厚生労働委員会 第6号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/03/19
会議録
○衛藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案及び城島正光君外四名提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局公務員部長須田和博君、財務省主計局次長杉本和行君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君、年金局長吉武民樹君、社会保険庁運営部長薄井康紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○衛藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤勝信君。
○加藤(勝)委員 おはようございます。自由民主党の加藤勝信でございます。 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の政府案及び民主党案について質問させていただきます。 まず、政府案について質問させていただきます。 政府案におきましては、基本的には平成十五年度と同じということになろうかと思いますけれども、平成十六年度においても、公的年金などの額については平成十一年から十三年の三カ年の消費者物価分据え置く、すなわち十二年から十四年度の年金額は据え置いた上で、一方で、前年に引き続き本年についても、平成十五年の消費者物価の下落分〇・三%を基準として改定するという内容になっていると思います。 先般の法律案の提案理由説明におきまして、坂口大臣より、保険料を負担する現役世代との均衡という観点、そして高齢者などの生活に配慮するという視点をそれぞれお述べになっておりましたけれども、本政府案において、それぞれの視点に立ってどのような配慮が図られているのか、御説明をお願いいたします。
○森副大臣 大臣がちょっと閣議でございますので、お許しいただきまして、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。 今加藤委員から御指摘のありましたとおり、今回の特例法は昨年と同じ考え方に基づいたものでございまして、法律の原則に従えば、過去三カ年間年金額を据え置いた分である今お話があったとおり一・七%分と、昨年一年分の物価下落分の〇・三%を合わせまして、二・〇%のマイナスの改定となるところでございますが、高齢者の生活へも配慮いたしまして、平成十五年の消費者物価指数の下落分一年分の物価スライドを行うというものでございます。 これは、世代間扶養の仕組みにおいて、保険料を負担する現役世代の賃金が下落して、大変厳しい状況にある中でございます。こうした現役世代との均衡を図る必要がありますことから、平成十二年度から平成十四年度までの三カ年のように年金額を据え置くこととはしませんで、マイナスの物価スライドを行うことといたしました。 一方、法律の原則どおりのマイナス二・〇%の改定といたしますと、公的年金を主たる収入としている者が多い高齢者などの生活に与える影響が大きいということも配慮いたしまして、平成十五年の消費者物価の下落分一年分のみのマイナス〇・三%により物価スライドを行うことにしたものでございます。 世代間扶養の仕組みのもと、保険料を負担する現役世代の賃金の下落という厳しい状況も考えれば、平成十五年度の年金額を実質的価値で維持する内容の最低限の見直しとなっておりまして、私どもとしては、最も妥当なものであるというふうに考えております。
○加藤(勝)委員 ありがとうございました。 続きまして、民主党案について御質問させていただきたいと思います。 年金制度というのは大変複雑な仕組みになっておるわけでありますけれども、そうした中で議員提案をされたということに対しては、私自身、敬意を表させていただきたいというふうに思いますし、また、これからの国会の活性化という意味においては、議員が次々と提案をしていくということが非常に求められている。そういう意味でも、そうした活動を与野党問わず役所はしっかりとバックアップをしていただきたい、データ等をしっかり提供していただきたい、その上で、しっかりした議論が展開できるような環境をつくっていただきたい、かように思うわけであります。 そういう意味で、まず、この議論をする前に、幾つかの客観的な事実につきまして、厚生労働省から御説明をお願いしたいと思います。 まず第一点でありますけれども、民主党案におきますと、基準額を一つ設定されまして、それよりも上回る方については〇・三%の減額をされる、それより下回る方については据え置く、あるいは基準額に維持をするという内容になっております。 一つの基準額によって、減額をされるか、あるいはそこまでされないかという一つ区分けがなされるわけでありますけれども、その据え置かれる、あるいは基準額に維持されるという方について、ここでは簡略化のために、私は、減額改定の特例の対象者という呼び方をさせていただきますけれども、現在、サラリーマンのOBが加入しております厚生年金、あるいは自営業者を中心に入っておられます国民年金のそれぞれの受給者において、本措置、民主党案における減額改定の特例対象になる割合はどの程度になるのか。ぴったりした数字はないかもしれませんけれども、幾つかの数字等をベースにした推計あるいは見通しといったものを御説明いただきたいと思います。
○薄井政府参考人 お答え申し上げます。 今御質問にございましたように、今回の民主党案におきます額以下というふうなものでのぴったりとした数字というのはございませんけれども、老齢基礎年金、御案内のように、二十から六十歳まで四十年間加入した場合に六十五歳から満額の基礎年金が出る、こういう仕掛けでございます。平成十四年度の数字で申し上げさせていただきますと、その月額が六万七千十七円ということでございます。 私どもの業務統計は年金月額一万円刻みでとっておりますので、ぴたっとこの額の上、下という整理はできませんけれども、平成十四年度末におきます年金額が老齢基礎年金の今申し上げました満額未満である受給権者数というものを推計いたしますと、国民年金、これは旧法の拠出制の老齢年金と、それから厚生年金の上乗せ、二階部分が乗っていない老齢基礎年金ということで見ましたところ、受給権者八百九十九万人のうち七百九十八万人が満額未満ということでございまして、その割合は八八・七%ということでございます。 それから、厚生年金の老齢年金の方でございますけれども、これは受給権者千十五万人でございますが、このうち十八万人と推計されるところでございまして、その割合は一・八%、こういう数字でございます。
○加藤(勝)委員 すなわち、サラリーマンOBの受けている厚生年金については二%程度、これは平成十四年度の状況でありましょうけれども、二%程度しか今回の民主党案におきます減額改定の特例対象にはならない。一方で、国民年金を受けておられる自営業者のOBの方々については九割近くが対象になるということだと思います。 続きまして、そういたしますと、国民年金のみをもらっておられる方につきまして、いわゆる満額支給になっていない方が今回の減額改定の特例対象になろうかというふうに思いますけれども、何で満額受給になっていないのか。いろいろな事情があろうかと思いますけれども、現在、満額受給されていない方についての、そこに至る事情について、あるいは理由について御説明いただきたいと思います。
○薄井政府参考人 お答えを申し上げます。 今御質問にございましたように、国民年金の老齢年金が満額に至っていない理由、いろいろ考えられるわけでございます。 国民年金の場合、保険料の免除制度というものがございます。免除を受けられた期間につきましては、年金額が三分の一というのが現在の仕掛けでございますので、そういう期間があれば、その分減額されるということになります。 それから、国民年金ができました、年金制度ができましたときに既に高齢だった方につきましては、受給資格期間を短縮して低い額の年金が出る、いわゆる五年年金とか十年年金と言っておりますけれども、そういう方の年金額は低うございます。そういう方がおられます。それから、保険料の未納期間があることによりまして、その分減額される方。 あるいは、年金につきましては繰り上げ請求という制度がございます。六十五歳から本来の年金支給は始まるわけでございますが、六十歳から繰り上げ請求をされますと、その分減額された年金が繰り上げて受けられるということでございます。国民年金の場合で申し上げますと、基礎年金なり、あるいは旧法国民年金の関係で繰り上げ受給をされている方が約五割おられるわけでございますが、そういう方の減額がございます。 それから、サラリーマンの妻、昭和六十一年より前は任意加入でございましたけれども、任意加入されていなかった期間というのは空期間となるわけでございます。そういった方も、その期間は空ということで年金額に反映されていないということで、こういうふうな事情が考えられるわけでございます。
○加藤(勝)委員 今の御説明によりますと、制度が未整備だったころに高齢を迎えられた方、あるいは保険料の免除を受けるということは所得等で低い所得であった、そういう事情がある方もおられる一方で、いわゆる未納期間を有する、すなわち保険料を滞納されている方、あるいはみずから年金の支給時期を繰り上げて、その選択をされた方もかなり含まれているということだろうと思います。 それでは、次に、実際の事務について若干御質問させていただきます。 民主党案では、基準額を超えるかどうかについて、種々幾つかの年金制度から受給されている方も一本にして、そしてその総額において基準額を超えているか超えていないかを判断されるという仕組みになっているわけでありますけれども、例えば、役所にいて、やめて会社に入って、共済年金をもらう、そして厚生年金ももらうというような方が当然含まれていくわけでありますけれども、その場合には、一元的な名寄せが当然必要になろうと思います。 今、社会保険庁において、現状のもとにおいて具体的に年金の名寄せということが行い得るのか、あるいはどの程度の情報が社会保険庁に集まってくるのか、その辺の実情をお教えいただきたいと思います。
○薄井政府参考人 仮に、基礎年金の満額相当額までの年金についてそういうふうなことを考えるということになりますと、年金の受給権者、重複を除きましてカウントいたしまして約三千万人おられるわけでございまして、そのような方の中には、複数の年金を受け取っておられる方がおられるわけでございます。そういうふうな他の年金、例えば共済年金を含めまして、トータルで幾らもらっておられるかということの数字を把握する仕掛けというものは、現行の年金制度のもとでは特段要請されませんので、現在の年金支給の実務におきましては、そういうふうなことをとるような仕掛けにはなっておりません。 また、年金額の計算プログラムというふうなものも、個々人についてそういうふうなものをつかまえてやっていくような計算の仕組みというのはとられていないわけでございます。
○加藤(勝)委員 今、幾つか客観的な事情、事実というものを御指摘させていただいたわけですが、それを踏まえて、民主党の提案された方に御質問させていただきます。 民主党案では、減額改定の特例対象者、基礎年金と厚生年金をあわせて受給するサラリーマンOB、先ほどお話がありました例では約一・八%、十四年度の状況でありますが、わずか二%ということになっているわけであります。それに対しまして、国民年金受給者である自営業者などのOBの方々については八八・七%、九割近い方が該当する。 今回の、基準値を設けて、いわゆる〇・三%減額をしない、対象者を設けるというこの制度のもとで、民主党案を今の現状にそのまま当てはめますと、サラリーマンOBはほとんど対象にならない。一方で、国民年金の受給者のみが、これはほとんどでありますが、対象になるということで、私どもの思いからすると、サラリーマンのOBについて、実質的にはまさに一律減額になる。全く配慮がなされていない。逆に、相対的なことを言うと、国民年金と厚生年金の受給者の相対的なことを言えば、むしろサラリーマンOBの方が不利な扱いを受けておることになるわけでありますが、これが、民主党が提案理由で言っておられた高齢者などの生活への配慮ということになるのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○金田(誠)議員 提出者を代表いたしまして御答弁をさせていただきたいと思います。金田誠一でございます。 まず、私どもの提案をしたこと自体については評価をしていただきまして、感謝を申し上げる次第でございます。本来であれば、与野党もっと胸襟を開いて、この深刻な事態にある年金制度をどうするかということで議論を重ねるべきである、こう思っておりまして、ぜひとも本体の改革議論の中から、与野党でこの年金議論をきちっとしていけるような、そんな仕組みができ上がればいいな、こう思っているところでございます。 そうした中で、ただいまの質問でございますが、まず、私どもの基本的な考え方を申し上げたいと思うんですけれども、物価が下がったときに、これにスライドして年金額も引き下げるということは容易ではありません。本当に難しい課題である、こう思っております。そういう中で、過去、振り返りますと、物価が下がったからそのまま機械的に下げるという改定をした例はただの一度もないというのが過去の例でございます。国民年金法には自動スライドという条項は確かにあるんですけれども、それが適用されてこなかった。それだけ困難な課題でございます。 なぜそうなのかというふうに考えますと、高い方は多少我慢していただく、これは可能だと思うんですね。しかし、国民年金の満額受給よりもまだ低い方、二万、三万、四万で本当に生活している方、こういう方も現実いらっしゃる。そういうところに着目すれば、法律にはいかに自動スライドというふうに書いてはいても、これを実際発動するには本当にちゅうちょする、これが私は過去の実態だったと思います。 そういう中で、私どももこの凍結に賛成をしてきたという経緯もございます。しかし、そういう事態を踏まえて、今、その結果どうなったかということでございます。今日現在のこの特例措置による累積負担は約一兆六千億、今回また特例措置を講ずると、二兆二千億ということに積み上がってきているわけでございます。したがって、一律据え置くということは、本来、法の趣旨に反することであり、若年世代との均衡ということを考えると、いいことではない、こう思うわけでございます。 それではどうするかということで、本当に考えました。一律下げることが困難である、しかし、本来であれば、物価の下落に伴って下げなければならない。そこで考えたのが、今回の私どもの基準額、これを基準にして下げる、下げないということを判断しようということでございます。それによって、保険料を負担する現役世代との均衡、これが一点、もう一つの、高齢者等の生活に対する配慮、この二点をともに、これは完璧な調整ではないんですよ、御指摘のような矛盾点も含みながらも、一律引き下げるというものに比べればはるかに合理性のある措置である、こう考えているわけでございます。 こうした考え方を導入しないとすれば、一律に据え置けば、過去三年のような、現役世代との不均衡という大きな問題を生ずる。そして、今回やろうとしているように一律に引き下げたとすれば、これは生存レベルに満たない年金受給者まで引き下げることになって、不均衡以前の人権の問題に発展をするのではないか、こう思ってございます。 物価スライドで引き下げにならない者は、確かに国民年金に多く被用者年金は少ないということは認識をいたしております。しかし、それは、年金の種別に着目した措置ではなくて、あくまでも年金の受給額によって決まることであって、これをもって不均衡だという指摘は当たらない、こう考えているところでございます。
○加藤(勝)委員 いずれにいたしましても、お考えそのものはともかくといたしまして、先ほど厚生労働省から示された現状、あるいは民主党法案が仮に成立をした場合の影響を考えると、私は、余りにもサラリーマンのOBの方、納得はできないというふうに思うわけであります。 続きまして、国民年金の受給者のみについて考えてみた場合、先ほど厚生労働省から御説明がありましたけれども、要するに、満額支給の対象でない、すなわち、今回でいえば〇・三%の減額に至らない、あるいは据え置かれるという方々につきまして、先ほど申し上げた過去の制度が未整備であったということ、あるいは経済的な事情で保険料を納められなかったという方もおられるわけであります。しかし、一方で、保険料の滞納者、あるいは繰り上げを請求してそれを受給されている方もかなり含まれている。 保険料滞納者について言えば、こつこつと保険料を納めて、そして自分が受給開始年齢になるまでじっと待ってこられた、その方は要するに満額をもらえる。しかし、保険料を納めず滞納してきた期間がある、そういう方に関しては、〇・三%減額されない、据え置かれる。私は、これは非常にアンバランスな、不公平な措置ではないか。ある意味では、まじめにこつこつとやってきた人に対して、むしろ相対的に損を与えてしまう。また、今滞納がいろいろ議論になっておりますけれども、こうした発想で取り組むと、逆に滞納をふやしてしまう、促進をしてしまうということにもつながるんではないかというふうに思うわけであります。 そういう意味では、額的なことはともかく、こうした考え方そのものが、私どもにはとても受け入れられない。あるいは、国民の方もその点をお聞きいただければ、どうして私は、こつこつためて、基礎年金だけであるけれども、国民年金だけであるけれどももらっている私と、必ずしもまじめに払っておられない隣の方と比較したときに、到底納得できないというふうに思いますけれども、その点について、民主党の提案された方はどうお考えになっているのか、お示しいただきたい。
○金田(誠)議員 御指摘の考え方は伝統的な厚生労働省の考え方だ、こう思っております。その考え方を乗り越えなければ、これからの時代の年金の制度設計はできないというふうに私ども考えております。 一律方式ということで、今、例えば基礎年金の国庫負担も一律に給付をされている。これは、非常に低額な年金の方にも三分の一の国庫負担、そして非常に高額な年金の方にも三分の一の国庫負担ということになっているわけでございます。例えば、月額五十万もらっている厚生年金受給者もいるそうでございますけれども、そういう方にも基礎年金の三分の一は国庫負担、これは一律主義でございます。 その負担ができるような経済状況のときは、その矛盾というのは余り表面化しなかったかもしれません。しかし、今はそれどころではない日本の財政事情あるいは経済事情になっている。そういうときに、公費の負担というものを本当にどこに投入することが必要なのかということが問われているわけでございます。 そういう中で、これはもう日本に限らず、諸外国皆同じような困難に置かれている。そういう中で、旧来一律に国庫負担を導入してきた国であっても、それを低所得者に特化して、そこに集中的に最低保障をする、そういう制度設計に切りかえている。それ以外の方は報酬比例に一本化して、自助努力を基本にしながら制度設計。その自助努力と公費負担による最低保障の組み合わせということで制度設計しなければ、日本の年金はもたないという状況になっているわけでございます。今回の、物価スライドを定額の基準額以下の方に限って適用しないということを考えましたのも、考え方としては、この最低保障年金の考え方に共通するものでございます。 確かに御指摘のとおり、さまざまな事情で満額給付にまで至らなかった方はいらっしゃいます。私どもの考え方は、まず所得捕捉を本来きちっとしなきゃならない。今、クロヨンとかトーゴーサンとかと言われていることを、政府・与党は放置しているわけでございます。こういうことが根底にあることがまず問題であって、それをきちんと捕捉する仕組みをまずはつくるべきだ、こういうことを本体の議論の中で私どもは提案させていただきたい、こう思っております。 そういう考え方も一方に持ちながら、しかし、結果として起こってしまった状態、極めて低い年金で生活レベルに到達しない方というものも、さまざまな事情があったとしても、六十五歳を過ぎればもう一回やり直してこいというわけにはいかないわけでございますから、そこを年金という形できちっと保障していく、これが最低保障年金の考え方。そして、不公平感が起こらないように、本当に所得がなくて負担できないのか、そうではないのかということをきちっとするためには、所得捕捉システムをきちっとしつらえなければならない、こう思っているわけでございます。 こういう考え方を基本にしながら、しかし、結果として起こっている事象に着目をして、基準額以下の方についても引き下げをするというのは、余りにも高齢者に対する配慮を欠いたものである、高齢者に対する配慮と若年世代との均衡、これを両立させるには私どもの案をおいてほかにはない、こう確信をいたしているところでございます。
○加藤(勝)委員 私も、昨年の十一月に初当選させていただきましたけれども、それまで与野党の国会を見ていると、よく、すりかえ答弁だという指摘を野党の皆さんがされておりましたけれども、まさにその思いを実感させていただきました。 さらに、今回、年金受給者についてはいわゆる三角〇・三%の減額を一律にしないということでありますけれども、他方で、障害者福祉、児童福祉手当などのいわゆるさまざまな手当の受給者に対してはそうした配慮がされず、全くの一律の減額になっている、これも大変アンバランスだという思いがいたしますけれども、これについて御答弁を求めますと、また違う、全般論になりますので、指摘だけにとどめさせていただきます。 そしてもう一つ、事実問題でありますけれども、どういう年金に加入しておりましても社会保険庁に行けばすべての年金支給額がわかる、私は、一日も早くそういう状況にはすべきだというふうに思っております。 しかし、現実において、そしてこの法案はこの四月一日からスタートするということを考えたときに、三千万人にも及ぶ既におる対象者について名寄せをして、それについて判断をする、そしてコンピューターのプログラムをやり直す、私は物理的にとてもできないのではないかというふうに思いますけれども、その辺は提案者はどう考えておられるのでしょうか。
○金田(誠)議員 名寄せの問題でございます。 私どもは、名寄せについては可能な限り実施をするべきだ、本来、すべてきちんと名寄せをすべきだというのが基本的な考え方でございます。 しかし、システムの問題とか技術的な問題があって、一部名寄せができない場合も生ずるかもしれません。しかし、仮にそうであったとしても、そのことをもって基準額を下回るものについてまで引き下げをしなければならないという理由には当たらない、こう思っております。
