予算委員会 第11号
- 発言数
- 340 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/02/17
会議録
○笹川委員長 これより会議を開きます。 平成十六年度一般会計予算、平成十六年度特別会計予算、平成十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として、警察庁長官官房長吉村博人君、金融庁総務企画局長増井喜一郎君、金融庁監督局長五味廣文君、法務省刑事局長樋渡利秋君、外務省大臣官房長北島信一君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省経済協力局長古田肇君、厚生労働省年金局長吉武民樹君、社会保険庁運営部長薄井康紀君、経済産業省商務情報政策局長豊田正和君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長寺坂信昭君、環境省総合環境政策局長松本省藏君及び環境省地球環境局長小島敏郎君、以上の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○笹川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田祝稔君。
○石田(祝)委員 おはようございます。各大臣、大変に朝から御苦労さまでございます。 きょうは、環境問題を中心にお話をお伺いさせていただきたいと思います。 私もしばらくぶりに国会に帰ってまいりまして、予算委員会に所属をいたしました。それで、基本的質疑等通してお聞きをしておりましたけれども、余り地球環境問題について触れられる方はおりませんで、小池大臣が大変寂しそうな感じでいらっしゃいましたので、いろいろと、大変大事な地球環境問題につきましてお伺いをいたしたい、また議論も、限られた時間でありますけれども、させていただきたいと思っております。 大体、いろいろと問題がありますと、そのときは大変大きな話題になってマスコミも取り上げますけれども、その問題が大事であろうがなかろうが、ある程度時がたちますと、だんだんだんだん興味がなくなってくるというか、取り上げられる機会がなくなってくる。そうすると、その問題がもう解決したんじゃないか、こういうふうな誤解が実は生じてきているんじゃないかなと思っております。 そういう意味で、地球環境問題、全然解決もされておりませんし、ある意味ではますます深刻の度を増している、こういう観点からお伺いをしたいと思いますが、まず小池大臣にお伺いしますけれども、この温暖化の現状について簡単に御説明いただきたいと思います。
○小池国務大臣 地球温暖化問題、また気候の変動に対して大変危機感を持っていただいている石田委員がこの場で地球環境問題を取り上げていただいていることに、まずは心から敬意を表したいと思います。 その温暖化の現状は一体どうなっているのかという御質問でございますけれども、気候変動に関する政府間パネル、IPCCというところがまとめました第三次評価報告書から御紹介させていただきますが、地球の平均気温は、二十世紀中に約〇・六度上昇をいたしております。そして、海面の水位が十センチから二十センチ上昇しているということで、地球温暖化とその影響は、我々の意識がどこにあるかは別として、現実的な問題として迫ってきているわけでございます。 このIPCCによりますと、最近五十年間に観測された地球温暖化のほとんどは人間活動に起因する、我々が原因であるということ、そして地球温暖化に関する科学的な知見は向上しているということは言えると思います。 近年、ヨーロッパでは熱波そして洪水などが起こっておりますし、世界各地で異常気象が頻発しているわけでございます。さらには、せんだってもツバルの方がいらっしゃいましたけれども、南太平洋の島国では高波による被害が発生ということでございます。 これらの現象と温暖化の関係というのはなかなか科学的に証明というのが難しいところではありますけれども、先ほど申し上げたIPCCによりますと、温暖化の進行によって異常気象が増加するということが予測されているところでございます。 以上です。
○石田(祝)委員 今御説明いただきましたけれども、その中で特に、この温暖化が人間に起因をする、人間の活動に起因をするというお話がございました。これは、考えてみますと、人口がますますふえてくる、そしてまた経済的に発展をする、生活がある意味で豊かになる、それはもうエネルギーの消費がふえるということとほぼ同義語でございますので、そうしますと、現状よりもさらに厳しくなる方向に進んでいくということは、これは間違いないだろうと思っております。 そういう中で、時々、この地球温暖化について、科学的な知見とどういう関係があるか、科学的に確立された考え方であるか、こういうことに疑念を呈する方もいらっしゃるわけですけれども、小池大臣、科学的知見の観点からいっても、この地球温暖化が先ほどもおっしゃったように人間の活動に起因をする、そして間違いなく上昇している、調査をしても、有意な見解としてそういう温度が上昇しているんだということは、これは間違いないですか。
○小池国務大臣 科学者の方々でもいろいろな方がいらっしゃいますけれども、先ほど申し上げましたように、昨年でも熱波が欧州を襲った、そしてまた、その前の年は洪水が起こったなどと、いろいろな現象がございます。そこと科学的に結びつけるというのは、いろいろな説がまだまだございまして、こういった現象がすなわちすべて人間の活動によるものであると断定するところまではいっていないようであります。
○石田(祝)委員 断定はできないということでありますけれども、現実に温度が上昇している、また温暖化に伴うであろういろいろな海面の上昇とか、これは明確に起きているわけですから、これはもうある意味で言えば、そこの科学的知見を議論するよりも対策を実行する、こういうところにもう既に来ていると私は思っております。 そういう中で、京都で地球温暖化対策の議定書が発表されて、そして日本も批准をした、こういうことでありますけれども、このことについて、この京都議定書の現在の批准の現状と発効の見通しについてどのようにお考えなのか、ちょっとお願いします。
○小池国務大臣 そもそも論になって恐縮でございますけれども、京都議定書は、五十五カ国以上の締結と、そして先進国の、いわゆる締結した附属書1国の一九九〇年時点におきます二酸化炭素の排出量が全附属書1国の排出量の五五%以上を占めること、この二つ、五十五カ国と五五%ということで五十五ルールと言っているわけですけれども、この二つの条件を満たした後、九十日後に発効するものでございますが、現在、百二十の国と地域が京都議定書を締結済みでございます。 しかしながら、この今申し上げましたルールから申し上げますと、締結した附属書1国の排出量の合計は四四・二%にとどまっておりまして、先ほど申し上げた五五%以上となるためには一〇・八%が現在でも不足している状況にございます。 したがいまして、京都議定書が発効するためには、ロシアまたはアメリカの締結が必要になっておるところでございまして、日本、我が国を初めとして各国、ロシアや米国に締結するよう働きかけているところであります。 私も、昨年、COP9、ミラノで開かれましたけれども、そちらの方で、ロシア政府代表でありますベドリツキー水理気象環境モニタリング庁長官がいらっしゃいましたが、直接働きかけをしたり、またさまざまなレベルで、まず、このロシアに対しての締結働きかけということでいいますと、昨年十二月にカシヤノフ首相が来日されております。小泉総理から直接締結を働きかけていただいたりということなどで、ロシアに対しましても、さまざまな機会をとらえては京都、京都と言い続けているような現状でございます。
○石田(祝)委員 この京都議定書は、もう名前のとおり我が国の京都で会議が開かれて、そして先進国がまずこの地球温暖化対策のために、温暖化ガス、これを制限していこう、減らしていこう、こういうことで、文字どおりもう我が国の代名詞みたいなことになってきているわけですね。 そういう中で、今大臣からお話があったように、国数としてはもう百二十カ国が調印をしている。ですから、あとは排出量の五五%、ここのところをどうクリアするかということで、最大の排出国であるアメリカが脱退をした、そしてロシアがまだ言を左右にして、入るか入らないか、批准するかしないかわからない、こういう状況でありますけれども、ロシアは、ことしの三月ですか、大統領選挙がある。その前に余り国内で波乱要因を出したくない、こういうプーチン大統領のお考えもあるかもしれませんし、また、この温暖化対策でロシアは排出権を、大分余裕があるわけですから、この排出権をどんなに高く売れるか、こういうことも多分お考えなのではないかというふうに思いますが、このロシアの状況ですね、これについて、希望的観測として、私もこれは入るだろうというふうには思っておりますけれども、なおなおまだ予断を許さない。 このロシアの状況については、先ほども御答弁ありましたけれども、もう少し状況的に日本として努力できる余地があるのか。また、ヨーロッパと手を結んでロシアを批准させるような手だてが具体的にあるのかどうか。そこが、大臣として今お考えありましたら、お話しいただければと思います。
○小池国務大臣 まさにおっしゃるとおりでして、まずはロシアがこの三月に大統領選を控えているというような国内事情もこれあり、そしてまた、ロシアの場合は、明確に国益を踏まえて決定をすると言っておりまして、締結に伴う経済的利益などに対しての検討を今ロシア国内で進めているというふうに聞いております。 先ほど申し上げましたミラノでのCOP9におきましても、いかにして既に締結をしているヨーロッパの諸国とともにロシアを仲間に引き入れようかということで、さまざまな取り組みをそれぞれの機会をとらえてやりましょうということを、今申し上げたヨーロッパの国々とも話をしたところでございます。
○石田(祝)委員 それで、大臣、ロシアについては、大統領選挙もにらみながら、ヨーロッパとも手を組んでしっかり説得しよう、こういうことはよくわかるんですが、あと、アメリカですね。 アメリカもことし大統領選挙があるということで一生懸命やっておりますけれども、このアメリカ自身が、京都議定書のときにたしか最後に当時のゴア副大統領が来られて、まとめ役として大変尽力されたということも聞いておりますけれども、アメリカという国はえてして決めたことを、脱退したり簡単にするんです。また、あるときは突然、例えば、途上国の中国が附属書1に入っていないわけですけれども、そういうところと結んで新たなルールをぼんと出してきたり、そういう可能性も私はあるんじゃないかと思うんです。 このアメリカについては、大臣としてはどのようにお考えで、どういうふうに働きかけていこうと思っていらっしゃいますか。
○小島政府参考人 まず、アメリカの状況について御説明をさせていただきたいと思いますが、アメリカは、先生御指摘のとおり、二〇〇一年三月に京都議定書には参加しない方針を発表して以来、現在までその方針を変えておりません。これに対して、日本として、環境大臣レベルの日米ハイレベル協議や気候変動枠組み条約の締約国会議で二国間会議を開きまして、アメリカ政府に対して議定書締結を働きかけてきたわけであります。 政府レベルだけではなくて、アメリカの国民あるいはさまざまなレベル、企業や州あるいはシンクタンクに対して働きかけが必要だということで、先週、アメリカのワシントンで気候変動政策に関する日米共同ワークショップというものを開きまして、さらなる理解を進めているところであります。 アメリカも少しずつ変化があります。変化がありますというのは、例えば、議会におきまして、温室効果ガスの排出削減対策を進めるということで、いわゆるキャップ・アンド・トレードという排出量取引を国内でやろうというマケイン・リーバーマン法案が検討されました。これは昨年の十月に、五十五対四十三、上院で否決をされておりますけれども、四十三の賛成があったということは議会における変化であろうと思っております。また、州レベルでも、国内で、州で排出量取引を行うというようなことで、体制は着々と進んでいるのではないかと思っております。 アメリカ政府として京都議定書に参加しない方針は変わってはおりませんけれども、このような変化の動向を注目しながら、今後とも議定書締結をさまざまなチャンネルで働きかけていくということでございます。
○石田(祝)委員 発効に必要な量としてはアメリカとロシアですけれども、それぞれの事情もお伺いをいたしました。 これは、大変見通しが不透明というか、現時点ではある意味で言えば厳しい状況であろうかと思っております。しかし、日本として、こういう京都議定書という京都という名前がついた議定書で、地球温暖化対策附属書1のまずOECDで言う先進国がしっかり取り組んでいこう、こういう状況です。 それで、日本として、現時点でなかなか見通しがつかない、不透明な、また厳しい状況ですけれども、日本は、約束をした一九九〇年に比べて、第一約束期間の二〇〇八年から二〇一二年、この間で六%削減をする、このことについて、厳しい、また不透明な中でも日本としてはやる、こういうことで、大臣、御決意があるんでしょうか。
○小池国務大臣 先ほど、アメリカとの取り組み、局長の方からも御紹介いたしましたけれども、やはりイタリアのミラノの場におきまして、アメリカの担当でありますドブリアンスキー国務次官にも呼びかけをさせていただいたことをつけ加えさせていただきます。 今御指摘のように、なかなか京都議定書そのものが動き出すというのが、ロシアそしてアメリカという二つの国がかぎを握っているということで、これに働きかけを続けていくというのが一点でございますけれども、しかしながら、この京都議定書につきましては、我が国の場合は衆参両院で全会一致でまず議決をしていただいているということであり、また、国際的な約束である京都議定書を締結しているという事実がございます。そして、その約束の達成のために、総理を本部長といたしましての地球温暖化対策推進本部で地球温暖化対策推進大綱を決定しているということでございます。 それで、ほかがやらないから、では日本はそのままにしておけばいいかといいますと、対策がおくれればおくれるほど、その分ハードルが高くなるわけでございますので、国内対策の手を緩めることはいたしませんで、むしろこの間にさまざまな措置を日本として、我が国としてとり続けていくということが一番今必要なことなんだろうと思っております。 今日の段階で実施可能な対策は直ちに実施をする、それと早期に排出量の減少基調への転換を図る、この二つをしっかり進めてまいりたいと思います。
○石田(祝)委員 不透明な厳しい状況でありますけれども、これはぜひ、国会でも衆参で議決をしている、全会一致でやっている、こういうことでありますので、我々も議会の立場でそれは協力していかなきゃいけない、こう思っております。 それで、国内対策の現状を、六%減らすんだ、こういう現状の中で、一九九〇年の段階から六%減らさなきゃいけないのに、実は五%、五・二%ぐらいですか、ふえている。これは一度、大臣、何かのときに体重に例えられてお話をされておったように思いますが、五十キロの人が減量しなきゃいけない、四十四キロにしなきゃいけない人が逆に五キロふえている、約十一キロ減らしていかなきゃいけない、大変な減量だ、こういう趣旨のお話をされたように伺っております。 それで、国内対策でいろいろと万般やっております。特に、産業界については、大変な御努力をされて、相当日本が先進的な技術も含めて対策をとられておりますけれども、その中で最大の削減を担っているのが実は日本の森林であります。 この吸収源対策について、きょう農林水産大臣に来ていただいておりますので、三・九%減らすという役割を森林が担っているんですけれども、この現状について、今のままで大丈夫か、こういう観点からもお聞きをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○亀井国務大臣 お答えいたします。 今、委員御指摘のとおり、削減目標六%、そういう中で、二酸化炭素量三・九%につきまして、これを森林吸収源、こういうことで関係国のお認めもいただいておるわけであります。 地球温暖化対策推進大綱、これに基づきまして今いろいろ努力をしておるわけでありますが、現状の水準で森林整備等が推移した場合には、三・九%の吸収量を確保する、これは大変困難な状況、大幅に下回る、こういうようなことであります。 このため、平成十四年十二月の地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策、これをつくりまして、そしてその中で、健全な森林の整備、あるいは保安林の適切な管理・保全、さらには木材及び木質バイオマス利用の推進、こういうようなことを項目に挙げまして、関係府省と今提携をいたしまして、いろいろ努力をしておるわけでありまして、目標の十カ年を三つの区間、ステップ・バイ・ステップ、こういうようなことで、評価、検証、こういうことに力を入れまして、何とか努力をしてまいりたい、このように考えております。
○石田(祝)委員 農林水産省の、温暖化防止のためにいろいろと森林の整備をしよう、こういうパンフレットもいろいろあるんですけれども、その中でも明確に、このままいったら厳しい、約二・九%しかいかない、こういうことが明確に農林水産省の中で書かれておりまして、ですから、林業についてしっかりと、これは予算も獲得をしてやっていただかなきゃならぬと思うのです。 それで、どの部分が温暖化対策の林野の整備か、これは予算を分けられませんので、お願いしてちょっと資料をいただきましたら、林野公共予算だけで見てみますと、十四年、十五年、十六年と減っているんですね。だから、やらなきゃいけないし、現状では厳しいという評価をされつつも、予算が減っている。ということは、なおなお厳しい、こういう話になりますけれども……(発言する者あり)財務大臣には通告をしておりませんのでまたの機会にしたいと思いますけれども、ですから、そうしたら、まずきょうは亀井大臣のさらなる決意だけをちょっとお聞きしましょうか。
○亀井国務大臣 委員御指摘のとおり、林野公共予算の推移を見ましても、十四年、これは補正で八百八十六億ほど追加をしておるわけでありまして、全体として、十六年度につきましては三千百七十二億、こういうことで、このところ当初予算では全く減少している、こういうようなことであります。 一般財源ではなかなか厳しい、こういうことにもなってきておるわけでありまして、一つは、新たな税財源の確保についても取り組んでいく必要があるんではなかろうか、このように考えておりまして、農水省におきましても、いろいろ議論も実はいたしておるわけであります。 新たな温暖化対策税、こういうものを導入された場合に、それらが森林整備に活用されるように積極的に対応してまいりたい、このように考えております。
○石田(祝)委員 その税の話はこれから聞こうと思っていたんですよ。何か質問を先にとられたような感じもするんですけれども。もうちょっと待ってくださいね。 きょう、経済産業省にも来ていただいておりますけれども、いわゆる原子力発電、これについてはいろいろな御意見があることはわかっておりますけれども、エネルギー需給ということよりも温暖化対策として、この原子力発電を二〇〇〇年に比べて約三割ふやす、二〇一〇年でですね。そして、百三十五万キロワットの原発一基で約〇・六から〇・七%の温暖化ガスの代替効果がある、こういう試算もあるようですけれども、この原子力発電、いわゆる原発のこれからの状況について、推進状況、整備状況、これについてお伺いします。
○寺坂政府参考人 お答え申し上げます。 地球温暖化対策推進大綱におきまして、二〇一〇年度までの間に原子力発電による発電電力量を二〇〇〇年度と比較いたしまして約三割増加することを目標としておりますこと、先生御指摘のとおりでございます。 一方、各電力事業者から当省に届けられました二〇〇三年度の供給計画におきましては、二〇〇〇年以降に既に運転を開始いたしましたものを含めまして、二〇一〇年度までに運転開始する原子炉は八基となってございます。 なお、原子炉で発生する熱を一定としつつ電気の出力を増加させる運転形態、定格熱出力一定運転と申しておりますけれども、そういったものの導入等によりまして、原子力の利用率の上昇が見込まれる要素、そういったものもございます。 いずれにいたしましても、最近の技術の変化あるいは社会構造なども踏まえまして、現在、総合資源エネルギー調査会におきまして、二〇三〇年ごろをにらみつつ、二〇一〇年度のエネルギー需給見通しの見直しを検討しているところでございまして、その一環といたしまして、原子力に関します見通しの見直しも行うことになるというふうに認識をしているところでございます。
○石田(祝)委員 ちょっとよく、今回のことについてお話もしておいたんですけれども、余りはっきりわからないですけれども。ですから、三割ふやすという観点で温暖化対策の計画は立てられている、こういうことだけは、これははっきりしておるわけですから、そのことについては全力でやっていただきたいというふうに思っております。 それで、亀井大臣が先にお話しになられましたので、いわゆる温暖化対策税について、農林水産省は、そういうものができたらぜひ森林整備に使いたい、こういうお話であります。これはいろいろな議論を踏まえて検討する、こういう抽象的な、温暖化対策推進大綱でも書かれているんですけれども、この温暖化対策税について環境省としてはどのようにお考えですか。
○小池国務大臣 ことし、二〇〇四年がまず温暖化対策大綱の見直し、評価の年になっておりまして、先ほど来、体重、なぜ五十キロとおっしゃったのかよくわからなかったんですけれども、まあいいんですけれどもね。大変ハードルが高いところを越えなければならない、そこにはいろいろな方法が必要であろうということで、温暖化対策税が一つの考え方として出てくるわけでございます。 この対策税は、化石燃料などに課税することで価格を相対的に引き上げる、それによって消費を削減するということを促す効果があると考えておりますけれども、これによって、エネルギーの節約を促すことだけでなくて、省エネ製品の購入、そして省エネ投資が採算に合うようになる、さらにその導入が進むということで、うまく地球環境を守る方向に、好循環に回していくための考え方だと受けとめております。 もう一つ、税ということでございますので、幅広くかかるということになりますと、家庭、運輸部門、これらが実は温暖化のガスを排出しているかなり多くのシェアも占めているところなんですけれども、そういったところを含めても、すべての主体に対してかかるということでございますので、効果の幅が広いということがプラスの観点で考えられます。 ただ、税ということになりますと、非常にこれは皆様方の広い御理解をいただかなければならないということでございますので、国民的な議論をまずは深めていきたい、そう思っております。
○石田(祝)委員 この税の問題につきましては、大変幅広い問題でもありますので、またこれからの議論になると思います。 きょうはちょっと時間がありませんので、最後に一言だけ。五十キロについては、特に他意はございませんので、御了解いただきたいと思います。 年金の問題をちょっと最後に触れさせていただきたいんですが、海外留学生の問題であります。 これは、海外留学生が任意加入ということになりまして、なかなか、留学生を送っていらっしゃるお母さんが、送るのが大変である、国内の学生と同じような特例の措置はないか、こういうふうなお話でございまして、私が大変心配しておりますのは、国内の場合は、特例制度をもって支払い猶予をしていただいても、万が一何かがあったときにも障害年金が出る。しかし、海外留学生の場合は、任意ということで特例もない。そういう中で、掛けていないときに何かがあれば障害年金が出ない、こういうことになっております。 ですから、この観点について、きょうは年金局長の説明をと思っておりましたけれども、時間がありませんので、ぜひ大臣の方から、この問題についても今後の課題ではないかと私は思っておりますが、最後に大臣から一言お答えいただきまして、終わりにしたいと思います。
○坂口国務大臣 今御質問の、海外留学生につきましての学生納付特例制度でございますけれども、これは、今おっしゃいましたとおり、なかなかうまい制度がございませんで、現在、外国に行っている人は皆任意加入になっているわけでございます。任意加入でございますので、お父さんなりお母さんなりがこちらの方でお納めをいただいておれば、それはいいわけでございますけれども、外国にいる人を強制的に加入するというわけにはいかないものですから、現在、こういうことになっております。 しかし、おっしゃる御趣旨はよくわかりますので、今後いろいろと検討してまいりたいと思います。
○石田(祝)委員 どうもありがとうございました。
○笹川委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。 次に、生方幸夫君。
○生方委員 民主党の生方幸夫でございます。おはようございます。 最初に、質問通告はしていないんですが、きょうの新聞に大きく取り上げられておりましたカネボウの再建について、本当は金子大臣に出席をしていただこうとして今努力をしたんですけれども、どうも日程が調整できないということでございますので、初代の再生委員長がいらっしゃいますので、一言質問させていただきたいというふうに思います。 再生機構にとっては初めての大型案件になるかもしれないというのが急遽きょう飛び出してきたので、これまでの報道によれば、花王が買収をするのではないかという形で報道をずっとされてきまして、きょう突然、再生機構が乗り出すということが出てまいりました。 まず第一点、お伺いしたいんですが、小泉内閣の基本は、民間がやることは民間に任せるんだ、できるだけ官は口を出さないんだというのが原則でございまして、基本的には、この場合は、花王ともう一社、投資会社が買うということを申し出ているわけで、本来であれば民と民でうまくいく可能性があったものを再生機構が乗り出していく。 これは、新聞ですが、なかなか大型案件を再生機構が手がけることがなかったので、何か大型案件があればというところに、いわば手ぐすねを引いて、チームまでつくっていたというような報道もありますが、それで、この問題が出たので乗り出したんじゃないかというような話がありますが、これは、今申し上げましたように、小泉内閣の民のことは民に任せるという原則と矛盾するんじゃないかというふうに思いますが、最初、その点、いかがでございましょうか。
○谷垣国務大臣 昨年の九月まで担当いたしておりましたけれども、今は国庫大臣としてもちろん関与をいたしますが、金子大臣にかわって答弁ができるのかどうか、いささか内心じくじたる思いで立たせていただきました。 新聞等で、カネボウが産業再生機構を使った再生のスキームを希望している、申し出たということは承知いたしておりますけれども、これをどう扱っていくかは、まさにこれから産業再生機構が検討し判断することだと思いますので、それ以上のコメントは差し控えたいと思っております。 ただ、今おっしゃった、国が乗り出すのは、民ができるものは民へという流れに矛盾するのではないかというお問いかけですが、私は必ずしもそうは思っておりません。 と申しますのは、この産業再生機構ができましたそもそも論に関与することでありますけれども、一つは、不良債権処理を加速しなきゃいけない。しかし、不良債権処理のいわば裏側は、過大な債務で悩んでいる企業があるわけでありまして、その企業が、全く時代の流れでもう取り残されるようなものであるならば仕方がありませんけれども、本来、きらっとした経営資源を持っていながら、借金の重荷で本来のその能力を発揮できないであえいでいるんだったら、そのくびきを取り外してやらなきゃいけない。これは民間で全部できれば民間でやっていただけばいいわけですけれども、一生懸命努力してもなかなかくびきが取れないときに、いわば内側から卵の殻を一生懸命民間がつついているときに、外側からちょっと合わせて卵の殻をつついてやるということは、私は、必要なことではないかなと思います。 民間でいろいろ再生の努力を、今までもお話し合いがあったように報道等で承知しておりますけれども、それでもなかなか越えられない溝があったときは産業再生機構のスキームを利用していただくのがいいんじゃないか、こう思っております。
○生方委員 私も産業再生機構の論議をいたしましたので、その目的等はよく存じているつもりでございますが、今度の場合は、もう握手もして、契約をするところまで行っていたという、そこまで来ているわけですよね。だから、民間でもうできているわけですよ。 ところが、それがいわば駆け込み寺的に産業再生機構に来たという一番大きな理由は、銀行に対して債権放棄を求めないんだというのが一番大きな理由だったんではないかというふうにも言われているんですけれども、これは、新聞報道ですから私もよくわかりませんが、債権放棄を求めないという方向でこれから再生をしていくんだということで解釈してよろしいんでしょうかね。
○谷垣国務大臣 それはまさに、これから産業再生機構がこの企業をどう再生させるかという判断にかかわるものでございますから、今、私はこれ以上御答弁する材料を持ち合わせておりません。
○生方委員 これは、金子大臣が来たらもうちょっと詳しく質問したかったんですが、次回に譲ることにいたします。 それでは、きのうの質問に引き続きまして竹中大臣にお伺いしたいんですが、新生銀行についての若干の補充の質問をしたいというふうに考えております。 きのう、同僚議員の小林議員が竹中大臣に対していろいろ質問いたしましたが、時間のかげんもあって詰め切れていない問題もございますので、三、四点質問させていただきたいと思います。 まず第一点。二月四日に今度の場合は届出目論見書の訂正を行いましたよね。これは、上場を前にして極めて異例のことだというふうに私も思っております。 この中に、きのうも再三質問が出ましたが、一般投資家がこれを見てこの株を買おうか買うまいかという判断をするわけで、その目論見書の訂正が適正であるのかどうかということが非常に重要なポイントになるというふうに思っております。竹中大臣、大丈夫ですか、聞いていますか。(竹中国務大臣「聞いています」と呼ぶ)いや、こっちを向いていないから。 その訂正の中に、「本件につき、預金保険機構による補償の範囲又は補償金額の支払手続に関して、今後紛争が発生しない保証はありません。」というのが訂正の一番最後に書かれている部分ですね。よろしいですね。これだけの文章で本当にリスクがきちんと把握できるのかどうかということがポイントになると思うんですね。 少なくとも、きのうの委員のここでの質問でも明らかなように、訴訟で万が一敗訴すれば、これは敗訴するかしないか、金額等についても不確定部分が非常に多いですが、報道によれば三千億円から一兆二千億円もの賠償を払わなければならない可能性はあるわけですね。 それは、何%かわかりませんが、可能性はあるわけで、ただ単に、今読みました「本件につき、」「今後紛争が発生しない保証はありません。」という中で、万が一訴訟に負ければ三千億から一兆二千億円もの賠償を支払わなければならないリスクが存在するというふうに読めるか読めないかという問題が一番重要なポイントだと思うんですが、これだけで、大臣は、ほかに何にも情報がなくて、この訂正だけを見て、投資家がこれだけのリスクがあるんだというふうに判断できると思いますか。その一点だけで結構です、最初に。
○竹中国務大臣 昨日も、小林委員の方から非常に詳細な御議論をいただいた点でございます。 今、生方委員の方から、最終的にこの訂正報告書の中に書いてある最後のセンテンスを読み上げていただいて、これで十分かというお尋ねなわけでございますが、これは、基本的には、「預金保険機構による補償の範囲又は補償金額の支払手続に関して、今後紛争が発生しない保証はありません。」しかし、その前段として、サイパンにおいて、裁判所において云々ということが書かれておりまして、その結論部分を今読んでいただいているわけでございますけれども、これは、きのうも申し上げましたとおりでありますけれども、現時点では、投資者に対する開示情報としては適切なもの、これは我々も関係者に聞いておりますけれども、適切なものと判断をしております。 しかし、これは、きのうもこれも申し上げましたが、例えばその後裁判所でいろいろなことがあったとか、そういうことでありましたら、それはそれなりのしっかりとした対応はしなければいけない性格の問題であるというふうに思います。
○生方委員 株式上場審査基準第二条というのがございますよね。この三に、「企業内容の開示に係る書類が法令等に準じて作成されており、かつ、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項が分かりやすく記載されていること」という文言がございます。こういう審査項目に私はこれは明らかに抵触すると思うんですね。特に、最後の「投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項が分かりやすく記載されていること」今、竹中大臣がおっしゃったこの最後の追加の部分で、とても私は、これが投資者にとってわかりやすくリスクが開示されているというふうには思えないんですよ。そうであるとするならば、株式上場審査基準に違反するんじゃないかというふうに私は思うんですが、いかがでございますか。
○竹中国務大臣 これは裁判の話でありますから、裁判の手続がこれから開始されて、それで、先方は先方として当然いろいろな主張をされるでしょうし、もう一方の当事者はもう一方の当事者としていろいろな主張をされるであろう、そういう性格のものだということなんですね。したがって、裁判だということをまず書いておられる。 その上で、現状として開示すべきこと、明らかにすべきこととしては、裁判の話と、それと、さらに紛争云々、紛争が発生しない保証はないんだということを書いておりますから、現時点で明らかな事実というのはこれに尽きているのではないかなというふうに私は思います。 これは裁判の進捗でございますから、裁判の進捗を見守りながら考えなければいけない。これは、投資家にとっても発行者にしても、そういう性格の問題だと思います。
○生方委員 裁判ですから、それは結果がどうなるか、まさに裁判の結果が出なければわからないわけですけれども、現在開示されているのは、少なくとも裁判を起こされている。裁判で万が一負ければ、三千億とか一兆とか、それは額はわかりませんけれども、かなり巨額の損害賠償請求をされる可能性があるわけですね、負ければ。それは確実に大きなリスクなわけですよ。そのリスクについて、この情報では金額について一切報じられていませんからね。しかも、さっき読み上げましたように、最後の部分で、「今後紛争が発生しない保証はありません。」というだけしか書いていないわけですよ。 だけれども、きのうの論議の中で明らかになったように、預保としては、万が一負けたとしても、預保からお金が出る確率というのは、きのうの答弁を聞いている限りかなり少ないわけですね。ということは、結局、新生銀行が負担せざるを得なくなる可能性がかなり高い、万が一負けたらですよ、これは裁判の結果ですからわかりませんが。 だけれども、今回の売却価格だって、たかだか二千、たかだかということはない、非常に大きいですが、二千何百億なわけですよ。これは、負けたら幾ら払うかわかりませんけれども、最低でも三千億払うということになったら、売却価格そのものが全部すっ飛んじゃうぐらいな大きな額なんですね。そのリスク情報をこれだけで読み取れと言ったって、これは無理でしょう。 竹中大臣はいろいろ知っているから、これにどんなリスクがあるかわかるというふうに言いますけれども、一般の投資家ですよ。一般の投資家がこれを見てきちんと判断ができるかどうかと冷静に考えれば、そんな強弁をしないで普通に考えれば、竹中さんが一人の投資家として、何の情報もこれ以外ないとして、これだけ見て、新生銀行に何のリスクもないな、これなら大丈夫だなと言えるかどうか。そういうことがないように、まさに上場基準の中に、「投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項が分かりやすく記載されていること」とわざわざなっているわけですよ。そういうことを防ぐためにこういう項目が入っているんでしょう。 そうしたら、やはり担当大臣として、当然これは、もうちょっと項目をつけ加えて丁寧にしなさいよというぐらいの指導をするのは、これは当たり前な話じゃないですか。そんなことを拒否する理由が何もないじゃないですか。 一回もう訂正しているんだから、訂正すること自体きっと恥ずかしいことなんだろうけれども、もう一回訂正をして、まだ売り出されていないわけですから、もう一回訂正の指導をするというのが私は本来あるべき姿だと思いますよ。
○増井政府参考人 今、先生御指摘の新生銀行の開示のところでございますけれども、実は、先生が御引用になった部分の前に、なお、最近の新聞報道等によれば、東京地裁から破産宣告を受けた株式会社イ・アイ・イ・インターナショナルの管財人は、北マリアナ群島連邦裁判所において一たん取り下げた当行における訴訟を再開する準備を進めているということでありますというふうに書いてございます。 したがいまして、準備を進めていると、今の段階ですと、新生銀行が把握している事実はそこまでということでございまして、それに対して先ほど先生がおっしゃった開示がなされているということでございますので、現在のところでは適正な開示ではないかというふうに思われております。
○生方委員 局長、きのうちゃんと論議をして、その論議を踏まえた上で再質問しているんだから、きのう答えたことと同じことを答えたんでは何にもならないじゃない。時間のむだじゃないのよ。そういうむだなことはやめてください、私は大臣に聞いているんだから。 今、最後に質問した、本当にこれでいいのかどうかと。適切な判断ができなかったら困るでしょう、これ、もうすぐ上場されるんですから。それに対してきちんとこれでいいのかどうかといったら、客観的に考えていれば、どう見たってこれじゃ読めないですよ、それだけ大きなリスクがあるということが。 だから、別に何でも書けばいいじゃないですか、こういう金額の裁判が起こされていると。万が一負けた場合、預保が払うこともあるし、私たちが払うこともあるということを客観的に書けばいいわけでしょう。だけれども、我々は負けるつもりはない、勝つつもりだというふうなことを書いたってもちろんいいし、その理由を、我々負けるつもりはないんだと。例えば、この資産価値が——ちょっとちょっと、後ろと話していないで、ほら。私が質問しているんだから、後ろで話しかけちゃだめじゃないのよ。全然話にならないじゃない。そんな後ろでごちょごちょごちょごちょ言っていたんじゃ、こっちが一生懸命質問している意味がないじゃないのよ。 だから、具体的に三千億から一兆二千億というのがなければないんだと。新生銀行の側が、これは、いやいやそういうふうに訴訟を起こしているけれども、その資産価値は実は一千億しかないから、万が一負けても最大一千億しか払わなくていいんだよというようなことがあるんであれば、それも書けばいいんですよ。 これだけでそれだけの大きなリスクがあるということは読み取れないわけで、読み取れないとしたら、さっき私が申し上げましたように、この株式上場審査基準の二条の三に私は違反するんじゃないか。違反するんであれば、きちんと金融庁の側が再訂正をしなさいという指導をするべきじゃないかというのが私の考えで、それは竹中さんだって、政治家じゃないわけですから、ごく常識的に判断して、それはそうなんじゃないかと思わないですか。思わないとしたら、大分政治家風になっちゃったと思うんですけれども、どうぞ。
○竹中国務大臣 政治家の皆さんも、当然常識が大変あるというふうに思いますが、リスク情報をしっかりと示さなければいけないんだ、それは、原則はそのとおりでございます。そのようなための手続もいろいろと手続論として示されている、基準が示されているということになります。 今回は、このことは、特別のリスク情報としてそこに書かせていただいているわけであります。その特別のリスク情報の中身に関しては、実はきのうも申し上げましたけれども、その当事者である新生銀行に訴状がまだ届いていない、つまり、訴訟手続が始まっていないという段階で書けることは精いっぱいこれだけだということなのだと私は理解をしております。これは訴訟でありますから、やはり法律の手続で、その時々で適切な判断をして開示をしていかなければいけないという性格のものであるというふうに思っております。 特別のリスク情報として、報知新聞報道によれば、こういうことがサイパンの裁判所で示されていて、それで、今後紛争が発生しない保証等々はありません、そういうことを、現時点で書くべきことを適切に開示している、そのように理解をしているわけでございます。
