国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 第12号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/04/23
会議録
○斉藤委員長 これより会議を開きます。 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件について調査を進めます。 この際、テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更及び現在までの自衛隊の協力支援活動の実績について政府から報告を求めます。石破防衛庁長官。
○石破国務大臣 テロ対策特措法に基づきます対応措置に関する基本計画の変更について御報告を申し上げます。 テロ対策特措法に基づきます基本計画の変更が、昨日の安全保障会議を経た後、本日、閣議で決定されました。 具体的には、基本計画上の協力支援活動等を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の派遣期間を六カ月間延長し本年十一月一日までとするとともに、インド洋に展開している諸外国の艦船数が当面は現状の水準で推移することが見込まれること等にかんがみ、現在の運用態勢に即して、協力支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模等を変更することといたしました。 なお、あわせて、私が定めております実施要項につきましても、基本計画に沿った所要の変更を行いました。 次に、今回の基本計画の変更に係る背景について御説明を申し上げます。 テロとの闘いでは、これまでの成果として、世界各地で、多数のアルカイダ構成員と、アルカイダ幹部として知られている者の約三分の二が、死亡または拘束されております。また、軍事面での成果のみならず、新憲法の制定を初めとする統治体制整備のプロセスが進展するなど、テロリストの温床であったアフガニスタンの復興に向けた成果も上げているところでございますが、依然として、ウサマ・ビンラディン、ムラー・ムハンマド・オマルといったアルカイダ、タリバンの指導者はいまだ捕捉されておりません。また、アフガニスタン国内におけるテロ攻撃も発生しておりますほか、昨年十一月のトルコにおける爆弾テロ、本年三月のスペインにおける列車に対する爆弾テロなど、アルカイダの関与が疑われているテロが世界各地で発生しており、依然としてアルカイダの脅威は高いものと考えております。 なお、国連安保理監視グループも、先般、アルカイダが依然として国際社会の安全と平和に大きな脅威として存在し、イスラム過激派の中に世界規模でネットワークを維持している旨を発表していると認識いたしております。 このようなテロの脅威に対し、米軍等は、アフガニスタンの南部から東部の国境地帯を中心に、アルカイダ、タリバンの残党の追跡、掃討を継続しております。また、国境のパキスタン側では、パキスタン軍が政府の統治の及びにくい部族地域に往来、潜伏していると見られるテロリストに対する掃討作戦を強化しております。さらに、米軍等は、アラビア海等において、テロリストや武器弾薬等の関連物資が海上を移動することを阻止することによりテロの脅威が拡散することを防止するための活動、すなわち、不朽の自由作戦の海上阻止活動を継続しております。 このように、インド洋上におけるものを含め、テロとの闘いは長く続くものであり、この点は現時点でも変化はなく、各国が依然として足並みをそろえてこの問題に取り組んでいる状況にあります。 政府といたしましては、このような状況にかんがみ、残存するアルカイダ等によってもたらされている国際テロの脅威は今も除去されておりませんことから、国際テロ根絶のための取り組みに寄与すべきとの考えのもと、これまで実施してきました協力支援活動について、期限が切れる五月二日以降も継続することとし、また、インド洋における諸外国の艦船数の水準等にかんがみ、前述いたしましたとおり、基本計画において所要の変更を行ったところでございます。 次に、これまでに実施しましたテロ対策特措法に基づく自衛隊の活動実績についてでございます。 協力支援活動につきましては、現在、海上自衛隊の補給艦「とわだ」及び護衛艦「みょうこう」「さみだれ」がインド洋北部において活動中であり、これらの艦艇を含めて派遣された艦艇はこれまでに延べ三十三隻に上ります。これらの艦艇により、平成十三年十二月二日以降本年四月二十一日までの間に、米、英、フランス、カナダ等の艦艇に艦船用燃料を三百六十六回、約三十五万一千キロリットル提供し、その総額は概算値にして約百三十三億円となっております。 航空自衛隊につきましては、C130H型輸送機等により、平成十三年十一月二十九日以降本年四月二十一日までの間に、計二百三十一回の国内及び国外輸送を行っております。 このような自衛隊の活動につきましては、政府広報、防衛庁ホームページ等を通じまして、広く国民の皆様方にお知らせをさせていただいております。 このような我が国によるテロ対策特措法に基づく主体的な努力は、国際的なテロリズムの防止や根絶のための国際社会の取り組みに積極的、主体的に寄与するとの意義を有しますことはもちろん、結果として日米安保体制を緊密かつ実効性のあるものとする上でも極めて重要な意義を有するものと考えております。平成十五年五月の日米首脳会談を初めとするさまざまなレベルのさまざまな場におきまして、米国等から謝意の表明がなされる等、国際社会から高い評価、賞賛を得ているころでございます。 防衛庁といたしましては、テロ対策特措法に基づく基本計画が今般変更されたことを受けまして、さらに一層、国際テロ根絶のために国際社会の一員として責任を果たし得るよう、また、国民の御期待にもこたえることができますよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。委員各位におかれましても御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○斉藤委員長 これにて報告は終了いたしました。 —————————————
○斉藤委員長 この際、イラクにおける邦人二名に係る事件について政府から発言を求められておりますので、これを許します。逢沢外務副大臣。
○逢沢副大臣 四月十七日、時間は以下いずれも日本時間でございますが、安田純平さん、そして渡邉修孝さんがバグダッド市内で無事保護されました。 二名の拘束事件に関しましては、十五日午前零時三十分ごろに邦人二名が拘束されたとの未確認情報を受け、即座に、外務省の緊急対策本部から、ヨルダン現地対策本部及びバグダッドの日本大使館に対し、事実関係の確認に全力を挙げるよう指示を出し、あわせて、関係国政府等に対して情報提供等の協力を依頼いたしました。 その後、この二名が安田純平さん、渡邉修孝さんの二名であり、十四日にバグダッド西方のアブグレイブにおいて拉致された可能性があることが判明いたしました。 十七日午後、在イラク大使館員がイラク・イスラム聖職者協会へ向かっていたところ、同協会関係者から二名に関する通報が入り、これを受けて大使館員がウンム・アル・クラー・モスクの同協会事務所に赴き、午後五時前に二名の無事を確認し、保護いたしました。 二名の御家族の方々に対しては、改めて心からのお喜びを申し上げますとともに、イラクを含め各方面の関係者の御尽力と世界各国からの御支援に心からお礼を申し上げたいと思います。 保護された二名の方々については、十八日にバグダッドからヨルダンのアンマンに移動し、モスクワを経由して、二十日午前に成田空港に無事到着しました。 イラクの治安情勢は予断を許さない状況にあり、政府としては、これまで退避勧告を継続して発出する等、累次の注意喚起を行った中で今回の事件が発生したことはまことに遺憾です。今後とも、イラクへの渡航はどのような目的であれ絶対に控えること、また、イラクに滞在する邦人の方はイラクより直ちに退避することを強く勧告していきたいと思います。また、海外に渡航する邦人の方には、みずからの安全についてはみずから責任を持つとの自覚を持ってみずからの行動を律するよう、改めてお願いしたいと思います。政府としても、海外における邦人の安全確保のため、引き続き可能な限りの努力を継続していきたいと思います。 現在、依然として複数の第三国の方々がイラクにおいて拘束されていると承知しています。政府としては、いかなる理由であれ、人質をとる行為は許されざる犯罪と考えており、このような行為については、今後とも、これに屈せず毅然として対応いたします。イラクの早期復興のためには、秩序と治安の早期回復、政治プロセスの円滑な進展が必要であり、引き続き、イラク人のイラク人によるイラク人のための民主的な国家樹立に向けて人道復興支援の実施に努めていきたいと思います。 —————————————
○斉藤委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として防衛庁運用局長西川徹矢君、外務省大臣官房領事移住部長鹿取克章君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君及び外務省中東アフリカ局長堂道秀明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○斉藤委員長 この際、政府から説明を聴取いたします。防衛庁運用局長西川徹矢君。
○西川政府参考人 イラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊の部隊の最近の活動状況について御報告いたします。 まず、サマワの陸自部隊においては、最近のさまざまな情報に基づく情勢判断により、宿営地外での活動を慎重に行うこととし、給水活動を中心に復興支援活動を実施してきたところですが、その他の活動に対する現地住民の期待も大きいことから、安全確保に十分配意しつつ、四月十四日に、サマワ市の母子病院において医療支援活動を再開するなどしたところです。 また、これまで派遣部隊と地権者との間で調整してきたサマワ宿営地の土地使用については、十七日に合意文書を取り交わしたところであり、約三百十六万平米の土地について、一年間、二十五万二千八百米ドルで使用することとなりました。 現地部隊の報告によれば、現地時間四月十七日二十三時過ぎ、サマワ市北部のスタジアム付近において、身元不明の何者かとオランダ軍との間で発砲事案があり、身元不明者の一名が負傷し、医療機関へ搬送されたとのことです。本件の詳細な事実関係については、引き続き、現地部隊において、オランダ軍や現地警察と連絡をとりつつ情報収集を行っているところです。 また、十五日には、サマワ市内で、警察官並みの待遇を求める施設警備要員や警察関係の事務官らによる百五十名規模の抗議デモが発生しましたが、混乱なく終了したとのことです。 このほか、オランダ国防省の発表によれば、現地時間二十二日午前三時ごろ、サマワのオランダ軍キャンプに迫撃砲弾数発が発射され、そのうち一発がキャンプ内に着弾したものの、被害等はなかったとのことです。 防衛庁としては、最近のサドル師支持者と連合軍との衝突等が今後のイラク南東部の治安情勢に与える影響を含めて情報の収集に努めるとともに、引き続き状況の推移を注視してまいります。 次に、航空自衛隊の部隊については、十五日から二十二日までの間、関係各国、関係機関等の物資、人員の輸送を計一回実施したところでございます。 また、十六日に、C130機の交代機一機がクウェートに到着し、これに伴い、これまで任務に従事しておりましたC130機一機がクウェートを出発し、本日、空自小牧飛行場に到着いたしました。 引き続き、イラク国内の各飛行場の安全性や輸送ニーズ等を慎重に勘案しつつ、C130機による輸送を行ってまいります。 最後に、サマワ宿営地に受け入れていた邦人報道関係者等の国外退避について、報道各社からの強い希望を受け、十五日、邦人保護の観点から自衛隊による輸送を行ったところでございます。 以上でございます。
○斉藤委員長 次に、外務省中東アフリカ局長堂道秀明君。
