財務金融委員会 第2号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/01/28
会議録
○田野瀬委員長 これより会議を開きます。 財政及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、政府参考人として財務省国際局長渡辺博史君、金融庁検査局長佐藤隆文君、金融庁監督局長五味廣文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田野瀬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮下一郎君。
○宮下委員 自由民主党の宮下一郎でございます。 このたび、当選以来初めての、初質問の時間をいただきましたので、きょうは、両大臣から昨日お聞きいたしました所信表明演説に対しまして、できるだけ大局的な見地から質問をさせていただきたいと存じます。 まず、財務大臣に、財政構造改革の考え方についてお伺いをさせていただきます。 我が国の財政の状況を改めて見ますと、一九九〇年代を通じて、バブル崩壊への対応でありますとか不況対策ということで、公共事業を中心に累次の事業、また所得税、法人税減税などの景気対策というような、いわば総需要創出のための政策を累次行ってきたわけでございますけれども、その結果として、財源として発行された国債残高がこの十年余りで、驚くほど、非常に急激に増加しているということで、大臣が昨日所信の中でおっしゃられておりましたように、国債に対する信認を確保するという観点からいいましても、これ以上安易に国債を増発する環境にはないというふうに認識しております。 これに対して、「改革と展望」では、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを黒字化するという非常に高い目標が掲げられているわけでございますけれども、そのためには、少子高齢化に伴って当然増加いたします社会保障費、これがある一方で、歳出全般の合理化を図るとか、また、国民負担のあり方を全体的に見直して、政府の大きさが過大にならないようにするとした上で、一方で、経済の活性化も図って、そして一定の経済成長率を確保して、税収も少しずつ伸びるような格好に経済を持っていく、そういうことが必要だと考えております。 一方で、これだけ国債残高が積み上がっている状況でございますので、景気がうまく回復してよかったよかったと言っておりますと、金利が、例えば一%市場金利が上がったというと、それだけで国債の利払い費が三兆円とか数兆円規模でどんと乗ってしまう。それによって、プライマリーバランスがまた痛みを受けるという非常に厳しい状況にあると考えております。 そこで、財務大臣には、このような厳しい状況の中で、どのようなお考えに基づいて今後プライマリーバランスの黒字化に向かって取り組んでいかれるのか、そこのところを大局的にお考えをお聞かせいただければと存じます。
○谷垣国務大臣 今、宮下委員の初質問に答弁させていただく、お父様の宮下創平先生に、私、若いころ、いろいろ胸をかりて御指導いただいたことなど思い返しながら伺っておりました。 今のは、非常に、私が財務省で仕事をいたしますときの一番根本的な心構えは何か、そういうお問いかけであったというふうに伺ったわけですが、いわゆる骨太二〇〇三に示されておりますように、大変、今の国債等、先進国の中でも最も厳しい財政状況にあるわけでありますが、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復するということを大きな目標としております。 今、宮下委員は、大変高い目標を掲げているとおっしゃいました。ある意味では、これは大変大きな目標でありますし高い目標でありますが、他面からいえば、その年にいただいた税収でその年のいろいろな政策は賄っていこうということでありますから、ある意味では極めて当たり前の目標なんではないかと思います。 しかし、ここまで財政が悪くなってまいりますと、なかなか、では、当たり前の目標だといったところで、一遍に解決するような妙薬があるわけでもございません。そこで、二〇〇二年度から考えまして、ことしは二〇〇四年度でございますが、三、四、五、六、この四年間は一般会計歳出及び一般歳出を前年度より実質的にはふやさない、こういうことできちっとやっていこうということで今やらせていただいているわけであります。 平成十六年度予算におきましては、平成十五年よりも実質的にふやさない、こういうことでやりまして、いろいろおっしゃいましたように、当然、高齢化が進行してまいりますから、社会保障予算等はどうしてもふえていくわけでありますけれども、国、地方を通じた基礎的財政収支、プライマリーバランス、二〇一〇年代初頭の回復に向けて、一つの手がかりがことしの平成十六年度予算は得られたのではないかなというふうに私は考えております。 今申し上げましたように、骨太の改革二〇〇三というものを一つの指針といたしまして、社会保障制度の見直し、三位一体の改革、それから公共投資に対する改革、こういうことを進めまして、二〇〇三、四、五、六のこの四年間で、政府の大きさを今までより大きくしないという方針をまずここでやっていく。それから、二〇〇六年度までに国と地方双方がそういう歳出削減努力、歳出改革の努力をしていく中で、必要な行政サービスあるいは歳出水準というものを見きわめて、そのときの財政事情あるいは経済活性化の進展状況、こういうものを見ながら、必要な税制上の措置をその時点で判断していこう、こういうふうに考えております。 それから、二〇〇七年度以降も、それ以前と同程度の財政収支改善努力を続けて、民間需要主導の着実な成長を実現していく。 これは口で言うと簡単なんですが、なかなか、任重くして道遠し、こういう課題であると思いますが、いろいろな御支援、御協力を得て、何とかその道筋を開いてまいりたい、こう思っております。
○宮下委員 そこで、先ほど申し上げましたように、財政構造改革が成功するためには、官から民へでありますとか中央から地方へという改革を本当に実のあるものにして、そうした厳しいかじ取りの中でも経済を活性化していく、そして税収を増加させていくというのがやはり根本だというふうに考えております。 十六年度予算もそうした視点で編成された予算というふうに考えますけれども、具体的にどういう考え方で、経済活性化の面、特にお考えになって編成されたのか、また、今後の予算編成の方針について財務大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○谷垣国務大臣 先ほど申し上げましたように、十六年度におきましては、平成十五年度、実質的にはそれ以下に抑え込んでおく、歳出を抑制していく、そういう歳出改革を進めていくということが一つの柱でございますが、他方、締めていくだけじゃなかなか元気が出ません。やはり必要なところにはお金を回していく、不必要なところは削っていくというめり張りが大事ではないか、そういう視点がもう一つの柱でございます。 そこで、今宮下委員がおっしゃったように、民でできることは官から民へ、それから、地方でできることは中央から地方へ、これを一つの目標といたしまして、活力ある民間というものを、官から民へというものをつくっていきますために、例えば科学技術予算であるとか、それから中小企業予算、こういうところはふやしたわけでございます。それから、先ほども申しましたように、高齢化が進んでまいりますから、社会保障予算も、これはなかなか、抑制の努力も必要なんですが、やはりふえるということはやむを得ないことでございますので、項目別に見ますと、先ほど申しましたように、科学技術、それから社会保障、中小企業予算、こういうようなところをふやして、あとは削る、こういう姿の予算になっております。 こういうことで、めり張りをつけて、民間主導の経済に少しでも持っていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○宮下委員 特に十六年度予算におきましては、効率化の観点から、予算執行の調査を行うとか、特別会計を見直すとか、コスト縮減に取り組まれたと伺っております。何かと、民間は非常にリストラとか効率化を図っているのに国の予算はまだまだむだが多いんじゃないか、そういった御批判もあるわけですけれども、単なる縮小均衡に陥るんじゃなくて、少ない予算で多くの事業をやろうと思えば、やはりコスト縮減とか効率化を図っていくという視点がどうしても必要だと思います。 具体的にどういう面でこうした効率化に取り組んでこの予算に反映されたのか、そこら辺のところを財務副大臣にお願いいたします。
○山本副大臣 貴重な血税を大事に使うという視点は、先生おっしゃるとおりでありまして、効率化の視点の中で、今回四つ、先生御指摘のとおりの考え方を新たに示しました。 それは、一つは予算執行調査。まず、五十一事業について、結論から申しますと、四百九十二億円、うまくその目的を達しながらもお金を節約することができた。 これを具体的に申し上げますと、いわゆる塩川大臣のプラン・ドゥー・シーという考え方でございまして、今までは、予算執行調査、これは、他の国家機関、すなわち会計検査院だとか総務省の行政評価局、こういったところに完全にお任せでやってきたわけでありますが、これを、主計局の予算査定をする担当者が現場へ行ってくる、こういうことで、計画をし、さらに行って、さらにさらに、シーというのはもう一回チェックしようというような考え方で、十四年の二月からこういうことをやっております。そのおかげでこうした見直しが具体的になってきたということでございます。 また、特別会計の見直しは、先生おっしゃるとおりでございまして、十八の会計、これもまた塩川大臣の言葉をかりれば、母屋でおかゆをすすりながら、離れですき焼きをうまく食っている、そして、そのすき焼きのネタは、母屋でもう本当に身を削りながら冷蔵庫にある肉ばかり持っていった、こういうような観点でありまして、特別会計というのはいいことばかりしているんじゃないかというようなことも、徹底的に今検討、見直し、洗いざらいしておりまして、総合的に、すべて特別会計をやっているということでございます。 それから、コスト縮減については、十五年度から五年間で一五%という数値目標を掲げまして、特に公共事業について徹底的にやろうじゃないか。 もっと具体的に申し上げれば、中部国際空港の場合を引きますと、これは意外な数字を得られたわけでございますが、当初の七千六百八十億円という総事業費、これのコストが一千億小さくなった、こういう結果でございます。それは、単に思いつきでやっていたわけでございませんで、入札しまして、一番小さい札のところに、もっと、ではどこをどう削ったのかという相談をしながら、いわゆる民間企業がやるということを徹底的に倣ってやることによって、こういう小さなお金を積み上げて一千億というようなことになったわけでございます。 さらに、定員の縮減は、平成十五年は三百二十一人が、平成十六年には四百四十五人というように、政府も随分、国家公務員も削りながらの頑張りでございます。 先生の御指導をまたよろしくお願いしたいと存じます。
○宮下委員 次に、竹中大臣が所信で述べられました、地方の金融機関の改革についてお尋ねを申し上げたいと思います。 ちょっと時間がありませんので、新たな公的資金の枠組み、またリレーションシップバンキング機能の強化、ここら辺のことをきのうの所信でいただきましたけれども、ともに、今、地域金融機関が再編や増資などで努力をしてもなかなか苦しい中で、新たな枠組みをつくろうというお考えだと思いますけれども、そこら辺の枠組みのお考えについてお聞かせいただきたいと思いますとともに、地域に行きますと、まだまだ地域は厳しいということで、やはり、担保主義とか保証主義だけでなくて、その経営者の経営自体、人物、そのプロジェクトを見て、トータルで企業を育てていくというリレーションシップバンキングの考え方はますます必要なのではないかということを非常に強く感じております。 大臣の御見解をいただければと存じます。
○竹中国務大臣 宮下委員は銀行で仕事をされた御経験もあるということで、実情は大変お詳しいと存じます。 新たな公的資金の枠組み等々につきましては、今、金融危機に対応するための公的資金の枠組みを我々は持っているわけでございますけれども、現実問題として、委員指摘されましたように、厳しい状況下で地域経済の活性化が非常に重要な課題となっている、金融機関は、企業の再生や不良債権問題の対応など、リスク対応のための体力を高めることが重要になっている、そのような問題意識に立って、そうした金融機能の強化を図るための制度整備が必要であるというふうに考えているわけでございます。 詳細はまだ検討中でございますけれども、金融機関からの申請に基づいて、収益力改善等に向けた経営改革を行って健全な金融機能を発揮し得るような金融機関を対象にするというようなこと、また、国は、その制度の趣旨を踏まえて、法令等に定められた審査基準等により厳正に審査する仕組みをつくらなければいけない、そのように思っております。いずれにしましても、また法案提出に向けてさらに検討を進めているところでございます。 リレーションシップバンキングにつきましては、趣旨は今御説明してくださったとおりでございますが、たまたま去る一月十六日に、十五年度上半期の各金融機関の取り組みの実績等について取りまとめを公表しておりますので、詳細は御参照いただければと存じます。 いずれにしましても、担保に頼らない金融、そうした金融をしようというところがふえている、さらにまた、新たな試みとして、早期事業再生に向けた取り組みが進んでいるということでありますので、この線をぜひ強調して、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○宮下委員 ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。
○田野瀬委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 それでは、谷垣大臣、竹中大臣の所信表明につきまして、何点か質問させていただきます。 まず、谷垣大臣にお伺いをいたしますけれども、所信表明の中で、為替相場の動向を注視し、必要に応じて適切に対処してまいる所存であるという趣旨で先日述べられておりました。 既に昨年だけで二千億ドルとも言われている相当な規模でのドル買い介入が行われているにもかかわらず、円高・ドル安傾向が続いております。この円高の進行、さらに進行していくと、やはり製造業、とりわけ中小製造業等への深刻な影響も懸念されますので、こうした対応というのはやむを得ない、適切なものであるというふうには思っておりますが、しかし、こうしたドル安・円高の傾向というのは、これはやはりアメリカ経済の構造的な問題がその背景にあるわけでありまして、今後際限なくドルを買い支えるということもできないわけでもありますし、また、今後そういう介入をしたとしても、その効果も限定的になるのではないかというふうにも懸念されるわけであります。 そこで、こうした最近の為替動向の影響を大臣としてはどのようにお考えなのか、また、適切に対処するというふうに述べられておるわけでありますけれども、今後どのような対策を講じていくお考えなのか、お伺いしたいというふうに思います。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○谷垣国務大臣 為替相場についてはなかなかコメントするというのは難しいことでございまして、いろいろな発言がいろいろな思惑を持ってマーケットにとられたりするということがございますので、ついつい発言も慎重になってしまうわけでございます。 具体的な水準について、これが高いとか低いとかいうコメントは差し控えることにしておりますが、最近の動きというのは、私はやや急な動きがあるな、こう思っております。所信の中でも申し上げましたように、為替水準というのは経済のファンダメンタルズを安定的に反映していくのが大事であるというふうに思っておりますが、やはり、市場においては投機的な、あるいはいろいろな思惑というようなもので急に動いていくことがある、オーバーシューティングがある。今後とも、そういう場合に対しては断固たる措置をとるつもりでございます。 今委員がおっしゃいましたように、昨年は、発表しておりますが、かなり介入額も大きくなっておりますのは、ドルに対しまして、一つには地政学的な思惑といいますか、イラク戦争の動向であるとかテロの動向、こういうものに市場がやや過大に、過敏に反応するところがありまして、経済の足取りはアメリカは非常に強いところがあると思いますが、投機的な動きもしばしば出てきて、そのために、介入もああいう状況になったということではないかと思っております。 円高の今の水準がどうかというのは、先ほど申し上げましたように、申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、一般論として、円高が経済に及ぼす影響としては、外需の減少あるいは輸出企業の収益の悪化、それに伴う設備投資の減少というものが考えられる一方、家計の実質購買力の増加とか、輸入コストの削減を通じた企業収益の増加等も考えられるところでございますが、一般論としてそういうことを申し上げるにとどめさせていただきたいと思います。
○上田委員 最近のこうしたドル安・円高の為替動向というのは、私は、近い将来に、日本の経済だけじゃなくて世界経済にも重大な影響を及ぼす事態に発展しかねない部分があるのではないかというふうに思っておりますので、こうしたことも、動向を注視し、適切に対処していくということでございますので、財務大臣におかれましてもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えているところでございます。 次に、また谷垣大臣は、所信の中で、自由貿易協定につきましても、自由貿易協定を含む経済連携を積極的に推進していくという旨を述べられております。 今日の世界経済の動向や、我が国が貿易を通じて経済的なメリットを非常に享受しているということを考えれば、こうした自由貿易協定を推進していくというのは、私も大いに賛成するところでございます。 ただ、現状を考えてみますと、なかなか順調には進んでいないというのが現実でありまして、農産物の貿易問題を初めといたしまして、幾つもの困難な課題がまだ残っているところでございます。 そういう意味で、今後ともなかなか容易なことではないのではないのかなというふうにも思いますが、大臣としての今後の展望、あるいはこれを推進していく上での戦略について、お考えを伺いたいというふうに思います。
○山本副大臣 恐縮ですが、私から答えさせていただきます。 特に上田委員は農業の専門家でございまして、釈迦に説法でございますが、WTOが今大変困難な状況にありまして、特にFTAは多角的貿易体制を補完する意味で機能しておったわけでございますけれども、そんな事情から、ますますFTAの重要性が問われるような段階になってきております。 そういう中で、二〇〇二年に、唯一、日本はシンガポールとこの交渉がうまくいきました。その結果を見て感じるところでございますが、やはり、人の交流があった、親日感情が大変厚いものがあった、すなわち、相互信頼と現実の相互理解、これが成功に導いた何よりの原動力だろうというように思います。 それからすれば、やはり、農業の分野、ここでも相互信頼、特に我が国の国内の方の信頼も得なけりゃなりませんので、そんな意味で、これから考えられますメキシコとの豚、オレンジ等々につきましても、相互信頼を得るべく、現実的な形で双方の産業分野に理解を得るということを基本に頑張ってまいりたいというように考えるところでございます。 以上でございます。
○上田委員 まさに今山本副大臣おっしゃったとおり、今の国際経済の動向を考えますと、FTAを推進していくというのは、我が国にとっても、今後の我が国の通商政策、経済政策の上で非常に重要なことだろうというふうに思っております。いろいろな障害がまだ残っているところでありますけれども、これは財務省だけの問題ではないというふうには思いますが、ぜひひとつ、内閣を挙げて積極的に推進をしていっていただきたいというふうにお願いを申し上げる次第でございます。 次に、竹中大臣の方にお伺いをしたいというふうに思います。 最近、中小企業金融公庫などの政府系金融機関などが仲介をする形で、中小企業向けの債権の証券化を図って、中小企業金融の多様化を図ることを通してその拡充を図っていくというような制度が幾つもつくられているわけでありまして、今度の国会においてもそうした趣旨の法律改正が予定されているというふうに伺っているところでございます。 こうした施策というのは、やはり、今までの中小企業金融を考えたときに、リスクに応じた資金を提供する、そういう選択肢を広げるという意味では非常に有効な施策であるというふうには評価をしているんですけれども、ただ、こうしたスキームが本当の意味で機能していくためには、その証券化されたものが市場の中で円滑に流通する、そういうものが整備をされなければ本当の効果が発揮できない、またその規模も拡大しないんではないかというふうに思っております。 そして、残念ながら、今の現状を考えると、そうした市場の整備からはほど遠いんではないのかなというふうに思うんですが、ぜひ竹中大臣に、その現状に対する評価、あるいはまた、今後、多様な証券がそういうふうな取引をされるような市場を整備していく、それについての今後の考え方などにつきまして、見解を伺いたいというふうに思います。
○竹中国務大臣 委員から今御指摘のありました貸付債権の証券化、流動化、特に中小企業に対する貸付債権の証券化、流動化というのは、今の日本にとって私は非常に重要な課題の一つであるというふうに思っております。 御承知のように、中小企業の金融というのは、相対型の間接金融、いわゆる銀行からの直接の貸し出しに非常に多く依存をしてきている。その銀行がバランスシート調整をやらなきゃいけない状況にある中で、中小企業の金融を実質的に円滑にするためには、こうした証券化のスキームを使って、結果的に多様な調達のルートを確保していくことがやはり非常に急がれているというふうに認識をしております。 そのためには、今まさに御紹介のありました、中小企業金融公庫による中小企業向けの貸付債権の証券化、流動化支援策というのが、昨年十二月の経済活性化のための産業金融機能強化策、これは四大臣でつくったものでありますが、そこで織り込まれているんですが、これはしっかりと動かしていかなければいけないというふうに思っております。 同時に、これがさらに発展していくためには、やはりその流通市場というのが当然整備されていなければいけない。これは恐らく鶏と卵のようなところがありまして、流通市場が発展すれば証券化も進む、証券化が進めば流通市場も発展していく。しかし、そういうきっかけを政府としてもしっかりとつくっていかなければいけないというふうに思っております。 例えば、二〇〇二年十二月に、これは金融庁も音頭をとりまして貸出債権市場協議会というものをつくって、その中で、市場型間接金融の発展の助けになるような幾つかの仕組みを考えておりますけれども、結果的に、こういうような努力を重ねていくことが大変重要であるというふうに思っております。 証券化商品の市場整備に向けて、金融庁としても引き続き各機関と協力してしっかりと取り組んでいきたい、こうした取り組みによって中小企業の円滑な資金調達が促進されるというふうに持っていきたいと思っております。
○上田委員 以上で終わらせていただきますが、やはり、中小企業の今抱えている最大の問題というのは、この資金の調達、いかに円滑、また多様な資金の調達ルートを確保するかということにありますので、ぜひまた、財務省それから金融庁そろって、しっかりと推進をしていっていただきたいということを要望いたします。 以上でございます。
