一町と言われている産炭地域が合併で新たな自治体になったときの持ち分の問題とか、いろいろ現実に心配をしておいた方がいい段階に入りつつあるということでございます。 ただ、その場合、前段の基金と後段の基金で、後段は確かに取り崩しが可能だというふうに私も聞かされておりますが、その際、前段の方の、最初に積まれた基金の方についてもこれはぜひ前向きにお考えをいただいて、民間からお金が入っているのでなかなかその分の処理がというか、対応が難しいということもあろうかとは思いますが、それだけ残してももう本当に意味がないと思うので、ぜひその折には、二つの基金両方について分割の可能性を真剣に探求していただきたい、こんなふうに思います。 もう一つ、産炭地域関係で、これはかつて私も、地元で産炭地域の皆さん方と一生懸命、どうやったら町に元気を取り戻せるか議論をしたことがございまして、そのとき非常に強く出てきた要望の一つでございますが、大変苦境にあえぐ産炭地域自治体にもう一回力強くチャンスを与えるための具体的な方策として、今非常にいろいろな方面で話題を集めております特区制度ですね。地域を限定して、そこの地域にだけ特別の規制緩和等を認める、そういう特区制度がこれだけはやっている時代でございますので、もう一回ぜひ、旧産炭地域にだけ特別に何か認められる規制緩和等の制度をつくっていただきたい。 その場合、これは、今の特区制度というのは、自治体からのアイデア、要するに自治体がみずからの考えで出してきて、それを受けて政府が対応するというのが今のパターンだと聞いておりますが、ただ、それを待っていますと、これだけ厳しい状況で、本当に日々の財政運営に追われている自治体になかなかそういうグッドアイデアを求めるのは大変厳しい状況にあります。ですから、ぜひ、産炭地域振興特区というものを、これは経済産業省のイニシアチブのもとで、関係省庁とかあるいは関係自治体とか、そういうところと一体となって御検討を賜りまして、そういう可能性を探求してもらって、できれば早急に制度化をしていただけないかと強く希望するところでありますが、大臣の御所見をお聞かせいただければと思います。
○中川国務大臣 構造改革特区、今山下議員御指摘の、これは、地方の自立という観点から、それを国が後押ししようということで、非常に活用されていると思いますが、むしろ、霞が関発で、例えば産炭地あるいは農山漁村、過疎地、中山間地という形で、こうしたらいいですかということが限界があるから、どうぞ地方の知恵を出してください、それを後押しさせていただきますということで出発したわけでございまして、小泉総理も、官から民へ、それから地方ができることは地方へということを言っておりまして、ぜひ、アイデアはやはりその地域の方々が一番お持ちになり、情熱を持っているわけでありますから、それを我々が柔軟かつ大胆にお手伝いさせていただく、ぜひアイデアを、地域の人にエネルギーを絞っていただく、それを後押しさせていただきたいということがよろしいのではないかなというふうに思って、ぜひ地元の皆さんのそういう期待を実現させていただきたいと思っております。
○山下分科員 はい、大変ありがとうございました。これは本当に、また地元に戻りまして、私もその一員になってアイデアを出して、何とかお願いしていきたい、こんなふうに思います。 次に、もう一つ別の問題なのでございますが、本当に過疎に悩まされている地域、どこでもそうだと思うのでありますが、いわゆる中心市街地の空洞化、あるいはまた、本当に閉店店舗が、空き店舗がふえてシャッター通り化する、そういった危機にある全国の中心市街地、商店街、たくさんあろうかと思います。 これは私も、昔、ちょっと法案制定過程で関係をしたことがあるのでありますけれども、平成十年に、略称中心市街地活性化法という法律ができております。これに基づいていろいろなところでTMOが立ち上がり、それぞれ町づくりの計画を進めているということでございまして、私の地元でも随分熱心に取り組んでいるところがございます。 具体的には、留萌管内に羽幌町という町がございまして、人口約九千人ぐらいの町なのでありますが、ここは非常に、町、町長、議長、商工会長、みんな本当に力を合わせて、この法の枠組みのもとで、中心市街地の活性化を図るための具体的な計画、今一生懸命詰めているということでございまして、具体的な中身は、中小小売商業高度化事業計画ということで、テナントミックス型の、複合型の商業施設をつくっていきたい、こういう中身の計画のようであります。そして、一度ヒアリングが終わり、もう一回、近く二次ヒアリングが予定されているということでありまして、地元からは、ありていに言うと、大変強くサポートをお願いしたい、そういうことを言われております。 これは、留萌管内で恐らく初めての取り組み、そしてまた町を挙げての必死の振興策としての取り組みということもございます。ぜひひとつ、この事業計画の認定、そしてその後につながる事業採択につきまして、特段の御配慮をお願いできれば、こんなふうに思っておりますけれども、大変恐縮でございますが、大臣の御所見というか、お考えをお聞かせいただければと思います。
○中川国務大臣 TMOとか商店街振興組合が策定する、中心市街地活性化法の認定を受けた事業計画に基づく商業施設の整備の補助金、いわゆるリノベーション補助金、これを大いに活用していただきたいということでございまして、要件は当然あるわけでございますけれども、かなり要件が広いというふうに考えておりますので、大いに使っていただきたい、活用していただきたいというふうに思っております。 最終的には、中心市街地ですから、人が寄ってくるということが一番大事なことだろうと思いますので、そういう意味でやはり、これも決して責任逃れをするつもりはございませんけれども、地元の皆さんが知恵を出していただいたものに対して補助金等を、あるいはノウハウ等を提供させていただくというふうにした方がいいんだろうというふうに思っておりますので、ぜひ、中心市街地の町づくり、再活性化のために、国も三分の一の補助率を用意させていただいておりますので、山下さんと私とは同じ北海道ですから、過疎に悩んでいる地域はよくわかりますので、大いにアイデアを出していただいて、私も北海道のために頑張りますなんて、こういうことをこの場で言っちゃいけないのかもしれませんけれども、全国の過疎地活性化のために大いに頑張っていきたいというふうに思いますので、どうぞ山下さんがリーダーシップをとって、アイデア、知恵を出していただきたい。全力を挙げて検討させていただきたいと思います。
○山下分科員 本当に温かい答弁、大変ありがとうございます。 次に、もう一つ別の問題をちょっとお聞かせいただきたいと思いますが、全国に商工会議所、商工会がたくさん設けられておりまして、その事務局に対して人件費補助が行われているというふうに思いますが、その中で、特に商工会に対してどういう、事務局長設置費というのがあるやに聞いているのでございますけれども、少し具体的な補助の仕組みについて御説明をいただければと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。 商工会の人件費につきましては、経営指導員と事務局長と二種類ございます。 経営指導員の人件費につきましては、平成五年度から七年度にかけまして一般財源化するということになっておりまして、現在、国としては地方交付税で措置をしておりまして、補助金交付は都道府県が行っております。 また、事務局長につきましては、経営指導員等が小規模事業者に対する指導等の事業に専念できるように、経営指導員の指導環境の整備を図るという観点から、その設置について、国が都道府県を通じて補助を行っているところでございます。
○山下分科員 事務局長設置費については国が都道府県を通じて助成を行っているというお話がございました。 これは、何か聞くところによりますと、北海道の場合は、国費で事務局長設置費がいただける商工会と、それ以下の小規模商工会には国費でなくて、道単というか県単というか、単独で事務局長設置費が出ている、こんな話も聞くのでありますが、事実関係はそれでよろしいですか。
○望月政府参考人 おっしゃるとおりでございまして、国費で北海道の事務局長設置費が出ておりますのは、平成十五年度の実績では百四十三人分でございます。 それから、実は国費で事務局長設置費を出すための要件に満たないようなさらに小規模のものにつきまして、北海道が単独で補助をいたしておりまして、私どもの伺っておるところによりますと、三十一名の事務局長に対してはそういうことになっているというふうに伺っております。
○山下分科員 その三十一名の事務局長設置費が道単で出されている、つまり、それだけ要件に満たない、会員が百人未満の小規模な商工会があるということでございまして、私の地元にも相当数の小規模商工会が存在をいたしております。そういうところから再々聞かせてもらう話なんでありますが、道単で出している、道の財政事情が大変厳しくなってきているということで、道単の事務局長設置費を減額ないし削減するという動きが道庁内部で検討されている、そういう話がいろいろ末端に聞こえてきて大変不安に思っているんだという話をたくさん聞かせてもらいます。 これは、しかし、そういうことに仮になりますと、市町村合併が進まない、進まないというか、それとは別のタイミングで、商工会もいずれ町が一緒になれば一つになるということはあるかもしれませんが、それを待たずして商工会、小規模商工会に対する糧道が断たれるということになりますと、本当に、それぞれの町や村では商工会が果たしている役割は本当に無視できない、大きなものがあります。ですから、そういう乱暴な、いかに財政事情が厳しくても、道単の事務局長設置費のようなものに手をつけるということはなるべく避けていただきたい。そうでないと本当に町や村の商工会は大変なことになる、こう思うのでありまして、ですから、長官にお願いできるかどうかわかりませんが、いろいろ、北海道の方と事情を聞いていただきまして、指導をする立場にはないのかもしれませんけれども、そういう地域の事情をよく勘案して、うまく適切に指導していただけるように配慮いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○望月政府参考人 お話の道単でやっておられる事務局長設置費につきましては、十六年度の予算案の検討段階で、削減等も含め検討されたというふうに承っておりますが、結果的には十五年度と同様の補助を行うべく十六年度予算案に計上されているというふうに聞いております。 当該補助につきましては、北海道が自治事務として行っているものでございますので、その取り扱いにつきましては北海道の判断によって決められるべきものというふうに考えております。 しかしながら、いずれにいたしましても、国としては、商工会において地域の小規模事業者に対し適切な支援が実施されるということが大切でございますので、地域の動向や地域の事業者ニーズなどを把握しながら、引き続き適切な施策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○山下分科員 ありがとうございました。 最後に、冒頭の話にもつながる話でありますが、過疎に悩んでいる地域であります、私の地元は。いろいろ甘えは許されません。自分たちで本当に過疎をとめる、そのために知恵も汗も流す、出す、そういう対応をしっかりやっていかなければならない状況にございます。 それを具体的に考えたときに、何が大切かというと、今人を養っている既存の産業をしっかり強くする、守る、これはもちろんのこと、それに加えて、やはり今までにない新しい産業をそれぞれの地域で興していく努力をやらずして、そういうことはとても実現できない、過疎からの脱却はできない、こう思います。 かつては、いろいろな工場誘致、団地をつくって来ていただく、かなり成功した時期もありましたが、今はもうほとんど来ません。ゼロに近いです、新しい企業。やはり、企業にしてみれば、北海道の片田舎に行くか、中国とかアジアのほかのところに行くか、選択ですから、とてもこっちの方にまで振り向けてくれる余裕は、それぞれ企業もないのかもしれません。そうすると、新しい産業をだれかに来て興してもらうということでもなく、今ここに住んでいる自分たちの仲間のだれかから、そういう新しい産業おこしに挑戦してもらう人を掘り起こしていかなければいけないと私は思います。 経済産業省はたくさんの新産業創出のための予算を、資料をいただきまして勉強させてもらいました、たくさんの事業項目があるということはわかりましたが、そうした事業を本当に、田舎に住んでいる人間がそれをうまく活用できるための手だて、どこにどんな相談を持ちかけたらいいのかということについて教えていただきたいのと、もう一つは、いろいろ見ると、会社なり工場を起こす所要額、当然要ります。何百万オーダーではとても仕事にならない、何千万オーダーかもうちょっと大きな額が必要になると思うのでありますが、本当に企業立ち上げのところまで応援するようなそういう事業というか施策が、現にたくさんある事業の中であるのかどうか、そのことにちょっと簡単にお答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
○中川国務大臣 山下議員のところと私のところと非常にロケーションが似ていると思うんですけれども、何とかしなければいけない、頑張らなければいけない、地方の時代だと。 ハンディキャップがあることも事実ですし、またメリットがあることも他方、事実だろうと思うんですね。例えば、空知管内ですと、水が非常に豊富だというメリットというのはあるんだろうと思うんですね。私は、これからの経済活動というのは環境と水ではないかというふうに思っているんですけれども、石狩川沿いを中心とした豊かな水があって、平らで肥沃な土地がある、そこにどういう、農業は多分空知あたりは大変厳しいんだろうと思いますけれども、しかし石炭も厳しかったですし、そういう中でどういうふうにしていったらいいかという地域の人の情熱、その情熱をどうやって産業にし、そして人を誘致し、そして発信をしていくかということで、これは結局は競争だろうと思うんですね。 どの地域もみんなで頑張るわけですから、空知もいいけれども、例えば十勝もいいけれども、九州もいいぞと、みんなで頑張って勝ち残っていかなければいけないわけですから、そのときに頑張る地域の皆さん方にどうやってお手伝いをさせていただけるかということだと思いますので、今までの伝統的なといいましょうか、従来型の産業も、これも大事です。我々、たくみのわざということで、そういうものをどんどんどんどん守り発展をさせていこうと。他方、ITとかナノテクとかバイオとかそういうものも頑張っていこうということでありますから、メニューはいっぱいあるんだろうと思うんですけれども、さて山下議員の御地元で何をしていったらいいのか、何が勝てるか勝てないかということです。 私も山下議員とはもう長いおつき合いでございますから、皆さん方との知恵を実現し成果を上げていくために、そのやはり発火点は地域の人の情熱であり知恵であると思いますので、そこを山下議員のリーダーシップで発火をし、爆発をさせて、そして成果を与えていくように私どもも、経済産業省、それが大きな我々の仕事の一つでもございますので、きょうの質問を契機に我々も全力を挙げてお手伝いをさせていただきたいと思いますので、ひとついい知恵、いい人材を大いに能力が発揮できるようにしていただければというふうに思います。
○山下分科員 ありがとうございました。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○中馬主査 これにて山下貴史君の質疑は終了いたしました。 次に、前田雄吉君。
○前田分科員 民主党の前田雄吉でございます。 本日は、初めにネットワークビジネスについてお伺いしたいことがございます。 アメリカにおきましては、フランチャイズに並んで、このネットワークビジネスというのは二大ビジネスの一翼を担っている産業でございます。そして、全米の商工会議所の会頭も、このネットワークビジネスから生まれているわけでございます。 翻って我が国を見ますと、一部の悪徳なマルチ企業によりまして、多くのまじめにこの業にいそしんでおられる、ネットワークビジネスにいそしんでおられる皆さんが迷惑をしている、しかもまた諸外国に比べて法制度もおくれている、これが我が国のネットワークビジネスの実態であると私は思います。 そこで、悪質なマルチは厳格に取り締まらなければいけないと考えます。これがなければ、まじめに働く人々も利用者も非常に迷惑するのでございます。先般も、学生が悪質なマルチ商法の被害に遭ったとの報道がなされております。皆さん、本当に、一部地域におきましては被害が前年度比に倍増している、特に学生については、非常に被害が出るケースが多いといったことがございます。 業界の自主規制におきましては学生は禁止しているわけでございまして、この悪質なマルチ企業に対して経済産業省としてはどのような行政指導を行っておられるのか、伺いたいと思います。
○青木政府参考人 お答え申し上げます。 いわゆるマルチ商法に関します消費者トラブルが近年増加しております。特に前田委員御指摘のとおり、この一、二年、大学生を対象としましたマルチトラブルが急増しておりまして、深刻な問題となっております。 具体的には、国民生活センターに集計されました十四年度、最近年度の苦情相談件数でございますが、前年度比四割以上増加をしておりまして、特に、大学が集中しております首都圏の四都県でございますが、前年度に比べまして倍以上の増大という状況になっております。 私どもといたしましては、関係機関と連携をいたしまして、苦情相談の内容あるいは関係事業者に関する情報収集を進めているところでございます。 御指摘の自主規制でございますけれども、これは、社団法人日本訪問販売協会が連鎖販売に係る自主行動基準を定めておりまして、その中で、学生などビジネス参加者として不適当な者についての勧誘を行わないように、こういう周知徹底を会員企業に図るものとしておりまして、私どもも従来からお願いをしておるところでございます。 しかしながら、このような団体の自主規制、自主基準でございますけれども、これは法律による規制ではないために、非会員の事業者には効果が及ばないというところでございます。 以上のような状況を踏まえまして、経済産業省といたしましては、各大学の学生さん、それから関係者への注意喚起を図ることが急務と考えておりまして、文部科学省に要請を行いました。これを受けまして、本年一月に文部科学省は、全国のすべての国公私立大学、短期大学、合計千二百二十七校ございますけれども、これに対してマルチ商法の被害防止のための注意喚起の通知を発出したところでございます。 私どもといたしましては、今後さらに関係情報の収集に努めまして、注意喚起あるいは情報提供に努めるとともに、警察あるいは都道府県の関係機関と協力しまして、悪質企業の取り締まりに向けた努力を続けてまいりたいと思います。
