財務金融委員会 第2号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2003/12/04
会議録
○田野瀬委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について調査を進めます。 この際、去る二日、預金保険法第百二条第六項の規定に基づき、国会に提出されました金融危機に対応するための措置の必要性の認定に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣竹中平蔵君。
○竹中国務大臣 十二月二日、預金保険法第百二条第六項に基づき、株式会社足利銀行に対する同条第一項第三号に定める措置の必要性の認定の内容に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、本報告を提出するに至った経緯及び本報告の内容等について御説明申し上げます。 株式会社足利銀行については、十一月二十九日、同行から金融庁に対して、平成十五年九月期決算において債務超過となる旨の報告があり、あわせて、預金保険法第七十四条第五項に基づき、その財産をもって債務を完済することができず、その業務もしくは財産の状況に照らして預金等の払い戻しを停止するおそれがある旨の申し出がなされました。かかる状況を踏まえ、同日、金融危機対応会議の議を経て、同行について同法第百二条第一項の第三号措置を講ずる必要がある旨の認定を行うとともに、預金保険機構が同行の株式を取得することの決定を行いました。 今回の認定等につきましては、同行が栃木県を中心とする地域において果たしている金融機能の維持が必要不可欠であることなどを総合的に勘案し、第三号措置を講ずることとしたものであります。 同行においては、今後選任される新経営陣のもとで、預金保険機構が全株式を所有する特別危機管理銀行として、適切な業務運営を確保しつつ、健全化に向けて経営改革を進めることとなります。 今回の特別危機管理開始決定後も、同行においては、引き続き通常の営業が行われ、預金等負債については種類を問わず全額保護され、期日どおり支障なく支払われます。また、融資面については、今後年末の金融繁忙期を迎えることにも配慮し、同行において、善意かつ健全な借り手への融資についてきめ細やかな対応が図られることとなっています。 さらに、同行が業務を行っている地域の金融及び経済の安定に万全を期すため、直ちに政府において関係省庁等連絡会議を設置し、十二月二日に第一回会合を開催しているところであります。 ただいま御説明申し上げましたとおり、今回の株式会社足利銀行に対する必要性の認定は、金融危機を未然に防ぐための万全の措置として講じたものであります。政府としては、今後とも、金融システムの安定を確保していくとともに、日本銀行とも緊密な連携をとりつつ、預金者の保護、信用秩序の維持に万全を期してまいる所存であります。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○田野瀬委員長 これにて概要の説明は終了いたしました。 —————————————
○田野瀬委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として財務省国際局長渡辺博史君、金融庁検査局長佐藤隆文君、金融庁監督局長五味廣文君、警察庁刑事局長栗本英雄君、警察庁刑事局暴力団対策部長近石康宏君、公安調査庁次長柳俊夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田野瀬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小泉龍司君。
○小泉(龍)委員 おはようございます。自由民主党の小泉龍司でございます。早朝から御苦労さまでございます。 このたびの件は、さまざまなディテール、細かい説明をたくさん聞けば聞くほど、その本質がよくわからなくなってくる。質問の直前まで、私も、珍しく頭の整理がなかなかつかなかったんですけれども、そういう中で、さまざまなリアクションがございます。 一番先鋭的なリアクションは、栃木県の福田知事、三十日の会見で、監査法人の豹変ぶりには納得がいかない、監査法人に何らかの圧力がなかったのか司法の力で調べてほしい、ここまでおっしゃっているわけでございます。私も、よもや、金融庁が直接監査法人に圧力をかける、直前にそういうことがあった、そういうことはまずないだろう、そのように確信に近いものを持っているわけでございますけれども、広く栃木県の県民を代表される知事という要職にあられる方が金融行政に向かってこういう言葉を投げかけてくるということは、やはり金融行政上看過できない大きな問題じゃないかというふうに思うわけでございます。 当事者である監査法人、あるいは検査当局、あるいは金融行政当局そのもの、こういったところに何らかの意図あるいは恣意性、こういうものが不透明な形で作用する、そういうことがなかったかどうか、きょうは、この委員会の審議を通じまして、厳密な形で、大臣、副大臣等にお答えをいただければありがたいと思うわけでございます。 さて、本質は何かと考えていきますと、金融行政の中心を担うのは金融当局の行政の方針あるいは検査の具体的なあり方でございますけれども、そこに監査法人の監査という大きな要素が組み込まれている。これは、あくまで独立しているんです。監査法人は監査法人です、検査は検査です、金融の行政方針は方針です、全部独立しているんです、こういう建前にはなっています。また、ファイアウオールもあると思います。大臣は、事前に絶対監査法人と連絡をとるなと厳命を下しておられる。係の末端までそれが行き届いていることもよく存じております。しかし、それでも一体としてこの三者は動いてきたし、また動いていこうとしている、私はそのように思えてなりません。 今回の三月期の検査、その検査結果が非常に予想より厳しかった、そういうふうに、足銀だけじゃなくて監査法人も受けとめ、また、その結果、九月期の決算の内容の査定に当たりまして、金融庁の検査の三月期の厳しさというものを踏まえて監査法人が繰り延べ税金資産に手をつける、こういうような連動が起こったのではないかなというふうに思うわけでございます。 さらに、事後的に申し上げれば、金融庁の検査マニュアルと監査法人の監査マニュアルにどうもまだしっくりいかない部分があるから、今年度中にこれを見直す、もう一度見直して、これを一体のものとして考え直していくんだということを監査法人の代表者はおっしゃっておられる。金融行政の方針の大枠の中についていくんだ、こういう考え方をおっしゃっておられる。 しかし、建前は別々でございますから、繰り延べ税金資産をなぜ取り崩したのか、その説明責任は金融庁は一切負わない。金融システムの一番大事な部分のその判断が民間の監査法人にゆだねられ、これは独立しているんですよ、我々は権限もないです、答弁できません。民間の方を参考人で呼んでみてもらちが明かない。こういうジレンマの中に我々は置かれている。 ですから、建前と、そこで、しかし実態としては一緒に動いているんだというそのギャップについて、やはり何らかの形で、そもそもは繰り延べ税金資産という制度、仕組みに大きな問題点があるんだと思います、恣意性が挟まる問題点があると思いますけれども、そういうところに、この栃木県知事、あるいは一般の関係者、一般の国民の金融行政に対する大きな疑念、恣意性、大臣のお考え、足利銀行を見せしめにしたんじゃないかというような言い方まで出てくる。