○堂道政府参考人 イラクの治安情勢について御報告申し上げます。 イラクの治安情勢は、地域により脅威の度合いは異なりますが、ファルージャにおける米軍の掃討作戦の強化、シーア派のサドル師支持グループと連合軍との衝突など、情勢の緊迫化が見られます。 サドル師支持者と駐留連合軍との衝突につきましては一部鎮静化している模様ですが、米軍はサドル師が存在すると見られるナジャフ郊外に兵力を集中しており、クート等では衝突が発生しております。十九日、キミット准将は、改めて、サドル師拘束のためあらゆる軍事オプションを保持する旨、述べておりますが、引き続き情勢を注視していく必要があります。 ファルージャにおきましては、十一日に停戦合意が成立した後、散発的な戦闘が起きておりますが、十九日には、統治評議会・連合軍側とファルージャ住民代表との間で本格的な停戦に向けての合意が成立するなどの進展が見られます。この停戦の実現に向けた統治評議会の努力は、イラク人自身による治安確保という観点から注目されます。 右合意におきましては、ファルージャ総合病院への自由な通行、救急車の市内での通行の容易化、市内の孤立した地域への食料、薬品の供給、一日当たり五十家族の市内入域の許可等が合意されております。他方、警察及び市民防衛隊は残存する外国人戦闘員、犯罪者及び麻薬乱用者を撲滅するために活動しなければならない、四名の米国民間人殺害事件を含めファルージャで生じた犯罪の捜査を開始するために法と秩序が回復する必要がある、ファルージャ市内のすべての者が重火器を放棄する場合には攻撃は再開されない旨の言及があります。さらに、真の停戦が存在しない以上、大規模な敵対行動が再開し得ることも明記されており、全当事者は常に連絡をとり合い、必要に応じ、また遅くとも二十五日までには再度会合を持つこと等が言及されております。 ファルージャ市民の大多数は流血、惨事が終えんすることを望んでいるとの認識が米側よりも示されておりますが、今次合意成立後も戦闘は発生しており、二十二日には、キミット准将は、記者会見におきまして、これまでに回収された重火器は最近使われたものではなく、さびたものやがらくた、くず鉄であるとして、重火器を放棄する意思があるかについて疑問を呈しており、予断を許さない状況にあります。 サマワを含む南東部に関しましては、イラク国内の他の地域と比べ比較的安定している状況に変化はありませんが、現地時間十七日、サマワ・スタジアム付近において、オランダ軍と身元不明の何者かとの間で発砲事件が発生しました。当該事案に関する事実関係については、現在、現地において、オランダ軍及びサマワ警察と連絡をとりつつ情報収集が行われているところです。 また、二十一日には、バスラで、警察署及び警察学校をねらった連続した爆発事件があり、通りがかった通学バスも巻き込まれ、多数の死傷者が発生する事案も発生しております。 さらに、二十二日、サマワのオランダ軍キャンプに迫撃砲弾数発が発射され、そのうち一発がキャンプ内に着弾したものの被害なしとの事案も発生しております。 現地の治安情勢については予断を許さない状況が続いており、今後とも、引き続き十分に注意を払っていく考えです。 現在、イラク国内では、イラクの治安確保や復興支援等を目的として、我が国を含め三十七カ国が部隊を派遣しています。イラク復興支援のあり方については各国が主体的に判断すべきものですが、イタリア、ポルトガル、リトアニア等、部隊の派遣継続を明確にしている国がある一方、スペイン、ホンジュラス、ドミニカ共和国は、最近、さまざまな理由から部隊の撤退を表明しております。 政治プロセスに関しては、十四日、ブラヒミ国連事務総長特別顧問は、バグダッドにおいて記者会見を行い、統治権限の移譲の受け皿となる暫定政府のあり方等についての現時点におけるとりあえずの考え方として、五月中に暫定政府を設立することは可能であると考える、七月に国民会議を開催することにつき多くのイラク人から示唆がある旨、また、国民会議は来年一月の議会選挙までの期間、諮問議会を選出する、来年一月の議会選挙が実施されるためには治安状況が大幅に改善される必要がある等、述べております。ブラヒミ顧問は再度イラクへ戻り、これらの点については今後さらにイラク国民との協議が継続されることとなります。 ブッシュ米大統領は、十三日(米国東部時間)の記者会見において、六月三十日にはイラクの統治権限はイラク人の手に渡されるであろうと述べ、予定どおり六月末のイラク人への統治権限移譲を実現することに強い決意を表明しました。また、同大統領は、この記者会見において、国連が政治プロセスにより深く関与することは有益である、各国が参加することを決定する上で助けになるであろうさらなる安保理決議を採択したいと考えているとも述べました。さらに、十六日、米英首脳会談後の共同記者会見におきまして、ブッシュ大統領は、イラクの暫定政府に関するブラヒミ特別顧問の提言を初め国連の役割を歓迎する姿勢を明示しております。十九日、パウエル国務長官は、六月三十日前の新安保理決議の採択もあり得る旨、述べております。 以上でございます。
○斉藤委員長 これにて説明は終了いたしました。 —————————————
○斉藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。 今回、人質が無事救出されたことを、皆さんとともに喜びたいと思います。そして、今、政府の報告にもありましたとおり、関係各位、協力していただいた皆さんに感謝の誠をささげたいと思います。 また、逢沢総括副大臣、御苦労さまでございました。大変な中を危機を乗り越えてこれた。我が民主党も、藤田代議士を中心に現地の対策本部を立ち上げて、さまざまな情報収集あるいは働きかけをやってまいりました。国民の安全を守ることに与党も野党もない、そういう観点から今回の解決を喜びたいというふうに思います。 さて、冒頭、総務副大臣、御苦労さまでございます。今回のイラクでの日本人人質事件について、数点、確認をしておきたいと思います。 総務省として、放送局に対して、今回の人質事件のさまざまな報道あるいは取材等について、指導あるいはお願い、要請、調査などを行われたのか否か、その事実関係を教えてください。
○田端副大臣 お答えいたします。 総務省として、今回のイラクの日本人人質事件に関しての指導、要請、そういったことについては、放送事業者に対して特段行っておりません。 以上でございます。
○原口委員 人命にかかわる問題でございますので、人質の命にかかわるような単独の取材だとか、あるいはそういったことについても自粛を要請するということはなかったわけですね。お答えください。
○田端副大臣 放送事業者に対して、今回の事件が起こった後に、NHKあるいは民放各局に対して、緊急事態を受けて、日本人記者の現地での状況についてどうなっていますかということを電話で念のために確認させていただいた。それは、過去に、イラク戦争が始まったときでしたか、現地における日本人記者の状況を掌握しているのかといったような御質問等がありましたことから、そういうことをさせていただきました。
○原口委員 それは、外務省が邦人の安否と申しますか、いわゆる邦人援護をするという観点からの調査とはちょっと違いますね。どういう目的でもってなさったんでしょうか。
○田端副大臣 目的ということとは別に、過去にそういうことが御質問があったものですから、今回もまたそういうことが議論になるかなということで、日本人の記者あるいは現地の特派員の状況、各社どうなっていますかということを電話で問い合わせさせていただきました。 これは、別にそういう意図的なことは全くありませんで、単なる日本人の現地における状況ということで、念のためにということでさせていただいたわけでございます。
○原口委員 念のためにと言いますが、外務省がそれを、どこにどれぐらい邦人がいらして、安全が守られているかということをなさるというのはわかりますけれども、目的についてもよくわからず、これは、数人、こういう証言がありました。出過ぎたことをするな、さまざまな報道については注意しろと。 その内容にかかわるようなことまでコントロールがあったとすると、これはゆゆしきことでございますので、もうこれでほかの質問に移りますのでお帰りいただいて結構でございますが、やはり、危機の状態のときに、何を、どこに、どのように要請していくかということは、きっちりとしたマニュアルがあって、そして、のりを越えない対応というものが必要であるということを指摘して、副大臣、どうぞもう結構でございます。次の質問に行きたいと思います。 人質問題については達増議員が後で詳しくやっていただくと思うので、私の方は、まず、今回のイラクの特措法に基づく今の現状がどうか、先ほどお話がありましたけれども、まさにファルージャでは大変な戦いが行われていて、今の報告の中には、米軍がサドル師の身柄を拘束する、そのためにはあらゆる軍事オプションを保持する旨をキミット准将が述べられたということでございますが、サドルさんというのはシーア派の有力なグループであって、シスターニさんと並ぶ有力な方であるというふうに私は考えていますが、こういう停戦状態というものがまだ実現しない中にまさに泥沼化していくイラクで、今、何が必要なのか、あるいは、何を一番私たちは危機として回避すべきかということの観点から少し議論をしたいと思います。 今、一番まずいのは、この間、ワシントンに参りまして、防衛庁長官、さまざまな人とお話をしましたが、今のワシントンの雰囲気は、もう第二のベトナムになってきているんじゃないか、そして、大統領選挙を控えてイラクの問題自体に触れることに政治的には非常に嫌がる雰囲気が出てきているという報告もありました。 その中で、無責任な撤退ということが米軍によって行われるということは、過去なかったとは言えません。ここで、幾つかの国が撤退を表明して、そして、イラクが軍事攻撃を受けた後の民主的なプロセスに移行する過程でまさに力の空白あるいは秩序の混乱だけが深まるということは、私たちが最も恐れることであります。 その中で、イラク特措法は二つの柱を持っていました。一つは、皆さんがよく強調される人道復興支援活動、もう一つは、安全確保活動でございますが、今までどのような安全確保活動をどんな国になさったのか、なさっているのか、お尋ねを申し上げます。
○石破国務大臣 安全確保活動につきましては、先生御案内のとおり、人道復興支援と並びまして一つの柱となっております。これは、輸送機によります空輸、人を運んだり、また物資を運んだりいたしております。武器弾薬を運ばないということは申し上げているとおりでございます。 これの内容、つまり、どの国のどのようなものを運んだのかということにつきまして、これは混載をいたしますので、それはコアリションの中でA国、B国、C国、この国のものだけということで決めるわけではなくて、混載をいたしております。荷物の内容も混載をいたしておりますので、このことをきちんと、どこの国のものを、どれだけ、どのぐらいということが申し上げられない。また、安全確保支援活動でございますので、そのことが他国のオペレーションの中の支える一部となっておる部分もございます。 したがいまして、トータルといたしまして、いつからいつまでどのようなものというような、このことにつきましての公表は、区切り区切りでいたしますが、詳細につきまして申し上げられないということを御理解いただきたいとお願い申し上げる次第でございます。
○原口委員 そこが私には余り理解できないんですよ。 先ほどテロ特措法の中で御報告がありましたとおり、これは閣議決定で延長を決める。そのときに、あれは予算委員会でございましたか、求めまして、どの国にどれぐらいの給油をなさっているのかということで、それを開示していただきました。 それをいつどのようにやったかなんということまで、私は聞く気はありません。だけれども、少なくとも、テロ特措法に基づく活動というのはいわゆるテロリストを掃討活動しているところに対する我が国の支援でありまして、今回は、戦争が終わって、皆さんのおっしゃることによるとですよ、戦争が終わった後のさまざまな治安維持活動にかかわったり、さまざまなオペレーションをしているところに対する支援だというふうに理解をしておりまして、皆さんがおっしゃるところによるとですよ、片っ方で、掃討作戦をやっているところに対してはその国々の一つ一つの数字が出てきて、どうして今回の輸送航空隊による輸送活動実績、せめて国別にどれぐらい出したかというのは出すべきじゃないですか。
○石破国務大臣 先生の問題意識はよく理解できるところでございます。 これは先ほども申し上げましたが、コアリションに基づきまして調整をするわけですね。どの国がどのようなものを運びたいか、どの国がどのような輸送能力を持っているか、いろいろなことにつきまして制限がございます。何も我が国だけではございません。ほかの国も、この地域とか、こういうものを運ばないとか、そういうようなものがあるやに聞いております、詳細は存じませんが。それをコアリションの中で調整して、最終的に、どの国とどの国の、どの国のどのようなものとどのようなもの、どのようなものをこのC130でAからBまで運んでくれというふうなことに相なります。 そうしますと、先生御指摘のようなインド洋における活動は、我が国の艦船が油という単一のものを補給しておりますわけで、アメリカに対して何回、何リットル、イギリスに対して何回、何リットルということが本当に申し上げられるわけでございますが、今回のものにつきましてはそれが申し上げられない。技術的に可能かどうかは、先生が御指摘のような、インド洋における活動と何が違うのかという問題意識は私も強く持っておりますが、それが技術的に極めて難しいというふうに現段階では承知をいたしておるところでございます。 それと、加えまして、先ほど申し上げましたように、他国のものも含んでおりますので、人道支援の場合でありますとこれはまた可能になる場合がございますが、安全確保支援活動の場合になりますと、もちろん武器弾薬は運んでいないわけですが、他国のオペレーションの一環をなすものでございますので、このこともなかなか申し上げられないという一つの遠因ではございます。
○原口委員 なかなか苦しい答弁ですね。 海幕長にも来ていただきたいということで、今大臣がおっしゃったコアリションについて少し議論をしたいと思っていまして、やはり脅威の対象が変わってきた、非対称性の戦争ということがよく言われています。そういう中で、テロとの闘いで、今、アフガニスタンですと六十カ国ぐらいの海軍がやっている。そういう中で、我が国は、そのコアリションというか、その外側なのかな、独自の法律で補給支援という任務を付与されて、そしてインド洋に展開しているわけですけれども、そのコアリションについて、どういうコアリションがこれから必要なのかということを私は防衛庁長官と議論したい。 この間、外国人特派員協会で、古庄海幕長が講演をされていて、集団的自衛権についても、そのコアリションとの関係で言及をされているんです。 こうおっしゃっています。 将来、他国の海軍と仮に同じように国際社会のために寄与するためには、いろんな問題を解決しなければならないと思っております、特に集団的自衛権の問題でありますとか、あるいは一緒に訓練をどことでもできるシステムとか、情報を共有するとか、そういう大きなことから、これから国がいかに解決して、国のため、あるいは世界のため寄与するかということが、将来、世界の海軍と同じような任務を付与されると予想できる我々にとっての課題であろうかと思っております。 というふうに明確におっしゃっています。 この認識は防衛庁長官も同じですか。