○前田分科員 今、文部科学省にもそのような、学生に被害が出ないような注意を喚起するというお答えがございました。そのように迂回路をとるのではなくて、もっと、学生が被害に遭うような悪徳なマルチ企業に対して直接的に指導するような手だてはどうでしょうか、青木審議官。
○青木政府参考人 私ども、今、関係機関と相談しながら情報収集に努めているところでございまして、連鎖販売取引におきます特定商取引法に違反いたします行為が認定されるならば、警察や地方公共団体とも連携しながら、法に基づき厳正に対処をしてまいりたいと思っております。
○前田分科員 ぜひ、こうした悪徳なマルチ企業に対しては、厳格に行政指導を行っていただきたいと思っております。 これは、実態はどのようなものであるか、実際にネットワークビジネスについての概要がどのぐらい把握されているのか、伺いたいと思います。米国のダイレクト・セリング・アソシエーション、DSAのホームページ上には、統計数字は確かにありますけれども、日本でネットワークビジネスに従事している方、また利用している方は何人いて、売り上げは幾らあるのか、これを経済産業省としてはどのように把握されているのか、伺いたいと思います。
○青木政府参考人 御指摘の米国の訪問販売協会のデータを含めまして、世界訪問販売協会が、各国のデータを推計値を含めて公表しております。この米国訪問販売協会並びに世界訪問販売協会のデータは、いずれも、米国でいいますところのダイレクトセリングに関する数字でございまして、これは我が国でいいますと、訪問販売及び連鎖販売取引をあわせたものに関する数字になるとされております。 この世界訪問販売協会のデータでは、我が国のダイレクトセリングに関します二〇〇二年の推計値でございますけれども、販売員が二百万人、売上高が二百四十五億ドルとなっております。 なお、連鎖販売取引のみを訪問販売と区別をして集計した数値は承知をしておりません。
○前田分科員 私は、経済産業省として、どのぐらい日本でこのネットワークビジネスに従事される方があるのか、そして売り上げは幾らぐらいあるのかを伺っているわけで、ホームページの数字を伺っているわけではありませんで、まず、ネットワークビジネスにどのぐらいの方が従事して、どのぐらいの規模の売り上げを持っておられるのか、これをしっかりとつかんでいただきたいと思っております。いかがでしょうか。
○青木政府参考人 先ほど申し上げました社団法人日本訪問販売協会、ここでの売り上げもございまして、十四年度、二兆三千億という数字がございますけれども、この売上高も連鎖販売取引を含んだ訪問販売の合計でございます。 各国ともなかなか、訪問販売と連鎖販売取引を区別して、なかなか企業も出さないといったようなこともございまして、私どもの訪問販売協会並びに各国が世界訪問販売協会に報告をしている数値も、分離した数値はないようでございます。
○前田分科員 しっかりとまずこのネットワークビジネスに関する業態を、現状をつかんでいただきたいと思います。 では、平成十二年度に訪問販売等に関する法律が改正されました。これは、国民生活センターへの苦情があり、相談件数の急増の割に警察当局の摘発件数が極端に少ない、そのために、警察当局の要望を全面的に取り入れて、法改正がこの平成十二年度に行われているわけであります。 しかしながら、依然としてマルチの悪徳商法の摘発が、取り締まりの件数として非常に少ないのはどうしてでございましょうか。警察庁、お答えください。
○伊藤政府参考人 まず、平成十五年時の検挙状況でございますけれども、特定商取引法違反及び詐欺罪では二事件を検挙したところでありますが、被害者数では約七百三十人、被害者の負担総額では約二億二千万円の事件であったわけであります。 検挙件数が少ないという点についてでございますけれども、そもそも、連鎖販売取引の商法におきましては、やみ金融事犯のような脅迫、威迫行為による被害が少ないということが一つあろうと思いますし、また、関係者相互に既存の人間関係があることが多くて、被害者におきましても、金銭的被害の回復という民事的側面に主眼を置いているケースがほとんどであるという事情が背景に存在するものと考えております。 警察としましては、連鎖販売取引に係る特定商取引法違反事犯を悪質商法の一つとしてとらえておりまして、取り締まりを推進しているところであります。都道府県警察におきましても、各地の消費生活センターと緊密な連携を保って、被害情報の把握に努めております。 最近の苦情相談動向等も踏まえまして、警察庁におきましては、本年二月におきましても、学生等若年層を対象とする事犯への積極的な対応と厳正な取り締まりを都道府県警察に対しまして指示したところでございまして、今後とも実態把握に努めまして、悪質業者に対する積極的な取り締まりに努めてまいりたいと思っております。
○前田分科員 先ほど青木審議官がお答えになられたネットワークビジネスの売り上げの規模、二兆円ぐらいだというお話を伺いました。その中で、警察が摘発した被害が二億二千万円だということですけれども、そうなりますと、本当にごく微々たる、少しの悪質な業者がいる。これを厳格に取り締まって、このネットワークビジネスにまじめに汗している皆さんがばかを見ないような、そんな警察行政を行っていただきたいと思います。 とにかく、悪徳マルチは大いに取り締まるべきであります。一部の悪質なマルチ企業のために迷惑をこうむっている、法に則して活動して、きちんと納税もしている善良なネットワークビジネスの企業が数多く存在していると思いますけれども、これに関して、大臣はどう思われますか。
○江田大臣政務官 まず、今も答弁されておりますように、悪質なマルチ商法については厳正に取り締まる必要があると考えております。 このような悪質なマルチ商法を防止するために、特定商取引法におきましては、連鎖販売取引について、虚偽、誇大な説明等の不当勧誘行為を禁止して、またクーリングオフ等の所要の規制を定めているところでございます。このような規制を適正に遵守する場合には、連鎖販売取引は禁止されているところではございません。 ただ、留意すべきは、この連鎖販売取引というのは個人間で多段階的に販売員を勧誘、拡大するものでございますので、たとえ連鎖販売企業の本社が法令上の規則を遵守するという姿勢を持つ場合であっても、末端においては販売員に十分徹底がなされずに、それが不適切なトラブルにつながる、このようなケースが多いわけでございます。 ですから、いずれにしましても、各企業、各販売員が特定商取引法の規制を正しく遵守して活動することが極めて重要、そのように認識をしております。
○前田分科員 では、政務官に再びお伺いしますけれども、とにかく、本社があって、その末端の販売員の皆さんが不適切な行為があった場合に、そういう場合はもちろんだめなんだ、それは当たり前の話です。でも実際に、現実を見ると、悪徳マルチのごく一部で、多くのまじめに働いておられるネットワークビジネスの従事者が見えるわけですね。この現状をどういうふうに認識されているかという質問だったわけでありますので、政務官、もう一度お答えいただけますか。
○江田大臣政務官 ですから、特定商取引法等の法をきちんと遵守されている、そういう業者の皆様にとっては何も問題はないと思われますが、特に悪質業者がそのようにおりますものですから、特に、先ほども言いましたように、末端において損失をこうむってトラブルが生じる、連鎖販売取引というのはそういうものを生じやすいものですから、まずそういう悪質なものについては取り締まりを強化するとともに、法をとにかく遵守していただく、そうすれば適切な取引、商売ということになるかと思います。
○前田分科員 全く私も同感で、法を適切に遵守すれば、これは正しいビジネスであると私も思います。 そして、諸外国に比べまして、我が国の法整備が実効性を非常に欠いているものであると私は思っているんですね。ですから、悪徳なマルチもなかなか摘発の件数が少ない。特にこんなケースがありました。アメリカなど外国の企業が、プレキャンペーンと称して、日本に法人登録もせずに人集めをして、すぐに撤収して、国外に出て、被害者を出している、そんなケースが見受けられます。 韓国を一つ例に挙げるといいと思うんですけれども、一定の条件を備えた上、例えば被害者救済保険への加入を条件としたような登録制度、こうした制度を韓国はとっているわけで、我が国は、ネットワークビジネスに対して実態に即した法整備をしていく上で、こうした諸外国の事例等を非常に参考にされて、立ちおくれている法整備の現状をもっと進めるべきではないかと思っておるんですが、どうでございましょうか。
○青木政府参考人 前田委員より、ただいま、韓国の例について御指摘がございました。 御案内のとおり、韓国におきましては、訪問販売あるいは通信販売、こういったものについて届け出制度をとるとともに、日本の連鎖販売取引に相当します多段階販売につきまして、事業者の登録制を採用しております。御指摘のように、そのもとで、消費者被害補償保険への加入といったような義務づけも行っていると聞いております。 実は、我が国におきましても、特定商取引法の前身でございます旧訪問販売法でございますが、この制定時におきまして、例えば事業者の事前の届け出制の是非について議論がなされたところでございます。その際、議論がありましたのは、このような制度によりまして、やはり事業者を継続的に把握、監督する、これにはやはり非常に膨大な行政コストが必要となること、また、開業、廃業の激しいこの種の事業者の規制として実効性に問題があることといったような理由から、これを採用しないこととした次第でございます。 ちなみに、諸外国、特に欧米先進国の例でございますけれども、韓国のような登録制度等々につきましては、類似の立法は私どもとしては承知をしておりません。 なお、あわせて委員より御指摘ございましたプレキャンペーンの問題でございますけれども、要は、会員を集めてすぐ撤退するといったような悪質な外国企業でございますけれども、このような悪質な企業につきましては、登録義務の制度の有無にかかわらず、実態の掌握、取り締まり、これはなかなか困難を伴うところでございますけれども、私どもといたしましては、警察等関係機関と連携をしまして、特定商取引法及び関係法令の厳正な運用に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○前田分科員 今、とにかく欧米には例がない、韓国には確かにあるけれどもというお話をいただきました。 諸外国の例といって、まず韓国を挙げたわけでございますけれども、まず実態を正確につかんでいただいて、このビジネスをどのように行政指導していくのかということでございますので、しっかりとその辺お含みおきいただきたいと思っております。 次に、産業構造審議会の消費経済部会特定商取引小委員会のメンバーに、経験者も実態がわかっている人も一人として入っていないわけでございまして、これでは、現状を正確に把握して議論して答申を出すことが難しいのではないかと思います。構成メンバーの中に、私はこのネットワークビジネスについて精通しておられる方がぜひ新しく入るべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○青木政府参考人 特定商取引法に関連いたします分野で、特に近年消費者トラブルが増加しております、いわゆる点検商法といった悪質な訪問販売、あるいは最近のマルチ商法に対する特定商取引法の対応について御審議をいただくために、昨年の九月に、産業構造審議会消費経済部会の中に、委員御指摘の特定商取引小委員会を設置いたしました。自来七回にわたる御審議をいただきまして、本年一月に小委員会としての報告書を取りまとめいただき、さらに二月には産構審としての御議論をいただいたところでございます。 同小委員会におきましては、各取引の実態、あるいはそこで多発する消費者トラブルの実情、こうしたものを詳細に分析していただく、かつ、これに対して的確な法制度の対応策を御検討いただく、こういう観点から、まず、消費者団体及び関係の事業者団体の方々、並びに中立的な法律学者、さらに弁護士、さらには法執行を担う地方公共団体の方々等々、多面的な各方面の方に幅広く御参加をいただいたところでございます。 事業者団体の代表といたしましても、先ほど来お話が出ております、連鎖販売取引に関する自主規制のルールを策定、運営をしております社団法人日本訪問販売協会の代表の方にも委員として御参加をいただいたところでございます。また、特に連鎖販売取引に関する審議を行いましたときには、同協会から御推薦をいただきまして、連鎖販売取引に長年従事をされた方も御参加をいただきまして、実情の聴取、意見交換を行ったところでございます。 また他方、消費者団体の代表の方々、あるいは弁護士の各委員でございますが、これも連鎖販売取引を含みます消費者トラブルの実情に精通をした方々でございまして、さらに、審議会は公開で運営をいたしまして、私ども、透明性のある審議会の運営を図っているところでありまして、同小委員会におきましては、連鎖販売取引を含め、十分実態に即した議論ができたのではないかというふうに考えております。
○前田分科員 今ここに、今御指摘の小委員会の名簿があるわけですけれども、私は、審議官がおっしゃられているように、適切に現状を把握されているとは思いません。先ほど、審議会の審議の中に、実際にそのビジネスに加わられている方もお入りになって議論をされているということがありましたので、そうした現状を本当に知っておられる方がこれからもぜひそういう審議に加わられて、しっかりとした現実性のある答申が出されますようにお願いしたいと思います。 世界的に今大きな広がりを見せている、年齢も性別も問わない、また老齢者や社会的弱者にも就業のチャンスが生まれる、こうしたネットワークマーケティング、また、納税義務もしっかりと果たしておられる方が大多数でございます。これは一つの流通のスタイルとして、システムとして認知して、これから、一定の条件を満たしたもの、法をきちんと遵守したものについては大いに育成していくという、これからプラスの思考でこのネットワークビジネスをとらえるべきではないかと私は思いますけれども、いかがでございましょうか。
○中川国務大臣 連鎖販売取引でありましても、販売組織や個人販売員の活動が、法律に従って厳正に守られているという場合には、必ずしもこれは問題ではないと思います。 しかし、今委員からも御指摘がありましたように、また役所の方からも御答弁いたしましたように、ビジネスにふなれな個人がほかの個人を販売員として次々と勧誘し合って、だんだん上に上がっていくシステムというのが、なかなか日本においては、トラブルが現に起こっているわけでございますので、委員の御指摘も、きちっとしたルールが守られて厳正に適用されれば、これは世界の流れだからもっと真剣に検討してもいいんではないかという御趣旨であれば、一定の厳しい要件がつくとは思いますけれども、ひとつ検討に値することだとは思いますけれども、現時点で、余りにもいろんなトラブルがあるということの方が我々としては重視せざるを得ないという考えで、現時点ではあるということでございます。
○前田分科員 ぜひ、一定のルールを守っている方たち、まじめに働いている皆さんに対して、またしっかりとおこたえをいただけるようにお願いしたいと思います。 次に、私は、光触媒、新技術でありますけれども、このことについて伺いたいと思います。 私ごとですけれども、ちょうど私の娘も心臓病の手術をしまして、そのときに、小ちゃかったものですから、NICU、集中治療室に入っておりました。滅菌ルーム、菌のない部屋に入っておったわけですけれども、そういう光触媒、これは微弱な電流が流れるセラミックスで、これに電流を通して水を酸素と水素に分ける、そのときに出る、分解反応の過程で出る物質が殺菌とそれから減菌あるいは消臭につながっているという技術でございます。 これに対して、平成十三年度の補正予算において、光触媒利用による病院の感染及び消臭対策として、地域創造技術研究開発費補助金が経済産業省の方から出されております。この光触媒技術の開発状況はどうでございましょうか。
○江田大臣政務官 先生今おっしゃられましたように、光触媒技術というのは非常に有用な技術でございます。私も技術研究者の経験を持つ者として、酸化チタンというのが有名でございまして、おっしゃられるように、光が当たって紫外線によって水とか酸素とか、そういうものからフリーラジカルという非常に反応性の高い物質が出る、それが有機化合物を分解したり、まあ汚れを落とすということでしょうけれども、そうしたように抗菌作用がある。ですから、製品にはいろんなものに応用する可能性がございます。 今、政府としましても、フォーカス21という研究開発プロジェクトを立ち上げておりますが、こういう中におきましても、光触媒を使った、水が伸展性を持って、伸ばされますので、屋根材とか外装材の放熱部材、またシックハウス等で問題になっておりますホルムアルデヒド等の有機溶媒を分解してくれますので、そういう室内の環境浄化、そういう性能を持つ製品の開発がなされているところでございます。繊維業界におきましても、たしかこういうシックハウス予防のホルムアルデヒドを分解するような、そういうカーテンとかいうのが開発されているところだと思います。 こういうような状況のもとで、今、やはり製品化する上においては、一番重要なのはこの試験方法、評価する上で試験方法を標準化する、すなわちJIS化を行っていくということでございますので、そういうJIS化評価を今組み立てているところでございます。 今後、この標準化等の推進を通じまして普及に努めてまいる所存でございます。
○前田分科員 こうした新技術は、地域の振興にもつながります。また、多くの皆さんにも役立つことだと思います。光触媒の加工繊維の病院等への普及もぜひ促進していただいて、皆さんのためになる産業振興をよろしくお願いいたします。 どうもありがとうございました。
○中馬主査 これにて前田雄吉君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。