○加藤(勝)委員 今の御答弁、要するに実行できないということなのかなという気がいたしますけれども。 さらに、民主党案で、今回は、第三条、第四条、第五条、それぞれ、いわゆる〇・三%丸々減額されている対象者、あるいは前年度同様据え置きをされる方、あるいは若干減額されるけれども基準額で支給される方と、三つ存在するような形になるわけでありますし、それが例えば、次、翌年また物価上昇するような場合にどうなるのか、今後の取り扱い、その辺もわからない点があるわけでありますけれども、これは、時間の関係がありますので、指摘だけにさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、今、提案者からいろいろお話を聞かせていただく中で、基本的には最低保障年金という考え方に立っておられる。しかし、この最低保障年金という考え方を認めるにしても、御説明のありましたように、基本的には所得比例の保険料を払っている、そして、その所得についてはしっかり捕捉されている、これが前提になっての話だろうかというふうに思うわけであります。 今の日本の、厚生年金についてはある程度そういう状況が当てはまるとも言えるかと思いますが、先ほど質問させていただきましたように、今回の民主党案での、まさに減額の特例になっている対象者はほとんど国民年金であるという事実、そして、国民年金においては、所得にかかわらず定額で保険料を払って、そして定額の年金額を受給している。そういうところへ、今申し上げた、さまざまな前提に立った最低保障年金の考え方を入れること自体が、まさに木に竹どころではない、木に、何と表現していいかわかりませんが、をつなぐ、そこが、先ほど申させていただいたさまざまな矛盾点をはらんでいる原因だというふうに私は思っております。 したがいまして、この物価スライドの特例をどうするかというよりは、年金制度そのものを、土台自身をどうするかという、まさにそういう御答弁でもあったわけでありますし、そのことを早く議論するべきではないかというふうに私は思うわけであります。 そういう意味で、国民の公的年金制度の関心は大変高いわけであります。そして、この国会で年金制度の議論が大きな論点になるというふうにも見られているわけでありますし、また、そこを国民が注視をしている、期待をしているわけであります。そういう意味では、その国民の期待にもこたえるためにも、私どもが、まさにこの厚生労働委員会に属している私どもが、その議論を早く、一日も早くスタートすることが、私は責務だというふうに思うわけであります。 どなたに申し上げていいのかわかりませんけれども、一日も早く、この年金制度改革案について、当委員会において議論が始まることをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○衛藤委員長 金田誠一君。
○金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。 私は、本来、農林水産委員会の所属でございまして、厚生労働ではないんですけれども、今回、この物価スライド問題を担当しろということで党から御下命を受けまして、それを担当した経過で、こういうことで、そちらとこちらに立たせていただいておりまして、恐縮でございますが、お許しをいただきたいと思います。 まず第一に指摘をしたいことは、平成十一年から五年連続で物価が下落をするということは、前代未聞の異常事態だと思います。その原因は、小泉総理と竹中平蔵大臣を中心とした現内閣の新保守主義による改革路線にある、こう思います。建前としては、自由競争と自己責任がうたい文句になっているわけでございますが、その実態は、弱い者ばかりが直撃をされる、極めて不公正な改革であると思います。 結果として、一部の勝ち組と大多数の負け組がつくられました。多くの中小企業は経営が成り立たなくなり、農林漁業はいよいよ衰退し、失業が増大し、貧富の差が拡大して、ホームレスが急増、社会不安が高まって、犯罪と自殺がこれまた急増いたしております。消費はいよいよ減退して、当然に、物価が下落するという状態が五年間も続いている。そうした中で、今回もまた年金等の物価スライドの特例法案を提出せざるを得なくなったということでございます。 そうであるならば、法案以前の問題として、大臣は、内閣の一員として、失政の責任を国民に謝罪すべきが当然と考えますが、いかがでしょう。
○坂口国務大臣 おくれまして申しわけありません。 日本の経済は、新しい国際化の流れの中で、今まで積み上げてまいりました日本の構造をどう改革していくかという、その構造改革の真っただ中にあるわけでございます。その改革の過程の中で、さまざまな苦労はございましたけれども、ようやく、総理の言葉をおかりすれば、芽が出てきた。これを大きく育てなければならない、そういう状況に来ているというふうに思います。 我々の関係いたしております雇用の問題につきましても、有効求人倍率が、長い間低迷をいたしておりましたが、ようやく十年ぶりに〇・七七というところまで参りまして、十年ぶりの数字になったところでございまして、回復の兆しが、足音が聞こえてきているというふうに思っております。 こうした長いトンネルでありましたけれども、構造改革の一つ一つ、やはり積み重ねてくることが今後も大事だというふうに思っておりますし、今までの成果もあらわれてきたというふうに思っている次第でございます。
○金田(誠)委員 坂口大臣は公明党でございますから、私の申し上げることを御理解いただけるんではないかな、こういう期待感を持って申し上げたところでございますが、もうすっかり小泉イズムに染まっておられるような、そのような御答弁でございまして、甚だ残念でございます。 有効求人倍率の数字がございましたけれども、ぜひ現実をきちっと見ていただきたいと思います。もう既に、正社員なんという言葉は死語に近いんではないですか。どこに行っても、正社員の求人なんというのはほとんどない状態になっているんじゃないですか。今、全体の三分の一の労働者が有期雇用、パート、派遣、契約社員、このような非正規雇用でございます。女子に至っては、ほぼ半分がそういう状態と言われているわけでございます。 こういう中で、見せかけだけの有効求人倍率を挙げられるということは、私は、厚生労働大臣からその話は聞きたくなかったというふうに率直に思います。ぜひひとつ、もっと現実に目を向けていただいて、雇用の劣化がどれほど深刻かということにきちんと立ち向かっていただきたい。これはもう強く御要請を申し上げておきたいと思います。 さて、本題に入りますけれども、今回の特例措置法案の提案理由説明によれば、「現役世代の賃金が低下している中で、保険料を負担する現役世代との均衡の観点から、」と、「保険料を負担する現役世代との均衡の観点から、」というくだりがございます。さらに、「高齢者等の生活に配慮しつつ、」ということもうたわれております。こういう二つの観点から今回の特例措置を講ずることとしたとあるわけでございます。 現役世代との均衡、高齢者等の生活に配慮、この二点は、今回の特例措置に限るものではなく、物価スライドに当たってはいつの時点でも本来貫徹されるべき原則である、これは当然のことだと思うんですが、大臣、いかがでございましょう。
○坂口国務大臣 今お話のございました、現役世代との均衡、それから高齢者等の生活に配慮、この二点はいつも考えなければならないという御主張につきましては、私も同感でございます。 平成十二年度から平成十四年度までの三カ年は、物価が下落をいたします中で、社会経済情勢にかんがみまして年金額を据え置いたという経緯がございます。しかし、その後、現役の皆さん方の賃金も減少してくるという事態になってまいりまして、現役の皆さん方との均衡を図るということから、昨年におきましては〇・九%、そしてことしは〇・三%というふうに引き下げをさせていただくことになった。しかし、経済に対しましては、これは物価の話でございますから、中立であるというふうに思っております。
○金田(誠)委員 国民年金法第十六条の二によれば、年金額の自動改定という規定がございます。しかし、平成七年の〇・一%下落に対する特例法の制定、このとき初めて特例法ができたようでございますが、これを初めとして、物価の下落に対しては、今日までただの一度もこの条項がそのまま適用されたことはない、こう思います。必ず特例法が制定されてまいりました。ということは、この条項は、物価の下落に対しては直ちに適用できない欠陥を内包しているということを、素直に私は認識する必要があると思うわけでございます。 その欠陥とは、自動改定して引き下げた場合に、現役世代との均衡ということは達成できるものの、高齢者の生活に配慮、こっちの方は達成できないということになるわけでございます。過去の経過が何よりもそのことを証明している、こう思うわけでございますが、大臣、この点は率直にお認めいただけませんでしょうか。
○坂口国務大臣 今お話ございましたとおり、物価スライドというのは、物価が上昇するあるいはまた下落する、その後に続きまして、それに合わせて行うわけでございます。 したがいまして、先ほども申しましたように、経済に対しましては中立の立場になるわけでございまして、物価と、そして高齢者の生活というのは、これは変わらないわけでございます。そうした意味で、私は、今回の措置はやむを得ざるものであるというふうに思っている次第でございます。現在の若い皆さん方の賃金等々の均衡ももちろん考えていかなければなりません。そうした中で、最終的に決定したものでございます。
○金田(誠)委員 私は、経済中立ということの中身の意味については、余りよく理解できませんでした。 しかし、それはそれとして、大臣、いま一度お尋ねしたいんですが、三年連続してこれは適用できなかった、ずっと据え置いたままになってきて、それ以上またまた据え置くわけにもいかぬ、これはよくわかります。そういう中で、今回、二年続けて今度は下げるということになった。 そもそも、この年金額の自動改定という国民年金法第十六条の二の規定は、物価が下がる、それもこれほど連続して下がるということが想定されていない状態で制定されたものではないんでしょうか。下がったとしても、本当に短期間ぐらい、そういう想定のもとにつくられた条項ですから、直ちにこれは適用して全体を下げるというわけにいかぬということになっているんじゃないでしょうか。 やはり高齢者の生活に配慮ということになれば、ある程度の金額以上の方はいいですよ、本当はよくない、本人にしてみればよくないですが、それを負担する若年世代との均衡という観点からすれば、これはやむを得ず物価スライドをして下げざるを得ない。しかし、一定額以下の人にまで下げるということが何年も続いたとなると、これは大変です。そういうことが想定されていない条項なのではないでしょうか、年金額の自動改定という条項は。何年も何年も物価が連続して下がるなんということは想定されていないで、したがって、そういう低い方だって一年くらいは我慢してもらって、また上がるという形の中の条項なんではないですか。 そういう意味では、今日のような事態が続けば、この自動改定の条項自体、欠陥を含んでいる。したがって、三年間も据え置いてみたり、あるいは、今、特例措置でその分を、過去の分は据え置いて今回だけ下げるというふうにしてみたりということをせざるを得ない、そういう問題をはらんだ条項ではないか。マクロの話ではなくて、個々の高齢者に着目をすれば、そういう矛盾をはらんだ条項ではないですかね。過去三年据え置いてきたということが、その証拠ではないですか。これはお認めいただけませんか。
○坂口国務大臣 この法律をつくりましたときには、これはいわゆる経済成長が続いておりましたときでありますから、物価が下がるということはなかなか想定のしにくい時代であったことは、私も率直にそう思います。 しかし、物価スライドを決めるということは、これは将来のことを思えば、上がることもあれば下がることもある、それに対してどう対応するかということで決められたものであります。現在の制度ができますそのときまでは確かに物価上昇が続いておりまして、そうした時代であったことというのは、それはもう御指摘のとおりだというふうに思っております。 先ほども御議論が続いておりましたが、今回の民主党がお出しになっております案でいきますと、これはいわゆる国民年金の皆さんのところがほとんどでありまして、ここが大体九八%ぐらいは皆さんのおっしゃる範囲の中に入るんでしょうか、厚生年金の皆さん方というのは一%か一・五%か、そのぐらいであろうというふうに思います。 先ほども御議論がございましたが、国民年金にお入りになっている皆さんというのは、さまざまな人がお入りになっている。確かに、経済的に非常に厳しい方もお入りをいただいていることもよく承知をいたしておりますが、そのほか、自営業者の皆さん方、あるいは医師ですとか弁護士ですとか、そういう皆さん方もお入りになっている。したがいまして、国民年金にお入りになっております皆さん方の経済状況というのはさまざまでございます。年金額が低いからということだけで、そこを下げるのをやめようというのは、私は、少し無理があるというふうに思っております。 したがいまして、ここは一律にどうするかということを決めていく、もしもそれ以上のことが必要であるならば、それは年金制度そのものの中でどう考えていくかということになるのではないかというふうに私は思っている次第でございます。
○金田(誠)委員 国民年金法第十六条の二、年金額の自動改定、これ自体が無理がある規定ではないかという指摘については、何かまともに答えをいただけなかったんではないかなというような感じで御答弁をお聞きしておりました。 指摘をしておきたいと思います。このような自動改定に内包されている欠陥は、私は、是正される必要がある、こう思います。 その方法は、第一に、現役世代との均衡という原則に基づいて、物価スライドによる引き下げを行う、これはもうやむを得ない、我慢していただくということが第一でございます。 そして第二に、その場合であっても、高齢者の生活に配慮という原則に基づいて、一定金額以下については物価スライドによる引き下げは行わないということでございます。 一定金額ということは、今は国民年金の満額受給、これが一定の基準だろうと思っております。老後の最低生活の保障、憲法に基づく生存権ということを念頭に国民年金法自体が規定されていると思うわけでございますから、その満額の金額が一つの基準になるだろう、こう思って、とりあえずそれをお示ししているわけでございますが、何としてもその金額でなければならないということではございません。財政事情、その他の諸般の事情の中でさまざまな設定の仕方はできるだろう、こう思っております。この基準額を上に上げていけば、被用者年金の方についても適用が拡大をされてくるという話でございます。 国民年金そして被用者年金を分けて考えようということでは全くございません。たまたま国民年金の方に受給金額の低い方が多くいらっしゃるという制度によるわけでございます。あくまでも給付を受ける金額、これに着目をして、それを基準額としてどういうふうに線を引くかということが私は肝要だろうと思うわけでございます。 まず、現役世代との均衡という観点から、物価スライドは原則行う、そして、高齢者の生活に配慮という観点から、その中であっても一定額以下の人についてはこれは保障をしていく、引き下げは行わない、将来にわたっては、引き下げを行わないのみならず、その分を最低保障という形で考えていくべきだ、こう思っているわけでございます。 もし、国民年金法第十六条の二、年金額の自動改定の規定にこうした内容が組み込まれていたとすれば、平成十一年から三年連続の特例措置が講じられることは恐らくなかっただろうというふうに思います。物価スライドによる引き下げは、ないにこしたことはないし、行うとしても極めて困難な課題ではあるものの、現役世代との均衡ということを考えれば、避けて通れません。 過去の経験を踏まえれば、今こそ、一定額以下はスライドによる減額は行わないという決断をすべき時期に来ている。過去の、三年間据え置いて、その後去年は引き下げてという経緯を踏まえれば、一律据え置くとか一律下げるとかではなくて、我慢していただける金額の方、そしてそうではない方、こういう考えを今こそ導入すべきときに来ている、この点を強く指摘しておきたい。御答弁を求めても同じ答弁になるでしょうから、答弁はあえて求めませんが、強く御指摘を申し上げておきたいと思います。 そこで、既裁定年金の金額についてお尋ねをしたいと思います。 国民年金の老齢年金の場合、最高額、最低額、そして平均額、それぞれどのような金額になっておりますでしょうか。 そして、あわせてお尋ねをいたします。今の件は恐らく社会保険庁からお答えがあるだろう。また、厚生年金の場合、同じくどのような金額になっているか。 さらに、国家公務員共済、地方公務員共済の、この場合は退職年金というんでしょうか、この場合、同じくどのような金額になっているか、財務省、総務省にもそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○薄井政府参考人 国民年金と厚生年金の関係につきまして、私からお答えを申し上げます。 まず国民年金でございますけれども、老齢年金の受給権者、これは二階部分がある方も含んでの数字でございますが、平成十四年度末現在で千八百五万人おられますけれども、その平均年金月額は五万二千二百三十三円でございます。 私どもで把握しております年金月額階級別の統計で申し上げますと、これらの中で年金月額が七万円以上の方、これは付加年金であるとかあるいは繰り下げ増額、こういったことを選ばれているという要因があるかと思いますけれども、年金月額が七万円以上の方が九十五万人強ということでございます。それから一方で、年金月額が一万円未満の方、これは合算対象期間、いわゆる空期間が長い方などがおられると思いますけれども、一万円未満の方が十二万三千五十五人、こういう数字になっているところでございます。 それから次に、厚生年金の方でお答え申し上げます。 厚生年金の老齢年金受給権者数でございますけれども、平成十四年度末現在で一千十五万人でございますが、その平均年金月額は十七万千五百十六円、こういう数字でございます。 個々の方の年金額、平均標準報酬月額がどうか、あるいは加入期間の違いということによって差があるわけでございますけれども、こちらの方も、私どもで把握しております年金月額階級別の統計で申し上げますと、年金月額が五十万円以上の方が六百九十三人ということでございます。これらの中には、船員保険の期間がある方とか、非常に高い標準報酬をずっと続けられた方などが要因としてはあろうかと思いますが、五十万円以上の方が六百九十三人でございます。それから一方で、一万円未満の方は七人、こういう数字でございます。
○杉本政府参考人 国家公務員共済組合の関係について、私の方からお答えさせていただきます。 国家公務員共済組合の退職年金の受給者は、平成十四年度末現在で六十一万人強でございます。それで、平均年金月額でございますが、私どもが担当しております国家公務員共済、この部分から私どもが支給している年金の額でございますが、これにつきましては平均年金月額で十八万八千四百十三円となってございます。(金田(誠)委員「それは国民年金は入らないんでしたっけ」と呼ぶ)私ども、基礎年金の部分の支給は担当しておりませんので、それを除いた部分の数字でございます。 それから、私どもで把握している平成十四年度末現在の年金額の階級別の分布統計によりますれば、年金月額が五十万円以上の方が四人、年金月額が一万円未満の方が三十一人、こんな統計になっております。
○須田政府参考人 地方公務員共済の退職年金についてお答えさせていただきます。 地方公務員共済年金の退職年金受給者は、平成十四年度末現在で約百四十七万人でございますが、その平均年金月額は二十万二千八百三十九円となっております。年額で申しますと二百四十三万四千六十八円となります。 同じく、私どもで把握しております年金額階級別の統計によりますれば、これは年額のベースでございますが、最上位の区分の三百六十万円以上の者は六万八千七百十人、最低位の区分の八十万円未満の者でございますが、八千百三人となっております。
○金田(誠)委員 平均額の方は、厚生年金の方は基礎年金部分も含むという話ですね。含まないですか。
○薄井政府参考人 厚生年金の方は、基礎年金も含んだ数字として申し上げました。
○金田(誠)委員 共済の方は、国公も地公も基礎年金部分は含まない数字ということで理解をさせていただきました。 最高額、最低額についてお聞きをしましたが、五十万円超あるいは年間で三百六十万円超ということで、そういうお答え方を最高額についていただいておりますけれども、実際の最高額、例えば五十万円超であっても、六十万円なのかあるいは百万円なのか、これはわからないわけでございます。国でも五十万円超、これは四人ですからそうそう多くはないのかもしれませんが、地方公務員の方は三百六十万円超が六万八千人ということですから、区切りとしてはすごく大きいですよね。 これは別に秘密の事項でも何でもないと思いますし、だからどうだということもないのかもしれませんが、実際どういう年金額の方がいらっしゃるのかという基本的な情報としては、特別これは隠し立てをしなきゃならない情報ではないと思うわけでございます。 最低額はわかりました。ほとんどもう低い方もいらっしゃるということはよくわかりましたけれども、最高額について、厚生年金、国公、地公、それぞれきちっと調べていただけませんでしょうか。
○薄井政府参考人 最高額についてでございますけれども、最高額、最低額、いずれを通じましても、最終的に、最高の方、最低の方というのは一人の方ということになるわけでございます。その方のもちろん固有名詞が出てくるわけではございませんけれども、やはりそれを明らかにしていくということになりますと、個人の特定とかそこら辺もございますので、そこら辺については御理解をいただきたいと思っているところでございます。
○金田(誠)委員 個人を特定したいとは全く思いません。五十万円超といっても、六十万ぐらいが最高なのか、七十万ぐらいなのか、これを知りたいということだけでございます。地方公務員も、三百六十万といいますと月額三十万になっちゃうわけですね。厚生年金の方で五十万超というのがあるのに、地方公務員の方が月額三十万で頭を切って、あと全部まとめて集計しているというのはおかしいというふうに思います。 そういう意味で、本当に最高額の人はどうなのよという話というのは、ちょっと調べていただけますか、それぞれ。今でなくていいですよ。
○薄井政府参考人 私どもとして支給をしているわけでございますので、そちらの方につきましても、プライバシー等の関係等もありますけれども、確認をしてみたいと思います。
○金田(誠)委員 あと、国公、地公もいいですか。
○杉本政府参考人 ただいまの厚生労働省の御答弁に沿いまして、いろいろ私どももやってみたいと思います。
○須田政府参考人 地方公務員共済の関係でございますけれども、私どもで現在把握しております年金階層別の数値でございますが、これは地方公務員共済組合連合会に依頼して算出しているものでございます。 同連合会の使用しております現在のシステムでは、お尋ねのような形の、個々の年金額のうち最高額及び最低額を直接検索できるようなシステムとなっておりません。したがいまして、お尋ねの数値の把握につきましては、別途、ちょっと相談させていただきたいと思っています。
