財務金融委員会 第19号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/04/20
会議録
○田野瀬委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案並びに五十嵐文彦君外二名提出、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律等の一部を改正する等の法律案及び金融再生委員会設置法案の各案を議題といたします。 本日は、参考人として、全国銀行協会会長三木繁光君、社団法人全国地方銀行協会会長平澤貞昭君、社団法人第二地方銀行協会会長綿貫弘一君、社団法人全国信用金庫協会会長長野幸彦君、社団法人全国信用組合中央協会会長網代良太郎君、以上五名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、三木参考人、平澤参考人、綿貫参考人、長野参考人、網代参考人の順序で、お一人三分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。 それでは、三木参考人、よろしくお願いいたします。
○三木参考人 ただいま委員長から御指名をちょうだいいたしました全国銀行協会会長の三木でございます。 本日は、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案等の御審議に際しまして、私どもの意見を述べさせていただきます。 まず、現在御審議いただいております公的資金の新法でございますけれども、これは、金融システムの安定や地域の金融機能の強化に資するものでありまして、その導入は意義があると考えております。 一方、私どもは、公的資金は財政負担につながる極めて重いものでありまして、個々の銀行が徹底した自助努力を積み重ねた上で、なおその必要性が認められ、かつ、それが個別行救済のためではなく、信用秩序の維持につながるものでなければならないと考えております。公的資金の安易な注入は、本来退出すべき金融機関の延命や過当競争による共倒れ懸念など、かえって金融システム不安を助長しかねないと思います。 また、注入後におきましても、選択と集中の徹底など、絶え間ない経営努力が必要であり、早期に公的資金依存から脱却する必要があると考えております。入れっ放しというわけにはまいりません。 新法におきましては、こうした懸念材料に関しましても、入り口、出口の要件の明確化によりまして、しっかりと御対応いただいているものと認識しております。例えば、注入時において、抜本的な組織再編の促進あるいは事前の事業再構築の義務づけ、それから二番目に、中立的な専門家から成る審査会による経営強化計画の事前審議、三に、経営責任の明確化、また、出口に関しましては、公的資金の回収可能性の検証など、そのための要件が厳格化、明確化されております。単なる個別行救済につながらず、また公的資金注入行に厳しい経営努力を促すような枠組みになっていると考えております。 新法成立後の実際の行政対応におかれましても、かかる法定要件を踏まえて、ぜひとも的確、厳正な運用をお願いしたいと考えております。 以上で私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○田野瀬委員長 ありがとうございました。 次に、平澤参考人、よろしくお願いいたします。
○平澤参考人 ただいま御紹介賜りました全国地方銀行協会会長の平澤でございます。 本委員会の皆様方には、日ごろ当業界に対しまして御指導を賜り、厚く御礼申し上げたいと存じます。 それでは、私からは、まず地方銀行の現状について申し上げたいと存じます。 まず、現在の地方経済の動向を見ますと、全体といたしましては、輸出が好調を持続するとともに、設備投資に持ち直しの動きが広がるなど、徐々に景気改善に向けた動きが出ておりますが、他方、地域的にはなお格差が見受けられ、また景気持ち直しの動きが中小企業にまで十分浸透していない、そういう声もございます。そういう意味では、地方銀行にとっては引き続き気の抜けない環境である、そのように考える次第でございます。 今申し上げましたような中で、地域経済の担い手としての役割を期待されている地方銀行といたしましては、地域のお客様への円滑な金融サービスの提供を通じまして、地域社会とともに発展を図ることがますます重要となっております。地銀各行がそれぞれ持っている能力を最大限発揮し、より積極的に業務に挑戦していくことが地域社会と地方銀行の両者にとって不可欠と考えている次第でございます。 昨年三月に金融審議会で取りまとめられました「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」におきましても、こうした地域社会と地域金融機関の特性を踏まえて、「中小企業の再生と地域経済の活性化を図るための各種の取組みを進めることによって、不良債権問題も同時に解決していくことが適当」、そのようにされております。地銀各行とも、これまでの取り組みをより一層進めまして、早期の問題解決を図るべく努力しているところでございます。 これらの諸課題を解決するためには収益力や経営基盤のより一層の強化が必要であると認識しておりますが、今回の内閣提出法案に織り込まれております資本増強の枠組みにつきましては、こうした動きを加速する経営の選択肢がふえるもの、そのように考えておる次第でございます。 国会の御審議を経まして、本法案が成立し、施行が準備される段階で、地銀各行もこれを念頭に置いて適切な経営をされていくもの、そのように思っている次第でございます。 以上、簡単ですが、地銀界の意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。(拍手)
○田野瀬委員長 ありがとうございました。 次に、綿貫参考人、よろしくお願いいたします。
○綿貫参考人 第二地方銀行協会会長を務めております京葉銀行の綿貫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本委員会の先生方には、日ごろ当業界に対し御指導を賜り、厚くお礼申し上げます。また、本日は、このような席に出席し、意見を申し述べる機会を与えていただき、まことにありがとうございます。 さて、審議いただいております法案に関しまして、当業界の意見を述べさせていただきます。 現在、金融機関に対し、我が国経済の構造変化に適切に対応して、収益構造を変革しつつ健全な金融機能を発揮することが期待されている中で、各会員行は、中小企業金融再生に向けた取り組み並びに健全性の確保、収益性の向上に向けた各種施策を実施し、経営体質の強化に取り組んでおります。 我が国経済は全体として明るい兆しが見えるものの、こうした動きは大都市を中心とするものであり、地域経済はまだまだ厳しい状況にあります。地域経済の活性化は私ども地域金融機関の極めて重要な役割であると認識しており、そのためにも、企業再生や不良債権問題への対応など、リスク対応のための体力を高めることが肝要と考えています。 リスク対応力を高める手段としては、収益力の強化はもとより、合併等の組織再編成や資本増強等が考えられますが、現下の金融環境のもとで、健全行といえども円滑な資本調達が難しい場合も考えられます。 こうした中、新たな公的資金制度が、従来の公的資金制度の枠組みを拡充し、収益力強化に向けた前向きな経営戦略の展開や、それに伴うリスクテークを可能とするために創設されることは、資本の増強を図ろうとする金融機関の選択肢を広げるものであり、地域経済の活性化や金融システムの安定強化に資するという点で適切な対応であると考えております。 ただし、経営基盤強化のためには、資本増強や合併等がまずありきということではなく、多様な選択肢があり、その判断は、あくまで各金融機関が主体的、自主的な経営判断に基づき決定すべき事項でありますので、今回の新制度はあくまでそうした判断をした場合の環境整備であると認識しております。 地域金融機関は、地域とともに歩み、地域の中で顔の見える業務展開を行っておりますので、個々の金融機関がその特性を発揮し、地域での存在感をそれぞれ高めていくことが何よりも大切であると考えております。そのような考えのもと、金融機関それぞれが収益性を高め、経営体質を強固なものとすべく、引き続き努力してまいる所存であります。 最後に、本委員会の先生方におかれましては、地域金融機関が地域の中小零細企業の再生を円滑に進めるための税制面での措置等について、引き続き御支援賜りますようお願いいたし、私の発言を終わらせていただきます。 ありがとうございます。(拍手)
○田野瀬委員長 ありがとうございました。 次に、長野参考人、よろしくお願いいたします。
○長野参考人 全国信用金庫協会会長の長野でございます。本法案につきまして、私ども信用金庫業界の考え方を述べさせていただきます。 既にお話がございました、また皆様方御承知のとおり、地域経済もひところの厳しさは緩和しつつありますが、中小企業の大半は景気回復を実感しておりません。規模格差、業種格差そして地域格差が大きく、まだまだ予断を許さない状況にあると見ております。 そうした状況のもと、信用金庫といたしましては、中小企業金融のかなめとして、自発的に挑戦を始めている中小企業者と一緒になって、再生と創業支援に積極的に取り組んでいるところであります。 しかし、信用金庫が健全性を維持しつつ、こうした取り組みを一段と強化していくに当たり、地域経済の状況によってはさらなるリスク資本が必要となることが想定されます。その点からも、新しい公的資金制度の存在は、信用金庫の資本調達手段の選択肢を広げ、信用金庫の中小企業支援を通じた持続可能性のある地域社会づくりに大きく貢献していくものと考えます。 また、個別信用金庫の健全性の確保と業界全体の信用力の維持向上を目的として、私どもといたしましては、平成十三年四月に、業界の経営力強化制度というものを創設いたしました。これは、各金庫の経営の状況を分析し、また経営相談に乗り、さらには必要とあらば資本増強をやっていく、こういうようなことの制度でありまして、業界の中央機関である信金中央金庫が運営しているわけでありますが、この制度運営に、より柔軟にこれが作用するということを期待しているわけであります。 新しい公的資金制度は、決して個別金融機関の救済ということではないと考えます。元気の芽が出始めてきた地域経済が後戻りすることのないよう、金融機関を通じた地域再生策の一環であると言えます。 こうした公的資金が有効に活用されたならば、中小企業の再生、創業により地域経済が再生し、その結果、地域金融機関の収益基盤も強固なものとなります。まさに、中小企業、地域社会、地域金融機関が三方一両得となる大きな契機になるものと考えております。 以上、簡単でありますが、本案につきまして、私どもの基本的な考え方を申し述べさせていただきました。ありがとうございます。(拍手)
○田野瀬委員長 ありがとうございました。 次に、網代参考人、よろしくお願いいたします。
○網代参考人 全国信用組合中央協会の会長の網代でございます。よろしくお願いいたします。 本日は、本委員会において私どもに意見陳述の機会を設けていただきましたことに対しまして、感謝申し上げます。 それでは、金融機能の強化のための特別措置に関する法律案について、私どもの意見、要望を簡潔に申し上げます。 本法律案は、その目的にありますように、「金融機関等の金融機能の強化を図るため、金融機関等の資本の増強等に関する特別の措置を講ずることにより、金融機関等の業務の健全かつ効率的な運営及び地域における経済の活性化を期し、」云々とされておりますので、有意義なものと評価しております。 ところで、信用組合業界では、平成十四年四月に、業界のセーフティーネットとして信用組合経営安定支援制度を創設いたしました。本制度は、個別信用組合の経営の健全性を確保し、業界の信用力の向上維持を図ることを目的とするものであり、モニタリング制度、監査指導制度及び資本増強支援制度の三本柱で構成されております。 このうち、資本増強支援制度は、業界の系統中央機関であります全国信用協同組合連合会が、資本増強支援を希望する信用組合から経営健全化計画等の提出を受け、審査の上、資本を供与する。供与後は、当該組合から定期的に報告を受け、経営健全化計画の達成状況等を管理するというものであります。本制度の運用に当たりましては、当然のこととして、支援基準及び支援額等について一定のルールを定めておりまして、例えば、単体の信用組合に対する支援額は原則として十五億円を上限としており、また、救済合併等のいわゆる受け皿信用組合に対するそれは原則二十五億円を上限としております。 その意味からも、本法律案のいわゆる公的資金制度は、業界自前の資本増強支援制度を補完するものとして位置づけ、効果的に活用することが可能となるものと考えております。 ただ、現時点では、どの程度の数の信用組合が本法律案に基づく資本増強を希望するかとなりますと、何とも言えない状況にありますが、ただ一つ要望させていただきたいことは、その運用に際して、信用組合の実態を踏まえた審査がなされ、信用組合も適切に活用できるような制度となることを期待しております。 以上でございます。(拍手)
○田野瀬委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○田野瀬委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村隆秀君。
○木村(隆)委員 きょうは、五人の参考人の皆さんには、お忙しい中、大変御苦労さまでございます。私は、十五分という限られた時間でございますので、本当にさっとした質問をいたしますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。 今、平澤さんや長野さんのお話にもありましたように、ことしに入って我が国経済は、景気の回復に少し明るさが見えてきたようでありますけれども、輸出関連を初めとする一部の業種また大企業を中心としたところで今頑張って日本経済を引っ張りつつあるのではないかなという認識をしております。そんな意味において、中小零細企業そして地域経済、地方においてはまだまだよくなったという実感がないというお話、私も同感であります。 そういう地域経済にあって、また中小零細企業にあって、地域の金融機関がしっかりと心臓のパイプの役目をしていただいて、血液を流す、お金の流れをよくしていただく、また、新しい事業再生を初めとする取り組みにも全力を挙げてバックアップをしていただくことが大切ではないかと思っております。 そんな中で、今回の法案、今審議をいたしておりますけれども、今皆さんの御意見にもありました、経営の選択肢の拡大に資するのではないかというようなお話もあったわけでありますけれども、政府案、民主党案がそれぞれ出ております。ぜひ皆さんの忌憚のない御意見をいただきたいと思いますが、限られた時間でございますので、地銀の平澤さんから、四人の方に、順次お聞かせをいただきたいと思います。
○平澤参考人 先ほども冒頭にお話を申し上げましたように、今回の内閣提出の法案、我々地方銀行協会にとりましても、先ほどもお話があったように、経営の選択の幅を広げて、特に資本の増強を通じましてそういう結果になるということについては、これを前向きに受けて、法案が成立し施行されれば、それを念頭に起きながら経営に当たっていきたい、そのように考えている次第でございます。
○綿貫参考人 今平澤参考人からお話ありましたのとほぼ同意見でございます。 我々業界におきましても、ことしは昨年とはかなり違った雰囲気で今月を迎えておるというのは、やはり株式の値上がりがありまして、資産効果というものはこんなに大きいものかということは実感しておりまして、今現在でございますと、余り心配ないなというふうには思っておりますけれども、やはり経済は生き物でございますので、これが、何かがあった場合の支えになる法案であるというように理解しておりまして、そういうものを成立させていただければなお心強くなっていけるんじゃないか、このように思っております。 以上でございます。
