外務委員会 第18号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2004/05/26
会議録
○米澤委員長 これより会議を開きます。 航空業務に関する日本国とウズベキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官齋木昭隆君、外務省大臣官房審議官門司健次郎君、外務省大臣官房領事移住部長鹿取克章君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省欧州局長小松一郎君、外務省経済協力局長古田肇君、警察庁警備局長瀬川勝久君、国土交通省大臣官房審議官春成誠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○米澤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川内博史君。
○川内委員 おはようございます。川内博史でございます。 ウズベキスタン共和国との航空協定については何ら問題がございませんので、きょうは、委員長、理事の先生方のお許しをいただいて、また再びドミニカの問題について質疑をさせていただきたいというふうに思います。 それでは、早速、前回に引き続き質疑をさせていただきたいというふうに存じますが、もうこれだけやっておりますので、外務委員会の先生方にも、大体ドミニカ問題というのがどういうものであったかということは御理解をいただいているというふうに思います。 昭和三十一年、日本とドミニカとの間で、交換公文という形によって国際約束が成立をし、移住者を送った。しかし、その国際約束が不十分であったために、移住は失敗をし、大変な御苦労をおかけしたという話でありますけれども、まず、この交換公文によって約束をされた移住の条件、昭和三十一年三月二十七日付のメルカード書簡と通称言われる文書には、三百タレアまで、十八ヘクタールまでの土地が供与をされるというふうに書いてございます。しかし、日本の国内で移住者を募集するときの募集要項には、三百タレア、十八ヘクタールの土地が無償譲渡されるというふうに書いてございます。 このメルカード書簡と募集要項の違いというものについて改めて確認をさせていただきたいと思いますが、この書きぶりの違い、記述の相違というものについてお認めになられますか。
○鹿取政府参考人 お答えいたします。 募集要項には、一世帯当たり三百タレアの土地が無償譲渡される、こう書いてあります。また、メルカード書簡には、一家族当たり三百タレアまでの土地を供与すると書かれてございます。この表現はそのとおりでございます。 この表現につきましては、ドミニカ政府との累次にわたる協議等にかんがみまして、ダハボンにおける日本人移住者の受け入れ条件が三百タレアの土地の無償譲渡であることについて、日本政府とドミニカ政府との理解に相違があったと考えておりませんでした。その結果、募集要項にはあのような記述になったわけでございます。
○川内委員 それまでの累次の交渉の結果ということをおっしゃられましたが、あくまでも国際約束、二国間の約束として書面上に出ている条件は、三百タレアまでの供与だった。メルカード書簡に記載されていたのは、十八ヘクタールまでの土地が供与されるということであります。 では、供与という言葉と無償譲渡という言葉、前回の質疑では、鹿取部長は、あるいは外務省は、供与と無償譲渡は同じ意味だというふうに御答弁をされました。私は、供与と無償譲渡という言葉は決定的に意味が違うというふうに思っておりますが、この点についてきょうは議論をさせていただきたいというふうに思います。 供与という言葉のスペイン語訳は何でしょうか。また、供与という言葉が対象としている権利は何でしょうか。
○鹿取政府参考人 メルカード書簡において土地の供与に関して使われている言葉は、このメルカード書簡の訳文にもつけておりますが、スミニストラールとエントレガール、こういう単語でございます。(川内委員「もう一つ、供与が対象とする権利」と呼ぶ)供与の対象とする権利は、土地でございます。土地の所有権であると我々は考えております。
○川内委員 供与という言葉のスペイン語訳はエントレ何とかとか今おっしゃられましたが、このスミニストラールですか、そして、この供与という言葉が対象とする権利は所有権だというふうにお答えになられました。 それでは、無償譲渡という言葉のスペイン語訳は何でしょうか。また、この無償譲渡という言葉が対象とする権利は何でしょうか。
○鹿取政府参考人 今、メルカード書簡において供与という単語、これはスペイン語でスミニストラールあるいはエントレガールという単語が書いてございます。これは、供与という言葉、文字どおりとらえれば供与という意味でございます。 もしも今先生がおっしゃいました無償という意味を明確に表現するのであれば、スペイン語で例えばグラトゥイタメンテ、これは無償という意味でございますが、無償という言葉をつける、こういうことができると思います。
○川内委員 いや、私がお聞きしたのは、無償譲渡という言葉のスペイン語訳は何ですか、無償譲渡という言葉が対象とする権利は何ですか、一般的にということをお聞きしたんですけれども。
○鹿取政府参考人 先ほど申し上げました二つの言葉、供与という言葉、この言葉に無償という意味をつけ足せば、無償供与あるいは無償譲渡、こういう意味になるということを先ほど申し上げました。 また、今先生の、それでは権利の対象はという御質問でございますが、もしもダハボンの合意について、土地に関する合意についての御質問であれば、我々が募集要項あるいは募集要領の中で書かれているというのは、土地の所有権の問題でございます。
○川内委員 供与という言葉が対象とする権利は所有権だというふうに外務省さんはおっしゃいましたけれども、当時、吉田さんというドミニカの公使が移住者の皆さんに訓辞をしていらっしゃいます。勘違いをしてはいけない、土地は所有権つきで与えられるのではない、耕作する権利だというふうに訓辞をしていらっしゃいます。 したがって、当時の外務省は、供与という言葉が意味するところが、耕作権、耕作をする権利である、所有権ではないということを知っていたんじゃないですか。わかっていたのではないですか。