○生方委員 訴状が届いていないから新生銀行側がこれをここまでしか書けなかったんだと。では、万が一訴状が届けば訂正をするということで、そう理解していいんですか。
○竹中国務大臣 例えば、そこはもう実態の判断だと思います。訴状でどのようなことが書かれているのか、その金額等々も、今三千億から一兆云々とおっしゃいましたけれども、これは新聞によって書いていることもまちまちなわけでありますし、三千億と一兆二千億じゃ随分差があるわけでありますし、そこで、このようなリスクをどのように判断するか、そこはまた次の段階での判断の問題であるというふうに思います。
○生方委員 これは新生銀行側も、これだけ報道されて、国会でも取り上げられたわけですから、万が一訴状がないとすれば、自分できちんと受け取ってきて、どういう訴訟が起こされていて、それについてのリスクがどれぐらいあるのかということを判断し、どうしてもこれは書かなきゃいけないんだというふうになれば書かなきゃいけないというふうに思うんですね。 これは、金融庁は証取法百十三条に基づき再訂正させることができるわけですから、きちんと私は再訂正をさせるべきだというふうに思います。 それから、上場審査基準の第二条の一では、事業を継続的に営み、かつ経営成績の見通しが良好なものであるという項目があるわけですね。だから、これは、もし多額の損害賠償をしなければならなくなれば、事業の継続に赤信号ないしは黄色信号がともる可能性もあるわけですよね。 これは裁判ですから、あくまでもわかりません。私も、イ・アイ・イが訴えている実際の額がどれぐらいの価値があるのかというのは、私は知る立場にはございませんから、どのぐらいあるのかはわかりませんが、万が一最大をとれば、仮に何千億かの賠償請求を払わなきゃいけないということになれば、これは新生銀行の事業の継続に重大な影響を及ぼす可能性がありますよね。そうすると、この上場審査基準の第二条にやはりこれも違反する可能性があるんじゃないかという気がするんですけれども、その点はいかがですか。
○竹中国務大臣 御指摘のありましたその上場審査基準にのっとって証券取引所が判断をしている。その際に、委員御指摘になったように、収益性でありますとか、それに支えられた継続性、持続可能性のようなものは、当然重要な審査基準になるわけです。まさにそこが、ある意味で、審査、上場させてよいかどうかのコアになる部分だと思います。そういうことを踏まえた上で証券取引所では審査を行っている。 昨日の本委員会において小林委員から配付された資料に基づいて、新生銀行及び幹事証券会社等に必要な事情聴取を東京証券取引所は行っておりますが、現時点において、上場の承認の取り消しが必要であると判断するに足る事実は東京証券取引所としては確認していないというふうに我々は聞いております。
○生方委員 東京証券取引所にもきょうお越しいただくようにお願いをしたんですが、きのうのきょうだったのでお越しいただけないということで、恐らくあした東京証券取引所の方が来ますので、その問題についてはあす同僚議員がきっと質問することになるというふうに思います。 もう一点、二月九日に、新生銀行の今度の株の株価、一株五百二十五円というのが新聞で報道されておりました。これは、ブックビルディングする際に、新生銀行側では損害賠償金額が幾らかというのはわかっていないわけですよね。だから、この要素は全然これに盛り込まれていないわけですね、五百二十五円という株価については。だから、全くリスクがない、この裁判のことを全然考えていないこの五百二十五円という価格が、これは大臣が適切である不適切であると言う立場にないのはよくわかっておりますが、この情報が明らかになった以上、この五百二十五円という株価が適正であるかどうかということに私はクエスチョンマークがつくと思うんですけれども、この点についてはいかがでございますか。
○竹中国務大臣 マーケットでのこれは評価の問題なのだと思います。 マーケットの評価は、日々変わるいろいろな情報を総合的に勘案して、これはある意味では刻々と当然のことながら変わってまいります。そういうことは、マーケットの中でそのリスクをどのような角度で見るのか、どのような大きさで見るのかということで、そのマーケットの中で評価が下されていくべき問題であるというふうに考えております。 繰り返しますが、これは、昨日も小林委員に御審議をいただき、きょうもまた生方委員に御審議をいただき、こういう国会での審議そのものも、当然のことながら、マーケットの中での重要な情報になっていくわけでございますので、その中でしっかりと取り入れられていくということなのだと思います。
○生方委員 私は、いろいろな問題があって、裁判だ裁判だとなっているわけで、裁判が決着つくまでは、やはりこれはなかなか株価が幾らであるのかというのが決定しづらいと思うんですね。だから、私は、本来であればそんなに上場を急ぐべきではないというふうに結論としては思うわけですよ。 これは、政府が六億七千五百万株持っているんですよね。これは優先株ですから、議決権がないから、直接口を出すというわけにはいかないかもしれないけれども、大株主の一人なんです。一人といったって、株主は二人しかいないんですから、大株主の一人なわけで、今これだけ問題になっていて裁判の行方がわからないのなら、少なくとも、裁判の行方の方向が見えるまで上場は若干延期した方がいいんじゃないのということぐらい、大株主として言うことはできるんじゃないんですか。 これによって、万が一、今、上場されて一般の投資家の方が買う、それが裁判に負けて、そんなことはないでしょうけれども、また新生銀行の経営がおかしくなっちゃって、株券が紙くずになっちゃう危険性だってなきにしもあらずですからね。もうただでさえ八兆円近く国民の税金がつぎ込まれているところが、また二重三重に、国民がせっかく買った株がまた紙くずになっちゃうような危険性を冒すのならば、半年なり一年で恐らく、裁判、決着がつくか方向が見えるはずですから、そこまで延ばすべきだという指導をしたっていいんじゃないですか。
○竹中国務大臣 今二点御指摘があったと思います。 一つは、裁判が決着するまでそれを延ばすべきではないのかと。ここはしかし、裁判があるかもしれない、裁判が行われる、そういうような報道は既に一月の二十日過ぎぐらいから出ているということでございますし、その意味では、そういうことも踏まえた上での一つの経営判断として上場するということが決定をされて、そういうことも踏まえて上場させるべきか否かという審査が行われてきたということだと思います。 この不確定情報というのは、不確定な要素というのは、リスクファクターというのは経営には常につきまとうものでありますから、そこを判断するのは、これはやはり経営の判断であり、それを踏まえての審査のまさに判定であるというふうに思います。 それとの関連で、国は株主であるからということでございましたですけれども、これは優先株を持っている立場としては、非常に高度の経営判断に、直接、民の経営判断に優先株を持っている主体が口出しをするのはどうかという問題は、これはこれでやはりガバナンスの問題としてあろうかと思います。 我々は、むしろやはり監督当局としてやるべきことはしっかりやっていかなければいけない、そうした観点から、審査主体である東京証券取引所にはしっかりと審査をしてもらいたいということはお願いをしておりますし、万が一にもその手続に不備があるならば、これは我々の権限においてしっかりと対応していかなければいけない、そういう性格の問題であるというふうに思っております。
○生方委員 一般論としてはもちろんそのとおりなんですけれども、だから、もう既に国民のお金が八兆円近くも注ぎ込まれている銀行で、別に普通の民間会社が普通に上場するというのであれば、私だって何もここで質問する理由も何もないですからね。 ただ、八兆円近くの公的資金が注ぎ込まれていて、かつ政府が大株主であって、かつ巨額の損害賠償請求が出されている、こういう状況の中で上場して、そういう情報についてこの訂正情報だけを見て、こういう論議も知らないで、情報だけ見て何の心配もないなというふうに思って買った方が、万が一損害賠償請求で非常に大きな損害をこうむることになれば、それは国民の皆さん方にとって、私は、二重の負担になるから、そういう危険があるのであれば、それは事前にもっときちんと金融庁として、何も再訂正を求めるぐらいどうってことじゃないんですから、再訂正を最低求めるぐらいのことはしたらいいんじゃないですかという質問をしているわけで、竹中さんの答えは、本当に私は非常に不十分だと思いますね。 だから、このまま上場して、万が一ですよ、普通の一般の投資家の方が損をしてしまえば、竹中さんはやはり責任があると私は思いますよ。東証だけに責任を押しつけるわけにはいかないと思いますよ。東証が上場したんだからといったって、監督権限があるわけですから、きちんと。それをしないで上場させちゃって、万が一、一般投資家に迷惑がかかった場合、竹中さん、やはりこれは責任をとるべきだと思いますが、いかがですか。
○竹中国務大臣 現状の金融の行政というのは、ルールにのっとって、非常に透明なルールのもとでやっていこう、事後チェック型にやっていこうと。これは、八〇年代、九〇年代のいろいろな金融政策上の問題を踏まえて、ある意味で国民的な議論をして、国会の中でも御審議をいただいて、それで到達した一つの結論であろうかというふうに思います。我々は、やはりそのルールどおりしっかりやっていかなければいけない。当然のことながら、委員も、そのルールの範囲でしっかりやってくれということなんだと思います。そこはしっかりやります。 繰り返し申し上げているように、我々としては、これは重要な問題であるということで、審査主体である東京証券取引所にしっかりやってもらいたいということはお願いをしているわけでありますし、繰り返しますが、証券取引所が、例えば重大な法律違反、例えば虚偽があったり、重要な見落としがあったり、そのようなことに関した場合には、我々は、東証に対して、当然のことながら、行政上の権限を行使してしっかりとした対応を求めていくことになるわけでございます。 委員の懸念は、それはそれで大変理解できますし、我々も国民に対してきちっとしたリスク情報を開示していくということは重要だ。そのために手続も定められている。我々は、その手続を最大限活用して、やるべきことはしっかりとやっていくつもりでおります。
○生方委員 これは、いずれ市場と投資家によって、政府の責任が問われるあるいは問われないということが明らかになるというふうに思いますので、この質問は、またあす多分同僚議員がするというふうになると思いますので、一たん終わります。 先ほどの、産業再生機構を使って、きょうの新聞によれば、銀行は今までは産業再生機構が非常に資産を厳しく査定をしていたのでなかなか持ち込む案件が少なかったんだけれども、債権放棄をしないで済むということであれば、たくさんの銀行がこれを不良債権処理にこれから活用するんじゃないかというふうに期待しているというふうに新聞に出ているんですけれども、これは担当大臣がいないので非常に聞きづらい質問なんですが、竹中さんとしては、やはりこれを大いに活用してもらって、来年の四月までですか、三月末までに不良債権の額を半額にするというので、大いに使ってほしいというふうに思いますかね。
○竹中国務大臣 先ほどの谷垣大臣と同じ立場でございまして、担当ではありませんし、具体的に判断する情報を持っておりません。 その意味で、具体的なお答えはできないのでございますが、一般論として申し上げれば、この産業再生機構は、やはり日本のバランスシート調整を進める上で大変重要な役割を果たすというふうに思っておりますので、今回の新聞で報じられていることに関して、私の情報も新聞情報でありますので、申し上げるならば、やはり非常に、今までとは少し違う多様な機能をその再生機構に発揮してもらうということなのかなと。これは多様な形で、ぜひとも、いろいろな形がある、バランスシート調整を進める役割をやはり果たしていただければ、それは大変結構なことであるというふうに思います。
○生方委員 これもまた、担当大臣がいるときにしっかり質問をしたいというふうに思います。 では、質問通告に戻って、最初というか、質問に入りたいと思いますが、足利銀行の問題は、ここで何度も論じられておりますし、財務金融委員会でもたびたび論じられております。 私は、第一点、今度の足利銀行が破綻に至った経過で、やはり繰り延べ税金資産をどういうふうに判断するのかということが重要なポイントになったというふうに思うわけですね。これは、三月の時点では、中央青山監査法人は、足利銀行は債務超過ではない、資産超過であるという判断をしたわけですね。それから半年後に今度は債務超過であるという判断をして、足利銀行は破綻処理になったわけですよね。 この最大のポイントは、もう言うまでもないことですが、繰り延べ税金資産をどのように判断するのかということが最大のポイントだったというふうに思って、これは新聞でも、それからいろいろなところで批判されていますように、繰り延べ税金資産というものをどういうふうに判断するのかということが非常に裁量的なわけですよね。あるときは三年見たり、あるときは五年見たり、あるときは全然見ないというようなことがあるわけで、これを当然客観的に判断するのが監査法人の重要な役割であるというふうに思うわけですね。 これは公認会計士法の改正も行われまして、公認会計士の独立性を高めようというふうになっているのはよく私も承知をしているんですが、今度の足利銀行の場合、大臣はあのときいなかったですけれども、参考人を招致いたしまして、足利銀行の前頭取と中央青山の理事長、二人の方がいらっしゃいまして、話を聞きました。 そのときわかったことなんですけれども、もともと足利銀行と監査法人の間では、繰り延べ税金資産を三年程度認めようということで話はついていた、だから、足利銀行は債務超過にはならないんだということで前頭取は安心していた。ところが、ある日突然、一切繰り延べ税金資産を認めませんよということが来た。何でそうなったんですかという質問をしたとき、中央青山の理事長は、そのときに金融庁の方から、三月の時点で債務超過だったという情報があった、それを受けて判断を変えたんだという証言をしているわけですよね。 そうなりますと、中央青山監査法人が客観的な判断をしようとしたときに、金融庁が恣意的にそういう情報を流して恣意的につぶしたのではないかという疑惑が私は非常に大きくなると思うんですね。そのわずか二、三日中にがらっと変わって、何で二、三日中に変わったんですかと言ったら、その変わった一番大きな目的は、金融庁の方から、三月の時点で金融庁の検査によれば債務超過であったという情報が入ったから、中央青山監査法人としては、今まで三年認めようとしていたものをゼロにしちゃったわけですよ。ということは、だから、その情報を流すタイミングといい何といい、金融庁の意図がそこに感ぜられるというふうに判断せざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
○竹中国務大臣 委員は、会計、決算、検査のシステムについて大変お詳しいと存じますけれども、御承知のように、決算そのものは、これは商法等々で決められた手続であります。これは企業が行うものであります。企業が決算を行って、それを確定する段階で、独立した監査法人がしっかりとした監査を行います。これがある意味で決算、決算というのは、これの積み重ね、これの継続でございます。 しかしながら、金融業、銀行業に関しては、その特殊性にかんがみて、監督当局である金融庁が検査を行って、その時点での資産の査定等々について、これは違うのではないだろうか、これはもう少し厳しく見る必要はないだろうか、これは検査として法律で定められていることです。 我々は、検査は事後的に行います。事後的な検査監督を行う。したがって、足利の場合は、去年の三月期の決算期に、我々としてはそれが終わって以降、決算が終わって以降、その期に入って、ここのことは我々の検査結果はこうだと。検査の結果というのは、それを適切に事後の決算に反映させていただくということに当然なります。我々は、検査を行って、その結果を足利銀行に通知をいたしました。我々は監査法人に通知をするわけではございません。銀行に、ここはこういうふうに検査の結果を反映してもらわなければいけませんねということで、検査の結果を通知いたします。 これは、タイミング等々の問題、今御指摘があったかもしれませんが、我々はできるだけ早くそのことをお伝えするという立場にありますが、当然のことながら、銀行は銀行で、私たちがこうだというふうに言ったとき、いや、それは自分たちはちょっと違う見方をしているということで、例えば異議の意見申し立てとかいろいろなことがあります。それを調整して先方も最終的に納得した上で、これは検査の結果がこうであるということを通知する。 我々としては、事後的な手続、そういった意味での検査を行って、それを通知して、それを反映していただく。これはまさに通常の決算の仕組みと我々の検査監督の仕組みの中での問題である、そのようにぜひ御理解をいただきたいと思います。
○生方委員 議事録を精査しているわけじゃないからあれなんですけれども、私が聞いた範囲では、監査法人が金融庁から聞いたというふうに発言しているんですけれども、それは間違いなんですか。
○竹中国務大臣 上野参考人のお話だと思いますが、「金融庁の検査は、その決算書が」、これは三月の決算書、「出た後、九月に入ってから行われた金融庁の検査に基づいて、改めて金融庁の目で資産査定を行い直し、資産の健全性を洗って、検査結果を銀行に知らせてきた。」銀行に知らせてきたと。 我々は、監査法人とその判断についてどうこう言う立場にはないと思っております。これは、我々は検査結果を、銀行を検査するわけでありますから、それを銀行に通知するというのが手続でございます。
○生方委員 それは、銀行に知らせたのを恐らくその場に監査法人もいて一緒に聞いたのか、その辺はよくわかりませんけれども、少なくともあの話の脈絡の中で聞いたのは、監査法人が三年間認めていたのをゼロにしたのは金融庁の検査結果がわかったからだというふうに発表したのは、これは間違いないわけです。 その事実関係云々よりも、私はやはり、繰り延べ税金資産を、あるときは五年と認めたり、三年と認めたり、ゼロにしたりと、これは当然、繰り延べ税金資産ですから、これから先どれぐらい収益が上がるのか上がらないかとかいろいろな要素があって、確定をするというのは非常に難しいことはよくわかりますけれども、これが恣意的に運用されれば、三年認められるだろうというふうに思って一生懸命やってきたのが、ある日突然、三年は認められません、ゼロだというふうになって債務超過に陥ってしまう銀行の側からすれば、金融庁の恣意によって、これはもうだめなんだというふうになってしまえば、つぶされてしまうんじゃないかという非常に不安感が増すと思うんですよね。 だから、最低やはりどこかに基準をつくらなきゃいけないと思うんですよ、これこれこういう場合はこうである、これこれこういう場合はこうであるということを銀行側がきちんと判断できるように。 そうじゃないと、いつ恣意的に運用されて、いつ自分たちが債務超過に陥るかわからないという不安の中で経営をしなきゃいけないので、最低でもその基準というものを、客観的にだれもが見て、ここのときはこうだという基準を示さないと、竹中さんが一番嫌う、まさに裁量行政になっちゃうと思うんですよね。金融庁の顔色を見ないと決算もできないというようなことになってしまったら、竹中さんが目指している民間の力を民間にというまさにその方向とは逆方向になっちゃうと思うんですよ。その最大の原因が、少なくともこれまでのところ、この繰り延べ税金資産をどうやって見るのかということにあると思うので、基準、どういう基準がいいか私もよくわかりませんけれども、少なくとも客観的に見てこうだということが判断できるような基準をやはり私は示すべきだと思いますが、いかがですか。
○竹中国務大臣 繰り延べ税金資産の基準をどのように今後考えていくかというのは、これは会計制度全般の問題として極めて重要な問題であるというふうに思います。 これも委員御承知のように、繰り延べ税金資産というのは決して銀行だけの問題ではございません。広く一般の企業に認められている。税務会計と財務会計が基準が違っている、それの調整勘定としてこの繰り延べ税金資産というものが必要である。したがって、この基準を決めているのは、実は、金融庁ないしは銀行との関連で決まっているわけではなくて、公認会計士協会の実務指針で、広くすべての企業に当てはまる基準として決まっております。 したがって、これはまさに、公正妥当な会計慣行はいかにあるべきかという非常に広い範囲でといいますか、企業の会計制度全般の範囲でやはり議論されていかなければいけない問題だと思います。 今般、御承知のように、公認会計士協会の奥山会長は、こうした問題について勉強をしていくというような趣旨のことを、いろいろ検討していくというような趣旨のことを言っておられますので、これはやはりいろいろな事象を参考にしながら、できるだけ客観性の高い、ないしは予見可能性の高い制度にしていくような努力を、これは職業会計人である会計士協会の方でもしっかりとなさっていくということだと思います。 もう一つ問題があるとすれば、金融業に対しては特別の繰り延べ税金資産の基準が必要なのではないかという、この考え方は別にあると思います。その理由は、金融業、銀行業というのは特別に自己資本の健全性基準が求められる、また、不良債権処理等々で、平均で見るとほかの産業よりやはり繰り延べ税金資産への依存が高い。これは、金融行政、金融監督上の問題としてございます。 したがって、特別の基準を設けろという考え方もありますが、これはしかし、そういうことをすべきではないという専門家も多数いらっしゃる。まさにその点については、今、金融審で専門家に集まっていただきまして議論をしているところでございます。
○生方委員 これは、その前にりそな銀行のやはり公的資金の導入があったわけですよね。この場合は預金保険法の百二条の一号を適用し、足利銀行の場合は百二条の三号を適用したと。一号と三号は、株主にとってはこれはもう天と地との差で、一号の場合は株主は全然株券がそのまま保存されるけれども、三号になれば株券は紙くずになっちゃうという、これはまさに株主にとってみれば天と地の差ですよね。 りそな銀行の場合が債務超過でなかったというふうに判断されたというのが一番大きなポイントですね、一と三の。ところが、その後の調査で、りそな銀行が新しい経営陣のもとで自己資本比率を、最初に投入したときに一二%まで高まりましたよね。その後、その不良債権の見直しや何かをいろいろした結果、自己資本比率は六%台にまで低下してしまったという事実があるわけですね。これから見ると、これだって、見方によってはりそな銀行もあの時点で債務超過であったんじゃないかというのが、客観的に見れば、私は、正しかったことじゃないかというふうに思うんですよ。 それが、だから、金融庁のさじかげん一つで、片っ方は株主の責任が全然問われない、片っ方は、足利銀行の場合は、本当に気の毒に、土地の人たちが銀行を何とかしようといって、別に投資目的じゃなくて、何とかしようといって出したお金が、一方は紙くずになっちゃって、一方でりそな銀行の場合は株主は一切責任を問われない。それも、非常に恣意的部分が多い、債務超過か超過じゃないのかと。客観的に言えば、後から見れば、やはりりそなも債務超過だったのではないかと言う人もたくさんいるわけですよね。だから、そういうことになるのはやはりおかしいんじゃないですか。いかがですか。
○竹中国務大臣 一般に、委員おっしゃったような論調というのはマスコミ等々であることは存じ上げておりますが、これは私はやはり非常に誤解が含まれているというふうに思います。 まず、決算というのは、先ほど申し上げましたように、企業が行って、それで独立した監査法人が監査する、それが決算です。預金保険法百二条を適用するような状況というのは、基本的には緊急事態でありますから、直前の利用可能な公式の決算に基づいて判断する以外に、現実には方法はないわけです。ただし、決算は企業が行って監査法人が監査しますが、その直近の検査の結果は反映されているという結果になります。これはりそなも足利も同じです。 その上で、債務超過であったか債務超過でなかったかということで、これはやはりまさにルールにのっとって、百二条の一号を適用するのは、これは資産超過じゃないと適用できませんから、したがって、これは極めてわかりやすいルールにのっとって我々はその政策手段を選択しているということになります。 もう一点、生方委員が御指摘の中で、りそながその後いわゆる損出しを行って自己資本比率はそれで下げたではないか、これはその以前は債務超過であったということではなかったのかと。これは違うと思います。いろいろな解釈をする立場にはあるかと思いますが、これは違います。 つまり、決算というのは、これは求められたやはり最低限の、ミニマムリクワイアメントといいますか、そういうものを満たして決算というのは行うわけでありますけれども、では、りそなは公的資金を入れて一〇%を上回る水準になりました、これをどう使うかは、これは経営判断です。これを拡張のために使う、つまり、この自己資本の十数%を生かして拡張的なことを行うというのも一つの経営だし、いや、この一〇%を生かしてリスクを先取りしてしまおうというのも一つの決定です。りそなの場合は、将来のリスクを先取りするという形でその資産の評価を行ったということ、これはミニマムリクワイアメント以上のことをりそなは行っているんです。 現実にわかりやすい例で言いますと、繰り延べ税金資産も思い切って圧縮して、それで将来のリスクに対応するように行った、これはやはり経営の判断というふうに解釈するべきだと思います。
○生方委員 だから、監査法人が全く客観的にきちんと判断をするというんであれば我々もそれを信用すればいいんですけれども、この足利銀行の場合なんかだって、やはり金融庁の圧力がなかったかといえば、絶対あったんですよ。あったから、三年認めていたのが急遽ゼロになったんですから。ちゃんと独立性が保たれているんであれば、それはそれで全部任せていいんですけれども、独立性を保たれていないんでないかというところに我々疑問を感じているわけですよ。 例えば土地の評価だって、収益還元制を用いてやるのとそうじゃないのと、これは土地の評価で随分違うわけですよね。あるときは収益還元制を用いろというふうに言ってみたり、そうじゃなくていいよというふうに言ってみたりというのではおかしいのであって、それを恣意的にされたんじゃたまらない。やはり客観的な基準があって、客観的な基準にのっとって行うということが金融行政をきちんと中立に保ってやるということの第一番の条件でしょう。それが保たれているのか保たれていないのかということが、足利銀行とりそな銀行で大きく疑問符がついたんですよ。だから、その疑問を我々は晴らす必要があるわけで、今の竹中さんの答弁で晴れたかといえば、晴れないんですよ。 だって、本当にあの監査法人が客観的に、中立に自分の意見を通したのかといえば、通していないんですもの。通したのなら三年でよかったわけです。だって、足利銀行の頭取も言っている、三年で話はついていたと。それが突如——いやいや、首を振ったってそういうふうに言っているんですから、実際に。それは足利銀行の頭取にしてみれば、ある日突然、これは認めないよというので、債務超過になって、株主に対して全部迷惑をかけちゃうということは大変なことですからね。 だから、それが客観的に行われたのかどうかということがきちんと、まあ、足利銀行の場合はもう終わってしまったことですからしようがないですが、これから先もこんなことがあってはいけない。やはり客観的に、だれが見ても納得できるような方法じゃなければいけないということで、私はしっかりしてもらいたいというふうに思います。 それからもう一点、足利銀行の場合は、もう二回公的資金が導入されていますよね。千三百五十億円導入されているわけですけれども、導入したわけですよね、公的資金を。だから、当然、導入した側の国には、その千三百五十億円がきちんと銀行の再建のために使われるという監視をしていかないかぬわけですよね。これは実際問題として、この千三百五十億円はゼロになっちゃったわけですよね。だから、この責任というのは一体だれがどういうふうにとるんですか。
○竹中国務大臣 公的資金を注入して、それに対して我々は経営健全化の計画を求めて、それに対してそれをフォローアップしていくという行政の責任がある。経営者は経営者として、当然に、国のお金も入った上で、しっかりとした経営を行って、さらにそれを地域に貢献していくという責任を負っている。株主は株主として、当然のことながら、いわゆるコーポレートガバナンスを発揮させる、そういう責任を負っている。そういうことに尽きるんだと思います。 今、それぞれの問題につきましては、これは当然のことながら、公的資金を入れてこういう特別危機管理銀行になったわけでありますから、法律に従って、ルールに従って、中で調査委員会をつくりまして、一体どういう責任があるのか、過去の責任等々について、民事、刑事上の責任があればそれをただしていく、そういう仕組みになっております。 監督に関して言いますと、これは、経営健全化計画の履行状況のフォローアップを金融庁としては当然のことながら行ってまいりました。具体的には、足利銀行及びそのホールディングス、持ち株会社に対して、これまで実に十四回の報告徴求命令を行っております。さらに、一回の業務改善命令を発出して、経営上のリスクへの対応が不十分である、経営の健全性の確保をしっかりと行い、収益性の向上に向けた取り組み等をしっかりやってほしいと監督上の対応を適宜適切に行ってきたところであります。 しかしながら、同行が結果的に多額の不良債権等によって債務超過に陥った、この点は極めて遺憾であるというふうに思っております。この点については、足利銀行の中において、そういった民事、刑事上の責任がどのようにあるのかということについては、これは委員会でしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
○生方委員 どうも、やはり千三百五十億円というのは国民のお金ですからね、税金ですから、税金がなくなっちゃったということに対して、大臣、何か責任感がやはり私は薄いような気がしますよ。自分のお金、千三百五十億円投入していたら、こんなふうにほうっておかないでしょう。もっときちんとやれと、もっとちゃんとしりをつつくじゃないですか。そういうことをしないで結局破綻させちゃってまた公的資金だという、これはやはり本当に行政として私は無責任だと思いますよ。 こういうことを一つ一つ、千三百五十億と書いてありますけれども、千三百五十円じゃないんですからね。これはとんでもない額なんだけれども、全然私も実感がつかめないから平気で言っていますけれども、これだけの税金を国民の皆さん方が納めるために血の出るような努力をしているお金が一瞬にしてなくなっちゃうわけですから、その責任をだれがきちんととるのか。出した方は出したままじゃなくて、出したら、私だったら、本当にちゃんと適切にこのお金が使われているのかどうか厳しくチェックするでしょう。足利銀行だって、検査が入ったのは二年に一度だったんでしょう、一年に一遍じゃなくて。だから、本当は公的資金が導入されれば、もっと細かくチェックをする。それでチェックをどこまでするのか、行政がどこまで口を出していいかという問題と絡んでくるけれども、少なくともお金を出した場合、そのお金が有効に使われているかどうかということは、きちんと行政機関として私はチェックをしなければいけない。 今回の場合は、それが十分に果たしていたとはとても思えない。二度入れているんですからね。二度入れて、結局それがだめになって、今度もまた入れますって、普通だったら考えられないですよ、普通の民間だったらそんなことは。 それは足利銀行側の責任を問うのはわかるけれども、金融庁側だって、やはり責任をきちんと問わなければいかぬ。この額が適正だったのか、本当にこの場面で出すべきだったのかどうかということを含めてきちんとやらないと、これから先、来年四月にペイオフが実施されるわけですから、このときに、それまでにいろいろな再編がまたいろいろあるでしょうから、そのときのことも含めて、やはり責任をきちんと明らかにしないと次の一歩が踏み出せないですから、きちんとやっていただきますようにお願い申し上げます。 何かたくさん質問通告していて、たくさん大臣に来ていただいていて、質問ができないので申しわけないんですが、福田官房長官がおいでになりましたので、官房長官に一、二点お伺いしたいと思います。 これも同僚の木下議員がこの間質問いたしましたが、中川さんが官房長官をなさっていたときに、二〇〇〇年の七月から八月にかけて二億二千万円支出をされている。これは官房機密費ですから、使途については明らかにしないというのが政府の方針だということはよく承知をしておりますが、あのときにああいう事件があったことも確かでございますし、いろいろな疑惑が指摘をされているので、これは二億二千万円が何に使われたのか、別にだれにどうのこうのと言う必要はないですけれども、国民が納得するように、これもやはり税金でございますから、説明をする必要が私はあるんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○福田国務大臣 ただいま委員がおっしゃったとおりでございまして、この官房報償費の性格からいってその使途は明らかにしない、こういうことで御理解をいただこうというふうに考えているところでございます。 実際に、金額、二億二千万というお話がございましたけれども、これはあの年の、二〇〇〇年ですね、この年の報償費の総額が十三億ということでございますから、月平均しますと一億強ということになります。ですから、二億二千万というのは二カ月分というように考えれば、これは大体妥当な線ではなかろうかな、平均的にということであれば、そういうふうに考えております。
○生方委員 いや、私が聞いたのは、二億二千万円について国民の皆さん方が疑問を持っている、だから、だれに具体的に幾ら払ったということを言う必要はないですけれども、国民の皆さん方が少なくとも納得する、こういうことに使われたんですよということぐらいは明らかにしてもいいんじゃないかというのが私の質問の趣旨なんですけれども。
○福田国務大臣 これは、今申し上げましたように、特にこの月にふえているというようには認識しておりません。 それから、疑惑があるということでございますが、その疑惑というのは、今裁判をしている、裁判の被告側が申し立てていることであって、それは今裁判中のことなんですよ。私人間の裁判のことでございますので、中身について申し上げることはできないけれども、一方的な疑念ということでもって疑念があるというように考えるのは、これはちょっと適当ではないのではないかというふうに思っております。
○生方委員 この官房機密費について、会計検査院が調査をするわけですよね。会計検査院の調査の中で、官房長官みずからの領収書はあるが、その後の役務提供者等への支払いに関する帳簿や支払いを証明する書類等を整備するなどの事務補助は行われていない、このため、内閣官房長官における管理状況が十分把握できない状況となっているというふうになっているので、会計検査院にお伺いしたいんですが、会計検査院の中で、官房長官の使途については、高度な政治的なことに使われたという心証ができれば了とするという答弁でございましたが、この高度な政治的なことに使われたという心証を得るということは具体的にどういうことなのかを教えていただきたいと思います。
○森下検査官 お答えいたします。 内閣官房報償費といいますのは、内政、外交を円滑に遂行するために、取扱責任者である内閣官房長官が、その都度の判断と責任のもとにおいて機動的、効果的に使用される経費ということになっております。したがいまして、検査に当たりましては、その報償費が目的に沿った使用になっているかどうかに留意して行っているわけでございます。 具体的な検査の方法につきましては、特に官房長官みずからが支払いや管理を行っております経費につきましては、機密を要する、それから補助者を介して行っていないということなどのために、例えば報償費を受領した場合の検査につきましては、取扱責任者の受け払いの帳簿でありますとか官房長官みずからの領収書を確認することによって検査をしております。 それから、支払いの執行状況などにつきましては……(生方委員「いや、高度な政治的なことに使われたというのはどういうことか」と呼ぶ)そういう検査を行いながら判断をしているということでございます。しばらく御説明をちょっとお聞き願いたいと思いますが、執行の状況につきましては、使用目的や現金の出納保管をしております状況について会計検査院からいろいろ質問をいたしまして、それに対して事務方を通じて回答をいただき、その内容を検討する、こういう形で検査を行っております。 このようなやりとりを積み重ねながら、この報償費が目的に沿った使用になっているかどうかという判断をしているというのが検査の状況でございます。(発言する者あり)
○生方委員 うるさいですよ。 大体、今わかりましたように、結局、基本的にはだれも何もわからないんですね、官房長官以外は。これは事実だということはよくわかりますので。 ただ、官房長官が全員福田さんのような聖人君子じゃないわけで、やはりこれは、十三億もあったら大変な額で、それを一切領収証も何もなくて使っていいといえば、間違いがあることもなきにしもあらずだと思うんですよ。だから、私は、これは国家の機密費を一切使っちゃいけないということを言っているんじゃなくて、使うのはそれは必要かもしれません。だけれども、何年かたったらやはり公開するというルールがないと、歯どめがないと思うんですよ。 だから、今すぐに公開をすればそれは支障が出るとしたって、五年後とか十年後にきちんと明らかにするという歯どめがあれば、やはり使い方におのずときちんとしたものが出てくると思うんですよ。だから、これはやはり……(発言する者あり)うるさいですよ。何でそんな興奮するの、そんなことぐらいで。そんな、官房費になると何で興奮するんだ、今まで全然静かだったのに。だから、官房費になると興奮するというのは、もうそもそもやましい気があるかもしれない。 だから、基本的に……(発言する者あり)
○笹川委員長 静粛に、静粛に。質問者は周りに影響されないように。
○生方委員 だから、基本的に、福田官房長官にお伺いしたいんですけれども、だから、これは五年とか十年先で構いませんから、いずれ公開するという歯どめをやはり私はかける必要があるんじゃないか。これも別に、本当に明らかにしたら国家にとって重大な支障が出るということについては、これについてはいいというのがあってもいいけれども、全部が全部、全くブラックボックスにしておくというのは、私はやはり健全じゃないと思うんですよ。健全性という意味からも、やはり何年後かにはきちんと公開をするんだというのが担保されて初めて、私は官房機密費というのが国民に納得されるようになると思うんですが、その点について、最後でございますが、いかがですか。
○福田国務大臣 この官房報償費の使途につきましては、これは今委員もいろいろと御指摘なさっていらっしゃる、そういうこともよくわかっておりますので、極力、我々としては厳正に対応するというようなことで、事務的にもその出納記録といったようなものを残すように努力いたしております。 しかしながら、それを公開するかどうかという話になりますと、これまた難しいことになるわけでございまして、したがいまして、今現在、これを将来公開するということを申し上げるということは困難であるということは、御理解いただきたいと思っております。
○生方委員 我々が政権をとったときには、多分公開するというふうに考えておりますので。 これで質問を終わらせていただきます。
○笹川委員長 これにて生方君の質疑は終了いたしました。 次に、首藤信彦君。
○首藤委員 民主党の首藤です。 きょうは、前回、補正予算で、イラクの支援の問題の話をさせていただきましたが、非常に不正常な形で終わったために、多くの問題がきちっとした論議なしに進めておられます。 外務大臣に質問をしようと思っておりますが、外務大臣、十六年度予算における国際の平和と安全のための日本発外交のための予算金額は七百六十五億八千三百万円となっておりますが、これでは必ずしも十分ではないと思うんですが、これは果たして補正をまた組まれるという御予定があるのでございましょうか。外務大臣、いかがでしょうか。
○笹川委員長 外務大臣いませんが……。 首藤君に申し上げます。前の生方さんが早く終わっちゃったものだから間に合いませんので、遅刻しているわけじゃありませんから、ほかの質問をしてください。