○吉井分科員 日本共産党の吉井英勝です。 きょう私は、RDF発電などについて質問をしたいと思います。 全国二十九カ所のRDF製造、発電施設で、これまで三十五件に上る爆発、火災事故が頻発しています。特に、大臣ももうよく御存じと思いますが、昨年は、三重県桑名市の施設で、消火に当たっていた二人の消防職員の方が殉職される。なぜこういうことが起こってくるのかということを、きょうは明らかにしていきたいと思います。 最初に政府参考人の方に伺いますが、三重県企業庁に、なぜ技術的に確立していない問題を残しながらRDF発電施設の導入に走ったのかという質問をしたんですが、一つは、NEDOが、発酵、発熱、蓄熱は六カ月間の実験で問題なかった、大丈夫、安全だと言っていたということを言っておるんです。二つ目には、環境省がダイオキシン規制法の基準に合うように急げと、国から言われたので、この二つの理由で、それでRDF発電に進んでいったんだという話でありました。 発酵、発熱、蓄熱の研究報告を出したのは、これは、NEDOの研究費千二百万円が三重県を経由して、だからいわばトンネルみたいな感じですね、石川島播磨重工へ流れて、石播でこの研究報告をまとめております。 NEDOとして、この石播の委託研究報告書を見たときに、これで大丈夫、十分だという評価をしたのかどうか、評価について最初に伺います。
○藤田政府参考人 お尋ねのNEDOの調査でございますけれども、委員御指摘のように、平成五年度から七年度にかけて、環境調和型のエネルギーコミュニティー事業調査の一環として、NEDOから三重県の企業庁に対しまして、RDFの発電に係る委託調査を行ったところでございます。 この中で、ホッパー方式と、それから屋内山積み方式という二つの貯蔵方式による……(吉井分科員「いや、それは読んでいますので、要するに、石播の委託研究報告を見たときに大丈夫と評価したんですか、そこだけなんです」と呼ぶ) 三重県が導入した方式は、この報告書が進めるとした様式と違っておりますけれども、NEDOといたしましては、三重県の企業庁に委託調査をして、その結果を受けとめたということでございます。
○吉井分科員 さっきも言いましたように、三重県などが言っているのは、NEDOの予算による研究の中で、NEDOが発酵、発熱、蓄熱は六カ月間の実験で問題なかった、大丈夫だというお話だったんだということを言っているわけです。 三重県では、一年前の二〇〇二年十二月一日に運転を開始して、三週間ほど後の十二月二十三日には、RDF貯蔵槽で発熱、発火事故が起こっています。その後も、八月の爆発事故までに発酵、発熱事故というのが何度か発生しているわけです。 NEDOの委託研究では、企業庁にしろ石播にしろ、要するに、発酵、発熱、蓄熱は六カ月間の実験で問題なかった、こういうふうにして、だから安全上問題なしとしたわけですが、運転開始から三週間ほどで発酵、発熱、蓄熱事故が起こり、同じRDF発電装置が大牟田でも石川でも事故を起こしています。 みんな、NEDOが大丈夫と言ったというのが出発の一つなんですが、NEDOの資金による委託研究の報告書と現実というものが余りに違い過ぎると思うんですが、なぜこんな違いが出ておるんですか。
○藤田政府参考人 NEDOの委託調査で検討の対象とした貯蔵方式はホッパー方式及び屋内山積み方式というものでございまして、この二つの方式について十二カ月間貯蔵試験を実施いたしまして、その結果、可燃性ガスが爆発範囲濃度に達するようなことはなかったという結果を得たわけでございます。 一方、実際に三重県が導入したのはサイロ方式というものでございまして、これはNEDOの委託調査の報告書では触れていない方式でございます。
○吉井分科員 要するに、NEDOの言っている研究とは違うものだから責任は負いかねる、こういう話なんですよね。NEDOのとった行動はおかしいわけですが、私はこれはまた改めて後でやりたいと思うんですが、ここで消防庁の方に伺っておきたいというふうに思うんです。消防職員の犠牲をなくし得たのではないかという問題意識を私は持っています。 RDFというのは、生ごみも廃プラスチックも一緒に固形化した燃料ですから、もともと発酵して温度上昇することも、そのペレットを大量に貯蔵すると熱が伝わらない、熱伝導が悪いですから、ポーラスな部分がありますから、一層断熱効果が出てきますから。ですから、熱がこもって上昇する、つまり蓄熱する性質を持っているんです。 全国各地のRDF発電所でも発熱、発火、爆燃などが発生しておりますし、消防庁は、実は、三重の事故、大牟田、石川の事故だけじゃなしに、そういうのはつかんでおられるところです。 昨年夏の三重県のRDF発電所の事故の経過を若干見ておきますと、七月二十七日に、RDF貯蔵槽で火を確認した。八月十四日には、突然熱風が発生して作業員四人が負傷した。八月十九日には、RDF貯蔵槽が爆発事故で消防隊員の方が二人犠牲になられた。この爆発では、貯蔵槽の十トンの重さの上ぶたが二百メートル先へ、これは高圧送電鉄塔のところまで吹き飛んでしまっているんです。私も現地を見てびっくりしましたが、これがもし近くへ落ちておったら、もっとたくさんの消防職員の方やあるいは報道機関の方が犠牲になっている、そういうすさまじい実態でした。 これは、特異な事故じゃなくて、発酵して温度が上がる、蓄熱する性質のものについては、RDFであれ、あるいは大臣の方の北海道の牧場の牧草のサイロにしても、密閉構造の貯蔵槽、タンクやサイロに入れておくと、発熱し、発火することや、時には爆発することもある。これは、各地の消防署で扱ってきておりますし、国内でも海外でも経験済みのことであります。 そこで、消防庁の方に質問なんですが、密閉構造の貯蔵槽、サイロの消火活動については、サイロ内に水を噴霧したり、開口部を通して水を噴霧してはならない。水はサイロの内容物には浸透しないし、燃焼しているところには届かない。それどころか、空気を巻き込んでバックドラフトのような爆発の原因になる。これは、アメリカの消防庁が一九九八年のレポートで発表していることです。 こういう情報を、消防庁の方がこのレポートを手に入れられて、つかんでおったのは、このレポートが出た一九九八年のことなのか、一九九九年のことなのか、いつこういう情報を得ておられたのかを伺います。
○東尾政府参考人 ただいま御指摘の、いわゆる密閉性のサイロにおきます消火活動についてのレポートでございますけれども、遅くとも一九九九年ごろには入手していた、このように承知しております。
○吉井分科員 このレポート、消防庁の方は、ちゃんと九八年か九九年には得ておられたこのレポートですが、ここでは、窒素や二酸化炭素、すなわち不活性なガスで酸素の供給を断ち切ることを指摘して、水をかけてはならないと言っているんですね。もし密閉サイロでバックドラフトが起きた場合には、その威力は重い構造物を数百フィート離れたところへ飛ばすことが可能であると指摘していました。 まさに、昨年の三重県の事故では、重さ十トン、サイロの屋根の重さですよ、十トンの屋根が二百メーター飛んでいっているんです。つまり、これは九八年のレポートに既にあったことなんですね。ですから、消防庁の方で、昨年の七月二十七日の最初の、RDF貯蔵槽で火が燃えているというのを見つけて以来、このことについてそれ以降の情報をよく把握して、そしてこの八月十九日以前に、RDFタンクの鎮火には上から水をかけてはだめなんだと現地の消防署に指導助言をしていたら、二人の殉職はなかったし、タンク屋根十トンのものが二百メートルも吹き飛ぶという事故もなかったと思うんですが、消防庁はそういう指導助言をされたのかどうか、伺います。
○東尾政府参考人 今回の消防吏員の殉死事故に当たりまして、七月の段階で発熱があったということはその後承知いたしました。その段階において現地消防本部等から当庁に対して、そのような事態になっているという報告がございませんでしたので、当時特段のこちらの方からのアドバイスはしておりません。
○吉井分科員 消防庁や消防研究所の方はプロだと思うんですよね。プロだと思うんです。私のような消防の素人でも、当時毎日、新聞を見ておったんです。テレビを見ておりました。あの状況を見ておって、その中で随分現地の方が苦労してはるのをよう見ていましたからね。 実は、発酵した貯蔵物に水をかけたら爆発するという知見は、九八年のアメリカのレポートだけじゃないんですね。日本でも十五年前にあるんですね。 これは消防庁の外郭団体の財団法人全国消防協会編集の「ほのお」、一九九一年の一月号ですから、もう今から十三年ほど前のものですが、日本でもこの事故の、実際の事故はその一年前、さらに少し前ですから、大体十五年前に、この中に書いてありますが、一九八九年四月二十日、福岡県糸島郡前原町で牧草のサイロで爆発火災事故があった。屋根側の間から注水作業を行っていた消防職員三人が重傷を負っていますね。二人が重傷、一人が軽傷でしたか。原因は何か。バックドラフトだと書いてあるんですよ、この消防庁の外郭団体のものに。 それは、要するに、十五年前の当時は全く予期せぬ出来事であったとしても、サイロ火災による爆発事故の教訓として、このまとめの中にありますが、微生物の反応でも火災発生の危険がある、そうした危険物品はもちろんのこと、生成物など網羅し、研究し、危険の排除に努力を続けなければならないと指摘していたんです。 ですから、アメリカの報告にしろもうずっと前ですし、さらに古く日本の消防庁自身が出したものの中でも、貯蔵型のタンクにしろサイロにしろ、発酵、発熱、蓄熱を伴うものについては水をかけたらそういうことになるんだ、必ず消火には不活性ガスを使いなさい、これが教訓として出ていたのに、それをきちんとやっていなかったという点では、消防職員の二人の犠牲者を出した国の責任というものは、きちんとした指導をやっていないという点では、これはやはり重たいものがあると私は思うんです。これは総務委員会だったら大臣に聞くところなんですが、とりあえず政府参考人の方に聞いておきたいと思います。
○東尾政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、密閉性のサイロなどにおきましては、過去類似の事故が農業用のサイロなどで起こっていますことについては私どもも十分承知しておりましたところでございます。 今回の事案につきましては、ただいま御指摘の消火活動が適切であったかどうか、これらにつきましては、私どもといたしまして、八月十四日に第一回の熱風による作業員四名が負傷した段階で、適切な消防活動が行われているかどうかを三重県当局に十分注意するようにということについては御連絡を申し上げましたけれども、具体的にどのような消火活動をすべきかということまで詳細に指導はしてございません。 その点について、ただいま不適切な点があったのではないかという御指摘でございますが、個々の消火活動について詳細に一々こちらの方に上がってきていなかったということについては、私どもとして反省いたす点はあるかと思いますが、刻々と状況が変わりますので、その辺については現地消防本部でまず第一義的に適切な判断をしていただくべきであった、また、このことについての情報管理について、もう少し正確な情報をこちらに上げていただくべきであったか、このようにも思います。
○吉井分科員 私、マンション火災まで一々消防庁に話し合えと、そんなあほなことを言っているんじゃないんです。国民だれもがテレビで目の当たりにしていたあの事態について、少なくとも犠牲者が出るまでに、国際的経験、国内の経験を踏まえて、これは全く予期することのできないものではないにしても、現場の消防署はそんなに十分な知見等を持っていなくても対応できるわけですから、それはやるべきであった。この点では責任は重いということを指摘して、保安院に伺います。 発熱量の多い廃プラスチックや腐食、摩耗を引き起こす塩化ビニールをRDFから取り除くことは難しい、それは三重県の方で言っていますが、これまでの調査で、事故のあったものについては、火炉底部空気ノズルの腐食、摩耗、一次加熱器や二次加熱器の腐食、摩耗など、原因が塩ビ系廃プラスチックによる燃焼で塩素系のガス等によって腐食が進んでいるということは県も認めております。 保安院の方に伺います。電気事業法によるチェックは運転開始前に必要だと思うんですが、塩素系ガスによるボイラーの腐食など火力発電の心臓部の話であって、いいかげんな扱いであってはならないと思うんですが、きちんと調査していますか。
○松永政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘の、当該RDF施設のうちの発電設備でございます。これは、御指摘のとおり電気事業法の事業用電気工作物でございますので、電気事業法に基づきます国としての安全確保のための審査等を行っております。 具体的に申し上げますと、当該発電設備につきましては、事業者の方で工事計画の届け出を出しております。あるいはまた、昨年の六月の時点で使用前安全管理審査、この状況に着手したところでございます。 事故が起きました後、三重県の方で発電設備、具体的に申しますと、今御指摘のボイラーでございますけれども、その状況を確認しましたところ、御指摘のとおり、主として塩素系の原因で起きる腐食、摩耗等があった、こういう報告も私どもの方では聴取をいたしております。 原子力安全・保安院といたしましては、今後とも、電気事業法に基づきまして、発電所への立入検査等も行いながら、安全確保に万全を期すよう指導を徹底してまいりたい、かように考えております。
○吉井分科員 これは塩素系のものが当然出てきますから、腐食、摩耗等が進んでいく施設です。そうすると、見つかった部分について全面的に材質を変えるのか、あるいは肉厚の厚いものにかえていくのかとか、そうしたことなしには腐食、摩耗が進行していくことがわかりながら運転再開ということにはいかないのは当然だと思いますが、そうしたことはきちんと、再開の話が出ているだけに、簡単な扱いはしないということをやらなきゃいかぬと思います。 廃棄物処理法の施行規則では、固形燃料として必要な大きさ及び形状に形成できる形成施設が設けられていること、固形燃料化施設に当たっては、固形燃料を貯蔵するための貯留設備が設けられていることなど、そういうことを書いているだけで、実際には、RDFの発酵、発熱、蓄熱、爆発への対策というのはありませんでした。それから、塩素系ガス等による腐食その他が考えられていたわけでもありません。 しかし、ごみ焼却炉のダイオキシン類の新たな排出規制強化となった二〇〇二年には、一気に二十五施設が稼働することとなりました。そのときに、資源エネルギー庁の地域新エネルギー導入促進事業で大牟田、三重、福山など三カ所に二十億余りの国庫補助、廃棄物発電促進対策費でRDF発電施設が鹿島、石川北部の二カ所につくなど、やはりNEDOの後押しが、発電効率や売電の経済性に重点を置き過ぎ、安全確実な処理がおろそかになってはいけないという、これは環境省の検討会報告にありますが、そういうことがあったんだけれども、しかし実際にはそういう後押しが各地でRDF発電施設計画を誘導していった、こういう面があるんじゃありませんか。
○藤田政府参考人 我が国におきまして、風力あるいは太陽光等の新エネルギーの導入、これは重要なエネルギー政策上の課題でもございまして、二〇一〇年には、原油換算で千九百十万キロリットルの新エネルギーの導入促進を図っております。 その中で、廃棄物の発電につきましても、廃棄物をただ燃やすだけではなくて、その廃熱を発電に利用するということで追加的な二酸化炭素の発生なく電気エネルギーが得られるという観点から、私どもとしては新エネルギーの一つとして位置づけており、ほかのエネルギーと同様の導入促進措置を講じてきているところでございます。 こうした中で、廃棄物発電の一つのタイプでございますRDF発電につきましても、これまで地方公共団体等に対する新エネルギー導入補助制度の対象として促進してきたことは事実でございますけれども、特にほかの新エネルギーに比べてRDFを重点的に推し進めてきたというようなことではございません。
○吉井分科員 NEDOの研究で、発酵、発熱、蓄熱の心配はなしと。自治体の方はそれで進めたんだ、しかも、補助金がついてくるということで進んでいったというのが事実としてあります。 環境省に一言聞いておきますが、環境省の方で、発電所爆発事故による費用負担が莫大になってきて、県内のごみ処理に支出されたりしている分もふえてきているんですが、旧厚生省時代に、一九九七年五月に出した新ガイドラインに基づくごみ処理の広域化計画の推進、九七年十一月に出したごみ焼却施設の国庫補助対象の重点化、いわゆる大型化で、だから金をどんどんつけましょうということでRDF化施設やRDF燃焼施設の集中促進を図ってきたというのが今日見られる結果じゃないかと思うのですが、環境省としてはそういう立場で政策的に進めてきたわけですね。
○南川政府参考人 お答え申し上げます。 環境省におきましては、ダイオキシン対策が十四年十二月から本格的に始まるということでございましたので、全国各地の自治体に対しましてそれに間に合うようにということで施策をお願いしてまいりました。 その内容としましては、当然ながら、大規模な焼却が対策として適切だということでございます。直接燃やせるところはそれでいいんですけれども、規模が小さくて到底直接燃やして発電が得られないというところではRDFも一つの手段であるということで言ってまいったところでございます。
○吉井分科員 要するに、政策的に国の方は、安全です、大丈夫ですとNEDOが研究で言ったのですと言いながら、同時にダイオキシン対策で、さあ、やりなさい、補助金もつけましょうということでかなり、十分技術的に開発できていないままに、進んでいないままにRDFをどんどん進めてきたというのが実態として見られる。しかも、それが、昨年の消防職員の犠牲というふうな問題も生まれてくる、こういう事態を生み出してきたということをよく見ておかなきゃいけないと思うのです。 そこで、大臣に、いろいろ前段聞いてもらいましたのは、昨年八月現在で全国四十九件のRDF施設の整備に四百二十一億円余りの補助金が出ているんです。四件のRDF発電施設整備に七十七億円余りが出ている。 地方自治体では、さっきから言っていますように、NEDOの研究で大丈夫と言われたんだ、もう一つは環境省の誘導で、経済産業省、環境省の補助金を受けて進めてきたんだというのが地元の方の言っていることです。このRDFとかRDF発電技術が未確立なまま補助金をつけて政策的に推進してきたという点では、私は、やはり国としても、これでよかったんだろうか、技術というのは当然開発する課題はいろいろありますから考えなきゃいけないんですが、これでよかったんだろうかということを今考えなきゃいけないところへ来ていると思うんです。 私は県の味方をしてとかそういうのじゃないんですよ。県は県でしっかりしろということを言う部分はあるんです。ただ、今、国の両省に係る補助金をうまく進まなかったら返さにゃいかぬということで再開にそれ行けどんどんで突っ走る、こういう傾向も生まれております。事故後の施設の安全性や住民の声を無視して、軽視して発電再開をごり押しするというふうなことになったら、あの教訓が本当の意味で生かされない、あるいは必要な研究開発が進まない、解明されないというふうに思うんです。 そこで、大臣に、三重の例を挙げますと、三重県に、直ちに補助金返還せいとか、返さないんだったら安全性棚上げしても発電再開しろ、こういうふうな指示はしないんだという点だけを伺っておきたいと思うんです。