○長野参考人 現在、中小企業の皆さんは懸命の努力を続けておられます。多少状況がよくなったということであろうかと思いますけれども、やはり二極分化、そういうようなこと等で非常に苦しんでおられる。そういうような中においても中小企業の方は懸命に努力をされておられます。ただ単に今までどおりやっていけばよろしいんだということでは決してございません。本当に懸命の努力をされているわけでありまして、そういうような中小企業の皆様の御努力に対して、私どもも一緒になって苦労する点は苦労していこうよ、そして、ただ単に現状が余り芳しくない、芳しくないということは中小企業の経営内容が余りよくないんだ、財務内容がよくないんだということであっても、本当に、将来性あるいは中小企業の皆さんの技術力、いい点を十分見詰めて、それに対して懸命の支援をしていこう、こういうふうにやっているわけでございます。 ただ、そういうような過程において、そういうことをやればやるほど、やはり私ども金融機関としてのリスク資本というようなものを厚くする必要があるというふうに思っているわけでありますが、私どもの業界で制度を設けておりまして、できる限り活用するつもりではありますけれども、状況がどうなるかはわかりません。そういうような際には本制度を有効に活用させていただきまして、現在中小企業が進んでいる方向、私どもがバックアップしていこうということを本当に全うさせたい、そういう意味合いで、本法案を、法律を活用させていただきたいというふうに思っております。 以上です。
○網代参考人 先ほどから各参考人の方から中小企業の実態を訴えられたわけでございますが、私どもの取引先であるところの中小、むしろ零細企業は、他の参考人の方々のお客の状況よりもさらに厳しい状況にございます。そういう意味で、私ども、絶えず信用リスクの課題にさらされているわけでございます。 ただいまの政府案では、我々がどこまでこれを利用していくのか、現時点では何とも言えないのですが、このような制度があること自体、預金者やマーケットの金融システムに対する不安感の払拭に資するものだと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○木村(隆)委員 ただいまは、四人の参考人の方から、ぜひ政府案を通していただいて、これからの経営の安定のために、安心のために、ぜひ用意をしていただきたいという御意見だっただろうと思います。 また、長野さんのところで、私も同じだなと思って今聞いておりましたのは、二極化が進む中で、二極化の上へ上がりたいと一生懸命努力をしている中小企業に、はしごをかけて、しっかり上がるための手段をお与えする、こういうことも、皆さん方も、そして我々政治、行政も考えなければいけないことではないだろうかと痛感をした次第でございます。 続きまして、三木さんにお伺いをしたいのですが、今回、政府案と民主党案があわせて審議されております。民主党案というのは、この九月までに一斉に検査をして、法定の引き当て率で間接償却を義務化して、そしてその結果債務超過か、過少資本になるのかということをしっかり見きわめた上で、破綻処理するのか、国有化していくのか、資本増強をするのかという対応をしようという案だと思います。 そこで、引き当て率の法定化というものでありますけれども、それぞれ銀行の持つ債権というのは千差万別である、その貸し倒れについて、どのような実態か、それぞれ実態に合ったような引き当てをしていくというのが今までの金融の、常識というとあれですが、流れではなかったのかなと思います。そういうことからして、今回の法定化のことについてどのような御見解をお持ちなのか。 そして、この審議の過程の中でも何度となく出てきたのは、銀行の査定は非常に甘くて、引き当て不足しているんじゃないか、また、繰り延べ税金資産も過大に計上しているんじゃないか、銀行の決算というのは粉飾じゃないかというのが何度も何度もこの委員会の中で出てきました。そうですということなのか、いや違うということなのか、こういう機会ですから、ぜひ三木さんの御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○三木参考人 お答え申し上げます。 まず、引き当ての件でございますが、先生がおっしゃられたとおりであろうかと思います。引き当ては、個別の債務者ごとにおのおのの経営実態を見きわめまして、キャッシュフローを見る、それから過去の貸倒実績率、こういったものを踏まえまして行うものでございまして、その上で、私どもとしましては、必要かつ十分な引き当てを積んでいるところでございます。 今お話に出ました、引き当て率を法定するということになりますと、これはやや機械的にもなりますので、実態を反映することができなくなるのではないか、引き当てが過大になったり、逆に過小になったりするおそれが出てくるのではないか、このように思いまして、そうなりますと、中小企業に対する円滑な資金供与ということではマイナスになるんではないかなと思うわけでございます。 それから次に、私どもの査定あるいは引き当て、繰り延べ税金資産、そういったものについての御質問でございますけれども、私どもといたしましては、金融再生プログラム等を踏まえまして、まず自己で、厳格な査定、引き当て、これを行っております。先ほど申しましたように、キャッシュフロー等をよく見るというようなことでございます。これを、金融庁の検査ですとかそれから監査法人の監査が検証しております。そこで相違があれば、非常によく、しっかり話し合いをいたしまして、そこのところを目線を合わせる、こういうことをやっております。 繰り延べ税金資産でございますけれども、これは会計基準それから実務指針、そういったものに沿いまして適正な計上を行っているわけでございますが、監査法人がルールに基づいて厳格な資産性を査定しているということでございまして、私どもとしましては、銀行界としては、粉飾決算という御指摘は当たらないと思っております。 以上でございます。
○木村(隆)委員 粉飾はしていませんよ、また、引き当て率の法定化は疑問ですねという今お答えだっただろうと思います。 ところで、来年の春にはペイオフが全面解禁をいたします。それについて今どのような準備といいますか、対応をなされておられるのか。これは時間がありませんので、また平澤さんから、ずっと。
○平澤参考人 今の御質問にお答えいたしたいと思います。 御存じのように、来年四月がペイオフの全面解禁でございますので、地銀各行といたしましては、それまでの期間、集中改善期間、こう言っているわけでございますが、具体的にもろもろのきちっとした計画を組みまして、機能強化計画というものもその中に入っておりまして、それによって、個々の金融機関としての経営体力の増強や経営基盤の強化、そして預金者に正確な情報を提供するための経営内容の透明化、こういうことに鋭意努力をしているわけでございます。 また、それにあわせまして、万々一ペイオフということになった場合に備えまして、すべての金融機関が現在、預金者の名寄せ作業、そして決済用預金の準備等を進めているところでございまして、そういう意味では、平成十七年四月を見据えまして、必要となるもろもろの対策はきちっと進めているというふうに考えております。
○木村(隆)委員 もう時間が来てしまいましたので、皆さんからお聞きをしようと思いましたけれども、恐らく今おっしゃったようなことで皆さんも努力をなさっておられるんだろうと思います。 やはり中小零細企業の方々というのは地域の金融機関の力があってしっかりとした経営ができると思いますので、ぜひ、事業再生、また地域の中小企業が元気に働けるような血液をどんどん流していただけるようにお願いをして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、長沢広明君。
○長沢委員 公明党の長沢広明でございます。 本日は、お忙しいところ、全国銀行協会初め各団体の代表の皆様に御出席をいただきまして、引き続き質疑に応じていただきますことに感謝を申し上げたいというふうに思います。 これまで、平成九年には、大変に相次ぐ金融機関の経営破綻がありまして、金融危機が一気に表面化をいたしまして、貸し渋り、貸しはがしというような状態もそのころからかなり経済社会全体へ大きく広がってきたというふうに記憶をしております。平成十年三月に、金融機能安定化法に基づきまして一兆八千億円の資本増強、平成十一年から平成十四年までの間に、早期健全化法に基づいて八兆六千億円資本増強が実施をされる。 バブルの時代には想像もできなかったような破綻や再編の波というものがその後起きてきたというような経過でございますが、こうした中でありながらも、我が国の金融システムはここへ来て徐々に安定してきたわけであります。 その一方で、地域における金融というのは、まだまだ十分に、地域からも安心感を持って、行われているというふうな状況には必ずしも至っていない。 そういう状態の中で、今回の法律案は、地域における金融の円滑化、金融機能の強化を図って地域経済の活性化につなげるもの、こういうふうに理解をしておりますが、その中で特に、先ほど、前の委員の質問からもありましたとおり、中小企業に対する資金供給ということがやはり一番大事なポイントになってくるというふうに思います。 かつては、バブル崩壊後は、貸し渋り、貸しはがしに遭った中小企業がなかなか金融機関のところへ行けずに、最終的には高金利のノンバンクに走ってまた大変な苦労をする、こういうような社会問題にも発展をいたしました。反省として、財務体質の必ずしもよくない中小企業であっても経営意欲のある企業に対しては、そのリスクに応じた金利を設定して、それなりに貸し出すことはできないのかという議論が当時ございました。 現在は、それを、リテールバンキングとか、あるいは中小企業向け融資をふやすというような形で多分努力をされているだろうというふうに思います。ただ、貸し渋り、貸しはがし、いろいろさまざまな経験を経て、中小企業の社長さんも、お金を借りに行くということに非常に勇気が要るという面もあるようでございます。 地域における中小企業に対して円滑な資金を提供していくように流れをつくることが今回の金融機能強化の新法の目的の一つであるということを考えますと、大手の銀行、地方銀行、信用組合、信用金庫と、営業形態ということではなくて、それぞれ同じような、地域経済を支えるという観点から見ますと、それぞれの立場におけるきめの細やかさというものがあっていいのではないかというふうに思います。 それで、これは五人の参考人の皆様に一言ずつお答えをいただきたいというふうに思っているわけなんですが、それぞれの金融機関がそれぞれの特徴を生かして、ベンチャー企業に対する融資とか、事業の可能性を、目ききの問題もありますけれども、可能性をよく見た融資というものに思い切って踏み込んでいくとか、こういうものにむしろ投資するとか、そういうような意味合いでの融資とか、思い切った対応も必要ではないかと思っておりまして、地域経済の担い手である中小企業に対して資金調達のチャンネルをできるだけ多様化する必要がある、幅広くしていく必要があるという意味で、各金融機関の取り組みを期待したいというふうに思っております。 そういう意味で、三木参考人から五人の参考人の皆様に、それぞれ、中小企業への貸し出しをふやすという意味で、みずからの特徴を生かしてどのような努力、どのような工夫をされているか、その一端をお聞きしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○三木参考人 お答え申し上げます。 私ども、大手銀行に属するかと思いますけれども、中小企業、本当に大事なお客様でございまして、中小企業への融資というのがもう本業中の本業でございます。そしてまた、地方にも支店がございますので、地方の中小企業にも一生懸命やっているところでございます。 そして、お尋ねの工夫でございますけれども、この一年、無担保融資、そして第三者保証なしというもの、そしてまた審査の迅速化、こういったものに努めまして、こういう貸し出しを非常にふやしております。実績は、私どもの銀行だけでも二千億と三千億の間にもういっておりますけれども、その大体六割が新規貸し出しでございます。そういうことで対応しております。また、新産業貸し出しグループというのがございまして、新しい産業を育てるべく、そういう貸し出しに努めているところでございます。
○平澤参考人 中小企業への融資は地方銀行にとって、特に横浜銀行といたしましては最大の仕事というふうに考えております。したがいまして、もろもろの経営資源もそれにここ数年集中的に投入してきております。しかし、こういう経済情勢が続いておりますので、なかなか努力が要るわけでございますが、数字的にはじわじわ融資残高がふえているというのが現実でございます。 ただ、そのためには、中小企業の皆さん方にとってもメリットのあるやり方が必要であるわけでございまして、やはり一番大きいのは、早く決めてくれということでございまして、そういう意味で、できるだけスピードを上げて決めるということでございます。そのために、従来本部で持っておりました融資権限もかなりの程度支店におろして、支店長が決めることができるというふうにしております。それからさらに、無担保、第三者保証不要のローンも、いろいろな金融商品をつくりまして、これも積極的に進めているところでございます。その他、シンジケートローンとか私募債への取り組み、これも中小企業のためのものを積極的にやっているということでございます。 そういう意味で、いろいろきめ細かくやっているというのが現在の姿でございます。
○綿貫参考人 地域銀行にとりましてはこのリレーションシップバンキングというのは一番大事だというように認識しておりまして、会員行五十行の中で、昨年から三十五行が取り上げまして、それで担保と保証に依存しないもの、これは上期、四月から九月までで二万二千百九十九件、千三百七十億という業界団体での実績は上がっております。 また、手前ども京葉銀行につきましては、昨年の五月から、ビジネスローンと称しまして、これは担保とか第三者保証に全く依存しないもので、それでまたなおかつ即決できるように全部支店長専決権限にして、本部へ書類提出しないでやるものを開発しております。 ですけれども、リレーションシップで一番大事なことは、実査をすることであり、また面談することというふうに心得ております。その実査、面談によったものが、ちょうど去年一年間、この三月までで千百三十件で、金額にして百三十億ほど新たに出たということは御理解いただきたい、このように思っております。 また、この延長線上でのより小さい貸し出し、これを二月から始めておりまして、そちらの方も軌道に乗ってきておりますので、このリレーションシップバンキング、やはりお客さんとの対話というものがいかに大事であるかということ、これを改めて認識を深めたということでございます。 以上でございます。