○首藤委員 それでは、予算委員会でございますから、財務大臣にお聞きしたいと思うんですが、今般の十六年度予算に関しては、先ほど申しました七百六十五億八千三百万円という……(発言する者あり)
○笹川委員長 静粛に。
○首藤委員 ちょっと静かにしていただけますか。 ということが予定されているわけですが、これは、イラクへの支援の金額というものはもう非常に大きな額が想定されているわけですが、この国際の平和と安全のための日本発外交のために七百六十五億をとってある。 しかし、現実に、やはり前倒しの前倒しでイラク支援を行わなきゃいけないということを考えると、また再度、十六年度にもイラク関連で補正予算が出てくる可能性があると思うんですね。それからまた、今回、十五年度では一千百億円という非常に大きな補正がこの問題に対して組まれたわけですけれども、補正で一千百億円組んでいて、十六年度予算、事実上ほとんど差がないわけですね、今は二月ですから。もう二月の後半に入っている。そこでまたこうした金額。 そういうことを考えると、この七百六十五億というのは過少なのではないか。また、これに対して補正が組まれるというような可能性も示唆しているのではないかと思うんですが、そういうような予算の組み立て方というのは、健全な財政という視点からは、私は問題があると思うんですが、財務大臣はいかがお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 今、十六年度でさらに補正を組むのかというお問いかけだったと思いますが、当初予算で御審議をお願いしている最中でありまして、十六年度補正予算のことなどは、現在全く念頭にございません。
○首藤委員 いや、そんな当たり前のことを聞いているんじゃないんですよ。要するに、補正で千百億円のものを組んでいる。それで事実上、タイムラグはほとんどないんですよ。あれはもう一月、今は二月ですよね。それで、もうすぐ四月になればまた来年度になるわけですが、こうしたタイムラグがほとんどないときに補正でどんと一千百億を組んで、今度は正式予算で七百六十五億を組んでいるというのは非常にバランスが悪いんじゃないか。もし本当にそういうことがあるのであれば、よりきちっとした、本当に必要な金額を組むべきではないか。 特にイラクへの支援というのは、一番最初が大事だということがわかっているわけですね。大量に最初の段階で支援しなきゃいけないというのにもかかわらず、ある意味では非常にバランスを欠いた七百六十五億なのではないかというふうに考えますけれども、財務大臣としての御意見を、その点についてお聞きしています。
○谷垣国務大臣 これは、イラクのような支援をどうするかというのは、事前にもちろんこういうことが起こると予想できたわけではございませんので、そのときそのとき必要なものを組んだわけでございます。 それから、やはり補正というのは、その年度内にある程度処理ができないといけないわけでございますから、そういう切り分けをして、十五年度補正と十六年度当初予算というふうになっているわけでございます。
○首藤委員 さて、十五年度で千百億円を超える補正予算を組んだわけですが、そのうち、国際機関に拠出する部分がある。それを除いて、日本独自でイラク復興支援のために使わなきゃいけない予算が、日本独自配分が五百五十九億円であるというふうに言われているわけですね。私は、この五百五十九億円ですか、この履行体制というものに非常に大きな欠陥があるんじゃないかと思っているんですね。 例えばこれが、先ほどから話があります報償費、機密費というようなものでありましたら、それはある程度政府の裁量によって、領収書ももらえないけれどもまあしようがないからやるかというのもあると思うんですね。しかし、この五百五十九億円というのは、今までつくられてきたODAの枠組みの中でこれを執行していこうというわけですね。しかし、それは当然のことながら、国家があり、対象機関がはっきりしている、すなわち受け手、レシーバーがしっかりしているということを前提としているわけですね。 日本の今までのODAの供与の仕方を見て、破綻国家にお金を直接渡していくというような形態は私はなかったと考えるわけですね。そこで、では、この五百五十九億円を一体だれに、国家が存在しない状況においてだれに渡していくんですか、だれがその五百五十九億円の管理をしていくんですかという話をさせていただいたわけであります。 そこで、外務大臣の方から、それは地方議会であるという話がありました。地方政府という話がありました。しかし、地方政府というものは、それは明確にはまだ存在していない。政府というものが存在していないわけですから、当然のことながら、イラクには地方政府は存在していない。当たり前のことだと思うんですね。では、地方政府でなかったら何かというと、そこで、地方評議会だと。地域ごとの、各県、各市ごとの評議会があるという話が出てきたわけであります。 そこで、私は、なるほどそれも一つの便法かなということで、それでは、一体全体、イラクの中にどれだけの地方評議会が、きちっとした、我々の国税、我々の税金、血税をきちっと渡して、責任を持ってそれを管理していただけるそうした評議会が、イラクの中で、全土で何%ぐらいございますかという質問をさせていただきました。それに対して明確な答えはなかったと思うんですが、もう既に何週間もたっているわけですから、現在のイラクにおいて、私たちの血税の受け皿となるようなイラク評議会、地域評議会というものが、全土にわたって大体何%カバーされているのか、お答え願いたいと思います。外務大臣、よろしくお願いします。
○川口国務大臣 まず、援助の受け皿について御発言がありましたけれども、これにつきましては、前々からずっと申し上げていますように、政府、国際機関及びNGOのほか、地方公共団体、学校、病院等の公共性、中立性の高い団体であって、しっかり機能して、事業を効果的かつ適切に実施する能力のあるものに対して実施をしているということでございます。 それで、地方評議会ということについて、きちんとそういう意味で機能している評議会は幾つあるのかということでございますけれども、我々は、地方評議会全部について調べるということではなくて、我々に対して、日本に対して援助を欲しい、援助の需要があって、それを出そうかどうかということを考える段階で、考える過程で、その相手が、先ほど申し上げたような条件に照らして適切であるかどうかということを見ているわけでございます。 したがって、地方評議会が今全体で幾つあって、そのうちの幾つがそういった対象であるかどうかという観点から全部の評議会を調査するということはやっておりませんし、今の段階でやる必要はないということでございます。
○首藤委員 外務大臣、それは異なことをおっしゃいますよね。それを私質問したのは、十五年度補正予算のときに質問させていただきました。今、私たちは十六年度の本予算の話をさせていただいています。今から、もう四月には新年度になっていくだろう、こういうときに、いや、去年の分は、私たちが提供しようというところは、確かにしっかりした評議会がありました、しかし、これからはまだ全然調査していませんよと。だったら、この予算はないじゃないですか。この予算は消してください、そうでしょう。 これからは、受け皿もはっきりしない、どこに評議会があるか知らない、プロジェクトも明確でない、私たちが供与しようという評議会がイラク全土の中でどの程度の確度、正確さ、確率、組織性、継続性、そういうものを持っているかの評価ができない状況で、どうしてこの予算が執行できるでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 援助というのは、ニーズがあって、そこでその団体に対して必要としているものを、その組織に対して必要としているものを渡す、上げる、援助するということが適切であるかどうかということを議論する過程で、その相手方たる組織、これがそういった援助を受けて実施をしていくのに適しているかどうかということを見ていくということであるわけです。 それで、イラクの復興ニーズ、これについては、いろいろなニーズがもう出てきているわけで、例えば、国際機関のやったアセスメントの調査というのもありますし、それから、バグダッドの大使館あるいはサマワの事務所、それから自衛隊経由で入ってくるニーズ、また、きのう、私はイラクの保健副大臣とお会いしましたけれども、そういうルートで上がってくるニーズ、さまざまなルートを通じてニーズというのがあるわけでございます。 それを具体的なプロジェクトにしていく段階で、そのプロジェクトについて、それを例えば病院に直接渡すのがいいのか、保健省に渡すのがいいのかという観点でいろいろ考えていくわけでして、したがって、アプリオリにすべての評議会を調べてということから始まるわけではないということを申し上げたわけでございます。 それで、今、イラクの地方評議会について申し上げますと、これはいろいろなレベル、例えば県、それから例えば市あるいは小さな区域まで、さまざまなレベルで存在をしているわけです。どういうレベルまで評議会が存在をするかということについては、これは地域によってさまざまである。今までも申し上げていますように、イラクの地方自治というのはまさに生成過程にある、進化過程にあるということでありますから、日本のように、きちっとすべて同じ制度のもとに運用されているということにはまだなっていないということであります。 ムサンナ県、これを例にとりますと、サマワ、これは県下の最大の都市でもありますけれども、そのサマワ市を皮切りに、より小さい都市、区域というふうに徐々に評議会がつくられていっているという状況であります。 イラクに十八の県があります。それで、その十八の県について県レベルの評議会は存在をしているというふうに承知をしていますけれども、県のもとに、それぞれの県に幾つ評議会があるとかということは、これは地域によって今まさに進化の過程にあるということであります。 いずれにしても、援助との関係でいえば、先ほど申しましたように、政府、国際機関、NGO、地方公共団体、学校、病院などの公益性、中立性が高い、そういった団体であって、しっかり機能していて、事業を実施する能力があるというふうに見きわめた上で供与をするということであるわけで、プロジェクトを適切に運営していく、実施をしていくというのは何よりも大事、これは国民の税金を使ってやっているわけですから、そういう観点から、きちんとした組織であるということを見きわめ、さらに透明性の確保をやっていくという考えに変わりはございません。
○首藤委員 いや、外務大臣、またそういう話、私の質問と違うことをお答えになって、こちらは、何か千日手みたいなのをまた繰り返していくのかなとふと嫌な予感が頭をよぎりますが、私の質問は、十六年度予算をこれから決めるに当たって、現実にその受け手としてどれだけのものが存在しているかということですね。そして、そのプロジェクト、アルファ、ベータ、ガンマとか、ずっとあって、それがそこそこしっかりしている。では、そういうアルファ、ベータ、ガンマというのがあるとしたら、それがイラク全体の中で、地方政府と言われる評議会の中でどの位置づけにあるのか、本当に我々が信頼できるのかという、その位置づけにあるのかということをお聞きしているわけですよ。 ですから、一番重要なことは、イラク全土で評議会がどれだけ確立しているのか。何個の評議会があり、それは十八県あるんだから、何とか掛ける十八でもできるじゃないですか。幾つか、大体その総数はわかるでしょう。だから、どれだけの評議会があるのかということなんですよ。それがわからなければ、これは十六年度予算ではなくて、まず調査を十六年度にやって、十七年度予算で七百六十五億円をもう一度再提出されていったらいかがですか。 そうでなければ、今、全土で一体どれだけの評議会があり、それが、ランクA、これはもう間違いなくきちっとした組織を持ち、継続性を持ち、計画性を持ち、組織性を持って、しかも責任者も決まって、私たちの血税の受け皿となり得ます、そしてそこをやれば明らかにその地域が発展していきますということがランクA。ランクB、ランクC、トータルでイラクの評議会は全部で幾つ、こういう数字を出していただかないと、この予算は審議できないと思いますよ。 ですから、イラクの中において我々の血税の受け皿となる評議会は全体で幾つあり、その幾つが私たちがきちっとお金を出せるものなのか、その中で初めて今回のプロジェクトはこうでございますということになるわけですね。ですから、その全体像を言っていただかないと、こんなばかな予算は出てきませんよ。いかがですか。
○川口国務大臣 私どもといたしまして、国会で予算の御議論をいただいて、そして予算がきちんと決まって、それからその援助の具体的な、どこの組織に出すかというようなことは議論が始まるわけでございます。その前に、例えば、あなたのところに出します、サマワ、ムサンナ県の評議会に出しますということで話を、国会の御了解をまだいただいていないうちにあなたのところに予算を上げますというようなことで話をするということは、まさに予算の審議あるいはその執行ということから考えられないわけです。 ですから、我々は、もちろんそのニーズということを十分に把握している。そのニーズを、イラクならイラク、あるいはアフガニスタンならアフガニスタン、そういうところにどれぐらいの予算が要りますということは頭に置いて予算のお願いをしているわけですけれども、その中で、具体的にこのプロジェクトを、相手の組織がその受け手たる十分なものであるかどうかということはもう相当に話を詰める段階の話でございますから、今、予算についての審議がこれから始まろうとしているときに、そこまで詰めるということはしてはならないというふうに考えているわけでございます。 そういう意味で、十六年度の予算のお話でございますから、これは国際機関等々のニーズアセスメントがあって、それから我々のところに続々と今、イラクの中から、いろいろなところから、こういうものについてプロジェクトが欲しい、援助が欲しいということで来ているわけでございますから、それをすべて、それは世銀あるいは国連の機関のニーズアセスメントの中の話でありますけれども、具体的な詰めとしてはまさに予算について御了解をいただいた上でということでありまして、十六年度の予算について、これは具体的に詰めていく段階。 援助の相手方が想定されているということをこの前申し上げたのは、これは十五年度の補正予算について、そこまで熟度が高いということでして、おのずから、十五年度の補正予算の詰め方のレベルと、今後これから御審議をいただく、そして御了解をいただく十六年度の予算の話とは段階が違うということが援助の進め方としてあるわけでございます。
○首藤委員 いや、だから大臣、最初から言っているでしょう。私は、この予算が機密費、報償費でやられるならそれは結構ですよと。政府の責任で、判断で、ある意味でつかみ金になるかもしれない、しかし、必ず必要だ、これはイラクの復興のために必要だというなら、それは政策判断としておやりになったらいかがですかと申し上げています。 しかし、これはODA予算を使っているんですよ。ODA予算、御存じですか。私は弱小なNGOをやりましたけれども、そんな弱小なNGOだって、何年も何年も外務省に通って、何枚も何枚も、何十枚も書類を出して出して出し直して、それでようやく、三年後ぐらいになってようやくもらえるわけですよね。 ですから、予算なんですよ、これは。今、日本が不況でこんなに苦しいときに、そしてODAそのものに対して批判が強まっているときに、相手先もはっきりしない、相手先がはっきりした信用のある取引先なのか、受け手なのかもわからない、こういうような状況で、どうしてこの予算が組めますか。 ですから、もし組みたいというなら、それはまだ、破綻国家にこれは生まれて初めて日本も出すということですから、戦後の日本として破綻国家に出していくという状況の中で、それはわからない、不明な点もあるでしょう。ですから、前からしつこく聞いているように、イラク全土で、地域政府を代行するというふうに言われている、言われているというか考えられる、あるいは外務省が考えている評議会というものが、イラク全土でどれだけ確立し、それがどれだけ組織性を持ち、継続性を持ち、責任体制を持っているのか、その中において初めて今回のプロジェクトというものが供与対象になるわけですよ。 ですから、イラク全体において幾つの評議会があって、それがどれだけの確度を持ち、そして、その中にどのようにランクづけができて、そこのどこにこの予算を当てはめようとしているのか、それをお答え願いたいと思います。それができなければ、この七百六十五億というものは、まさにつかみ金で出していくとしか考えられないじゃないですか。外務大臣、いかがですか。
○川口国務大臣 幾つかのことを申し上げたいと思いますが、一つは、まず十六年度予算、イラクに対してどれぐらいのことを想定しているかということをちょっと申し上げたいと思いますけれども、これは二・九億ドルということでございます。十五億ドルというお話を、無償でということを申し上げてありますけれども、その大半についてはこの間お願いをした補正予算、千百八十八億円というところにおさまっていて、これが大体十・八億ドル。それに対しまして、十六年度で残っている分は二・九億ドルであるということです。 それからもう一つ、先ほど来申し上げていますように、イラクの地方自治制度、これは生成過程にある、進化の過程にある、毎日毎日変わっているということであります。そういった過程を通してイラクの制度がいろいろできているわけでございますから、今の時点で、ここで仮にそういう実施能力がないと我々が判断をしたとしても、実際に十六年度の予算で合意をする段階では、なるようになっている団体もあり得るだろうし、あるいはその逆というのもあるかもしれません。いずれにしても、今横で切ってそこで判断をするということで必ずしも相手方の全貌がつかめるというふうには考えていないということです。 それで、しからば、先ほど申し上げた二・九億ドルを一体どことやるのかということについては、これは、申し上げましたように、いろいろな可能性があるわけでして、効率性、公益性、中立性といった観点から考えまして、国、地方公共団体、国際的なところ、あるいはNGO、病院、学校等のところ、いろいろあるわけでございます。それは、今後予算をいただいた上で、きちんと詰める段階で、相手先については、実施能力がある、ちゃんと資金管理をすることができる、そういうところと話をしていくということであり、そういうところでなければそれについてはお金を渡す、援助をするということはしないわけでございますから、そういった意味で、税金の使い方、これについては非常に重要なことだという認識を持っておりますので、効率性、透明性、そういったことに十分に注意をしてやっていくという考えでおります。
○首藤委員 外務大臣、そのおっしゃり方は、まるで企業の言い方ですよね。企業だったら、それは自主判断で、自己リスクでやるわけですよ。新製品開発室、もうどうもこれはうまくいくかどうかわからないけれども、やらせてください、必ずやってみます、まず予算を下さい、そうしたらいいところを見つけてみます、これが企業の新製品開発室がやることじゃないですか。 しかし、これは国会なんですよね。日本の国家予算というのは、もうきちっと予算制度であって、決算制度もあって、対象がしっかりしていないとそれはできないんですよ。そうでしょう。どうしてこんなでたらめで、まだ何にも決まっていない、今聞いたら、全く何にも決まっていない、積算根拠が何もないと。 だから、その対象は学校だとかいろいろおっしゃいますが、結局、そんな学校といったって、どういう形になっているかよくわからない。だから、そこの地方政府というものを前からおっしゃっているようですから、評議会ならまず評議会。まず評議会すら、その実態、そんなのパソコンで打ち込んでいけばいいじゃないですか。全国で十八県あって、いわゆる評議会を持っているような市は幾つございますか。そして、もう全部で例えばせいぜい二百かそこらじゃないですか。二百の市に関して、二百の市の評議会に関して、ランクA、ランクB、ランクC、ランクDと。それで、うちは今回はランクAと。それが、十六年度予算で、このうち七百六十五億からそれをやっていくと。そういうことをどうして国民に示されないんですか。それが示されなかったら、この予算は成立しませんよ。こんなものが成立するんだったら、我が国の予算制度はゼロに帰しますよ、ないですよ。いかがですか。それをしっかり言ってください。
○川口国務大臣 援助について申し上げれば、これも先ほど来申し上げていることの繰り返しになりますけれども、きちんとその援助をしていく上で、資金を効率的に使っているか、透明性を持って使っているか、説明責任を果たすことができるような資金の使い方か、これをきちんとしていくことは重要であるという意味で、実際に援助について合意を相手方とするときには、そういったことをきちんと踏まえているということです。 それで、地方公共団体、地方評議会が相手方になり得るかどうか。これは、まさにプロジェクトにもよりますし、必ずしも全部を地方評議会とやるわけではないわけでございます。現に、現時点では、サマワの市評議会を対象として援助をするということは考えていないわけであります。 いずれにしても、ニーズがあるということは、国際機関、世銀、国連の機関の今までの研究調査、把握状況で十分にわかっているわけですし、我々独自に把握をしているニーズというのもたくさんあるわけです。そういったことの中から、そのプロジェクトについて、日本としてイラクに対して実行することが適切かどうか、そして、それをするとしたならば相手はどういうところがいいかということをやっていくわけでして、そういった経済協力の予算のお願いの仕方ということは、イラクだけではなくて、ほかの国に対しても同じような考え方、進め方、やり方で国会の御議論をいただいているということでございますし、それは、ことし新しい話ではなくて、今までずっとそういうことで御議論をお願いして、その中で実施の段階ではきちんとやっていく、予算をいただいた後でそういった精査をして、それで適切に実施をするということで進めてきているわけでございます。
○首藤委員 いや、御趣旨はわかるんですよ、普通の会社だったらね。私も、中小企業を運営して、社長、これをやらせてください、予算をつけてくれたら頑張ってやります、それはわかるんですよ。しかし、これは日本の国会の予算のシステムですから、おっしゃることは全く成立しないですよ。そんなレベルで予算が成立するんだったら、もうめちゃくちゃな予算が幾らでも組めますよ。しかし、日本のようにがっちりとやっていて、しつこいまでにそれをチェックしていくことが、ODAも辛うじて中立性、公正性を保てるわけですよね。しかし、そんなことでは、この七百六十五億ですか、私たちは絶対認めるわけにいかないですよね。 ですから、委員長、この七百六十五億円に関しては、再度私は質問したい。 まず、この七百六十五億円の積算の根拠となっている評議会、学校、病院、発電所、その他施設、それぞれのブレークダウンを出していただきたい。その結果、その数字に対して私たちは論議いたしましょう。しかし、そうでなければ、つかみ金で七百六十五億円、国民の血税を渡すわけにはいきません。 委員長、いかがでしょうか。
○笹川委員長 これは外務省の責任ですから、外務大臣が答弁できないというなら、あらかじめもっと細かいことがわかる各局長を出席要請を質問者がして聞いた方が、私は、運営がもっとうまくいくんじゃないですか、一つの聞き方としては。
○首藤委員 それは委員長の見識かもしれませんが、それは大きな間違いだと思いますね。それを代表して外務大臣にお答え願っている。 私が言っているのは、その答え方ではなく、きちっとした数値とその表を出してくださいと。サマワだけではなくて、評議会というのは幾つあって、そのどの部分、どれぐらいが、一体我が国の税金を付与するに当たって、供与するに当たって、責任ある体制の評議会があるか。どうしてそんな表を、少なくとも、イラク全土を調査したら、三十や五十のまともな評議会が、名前が出てくるじゃないですか。どうしてサマワしか出てこないんですか。 ですから、私が言わんとしている結論は、おわかりになるように、イラクは今、評議会の状況も含めて、プロジェクトというものが果たして本当に、日本のお金を供与して、それが立ち上がっていって、その地域の福祉、成長に役立つか、復興に役立つかどうかもわからない、フィージビリティースタディーが全くできていないということなんですよ。ですから、それに対してお金をつけるということは全くの間違いです。いかがですか、外務大臣。
○川口国務大臣 私どもは、市の評議会あるいは地方の評議会を受け皿、これが受け皿であるという考え方をしてスタートをしているわけではないということであります。結果的に地方の評議会になることもあり得ると思いますし、国になることもあると思いますし、省ですけれども、それから、学校あるいは病院といったところになるかもしれない。 そういう意味で、いろいろな可能性というのがあるわけでして、むしろ今決めて、そこが能力があるかということをやるということではなくて、プロジェクトのニーズが把握されているわけですから、そのニーズを実施するに当たって相手方をどこにするのが一番適切かということを精査しながら、それは予算をいただいた上でそれを行うということであるわけです。ですから、ニーズについてはあるという中でそれを議論していくということであります。 それから、先ほど委員が七百六十五億円という数字をおっしゃいましたけれども、私どもはその数字については、それが何であるかということはよく理解ができないわけでして、我々が先ほど申し上げました二・九億ドル、これは円に直しますと三百十九億円ということでございまして、七百億円ではないということであります。
○首藤委員 いや、私は、外務省の方からいただいた十六年度の予算関連資料というものを見て、国際の平和と安全のための日本発外交というところで、平和構築、定着の推進のところの数値を読んでいるわけなんですけれどもね。ですから、この数値は全く理解していないというのはちょっとわからなくて、これは一番大きな数値の中で、もちろんその中でイラクというものはもうちょっと小さな数字になるだろうということはわかりますよね。しかし、そのことに関しては、それだったら余りにも去年の補正予算との間でアンバランスではないかということを、外務大臣が来られる前に財務大臣と話させていただいていたわけです。 それは別としまして、それでは、これはもう本当に水かけ論になっているんですが、私は、もうこれは積算根拠が余りにも疑わしい。まずお金をつけてくれ、そうしたらいいところを見つけますよ、こういうことでは予算というものはもう成立しない。我が国の予算制度そのものが私は成り立たないと思うんですよ。 評議会というのだけじゃない、学校もありまして、病院もありましてというお話をお聞きしました。では、病院というのはいかなる経営形態でございましょうか。フセイン政権のもとにおいては、恐らくそれは保健省とか厚生省の配下の下部組織だったんでしょうが、例えばこういう破綻国家において、ある者は、いや、うちは私企業だ、私的な病院の経営をするんだ、あるいは地域で持っているんだ、あるいは公的な組織だ、あるいはまた保健省ができたらやがて傘下になっていくんだ、そういういろいろな形態があると思うんですね。 ですから、それぞれに基づいて当然違う責任体制というのがあるわけですから、病院に果たして——では、我が国のお金をどういう責任体制でその受け手が使うことになるんですか、病院という場合は。いかがですか。
○川口国務大臣 病院でございますけれども、例えば今現在、無償資金協力で病院ということで考えていますが、その検討している病院はすべて保健省の管轄下の病院であります。例えばムサンナ県で言いますと、これは保健省の出先機関の県の保健局がありまして、サマワの総合病院ですとかサマワの母子病院ですとか、そういった対象として考えているところ、これはサマワ、県保健局の管轄のもとにございます。 それから、前にも申し上げたことがありますけれども、先ほど来申し上げている資金の使途、管理、これについての透明性ですとか効率性それから公正性といったことの確保、これについては、十分な知見及び実績を持っている専門機関に案件管理を活用するとか、供与先に報告書あるいは会計報告を出させるといったようなことをやりまして確保していくというふうに考えておりますということでございます。
○首藤委員 いや、外務大臣、前から言っておりますけれども、用語がくるくるくるくる変わるわけですよ。地方政府と言ったり評議会と言ったり県と言ったり、全部違うでしょう、概念。それから保健省ですか。保健省なんというのはございますか。それは、今のいわゆる暫定的な評議会というのはデファクト政府でもないわけですよ。こんなところでどうして保健省が出てきたり、急に県があったりするわけですか。 だから、そんな事実上の正統性、統治の正統性、ガバナンスの正統性を持っていないところに対して、どうして我が国の公的な資金を供与することができますか。しかも、その内容が明確になっていないのにどうしてできるんですか、外務大臣。
○川口国務大臣 私は、昨日、イラクの保健省の副大臣が日本に来ていらっしゃいまして、副大臣とお話をさせていただきました。病院についての支援のお話などもさせていただきましたけれども、保健省というのはきちんとした形で存在をしているということです。 それで、組織の概要を申し上げますと、イラクの全土で、二百四十の病院、そして千二百の保健センターを管轄している、そして約十万人の職員を持っているということでございます。 デファクト政府ではないかというふうに委員がおっしゃられましたけれども、これは、国連安保理決議の一四八三で、イラクの今暫定的な政府の、要するに移行を政権がするまで、その間、イラクの主権をエンボディーしている、体現しているというふうに決議にちゃんと書かれているという意味で、国際社会としてお墨つきを与えている政府のその省庁でございます。
○首藤委員 いや、外務大臣、イラクの人たちが、うちは保健省だ、うちは何とか省だ、うちは何とか大臣だというのは、それは結構なんですよ。我が党にもNC大臣といって、私も前は民主党のNC副大臣ということをやっていましたけれども、そうしたイラクの人たちがやっていることと、現実に我が国のお金を預けられるかというのは別なんですよ。 それから、外務大臣、その体制というのは、では六月以降どうなるかということに、少なくともこの年度内だってこの保証はございますでしょうか。我が国だってそうでしょう。あるときには保健省であったり、あるときには福祉省であったり、あるときは厚生労働省になったり、あるときは文部科学省になったり、いろいろな形でありますよね。ですから、その今おっしゃったものだって、果たして継続性はないわけですよ、この年度内にだって。いかがですか。
○川口国務大臣 最初、さっきちょっと一四八三と申し上げましたけれども、一五一一でございますので訂正をさせていただきますが、そこに書いてありますように、ちょっと最初から読みますと、統治評議会及び閣僚が、イラク暫定行政機構の主要な機関であり、国際的に承認された代表政府が樹立され、当局の責任を引き受けるまでの移行期間の間、同機構が、今後さらに発展することを予断することなく、イラクの国家の主権を体現することを決定するということで、きちんと一五一一によって定められている組織であるということでございます。 それで、今後、六月末に移行行政機構が選出をされ、承認をされるということに十一月のCPAと統治評議会の中で合意があるということでございますけれども、その後の政府の行政機構がどういう形になるか、これは、移行行政機構がちゃんとそこでできるわけでございますので、そこできちんとオーソライズをされるということになります。 それで、具体的に、例えば保健省が保健省のままであるかどうか、これはそのときにその中でどのような組織の変更があるかどうかということにもよりますけれども、我々としては、基本的に今の政府の機構が続いていくであろうというふうに考えております。
○首藤委員 外務大臣、それは希望的観測なんですよ。それこそ、政権が大きく変わったら保健だって、あるいは病院というものが宗教省の配下になるかもしれないんですよ。世の中はわからないんです。そんな不確定なものにこの年度を通しての予算を出すことはできないんですよ。 ですから、この論議をするには、外務大臣、やはりその積算根拠となっている評議会、学校、病院、その対象物を示してください。そうしたら、私たちも全力で、この病院は私たちの血税を使うのにふさわしいところか、この評議会がある地域は、スンニ・トライアングルじゃなくて、ある程度安定していって、私たちの税金を出せばそれがその地域の復興に使われていくんだろうかということも、私たちもある程度確定できますよ。 補正予算のときですら、——余りそこ、横を聞いているとわからなくなりますよ、私の質問が。補正予算のときですら、一応紙を一枚、二枚出していただいたんですよ。本予算でどうして出してくれないんですか。ですから、まずその提出をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○川口国務大臣 経済協力の予算について、補正予算につきましては、これは十五年度中にということでございますから、ある程度、より十六年度の予算よりは精査をした形でお話を申し上げましたけれども、十六年度の予算につきましては、これは、イラクだけではなくて、ほかの国についても、そこまで詰めて今そのプロジェクトを考えているという段階にはないということでございます。 これは、御議論をいただいた上で、予算を成立させていただいた後、相手との関係では、国からその予算が、十六年の予算としてはこれだけあるということできちんとお話をし、詰めていくということでございます。 それで、先ほど申し上げましたけれども、ニーズの把握、これはきちんとやっているということであります。世銀、国連でつくったものにつきましても、二〇〇四年暦年を考えますと、全体として百七十五億ドル、世銀、国連直接によるニーズについていえば八十二億ドルという数字が出ているわけでございまして、それは、教育、保健、雇用、輸送、通信、水・衛生等々、いろいろな分野にわたって、それぞれの分野ごとに数字が出ているということでございますので、我が国としてもそれを踏まえ、そして、我が国が独自に直接聞いているニーズ、これも参考にして、踏まえて、その上で、予算をいただいた後、個別プロジェクトを詰めていく、相手もそのときに決めていくということでございますので、これはイラクだけの話ではなくて、ほかの国についても、みんな経済協力の予算というのは、そういうやり方で進めさせていただいている。最初に予算をいただくということから細かい作業が始まるということでございます。
○笹川委員長 外務大臣に申し上げますが、いつ、どこで、何を、幾らでつくる、そういうように説明しないと、これは行ったり来たり隅田川の遊覧船みたいに、わかりにくくて、それで、予算をまず先にとって、後から決めます、お金は大事に使いますと説明しても、これは非常にわかりにくいので、私が言ったみたいに、いつ、どこで、何を、幾らでつくるか。 ただし、相手の国と話しても、国会の承認がなければできないのは当たり前ですから、そのときはできませんよと、こういうふうに念を押しておけばもっとスムーズにいくというふうに委員長は考えるんですが、ひとつ、質問の横に——財務大臣、やりますか。 では、財務大臣、答えてあげてください。(首藤委員「求めてもいない答弁、それだったら時計をとめてください」と呼ぶ)いや、予算に関することですから、財務大臣、答弁してください。
○谷垣国務大臣 先ほどから首藤委員と外務大臣の御議論を伺っておりましたけれども、先ほど外務大臣が御答弁になったように、補正の場合は、やはり緊急であるということがございますから、緊急性に対して、ある程度こうだという、緊急にやる必要性というものをやはり認定していただく、それだけの資料もある程度お出しをする、そして議論をしていただくということだろうと思います。 しかし、本予算の場合は、これは国内の公共事業なんかの場合にも共通のところがございますけれども、熟度は現実問題としていろんなものがございます。予算を決めていただくまでにもうほとんどかちっと仕上がっているものもございますけれども、まだ、予算を認めていただいてから現実に現場と話をして詰めていかなければならないというようなものもいろいろございまして、一年間の中にはいろんなことがございますから、その辺は、先ほど外務大臣が御答弁になったようなことではないかというふうに、予算を所管する立場からは考えております。
○首藤委員 いやいや、財務大臣、おっしゃるとおりですよ、それはおっしゃるとおりなんですよ。それは、ただし、条件はたった一つ違う。日本だったらそうなんですよ。 イラクで、私のしつこい質問の背景には、では、奥さんも井ノ上さんもいなくて、貴重な外務省職員はみんなサマワに行っていて、そしてバグダッドの日本大使館は機能していない。それでどうしてそんなことが詰められますかというのが大前提ですよ。ですから、何もこの間にできないのに、そんなことを今までずるずる言われているというのがおかしいので、まず大枠でどのような形で出すんですかということを聞いているんですが、それを出さない。もうそれは出していただきたい、それは必ず出してください。 また、いろいろなことがあって、もっと質問ありますよ。例えば、NGOに二十億ぐらい出すというけれども、日本のNGOなんというのは、みんな出ろ出ろといって、もうイラクから出されているわけですよ。そうしたら、こんなことできないでしょう。 いろいろな問題がありますよね。一番私がこういうことを恐れているのは、結局は日本独自で配分しなきゃいけないといっても、それが認められず、最後はこの予算枠を、例えばCPAであるとか、例えばハリバートンであるとか、そういうところに我が国の血税が流れていくんじゃないか。ハリバートンなんという会社は、このイラク特需によって国防省の受注会社の三十七位から七位まで一挙に急浮上した。八倍もこの短期間で経営業績を上げてしまっている。こういうところにお金が流れ、さらに、それがチェイニー副大統領と関係があるわけですから、やがて、極端なことを言ったら、目前に控えているアメリカの大統領選とも関係していくんじゃないか。こんなところに我が国の血税を一円たりとも一銭たりとも流してはならないという気持ちがあるんですよ。 しかし、こうした問題も、本当にいろいろな、私たちは準備不足だったということは確かだと思うんですね。 そこで、私は、この問題というのは決して外務省だけの問題ではなくて、例えば自衛隊の問題に関してもそうだと思うんですね。例えば、この間、自衛隊が羊を贈ったと、部族長に羊を贈ったら、別の部族長から、おれにはどうして来ないのかということでもめたということがありますね。それから、自衛隊がキャンプを借りようとしたら、何か一億円を超える借地料を要求されている、こういう問題もありますよね。 しかし、これってアラブの社会では当たり前のことですよね。どうしてこんなことで、例えばアラブの社会において、部族長への贈り物の仕方なんて訓練していないのかということですね。それから、一億円を超える借地料といっても、別に六本木の空き地にサーカス小屋を建てるんじゃないんですよね。どうしてこんなものに、もし本当に一億円も払って、それが国家予算の中から出されるというんであったら、それは石破長官のポケットマネーで出されるなら結構ですが、一億円の借地料なんというのは認められないですよ。どうして、今回の自衛隊が行くに当たって、例えば護衛隊もついていると言っていますけれども、輜重隊はついているのか、それから慰撫、宣撫という、古い嫌な言葉ですけれども、そういうことがきっちりできているのかどうか。どうしてこんなトラブルが今問題となっているのか。 そう考えると、長官が、今までもうずっと日夜十分な訓練を送ってきたので、人道的支援活動に最適だと言っている自衛隊が、一つも最適じゃないです。まさに現地社会でトラブルメーカーになっているじゃないですか。長官、いかがですか。
