法務委員会 第33号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2004/06/02
会議録
○柳本委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局長栗本英雄君、法務省民事局長房村精一君、法務省刑事局長樋渡利秋君及び法務省入国管理局長増田暢也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柳本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○柳本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻惠君。
○辻委員 民主党・無所属クラブの辻惠でございます。 民主党は、この第百五十九回通常国会に刑事訴訟法の一部改正案を提出いたしました。その内容は、取り調べ時の弁護人の立ち会い権を認めること、録音、録画等捜査の可視化を図ること、そして人質司法と言われる今の保釈制度の改善を求めることを主な内容とするものであります。この法案については、四月二十日に質疑、答弁が行われ、残念ながら四月二十三日に否決になりました。 私は、この問題を実現することが、日本の刑事司法、そして捜査の適正化のために極めて焦眉の課題であり、緊急不可欠であると思っております。そのような問題意識から、五月十七日の決算行政監視委員会におきまして、捜査の可視化、そして弁護人の立ち会い権の問題について、引き続き法務省の刑事局長に質疑を行わせていただいておりました。 本日は、この民主党の提案がまさに立法事実に基づくものであるということを端的にあらわすような例が鹿児島の地において明らかになっております。先日の民主党の提案のときに、質問者であられた与謝野馨委員は、時期尚早であって、民主党の提案はある意味フライングぎみではないかというふうにおっしゃられましたが、しかし、現実はそんな、一刻の猶予もならない、非常に重大な問題が現に生起している、こういう現実があるわけであります。そういう意味におきまして、民主党の提案の立法事実は十分に熟した形で存在しているということを冒頭で強く述べさせておいていただきたいと思います。 どのような事案かということについて、新聞報道や、そして現に国家賠償訴訟が鹿児島地裁に対して提訴されているということにかんがみて、事案の概要、これはあくまでも真偽はいずれ司法判断にゆだねられることではありますが、具体的にどのような事実が報道されているのかということについて、まず冒頭で御紹介させていただきたい、このように思います。 これは、昨年の統一地方選挙、四月十三日に投開票が行われた鹿児島県議会選挙の曽於郡区で、定数三名、主な町としては志布志町がありますが、ここで中山信商店を経営されている中山信一さんが無所属で立候補されて、当選された。その後、自民党に入党されたのでありますが、六月四日に逮捕され、六月二十五日、七月二十三日に再逮捕、再々逮捕され、七月十二日付で県議を辞職されております。現在、鹿児島地裁で裁判が係属中であって、少なくとも五回にわたって鹿児島地裁の保釈決定が出ているにもかかわらず、検察側の抗告によって、これは高裁の支部でそれが取り消され、保釈がまだ実現していない、まさに人質司法と言われる現実がここに現出している、このような例であります。 この中山信一さんは、みずからが辞職した鹿児島県会議員の補欠選挙が七月十一日の参議院選挙と同時に行われるということで、本日六月二日に、獄中から、県会議員選挙に立候補するということを表明される予定であるというふうに伺っております。 私がこの問題の中で注目すべきと考える点について、まず、新聞報道等を引用しながら、御紹介させていただきたいと思います。 新聞報道によれば、少なくとも十五名が逮捕されて、そのうち十二名、そして引き続いて一名、合計十三名が起訴されて、現在、同じ裁判体で公判が行われている。そして、中山信一さん御夫妻の奥さんが先日保釈決定になって、まだ御主人の元県会議員の方は保釈決定になっていないという現状であります。この逮捕された十五名の方々のうち九名の方について再逮捕されている、そしてそのうち四名の方が再々逮捕されているということであります。 これは、学説や判例で指摘される、講学上の違法捜査と指摘される事例がふんだんに、盛りだくさんにこの現実の中にあらわれているというふうに思います。具体的に、新聞報道等に基づいて引用してみたいと思います。 まず、川畑幸夫さんという五十七歳の方につきましては、四月十三日の投開票の翌日の四月十四日の朝八時に志布志警察署が車で乗りつけて、今から任意同行するんだということで、朝八時から夜の十一時まで、翌日に任意同行と称して、そこで任意の取り調べをやっております。この取り調べは、四月十四日から十六日の三日間、朝八時から夜の十一時までの間、継続して行われた。また、六月五日から十七日までの間の十三日間について、やはり任意ということで捜査が行われ、取り調べが行われているわけであります。そしてさらに、六月二十九日から七月十六日まで十八日間にわたって、さらに任意同行による取り調べが行われ、ようやく七月二十四日に逮捕された。しかし、八月十三日付で処分保留で釈放になり、昨年の十二月二十六日付で不起訴処分になっている。このような例があります。 この方の取り調べの内容を見ますと、例えば、捜査官が言った言葉として引用されておりますが、このわろは血も涙もないやつだ、親や孫を踏みつけるやつだと言って、捜査官が、A4の紙に、マジックで書いた紙に何回も足を持っていって踏ませようとしている、現に踏ませているという現実があります。 どのような内容かといいますと、お父さんはそういう息子に育てた覚えはない。つまり、この方のお父さんの名前をまず書いて、お父さんはそういう息子に育てた覚えはないという、マジックインキでA4の紙に書いて、それをその上から本人に踏ませるように捜査官が足を、強要して踏ませている。また、元警察官の娘をそういう婿にやった覚えはない。これは娘さんが、嫁ぎ先のお父さんの名前を書いて、元警察官の娘をそういう婿にやった覚えはないということをA4の紙に書いて踏ませている。さらに、沖縄の孫、早く優しいじいちゃんになってね。これは孫がそういうふうに呼びかけているような紙を書いて、それを踏ませている。 これは、いわばキリシタン弾圧の踏み絵に似たような、踏み字というふうに当事者たちは呼んでおりますが、このような行為を強要しているという事実があります。それで、四月十七日から三十日の間には曽於郡の医師会立病院に入院を余儀なくされるような事態になっていたということがあります。 また、山下邦雄さんという七十二歳の方。この方は捜査官からどのように言われているのか。これは有留弁護士さんという方の、弁護人の意見陳述書に記載されている事実であります。井上弁護士という弁護士さんが、中山信一さんと同じくこの方の弁護人についていた。井上弁護士は中山さんの弁護士ではないか、中山さんが逮捕された後は弁護士から捨てられるよ、だからあなたが井上弁護士に依頼をしても裏切られるんだということを言って井上弁護士を解任させている、現に解任したという事実があります。 また、懐俊裕さんという五十四歳の方について、この方も任意同行を繰り返し、疲労のために自殺未遂を行っている。おまえが逮捕されれば名前が出るから子供の将来もないし、財産もなくなるぞ、こういうふうに言って、その翌日、自殺未遂を行っている。 また、藤元いち子さんという方。この方には、認めなければ何度でも逮捕できるぞ。やってないと言うとうそをつくなとどなられ、おまえが認めないのであれば東京の刑務所に行くぞ、こういうことを言われている。 そしてまた、藤山成美さんという女性でありますが、机をたたかれて、今にも身体がたたかれそうだと畏怖するような過酷な取り調べが行われている。それで、お金をもらったと言えば早く帰してやるよと。 また、川畑まち子さん。この人は逮捕されておりませんが、このうそつきやろう、外道者と大声でどなられている。十二時間同じ姿勢を強要されていることのために、結局、八月五日から二カ月間、頸椎ヘルニアのために入院して手術をして、九月三十日に退院をしている。おまえは麻原以上だ、おまえだけは絶対に許さない、早くサインをしろと無理やりペンを持たせて押しつけたりしている。 また、津曲さと子さんという方。この方も逮捕はされていませんが、すごいけんまくでどなられて、暴力団みたいだったという感想を漏らしている陳述書があります。 そして、永山トメ子さん、七十三歳の方。長時間厳しく取り調べられて、自宅トイレで倒れ、一時意識不明になった。 また、永利忠義さん、七十歳の方。この方も五月一日から長時間の任意の取り調べを五月四日まで受けて、五月八日の夜、自宅トイレで倒れて救急車で運ばれている。これは国家賠償請求訴訟の証拠で、救急車の搬送証明書が出ております。 また、山中鶴雄さん、七十四歳の方。この方は、四月十七日以降任意同行を繰り返され、連日の取り調べで疲労したために、四月三十日、交通事故を起こしてしまっている。 このような、まだまだ取り上げれば切りがない、もう違法捜査のオンパレードと言ってもいい事例がいっぱい起こっているわけです。 このことを要約しますと、任意出頭の名目をかりて、事実上の取り調べを長時間、長期間にわたって先行させている。しかも、再逮捕、再々逮捕を蒸し返しをしている。確かに、最終的な起訴事実を見ると、二月の二回そして三月の二回に、それぞれ三十万とか二十万とか現金を渡して領収したということで四つの公訴事実で公判請求されている方がいるということから見れば、それぞれは別の事案だということが言えるかもしれないけれども、しかし、一体的にそれは捜査が可能であったわけでありますから、これは不当な逮捕、勾留の蒸し返しであるというふうに指摘される余地があると私は思うわけであります。 また、暴行、脅迫や利益誘導の取り調べがなされている。弁護人解任を慫慂する違法な取り調べがなされている。そして、疲労のあげく、病気で入院したり、また交通事故を起こしたり自殺未遂に追い込まれる人も出ている。そして、踏み字を強要するというような事実。また、多くの方が高齢であります。起訴されている十三人の方のうち、七十二歳、七十三歳、七十五歳の方々がいらっしゃる、ほとんどが六十歳以上。このような事例であります。 そして、しかもこの主犯とされている中山信一さん、前鹿児島県会議員の方については、いまだ保釈をされていない、まさに人質司法と言われるような現実なのであります。 さらに、二〇〇三年九月二十日付の南日本新聞によりますと、被告人の藤元いち子さんという方が任意同行を求められた、そのしばらくした後の四月二十日の日に、取り調べ室の中から携帯電話で自分の姉ともう一人に電話をしている。そして、お金を受け取ったのは、しょうちゅうと一万円もらったということにしてほしいというふうに、自分の実の姉ともう一人に電話をしている。 そして、それを受けた姉は、陳述書が出ておりますけれども、何を言っているのかわからない、戸惑っているところに電話がかかってきて、別の警察官から近くの派出所に来てほしいと。そこで取り調べを受けているんです。そして、六時半から九時過ぎまで取り調べを受けて、その藤元いち子さんが姉に伝えた内容の調書をとられている。これは、まさに捜査機関がそのような調書をとることを仕組んだとしか思えないような事案が生じている。 そして、この電話をかけた内容について、これは二〇〇四年の五月二十七日の南日本新聞の報道によれば、その取り調べた警察官が証人尋問されて、午前中の公判で、電話を藤元いち子さんがお姉さんにかけたときに録音していたんじゃないかと言われて、いや、していませんと答えた。ところが、午後の尋問では、本人に知られないうちに録音しましたということを答えている。それは、新聞報道によれば、午前と午後の昼休みの休憩の時間に、検事から、あんたはやっぱり録音していたんだろうということを指摘されて、うそをつくとまずいよと言われて、午後、供述を翻している。このような事実が出ております。 さらに、鹿児島新聞の二〇〇三年の七月十二日付の報道によれば、検察庁、鹿児島地検が国選弁護人の解任請求を行って、それを鹿児島地裁が解任を認めるという、そのような事実が存在しております。 その理由は何なのかというと、報道によれば、弁護士が接見禁止中の被疑者と接見したときに、親族の手紙、お父さん頑張ってねとか、あなた頑張ってねというような手紙を、メッセージをガラス越しに見せた。被告人を励ますために、被疑者を励ますために、証拠隠滅のおそれなど全くないような、そのようなメッセージを見せた。このことを理由に、国選の解任請求を鹿児島地検が行って、それを鹿児島地裁が決定する、認めるというようなことをしておる。 これは、鹿児島弁護士会はこれに対して抗議声明を出して、その後の二カ月間、国選弁護の推薦手続について拒否している、裁判所、検察庁のやり方が極めて違法であるということで拒否しております。このような事案、事例も生じています。 