○山本(明)委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○田野瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。 政府の方は、小泉さんも竹中さんも、景気がよくなったよくなった、いい方に向いているんだということをおっしゃっているわけですが、確かに、景気循環は底から上向きの方向に行って、実はもう終わりかけている、こう言われているわけですが、それはそのとおりなんですけれども、ただ、水面下の波なんですね。水面の下で循環が起きていて、これは水面の上に出ていないというのが私どもの認識であります。 また、その基盤は極めてもろい。内需中心の発展をしなけりゃいけないものが外需に支えられている。たまたまの中国の設備投資バブル、アメリカの消費バブル、これは金融の低下に伴う借りかえの仮需的なものでありますけれども、そうしたものに支えられて輸出が伸びているという要素が強い。本当の力強い景気回復ではない。 その証拠が、雇用がふえていないということにあると思います。かなり不安定な足元の上に立った、循環的な方向としては在庫が減っていい方向に来たということだと思うんです。 私は、先ごろも、月例経済報告においでいただいた際に、シマウマの黒い部分と白い部分のうち白いところだけを見て白い馬だ白い馬だと言っているのが政府ではないか、こう言ってきたわけでありますが、きっちりと本来の方向に向かわなければいけない。 竹中大臣の経済報告はかなり立派なもので、ひょっとしたら我が党の政策がまた、俗な言葉で言うとぱくられるという言葉がありますが、とられてしまったのかな、こう思うぐらい立派な内容なんですが、実際にはそのとおりにいっていないというのが私の感想でございます。言っていることとやっていることが違うではないかということを、ですから、結論を先に言えば、政権交代をしないと、本当に、言っている立派なことが本物にならないのではないかなということが結論でありますけれども、それを証明させていただきたいと思います。 まず、両大臣とも言っているわけですけれども、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを黒字化するんだということについて、表現の仕方が違うし、若干ニュアンスの違いがあるんですが、財務大臣はどう言っておられるかというと、財政演説の中で、「基礎的財政収支」、これはプライマリーバランスのことですね。「基礎的財政収支の黒字化に向けて一つの手がかりとなるもの」、こういう表現をされているんですね。これは、来年度予算についての中身の評価ということになっています。 一方、竹中さんの方は、これは国と地方と一緒に合わせて発言をされておりまして、「国と地方を合わせて十六年度にGDP比おおむね〇・八%程度の改善が見込まれるところであります。このような堅実な収支改善ペースを続けていけば、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化が可能となります。」こういう表現をされているんですね。 ただ、竹中さんは、これまでこういった目標を掲げるときに、その工程表まで示して、工程を明らかにするというのが、経路を明らかにするというのが竹中さんの手法だというふうにおっしゃってきていると思うんですが、これについては、その工程が私は明らかになっていないと思うんです。 それから、同じ閣僚で、同じような表現をとりながら、基礎的な数字も違うし、谷垣財務大臣の方は、そこまでおっしゃっていない。二〇一〇年代初頭の黒字化の道筋がついたというようなことはおっしゃっていないわけですね。これはどういうことかというのを確かめてみなければいけないと思います。 十六年度のプライマリーバランスは十九兆円のマイナスでありますから、決して褒められる数字ではないというのも明らかでありますし、財務省が後年度の影響試算、かつて「財政の中期展望」といっていたものですけれども、お示しをいただいています。仮定をいろいろ置いたものでありますけれども、十九年度の試算によりますと、これは二十二・四兆円。十六年度の予算に盛り込まれた施策がそのまま続いていったとして、十九年度にはプライマリーバランスはマイナスの二十二・四兆円。これは黒字化どころか発散の方向じゃないか、逆にプライマリー赤字がふえている方向です。 こうした数字を一方で政府の中で示しておきながら、二〇一〇年代初頭の黒字化の見通しがついたようなことを言うのは、これはおかしいじゃないですか。これは財務大臣と竹中大臣、両方に伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 プライマリーバランスの回復に向けて私が用いた表現は、先ほど委員がおっしゃいましたように、一つの手がかりが平成十六年度予算で得られたというふうに表現しているわけでございますが、今委員が、竹中大臣のいろいろな御立論の基礎と、私が言っている後年度試算、私のところで出した後年度試算が随分違うじゃないかとおっしゃいました。 財務省の試算は、ちょっとお触れにもなりましたけれども、特定の政策判断を加えずに、十六年度当初予算の制度や施策を継続した場合に後年度予算、後年度のどういう影響が出てくるかというのを積み上げて計算したものでございますが、竹中大臣のおつくりになった方は、「改革と展望」で示されたいろいろな分野の具体的な改革の進め方、いろいろな多様な可能性の一つを選ばれて、モデルをつくられてなさったものでございますので、前提や手法が異なっておりますので、結論も表面上異なっていると見える点があることは事実でございます。 私どもも、平成十六年度予算はこういう形でやらせていただきましたが、今後またさらにいろいろな政策的努力、検討を加えて二〇一〇年代初頭に持っていきたい、こういうことで努力をしております。 その基本的な流れは、いわゆる「改革と展望」二〇〇三年度改定で示されました手法に従って進めていこうというふうに考えているわけでございます。
○竹中国務大臣 五十嵐委員は明日の内閣の金融及び経済財政の御担当でございますので、全般にわたってごらんの上での御質問であろうかと思います。 冒頭でおっしゃいました、日本の経済が循環的にはよい局面にあるかもしれないけれども脆弱である、私もそう思っております。また、雇用対策、大変重要であるという点もそのように思っております。 ただ一点、これは今後我々も注目していきたいと思いますが、外需にたまたま依存しているという点に関しては、必ずしもそればかりではない。外需は重要でございますが、今年度の成長見込み二・〇%のうち、外需の寄与はその四分の一でございます。来年度の一・八%の政府経済見通しのうち、外需の寄与は一・八%分の〇・二ぐらいでございますので、内需へのシフトというものはそれなりに進んでいるという認識を持っております。 その上で、お尋ねのプライマリーバランスを回復するための工程でございますが、工程というのはいろいろなものが含まれるかもしれませんが、私の方は、経済財政の担当として、「改革と展望」に関連する、その背景となる試算というのを内閣府で公表しております。これはマクロモデルによる試算でございます。財務大臣の方は、今の制度を前提とした上での仮定計算というのを公表されるわけでございます。 工程といいますか、その道筋に関しましては、「改革と展望」の背景で作成しました内閣府の参考資料の中で、各年度どのような経路をたどっていくことが想定されるか、その場合の政策の前提はどういうものであるかということをかなり明らかに公表したつもりでございます。 財務省の計算と我々の試算、目的も手法も違う。例えば公共事業等々に関して、我々は毎年三%ずつ減らすという政策の継続を前提にしている、財務省の場合は横置きを前提にしている等々、違いがございますので、その目的に応じてこれは使い分けていただくということになろうかと思いますが、我々の示した試算に示されておりますように、構造改革を続けることによって現下の出始めた芽を木にすることによって、このような形で経済を持続的な成長経路に戻して、それで二〇一〇年代の初頭にプライマリーバランスを回復することが可能である、そのような道筋、まさに工程を描いたつもりでございます。
○五十嵐委員 国内の企業は、勝ち組はかなりよくなっている、特に大手企業がよくなっているのはそのとおりですけれども、それはしかし、海外での生産や海外への依存度が高いということも一方では確かでありますから、私は、外需が今日本を支え、今の経済状況を支えているというのは事実だと思います。 それから、この論争は余りしたくない、してもしようがないんですが、一つだけ確認をしておきたいのは、塩川前財務大臣が二〇一〇年代初頭というのは二〇一三年だということをおっしゃっているんですが、それは踏襲されますか。財務大臣に伺います。
○谷垣国務大臣 私は、「改革と展望」に用いられている表現、二〇一〇年代初頭というふうに理解しておりまして、その初頭というのは、塩川大臣が言われましたように二〇一三年ごろかなと思っておりますが、何分遠い先の話でありますので、必ずしもそのように限定して用いるだけの頭の整理が私はまだできておりません。
○五十嵐委員 次に、先ほど与党の議員さんが為替介入のお話をされまして、為替介入はいいことだとおっしゃったんですが、私は全く逆だと思っております。 去年一年間で二十兆円も為替介入をされました。結果として、十二円も年初と最後とでは円高が進んでおりまして、大ざっぱに、半分、年平均でいうと半分落ちたとすると、これは六%程度の下落、五、六%の下落になりますので、二十兆円分、ふえた分のその五%と見ると一兆円もう損をしているということになるわけです。 そして、この大規模な介入を、介入規模をさらにおふやしになろうとしている。これは、予算総則を変えて、補正予算で百兆円規模、来年度予算では百四十兆円規模にする。主にFB、政府短期証券を使ってやるということになるわけです。 これをどういうふうにやっているかというと、FBを買う、そして為替介入をしてドルをどんどん買う、買ったドルを日銀に引き取っていただくというやり方をしているわけですね。日銀にどんどんたまっていく。結果的にはそれがアメリカの米国債を買う形になってくるわけです。米国債が最終的には日銀にたまっていくという状況になっている。 これが実は経済の大きな流れを規定してしまっている。いろいろな面が起きております。一つは、日銀のリスクが急激に高まっている。ほかの要因があって、日銀納付金、昨年度激減をいたしました。しかし、これから先、この為替リスクに大幅に日銀はさらされることになりますから、しかも、この円高というのは結果として阻止できていませんから、失敗をしているわけですから、これから先も損がどんどん日銀にたまっていく。 そうすると、地方経済にも影響があるんです。皆さん関係ないと思うかもしれないけれども。例えば秋田県あたりだと、法人県民税のトップは、どの企業でもない、日銀のはずです。日銀納付金が大幅に減るということになると、県経済、県の予算に、財政に大変な影響を及ぼします。というような形で、日銀の経営が不安になる、収支が不安になるということは大変な影響をもたらす、これが一つであります。 それから、私はアメリカ従属だと思うんですけれども、アメリカの国債市場と株式市場をジャパンマネーが支えている。かつてのバブルのときに、日本の生命保険会社が大蔵省に言われてみんな米債権を買ってみんな一斉に損をしたという、あのバブルのときの失敗をまた繰り返すんではないかというようなことが起きているのが一つであります。 それともう一つは、続けて言ってしまいますが、この介入のやり方なんですが、窓口を絞り込んで、小口でちょろちょろ買って、だらだらと買い続けるという手法をとられているんですね、財務省が。これによってどうも不透明になってきている。アメリカが介入に対して、本当は歓迎しているのかもしれないけれども、表立った介入をよしとしないものですから、こそこそとそういう形で買うものですから、まず不透明になっている。介入が、要するに国家の意思、日本政府の意思やアメリカの意思がどうなるかを見て、実は市場というのは、マーケットというのは判断して動くんですけれども、それがどうも見えにくくなっているために余計おかしくなっている。 それから、窓口になっている機関投資家が、金融機関が絞られているために、そこもまたおかしなことになるという、いろいろな弊害をもたらしているわけであります。 これはやはり、為替介入のあり方と制度というのを見直していかなきゃいけない。透明化というものが必要だと思いますし、今のようなやり方は、実は百害あって一利ないんじゃないかなというふうに思っているわけであります。 しかも、効果がないということを言いました。まず効果論から言わせていただきますと、これは一九九三年のG10のコンセンサスがあるんですが、G10報告にちゃんと書いてあります。国際資本移動と為替市場に関するG10報告、このG10報告においては、「公的当局が動員しうる介入資金の規模が限られていることを勘案すると、介入は賢明なやり方で行うことが肝要であり、他の政策を補完する手段として適切な環境の下で行われれば、短期的には有効となる可能性があるが、ファンダメンタルズからの乖離が広く認識されているような相場水準の防衛や、単独で長期間行うような介入は有効性がない」とはっきり、我が国も参加したG10でこう表明されているわけです。 その長期的な単独介入は効果がないんだということをやり続けているのはどういうわけだ。しかも、これからもやり続けようということをむしろ宣言しているような、FBの枠の百四十兆円の拡大というのをやろうとしている。これは私はおかしい、ただ単にアメリカの資金供給源になっているだけじゃないかというふうに思いますが、財務大臣の見解を伺います。
○谷垣国務大臣 今為替の介入に関して、かつてのG10の見解をお引きになりまして、私も、そのG10の見解というのは間違っていないというふうに考えております。 為替相場というのは、経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移をしていくことがあるべき姿だろうというふうに思いますが、他方、やはり、投機的な動きとかそのときの思惑から、オーバーシューティングみたいなものが生ずることがあるわけでございますから、そのときは、我々はやはり断固としてしかるべき措置はとる必要があるというふうに考えているわけでございます。 それで、介入をどれだけしたかというのはしばらくたつと発表いたしますが、委員御指摘のように、確かに昨年の介入額というのは相当大きな規模になっていることは事実でございますけれども、昨年の場合は、イラク情勢とかテロの懸念といいますか、地政学的要因が、アメリカ経済の基本的な好調というものがあるわけですけれども、そういった地政学的要因が非常に市場の注目を浴びたというようなことがありまして、思惑的あるいは投機的なドル売りの動きが強かったというふうに考えております。したがいまして、その結果、介入額が膨らんだ面もあるのではないかというふうに思っているわけでございます。 それで、もう一つ、そういうことをやっていると結局いろいろなゆがみが生じてくるじゃないかという御指摘がありまして、日銀の中にいろいろたまっていって、日銀がリスクをしょい込むという御指摘がございました。 ただ、買った外資は、ヨーロッパ中銀なんかは、そういう形で、ヨーロッパ中銀の責任でやっておりますから、中銀の中にそのようなものを抱え込むという仕組みになるわけでございますが、日本の場合は、外為特会に入れる、みんな集めることになっておりますので、日銀保有という形にはなっていない。したがいまして、そういうリスクがどういうものかというのは、外為特会の要するに健全性が保たれているかどうかという形でまず判断をすべきものではないかと思います。 それで、その外為特会、確かに、このように、長期的に見れば円高の趨勢が続いているわけでございますから、外貨準備というものに為替差損が発生しているのも事実でございますけれども、他方、運用収益というものがあるわけでございまして、それははるかに評価損よりも大きなものになっているということ、つまり、運用益の方がはるかに評価損よりも大きいということは事実でございます。 それから、評価損、これは、いわば外貨準備というのは持ち続けているところに政策的な意味があるわけでございますから、今申し上げたような評価損というものが顕在化するというのは、いわば円安をとどめるために介入をするような局面があれば発生してくる、顕在化してくるわけでありますけれども、現状においては直ちにそういうことは考えにくいということがあろうかと思います。 それから、外為特会の透明性を向上させなければならない。要するに、運用の仕方などを見てマーケットが判断を形成されて、いろいろなものが形成されていくけれども、そこが不透明なのでかえってよくないという御指摘がありましたけれども、私どもは、外為特会が保有している外貨資産については、外貨売り・円買い介入を行うための原資でありますから、流動性とか安全性とかいうものを一番重視して、主要国の国債を中心とした流動性あるいは償還確実性が高い債券、あるいは外国中央銀行あるいは信用力の高い内外民間金融機関への預金等を中心として運用を行っております。 それで、外貨資産の運用の詳細、あるいは外為特会の構成というようなものについては、金融・為替市場に不測の影響を与えるおそれがありますので全部公開しているわけではありませんが、委員の御指摘のように、現実にはドルを買う場合が多い、そして、結局は米国債というものになっているパーセンテージがかなり高いことは事実でございます。 詳細な中身は公開しておりませんが、外為特会保有資産の概要それから外国為替等の評価損益については、各年度の予算決算におきまして外為特会の財務諸表は明らかにしているところでございますし、それから、我が国の外貨準備の詳細については、IMFの基準にのっとりまして、毎月末に内訳を明らかにしているところでございます。
○五十嵐委員 今、少し長く説明いただきましたけれども、まず、去年の傾向が投機的なものがあったからそれを防ぐためにやったんだということをおっしゃっているのは、これは間違い。 それは、なぜならば、ドルの基盤がやはり悪い。アメリカの財政が急激に悪くなっている。そして、そのためにつじつまの合わない減税政策を先行させていますから、その後のことが心配だということで、またイラク戦争の行方もあり、これは世界的にはドル安なんですよ。ユーロとの比較でもドルは一方的に安いんですから。単に投機的ではなくて、ドル安の傾向がある中でやっているということでありますから、これは、単に投機があって日本の円高が進み過ぎるというだけでは済まない問題、その説明だけでは納得できないということを申し上げておきます。 それから、運用益が今あるからいいじゃないかというお話をしていましたけれども、私が言っているのは、今の運用益があるからいいじゃないかでは済まない話。 これは、潜在的なリスクが非常に膨大化してくる。特に、アメリカの国債の暴落リスクをジャパン・マネーが防いでいるんだから、ドルの金利変動は今は低位で安定していますよ。だけれども、米国債の金利が暴騰して、金利が上がって米国債が暴落したときは大変なリスクをしょい込むじゃないかということを申し上げているわけですよ。これは日本の国債でも同じことなんですが、いつかは破裂する。今は力がある、余力があるから、それはもっている。しかし、どこかでは破裂してしまう。その破裂する瞬間が近づきつつあるというところまで買い進み、買い上がり続けているじゃないかということを問題にしている。さらに、それを来年度予算でもこの補正予算でも大きくしようとしている。それは正しい判断なんですかということを申し上げているんですよ。 そして、金融についても、非常におかしなゆがみが生じていて、マーケットに不信感が出ている。その証拠に、日本の、東京のマーケットからどんどん外国の企業が抜け出している、逃げ出しているじゃないですか。日本の市場は小さくなりつつある。 そして、財務省がおかしなことをやっている証拠が一つあります。昨年の五月の十九日、ひそかに財務省国際局は、大手の金融投資家、金融機関を集めて、利益確定売りをしないでほしいというようなことを、ヘッジ売りをしないようにというふうに圧力をかけているんですね。これを絶対口外しないようにと。呼ばれているのは生保、信託。日本生命、明治生命、住友生命、朝日生命、三菱信託、住友信託、中央三井信託等々。呼んで、そういうお話をしています。 これはおかしいですよ。まさに自由にマーケットに動いていただいて、そして、ルール違反があればそれを取り締まるというのが本来の行政のあり方じゃないですか。かつての護送船団方式と同じなんですよ。みんな自分たちの支配下にある銀行や生保に圧力かけて、アメリカから頼まれたからアメリカの債券買ってくれ買ってくれと言って、みんなに買わせて、一斉に損をしたという、かつての大失敗のまた二の舞になるじゃないですか。護送船団方式、いまだにやっているんだなということじゃありませんか。
○谷垣国務大臣 昨年の九月のことをおっしゃいました。(五十嵐委員「五月、五月。五月の十九日」と呼ぶ)五月ですか。ちょっと私、その五月のことは今伺って、五月その当日のことは直接今お答えする準備がございませんけれども、マーケットからのヒアリングは随時行っていると思います。しかしながら、今おっしゃったような、どうこうせよというようなことはやっていないというふうに報告を受けております。
○五十嵐委員 日付も間違っているのに、やっていないという報告を受けているとはどういうことですか。うそ言っちゃいけませんよ、そんなもの。今、九月と、私は五月の十九日と言ったのに、九月と言っておいて、わからないと言っておきながら、そういうことをやっていない、報告を受けているというのはどういうことですか。これはふざけていますよ。
○谷垣国務大臣 別にふざけたことを申し上げたわけではなくて、何日にどういう市場からヒアリングをしたということは直接聞いておりません。しかし、ヒアリングはしているということは聞いておりますし、そのときに委員のおっしゃったような手法は用いていないという報告は聞いております。
○五十嵐委員 そのときに、この会合は口外しないようにと言っているんですよ。ですから表に出てきていないんです。表の新聞には出ていない話なんですよ、これは。それは明らかに、非公式に、ヒアリングと称して圧力をかけているんですよ。そういうことをいまだにやり続けていること自体が問題だ。 すべて日本の金融行政は、実は竹中さん担当の金融庁の方でも同じようなことを、何回も私はこの委員会の場で指摘をさせていただいていますけれども、何回も同じようなことをやっているんですよ。圧力はかけていないかけていないと言いながら、実際に圧力をかけているんです。 こうしたことを防ぐためにももっとルールや透明性というのを拡大していかなきゃいけない。ですからそういう指摘をさせていただいたので、前向きの答弁をもう一度してください。短くて結構です。
○谷垣国務大臣 先ほどの点は、陰でしているという御指摘でありましたけれども、私は、そのような報告は聞いておりません。 ただ、そういうようなことがあるかどうかは今後も気をつけて見たいとは思っております。