○石破国務大臣 トラブルメーカーになっているという認識は私は全く持っておりません。 御指摘についてお答えをすれば、一つは、借料につきましては、これはもう委員からもよく御指導いただくことでございますけれども、これはもうアラブの商慣習というのでしょうか、そういうものがあって、それはもう、いいとか悪いとか、日本人の尺度ではかっても仕方がない。最初高いお値段から始まって、どれだけになっていくか、そこにおいていろんな交渉がある、その過程の中に今あるのだというふうな認識を私は持っておりまして、極めて特殊なことが起こった、あるいは準備不足によって予期せぬ事態に直面をしているという感じを私は持っておりません。 また、羊につきましても、これも御答弁申し上げたかもしれませんけれども、どういう方にお配りをすれば一番よろしいか、貧困な方、あるいはいろんな種族を束ねている大部族長、そういう方にお渡しをすることが最もよろしいであろうということであって、これはもう熟慮の末にこうすればいいということで行ったものでございます。 報道についていろいろ私も承知をいたしておりますが、具体的に、おれのところに羊が来なくてけしからぬというようなことが具体的な苦情として寄せられたということは私ども認識をしておらないところでございます。 いずれにいたしましても、先生方の御指導もいただきながら、トラブルメーカーというようなことに間違ってもならないように努力をしてまいりたいと存じます。
○首藤委員 ぜひお願いします。 通常、こういう紛争地で活動する軍隊の場合、もう事前に膨大な準備がされて、もう人道支援団体と長年の交流をやって、そしてこの文化的な対応のためには、文化的なそういうエキスパートが軍隊の中にもいてやるんですよね。古くは、ナポレオンがエジプト遠征したときにもシャンポリオンがついていったように、今の近代的な軍隊というのはもっと本当に、地域の文化人類学を含めて、本当に広い広範なものを持っていないと地域社会との接点はないんですよ。ですから、これを奇貨として、ぜひ急速に対応していただきたいと思います。 さて、こうしたきょうの一連の質問の最大の問題は、やはり奥さん、井ノ上さんという二人の、現地で本当に駆けずり回って情報を集めていた二人がお亡くなりになったということですね。この事件というものは、時間がたてばたつほど、もう不透明、不鮮明、疑惑のものだらけであるということがだんだんだんだんわかってきました。 まず、そもそもわからないのは、この事件の第一報が総理に伝わったのは一体いつなんですか。外務大臣、いかがですか。
○川口国務大臣 これは、秘書官を通じまして、一報後、それほど時間のたたないうちに、午前二時近かったかもしれませんが、お伝えをしていると思います。
○首藤委員 それが午前二時ですかね。これ、時差の関係でいくと、六時間ぐらいあるとしますと、事件が発生したのは翌日の昼の十二時ですよ。ですから、夕方には当然知っていなければいけない話ですよね。 当然のことながら、定点観測して、十時に出発して、十一時に定時報告して、十二時近くになって奥さんから上村臨代、上村公使の方に電話があったということまでわかっているわけですね。そして、どんなことがあっても二時のCPAのブリーフィングには間に合っていなきゃいけない。来ていないんでおかしいというのはわかりますよね。 午後の二時、最後の点でも午後二時ですよ。午後二時で出席していない。出席していないのが、どこかに魚釣りに行ってあいつ来ないなというんじゃないんですよ。CPAがもうティクリートで一番緊張していたこの時期に来ないというのは大変なことですから、当然のことながら、午後二時、すなわち夕方の八時には官邸に伝わっていなきゃいけないんですよね。どうしてそれが明け方の、時計が十二時を回るまで、シンデレラ時間という時間がありますから、それを超えて伝わるんですか。その間は一体何が行われていたんですか。
○川口国務大臣 これは、現地の時間というか、日本の時間で、私どもに連絡がありましたのは、午前一時ぐらいでございました。そのときの連絡は、米軍から、ティクリート付近において日本人らしい二名が殺害をされ、運転手は重症で意識不明であるという連絡があったという旨の電話連絡があったわけでございます。 それで、大使館と奥参事官と、出発後、電話で連絡をしていたということでございます。それで、電話連絡があって、その後、会議に出席をしているというふうに考えたということではないかと推察をいたします。
○首藤委員 いや、外務大臣、私は、それが本当なのかうそなのか、本当にもうそれを聞いて頭がくらくらする思いですよね。 このときのティクリートを御存じでしょうか。実は、私も同じ時期にティクリートへ行こうと計画していました、準備していました。なぜかというと、このときには情報があって、ティクリートでアメリカが三光作戦をしているということがわかったんです。三光作戦というのは日本が中国でやったことですが、要するに、この地域を焼き尽くすわけですよね。ですから、この地域でアメリカ軍がティクリートの樹木をみんな切り倒していると。砂漠の民にとって木を切られるというのは、それはもうすごい犯罪ですから、大変な問題になっているということで、ティクリート周辺は物すごい緊張関係にあったんですよ。 そこへ、何か会議に行くと言って、しかも音信が不通だと。そんなのが何時間もたたなければ官邸に報告がない。それが本当ならば、この国は危機管理ゼロだということですね。危機管理監なんて方はおられない方がいい。全然体制がなっていないわけですよ。 では、もう一回聞きますよ。それでは外務大臣、これはもう前から言っている質問です。 この奥さん、井ノ上さんが乗っていて被害に遭われた防弾車。防弾車の防弾レベルはどれぐらいのレベルですか。いかがですか。
○川口国務大臣 この防弾レベルにつきまして、これは既に、一番厳しいといいますか一番完全な、そういうレベルではなかったということは申し上げていると思います。 それで、これは安全の問題がございますので、我が国の大使館が在外で持っている防弾車のレベルが何であるかということについては、これは在外公館の人間の安全にかかわりますので、これ以上詳細に申し上げるということはお許しをいただきたいと思います。
○首藤委員 いや、これは非常に関心を持っているんですよ。というのは、十六年度予算にもちゃんと計上されていますよ、十台三億円。だから、それに関して、私は、やはりきちっとした防弾レベルになっていなかった、この一番危険な地域に合っている防弾レベルが本当にどのレベルだったのかを知りたい。そうしなければ、本当にこの防弾車が十台三億円でいいのか、本当はもっと、十台五億円にしなきゃいけないかもしれないわけですよね。それが予算委員会じゃないですか。それが我々の義務じゃないですか。ですから防弾のレベルはどうなのかと聞いているんですよ。 この写真がございますよね。この写真を見れば見るほど、本当に弾が抜けていったのかなという気がするんですよ。例えば、この地域で銃といえば、一番普通なのはAK47、カラシニコフですね。カラシニコフの47、これですよね。これはもう一家に一台と言われるぐらい、日用品に近いような銃なんですよ、本当に。みんな成人男子は持っているし、この戦争が始まる前にはバース党が一挙に配ったんです。だから、もう本当に一家に一台、男性一人に一台、二人に一台というような銃ですよね。最も普通にある普遍的な銃に対して、例えばレバノンから持ってきた車がそれに対応していなかったとはちょっと考えにくいんですよね。 ですから、例えばNIJでいけば三であるとか、あるいはドイツ連邦レベルであれば六であるとか、当然そのレベルになっているんですよ。実際にこのランドクルーザーの防弾というのは、これはどこの車でもそうですが、セキュリティーカーを売っているところの標準モデルなんですよね。これは四輪駆動で馬力がありますから、かなり重くしてもいいということで、カラシニコフぐらいは阻止できるはずなんですよ。本当に抜けたのかどうかというのも実はわからないんですね。ですからこれを聞いているんですが、一切お答えにならない。 そこで、私は、ではこれに関して写真を見せてくださいと。本当に内側の写真を見て、ああ、弾が抜けている、抜けた跡がある、本当にここで弾が当たったんだなと。巷間言われるように、実はそうじゃなくて、後でとどめを刺されたんじゃないかなんて言われるうわさがあるんです。それは違う、確かにここを弾が抜けてきたんですということがわかる、そういうためにもこの写真を公開してくださいということを何度も何度も言いました。しかし、一切公開されない。 しかし、この間ようやく、我が党の若林参議院議員の話で、CPAから送られた写真は十一枚あるということをおっしゃいました。では、その八枚には何が写っていて、なぜそれが公開をはばかられるのかということを質問主意書で聞いています。それがわからないと本当にこの問題というのは先に行かないわけですね。その十一枚が、その写真がどうして、御遺族の感情を配慮してとか、あるいは捜査に影響があるのか。この写真よりももっとそばに寄った写真がどうして捜査に影響があるのか。ですから、もうまともな、合理的な説明がない限り、これはまさに外務省の隠ぺい以外の何物でもないということですよ。 そして、私は、この写真をもう二カ月間、毎日毎日見るんですよ。それでようやくわかったことは、前回私が説明したように、これは上方から撃たれている、かなり高い位置から撃たれているということなんですね。 もう一つこの写真からわかることもあるんですよ。前方座席を見てください、前方座席を。これは三つ撃たれているんですね。三つ撃たれているうちの真ん中に黒い点がありませんから、本当に抜けたかどうかわかりません。しかし、仮に抜けたとすると、この三つというのが非常にひっかかるんですよね。なぜ三つなのかなと思うんですね。また、後ろの扉のガラス窓を見ますと、集中的に弾が当たっています。 これは現場へ余り行かれない方は御存じないかもしれませんが、カラシニコフで撃つとこんなふうにはならないんですよ。もちろん、これがとまっている車なら、私だって撃てばこんなになりますよ。しかし、普通は、動いている物体、お互いに動いているときに、なかなか、照準器もなしに、しかもカラシニコフのようにリコイルがきつくてぽんぽんぽんぽん飛び上がるような銃では、こんなに撃てないんですよね。 そこで、私は、その三発当たったところからふっと思ったんですが、これは全く関係ないかもしれませんが、ひょっとしたら三発バーストで撃っているんじゃないかな、こういうふうに思うわけですよ。 そうしたら、三発バーストで撃ったとなると、それは警察が発表した七・六二ミリの中で、ここで最も使われている銃はカラシニコフ、AK47、アブトマット・カラシニコフというカラシニコフの四七年制式版の古い古い銃ですよ。そして、アメリカ軍が使っているM二四〇B、これはハンビーの上にあって、非常に新しい、ベルギーのFN—MAGがつくったものを改良してやっていた物すごい新しい銃ですよね。そうすれば、三点バーストで撃っているかもしれないし、そうでなかったとしても、非常に集中度の高い痕跡になると思うんですよね。 そこで、一体どういう銃で撃たれたのか。国家公安委員長にお聞きしたいんですが、この件に関してはもう既に、銃の口径、これを見つけるのだって、銃の口径というのはいろいろばらばらになっている弾の破片を集めてやらなきゃいけないんですから一番最後なんですね。ですから、銃の成分分析なんというのは一番最初に出るんですよ。もう本当に、そこらの大学の工学科にある、あるいは工業高校だってあるかもしれない分析器で金属の成分分析なんか簡単に出てくるんですよ。 いかがですか、国家公安委員長、この金属の成分分析を、今この段階で公開をお願いいたします。
○小野国務大臣 お答えさせていただきます。 銃弾の鑑定に関しましては、金属成分の分析が、場合によっては鑑定試料を、例えば切ったりあるいは粉々にしたりとか、破壊を必要とするものも考えられるわけでございます。口径とか腔旋痕の物理的観点が銃の種類を絞り込みますのに大変有効である、そういう観点からかんがみましたときに、物理的観点を優先いたしまして行っているところでございまして、いわゆる銃弾の金属成分、こういうものから鑑定を継続していくということを、現在、警視庁の科学捜査研究所の方で行っているというところでございます。
○首藤委員 いや、いいかげんにしてくださいよ。国民の警察に対する信頼がますます失われていきますよ。警察はこうやって証拠を隠すんだ、警察はこうやって事実を隠していくんだと。国家公安委員長、目をあけて私の顔を見てくださいよ。恥ずかしいでしょう、そんなことを言っていて。どうですか。 破壊だって、非破壊検査というのだってあるでしょう。しんちゅうが含まれているか、ほかの成分が含まれているか、銅に何の合金があるのか、それぐらいは非破壊だってわかりますよ。いろいろな分析の方法がありますよ。しかし、二十数片もあれば、一つぐらい破壊したっていいでしょう。今、法隆寺の壁画の分析だって何だって、ほんのちょっととっただけでわかるんですよ。それはマイクロの技術なんですよね。それがどうしてわからないんですか。それで国民の警察たり得ますか、科学捜査たり得ますか。それはあなたの責任ですよ。いかがですか。
○小野国務大臣 金属成分がわかれば銃の種類がわかるのではないか、こういう御質問でございますけれども、一般論といたしましては、使用されました銃弾の金属成分のみから使用されました銃の種類というのを特定することは難しい。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、警視庁の方の科学捜査研究所において鋭意鑑定をさせていただいているところでございます。
○首藤委員 それは恥ずかしい話だと思うんですよね。 車も、二月中に事故車は回収されてくるというふうに外務大臣もおっしゃったようですね。これは御存じのとおり、自衛隊がアントノフで装輪装甲車も、それからトレーラーも運んでおりますから、もう本当に、すぐバグダッドへ行ってそれをトレーラーに乗っけてアントノフで連れ帰っていただきたい、二月中には必ず持ち帰って公開していただきたいと思います。 それでは、最後の質問ですが、このイラクへの支援予算というものが最大の問題なのは、やはりそれを、プロジェクト発掘の体制が余りにもできていなかったんですよ。もう奥、井ノ上さんをこんなにむちゃくちゃな扱い方、こんなに重要な貴重な人を防御もなしに送り出していくというような使い方をしていった。そして、こちら側の受け手も非常によくわからないんですね。 それで、日本ではだれがやっていたかというと、一般的に、いろいろな方に聞かれると、基本的には岡本行夫さんという首相特別補佐官がやっておられるわけですが、その首相補佐官ですね。前回もちょっと問題にさせていただいたわけですが、これに関しては、今月の十日でしたか、文春に発表されて、さまざまな疑惑が指摘されています。 そこで、例えば一番問題なのが、兼業をされていて、岡本アソシエイツというところをやっておられて、そこにはこの援助で問題となったベクテルなんかも関係しているんじゃないかというようなことが書いてあって、うそだか本当かわかりません。 ただ、はっきりしていることは、岡本行夫さんは三菱マテリアルの役員なんですね。これはもちろん非常勤ということなんでしょう、社外重役ということなんでしょうが、しかし役員であります。役員、取締役ですね。当然のことながら、これは有価証券報告書にも載っている。と同時に、役員であるから、何と二万八千株も持っているんですよ。今、三菱マテリアルは幾らぐらいですか、二百円ぐらいですかね。約六百万円の株を持っておられるんですよね。まあ、それはお金持ちの方にとってみれば六百万というのはどうってことないのかもしれませんが、もう目をぱちくりさせるぐらい、やはりそういう一社の株で六百万持っているのは大変なことですよね。立派なステークホルダー、シェアホルダーであると同時にステークホルダーなんですよ。要するに利益関係者なんですよね。 それで、利益関係者である方が特別公務員を兼任されるということ、これは兼任をある程度認めているということで、一般の公務員とは違う、兼業を禁止されている公務員とは多少違うと思うんですね。 しかし、問題なのは、この文春にも書いてありましたが、既にいろいろなところで問題となっている、ワシントン・ポストにも出てきた話なんですが、この資料の二枚目、三枚目に書いてありますね。要するに、日本を代表してイラク各地をプロジェクトをチェックして回っている、そしてセメント工場に行くわけですね。そしてそこで、この記事によれば、シンジャーですか、北部のセメント工場を改修しなきゃいけないということで、その場から三菱マテリアルの社長さんに電話をかけて、技術者の派遣を要請したということになります。これは、そんなことあり得ないだろうと私は思いましたけれども、それは御自身でも、御自身の著書の中で、ここに、二枚目のBというところですけれども、まさにこのことを書いておられるんですね。 こうしたことはもう本当に私は問題が多いと思うんですよ。なぜかというと、この時期に三菱マテリアルの技術者の方がシンジャーの工場へ行かれるわけですが、よく考えてみてください、昨年のこの時期、外務大臣、退避勧告をいつ出されましたか。全土にわたってイラクへの退避勧告をいつ出されましたか。いかがですか。
○川口国務大臣 具体的な日時は、今ここに持っておりませんが、武力行使の前であったと思います。
○首藤委員 ですから、国民に対しては、NGOだってみんな出させたわけですよ、出させて、危険なところだから来ちゃいけない、だから自衛隊しか行けないという論理で自衛隊の派遣を進められたわけですよ。どうしてそのときに、しかも、特定のですよ、ただの一般の企業ではなく、特定の会社の技術者だけ便宜を見て、それを入れることを認めてあげて、場合によっては何らかの便宜供与もしてやることがどうして、外務大臣、許されると思うんですか。私はこれは許されないことだと思います。 このように、この問題に関しては余りにも深刻な問題があると思います。私は、この問題に関しては、明らかに国家公務員法百条に違反するんじゃないかと思っているんです。それは、公務員の守秘義務、公務員が知り得た秘密を他人に漏らしてはいけないということなんですよ。いや、そんなことを言ったって、これはセメントのエンジニアというものは限られているから、この人、三菱マテリアルの技術者が行くのはそれはしようがないんじゃないかという考え方もあります。 私は、イラクにおける日本のプロジェクトを一九七〇年代から全部調べました。三菱セメントが、三菱マテリアルの前身ですが、主契約者としてとったプロジェクトは一つもないですよ。このイラクというところは、川崎重工業と丸紅がタイアップしてセメント工場をつくっているんです。川重は、川崎重工業は部品の供給も続けています。 だから、もし、仮にもし、どうしても日本企業のエンジニアを無理してでもここに派遣したいというならば、当然のことながら、この地域に専門的な知識を持っている企業に情報を提供すべきであり、それはあくまでも官庁のきちっとした組織の中で行われるべきであって、一般の、しかも自分が私的な利害を持っている会社に直接送るということは、明らかに国家公務員法百条に違反すると思いますが、いかがでしょうか。
○福田国務大臣 いろいろおっしゃいましたけれども、文芸春秋の記事をもとにしておっしゃっているんだろうと思いますけれども、私どもの、一言で認識を申し上げれば、岡本総理補佐官がなさったことは、これは全く問題のない、そういう行為だったというふうに思っております。 まず、非常勤の内閣総理大臣補佐官ということでございまして、これは内閣法上、営利企業を含め、兼職を行うことについて制限はしておりません。要するに、営利企業と兼務してもよろしい、こういうことです。 では、なぜそういうふうな制度にしたのかということになりますけれども、それは非常勤の補佐官を設けた趣旨でございますが、広く各界で現に活躍されている方を任命し、その知恵を活用するためである、こういうことです。そういう趣旨から見ても、企業の役員に非常勤の補佐官をお願いすることには何ら問題がない、こういうふうなことでございます。 ただ、非常勤の内閣総理大臣補佐官についても、信用失墜行為禁止等の服務規定に服するということでございまして、国民の疑惑を招くような行為はすべきでないということは当然でありまして、岡本補佐官もそういうようなことは十分認識した上で日常活動を行っている、こういうことでございます。(首藤委員「百条違反は」と呼ぶ)百条は私は知りません。 それから……(首藤委員「守秘義務は」と呼ぶ)ですから、守秘義務は当然あります。あると思います。それは当然、そういうことを前提としたことでございます。 それから、この三菱マテリアルのビジネスとどういう関係があるか、こういうことになりますけれども、三菱マテリアルは、これはセメント製造なんですね。それで、今回、岡本補佐官が同社の社員を連れていったということは、これはイラクにおけるセメント工場の補修というか、プラントについての意見を言う、こういうふうなことで行ったわけでございまして、セメントの販売のために行ったわけじゃないんですよ。ですから、そういうことからいっても、全く関係のない、関係がないわけじゃないけれども、しかし趣旨が違うということであります。 また、その経緯も、岡本補佐官は、三菱マテリアルにお願いをすることについては、経済産業省に、こういうニーズがあるということを言って、その上で三菱マテリアルに経済産業省から連絡をしている、こういう経緯もございます。そこの辺はきちんとしているので行ったというふうに思いますので、私は、疑念は全くないというふうに考えております。
○首藤委員 時間もだんだんなくなってきましたので、福田長官、結局、やはりこれは国家公務員法百条に明らかに違反するんですよ。そして、今セメント会社へ、直接関係ないと言ったけれども、今、御存じでしょうか、イラクの周りには、アブダビやドバイやあるいはサウジアラビアでも、日本の技術者、日本の商社マンがポケットに億単位でお金を持っていて、次いつ入るかということで、ばあっと取り囲んでいるんですよ。何かきっかけがあったら入りたい、外務省が認めてくれたらすぐ入りたい、みんなウの目タカの目でねらっているんですよ。 そして、セメント、それを売るんじゃなくて、何かちょっとしたきっかけがある、CPAとのコネができている、これが物すごい商権につながっているんですよ。だから、みんな物すごいことやっているわけじゃないですか。ですから、そういうことが本当にでは関係ないのか、あるいは直接自分が電話したのか、あるいはイラクから通産省に電話して何とかならないかなと頼んだのか、これは御本人に聞いてみるしかないと思うんですね。余りにも疑惑が多い。 その点においては、私は、参考人質疑、参考人として岡本行夫さんの招致を求めます。委員長どうですか。
○福田国務大臣 委員は、何とか三菱マテリアルとくっつけて、こういうふうなことのようでございますけれども、それはさっきおっしゃったでしょう、退避勧告が出ている非常に危険なところだ、こういうことをおっしゃった。ですから、あの時期において、そう簡単に、お願いしても行ってくれるような状況ではないということですよ。たまたま三菱マテリアルと関係があって、そして重役を知っているということでもって頼み込んだというような、むしろそっちの方じゃないかと思いますよ。よく行ってくれたと私は思っております。
○首藤委員 最後です。これで終わります。 いや、もう御存じかもしれませんけれども、恐らく御存じだと思いますけれども、たくさん日本のエンジニアが入り込んでいるんですよ。クウェートから入り込んでいるんですよ。その一部の方は事故に遭ったりされているんですよ。それもみんな隠ぺいしていますよね。たくさん隠ぺいしています。しかし、みんなウの目タカの目で、ここへ何とか入り込もう、何とか外務省が目をつぶってくれたら入ろう、外務省が何か声をかけたら入ろう、みんな物すごい勢いで今やっているんですよ。当たり前ですよ。ですから、この問題は簡単な問題ではない。 ですから、委員長、これはやはり岡本行夫さん本人に参考人として来ていただき、いろいろ弁明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○笹川委員長 理事会で協議します。
○首藤委員 以上で終わります。
○笹川委員長 これにて首藤君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ————◇————— 午後二時四分開議
○笹川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉良州司君。
○吉良委員 無所属で民主党・無所属クラブ所属の新人、吉良州司でございます。 きょうは、年金改革、対中ODA、また、日本の財務・金融安全保障等について質問させていただきますけれども、年金改革及び対中ODAに関しましては、必ずしも民主党の意見そのものとは一致しない場合がございますけれども、私、無所属吉良州司の見解として大臣の見解を賜りたいと思っております。 まず最初に、年金改革につきまして、厚生労働大臣にお尋ね申し上げます。 今回の、与党として出されております年金改革、この年金改革の理念、そして、国民に対して何を訴えたいのかについてお伺いしたいと存じます。
○坂口国務大臣 吉良議員から真正面切っての御質問をいただきまして、ありがとうございます。 年金につきましては、前回も少し申し上げましたけれども、これは持続をさせるということが最大の課題だというふうに思っております。持続こそ命というふうに思っております。したがいまして、年金制度が、現在だけではなくて、私たちの次の世代あるいは次の次の世代にもそれが継続していけるような体制をどうつくり上げるかということではないかというふうに思っております。 そうした意味で、お若い皆さん方にできるだけ負担を軽減していく、そして、次の世代の皆さん方を含めて今度は給付の方で、まずこれぐらいでまあ辛抱できるかというぐらいな程度の年金はつくり上げていかないといけない。 そうした意味で、今回の改正案におきましては、負担の方は一八・三〇%を上限とする、そして、給付の方の下限につきましては五〇%を下限にするといったことで組み立てを行わせていただき、さらに、そこに、いわゆる少子高齢社会で人口構造がかなり極端に変化するわけでございますから、それを是正する意味からいきましても国庫負担が必要でございます。まず、基礎年金の二分の一への引き上げの道筋を明らかにして、そして、それに対する御理解をいただけるようにするということでございます。 さらに加えまして、積立金、百四十数兆円に達しておりますけれども、これは言うならば今までの皆さん方が積み立てていただいたものでございます。これを次の世代に御利用いただくということで、百年先に一年分を残す、そういう体制の中でこれを使用させていただいて、お若い皆さん方の年金に使わせていただくというのが今回の年金のあらあらの姿でございます。御理解いただければと思います。
○吉良委員 今のお話ですと、例えば、現在年金を受給している世代も五〇%を下限として給付を減らしていく可能性があるという理解でよろしいでしょうか。
○坂口国務大臣 現在既に年金をもうもらっておみえになる皆さん方、これは今までの制度設計におきましてお約束をしてきたことでございますから、既にもらっておみえになる皆さん方の分までも下げるということになりますと、それこそ年金に対する不信が増大すると思いますし、既に人生設計をしておみえになる皆さん方にも御迷惑をかけることでございますから、その名目額は下げないということでいきたいというふうに思っております。
○吉良委員 一方で、世間では、現在の、例えば昭和一けた生まれの高齢者は自分の掛金の八倍の給付がある、四十代半ば、私は正確な数字を持ち合わせてはおりませんけれども、まあ倍である、今の二十代、この世代はほぼ同額だ、若干上回る程度だ、こういうような議論がまかり通っておりますけれども、このことについて坂口厚生労働大臣はどのように受けとめておられるでしょうか。
○坂口国務大臣 これは若干の相違があることは御指摘のとおりでございますが、現在年金を受けておみえになる皆さん方がお若いとき、それは、制度のなかった時代もございますし、制度がございましても、そのときの皆さん方の所得が少なかったわけでございます。月々の給料が少なかったわけでございますから、したがって保険料も低いということは、それは当然といえば当然でございまして、それから賃金上昇がずっと行われてまいりましたから、過去と現在と比較をいたしますと、その納付をしていただきました保険料に格差が出てくる。 それでは、現在お受けになっている皆さん方と次の世代とはどうかということになるわけでございますが、恐らく、今はデフレでございますけれども、間もなくインフレにはいかないまでも賃金上昇の時代になるだろうというふうに思いますが、そうなってまいりますと、現在の人と次の世代の人を比較しますと、次の世代の人はまた給料が高くなっているわけでありますから、前の世代の皆さん方は、これは納めていないというおしかりを次の世代からもまた今の世代の人たちが受けるということに、これはもう順繰りになってくる場面がある。 しかし、現在の年金制度が未成熟でありましたときにお入りいただいた皆さん方と、成熟をしました現在との間の格差があることは、間違いがないわけでございます。
○吉良委員 私の冒頭の質問からいうと、今の高齢者はもらい過ぎだというふうにとらえられたかもしれませんけれども、私の質問の趣旨、当初、哲学、理念とは何ぞやということをお聞きしましたのは、私個人として、今現在の高齢者、この方々が、今大臣おっしゃられましたけれども、若い時分、特に今のもう六十五歳以上の方、七十以上の方というのは本当に、戦前、戦中、戦後、物すごい苦労をされている。それこそ芋の葉っぱを食い、カエルや蛇を捕まえて食べ、そして、戦後の廃墟の中、日本をここまで復興させてくれた恩義ある世代、そういう意味では、先ほど坂口大臣の答弁を聞いて安心したわけでございますけれども、今の既存の高齢者の給付水準は絶対に下げるべきではない。もう少し言いますならば、政府案は全世代に対して五〇%を下限にして給付をしていくという目標を設定しておりますけれども、私は、世代間のある意味での不公平はしようがない、実はこういうふうに思っておるところでございます。 何が言いたいかといいますと、これだけ苦労して日本を復興させてくれた高齢者に対しては下げない、けれども、これからの待ったなしの高齢化社会を考えますときに、本当に五〇%を下限ということで成り立っていくのでしょうかと。逆に、私、今四十五でありますけれども、私ども若い世代は、今の高齢者が苦労したおかげで豊かな時代に生まれ育ち、五〇%と言わず、場合によっては四〇%、そういうような給付水準でもいいのではないか。 私が最初に聞きました哲学といいますのは、申しわけないですけれども、与党案というのは、高齢者にも気を使い、票を失いたくないがために五〇%という下限を設け、一方で、こちらを下げないと言えば保険料を上げざるを得ない、そうすればまた経済界からやんややんや文句を言われる、右にも文句を言われず左にも何とか文句がおさまる程度でというような、その場しのぎの改革案になっているのではないか。 もう少しこの国の戦後の歴史を踏まえて、苦労を重ねてきた人たちには安心を、そして、その人たちのおかげで豊かに育ってきた我々若い世代、現役世代は自己責任、自助努力というものをもっと政府として押し出してもいいのではないか。そういうめり張りのきいた、歴史観を持った年金制度であるべきだと。 話はちょっと飛びますけれども、今の、例えば問題になっている教育問題等を含めても、何でもかんでも数字、そろばん、それだけで解決しようというか、それだけを前面に押し出して国民の理解を得ようとするところに日本の荒廃がある、精神の荒廃がある。何がたっといんだ、それで、どういうところが——先ほど言いましたが、私ども若い世代は、愛のむちということで、今、日本復興をなし遂げなければならない、私たち若い世代も依存体質のままでいいはずがない、もっと自己責任、自助努力でやってほしいというような訴えがあってもいいんじゃないか、このように私自身は思っておるわけでございます。 その辺について、再度、坂口厚労大臣の所見をお伺いしたいと存じます。
○坂口国務大臣 私の世代の者にとりましては涙の出るような話でございまして、感謝を申し上げたいというふうに思いますが、先ほど申しましたとおり、現在既に年金をもらっておみえになる皆さん方に対しましては、現状を維持したい、下げることはしないということでいきたい。また、もう間もなく、来年か再来年かという皆さん方に対しても、今、平均して五九%だけれども来年から五〇%にしますよと言えば、それは大変な、人生設計に影響をすることでございますから、年金というのは、少なくとも二十年ぐらいかけて、制度設計にしろ、計算の今度はやり直しにしろ、徐々に徐々に行っていかなければならないものだというふうに思っております。 そして、お若い皆さん方に対するお話もございましたけれども、お若い皆さん方もこれから御努力をしていただくわけでありますので、お若い皆さん方の将来に対して年金が少なくなってもいいのかといえば、それはやはり、少なくともお若いときの手取りの半分ぐらいはないといけないんだろうというふうに思っております。 なぜかといえば、現在の高齢者の消費というものを見ますと、大体お若い皆さん方の半分ぐらい、五〇%ぐらいの消費になっておりますので、そのぐらいの年金はどうしてもやはり確保していかなければいけないというふうに思っております。 そうした意味で計算をしてみますと、一八・三〇という、最高、これから徐々に上がっていきますその保険料、一七年にかけて上げていきますが、それで、上限をそこまでにいたしまして計算をすると、今の四十五歳というお若いあなたの世代の方々も、それから、あなたのお子さんの世代の皆さん方にもその年金は適用することができ得る、そういう計算でございます。
○吉良委員 再度申し上げたいと思うんですが、私、最初に哲学ということを申し上げましたのは、その時代背景を踏まえた世代が生きているわけでありますので、その時代背景に応じた対応があっていいのではないかと。 先ほど私が、今の高齢者に対しては厚くといいますか、下げるべきではないと申し上げましたのは、この世代の方々は、例えば戦争ということを通して、自分の努力ではどうしようもない、そういう時代背景があった中で生きてこられた方々です。極端に言うと、自分の人生を自分で切り開けない、自分の努力ではどうしようもならなかった、そういう世代でもあると思っています。 ところが、私たちの世代は、ある意味では、努力すれば何とかなるという時代に生きさせてもらっております。そういう意味で、これだけ日本の国の例えば国債残高、公債残高が積み上がり、子孫に対してツケが回されようとしている今、若い世代には自助努力というものをもっと促してもいいのではないか。 先ほど言いました、国のために必ずしも自分の努力を超えた条件があった、状況があった、時代背景があった人たちには、国がちゃんと面倒を見る。だけれども、自分の人生は自分で切り開けるという世代に対しては、もっと自助努力を促していく。そうすることによって、国だ、何でもかんでも国に頼っていく、そういう今のこの日本の体質、この体質が今この日本の閉塞感をもたらしていると私は認識しておりますけれども、その意味で、もっと自助努力を促す。したがって、世代間に多少の不公平があってもいい、そこまで踏み込んだ年金改革が必要なんじゃないか、このように申し上げているわけでございます。 もう一度、その意味で、民主党が掲げております、基礎年金について全額税を投入する、そして、自助努力部分も含めた比例報酬部分という年金、それから、今、仮に政府案をベースにした改革のときも、世代間にある程度差をつけた、そういう改革案というのをもうタブーを設けずに検討してもらいたい、このように思い、質問をしているわけでございます。 再度、最後の質問になりますけれども、厚労大臣、所見をお願いいたします。
○坂口国務大臣 お気持ちは痛いほどよくわかるわけでございますが、しかし、お若い皆さん方の将来のこともやはり考えていかなければならないというふうに思います。 したがいまして、現在よりも額は下がりますけれども、しかし、最低限の、それで生活を支えていただけるだけの年金はつくっておかないと、立派に生活のできる皆さん方は、いや、将来のことはもう心配要らないよ、自分のことは自分でやるよ、こういうふうにおっしゃっていただけると思いますけれども、すべての人がそうではありませんので、やはり最低限の支えになります年金はつくっておかないといけないだろうというふうに思っております。 ただし、これはもう年金プラス自助努力であることだけは間違いがないわけでございまして、いろいろのアンケートを見ましても、多くの皆さん方は、七割の皆さん方は、年金プラス自助努力あるいは自助努力プラス年金、こういうふうにお答えになっているわけでございまして、私は、その皆さん方の御要望におこたえをするということが大事だと思います。
○吉良委員 私も、自分のことなり自分の子供なども含めて、何でもかんでも自助努力でほったらかせと言っているわけではなくて、私自身は、今のこの国は国が関与し過ぎるというふうに認識しておりますので、今言いました自助努力が求められる世代については、国の関与はナショナルミニマムを達成するための最小限のものにして、あとは、イギリス型のステークホルダー年金だとか、米国型の四〇一kまでいくか、その辺についてはまた改めて私もよく勉強してまいりますけれども、私的年金というものも考慮に入れて、間接的に国が支援をしていく、直接的には自助努力を求めていく、こういうことについてぜひ再検討をお願いできればなというふうに思っているところでございます。 次に、対中ODAについて、川口外務大臣にお尋ね申し上げます。 まず、対中ODAの過去十年の実績について、及び、この間、対中ODAの見直しがなされておりますけれども、その見直しのポイントについてお伺いしたいと思います。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。 過去十年間の対中ODAでございますが、交換公文ベースということで申し上げますと、有償資金協力につきましては一兆六千九百一億円、無償資金協力が五百八十四億円ということで、合わせまして一兆七千四百八十六億円ということでございます。これは、JICAも含めまして、技術協力を除いた数字でございます。それを除いた有償、無償の資金協力の実績でございます。 それから、対中援助の方針につきましては、二〇〇一年の十月に対中国援助計画というものを策定いたしまして、その中で、多年度方式から単年度方式へということとか、それから、過去の実績を与件としないで、所与のものとしないで個々のプロジェクトをきっちり積み上げていくという考え方とか、あるいは、対象につきまして、沿岸地域から内陸地域に方向転換をする、それから、環境案件でありますとか人材育成でありますとか、そういった案件に特化していくということがうたわれておるわけでございます。 現在は、その考え方に沿って、毎年、中国からの要請を前提に、一つ一つプロジェクトについて議論をし、私どもとして最終決定をするということでやらせていただいております。
○吉良委員 私自身は、今後のFTA、アジア地域におけるFTA、それから将来的な経済圏構想を考えたときに、中国との協力、これはもう絶対必要なものであるということを前提になんですけれども、中国は、ODA大綱の中には軍事支出の増大について注意を払うという項目がありながら軍事費が毎年毎年ふえている、それから第三国に対して経済援助を行っている、こういう状況でございますけれども、川口外務大臣にお尋ねしますが、中国の現在の軍事支出というのが幾らなのか、そしてまた、第三国への援助額が幾らになっているのか、お聞かせください。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。 中国の国防予算でございますが、二〇〇三年度につきましては、千八百五十三億元ということでございまして、対前年比の伸び率が九・六%でございます。(発言する者あり) 日本円に直しまして、ざっとこれの十五倍ということで御理解いただければと思うわけでございます。ちょっと手元に、今、厳密なものがございませんで、過去数年、二けたの伸びで来ておりましたが、二〇〇三年度につきましては、九・六%の伸びということでございます。
○川口国務大臣 たまたま手元に資料がありましたので。 日本円で申し上げますと、二〇〇三年の国防予算、これは約二・八兆円ということでございます。
○吉良委員 一年だけ古い資料にはなるんですけれども、アメリカの国防省が中国の軍事力に関するレポートを議会に提出しておるわけですけれども、その中では、中国が発表したいわゆる国防白書の中では二十ビリオン、二百億ドルながら実際の支出はその三倍から四倍であるということをレポートの中に明確に書いております。その金額は日本円に直せば四・六兆円ないし六・八兆円という数字が出ております。 このことは、外務省としてそのように把握しておるんでしょうか。また、アメリカの国防省からそのように聞いておるんでしょうか。