○石破国務大臣 さまざまに議論をされておる中の一つの、ある意味で古典的な、伝統的な、そういうテーマだとは認識をいたしております。 そのことについての価値判断というもの、これは、政府として、集団的自衛権というものは必要最小限の範囲を超えるのでこれを行使することができないという立場には変わりはございませんし、海幕長も、政治的な発言をするつもりは一切ないし、現状において不都合があるとは認識していないということも、先生のお手持ちの議事録といいますか、講演録といいますか、そこに書かれておるとおりであろうと思っております。 つまり、今、インド洋でやっておりますものは、アメリカが自衛権の発動ということでやりました。ヨーロッパあたりは、これに対して集団的自衛権ということで、NATOで初めて集団的自衛権というものを使っておるわけです。それは、アメリカが自衛権を行使している、ほかの国は集団的自衛権に基づいてやっている、こういう関係に立っております。 それでは、私どもが洋上で補給を行っておりますことは、これは自衛権に基づく行為かといえば、そういうものではございません。日本国が個別的自衛権なり集団的自衛権を行使しているということではなくて、武力の行使でもございません。 したがいまして、現状において何らかの不都合があるというものではございませんし、コアリションを今後展開していきます上において、それが決定的な支障になるとは認識をしておりません。 他方、私が冒頭にクラシックなというふうに申し上げましたのは、例えばリムパックというものをどのように行っているかということについて、これは、我が国は合衆国との集団的自衛権、我が国は集団的自衛権を行使できるわけではございません、私どもは個別的自衛権としてやっておるわけでございますが、しかし、あそこは日本とアメリカだけではなくてほかの国も参加をしている、では、そういう場合にどうなのだというような、いろいろな技術的な問題というのはあろうかと思っています。 それは、将来的な課題として、これは政治の場において御議論をいただくことでございまして、私どもとして現状において何か不都合があるというふうに認識をしていないというのは、海幕長も私も同じ認識であります。
○原口委員 その外国人記者クラブの講演の後、古庄海幕長は、二十日の記者会見で、こうおっしゃっています。「今後の問題点として多分こういうものが浮き上がってくるのではないかということで、集団的自衛権もその一つになるのではないかということで話をしました。」と。 だから、今現状が問題があるかどうかというのは今の大臣の認識と多分同じだと思います。だけれども、そういう認識なのかという技術的なところでどうなのかというのは、やはり本人から聞かないとわからないんです。 私は委員長にお願いをしておきたい。 国会の統制、国会のコントロールというのは一体何なんだろうか。かつて防衛庁の前身の時代には、国会に職員の皆さんが来ていただいて議論があっています。現実に即して、そしてそれに向かって、法制度やさまざまなものがどのようにあっているのか、そうではない、未来に向けてどうなのかということがきっちり議論されないといけない。 現場の人たちの意見を国会のどこでも聞く場面がなくて、それでもって議論をするというのは、きょう、さっき事態特でも大臣はお答えになっていましたね、自治体との協議会も自衛隊の職員の皆さんの間でふだんから頻繁の意思疎通をしていくんだという答弁をされていました。国会ではそういう場面がないわけですよ。そのことは与党、野党関係なく、私たちは現場で、別に戦争をしに行く部隊ではないわけですから、その人たちが今の法律に沿ってどうかということはちゃんとやらなきゃいけない。 ぜひ委員長にお願いをしますが、海幕長御自身から現状の今のお考えをお聞きしたいと思いますので、理事会でお諮りいただきますようにお願いいたします。
○斉藤委員長 先ほどの理事会でもお話がございました。与野党間で協議が相調わないというような状況でございましたので、それぞれの党にお持ち帰りいただくということで、先ほど話が済みました。
○原口委員 記者会見で、こうおっしゃっているんです。「解決しなければいけないというのは、つまり海幕長御自身としてはいずれかの段階で認めるべきだという……。」つまり、集団的自衛権をいずれかの段階で認めるべきだという御意見なんですね、そういう問いに対して、海幕長は、こう答えています。 当然ですね。そうでなければ、まあ、もちろん今の法体系の中で任務が決められればその中で我々がやるわけですけれども、それでは国際的に十分な活動ができないということは、もうこれは皆様方の周知のとおりだと思っております。 と言い切っていらっしゃるわけです。「当然ですね。」、将来は集団的自衛権を行使するというのは当然だとまで言っているわけですね。 この認識は、大臣、同じですか。
○石破国務大臣 それは講演ではなくて、記者会見のものでございましょうか。翌日の記者会見で海幕長がそのように発言をしておるということも、私は読んでおります。同時に、その講演において、これは個人的な発言だということも言い、そして会見におきましても、個人的な発言だということを申しておるはずでございます。 つまり、現状において不都合があるか、それはもう現状において不都合はない、我々は与えられた法の中でやることは当然のことであり、政治に対して物を申し上げるようなつもりも全くないということも、海幕長は明確に申し上げておるところでございます。 将来的にどうなのかということは、それは、いわゆる冷戦期の構造と、今の、何が相手がわからない、そういうテロにおける環境と、いゆわる国際的な、特に海上における状況というのは変わってきた、あるいは将来変わり得るということがあるのだろうと思っています。 私どもといたしまして、もちろん私も、そして海上幕僚長も、海上自衛隊、全自衛隊、今の政府の解釈に従うということは当然でございますし、この中で、与えられた法に基づいてきちんとしたことをやる、これは当然のことでございます。 将来的に、いろいろな環境が変わり得るときに、日本として何が本当に日本の独立と平和、国民の生命と財産を守ることに資するものになるのかということは、政治の場において御議論をいただくことであり、それは私ども逃げているわけでもございません。それについて話すのがおまえの仕事じゃないかと言われれば、それはそういうような御見解もあるでしょう。しかし、今、憲法調査会においていろいろな御議論がなされ、御党においても、また自由民主党においても、憲法についていろいろな議論がなされている。 それは、まさしく今の憲法、今の法律に基づいて活動する、これが当然の我々行政府と、その立法、まさしく法律をつくるという権能をお持ちの国会における権能、立場、それはおのずから違うものだと思っております。私どもは、今の憲法の解釈、今の与えられた法、それにのっとってベストを尽くす、そういう立場でございます。
○原口委員 大臣、今までいろいろな場面で議論をしてきましたので、聞いたことだけ答えていただきたいんです。 記者会見では、講演を離れて、そして別の設定でそう答えているわけですから、やはり本人に来てもらわないとこれはなかなからちが明かぬなと思います。 こう言っているんです。さっきの脅威の変化について、「将来的にこれだけいろいろな状況が変化している中で、脅威が変わっている、」これはこのとおりだと思います。そして、さっき大臣がおっしゃった脅威が「あるいは多様化している、世界じゅうの海軍はコアリションに向かっている、そういう情勢の中で必然として出てくる問題」、これが集団的自衛権の問題だ、そういうふうに「認識しているということで発言しましたので、政治的に物申すということなどはみじんも考えておりません。」と。 「政治的に物申すということなどはみじんも考えておりません。」というのは、これは矛盾なんですよ。そんなことは申しているわけですよ。政治的なイシューなわけです。論点が分かれてきているわけで、それを現場の人がどのようにとらえているのか。これからコアリションの中に本格的に入っていく、そのことが脅威に対抗できる一番の道だと思っていらっしゃるわけですね、恐らくこの文面を見ると。 そこで、いわゆる政治の中で、集団的自衛権は持っているけれども行使できないという、このことについては、集団的自衛権は認めるべきである、行使も認めるべきであるということを当然だとまでおっしゃっているわけで、これは、幾ら最後に「政治的に物申すということなどはみじんも考えておりません。」なんて言っても、おっしゃっているわけです。争点になっていることをずばりと言っている。 私は、それが悪いとは言っていないんですよ。むしろ、現場からしっかりとした意見を上げていただいたのかもわからない。ちょっと前の国会だったら、これで紛糾するでしょう。しかし、私は冒頭なぜ物を申したかというと、現実に向かってどっちかという判断をしなきゃいけない、それを現場で担っている人の意見を聞かないといけない、たまたま今まで現場でさまざまなオペレーションをしている人たちはそれこそそういったことをおっしゃらなかった、あるいはおっしゃる環境になかった、それがおっしゃった、おっしゃったんだったら、それはどういう意味ですかということをぜひ聞きたいと思って、大臣に質問しているわけです。 いかがですか。今まで過去何年も大臣とはこの問題について議論をしてきましたが、認識の違いはないと思いますが、いかがですか。
○石破国務大臣 また余計なことを答えるなとおしかりをいただいたら申しわけないんですが、コアリションって何なんだということについてやはり一つの認識を持つべきだと私は思っているんです。 これは条約に基づくものではない。ある意味でフレキシブルな対応であり、権利義務というものを伴うものではないというコアリションというものはどういうものなのだろうか。そして、自衛権というものが、必ずそれがベースにあるものなのか、そうではないのか。 コアリションとは何なのだということについて、これは私、議論を逃げるつもりで申し上げているのではありません。これからはコアリションだというときに、コアリションとは何なのかということについて一つの認識の統一を持ちたいと思っているのでございます。これが自衛権と密接不可分かといえば、必ずしもそうではない場合もあり得るだろうというふうに考えておりまして、先生が御指摘になりました情報の面においてどうなのかということもございます。 認識は一緒なのかということについてお尋ねでございましたので、集団的自衛権につきまして、私は、政府の一員として今までの解釈に従うということは当然であるということ、そしてもう一つ申し上げれば、これも前に委員に答弁したかもしれませんが、集団的自衛権が認められないからだめなんだという議論と集団的自衛権なんかとんでもないという議論は今まで交わったことがなかったかもしれないと思っているのです。 私は、集団的自衛権は必要最小限の範囲を超えるので保有はしているが行使はできないという中にあって、では、どこまでできるんだということ、そこはきちんとしたいと思っています。それは、憲法の解釈、そして法律に従うことは当然ですが、本当にここまでできるのかできないのかということをきちんと詰めませんと、これはなかなか国民の生命や財産、国の独立と平和を守るという義務を履行したことにはならないと個人的には思っております。
○原口委員 ちょっと苦しいですよね。コアリションって、では何ですか。 それから、集団的自衛権は、どこまでできるかとおっしゃいますけれども、行使できないわけですから、それはゼロサムなのか、それとも、どこからどこまでが個別自衛権で、そこから先は集団的自衛権になりますよ、こういう議論をやらないと中身がないと思います。どうぞ。
○石破国務大臣 訳しようがないんですが、コアリションというのは。それを有志連合と言うとますます何だかよくわからなくなってしまいますのでコアリションというふうに言っているわけですが、一つは、条約に基づくものではない、それから、権利義務を伴うものではない、そして、一つの指揮命令系統によって動くものではないというふうに理解をいたしております。 そういうコアリションというものがこれから先どういうふうになっていくのか、こういう今までなかった形態というものを我々はどう理解したらいいのか、そういうようなことについて認識の一致を見たいということで申し上げました。コアリションもまだ人口に膾炙した言葉ではございませんし、これがコアリションだということは、もちろん、国連憲章上、定義づけられているものではございません。そういう意味で、コアリションとは何なのかということについて認識の一致を見たいというふうに申し上げました。 それから、集団的自衛権について、ではどうなんだという御指摘でございますが、例えば、イージス艦を出しますときに、どうなんだというお話が随分昔ございました。これは、イージス艦を出す、そしてまたデータリンクによってつながることは集団的自衛権ではないかという御議論もございました。 しかしながら、それはそうではないのだという整理をいたしたはずでございます。それは、今までは、どうもそういうようなことはとてもいかぬねという話でありましたのが、きちんと整理をしましたときに、情報の共有、そしてまたデータリンクシステム、11か16かは別にいたしまして、データリンクシステムを使って情報の共有をするということは集団的自衛権とは別の問題であるというような整理をいたしました。 どれが集団的自衛権に当たらないものなのか、集団的自衛権に当たるということは私どもやってはいけないことでございますので、何が集団的自衛権に当たらないかということは、一つの例を挙げればそういうようなことだったと思っております。それが、保有はしているが行使はできないという政府の立場を変えるものではございません。
○原口委員 だから、海幕長は、ここで、将来的には集団的自衛権の行使ということに踏み込むべきだと明確に言っているわけです。それは、外国特派員協会だけでおっしゃったのだったらあれだけれども、そのときには個人的な意見と断っていますが、翌日は、これは記者会見ですから、記者会見でやっているものを個人的な意見とは言えないわけで、ここまで言っておきながら——内容が悪いなんて一言も言ってない。だから、それは現実から見てどうなのかということをここで聞かせてほしい。 防衛庁長官、伺いたいんですが、長官は制服組の人たちとも意見交換をなさっていますね。私たち国会は、それをやる場というのは、この国会の、つまり委員会という場ではなかなかないわけです。それは、政治の判断をする人間が判断のもととなる現場の人たちの意見をこの国会の場で直接聞けないということなんですね。私は、これは改めた方がいいというふうに思うんです。防衛庁長官の見解を伺います。