○鹿取政府参考人 若干経緯を含めて御説明させていただきます。 このドミニカの土地につきましては、メルカード書簡に先立ち、日本政府とドミニカ政府といろいろな形で協議がございました。 まずは、この無償譲渡あるいは供与について絞って申し上げますと、例えば、トルヒーリョ元帥は昭和二十九年十一月に上塚司衆議院外務委員長に対し、日本人移住者には土地を無償提供する、こういうことを述べております。また、その後も、日本の調査団は、日本人の移住者はスペインの移住者と同等の権利が与えられる、これはすなわち土地の無償譲渡を含めてでございますが、その点を確認しております。したがいまして、日本政府とドミニカ政府との間では、日本の移住者が土地の無償提供を受けるということは一つの前提になっておりました。 それで、三月二十七日にメルカード書簡が参ったわけでございますけれども、メルカード書簡には、土地が供与されると、先ほど先生が御指摘のように書いてあります。しかしながら、我々が他の国との合意文書の内容について考える場合には、通常、その当事国の意図、それからそれまでの交渉経緯についても考慮いたします。したがいまして、募集要項においては、三百タレアの土地が無償譲渡される、こう書いたわけでございます。 今、先生は訓辞の話をされました。それで、先生の御指摘の訓辞というのは、船の中で政府側が行った訓辞であると思います。その中で、確かに、これは昭和三十一年の七月二十七日のことであったと思いますが、このように政府側は言っております。ドミニカ政府の意向は、もし諸君が耕作あるいは利用するならば、最高三百タレアまでの土地を無償提供する用意があるという意味であって、今直ちに全部を諸君に与えるという意味ではない、また、提供ということは直ちに所有権がもらえるということではない、こういうことを追加的に説明しております。それは、時間的な要素について改めて船の中で移住者の方々に説明したものと考えております。 ただし、ドミニカの法律に従って耕作した場合に、追って日本人の移住者の方々がその土地の所有権をもらえる、そのことについて日本政府とドミニカ政府との間に考え方の相違はなかったわけでございます。
○川内委員 上塚さんがドミニカ政府と交渉したときに、土地が無償提供されるという約束だったと。それまでの交渉の経緯をいろいろお話しいただきましたけれども、私がさっき無償譲渡という言葉のスペイン語訳は何ですかと聞いたのは、上塚さんが、あるいはその他の人々がドミニカ政府と交渉をされたときに、土地が無償提供されるというときに使われたスペイン語は何ですかということを聞いたんです。それを答えてください。
○鹿取政府参考人 申しわけございませんが、私の今の手元にあるのは、日本語に翻訳された形の内容、それがあるわけでございまして、スペイン語の内容については、申しわけございませんが今持っておりません。
○川内委員 いや、随分不誠実ですね。きのう、レクチャーの段階では、それまでに、交渉の経緯の中で出ていた無償譲渡というスペイン語と供与というスペイン語は違っていました、違うんですということを私のところにいらっしゃった外務省の事務方の方はおっしゃっていらっしゃったように思いますが、ではせめて、無償譲渡というスペイン語と供与というスペイン語は違うということはお認めになられますね。
○鹿取政府参考人 一般的な意味について申し上げますと、供与という概念は無償譲渡よりも広い概念であると思います。しかしながら、メルカード書簡において使われている供与というのは、過去の経緯、交渉の経緯から我々は、無償譲渡と、こう考えているところでございます。
○川内委員 聞いたことに答えてください。供与というスペイン語と無償譲渡というスペイン語は違いますねということを聞いているんです。
○鹿取政府参考人 供与という概念の方が無償譲渡より広いので、文字どおり言葉を使えば、無償譲渡と供与というのは違う言葉を用いると思います。
○川内委員 いや、思いますじゃなくて、違いますねということを聞いているんですよ。それまでに使っていた言葉と供与という言葉はスペイン語は違いますねということを聞いているんですよ。
○鹿取政府参考人 スペイン語でも、供与とそれから無償譲渡というのは違う言葉であると思います。
○川内委員 だから、思いますじゃないでしょう。違うんですねということを聞いているんですから、違いますと言わなきゃだめでしょう。あなたの評価を聞いているんじゃないよ。
○鹿取政府参考人 無償譲渡という言葉と供与という言葉は違います。
○川内委員 まさしく言葉が違うわけですよ。それまでに使っていた単語と、国際約束をする文書の中に出てきたスペイン語は違う。その違いについて、なぜ相手国政府に、ドミニカに対して確認をしなかったのかということが決定的に私は外務省の、当時の外務省のミスだったのではないかということを申し上げさせていただきたい。 まず、この土地の所有の形態、ただ単に耕作をする権利なのか、それとも所有権が与えられるのかということに関しては、いろいろな文書がございます。ドミニカから、ドミニカの大使館の関係者あるいは海協連の関係者から本国というか日本の外務省にあてて、無償譲渡と供与は決定的に違うので募集要項を変更した方がいいというような文書の存在も、恐らく外務省さんは知っているはずであります。そういう文書があることは、公開されている文書であることは御存じでしょう。
○鹿取政府参考人 申しわけありません。今先生の御指摘の文書については、私、今存じません。
○川内委員 「いずれにせよ、従来、本省発表文書(例えば募集要項)に無償譲渡するとあるが、これは至急訂正ありたい。」というようなことが書いてございますね。 また、一方、これは外務省本省に対してメモといった感じで多分上がってきたものだと思いますが、「また、小生も最もと言ってよいほど心配していました土地の所有権の問題については、農林大臣は明確に、もし私有地ならこちらで買い上げるなり収用するなりしなければならないと言っており」というような形で、土地の所有の形態というものについては大変に議論になっていたという証拠となる文書が残されているわけであります。 しかも、当時のドミニカ共和国にはコロニア法という法律があり、そのコロニア法に基づく国営農地を分配する場合には所有権はない、したがって供与という言葉を使わざるを得なかったという事情があったんだと思う。そのことを、当時の外務省は全く最初のうちコロニア法という法律の存在を知らずに、てっきり土地がただでもらえる、所有権もあるというふうに思い込んでいたんじゃないですか。どうですか。
○鹿取政府参考人 メルカード書簡に至る交渉経緯については、先ほど御答弁させていただきました。 日本政府としては、募集要項に記載されているダハボンについて三百タレアの土地が無償譲渡される、その点についてドミニカ政府と日本政府との間の見解の相違は全くなかった、こう理解しております。 また、その後も、ダハボン入植に際しては、土地に関する受け入れ条件が議論になったことがございます。配分が、当初、移住されても三百タレアの土地の配分が受けられなくて、三百タレアまでの土地をぜひ配分してほしい、こういう折衝がドミニカ政府とも行われております。その過程においても、ドミニカ政府と日本政府との間に土地の問題について見解の相違があったということは記録に全くございません。 また、一九六一年以降ドミニカに残られた方々は、まさに所有権獲得のために、私権の取得、こういうことでドミニカ政府と話し合いを行ったわけですけれども、その際にもドミニカ政府は、日本の移住者が地権をできるだけ早く獲得できるように努力した次第でございます。 したがいまして、無償譲渡三百タレアについて日本政府とドミニカ政府との間に見解の相違があったとは考えておりません。
