経済産業委員会 第18号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/06/11
会議録
○根本委員長 これより会議を開きます。 経済産業の基本施策に関する件、特に最近の石油事情について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として富士通総研経済研究所上席主任研究員武石礼司君、石油連盟副会長高萩光紀君、全国石油商業組合連合会・全国石油業協同組合連合会副会長荒木義夫君及び石油化学工業協会専務理事北川幸昌君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○根本委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用のところ本委員会に御出席賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、御了承願います。 御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず武石参考人にお願いいたします。
○武石参考人 富士通総研の武石です。 きょうは、原油価格が異例に高い、この理由はなぜだろうか、それが世界の石油需給の影響を受けている、では、それが日本の石油会社に対してどのような影響を与えているだろうかということまで含めてお話しさせていただきたいというふうに思います。 お手元に三枚の紙、二枚ずつ図表がかいてありまして、合計六枚あるんですけれども、これに基づきまして話をさせていただきます。 まず、一ページ目の上の図を見ていただくとわかるんですけれども、これは、二〇〇〇年以降、世界の代表的な原油がどのような価格の推移を示したかということを示しています。三つありまして、WTIというのはアメリカの代表的な原油です。それから、ブレントが欧州でして、ドバイがアジアということになっています。 二〇〇〇年以降を示してありますけれども、世界の原油需給というのは、年間の間に二度の需要が高まる時期というのがあります。それは、六月、七月というのがまず一つ目のピークでして、小さなピークなんですけれども、アメリカのガソリン需要、ドライブシーズンというんですけれども、これが高まるという、この影響を受けまして一度需要が高まる時期があるわけです。それから、世界の主要国というのは北半球にたくさんありまして、それらの国が、冬の暖房需要なんですけれども、これが高まるということで、やはり冬期に大きなピークが来るということで、二度のピークが来るわけです。このピークが来ますと、やはり需要が高まりますから需給が締まるということで、自然と価格が高くなる可能性が高まるというふうに動くわけです。 例えば、二〇〇〇年を見ていただくとわかるんですけれども、冬に向かって価格が高くなっていっている状況をごらんになれると思います。ですけれども、この年は、二〇〇〇年の冬、十二月にはもう価格が下がり始めてしまうという、つまり、OPECが一生懸命高い価格を欲して需給をタイトにさせようとしましても、余り高い値段をねらうと急に価格が下がってしまう。つまり、春先に需要が少なくなることを見込んで、それを、先に下がるのであれば、じゃ、今下げてもいいということで、価格は先を読んで動いてしまう、こういうふうに動くわけです。 原油の価格の動向というのは、世界の政治状況を映す鏡、こういうふうに言われるぐらい世界のいろいろな動向を読み込んで動いていくわけです。 例えば、二〇〇一年の九月ですけれども、これは九・一一が生じたわけです。ここで、世界は大変なことになった、経済が落ち込んでしまうということで、実際に、飛行機に乗る人も減ってしまうということで価格は急落するわけですけれども、何とかこれを持ちこたえて経済が回復したことによって、その後、二〇〇二年になって価格が戻すというように動いてくるわけです。 さらに、二〇〇三年の二月を見ていただくとわかるんですけれども、ここで急上昇しているわけですね。これは何かというと、イラクの戦争が始まるということで、イラクが戦争になれば、イラクだけじゃなくてクウェートの原油の輸出もとまるんじゃないか、これを心配しますと一時的に価格が上がるわけです。そして、これは早く終わりそうだと一たんは情報が出ましたから、それで安心して価格が下がるというふうに、一度は下げるわけです。ですけれども、この後、中東情勢が非常にまた混乱してしまう。イラクだけではなくて、ほかの中東の諸国に対してもさまざまな混乱というか、そうした状況が今続いてしまったわけです。 こうした、例えば中東諸国がこれからどういうふうになっていくのか、世界の原油の埋蔵量の七割という非常に大きな割合を占める中東諸国が安定的に成長できるかということを心配しますと、これはやはり価格が引き上げられてしまう要因がどうしても今存在しているということで、異例に高いという状況が出てしまったということです。ですから、価格の動きというものが非常に政治的な動向、これを受けているということがわかります。 次に、では、需給、そのバランスというのはどこが、どういう地域がどのぐらいの影響を及ぼしているかということを図の二で見てみたいと思います。 一ページ目の下の図の二を見ていただくとわかるんですけれども、世界の需要というのは、非常に重要なことは、OECD北米というのが、この青い線でありますけれども一番上にありまして、これが着実に伸びている。ほかの地域と比べて非常に量が多いところが着実に伸びている、これが非常に大きな意味を持っているわけです。 つまり、アメリカを初めとします北米の地域がこの需要の下支え、しかも毎年需要が伸びますよというその下支えをしているということで、ですから、北米の需要次第で、非常に基盤となる、ベースとなる部分は、北米がその石油需要において担っているということがわかります。 そして、次に、赤でかいてありますOECD欧州があるんですけれども、ここは伸びていないということで、伸びているのはどこかというと、中国その他アジア、茶色でかいてありますけれども、この地域が急上昇していることがごらんになれると思います。 ということは、何かといいますと、世界の需要というのは、北米が基盤をつくりまして、それに対してさらにアジアが押し上げるという、この二つの地域が需要を構成している。つまり、そこの動向次第で世界の需給というものが引っ張られていく傾向がはっきりと出ているということがわかるわけです。 では、二ページ目を見ていただきまして、供給側はどうかということを見てみます。 これは、世界の石油供給を三つのところに分けて見てみると、OPECが青で書いてありますけれども、OPECの供給量が一番多いわけです。赤で書いてあるところ、これは、OPECでもなくOECDでもないということですから、ロシアを初めとします旧ソ連の国とかアフリカとかその他の国の合計なわけです。ここが急上昇しているのが見てとれると思います。 これは、要するに、需要が今非常に伸びていますけれども、その需要を賄うように、この赤い、その他計、ロシアを初めとします旧ソ連の国が生産量を回復してきたということで、今需給が何とかマッチングしているというか、需給が合っている状況が出ているわけです。ですけれども、ロシアの回復というのは、私たち知っているのは、一九八〇年代に、日量千二百万バレル生産していたんですけれども、今は、合計しますと、旧ソ連で千百万バレルぐらいまで生産量が回復してきているわけです。 ということは、八〇年代に持っていた設備、そうした施設を使いながら、輸出用のパイプラインを使いながら今生産量がやっと戻してきたというところで、ですけれども、ではこの先、あと百万バレルあるとしても、それ以上生産が伸びるかというと、これは、新たに油田を開発しなくちゃいけない、そしてそれに合わせて輸出用パイプラインをつくらなくちゃいけないということでして、今まで回復してきたこととここから先伸びるかということは、全く別の話になるわけです。 ということで、その他計がこれから余り伸びないということがわかっていますから、そうしますと、ではOPECは供給ができるのかということで、OPECの動向ということに今注目が集まるわけです。 そして、主要なOPECの生産国である中東のOPEC諸国、ここで生産が回復できるか、これ次第でこの先の需給関係が決まるということがわかっていますから、そうしますと、中東での安定がもたらされない以上は、この先大丈夫だろうかという心配が出てしまうわけです。こうした状況を反映しまして、異例の高い原油価格というものがもたらされてしまったということがわかるわけです。 二ページ目の下、図四ですけれども、これを見ていただきますと、これは、OPECは自分たちで生産枠を設定するわけです。生産枠まではどうぞ生産してくださいということで、それをとにかくフルに生産しようというのが基本的な方針ですけれども、そうした生産枠を維持できない国というのが出たりします。 それは、例えば図の四の下、薄い茶色ですけれども、ベネズエラが非常にマイナスの数字になっているのがおわかりになると思います。これは、政治紛争がありまして、ベネズエラの国営石油会社の社員がストライキをしたということで、その人たちが、要するに従業員が半分首になるというような大変な混乱がもたらされてしまったわけでして、そうした混乱が続いた後、これを見ていただくとわかるように、二〇〇三年、二〇〇四年を見ましても、常に生産枠を満たせないというような状況が生じているわけです。 もう一つ、インドネシアについて見ていただいてもわかりますけれども、ここも生産枠を満たせない。ここまではどうぞ生産してくださいということが言われているにもかかわらず、インドネシアはできないんですね。これは、要するに、今非常に油田が古くなってきたということがありまして、新しく増産ができないということで、計算してみましても、どうも準輸入国入りしてしまったということで、アジアでOPEC参加国がこれでなくなってしまうんじゃないかというような、要するにアジアでの自給、アジアの地域内で原油を生産してそれを消費していくということが非常に苦しくなってきている状況があるわけです。 あともう一つ、図の四で見ていただくとわかるように、プラスの方に大きくサウジアラビアというのが、青い線で出ていますけれども、これは要するに、イラクの戦争が始まるぞというときに、イラクが現実にストップしましたけれども、それに対してサウジが増産で補ったということで、九百五十万バレルという日量ですけれども、そうしたフル生産、かなりフルな生産を続けてみたということがあるわけです。 このように、各国事情がそれぞれありまして、OPECの中といっても、非常に、それぞれの国が、増産できるかできないかということで、中が分かれている、こうした状況があるということがわかります。 三枚目を見ていただくと、これが図の五でして、今度は、では需要と供給、それを大きく、需要を二つに分けまして、供給を三つに分けて、これを一つの図で見てみるとどういうことがわかるかということを示したいと思います。 これは四半期ごとに書いてありますから、OECD諸国、北半球にありまして、冬には需要がふえるという傾向が顕著に図の五で見ていただくとわかると思います。年間、冬になると非常に需要がふえて、その後春先に減るという、シーズナル、季節的な変動ということを石油需要はしていくわけです。これがうまく補われないと、どこかで多量の備蓄を持たなければいけないということが生じることは明らかなわけです。 もう一つ、では、需要ということで、途上国はどうかというのを見てみますと、これは赤い線で書いてありますけれども、真ん中、下の方に赤い線がありますけれども、途上国の需要というのは着実に、中国、インドを初めまして、需要は着実に伸びてきている。しかも、温帯といいますか暖かいところにある国が多いということで、それほど季節的な変動を受けていないわけです。ということは、世界の需要の変動というのは、四半期別に見ていくと、OECDの需要をうまく満たしているとかなり需給のバランスがうまくとれていくだろうなということが予測できるわけです。 では、供給側はどうかといいますと、薄い茶色の線で書いてありますけれども、OPECは一生懸命OPECの生産枠を調整しまして、それで需給を調整しようとするわけです。需要が非常に緩んだとすると生産を減らす、需要がきつくなると慌てて会議をしてまた調整する、そういうことをしているというのが、非常に、何か特に決まった方針がないように見えるような、この線の動きでわかると思います。 もう一つ、供給、ここに青い薄い線で書いてあるのが非OECD・非OPECの国でして、これは、先ほど申し上げました旧ソ連の諸国が特に押し上げているんですけれども、着実に、季節性を持たずに、今一生懸命増産に走ってきたということがわかります。 そして、あと、供給の最後ですけれども、赤い線でありますのが、一番下に、OECD諸国ということで、ここは供給をふやそうにもふえていないということがわかるわけです。 そうしますと、これは何が起こっているかということは歴然でして、つまり、シーズナルに、季節性を持ってOECDの需要が非常に振れるにもかかわらず、OPECは後追いで、非常にやり方として問題があるような、要するに、市場に余ってしまったり非常に足りなくなったりするようなことを慌てて追っかけて調整している、この状況が生じていることがわかるわけです。 この状況に対しては、これは非常に問題がある、価格を乱高下、上がり過ぎたり下がり過ぎたりしてしまう、こうした状況をもたらしてしまうんじゃないかということで、こういう話に関しては、私自身も中東の石油省の方なんかと、何とかこれは考えた方がいいんじゃないかという話をしてみたことがあるわけですけれども、中東諸国は何が一番大切かといいますと、今のように上がったときに自分の国だけがその収入にあずかれない、これはもう石油大臣の首が飛ぶわけでして、そういうことはできないわけです。自分の一カ国だけが違ったことができないという、その中におりますからしようがないので、とにかく今の価格、今の制度を追いかけるしかないという状況が生じているわけです。ですから、価格が高過ぎる、低過ぎるというのは、これは構造的に今生じてしまっている状態ということがわかるわけです。 三ページ目の一番下ですけれども、最後で、では、その状況を受けまして、原油を輸入してくる日本はどういうふうな立場にあるかということをお話しさせていただきます。 これは、原油が高くなれば仕入れ原価が上がりますから、売上高はそれに応じて変動するわけです。ですけれども、では、国内要因で、国内で石油製品が売れるかどうかということはまた別の問題でして、ですから、経常利益を見ていただくと、これはトータルとしてマイナスになったりとか、非常に振れているということがおわかりになると思います。 これは売上高経常利益率なんですけれども、パーセントとしましても、一番いいときでも二%台ですね。九〇年の前後のときですけれども、初めてここで二%台になったということまでしか上がったことがない。製造業の平均というのは四%台ですから、常に石油会社は平均を引き下げてきた役割をしてしまったということでして、構造的な要因に引っ張られて日本の石油会社が非常に経営的に苦労しているという状況が、表一を見ただけでもわかるということになっております。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○根本委員長 どうもありがとうございました。 次に、高萩参考人にお願いいたします。