○石破国務大臣 これはもう——個人的な見解などをこんなところで言ってはいけませんね。ごめんなさい。 集団的自衛権の行使を、やり方はいろいろございますよ。政府の解釈を変える、あるいは一つの法律をつくる、あるいは憲法を改正する、いろいろなやり方はございましょう。しかしながら、それを決する権能を持っているのは、それは行政府なのかもしれないし、立法府なのかもしれない。それは、憲法の解釈を変えるだけでいいんだという説に従えばこれは行政府という話になりましょうし、そんなことでは、しょっちゅう内閣がかわるたびにそんなに解釈を変えられてたまるかよということになればそれは立法府、いろいろな議論がございます。私は、どれが正しいと言っているわけではございません。 しかしながら、いずれにいたしましても、それは防衛庁なり制服組なりというものが物を申し上げるという性質のものではないと思っております。はっきり申し上げておきますが、それは、国会という場において、制服組としてこういうことであるということを申し上げるということはするべきではないと私は考えております。 他方、議論がございますのは、軍事専門家としての、つまり、私もオタクとかなんとかいろいろ言われますが、きちんと自分で武器を使い、やったことではございませんので、それをあれこれ申し上げましても、それは専門家に聞かなければわからない。これは、軍事ではなくて、科学でも何でもそうなんだと思っています。そういう場合に、軍事専門家としてどういうことなのかということを求めることは、それはあり得るという御議論もこれはございます。 同時に、たとえそのような軍事専門的なことでありましても、例えばイラク特別委員会のときでも議論をしておることでございますが、それを公にするということによって、兵器の性能あるいは使い方について公になることが我が国の国益に反する場合はどうなのだという御議論もあって、これは、合衆国において、委員が一番よく御案内のことでございますが、合衆国において、軍人が物を申すときには、それは本当にきちんと、政策の判断にしても、外へは出ないねというような、そういうようなバリアといいますか、システムといいますか、それもあるわけでございます。 そのような御議論もあろうかと私は考えておりまして、その中でどういうふうにあるべきなのか、それは議会で御議論をいただき、先ほど委員長がおっしゃいましたように、各党にお持ち帰りをいただいて、私は、きちんとしたことが、国会で政治が責任を持って申し上げるべきものだというふうに考えておるわけでございます。
○原口委員 今の大臣の御答弁であれば、大臣は、この海幕長を解任するか、呼んで事情を聞かないといけないと思います、政治の判断をしているわけですから。 今、大臣は、他国の例では、そういうものについて、クローズドした中でいろいろな議論を交わす、自由な議論を交わすと。これは大事ですよ。しかし、ここではどうですか。ここまで言っているんですよ。 これは二十日の記者会見です。 例えば集団的自衛権の認められない国の海軍として、そこから、信頼関係という意味で損なわれるものというか、そういうことを感じる瞬間がありますか。 答 それは当然、現場に出ればあると思います。例えば練習艦隊で世界じゅうを回っているときに、何かあった、海賊行為を目の前で見た、そういう場合にじゃあどうするかとか、海軍として行動ができない、それは国内法でそういう任務が全くありませんし、規定されておりません 現行でも不都合があると言っているじゃないですか。集団的自衛権がないことによって信頼関係が損なわれるとまで、ちゃんと言っているんですよ。これはまさに、政治イシュー化したさまざまな問題についての判断をここで下しているじゃないですか。大臣がおっしゃっている、国会との間で制服組といろいろな中で議論をする、それは外に漏れないように議論をするということじゃないじゃないですか。これは記者会見で、海幕長としての記者会見をしているわけですから。 私は、今の大臣の答弁では納得できません。いかがですか。
○石破国務大臣 海賊云々の話は、それは必ずしも集団的自衛権に直結するお話だとは思っておりませんし、現状で今まで不都合があったというふうな認識も私は持っておりませんし、そのような報告も受けてはおらないところでございます。 それは、将来的な課題としてどうなのだということを、もちろん、政治に物を申してはいけないということは自衛官すべてよくわかっておることでございます。政治へ物を申してはいけないというのは、シビリアンコントロールに反してはいけないということに置きかえてもよろしいわけでございます。そのことも十分認識の上で、個人的な見解として言っておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、政治の場で専決的にというか、政治の場しか決め得ないことだと思っております。 ですから、それを自分が決めるとか、こうあるべきだとか、そういうことを申したとは思っておりませんが、そのように委員が、委員というよりも、多くの、一部の、どちらでもよろしいのですが、方々がお感じになるということは好ましいことではないというふうに思っております。 しかし、そのことは海上幕僚長自身も、個人的な見解であり、政治に物を申すつもりはないということもよくよく認識の上で申しておることでございますが、今回のこと、また私もよく考えてみたいと思っております。
○原口委員 大臣は普通、もっとシャープな答えをされますよ。非常に論理明快。だけれども、今のはわからない。どう考えたって、政治的な発言をし、そして、この記者会見の個人的な、これは閉ざされた中のあれですから、この中で自由な議論をするというのは百歩下がってまだいいでしょう。しかし、完璧に踏み込んでいるんじゃないですか。シビリアンコントロールと言うのだったら、国会に来て、まさに今の論点を、そのシビリアンコントロールをあなたはどう思っているのかということを聞かないといけないんです。 今、大臣は、片っ方で御自身の中の相矛盾するような感情と闘っていらっしゃるのかもわからない。私は、オタクだと全然思っていませんよ。技術の形、それをきっちり研究するというのは大事なんですよ。大事だけれども、研究するだけじゃなくて、そこでオペレートしている人たちから聞かなきゃいけない。しかし、そのオペレートしている人たちがまさに政治の領域まで踏み込んで発言してくること自体、私たちのシビリアンコントロール、まさに国会のコントロールから外れるんじゃないですかということを言っているわけです。いかがですか。
○石破国務大臣 私がいつもこれを申し上げ、あるいは委員もどこかでお耳に入ったことがあるのかもしれません。シビリアンコントロールというのは、軍事の専門家である軍人、私どもの場合には自衛官でございますが、それと、法律や予算の専門家である官僚というものがいて、それがそれぞれの専門の領域においてきちんと意見を述べ、そしてそれを、国民に対して直接責任を負い得るという一点において、その上に立っている、上という言葉を便宜使いますと、政治家が決断をするのだというのが民主主義、シビリアンコントロールであるというふうに私は理解をいたしております。それがどちらが欠けてもシビリアンコントロールというものは動かない、そういう認識に私は全く変わりはございません。 それがわからないで、よきに計らえということであれば、それは結果として、政治家は責任を負えばいいのかもしれませんが、不幸になるのが国民であるということだとすれば、それは政治の使命を果たしたことにはならないというふうに深く認識をいたしておるところでございます。それは、今は、委員もお気づきと思いますが、防衛庁の中におけるシビリアンコントロールという意味で申し上げました。 議会におきましてのシビリアンコントロールにつきまして、私が今ここできちんとした発言ができるような立場にはございません。それは本当に、私自身も安保委員会などに籍を置いておりますが、いろいろな議論をいたしました。しかし、本当に何が院におけるシビリアンコントロールの姿なのか。原口委員には原口委員のお考えがあろうかと思います。これは、逃げるわけでも何でもなく、この委員会においては、すべての方が、どうすれば一番よくなるかということをお考えなんだろうと思っています。 院における、あるいは委員会におけるシビリアンコントロールとは何なのかということについて、それは御議論を賜らなければいけないし、政府としてもそれを謹聴しなければいけないというふうに考えております。
○原口委員 だから、院におけるシビリアンコントロールを、私たちが、それこそ防衛庁長官をトップにする、本当は総理ですけれども、そこのシビリアンコントロールがどうきいているのかというのをチェックする上でその議論を今しているわけです。それをチェックさせてほしいということを言っているわけです。 もう一つは、防衛庁の中におけるコントロールも本当にきいているのか。二段でチェックをしなきゃいけない。 だから、この海幕長は、明確に、将来的に集団的自衛権は認めるんだというふうにおっしゃっている。(発言する者あり)認めるとおっしゃっているんです。中谷筆頭、隣でやじしないでください。その認識は、シビリアンコントロールの長である防衛庁長官と同じですか。
○石破国務大臣 将来のことはわかりません。現状において、それは、集団的自衛権につきましての政府の解釈、これに従いまして私はやるということを申し上げているわけでございます。
○原口委員 だから、そこがもうずれているわけです。将来的には必要だと言っている人と将来についてはわからないとおっしゃっている責任者とではずれているから、どうしてずれるんですかということを延々とこの質疑時間を使って聞いてきたわけで、ここまで来れば、本当のシビリアンコントロールを達成するためには国会の意思がどこの辺にあるかという議論をしておかなきゃいけないから、ぜひ古庄海幕長にはここにお見えいただいて、今の大臣の答弁と——大臣、将来はどうなるかわからないなんというのは、私たちは、予見すべき価値、十年、二十年、三十年、そういう中でさまざまなパースペクトを立てながら、どの段階で何をやるかというのを準備しなきゃいけないんですよ。こんなことを防衛庁長官にお話しする必要は全くないと思う。将来の長期計画に従ってどのような脅威にやっていくか。防衛は一日じゃ成らないわけですから、だから、まさに将来に対することをここで議論しているわけです。 きょうはイラクの問題について入る時間がありませんでしたけれども、逢沢総括副大臣にひとつ要請をしておきたいと思います。 一つは、国連児童基金のベラミー事務局長は、二十二日、イラク中部ファルージャの戦闘に言及して、四月に入って百二十人の小さい人たちが殺害されている、戦闘などに参加する勢力に対して、国際人道法に基づき子供と戦闘員を分けなさいということを言っているんですね。 百二十人ですよ。戦争は終わったと皆さんおっしゃっている、その中で、小さい人だけでどうしてこんな数の子供が亡くならなきゃいけないのか。どのように認識されていますか。
○逢沢副大臣 原口先生から、今、ファルージャの状況についてどういう認識を持っているかとの御指摘がございました。 十一日以来、停戦が順次更新をされています。本格的な停戦を私たちは期待いたしているわけでありますけれども、部分的なあるいはまた時間を区切った停戦というものが随時重なってまいりました。しかし、二十一日には、部分的ではあると承知をいたしておりますけれども、再び撃ち合いがあった。また、キミット准将が記者会見をなさったわけでございますけれども、武器の引き渡しが思うように進まない、そのことにアメリカはアメリカの立場で不満を表明している。そういう非常に緊張が高まっているという状況を大変憂慮いたしております。 今、子供さんが百二十人死んだ、これはユニセフでございますか、ここからの報告ということをお伺いいたしました。また、六百人以上の民間人が亡くなった、そのような報道があることも承知をいたしておりますが、公的機関による正式な発表の数字とは私ども承知をいたしていないわけでございますが、しかし、ユニセフという責任ある国際機関の発言をなさっておられることでございます。そのことをしっかり重く受けとめ、真実がどこにあるのか、そのことはしっかり外務省としても引き続き情報を集めてまいりたい、そのように思っております。 いずれにいたしましても、話し合いによりこのファルージャの緊張が緩和をされる、事態が鎮静をする、そのことのために努力が継続をされることを期待いたしております。
○原口委員 もうこれで終えますが、イラクの子供たち、イラクの人たちのためにということで自衛隊を派遣しているわけでしょう。その間にどれだけのとうとい命がなくなっているのか。 それから、人権についても、私は、この人質事件についての政府の、逢沢副大臣は、現地でこういう会見をされています。まずは人質になった人たちの健康上、精神上のケアが大事だということを何回も何回も言われています。私は、それは立派な見識だと思います。 しかし、国内にいた人たちは何と言っているか。まさにたくさんの傷を負った人に全く配慮なしに、人質の自己責任か何か知らないけれども、そういったことを言い、追い詰めていくこの態度、こんなことは一国の首相がやるべきことではない。一国の責任ある政府がやるべきことではない。 逢沢さんが現場で頑張られたのはよくわかりますよ。しかし、その中で、あの感情に任せた発言をして多くの信頼を傷つけている。こういうことについては人権上大変問題があるということを指摘して、質疑を終えます。 ありがとうございました。
○斉藤委員長 次に、達増拓也君。