○金田(誠)委員 実際問題、既裁定年金がどういう状況になっているのか、どういうふうに分布されて、最高、最低、この間におさまっていて、平均値はどうなんだ、こういう基本的なデータというのは、やはり常に開示されていてしかるべきだというふうに私は思っております。システムの問題等もあるということでございますけれども、やろうと思えばやれる話だと思いますので、ぜひひとつ、年金の本体の議論がこれから始まりますから、それまでの間にわかるようにしていただければありがたいと強く要請をしておきたいと思います。 今、既裁定年金の金額をそれぞれお聞きしたわけでございますけれども、聞けば聞くほど、一律の引き下げということによる問題点は大きいなという思いでございます。とりわけ、国民年金の場合がそうなわけでございますけれども、平均値で月額五万二千二百三十三円ということでございます。最低額はもう一万円未満の方もいらっしゃる。極めて低い給付、そもそもの制度設計がそういうことでございますから、そういう形でございます。 もちろん、ほかに所得のある方もいるとは思います。しかし一方では、私どもの身近の方でもそうなんですけれども、年金のみで生活をしている方、こういう方も少なくないわけでございます。一方に所得もある方もいらっしゃるからという理由でもって、本当に、それだけで生活している方も含めて年金を下げなきゃならないのか、これはどうしても減額をしなきゃならないのか。財政的にはごくごくわずかな話でございます。 要は、物の考え方なんでございます。先ほど来の自民党さんの質問にもございましたけれども、ああいう考え方をここで乗り越えていくということでなければ、これからの時代に対応する制度設計はできないと、本当に私ども危惧をいたしているわけでございます。本当にこのような低い金額の方からも減額する必要があるのか、どういう論理構成でそうなるんだ、それを乗り越える論理構成はできないのか。 局長、ひとつ事務方の立場からその辺を解明していただけませんか。
○吉武政府参考人 御説明申し上げます。 今の年金受給者の状況を見ていただきますと、主に国民年金第一号被保険者であった高齢者夫婦で申し上げますと、年金収入が大体百五十万ぐらいでございます。そのほかに、平均像でございますが、いろいろな事業収入であります、そういうのを持っておられまして、それは二百四十万ぐらいございまして、全体は三百九十万というのが、今の、自営業をずっと続けられた年金受給者の平均的な像でございます。これに対しまして、サラリーマンをずっと続けられた方について申し上げますと、これは企業年金なんかも入っておりますが、年金額が大体三百万ぐらいでございまして、それ以外の収入が百十万という形でございます。 それで、両方を合計いたしますと四百十万と三百九十万という状態でございまして、年金と、それからその他の収入といいますか、これをトータルで考える必要があるだろうということで、今の、自営業の方を主体とします国民年金と厚生年金の給付設計がもともと違っているというところがあるんではないかというふうに思います。そういう点を考慮いたしますと、一概に、年金の額が低い方について、この方だけを物価スライドの対象から今回除外をするというのは、なかなか難しいんだろうというふうに思います。 それから、先ほど来いろいろ御議論が出ておりますが、例えば国民年金の受給者の方でも、かつては、実は、お亡くなりになると年金を受けられなくなってしまうということで、六十歳までの繰り上げ支給の制度がございまして、この選択をする方が非常に多うございまして、その結果、本来の年金額より低くなっているというような状態もございます。 したがいまして、それぞれの方の拠出実績、それからそれぞれの方のいわば選択の結果として今の年金の給付が決まっておりますので、このことに対しまして、実質価値を維持するという物価スライドについてどこかで分けて適用するというのは、非常に困難だろうと思っております。
○金田(誠)委員 そういう考え方でやりますと、結局は一律の国民年金あるいは基礎年金という形になって、その財源をどうやって確保するかということになって、一万三千三百円をさらに一万五千数百円でしたでしょうか、引き上げなければならないという話になる。あるいはまた、国庫負担をふやさなければ、保険料負担だけでは到底もたないということになる。その国庫負担をではどうやってふやすかといっても、それはもう手だてがないという袋小路にはまっていくというのが現状だろうと思うわけでございます。 局長が答えられた論理は、一方から見た論理としてはそれはあるということはわかります。しかし、物の見方は一面からだけではない、もっと多面的な見方ができるということをまず申し上げておきたい。この件は、またさらに本体の議論の方でさせていただきたいと思います。 既裁定年金の金額が低い方というものに着目をすると、今申し上げたような疑問、問題点ということが出てくるわけでございますけれども、今度は高い方に着目をしても、これまた問題が出てくると思います。過去に行ってきた特例措置、一律据え置きということが大きな問題、今となって考えればですね、もっと別な考え方もできたんではないかな、私はこう思うわけでございます。 厚生年金の場合、今お聞きをしますと、最高額で月額五十万超という方もいらっしゃる。こうした方の年金額は、これは本来、据え置く必要というのはなかったんではないか。月額五十万円超の方の年金を据え置く必要というのは本来なかったんではないかなと。その点の矛盾については厚労省も余り触れたがらないと思いますけれども、これは大変大きな矛盾ではなかろうかなと思います。 この問題点、今となってはそうだな、本来であれば、これはもう引き下げて、御協力をいただくということをお願いすべきものであったな、これについてぜひ御同意をいただけないかな、これが一つ。 それで、なぜそれがそのとき決断できなかったかというと、やはり一律引き下げということが隘路になったんだと私は思うんですね。五十万超の方に何%か下げていただくというときに、旧来の発想であれば、三万、四万の方についても同じ率を引き下げなきゃならない、こうであれば、こちらの方は、やはり人間であれば良心の呵責がありますよ。答弁ではなかなかそうは言えなくても、そういう意思が働きますよ。それで三年間やってきたということだったと私は思うんです。 しかし、今となって考えれば、高い方には我慢していただく、それが本来であった。そのときに、そういう低い方、基準額をどこで引くかというのは議論があります、私どもの指摘を金科玉条にするつもりはありませんけれども、一定額以下の方については配慮するという仕組みがあればもっと違う選択ができたんではないか、もう本当にそう思うわけです。ここら辺、いかがですか。
○吉武政府参考人 厚生年金で申し上げますと、現在、標準報酬の上限が六十二万でございまして、仮にずっとこの上限の収入があった方の年金額をあらかた申し上げますと、月額三十万円ぐらいでございます。 先ほど来ちょっとお話が出ております五十万円以上のような年金の方というのは、通常考えますと、かつて坑内夫あるいは船員という、船員保険がございまして、あるいは坑内夫の方々がおられまして、この方々は労働条件が非常に厳しいということで、年金の加入期間につきまして割り増しの状態を行っております。そういう方が、しかも、先ほど申し上げました年金を受ける時期を繰り下げるということができますので、そういう方が繰り下げられた場合に、多分そういう高い年金額になってくるだろうというふうに思っております。 それから、国民年金の場合も、多分、大部分の方は、六十五歳の受給を七十に繰り下げますと、かつて増額率が八八%ということでございましたので、そういう形で選択された方は八万、九万という年金を持っておられるということだろうというふうに思います。 したがいまして、先ほど来申し上げておりますけれども、この年金の月額だけで、先生がおっしゃるように、例えば特例スライドの対象から外すというようなことは、なかなか困難ではないかと思っております。
○金田(誠)委員 五十万という方がどういう形で生じる可能性があるのかという御説明は、今承りました。 実際どういう金額になっている、その中身はこういう場合はこういうことが考えられるということまで含めて開示をしていただければ誤解もないわけで、ぜひひとつ、先ほどお願いしましたけれども、そうしたきちんとわかる形で今後開示していただきたい、こう思うわけでございます。 私は、何も五十万にこだわっているわけではございません。たまたまそういう数字が最高額で出たものですから申し上げているだけでございまして、それが例えば三十万台の方であっても、これは若年世代との均衡ということからすれば、物価が下がればスライドするというのが本来なんですよね。本来はそうだ、三年連続特例というのは本来の姿ではなかったんだということをお認めいただきたいということなんです。 その本来のことができなかったのは、先ほど国民年金法のこのスライドの条項に欠陥があるのではないかということを申し上げたんですが、ごくごく低い方まで一緒に下げることになるからなんです。違いますか。本来、こういう一定額の方は、物価が下がっても、これはもう生活レベルなんだからここから下は下げませんよという形が内包されていれば、そういう条項であれば、これは自動的な物価スライドということは十分可能だったと思うんです。そういうことでしょう。 五十万に別にこだわりません、三十万でもいいんですけれども、いかがでしょう。
○吉武政府参考人 年金の物価スライドは、物価が上昇します場合も、それから物価が下がります場合にも、実質的な価値を維持する、そういう目的で実施をしてきておるわけでございます。 年金の額あるいは給付水準といいますか、これにつきましては、拠出制の年金のもとでございますので、保険料を納付していただきまして、その保険料の納付の実績が年金額に反映されるという形でございますから、今申し上げました年金の給付水準なり年金の額を物価スライドで調整するというのは、なかなかとり得ないんじゃないかというふうに思います。
○金田(誠)委員 私どもは、本来、一定金額、老齢になった場合、六十五歳になれば、今さら若い年代に戻ってやり直して年金の掛金を払ってこいといったって、これはできるわけがないわけでございますから、さまざまな事情があったとしても、一定金額は保障するという仕組みをつくるべきだというふうに考えているわけでございます。その場合に、所得がありながら、あえて納入をしなかったという方などがモラルハザードのようなことになっては困るわけですから、その所得をきちっと捕捉する仕組みをつくるべきだというふうに思っております。 今はその最低保障という制度がないわけでございますから、最低保障であるべき額以下の方が相当数いらっしゃる、本当に一万、二万、三万という方が、それで生活している方もいらっしゃる。そのときの物価スライドということからすれば、そこに配慮をするということは当然ではないかというふうに思ってございます。 さらにまた、角度を変えてお尋ねをしたいと思います。 衆議院調査局につくっていただいた法案の参考資料というのがございます。それによりますと、こういう記載がございます。「平成十二年度から十四年度までの三年間の年金額の据置き措置と平成十五年度の特例措置による年金財政への負担」これは国民年金、厚生年金に限るということでございますが、この負担は「約一兆六千億円、今年度の特例措置による負担も約六千億円となっており、年金財政の負担は累計で二兆二千億円(給付費ベース)に及ぶ。」ということでございます。二兆二千億円が物価スライド分を据え置く目的で使われることになるということでございます。 しかし、その使われ方は非常に問題があるというふうに思います。例えば、これはわかりやすい数字を使ったわけでございますが、例えば年金額五百万ということであれば、一・七%であれば年間八万五千円、年金が五十万の方は、一・七%でその十分の一、八千五百円ということになるわけでございます。高額の年金受給者に対して、現役世代から、より高額の所得移転が行われる。この所得移転は、保険料という形もあれば、あるいは税という形もあるかもしれません。より高額の年金受給者が高額の所得移転を受けるということになる、これは不合理と思うわけでございます。 これというのも、一律の据え置きということから起因をしているわけでございます。本来ならば、高額の受給者はその所得移転を、本当に申しわけないことですが、我慢をしていただいて、低額の受給者にこそ所得移転が必要ではないか。これがもう諸外国の趨勢になっている、その中では、こういう考え方に立つべきではないか。所得移転のあり方という観点から質問をさせていただくわけでございます。大臣、いかがでございましょう。
○吉武政府参考人 拠出制の年金でございますので、二つの問題があるだろうというふうに思っております。 賦課方式でございますので、順送りに負担をしていただいているわけでございますけれども、今の年金受給者の中で年金額が比較的高い方につきましては、むしろ現役のときには保険料をそれだけ多く払い、それから基礎年金の効果がございますので、基礎年金につきましては、どちらかといいますと、賃金の低い方より多目に給付をされているということだろうというふうに思います。 それから、そういうことが、その次の世代にかわりましたときに、また順送りで次の世代からの負担によって給付が行われるということでございますので、先生おっしゃったような考え方はもちろんあると思いますけれども、そういう現役時代の年金制度の保険料拠出による努力といいますか、それを物価スライドのところで違った取り扱いをするというのは果たしていかがかという問題が基本的にあるのではないかと思います。
○金田(誠)委員 大臣、今の局長の答弁では問題ないということのようでございますが、本当にそう言い切れますかね。 これは、この場で、一橋の高山先生のおっしゃるような、過去拠出分における債務、あるいは将来拠出分における債務、その比較の話を今ここで申し上げようとは思いません。過去拠出の分は相当な債務超過になっていて、将来拠出分についてはほとんど収支とんとん。恐らく、今、その過去拠出分、今の年金受給者も含めて、そういうところに集中的に所得移転が行われているというのが現状でございます。 そういう、今でさえもそうした矛盾をはらんでいる、それが年金財政を今大変困難なものにしているわけでございますけれども、そういう状況が一方であり、その中での物価スライドによる引き下げということを考えた場合に、この既裁定年金、年金を既に受給されている方の中でも高い方、高い年金額の方により多くの所得移転が行われるような特例措置、これは特例措置ですよ、物価上昇に伴って自動的にスライドして上がるという本来の措置ではないわけです、据え置くための特例措置をとるに当たって、高額年金受給者により多くの所得移転をする、低い方には低い所得移転しか行われないという特例措置が、本当に特例措置として、年金局長のおっしゃるように、問題なしと言えますか。 これは、指摘をされれば、問題あり、こう認識すべきものではないですか。大臣、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、年金額といいますのは必ずしもその人の経済状況を反映しているとも言いがたい。本当に財政的に厳しい方で低年金の方も確かにございますが、特に国民年金の場合には、そうした皆さん方の所得と比例してその年金額というのが決められているわけではないということが一つあるというふうに思います。 それからもう一つは、先ほどお話ございましたように、賃金が下がったときには下げないということをしましたときに、今度は物価が上がったときに一体どうするのか。上がったときには余り上げないというようなことをそこへ入れるのかどうかという議論にも今なると私は思うんです。 長い間ずうっと続けていかなきゃならない年金でございますから、いろいろの制度があることはよく存じておりますし、そして、民主党さんが考えておみえになります案も私は一つの案であろうというふうに思っております。しかし、いずれの案であるにいたしましても、これは経過の長い話でございますから、そこでもしも何らかの形でこの引き下げを停止するということになりますと、その分をそれじゃだれが負担していくのかということになってくるわけでありまして、その分はお若い皆さん方にお願いをするということにするのも、それは酷な話でございます。 それは年金の財政全体に影響をするわけでございますから、そうしたことも加味をして決めていかないといけないというふうに私は思っております。
○金田(誠)委員 大臣からはもっと率直な御答弁をお聞かせいただけるのではないかなと期待をしてきょうは質問に立ったわけでございますが、少し残念な思いでございます。 年金は所得と関連して決められてはいないということは、私もよく承知をしております。今は、そうはいっても年金の世界の中でも矛盾があるのではないかということを申し上げているつもりでございます。所得と関連をさせて本来やることも一つの方法でしょうが、それはまた別の問題ということでございますから、ぜひ誤解のないようにしていただければありがたいなと思います。 次の質問に入りますが、この一・七%の財政影響の解決策でございます。これも不明確でございます。 これから提案される年金法改正案の本体では、物価が一・七%分上昇するまで年金額改定の措置は講じずに据え置くというふうになるようでございます。しかし、こうした措置によっては、必ずしも実際に年金財政に与えた影響額を解消するものとはならないわけでございます。 このため政府は、マクロ経済スライドによる調整を早期に行うことで解消するという説明をしているようでございます。しかし、マクロ経済スライドこれ自体、大いに問題があると思うわけでございますけれども、このマクロ経済スライドによる解消策は非常に長期に及ぶ、二十年でしたでしょうか、こういう考え方でございます。したがって、後世代に負担を先送りするというそしりを免れないものだと思います。 以上のような重大な影響を考えれば、物価下落に伴うスライドは、一律の据え置きや一律の引き下げという考え方から脱却して、比較的高額の受給者の方には少し我慢をしていただき、低額の受給者の方はスライドによる減額を行わないという考え方に転換すべきだ。この解消策という観点から御質問を申し上げるわけでございますが、いかがでしょうか。
○吉武政府参考人 これまでのいわゆる特例措置分の一・七%についてでございます。 これは、今回の国民年金法等の一部を改正する法案の中に、将来物価が上昇いたしましたときに、物価の上昇に対応する年金額の改定を行わないことにより解消するということを提案させていただいております。それから、これまでのそれぞれの累積分につきましては、なかなか個別に解消するというのは難しいだろうという判断に立ちまして、今回の、提案を申し上げておりますマクロ経済スライドの総枠の中で解決をさせていただくという形にいたしております。
○金田(誠)委員 物価が上がってもスライドをしない、これでは全額を解消することはできません。マクロ経済スライドという話を持ち出してくるようでございますけれども、これは将来世代に負担を先送りするということでございます。したがって、一たんこの特例措置によって据え置くということは、一・七%であっても、これは、二兆六千億円でしたでしょうか、将来にわたって簡単に解消できない非常に重大な影響を残すということでございます。そうしたことができなかった原因にやはりきちんと目を向けていただきたいもの、こう思うわけでございます。 最後、大臣にまとめて一点だけお伺いをして終わりたいと思うわけでございますが、以上申し上げた考え方は、物価スライドのあり方のみならず、今後の年金の制度設計にとって重要なかぎとなる最低保障年金という考え方に通ずるという立場からの質問でございます。 今日、諸外国においても、年金財政が逼迫する中で給付水準の切り下げが行われておりますが、高額の年金は多少我慢して譲っていただいて、その一方で、低額の年金しか受給できない方に対しては最低保障を行うという考え方でございます。スウェーデンを初め、カナダ、イギリス、オーストラリア等でも類似した制度がある、こう聞いているところでございます。 私は、もう二年ぐらい前でしたでしょうか、以前この席で、最低保障年金のパネルを持ってまいりまして、大臣にごらんをいただきながら質問をしたという記憶がございます。そのときは余りいい御返事はいただけなかったというふうに思うわけでございますが、事ここに至って、年金改正法案の本体の方で大幅な給付のカットを提案しなければならない、こういう状況となれば、もう方法はそれしかないのではないかと思うわけでございます。 一律の据え置き、あるいは一律の引き下げ、こういう考え方から脱却して、高い方には少し我慢していただく、そのかわり低い方には最低保障をするという考え方で制度設計をし直さなければ、年金制度はもたないところまで来ていると思います。今回の物価スライドについての提案も、最低保障年金に連動するものとして、私ども、対案として提案をさせていただいております。 本格的な議論は年金法案の本体の方で改めてやらせていただくこととして、今日時点における大臣のお考えを、改めまして最後にお聞かせいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 いろいろの御議論をいただきまして、ありがとうございました。 年金というのは、やはり自助努力というものの積み重ねであろうというふうに私は思っております。人によりましてその努力のできる範囲というのはあるだろうというふうに思いますけれども、やはり、すべてを国の方からしてもらうということではなくて、いかなる状況であれ、できる限りそれは自助努力をしていただいて保険料を出していただき、そして将来の年金に結びつけていくということが私は大事だというふうに思っております。 ただ、今御指摘いただきましたように、年金にもいわゆる所得再配分の機能というのは、これはぜひ含まさなければならない。多くの保険料をお支払いになる方でありましても、それに対して今度出る額は、高所得の皆さん方は少し御辛抱をしていただく。しかし、少ない保険料の皆さん方におきましては、平均よりもより高くここは年金額を設定する、そうしたことがやはり大事でありまして、それによって私は所得再配分ができるというふうに思っているわけでございます。 考え方はいろいろございますし、年金制度というのはそれぞれの制度、一長一短あるわけでございますので、それぞれの制度においてメリットのあるところもあるし、そうでないところもあるということを、私もよく自覚をしながらお話を申し上げているわけでありまして、さまざまな御意見をいただいて、そして、年金は百年の計でございますから、よく御議論をいただいて、そしてよりよい案を個々につくり上げるということが大事ではないかというふうに思っております。