○高萩参考人 石油連盟の副会長を務めておりますジャパンエナジーの高萩でございます。 日ごろから、石油を初めといたしますエネルギー政策につきましては、先生方から非常に深い御理解と御尽力をいただいておりまして、この場をおかりしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。 我々石油連盟は、御存じのように、石油精製、販売を行う企業から成る産業団体でございまして、エネルギー政策基本法にもございますように、安定供給と環境保全、そして効率的な供給に各社とも全力を挙げているというところでございます。 本日は、最近の石油事情についてということで参考人としてお呼びいただきまして、石油業界の実情等について意見を申し上げる機会を与えていただきまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。 それでは早速、最近の原油の需給、価格動向、また、これらを踏まえまして、我が国への影響などを中心にいたしまして、我々石油精製、元売の立場から意見陳述をさせていただきたいと思っております。 まず、最近の原油価格の情勢等についてでございます。 今、武石さんの方からもお話ございましたが、最近の原油価格の状況につきましては、先生方もよく御存じのように、去る六月一日に、世界的ないわゆる原油の指標価格と言われておりますアメリカのWTI原油で四十二ドル・パー・バレルを超すという、さらに、中東の代表的な原油でございますドバイ原油で三十六ドルをオーバーするといったような、一九九〇年に発生をいたしました湾岸戦争以来の最高水準をつけました。その後少し下がったわけでございますけれども、現在も依然として高どまりの状況にあるということでございます。 世界の原油の需給について簡単に申し上げますと、IEAの見通しによりますと、ことしの第二・四半期、つまり四月から六月での世界の石油需要、約七千九百万バレル・パー・デー、日量七千九百万バレルというふうに予測をしておりまして、一方、供給の方は八千二百万バレルぐらいだろうというふうに予測をしております。したがいまして、全体といたしましてはむしろ在庫の積み増しが進むということで、需給という面では、供給不足という問題は、その数字から見る限りは全く起こらないというふうに見ております。 しかしながら、現実に、先ほど申し上げましたように、原油価格は依然として高水準のまま推移しているわけでございまして、この高騰の背景について簡単に御説明を申し上げまして、その点を踏まえて、今後の原油価格の見通しについての所感を述べさせていただきたいと思っております。 まず、原油価格の高騰の背景でございますが、これは先ほども武石さんの方からお話ございましたように、まず第一は、世界最大の石油の需要国でございますアメリカ、ここにおいて、特にガソリンの供給に不安要因が発生しているということでございます。 アメリカは夏場にガソリン需要がピークに達する時期でございます。さらに、州ごとに違う環境規制というものがございます。アメリカ全体で約三十ぐらい州によって環境規制が違っているというふうに聞いておりますが、したがいまして、ガソリンの品質というのがかなり細分化されておりまして、このことによって、各州間でのガソリンの供給の融通性というのが著しく縮小をしているということになっております。 これに加えまして、ここ十数年、新たな製油所の建設がございませんでした。最近のガソリンを中心といたしました石油製品の需要増加に対する供給能力が著しく減少をしているのが実情でございます。その結果、全体の在庫水準が低水準にある。 こういったようなことから、アメリカはガソリンについての供給不安が発生しているというふうに聞いております。 次に、巨大なエネルギー需要国になった中国、これが原油輸入量を急増させております。また、石油の需給に直接関係はない、いわゆるそういったファンダメンタル以外の要因、例えば行き場を失った投機資金が高騰を続ける石油の先物市場等に流入しているといったようなことも原油価格の高どまりの要因になっておりますし、さらには、最近の中東情勢の不安ということがございます。 先月の二十九日に発生をいたしましたサウジアラビア東部の例のアルコバール、ここで発生した外国人襲撃事件、このアルコバールというのは、サウジアラビアの石油のオペレーションセンターがあるダハランの隣町でございます。こういったようなところでテロのおそれがあるというようなこと、しかも生産余力の一番大きいサウジアラビアでそういったような問題が起きたということで、中東情勢に対する先行きの懸念が広がった。 こういったようなものが相まって原油価格が今のように高くなっているというふうに我々は考えております。 世界の石油市場というのは極めて先行き不透明でございまして、今申し上げましたように、不安感が増大しております。したがいまして、今後の動向を見通すというのは極めて難しい側面があるわけでありますが、それにつきまして、若干私見を交えて申し述べたいと思います。 去る六月三日にOPECは、御存じのように、七月から日量二百万バレルの増産、そして八月からは、さらにそれに加えまして五十万バレルの増産決定というのをしたわけであります。 しかしながら、結果的には、この二百万バレルの増産というのは、現状の生産枠、これは二千三百五十万バレルでございますが、ところが、現実の実生産はもう約二千六百万バレルまで来ております。したがいまして、言ってみれば、産油国が協定を破ってやみ生産をしているものを追認したにすぎないというふうに見ております。したがって、実質的な供給量の増加にはつながらない。したがいまして、中東情勢の不安などの構造的な要因の解消にはつながらないだろうということ、そういったことから、原油価格というのは依然として高水準のままということになるのではないかというふうに見ております。 したがいまして、今後の動向について余り楽観的な立場は慎むべきだというふうに思っております。これらのいろいろな形での不安材料、これが解消のめどが立つまでは、やはり原油価格というのは、遺憾ながら、強含みに推移せざるを得ないというふうに考えております。 それでは、こういったような原油価格の高どまりが我が国の経済あるいは社会にどういうような影響を及ぼすかということについて、私ども石油業界なりの見方を御説明させていただきたいと思います。 まず、一般的な影響でございますけれども、原油価格がバレル一ドル上がりますと、例えば為替レートを百十円というふうに、現在のレートが大体そんなものでございますので、そうしますと、ガソリンや灯油などの石油製品は、一リッター約七十銭、〇・七円のコストアップになる計算になります。このコストアップを我が国における石油製品の年間消費量で計算をいたしますと、コスト増加額というのは、一ドルで約一千七百五十億円になります。したがいまして、一バレル当たり例えば五ドル原油価格の上昇があったというふうにしますと、年間で八千七百五十億円のコストアップ、こういうことで、非常に、一兆円に近いコスト負担というものが発生するわけであります。 こういったように、原油価格の高騰というものは、我々石油業界にとりましても、また我が国の経済に対しましても非常に大きな影響を及ぼすわけでございますけれども、先ほど申し上げました、一九九〇年の湾岸戦争当時と比較をしてみますと、もちろん影響は大きいんですが、その当時に比べますと影響度はかなり少ないというふうに見ております。 その理由というのは、一つはドル建ての原油価格、これは日本に到着価格、CIF価格というふうに言っておりますが、一九九〇年の一年間の平均、これはバレル当たり二十三ドルでございました。ところが、この五月はバレル当たり三十六ドルでございました。上がっているではないかということでございますが、一方、為替レートは、その当時、一九九〇年当時は一ドル百三十八円という水準でございました。現在の百十円というベースに対しまして、二十八円の円安でございました。したがいまして、これをすべて円貨換算すると、円貨ベースでのコストアップ幅というのは大幅に抑えられているということになります。 さらに、当時の我が国の一次エネルギーに対します石油のシェアというのは、五七%ございました。ところが、足元では五〇%をちょっと切ったところまで下がってきております。さらに、我が国の総輸入金額に占めます石油のシェアというものは、その当時の一九%から一五%にまで低下をしているといったようなことでございます。 加えまして、平成八年の四月以降、いわゆる特石法というもの、特定石油製品輸入暫定措置法といった法律が廃止されたわけでございますが、それ以降、原油価格に関係なく、我が国の石油製品価格、特にガソリンがかなり値下がりをしております。また、その間、我々、精製、元売あるいは販売業界は血のにじむような合理化、効率化、これを進めておりまして、そういう意味での石油製品の供給コストというのも随分下がってきております。 したがいまして、それをまとめますと、やはり湾岸戦争当時に比べれば、原油価格のアップの影響というのはかなり軽微なものになっているというふうに言えると思います。 末端価格でこれを示しますと、一九九〇年当時は、末端価格でレギュラーガソリンというのはリッター百三十二円ぐらいしておりました。灯油は五十二円しておりました。ところが、この五月は、石油情報センター調べでの末端価格を見ますと、レギュラーガソリンでリッター百八円と、当時より二十四円下がっておりますし、また、灯油は四十七円ということで、これもまたリッター五円低くなっております。 これらは、今申し上げましたような特石法の廃止に絡むいろいろな形での競争が厳しくなったこと、さらには、業界全体を通じた合理化、効率化のコスト削減の努力によるものだというふうに考えております。今申し上げましたように、今回の原油価格の高騰に当たりましては、国内の石油製品価格の上昇というものは限定的なものにとどまっているということでございます。 また、もう一つ申し上げたいのは、国内の市場環境についても、その当時と比べますと、かなり透明性、信頼性が向上しているというふうに我々は考えております。 一つは、湾岸戦争当時に導入をされましたいわゆる月決め価格方式、価格の月決め方式によりまして透明性の高いコスト算定方式というのが現在定着をいたしております。また、国家備蓄と民間備蓄合わせまして百六十日以上の備蓄が国内に保有されておりまして、緊急時の対応力というのが向上をしております。また、当時に比べて国内需給に関する情報、これにつきましても、石油連盟が毎週「石連週報」といったものを発表しておりまして、これによりまして、迅速かつタイムリーにあらゆる関係者にそういった情報が提供される仕組みが整備されております。 以上申し上げたことから、今後、国民の経済に対する負担というものは浸透をしてくるものの、供給面において大きな混乱が発生することはないのではないかというふうに私どもは見ております。 とは申しましても、ガソリン、軽油等の自動車用の燃料を初めといたしまして、プラスチック、樹脂などの石化製品、あるいは航空運賃に対する影響なども出始めているのも事実でございます。 私ども石油業界といたしましては、今後とも、合理化、効率化の努力というのは最大限続けていくのは当然でございます。しかしながら、急激な原油価格の上昇に関しては、これを我々の企業努力で吸収していくというのは不可能でございまして、やはり国民あるいは消費者の方々に御負担をお願いしなければいけないというふうに考えております。 これからの夏場のドライビングシーズンを控えて、やはり夏場のピークを迎えるわけでございますけれども、供給に関する限り、我々は問題はないと考えておりますけれども、そうではあっても、やはり原油価格の動向というのは注意深く見守っていかなければいかぬだろうと思っております。 以上、最近の原油の事情、価格動向あるいは我が国への影響などについて冒頭陳述をさせていただきました。ひとつ、こういったような事情をよく御理解の上、引き続き、御支援、御協力を賜れば我々にとっては非常に幸いだと思っております。 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○根本委員長 どうもありがとうございました。 次に、荒木参考人にお願いいたします。
○荒木参考人 それでは、お許しをいただきまして、少々発言をさせていただきます。 本日は、経済産業委員会にお招きをいただき、発言の機会を与えていただきましたことを、まずもって感謝を申し上げます。ありがとうございます。日ごろ、先生方には、ガソリンスタンド業界につきまして大変な御理解また御支援を賜り、まことにありがとうございます。 私は、ガソリンスタンドを経営している石油小売業者で、全国石油商業組合連合会副会長の荒木義夫でございます。まず、先生方に、私どもの業界につきまして、簡単に御紹介をさせていただきます。 私ども全国石油商業組合連合会、全石連と略しますが、中小企業団体の組織に関する法律に基づき、昭和三十八年に設立をされました、石油小売業者の全国組織でございます。現在の傘下事業者数は二万四千の組合員、そして、給油所数は三万八千カ所でありまして、加入率は国内全ガソリンスタンドの八割を占めております。また、本会加入事業者の約七七%が一スタンド運営者で、九九%以上が中小企業に属する脆弱な経営体質にあります。 先生方におかれましては、十分御承知をいただいていると思いますが、私ども石油小売業者は、国民経済上、必要不可欠な生活物資であるガソリン、そして軽油、灯油等の石油製品について、石油元売会社と特約契約を締結し、契約先の元売会社より商品を仕入れ、全国のガソリンスタンドを通じて、国民の皆様一人一人のニーズに即した形態で、安定供給をすることを基本に、ガソリンスタンドを経営させていただいております。 本日、本委員会でお取り上げになられました石油価格の高騰を中心とした石油情勢につきましては、個々の消費者の皆様に直接ガソリン等を販売する小売業の立場から、意見を述べさせていただきたいと思います。我が国における原油調達コストの高騰につきましては、先ほど高萩石連副会長の御説明がありましたが、以下述べさせていただくことは販売業者としての認識でありますので、御承知おきをいただきたいと思います。 本年一月以降の原油価格は、世界の価格指標となるWTI原油が高騰を続け、六月一日には一バレル当たり四十二ドルの最高値をつけました。また、我が国の原油の価格指標となっておる中東産ドバイ原油も、WTI原油に連動しまして上昇し、その時点では、一バレル当たり三十六ドルを記録いたしました。一月には一バレル当たり二十八ドルでございましたので、実に七ドルの上昇となっております。その後、六月三日のOPEC臨時総会における増産合意、さらには、サウジアラビアの増産表明等を受けて若干下落いたしましたけれども、世界の原油価格は引き続き高騰したまま、高どまりしているのが現状でございます。 これらの原油価格高騰の原因につきましては、識者の方々の御説明をまとめますと、一つには、中東情勢の混迷、そして二つ目には、米国におけるガソリン需要の増大と精製能力の不足、三つには、投機ファンドの思惑、そして四つ目には、高度経済成長を続ける中国の輸入拡大による需給のタイト化等々の要因がふくそうをして惹起されているものと私どもは理解をしております。 他方、国内での原油コストに影響を及ぼす為替レートにつきましても、本年一月の一ドル百七円レベルから緩やかな円安基調が続き、一時的には一ドル百十五円をつけた。その後、百十円台の円安が続いているのが状況でございます。 このような認識の上に、原油調達コストの上昇が、我々石油小売業者にどのように影響しているかということですが、私ども石油小売業者は、これらの原油高、円安に起因する製品コストアップ分として、仕入れ先である元会社から、一月以降、数次にわたり、仕入れ価格の改定を通告されてきました。ガソリンについて見ますと、元売ごとに値幅だとか若干異なりますが、重立ったところでは、四月から一リットル当たり三円弱程度、それから、六月からは一リットル当たり四円程度の値上げとなっております。 これら仕入れ価格の値上がりに対する我々石油小売業者の対応でございますが、我々ガソリンスタンド業界を取り巻く環境は、製品の過剰供給と、全国的に見て過剰なガソリンスタンド数という市場構造の中で、長年にわたり過当競争が続いている上に、最近では、経済デフレ傾向のもとで、自動車用燃料販売が低迷をして、大型セルフスタンドの乱立や異業種からの大企業が相次いで参入するなど、大変厳しい経営環境にさらされております。 こういうような中で、四月には、元売からの通告もありました仕入れ価格上昇分の転嫁を消費者の皆様方にお願いしたわけでございますが、一部では御理解を得るのに時間がかかったところもございます。それは、御承知のとおり、四月からの消費税法の改正の施行に伴いまして、従来、外税表示であったものを内税に改めたことなども、タイミングが一致をいたしまして、消費者の皆様には消費税分も大幅な値上げというふうに受け取られたという気配も感じているところでございます。続いて、六月から仕入れ価格が一リッター当たり四円も値上がりしたため、私ども小売業界におきましては、現在、この転嫁に大変苦慮しているところでございます。 先生方にはいつも窮状を訴えさせていただいておりますが、我々ガソリンスタンド業界は、規制緩和を契機とした熾烈な価格競争の激化によりまして、規制緩和前には大体一リッター当たり二十円程度あった粗利が、最近では一リッター当たり十円を下回るように圧縮をされております。私どもガソリンスタンド業界では、人件費の節約だとか、あるいは、極限とも言えるほどの経費の節減合理化努力を進めておりますが、現在、経営を維持するだけで精いっぱいの状況にあります。我々は、ガソリン、軽油等に課せられている五兆円にも達する石油諸税の実質徴税のために、表にはあらわせませんけれども、徴税経費もかなりのものを負担しております。 こういうような中で、全国のガソリンスタンドは、平成六年度末の六万カ所をピークに、倒産、廃止するスタンドが続出をいたしまして、きょう現在では五万カ所を切るほど減少していると見られております。また、町村の一部には、ガソリンスタンドの廃止によりまして、地域需要に対する安定供給にも支障を生じている実態もございます。 このように、疲弊し切った企業体質にあるガソリンスタンド業界には、このたびの原油価格高騰あるいは円安による製品コストの上昇分を、さらなる経営の効率化によって吸収する余力はほとんど残されておりません。このまま仕入れ価格の上昇を小売価格に反映できずに推移した場合には、小売業者が一部をかぶることにもなりまして、経営の悪化がさらに進行するのではないかと強く懸念をいたしております。 したがいまして、私どもガソリンスタンドでは、仕入れ価格が上昇した分につきましてはお客様に転嫁せざるを得ませんが、今回の原油コスト高騰による石油製品価格の上昇額は大変大幅なものがありまして、国民の皆様の御負担も大変厳しいものがありますが、ガソリンスタンド店頭におきまして、私ども、お客様に十分に御説明をし、御理解をいただくよう、現在、最大限の努力に努めているところであります。 私どもガソリンスタンド業界は、中小企業が大宗を占める業界でありますので、常に地域のお客様に密着した経営を現在心がけております。例えば、一つ一つのガソリンスタンドを基軸に、地域のお年寄りやあるいは子供たちなどの社会的弱者の方々に必要な手を差し伸べるかけこみ一一〇番、あるいは地域自治体と連携した防災防犯協力事業等を現在展開しております。また、大規模災害対応型ガソリンスタンドの導入につきましても、同様に、積極的に推進をしておるところでございます。さきに開催をさせていただきました私どもの全国通常総会におきましても、地域との連携を進め、ガソリンスタンドも市民としての役割を果たそうを本年度のスローガンとして採択いたしました。 地域の皆様と一体となって活動し、信頼関係を築きつつ、消費者の方々に石油製品を適正な価格で安定供給することが私どもの使命と自負しておりますので、政治あるいは行政のお立場からも、ガソリンスタンド業界の経営の安定につきましては、より一層の御理解、御支援を賜りますようお願い申し上げたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○根本委員長 どうもありがとうございました。 次に、北川参考人にお願いいたします。