○五十嵐委員 いや、聞いていないだけなんでしょう。今、国際局長の方から、後ろから言われて、やっていませんというのをオウム返しにおっしゃっただけだと思いますので、この件についてはちょっと調べてみてください。調べてみてくださいね、そういう会合で何をやったのか、本当に。調べないでやっていませんと言うのは、私は、この委員会に対する冒涜ではないかなというふうに思うわけであります。 次に、足利銀行について金融大臣に伺いたいと思います。 我が党の栃木県の国会議員団が、足利銀行の問題につきまして質問状をお出しいたしました。それに対して回答が戻ってきたんですね。その一番最初の質問が、足利銀行のそれまでの決算は粉飾と認めるべきではないかという質問をしたのに対して、金融庁からの御回答は、「株式会社足利銀行に対する検査結果では、平成十五年三月期において債務超過であったとしているが、」というのは、その質問書がです。「金融機関に対する検査は、粉飾決算などの犯罪捜査を目的とするものではなく、あくまでも銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保することを目的として行われるものであり、証券取引法が目的とする投資家保護とは趣旨が異なるものである。」。要するに、趣旨が異なるんだから粉飾かどうかは関係ないんだという御回答なんですね。これは驚くべき回答なんです。 なぜかというと、粉飾かどうかを見る監査法人、公認会計士、その監査法人や公認会計士を監督する官庁も金融庁なんです。だから、粉飾かどうかというのは非常に重大な問題であって、また、これは法律上、粉飾を知ったら、発見したら、告発する義務が、それは監督官庁でもあるわけです。ですから、粉飾決算発見が目的じゃないから粉飾かどうかなんというのは関係ないんだ、投資家保護とは関係がないんだから、別の観点からの検査なんだから、それは関知しませんというこの回答は、驚くべき無責任、これは驚くべき義務違反ですね。公的な行政機関としての義務に反する答弁だ、答弁書だ、こう思いますが、これについてどう弁明されますか。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○竹中国務大臣 今御指摘の栃木県選出の国会議員団からの質問状に対する回答の中で、冒頭、今委員御引用くださいましたように、「あくまでも銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保することを目的」云々ということでありますが、これは、決して関係ないとかそういうことを単に言っているわけではなくて、全部お読みいただきましたらわかるように、そもそも我々の行う検査というのは銀行法に基づくものであって、決算、投資家保護等々を目的とする有価証券報告書の目的とは違っている、そういう説明の中で今のような表現が用いられているわけでございます。 これはもう委員大変お詳しいですから、言うまでもありませんが、当然、これは決算でありますから、会社が行わなければいけません。商法、証取法等々の枠組みに基づいて会社が行う。それに対して、独立した監査法人がしっかりと監査を行って、まさに投資家保護等々に資する。そのための法律の改正も、この委員会で、前国会でお願いを申し上げました。その際に、監査法人というのは独立してこれを行わなければいけないということでありますので、監査法人の個々の監査の内容について金融庁が介入するというようなことは、まさにあってはならないことでございます。 委員がおっしゃっているのはもちろんそういうことではないということは承知をしております。 ここで書いておりますことは、仮に足銀の、同社の有価証券報告書において重要な事項について虚偽の記載が判明したような場合、そのような場合は、これは当然、法令にのっとり、適切に対処してまいらなければいけないと思っておりますが、重要な事項についての虚偽の記載がある、または記載すべき重要な事項が欠けているというふうには我々は判断をしていないということでございます。 しかし、繰り返し申し上げますけれども、仮に同社の有価証券報告書において重要な事項について虚偽が判明した場合は、これは、決算を行った当事者の会社、それと、それに対して適正な判定を下した監査法人それぞれについての責任が生じるわけでありまして、その場合は、法令にのっとり、適正に対処してまいりたいと思います。
○五十嵐委員 竹中さんにしては珍しく論理が明確でないんですが。 では、なぜ「投資家保護とは趣旨が異なる」なんて書かなきゃいけないんですか、ここに。おかしいじゃないですか。我々の検査は趣旨が異なるんだからと何でここに書いてあるんですか。 それで、我々が、栃木県選出国会議員団が聞いているのは、昨年三月期の決算が粉飾だったのではないですかと聞いているんです。それに対して回答していないんですよ、だから。法令にのっとったものでありますと。 確かに、今、介入する、介入しないという話がありましたけれども、監査法人が監査している段階で介入しちゃいけないんですよ。 監査した結果が、皆さんがその半年後にやったものと余りかけ離れて違うものだから、いきなり、全国十一番目の地銀が倒れるというような異常事態が起きたんでしょう。だから、もともとの監査報告がおかしかったんじゃないですかと。それを確かめるのはあなたたちの仕事じゃないですか。監査法人の監査そのものに対する、監査のやり方全体に対する疑いが国民の中からも世界的にも出てきてしまうんでしょう。だから、粉飾があったのではないかというのにちゃんと答えたらどうですか。
○竹中国務大臣 論理的ではないというおしかりを受けましたが、質問は、検査結果と違っている、そういう検査結果、債務超過であったと認定した、したがって粉飾である、そういうふうに書いているわけで、それは違います、それは目的が違うんですということで、先ほど申し上げたようなくだりできっちりとお答えをさせていただいたわけでございます。 我々は、監査法人に対して直接的に、個々の監査内容がいいか悪いかということをチェックする権限は持っておりません。これは監査法人の独立性を保つためからも当然のことであろうというふうに思っております。公認会計士のクオリティーチェックといいますか、公認会計士協会、公認会計士の検査に対して、そのクオリティーコントロールのようなものはしっかりとやっていただかなければいけない。それに対するモニタリングは、これは今度の新しい改正法で、我々もしっかりと行うということになっておりますけれども、繰り返し申し上げますが、その監査の内容がどうであったかこうであったかということに関して、我々が、金融庁としてその結果に対して何か是正させるとか、そういう権限は持っておりません。
○五十嵐委員 結果としてきちんとした監査をしているかどうかというのは重要なことなんです。 それで、我々は、その途中でも指摘しているじゃないですか。足利銀行についてだって私は言っていますよ。繰り延べ税金資産を平均的な業務純益の九・何年分も計上しているのはおかしいじゃないかと。あなた方がつくったルールにしたって五年以内、これだっておかしいと言っているのに、九年分も十年も、ほかにも十年分のところがありましたけれども、認めていて、それで適正な監査だというのはおかしいでしょうという話をしているじゃないですか。 もう仕組みとしておかしいということを申し上げているのに、いや、それはそれでいいんだいいんだと言い続けておいて、今度は、九月には、自分たちが極端に態度を変えて、これはまるで取りつぶしをねらって態度を豹変させたと思われても、実際にそう思われているわけですから。日向野さんもそう言っていましたよ、監査法人と金融庁の検査の態度が急変したということを言われているじゃないですか。ここで証言しているんですよ。それはおかしい。 私がこの間から申し上げているのは、事後的なチェックに金融行政は転換するんだ、手とり足とりのコーチだとか怪しげな指導はしないんだということを一方では標榜しておきながら、実際には、恣意的に一つ一つ、言うことを聞かないところとか、自分たちの政治的な思惑なり行政的な思惑にのっとってやっているのはおかしいじゃないかということを言い続けている。 あなたたちは、言葉の上だけはきれいに、金融行政ちゃんとやっています、うまくやっていますと言うんだけれども、実際にはやっていることが違っていて、本当にモラルハザードそのもののことをやっている。これはおかしいじゃないですか。 後でまたこれに関連してほかの話もしますが、足銀について確認しておきたいことを二つばかり聞いておきます。 足銀についてはデューデリジェンスをちゃんとやるんですかというのが一点。それからもう一つは、もう早速、預金保険機構の危機管理対応勘定から、十五兆円の枠の中から、一兆円を多分超えるだろうと言われておりますが、公的資金を出すことになるんでしょうが、ロスが起きた場合に、それを、もう既に銀行協会側は、自分たちの負担は嫌だ、公的に負担してくださいというようなことを言っているようですが、それを認めるんですか。「政府の補助」という条項が預金保険法の第百二十五条にありますけれども、これを適用するのかどうか。私どもは、当然金融機関の内部で負担をするべきだというふうに思いますが、その点について。 二点、伺っておきます。
○竹中国務大臣 五十嵐委員から、前半で、非常に恣意的である云々の御指摘をいただきました。個々について御質問があればまたお答えをさせていただきますが、我々は、事後的なチェック、そして透明なルールに基づく、結果に基づく行政を行っているつもりでございますので、またその点については御質問に対してしっかりとお答えをさせていただきたいと思います。 御質問のありました、デューデリジェンスをするかどうかということでありますが、これは御承知のように、今、池田頭取が十二月に赴任をされまして、企業を再生させながら、しっかりと経営再建を図る、そして新しい受け皿にそれを引き継いでいくという大変重要な仕事をしておられます。その過程で、当然のことながら、資産については経営陣の責任においてしっかりとこれを見ていく、再生をさせるものは再生をさせる、そうした上で新たな引き受け手を探すというこの手続そのものに今入っているわけでございます。 あと、二つ目の公的資金云々の話でございましたが、これは、まさに今、池田頭取を先頭に、経営の改革、再建に向けた努力を行っているところでありまして、お尋ねの点は、その出口がどのような形になるのかということに関連してくると思います。これは大変難しい作業でありまして、今の時点で、どのぐらいの資金が必要になるか、資金援助が必要になるかということも含めて、その出口を見通すのは、これは大変困難でございます。その出口を模索しながら、これから経営陣が一生懸命やっていくというところでございますので、その出口の中でしっかりと答えを出していきたいというふうに思っております。
○五十嵐委員 恣意的と申し上げたのは、りそなのときにちょっと時間がなくて、用意しておきながらあれだったんですが、りそなの扱いと足銀の扱いが余りにも違うではないかという話は当然出てきていましたね。 りそなには大変めちゃくちゃなことを認めておる。ホールディングスには公的資金が注入できない。ですからりそな銀行に注入したわけですが、本来ならばりそなのために使うものを、二兆円を超える金額だったわけですが、それをりそな銀行からホールディングスに融資をして、そしてホールディングスから近畿大阪銀行の方にまた迂回していっている。本来ならば近畿大阪自体が、これはめちゃくちゃな銀行ですから当然破綻していなきゃいけないものが、そうした迂回した資金によって助けられている。 要するに、近畿大阪とこの足利銀行との扱いを比べたらめちゃくちゃな違いがあるんですね。どっちがよりひどいかといったら近畿大阪の方がひどいと私は思うわけですが、そっちがたまたまりそなホールディングスのもとにぶら下がっていたというだけで助けられる。これはおかしなことだということをだれもが感じているわけですね。こういうようなことをやっていて、私は、金融行政が信頼されるわけがない。 この次はUFJがねらわれている、こう言っているわけですね。UFJの特別検査が入る、それから資料隠しがあった、こう報道をされております。それからまた、UFJの検査に際して、厳格な検査で有名な目黒検査官は外すように、寺西頭取が金融庁長官に直訴したという話があるんですが、これは事実かどうか。 報道された事態について、事実関係を明確にしていただきたいと思います。 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 りそなと足利の問題に関してはもう一度お答えをさせていただいていると思いますけれども、これは、本当にその企業が将来やっていけるかどうか、バイアブルかどうかという経営判断の問題に根差して、かつ、りそなは、確かにりそなホールディングス、りそな銀行から融資を受けましたけれども、ホールディングスの発表によれば、それは株式の売却の代金を充てたということになっておりますので、これは決してそれを流用したということではないと思っております。その意味で、我々は、ルールにのっとっているというふうに理解をしております。 お尋ねの件でございますけれども、昨日私の方から、三月期に向けての特別検査に着手するということは報告をさせていただきました。しかし、個別の銀行について、これは一部の報道、今委員がおっしゃったこと、ちょっと後半のことは私は今初めて聞いたのでありますけれども、一部の報道は、私、新聞記事で承知をしておりますが、個別の金融機関に関する検査につきましては、これはコメントできない、このことは御理解をいただきたいと思います。
○五十嵐委員 これは、だって重大な案件ですから、これはコメントできないでは済まない。 大体、竹中さんが言っているんですね。あなたが大体情報源なんじゃないですか。一部の新聞、週刊誌の記者の皆さんが竹中さんと会ったときに、竹中さんがこう言っているんですよ。これからは地銀処理に集中すると皆さん思っているようだが、大手行でも一部で処理が必要だと断言した、それは平仮名ですかアルファベットですかと聞かれて、アルファベットですと断言した、そしてその理由は、そのUというところは我々に二、三隠していることがあるから、こう言ったというんです。あなたがみんなばらしているんじゃないですか。 アルファベットといったら一つしかないんだから、大手銀行で。漢字といったら一つなんですね、三井住友銀行。平仮名といったらみずほなんだから。アルファベットといったらもうUFJなんですよ。あなたがみんなしゃべっているんじゃないですか。 今私が申し上げたことについて確認する用意がありますか。 委員長に申し上げますが、私はこの件に関して、重要な案件ですから、寺西頭取、高木金融庁長官の参考人招致を要求いたします。
○田野瀬委員長 理事会で検討します。 竹中大臣。
○竹中国務大臣 今委員からは、私の発言に関して、出どころのわからないところからの御紹介がありましたけれども、これは、正式のものとしてそういうものがあるんでしょうか。私はそういうことを申し上げた記憶はありません。かつ、そういうことを言うはずもありません。私の立場ではそんなことを言うはずはありません。 個別の名前を、銀行の名前を挙げていろいろおっしゃいましたですけれども、国会の場で個別の銀行について風評を招くような発言は、これはぜひ慎んでいただきたいと思います。事実に基づいてしっかりと御発言をいただきたいというふうに、これは金融担当大臣として、市場の安定の立場からお願いを申し上げます。
○五十嵐委員 私は、この銀行が悪いとかいいとか、何にも、一つも言っていないんですよ。あなた自身が問題があると、あなた自身が言ったという話を紹介しているんです。私自身は、では、平仮名銀行といえばみずほですよ、アルファベット銀行というのはUFJしかないじゃないですかという解説を述べただけですよ、それは。そうでしょう。漢字銀行といえば、都市銀行でいえば大銀行というのはそこしかないじゃないですかという話を言っただけの話ですよ。 あなたがいろいろなところでぺらぺら言っているんでしょうが。無責任なことを言っちゃ困りますよ。(発言する者あり)いやいや、言わなければこういう話は出てこないんですよ。出てこないんです。あなたはいろいろなところでいろいろなことをお話をされているじゃないですか、それは。記者団に囲まれて、何も言っていないんですか、それとも。(竹中国務大臣「言っていません」と呼ぶ)そんなことないでしょう。あなた自身が口を慎まれることを私は望みます。 それでは、次に移りますけれども、長銀処理の問題を取り上げておきたいと思います。 まもなく新生銀行が上場されるという話があります。この長銀処理、相当尾を引いているわけですけれども、まずお伺いをしたいのは、今度上場されると、売却益はかなりに上るだろう。まあ数千億円、場合によっては一兆円を超す資産の増加、利益というものが見込まれるわけであります。 私どもは、旧長銀をこのような形で外国の、外資の投資会社に売り飛ばすのではなくて、国有化したままうまく運営をして、再上場して株を売却すれば、上場益によって国民負担はもっと減らせたんではないかというようなことを言ってまいりました。特に瑕疵担保特約というのは、国民に大変ひどい負担を負わせる、そういうイレギュラーなやり方であったということを申し上げ続けてきたわけです。 これについては、財務大臣も、当時の金融再生委員長として責任があります。この長銀処理の失敗が今改めて明確になりそうだということについて、どのような責任を感じておられるか伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 長銀、現在の新生銀行が上場されるということにつきまして、財務大臣として、コメントをする立場にはございませんが、今五十嵐委員がおっしゃいましたように、今から四年前の三月一日に、特別公的管理を離れましたときに私は金融再生委員長をやっておりましたので、そのとき感じましたことは、この銀行が健全な銀行となって、そして日本の金融システムがしっかりしていく一つの役割を果たして、国民経済にも意味を持つ銀行になってほしいと考えておりました。 上場するというのはその一つのステップではないかなというふうに考えているわけでございますが、今委員がおっしゃったように長銀処理が失敗したというふうに考えているわけではありません。
○五十嵐委員 たった十億円で買い取ったものが、公的資金が全部で、我々の計算では、ダブりもあるから正確ではないんですが、八兆一千七百二十三億円も、いろいろなやり方で、資産買い取りだの、損失補てん、金銭贈与、佐々波委員会の資本注入等を通じて、あるいは瑕疵担保特約を通じて、八兆一千七百二十三億円も公的資金が入れられている。そして、たった十億円で手に入れたものが、これだけの面倒を見ていただいて、そして総資産は今や五兆円から六兆円に膨れ上がっている。そして、さらにここで上場によってもうけようとしている。 だれが損をして、だれが得をしたかというのは明らかじゃないですか。国民に損をさせて、アメリカの投資会社に、外国の投資会社にもうけさせた、ぬれ手でアワの商売をさせたというのは明らかじゃないですか。新たなビジネスモデルを日本に持ち込んだ功績があるんだと竹中さんはおっしゃいますけれども、それにしては余りにも国民の犠牲、負担が大き過ぎるじゃないですか。これはどういうふうにお考えになるんですか。金融大臣からもこのやり方に対する責任を伺います。
○竹中国務大臣 当時の経緯は今谷垣大臣の方からもお話がありましたが、まず、その八兆云々という数字はちょっと私の方では確認できませんが、ペイオフコスト超の金銭贈与に用いられた交付国債使用額三兆二千二百四億円については、現段階において国民負担として確定をしております。しかし、その他のものについては、買い取り資産からの回収等、さらには、資本増強に当たり引き受けた優先株式の処分収入等が返済に充当されることになっておりますので、負担がどれだけかというのは、これはまだこれから確定するものだということが第一点。 それともう一点、売り出し価格等々についても、今後ブックビルディングを行った上で正式に決定されるものでありますので、譲渡益等の御指摘が若干ありましたけれども、その規模については、これはコメントできないというのが現状であろうかと思います。 ただ、いずれにしましても、今谷垣大臣からお話がありましたように、当時、公的負担の極小化や金融システム安定化の観点から、やはり迅速な処理が肝要であった。速やかな譲渡を実現して、公的負担を実現するということから、当時の、今御指摘のような形の決定になったというふうに私は承知しております。その意味で、与えられた条件の中で最善の決定をしたものというふうに思っております。
○五十嵐委員 いや、国民は一人として最善の決定だったとは思っていないわけです。 それで、新生銀行のやり方も、まさしくひどいやり方をいろいろしているわけですね、貸しはがしもしてきましたし。 それから、不思議なのは、旧長銀保有株のうち、預金保険機構は二兆二千六百八十八億円を買い取ったんですが、新生銀行は三千二百六十一億円買い戻しているんですね。二〇〇三年十二月末時点でいうと三千二百六十一億円。なぜこれは買い戻したんですか。それで、買い戻した上で、相場が上がったところで売って、ここでぼろもうけをしたという話があるんですが、確認できますか。
○竹中国務大臣 申しわけありません。通告をいただいていませんでしたので、数字のこと等、ちょっと今わかりかねます。
○五十嵐委員 新生銀行の上場に絡んでですけれども、評価について、また、長銀処理の問題について聞く、そういう通告はしておりましたから、ある程度のことはお調べをいただきたかったと思います。改めてお調べをいただいて回答をいただきたいと思います。 それからまたもう一点、瑕疵担保特約に基づいて預金保険機構が買い戻した債権は三百二十一件、債権額一兆一千七百二億円、支払い額八千五百三十億円、昨年の九月末現在と聞いていますが、これ以外に、手続の終わっていないものがまだ相当あると聞いていますが、その理由と額を、後で結構ですから、お調べをいただいてお出しいただきたいと思います。 ともかく、私は、恣意的な金融行政が行われ、我々が最初に目指した、透明で事後的なチェック、ルールづくりに専念する金融行政というのが行われていない、そして、かなり恣意的に、この銀行は生かす、この銀行はつぶすというようなことが行われ続けてきている、これがいろいろなゆがみをマーケットに及ぼしている、こういうことをぜひやめていただきたい。きれいなことを言うんだったら、きれいなことを言うようにきれいな行政をしていただきたいということを申し上げて、質問時間が来ましたので、終わります。
○田野瀬委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 民主党の松原仁であります。 いよいよ、この外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案がきょうこの委員会でも論議をこの後されることになったわけであります。 この北朝鮮による拉致問題というのは、一昨年、私自身はその前から携わってきたわけでありますが、この問題は、皆さんもう御承知のように、拉致被害者五人が羽田空港に帰ってきて、それから既に一年四カ月が経過をしております。 また、死亡、不明の十人ということを北朝鮮は言ってきたわけでありますが、この十人についてもいまだに、日本側が不明点等をただしているのに対して、誠意ある回答は見られていない状況というふうに言えます。 また、それ以外にも、拉致の疑いの濃厚な行方不明者は大変な数がいまして、いわゆる行方不明者の会には三百人を超える人の名前が寄せられている。そういう中で、この一年有余、この問題がなかなか進まなかった、遅々として進展をしていなかったわけであります。 なぜこの問題が進展をしていなかったのかというのは、さまざまな議論がありますが、対話と圧力というふうな言葉が言われておりますが、このいわゆる圧力の部分がなかなか日本の国の意思として発動されてこなかったというところに、私はこの問題がなかなか解決に向かって進まなかった理由があったのではないかと思っております。 実は、いわゆる救う会、拉致問題に対して救う会、また家族会が、いわゆる当選者、国会議員に対してのアンケートをいたしました。十一月十日に発表されたアンケートによりますと、拉致はテロと認識しているという議員が当選者の九一%、また、外国為替法改正賛成が既に八一・四%、特定船舶入港制限新法、例えば新潟港に入港する万景峰号とかが具体的なイメージになってくると思うわけでありますが、こういったものに対しての制限をする新法に対しては七六%の国会議員が賛成をする、こういうふうなデータもあるわけであります。 このいわゆる拉致問題の解決は、本来であれば拉致に対しての特別委員会を設置して、包括的に問題解決に向けて取り組むべきであるというふうに私は思っておりました。具体的な拉致被害者の数やその他さまざまなことについては、日本に亡命をしている、かつて北朝鮮で工作員をやっていた人間の参考人招致等も、事の真相を明らかにするためには避けては通れない議論でありますから、そういった問題は特別委員会で包括的に扱って、北朝鮮に対してのさまざまな我々のメッセージを伝えていくべきだろうと思っておりましたが、今国会においては、現在まだこの特別委員会が設置をされていないという状況であります。 そういった中において、本来は包括的というふうなこともありましたが、やはり日本のメッセージを北側に伝えるということを含め、このいわゆる外為法の改正というものは、この問題については極めて、もちろん普遍的なものでありますからほかの案件でも出てくるわけでありましょうが、今回の拉致問題の解決には極めて有効な方法論だろうというふうに私は思っております。 そして、この法案が仮にできた場合に、主務大臣は財務大臣ということになるわけでありまして、財務大臣に、このいわゆる外為法の改正されたものによる経済制裁、これが単独実施された場合、どのような有効性があるかについての御所見をお伺いいたします。