○川内委員 見解の相違があったかなかったかは、見解の相違があったから今こういうことになっているわけで、なかったというふうにおっしゃるのは余りにも暴論ではないかなというふうに思います。 先ほど鹿取部長は、供与の対象とする権利は所有権だ、供与という言葉が対象とする権利は所有権であるというふうにお答えになられました。私が先ほど申し上げた、当時のドミニカ共和国にはコロニア法という法律があり、国営農地、国が農地を分配する場合には所有権はつかないという法律が存在をしていたわけで、コロニア法という法律に準拠する限り、所有権という言葉は絶対に出てこない言葉であったわけでありますが、では、当時の外務省はコロニア法という法律の存在を全く知らなかった、わからなかった、だから供与という言葉に所有権があるんだというふうに思い込んだというわけですか。
○鹿取政府参考人 先ほど、船の中での講話の話が先生より御指摘がありました。また、今コロニア法の御指摘がございました。コロニア法に基づけば、土地の所有権は直ちに移転されるわけではなくて、八年ないし十年、その後に移転される、こういうことであったと思います。 それで、確かに募集要項については、時間的な要素、単に三百タレアの土地が無償譲渡されるということが書いてありまして、いつ、そういう時間的な要素が書いてなかったことは事実でございます。 ただし、移住者の方々、ドミニカに残られた移住者の方々等についても、その後、私権の獲得、地権の取得ということが順次行われて、最終的には所有権の移転、こういうことが行われているわけでございますので、先ほどから申し上げているように、土地の無償譲渡ということについて外務省が知らなかったということではなかった、我々はそう考えているわけでございます。
○川内委員 言っていることがちょっとよく多分聞いている委員会の皆さんにもおわかりにならないんじゃないかな、御理解をいただけないんじゃないかなと思うんですが、供与という言葉が対象とする権利は所有権だというふうに鹿取部長は御答弁になられた。しかし、その所有権は時間的な要素があるんだということを今おっしゃられた。 その細かいいろいろなことを募集要項に全然書いてないじゃないですか。しかも、供与という言葉が対象とする所有権という権利はある程度時間がたたないと発生しないんだ、そんな言葉がこの世の中のどこに存在するんですか。所有権というのは、即時無条件に自分の思いどおりに物を動かせる権利のことを所有権というんじゃないですか。何年かたってから、その土地はあなたの思いどおりになりますよという権利を所有権と外務省はいうんですか。どうですか。
○鹿取政府参考人 なぜ直ちに入植地の所有権が得られないこと、すなわち、所有権を取得する時期が入植時点より後であることが募集要項に記載されていなかったか、その点は従来も国会で議論になりまして、当方としても、記載されていた方がより親切であったのではないかと考えております。 しかしながら、募集要項は、その文面からも明らかなとおり、日本人移住者が長期にわたり農業に従事することを予定しておりました。すなわち、募集要項においては、移民の資格という項目がございますけれども、幾つか書いてありますが、その中で、ドミニカに永住の目的で渡航すること、あるいは純農業者で開拓意欲が旺盛であること、こういうことが書かれておりまして、移住者の方々は入植後相当長期にわたって入植地を開墾、耕作することが予定されていたと考えております。 したがって、これは裁判でも準備書面で政府がお答えしておりますけれども、そういう長期にわたって入植、耕作するということが前提となっておりましたので、政府といたしましては、所有権取得の時期が記載されていなかったとしても、それが不当とまでは言えない、こういうことで考えておりますし、その旨は、今裁判でも議論になっておりますけれども、準備書面でも書いているところでございます。
○川内委員 きょうの質疑の中で明らかにしたことは、供与というスペイン語と、要するに国際約束をした文書に使われている供与という日本語のスペイン語訳と、スペイン語と、募集要項に記載をされている無償譲渡という言葉のスペイン語訳は違うということが一点、それから、外務省は供与という言葉が対象とする権利は所有権だというふうにおっしゃられたが、その所有権の内容は時間的な要素を含むんだということをおっしゃられたことが一点。二点おっしゃられたわけであります。 私の質疑時間はそろそろ終了いたしますが、ほとんど詐欺に近い行為じゃないですかね。今鹿取部長がおっしゃられたことを考えると、無理やり外務省に責任はないということをこじつけるためにいろいろなことをおっしゃられたけれども、結局は、土地について供与という言葉には所有権が含まれるんだと言いながら、しかしそれは、時間的に即座に与えられるものではなくて、ある程度時間がたってから与えられるものだったんです、それを書かなかったことは不親切だったかもしれないけれども、それはしかし、外務省としては不当だとは思わないというようなことを平気でおっしゃられていらっしゃるわけで、この点についてはさらにまた、機会を改めてしっかりと追及をさせていただきたいというふうに思います。 きょうはこの辺にしておきます。終わります。
○米澤委員長 次に、末松義規君。
○末松委員 民主党の末松でございます。 きょうは、予定しておりました三十分がちょっと旅券法の提案の関係で二十分になりましたので、答弁をいただく方、ぜひ簡潔にお願いしたいと思います。 まず、ウズベキスタン航空協定でございますけれども、この協定を結んだらどういう効果があるのかということを極めて簡潔にお願いを申し上げたいと思います。
○川口国務大臣 この締結によりまして、これは今、我が国の行政当局の行政許可によってウズベキスタンからの定期便の運航というのが行われているということですけれども、これに法的な安定性が与えられるということが大きなメリット、効果ということです。 具体的に申し上げますと、定期国際航空業務を行うに当たって必要不可欠な運輸権、関税の免除、技術的な安全等の権利義務が法的な意味で安定するということでございまして、それを通じて、両国間の人的あるいは経済的な交流が図られ、その結果として、両国の友好関係が強化されるということであると思います。
○末松委員 そういう点を考えたら、この協定は、私も、民主党としても賛成をすべきだと考えております。 それでは、この際ですから、北朝鮮の問題についてお話を伺いたいと思います。 まず、小泉総理、訪朝されましたけれども、同席者、金正日国防委員長とそれから小泉総理の会談で、同席者はどんな方々が実際に同席されたのか、まずそこからお伺いします。
○齋木政府参考人 お答え申し上げます。 首脳会談の同席者でございますけれども、北朝鮮側からは、姜錫柱外務省第一次官、日本側からは、山崎官房副長官、田中外務審議官、薮中アジア大洋州局長、別所総理秘書官、伊藤北東アジア課長でございます。それから、それぞれ通訳がもちろんおります。
