予算委員会 第1号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/11/26
会議録
○委員長(片山虎之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が六名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に尾辻秀久君、林芳正君、小林温君、朝日俊弘君、高橋千秋君及び榛葉賀津也君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁福井俊彦君及び日本道路公団総裁近藤剛君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は九十分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十二分、民主党・新緑風会三十二分、公明党八分、日本共産党十分、社会民主党・護憲連合四分、無所属の会四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 それでは、これより質疑を行います。江田五月君。
○江田五月君 総選挙でちょっとのどを痛めまして、まだ治らないのでお聞き苦しいかと思いますが、お許しください。 今回の総選挙は、これは小泉首相もお認めのとおり、政権選択を問う選挙になったと、こういうことが、私たち民主党としても直前に自由党の皆さんも一緒に加わっていただいて、私どもは政権交代を担おうとする野党が一本化したと思っております。さらに、このマニフェストと、自民党のマニフェストもありますが、こういう明確な約束を掲げて政権交代を求めました。 結果は、小泉さんのチームの勝ちでございまして、私たちのチームは負けました。しかし、政権選択を問う選挙になったということ、これは私は、これまでの選挙とは一味違う、日本の民主主義が新たな段階に至ったということだと思っております。私たちは、確かに政権に向かってぐっとにじり寄ったという、そういう実感は得ております。小泉首相もそういう実感をお持ちになったんじゃないかという気はするんですが、まあこれは別に伺いませんが。 そこで、ついに日本でも政権を競い合う、そういう二大政党政治がスタートしたわけでございまして、今後の国会論戦というのは、やはり今までの責任を持った与党と批判をする野党というものとは一味違うものになっていかなきゃいかぬと、これは私はつくづくそう思っておりまして、ここで、国民の皆さんの前でイラクのことでも年金でも道路公団でも正面からちゃんと議論をしていきたいと思っております。 小泉首相の国会答弁というのはどうも質問にまともに答えないとか、論点をすり替えるとか、はぐらかしだとか、いろいろ、真剣に答える姿勢が感じられないと、そう言われてきました。野党側の質問についてももちろん、批判だけだというようないろんな批判もございました。これらの論戦は、これからの論戦はしかし、先ほど申し上げた新しい質の高い実りのあるものにしていきたいと思っておりますので、この点は冒頭、質問じゃございませんが申し上げておきたいと思っております。 初めに、三つほど質問いたします。 十一月の二十日、武道館で開かれた第四十七回町村議会議長全国大会に小泉首相は出席をされましたね。四千人以上の参加者の前であいさつをされたと。覚えていない、知事会、覚えておられませんか。ちょっと、十一月の二十日、武道館。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 武道館じゃありません。町村議会だったと思います。町村会長……
○江田五月君 場所はどこですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 場所は、武道館じゃなくて町村議長会です。
○江田五月君 ああそうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) やっぱり武道館だったそうです。申し訳ございません、忘れて。しかし、町村議長会、武道館だったそうです。
○江田五月君 いや、冒頭から大変実りのある議論ができまして、結論が出ましたんで大変結構かと思うんですが。 その場所で、これは参加者の皆さんは皆、焦点となっている三位一体改革、これについての総理の発言を期待をしていたというんですね。ところが、小泉総理はそれには全くお触れにならずに、専ら外国人観光客の誘致を通じた地域おこしであるとかサッカーのワールドカップでカメルーン選手団と大分県中津江村のこととか、そういう話をされて参加者の皆さんを失望させたと。覚えていないのかもしれません、どこであったかもちょっとお忘れになっているようなことですから。 これはやっぱりしかし、新聞にも書かれておって、全国の町村議長会の議員の、もちろん、ですから町村議長の皆さんですね、大変失望されたというんですが、小泉総理が発言をされるときに、ここで、こういう場所はやっぱり皆さんが聞きたいと思っているんだということ、これをお忘れになって発言するんじゃないかと。質問のときも、私どもが何を聞きたいかということをちゃんと聞かずに答えをされるんじゃないか、その表れではないかと思うんですが、そういう批判についてどうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 総理というのは何言っても批判されるんですよ。あいさつは簡単にした方がいいと。三位一体、講演じゃありませんからできるだけ簡潔に、町村議長の日ごろ苦労されていることに敬意を表しながら、地域おこしや町おこしにつながるんだと、お互い頑張ろうと。地方と中央というのは対立するものではないと、協力していくものだということをお話ししたんであって、私は余りそういう大会のあいさつで長々とあいさつするのは失礼だと思いましたから、できるだけ簡単に皆さんを激励したいと思って参加しました。 私は、喜んでいただいたと思っていますし、新聞等で批判する人を探して、批判だけ記事書いてやろうと思えばどんな記事でも書けると思います。
○江田五月君 参加者一同、皆大変失望したというように書かれておるわけですがね。短くていいんですけれども、三位一体のことを皆聞きに来ている、それを何か観光誘致の話をされるというんではこれは擦れ違いですね。 小泉総理、最近よく観光立国について強調されますが、実は私のところに、カナダの国籍を持っておられてバンクーバー在住の水本正雄というんですから日本人だと思いますが、民族的には、この方からのメールが届いて、総理、総理府とそれから石原国土交通大臣のところにも送ったそうですが、内容は、成田空港の入ってくるときに、日本人のブースはすっと通っていてもう空いていると。外国人の方は一時間半も長蛇の列で、あっちが空いているじゃないかと言っても行かしてくれない、何とかしろという、いろんな具体的な提案もあるんですが、こういうことは改善できますか。 これは、小泉総理、国土交通大臣、法務大臣、それぞれ伺います。
○国務大臣(野沢太三君) 江田委員にお答えします。 こちら側でお答えするのは初めてでございますので、どうぞよろしく。 成田空港の、特に航空機の到着が重なる時間帯に入国審査のために行列ができるとの問題がこれまでも指摘をされておりますが、かねてからその改善については努力をしてきたところでございます。 法務省といたしましては、近時の不法残留の状況やテロ対策などの治安維持の観点から厳正な出入国審査を実施する必要があり、この点にも留意しつつ、なお一層円滑な外国人の上陸手続を実施するため改善を図っていく所存でございます。どうぞよろしく。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま江田委員が御指摘されましたメールは私も拝見させていただきまして、すぐ実態どうなっているんだと調査をするように命じまして、この週末、また旅客が多数来るとき、どういう実態になっているのか、じっくり成田以外の空港も調べるようにとの指示を出させていただきました。 夏、私も見た限りでは、長い人で下手をすると一時間ぐらい待つようなケースもあるのかなと。 一方で、私は、シンガポール、先日行ってまいりまして、シンガポールはどんなお客さん、団体客だろうが何だろうが、十五分で税関を、あるいはイミグレーションをパスして、また十五分車に乗って、三十分以内に市内のホテルに入れるということを国是としてやっている。 そういうところでトランジットのお客さんを取られているというような実態がございますので、前扇大臣のイニシアチブで作りました観光立国行動計画の中でもこの問題、重点的に取り上げておりますので、一日も早い改善を法務省の皆さん方と御相談をさせていただきましてやっていかなければ、観光立国は成り立たないと考えております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 「ようこそジャパン」、観光客をできるだけ日本にも来ていただこうと、優しい対応をしなきゃいかぬということで、これから努力していかなきゃならない。それを考えますと、今の御指摘大事だと思っています。どのように改善策、講じられるか。 私も外国へ行って、長々と行列待って、それで対応が鈍い、だらだらだらだらしているのを見ると腹立てたことがあります、おしゃべりしたり。何でもっと早くやってくれないのかと、そういう気持ちを持たせちゃいけないなと思っています。空いている人は忙しい人を助けると、そういうような人員の配慮も必要じゃないかと。 外国行きますと、込んでいるのにこのテーブルだけしか受け持たないというようなのありますね。日本だったらば、空いている人が別のところ助け合う。そういう配慮も役所でも必要じゃないかと。 もっと法務省も国交省も、政府でそういう人員配置、外国人に優しい、便利を考える、サービスということに意を用いてこそ「ようこそジャパン」が実を持ったものになるんだと思いますので、御指摘を踏まえて改善する努力が必要だと思っています。
○江田五月君 外国人の審査を厳正にしろというのはこれはいいんですよ、野沢さん、それはそれで。だけれども、こっちは空いているのにこっちは長蛇の列なんていうのは、気を利かしたらどうですかという、そういう話でございまして、小泉総理、ここは是非よろしく。今の言葉をよく覚えておきます。 この小泉政治、二年半でですね、どういう政治だったかと。どうも私は、この最近の小泉政治というのは冷たい政治だと、殺伐とした政治になっているという気がしてならないんです。失業、倒産、デフレ、地方切捨て、弱者切捨て、犯罪激増。すべて小泉総理が悪いとは言いません。それはいろんな原因があるんで、全部というわけにはいかないのは当たり前です。 そして、最初のころは、小泉さんには温かい熱いものがあった。 私は今も思い出すんですが、今から二年半前ですね、熊本地裁でハンセン病の判決があった。さあどうする。元患者の皆さんと小泉首相が官邸でお会いになっている。そのときに私は何していたかといいますと、有楽町で街頭演説していたんです。だけれども、もう本当に念ずる気持ちで、何とか小泉さんにこの思いが届いたらというそんな気持ちで街頭演説をしていて、そしてあっ届いたという、これは本当に心から拍手も送りました。 しかし、そのハンセン病について最近また熊本県のホテルの事件がありましたですね。やはり、国の誤った政策で社会に植え付けられた偏見というものがそう簡単になくなるわけじゃないんで、これはもう繰り返し繰り返しやっていかなきゃならぬ。元患者を中心とする交渉団の皆さんと厚相、厚生労働省との話合いも、いろんなこと解決は付いてきましたが、なおはかばかしくいかないところが最後に残っていると。この二月の予算委員会で小泉総理が坂口厚生大臣に早急に解決するよう督促したと、こうおっしゃった問題が最後にまだ残っているようなところがあります。 熊本のホテルのことについて、これは法務大臣、経緯を、それと措置を説明してください。
○国務大臣(野沢太三君) お答えします。 今月の十八日に、熊本県庁から熊本地方法務局に対しまして、同県内のホテルにおいてハンセン病元患者であることを理由とする宿泊拒否事案が発生したとの通報がありました。 これを受けまして、当省の人権擁護局、熊本地方法務局及び東京法務局において共同調査を行った結果、通報されたとおりの事実が認められましたため、今月二十一日、同ホテル総支配人及び同ホテルを事業として経営する会社について、旅館業法第五条違反に該当する疑いがあるとして熊本地方検察庁に告発状を提出するとともに、同支配人及び同会社に対して重大な人権侵害があったとして勧告を行いました。 以上でございます。
○江田五月君 さようでございますか。 しかし、これ、会社の命を受けて総支配人がそういう対応をしたとも考えられる。十分あり得る話で。そうすると、だれが命じたのか、その命じた者も個人としての責任が生ずる。そして、法務大臣、国民の皆さんね、罰金というんですがね、告発でもし起訴されれば。二万円ですよ。二万円で、それで、それなら拒否しておいた方が得だなんという反応が次々出てきたりしたら困りますよね。 私は、これで、そうやっております、以上でございます、それではちょっと冷たいじゃないかという気がします。厚生労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) このハンセン病の問題は本当に遺憾な問題でございまして、差別、偏見がなお残っているということを示した一つの証拠ではないかというふうに思っております。厚生労働省としましても全国にすぐに伝達いたしまして、二度とこういうことがないように、都道府県に対しましても、あるいは旅館関係者の皆さん方に対しましても出したところでございます。 こういうことがないように、いわゆる旅館業法の五条に書かれております伝染病というのは、それにこのハンセン病は当たらない、しかも元患者であって現在は治っている人たちでありますから余計のことでございます。 こういうことが起こらないように、ひとつ、差別、偏見をなくしていくように努力したいと考えております。
○江田五月君 小泉総理、それらをお考え、お聞きになって、今の対策協議会がまだもう一つ着地まで行かないということについて、ひとつ、是非しっかりやると、しっかりしろというお言葉を聞きたい。
○国務大臣(坂口力君) 今年の春に問題になりました問題の中で、いわゆる判決が出ますまでに退所をされた皆さん方、いわゆるそれまでに退所された皆さん方の問題につきましては八月二十五日に決着をいたしました。いわゆる非入所の皆さん方の問題だけ今残っているわけでございます。 この非入所者の皆さん方の問題につきましては一遍調査をしましょうと、原告団の皆さん方とのお話合いで、その結果もようやく出たところでございます。今、その内容につきましてお話合いを進めさせていただいております。 現実問題として、原告団の皆さん方と厚生労働省との間で若干それに対する考え方の違いがあることも事実でございますが、しかしここは乗り越えて決着をしなきゃいけませんので、早く決着をしたいというふうに今思っているところでございます。
○江田五月君 元患者の皆さんも随分譲歩もしているんです、本当に、私も聞いて。沖縄についてのことであるとか、是非、総理もひとつここはよく心に留めておいていただきたいと思います。 冷たい政治だということでもう一つ。 最近のテレビや新聞で報道された例の在日ビルマ人、キン・マウン・ラットさん一家のことですが、奥さんはフィリピン人で、日本で生まれ育った小学校四年と幼稚園児の二人の娘さんの一家四人、これがばらばらに強制送還されると、されようとしているという話ですが。公明党の神崎代表も法務大臣に直接要望されたらしいんですが、これは選挙中のTBSの何か党首の討論、小泉総理もその話は存じておられますね。 やむを得ないんだというようなことを言われたということなんですが、しかし特別在留許可ですから、一件起きたら次々ずるずるじゃなくて、個別に裁量権を発揮をして、これはやっぱりかわいそうだという場合は、これは国の行政にも血も涙もあるんだということを示す、それをやれと法律で特別在留許可という条項を入れているわけですから、私はこのくらいは、これは投票日に例のある新聞の、大新聞の社説でもこれは、日本の国は温かいんだということを示せということを書いているようなことなので、どうお考えですかね、冷たい政治でいかれますか。
○国務大臣(野沢太三君) 私もそのビデオは拝見しておりますし、今、委員御指摘のとおり、神崎代表からも直接お話を承っております。大変心痛む問題でございますが、この家族に対しましては既に退去強制令書が発付されておりまして、先般東京高等裁判所からも、この家族に在留特別許可を付与しないことが間違っていないということなど、国側の主張を全面的に是認する判決をいただいておりますので、粛々と退去強制手続を進めることになります。 なお、この問題は、今、委員御指摘のとおり、家族がばらばらになるということが一番やはり心の痛む問題でございますので、本件の送還先につきましては、本人の希望や受入れ国の意向にもよりますけれども、家族全員が同一国に送還するよう最大限の努力をすると入管当局から報告が来ております。 以上でございます。
○江田五月君 私は、それはいけないと思いますね。 これは、ここにいろんな資料が来ているんですけれども、このキン・マウン・ラット氏が八一年かな、中曽根内閣のころに、アジアの人たちどうぞ日本に来てくださいといってそして来られた、そういう時代に来て、そして日本語の教えた教師からもこの子はこんなにいい子なんだというようなメールも来たり、あるいは、現在、ついこの間まで勤めていた会社の上司も、自分のところでこれだけいい仕事をしているんだと、皆頼りにしているんだという、そういうものも来ている。そして、子供二人は日本語で育っている子供なんですよ。こういうものをなぜ一体、どこの国かそれはあると思いますよ、いろいろ、日本が言えばしようがないなといって受け入れる国あるかもしらぬけれども、なぜ一体日本から追い出さなきゃいけないんですか。
○国務大臣(野沢太三君) 既に一審、二審ともに国の方針を是認しておるわけでございます。そして、やはり法治国家としての今後の進め方を見ましても、この件で一つこれ譲るというわけにはいかないわけでございまして、今お話しのように、子供さんたちの言葉の問題等ありますが、これは判決の中でも指摘されておりますけれども、まだまだ十分環境に適応できる年であるからに、ひとつ実質御支援いただく皆様には、皆様が、この家族が今後とも生計がいくような形での御支援方があろうかと拝察をしておるところでございます。
○江田五月君 参議院の予算委員会は、これ片道方式といいまして、私が質問する方はその時計がどんどん減っていく、皆さんが答える方は、幾らお答えになっても、説明責任を十分お果たしになっても時間は減らないということになっているんで、私も、これ、もう本当にこの問題で時間費やしたくないんですが、しかし、法治国家だからといって、法治の法律というのはそんなに冷たいものじゃありませんよ。私も別に法律知らないわけじゃない。だけれども、そんな冷たいものじゃないですよ、法律というのは。 これはちょっと、小泉総理、どうですか、今のようなことで。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは確かにお気の毒な事案だと思っています。しかし、裁判官も血も涙もないわけじゃありません。法律と現実、これを認めた場合にどれだけ波及するかという問題を考えた上での措置だということを聞いております。非常に複雑な問題があります。不法滞在者の問題、こういう問題にどう対処するかというものもわきまえた措置だと聞いております。法律、一審、二審の問題に、総理大臣がその専門の法律を扱う法務大臣の立場を超えてやるべき問題と、やはり法律の専門家に任すべき問題というのもよくわきまえなきゃならないと思っています。 今言われた、江田さんの言われた面も十分酌んで裁判官も判断されたことだと思いますし、私は、今回の事案につきましても、非常にお気の毒な面もありますが、やむを得ない措置ではないかなと思っております。
○江田五月君 やはり誤解があるんではないですか。裁判で争っている問題は難民の認定の話であるとか退去強制の手続の話であるとかであって、今言っているのは、法務大臣の裁量によって、これは特別の理由があるから、だから在留特別許可で日本に置いてあげようという、国の言わば、まあ変な言い方ですけれども、国のおぼしめしを求めているわけですよ。そこは違うんですよ。いかがですか。
○国務大臣(野沢太三君) 私もあの新聞の社説も見ました。判決文も読み、かつ、これまでの経緯もみんな調べまして、どう考えても、この案件については私の裁量で左右してはいけない課題であるということで、思い切って、これはやっぱり法の定める手続によって帰国をしていただき、その上でまた、日本が本当に好きならば手順を踏んでおいでいただくということもまた道はあるわけでございますので、その辺でひとつお考えいただければと思っているわけです。
○江田五月君 思い切りの仕方が違います。いけません、それでは。裁判官にどうしろということを言っているんじゃないんで。しかし、時間がありません。 今回の総選挙の結果、保守新党が自民党に吸収された。自民、公明両党の連立政権の時代になった。これは大きな変化で、自民党と公明党の二つの政党が運営する小泉政権、これやっぱり両党がいろいろ協議をして運営していかれるわけですよね。そうなると、その協議の結果で国がいろんな方向をたどっていくわけですから、我々国会議員としては、やはりその一つ、連立の一方の雄である自民党の総裁である小泉総理と、もう一方の雄である公明党のトップの神崎代表と両方にこういう質疑の機会がなければ国の方向をただすことが非常にやりにくいと思うんですが、小泉総理は、神崎武法さんを副総理か何かで入閣してもらうという、そういうお考えはないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各政党には政党の考え方があると思います。かつて、江田さんも、七党八会派の連立政権、その七党八会派の立場があると思います。会派のトップが全部入閣したかというと、必ずしもそうじゃないと思いますね。それぞれの連立政権というのは、連立政権の立場を尊重するというものもあっていいんだと思います。 私も、公明党の立場を尊重し、調整しながら、この連立政権を運営してまいりました。その審判を国民からさきの総選挙で受けたわけでございます。言わば自民党、公明党、保守新党、この三党でこれからも安定した政権の下に改革を進めていきたいということを総選挙で訴えて、我々が過半数以上の議席を獲得したと。これからも今までの信頼関係を基に連立政権で進んでいきたいと思います。 その場合に、だれに閣僚になってもらうかというのは、やっぱり相手の立場もありますから、よく伺って起用したいと思っております。その都度、連立政権というのはどういう形で連立政権が行われるか分かりません。二党の連立政権もあると思います。あるいは四党、三党、かつての江田さんも入閣された細川政権では七党八会派の連立ですから、そういう場合もありますから、それ時々の状況によって違ってもいいんじゃないでしょうか。
○江田五月君 七党八会派でした。私は社民連の代表として入閣をしました。その他の各党もそれぞれのトップが入閣をした。全部は覚えておりませんが、それぞれずっとトップが入っています。 それはおいておいて、そうすると公明党の立場は、これは坂口さんに聞けばいいということになるんですか。坂口大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 私が代表で入れていただいているんですから、私がお聞きする以外にほかに人がいないわけでありますからお聞きするということになるんだろうというふうに思いますが、しかし党の代表でないこともまた事実でありますから、そこのところは代表のような調子にもなかなかはきはきと答えにくいところもあると。それは相談してやっていく以外にないと思っています。
○江田五月君 分かりました。 イラクの問題。どうもイラクそれからトルコ、アフガン、テロが続発して拡大していっている。九・一一から始まって、アフガンそしてイラク、大量破壊兵器がテロリストの手に渡ったら大変だと、これで抑え込んでいくという、そういうおつもりだったのかもしれませんが、逆にどんどん悪化していると思いますが、小泉首相、この事態は日々悪化しているという認識をお持ちですか。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、テロリストが非常に活発に各地区でテロを行っているという点については、多くの国民を不安に陥れている面を考えれば悪化している面もあると思いますし、同時にイラクの生活面、治安面におきましては改善している面もあるわけであります。しかしながら、こういう状況においてテロリストの跳梁ばっこを許すべきでないし、テロリストとの対決に腰を引いてはいけないと思っております。 我々としては、国際社会が協力してイラクの復興支援、イラク人の政府を作るために今全力で当たろうとする国際社会の協力にこたえていく必要があると思っております。そういう観点から、このテロリストの動きというものを注視していかなければなりませんし、テロリストに対する対策というものは十分日本においても講じなければいけないと思っております。
○江田五月君 テロリストの脅しに屈しちゃいかぬと、これは当たり前で、テロリストというのがいかに非難してもそれは批判、非難し過ぎることはない。それはそうなんですが、しかし一方で、力には力をという対決路線だけで本当にテロリストというものをちゃんと抑え込めることができるのかどうか。なかなかそう簡単じゃないというのが現実に今起きているわけですよね。 テロの温床となる部分があるんです。政治情勢もあるだろう、民生やあるいは人々の国民感情もあるだろう、そういうところをいかに、まあ北風と太陽と言うと適切かどうか分かりませんが、テロリストのようなものが生まれないような地域にどうやって国際社会がしていくか。それは武力だけじゃやっぱり駄目なんで、そのためにいろんなことをしているとおっしゃるんでしょうけれども、どうも日本の今の姿勢というか、アメリカのブッシュ大統領の対応、それに追随する日本のやり方というのは、これは力に力をというのでテロの連鎖、二十一世紀はテロの世紀になってしまうというところへつながってくるような、そういう心配が消えません。 昨日の衆議院の予算委員会の質問でも出て、小泉総理がお答えにならなかったんですが、こうした事態が悪化する中でアメリカが小型核兵器の開発に乗り出したと、研究開発ですかね。小泉総理はこれは、アメリカの小型核兵器の問題は、予算化するというわけですが、これは賛成なんですか、それともやめるように言うつもりがあるんですか。いかがですか。 なぜ、小泉総理はなぜ答えられないの。