○金田(誠)委員 大臣の御答弁の中で、所得再配分の機能が必要である、低い方には少し平均より高く配分をというくだりがございまして、そうであるならば、私どもの主張を本来であれば御理解をいただいていいんではないかという思いでお聞かせをいただきました。 時間が参りましたので、本格議論はまた改めてということで終わらせていただきます。ありがとうございます。
○衛藤委員長 五島正規君。
○五島委員 毎年のようにこの問題は特例措置の法案が出てくるわけですが、きょうは、前にも大臣とこの問題について議論したことがございますが、改めて、少し原理原則のところから話をしていきたいと思います。 今回、年金のスライド、やらざるを得ないということでありますが、その法的根拠は、国民年金法の十六条の二というものによってこの問題が起こってきていると思っています。 ところで、問題は、この国民年金法の中において、基礎年金、国民年金がシェアすべき範囲というものは、第一条を受けて第二条、そして第四条、第十六条の二というところがそれぞれ基礎年金、国民年金がシェアする範囲について触れている部分だろうというふうに思います。 従来、国民年金については、高齢期の必要な支出に充てるものということで、非常に抽象的な説明で終わっています。しかし、このスライドの部分に関しては、十六条の二で、総務省のいわゆる消費者物価に対応した形でスライドするということは一つ書いています。もう一方で、第四条におきましては、この法律による年金の額は、生活水準その他諸事情に著しい変動が生じた場合には、速やかに改定をしなければいけないというふうにも書かれているわけでございます。 この国民年金の第二条、第四条、第十六条の二、それぞれは独立したものなのか、それとも、国民年金、基礎年金というものは、総務省が言うところの高齢期の消費財に対する支出に限定したものをこのように書いているとお考えなのか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。
○吉武政府参考人 まず、国民年金法第二条でございますが、国民年金は、これは第一条に目的がございまして、その目的を達成するために、国民の老齢、障害、死亡に関して必要な給付を行うということでございまして、給付の原因となります所得が減少するあるいは所得を喪失する事由を国民の老齢、障害、死亡と定めております。 それから、第四条では、「この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。」ということでございまして、第四条では、この給付が将来にわたってその役割を果たすことができるよう、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動を生じた場合には、年金額の改定の措置を講じるという規定がございます。 それで、この後に、現在では別の条項に移っておりますが、保険料の額についての条文がございまして、保険料の額は、この法律による給付に要する費用の予想額並びに予定運用収入及び国庫負担の額に照らし、将来にわたって、財政の均衡を保つことができるものでなければならず、かつ、少なくとも五年ごとに、この基準に従って再計算をするという規定がございます。 したがいまして、四条の一項と二項は基本的には相対する規定だろうというふうに思っております。片方で保険料の負担を伴う年金の額について言及しておりますし、片っ方でそれに伴う、もちろん財政負担あるいは保険料負担が生じますので、それを書いておるということだろうと思います。 それで、先生がおっしゃいました第十六条の二でございますが、第十六条の二につきましては、年金の実質価値に直接影響を与える物価の変動について自動的に改定を行うということでございまして、いわば、非常に著しく変動が生じましたときに四条で対応をするわけでございますが、それを、著しい変動ではなくても物価の変動が生じたときに対応するということをこの十六条の二で規定しているものと理解しております。
○五島委員 今、吉武局長は、四条も物価の著しい変動というお話をされたわけですね。年金というのはナショナルミニマムに対応したものでないということは、今の御説明の中にもはっきりしているわけです。そして、確かに十六条の二においては、この年金のスライドについては物価に対応しろというふうに書いてあるわけですが、第四条の中身も物価に限定した内容というふうに書かれているというふうに吉武さんは読み取っておられるのかどうか、そこだけ。
○吉武政府参考人 第四条は国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じたということで、諸事情というふうに書いてございますので、この背景にありますのは、先生おっしゃいましたように物価の水準もございますし、あるいは国民生活の水準もございます。それから、一方で、保険料の規定がございますので、年金財政全体のバランス、今で申し上げますと、現役の負担と給付の関係、そういう事情を総合的に含むものだというふうに考えております。そのうちの物価に対応したところがこの物価スライドの規定になっているということだろうと思います。
○五島委員 私がなぜこのことにこだわっているかといいますと、実は、この国民年金法ができてから、例えば介護保険制度ができ上がりました。そして、介護保険は年金から直接天引きをします。しかし、介護保険とか医療保険、この保険料という保険にかかわる支出の部分は、当然、総務省の消費者物価の中には入ってまいりません。しかし、年金から直接差し引くということは、これは年金の給付の減であるのか、それとも年金というところから直接代行して徴収している支出になるのか、どちらかだろうと思います。この部分は全然入っていないわけです。 きょう、理事の皆さんの御理解を得まして配らせていただきました資料をごらんいただきたいと思うわけですが、私が住んでおります高知市の場合、今回もまた、政府税制大綱によって二〇〇六年の一月以降、増税、社会保障の負担が参ります。年金額が二百万の方、二百五十万の方、これは、所得税について見れば、二百万の方は変わりません。しかし、国保保険料、これはこの改定によって三万七千円余り負担がふえてまいります。年金総額が二百五十万の方の場合は、高知市の場合は十万五千幾らふえてまいります。そして、これは高知市の場合ですが、その裏面に書かせていただきましたが、東京都や横浜市、大都市をとったモデルがございます。これは、高退連という、退職した労働者の方々の団体がまとめられた内容ですが、これで見てみますと、大都市の場合は、年金額が二百万の場合は、この大綱によっても負担はふえない、二百五十万のところは一挙に十三万七千円ふえる、こういうふうな形になっています。すなわち、今の制度の中においては、年金額は一定であったとしても、公的負担というものは、自治体によって随分金額も、あるいは制度の変動によっても大きく変わるということを示しています。こうしたものの支出というものは全くこれには配慮されていない。 大体、年金額が二百万、二百五十万ぐらいの方について見ますと、おおよそのところ、五%相当の年金の給付の減に等しい状況になっています。こうしたものがもし総務省の物価スライドの案に加味されて検討されるとするならば、必ずしも年金額を減額するということにはならないのではないか。しかし、現状の中においては、総務省の消費者物価だけに対応していっている。一方、受け取る年金は、また来年も介護保険料は上がるかもしれないという状況の中で、年金額は、実際に受け取る額はどんどん減っていく、この状況について政府はどうお考えなのか。 本当に、現状の十六条の二だけでスライドをやっていくということがいいのかどうか。新たな制度あるいは新たな公的負担の改革があった場合、当然、そうしたものを配慮した、すなわち第四条を適用した見直しが必要なのではないか。その点についてどうお考えでしょうか。
○吉武政府参考人 直接の担当ではございませんが、公的年金課税につきまして、今回、年金だけの収入の方で申し上げますと、モデル年金受給者から上の方につきまして課税を強めさせていただくということでございます。 それから、先生今お話がございますように、その影響は国民健康保険の保険料あるいは介護の保険料にどう影響を与えていくかということになりますが、この点につきましては、できるだけなだらかにということで検討するということになっております。 それで、今先生がおっしゃいます、この四条の関係でございますが、先ほど来ちょっと申し上げておりますけれども、その他の諸事情の中には、もちろん物価の水準もございますし生活水準もございますが、同時に、トータルとしての財政の安定という事情もございます。そういうことをどう考えるかということになってくるんだろうというふうに思いますが、これは、国によってでございますが、例えば年金受給者につきましても、いわゆる可処分所得といいますか、その変動を年金に反映させるという手法をとっている国もございます。これは西ドイツがそうでございます。 しかし、それ以外の国はほぼ物価で対応いたしております。それはなぜかと申し上げますと、高齢者の方の、例えば税の負担あるいは国民健康保険料の負担、介護保険料の負担がふえるものを、これをまた年金に自動的にスライドをいたしますと、年金の給付の大部分はまた現役の方が負担をしておられますので、そうしますと、介護保険制度あるいは国保におきます現役の方とそれから高齢者の方の負担の分かち合いといいますか、これが年金を通じてまた現役の方に相当部分が戻ってしまう、そういう基本的な問題があるのではないかというふうに考えております。
○五島委員 それは先ほど自民党の方が民主党案に対しておっしゃっておりましたが、政府もすりかえをやっていますね。どう考えたって、これは理屈に合いません。 というのは、現役の世代も、それから高齢者世代も同じようにある制度、例えば税、それが引き上がったということについて、高齢者だけ処置をしろということであれば、おっしゃっているそのとおりであろうと思います。しかし、新たな制度ができ上がり、そのことによって高齢者世代に対する負担がふえてきている。例えば、老人保健制度が変わる、あるいは介護保険制度ができ上がる、そうしたことによって生まれてきた費用というものは、高齢者の負担というもの、あるいは若年者の負担というもの、これはみずからの所得の中から払うわけです。この部分が新たなシステムによって生まれたり大きく変わった場合に、それを考えなくてもいいということは、若年者との対比の公平性の問題ではないはずです。 それからもう一つは、そうした形でやられてきている費用が、直接年金から天引きしているじゃないですか。年金から天引きしているということは、受取額は減るわけですね。そして、その受取額というのは、今の局長の話からすると、そうした公的負担は入っておらずに、あくまで消費に限定された、すなわち、もっと言えば、総務省が言うところの消費者物価の中に含まれた内容に充てる部分である。とすれば、天引かれた分だけ、それに当たる費用が減ってきているのは明らかなんであって、そこのところの関係をどう考えるのか。 そうしたことが起こっているにもかかわらず、こうした高齢者の負担、公的な負担というものを全く配慮しない。私は、税までも配慮しろとは言わない。しかし、社会保険料等が制度の変更によってふえてきている、そのことに対して全く配慮していない。そのことについて目をつぶったまま、過去のスライドしなかった残が二%あるという理屈というのは通らないんじゃないか、そのように申し上げているわけですが、大臣、いかがですか。
○坂口国務大臣 問題はいろいろございますから、少し分けて御答弁申し上げたいというふうに思います。 一つは、今回、所得税の制度が変わります。そして、年金所得者につきましても、高いところにつきましては税が上がるわけでございます。今御指摘は、税が上がるだけではなくて、それにつれて国保保険料あるいはまた介護保険料というものも上がってきて、トータルをすると非常に大きくなるではないかというお話ございました。 確かに、ここはそのとおりになるわけでございます。ただし、今省内でも言っておりますのは、例えば二百万ではゼロだった、どんな制度をつくりましても境界線というのはあるわけでございますけれども、二百五十万になりますと、この高知の例でも十万五千円ふえます。急激にふえるということは少し避けなければならない。なだらかなカーブになるようにならないだろうか。 健康保険料でありますとか介護保険料というのはそれぞれの市町村によって違いますし、また算出方法もいろいろ地方によって違うわけでございますので、なかなか一律にいきにくいところはあるわけでございますけれども、健康保険料や介護保険料が一つのところに非常に集中的に高くなって、そしてその公平を欠くといったようなことになってはいけませんので、その辺につきましては、少しよく考えて、ここは各自治体とも協議をしてほしいということを今言っているわけでございます。したがいまして、今御指摘の、税制改革に伴います国保の問題ですとか介護の問題というのは、一考しなければいけないところがありますので、ここは、御指摘をいただいたことを十分に尊重したいというふうに思っております。 このことと、今回の年金の物価スライドの問題は、これは少し趣を異にしておりまして、実質価値というものが変化をしないということを前提にしながらこの物価スライドというのをやっているわけでございますので、物価が上がるときにはそれにつれて上げ、そして、下げるときには下げるというふうに、これは、今までからも、できるだけそれに沿ってお願いをしてきた。ただし、十二年から十四年の間は、引き下げということは最初のことでございましたし、そして、できればそこは高齢者の皆さん方にできるだけ御迷惑をかけないようにしようというので、据え置きをしたわけでございますけれども、それが一・七%残っている。その残っている分を、それではだれが支払いをするかということになってくるわけでございまして、この一・七%の部分の今後の措置というものを、これは今後の高齢者の年金の額の中で考えていかざるを得ない、そういうふうに思っているわけでございます。 したがいまして、もし仮に、たとえ一部であれ、全部であれ、据え置きをするということになりますと、それに対する負担をだれにお願いをするのか、どこにするのかというようなことがまた問題になるわけでございますから、その辺のところも十分考えてやっていかなければならないということを、先ほどから御答弁を申し上げているところでございます。
○五島委員 大臣が、この政府税制大綱による二〇〇六年一月以後の大きな激変に対して、何らかの措置をとらないといけないとおっしゃっていただいたことには感謝します。 ただ、若干問題があるのは、例えば、二百万以下のところは、確かに所得税も住民税も動かないんですが、これは、それぞれの市町村によって国保料金なんかは変わってくるわけです。また、二百五十万の年収のところでは、所得税は二万六千四百円しかふえない。だけれども、大体住民税に合わせた形で国保料金が決まり、そして、国保料金にスライドさせて介護保険料を決めているところとそうでないところ、住民税にスライドさせていたところとあるわけですが、東京や横浜あたりで十三万七千八百円も上がる。だから、確かに、税制の改革によって二万六千四百円引き上がるという問題は、これは、控除の問題をなくするということで、あり得るとしても、十三万七千八百円も結果としてトータルで負担がふえてしまう。 今、大臣がおっしゃったことはありがたいんですが、私は、若干危惧するのは、しかも、このふえる分は、国保料や介護保険料といった、地方自治体にとって非常に赤字になっている大きなところ、ここを、そうでなくても厳しい財政の中で抑制されるということになると、これはまた、国と地方との間の問題いっぱい出てくるんだろう。そういう意味からいえば、やはり、こうした制度の改定に対しては、国民年金法の第四条を適用するということの方がはるかに合理的ではないかというふうに考えます。 大臣の方が、この問題に対して、またそうなれば緩和措置を考えるとおっしゃっていただきましたので、これについての質問はそのときに譲らせていただきますが、どう考えても、これは、この制度ができ上がってしまうと、地方自治体の財政を、特に国保や介護保険の保険料収入を特例的に抑えるということはできない。できなければ、その分を国庫が負担するのかというふうな問題になってくる。そうであれば、この四条を動かした方がいいだろう、四条を適用した方がいいだろうというふうに考えております。 そのことを申し上げまして、次に移ります。 次に、これは民主党案に対してもお伺いしたいわけですが、民主党では、最低保障年金という概念を持ち出してこられました。私も、最低保障年金という概念を制度として成立させることに対しては賛成です。しかし、現行の法体系の中において、最低保障年金という制度はありません。 そうしますと、この最低保障年金というのは、国民年金、基礎年金を指しているのかなというふうにも思うわけですが、先ほど来、金田さんの御意見を聞いていますと、必ずしもイコールでもないのかもわからない。一体、最低保障年金がシェアする範囲は、どの範囲を民主党は考えておられるのか。 先ほど政府案についてお聞きしましたが、民主党はどう考えておられるのか、シェアする範囲をお答えください。 〔委員長退席、北川委員長代理着席〕
○古川(元)議員 お答えをいたします。 まず、今の五島委員の御質問にお答えする前に、そもそも私ども民主党が今回こういう形で物価スライドの特例法に対して対案を示させていただいた、その背景について一言述べさせていただきたいと思います。 この特例法は五年連続になります。最初三年は物価スライドを凍結する、そして昨年、ことしと、前年度物価下落分だけ物価スライドを適用する。この法案に対しましては、私ども民主党も、昨年まで、いろいろな問題、現役世代との負担の均衡、そしてまた高齢者に対する配慮、そういう点を考えながら、これまで四年間については政府案にやむを得ず賛成をさせていただいてまいった。 その審議の中で、私自身も坂口大臣にも何度も御質問をさせていただきましたけれども、そもそも毎年こうした特例法を出さなければいけないという現行制度のあり方そのものに問題があるのではないか、したがいまして、制度そのもの、完全自動物価スライド制という現行制度そのものの見直しというものが必要ではないかということを毎年問わせていただきました。 それに対しまして、大臣からは、もう来年にはきちんとそうした制度自体の見直しを示すという回答をいただいておりましたが、それは毎年ほごにされて、こうして毎年繰り返して特例法が出されてきているという状況になっておるわけであります。これは、政府が問題をそのままに放置し、そして不作為でこうした特例法を毎年毎年出さなければいけない状況に至っている。こうした政府の不作為というものは、私は、これは厳しく指摘されなきゃならないというふうに思っております。 私どもは、そうした政府の不作為が何年も続いて繰り返されてきた、放置されてきた、もうこの段階においては、従来のそうした政府の問題先送りの姿勢にそのまま賛同するわけにはまいらない、そうした視点から、今回、こうした私どもの対案というものを示させていただいたわけであります。 そして、今回の私どもの案の中では、これから民主党の年金改革案として、現行制度とは異なる全く新しい年金制度、それを提案させていただく中で、所得比例年金、そして所得比例年金では、一定額の年金額に達しない方に対しては、全額税を財源とする最低保障年金というものを創設して、すべての高齢者の方々に最低限の年金額は保障する、そういう仕組みを提案させていただく予定でおります。 そういう考え方を、今、この政府の特例法に対して、私ども、ことし一年、抜本改革の中でそうした最低保障年金という制度は取り入れさせていただきたいと思っておりますけれども、その抜本改革に至るまでの間のところで、何とか現行制度のもとでこの最低保障年金的な考え方を取り入れることができないか、そう考えた結果として示させていただいたのが今回の法案であります。 そういった意味では、今委員から御指摘がありましたように、概念自体は異なります。そして、最低保障年金と同じような形での給付の範囲になるというわけでもありません。そこは、考え方を現行制度の中でどこまで実現できるか、そういうことを勘案した上で、今回は、基礎年金の基準額に達しない給付額の人についてのみ物価スライド〇・三%を下げるということをしないというものを示させていただいたわけでございまして、そうしたこの法案提出に至る背景、そういったものもぜひ御勘案の上、私どもの案に対しまして御理解をいただきますようによろしくお願いを申し上げます。
○五島委員 最初にちょっと、与党の数が少な過ぎますので、質問は続けますが、確保してください。 今、民主党の提案者の方からお話があったわけですが、そうした理念はよろしい、わかっております。問題は、私が聞いているのは、最低保障年金という概念を使ってこの説明をされようとしている以上は、最低保障年金がシェアする範囲はどこなのかということを聞いているわけです。 実は、この国民年金についても、これはナショナルミニマムではないといいながら、では、さっきも言ったように、社会保障関係の経費、それに対する負担については入るのか入らないのか。入らないともはっきり言わないし、しかし、現実問題としてはそこは入れて考えていないというふうなあいまいさがある。 民主党の場合は、その辺はどうなのか。単に、一般的に、相対的に年金の少ない人は気の毒だからということで今回は何とか民主党案は出しているんだとおっしゃっているようにすら聞こえてしまうので、そこのところは明確におっしゃっていただきたいということなんです。