○北川参考人 石油化学工業協会専務理事の北川でございます。 本日は、このような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 石油精製業の一需要部門として位置づけられるかと思いますが、石油化学工業といたしまして、ただいまのお三方の御説明になられました状況など、大変関心を持って注目しているところでございますが、せっかくの機会をちょうだいいたしましたので、日本の石化産業の置かれた現状などをかいつまんで申し述べさせていただきたいと思います。 お手元の資料を御参照いただきながら進めさせていただきたいと思いますが、私どもの関係いたします石油化学工業は、原油から得られるナフサを主たる原料といたしまして、プラスチックとも呼ばれます合成樹脂や合成繊維の原料あるいは合成ゴムなど、多種多様な化学製品を製造する産業でございます。石油化学製品は、日常生活のあらゆる分野に使用されておりまして、現代の我々の生活に不可欠なものであろうかと思います。また、石油化学産業は、多くの雇用を生み出すとともに、自動車、電子電気製品、医療といった産業にとっても不可欠な素材を提供しておりまして、我が国経済社会を支える代表的な基幹産業であると考えております。 私どもの属します石油化学工業協会は、狭い意味での石油化学工業をカバーいたしておりまして、一ページの右の図の中で、エチレンなどを含みます石油化学基礎製品全般に加えまして、その隣の石油化学誘導品のかなりの部分を活動対象としております。 二ページに入らせていただきますが、石油化学製品を代表するエチレンをベースといたしまして、生産及び需要の動向を見てみますと、日本で石油化学産業が本格的にスタートいたしました一九五八年以降、石油化学製品の急速な需要増加に対応いたしまして、生産設備の増強によりその需要を賄ってまいりました。しかし、九〇年代に入りますと、日本経済が低成長時代を迎える一方で、アジア諸国の経済が急成長を見せ始め、アジア地域における石油化学製品の需要が急増してまいりました。この環境変化に対応しまして、日本の石油化学企業はアジア地域への輸出を本格的に開始いたしまして、近年では、合成樹脂を中心に生産量の約三割が、中国を中心といたしましたアジア地域へ輸出されております。 図でごらんになられますように、九五年以降、棒グラフの生産と内需の大きな開きが出てきておりますが、その状況をよりはっきりと示しておりますのが次のページのグラフでございます。 石油化学製品の輸出は、九九年にピークを記録しておりますが、その後、アジア、中東における大型新増設プラントが本格稼働しましたことなどによって落ち込みを見せておりますが、ここ一、二年は、中国の旺盛な需要に支えられまして、再び増加している状況にございます。円グラフをごらんいただきますと、中国への輸出シェアが四割を占めるというような状況になっております。 他方、輸入につきましては、樹脂、つまり、プラスチック原料などの直接輸入が四十万トン程度で安定的に推移しておりますのに対して、プラスチック加工品、加工されました製品としての輸入が近年急増しております。特に、コスト面で優位に立つ中国やインドネシアなどからのポリエチレン製の袋物、スーパーマーケットでのレジ袋などが典型的な例でございますが、これらの輸入が毎年二けたの増加率を示しておりまして、二〇〇三年には五十万トン台にこれが達しまして、我が国石化産業は大変厳しい局面をそういう面でも迎えているという状況にございます。 四ページに入りまして、日本の主力輸出市場でありますアジアの製品の市況を見てみますと、その動向は、おおむね主たる原料であるナフサ価格の動向とリンクしております。最近では、二〇〇三年の春先にかけまして起こりましたイラク戦争のときに原油・ナフサ価格が急騰いたしましたために、これにつれてアジア市況も上昇しております。そして、戦争集結後、一たんは反落しましたけれども、サウジアラビアにおけるテロ等、中東の情勢不安を主な背景といたしまして原油・ナフサ価格が急騰したことに伴い、再びアジア市況は上昇基調にございます。 五ページに入りまして、主要合成樹脂の国内市況をまとめてございます。 九一年の湾岸危機の際に、原料ナフサ価格の急騰によりまして一時的な値上がりを見せた経緯がございますが、その後は、ナフサ価格の低下とともに大幅に低下しております。ここ数年は、内需の低迷とアジア諸国からの安価な加工製品の輸入増大等が影響いたしまして、原料のコストアップ分を製品価格へ適正に転嫁することが困難な状況になってきております。 しかし、ただいま御説明がありましたような情勢のもとでの原油価格、それに連動してのナフサ価格の急騰に対応いたしまして、国内経済情勢の好転に伴う需要回復の兆しも功を奏して、国内市況はやや強含みに推移してまいっております。 しかしながら、先ほどの海外の市況動向と国内の市況動向を見てみますと、やはり国内の市況動向の沈滞状況というのが何となく理解できるような状況にあるわけでございます。 それを反映いたしまして、六ページでございますが、我が国石油化学産業の収益性は総じて低い状況にございます。ここ十年の経常利益率の平均を見ますと一・九%程度でございまして、欧米諸国の化学企業と比較いたしますと、売上高経常利益率の一層の改善が求められる状況にございます。 今後、国際競争がさらに厳しくなる中で、これに勝ち抜いていくために、製品コストの六、七割、七割近くを占める原料コストの低減を図ること、そして、さらなる合理化によりまして収益構造の改善など企業体力の強化が必要であり、またそれに努めているところでございます。 七ページに入りますが、原料関係でございます。 石油化学用の原料のナフサの需要量と申しますのは、日本で年間約五千万キロリットルございます。我が国の石油製品の需要量の二〇%を占める形になっております。また、国内供給不足分を海外から調達しておりまして、海外からの調達比率は、近年、おおむね六〇%程度で推移しております。そしてまた、その輸入元は、円グラフにもございますように、韓国が最大で、クウェート、サウジなどがそれに続いております。 したがって、このグラフの「石油製品需要に占めるナフサ」のところに石油化学用のナフサ二〇%と書いてございますが、この総需要のうち、先ほど申し上げましたように六割、四割の比率で、二〇%の六割、つまり一二%は輸入に仰いでおります。そして、残る八%が国内の石油精製業からの供給に仰いでいるというような状況にございます。 八ページに入ります。 原料ナフサの価格は、基本的には、原油価格にリンクして変動しております。九〇年のイラクのクウェート侵攻時直後は、国際石油市場が急騰いたしまして、原料ナフサ価格もキロリッター当たり三万円台を突破したような状況がございました。最近も、緊迫した原油市場動向を反映いたしまして、一時的にはこの湾岸戦争時に匹敵する高騰を示しましたが、先日のOPEC総会以後は、原料ナフサ価格もやや落ち着きを見せ始めております。しかし、楽観できない状況であることは、既に先ほどの御説明で伺いましたとおりかと理解いたしております。 九ページに入ります。 アジア地域の石油化学産業の動向でございますが、日本の石油化学製品の輸出市場でありましたアジア地域におきまして、近年、石油化学プラントが相次ぎ稼働を開始しております。さらに、アジアのみならず、中東地域でも大型の最新鋭エチレンプラントが稼働を控えまして、国際競争のさらなる激化が必至となってきております。中東立地につきましては、日本の石化企業のプロジェクトなども一、二件最近報道されておりまして、かなり入り乱れての厳しい競争条件が出てきております。 十ページに入ります。 アジア地域におきましては、最新鋭の大型プラントの新増設が相次いでおります。製品と原料との価格差が縮小するなど、競争が激化しているわけでございますが、この結果、中国市場における日本品のシェアが減少するというような状況が起こっておりまして、いわば我が国石油化学産業の国際競争力が相対的に低下しているというような現象が出てきております。 このような環境変化のもとで、我が国石油化学産業は、さらなる合理化に加えまして、徹底した省エネ等に引き続きチャレンジしていくことが必須であります。また、製品コストの約七割を占める原料コストの低減を図るために、原料多様化等の努力によりまして一層の強化に取り組むことも必要でございます。 原料価格上昇分につきましては、合理化努力も徹底して行いながら、なおかつ、対応の必要な部分については、これは企業ベースでのレベルの話になりますが、適正な転嫁を的確に進めていく、またそれに対する理解を求めていくということが重要になってきているというふうに理解しているところでございます。 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○根本委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○根本委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 参考人に対する質疑は、理事会の協議に基づき、まず、各会派を代表する委員が順次質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本哲志君。
○坂本(哲)委員 坂本哲志でございます。 先週自民党会派入りしたばかりでございまして、早速質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。 きょうは、早朝からありがとうございました。 まず、武石参考人にお伺いしたいんですけれども、今、いろいろ原油高騰の原因その他をお聞きしました。中国の動き、需要増、あるいは中東の不安、投機筋、いろいろあると思いますけれども、中国の需要増にいたしましても、それから中東情勢、さまざまな不安要因にいたしましても、これはある程度これまで織り込み済みだったことだろうというふうに思うんです。 ただ、必要以上に不安要因をあおり立てて、リスクプレミアムといいますか、そういうことで高騰しているんじゃなかろうか。その動きの背景には、やはり投機筋、ヘッジファンド、こういったものがかなり大きく、激しく動いているんじゃなかろうかなという気がいたします。 九〇年代に、タイやあるいはマレーシアの通貨危機がございました。ヘッジファンドが大きく動いて、そしてバーツやルピアが大売りされまして、そしてアジアの通貨危機というふうになりましたけれども、どうもそのような状態に似ているような気がしないでもございません。どのくらいそういう動きがあるんでしょうか。 それから、もしそういうものがかなり大きな要因になっているとすれば、これを規制する、歯どめをかけるアメリカあるいは各国とのいろいろな協調体制、そういったものがとれるのではないだろうかなというふうにも思いますけれども、その点についてのお考えをお伺いいたしたいと思います。 それからもう一点。これも武石参考人にお伺いしたいんですが、中国につきましては、これは二〇〇八年あるいは二〇一〇年のオリンピック、万博に向けて、なりふり構わず需要がふえていくだろうというふうに思いますし、経済伸展に伴いまして、やはり需要増は仕方がないことだと思います。 そういうものに一番やはり被害をこうむるのは、アジアの諸国、日本を除くアジアではなかろうかなというふうに思います。それぞれ備蓄日数も少ないし、まだ本当の意味での、日本が三十年前に体験したようなオイルショックというものを体験していない、そのままで経済が発展してきている。そういう中で、アジアのオイルパニック、そういったものが起きやしないか。そういうものが起きたときに、アジアに進出している日本の企業への影響、あるいは日本のアジアへの輸出への影響、そして、そういう中で日本が緊急にとるべき対処法、対応、さらに、中長期的にアジアの各諸国に対してとらなければならない対策、政策、そういったものがどういうものがあるのか、お聞かせ願いたいというふうに思います。
○武石参考人 二点御質問いただきましてありがとうございます。 初めのヘッジファンドの件ですけれども、これに関しましては、例えばアメリカにヘッジファンドの件で話をしても、これは市場に任せてあるんだと言われてしまうわけでして、その点に関しては、むしろ、アジアとしてどう取り組むかということが非常に重要だろうというふうに思います。 九七年にアジアで経済危機が生じましたときも、韓国の例えば精製会社がLCを開けないということで輸入ができないということになりまして、そうした際にも日本から融通していくということが行われたわけです。ですから、そういう経験を踏まえまして、アジアで取り組んでいく、アジアで、資金もそうですし、それから物も緊急融通していこう、こういう取り組みをはっきりと構想として持っていく、こういうことで対応していくということがまず必要だろうというふうに思います。 それから、二番目のアジアでの緊急的な対応ということは、今申し上げたこととも関連するんですけれども、やはり備蓄をこれから各国持っていくということが今決まったわけですから、これを着実に進めると同時に、それがどんな効果を持つかということ。それは例えば、私ども民間のシンクタンクですけれども、そういうところもいろいろこれだけの効果があるんだぞということを発表して、それでアジアの中でのみんなの理解を深めていく。これができると安心感が広がる、そうしたいい方向に今進んでいるということで、制度的取り組みは今着実に進んでいると言っていいと思いますから、まだまだ現状では不備な点はあるんですけれども、方向性としては、さらにこの方向を深めていくことが必要というふうに思います。 以上です。
○坂本(哲)委員 これは荒木参考人にお伺いするべきことかなと思いますけれども、私の友人あたりに、ガソリンスタンドあるいは特約店、いっぱいおられます。今度の原油高騰に際して、ガソリンについてはいろいろな形で一般ユーザーの方々にある程度転嫁できるけれども、産業用の重油、軽油、そういうものについては、地元の経済、地域経済とか国全体の経済、あるいは企業との取引あたりを考えて、なかなかできない、企業の方が強いということもあるかもしれませんけれども。それで重油の納入拒否とか、そういうのも行われているようであります。 先ほど言われましたような運送業界に対する影響もかなりあるというふうに思いますので、この辺の産業用に対する転嫁問題、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○荒木参考人 それではお答えをさせていただきます。 今先生御指摘のとおり、ガソリンの場合には、私どもは、店頭でお客様にいろいろとお願いをしておりますと、お客様も、単位消費量そのものが少のうございますので、意外と御理解をいただいておるわけですけれども、産業用の燃料あるいはまた産業用の運送事業に使う軽油等につきましては、折からの不況によりまして、大変、それをお客様の方が受け入れるだけの余力もないというような窮状を訴えられます。が、しかし、私どもも仕切りが上がってきておるということで、そこはお互いに話し合いをするんですけれども、大変難しくて、現在は価格の転嫁が難航しておるというのが現状でございます。