○国務大臣(川口順子君) まず、アメリカの小型核兵器の開発の問題ですけれども、この間、その授権法で認められたということは、これは研究でございます。それで、その法律にはきちんと研究の後のステージ、例えば開発ですとか生産ですとか、そういうところに行くときには新たに議会の承認が必要であるということが書いてあるわけでございます。 アメリカ政府は、核の実験のモラトリアムは引き続き維持をしていくということを言っておりまして、この小型核兵器の研究について政府として問い合わせをしましたときに、このモラトリアムをやめるつもりはないということを言っていまして、したがって核実験の再開につながるものではない、直接つながるものではないということを言っておりました。 日本政府としては、この小型核兵器の研究については、これは様々な懸念があるわけでございまして、その懸念につきましては、これは米政府にきちんと伝えてございます。どういう懸念があるかといいますと、例えば我が国が大事に思っている核軍縮、あるいは核の拡散、これにつながる、悪い影響を与える、不拡散に悪い影響を与える、こういった懸念、そういったことを念頭に置いてほしいということは伝えてございます。
○江田五月君 テロが世界的にずっと拡大していっているような、そういう状況の中でアメリカが小型核兵器の研究開発に乗り出すと。研究だけで開発はしない、それはにわかに信じられないですよね。 もう一遍小泉首相に振りますが、あなたは今、川口外務大臣に答弁を指示しましたが、小泉さん自身はこの問題について答えられる気持ちはないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、事実関係はよく外務大臣の方が御存じですので。せっかく全閣僚出席しているんでしょう、何でもかんでも私に答弁させろというよりも、それぞれ閣僚の専門、担当がいるんですから、そういうときにはより詳しい方に答弁していただくのもいいかなと思っております。 核兵器廃絶に向け日本が努力しているということはお認めいただいていると思いますし、これからもそういう点に関しては日本としても更に努力をしていかなきゃならない。また、唯一の被爆国として、日本の核の問題に対する考え方も理解してもらうように、より一層努力をしていかなきゃならないと思っております。
○江田五月君 より一層努力をしていかなきゃならぬと言われますが、どういう努力をこれからされるのかということを更に引き続きただしていかなきゃならぬと思っておりますが、もう時間がありません。 坂口大臣、公明党としてはこのアメリカの小型核兵器というのは黙っていられないことだと思いますが、どう考えるんですか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど受けた質問がどうしてかということがよく分かってまいりました。 日本は唯一の被爆国でございますから、核廃絶をしていかなきゃならない、これはもう国民全体の願いでございますから、やはりその方向に行くように我々も最大限の努力をしなければならないということだというふうに思っております。 党としてどういう対応をするかは、よく相談をして決めたいというふうに思います。
○江田五月君 アメリカが最近になってイラク人自身の統治の方向へ向けて方針転換をしたと、昨日、我が党岡田幹事長が質問している。小泉総理は、前の姿勢と後の姿勢とどっちを支持されるのかということについてお答えになっていません。答えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はもう前から、アメリカは国際協調を築くように努力すべきだということを、機会あるたびにブッシュ大統領にも、アメリカ側にも伝えているんです。そういう方向に向かっているということはいいことだと思っております。これはイラクの開戦前からのことでございます。イラクに対する開戦の前からでございます。
○江田五月君 まだアメリカの方針転換ももちろん不十分だと私ども思っておりまして、もっと抜本的に国連中心主義の原点に戻って、日本は先頭で努力をするということが必要だと思います。日米安保条約の第一条というのは、日米両国は国連を強化することに努力すると書いてある。国連中心ということと日米協調ということは矛盾する考え方じゃないんで、ひとつそこは是非しっかりやっていただかなきゃならぬと。 イラクに対する自衛隊派遣について、更に同僚議員からいろいろ伺いますが。 年金、厚労省の提案ですが、これは、年金の問題というのは今、若者は不信なんですね。もう年金のことは信じられない、だからもう掛金なんてとても嫌だと。中高年は不安なんですね。その若い人たちの不信と中高年の不安がこういう案で、こういう案でこれで解消すると、小泉総理、本当にそう思われますか。
○国務大臣(坂口力君) 厚労案をお示しをしたところでございますが、今おっしゃいますように、不安なり不信なりあることも事実でございます。私たちもそこは率直に受け止めているわけでございますが、そこが何から起こっているかといえば、この少子高齢社会の中で、果たして将来、自分たちの年金がもらえるのであろうか、あるいは現在もらっている人たちがこのまま継続ができるのであろうか、そこがやはり一番不安なんだろうというふうに思っております。 したがいまして、そこは、今後八十年、百年というタームで計算をいたしまして、これは大丈夫でございます、その代わりに負担はここまでお願いを申し上げます、その代わり皆さん方にお支払いする方の年金額はこれまででございますということをお示しをしたわけでありまして、ここは皆さん方に御理解をいただいて、そして前に進む以外にないと考えているところでございます。
○江田五月君 これももう細かな議論できませんが、要は負担を上げて給付を下げると。そのつじつまを合わせると。数字でつじつまが合ったというだけではもうどうにもならない。ですから制度改革に踏み込まなきゃならない。 で、私たちこのマニフェストで五つの約束、二つの提案。年金については提案の中に入れてあるわけです。それはなぜかというと、小泉総理、昨日もおっしゃっていた、年金の問題や教育の問題は政権が替わるたびにぐらぐら変わったんじゃそれは困るでしょう。ですから、私たちは提案をして、是非ひとつ自民党の皆さんも他の党の皆さんも提案をしてくださいと。そして各党合意で新しい制度改革をしようじゃないかというので提案をしているわけですから、私どもの意のあるところも是非ひとつ分かっておいていただきたいと思います。 次に、道路公団ですが、近藤総裁のことはいつ頭に浮かんだんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 近藤さんについては、総裁ということじゃなくて、議員として、議員になったときからよくお話を聞いていましたし、経済界から立候補するという、議員になる前にもお話を伺ったことがございます。元からよくお話を聞いていた仲でありますが、総裁として、あっこの人はと思ったのは選挙終わってからです。選挙終わってから。
○江田五月君 選挙終わってからね。 近藤さんを参議院の、非拘束名簿式になって、参議院の比例区に自民党として擁立をされた、それは小泉総裁のときですよね。したがって、彼は参議院議員として国民に信を問うと小泉総理がお決めになってやった。それで参議院議員に当選している。 会期に入る前に、我々が何も意見が言えないときに引っこ抜くというのは参議院軽視じゃないんですか。どうです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは民主党だって、衆議院議員から知事に転出したりほかの職に移る場合もあるじゃないですか。最終的には議員の個人の判断というものを尊重しなきゃなりません。院が許可しなきゃできないんですから。 そういう点も考えて、私は、近藤さんは今までの立場もわきまえながらこれからの仕事も十分考えて判断していただいたんだと思っております。
○江田五月君 じゃ、近藤新総裁に伺いましょう。 参議院議員であって、そしてそういう打診を受けたときに、ああ、自分は参議院議員で全国民の信任、信託を受けてということはお考えになりましたか、どうですか。
○参考人(近藤剛君) お答えいたします。 非常に悩んだのは事実でございます。したがいまして、総理からお話しございましたときには、独断で私自身の考えだけで決めるわけにはまいらないということは申し上げたわけでございます。 しかし、その後、いろいろなことも考えさせていただきました。また、関係者とも相談をさせていただきました。また加えて、総理からもまた説得もございました。いろいろな事情を勘案いたしまして、今、日本国が求めているのはどういうことなのかということも考えました。 私は、参議院議員になりましたのは、やはりこれからの日本、しっかりと立て直すことが必要だと、そういうことで参議院議員に立候補することを決めたわけでございます。三年前のことを考えてみますと、これも私が自主的に、はっきり申しまして自主的に参議院議員立候補を決意したわけではございません。いろいろな方のお話もございまして、私なりに大変悩んだ上での決断でございました。そのときの決断の基準も今申し上げたとおりでございます。 今回も同じような過程で決定をさせていただいたということをここにお話しさせていただきます。よろしくお願いします。
○江田五月君 近藤新総裁、昨日あなたは、ただより高いものはないと、こうおっしゃった。だけれども、もちろん道路というのは税金で建設しているわけですよね。別にただではない、普通の道路だって。もしそうただより高いものはないと言うんだったら、普通の道路を歩くときも走るときも全部金を払えということになるじゃありませんか。元々、元々、道路というのは税金でちゃんと造るんであって、そして道路整備特別措置法があって有料部分が初めて特別の措置としてできるようになっているわけですよ。元々、原則は全部ただ、ただというのはつまり税金でちゃんと造るというのが大原則なんですが、まあそれはいいや。 道路公団がもう会社更生法適用状態だということをおっしゃった。さあ、どうするというんで、私は民事再生法適用ぐらい頭の中にあっておっしゃったのかなと思うんですが、そういうことが頭にあるのか、それともまた別にこういうふうにやりたいという考え方が今あるのか、それをいつどういうふうに言われようとしているのか、そのことについてどうですか。
○参考人(近藤剛君) 私が会社更生法云々と申し上げたのは、前後の発言全体で判断をしていただかなければいけないと考えております。私がそのようなことを申し上げた前段といたしまして、現在の道路公団、大変な優良な資産を持っている、したがって将来日本の、日本を代表するような超一流の企業になり得る条件の幾つかを備えているということを申し上げたわけでございます。その上で、ただ、現在の公団そのまま民営化していくことはできないと。その危機感を皆さんに理解をしていただくために、例えば、たとえ、仮に民間企業であったら今の公団の財政状態はどういうふうに判断したらいいんだろうかということで、例えばのお話でさせていただいたわけでございます。 現在の公団を民間企業に例えて言うのは必ずしも私は適切だとは思っておりませんが、しかし、現在の危機的な状況を何とか理解をしていただきたい、その一念であのような表現をさせていただいたわけでございます。 したがいまして、本気で更生法あるいは民事再生法というようなことが念頭にあったかといいますと、全くございませんで、むしろ、今の公団の有している財産でございますね、この優良な有料道路という資産がございますし、大変優秀な人材もございます。また、技術力もございます。そのようなものをきっちりと活用をしていける環境を整えれば、将来、日本を代表する一流企業になり得ると私は考えておりますので、民営化の政府の御方針に沿った形で、私はできることを、これから同時並行的に幾つかの施策をしっかりと取っていきたいと、そのように考えているところでございます。
○江田五月君 最後の質問。 近藤新総裁、参議院議員になるときにも自分の決断ではなかったと言われた。今、道路公団の総裁として一体どういうことをやろうとしておられるのか。国土交通省が言われるままにやるんですか。それとも、あなた、自分の意思がおありなんですか。最後の質問。
○参考人(近藤剛君) お答え申し上げます。 今、国土交通省の言いなりになるのかと、こういうお話でございましたが、私の任務は、私の考え方に国土交通省が同意をしていただける、そのような環境を作ることが私の仕事だと、そのように考えております。 基本的に、せっかくの江田議員の御質問でございますので、基本的な考え方、ここでお話しさせていただきまして、皆様の御理解をいただいた方がいいのではないかなと、そのように考えますが、基本的に、これからの私の任務は、民営化推進委員会の意見に可能な限り沿った形で民営化を実現をしていくと、そういうことでございます。特に、その民営化推進委員会の意見の中で、私は、大変私自身重要だと認識している点が二点ほどございます。 まず一つが、将来的に、いわゆる上下分離の議論がございますが、これは上下一体でなければならないと私自身固く信じております。したがいまして、過渡的には分離であってこれは一向に差し支えないと思っております。これは政策的な判断もありましょうし、税務上の御判断もあろうかと思います。しかしながら、最終的な姿としては上下一体でなければならない、そのように考えております。 それからもう一つ、大変重要な点は、民営化した後の新会社の判断の問題でございますが、自主判断権を最大限確保することが大変重要なんだろうと、そのように考えております。道路建設につきましても、新会社が関与する道路につきましては、新会社の経営判断、これをしっかりと尊重をしていただく枠組みの中で民営化をさせていただくことが重要なんだろうと、そのように考えております。もちろん、これは単なる経済合理性だけの話ではございません。中心的な視点は経済合理性ではありましょうが、しかし、政策的な営業判断というものも当然あるわけでございます。そのようなことを踏まえまして、新会社の自主判断権を最大限確保をする、これがまた大変重要なことだろうと考えております。 ただ、同時に、民営化推進委員会の意見の中で必ずしも一字一句とらわれる必要はないという考え方も私は持っておりまして、例えば分割の在り方ですね。これは、分割をするということは大変結構なことで、また望ましいことだと思いますが、その分割の在り方が意見書の中でイメージとして出されておりますが、それをそのままでいいのかどうか、これは私自身これからじっくりと、これから分割した場合のいわゆるフィージビリティースタディー等も十分勘案の上、最終的な決定があってしかるべきだと、そのように考えているところでございます。 以上です。
○江田五月君 重要な発言されました。累積債務をどう引き継ぐか、それをどう返済するかなど含めていろいろ議論ありますが、今日は同僚議員に後を譲ります。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。海野徹君。
○海野徹君 民主党・新緑風会の海野徹でございます。 江田先生から御配慮いただきまして、残りの時間、関連質問をさせていただきますが、まず総理に御質問をさせていただきます。 江田先生へのイラク問題の答弁、あるいはこれまでの総理の答弁、そして昨日の我が党の菅代表あるいは岡田幹事長への答弁を聞いていまして、これではますます反対論、慎重論が国民の中に広がっていくなという懸念を持ちました。そんな問題意識を持ちながら、私は要するに御質問させていただくわけなんですが、状況を見極めて判断するということを繰り返していらっしゃる。同じ質問だから同じ答弁するんだよという、そういう総理は御答弁されておりましたが、じゃ状況っていかなる状況なのか、その判断する基準は何なのか、この説明がない。これは国民にとって大変に不安なんですね。 総理は十月の下旬にテレビ番組で、年内に出したい、そういう御発言をされております。政府、関係者の方々もそれで準備を進めていたと思います。十一月の中旬には閣議決定をして内容を、あるいは決定をして派遣するという作業を今までやっていたはずでございます。しかしながら、それがいつの間にかとんざしてしまった。 また、これはいろいろの官邸筋からの情報として要するに漏れ伝わってくるところによりますと、道路公団の民営化とか郵政民営化のことについては、官僚の方々、一生懸命呼んではいろいろ討論をしている。このイラクの自衛隊派遣の問題については、だれ一人スタッフを呼んで、官僚を呼んで議論をしているという状況にはないというようなことも漏れ伝わってくると、どうもこれは、イラク問題というのは、要するにさほど総理は関心持っていらっしゃらないのかな、それで同じような答弁を繰り返すのかなというような懸念がますます私は増していくわけなんですね。 そこで、質問なんですが、もう出さないというオプションはないと思うんです、総理には。ブッシュ大統領に約束したでしょうから。年内に出すんですか、出さないんですか。そのことをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だれから聞いて、イラクの問題、話聞かないと。あきれちゃいますね、そういうガセネタを基にして。どこからそういう意見出てくるんですか。イラクの問題についてだれも呼んでないで、だれとも相談しないで決めていると。あんまりそう虚偽報道を基にして質問していただきたくないんですね。 私は、このイラクの問題は大変重要であり、真剣に考え、各方面から意見を聞いて、正しい判断をしなきゃいかぬと思っております。野党の皆さんは、いつも説明していない説明していないと御批判を受けますけれども、十分説明しているつもりであります。 それは、イラクの安定した民主的政権を作るためには、日本の利益だけではありません、イラク国民の利益だけでもありません、国際社会、大きな利益につながると。イラクを混乱させてテロリストの拠点にしたらどれほど不安に陥るか。だからこそ、イラクに対して国際社会が協力して、イラク人のイラク人のための政府を作るために努力しようという国連決議が全会一致で採択されたわけです。そういう中にあって日本は、中東諸国全体、油だけではありません、日本が、あるいはできるだけ多くの国が圧政から逃れて民主的な平和な国家になるようにもし力をかす場があれば、お手伝いできる場があればお手伝いしていくのが日本の国際社会の一員としての責任だと思っております。 そういう観点から、日米同盟と国際協調を両立させることが日本の外交政策の基本方針であるとかねがね言っております。対米協力、国際協力、そして日本の国益を考えて、日本に何ができるかということを考えて、イラクの復興支援、人道支援に当たらなきゃならない。 日本には、戦闘行為には参加しないと、イラクにおいてもちろん武力行使もしないという前提の中でどのような協力があるか。資金的な協力もあるでしょう。人的な協力もあるでしょう。人的な協力とする場合には民間人も政府職員も、なおかつイラク支援法にのっとった法律の枠内で自衛隊員が活躍できる分野があるでしょう。そういう状況が許せば状況を見極めて自衛隊員も派遣しますよということは何回も言っているんです。それ説明していない説明していないと言うのは、幾ら説明しても聞きたくないというか理解したくないと。反対なんだからその意見は駄目だと言われてはそれはおしまいです。私はそういう意味においてこのような説明を繰り返しております。 もちろん、民間人にできなくても、自衛隊諸君だったら日ごろの訓練があります。民間人にできないことも能力を持っておる分野があります。また、普通の人が持っていない装備も持っております。そういう点も考えて、自衛隊員が活躍できる分野があれば自衛隊員にも行ってもらいたいというふうに考えているわけです。 当然、日本がやる支援というのはイラク国民から歓迎されるものでありたいと。そして、国際社会の一員として責任を果たすためにしっかりと資金協力も人的協力もしていきたい。それがイラク復興に寄与することができれば、イラク人のイラク人のための政府、イラク人自身が自らの安定した民主的政権を作るということに日本がお手伝いできれば大変望ましいことだと思っております。
○海野徹君 総理ね、私、年内に出すのか出さないかという質問をしたんです。 いろいろな虚偽報道についていろいろな質問するのはという話があった。私は、仮に、総理は要するに誤解だ、あるいは虚偽報道だと言うかもしれません。誤解というのは理解の一種ですから、発信源は総理にあるということなんです。その辺は理解していただきたい、その辺は誤解しないように理解していただきたいなと思います。 そして、私は、要するに年内に派遣するかどうなのか、派遣するとしたらその基準は、判断基準は何なのか、状況を見極めるというんだから、その見極める判断基準を示してくださいということなんですね。危険度は何度だ、その危険か危険でないかの判断基準があるのかないのか、あるとしたらそれが何なのか。(発言する者あり)そうですね。それで現状、じゃどこへ派遣するのか。それが非戦闘地域だということですから、非戦闘地域だという分析をした、その現状のその派遣地は今どういう状況になっているのか、現状がどういう状況になっているのか、それを判断基準で分析したら結果としてこうなりますよという、そういうような説明がなかったら、それは理解しろ理解しろといって、国民の要するに皆さん方もやっぱりそれは理解できないんじゃないですか。 我々が要するに同じことを繰り返すといって、なぜ聞くんだと言われるんですけれども、それが分かってこないから、説明不足だから同じ質問をするようになってしまうんじゃないんですか。その辺の努力を是非お願いしたいと思うんです。いや、僕は総理に求めているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、状況を見極めて判断すると言っているんであって、年内に派遣するとか派遣しないとか言っていないんです。これは、状況というのは防衛庁長官からも聞いておりますし、あるいは調査団もこれから帰ってくるでしょう、伺います。あるいは、今までも調査団行っております、いろいろ聞いております。それは、イラク支援法にのっとって非戦闘地域に派遣する分野があれば、また派遣する時期、いつでもよければ年内とか年明けにはこだわっていないんです。 また、私は偽の情報を発信したということはありません。新聞が勝手に想像していろいろ記事を書いているようでありますが、新聞が合っているときもあるし間違っているときもあるというのは御存じだと思います。新聞とおりにやっているということは誤解であります。また、新聞の報道には多々虚偽報道があるということも御理解いただけると思います。
○海野徹君 私の質問に答えていただいていないんですが。年内に派遣するか派遣しないかということなんですね。そして、その判断基準さえ示していただければ、要するに、その基準をじゃ答えてください。
○国務大臣(石破茂君) これは、前国会でも何度もお答えをしたことでございますが、一つは委員御指摘のとおり、非戦闘地域、それは危なくない地域という意味ではございません。憲法九条の要請をきちんと満たしているかどうかという意味でございます。 もう一つは、防衛庁長官が負っております派遣される隊員の安全に配慮しなければいけない。それが本当に配慮したと言えるかどうか。すなわち、現地の状況がどうであり、自衛隊の与えられている権限あるいは装備、その能力をもってして本当に任務がきちんと達成できるかどうかは、実際に赴く自衛官が行ってみなければ分かりません。民間人が行っても文民が行っても本当のことは分かりません。であるからこそ、今、総理がお答えになりましたように、自衛官を中心とする調査団を出しておるわけでございます。 そのことによって、権限、能力、装備、どれをもってすれば法律に定められたことが達成できたと言えるのか。そのことが年内かどうかということと直接リンクするわけではございません。法律に定められた要件を満たせばそれは出す、満たさなければ出さない、それはもう法治国家として当然のことでございます。法律に定められた要件を満たすことができるかどうか、そのことを慎重に見極めるのは政府として当然の責務だと心得ます。
○海野徹君 出さないというもうオプションはないということを言っているわけですね。年内でも出すよというようなことにも私、聞こえるんですけれども。 私は、総理にお聞きしたいんですが、先ほど総理がイラクの国民の求める今後の姿、そのために貢献するために人的貢献も必要だ、あるいは技術的貢献もあるいは資金的貢献も必要だ、それは分かります。じゃ、そのイラクが求めている、イラク国民が求めている戦後の復興のあるべき姿というのはどういうような御認識をされているんですか。それになぜ自衛隊が今派遣しなくちゃいけないのか。今、防衛庁長官も、要するに安全なところ、あるいはイラク特措法の中でも非戦闘地域であることというのがありますね。戦後復興だと。 最近、CIAがやはりアメリカの首脳に、とてもじゃないけれども泥沼化して危険が要するに蔓延している、これはテロの連鎖だというような極めて厳しい調査報告を出しているんですね。非戦闘地域な、ありようがない。戦後復興というより、むしろますます中東周辺諸国にそれが広がっている。サウジアラビア国内でさえ混乱の可能性を指摘されているわけです。 そういう中で、事実上は米軍の支援としか受け取られかねないような形で自衛隊を出すということにどういう意味があるのか。その辺の国民が反対論、慎重論が増えているというのはそこに原因があるんじゃないか。それに対してきちっとした大義と説明がない。イラク国民はこういうものを求めている、大義はこうだ、判断基準はこうだ、だから出しますというようなことがないから反対論がますます広がっていっているんじゃないですか。そして現状、治安がますます悪化している、それが中東全域に要するに及んでいる。 だから、首相の姿勢と、確固たる姿勢と、治安の悪化と、そして国民にしてみれば、未知、知らないものに対してはノーと言うのは心理なんですね。そういうものが重なって私は反対論が増えていっているんではないかなと思いますけれども、総理、どうですか、その辺。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、イラク国民が望んでいるのは治安の回復だと思います。あらゆる生活面の改善をする上においても、テロリストが跳梁ばっこするような状況ではおちおち生活もできない。まず、イラク国民が治安の回復、これを望んでいると思います。安心して町が歩ける、安心して生活できる、そういう点について米英始め三十数か国の部隊が今イラクに入っている、治安の復興にも治安の安定にも協力している、テロリストの掃討にも協力している。 そういう中にあって、あっ、テロリストがいるから日本はこういう状況では何もできませんと言うことがいいという考えもあるのは知っております。私はそうは取っていないんです。こういう厳しい状況にもあるにもかかわらず、自国が侵略されていないにもかかわらず、イラクの復興、安定、イラクの国づくりには重要だと思って活躍されている米英始め各国の部隊に対しまして、私は心から敬意の念を持っております。日本としてもこのイラクの復興支援、イラクの安定した民主政権を作るために何かしなきゃならないと思っております。 そういう点において、民間人が出た場合に日ごろの訓練もしていないという場面もあるでしょう、あるいは自らの装備を持っておりません。ただ行って医療活動あるいは教育活動するのもあるとは思いますが、まとまった支援活動、組織的な支援活動というのは、やはり自衛隊の方がより適切にできる分野があると思っております。そういう際に、日本には自衛隊という立派な部隊を持っている、国民の財産と言ってもいいと思います。民間人、政府人そして自衛隊、これは武力行使をしない、戦闘行為をしないという中で、いろいろな生活面の支援というものは今までのPKO活動におきましても実績がございます。 そういうことも考えまして、ほかの人々に対して援助を求めないで、自分たちだけの組織で自ら自己完結した中で生活ができて、なおかつイラクの人々のために役に立つ活動があれば、私は自衛隊も出していいのではないかということから、戦闘行為には参加しない、武力行使はしないけれどもイラクの復興支援、人道支援のために自衛隊で活躍する分野があれば自衛隊を派遣したいと思っております。