○古川(元)議員 先ほど来申し上げておりますように、最低保障年金というのは、私たち民主党がこれから国会に提案をさせていただく予定でおります対案の中で示させていただく予定でおります。その具体的な中身、構造については、これは私どもも今後とも詰めていきたいと思っておりますし、また、今委員から御指摘のあったようなところについては、私どもは、今回の法案の中では、年金改革調査会というようなものも国会に設定をして、民主党が考える最低保障年金を設定するという条件のもとで、そうしたものについては広く国民的な議論をして決めていきたいというふうに思っております。 しかし、この今の特例法に対する私たち民主党の対案の中では、これは今の、現行の中で考えざるを得ない。あくまで、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、最低保障年金の考え方をどう現行の法律の枠内で適用できるか、そう考えた結果が今回の民主党案になっているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○五島委員 まあ、理念の問題については、まだ出ていない法案、基本法についての議論の中でやっていくとして、今のお話では、要するに基礎年金相当額以下の人についてはスライドを適用しないということをおっしゃっているんだというふうに理解します。 ただ、そうしない限りは云々というお話ですが、先ほどから私も申し上げておりますように、むしろ、現状の法律の中においても、そうした社会保険料の新たな増加やあるいは制度の増設による経費の増、しかも、それは年金から直接差し引いているじゃないか、そこのところを、第四条という現行の法律を適用すれば、年金をなぜ二%下げないといけないのか、そこのところについて政府は説明責任を果たしていないわけですよ。そこを、民主党は、見なくてもいい、追及しなくてもいいとおっしゃっていると受け取られては困りますので、あえて私の方から言わせておいていただきます。 次に、民主党案の今のお話を聞いていますと、先ほど自民党さんの方からも御質問がございましたが、国民年金、特に四十年間満額掛けておられないであろう三号被保険者であったり、そういうふうな人々、あるいは途中が抜けている自営業者の方々、そういう人たちはスライドをしない。もう一つスライドができないのは、先ほどもお話がありました、共済年金と厚生年金、国民年金、そういうものをそれぞれ一定期間持っておられて併給されている方々。その中で、もし共済年金の給付額が六万六千円以下であった場合には、現行の制度においては、名寄せをしない限りその部分については減額できないという欠点を持っています。この欠点について、先ほど金田委員の方からも非常に苦しい御答弁があったんですが、これは制度の公平性の問題からいって非常に大事な問題だろう。 金田さんの方にお聞きしたいのは、金田さんの思いであれば、少なくとも、現行の法律のもとにおいてこの問題をやるとするなら、国民年金、基礎年金については減額をしない、スライドしないというふうに言われた方がまだすっきりしたんだろうと思っています。ところが、あえてそのようにでき上がっていない、しかもこれから国会に調査会なんかをつくって議論しようという、その中で、民主党が提案する予定をしております最低保障年金という概念を現行の法律の中に持ち込んで議論することには、私は若干無理があるのではないかなと思っておるわけなんですが、その点についてどうお考えでしょうか。
○金田(誠)議員 二点御質問をいただいたと思います。 一点目は、名寄せの問題でございます。 公的年金、これについてすべて名寄せをして、そのトータルの額が、基準額というものを基本にしながら、それから上についてはスライドをして減額をする、それに満たない者については減額をしない、これが法案の基本的な考え方でございます。技術的にできるかどうかということもあるわけでございますけれども、基本的な考え方として、原則名寄せということを崩してしまえばなかなか説明しにくい状態になるのかなというふうに思っていまして、法案はそういう形ででき上がっております。しかし、実行段階で万が一名寄せができない者が一部もし生まれたとしても、そのことをもって、だからといって低い方まで全部引き下げるという論理には立つ必要はないのではないか、こう思っております。これが名寄せについての考え方でございます。 もう一点は、今回のスライドをもって、最低保障年金を先取りするというんでしょうか、そういうことではないかという御指摘でございますが、決して、制度として最低保障年金を今回のスライドに絡めて導入しようというふうに考えているわけではございません。制度として考えるのではなくて、物の考え方として、一定額を下回る方については、スライドをしないことはもとより、本来であればそこまで年金額というものは引き上げて最低保障をする、こういう考え方が必要ではないのか、そういう考え方に基づけば、ましてやスライドによる引き下げなどはすべきでないということなんでございます。 そして、そういう制度をきちっと内包させることによって、高い方については我慢をしていただき、低い方については保障をしていく、こういう考え方に移行できるのではないか。今回、物価スライドという観点からも、そういう物の考え方を導入することが必要だということでございまして、制度として最低保障年金を今回取り入れるということとは切り離して考えてございます。 ちなみに、五島先生、四条の関係でずっと御指摘をいただいておりまして、ちょっと申し上げてよろしいでしょうか。 私も、その考え方は一理あるというふうに思っております。今は、消費者物価というものを基本にしてスライドというものを決めているわけでございますが、本当に年金の給付水準の設定に当たって消費者物価だけでいいのかどうかということは議論のあるところだと思います。そうした議論は、しかし、今の段階で、スライドということとはまた別な議論になるんではないかと。給付水準をどこに設定するか、それに対する負担をどういう形で負担するか、給付と負担の関係、その給付水準の中身の問題として、どの負担まで基礎年金あるいは最低保障年金で賄うのかということは、大いに議論すべきだとは思いますけれども、今回の問題とは私は切り離していいんではないのかな、こんなことを思っておるところでございます。 以上でございます。
○五島委員 金田さんの御答弁で、かなり問題が整理されたと思っております。 ただ、金田さん、国民年金の中で四十年間本当に払っておられない方々、それは圧倒的にやはり三号被保険者なんですね、四十年間専業主婦だった人になるわけですよね。 そして、共済の方について言えば、先ほどのデータを見ても、金田さんの質問に対する答弁を聞いても、例えば、年間八十万以下の年金をもらっておられる方というのは、これはほとんど短期の、途中で転職された方々ですよね。そういう方々についてどうするのかということはきっちりとしておかないといけない。 システム上の困難さがあるとおっしゃるけれども、金田さんおっしゃっているように、年金について将来のビジョンも含めて民主党が言うとすれば、一元化ですよね。共済年金と厚生年金、国民年金の名寄せができるということぐらいは当然のことじゃないですか。四月一日からできるかどうかということは、これは別の問題。しかし、これをやるとすれば、間違いなくおくれてでも名寄せをするということでない限り制度上の瑕疵になるのではないか。そこは、できないからといってやめるなという気持ちは、金田さんが、低年金者に対しての配慮が大事だということを強調されたものとして私は受け取りますけれども、だけれども、この問題は、やはりきちっと名寄せをして公平性というものを担保できないといけないと私は思います。 そして、国民年金、基礎年金のところについて、スライドをしないという方法というのも、確かにスライドしない額がふえるわけですが、これも一つの方法なんだろうと思います。その点についてはどのようにお考えになるか、この二点お伺いします。
○金田(誠)議員 十分に質問の意味を受けとめていないかもしれません。その場合はお許しをいただきたいと思います。 法案自体は名寄せをするという形でできております。公的年金を名寄せをして、その合計金額をもって基準額を超えているかどうかという形でございます。多少時間がかかるとすれば、それは後で精算をするという形をとらざるを得ない、最大限の努力をしてできるところまではするということでなければ、理屈としてちょっと通らないことになるのではないかなと、こう思っておりまして、恐らく五島先生の指摘も同じ立場だろう、こう思っております。 それから、国民年金に限って、私どもは所得に着目をして、基準額を超えるかどうかということで提案をさせていただきました。しかし、その中身は、基準額を下回る方は国民年金に圧倒的に多いということも事実でございます。そうであるならば国民年金と被用者年金ということで分けたらどうかということの御提案だと思うわけでございますが、しかし、いかに国民年金に基準額を下回る方の比率が多いとしても、被用者年金にも同じ方がいらっしゃる可能性は十分あるわけでございまして、問題は国民年金に対する措置ということではなくて、いずれの年金制度であっても、公的年金制度を通じて基準額に達するか達しないかという観点からの措置の方が物の考え方としては至当ではないか、こう思っているところでございます。
○五島委員 同じ党の中でこの問題を議論するのは、もうそろそろやめておきますけれども、ただ、年金から天引きする保険料、介護保険とかそういうふうなもの、これは、徴収の上からは非常に便利なんですよね。しかし、年金がシェアする範囲というものをはっきりしておかないと、減額するときには物価というところに着目してスライドするよということであれば、逆に言えば、年金の給付額の減になるわけです。 しかし、そうした社会保障費の負担も含めた高齢期の一般的な支出の中においての基本的な、基礎的な部分の一部であるというこれまでの政府の、ある意味においてはあいまいにせざるを得ないようなことなんですが、そういう概念であれば、これは、今度は逆に、社会保険料等の負担を、総務省の物価スライドとあわせて、とりわけ制度が大きく変わったときに厚生省が判断をするという仕組みが必要なんだろうと思うんですね。 その点について、どうお考えなのか、民主党の場合は、民主党案ができ上がってしまえば違うわけですが、現状の制度のもとにおいて、この点についてどうお考えなのか、政府と民主党と両方からお伺いしたいと思います。
○坂口国務大臣 今御指摘の点は、非常に大きな問題を含んでいる。それは、社会保障全体として、年金、医療、介護、トータルでどう今後見ていくかという問題を御提起になっているんだろうというふうに思います。 ここのところは大事なところでございまして、私たちも考えていかなきゃならない問題だというふうに思っておりますが。例えば、ことしは年金を御提示申し上げと、来年はまた介護の問題を御提示申し上げ、その次にはまた医療の問題を御提示申し上げ、一つ一つそれはそれなりに整合性があるというふうにしましても、トータルでそれをどうしていくかという問題は確かにあるわけでございます。トータルで見ていくためにどうするかといったことを私たちも今議論を始めているところでございまして、それらについての結論も出さなければならないというふうに思っている次第でございます。
○古川(元)議員 五島委員の御指摘につきましては私ども民主党も議論を続けておるわけでございますし、それは五島委員もよく御承知のことだと思います。私ども、引き続き、トータルの考え方の中で、特に民主党が示す今度の新しい年金制度の中の最低保障年金のその額などを検討するに当たっては、そうした部分も踏まえて最低保障年金の額というものも決めていきたいというふうに考えております。
○五島委員 非常に重要な点について、大臣のお話、そして民主党の提案者のお話、お聞きしましたが、非常に重要な問題であるという御認識で一致しているということしか言えない状態です。 ただ、これは非常に大事な問題であることは、私もそのとおりだと思います。とりわけ、年金問題、介護の問題、医療の問題、障害者の問題、議論していく中において、私は、その出発点に社会保障全体のあり方、とりわけ現金給付と現物給付との関係、それの費用負担のありようの問題、そうしたものを総枠として一度きちっと議論しておく必要があるんだろうと思います。 年金の議論をしているときは、すべて高齢者に対して現金給付でもって物が進んでいくような話になるし、老人保健になれば、それは年金からも金が入ってきているし、本人に負担をさせてもいいんじゃないかというような話になってくるし、そういう意味においては、現物給付と現金給付と、社会保障の中でどういうふうに区切っていくのか、そうした社会保障問題全体に関する十分な、というのは何日もということではありませんが、そうした点での議論を私はぜひ年金の本体議論の前に一般質疑としてやっていただきたい、そのことを委員長並びに各理事の皆さん方に御要望しておきまして、若干時間が残っておりますが、質問を終わります。
○北川委員長代理 次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。 私は今まで社会保険労務士をしておりまして、中小零細企業の事業主や年金受給者の相談を受けてまいりました。国の社会保障制度の、特に年金は多くの国民に関連のある重要な問題でございます。きょうは、年金受給者や事業主に成りかわりまして、坂口厚生労働大臣並びに担当の皆様に御質問をしたいと思います。 現在の厚生年金保険料率というのが、年収の一三・五八%でございます。これを本体の年金改正のところでは毎年〇・三五四%ずつ引き上げる、そして一八・三〇%に改定しようとしております。 今日の経済情勢を考えますと、たとえ〇・三五四%でも中小零細事業主には大変な負担となっているところでございます。社会保険というのは厚生年金と健康保険がセットになっているわけであります。健康保険は年収の八・二%、厚生年金は一三・五八%でございます。合計で二一・七八%。労使折半でございますから、それぞれ一〇・八九%の負担ということになるわけであります。今の非常に経済が厳しい状況におきまして、中小企業におきましては賃金の一〇%を社会保険料として用意しなければならない、また、勤労者、被保険者でございますけれども、総支給額の一〇%が社会保険料として控除されている、それに所得税を合わせますと、総支給額の約二〇%は控除されてしまう、天引きされてしまう現状があるわけであります。 地方の中小零細企業の製品、うちの会社は中国製品だ、こういうところもございます。なぜかといいますと、日本では会社を経営する経営環境というのは、非常に社会保険料が重荷になっておりまして、中国の、賃金が安い、同時に、そういう社会保険料の負担というのが日本と違いますので、勝負にならない、そう言ってどんどんつぶれていってしまうところが非常に多いわけであります。 こういった消費不況、それから雇用不安をあおっている大きな社会保険料の負担というのを坂口厚生労働大臣はどうお考えになっているか、御所見を伺いたいと思います。
○坂口国務大臣 先ほどの御質問ともこれは絡むわけでございまして、日本の将来にとって大変大きな課題であるというふうに思っております。安定的に日本が成長をしていくためにも、それは、経済の面から見ましても、あるいは国民生活の面から見ましても、大変重要な課題であり、ここを乗り切っていかなければならない。しかも、現在は少子化と高齢化が同時進行をしている。こういう状況の中で果たさなければならないこの問題でありますだけに、大変難しい課題であることは十分に私も承知をしているわけでございます。 その中で、やはり、年金、医療、介護、障害者の問題も含めて、これはトータルで負担はどのようにしていくかということをひとつ考えなきゃいけないというふうに思っております。 企業において、いわゆる職域連帯において、企業とそこに働く人たちにこれは負担をしていただかなければならない問題と、それから、そうはいうものの、すべてを企業とそこに働く人たちにお願いしては、これは少し関係が薄いのではないかといった問題も私はあるというふうに思います。その辺のいわゆる区分というものを今まで余り明確にしてこなかった嫌いがなきにしもあらず。今までは全体の額が非常に、非常にと申しますか、ある程度低かったですから大きな問題にならずにまいりましたけれども、ここがこれから大きくなっていきます以上、国民全体で連帯をして負担をしなければならない問題と、それから、企業と働く人たちにお願いをしなければならない問題と、そこを少し整理するべきときに来ているというふうに思っている次第でございます。 そうした中で、いずれにいたしましても、負担があることだけは事実でございまして、この負担をより小さくしていくという努力も、これは効率化をしていくという努力もしなければなりません。例えば年金と介護の問題を見ましても、年金をもらっている人に介護のすべてを国の方で保障するということをしなければならないか、あるいはまた、医療と介護の間におきましても、そこに重なりはないかどうか、見直しが求められているというふうに思っております。 そうした点を整理しながら、極力効率的にするということを行いながら、負担の内容につきましても整理をしていくという時期に来ているというふうに私個人は思っているところでございます。
○内山委員 本体の年金の方で、これからマクロ経済スライドというのを政府は提案しようとしているわけでありますけれども、このマクロ経済スライドの計算に用いる平均余命や労働力人口の減少の数値、その辺の設定にも、これから保険料の引き上げというところに大きく影響があるのではなかろうかと私は危惧をしているわけであります。 先ほど、物価スライドの凍結の問題が出ておりますけれども、まさか三年間も物価が下がることはない、こういう判断で凍結措置をして、マイナス一・七の積み残しを行ってしまったわけでありますけれども、この凍結措置そのものは、大臣、これは間違いではなかったんだろうかと私は思うんですが、そこはいかがでございましょうか。
○坂口国務大臣 経済がどういうふうに進んでいくかということをそのときそのときで判断しなければならないわけでございますが、絶えず新しいことに直面をしていかなければならない。二年ないし三年という、あるいはまたそれ以上に物価が下落していくというような新しい事態に直面をした。 その中で、まずどう判断をしたかといえば、一番最初は、物価は下がりましたけれども、高齢者の皆さん方にその御負担を避けるという意味で、一度ここは乗り越えをさせていただこうというので、据え置きをさせていただいた。しかし、その据え置きを続けておりますうちに、今度は働いていただいている方、保険料を支払っていただいている皆さん方の賃金が減少し始めました。平成十三年の中ごろからではなかったかというふうに思いますが、そうした現象が起こってきた。支えていただいております方の皆さん方の賃金が下がってきておりますのに、一方、それに支えられております年金の方をこのままいくというわけにはいかないということで、以後引き下げを、このマイナスの物価スライドを実現させていただいたということでございまして、今、その過程を振り返ってみますと、そうした経緯の中でそれぞれ判断をしたことでございまして、それが正しかったかどうかということについては後世の人が判断をしていただけるだろうというふうに思っておりますが、その都度は、正しいという判断のもとに実施をさせていただいたことは間違いのない事実でございます。
○内山委員 今大臣の答弁にもございましたとおり、後世の人が判断する。 そうしますとやはり、これから本体の年金改正の議論をするわけでありますけれども、ここのマクロ経済スライドの数値に使います設定が、平均余命と、そして労働力人口の数字があると思います。この辺を当局からちょっとお尋ねをしたいと思います、どのような根拠で出しているのかを。
○吉武政府参考人 平均余命につきましては、社会保障・人口問題研究所が推計をいたしました中位推計の二〇五〇年時点の平均余命で算定をいたしております。それから、労働力人口につきましては、厚生労働省の職業安定局が推計をいたしました二〇二五年までの労働力人口の推計がございまして、労働力率、両方ございまして、これを基本にして推計をいたしております。
○内山委員 数値を示してください。
○吉武政府参考人 ちょっと労働力率は今資料をあれいたしていますが、平均寿命でございますが、二〇〇〇年時点の平均寿命、男性が七十七・六四歳でございます。それから女性が八十四・六二歳でございましたが、今回の中位推計におきます二〇五〇年時点の平均寿命でございますが、男性が八十・九五歳、女性が八十九・二二歳でございます。 それから、労働力人口の方の推計でございますが、これはもしあれでしたら後から資料でお渡しをしたいと思いますが、基本は二〇二五年までの男女別の労働力率を推計いたしておりまして、それに基づきまして労働力人口を出してございます。 男性と女性によって傾向が違いまして、基本的には、女性は全般として労働力率が上がるという状況でございます。ただ、労働力率が一番低い、例えば三十代前半の女性の方、いわゆるM字カーブと言われておりますが、例えば二十代後半の方も上がりますし、それから四十代の方も上がりますので、トータルとして、M字カーブが全体として上がっていく、そういう推計になっております。
○内山委員 たしかマクロ経済スライドでは労働力人口の減少というのは〇・六という数値が出ていると思いますけれども、これでよろしいですか。
○吉武政府参考人 今の中位推計に基づきます将来推計人口がございますので、これに今申し上げました労働力率を活用いたしまして将来の被保険者数を試算いたしております。その被保険者数の減少が当面毎年〇・六%というふうに推計をいたしております。
○内山委員 この〇・六%の中に、十六年の十月から引き上げを実施しようとしている保険料アップに伴う減少というのは考えているでしょうか。
○吉武政府参考人 直接カウントしているわけではございませんが、トータルで申しますと、今申し上げました労働力率の将来の推計、これに対しまして中位推計の人口推計、それから、それをさらに労働力人口のうちの例えば厚生年金の被保険者数の比率、こういうものを算定いたしまして、それで推計をいたしております。
○内山委員 この辺は本体のところでまた大いに議論することといたしますけれども、やはりなかなか甘い数字で見込みをしているのではないか、これが物価スライドの凍結をした一・七にやはり関連してくる部分ではないかなと私は思うわけです。 そして、今回の、〇・三がだめであれば二・〇ということになるわけでありますけれども、年金受給者の立場になりますと、当然やはり少ない方がいいわけでありまして、この〇・三%引き下げるとした財政的な影響というのはどのくらいあるのか、お示しをいただきたいと思います。
○吉武政府参考人 平成十六年度におきまして、平成十五年の消費者物価下落のマイナス〇・三%改定を行いましたときの、いわば給付費の削減効果といいますか、を申し上げますと、これは手当も入ってございますが、トータルで約千九十億円でございます。それから、国庫負担ベースで約百六十億円でございます。
○内山委員 積み残しの分の二・〇%とした場合の財政影響を一緒にお尋ねしたいと思います。
○吉武政府参考人 特例措置分の一・七%とただいま申し上げました〇・三%を足しましてマイナス二・〇%の改定を行った場合で申し上げますと、給付費ベースで手当も含めまして約七千二百六十億円、国庫負担ベースで約千四十億円でございます。
○内山委員 数字ばかりで申しわけありませんが、それでは、過去三年間の凍結分、一・七%の負担累計は幾らになっているか、お尋ねをします。
○吉武政府参考人 これまで特例措置で年金額を据え置いておりますので、それによりこれまで生じました累積の財政影響額、いわゆる満年度ベースでございますが、年金、手当を合わせまして、平成十六年度分も含めまして、給付費ベースで約二兆六千三百四十億円、国庫負担ベースで約三千九百八十億円でございます。
○内山委員 二兆二千億円ではないんでしょうか。二兆六千億円になるんでしょうか。
○吉武政府参考人 今先生がおっしゃいました数字は、十五年度までの数字でございまして、私が申し上げましたのは、十六年度分も含んだ数字でございます。
○内山委員 少し横道にそれますけれども、やはりこういう年金の改正をしますと、物価スライドに伴いまして基礎年金額が変わったり加給年金額が変わったり、そして振りかえ加算額が変わったり、同時にするわけであります。 そうしますと、コンピューターの数字、システムの方の数字を直さなければならないと思いますけれども、十六年度の予算ではこの辺はどのくらい変更に予算をとっているのか、お尋ねをいたします。