○長野参考人 私どもが常々考えておりますことは、いかにして私どもの経営の健全性を維持向上させるかということと、それから中小企業に対する金融の円滑化、この二つのテーマというものを両立させるか、これが一番考えているところでございます。 中小企業に対する金融の円滑化といいましても、一年ぐらい前と現在とでは、中小企業の需要の内容が非常に大きく変わってまいりました。中小企業の中でも、比較的状況のいいところと普通のところと悪いところ、大きく三つに分かれるわけでありますが、比較的いいところは、もうお金は必要ない、こういうような感覚でございます。必要ないどころか、まず、現在借りている有利子負債、そういうようなものを減少させて金利負担を少なくしていこう、返済負担というものを少なくしていこう、また、設備投資等につきましてもできる限り自己資本でやっていこうということが考えられているわけであります。 それから、普通に頑張っておられるところについては、双方で相談をして、できる限り御要望にこたえるようにやっていく、こういうようなことでやっているわけで、今お話ございました、私どもは毎日のように中小企業を訪問しているわけであります。いい点もわかっていれば悪い点もわかっている、そして、悪い点についてはいろいろアドバイスをする、あるいはこういうふうにしていこうじゃありませんかというようなこと等で相談をしていく、そういう状況の中で何とかやっていく。 問題は、非常にぐあいの悪い、そういう先であります。その先に対してどういうふうにしていくのか、これは一番の問題点でありまして、先ほども別室で話していたわけでございますけれども、貸すも親切、貸さぬも親切、これが一番そういうことに当てはまるのかなということでありますが、貸さぬも親切であるということを御理解いただくためには大分時間もかかりますし、いろいろ状況もあるわけであります。 一生懸命我々はやっているわけでありますけれども、さはさりとて、延命措置を講じていつまでもいつまでも貸し続けていくということが果たしてどうなんだろうか。いたずらに負債、借金、借り入れを多くしていくということだけでは、これはかえってぐあいが悪いというようなことになりますと、ある時点において我々としても考えなくちゃいけない。 そういうようなことがあるのかなということを、まことに冷酷、冷たいようなことかもしれませんが、私は、廃業と、それから倒産の実態というものをいろいろ見てみます。そうすると、廃業の場合は、日本の中小企業は何とか数年後には再生できるんですね。ですけれども、倒産ということになるとその年数が大分ふえてくる。廃業した場合は二、三年で再生できる。ですけれども、倒産してしまいますと五、六年、せいぜい早くても五、六年はなかなかできない。そういうような状況になると、その企業がどういう実態かということを見きわめて考える必要があるんではなかろうか。 私自身が過去においてずっと資金を、日本銀行あたりから怒られるわけであります、あなたのところは倒産する前日まで金を貸しているじゃないか、何を審査しているんだということをさんざん言われまして、さはさりながら、私のところの不良債権は、あえて言えば名誉の負傷だ、向こう傷とは言いません、名誉の負傷だとか言ってあれしているわけなんですが、そういうようなつもりでやってきて、非常に反省をしているわけなんですが、非常に悪い先に対する融資というものを考える必要があるんじゃないかというふうに思っております。 以上でございます。
○網代参考人 昨年の六月でございますが、信用組合の中に、信用組合のあり方等に関する特別委員会報告というのをまとめました。 信用組合の原点というのは、お金のない時代に仲間同士がお金を持ち寄って助け合ったルーツを大切にしようじゃないか、したがって、組合員の利益をいつでも第一に考えることじゃないか。それから二番目は、中小零細事業者や生活者一人一人の顔が見えるきめ細かな取引を基本としようじゃないか。それから三番目は、つき合いの積み重ねが一番大事なのであろう、これが信用につながるのであろう。四番目は、金融の面だけでなく、経営上の悩みや課題をともに考え、その解決に協力することということで、四つのことを再確認しているわけでございます。 したがいまして、特に中小零細事業者の支援、育成ということになりますと、やはり経営について御相談に乗れる、そしてある程度指導ができるということが大事でございまして、上部団体の中で経営診断の仕組みを考えて、それに基づいてやっておりますし、また、創業、事業再生、転換等はございますが、これはなかなか、はっきり言って申し上げるのにも大変苦労するようなところでございますけれども、自分たちの力でできないところはコンサルタントまたは中小企業支援協議会のようなところに相談をいたしまして、何とか破綻懸念先ぐらいまでは要注意先くらいまで持っていけないかという努力をしているところでございます。 当然のことですけれども、一般の中小零細事業者に対しては、かなりのところで無担保、無保証の商品を出しております。これは、はっきり申し上げて、財務分析をするとかなんとかというようなことはなかなか満足にできないようなところでございますので、ふだんのおつき合いによるところの信用ということが主体、どうしても定性的な要因が主体になります。したがって、支給限度は三百万とか五百万ぐらいが限度で、大きな額のお金を貸し出すということは難しいんですけれども、しかし、現実問題として、百万が足らないあるいは二百万が足らないということが現にたくさんあるわけでございまして、そういうものを活用していただく。 それから、事業資産等ございましたところは有効活用の助言をするというようなことを通じまして、幾らかでも中小零細企業が資金繰りが円滑になるように努力をしているところでございます。 景気の回復も中小企業にはなかなか及ばないんですが、そういう努力と多少の影響がございまして、本年の三月では、ほぼ前年横ばいの貸し出しのところまで戻ってまいりました。 以上、申し上げておきます。
○長沢委員 たちまち時間が来てしまいました。 皆さん、地域それぞれの特色を持った取り組みに努力されているということが伺えました。 ただ、やはり、無担保、無保証とか第三者保証なしの融資とか、これはやはり最近新たに出てきた角度でございますし、まだまだこれまでの伝統的、古典的な経営手法からもう一歩経営を革新していく必要があると思いますし、またその可能性はあると思いますので、そういう意味では工夫をしていただきながら、地域経済の活性化というのは我が国の経済の健全化に欠かせない要素でございますので、今後とも、デフレ脱却、平成不況脱却のために、地域金融機関の皆様にも御協力、全力の対処をお願い申し上げまして、質問を終わります。
○田野瀬委員長 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 民主党の中塚一宏でございます。 参考人各位におかれましては、大変に御苦労さまでございます。 金融機能強化法案の審議に際しまして、参考人としてお運びをいただいているわけでありますけれども、私ども民主党は、政府・与党とは考え方が違いますので、この法案についての賛否ということになると反対ということになるわけでありますけれども。 そこで、本日お越しをいただいている皆さんに、冒頭の意見陳述で三木さんがおっしゃっておられました、意義がある、この法案については意義があるというふうにおっしゃっておられましたけれども、意義があるということは成立をさせるべきだというお立場なんでしょうけれども、意義がある、その意義というのは一体何なのか。つまり、これが何で必要なのか、あるいは何が何でもこれがなければ困るのか。つまり、日本の金融システムというものは、この法律がなければだめなほどいまだに不安定なのか。そこのところはいかがですか。
○三木参考人 お答え申し上げます。 現在、資金不足が問題になっているような銀行が実際にあるというふうには認識しておりません。 ただ、先ほど来お話が出ておりますように、地域の金融機能の強化ですとか、それから地方経済の活性化、あるいは地方の中小企業への金融円滑化、そういったことを考えますときに、例えば合併による組織再編に取り組むとか、思い切った事業再構築をしたいというふうに考えられる銀行があろうか。そういうときに、この新しい公的資金は、先ほど来盛んに一つの選択肢という話が出ておりますが、私も、そういうことで意義があると存じます。 以上でございます。
○中塚委員 そういう金融機関があろうかというお話でありましたけれども、あるかどうかは、実はこれを中心に聞いていきたいと思っておりますし、もう一つは、今のお答えだと、そういう金融機関があろうかという話になると、これは個別行の問題であって、金融システムの話とは違うということになりますが、そこは今のお答えは矛盾しているんじゃないでしょうか。
○三木参考人 お答え申し上げます。 今回の法律は、金融システム全体ということもございますが、やはり地域経済、地域の金融機能の強化ということでございますので、地域金融機関でそういうことがございましたら、やはり非常に重要なことであろうと思っております。 以上でございます。
○中塚委員 今の三木さんのお話をお聞きになって、長野さんはどういうふうにお感じになられますでしょうか。
○長野参考人 今ちょっと聞いておりませんでした。申しわけございません。
○中塚委員 参考人の方を怒るのは毎回後半にしておりますので、今のは、今は何も申し上げませんけれども。 要はそういう金融機関があろうかということを三木さんおっしゃっているわけですね。 この法律案は大手行を排除するものではない、法律の仕組み、立て方としては大手行を排除するものではないというふうにはなっておりますけれども、政府のたびたびの答弁を聞きましても、また、金融庁から提出された資料なんかを見ましても、地銀以下の問題であるということ、それを問題意識として法律が仕組まれているわけですね。そういった意味で、果たしてそういう金融機関というのはあるんでしょうか。 では、平澤参考人は恐らくお話を聞いていらっしゃると思いますので、いかがでしょう。
○平澤参考人 この法律が成立して施行されたら申請する金融機関があるのか、こういうお話でございますが、この法律案の目指すところは、資本あるいは金融機関の財務をより健全なものにすることによってもろもろの選択肢をふやそう、こういうことでございますので、それぞれの金融機関の経営者がその必要性があるとお考えになれば当然手を挙げてこられる、こういうふうに思うわけでございます。 例え話で恐縮でございますけれども、お医者さんを出して恐縮ですが、お医者さんが、かなり健康が悪くて体力がないとやはり患者さんを十分に診られない、気力その他に欠けるとか、もろもろのことがあるのとちょっと似ておりまして、そういうふうにお感じになれば、当然金融機関としてこの法律を、適用を受け、より財務を健全化して中小企業融資にさらにしっかりやっていこうというふうにおなりになるのではないかな、そのように思うわけでございます。
○中塚委員 何か、今の話を聞いてもよくわからないな。何で国から金まで借りて中小企業に金を貸そうという銀行があるんですかね。現に、貸出金というのは、既に資本注入を受けている銀行であってもどんどんと減り続けているわけですね。 そこで、より経営の健全性を高めるというお話でありましたけれども、そういうことで申請をしてくる銀行があるというふうには私には思えない。まず結論から言いますと、私は、この法律が通ったって、恐らく使う金融機関はないんだろう、手を挙げる金融機関はないんだろうと思うんですね。 といいますのは、これは申請主義をとっておりますから、手を挙げてこなければいけないわけですね。合併をするなり、あるいは経営の組織というものを抜本的に再編するなりというふうなことで、手を挙げてこなければいけないわけなんですけれども、では、今金融システムが健全であって、皆さんは、おっしゃるとおり、それなりに頑張っていますというふうな御答弁だったと思いますけれども、貸し出しもされている。では、さらに国から金を借りてまで、そして新しい経営強化計画をつくって、その後金融庁にまたややこしいことまで、面倒くさいことまで言われ、なおかつ合併をしたいというふうに本当にお思いになるのかどうか。 長野参考人と網代参考人の御意見をお聞かせください。
○長野参考人 この制度を活用するという場合に、いろいろな条件とかそういうものが強く出てくれば、これはいろいろ問題が出てくるだろうというふうに思っております。 ただ、我々は、こういうような制度そのものが存在するということだけでも、これから地域の発展、中小企業の再生にどんどん力を入れてやっていこう、そうした場合に、自己資本がいろいろ毀損することもあるのかな、あるいは、せっかくおさまっているけれども何かあると困るな、せっかくここまでよくなってきつつあるわけですから、それを何とか全うしたい、そういうような場合に十分使えることになるのではなかろうかな。 わかりません、わかりませんけれども、そういうことがあるということ自体が非常に大きな安心といいますか、力にもなるんじゃなかろうか、こんな気がいたしております。
○網代参考人 冒頭に申し上げましたように、では信用組合業界でどれぐらい手を挙げるのかと言われたら、これは現時点でわかりません、はっきり申し上げて。 しかしながら、先ほどから長野参考人もお話しのように、なかなか中小企業の実態が厳しゅうございますので、いろいろな面で注意をしているんですが、やはり相変わらず不良資産も出てくるということもございます。業界の経営支援制度もございますけれども、そういうものが、国としてのバックアップがあるということで、やはり、それを選択肢の一つとして、上部団体の支援制度と合体でやるということは考えられますので、一応その環境づくりには資するんじゃないか、そういうふうに考えております。
○中塚委員 金融庁が余計な法律をつくるものだから、国会にまで呼び出されて小生意気な国会議員にごちゃごちゃと言われて、本当にうっとうしいなというふうにお思いになっているんだろうと私は推察をいたしますけれども、ただ、なくてはならないのか、あるいはあった方がいいのか、そこは、国民の税金である政府保証というものを使う以上は、業界の皆さんとして、ニーズがあるからぜひつくってほしいということなのか、ニーズはあるかどうかわかりませんけれども、まあ、あった方がいいですねみたいな話なのか、そこのところが、やはり私はちゃんと議論をしなけりゃいけない。それは私たちの間で議論をしなければいけないわけですが、ぜひ、金融機関のお立場として、皆さんの御意見をお聞かせいただきたいというふうに考えているわけなんです。 綿貫参考人にお伺いしますけれども、これは本当に必要だというふうにお考えなんでしょうか。これを活用する金融機関はある、あるから必要だというふうにお考えなのか、ないかもしれないけれども、あった方がましだという程度のことなのか、どっちなのかお答えいただけますか。
○綿貫参考人 お答え申し上げます。 今ちょうど、ペイオフが二年間延期されまして、それで機能強化に関する集中改善期間の一年が終わったところで、もう一年残っているところでございます。この一年間を見ますと、去年の今ごろと今現在とを比べてみますと大変安定しております。ですから、そういう面で、今すぐ手を挙げるところが出るかと聞かれた場合には、ないだろう、このように思っております。 ただ、金融決済というのは、決済システムが、日本の場合非常に緻密にできておりまして、膨大な金が瞬時にして銀行間で動いております。万が一、これはそごを来すところが出ますと玉突き効果というのが出まして、一カ所や二カ所じゃとまらないということは事実でございます。そういったことを考えた場合には、こういうスキームをつくっていただくということは、安定化を増していく、安心感が出てくるという意味で大変価値があるんじゃないか、そのように思っております。 以上です。