○海野徹君 私も父が軍人でおりまして、シベリアで三年間捕虜生活を送って帰ってきました。母親も同じ宿舎に住んでいましたから中国の東北地方を転々として命からがら帰ってきました。その二人が生存してくれたおかげで私は今日がある。だから戦争を憎みますし、テロのない社会を作りたい。しかしながら、テロとの戦いのために全世界が取り組んでいる。これは要するにそうだと思います。 私は、ただアラブ人の方々にしてみれば、占領軍というか、他国の軍隊が土足で入り込んできたようなものなんですね。だから、テロがどんどんどんどん泥沼化していくというのは心情として分かるんです。だから、むしろ統治機構を、米英中心から国際社会全体でその統治機構を担うという形への努力を、当然要するにそれが最優先して、自衛隊の派遣するしないという問題よりもそれを最優先して私は外交努力を総理はすべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、国連の決議でも今の暫定行政当局、米英に権限を与えるということを決議しているわけですね。これは、今米英が手を引いたらどうなるんでしょうか。国連、国連軍というのは持ってないんです、国連の治安部隊もないんです。そういう中で、今の治安の回復ももちろん、復興支援についても国際社会が協力しようと。なおかつ、当面CPA、米英軍、これが治安に当たらないとだれもする人がいない。 こういう、イラクの人たちが、反発しているイラク人もいますが、イラク人にとりましては、今いろんな調査によって、やっぱり米英軍に駐留してもらわないと困るという人の方が多いというときに、米英帰れというテロリストの声に乗ってしまったらば今のイラクの情勢はどうなっちゃうでしょうか。私は、こういう苦しいときだけでも国際社会が協力してイラク復興に当たろうと。当面、治安においても危険がある、それに対しては米英駐留軍に権限を与えて治安の回復に努力してもらおう、三十数か国の部隊も今一緒にイラクに入って、何とかイラク復興に努力している、そのときに米英帰りなさいと言って困るのはイラク国民じゃないでしょうか。 そういう点も考えないと、私は、これはただアメリカを非難し、日本は行くなと、まだ完全に安全な状況になるまで何もするなと言って、本当に国際社会の中で、憲法の前文にある圧政に苦しむ人たちを、ほかの人がやってください、日本は完全に安全なときになったら出掛けていきますということで、経済大国二位と言われている日本の国際社会の責任が果たせるんでしょうか。国際社会の中で名誉ある地位を占めたいと憲法の前文でうたった精神に合致するんでしょうか。 苦しくても、日本は武力行使はしない、戦闘行為には参加しないと。しかし、イラクの復興支援、人道支援にはできるだけのことをしますよという、そのことが今、実行の面において私は試されているんだと思います。
○海野徹君 今、総理が、名誉ある地位を占めたいと、前文にあると。名誉ある地位を占めたいんだったら、私は英米に要するに去れと言っているわけじゃないんです。ドイツとかフランスとかロシアが積極的に関与できるような外交努力、総理自らなさったらどうですかということを言っているんですよね。なぜそういうような努力をなされないのか、なぜそういう条件がそろわないのかと。 その辺について、やはり国民も大変な要するに疑問を持っていらっしゃるんじゃないですか。でないと、頼まれたからやる、ポイント稼ぐからやる、お付き合いで行く、そんな印象しか与えないから反対論が増えているんじゃないですかね。私はそんなふうに思います。 この問題はまた後日に譲らせていただいて、北朝鮮問題についてちょっとお話をさせていただきますが、体制保証の文書化、安全の保証、北朝鮮の安全保証、この問題が非常に重要な課題になってきております。 日朝交渉が、正常化交渉が全く硬直状態、あるいは進んでいない、むしろ悪くなっている。挑発されるような、要するにするような言葉しか北朝鮮側から出てきていない。また、解決の糸口が全くなくなっているんじゃないかなと私は心配しているわけなんですが。 そういう中で、体制の安全を保証するというのを六か国協議の中で文書化すると、十一月十七日にこの都内でもそういう調整がされた。それで、ワシントンから、十一月二十四日の報道によると、この合意の見通しも困難だと。 非常にこれは、日米安保の弱体化についても大変な懸念が生ずるおそれがあるという懸念もありますから、この六か国協議の中で、この北朝鮮の体制の安全保証の問題について、具体的に要するにどのように進んでいるのか、それに対して我が国はどのように関与しているのか、それが拉致問題の交渉あるいは日朝の正常化交渉の中でどういうような作用をされていくとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮の懸念である安全保証についての文書化のそのお話でございますけれども、これは国際社会として、その問題と同時に国際社会全体の懸念である北朝鮮の核の開発の問題、この両方、ほかにもまだ問題がございますけれども、そういったことについて議論をしていくことが重要であると思います、と考えています。 安全保証の問題については、米国は文書化をするということについて合意をするということでございます。その内容については、今、関係国の間で緊密に連携を取りながら議論をしております。 安保、日米安保条約との関係の話ですけれども、これについて我が国としてもそういったことに影響を与えてはならないということは当然のことでございまして、米国との間でもこのことについては話をしておりますし、この間、ラムズフェルド長官がお見えのときに、私もそして多分総理もお話をいただいたと思いますけれども、それに対してラムズフェルド長官から、そういったことは全く懸念をする必要はないということをきちんと表明をしていただいております。 我が国として、この問題について、正にそのリーダーシップを取りながら、知恵を出しながら、お互いに相談をしながら解決をしていきたい。平和的、外交的に、そして包括的に解決をしていくことが重要だというふうに考えています。
○海野徹君 黄さんがディフェンス・フォーラムで招請されてアメリカで発言している。金体制の要するに存続というのは誤りであると、そう言っています。あるいは、そこから出てきて、北朝鮮自由化法案ですか、それも上程される。 そういう中で、我々日本もきちっとした毅然たる対応が必要ではないかなと思うんですが、最後の質問を私はさせていただきますが……
○委員長(片山虎之助君) ちょっと簡潔にやってください、もう。
○海野徹君 はい。 北朝鮮への送金問題についてということで、非常に、あしぎんフィナンシャルグループ、これが要するに公的資金を注入される、それでコルレス契約が復活して北朝鮮へのまた資金パイプになるのではないかという指摘がありますが、この点については、そういう復活がされる、あるいは北朝鮮の要するに資金パイプにまたなるというようなことはないということなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、固有の金融機関の名前を挙げて信用リスクに関する話がありました。これは、そういう報道等、すべて憶測に基づくものでありますので、信用リスクに関する問題に関して憶測等々に基づいて発言することは控えさせていただきます。
○海野徹君 これで質問を終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で江田五月君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、林芳正君の質疑を行います。林芳正君。
○林芳正君 自由民主党の林芳正でございます。 総理また閣僚の皆さん、本当に御苦労さまでございます。 時間が三十二分で、後ほど同僚の小林議員にも関連質問をお許しいただきたいと思いますが、質問時間、限られております。参議院は片道方式というのを取っておりますので、質問はなるべく簡潔にいたしたいと思いますが、答弁なさる方は時間を気にせずにゆっくり答弁をしていただいて結構でございますので、あらかじめ申し上げさせていただきたいと思います。 まず、この総選挙、大変に皆様お疲れさまでございましたと申し上げたいところでございます。私も、北は北海道から南は沖縄までと行きたいところでございましたが、盛岡から宮崎まで行ってまいりまして、江田先生は大分美声が損なわれたようでございますが、私も美声を少し損なったかなと、こういうふうに思っておりますが、しかし大変に、最後の、投票日終わっていろんな方のところを回っておるときに、あれっと思ったことが私はあったわけでございます。それは、選挙結果が最終的に出る前に、各報道、総理も先ほどから虚偽報道ということをいろいろおっしゃっておられますが、自民党何議席、民主党何議席と、こういうふうに調査の結果出るわけでございますが、今我々が手にしておる最終的な数字と大分違っておった数字が出たわけでございまして、どうしてああいうものが正々堂々と電波を使って流されるのかなと、大変不思議な思いがしたわけでございます。 そこで、テレビの悪口をここで言うつもりはありませんが、そういう予測の調査に基づいて余りふらふらしてもらっては困ると、私はそういうふうに思うわけでございますが、そのときに、やはり我が総裁だなと私は心を強くいたしましたのは、小泉総裁、一切そういういろんな事前の調査に惑わされずにきちっといろんな受け答えをしておられた。テレビが車の中、ありませんので、ラジオで聞いておりまして、心強い思いがいたしまして、そのときに、宰相かくあるべしということを思い出したわけでございます。 「為政三部書」というのがございますが、これは安岡正篤先生の記念館の理事長の正泰先生が分かりやすくお書きになっておりますが、この中に「応変」というところがございまして、「事機の発するや常有り変有り。常なる者は中人之に処して而て余有り。変なる者は上智と雖も亦足らざる所有り。」と。 このままでよく分からないんで口語訳を読みますと、事件の発生状況には通常な場合と緊急な場合とがある、通常な場合における事件の対処は普通の能力のある者でも十分であるが、緊急な場合には有能な指導者でも対応を誤ることがあると。 かつて漢代の宰相の王商という人は、大洪水の流言が広まり朝廷内が重臣を始めとして大騒ぎになったときに、独りうわさの真偽を確かめて流言にすぎないということでその騒動を収めたと、こういう故事がありまして、そのときに、我が総裁の姿がそれにダブって見えたわけでございますが、そのことを踏まえて、今回の総選挙の結果、総理、どう受け止めておられるか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の選挙で目標としておりました自民党、自由民主党が単独で二百四十以上の議席を獲得したいというのが選挙前の私の掲げた目標でありました。そして、でき得れば三党連立政権の下で安定した多数の下で政局を運営したい、政策を推進したいということでありましたので、結果は自民党単独で過半数の議席を確保することができた。そして、連立を組んでおりました公明党、保守新党合わせて安定多数を確保することができた。国民の賢明な御判断に心から感謝をしております。 この国民の信任を基に、これからも今まで進めてきた改革の芽を大きな木に育てていくために全力を尽くしていきたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございます。 どこの党首の方か忘れましたが、具体的な数字を出されて、この数字を上回ったら自民党どうするんだというような言葉もあったわけでございまして、全くこの「為政三部書」を読んでいただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、今回の選挙は、我が党も政権公約というものを出して、民主党さんも先ほど御提示がありましたがマニフェストというものを出されて、これで争ってきたということでもございましたけれども、これは非常にハンディキャップ戦でございまして、我々の方は、国民の皆様から御契約をいただいたということでありますから、この契約を履行する義務があると。民主党さんの方は、まあチャラというわけにいかないんだと思いますけれども、これは一体どうなるのかなと。先ほど坂口先生に何をお聞きするのかという議論がありましたけれども、私は、マニフェストを出した以上は菅党首にもおいでいただいて、このマニフェストは一体どうなっているんだということも聞くということもないと、これは非常にハンディキャップ戦になるというふうに思うんです。 途中で何か閣僚の方の発表もありましたけれども、じゃ、今からあの方々はずっとシャドーキャビネットの一員としてやられるんだろうかと。そういうことになりますと、立派な方たくさんおられるんですが、我々もいろんな意見を聞こうと思っても講師としてなかなかお呼びできないなと、こういうような感じもするわけでございますし、その中立な身分でいろんなところへ出ていかれて自由に言論されてもちょっと困ってしまうなという思いもいたすわけですが、そういう思いを聞く方が我々にとってはいらっしゃらないということも申し上げておきたいと思いますが、いずれにしても、七月の参議院選に向けて我々の方はこのハンディを背負った実行を問われておるわけでございますが、総理の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 我々としては、政権公約に掲げたものを着実に実施に移していく、それがこれから極めて重要なことでありまして、来年には参議院の選挙も行われます。今年の予算編成、目前でございますが、そのときには具体的な数字も示したものが出されるわけであります。この政権公約に沿って予算編成も行い、そして、一歩でも二歩でもこの掲げた公約を実現に向けて動き出すように、これからも皆さんと協力しながら懸命の努力をしていかなきゃならないと思っております。 そういう意味において、選挙の審判を受けたということについては非常に有り難く感謝しておりますが、同時に大きな責任を担ったと。この責任を果たすために全力を尽くしていかなきゃならないと思っております。
○林芳正君 そこで、先ほども民主党さんからもお話がありましたが、連立であると、そうしますと、それぞれ政権公約、マニフェストを掲げて戦っておりますから、それを一つにまとめていく作業があるわけでございます。私は、この作業をなるべく決定過程を透明にしていくことによって、ああ、なるほどこういう違った意見がだんだんこういうふうな一つのものになったんだなということをいかに国民の皆様にきちっと示していくかと、このことが大事だと思いますので、自民党の総裁としての小泉総理と公明党の立場としての坂口大臣にそれぞれその決意をお伺いいたします。 〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自民党と公明党は連立を組んでおりますので、お互いの考え方、政党が違うんですから、同じ点もあれば違う点もあります。この違う点をどのように調整していくかということは、過去三年の間、連立を組んだ経験と実績というもの、それに培われた信頼関係というものがあります。お互いの意見の違うところはどう調整していくかと、このすべもだんだんわきまえてきたと思います。これから意見の違う点はお互いの立場を尊重しながらどうやって合意を見いだしていこうかというのが、やっぱり議員としても大事ですし、政党としても大事だと思います。 一致できる点ばかりとは限らないということはそのとおりであります。問題は違う点、その調整、これはどの政党に、どの政党においてもどの議員においても言われることであります。政党の公約というものをそのまま実現せよというんだったら、もう単独政権がたとえできたとしてもですよ、野党があるんですから、野党の意見を聞くというのもこれまた政治では大事なことだと思います。 少数意見を尊重していこうという気はあるんですから、もし政権公約のために国民の審判を得たら必ずやらなきゃいけないというんだったらば、それは多数を取ったとおりに野党も反対しちゃいけないことになりますから。この我々の政権公約については野党も反対の点のところあるでしょう。しかし、国民の審判は受けたから全部やってもいいんだというふうには取らないでしょう。やっぱり野党の反対意見というものによく耳をかして、受け入れる必要があるんだったら受け入れていかなきゃならない。その辺はやっぱり選挙がすべて、多数を取ったものがすべてという考えだけでも私は政治というのはやっていけないと。多数の意見というものは当然尊重されなきゃなりませんが、少数意見にも耳を傾けるというのがやっぱり政治の場では大事ではないかなと思っております。 〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
○国務大臣(坂口力君) 御指摘をいただいた点は誠にそのとおりというふうに私も思いながら拝聴したわけでございますが、やはり信頼を高めていくということにおきましては、その過程でどういう議論をしていたかということを明らかにするということは非常に大事なことだというふうに私も思っております。党の方にもそういうふうに伝えたいというふうに思います。 やはり、いろいろの面で話合いをいたしておりますが、一番中心になりますのは、何と申しましても政策調査会におきまして双方でいろいろと御議論をしていただくということだというふうに思っております。麻生大臣にも政調会長時代に大変お世話になった経緯がございますが、大変な作業だろうというふうに思っている次第でございまして、そうしたところでよくお話合いをさせていただいて、違いは違いとしながらも、しかしどういうふうに合意をしたかということを明確にしていくということ、大変大事なことでございますので、今後ともそういうふうにしていくように努力をしたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 正に坂口大臣おっしゃったように、与党の政策調整プロセスというものがありますので、そこを活用していくということが肝要ではないかと私も思っておるところでございます。 そこで、先ほど来取り上げられておりますが、イラクの問題でございます。もう法律的な議論、またいろんなやり取りを私も聞いておりまして若干寂しい思いをしておるものでございまして、やはりこれは、年金問題で先ほど御議論ありましたけれども、この問題も余り政党間で争いをしたり政局にしたりして決めてはならない問題ではないかと私は思っておるわけでございます。 法律を通してこの御判断をゆだねたわけですから、それはきちっと御判断をしていただくということであろうと思いますが、それで終わってしまっては身もふたもございませんので、私いろいろ考えておりまして、今の冷戦終了後のこの世界、特にニューワールドオーダーと、こう言われておりましたけれども、その言葉をもじってニューワールドディスオーダーだと。いつ何どき、どこで何があるかは分からないと。向こうに行っていろいろあるかもしれないけれども、東京がやられるかもしれないと、こういう状況になってきたわけでございます。 先日、娘と「マトリックス」という映画を見に行きまして、正に今までの冷戦の構造で平和があったのはマトリックスの中の世界であって、実際我々が生きているこの世界の現実は、あれは外した方の、まあ薄汚い大変なところでございますけれども、あれなんだというぐらいのイメージを持たなければいけないのかなと。 そういうことに対して、テロとの戦いをやるときに、我々やっぱり歴史にも学ばなければならないと思うわけでございます。イランの大使館が人質事件に遭ったときに、向こうはアメリカの情勢を事細かに分析をして、大統領選が終わるまで人質を釈放しなかったと。それだけではありませんけれども、カーター現職が敗北をしたということがございました。 ですから、金融国会のときに、当時の民主党さんは、長銀問題、これ政局にしないとおっしゃっていただきました。私は、そういう姿勢が今我々全員に求められているんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。 幸い、キューバ危機のときの映画もございましたけれども、あのときのケネディとマクナマラ、今、小泉総裁と、正にもうこのお二人をおいていないんじゃないかと私は思っております石破、浜田コンビがいらっしゃるわけでございます。是非、後から見てもあのときこういう決断をして良かったという決断をしていただきたいと思いますが、総理の見解を伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いつも決断する場合には、私を支持してくれる人の中にも右行け、左行けと言われる場合が多いわけであります。まして、私を支持しない方々についてはいろんな意見があるのは当然だと思っております。そういう中にあって、どちらの決断をする場合においても、決して後悔してはならない、最善を決断をしなきゃならないというふうに考えながらいろんな方々の意見を聞いております。 私は、今回のイラクの復興支援のためにどのような決断をすべきかということについては、イラク支援法にのっとって、そして日本の憲法というのはどういうものか、なおかつ日米協力、国際協調、国際社会の責任ある一員として今何をなすべきかということを常に念頭に置いて、誤りない判断を下したいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 そこで、日米関係というのがこの決断をする意味での大きな問題になってくるわけでございますが、昔、アメリカがよくモンロー主義と、国内に引っ込んでしまう、また出てくる、この揺り戻しがいつもあると、こういうふうに言われておりましたが、今はモンロー主義というのではなくて、外へ出て行くことについては九・一一の後はほとんど議論がない。しかし、一人でやるのか、多国間で協調的にやるのか、この争いだということを実はジョセフ・ナイという方が、本ばっかりで恐縮ですが、このパラドックス・オブ・アメリカン・パワーということで書かれております。そして、ナイ教授は、多国籍主義に、多国間主義に行くべきだと、こういうふうに切々と述べておられまして、アメリカの国内にもこういう世論は非常に力を持っておると、こういうふうに思うんで、我が国も同盟国でありますから、そういう世論をなるべく殺さないように、きちっと同盟国としてお付き合いをし、また、そういう世論が出てくるようにと。最近になってそういう世論がまた強くなって政策に反映されておられるようでございますけれども、そういう観点で努力をすべきだと思いますが、川口大臣に見解をお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) よくアメリカが単独主義であるというふうに言われます。そのジョーゼフ・ナイ教授のその本も、片方で単独主義、片方で国際協調主義ということをおっしゃっていらっしゃるというふうに思いますけれども、単独主義ということを言ったときの実はその定義、何が単独主義かということについては余りはっきりしていないというのが現実だろうと思います。 実際は、片方の極端なところで単独主義、また別な軸に多国間主義といいますか、そういったことがあって、相対的な問題として、それぞれの政策についての米国なり、あるいはほかの国もそうですけれども、判断がそのどこかの軸の中にあるということが現実ではないだろうかというふうに思います。それで、米国の中でもいろいろな、委員おっしゃられましたように、いろんな意見があるわけでして、これはアメリカの政策決定の過程で様々な形を取って表れてきていると思います。 よく、日本がアメリカ追随ではないかという御批判が非常にありますけれども、私は、日本がアメリカとの関係をどこに押さえるのかということは、正に何が日本の国益かということで考えるべき話だろうと思います。我が国の国益を考えますときに、日米が協調していくというのはこれは当然に国益から出てくることで、これは安全保障の点からいってもほかの点からいっても出てくることだろうと思います。 そして、そういった日米協調を大事にしながら、また国益からいって国際協調というのは出てくるわけですから、そこで我が国の目から見て主体的に判断をしたときに、米国の行動が、日米の協調という、あるいは単独主義に行っているということであった場合には同盟国として日本はアメリカに対してアドバイスをすべきであって、それは小泉総理を始めとして我が国としてずうっとやってきているということだと思います。 よく、独仏ロのような、アメリカに対して物を言えという御批判ございますけれども、独仏ロのようにアメリカと対峙をして、軸を変えて意見を言う立場と我が国は立場が異なっている。イギリスと日本というのは立場が異なっているわけで、異なっているわけで、アメリカのそばに立って、そしてアメリカにアドバイスをしていくというのが我が国の立場であると思います。そういうことをしたときに初めて、国際協調を言う我が国の声が、小泉総理の声がブッシュ大統領に、あるいはアメリカ政府に聞いてもらえて意味を持つ、役に立つ、実際にそうなるということであると思います。 時間がありませんので余り例を申し上げられませんけれども、例えば、(「時間はあるよ、十分ある」と呼ぶ者あり)ありますか。イラクの武力行使の前に、我が国としてはずうっと、これはアメリカ対サダム・フセインではない、大量破壊兵器の問題あるいはその懸念を持たれているイラク対国際社会の問題である、そのように考えるべきだというアドバイスをいたしました。総理もブッシュ大統領におっしゃっていただきましたし、私も言いました。 また、この間のスペインであった復興のための支援会議ですけれども、これは我が国が、正にイラクの復興は全部の国が一緒になって、国際社会が一緒になってやるべきだということで、ああいった会議の、形の会議を持つということをずうっとアメリカとも話をし、そして日本は共同議長国の一つとしてあれをやったということでございます。 それから、ごく、もっと最近ですと、今国際協調という形を取ってイラクに対して復興をすることが大事ですから、私はこの前、十月にアラブの国にも行きましたし、それからフランス、ドイツ、ロシアの外務大臣とも電話をして、もっと国際的に協調した形でイラクの復興を働き掛けることが大事だということも言っております。 いろいろな形で、総理を先頭にして、我が国の政府というのはそういう努力を、アメリカのそばに立って、聞いてもらえる、実際に効果があるということを目指してやってきているということを申し上げたいと思います。 そういう意味で、我が国は、日米同盟あるいは日米協調というのは我が国の国益の一つであります。国際協調も、それもそうである。それが実際の政策でそういうふうになるような形で、それを最善を尽くして進めてきている。それが政府の考え方であり、やってきていることでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 アメリカも民主主義でマスコミの影響が強いところですから、そのことも十分お分かりだと思いますけれども、更にやっていただきたいと思います。 そこで、北朝鮮の問題につきましても、六者会合始まっておりますし、特に我が国の場合は、もうこれは何度言っても言い過ぎることはないと思うんですが、拉致問題という大きな問題がございます。このことに関するこれまでの政府の取組と今後の道筋につきまして、外務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮につきましては、これは今、六者、六か国会談と次の六か国会談に向けていろいろな調整が進んできているわけでございます。 今いつ次の六か国会談をやるということについて具体的に日程が決まっている段階ではありませんけれども、そこを目指して、できるだけ早く開かれるということが望ましいと私は考えますけれども、そこで我々が最も懸念をしている核の問題、それをどのように解決をしていくのか、それから、北朝鮮の懸念である北朝鮮の安全保証の問題、それをどのようにしていくのか、全体としてそれをどのような形で会議の中でやっていくのかということの議論を今関係国の間で連携をしていっております。 それから、我が国としては当然に拉致の問題というのが非常に大きな問題でありまして、これについては前回の六者会談で我が国としてはこの問題について指摘をしましたし、二国間でこの話をしていこうということになっておりますが、残念ながら北朝鮮は今まだこの問題について直接に二国間の会議に対応してきていないということでございますが、この点については引き続き働き掛けていきたいというふうに思っておりますし、次の六者会談の中でもこれについては適切に対応していきたいというふうに考えています。 それで、その基本的な考え方といたしまして、平和的に外交的に解決をしていく。それから、非核化、北朝鮮といいますか朝鮮半島に核があってはならないということについては、各国これはみんな共通して考えていることでございます。こういったことを目指して、そして我が国としては日朝平壌宣言というのがありますので、それに基づいた、のっとった形ですべての問題を包括的に解決をしていくということについての我が国の立場、これは全く変わることがない基本的な方針としてこれを持っております。