そして、この問題については、志布志町の有志の人たちを中心に、住民の人権を考える会ということが組織されて、一万人近い署名を集めて、公安委員会やいろいろなところで訴えておられます。 また、志布志警察の警察官だと称する人から匿名の手紙まで来ております。「私は警官であるのが恥ずかしい。違法な捜査で警官同士おかしくなっている。今、志布志署は、四浦を中心とする選挙違反の捜査で、進むも地獄・退くも地獄の状態だ。署長は「進む以外にないのだ」と、ことあるごとに言っている。 事情聴取のやり方は、昔の特高のやり方と同じだ。長く警察官をやっているが暴力以外の何ものでもないやり方だ。署長は「志布志式取調べだ。取り調べ方もそれでいいのだ」と言っている。」いろいろこれは書いてあります。 これは、すべて、真偽のほどは司法判断なりで明らかにされなければいけないし、しかし、これだけの大きな報道がなされ、たくさんの人々がこの問題を注視しているということは、まさに火のないところに煙は立たない、非常にそれに疑わしい捜査が行われたのではないかというふうに私としては思わざるを得ない。このような現実があります。 私は、やはりそこで、この問題は、まさに今の刑事司法で、自白偏重の取り調べ、そして利益誘導や拷問、脅迫による取り調べというのは過去のものではないんだ、現に起こっている、この日本の地で現に起こっているんだ、だからこそ捜査の適正化を図るための制度的なものを国会できちっと議論しなければいけない、このように思うわけであります。 個々に申し上げれば、田舎の警察署の最初の見切り発車の、ボタンのかけ違いを、県警本部がそれを追認し、しかも、事もあろうに鹿児島地検がそれを上塗りするような行動に出ていて、そして国選弁護人の接見の際に、親族の頑張りなさいというメッセージを見せただけで解任請求した事案なんて、これは、日弁連がそんな事実はないと言っております。過去、空前絶後だというふうに日弁連が言っている。 このように、検察庁自身も行き過ぎた警察の捜査を抑制できない、このような、ある意味でドミノ式に、どんどんどんどん、最初のボタンのかけ違いが最後まで行ってしまうような、この日本の捜査のありよう、現状に対して大きな危機感を持っております。これを何とかしなきゃいけない。 このようなことについて、私は、警察庁なり、やはり法務省に対して、どのようにこれを是正していかなきゃいけないのか、この事実の真偽はともかくとして、仮にそのような同種の事案があるとしたときに、やはりそれは看過できないものであって、どうすべきなのかということを真剣に考えていただきたいと思います。 まず、大臣、真偽のほどはともかくとして、捜査のあり方について、より適正な捜査に向けた議論を国会で真剣にきちっとやるべきだというふうに私は思いますが、この点はいかがでしょうか。
○野沢国務大臣 私も、今委員のお話しになりました事実は大変な問題だなと、今伺っておりまして感じたところでございますが、刑事事件の捜査において問題があるといたしますれば、国政調査権を持つ国会の一つの権限としまして、必要な範囲でこれについての御議論をいただくことは当然あるものと考えております。
○辻委員 それでは、具体的に、一般論としてですが、捜査のあり方として、それは捜査の適正、そして取り調べで任意性を確保するという観点から問題があるのかないのか、どのように問題を考えるべきかということについて、まず警察庁の方にお考えを伺っていきたいというふうに思いますが、まず、任意ではあれ、身柄拘束後ではあれ、長時間の取り調べを行うということについてはどのようにお考えでしょう。
○栗本政府参考人 今お尋ねの取り調べにつきましては、改めて申すまでもなく、私ども、真相解明の上で必要な、刑事訴訟法上認められた捜査手法でございます。しかしながら、当然のこととして、被疑者の取り調べに当たっては、人権保障に十分に配意していくことが必要だと感じております。 また、お尋ねの、取り調べに必要な時間に関する問題でございますが、これはそれぞれの事案の内容とかそれから被疑者の性格等によりまして、それぞれ異なってくるものだと思いますが、例えば個別の取り調べに当たりまして、途中で休息の時間をとるなど、被疑者の人権保障、特に任意性の確保、これに十分配意した適正な取り調べを行っていくべきものと考えております。
○辻委員 犯罪捜査規範の百六十八条の三項によれば、「取調べは、やむを得ない理由がある場合のほか、深夜に行うことを避けなければならない。」とありますね。これは、深夜というのはどの程度のことを指すんですか。
○栗本政府参考人 規定上、今委員御指摘のように、百六十八条の三項に、やむを得ない理由がある場合のほかは深夜に行うことを避けなければならない、これは御指摘のとおりでございます。 ただ、具体的に、数字的に、例えば午前二時から三時とか、具体的な数字としてここで定めているものはございません。当然ここは、委員御指摘のように、任意性の確保が十分できるのか否かという観点からの規定でございますから、社会通念上、そういう一般の方が、またその地方地方によって違うかと思いますが、そういうことにおいて、深夜にわたる取り調べであり、その任意性の確保に疑念を生じるということのないような、時間帯を避けるべきだという考えであります。
○辻委員 根拠となる法令等につきましては、犯罪捜査規範とか被疑者留置規則とか、また、各都道府県ごとにだと思われますが、留置場管理運営規定等々で、日課が大体決められていると思うんですね。 東京の場合を、正確ではありませんけれども申し上げれば、たしか六時か六時半に起床をして、そして七時か七時半ぐらいから朝食をして、九時前後に運動の時間をとって、そして昼前に昼食をとって、夕方はまた五時半から六時半ぐらいの間に夕食をして、そして七時からは安息になって、九時に消灯して留置場の一日が終わるというのが大体日課だと思うんですね。 ですから、少なくとも、拘束されている被疑者、まあ被告人の方でもそのまま代用監獄にいらっしゃる方もいるかもしれないけれども、その通常の時間というと、朝六時に起きて夜九時に寝るというのが通常の日課であって、それをベースに深夜とか時間の観念を考えるべきだと私は思いますが、こういう考え方についてはどうお考えですか。
○栗本政府参考人 今委員御指摘のように、これは警察の留置に対する適正な処遇を行うという観点から、留置担当部門において、留置場の適正処遇という観点から、今お話がございましたような日課時限というのがございます。したがいまして、これは当然、捜査部門におきましても、それを十分尊重した上で、捜査部門としての取り調べに当たるということを求められているだろう。 具体的に、今、起床、点検、食事、運動、就寝等についての日課時限が定められているということはそのとおりでございまして、私どもも、おおむね、平素の取り調べにおきましては、日課時限に沿った形で取り調べを原則として行うべきものと考えております。
○辻委員 八〇年代に入ってから、夜間でも、また執務時間外でも、弁護人が接見に行った場合に、代用監獄に行った場合に、会わせてもらえるというか、もらえるというのは、権利ですから、会うことができると言うべきだと思いますが、なっております。ただ、夜の十一時ぐらいに接見に行くと、本人がもう寝ているから、できれば、緊急でなければあしたにしてもらえないでしょうかというようなことを言われたりすることがあるわけですね。それでも会わなきゃいけないときは、起こしてくださいということで会ったりするわけでありますが。 つまり、留置場の日課の生活として、六時に起きて九時には寝るということからいえば、九時以降は、やはりこれは深夜だというふうに通常考えておかしくないと思いますね。任意の取り調べではありますが、この川畑幸夫さんという方については、送り迎えをされて夜の十一時に家に帰ってくる、だから、少なくとも十時半ぐらいまでは取り調べをされているわけですよ。こういう深夜にわたる取り調べが行われた、しかも最初三日間行われ、次に十六日間ですか行われ、さらに十九日間か何か行われている、これは全部任意同行という形なわけであります。 このように、深夜の問題は水かけ論になるかもしれないから、私は九時以降は少なくとも深夜だと思いますけれども、このように任意の取り調べを長期間にわたって繰り返して行うことというのは、一般的に考えて、一般的に考えてですよ、どのようにお考えなんですか。
○栗本政府参考人 もちろん、委員御指摘のように、任意の取り調べでございますから、相手方の御協力をいただいて取り調べを行う、これが前提になっているわけでございます。その上で、もちろん、先ほど時間の関係でも申し上げましたが、どれぐらいの期間を要して取り調べることがあり得るのかということについては、やはりそれぞれの事案の内容ごとにおいて当然異なってくることは御理解いただけるものだろうと思います。 ただ、今も申し上げましたように、任意捜査の一環として行う取り調べでございますから、今御指摘のような取り調べの期間というものをもちろん考慮することは当然でございますが、その他、事案の性質または被疑者に対する容疑の程度とか被疑者の態度とか、こういうような諸般の事情を勘案した上で、これもまた同じことを申し上げて大変恐縮でございますが、社会通念上相当と認められるような方法、態様、こういう限度において許容されるものとしてやるべきものと考えております。
○辻委員 具体的な捜査については、個々の、それぞれの事情がありますから、余り深く一般論として論じても生産的ではないと思いますが、例えばこの川畑幸夫さんの例を見れば、全部で四十日近く、三十五日ぐらいにわたって任意の取り調べが行われて、その後逮捕されて、そして処分保留で釈放され、不起訴処分になっている。これはもう嫌疑がなかったというふうに言って等しいわけですよ、後から考えれば。取り調べをしている時点には相当の嫌疑があったということをおっしゃるんでありましょうが、客観的に見れば、第三者的に見れば何なんだ、こういう問題が起こるわけであります。 そういう意味において、長期間にわたって任意の取り調べを繰り返すことというのはやはり一般的に考えて大きな問題がある、一般的に考えてそういうふうに言えると思いますが、いかがですか。 〔委員長退席、下村委員長代理着席〕
○栗本政府参考人 まさに、この問題は、長期間にわたって御協力をいただき調べること、それが、取り調べの過程で得た供述の任意性を疑わしめるような形でその期間の問題があるとすれば、それは慎重に考えなきゃいかぬと思いますが、それについては、先ほど申し上げましたように、全体の中で、本当にその期間が必要か否か等々、そういう問題を一つ一つ慎重に考えて判断していくべきものと考えております。
○辻委員 結局、思うような供述調書を得られなかったというのがこの例だと思います。 そこで、もう少し具体的に伺いますが、取り調べの方法として、一般論としてですよ、果たしてそれが適正と言えるかどうか、幾つかについて伺っていきたいというふうに思います。 まず、机をたたいたりどなったり、取り調べ室で捜査官が行うということについては、これはどうお考えですか。
○栗本政府参考人 一つ一つの取り調べの状況で、今委員御指摘のような状況をどう評価するのかということがあろうかと思いますが、私ども、現場的には、取り調べの過程で供述の矛盾とか非合理な点がある場合に、それを追及し注意喚起をする、こういう場合は当然あろうかと思います。しかしながら、当然、そういうような場合にあっても、取り調べに当たりましては、先ほど来申し上げておりますように、例えば脅迫その他の、供述の任意性について疑念を抱かれるような方法は用いては決してならないと考えております。
○辻委員 刑法の百九十三条ですか、公務員職権濫用罪か何かで、やはり威迫、強要、拷問等を行った場合にはこれは犯罪とされているという事実がありますね。つまり、だから、机をたたくというのは、ある意味ではこれは有形力の行使であるから、暴行に当たりますよ、外形的に言えば。構成要件的に言えば、外形的に言えば当たります。また、大声でどなるというのは、これはやはり威迫しているわけですよね。 だから、外形的にそのような事実は、やはり任意性を疑わしめる、事情がほかにいろいろあったとしても、とりあえず外形的には疑いを起こさせるようなことであるから、これは基本的に避けなければならないことだと私は思いますけれども、避けなくていいんですか。
○栗本政府参考人 今の御指摘の行為が、先ほど来御説明申し上げておりますように、そのどなるとかたたくとかいうような外形的な行為がどのような中で出てきたかということをやはりしっかりと考えなきゃいかぬだろう。 その中で、相手方に、例えば私ども、犯捜規範の中の百六十八条の一項に、取り調べに当たっては、強制、拷問、脅迫その他供述の任意性について疑念を抱かれるような方法は用いてはならぬとか、あるいは、取り調べを行うに当たっては、自己が期待し、または希望する供述を相手方に示唆する等の方法により、みだりに供述を誘導し云々等、供述の真実性を疑わせるようなものを用いてはならぬ、こういうことを私ども戒めにし、現場の第一線の取り調べ官もこの方針にのっとってやっているところでございます。そういうことにもとるようなことはいかぬだろうと思っております。