これは大きな副作用が出てくるわけでございますので、この点について十分御検討いただきまして、ここの質問にもお答えいただきたいと思います。私が質問に立たせていただいて一番言いたかったのはこの点でございまして、あとは、この問題の中で具体的な御質問を申し上げたいと思います。 三月期の決算の検査でございますけれども、金融庁が九百五十億余りの追加引き当てを求め、最終的には二百三十億の債務超過という査定を行いました。これにつきまして、当該監査法人は、足銀にも監査法人にも、自己査定あるいは監査、これを主要行並みに厳しくやるという理解はなかった、こういうことをはっきり述べているわけでございます。また、金融庁が大手銀行並みに深く掘り下げた検査を今回行ったのは、「りそな」問題をきっかけに方針が変わったんじゃないか、こういうことまで言っております。 これは方針が変わったんですか、それとも誤解があるんですか。誤解があるとすればどういう誤解があって、その誤解が生まれた理由はどういうところにあったと認識されますか。大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○竹中国務大臣 冒頭に小泉委員から大変大きな問題意識を開示いただきました。 基本的には、今のシステムというのは、それぞれの役割、会計士の役割、企業の役割、金融当局の役割、それぞれがいわば分権的にそれぞれの役割を果たしながら、全体として、社会の一つの機能を果たしていこうというシステムになっておりますので、委員おっしゃったように、その個々の役割と全体のバランスを常に念頭に置いていろいろなことを進めていくというのは、これは大変必要なことであると思います。その点は重く受けとめて御答弁をさせていただきたいと思います。 直接委員からお尋ねのございました、地域金融に対する全体的なスタンスのお尋ねであろうかと思います。 御承知のように、主要行に対しては、これはもう世界のマーケットの中で競争する主体であり、ちゃんとリソースも持っているんだから、きっちりと不良債権を処理する、ルールどおりに不良債権の処理を進めてくれという目標を我々としても持っております。しかし、中小・地域金融機関に関しては、地域の再生、地元の中小企業の再生を通して、その特性を生かしながら金融機関も健全化してほしいという意味での、いわゆるリレーションシップバンキングのアクションプログラムを我々は持っているところ、委員よく御承知のとおりでございます。 今回、いろいろな形で、リレバンの方針を変えたのかとか、ないしは従来より厳しく何か事柄に臨んだのかという御指摘が聞こえてくるわけでございますが、我々はこのリレーションシップバンキングの政策を粛々と遂行しているつもりでございます。 ともすれば誤解がありがちなのは、私たちは、検査そのものに対して、従来から、大手の銀行についてはきちっと検査しなさい、中小や地域の金融については別に甘く検査していいというようなことを申し上げたつもりはありません。 やはり検査は、資産の査定はきちっと行っていただかなければいけない、これまでもそうであったし、今までもそうであろう、今もそうであるというふうに思っております。これは、結局、金融機関の財務内容にもしものことがあって、その被害を受けるのは、同じ、共通の、預金者でありますから、大手の預金者と地域の預金者が何か違う立場にあるということはないのだと思っております。我々としては、その意味では、共通の会計基準やルールに基づいてさまざまな検査、検証を行っていく。基準やルールそのものは両者で異なるものではありません。 ただし、我々が大手の銀行に求めている、例えばディスカウントキャッシュフローとか、そういったベストプラクティスを地域に求めるということはありません。金融再生プログラムに書かれていることは、これは大手にだけ求めていることでございますので、そうしたことを地域に求めているということはこれまでもありませんし、今回ももちろんございません。 唯一、査定に当たっては、地域の銀行の与信業務の中心を占めている中小企業に対しては、金融検査マニュアル別冊の中小企業融資編を十分に踏まえた検証を行う、そのようなことはこれまでも求めておりますし、今回もそういった意味での検査等々の基準が従来から変わったということはございません。 リレーションシップバンキングの位置づけと検査のそもそもの性格について、ぜひとも的確に、広く御理解を賜るようにお願いを申し上げる次第でございます。
○小泉(龍)委員 時間の制約が気になりますが、ちょっと細かい問題で恐縮でございますけれども、今検査のお話を伺いましたが、今度は監査でございます、九月期の監査。 当該監査法人は、三月期の検査結果、これは直近に判明したわけでございますけれども、この三月期の検査結果を踏まえれば、債務超過ではないにしても過少資本となり、企業の継続性に疑念が生じた、継続できるかどうかわからない、こういうことで繰り延べ税金資産全額否認に至ったわけでございます。 しかし、この直前の三月期の検査結果、この監査法人が踏まえた三月期の金融庁の検査結果、ここでは金融庁は、繰り延べ税金資産の五年の計上を、二十八億減額はいたしましたけれども、認めたわけでございます。そして、そのときの状況というのは、検査の結果、三月期は債務超過だよ、二百三十億へこんでいますよ、へこんでいるけれども、繰り延べ税金資産は五年、二十八億減額して認めた。どうして認めたんですかと検査局に聞きましたら、来年増資が行われる、業務純益が毎年出ている、こういうものを総合的に勘案して、債務超過だけれども繰り延べ税金資産は検査結果としては認めたんです、こういう結果なんですね。 これを踏まえて、九月期は、監査法人は、過少資本、検査結果においてはまだ〇・九の自己資本が残っていたと思いますけれども、プラスの自己資本のもとで、しかし過少だから、これは継続できない、全額否認する。 ここは非常に大きな判断の方向性の違い、監査委員会報告六十六号の四ですか、同じ文書に準拠しているんだけれども、逆の方向を向いている。少なくとも、当該監査法人は過少資本であることを繰り延べ税金資産否認の理由にはできないんじゃないかと私は思います。検査の結果を踏まえれば、なおのことそのように思いますが、これは監査法人の問題でございますけれども、金融庁からどなたか、お答えをいただければありがたいと思います。
○伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。 今、先生から御指摘がございましたように、足利銀行は、平成十五年三月期の決算で約千三百八十七億円の繰り延べ税金資産を計上しておりますが、私どもが三月期基準日の検査によりまして二十八億円減額をして、そして千三百五十九億円の計上を認めたところでございます。 九月期につきましては、監査法人は、私どもの検査結果を踏まえて、繰り延べ税金資産を計上してもなお自己資本比率が極めて低いこと、そして、繰り延べ税金資産の変動により債務超過となる可能性があること、そして、今後の収益見込みの一部が過大に計上されていること、こうしたことを銀行に指摘して、そして、足利銀行と監査法人が協議をした上で繰り延べ税金資産を全額取り崩したものと承知をしているものでございます。 なお、私どもの今般の検査については、三月期基準で検査をしたものでございますので、九月期現在の繰り延べ税金資産について判断を行っているものではございません。