○中塚委員 ところが、皆さんがそういうふうに思っていらっしゃるのとは金融庁は別のことを考えているようでありまして、きょうはお手元に資料をお配りしておりますけれども、これが五枚つづり、一番最後の紙を見ていただきたいんですが、「金融機能強化法案における政府保証枠(政府保証限度額)の積算方法」、つまり二兆円のお金を積算するときのその積算の根拠、私ども民主党として、何で二兆円なんだということを尋ねたわけです。そして、金融庁が持ってまいりました資料がこれになっている。 これを見ますと、「「自己資本比率が業界平均以下の平均的地域金融機関」と「自己資本比率が業界平均以上の平均的地域金融機関」が合併したケースを想定。」するということになっておりまして、そして、合併した場合には、「自己資本比率が高い方の金融機関の自己資本比率を維持するために必要な自己資本額」というものを公的資本注入しよう、資本増強しようということになっている。 これを見ますと、二のところですけれども、「以下の合併を仮定。」地域銀行は一割、十二行、そして信用金庫は一・五割、四十九金庫、そして信用組合は一・五割、二十九組合ということを金融庁は想定をしておるわけですね。三木さんのメガバンクと言われるところは入っておりませんけれども。 まず平澤さんにお伺いをいたしますが、地域銀行が一割、十二行合併するという想定に立っているわけなんですが、果たして十二行合併する必要があるんでしょうか。
○平澤参考人 現段階では十二行ということは考えられないと思いますが、恐らく、一つの仮定として金融庁の方で計算上おつくりになってお出しになったんではないかな、そのように思っております。金融庁に聞いたわけでもございませんので、これ以上私から申し上げることはないと思います。
○中塚委員 では、信用金庫は一・五割の四十九金庫、そして、信用組合は一・五割の二十九組合を合併するというふうに想定をしているんですが、長野さん、網代さん、これを見ていかがでしょうか。
○長野参考人 合併というのはあくまで経営の一つの選択肢でありまして、そういうようなところに対して、私どもの団体が、あなた方のところはどうするのということを、ずかずかと居間に入っていって聞くわけにはいきません。ただし、現在の状況から見て、三つとか四つとか五つとか、具体的な話のあるところはあるようでありますが、ここまでのところが合併を予定しているということは全く考えておりませんでした。 もしそういうことであれば、我々の方ももう一度調べてみたいというふうに思っているんですけれども、そんなことはないだろうというふうに思っております。
○網代参考人 どういう形で試算をされたかちょっとわかりませんけれども、恐らく、過去五年間の合併の状況等を見て、この辺のレベルはというところで推測をされたものと考えております。 しからば、過去五年間の傾向というのが今後も通用するかということになると、これはまたちょっとわからないところがございまして、あくまでも、先ほどのおっしゃられた数字というのは仮定の仮定だというふうに考えておりますので、御報告いたします。
○中塚委員 それであれば、やはり、皆さん金融庁に抗議された方がいいと思うんですね。こんな、金融庁が勝手に、一割合併するとか一・五割合併するとか、資料をつくって私らのところに持ってくるわけですよ。 仮定というふうにおっしゃるし、仮定の仮定という言葉もありましたけれども、仮定というのは、一応現実に即したものでなければ仮定の意味はないんですね。現実に即していない仮定というのは、仮定じゃなくてそれはうそということになるわけで、そういう意味で、皆さんが本当にこんなことはちょっと考えられないとかいうふうなことであるならば、別に調べるまでにも及びませんので、金融庁に対して、何だ、こんないいかげんな資料をつくりおってというふうにちゃんと抗議をすることをお勧めしたいというふうに思います。 そして、次に、この法案の前に組織再編の特別措置法という法律がありました。この組織再編の特措法なんですけれども、これも、要は全然使われていないんですね。合併をするときの手続の簡略化というふうなものについては使われているようでありますが、合併をして資本注入を受けたケースというのは実は一つしかないというふうに言われておるんですけれども、なぜ一つしかないのか、原因はどこにあるのか、お考えを平澤参考人にお聞かせをいただきたい。
○平澤参考人 恐らく、合併の場合は、個々の経営者がもろもろの事情を考えた上で最終的に決定するものでありますので、それぞれ多様なやり方が、仮に合併の場合もです、あると思います。したがいまして、なぜかというと、これはそれぞれいろいろの場合があるんであって、一言で申し上げるというのは私にとってはなかなかきついことでございます。
○中塚委員 それでは、綿貫参考人と長野参考人に、聞き方を変えますが、組織再編特措法が使われなかったのは、使い勝手が悪いから使われなかったのか、必要がないのか、どっちでしょうか。
○綿貫参考人 これはなかなか、追い込まれないとそういうのは認識できないわけでございまして、それで、我々業界団体の人間も、正直のところを申し上げまして、モニタリングの資料も持っていませんし、また検査の結果の資料も隣の銀行の分は持っておりません。ですから、それを推定するというのは大変難しいわけでございます。 だから、隣の銀行に、あなたのところはやばいんじゃないの、合併してやろうじゃないのというような御無礼なことを申し上げるということは不可能でございます。その辺は御理解いただきたい、このように思っております。
○長野参考人 公的資金というものについては、なかなか内容がよくわからないし、これを使った場合に、税金を使っているんじゃないかというようなことがよく言われておりましたので、使うということについては、ちゅうちょというか、そういうものがあることは事実だろうというふうに私は思うんです。 ですけれども、私どもの業界の場合は、先ほど来お話し申し上げました、経営力強化制度というものによって相互扶助でやっていこう、こういうことで、それが今までの段階では非常に機能してまいりまして、約千七百億ぐらいでございましょうか、中金の方でそれを賄って、今後もその制度を活用できる範囲においては活用していこうということでございます。 ですけれども、未来永劫にその制度さえあればいいんだというわけには果たしていくのかいかないのか、そういうようなときのためにこの制度というものがあれば、これは安心していけるというふうに思っているわけであります。
○中塚委員 今、綿貫参考人のお話の中にもありましたように、それは隣の銀行は危ないから合併しなさいよなんて言えないですよね。だから、私、こんなのは絶対に使われないだろうと思っているんですよ。 それで、いま一つは、長野参考人がおっしゃったとおり、相互援助制度があるわけで、それはそれで自助努力でやっていこうと思えばできるわけですね。だからこそ、組織再編特措法でも資金注入例というのはたったの一ケースしかないということになっているわけで、今、皆さんの御答弁を聞いて、ますますこの法律は要らぬなという意を強くいたしました。 次に、合併ということについて関連を伺いますが、この中で合併をされた、これは三木さんのところが合併されているわけなんですが、私の選挙区でお世話になっている信用金庫の理事長さんなんかに話を聞きますと、合併後遺症というのは大変にきついんだという話があるわけです。それは、金融機関の財務内容の問題ももちろんであります、というのは、よく言われた弱弱合併、だめなところ同士合併したっていいものにはならないよというようなことがずっと言われておりますが、それ以外にも、この合併後遺症、例えば合併行同士の、二つが合併するわけですから、行員さんの給与の問題であるとか待遇の問題であるとか、そういったものをそろえていくのが大変なんだというお話を伺ったことがありますが、三木さん、そこはいかがでしょうか。
○三木参考人 お答え申し上げます。 合併につきましては、先生御指摘のとおり、従来の文化が違いますしいろいろな体系も違いますので、いろいろな苦労があることは間違いございません。しかし、それを上回る大きなメリットがあるということで合併するわけでございます。 そういう中で、人事制度、給与制度等を合わせるということでございますが、これは若干の時間をかけまして、そしてその間に調整をしていく、それから、現在はかなり能力主義になっておりますので、その辺も以前よりはやりやすくなっているということはございますが、いずれにしましても、いろいろ厳しいことは行員も認識してもらった上で、それを上回るメリット、競争力強化、そういったことで合併するということだと思います。 以上でございます。
○中塚委員 大きい銀行、そしてそうでない銀行というのもあるわけですが、例えば、では網代参考人にお伺いいたしますけれども、この合併ということの後遺症ということについては、いかがでしょうか。
○網代参考人 私どものところは合併ではなくて事業譲渡の形で譲り受けをしたところでございます。組合の数は二つございますけれども、年度はかわっておりますが。 そういった事業譲渡をするところでございますので不良債権も非常に多うございましたし、それからやはり職員の士気も多少沈みがちでございました。そういうものを合併の主体であるところの私どもがどういうふうに修正して直していくのかというのは、やはりかなり労力、時間がかかります。大体四年ちょっと過ぎたんですが、やっとこのところ浮上してまいったという次第でございまして、やはり、対等合併ということになりましても同じようなことだと思うんですが、かなりその辺の労力が必要だと思います。 しかし、合併をする以上は、一つの目標があるわけでございますので、その目標を達成するまで、いろいろな問題点というのを、わからないところはございますけれども、直していかざるを得ないということだろうと思います。それだけの覚悟がなければ合併はできないんじゃないかというふうに考えております。 以上です。
○中塚委員 そこまでの御苦労をされて、あるいは覚悟をされて合併をする、そして規模によるメリットその他を追求されるということだと思うんです。 次に、ちょっと聞き方を変えたいと思いますけれども、要は、金融庁がこういう法律を出してくるということは、日本の銀行の数は多いというふうに考えているからなわけですね。だって、十分に減っているというふうに思えばこういう法律は出てこないでしょう。しかも、「以下の合併を仮定。」というふうなことまで書いて、一割十二行とか一・五割四十九金庫ということを書いているということは、行政としては、やはり金融機関の数は多くて、しかもその体質を強化するためには合併というのは有効な施策なんだというふうに考えているからこういう法律が出てくるわけですね。 お伺いをします。 この委員会でもいろいろと議論をされているんですが、オーバーバンキングの問題、金融機関の数というのは果たして多いのかどうかということです。金融機関の数は果たして多いのか、だからそれをもっと整理統合をしていく必要があるのかどうかということについて、平澤参考人と長野参考人の御意見をお聞かせください。
○平澤参考人 お答えいたします。 金融機関の数がどの程度が適当かというのは大変、海外も含めて難しい問題でございまして、御存じのように、アメリカの場合ですと、現在銀行が八千ぐらいありますから、数だけでいうと非常に多いということになります。日本の場合、銀行がたしか百二、三十でございますから、その比較でいえば、日本の銀行は数が少ないんじゃないか。しかし、日本の場合は、信用金庫さんも信用組合さんもある、あるいは農協さんもあるということで、含めるとという議論もあるわけでございます。 しかし、いずれにしましても、銀行がたくさんあることで過当競争が起こるというのは、これはまた大変まずいわけでございます。しかし、銀行の数がどんどん減っていって、適正な競争も維持できないで、独占的あるいは寡占的な状況になるというのもこれまた問題であるわけでありますから、そういうもろもろのことを考えて、どの程度が適当かということがおのずから答えとして出てくるというふうに思います。 一県一行であるべきだとか二行であるべきだというのも、やはり数の方からお答えを出しているような気がいたします。
○長野参考人 率直に申し上げまして、合併ということについて悪いことばかりだとは思っておりません。特に、地方へ行きまして、その地域が一つの経済圏を持っている、その地域が衰退する、そうすると、その中で、その土地の経済はそれだけでやっていけない、やはり地方の拡張、拡大というものは当然必要になってくる、こういうような合併の必要性というものも出てくると思います。 それから、合併というのは、ただ単に規模を拡大する、規模の利益というものを追求するということだけじゃなくて、私ども、人材の確保、育成というものが実はなかなか難しいんです。そういうようなことの意味における合併の効果というのは十分あるというふうに思います。 ただし、だからといって、今の信用金庫、三百あるわけであります、三百六あるわけでありますが、それぞれがその地域に結びついて機能を発揮しているわけであります。数が多いからということだけでそれを整理統合する必要は毛頭ないというふうに思っております。
○中塚委員 ありがとうございました。私も全くそのとおりだと思います。 特に、信用金庫とか信用組合というのは、今竹中さんがリレーションシップバンキングみたいなことを言うんですけれども、そもそもリレーションシップバンキングをされている業態なわけですね。だから、それを、数を減らす、合併させることによって、ではその金融機関の健全性がより上がるとか、あるいは、それで金融システムが強くなるというふうには到底やはり私には思えない。 今の御答弁を伺いまして、さらにさらにやはりこの金融機能強化法案は要らぬなというふうに思いを強くいたしました。 次にお伺いをしたいんですが、申請主義をとっているわけなんですけれども、じゃ、どことどこと合併しますということで金融庁に申請をいたしますね。申請をした場合に、断られるということもあると思うんですね。断られた場合には、その金融機関というのは一体どういうふうなことに、どういう目に遭うんでしょうか。綿貫参考人、いかがですか。
○綿貫参考人 私どもは、今までずっと自前主義でやってきていまして、それで、職員から育った者だけで、結束が強く、やって、生きてきております。そういう歴史的背景を考えた場合に、今まで考えたこともございませんので、お答えのしようがなかなか見つからないというのが本音でございます。よろしゅうございますでしょうか。