○達増委員 では、その人質バッシングの問題について伺いたいと思います。 人質となった方、特に最初の人質になったお三方とその家族に対するバッシング、これは非常に目に余る、ゆゆしいものがあると思います。 これは基本的に日本国内で起きていることでありますけれども、外国におきましては、例えばパウエル・アメリカ国務長官やフランスのル・モンド紙が、あの三人について悪く言うものではないという趣旨の主張をしている。これは広く知られておりますが、けさの地方新聞に掲載された共同通信の記事によりますと、イタリアのANSA通信によりますと、無思慮で軽率な人々などという批判が日本では雨のように降り注いでいる、そういう報道を批判と冷淡さと題して報道した。批判と冷淡さ。まさにバッシングということが今一つ国際的な関心を持たれる問題になっている。 国内では自己責任論という言葉が使われることがありますけれども、私はこれは問題の本質を一部に限定してしまう言葉の使い方だと思っていまして、つまり、自己責任論といいますと、悪いのはその人たちだということを前提に、その中でしか議論が進まない。 そもそも自衛隊を派遣したことが原因ではないのかとか、CPAの治安維持の責任が果たされていないところに問題があるんじゃないかとか、何のかんの言ってもやはり人をさらうようなそういう犯人が悪いんじゃないかとか、そういう自分以外のところに責任あるいは理由、原因を広く見ていく視野を閉ざしてしまって、もうその三人が悪いのだという、そういう自己責任の土俵でだけ議論をするということは非常におかしいと思っていまして、私は、自己責任論という言葉は使わないで、今起きている問題については人質バッシング問題という言葉を使うんですけれども、これはもう国際問題になっていると言ってもいいと思うんですけれども、逢沢副大臣、この人質とその家族に対する国内でのバッシングについてどのように考えますでしょうか。 〔委員長退席、三原委員長代理着席〕
○逢沢副大臣 恐らくそのバッシングというのは、解放された三人あるいは後に解放されたお二人のことも含めてのお話かと思いますが、人質となられておられた御本人またその家族に対するいわゆるバッシングというふうに承知をするわけでございますが、さまざまな当人や御家族に対するいわゆる誹謗中傷がバッシングの形で無差別に行われているということがあるとすれば、それは大変残念なことである、遺憾なことである、そのように率直に申し上げておきたいと思います。 私は、現地緊急対策本部の責任者としてアンマンにおりました。ドバイに移動いたしまして、三人の方がバグダッドから移送され、ドバイでお目にかかり、羽田空港まで結局同行することになりました。肝胆相照らすような、十分時間をとって会話を交わしたわけではございませんけれども、いささか解放されたばかりのお三人の方に接触をし、先ほど原口議員からも御発言をいただきましたけれども、とにかく彼らには休息また精神的なリラックス、それが必要であるということを、直接御本人に触れた者の一人として痛感をいたしております。 確かに、解放直後、気持ち、心がまだ安定しない中で御本人たちが一部の発言をされた、そのことは承知をいたしておりますけれども、今まさに時間とともに平静を取り戻されつつある、そして、自分たちが実際にやってしまったことがいかに多くの方々の心配や迷惑を引き起こしたかということについても冷静に彼らは理解をしているというふうに、私は今現在は承知をいたしているところでございます。
○達増委員 一番最後の点についてはちょっと異論がありますけれども、今の答弁の中で、遺憾である、そういう誹謗中傷等のバッシングについては遺憾であるということが政府の責任ある方からきちっと言明されたことは、非常にいいことだと思います。 また、とにかく休息をとってほしい、休んでほしい、リラックスしてほしい、そういう言葉が当初から総理大臣と官房長官からも出ていればよかったと思うんですけれども、残念ながら、小泉総理からは、解放直後の人質に対する言葉としては、多くの政府の人たちが寝食を忘れて救出に努力したのに、なおかつそう言うんですかねという、これはテレビで見ておりましたけれども、語気を強めて、しかりつけるような口調でありました。 ドイツのシュピーゲル誌の特派員は、これはたまたま見ていたテレビのワイドショーの中で紹介されていたんですけれども、シュピーゲルの特派員の方は、これはもういじめだ、今のバッシングはいじめだというふうに言っていました。 学校のいじめ、クラスのいじめでそれが本当に陰惨になるのは、学校の先生がいじめの先頭に立つときなんですね。そういうケースが多々報告されておりますけれども、一国の首相が、普通の個人、普通の民間人に対して、あからさまに悪感情をぶつけるような形でああいう言い方をするというのは、本当に心ないことだったと思います。人質とその家族の心を傷つけるものだったと思うんですけれども、どう考えますでしょうか、逢沢副大臣。
○逢沢副大臣 一つ忘れてならないことは、いわゆる渡航情報、危険情報を二十回以上あるいは三十回近く政府は発出をしていたという事実であります。それにもかかわらず、三人の方は、イラクは大変治安が悪い、危険がある、そういったことは恐らく承知の上で、しかしなおかつ、その渡航情報を受け入れずにイラクを訪問した。そして、結果において、拘束をされ、大変多くの方々の心配や、あるいはまた救出に対するエネルギーを要してしまった。その事実は事実としてしっかり踏まえておかなくてはならないというふうに思います。 当のお三人の方々、また御家族を含めて、落ちつかれた段階で、先ほどにも申し上げました、軽率な行為が大勢の方に多大な心配をかけ、迷惑をかけ、そのことを大変反省しているという旨のことを発言なさっていらっしゃるわけでありまして、私どもは、そのことは素直なお気持ちとして、今現在、真摯に受けとめをさせていただいているところでございます。
○達増委員 またどうもちょっとバッシングモードに入ってきて、おやおやと思っているんですけれども。 多くの人の心配を引き起こした、また、エネルギーや、あと、副大臣は言われなかったかもしれませんが、コストについてもとやかく言う議論もありますけれども、この三人の人質になった方々について、そういったことを声高に言う神経がよくわからない。特に、政府側からそういうことを言ってくる神経がよくわからないんです。 なぜかといえば、例えば、これは防衛庁長官に伺おうと思った質問なんですけれども、自衛隊のイラク派遣に伴って、日本国内の多くの場所で警備のコストが高まっているんですね。この国会周辺、我々が直接経験しているだけでも警備の人数は物すごくふえています。この人件費、このコスト。そして、今までしていなかったような新しい警備も行われている。これは国会だけではないでしょう。日本じゅうのいろいろな公的施設や、あるいは人がたくさん集まる民間の施設でも同様だと聞いております。駅でありますとかあるいは新幹線の中のごみ箱が使えなくなったりとかしていますよね。 これは、多くの人が心配して、また、エネルギーやコストがかかっているわけですけれども、これを、こういうことがあたかもないかのごとく、その三人が人質になったことのためにそういうことが起きたかのごとく言うのは、余りに一面的だと思うんですね。 既に我々は、自衛隊の派遣によってそれだけの、国民一人一人が不便を強いられ、迷惑をこうむり、心配しなきゃならない状態になって、また、政府挙げてエネルギーとコストを使う状態になっている。そうなんじゃないでしょうか。
○石破国務大臣 委員は本当にそう考えていらっしゃいますか。本当にそのようにお考えでいらっしゃいますか。(達増委員「失礼だ」と呼ぶ)これは、もしそうだとしますと、いや、私、聞き違いかと思ってお尋ねしたのですけれども……(達増委員「気違いと言いましたよ、今、気違いと」と呼ぶ)聞き違いと申しました。
○三原委員長代理 聞き違いと言っているんですよ。
○石破国務大臣 聞き違いと申しました。と申したかのように聞きましたが。それは、法に基づくもの、そして、民主主義において決せられた法に基づいて自衛隊は派遣をされておるわけでございます。そして、そのことによって、委員は、危険が増した、自衛隊を派遣したから危険が増した、それでみんなが迷惑をしている、そういうような御指摘かもしれません。 しかしながら、この国は、委員がよく御案内のとおり、法律に基づいて、御党は反対の立場であり、与党は賛成の立場であり、法に基づいて自衛隊を派遣いたしております。そのことと今のお話を同列に論じるということは、これは違う部分があるのではございませんでしょうか。 それは、自衛隊が行ったからみんなが迷惑をしているのだというような御指摘だと思いますけれども、自衛隊をなぜ派遣するかということにつきまして、政府は随分と御説明を申し上げました。それは、一つは、石油の問題云々、もうここで繰り返すことはいたしません。そして、議会において多数の賛成をいただき、そして実施の措置についても多数の御承認を得て派遣をしておるわけでございます。そういたしますと、そのことについてどうなのだ、国民は納得をしていないというお話になりますと、これは、民主主義とは何なんだ、こういうお話になろうかと思います。 それは、これを同列に論じるということにつきましては、私はいかがなものかと考えております。
○達増委員 いきなり答弁の冒頭で、本当にそう思っているのかということを言われまして、そう思っているから質問しているわけでありまして、そのいんぎん無礼な答弁に少し言葉を荒げてしまったことについてはおわびをしたいと思いますけれども、小泉総理が、日本人、日本国民の精神が問われていると言って、一大決断をしてイラクに自衛隊を派遣したときには、いろいろなリスクや、いろいろなコストや、いろいろな心配や不便というものを国民全体で引き受けようという覚悟があったんじゃないかなと思ったので、今のような質問をいたしました。 また、合法的に自衛隊は派遣されているということですけれども、たしか人質になったお三方は法律には違反していないんだと思うんですけれども、そういう意味では合法的に活動をされていたんだと思います。 政府の考え方がいかに異常かと思われることについて、さらに質問いたします。 先ほど、逢沢副大臣が、渡航情報、退避勧告、これを繰り返し出していたと。きょうのお二人の人質解放に関する報告の中でも、「イラクへの渡航はどのような目的であれ、絶対に控えること、また、イラクに滞在する邦人の方はイラクより直ちに退避することを強く勧告していきたいと思います。」という報告がありました。 ボランティアはもちろん、プレス、ジャーナリスト、そういった報道関係者もイラク国内から一人もいなくなることが望ましいと言っているんだと思うんですけれども、古今東西、戦争報道とか戦場ジャーナリズムというのはあるわけでありまして、そういったものがこの日本に関して全くなくなってしまうことを政府は期待しているんですか、逢沢副大臣。
○逢沢副大臣 言うまでもないことでございますけれども、報道機関の活動は大変有意義であり、また、必要なことであると思います。いついかなる場所にあっても、何が起こっているのか、また、起こりつつあるのか、それを日本の国民に、あるいは世界の人たちに真実を伝えていくとうとい活動であるというふうに、基本的にはもちろん認識をいたしておるわけであります。 その上で、イラクのことに限定して申し上げるとすれば、それは、政府は渡航情報を出し、危険情報の中で最もレベルの高いいわゆる退避勧告、イラクに入っていただくわけにはいかない、あるいはまた、イラク国内にいらっしゃる方は直ちに国外に出ていただきたい。これは勧告ということでございますが、あくまで強いお願いというふうに言いかえた方が適当かもしれません。そういう渡航情報、危険情報を出して、ぜひこれを聞き入れていただきたい、そういう立場に立っているわけであります。これは、申し上げるとすれば、報道関係、マスメディアの方々も決して例外ではないというのが私どもの立場でございます。
○達増委員 これは防衛庁長官にも伺いたいんですけれども、戦場ですら従軍記者というのは存在するわけですね。今回のイラク戦争に当たっては、米軍が多数そういう報道関係者を伴って作戦行動をやったということが話題になりました。 しかるに今サマワは、もう完全に日本人報道関係者は航空自衛隊の力もかりてサマワからは引き揚げたと聞いておりますけれども、サマワから日本人報道関係者が一人もいなくなるというのは、これはある意味非常に異常な事態だと思うんですね。戦場ですら従軍記者というのがいるのに、サマワにはもうそういう報道関係者がいない。これは、サマワというのはもう戦場以上に危険な場所になってしまっているということになるんじゃないでしょうか。
○石破国務大臣 先生も外交官でいらっしゃいましたから、従軍記者とは何かということについてよく御案内のことだと思います。あるいは戦争中の日本の従軍記者というもの、あるいは従軍画家というのもおりました。従軍作家というのもいたかもしれません。それはもう軍の一員あるいは軍属という言葉がよろしいかどうかはともかくとして、軍の中にあって軍とともに行動する、今アメリカがやっておりますエンベッド方式というのがそれに近いものなのかもしれません。日本の場合には、それと違う形で行動というものをいただいております。 ですから、それが記者がいなくなるほど危険だから自衛隊がいてもいいのかということは、もともと申し上げておりますように、自衛隊が持っております権限、能力、装備というものをその方々は有しておりませんので、だから自衛隊はいなくなるべきではないかという御議論には私は直結しないのではないかというふうに考えておるわけでございます。 もちろん、異常な事態とおっしゃいますので、そのことについて一つ申し上げれば、現地から日本人の記者の方々発の報道が出てこないことになります。そのことをどうやって国民の皆様方に、よいことも、あるいは御批判をいただくべきことも開示をしていくかということにつきましては、私どもその日からずっと考えておることでございます。足らざるところあればまた御指摘をいただきたいと思います。
○達増委員 今の大臣の答弁で、従軍記者というのは軍の中に組み込まれているという指摘、これは全くそのとおりでありまして、ですから、むしろ戦争、きちんと形を整えた戦争の方が、戦争ではないけれどもいつ攻撃されるかわからないような今のサマワの現状より一種秩序があるんですね。 ちゃんと敵味方がはっきりしていて、前線と後方がはっきりしていて、後方にいれば、昔のイギリス軍であればゴルフをしたりとかもしていたそうなんですけれども、そういうきちっとした国際法上戦争とみなせるような戦争であれば、かえってそこには秩序がある。そこに参加するもののコントロールできるところがあるわけですが、実は、今のイラクというのは、全体として、もうそういう一種伝統的な戦争以上に無秩序になっているわけですね。だから、いつ、どこから攻撃されるかわからない。 むしろ普通の伝統的な戦争の方が奇襲を受ける可能性は低いんだと思いますよ。ちゃんと斥候も出してどこまで敵が来ているか調べたり、また、敵が近づいてきたら迎撃、攻撃する、反撃するとか、そういう戦争であればかえってそういう秩序、安全というのを確保しやすいんですけれども、今のイラクのように、そういう秩序立った戦争じゃない今のイラクの状況の方が、かえって、いつ、だれが、どこから攻撃してくるかわからない。したがって、サマワもまたそういう状態にあるということなんだと思います。 このイラク特措法は、伝統的な意味での戦争に参加するんじゃない、そういう戦争が起きないようなところを非戦闘地域と定義しているわけですけれども、今のイラクで問題になっているのは、そういう伝統的な戦争かどうかじゃないんですね。そこで話が違うぞということになっているんだと思います。 イラクに軍を派遣した多くの国々で、これは話が違うぞということになって、これは外務副大臣に伺いますけれども、既に駐留をやめた国、今後撤退あるいは期限後の駐留継続をしないということで事実上撤退する、そういう予定の国、今どのくらいになっているか、伺いたいと思います。