○坂本(哲)委員 もう一つ、これは高萩参考人、荒木参考人両方からお考えをお聞かせ願いたい。それぞれ相反する部分もあります業界の問題でございます。 私たち熊本でも、八割が小規模経営、家族経営のガソリンスタンド、販売店であります。元売、それから特約店、そして販売店、そういう中で、販売店の方が壊滅状態でございます。これは、さっき言われました特石法の廃止あるいは規制緩和につながるところでございますけれども、そして元売の系列あるいは直営になっておりますし、それからセルフサービスのガソリンスタンドがガソリン以外のサービスを務めるようになって、非常にやはり経営的に厳しくなってくる。 こういう傾向というのは、元売の系列化といいますか直営化といいますか、そして、やはり高度成長時代にできたガソリンスタンドがばたばたと倒れていくというのは、今後も続いていくとは思いますけれども、その辺のことに関して、その歯どめをどうすればいいかということも含めて、元売の方から、あるいは販売店の立場からお伺わせいただきたい。 それからもう一つ。やはり、三十年前、四十年前にできましたタンクのオイル漏れによる土壌汚染というのが社会問題化しています。アメリカは大変な社会問題になりました。これを機に新しくタンクをつくりかえなければならない、二重タンクになる、それによってまた閉鎖に追い込まれる、そういう事態もかなり出てくるだろうと思いますけれども、御両人の御意見、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○高萩参考人 今の最初の項目について、まず私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 先ほども若干御説明をいたしましたけれども、ガソリンスタンドの数がピークでありましたのは平成六年の末でございまして、その当時、約六万軒をちょっと超えた数であったかというふうに思っております。それから約十年たちまして、現在は五万軒をちょっと切ったということで、一万軒以上のガソリンスタンドが閉鎖あるいは廃業ということになっているというのが現状でございます。 それの最大の要因というのは、やはり特石法廃止を一つの中心といたします規制緩和、言ってみれば、特石法廃止によりまして、石油業界、上流から下流まで全く自由競争ということになったわけでございまして、そうなりますと、どうしても供給過剰を背景といたしましたそういった競争が今まで以上に厳しくなるということから、やはり小規模あるいはそういったようなSSが閉鎖に追い込まれるということになったわけでございます。 我々といたしましても、自分の系列のSSがどんどん減っていくということについては、これは我々自身の商売といたしましても非常に大変だということで、いろいろな形で支援等々もやっておりますけれども、やはりそれにも限度があるということだと思います。 さらに、もう一つ申し上げますと、私どもの各石油元売会社のいわゆる系列化あるいは直営というのがふえておりますけれども、これは基本的には、そういったような経営が立ち行かなくなってまいった特約店さんあるいはSS、これをそのまま放置しておいたのでは、一つは、我々自身の商売そのものが減少してまいりますので、そういう意味では、苦肉の策として資本を入れ、人を送り込んで何とかして経営を立て直そうという形で、それが結果として元売の系列化がそっちの方面では強くなっているというような実態でございます。 私の方からは以上でございます。
○荒木参考人 では、お答えをさせていただきます。 先ほどの、元会社が販売業界の方へ進出しているのは大変な心配ではないかという先生の御質問でございますけれども、先生の御指摘あるいは御推察どおりでございまして、我々もそれは大変心配しております。 今、高萩石連副会長さんがおっしゃったとおりに、現在は販売業者から、経営が成り立たなかったりあるいは小規模で競争に勝てない人たちが、元会社の支援を得てあるいは元会社に経営権を移譲して店を何とかそのまま続けておるというような現象でございますけれども、ただ、私どもが心配しますのは、精製から販売まで一貫をされる方たちと販売だけしかやっていない人たちが今後同じ業界で販売に携わっていくというのについてはどうなのかなというのは、多少心配をしております。 それと、元会社さんだけでなくて、私どもの業界には今異業種の方が、大きな資本を持って複合的にガソリンスタンド、ガソリンの販売を展開してくるような業者が進出しておりまして、そういうものに対して、私どもは何か、例えば分野調整というとおしかりを受けるかもわかりませんけれども、自由主義経済の中ですのでいろいろとみんなが競争をしていくというのは大原則でございますけれども、アメリカの今州法でありますように分離法と申しますか、ある程度すみ分けといいますか、あるいは役割分担と申しますか、そういうようなものが今後整備されていくと、私ども小売、小規模な販売業者はまだまだ生きていけるものが残されるのかなと、希望をそちらへ持っております。 それから、先生御指摘の二重殻のタンクの件でございますけれども、タンクが漏れまして土壌汚染が進みますと、その土壌にオイルが蓄積をしてまいりますし、また地下水を介してその汚染がどんどん広がっていってしまうというような大きな問題が起こります。それから、何をさておきましても、高価な石油が漏れてしまうということで私ども販売店としても大きな損が立ちますし、また、一番大事な私どもの資産であります土地の評価も、汚染をされた土地ということで資産の価値が下がっていってしまうということで、これは大変大きな問題でございます。 総務省消防庁の資料を少し勉強させていただきますと、平成十三年度には全国で二十七万基の地下タンクがあるということが確認をされておりますけれども、その中で、平成六年から七年までで、先生御指摘のタンクが漏れて土壌汚染をしたというのは十件程度でございました。平成六年から七年で十件でございました。それが、最近では年に二十件を超すような報告があるということを聞いております。また、いろいろなアンケートだとか、いろいろなものを総合的に判断しますと、地下タンク設置後三十年ぐらいでかなりの漏えいの危険性が増大をしてくるということも指摘をされております。 そこで、私ども石油組合といたしましては、平成十四年に、所管であります資源エネルギー庁石油流通課の皆さん方にお願いをしまして、地下タンクだとかそれに附属します地下に埋設されております配管の検査費用、それからまた未然防止で地下タンクの入れかえ作業、入れかえ費用、そういうようなものを、国庫補助の制度を創設していただくようにお願いをしておりまして、それをかなえていただきました。これは先生方の温かい御理解があったかと思いますけれども、その要望が達せられまして、十五年度より私ども石油組合がこの検査の事業の方を担当して、その費用の補助を出させていただいております。また、石油協会の方がタンクの入れかえ等につきましての補助事業を現在展開しております。 しかし、これは今この時期に大変いいタイミングでの補助事業でございますけれども、あえて私どもで希望を言わせていただくとしますと、現在、補助にしても、二分の一ぐらいが補助の対象となっております。いわゆる補助率が二分の一ということでございます。冒頭にもお話をさせていただきましたとおり、私ども、七七%が零細企業でありますので、もう少し補助率を上げていただければ経営が安定し、またエネルギーの供給の確保、そういうようなものに我々も協力をさせていただけるし、何よりも、土壌汚染、そういうようなものの保全につながっていくと思います。 御質問の中で要望まで言って申しわけございませんでしたけれども、そんな状況でございます。 以上でございます。
○坂本(哲)委員 ありがとうございました。
○根本委員長 次に、吉田治君。
○吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。 エネルギー、石油事情というよりも、本来でしたらエナジーセキュリティーということで、エネルギーの安全保障の観点から石油のことを論じる必要が本当はあるんじゃないかなという気が大変しております。 また、本日はこうして各御代表の方がおいでですけれども、お話を聞いておりますと、例えば石油会社の利益率が一%だとか、またさまざまな部分が企業努力として片づけられている。じゃ、私は、そこに働く人は結果としてどう報われているのかな、働くだけ働いて結果として大変な目に遭っているということになっていてはやっていられないな、そこの現場で働かれている方々の御意見などももっと聞く必要があるのではないかなということを最初感じさせていただいたということ。 そして、お話の中で、やはりアメリカの需要期。エネルギーの安全保障といった中でも、アメリカははっきりと、私が言うまでもなく、例えばガソリンの価格というのが大統領選挙に大変大きな影響を与えると言われております。それほど関係の深い項目であるということももう少しお話を聞かせていただければなと思ったところであります。 そういう中で、時間もございませんので、私は四点ほど質問をさせていただきたいと思います。 一点目は、やはり先ほど高萩さんの御意見の中に環境の問題が入っておりました。高萩さんにお聞きするのがいいのかもしれませんけれども、その専門は武石さんだと聞いておりますので、エネルギーと環境という中で、京都議定書の扱い。京都議定書のCO2問題というのは、アメリカなどの重要な国々は今批准をしていない。そういう中で、価格競争力の観点で、このまま日本がこれを推し進めていった場合に、消費者に負担が行きかねないという懸念を感じているんですけれども、その辺は武石さん自身どうお考えで、また、石油業界としてこの問題についてどういうふうに見られているのかということがまず一点目。 そして、あとは高萩さんに御質問させていただきたいんですけれども、石油の安定供給といった見地から見た場合に、実際経営者というお立場からお答えしづらいかもしれませんけれども、日本の石油業界にとって財務体質とコスト競争力の強化というふうなもの、いただいた参考資料にもそのことを述べておられましたけれども、不可欠と思いますけれども、どこをどう考えていくべきだと考えておられるのか。また、具体的には、やはり過剰設備問題と、現在の四グループプラスアルファというこの業界の状況がこのままでいいのかということ。このことをまずお聞きしたいと思います。 そして、あと、石油というものを考えていったときに、石油と再生可能エネルギー、例えばバイオマス、アルコール燃料、燃料電池など、こういうものは業界として、業界というよりも石油として競争関係にあるのかまたは補完関係にあるのか、競争関係にあると考えるなら、いつごろどうなるとお考えになられているのかということ、これが高萩さんへの二点目の質問。 そして、最終質問は、日の丸原油ということがよく言われております。安定供給政策としての日の丸原油、この発想についてはさまざま疑問も呈せられていますし、過去に日本の国民の税金において後処理をしたということもございます。今や一つの国が資源を保持する時代であるのかないのかという大きな議論もありますし、もちろん日本においては、その依存をする中近東に対してのシーレーンの確保という大変大きな安全保障上の目の前の問題も、これは今テロリストの時代になってまいりまして、問題もあると思います。短期的には石油は戦略商品という位置づけにある中で、今備蓄のお話もございました。緊急時対応の備蓄というものは大変重要と考えておりますけれども、中長期的にはコモディティー化、今になって振り返ると、石油ショックというものは経済性で決まったんじゃなかったのか、そういうさまざまな論文も出ておりますし、そういうお話も聞いております。 すなわち、そういう中で、この日の丸原油という発想、この発想自身、場合によれば第二の石油公団の問題になりはしないのかなという懸念を感じているんですけれども、業界に長く身を置かれて、また石油の本場ヒューストンにまで若きころに留学をされて、石油業界として精通をされている高萩さんに、その辺のことをちょっとお聞かせいただきたいと思います。 以上、よろしくお願いいたします。
○武石参考人 京都議定書の問題に関して、私なりの考えを述べさせていただきたいと思います。 現在、既に六%削減というのは全く日本は無理な状態。つまり、もう既に七%を超える伸びを九〇年比で示してしまっていますから、この先さらにまたふえるであろうと予測されている中で、二〇〇八年から二〇一二年の間で六%削減というのは、全く無理な状態が生じているわけです。 しかも、アメリカ、オーストラリアも含めてですけれども、京都議定書から離脱してしまったという状態がありまして、それからEUに関しては、要するに、石油危機の後何をしたかというと、石炭の使用というものを実際はふやしていたわけです。九〇年においてはまだ石炭の比率が高かったんですけれども、そのときには、ロシアを含めてガスを導入するというインフラが徐々に整備されていた状態ですから、その後、EUバブルといいますけれども、EUは京都議定書を楽々クリアできる条件を整えたわけです。 ですから、やはり政治的駆け引きとして、地球を守れというのはもちろん言いますけれども、ですけれども、自分たちが達成できるということでEUが言ってきているその政治的な意味というものが存在しているというふうに私は考えるわけです。 ですから、日本が達成できないことはもう明らかになっているわけですけれども、じゃ、その後、達成できなかったときにその一・三倍、今度はその次の期間、二〇一三年以降にそれを義務づけるような話が今議論されていますけれども、これに対しては、日本としても、アメリカの入っていないような世界的な枠組み、それから中国が入っていないような枠組み、これに対して、やはりすべての国が入れるようなものとしての提案、これを真剣に提案していかなくちゃいけない立場にあるだろうというふうに思うわけです。 ですから、石油の利用というのも、つまり運輸面では非常に石油というのは使いやすい、非常に便利なエネルギー源ですから、これが使われていくことは、主要なエネルギー源としてこの先三十年とか使われていくことは実に明らかなわけです。そうだとすれば、日本として言うべきことというのは、議定書に確かに批准をしました、コミットしています、ですけれども、世界的な枠組みとしてもっと長期的な、二一〇〇年とかそうした取り組みとして、例えば日本はこれだけ燃料電池を開発してきました、ことしから出てきますけれども、こうしたものをどんどん使っていきましょう、ハイブリッドカーをどんどん導入していきましょう、こういうことを促進させて、燃料電池には非常に重要なエネルギーとして石油も使われていくわけでして、こうした面で、環境に日本として主導をとっていく。一・三倍で何かたたかれてそれで萎縮するのではなくて、逆に、日本としてこれだけやっていますということで二〇一三年以降をリードしていくような立場、これをとらなくちゃいけないというふうに私は思います。 以上です。
○高萩参考人 私の方も、今、吉田先生の方から御質問ありました件、幾つか意見がございますので、順番に述べさせていただきたいと思います。 まず、京都議定書の問題、今、武石さんの方からお話しございましたとおりでございまして、これについては特に私個人としてもかなり問題であろうというふうに思っております。 と申しますのは、まず現実に、現在、今、武石さんが申し上げましたように、CO2は絶対量はかなりふえております。京都議定書では一九九〇年に対して六%減らせということでございますけれども、現在は先ほどのように七%実はふえている。したがって、一三%以上減らさなきゃいかぬというのが現状でございます。 しかも、それのふえているほとんどというか、そこのところは民生用と運輸用でございまして、産業用につきましては絶対量として減っております。約二%ぐらい減っております。まだ十分ではありませんけれども、減らしております。民生用ということになりますと、やはり国民生活の利便性、これがかなり損なわれることになります。したがいまして、この京都議定書を守るということそのものが国民生活の利便性にどういったような影響を及ぼすのかということは、はっきりやはり数字で示す必要があるだろうというふうに思っております。 そういったいわゆる国民的な理解というのがどうも今のところ余り行われずに、京都議定書ということだけが上滑りをしているというふうに思えてなりません。この辺について、ぜひそういったような形で先生方の方からもひとつ問題点を提起していただければありがたいというふうに思っております。 それから、安定供給の、二つ目の問題でございます。 我々石油業界といたしましては、先ほど申し上げました平成八年あるいはその以前から企業体質あるいは効率化、合理化、これの努力をかなりやってきております。現在までで、恐らく業界全体でこういったコスト削減が一兆五千億は超えているだろうというふうに思っております。私どもの会社だけでも一千五百億円ぐらいの合理化、効率化はやっております。恐らく業界全体では一兆五千億ぐらいにはなっているだろうというふうに思っております。 過剰設備の解消も徐々には進んできておりますけれども、まだ残念ながら全部ではございません。日本の場合には、まだ平均稼働率、設備の稼働率が八〇%をちょっと超えた段階でございます。それに対しまして、ヨーロッパとかアメリカは、ヨーロッパはもう九〇%を超えておりますし、アメリカは、逆に言うともう設備が足りないくらい、常にフル稼働といったような状態になっていると聞いております。 そういった中で、我々は過剰設備を減らしながら、そのためにはやはり他社との連携といいますか、特にコスト削減、そういった面での連携を強化していかなければいけないということで、各石油元売会社ともいろいろな形で、例えば物流の合理化、あるいは精製事業の共同化、あるいは油槽所の共同利用、あるいはタンカーの共同利用等々の形での、非常に緩やかではございますけれども連携を強めておりまして、これは今後とももっともっと続けていきたいというふうに思っております。 それから、燃料電池、バイオマスの件でございますけれども、私どもも、各石油会社、燃料電池の研究開発はそれぞれかなり一生懸命やっております。 やはり今後の一つの方向、エネルギー使用の方向を位置づけるのが燃料電池だというふうに思っておりまして、その中で、特に我々が力を入れなければいけないし、入れていきたいと思っておりますのは、定置型燃料電池といいますか、分散型エネルギーの一つとしての定置型燃料電池の開発。しかも、それに、我々としては、石油製品、例えばLPガスであるとか灯油であるとか、こういったものを使えるような燃料電池の開発といったものを、燃料電池メーカーさんと共同でタイアップしながらやっていきたいというふうに思っております。したがいまして、この面については、ほかの業界の方がやる部分についてはライバルな面もございますし、あるいは逆に、共同でやっていかなければいけないというような感じだというふうに思っております。 それから、三番目の日の丸原油といいますか、いわゆる原油開発に対して我が国はどの程度関与すべきかということでございます。 御存じのように、日本の場合には、もう九九・九%の原油を海外に依存しておりますし、しかも、そのうちの九〇%近くを中東に依存しているのが現状でございます。これにつきまして、やはり我々といたしましては、そこで持ってくるものを、単にお金だけを払ってよそが開発したものを買ってくればよろしいということだけで本当にいいのかというふうに思っております。 やはり自分たちがみずから、ある程度リスクを冒して、その中で原油を開発して、そしてそれを安定的に日本に持ってくるというような方策はどうしても必要だろうし、これは、ある意味では日本のような先進国の責務ではないかというふうに思っております。 ほかのメジャーあるいはほかの産油国が開発したものだけをお金を出して持ってくればいいということでは、やはり将来の安定供給に若干陰りが出てくるおそれがあるというふうに思っておりまして、これについては、従来の石油公団というのも、私個人の考えでは、確かにいろいろやり方はまずいところがあったけれども、基本的な物の考え方というのは、やはり日本の安定供給のためにお金を使うというのは決して間違っていないのではないかと、私個人はそう考えております。 以上でございます。