○泉副大臣 吉井委員御指摘のように、新しい技術を導入する場合には慎重に対処しなければならないことは当然でありまして、三重県の場合も平成五年から七年まで三年間実用化に向けた調査研究をやった上でスタートし、その他の地域でもやってきたことは先ほど来御指摘のとおりであります。 しかし、現実に事故が起きておる、あるいは貴重な人命を損なったという事態からいたしますと、既にこれまでもこの事故を踏まえての研究を重ねてきておりますが、先ほど御指摘がございました不活性ガスの封入設備等、あるいは燃料となる……
○吉井分科員 ちょっと済みません。補助金返せとか、返さへんやったら安全性ちょっとおいておいて運転再開せいという、それはないですね、そこだけ。その次のところはまたお伺いしますので。
○泉副大臣 研究を続けて安全性を確認しておりますので、これからの推移を見た上で対処をさせていただきたいと思います。
○吉井分科員 最後に、時間があと一分ちょっとになりましたので、大臣に伺っておきますが、今、この全国二十九カ所のRDF製造、発電施設で三十五件の今回のような爆発事故初め事故、トラブルが頻発しています。 この際、ごみ処理の大型化、広域化の弊害というものをやはり真剣に考えて、ごみというのは分別、減量というごみ処理本来の方向に立ち戻る必要があると思うんです。 そして、生物系ごみはバイオマスエネルギーとしてメタン、エタノールの形で取り出す、プラスチック系ごみは化学処理工程を経て原料素材に回すとか、公害発生源にならない新たなエネルギー源に転換するなど分解処理を考えていく。焼却する場合は、環境に負荷を及ぼさない方式の開発を図る。 そうした意味での新エネルギーを含む研究開発は大事なことですから、経済産業省はそういう点では、なるほど今までRDFをやったんですが、今現実にぶつかっていますから、RDF推進から今私が言いましたような方向へ方向を転換していく、そのことだけはやはりこの際考えておくことが大事だと思うんですが、ここだけは大臣にお考えを伺っておきたいと思います。
○中川国務大臣 吉井議員おっしゃるとおりだと、私も同じ考えでございます。 日本では、たしか環境白書によりますと二億五千万トンの産業廃棄物と五千万トンの一般廃棄物が出てきて、この問題をどうするかという大問題がありますし、他方、日本のエネルギー政策という観点からこれを有効利用していくという中で、今までの、既存のエネルギーに加えて、いわゆる新エネルギー、バイオマス、リサイクル型のエネルギーというものが非常に重要だろうというふうに思っておりますので、経済産業省のみならず、関係各省よく連絡をとって、この問題は非常に大きな問題として私も推進していきたいというふうに思っております。
○吉井分科員 時間が参りましたので、終わります。
○中馬主査 これにて吉井英勝君の質疑は終了いたしました。 次に、篠原孝君。
○篠原分科員 民主党の一回生議員の篠原孝でございます。 私、初めての質問でございまして、予算委員会の分科会というのは非常に具体的な問題をするところだということなんですが、せっかくの機会でございますので、今、経済産業省が一丸となって取り組んでおられますFTAについて、大所高所から御質問させていただきたいと思っております。 貿易問題を考える場合、やはり過去をきちんと振り返ってみなければいけないんじゃないかと思います。我々、今、貿易黒字をためているので、相当昔から日本は貿易黒字国だと思っておられる方が多いんだろうと思いますけれども、実は違うわけでございまして、一九八〇年までは慢性的貿易赤字国、八〇年でさえ二千六百億ほどの貿易赤字国でございました。八一年ぐらいから急に黒字がふえてきて、今、十兆円にも達しているというわけでございます。 途中から、余り輸出ばかりしているので、輸入しなくちゃいけないんじゃないかということで、私なんかからすると余り賢い考え方じゃないと思うんですが、中曽根総理は、アメリカとの貿易赤字を少なくするために、冗談半分にとられましたけれども、一軒で三万円アメリカ製品を買えばいいんだ、だんなさんには似合わないかもしれないけれども、三本のネクタイを買えばいいとか、要らないネクタイ買ったってしようがないと思うんですが、そういうことを言っておられた。 それから、経済産業省の先輩の皆さん、お考えになったんだろうと思いますけれども、輸入促進税制、買えば税金まけるというのを、これはほかの国では絶対やらないことをやっておったんだろうと思います。そんな経緯があるわけでございます。 その間で、農産物がどのように扱われてきたかといいますと、どちらかというと、言い古された言葉でございますけれども、犠牲として差し出されてきたということがあるんじゃないかと思います。これは、EUなんかと比べるとよくわかるわけです。六十四品目ぐらいがっちり守っておりました。しかし、日本は次から次に自由化して、最後に残ったのが米という状況です。 しかし、今、農業は国内総生産のわずか二%弱ぐらいしか占めないんですね。こういった産業をさらにそういった形に扱うというのはおかしいんじゃないかと思います。そういう時代はとっくに過ぎておりまして、どちらかというと、農業はどうやって維持していくかということを考えるべきときじゃないかと思っております。 そういった状況の中で、FTAというのを、私はFTAがよくないと言っているわけじゃございませんけれども、やり出すと何か悪者にされまして、農業鎖国だとか言う方もおられます、四千億円損していると。もう輸出し過ぎて、ため過ぎて、世界じゅうからひんしゅくを買っているにもかかわらず、さらに輸出したいと。僕は、これは欲張り過ぎなんだろうと思います。 こういった状況の中で、なぜFTAをそんなに急ぐのかということ、この辺について、中川経済産業大臣の御見解をまずお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 篠原議員は、いろいろな著書、論文等を私も折に触れて拝見して、大変示唆に富むお考えをお持ちでございますが、FTAは急ぎ過ぎではないかということについては、あえて篠原教授に異議を申し上げさせていただくならば、日本は、貿易立国としてFTAに少しおくれ過ぎたのではないかという感じを持っております。 貿易立国としての位置づけは、多分篠原議員とも共有できると思います。ただ、何でもかんでもオープンにすればいい、ガット二十四条に基づいて、あるいはサービス協定に基づいて何でもかんでもオープンにすればいいというものでは決してないんだろうと。 これは、世界の百八十幾つのFTAを見ておりましても、先日締結されましたアメリカと豪州のFTAなんというのは、一番センシティブな部分は全部、何か棚上げになったようなFTA、あれもFTAであった、こういうことでございます。ですから、本当に、日本の場合にはもう少しまじめに、真剣にやっておるわけでありますから、トータルとしてプラスになっていく。 メキシコ、韓国、東南アジアとやっておりますけれども、一〇〇対〇はないけれども、〇対一〇〇もない。できれば、五〇対五〇か五一対四九ぐらいで何とかまとめていく。その場合に、センシティブな部分をどうやって回避をしていくか、あるいは仮にそうなった場合にはどういう国内対策等をとっていくかということも含めて、やはり私は、FTAというものは、何も産業界だけではなくて、日本の消費者の皆さんも含めて、国益という観点から、やれるところはどんどんやっていかなければいけませんけれども、あくまでもこれは、一定の条件といいましょうか、クリアすべき問題をクリアしてやっていかなければいけない問題だろうというふうに思っております。
○篠原分科員 まあ、わからないでもないわけです。今日本がおくれているんだろうと思います。さっき大臣が言われましたように、もう既に世界では百八十九ですか。今交渉していますメキシコは非常に先走っているようでして、三十二も結んでおる。 日本はおくれたんでしょうけれども、やはりWTOでやっておるので、最恵国待遇とかありまして、そこでやっていったら、みんなのところ、日本にも均てん化してくるわけですから、私は、そこででんと構えていてもいいんじゃないかなという気がするわけです。しかし、ほかの国がわんわんやっているのに日本はやらないでいいかということで、シンガポールとはでき上がっていますし、今、大臣先頭に立って、あと七カ国ですか、それについていろいろやっておられて、大変だろうと思います。 しかし、今、現下の日本の状況を見た場合、一体経済産業省として何に取り組むべきか、私は貿易のさらなる促進じゃないんじゃないかと思います。大臣の御地元の帯広はどういう状況かわかりません。私の地元の長野、オリンピック以降、ユニークな知事さんを抱えているというような問題もあるのかもしれませんけれども、もう疲弊しております、いろいろなことがばらばらでして。 それで、ここを活性化するにはどうしたらいいのか。もちろん、農林水産業、第一次産業は大事でございます。ですから、我が民主党は農業再生プランというのをつくるということになって、私などもそれに相当時間を割いております。しかし、それだけではだめなわけですね。建設企業もあります、観光もあります、それから、やはり日本を支えてきたのは製造業です。こういったものをきちんと元気にしていかなければいけないんじゃないかと思います。そういうことを考えると、余りここでFTA、FTAと言っているのは得策じゃないんじゃないかと思います。 例えば、日本全体というのはよくわかります。この間、十八日にGDPの発表がありまして、対前期、三カ月前と比べると十月から十二月は一・七%増だ、年率に換算すると七%と、バブル期と同じだと。しかし、そういったものが一体どこのところにあるのか。やはり、外国に工場を持ったりしている大企業、そういったところばかりなんじゃないか、地方には均てん化していないと思う。 こういったときに、FTAというのは、やはりどちらかというと、地方にあるような産業にしわ寄せがいくんじゃないかという気がしているんです。だから、やってもいいんでしょうけれども、今この時点でやるべきではないような気がするんですが、今この時点で相当な人数を投入しているというのを、一週間ぐらい前の新聞にありましたけれども、そうするメリットというのはどんなものがあるんでしょうか。大臣にまたお伺いしたい。
○中川国務大臣 FTAは、もう篠原議員御承知のとおりバイの協定ですから、WTOのようなマルチではないわけで、二カ国が決めればいいわけです。そういう中で、やはり、それでも、メキシコ、韓国、東南アジアの三カ国等々それぞれ違うわけですけれども、総じて日本が今、そしてまた今後の交渉の中で主に攻められる分野というのは農業であり、そしてまた人の問題になってくるんだろうと思います。 しかし、攻める部分といいましょうか、メリットがある部分といえば、確かに、貿易でこれだけ、外貨準備高が七千億ドル、八千億ドルという状況で、もっともっと稼ぐメリットがあるのかねというのは、これは何も篠原議員がへそ曲がりだからおっしゃっているのではないということは、私、よくわかっております。十数年前の名著「農的小日本主義の勧め」というあの本なんかを読んでも、そのお考えは私も十分共鳴するところがあるわけでございます。 ですから、まさに国益とは何なのか、FTAによる国益は何なのかと。確かに、一部の世界的な企業がさらに投資ができる、輸出ができるということもメリットかもしれませんけれども、やはり、長野の中山間地帯、北海道のような寒冷地帯、あるいは九州、沖縄のような地帯、それぞれが応分に発展をしていくという観点からFTAを考えるということも、私はある意味では非常に重要なことだと思っております。
○篠原分科員 強い者がさらに強くなる、これは結構なんですが、やはり弱者に対する思いやりというのが必要なんじゃないかと思います。 農業と同じように、言ってみれば斜陽産業という形になっているとレッテルを張られているものに繊維産業があるんじゃないかと思います。地方の製造業で一番は食品産業だと思いますけれども、二番目が繊維産業ですね。 繊維産業を見ると、なかなかひどい、かわいそうな状況じゃないかと思います。非常に大事な産業ですし、雇用も七十万人ほどあるそうですし、流通業合わせると百七十万人、製造出荷額でも全体の製造業の七%も占めているということだそうですけれども、ちょっとFTAを考えるに当たってヒントになるんじゃないかと思いますので、繊維産業がどのように推移してきたかというのを、簡単に、事務方の方で結構でございますから教えていただきたいんです。
○北村政府参考人 お答え申し上げます。 まず、繊維産業についての輸出入の推移からお答え申し上げます。 繊維全体の輸出につきましては、金額ベースで見てみますと、一九六〇年には四千四百億円の輸出をいたしておりましたけれども、その後、一九八〇年にピークとなります一兆四千二百億円まで輸出が伸びました。その後、減少に転じまして、近年は九千二百億円前後で輸出が推移をいたしております。 一方、繊維全体の輸入につきましては、同じように金額で経年変化を見てみますと、一九七〇年には四千六百億円という数字でございましたけれども、その後、次第に大きな伸びを示しておりまして、二〇〇一年に二兆九千九百億円という数字になっております。現在はほぼ横ばいで推移をいたしているということでございます。 一方、国内の繊維産業の出荷額につきましては、一九六〇年の時点で二兆一千億円の出荷額でございました。一九九〇年にこれが十三兆四千百億円まで、これはピークでございますけれども、出荷額が伸びまして、現在は六兆三千億円という出荷額になっております。 以上、数字だけ申し上げました。
○篠原分科員 伺っていますと、数字を聞いていますと、愕然とするような数字でございます。 こういったときに、こういった産業、農業をどうやって維持していくかというときに参考になるんじゃないかと思います。今お答えいただきましたように、輸出が一兆円弱、それに対して輸入が三兆円になってきてしまっている。農業は輸出などほとんどないわけですけれども。 これを見てみますと、私ちょっと伺いましたところ、一番大きな繊維輸出国は中国になっているわけですね。中国は貿易額の一五%も占めている。典型的な繊維でありますポリエステル繊維になりますと三七・四%。日本はそれぞれ、貿易額の二%、それからポリエステル繊維も二・七%しかつくっていないということ。これは、考えますと、このままいきますと、今、輸入ももうとまったというようなことをおっしゃっていましたけれども、私はそうじゃないんじゃないかと思います。このままほっておけば、ますます輸入がふえていくということになるんじゃないかと思う。そういったものを放置しておくことがいいのか。 食料安全保障というのを言われます。しかし、それは何も食料だけじゃなくて衣料その他一般の産業についても言えるんじゃないかと思います。だから、一つの産業がちょっと弱いからといって、それを全部外国にゆだねてしまうというようなことはやはりよくないんじゃないかという気がします。 これに対しては、自由貿易をどんどん推進する人たちは、いやいや、そんなことはないと。中国が強いのは人件費が安いからというのが一般的には言われています。そのとおりだと思います。でも、行け行けどんどん派は、やはり自由貿易を維持すべきだ、人件費格差をしのぐ技術力格差を持って自由貿易を維持していくべきだと言う方がおられます。 私は、それはスーパーコンピューターだとか大型テレビだったら、ハイビジョンテレビですか、そんなようなものだったら、まだまだ技術力、技術格差があるかと思いますが、セーフガードの導入でもめましたネギ、シイタケ、こういったものに人件費格差をしのぐ技術力格差があるかどうか。たかがネギのつくり方、たかがシイタケのつくり方に人件費格差というのは、幾らかかっています。中国の場合は数字がなくてよくわからないようですけれども、技術者が十三分の一、一般的な都市労働者が三十七分の一、農村に行くと百分の一と言われています。百分の一というのは、ただ同然という意味ですね。 そういった国とやる場合に、一体そのままで過ごしておっていいかということです。私は、やはりセーフガードとかそういったものを導入したりしていってもいいんじゃないかと思う。余りにもひどい輸出洪水のために、中国からの輸出が一番になるんだろうと思います、繊維業界にはセーフガードの導入という要望があるはずですけれども、それについてはどんなぐあいで、どういうふうに処理されておるんでしょうか。
○柴生田政府参考人 お答え申し上げます。 繊維に係るセーフガードにつきましては、繊維及び繊維製品に関する協定に基づきまして、経過的セーフガード、いわゆるTSGを発動し得ることとなっております。 このTSGにつきましては、我が国はこれまで三件の調査を行ってきております。具体的には、第一に、平成七年に調査を行いました綿糸四十番手及びポプリン・ブロード織物、第二に、平成八年に調査を開始しましたポプリン・ブロード織物、そして第三に、平成十三年に調査を開始しましたタオル、これらにつきまして、関係業界からの要請に基づきまして調査を行い、その結果、第一の綿糸四十番手及びポプリン・ブロード織物、それから第二のポプリン・ブロード織物につきましては、TSGを発動するに足る輸入の増加が認められないと判断いたしまして、調査を終了しております。また、タオルにつきましては、本年四月十五日を調査期限といたしまして、現在調査を行っているところでございます。 いずれにしても、TSGにつきましては、繊維及び繊維製品に関する協定及び国内法令に基づきまして、引き続き厳正に対応してまいります。
○篠原分科員 今タオルが出てきましたが、タオルが典型的だろうと思います。タオルをつくるのに技術力格差がどれだけあるか。ですから、まともなことを考える人だったら、ユニクロだけじゃないんだろうと思います、中国進出するんだろうと思います。 日本でもタオルをつくっている人がいる。例えば、中川タオル産業株式会社が日本で一生懸命あくせくしてつくっておる。小泉ワールドアパレル産業が例えばあるとします。これはさっさと、抵抗勢力、日本でやるべきだという人たちの声を聞かずに、全部中国に移してしまった。それで、あちらでどんどんつくって日本に輸出している。中川社長は日本で資金繰りにあくせくしながら、六十五歳になったお年寄りの首切ろうかと思うけれども、ちょっと情け心が働いて雇用しておくということで、工場を一生懸命やっている。ところが、わんわん輸出されてくる。一体、国民に問うたら、どっちの企業を守ってやるべきだというふうに言うんでしょうか。私は絶対に中川タオル産業株式会社なんだろうと思います。 私は、農業だけじゃなくて、ほかの産業もやはり日本にある程度維持していくべきではないかと思います。そうじゃないと、どういう状況が起こっているかというと、少子化、少子化というのを問題にしています。日本にいっぱい子供がいなくちゃいけないと言っておきながら、日本に工場や雇用がないから、ことしの高校を卒業する人や大学を卒業する人たちもなかなか仕事にありつけないということになっているわけですね。そんないびつな状況にしてまで、自由貿易で、あるいはFTAで行ったり来たりする必要があるか。やってもいいんですけれども、限度があって、ある程度の規模のものは日本に残すべきだ、そういう決断というか、そういう判断をしても私はいいんじゃないかと思います。 いろいろ細かいことをお答えいただきましたけれども、日本はセーフガードを導入したりしたことはないわけですけれども、私は、今後、人件費の安さをもって中国、東南アジアから猛然と輸出攻勢がかかってくると思うんです。そういったとき、仮定の話ですけれども、守る手段として、国際的にも認められているわけです、セーフガードを導入してもいいんじゃないかと思いますけれども、ほかの国のセーフガードの導入状況というのは、例えばどんなぐあいなんでしょうか。