○川口国務大臣 中国の国防予算がそもそも一体全部で幾らなのかということについては、非常に不透明性もありまして、必ずしもはっきりわかっていないということでございます。 この透明性の向上をするということは非常に大事なことだと私は思っておりまして、今までに、中国の外務大臣、外交部長ですけれども、とお話をした際に、この予算について透明性を確保してくださいということを、特にその援助との関連で私も申し上げております。 昨年の夏であったかと思いますけれども、その場合にもそういうことを申し上げてありますし、なぜそれを言うのかということについて、これは委員もおっしゃられたように、ODA大綱との関係で透明性の確保ということは大事であるということも説明をし、説明を求めてきているということでございます。 これについては、引き続き、重要なことですので、機会をとらえて、機会があるたびにそういうことを言っていきたいというふうに考えています。
○吉良委員 外務大臣みずから不透明性があるとおっしゃられたからには、米国の国防省の見方がある程度正しいというふうに理解をいたします。 そのように軍事費が増大している、そして第三国にも経済援助を行っている。そういう中においてもODAを継続しようとする、そこの現在の外務省の意向、政府の意向についてお聞きしたいと思います。 先ほど、方針の見直しをしたという中で、沿岸部と内陸部の格差是正というのはありましたけれども、それはあくまでも中国の国内問題だというふうに私自身は了解しておりますけれども、そういうことを踏まえてもなおかつ中国に対するODAを継続しているその意図は何ぞやと。 もう一つ、その背景でいいますと、それまでODA、円借款等でやってきた中国におけるインフラ整備、これはもう御存じのとおり、国際協力銀行の旧輸銀部門による輸出金融、アンタイドローン、そういうところで今ほとんど賄われていると言っても過言ではないと思っています。そういう状況下においてもなおかつODAを継続する意図について、所見をお伺いしたいと思います。
○川口国務大臣 中国についてのODAの考え方は何かというかなり大きなお話でございますけれども、そもそも基本的にODAについての考え方といたしまして、これは昨年の八月にODAの大綱を改正いたしました。 それで、ここに書かれた基本的なODAの目的についての考え方ですけれども、「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資すること」というのが目的であるわけでして、中国のODAもこの考え方に沿って行われているということでございます。 それに加えて、中国につきましては、先ほど経済協力局長からお話をいたしましたように、対中国経済協力計画ということがございまして、先ほど御説明をしたような考え方に基づいてやっているということであります。 基本的に中国をどう考えるか。これは、委員もおっしゃられましたように、中国へのODAについてはいろいろな厳しい意見が国内にあるということでございます。それで、我が国として、当然に、中国の隣国でありますから、今後中国がどのような国になっていくのかということについては、これは非常に関心もありますし、当然に、我が国の繁栄、安定、安全、平和といったすべてのことに及んでくるということだというふうに思います。 それで、沿海部は確かに我々が見ても驚くような見事な発展を遂げているわけでございますけれども、貧困問題、これは大変に深刻であります。そして、さまざまな開発上の課題を抱えているという、発展途上国であるということです。 それで、先ほど申しました対中国経済協力計画の中に一つ書かれていることといたしまして、互恵的な案件、要するに、相互に理解、相互に利益になるような案件についてやっていくという考え方があるわけでございますけれども、例えば環境問題それから感染症、こういったことは我が国に直接に影響を与える問題であるわけです。そして、そういったことについては我が国にも影響がありますので、おのずとその分野についての支援ということも重要であるというふうに考えております。 中国が開かれた国になって国際社会の責任ある一員として発展をしていくために、我が国としてODAを使っていかに中国をそのような国にすることができるかということは一つ重要な観点であると思います。おっしゃった軍事支出の問題それから対外援助の問題、そういったことについてはきちんとその透明性を確保するように求めていくということを行いながら、今、円借で大体七割が環境案件、そして、二三%だったと記憶していますけれども、相互に、人的な交流ですとか相互交流、そういったことに使われているということでございまして、かつてやったようなインフラ整備を円借を使ってやっているということではなくて、シフトしてきているのが現状であります。 中国は国民所得で計算しますと世界の中でもまだまだ貧しい国であるということでございまして、我が国のODAを使って中国が隣国として国際社会のいい一員として発展をしていくように助けるということにODAの役割があるのではないかというふうに考えております。
○吉良委員 時間も限りがありますので。私の趣旨は、今、川口外務大臣がおっしゃられた、日本の平和のために中国と平たく言えば仲よくしていくということに対しては、まるっきり異存はないわけでございますけれども、最近の胡錦濤さんがどう言われているかは知りませんけれども、それ以前の歴代中国のリーダーは、日本の経済協力についてはお互いの利益だというような言い方をずっとされているわけでございます。 そういう意味で、それと、先ほど冒頭に言いましたように、将来のFTAまた経済圏構想を視野に入れたときに、もうODAを卒業して、国際協力銀行の旧輸銀プログラムの中でやっていける間柄ではないのかということを私自身は申し上げたいと思いますことと、それから、短期で見たときに、私が申し上げたいのは、中国に今ODAを供与するぐらいであれば、パレスチナ地域に一部そのODAを増額して、日本として、身の丈に合った範囲で結構なんですけれども、中東の安定に少しでも貢献をしていく、ひいてはイラクに派遣された自衛隊の安全をあらゆる外交手段を通して確保していく。 断っておきますけれども、私自身も、民主党会派として、イラクへの自衛隊派遣自体は反対でございます。さはさりながら、一度決まった以上、安全について祈念するというのは、これは民主系議員も皆同じ気持ちでございます。そのことは申し上げた上で、中東の今の混乱の根本原因というのはやはりイスラエル・パレスチナ問題、特にパレスチナの貧困問題というのが根底にあるというふうに理解しております。 そういう意味で、中国に向けるODA資金があるならば、それを少しでもパレスチナ地域に振り向けたらどうなのかということを申し上げたいと思いますが、川口外務大臣、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 パレスチナ、中東に対する支援というのは、私どもも大変に重要なことだと思っております。 これは、例えばヨルダンに対して、昨年四月ですけれども、六十億円の無償資金の協力ということをやっておりまして、こういったことはこの地域の安定、和平に向けた環境づくりという意味で非常に重要であると思います。 それから、私自身、昨年の五月にパレスチナに参りましたときにも、支援、これは人道支援、それからパレスチナの改革支援、独立を将来したときにきちんと国づくりをしてやっていけるような改革支援、それからイスラエルとの間の信頼醸成、この三つの分野について援助をしていくということを言っておりまして、今までに六億七千万ドルのパレスチナ支援を実施いたしております。イラクについての支援については御案内のとおりでございます。 そういった意味で、御指摘のあったパレスチナ支援、中東への支援ということは非常に重要だというふうに考えてやっております。 それで、中国についての支援を振りかえてというお話でございますけれども、先ほど来申し上げたように、中国に対して、ODAで中国が開かれた国家になるように支援をしていくということも重要であると考えまして、先ほど来申し上げているような考え方に沿ってこれも実施をしているということでございます。
○吉良委員 平成十四年の八月に、NHKの「クローズアップ現代」という番組がございまして、その中で、日本のNGO組織がイスラエルの子供たちとパレスチナの子供たちとを日本に呼び寄せまして、そして、同じ屋根の下、同じかまの飯を何週間か食べさせて、この両国の子供たちが非常に仲よくなって、最後、別れるときは本当に涙を流さんばかりにして、将来、大人になっての再会を誓い合った、こういう番組が放映されておりました。 ODAの方針としても、NGO、ボランティア等を使った国民参加型のODAを推進していくということを外務省としても前面に打ち出しております。 そして、先ほど言いました、パレスチナ地域の安定が中東の安定にもつながる、それから、先ほど言いました、あの手この手を使った自衛隊の安全確保という意味で、これは小さな提案かもしれませんけれども、今言ったNGOの動きを、例えばもっと多くの子供たちを呼び寄せるというようなことを政府が支援して、そのような支援をしているということを、例えばアルジャジーラだとか、そういう中東全般に向かって政府として発表することによって、例えば今イラクの中でテロが頻発しておりますけれども、テロのためのテロリストたちは別にしまして、もし外国の占領統治に対する一種のレジスタンス的な人たちがいるならば、そういうような日本のパレスチナに対する動きが日本の自衛隊だけは襲うなというような動きにもつながる可能性がある、かように思いまして、今言ったようなNGOの動きの支援、このことを外務省にぜひお願いしたいなというふうに思っております。もうこれは言いっ放しで結構でございます。 最後になりますけれども、財務大臣また経済財政担当大臣にお聞きします。どちらがどちらかというのは決めていただいて。 大上段に構えて、日本の財務・金融安全保障ということを掲げさせてもらったんですが、当面の政府の財政再建の目的がプライマリーバランスの回復にあるということは存じておりますけれども、その先にあるゴールは何なんだ。もう少し言いますならば、先ほどの本会議でもありました、一三年に九百兆円に膨れ上がるというその残高を減らす意図があるのかどうなのか、それとも、それはもうたなざらしにして、とりあえずはこれ以上ふやさないという形でのプライマリーバランスの回復のみを目指していくのか。 実は、「学士会会報」の中に土生芳人さんという岡山大学の名誉教授が論文を載せておりまして、そこには、世間は残高の大きさをああだこうだ言うけれども、現在の低金利下で問題になるのは利払いの額の問題であって、今これだけ低金利の中にあって利払い費が低く抑えられている、こういう状況下にあれば残高が多少多くても問題はないんだという論文を掲げております。 単純に素人として考えますならば、景気回復局面になれば必ず金利が上昇してくる、そうすれば、残高に掛ける金利ですから、借りかえが年に七十兆円、八十兆円とある中で必ず利払い費もふえていく、そうすれば、やはり財政の健全化を失うのではないか。 先ほど言った論文の趣旨に対して、それから、プライマリーバランス回復の次にあるゴールについて、所見をお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、吉良委員がお引きになった論文を私も実は読ませていただきましたけれども、確かに、今の金利の安い状況では、あの論文に指摘されていた面は当たっていると思いますが、私は、財務大臣になりまして、念頭から離れないこと、また、自分の部屋に入りまして常に見ますのは、部屋の中に金利や為替が幾らか、株価が幾らか、電光板で表示がありまして、国債の十年物の金利はどうなっておるのか、あるいは為替はどうなっているのかというのは、いつも見る習慣になっておりまして、長期で考えたときに、今のような金利水準でいつまでいくのかというようなことは常に念頭にあるわけでございます。そうなりますと、今、金利が安いから何もしなくてもいいというようなささやきに耳を傾けるわけにはいかないなというふうに私は思います。 したがいまして、先ほどからお話がありますように、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復する。そのことの意味は、結局、プライマリーバランスをとるということは、その年にいただいたものでその年のことはやっていく。つまり、まだ国債はそれで返せるというわけではありませんけれども、少なくともその世代のニーズはその世代で賄っていく、後世代にツケを先送りしないということがプライマリーバランスを回復していくということの基本的な意味だろうと思います。 もちろん、プライマリーバランスを回復しても、先日来いろいろな御議論がございましたように、金利水準が成長率よりも高くなるということになればGDPの中で金利の占めている比率はどんどん高くなっていく、また、逆であればその負担は生じないということでありますけれども。 ですから、プライマリーバランスを回復するというのはやはり第一歩の目標であるというふうに私は考えております。 ただ、その先どうなるかといいますと、正直言いまして、プライマリーバランスをこれから二〇一〇年代初頭までに回復する、その道筋はいろいろシナリオを考えながらやっておりますが、そこから先どうなるかということを、今この権威ある国会の予算委員会で明確に述べろということになりますと、そこまでまだ気宇壮大になり切れないというのが残念ながら実情でございますが、今委員がおっしゃいましたような、もうそれはたなざらしにしてというようなことは考えておりません。やはりそのことを十分視野に置きながら、一歩一歩、ステップ・バイ・ステップ——委員も昔、山に登っておられたということでございまして、さっきから、さすがに高いところから天下を見渡しておられるとすっきりした物の考えをお持ちだなと思って聞いておりましたが、ステップ・バイ・ステップで進んでまいりたい、こう思っております。
○吉良委員 私もつい最近まで本当に一般の国民をやっておりましたので、当面、プライマリーバランスの回復というのはわかるんですが、国民からしてみれば、これだけ積み上がった残高が一体どうなるんだということがやはり非常に気になるところであります。 その観点からいいまして、これは竹中大臣、どちらになるのか、ムーディーズとS&Pが、日本の国債を、ちょっといつだったか、引き下げまして、そのときに、財務省として、日本の経済のファンダメンタルズを考えたときにレーティングを下げたことは不当であるという抗議をなされたということは承知しておりますけれども、今、株式市場の中で、二一%と聞いておりますけれども、外資が保有をしている。それから、正確な数字は持ち合わせておりませんけれども、新生銀を初めとして生損保それから金融にこれだけ外資が入り込んでいる。 外資というのは、私、釈迦に説法になりますけれども、ポートフォリオマネジメントの中で、一定のレーティングに下がってしまえば、当然、資産を保有するということができなくなって売り払わなければいけなくなってくる。そういうような中で、国債残高がずっと減らない、長期債務がずっと減らないという中で、何らかの事由によって国債レーティングが下がってしまう、そのときの混乱に対してどう対処しようとしているのか、そのことについてお聞かせいただければと思います。
○谷垣国務大臣 今のお話は、国債管理政策をどうしていくかということに結局なるんだと思います。 昨年暮れ、いろいろ審議会でも御議論いただいて、財務省としても「国債管理政策の新たな展開」というのをまとめたわけですが、しかし、そのさらに前にある基本は、先ほどから御議論いただいているように、やはり日本の国債がどうなるか。 これは、日本の政府が財政規律に対してもう投げ出してしまったんだというようなことになれば、もう国債管理政策なんというのは私は成り立たなくなると思います。日本の政府が国債といいますか財政規律に対して意欲を持って臨んでいるんだということがやはり国債管理政策のイロハのイでないかというふうに考えているわけでございます。 その上で、昨年の暮れにまとめました管理政策の基本になりますのは、これだけ発行しているわけですから、確実かつ円滑に発行していく、それから、中長期的なコストを抑制していくということでありますけれども、それをやっていきます場合には、やはり市場のニーズとか動向を踏まえた発行計画をつくらなければなりませんし、それから、国債の安定消化をできるような国債市場というものをきちっと整備していかなきゃならないということもあると思いますし、それから、商品性や保有者層の多様化とか、そのほか、適切な債務管理とか市場との対話とか、いろいろなことを組み合わせていかなければならないと思います。 私も、数年前、幸田真音さんが「日本国債」という小説をお書きになりまして、中を読んでおりますと、「シ団」なんという言葉が出てきて、こういうことが小説の題材になるのかとびっくりしたことがございますけれども、要するに、この問題は、小説の題材になって広く国民に読まれるような、それだけある意味では切迫性を持った問題になっていると思いますので、昨年立てた指針を基本にしっかりと管理政策をやってまいりたい、こう思っております。
○吉良委員 この予算委員会でも、折に触れ、将来的なアジア地域を含めた経済圏構想というようなことが、提案といいますか、目指すべき方向だという議論が出ているわけですけれども、EUに参加するときの条件等も、国債残高がGDPの何%だというようなことが出ているわけで、日本としても、アジア経済圏を将来目指していくに当たって、その盟主となるからには、みずから財政規律といいますか、他に範を示せるような財政状況に持っていかなきゃならないことは自明のことだと思っております。 私自身、実はこのことについては対案を持たないまま、本当に国民として質問をしただけなんですけれども、そのことをぜひお願いしたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○笹川委員長 これにて吉良君の質疑は終了いたしました。 次に、永田寿康君。
○永田委員 民主党の永田寿康でございます。 本日は、この予算委員会の席で質問できるということに非常に緊張いたしております。初めての経験であります。そして、今までこの第一委員室で発言をすることは多々あれど、議事録に残るような形で、正規の形で発言をしたのは一回だけであります。議事録に残らぬ発言が多々あったことは皆さんも御承知のことと思いますが、きょうは、百年残る議事録にしっかりとした議論をしていきたいと思いますし、また、谷垣大臣も先ほど、非常に権威あるこの予算委員会ですという発言がありました。ぜひその権威を汚さぬような質問をしたいと思いますので、答弁もそこのところ配慮をお願いしたいと思います。 さて、日本歯科医師連盟の政治活動について、特に資金面の流れにつきまして、大変ゆゆしき事態が報道されております。私も若干調査をさせていただきましたが、どう考えても、これはきちんと掘り下げて調査をし、そして、実態を国民に明らかにしながら再発防止策をとっておく必要がある、そういうふうに考えております。ぜひ関係閣僚の方々にも私のそうした思いをわかっていただきたいなというふうに思い、しばらく時間をとって質問したいと思います。 昨日、我が民主党同僚の中津川議員もこのことについて言及いたしました。そこで、経済産業大臣の方から、本件について、まず、吉田前議員が経済産業省に対して何か話しかけたことがあったのか、あるいは情報交換をしたことがあったのかというような質問に対して、情報交換をしたことはあるというふうに答弁されたというふうに、これはたしか政府参考人の方がされた答弁かもしれませんが、そのような答弁だったと思います。もう一度、これで間違いないか、確認をしたいと思います。
○中川国務大臣 吉田前議員とは、この件に関しましてということでよろしいのでございましょうか。(永田委員「はい」と呼ぶ)担当の課長が数回程度、面会をしております。その内容については、平成十三年春ごろに、当省が考える医療の情報化の必要性とその効果、また、当省が行ってきた取り組みについて御説明いたしました。これは、一般的な話し合いとして、国会議員と担当課長の間で会話が行われたということでございます。
○永田委員 差し支えなければ、大臣、これはどういう、いつ、だれが、要するに、担当課の課長とおっしゃいましたけれども、差し支えなければお名前も出した上で、いつ、だれが対応したのかということをわかる範囲で教えてください。
○中川国務大臣 今申し上げましたように、平成十三年春ごろから初夏にかけまして、担当課長が数回程度、面会したというふうに御報告申し上げましたけれども、具体的な内容については担当局長の方から答えさせていただきます。
○豊田政府参考人 今、大臣から申し上げましたように、平成十三年、二〇〇一年の春から初夏にかけて、吉田前議員と担当の課長が何回かお会いをしております。そして、いろいろな御議論をさせていただきました。 まず、平成十三年の春のころには、当省が考えております医療の情報化の必要性とその効果について御質問があり、また、当省が行ってまいりました取り組みについても御質問がございましたので、御説明をさせていただいたわけでございます。 よろしければ詳細を申し上げますが、いたしましょうか。(永田委員「はい」と呼ぶ)わかりました。 第一に、歯科分野におけますカルテ及びレセプトのすべてが、その当時、紙ベースで行われていたわけでございます。歯科の医療分野における情報化の立ちおくれの状況、そして、どうしてそういった立ちおくれの状況が起きたのか、理由、背景、なぜ進まないのか、進めるための戦略は一体何なのか、そういったことについて御説明をさせていただきました。 それから、第二に、これらを電子化すること、レセプトあるいはカルテについて電子化することによりまして、医療経営の効率化や患者に対するサービスがいかに向上するのかということについても御説明をさせていただきました。 幾つか申し上げますと、これによって経費が削減すること、重複医療といったものが防止が可能になること、あるいは支払いそれ自身がスピードアップしていくこと、患者への説明も図などをコンピューターを使って御説明できて容易になっていくこと、そういったことも御説明をさせていただきました。 それから、第三に、これまでの実績ということでも御説明をしてございます。平成十一年のときに、大病院と大組合についてのオンライン化というものをやはりこの研究所でしております。その効果それからその限界でございまして、実際には中小の歯科医がたくさんおられるわけでございまして、実際にはむしろこういった中小の歯科医がオンラインでつながれるということが重要であるというようなことも申し上げました。 その後……(永田委員「それで結構です」と呼ぶ)よろしゅうございますか。もし必要であれば、さらに詳細を申し上げることができます。
○永田委員 担当課長については引き続き次の質問のタイミングで答えていただきたいと思いますけれども、昨日、この面会の記録がないというふうに断言された答弁があったと思いますが、これは本当にないんでしょうか。今、吉田議員との接触の記録がないというんですか。本当にないんですか。
○豊田政府参考人 きのう申し上げましたのは、数回お会いしたときの議論の中身についての記録がないと申し上げました。 私ども経産省におきましても、陳情ですとか働きかけがございましたときには応接録を残すことも当然ございますけれども、今回の吉田議員との面談におきましては、個別具体的な予算執行についての議論はなかったというふうに私ども理解しておりますので、応接録が作成されなかったのも不思議ではないというふうに考えております。
○永田委員 それはおかしいですよ。予算に関する陳情がなかったと。なかったというのも大事な情報なんですね。あったというのも大事な情報だけれども、なかったというのも大事な情報なんですよ。接触はあったけれども予算に関する議論はなかったということを残しておかなきゃいかぬじゃないですか。 私も役人をやっていましたけれども、政治家はもちろんのこと、それ以外の方と接触をして応接録を残さなかったことは、最初の、役人に入ったばかりのフレッシュマンのころ以外は、要は、ちゃんとした教育を受けてからは一回もないですよ。電話だろうが直接面会だろうが、必ず残します。 それが残っていないというのは、これは絶対おかしいと思っているんですけれども、どうして残らないことになったのかという、要は、予算に関する議論がなかったと理解していますから応接録はなかったとしても不思議はないというふうに感じています、そういうふうにおっしゃいましたけれども、それはおかしいんじゃないですかね。やはり、なかったということは記録を見て初めてわかる話なんじゃないかと思うんですが。
○中川国務大臣 先ほど私からも申し上げましたし、今局長からも申し上げましたが、前議員と担当課長が数回程度、面会しております。これはきのうも御答弁したとおりであります。省内の関係者からこの面会について聴取したところということで先ほどお話をしたわけでございますし、きのうもそういう答弁をしているわけでございます。
○永田委員 ないということを証明するためには、全部探さなきゃいけないんですね。あるということを証明するのは、一カ所見て、ああ、あったなと思えばあるということは証明できるんですけれども、ないということを証明するためには、全部見なきゃいけないんですよ。どういう調査をしたんですか。
○中川国務大臣 ですから、面会したということをきのうから申し上げているわけでありまして、その根拠は、省内のいろいろなところから聴取した結果、数回、担当課長が面会していると御答弁しているところでございます。
○永田委員 記録があるかないかを問題にしているんですよ。記録のない接触というのは、基本的には、僕の役人時代の経験によると、記録のない接触というのは何の効果も発生しないんですね。紙に残った記録があって初めて役所というものは仕事を始めることができるのであって、記録がないということは接触がないのと実は同値なんですよ。なぜそういうことが起こるのか。 それで、そういう政治家と役所が接触をして記録を残さない、つまり、効果が発生しないような状況に捨ておいておくということは僕はあり得ない話だと思っているんですけれども、どうしてそういう事情になったのか、説明してください。
○豊田政府参考人 永田先生おっしゃいますように、私ども、財務省では多くの場合、記録を残すやに伺っております。 ただ、私どもの理解は、役所によってその仕事の中身の仕方が違いますし、私ども、民間の方々にお会いすることも、先生方にいろいろな質問を受けることもございますし、一般的な意見交換、非常に多うございます。一般的な意見交換の場合には特に議事録を残すことはしていないというのが私どもの役所のやり方でございます。御理解いただければと思います。
○永田委員 あるだろう、ないだろうという話を長々と続けても仕方がないんですが、これは絶対おかしいですよ。 一つは、本当に全部探さなきゃ理論的にはないということは言えないはずなんですよ。今、ないと答弁しているその裏には、私が推察するにどういう事情があるかというと、それは、あるのになかったことにしようとしているのか、それとも、その当時の担当者の人に聞いて、つくらなかったんだよという証言をとったのと、どちらかだと思うんですけれども。 だけれども、私が今回の日本歯科医師連盟及びいわゆるイメラボの関係の調査をするために、基礎的な資料として幾つか経済産業省に対してこういうものを出してくれというお願いをしたら、本当に基礎的な予算要求の資料ですよ、経済産業省から財務省に出された予算要求資料、これを出してくれとお願いをしてから実際に物が出てくるまで、一週間以上かかっているんですね。 予算要求の資料というのは基礎的な資料ですから、最も整理されて丁寧に残っていなければならない資料ですよ。これを出すのに一週間もかかったような役所が、中津川議員の質問通告から実際のきのうの答弁まで何日かかったか知りませんけれども、わずか数日で、あれほど、応接録という、整理をされている優先順位からいえば予算要求資料よりは劣るかもしれない、そういうものがないというふうにはっきり断言できるという事情が僕には全く理解できない。 やはりその裏にあるものは、つくった上で、あったんだけれどもなかったことにしようという思惑が働いていたとしか思えないんですよね。まずそこは、私の感じ方というか受けとめ方というものを一つここに述べておきたいというふうに思っております。 それから、日本歯科医師会というものは、歯科医師を統括する非常に幅広い団体ですから、役所あるいは国に対してさまざまなお願い事をすることがある。あるいは、情報交換をしようとすることがある。それは当然のことだと思いますけれども、厚生労働大臣ではなくて経済産業省に意見交換に行ったという事情が僕には全く理解できないんです。 通常であれば、何かやりたいことがあったら、まず最初に相談をするのは厚生労働省ですよ。厚生労働省に行って、その上で、こういうことをやりたいんだけれどもというふうに、例えばレセプトをIT化したいんだよという話があったら、いやいや、残念ながらそれは今厚生労働省ではやっていないんだよ、聞くところによると経済産業省でやっているかもしれないから、だからそっちに行ってみたらというようなアドバイスを厚生労働省がやることはあるでしょう。しかし、今回のケースというのは、厚生労働省に行ったという形跡はほとんど見られない。いきなり経済産業省に行っているんですね。 どうしてこういうピンポイントで、情報基盤何たらかんたらをつくるプロジェクトをやっておる経済産業省の部局にピンポイントで行けたのか。水先案内人がどこかにいたはずなんですよ。それは吉田前議員かもしれないし、担当課長だったかもしれない。一体だれが手引きをしたんですか、これは。当然、意見交換をしたときの経緯を調べれば、どちらから持ちかけられたものか、あるいは厚生労働省を通した紹介があったのか、そういうこともわかっているはずですから、ぜひこの経緯についてわかる範囲で教えてください。
○豊田政府参考人 歯科分野を含めまして、医療の情報化につきましては、経済産業省と厚生労働省は密接な連絡をとり、お互いに補完し合う形で協力を進めております。 この歯科のレセプトのオンライン化、カルテのお話は、ある意味では、その当時におきましては本邦初公開のお話でございます。経済産業省がどちらかというといわばベンチャー的な形で実験的に進めてみて、そして、その結果、ある程度固まった段階で、厚生労働省の方でそれを普及していただく形で、予算も確保していただき、実際に御支援もいただいているというような関係でございます。医療全般でそうでございますが、歯科の分野もそういう形で連携をしております。 恐らく、吉田先生は、そういったベンチャー的に私どもが始めたことについてどこかで情報を得られたのではないか、そして、経済産業省の考え方について伺ってみたいということでコンタクトをされたんだというふうに理解をしております。
○永田委員 吉田議員がどこかで情報を仕入れて経済産業省に日本歯科医師会を紹介したのではないかというお話ですから、これは間接的に、吉田前議員が水先案内人になったのではないかと少なくとも経済産業省は推測をしている、そういうふうにとらえているという間接的な答弁があったものというふうに受けとめさせていただきます。 さて、事業の発注形態について、発注の経緯についてお伺いをしたいんですけれども、今回、イメラボに発注したのは随意契約になっておりますよね。なぜ随意契約でイメラボにピンポイントで契約をすることにしたのか、教えていただきたいと思います。
○豊田政府参考人 歯科分野におきますレセプトあるいはカルテのオンライン化は、本邦初公開のものでございまして、決してどの団体でも、あるいは会社でもできるものではないと私ども理解をいたしました。少なくとも二つの分野において大きな能力がある必要があるということでございました。一つは、情報技術に関する能力であり、もう一つは、医療の現場に関する豊富な知見ということでございます。 イメージ情報科学研究所は、この二つの分野において既に多くの実績を残しておられました。医学部の学生に対します、手術の訓練をするためのバーチャルなシステムの作成ですとか、ITを使って、高精細の画像を使いました遠隔医療、あるいは介護支援システム、そういったものについての多くの実績がございました。 そういった実績を持っている団体はほかには必ずしも得られなかったわけでございまして、同団体以外の研究所あるいは会社では所期の目的を達成できないと私どもは思ったわけでございます。その結果として、随意契約をさせていただいた次第でございます。
○永田委員 しかし、世の中で報道されているとおり、この事業は十三年度から始まって、十三年度発注分については、いわゆるほとんど丸投げの状態、つまり、一たん経済産業省から発注されたものをイメラボが受注をして、これをほとんど予算の九〇%以上の価格で外注する、手元には五千百万円しか残さないという、いわゆる丸投げをしたわけです。平成十四年には、公益法人が外注率が五〇%を超えるのはちょっとさすがに望ましくないだろうという旨の閣議決定が行われて、それを受けて、丸投げにならないようにということで、外部の、十三年度に外注をした先からシステムエンジニア等々を自分のイメラボの中に出向させて、正社員扱いにして、そして仕事を続けたということがわかっております。 ということは、これを丸投げというか、あるいはほかの事情が働いて出向扱いで仕事をさせたのか、そんな事情はとりあえずわきに置いておいて、問題なのは外注をしたということなんですよ。外注をしたということは、このイメラボが当該事業をする上で能力を持っている、的確に実施していく、実行していく能力を持っている唯一の団体ではないということを示しているんですよ。外注先も能力を持っているということじゃないですか。そうですよね。 これは、経済産業省のホームページにも出ていますが、内部文書です。情報公開法に従って出されている文書ですけれども、ここには、情報経済基盤整備事業、イメージ情報科学研究所に対する当該契約について随意契約としたと。その理由としては、ちょっと略しますけれども、「コンピュータシミュレーション技術と医療分野に係る調査研究実績を有しているなど両分野の知見に精通している唯一の団体である。」というふうに言われております。少なくとも、唯一の団体ではないんですよ。 そして、丸投げをした後に、今度は丸投げを解消しようと思って、自分のところで仕事をしなきゃならぬというふうに閣議決定がされた後に、外注先から社員を出向させてきて内製化してやろうとしたということは、このイメラボ自体は、出向社員を受け入れる前は両分野に対して知見に精通していたわけでもない。精通していなかったから外からシステムエンジニアを引っ張ってきたんでしょう。 精通していたわけでもない、唯一の団体でもない、そういうことがはっきりしているじゃないですか、外見的に見れば。 なぜ、これ、「両分野の知見に精通している唯一の団体である。」と断じて随意契約にしたのか。これはやはり、随意契約にしたその裏に別の事情があったからに違いないと私は思っているんですけれども、その裏の事情を教えてください。
○豊田政府参考人 議員、丸投げとおっしゃいましたが、私どもは丸投げというふうには理解をしておりません。 この分野、情報の分野は、ある意味で、一つ一つの組織においては、すべての技術、すべての情報を持っていることはめったにございません。すべてを持っていると非常に大きくなってしまいまして、仕事量が変動する中で間接費ばかり大きくなって、なかなかうまくいかないことが多うございます。とりわけ医療の情報化というのは、ある意味でまだ走り始めた分野でございますので、そういう意味で、ある意味ですべてをカバーできる大きな組織は必ずしもないということでございます。 イメラボ、このイメージ情報科学研究所の特色は、そういった幾つかの会社をうまく統合しながら全体として一つのシステムをつくり上げていく、そういう能力があるということでございます。そういった能力をソリューションビジネスというふうにも呼んでいるわけでございますけれども、そのソリューションビジネス、この医療の分野において非常に秀でていたのがこのイメージ情報科学研究所だということでございます。 十四年度になりましておのずから行う比率が高まりましたのは、十三年度で初歩的なことをやり、十四年度で本格的な事業をいたしましたときに、本格的な事業になりますと、統合力が非常に必要になってくるわけでございます。ある意味で、その統合力を発揮するために、外の方々も出向していただいて、おのずからの団体で仕事をする比率が結果的にふえたということでございます。
○永田委員 ここに、平成十四年三月に提出された、財団法人イメージ情報科学研究所からの成果報告書というのがあります。これはもちろん予算にも、経済産業省から当該事業を財務省に対して予算獲得のために要求するときにも、ちゃんと報告書の作成費用というのは計上されていまして、予算ベースではありますけれども、一冊当たり七千円の作成費が見込まれている、非常に立派な報告書です。 ここに、初年度ですから、いろいろ調査、基礎的な調査をしているんでしょう。実験もいろいろしています。そういうことについて書いてあるんですけれども、例えば、「歯科用レセプトコンピュータの普及状況」というのが3—3というページに書いてありますね。確かに、レセプトコンピューターがどれぐらい普及しているかというのがわからなければ、どれぐらいの人に使ってもらえるかわからないし、それは大変基礎的な、重要なデータだと思いますよ。 ここに書いてあるのは、こういう表が書いてあるんですね。「平成五年度」「六年度」「七年度」「八年度」ということで、「請求医院数」「レセプトコンピュータ利用医院数」とか、数字で書いてある。これは、横に書いてあるのは六項目について、九年分書いてあるんですね。 このデータがどうやってつくられたかというと、「「歯科機器・用品年鑑 二〇〇一版」より引用」と、引用ですよ。二〇〇一年版ですから、二〇〇一年というのは平成十二年ですか。この表を見ると、十一年度までは実績数になっていますが、十二年度は推定、十三年度は予測ということになっていますね。平成十四年三月に提出された報告書が、「十二年度(推定)」「十三年度(予測)」と。 こんな表、これ、二〇〇一年版の年鑑から引っ張ってきて、ああ、すばらしい調査をしたな、これに予算をつけてよかったなと経済産業省は思っているんですか。
○豊田政府参考人 永田議員御指摘の情報は、いわばマクロ的な情報でございます。イメージ情報科学研究所でつくる能力のないものでございます。いろいろな形で私ども報告書を、私自身でもつくりますし、シンクタンクにお願いすることもございますけれども、マクロ的な情報については何年かおくれてしまうのはよくあることでございます。 ただ、一つ強調させていただきたいのは、そういった現状についての情報を集めることが今回の委託事業の目的ではなくて、委託事業の目的は、歯科の分野で、日本で初めてと言えるような開発成果をレセプトあるいは電子カルテの分野においてつくったことでございます。その分野については非常に重要な成果を上げているというふうに理解しております。 もし必要であれば御説明をさせていただきます。
○永田委員 少なくとも、歯科用レセプトコンピューターの普及状況、そういう基礎的な、非常に大事な情報だと思いますよ。だけれども、これを調査する上では、イメラボよりも、この歯科機器・用品年鑑をつくっているアールアンドディという会社の方が知見とノウハウを有していたのではないかなということは一つ指摘をしておきたいと思います。 それから、実際にイメラボがこの歯科医師のレセプトシステムをつくるに当たって、平成十三年度の事業で、多分こっちの方がメーンになるんでしょう、さっきの基礎的な情報をつくるよりはメーンになるんでしょう、さまざまなソフトウエアを用いて実験を行っています。 例えば、歯科保健医療情報を通信回線を介してクライアントから送信するという実験をしていますね。大変すばらしい実験です。高度な実験ですね、これは。インターネットによるファイル転送ソフト、アウトルック・エクスプレス、マイクロソフト社製。歯科保健医療情報を復元、印刷するソフト、アクロバット・ディスティラー。歯科保健医療情報を圧縮、復元するソフト、LHAZ(フリーソフト)ですよ。こんなものを使ってやるんですか。こんなフリーソフトとかを使って圧縮して、マイクロソフトのアウトルックに添付してファイルを電送するという実験が、予算をつけてやらなきゃいけないほど重要なものなんでしょうか。 私は、これは、できるかどうかということを確認しておくことは大事なことだと思うけれども、だけれども、もっと難しいことが世の中ではいっぱい行われているんですよ。今問題になっているのは、映画の画像ソフト、DVDになっているものをコンピューターに置いておいて、それを勝手にピア・ツー・ピアでやりとりするみたいなこともやっているわけですね。それで満足いく画像転送ができることになっているんですよ。はるかにはるかにこれよりも高度なことをやっているんですね。 こんなことは一々予算をつけてやらなきゃいけないほどのものなんですかね。これで、こういう成果が出てきたことに経済産業省が満足をしているのかどうか、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