○小泉(龍)委員 また時間をかけてここは検討していきたいと思います。 そして、こういう全体としての不透明性があるゆえに——私の地元でも、この二回の増資に応じた投資家がいるわけでございます。栃木県内を含めて一万社以上ですか、善意の投資家が優先株あるいは一般増資に応ずるという形で、もうけることを目的にはしていない、公共性を持ったそういう投資を行った。しかし、これが紙くずになってしまった。一方で、劣後債は負債勘定だ、資本勘定じゃないという非常に形式的な理由においてこれは守られる。優先株だって、議決権がないし、満期が来れば戻ってくる、ローンと変わらないじゃないか。こういう議論がどうしても、その根本の不透明性というものがあるために非常に強く関東平野北部にたまっております。訴訟も辞さない、このように言っております。 こういう点について、何らかの配慮、これはどういう内容が適切であるかは検討の余地があろうかと思いますが、何らかの配慮、これを国にも、金融庁にも御検討いただけないでしょうか。
○伊藤副大臣 ここは法的な枠組みがございまして、優先株は、普通株に対して配当等につき優先権を有するものの、あくまでもやはり株式でございます。したがって、法人の解散、清算の際には残余財産を分配することになりますが、債務超過の場合には、残余財産がないため出資額は毀損することになるわけであります。 他方、劣後債、劣後ローンは、劣後事由に該当する場合に一般債権よりも返済順位が劣後することを劣後特約で定めた債権でございまして、通常、破産宣告、会社更生手続決定、そして民事再生手続開始決定が劣後事由とされているところでございます。劣後事由に該当しない限り、法的に一般債権と同様の取り扱いになるわけでございます。 このように、優先株は株式であり、そして劣後債、劣後ローンは債権であることから、その法的な性格は全く異なっているものであり、預金保険制度上、同様の取り扱いをすることはやはりできないということでございます。
○小泉(龍)委員 法的な責任を負わないことはよくわかりますが、今後、こういうシステムは稼働しなくなりますよね。地域金融機関を地元の投資家が支えるというこのシステムはもう成り立たなくなるというふうに思います。栃木県が乗り出したということも、やはり地元の投資家にとっては大きな影響を持ったと思います。栃木県も含めて、なお引き続き御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 この問題、法的には今副大臣が御答弁させていただいたとおりでありますが、現実問題として、その株式を引き受けた、優先株を引き受けた方々の御心情を思うと、これは大変やはり遺憾なことであるというふうに思っております。 今回の三号措置に合わせて、関係省庁の連絡会議というのを我々も急ぎ設置いたしました。こういう対応策をとらせていただくのは、実はこういう問題に関しては初めてでございます。そうした場で、一体、そうした地域の皆様方の金融、資金繰り等々でどういうことで手助けができるか、これはしっかりと今話し合いをしております。この連絡会議を通して、我々としてできることをしっかりとして、地元の皆さんに御不安が広がらないようにしっかりと対応していきたいと思っております。
○小泉(龍)委員 くれぐれもよろしくお願いを申し上げたいと思います。 時間として最後の質問になると思いますけれども、再来年のペイオフ解禁に向けて、今回の問題、措置を大きな契機としまして、地域金融機関の健全性、地域金融機関を中心とした金融システムの再生、これに取り組んでいく大きなステップを踏み出していくことになると思います。不良債権処理というものを通じて、やはり、金融システム再生への取り組みが強まれば強まるほど地元経済にはマイナスの影響が及ぶ、地域経済は冷え込んでいくというジレンマ、しかしペイオフは迫ってくる、何とかしなきゃいかぬ、しかし地域経済は下がっていく、システムを健全化しようとするとまたダメージを与える、こういうジレンマの中に金融行政があるわけですけれども、このジレンマは、金融行政が陥ったジレンマというよりも、むしろマクロの経済政策が陥ったジレンマかもしれない、このようにも思うわけでございます。 大臣はアメリカのコロンビア大学におられて、私もたまたま国費でコロンビア大学にそのころいました。私は英語が苦手で、アメリカの悪い部分を見てきました。大臣は英語がお得意で、アメリカのいい部分を見てこられて、そこにどうも哲学の開きが出てきたわけでございます。私は、アメリカで大分英語で苦しみましたので、やはりヨーロッパだ、こういう考え方を今強く持っております。 アメリカの経済というのは、確かに、強いものをより強くすることによって全体を上げるんだ、こういうストーリー、これはアメリカの弱い人たちもそれを信じ込んでいるというふうに聞いております。構造改革はそちらを向いた政策でございますけれども、どうしても二極化が起こる。強いものと弱いもの、弱いものが地域経済、そこに沈み込みが始まっている。どうしても越えられない壁、格差、大きな経済格差が都市と地方に生まれている。これが資本主義の宿命のようにも受けとめられている。 しかし、ヨーロッパは違います。ヨーロッパは、企業承継税制一つ見ても、中小企業を守ろう、農家を守ろう、社会保障、こういう大きな政治理念のもとで自由主義経済を成り立たせようとしています。このヨーロッパの経済政策の理念、国家の理念、こういうものについて、ぜひ機会があれば大臣のお考えを伺いたいと思っておりましたので、この点についてお伺いをいたしまして、質問を締めくくりたいと思います。
○竹中国務大臣 私も英語で苦労しましたので、思いは基本的には同じでございます。 委員はマクロのジレンマというお言葉を使われましたが、全くそのとおりなんだと思います。バランスシートが傷んでいるからそのバランスシートの調整はしなければいけない、これは不良債権処理ということになります。しかし、その過程でマクロの経済がダメージを受ける、短期的に痛みをこうむることはあり得る。かといって、バランスシートをそのままほっておいたらマクロ経済はますます悪くなる。だからそこを、バランスシート、不良債権処理を詰めて、その狭い道をどうしても何とか通っていかなければいけないということだと思います。 委員がおっしゃるヨーロッパ型の政策理念というのはなかなか奥深いものだと思いますので、今この場で簡単には語れないと思いますが、実は、リレーションシップバンキングの考え方そのものは、ここは明らかに、世界で共通する、グローバルな競争をする主要行と分けているわけでありますので、その意味では、私自身は、やはり極めてヨーロッパ的な、まあ日本的なと言うかヨーロッパ的なと言うかはともかくとして、非アメリカ的な要素を我々としても十分に勘案しているつもりでございます。 御承知のように、IMF等々の審査では、こうした地域金融に関しても大手の銀行と同じような基準でやるべきであるというような、そういう考えが示されている。しかし、我々はそういう考えはとらないわけです。リレーションシップバンキングというのは、あくまでも地域に根差した金融をしていただいて、地域を、中小企業を強くして、それで金融機関自身も強くなっていく。その意味では、私は、委員がおっしゃったような形で今後もぜひ金融を、現実的に、しっかりと、日本の実情に合わせて進めていきたいと思っております。