○中塚委員 そうでしょうね。だから、やはりさらに申請するところなんかないということだと思うんですね。 申請して断られないようにしようと思えば、事前審査してもらわなきゃいけないわけですね。そうしたら、その事前審査というのは、実は裁量行政、護送船団行政そのものということになっていくわけでありまして、それは金融庁自身が強く否定している、現実はどうかは私はわかりませんが、金融庁自身が否定をしていることになる。 そして、何より証拠に、組織再編特措法をやって資本注入を受けたところはたったの一行しかないわけですよ。だから、この法律ができたって、恐らくお使いになられるところはないでしょう。きょうお越しの五人の皆さんはもちろんお使いにならないだろうし、そして、皆さんの業態の各金融機関もこの法律は使わないだろうということだと思います。 大変に貴重な御意見をいただきましたので、今後の審議の参考にさせていただいて、たくさん時間をとってじっくりと審議をさせていただきたいというふうに思います。 法案の中身に関連しての御質問はこれぐらいにして、実は、一つ伺いたいことがあります。きょう資料をお配りしておるんですけれども、五人の参考人の皆さん、よくお話をお聞きいただきたいし、特に、全国銀行協会の会長ということで、三木参考人にはよくこの話を聞いておいていただきたいと思います。 これは、キャッシュカードの偽造被害の問題です。お耳に入っているかもしれません。私は、この問題をこの委員会で取り上げまして、金融庁に対して、しかるべく指導をするというふうにお願いし、また、そういう答弁も引き出しておりますし、聞くところによれば、銀行との懇談会というものも開催をされて、その場で金融庁の方から問題提起があったやに聞いておりますから、三木参考人も御存じになっているかもしれません。 キャッシュカードの偽造被害、いわゆるスキミングというふうに言いますけれども、皆さんの金融機関が発行されるキャッシュカード、それを偽造する、そしてそのお金を引き出すということです。最近はそのキャッシュカードでローンが組めるようなものもあるということで、預金を引き出されてすっからかんになって、おまけにローンまでつくられてしまう、そういうふうな被害が相次いでいるわけなんです。 この問題には、大変に法律の不備といいますか、法律の盲点といいますか、やはり新手の犯罪なんだなということを実感いたします。 話が短時間でわかりやすいように、絵を一枚目、つけてありますけれども、A銀行というところに、これは東京三菱銀行でも構わないんですが、そこにある方が預金口座を持っていらっしゃってキャッシュカードを持っている。ところが、このキャッシュカードが偽造をされて、そしてお金をB銀行から引き出される。B銀行は横浜銀行でも構いませんが、そこからお金を引き出されるということになる。 そうしますと、このケースで一体被害者はだれなのかということなんです。被害者は一体だれかというと、実は、お金を引き出された方は被害者にならないんですね、刑法上は。 まず、A銀行のキャッシュカードを偽造するという行為は、刑法で言うところの電磁的記録不正作出、そしてそれを使えば同供用という罪になります。ただ、これの保護法益というのは社会的信頼であるということなんです。そして、このデータの作成自身がA銀行であれば、被害者はA銀行だということになるんです。 次に、B銀行からお金を引き出すという行為なんですけれども、このB銀行からお金を引き出していくという行為は、実はこれは窃盗罪、つまり、B銀行が管理をするATMから財物をとったということで窃盗罪ということになって、被害者はB銀行なんです。 というわけで、預金をされている方、預金者はあくまで被害者になり得ないんですね、刑法上は。というわけで、この被害を受けた方が警察に行かれても、実は被害届を出せる立場にないわけなんです。捜査を始めていこうというふうに考えれば、皆さんたちがそれに協力をする以外に捜査は始まらないということなんです。 三木さん、本当にこれは大事な話だと思います。お金をなくされて、預金をなくされて、おまけにローンまで組まれて、そして茫然自失で警察へ行っても、警察は被害届を受け取らないというか、話を聞いてくれないことはありませんが、要は、法律上はその被害届を受け取れないんですね。被害者じゃないんですから。ということで、まず、事件が、ちゃんと捜査が始まる、捜査の端緒になるというのには皆さん方がちゃんと被害届を出される必要があるんです。 次、この資料の二枚目なんですけれども、これが、引き出されたATMの中に残っていた書類のコピーです。ジャーナルというふうに言うんだそうですけれども、ATMでお金を引き出した場合に、ATMの中には引き出した記録が残るようになっておるそうで、現物はロールペーパー、トイレットペーパーみたいにぐるぐるっと巻いてあるわけですね。それをコピーしたものがこれなんですけれども、上三枚黒くなっているのは、カードが真っ白だということです。要は偽造カードだということなんですね。そして、一番下のカードには字が書いてあるのが見えますけれども、これが唯一本物ということなんです。というわけで、偽造カードであったことは、これはもう明白な事実なんですね。ジャーナルを見れば、偽造カードによって引き出されたということは、これはもう明白な事実であるということです。 そして、資料の三枚目ですけれども、こういう被害に遭われた方が警察へ行って被害届を出そうにもなかなか受理してもらえない。ただ一件だけ被害届を受理した警察があって、捜査が進んでいる。その捜査の中で、こういうジャーナルというのも証拠書類として取り寄せることができたわけなんですが、刑事の問題もさることながら、次は民事の問題になってくるわけです。 要は、自分のキャッシュカードを偽造された、しかも、どこで偽造されたのかわからない。というのは、やはりキャッシュカードを偽造されるような扱い方をした覚えはないという方が大多数なわけですね。大多数なわけで、いつどうやって偽造されたのかわからない、本人に過失責任はないというふうにおっしゃる方がほとんどです。 そういう中で、では、お金を、自分の預金を引き出されたということについて銀行にかけ合われることになります。この三枚目の資料は、代理人の弁護士が、ある銀行に対して、この件について問い合わせたその書類が書いてあります。プライバシーの保護のために銀行の名前等またあるいは被害者の名前というものは伏せてあります。 そして、これに対する答えが四枚目の紙になる。この回答書が、そのお金が引き出された件について誠意ある対応を銀行に対して求めたけれども、銀行の回答書というのはこういうことであったということなんですね。 ここまでお話をいたしまして、まず第一点ですが、皆さんが被害届を出さなければ捜査自身が始まっていかないわけですね。というわけで、こういうケースがあった場合にはちゃんと、銀行もある意味被害者ですよね、それは自分のところのカードを偽造されているわけですから、そういった意味でこれは銀行も被害者であるわけですから、こういったケースが起きた場合にはちゃんと銀行として、支店として被害届を警察にお出しになることをちゃんと指導徹底していただけるということをお約束いただけますでしょうか。
○三木参考人 御説明ございましたように、偽造キャッシュカードによる現金引き出しというのは新手の犯罪でございますが、銀行界としても大変問題であるというふうに考えておりまして、予防のための注意喚起を行うということとともに、捜査当局とも連携しつつ対応していく必要があると思っております。 まだ新しいことですので、全銀協としましても手を打ち始めたところなんですが、まず、会員銀行あてのアンケート調査を実施いたしまして実態把握に努め、また警察との情報交換をしているということでございます。 キャッシュカード、スキミングということもございますが、やはり大事なのは暗証番号ということだと思いますので、暗証番号を生年月日でありますとか電話番号でありますとか、そういうわかりやすいようなものにぜひしないでいただきたい、もしそうであれば変えていただきたい、こういうことを懸命に今PRしているところでございます。 それで、被害届をするということを約束してもらえるかという御質問でございました。これは、この先生の図でいきますと、直接は、B銀行が自分のところの占有を奪われたということで被害届を出すわけでございますけれども、当初これはなかなかわからないという厄介な問題もございます。警察から話がありまして、上申書を出すとか、それから被害届を出すというようなことで、ケースによって対応していると思うのでございますが、協会といたしましても、こういったものにさらに突っ込んだ検討をして対応していきたいと思っております。
○中塚委員 そしてもう一つは、お金を引き出された方に対する対応なんです。この資料、お出しした三枚目と四枚目なんですけれども、このお金をとられた方への対応ということについてもやはり全銀協としてまじめにきっちりと取り組んでいただきたいと思います。 個別の案件で話を聞きますと、要はA銀行は、カードの取引に不備がない、オンラインは正常に稼働していたんだという以上、もうそれは正常な取引であって、引き出したお金というものについて銀行の責任はないということでありますし、またあるいは、借金がつくられた場合については、これも正常な取引なんだから、あくまで請求は本人にするということの一点張りなんですね。 もちろん、こういう状況になったときに、カード約款というものがあって、その約款の取り決めに従って話をお進めになるということはわかります。ただ、その約款に書いてあることですら、要は、カードホルダーについて過失がない場合については銀行が免責ということにはならないということも書いてあるわけですね。そして、もう一つは、カードホルダーが果たして本当に過失責任があるのかないのかということについては銀行としてもちゃんと調査をする、その責があるはずですね、その責任があるはずだというふうに思います。お配りした資料のこの四枚目の回答に見られるように、大変に木で鼻をくくったような答えしか返ってこないわけなんです。そういった意味で、私は、やはり銀行としてちゃんと誠意のある対応をされるべきだと思います。そして、被害者の方の相談に乗ってあげて、しかるべく対応するべきだというふうに思います。 あともう一つ、この場で、法務省の民事局長にも来てもらって、民法上の関係ということについてもただしました。民法上の関係について言えば、偽造カードを持っていた人があたかも本人であるかのようにお金を引き出すということについて、では、ATMの設置をしていた人またあるいはカードをつくっている銀行というものの責任は、暗証番号を確認しただけで事が足りるのかといえば、そうではない判断を裁判所が下す可能性もあるという答えが出ているわけなんですね。 ですから、三木さんにお願いをしたいのは、こういう被害に遭われた方がお話をしたいということであった場合に、ちゃんと銀行として対応できるような体制というものを全銀協としておつくりいただきたい、そのことをお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○三木参考人 先生のおっしゃることで、全銀協の方もそのように進めてまいりたいと思います。 どちらに損失負担があるかということで、先ほど先生がおっしゃいましたように、確かに約款の中にも、お客様の方に過失がない場合につきましては責めは銀行側が負うということになっておりますが、暗証番号の件等ございまして、ケースごとにこれは判断ということになりまして、どういう場合は過失があったかなかったかというところがなかなかまだ、判例もまだございませんし、そういう中でのことでございます。 いずれにしましても、そういう窓口対応につきましては、お客様のお話をしっかりと聞きまして、そして警察への届けとか捜査協力、こういったものは銀行として全力を挙げてやる必要があると思っております。 以上でございます。
○中塚委員 この件は、実は集団提訴の動きもあるんですね。それは、やはり銀行がなかなか話を聞いてくれないということが一番大きな原因なわけなんです。 そういった意味で、やはり、これは私は金融システム全体にもかかわる問題だと思うんですね。そんな、カードが簡単に偽造されて、そしてお金もどんどんと抜き出されるということになるならば、カードそのものに対する信頼はもちろんのことでありますけれども、これは銀行に対する信頼ということにもかかわってくる。私は、この話を聞けば聞くほど、被害者の方から話を聞けば聞くほど、キャッシュカードというのはもうつくらない方がいいかもしれないなというぐらいの感想を持つわけですよ。だから、本当に、こういう偽造が簡単にできるカードを出し続けていていいのかという問題もあります。 そして、起こった事件について、ちゃんと被害者の方のお話を聞いていただいて、そしてどちらの責めに帰すのか、そのカードを持っている人の過失責任ということについても銀行側が判断をするというふうに約款には書いてあるわけですよね。だったら、判断するんだったら、判断の材料としてやはりちゃんとお調べになる責任というものが皆さんのところにあるわけですから、この件についてはぜひとも真摯なお取り組みというものをお願いしたいし、ぜひまたその結果というものについて御報告をいただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。 参考人の皆様には、大変御苦労さまでございます。ありがとうございます。 先ほど来の質疑を伺っておりまして、三つほど感想を持ちました。 まず、全銀協会長から我が党の金融政策に対してかなり厳しい御批判をいただきましたけれども、我が党の金融政策を御存じないか誤解をされているなというのが一つの感想であります。 二つ目は、皆さんはなぜ政府案にもろ手を挙げて賛成と受けとめるような発言をされたのかなというふうに考えたわけですが、私の感想は、これはモラルハザードだと。要するに、みずからの責任、金融機関経営者の責任を問われないで政府保証、公的資金をいただけるということに安住をしているのではないかな。 来年四月から、御存じのとおり、ペイオフが、完全な解禁ではないんですが、解禁をされます。決済性は保護されますから完全ではないという意味ですが。預金者には自己責任を求めながら、自分たちは、金融機関の経営者はセーフティーネットに守られて、責任を問われないままに政府の保証を得られるというのは、私はある意味でバランスを欠いているんではないかな、こう思うわけですね。これは預金者のペイオフということに対して申しわけないんじゃないか。 グリーンスパン、アメリカの連邦準備制度議長が、厚過ぎるセーフティーネットはモラルハザードを生むんだということをはっきり言われていますが、私も何度もこの委員会で言っていますが、けだし名言だと思います。個別金融機関を助けるのではないと言いながら、個別金融機関に注入ができる仕組みを今度つくるわけで、しかも、責任を問わないままに入れられるというのはモラルハザード以外の何物でもないんではないでしょうか。 中小の金融機関については私は大変大きく評価しているんですが、信金中金さんも信用組合連合会さんも、自己努力による、自助努力によるそうした資本増強システムをお持ちになっておられる。本来、上の銀行クラスについても、預金保険機構そのものがそういう仕組みを果たすものなんではないでしょうか。 そうすると、個々の銀行は個々の自己努力で資本増強をなさればいい。それでも間に合わなければ、同じ互助的な組織の中で、預金保険機構の中で保険料率を上げるなりしてそういう勘定をつくればいいし、あるいは、それぞれの信金中金、信組連合会の中でそういうことをおやりになればいい。国に助けてほしければ、それがもしシステムに対する選択肢をふやすというのであれば、国が再保証するなり、信金中金の増強事業なり信用組合連合会の増強事業に国がお金を出せばいいのであって、個別行に出す必要は何もないじゃないですか。そう思いませんか。 私が今指摘したことについて御反論がありますか。それぞれお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○三木参考人 お答え申し上げます。 私は先ほど冒頭陳述でも申し上げましたけれども、公的資金は重いものであって、個別金融機関の救済であってはならないというふうに申し上げておりまして、モラルハザードを回避する必要があるというのは、先生がおっしゃるとおりだと思います。 そこで、注入の必要があるのかとか、経営の強化計画は妥当か、経営責任の明確化はあるか、こういったことが入り口のところできちっと調べられるということになっておりまして、その前提で賛成しているわけでございます。 以上です。
○平澤参考人 今三木会長のお話しなさったこととダブるわけでございますけれども、委員のおっしゃるように、モラルハザードの問題、これは大変重要でございますから、それをもたらすことのないよう、金融機関が申請してきた場合には、御当局の方できちっとお考えの上認めるか認めないかをお決めになるのではないかな、そのように思っておるわけでございます。
○綿貫参考人 新たなスキームにつきましては、一定の歯どめは設けられておるというように理解しております。一定の歯どめというのは、これはやはり経営責任を明確にするということと、それから地域における金融の円滑化が見込まれるかどうかを判断基準にしていく、この二つであろうかというふうに理解しております。
○長野参考人 協同組織金融機関というのは資本調達についていろいろ制限があるようでございまして、私ども、できれば信金中金に資金援助していただいて、それを使うということができれば一番いいわけでありますが、それができ得ない。こういうようなこと……(五十嵐委員「それは法律をつくればいいんですよ」と呼ぶ)今のところは信用金庫の制度で何とかやっていけている、こういうことでございますので、よろしくどうぞ。