○豊田政府参考人 今、永田議員御指摘のデータ圧縮あるいは暗号化、あるいは送信機能を使いました統合的な歯科分野におけるオンライン化は、本邦初のものだったと私どもは理解をしております。 それのみならず、情報技術に必ずしもなれていない歯科医の方々でも電子カルテが使用できるように、電磁的なペンを使いまして画面にそのまま画像を手書きできるような入力のシステム、いわばユーザーフレンドリーな画像システムと言ってよろしいかと思いますが、そういったものも開発をしております。 それから、システムの実際の運用に不可欠となります歯科分野に固有のカルテの記入方法、診療行為名の標準化についても取り組んでもらっております。御案内かと思いますけれども、歯科の大学によって名前も医療行為についての表現の仕方も違うといったような困難性もございます。 それから、現場で実証実験を何度も繰り返しをしていただきまして、これら成果が実際に医療現場において使うことが可能であるかどうかということもチェックをしていただきまして、その結果の改善作業もあわせてしていただいております。 こういった形で、いろいろな医療の分野における新しいシステム開発というものは、さまざまな形でこのイメージ情報科学研究所がしております。もしよろしければ、ほかの案件についてもどのぐらいの費用がかかっているのか、御説明をさせていただきます。
○永田委員 とにかくおかしいですよ。この報告書の内容については余り深くは掘り下げませんけれども、例えば磁気媒体でのデータ保存に関する信頼性実験、何をやったかといったら、レセプトデータを一たん印刷して、今度はそれをフロッピーディスクに保存して、フロッピーディスクから呼び出してきてみて印刷して同一性を確かめるという。こんなもの、予算つけてやっているんですか、あなた。これはだれでもできる。僕でもできる。猿でもできると言っては失礼だけれども、こんなものに予算をつけなきゃいけない理由がわからないし、知見を有しているエキスパートがそんなに数が少ないとも思わないし、僕でもできますよ、はっきり言って。 なぜこんなものに予算をつけたのかということをはかると、これはどう考えても、イメラボに利益を出させようという意図の方が先にあったんですよ。外注して五千百万円抜いて、それで君たち御飯を食べなさい、そういう意図が先に立った事業だったというふうに私は受けとめておりますので、ぜひ今後、もう少しまともな説明ができるように準備をしてきていただきたいなと思います。 事業の中身を超えまして、今度は、イメラボに発注した後の予算の執行体制。 つまり、私が調査をしたところによりますれば、イメラボから外注をする、十三年度も十四年度も両方とも外注をして、日本歯科医師会も入っています。あるいは、きのうは名前が出ましたが、モリタという歯科関係のメーカーさんも入っています。こうした方々が下請、孫請と入っていく中で、いわゆるジャパン・テクノ・ソリューションあるいはオー・アール・シーという、吉田前議員の親族が、あるいは吉田前議員本人も監事として今役員に名を連ねているわけでありますが、この二つの会社が受注をし、その総額が私の知るところでは七千九百万円という受注高になっております。 政治と金の問題が永田町あるいは日本全体を揺るがしている中で、こうした政治家のファミリー企業が受注をしたということに大きな疑惑を私は感じておるわけであります。この二つの会社が受注をしているということをいつ経産省としては把握したのか、その時期についてお話をいただきたいと思います。
○豊田政府参考人 本事業を遂行するに当たりまして、当然のことながら、イメージ科学研究所と密接な議論を進めており、事業の進捗状況についても確認をしております。 イメージ情報科学研究所が、十三年度に日本歯科医師会、十四年度におきましては日本歯科医師会とモリタと請負契約を結んだことは、届け出を受けておりますので、直ちに理解をしております。 しかしながら、その下の、いわば第二段階、第三段階の請負の部分につきましては、当省への届け出の義務がございません。そういう意味で、当省の関与するところでも必ずしもなかったわけでございます。事実上、事業が進むにつれてそういったところも関与しているというお話は聞いておりますけれども、必ずしも届け出の義務はなく、そういった意味において、いつ、どういった形でという形での書類的なものはなかったというふうに理解をしております。 一つ強調させていただきますが、こういった形で所期の成果が出ておりますので、私どもとしては、所期の成果が出るような形の委託事業ということで大きく評価をさせていただいているわけでございます。
○永田委員 この二つの会社、JTSとオー・アール・シーという二つの会社でありますけれども、特にジャパン・テクノ・ソリューションの方が問題です。 こちらは、会社設立の年月日が登記によると平成十三年四月二十日、そしてこの事業が実際に始まるのは、平成十三年の八月に経済産業省がイメラボに対して委託を起案し、そして決裁、実行したということになっていますから、平成十三年四月二十日に会社が設立をされて平成十三年八月に経済産業省から発注をされたということは、少なくとも、この事業の予算が要求をされた平成十二年の時点あたりではJTSという会社はこの世に影も形もなかったんですね。 先ほど局長は、イメラボというものはいろいろな技術を持っているほかの外部の人あるいは外部の会社なんかに頼んで一つのプロジェクトを仕上げる、いわゆるコーディネートをするような能力があるんだ、そこに着目して全体のプロジェクトを仕上げていく知見があるんじゃないかというふうに御答弁なさったと思いますが、しかし、少なくともJTSは四月にできたばかりの新しい会社であって、評価すべき成果もわずか四カ月で出ているわけもないというふうに私は思っているんです。 なぜこういうような会社も引っ張ってきてやることになったのか、僕は非常に疑問を感じているんですよ。大臣、これはどうですか。多分、大臣は就任されて以降、一生懸命大臣としての職を果たされていますから既にその世界ではエキスパートだと思いますけれども、しかし、ちょっと見ると、四月二十日に設立された会社、しかもこれは吉田さんの親族がやっている会社ですよ、それが八月のプロジェクトに入ってきちゃうというのはちょっとおかしいなと思うことはありませんか。
○中川国務大臣 この件は、いわゆるe—Japan計画の中で、保健医療分野についてもいわゆるITでよりよい保健医療体制、特に歯科関係をやっていこうということが最大の目的でスタートしたわけでございます。 きのうも申し上げたように、また、今局長からも答弁がございましたけれども、その財団法人研究所、あるいは今先生から何事業所か御指摘がありましたが、当時として、事業がどこに幾ら行ったかというところを何段階にも我々がきちっと把握をするという行政的な義務がございませんでしたので、きのうからそういう答弁をしているわけでありますけれども、きのうの段階で私から、こういう御指摘もございましたので、今後、よりきちっとした形でこの予算が使われるように把握をしていかなければならないということを、また改めて御答弁を申し上げます。
○永田委員 いや、要は、大臣、要件があるんですよ、これ。吉田氏が事業に精通していた。それから、事業について吉田氏と経産省が意見交換をしている。ファミリー企業が受注をしている。ファミリー企業は事業の開始の直前に設立をされている。そして、実はファミリー企業の役員から吉田氏自身が献金を受けている。これだけ五つの要件がそろったら、これは疑惑を感じるなという方が無理な話だと僕は思うんですよ。ちょっとは感じる合理性があるなというふうには思いませんかね。
○中川国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、幾つかの前提があって、委員の方からは、外形的に見るととか推計とか、いろいろお言葉がありましたが、私どもとしては、これはきちっと適切に行政と専門家との間で処理がなされ、そしてまた、そこに吉田前議員がいろいろなやりとりがあったことはもう既に答弁をしているとおりでございますが、我々としては、これに関して何らかの政治的な働きかけがあったということは、吉田議員も含めて把握はしておりません。そこははっきり御答弁を申し上げておかなければいけないというふうに思っております。 五つのことがあるからそう思うだろうと言われても、これはやはり、一つの行政、一つの政治家、そして、大きな国費を使った大事な事業でございますので、感じるか感じないかと言われたときに、そう簡単に感じるとかいうことは、なかなか私の立場から言いにくいということでございます。申し上げられないということでございます。
○永田委員 感じるのは感じるんだけれども、立場上言えないんだ、そういうような——感じないんだったら、これは大ごとですよ。これだけのことがあって疑惑を感じないのであれば、そんな人に予算を預けるわけにいかないですよ。 やはり、おかしいかもしらぬと感じた上でちゃんと——今、吉田議員から政治的な働きかけがあったのかどうか、思惑があったのかどうか、私は把握をしておらないというふうにおっしゃられた。把握をしていないんだったら、把握をしなきゃいかぬじゃないですか。把握をしなきゃ、予算の執行の最高責任者としては僕は失格だと思いますよ。 これはぜひ調査をしていただきたいんですよ。それで、疑惑がないという結果が出たら、それはそれでもいいんですよ。あるのかないのか、どういう働きかけがあったのかなかったのか。なかったということは、調べてみなきゃわからないんです。なかったと信ずるだけじゃ、それは予算の執行をつかさどる最高責任者としてはもたない話なんですよ。 経済産業省だって兆の単位の予算を使うんでしょう。やはりそれは、疑惑が全く持たれてはいけない、国民に感じられてはいけないという姿勢から、これは疑惑を感じる人がいることはいるかもしらぬ、自分は感じないけれども感じる人がいるかもしらぬ、調査はしますというふうにおっしゃっていただきたいんですけれども。
○中川国務大臣 ですから、この件で、JTSとかいろいろ御指摘がございましたけれども、平成十三年、十四年において、この事業が極めて大事であって、そして成果を上げたという前提と、他方、何らかの政治的あるいはまた行政的な意味で問題があったかというこの二つ目のことに関しては、働きかけがなかったということを申し上げるわけでございますし、また他方、きのうも申し上げましたように、国のお金、国費を使い、そしてまた大事な仕事を任せたわけでございますから、今後、省としても、いろいろと調べていかなければならない、一般論として、今後きちっと把握をしていかなければなりませんし、この問題についてもきちっとなお一層調査をしていかなければならないというふうに考えております。
○永田委員 この問題についても今後なお一層調査をしていかなければならないという最後のフレーズは、重く受けとめさせていただきます。 これはとても大事なことです。経済産業省は誠意を持って仕事をしたのかもしれません。私も、担当の方とお話をしているときには、この人は本当によこしまな気持ちもなく、ちゃんと誠実に職務をこなしたんだというふうに受けとめました。しかし、発注をして、その下請、第一段階までしか報告を受けないんだという制度になっているから、自分は知らなかったんだと。そこまでは誠実に仕事をしたんでしょう。 しかし、そこから先、吉田議員が、経済産業省とのやりとりの中で特殊な情報を仕入れて、それを使って、経済産業省とは全く関係ないところで、自分のファミリー企業にアドバイスをして、こういうところに仕事があるかもしれないから営業をかけてみたらもうかるかもしらぬよというアドバイスをしたのかもしれない、しなかったのかもしれない。だけれども、仮にそういうことをしたのであれば、それは経済産業省の知る範囲ではないだろうけれども、経済産業省とのやりとりの中で出てきた情報を使って吉田前議員が自分のファミリー企業に商売をさせたということなんですよ。 これは、経済産業省に非があるとかないとか、そういう話じゃなくて、そういうようなことが、社会的公正という観点から見て放置しておいていいのかどうかという話なんですよ。だから、実際にそういうことが行われたかどうかをぜひ調査していただきたい。調査をした上で、善処できる部分とそうじゃない部分とあるでしょう。そこまで規制をかけることはなかなか難しいんじゃないかという話も、私も元役人だからわかります。しかし、できる範囲のことはやらなきゃいけない。 そういう意味で、ぜひ今後の調査に力を入れていただきたいんですが、もう一度最後に、調査をしますというふうに約束をしていただきたいと思います。
○中川国務大臣 この問題についていろいろ御指摘をいただきましたので、引き続き省内で調査をしたいと思います。
○永田委員 お待たせをいたしましたが、厚生労働大臣、本件に関して、日本歯科医師連盟からの政治献金が、特に吉田前議員の後援会及び吉田前議員が支部長を務めていた自民党の総支部に対する献金が、これが数字が食い違っている。すなわち、歯科医師連盟から出した献金の額、これは報告書に載っています。それと、受け手の側、幸進会と総支部が受け取った額とが食い違っている。こういう話がありました。 これは歯科医師連盟の体質というか、経理のずさんさを示すものとして大変重要な問題だと僕は思っているんですが、大臣の御所感をお伺いしたいと思います。
○坂口国務大臣 これはもう御承知のとおりだと思いますけれども、日本歯科医師会、これは公益法人でありまして厚生労働省の担当でございますが、その日本歯科医師連盟、これは政治団体、任意団体でございまして、これはもう私の方の担当ではございません。 したがいまして、私の方は、日本歯科医師会の方の内容につきまして、それは、私たち、やはり責任があると思いますからきちっとしていかなければならないというふうに思いますが、連盟の方は私どもの担当じゃないものですから、それは私の方で把握をしているということはございません。
○永田委員 そういう理屈は通らないんですよ。社団と政治団体は別物であるという理屈は通らない。 ここに、日本歯科医師連盟規約というのがあります。第二条、「本連盟は、会員相互の協力により、政治力を強化し、日本歯科医師会の目的を達成させるために必要な政治活動を行い、もって国民医療の発展に資することを目的とする。」第三条、「本連盟は、日本歯科医師会の会員をもって組織する。」こういう二つの文章が出ているんです。 第二条、「目的」ですよ。歯科医師連盟の目的は、「日本歯科医師会の目的を達成させるために必要な政治活動」を行っているんですよ。それ以外の規定はありません。つまり、政治連盟が行っている活動のすべては、例外なく、日本歯科医師会が行おうとしている政治活動なんです。日本歯科医師会の目的を達成させるために行っている活動なんです。一体不可分のものなんです。社団法人歯科医師会がなければ連盟は存在し得ないんです。社団法人歯科医師会の目的を達成させるためには、政治的な分野では連盟が必要であり、連盟だけがその政治活動の分野を担っているんです。だから、これは別物だから厚生労働省は関係ありませんという理屈は通らないんです。 中川大臣、平成十四年の十月から、自民党の組織本部長をされていますよね。組織本部長というのは、当然、各種団体とのおつき合いを統括する立場にあったと思います。歯科医師政治連盟からも、当然、さまざまな働きかけがあったと思います。もちろん、自民党には莫大な献金をしている政治連盟ですから、それなりのお願い事も多分あったでしょう。あるいは、部会などに出席して意見を述べさせてほしいというお願いもあったかもしれません。選挙のときには、組織本部長と連盟とやりとりがあったかもしれません。さまざまあったと思います。 どうですか、連盟と社団は別物だから連盟からの働きかけは社団からの働きかけとは全く別物だと理解していい、連盟からのあれを受けたら、後は歯科医師会の言うことは聞かぬでいい、そういう立場をとっていたんですか。
○中川国務大臣 御指摘のように、私は自由民主党の組織本部長をやっておりまして、ここは、我が党を応援するいろいろな諸団体あるいは党員の皆さん、あるいは全国に対してのいろいろな働きかけをしているところでございますが、日本歯科医師会それから日本歯科医師政治連盟それぞれ、我が党の数多くの友好団体の一つとしておつき合いをさせていただいておりました。
○永田委員 途中で元組織本部長の御意見も伺いたくなったので切ってしまいましたが、厚生労働大臣、やはりこれは、社団と連盟は別物であるという理屈は通らないですよ。だって、連盟の会員になる第一の要件が歯科医師であることなんですから、そして、その社団法人日本歯科医師会の目的を達成させるために政治活動を行っているのがこの連盟なわけですから、これは別物だという理屈は通らないですよ。 歯科医師業界が集めたお金がああいう不透明な経理によってやみに消えてしまった。そういう体質を持っている団体を所管している大臣として、この体質をどういうふうにお考えになるのか。僕は、政治家坂口先生としてぜひその御見識をお伺いしたいと思っております。権威ある予算委員会でありますから、その権威を汚さぬ答弁をお願いしたいと思います。
○坂口国務大臣 先ほど申しましたように、その二つのものは私は別物だというふうに思っておりますが、今御指摘になったように、日本歯科医師会では扱えないから歯科医師連盟というのをおつくりになって、そちらの方で活動をされるということになっているんだと思うんですね。だから、歯科医師会で何もかもできることなら、それはそういうふうになすっていると私は思うんですけれども、しかし、日本歯科医師会というのはこれはもう学術団体だというふうに御自身たちも言っておみえになりますし、私もそうだというふうに思っております。 その中ではできないことは連盟をつくってやるということで、別途それはおつくりになっているということだというふうに私は理解をいたしております。
○永田委員 要は、連盟から自民党にも献金が行っているし、国民政治協会にも献金が行っているし、自民党の議員にも、もちろん民主党の議員にも来ているんですけれども、そういう献金をしている。これは政治活動だ、その連盟の政治活動の目的は歯科医師会の目的を達成させるためだということであれば、当然、吉田前議員及びその総支部に対して献金がなされた、これも歯科医師会の目的を達成するためだ、そうしか読めないですよね、規定上は。そうですよね。 それで、歯科医師会の目的を達成させるために吉田前議員及びその総支部に対して献金をした。それで、吉田前議員が日本歯科医師会の幹部を連れて経済産業省を訪れた。そして、そこから発注した事業が自分のファミリー企業に、日本歯科医師会を通じて、一たん日本歯科医師会が受けた後に、そこから孫請、下請の世界で吉田前議員のファミリー企業に流れていった。これが歯科医師会の目的だということですよ。政治連盟が達成しようとした目的だということですよ。 そこについて、歯科医師会の業界としての体質の前近代性を大臣はお感じにならないのか。もう一度、問題だと感じるのか、放置しておくのか、御答弁いただきたいと思います。
○坂口国務大臣 日本歯科医師会は、八〇二〇運動など非常に立派な運動もしておみえになりますし、大きな貢献もしておみえになるというふうに思っております。 ただ、今問題になっておりますのは、歯科医師会が別枠でおつくりになっております歯科医師連盟、いわゆる政治団体の方で、それが適切に行われていなかったということなんだろうというふうに思います。 元議員の吉田議員のお話が出ましたけれども、今、私も新聞報道しか存じませんけれども、吉田元議員の方がお出しになったものと、そして歯科医師連盟の中のものとが違う、こういうことが生じているということでございまして、まさしくその歯科医師連盟の中のことでございますから、我々、とやかく言うわけにはいきませんけれども、しかし、我々の方として明確にしておかなければならないのは、歯科医師会とそして歯科医師連盟とはこれは別物でありますから、ここが混然一体となっておるようなことは、これはぐあいが悪いことであります。 前回にも、平成十三年でございましたか、医師会の話が出まして、このときにも、医師会と医師連盟とは別ですからそこは明確にしてくださいということを通達等でも出しましたし、特に国会等でお取り上げをいただきましたときには、そこに対しましては都道府県から明確にそこは御指導くださいということを申し上げてきたところでございます。
○永田委員 大臣は今、報道ベースのことしか知らないと断りながらも、連盟の方の資金の流れが不適切であったという認識を述べられました。 連盟の資金の流れが不適切であったということは、連盟の政治活動はすべてこれは歯科医師会の目的を達成するために行われることですから、歯科医師会がやろうとしていたことが何だか知りませんけれども、それが不適切だったということですよ。不適切な資金の流れをつくらなければ達成できないようなことを歯科医師会が画策したということですよ。そのことについてどういうふうに業界の体質を思われるのか。 いいですか。歯科医師連盟の幹部と歯科医師会の幹部は人事が重複をしています。その中には、今問題になっている政治献金、吉田前議員側への政治献金が、それが、連盟の中で資金の支出について管理する立場にありながら、自分が決裁をした覚えはないと証言をしている人もいるんですよ。そういうずるずるの団体であるということですね。そして、そのずるずるの団体に支えられているのが今の国民政治協会であり自由民主党であるということをここで申し述べ、そして、委員長、ぜひ参考人招致をこれはしたいと思います。 やはり、通常、永田町の世界で問題になるお金の絡みというのは、それは議員本人が絡んでいることが多いものですから、議員本人に対して質問をする機会は多数設けられるんですが、しかし、今回の場合には、前議員と、そして、連盟の代表は政治家ではありません。そういう政治家ではない人がトップを務めている政治団体の資金の流れが、国会で、トップが政治家じゃないということ、そのことが原因で永田町で議論できないというのは僕はおかしいと思っています。ですから、ぜひこれらの政治団体について、説明責任とそして法的責任を負っている方々をお呼びをして質疑をしたいと思いますので、参考人招致を求めます。以下の方々です。 日本歯科医師会会長臼田さん、経理担当理事内田さん、国民政治協会会長神谷さん、国民政治協会監事高屋さんと秋山さん、そして自由民主党経理局長岸田文雄議員、以上六名について参考人招致をしたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○笹川委員長 理事会で協議いたします。
○永田委員 ぜひ理事会で前向きに取り計らっていただきたいなというふうに思います。 それでは、日本歯科医師連盟の話はひとまずおきまして、次回に譲ることにしまして、竹中大臣お待ちですから。 済みません。ちょっと通告と違いますけれども、以前、財務金融委員会で、あれは閉会中審査をやったときだったかしら、ちょっと気になる発言があったのでお伺いしたいんです。 要は、最近の不良債権処理のことにつきまして、大手銀行の融資額を分子にとってGDPを分母にとる、つまり、GDPに占める融資額の割合が、バブル前はずっと七〇%ぐらいで推移してきたのに、バブルのころ一〇〇%を超えるようになって、それが最近また減り始めて七〇%に近くなってきたという話があったじゃないですか。それは覚えていらっしゃいますか。一回ちょっと息をついて。
○竹中国務大臣 都市銀行、大銀行ではなくて、主要行ではなくて、全銀行についてそのようなお話を、マクロ的な比率についてお話をさせていただいたことを記憶しております。
○永田委員 だから、それをもって、最近落ちつきつつある、バブル前のころにその比率が落ちつきつつあるから、だからしてバブルの処理は終わりつつあって、ようやく日本の経済は正常な軌道に戻るんじゃないかというような認識を示された答弁だというふうに記憶をしておりますけれども、バブルの前とその比率が大体似通った水準に落ちつきつつあるということでは、五十年、百年続いている企業がばたばた倒産している事態は説明できないんですよ。 つまり、今起こっている経済現象が、これがバブルの後始末というふうに金融担当大臣がお考えになっているのか、それとも、バブルのころとは違う、五十年、百年に一回しか起こらない異常な事態が起こっていると認識しているのか、これは金融行政を考える上で非常に重要なテーマなんですよ。これは単なるバブルの後始末だというふうに大臣はお考えなんでしょうか。
○竹中国務大臣 バブルのときにできた不良債権に関してはかなり償却が進んでいる、そういう結果もございます。 私が申し上げたかったのは、バブル経済そのものが日本経済の一つの歴史的な転換の中で発生したというふうに思っております。一九八〇年代終盤の東西冷戦構造の終えん、それによって世界の市場構造が根本的に変わりました。グローバリゼーションというふうに呼んでもいいのかもしれません。同時に、システムそのものを変えるIT革命のようなことが起こった。それが同時に起こったわけですね。それへの対応、日本はバブルに関して言うならば負の遺産を持ってしまっていた、しかし、世界は新しい局面を迎えてそれへの対応がおくれた、そういうことの総合であると理解をしております。
○永田委員 新しい局面への対応として、どうやら為替介入が莫大な額に上っているようであります。そろそろ七十九兆円の天井に近づきつつあり、昨年一年間の為替介入額は総額で累計二十兆円を超えたという報道もなされております。 財務大臣、たしか記者会見なんかでも、投機的な動きには断固とした対応をするということで、為替介入に関して言及をされているのを私も目にしたわけですけれども、実は、僕が思うには、日本が一方的にドルを買う、こういう為替介入、もう前代未聞の、人類歴史上類を見ない為替介入をしていることが、これが海外の機関投資家など、あるいはプライベートファンドなんかの投機的な円買いを逆に招いているのではないか。 つまり、日本政府が持っているドルはいずれ売らなきゃいけなくなる、そのときに、ドルを売るわけですからそのドル売りの動きに合わせて自分は円を売ればいいんだ、だから、日本政府がドルを買えば買うほど逆に投機的に円が買われてしまう、そういうような動きが最近見えているというふうに僕は思うんですけれども、そこのところの認識はいかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 なかなかマーケットが、例えばG7の声明にいたしましても、当局の介入行動に対してもどう反応するかというのは、これはなかなか難しくて、心理学と、それからそれに対してどう表現するか、文学と両方の素養が要るんじゃないかと思うぐらいでございますが、あくまで私どものやっております介入の目的は、相場といいますか、非常に投機的な動きが出てきたり、異常な動きが出てきたときに、それを抑えるためにやっておりまして、今その効果がどうなっているかということは私は委員とは認識を異にしておりますけれども、それをどう評価するかは私は市場に任せたいと思っております。 〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
○永田委員 効果のことを言っているんじゃなくて、要は、投機的な動きには対応するというふうにおっしゃっていますけれども、ドル買いをするから投機的な思惑が生まれているんですよ、だから、いつまでたってもこのゲームは終わりませんよという話なんですよ。 アジアの通貨危機を見ても、中央銀行といえども、自国の通貨の防衛に成功した例はほとんどありません。やはり今回も、日本ほど巨大な金融マーケットを抱える国の通貨防衛が失敗するようなことがあったら、これはどえらい話なんですよ。ぜひ、そこのところの危険性を認知しながら、そして、政府がドルを買っているから逆に投機を招いているんだという現象について目を光らせていただきたいなというふうに思っています。 それから、聞きたいことを最後に一個だけ聞いておきたいんですけれども、竹中大臣、繰り延べ税金資産の金融機関の自己資本への組み入れですね。 昨年の足利銀行の際の閉会中審査で、繰り延べ税金資産を自己資本にどれぐらいまで組み入れていいかという基準について、ちゃんと、株式マーケットに向けて発表される決算の指標とは違って独自の基準を設けるべきだというふうに私が申したところ、それはおおむね六カ月程度でつくる予定ですというお話があったと思います。この検討状況及び今後の見通しについて、御説明をもしもいただけるのであればいただきたいなというふうに思います。
○竹中国務大臣 繰り延べ税金資産につきましては、午前中も同僚議員から御質問いただいておりますが、一般的な会計慣行の問題、それとは別に金融機関という特殊な業種に対してどのような何らかの上限を設けるべきかどうか、これは、御承知のようにワーキンググループで専門家に御審議をいただいております。これは賛否両論ございます。十月にこの議論を再開しまして、約半年ぐらいで何らかの議論を終結させていただきたいと思っているということを申し上げました。 お尋ねは、最近の進捗でありますけれども、昨年十月に再開しまして、これまで三回開催をいたしております。十五年九月期における主要行の繰り延べ税金資産の情報開示の充実についての報告、十五年九月期の決算を踏まえた銀行からのヒアリング、昨年七月末に取りまとめられた経過報告において多様な意見が出されたその論点等を主要な議題として、引き続き専門家によって議論をしていただいております。
○永田委員 以下の議論は財務金融委員会でやりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○北村(直)委員長代理 これにて永田君の質疑は終了いたしました。 次に、木下厚君。
○木下委員 民主党の木下厚でございます。 最初に、先般質疑をさせていただきました中川秀直国対委員長、前官房長官の官房報償費私的流用事件、これについて質問しようと思ったんですが、福田官房長官が定例記者会見のため、今の時間帯は出席できないということですので、後に回させていただいて、最初に、北朝鮮による日本人拉致問題、それと六カ国協議についてお話を伺いたいと思います。 去る二月十一日から十四日にかけて、外務省の田中外務審議官と薮中アジア大洋州局長による、いわゆる日朝ハイレベル協議が行われたわけでございますが、これは、情報が流れたとき、日本に帰国された五人の拉致被害者の皆さん、これで何とか解決の糸口ができるのではないか、そんな思いでこの日朝ハイレベル協議を見守っていたと思います。 日本に帰られて約一年三カ月、本当に何も進展しないまま家族が北朝鮮に残されている、大変残酷で悲しいことでございます。そして私も、半ばは無理なんじゃないかと思いながら、何らかの進展があるかな、そんな期待をしてじっと見守っていましたんですが、どうも新聞報道によると、ほとんど成果がなかったというような報道をされておるんですが、外務大臣、大臣として、今回の日朝ハイレベル協議、改めて、どんな成果があったのか、伺わせていただきたいと思います。
○川口国務大臣 今回の政府間の協議でございますけれども、これは一年半ぶりぐらいに開かれた協議でございまして、その意味で、我々としても一歩でも二歩でも前進をしたいというふうに思っておりました。家族の方も、今、木下先生がおっしゃったように、大変な強い御関心を持ってこの推移についてはごらんになっていらっしゃったというふうに思います。 それで、どのような成果があったと考えるかということですけれども、今後、政府レベルで話をしていきましょうということを申し合わせることができたということについては、一つのきちんとした成果であるというふうに私は思います。高いレベルで、日本が何を考えているかということをきちんと相手に伝え、相手も議論をしてきた。結果的には平行線になった、議論についてはそういうことでありますけれども、考え方が直接に高いレベルで伝わったということは一つの成果であったと思いますし、今後、引き続き、一歩でも二歩でも前に進んでいくように、ありとあらゆる機会を使って取り組んでいきたいというふうに考えております。 〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
○木下委員 どうも、これまでの日本政府の対応を見ていると、やはり北朝鮮側に思うままに引きずり回されているんじゃないか、そんな思いさえいたします。 実は、報道によれば、今回の日朝ハイレベル協議、北朝鮮側からの指名は田中審議官ということだったという報道がございますが、北朝鮮側から指名されたのは田中審議官でございます、それは事実でございますか。
○川口国務大臣 今回の会議につきましては、ずっと日本政府として、政府間の協議をすることが重要だということで、政府間の協議の申し入れをやってきたという経緯があります。それに対して、北朝鮮側から、田中外務審議官と薮中局長を受け入れるということを言ってきたということであって、まず田中さんを受け入れると言ってきたという今おっしゃったようなことは事実ではございません。
○木下委員 そうすると、向こうからお二人指名があったわけでございますか。
○川口国務大臣 二人を受け入れると言ってきたということでございます。
○木下委員 今さら私が申すまでもないんですが、田中審議官についてはいろいろ裏のルートがあって、ミスターXとか、どうも家族の皆さんあるいは国民の中にも、やはり本当に田中審議官に任せておいていいのかという思いもあったと思うんです。 実際に北朝鮮側と交渉する窓口、これはやはり、幾ら二人で一体化といっても、一方はミスターXなる人たちとの交渉をして、たびたび中国へも行っておられる。その辺のところを一本化して、きちんと北朝鮮側に日本側の意思が伝わる、裏ルートではなくて、正式な政府のルートとしてきちんと表向きで一本化するというお考えはございませんか。
○川口国務大臣 この交渉につきましては、政府そして外務省が一体となってやっている交渉でございます。交渉の責任者、これは主管局長である薮中局長であるということでございます。
○木下委員 その辺のところを、きちっと日本側の意思がはっきり北朝鮮側に伝わるという形で、やっぱり一本きちんと筋を通して交渉してもらいたいと思うんです。 そうすると、この二十五日から始まる六カ国協議、これに対して、この日朝ハイレベル協議を踏まえた上で、どういう原則で、あるいは体制で臨むのか、その辺をお話しいただきたいと思うんです。
○川口国務大臣 我が国の基本的な交渉についての考え方というのは、これは一貫として揺るがない、ずっと同じでございます。 それが何かということですけれども、北朝鮮による核開発の完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄ということが必要であるという、これは基本的な立場でございます。そして、米韓を初めとする他の国々と緊密に連携をしながら、核の問題を初めとする諸懸案の包括的な解決ということをずっと言っておりまして、これに向けて北朝鮮が責任のある前向きな対応をとるということを強く求めていくということであります。 そして、六者会談においては、核問題だけではなくて、諸懸案の包括的な解決ということを言っているわけで、これは不可欠でありますので、その立場から、拉致問題を解決する必要性、これについても明確に指摘をしていくということを考えております。
○木下委員 これも報道なんですが、もし六カ国協議で日本側が拉致問題を出すならば日本の参加を拒否するというような報道が伝わっていますが、これは事実でございますか。
○川口国務大臣 北朝鮮側はそういうことを言っています。
○木下委員 とすれば、この前の日朝ハイレベル協議というのは、六カ国協議のいわば布石として、もう二国間でやりますよ、拉致問題は日朝でやりますよ、もう既にハイレベル協議も始まったんじゃないかという言いわけに使われる可能性がある、あるいは、北朝鮮側はそこまで考えて、突然この前の日朝ハイレベル協議を提案してきたのではないか、そんな気がしてならないのですが、外務大臣はどうお考えでございますか。
○川口国務大臣 北朝鮮側の意図というのはなかなかわかりづらいところがございまして、こうした場で、意図はこうであろうということをせんさくするということが必ずしも適切かどうかということもあると思いますが、いずれにしても、我々としては、先ほど申しましたように、核の問題も拉致の問題も非常に厳しくきちんと明確に指摘をしたということでございます。 それで、北朝鮮側もこれに対しまして、たまたま、これは今次会合の前に外為法の改正が成立をしたということがありまして、これは北朝鮮を力で抑えつけようとするものであるということで強く反発をしたということでございます。あとは、今まで繰り返している北朝鮮の立場を繰り返したということです。 核の問題についても、北朝鮮側は、非核化にはコミットしていると言いながら、米国を初めとする各国が、北朝鮮側のいわゆる核活動凍結提案、これにいかに対応するかが重要であるという立場を強調したということでございまして、そういった思いもあったのではないか、そういうことを伝えたいという思いもあったのではないかと推測をいたします。 いずれにいたしましても、北朝鮮側の意図については、こちらとして、何であろうと言うことは難しいと思います。我が方としては、政府間協議をすることが重要だということをずっと言ってきたわけで、それに対して北朝鮮が対応してきたものだというふうに考えております。
○木下委員 そうしますと、この二十五日からの六カ国協議においては、北朝鮮側が何を言おうが、いわば拉致問題を含む包括協議、これを議論とする、この原則には変わりはないですね。
○川口国務大臣 先ほど申しましたように、我が国の基本的な考え方、これについては変わりはございません。 それで、先ほど申しましたように、六者会談においては、核の問題だけではなくて拉致の問題についても、諸懸案の包括的な解決が必要であるという考え方、この基本的な立場から、拉致問題解決の必要性についても明確に指摘をしていく考えでおります。
○木下委員 恐らく、本当に、日本に帰られた家族の皆さんあるいはそれを支援する皆さん、もうそろそろ何とかしてくれよという思いだろうと思うんですね。もし六カ国協議が決裂するようであれば、そろそろ、九日に成立した日本単独で経済制裁を可能にする改正外為法、これを適用すべきではないかという家族の声、あるいは国民の中にもそういう声があるんですが、そう決断、あるいは覚悟、あるいは見通し、どんなふうにお持ちでございますか。
○川口国務大臣 今、二十五日からの六カ国の会談、この協議で進展をさせようと、関係の諸国が連携をしながら努力をしているという段階でございますので、おっしゃったように、どこまで進展をするかということについては予断はできませんけれども、そういったことがうまくいかないであろうという前提に立って、我が国はこうするということを今申し上げるということは必ずしも適切ではないというふうに思います。 いずれにしても、今回の六者会談においては、日本として、核問題等の平和的な解決に向けて一歩でも二歩でも前進をしていくように、関係の国と連携をしながら、建設的な役割を果たしていこうと考えているわけでございます。 それから、我が国の北朝鮮に対する基本的な考え方として、ずっと対話と圧力ということを申し上げてきているわけであります。その一環として、もし北朝鮮が事態をさらに悪化させるということがあった場合には、これは関係国と相談をしながら、連携をしながら、適切な措置をとっていく、適切に対応していくという考え方、適切に対応してまいりたいと考えております。
○木下委員 もう時間は待てません。本当にしっかり、断固たる姿勢で、そして日本政府が一本になってこの交渉に臨んで、一刻も早く解決してもらいたいなと思います。 では、次に、韓国による竹島切手の発行問題についてお伺いしたいと思います。 まず最初に、歴史的、国際法上から見て、竹島の帰属というのはどうなっているのか、改めてお答えいただきたいと思います。
○川口国務大臣 竹島は、歴史的にも国際法の観点からも我が国の領土でございます。
○木下委員 そうすると、先般、竹島切手が発行された。国家から見て、切手というのはどういう意味あるいは本質を持つのか。 私は、切手というのは、その国の、ある面ではシンボルであり、あるいは文化、自然、あるいは伝統芸能、そういったものを全世界にある面ではアピールする格好のものだ、あるいは日本の哲学なり歴史なりが刻み込まれた、そういう高貴なものだ、そういう思いでいるわけですが、総務省、総務大臣、この切手についてはどんな意味をお考えでございますか。