○谷垣国務大臣 外為法改正につきましては、委員、今、対話と圧力ということをおっしゃいましたけれども、北朝鮮の拉致問題を解決していく上で選択肢を広げる必要があるという観点から今まで御議論をされてきたものというふうに承知をいたしております。 それで、これから議論をしていただくわけでございますけれども、成立いたしましたら私が主管大臣としてそれを扱わせていただくわけでございますが、効果はどうかというお問いかけがありました。 私は、先ほど申し上げましたような、これを使う場合にはいろいろなことを考えなければいけないと思いますが、選択肢を広げておくということがまず第一の大きな意味だろうと思います。 それから、恐らくお尋ねの中に、今単独で制裁をした場合どういう効果があるかというふうなお問いかけでしたので、恐らく単独では効果がないというような議論が今までもあったように承知しておりますから、そうではないんだという御趣旨だったんではないかなというふうに思います。これは、その効果をどう見るかというのはいろいろな御意見があると思いますが、私は、それは確かに幾つか第三国を経由する場合なんかは連携してできた方が効果は多いと思いますが、もちろん、単独でも効果がないということは言えないんではないかというふうに思います。
○松原委員 私は、この法案によって拉致問題が前進をするというふうに思って非常に期待をしているわけでありますが、拉致問題の解決を含め、経済制裁法案とも言える外為法のこういったものが生まれて、この刀というのはいつ抜くかということが大きなポイントになるわけであります。 例えばこういった経済制裁に関しては、やはり自国の平和と安全を守るというのは、基本的に当然その骨格にあるわけでありますが、我が国の安全というふうなことを考えた場合に、拉致事件そのものは、日本人の生命が極めて危険にさらされ、自由が危険にさらされていたということになるわけでありますし、また、例えばミサイルの問題であります。九三年に日本海にノドンが着水をし、九八年には三陸沖にテポドンが着水をしている。こういったミサイルのいわゆる威圧という問題。また、アメリカ合衆国の正式ではない調査団が行って北朝鮮の寧辺等を見てきて、そこで八千本の使用済み核燃料の運び出された形跡を見、この数はプルトニウムを抽出すれば優に核を幾つかつくれる、二個から五個つくれる、こういうふうにも言われているわけであります。 私が知っている内容でありますが、昨年の五月に新聞紙上で、これは新聞紙上に報道された内容でありますが、「政府は、北朝鮮に対する経済制裁について、北朝鮮による使用済み核燃料棒約八千本の再処理が確認された場合や、日本に向けて弾道ミサイルを発射した場合などに、外国為替・外国貿易法に基づき、日本の金融機関を通じた北朝鮮への送金を全面的に停止する方針を固めた。」と。これはあくまでもマスコミでそう書いてあるということなんでありますが、私は、この文章の意とする部分というのはやはり発動の一つの条件になるのではないかと思っておりまして、この外為法が成立をした場合、私自身は速やかにこれを発動するべきと考えますが、大臣のこの発動に対するタイミングについての御所見をお伺いいたします。
○谷垣国務大臣 北朝鮮との間では、現在、平和的な形での問題の解決に向けていろいろな努力が継続されているというふうに考えておりますので、現時点で外交上の判断として北朝鮮に対する経済制裁を行うというふうには考えておりません。 ただ、政府としては、北朝鮮がさらに事態を悪化させるような何らかの措置をとってくる場合には、その時々にきちっとした断固たる対応をとらなければいけない、こう考えております。
○松原委員 この拉致問題も大変に長引いているわけでして、私としては、申し上げましたように、この問題の解決に対して北朝鮮が積極的に取り組まないということが明らかである限りにおいて、即時こういった制裁を行うべきだと思っております。 次に、いわゆる送金の問題についてお伺いいたしたいと思います。 いわゆる北朝鮮に向けての送金についてであります。北朝鮮に向けての送金は、これは現在どれぐらいの規模の送金が行われているかをお伺いいたします。
○山本副大臣 大体、平成十二年度で三十一件、四億四千五百万円、平成十三年度で二十五件、五億八千七百万円、平成十四年度で二十八件、三億七千七百万円でございます。
○松原委員 今、山本副大臣から御答弁いただいたわけでありますが、これは、北朝鮮に対して、これも新聞によりますと、日本から北朝鮮への送金は年間で約二億ドルから六億ドルに上るとされているというふうなデータもあるわけでありますが、今おっしゃった中で、いわゆる支払い報告書の提出義務が課されている送金というのが、その小さい方の数字の四億とか五億であるというふうに認識をしております。これは、幾ら以上の相当額を超える海外送金についての提出義務が課されているのでしょうか。
○山本副大臣 先ほどの資料は平成十五年三月までのことでございまして、五百万円相当額を超える送金が支払い等の報告の対象となっているわけでございます。したがいまして、先ほどは五百万円相当額を超える分でございます。
○松原委員 この五百万円という数字は、私は大きいというふうな気がしているわけでありますが、なぜ五百万円なのかというのをお話しいただきたいと思います。
○山本副大臣 これは、外国為替及び外国貿易法第五十五条一項に五百万と書いてありまして、これの立法経緯については明らかではないんですけれども、さらに先生の次の問いになると思いますけれども、平成十五年四月にこの法案が改正されております。したがいまして、これは、現在三千万円となっておるような改正のことから考えますと、立法された当時、北朝鮮の送金だけでなくて国際取引すべてを賄う取引の数字でございますので、多分、人為的に報告書をかける範囲と、さらには国際的な統計がうまく集計できるというような、そういう数値の調和が五百万円となったんではないか、こう推測されるわけでございます。
○松原委員 五百万という数字が、ほかの国も同じ五百万だから五百万だということでありますが、国交のない北朝鮮と例えば他の同盟国とみなされる国が同じ五百万ということであって、また同じ三千万になるということでしょうか。
○山本副大臣 平成十五年三月まではそのとおりでございます。
○松原委員 私は、やはり、これが同じであるというのは、今までの経緯からして、それがなかなか私自身は納得できないわけでありますが、そういう中で、いわゆる北朝鮮と日本との送金の中でウエートを占めているのは、金融機関による送金というよりは、むしろ現金の携帯輸出であるというふうに認識をしているわけであります。 この携帯輸出というものが極めて大きいということを考えた場合に、外為法の改正が行われたときに、携帯輸出に関してはきちっと、いわゆる経済制裁を発動してそれをさせないというふうにした場合に、携帯輸出に関しては十全な対応がとれるのかというふうに思うわけであります。そのことについて御答弁をお願いします。
○山本副大臣 携帯輸出につきましては、先ほどの外国為替等の法律の十九条三項に、百万円相当額を超える現金等の携帯輸出につきましては届け出義務を課す、こう書いてありますので、それについて外為法の改正を行うと、これにつきましても、逐次、先生おっしゃるような目的は達せられるだろう、こういうように思います。
○松原委員 今までの経緯からいって、なかなか、北朝鮮に対する経済制裁、完全に実効性を上げるように担保していかなければいけないと私は思っているわけでありますが、この外国為替の法律の第十九条に、支払い手段の輸出入の条文が書かれているわけであります。 お伺いしたいわけでありますが、この文章では、財務大臣は、この法律またはこの法律に基づく命令の規定の確実な実施を図るため必要があると認められるとき、支払い手段または証券を輸出し、または輸入しようとする居住者または非居住者に対して、政令で定めるところにより、許可を受ける義務を課することができる、こういう文章が書いてあるわけであります。私は、この北朝鮮の外為法、これを発動した場合の有効性という議論を先ほど谷垣大臣ともしたわけでありますが、その有効性をきちっと担保するということを考えるならば、実は、この十九条に書かれている文言を極めて厳格に実行することによって、この外為法の有効性というのは、第三国経由はまた別でありますが、担保されるのではないかというふうに思っているわけであります。 そこでお伺いをしたいわけでありますが、この十九条の法文というのは、かみ砕いて言えばどういうことなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○山本副大臣 この法文は、現金、小切手、有価証券などのいわゆる支払い手段等の輸出入、これは自由化されている、そして、この法律の他の規定またはこの法律による命令の規定を根拠として何らかの規制が行われる場合に、この規制を免れることとなるような支払い手段等の輸出または輸入を規制し得ることとなる。いわば、原則自由だけれども、何らかの根拠があって、それが法に基づくものであれば、小切手、有価証券、現金、こういったものの持ち出しを許可にすることができる、こういうことでございますので、先生おっしゃるとおり、支払い手段等を携帯して当該の国に持ち出すような行為について、国の許可にあらしめるということが可能であろうという趣旨だろうと思います。
○松原委員 簡単に言いますと、お金を持って向こうに行って、そのままお金を使わないで戻ってくれば、外為法の従来の解釈であればそれは可能なのかもしれませんが、この十九条を発動させることによって、お金をいわゆる北朝鮮籍の船に持って入る、使わなくて戻ってくるとしても、持って入ること自体が、きちっとここで義務を課すことによってそれもできなくなる、こういう解釈でよろしゅうございますか。
○山本副大臣 そのとおりでございます。
○松原委員 わかりました。 ということは、十九条を使うことによってきちっと、いわゆる北朝鮮に対する外為法は、お金を持っていくこと自体、つまり日本の岸壁から北朝鮮の船に、日本の国のお金を持って、もしくはそういうものを持って外国籍の船に乗っていくことを規制することもできるということでよろしいですね、くどいようでありますが。
○山本副大臣 もう一度正確に申し上げますと、十九条一項は、「財務大臣は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、支払手段」これは現金を含みますが、「又は証券を輸出し、又は輸入しようとする居住者又は非居住者に対し、政令で定めるところにより、許可を受ける義務を課することができる。」こういう条文でございますので、先ほどおっしゃられた、許可をもって、携行し外に出ないということ、許可要件を明確にする必要があろうと思いますが、許可に付することができるということでございます。
○松原委員 私の認識で合っているというふうに、私も今の答弁を聞いて確信をいたしました。 ということは、この外為法改正を発動し、さらに十九条まで、まさに確実な実施を図るために必要であると。今でいえば、谷垣財務大臣が決断した場合は、北朝鮮籍の船にお金を持って乗ることを、厳しく義務化し、それについては禁止することもできる、こういう認識で、私は、極めてこれは重い経済制裁の発動が十九条も絡むことによってできるという認識を持ちました。 それでは、次の質問に移ります。 次は、先ほど五十嵐委員の質問でもありましたけれども、いわゆる外貨準備についてお伺いをしたいと思うわけであります。 これは既に随分と先ほどの質問で論議がなされていたわけでありまして、余り屋上屋を架するのもと思いますので、簡潔にまた御質問だけいたしたいと思います。 日本の外貨準備高というのは、大変に今拡大をしているわけであります。世界の水準で見ても、日本が最もこういった意味で外貨準備は高いのではないか。六千七百三十五億ドルというふうな水準で、ぶっちぎりの、物すごい水準になっているわけであります。これが非常に短期で最近伸びてきたというふうな印象を持っているわけであります。 また、アメリカ財務省の資料によりますと、二〇〇三年の一月から二〇〇三年の十一月の間で、三千八百五十億ドルから五千二百五十五億ドルに、日本が買ったアメリカのこういった債券はふえているわけであります。 もちろん、これは国だけではなくて個人も、その他民間の金融機関もあるかとは思いますけれども、恐らく、専ら国が極めて大きくなってきたと思うわけでありますが、なぜ短期でこれだけ日本の外貨準備がふえたのか、やはりその明快な理由というのが十分に言われていないと思うんですが、このことについて御答弁をお願いします。
○谷垣国務大臣 先ほどの御議論の中でも申しましたので簡単に申しますが、こういう外貨準備をやっていきます場合に、要するに、為替介入をして、それが外為特会に入っていくという形になって、今大きくなっているわけですが、昨年度、ドルに関しましては、いわゆる地政学的リスクということに相当市場が注意を注いでまいりまして、思惑的、投機的な動きが多かった。それで、それを防ぐために膨らんでいったということであろうと思います。
○松原委員 なかなかこれはお答えにならないと思うんですが、アメリカからの要請はあったんですか。そういうものは、恐らくあってもないと言うだろうけれども、一応お伺いだけしておきます。
○谷垣国務大臣 いや、あってもないと言うとかいうことではなくて、ございません。
○松原委員 極めて尋常ではない数字の伸びだと思いますので、さっきの五十嵐委員に対する御説明を聞いていても、なかなか納得するところまではいかないわけでありまして、どうも何かあるのかなという気がしてならないわけであります。 あと、この外貨準備に関しては、日本の場合は外貨でほとんど持っているわけであります。九六・九%が外貨でこれを保有している。ユーロなどの場合は金で四〇・七%を持っている。 先ほどアメリカの財務省のデータを申し上げましたが、これ全部が日本の公的なものというよりは、個人的なものも入っての数字が五千二百五十五億と膨らんでいるわけであろうと思います。どちらにしても、そのほとんどが、やはりアメリカのさまざまな債券を買っているということになろうと思っておりまして、極めてそれは、イメージ的にはもうアメリカに、従属していると言うと言葉に語弊がありますが、実際従属しているようなイメージにとらわれてしまうと思うんですね。 やはり、ヨーロッパが四〇%近いのを金で持っているというような姿勢に、私はもう少し、そこまでいかなくても、例えばインドでも金が四・二%、ロシアでも四・九%、イギリスでも七・一%ということを考えると、日本が、例えば金に一・五%とかいうのを含め、そういったリスクを分散するということからいくと、金その他の商品というか、そういったものに外貨準備もある程度移すような努力をするべきだと思うんですが、御答弁をお願いします。
○谷垣国務大臣 今、松原委員がおっしゃいましたように、確かに日本の場合は、介入で取得する外貨が米ドルであるということが圧倒的に多いものですから、外貨準備においてもドル建て資産が多くなってくる、そのうちの多くの部分が米国債になっている、これは事実でございます。 ただ、同時に、資産の多様化という観点も、私はやはり必要だろうと思いまして、実際上、運用では、米国国債のほか、欧州国債あるいは国際機関債等、流動性あるいは償還確実性が高い債券、それから外国中央銀行や信用力の高い内外民間金融機関への預金、金等に運用しているわけであります。 それで、外貨準備において金自体をもっとふやすべきではないかという今御趣旨でございましたが、外貨準備における金の位置づけについては、国際通貨当局の間でもさまざまな議論がございますが、これは、余り簡単に申しますと金市場等へも大きな影響が及んでくると思いますので、その辺はいろいろ慎重に検討させていただきたいと思っております。
○松原委員 アメリカが日本にとって極めて重要な同盟国というのは、考え方としてはあろうとは思うけれども、やはりすべてを握られてしまうようなことがあってはいけないと思っておりまして、それは明らかに、いろいろな理屈をおっしゃっても、分散を、外貨準備の中身についてドルがどれぐらいかというのは言えないと、この間話を聞いたわけでありますが、しかし明らかに、米財務省のこういった資料から憶測するに、かなりの額が行っているというのは間違いないわけですよ、これは。民間も含めての五千二百五十五億ドルということを含めて。ですから、やはりアメリカ債券一辺倒にほぼ近いというふうに私は認識しておりまして、それは日本が何らかの行動を起こすときの、言葉は悪いけれども人質のようなことにもなりかねないわけでありますので、やはりそこはこういったさまざまな、金を含むものに、ほかの国が最低やっているぐらいには、同盟国のイギリスだって七・一%ですから、それぐらいはするべきだというふうに私は思います。では、これはここまでで結構です。 最後に、竹中金融大臣に質問をしていきたいわけであります。 非常に今景気は厳しい環境にあります。私は、竹中さんというのは大変に数字には強いし、そういった意味では理論も立つと思っておりますが、問題は、どこまで現状を把握しておられるか、これがやはり大きなポイントになってくると思います。 昨今の厳しい金融経済環境、この今の不景気の状況というのは、例えて言えば、人間の体では血液というものがある、経済の血液は何かといえば、これはお金というふうに言われている。血液がなけりゃ人間も貧血になる。私は、やはり経済も血液であるお金が不足すれば貧血状況になる、今は完全に貧血になっている、このように思っております。 私の地元の事例が二つほどありまして、従来も相談された内容でありますので若干御披露したいわけであります。 ある私の知り合いの会社が土地を売ろうとした。そこの会社は、これは鋼材屋さんをやっていたわけでありまして、重厚長大でありますから、ちょっと厳しい、この土地を売ろう、なかなか建設不況で鋼材を使うようなものが出てこない、こういうふうなことでありました。それで、彼がそれを売ろうとして、幾らか、一億二千万か三千万かわかりません、それぐらいの数字です、バブルのころはずっと高かったと思いますが、それぐらいの数字で売ろうとして、最初は売れなかったのが、最終的には一億円ちょっと上ぐらいで売れたようであります。 ただ、その売れる前、二回目のときがうまく売れなかったんですが、それは、結局買い手も出てきたと。買い手も、こういう時代ですから、もっとおたくの不動産を安くしないか、こういうふうにたたいてくるわけでありますが、結果としては、その不動産をお互いに、一億二千万か一億一千五百万かわかりませんが、それで売買をやろうということになった。 もちろん売る側は、これによって身軽になってさまざまな負債を返済し、業種転換をするかどうかわかりませんが、これはそういう思いを持ってやっていたし、買う側は買う側で、それはちょうど国道沿いでありますから、さまざまなショッピングセンター的なものも考えていたのではないかと思います。 しかし、そのときに、買う側もそれなりのお金を持っていたわけでありますが、金融機関が残余について、もちろんその土地の値段を見て、売買値段に対して通常は七割ぐらいまで出すのかもしれませんが、それを出さなかったということでその商談はだめになってしまった。 これはどういうことを示すかといえば、新しいやる気のある事業者が事業が展開できない、そして、いわゆる業種転換等も含めてやろうとしているところもそれができない、こういうことになる。それは、お金がかなり厳しい、昔に比べたらはるかに担保にかける掛け目も厳しくなっているし厳しい、こういうことであります。 それで、あともう一つの事例は、これも品川区のある事例でありますが、私の知っている会社であります。 その会社にある金融機関の人間がやってきて、請求書を出した、こういうことであります。請求書を私も拝見をしたんですが、たしか二十万ぐらいの金額だったと思います。その請求書の理由は、おたくの資産価値が、会社等の資産価値が下落した、したがって、その下落した資産価値を調査した、調査した結果、調査料に二十万かかった、したがってその二十万を払え、こう来たわけであります。 それで、その金融機関に対してその社長は、ふざけるんじゃない、今のは下品な言葉でしたね、それはちょっとおかしいんじゃないか、こう言ったわけであります。今まで長いことつき合ってきて、担保を見てくれと頼んだわけでもないと。しかるに、来て、その調査に二十万かかりました、二十万払ってください、案の定担保割れもしています、こんな話が通用するのか、うちは一度も滞ったことはないじゃないかと。そして、彼らは、その金融機関の人間は、これは担保が割れていますから役員の皆さんの生命保険を担保で出してください、こう言ったそうであります。どこでもやっていることですから、こう言ったと言うんですね。 それで結局、うちは一回もおくれたこともないし、一回も利息だけにしてくれとかと頼んだこともない、何だったら裁判でも何でもやるぞと、そこまで強い態度で出て、相手は、わかりました、今回はいいです、しかし、次にやるときは請求書を、お金をいただきます、こう言って帰っていったと言うんですよ。 私は、こういう二つの事例から何を竹中さんは感じるのかということをまず冒頭お伺いしたいと思います。
○竹中国務大臣 二つの事例、しっかりと聞かせていただきました。 冒頭、松原委員が、やはり実態が大事だと。私も本当にそのとおりだと思います。私自身、地方の商売人の小せがれでありますので、そういう父親を見ておりましたので、常にそういうことを心がけて、今委員言われたように、実態をしっかり見ようというふうに私なりの努力はしているつもりでございます。 今の事例をどのように聞いたかということでございますけれども、個別の事例でそれぞれいろいろな、双方の言い分はあるんだと思いますが、少なくとも、特に二番目の話など、もしそれが今先生のおっしゃったとおりであるとすれば、一方的に請求書だけ回してくるというのは、これはやはり取引としてどうしても不公正である。優越的な地位を乱用したものであるというふうに、先生がおっしゃるとおりであるとすれば、私には思えます。そういうことがまかり通らないように、やはり取引の公正性を確保するために、銀行自身はしっかりと襟を正さなければいけない。 総じて言いますと、今の金融の状況そのものは、日本全体、日本の企業全体が、過剰債務という言葉にありますが、バブルのときに非常に大きな債務を抱えて、その債務の裏側には不良な資産があるわけでありますけれども、それを全体としてはやはり是正しなければいけない。しかし、その是正の過程でともすれば起こりがちなことを、やはりしっかりとふさいでいかなければいけないということだと思います。 二つふさがなきゃいけない穴がある。一つは、とにかく再生できるものは再生させるんだ。何でもかんでもその債務を縮小させるということではなくて、再生させるものは再生させる、そういう仕組みをつくっていかなければいけない。そういう観点から、小泉内閣としても、再生機構に象徴されるように、また、RCCの再生機能、償却強化に象徴されるように、そして、各銀行がその再生のためのいろいろな今プログラムを展開しつつありますが、そういうものをしっかりと奨励していく、この方向はぜひ強化しなければいけないと思っております。 それともう一つ、その過剰債務を縮小していくようなプロセスで、しかし必要なところには、本当に健全なやる気のある債務者にはしっかりとお金が回るような、そういうことが抜け落ちないようにしっかりとしていかなければいけないということだと思っております。私自身そういう思いで、特に地域金融機関、中小企業金融機関に関しては、不良債権の縮減という数値目標を課すことなく、いわゆる間柄を重視したリレーションシップバンキングのプログラムをつくって、しっかりと銀行は目ききをして、説明責任を果たして、地元の企業の再生を果たす中で、みずからの不良債権の処理、財務基盤の強化を図るように、そういうプログラムをつくっている所存でございます。 今おっしゃったようなそういう優越的地位の乱用等々が生じないように、今あるプログラムをさらに、できるところの工夫例をしながら、しっかりとモニタリングのシステムを活用してやっていきたいというふうに思っております。