○網代参考人 先生の御質問にお答えいたします。 私ども、先ほど申し上げたように、まず業界の中で支援制度があるということが一つですね。それは使いやすいわけでございますので、当然それを審査するところも業界の中にできておりますので、いろいろと指導を得ながら実施をしているというのが実態でございます。したがいまして、まずそれを考える。 それから、どれくらいのところが出てくるかというのは私もつかんでいるわけではございませんが、先ほどのようなことが、実際に国からの資金を必要としなければ業界内のお金では足りないという事態が起こったときにどうあるべきかということなんですが、それにつきましては、当然、業界の中で、ここのところはそうすることによって再生できるといいますかやっていけるんだということがなくては到底だめなので、これは当然、全信組連に直接入れるかどうかは別にいたしましても、業界の中でやはり相当審議されて、そして出すような形が望ましいんじゃないかというふうに考えております。 以上です。
○五十嵐委員 要するに、皆さんお答えがお上手で、ちゃんと答えていただいていないわけなんですが。一般の預金者がペイオフで自己責任をとらされるのに、皆さんが自己責任を果たさなくていいという仕組みになっていること自体がどうですかというのに、お答えはありませんでした。 それから、協同組織金融機関の皆さんがつくっている仕組みに国が援助するという方向の方が金融システムを助けるという意味では有効だし、理にかなっているんではないですかという質問に対して、何となくお二人の方々からは、それが望ましいんだけれども今そういう仕組みがないからできないんですということで、そちらの方が望ましいということを言われたわけですね。それは法律をつくればいいんですよ。そういう法律をつくる方が先じゃないですか。これは個別行を救う仕組みになっているということが問題なんですね、しかも経営責任を問わないで。そのことを私は申し上げている。 それでもなお足りない、まず自助努力だ、各行別の努力だ、それから業界の努力だ、それでも足りないときにセーフティーネットになるんだという御理解のようですけれども、それでも足りないようなときは地域金融システムの危機なんですよ。そういうときこそ実は預保法の出動なんですよ。地域金融の危機のときに預保法は出動しなさい、そういう法体系になっているんです。その法体系を全くこれは無視する話、別ルートをつくる話になるんですね。だから問題ではないですかということなんです。 皆さんのお話を伺っても、決済の危機が突然及んでくるかもしれないというお話が先ほどもありました。要するに、そういうときはまさに預保法による危機対応なんです。ですから、危機でもない、それから個別に救うわけでもないという形でこの仕組みを使うというのはわけがわからぬのですよ。結局は、これは金融庁の行政権限をむやみに肥大化させるということなんです。私が持つ感想の三つ目はそれなんです。 皆さんは、金融庁が怖いんじゃないんですか。業界紙を読んでいると、金融庁と中小の金融機関の間に信頼関係がない、だから即座には賛成しかねる、そういう記事が出ておるわけですね。 実際には、先ほど同僚議員からも指摘もありましたように、これは事前審査するんですよ。金融機能強化審査会というのを第三者機関としてつくりますけれども、しかし、それは先ほど同僚議員が指摘しましたように、そこではねられたら風評リスクで倒れちゃうでしょう、すぐ。金融機関が金融庁に救いの手を差し伸べてほしいと申し出たら断られましたというところはつぶれちゃいますよ、それは。だから使えないんでしょうという指摘を先ほど同僚議員がいたしましたけれども。 それが、させないようにするために、実は事前に綿密に予備審査をし、金融庁のお役人がすり合わせをするわけですよ。ということは、最初から金融庁の意のままに動かされる可能性がありますね。皆さんの責任は問わないと言うけれども、実際には、危機一〇二条を使ったときと同じように、かなり厳しい経営強化計画というのを、数値目標が課せられて、責任を問われるんですよ、事実上。そういうことになるので、同じことではないですか、だから屋上屋ではないですか、使いにくいんじゃないですか、こういう話をしているわけですね。 そういう懸念をお話しにならないで、賛成です賛成ですと言うことは、正直な話、金融庁が怖いんじゃないですか。中小の金融機関の代表としては言いにくいかもしれないですけれども、そういう懸念をお持ちになっていないのかどうか。あるいは、金融庁に対してそういう怖さというものを感じているかいないのかということをお伺いしたいと思います。 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○田野瀬委員長 どなたに質問されますか。(五十嵐委員「中小の金融機関二つ」と呼ぶ) 長野参考人。
○長野参考人 率直に、目的なりその内容というものを拝見しておりますと、お話ございました預金保険法百二条適用とは大分内容が違うんじゃないか。それから、私ども、前向きにやっていく上で、それを促進する効果というものはあるんじゃなかろうかと。ただ、それを適用する際に、先生おっしゃった、実際問題としては、このことの処理についてはいろいろ大変なハードルもあるんだよということ等について、これは私どもよくわかりませんので、ただ、言われていること、これはそうだというふうに信じてやっているということでございまして、申請したわけじゃありませんし、使ってみないわけですから、どうなるかわからない。いいことであれば活用していきたい、こういうことであります。
○網代参考人 冒頭、意見陳述のところで、こういう制度ができるんだから信用組合も活用できるように配慮が欲しいと言っているわけです。ですから、はっきり申し上げて、実際に審査するとき、規模の大きいところと審査基準がそっくり同じだということになりますと、これはなかなか難しいんじゃないかと思います。やる以上は、やはり信用組合も活用できるようにしていただきたい、そういうふうに配慮していただきたいということを申し上げているわけでございます。
○五十嵐委員 はっきりおっしゃっていないんですが、やはり懸念を否定していないですね。要するに、手とり足とり、今までと同じように金融庁が口出しをなさるということに懸念があるはずなんですよ。実際に個別の金融機関に聞けばおっしゃっているんですから。そのことをおっしゃれないということ自体が、やはり金融庁は怖い存在になってしまっているんだな、事後的な行政、事後的なチェックにとどまらない存在になっているんだなということなんだろうと思います。それが問題なんですね。 それから、私どもが言っているのは、基本的に、日本の独特の中小企業の問題が、先ほどから中小企業金融の問題がメーンテーマで言われておりますけれども、もともと、日本独特の中小企業の風土、そして中小企業金融の貸し方、借り方があるのであって、その実態に合わせていきましょうというのが実は私どもの考え方なんですね。いわゆるべったり貸しの部分についてどう見るかというのは、一番最初に言い出したのは私ども民主党だと思います。これをいわばうまく換骨奪胎する形で、金融庁側が新たな中小企業金融の検査マニュアルという形でお出しになったわけですけれども。 私どもは、もともとの発想が、そもそも論に行きますけれども、オールドエコノミーの大口の債務者企業、これを銀行の、金融機関の体力の範囲内でうまく不良債権問題を軟着陸させようとするものだから、追い貸しをして金利をゼロにして、そういうソフトランディング路線を追求してきた。そこで、自己資本が足りなくなるので、その部分を中小企業から貸しはがして自己資本を積み増した。そして、その結果、中小企業に対する金融が大幅に与信供与が落ちて、日本の経済全体を相当悪くしてしまった。この五年間でも、なお百兆円を超える融資減が起きている。 要するに、中小企業に、これから伸びようとする企業にお金を回せる、経済の血液を回せるという金融をつくっていかなければ日本は立ち直れないんじゃないか、そもそも論はそこから来ているんですね。そこで、大口のオールドエコノミーと中小零細の企業とをはっきり分けて考えようじゃないかというのが私どもの考え方なんです。 ですから、何も一律に合わせろというのではなくて、中小企業でもそうなんですよ、努力している中小企業はとにかくできるだけ生かして強くする方向でいきましょう、努力しないところは自然に淘汰してもらわなければならない、これは大だろうと中小だろうと同じことなんですが、特に日本の企業の場合は、救いようが、ゼロ金利でなければ生きられないようなどうしようもない大企業を無理やり救っているんじゃないですかというところに日本の金融問題の本質があるんだ、こういうことを言ってきたわけですね。 そこで、中小企業については、貸し方、借り方の実態に合わせましょうと。実際には、多分、協同組織金融機関の皆さんは、第二地銀もそうかと思いますけれども、共同経営的に、提案型融資、プロジェクトファイナンスでも提案型の融資みたいなものがかなりのパーセンテージを占めているんではないかなというふうに予測されます。その部分についてはむしろ共同責任を負う共同出資、資本としてみなしていいんじゃないかというのが私どもの考え方なのであります。 そうすると、実は余力が出てくるんですね。あくまでもみなしですよ、みなしなんですが、中小企業への融資でも、それは多分そうではない融資もあるんだと思いますが、個別の融資もあると思いますが、そういうべったり貸しの多くの部分については、これは出資であり、資本であり、ですから、リスクアセットからは外してしまう。そして、むしろ分母の方に、自己資本の方に積み増してもいいんじゃないの、そうすれば貸し出し余力が出てきますねと。そういう実態に合わせた考え方をしていこうじゃないかと。 あるいは、担保をとっていることが多いですよ、日本の中小企業金融についても。そうすると、それはリスクウエートを一〇〇%じゃなくて、BISの世界でも七〇%ぐらいに、ローカルルールを適用しろというふうに強く主張してやったらいいじゃないか。 その上で、そういう実態に合わせた上で、しかし、最終的な数字の計算については、鉛筆をなめて、体力の範囲内で逆算して債務者区分を分けるんじゃなくて、そこはしっかり債務者区分は横ぐしを入れていきましょう、粉飾をしないようにしましょうというのが、私どもの主張なんですよ。そこをおわかりにならないで、民主党は画一的だとか、そういう御批判をするのは、私は、全く私どもの政策を根本から御理解をしていただけないものだなと思っているわけです。 今申し上げたような中小企業金融の実態に合わせた金融行政というものについて、私どもが主張している、今申し上げたことについて御感想をいただきたいと思いますが、第二地銀の綿貫参考人さんと、協同組織のお二方から伺いたいと思います。
○綿貫参考人 お答え申し上げます。 今定められております金融検査マニュアル、これで厳格に自己査定しておりますので、キャッシュフローがどれだけあるか、キャッシュフローが足らない部分はやはり別途できっちり査定しております。 それで、最近始まりましたDDSという手法、これは我が業界では三件取り上げた銀行が出てまいりました。DDSでありますと、デットになっている部分は、自己査定は要管理債権になります、DDSにしても。ただし、残っている、動いている部分、キャッシュフローのある部分については要注意債権なんだ、そういう分け方もいいんじゃないかということで、具体的に採用している銀行も我が業界では出てきておるということを御理解いただきたい、このように思います。
○長野参考人 中小企業の経常的な自己資本不足に対する考え方、全く先生と同感でございます。
○網代参考人 今、長野参考人が申されたとおり、私どもも先生の考え方に同意をしております。既にそういうことを金融庁の方には要望しているわけでございます。
○五十嵐委員 私どもは、あくまでも、机上の空論ではなくて、実態に合わせて物事を考えていくべきだというふうに思っているわけですね。 そのときに、今、綿貫参考人さんの方からはDDSを使い始めているというお話でしたけれども、実際には、要管理先は要管理先のままであることの方が多いし、制約は大きいですね。つまり、再建の可能性が極めて高くないと、金融庁は後の検査で否認する可能性があるわけですよ。そうなると使えないじゃないですか。だから、いわゆる劣後ローンに振りかえるという考え方では、なかなかこれは進まないだろう。 それに対して、思い切って今私どものやり方をすれば、実は正常先になる債務者がかなり多いというふうに見込まれますから、これは、中小の金融機関はかなり引当金も助かりますし、貸し出し余力が出てくるんだろうと私は思います。 ですから、実態に合わせてやるべきだ。やってはいけないことは、粉飾やごまかしなんですよ。中小の金融機関に配慮していると皆さんは大変おっしゃっています。私も、TKCと連携をしての東京三菱銀行の新しい貸し方というのは評価をさせていただいていて、むしろそれを制度化できないかなということをずっとここのところ考えておりますし、主張をさせていただいております。 税理士さんたちの活用、最近は特に税理士法人というのが七百を超えてまいりました。この税理士法人は、フィナンシャルプランナーを兼ねる、あるいは一緒に雇うというところもふえてきましたから、金融の知識があるフィナンシャルプランナーと税理士さんとが共同して税理士法三十三条の二を利用した証明書を出す、そうした粉飾が一切ありませんと、あるいは財務内容は健全ですという証明書も出し、また、契約約定書を結び、一方で誓約書、デクレアですね、私のところはそういううそ偽りがございませんという債務者企業の誓約書も出していただければ、融資コストがうんと安くなる。事実、東京三菱さんは〇・二%ほど融資利率を優遇されていると思いますが、そういうやり方をもっと広める、制度化するということ。それはいろいろなことが必要だと思います、税理士さんの権限を強化して、税理士協会の独立性を高めるというようなことも必要だと思いますが、そういうことをやることの方が先であって、要するに、先ほど言いました経済の血液であるお金を日本の隅々まで、中小企業まできちんと届けるという公的な金融機関の役割を果たすためには、そういう工夫をすることが先であって、こうしたびほう策的に、どこか穴があきそうだからふさいでおこうというセーフティーネット、しかも、だれのためのセーフティーネットかというと、金融機関の経営者のためのセーフティーネットを優先するという考え方は私は間違いだと思う。 そういう中で、中小企業に対する貸し出し、これについては依然として厳しい状況があると私どもは思っています。そして、未達の公的資金注入行というのもかなりあるかと思いますが、一方で、私どもがそれこそ実態に即して地べたをはって伺ってみると、中小の金融機関からは、大手行はあるいは力のあるところは無理やりに借りてくれ借りてくれと期末だけ一時的に数字つくりをしている、こういうふうに言われているんです。こういう実態について否定できますか。 三木参考人と、それから、そういうことで逆にお客さんをとられたり、あるいはシェアが変わってきちゃったりしている被害者の立場というのもあるかなと思います。長野参考人と三木参考人、いわゆる金融機関の中小企業貸し出しの数字つくりというのは行われているかどうかということをお伺いしたいと思います。
○三木参考人 お答え申し上げます。 中小企業、特に健全な中小企業に対する貸し出し、お願いしますというのは、期末一時点に限らずずっとやっておりまして、中小企業の貸し出しを何とかふやしたいと思っております。 御質問の件は、公的資金導入に伴いまして、中小企業の融資増加額というのが一つの目標になっておりますので、このための一時点の貸し出しがあるんではないかという御質問かと思いますが、私は個別の銀行についてよく存じないわけでありますが、十五年度の上期、実績が出ますのは半期ごとでございますので、上期までですと、なかなか中小企業の貸し出しはふえておりません。やはり資金需要がないことに加えまして、まだ返済するところがあるということのようでございます。各行、懸命に中小企業貸し出し、それは社会的責務というだけでなく収益の柱でもありますので、大手行もやっております。 そういう中で、期末一時点の数字づくりをしているということがあれば、これは大変問題でございますが、そのようなことはかつてちょっと言われたことがありますが、九月は現実にマイナスになっておりましたし、そういうことはないんではないかと思います。 以上です。