○北村政府参考人 お答え申し上げます。 これまで諸外国が繊維に係りますセーフガード措置を発動した件数は、全体で五十八件となっております。主な国を申し上げますと、アメリカが二十九件、アルゼンチンが十三件、ブラジルが九件、その他でございます。 ただ、現在の時点でセーフガード措置が効力を有しております措置は、五十八件のうちの六件でございます。ただ、このうち二件につきましては、本年末までに撤廃されることが既に決まっておりますので、実質的には四件がこれから有効な措置として続くというふうに考えております。
○篠原分科員 わかりました。ほかの国は適当にやっているわけですね。 ちょっとこれからは話を聞いていただきたいんですが、自由貿易が一体どれだけ大事かというもの、どうも、よく見ますと、日本の皆さんは、自由貿易は国民が豊かになるための手段にすぎないのに、何か目的になってしまっている。経済産業省の中でもいろいろ議論があるんだろうとは思いますけれども、通商政策を担当しているところは、もうFTAが絶対善だということで進めておられるんじゃないかと思います。やはり僕はそういうのはよくないんじゃないかと思います。 それに対するアンチテーゼとして、皆さんのところにお配りしましたけれども、私、食べ物については、そこでとれたものをそこで食べるんだ、そのときできたものをそのとき食べるんだということで、地産地消、旬産旬消というのをずっと提唱というか、言ってまいりました。そこそこ農業界では受け入れられているんです。しかし、これは農業界だけじゃないんです。ほかのことにも言えるんじゃないかと思います。 どういったことかといいますと、すぐ近くの産業界でいうと、木です、ウッドマイレージというもの。木も、遠くから持ってこないで、なるべくその近くでやっている方がいい。それから、グッズマイレージ。どうしてかというと、輸送には必ず汚染が伴う。副大臣、ずっと運輸行政をやっておられて御存じだと思いますけれども、産業行動に伴うCO2の排出もなかなか多いんですけれども、輸送に伴うCO2の排出というのも大変なものがあるわけですね。やはりこれは抑えていくべきだというのが一つの絶対的価値としてあるわけです。 そういったことも勘案すると、遠くの国から何でもかんでも輸入してくるというのはやはりおかしいんですね。ですから、私は、FTAをやるにしても、台湾や韓国や、この近くとやる、例えばヨーロピアンユニオンに対してエイジアンユニオンにしていくようなFTAだったら丸だと思いますけれども、メキシコとかチリとか、あんな遠くの国とやっても、どんな意味があるかという気がするわけです。そういったことを考える。 それから、食べ物については、繊維製品や鉄鋼と違いまして、新鮮さとか安全性とかがあるわけですね。そういったことを考えますと、先ほど大臣にはお答えいただきました、アメリカとオーストラリアのFTAの中ではいっぱい例外品目がある、これはグッドイグザンプルだと思います。 日本のFTAについては、ほとんどの場合、農産物は除外していったりするべきではないかと思いますけれども、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○中川国務大臣 まず、日本が貿易立国としてやっていかなければならないということが、篠原議員との間の共通の認識であるという前提でお話をさせていただきますが、他方、何でもかんでも関税率を下げさせ、また日本も下げて、どんどん輸出、輸入をやっていくということだけではだめだろうということは、私も議員の御指摘はよくわかります。 他方、今篠原議員のお話というのは、どちらかというと、生産サイド、川上サイドのお話が中心だったと思うんですけれども、やはり日本は、消費者が食べたいというもの、欲しいというものは、冬であろうがイチゴが食べたいとか一年じゅうスイカが食べたいとか、これがいいのか悪いのかという議論はまた他方あるのかもしれませんけれども、そういう中で、やはりおいしくて安全なものであれば、値段にかかわらず食べたいというニーズが非常に高くて、現実にそれができちゃう国になっているわけであります。 ですから、平成五年のあの大冷害の後の米パニックのときでありますとか、あるいはつい数年前の口蹄疫の問題、BSEの問題で、食品安全委員会、あるいは農水省、厚生省がきちっとああいう形のフードセキュリティーシステムをつくったことに、私は消費者は大変な支持をしているんだろうと思います。 そういう意味で、やはり消費者ニーズにこたえられるもの、逆に言うと、安いんだけれども何か農薬漬けだねとか、そういうものは消費者は決して好まないふうになってきておりますから、内外の問題も、論点として大変、先ほどから御質問されておりますけれども、いいものかいいものじゃないか、安全か安全じゃないかということも大きなファクターであって、それは必ずしも値段とか関税障壁の問題とかいうこととは別次元として、やはり消費者にこたえられるような食べ物、あるいはその他、工業品も含めまして、そこにできるだけ安ければいいねというものがくっついていくという観点からは、やはりある程度の前提を置いたFTAというものがそのニーズにこたえていくことができるのではないかというふうに考えております。
○篠原分科員 ぜひそのようにしていただきたいと思います。 最後に、お願いというか注文ですけれども、通商産業省がこの行政改革で経済産業省になりました。日本国の経済全般を担っていくんだという意思のあらわれだと思います。しかし、FTAにだけ血道を上げているようでは、もとに戻ってもいいんじゃないかと思います。先ほど申し上げました、今一番必要なのは何かというのをよく考えていただきたいんです。疲弊した地域経済の活性化です。もしFTAに八十人、九十人という人材を投入するんだったら、地域経済の活性化にこそ投入していただきたいんです。 どうしてかといいますと、私が三十年間勤めました農林水産省、これは旧態依然として、なかなか、農林水産業についてはありますけれども、全体の経済の活性化のところまで思いが及びません。やはり、日本の官庁の中で経済産業省の皆さんが一番アイデアに富んでいるんじゃないかと思います、一方失敗するのも結構多いですけれども。しかし、いろいろなアイデアをやってみるのがいいのであって、ですから、地域経済の活性化に全力で当たっていただきたい。 ですから、今何か金融のことをごちゃごちゃ言って、そちらが日本の経済にとって大事だとかいうのはありますけれども、日本経済の活性化はやはり中川経済産業大臣の双肩にかかっておるわけです。斜陽産業の代表である農林水産業についての知識も存分に持ち合わせておられるということです。日本経済の活性化に全力を挙げて取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○中馬主査 これにて篠原孝君の質疑は終了いたしました。 次に、樽井良和君。
○樽井分科員 民主党の樽井良和です。初めての質問ですが、次世代議員らしい質問をさせていただければと思います。 景気は着実に回復基調にあると月例経済報告の中でもありますが、雇用情勢としては依然と厳しい状態であります。そんな中で、小泉総理、施政方針演説の中では、ITを実感できる社会にするんだということを言明しております。このIT、いわゆる情報通信技術革命、これはいわゆる電子商取引でありますとか、あるいはインターネットで情報を得られたりして非常に世の中を便利にしていく、改善していく部分があるんですが、同時に、ホワイトカラーを中心にして人がだんだん要らなくなってくる、そういった側面も持っております。こういった余剰人員削減に伴う、特に中高年層にとって、デジタルデバイド、こういった問題もありますけれども、大変な問題であります。 社会が効率的に発展していく、改善されていくけれども雇用がふえないという雇用の回復なき景気回復、このジョブレスリカバリーのこの状態の中での雇用対策、失業対策、これを経済産業省ではどのように考えているんでしょうか。
○中川国務大臣 最近もGDPの伸び、意外な伸び、それから、これは誤差の範囲だとは思いますけれども、失業率が四・九から五・〇になった。今委員御指摘のとおり、アメリカが典型的なようでありますけれども、雇用なき経済成長、これはITということが大いに寄与しているんだと思います。合理化で、三人でできることが一人でできちゃうとか。 ですから、本当の意味の経済の回復ということになりますと、仕事の意欲を持った人がきちっとお仕事ができる、こういうことによって雇用が改善をし、そして内需が、特に個人消費がきちっと上向きになって、そして賃金なんかも順調に伸びていく、これがあらゆる産業、あらゆる地域でもってそういうことができてこそ真の意味の日本経済の回復というふうに私は考えております。 もちろん、IT関連が日本の経済を今引っ張っているということは、これはある意味では頼もしい話でありますからそれがけしからぬとは言いませんけれども、ITがぐんぐんぐんぐんいくと、それによって雇用に、今の時点ではアメリカでも日本でも決して雇用の方に反映していないということも、他方、事実だと思いますから、この問題をしっかり認識して、真の意味の景気対策をとっていかなければならないというふうに思っております。 〔主査退席、中山(成)主査代理着席〕
○樽井分科員 それにしても、例えばアメリカの例もありますが、私の所見では、まだまだIT革命というのは序の口の段階だと思っております。実際に、ムーアの法則というのがありまして、十八カ月から二十四カ月の間にマイクロプロセッサーが倍々ゲームでだんだんと性能が倍増してくる、こういった法則があります。このまま進展していくとどういうことになるのか。 例えば、現在のチェスの世界チャンピオンというのはどなたか、こういったことの中で、実は一九九七年にはカスパロフさんがIBMのコンピューターのディープブルーというプログラムにチェスの世界チャンピオンの座を奪われているんです。実際にいろいろなプログラマーに聞いてみますと、お金を惜しまずにぐっと研究していけば、五年もたてば将棋でも例えば羽生さんにすら勝てるような、そんなプログラムをつくれるんだと。 このままの状態でプロセッサーも伸びていく、そしてプログラムの技術も伸びていく、こういったことになりますと、本当に、仕事の面において人間でしか今までなし得なかった、できなかった労働というものをだんだんコンピューターがとっていく、こういったことが容易に想像できるわけです。それもそんなに長いスパンで考えた場合ではありません。二十年後とか五十年後を考えたら、もはや、この計算の結果で見ますと、普通の経理であるとかそういった仕事もコンピューターが代替する方が人間よりも効率的でありしかも正確だ、そういったデータも出ています。 こういった中で、ちょっとこじつけにもなりますが、では二十年後、五十年後に、どういった産業、どういった部分においてだと人間がコンピューターに優位性をずっとかち取って維持することができるのか、こういった問いがなされると思いますが、物理学者が研究した成果によりますと、これは実はエンターテインメントだというんです。人間をどうやったら楽しませるんだろうか、感動さすことができるんだろうか、何を見て人は涙を流すのか、こういったことについては、コンピューターは無生物でありますから、やはり人間のそういった感性の部分には立ち入ることができない、そういったことになっているわけであります。 そんな中で、これから先、日本の産業として、こういった感性の部分、エンターテインメントの部分なんですが、今言われておりますコンテンツ産業、知財という部分なんですが、例えばアニメーションなんかでは、アメリカの売り上げでいえば鉄鋼の輸出の三倍以上の売り上げが今出てきている。 こういった中で、二十一世紀の国家戦略として、音楽であるとかアニメであるとかあるいは映画やコミック、こういったコンテンツ産業、私は、いろいろネットワークが進んでいけばさらにもっと必要になってくると思うんですが、こういった産業の競争力を高めるということも大事だと思うんです。そういった政策を実行していくのかどうなのか、まずお答えください。
○豊田政府参考人 コンテンツ産業についての先生のお尋ねでございます。 コンテンツ産業は、映画、音楽、アニメ、さまざまなものがございますが、昨年、「千と千尋の神隠し」でアカデミー賞を受賞するなど、世界的に非常に高い評価を受けてきております。サービス産業の中でも国際競争力を持ち得る産業というふうに期待をしております。しかも、一つの漫画の原作からアニメができたり、映画ができたり、キャラクターグッズができたり、さまざまな形でのビジネスの展開が可能でございます。そういう意味でも大きな経済効果、経済波及効果が期待されております。 こうした重要なコンテンツ産業、経済産業省としても重要な産業として支援をしていこう、戦略的な位置づけを与えて政策を展開していこうとしております。 十六年度におきましても、少なくとも四つの観点から政策を進めていこうというふうに思っております。一つは、国際展開ということでございますが、コンテンツ市場の創設を東京国際映画祭のいわば裏番組として同時に行っていくことですとか、カンヌ映画祭など海外の見本市に出展をすることを支援いたしますこととか。二番目に、海賊版対策。アジアにおいては海賊版が相当横行をしておりまして、深刻な被害をこうむっております。そして、三番目に、コンテンツの流通市場を拡大していかないといけないというふうに思っております。さらに、人材育成、資金調達そのほかで政策を充実していこうということで、関係省庁と連携をとりながら政策を展開しているところでございます。
○樽井分科員 コンテンツ産業育成にいろいろやられているようなんですが、育成といいましても、これはやはりコンテンツをつくる人材がちゃんと育っていかなければ未来はないわけであります。こういった中で、人材をつくっていくこと自体が非常に大事な問題なんですが、現在の日本の中で、こういったコンテンツ産業、そういったプロデューサーであるとか、ディレクターであるとか、あるいはそれをかく人、あるいは出演する人、そうした人を育てていく環境にあるのかどうか、こういったことについて現在の取り組みを教えてください。
○泉副大臣 コンテンツ創造のためにはサイクルがうまくいかなきゃならないということでございまして、委員御承知のように、いわゆるプロデューサー、それからクリエーターといった二つがうまく循環していく必要があると思っております。クリエーターがいなければコンテンツはできないし、プロデューサーがいなければビジネスは成り立たない、こういうことでございます。 そうした観点から、今、経済産業省といたしましては、いわゆる知的財産管理、海外取引実務などを内容としたプロデューサーを育成するということに一つ力を入れておりますのと同時に、有望なクリエーターを発掘するということ、そして最先端技術に係る教育のカリキュラムの策定、研修を行っておるわけでありまして、十六年度におきましても、文部科学省など関係省庁とも連絡をとりまして人材の育成を図っていく、努めてまいりたいと思います。
○樽井分科員 クリエーターの獲得あるいは人材育成、育てるところなんですけれども、その実際的な、どういう場所でどんな教育をして育てるのか、そういったきちんとした具体的なことはやられておりますか。
○泉副大臣 アメリカの例などを委員はよく御承知の上でそういうことをお尋ねになったと思いますが、今、我々の省として取り組んでおりますのは、産学連携が必ずしも十分ではなかったというようなことを反省しながら、今日のコンテンツ産業の重要性の高まりの中で、専門職大学院の創設、それから大学、これは東京工芸大学、これはアニメーションを主体にされるようですが、あるいは大阪電気通信大学、これはデジタルゲームのようですが、こうした大学において具体的な人材教育を図っていく、そういうことを関係省庁と一緒に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
○樽井分科員 私なんかは非常に映画とかが好きなものですから、例えばパンフレットとかを見てみますと、今おっしゃられたようなところから育成されてきた人材というのが本当に少ないと思うんですね。実際問題、今日本というのは、非常にそういった部分においては不十分だと思います。 例えば若者で、私は例えば映画をつくりたいんだとか、プロデューサーになりたい、ディレクターになりたい、そういうときにはどこに行けばいいのか。今おっしゃられたような大学でありますとか専門学校に行ってどれほどの成果があるのかといえば、本当にまだまだ不十分な状態ではないかと私は実感しております。 実際にアメリカなんかは、先ほどもおっしゃられましたが、見ていただきますと、例えば、さっきも言いましたけれども、映画に行くのならハリウッドに行こう、そしてミュージカルをやるんだったらブロードウェーに行こうじゃないか、そういったプロデューサーにしろ、ディレクターにしろ、出演者にしろ、これをやるんだったらこの場所に行けば充実したエリアがあるんだという、そういったものがきちんとあるわけであります。 例えば、南カリフォルニア大学の映画学科というのがあります。ジョージ・ルーカスでありますとかフランシス・フォード・コッポラを輩出した大学なんですが、ハリウッドにきちんと隣接しまして、そういった中で、そこで勉強しながら、また同時にインターンみたいに実際に映画制作に携わる、そしてさらには、卒業するときには卒業論文として十六ミリできちんとした映画を制作してから卒業していくというような、こんな、規模においてもあるいはそういった学習するシステムにおいても、日本よりもかなり大きなエリアとして存在しているわけであります。 ここで私は思うんですが、先ほどもおっしゃいましたが、例えばハリウッドのように、映画をつくりたいんだったらそこへ行こうというエリアがあります。それは学校もあるいはそうした知的財産の産業界も、連携してそういったエリアをつくっています。それは同時に、まさしく観光資源としてかなりの部分で機能しているわけであります。そういったコンテンツ産業を育て、さらには観光資源としても大いに活用できるもの、これは将来の日本においても必要だと私は考えているんですが、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 文化といいましょうか、これは伝統文化もあればそれから今委員御指摘のようなITの中のコンテンツ、アニメとかそういうものもありますけれども、やはり日本もそういう過去の財産、今後の、「千と千尋の神隠し」とか、そういうものもあります。ハリウッドは、もう全く大学と一体となってそういうものをやっているというふうにも聞いておりますので、こういうものはよければ評価されますけれども何といっても競争ですから、いわゆる産学官的な連携を大いにやっていくことによって、日本の強い分野であるこの分野をさらに力強くしていく必要があると思っております。