○末松委員 ここで、この中で行われた課題について一つ一つ検証していきたいと思います。 まず、ジェンキンスさんの話でありますけれども、実際に今回の会談、五月の四日から五日、田中さん、薮中さんが訪朝して、ここでおぜん立てがそろったというふうに見るのが時系列的には正しいかと思うんですけれども、そのときに、その後の経過を見てみると、いろいろな方がジェンキンスさんの取り扱いについて米政府ときちんと交渉しろということを言い、そして駐米大使も、頑張るという形の報道がなされています。ということは、アメリカとの間でかなり交渉がなされたというのが事実だと思うんです。 そこで、五月二十二日に米国防総省から、ジェンキンスさんを特別扱いはしない、そういうことを国防省が発表したという報道が流れたんですけれども、ということは、国防総省との間で交渉が失敗した、米政府との間で、ジェンキンスさんについて、結局、特別扱いはできなかった、そういうことだったのか。この点についてはいかがですか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。 ジェンキンスさんの問題につきましては、日米間でいろいろなレベルでやりとりをやっております。大所のレベルからもっと事務的なレベルも含めて、向こう側の関係者ともいろいろとやりとりをやっておりますけれども、今御指摘のような、失敗に終わったんじゃないかというところは必ずしも当たってはいないと思います。今まだ継続中の協議でございます。
○末松委員 継続中であれば、小泉総理がジェンキンスさんに対して、アイ・ギャランティーということ、私が保証するという形のメモを出したという報道がありますけれども、そこを出せるという自信というのはどこから出てきているんですか。
○齋木政府参考人 総理が、首脳会談が終わりました後、一時間強にわたりまして、直接、ジェンキンスさんに対していろいろと説得をみずからされた。その中のいろいろなやりとりの中で、総理自身、日本政府としては全力を挙げて努力をするからということを言われた中で、日本政府としてのいろいろな考え方を向こうにわかりやすく説明するためにメモを見せながらということはあったと思います。
○末松委員 だから、そこのところで、ジェンキンスさんにしてみれば、当然、アメリカから訴追されるということがわかっていると、それは怖いというのは当たり前の話なんですね。というと、それまでに米政府と交渉を終えていないといけないということだと思うんですけれども、そこで総理は、アイ・ギャランティーという、わざわざそれを、それは重い言葉ですよ、それを言わせるところまでの根拠が外務省に、あるいはベースが外務省にあったのかということなんですよ。
○齋木政府参考人 先ほどの点、若干補足的に申し上げますと、要するに、小泉総理がジェンキンスさんに対して、ぜひ日本に来られるようにということを説得されたわけですけれども、そのときに、日本側の考え方をよりはっきりと理解してもらうためのメモというものを向こうに見せながら説得に努められたわけですけれども、要するに、日本に帰ってきたときにジェンキンスさんの身柄の安全を保証する、そういう内容のメモではなくて、あくまでも、日本に帰ってこられた御家族全員が幸せに暮らせるよう政府としてとにかく精いっぱいの努力をする、そういうことを内容とする説得の努力であったというふうに我々は承知しております。
○末松委員 そうしたら、そのメモは出していただけませんか。ちょっと答弁がおかしい。おかしいというのは、アイ・ギャランティーという、保証するということと、政府が精いっぱい努力するということは違うんですよ。だから、それだったら、そのメモを出していただけませんか。
○齋木政府参考人 そういうメモのようなものが正式に向こうに渡されたとか、そういう話のものでございませんで、要するに、総理としての考え方をいろいろと十分言葉を尽くして説明されている中で、例えばこういう考え方もあるんじゃないかということで、そばにいた者がメモをつくって、それでそれをお示しした、そういう内容のものでございます。
○末松委員 ちょっと、全然答えていませんね。 では、引き下がって聞きましょう。要は、総理が言われる前に、アメリカとは、交渉というか、それはうまい形で妥結していないんでしょう。それをちょっと確認します。
○齋木政府参考人 先ほど申し上げましたように、いろいろなレベルでアメリカとの間では、ジェンキンスさんの扱いについては、もちろん協議をしてきておりますけれども、今現在、それについて何らかの結論が出たということではございません。
○末松委員 アメリカの、では、その根拠は何なんですか。統一軍事裁判法ということで、彼が脱走し、そしてまた教唆もしたということと説明も受けていますが、それで間違いありませんね。
○齋木政府参考人 アメリカの法律に基づく幾つかのジェンキンスさんが犯したであろうと思われる罪状につきましては、既に発表になったとおりでございますけれども、そういったことに基づいて特段日本政府に対してジェンキンスさんの例えば身柄の引き渡しを求めてきたとかそういうことではございませんので、あくまでもアメリカとしての考え方とすればそういうものがあるということは公表されているとおりでございます。
○末松委員 では、逆に聞きましょう。 もしジェンキンスさんが日本に来られたら、そうしたらジェンキンスさんは訴追されないということをアメリカに依頼した事実はありますか、それとも全くありませんか。
○齋木政府参考人 いろいろな形で向こうとは話をしておりますけれども、今まさに大変機微な話でもございますし、人道的な観点、いろいろとございますから、その点について今ここで申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○末松委員 まさしくそこが問題になっているわけでしょう。そこがうまい外交的な成果が上げられていないんですよ。 では、もうちょっと法的に聞きましょう。 では、アメリカの方で、あなたは今コメントを差し控えると言いましたけれども、日米の間で犯罪人引き渡し法というのがあります。これをアメリカが、ジェンキンスさんを引き渡してくれと言ったら、日本は、これは一般論ですけれども、引き渡さざるを得ないという解釈がありますけれども、それについてはいかがですか。
○齋木政府参考人 そういう条約は確かに日米間でございますけれども、条約に基づいて直ちに自動的に引き渡しをしなきゃいけないという解釈がすぐに成り立つかどうかについては、いろいろと議論の余地があろうかと思います。
○末松委員 そうしたら、アメリカに対して、交渉している方は何でもそれは秘密だということもわかるんだけれども、日本政府として、まずアメリカに、そういうことを求めないでくれと。それから逆に、もし犯罪人引き渡し法とかそういったことで日本に引き渡しを求めても、日本は、これは特例事項として、アメリカに対してその要請は断るというようなこと、もし日本でジェンキンスさんの御一家が暮らすということであれば、こういう日本の姿勢も必要だということかなと思うんですけれども、そこも含めて、まあ今求めてもどうせ満足な回答は得られないと思いますが、ぜひそこは頑張っていただきたい。 というのは、イラクであれほど日本がアメリカ政府に協力をしたということもあるわけですから、政治的な解決ということ、当然アメリカとしてもそれは認められないという原則論の中で対応しなきゃいけない立場はよくわかるんですけれども、ここが、拉致問題とアメリカの国内との問題、まさしく外交の問題ですね。そこを外交でうまくやってくれという話ですから、そこはちょっと、頑張るという決意を聞きたいと思います。