○薄井政府参考人 お答えをいたします。 社会保険業務センターにおきます年金額の計算プログラムの中には、現在の年金保険各法に基づきます物価スライドによる年金額の改定、これを行う機能というのがビルトインされている、組み込まれている、こういうことでございまして、物価スライドを幾らやるかということが決まれば、この機能の中に新しいスライド率、今回で申し上げますとマイナス〇・三%、こういうことを投入することで、全受給者に係ります年金額が自動的に計算をされる、こういう仕掛けになっております。したがいまして、今般の物価スライド実施によりますコンピュータープログラム修正費用、こういったものは特に発生しない、こういうことでございます。
○内山委員 物価スライドの数値を入れるだけであれば新たな経費が発生しない、こうおっしゃっているわけであります。 そうしますと、ついでに、平成十三年度に厚生年金の定額部分の繰り上げ受給方法というのが新しく導入されたと思います。一部繰り上げとか全部繰り上げのシステムです。これは非常に大きな改正が伴ったわけですね。そして同時に、十五年の四月から総報酬制ができたわけですけれども、それぞれコンピューターのシステムを大きく直さなければならないところだろうと思いますが、その二つについて、一体どのくらいの費用がかかっているのか、教えていただきたいと思います。
○薄井政府参考人 ただいま御指摘のございました老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引き上げ、これは平成十三年に実施されましたけれども、平成六年に制度改正としては行われております。また、総報酬制に関しましては、平成十二年の制度改正で導入をされているわけでございます。 一般的に、いずれの改正も、財政再計算に伴います年金制度改正ということでございまして、大規模なプログラム修正を要するということでございますが、支給開始年齢引き上げの部分につきましては、六年改正ということで、かなり以前のものでございますので、決算書類の保存期限というのも経過いたしております。現時点でちょっとその数字というのは確認ができないということを御理解いただきたいと思います。 ちなみに、先ほど申し上げました総報酬制の導入を含みます直近の年金制度改正でございます平成十二年の法律改正に伴いますプログラム修正について申し上げますと、平成十四年度までの段階で約百二十億円を支出いたしているところでございます。まだ未実施の部分というのも若干ございます。例えば、在職老齢年金と総報酬の関連というのはことしの四月から実施をされますし、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げというのは平成二十五年からの施行ということでございます。それらがございますから、これからさらにプラスアルファがかかるということでございます。 平成六年の改正につきましても、ステップ数等から見まして、ほぼ同じような規模の経費がかかったというふうに考えているところでございます。
○内山委員 平成六年の改正、十三年の四月から実施した定額部分の支給開始年齢の引き上げの部分ですけれども、ここは私もざっと聞いていますと、百億かかったと聞いたわけですね。百億かけまして、定額部分が六十一、六十二と後ろにずれている方を前倒しで受給する方法を、一部繰り上げとか全部繰り上げというシステムをつくりました。 仮に六十一歳から定額部分の年金が支給される方、六十歳から報酬比例と定額部分を繰り上げ受給をして、六十五歳時の年金の差というのはどのくらいあったかといいますと、年額で八万ぐらいしかない。月に直すとそれこそ数千円の差しかない。こういったシステムが実は百億円もかけて、これは保険料の本当にむだ遣いだろうと思うんですけれども、法を改正する意義が本当にあったのかと、私は今まで非常に疑問を抱いておりました。 年金の給付額を圧縮するために一部繰り上げ、全部繰り上げというのは、六十一、六十二と定額がずれていきますから、前倒しでもらわないと生活できない人もいるでしょう。そのための方法としてつくった制度に百億円もかけて、実際、六十五歳のときの金額、普通どおりもらう場合と繰り上げをしてもらう場合との差がそんなものしかない。これは非常に効率が悪いんじゃないかなと非常に疑問に思っておりまして、この百億円、これが妥当な数字なんですか。 これからも、年金改正に伴いますと、十五年の総報酬の改正に百二十億円もかかっている、けたが何か非常に大き過ぎるんじゃないかなと非常に疑問に思います。この辺は後ほど、じっくりと掘り下げて、例えばどういう見積もりで金額が出ているのかお聞きしておきたいと思うんです。 電子計算機等の借料、そして通信専用料というのが、これは合わせて二千二十五億円もあるんですね、十六年度の予算で見ますと。こういった費用というのは非常にでか過ぎると私は思うんですが、大臣、この辺の経費はいかが思いますか。御所見をお伺いしたいと思います。
○坂口国務大臣 役所の中でどういうふうなものを計画しているのかということを、私も余り細かくは見ておりませんけれども、いずれにいたしましても、いわゆる費用対効果というのは、役所もきちっと考えていかないといけないというふうに思います。 今、先生が御指摘になりましたお話を聞いていて、やはり中小企業の経営者の皆さん方というのは、その辺のところはしっかりと計算をしておやりになっている。そうしたことに対して常に御相談に乗っておみえになってきたということが、やはり御質問に出ているなというふうに思いながら聞かせていただいたわけでございまして、そうした立場、そうした考え方のもとに役所もやっていかないといけない。 小さな改革をして、そしてその小さな改革をするだけに大きな費用を使うということは、これはやはり今後考えなきゃいけませんし、そうした御指摘を十分に踏まえてこれから役所の方もやっていくように、私も指導したいと思っております。
○内山委員 大臣の御答弁、ありがとうございます。 やはりこれから費用対効果というのは当然だろうと思います。こういった数字を見ますと、物価スライド凍結をした分二兆六千億ですか、こういったものも、例えば保険料の特別会計というところから五兆六千億という、盛んに予算委員会でも質問があったと思うんですけれども、このむだ遣いを考えますと、二兆六千億なんという数字は簡単に捻出できるんじゃないか、こう思うんです。 同時に、やはり大臣、一・七%の凍結分をこれから十年かけて吸収していくなんということをやりますと、非常にまた財政が厳しい状況になってくると思うんですが、ここは、特別会計の中または積立金の中から二兆六千億円捻出して、きれいさっぱりできないものでしょうか。御所見をお伺いしたいと思います。
○坂口国務大臣 そこまできれいさっぱりと区切りをつけるということはなかなか私も難しいんだろうというふうに思っておりますが、しかし、先ほど御指摘になりましたように、年々歳々引き上げをしていくということによって、毎年毎年またコンピューターの中を変えていかなきゃならないというようなことになれば、それはもう御指摘のとおりでございますから、そうしたことは避けなければいけない。 しかし、皆さん方に、これは全国の皆さん方でございますから、これから、後世に負担をしていただくようにしていく、それに対して、後世に給付をしていく、年金を出させていただく、そのことはやはり明確にしていただかなければ、国民の皆さん方の信頼を得ることはでき得ない。その国民の皆さん方の信頼を得られるようなシステムをつくりながら、そこでより効率的に、効果を見ながらやっていくということがより大事だろうというふうに思っております。
○内山委員 物価スライドの問題に戻りますけれども、年金額を改定する消費者物価指数というのは、これはやはりどうも生活実感にそぐわない指数ではないかなと、私は、現場サイドでは見ているわけです。物価が下がったからといっても、年金受給者には余り影響がないんですね。そういう影響がない中に、もらう年金額がスライドして減額するということはやはり非常に厳しいし、また、額ではなく精神的にかなり、年金は大丈夫なのかなと不安をかき立ててしまう要素がかなりあると思います。 高齢者世帯の六〇%が、年金しか収入がないという世帯があるわけです。こういった中に、年金の金額が少ない、低額な年金をもらう方、そして障害年金とか遺族年金をもらう、こういった方の年金までマイナスの物価スライドをかけるのはいかがなものか。先ほど金田議員も、最低保障という考えもありますけれども、優しい年金の措置というのができないものなのかと、こう思うわけですけれども、障害年金や遺族年金、こういうものにマイナス物価スライドをかけないという方法はできないか、これをお尋ねしたいと思います。大臣に。御所見ですから大臣でお願いします。
○坂口国務大臣 確かに、物価が下がりますと、それに対しまして今回のようなお願いをしなければならないということになるわけであります。 しかし、考えてみれば、物価が下がっているわけでございますから、その経済的な効果を見ますと、それにもう、物価が下がったように、皆さん方は生活の場で対応をしていただいているわけでございまして、後追い的に、これはそれにあわせて下げさせていただくということになるわけでございますので、皆さん方が生活をしていただくという段におきましては大きな影響を与えないというふうに理解をいたしておりますけれども、先生が御指摘のように、下がるということの心理的なものは確かにあると、私も率直にそこは認めなければいけないというふうに思います。 ただし、そうはいっておりましても、年金等におきましては、これを下げずに置いておけば、一・七%ではございませんけれども、それをだれかに今度は出してもらわなければならない。後世の皆さん方にそれらをすべてお願いするということになれば、後世の負担がまたより大きくなってしまうといったこともございますので、そうしたバランスをよく考えながらこの辺はやっていかなければいかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○内山委員 午前中の時間がちょうど終わりますので、この続きは午後にまたさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○北川委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○宮澤委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 質疑を続行いたします。内山晃君。
○内山委員 坂口大臣には、大変お疲れのところ大変長時間お答えをいただきまして、ありがとうございます。また午後もおつき合いのほどお願い申し上げます。 先ほどの続きになります。 先ほどは、障害年金、遺族年金は物価スライドをかけない対象にならないか、こうお尋ねをさせていただきました。同じように、やはり物価スライドの対象になっている手当がございます。これは、育児扶養手当というのもやはり当然物価スライドの対象となっているところでございます。この〇・三の物価スライドが実施されますと、現在の育児扶養手当はどのくらい減額になるか、当局の方からお答えをいただきたいと思います。
○伍藤政府参考人 児童扶養手当についてのお尋ねだと思いますが、全部支給の額は現在四万二千円でございますが、今回の〇・三%の物価スライドを適用いたしますと、これが四万一千八百八十円、百二十円の減額ということに相なります。
○内山委員 月額で百二十円の減額という御答弁でございました。 今少子高齢化ということが叫ばれておりまして、少子化対策、そういう観点から考えますと、児童扶養手当という、そのものに減額を講じるという状況は少子化対策に逆行しているんではないか、こう思うわけであります。 この児童扶養手当もマイナス物価スライドから外すようなことはできませんか。これは坂口大臣に同じようにお尋ねをしたいと思います。
○坂口国務大臣 年金に右へ倣えをするものが幾つか挙げられているわけでありまして、その中の一つに児童扶養手当というのもあるわけでございます。 いずれにいたしましても、これはそれぞれの立場でいろいろ御苦労されている皆さん方に対しましてそれぞれついているものでございますが、これらをすべてそのときの物価の上昇あるいは下落、そうしたものに合わせて連動することになっているわけでございまして、児童扶養手当もその中の一つでございます。 少子化の時代であるから、あるいはまた、せっかくの子育ての時代であるからというような御意見のあることも十分に存じておりますけれども、やはり物価が今度上がるようになってまいりますと皆さん方の額も上げなければいけませんし、そうしたことを総体的に考えますと、その時々の経済の状況というものについては御理解をいただく以外にないのかなというふうに私は思っております。 今後、物価における上下の問題よりも、全体として、皆さん方にどうバックアップをしていくか、あるいは雇用の面でどんなふうにバックアップをしていくか、そうした総合的な対策というものが求められているというふうに思っております。
○内山委員 遺族年金、障害年金、そして児童扶養手当、こういったところを、やはり最低保障というところの基準を考えて、物価が下がっても下げない、一定額は守り続けるという制度がやはり優しい年金制度ではなかろうかと私は考えます。 そして、この物価スライドの一・七の積み残しの分に関してですが、この席で例えば〇・三を否決しますと、二・〇に適用し、年金受給者が二・〇%の年金額の減額になる、これは非常に大変な金額でございます。この二つに一つしか選択肢がないという今の状況でございますけれども、これにかわる、例えば一・七を三年凍結したわけですから、三分の一、〇・五六とかこういった数字を今回の〇・三に加算をする、こういった案は検討はされなかったんでしょうか。当局の担当者から御意見をいただきたいと思います。
○吉武政府参考人 一・七%の特例措置分の解消でございますが、先生がおっしゃいますように、マイナス分を上乗せするというのも一つの方法であるわけでございますが、今提出をいたしております国民年金法等の一部改正法案の中で、これから物価が上がる中で解消させていただくということで盛り込ませていただいております。
○内山委員 物価が上がるといいましても、マクロ経済スライドにとってみても、十年間をかけてこれからますます下がるかもしれない可能性があるわけですね。 そういったところで、先ほども質問いたしましたけれども、財政的に見て、このまま据え置いていくということはやはりかなり負担を継続してしまう。二つに一つではなく、そういう間をとるような政策というのをやはり当然考えるべきではなかろうかと私は提案をしたいと思っています。 年金給付といいますと、そのもととなる財源でございます。これは事業所負担、被保険者負担がそれぞれ入ってくるわけでありますけれども、この保険料を納付する事業所の状況というのは今一体どういう状況になっているか。例えば、滞納事業所の数と保険料の回収率等、現状の数字をお聞かせいただきたいと思います。
○薄井政府参考人 お答え申し上げます。 厚生年金保険料につきまして、滞納の事業所というのが、平成十四年の五月末現在で約十四万カ所という数字でございます。これはオンラインシステムを使いまして納付記録を集計しておりますので、五月三十一日ぴったりの数字ということでは、若干のタイムラグがございますので、正確な数字ではございませんが、おおむねこのような数字になっております。 それから、収納率の方でございますけれども、厚生年金の方の平成十四年度の現年度の保険料収納率は九九・三%という数字でございます。 先ほど厚生年金の滞納事業所十四万カ所と申し上げましたけれども、トータルの適用事業所数、これが十三年度末現在で百六十五万カ所でございます。
○内山委員 大変現場の担当者の御努力によりまして高い収納率、九九・三%、ほぼ完璧に回収をされているわけでございます。 ちょっと首をかしげるところが一つあるわけです。なぜこのような高い収納率ができるのか。これは現場の御努力はさることながら、非常に厳しい取り立てをしているんではなかろうか、こう思うわけであります。 実は、私の手元に、社会保険事務所の徴収課の皆さんのところに置いてあります「滞納処分事務の手引き」というものがございます。この所在を御存じでしょうか。
○薄井政府参考人 今手元には持っておりませんが、滞納整理に関しますマニュアルというふうなものを私どもつくって、各社会保険事務所等に配付をいたしております。
○内山委員 この中身を二、三ちょっと披露したいと思います、きょうは時間的には掘り下げることはできませんけれども。 八ページに、決算書を分析し、徹底的に事例を研究するように、こう書かれておりまして、ある社会保険事務所の事例であるが、管内の滞納事業所の数の約二〇%はホテルや旅館で占められている、こう書いてありまして、最後に、この業種は、予約受け付け用の電話加入権を差し押さえると効果がある、保険料の交渉にこの材料を使え、こう書いてあるわけです。言っていることはおわかりでしょうか。旅館の受付の電話を押さえるぞ、こうおどかすことによって保険料の納付が要するに自主的に早まる、こういうふうなものが書いてあるわけです。 また、十ページです。銀行に今融資を申し込んでいるからしばらく待ってくれ、こういう回答が来たときには銀行に直接確認をすることと書いてあります。 ということは、どういうことかといいますと、貸しはがしとか貸し渋りとか、こういう実態があるわけであります。社会保険事務所の方から保険料の督促が来ていて保険料も納められないんじゃないか、こういうふうに銀行に思われますと、その銀行から、当てにしていた融資が受けられなくなったり、また期日が来ても借りかえができなくなったり、こういう現状が実際に起きている、こう聞いています。 これに対して、大臣、こういう実態が現場であるということをどうお思いになりますでしょうか。
○薄井政府参考人 御指摘のような滞納処分についてのいわばマニュアルというものを私どもお示ししておりますけれども、これは必ずしも機械的にやるということではなくて、一生懸命納めていただいている事業主さんもかなり、大部分の方がそういうことでございます。一方で、非常に厳しい状況にある方もおられるわけでございます。 私ども社会保険事務所の方では、そういった状況、やはり現在の滞納分を、将来の回収に向けて御努力いただいているかどうかということなども見ながら、よくよくそこは御相談をさせていただきながら仕事は進めさせていただいておりますけれども、一方で、やはり滞納されているという状況につきましては、それを解消していく必要があるわけでございますので、それぞれの状況を踏まえながら事務所の方で指導をさせていただき、納めていただく、こういうことをさせていただいているということは御理解をいただけたらと思っております。
○坂口国務大臣 ここはやっぱり納めていただく以外にないんじゃないでしょうか。 全体の中で、百六十何万と言いましたかね、その中で十三万というのがいわゆる問題の企業と申しますか、があるという話でございまして、私が思っておりましたよりも数としては多いなという気がいたします。 しかし、トータルで見ますと、九九・三%というのは、これはいわゆる被保険者の数だと思いますけれども、しかし、大きいところはほとんど全部お入りをいただいているんだろうというふうに思ったわけでございます。 企業もいろいろと御苦労の多いところであるというふうに思いますけれども、納税と同じように、この保険料につきましてもひとつ最優先でお支払いをいただくようにお願いをするのが私たちの立場だというふうに思っている次第でございます。
○内山委員 保険料をあえてとめているわけではありませんで、納めたくても納められない、これが経済情勢でございます。やはり、この状態をこのまま継続しますと、国税滞納処分で年利一四・六%の金利がかかります。そうしますと、延滞金に耐えられず倒産をしてしまうという経路が大体でございます。 ですから、ここにもひとつ、今こういう経済環境にあるわけですから、事業所にもいっとき保険料の優しい対応ができないだろうか。指定期限が来たらいきなり一四・六%延滞金をかけるのではなく……(発言する者あり)払いたくないのではなく、払えない、これが実態です。これは、よく中小零細企業をごらんいただければ、そのとおりだと思います。 これは、あえてまた次の機会で質問をさせていただきたいと思います。 最後に、残り時間がもうわずかになってきておりますので、新しい抜本的年金制度改革というのは、与党、野党を問わず、やはり超党派でつくらなければならないだろう、こう思います。 今回提出されております政府案と民主党案の相違点、他にすぐれている点等を提案者それぞれにお尋ねしたいと思います。 まず、民主党案からお願いできますでしょうか。
○金田(誠)議員 旧来の政府のやり方でございますと、一律に据え置く、あるいは一律に引き下げるという考え方から脱却できずに今日に至っているわけでございます。その結果、どういうことが起こったかといいますと、一律に据え置いた場合、例えば月五十万の年金の方でも据え置いてしまった、そういう結果が、二兆二千億になんなんとする処理をしなければならない、負債といいますか、そういう数字の積み上げになってしまったということでございます。一方、一律に引き下げるということになりますと、これは二万、三万の年金の方からも引き下げなければならない。これはもう死活問題ですよ。旧来のこの考え方、これが均衡だとおっしゃるんですね、自民党さんは、あるいは政府は。 しかし、本当にこれが均衡なのか。月五十万の年金の方も、本来スライドさせるべきところを据え置くのが均衡なのか。月二万、三万の方からさらに引き下げるのが均衡なのか。この固定的な旧来の概念からこの際脱却しなければならない、これが私どもの提案の趣旨でございます。 そこで、どういう形をとるかということでございますけれども、多少我慢をしていただける金額以上の方、あるいは、これ以下であればもう見るに忍びない、お気の毒である、ここまでは何とかという、その金額を基準額ということで設定いたしました。現状では、それは国民年金の満額受給額ということを一つの基準でいいのではないか、こう思っておりますけれども、この基準額から上の方は、これはもう申しわけないけれども、若年世代、保険料を負担する世代との均衡、それこそ均衡という観点から、物価スライドで下げることにぜひ納得をしていただきたい。しかし、それ以下の方については、もう生活レベルでございますから、これについては下げない、こういうことでございます。 これこそ新しい時代における均衡の考え方だと思うわけでございまして、政府案についても、旧来の古い均衡の概念にとらわれることなく、ぜひひとつここで一歩大きく踏み出していただきたいもの、こう思うわけでございます。そういう考え方に立っていただければ、与野党の協議の場ということにも道が開かれる。 私どもも、実は非常に厳しいことを言っているわけです。基準額以上の方については物価スライドやむを得ないということを申し上げているわけで、こういうことは、これから先、往々にして出てくる。そのときに与野党が本当に議論を尽くして足並みをそろえるということが新しい年金制度をつくっていく、そのことを除いては非常に難しいというふうに思っているところでございます。