○林芳正君 我々の方で議員立法でも何でもできることがあればやりますし、行政の方できちっとできることがあればそれで対応していただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。 少し話題が変わりますが、行政改革、司法改革というものがもう進んできて随分たつわけでございますが、今日はちょっと時間がありませんので、私も長年携わってまいりましたのでかなり詳しくいろいろお聞きしてもいいんですが、大きな話題に限ってお伺いをしたいと思います。 まず、郵政の民営化も検討の、この問題も検討の道筋といいますか、スケジュール感が出てきたということでございますが、いろいろ今から政府・与党間でも調整をしていく問題でございますが、財投の改革をもやったという大前提に立って私は進めていただきたいと思うわけでございますし、特に利便性の向上、それからイコールフッティング、この問題をやはり念頭に置いてもらいたいなと。いろいろやってみたらかえって変なものができてしまったということでは元も子もありませんし、総理の大原則であります民でできることは民でということはイコールフッティングということにつながっていくんではないかと思います。この五原則というのを竹中大臣出しておられますし、三つの視点というのを総務大臣、それぞれ出されておられますので、それぞれに今後どういうふうに取り組んでいかれるか、お聞きしたいと思います。 じゃ、まず竹中大臣から。
○委員長(片山虎之助君) 竹中経済財政政策担当大臣。 指名は私がしますから、あなたが指名しちゃ駄目です。
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵政の民営化に関しましては、総理の御指導の下、経済財政諮問会議で今後約一年間検討して、来年の秋までにその具体化の基本方針を示すということになっております。 既に議論を始めておりまして、御指摘のようにその五原則をまず諮問会議の方針として決めております。その趣旨は、今委員御指摘のように、実はその金融の問題、財投との関係、議論しなければいけない議論が、テーマが随分あると。そういう点からも議論がいわゆる迷路に入らないようにまず大筋を是非決めたいということです。 重要な点は、この問題は官が取り込んできた分野を民に開放する、民業に開放すると。そのある意味で頂点にこの郵政の問題があるというふうに位置付けておりますので、この問題を、先ほど財投、金融の話を委員されましたが、日本の市場経済、民間の金融市場の中に統合していくというのが最大の課題。そうした観点から活性化の原則、他の改革との整合性の原則、そして更には利便性の原則、資産を活用しようという原則、雇用に配慮しようという原則を掲げているわけでございます。 民間の経済に整合的に統合していこうというわけでありますから、その間の移行期の問題、イコールフッティングの問題というのも当然その中に重要なテーマとして位置付けなければいけないと思っております。先般、その論点について議論をしておりまして、まず現状から、公社の現状の分析から始めて、その中で移行期の問題もしっかりと議論しよう、そして委員御指摘のような問題を五つの原則にのっとって幅広く議論していこうということでありますので、来年の春ぐらいに中間的な何らかの取りまとめを行って、秋にその民営化の対策に関する基本的な方針をしっかりと決めたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に民営化という問題は手段でありまして、目的は民営化が目的ではないというのはもう林委員よく御存じのとおりです。 これまで地方で特定郵便局等々において郵貯として集められたお金が、その資金を運用するに当たっては、いわゆる中央においてそれを配る、財投に限らず、ほかにもいろいろな形でという形がかなり極端に独り集中をいたしておりますので、そういった意味においては、その資金の流れがもう少し市場経済等々にうまくいくように回っていくよう、これが本来の目的です。そのための手段が民営化ということになろうと存じます。 これまで、かれこれ郵便貯金、百三十数年やってきた制度で、明治四年からの制度ですから、その意味ではこれは大改革であります。同じように、特定郵便局長会というのができまして、かれこれ五十数年たっておりますが、こういったようなものを見るときに、これまで約従業員が二十八万人、ゆうメイトを含めて約四十万人おりますので、これは基本的に公務員という資格を持っておりますので、そういった意味では、それがある日突然に民間になるという話ですので、そこに従業員の不安が出てきて、一方的に自分の職場がなくなるのではないかというあらぬ疑い等々に伴って労働意欲は減退する、若しくはいろいろな、いろいろな形で不穏な動きが出てくる等々は、これは民営化をされていく段階で断固避けねばならぬところでありますので、この組合の問題、若しくは従業員に対する問題の配慮というのは避けて通れない大事な視点だと思っております。 また、今委員がおっしゃったように、利便性の問題でいけば、経営の世界からお見えになったのでよく御存じのとおりに、配達週六回のところを週三回に減らせば生産性は上がるということになりますが、さようなわけにはまいらぬ。利用者の利便性にきちんとした配慮というものがなされなければ、これはなかなかできないということになろうと思います。 また、全国二万四千七百のいわゆる支店というか郵便局というものがありますので、その郵便局においてユニバーサルにサービスができるような形になっております。このサービスは基本的には維持をしていくというのが大事な利便に供することにもなろうと思いますので、今後、市町村がいろんな形で合併する形の中において、お手伝いいただいたe—Japan計画等々の中においても、いろんな端末、機械が非常に進歩いたしますので、そういったものを含めて郵便局でそれらの仕事が、行政手続オンライン化法というのも通していただきましたので、そういったものに基づいてきちんと対応ができていかないと、何となく町村合併されて、印鑑証明取るにも延々遠くまでというようなことになりかねないという状況は避けねばならぬと思いますので、そういった意味では、行政サービスを維持する意味でもこの二万四千七百の郵便局は有効に利用されてしかるべきと思っておりますので、そういったことを考えますと、やっぱり国家、国としても大事、従業員も安心、利便性も失わないという三点が大事ということを、この参議院の本会議でも最初に臨時国会のときに申し上げたと思いますが、基本的にその方向で事を進めていきたいと思っております。 先ほど、その辺に至るまでの移行期の間の等々につきましては金融庁等といろいろこれまでも詰めさせていただいてきておりますので、今後ともその問題につきまして双方で意見を詰め合わせていきたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 特に国全体の観点とプラスになるというところが大事だろう。どうも自分の庭先だけを掃くということが往々にしてこの行革をやっていると起こるわけでございまして、じゃ、しからば全体としてはどうなのかということをよく詰めていただきたいなと思います。官署法というのもありますし、それから今度はパスポートもいろんなところで取れるようになるということになっていくようでございますので、そういう観点から鋭意御検討を賜りたいと思います。 時間の関係で次に参りますが、道路の問題でございますけれども、これもなかなか厄介な問題でございますが、時間的にはこの郵政よりも一年早いスケジュール感ということだと思いますけれども、今後の道筋をまず国土交通大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 林委員は党の行革の事務局長もされておりまして、経緯については十分御承知のことだと思いますが、政府といたしましては、道路民営化推進委員会の意見を基本的に尊重しつつ、その審議経過やあるいは内容を十分精査して政府・与党の協議会にもお諮りして、年内に具体案を取りまとめるべく、そしてまた近々、政府・与党協議会を開催させていただきまして具体的な御審議をいただく、そういう形で来年の通常国会に法案を提出して十七年度中の民営化を目指しているということに何ら変更はございません。 また、その過程の中で、民営化推進委員会の皆様方の意見を始め、与党の皆さん方、さらに地方の公共団体の方々の意見も十分に聞く時間を取らせていただきまして、そういう成案を取りまとめる参考にさせていただきたいと考えているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございます。 そこで、ここで余り私見を言っても仕方がないのかもしれませんが、さっき庭先を掃くと言った意味はここにも掛かってまいりまして、道路公団だけが借金は返せましたと、しかし国の方には借金が国債として残ったということであると結局はこれ一緒なんではないかと、こういうふうに思います。ですから、いろんな案を今から検討していただくんですが、民営化したその会社だけがよかったと、しかしツケがほかに回ったということになっては困りますので、結局はこのネットワークというのは、例えば今もうからなくても大地震があったときに第二国土交通軸が要るんじゃないかとか、いろんな観点から決めなければなりませんので、やはり最終的には採算性だけでどの道路を造るかというのはなかなか決められないと、こういうことでございますが、こういうことについて、この考え方について、国土交通大臣の見解を問いたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま林委員が御指摘されました点は大変重要な点であると私も認識しております。すなわち、採算性だけで有料道路の建設というものをこれから行っていくということで判断をいたしますと、採算性に合わないものがほとんどでございます。 しかし、その一方で、今日も原子力に関する防災会議を開かせていただいたわけですけれども、原子力発電所がある、あるいはその他の外部効果として、よく地方団体の方から御意見が出るのは、地域の拠点病院までの到達時間によって事故あるいは病気の死亡率というものが数%という形で違う、こういうものも考え合わせていかなければならない。また、委員御指摘のこのネットワーク論、今一部がつながっていないことによってその道路の採算性が著しく低いというところは、実は私も日本全国歩かせていただきまして何か所か拝見してまいりました。そういうネットワークというものは、整備することによりましてその道路が生きてくるわけでございます。 このような点、あるいは進捗率、採算性、三つの大きな要素を十分に総合的に勘案した中で、真に必要な道路を造っていくという形でこれからの高速道路建設というものを進めていきたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございます。是非その視点で御検討をいただきたいと思います。 それでは、次に三位一体でございますが、これも片山委員長が総務大臣時代に三位一体という言葉を、クリスチャンじゃなかったかとお伺いしておりますが、お使いになって、人口に膾炙するようになってきたわけでございますけれども、三位一体ですから三大臣にお聞きするというわけではございませんが、今、竹中大臣、麻生大臣、そして谷垣大臣のところで正に調整をしていただいているところでございます。 特に、総理からは、十六年度に一兆円を目指す、税源移譲もはっきりやるという大変心強い御指示もあったようでございますので、これを受けて、今後これをどうやってまとめていかれるのかをそれぞれ大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 三位一体、補助金を含みました三位一体改革は今年度の予算編成の中でも最も重要な論点でございまして、先般総理から、今年度は一兆円をめどとして、目標として廃止、縮減等を行うという御指示がございました。 そこで、いわゆる骨太の二〇〇三の中の方針を踏まえながら、平成十六年度の予算での課題とされている重点項目を着実にこなしていくということに加えまして、全国知事会等から個別の補助金の名前を挙げまして、こういうことを改革してほしいという御要望も全国知事会等いろいろな地方自治団体からも寄せられております。そういうものを参考にしながら、それぞれ事業所管大臣の思い切った決断もいただいて、大変困難な課題でありますが、何とか仕上げていきたいと、こう思っております。 それから、税源移譲につきましても、総理の御発言にもございますように、平成十六年度中に必ず行うと、こういうことでやってまいりたいと思っております。ただ、税源移譲につきましては、それぞれの補助金をどう改革をしていくかという姿は、まだ今作業の途中でございまして、十分できて、姿がまだ見えておりませんので、この場で余り確定的なことも申し上げにくいんですが、平成十六年度に必ず税源移譲も行うと、こういうことでやってまいりたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 敬けんなカトリックとしては、三位一体という言葉を聞いたときには正直驚きました。(「カトリックか」と呼ぶ者あり)洗礼、聖体……。 委員外発言を止めるように言ってください。
○委員長(片山虎之助君) 私語は慎んでください。
○国務大臣(麻生太郎君) 法律用語になっておりますので、それこそ父と子と聖霊一体ということを言っておるわけですから、これもいわゆる税源移譲、また補助金、交付税の三位が一体ということでこの表現になったんだと思っております。本当に申し上げて、これは三位は一体でないとなかなかいかぬところで、やっぱり三方でせえのでということになるんだと、しないと、どっちが先、こっちが先というのでは永遠に話が終わらないことになりかねませんので、その点は連絡をきちんとしていかねばならぬところだと思っております。 少なくとも一応枠が、四兆円という枠も決まっておりますし、初年度見える形で一兆円という方針も総理から示されておりますので、基本といたしましては私どももその方向でやっていくことになるんですが、新聞等々で御存じのように、全国知事会又は特定市長会、いわゆる政令都市の市長、また全国市長会からも、それぞれ異なったところ、また同じところもあるんですが、いろいろ積極的な御意見もいただいておりますので、それ、同じところ、重なっている部分もありますが全然違うところもございますので、権限の与えられている部分が違いますので、義務教の話、保育園の話、の補助の話、いろいろ出てきておりますので、こういったものをきちんと調整しながら。 これ、地方の実行をいたします首長さん方、市長さん、知事さん方の協力なくしてなかなか実行に移しにくいところも一杯ありますので、その辺の話をよく詰めてきちんと対応していかねばならぬところだと思って、目下その整理が今進みつつあるというところで、その段階におきましては、谷垣大臣と同じく今詰めておる最中というように御理解いただいて、結構いろいろ毎日忙しい時間をこれで費やされておりますので、正直思ったより忙しいなと思っておるぐらいこの話は結構進んでおります。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、両大臣から基本的な御説明のあったとおりでございます。 言うまでもありませんが、三位一体というのは三つを一緒にやって初めて意味があると。逆に言うと、例えば補助金の削減が進まないと税源移譲は進まないわけであります。三位一体は、したがって、一つのことが進まないとほかのことも進まないという、ともすれば三すくみになってしまうという懸念もあるわけです。私の役割は、各大臣、各省庁にお願いして、総理の御指導をいただきながら、三すくみにならないで正に三つがバランスよく動くということを諮問会議の場で議論を進める、深めていく、それが私の役割だと思っております。 これに関して先般総理から極めて力強い御指示がございまして、三点ありますけれども、まず、来年度の予算において補助金の削減等を一兆円の規模で行えと。三年間で四兆円というのを更に決めているわけですが、来年度一兆円であると、これを目指せという御指示。同時に、正に三位一体でありますから、これは税源の移譲も来年度に実行しろということ。もう一つは、重要な点は、半年前にこれは当時の片山大臣、塩川大臣等々に御尽力いただいてその議論を始めたときに比べて世の中の様子は随分変わっているわけです。各都道府県、市町村がどんどんいろんな要望を出すようになった。そうしたことを踏まえて、その前倒しも含めて中期的な議論もしっかりと行えと。これは来年度の骨太方針に向けてそういう議論を進めていかなければいけない。 その三つの点、総理の指示に従いまして、諮問会議の中心に是非、強力に進めていきたいというふうに思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 是非、各、その補助金を持っておられる所管の大臣、また財務大臣、総務大臣、竹中大臣、キリスト教では右のほほを殴られたら左のほほを出せということでございますから、そういう精神で取り組んでいただけたらというふうに思います。 続きまして、構造改革特区というものもかなりのスピードでアイデアから法案化、そして今この特区が全国で花を開きつつあるわけでございますが、特に教育、農業や、今までなかなか全国でやろうと思うとこういうことが起こるとかこういうことが心配されるということで進まなかった、じゃ、地域限定でやってみようということで進んでおるわけでございますが、大臣自らどのように御評価されておられるか、金子大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(金子一義君) 構造改革特区につきましては、林委員自身、与党あるいは自民党の中の委員会の事務局長ということで大変強力に御推進いただきました。現在、二百三十六件、案件が認定をされております。お地元の山口県でも四件申請がもう認定されておりますし、下関港、あれが通関体制を二十四時間、三百六十五日荷物を取り扱うと。お隣の北九州と一緒なんですけれども、これができますと、今度は大型船、北米から大きなコンテナ船等々が入ってきて、そしてここを拠点にして中国や韓国に荷物を運ぶという言わばハブ港湾の機能を今度これから持てるという可能性を秘めていると、非常に大きな案件であります。五千人の雇用増がこれから十年間で見込めるというプロジェクトでもあります。 教育、農業の分野については、福祉の分野でもそうですけれども、非常に規制改革が進まなかった分野でありますけれども、群馬県の太田市では、小学校から中学校、高校、一貫して英語で授業をする、国語を除いてはすべて英語でやるということで、これは将来、企業、日本の企業も、企業の中の会議はすべて英語でやるということを想定している人材の養成でありますけれども、既に応募が全国から相当来ておりまして、定員を上回っちゃっている今状況のようであります。 農業の分野も、瀬戸内海の小豆島、農業が遊休になっちゃっている、耕作放棄地でありますけれども、お地元のおしょうゆ屋さんがそこに全部オリーブを植えようと。四年間掛かるようでありますけれども、オリーブを植えて、オリーブの島、観光と食品関係をやろうと。ちょっと余談になりますけれども、こういう農業を株式会社でやるということはかなり進んでまいりまして、建設業界が業態転換としてもう既に四十人、五十人の従業員規模の会社が農業に転換するといったような事例も出ております。 そんなことで、福祉では、幼稚園、保育園、これ、なかなか厚生省、文部省が難しかったんでありますけれども、この特区を利用して幼稚園、保育園を一元化するという、もう認可も出ております。そんなことで、相当おかげさまでかなり速いピッチで進んできている。 それからもう一つは、これからでありますけれども、事務方に、民間企業も、民間の人もいろんなアイデアを持っているから、全国へ散って、そしていろんなアイデアを聞いてこいということで、この秋にも全国にキャンペーンを張りましてアイデアをいろいろヒアリングもしてもらっております。 それから、先ほどお話ありましたように、全国規模でできるものはしていきたいと思っておりますものですから、私の下に評価委員会を作りまして、そこで特区で問題なければ全国展開にしてもらおうということをやっていただく、なるべく早くそういうペースで進めていきたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 是非下関の件はよろしくお願いしておきたいと思いますが、今、大臣正におっしゃられましたように芽が出た、総理のお言葉ですけれども、これを全国へどんどんどんどん広がっていこうと、こういうことでやっていただくわけでございます。特に、特区ということは経済的な効果もありますが、特区になったと、なったこと自体がいろんな波及効果、元気が出る、宣伝材料になるということもあるわけでございまして、是非お金が掛からない制度でございますからどんどん出していただきたいと、こう思いますが、一方でまだまだこの特区でやっているにもかかわらず全体的なこの地域経済というのは冷え込んでおるというような実感があるわけでございます。 今般、今度は地域再生本部というのをお作りになっていただいて、これをやっていくということでありますから、この今大臣おっしゃった動きと地域再生というものをどうやって連携をしていくのか、このことが非常に大事になってくると思いますけれども、今から地域再生、どうやってやっていくのか、大臣のお取組をお伺いいたします。