○松原委員 先ほど経済の血液であるお金が回っていないということを申し上げまして、いわゆる国内銀行または信用金庫、信用組合等の貸し付け、貸出残高ですね、これが一九九三年から今日に至る間、大変な額が減っている。国内銀行では五百六兆円からずっと減ってきて、若干でこぼこがあるんですが、二〇〇三年の三月では四百十一兆と、約百兆円減っているわけであります。信用金庫も信用組合も減っている。信用組合に至っては、十八・四兆が九・二兆ですから、半減でありまして、この数字の上でも如実に日本経済の血液が不足しているということは明らかだろう。 また、その理由は、今言ったようなことの中に、つまり、貸していたお金を、場合によったら生保の、それを担保に出せないんだったら返せよというのが言葉の裏に当然あったわけだし、一方では、新規の融資はもうしないと。しないというのは、それはつまり、土地の、不動産の値段の半分ぐらいだったらしてもいいけれども七割ではできませんよみたいな、もちろんそういう議論だと思うんですよ。そういった意味で、どんどんとお金が回らないことによる、細胞の壊死ではありませんが、そういう状況が起こってきている。 今竹中さんがおっしゃった、貸すべきところには貸して、貸してもしようがないところには貸さない、こういう議論でありました。これは非常に難しい議論だと私は思っているわけであります。 金融庁は、やはり金融機関にとっては大変怖い、監督する場所であります。私は、先ほどの事例も含めて、後段の事例は、今までその金融機関と三十年つき合ってきて一回もなかったと。つまり、なぜそういうことが起こったのかということが、彼らが自発的にするべきだというより、私は恐らく、金融庁がそういう指導はしていないとは思うけれども、金融庁の指導に対して過剰反応した金融機関が、弱い者いじめというふうに表現していいのかわからないけれども、こういった貸し渋り、貸しはがしを起こしているんだと認識をしております。 この貸し渋り、貸しはがしというのは言葉としてよく我々も使っているんですが、この貸し渋り、貸しはがしというものはどういうことなのかというのを、竹中さん、どう認識をしているか、ちょっとお話しいただけますか。
○竹中国務大臣 例えば、統計とかでそういう定義をするのは非常に難しいことだというふうに思っておりますが、今金融全体が、血液であるお金がなかなか回りづらいという大変に厳しい状況が続いている。 その背景として、これはこの委員会でも以前お話をさせていただきましたが、これは数字の話で大変恐縮でございますが、日本の銀行の貸出残高というのは、一九八〇年代の前半ぐらいまでGDPの大体七〇%ぐらいで安定的に推移しておりました。このGDPに比べて七〇%ぐらいの銀行の貸出残高がバブルの時期にぐっとふえるわけですね。一〇〇%を超えるところまでいくわけです。まさにその中で過剰債務の問題等々が起こってきた。これは、借りる方も貸している方も調整せざるを得ないという、やはり厳しい現実はあるんだと思います。 それが実は九〇年代の後半から下がってきて、今GDPの八〇%ぐらいまで下がってきたところにある。私は、であるからこそ、今こういった意味でのバブルの調整の最終局面なんだ、ここをうまく乗り切って、それでそのバランスシート、企業も銀行も、状況を正常化させるような状況へ何とか持っていきたいというふうに考えるわけです。 ところが、その過程で、先ほど申し上げましたように、委員は過剰反応という言葉を使われましたけれども、ミクロで見るとそういう事例が生じかねない。そこはやはり非常に注意しなければいけない状況があることは確かだと思っております。 そういう意味で、例えば、一例でございますけれども、これは金融機関の側から、いや、金融庁が厳しいのでおたくには貸せないんですよ、そういうような事例があるということも、これは雑誌の報道等々では時々報じられているところでございます。そういうことが生じないように、我々は、貸し渋り、貸しはがしのホットライン等々を通じて、それを監督等々に生かしていこうという努力もしているわけです。 お尋ねの貸し渋り、貸しはがしというのは、その意味では、本来であれば銀行がきちっと目ききをしてくれればちゃんと貸せるはずのところに、今申し上げたような全体のマクロの調整の過程の中で、それがどちらかというと、そういったどさくさの中で、本来であったら銀行がしっかり目ききをすれば融資ができるようなところにお金が行かない。それが貸し渋りであり、ないしは、それを無理やり残高を回収しようというのが貸しはがしなんだろう、そのように思っております。 いずれにしても、そういうことが生じないようなモニタリング等々を今一生懸命やっているところでございます。
○松原委員 金融庁の指導としては、いいかげんな貸し付けをしていないかということについては、いろいろなチェックは当然されていると思うんです、金融機関に対して。僕は、やはりこういうものは表裏両面あると思うんですよ。いいかげんな貸し付けをしているのは許さぬぞという鬼平さんみたいな部分と、逆に、貸し付けをしなければいけないところには貸し付けをしていないじゃないか、そういう指導も本来はなきゃいかぬわけですよ。 後段の貸し渋り、貸しはがしということを今竹中さん流にいろいろとおっしゃっていただいたわけでありますが、貸し渋り、貸しはがしで認定された案件とか、これはけしからぬと思った案件とか、そういうもののデータの集積というのはあるんですか。
○竹中国務大臣 これは以前も国会で、たしか長妻委員からもそういった御指摘を受けたと思いますが、これはすべての取引について、しかも成立しなかった取引までについて、それを集計するというのは現実には不可能だというふうに思って、そのことを前回も御答弁させていただいたと思います。 今おっしゃったように、本来これは貸し付けすべきではないかと、これは個々の取引になりますので、そこら辺について現実に全量把握というのはちょっと難しいというふうに思います。しかし、それぞれについて、先ほど申し上げましたように、ホットラインをつくって、それを監督に生かしている。必要に応じてこれは報告徴求等々も行っております。 さらには、昨年新たに中小金融のモニタリングのシステムというのをつくっておりまして、そういう問題を、これは地元の商工会議所等々の相談員を活用してそういうことを行っているんですが、そういう意見もできるだけ吸い上げて、これはあること自体が一種の抑止力にもなりますし、それを受けて我々がガイドラインをつくったり監督行政に生かすということは、これは重要な一つの手段になると思いますので、そこは我々なりに努力してやっているつもりではございます。
○松原委員 これを今度金融機関の方に聞きますと、いろいろなところで一緒になったりしますので金融機関側に聞くと、彼らの率直な印象として、やはりなかなか貸せないんですよということを言うわけですよ、隣で話をしていると。そんな、かみしもを着た話ではありませんよ、どっかの町会の新年会とかでそういう話になる。 そのときに、金融庁の指導というものは、さっき過剰反応ということを申し上げたけれども、やはりあって、新規融資がほとんどできないというのは率直に認めているし、金融庁に対しての体面でそういうふうになるのかどうかということはわからないんですが、貸さないことによってのペナルティーはないと。方程式があるそうであって、貸しはがすことによって、自己資本比率は低くなることはなくて、基本的には高まるんだというふうな話なんです。貸さないことによるペナルティーはなくて、貸しはがしをしないことによってのペナルティーが、ちょっと言葉に語弊があるけれども、あるとするならば、それはさっき言ったように、貸付残高がどんどん減少していくというのはむべなるかな、こういうふうに思うわけなんですね。 何で金融機関がそれだけ貸しはがしをするのかということになるわけですが、それはやはり金融庁の自己資本比率の議論というのがあると私は聞いているんです。彼らが言っているんです。この自己資本比率ということで、それが達成できない場合には、江戸時代のお家お取りつぶしのような話になってしまう。 今度、自己資本比率でちょっとお伺いしたいんですが、これは国内に関しては四%ということですよね。
○竹中国務大臣 国内についての健全行基準は自己資本四%でございます。 重要な点を御指摘いただきましたので、ちょっと付言させていただきたいんですが、過剰反応をしているかもしれないと。それに関しては、中小企業に対する検査マニュアルの改定というのを我々は行っております。中小企業の場合、こういう場合特に留意すべき点があるということのマニュアルの改定を行って、そういった誤解なり過剰反応を防ぐような手段を我々としても講じているところでございます。 貸さないペナルティーというのがないじゃないかということでございますが、自己資本比率というのは分母と分子が当然ございます。実は、貸さないと利益がふえませんから自己資本もふえない、その意味では自己資本比率の分子がいつまでたってもふえないということになりますので、そこは銀行としても積極的に貸し付けを行って、収益力をまさに高めるということはやはり重要なことであるし、自己資本比率の中でもそれは長期的には考慮されてくるということになると思っております。
○松原委員 そういう攻めの経営をしている銀行というのは、私が知る限りではほとんどない。本当にそれはないですよ。 ただ、それよりも私が今聞きたいのは、この四%というのはなぜ四%なのかということをお伺いしたい。
○竹中国務大臣 むしろ私たちの認識では、不良債権比率が低下する中で、この一年ぐらい非常に攻めの経営が目立ってきた、この勢いを何とか伸ばしたいというのが今の我々の思いでございます。 例えば、担保に頼らない融資というのを一年か一年半ぐらい前からメガバンクは取り組んできたわけですけれども、四メガでことしは一・三兆円の目標を掲げて、それに向かって実現に向かっている。この一・三兆円という規模は、これは我々も予想し得なかった規模でございます。地域金融機関についても、いわゆるリレーションシップバンキングの強化計画の中で、全体の、六百を超える銀行の八割が新たな担保に頼らない融資を今設計している。その意味で、ようやく攻めの経営は出てきたのではないかというふうに思っております。 お尋ねの、なぜ四%なのかということでありますが、これはバーゼルの合意、BIS基準で、国際的に用いられる客観的な基準というのは、御承知のように、八%の水準でございます。これは、アメリカ等では、国際取引を行わない地域の銀行についても八%の基準を適用しております。しかし、日本の場合、これまでの経緯、実情に合わせて四%という、その半分の基準を設定して、実情に合わせた自己資本の健全性の基準を設けているというのが経緯でございます。
○松原委員 前段の部分に関して言えば、これまたちょっと後で議論をしたいと思うので置いておいて、後段の四%の部分で、僕は、その四%というのがなぜ三%じゃなくて四%なのか、何で四%にしたのかというのは、その八%の半分だからという、そういう理由は、僕は理由になっていないと思うんだよね。何で四%になったのか一回聞きたいと思っていたんですよ。教えてください。
○竹中国務大臣 実は、なぜ四%か、なぜ八%かというのは、これはいろんな議論が従来からあるところだと思っております。その意味では、なぜ四だ、四・五でも三・五でもなく四だということについて厳密な基準を申し上げることはできませんけれども、国際業務を行っている銀行に比べて、そのリスク等々に対しての備えはそれよりも薄くという形でやっていくことが可能なのではないか。それと、実際の日本の現状等々を総合的に勘案して、そのような基準が設定されたというふうに認識をしております。
○松原委員 私、実はこれも、金融機関にいたある支店長と話したときに、何で四%なんだという議論になったんですよ。彼は言うわけですよ、いや、日本は二%でもいいんじゃないのかと。これも思いつきで言っているわけですよ。 しかし、四%という数字が、物すごい、一回決まったその数字が——国際的なものは八パー、これはいいですよ。国内の四%というのが物すごい日本の国内の経済の血液を結果として回さなくして、今またふえてきたという話もありますけれども、回さなくしてきたのは事実であって、私は、この四%にした経緯について、今みたいな御答弁では、そういうのを理由に、精神的な理由ですよ、実際はどんどんと貸しはがしをしていった中小金融機関もあるわけですよ、それで倒産した人もいる、自殺した人もいる、その根本になった四%が、今みたいな説明で四%というのはちょっといま一歩よくわからない。もう一回答えていただけますか。
○五味政府参考人 国内の海外に営業拠点を有しない金融機関の場合の自己資本比率につきましては、算定の方法が国際基準行とちょっと違っております。実情に合わせて、その算定基準を議論した結果決められたというところがございます。 今大臣から御説明申し上げたことでほぼ尽きておりますけれども、技術的には一つ要素がございまして、有価証券の評価損益、これで益が生じた場合に、国際基準、通常のBIS基準ではこれを分子に算入して自己資本比率を計算いたしますが、国内の場合にはそうしたものは算入しないということで分子を計算いたします。そうしたことを、国内の海外に営業拠点を有しない金融機関の営業の実情などを勘案しながら、当時、有識者の検討会でこうしたことが議論をされました。結果として、国内行については四%というやり方がとられたわけでございます。 主要先進国などでは、国内の金融機関だけを特に低い比率で規制しているというところは、私の知る限りではないと存じます。
○松原委員 まず、日本の場合、地政学的な要素があると私は思うんですよ。つまり、現実問題、ほとんど単一民族でやってきた。複数の民族が複数の言語でやっている社会と比べると、社会の安定感というのは私は非常に高いような気がしておりまして、以心伝心、それがいいかどうかということではないけれども、非常にやはり違う。マインドとカルチャーと、地政学的なものが違うから、私は、諸外国がこうだからこうだというのとは違って、やはり四方が海で囲まれている日本においては違う基準があってしかるべきではないかというのが一点。 あと、例えば、戦後、日本はフェニックスのような奇跡的な経済の発展をしたというふうに言われているけれども、この四%というのが、初めから、もし終戦直後からBIS規制で四%となったなら、いろいろな議論はありますよ、これだけ日本が経済発展しただろうかと。やはり、そういうことにお構いなく、どんどん体力以上にリスクをしょって金融機関が働いたから今日の経済発展があるんじゃないかという議論もあるんですが、その辺、ちょっとお伺いします。
○竹中国務大臣 委員の御指摘は、日本の要因は要因としてしっかりあるじゃないかというのは、確かに一つの御見識であるというふうに思います。 これはしかし、恐らく、高度成長期との比較がありましたが、高度成長期というのは、成長期待が高くてビジネスの変動リスクが小さい、そういうときは確かに自己資本は小さくてもよい。ただ、日本も成熟過程に入って、そうした意味でのビジネスリスクが高まっているという観点からすると、やはり当時とは違う状況があるというのも事実であろうかと思います。 さらに、金融の場合、特に世界的な広がりを持っておりますので、これは日本の金融機関にもしものことがあると、世界じゅうの金融機関にこのネットワークを通じて影響する、だから世界じゅうが八%で、同じ基準でやっていこうではないかというのがそもそものバーゼルの考え方であろうかと思います。その意味では、国際的な広がり、リスクの拡大等々、そういう時代の変遷の中で考えなければいけない側面もあるのではないかというふうに思います。
○松原委員 国際的なものはそれはそうなんですが、やはり向こう三軒両隣の半径四百メートルでやっている金融機関とかあるわけですよ。だから、それはまた違う日本の、それも将来的には変えていかなきゃいかぬですよ、きっと。それは海外の企業も入ってくるんだから、外資系もどんどん。ただ、それのいわゆるソフトランディングというのかな、僕は、やはりこの四%とかいう数値は一つの、もし四%にするなら、四%に対しての決めというのはもうちょっと猶予期間を与えるとか、何かそういうふうな措置もあったんではないかという気がしてならないんですよ。いきなりお湯ぶろに入っているものを水ぶろに、これはまあ大丈夫なのかもしれぬけれども、とにかくいきなり環境を変えるということの、その順応力というのが、やはりそれはなかなか厳しいものがあったからこそ、これだけ、交通事故で死ぬ以上の人間が死んでいるんではないかというふうに思っているんです。 先ほど大臣おっしゃった、さまざまな企業があってと、こう言うわけであります。非常に難しい議論なんですが、例えば百の企業があって、元気のいい企業は必ずありますよ、いかなる時代でも。元気のない企業もある。ただ、問題は、統計的な一つのこういう偏差値グラフみたいなものがあったときに、元気のない企業が今多い状況になっていると、どこで切るかという話になってくるわけですよ。 だから、もう時間ないのであれなんですが、前に私が東京都でごみ収集車の話をやって、当時黒い袋というのがはやっていた、それを透明の袋に変えたんですよ。私は、ごみを集める清掃局のある所長に聞いたんです。そこの一つのごみ集配所に行って、袋が二十袋あった、全部黒い袋だったらどうするんですかと言ったら、持っていきますと言うんですよ。例え話ですよ。全部透明でも持っていくんですよ。透明と黒い袋が半々だったらどうしますかと。持っていきますと。透明の袋が七割で黒い袋が三割になったら、黒い袋は置いていきます、こう言ったんですよ。 つまり、何が言いたいかというと、どこまで我々は、それは非常に神学論争になってくるかもしれないけれども、竹中さんのやっているのは、やはり基本的にはアメリカ流の弱肉強食的な発想であって、今の話でいけば、はなから黒いものは、十袋のうちの三袋が黒い袋、これは黒だから置いてっちゃう、こういう話じゃないかと思うんですよ。私は、そのやり方というのは、流儀としては一つあるかもしれないけれども、結果として日本にとってダメージが大きいんじゃないか、こういうことを申し上げたいんですが、時間ですから、御所見をお伺いして、質問をやめます。
○竹中国務大臣 委員の御指摘は、やはり全体が、全員が少しずつ上がっていくような状況にしないと、それはよい社会とは言えないのではないか、そういう御主張につながっていくのではないかと思います。 それは、全員が高くなっていくということは、国家の運営として私もやはり必要なことだと思います。しかし同時に、今私たち、過去の高成長期と違って非常に厳しい経済成長のフロンティアに立たされて、やはり頑張れるところにもっと頑張ってもらうということも必要であって、なかなか収益を上げられないところはもうそこから新しいところに転換していくということもやはり必要だ、それが結果的に全員を豊かにするということにつながっていくのではないだろうか。格差は極端に生じないようにしなければ当然いけないと思っておりますが、そういう経済のフロンティアに今立たされている日本として、資源配分をより効率化するということもやはり欠かせない要因なのではないかと思っております。
○松原委員 今質問を終わりますが、富士山の上というのは非常に格好いいんですが、一番下の海抜一メートルからも土があって盛り上がっているわけであって、私は大田区、品川区をずっと見ていて、そういう企業、役に立たないと竹中さんが思われるかもしれないような企業もあって、しかし、その中で頂点の企業もあるという現実は認識していただきたいと思います。 以上で終わります。
○田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 不良債権処理問題中心にお伺いしたいと思います。 小泉内閣は、不良債権問題の解決ということを柱にして金融政策を推進されているわけであります。 端的に竹中大臣にお伺いしますが、小泉内閣になって不良債権は減ったんでしょうか、ふえたんでしょうか。
○五味政府参考人 計数で御説明申し上げます。 主要行におきます金融再生法開示債権残高すなわち不良債権残高でございますが、この残高を見てみますと、平成十二年度が、再生法開示債権残高、主要行で十八兆円、十三年度末が開示債権残高二十六・八兆円、十四年度末が二十・二兆円、そして、十五年の九月期でございますが、この時点で十七・五兆円というふうになっております。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○佐々木(憲)委員 そうしますと、小泉内閣発足直前の平成十三年三月末、つまり十二年度末でありますが、このときは十八兆円である、昨年の九月は十七・五兆円である。全然変わっていないということになりますね。途中でふえましたが、ふえた分だけ減りました。つまり、小泉内閣が不良債権処理ということで問題を解決したいということを中心に掲げていながら、結局、どうももとのもくあみになっただけではないのかという印象を持っているわけでありますが、竹中大臣、この数字は事実ですよね。
○竹中国務大臣 今局長が答弁いたしましたとおり、金融再生法に基づく開示債権残高の推移は事実でございます。 この推移についてのお尋ねでございますが、もうこれは佐々木委員御承知の上でお尋ねだと思いますが、十四年三月期から例の特別検査を実施いたしました。不良債権問題の終結のためにはまずその不良債権を洗い出さなければいけない、洗い出した上でそれをしっかりとオフバランス化、減らしていこうということでありますので、洗い出した上で、それが十四年三月期二十六・八兆円、それから出発してオフバランス化を進めて、今十七・五兆円まで来ているということでございます。
○佐々木(憲)委員 特別検査をやったというのは私も承知しておりますが、どうも、減った減ったということを盛んに強調されているのは余りに一方的ではないのかという感じがするわけであります。 竹中大臣の当委員会における所信表明でも、「昨年九月末の主要行の不良債権比率が平成十四年三月末に比べて一・九%ポイント低下するなど、主要行の不良債権比率を半減させるとの目標の実現に向け、着実に進捗しております。」というふうに述べておられます。これはしかし、平成十四年三月末に比べてということでありまして、実は小泉内閣はその前の年の四月に発足しているわけでありまして、どうも起点のとり方が違うのではないか。 あるいは、小泉総理はさきの施政方針演説でこう言っているわけです。「主要銀行の不良債権残高は、この一年半で九兆円以上減少し、不良債権比率も目標に向け順調に低下しています。」という話をされているわけです。つまり、一年半の話であります。しかし、二年半、小泉内閣の発足直前と比較をいたしますと、数字は何も変わっていない。 ですから、こういう点を考えますと、どうも、減った減ったとは言いますけれども、小泉内閣になってふやして減らしたというだけであって、何かすごいことをやったということにもならないし、また、先ほどのお話にありましたけれども、実際に、不良債権処理によって大変な貸し渋り、貸しはがしというものが銀行で相当激しく進行しまして、中小企業自身が大変な打撃を受けている。つまり、不良債権を減らそう減らそうとすることが貸しはがしを招いているということでありまして、結果的に、何がよかったのかというと、余りいいことはほとんどない、中小企業にとってはつらい話ばかりが広がったということだと私は思うわけであります。 問題なのは、中小企業を中心とする不良債権の新しい発生、つまり、小泉内閣発足以前と比べて現在が変化がないということは、処理を相当やっているわけですから、新しく発生しているために残高が減っていないということになるわけであります。 そこで、お聞きをしたいんですけれども、これも統計を示していただきたいんですが、主要行の破綻懸念先以下債権の新規発生状況、新しく発生した状況、これを半期ごとに発表されていますけれども、二〇〇一年三月期以後の推移、その数字を示していただきたいと思います。