○麻生国務大臣 これは、もう木下先生よく御存じのとおりに、万国郵便連合、通称UPUという、世界で最も古い組織に近い国際組織がございますが、ここの条約のところの前文を読んでいただきましても、きちんと、そこの、今おっしゃったとおりのことが書いてあるところではございますが、あえて読ませていただければ、郵便切手としてふさわしい、文化の普及、諸国民間の友好関係の緊密化、世界平和の建設、維持に貢献できるものをその意匠として、個人や国家を攻撃する性格を有するものであってはならないとされておるところでございまして、今おっしゃるとおり、切手の持っております意義は極めて大きいと思っております。
○木下委員 それだけの大きな意味のある、竹島、韓国では独島と言っているらしいんですが、向こうで切手が発行される。 これまで竹島切手は韓国で何回ぐらい発行されていますか。
○薮中政府参考人 お答え申し上げます。 韓国では、これまで三回にわたり、一九五四年、そして二〇〇二年の八月、そして本年の一月と、三回にわたり、竹島を意匠、主題とする切手が発行されているというふうに承知しております。
○木下委員 そうしますと、その都度、日本政府はどういう対応をしてきましたか、過去二回について。
○薮中政府参考人 お答え申し上げます。 一九五四年の切手発行の際、同年十一月、政府は韓国政府に対して厳重な抗議を行うということを行いました。そしてまた、過去二回、最近の二〇〇二年八月、そして本年一月の切手発行ということに関しまして、本年の一月十六日の切手発行の際、二〇〇二年八月の切手発行とあわせまして、大臣の方から在京韓国大使、趙韓国大使に対し、また、韓国において、ソウルにおきましては、高野大使から金在燮外交通商長官代行に対してということで、一番外交ルートの高いレベルでの厳重抗議を行うということを行いました。 そしてまた、今回につきまして、万国郵便連合事務局を通じまして、今回の切手の発行というのが、これは両方でございますけれども、本年一月十六日及び二〇〇二年八月の切手というのが万国郵便連合憲章前文及び諸決定の精神に反するものであるということで、これを同連合全加盟国に対して回章の形で訴えるという措置をとってございます。
○木下委員 最高レベルの抗議をしたというお話ですが、過去二回、あるいは今回もそうなんですが、多くの国民はその直前まで、韓国切手が、竹島切手が発行されるという事実、これを知らなかった。なぜもっと国民にアピールして、そして国内世論を盛り上げなかったんですか。どうですか、外務大臣。
○川口国務大臣 韓国が我が国の領土である竹島を対象に切手を発行するということは、あってはならないことであるということでございますけれども、大事なことは、韓国がこの切手を発行しない、それを思いとどまるということであるというふうに考えまして、それを行うためには、国民感情をあおる形であればかなりそこが逆に難しくなっていくものですから、そういう観点から、韓国に対しては静かに何回も強く働きかけたということでございます。 それは発行前の話でございますけれども、ただ、そういうこととして、結果として発行を阻止することができなかったということでございましたので、先ほど薮中局長が言いましたように、私から、そして在韓国の大使から強く申し入れたということでございますし、あわせて、万国郵便連合事務局を通じまして、この一月十六日及び二〇〇二年八月の切手が万国郵便連合憲章前文及び諸決定の精神に反するものであるということを、全加盟国に対して回章の形で訴えたということでございます。
○木下委員 今の大臣の話を聞いていると、できるだけ相手を刺激しないように、できるだけその国民感情を刺激しないように、相手に悪く思われないように、国民にも知らせず、そして外務省だけで交渉している。だからだめなんですよ。 北朝鮮問題だって同じです。あるいは尖閣列島だって、あるいは北方四島問題だって、これは別に、自国の領土を守ろうとするのに、感情論とかそんなものじゃないですよ。そこはきちんと国民に知らせて、国民がこういう思いを持っているんだということをやはり韓国国民にもわかってもらわなきゃいけない。あるいは、北方四島だったらロシア国民にわかってもらわなきゃいけない。 こういう努力をしないで、ただこっそり、最高レベルの交渉をしました、抗議をしました、こんなことでは世の中動かないですよ。だから、過去二回も切手発行されながら、さらにまた、ことし一月十六日ですか、また同じように独島の切手が発行されているんです。その辺を……(発言する者あり)失礼しました。それは韓国名で独島、日本名では竹島が韓国切手につくられているんです。どう思いますか。 もっときちんと、やはり、竹島は我が国の領土だ、それを国民にもっと知らせて、ある面では国民の運動として盛り上げる。北方領土なんか盛り上げているでしょう。私は、何で、実効支配されている竹島、韓国に気兼ねする必要があるんだろうか。どうですか、もっと強い、あるいは国民世論を喚起するようなことを考えませんか。
○川口国務大臣 領土問題というのは、一つの国にとって大変に重要な問題であるというふうに考えております。そして、その領土問題について交渉をやっていくということのためには、今、北方四島のお話を例に挙げられましたけれども、国民の世論をバックにして領土問題については対応しなければいけないということは、先生のおっしゃったとおり、私もそう思っております。 それで、先ほど切手について申し上げたことは、まさに一月十六日の切手の発行の前に、切手の発行自体を阻止するということを考えたということでございまして、それのためには、これは、非常に強い反応が出ると、発行を阻止することは明らかにできなくなってしまいますので、そういうことにならないように静かに、しかし強く働きかけたということを申し上げたということでございまして、日常ベースでの領土問題一般についての考え方あるいは取り組み方ということについては、まさに先生がおっしゃったとおり、国民の世論の働きかけあるいはバックということをもって対応すべきことであろうと私は考えております。
○木下委員 そうしますと、今回の竹島切手の発行というのは、日本政府はいつごろ知りましたか。
○薮中政府参考人 今回の竹島切手の発行につきましては、政府としては、昨年の夏に韓国の郵政事業本部がそうした特別切手を発行する計画を有しているという情報に接したわけでございます。
○木下委員 韓国はもっと前に明らかにしています。二〇〇二年八月に韓国郵政が、我がふるさとと題して、韓国各地の風景や歴史、風俗などを紹介する切手三十二種類を発行しています。そのうちの一枚で韓国側独島が紹介されています。このとき、日本政府は韓国側にどのように抗議しましたか、していますか。
○薮中政府参考人 日本政府としましては、昨年の、今申し上げました夏に、そうした新しい特別切手を発行する計画が向こう側にあるということの情報に接しまして、そしてそのときに、さらにいろいろと精査いたしました。これまでの切手の発行実績を精査した際に、二〇〇二年八月にも、韓国各地のふるさと特別切手シリーズの一環として、竹島を意匠とする切手が発行されていた事実を把握するに至ったという状況でございます。
○木下委員 こういうのはやはりできるだけ早く情報を集めて、そして早目に手を打つ、抗議をするならする。そして、何としても食いとめるという日本側の意思がやはり韓国側に伝わらなきゃいけない、私はそう思いますので、今後もう二度とこういったものが発行されないように、やはり日本側のきちんとした毅然たる態度をしっかりやってもらいたい、そうお願いしておきます。 それから、時間もあれですので、次に、高速道路における通行料金の割引制度、これについてお伺いしたいと思うんです。 この高速道路における別納割引制度は、昭和三十八年に路線バスや路線トラックを対象とする通行料金の後納制度、割引なしを導入し、昭和四十一年から大量利用の促進、大口利用者の定着を図る目的で割引を付加し、昭和四十四年から対象を事業協同組合に拡大したというのが、これが別納制度です。そして、割引率は、月間利用額が四万円から七万円まで、これが五%、そしてそれが六段階に分かれていまして、最高七百万円を超える部分が三〇%割り引くという制度でございます。 これは私が昨年決算行政監視委員会で指摘をいたしまして、いろいろその内部に矛盾がある、あるいは不正が行われているということで、扇前国土交通大臣が私の要求に対して廃止を決めたということでございますが、現在、この事業協同組合、平成十三年度では全国で千百八十七組合に達し、その割引額は平成十三年度の全体で二千二百十一億円、うち事業協同組合だけで千七百九十五億円に達している。つまり、高速道路の料金収入が年間約二兆円と言われています、その約一〇%前後がこの割引制度で利用されて、いわば料金収入が入ってこなかったということでございます。 ところが、この千百八十七の事業協同組合の平均割引率は二九%と言われています。事実上、ほとんどの別納利用者が最高割引率約三〇%の適用を受けていた。しかも、組合員に提示している割引率は十数%。全国で最大規模の平成高速協同組合、これは東京・千代田区に組合がありますが、年間でその差益が三億七千万円に達している。その差益を代表理事や役員たちが私的に流用していた、この事実を明らかにしたわけでございます。 その後、会計検査院と日本道路公団が全国の事業協同組合を検査されたという報道がありましたが、その検査結果はどうなっていますでしょうか。明らかにしてください。どちらになりますか。
○石原国務大臣 木下委員にお答え申し上げます。 私も、昨年の七月でございますか、委員が決算行政委員会でこの問題を御指摘され、私どももちょうど民営化委員会でこの問題を議論しておりまして、扇大臣も厳正に処置するというような御発言をされて今日に至っているということは、私も承知しております。 そこで、どういうふうになっているかという具体的な数字でございますが、これは日本道路公団と本四公団の二つが割引制度をやっているわけですけれども、全組合に対しまして調査を行った結果、全組合、アバウトの数字で千百ございますが、そのうち七十一の組合でいわゆる組合員以外の者がこの別納割引制度を利用して割引を受けているということが判明いたしまして、十一月以降でございますか、これらの組合に対しましては、不正に割引されました金額、これももう報道されておりますが、二十五億円でございますが、返還請求をいたしました。 また、約款が組合ごとにちゃんとございますので、約款に基づきまして、特に悪質な十五組合に対しまして、利用停止、ちょっと緩いんですけれども割引停止二カ月、その他の五十六の組合に対しましても、文書をもちまして公団側が厳重警告の措置をとったところでございます。 その後でございますけれども、返還状況についてお話をさせていただきますと、ことしの一月末現在で、日本道路公団からの返還請求額、およそ二十四億円でございますけれども、およそそのうちの三億円、また、本四公団からの返還請求額が三千万円のうち六百万円が返還されたところでございます。 これからも、やはりこれは不正でございますので、引き続き、全額返還に向けて厳正に対処していかなければならない大変重要な問題だと認識しております。
○木下委員 合計で約二十五億円の不正受給、不正があって、そのうち、一月末現在で、約三億円と、本四が六百万円ですか。これはもう微々たる額ですが、今後どうやってこの返還は実現していくつもりでありますか。資産とかそういうものはあるんですか。返還に応じない場合は、何らかのペナルティーがあるわけでございますか。
○石原国務大臣 この点につきましては、きょう、実は道路公団の近藤総裁ともお話をさせていただいたんですけれども、やはり悪質な組合、この年度末で期限切れが来る組合もたくさんございます。そういうものには、新たな別納制度を今検討中でございますけれども、それまでの経過期間の別納制度を適用しないといったような厳格な対処というものが必要だと考えているというお話を総裁の方からいただきまして、私もまさにそのとおりだというような話をちょうどつい先ほどさせていただいてまいりました。 一義的には公団の側が被害をこうむっているわけでございますので、今委員御指摘のとおり、一割ちょっとでございますね、二十四億の三億と、三千万のうちの六百万、本四の方は二割ぐらいでございますけれども、こういうものを引き続いて返還するように、また、組合でございますので財産等々あるところはほとんどないようでございますので、差し押さえとかそういうことができないので、これはやはりまじめに利用している方々も組合員の中にはいらっしゃいますので、この制度が適用できなくなりますと、今度は逆に物流業者等々は大変被害をこうむるということで、組合の中で厳正に対処するように改めて指導をするというようなお話を賜ったところでございます。
○木下委員 こういう組合の場合、例えば代表とか理事とか、そういった責任者には返還要求できるわけでございますか。また、できればしてもらいたい、返還しないとすれば。その法的な根拠はどうなっていますか。
○石原国務大臣 これは先ほども御答弁させていただきましたけれども、組合員で組合を組織して、その中から理事とか代表を選任していて、その方が特に資産を有しているとかそういう状態にない、言ってみるならば、一つの業界の中の一代表でしかないということで、法的には、その代表理事に、組合として不正があったのだから全額を代位弁済せよというようなことはできないというような話を伺っておりますが、やはり、先ほども御答弁させていただきましたように、これは、一般の利用者というものは正規の運賃を払っておりますし、先ほど委員御説明いただきましたように、七百万以上の利用のところについては大体二八・九%、三割近い割引ということで、著しい不公正を生じている問題ですから、国土交通省としても厳正に対処するということで道路公団をサポートしていきたいと考えております。
○木下委員 個別な事業協同組合名を挙げていただけるかどうかわかりませんが、不正な割引が最も大きかった組合、これは名前を挙げていただくことはできますか。
○石原国務大臣 刑事事件になっておりませんので、今個別の名前を挙げることがどうかということはちょっと検討させていただきたいと思いますが、一番悪質な、先ほど悪質な組合が、十五組合でございますか、あるというようなお話をさせていただきましたが、このうち最大は三億円程度ということでございます。
○木下委員 それは恐らく、先ほど言いました東京・千代田区に組合のある平成高速協同組合ではないかと思いますが、間違いありませんか。
○石原国務大臣 それは新聞でも大きく取り上げられたところでございまして、悪質業者として厳しく対処させていただいた組合であると思います。
○木下委員 実は、この平成高速協同組合の理事に就任していたのは、自民党の岸田文雄衆議院議員でございます。九三年から年額三百六十万円の役員報酬を受けていたほか、岸田議員の政策秘書も九三年より年額三百六十万円の理事報酬を受けていたわけでございますが、こうした組合組織のところから、しかも不正をしているところから、しかも、理事をやって、そこからこれだけ多額の報酬を得ている。恐らく、九三年からですから相当長期にわたって、まあ、その後一部、政務次官とかになったときは外れているみたいなんですが、それだけの長期間にわたって毎年それだけの役員報酬を得ていた。しかも、代議士本人だけじゃなくて、政策秘書まで受けていた。 これはやはり、これだけの不正を犯していたとすれば、その政治献金は私はきちんと返還すべきではないかと思うんですが、大臣、これはおっしゃりにくいかと思うんですが、こうしたことが本当に許されていいんでしょうか。
○石原国務大臣 先ほど私が御答弁をさせていただいてまいりました点は、料金別納制度に対する不正、こういうものに対しては厳正に対処していかなければならないというお話をさせていただいてまいりました。 ただいまの委員の御指摘は、その問題となった組合の理事に国会議員が就任し、また秘書が役員報酬を受けていたと。これは、法律論から言わせていただきますと、中小企業庁の事業協同組合法に基づく組合でございますので、監督官庁は中小企業庁になると思いますけれども、国民の皆様方の、一般論としてしかお話はできませんが、一般論としては、国民の皆様方から疑念と思われるような行為は国会議員は慎むべきである。個々の詳細については、私、実は今初めて委員のお話を聞かせていただいていましたので、私からどうのこうのと言うことは差し控えさせていただきたいと思います。
○木下委員 と同時に、この平成高速協同組合というのは、二〇〇三年九月期までの七年間で約二億八千万円の所得隠しを指摘され、重加算税を含め、約九千万円を追徴課税されていたという報道がございました。 恐らくこの案件についてお答えはできないだろうと思いますが、もしこれが事実とすれば、私は、きちんと役員報酬は返上、返還すべきだろうと思います。それだけを指摘しておきます。 それから、あわせて、こうした事業協同組合から政治献金を受けている方々が次のとおりでございます。 片山虎之助さん、参議院岡山。片山さんは、情報ハイウェイと関連会社から計百三十万円、九五年と二〇〇〇年。そして、情報ベンチャー、神戸市に本社がある、ここから九五年に三十万。エスケイハイウェーセンター、鳥取市にある、九五年に三十万円。 そして、橋本龍太郎さん、瀬戸内高速道路利用、九五年から二〇〇二年にかけて九十六万円。西日本流通サービス、九六年から二年にかけて八十二万円。 中川秀直国対委員長、東洋ハイウェイの関連会社、広島市に本社があります、九五年から三年にかけて三百八十八万円。 渡海紀三朗さん、企業管理と関連会社二社から、二〇〇〇年から二〇〇二年にかけて八十万円。 亀井静香さん、埼玉県高速道路利用センター、九七、九九から二〇〇一年まで計四十万円。 こういった方々がそれぞれの事業協同組合から献金を受けていますが、後でちょっと調べていただきたいんですが、これら今申し上げた事業協同組合が不正利用していたのかどうか、これを調べて報告させていただきたいと思いますが、委員長、よろしくお願いします。よろしいですか。報告していただくことは可能でございますか。
○石原国務大臣 この点は、先ほども申しましたように、日本道路公団と本四架橋公団が当事者であります。 国土交通省としては、この問題につきまして厳正に対処していかなければならないということは、先ほど御答弁で申し述べさせていただきました。この問題につきましては、道路公団並びに本四架橋公団に問い合わせをさせていただきたいと思います。
○木下委員 福田官房長官が見えられましたので、坂口大臣、済みません、ちょっと年金問題、大変申しわけないんですが。 福田官房長官にお伺いしたいんですが、前回の本委員会において私が提示した中川官房長官から大臣官房の内田俊一会計課長あてに申請された報償費の請求書五枚、これを確認していただきたいということを前回お願いしたんですが、本物かどうか、お答えいただきたいと思います。
○福田国務大臣 委員のお持ちの資料は、これは委員が独自に入手したものである、こういうことでございまして、これはコピーでございまして、その入手の経路、手段等々不明でございますので、それを確認するということはできません。
○木下委員 それはおかしいですよ。私は広島地裁まで行って確認してきました。全部ぴったり一致します。 そして、しかも、広島地裁に出されていたのはコピーですよ。コピーを出しておきながら、コピーだから確認できないと言うんなら、広島地裁に出したのは確認できないということになるじゃないですか。確認できないというのはどういうことですか。
○福田国務大臣 広島地裁にこちらも確認しておりますが、内閣官房から提出した資料につきましては、これはいまだ訴訟における取り扱いは決まっていないということであるそうであります。訴訟当事者以外の閲覧はできないものである、このように聞いております。 したがいまして、そういうような、要するに、私人間の民事訴訟に関して裁判所に提出した資料の内容について答弁することは、これはむしろ差し控えるべきであるというふうに考えております。
○木下委員 本質が違うんですよ。今、広島地裁でやっているのは、慰謝料の賠償請求です。これは全く違う、本質から全く関係のない話なんですよ。それが確認できないということはどういうことですか。閲覧できますよ。公開されているじゃないですか。当事者しか閲覧できないということはあり得ませんよ、私、全部、訴訟の内容から、供述調書から、全部見てきたんですから。 どうですか、もう一度答えてください。
○福田国務大臣 私、よくわかりませんが、閲覧できるかどうか、それは私ども、そこのところは、そうでないのではないかというふうに思います。いずれにしても、わかりません。(発言する者あり)
○木下委員 いや、できますよ。いや、第三者はできないけれども当事者はできますよ。だから、それを確認してもらったんですよ。だから、全部してきましたよ。一緒に行けばできますよ。できないですか。(発言する者あり)
○笹川委員長 木下君、質問を続けてください。
○木下委員 それと、前回もちょっと質問させていただいているんですが、中川国対委員長はマスコミの取材に対して、報償費は私的に流用できない仕組みになっていると語っていますが、本当にそうなのか。私的に流用できない仕組みとはどういう仕組みなのか。官房長官、もし私的に流用できないというんなら、具体的に教えてください。
○福田国務大臣 私的に利用できないということは、これは、この報償費の支払い、官房長官一人ですべて決めるという、そういうものでもないということは御理解いただきたいと思います。 それは、必要に応じて必要な人と相談をする、またその了解を得るといったような手続を経るのが大体行われていることでございますので、そう勝手にどうこうという、そういう話でないということは御理解をいただきたいと思います。
○笹川委員長 木下さんに申し上げますが、今あなたの発言の中で、領収書はだれでももらえる、自分で見てきた、もらってきたと発言されたけれども、それは訂正する……(木下委員「ええ、訂正します」と呼ぶ)訂正しますね。
○木下委員 これは決して裁判所から入手したものではございません。あるルートを通じて入手したものでございます。その当事者と一緒に行って、当事者に確認してもらったということでございます。
○笹川委員長 はい。
○木下委員 資料をお配りしてございますが、資料1の図2の方に、この前掲げさせていただいたんですが、この中で、会計検査院による平成十二年度決算報告によれば、次のように書かれています。その具体的な記載については資料2に書いてございます。 その中で、線を引いてあるところを読んでいただきたいんですが、「内閣官房長官自身(図2の1—1の場合)又は役務提供者等(同2及び3の場合)に対し現金支払又は口座振込を行い、その都度帳簿に記録するなどしている。また、これらの領収証書等が保管されている。」このうちの、いわば右二つの線ですね、これは領収書等が添付されていると。「このうち、図2の2及び3の報償費については、」まあ今と同じです、「役務提供者等に対する使途等が確認できる状況となっている。」と。 ところが、「内閣官房長官自身に交付された報償費の管理」。要するにここから、官房長官から役務提供者に渡されたお金というのは、ウに書いてございます、線を引いてございますが、「その後の役務提供者等への支払に関する帳簿や支払を証明する書類等を整備するなどの事務補助は行われていないとしている。このため、内閣官房長官における管理状況が十分把握できない状況となっている。」と。 これが平成十二年度の会計検査院の検査結果報告です。これは間違いないですね。検査できないわけですね。
○森下検査官 お答え申し上げます。 内閣官房報償費の検査に当たりましては、この官房報償費の目的に沿った執行がなされているかどうか、それを検査するわけでございますけれども、特に、ただいまお取り上げになりました、官房長官みずからが支払い等の実施事務を行っている経費につきましては、機密を要するもので、補助者を介せずに行っている事務でございます。 したがいまして、支払い状況などの検査につきましては、会計検査院から、使用の目的それから現金の出納、保管の状況などについていろいろと質問をいたしまして、事務方を通じて回答をいただき、その回答内容についてさらに検討、吟味をし、必要があればさらに再質問をするというような形で検査を実施しているものでございます。
○木下委員 先ほどの資料の図2を見ますと、内閣官房長官が扱っている金額が平成十二年度決算額で約十二億一千四百万円。これが、実を言うと、官房長官、要するに、お金が手元に届くまでは、この図1で示したようにいろいろな経路を通ってきます。しかし、ここから、内閣官房長官から役務提供者に支払われる、ここはだれもチェックできない、チェックしていない。ですから、今の話によれば、要するに、官房長官の言うことをすべて信じろ、官房長官は決して私的に流用しませんよということなんですか。それをただ確認するだけの話でしょう。
○森下検査官 お答えいたします。 ただいま、会計検査院からいろいろと質問をしと申し上げました。やはり疑問点があればそれを解明して、それに対する我々の判断を形成するということでございまして、そういうやりとりを何度も繰り返しながら検査を実施しているわけでございます。したがいまして、内閣官房の説明をうのみにしているというようなことではございません。
○木下委員 それはおかしな発言、調べられない以上、うのみにするしかないじゃないですか。 それで、こう書いてあるんですよ。「本院が要求する是正及び改善の処置」として、この資料2に書いてございます。「内閣官房において、内閣官房報償費の出納、保管に係る事務補助の内容及びその実施手続を定めるとともに、管理状況が十分把握できるよう、その執行体制を整備すること」。そして三番目に、「内部確認、監査体制の構築」として、「内閣官房において、内閣官房報償費の出納、保管について定期的に内部監査を行うなど、報償費が適正に使用されているかどうかの確認を内部で行うことができる体制を構築すること」、これが会計検査院の指摘です。 要するに、これが不備だったわけでしょう。はっきり言ってください。不備だから改善せよと言っているわけでしょう。
○森下検査官 こういう内閣官房における報償費の取り扱い体制について、不十分な点があったから改善の処置を求めたわけでございます。そして、内閣官房におきましては十四年四月に基本方針というものを定められ、これらに対する改善の処置がとられたというふうに承知しております。
○木下委員 それじゃ、伺います。 先ほどの、内閣官房長官から役務者に渡ったその支出について、どのぐらい領収書その他で確認できますか。あるいは、システム的にどう確認できますか。どの程度、何%ぐらい、全くできないんですか。ただ言い分をそのまま聞いているだけの話ですか。そこだけ答えてください。
○森下検査官 お答えいたします。 この官房長官みずからがお取り扱いになっている内閣官房報償費といいますのは、高度な機密があり、そして補助者を介していないということから、関係証拠書類というのは、一般の事務的経費とは異なり、必ずしもすべて個々に見られるわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、いろいろ具体的な事情についての質問をしながら、我々の心証を形成しているということでございます。
○木下委員 人間には完全無欠の人間なんていないんですよ。ですから、十二年に外交機密費の私的流用事件が起こった、プール金事件も起こった。そして最近は、北海道警察の報償費の裏金問題も起こっている。あるいは、検察の裏金問題も指摘されたことがあった。完全でないからこそ、どこの会社だって、あるいは国家だって、ある程度きちんと、一人だけじゃなくて、少なくも秘密を守れる何人かがやはりチェックできるという体制をつくらなきゃいけない。それを改善したわけでしょう、すると言ったわけでしょう。 これは会計検査院が出したパンフレットです、平成十三年。何て書いてありますか。「会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する職責を果たしています。」冗談じゃないじゃないですか。さらにこう書いてありますよ。「会計検査院の地位」として、「会計検査院は、国や公団・事業団等の決算、補助金等の検査を行う憲法上の独立機関」である、こう書いてあるんです。 これだけのことをやってください。そうでなかったら、こんなもの外しちゃったらどうですか。こんな立派なことを書いて、そんないいかげんな答弁をしているようじゃ、疑惑はいつまでたっても解決しませんよ。 私は別に、報償費が機密に使われる、すべて明らかにできない部分はあっていいと思う。当然なけりゃいけない。しかし、私的に流用できる部分があるとすれば、それはきちんと内部でチェックできるなり、会計検査院が、独立機関なんですから、きちんとチェックできるような体制をつくってもらいたい。それだけお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○笹川委員長 これにて木下君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。 資料の配付の方をお願いいたします。 私は、初めに、北海道警の裏金づくりの疑惑について質問したいと思います。 元北海道警釧路方面本部長で、旭川中央署長も務めた元警視長の原田宏二氏が二月十日、記者会見をして、在任中、警察が組織的に裏金をつくっていたという衝撃的な事実を証言されました。 それで、今お手元に配付させていただいております資料の一ですね。この資料の一をごらんいただきますと、これが原田氏が記者会見のときに配付された資料ですが、まずその2の方ですね。「裏金はどのようにして作られていたか」「対象は、国費の旅費、捜査費、道費の報償費、旅費のほか日額旅費、参考人旅費、など」これらを裏金としてプールしたということが言われておりますし、3のところで「裏金は何に使われたのか」ということを語っておられます。署長交際費、せんべつ、懇親会費、冠婚葬祭費、タクシーチケットの支払い等が主たるもの、上級官庁や他官庁の接待費や議会対策にも使われてきたということであります。 その一部は本部へバックされると聞いていたということなど、衝撃的な告発の証言に、なぜそこに至ったのか、そのことについても、これは記者会見の中で「監査結果が出た現在、それなりの立場にいた者が真実を話すべきときが来たのではと判断しました。」「昔の仲間からも裏切り者とのそしりを受けるのでは、」という思いもあるがと言って、この提出資料の1の(1)のところにも書いておられますが、ここで「現場の警察官やその家族の人はさぞ肩身の狭い思いをしているのではないでしょうか。一日も早く現場の警察官が誇りを持って仕事ができるようになってもらいたい」「今回が道警が更生できる最後のチャンスだと思います。」そして「9 道警に期待すること」というところで、これは五ページにありますが、「本部長が議会で質問に顔をそむける姿をテレビで見てとても正視できませんでした。総務部長は、かって、ともに仕事をした仲間ですが、立場上彼が世間の常識では通用しないであろう答弁をしているのを聞き、気の毒で、先輩として申し訳なく思いました。」「道警の更生のため努力して欲しいと願っています。」こういったことを記者会見の中で、資料も配付して述べられたわけですが、最後のチャンスだというところまで語っておられるんです。 そこで、国家公安委員長にお伺いしますが、自分の人生の大半を生きてきた北海道警察について、これは本当につらい思いで、苦渋に満ちた決断をして、ひたすら道警に立ち直ってほしいというこの原田さんの熱い思いを、国家公安委員長、わかりますか。私は、小野さんがどのように受けとめておられるか、このことを最初に伺っておきたいと思います。
○小野国務大臣 御指摘の資料につきましては、既に警察庁の方から報告を受けておりまして、内容も拝見をさせていただいております。 その内容は、公正であるべき警察の予算執行に疑念を抱かせるものでございまして、早急に事実関係を解明し、国民の疑問を解消する必要があると私自身も感じたところでございます。現在、まさにその内容の真偽について、北海道警察そしてまた警察庁において必要な調査が行われているものと承知をいたしております。
○吉井委員 私、北海道警の中でも調査の委員会をつくったり、警察庁の中にも予算検討委員会をつくったということも聞いておりますけれども、形だけ整えて、型どおりの調査で、またまた捜査の秘密を持ち出して、あいまい決着、幕引きをするようなことは、これをやっちゃならない、それではこの原田さんの思いが生かされないということになりますから、私は、そういう形での幕引きにはしないということを国家公安委員長としてきちんとお約束をされる必要があると思いますが、伺っておきます。
○小野国務大臣 お答え申し上げたいと思います。 国家公安委員会は、二月の十二日に警察庁の方から、元北海道警察釧路方面本部長によります記者会見についての報告を受けたところでございます。 警察庁に対しましては、事実関係を解明いたしまして、国民の疑念を解消するように督励をしたところでございますけれども、これを踏まえまして、二月十三日、今先生の方からお話がありましたように、予算執行検討委員会を設置いたしまして、同委員会において、北海道警察と連携をとりながら事案の解明を図りますとともに、警察の予算執行のあり方を検討いたしまして、その適正化を一層推進することとしている旨、報告を受けております。 引き続き、警察庁に適宜報告を求めますとともに、早期に事案の解明ができますように警察庁を督励してまいりたい、そのように考えております。
○吉井委員 検討委員会をつくってやるというのは当然の話なんですが、あいまいな決着にはしない、このことはきっちり、その立場で臨みはりますね。ちょっと聞いておきます。
○小野国務大臣 国民から信頼されるように、しっかりと予算執行のあり方等を検討して、適正化に向けて努力をさせていただくように督励してまいりたいと思います。
○吉井委員 原田氏が証言する契機となったのは、この裏金づくりの疑惑について、実は、北海道監査委員会の結果が出たからだと言っておられます。 道警の裏金づくりの疑惑というのは、内部告発文書をもとに、十一月下旬にテレビで放映されました。十二月北海道議会で我が党議員団もこれを追及してきました。ところが、この不正流用を示す内部文書に押されていた署長の印章、道警が提出した報償費決裁書の署長の印章がぴったり同一の資料などについて、これを示しても、道警本部長が、これ以上の調査を行う必要はない、不正の事実はないと強弁して、市民の怒りが高まりました。さらに、弁護士有志の監査請求などで疑惑は深まって、国民の強い批判を浴びる中で、出てくる中で、証言されるという契機になったと語っておられます。 内部告発の書類は、お手元にもお配りしてありますが、プライバシー上の関係から、全文を配付しておりません。一部を皆さんのお手元にお配りしております。資料二は平成九年九月分の報償費の現金出納簿、資料三は平成七年五月分の報償費証拠書のコピーです。本体のコピーの方はここにちゃんとあるわけですが、これは委員長、あらかじめ、詳しいものは、個人情報保護、プライバシーの関係がありますので、国家公安委員長にだけは見てもらうように了解をいただいているということで。 実は、これを見ると、現金出納簿、皆さんの方にはその表紙分等だけですが、はっきりしていることは、報償費支出伺い、ここに、警部補AさんならAさん、金額があり、その次には支払い精算書というのが、これがこのAさんの名で、いわゆる協力者ですね、Bさんにと、そして、次に領収書がBさんの名で出てくる、こういうふうになっているのがこの現金出納簿。それから、同じように、報償費証拠書というので出ているわけです。 そこで、この文書は、捜査員が情報提供者に報償費を支払ったという報償費支出伺い、支払い精算書、領収書をつづったものなんですが、この中から、弁護士などオンブズマンの方たちが、個人情報保護の観点から、請求警察官名も協力者となっている方も記号化してリストにしたのが、これを皆さんのお手元に配付いたしております、これが資料四です。別表です。 三十五名の請求者、請求警官名、警一、警二とか記号化しておりますが、これを見ると、監査委員会の調査では、この資料四にあります三十五人、所在のわかったのは十二人で、住所、氏名等が記載されているのに、三十五人中残る二十三人は所在さえわからないという状態です。その所在のわかった十二人について調査をすると、一人が不在、十人が金を受け取っていない、一人が受け取っていないと記憶がないという複数回答だったものですから。つまり、回答された方の全員が、道警の方は金を出したことにしているんだけれども、御本人は全然受け取っていないというものです。リストにある三十五人の所在調査の段階で、既に支払ったとされる二年前から六年前に三人の方が死亡していたことも確認されております。 国家公安委員長に伺っておきますが、幾ら捜査協力で報償費を渡すといっても、既に六年前に亡くなっている人に渡すというのは、これはおかしいと思いませんか。
○吉村政府参考人 ただいまの一連の旭川中央署の案件につきましては、平成七年の五月、それから平成九年の九月の捜査用の報償費、これは道費でありますけれども、その道費に係る証拠書類とされる文書のコピーが出回りまして、今お尋ねのような展開になっておるわけであります。 せんだって、警察庁におきまして予算執行検討委員会を設置いたしました。ここでやりたいと思っているのは二点ございまして、一点は、この北海道警察における会計経理をめぐる事案の解明を行うということ、いま一つは、会計経理における透明性の確保方策をやっていこうということであります。 実は、本日昼でございますが、北海道警の警察本部長が会見をいたしまして、当該案件について、旭川中央署の当時の捜査員を含めて二十数名の人間から事情聴取をするということで方針を出しているところでございます。
○笹川委員長 警察庁吉村官房長、今、吉井さんの質問は、七年前に亡くなった人の名前で報償費が出ているがどうかというお尋ねだと思いますので、それをひとつ答弁してください。
○吉村政府参考人 一般的に申し上げまして、お金を渡した時点で既に死亡した人に領収書が、その人の名義が使われるということはおかしいことだとは思います。
○吉井委員 当たり前のことなんですけれどもね。 私、実は昨日、質問取りに来られた方と、政府参考人できちんとお約束してあるんです。私の方から国家公安委員長に質問を求めたときには公安委員長に答えていただくように、私の方から政府参考人と指名したときにはお願いしますと言ってあるんです。その政府参考人の方も、あなたが国家公安委員長になられたらまた立ってもらったらいいんだけれども、立場が違うんでね。それで、だれに聞いてもらうかというのは、私は国家公安委員長に、おかしいと思いませんかと聞いているんで、そこはきちんと守られるように。 そこで、国家公安委員長、今のこの六年前に亡くなった方にまで渡すのはおかしいという、これは当たり前の話なんですが、こういったところにも全くでたらめな領収書だったということ、つまり裏金づくりの証拠だったということが出ているわけです そこで、私、国家公安委員長に、この現金出納簿、報償費証拠書、こういった文書について、これはやはりきちっと調査を、十一月から問題になっているわけですから、国家公安委員長としても調査に取り組んでおられると思うんですが、まず調査したのかどうか伺います。
○小野国務大臣 ただいま先生からいただいたばかりでございますのでお答えのしようがありませんけれども、内容を見させていただきまして対応を検討させていただきたい、そのように思っております。
○吉井委員 これは、小泉総理も厳正に対処、あなたも徹底して解明するとおっしゃったその決意は一週間前なんですね。一週間前に決意をしておられて、そもそもこの話が出たのは、これはもう二カ月以上前のことなんですよ。 警察庁はこうした文書を、今初めてあなたも見るような話なんですが、とんでもない話で、私は重ねて伺っておきますが、国家公安委員長はこの文書についてはきちんと調査されますね。
○小野国務大臣 きちんと調査をさせていただきます。
○吉井委員 それで、提出資料の二と三に基づいて、北海道の監査委員会が道警に調査に行った際に、関係している捜査員を監査委員に会わさないように警察庁は道警に指示していたんでしょう。この点は政府参考人に、関係捜査員を監査委員に会わさないように指示していた、この点について伺います。
○吉村政府参考人 お答え申し上げます。 指示をいたしましたのは、捜査協力者等の保護でありますとか捜査活動を初めとする警察活動に支障を来すことについて、よく道の監査委員の方に御理解をいただくべく、十分に説明を行うように指示をしたということでございます。
○吉井委員 よく御理解をいただくという形、要するに、会いなさんな、会うなということを指示しているんですよ。それが非常に障害になったということは監査委員会報告にも出ておりますから、そのことははっきりしております。 そこで、小野委員長。警察庁は、解明を進めるために文書を調査すべきところを、逆に、疑惑解明を進めている監査委員会の足を引っ張って、これは疑惑隠しをしているんではないか。本当に大変な問題だと思うんですよ。本当に疑惑解明するというなら、まずこういう態度を改めさせる、これは私は、国家公安委員長が指示をされる、とるべき立場だと思うんですが、伺いたいと思います。