○国務大臣(金子一義君) 小泉総理がよく稚内から石垣島までいろいろなプロジェクト、都市再生を持っておられるということをおっしゃるんですけれども、稚内でも中心商店街、市街地、これは区画整理で再開発をやる。サハリンのあのモデルを、古い町並みもそこで再現をするようでありますが、この事業と併せて特区を使ってもらいまして、そして稚内港、これをサハリンとの物流、観光、これもやはり二十四時間、三百六十五日可能にしていくという、いろいろな諸事業を特区を絡めてやる、これからあるいはPFIという手法も活用してもらいたいと。 特区を申請された市町村長、懇談の機会が何回かあるんでございますけれども、彼らと意見交換をしますと、通常、市町村長というと、道路予算くれ、これを何かやってくれという話だったんでありますが、最近こういう人たち、自分たちはこういうのをやりたいと、だから規制を緩和してくれと。それから、権限を移譲してくれと、権限は国からだけで、県でなくて、県から市町村長に移譲してくれというような御意見がかなり出てきておりまして、それぞれに皆さん、それぞれの地域の文化ですとか伝統ですとかいろいろな資源、まあ観光ももとよりでありますけれども、活用していきたい。そういう今、相当な案件が、地域再生本部が立ち上がったわずかまだ一、二か月でありますけれども、寄せられておりまして、大変意を強くしております。こういうそれぞれのアイデアを生かしていく方法というのを現在検討しております。 同時に、先ほど建設業の業態移転というお話をちょっと申し上げましたが、農業だけでなくて福祉の分野に移転する。土木作業の皆さんを、ホームヘルパー育成を今されて転換をされるとか、アウトソーシング、これがやっぱりもう一つの中心の柱になってくると思います。既に市町村からアウトソーシング、あるいは公的施設の管理運営と、これもアウトソーシングの一つであります。こういうところにはそれぞれの所管庁の法律がかぶさっておりまして、なかなかできない部分もまだあります。 こういうものをどういうふうに整備していって業を起こす、あるいは雇用を確保していくか、こんなことを中心に今枠組みを作ろうとしております。年内にも枠組み作りを終えて、もう来年早々には動き出すような体制を作ってまいりたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 正に地域でなかなか新しい雇用といって、ナノテクとかバイオとかいってもなかなかぴんとこないと。農業とか福祉、今、大臣正におっしゃっていただきましたけれども、そういうことだと、ああ、おれでもできるなと、こういうふうになるんでございまして、是非これは大事なことだと思いますので、この今のスピードで進めていただいたらというふうにお願いをしておきたいと思います。 もう一つ、司法制度改革、これはもういろんなテーマでずっとやっているわけでございまして、一々今日はちょっとお聞きする時間がないわけでございますが、ちょっとマニアックな問題でもあるんですが、行政訴訟法というのをもう何年かぶりに大改革をしようということになっておりまして、我々もいろんな会でこの案を出したりしているんですが、これ一つ問題は、どうしても閣法で内閣の方がやるということになるとお役所の方が原案を作ると。しかし、この行政訴訟というのは国民と行政の間の訴訟の手続法でございますので、言わば行政が被告になる訴訟法でございますから、悪い言葉で言うと泥棒が刑法を作るようなことにもなりかねないわけでございまして、もう少し立法府として議論をしていかなきゃならないと、こう思っております。 今、素案というものが検討会から出ているようでございますが、ごくごく大事なところだけ申し上げますと、原告適格の法律上の利益を有する者という範囲を広げようということ、それから義務付け訴訟や差止め訴訟をできるということを法律に書いてもらいたいと、それから本案裁決前に仮に救済をするという制度をきちっと整備してもらいたいというようなことが大事な今からのポイントになってまいると我々は思っておりますが、この司法制度改革推進本部の副本部長であります法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野沢太三君) 行政訴訟制度は、昭和三十七年制定の現行の行政事件訴訟法に基づいて運営されてまいりました。これまで年間千五百件から二千件くらいの訴訟が提起されておりますが、近年増加の傾向にありまして、平成十四年には二千三百二十八件に達しております。 最近の主な事件について申しますと、高速増殖炉「もんじゅ」の安全審査問題、あるいは東京都の大銀行に対する外形標準課税の適否の問題、さらには、身近な問題として参議院議員選挙無効請求事件等々がございます。 制定以来四十年を経過した現在の行政訴訟制度は多くの問題点が指摘されておりまして、林先生がただいまお話がございましたように、国民と行政の関係を考える若手の会を立ち上げられまして、学識経験者、弁護士の皆さんと共々、利用者の観点から提言を取りまとめましたことに心から敬意を表するものでございます。 現在、この制度の見直しにつきましては、司法制度改革推進本部の行政訴訟検討会において検討が進められており、先月、検討会の座長から行政訴訟制度の見直しのための考え方と問題点の整理と題する今後の検討のためのたたき台が提示されたところでございます。 林委員御指摘の三つの論点につきましては、いずれも国民の権利、利益のより実効的な救済を図るとの観点から非常に重要な論点と考えております。御指摘の論点を含め、行政訴訟制度の見直しにつきましては、検討会において座長のたたき台の整理を踏まえ更に議論を重ねまして、来年の通常国会への法案提出に向けて検討を鋭意進めてまいりたいと考えております。その際には、この制度を所管するところも含めての議論になろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○林芳正君 ありがとうございました。 それでは次に、特に年金問題を中心にして社会保障のことをお伺いしたいと思いますが、いろいろ議論がもう専門的になっておりますので、ちょっと初心に返りまして、まず厚生労働省案、先ごろ発表をされておられますが、これにつきまして坂口大臣自ら、ちょっと恐縮でございますが、どういう案なのかということを改めて御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省が発表させていただきました厚生労働省案につきまして御説明を申し上げたいというふうに思いますが、総論的に申しますと、社会経済と調和した持続可能な制度の構築ということに尽きるというふうに思っております。最終的な保険料水準を二〇%に固定をいたしまして、その水準まで段階的に引き上げると一方でいたしております。 給付につきましては、現役世代の手取りの五〇%を下限にすると。そして、社会全体の保険料負担能力の伸びに見合うようにする、負担と給付のそこにバランスを取るということをいたしております。 少子高齢社会でございますから、保険料は上げるではないか、給付は下げるではないかというお話、先ほどもございましたけれども、これはこの人口構造上やむを得ないことというふうに理解をいたしておりまして、むしろそうしたことを明確にお示しを申し上げて御理解をいただくということが不信を払拭することではないかというふうに思っている次第でございます。 二〇%への引上げ問題につきましていろいろの御議論がありますこともよく理解をいたしているところでございます。これは前回の改正で残されました課題でありますそれからもう一つ基礎年金の国庫負担二分の一への引上げについて、これも一応二分の一に引き上げるということを前提にして計算をいたしておりますが、その財源をどうするかということにつきまして、この年末までに決着を図らなければならないことでございます。 そうした基本的な問題のほかに、在職老齢年金制度の見直し、すなわち六十、六十歳、もう六十一歳でございますが、を過ぎました皆さん方におきまして、お勤めの皆さん方がございますから、保険料を支払いながらその年金をお受けをいただくと。しかし、給料がある程度上がっていきますと、その上がった分につきまして少しカットをしていく。今、三十七万を超えますと、二万円上がるごとに年金の方を一万カットする、こういう制度でございます。これを、七十歳以降もこれを継続をするといったこと。 それから、短時間労働者に対しましてできれば、できればと申しますか、できるだけ厚生年金にお入りをいただきたいわけでございますが、経済がこういう状況のときでもございますし、雇っていただいております中小企業を始め皆さん方の方からいたしますと、それは非常に負担が多くなるという御批判もあるところでございまして、ここにつきましては、時間的な経過、それからまたこの短時間労働者に対します保険料の経過的措置、そうしたことも今後皆さん方とお話合いをして進めていきたいというふうに思っているところでございます。 そのほか、離婚時の年金分割につきましても、二つにすると申しますか、半分ずつにすると申しますか、そうしたこともその中に織り込まさせていただいているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 今お聞きするだけでも、かなり多岐にわたっていろんなことを決めなければならないわけでございますが、大臣正におっしゃったように、時間がかなり迫ってきたということであります。我々、今から党の方でもまとめる立場から申し上げますと、かなりカレンダー的にきつい。 そこで、どうしても予算案に入れなくてはならないものと、それから法律の中に入れればいいもの、こういうふうに仕分でもしないと、とても予算には間に合わないんではないかと、こういう気もしておるわけでございますが、もしそういう区別をするとすると、どういう整理になりますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) まさしく御指摘のとおりでございまして、年末までにいわゆる予算の中に入れなければならないものは二つでございまして、一つは二分の一への引上げのその財源の決定、それからもう一つは、保険料の引上げになってまいりますと、これ財政的に若干影響してまいりますので、保険料の引上げの来年からスタートをいたします場合には、それをどれだけスタートをさせるかということを決めなければならない。この二つは今年じゅうに決定をしなければならないことでございまして、そのほかの問題につきましては、来年二月の中ごろというふうに予定いたしておりますが、この法案を提出をさせていただきますまでに御議論をいただいて決定をしなければならない問題というふうに思っております。 それで、なおかつもう少し議論の必要なところにつきましては、もう少し、もう一年ぐらい時間をいただいて詰めさせていただきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 是非、どうしてもやらなきゃいけないことしかやらないということではないんですが、やっぱり優先順位を付けてきちっと議論をしていくということが大事だと思います。 そこで、大臣も先ほどおっしゃられたように、上限二〇%、これ独り歩きをしているところがございまして、来年からもう二〇になってしまうのかというような声も私、地元で聞くわけでございますが、ずっと上がっていって最後のところで、かなり先の方でということでございます。それでも、経済団体の方から二〇は高過ぎる、一六ぐらいだということでございますから、これは今から難しい議論になると思いますけれども、一律に全部二〇にするとか半分にするとかいうことを決めなくてもいいんではないかという議論も一方ではあるわけでございますが、そういうことも含めまして、現段階で大臣、どういうふうにお考えになっておられるかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 一番難しいところは、その二分の一の財源を何にするかという問題と、そして保険料を、今御指摘いただきましたように、二〇二二年でございますから、約二十年掛けまして徐々に段階的に上げていく、それの最終的なところが二〇%というのがいいかどうかという議論だというふうに思います。これは経済の動向あるいはこれからの少子高齢化の国づくりの姿、そうしたものと全体関係してくるわけでございますから、幅広い議論が必要ではないかというふうに思っております。二〇%のところか、あるいは最低五〇%、どちらかを固定して考えないとこれはなかなかうまく作り上げることができないものでございますから、厚生労働省の案といたしましては、二〇%のところを、それを上限で固定をさせていただいてすべてを作り上げさせていただいているということでございます。 この辺につきましていろいろ御議論のあることも十分踏まえております。五〇%というのを、それはどこを中心にして五〇%と考えるかということによりましてもこれはほかにも大きな影響を与えてくることでございますから、それらのことも含めましてこれから議論を進めていただきたいと考えているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございます。 もう一つ、これは医療費といいますか、医療費の中でも薬剤の関係でございますけれども、私はバイオの関係もずっと興味を持ってやっておりました。新薬をどんどんどんどんライフサイエンスでやっていこうというときに、新しい薬を作ろうと、製薬会社が研究開発投資をしようというインセンティブをやっぱり利かせる必要がある。 アメリカは、御存じのように保険がありませんので、自由市場でやっておりますからいい薬を作ると高い価格で売れるということでございますが、日本は薬価ということで決めておりますのでここに画期的新薬加算というのを付けて対応しておるわけでございますけれども、なかなか財源の制約がありましてこの画期的新薬加算が出せないと。 そこで、ジェネリックというのが最近よく聞くんですけれども、特許が切れたやつをどんどん安く普及させようと。これは我が国にとって今から必要になってくると思いますけれども、思い切ってこのジェネリックの方を少し下げて、その分で画期的新薬加算というのをどんどん増やしていったらどうかというふうに思うわけでございますが、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今の御指摘は確かに一つのお考えだというふうに私も思います。いわゆるジェネリックと言われるところを少し安めにして、今、八割、〇・八を掛けているわけでございますが、〇・八というのは少し高過ぎる、もう少し小さくてもいいのではないかという御意見があることも事実でございます。 平成十四年度から、薬価の方につきましては、画期的な新薬の場合には最高四〇%を積み上げておりましたのを一〇〇%積み上げるということにいたしまして、かなりここは増やしたところでございますが、今後、ここはもう少し知恵を絞らなければならないところでございますが、今御指摘いただいたことも踏まえて、ひとつ検討してまいりたいと思います。
○林芳正君 ありがとうございました。 それでは、経済・金融問題に移りたいと思いますが、特にやはり、いろんな改革をするときに、もう最近ほかの問題がいろいろ出てきたものですから余り聞かれなくなりましたけれども、やはりデフレの問題というものが非常にいろんなことに重くのし掛かってきておると。日銀の方でも一生懸命いろんなことをやっていただいて、ほかの中央銀行がやったことのないようなことを随分やっていただいておるわけでございます。 かつて、ゼロ金利を政府側がやめてくれと言ったときに解除してしまったことがございましたけれども、今回は全くそれと逆で、もし今の政策を変える場合にはこういう、これとこれとこれが達成されなければならないということをあらかじめ言っていただいております。先般の植田審議委員の講演には、そのことと今の見通しを併せて考えると当面は今のゼロ金利政策の変更はないということを明確におっしゃっておられまして、こういうことをきちっと言っておくということが非常に私は大事だと、こういうふうに評価をしておるところでございますが、さらに、なかなか銀行にお金をじゃぶじゃぶ出してもそこから外へ流れていかないということで、福井総裁になられまして、直接金融市場を通じた企業金融の円滑化のための資産担保証券の買入れというのを始められておられますが、現時点でのこの評価を総裁にお聞きしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、日本銀行では、市場を通ずる金融のパイプをしっかり整えていきたいということで、今全力を挙げております。 御指摘のとおり、当面のデフレ脱却のための金融緩和効果の浸透のために、金融機関を通ずる資金供給ルートは、今日の新聞でごらんのとおり、金融システム全体として健全化努力はもう進んできておりますが、今なお金融機関の信用仲介機能が必ずしも万全とは言えないと、そういう状況でございますので、併せて市場を通ずる金融のパイプを太くすることによって緩和効果の浸透を全うしたいと、こういうねらいでございますが、同時にこのことは、この先の日本経済、将来の日本経済の姿にマッチした金融の姿を長期的に築いていくという道にも通ずると、そういう考え方からやらしていただいているものでございます。 私ども日本銀行としては、こういう方向性を持って、言わば市場を通ずる金融のパイプが太くなるための口火を付けたいということをやっているわけであります。口火付けのナンバーワンが、今おっしゃいましたとおり、資産担保証券市場に直接介入をすると、資産担保証券を直接日本銀行が買い入れるという措置でございまして、今年の六月に決定いたしまして既に実行過程に入っていると。 もう一つの口火付けは、やはり市場関係者の知恵を更に糾合していい市場のインフラを作っていきたいということでございまして、これは当月から証券化市場フォーラムというものをもう既に開催いたしまして議論が始まっています。既にたくさんの知恵が出されておりまして、これを何回か続けていきますうちにいいインフラを整備していきたいと。 日本銀行の直接市場介入と市場参加者の知恵、これを集めて市場が自律的にいい発展をしていくようにしていきたいと。委員、ただいまのところ、その成果が出始めているというところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 総裁、恐縮でございます。一問でございましたが、もう結構でございますので御退席いただきたいと思います。 そこで、このデフレの問題を考えるときに、為替の問題というのは、非常に金融政策、日銀がやられておられるマネタリーポリシーと併せて大事になってくるというふうに思うわけでございますが、これは報道でありますから虚偽報道かもしれませんが、外為特会の借入金の限度額の余裕がちょっと少なくなってきつつあるので、この場合に備えて日銀に対して外貨の資産の売却を検討しておられるというような報道がございましたが、現状はどういうふうな状況になっておるのか、財務省にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 外為特会の借入限度額ですが、今のところ十分まだゆとりがありますので、一部そういう憶測の報道も私も拝見しましたけれども、福井総裁の方にそのような資金調達の方法をお願いしているということは全くございません。 ただ、為替市場の動向を見まして私どもも常に機動的に動けなければならないわけですから、どういうことを考えたらいいのかというようなことについては、常にいろんなことを考えながら機動的に動けるようにいろいろ検討はしているということはございます。
○林芳正君 ありがとうございます。 補正予算でもやってこの枠を増やせばそれでいいんでしょうけれども、そうでない場合ということも考え得る場合があるわけでございまして、過去に年度途中で枠一杯行ってしまった、又は近くなったというときに実際にどのようなことをやったのかということをもし大臣御存じなら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 過去の具体的な対応ですが、補正予算で借入金限度額の引上げをしたというような場合、それから日銀へ外貨資産の買戻し条件付売却を日銀に対して実施した例がございます。 補正予算については、一番最近では平成十一年度の第二次補正予算で外為特会借入金限度額を、当初予算は三十九兆円でしたが、四十九兆円と十兆円引き上げていただいたことがございます。 それから、外為特会と日銀との間の外貨資産の条件付売買取引、これは昭和二十六年以降何回か実施しているんですが、最近では昭和六十二年に実施した例があります。
○林芳正君 ありがとうございました。是非遺漏なきを期していただきたいと、こういうふうに思います。 もう一つは、よく言われるのは人民元の問題でございまして、いろんな安いものがどんどん入ってくるじゃないかと、こういうふうによく言われるんですが、ただ、こっちが向こうへ売っているというのも随分ありますし、捕らえてみれば我が子なりというのがありますが、実は、安いものが入ってきたのをよく見たら我が方の工場が行って作ったんだと、こういうこともあるわけでございまして、結局は、その国の為替というのはその国の主権にかかわる問題でもございますので、なかなか人から言われて分かりましたということではないと、こういうふうに思うわけでございまして、向こうにとっても、せっかく一生懸命働いて稼いだ人民元でどれだけ多くのものを買えるのか、特に海外旅行に行かれたりしたときにですね、という観点からすると、向こうにとってもプラス・マイナスあることでございますので、中国が早く我が国やアメリカのように自由相場になるように支援をしていく、私的な支援を含めて、ということが大事であるというふうに思いますけれども、財務大臣、いかがお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 中国経済の規模も大変大きくなってまいりましたので、為替の在り方だけではありませんで、中国経済の在り方というものが、単に近隣の日本とかアジアに大きな影響があるというだけではなくて、欧米等、世界じゅうにやはり大きな影響を及ぼすようになってきております。 したがいまして、人民元の在り方というようなものに対しても不断に中国と意見交換をしていくことが必要だと思っておりまして、現実にいろんなレベルで行われております。閣僚レベルでは、いわゆるASEANプラス3のような機会にいろいろ今までも意見を交換してきたようでございますが、やはりこの人民元の問題は、中国自身が中国の利益になるのは何かということをお考えいただいて決めていただかなきゃならぬことでございますけれども、我々としても、先ほど申しましたような意見交換は十分にやらせていただきますし、また過去の経験の、我々の経験がお役に立つようなことがあれば、もちろん向こうから御要請があればですが、できることはしたいと、こう思っております。
○林芳正君 日本も三百六十円からフリーになったわけでございますから、そのときの経験というのはきっと彼らにとっても役に立つと、こういうふうに思っておるところでございます。 金融機関の方の金融問題にちょっと移りたいと思いますが、昨年の予算委員会、竹中大臣御就任早々でしたけれどもいろいろお尋ねをして、そのときに御検討いただくということになった言わば宿題がございまして、それは金融機関への公的資金注入の問題でございますが、百二条だけでやりますとどうしてもシステミックリスクということでありますから、総理のところへお伺いしてというか、金融危機対応会議という物々しいことをやらなければならない。個別行の健全化ということに一つずつこれを使っていては、ちょっとしたことで思わぬ事態を招くことがあると、こういうような質問をさせていただきましたが、そのことを受けていただきまして検討していただいているようでございますけれども、今どういうふうな状況になっているでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょうど一年前に金融再生プログラムというのを作って、不良債権の問題の解決を目指した段階でそういった御指摘を委員からいただいたことを記憶をしております。当時から申し上げておりますんですけれども、銀行が危篤状態に、言わば危篤状態になったような場合は預金保険法百二条というものがあると。しかし、危篤ではないけれども、さりとて健康体ではないと、そういった場合、予防的に何か枠組みを考える必要があるのではないかということで、金融再生プログラムでもそういったことを検討しようということを掲げました。 その後、金融審議会でそうしたことの検討をいただきました。幅広い専門家の議論を要約しますと、いや、今のままでもまあ十分ではないかという意見が一方である。しかし一方で、やはり私が申し上げたような趣旨で何らかの枠組みが必要だと、しかしその場合はいわゆる金融機関が安易に流れないように、いわゆるモラルハザードが起こらないようにしっかりとした歯止めが必要だということで、幾つかの貴重な御提言をいただいております。今、金融庁の中で、そうした提言を受けて、行政としてどのようなことを実際にやっていくべきかというプロジェクトチームを作って検討をしております。 自民党の選挙の公約の中にも今回そうした問題を検討するということが含まれておりますので、与党ともしっかりと御相談をしながら、行政としてのやるべきことを是非早急に詰めたいというふうに思っております。
○林芳正君 私、申し上げようと思っておりまして、実は政権公約二〇〇三に、「金融危機を起こさせないための新たな公的資金注入の枠組みを検討する。」とちゃんと書いてございますので、我々にも責任があるということでございます。 もう一つ、これも大臣いろいろやっていただいて大分進んでまいりましたリレーションシップバンキングというのがございますが、地域を中心にした中小企業とやっているところは、なかなかメガバンクと世界を相手にしてやっている大企業というのと同じ関係では困るだろうということで入れていただいたわけでございまして、実際に地域金融機関がこれに基づいて機能強化計画というのを出していただいておりますので、その概要を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) たまたま大手の銀行が昨日、九月期の中間決算を発表いたしました。それによりますと、我々が目指しているような方向で、不良債権を約二年で半減するという方向に向かってその道をしっかりと歩んでいるという方向が示されております。 しかし、中小の金融機関、地域の金融機関は、大手の銀行のように不良債権比率を半分にしろというような形でなかなかそれを実現するというのは実態に合わないということから、地域に根差したしっかりとした金融をやってもらいたいということで、そういう金融機関、日本に六百二十六ありますが、すべての金融機関に、地域に根差してどのような金融を行っていくのかというその計画を出してもらいました。報告を求めました。 もちろん、六百二十六すべてにこういう報告を求めるというのは、これは初めてのことであります。実は、その地域も、しっかりとまず地域の中小企業を再生させる、地域の中小企業を再生させる中で銀行自らもしっかりとした財務基盤を築いていくという方向で非常に大きな努力を今してくれております。 例えば、これ、伊豆のある地域の、東海地域の金融機関ですが、伊豆の中小の旅館で困っているところ、そこを再生するための再生ファンドを、これは国の政策投資銀行に呼び掛けて作って一生懸命やっております。地元の例えば中小企業が新たにコンサルティングを受けたいなと思っているけれども、お金が十分ない、コンサルティング大手に頼むと高いという場合には、ある信用金庫が、地元にいる方で大手の企業を退職して企業のことがかなり詳しい方を集めて、ボランティア的にコンサルティンググループを集めて、それで安い料金で実際にコンサルティングをやっているという例も出ております。 実は、こういう例、随分たくさんありまして、これはすべての、六百二十六の金融機関でどういうことをやっているということはすべて既に自ら公表しております。各地元の中小企業の皆さんも、地元の金融機関がどういう努力をしているのか、これは我々知らないことも随分たくさんあると思っておりますので、また金融機関には良いところをどんどんまねて取り入れていただいて、地域に根差した金融の再生に引き続き努力をしてもらいたい。我々もしっかりと監督をしていきたいと思います。
○林芳正君 特に、今の経営相談のところはちゃんと事務ガイドラインも変えていただいたということでございますので、正に大臣言った方向でいいところをどんどんやっていただいて、今度はお客さんの方がいいところを選べる、この両方が同じぐらいのバーゲニングパワーを持たせるということが大事だと、こういうふうに思います。なかなか金融と借りる方というのはそういうふうにならない。 そこで、東京都が実はCBOというものをやっておられて、ちょっと直接金融に近い市場型の間接金融というのをやっておられます。いろんな手段が実は中小企業の方にもあるんだぞということが金融機関に対するバーゲニングパワーを強くする、こういうふうになると思いますけれども、これは地方公共団体が率先するということは必要でありますが、民間の方もいろいろこういうことをやっていただきたい、こういうふうに思いますが、行政として大臣どうお考えか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 東京都のいわゆる債券市場の創設についての取組というのは、金融機関が中小企業に貸し付けた債権等をいわゆる特定目的会社制度を利用することによって流動化して、一言で言えば、やや技術的ですけれども、中小企業の資金調達の円滑に資するものであるというふうに思います。我々は、これは促進されるということは大変重要だと思って、それに対して私たち自身も大変期待を持っています。 金融庁として、じゃどう取り組んでいるかということですけれども、これは金融再生プログラムの中に全国銀行協会に対して貸出債権市場の創設に向けた検討を要請して、これを受ける形で貸出債権市場の協議会の報告書というのがこの三月にとめられ、まとめて、こうした協議会の結果も踏まえて民間金融機関を始めとした関係者の更なる取組が現状的には進んでおります。我々もまあまあしっかりと見ていきたいと思いますし、必要に応じて後押しを是非していきたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 まだまだ聞きたいこともありますし、今お聞きのようにいろんなことが進んでいるということがお分かりいただいたと思います。大変ありがとうございました。 小林委員に関連質疑を許していただきたいと思います。
○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。小林温君。