○小泉(龍)委員 ありがとうございました。 質問の趣旨をぜひ生かしていただきますようお願いを申し上げまして、終わります。
○田野瀬委員長 次に、渡辺喜美君。
○渡辺(喜)委員 昨日、栃木県選出の自民党国会議員が全員集まりまして、本日どのような質問をしたらいいか討議をいたしました。きょうの私の質問はその国会議員の総意を受けて行うものでございますから、そのつもりでお答えをください。演説の部分は私の独自の見解も入っております。 栃木県では、ああ、鬼平犯科帳だなと言われているんですよ。平蔵さんのおかげで町が静まり返っている、そういう状況になりかねないのでございます。 今年度の足利銀行の期間収益は、予定を上回るペースで拡大基調に実はあったのであります。こういう銀行を破綻させればどうなるか。生きているものを突然殺しちゃうわけですね。そういたしますと、腐っていくんですよ。債務者企業も腐ってまいりますし、銀行本体も劣化をしていくんです。 百二条の一号、二号、三号、一体どれをやるんだろう、そういう議論がありました、二週間ぐらい前ですよ。最終的に三号措置をお選びになった。御案内のように、三号措置というのは、一番政府の責任の重い措置であります。そして一番お金のかかる措置であります。 そもそも、百二条の体系が実はピンぼけであるということを我々は指摘してまいりました。健全化法という法律をつくるときに、ちょっと原則を間違えてしまったんですね。 つまり、銀行の破綻処理というのは、例えば、ペイオフコストを超える資金贈与とか、あるいは特別公的管理、ブリッジバンクとか、あるいは清算というやり方があります。しかし、そういうやり方をやっては金融に特有の連鎖反応、システミックリスクが起きかねない、そういうおそれがある場合には例外的に資本注入ができる。したがって、この場合には、債務超過であろうがなかろうが関係ないんですよ。 ところが、健全化法をつくるときに、債務超過の銀行には資本注入はできない、そして、自己資本比率に応じて優先株を入れたり普通株を入れたり、健全な銀行にお金を入れるんだから必ず戻ってくるんだというフィクションをつくっちゃったんですね。その結果、逆算方式で、返してもらう分だけ入れたものですから、何年間かはもちましたけれども、結局、問題の根本解決に至らなかったということなんですね。そして、何か資本注入が原則論みたいになってしまっているわけであります。 やはり、こういうそもそも論をもう一回考え直すべきなんじゃないかと私は声を大にして申し上げたいのであります。 そこで、今回の破綻処理の背景、いろいろな説がありますよ。お怒りにならないで聞いてください。 第一の説は、今度、来年の通常国会に出されるであろう、予防注入、再編合併促進の法律、今検討している段階でございます。これを通すためのいけにえではないか。スケープゴート説というものですね。つまり、足利銀行を「りそな」型の一号措置でやってしまいますと、新法なんか必要ないじゃないか、幾らでも一号でできるじゃないか、こういう議論になりかねない。そういう説があります。 第二の説。「りそな」で懲り懲り説というものですね。「りそな」の一号措置でもって、これはモラルハザードだと大変批判をされた。株価対策じゃないか、こういう話も言われましたね。そこで、もう金輪際こんなことはやりたくないというので、今回三号措置に来たという説であります。 第三の説は、対日投資促進説。小泉・ブッシュ会談において、対日投資が促進される合意がなされました。あおぞら銀行も新生銀行も外資系投資ファンドがお買いになっておりますね。そういたしますと、地銀に新たな玉が出てくれば対日投資が促進されるじゃないか、こういう解説をする人もいます。 それから、きょう発売の週刊誌などでは、北朝鮮制裁説みたいなものが言われております。北朝鮮への送金は足利銀行はもうやっておりませんので、破綻をさせて徹底的に暴いてやろう、こういうことなのでありましょう。 こういった言説が流布されているわけでございますが、真相は一体どういうことなんでしょうか。
○竹中国務大臣 まず、渡辺委員が冒頭でおっしゃいました、これは、まさに県民の思い、そしてそれを受けた県選出の先生方の思いというものがいろいろな御質問の背景にあると思いますので、一生懸命お答えをさせていただきます。 預保法そのものに対するお考えは、委員なりの一つの御見識だというふうに思います。この点につきましては、幅広くいろいろなところで御議論を賜るべき問題であろうかと思っております。 しかしながら、真相やいかんということになりますと、今の四つの説は、怒らないで聞けというふうに言われましても、これはやはりちょっと違うのではないか、ひどいのではないかというふうに我々としては申し上げざるを得ないと思います。 私たちとしましては、今与えられた法律の枠組みの中で、とにかく銀行自身が債務超過であり破綻だという申請をしてきたという状況の中で、どのような対応をとるべきかということをやはり粛々と考えて着実に実行している立場にあります。こうした中で、預金保険法の、もう委員よく御承知のように、一号というのは資産超過の場合、債務超過の場合は二号または三号、そうした中で、これは後からいろいろ、るる御質問が出るかもしれませんが、地域に対する影響を最小化したいという観点からこの三号の措置をとらせていただきました。 四つの説、いろいろなことを言われているのでありましょうけれども、我々としては、今申し上げましたように、銀行自身が債務超過であり破綻を申請するという、その申請が行われた中で、地域の金融を安定化させるための最善の政策を現行の法律にのっとってしっかりと行うという決意で今回の措置をとらせていただいたということでございます。
○渡辺(喜)委員 「りそな」のときは、もう明らかにこれは株価対策でしたね。株主責任は問わない。あの当時は株価が相当下落しておりました。したがって、株主責任を問うようなことをやってしまいますと、株の持ち合いを通して、生命保険会社に波及をしていったり、そこから別の銀行に波及をしていったり、そういうことがあったものですから、株主責任を問わない一号措置をやった。株数減資とか資本金の減資をすらあのときはやらなかったわけですね。 今回、三号措置をとった。恐らく株価動向をにらみながら、まあこれだったら大丈夫だろう、そういう御判断があったのではなかろうか、そういうことを言う人もいます。 先ほど、厳格な検査をやってきたのは、リレバン政策、リレーションシップバンキングの方針を変えたわけではない、こういう御説明がございました。 日本公認会計士協会の奥山章雄会長さんがこんなことをおっしゃっています。大手銀行と地銀は着ている服のサイズが違う、中小地域金融機関での貸出債権の引き当てでは見方に幅があることは金融庁も理解をしていたはずだ、今回、金融庁が大手銀行並みに相当深く掘り下げたのは、「りそな」問題をきっかけに方針が変わったのではないか、こういうことをおっしゃっているんですね。 御案内のように、奥山会長さんは中央青山監査法人の代表社員というお立場もあるわけでございます。もちろん、足利銀行の監査に関与されていたわけではなかろうと思いますが、同じ監査法人の代表社員でございます。 奥山会長はこんなこともおっしゃっています。