○辻委員 私も、これは問題として取り上げた以上、あいまいさを残した答弁が残ると逆に裏腹な関係になってしまうから、やはりちゃんと詰めて御回答いただきたいと思いますけれども、場合によっては机をたたいたりどなったりする捜査をする必要性があるんですか。許される場合があるということですか、今おっしゃっているのは。
○栗本政府参考人 ですから、そのような行為が相手方を威迫するというような形の中において行われたものであれば、私どもはそういう方法をとるべきでないと指導しておりますし、あってはならぬと。ただ、調べる相互の中で、相互の信頼関係なりいろいろな中で、例えば相手方をいさめる場合に多少声が大きくなるとか、そういうことは当然その中においてはあり得るだろう。しかし、それが、先ほど来申し上げているように、相手方に脅迫やその他任意性を疑わしめるような方法になるという形であっては決してならぬ、こう思っております。
○辻委員 概念をきちっと整理しましょう。 まず、外形的に、脅迫なり威迫なり、暴行に当たる外形的な事実かどうかということをまず言う。外形的に当たる場合には、これは捜査の必要性があってもやってはいけないことなんじゃないですか。今お答えになったのは、外形的にそれには当たらないと言える事案ですよ。信頼関係の中で机をちょんとたたくぐらいは外形的に威迫したことにはならないわけですよ。ですから、まず構成要件的に見て外形的に当たれば、それは違法なんじゃないんですか、それは許されないんじゃないんですか。外形的に当たるようなものでも許される場面があるということはおかしいですよ。どうなんですか、その点。
○栗本政府参考人 ですから、先ほどから御説明申し上げていますように、その委員御指摘の行為が具体的に相手方に対する強制とかそれから拷問、脅迫、こういうようなものに当たるとする、または、他の犯罪に当たるようなものであるとすれば、それはそういうものはやってはならぬと私どもは指導しておるところでございます。
○辻委員 私は、やはり有形力の行使だから、肩をぽんとたたくのもこれは避けた方がいいというふうに思いますけれども、信頼関係の中で、やあというふうに肩に手を回すことがあったとすれば、これは外形的に暴行とか脅迫とかに当たらないわけですよ。だから、そのような、まず客観的に、構成要件該当性的に見て外形的に当たる場合には、やはりこれはこの百六十八条一項で言う「強制、拷問、脅迫」、「疑念をいだかれるような方法を用いてはならない。」と。疑念を抱かれる方法でしょう、外形的にそれが当たるとすれば。それは基本的に避けるべきことなんじゃないんですか、きちっとそれを確認してくださいよ。
○栗本政府参考人 今委員も御指摘のように、具体的な事案の中で、手で机をたたいたとか、声を荒らげたというものがどういう状況の中でその行為が行われているのかということで、一般的に見て、そのような、外形的には、大声を荒らげたとか、たたいたというようなことが、それはあり得るだろうということは今御認識いただいているんではないかと思いますが、ですから、そういう行為が、もちろん具体的な個別の刑罰に当たるようなものはもちろんのこと、また、そこまでいかないとしても、私ども、任意捜査、任意性の確保の観点からやってはならないということを犯捜規範、御指摘の百六十八条に決めておるわけでございますから、そのような形になるようなものが行われたとすれば、それはいかぬことだろうと思っております。
○辻委員 だから、おっしゃっていることは、お互いがわかり合うような、特に問題とされるようなことがないような行為のことをおっしゃっているわけであって、極めてまれな場合に、それが、あえて目くじらを立ててこれは違法だとかいうふうに言われない場合のことをおっしゃっているわけであって、一般的に言えば、外形的に当たる場合にはこれは避けなければならない、百六十八条一項でも言っている疑念を抱かれるような捜査方法に当たるんだ、こういう理解でいいんでしょう。どうなんですか。
○栗本政府参考人 ですから、「疑念をいだかれるような方法を用いてはならない。」と書いてあるわけですから、そういう形で現場においては戒めていかなければいけないと思っております。
○辻委員 極めて特殊な信頼関係が推認できる、そういう場面以外の場合には、外形的にやはり一律にこれは妥当な捜査方法ではないんだということをお認めになっているというふうに答弁を理解いたします。異論があれば後で言ってください。 次に進みます。 お父さんはそういう息子に育てた覚えはないというような、自分の父親の名前を書いて、今言った文章をA4の紙に書いて、それを無理やり踏ませる。また、自分の娘が嫁いだ先のお父さんの名前を書いて、その娘の夫のお父さん、元警察官の娘をそういう婿にやった覚えはないというような紙を無理やり踏ませる。このような捜査方法については、どのようにお考えですか。
○栗本政府参考人 一般論として申し上げまして、取り調べに当たりましては、言動に注意をし、相手方の年齢、性別、境遇、性格等に応じまして、その方にふさわしい取り扱いをするなどその心情を理解した捜査を推進すべきものと考えております。
○辻委員 では次に、あの弁護人はあなたのために働かないよ、解任しなさいと弁護人の解任を慫慂することはどうお考えですか。
○栗本政府参考人 今の具体的な委員の御指摘の事実がどういうものかということは、もちろん個別具体的に判断しなければいけないものでありますので、あくまでも一般的ということで申し上げますれば、それが、先ほど来申し上げておりますように、任意性の確保、特に、私、先ほど御披露申し上げましたが、今申し上げたものがいわゆる脅迫その他の任意性に疑念を抱かれるものか否か、あるいは、例えば供述を誘導する、あるいはその他供述の信用性を疑わせるおそれのある方法という形で、もしくは今委員の御指摘のようなものがあるのであれば、そういう方法はとってはならぬと思っております。
○辻委員 いや、極めて問題な答弁ですね。そうすると、何ですか、任意性を疑わせない範囲、程度にとどめるんだったら弁護人の解任を慫慂していいということですか。そういうお答えですか、今のは。
○栗本政府参考人 ですから、具体的にどのような形で言われているかわかりませんので、例えば、個別具体の判断で今争われている問題については、それはどういうものが事実かということでございますが、一般論としては、私どもはその解任云々ということは、状況によっては先ほどのようなものになり得るということであれば、ある可能性がある、これは個別に仮定で今私が申し上げるのは大変おかしいものと思いますので、そういうものであるとすれば明らかにおかしい、こう思います。
○辻委員 いや、鹿児島の例と離れて聞いているんですよ。一般論として聞いていますよ。 今のお話だったら、原則と例外、例外があっては私はいけないというふうにも思いますけれども、一般的に、取り調べ官が被疑者に対して、おまえの弁護人は信頼できないよ、やめた方がいいんじゃないの、もう変えた方がいいんじゃないの、いい弁護士がいるから紹介してやるよということを言ったって、それが供述の任意性を覆すものでなければそれでいいということをあなたはおっしゃっているじゃないですか。そういう捜査方法を警察庁の刑事局長として認めているんですか、どうなんですか。
○栗本政府参考人 もちろんそのようなことを、どのような中で弁護人云々という話をするかということを踏まえて考えるものだろうと。ですから、一般的にその言葉がどういう中で出てきたのか。例えば、被疑者側からの供述でいろいろそういうお話が出て、相談に乗った中で何か話が出たというようなものか否かという状況も含めて考えるべきであって、基本的に先生御指摘のようなものが先ほどの疑念を持たすものであれば、それはいけないと私は考えます。
○辻委員 何か要するに、あいまいな玉虫色の余地を残そう残そうとしていますよ。つまり、現場でそういうことを慫慂しているからそういう発言しか出てこないんだと私は思いますけれども。 要するに、私が質問しているのは、被疑者の側から相談をしているとかそういう場面じゃないんですよ。捜査官の側から、意図的に、能動的に、主導的に、あなたの弁護人は解任した方がいいよということを慫慂する、まさに意図的に慫慂する行為を捜査方法として、それが供述の任意性を否定されなければやっていいというふうにあなたは考えているのかどうなのか、警察庁としてそのような見解を国会の場でちゃんと表明するのかどうなのか、その点をはっきりさせてください。
○栗本政府参考人 私ども捜査機関として、憲法でも保障されている弁護人の選任権については尊重されるべきものと考え、そういう観点からそのようなことを慫慂するということは好ましくないと思っております。
○辻委員 最初から何でそういうふうに素直に答えられないのか、極めて疑問ですね。 川畑まち子さんという方のケースで先ほど御紹介しましたけれども、早くサインをしろということで無理やりペンを持たせて押しつけようとしたというような陳述が出ております。一般論として、無理やりペンを持たせるようなことは、捜査方法としてはどうなんですか、どうお考えですか。
○栗本政府参考人 当然無理やりにペンを持たせるということが事実であれば、それは問題であります。
○辻委員 取り調べ中に電話をかけさせることということについては、まずこれは無理にかけろというふうに求めることについてはどうなんですか。
○栗本政府参考人 当然取り調べも含めまして、警察の捜査活動は、法令を遵守して、個人の自由及び権利を不当に侵害することがあってはならないと考えております。
○辻委員 電話を取り調べ中にかけている、その電話の会話の内容を、かけているその当事者の知らない間に録音することは、これは捜査方法としてはどうなんですか、許されるんですか、どうお考えですか。
○栗本政府参考人 これも一般論としてお尋ねでございますから、被疑者が電話をかけている状況を無断で録音することが許されるか否かというお尋ねだと思いますが、これは個別の事案ごとに、その録音の必要性、手段の相当性、あるいは被疑者が架電内容を捜査官に聞かれていることについての承諾の有無、こういうものなどを総合的に判断すべきものだと考えております。
○辻委員 承諾のない場合について聞いているんですよ。承諾のない場合に、無断でひそかに電話を録音することが、捜査方法として、それはどうなのか、いかがなのか、こういうことを聞いているんですよ。承諾があるかもしれないから、それで総合的に判断するということを聞いているんじゃなくて、承諾がないのにとることがどうなのかを聞いているんですよ。
○栗本政府参考人 先ほど申し上げましたのは、録音をとることの承諾ということではなくて、その相手方、先ほど先生がお話しの、相手方の会話がなされていることを、警察官がその場にいて、そのお話しされているという状況を、警察官がそこにいることが承諾されているような場合ということでありまして、録音をしてということを承諾という、そういうのを総合的に判断ということを申し上げたわけであります。
○辻委員 取り調べ室から被疑者がかけている電話の内容を、被疑者はそれが録音にとられているということを知らないで、もちろん承諾もしていないで、それをひそかに捜査機関が録音にとることがいいのかどうなのか、それが許されるのかどうなのかを聞いているんですよ。
○栗本政府参考人 いや、ですから、今そういう場合のいいか悪いか、是非のお答えでございますから、先ほど申し上げましたように、そもそも論として、被疑者が架電をしているところに警察官、取り調べ官が同席をしているということについての承諾はもちろんいただいているか否か、あるいは、今申し上げましたように、その場での具体的な録音のとり方の手段、方法の相当性、あるいは、そもそもそのようなことをとる必要があるのか否かということ、そういうような必要性、相当性など、これを総合的に判断をして、相手方の承諾なきままに録音をとることがいいのかどうかということをやはりきちっと判断していくべきだろうという判断でございます。
○辻委員 ちょっと時間がないから、この問題だけ何度も繰り返すことはできませんけれども、では、誤解のないように分けますよ。 強要して電話をかけさせられた場合に、それを録音の承諾もなしに、しかも録音の相手方の、つまり通話の相手方の承諾もなしに、それを録音にとることがいいのかどうなのかということ。それから、その場でかけること自体は了承はしているけれども、録音をするということについて了承はしていない、しかも録音されるということについて知らない、会話の相手方もそのことについて承諾をしていない、この場合に録音をすることは許されるかどうなのか。この二つの場合について端的にお答えください。