○小林温君 自民党の小林温でございます。 先輩方に御配慮いただきましてお時間をいただきました。林議員からは、我が国が直面する内政、外交の諸課題について格調の高い質問があったわけでございますが、私からは、平成十六年度予算の編成方針について総理を始め関係閣僚に御質問させていただきたいと思います。 巨額の財政赤字を抱える、十五年度末四百五十兆とも言われておりますが、我が国においては、財政再建の道筋をどう付けるかということは小泉内閣にとっても最重要課題の一つでございます。平成十四年、そして十五年と小泉政権下での二回の予算編成を振り返りますと、プライマリーバランスの回復に向けた新たな予算編成方式への取組によって、歳出のカット、効率化、重点分野への積極的な予算配分など、私はこれ実績を上げてきたというふうに評価すべきだろうと思います。 そこで、小泉総理、平成十六年度の予算編成は財政再建という大きな大目標の中でどう位置付けられるのか、またその予算編成に向けての総理の御決意を伺いたいと、こういうふうに思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 小林委員に極めて予算委員会らしいテーマをお取り上げいただきまして、ありがとうございます。 今お触れになりましたように、プライマリーバランスの回復、これを二〇一〇年代初頭に実現したいと、これが我が国の財政改革の一番大きな柱でございます。しかしながら、これ、この薬を付けたら楽に良くなるというような妙薬はございませんで、歳出改革を徹底的に行うと同時に、金融、財政、規制と、こういった構造改革を進めながら民間需要主導の持続的な経済を作っていくという、こういう地道な努力を続けていくということしかないのではないかと、こう考えております。 そこで、平成十六年度ですが、これは今まで続けてまいりました今御指摘のような歳出改革路線というものを引き続き堅持していくということではないかと思います。具体的に申し上げますと、先ほどからの御議論のように、年金であるとかあるいは国と地方の関係、いわゆる三位一体、こういうような改革に併せて、一般会計歳出それから一般歳出を実質的に前年度より抑制していくということと併せて、めり張りを付けた予算編成をしてきちっとした姿を取っていくと、こういうことで臨みたいと、こう思っております。
○小林温君 内外の諸課題山積する中で、是非粛々と予算編成、新たな取組を進めていただきたいと思うわけでございます。 経済財政諮問会議では「十六年度予算の全体像」というのをお決めをいただいて、その中で予算編成プロセスのイノベーション、いわゆる新しい取組としての政策群やモデル事業の活用という項目を盛り込んでいただいております。 こうした歳出削減や財政再建に向けての取組をまずこれはしっかりと実行していただくとともに、やはりこういう部分について国民の皆さんに御理解をいただくということが実はこの予算編成プロセスの改革、大事なんだろうと思いますが、経済財政諮問会議での取りまとめに御尽力をいただいている竹中大臣から是非PRも兼ねてしっかりと御説明をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 小林委員から大変貴重な機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。 御指摘のように、今、来年度の予算編成では、今までにやったことのないような新しい手法を予算編成の中に取り入れようと思って、我々は実は張り切ってやっております。これは、財政赤字で悩んできた各国が九〇年代を通していろんな試みをしました。そうした中で、イギリスとかニュージーランドとかスウェーデンとか財政の健全化に成功した国では、実は結果的に見ると非常に新しい予算の手法を取り入れていたと。それを日本の事情に即した形で、まだ規模は小さいかもしれないけれども、今回積極的に取り入れたい。我々としては、これは小さな一歩かもしれませんが、五年後、十年後に、この平成十六年度の予算編成というのは今から見ると大変大きな一歩だったねと是非言われるように、そういったものをしたいと思っております。 その中身なんですけれども、これは二つあります。 一つはモデル事業と呼ばれるもので、具体的には、予算というのは今まで積み上げて積み上げて作っていくわけなんですが、それはちょっと違うのではないだろうかと。本来は、こういうことをやりたいんだという目標、政策の目標、成果の目標を掲げて、目標に向かって、それを決めたら大胆に柔軟に実行させる。大胆に柔軟に各省庁に実行させる以上は、その評価、評価はきっちりとやりますよと。したがって、これは結果的に見ると、計画を立てて実行して結果を見る、いわゆるプラン・ドゥー・シーと言われるものになっているわけなんですけれども、この大胆に実行する中にはいわゆる複数年度で、日本は法律の枠組みで単年度の枠組みがありますが、そこをいろいろ財務省に工夫してもらって、結果的に複数年度で使えますよと。ないしは、各省庁が努力して節約したら、その節約した分はその省庁が何らかの形で独自の政策に使えるようにしますよ、そういうものをその中に組み込んでいこうというふうにしているわけです。そういうモデル事業を今度は十の事業について始めます。これをまずしっかりと仕組みを作って、それを将来的には広げていきたい、これが第一であります。 第二は、これは政策群と呼ばれるもので、いわゆる予算というのはどうしてもお金の分捕り合戦になるわけですが、我々はやっぱり政策をやりたいわけです。そうすると、それは予算を付けてやるものもあれば規制改革をやるものもあるだろうし、法律を新たに作って制度を作るものもあるだろうと。そういうのはやはり一体じゃないといけない、お金だけ付けても駄目だと。かといって、お金が全く付かなくても駄目なものもあるだろう。そういう政策群も今度十そういうものを作るということにしております。 分かりやすい例で言うと、若年の雇用、失業のようなもの、これも一つ入っております。そうしたいろんな制度改革もあるし、お金を付けるものもある。 そのモデル事業と政策群、その中には、先ほど申し上げましたように複数年度等々も新たな試みとして入ってまいりますが、やはりこれは大きく将来発展して非常に重要な一歩になったと思われるような、そういうものに是非この十六年度で芽を出したいというふうに思っております。
○小林温君 是非この取組を進めていただくように重ねてお願いを申し上げる次第でございます。 今、竹中大臣からもお話がありましたように、やはり単年度の予算制度というものが柔軟性を失わせている一つの原因だということが言われます。年度末の駆け込み工事だとか調達あるいは安値落札というのも単年度主義というものが原因になっているんじゃないか、効率性を失わせているのではないかという議論もあるわけでございますが、柔軟な予算編成を可能にするということで財務省にも積極的なお取組をいただいているということは認識はしておりますが。 そこで、今、モデル事業のお話がございました。四月から三月までの単年度でなく、数年度にまたがった予算を編成する複数年度予算の活用、少し専門用語を使いますと、国庫債務負担行為や繰越明許というものを活用してどういったことを今後行われるか、財務省の基本的な取組方針、それから進捗状況についてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 予算は単年度でやっておりますので、それを余り厳格にしますと、今委員がおっしゃったような非常に硬直した現象が起きてきて、予算も結局無駄遣いになってしまうというようなことが今まで指摘されてまいりました。 そこで、財政法には今おっしゃったような国庫債務負担行為あるいは繰越明許費といったような制度が作られておりまして、複数年にわたっていくような場合にうまく活用ができるものですので、それをもうちょっとうまく利用できないかということを今考えておりまして、具体的には、今竹中大臣がおっしゃいましたモデル事業ですね、これをうまく芽出しをしてやっていきたいと思っております。 これは、先ほど竹中大臣がおっしゃいましたように、明確にこういうことをやりたいという明確な目標を持っていただかなきゃなりません。そういう明確な目標を持っておられるということと、それから事後厳しくチェックしますよということを前提にして予算執行の弾力化を行っていこうと。 具体的には二つ手法がありまして、一つは、先ほど申しましたように、繰越明許費とか国庫債務負担行為を使いまして、委員のおっしゃったような複数年度ですね。言わば縦の、今年度、来年度という形でできるだけ弾力的にお金を使えるようにしようというのが一つであります。 それからもう一つは、予算はいろいろ経費区分がございまして、こっち側のものはこっちに流用しちゃいかぬとか、いろいろ枠が、縛りがあるわけですけれども、そういう横の弾力化も併せてやっていきたいと。 こういう手法を使って、今、竹中大臣がおっしゃいましたように、今、九省庁から十の事業について、情報システム関係といったようなところから、十だけではありませんけれども、十ございます。今からきちっと査定をして良いものに仕上げていきたいと、こう思っております。
○小林温君 私も、麻生大臣が党内のe—Japan特命委員会で委員長をお務めいただいて、その委員としてこういうことについて、今の点について財務省さんと何度も議論させていただいて、踏み込んでいただいてお取組をいただいていることにまず敬意を表したいと思います。 その上で、単年度の予算編成がなじまない代表的な分野にITあるいは情報関係のシステム予算というものがあるんだろうというふうに思います。 モデル事業の中でも、例えば国税の電子申告、納税のネットワークなど、そういったものに予算要求が上がっているわけでございますが、今、谷垣大臣にお話をいただきました国庫債務負担行為、繰越明許を使うと、今までよりは確かに後ろに後送りする形で柔軟な予算配分ができるんですが、これをやはりシステムの場合は初年度に多額の経費が掛かるということを是非御認識いただいて、初年度の頭にたくさんの経費を投入していただいて、以後、保守、運用にはある程度抑えた形で進むというところが結果的に、開発から保守、運用、廃棄まで、ライフサイクルを考えたときにコストダウンを図る道だというふうに思います。 この予算の前倒しについて財務省としてどういう御見解をお持ちか。それから、麻生大臣には、e—Japanの特命委員長としてかかわられた御経験からも、その点についての御意見をいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先日の経済財政諮問会議で、今お名前の出ました特命大臣の御経験から、麻生大臣が随分この点を問題提起をしていただきまして、我々も大分議論をいたしました。 それで、今、委員の提起していただいたように、新しい情報システムの開発等は初年度に金が掛かると。それで、そこのところを何というかばらばらにやっていきますと、結局コストも掛かってしまうということもあるんだろうと思います。ですから、御指摘のような方法で、ライフサイクルコストを十分に勘案した効果的な手法というものを考えていかなきゃならぬと思っております。 その点は十分我々も工夫したいと思っておりますが、同時に、これは、予算要求をしていただく各官庁がそういう今のいろいろな情報システムの開発をよく研究していただいて、それに見合った予算要求をしていただくということも必要だろうと思います。ですから、要求官庁、それから我々、査定官庁、両方が協力して、少しでも委員の問題意識を生かしていきたいと、こう思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) そちらもお出しいただきましたので、皆さんよりはもうちょっと金の掛かったやつで、基本的には同じことを書いているんですが、分かりやすいようにと思って、こういう形になります。(資料を示す) 基本的には書いてあることは同じなんですが、初年度に一番掛かりますと、後の分のメンテナンスはごとっと下がりますので、基本的にトータル、トータルコストとしてはかなり、一〇〇掛かるところが八〇で済みますという話を書きましたので、テレビで御利用なさるんだったら以後お使いください。はい、差し上げます。プレゼントとして差し上げます。(資料を手渡す) 基本的には同じことを二年数か月、一緒のところで勉強しましたので同じ発想にどうしてもなるんだと思いますが、今おっしゃるとおりになっておりまして、今、行政手続オンライン化法という法律が御存じのように過日の通常国会で通って、二〇〇五年までに日本という国は世界で最も電子化された政府を目指すということに、もうこれは目標としてきちんと政府で決めております。 それに対応して、今言ったようなことを現実的にやっていこうとする場合に、やっぱり初年度、いわゆるシステムがレガシーというのは旧式になっておりまして、その旧式なシステムをきちんとしたものにやらないと、少なくとも光ファイバーで全部結んだは、いろんな手続は端末使えば全部、何も区役所へ行かなくても、役所へ行かなくても全部、端末は全部取れるはというシステムはきちんとでき上がるんですが、現実、それに対応するだけの大きな対応をするシステムがいわゆる一番初年度金が掛かることになりますので、それを今の旧式のやつに合わせるとどのみち後でまた合わせにゃいかぬということになって、後でもっとお金が掛かるんで、結果としてイニシアルコストだけに非常に大きなものに目立つんですが、今の単年度決算方式になじみませんので、複数年度ということを申し上げて、今、谷垣大臣からの御答弁がありましたように、初年度というところが一番問題だと思いますので、何となく後送りな話じゃなくて、初年度というところにきちんと対応ができるような制度を是非ということで、私どもも、これは各役所、いろいろコンピューター関係、今十と言われましたけれども、いろいろ皆それぞれ抱えて、今各役所ごとに対応しておられると思いますが、私どもも基本的には、今、小林委員の言われた趣旨に沿って対応してまいりたいと思っております。
○小林温君 時間もなくなりますので、意見だけ最後に。 強力なリーダーシップがやはり二〇〇五年に世界一の電子国家になるためには必要だろうと思います。そのためには、各役所、そして政府のCIO、能力があって権限がある方を任命をしていただきたい。 それから、谷垣大臣からお話しありました、要求官庁そして査定官庁、両方とも、民間のプラクティスをしっかり学んでいただいて、それを現場で生かしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(片山虎之助君) 以上で林芳正君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、弘友和夫君の質疑を行います。弘友和夫君。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。 私は、選挙のあるなしにかかわらずこういう声でございますので、御容赦をいただきたいというふうに思います。 まず、今回の選挙で大変御苦労さまでございました。どこが勝ってどこが負けたのかという議論がございますけれども、民主党の小沢さん、また鳩山さんは選挙直後から、負けは負けだと、こういうふうに言われた。昨日、菅代表は、やはり負けは負けだと、こう言われたわけでございますけれども、それにしては元気が良かったなというふうに思ったんですが、先ほど江田先生が政権ににじり寄ったという認識を示されたんですが、私は、政権交代の選挙でございますので、やっぱりここにおられる福島さんのところだとか一緒になって勝たなければ、にじり寄ったとは言えないんじゃないかなと、こういうふうに思っております。 それで、いずれにいたしましても、与党、自民、公明、保守新党で二百七十八議席という絶対多数を国民の皆様に負託をいただいて、新しい小泉内閣、第二次内閣発足したわけでございますので、是非、参議院では初めての審議でございますから、総理の高い志に立った改革の、その所信表明と言いませんけれども、御所見を賜りたいというふうに思っております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政権を担当した政党として初めての衆議院の選挙を迎えた、国民の審判を受けたわけであります。私が就任以来二年半を経過したこの二年半の実績をどのように国民が受け止めてくれたか、そして、この二年半の後どのような改革を続けて、あと衆議院としては任期四年間、衆議院議員としては任期を与えられる選挙でありまして、その際に、自民党を中心とした政権がいいのか、民主党を中心とした政権がいいのかと、言わば政権選択を問う選挙だと言われてこの選挙を戦ったわけであります。 結果的に、自由民主党は単独で過半数以上の議席を獲得することができました。また、公明党と保守新党、協力して絶対安定多数の議席も確保することができました。 国民は、今まで続けてきた連立政権の下で、改革を進めるということに対して賛成、支持を与えてくれたと思っております。これから改革、山積しております。就任以来進めてきました金融改革、規制改革、そして税制改革、歳出改革、あわせて行財政改革全般の改革、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、この路線を堅持して、ようやく改革の種をまいてきた。その種に芽も出てきて、小泉辞めなければ景気はますます悪くなるという状況だと言われておりましたけれども、だんだん景気の方にも経済の面においても明るい兆しも見えてまいりました。この明るい兆しをより強いものにしていく。そして、ようやく国民におきましても改革の必要性が理解されてきた。苦しいながらも新しい時代の変化に対応するために改革を進めるべしという、そういう支持を私はいただいたと思っております。 非常に厳しい狭い路線であると思います。改革路線、あちら立てればこちら立たずというなかなか難しい路線ではございますが、この改革路線を堅持して、所期の目標を達成できるように、これから国民の御理解と御協力を得ながら全力を尽くしていくのが今回の選挙の審判で得た私どもの責任だと思っております。 今まで自民党、公明党、保守新党、三党の連立体制でやってまいりましたけれども、保守新党は自民党と合流いたしました。これから、自民党と公明党の連立体制の下で、今まで進めてきた改革を実施に移すべく、実現に向けてお互い協力しながら全力を尽くしていきたいと思いますので、よろしく御協力のほどお願いしたいと思います。
○弘友和夫君 私ども公明党も、支えるべきところはきっちりと支えて、しかしながら国民の目線に立った意見はしっかり言うべきときは言うと、こういうスタンスでやってまいりたいというふうに思います。 あの選挙につきましては、いろいろ小選挙区、いろいろな弊害が出てきたり、昨日も論議やっておりましたけれども、ありますよ。これはまた別の機会に譲るとして、ただ一点、今回、不在者投票をしたけれども選管がロッカーに忘れていて、これは投票したことになっていないというのが私の地元の福岡でも、麻生大臣の地元でもございますけれども、全国で起こったと。これは一体どういうことなのかなと。まあ忘れていても後で持っていって開票のとき出しゃいいじゃないかと、こう言ったら、投票したことにすらなっていないという、ここら辺についてちょっと麻生大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の第四十三回衆議院の選挙において、福岡市、野田市等々、あの千葉県の野田市ですけれども、ここにおいて不在者投票の投票した箱、いわゆる票が開票所に送致、送る漏れがあったという事件でありまして、これは新聞に幾つかもう既に報道がされておりまして、これは誠にあってはならぬことであって、これは甚だ遺憾の極み、これはもうはっきりいたしております。 全然選挙したことになりませんので、今回調べて、それに基づきまして調べてみましたところ、不在者投票の投函漏れが四件、それから送致漏れが二件発生をいたしております。特にこの二件の発生漏れが、今申し上げておりましたように福岡市と野田市ということになっておりますので、これはいずれもかなりの票数でございまして、福岡市の場合は、小選挙区で一千四百五十二、比例で同じく、国民審査で千四百四十五の送致漏れになっております。 当然のこととして、これは処分せないかぬのは当然のことで、野田市におきましても福岡市においても、市長並びに選挙管理委員から同等の表明があっております。 そこで、基本的には、この種の話は、これほど大量なやつはそうめったにあるもんじゃないんですが、幾つか時々過去にも例がありますので、基本的には、投票箱と不在者投票を入れるあの箱とが違うところがそもそもこういった間違いが発生しやすいと思いますので、投票箱、いわゆる投票日に入れますあのアルミの投票箱自体に不在者投票を入れてもいいというように基本的にルールを変えることによってその種のことが防げる、完全とは申しませんけれども防げる確率が高くなると思いますので、方向としてはその方向で検討させます。
○弘友和夫君 いろいろありますけれども、とにかく選管は投票をしましょうと、こう一生懸命やって、それを選管自体が忘れるなんてとんでもない、今後二度とこういうことが起こらないようにしていただきたいというふうに思います。 時間の関係で次に移らせていただきますけれども、通告した順番をちょっと変えさせていただきまして、年金問題、これは大きく、昨日からありますけれども、二点。一つは、給付と負担の給付の部分について五〇%を下限とする、それから負担は二〇%を上限とすると、この二つなんですけれども、私は、五〇%、ただ少子高齢化が厳しくなったからだんだん減らしていくということじゃなくて、五〇%というのは非常に意味がある数字だと思うんですね。それに対して財界等からもいろいろ御意見がありますけれども、それについて谷垣大臣、そしてまた中川大臣、そしてそれの答えも受けまして、是非、坂口厚生労働大臣からしっかりと、この五〇%に意味があるんだということをお答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) この問題を議論するとき、我々の基本的視角といいますか、今更申し上げるのもなんですが、要するに、少子高齢化のスピードが非常に速いものですから、社会保障費の伸びも経済成長の伸びを上回ってこのままでは進んでいく、そうすると、ほっておけばますます大きな政府になっていってしまうという、一つございます。それから、二〇五〇年ですか、現役一・四人で高齢者一人を支えなければならない社会になると。こういう状況を見据えれば、給付と負担の関係にメスを入れないでほっておきますとこれは持続ができないだろう、したがって、こういう辺りもしっかり議論して、立て直すべきところは立て直して、将来にわたって持続可能な制度を作っていこうというのが財務省としての基本的立場でございます。 そこで、今、五〇%を非常に意味があるとおっしゃいましたが、私、若干、おしかりを受けるかもしれませんが、違う感じを持っておりますのは、給付水準については、まず、国民が年金のための保険料、それから税、そういったものをどこまで負担してよいかと考える、そのコンセンサスをまず求めることが先ではないかと。その負担水準、負担できる水準に合わせて給付水準を設計していくべきではないかなというのが、ちょっとそこがあるいは弘友委員のお考えとずれがあるかもしれません。そして、十一月十八日の諮問会議でも負担と給付については複数のケースの試算が示されまして、給付水準がどの程度になるかということは、こういった議論を重ねましてコンセンサスのあるところを求めていくということじゃないかと思っております。 そこで、保険料二〇%が上限ということにつきましては、私は、保険料負担についてはその上限を固定してその範囲内で給付を賄っていこうという考え方は、私は、これは大変大事な考え方だと思っております。それで、この水準については、年金給付を重視するお立場あるいは企業活動や個人の個人消費を重視する立場と、いろいろな御意見がある現状だと思いますが、財務省としては、保険料の上限について、いわゆる政府の規模を抑制していく、潜在的な国民負担率というものにやはり一定の上限があるだろうという、そういう目標の中で考えていくべきだと思っておりまして、保険料と税金を合わせた負担水準について国民がどう考えるかというそのコンセンサスを得て決めていく必要があると、これが私どもの基本的な考え方でございます。
○国務大臣(中川昭一君) 給付と負担と、それから国庫負担、このバランスによってこの制度が今後も維持されていくべきだろうというふうに考えております。その点では先生とも私は基本的な考えは同じだろうと思います。 ただ、そのときに私の経済の担当という立場からは、やはり現在負担をしている企業なりあるいは勤労者の皆様方が意欲を持ってやっていける水準、逆に言うとその負担感が余りにも多くなることによるマイナス面というものも十分配慮して、全体としてバランスを考えていかなければならないということでございまして、全体としてのバランスの中で私の立場としてはそういうものにも配慮をしながらこの問題に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
○国務大臣(坂口力君) 今、両大臣からお話しございましたとおり、この保険料の二〇%、そして上限、それから給付の五〇%下限ということにつきましては、それぞれのお立場からいろいろの御意見があることをよく承知をいたしております。 保険料は、大きい保険料で大きい年金を作るか、中ぐらいの保険料で中ぐらいの年金を作るか、小さい保険料で小さな年金を作るか、その選択しか私はないんだろうと思っております。小さな保険料で大きな年金ができるかといったら、それはできないわけでありまして、その三つの選択のどれを選ぶかということに尽きてくるというふうに思っている次第でございます。 厚生労働省は立場上、やはり自分たちの案を出して、私たちが作ったこの案はこれこれでございますということをお示しをするわけでありますが、それは年金の姿形だけでございます。しかし、私はもう少しそのそうした厚生労働省が示すような年金を充実させるような社会はどういう社会なのかということについても御議論をやはりいただかなければならないんだろうというふうに思っております。 例えば、保険料はある程度高いけれども、あるいは法人税の実効税率は下げるのか、そうした税制との絡みもございますし、どれぐらいの生産性のある社会を作り上げていくのかとか、あるいはまた少子化対策をどうしていくのかといったようなことと絡みの話になってくるわけでございますので、そうしたことも十分これは私たちも言及する必要があるし、御議論をいただく必要があるというふうに考えておりまして、あらゆる層から御理解のいただける形での年金制度はどの辺のところかということを私たちもよく議論をしなければならないというふうに考えている次第でございます。 一番、厚生労働省が言ったとおり、それが一番いいよと言っていただければ一番それは有り難いわけでございますけれども、いろいろの御意見をお伺いをしながら最終的な判断をしたい。今日、江田先生からもお話ございましたが、各党の御意見も十分聞かせていただきたい。民主党さんは民主党さんでマニフェストにお示しをいただいたわけでありますから、もう少しその中身に立ち至って、それじゃどういうことをお考えになっているのかというようなこともよくお聞かせをいただきたいというふうに思っているところでございます。