○五味政府参考人 主要行における破綻懸念先以下債権の半期ごとの新規発生額を申し上げます。 十三年三月期三・四兆円、十三年九月期三・〇兆円、十四年三月期六・九兆円、十四年九月期二・〇兆円、十五年三月期三・〇兆円、十五年九月期三・〇兆円。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 新規発生額は、今お話を聞きますと、まあ二〇〇二年三月期というものは特別検査という特殊要因がありまして突出はしておりますが、ほぼ毎期三兆円台の新しい不良債権というものが発生をしている。これがある限り、全体として不良債権問題というものは終わらないわけであります。 そこで、大臣にお伺いしますけれども、なぜこの新規発生というものが生まれているのか、その理由をどのようにお感じですか。
○竹中国務大臣 これは恐らく、正確な数字は承知しておりませんが、どの国でも不良債権は発生していると思います。不良債権が発生しない国というのは多分ないのではないかと思います。ビジネスをやっている以上、必ずビジネスのリスクが伴いますから、そのビジネスのリスクが顕在化するということ、したがって、それによって不良債権化する。 しかしその一方で、不良債権が再生されて不良債権ではなくなっているというようなものもございます。そうした企業等についても、特別検査等々の結果を発表させていただいておる次第でございます。
○佐々木(憲)委員 一般的にビジネスリスクがあるということは、それはあるんですよ。しかし、この間、この新規発生というものがどんどんどんどん、毎年毎年同じ三兆円という規模で発生しているわけです、次の年も三兆円、また新たに次の年も三兆円と。これはもうずっと延々と繰り返して発生していっているわけです。ですから、処理をしても、これがある限りは終わらないわけです。 そこで、もう少しその中身について確かめたいんですけれども、この新規発生のうち債務者の業況悪化によるものの推移、これを示していただきたい。全国銀行ベースで二〇〇一年九月期からこれはデータをとっているそうですけれども、直近は二〇〇三年三月期ですが、要管理債権のうち業況悪化の分は何兆円あり、危険、破綻構成のうちの業況悪化の分は何兆円、これを、二〇〇二年九月期と二〇〇三年三月期、それぞれ答えていただきたい。
○五味政府参考人 全国銀行ベースというお尋ねでございます。 要管理債権につきまして、平成十四年九月期、これは要管理債権全体が、十四年三月期に比べて〇・三兆円増加しましたが、債務者の業況悪化による要管理債権の増加は二・〇兆円でございます。それから、平成十五年三月期、この期は、主要行の要管理債権、十四年三月期比で〇・一兆円の増加でございますが、債務者の業況悪化による増加要因は四・一兆円でございます。 それから、危険債権以下、いわゆる破綻懸念先以下でございますが、同じく全国銀行ベース、債務者の業況悪化による新規発生額、十四年九月期、三・八兆円。これは十四年三月期比でございます、三・八兆円。それから、十五年三月期、同じく六・七兆円ということになっております。 これはもちろん新規発生分でございますので、他方で処理も行われておりますので、全体では、この危険債権以下の債権の残高というのは、これは十四年九月も十五年三月も減少しているということになります。
○佐々木(憲)委員 今データを示していただいたわけですけれども、この業況悪化の分が、これはふえているわけでありまして、二〇〇二年の数字は二兆円と三・八兆円という数字を今示していただいた、合わせると五・八兆円。二〇〇二年には五・八兆円、簡単に言いますとそうなりますね。それから、二〇〇三年の三月は、四・一兆円プラス六・七兆円ですから、足しますと十・八兆円ということになりまして、全体としては、この業況悪化の分が倍増している、こういうことになるわけであります。 ですから、不良債権を処理して残高が減ったとおっしゃいますけれども、しかし一方で、逆に、業況悪化によってふえているという部分がこれだけあるわけであります。小泉内閣の最終処理方針によって十五兆円のオフバランス化をしたというわけでありますが、その一方で、十兆円の新規発生が業況悪化で生まれている、こういうことになるわけであります。 したがいまして、この新規発生のところにどういう手を打つかということが大変大事でありまして、処理しても処理しても、業況悪化によって不良債権が生まれるというのでは、いつまでたってもこれは終わらないわけであります。したがいまして、この不良債権問題を解決するというのであれば、一体これをどうするのか、これはやはり大事な問題だと思うわけでございます。 この点について竹中大臣の考えをお伺いしたいと思います。 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 今の佐々木委員のお尋ねに関しては、全くそのとおりでありまして、この新規の発生をいかに抑えていくか、そのことは大変重要なことであるというふうに私たちも思っております。 同時に、新規発生といいますか業況悪化等によってもたらされた分の、大体大ざっぱに言って四割か五割ぐらいが、逆に上に上がってきているものがございます。これは何を意味するかというと、まさに、しっかりと再生をさせる、先ほどから申し上げましたように、その再生の仕組みをしっかりとつくって活用していくことがこの不良債権問題の解決の、やはりある意味では本質であろうというふうに私は思っています。 こうした点に関して、再生機構、RCCの活用、さらにその制度強化、いろいろ行っておりますが、これは一方で、各銀行においても再生のための特別の会社を設立したり、地域銀行においても、リレーションシップバンキングの枠組みの中で再生の専担者を置いたり、再生ファンドを政策投資銀行と一緒につくったり、そういうような動きが、これは非常に小さな動きの積み重ねでありますが、多様な動きが出ている、そこは我々としてもしっかりと加速をさせたいというふうに思っているところでございます。 あともう一点、マクロ的に申し上げると、やはり経済そのものをしっかりと成長させていくことは重要であって、そのための経済活性化、幸いにして実質GDPは今ほぼ潜在成長力程度に伸びているわけですが、まだデフレが続いている。その意味ではデフレの克服というのも、この不良債権の処理問題の解決、とりわけ業況悪化の防止には大変重要なポイントであるというふうに認識をしております。
○佐々木(憲)委員 再生をさせるということは必要なことであります。ただ、これはなかなか再生が難しい状況にありまして、金融機関が厳しい貸し出し条件を課しますので、再生しようということで新たに借りようとしても、それが不可能だ。むしろ逆に、借りている部分も、業況悪化であなたのところはもうこれ以上貸し出しは無理です、こういう形で切られるということが多いわけです。ですから、言葉だけ再生と言っても、なかなか実態は伴わない。 同時に、経済の成長というふうにおっしゃいました。マクロ的にどのようにして日本経済を再生していくか、これはやはり内需の拡大、その中心は家計、消費だと思うんですけれども、その部分については逆に負担をふやしている。したがって、小泉内閣の政策というものがどうも逆を向いているのではないかというふうに思うんです。 例えば、第一生命経済研究所のレポートはこういうふうに書いてあります。「不良債権の処理は経済再生に結びついているとは言えない。不良債権はあくまでもデフレや経済悪化の結果である。」「結果に過ぎない不良債権を処理したところで経済が再生しないのは自明の理ではないか。金融再生のための改革もデフレ克服無しには表面的なものにとどまっているといえよう。」私は、これはなかなか的を射た指摘だというふうに思います。 小泉内閣、この二年半、不良債権のオフバランス化をかなり強引に進めてまいりましたけれども、結果として、激しい貸し渋り、貸しはがしというものが蔓延し、中小企業を破綻に追いやっているわけであります。新たな不良債権をそういう形で生み出していると言っても過言ではない。 この負の連鎖をとめないと、不良債権処理の問題も解決をしない。やはり、新規発生という問題に着目をして、いかにしてそれを抑え、全体として経済を活性化させるか、デフレをどう克服していくかというところに焦点を当ててやっていくということが大事だという点を指摘しておきたいと思うわけです。 次に、金融の円滑化ということを盛んに言いますけれども、不良債権を処理するということと円滑化というものがどうも両立していないのではないか。 例えば、マネーサプライの現状を見ますと、二〇〇一年から三年までの対前年比は、二・八%増、二〇〇二年は三・三%増、二〇〇三年は一・七%増。マネーサプライ自体は毎年三%前後で推移してきているわけです。ある意味では日銀から銀行に対して資金は相当供給されている、かなりじゃぶじゃぶ供給されているわけであります。 しかし、銀行から先になかなかこの貸し出しがふえていかない、ここに非常に大きな問題点があるというふうに私は思うわけであります。特に中小企業向けの貸し出しというものが大変重大な状況になっております。 日銀から資料を取り寄せて、見ますと、例えば二〇〇一年三月末、これは小泉内閣が発足する直前でありますけれども、全体としての貸出金額は三百五十九兆円であります。それが昨年の九月末どうなったか、二百九十二兆円であります。つまり、六十六兆円マイナスになっているんです。銀行から先に行く部分が六十六兆円マイナスで、比率にすると一八・五%ダウン。特に、その中で、大企業向けは百兆円から八十七兆円に減っておりまして、十三兆円のマイナス、一三・二%のダウンであります。中堅・中小企業はもっとひどくて、五十三兆円のマイナスで、マイナス二〇・六%です。つまり、国内銀行全体では大幅にマイナスになっている。そういう状況で、中小企業向けの貸し出しがどんどん減ってきているわけであります。 ここに何とかメスを入れて、本当に必要なところに資金が回るということをやっていかないと、やはり個別の中小企業の再生もうまくいかないというふうに思うわけですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○竹中国務大臣 マクロ的な観点から二つ今御指摘をいただいたと思っておりますが、御紹介いただいた、これは第一生命の研究所の御指摘ですか、これは、ちょっと聞いて驚きました。そのような御意見は、不良債権処理の加速の段階で、金融機関の子会社のシンクタンクが一時そういったことを強力に主張した時期はありましたが、今そのような御意見は専門家の間ではもうほとんど見られないのではないかというふうに思っております。不良債権処理を進めることがより重要であるというような認識が、少なくとも専門家の間で私は広がっていると思っております。IMF、OECD等々国際的な機関も、日本に対してそのような方向をむしろ求めているわけでございます。 後半のマネーサプライの増加が必要だという点、これは私も全く同感でございます。御指摘のように、日本銀行からいわゆるベースマネーというのが銀行には出されている、しかし、それが最終的な市中に出回るマネー、M2プラスCDの増加に結びついていない、この点はそのとおりでございます。 しからば、では、それをふやすようにするにはどうしたらいいか、これもある意味で専門家の意見は私は一致していると思います。ベースマネーがふえてもマネーサプライがふえない。これは、そこで、よく言われる、貨幣の信用乗数が著しく低下している、その非常に大きな理由は、金融機関の不良債権処理、財務等々の問題でリスクテークの力が低下しているからだ、だからこそ不良債権処理を進めて、しっかりとしたリスクテークの力を持たせなければいけない。これがやはり不良債権処理を進めなければいけない非常に大きな理由であろうかと私は思います。 しかし、その過程で、委員御指摘のように、貸し出しの残高が極端に減らないようにしなければいけない、これは私はそのとおりだと思います。 今残高が減っているという御指摘がございましたが、これはマクロ的には、私先ほど申し上げましたように、バブルのときにGDPに対して七〇%貸し出し、それがバブルのときに過大になって、それを今調整する最終局面である、そういう動きの中に今あるんだと思っております。 同時に、御注目いただきたいのは、残高ベースで減っておりますけれども、その残高の減の三分の一ないし二分の一は証券化によって行われております。これは、証券化されるということは、ある意味で資金調達が多様化して、銀行からの貸し付けではないけれども、きちっと企業には資金が回っているということでもございますので、やはりそこは、資金調達の多様化、それと極端な貸し渋りを防止するための我々が今行っているような努力、そういうようなことを、多面的な努力を続けることが必要だ。 何としても、先ほど申し上げましたように、このバブル後の調整の最終局面をしっかりとして、軟着陸させて、企業の発展、再生、そして金融の再生を目指したいというふうに思っているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 この第一生命経済研究所のレポートはかなり大きな研究所のレポートでありまして、こういうところでもこういう指摘をせざるを得ないほど、現在の経済状況というのは非常に厳しい状況にあるということを証明しているわけでありまして、小さな研究所が言っていたが最近は言わなくなったというようなお話がありましたが、そんなことはないわけであります。 これは、それほど、この不良債権の処理というものが、幾らやっても最後までなかなか終わらない。なぜそうなっているかといえば、不良債権が生まれるのは経済が悪化する結果であって、その原因ではない。経済が悪化している結果を幾ら処理しても悪化そのものはとまらない、むしろ悪くなる。したがって、根本的にこの発想を転換しなきゃならぬわけであります。そういう重要な指摘だというふうに私は思うわけです。 それから、リスクテークの問題ですけれども、これは、リスクテークの力がないとおっしゃいましたけれども、あのバブル崩壊直後の状況に比べますと、今やリスクテークの力というのは非常にあります。業務純益も一定の伸びを示しております。そういう状況の中でまともに貸し出しをしていないというのが最大の問題であります。 バブルの最終局面だと言いますけれども、バブルが崩壊してもう何年たっているんですか。もう十数年たっているわけでありまして、そんな悠長な状況ではない。一度バブルが崩壊をし、その局面が終わって、その次の、まさに今もう一段のデフレ局面に入っているんですよ。その結果、新たに不良債権が発生しているわけでありまして、それをどうするか、デフレをどうするかということを、対応を考えずに、何かバブル崩壊の調整局面の話でお茶を濁そうというのは、これはちょっと論理が飛躍しているのではないか。 それで、具体的に、不良債権処理の過程で中小企業というのが本当に大変な状況になっておりまして、政府は貸し渋り・貸し剥がしホットラインというのをつくったそうですね。このホットラインでいろいろな相談事が持ち込まれていると思うんですけれども、これはホットラインというんですから、直接電話をかけられるんでしょうか。
○五味政府参考人 この貸し渋り・貸し剥がしホットラインにつきましては、受け付けは電子メールあるいはファクスという形での受け付けにさせていただいております。電話で事細かにお相手ができればいいんですが、それだけの人数も備わっておりませんし、電子メールは随分普及もしておりますので、こうした形でいただくというやり方にしております。
○佐々木(憲)委員 どうもホットラインじゃなくて冷たいラインだなと思うんですけれども。 ファクスを送ってください、メールを送ってください、受け付けますよというわけでありますが、いや、こういう銀行から大変な貸しはがしを受けて困っているんだ、あるいは融資を頼んでも全く応じてくれない、そういう相談というのは、まさに一瞬を争うといいますか、手形が落ちない、あすどうしよう、こういう話なんですね。そういうときに、電話はない、どうぞ通告だけしてくださいと。 そうしますと、来た相談に対して解決した件数、これは一体どのぐらいあるんでしょうか。
○五味政府参考人 今、御相談というお話ございましたけれども、このホットラインを設けました趣旨と申しますのは、個々の取引の御相談に、役所が間に入ってそれを取り持つ、こういう趣旨ではございませんで、中小企業の金融の円滑化を図るという観点から問題のあるような事案があれば、それを情報として私どもが収集をして、金融機関に対して指導をしていく。それを総合的な監督の手段として活用すると同時に、個々の対応についての問題点があるようであれば、個別金融機関に対する指導という形で活用する、こういう趣旨でございます。 したがいまして、お答えは、解決といいますか、当事者間で納得のいく結論が最終的に得られたかどうかということについての統計というのはとっておりません。
○佐々木(憲)委員 そうすると、このホットラインというのは一体何なのかということになるわけですね。 結局、電子メールとかファクスで受け付けはいたしますと。(発言する者あり)ほっとくラインという話が、今やじが飛びましたけれども、こういう状況では、受け付けたけれども、それを、例えば、具体的に、この銀行に対してこういう話が来ていますが、では相談してくださいと銀行に照会をする、それだけではなくて、本来なら、銀行からこういう回答がありましたよというのを、例えば電子メールとかファクスで送ってきた相手に対して、こういう措置をとりましたよということを伝えるんですか。そういうことはやるんですか。
○五味政府参考人 一つ一つの取引に役所が介入をするということはできませんので、そうしたことはいたしておりません。もちろん、業界団体で、苦情の受け付け、紛争解決のための窓口などございますので、そうしたところでそういうことは使っておられます。 他方で、私どもは、伺うだけでそれを積んでおくということではもちろんございません。先ほど申しましたように、監督にこれを活用いたします。 例えば、平成十四年十月から十五年三月までいただきました情報に基づいて、百三十九の金融機関に対して事情を聴取し、このうち十九の金融機関には報告徴求命令を発しているということもございます。十五年四月から十五年六月までは、同じように七十七の金融機関にヒアリングを実施し、四金融機関に報告徴求。また、検査におきましても、こうしていただきました情報をもとに、具体的に十五年三月までで十金融機関でこれを検査で活用し、また、十五年四月から十五年六月までに着手した検査では十二の金融機関で活用させていただいた。 こうした監督上の手法を講ずることによりまして、円滑な資金供給にこの制度を役立てていくということで活用をさせていただいております。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたけれども、終わりますけれども、こういう中小業者の、中小企業の切実な訴えに対して、余りにも対応が不十分だと思います。 ですから、今のこういうあり方を抜本的に改善すべきだという点、最後に指摘をしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○田野瀬委員長 以上で両大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○田野瀬委員長 次に、内閣提出、平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案及び農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案の両案を議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣谷垣禎一君。 ————————————— 平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案 農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○谷垣国務大臣 ただいま議題となりました平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案及び農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 今般、平成十五年度補正予算(第一号、特第一号及び機第一号)を提出し、御審議をお願いしておりますが、国債の発行を極力抑制するとの観点から、平成十四年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理についての特例を定める必要があり、本法律案を提出した次第であります。 財政法第六条第一項においては、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を翌々年度までに公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととされておりますが、平成十四年度の剰余金については、この規定は適用しないこととしております。 次に、農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成十五年度の再保険金の支払財源の不足に充てるために行う積立金の歳入への繰入れに関する法律案につきまして御説明申し上げます。 平成十五年度におきまして、低温等による水稲、大豆等の被害が異常に発生したことに伴い、農業共済再保険特別会計の農業勘定の再保険金の支払いが著しく増大するため、同勘定の再保険金の支払い財源に不足が生ずる見込みであります。 本法律案は、農業勘定の再保険金の支払い財源の不足に充てるため、平成十五年度において、同勘定における積立金を同勘定の歳入に繰り入れることができることとするものであります。 以上が、ただいま議題となりました二法案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田野瀬委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○田野瀬委員長 次に、平成十五年度の水田農業経営確立助成補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。 まず、本起草案の趣旨及び概要を御説明申し上げます。 本起草案は、平成十五年度に政府等から交付される水田農業経営確立助成補助金などについて、税制上、次の軽減措置を講ずるものであります。 第一に、個人が交付を受ける同補助金などについては、一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、その収入を得るために支出した金額とみなすことといたしております。 第二に、農業生産法人が交付を受ける同補助金などについては、圧縮記帳の特例を設け、交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入することといたしております。 なお、本特例措置による国税の減収額は約五億円と見込まれております。 以上が、本起草案の趣旨及び概要であります。 ————————————— 平成十五年度の水田農業経営確立助成補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○田野瀬委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べ願いたいと存じます。財務大臣谷垣禎一君。