○栗本政府参考人 今委員の御指摘は、電話の内容を何か録音するという意味ですか。(辻委員「そうです」と呼ぶ)それは通信傍受法等いろいろな法令にのっとって行われなきゃいけないのでありまして、先ほど来御説明しております、また、私は委員の御質問がそういう意味だと理解をいたしましたのは、例えば取り調べ室内において被疑者の方がそこから電話する、その架電の内容そのものは当然わかるわけはないわけでありますが、そこに同席をするということは、そのときに調べ官としてそのときの状況を立ち会いしている者は、当然、例えばメモでどんな状況だったのかということを捜査上の必要等から残すことがあるわけでございます。そのメモ等の必要から正確性を期するために、先ほど申し上げたいろいろな相当性なり正確性なりそういうものを判断して、最終的にそれが好ましくないのかどうかということを判断すべきだということを申し上げているわけであります。
○辻委員 そうすると、電話の会話自体を録音するということは、これは通信傍受法なり令状が必要なわけですよね。だから、これはだめだということで、これは確定的な判断としておっしゃっているということでいいですね、承諾なく。 もう一つ、今のお話だったら、取り調べの会話の状況については録音をとることがあるんだということですが、それはどういうメリットがあるんですか。どういう場面でとるというふうに通常判断されるんですか。
○栗本政府参考人 ですから、電話の架電のそのものの内容について、私どもは、そういうものについて知るということであれば、必要な法的な手続をとってやるものだと判断をしております。(辻委員「取り調べの録音についてとる場合も」と呼ぶ)それは、ですから、先ほど申し上げたように、その録音をとる必要性とか相当性とか、例えば調べ室内に録音機があるのか否か、別のところから、人がだれもいなくなってとるか、具体的なことを申し上げにくいわけでありますが、そういうような手段の相当性とか、それから先ほどの、そもそもその会話の内容、その被疑者の内容が聞けるということを同席を承諾しているか否か、こういうことを判断するということです。
○辻委員 つまり、取り調べの状況について、捜査機関の側も録音をする場面がある、必要性がある場面があるということをお認めになっているということだと思います。この点については、むしろ録音、録画の必要性という民主党の今後も提出する法案にかかわる問題ですから、機会を改めてまた質問させていただきたいと思います。 それと、弁護人との接見内容について、弁護人の接見が終わった後、取り調べと称して呼び出して、弁護人とどのような接見をしたんだとその内容について逐一報告を求めて、それを聴取するという捜査方法についてはどうなんですか。
○栗本政府参考人 これも一般論でございますが、被疑者が立会人なくして弁護人等と接見することができるとしている刑事訴訟法第三十九条の趣旨を踏まえまして、その接見の内容についてみだりに被疑者から聴取することは適当でないと判断しております。
○辻委員 法務省にお尋ねしますが、今捜査方法のいろいろな場面場面、事例について警察庁の見解を伺いましたけれども、法務省として、これと異なる見解があるのか、またはつけ加えるものがあるのか、あればおっしゃっていただきたいと思いますが。
○樋渡政府参考人 今のやりとりをおおよそ聞かせていただきましたけれども、事細かにこちらの意見があるかどうか別といたしまして、まとめさせていただきますと、やはり捜査というのは適正、適切にしなければならない、そういうふうに心がけてやるべきものだというふうに考えております。
○辻委員 回答としては、警察庁の回答と異なるものはないということだというふうに理解できる答弁でありました。 それで、法務省に続いて質問したいんですけれども、弁護人との接見禁止処分を課せられた被疑者の接見交通の内容の問題なんですが、家族から例えば簡単な一言のメッセージ、お父さん頑張ってというような、例えばですよ、そのようなものを見せることは、これは検察庁としてはどのようにお考えなんですか。
○樋渡政府参考人 委員は一般論としてお尋ねだろうということは重々承知しておりますけれども、現在、委員の御質問の前提がいわゆる鹿児島の事件でございまして、その事件の報道に基づいて一般論としてお尋ねになっておりますけれども、しかしながら、そのことを一般論としてお答えすることは、今公判中でございますし、また一面で国家賠償請求訴訟もされているところでございますから、なかなかお答えいたしかねるところでございますが、これも全くの一般論として申し上げますと、被告人、被疑者と弁護人との秘密交通権は十分に尊重されなきゃならないのでありまして、刑事訴訟法三十九条でこれは保障されているところでございますが、一方で、三十九条の第二項では、これは法令が必ずしも十全ではありませんけれども、罪証の隠滅のおそれのあるようなものの授受はだめだというような精神が盛り込まれているわけであります。一方、八十一条で、一般の人、弁護人または弁護人となろうとする者以外の接見を、罪証隠滅等のおそれがあるということで禁止することは認められているところでございますから、それを潜脱するような方法ということもやはり許されない場合がある。 したがいまして、弁護人の秘密交通権と接見禁止の潜脱に当たるかどうかということのバランスの問題だろうというふうに思うわけでありまして、一概に何かの文書がいいとか悪いとかなかなか言えない。その全体、そのバランスの中でやはり許されざるべき罪証隠滅のおそれのあるような行為でありましたら、それは弁護人の解任を、裁判所の職権の発動を求めることもあり得るだろうというふうに思っているわけであります。
○辻委員 要するに、罪証隠滅のおそれがない限りは、それは自由な接見交通権は当然保障されなきゃならないという理解でいいわけでしょう。ですから、お父さん頑張ってという家族のメッセージを読ませることが罪証隠滅の行為に当たるとは、到底だれが見ても思えない。法務省が見たって思えないと思いますし、樋渡刑事局長がごらんになったって、そういうことは罪証隠滅に関係あるとは思えないと思いますから、この問題については、時間の関係もありますからここで打ち切りますが、およそ、そういう家族の激励のメッセージを見せることが許されない、接見交通権の濫用で許されないという議論が出てくる余地はないと私は思います。このことを確認的に今申し述べさせていただきたいと思います。 それで、時間がもうないので、最後、二点ばかり簡潔に伺いたいと思いますが、私がきょう取り上げたのは、このような捜査方法がなお日本で横行している。自浄能力がないんだ。鹿児島県警本部も鹿児島地検も自浄能力がない。そのような違法な捜査をチェックできていない。だから、どこかでチェックが働いてしかるべきなわけであります。だから、前向きにそのようなチェックができるような体制を警察なり法務当局も考えてもらいたいというふうに思うわけであります。それが自主的になかなか難しいから、客観的な担保する制度として、捜査の可視化とか弁護人の取り調べ時の立ち会い権ということの有用性が出てくるんだということだと私は思っております。 そこで、捜査の適正に関して、内部的なチェック機能としてはどのようなことを考えているのか。また、外部的なチェック機能として、現実に制度としてあるのか、その運用の実態はどのようなものなのか。この点について、警察庁、お答えください。
○栗本政府参考人 まず、内部的なということでございますが、例えば選挙違反取り締まりであれば、このような重要な問題に関して県警本部において必要な体制をとって一元的な指揮を行っていく、こういうことなどによってチェックを行うという例でございます。 私どもからするとちょっと言いにくい点がございますが、外部的という意味でいえば、私どもは、刑事訴訟法上も当然、逮捕するような場合には裁判官による逮捕状等の発付を受ける等々の一連の過程がございます。そういうような各段階におきまして裁判官または検察官による手続が規定されているところでございまして、そういうような手続を経て、警察の適正捜査が担保されているものと承知しております。
○辻委員 犯罪捜査規範の十九条以下で、犯罪捜査の指揮について、重要事案とかまたこの公職選挙法の違反事件については、通常は県警本部の本部長指揮事件だというふうに思われます。ですから、本鹿児島の件は、やはり鹿児島県警本部長の責任のもとにおいてなされているから、ますますこれは問題点が大きい。今後さらに私はこれを継続して、問題点について質疑をさせていただきたいと思っております。 最後に大臣に伺いたいんですが、結局、捜査機関の自浄能力になかなか期待できない。一たんボタンのかけ違いで違法な見込み捜査が、これは見込み捜査だというふうに朝日新聞も報道しております、読売新聞も書いております。一たん見込み捜査で走り出したらとまらない、県警本部長もとめない、地検もとめない。つまり、外部からのチェック機能を制度としてつくり出していかない限り、捜査の適正が結局図られない、最終的に担保されないということになると思うわけであります。 私は、警察権力とか、また軍隊とか、そして刑務所内等の権力機関に対しては、監視機関として調査とか勧告の権限を持ったオンブズマン制度をやはり創設すべきだというふうに考えますけれども、このような例えばオンブズマン制度等の新たな制度を創設することを含めて第三者的なチェック機能を強化していかなきゃいけない、この考えについては、大臣どのようにお考えでしょうか。
○野沢国務大臣 捜査の適否につきましては、ただいま国会で御議論もいただきましたが、最終的には司法の場で判断されることになると思いますが、今委員御指摘のように、オンブズマン制度の活用等も一つの御意見として承らせていただきたいと思います。
○辻委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○下村委員長代理 松野信夫君。
○松野(信)委員 民主党の松野信夫です。 最初に、質問通告はしておりませんでしたけれども、けさの新聞、これは各紙ともほぼ一面トップに載せている、大変ショッキングな事件が発生をしておりますので、まずこの点について御質問をしたいと思います。 もう大臣も御存じかと思いますが、小学六年生の女児が同級生にカッターナイフで切られて、頸動脈を切られて死亡したという、これは学校の給食時にそういうことが長崎の方で発生をしたということで、大変痛ましい事件が発生をしたわけであります。まさに小学校の中で小学生同士がこういう死亡事故を起こして補導されているということで、恐らくこういうような事件は初めてではないかなということで、痛ましい事件で、亡くなられた方の御遺族にはお悔やみ申し上げたいというふうに思います。 こういう事件に対して、文部科学省あるいは法務省、そして警察庁、それぞれの立場で、やはりこの事件、こういう事件が二度と発生しないように、それなりにしっかり分析をして、尽くすべき対処というのをやはりやっていかなきゃならないだろう、このように思っておりますが、まず大臣に、今回のこの事件をどのように受けとめられておられるのか、率直な御所見をいただければと思います。 〔下村委員長代理退席、委員長着席〕
○野沢国務大臣 昨日の夜報道がなされて、また、本日の朝、それぞれの新聞その他で事件の概要を承っているところでございますが、最も安全でしかるべきはずの学校の中でこのような事件が発生したということはまことに残念であり、また痛ましいことと私も驚いておるわけでございます。 現在、警察当局で必要な対応を行っておりますが、現時点でまだ詳しい内容はわかっておりませんで、報道レベルの情報しかございませんけれども、少年法制を担当しております法務大臣といたしましては、今後、その事実関係の把握にまず努めまして、対応を考えてまいりたいと思っております。
○松野(信)委員 小学生ですから、まだ十一歳だということでありまして、これはもう御案内のように、十四歳未満であれば刑事上の責任は問えない、こういうふうに現行法はなっているわけで、こういうようないわゆる触法少年について、どういうふうに今後対処していかなければならないのか。恐らく、犯罪あるいは非行が低年齢化しているということは近時言われていることでもありますので、こういう十四歳未満の触法少年、今後とも発生する可能性は、やはりこれは否定はできない。どういうような対処をしていくのか。 私は、単に、じゃ小学生まで厳罰にすればいいんだ、それは余りに短絡的な発想でして、そういうような形ではなくて、やはり一定の慎重な対処をして、こういう少年が今後とも出ないようにすることがまず第一だし、また、この少年に対してどういうような手当てをしていくのか、この辺についてはやはり慎重に考えていただきたいな、このように思っております。 聞くところによりますと、こういう触法少年について一定の調査権あたりを警察に持たせるというような方向で関係法、特に少年法とか少年院法、この改正が検討されているというふうに聞いておりますが、その辺の改正作業がどのような状況になっているのか、おわかりでしたらお答えください。