○吉田(治)委員 もう時間ですけれども、一点だけ、高萩さん、先ほど安定供給の部分で、コストを随分削減されたと。現場も大変、働くところも御苦労されたと思うんですけれども、コスト削減の部分、財務体質等を含めて、強化というものはこれでほぼ一巡して、一服状態と考えていいのか、それとも、まだこれから、財務体質であるとかコスト競争力の強化のために、こういうことを各社していく必要があるんじゃないかというのは、一点、お考えになられているのか。 それともう一点は、今のグループ化、四グループプラスアルファという形、これはこのままでいいのかどうか。ちょっと業界のお立場として言いづらいことかもしれませんけれども、これはやはり、これから先の流れの中で、このままが続くと考えられるのか、やはりどこかの部分で、こういう石油価格の上昇であるとか供給の問題とかを含めていったときに、変わっていくこともあり得るとお考えなのか。その辺、いかがでしょうか。
○高萩参考人 まず最初のコストの問題、私はコスト削減には限界はないだろうというふうに思っております。これについては、もう我々、確かにぞうきんがかなり乾いておりまして、これ以上絞るというのはかなり大変でございます。今まで以上の努力が必要でございますけれども、しかしながら、まだまだやれるところはないのかということで、今まで以上に知恵を出し、汗を出してこれはやる必要があるだろうと思いますし、石油会社が、各社とも、まだまだそういった面ではコスト競争力の向上に向けて、いろいろな形での合理化、効率化は続けていきたいというふうに思っております。 それから、二番目の四グループの御質問でございますけれども、これについては、今は、四グループといっても、これはかなり緩やかな連携でございます。それから、この四グループでそれぞれが排他的にやっているというよりも、例えばAのグループと今度はBのグループの会社が別な形での連携をやっているとか、そういったような形での共同事業というものが進んでおりまして、そういう意味では、今先生の御指摘のように、今のままで進むというよりももっと別な形での連携、例えば製油所の共同利用だとかいったものを、今のこの四グループに限らず、四グループの中の例えばAグループとBグループがそういう形に進むとかいうことは、まだまだ進んでいくのではないかというふうに私個人は考えております。
○吉田(治)委員 どうもありがとうございました。
○根本委員長 次に、井上義久君。
○井上(義)委員 公明党の井上義久でございます。 参考人の皆様には、当委員会にお出ましをいただきまして、貴重な意見を賜りまして、ありがとうございました。 私から、まず武石参考人にお伺いをいたしますけれども、石油の需給の関係で、イラクの問題ですけれども、主権移譲され、安定化するにはかなりのハードルを乗り越えなければいけないと思いますけれども、いずれにしても、イラクの経済再建にとってこの石油というのは非常に大きな役割を果たすわけでございます。そういう意味では、長期的に見ますと、供給圧力が相当高くなるだろうというふうに思っているわけですけれども、このイラクの石油供給というものが本格化した場合の、この需給の関係に対する影響をどういうふうに見ていらっしゃるかというのが一点。 それからもう一つは、先ほどの需給の関係の中で、北米諸国の経済成長といいますか経済発展、極めて順調だということもありますし、それからまた中国の需要が相当これから高くなるだろうという予測があるわけでございまして、政治的な要因とか季節要因とか、いろいろあると思いますけれども、やはり中長期的には、私は石油価格というのは上昇せざるを得ないんじゃないかというふうに思っておりまして、それの見通しをどのように考えていらっしゃるのか。 そういう中で、石油というのは極めて戦略的な物資でございますから、日本の国にとりまして、安定供給という意味で、国家戦略として、武石参考人、これとこれがポイントだということがございましたら、ぜひお聞かせいただきたい、こう思います。
○武石参考人 御質問ありがとうございます。 イラクの問題とそれから安定供給という問題でございます。まず、イラクの方ですけれども、今までイラクが最大に生産した量は、三百五十万バレル程度生産したことがありまして、ですから、設備的には、パイプラインとか、北からと南からと両方出すんですけれども、北からはトルコ経由になりまして、南の方はアラビア湾経由なんですけれども、そうした治安の安定性というもので三百五十万までは戻る可能性はあるわけです。ですけれども、その安定的な輸出がいつぐらいにできるかということは、現状から見ましても非常に混沌としていまして、判断が難しいんですけれども、いずれは、この設備が回復すれば、そこまではまず戻るだろうというふうに思われるわけです。 では、さらにその供給圧力としてイラクをどう考えるかということなんですけれども、これは新たに石油開発をしていかなくちゃいけないということになるわけです。見つかっていて開発されていないところもあるわけですけれども、でも、その開発、生産のためには設備が要りますし、それからパイプラインも増強していかないと、輸出のための設備が必要ということで、ですから、三百五十万までいずれ何年か先には戻るとしても、そこから先というのはまた年数がかかるということ。ですから、需要の伸びを見ましても、イラクの供給が過大になって、そこで価格がむしろ引き下げられるというような状況は余り今は考えられない。それほど需要が強いというふうに言えるわけです。 もう一つの、今の話とも関係するんですけれども、北米、中国の需要が強いということで、従来、OPECは、二十二ドルから二十八ドルという自分たちの価格帯を設けて、それより離れようとすると供給をふやしたり減らしたりしてきたわけですけれども、やはりそのパーセプションといいますか、一段階変わったんじゃないかということが今言われています。今、原油価格というのは三十ドル台ですね、三十五ドルぐらいを一つの目安として動くような状況が出てきてしまったんじゃないかということが今言われているわけです。 日本として、では、安定供給ということで何を試みるべきかというのは、例えば、やはり供給余力があるところの国とどんな関係を持つかということが非常に重要になっていくだろうと考えられるわけです。その点は、石油化学の会社さんが非常に先見の明を持つといいますか、今報道されていますけれども、サウジアラビアの紅海側、それからアラビア湾側両方で石化プラントをつくろうとしているわけです。 ですから、同じように、やはり非常に安く生産できる土地、そこに対して投資をしていって、そこで生産を行っていく。つまり、ある程度石油会社も体力を早くさらに強化していただいて、石油精製の分野で、供給側、それから需要が強いところ、それは中国やインドとか、そういうところですけれども、そういうところで一緒に石油供給をしていく。これは日本にとっても非常に安定的な物資の流れ、石油の流れを形づくるというふうに考えられるわけです。この点は非常に早く海外展開、これを強化していただきたいというふうに私は思っています。 以上です。
○井上(義)委員 次に、高萩参考人、それから北川参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどからも質問が出ていますけれども、元売業界、それから石油化学業界、石化業界、ともに利益率が非常に低いという指摘がございました。これは、石油業という、それによる特殊な要因なのか、それともいわゆる企業体質によるものなのかということをまずお伺いしたいと思います。 それから、先ほど高萩参考人から、合理化努力というお話がございました。製造業の世界的な再編ということが言われておりまして、鉄鋼なんかも、日本の国、国内で二社のグループに再編されるというようなことで、価格形成力をそれなりに持ってきているわけでございまして、製造業で世界で残るのは五社ぐらい、そのうち日本では二社ぐらいがせいぜいだろう、こう言われておるわけですけれども、そういう業界再編ということについて、先ほどグループ化というお話、グループの現状ということについてお話がございました。もう一歩踏み込んで、業界再編ということについて、もし、まあなかなか難しい問題で、当事者でもいらっしゃるわけですから難しいかと思いますけれども、ただ、これは日本の国の産業戦略としてぜひ考えていかなければいけないことだ、こう思っておりますので、当事者としてどのようにお考えなのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○高萩参考人 非常に難しいといいますか、答えにくい御質問を受けたわけでございますが、石油産業、確かに、先ほど武石さんのお話にございましたように、利益率がかなり低い状態でございます。これは、一つは、石油が昭和三十五、六年から急激に伸びて、新規参入者が急激にどんどんふえた、それで過当競争体質がそれからずっと続いておる、残念ながら今も続いておるというようなことで、やはり競争体質というような形になってしまっている。 本来ならば、現在のように石油の需要が総体的にもう伸びない、あるいは若干、少しずつでも減少していくということになりますと、むしろ、こういう企業体質そのものも、あるいは競争体質そのものが改まっていかなければいけないということになるわけでありますけれども、残念ながら、どうも我々、いわゆる競争が習い性になってしまったというようなことか、ともかく、そういうような状態が続いているということが一つ。 それから、その遠因は、一つは、やはり石油製品というものが、残念ながら、品質的には各石油会社どこも同じような製品でございまして、品質特性といったような形での競争というのが非常に難しい。したがって、どうしても価格競争に走りがちだということに原因があるんだろうというふうに思っております。 それから、業界の再編の問題でございますけれども、これは先ほど吉田先生の方からお話がございましたように、大体緩やかに四グループというふうに再編をされたというふうに言われておりますけれども、ただし、これは非常に緩やかな連携ということでございます。それ以外に、我々、いろいろな形でよそのグループの石油会社とも、効率化、合理化に役立つことであれば何でもやるということで、連携の度合いを強めております。 企業同士が合併をする、あるいはそれそのものが一つになって、あるいは共同の事業体になるというのは、これはそれぞれの企業がどういうふうに考えるかということで、一般的なお話というのはしても余り意味がないんだろうというふうに思います。しかしながら、コスト競争力の面、あるいは先ほどから出ております石油の開発その他いろいろな形で、それぞれの場面場面についての共同事業といったような形は、今まで以上に進んでいくんだろうというふうに思っております。 以上でございます。
○北川参考人 まず、利益率の関係につきまして御説明申し上げたいと思いますが、石油化学産業、既に御説明申し上げましたように、大変低い利益率に悩まされているところでございますが、そのための方策といたしましては、みずからの立場からの努力として、生産あるいは供給コストを引き下げるための徹底した合理化を推進するというのが一つの課題でございます。 かねてから、設備の改善あるいは原料多様化を図りながら原料コストを下げていくというような努力も、皆様方の御理解もいただきながら実現してきておりますし、さらに、流通コストの引き下げ、あるいは、経済産業省等の御理解も得ながら、かつ、石油精製業界と一緒になりまして、コンビナートルネッサンスというようなかけ声のもとに、コスト削減、合理化のための努力を現在続けているところでございます。 したがって、まずはみずからの立場でのコスト削減、合理化を進めるという努力でございますが、さらに、これに加えまして、ユーザーサイドでの負担も求めていくという努力は当然のことながら必要でございます。しかしながら、石化業界のユーザーの関係を眺めてみますと、例えば自動車業界とかあるいは家庭電気業界等、非常に交渉力の強い産業がお客様でございます。そういう点で、大変難しい立場に置かれているという面もございます。 それから、中国を初め、既に御説明申し上げましたように、アジア諸国からの比較的安い価格の製品が輸入されてきている、これと競合しなきゃいけないということもありまして、これが価格上昇に対するブレーキとなって働いているという面もございます。 そして、石油化学産業は、言ってみれば装置産業でございます。かなり大きな設備を抱えておりますが、これから先どういう立場になるかわかりませんけれども、今までの状況を見ますと、少なくとも設備過剰状態というような現象もございまして、これがややもすると供給面で多量の供給を行って、競争を強化するというような働きをしていたことも事実でございます。 いずれにいたしましても、こういう状況の中で、あらゆる努力を実施しながら利益率を高めていくという必要がございます。国際的に見て、日本の石油化学産業が打って出ていくためにも、収益基盤の拡充というのはまず極めて重要な条件だというふうに理解いたしております。 それから、業界再編の関係の話でございますが、今のコスト削減努力とまさに裏腹の関係でございますけれども、石化業界におきましては、かねてからいろいろな形のアライアンスが進んできております。そのアライアンスの大きな部分というのは、同じ製品分野におきまして複数の企業の共同会社を設立してビジネスの規模を拡大していくというような努力を行ってきております。 例えば、ポリエチレンについて申し上げますと、九四年の段階では十四社、メーカーがございました。これが現在では九社に減っております。アライアンスの結果でございますが、同様に、ポリプロピレンにつきましては、九四年には十四社でございましたのが、現在では五社になっております。同様、ポリスチレンにつきましては九社から四社に、塩化ビニールにつきましては十五社から七社にといったような形でのアライアンスが進んでおりまして、これからもこれをさらに進めたような形での多様なアライアンスが進むのではないかと期待いたしているところでございます。
○井上(義)委員 済みません、時間が来ましたけれども、最後に荒木参考人にお伺いしたいと思います。 ガソリンスタンド、地域を回っておりましても、経営が大変だというお話、よく承るわけでございますし、また廃業するガソリンスタンドもあちこちに見受けられるわけでございます。そういう現状の中で、これは国としても、市場環境の整備とか、あるいは構造改善支援とか、あるいは設備関係投資支援とかという施策を今打っているわけですけれども、そういう中で、せっかくの機会でございますので、特に御要望等ございましたら承っておきたい、こう思います。
○荒木参考人 それではお答えをさせていただきます。 いろいろと先生方の御協力をいただきまして、いろいろな支援策をいただいておりますけれども、私どもが、当面の要望事項と申しますか、今こういうことをしていただける、あるいは考えていただけると販売業界として助かるんだがなというのは、現在、不公正な取引方法による商売が行われておりますので、こういうものに対する制裁措置の導入をぜひお願いしたいと思います、これは公正取引委員会の方にお願いすることでございますけれども。 理由といたしましては、現行の独禁法では、不当廉売だとかあるいは差別対価などの不公正な取引方法に対する制裁措置がされておりません。ですから、廉売業者、安く売るような方がやり得になっておりまして、中小零細企業の業者の経営を大きく圧迫しております。 そこで、要望でございますけれども、独禁法を改正していただきまして、不当廉売だとかあるいは差別対価や優越的地位の乱用等、そういうようなものでの不公正な取引方法に対しては、課徴金だとか刑事罰の制裁措置が導入されるようにぜひ改正をしていただければ、このように思っております。 それからまた、石油流通に関する実態調査のフォローアップでございますけれども、これはもう資源エネルギー庁だとかあるいは公正取引委員会の方にもお願いしたいことでございますけれども、一つには、石油流通業界では、仕入れ価格を下回って売るような廉売行為や、あるいは差別仕切り、同じような規模、同じようなマークの中においてもその業者の選別がいかにも行われておるような仕切り価格の差別があるように思われます。こういうことに関しましては、十五年の十二月から、石油流通に関する実態調査ということで、公正取引委員会の方がいろいろな形で今アンケートと申しますか、調査をされておるということでございますけれども、ぜひひとつ、この調査結果を踏まえまして、石油流通業における公正な、透明な取引環境が整備されるように適切な処置が講じられたらありがたい、こんなふうに思っております。 終わります。