今回金融庁は、大手銀行に使った収益還元法を適用して厳しい査定をした、こうおっしゃっています。例えば、担保評価について、従来でありますと積算法というものをやるんですね。今回は明らかに収益還元法を使って、かなり厳し目の担保評価をされました。 それは、先ほどの大臣の御答弁ですと、検査を甘くすることがリレーションシップバンキングの精神ではありませんよ、こういうお話でしたね。しかし、DCFは地域銀行には適用しない、こういうことだったと理解をしております。今回もDCFは適用していないと検査局長さんもおっしゃっておられます。 しかし、資産査定を厳しくし、担保評価で収益還元法を導入する、そういたしますと、当然、DCF的発想で資産をもう一回査定してみなさいよ、そういうことになるんじゃありませんか。現に、そういう指摘を受けたという現場の証言があるんですよ。いかがですか、そのあたり。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。 今回の検査におきまして、私ども、標準的な検証の方法をとったというふうに認識いたしております。 担保評価の件でございますけれども、担保の評価は、特に破綻懸念先以下、回収の可能性の危険度の高い債権については、その担保評価額を正確に出す、処分可能見込み額がどれくらいになるかということを正確に把握することが非常に重要でございます。 それで、その担保評価のあり方でございますけれども、検査マニュアルにもございますように、不動産鑑定士の鑑定評価を使う場合、あるいは近隣の売買実例を参考にする場合、あるいは公示地価等を参考にする場合、それから再調達原価ということで積算価格を用いるような場合、それから収益還元法を使うような場合、いろいろな場合があるわけですけれども、それぞれの物件の性格に応じて、どれが一番適切かということがあるわけでございます。 それで、今回の検査におきまして、基本的には個別の詳細について申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として、今申し上げたような趣旨で、できるだけ正確な担保評価額を出すことを目的として、今申し上げましたような幾つかの手法あるいは参考データを検査官と銀行側の担当者が議論をする、そういうプロセスでございます。このことは一般的に行われているところでございまして、そういうプロセスを経て、それぞれの物件について一番妥当な手法が選ばれているということかと思います。 特に、大口につきましては、かつ回収の危険度の高い債権についている担保については、特に正確な評価が必要ということで議論をしているわけでございますけれども、銀行が使っております積算価格というものをベースに、それを尊重しているという部分が多いということも事実でございます。
○渡辺(喜)委員 それではお聞きをいたしますけれども、足利銀行だけ特別に厳しい検査をやったのではない、こう理解してよろしいですね。
○佐藤政府参考人 そのとおりでございます。
○渡辺(喜)委員 ということは、今回足利銀行に対してなされた検査と同じ手法がこれから地銀の検査において行われていく、こう理解してよろしいですね。
○佐藤政府参考人 今回の足利について行った手法がこれからほかの銀行についても行われていくということよりは、私ども、もともと、会計の基準、会計ルール、検査マニュアル等に沿って、いわば共通の基準に沿って検査をやってきておりまして、足利銀行もその一例であったということでございますので、今後ともこれまでの方針に沿ってやっていくということかと思います。
○渡辺(喜)委員 これまでの方針どおりにやった、こういうことでございますから、これから地銀の検査はこのような形で行われる、こういうふうに私は理解をいたします。奥山公認会計士協会会長もこんなことをおっしゃっていますよ、地銀も気を引き締める必要があると。恐らく同じ趣旨の御発言をしておられるんだと思います。奥山会長は竹中タスクフォースチームの主要メンバーでもございますね。大臣は、この問題について圧力をかけたなどということは一切ない、こうおっしゃっておられるわけでございます。 いずれにしても、この問題はかなり、今後の金融行政について、よく言えば画期的な、エポックメーキングな出来事になるのは間違いないと私は思います。願わくは、足利銀行がスケープゴートにされたという歴史的な証明がなされないようにしていただきたいのでございます。 そこで、先ほどもお話がありましたが、優先株主さんが相当いらっしゃいます。これは大変かわいそうなケースもございまして、大体、優先株主さんというのは種類株主というんですね。種類株主総会は今回全然開いていないんですよ。 一方において、強制資本注入はできない、憲法二十九条があるからだ、そういう議論がありますね。しかし、今回行われたことは強制消滅じゃないんですか。どういう整合性があるんですか。消滅させる方は強制的にできるんですね。強制注入は、我々が何度言っても、いや、これは憲法があるからできないんだ。こういう、とてもちぐはぐな体系になっているんですよ、この国は。 先ほども、優先株主の救済の余地がないかという議論がございました。私は、デット・エクイティー・スワップというのがあるんですから、エクイティー・エクイティー・スワップというのをつくったらいいじゃないかと言っているんですね。つまり、残余財産の分配に優先的にあずかれる。今回、債務超過だから残余財産はないんだ、だからゼロなんだ、こう副大臣はさっきおっしゃいましたけれども。しかし、新銀行といいますか特別公的管理行の株は全部国が保有されるわけでしょう。この銀行の持ち分に転換をするような、そういう余地があったっていいじゃありませんか、優先株主さんには。いかがですか。
○伊藤副大臣 これは、先ほど大臣もお話しになられましたが、株主の皆様方の御心情を考えると大変遺憾なことでございますが、足利銀行はあしぎんフィナンシャルグループが一〇〇%の株式を保有する子会社でありまして、御指摘の優先株はあしぎんフィナンシャルグループの優先株式であります。他方、先生御指摘の新銀行は足利銀行を引き継ぐ受け皿たる銀行でありまして、あしぎんフィナンシャルグループとは別の法人でございますので、先生の御提案は大変難しいものと考えざるを得ません。
○渡辺(喜)委員 優先株の償還が来年の二月なんです。そういたしますと、借金をして増資に協力をした方々がいらっしゃる、その方々は、来年二月に入ってくるはずのお金、何千万もの方もいらっしゃるし何億円の方もいらっしゃるんです。これはゼロになります。そうすると借金だけ残る。まだ株が実現損をしたわけではないんでしょうけれども、しかし、評価損でも、これはもう強制評価減に匹敵する下落になるんですね。 そういたしますと、これがフローの業績に反映してくる。PLに出てきちゃうんです。赤字に転落をしていく。そうすると、債務者区分が下がっちゃうという企業が出てくるおそれがあるんですよ。こういうところに対しては当然引き当てを積み増しするんでしょうね。要注意から要管理になっちゃったとか、あるいは要管理から破綻懸念先になっちゃった、こういうところにきちんと新銀行はニューマネーを出せるんですか。