○谷垣国務大臣 この法律案につきましては、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対いたしません。
○田野瀬委員長 お諮りいたします。 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田野瀬委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出法律案とするに決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○田野瀬委員長 次に、本日付託となりました水野賢一君外七名提出、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。提出者水野賢一君。 ————————————— 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○水野議員 ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本法律案は、近年における我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議決定に基づき対外取引に関する規制の発動を可能とすることができるようにするもので、以下、その概要を申し上げます。 第一に、この法律の目的において、我が国または国際社会の平和及び安全の維持の観点を明示することとしております。 第二に、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議において、支払い等、資本取引、特定資本取引及び役務取引等について許可を受ける義務を課する措置、対外直接投資の内容の変更または中止を勧告する措置、輸出及び輸入について承認を受ける義務を課する措置を講ずべきことを決定することができることとしております。 第三に、政府は、閣議決定に基づき以上の措置を講じた場合には、当該措置を講じた日から二十日以内に国会に付議して、当該措置を講じたことについて国会の承認を求めなければならないこととしております。この場合において、不承認の議決があったときには、政府は速やかに当該措置を終了しなければならないこととしております。 以上が、本法律案の趣旨及び内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
○田野瀬委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○田野瀬委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省国際局長渡辺博史君、外務省大臣官房審議官齋木昭隆君、外務省大臣官房参事官鶴岡公二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田野瀬委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中塚一宏君。
○中塚委員 民主党の中塚でございます。 この外為法の一部改正案がようやく審議に供されることになった、大変に多くの皆さんの御賛同を得て提出をされ、また審議されるということで、本当に喜ばしいことだというふうに思っています。私も、昨年の通常国会でありましたけれども、同僚であるあの西村真悟議員なんかと独自案をつくったことがありまして、我が国を取り巻く国際情勢、特に北東アジアの状況等をかんがみたときにぜひとも必要な措置であるというふうに以前よりずっと考えておったわけなんです。 ただ、今も申し上げましたとおり、本当は一刻も早い成立をということをかねてより主張いたしておりました。今回、三党の共同提案という形で国会提出をされるようになったわけでありますが、おのおのの党でやはりずっと検討されてきた課題だというふうに思います。せっかくの機会でありますので、今回のこの法案提出に至りました経緯について、各党の提案者の方お一人ずつから、その経緯をお述べいただきたい。自民、民主、公明の順でお願いしたいというふうに思います。
○水野議員 自民党の場合について御説明をさせていただきたいと思います。 まず、自由民主党の中で、一昨年の十二月になりますけれども、対北朝鮮外交カードを考える会という会を結成いたしまして、若手の有志衆参両院議員が集まりました。具体的なメンバーを申し上げますと、山本一太参議院議員、そして菅義偉衆議院議員、河野太郎衆議院議員、増原義剛衆議院議員、小林温参議院議員、そして私の六名になるわけなんですけれども、そのメンバーで、今特に北朝鮮情勢ということを念頭に置いてはいるわけですが、例えば経済制裁を発動するときに、現行法では発動をなかなかし得ないのではないか、そういうようなことを考えまして、そして、議員たちで案をまとめさせていただきました。 それで、その案は党内でさまざまな、正式な党内の機関に諮りまして、修正も加わったんですが、自民党の手続でいいますと、総務会を昨年の七月に通過いたしましたので、そこで党の正式な決定となった、外為法の改正案が決定となったということがございます。その後、友党であります連立与党の公明党さんとももちろんこれは緊密に協議をやらせていただいたわけでございますけれども、公明党さん、そして民主党さんとも同意をいただきながら今国会に提出をさせていただいた、そういうような経緯になります。
○渡辺(周)議員 今御質問のございました点でございますけれども、民主党としても、かつてテポドンの飛来、あるいは不審船の我が国への領海侵犯、そしてまた一昨年の、拉致事件について金正日国防委員長が我が国に対して拉致を認め謝罪をした、そしてこの拉致問題が事実であったということがございます。 そして、我が国にとっての当面する、最も安全保障上、あるいは国家の主権を侵害する脅威として存在する隣国の国のさまざまな我が国に対する行為について、何らかの形で我が国として意思を表示するとすれば、これは経済制裁であるということで、池田元久衆議院議員がかねてから、旧民主党の時代でございますからさかのぼることもう六年前になりますが、既に発案をしまして、その後さまざまな、新進党解党後の合流でありますとかあるいは昨年の自由党との合流という中で、また、拉致議連の立ち上げ等々さまざまな情勢の変化がありましたけれども、その中で、いわゆる国連決議による、そしてその後のもの、それから、二〇〇二年の2プラス2で、日米両国で経済発動をする、このことが、法解釈によって日本政府は経済制裁できる、こうしたことを解釈としては進めてまいりました。 ただ、我が国単独でこれを発議し実行するという点については解釈論では限界があるのではないかというところから、法改正という形でやはり党内で討議をしまして、今回、我が党の西村真悟議員が、あるいはかつてこの問題に取り組んでこられた池田元久議員が、さまざま法制局等と調整をしてきました試案をすり合わせまして、我が党の合意決定に至ったわけでございます。そして、この点につきまして自民党あるいは公明党と協議の結果、修正案が相整いまして、本日のこの提案になったということでございます。
○上田議員 お答えいたします。 公明党におきましては、昨年春のころから自民党さんでの検討などの状況を見ながら現行制度の問題点等につきましての検討をさせていただいてきたところでありますが、六月から七月にかけまして、先ほど水野委員からもお話がありましたように、自民党、公明党の間での協議を進めさせていただきまして、七月の段階で、部会、財政・金融それから経済産業、外交・安全保障の三部会で了解をしたところでございます。その後、衆議院の解散・総選挙などもございまして、正式な党内の手続につきましては十二月に終了したところでございます。 なお、三党によります修正協議等も行いまして、昨日、我が党としても正式な党内の手続を終了し、今日提出をさせていただくことができた、そういう経緯でございます。
○中塚委員 次に、財務大臣と、あと与党の提案者に伺いたいというふうに思います。 今回こういう形で議員立法として法案自体は提出をされているわけなんですが、私も、先ほど申し上げた案をつくっている段階で、政府からいろいろと説明も求めて、個人的にもいろいろとレクチャーをいただいたりしてきたわけなんですが、今回も議員立法ということになりました。政府提出法案ということには至らなかったわけですね。 私自身が説明をいただいたときもそうだったんですが、どうも政府としてはこの問題についてはちょっと腰が引けているのではないのかというふうな印象を持たざるを得ない部分というのがあったんですが、今回これが政府提出法案には至らなかった経緯について、財務大臣、そしてまた与党の水野提案者にお伺いをしたいと思います。
○谷垣国務大臣 これは、今三党の提案者からお話がございましたけれども、各党におかれまして、北朝鮮に働きかけていく場合の日本の外交の選択肢を広げる必要があるということで御議論をいただいてきたという経緯がありますので、それで議員提案になった、議員立法になったというふうに承知をいたしております。
○水野議員 政府が提出をしなかった理由ということは私はちょっと把握はしておらないわけですけれども、ただ、むしろ議員立法になったというのは、国内にそういう声が、立法府を中心に強硬な声があるということを、一つのこれ自体がメッセージでありまして、政府が対外交渉をするときに、そういう声が国内にあるんだということ自体が一つの対外交渉の切り札というか駆け引きの材料にも使えると思いますから、議員立法という形をとったのは私は自然な形であり、むしろよかったのではないか、そんなふうに考えております。
○中塚委員 この問題についてはもう多くは語りませんが、ただ、今の水野提案者も、やはり党内の審査とかいうふうなときに大変御苦労をされているはずだというふうに思います。 そして、本委員会に提出をされた法案についてでありますけれども、先ほど来お三方からお話がありましたとおりで、三党で法案の協議を行ったということです。自民党さんの用意をされた案と私ども民主党の用意をした案、最大の違いというのは国会承認ということになるわけです。 私どもは確かに国際協調主義をとるべきだというふうに思っていますが、ただ、その国際協調主義ということの以前に、やはり日本が主権国家として自立をするということは大変に重要だというふうに思っていますし、今回のこの経済制裁のための外為法の改正ということについても、やはりそれは国家主権の発動であるということだというふうに思います。 であれば、国会承認ということとも関連をしてくるわけなんですけれども、この国会承認が盛り込まれた意義ということについて、まずそもそもの原案に国会承認を盛り込んでいた民主党の渡辺提案者に伺い、そしてまた、その国会承認が盛り込まれた意義についてどういうふうに考えるかということを水野提案者に伺いたいというふうに思います。
○渡辺(周)議員 今御質問にもありましたとおり、私ども、当初民主党北朝鮮問題のプロジェクトチームでまとめました民主党案では、国会承認を義務づけるというようなことを明記いたしました。そしてその後、自民党案との、与党案との折衝の中で、すり合わせの中で盛り込まれたわけでございますけれども、今回新たに認められることになる、つまり、これまでは国連決議等、あるいは解釈によれば二国間による合意という形で解釈上できた経済制裁が、まさに外交政策を決定する上で我が国単独でできるということになりました。 この経済制裁というのは、私どもの議論の中で申し上げますと、一種のこれは強制力の行使でございまして、そしてその目的は、我が国の意思を強要する、相手国に対して、被制裁国に対して強要するということでございます。この点についてやはり重い責任を我が国は持って決断をするわけでありますから、当然、国権の最高機関である国会で審議をし、なぜ経済制裁を閣議決定するに至ったかということについては審議をしながら国民につまびらかにする、そしてその結論については、承認をするということになれば国会が連帯をして責任を負う、そしてまた、閣議、内閣のもし行き過ぎがあれば、その点についても厳しくチェックをする。さまざまな意味において国会の関与を義務づけをした次第でございます。 それで、これがもし発動されるということになった場合は、これはやはり、自己が正当である、つまり我が国の言い分が正当であるということを確信する強さ、そしてまた国民の結束の度合いによって私は目的を達成し得るだろうというふうに考えます。 そのため、繰り返しになりますけれども、国権の最高機関であり国民を代表するこの国会がその決断と意思を共有するということになれば、これは大変大きな、我が国にとっての申し上げた正当性そしてまた結束力につながるものであろうということで、今回国会承認を主張してきた次第でございます。
○水野議員 国会承認を盛り込むべきかどうかというのはいろいろな意見があり得ると思うんです。一つには、慎重論の立場に立てば、そういう国会承認事項があると、むしろそれは機動的な制裁の発動の阻害要因になるんじゃないか、そういうような慎重論も一方にはあると思うんですが、逆の考え方に立てば、制裁を発動するというときに、ただ単に行政府の判断だけで行っているというよりも、立法府も一緒になってそれをサポートして支援しているんだというような形になっている方が、より国のメッセージとして強いという考え方も当然あり得ると思うわけですね。 我々も民主党さんとの、公明党さんを含めての協議の中で、その後者の考え方の方の立場に立たせていただいて、そして事後の国会承認ということを我々も一緒に含めて合意をさせていただいた、そういうことでございます。
○中塚委員 国会承認というものを求めるということになれば、これは現実問題として、その経済制裁の発動の理由とかいうこともちゃんと国会に報告をしてもらわなきゃいけないということになる。またこれは後ほどお聞きしたいというふうに思いますが、理由ということと関連をすれば、今度は発動の要件というふうなことともこれは実は関連をしていくことになるんだろうというふうに思っております。 先ほど我が党の松原委員からの質問でもちょっと触れられておりました。今回こういう形で、経済制裁を我が国単独でとり得る、そういう法改正を行うわけでありますが、ただ、やはり我が国単独で行うということになった場合に、第三国経由で送金が行われた場合にはこれはなかなか実効性に乏しいのではないのかというふうな意見は、あるいはまたそういう指摘というものがよく聞かれているわけなんですけれども、この指摘についてまず財務大臣に御見解をお伺いし、そして、加えまして、水野提案者、渡辺提案者にお伺いをしたいというふうに思います。
○谷垣国務大臣 経済制裁としての効果という点だけをとらえて見れば、例えば送金の場合に、第三国を経由していくような場合もあり得ると思いますが、それは幾つかの国で連携してやった方が効果が上がることは当然だろうと思います。そういう面の効果だけに着目して言えば、そうだろうと思います。
○水野議員 第三国を迂回して送金が行われるということが単独経済制裁の場合にはあるんじゃないか、そういうような御指摘だと思うんですけれども、その可能性というのは全くないとは思いません。 ただ、たとえそうであっても、つまり抜け道があるんじゃないかという御指摘があっても、国としてやはりこれは制裁を打ち出すんだという一つのメッセージを出すということには意味があると思いますし、そういう意味では相手側に対して与える心理的な影響というのも大きいと思いますし、また、送金の場合は、迂回という可能性はかなりあるかといえば、それはないとは言えないと思いますけれども、むしろ貿易の場合などに対しては、かなり効果があるというふうに思っております。 なお、強いて言うならば、多国間で仮に経済制裁を発動した場合でも、そういうような抜け道というのは、あるかないかといえば、あるわけでございますから、単独経済制裁の場合だけにその問題があるということはないというふうに考えております。
○渡辺(周)議員 これまでも、経済制裁の実効性については、さまざまな識者あるいは学者の方々が指摘をされてまいりました。先ほど来答弁にありますように、当然、多国間で協調して行う、だからこそ経済制裁は意味を持つのではないかということも、もちろんこれまでの事例の中でございました。 我が国単独でやった場合に、例えば、ある国に対して、A国に対する経済制裁、送金停止をしたというときに、B国に送金が行われる、そしてそのB国から今度は別の形で送金される場合には、結果的には実効性において乏しいんではないか、実際そういう議論もありました。これまでの、恐らく、過去行われてきた経済制裁の中にも、当然そういうことはあったであろうというふうに思います。 ただ、我が国の外交交渉を進めていく上で、そうした国家意思が発動されるということでございます。それによって我が国は、例えば送金停止という形でまずは第一弾の意思表示をする、そしてその次には、例えば貿易の停止でありますとか、その後のさまざまな、所管大臣が許可をしない、あるいは承認をしないという形で、為替の移動のみならず資本の移動ということに対しても、段階的に、当然のことながら、制裁を続けることができるわけでございます。これは、私自身は、私どもの協議の中では、外交交渉を有利にしていく上での有益なカードであろうと思います。 ただ、実行してみた結果どうだったかということについては、過去の事例の中にもございますけれども、もちろんそうした抜け道はある。だからこそ、できれば、もし万が一そういうことを発動する状況になったときには、多国間でやはり協調してやることが本来ならば望ましいだろう、その方が実効性があるということは、委員御指摘のとおりでございます。
○中塚委員 財務大臣の御答弁で、第三国経由で送金が行われれば実効性が乏しいということ、それはそのとおりだろうというお話だったと思うんですが、でも、財務大臣がそうおっしゃっても、この法改正が必要ではないというふうにお考えではありませんよね。 要は、今お二人の答弁者からありましたけれども、いろいろな意味で政治的なメッセージを相手国に発することができるという意味において、この改正自体が必要ではないというふうにお考えではないですよね。
○谷垣国務大臣 立法府でイニシアチブをとって議論をされていることに、なかなか行政府にいる者としては、伝統的には余り言いにくいことでございますけれども、やはり政策の選択肢を広げようというお考えでやっておられることは、私は十分意味のあることではないかと思っております。
○中塚委員 大変すばらしい答弁でした。 それでは、過去の経済制裁事例について財務省からお願いできますか。
○渡辺政府参考人 過去の例についてのお尋ねでございますが、全部挙げますと時間がかかりますので、ちょっとパターンに分けて御説明いたしますが、現行法におきましては、制裁あるいは措置をとる場合の要件は二つございます。 まず第一が、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき。これは、典型的に言えば、クウェートに侵攻した直後のイラク、あるいは民間航空機の爆破をした後のリビアといったものについては、これを根拠に行っている場合であります。 それから、今申し上げた二つの例は国あるいは地域に着目した措置になっておりますが、そういうものとはちょっと違った切り口で、タリバーンあるいはテロリストに対する資金供与をとめるという意味での安保理決議があった場合に、これもこの要件に基づいて行っているところであります。 それから、もう一つの方の、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるとき。この場合の例といたしましては、コソボの問題が生じましたときの対ユーゴスラビア向けの制裁というのはこれで行われているというところでございます。
○中塚委員 というわけで、今度は発動要件のお話を伺いたいというふうに思っておりますので、これは外務省の所管でもあるんですか、聞いておいていただきたいと思います。 経済制裁をするということになると、やはりそれは国際法上とかあるいは国連憲章上でいろいろな制約を受けるということもあるわけですね。 例えば、国連憲章の第二条第四項では、「武力の行使」「武力による威嚇」というふうなことが書いてありますが、原文はユース・オブ・フォースということが書いてある。そのフォースというのは、軍事力のことであって、経済力は含まないという解釈が一般的というか、国連の方でもそういう解釈をしているようですし、現に、日本訳も「武力」というふうな言葉が書いてあります。 ただ、国連で、例えば今まで国家の経済的権利憲章とかいうものの中で経済制裁ということについて触れられていることが多くて、経済制裁を行う場合の要件、それが正当化される要件ということについては、やはり、国際社会の中で明確なルール違反があるとか、そういうふうな正当な理由が必要になってくるというふうに思います。 また、今局長の方から答弁がありましたが、個別の条約で、経済制裁を行ってはいけない、経済制裁的な措置をとってはいけないというふうなことが書いてあるものもいろいろとあるわけなんです。 そういう中で、経済制裁を実行するときに重要な要件になってくることということですが、今までの現行どおりで、国連安保理で第四十一条に基づく経済制裁決定というものがなされた場合には、加盟国は憲章に基づく義務というものがあるし、また、その憲章に基づく義務というものが個別の条約あるいは国際約束に優先をしてくるということになりますから、この場合は別に法改正しなくても今のままでもできるということだと思います。 次に二番目に、自衛権に基づく措置ということで、国連憲章でも、国連が措置をとるまでの間、自衛権の行使というものは認められている。武力の行使が認められているわけですから、当然のことながら、経済力の面でも経済制裁というものは認められていくことになるんだろうというふうに思います。 また、個別約束あるいは個別条約、それに基づく経済制裁的な措置というものがとられることもあるでしょうし、加えて、国際社会、国際法の上での復仇、あだ討ちというか、そういったことで経済制裁をするというふうなことがあるだろうというふうに思います。 ただ、いずれにしても、経済制裁を行った場合に、違法性を阻却しなきゃいかぬ。要は、国際社会からちゃんと認めてもらわなければいけないということは、これは大変に重要な課題だというふうに思うわけです。 制裁実施国に対して、例えばやはり事前に何らかの違法行為が行われていたというふうなことであるとか、またあるいは、他の手段が尽くされたかあるいは他の手段は利用できないというふうなことが明らかであるとか、そしてまた、必要なものであって違法行為と均衡したものでなければいけないとか、そういうふうなことがあるという意味で、国連憲章四十一条に基づく経済制裁の決定というものがなされなくても、国連の決議によって、やはりこれは許しがたい行為であるとか、あるいは国際慣行を無視しているとか、国際法を違反しているとか、そういうふうな違法行為認定のようなものが必要ではないのかというふうに思うんですが、この件について、外務省とそして各党提案者の皆さんの御見解はいかがでしょう。