○樽井分科員 日本は特に資源とか土地に乏しいところでありますから、そういった中でこういったコンテンツ産業あるいは知財というものは、今後大きな部分を占めてくる。 殊に、ネットワークで世界じゅうが結ばれまして、そういった情報自体が売り買いできるというシステムの中においては、何を流すのかという、まさにそのコンテンツが本当に大きな意味を持ってくると思いますので、ぜひとも日本にも、きちんと観光資源にもなり、さらにはそういった人物を輩出できる、そしてそういったエリアがあることによって、いろいろな、そういったことを目指している方が集まってきて、そういった共同体みたいな中でまた新しいものも生まれてくるわけです。ぼつぼつと大学の各学部にちょこっと映画学科が、あっちの大学にあります、こっちの大学にも、そんなのはもうサークルに毛が生えたような状態でしかないと私は実際には考えているわけであります。 それで今後、コンテンツ、例えば、今政府が余り力を入れていなくても、とりあえず、先ほどもおっしゃられたように、「千と千尋の神隠し」でありますとかさまざまなヒット作、日本から優秀なアニメーション、そういったものがどんどんと生まれてきているんですが、そういったものはすべて情報であります。 ですから、情報として、映画もコミックもアニメも全部がデジタル化されてしまって、先ほどからも言っておりますように、全世界をネットワークでどんどんと劣化することなく突き進んで、ネットワークで行ってしまう。さらには、デジタルでありますから、アナログと違いまして、オリジナルよりも劣化しているものでは全くない、それは全く同じ価値を持った、同じだけのものが送られてきて、あるいはコピーされるわけです。 こういったことに政府としてはきちんと取り組んでいかなければ、クリエーターの方が幾らつくっても、コピーされたり無償で使用されたりしておりますと、やはり収入的にも、あるいは今後発展させる経費としても非常に厳しい部分があると思うのですが、そういった部分において政府は何か対策を立てておられますでしょうか。
○豊田政府参考人 デジタルコンテンツの不正コピーについてお尋ねでございます。 デジタルコンテンツは、先生御指摘のように、技術的に複製が非常につくりやすいということで、不正コピーが深刻な問題になっております。例えば、ファイル交換ソフトというのがございます。個人ユーザーの間で音楽ですとか映画などのコンテンツを交換するソフト、結果的に違法なわけでございますが、そういったものの利用がどんどん拡大しているということがございます。そういった結果、大きな被害がコンテンツ産業に及ぼされているというのが実態でございます。 こうした状況に対しまして、不正利用を防止する技術として、オリジナル製品、本来の製品に電子透かしを付加いたしまして、不正なコピーがつくられて使われているときに、それを追跡が可能な、そういった技術が開発をされてきております。今のところはまだ必ずしも十分に普及が進んでいるということは言いがたいわけでございますが、この普及を何とか進めていきたいというふうに考えております。 具体的には、経済産業省として、こうした電子透かしを利用した技術が、さまざまなものがまだございますけれども、どれがすぐれているものなのか、そういった技術評価基準を決めたり、被疑者の個人情報を逆に過度に侵してしまうことがないように、適切な法的なリミットを明確にしていく、そういったことについても調査の研究をしているということでございます。 いずれにいたしましても、御指摘の不正コピーを防止するために、積極的に経産省としては政策を展開してまいりたいと思っております。 〔中山(成)主査代理退席、主査着席〕
○樽井分科員 この後、コンテンツ産業というのが本当に、私は、いろいろ、面で日本の産業を支えるものである、その一部であると思っております。 実際に、例えば皆さん家に帰って、CDでありますとかあるいはDVDを借りてみたり、映画を見に行ったり、そういったことに使うお金というものは全体的にはかなりな量に上がっていると思っております。 それとともに、まだ時間がありますので言いますが、例えば、アメリカなんかがハリウッドですばらしい映画をつくる。これは、値段だけではなくて、アメリカのイメージを世界じゅうにわたって広げているわけです。日本のイメージとして、言葉は悪いですけれども例えば非常にしょぼい、そういった映画を持って世界に流す。これはイメージが本当に悪い。幼いころから、ハリウッド映画の中で日本人が出てくると、カメラを持っているすし屋のおじさんとか、本当にそんな哀れな姿しか見せてこなかった。 そんな中で、アジアの中で光が見えるような、そういった日本の文化として非常にすぐれたものをつくっていこうと思えば、先ほどの話に戻りますけれども、例えば、大学で、教室の中で、教授が前に出て映像技術と何とかであるとかそんな講義を受けながら、すばらしいクリエーターが飛び出してくるような環境とはとても思えないんです。 やはりアメリカには大きなインセンティブがあるんですね。何かといいますと、アメリカにはアメリカンドリームという強いインセンティブがあるんです。そういった中で日本も、ジャパニーズドリームではないですけれども、この町は、例えば映画をつくる分においてはすばらしく華やかな、映画を目指す人はこの町に来たら何かつかめるんじゃないか、そう期待されるような、そういった経済的なセクターであるとかあるいはエリア。先ほどからハリウッドの話をしておりますけれども、大学があり、そこにはつくる産業があり、そして観光としても十分成り立つ、そういった夢のある地域、光が見えるような、そんな地域を日本につくっていくことが、観光事業も含めて非常に大事なことだと私は思っているんです。 そういったエリアは、結局つくる気があるのかないのか。政治家は、法律だけじゃなくて、将来にわたるビジョンをつくってやらないと国が先に進んでいかないんです。そういったビジョンは、例えば今の段階で日本にあるのかないのか。なければ政権交代をしてでも私たちがやらなきゃならないということになるわけですが、あるのかないのか、まずお答えください。
○中川国務大臣 先ほどFTAの話がありましたし、それからWTOウルグアイ・ラウンド交渉でも、特にアメリカ、フランスは非常に文化というものを前面に押し出して、特にオーディオビジュアルは、アメリカとフランスは結局最後まで譲らずにああいう形でまとまらなかったわけですし、先ほどのアメリカ、豪州のFTAも、テレビコンテンツはかなり棚上げになってしまった。何でこんなことで真剣になるのかなと実は思うわけでありますけれども、アメリカにとっても欧米にとっても非常に大事な分野なんですね。ある意味では戦略的な分野だと思うんですね。 ですから、そういう意味で我々も、そこにのんきに構えていると、文化侵略というとちょっと言い過ぎですね、文化的な攻勢に我々がただ一方的にやられてしまうということは決していいことではないというふうに思いますので、我々も、おくればせながら一生懸命やって、何とか政権交代をしないように頑張っていきたいと思っております。
○樽井分科員 一つのビジョンとしてですが、例えばディズニーランド、これもアメリカ製でありまして、大阪にUSJができた、これもアメリカ製であります。実際に、例えば和製のとんでもない感動的なエリア、こういったものも考えるべき、そういった時期に来ていると思うんです。 実際には、こういった、先ほども言いましたようにITによる雇用のことに関しましても、例えば、日本の雇用情勢ですと、今いる人を首にはできないから新しい、新規採用を手控えるというパターンが多いわけです。 そんな中で、若者があふれている。あるいは元気な若者が、何をしていけばいいのか、特に町で、失礼な話ぶらぶらしている若者の中には、こういったクリエート的な仕事があればかなり熱を入れてやる気がある、あるいは埋もれているけれども本当は物すごい才能を持っているんだという方、こういった方がたくさんいらっしゃると思うんですね。そういった方のためにも、ぜひ、そういった夢のある国、そして夢のあるビジョンを政治家がつくって、このままの技術でいけば、労働の価値観自体も変わるような時代がやがてはやってくると思うんです、そういったことにもきちんと対応して新しい日本をつくっていきたい、そういうふうに思います。 ちょっと、時間もまだ来ていませんが、私の質問はこれで終わりますが、ぜひとも、そういった部分において、日本をもう一回、国家戦略として立ち上がらすために、夢のような世界であるけれども、そういった夢のようなエリアをつくろう、そういったこともぜひ考慮していただけたらと思います。こういったことを強く切望して、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○中馬主査 これにて樽井良和君の質疑は終了いたしました。 次に、中根康浩君。
○中根分科員 大変お疲れのところ恐縮でございますけれども、昨年の十一月に初めて当選させていただいて、経産部門については今までの議論をしっかり踏まえているとは言えませんので、たびたび、恐らく皆さん議論をされてきたことについて、重ねてお尋ねをするということになると思いますけれども、自分自身、問題意識を持っておりますことについて、確認の意味を込めて、そして今後の活動の糧にしたい、そんな思いを込めて質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞ誠意ある御答弁を賜りますように、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。 まず、小泉総理が改革なくして成長なしと言っておられますけれども、確かに、僕自身もそのとおりだと思います。しかし、問題は、その改革のあり方だと思っています。かねてから民主党は、将来に対する安心感が成長の原動力になると主張してまいりました。 したがいまして、今、現実に行われようとしていること、改革という名前のもとに、今までも医療費が値上げをされてまいりました。そして、今後、年金が引き上げられようとしていきますし、所得税、住民税の配偶者特別控除の上乗せ部分が廃止をされる。そして、二〇〇五年には、住民税の均等割が一律四千円に引き上げられていく。定率減税も廃止をされていくという、いわゆる大増税メニューというようなもの。国民負担が大きくなっていく。 そういう、余り国民にとって望ましくないといいますか、かなり痛みを伴うメニューを示してきておられるわけでございますけれども、まさに、かつて橋本内閣が、九七年でしたか、景気が回復しかけたときに、九兆円だったと思いますけれども、そういう国民負担を強行したことによって景気に水を差すことになってしまった、その二の舞になってしまうのではないかと危惧をしております。 デフレ下のもとで、名目と実質の数字が乖離する中で、若干の数字的なよさが本当の景気の回復ということを意味しているかどうか、そういったこともきちんと見きわめていかなきゃいけない。多少のことで油断をして、誤った方向に行ってはいけないというふうに思っているわけでございます。 そして、そういったことの中で、四月から消費税の内税表示化、総額表示化、内税義務化、そういったものが導入されようとしているわけでございます。消費税引き上げというものは、全面的に、私、民主党あるいは中根康浩、この立場からして否定するものではありませんけれども、まさに言われているように、小泉内閣お得意の数字合わせ、つじつま合わせというようなことの中で、将来の消費税引き上げをしやすくするために、どさくさの中で、消費税を明確な理念がないままに、財政的な見地だけで、つじつま合わせだけで引き上げていく、そのための一つの布石としての内税表示義務化、総額表示制というものの導入であってはならないと思いますけれども、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○加藤政府参考人 お答えいたします。 総額表示の義務づけでございますが、これは現在主流となっております税抜き価格表示、これが最終的に幾ら支払えばいいのかわかりにくいということ、それから、同一の商品やサービスでありながら、税抜き表示のお店と税込み表示のお店が混在しておりまして、価格の比較がしづらいといった状況にございます。したがいまして、こういう状況の中で、消費者が購入の判断をする前に消費税額を含む価格を一目でわかるようにするということが趣旨でございます。 総額表示の義務づけにつきましては、値札などに消費税額を含む支払い総額が表示されているということが義務づけられることですが、あわせて消費税額や税抜き価格を記載していただくことを妨げるものでもございません。 したがいまして、最終的に支払う価格が必ず見える、これが条件でございまして、これによって消費者にとっての煩わしさが解消され、消費者の利便性の向上につながるというふうに考えておりまして、先生の御指摘のような点は当たらないものと考えております。
○中根分科員 ぜひ、本当に将来の消費税どさくさ紛れ引き上げの布石ではないということだけは確認をさせていただきたいと思いますけれども。 その一方でやはり、中小事業者にとってはとりわけそうなんですけれども、レジのシステム、ソフトの変換、こういったものに対しての費用がかなり経営圧迫要因になろうかと思いますけれども、そういったことについてはどのようにお考えでございましょうか。
○加藤政府参考人 事業者間の取引条件の問題でございますが、これはコストの問題もございますし、または取引慣行の問題もございます。 私ども、公正取引委員会の方にもいろいろ御相談をしまして、既に、昨年十二月三日に、改正消費税法に基づく総額表示方式の実施に当たっての独禁法及び関係法令に関するQアンドAというものを出していただいております。特に、取引先の小売業者が取引上優越した地位にある場合に、納入業者と十分協議することなく、値札の変更、税込み価格で納品するためのシステム変更、総額表示に伴う納品価格の引き下げや総額表示に伴う従業員の派遣等を強要するようなことがあれば、優越的な地位の乱用として独禁法に違反するおそれがある旨の見解を示されております。 具体的にもし何かありましたら、公正取引委員会それから各業界の所管庁とよく相談していただきたいと思っておりますが、いずれにしても、財務省としても、こうした問題について各省庁と連携をとりながら、問題が生じないように取り組んでまいりたいと思っております。
○中根分科員 ぜひこうした一つ一つのことが景気の腰折れ要因にならないように政府としても御配慮をいただきたいし、ひとつ、こういう総額表示化、そういったものの中で中小企業が消費税をみずからかぶってしまう、負担してしまう、そういったことも現実的にはかなりたくさん生じてくるかと思いますので、どうぞこれから中小企業に対してそういった面でも御配慮をいただけますようにお願いを申し上げます。 次の質問なんですけれども、今、不景気、長引くデフレの中で家計が不安になって、御主人だけでなくて奥様がパートに出て家計の足しにしていくという御家庭もたくさんあろうかと思いますけれども、今女性が働く割合のそういう数字的なものはどのように変遷しているか、どうぞ教えていただければと思います。
○大林政府参考人 お答え申し上げます。 平成十五年平均の労働力調査結果から見ますと、女性の十五歳以上人口全体に占めます女性の就業者の割合でございますけれども、四五・九%ということになってございます。 それで、この推移でございますけれども、ここ二、三年ということで申しますと、平成十三年が四六・八%、十四年が四六・一%、そして、今お答えしましたように、平成十五年度が四五・九%というふうに推移しているところでございます。
○中根分科員 ありがとうございました。 そのことについて、ほかのこともいろいろありますけれども、とりわけきょうは、例の厚生年金のモデル世帯ということで申し上げておきたいんです。 もちろん、こういった数字の中で、百三十万円未満に抑えて調整をしながら働いておられる方もあろうかとは思いますけれども、働く女性がやはり半数近くに上っている。したがいまして、厚生年金のモデル世帯で所得代替率が五〇・二%を確保されるから何とか御理解をいただきたいと政府はおっしゃっておられるようでございますけれども、そのモデル世帯が本当の意味でモデルでないということがこういった数字からもわかると思います。所得代替率が三〇%あるいは四〇%台というようなその厚生年金の改革のあり方についても、あわせてこの場で大きな警鐘を鳴らしておきたいと思っております。 次の質問に入りますけれども、一応景気が回復トレンドにあるというふうに感じられるようになっているのは確かかもしれません。しかし、やはり実態は、よく言われているように大企業に偏ったものであったり、あるいは輸出に引っ張られているものであったりということから、さらにワンランク上の自律的な回復軌道に乗せていかなければならないと思っています。 そういった意味で、今金融政策の発動の余地が少ない現状の中で、需要デフレとか賃金デフレとか資産デフレとかと、そういう形で、そういう性質のデフレが今まで長引いてきたわけでありますので、税制面から土地政策というものに対しての重要性がやはり確かなものであろうと思っております。 土地に関して若干お尋ねをいたしますけれども、高どまりしている感じがする固定資産税、中小企業の経営にやはりダメージを与えていると思いますけれども、固定資産税のあり方を抜本的にといいますか、思い切って軽減、減税をしていく、そういったお考えはないか、お尋ねをさせていただきます。