○野沢国務大臣 私も、法務大臣を拝命いたしましてから、少年犯罪の多発性それから凶悪化ということについて大変実は心を痛めておりまして、鑑別所の見学あるいは少年院の訪問を含めて、できる限り現場の御苦労いただいております皆さんのお声も聞いてきたわけでございます。今回、このような事件が発生いたしまして、なお一層これから努力し、工夫し、改善をしなければならないと改めて考えているところでございます。 今委員御指摘のとおり、ただ単に厳罰に処すればいいということではありませんで、やはり、補導、教育、立ち直り、こういった側面から総合的な施策を打っていくことが何よりも大事というふうに考えているわけでございます。 今御指摘ございましたようないわゆる触法少年の事案につきましては、刑事訴訟法に基づく捜査ができませんので、事案の真相解明が十分ではないという御指摘があることは承知しております。青少年育成施策大綱というものがまとまっておるわけでございますけれども、ここでは、触法少年の事案について、警察機関が必要な調査を行うことができる権限を明確化するための法整備について検討することが盛り込まれているところでございます。法務省といたしましても、この問題の重要性を踏まえまして、現在、刑事局内にプロジェクトチームを設けまして、法改正の要否を含め検討を進めているところでございまして、今後も関係機関と協力しつつ、鋭意検討を進めたいと考えております。 教育の関係の皆様、あるいは子供たちのお世話をする厚生労働省の皆様、さらには民間の皆々様の御意見等も今後とも十分お酌みいたしまして、取り組んでまいりたいと考えております。
○樋渡政府参考人 今大臣が御説明したとおりでございまして、刑事局内に少年法の改正のためのプロジェクトチームをつくって、現在鋭意、他省庁とも協議しながら、他部局とも協議しながら、鋭意検討を進めているところでございまして、委員御指摘のように、また大臣も先ほど御説明しましたように、こういう触法事犯について警察に調査権限を与えるべきかどうかというような点も含めまして、また、委員御指摘のとおり、こういう触法の少年、現在、少年法では十四歳未満は収容できないことになっておりますけれども、少年院送致ができるようにすべきかどうかという点も含めまして、現在検討中でございます。 できるだけ早期にまとめまして、それを法制審議会にかけるなどして、法案として成立すべきものがあればそれを早期にまとめてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○松野(信)委員 ありがとうございます。 発生直後ということでございますが、やはりいろいろな観点、多面的にこの問題は考えていかなければいけないだろう。触法少年の処遇、将来どうやって更生をさせていくのかという観点、その中でやはり、触法少年の人権をしっかり守りながら更生を図る。他方、被害者になられた御遺族、犯罪被害者の支援法あたりもございますけれども、そういう御遺族に対する一定の配慮、これまた当然必要なことだし、また、学校を取り巻く地域にとっても大変大きな、ショッキングな事件になっているかと思いますので、地域の問題、小学校の問題、そして恐らくまた今後発生するであろうマスコミからのいろいろな形の取材攻勢、これにも対処していかなきゃいけない。 こういうことで、多面的にこの問題については対処をしていかなきゃいけないということで、非常に難しいところはあろうかと思いますが、ぜひとも慎重に進めていただきたいなということを申し上げて、この問題については終わります。 刑事局長さんはもう結構ですので、ありがとうございました。 それでは、当初予定をしておりました二重国籍の問題について御質問をさせていただきたいと思います。 二重国籍の問題については、これまでにも別の機会に取り上げて質問されておられる委員もおりました。だんだんこの二重国籍の問題が広く関心を持たれ始めている、このように認識をしております。 私は、基本的には二重国籍を容認していいではないか。確かに現行法は国籍唯一の原則というのをとっておるわけですけれども、その場合のメリット、デメリット、そして二重国籍を容認した場合のメリット、デメリット、双方比較をして、二重国籍を容認した場合のメリットの方が私ははるかに大きい、このように考えておりますので、結論的にはその方向で御質問をさせていただきたいと思っております。 それで、まず、どういう場面で二重国籍が発生をするのか。幾つか想定されている場面、こういう場面で発生をするというのは幾つか報告などはされておりますが、もしよろしければ、頻度、考えられる多さの順ですか、そういうことにも触れながら、こういう場合に主に発生をしているというのを御指摘いただければと思います。
○房村政府参考人 重国籍が発生する場合でございますが、大きく分けますと、出生によって重国籍を取得する場合と、それから、出生後、何らかの身分行為を行うことによって取得する場合がございます。 まず最初の、出生による場合を御説明いたしますと、我が国の国籍法では、父母のいずれかが日本国籍を有していますと、その子供は日本国籍を取得する、こうなっておりますので、父親または母親のいずれかが日本国民でありますと、その子供も日本国籍を取得します。したがいまして、その相手方、例えば父親が日本人である場合に、母親が外国人で、しかも同様の血統主義をとっているという場合には、その子供は母親の方の国籍も取得する。例えば韓国は父母両血統主義をとっておりますので、日本人の親と韓国人の親が結婚をして子供が生まれますと、子供は日本国籍と韓国の国籍の双方を取得する。こういうことで重国籍を取得する場合がございます。 一般に国籍取得の原因としては血統主義は相当幅広くとられておりますので、やはり生ずる場合としては、出生によって、しかも両血統主義の関係で取得する場合は相当多いのではないかと思われます。 次に、もう一つ、国籍を取得する原因として、生地主義、生まれた国、その国で生まれますと、両親の国籍を問わずに国籍を与えるという国がございます。代表的な例がアメリカでございます。したがいまして、日本人の親の子供で、アメリカで生まれますとアメリカ国籍を取得する、同時に、当然親の関係で日本国籍も取得する、重国籍が生ずるという場合がございます。 そのほか、出生後の身分行為による場合といたしましては、例えば外国人の父からの認知を受ける。その外国人の本国法が認知によって子供に国籍を与える、こういう仕組みになっておりますと、認知によってその外国国籍も取得いたしますので、母親からの日本国籍とあわせて重国籍になるという場合がございます。 それから、養子縁組でも同様の法制をとっている国もありますので、養子縁組をすることによって重国籍になる場合、それと婚姻によってなる場合、そういったものがございますが、数としてはそう多くはないだろうと思っております。
○松野(信)委員 この重国籍は、恐らく統計的に見てもだんだんだんだんとふえていっているのではないかなというふうに思います。 その一つの指標としては、国際結婚の数、私の方でも調べてみましたけれども、例えば一九八五年、昭和六十年、このとき新しい国籍法が施行されていますが、このときに一万二千百八十一名、件数としてはあった。それが二〇〇二年、平成十四年には三万五千八百七十九ということでかなりふえて、要するに、国際結婚がふえているということが一つの裏づけとしてはあって、恐らく重国籍者の数も次第にふえていっているのではないか、このように思っておりますが、この重国籍者の数を正確に把握するのはなかなか難しいところもあろうかと思いますが、現実にふえているのか減っているのか、大体どの程度存在すると考えておられるのか、この点はいかがですか。
○房村政府参考人 重国籍者数でございますが、昭和五十九年の改正国籍法の施行前についてはちょっと把握はしておりません。その後につきましては、判明する限りでの数ということで、それが完全な重国籍者数を把握しているとは言いがたいわけでありますが、少なくとも当方が把握している範囲では次第にふえてきております。 昭和六十年当時は年間約一万人程度でございましたが、次第にふえまして、平成四年ごろには二万人程度になりまして、平成十四年では約三万三千人を超えているというのが私どもの把握している数でございます。
○松野(信)委員 この重国籍者については、要するに国籍選択ということで、二十を過ぎてからとか、国籍唯一の原則に基づいてどちらか選びなさい、こうなっているんですが、この重国籍者については、政府の方で積極的に捜索をして重国籍者を見つけて選択の通知などをしているのか、それとも、たまたま何らかの理由で発見されるというような状態になっているのか、その辺はどうですか。
○房村政府参考人 重国籍者をどのように把握しているかという問題でございますが、これは、身分行為、例えば婚姻あるいは出生ということがありますと、市町村に届け出がなされます。それは監督法務局の方に届け書が送付されますので、監督法務局の方で、送付を受けた届け書等から重国籍者が判明する限りにおいて把握をしている、それ以上に積極的に捜索をするというようなことはしておりません。
○松野(信)委員 それでは次に、重国籍を容認していないのが現行法ですけれども、なぜ重国籍を容認しないのか、重国籍を容認するとどういうような問題あるいは弊害というのが発生する、このように考えておられるのか、この点についてお答えください。
○房村政府参考人 御指摘のように、現在の国籍法は、できるだけ国籍は一つにしたいということで、いわゆる国籍唯一の原則というものを採用しているわけでございます。 重国籍の場合の弊害ということですが、やはり二つの国籍を持ちますと、どうしても二つの国に対する忠誠が衝突をする、あるいは、国の方からいいますと外交保護権が衝突をする、そういうことによって問題が生ずるおそれがあるということがまずあるわけでございます。 それから、重国籍ということになりますと、それぞれの国で身分関係を管理するといいますか、登録をするということになります。そういたしますと、例えばAとBの両方の国籍を持っていて、Aの国で婚姻をしたことについてはA国が把握をする、それをまた独立にB国の方で身分関係を把握いたしますので、重婚というような関係が生じやすくなる。そういうことから、身分関係に混乱が生ずるおそれがあるということが言われているわけでございます。 そのほかいろいろあろうかと思いますが、大きく申し上げますと、以上のような点が重国籍の弊害と言われております。
○松野(信)委員 この点については少しこれから議論をしたいと思いますが、今御指摘があった、両方の国籍を持つと、忠誠義務、どっちの国に忠誠を尽くすんだということで、これは恐らく、具体的にあらわれてくるのが兵役の問題だろうというふうに思います。それからもう一つ、外交保護権について、これが両方からの抵触があるんじゃないか。そしてまた、身分上、特に重婚あたりが発生する。大きく今三点ぐらい御指摘があったかなというふうに思います。 通常、そういうことがよく言われているんですが、ただ、現実問題として、そういうような弊害が現に日本で発生をしたということがあるのか。先ほど、重国籍者の数、想定すると現在も三万人以上おられるということですけれども、現実にこういうような、今三つ挙げられたような弊害が現に発生をして、トラブったというようなことがあるのかどうか、この点はどうですか。
○房村政府参考人 古いことはわからないんですが、最近におきまして、私どもとして、具体的に重国籍で何らかの問題が生じたという事例は把握しておりません。 それから、先ほど申し上げた数字、例えば三万人近い重国籍者というのは、平成十四年において新たに発生した重国籍者数でございます。
○松野(信)委員 では、ちょっとそれで確認しておきますが、そうすると、平成十四年で大体三万人ぐらい発生したというと、累積としてはもっとそれよりずっと多いということになるんでしょうか。そうすると、累積としては、重国籍者は大体どれくらいおられるというふうに把握していますか。
○房村政府参考人 これは先ほど申し上げました数字、大体、各年において先ほど申し上げたような届け出書等から把握した概数を申し上げたわけでございます。その各年で把握した重国籍者として発生されたと思われる数を昭和六十年から平成十四年までを単純に合計いたしますと、約四十万人ということになります。 ただ、その後の国籍の変化は必ずしも追跡調査をしているわけではございませんので、現段階においてそのとおりの数がいるかどうかは必ずしもはっきりいたしません。