○坂口国務大臣 年金と申しますのは、これは自助努力によって積み重ねていただきました結果、そこで生まれるものでございます。生涯をかけて、それぞれの人がそれぞれの能力に応じて頑張っていただいて積み上げていただくものでありますから、その格差というものは年金の制度にもあります、厚生年金あるいは国民年金という差もございますけれども、しかし、その差は差としながら、それぞれの職場、あるいはそれぞれの地域で御努力をいただいてこれはつくり上げられたものであります。 物価の上昇、下落、それはありますけれども、それに対して中立的なものであるというふうに私は思っております。物価が下がった、それは、それだけ生活がしやすくなるということでございます。物価が上がれば、その分だけそれは足りなくなるということでございますから、それに対してプラスマイナスするということは、これは、この原則をゆがめるものでは決してないというふうに思っております。それを、一部のところだけ上げたり、あるいは上げなかったりということになりますと、基本になりますこの年金制度そのものに影響を与えてくるというふうに私は思っております。
○内山委員 私の質疑時間がこれで終わります。 やはり新しい年金制度というのは本当に超党派でつくっていくべきでありまして、また厚生労働省、一つの役所だけではなく、財務省とも兼ねて新しい需要に見合う財源を捻出し、国民の安定を図るのは急務だと思います。 また機会がありましたら、引き続き質問をさせていただきます。本日はありがとうございました。
○宮澤委員長代理 次に、山口富男君。
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 今回の改正案は、昨年の消費者物価の下落分であるマイナス〇・三%を基準にしまして年金額を改定するものですけれども、これが実施されますと、昨年度に続いて年金や各種手当が、現実に受けている方々が減らされてしまうということになります。 そこでまず確認しておきますが、今回の物価スライドによる影響額、年金関係と手当関係で、それぞれ満年度ベースで給付費と国庫負担で示していただきたい。あわせて、減額措置の対象となる人数なんですけれども、年金と手当でそれぞれ何人の方になるのか示していただきたいと思います。
○吉武政府参考人 今回の法案では、平成十五年の物価下落分〇・三%を引き下げる、こういう形で提出をさせていただいておりますが、この〇・三%分について申し上げますと、満年度ベースでございますが、給付費で厚生年金、国民年金が一千八十億、共済年金が百八十五億、それから手当が二十億、合計千二百八十五億でございます。それから、国庫負担ベースで申し上げますと、厚生年金、国民年金が百六十七億、共済年金が六億、各種手当が十七億、合計百八十九億でございます。それから、厚生年金、国民年金の場合には、基礎年金と報酬比例年金というように二つ受給しておられる方がおられますので、この重複を排除しました対象者の方が三千七十六万人でございます。それから、手当の場合には、それぞれの手当を受給している方の合計が百四十一万人でございまして、この中には少し重複しておられる方もおられる可能性はございます。
○山口(富)委員 今、局長から答弁いただいたのは、きょう私、理事会の了解を得まして皆さんのお手元に配付いたしました資料の最初のところに出ている数字です。正確といいますか、皆さん方がつくった資料ですから、これは厚生労働省からもらった資料なんで、そのとおりの数字を読み上げられたわけですけれども。 私、坂口大臣にお尋ねしたいんですが、今度の〇・三%の引き下げで年金関係だけで総額、この資料ですと千二百六十五億の、現実には影響額というのは給付削減になると。受給者数で三千七十六万人という非常に大きな規模になります。今でも年金というのは、高齢者にとっては本当に生活上欠かせない大事なものになっておりますが、しかし、国民年金では平均で四万六千円と、大変低い額にいまだにとどまっております。 そういうもとで、坂口大臣あてに各地の地方自治体からかなり、この物価スライドに基づく年金の引き下げをやらないでほしいという声が寄せられていると聞きました。私、厚生労働省に、一体どういう声が寄せられているのか教えてほしいということで、幾つか資料をいただいたんですけれども、その中の一つは、これは福島県の二本松市の市議会ですが、こういう声を、意見書を上げております。 これは、昨年の十二月二十五日ですから、多少予算との関係で額が違うところがありますけれども、こういうふうに言っております。「今年四月から実施された物価スライドによる年金額〇・九%の引き下げは、年金生活者にとどまらず、障害者、生活保護世帯など多くの国民に深刻な影響を与えています。さらに来年度の予算では、物価スライドによる年金額は〇・二%〜〇・四%に引き下げられる予定となっているなど、年金給付額がさらに削減され、また年金に対する課税の強化などが実施されれば、地域経済、特に高齢化が進んでいる市町村にとっては、大きな影響を受けることは必至であります。」こういう切実な声です。 特に、私がいただいた資料では、やはり高齢化率が高い自治体から同様の意見が相次いでいるようなんですけれども、坂口大臣御自身も、今回の措置がとられますと、特に高齢化が進んでいる市町村でかなり大きな影響が出る、そういう認識はお持ちなんですか。
○坂口国務大臣 具体的にどのような要望が来ているかということをすべて私知っているわけではございませんけれども、現在、多くの高齢者の皆さん方が年金生活をしておみえになることは、これはもう間違いのない事実でありまして、これは私もそのとおりだというふうに思っております。 しかし、物価が下がるということでありますから、それだけ生活はしやすくなっているということでありまして、それに対しまして後を追うような形で、その分について物価スライドをやらせていただいているということでございますから、私は、生活そのものにそれほど大きな影響を与えているというふうには考えておりません。 既に御承知のとおり、過去におきましては、一・七%分につきましては、本来引き下げるべきところでございましたけれども、引き下げずに今日まで残しているわけであります。これは、将来この部分につきましては消化をしなければならない。消化すると申しますか、ここも支払いをしなければならないわけでございますが、今日までの状況をかんがみて、本来二・〇%になるべきところを〇・三%にとどめたわけでありますから、その辺のところも御理解をいただいて、そしてここは、年金制度そのものが破綻を来さないようにひとつ皆で協力をしていただくということだろうと思います。
○山口(富)委員 今大臣は、物価が下がったから、その分高齢者の皆さんも生活上、生活費の面で多少楽になったんじゃないかというお話がありました。しかし、現実には、この数年間どういう事態が起こったかといいますと、二〇〇二年十月から医療費の高齢者負担増、原則的に窓口負担が一割になりました。それから、二〇〇三年度の介護保険料の値上げ、これは全国平均で二千九百十一円が〇三年から三千二百九十三円と一三%の値上げです。そこに昨年度は年金給付で〇・九%のマイナス。もう、楽になったどころか大変苦しいというのが実態だし、私は、その点をまず大臣がきちんと見なけりゃいけないと思うんです。 しかも、もともと国民年金法はこういうふうにうたっております。健康で文化的な最低限度の生活を明記した憲法二十五条の理念に基づいて、老齢、障害または死亡によって国民生活の安定が損なわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とすると。この国民年金の法律の基本に戻りましたら、私は、今回の措置というのは、低い年金の方々にも一律でカットを始めていくわけですから、大変むごい制度になる。 そして、社会保険庁の事業年報を見ましても、平均で月に四万未満の受給者という方々が三割を超えているんですね。こういう点からいきましても、やはりこうしたやり方は、年金の特に低い方々を苦しめるやり方だし、公的年金制度の本来の趣旨にももとるものである、そういう認識をお持ちじゃありませんか。坂口大臣。
○坂口国務大臣 現在、年金が三万とか四万という額の皆さん方がおみえになることも承知をいたしております。お若いときに何らかの環境に置かれて、そして全額掛けることができなかった人、あるいはまた、失業その他で掛けられなかった人、いろいろあるんだろうというふうに思っておりますけれども、そうした皆さん方も、しかし四万という年金を手にしていただいているわけでございます。そうした皆さんは、年金だけで生活をしておみえになるということではなくて、自助努力によって、御自身によっても努力をして、そして生活をしておみえになるんだろうというふうに思っております。そうした皆さん方に対しましても、この物価の動向というものにつきましては御理解をいただいて、同じように物価スライドというものを受け入れていただいているというふうに思っております。 そうしなければ、それじゃその分をだれが払うのかということになってまいりますと、これはお若い皆さん方にその負担は行くわけでありますから、お若い皆さん方も今同じように御努力をいただいているわけでございますし、そうした中でございますので、お若い皆さん方にだけしわ寄せをするというわけにはまいりません。やはり高齢者の皆さん方も応分にそこは御負担をいただくということでなければならないというふうに思っております。
○山口(富)委員 私は、高齢者の自助努力という点では、それはもう身を切るような自助努力だと思います。 それで、今大臣が〇・三%に据え置いたという話をされましたので、その点を尋ねておきます。 確かに今回は〇・三%の引き下げになりますけれども、過去三年分の特例措置分一・七%が残るわけですね。これは配付しております資料で、厚生労働省に計算をお願いしたんですが、この一・七%分というのは、十六年度の満年度ベースで考えると、厚生年金、国民年金で、給付費ベースで六千百二十億、共済で千四十九億、各種手当で百二億、大体七千二百七十一億円分に当たる、そういうふうに数字をいただきました。 そこでお尋ねしたいんですけれども、今、国会に提出されております国民年金法等の一部を改正する法律案、これによると、来年度以降物価が上昇した場合に、過去三年分の特例措置分一・七%、これの解消がどうなるのかという問題なんですけれども、配付資料の次のページ、二枚目をごらんいただきたいんですが、特例措置水準については、物価が上昇したときは据え置き、物価が下落したときはその下落分だけ引き下げる、こういうことになっているんですか。
○吉武政府参考人 特例措置水準一・七%は、物価スライドの原則から申し上げますと、本来の水準に一・七%いわば上乗せになっている状態でございます。したがって、これについてはいずれか解消する必要があるわけでございますが、今回の国民年金法等に盛り込んでおりますのは、基本的には物価が上昇しましたときにこれを解消していくという考えでございます。ただ、その間に物価が下落をいたしますと、今回の特例法と同じように、その年分のマイナス分だけをマイナス改定させていただくというのは法案に盛り込んでございます。
○山口(富)委員 そうなりますと、今回の措置は形の上では〇・三%にとめ置くというふうにおっしゃいますが、実態としては、結局残りの一・七%は、ツケは払ってもらいますよという、そういう仕組みなわけでしょう。しかも、この二%分なんですが、物価スライドでいいますと、この資料の一枚目なんですけれども、昨年度の〇・九%分で、給付費ベースで見ますと全体を合わせて三千七百四十億。ことしの〇・三%分で提案されている、これを給付費ベースで見ると一千二百八十五億。ここに、政府の経済見通しでは二〇〇五年度はマイナス〇・二%というふうになっておりますから、局長のお話からいっても、〇・二%また引くということになるわけですから、これは結局、〇・三%にとどめるという考え方ではなくて、二%分を必ず返してもらう、そういうことじゃないんですか。
○吉武政府参考人 物価の上昇あるいは物価の下落に応じまして物価スライドを行いまして、いわゆる購買力を維持するというのが物価スライドの一番基本でございますので、そういう意味では、特例措置で講じております一・七%についてはいずれ解消しなければならないことだろうというふうに思っております。ただ、急激に一挙に解消するわけではなくて、今回の法案で申し上げれば、昨年のマイナス分だけをとりあえず解消させていただき、残ったものにつきましては、むしろ、物価が上がり経済がよくなっていく中で解消させていただこうというのが今回の考えでございます。
○山口(富)委員 どうもこの物価スライドというのは、今お認めになったように、物価が上昇したときに、生活にかかわるお金はかかりますから、それに見合う分の年金を保障しようということでもともとは導入された制度です。ところが今のお話ですと、結局、解消の仕方は、いろいろ提案もあるようですけれども、二%分は引き下げる方向でしか作用しないということになります。 私、坂口大臣に答弁願いたいんですが、こういうやり方が結局国民の皆さんに対して年金への不信を生み、そして実際に苦しみを生む、そういうやり方になっているんじゃないですか。
○吉武政府参考人 物価スライドの制度は、昭和四十八年の改正で導入をいたしております。その時点から、物価が五%を超え、あるいは五%以上下がる場合に物価スライドをするという規定でございまして、これが平成元年に、物価が上がればその分改定いたしますし、物価が下がれば改定するということでございまして、基本的には、物価が上がったときには上がった幅に応じて改定する、それから下がったときには下がった幅に応じて改定するというのが年金法の基本的な原則でございます。
○山口(富)委員 何の答えにもなっておりません。 私が言っているのは、結局、国民の皆さんに対して、形は〇・三%という形をとるけれども、実体としては二%、身構えておきなさいよということにこれはなっているということを指摘しているんです。 もう一点、私、坂口大臣に手当の問題でお尋ねしておきたいんですが、今回、年金と横並びで減額される手当の関係なんですけれども、これは、それぞれ制度の目的が全く違うものが一律にカットされるという仕組みになっております。 例えば、今原爆被害者に対する医療の特別手当の制度がさまざまあるんですけれども、一つの例を挙げますと、この中の特別手当、原爆症の再発防止のため、保健上特に配慮することにより生活の安定に資する。これは昨年度の予算人員ですけれども、千二百六十九人の方が対象です。それから原子爆弾小頭症手当、二十二人の方が対象です。それから保健手当、放射能被曝の程度が大きく日常生活において健康増進に配慮する必要があり、そのために必要な出費に充てる。この中では、二キロメートル以内で直接被爆した方は一千八百九十七人。それから、増額の対象になっております身体障害者手帳一級から三級程度の身体障害者、ケロイドのある方は二千百四十七。こういう方々にまで対して、物価が下がったからといって手当を引き下げる。これは余りにもひどい、むごいやり方じゃないんでしょうか。 私は、先日も原爆被害者の方々にお会いしまして、今は政府の認定制度そのものを問題にすると。被爆からもう約六十年もたとうとしているときに、いまだに認定制度自身が問題にされるというような状態に今の行政はあると思うんです。そういうもとで、少なくともこういう手当の関係については、これは見直しをすべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
○坂口国務大臣 原爆の認定制度の問題は、これはまた別の問題でございますから、これはこれでまた議論をすればいいというふうに思っております。我々は、現在の認定制度というものは科学的な根拠に基づいて行われているというふうに思っております。 物価スライドの問題は、そのときそのときの物価の上下によるわけでありますから、それだけに、生活のゆとりができるかできないかの話でございまして、決して生活をしにくくしているということではないと私は思っております。
○山口(富)委員 認定制度の問題は、今後議論を尽くしたいと思います。 しかし、こういう年金制度とまた違う仕組みの手当を受けている方々に対して、これを物価が下落したからといって、私は、その分を減らすという理由は全くないと思うんです。しかも、手当関係で問題になってきますのは、過去三年分の物価スライドの特例措置という一・七%分、これをこの手当関係についてどうするかの方針も提案も何もないということなんですね。これはどうなっていますか。
○吉武政府参考人 直接の担当ではございませんが、今先生御質問がありました一・七%分の取り扱いについては、今後予算編成の中で検討していくということになってございます。
○山口(富)委員 先ほど私が、この手当関係については再検討すべきだという提案に対して、坂口大臣はその意思がなかったようです。しかし今の局長の答弁は、この一・七%分については今後予算の編成を含めて考えるということなんです。 これは、坂口大臣、もう一度確認しておきますが、手当関係の削減については今後再検討する、そう考えてよろしいんですね。
○吉武政府参考人 先ほど御説明申し上げましたが、年金につきましては、国民年金法等の一部を改正する法案の中でこの一・七%の解消の基本的な方針を盛り込ませていただいておるわけでございます。 手当につきましては、この物価スライドの規定が引き続き続きますので、その物価スライドの規定そのままによりますと一・七%分につきましては解消するというのが原則でございますが、それをどうするかということについては予算編成の中で検討させていただくということでございます。原則は、一・七%分は解消というのが法律の原則でございますが、その中で実際にどういう選択をするかということは、予算編成の中で手当関係について検討していくということでございます。
○山口(富)委員 時間が参りました。 手当関係については検討するということで、私は、年金関係についてはこの間の生活の実態からいっても給付減はやるべきじゃない、そのことを主張いたしまして、質問を終わります。
○宮澤委員長代理 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 毎年、この季節はいわゆる年金の物価スライド問題が論じられ、ああ、ことしまた一年がたったなと思いながら、きょうの質問に立たせていただきます。 しかしながら、去年の春とことしの春とはやはりちょっと違うかなと思うことがございます。デフレという状態は依然として続いておりますし、特に、インフレ時代に物価スライドさせて取り分を多くしようと思った年金の問題が、デフレになって、果たしてそれと連動してどんどこどんどこ下げていったら何が起こるのかなということが最も明確になったのが、ことしの年金論議のように思います。 そうした中で、民主党が対案をお出しいただきまして、最低保障年金という、これくらいなくちゃもうどうしたって暮らせないんだから下げるに下げられないんだと。 そして、このことは同時に、国の政治が国民に何を約束するか。この国に生まれて、生きてよかった。老いもある、病気もある、いろんな失敗もある。だけれども、この国の大事な一員なのだと思って暮らせる国であるかどうかの、いわば哲学を問うた論議に、午前中、私は、ばたばたしながら、しかし部屋でしっかりと金田委員と坂口厚生労働大臣のやりとりを伺いながら、ああ、なかなかいい論議をしておると、失礼な言い方ですが。 このことは、やはり国民から見て、私たちの国というのは、国民である一人一人に、どんなふうに考えてこの国に生きてくださいと言っているのかなということを論議できるという意味において、デフレという状況は大変によろしくありませんが、しかし、パイが大きいときはみんな真剣に考えなくてもまあまあでやっていけるところが、事ここに至れば、人を切り捨てていかない、そのための社会づくりにみんなが論議を重ねているという意味において、きょう御出席の各委員も含めて大変に御苦労さまと思いますし、また、いい論議がきっとされていると思います。 私がきょう伺いたいのは、いわゆる医療の自己負担問題。これは、実はどんどんどんどんふえております、この間一貫してふえております。そして、逆に年金受給の額はデフレにスライドされてどんどんどんどん減っております。医療という問題は、それじゃ、かからなきゃいいかと言われますと、やはり命がかかっておりますので、いやが応にもかからなくてはいけないという意味において、このデフレ下の物価スライド問題と人の命ということを象徴的にあらわしているマターですので、このことを取り上げて質疑させていただきます。 昨年の、平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の審議の際に、衆議院でも附帯決議がございました。「高齢者の生活は、消費者物価のみではなく、医療や介護など福祉のあり方に大きく左右されるということに鑑み、」今後ともと続きまして、「高齢者が生活上の安心を得られるよう必要な措置を講ずること。」これが昨年の申し合わせでございます。 そこで、まず、手元の資料、坂口大臣に特にしっかりとごらんいただきたいのでございます。と申しますのも、大臣、先ほどの御答弁の中で、来年度は介護、再来年度は医療、年金問題は医療も介護も一体化した中で考えていくんだと。これはもう大臣の常日ごろの御見識ですから、大変期待もしておりますが、そのことが実際に政策にあらわれるように、私は、きょう大臣に御質疑したいと思います。 お手元の資料一枚目は、上の表が、平成十五年の全世帯及び高齢夫婦一世帯当たりの平均一カ月の消費支出。下が、参考として平成十年が出てございます。 ここのうち、どこに着目していただきたいかですが、保健医療費という上から六つ目の項目をちょっと見ていただきとうございます。この、全世帯平均では一万二千三百三十九円の保健医療費が、隣の高齢夫婦世帯では一万五千三百九十三円。そして、もう一つ囲まれました無職の世帯、これはいわゆる年金のみでお暮らしの世帯では一万五千四百十一円となっております。 ここで本当に大きなこととして二つありますが、一般世帯より御高齢者の医療費支出は多い。わけても、年金だけでお暮らしの御高齢者の医療費支出の方がさらに多い。 そして、上を見ていただきますと、世帯の平均支出が、全世帯が三十万ちょっと、高齢夫婦世帯が二十五万、そして無職の世帯が二十三万九千と、支出全体は年金のみでお暮らしの方の方が少なくても、うち医療費のかかる分は年金のみでお暮らしの方の方が高いという事実でございます。どうやっても、そこは物価にスライドできない、命は物価にスライドできないということです。医療は、かからなければならなければ、当然ながら支出されます。 そして、下の表、平成十年と比べますと、実は平成十年段階でも既に今の傾向はあらわれてございますが、ただしかし、消費支出の全額は現在よりも多うございます。 今は、全体の消費が減り、医療のための支出のみが御高齢者世帯の年金世帯でふえておるという実態について、これから医療、介護、保健、一体改革で年金も改革していくとおっしゃられる坂口大臣が、この逆転現象、非常に深刻と思いますが、まず、どういうふうにお考えであるかを一点目、伺います。