○逢沢副大臣 撤退を決定した国、国名だけまず順次挙げさせていただきますが、スペイン、ホンジュラス、ドミニカであります。また、撤退の可能性について言及をしている国、これは撤退するということを決めたわけではない、場合によっては、あるいは条件が変わればそういうこともあり得べしという意味で可能性について言及、あるいは若干とも責任ある立場の方がそのことを言及しているということも含めてでございますが、タイ、フィリピン、ノルウェー。 また、派遣継続を明確にしている国、イタリア、カザフスタン、グルジア、ハンガリー、ポルトガル、マケドニア、リトアニア、ルーマニア、韓国、アルバニア、エストニア等々でございます。
○達増委員 大分、去年の今ごろに比べると話が違ってきているということだと思います。 さて、人質問題について話を戻しますけれども、今回、人質事件解決に当たって、多くのイスラム教関係者が日本人人質解放を訴えてくれました。これについてどのように評価しているか、逢沢副大臣に伺います。
○逢沢副大臣 今回の事件解決につきましては、実に多くの方々、さまざまな個人あるいはまた機関、組織の方に実際にお世話になってきたわけでございます。その中には、多数のイラク関係者、そして今委員御指摘のイスラム教関係者等々は当然入っているわけでございますが、イラク政府また周辺国、そして多くの世界の国々からもお世話になりました。 そして、特に人質解放直後、外務大臣談話におきまして、また現地におきましても、イラク・イスラム聖職者協会を含むその宗教関係者の方々に対して、政府としての謝意を伝達したところであります。また、十八日には、バグダッド大使館の上村臨代を通じまして、今申し上げましたイラク・イスラム聖職者協会に対し、外務大臣からの謝意のメッセージを改めて伝達させていただいたところであります。
○達増委員 また、今回、アルジャジーラなどの報道で、アラブ世界といいますかイスラム世界といいますか、そうしたところに広く日本人人質またその家族に対する同情が広がり、これが日本に対する好感の広がりにもつながったと思うんですね。 これは、民主党からアンマンに飛びました藤田幸久民主党国際局長にしてこの委員会の理事でもありますけれども、藤田幸久議員によりますと、帰りの飛行機、その飛行機の中のフライトアテンダント、キャビンアテンダントさんも、藤田議員を日本人だと見て、よかったですよねと。本当に多くの人たちがそういう日本人に対する、また日本という国に対する共感を共有した。このことは非常にいいことだと思うんですけれども、どのように評価しますでしょうか。
○逢沢副大臣 アルジャジーラを初めメディアを通じて広くこの解放を熱望する、また、呼びかける真摯な日本人の声が届いたことは大変有益であったというふうに、私ども積極的に評価をいたしております。 事件が明るみに出まして直後に、川口大臣はビデオを撮りました。結果的には、アルジャジーラ、アルアラビア、あるいはCNN等々、中東のいろいろなメディアを通じてメッセージが流れたわけでありますし、また、人質となられた家族の方々の記者会見の模様、実は私もアンマンの現地対策本部でテレビを常時つけていた状況でございましたけれども、中東にも多くその家族の訴えが放映、報道はされたわけであります。 日本とイラクには長い友好の歴史があります。土壌、素地として、日本に対する好感度、非常に高いものがある上に、今回このような不幸な事件が起こった。しかし、日本からはこういう涙のメッセージが届いている。そのことが事件を解決に持っていく一つの大きな力になったのではなかろうか、そのように承知をいたしております。
○達増委員 なかなか、日本という国や日本という国民について理解してもらい、また共感を得てもらう、好意を持ってもらうというのは、ふだんの外交活動でも難しい、大変なことだと思うんですけれども、けがの功名といいますか、雨降って地固まるといいますか、こういう例えを使うときには言葉は注意しなければならないんですけれども、一種、日本の国益に資する効果もそういう点ではあったと言えるんだと思います。 特に高遠さん、ボランティアの高遠さんについては、アルジャジーラのみならずCNNや世界じゅうで報道されて、アラブ世界やイスラム世界のみならず世界じゅうで高く評価されるボランティアというふうになったんだと思います。パウエル国務長官も褒めているくらいであります。 そういう高遠さんに対して、日本政府が厳しい言葉を投げつける。高遠さんだけじゃなく、その友人や家族に対しても厳しい言葉を投げつけ、あまつさえイラクでのボランティア活動を否定するような発言、あんなことはしなきゃよかったみたいな、しない方がいいんだとか、そういうボランティア活動を否定するような発言をするのはかえって国益に反することじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○逢沢副大臣 高遠菜穂子さん、そして今井紀明さん、また郡山総一郎さん、この三人の方が無事解放され、保護され、既に帰国をされ、それぞれの御地元に帰っていらっしゃる、そして今、休息をとられていることは、大変よかったなというふうに思っております。 実は、あるところで私も申し上げたわけでございますが、イラクの人たちあるいはまたイラクの子供たちに熱い思いを寄せる、何とか手助けをしたい、また力になりたい、そういう思いを持つことは非常にとうといことだという発言をいたしました。今でも私はそのように思っておりますし、また、あえて申し上げれば、写真家であられる郡山さん、イラクの現状を写真に撮り、それを世界の人たちに生のイラクを伝える、そういった気持ちを持っていらっしゃることも、これも評価をされてしかるべきというふうに思っております。 ただ、あえて一言申し上げるとすれば、そういう思いをいつ行動に移すか、イラクに入るという行動にいつ移すかということについては、いささか思慮が足りなかったのではないかというふうには承知をいたしておりますけれども、しかし、新しい国づくりに挑戦をするイラクに対して気持ちを寄せていらっしゃる、そのことは評価をされてしかるべきというふうに思います。
○達増委員 あえて一言の前の答弁は大変すばらしい答弁で、関係者の皆さんにもすぐにもお聞かせしたいところだったと思うんですけれども、あえて一言の後、いつ、どう行動に移すかというところについては云々ということですけれども、実は、まさにそういうところに自己責任という言葉、つまり、いつ、どう行動に移すかというのは、政府だって適切なアドバイスはできないんだと思います、どうやればうまくいくかというのは。だから、行くな、戻れという勧告をしているのでありましょうから。 でも、そういう状況の中で、いつ、どう行動に移すかというのは、まさに自己責任で、その当事者が命かけて真剣に考えて決めることですから、その結果については周りはとやかく言わないというのが自己責任論の本質だと思いますね。まして政府高官が非難めいたことを言う筋合いのことではないというのが自己責任論という言葉の正しい使い方だと思います。 さて、ちょっと時間がなくなっているので先に進みますが、今回の人質事件で、ファルージャ周辺を中心とするイラク国内における地域社会のありよう、また部族社会の機能、そしてイスラム教関係者の行動様式について、非常に多くの貴重な知見を得ることができたと思うんですね。 モメント・オブ・トゥルースという言葉がありまして、クライシス、危機のときこそそれまでよくわからなかった事柄の本質、真実が見えてくるということがありまして、今までイラクの中がどうなっているのかよくわからなかったところが、今回の事件のおかげで、機密費を何百万円、何千万円あるいは何億円かけてもわからなかったようなことも今回の事件でわかった。それは一つの国益じゃないかと思うんですけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○逢沢副大臣 どのように申し上げたらいいかというふうに思うわけでありますが、もちろん、海外における日本人の安全の確保、邦人保護、これは、いついかなるときにあっても政府の重い責任の一つでございます。もちろんそういった考え方から、今回の人質事件に対してもできる限りのことを政府としてやり、結果的に解放されるという、よい結果になりました。 その過程にあって、今委員御指摘をいただきましたように、大勢の方々の力を得ました。また、この共同のオペレーションを通じて、確かに、いろいろな経験を積む、あるいは信頼関係が結ばれるということも結果的に得られたというのは事実であろうかと思います。 とりわけ、イラク社会に大きな影響力を持つ宗教界の方々、あるいは部族の世界の方々と言うべきでしょうか、そういった方々がどのようなビヘービアを持っているか、どのような力を持っていらっしゃるかということも多く学ぶことができたということは、率直に申し上げておきたいと存じます。
○達増委員 イラクは今、国家がない状態、国家を代表する自前の政府を持たない状態ということなんですけれども、それが今のイラクの諸問題の本質だと思うんですね。治安についても、イラク国家として治安を維持できないから、CPAだアメリカ軍だとかいろいろやって、やはり国連中心にしようという議論になっているんでしょうけれども。 ただ、実は、今回の人質事件で、ファルージャという地域社会や、あるいは部族社会であるとか、またイスラム教社会、そういった、国家はないんだけれども社会というのは厳然としてあって、それぞれが独自の生理に従い、またそれぞれのルールを持って動いている、それがうまく機能すればいろいろな問題が解決できるということが教訓だったんだと思います。国家というものもさることながら、社会というものに注目しなければならないと思うんですね。 これは数週間前のニューズウイークで、ファリード・ザッカリアという、主任論説委員と呼んでいいんでしょうけれども、ニューズウイーク誌の論説をほぼ毎週書いているザッカリアさんが指摘しているんですけれども、今日のテロリズムというものは、国家が支援しているのではない、国家がテロリストを支援しているというよりは、社会がテロリストを支援しているのだと。 昔は、国家がテロリストを庇護している、そこに問題の本質があったかもしれないけれども、最近の本質は、アラブの富裕層の青年、オサマ・ビンラディンがまさにそういうところから出てきているんですけれども、そういうアラブのいろいろの不満を持つ富裕層であるとか、あとイスラム教の中の特定のグループであるとか、そういう社会的なネットワークにテロリストが支えられている。 だから、テロリストを守る、支える国家をどうにかしさえすればいいというものではなく、そういうテロリストを支える社会というのに注目しなければならないのに、ブッシュ政権というのは、クリントン政権に比べると、そういう社会的ネットワークというものへの注目が足りなくて、ブッシュ政権はむしろ国家というものにこだわり過ぎて、ならず者国家、イラク、イラン、シリア等々、そういった国家にこだわり過ぎてイラク戦争を起こしてしまうようになったという分析が書いてあって、なるほどと思ったわけです。 国家にこだわり過ぎて、なかなか事がうまくいかない。もっとイラクにおける社会というものに注目して、その社会の生理に反しないような形でじっくり国づくりをしていかなきゃならない。今、さまざまな暴力ざたが出てきているのは、そういう社会の生理に反するような形で、とにかくアメリカ大統領選挙のスケジュールに合わせるような形で国づくりをしなきゃならないというところに無理が来ているわけであって、そこはアプローチを本当に国際社会全体として変えなきゃならないんじゃないかと思うんですね。 そういう中で、国連ですとかNGOというのは昔から、そういう社会ですね、国家もさることながら、その国家の中にあるいろいろな社会を相手にすることについては、国連やNGOというのに蓄積があるわけでありまして、この国連やNGOの関与というのをより強化して、そしてイラク社会の生理に合わせた国づくりをしていくというふうにやり直していくべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○逢沢副大臣 イラクの新しい国づくりを考えますときに、今委員御指摘のように、宗教指導者あるいはまた部族関係者、こういった方々がどういう機能を果たすか、また、どういう影響力や力を持っているか、そのことを常に念頭に置いておかなくては決してうまくいかない、率直にそういう思いをいたしているところであります。 ブラヒミさんがバグダッドに戻ってこられました。いよいよ国連が再び前面に出る形で政治プロセスを推し進めよう、こういう非常に貴重なタイミングを迎えました。その当のブラヒミ特別顧問は十四日に記者会見をし、いわば最初のブラヒミ構想を明らかにいたしたわけでありまして、国際社会は一致協力をしてその国連主導の政治プロセスの前進というものを支えていかなくてはならないというふうに考えております。 来年一月末までにはどうしても、公正な、また、自由な選挙を成功させなきゃいけない。これはやはり国連の力なくしてはその選挙の成功はあり得ないわけでありまして、そういう意味でも、国連の持つ力、知見、私どもも大変期待をいたしております。 したがいまして、今一番大事なことは、政治プロセスを前進させるためにも、ある一定の治安というものはやはり何とか確保しなくてはならない、そういう認識をお互いが共有すべきではなかろうかと思いますが、治安を確保しながら国連主導型の政治プロセスを前進させる、そして、さらに治安が改善されれば、恐らく、NGOやあるいは民間企業や、そういった方々の本来の力が発揮できる状況が確保できるのではないか、そのようにも期待をいたしております。