○松野(信)委員 重国籍を容認したときの弊害を言われましたけれども、現実に、これまでその弊害が現実化したということもないようであります。重国籍を容認するというのは、G8を含め、世界各国、かなりたくさんあるわけですけれども、そこでも重国籍を容認したことによるトラブルというのは現実にはほとんど発生をしていないのではないか、このように理解をしております。 忠誠義務が衝突するということで、具体的には兵役の問題が出てくるかと思いますが、そもそも日本の場合ですと、憲法九条の関係で戦争放棄をうたっているわけで、徴兵制もありませんので、この兵役の問題というのはまず日本では問題にならないのではないか、このように考えております。 諸外国についても調べてみましたけれども、いわゆる先進国では、徴兵制というのは非常に少なくなってきているわけです。 少し申し上げますと、アメリカは志願兵制、カナダも志願兵制、イギリスも志願兵制。イタリアは、現在は徴兵制ですけれども、これは二〇〇六年までに志願兵制に移行するという予定。フランスは志願兵制でありまして、これは二〇〇三年に徴兵制を廃止している。こういうようなのが諸外国でございます。 ちなみに、アジアは必ずしもそうなっていないところがありまして、韓国は御承知のように徴兵制、中国については選抜的な徴兵制がなされている、こういうような実態であります。 ただ、韓国も徴兵制は採用していますけれども、新聞報道などによりますと、韓国人の夫婦がアメリカに行って子供を出産するという例がたくさんあって、このツアーができているそうで、アメリカは生地主義ですから、そうするとアメリカの市民権が取れるということで、変な言い方ですけれども、徴兵制逃れというような現象も起きているようでございます。 そうすると、兵役の問題では、まず弊害としては当たらないのではないか、このように思います。 それから、外交保護権をどうするかというような問題も、これは抽象的には考えられますけれども、基本的には入国した際の国籍、例えば日本とフランスの国籍を持っている人については、どこかの国に入国したとき、そのどちらかのパスポートを使って入国しているわけですので、基本的にはその関係で処理すればいいことですし、場合によっては外交上の処理で、これは十分トラブル発生することなく処理できるのではないか、このように思います。 それから、確かに、重国籍で、身分上の混乱ということで、重婚が発生するんじゃないかという指摘があります。これも、抽象的にはそれは考えられなくはないんですけれども、現実には重国籍を採用している国で重婚が頻発をして問題になったというような報告もありませんので、基本的には、抽象的には考えられるけれども、現実にはほとんど問題になっていないのではないか、このように私は考えております。もし、反論があれば、後からでも反論していただいて結構ですけれども。 それで、現にこういう問題があるわけですね。今の国籍法は昭和六十年の一月一日に新しく施行されているわけですけれども、その時点でもう既に重国籍者になっていた人というのは、現在でも重国籍者として容認をされているというのが実際ではないかと思います。 割合有名な人の例を挙げて恐縮ですけれども、ペルーの元の大統領フジモリさんは重国籍者として現在でも日本におられるわけで、彼は昭和六十年の一月一日以前にもう既に重国籍者になっていたということでそのまま認められている、こういう例があるわけです。 恐らく、昭和六十年一月一日以前にもう既に重国籍者になっていて、そのまま重国籍になっているという人は案外おられるのではないかと思います。そういう人は、現実には選択をしなさいというようなことを迫っているんでしょうか。その点はどうですか。
○房村政府参考人 御指摘のように、現在の国籍法は昭和五十九年に改正をされて六十年の一月一日から施行をされておりますが、その施行時点で既に重国籍になっていた方々につきましては、ただいま御指摘がありましたように、改正法の附則の三条で経過措置が定められております。 この方々については、現在の改正国籍法が施行される前においてはそういう国籍選択の義務が課されておりませんでしたので、そのことを考慮いたしまして、特別の扱いといたしまして、同法施行時に重国籍になったとみなされまして、一定の期限内に国籍の選択をしなかった場合には、その期限が到来したときに日本国籍の選択宣言をしたものとみなすということとなっております。 したがいまして、改正法施行時で実際に重国籍であった方々は、その期限が到来した時点で日本国籍を選択したとみなされておりますので、他の国籍を特に放棄しない限りは重国籍が継続するということになっております。
○松野(信)委員 そうすると、そういうような方、現に重国籍、特別に外国の国籍を離脱するというふうな意思表示をしない限り重国籍が続くわけです。そういう人はどの程度あるのか、これは把握しておられますか。
○房村政府参考人 数は把握しておりません。
○松野(信)委員 一方では、昭和六十年の一月一日以降であれば国籍の選択を迫るということで、法律上は法務大臣の催告まで規定がしてあるわけです。それくらいある意味では厳しく、日本をとるのかそれとも外国をとるのかというふうに厳しく追及するような法律の仕組みになっているわけですが、たまたま昭和六十年の一月一日の法施行以前に重国籍者になっていた人については、余りそう厳しく言わないで事実上容認している。こういう実態にあるので、私は、こういう実態からしても、いささかちょっと不平等といいますか、重国籍を容認する方向でやはり考えていかなければならない一つのファクターではないか、このように思っております。 それで、今選択のお話をしましたけれども、これは国籍法の十五条のところで、選択を迫るという規定になっているわけで、今申し上げたように法務大臣は催告までするようになっているんですが、現実にこの規定を活用して催告をしたというような実例はあるんですか。
○房村政府参考人 御指摘のように、国籍法十五条では法務大臣が重国籍者に国籍の選択を催告することができると定められておりますが、法務大臣がこの催告をいたしますと、期間内に具体的な選択をしないと最終的には日本国籍を失うという非常に重大な効果が生ずることとなっております。 国籍を喪失するということは、その人にとって非常に大きな意味がありますし、家族関係等にも大きな影響を及ぼすというようなことから、これは相当慎重に行うべき事柄であろうと思っておりまして、現在までこの催告を法務大臣がしたことはございません。
○松野(信)委員 そうすると、法務大臣の催告はしないという形が現実には運用としてなされている。そうすると、実際、どういうような形で事実上選択を求めるようなことになっているかと思いますが、どのような形で重国籍の人に対して日本をとるか外国をとるかというような話をしておられるんでしょうか。
○房村政府参考人 先ほども申し上げましたように、現在の国籍法は、できるだけ国籍は一つであることが望ましいということから、重国籍の方々につきましては、この十四条で国籍の選択という制度を設けておりまして、二十歳前に重国籍となっている方については、二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに選択をする、その後、二十歳を過ぎてから重国籍になったときは、その重国籍になったときから二年内にいずれかの国籍を選択しなければならない、こういう国籍選択義務を定めております。 やはり、国籍というような非常にその人にとって大きな意味のあるものの選択につきましては、できる限りその方々の自発的な意思に基づいて選択をしていただくということが望ましいと考えておりますので、私どもとしては、この国籍選択の制度の意義をできるだけ知っていただく、それを踏まえて適切に選択をしていただくということが望ましいと思っておりまして、制度一般の周知に努めているというところでございます。
○松野(信)委員 そうすると、一般的な説明をするということで、余り強制的な選択を迫るようなことはしていない、このように理解をしていいかと思います。 ここへ持ってきましたけれども、法務省が作成している「はっきりさせよう あなたの国籍」というようなチラシがありまして、「重国籍者は国籍の選択を!!」というふうに、「選択」のところがわざわざ赤く印刷されて、英語で「CHOICE」というのまで打ち出して、どうも、今局長の御説明ですと、余り強制的な形でなく一般的な説明で選択をしてもらっているというようなふうに聞こえますけれども、現実には、こういうチラシを見ますと、やはり心理的にある程度のプレッシャーをかけて、国籍選択しないとだめだということを暗にやはり強制的に運用しているんじゃないのかな、こういうふうにも思われるんですが、いかがですか。
○房村政府参考人 先ほども申し上げましたように、私どもの考えとしては、これはできるだけ自発的に選択をしていただくということでございますが、ただ、周知をするにいたしましても、制度の趣旨がともかく選択をしていただきたいということでありますので、どうしてもそれは言葉としては選択ということを強調いたしますし、なぜ選択をしていただきたいのかということを理解していただきたくなりますので、その説明もその部分に力が置かれるということになるのではないかとは思っておりますが、なお周知の内容等については御指摘も踏まえて今後も検討していきたい、こう考えております。
○松野(信)委員 ついでにこのチラシのことを申し上げると、「はっきりさせよう」という、この「はっきり」というところまで赤く塗って強調しておりますし、今局長の説明だと、なぜ国籍の選択をしなきゃならないかというようなことを、口頭ではおっしゃっているのかもしれませんが、このチラシを見る限り、「国籍の選択とは…」ということで、選択の方法とか選択すべき期限とか、そういうのは説明してあるんですけれども、なぜ選択をしなきゃならないのか、そこのところについては触れていない。この点は指摘をしておきたいと思います。 それで、重国籍者が具体的にどちらを選択しているのか。日本をとっているのか、それとも外国の方をとっているのか、これについては何か資料、統計というのはあるんでしょうか。つまり、国籍選択に関連する届けが、離脱とか喪失とか、そういうような届け出などから見て、どういうような選択が現実には行われているのか、統計的にはいかがでしょうか。
○房村政府参考人 これは、国籍選択をいたしますと、国籍選択の宣言をする場合と、それから、国籍放棄の届け出をする場合とございます。そういったものの統計といたしましては、国籍選択届け出をした数、あるいは、外国国籍の喪失を届け出ていただくということもありますので、そういう数、それから国籍を喪失する国籍喪失者の数、それから国籍離脱者の数、こういったものの統計はございます。 具体的な数字も申し上げますか。(松野(信)委員「はい」と呼ぶ)例えば、平成十四年でございますと、国籍選択届け出が約二千人、それから外国国籍喪失者数が六十四名、国籍喪失者数が八百二十四名、国籍離脱者数が百六十九名、合計いたしますと約三千名ということになります。
○松野(信)委員 私の方で事前にお聞きしていたところでは、昭和六十年一月から現在までの統計の数字で、全体として四万一千名ぐらいであるかなと聞いているんですが、その内訳をざっと御説明いただければと思います。
○房村政府参考人 御指摘のとおり、合計いたしますと約四万一千名となります。 その内訳としては、大きく分けますと、例えば、国籍離脱が完全に重国籍者だけに限っておるわけではないものですから厳密に申し上げるのは難しいんですが、約二万人が日本国籍を取得し、約半分の二万人が外国国籍を取得しているのではないか、こう思っております。
○松野(信)委員 それで、外国の方の国籍を選択したというのであれば、日本の国籍を離脱というような形になるかと思いますが、日本の国籍を選択するという場合には、方法としては二つあるのかなと思っております。一つは、外国の国籍を喪失したという届け、これを日本の役場あるいは大使館、領事館に出すという方法と、それから、日本の国籍を選択しますという国籍選択届をやはり同様に提出するという、二つあろうかと思うんです。 そうすると、日本の方から見れば、なるほど、日本の国籍を選択した、これがわかるわけですけれども、しかし、その人が当該外国の方の国籍を本当に外れたのかどうなのか、これは、日本政府の方としては、外国の方に問い合わせ、調査などはしているんでしょうか。
○房村政府参考人 これは、そこまで、本国への問い合わせまでは行っておりません。
○松野(信)委員 そうすると、現実には、これは全くの推測かと思いますが、日本に対しては日本の国籍を選びましたという国籍選択届を出しておきながら、もう一つの方の外国の方に対しては実は離脱の手続をとらなかった、あるいは、とらないままで、そのままでいたというふうになっても、日本政府の方はわからない、特別に調査しなければわからないということに現実にはなりますね。よろしいですか、それで。
○房村政府参考人 私どもとしては、わざわざ届け出までして外国の国籍を放棄あるいは離脱したということをおっしゃっている方がそこまで虚偽の届け出をするとも思えませんので、それを信頼しているというところでございます。
○松野(信)委員 そうしますと、少しここで、中間取りまとめじゃないですけれども、まとめさせていただくと、現実には、重国籍を容認したといっても、それほど言われるような弊害というのは現に発生はしていない。諸外国でも、重国籍を容認するような諸国、これは特にG8あたりでは大変多いわけで、アメリカ、ヨーロッパあたりでは大変多いわけで、特に現実的な問題は発生していないという事実があります。 そして、先ほど指摘しましたように、現在の国籍法の施行された昭和六十年の一月一日以前に重国籍者の人は、事実上重国籍のままで、そのままになっている。また、今お話ししましたように、重国籍者が日本の国籍を選択したという選択届を出しても、外国の方については調査をしないで、それを信頼しているというふうにとどまって、もしかすると重国籍者のままになっている人もいるかもしれない、こういうような現実もある。 こういう現実を踏まえると、そういう実態を無視してまで国籍唯一の原則を維持し続けなければならない必要性というのは大変薄いのではないかな、こういうふうに私は考えているところでございます。 それで、現実にやむなく外国の国籍をとってしまった、日本人だったけれども日本人から外国人になったというような方がおられるわけで、そういう人たちを特に中心にして、重国籍を認めてほしいというような要請、陳情が最近はかなり多く出されているかと思いますが、そういうのに対してはどのように対処しておられますか。