○五味政府参考人 まず、あしぎんのホールディング株式が実質的に無価値になったことによりまして、その株を保有しておられる地元の企業の方などが資金繰り等で困難に直面することがありませんように、関係省庁の連絡会議でもいろいろ話し合いをいたしまして、そうした株主の方を含めました借り手の方々への資金供給の円滑化ということに万全を期していきたいということで考えております。 また、保有株式が減価することで財務状況が悪化した場合と申しますのは、その財務実態というのは確かに悪くなるわけでございます。したがって、新銀行におきましては、借り手への円滑な資金供給ということに配慮しながら、かつ必要なリスク管理は行っていくということで、必要なリスク管理とバランスをとりながら、そうした債務者の方々への資金の供給についても十分な配慮をしていく必要があるというふうに考えております。
○渡辺(喜)委員 とにかく、この問題は非常に難しいですね。私も、どういう解決方法があるか、非常に思い悩んでいるところであります。しかし、先ほども申し上げたように、三号措置という、国が一番重い責任を負う、そういう措置をとっちゃったんですね。したがって、これは国の責任においてきちんと、地域の経済が劣化しない、そういう努力をやっていただきたいと思います。 一方、自治体が出資をしている分がございます。平成十一年と十四年に行われております。その際、自治体の側から見ますと、現金預金という資産が株式という資産に変わっただけなんですね。しかし、今回、この資産が極めて無価値に近い状態に今なってしまっているわけでございます。これは、今回の破綻処理によって自治体の方に新たな費用が発生するということになるんじゃありませんか。ということは、特別交付税でこの手当てをするということをやってもいいんじゃありませんか。どうですか、山口副大臣。
○山口副大臣 ただいま、先ほど来の渡辺委員のお話を聞いておりまして、大変な状況下にあるということは私どもも十分認識いたしております。 この足利銀行の処置に伴いまして、地域経済に大変重大な影響を及ぼすということが懸念されておるわけでありますが、そうしたことを受けて、栃木県におかれましても、知事を本部長として栃木県金融危機対策本部を設置なさいまして、県とか商工団体等において、特別金融相談窓口の設置や緊急セーフティーネットの資金の創設というふうなものを決定なさったとお聞きしております。 今後、こうした栃木県の対応も踏まえまして、国としても、地域金融システムの維持安定や、地域経済と雇用の安定を図るために、関係機関で的確な対応策を講じる必要があると考えております。先ほど渡辺委員の方からの御指摘があったとおりでございまして、総務省としても、実情をよくお伺いしながら適切に対処をしてまいりたい。 ただ、先ほど特別交付税というふうなお話がありましたが、実は、すべての出資が官民を問わずに無価値になってしまうというふうな状況である以上、自治体の出資分のみが救済をされるという措置を講じることは大変難しい。しかし、県としていろいろなスキームを考える中で、何か総務省としてお助けができないだろうかということはしっかり検討させていただきたいと思っております。
○渡辺(喜)委員 ぜひ、山口副大臣には政治家としての御判断をいただきたいと思うんです。 実は、この話は、後ほど申し上げる私の提案と関連する話ですから、ちょっとあと十分だけ聞いていていただけませんか。先ほども若干お答えがございましたけれども、改めて御質問をいたします。 年末越えの資金、これは当面の焦眉の急ですよ。この十二月、どうやって越すか。確かに相談窓口はできました。政府系の金融機関にも今殺到しています。しかし、やはり、足利銀行というのは、御案内のように、栃木県の中小企業の六〇%のシェアを持っているんです。足利銀行だけとしかつき合っていない企業もたくさんあるんです。こういう企業に対して、おまえら、政府系へ行ってみろ、ほかの金融機関へ行ってみろと言ったって、なかなかできるものじゃないんです。 年末越えの資金、どうなさいますか、要注意先に、あるいは要管理先、破綻懸念先。でも、例えば、実際は、残高がふえなければその範囲でニューマネーを出しているんですよ。それがリレーションシップバンキングなんです。その点いかがですか。
○伊藤副大臣 先生御指摘のとおり、足利銀行に対しては年末の資金繰りが大変心配されるところでございまして、この点に十分配慮をして、引き続き地域に円滑な資金供給が行われるよう、私どもとしましては、業務適正化命令、これを十一月二十九日付で発出しているところでございます。この中で、「預金者及び取引先等との取引において支障が生じないよう万全を期すこと」、そして、「善意かつ健全な借り手に対して、円滑な資金供給を図るよう配意すること」を命じたところでございます。 これを受けて、同行におきましては通常の融資対応がなされているものと承知をしておりますが、先生が御心配されているのは要注意以下の方々の件ではないかと思います。こういう要注意先以下の債務者についても、個々の債務者の実情に応じてきめ細かな対応がなされるよう、私どもとしては十分に配慮していかなければいけないというふうに考えておるところでございます。
○渡辺(喜)委員 今、足利銀行は、経営監視チームというんですか、進駐軍が今週の月曜日から常駐をしています。したがって、この進駐軍の御意向を受けてすべての業務が動いているわけでございまして、このお墨つきがなければ何にもできない、そういう状況なんですよ、実際。 したがって、これは国の責任は重大ですよ。冒頭申し上げたように、破綻させてしまえば、生きているものは必ず劣化していくんです、必ず腐っていくんです。この流れを食いとめることが今回問われているんです。預金保険法百二条ができて初めて三号措置が適用された、その真価が問われますからね。よろしくお願いします。 金融危機対応勘定というのが今回の公的資金で使われる財布ですね。たしか一兆九千億円ぐらいしかもう残りがないんだと思います。だんだん少なくなってきちゃったんですね。しかし、お金を惜しんだらだめですよ。釈迦に説法でございますが、預金の切り捨てをしない限り、金融問題というのは延々と財政問題になってまいります。ペイオフはやっていないんですから、今。 ということは、ここで三号措置という一番責任の重い、かつ、お金のかかる措置を選択した以上、新たに投入される公的資金の出し惜しみはあってはなりません。 いつごろ決めるんですか。一体幾ら入れるんですか。
○五味政府参考人 特別危機管理銀行につきましては、受け皿となる金融機関にこの銀行が引き継がれます際に資金援助が行われるということでございます。その際の資産、債務のその差額を資金援助していくということになりますので、現時点では資金援助が幾らぐらいになるかということが申し上げられない、申し上げる材料がないという状態でございます。 また、いつごろになるかというのも、今後、新経営陣、それから政府を含めまして、できるだけ早くということでありますが、現状ではまだ、いつというようなことが申し上げられる状況にございません。 それから、数字のお話がちょっとございましたが、一兆九千億余りというのは、これは危機対応勘定がその財源手当てのために現在借り入れを行っている、その借り入れの残高、つまり、りそな銀行に投入されました一兆九千六百億円分、この分を借り入れて、その借入残高が一兆九千六百億円であるということでございまして、この勘定の政府保証枠は十五兆円でございます。この十五兆円のうち一兆九千六百億円分の借り入れが実行されて、今、残高として残っている、こういうことでありまして、まだたくさんございます。 それから、十六年度、これはまだ予算要求を申し上げている段階ですが、この「りそな」で使うことになります分を別にして、なお従来と同じ十五兆円という枠が確保できますように、十六年度においては十七兆円の政府保証枠を今要求させていただいております。 枠は用意しておりますので、必要な資金援助に支障が出るようなことはございません。