○齋木政府参考人 ジェンキンスさんの処遇をめぐる問題につきましては、曽我ひとみさんの切々たるお気持ち、こういったことも当然我々としては頭に入れておりますし、また拉致問題全体の中での扱い、それから一方においては、アメリカにおきましては、アメリカの国内法との関係、軍事関連の法律との関係ということも当然アメリカの立場からはあるわけでございます。それから、日米関係全体の同盟の中でのこの問題の扱い方、日米の間に存在する条約の扱い、こういったものについて、全部総合的にいろいろな要素が絡み合っておりますので、大変にこれは、我々としては慎重にアメリカとの折衝というのは今までもやってきておりますので、もちろん基本的なことは我々は十分に頭に入れながら、何とかいい結論が出るように精いっぱいの努力をこれからも続けていく次第でございます。
○末松委員 これはもう人道問題だということで、強気でいってほしいんですよ。いつもそういう言葉を、理屈ばかりやっていたら、結局、外交意思というものが示せなくなってくる。それが日本外交は弱腰で影が薄いと言われる本旨だと僕は思っているんですよ。だから、そこはもう人道問題だということでアメリカに強く迫ってほしい、その要請をしておきます。 あと、最後にジェンキンスさんについて聞くのは、総理がジェンキンスさんの親子と会談されたときに、娘さんが曽我さんの方に帰ってきてくれよということを強く言われたという話なんですが、もし北京等で会談された際に曽我さんの方が、わかった、北朝鮮に帰りますということであれば、本人の意思を尊重するということになりますか。
○齋木政府参考人 政府としてまず何よりもやらなきゃいけないことは、何とか早く、曽我さんの御意向も踏まえながら、ジェンキンスさんの娘さんも含めて一家四人が一日も早く適当なる第三国で再会を果たすように、これを実現するということがまず第一だと思います。その上で、一家四人でいろいろなお話し合いをされると思いますけれども、そういったことも踏まえながら、御本人たちの意向も十分にしんしゃくして、これからのことを考えていくということだろうと思います。
○末松委員 もう時間がないので、あと五分を切りましたので、ほかの問題に行きます。 十名の行方不明者の調査のやり方なんですけれども、ここは、警察がきちんと先方、北朝鮮側と捜査の協力をやっていく、それをやる体制ができていかなきゃいけないと思いますけれども、その辺は警察庁はどういうふうに考えているんですか。
○瀬川政府参考人 安否未確認の方の調査について警察としてどのように対処していくかというお尋ねでございますけれども、現時点におきまして、この安否未確認の方についてどのような形で調査が進められていくのかということにつきまして、現時点では全く不明である、こういう状況だと私どもは認識をしております。 したがいまして、今後、調査の具体的な進め方というものが明らかになった段階におきまして、その内容を踏まえまして、警察として、これはもう当然のことでございますけれども、できる限りの協力を、この調査に関して警察としても精いっぱい努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○末松委員 外務省として、警察の関係者を含めて日本が参加するということは、先方とどういう決めになっているんですか。つまり、向こうは、そういったことの協議を何回もしていくということについて、当然それは結構ですよという合意は得られているんですか。
○齋木政府参考人 まず、首脳会談での約束もございますので、北朝鮮側は、今までのことを白紙に戻して、直ちに改めて調査を至急やる、私どもとしてはそういう約束をもらっておりますから、向こうがどういう調査の結果を出してくるかということをまず見なきゃいけないと思いますけれども、その上で、我々としては、捜査当局ともよくよく協力しながら、こちらからさらに提示しなきゃいけないさまざまな日本側としての資料あるいは情報といったものを向こうに提示して、真相の究明に努めていく、こういうことが基本であろうと思っております。 この点につきましては、北朝鮮当局と我々との間で今後よく詰めていくということでございます。
○末松委員 ちょっと時間がなくなりましたので、人道援助についても一言だけお聞きをします。 二十五万トンの食糧ということで、日本側は食糧ということを言っているんですけれども、北朝鮮の当日の報道では米支援と言っているんですね。だから、北朝鮮の方が米を期待しているということがわかるんですけれども、この違いは、どうしてそんなギャップが生じたんですか。
○齋木政府参考人 私どもが向こうに供与するとした二十五万トンの食糧の中身につきましては、まだその中身については決定されたわけではございません。今後、国際機関を通じてこの支援をしていくわけでございますので、国際機関から出されるアピール、こういったものを聞いて内容を詰めていく、こういうことになっております。
○末松委員 まだたくさん聞きたいことがあるんですけれども、最後の質問になります。この人道支援ですけれども、一回なのか、あるいはまたこれを継続してやっていくのか。 そして、最後のあれですけれども、私、ミサイルも非常に関心があるんですけれども、ミサイルの実験をモラトリアムでやめているということですけれども、もしミサイルの実験をしたりした場合でもこういう人道支援はまた続けていくのか。 そこの点についてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○薮中政府参考人 お答え申し上げます。 今回、日本が決定いたしましたのは、この一回の二十五万トンそして一千万ドルの医薬品ということの支援を今回決めたということでございます。 そして、今お尋ねのミサイルでございますけれども、当然、ミサイルの発射実験モラトリアムというのは日朝平壌宣言でも確認されている、そしてまた今回、首脳会談で再確認されたわけでございますから、そういう事態はないと考えますし、もしあった場合には、明白な平壌宣言違反になるということでございますので、事態は変わってくるということでございます。
○末松委員 では、終わります。どうもありがとうございました。
○米澤委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。 最初に、日本・ウズベキスタン航空協定について聞きます。 私は、本協定の締結によって、両国の定期航路の安定的な運営、今後の両国間の人的交流、経済的交流、友好関係に寄与するものと思いますが、その上でお聞きいたします。 本協定には、これまで締結した航空協定にはない、第十四条、航空の安全のための措置の規定を導入しています。本協定にこの条項を挿入した理由について、簡潔に説明してください。