○弘友和夫君 コンセンサスを得るということも必要でしょうけれども、もうやはり現実的に今まとめなければならないわけです。今マニフェストの話がありましたけれども、私どもも五〇%下限、二〇%、民主党さんも同じ数字、総理もまあ五〇%程度というのは付いておりますけれども五〇%、二〇%、自民党さんは、総裁ですから、全部が大体同じ数字が出ているわけですよ。これでできなければおかしいじゃないかということになる。マニフェストは何なのかということになるわけですよ。 だれ、どなたに。大臣どうぞ。
○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりでございまして、大体意見のおおよそ一致するところではないかというふうに思っておりますが、しかし、いろいろ御議論をいただいて、そして決めなきゃならぬということを先ほどは申し上げたわけでございます。 我々が五〇%というこの数字を出しましたのは、大体現在の高齢者の個人消費というものがいわゆる現役世代の皆さんの約五〇%になっているというようなこと、そうしたことを背景にいたしまして、そして五〇%という、いわゆる現役の手取りの五〇%、こういうことを提案をさせていただいているところでございまして、できればその辺のところの、基礎的な問題を、基礎的な消費をそれででき得る一つの限界ではないかというふうに思っております。 しかし、そこは、五〇%というふうに私たち言っておりますけれども、いわゆる手取りによりまして、手取りの高いところは少し下げさせていただいて、少ないところは上げさせていただくという所得再配分機能がやはりそこになければならないのではないかというふうに思っております。 したがいまして、林委員にもお答えをさせていただきましたとおり、どの辺のところに、その五〇%というところを置くかということによっても全体像は変わってくるわけでございますので、我々厚生労働省として言いましたことを、お願いは、最後までお願いは申し上げますけれども、その辺のところも御議論をいただいて最終決定をしたいと、そういうふうに考えております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、坂口大臣が提案しております厚労省案、これを基に財務省なり経済産業省、あるいは自民党からも意見を聞いているところであります。民主党、野党の皆さんもそれぞれ案を持っておられます。しかしながら、大事なことは保険料を払った方が報われる、しかも持続可能な制度をどうやって作っていくかだと思っております。 だから、私は、給付水準と負担水準、それに加えて、税金投入しなきゃならないわけですから、税金をどのように、どういう税目で安定した財源を確保していくか、こういう問題をこれから詰めていかなきゃなりません。その際に、給付水準は五〇%程度ではないかと、保険料を負担するにも、これは個人にしても企業にしても負担し切れないようなものではいけないということから、上限は一〇%程度ではないかと、両方合わせれば二〇%ね、企業と個人。そういう中で、よく話合いをすべきだと。いろいろ賛成、反対出てきております。しかし、落ち着くところは、五〇%程度、上限は一〇%程度、その中で柔軟に対応すべきだと。 今後、これは来年に法案を出さなきゃなりませんし、それから制度として民主党は根本的に新たな案を出しております。これはもう三十年、四十年先のことにかかわってきますから、こういう点についてはやっぱり少子高齢化社会に合わせて相談すべきは相談してもいいのかなと。何でも与党だけでやるという態度はいかがなものかと。 これは、やっぱり政権交代というのも将来可能性はあるわけであります。その場合、この年金というのは、もう何十年先のことまでみんな期待しているわけですから、保険料を払っている人も、あるいはこれから年金を受ける方においても。そういう点について余りくるくる政権交代のたびに変わっていたんじゃ、保険料を払う方だって、もらう方だって、なかなか選挙のたびに落ち着かないということでもいかぬということで、ある程度お互い合意ができて、社会保障をしっかりさせようということについては党利党略を離れて国民のためにしっかりとした社会保障、年金、どういうものかということを私は考えてもいいのじゃないかと。そういう点を含めて今後考えていかなきゃならないし、詰めていくべきものは詰めていかなきゃならぬ、来年に法案を出さなきゃならぬと。法案を出せばより具体的な議論は深まります。その時点においては、また、お互いの考え方を受け入れていこうという、制度自体の改革をすべしという意見が国民の多数だったらば、そういう点についても耳を傾けていかなきゃならないなと私は思っております。
○弘友和夫君 私どもも百年安心年金プランというのを出しておる。百年間政権が替わろうとも安心なんてのも出させていただいておるので、是非安心、国民の皆さんが安心できる年金案をまとめていただきたいというふうに考えております。 あと、持ち時間八分でございますので大変短うございますので、次に移らせていただきたい。 これは予算委員会にふさわしい是非私は論議だと思うんですけれども、三位一体の改革、それから一兆円の補助金削減だとか、地方交付税の問題にも絡みますけれども、私どもは、無駄を一掃、こういう公共事業の見直しをすべきだというふうに言っております。そういう中で、公共事業の中で一一、二%を占める下水道行政というのを変えるべきだと、これは私の持論なんですけれども。 まず、今、汚水処理行政を行っている三つの省庁から、それぞれの所管施設の整備状況、また建設投資総額を伺いたい。
○国務大臣(石原伸晃君) 下水道の整備状況でございますけれども、普及率を十四年度末で見まして、人口比で八千二百五十七万人、総人口一億二千六百六十九万人に対するパーセンテージは六五・二%となっております。 総投資額でございますけれども、昭和三十年代から平成十四年度末でおよそ七十二兆円となっております。
○国務大臣(亀井善之君) 農業集落排水事業による汚水処理施設の普及人口は、平成十四年度末で約二百九十七万人でありまして、総人口約一億二千七百万人に対する割合は二・三%でございます。 また、昭和五十八年度の事業創設以来平成十五年度当初予算までで、累計事業費は約三兆九千八百億円であります。
○副大臣(加藤修一君) 弘友議員にお答えいたします。 合併処理浄化槽は、その整備状況でございますけれども、平成十四年度末におきまして、全国で約百六十万基、百六十万施設がありまして、その処理人口は九百九十三万人、約一千万人になっているわけでございます。この処理人口の総人口に対する割合は七・八%、こういう整備状況でございます。 また、整備に要する費用でございますけれども、設置者が負担する部分は別といたしまして、国庫補助事業として行われている事業の補助対象額は今までの累計で約五千四百億円と、このようになっているところでございます。 以上です。
○弘友和夫君 どなたか代表で結構ですが、あと残りの、残っている数、何千万人分残っているのか、何世帯残っているのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま三省庁のお話をさせていただきましたので、トータルで汚水処理施設が未整備の世帯がおよそ千二十万世帯、三千七十万人ということでございます。
○弘友和夫君 残りの三千七十万人分、千二十万世帯は今までの延長線上でやったら大変だという、私、認識なんです。 それで、浄化槽の特徴というか、それについてお答えをいただきたい。
○副大臣(加藤修一君) 弘友委員にお答えいたします。 浄化槽の特徴でありますが、管渠が不要なことから、人口密度の小さい地域では経済的な整備が可能であり、例えば処理対象人口が一万人未満の公共下水道の汚水処理原価、汚水一立方メートル当たりの処理に要する費用でありますけれども、これは五百十二円になるのに対しまして浄化槽は百八十六円と、こういう状況でございますから、約三分の一というふうになります。 このほか、設置工事期間が非常に短いと。したがいまして、整備効果の発現が極めて早いということも特徴の一つでございますし、あるいはその汚水の排水源で処理を行うことができると、家庭から出た汚水をその場で処理することができると、そういったことから、効果が早く出てくる。あるいは、そういった意味では、身近な川の水量維持、これが図られますから、健全ないわゆる水循環の保全に効果がある、そういった特徴があるというふうに考えられます。また、処理後の水質についてでありますけれども、維持管理が適正に行われていくならば、下水道等と同程度の水質が確保されると。 このため、環境省といたしましては、個人が設置する浄化槽の維持管理の徹底を図るとともに、市町村が整備し維持管理を行う事業を一層推進していくことが非常に大事であると、このように考えてございます。 このように、いわゆる我が国独自の技術であります浄化槽は、経済性、それから効率性に極めて優れた汚水処理施設でありますから、海外における公衆衛生あるいは生活環境の改善、これにも大きく貢献できるシステムであると、このようにとらえることができますし、そういった観点から技術移転の可能性についても研究しているところでございます。 三月に第三回世界水フォーラムがございましたが、そこにおきましても、この日本独自の技術、これに対して非常に大きな関心があったことも言われておりますので、是非こういった面についても我が省としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○弘友和夫君 よく浄化槽につきましては後の維持管理が高いと言われるんですけれども、麻生大臣、本来だったら汚水処理経費というのは使用料で賄うべきだと思いますけれども、これについてはどういうふうに現状なっているか。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃりたいことはよう分かるんですが、基本的にはこれは、下水道はいわゆる石原大臣のところ、そして農業の集落排水は農林省、そして今の合併浄化槽は環境省ということで、三省分かれて、これそれぞれ監督官庁が違うというところがなかなか話が難しいというのがそもそもの話なんですが、基本的には、やります状況が密集地多ければやっぱりこれは下水道の方が向いておる、ばらばらに離れてくれば合併浄化槽ということになって、いろんな意味で、状況によってその下水の施設の内容が違ってくるというのは常識的なところだと思っております。 そういった意味で、私どもとしては、平成十五年の十月に、今年の十月、閣議でもきちんとそういった形で、どれが最もええのかという点については見直さないかぬということになっておるんですが、いろんな意味でこれは、いろんな形でこれは補助をしておるところがありますので、やっぱり最初に掛かるイニシアルコストが高い分だけある程度補助をしておりますので、その問題が御指摘のところだと思いますが、ある程度イニシアルコストが高くなります分だけ下水道費が一挙に家計に及ぼす影響が大きいところも非常に出てこようと思いますので、いろんな形で安くやるということを条件に、どのシステムが一番ええのかという、どの役所のが一番いいかじゃなくて、どのシステムがその地域に最も適しているかという観点から物を見極めないといかぬものだと、基本的にそう思っております。
○弘友和夫君 汚水処理費はどうなっているかということをお聞きしているんですけれども、ちょっとそれについて。
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません。 平成十三年度決算の汚水処理費の、処理費は総額で二兆三百四十九億円のうち、三百四十九億円ということになっております。汚水処理総経費です。
○弘友和夫君 二兆のうちの使用料として回収されたのは幾らかということなんです。もう私が言いますけれども、要するに一兆二千億しか回収されていない。あとの八千億は毎年毎年市町村が負担しないといけない。これ、片山委員長よく御存じで、総務大臣のときに答弁されていた。 これは、本来だったら、財政法からいったら出したらいけないことになっている、八千億というのは。それが毎年毎年増えていくんですから、これは大変なことじゃないかなというふうに思いますけれども。そういうことで、いいものが安く早くできる。いろんな、いいもの、同じ内容なんですから。 小池大臣、是非、今から、今からやるところは、これは是非浄化槽でやっていただきたいと思うんです。その決意をひとつ。
○国務大臣(小池百合子君) 大臣の出番を作っていただきまして誠にありがとうございます。 それぞれ、下水道は面としての、またネットワークとしての利点がございますし、また浄化槽の方は点として機動性があったりするわけで、いいところをうまく組み合わせて、結局バリュー・フォー・マネーの感覚で、社会全体にとってどのような形で水の処理が一番スムーズにいくのか、それを考えていきたいと思っております。 よって、浄化槽の設備の整備の方はしっかり進めさせていただきたいと思います。
○弘友和夫君 有明新法を作りましたけれども、その各県の計画で出てきた下水道なんか、平成四十何年できますよみたいな話。有明海を良くしないといけないという計画の中で、そんな案では全く駄目だというふうに思います。これはまた後でやります。 もう一つ。小児慢性特定疾患治療研究事業というのが、厚生省やっております。どういう事業なのか、お答えして。
○政府参考人(伍藤忠春君) お答え申し上げます。──ありがとうございます。御説明させていただきます。 お尋ねの小児慢性特定疾患治療研究事業でございますが、これは小児の慢性疾患のうち、入院期間が非常に長いといった、これを放置いたしますと大変児童の健全育成に支障を来すと、こういった疾患につきまして、医療費の公費負担を行うとともに、必要な研究を進めていこうというものでございます。 現在、小児がんなど十の疾患群で約五百の疾病が対象になっておりまして、対象の患者は約十万人でございます。
○弘友和夫君 色素性乾皮症というのはそこの中に入っていると思いますが、どういうものなんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) お尋ねの色素性乾皮症でございますが、これは、この十の疾患群のうちの一つであります先天性代謝異常、この疾患群に含まれる疾病でございまして、紫外線によりまして皮膚が過敏に反応すると、あるいは皮膚に腫瘍が発生すると、こういったものでございます。人によりましては神経系の症状も発症するといったような特異な疾病でございます。
○弘友和夫君 先日、大分に参りまして、地元の議員さんと、この色素性乾皮症にかかっている十歳のT君というところに、お会いしていろいろお話聞きました。もう家は、紫外線があれだと駄目なものですから幕をして、ガラスも全部フィルムしている、そして蛍光灯も紫外線出ない。クリームを塗らないと、外に行くときは必ずクリーム塗らないといけない、そして眼鏡を掛けたり防護服を着たり。 そのクリームが保険適用にならないというんですよ。これはどういうことなんですかね。
○政府参考人(辻哲夫君) お尋ねでございますが、健康保険法についての適用の問題でございます。 健康保険法は、疾病の治療を目的としている制度でございますことから、医薬品として薬事法の承認を受けたものを適用するという前提を取っております。 御指摘の紫外線カットクリームは、医薬品として薬事法にまだ承認を受けておりませんことから保険適用されていないものでございます。
○弘友和夫君 何で、がんになる、塗らないとがんになる、これ何で医薬品じゃないんですか。
○政府参考人(辻哲夫君) 基本的に、薬事法の医薬品の承認といいますのは、申請者から提出される臨床試験に関する資料等を基に有効性、安全性等を審査して、当該医薬品が有効であり安全性に問題がないことを確認した上で与えるということでございますが、紫外線カットクリームにつきましては、色素性乾皮症ということについての医薬品ということでの申請が行われていないということでございます。
○弘友和夫君 私は、予防じゃないんです、これは、塗っておかないとなるんですから。だからその、何か注射をしたりなんかするのと薬出すのと一緒だと思うんですよ。これは当然入れるべきだ。 また、今、与党合意の中で、小児慢性特定疾患、これについて五百億の中から、この一事業あります。生活支援、そしてまた法制化。 それから、私どもは、庶民にとって当たり前の、国民にとって当たり前のことを政治のど真ん中に持っていこうと、こういうことで言っておるんですけれども、その以前の話なんです、これは。 だから、是非、最後に大臣、これを、小児慢性特定疾患というのを与党としてはきちっとこれは十万人の方に生活支援をやるという今合意をしているわけですから、それを、是非これを含めていただいて、法制化も含めていただいて、やるということで御答弁いただきたいなというふうに思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話がございましたこの小児慢性特定疾患、この対策でございまして、来年の通常国会に児童福祉法の改正の中でこれを取り組みたいというふうに思っているところでございます。 この事業を、これ今、法律に今までなっておりません。これを法律にしたいというふうに思っておりますが、法定化する中で生活用具の支給などの福祉サービスの実施につきましても検討してまいりたいというふうに考えております。 したがいまして、この疾病につきましても、いろいろ議論のあるところでございますから、よく議論をさせていただきたいと思います。
○弘友和夫君 どうもありがとうございました。
○委員長(片山虎之助君) 以上で弘友和夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 厚労省の年金改革案が発表されました。保険料がこれでどれだけ増えていくのか、それから年金の給付がどれだけ減っていくのか、国民は大変な不安を今抱いております。 最初に、厚生労働大臣に、この厚生労働省案で負担と給付がどうなるのか、その点に絞って分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 負担と給付のお話は、厚生労働省がお出ししました案は先ほどから申し上げておりますように二〇二二年を目指しまして段階的に引き上げていく、そして上限を二〇%、すなわち企業と個人負担とを合わせて二〇%、だから個人一〇%、企業一〇%という上限にしたい、それ以下に抑えたい、こういうふうに思っているわけでございまして、それに対します今度は給付の方でございますが、給付の方につきましては、経済の動向、少子化の動向等によって変化はございますけれども、それを最低でも五〇%を下回らない、五〇%以上にしたい、下限を五〇%にしたいというふうに決めたものでございます。 〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
○小池晃君 結局、今のお話だと保険料を毎年こう上げていって二〇二二年度には今の一・五倍になっていくわけですね。それから、給付の方はこれは経済状態が悪くなったり平均寿命が延びたりあるいは現役労働者の数が減っていったりすると、これは国会の審議なく自動的に減っていく仕組みになっていくと。 最低五割保障するとおっしゃるけれども、今基本的にモデル世帯では六割保障しているわけですから、これは二割減るということになる。そうなれば二か月半の年金が消えるということになってしまうわけであります。しかも、五割保障するんだという話が先ほどから出ていますが、これはあくまで厚生労働省が設定したモデルケースの場合だけなんですね。平均じゃないんです。そのモデルケースというのは何かというと、夫が四十年間フルタイムで働き、サラリーマンで、妻が四十年間専業主婦。これが今ではこんな人少数派なんですよ。そもそも、四十年加入という人自体が厚労省の発表している資料でも二三%しか今ないわけです。 今増えているのは、正に共働き、あるいは出産時に一時離職をするというケース、あるいは単身者。こういうケースはどうなるんですか。こういうケースも五割保障するんですか。この辺について御説明願います。
○国務大臣(坂口力君) 今お話のございましたとおり、これは基準ケースによるものでございまして、夫だけが平均賃金で働く標準的な年金の世帯におきましては、現在は五九・四%でございますが、これを給付水準調整後には五四・七%になりますと、こういうことでございます。 〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕 それから、他の世帯類型につきましてもこれと同程度に所得代替率を調整をいたしておりまして、例えば四十年間共働きの世帯におきましては、現在四六・七%でございますが、調整後には四三・〇%になります。それから、男子単身の場合には、現在四二・七%でありますものが調整後には三九・三%になります。女子単身の場合には、現在五三・三%でありますものが調整後には四九・一%になります。 こういうことでございまして、これはパーセントだけではなくて、いわゆる額とパーセントは別でございまして、女性の場合にパーセントが高くなりますのは女子の平均賃金が低いからでございます。男子の、男子単身の場合に低くなりますのは、男子の場合のこれは所得が高いからでございまして、そういう差が出てくるということでございまして、これはパーセントでございますから、今、先ほど申しましたように、実質の賃金額とは別の話でございます。
○小池晃君 しかも、今のも経済状況が良くなったケース、少子化が一定でとどまったケース。もっと悪くなるケースもあると。 いずれもこれ、五割保障、五割保障って先ほどから話が出ているけれども、五割保障じゃないわけですよ。五割保障するのは本当に限られたケースだけだと。しかも、女性の単身者の厚生年金というのは、これは四十年間フルタイムで働き続けても十三万円にしかならない。実際には女性受給者の平均は十万六千二百円なんだと。 さらに、国民年金もっと深刻ですよ。これは国民年金でいうと、受給者全体の平均で月額五万一千七百円であります。さらに、自営業者はもっと大変だと。自営業者は平均月額四万五千四百円にすぎない。 厚労省の提案、確認なんですが、こうした極めて低額の年金まで含めて、どれも同じように一律に給付は削減していくという提案ですね。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申し上げました数字は、一律に一五%引いた数字でございます。
○小池晃君 そういうことなんですよ、今回の提案は。 総理に私、お聞きしたいんですが、この高齢者世帯の六割が公的年金や恩給以外の収入がないわけです。しかも、九月に日銀が発表した調査では、貯金がない世帯というのがついに二割超えたわけですね。年金だけでは日常生活費程度も賄うのが難しい、こういう世帯が五割超えているんです。こうした中で、正に四万あるいは三万円、こういう年金の方、一杯いらっしゃる。こうした年金を一割も二割も削られたら生きていけない、私、本当に切実な声だと思うんです。 総理はこういう声にどうこたえられるのか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 年金についてはいろいろ議論があるところでありますが、要するに、これから三十年、四十年先、今のままでは破綻してしまうと。高齢者はどんどん増えてまいります。そして出生率も、戦後の一時期に比べると半分以下になってきた。今のまま維持しろとなると、これはもう年金もたないというのは御承知だと思います。今の給付水準を維持しろと、今の負担水準を維持しろとなると、税金をかなり投入しないと今の年金制度はもちません。そういうことから改革が必要だということで、今給付と負担というのはどうあるべきか、給付と負担だけでは年金もたないから、税金をあとどれだけ投入しようかということの今議論をしているわけであります。 確かに、今、小池議員指摘されたように、年金というのは、給付はできるだけ維持したいと、保険料負担はできるだけ軽くしてくれという御意見が大きいわけでありますので、そういう調整をこれからどうやっていこうかということが私は極めて重要な問題であって、今後そういう点につきましても、給付と負担と、そしてこの税金投入をどの程度しようかということについて、この国会の場でもよく議論をしていかなきゃならない問題だと思います。
○小池晃君 給付の、負担のことだというふうにいつもおっしゃるんですが、しかし年金制度の枠内だけで保険料と給付ということをやっていけば、結局、先ほど坂口大臣おっしゃったように、小さい保険料だったら小さい年金、大きい保険料だったら大きい年金、こういう議論にしかならないんですよ。そこで、やはりできるだけ小さい保険料でできるだけ大きい年金制度にするにはどうしたらいいのかと。そのためにそこに税金をどうやって投入していくのか。 それから、先ほど総理おっしゃいましたよ、税金の投入を考える必要があるんだと、あるいは積立金をどう使っていくのかと。そういったことについて、知恵、全く今知恵が出ていないじゃないですか。そして、年金制度の枠内だけでできるだけ保険料を小さくしようという人は年金給付も削れという、保険料多くていい、年金も給付も多くていい、こういう議論になっているわけです。 こうではなくて、やっぱり今本当に必要なのは、私ども提案していますが、当面の改革としてやはり歳出の見直しで来年度から法律どおり基礎年金への国庫負担二分の一に引き上げる。それから、将来的には基礎年金部分を発展させて、私どもは加入者全員に一定額の年金が支給される最低保障年金制度が必要だと思っています。これを作っていく。その上にそれぞれが現役時代に納めた掛金が上乗せされていくという給付、こういう制度を作っていく。そして年金制度の支え手を増やしていくんだと、この政策に本腰を入れて取り組んでいくんだと、この方向に抜本的に転換することが必要だというふうに思っております。 その点で、今日は積立金の問題議論したいんですが、厚生年金の代行部分も含む積立金、それから国民年金の積立金、二〇〇一年現在で幾らでしょう。
○政府参考人(吉武民樹君) 御説明申し上げます。 厚生年金の、厚生年金基金の代行部分、これ実際には厚生年金基金が保有をいたしておりますが、ここは政府が支給する部分を言わば代行いたしておりますので財政計算上はここも入れてございます。それを考慮いたしますと、厚生年金で百七十五・四兆円、それから国民年金につきましては十一・七兆円、これ時価ベースでございます。
○小池晃君 公的年金というのはこれだけじゃないわけです。二〇〇一年度末で国家公務員共済年金の積立金は八兆六千五百億円あります。それから地方公務員共済年金が三十六兆九千三百億円あります。それから私立学校教職員共済が三兆八百億円あります。ですから、こうした公的年金全体の積立金を合計すると、これ実に二百三十六兆円という巨額なものになるわけですね。 我々日本共産党は、これ八〇年代からこの巨額の年金積立金を計画的に取り崩すべきだ、給付に充てるべきだと。厚労省案で今回初めて積立金を使うということを触れていますが、これどのように使うというふうに提案されているのか、これも簡潔に御説明願います。