○房村政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、現行の国籍法においては、考え方として、できるだけ国籍は一つにしていただきたいということが基本的な考え方でございますので、私どもとしては、現在の国籍法がそういう考え方をとっているということを御説明申し上げているというところでございます。
○松野(信)委員 私の方もいろいろ陳情、要請は受けているんですけれども、その中で、例えば、日本人であって、例えばフランスの方と結婚をされて、現在はフランスの方に住まわれていらっしゃる、そういうような人が、日本にまだお父さんやお母さんがおられて、その介護あたりで日本に帰ってくる、日本に里帰りをするというような場合、つまり、もうそのときには外国人ですので、日本人として入るわけじゃなくて、外国人として入国せざるを得ないということで、例えばお父さん、お母さんが急病だということで日本に入国する場合は、もう慌ててビザをとってやらなければいけないということで、結局観光ビザあたりで入らざるを得ないというような、そういう不便がある、こういうような指摘をされているんですが、こういう在留許可について、元日本人で、日本人の御両親あたり、親族がおられるというような場合、何らかの便宜というか何らかの便益を図るというようなことはできるんでしょうか。
○増田政府参考人 ただいまお尋ねを受けましたようなケースの方が日本人の子供として出生した方ということでございますと、日本人の配偶者等という在留資格がございます。これに該当することになりますので、この日本人の配偶者等という在留資格で入国して在留することが可能でございます。
○松野(信)委員 そういう話は聞くんですけれども、確かに日本人の配偶者等ということで在留許可を取りますと一年とか三年とかおれるというんですが、ただ、現実には、日本人の配偶者等というこの条件の場合には身分関係を一々証明しなきゃいけない、つまり日本から戸籍謄本などを幾つか取り寄せて、その上で申請しなきゃいけない。身分関係の証明が必要なものですから、例えばお父さん、お母さんが急病だからすぐ帰ってくれという場合には対処できないんですね。そういうようなこともありまして、なかなか不自由だというような声を現実には聞いているところなんです。 こういうような場合には、何か対処する方法というのはあるんですか。
○増田政府参考人 至急日本に戻りたいというような場合、一番考えられるのは、やはり短期滞在査証というものをとっていただいて日本に来ていただくということが考えられます。この場合、付与する在留資格はその査証に従って付与しますので、短期滞在という在留資格を与えることになります。 ただ、短期滞在は、在留期間が十五日、三十日、九十日というふうに短い期間ではございますが、その方が日本に来てから、例えば、親の方の介護などをしている過程で、もっと日本に滞在したいという場合は、先ほど申し上げました日本人の配偶者等への在留資格の変更を申請すれば、認めることが可能でございます。
○松野(信)委員 確かに、そういうような方法もなくはないかと思いますが、これももともと、根本的には重国籍を認めておればそう煩わしい手間暇をかけなくても対処できるのではないか、このように考えております。 それから、この重国籍については、先ほど私も申し上げたように、大体、ヨーロッパ、アメリカあたりでは、ほとんどの国が重国籍を容認する方向、あるいはもう現に容認をしているということかなと思います。近隣でいいますと、アジアの中で、中国、韓国あたりがまだ、これは日本と同じような形で重国籍を認めていない。諸外国の様子は大体そんなところかなというふうに思いますが、何かこの点について、ほかの諸外国の例でつけ加えられるところがあればと思いますが。 〔委員長退席、漆原委員長代理着席〕
○房村政府参考人 御指摘のように、ヨーロッパあるいはアメリカにおきましては、重国籍を比較的認める方向になってきております。例えばG8の参加国では、日本とドイツを除きまして、外国への帰化により当然にはその国の国籍を喪失しないとしておりますし、欧州評議会の加盟国の間では、一九九七年のヨーロッパ国籍条約におきまして、出生や婚姻により当然に重国籍となった場合にはこれを容認しなければならない、こういう規定が設けられておりまして、この条約は既に二〇〇〇年の三月一日から発効しております。 そういう意味では、重国籍を容認する国々が相当数に上っているというのは御指摘のとおりだろうと思います。
○松野(信)委員 今御答弁いただいたように、世界の潮流はまさに重国籍を容認していこうということではないか、政府の方もそういうふうに認識をしておられるということであります。 今、帰化の話が少し出ましたけれども、やはり、もともと重国籍を持っておられて、外国の国籍を取得して日本の国籍は喪失をした、あるいは離脱をしたという方が、また日本の国籍を取得したいというふうに考えた場合、これはもう手段としては、帰化の手段しかないのかなというふうに思います。何かほかに方法があったらそれを教えていただきたいと思いますが、帰化しかないということでよろしいですよね。 そうすると、毎年、どの程度の人が現実に帰化をしておられるのか。そして、仮に、日本人で、もともと日本人であったけれども、重国籍であったために外国の国籍を選択して、その人がまた日本に帰化したいという場合、何か特別の待遇というものはあるんですか。
○房村政府参考人 まず、帰化者数でございますが、平成十五年の帰化者数は約一万七千六百人でございます。 それから、日本国籍を失った方が再度日本に、日本人になるための帰化をする、こういう場合につきましては、国籍法の八条で、「日本の国籍を失つた者で日本に住所を有するもの」という者につきましては、住所条件、能力条件、生計条件を緩和して、容易に帰化が認められるようにという配慮をいたしております。
○松野(信)委員 ありがとうございました。 そして、日本の場合は、国籍唯一の原則をこの帰化のところでもしっかり貫いていて、日本に帰化するのであれば、外国の国籍はもう喪失しなきゃならない、こういうふうになっているわけですね。しかし、他の諸国では必ずしもそのようには扱っていないのではないか。例えばアメリカあたりですと、アメリカに帰化するというふうになっても、従前の国の国籍が自動的になくなるわけではない、なくすという意思表示をしない限りなくならない、このように承知をしておりますが、そのほかの国、G8あたりのほかの国はどのような取り扱いをしていますか。
○房村政府参考人 自己の志望で外国の国籍を取得したときに、その自国籍を当然に喪失するかどうかという点につきまして、アメリカは、御指摘のように自動的には喪失いたしません。そのほか、G8諸国でいきますと、イタリア、イギリス、カナダ、フランス、ロシア、これはいずれも当然には喪失いたしません。ドイツについては、喪失をする、ただし、あらかじめ国籍保有の申請をして許可証を得たときは喪失しない、そういう扱いになっております。
○松野(信)委員 今答弁いただいたように、帰化についても、大体、世界の潮流というのは、帰化したからといって従前の国籍はなくならないという傾向にあるわけで、これまた重国籍を容認しているということであります。 それから、もう時間が余りなくなってまいりましたけれども、重国籍の問題で時々要請を受けておりますが、その要請の中に、国籍法十二条にあります国籍留保の届け出。子供さんが生まれた、例えば外国で、アメリカで日本人同士の子供さんが生まれても、日本の国籍を留保するという届けをしなきゃならない、こういう規定があって、それをしないと、日本人同士の子供であっても、例えばアメリカで生まれて、生地主義の国だとアメリカ人になって、この留保の届けをしないと日本人でなくなってしまう、こういうことになっているんです。 こういう国籍留保の届けというのは必ずしも余り周知徹底されていないし、こういうのは廃止をしたらどうかというような指摘もありますが、この点はいかがですか。
○房村政府参考人 外国で日本人の間で子供が生まれた場合、出生届はその領事等にしていただくわけでございますが、その出生届とあわせて留保届をしていただくという形で国籍をまさに留保していただくことになっているわけでございまして、これだけ日本の方々がいろいろなところに行っておりますと、どの範囲が日本人としての国籍を持っているかということを明確にするためにはやはりこのような制度も意義があるのではないか、こう思ってはおります。
○松野(信)委員 ただ、日本人同士が例えばアメリカで生活をして子供さんが生まれた、日本人の父、日本人の母ですよ、それで、生まれた子供は、たまたまアメリカにいて生まれると、アメリカは生地主義ですからアメリカの国籍を持つというようなことで、この留保の届けをしないと日本人でなくなってしまう。そんなばかな話があるかというのが恐らく多くの人が率直に思うところではないかなという気がしますが、その点はいかがですか。
○房村政府参考人 御指摘のような、日本人同士の間の子供が外国で出生した場合、日本の方々はいずれも戸籍に登載されておりますので、当然、出生した子供についても、みずからの戸籍に記載をするということで出生届をしていただけるのが普通でございますので、出生届をする場合には、当然あわせて留保届ができるわけですので、もちろん周知の努力はこちらとしてもできるだけしなければならないと思っておりますが、必ずしもそれほど酷な要求をしているわけではないと思っております。
○松野(信)委員 出生届プラス国籍留保の届けをしなきゃならないというのが今の現実なので、正直言って、これはいかがなものかという気がしております。 これまでいろいろ重国籍について議論させていただきましたけれども、いずれも、重国籍を容認してもさほど大きな弊害というのは現実にはないし、逆に重国籍者を誕生させるということで大きな便益が発生する。 私は、日本の人口というのが、これはもう御承知のように二〇〇六年をピークにどんどんと減ってしまうというようなことで、できるだけ余り日本人が減らない方がそれはいいというふうに考えておりますし、また、いわゆる重国籍者の人が日本と外国の貴重な橋渡しになる、文化とかいろいろな社会、政治の場面で大変貴重な橋渡しをして、それぞれの国に尽くしていただくという貴重な人材ではないかというふうにも思っておりまして、ぜひ重国籍を容認する方向で検討していただきたいと思いますが、最後に大臣の御所見をいただきたいと思います。
○野沢国務大臣 国籍法につきましては、これまでも、我が国を取り巻く国際情勢や国内情勢の変化などを踏まえまして、所要の法改正を行うことも含め、適切に対応してきたところでございます。昭和二十五年、新憲法に基づく新しい現在の国籍法並びに五十九年の改正などがその主なものでございますが、今後ともに、御指摘の点を踏まえながら、国際的な動向等を注視するとともに、国民的議論を深める必要があると考えております。 委員御指摘のとおり、今後の日本人の人口動向あるいは国際交流の活発化等を考えまして、重要な課題と受けとめております。
○松野(信)委員 もう最後ですが、この問題については参議院の法務委員会で平成十五年七月十七日にも議論がなされておりまして、民主党の千葉景子委員が質問して、最後に、国務大臣森山眞弓さん、こちらにおられますが、森山大臣も、我が国を取り巻く国際情勢とか国内情勢の変化を踏まえて適切に対処してきた、先生の御指摘は貴重な御意見で興味深く聞かせていただいた、今後とも御指摘の点を踏まえながら対処したい、こういうふうに言っておられます。 野沢大臣におかれては、それ以上の取り組み、具体的な検討をぜひ法務省内で進めていただきたい、具体的な取り組みを進めていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。 〔漆原委員長代理退席、委員長着席〕
○柳本委員長 御苦労さま。 柴山昌彦君。
○柴山委員 自由民主党の柴山昌彦でございます。 私の方からは、昨日、長崎県佐世保市で発生した小学六年生の女子児童殺害事件について質問させていただきたいと思っております。 なかなか未解明の事実がまだたくさん残されているわけですけれども、報道では、同級生の女子児童が行ったとされております。 ここで、刑事局長の方にお伺いしたいんですけれども、いわゆる凶悪犯、殺人、強盗、放火、それと強姦ですね、凶悪犯に該当する行為を行った刑事未成年、十四歳未満の少年少女の最近の動向、統計、こういったものがあれば、どのような状況になっているのかお聞かせください。