○渡辺(喜)委員 いずれにしても、改革にはお金がかかるということです。お金だけ使って改革しないというのもだめ、お金を使わずに改革をやろうというのも、これもできない話なんです。この点は腹をくくってやっていただきたいと思います。 結局、今のお話にもありますように、出口のシナリオなんですよ、問題は。どういうシナリオを思い描いておられるんですか。 引き受け手がないという場合には、安楽死、あるいは対日投資促進で外資系ファンドに買ってもらうという道もあるでしょう。しかし、その場合には、彼らは商売になる部分しか買ってくれませんよ。身ぎれいになった部分だけしか引き取ってくれないわけでありますから、これは地域再生にとっては重大な支障が出てまいります。 あるいは、地域銀行、広域地銀をつくろうなんという話もありますね。だれが言っているのか知りませんけれども、埼玉りそなとくっつけちゃったらどうだとか、地元の地域信用金庫や地域金融機関とくっつけたらどうだとか、他人様の土地に絵をかくような議論がなされておりますけれども、そういう道を選ぶんですか。出口シナリオ、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 先ほど来委員が御指摘の点は、実はまさに我々にとって非常に重い御指摘だと思います。この三号措置というのはまさに初めてであります。この三号措置の真価が問われるんだ、別の言い方をすると、金融庁の真価が問われていると思います。 一点だけ、進駐軍が今行っているというふうにおっしゃいましたが、これはまさに、その意味は、こういう形で措置を講じた場合に、そこにいわば経営の空白といいますか、ガバナンスの空白ができて、通常貸し付けるべき貸し付けが行われないとか、そういうことになると困る。だから私たちの監視チームを送っております。ですから、先生が御心配することがないように、その監視チームをぜひ機能させなければいけないと思っております。 金額等々について今申し上げられることはありませんが、とにかく再生させるところはしっかりと再生させる。これまでこういう地銀では余りやったことのないような、例えばDIPファイナンスのようなことも、きちっとした経営者のもとで私はやればいいんだと思うんです。 そういうことができる経営者を早く見つけて着任させることこそが、先生がまさにお尋ねの、出口に向かうやはり最大のポイントになると思っております。これは、人選は大変難しいと思いますが、今申し上げたような趣旨を生かすためにも、この経営陣の人選が本当に重要でございます。出口のシナリオについては、その経営陣のもとで速やかに再生を図って、できる限り早期に三号措置を終える、それが預金保険法の趣旨なんだと思います。 預金保険法の百二十条には、三号措置を終えるものとしての四つのパターンが規定をされております。受け皿が存続するような合併、受け皿との新設合併、受け皿への営業譲渡、受け皿への株式の譲渡。ただ、いずれの場合にしましても、これは一つの形式でありますから、今回我々がこうした措置をとった趣旨は、地域の経済をしっかりとさせていこう、まさにそういう趣旨に基づいて、この三号の、我々の真価が問われているわけでございますから、その当初の目的を果たすべくしっかりと対応したいと思っております。
○渡辺(喜)委員 昨日、栃木県議会では、県民銀行をつくってはどうかという提案がなされました。私どもも大賛成であります。受け皿としてこういった、地域が本当にこの銀行を必要としているんだ、そういう覚悟を示すことが大事なことなんですね。 県民銀行が受け皿として名乗りを上げてきたらどうされますか。資本金、どれくらい必要なのかも教えてください。
○伊藤副大臣 今後の受け皿のあり方については、今大臣が答弁をさせていただいたように、現段階で今後どうなるかという見通しを述べることは困難でございますが、今御質問の県民銀行も含めて、新しい銀行のあり方、そういうことに対してどのように考えるかということにつきましては、一般論として申し上げれば、受け皿金融機関として最低の資本金の規制がございます。これは二十億円でございます。こうしたもの、そして自己資本比率規制、国内基準行の場合四%、これを満たす必要があるということでございます。
○渡辺(喜)委員 足銀のリスクアセットが三兆円ぐらいですから、そうすると、四%で千二百億円という感じですね。県は今、県庁舎建てかえで五百億ぐらい持っているらしいんですけれども、これは、建てかえをやめちゃえば、それくらいお金はできちゃうんですね。 また、足りない部分は、県債を発行して郵政公社にでも引き受けてもらえば、郵貯の地域還元になるわけですよ。栃木県から、郵貯だって三兆円ぐらいあるんじゃないですか。県債を発行したら引き受けていただけますか。どうですか、副大臣。
○山口副大臣 もう渡辺委員御承知と思いますが、郵政公社は、市場を通じた地方債証券の購入と、さらには財政投融資計画の一環として行う直接貸し付けの方法、この二つによって地方公共団体に対する郵貯、簡保資金の提供を行っております。 いずれにしても、委員御指摘の県出資分に充てる県債につきましては、具体的にこの起債のスキームあるいは発行条件等が明らかになりましたら、日本郵政公社に認められた地方公共団体に対する資金運用の制度にのっとって、発行条件等を踏まえ、公社において運用の是非を判断させていただくということになろうかと思います。 以上です。
○渡辺(喜)委員 ぜひ前向きに御検討をお願いいたしたいと思います。 やはり、こういう状況に至りますと、産業再生ということをあわせて考えなければいけません。私は、栃木県産業再生機構というのをつくれ、そして金融再生と一体でやるべきだという提案をしておりますので、ぜひ御協力をよろしくお願いいたします。 そして、足利銀行は、やり方次第によってはもう見違えるような銀行になれるんですよ。今、レガシーシステムにおんぶにだっこでありますが、オープン系のネットワーク型金融サービスを提供できるようになったら、もうシェアがべらぼうにでかい銀行ですから、これだけで見違えてしまうんです。物すごい収益を上げられるようになるわけでございます。 こういう点、どうですか、大臣、御感想は。
○竹中国務大臣 基本的に、同行が持っている潜在力というのは極めて高いものであるというふうに私たちも思っております。 今、そのシステムについての言及がございましたが、これはいわゆる情報システムだけではなくて、ビジネスモデルそのものを革新的にすることによってその力を存分に発揮させろという御趣旨であろうかと思います。 先ほどの新経営陣の選定の際にもそうしたことを十分に考慮して、ぜひこの銀行を再生させたい、三号措置の趣旨をぜひとも生かすように努力をしたいと思います。