○国務大臣(坂口力君) 共産党さんから引き下げるという話は全然今まで聞いたことなかったですね。まあ今初めてお聞きするわけでございますが。 我々は、百四十数兆円ございますこの年金、これからまだ一時的には増えてまいりますけれども、しかし二〇四〇年ぐらいを超えてまいりますと、ここはだんだんと減らしていかざるを得ない。すなわち、これから百年後に一年間ぐらいの積立金を残すぐらいな程度にこれを使わせていただきたいということを申し上げているわけでありまして、これからの少子高齢社会の中にありまして、次の世代を担っていただく皆さん方の年金として、これはどうしても大事だというふうに思っております。とりわけ、これから団塊の世代が年金に入ってくる、そしてそのお子さん方の年金に大体二〇三〇年ぐらいから入ってくるわけでございますので、そうしたところに対する手当てをしていかなければならないというふうに思っております。
○小池晃君 厚労省案は積立金を使用するということを初めて言ったわけです。日本共産党は八〇年代からずっとこの問題は主張していますし、国会でも何度も質問しています。余りにも厚生労働大臣として不見識だ、不勉強だということを申し上げておきたいと思います。 今の話では、積立金を使うというけれども、結局九十五年先ですよね。約百年先に現在六年分積立てがあるのを一年分まで取り崩すという気の遠くなるような計画なわけです。しかも、今御説明あったように、厚労省の試算でも積立金、これからも増えていくわけですよ、今の厚労省の試算でも。二〇五〇年に三百六十二兆円に、厚生年金だけでそうなるという計画ですよ。そこから減り始めるという計画なんです。これから五十年間は今までどおり積立金は増やしていくという計画ですから、とてもこれ積立金を活用するなんて言えた代物じゃないと私は思います。 重大なのは、積立金が有効に活用されているんだったらともかく、これが株式投資に回されている。累積損失で六兆七百十七億円、巨額の損失を作っているわけですよね。こんなことをいつまでも続けていいのか。これ、株式運用なんというのは直ちにやめて、これを計画的に給付に充てるべきじゃないですか。厚生労働大臣にまずお聞きします。
○国務大臣(坂口力君) この積立金はどういうふうに運用していったらいいのか、いろいろの御議論をいただいているところでございます。 結論から言いますと、一つのところに集約せずに、様々な分野でこれを活用をして、活用といいますか、分野でこれを運用をするということが、一番マイナスを少なくするというのが現在の結論でございます。 全部国債を買えという人もありますけれども、しかしそれが安定か、安心かといえば、それはそれでまた安定でなくなってしまうわけでありまして、株式、国債等々、様々な分野でこれを運用をしていただいて、一部のところが下がったときには一部のところが上がると、こうしたことでこれはやっていく以外にないわけでございます。 確かに昨年三兆円ほどマイナスになりましたけれども、今年になりましてから、四月以降、もう二兆七千億、そのぐらい挽回してきておるわけでありまして、今年一杯掛かれば去年の分は挽回できるというふうに思っておりますし、これは株ですから、その時々、短期間で見れば上がったり下がったりいたしますけれども、もう少し長い目で見ていってどうかということだと思います。
○小池晃君 今までもそう説明してきたんですよ、リスク分散だと。株式に全部使うわけじゃない、二五%を国内株式に回してきた。 で、その結果どうだったのかと。長い目で見て、これは年金資金運用基金の前身である年金福祉事業団の時代からこれは自主運用をやってきたわけですよ、二十年近く。財投で運用するよりも利益が上がるんだというふうに大見え切って自主運用をして、結果、二十年近く運用したけれども国債金利すら稼げてないわけでしょう。それなのに、長期運用すれば大丈夫なんというのはだれが信用するんですか。もう実際結論出ているじゃないですか。六兆円の損失も作っているんですよ。 こういう事態であるにもかかわらず、長期にやればもうかるなんというのは、本当に私は国民をばかにした議論だと。しかも、これは上がり下がりがありますって、無責任過ぎますよ。そんなリスクに国民の大切な年金の資金を充てていいのかと、そんなリスクにさらしていいのかということが問われているんじゃないですか。 しかもですね、これ、市場運用をしているのは現時点では積立金の一部です。約三十兆円であります。この運用で六兆円損失出しているわけです。累積損失六兆円です。それなのに、これ、二〇〇八年までには積立金全額を自主運用するという、こういうことになっているわけですね。三十兆円の運用で六兆円の損失出しているんですよ。これを、代行部分除けば約百五十兆円近い資金になります。これを全部市場運用したら一体どれだけ損失出す。 総理、私お聞きしたいんですが、この年金積立金というのは極めて大事な国民の財産だと私は思うんです。こういう財産を株式投資のリスクにさらしていいのか。アメリカはやってないんです、これ。株式投資にさらすのはリスクが大きいと、グリーンスパンさんが猛反対したんです。日本でもこういう問題がこれから拡大していくのか、それともきっぱり改めるのか、問われているんじゃないですか。お答え願います。総理にお答え願います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題もかなり前から議論されておりまして、確かに国債しか運用するなという意見もあります。そこで、専門家の皆さんに議論してもらっているんですね。ところが、やはり国債だけでは運用益が出ないと。やはり全部ということでないんだから、どの程度、運用益が出るように専門家のいろいろな意見を聞いて努力をしていかなきゃならないという意見の方が現在のところ強いんですね。 問題は、もちろん株に全部投資なんてとんでもありません。どの程度株式に運用した方がいいか、この問題だと思っているんです。多額の資金を運用をせずに年金の給付を上げたり保険料負担を下げたりできないと。この多額の資金を、運用によっては利益が上がるからこういう運用を考えようということで出てきた一つの知恵であります。それを全部しないで、もうある程度運用益出る出ないは考えないで、一番安全なところだけやろうということになりますと運用益はそんなに出ない。この点をどう考えるかなんです。 だから、私は、これは自分で、私自身の判断だけでは手に負えない問題です。だからこそ、いろんな専門家の意見、専門家でも株で損したり得したりするんですから、これ実に難しい問題なんです。こういうことでありますから、どの程度、どの程度、多少リスクがあっても運用益を考えるような投資を認めるべきかどうかという問題だと思っています。 私は、そういう点に考えて、全部安全なもの以外実際運用しなきゃならないという意見と、ある程度、一部はそういう運用益の出る可能性がある、同時にリスクもあるという点にどの程度配分していくかという問題でありますので、この点は今後ともよく検討していかなきゃならない問題だと思っております。
○小池晃君 専門家が議論したとおっしゃいましたので、そこを議論したいと思います。 この積立金の運用で利益を得ているのは金融機関なんですね。積立金の運用で赤字になっても黒字になっても運用を委託されている金融機関というのは手数料で多額の収益を得るわけです。昨年度の年金資金の運用手数料は幾らですか。
○政府参考人(吉武民樹君) 平成十四年度に年金資金運用基金が民間金融機関、運用受託機関に対して支払いました手数料は百七十六億円でございまして、平成十三年度の二百九十三億円から百十七億円の削減を行っております。
○小池晃君 パネルに示しましたが、外資系も含む金融機関が運用収入、運用手数料で百七十六億円も収益を上げているわけですよ。(図表掲示) これ、しかも、全部年金の掛金から出ているわけです。これを全額自主運用ということになれば、この手数料だって私は一千億円近くに膨らむ可能性はあると、本当においしい話なわけですね。 しかも、専門家が検討しているというふうに先ほどおっしゃいました。これ見てください。(図表掲示) 年金資金運用基金、これ特殊法人ですが、預かっている役員というのは四名なんです。理事長は厚生労働次官天下りです。理事は厚労省からの天下りと、みずほフィナンシャルグループの理事と、それから監事は厚労省の天下りなんです。(発言する者多し)
○委員長(片山虎之助君) 御静粛に。
○小池晃君 それから、運用方法を研究している年金総合研究センターというのは、理事長も事務次官の天下り、専務理事も厚労省からの天下り。それで研究会って、みんな、これ、研究している人たちというのは金融機関の人たちじゃないですか。これ見てくださいよ。こういう人たちに検討させれば、それは株式投資をやってくださいという話になるじゃないですか。どうですか。
○委員長(片山虎之助君) 時間ですよ、あなた。
○国務大臣(坂口力君) 総理がおっしゃったのはそのメンバーじゃありません。もっと専門的なメンバーでいろいろ議論をしてもらっているということを言われたわけであります。 それでまた、先ほど赤字だというふうに言われましたけれども、これは財投等その他全体を含めれば黒字になっておるわけですから、それはいわゆる株式だけの話をされたということを付け加えておきたいと思います。
○委員長(片山虎之助君) もう時間だ。 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。
○小池晃君 市場運用で、市場運用では赤字になっているんですよ。
○委員長(片山虎之助君) あなた、このまま駄目だよ。はい、おしまい。
○小池晃君 そんなね、そんな言い逃れは許されないということを申し上げて、私の質問は終わります。(拍手)
○委員長(片山虎之助君) ちゃんと守れ、委員長の言うことを。
○小池晃君 ちょっと委員長、横暴じゃないですか。
○委員長(片山虎之助君) 何が横暴だよ。この前、オーバーしたじゃないか。(発言する者多し)何言っているんだ。(発言する者多し)なに、早く退席しろ。(発言する者多し)いつも時間をオーバーしているんだ、あの人は。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 私は、十一月十五日、社民党の新党首になりました。今日が初めての質問です。 平和や人権、環境の受皿、あるいは強い者勝ちの社会で人を振り落としていく社会ではなく、ともに生きられる社会を作るべく頑張っていきたいというふうに考えています。行動する社民党、新生社民党をみんなと作っていきたいと、そのことをまず申し上げたいと思います。 それと、やはり、人が生まれて、子供を産み、育て、働き、歳を取っていくと。教育、雇用、年金、人が本当に生きていく上でこういうことをきちっとやっていくことが政治の責任であるというふうに考えております。 そこで、今日、年金についてお聞きをいたします。(図表掲示) まず、この厚生労働省案ですが、これについて、厚生労働大臣、説明をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) ちょっと、あの、それは先ほど申し上げました、いわゆる共働きとか、そういうことでございますか。
○福島瑞穂君 はい。
○国務大臣(坂口力君) それは先ほど申し上げたとおりでございまして、四十年間共働きの場合には四六・七%が四三%になります。男子単身の場合には四二・七%が三九・三%になります。女子単身の場合には五三・三%が四九・一%になります。そういうことに私たちは案を作ったということでございまして、それでよろしゅうございますか。
○福島瑞穂君 はい。 代替率が五〇%を超えなければ社会保障でないと厚生労働大臣はかつて言っていらっしゃいましたが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 標準世帯の場合、御主人が働いてそして奥様がおうちにおみえになるという世帯で、そして四十年間掛金をされたところの標準世帯において申し上げているわけでありまして、パーセントは先ほどから申し上げておりますように上下ございますけれども、それはパーセントでありまして、額ではございません。単身の場合には低いですけれども、しかし全体としての額は大きいと、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 ただ、いわゆる標準世帯というところが、もう夫のみ就労が全体の実は四分の一になっていると言われています。単身、男子で単身の場合、三九・三%とやはり低いと。これからの年金制度はどんなライフスタイルを取ろうともやはりきちっと公平に年金が受けられると、このことが本当に必要ではないかと、これについては、どうしてこのように差が生じているのでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そこに差が出ますのは、それはいわゆる、いわゆる三号被保険者、すなわち奥様をどういうふうに扱うかということによって差が出てきているわけであります。御主人がお勤めになって、奥様がおうちにおみえになる、そういう御家庭におきましては、奥様の方の基礎年金がそこへもう一つプラスされますから、全体としてのパーセントが多くなる。単身の場合にはそれがありませんから、パーセントが低くなる、こういうことでございまして、その年金制度、いわゆる現在の年金制度の世帯単位でいくか、それとも個人単位でいくかと、こういう話ではないかというふうに思います。
○福島瑞穂君 年金の今後の設定として不適切ではないでしょうか。つまり、みんなが独り暮らしになって、おばあさんになってももらえるのか。独り暮らしになって、おじいさんになっても生きられるのか。若い人たちにしても、シングルの人たちも増えています。離婚の人も増えていますし、共働きの人も増えています。 ですから、今度の厚生労働省の案では、このようなライフスタイルにおける中立性の原則の問題、国民年金の保険料の未納や未加入による空洞化、こういう問題については全くメスが入っていない。無年金者が出ることを防げませんし、どんなライフスタイルを取ったかによって、男子単身者というのは非常に低いですし、女子単身者も低いです。働けばむしろ損になるような形のこういう構造は抜本的に見直すべきではないでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 厚生年金と国民年金とかなり混同して御議論になっておりますけれども、今お示しを申し上げたのは厚生年金についてでございます。 では、厚生年金の場合には、これはちゃんと皆さんお支払いをいただいているわけでありまして、そこに払っていないという人が多く存在するわけではございません。そして、今後の問題につきましては、それは全体の年金の在り方、いわゆる制度体系の問題に絡んでくるわけでございまして、ここの部分は一年間ぐらい掛けてひとつ御議論をいただいて結論を出したいというふうに思っております。 この世帯単位でいくか個人単位でいくかという話も、これも大変な議論でございまして、大体相意見半ばするわけでございます。したがいまして、どの団体でも相半ばするわけでございまして、これは結論を出すのは大変なことだというふうに思いますけれども、しかし遠い将来を見定めて結論を得なければならない話だというふうに私も思っておるところでございます。 しかし、その結論を出しますのには、年金制度だけ変えればいいというわけではなくて、その背景となります社会構造そのものにもやはりメスを加えなければならないことも多いわけでございますので、どの案を決定をするにいたしましても、一年間ぐらいのやはり余裕を持って御議論をいただくのが私は妥当ではないかというふうに思っている次第でございます。
○福島瑞穂君 総理、ライフスタイルでこのように違ってくることについてはいかがでしょうか。今後、個人単位にするなり、ライフスタイルにおける中立性を保障すべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、坂口大臣が答弁したとおり、どのモデルを取るかによって違ってくるわけです。確かに、今、男だけが働いて、専業主婦の割合、妻は家庭にいるというのは少なくなってきております。そういう時代の変化に合わせて、共働きが多くなったから共働きに合わせるのか、あるいは、今言われたように単身者が多くなっておりますから、男でも女でも一人一人に分けるのかという議論はまだ集約されておりません。各方面の意見を聞きながら、今後、どこを基準にこの年金というものを考えていくのかというのも今後の年金改革においては大事な視点だと思っております。
○福島瑞穂君 是非、抜本改革の中でそれをお願いいたします。(図表掲示) これは「厚生年金の給付債務と財源構成」。これは谷垣大臣が提出された資料ですが、過去の給付債務が四百五十五兆円ということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) その今お示しになった図は、平成十一年度の財政再計算時に厚生労働省が作りました「厚生年金の給付債務と財源構成」で、言わば厚生年金のバランスシートに当たるものです。 それで、今、四百五十五兆とおっしゃったのは、現行制度の下で国が支払うことになる年金債務の総額に対して、今の保険料率の下での保険料収入、それから積立金、国庫負担収入では賄うことができない部分が、これは五百三十八兆あるわけです。それで、そのうち過去期間分、つまり平成十一年、それは平成十一年に作りましたから、平成十一年以前の期間に対応する部分が四百五十五兆ある、それから将来の分が八十三兆で、合計五百三兆であるわけで、これについては将来の保険料引上げによって賄うこととされて今まで来たわけでございます。 これは、要するに今の給付水準が世代間扶養の考え方の下で保険料をだんだん上げていくということを前提に作られているわけですけれども、結局、給付に応じた負担がされてこなかったということによって生じているわけでありますので、今回、こういった給付と負担のバランスをどう回復していくかという議論をしませんと持続可能な議論に、持続可能な制度になっていかないということをお示しするために出した資料であります。
○福島瑞穂君 つまり、これから保険料を払う人たちは過去の債務の分も含めて保険料値上げとなってしまうと。その不公平というのもあると思うんですが、厚生労働大臣、この点についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今お示しになりました表は、それは積立方式を取っていけばそういうことになりますということでございまして、現在の年金は賦課方式でございますから、それとはまた少し違うわけでありまして、賦課方式としてこれからやっていくわけでございますので、これからお出しをいただきますその保険料の額というのはこの次の、次の世代の皆さん方の年金と申しますか、現在の高齢者、それから次の世代のそれは年金に回っていくと、そうお考えいただいてよろしいかと思います。
○福島瑞穂君 財務大臣の考えはいかがでしょうか、今の点について。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、そういう過去負担分をどうしていくかということをこれから議論していただかなきゃいかぬと思っております。
○福島瑞穂君 是非これは政党を超えて、あるいはいろんなことを超えて、どういうふうに公平にやるかについてやらなければならないと。そのために国会の中に例えば専門委員会を置くなど、是非やっていただきたいと思います。 イラクの問題なんですが、武力攻撃に関して、イラクにもし自衛隊を派遣すれば、先ほど、この間、アルカイダがサウジ紙に、自衛隊がイラクに足を一歩踏み入れた瞬間にアルカイダは東京の中心部に打撃を与えるだろうというふうに声明を出したことが報道をされています。 イラクへの武力攻撃に正当性がないことから報復が今起きています。報復をどうやってなくしていくのか。イラクへ自衛隊を派兵することは報復を増やすことであり、平和を作ることにはならない。イラクへ自衛隊を派兵することは、日本にとっても日本の社会にとってもイラクの人にとってもイスラーム世界のためにも良くないというふうに考えます。よって、イラクへ自衛隊を派兵しないということについて改めてこの危険性、テロの危険性について小泉総理にお聞きいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラクのフセイン政権が崩壊する前からテロはあったんです。報復以前にテロはいろいろ行われていた。テロの脅しに屈してはならないと思います。そのようなアルカイダかどこか分かりませんけれども、自衛隊がイラクに派遣される場合は復興支援、人道支援です。イラクの混乱を望む、イラクに安定した政権を作らない、イラクにテロリストの拠点を作ろうとするテロリストの脅しに日本は屈してはならないと思っております。
○委員長(片山虎之助君) もう時間です。
○福島瑞穂君 はい。 じゃ、派遣しないように強く要求して、質問を終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。 総理は、二年半前に御就任になりましたときの初めての記者会見で孟子の言葉を引用なさったことを覚えておりますが、同じ孟子の言葉に、惻隠の心なきは人にあらずという言葉がございます。人の不幸や人の危険に対して痛ましく思う心が必要だということであります。 また、同じ孟子の言葉で吉田松陰先生が度々引用しておられた人皆人に忍びざるの心あり。人間はだれしも見るに忍びない、するに忍びないという思いやりの心がある、この忠恕の心が治国の根本である、(発言する者あり)ちょっと静かにしてください、短いんですから。こういうことを言っておられるわけですけれども、今回の選挙、いろいろ議論もありました。また、投票率の低さ。やはり地方がこれだけ傷んで、中小企業の倒産、そしてサラリーマンの負担増、非常に国民が閉塞感にあえいでいる。そういう中で、ひょっとしたら小泉改革というのは非常に冷たい政治じゃないかという受け取り方があったんだろうと私は思うんです。是非、一国のリーダーとして、こういう時期であるからこそ明るくそして温かい政治を志していただきたい、これを最初に強く御要望申し上げたいと思います。 さて、投票率ですけれども、非常に今回も下がってしまったんですね。それにはやはり政党に対する不信それから政治家に対する不信というものが背景にあります、何遍もここで議論をいたしましたが。しかし、今度のマニフェスト選挙で政策で選ぶという形が新しく出てきたということは一つの進歩だと思います。しかし、優秀な人材がなかなか政治に出にくいという、昨日も毎日の川柳に芸能と政治は世襲制ですねというような川柳が載っておりました。我々は、やっぱり国民に対して投票率を上げてほしいときに、しっかりその辺を地ならしをしなきゃいかぬと私は思います。そのためにも、アメリカと比べて二百人も多い国会議員の数をどうするかという議論も詰めていかなきゃいけないし、いろいろなことを整理しなきゃいかぬ。しかし、余りにもひど過ぎまして、時間がないものですから皆さん方のお手元にお配りいたしておりますが、知事と市長選挙、この青くなっているのは五〇%を切れているんですね、投票率が。これは、首長は少なくともこれは無効にしなきゃいかぬと思いますね、再投票。 そして、ペナルティーが、いろいろ各国ではそれぞれ努力していまして、こちらの紙です。それで、オーストラリア辺りは二十ドルの罰金と。そうすると、あっ、五十ドル、五十ドル、失礼しました、麻生大臣から御指摘いただきましたが、五十ドルの罰金。そうすると、六〇%切れておった投票率が九〇%台になっているんですよね。 それで、今度は、三年前に私ども、この表は無所属の会で私はホームページに出したんです。そうしたらいろんな批判が来ました。しかし、今度は新聞の社説なんかも、あるいは投書欄も、少し罰金考えたらどうだと、ペナルティー。これについては総理、いかがにお考えでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、投票するということは義務じゃなくて権利だと思っていますから、この民主政治の歴史を考えると、選挙権を与えてくれということのためにどれだけ多くの先人たちが努力してきたか、命を賭してまでこの民主政治を打ち立てようと努力してきたかということを考えますと、これは投票というのは義務とは私は思いませんね。権利なんです。その点をもうよく国民の皆さんにも考えていただかなきゃならないと。自分が行かなくてもだれかがやってきて、やってくれるからいいかなと思っている人がそれだけ多いのかなと思っていますが、同時に、投票率が高ければ意識が高いかというふうにも思えない面もあります。高い方がいいんですけれども、これは選挙の争点によっても、また候補者の人によっても投票率というのは上下します。 そういうことを考えて、私は、まあ義務化して罰金まで科すというのはまだ早いのではないかと。そこまでして投票率を上げなきゃならないのか。むしろ権利だと、自分たちが政治を作るんだというような意識を国民に持ってもらって、自発的に、ああ、これは大事な自分たちの権利なんだと、権利を行使しようという意識を高めて投票率を上げていく方向になればなと思っております。
○松岡滿壽男君 政令指定都市で五〇%を超えているのは仙台市だけですよ。だから、身近な問題から少し、首長の選挙の投票率、少し御研究いただきたいと思います。 それから、イラクですけれども、五千五百億円の拠出について、やっぱり、日本の二倍のGDPを持つEUが二百六十億ですね。それから、参戦しているイギリスが一千億。余りにもこれは突出しているという感じがするんですが、国民にこの理由を分かりやすく御説明いただきたいということと、後藤田元官房長官の言葉をかりますと、軽く肩をたたかれて、はいと言うように、そうした対米追従の姿勢を取っているんじゃないかと。ジェラルド・カーティス・コロンビア大学教授が、日本の外交はいまだに対応型外交で、すなわちこういう世界が望ましいから日本はこういう姿勢で臨むんだと主体的に決定しているのではなく、時代の流れはこうだ、それに対応してどうすればいいかということを考える外交だと、このままいったら国家としての原理原則を考えることなく漂流し、ずるずると悪い方向に何とはなしに進んでいくという最悪のパターンを繰り返していくのじゃないかという警告をしておられますが、これに対するお考えをお伺いいたしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は全くそう思っておりません。日本は日本としての立場がございます。日米同盟と国際協調、そして日本の国益を考えながらどうしてイラクの復興支援に努力するか、人道支援に努力するか、イラクの安定した民主政権作り、イラク人のイラク人の政府を作るためにどのような支援が日本国にとってふさわしいかという判断からしているわけでありまして、その批判は当たらないと思っております。
○委員長(片山虎之助君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は……
○松岡滿壽男君 時間ですけど、五千五百億円についてのお答えをいただいておりませんが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本の国力にふさわしい貢献をしなきゃならないと思っております。
○松岡滿壽男君 終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 ─────────────
○委員長(片山虎之助君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十七分散会