○門司政府参考人 御説明いたします。 先生御指摘の十四条でございますが、平成十三年六月に国際民間航空機関ICAOの理事会が、ICAO締約国は、航空安全に関する規定を各国が締結する航空協定に挿入すること、その際に、ICAOが作成したモデル条項を考慮に入れること、こういった内容の決議を採択いたしました。 これを受けまして、我が国政府といたしましても、航空安全の重要性から決議の趣旨に賛同し、以後、同モデル条項の趣旨を二国間協定に挿入することとしているものです。 この日・ウズベキスタン航空協定は、決議の採択後、我が国が初めて締結する航空協定となるものでございます。したがいまして、先生御指摘のとおり、我が国にとって、この航空安全規定が挿入された初めての航空協定ということになります。
○赤嶺委員 航空の安全確保をより確かなものにしていくということであります。 それで、ちょっと今度は別の問題、沖縄の都市型戦闘訓練施設の建設問題について聞きます。 金武町のキャンプ・ハンセンのレンジ4における米軍の都市型戦闘訓練施設の建設は、住民の強い反対のもとで、着工できない状態が続いておりました。ところが、きのう、その工事を請け負った建設会社が資材の搬入を同地に始めております。工事の関係者は、実質的な工事の着工だ、こういう説明をしているわけですが、五月二十日に地元金武町は町民決起大会を開いて、この訓練施設の建設に反対の意思を表明した直後であります。住民の意思に挑戦するかのような基地の建設の始め方であるわけです。 三月十二日に私は当委員会でこの問題を取り上げました。それに対して外務大臣は、地元の方の反対を承知しており、米軍に対して引き続き安全についての配慮を求めていきたい、配慮を求めていく、このように答弁しておられます。 私が質問した後にアメリカ側とどういう調整、話し合いを持ったんですか。そして、それに対してアメリカ側はどんな返答をしてきたんですか。
○海老原政府参考人 本件につきましては、施設・区域の中で米側の予算で建設が行われるということから、基本的には、米側が地位協定の三条で有しております管理権の範囲内で行うということでございます。 ただ、地位協定の三条三項におきましても、施設・区域の使用に当たっては、公共の安全に妥当な考慮を払うということも明記してあるわけでございまして、本件射撃訓練場の建設に当たりましても、安全には十分な配慮をするようにということは従来から米側に申しているところであるわけでございます。 これに対しまして米側の方からは、詳しくは申し上げませんけれども、流弾、跳弾対策として、例えば高密度ゴム製の弾丸トラップ等を使用するというような、さまざまな安全対策を講じているという説明を受けております。 我が方といたしましては、引き続き米側に対しては、安全に対して十分な配慮、対策をとるようにということを申し入れていく所存でございます。 御指摘の件につきましては、昨日、米側から、建設予定地で建設のための準備作業を行っているという説明を受けているところでございます。
○赤嶺委員 米側がとっている安全対策について、今北米局長が説明をしたのは、三月十二日の私の答弁においても同じ説明をしているんです。しかし、当時、なおそれでも、地元住民が安全に不安を持ち、半世紀もキャンプ・ハンセンの基地被害に苦しめられた経験を持っている、そして、そういうことをよく承知しているので、米側に対して申し入れると。五月二十日には、区民だけじゃなくて、金武町民の反対決起集会が開かれた。 そういう一連の流れに基づいて、三月十二日以降、米軍に対して話し合いを持ったんですか。そして、どうだったんですか、調整したんですか。その住民の声というのは米軍側に届けたんですか。
○海老原政府参考人 先ほども申し上げましたように、米側からは、本件射撃訓練場につきましては、さまざまな安全対策をとった上で建設をするという説明を受けておりまして、その説明につきましては、前に詳細に説明を受けて、我々としても十分な対策を考えられているというふうに考えているところでございます。 他方、これから建設が行われるという中で、引き続きそのような対策がしっかりととられていくということによって、今委員がおっしゃいましたような周辺の皆様の御懸念というものに少しでもこたえられるように、米側に強く申し入れていきたいというふうに考えております。
○赤嶺委員 結局、前に話し合ったから、もうこれ以上どんなに住民が反対の意思表示をしても米軍側と調整する意思はないという答弁と同じですよ、今のは。そんなひどいやり方がありますか。 きのう、準備工事をやったという連絡があったと言いますけれども、アメリカから工事着工の連絡は何時ごろありましたか。
○海老原政府参考人 昨日の午後に米側の説明がございました。 ただ、連絡という言葉を委員がお使いになりましたけれども、ちょっと法律的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、一番初めに御答弁申し上げましたように、これは米側の管理権の中で行われるということでございますので、このような準備行動を行うということにつきまして米側から我が方に連絡する義務というものはないわけでございまして、向こう側から、報道もあったということを受けまして説明がなされたということでございます。
○赤嶺委員 外務大臣、連絡義務がないから連絡する必要もないんだと。そして、午後、連絡があったと。ところが、資材の搬入は、地元住民が早朝それを目撃しているんです。 外務大臣、日本人が、日本政府も知らないうちに日本国内に基地がつくられて、それを金武町伊芸区の人たちは、いつ工事着工されるかわからないということで、監視塔を地域の中につくって、自分たちの暮らしと安全を守るために米軍を監視している。そして、皆さんは、施設の中だからつくろうとつくるまいと政府は関知しない、こんな政府がありますか。県民が命と安全を自分たちで守る。政府が守るべきじゃないですか。何の調整もしていない。工事中止を申し入れるべきだと思いますが、いかがですか。
○川口国務大臣 これについては、先ほど北米局長から申し上げたとおりでございまして、米国は、米側がその施設・区域内に米国の予算によって必要な施設を建設するということは、管理権の行使の一環として地位協定上認められているわけでございます。したがって、中止を申し入れるという考えは持っておりません。 なお、引き続き、安全についての地元の懸念、これについてはきちんと伝えていきたいというふうに考えております。
○赤嶺委員 終わります。