○達増委員 先ほど紹介したこのニューズウイークの論説委員のザッカリアさんという人は、去年イラク戦争が始まったばかりのころは、アメリカ政府を弁護する論陣を大々的に張っていたんですね。 フランス、ロシア、ドイツなどなどがいろいろ反論する、批判するのに対して、いや、それは違う、アメリカが今やっていることは正しいんだということを、論陣を張っていたんですけれども、やはり、大量破壊兵器が実はなかったという問題、戦争の大義の問題がクローズアップされ、九・一一ヒアリングがアメリカ議会で始まり、実は九・一一テロの前からイラクをねらっていたんじゃないかということがどんどん明らかになり、そしてこの四月に入って、ファルージャや、また、イラク南部のシーア派のサドル・グループといいますか、そういったところとアメリカが直接対決するような、そういう状況を踏まえて、このザッカリアさんは、ニューズウイークの最新号、これは二号合併号なんですけれども、ここではもう、イラクの状態を正していくにはアメリカはコースを変更しなければならない、アメリカ・マスト・チェンジ・コース、しかも早くという、これはもう論説委員書きおろしのカバー記事を大々的に書いています。 アメリカ国内ですら、これだけ、やり方を変えなきゃならない、コースを変えなければならないという議論が出ていることを指摘したいと思います。もちろん、その中には、国連の役割をより大きくしていかなきゃならないということが書いてあるわけであります。 ちなみに、このニューズウイークの最新号には興味深い記事もあって、紹介しますけれども、今やアメリカの同盟国たちが人質になりつつある、アメリカがきちんと治安を守らないと、軍を出している国々が標的になることを避けて撤退しようとすることについてアメリカも文句が言えなくなってしまうよという主題の記事であります。 その記事の中で、日本の自衛隊員ではなく民間人が人質になった理由は、人質事件の前から自衛隊隊員が駐屯地の中にこもって、オランダ軍にぐるりと囲まれて守られていたからであるというような記事もありまして、自衛隊がそうやってこもっていて、そこから人質をとるのは難しかったので民間人が人質にとられた、それが理由だ、ザ・リーズンと書いていますからね。これはアメリカのある雑誌の一つの見方なんでありましょうけれども、アメリカの中でもこういう議論が行われているということを指摘したいと思います。 時間がなくなってきましたので先を急ぎますけれども、四月に入ってからのイラク情勢の悪化というのは、これは、私は、第二次イラク戦争と呼んでもいいくらいだと思うんですね。これはイスラム専門家の山内昌之教授も第二次イラク戦争という言葉を使っているんですけれども、四月に入ってファルージャ戦が始まり、そしてサドル派との激突が発生し、民間人が、イラクの普通の国民が倒れていくようなケースがふえている。 これに対して、シーア派最高指導者にして穏健派のシスターニ師、また国連のアナン事務総長は、すべての当事者の自制を求めると発言しているんですね。そういう主張をしている。私は、この言葉こそ、この四月の今のイラクに最も当てはまる、最も必要な言葉だと思っております。 人質事件発生直後にも、ぜひぜひ日本の総理大臣、小泉総理がすべての当事者に自制を求めるというメッセージを発して、それは、犯人に対してそういうことをするなというメッセージであると同時に、アメリカに対しても、ちょっとファルージャはやり過ぎじゃないか、もう少し自制すべきだ、そういうメッセージにもなるわけでありますが、人質事件がまず一段落ついた今でもイラクの状況は変わっていないわけでありまして、日本政府としても、今からでも、イラクにおいてすべての当事者の自制を求めるというメッセージ、これは武装勢力側にもアメリカにも共通して言えることなわけですけれども、こういうメッセージを発していくことが必要だと思うんですけれども、逢沢副大臣、いかがでしょうか。
○逢沢副大臣 今委員御指摘のように、シスターニ師がすべての当事者の自制を求める、そういった趣旨のメッセージを発せられました。また、同様な趣旨の発言、メッセージはアナン国連事務総長からも発出されているというふうに私ども承知をいたしております。イラクの新しい国づくりのために、まさに、すべての当事者が自制心を持つ、そのことが非常に緊要だというふうに思います。 累次、日本政府といたしましても、そのような趣旨の考え方を表明いたしているところでありますけれども、責任ある国際社会の一員として、また、イラクの新しい国づくりに資金面でもあるいは人的貢献でも積極的に関与をしている日本の立場として、そのような考え方を引き続き表明してまいりたい、そのように思います。
○達増委員 いずれ、当初の予定とアメリカの思惑と著しく異なった状態になっており、また、この四月に入って、特にそういう新しい状況になってきている。そうならなくても自衛隊の派遣、駐留には反対だったわけでありますけれども、なお一層、自衛隊の駐留というのはかえって事態をややこしくして、問題の本質的解決にはつながらない。したがって、自衛隊、特に人質事件が一段落した今ですからはっきり言いやすくなっているわけですけれども、自衛隊はイラクから撤退すべきということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○三原委員長代理 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。 きょうの委員会で論議されてきましたように、イラクの現状というのは、新しい転機を迎えているだろうと思います。スペインのサパテロ首相は撤退を表明し、そして撤退を開始いたしました。ホンジュラス、ドミニカも、先ほどの説明があったとおりであります。 新聞の報道では、撤退ドミノという表現もあらわれてまいりました。有志連合の中で亀裂が起こり、撤退を表明し、検討する国もふえてきている。そういう中で、日本の自衛隊がイラクにずっと居続けるその理由、根拠は何ですか。
○石破国務大臣 これは、形式論理で申し上げれば、イラク特措法の要件を今なお満たしていると私どもが判断しておるからでございます。 それから、これはもう特措法の議論のときに、委員とは意見が合いませんでしたが、それは、あの地域の安定というものが我が国にとって資源の面からも不可欠であるということ、そしてまたイラクの人々が、今のサマワでもそうですけれども、日本の救いの手というのを本当に待っているということ、国連の要請にきちんとこたえなければいけないということ、そして、何かあったときに日本に対して集団的自衛権を行使し、日本の自衛隊とともに日本の独立と平和を守るためにというふうにきちんと明確に言っているのはアメリカ合衆国であり、その信頼性を高めるということ、その国その国がそれこそ主体的な判断に基づいて派遣をしておるわけでございます。 ですから、どの国も共通に言えることもございましょうけれども、それぞれの国が主体的に自分の国の国益に基づき、そしてまた民主主義的な手続を経て派遣をしておるわけでございまして、なぜかという御下問があれば、そういうお答えになろうかと存じます。
○赤嶺委員 それぞれの国にはそれぞれの国益があるんだ、だから日本の自衛隊は今のようなイラクの局面を迎えてもずっと居続けるんだというそこのところを、やはりスペインの態度もよく冷静に分析をして、比較検討していく必要があるだろうと思うんです。果たして国益だけの話なのかということであります。 スペインは、御承知のように、イラク戦争の交戦国の一つです。アメリカとイギリスと、その占領支配体制の柱であります。C130の輸送機もクウェートに配置をしていた、そういう国でもあります。 その国が撤退を決めた理由として、スペイン軍のイラク残留の条件を満たす国連決議が採択されるとは思わない、これからのイラクの情勢を切り開く国連決議が採択されるとは思えない、そして、イラクの政治的、軍事的情勢の根本的な変化を予期させ得る兆候もない、こう言っているんですね。つまり、スペインは、アメリカとイギリスが主導権を握り続ける形では、国連主導の条件を満たすことになっていかない、そして、米軍を初めとする駐留軍とイラク国民、武装勢力の衝突が拡大し、悪化し、終息する見通しもない、こういうような立場だと思うんですよ。 新しい国連決議もこれじゃできないし、矛盾は激化していく、こういうスペインのイラクの情勢判断というか認識というか、これについて逢沢副大臣はどのように考えますか。 〔三原委員長代理退席、委員長着席〕
○逢沢副大臣 スペインは、総選挙の結果、政権交代となりまして、新しい政権として一つの大きな政治判断、決断をされたものというふうに理解をいたしておりますが、一方、先ほどにも答弁申し上げましたように、政治プロセスをイラクにおいて強力に進めていく、そして、その中心的役割を担うのは国連だというコンセンサスが今やでき上がったわけであります。さきの米英首脳会談におきましても、そのことがブッシュ大統領そしてブレア首相の間でいわば確認をされたということを私どもは重く受けとめたいというふうに思います。 イラクのこれからの新しい国づくり、非常に大切な選挙を来年の一月末までに実現しなくてはならない。そして、いろいろと議論されておりますけれども、六月末までにCPAそして統治評議会が解散をされ、そして暫定政権、暫定政府をつくり上げる、そのことのために国連が中心となって汗をかいていこう、そういう大切なタイミングでございます。 国連の要請を受けて国連加盟国がイラクの復興に手を差し伸べる、そういった状況の中、今、大切なこの政治プロセスを全員の力で盛り立てていく、私ども、そのことが最も大切なことであるというふうに理解をいたしております。
○赤嶺委員 スペインの情勢判断が、国連が主役、主導権を握る体制になっていく上での一つの判断があるわけですね。 それで私、今、逢沢副大臣の答弁を聞きながら、国連が主役という言葉をお使いになりました。二月の当特別委員会で私は、やはりイラクは国連が主役にならなければいけないんじゃないか、このように申し上げたんです、二月のイラク特別委員会で。皆さんの今のお考えを聞くと、国連を中心にするという点では、これまでの認識を変えられたんですか。
○逢沢副大臣 イラクにおいて、国際社会はさまざまな経験をしてきたわけでありますし、今現在もその貴重な経験を積みつつあるわけでございます。イラクの新しい国づくりに国連が積極的に関与していく、いわば政治プロセスを推し進める主役としてやはりその持てる能力を発揮してもらわなくてはならない、そのことは国際社会が一致して期待をしているところというふうに承知をいたしております。 しかし、同時に申し上げておかなくてはなりませんのは、国連が機能を発揮するためには、ある一定レベルの治安を確保する、このことがなくしては国連の力の発揮しようがない。 国連本部が爆破されて、当時のデメロ代表が亡くなる、大勢の職員が亡くなる、そういうことが去年の八月に起こりました。仮に、再びそういった惨事が起こるとすれば、その将来はまさに暗たんたるものになる。再び国連がバグダッドに戻ってきた以上、そういったことがあってはならない。 では、その安全を確保するのはだれかといえば、これは米英を中心とした、今CPAからこの治安を託されている、あるいは国連決議によってイラクの治安を託されている、そういった国々が担っていかなくてはならない、そういう現実からも目を離すことはできないということも指摘をいたしておきたいと存じます。
○赤嶺委員 二月十八日のイラク特別委員会での川口大臣の答弁、これは私の質問に対してです。私はそのときに、イラクの周辺国会議の決議を取り上げまして、やはり国連中心でなきゃいけないということを指摘したときに、川口大臣は、「少し現実的に物事を考えてみたいと思うわけでございます」「国連は今国際職員は一人もイラクの中にいません。みんな国外に退避をしている。」「現実的に、では国連が今、そういうことの責任を担い、イラクの中において治安を維持していく能力が本当にあるだろうか。思いを述べるということは、この声明でも」、この声明というのはイラク周辺国会議の声明です、「声明でもやっているわけですし、それはあると思います」「現実に今大事なことは」云々ということで、国連に能力があるだろうか、このように言っていたんです。 そういう意味では、国連中心ということを一切言葉として使わなかった。この意味では、国連が中心的な役割を果たすべきだというぐあいに見解を変えたということは、それはそのとおりなんですね。
○逢沢副大臣 イラクの新しい国づくり、その中で最も大切なことは、統治評議会、CPAあるいは宗教関係者や部族の方々がみんなで相談をしてつくり上げた基本法、そして、お互いが確認をした政治日程というものをしっかり守りながら前進させていくということであろうかと思います。そして、それを動かしていくのはやはり国連であるということは、いつの時点でも変わらない私どもの共通の認識と思います。 しかし、今委員が御指摘をいただきました二月の段階では、まさに国連が、みんな、イラクの治安が非常に厳しいということで、バグダッド、イラクを離れていた、そういう段階であります。つまり、国連の顧問も代表も職員も、だれもイラク国内にいわばいなかった。そういう状況をかんがみれば、それはそういう状況の中で国連に期待をするといっても、現実は物事が動かない。川口大臣は、恐らくその二月の時点に立ってそのように発言をされたものと承知いたしております。