○長野参考人 被害者の立場でなくして弁護士の立場として私申し上げたいというふうに思うんですが、どだい、中小企業金融について残高目標を設定するというところ自体に、私はそもそもいかがなものかという気がしているわけであります。そういうようなことからすると、現に、おっしゃるように、確かにその時点、ある一定時点において何とか残高を上げないかぬというようなことで無理が生じてくる、そのことからの影響というのは非常に悪い形で私どもの方にも参りました。そういうことはあるわけでありますが、それだけをもって銀行はぐあいが悪いぞと言うわけにはいかないのであって、やはりお金というのはそんなものじゃないという気がしておりますので、私はそういうような考え方を持っております。
○五十嵐委員 銀行も被害者だ、そういうお考えなんですが、しかし、やはりそれは借り手企業の側に立って見れば押しつけ貸しですよね。何で必要もないのに金利を払わなきゃいけないのかということになるんで、それは借り手の立場を考えない、何というか、殿様商法といいますかそういう考え方なんだと思います。私どもが聞くのは、今ありましたように、特に、今期末、押しつけ貸しが多いというふうに嘆いている方々がおりますので、私は、それはあったと思うんですね。 余り平澤さんに伺わないとお気の毒でございますので、藤井先生から同期なのでいじめないでと言われているのですが、いじめるつもりはございませんので、ぜひお答えをいただきたいと思います、今の。
○平澤参考人 大変御配慮をありがとうございますが、御配慮をいただいているようにも見えませんので。 先ほどからお話がございましたいわゆる中小企業向け融資で、一部の金融機関がおっしゃるような行動をとっていることもあるかもしれませんが、それはやはり全部ではないというふうに私は感じております。それから、最近はそういうのもかなり少なくなってきているのではないかなというふうに思うわけでございます。当行の場合は、そういうことはやらせていないと思います。
○五十嵐委員 それから、この際ですからお伺いをしておきたいんです。先ほど三木全銀協会長は、粉飾なんというのはないんだ、どこの国のお話ですかみたいなお話がありましたけれども、私どもは、日本は粉飾だらけだ、こう思っているわけですね。 先日も某メガバンクの頭取にお越しをいただきましてお伺いをしたら、悲観リスク、悲観シナリオというのはどこの銀行でも持っているんだと。私どもは、悲観シナリオ、悲観リスクというのは本音のベースの数字であって、表面上の決算に出てくる引き当てとか債務者区分というのは、そうすると極めて楽観的なものであって、いわば二重帳簿じゃないか、こういうふうに指摘をさせていただいているんですが、どこの銀行でもあるものなんですか。東京三菱さんは、そういう悲観シナリオ、悲観リスクというものを表にして持たれているんですか。
○三木参考人 お答え申し上げます。 個別の引き当てについてのそういうシナリオがあるかという御質問かと思いますが、その前に、一般的な収益見通しとかそういったものはもちろんございまして、非常に流動的でございますので、これはやっております。それから、個別のものにつきましても、非常に大きいものにつきましては、これは幾つかのケースでやっている場合がありますが、その中の最も確率の高いもの、それはややシビアなものでございますが、それを使っております。
○五十嵐委員 要するに、財務の健全性から見て保守的に見積もられているということでいいのかと思いますね。ところが、先ごろ私が指摘しました、しかもその記載をお認めになられました某メガバンクについては、大変大幅に数字が違う悲観シナリオというのが出てまいりまして、私が追及いたしましたら、どこの銀行でもやっているんだ、こういうお話です。それは詳細に出てきたあれなんです。 そうすると、もう一度確認をさせていただきますが、そういう詳細な各債務先についての悲観シナリオというようなものは、あるいは悲観リスクというものは、東京三菱さんではおつくりになっていないということでよろしゅうございますか。
○三木参考人 ほかの銀行がどの程度詳細なものをつくっておられるか存じません。ただ、先ほど申しましたように、大口につきましては幾つかの見方があるということでケースを幾つかに分けておりますが、その中の保守的なものを使っているということ、繰り返しになりますが、お答えいたします。
○五十嵐委員 そうなんだろうと思いますね。先ほども申し上げましたが、御披露いたしますけれども、二十数ページにわたる大変詳細な各債務先についての悲観シナリオでございました。それがあるのは普通だとおっしゃったのは、やはりそれは異常だなというふうに確認をさせていただきました。 また、もう一度、しつこいようで恐縮なんですが、そのときに、その某メガバンクの頭取について私が申し上げたのは、これは金融庁が求めてつくらせたというふうに伺っているんですね、私はその実物を入手しましたから言っているんですが。金融庁から、東京三菱さんは公的資金をお返しになられたから逆にないのかなと思うわけでもありますが、そういうことを求められたことはありますか、あるいは、他の全銀協所属の銀行でそういうお話を聞いたことがあるかどうかというのを伺いたい。金融庁からそういうシナリオをつくりなさいというふうな指示を受けたというふうなことを聞いておられるかどうかということをお聞きしたいと思います。
○三木参考人 私どもで金融庁の方から前もってそういうものをつくれというようなことはございませんが、いろいろな検査の過程で、どういう調べ方をしたかということで幾つかのケースを説明するということがございますので、それをどう解釈するかということだと思います。 また、全銀協としまして、ほかの銀行が金融庁からそういう要望があったかどうかについては私は存じておりません。 以上です。
○五十嵐委員 要するに、特定の債務先について見解の相違が出て、ケースA、ケースBを考えているならそれはどうかというお尋ねはあることはあるけれども、全部悲観シナリオというのを出しなさい、表にして出しなさいということは極めてまれだというか聞いていないというふうに解釈をさせていただきたいと思います。それは、私どもが指摘したように、ある意味では、一種の二重帳簿になっている証拠だというふうに思うんですね。 それから、最近の報道で、これはまた別のメガバンクでございますけれども、いわゆるカネボウの問題ですね。膨大ないわば粉飾といいますか飛ばしといいますか、そういったものが疑われているということでありまして、産業再生機構とカネボウの新経営陣の中ではっきりと粉飾があるのかないのかをこれから詰めますという話になっている。そして、粉飾が後からばれるようなことであったら、直ちに産業再生機構は手を引きます、しかし、今出してくれるんだったら、それをもって産業再生機構が手を引くということはありませんという決定をされたというふうに伝えられております。 このことは、いわゆるカネボウに関する粉飾疑念というのは、メーンバンクが知らないはずはないんですね、知らないはずがないんです。私どもも調べましたところでは、どういうことで言われているかというと、当然知っていた、知っていたがために、カネボウでは化粧品事業だけが黒字だ、あとはしかし真っ赤っかだということになっていて、それを当初の案のように花王にくっつけていったときに、化粧品事業だけ下さいということになると、どうしてもあとの事業は再生不可能ということで切り捨てられる。切り捨てられると管財人が入ってくる、管財人が入ってくるともうかる事業をどうして分離しちゃったのという話になるものですから、追跡調査が行われて全体の粉飾がばれてしまう。すなわち、これをそのメガバンクでは実は管財人リスクと言っているということがわかりました。管財人リスクがあるということ自体が間接的に粉飾を認めているんです、粉飾を知っていたということを認めているんです。そうなりますね、論理的に。 管財人リスクという言葉がおありになるのを知っているか、今私が指摘したことについてお聞きになったことがあるかどうか、三木さんにお伺いをしたいと思います。
○三木参考人 カネボウにつきましては、私どもの取引がまずほとんどございませんので、どういう実情にあったかは存じません。したがって、他行がどの程度知っていたかも存じません。ただ、管財人リスクという言葉についても、私は、ちょっと聞いたことはございません。 以上です。
○五十嵐委員 今、一つだけ間違えました、他のメガバンクじゃなくて同じメガバンクでした。済みませんでした。 しかし、このこと自体が実は粉飾の証拠なんですね。私どもは何回も、先ほども申し上げましたけれども、いわゆる逆算という形でやってきた。そうして、体力の範囲内で償却をしていく、ソフトランディングしていくと言ってきたことが日本の金融をここまで悪くしてきた。すなわち、よその国もバブル崩壊があったんだけれども、こんなに、十何年もその処理に時間を費やしているところはないわけです。その他の構造的な要因があって新たな不良債権が出てきたからだと言いますけれども、最初のバブルの崩壊による不良債権も大きく尾を引いているのは事実でありまして、それは、今言った逆算主義による処理をしてきたからだというふうに私どもは思っております。この逆算主義というのは、実は柳澤前金融担当大臣も、そういう言葉があるんだ、それが問題なんだということをこの委員会で御答弁をしていただいております。 そういう逆算ということが行われてこなかったと言い切れるかどうか、平澤参考人にお伺いをしてみたいと思います。
○平澤参考人 今の御質問を伺っていまして、逆算というのは、一定の事実を前提にして、さかのぼってまた計算し直して数字が出てくるという意味で言っておられると思いますが、具体的に柳澤元大臣がおっしゃった中身を知りませんが、例えばディスカウントキャッシュフローも、将来のあれを現在にやるというやり方とか、それから、信用リスクを計算するときにそういうやり方もするわけでございまして、その辺の中身が具体的にこうというのを考えると、それがどうかということはお答えできるような……。ふうに考えている次第です。
○五十嵐委員 さすがに元大蔵省の偉い方はおとぼけになるのが上手だなと思いますけれども。 要するに、今私が申し上げたとおりでありまして、銀行の体力の範囲内でオフバランス化というか償却をしていくということをしてきましたね、それで不良債権処理を期間を引き延ばしてきた、時間がたてばそのうちに景気がよくなって一気に返せるときが来るだろうという時間稼ぎをしてきた、だからそれが、不良債権問題が日本においてこんなにもしこって尾を引くもとになったのではないですかという意味で申し上げたんですが、それはそれで結構でございます。それも、ですから、日本の、いわゆる社会ぐるみだ、皆さんだけが悪いと言っているわけじゃない、社会ぐるみの粉飾体質というものに実は根差しているんだ、こういうことを申し上げているわけでございます。 それからもう一つは、三木さんがもう一つ言われました繰り延べ税金資産というのも、これは適宜適切に、法に従って、公認会計士おられますけれども……(発言する者あり)場外の発言に答えるわけにいきませんので申し上げますけれども、繰り延べ税金資産についても、私は何度も指摘をしておりますけれども、都銀であろうと地銀であろうと、これは基本的に保守的に見るべきであって、直前数年間の、例えば五年分の平均の業務純益の——その九年分だとか十年分だとか十一年分だとかいうV字形回復を見越しての繰り延べ税金資産の計上というのは明らかにおかしい、これは粉飾としか言いようがない、私はこう申し上げているんです。 実際に実例も幾らでも挙げられるんですね。いまだにありますよ、計上が十年分を超えているとか。そういう事態があるわけで、それでも、繰り延べ税金資産は適宜適切に、法に従って、また監査法人の見立てに従ってやっているから全く間違いはないんだと。建前はそうなんでしょうけれども、私が指摘をしている、それは何年分も計上するというのは、先ほど財務の健全性から考えて保守的に見るんだとおっしゃっていた三木さんの考え方と合わないんじゃないですか。それについてお伺いをしたいと思います。
○三木参考人 繰り延べ税金資産の計上につきましては、先ほども申し上げましたとおり、将来の収益、これを積算いたしまして、そして会計制度、実務指針にのっとりまして計算をし、これを監査人がきちっと監査するということでございます。 今先生はそれを過去の実績からやるべきではないかというようなお話をされましたが、これは実務指針で、将来の収益の先払いでありますので、やはり将来ので見るのが正しいということでございます。 なお、この繰り延べ税金資産につきましても、この九月から内容を開示しておりますので、それをごらんいただいて、やはりおかしいというところがあれば、それはまた一つディスクロージャーの進歩だと思いますけれども、会計原則上、これは将来の収益を見て計上するということは会計にのっとったやり方でございます。
○五十嵐委員 いや、お言葉ですけれども、そんなことはわかっているんですよ。だけれども、それほど、九年分も十年分もあるいは十一年分も計上しているような金融機関は経営状態が極めて悪いんですよ。そういうところが、そんなV字回復を見込めますか。極めて保守的に見るのが正しい監査のあり方ではありませんかということを言っているんですよ。それは、将来の見通しからやるのはわかっているけれども、それにしてもおかしいではないですかということを言っているのに対して、今のはお答えには実はなっていないというふうに思います。 日本は今や大変な状況に陥っていますけれども、私どもは、日本の経済をよくするのは、粉飾がない——今までは、個々の小さな利益を追求するために、なあなあでいわば粉飾や粉飾まがいのものがあちこちで日本は認められてきたんですよ。だから、監査法人の監査報告も日本でしか通用しないというふうにされているわけですよ。国際的に通用しないんですよ。しかし、実は、粉飾のないフェアで透明なマーケットをつくることの方が、むしろすべての市場参加者に大きな利益をもたらす時代に来たんだ、金融機関にとっても、その方がコストは減るじゃありませんか、債務者企業にとっても、その方が金利が安くなるじゃないですか、そして借りやすくなって、いいことだらけになるのではないですかという立場なんですね。 ですから、そのためにまず金融行政が何をやるかということが大事であって、当面の数字合わせや当面の健全性を繕うことが金融行政の目的であってはならない。それに反する法律が今回の法律ではないかということを私どもは申し上げているわけで、そういう意味で、きちんと私は指摘をさせていただいたと思っておりますけれども、この法律はむだであり、モラルハザードを起こす。もしこれをやるのであれば、むしろ新しい法律をつくって、信金中金なり信用組合連合会なりに、組織として、全体としてシステムを守るために国が再保証するなり、そこへ公的資金をつぎ込む方がまともだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。参考人の皆さん、大変長時間にわたりまして御苦労さまでございます。私が最後ですので、よろしくお願いをしたいと思います。 前回三月十七日の参考人質疑で、三木参考人は、今回の法案の損失負担について、それを銀行に求めることについては、これでは日本全体の金融機関が弱体化される、共倒れになりかねないということを懸念して、制度はいいけれども銀行負担には反対である、こういう発言をされました。 ところが、その三木参考人は、今月十五日、五日前ですけれども、記者会見で、この三月期決算は上期に続いて通期でも黒字決算をする銀行がほとんどだと思う、黒字決算が定着してきたように思う、現状、不良債権問題は峠を越したというふうに発言をされております。一方で損失負担を求められれば共倒れになると言いながら、こういう発言をされているんですが、銀行業界というのは共倒れになるほど体力がないという御認識なのかどうか、その点を確認しておきたいと思います。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○三木参考人 先生御指摘のとおり、この三月期決算はおかげさまで黒字を計上する銀行が多くなったと思います。これは日本経済のためにも産業のためにもよかったことだと思います。 それはそれといたしまして、預金保険機構の一般勘定でございますが、もう御承知かと思いますが、今、四兆円の実は赤字を抱えております。そして、私どもは、年間約五千億円を超える新たな預金保険料を毎年払っておりまして、これは平常時といいますか、平成七年度に比較して七、八倍ずつ払っているわけです。預金者に大変申しわけない、今非常に低利で預金を払っておりますが、それの何倍も預金保険を払って、それで赤字、こういう状況にまずございます。 こういう中で今回のこの新法が導入されるわけでございますが、今回の新法は百二条のいわゆる金融危機回避のための恒常措置とはやはり違うんではないかと。デフレが続きます中での非常に厳しい地方経済の状況を踏まえまして、そして、地方経済の金融機能強化とか、あるいは地方の中小企業支援という言葉もさっき出ておりましたけれども、そういうのを入れまして時限的に導入されたものと理解しております。 そういう意味で、時限的な政府施策に基づく措置、これの損失負担を他の金融機関に求めるということは、やはり新たな偶発債務を課することになるということで、それは私どもとしては非常に困ったことである、受け入れられないというふうに思っております。 共倒れというようなことあるいは弱体化と申しましたが、これは、そんなことをしますと、日本の金融機関全体が弱体化する。国際競争もやっております、そういう中でよろしくないというふうに思ったわけでございます。 以上です。