○米澤委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 私ども社民党は、この間の小泉首相による北朝鮮訪問によって、さきの日朝平壌宣言並びにそれに引き続く六カ国協議が、さらに将来に向けて確定的なものとなるような道筋ができたことを一つは評価しておりますが、拉致問題、核問題、ミサイル問題等々で残された課題は多かろうと思います。 現在、当委員会に所属しております東門美津子が中国に参りまして、曽我ひとみさんの御家族との中国国内での面会というものを中国政府にも協力していただけるように話し合いを持ち、また中国政府からも前向きなお答えをいただいております。その関係で、本日は、私が東門さんにかわって質疑をさせていただきます。 まず、きょう問題になっておりますウズベキスタンとの二国間協定に関してでございます。 先ほど赤嶺委員が、安全性のことについて、十四条が特に今回新たに加わったということを前向きに評価しておられましたが、実は、ウズベキスタン航空というのは、本年の一月に三十七人の方が亡くなる航空機事故を起こしておりますし、一九九九年にも、たしか七人中五人が死亡するという事故を起こしておられます。 今後、日本とウズベキスタンの間での、例えば日本人観光客がウズベキスタンに行く、特にシルクロードの地でありますので、日本にとっても、これからますます新たな中東というものとの協力、協調が出てまいりますが、もう一つ、十四条以外に、いわゆる事故時の補償問題について、ウズベキスタンは現在、モントリオール条約をまだ締結してございません。このことに関しまして、現在ですとワルソー条約になりまして、死亡時の補償等々の制限もございますが、日本国として、これからさらに日本とウズベキスタンの交流が安全にかつ盛んになるという観点も含めて、モントリオール条約の締結について働きかけるようなお考えがおありかどうか。 これは実は、私が用意した質問は赤嶺委員がしてくださいましたので、追加ですので十分に予告していなかった点もあるので、お答えがいただけなければ、今回いただける範疇で結構ですので、お願いいたします。
○門司政府参考人 お答えいたします。 まさに、安全確保に十全を期すべきということは、本当に当然でございます。したがいまして、先ほど質問がございました安全に関する規定についても、これに基づいていろいろな話し合いを行っていきたいと思います。 それから、協定の中にも、実施に関するあらゆる事項について緊密な協力を確保するために定期的に協議するということは両締約国の意図するところであるという定期的な協議条項もございますので、安全確保については、そういった場も利用して話し合いを行っていきたいと思います。私、今御指摘の条約のことについてはただいま資料を持ち合わせておりませんけれども、しかし、そういったことが安全確保に役に立つのであれば、そういった可能性も含めて今後話し合っていくべきことであろうと思っております。
○阿部委員 この協定への態度は、我が党は賛成をさせていただきますので、今お願いしました、旧ソビエト圏との初めての締結になりますし、安全の確保ということを第一に進めていただきたいと思います。 続いて、外務大臣にお願いいたします。 この地域、中東地域は、従来から我が国とも極めて緊密な、また親日感情もよい地域と考えております。いわゆるシルクロード外交として、外務省がこれまでさまざまなお取り組みをしてこられたことも評価いたします。 一昨年、もう二年ちょっと前になりますか、テロ事件以降、この地域が、隣にアフガニスタンという、今回アメリカが攻撃をする、そして国内が混乱するようなさなかにある国を隣国に控えて、特にこのウズベキスタンは国境を接しておりますので、逆にこの地域から、アフガニスタンの平和構築も含めた新たな、例えばODAスキームを利用したような我が国の平和的な貢献ということができる地域かと思いますが、外務省としては、さらにこの平和問題も念頭に置きつつ、どのような働きかけを、ウズベキスタンに支援を行っていくお考えがおありか、お願いいたします。
○川口国務大臣 ウズベキスタンですけれども、ソ連が崩壊をした後、中央アジアの国の重要性というのは、まず地政学的にも非常に大きなものがございますし、また経済の市場化それから民主化、そういうことを進めているという意味で、それを支援することが重要な国であると思っております。 そういった考え方、これはODA大綱の観点から見ても望ましいというふうに考えておりまして、我が国としてウズベキスタンを積極的に支援しているということでございます。 おっしゃったような、アフガニスタンとの地理的な位置、アフガニスタンに恒久的な平和をもたらすという観点からも周辺国への支援ということは重要でございまして、その中でウズベキスタンに対しても、これは具体的には、テロとの闘いに取り組んでいるわけですので、二〇〇一年から二〇〇二年においては、干ばつ対策ということで、緊急援助、一般プロジェクト無償、ノンプロジェクト無償をそれぞれ実施しております。 今後とも、アフガニスタンを含めたこの地域の安定というのが重要ですので、ウズベキスタンに対して、人材の育成も含めまして、あるいは経済インフラの構築も含めまして、支援を行っていきたいと考えています。
○阿部委員 地政学的にも極めて安定に貢献できる地域と思いますので、よろしくお願いします。 最後に、一問お願いします。 先ほど申しましたように、我が党は現在、中国政府との話し合いを、さらに六月下旬に向けての六カ国協議の充実のために行っておりますが、近く川口大臣は韓国を訪問されて外務大臣とお会いになるということで、特に核の問題、今回の小泉訪朝で問題がまだまだ残されているとすれば、北朝鮮の非核化だと思います。核抑止論に立っている北朝鮮に対して、逆に韓国と我が国がさらに協力して、積極的に核廃絶、核廃止に持っていくということは北東アジアの非核化にも大変重要と思いますが、訪韓を前にどのようなお考えであるかを最後に一点、お願いいたします。
○川口国務大臣 この時期に私が韓国に行こうと考えたその理由の大きな一つが、まさに六者会談に向けて韓国との連携をさらに強化するためにさまざまな意見交換をしたいということでございます。 日米韓は今までもずっと連携をしてきておりまして、いわゆるCVID等について同じような歩調をとっております。平和裏にこの問題を解決する、そして朝鮮半島を非核化するということの目的は全員が共有をしていることでございまして、引き続き連携を強化して、そういった目的を達成したいというふうに考えています。
○阿部委員 韓国内に例えば米国の小型の核が配置されるようなこともあり得る想定ですので、非核化ということについて、さらに日韓連帯して取り組んでいただければと思います。 終わらせていただきます。
○米澤委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○米澤委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 航空業務に関する日本国とウズベキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○米澤委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○米澤委員長 次に、社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び社会保障に関する日本国と大韓民国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。 政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣川口順子君。 ————————————— 社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件 社会保障に関する日本国と大韓民国との間の協定の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○川口国務大臣 ただいま議題となりました社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、従来からアメリカ合衆国との間で人的交流に伴って生ずる年金制度及び医療保険制度への二重加入、保険期間が短いために年金を受給できない等の問題に関する協議を行ってきましたが、これらの問題の解決を図ることを目的とする協定を締結することでアメリカ合衆国側と一致し、平成十二年十一月以来、両政府間で協定の締結交渉を行ってまいりました。その結果、本年二月十九日にワシントンにおいて、我が方加藤特命全権大使と先方バーンハート社会保障庁長官との間でこの協定の署名が行われた次第であります。 この協定は、日米間で年金制度及び医療保険制度の適用の調整を行うこと並びに保険期間の通算による年金の受給権を確立すること等を定めるものであります。 この協定の締結により、年金制度及び医療保険制度への二重加入の問題等の解決が図られ、保険料負担が軽減されること等により、両国間の人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係がより一層緊密化されることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、社会保障に関する日本国と大韓民国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、従来から韓国との間で人的交流に伴って発生する年金制度への二重加入等の問題に関する協議を行ってきましたが、この問題の解決を図ることを目的とする協定を締結することで韓国側と一致し、平成十五年三月以来、両政府間で協定の締結交渉を行ってまいりました。その結果、本年二月十七日にソウルにおいて、我が方高野特命全権大使と先方潘基文外交通商部長官との間でこの協定の署名が行われた次第であります。 この協定は、日韓間で年金制度の適用の調整を行うことを定めるものであります。具体的には、年金制度の加入に関し、就労が行われている国の法令のみを適用することを原則としつつ、一時的に相手国に派遣される被用者等の場合には、原則として五年までは自国の法令のみを適用する等の調整を行うものであります。 この協定の締結により、年金制度への二重加入の問題の解決が図られ、保険料負担が軽減されること等により、両国間の人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係がより一層緊密化されることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。 以上です。
○米澤委員長 両件の趣旨説明は終了いたしました。 ————◇—————
○米澤委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。 旅券法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。 本起草案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。 現在、一般旅券の発給は、外務大臣が発行権を有し、法定受託事務として都道府県知事が、申請受け付け、作成、交付等の事務を処理しております。旅券は名義人の国籍と身分を対外的に証明する重要な公文書であり、その重要性にかんがみ、旅券法は、旅券事務について市町村等への事務の委託等に関する地方自治法の規定を適用除外とし、都道府県は市町村等に旅券事務の委託等を行うことができないこととされてまいりました。 我が国の有効な旅券は、現在、約三千三百万冊を数え、国民の約四人に一人が所持している状況にあります。このような現状のもと旅券申請者の利便の一層の増進を図ることが強く求められております。 本法律案は、この要請に基づき市町村等においても旅券事務を行えるようにするため、事務の委託等に関する地方自治法の規定の適用除外を定める旅券法第二十一条の四の規定を削除しようとするものであります。 なお、この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上が、本法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 ————————————— 旅券法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○米澤委員長 この際、お諮りいたします。 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○米澤委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○米澤委員長 この際、中谷元君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案による旅券法の一部を改正する法律の施行に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたしたいと存じます。末松義規君。
○末松委員 ただいま議題となりました動議につきまして、提出者を代表しまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 旅券法の一部を改正する法律の施行に関する件(案) 政府は、旅券の不正取得等の旅券犯罪の防止が喫緊の課題となっていることにかんがみ、旅券事務の市町村等への事務の委託等に係る旅券法の一部を改正する法律の施行に当たっては、次の事項について十分に配慮すべきである。 生体情報の旅券への搭載を含め高度の偽変造対策を施した新型旅券の開発、必要な法整備等旅券の不正取得等の旅券犯罪を防止するために必要な措置について十分な検討を加え、その結果を踏まえること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○米澤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○米澤委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。 この際、ただいまの決議につきまして、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣川口順子君。
○川口国務大臣 ただいま御決議のありました旅券の不正取得等の旅券犯罪の防止につきましては、御決議の趣旨を踏まえつつ、今後とも努力してまいりたいと思います。
○米澤委員長 お諮りいたします。 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時四十一分散会