○赤嶺委員 二月と今日とではこれだけ変わるわけですが、四月十七日の新聞は一斉に、アメリカは国連主導に転換、こういう見出しを立てて書きました。米英の首脳会談が行われて、国連中心に切りかえるということを言い出した。そうすると、政府の答弁が、やっぱり国連中心と。中心という言葉は使わなかったんですよ、皆さん。私が何度も使っても、国連にそんな能力がありますかという態度だったんですが、しかし、国連が中心的な役割を果たすべきであるという点では私と認識を同じくするようになったというぐあいに理解をしたいと思います。 ただ、スペインは、その国連が中心的な役割を果たしていく上で何が必要かというぐあいに考えていると思うんですね。彼らは、国連がイラクにおいて中心的な役割を果たしていけるようにするためには軍隊の撤退が必要だと、イラク問題の解決の展望というのを押さえて撤退ということを一つの選択肢として選んだ。国連中心の枠組み、米英中心の枠組みを明らかに国連中心の枠組みに切りかえていく、そういう意味では占領の一翼を担う軍隊は撤退させる、こういう選択だったと思うんですね。 それで、日本はそういう選択は一切やらない。だから、国益の違いではないんです、イラク問題をどう解決するかという違いだと思うんですよ。 それで、では、自衛隊はイラクの国民からどのように思われているか。これはもうたびたび紹介されました。イスラム宗教者委員会の、きょう私がこっちに持ってきたのは、アブドルサタル・アブドルジャバル師の発言。日本の自衛隊派遣について、イラクの意向を全く無視し占領軍と日本の間で勝手に合意したこと、日本には友情と信頼を感じていたのに占領統治下で軍隊を送られてショックを受けた、たとえ人道援助活動とはいえ部隊は部隊だ、このように述べているわけですね。イラクの人たちからはこのように見られている。 こういう宗教指導者の発言について、これはどのように認識しておられますか。
○石破国務大臣 いろんな人がいろんなことをおっしゃるのは事実だと思います。その方がそのようにおっしゃっておられる、それはその方のお考えなんだと思います。 私は、一昨日になりますが、一月から、先遣隊からずっと行っております佐藤一等陸佐が帰ってまいりまして、話を聞きました。そのときに、人道支援である、そして多くの人々から待ち望まれておる、そして、人質事件あるいは迫撃砲事案があって以来、自衛隊はここにこのままとどまってくれということを、これはだれから言われた人でもありませんし、連合国の、いわゆる占領軍の差し回し者でもありません。そういう人たちの現地の生の声を聞いている佐藤隊長の言っておること、私はそれに重きを置きたいと思っています。 その方がそういうふうに言っておられるし、イラクにもいろんな御意見がある。私たちは、何も唯我独尊で、自分たちの考えていることだけが正しいと申し上げるつもりはありません。しかし、現実に、毎日毎日そこでサマワの人たちと接している。先ほど国益というお話をなさいましたが、私、先ほど四つ申し上げた中で、気をつけて申し上げましたが、スペインは治安維持で行っているものです、私どもは人道支援で行っているんです。そこは、やはりおのずとサマワの人々、あるいはイラクの人々に対する、そういう方々がお受けになる印象というのも違うのだと思っております。
○赤嶺委員 今長官は、いろんな方がイラクの中でいろんなことを言っていらっしゃるというお話でしたけれども、ちょっとその点で確認したいんですが、きのうの参議院の本会議で福田官房長官は、宗教指導者が特に我が国の自衛隊について撤退を要求しているといったことは承知しておりませんという答弁をなさっているんです。 宗教指導者の発言というのは繰り返し日本に伝えられていると思うんですが、これはどういう意味でそんな答弁なさったんでしょうかね。官房長官いらっしゃらないんですが、逢沢副大臣、おわかりでしたら答えてください。
○逢沢副大臣 参議院で官房長官がどのように発言をされたか、ちょっとその事実関係を承知していなかったわけでございますが、イラクの宗教指導者が我が国の自衛隊について撤退要求をしているといったことは聞いたことがない、恐らくそういう趣旨で発言をされたというふうに思います。 イラクにあっては、先ほどからの議論の中で、宗教指導者、大変影響力がある、発言力がある、そういう立場の方々であるというふうに理解をいたしております。しかし、非常に幅の広い、数の多い宗教界ということも言えようかというふうに思うわけでございますが、押しなべて、自衛隊のムサンナ県サマワにおける活動については、イラクの人たちから高い評価を寄せられている、また高い期待感を持って迎えられている。報道等によれば、サマワだけではなくて自分たちの地域や町にも自衛隊の機能があれば大歓迎だ、そういった旨も寄せられているというふうに理解をいたしているわけでありまして、恐らくそういった全体の状況の中で官房長官の発言というものがあったものと承知をいたしております。
○赤嶺委員 それでは、最後に伺いますが、人道支援、人道支援とおっしゃいますけれども、安全確保支援活動もやっています。皆さんが日本の輸送機で運んだ米兵を含む人たちは、どんな任務についていたんでしょうか。それは御存じですか。
○石破国務大臣 そのようなことは申し上げることが適当だとは存じません。すなわち、アメリカがどのような任務についておったか、あるいはどのような任務につく方を、米兵の方を輸送したか、そういう外国とのかかわりのあること、これは申し上げることは決して適切ではないと思っております。 しかしながら、法によって定められたこと、あるいは政府の政策によって決められたこと、それにのっとりまして安全確保支援を行っておることは今さら申し上げるまでもございません。
○斉藤委員長 赤嶺君に申し上げます。時間が参っております。
○赤嶺委員 結局、日本の自衛隊が輸送したときにはイラク全土に衝突が広がっていたわけですね。時系列的に並べると、ここで衝突、ここで衝突、南部でもそうです。 そういう意味では、日本の自衛隊が人道支援でさえも宗教指導者からあれだけ厳しく批判される、それが占領軍の一翼を担う活動については決してイラクの安定には資しない。やはり、スペインが選んだ道、国連の枠組みをつくる上でも占領軍の一翼を担う軍隊は撤退すべきということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 以上です。
○斉藤委員長 次に、照屋寛徳君。
○照屋委員 社会民主党の照屋寛徳でございます。 きょうも本委員会の冒頭に、防衛庁、外務省からイラクの情勢に関する報告あるいはまた自衛隊の部隊活動に関する報告がございました。その報告の中で、サマワを含む南東部に関しては、イラク国内の他の地域と比べ比較的安定している状況に変化はありません、こういう御報告でございましたが、当委員会で同じような言葉を何度か聞いたなというふうに私は思い浮かべておりました。 現下のイラク情勢との関係でいえば、ファルージャの情勢、非常に緊迫をしておりまして、これがどう展開をするのかというところに強い関心を持つわけでありますが、御承知のように、イラクでの米兵の死者、四月だけで百人を超えました。ラムズフェルド国防長官が、六月末のイラク人への主権移譲に向け武装勢力の抵抗が強まることは覚悟していたものの、これほどの米兵死者は予想していなかった、こういうふうに発言をしております。 今、ファルージャ、停戦状態のようでございますが、昨日のイラク駐留米軍のキミット准将の記者会見では、ファルージャにおける武装勢力からの武器提供が不十分などとして、早期に攻撃を再開する可能性にも触れておるわけですね。 それで、外務省にお伺いいたしますが、現下のこの緊迫するファルージャの情勢についてどのような分析をしておられるのか。それで、そのファルージャの情勢と、恐らく私は六月末の主権移譲と深く関連をしてくるのかなというふうにも思うわけですが、つけ加えて、主権移譲の見通しの問題についても、外務省のお考えをお伺いいたします。
○逢沢副大臣 ファルージャの情勢でございますが、十一日以来、停戦が順次更新をされ、十九日には、住民側とアメリカを含む連合側との間で本格的な停戦に向けた合意が発出を一たんはされました。しかし、二十一日には再び撃ち合いがあり、状況は予断を許さない、そういう環境下にございます。 そして、今、キミット准将の発言については委員御指摘のとおりでございまして、大変、私ども、ファルージャの状況は予断を許さない、緊張感が高まっているというふうに承知をいたしております。双方の話し合いにより、本格的な停戦が実現をされ、事態が鎮静化をし、治安が回復をされる、そのことを心から期待し、また希望をいたしております。 また、特にファルージャが安定をするということは、六月末のいわゆる主権の移管、移譲にいろいろな意味で影響が出てくるという率直な思いを持っております。政治プロセスを予定どおりの日程で進めていく、そのことのために国際社会は一致協力をし、先ほど来申し上げておりますような国連主導型の政治プロセスの前進に引き続き力を尽くしてまいりたい、そのように承知をいたしております。
○照屋委員 きょうの委員会で、人質事件と、それから自己責任の問題について、多くの委員が触れておられましたが、私も、この自己責任論について逢沢副大臣にただしておきたいと思います。 人質が無事解放されてよかったという思いを私も強く持っております。ただ、人質解放直後に、例えば福田官房長官が本人たちの配慮が足りなかったというふうに発言をし、小泉総理も、自覚を持ってほしい云々と人質として拘束をされておった人たちの自己責任を追及するかのような発言がございました。日付は忘れましたけれども、東京新聞に、政治評論家の森田実さんが、これらの小泉総理の発言、官房長官の発言等を歴代で一番冷たい内閣だというふうに評していたのを、私、思い起こしました。この人質になっておられた当事者や家族に対する悪罵に近いような自己責任論には、私、本当に驚くばかりであります。 外務省の竹内次官が、これは私は新聞報道で知ったんですけれども、人質事件と関連して、NGO活動について、自己責任の原則を自覚して、みずからの安全をみずから守ることを改めて考えてもらいたい云々と、こう述べているわけですね。竹内次官の発言を詳しく検討すると、政府がNGOの活動の安全に責任を負わないというふうに言っているに等しいわけですね。 あたかも人質の命が失われても政府には責任はないんだというふうな言い方でございますが、一方で、パウエル国務長官が、だれも危険を冒さなければ私たちは前進はしないんだ、彼らの責任とは言えない、彼らのような市民がいることを日本人は誇りに思うべきだ、こういうふうに言ったと言われております。それから、フランスのル・モンド紙は、人道主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、日本政府は人質の無責任さをこきおろすことにきゅうきゅうとしている、こういうふうに批判をしております。 このような人質に対する自己責任論について、現地対策本部長をしておられました逢沢副大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○逢沢副大臣 邦人の保護、邦人の安全確保は、いついかなるときにあっても政府の重要な役割であるというふうに承知をいたしております。今後ももちろん、個人であれ、またNGOのグループの方々であれ、海外で活動をされる邦人の安全の確保また保護、このことに政府は責任ある対応をしてまいりたい、そのように承知をいたしております。 今回、三人の方、またそれに加えて二人の方がイラク国内で拘束をされる、人質としてとられる、そういった事件がございました。累次申し上げてまいりましたけれども、イラクには、退避勧告、危険情報を二十数回、三十回近く出していたわけでございます。イラクにいる人たちは速やかに国外に出ていただきたい、また、いつ、どんな理由があるにせよ、イラクに入国することは今はやめてほしい、そういった強い勧告を出していたわけであります。しかし、あの三人の方々、お二人の方々は、イラクに入るという判断をされた。実際にイラクに入られた。その判断、行動は、やはり適切さを欠いていたと言わざるを得ない。私は率直にそのことを申し上げておきたいと存じます。
○照屋委員 私は、今度の人質の解放に当たっては、政府も努力したでしょうけれども、さまざまな市民グループやNGO、NPOのグループの皆さんのアピールや働きかけ、これも大きかったのではないかと思うんですね。市民グループらが政府に自衛隊の撤退を求める抗議行動を行い、これが現地で報道されたことも、拘束をしていた側の判断にいい影響を与えたのではないか、こういうふうに思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
○逢沢副大臣 もともと日本とイラクの間には長い友好の歴史がございます。とりわけ六〇年代後半から七〇年代にかけて、日本人はイラクにおいてたくさんのよき友人をつくりました。また、よい仕事をいたしたわけであります。そういったものがベースになり、日本人観あるいは日本観、大変良好なものがベースにあった。 そして、その上にあって、今回の人質事件に際し、家族の方々、あるいは三人、お二人の方々を心配される大勢のグループの方々がいろいろな発言をされた、そのことがメディアを通じてイラクや中東の人たちに届いた、この事実は、人質事件の解決に、世論を形成するという意味で大きな役割があったという理解をいたしております。
○照屋委員 では、あと一点。 今度の人質事件をめぐって、退避勧告が出ている地域に足を踏み入れるべきじゃないということで、法規制を、危険地域への渡航禁止の法整備をすべきだという意見が出ておりますけれども、私は、憲法上の居住、移転あるいは往来の自由、これとの関連でとても承服できないという考えですが、副大臣、いかがでしょうか。
○逢沢副大臣 まさにそういった議論が国政の内部にあっても、また、一部国民の間にもあるという事実については承知をいたしておりますが、先生が今御指摘をなさいましたように、憲法で保障されております海外渡航の自由との関係もございます。法的な面を含め、さまざまな観点から慎重に検討をする必要があると考えております。
○照屋委員 私は、自己責任論の前に、やはり大義なき米英軍のイラクへの戦争を支持した、占領統治に協力をした日本政府の政治責任も強く問われているということを申し上げ、イラクからの撤退をすべきだという意見を申し上げて、質問を終わります。
○斉藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時十二分散会