○坂口国務大臣 この表を拝見して思いますのは、全体の消費支出というものが減少する中で、保健医療という部分は増加をしている、特に高齢夫婦世帯において増加をしている。 ここのところがいつも指摘をされるところでございまして、全体として物価が下がっている中でなぜ医療費だけが下がらないのかという御指摘を私は常に受けるわけであります。したがって、物価が全体で下がっているんだから医療の世界ももう少しここは下がってもいいではないか、それがなぜ下がらないのだ、おかしいという主張に私はいつも立ち向かっているわけでございまして、なかなかここは率直に言って苦しいところでございます。 しかし、医療というのは常にサービスが伸びている、いつも同じではない、だんだんと、年々歳々、新しいサービスがふえてきている。介護などは今までなかったことであって、それが新しくできてきた、できることによって新しいサービスが受けられるようになった。そういう前進している部分が率直に言ってあるわけでありまして、そのことによる、そのサービスによって非常に恩恵を受けている人たちもあるという事実の中で、負担が若干ふえるということはやむを得ないのかなというふうに私は思いまして、皆さんにも、それはやむを得ません、ここはひとつ御理解をしてくださいということを私はいつも申し上げている方だものでございますから、複雑な思いであなたの御質問を聞かせていただいたということでございます。
○阿部委員 さもありなんと思います。いつも大臣が、いろいろな、この財政厳しい折、医療という点において頑張って防波堤になってくださっているという事情はよく承知した上で、さらにパワーアップしていただきたいと思いまして、私が幾つか指摘をさせていただきます。 実は、平成十四年の十月に、医療はなべて定率負担になりました。それ以前、さかのぼること、定額負担、部分的に定率負担でもありましたが、定率負担になったことが、やはりどうしてもかかった量の一定割合で支出していかなければならないということで、サービスがよくなって、買いたい医療、受けたい医療がふえたからという以上に、同じ医療を受けていても自己負担額が変わったということであろうと思います。 私は、この日本の社会が、本当に安定した高齢社会に立ち向かうためには、やはり介護や医療の定額負担という考え方をもう一度とらないと、年金額が幾らあっても、国民に安心のメッセージはできない。この意味で、平成十四年十月改正された定率負担の考え方が色濃くここに反映しており、医療負担だけがふえていくと思います。 そのことをもう一つあらわすデータが二枚目でございます。 皆さんのお手元に、平成七年、十二年、十三年と三つの同じ表がございます。ここの中で、平成七年の、例えば高齢夫婦世帯の保健医療費一万一千四百九十円、平成十二年が一万三千百十八円、そして平成十三年一万四千百一円とございますが、この時期、同じ無職の世帯は、おのおの、例えば平成十二年であれば一万二千七百六円。この時期はまだ定額負担でございまして、無職の年金だけの人の医療費が突出してその前の高齢世帯を上回ることはありませんでした。ところが、その下、一部定率負担になりました平成十三年一月以降の、十三年からの一年では、高齢者の医療支出が一万四千百一円で、うち無職の世帯が一万四千二百五十円と、ここで明らかに数値の逆転が起こってきてございます。 何度も言いますが、医療というのは、じゃ、やめておこうか、痛いけれども、苦しいけれども、死にそうだ、でもやめておこうということがいかないものでございます。定率負担の度合いが強まれば強まるほど、どうしても支出しなければいけない医療費負担の部分が、弱い、収入の少ない層に強くなるという数値の、一つの、二回重なるトレンド、傾向だと私は思います。これからますますこの傾向は強まってまいると思います。 そして、それが、御高齢者たちに送るメッセージが、この国が、御高齢者は病気になったらもう死ねと言っているのかと言われるような政治にならないように、私がきょうお示ししたデータを何度も穴のあくほど大臣にもごらんいただきまして、分析をしていただきたい。私は、やはり、このままいけば、病気になったらどうなっちゃうかわからない、介護が必要になったらどうなっちゃうかわからない時代が、もう御高齢者の心の中でそのような風景になっていると思います。 大臣は先ほど、若年者も今仕事がない、賃金が低くなっている、御高齢者にも我慢してもらわなきゃいけないんだとおっしゃいました。その部分はある程度は私はあり得ると思います。社会ですから、パイがちっちゃいから、みんなで食べて、分けていかなきゃいけない。だけれども、最低限必要な医療という部分における負担が、そこだけ御高齢者の比率として伸びていかざるを得ない、年金だけで暮らしている御高齢者にとって伸びていかざるを得ない実情をよく、私は回答を出していただきたいと思います。 重ねての御質問で恐縮ですが、大臣がもしお考えがあれば、御回答をお願いいたします。
○坂口国務大臣 特別な分析をしたわけではございませんし、今見せていただきましたこの数字を見ながら、これをどういうふうに解釈したらいいのかということを先ほどから考えていたわけでございます。 例えば平成十三年でございますと、高齢夫婦に比べまして、いわゆる無職の世帯というのは約百五十円だけ多いわけでありまして、こうしたことが何を意味するのかということをもう少し分析しなければいけないというふうに思いますが、高齢夫婦と無職の世帯を比較するというよりも、全国世帯と高齢者夫婦世帯の間の差というものをやはりよく見ていかなければいけないんだろうというふうに思っております。 高齢者は、やはり、保健医療というものに対しては、他のところを節減してでもここへお使いになっているという姿がここにあらわれているというふうに、率直に私もそう思っております。消費支出全体としては下がっていきます中で、この部分だけは特に下がらないということがあるわけでございまして、十五年と十年との比較でございますけれども、この部分はなかなか、高齢者にとっては今後も保健医療というのは厳しい問題であるという認識は持ったつもりでございます。 〔宮澤委員長代理退席、長勢委員長代理着席〕
○阿部委員 ありがとうございます。大臣のその認識に基づいて、それが政策的によいものを生み出してくれることを、私も心から望んでおります。 次に、民主党の対案についてお伺いいたします。 私ども社民党は、昨年の秋に、いわゆるマニフェストで、年額六十万円以下の低年金の受給者についてはマイナススライドは凍結しますということを書かせていただきました。そして、ちょうど今回の民主党の御提案が、そのことを極めて具体的に書いていただきましたし、またそのほかの、いわゆる母子世帯に支給される児童扶養手当や障害者の手当等、非常に低い額で、最低保障生活年金といいますか、そこに満たないところは、何としてでも国としてお約束して、そこまではベースを上げていこうとされた御提案に、非常に私は敬意を表したいと思います。 そして、朝からもうみんな聞かれてしまいましたので、急に振って恐縮ですが、私が今坂口大臣とやりとりした医療費問題で、これは予告をしていないので本当に悪いのですが、金田さんにちょっと御所見を伺いたい。医療問題もまたきっちり取り組んでいただきたいので、その意味で、ちょっとお願いします。
○金田(誠)議員 私どもの提案に深い御理解をちょうだいいたしまして、感謝を申し上げる次第でございます。 手当についても最低保障ということでお触れになりましたけれども、実は、私どもそこまではまだ打ち出し得ないでおりました。どうしたらいいかと実は本当に頭を絞ったわけでございますが、手当はまちまちでございます、金額も目的もまちまち。そういう中で、どういう形で最低保障を打ち出せるか、これからも十分検討してまいりたいと思いますし、ぜひお知恵もおかしいただければありがたい、こう思う次第でございます。 ただいまの家計調査についての見解ということでございますが、まずこれを見て思っておりましたのは、消費支出の総額でございます。無職の世帯でも、二十三万九千円とか二十四万五千円とか、かなり高い総額になっているなという思いをいたしました。 今議論しているのは、国民年金、満額六万六千円とか六万七千円、御夫婦でその二倍、これをどうするかという話をしているときに、その二十何万という数字を見せられて、しかし、このぐらいは実際問題なければ深刻だということは痛感をいたしますが、ましてや国民年金の満額、これの御夫婦の分、それよりも下回るところ、これは、下げるなんというのは一体どういう論理によって出てくるんだろうという思いを深くいたしたところでございます。 医療費につきましては、私ども、定率負担はやむを得ないかなと思っております。 しかし、日本の医療費の自己負担比率は高過ぎます。お年寄りでトータル一五%ぐらいだと思いますし、若年世代では総額医療費の二五%ぐらいが自己負担ということでございます。これに対して諸外国、ドイツはたしか六%、これが恐らく標準で、イギリスなどは二%程度、フランスが高い高いといって一〇%いくかどうかということですから、日本の自己負担比率は非常に高い。これは、自己負担という形よりも、保険という制度のもとでリスクをシェアする、これが筋道だろう、こう思っております。 しかし、定額にしてしまいますと、お医者さんの方にも、もしかすると、どうせ定額負担なんだからということで、ある意味で、少しこの検査を、あるいはこの薬をという感じになりませんでしょうか。定率であれば、お医者さんの方にも経費節減、御本人の負担は極力低くという形が出てくると思います。低く抑えるのは私は賛成ですが、定額よりはやはり定率の方がベターではないか、こう思います。
○阿部委員 御答弁ありがとうございます。 そして、私の勘違いで、民主党が手当まで、ほかのもいっているかなと思いましたが、また次年度はそのように期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○長勢委員長代理 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○長勢委員長代理 この際、内閣提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対し、山口富男君から、日本共産党提案による修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。山口富男君。 ————————————— 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山口(富)委員 政府提出の平成十六年度における国民年金法による年金額の改定の特例に関する法律案に対する修正案について、提案の趣旨及び理由を説明いたします。 我が党は、昨年度も、二〇〇〇年から二〇〇二年まで実施された物価スライド凍結の特例措置を継続し、物価の下落を給付に反映させない措置をとるべきとの修正案を提出しました。本修正案は、二〇〇三年の物価下落〇・三%分を二〇〇四年度の年金給付などに反映させない措置をとろうとするものです。 年金給付水準は、国民年金では平均月額四万六千円、厚生年金で十七万四千円にとどまっています。本来、年金のスライドは、購買力を維持するために給付を確保するものであり、給付の引き下げを想定したものではなかったはずです。物価が下落したから給付も下げてよいということにはなりません。医療費負担増や介護保険料の引き上げなど、この間の国民負担、給付減を見れば、年金給付の削減はやめることにこそ道理があると考えます。 以上、修正案の提案趣旨の説明といたします。
○長勢委員長代理 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、城島正光君外四名提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案及び山口富男君提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
○坂口国務大臣 衆議院議員城島正光君外四名提出の平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案及び平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対する修正案につきましては、政府といたしましては残念ながら反対でございます。 —————————————
○長勢委員長代理 これより両法律案及び山口富男君提出の修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。福島豊君。
○福島委員 私は、自由民主党及び公明党を代表して、内閣提出の平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に賛成し、民主党により提出された法律案及び日本共産党により提出された修正案について反対する立場から討論を行います。 まず、内閣提出の平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に賛成する理由を申し述べます。 公的年金及び各種手当額につきましては、本来であれば、平成十二年から十四年度に据え置き特例措置を講じた分と合わせてマイナス二%の改定を行う必要があります。 しかしながら、昨年も平成十二年から十四年度に年金額を据え置いたことにかんがみ、高齢者の生活に配慮したものとする必要があります。その一方で、世代間扶養の仕組みにおいて、保険料を負担している現役世代の賃金が下落する中、現役世代との均衡も必要であります。 以上、本法律案は、こうしたことに配慮し、物価スライドを平成十五年の物価の下落分のみにとどめ、すべての受給者に対し公平に適用するものとして、評価すべきものと考えております。 これに対し、民主党により提出された法律案については、平成十五年度の年金受給額が基礎年金満額の六万六千二百八円以下である者については、マイナス〇・三%の物価スライドを行わないとしております。 しかしながら、これによると、マイナス物価スライドは、一階の基礎年金と二階の厚生年金をあわせて受給するサラリーマンOBに集中し、サラリーマンOBを著しく不利に扱っていること、また、まじめに保険料を納付して満額の基礎年金を受給する者がマイナススライドの対象となる一方で、保険料を滞納していた結果として年金額が低くなった者については年金額が据え置かれ、正直者が損をするという結果になること、また、物価スライドの対象となる者とならない者に分かれることにより、現在の年金額に差がある者の年金額が同額になる場合があること等のさまざまな不合理が生じることとなり、受給者間に重大な不公平を生じさせるものであります。 また、基礎年金、厚生年金及び共済年金の合計額を基準額六万六千二百八円と比較して物価スライドの要否を判断することとされておりますが、現在の実務では直ちに対応できない内容を含んでおります。 以上のとおり、民主党により提出された法律案には、年金受給者を不公平に扱う等の重大な問題があり、到底国民全体の理解を得られるものではなく、賛成ができません。 また、日本共産党により提出された修正案については、世代間扶養の仕組みで成り立つ公的年金制度において、保険料を負担する現役世代とのバランスを考慮していないという根本的な問題があり、賛成ができません。 したがって、民主党により提出された法律案及び日本共産党により提出された修正案につきましては、いずれも反対をするものであります。 以上をもちまして、私の討論といたします。(拍手)
○長勢委員長代理 次に、橋本清仁君。
○橋本(清)委員 ただいま議題となりました平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案につきまして、政府案に反対し、民主党案に賛成の立場で討論を行います。 まず最初に、この法律案が、特例であるにもかかわらず、五年も連続しているという事実を指摘しなければなりません。 もはやこれは、現行の完全自動物価スライド制という制度自体に問題があると言わざるを得ません。政府もそのことを認め、これまでの特例法案の審議の際には、制度そのものの見直しに言及してきました。にもかかわらず、政府は、その見直しをせず、事態を何年も放置してきたのです。この政府の不作為は厳しく責められなければなりません。 今回、民主党が対案を提出した背景には、こうした政府の不作為による事態の放置、それによる今回の特例法の提案という無責任な政府の対応を指摘することがあります。 そのことを踏まえた上で、以下、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について、政府案に反対し、民主党案に賛成する理由を申し述べます。 政府は、提案理由で、物価下落を年金額に反映させるに当たって配慮すべき二つの点について述べられました。すなわち、第一に保険料を負担する現役世代との均衡、そして高齢者等の生活への配慮です。 このうち、現役世代との均衡へ配慮するために、マイナス〇・三%の物価スライドを実施することは、一応理解できるものです。しかし、年金の受給額が低い者に対しても一律に引き下げを行う政府案は、高齢者の生活への配慮を欠いたものとしか言いようがありません。 政府案は、昨年の物価スライド法に付された附帯決議を無視し、「高齢者が生活上の安心を得られるよう必要な措置を講ずること」を怠ったまま、一律な物価スライドを適用しているのです。これでは、政府案が提案理由で述べている二つの要請を同時に満たしているとは言えません。 一方、私ども民主党案は、老後の最低限の年金額は最低保障年金として保障するという新しい年金制度の考え方を現行制度の下でできる限り実現するという考え方に立って、政府案の欠点を克服しようとしたものでありまして、現役世代との均衡をとりつつ、高齢者の生活をも考慮したものであると言えます。 以上が、民主党案に賛成し、政府案に反対する理由です。 以上申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○長勢委員長代理 次に、山口富男君。
○山口(富)委員 内閣提出の法案は、二〇〇四年度の公的年金や児童扶養手当など各種手当について、二〇〇三年の消費者物価が前年比〇・三%下落したことを理由に引き下げようとするもので、年金での給付削減は一千二百六十五億円になります。 昨年度も、〇・九%の消費者物価下落分で三千七百十億円の給付減を行う法案が出され、我が党はこれに反対し、修正案を提出いたしました。このような二年連続の給付削減が、年金に多くを依存する高齢者などの生活を直撃することは明らかです。 二〇〇〇年から二〇〇二年までの過去三年分の物価スライド凍結分の一・七%についても、本国会に提出されている国民年金法一部改正案では、将来の物価上昇分と相殺する、つまり物価が上がっても年金給付は上げないという実質的な給付削減の措置が盛り込まれており、許されません。 年金スライドは、元来、物価や賃金に応じて年金を引き上げることが導入の趣旨です。九九年の年金改定で、既裁定年金から賃金スライドを外したとき、政府自身、給付水準を確保するため、将来、賃金再評価を可能にする措置をとると説明していたはずであります。 民主党案については、年金への影響をすべて救済するものではなく、諸手当のマイナススライドを認めるなど、賛成できません。 医療費負担増や介護保険料の引き上げ、年金の給付削減など、年金生活者はもとより、障害者、母子家庭、原爆被害者にとって、これ以上の負担増を強いる理由はどこにもありません。経済失政のツケを国民に押しつけることは許されません。暮らしと福祉を重視する予算に切りかえることを強く主張して、修正案に賛成し、民主党提案の法律案及び政府原案への反対討論といたします。
○長勢委員長代理 次に、阿部知子君。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府が提案している平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案及び日本共産党提出の修正案に反対し、民主党提出の対案に賛成の立場から討論を行います。 政府が提出した法律案は、マイナスの物価スライドにより受給額を一律に減額しようというものです。現下の年金財政を考慮するならば、物価が下がっている以上、確かに、減額をある程度は享受せざるを得ないことは理解できないわけではありません。しかし、低額の年金受給者に対しては、一定程度の配慮があってしかるべきだと考えます。 御高齢者の場合、医療費や介護費用の支出は、現役世代に比べて重い負担となっています。その医療費を政府は、医療制度改革と称して自己負担額をふやし続けてきました。こうしたことが高齢者の家計を確実に脅かしており、特に低額の年金受給者には、そうでなくてもぎりぎりの生活を強いる結果になっております。 また、児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当、原爆手当など、月々わずかな手当しか受けていない人たちの苦労を考えれば、年金受給者同様、低額所得者に対する配慮をすべきと考えています。 こうした点から、私は、政府提案に反対し、民主党の提案を一部前向きに評価いたしまして、賛成いたします。 なお、共産党提案の物価スライドを凍結させるという修正案は、現下の年金財政を考慮するならば、残念ながら反対せざるを得ません。 今通常国会は、年金国会と言われています。御高齢者、それも厳しい生活をせざるを得ない方たち、そして次代を担う若者が、少しでも希望を持てる年金改革の方向性を立法府の名において打ち出すことを期待して、私の討論といたします。(拍手)
○長勢委員長代理 以上で討論は終局いたしました。 —————————————
○長勢委員長代理 これより採決に入ります。 まず、城島正光君外四名提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○長勢委員長代理 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。 次に、内閣提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、山口富男君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○長勢委員長代理 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○長勢委員長代理 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長勢委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○長勢委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十七分散会