○根本委員長 続きまして、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。 きょうは貴重な御意見を賜り、本当にありがとうございます。 最初に、武石参考人と高萩参考人に、価格高騰の背景について二問ずつ同じ質問をさせていただきます。 一つは、もちろん価格高騰の背景には多様な要因があるわけですけれども、その一つに投資ファンドによる投機資金の原油先物市場への流入の問題があると言われております。過去数年、この投資ファンドが先物市場で存在感を高めている。それだけですべて価格の上昇の説明は当然つかないわけですけれども、上昇の一因となっているというふうに言われておるんですが、どの程度価格に影響を与えるものなのか、その辺について受けとめておられるところをお聞きしたいと思います。 もう一つが、アメリカのガソリン高騰の背景に石油精製能力の不足の問題がある。これは、先ほど高萩参考人も過去十数年製油所の建設がないということもおっしゃられておりました。今の製油所の稼働率が九五%とか九六%といった極めて高い水準ということも言われております。こういうアメリカにおける石油精製能力の不足の背景にはどんなことがあるのかということについてお聞きしたいと思っております。 それぞれ、武石参考人、高萩参考人にお願いしたいと思っております。
○武石参考人 価格の推移を見ていただいてもわかるように、戦争が起こった去年のイラクのときよりもさらに高いというのは、これはやはりヘッジファンドが押し上げているというふうに考えられるわけです。そこから考えましても、やはり現在、例えば七ドルとか十ドルとか、そのぐらいの価格押し上げがそのまま投資ファンドの流入によってもたらされているというふうに考えられるわけです。これは要するに、アメリカがこれから金利を上げようという動きがありますから、その前に商品の方で資金を回しておこう、そういう動きがどうしても出てきちゃうということで、ヘッジファンドのお金が入ってきたという経緯があるというふうに思われます。 それから、アメリカの精製能力不足ということですけれども、これはやはり、アメリカは自分の国に対しては非常に環境規制を厳しくしますから、環境絡みの必要な資金と製油所をつくるための資金が同じぐらいというぐらい環境規制が厳しく自国に対してかかっているということで、ですから、例えば中南米の国、ベネズエラとかそういうところで精製して製品を持ってきても、要するに対岸だということで、国内では製油所はほとんどつくることは考えられないという状況が今生じているというふうに理解しています。 以上です。
○高萩参考人 私も今の武石さんとほぼ同じお答えになると思います。 現在、先ほど申し上げましたように、WTIの原油では約四十ドルになっておりますが、そのうち、いわゆるファンダメンタルズ、今の需給を反映している部分は大体三十ドル程度ではないのか。そして残った十ドルが、先ほど御質問にございましたようないわゆる投資ファンドの流入、あるいはもう一つ、サウジアラビア等を初めとする中東情勢に対する政治不安あるいは供給不安。逆に言うと、そういうものをあおり立ててファンドが値段を上げているということを言えないことはないかもしれませんが、そういうような状況になっているのではないかというふうに思いまして、今の需給だけから見ると、WTIでいえばやはり三十ドル、そして、ドバイ原油でいえば二十五、六ドルというのがまあ今の需給を適切に反映した価格のレベルではないかなというふうに思っております。 それから、アメリカにおける精製能力の不足、これも武石さんとほぼ同じような意見でございまして、アメリカはここ十数年の間に自国の製油所を随分閉鎖いたしております。私ども日本の場合には、やはり製油所を閉鎖するということになりますと、地元の各公共自治体との交渉、あるいは従業員の皆様の解雇の問題、あるいは我々と一緒に仕事をやっておりますいわゆる協力会社さんとの問題、こういったものがいろいろ絡んでまいりまして、本心は閉めなきゃいかぬ、あるいは閉めたいと思っても、なかなか今言ったようないろいろな形での決断がしにくいというのが実情でございますけれども、そういう意味では、アメリカは非常に簡単に、採算が合わなければ閉める、あるいは従業員もレイオフをするといったような形が日本よりはとりやすいということ。 また、そのベースになりますのは、先ほどお話ございましたように、アメリカはいろいろな形での環境規制で、むしろ投資をするぐらいなら製油所を閉めた方が早いやというような形、それでカリブ海の製油所であるとかあるいは南米の製油所から製品輸入をしてくる、非常に近いといったような形でそちらから製品を持ってくるといったような形が現在のアメリカの状況になっておる、こういうふうに理解しております。 以上でございます。
○塩川委員 ありがとうございます。 それでは、荒木参考人にお伺いいたします。 先ほどのお話の中で、石油販売業者の方の非常に現状、苦境についてもお話をされました。今元売からの系列化の問題ですとか異業種の参入のお話がありまして、その際に、アメリカの分離法とおっしゃられましたか、紹介されて、すみ分けをするような何らかのルールづくりを考えることも必要ではないかというお話がありました。 その点についてぜひ、アメリカのこういう法律や制度というのはどんなふうになっていて、どの点を学ぶべきものではないかとお考えなのか、そこについてお聞かせください。
○荒木参考人 お答えをさせていただきます。 私自身、分離法等につきましては余り勉強しておりませんのでわかりませんけれども、私たちが少し勉強したり望んでおることは、昔は分野調整法という法律が私たちの国にもありまして、いろいろと分野を調整するというような形で各産業を保護しておったというふうに聞いております。それがいいのか悪いのかということは別でございますけれども、ただ、私どもは今石油販売に携わっておりますけれども、大変な零細な業種でありまして、全体が、石油組合の七七%が一スタンドの経営者というような形でやっております。そういうふうなところに、大きなスーパーマーケットの駐車場にスーパーマーケットを経営される方が大きなスタンドをつくられて、大資本でやられて、ガソリンの利益はなくても少しお買い物をいただければいいよというような形でやられますと、本業でやっておる私どもの経営が大変苦しくなるということでございます。 いろいろな見方をしますと、では君たちももうやめてしまったらどうかというふうな形の御意見もございましょうけれども、例えば、今現在、地方自治体でガソリンスタンドが、経営が成り立たなくなってしまったところが全国でもいろいろとあらわれております。長野県だとか、あるいはいろいろなところであらわれております。私は中部支部の出身でございますので、中部で見ましても、愛知県の富山村だとかあるいは岐阜県の河合村等では、ガソリンスタンドがなくなってしまって、町の公用車だとかあるいは消防車、あるいは地域住民が山を一つも二つも越えて油をつぎに行くというような現象が起こりつつある。また、そういうものを見かねて、自治体がガソリンスタンドを経営する、これは第三セクターでございましょうけれども、経営するというようなことになっておる。 山間、離島、僻地、いろいろなところを見ましても、零細ではありますけれども、大切なエネルギーを私どもは扱わせていただいておるということからかんがみますと、私どものような専業の小さなものでも各地区で安定供給では貢献をさせていただいておる、こんなふうに自負をしておりますので、ぜひひとつ私どもが成り立つような形で、分野調整あるいは分離というよりも、すみ分けというか役割分担というか、そういうようなことでお考えをいただければありがたいな、こんなふうに思っております。
○塩川委員 ありがとうございます。 北川参考人にお伺いいたします。 石油化学工業、石油化学製品については、ことしの初めに一度値上げ交渉をされて、また値上げ交渉もされる。なかなか業界としては御苦労の多いところだと思うんですが、特に原料ナフサの価格が上昇しているというのが当然大変深刻な事態であるわけで、そういう中で、同時に、ナフサ以外に原料を多様化する動きもされているということをお聞きしました。どのような努力をされておられるのか、その点についてお聞かせいただけますでしょうか。
○北川参考人 お答えいたします。 日本の石油化学産業の主たる原料はナフサでございます。九七、八%がナフサという現状になっております。アジア地域の石油化学産業は比較的日本に近い状態でございますけれども、欧米におきましてはナフサ以外の原材料を多様に使っております。そして、中東地域になりますとガスのたぐいまで使ってというような状況で、かなり安価なコストでの生産が可能な環境に置かれております。 そして、日本におきましても、こういう状況でございましたので原材料の多様化を進める必要があるということで、かねてから関係方面にお願いをいたしまして、国会での御審議もいただいた結果、まずLPGを原料として使うということを認めていただきました。そして、その後、重質NGL、天然ガスでございますが、重質NGLを使うことを認めていただき、ことしからガスオイルを使用していいということになりました。 この使用していいということになったという背景は、実は石油製品につきましては、かつては石油税、現在は石油石炭税と呼ばれております税金がかかることになっておりますが、従来から、国際的に見ても同等の条件をということで、原材料のナフサについてはこの石油税が免税になっておりました。ところが、今申し上げましたLPG、重質NGL、ガスオイル等については税金がかかるような体制になっておりましたので、当然のことながら原料としてこれは石油税免税をお願いすべきものということで御理解を得た結果、これらについての免税、使用可能な状況が今出てきているということでございます。特に、昨年末に認められまして、つい最近からほぼオペレーションができるような状況になっておりますガスオイルにつきましては、これの使用による合理化、あるいはナフサ価格交渉などの場における拮抗力としての役割などに大変大きな期待を抱いているところでございます。
○塩川委員 ありがとうございます。
○根本委員長 以上で各会派を代表する委員の質疑は終了いたしました。 これより自由質疑を行います。 この際、委員各位に申し上げます。 質疑のある委員は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。また、発言の際は、着席のまま、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。 なお、理事会の協議によりまして、一回の発言時間は三分以内となっておりますので、委員各位の御協力をお願い申し上げます。 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
○小杉委員 環境とエネルギーという側面から質問したいと思います。 先週、六月一日から四日まで、ドイツのボンで、ドイツの政府とドイツの国会の主催で再生可能エネルギー国際会議が開かれまして、私も出てまいりました。その際に、ごみ問題だけではなくて、エネルギーの問題その他万般にわたって議論が出たんです。 まず武石さんにお伺いしたいんですが、京都議定書の問題については、ヨーロッパ各国ではもう既に既定の事実という受けとめ方をしておりまして、専らロシアのプーチン政権に調印を迫っているというのが実態です。私自身も、ロシアの国会議員に申し上げたところ、加入についてはかなりの可能性を感じたわけです。アメリカも、ブッシュ政権は離脱しましたけれども、十一月の大統領選挙がどうなるかわかりません。政権が交代して、どういう状況の変化が起こるかわかりません。 それで、さっき御指摘のとおり、既に二〇〇二年で、七・六%CO2の排出がふえて、一三・七%減らさなきゃいけない。これは多分に原子炉を停止したという要素も入っておりまして、こういう世界の状況が変わって、京都議定書、先ほどの発言を聞いていますと、何か日本が考えなきゃいかぬというようなお話でしたけれども、やはり京都という日本の古都の名前を冠した議定書を日本がみずから葬り去るような発言は、私はすべきではないと思っております。 そういういろいろな状況の変化の中で、やはり京都議定書というものをまず出発点として、その後、二〇三〇年、二〇五〇年、二一〇〇年というふうに段階的にやっていくべきだと思うんですが、その辺の見解を伺いたいと思います。 それから二番目に、高萩さんと荒木さんにお話ししたいと思います。 私は規制緩和は賛成ですが、行き過ぎた規制緩和は見直すべきだということで、規制改革という言葉を申しました。一番今被害を受けているのは、町の酒屋さん、ガソリンスタンド、タクシー業界、こういうところが急激な規制緩和の影響を受けております。ばたばたお店がつぶれているというケースを見ます。 伺いたいのは、ガソリンスタンドが六万店から五万店に減った、その後の身の振り方ですね。私の近所でも、見ていますと、マンションになったりいろいろやっていますが、どういう状況になっているのか、それを伺いたいと思います。 特に、荒木さんには、地下タンクの問題、これはちょっと規制が厳し過ぎて、何か取りかえなくてもいいものまで取りかえざるを得ないというような状況で、補助金も取りかえる場合にのみ適用される。今、技術が進歩して、カバーをすればきちっと、地下漏えいのおそれがないと言われているんですが、それはいかがお考えでしょうか。 それから、最後に北川さんに伺うんですが、私は、日本の社会は、余りにも今、ポリ袋とか、いわゆるプラスチック製品がはんらんしていると思うんですね。プラスチック、ペットボトルを初め、こんなに安くなってどんどん量がふえているんですが、このまま現状容認でいいんだろうか。もう少し何か、ごみを減らす、特にプラスチック製品を減らすということを考えるべきじゃないかと思うんですが、業界としては言いにくいでしょうが、その点についてどうお考えでしょうか。 以上。
○根本委員長 それでは、順次お答えいただきたいと思いますが、質問をされたい委員が多いようでありますので、大変恐縮ですが、答弁は簡潔にお願いしたいと思います。
○武石参考人 お答えします。 私も、京都議定書の理念というものは大変に崇高なものでして、できるだけ生かして、それに従った地球環境保全、これができることが大変望ましいというふうに思うんですけれども、現実にできることとできないことがありまして、この十年間、日本の中で非常に経済が不調だったということで、それに救われて、それでも七・六%ふえてしまったわけです。もしこの先経済が回復しますと、産業においてももしかするとマイナスではなくてプラスに転じてしまう可能性も生じているわけです。 ですから、現実のポリティックスの中で国が削減を請け負ってしまった、宣言してしまった中で、そうすると、国の利害というものが対立しているわけです。ロシアがなぜ批准を今渋っているかというと、要するに排出権取引によって収入が入ることに依存する必要がなくなったわけです。それはなぜかというと、ロシアは輸出の五割以上は原油とガスなわけです。その価格がこれだけ暴騰していますから、非常に経済的にうまくいっているということで、別にいい、排出権取引を急ぐことはないということで、今、ですから様子を見ているということです。 ですから、やはり京都議定書は政治の世界に入り込んでしまっている、この理解は非常に政治家の皆さんにぜひ持っていただいて、要するに、そこでの取引、相手が言ってくることは国としての政治として言っているんだ、京都議定書の崇高な理念を本当にどこまで考えてくれているんですか、そうした崇高な理念に基づけば、やはりこの二〇三〇年、二〇五〇年にかけてやるべきことというのは、もう一つ見えてくる。地球上のすべての国が参加した形を求めていく、持続可能な成長、このための努力というものを組み立てていかなくちゃいけないというふうに思うわけです。 以上です。
○高萩参考人 SSの問題でございますけれども、今、小杉先生がおっしゃいましたように、SSはかなり閉鎖をされております。 それで、今のところ、閉鎖をされておりますSSというのは比較的、特に都市部でいえば、比較的商店街等に近いところの規模の小さなSSが多いわけでございまして、幸いにして、そういうところの土地は周りと一緒にマンションになったりほかのものの使用で、結構それなりの利用が行われているというふうに私どもは考えております。 ただし、それこそ本当に地方の、先ほどのお話ではありませんけれども、村だとかそういうところでのSSの閉鎖、その土地の利用ということ、あるいはそういう方がSSを閉鎖してその後どういうような身の振り方をされているのかということは、まことに申しわけございませんけれども、私自身、よく承知はしておりません。 以上でございます。