○板倉政府参考人 固定資産税につきましての御質問でございます。 固定資産税につきましては、これまでにも商業地等の税負担感に配慮をいたしまして、平成九年度に課税標準額の上限を評価額の八〇%に下げるというふうにいたしました。その後、十二年度の改正によりまして十二年度にそれを七五%、十四年度に七〇%と引き下げを図ってまいりました。 この結果、地価の下落に応じまして税負担が引き下げとなる土地の割合が大幅に増加をしておりまして、負担水準の高い大都市を中心にいたしまして地価下落が税収の減に直結をするような状況になってきております。このため、土地に係る固定資産税収は全国で五年連続の減収になっております。大都市では八年連続の減収となっているということでございます。 平成十五年度の固定資産税の税収ですが、評価がえ等の影響によりまして大幅な減収ということになる見込みでございまして、厳しい財政運営を余儀なくされております中で、さらなる減収につながるような上限の引き下げは認められないという市町村などからの声が非常に強くございました。 このような状況でございますけれども、今回の地方税法の改正法案の中におきまして、商業地等につきまして、各地域における税負担の実情を最も知り得る立場にございます市町村の判断で、条例によりまして減額を行うことができる仕組みを初めて導入することといたしておりまして、今後、各市町村におきまして、それぞれの地域の実情を踏まえた検討がなされるものと考えているところでございます。
○中根分科員 固定資産税については、今やまさに自治体の基幹税的なものになっておるようでございますけれども、実はそれが自治体の主な収入源になったのは、バブルになって思わずそうなってしまったというような側面もあろうかと僕は感じておりますので、いろいろと手を打っていただいておるということはありますけれども、実感として景気の悪さに比べて固定資産税がまだまだ高いというふうに思っておられる方はたくさんありますので、どうぞ、ぜひさらにいい知恵をまた絞っていただきますようによろしくお願いを申し上げます。 さらに土地のことについて言えば、土地取引を活発にする、土地の流動化を活性化するということが、土地が動いていくということが、残念ながらといいますか、日本においてはまだまだ土地本位制的な経済構造であると思いますので、この土地を動かしていくということが経済の活性化にさらにつながっていくというふうに思っています。 そういった意味で、登録免許税や不動産取得税など流通にかかわる減税も必要かと思っていますので、その点についてお聞かせをいただきたいと思うことと、それから、損益通算制度がことし廃止になるやに聞いておりますが、しかも、それがことしの一月にさかのぼってということで、これについてはかなり国民的な批判も高まっていこうかと思いますけれども、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○加藤政府参考人 お尋ねの、まず、登録免許税の関係でございます。 これにつきましては、土地の有効利用促進という、まさにそういう先生のおっしゃっている視点も踏まえまして、平成十五年度改正におきまして大幅な軽減を行っております。 具体的に例えば例示しますと、不動産売買による所有権移転の登記に対する登録免許税の負担は、改正前と比較して、土地で四割、建物で八割程度の軽減を行ったところでございます。そういう意味では、昨年、思い切った軽減をさせていただきました。 それから、土地税制の関連で、ただいま御指摘ございました譲渡益課税の問題でございます。譲渡益課税につきましては、従来から、分離課税ということで二六%の分離課税を行っておりました。今般、土地の有効利用それから土地の資産の活用ということ等々、大局的見地に立って、その税率を二〇%に引き下げるという議論を行いました。 一方で、キャピタルロスの他の所得との損益通算を、先生御指摘のように十六年一月一日から廃止をしたところでございます。これはいろいろ御議論はあるわけでございますが、私ども、キャピタルゲイン、キャピタルロスという長期間にわたって発生する含みが一定の時期に顕在化する、それを、通常の恒常的な所得、例えば給与所得ですとか一般的な事業所得と損益通算することはもともといかがなものか。これは、諸外国でも無制限に認めている国はございません。そういうこともありまして、今回、土地の税率の引き下げとパッケージで損益通算は廃止させていただきました。 これによりまして、単に譲渡益課税が下がっただけでなくて、本来の土地の使用価値に係る適正な価格形成、税制面の損益通算を考慮することなく、真の土地の価値に応じた価格形成が実現するということで、資産デフレの解消にも大いに貢献するものではないかと考えております。
○板倉政府参考人 不動産流通関係の地方税のことにつきまして、お答えを申し上げたいと思います。 国税の登録免許税と考え方は同じでございますけれども、昨年の平成十五年度改正の中におきまして、まず、不動産取得税でございますけれども、これはいわゆる商業地等につきましては四%の税率でございましたところを、平成十五年四月一日から平成十八年三月三十一日までの三年間に限りましてこの税率を三%に引き下げるという思い切った軽減措置を講じたところでございます。 また、特別土地保有税という税金がございますが、これにつきましては、平成十五年度以降新たな課税は行わないということで、実質的に廃止をしたのと同じようなことにいたしましたほか、事業所税の新増設分と言われておるものにつきまして平成十五年三月三十一日をもって廃止するということで、流通関係につきましては大きな改正をさせていただいているところでございます。
○中根分科員 家計を見ても、デフレで資産が目減りしているけれども、しかし住宅ローンは、相変わらずその額は変わらないといいますか、さらにデフレの分だけ債務負担は大きくなっている、重くなっている、こういうふうに言われているわけでありますけれども、今、住宅ローンを抱えている世帯が我が国にどれぐらいの割合でおありか、そして、可処分所得に占める返済額の割合がどのような状況であるか、もしおわかりでしたらお聞かせをいただきたいと思います。 住宅産業というものは、そもそもやはりすそ野が広くて、景気に与える影響も大変大きいと思っています。しかしながら、住宅ローン減税は、平成十七年度以降先細りというような形で予定をされているようであります。この住宅ローン減税の縮小による経済への影響をどのように考えておるか、あわせてお尋ねをいたします。
○大林政府参考人 お答え申し上げます。 住宅ローン保有世帯の割合と住宅ローン返済額の割合についてお答え申し上げます。 まず、第一点でございますけれども、総務省が実施しております家計調査で見ますと、二人以上の勤労者世帯のうち、住宅ローンを返済している世帯の割合は平成十五年で三三・六%となっているところでございます。また、住宅ローン返済世帯において可処分所得に占める住宅ローン返済額の割合でございますけれども、平成十五年で一九・六%となっているところでございます。
○加藤政府参考人 住宅ローン減税でございますが、現行の制度、住宅ローン減税は、個人の持ち家取得を支援するという観点から創設された制度でございますが、平成十一年度の改正以降、景気対策の観点から、臨時異例の拡充がなされてきております。ただし、十六年分についてはもともと大幅に縮減される予定になっておりまして、さらに、十七年分からはそれが廃止になるという当初の法律上の手当てでございました。 そこで、平成十六年度税制改正におきまして、住宅ローン減税については、まず、総合的に見直しを行いまして、現下の経済状況への配慮もしつつ、計画的な持ち家取得の支援それから財政構造改革の必要性を総合的に勘案して見直しを行いました。 まず、十六年分につきましては、現行、平成十五年分と同じ措置を維持する、一年間は延長する。それから、十七年から二十年の四年間にかけて、これは税額控除期間は十年間、これは維持をしつつ、対象となるローン残高を中堅層のローン水準を念頭に見直すということで、これによりまして、団塊ジュニアの世代を初めとする中堅層の計画的な持ち家取得に対して十分な支援を確保しているところでございます。 むしろ、これは五年間という長期にわたってこの制度を安定的に運営するということで、いずれにしても、住宅の建設というのは、世帯数の増減等いろいろな制約要因はありますけれども、住宅を購入しようとする意欲のある方が計画的に取得することができるようにということで、私どもとしては、景気にも適切な配慮を行っていると考えております。
○中根分科員 住宅需要が景気に与える影響は大変貴重な、重要なものがあろうかと思っています。 そういったことも含めて、民主党といたしましては、かねてからマニフェストでも御提案をさせていただいておりましたように、キャッシュローン以外の住宅ローンとかあるいは自動車を購入したときのローンとか、そういったもののすべてのローン利子減税策を提案しているわけでありますけれども、民主党のマニフェストで提案させていただいておりますこのローン減税については、政府としてお受け入れをいただく、そんなおつもりはないかどうか、お尋ねをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤政府参考人 私ども、税制を担当する立場から、一般的なローン利子を所得から控除するという制度につきましては、我々が課税の対象とする所得というのは、やはり経済力をあらわす所得。したがいまして、これはローンというのはあくまでも、本来、消費を前倒しするために必要ないわば消費に付随する費用でございます、所得処分の一部でございます。 したがいまして、外国でかつてこういうローン利子を控除する制度があった国もございますが、それは、主に縮小、廃止する国もありましたし縮小の国もございます。それから、このローン利子問題に対処するために北欧では二元的所得税といういろいろ工夫をしておるわけです。したがいまして、一般論として税制論で申し上げて、ローン利子一般を所得から控除する制度というのは適切じゃないんじゃないかと考えております。 それから、特にこれは政策論にまたがって恐縮ですが、やはりデフレや雇用慣行の変化で賃金が右肩上がりでないという状況のもとでローンを奨励する政策を税制面から組むということは、むしろ後で過大な債務返済の問題を生じかねないという指摘もございますので、私どもとしては慎重にすべきと考えております。
○中根分科員 では、次に移りまして、四月から外形標準課税が一億円以上の資本金の中小企業にも課税をされていくわけでありますけれども、これはいろいろと、政策的ないろいろ仕組みとしても配慮をされておりますけれども、時間がありませんので一つだけこのことについてお尋ねするのは、将来この一億円というラインをしっかりと堅持をしていただいて、これより小さい中小企業に対しては課税をしていかないんだということをここでお約束をしていただけないでしょうか。いかがでしょうか。
○板倉政府参考人 事業税の外形標準課税についてのお尋ねでございます。 事業税の外形標準課税は、この四月一日以降に始まる事業年度から適用されるということでございます。この対象企業を一億円以上の資本金の法人に限るということで決着をした経緯につきましては、ここで御説明するまでもないかというふうに思っております。 私ども、現在は、この対象となった法人につきまして外形標準課税がしっかり定着するように、そのことをしっかりやっていかなければいけないということを考えております。
○中根分科員 ぜひ、やはりこれもまた中小企業の経営に圧迫要因になるわけでございますので、小さいと言っては失礼なんですけれども、頑張っておられる中小企業に対して頑張りがいのある税制をつくっていただくということで、余り負担をかけないように、ぜひともこの最低一億円ということでとどめていただいてというふうにお願いをさせていただきたいと思います。 本当に、あと時間もわずかになってまいりましたが、やはり中小企業のことに対して最近よくこれも話題になることなんですけれども、融資環境が非常にまだまだ厳しいという中で、世界に類を見ない悪弊であると言われているのが、中小企業融資に対する個人保証というものだと言われております。 経営を頑張ってみても、運悪く倒産してしまったらもう二度と立ち直れない、あるいは親戚や友人、知人にも迷惑がかかって、ひいては、みずから命を絶つということの理由にもなっているとも言われています。 この個人保証制度、これを日本のこの社会からといいますか、ぜひ一掃していく、そんな決意で臨んでいただけないものかと思いますし、さらに、包括根保証制度というものもあわせて、これからどうぞ中小企業の方々が必要以上に苦しまないように、生活までも命までも事業の失敗によって断ち切られてしまうということがないように御配慮いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○泉副大臣 倒産によって経営者があるいはその関係者が破産に追い込まれる、全財産を失うということは、大変大きな問題であると認識をしておるわけでございます。 現在でも、担保を提供する十分な資産を企業として有していない場合も多いということを考えまして、経営者や第三者の個人保証が求められるということはある程度やむを得ないというふうに考えております。 しかし、政府系金融機関におきましても、御承知のように無担保無保証で国民生活金融公庫から七百五十万円までという、これは新創業融資制度の部分でございますが、そうした制度を設けておりますし、中小公庫及び商工中金につきましても、財務制限条項の締結ということを前提とはしておりますが、個人保証を免除する制度を創設したいと考えておるわけであります。 先生御指摘のいわゆる包括根保証制度につきましても、保証に過度な負担を負わせることのないように、円滑な金融が阻害されないように留意しつつ関係省庁と相談をしていかなければならないと思っておるところでございまして、今後とも、保証人に依存しない資金供給の拡大に努めていきたいと考えております。
○中根分科員 時間が参っておりますので、最後に一言だけ申し上げて終わりたいと思いますけれども、やはりせっかく立ち直りの兆しを見せている日本経済であります。とりわけ日本経済の屋台骨を支えてくださっている中小企業、こういったものに対して政府として今までも目を向けていただいておると思いますけれども、これからもさらに一層、大企業あるいは輸出企業だけでなくて、地域の中小企業に対する政策の充実を心からお願いを申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○中馬主査 これにて中根康浩君の質疑は終了いたしました。 次に、松崎哲久君。
○松崎(哲)分科員 民主党の松崎哲久でございます。 本日、私が最後の質問者でございますので、もう少し御辛抱いただければと思います。 昨年の十一月に初当選しまして、議員活動を開始いたしました。本日は、第二分科会の方で九時から質問させていただきました。きょうは第七分科会の最後の質問者ということでございまして、大変目まぐるしいといいますか、有意義な一日だったというふうに思っております。 大臣とは、お互いが学生のころからのつき合いでございます。また、私がテレビで選挙番組のキャスターをしておりましたときには、大臣の選挙区に伺って、吹雪の中で取材をした記憶もございます。今やとてもニックネームではお呼びできない方でございますけれども、昔のことを大臣は少しでも御記憶いただいておりますでしょうか。質問でございます。
○中川国務大臣 松崎哲久先生には、私が大学に入ったときから、公私とも何かと大変お世話になっておりますことを生涯忘れることはできません。
○松崎(哲)分科員 ありがとうございます。 さて、政府は、景気は堅実に回復しているというふうに盛んに主張していますけれども、私どもが地域で実際に感じているところとは大きな差があると思います。それは、統計のとり方の問題でございまして、確かに、大都市の大企業やまた製造業、一部の情報関連産業などはいいかもしれませんけれども、地方の中小企業、特に非製造業はいまだに長いトンネルを抜け出せているとは申せません。数字を平均しただけでは地域経済の実態を反映することはできないと、まず、野党らしく申し上げておきたいと思います。 もっとも、本日は、景気論争の場ではございません。駅前シャッター街と言われます現状、つまり商店が転廃業しまして、シャッターがおりたままになってしまっている、この商店街が地方にはたくさんあるわけでございます。こういう状態を何とかしなければいけないというのは、与野党問わず同じであって、したがって、この問題、地域住民にとって大変身近であり、かつ、不可欠な生活の場である商店街、特に中心市街地と言われる商店街が近年衰退が著しいというふうに言われているわけでございますけれども、この再活性化の問題、それから、中心市街地や商店街を支えるのは地域に根を張って付加価値を生むための活動であるという観点から、地域における産業興しの問題について、その取り組みについて御質問をさせていただきたいと思っております。 中心市街地の再活性化に関する政策につきましては、平成十年七月に中心市街地活性化法が施行されてスタートしたと承知いたしておりますけれども、以来五年半が経過して、各地域の取り組みが実際にどうなっているかにつきまして、まず、この法律に基づく中心市街地活性化基本計画の策定状況について御質問をさせていただきたいと思います。
○青木政府参考人 お答え申し上げます。 中心市街地活性化法におきましては、国が定めます基本方針に即しまして、市町村が、地域の創意工夫を生かしつつ市街地の整備改善と商業活性化を中核とする総合的な施策、これを盛り込みました中心市街地活性化基本計画といういわばマスタープランを策定することとなっております。 お尋ねの策定状況でございますけれども、本年二月末現在で、全国五百八十八の市町村におきまして六百六の基本計画が策定されているところでございます。
○松崎(哲)分科員 念のため確認なんですけれども、五百八十八の市町村という数字、それから六百六という数字ですが、市町村の中に複数あるということでございますね。
○青木政府参考人 そのとおりでございます。 特に、かつて市町村合併があったような地域におきましては、歴史的にいわば町の顔が複数あるところがございまして、特にそうした市町村におきまして、複数計画がつくられているところがございます。