○小野国務大臣 監査委員からの捜査員への対面調査の件につきましては、捜査に与える支障を勘案しつつも、各都道府県警察において対処していくものと承知をいたしております。
○吉井委員 それでは、これは政府参考人の方に聞いておきます。 捜査に支障を来すとか情報提供者を保護するとか、そういうことがこれまでの一貫したスタンスなんですが、そもそも、危険の及ぶのを避けるために実在する他人の氏名を利用するのを許容するということは、これは当該他人を、つまり名前を使われた方を、その人の身に覚えなく、防御しようのない危険にさらしてしまうという、これは警察の存在目的に背馳することになるのではありませんか。
○吉村政府参考人 御理解をいただきますために、捜査協力者から領収書を徴収することにつきまして、類型化して御説明をさせていただきたいと思います。 まず前提を御説明させていただきたいと思いますが、捜査協力者が、そもそも自分の実名をちゃんと書いて領収書をこちらにいただくということで処理をしているケースもこれは相当あります。 それから、従前から話をしておりますように、暴力団関係の人間でありますとかアンダーグラウンドの人間等々を捜査協力者等ととらえる場合もありますので、そういう人から領収書は、なかなか本名を書いていただけないという場合もあります。 その場合には方法は二つございまして、一つは、当方が用意をしました領収書用の用紙、紙の使用を拒否したという場合には、メモ紙でもあるいはノート用紙でも、適宜な紙で、何とか本人の名前をまず書いてもらうように説得をいたします。しかしながら、どうしても本人の名前を書かないということがありますので、その場合には、捜査員から領収書の作成を拒否した理由を書面で報告させて、それを取扱者である捜査員の上司が確認をしているということであります。 ただ、その場合に、実在する他人名義の領収書であるか否かについては、これは十分捜査員から協力者に確認をしろということを強調しておりまして、今委員おっしゃったように、他人名義の名前を書いたらその人が実在をしていたということであれば、あるいは迷惑をかけるということが十分考えられるわけでありますので、そういう確認をして、実在する他人名義であることが明らかな領収書については、これは受領しないということで現在は運用しておるところでございます。
○吉井委員 今のお話を聞いていますと、要するにこれまではやっていたということですね。現在はというお話で。 要するに、暴力団のお話がありましたけれども、その人の名前で書いて、もし表へ出たときに危害が及ぶ、それを避けるために実在する他人の氏名を利用するということを許してしまうと、実名で使われた方の人を、自分が知らない間に、身に覚えもなく、防御しようもない危険にさらすことになる、それは警察の存在目的に背馳する、こういうことになるということで、これはやっちゃならないということですね。確認しておきます。
○吉村政府参考人 基本的には先ほど申し上げたとおりでございますが、そういう形で領収書をいただいている関係もありまして、当該文書について、すべての人の前にその当該領収書をさらすわけにはいかないということも御理解いただけると思います。 それで、会計検査院等からお尋ねがあったときはもちろんお見せをしておりますが、一般の情報公開対象からはそういう部分は外させていただいて、その種の危険が万が一にも発生をすると問題でありますから、そのように対応しているところでございます。
○吉井委員 そのように対応って、現実に実在する他人の氏名を使っておったんですよ。だから、その人を北海道の場合なんかは確認して、それで本人は、もらっていない、何でおれの名前が載っているんだ、こういうふうになってきたわけですから、あなたのように逃げちゃだめなんですよ。 あわせて伺っておきますが、氏名というもの、氏名権というのは人格権の一部であって、承諾なく使用し、事実に反することを記録することは、これは不法行為に当たりますね。
○吉村政府参考人 領収書に他人名義の名前が何らかの形で存在をするケースがあり得るということは今申し上げたとおりでございますが、当該行為について何らかの不法行為に当たるのかというお尋ねであろうかと思いますが、あくまで個々具体的な事案に応じて判断すべきものと考えますけれども、今申し上げましたような範囲の中で証明として使われているという限りでございますから、その部分について、一般的には何々罪に当たるということは普通考えられないと思います。
○吉井委員 警視庁生活安全部銃器対策課のにせ領収書事件、これについては、勝手に名前を使われた被害者が損害賠償を求めた事件ですが、これは東京高裁で、被害を受けた方、原告は勝訴となり、上告されましたが、最高裁で上告棄却。だから、警視庁の方の上告棄却で、これは結局最高裁で確定判決になっているんですね。 氏名権は人格権の一部だ、承諾なく使用し、事実に反することを記録することは不法行為だ。きちんとこれは判例として確立してきたものであって、また、その危害の及ぶのを避けるため、実在する他人の氏名を利用するのを許容することは、当該他人を、身に覚えなく、防御しようのない危険にさらすことになる、警察の存在目的に背馳するんだ。これはきちんと最高裁も認めて確立したものですから、そのことを離れて、何だかだとこれをあいまいにしてしまうということはとんでもないということを言わなきゃいけないと思います。 これは、国家公安委員長、判例でもそういうふうになってきているわけですから、こういうことは今後やらないと約束されますね。
○小野国務大臣 国民の信頼を回復するためには、今先生からいろいろお話がございましたけれども、事案の早期解明、そしてまた、警察における会計経理の適正化の一層の推進を図ってまいりたい。今先生からお話がありましたように、改善策の中に、今先生からお話がありました点等々を早急に改善していきたい、そのように警察庁を督励してまいりたいと思っております。
○吉井委員 督励も結構だけれども、大体、最高裁の判例も考えないで、そういうさっきの官房長のような答弁では、これは本当に問題の解決につながらないということを言っておきたいと思うんです。 こうした警察の閉鎖性について、警察刷新会議は、二〇〇〇年七月の緊急提言の中で、「犯罪捜査の秘匿性を強調するあまり、警察行政が閉鎖的になるとともに、本来公開すべき情報が公開されないおそれがある。」と指摘していますね。警察は改革も刷新もまだされていない。 私は、総理も国家公安委員長も、解明すると先日も答弁しておられるわけですが、今審議している、計上した予算が適切に見積もられたものか、裏金分が入っているのかどうか、まさにこれは予算に直結してくる問題ですから、委員長、警察庁に、この予算委員会中に調査をして、予算委員会にきちっと報告するように取り計らっていただきたいというふうに思います。
○笹川委員長 理事会で協議をいたしますが、警察庁の官房長に申し上げますが、平成十六年度の予算を審議しておりますので、今、吉井議員の言われたことの理解ができれば、答弁できれば、今してください。
○吉村政府参考人 いろいろな警察活動、捜査活動をやっておりますから、捜査費、報償費を執行するに当たって、一〇〇%実名で領収書がとれるものではございません。それは御理解をいただきたいと思います。 実名で領収書をとれなかったときの扱いを慎重にやるべきであるということで、ただいまも大臣からお話もございましたが、警察庁の予算執行検討委員会におきまして、これはでき得れば本年度中に、この三月末までに予算執行のあり方を将来的にきちんとしたものと、より適正化すべく検討しておるところでございますので、そのように御承知おきをいただきたいと思います。
○吉井委員 今みたいな答弁じゃ、裏金問題は解決しないですね。本当にとんでもない話だと思う。 これは、私は、この予算委員会中にやはり調査をして、そして予算委員会に報告をする、そしてこの裏金問題の解決にきちんと対処していくんだということをやってもらわなきゃいかぬと思います。 委員長の方は後刻理事会で協議ということですから、これは、協議されるとしても、ぜひそういう立場でやっていただきたいと求めます。 あわせて、北海道警の疑惑と警察庁予算の報償費問題の解明に、原田宏二氏を参考人として招致されることを、委員長、求めたいと思います。
○笹川委員長 理事会で協議いたします。
○吉井委員 これも協議をされ、徹底解明がこの場でされるように強く求めます。 これは、北海道警だけの問題じゃないんですね。これは警察庁ぐるみの問題なんです。全国の警察で起こっているということについては原田氏も十日の記者会見で言っておられますが、原田氏の、私が提出した資料の一の「6 監査対策について」という中でも、これはごらんいただくとわかりますが、裏金の発覚を防ぐために、国の監査が行われるときには、架空の事件をでっち上げたり、警察庁や本部会計課の予備検査が行われましたと。 その後の報道では、より具体的に証言しておられます。原田氏が会計検査院の検査を受けた一九八三年五月から八五年三月の道警本部生活課長時代、検査の始まる三カ月前から会計書類を書き改める準備が始まる、これを道警本部会計課が何度もチェックする、出張してきた警察庁の担当者が入念に点検し、矛盾を見つけると、道警本部会計課を通して、勉強してくださいと連絡する仕組みになっていたと言っています。勉強しなさいというのは、不正の隠ぺいの指示だとみんな認識していると原田さんは言っています。こういうのが警察庁と道警ぐるみの裏金隠しということになると思うんです。 この問題は、北海道警だけの問題じゃなしに、警察庁自身の問題でもあります。私は、警察庁も含めて調査し解明するべきだと。これは、解明の対象の人が物を言ったってだめなんですね。国家公安委員長として、その立場できちんと解明する、国家公安委員会がその立場で臨むということを明らかにしてもらいたいと思います。
○小野国務大臣 資料の一ページの真ん中あたりを拝見させていただきますと、(2)の後半のところに、「この仕組みに関与した全組織の幹部やOBも責任を負うべきだと思います。ただ、念のため申し上げますが現在もこうしたことが行われているかどうかは、私には確認できません。」本人がそのように言っておりますように、私どもは、この件に関しましては、十分に、適正に行われているかどうかも含めまして、捜査を検討させていただく、それが予算執行検討委員会の仕事でもございますし、可能な限り早急に、今年度末をめどにいたしまして結果を生み出していきたい、そのように考えております。
○吉井委員 これは、国家公安委員長がやはり国家公安委員会挙げて徹底調査に当たる、それをやらないと全く解決できませんよ。 資料五のところにつけておきましたが、この資料の五を見ていただくとよくわかりますが、この種の裏金づくりはこれまでいっぱいあるんですね。古くは一九八四年の元警視監の松橋忠光氏が著されたもので、「わが罪はつねにわが前にあり」という中でも、空出張、やみ手当、全警察組織でやられているということを告発されました。 松橋さんの本、これは出されたもののちょうど二百九十ページにありますが、「会計検査失敗事件」ということで、これはこういうふうに書いていますね。 万全を期して検査の日を迎えたつもりでしたが、出張日及び休日と捜査費支出日の重複という基礎的不注意があり、しかも何度かの点検でも気づかずに最終段階を迎えたことが致命傷でした。……このような結果を招いた原因について遠因近因いろいろ思い当りますが、それは私どもがじっくり反省し将来に活かすこととして、さて対会計検査院との関係でどのような説明が可能か、あれこれ考えましたが、あまりに数多い誤りでどうにもよい知恵が湧かず、結局福岡県警備部長で警視正の国家公務員の身分を持ち、監督責任の最も身近な私が責任をとる以外にないと判断するに到りました。これは辞職さえすればあとのことはどうでもよいというヤケな気持からではなく、今回の失敗、不始末を全国の警備警察への影響から切り離すためには、福岡県の誰かが会計法規の初歩も知らず、目茶苦茶なことをしてしまったからだとせざるをえないと考えたからです。それでも「では県の会計課は何をしていた、管区は……」と次々に責任を追及されることを免れないでしょうが、「世にもまれなことをしでかした者」という烙印で私が責任をとるのが適当だと考えます。 ということで、警察庁の幹部の方に松橋さんはそういうのを出したということも言っておられます。 それで、松橋さんも言っているように、二重帳簿問題で、余りに数が多過ぎて、訂正処理が会計検査院にばれてしまった責任をとるということで語っているわけですが、二十年前もこういうことがあったんですね。北海道警の話は今なんですね。だから、昔も今もと。 それから、福岡でも北海道でも、もう空間を超えてというか地理的にも広がっていて、そして、この資料五をごらんいただければおわかりのように、この二十年間、ずっと時間的にも連続し、地理的にも、これは愛知県警、長崎県警、熊本県警、警視庁、高知県警と、内部告発や報道で、同じような裏金づくりの内情が告発されています。そして、今回の北海道警です。これまでこれだけ告発されながら、警察庁は捜査の秘密だとかそういうことを理由にして何ら解明をしていないままうやむやにしてきた、ここにやはり最大の問題があると思うんですね。 国家公安委員長、これだけ時間的にも空間的にもずっと連続して、はっきり言ってしょっちゅう起こっている。こういう問題について、国家公安委員長は今度の予算執行検討委員会で調査して国会へ報告しますとか何とか、それは当然の話なんですけれども、しかし、それは身内の調査なんです。同時に、外部監査制度の導入をやはり本気で考えていくと。身内でやったってだめなんですよ。だって、二十年間続いているんだもの、北海道から九州までずっと地域も続いているんですから、これでは、告発され、指摘された内容の解明さえまともにできないと言わざるを得ません。 重ねて伺いますが、委員会で形はつくっても、型どおりの調査で、またまた捜査上の秘密を持ち出して幕を引くことはできない。これは私が言っているだけじゃないんですよ。二月十五日付の地元の北海道新聞も社説で書いているぐらいですが、やはりそういう立場で、これは国家公安委員長として、外部監査制度の導入を本気で考えることも含めて、これは身内任せにしないで、公安委員会として徹底的に調査解明すると。これをやらないと、私は、この問題はこれからもずっと続く、解決されないと思います。公安委員長の答弁を求めます。
○小野国務大臣 お答えさせていただきます。 警察庁におきましては、先ほどから申し上げておりますように、予算執行検討委員会をまず設置させていただき、連日、これは会合を続けさせていただいております。そしてまた、道警の方におきましても委員会を設置されたというお話を伺っております。その両方で連絡を密にいたしながら、解明、究明に当たってまいりたい、そのように考えておりますし、警察の会計検査のあり方を私自身も少し勉強させていただきたいとも思っておりますけれども、会計検査におきましては、捜査に非常に密接な関係を有するわけでございます。先ほどからお名前の出し方において疑問があるというお話がございましたけれども、外部監査をにわかに導入するということはいかがなものか、そういうことを考えている一人でもございます。 とにかく、今先生からるるお話ございましたけれども、大事なことは、国民の信頼を回復させるために、いかに事案の早期解決、内容をきちんとしていくということ、会計経理の適正化の問題でございます。これを一層推進していくということが、警察庁にとりましても、また、北海道警察と連携いたしまして事案の早期解明を図るということが何よりも大事なことでございますので、会計経理における改善策の検討を一生懸命早期に進めてまいりたい、そのように督励してまいりたいと思います。
○吉井委員 これは、北海道はもとより全国各地で、マスコミ等でも言われているように、言っちゃ悪いけれども、泥棒が泥棒を捕まえるようなことを考えたってできないように、やはり内部でいろいろやったってだめなんだ。やはり外部でちゃんと調べるという制度を本気で考えないと、これまで二十年間ずっと続いてきているんですから、もっと前からもそうですが、これじゃ解決されない。 私は、国家公安委員長としてその立場で臨まれないとこれは解決につながらないということを申し上げ、そして、総務大臣には三位一体問題に関連して伺う予定でしたが、時間が参りましたので次の機会にお願いするとして、そのことはお断りして、時間が参りましたので、質問を終わります。
○笹川委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○笹川委員長 この際、お諮りいたします。 政府参考人として農林水産省消費・安全局長中川坦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○笹川委員長 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。 急遽で大変申しわけございません。農林水産省の消費・安全局長さんにお越しいただきました。 大分県で、きょう、九重町というところで鳥インフルエンザが発生したのではないかという報道が流れました。このことにつきまして、状況を把握している分をどうか御説明していただきたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。私も大分県出身でございますので。
○中川政府参考人 御説明申し上げます。 昨日の夜のことでございますけれども、大分県庁の方から私ども農林水産省の方に、鳥インフルエンザの発生を疑う例があるということで連絡が入りました。先生おっしゃいましたように、大分県の玖珠郡九重町で、チャボとアヒルを合わせて十四羽飼っておられる方ということでございますから、いわゆる養鶏家の方ではございません。十四羽飼っておられる、そこのチャボなどが三羽、四羽と死んでいるという連絡がございまして、県の方で調べました結果、鳥インフルエンザの発生が疑われるということで、本日でございますけれども、その検体を筑波にございます動物衛生研究所の方に運びまして検査をいたしてまいりました。先ほどのことでありますけれども、これが高病原性鳥インフルエンザH5亜型であるということが判明をしたわけでございます。 一月の十二日に、山口県で、鳥インフルエンザの例が確認をされました。現場の方で対応を適切にやっていただきまして、十九日の午前零時には移動制限を解除する、そういう目前にして第二例目が発生をしたということでございます。大変残念なことではございますけれども、一方で、この山口県での例を契機といたしまして、各都道府県に監視の強化をお願いしておりまして、その結果、早い段階で確認できたのではないかというふうに思っているところでございます。(発言する者あり)
○笹川委員長 もう少しですから、委員会も。私語を慎んでください。
○横光委員 どうもありがとうございました。 では、筑波の動物衛生研究所で結局確認されたわけですね。となりますと、やはりこの後の対応が非常に大事になってきますので、地元としっかりと連携をとって、感染経路等を中心に、そしてまたその対策等をとっていただきたいと思っております。 それでは、質問に入らせていただきます。——どうも済みません。ありがとうございました。 では、通告しておりました年金について、ちょっとお尋ねをいたしたいと思います。
○笹川委員長 農水省の方、ありがとうございましたですね。
○横光委員 ええ、もう言いました。どうぞ。 ことしは五年に一度の年金の財政再計算の年でございまして、それを受けて、政府の方が年金関連法案を国会に提出されたわけでございますが、残念ながら、国民の安心に資する、あるいは制度への信頼を取り戻す、そういったものにはなっていないのではないか、そういった声が非常に大きいわけですね。政府案が発表された後の各紙の社説、論説等では非常に厳しい評価でございましたし、国民もまた、この制度改正に対しまして非常に厳しい評価をしております。 直近の日経新聞に、十二日から十五日にかけての全国世論調査の結果が出ておりましたが、これを見ますと、やはり、この改正案を「評価しない」「どちらかといえば評価しない」を合わせると六〇%、とりわけ負担増が直撃する三十代、四十代の方々にとっては七〇%が不支持を表明しておるんですね。もっと深刻なのは、二十代、三十代の方、これから年金制度を支える人たち、これから何十年も掛けて、そういった二十代、三十代の人たちがこの制度そのものについて、「信頼していない」「どちらかといえば信頼していない」これが八〇%を超えておるんですね。 これはもう異常としか私は言いようがない。物すごいこれは深刻な問題だと思うんですね。八〇%のこれからの年金を支える人たちがこの制度を信頼していないとアンケートで表明している。私は大変大きな問題だと思っております。抜本改革の必要性が求められて久しいわけでございますが、やはりこういった国民の評価というのは、抜本改革には至っていない、そういった思いが強くしているんじゃなかろうかと思います。 与党の幹部の方が、今回の制度改革につきまして、新築ではなくリフォームだというふうにおっしゃった方がおられますが、まさにおっしゃるとおりだと私は思うんですね。しかし、結局、リフォームを幾ら繰り返しても、土台のところが、いわゆる基礎年金、国民年金、ここのところが空洞化を起こしている。いわゆるすかすかの土台の上に幾ら屋根をかえたり壁をかえたりリフォームをしても、しょせんは同じことの繰り返しになるわけですね。そこのところをやはり国民は心配している。土台からしっかりと直さなきゃいけないときではないかというのが私はこの改正のときだと思うんですね。 高度成長期にできた我が国の社会保障制度、これが、少子高齢化がこれまで激しくなったときにうまく機能するはずはないわけでございますので、建てかえを延ばしてリフォームでごまかしていたら、その後の建設費用はかさむばかりである、これはもう常識だと思うんですね。 そういった意味から、今回の年金改正は、私は、社会保障全体から見て、年金と医療と福祉、こういった制度横断的な形で取り組むべきではなかったかと思うんですが、そのあたり、厚生大臣、どのようにお考えでしょうか。
○坂口国務大臣 最後にお話のございました、社会保障、年金、医療、介護、これを一括して考えるべきではないかというお話につきましては、私も同感でございまして、そうしなければならないというふうに思っておりますが、最近、いろいろ私もこの年金問題、医療の問題考えておりまして、ただ年金、医療、介護という社会保障の中だけを考えておりましては、これはなかなか抜本的な改革ができ得ません。これらを含めた社会保障とそれを取り巻きます諸制度を同時にやはり考えていかないと、なかなかこれは決着がつかない問題である。またしかし、それらを決着がつかないからというので先送りしてはいけませんので、含めて考えるときを迎えているというふうに思っております。 リフォームではないかというお話でございますが、根っこの、根幹のところをリフォームしたということでございまして、これは建てかえたのと同じ意味を持っているというふうに私は思っております。
○横光委員 根幹のところをリフォームされたというお答えでございましたが、なかなかそれをそうだと納得する方は少ないんじゃなかろうか。こういった国民の声というものを、大臣、もうちょっとしっかり把握していただきたいと思うんですね。 ちょうど十年前、九四年に、いわゆる福祉ビジョンというもので、十年前は、少子高齢化を見据えて、年金と医療と福祉のバランス、これが五、四、一というバランスだったんですが、五、三、二と、年金五、医療三、福祉二と提案をしたわけですね。そして、その結果、介護保険制度というものが誕生した。いわゆる社会保障制度全般、横断的な改革の中で新たな介護保険制度が誕生して、そして、医療の費用を少しでも抑えようという形でスタートしたわけでございます。 当時、医療、今でもそうでございますが、年間一兆円ペースで上がるというような状況でございますし、その中心、一番かかる費用が老人医療であった、とりわけ社会的入院が非常に大きな原因であった、これを解消するためにということで介護保険制度ができた。医療費を削減しようとした。結果的には、その成果が出ているかといえば、必ずしもすべて出ているわけではない。さらにこれはフォローしていかなければならない。そういった思いから、私は、この三つを、バランスをもう一度横断的に考えていかなきゃならないのではないかということを申し上げたんです。 例えば、年金の場合、これはもう給付を下げざるを得ない、あるいは保険料を値上げせざるを得ない、負担増をお願いするしかない。となると、その分、医療、介護でいかに国民負担を抑えるかという制度改正が同時に必要ではなかったかということでお話を申し上げたわけでございます。 先ほど言いましたように、とりわけ若い層の方々が、保険料を払っても自分が受給するころにはもらえないのではないかというような制度不信が強いということを先ほど申しました。しかし、これは公的年金でございますので、公的年金である以上、必ず給付は受けられるわけなんですよ。たとえそれが上限下限があろうが、必ず給付は受けられる。それが皆保険の信頼の源であるはずなんですね。 ですから、そこのところをやはり若い人たちももうちょっと信頼を取り戻していただかなければならない。極端なインフレや、あるいは貨幣価値の激変などがたとえあったとしても、国が給付を保障するという公的年金、これが民間保険やあるいは積立方式との大きな違いがあるわけです。にもかかわらず、若い人たちがこれだけ制度に対して不信を持っておるということは、やはり説明不足ではなかろうか。 ここのところは、制度が破綻するようなことはないんだとはっきりと国民のとりわけ若い方々に、厚生労働大臣、明言していただきたい。どうぞ。
○坂口国務大臣 そのとおりでございまして、しっかりと説明しなきゃならないというふうに思っております。 特に若い皆さん方は、これから保険料の支払いをしていただかなければならないわけでございますし、これは過去と比較いたしますと、過去よりも保険料の負担というのは、少子高齢化の中に生きるわけでございますから、当然のことながら過去よりも多く御負担をいただかなければならないことは、それはもう御指摘のとおりでございます。そこのところをやはり御理解をいただく。そして、次の世代と次の次の世代、ここは差はないようにしていくということでなければならないというふうに思っております。 きょうも御論議ありましたけれども、過去のいわゆる年金制度が未成熟でありましたころと今とを比較すると、これはかなりな違いでございますし、そして今から三十年、四十年前の段階では、給料がそれだけ安かったわけでありますから、保険料も少なくなる。例えば、私が昭和四十一年に初めて勤めさせていただきましたときには三万円でございました。でも、多い方だったわけであります。初任給は一万円ぐらいだったというふうに思っておりますが、そのころでございますと保険料も安かったわけで、したがいまして、そういたしますと、そういう安い時代にまいりましたものの掛金は少ないということになってまいります。 そうしたことをお若い皆さん方にも御理解をいただきたいというふうに思っておりますし、これから先、また賃金が上がるということになりますと、現在のお若い皆さん方の保険料の分と、そのまたお子さん方の保険料の分というのはまた差が出てくるわけでありまして、そうしたことは御理解をいただきながら、この年金制度というのは続けていかなければならないんだということを我々もあらゆる機会を通じて御説明を申し上げて、御理解をいただかなければならないというふうに思っております。
○横光委員 おっしゃるとおりだと思うんですね。ですから、まず一番のこの制度に対する不信感というものをぬぐっていかなきゃならない。 その第一は、この公的年金制度は破綻することはないんだということをまず若い人たちに知ってもらう。そして、その負担の強弱、上下、こういったものは、今お話にございましたように、結局、働く若者が多かった時代と、今給付される人がふえてきた時代と、そういったものを若い人たちにも理解してもらう。また、給付されている人たちにもこれから理解してもらう。非常に私は、今何よりも説明が必要なときだと思うんですね。 そこで、この改正の問題点をちょっとお聞きしたいんですが、今回の改正の特徴として、基礎年金の国庫負担割合が三分の一から二分の一に引き上げられることになっております。 もともと、これは前々回、ちょうど十年前の九四年の改正で、当時の社会党の主張により、引き上げが法律に明記されたわけですね。そして、その次の改正時、二〇〇〇年の年金改正でも、法律の附則に明記されたわけでございます。しかし、財政当局は、財源がないという理由で立法府の意思を無視し続けてきたわけですね。しかし、そこが、ようやくここに来て重い腰を上げた。これは私は前進であると思っております。 しかし、一定の前進である。なぜ一定であるかというと、結局、必要とされる二兆七千億円の財源、これについて、内容はあいまいもこである。具体性が見られない。具体的なものは、年金課税強化による一千六百億円だけである。いずれ定率減税の廃止あるいは縮減などによる増税も予定されておりますが、それだけで果たしてこの二兆七千億円の財源を賄うことができるのか。到底それは無理でしょう。結局のところ、主な財源は二〇〇九年度における消費税率のアップにならざるを得ないということが、これはもう公然の秘密だと思うんですね。 この書かれております「所要の安定した財源」とは、事実上、消費税のことだと考えてよろしいんでしょうか。
○坂口国務大臣 二分の一への引き上げにつきましては、御指摘のとおりでございまして、私も記憶がございますけれども、当時の社会党の先生方が熱心に御指摘になったことも事実でございます。 今回、三段階に分けておりまして、平成十六年度におきましては、年金課税の見直し、そうしたことによる増収分を財源にする。十七年、十八年につきましては、現在ございます税制、その税制の改正を通じまして見直しを行って、そして、財源をそこから生み出すということでございます。与党の税制改正大綱でもそう書かれておりますし、その次の段階、三段階目におきましては、平成二十一年までの完全引き上げにつきましては、消費税を含む抜本的税制改革を実現した上で行うことと明記をされているところでございまして、こうした三段階におきまして実現をできるだけしたいというふうに考えております。
○横光委員 どうもありがとうございました。 それで、この保険料の水準の固定方式、これも私はある意味では評価といいますか、国民に、保険料を払う方々には少しは目安が見えてきた。これまでの改正ではどこまで保険料が上がるかわからなかった。そういった意味では、上限を今回決めたということは、ある意味ではわかりやすくなったということは言える。ただ、このことにみんな賛成しているわけではないと思うんです。 いわゆる加入者の保険料を毎年〇・三五四%ずつ引き上げ、最終的な保険料水準を一八・三%を上限とする、このことによって受給額の方は現役世代の所得の五〇・二%が維持されると説明されております。しかし、現在の所得代替率は五九%ですね。給付水準は一割近く下がることになるわけでございます。 こういった指摘に対しまして、自民党の安倍幹事長さんたちは、さきの総選挙で、名目額は維持するから受給額が下がる人はいないんだというようなことを訴えていたと思うんですね。これは経済成長を前提としている以上、名目上の手取りはそれは下がりませんよ。しかし、実際の目減りは、これは減るわけですから、受給額が下がる人はいないというような言い方をすると、これはすりかえ的な発言になってしまいますし、やはりこういった無責任な政治家の発言が今言っている制度への信頼を失わせていくことになりかねない。 私はやはり、ここは、きつくても、つらくても、受給額は目減りせざるを得ないということをやっぱり国民に知らしめるべきだという思いをいたしておりますが、いかがでしょうか。
○吉武政府参考人 御説明申し上げます。 現在の給付水準を維持いたしますと、厚生年金の保険料率は、国庫負担割合を三分の一で申しますと二六%、二分の一に引き上げましても二三%まで上昇するということになってまいります。現在の西欧諸国の保険料水準はほぼ一八あるいは一九、二〇という水準でございまして、これを相当大きく上回るということでございます。 先生がおっしゃいました給付水準の調整方式でございますが、賃金あるいは物価の上昇に応じて年金の額を改定していくというのが基本でございますけれども、年金の支え手になる現役の方が減ってまいりますので、その現役の方が減ってまいります部分を今の物価あるいは賃金の引き上げから調整させていただきまして、約二十年かけて先生がおっしゃったような所得代替率ということでございます。 ただ、賃金の上昇あるいは物価の上昇というのを想定いたしておりますので、例えば二〇二五年度で申し上げますと、名目額では二十九万二千円、物価上昇分を控除しまして現在の購買力に直しますと二十三・七万円という形でございまして、本来の年金水準が現在二十三万一千円でございますので、現在の年金水準の購買力、これは維持することができるというふうに考えております。
○横光委員 これからの受給を受ける人たちは、一人当たりの賃金伸び率からスライド調整率を引いたものが受給額に反映される。今、説明がございましたね。しかし、先ほど言いました五割の給付を確保するためには、実質一%の経済成長、名目は二%です。それと一・三九%の出生率、この二つの幸運が続くことが前提なんですよ。ということは、やはりあくまでもそれは目標であって確定ではないということにならざるを得ない。 確定給付と言っておりますが、これはもう確定拠出型になってしまうんじゃないか。要するに、ここも、先ほど私が言いましたように、やはりそういった経済状況、出生率によっては、五〇%が下限と決めておりますが、これだってどうなるか正直わからないわけですから、そうなりますと確定給付型ではないわけですね。このあたりの説明も私は必要だと思っております。 次に、今回の年金の一番の問題は、どうしても国民年金の空洞化だと思うんですね。 ここの空洞化の原因、いろいろあると思うんですね。やはりこういった経済状況、不況によって失業してしまって一万三千三百円なんて払えない。当然ですよね。そういった経済状況が原因でもあろう。あるいは、先ほど言った制度に対する不信感で、もう年金なんか入らぬでいいという考えで払わない人もいるだろう。 それと、もう一つ私が問題にしたいのは、この徴収事務の問題。国への移管により社会保険庁の徴収事務となったわけですが、私は、この対応のおくれがこの国民年金の空洞化に大変大きな原因の一つがあるんじゃないかという気がいたしております。 地方分権一括法によって、それまで国民年金保険料を徴収していた市町村にかわって国が保険料を徴収することになったんですが、このことによって事務拠点は十分の一、職員数は半数程度となり納付率の激減を呼んでおる、これは事実ですか。
○吉武政府参考人 御説明申し上げます。 今、先生がおっしゃいました事務体制の変更といいますか、この面が影響しているという点は否定できません。 ただ、六二・八%という形で検認率が約八%低下したわけでございますが、最大の要因は、それまで個別の事情によりまして特例免除という仕組みをとっておりまして、特例免除という仕組みは、個別の事業の状況等を見ましていわばある裁量の幅で免除を考えるという仕組みをとっておりましたものを、これを失業あるいは災害、そういう明確な場合に限定をするということで四%ほど収納率が落ちております。 あと、郡部を中心としまして、いわゆる納付組織の御協力をいただいておりましたわけでございますが、ここの接続が十分に、円滑にいかなかったという点がございます。 それからもう一点は、やはり雇用の影響が出ておりまして、厚生年金から国民年金に移行される方がふえておりまして、そこの影響が多分一%程度あるだろうというふうに思っております。
○横光委員 それもお聞きしたかったんですね。これから企業の負担が大きくなるので、どうしても正社員からパートあるいは派遣という形になる、そのことによって国民年金の人たちがふえる、また空洞化がふえる、こういったものも指摘したかったのですが、その前に今の問題。 これ、私は今、激減した、その認識はあるかと聞いたんですが、そのお答えは余りなかった。物すごい激減の仕方をしておるんですよ。これまでの市町村が取り組んでいたときは、本当に一生懸命、各市町村は努力してきたんですよ。私の知っているところでも、自転車に乗って、夜八時ごろまで会えないときは行って、そして国民年金の必要性を説明して、そして理解をしていただいて納付してもらうというようなことを本当に一生懸命やっていたんですね。これは全国の市町村がそうでしょう。それから今度の社会保険庁になったときには、納付率が激減した。 例えば、二〇〇二年度に移管されたわけですが、全自治体の約半数、千五百二十七市町村で納付率が前年度より一〇ポイント以上落ち込んでいた、こういった報道もございます。しかも、二〇ポイント以上の大幅下落となった百九十二市町村の約八割は前年度まで八〇%以上の高い納付率を記録している。 つまり、結局、徴収に熱心だった自治体ほど、社会保険庁に徴収義務が移管された後は下落幅が大きいんですね。これは制度の信頼を著しく失墜させると私は思う。ここのところは、いいかげんな徴収業務で未納者がふえているような状況で、先ほど言いましたように、何で上の方をかえて国民が信頼しますか。ここのところはどういう対応をこれからされるわけですか。お聞かせください。
○吉武政府参考人 今、先生の御指摘、確かに郡部の方で、先ほど申しました特例免除の比率が高い。それから、納付組織が非常に機能いたしておりません。そこで収納率が減っているケースが多いということでございます。 私どもとしましては、今申し上げましたようないろいろな、例えば農協でございますとか、あるいは地元の商工会でありますとか、あるいは自治会でありますとか、そういうところは納付に御協力をいただいておりますので、そういう納付組織に御協力いただくような体制をこれからつくっていきたいというふうに思っております。 それから、今回の制度改正の中にも入れてございますが、例えば免除制度につきましては、もうちょっときめ細やかな免除制度、多段階免除ということを検討していくということとか、あるいは、一部お願いを申し上げても払っていただけない方がおられますので、主に高所得の方でございますが、こういう方を中心に、最終的には強制徴収という手法も考えていくというようなことがございます。 そういう点での対応も図ってまいりたいというふうに思っておりますし、それから、市町村の例えば広報における御協力みたいなこともお願いをしていきたいというふうに思っております。
○横光委員 今、それは地方の、地域のいろいろな納付組織、こういったところにお願いしようというお話もございました。 これは前はあったんですから。それで移管されたらなくなったんだ。またお願いする、そう簡単にはいきませんよ。そして、それだけでは到底この激しい未納に対処できません。強制とか言っておりますが、全般的には手が回らないと思う。 私は、もとの制度に戻すべきであると思いますよ。そうすれば、やはり市町村が一番、税のことも、あるいは生活のこともみんな知っているわけですから。では、社会保険庁はわかりますか、税の状況が。だから、そういったこともすべて地元、地方がこれまで頑張ってきたということがあるので、私は、そういった制度でなきゃ到底この納付率を奪還することは不可能に近いという気がいたしております。これは質問じゃありません。 いずれにいたしましても、この国民年金の空洞化というものが解消されない限り、国民の年金制度への信頼はなかなか取り戻せない。ですから、最終的には、最初申しましたように、基礎年金の部分の、いかにその未納者をなくすか、あるいは第三号被保険者をなくすか。いろいろな形でいくためには、私は、最後は税で賄っていくしかない、このようなことを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○笹川委員長 これにて横光君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○笹川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 三案審査のため、明十八日午前九時二十分、参考人として株式会社東京証券取引所代表取締役専務吉野貞雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明十八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十分散会