○樋渡政府参考人 警察庁の統計によりますと、平成六年以降おおむね百八十名前後で推移しておりまして、昨年、平成十五年には、最近では初めて二百人を超しまして、二百十二名となっております。昨年、二百人を超えた大きな原因は、凶悪犯のうちの放火犯が一昨年に比して六十四名増加していることが原因だと考えられます。
○柴山委員 先ほど松野委員から、こうした少年少女に対する処遇というのは厳罰一辺倒ではいけないのではないかという問題提起がなされましたが、処遇についての質問はまた後ほどさせていただくといたしまして、仮に今回、報道されているように、同級生の女子児童、今まだ十一歳だというように仄聞していますが、この児童がその事実を行った、あえて犯人と言いますけれども、犯人であった場合には、その後はどのような手続、処分がなされることになっているのでしょうか、引き続き刑事局長の方にお伺いしたいと思います。
○樋渡政府参考人 刑法の規定によりまして、行為時に十四歳に満たない場合は刑事未成年者として犯罪が成立せず、少年法上は三条一項二号により、「十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年」、すなわち触法少年として扱われることになります。したがいまして、行為時に十四歳に満たない場合は、逮捕などの犯罪捜査のための強制処分を行うことはできません。 このような少年につきましては、第一義的には都道府県知事や児童相談所長によりますいわゆる児童福祉法上の措置にゆだねられておりますので、警察官としては、十四歳に満たない者による刑罰法令に触れる行為であることが判明した場合、児童相談所に通告することになります。児童相談所長は、必要があると認めるときは、一時保護を加え、または適当な者に委託して一時保護を加えさせることができます。 そして、児童福祉機関は、通告を受けた児童につきまして、家庭裁判所の審判に付することが適当と認められる場合にはこれを家庭裁判所に送致することとなっておりますが、それ以外の場合には、例えば都道府県において児童自立支援施設入所等の措置がとられることもございます。 家庭裁判所が事件の送致を受けたときは、事件について必要な調査、審判を行うこととなります。家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、観護措置として少年鑑別所送致などの措置をとることができ、この収容期間は、法律上四週間が限度とされております。 家庭裁判所は、審判において、事案の内容に応じて、保護観察、児童自立支援施設送致などの保護処分などの決定をすることができます。児童自立支援施設への収容期間は、家庭裁判所で保護処分が言い渡される際に決められるわけではなく、施設側の判断によりますが、特に法律上の定めがあるとは承知しておりません。 以上でございます。
○柴山委員 詳細な御答弁をちょうだいしましたけれども、要は、今回警察によって補導がされて、逮捕という手続はないというお話でしたけれども、補導がされて、それで児童相談所から家裁に送致されて、それで観護措置がとられて、それが四週間、長くても四週間というその期間ですね、事実解明手続というものが一切予定されていない。 少なくとも警察は、一般の刑事事件の場合には、当然のことながら、もちろん相当の犯罪容疑がある場合に限りますけれども、強制処分ということもできる、また任意処分として証拠物を領置したりあるいは実況見分ということを行ったりすることができるわけですけれども、こうした事実解明についての手続というものが、その後、観護措置、その後の少年審判というところに至るまで一切予定されていないのではないかという疑問があるわけでございます。 これについて、何か事実解明について有効な手段があるのかどうかということを、まず刑事局長にお伺いしたいと思います。
○樋渡政府参考人 おっしゃられるとおり、犯罪ではございませんので、警察が捜査する権限は持っておりません。家庭裁判所に送致された後は、家庭裁判所が、その少年に対する保護処分等を決定するに当たっての事実調査を家裁が主導で行うことになるわけでございます。
○柴山委員 家裁の調査というお話が出まして、ただ、その家裁の調査といっても、当然のことながら調査に関する必要な権限というものについては予定されていないわけでございます。 当然のことながら、被害者にとっては、何よりもまず、どういう事実があったのか、そこが一番の関心事でございまして、もちろんその後に引き続き行われる民事上の損害賠償等の手続もございますし、また、こうした事件の再発防止といったものについても、やはり事実の確定、調査というものが何よりも重要になってくると思うんですけれども、そのあたりは一体どうなっているのかということを重ねてお伺いしたいと思います。
○樋渡政府参考人 少年法によりますと、家庭裁判所といたしましては、事実調査のために刑事訴訟法が準用されておりまして、捜索、差し押さえ等の強制処分はできることになっております。要するに、犯罪ではございませんので、捜査機関が捜査する権限は持っておりませんでして、すべて家庭裁判所で事実の調査を行うというのが現状でございます。
○柴山委員 実際に家庭裁判所で調査を行って、その場合に刑事訴訟法の規定が準用されるとありますけれども、例えば、家庭裁判所の調査官の方が、今回加害者とされる女子生徒の家に行って、それで、インターネットのホームページへの書き込みが何か原因だというように報道されています、これは事実関係はまだ確定されていないのでわかりませんけれども、そういうような証拠品を例えば捜索、押収するために調査官の人がパソコンを無理やり持ってきて、それでパソコンをあけて中身を調査する、親が嫌だと言うのに無理やり押収するという手続は予定されているんでしょうか。
○樋渡政府参考人 これは法律上のことでございますけれども、委員御指摘のようなことは、家庭裁判所の調査官ではなくて家庭裁判所自体が法律上はできることになっております。そして、それを実際にどうやっているかにつきましては、これは犯罪ではございませんで、検察を全然通らないものでございますから、現状等をちょっと私の方でお答えする資料がないところでございます。
○柴山委員 いや、だから、そういう、裁判所がやることになっているとか、法律が準用されているとか、理屈の問題ではなくて、実際にそういういわば有形力によって、抵抗された場合にそれを、例えばお母さんがそんなことやめてくださいというふうに言われた場合に、それでも、これは事実関係のために必要ですからといってそれを振り切ってでも事実関係を調査しなくちゃいけないときは調査しなくてはいけない、そこら辺の手続は全く法律上定められていないのが現状ではないんでしょうか。
○樋渡政府参考人 家庭裁判所は、加害少年といいますか触法少年の将来の保護の観点もありますので、どういうようなところまで踏み込めるかという事実上の問題はあるかもしれませんが、その点、私は推測を交えて申し上げるのは控えさせていただきますけれども、家庭裁判所に送致する前、児童相談所の方に行くことしかないわけでありますから、そこでの調査というのは全くなされない。これが大きな一つの問題点だろうというふうに思っておるわけでございまして、家庭裁判所に行ってからは家庭裁判所が法律を使ってどのように調査されるか、これも一つの事実上の問題ではありますけれども、それ以前に調査をする機関がないというところ、それをどうやっていけばいいのか、現在、刑事局内に置いておりますプロジェクトチームで鋭意検討をさせていただいているところでございます。
○柴山委員 捜査というと、確かに、特に刑事未成年、少年少女というような場合には、あるいは我々弁護士の中で言われているのは、ともすれば捜査機関の質問に対して迎合的な傾向がとられたり、いろいろ弊害があるということは存じています。 ただ、そういうことの弊害があるにしても、例えば付添人の方の同席の上で必要な調査を行うことができるようにするとか、あるいは、もちろん、先ほど御指摘のあったように、犯行直後の証拠の保全、収集というものが一番この手の事件については必要でありますから、その行為直後の証拠の収集ということをどうするかということについては、適正な手続をしっかりと整えて法整備を行う必要があるんじゃないかということを私も考えているんですが、この点、法務副大臣、立法に関する何か意見があれば、ぜひお伺いしたいと思います。
○実川副大臣 いわゆる触法少年の事案につきましては、今議論がありましたように、刑事訴訟法に基づく捜査ができなくなり、事案の真相解明が十分できないのではないかという指摘があることは承知をいたしております。 青少年育成施策大綱におきましては、現在、触法少年の事案について、警察機関が必要な調査を行うことができる権限を明確化するための法整備について検討をすることが盛り込まれております。 法務省といたしましても、この問題の重要性を踏まえまして、先ほど刑事局長が、局内にプロジェクトチームを設けまして、法改正の要否を含めまして検討を進めているところでございます。今後も、関係機関と協力しながら、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
○柴山委員 いろいろ難しい問題があると思いますが、ぜひしっかりと検討していただければと思います。 次に、こうした少年少女の処遇についてお伺いしたいと思います。 今、刑事未成年について、特に今回の加害者とされる方、少年院に送致するということは予定されていない、児童自立支援施設で、開放的な空間で教育を中心とした措置を加えていく、しかもその期間も不定期というように御説明があったかと思います。 教育という点も確かに重要だと思いますが、現在、被害者の人権の観点から、やはり、教育の観点だけではなくて罪を償うというような観点の処遇も必要なのではないかという指摘があると思っております。なかんずく、可塑性のある少年だからこそ、自分の行ったことの重要性というものをしっかり認識することが、その少年少女の更生のためにも必要なんじゃないかなと私などは考えているんですけれども、触法少年について、今回の事例はともかく、少年院に対する送致というものを可能にすべきではないか、この問題提起について、法務副大臣あるいは刑事局長の御見解を伺えればと思います。
○実川副大臣 委員御指摘の十四歳未満の少年を少年院に収容することはできませんけれども、この点につきましても、先ほどお話し申し上げましたように、青少年育成施策大綱におきまして、触法少年につきましても、早期の矯正教育が必要かつ相当と認められた場合には少年院送致の保護処分を選択できるような法改正を現在検討しておるところでございます。 法務省といたしましても、関係機関と協力しながら検討を進めていきたいと思います。
○樋渡政府参考人 今副大臣の方から答弁をしていただきましたとおりでございまして、刑事局内に置きましたプロジェクトチームにおきましても、先ほどの調査権限、この少年院送致を可能にする問題、保護観察のあり方の問題等を鋭意検討しているところでございます。 できるだけ早期にまとめて、法制審議会にかけるものがあれば上げたいというふうに思っているところでございます。
○柴山委員 早期にというお話があったんですけれども、少年犯罪についても、我々自民党の中では、これについてしっかりとやはり数を減らしていく、教育の観点も含めてしっかりと対処をしていくということを大きな重要な課題としているわけでありますけれども、難しい問題ではあるけれども、早急に早急にと言うだけでは話は一向に前に進まないわけでして、実際にどういう法改正がいつまでにできるのかということが一番重要ではないかと思っておりますが、法改正の時期、これについてはどのような見通しでいらっしゃるのか、改めて法務副大臣に伺いたいと思います。
○実川副大臣 先ほどから委員御指摘の触法少年の事案についての事実解明のために必要な調査権の明確化の法整備、また、早期の矯正教育に必要な、相当な触法少年に対しての少年院送致の選択であるとか、保護観察中の少年の遵守事項の遵守を確保し、指導を一層効果的にするための制度的措置、これらにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、十分な検討が必要でございまして、結論を出す時期、その内容につきましては、現時点では何とも申し上げられませんけれども、いずれにしましても、できるだけ早く必要な検討を行い、適切な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
○柴山委員 大変難しい問題であるとは認識しておりますけれども、とにかく、教育の問題も含めて、この少年の犯罪に対する対処の問題というのは、非常に重要な、これからの日本の治安の根幹をやはり左右する問題だと思っておりますので、ぜひ早急に、対処、検討をお願いしたいと思います。 私からは以上です。どうもありがとうございました。
○柳本委員長 御苦労さま。 次回は、来る四日金曜日午前九時十五分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十七分散会