○松崎(哲)分科員 ありがとうございました。 いずれにしても、約六百という数字でございます。取り組みには相当な広がりがあるというふうに認識できると思いますが、他方、地域の実態、私どもが地域で聞いているところによりますと、基本計画を策定するにはしても、その先になかなか進まないという話をよく耳にいたします。 例えば、地域商業の活性化を進めていく場合には、小売業を総体として活性化していくための構想、それがTMO構想、タウン・マネジメント・オーガニゼーションというのですか、その構想を策定して推進するための第三セクターのようなものをつくるんだ、それから今度は、そのTMOが事業計画を策定するんだというような段階があるというふうに承知をいたしておりますけれども、そのTMO構想の設立の状況と、策定された事業計画の認定状況ということについて次にお尋ねをしたいと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。 活性化法が施行されてまいりましてから、二月末まで、つい最近までで設立されたTMOは三百十六でございます。認定されたTMO計画は百四十九というふうになっております。TMO設立や具体的な事業計画の策定に際しまして、関係者とのコンセンサス形成をしていかなきゃいけないものでございますので、一定の時間を要するのが通常でございます。 私どもは、こういったTMO活動がこれから本格化していく段階になったというふうに認識しておりますが、現在までの数字は以上でございます。
○松崎(哲)分科員 そうしますと、約六百ですね、五百八十八市町村、六百六カ所の計画といいますか、その約半分程度、三百十六で設立されているということがわかりました。コンセンサス形成に時間をかけるんだということはもちろんわかりますけれども、この数字というのは、解釈のしようがあると思うのですが、進んでいるというふうにも思えますけれども、他方、半分までしか進んでいないというふうに考えることもできるわけでございます。 さらには、事業計画の方は四分の一という数字でございますね。なぜ四分の一にすぎないのかということも考えてみないといけないというふうに思うのです。実は、私の選挙区の中には三市八町村がございます。そのうち、東松山市と嵐山町というところでは、基本計画を策定して提出をしておりますけれども、実はTMO構想の認定までも至っていない、第一段階でとまってしまっているということでございます。 これには、例えば地方分権、地方主権というスローガンがございまして、もちろん私ども民主党もこれを主張しているわけでございますが、他方、地域の主体性を強調する余り、ある意味で地域任せになり過ぎている面もあるんじゃないか。コンセンサス形成というのが具体的にどういう意味でおっしゃったのかということにもなるんですけれども、地域任せになっている面もあって進んでいないという面があるとすれば、例えば、そういう地域に対しては国としても余り抑制的にはならないで、指導をしていく必要もあるのではないかというふうに考えますけれども、その点についての御認識を伺いたいと思います。
○菅大臣政務官 私からお答えをさせていただきます。 現実的にそのような状況にあることは間違いないと思いますね。そもそも、地方でできることは地方で、地域でできることは地域で、そういう形からスタートしたわけでありますけれども、現実的にはそんな現実でありますので、国としましても、十四年度からは、フォーラムの開催を通じて関係者のコンセンサスを得ることが極めて大事である、それについて助成をする、そういうことも行っておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○松崎(哲)分科員 菅政務官にも十数年来のお世話になっておりますので、答弁をいただきまして大変、光栄でございます、恐縮をいたしております。 今お答えいただいた、フォーラムの開催等々の支援制度がある、十四年度からしているということでございますけれども、いろいろな各地域での成功例というのがあると思うんですが、その成功例というのを、これから取り組もうという地域、それからまた余り進んでいないという地域にとりましては、どういう成功例があるかということを具体的に知るというのは大いに参考になると思うんです。 私は、地元で問題点を聞きます。私の地元はまだそういう意味では段階が進んでいないところですから、どういうところに問題がありますかというふうに言いますと、ずばり人だ、こう言うわけですね。制度の充実、制度は相当整備されているということはもちろんわかるんですが、制度を充実するだけでは足りないで、実際には核になる人材というのがあるかないかというのが重要なんじゃないかなというふうに、地元の実例を見ていても思うわけでございます。 中心市街地、商店街の活性化、これは事業ですから、こういう事業をやるには、積極的に推進するには、やはり地域に熱意ある指導者がいて、特にこのTMOというのは第三セクターみたいなものですね、それをつくっていくわけですから、それを一つの企業であれば、役員といいますか指導者が引っ張っていくわけですけれども、そうではなくて幾つかの方たちが集まってやるわけですから、やはり全体をまとめるような熱意ある指導者がいるということが成功の要因になるんじゃないかなというふうに思うんです。 各地の成功の実例から御判断されてどういうふうに思われているか、それから、人材の確保あるいはその育成のために経済産業省としてどういうような取り組みをされているのか、施策を講じているのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○青木政府参考人 委員御指摘のとおり、各地の中心市街地あるいは商店街、そうした活性化に向けた取り組みを見てまいりますと、やはり取り組みがおくれているという地域の多くはリーダーシップの不足ですとかあるいは人材、ノウハウの不足に悩んでいる、こういう悩みあるいは課題があろうかと思っております。 多少古うございますが、平成十四年度に中小企業庁がTMO計画作成上の課題あるいは事業の課題というアンケート調査をとっておりますけれども、その中でも、やはり経験ある人材の不足というのがトップでございまして、約四割がその課題に挙げられているところでございます。 このため、経済産業省といたしましては、中心市街地の活性化あるいは商店街の活性化のための人材の確保、育成に向けて、今後さらに施策を充実させていきたいと考えているところでございます。 まず、具体的には、第一に商店街の商業集積、やはり何といってもこの魅力を向上させるという観点が重要でございます。そのためには、その商店街の店舗の開発ですとか、あるいは場合によればテナントの誘致、そうしたものにたけた、いわばプロ中のプロというのがどうしても必要となってまいります。来年度につきましては、TMOがこうしたプロを常駐で確保することができる、そういうふうに支援をまず強化したいと思っております。 それから、もう本当に熱意を込めてその地方の世話役になっていただく方、これから十年、二十年にわたって町づくりを担っていただく、そういう人材の確保も重要でございます。このため、これまで各地で町づくりの実績を上げてこられました各地の指導者と、これから町づくりをやろうという意欲あるいは熱意のある若人、そういう方が研さんできるような機会の提供、こうしたところにも意を用いてまいりたいと思います。
○松崎(哲)分科員 今のお話で、常駐できる人材確保というのは、これは確認ですけれども、有給で、それから、その町の中じゃなくて外から持ってくるということを想定されている制度でございましょうか。
○青木政府参考人 そのとおりでございます。 具体的には、そうしたもの、基本的に例えば年間百八十日かつ複数年可能でございますけれども、そうしたプロを雇う場合に、国が三分の一、地元の市町村が三分の一、そして地元のTMOが残りの三分の一、そういったスキームを考えております。
○松崎(哲)分科員 そういうことから、人材がいて、そして適当な方がそういう地域に派遣されてくるというようなことが有効に機能すれば、やはりひとつ成功に近づく事例も出てくるんじゃないかなと思います。今のようなお話を伺いまして、実効が果たして本当に上がるかどうか、私はわかりませんけれども、実効が上がればいいというふうに考えております。 次に、中心市街地を再活性化する施策としましては、TMOとか今の担い手とか、そういうような商業の活動が一つの柱だというふうに思いますけれども、もう一つは、やはり市街地をどういうふうに整備していくかというようなことだと思いますし、また、その担い手の一つの中心になるのは、先ほど補助金の場合で、国が三分の一、TMOが三分の一、市町村が三分の一ということでしたが、やはり市町村というのも重要な柱になってくると思うんです。 こういう多面性という背景がありますから、法律の制定当初から八つの関係府省庁の連絡協議会があるというふうに承っておりまして、その連携が行われているというふうに伺っていますけれども、特に、国土交通省それから総務省さんの方、そして経済産業省はもちろんですけれども、取りまとめ役であるということを伺っております。きょうは、国土交通省、総務省の方にもお願いをしておりますので、簡単で結構でございますので、市街地活性化に向けてどういう取り組みをされているかということを簡略に御説明いただければと思います。
○増田政府参考人 お答えいたします。 国土交通省におきましても、中心市街地の活性化、そのにぎわいを取り戻し、活力あふれる町づくりを進めることは極めて重要な課題であると認識しております。 このため、先生今御指摘のように、商業等の活性化と市街地の整備改善、まさにこれは車の両輪として一体的に進めるべきものでございまして、国土交通省といたしましては、主として市街地の整備改善を通じまして中心市街地の活性化に努めているというところでございます。 具体的に幾つか申し上げますと、一つは、中心市街地活性化基本計画の内容に基づきまして、区画整理でありますとかあるいは再開発等の面整備を行っております。あるいはまた、道路ですとか駅前広場、あるいは公園等の重要な都市基盤施設の整備を支援しております。また、さらには、ポケットパークでありますとか、あるいは舗装の美装化でありますとか、そういった地域の創意工夫を生かしたきめ細かい地域の取り組みも支援しているところでございます。 こうしたこれまでの支援に加えまして、平成十六年度より、地域の自主性を高めた、従来の補助金とは全く異なる財政支援措置でありますまちづくり交付金制度の創設について今検討しておりまして、市町村等が実施する市街地の整備改善につきまして、これを大いに活用していきたいと考えております。 今後とも、経済産業省を初め関係省庁と緊密に連携しつつ、中心市街地の活性化に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○田中政府参考人 総務省といたしましても、地域経済の核であり、また地域の顔である中心市街地の再活性化に向けまして、地方公共団体が実施する総合的かつ計画的な支援、取り組みに対しまして支援を行っているところでございます。 具体的に申し上げますと、例えば、多目的広場やホールあるいは街路灯の整備などのハード事業を地方公共団体が実施する場合、また、再活性化の基本計画の策定やその見直し、あるいは人材の育成、あるいはイベントの実施などのソフト事業に対しまして、地方公共団体が行う場合に、地方財政措置による支援を講じているところでございます。 今後とも、中心市街地の再活性化に係る地方公共団体が実施する総合的かつ計画的な取り組みにつきましては、関係省庁と連携して、必要な支援を行ってまいる所存でございます。
○松崎(哲)分科員 今伺いまして、いろいろな省庁が施策を考えていただいているというのは大変心強いわけでございますけれども、特に、まちづくり交付金につきましては、十六年度予算案で予算化されることだと思いますし、また立法も必要だというふうに思っているんですが、非常に幅広い交付金だというふうに私ども承知をいたしているんです。今、中心市街地という一つのところにいろいろな形で交付金が可能なんですけれども、それをむだにならずに有効に組み立てられるような方法が必要だと思うんですが、その協調の仕方とかということについて、特に国土交通省さんだと思うんですが、まちづくり交付金について、どのような他の制度との整合性といいますか、協調性を図っていくかということについてちょっとお尋ねしたいと思います。
○増田政府参考人 お答えいたします。 今御指摘のありましたまちづくり交付金、これはまさに、全国で今動き始めております都市再生のさまざまな取り組みを支援するために考えているものでございます。御案内のように、現在取り組まれております全国都市再生の取り組みにつきましては、もちろん、中心市街地の再活性化というのはあるわけですが、そのほかにも、例えば、歴史的な町並みを保存する、あるいは水辺の再生をやる、あるいは環境共生型の町づくりをやる、あるいは福祉を中心にした町づくりをやる、あるいは都市観光の振興をやろう、さまざまな動きがあるわけでございます。また、それに必要な施設整備というものも、なかなか多種多様にわたっているわけでございます。 したがいまして、こういった取り組みを総合的に支援しようということで、従来の補助金とは全く異なります市町村の自主性を重んじた交付金制度というものを考えているわけでございます。御指摘のように、この交付金は、これまでさまざまな地域開発のための計画がございますが、その中に盛り込まれました公共施設でありますとか公益施設の整備を一体として行おうということでございますので、それぞれの地域の特性に応じて、全国で活用ができるものというふうに考えております。 したがいまして、この交付金を活用したい市町村につきましては、法律上は都市再生整備計画というものをつくっていただきます。ですから、例えば、先ほど来ありました中心市街地の基本計画の中に盛り込まれております事業につきましても、都市再生整備計画の形で市町村が組んでいただきまして、交付申請していただければ、交付ができるということでございますので、ぜひ、中心市街地の活性化のためにも、このまちづくり交付金を活用いただきたいというふうに考えている次第でございます。
○松崎(哲)分科員 ありがとうございました。 大変心強い制度ができるのかなというふうに思っているところでございます。 今まで中心市街地の再活性化についてお尋ねをいたしましたけれども、中心市街地を支えるという意味では、やはり工業を含めて地域全体の産業、経済活動の活性化ということが当然必要になると思うんです。そこで、地域における産業興し、中心市街地からちょっと観点を変えまして、お尋ねをいたしたいと思うんです。 日本の各地域は、ここ十年以上、工場の海外移転等に伴う空洞化ということに非常に苦しんできておるわけでございますけれども、その対策としては、やはりその地域が、特殊なといいますか、その地域らしい、かつ、付加価値を生む仕組みというものを考えていかなければいけない、こう思っているんです。具体的には、その地域の研究開発の拠点とか地元産業界との連携だとか、そういう体制を整備していくということが必要だと思うんですが、この点に関する経済産業省の取り組みということについてお尋ねをしたいと思います。
○平井政府参考人 委員御指摘のとおり、地域経済の活性化のためには、地域におけます産学官連携体制の構築を通しまして、付加価値の高い新事業を次々と生み出していく仕組みを整えることが必要であると考えております。経済産業省では、地域経済を支え、世界に通用する新事業が次々と展開されるような産業の集積、これを形成する産業クラスター計画を推進しておるところでございます。 この計画におきましては、地域の研究開発の拠点であります大学、研究機関、また地域の中堅・中小企業から成ります広域的なネットワークの形成を目指しておりまして、そのネットワークに対しまして、各種の支援策を総合的、効果的に投入いたしております。 具体的には、全国十九プロジェクトございますが、各地域の経済産業局みずからがその結節点となりまして、全体の約五千社の中堅・中小企業や二百を超える大学等をネットワーク化しております。また、地域の特性を生かした技術開発支援あるいはインキュベーション機能強化等の支援措置を講じておりまして、今後とも、この産業クラスター計画を一層強力に推進いたしまして、地域経済の活性化に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○松崎(哲)分科員 ありがとうございました。 私の地元にも大学もありますし、研究機関もございますし、今のお話を伺いますと、いろいろな取り組み、それがまた町づくりだとか中心市街地の活性化だとか、いろいろな意味で総合的な施策がその地域においてできるんじゃないかなということを伺っておりまして思いました。大変心強い思いでございます。 地域経済再生についてのそういう取り組みについて、非常に心強いお考えを伺ったんですが、最後に、大臣に、地域経済再生につきまして、大臣としての御所信と申しますか、でき得れば一生懸命やるという決意をいただきたいわけですけれども、それについてお伺いをしたいと思います。
○中川国務大臣 今、松崎議員のお話を伺っておりましても、御地元の実情、あるいはまた私の北海道、あるいはまた全国それぞれ三千二百の自治体があって、集落といいましょうか、人が寄っているところもいっぱいあるわけですから、とにかく、こういうメニューでこういうことをしますというのは、もう限界があるんだろうと思うのですね。ただ、我々にできることは、必要な資金の提供をよりスピードを持ってやるとか、あるいは技術支援でありますとか、あるいは販売面でのお手伝いでありますとか、あるいはまた人材の、さっきのOBの人たちを紹介するとか、それをコンプレックスというか複合的にやっていく。その集大成の一つが産業クラスターということになるんだろうと思います。 ですから、先ほどから松崎議員も御指摘のように、やはりやる気をどうやって形にし、そして成果として、ビジネスとして成功させていくかということに、上からだけではなくて、東松山あるいは嵐山等々、それぞれの地域の人々、そしてその人々の結集が実現できるように、全力を挙げてオーダーメードでお手伝いをしていかなければ真の意味の地方の再生というものはないんだろうと思って、引き続きまた御指導、よろしくお願いいたします。
○松崎(哲)分科員 ありがとうございました。 大臣が東松山と嵐山にメンションされましたので、実は、私のところは、まだ坂戸だとか鶴ケ島とかいうところもありますので、先ほど提出したのはその二つだというところを申し上げましたので、議事録には、坂戸と鶴ケ島と、ほかに比企郡にも町がございますので、一応とどめておいていただきませんといけません。そういうところで地元のそういう熱意ある人材といろいろ話し合いをしまして、また計画を練ってまいりたいと思いますので、大臣、また経済産業省の方々、国土交通省、総務省の方々、ぜひお力添えを賜りたいと思います。 きょうは、質問させていただきまして、どうもありがとうございました。
○中馬主査 これにて松崎哲久君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二日火曜日午前九時より開会し、引き続き経済産業省所管について審査をすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会