○荒木参考人 では、お答えをさせていただきます。 先生御指摘のとおり、規制緩和は大変厳しくて、むしろ改革ぐらいの方がということは、まことに私ども業界としてはありがたいお言葉だ、こんなふうに思っております。 現在、六万ぐらいあったスタンドが五万ぐらい、一万ぐらい減っておって、その跡地の利用はどうなっておるかということで、先生はマンションだとか駐車場にというようなことでお話をされましたけれども、そのとおりでございまして、跡地は大体角地だとかあるいは大きな道路に面しておりますので、マンションだとか駐車場に比較的転用が可能でありますけれども、ただ、その方に転用されるのは本当に恵まれた業者だけでございまして、恵まれた方がマンションだとか駐車場に変わっていけるということで、大多数と申しますか、多くの方は、御自分で、一番最後の御自分の土地まで手放されるというのを多く見ております。 また、こういうところでそういう話はいかがかとは思いますが、遺族の方はやはり身内のことでもありますので多くは語りませんけれども、六万から五万に減った一万の中には、自殺もされた方もいるということの減少でございます。 それから、地下タンクをそういうような形でだんだんと新しいものにかえていくのは大変だろうということですけれども、おっしゃるとおりでございまして、そもそも、この地下タンクの問題はアメリカで起こりました。アメリカは、御承知のとおり、消防法が少し日本よりもラフでございますので、大きく穴をあけて、そして地下タンクを埋めて、すぐそれで埋め戻すということですけれども、私たちの国は、消防法でいろいろとそのことには、基準が少し厳しくされております。簡単に言えば、地下室をつくって、そこへタンクを設置する、そして、後、埋め戻すということでございますので、アメリカとは、地下タンクの保全状態と申しますか、そういうものは全く違うわけでございます。 しかし、先ほどのとおりに、最近になりまして少し漏えいもありますので、こういう問題につきましては、今後大きな業界の問題になってくるのかなと思います。 先生の御指摘のとおりに、そういうときに、少し何かいい方法はないかということでございますけれども、現在、検査をするだけでも大体百万円ぐらいのお金がかかります。そして、これを石油組合の方で補助しましても、大体五十万円ぐらいが、上限を百万として、二分の一が補助が出るということですので、どうしても自分では五十万円ぐらいの出費が要る。また、タンクを入れかえますと、上限が法律では一千七百万と決められておりますが、それでも八百万、九百万のお金が自分自身では出ていくということで、今現在、私どもの業界では、とてもとてもそのような費用を捻出するだけの体力がございません。そんなことで、この地下タンクの問題、土壌汚染の問題等につきましては、深刻な問題と今受けとめております。 以上であります。
○北川参考人 廃棄物に関連する御質問でございましたけれども、私ども、狭い意味での石油化学業界とともに、その他関連業界も含めまして供給いたしております石油化学製品というのは、最初に御説明申し上げましたように、大変利便性にすぐれ、国民生活の向上に大きな寄与をしているというふうに理解いたしております。やはり、この利便性をできるだけ伸ばしていくということは大切なことだと思いますけれども、先生のお話にございましたように、いろいろな問題が出てきていることも事実でございます。 こういった深刻な問題に対応して、いろいろな対応の積極的な姿勢が出てきております。象徴的に申し上げますと、三R運動というような形の動きでございます。廃棄物的なものについてリデュース、リユース、リサイクル、これを促進していこうということでございますけれども、こういった方面での努力、多方面的な各位の御協力も得ながら、急速に進みつつあるように見ております。 したがって、これを推進することによって、この利便性にすぐれた石油化学製品をできるだけ前向きに活用、利用できるような社会を推進していくということがこれからの我々の大きな課題であるというふうに認識いたしております。
○荒木参考人 済みません。私、先ほど、地下タンクの掘り起こしにつきましての協会からの補助を、最高限度が一千七百万と申し上げましたけれども、大変失礼いたしました、一千三百万、それの二分の一が補助が出るということでございます。訂正をさせていただきます。
○鈴木(康)委員 民主党の鈴木康友でございます。どうぞよろしくお願いします。 私は、先ほど同僚の吉田委員が質問しました日の丸原油にかかわる質問をさせていただきたいと思います。 先ほど高萩参考人が、日本がやはりリスクをしょって油田開発を行うというのは大変意義のあることだ、やる必要があるというお答えをいただきましたけれども、私もそのとおりだというふうに思います。ただ、その場合に、その対象あるいはそのやり方というのがやはり問題だろうというふうに思います。 御承知のとおり、日本は、カフジの権益を失ってから日の丸油田の候補地をずっと探し続けてまいりまして、今、イランのアザデガンの油田にこれから多額の投資をしていこうという状況になっているわけでありますが、私はこのアザデガンに対して少し疑問を持っています。一つはイランの国情ということでありまして、御承知のとおり、核開発の疑惑が晴れない国でありまして、アメリカはリビア・イラン制裁法を解除していない。リビアは先日解除しましたけれども、イランは、遠心分離器が見つかったり核開発、むしろイラクよりも大変問題の多い国だと思いますし、また、油田開発そのものについても、多額の投資を行うんですけれども、バイバックという方式で投資回収するというのも非常に不透明でありますし、あるいは油の質の問題にも疑問が残る。そういう意味では、私はこれは非常にリスクが大きい開発になるのではないかと。 なぜこういうものに日本が突入をしなきゃいけないのか。シェルやメジャーも逃げていった、あるいはトタルも参加するかどうかわからないという状況。それよりもむしろ、もっと、私は、ロシアに目を向ける。今、東シベリアの油田開発、そして、プーチンさんが再選をされてナホトカ・ルートというものに大変に可能性が見えてきたという中において、東シベリアあるいは西シベリアの油田開発、あるいはサハリンの天然ガスの開発、日本はむしろこちらの、中東依存から脱却ということも含めて考えれば、ロシアに注目をすべきだというふうに思いますけれども、その点につきまして、高萩参考人、そして武石参考人から御所見を伺えればというふうに思います。
○高萩参考人 先ほどの私の話、御同意いただけるということを非常にうれしく思っております。 確かに、おっしゃるように、リスクをかけてやるのは必要だけれども、対象、やり方が問題だというのは、それはそのとおりだろうというふうに思っております。 しかしながら、このイランのアザデガンの問題についてコメントを求められても、これはちょっと私御勘弁をいただきたい。これは私どもがやっているわけではございませんで、ほかの開発会社さんがやっておるところでございますので、これについてはコメントを御勘弁ということ。 それから、ロシアにつきましては、確かに、ナホトカ・ルートが経済的な形でああいうルートが引かれるならば、日本からも非常に近いということ、それから、おっしゃるように、供給源の多様化という面では大いに役立つだろうというふうに思っております。しかし、我々石油会社から見ますと、やはり大事なのは、そこでの我々が入手できる、日本が入手できる原油価格の経済性というのをどうしても判断をしていかなければいけない。やはり中東と比べて、パイプラインチャージなりなんなりを含めて割高になってしまえば、余り意味がないだろうというふうに思っております。 以上でございます。
○武石参考人 私、イランとかしばしば中東に出かける機会がありまして、いろいろ話をするんですけれども、イランの例えば五カ年計画とか見ても、要するにプロジェクトとして半分できればいいというような形で、非常に大がかりな経済計画をつくるという傾向があるわけです。ですから、日本が交渉していくというときに、どこまで経済性がとれるかということに関してできるだけシビアに交渉していく、時間がかかってもいいけれども、とにかく日本の経済性というものを前面に出して、これが非常に重要だろうというふうに思うわけです。 その点で、ロシアのプロジェクトに取り組むということも、やはり、経済性を必ず確保して、できるだけ日本にとって利益が多い、日本の企業にとって利益が多い、こうした点を注目していく必要がある。 ロシアのことを言ったことによって非常に中東に対して効果があるということは、今はっきりしていまして、例えば、この春ですけれども、中東のサウジとかほかの各国、石油大臣がずっとアジアを回りまして、ロシアのプロジェクトはどうなんだろう、日本の景気はどうだろうかということをずっとサウンドして回ったということがあります。各国がこれほど来るというのは今までなかったことでして、これはやはり、一種のバーゲニングパワーとして、中東の代替というようなことは無理なんですけれども、ロシアのプロジェクトを日本が取り組んでいるぞということが非常に大きな効果を持つということがもう歴然とわかったわけです。 ですから、こうした幾つものプロジェクトに日本が取り組んでいるということは非常に効果があるということをしっかりと理解して、ロシアに対しては、中東でこういうプロジェクトをしている、イランに対しても、ロシアではこういういい案件が出てきているんだと、これを常に言っていくという、そうした立場、ポジションを維持すること、そして日本の経済性をあくまで追求する、この立場が非常に重要だろうというふうに思っています。 以上です。
○鈴木(康)委員 どうもありがとうございました。
○中山(義)委員 今の質問に非常に関連するんですが、カフジとアザデガンと比べてみて、もともとカフジの方が実績があったわけですね。それで、アザデガンに目が向いていって、結果的にカフジの方が失効してしまった、こういうことなんですが、私たちの考えている石油戦略というのは、さっきのロシアも含めて、もっと大きいものがあると思うんですね。 全体像が、大体この国の考えているものが見えてこないということが一番やはり大きな問題だと思うんですね。しかも、天然ガスと原子力と石油という、ベストミックスといいますか、どういうエネルギーを全体に振り分けて使っていくのか。やはり一つの、石油なら石油に六〇%、七〇%依存するということは危険なわけですね。ですから、原子力はこのくらい、天然ガスはこのくらい、石油はこのくらい、石炭はこのくらいと決めたら、その上で、カフジは絶対失効しちゃいけなかったとか、またはアザデガンは何があっても絶対開発するんだとか、いや、これは必要ないとかという、やはり全体の戦略から出てくるものだと思うんですね。その戦略が全く見えないし、その辺から、私たちはもうちょっと、エネルギーの問題、ベストミックスを含めて、今のロシアとそれから中東、この辺の問題は、そろそろ戦略としてはっきり国がしていかなきゃいけないと思うんです。 その前に、武石先生、もともとアラ石にいらっしゃったそうでございますが、アラ石の実績とアザデガンを見て、何か日本のやり方がちょっと戦略がないというふうに見れませんか。そこからひとつお答えいただければ。
○武石参考人 大変高い勉強代を常に今まで払ってきたということは明らかでして、ですから、これだけ勉強代を払ったんだから、これからはうまく一生懸命やりたい、戦略を持とうということで、国としてエネルギー戦略ということを今考えられていると思うんですけれども。ですから、そうした中でベストミックスというものがおのずと出てくるんですけれども、それもやはり経済性にベースを置いているわけですね。さらに環境ファクターが加わっていますから、そこを超えられるかどうか。つまり、石炭、石油、ガスとありまして、CO2の排出の比率でいえば五対四対三なわけですけれども、では、例えばそこを一つでも超えられる技術が出てくれば、これは逆転する可能性だってあるわけですね。 ですから、そのように、やはりエネルギーのベストミックスというものも、固定的なものではなくてこれは柔軟に考えていかなければいけない、燃料電池がどこでブレークスルーするか、こうしたことも踏まえて。ですから、戦略というものは常に見直ししながら、非常に重要な問題なわけですから、国として取り組んでいただきたいというふうに思うわけです。 例えば、ロシアでパイプラインが東向きに出てくれば、これは要するに、ロシアを挟んでヨーロッパと日本が東と西で同じポジションに立つ。つまり、EUと日本がロシアを挟んで例えばエネルギーの問題を一緒に話せるというふうなことが出てくるわけですから、これだけでも非常に大きなことでして、つまり、自分の手持ちのプロジェクトを幾つも抱えてそれの経済性をとことん追求しているということは、一緒にお互いの利害が一致して話をできる人がふえてくるということで、その効果は絶大なわけでして、ですから、やはり柔軟に、そして計画を持って戦略に取り組んでいただければというふうに思います。 以上です。
○村井(宗)委員 民主党の村井宗明です。 我が党の吉田議員が質問した燃料電池について、続けて質問をさせてもらいたいと思います。 石油製品を使える燃料電池がいいという御主張でしたが、他の燃料電池にまさるメリットは何なのか。特に、出だしの時点で、すべて含めて、CO2がどのぐらい違うものなのか、コストはどのようなものなのか、それから、ブレークスルーで本当に普及するまでのめど、そしてそれをするための支援制度はどういうものがいいのか、お聞きしたいと思います。また、特にその部分で、水素ステーションとガソリンスタンドの設置費用、そして、将来的に、今の一キロ当たりのガソリンの値段と燃料電池になってからの値段と、どのぐらい消費者に、一キロ当たりというのがいいのか十キロ当たりがいいのか、どのぐらい費用が変わるものなのかをお知らせいただけませんでしょうか。
○高萩参考人 それでは、私も、燃料電池についてそう詳しくはございませんけれども、私が知っている範囲でお答えをさせていただきたいと思います。 燃料電池、私どもは先ほど申し上げましたように石油会社でございますので、石油を燃料といたしました燃料電池、水素をつくるものをやっております。LPガスであるとか灯油であるとか、こういうものをやっております。そのほかに、都市ガス会社さんは天然ガスを原料とした燃料電池、燃料の開発ということをやっておられます。 それぞれ一長一短はあると思いますが、私どもがやっておりますのは、一つは、石油の場合には、現在持っているインフラ、供給設備がそのまま使える。例えばSSであれば、そのSSそのものがやはり供給基地たり得るということがございます。 しかしながら、既に御存じのように、現在はまだ燃料電池自動車というのは、私も詳しくは知りませんが、一台一億二千万とか一億五千万とか言われておりまして、これが実際の我々の使用にたえるためには、やはり一台百五十万円とか二百万円とかいうところまで下がらないと、百分の一以下にならなければいけないということで、これについてはまだちょっと時間がかかるだろうなと思いますし、あとは、水素というものの危険性、こういったものをあわせ考えたいろいろな形での技術開発というのがまだまだ必要だろうと思っております。 もう一方、定置型燃料電池というのがございます。これは、いわゆる商店あるいは小さなビル、こういったものに分散して燃料電池の設備を置きまして、そこに燃料を供給して、そこのビルならビルがその燃料電池をもって電気を起こす、あるいは冷暖房あるいは厨房、こういったものを全部燃料電池から出るエネルギーでやっていくというもの。これは一キロワット程度、あるいは五キロワット、こういったものは、もういろいろな会社で試作品ができております。現在のところ、一台一千万円ぐらいというふうに言われておりますが、今ねらっておりますのは、各社さんともこれを一台五十万円ぐらいまでに下げればかなり普及するのではないかといったようなことをねらっているというふうに聞いております。 したがいまして、とりあえずの燃料電池といいますと、そちらの方がまず先行するのではないかなというふうに思っておりまして、自動車用の燃料電池というのにはまだ、技術的なブレークスルーも含めて、ちょっと時間がかかるのではないかなというふうに考えております。 以上でございます。
○塩谷委員 自由民主党の理事、塩谷立でございます。 きょうは、参考人の皆さん、本当にありがとうございます。 まず、武石参考人にちょっと基本的な質問をさせていただきたいと思っておりますが、きょうのお話の中で、石油の需要がずっと右肩上がりで来ているということでございますが、今後この需要がずっとどうふえ続けていくのか、今の時点でこの推移をどう見守って予想しているのかということ。これはいろいろな原因が、今後、今の代替エネルギーのこととか、世界的な経済の問題、あるいは人口の増減の問題等あると思いますが、どの程度の方向で見ていらっしゃるのかということ。また、その理由をお聞かせいただければと思っています。 それからもう一点、高萩参考人に、現在の石油の高騰については限定的な影響だろうという見方というお話でございます。きょうのサミットあたりでも、OPECに対して増産の期待ということで割合楽観的な見方があるわけですが、前回の、あれは湾岸戦争のときですか、アメリカとかも備蓄を切り崩してそれに対応したということでございますが、今回はそこまでいかないという見方をしているのか。 また、我が国も、実際にガソリンなんかは百二十円ぐらいになっているんですか、きのうのニュースあたりですと。そこら辺、我が国の備蓄がいつ何どき、こういう状況になったときには切り崩していくんだというところのお話をお聞かせいただければと思っております。 以上二点、よろしくお願いいたします。