○佐々木(憲)委員 預金保険の負担というのは銀行業界がいわば相互に援助し合うという仕組みでありまして、この負担は私は当たり前だと思うんです。国民の負担、つまり、税金で銀行に対して資金を注入するということは、これは本来銀行が業界としてやるべきことを国民にツケを回すようなものであって、私たちはそれは反対であります。銀行に対してこういう仕組みをつくるのはオーケーだが、国民負担は当たり前だよという姿勢は、我々は認めるわけにはいきません。これは考え直していただきたいというふうに思っております。 次に、話題は少し変わりますが、視覚障害者の銀行利用の問題について見解をお伺いしたいと思うんです。 平成十五年から障害者基本計画というのがつくられておりまして、この中で、ユニバーサルデザインに配慮した生活環境というのが新規重点施策に入っております。 そこで、銀行業界としての姿勢をただしたいんですけれども、この間、銀行の店舗数というものはどんどん減ってきております。わずか五年で国内の店舗は千五百二十二減少しているわけです。つまり、利用者から見ますと、目の前にあった店舗がどんどん減ってしまう、こういう状況であります。そのことによりまして、ATMしか置いていないという場所が大変ふえているわけです。しかし、そのATMが視覚障害者にとって大変使いにくいというのが現状であります。 そこで、要請がいろいろ出ておりまして、例えば音声による操作案内というものをぜひお願いしたい。それから、テンキー受話器式操作機というものをぜひ銀行に設置してもらいたい、こういう要望でございます。 どういうものかといいますと、皆さんのお手元にこの写真を配付しておりますけれども、これは郵便局で既にやっているものでございます。左上の方が全体図でありまして、テンキー受話器式操作機というのがそれでありまして、テンキーというのは、右上の方にありますように、ボタンが数字のボタンであります。これが受話器と一緒についているわけですね。それから、残高が点字で浮き上がってくる、そういう仕組みもできております。これは既に相当郵便局の場合には普及しておりまして、設置してあるところが多いわけです。しかし、銀行にはほとんどこれはないわけでございます。大変不便だということなんですね。 例えば、東京都が心身障害者福祉手当というものを出しております。これは今では銀行のみが扱っておりまして、それを受け取るというのは銀行しかできないわけです。郵便局では取り扱っておりません。そういうときに、こういう視覚障害者に利用しやすいATMの設置というものが大変必要ではないのかというふうに私も思いました。これは、視覚障害者だけではなくて、例えば高齢者の場合も使いやすいものだと思うんです。この点について、全銀協会長として、こういう方向をぜひ私は追求すべきだと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○三木参考人 お答え申し上げます。 先生のおっしゃる方向で取り組みを強化してまいりたいと思います。今、全銀協といたしましては、これは現在各行の判断で一部やっている銀行があるわけですけれども、こういった取り組みを後押ししたいと考えておりまして、検討部会で意見交換を行っており、また、そのATMの設計コンセプト等につきまして専門家の方々から意見を伺うことをしております。そうした中で、有用と思われる事例等を会員の銀行に周知いたしまして、情報交換などによりまして、業界全体のレベルアップに努めているところでございまして、引き続きこうした取り組みを強化してまいりたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 音声案内などのATMが仮に設置されていても、視覚障害者が機械を操作するというのはなかなか時間がかかるわけであります。後ろに人が並んでいるとなかなか使えない、使うことにためらいがある、こういうことでして、そこで、当然、そういう場合に銀行の窓口に直接行きましてお願いをするという人が多いわけですね。その場合、窓口で預金をおろそうとしても、自筆で記入するというのは非常に困難なわけでございます。また、その確認ができない。そのために、手続の代筆を、窓口の方に書いていただけませんかということでお願いをするわけですが、どうも銀行では断られるというケースがあるというんです。ぜひこれを断らないでほしい。 それから、代筆依頼という場合は、窓口の係員が記入したというものを、それだけではなくて、確認をしてもらいたいということがあるわけですね。その場合、上司に当たる行員が内容を読み上げて、よろしいですかということで確認をして、窓口係員と上司行員が捺印する、こういう仕組みになっているようなんですね。ぜひそういうことを面倒がらずに、視覚障害者の要望にこたえて対応していただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○三木参考人 お答え申し上げます。 先ほど申しましたように、先生のおっしゃる方向で引き続き努力いたしたいと思います。 私どもの銀行についての状況を申し上げますと、先生おっしゃいました音声による操作案内機能、テンキーつきATMでございますか、これにつきましては既に導入はいたしております。ただし、まだ全店ではございませんが、導入しております。 それから、窓口における代筆の件でございますけれども、原則として役職者を含む複数行員による対応ということ、これは既にルール化しております。 それから、もう一つおっしゃいました音声案内の無料サービス、これは、この二月から電話を利用して残高や入出金の明細を音声案内する無料サービスを私どもは開始いたしました。 今後も、さらなる取り組みを進めてまいりたいと思います。 以上です。
○佐々木(憲)委員 それと、郵便局の場合は、月に二回、貯金の明細と残高の点字通知書というものを無料で郵送してくれるわけなんですね。ここにありますのはその実物でございまして、これは点字で書かれております。この内容は、預金者の名前がありまして、番号がありまして、あなた様の通常郵便貯金について、平成十六年一月一日から一月十五日までにお取り扱いになりました貯金の内容は次のとおりですということで、半月に一回、こういう形で送られてくるわけであります。 その点については、郵便局のホームページを見ますと、こういうふうに書いていまして、皆さんのお手元の二枚目ですが、「毎月の預入、払戻し、公共料金の自動払込み等の取扱内容及び現在高を印字した「通常貯金点字通知書」を毎月二回作成し、お送りするサービスです。」ということですね。それから、「送金及び払込みの件数及び金額を印字した「点字通知書」を送金があった都度作成し、お送りするサービスです。」というのも真ん中のところに書いてあります。こういうようなサービスが実際に行われているわけでありまして、これは、郵便局に直接行きまして、残高はどうなっていますか、あるいは引き落としがありますかというようなことを聞いても、これは読み上げてもらうということになる、あるいはヘルパーに確認してもらう、なかなかプライバシーにかかわることでありまして、銀行預金でもやはりこういうふうに郵便局のような通知書を発行してほしいという強い要望があります。この点についてもぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○三木参考人 ただいまお話がございました点字による異動明細や預金残高の通知、送付するサービスというのは、現在行っておらないのでございますが、先ほどちょっと触れましたように、私どもは、この二月から、電話を利用しまして残高や入金明細が音声でわかるサービスをしております。後に残らないという点で郵便局のより劣りますが、逆に、今すぐオンラインで、現在どうなっているかというのが電話ですとわかりますので、そちらの方もかなりメリットがあるのではないかということで、私どもは電話の方を取り上げました。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 確かに電話も大変大事なことで、聞いて答えていただけるというのはありがたいことだと思うんですが、ただ、こういう形で郵便局もやっているようなことぐらいはぜひやっていただきたいということであります。 それで、このホームページでは、郵便貯金点字キャッシュカードというのがありまして、これは郵便局に備えつけのイヤホンを本体に接続することで、受話器で操作手順を説明する、それで貯金の残高を確認いただけるというようなことで、利用しやすくなっているということなんですね。お配りした写真の右下に、このイヤホンの差し込み部分というのがあります。こういう仕組みもありますので、ぜひこういうものも検討の対象にしていただきたい。電話で確認するということも大変大事ですけれども、こういうものも含めて検討をお願いしたいというふうに思います。 さて、それでは次に、今回の法案にまた戻りまして、信金、信組の場合、これは大手と違いまして中小企業を相手にしている、そういう意味で大変苦労が多いと私は思うんですが、一斉検査が始まったのが一九九九年以降であります。地域金融機関の数は、その後大変大きく減少いたしました。第二地銀は、この間一三・一%のマイナス、八行が減りました。信用金庫は七十機関、一七・七%減りました。信用組合は百三十二減りまして、これは四〇・九%のマイナスなんですね。本当に、私は、検査というものは金融機関を減らすことなのかというふうに思うわけでありまして、こういう点でも金融庁の姿勢はおかしいじゃないかということを追及したことがあります。 そこで、今度また新しく地域金融機関の再編という問題が出てきまして、公的資金の投入という仕組みを用意したというんですけれども、業態別の貸し出し動向を見ましても、都市銀行から信用組合までいろいろありますが、全体としてマイナスになっているんですね。つまり、金融機関の再編とか合併をこの間進めてきても貸し出しはふえないというのが実態だというふうに思うんです。 この点で、時間がありませんので網代参考人にのみお聞きをさせていただきたいんですけれども、どうもこの間、こういう再編をし、合併でやってきたけれども、金融の円滑化ということになかなかなっていないのではないか、つながっていないのではないか。それから、実際にそのためのニーズというものが、こういう仕組みを使って何かしようという、先ほども質問ありましたけれども、そういう必要性というものがあるのかどうか、これも根本的に疑問になるわけです。 私は、本来、地域の金融機関というのは、相手先の状況に応じて、一時的に赤字が出ても将来性のある企業に対しては継続的に融資を行っていく、それが将来的には収益につながっていくわけでありまして、そういう姿勢を応援することが大事なのであって、査定を厳しくして、検査を厳しくして、ともかく不良債権がたくさんあるから引当金を積め、こうなっていきますと、中小金融機関自体も経営がおかしくなっていく。こういうことになるので、その辺はやはり実態に見合った地域の金融機関の強化ということが必要なのであって、こういう仕組みをつくって、強制的にとは言わないけれども、再編を進めていくてこにしようというようなことは、本来の筋とは違うのではないかというふうに私は思っておりますが、網代さんの御意見をお伺いしたいと思います。
○網代参考人 先生の御指摘のとおり、残念ながら、合併または破綻により信用組合の数は大きく減少していることは事実でございます。 破綻した原因というのはいろいろございますけれども、検査で指摘された不良債権の償却や貸倒引当金の積み増しを行った結果、自己資本が不足したとか債務超過に陥った、そして経営破綻を余儀なくされたというケースが非常に多うございます。ただし、有価証券の失敗によるものもございまして、一概には申し上げられないわけでございます。 ただ、確かに検査の問題というのはございますけれども、私どもとして、このような多数の信用組合が経営破綻をしたということは、業界としてやはり深く反省をしておるところでございます。そのことによって、例えば融資対象とするお客様が金融の円滑化に支障ができてしまったとか、それから実際に空白地帯ができまして、その部分のお客様に御迷惑をかけたということはないとは言えませんので、それも非常に懸念しているところでございます。 ただ、私の、特に信用組合の場合は、都道府県の監督下にございまして、金融監督庁から金融庁というふうになってきたわけでございますけれども、国の検査という中で、多少その検査の仕方等についてなれない部分というか徹底していない部分がございまして、そういう経緯になったと存じております。 したがいまして、現時点では、先ほども申し上げたんですが、昨年の同月に比べてほぼ貸し出しの減少が横ばいになりまして、何とか頑張ってやっているなというふうに全体として感じております。もちろん、これは多少景気の回復という点もあると思いますので、私どもの努力だけではございませんけれども、そういう意味で、非常に少なくなった状況でございますけれども、これからちょっと頑張っていければ、ある程度は、先生の御懸念のところにつきましては対応できるんじゃないかというふうに考えております。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 ありがとうございました。
○田野瀬委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位におかれましては、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十四分散会