○逢沢副大臣 今委員、るるお話をされましたように、発動要件について、そこのところは整理をする必要があろうかと思います。外務省として必ずしもこの発動要件について有権的にお答えをする立場であるかどうかというふうに思うわけでありますが、先ほど財務省の事務方からもお話をされたように、細別して二つにこのことは整理をされなくてはならない、そのように承知をいたしております。 一つは、重なりまして恐縮でございますけれども、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるときに、送金等について許可制とすることができるとされている。事例としては、リビア、南アフリカ等が挙げられようかと思うわけでありますが、いわゆる安保理の決議等に基づけばこういったことが正当性を持つということは、一つ整理がされるものと承知をいたしております。 もう一つの要件といたしまして、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するために特に必要があると認めるときには、送金等の停止を行い得るというふうに承知をいたしております。 例えば、国際社会が国際平和のための外交的努力を行っている場合に、我が国としてそうした努力に寄与するために特に必要であると判断をした場合。例えば、ある特定の国家に対して核兵器開発のプログラムを廃棄するように求める努力を行う必要がある、あるいは、特定の国家に対して弾道ミサイルの発射を行わないよう求める努力をする必要がある、我が国の判断として、その努力の実効性を確保するために特にやはりこういう措置が必要であると認められる場合というのは、当然要件を満たすというふうになろうかと私どもとしては承知をいたしているわけであります。 以上です。
○水野議員 今、外務副大臣の御答弁に大体尽きているというふうに思うわけですけれども、今回の改正は、そうした従来の要件に加えて、平和と安全の維持のために特に必要があるというのを閣議においても認めたときは、送金、貿易などに対して規制を加えることができるというふうにした点に力点がある、そういうふうに御理解いただければと思います。
○渡辺(周)議員 もちろん、この経済制裁が、私ども、するというのではなくて、できる、今回の改正でございます。 経済制裁をするという、もし不幸にしてそのようなことになる場合、私はこれはもうかなりの政治判断、国家の判断がなされる状況に置かれているときだろうと思います。当然、そこまでに至る間には、例えば、我が国の主権を著しく侵害した、我が国の国民の生命財産を著しく侵害しているというような状況におきまして、さまざまな外交手段の中で、例えば対話をし、あるいは国連等の国際機関の中で何とか協調をしながらその事態を回避しようというさまざまな努力をしていった上での最終的な、私はこれは措置だと思います。 それだけに、そこまで行く時点で、かなり、客観的に見て我が国の例えば正当性、それから客観的に見て相手国のやってきたことの不当性、そうしたことを、私ども、恐らく国際社会に対して提示をしながら、外交ルートを通じてさまざまな取り組みをし、その結果として発動せざるを得ない。私は、相手国が明白に何らかの、例えば日本であれば我が国に対して主権を著しく侵している、客観的にその制裁を科される非があるということは、その時点で判断されているだろうというふうに思います。 他国の例を見まして、この経済制裁の根拠法、アメリカそれからイギリス、フランス、ドイツ、他国の経済制裁の根拠法を幾つか私どもも見てまいりましたけれども、もちろん議院内閣制あるいは大統領制、さまざま国家体制の違いがございますけれども、その中においても、やはり有事規定の中におきまして、この問題については、自国に対して大変大きな何らかの脅威が差し迫っている、あるいは現実にあるというときに判断されるべきものでございまして、日本のみならず他国、どの国も、経済制裁については各国独自でできるという法を有しております。 そういう意味におきましては、我が国がこの法律を改正して経済制裁を我が国でできるというそのカードを持つことは、準備をすることは、他国同様に国家として当然の権利であろうというふうに思っております。 また、そこに至るまでの間には、当然、国際社会の理解は得られているものだろうというふうに考えております。
○上田議員 もう既に各答弁が行われたところでございますけれども、現行の法律の枠組みでの発動につきましては、今外務副大臣の方からも御答弁になったとおりだというふうに考えております。 今回、特に、我が国単独でそうした措置をとることができるというような改正を設けたというのは、やはり国際社会全体に対するよりも、特にその中でも我が国の平和と安全にとって、またその関心が重大な状況、そうしたときには我が国が単独で、当然正当な手続を踏んだ上でその措置を発動することができるという条項を加えたというふうに理解をいたしております。 もちろん、我が国単独でできるとはいっても、それはむやみやたらと経済制裁を発動するというわけではなくて、当然正当な理由があって、なおかつ、それを閣議という場で決定をさせていただき、また、今回の修正によりまして国会の承認ということでもありますので、当然、正当な理由があって発動できるものだというふうに理解をいたしておりますし、また、先ほど委員も御指摘になったように、やはりどうしてもそれは国際社会全体の協調がなければその効果というのは必ずしも一〇〇%というか、十分には発揮できないというような面もありますので、当然それは、国際的な協調も、十分外交努力を行いつつ、踏まえて発動されるものだというふうに考えております。
○中塚委員 要は、単独で自主的に経済制裁を実施する場合、そのときの合法性の問題なんですね。だから、今申し上げたとおりで、やはり経済制裁自体は制約を大変受けているわけです、国際法上も、また国連憲章においても。であるにもかかわらず自主的に制裁を実施するということになれば、やはりそれを実施するときには、私は政府にはちゃんと説明責任というものが発生をするだろうと思うし、それをしてもらわないことには、国会は、承認するといったって、その承認をするときの議論の材料というのが出てこないわけですね。 私は、もちろん、法治国家ですから、法律を守らなきゃいけないのは言うまでもありませんけれども、ただ、こういう手続を踏まなきゃやっちゃいけないという話をしているんではなくて、まだ個別の案件じゃなく一般論としての話ですが、やはり我が国として、皆さんがもともとこの法案をつくるときに着目をされている北朝鮮の問題ということについて、もっと日本として積極的に国際社会にも訴えかけていかなきゃいけないということだと思うんです。それは、国際協調で経済制裁をしなければいけないということではなくて、日本単独でやる場合であっても、やはりそれは国際社会の理解というものを得るようにしなければ、単独で行う経済制裁というのは違法性が高いというふうに言われてもしようがないだろうという話なわけで、そのための努力をぜひとも政府に期待したいというふうに思います。 そして、次に、先ほどの第三国経由の送金の効果の問題なんですが、効果ということになりますと、要は、相手国の状況によってもいろいろと変わってくるだろうと思うんですね、経済制裁をすることによって。例えば、その相手国が貿易依存度の高い国であればそれだけ効果が大変にあるだろうというふうに思いますし、経済規模が小さい方が恐らく経済制裁を実施した場合には効果が高いだろうというふうに思います。また、その相手国の貿易相手国の数が少ない方が制裁は恐らく効果を発揮するだろうというふうに思いますし、また、外貨準備高の多寡によっても経済制裁というものの効力は変わってくるだろうというふうに思うんですね。そして、加えて、やはり、先ほど財務大臣みずからがお話しになったとおりで、第三国経由で送金が行われることというのは十分考えられるわけですね。 そうなりますと、この法案が通ったときに、この法律がちゃんとした効果を上げていこうとするのであるならば、やはり制裁措置の実施というのを監視していかなければいけないというふうに思うんですが、この制裁措置の実施の監視について、これは財務大臣なのか外務副大臣なのか、どういうふうにお考えか、いかがでしょうか。
○渡辺政府参考人 立法されました場合に、それに基づいて措置が講じられたときに、すぐに十全な対応をするということは、我々としても当然のことだと思っております。 北朝鮮との関係でいいますと、現行法のもとにおきましても、過去一、二年、いろいろな形で人員を割きまして、さまざまな形の、携帯品の調査、あるいはそこら辺のチェックということを入念にやるようにしておりますので、御趣旨を体して対応していきたいというふうに考えております。
○中塚委員 それでは、個別のお話、北朝鮮のお話を、これは提案者を中心に伺っていきたいというふうに思いますが、今回、この法案が通ることによって北朝鮮に何らかの変化を期待できるのかどうか、水野提案者と渡辺提案者にお伺いをしたいというふうに思います。
○水野議員 まず申し上げますのは、この法律というのは北朝鮮をねらい撃ちしているわけではなくて、北朝鮮という文言はこの法案の中には一切入っておりません。もちろん、念頭に置いているということは、先ほど来のお話にもありますように……。 でございますので、北朝鮮にどういう変化があらわれるか、効果があらわれるかということについて私の考えを申し上げると、先ほど先生の方からいろいろな効果の話がございましたが、北朝鮮の場合は、大体、日本から年間に、財務省の把握しているだけで四十億円ぐらいの送金、これは、金融機関を通じたものと携行して行くものを合わせるとそのぐらいある。しかも、貿易額でいうと、貿易相手でいうと、日本にとっての対北朝鮮貿易というのは非常に小さい。日本の全貿易の〇・一%以下ぐらいですけれども、彼らにとっては二割弱ぐらいになる。第三番目の貿易相手国、中国、韓国に次ぐ貿易相手国ということでございますから、そういう意味で、そこに対しての一定の規制を加え得るということは、彼らにとっては一つの脅威でもあるかもしれないし、そういう意味での効果というものは期待し得るというふうに考えております。
○渡辺(周)議員 冒頭、私どもの党の提案に至った経緯の中で、当面する脅威として、テポドンや不審船といった我が国の隣国北朝鮮のさまざまな行為が根底にあったのは事実でございます。 もちろん、法案には、先ほどもう一人の提案者の水野委員からありましたように、決してどこかの国をねらい撃ちしたものではございませんが、もし、万が一これを北朝鮮が、例えば拉致の協議について、一切協議をもうしない、打ち切るというような姿勢に出た場合、我が国の国家の主権を侵した国がもしそのような判断をした場合、あるいはまた、我が国の領土、領域内に対して何らかの、また弾道ミサイルのようなものを試射した場合、飛来させた場合、こうしたことがたび重なる、あるいはそのようなことがあった場合には、当然そのようなことが、国家として発動することはあり得るだろうというふうに思います。また、そうすべきだという国内世論も恐らく出てくると思います。 やはり、この法案に書いておりますように、我が国の平和及び安全の維持ということに対して、もし北朝鮮がそのようなことをした場合には、やはり適用される対象に当然なる。 今お話がありました、数字もありましたけれども、これはわかっているだけで、今お話がありましたような金額が、これは御存じのとおり、届け出された金額、把握されている金額だけでそのような金額が、既に年間四十億円の金額が北朝鮮に行っているわけでございます。 それを考えますと、もしこれがイラク制裁の、例えば貿易あるいは送金等のデータを見ましても、大変一年、二年の間に激減をするわけでございます。そうしますと、これは一国の経済運営においてはかなり大きなダメージを受けることになるだろう。そして、その間、対話と圧力、圧力をかけながらも対話によってさらなる相手国の何らかの変化を求めるということは期待できるだろうというふうに思います。 これは、北朝鮮に拉致をされた、救出をする家族の会の方々が今この経済制裁についてのアンケートをとったところによると、国会議員の八割が賛成をし、そしてまた、この署名だけでももう既に七十万から八十万と言われている数が集まっている。そして、三月までには百万人を超えるというふうに言われておりますが、こうした国の中の世論も加味しながら、我々は、我が国の主権が侵された場合には、最も効果的な我が国の意思表示をすることは、当然相手の国の大きな変化をもたらすことになるだろう、そのように確信をしております。
○中塚委員 では、それに関連して、北朝鮮側、金正日政権ですけれども、経済制裁は軍事行動の一歩手前であり、経済制裁を宣戦布告とみなすというふうにもしているというふうに言われておりますが、このことについて、外務省、そしてまた水野提案者、渡辺提案者の御見解をいただきたいと思います。
○逢沢副大臣 一般的に、非軍事的な措置として実施される経済制裁と直接的な軍事行動とは異なるものである、そういうふうに理解をする必要があろうかというふうに思います。 冒頭お話しをいたしましたように、例えば南アでありますとか、あるいは、現在進行形で、直近の例で申し上げれば、リビアを挙げてもいいのかもしれません。国際社会の一員として責任ある行動をとるよう求める趣旨で経済制裁を科された国が政策を大きく変更する、そういう場合、経済制裁が解除される。それのみならず、さまざまな支援を国際社会から受けることができる。そういった事例に学ぶとすれば、経済制裁は必ずしも軍事行動の一歩手前であるというふうな指摘は当たらないということは、一般的には言えようかというふうに思います。 しかし、相手国の状況によっては、かなり緊張が高まるといいますか、紙一重という言葉が適当であるかどうかはわかりませんけれども、そういった状況を招来する場合もあろうかということは、可能性としては否定できませんが、一般的には一歩手前であるという指摘は必ずしも当たらないのではないか、そのように私どもとしては承知をいたしております。
○水野議員 北朝鮮側が経済制裁もしくは経済制裁法案に対して非常に反発をしているということは仄聞をしておりますけれども、これはかなり実は彼らの身勝手な言い分でございまして、経済制裁というのは、決してこれは宣戦布告でもなければ軍事制裁でもないのであって、むしろ経済制裁というのは、戦争とか軍事的な手段によらずに平和的に物事を解決する一つの手段だ、そういう現代の知恵なんだというふうに理解をしておりますし、その意味で、何か戦争挑発行為をしているかのように彼らが言うとすれば、非常に不当な金正日政権の言い分だというふうに思います。
○渡辺(周)議員 この議論をしていく中で、当然、私どもの党の内部の議論でも、これは、経済制裁を発動するということは非常に緊張の高まることであって、一触即発の状況である。経済制裁を発動し、例えば資産の凍結であるとか、送金の停止であるとか、あるいは臨検であるとか、もうあらゆることが起きるというのは、これはかなり軍事的行為の一歩手前にエスカレートしていくのではないかという指摘ももちろんありました。だからこそ、我々は、このカードが使われないことが何より望ましいことでございます。 経済制裁という判断をしなくとも、対話によって北朝鮮と交渉ができれば、そしてまた、我が国の主権を侵しているさまざまな問題について、全面的な解決を向こうが当然するべきですけれども、残念ながら、そこには至っていない。我々も粘り強くこれを交渉してきても、結果がそうでないならば、私は、そうした対話と圧力という中で、圧力である側のカードというのは当然持っておくことは必要だと思います。 ただ、それに至らないように、金正日政権が言っているような、いわゆる戦争一歩手前の挑発行為であるといったような、これは北朝鮮独特のブラフであり言い回しでしょうけれども、当然そうならないようにもちろん対話を重視しますが、その点については、やはり国際関係、国際社会と協力をしながら、我が国は今もうそこまでの意思を用意しているということを私どもが示すことは、今の日本と北朝鮮に横たわっているさまざまな問題を考えれば、我が国としてそうした姿勢を持っていることは当然のことであろうというふうに思います。 ですから、こうしたブラフに屈するということではなくて、当然どこの国も持っている、主権国家が持っている根拠法を持つことは、主権国家として当然のことである。繰り返しになりますが、そのような姿勢を我が国が示すことが大事だろうというふうに思います。
○中塚委員 時間がそろそろ参りましたので、これで終えたいというふうに思いますが、人、物、金ですから、今回は金と一部物ということなんでしょうけれども、このほかにもやはり課題として、特定船籍入港禁止の法案でありますとか、再入国拒否の法案でありますとか、そういったものの準備というものもまた考えていかなければいけないだろうというふうに思います。 また、経済制裁というものが成功したか、あるいはそうでないかというのは、まず第一義的に、その目的が達成をされたかされなかったかということにかかわることだと思います。目的が達成されない場合は失敗ということになるわけでありますから、そういった意味で、成功、不成功というものをちゃんと判定する基準というか、その目的というものもまた今後の議論を通じて明確にしていかなければいけないだろうということを申し上げまして、質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 拉致問題は、日本国民の人権と安全を脅かした国際的な犯罪行為として許すことのできないものであります。私たちは、真相の全面的な解明、拉致の責任者への厳正な処罰、被害者への謝罪と補償を要求し、帰国した五人の拉致被害者の家族の帰国についても、その実現のために北朝鮮側が誠意を持って対処することを求めております。その解決は、被害者、家族の切実な願いであり、多くの国民が解決を願っているものであります。 その解決のためには、日本の努力はもちろんでありますが、各国の理解と協力を得て国際社会全体が取り組む課題にしていくことが必要ではないかと考えております。この国際的課題にしていくことについての提案者の認識をお聞きしたいと思います。
○水野議員 まず、拉致問題の解決というのは極めて喫緊の、極めて重要な課題であるという認識は我々も持っております。また、この問題の解決というのが国際社会の各国の理解や協力が必要だということも、これも当然だというふうに考えております。 ただ、この法案というのは、今回提案させていただいている法案は、こうした各国との協調というものを決して否定するものではないということも申し添えさせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 北朝鮮は、ビルマ・ラングーンでの爆弾テロ事件、大韓航空機事件など、国際的な無法行為を繰り返してきたわけであります。拉致問題も、そういった国際的な無法行為の一つであります。私たちは、この問題を解決するためには、北朝鮮の無法行為全体の清算を求めていくという課題の一つとして位置づけ、国際社会全体の取り組みにしていくということが必要だと考えております。 そういう点でいいますと、昨年八月に六カ国協議が行われまして、交渉によって問題を解決していこうという外交交渉のプロセスが始まったわけでありまして、これは大変重要だと思っております。 この六者会合では、六項目のホスト国総括が行われております。私、外務省からいただいたペーパーがこちらにございますけれども、外務省にこの六項目の内容をここで紹介をしていただきたいと思います。
○齋木政府参考人 お答えいたします。 去年の八月の二十七日から二十九日にかけて北京で行われましたいわゆる六者会合、第一回会合のホストを務めました中国の王毅外交部副部長でございますけれども、会合の終わりに当たりまして、総括するに当たりまして、次に述べます六つの点を参加国の一致した点であるということで、口頭で取りまとめました。 一つ、六者会合の参加者は、対話を通じて核問題を平和的に解決し、朝鮮半島の平和と安定を維持すること。二つ、六者会合の参加者は、朝鮮半島の非核化を目標とし、北朝鮮側の安全に対する合理的な関心を考慮して、問題を解決していく必要があること。三つ、六者会合の参加者は、段階を追い、同時的または並行的に、公正かつ現実的な解決を求めること。四つ、六者会合の参加者は、平和的解決のプロセスの中で、状況を悪化させる行動をとらないこと。五つ、六者会合の参加者は、対話を通じ相互信頼を確立し、意見の相違を減じ、共通認識を拡大すること。そして六つ、六者会合の参加者は、協議のプロセスを継続し、可能な限り早期に外交ルートを通じて次回会合の場所及び日時を決定すること。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 今、六項目を紹介していただいたわけであります。 私は、この第四項目めが非常に重要だと思っております。「六者会合の参加者は、平和的解決のプロセスの中で、状況を悪化させる行動をとらないことに同意した。」ということであります。これは日本も当事者として参加して同意をしたものでございます。今まさにこの同意に基づいて、対話による外交努力というのが続けられているわけでございます。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕 ここで、平和的解決のプロセスの中で、状況を悪化させる行動をとらないという同意がされているわけでありまして、この国際的な約束、これは大変重要なものだと私は考えます。その遵守というのは、北朝鮮問題の平和的解決のために日本が果たすべき責任でもあるというふうに思います。 そういう状況のもとで、現在提案されている日本単独での経済制裁の法案を準備するということは、この六カ国協議で国際的に約束をされた内容に反するというふうに考えますので、私どもはこの改正案には反対であるという立場を表明しておきたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山本(明)委員長代理 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕 —————————————
○田野瀬委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田野瀬委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○田野瀬委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、鈴木俊一君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。江藤拓君。
○江藤委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提案者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 政府は、外国為替及び外国貿易法第十条に基づき、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるとして閣議により措置を講ずべきことを決定し、当該措置を講じた場合には、速やかにその理由を公表すること。 以上であります。 何とぞ御賛成賜りますようによろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○田野瀬委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田野瀬委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣谷垣禎一君。
○谷垣国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。 —————————————
○田野瀬委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田野瀬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十四分散会