○武石参考人 石油の需要ですけれども、経済が成長するに従ってこれはふえざるを得ないという状況があります。 特に、例えば中国のことを考えていただけるとわかるんですけれども、今まで自動車を持てなかった人たちが急に今持ち始めている。中国では道路の建設というのが、日本と比べると非常に、土地は国のものということで容易に進んでいますから、だれもが予想しなかった勢いで高速道路も各都市を結んでいまして、さらに、都市の郊外には日本と同じような団地ができて、団地を買ったら、では、その次は自動車を買おうということで、非常に今は需要が伸びているということで、五十万、六十万バレルが毎年ふえる、これは確実にふえる状況があるわけです。 こうしたものを足していきますと、日本とかは需要が停滞して余りもうふえない状況ですけれども、これと比べますと、途上国の押し上げ効果ということで、これは石油需要がふえざるを得ないということで、ほかの代替の、例えばオイルサンドとかそうしたものというのは、実際は生産するには環境負荷がかかりますので、思ったほど急にたくさん出せないという状況があります。 ですから、やはり、コンベンショナルといいますけれども、従来の地下から掘ってくる原油、これを精製して運輸用に使っていこうという、この需要が特にふえていくということが予想できますから、年間で百万バレルとか、そうしたオーダーでの需要の増大ということに備えなければいけないという状況があります。 以上です。
○高萩参考人 現在の原油価格の高騰の問題でございます。先ほど申し上げましたように、現在の需給といういわゆる経済的な観点からだけを見ますと、IEAの数字ですけれども、全世界の石油の需要というのが七千九百万バレル・パー・デーだと。それに対しまして、生産の方は八千二百万あるということでございますので、そちらから見れば、需給はまだまだ安心はできるということでございます。 しかしながら、今後のいわゆる中東情勢といいますか、特にイラクの問題、あるいはサウジあたりの政治的な問題、テロの問題、こういったことが、これは我々のもう予想外の、いつ、どういう形で起きるかというのは全く予想できないわけでございまして、こういうような問題が起きたときは、これは全く別の話ということで考えなければいけない。 ただし、先ほど申し上げましたように、私ども日本には、民間備蓄が七十日、それから国家備蓄が九十日以上ということで、合わせて百六十日以上の備蓄量が現在コンスタントにございます。百六十日といいますと、およそ半年に近い量でございます。それに普通の流通在庫を加えますと、もっと多いかもしれません。そういうことから見ると、変なパニックに陥らない限りは、私どもは、そういうものを使いながら、万一そういうことが起きたとしても、対応できるようにやっていけるのではないかなというふうに思っております。 それから、ガソリンの価格でございますけれども、実は、先生がおっしゃった百二十円ではございませんで、レギュラーガソリンは現在百十二円前後ぐらいになっていると思っております。この中には実は六円ぐらいの例の消費税が内税として含まれておりますので、四月一日以前の価格体系に戻しますと、百五、六円というのが実態ということでございます。 以上でございます。
○田中(慶)委員 大変恐縮ですが、北川参考人にお伺いします。 原油価格が高騰して、それぞれ、皆さんの業界に与える影響というのは大変大きいと思うんですね、ある面では日本の工業界からすべてのところに石油化学製品が普及されているわけですから。ところが、原油価格がこれだけ高騰してまいりますと、大変厳しい経済環境が出てくるだろう。それからもう一つは、業界が比較的、中小零細企業、最終末端の加工の会社が多いんだろうと思います。そうすると、この原油価格の高騰によって企業そのものの存続もある面では厳しい環境に置かれるのではないかな、このように思っておりますが、それらに対する見解と、あるいは、業界としての何らかの対策がやられているのかどうか、その一点をまずお伺いしたいと思います。
○北川参考人 まさに御指摘のとおりの問題が存在するわけでございまして、それゆえに、これまでも価格の浸透というのが必ずしも順調にいかなかったということでございます。 恐らく、御指摘の中小企業、加工業者等に対する対応等においても、石油化学原材料供給者の方でもいろいろと考えながら対応するがゆえに、価格が通らないというような状況もあるんだと思います。したがって、これは、これからもそのバランスをどうとっていくかということを悩みながら業界としては対応し、かつ、理解を求めていくという対応を続けざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○田中(慶)委員 そこで、お伺いしたいのは、やはりせっかく景気が今少しずつ回復しつつあるときに、この原油価格の高騰によってまた経済そのものが後戻りをするような状態になっているのが実態だと思うんです。 ですから、業界も含めながら、あるいはまた石油連盟の皆さん方も、先ほど来、いろいろな価格の問題で相当影響が出て、しかし、現実に産油国の減産といいますか、毎日の、パー・デーの原油そのものの生産というものは、そうおっこっているわけじゃない。 ですから、これはやはり我々が政治的に、それぞれ、きのうもG8でいろいろなことが議論されておりますけれども、しかし、エネルギー問題なりこの石油問題について余り突っ込んでいないような気がする。しかし、それはやはり、これからの全体的な、日本の工業製品や家庭のすべてのところに石油製品が普及されているわけですから、そういうこと、それから、そのことについて経済全体に与える影響が非常に大きいんじゃないか、このように思っているわけです。 アメリカや中国、そういういろいろな関係も含めながら、この辺で世界の首脳に対する働きかけというのはある面で必要じゃないかな、私はこのように思っておるんですけれども、これらについて、専門家であります武石先生と、高萩さんの業界としての考え方をお伺いしたいなと思っております。
○武石参考人 私、考えますのに、日本からの発信というものがまだやはり足りないというふうに思っています。 東京工業品取引所がありまして、原油その他製品が上場しているんですけれども、売買高も非常に大きくて、世界有数の取引所になっているわけですけれども、取引はどういう単位で行われているかというと、円とキロリッターなわけです。ですから、要するに、国内の需給のためには非常に役立っているわけですけれども、では、日本から逆に発信して、日本の状況はこうです、日本の価格を世界に反映してくださいというときには、やはりドルとバレルとか、そういう世界的な標準のものに何かリンクさせていく。実際にそういうリンクは今されているんですけれども、そうした利用というものはまだ非常に弱いということです。 ですから、日本の発信を強くしていくためにも、やはり日本の会社が、例えばいろいろな国で石油を売っています。そして、例えば魅力的に日本の会社の利益率が上がれば、逆に、そんないい市場だということで、中東とかそうした国が一定程度、例えばシェアを持って安心して供給してくれる、価格に関しても一定程度何か考えましょうというようなことも出てくる可能性があるわけです。ですから、日本からの発信というものを非常に強くしていくことによって、かなりよい方向がこれから出てくるんじゃないか、そういうふうに私は期待しています。 以上です。
○高萩参考人 先ほどの田中先生の御意見、私も全く同感でございます。 やはり石油というのは、一つは、商業的な商品であると同時に、政治的な商品の側面というのがかなり強いわけでございます。特に、こういったような時期になってまいりますと、特に中東あたりが政治的におかしくなってまいりますと、政治的な側面が物すごく強く出てきている。それに先ほどのヘッジファンド等のいわゆるリスクマネーというのが重なった形で、こういった形で高い値段になっているということだろうというふうに思います。 したがいまして、やはり我々としても、自分たちがある程度自由にできるといいますか、コントロールできるような石油資源というものを一刻も早く持つように、国として、先ほどから申し上げておりますように、具体的に言えば、石油開発等々についてより真剣に考えるべきではないのかというふうに思います。 それから、先ほど御質問がございましたベストミックスということについても、私どもも常々それを主張させていただいております。やはり一つのエネルギーに偏るというのは決してよくない。原子力、それから石油、あるいは天然ガス、石炭、これをやはりベストミックスの形で、特に日本みたいなほとんどすべてを海外に頼っている国は、文字どおりセキュリティーの面からも、ベストミックスというのをぜひお考えいただきたいと思っております。 現在、石油について申し上げれば、特に電力さんの中での石油のシェア、一時はかなり高かったんですが、現在は一一%ぐらいまでおっこちておりますし、それから、この間の資源エネルギー調査会の需給部会での予測によりますと、それを五、六%ぐらいまで落とそうということになっております。 これにつきますと、五、六%になりますと、今度は我々自身がそういったものを生産できなくなってしまうような、そうするといざというときにどうなるのかといったようなこともございますので、そういうことも含めて、やはりエネルギーベストミックスあるいは安定供給、こういった観点から、そういったエネルギーの中に石油の地位というものをもう一度お認めいただければというふうに考えております。 以上でございます。
○田中(慶)委員 ありがとうございました。
○櫻田委員 櫻田義孝でございます。 時間がないので簡単にお伺いしますけれども、恐らくは中国の需要についてはお話があったんだろうと思いますけれども、高萩さんにちょっとお伺いしたいんです。 統計からですと、中国の埋蔵量、採掘する埋蔵量、やってしまうと十五年でなくなってしまうということで、中国のこれからの需要と、埋蔵量が枯渇してきたときのことを考えたら、相当石油市場に対する影響力が大きいのではないだろうかと思うんですけれども、中国の埋蔵量と需要についての将来性について、ちょっとお伺いさせていただけたらありがたいんですが。
○高萩参考人 今先生がおっしゃったようなこと、我々も本当に真剣に心配をいたしております。 現在、先ほど武石さんの方からお話ございましたように、中国の需要の伸びというのは恐ろしいまでの伸びでございまして、輸入量は、たしか昨年とことしと比べると、三三%ぐらい伸びているというふうに聞いております。はっきりした数字をつかんでいるわけではございません。現在、トータルで中国全体の石油需要が五百六、七十万バレルぐらいではないのか、そのうち輸入量が、どれぐらいなのかな、三百万バレルを超えているんだろうというふうに思っております。 中国は、もう今完全に輸入国に入っておりまして、それで、生産の方は今のところ、一生懸命開発はやっているんでしょうけれども、見るべき大規模油田が開発されたということを聞いておりません。したがって、このままでいきますと、中東原油を初めとして、やはりあらゆるところから原油を輸入していかなきゃいかぬ。これはやはり、日本を含めた世界の原油需給に対する影響というのはかなり大きなものになっていくというふうに心配をしております。 以上でございます。
○櫻田委員 ありがとうございます。
○田中(慶)委員 先ほど、高萩さんにちょっと質問をしなかったわけですけれども、御説明の中で、例えば、電力会社が石油の需要等がだんだん減ってきている、こういうお話ですけれども、全体的に今、例えば電力会社のシェア、あるいは一般の家庭のシェア、それからそれぞれの工業やそういうところのシェアを含めて、大体類別するとどういう状態になりますか。おおよそで結構です。
○高萩参考人 先ほどもちょっとお話ししましたけれども、全体のエネルギーの中に占める石油のシェアというのは、現在四九%ぐらいでございます。 そのうち、四九%のうち、電力といいますか一次エネルギーの中に占める比率が一一%ぐらいになっておりまして、残りが民生用、輸送用に対する供給、こういうことになっておりまして、その中の、先ほど申し上げましたのは、電力用の一一%が六%ぐらいまでおっこちてしまうということを我々は心配をしておるということでございます。 ちなみに、これは余りこういうことを言うと電力会社さんに怒られるかもしれませんが、石油火力発電所というものの現在の稼働率は、私どもは一四%ぐらいというふうに聞いております。したがって、発電能力としては八六%があいておるというふうに聞いておりまして、もし仮に、これは仮の計算でございますが、これを一〇〇%にして、その分実は石炭が落ちるということになるわけですが、石炭を落としますと、先ほどのCO2の排出量が千四百万トン減るという試算が出ております、これは御参考まででございますけれども。 以上でございます。
○鈴木(康)委員 民主党の鈴木康友でございます。 まだ時間があるということで、もう一点御質問させていただきたいんですが、エネルギー基本法で、エネルギーの安定供給、これが日本にとって必要不可欠なことであるということは、論をまたないところだと思います。 ただ、日本のエネルギーの安定供給というものを考えた場合、なかなかこれからは日本一国だけでこれを考えていけないと私は思うんですね。今話題になっている中国あるいは隣の韓国等々、非常に需要の伸びている国々があるわけでありまして、今後、日本を含めたアジアのエネルギー安全保障あるいはエネルギー戦略というものも、私は日本がリードしていかなきゃいけないと思います。例えば、極東全体で備蓄を行うとか、あるいは油田開発を中国と一緒に行っていくとか、特に中国というものを意識しながらやっていかなきゃいけないというふうに私は感ずるわけであります。 いずれ、さらに発展をしてEPAという経済連携協定まで進めれば、これは日中韓、あるいはASEANというものを含めてできれば一番いいと思いますが、そういった中長期戦略を考えていったときに、日本の国益を考えたときに、こうした国々との連携、共同開発といったようなことについて、どのようにお感じになっているか。高萩さんあるいは武石先生からお話をいただきたいと思います。
○根本委員長 それでは、予定の時間は十二時二十分までとなっておりますので、鈴木君の質問で終わらせていただきたいと思いますが、武石参考人、そして高萩参考人から、順次答弁いただきたいと思います。
○高萩参考人 それでは、今の鈴木先生のお話、全く私もそう思います。 やはり日本の場合、単に日本一国だけではなくて、特にこれからは中国、韓国、こういったところを含めた、要するにアジア圏での物の考え方というのは極めて重要だろうというふうに思っております。 特に、備蓄問題あたりにつきましては、日本はまだ幸いに民間タンクも結構余っておりますし、場合によっては、これはいろいろ制度上の難しい問題がございますけれども、日本のタンクに例えば中国向けの原油を備蓄してあげるとか、こういったようなことも含めて、やはりもうちょっとアジア全体の中でのアライアンスを深めていくべきだろうというふうに思っております。 現実に、これは御存じかもしれませんが、原油価格でアジア・プレミアムというのがございます。これはどういうことかというと、日本に持ってくる原油価格の方が、例えば同じ中東がヨーロッパで売る価格あるいはアメリカで売る価格よりも高いということになっているわけでありまして、これはなぜそうなるのかというと、サウジなりなんなりの方に言わせると、ヨーロッパには北海原油があります、アフリカ原油がある、こういった原油価格とコンピートしなければいかぬから、やはりディスカウントをしなければ売れない。アメリカにはアラスカ原油がある、あるいはアメリカの国産原油がある、メキシコ原油がある、あるいは南米の原油がある、こういったものとコンピートしていかなければいけない、したがって、そういったものと争う。 ところが、日本といいますかアジアにはそういうものがないということでございまして、やはりこの辺は、国際競争力の問題からも、一緒に協力して考えていくべきだろうというふうに思っております。 以上でございます。
○武石参考人 アジアの中でエネルギー安全保障ということを考えますと、ASEANと北東アジアを比べたときに、むしろASEANの方が進んでいるという面があるんですね。 私もASEANの会議に出たことがあるんですけれども、ASEANの人たちは、要するにパイプラインでガスの供給をそれぞれ相互に行っているというのが、かなり国を越えて行われていまして、シンガポールとかマレーシアとか、インドネシアからもですけれども、タイとミャンマーもそうですけれども、さらに、ガスに加えて電力のグリッドも今盛んにつながっている。国を越えますと、それぞれ料金体系も違いますし需要も違ったりしまして、メリットがあるわけですね、供給も安定化するということで、そうした取り組みというのがASEANで行われているわけです。 それに比べますと、北東アジアというのは、パイプラインでグリッドをつくる、つまりパイプラインでつなげていく、そうした試みというものはまだ国を越えては行われていませんから、ASEANにむしろ学ぶというような、そういう謙虚な気持ちといいますか、そういうことを目指さなくちゃいけないほど、北東アジアというのは世界の中で若干ビハインドになってしまっている、そういう状況があるということは私たち認識していなくちゃいけないというふうに思います。 ですから、アジア全体としての取り組みというものをやはりさらに強めていく必要は非常に強いというふうに感じます。 以上です。
○鈴木(康)委員 どうもありがとうございました。
○根本委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 次回は、来る十六日水曜日午前十時十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十六分散会