○渡辺(喜)委員 とにかく、前向きにやっていかなければなりません。ピンチはチャンスでありまして、破綻をさせられた足利銀行が、次の未来には日本一すばらしい銀行になっている、栃木県が真っ先に、疲弊した地域経済の中で先頭を走る地域になっている、我々はそれを目指して頑張りますので、政府もよろしくお願いをいたします。 ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。 私は、今、公明党栃木県本部の代表という立場にもございまして、今回の問題に関連をいたしまして、地域の多くの方々と対話をしてまいりました。そういった地域の気持ち、希望等も含めまして、ぜひ質問をさせていただきたいと思います。 一言で言って、今の栃木県は、今回の措置に対して大変な怒りとまた恨み、あるいはまた不安が渦巻いておりまして、ある人の言葉をかりれば、突然栃木県に原爆が落とされたような思いだ、そこまで言っている人もいるわけであります。また、大変血も涙もないやり方であって、地域の実情を全く知らず、痛みだけを押しつける非常に厳しいやり方だ、そういった受けとめ方をしておりまして、ただでさえ地方経済の疲弊に基づき萎縮している中にあって、ますます心理的に萎縮している、そういった状況でありますので、ぜひ、まずそのことを大臣はよく知っていただきたいと思っているところであります。 私は、まず質問の第一は、今回の措置を、いわば地銀の代表的な存在である足銀に対して、突然三号処理というハードランディングを強いたわけであります。本来であれば、もっともっといろいろの手を打って、できる限りソフトランディングさせるべきであり、また、やろうと思えばできたものを、なぜいきなりハードランディングという、非常に犠牲の大きい、死傷者を伴うような、そういう措置に出たかということが第一の問題点であると思います。 特に今回の場合、システミックリスクが差し迫ってあるとはとても思えない状況だったと思いますし、また足利銀行の場合、業務純益が三月期決算、九月の中間決算ともに改善をしておりまして、経営の努力が着実に出始めているという状況であったわけであります。 そしてまた、今回の措置を考えますと、費用対効果の点で、極めて費用が余りにも大きいんではないかというふうに感じております。 直接的には、今回、株主の責任が問われるわけでありますけれども、地元的には、七百二十七億円の株を買っている。これは本当に善意の株主たちでありますし、これが全部紙くずになってしまう。このことの負の資産効果が非常に大きいということがまず言えるかと思います。何よりも心理的な衝撃によって、今まで萎縮していたのがさらに萎縮して、一層経済を落ち込ませる、こういった効果があるわけであります。 また、今度の三号措置は、伝えられているところによりますと、一兆円に達する公的資金の投入が必要とされるということが議論されておりますが、「りそな」型のケースであれば三千億円ぐらいで済んだであろうということも言われておりまして、こういったことを総合的に勘案すると、極めて犠牲の大きいハードランディング措置であった。 なぜこういった措置をとるに至ったのか、その政治的な判断の背景はどうだったのかということをまずお伺いしたいと思います。
○竹中国務大臣 遠藤委員の今の話を通して、改めて、やはり地域の方々の不安、御懸念、痛切に感じます。私たち自身も、もちろん、このような事態に至ったことはもう大変遺憾なことであるというふうに思っている次第でございます。 ぜひとも基本的な点で御理解を賜りたいのは、委員おっしゃった一号措置の方がよかったのではないか等々、心情的に非常に御理解できるところがあるんですが、まず、日本の法律の枠組みとして、これは先ほども渡辺委員が御指摘になりましたように、そのような措置はとれない形になっているということでございます。 これは、察するに、やはり金融というビジネス、銀行というビジネスは大変厳しいビジネスなんだということだと思います。債務超過になった、普通の企業でありましたら、債務超過の企業というのは世の中に結構たくさんございます。それでも、資金繰りがついている限りその企業は存続しているわけでありますけれども、預金者の大切な預金を預かって、それを運用する銀行としては、そういう状況で、債務超過になって払い戻しができない、払い戻しができないというようなことが懸念される状況になったら、これは存続し得ないという枠組みになっている。 そういう意味から、実は銀行自身が、みずからが債務超過であって破綻を申請するという、銀行みずからの申請があった、申し出があったということでございます。 我々、監督の立場からは、こうした場合に、委員、政治的な判断というふうにおっしゃいましたが、実は、そうしたことがあった場合の我々の判断というのは、まず百二条というのを適用すべきかどうかという判断になります。しかし、ここは、百二条をもしも適用しなかったら、これは結果的に預金者が負担をかぶるということでありますから、これはやはり避けなければいけない、地域のリスクをできるだけ小さくしなければいけない。そういう場合には、一号措置というのはやはり債務超過である以上はとれなくて、二号か三号かという判断になるわけでございます。この辺の、金融業の特殊性にかんがみた今日の仕組みについて、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。 さはさりながら、地域の不安が大きいということは、これは委員の御指摘のとおりであります。特に、今株主の方々がこうむった被害、そうしたことを踏まえて、地域の経済が萎縮しないような措置というのは、これは万全に、政府の責任においてしっかりととらなきゃいけないと思っております。 既に御説明しましたように、金融危機対応会議を終えまして、そのすぐ後に関係省庁の連絡会議というのを、準備会を開いて、既に正式会合も開きました。そうした中で、とりわけ政策金融を活用した資金繰りの手当て等々を中心に、ないしは雇用の問題を中心に、連絡会議で、地域への影響を最小限に食いとめるような努力は最大限我々としてもしていく覚悟でおります。
○遠藤(乙)委員 今の大臣の御答弁は、債務超過ということがキーワードであり、また、ルール上そうであるからやむを得ないという御答弁だったわけですが、その考え方は、やはり地元のある人の言葉をかりますと、法律あって政治なし、総合判断がないのではないかと。本当の意味で、日本の地域をどうするか、そういった全体のビジョンや戦略に立った上での総合判断力が欠けていて、ルールだからルールだ、マニュアルだからマニュアルどおりやった、そういうことにしか見えないという、法律あって政治なし、これは非常に今の行政、政治のあり方をついた発言であると私は思っております。 そこで、それはそれとして、今回、債務超過であるということが銀行自身から申請があったと言っていますけれども、実態は、監査法人がそういったことをいわば押し切ったわけでありまして、最後の最後まで銀行側と監査法人の間で激しいやりとりがあったと私たちは聞いております。十一月二十七日の午前十時になって、監査法人がもうそれ以外ないということで押し切ったというふうに聞いておるわけでありまして、いわば債務超過にさせられたということであると私たちは受けとめております。 それも、いわゆる繰り延べ税金資産の扱いという、会計上のいわば解釈にかかわる問題ですね。それのさじかげんで、監査法人が従来の考え方を豹変させて今回なったというわけでありまして、私はこの点、非常に大きな疑念を持っているわけであります。こういった、繰り延べ資産をどうするかといった単なる会計上のテクニックの問題で、さじかげんで、大きな銀行の倒産を決めるという重大な決定をさせていいのか、一監査法人にそういったことを、生殺与奪の権を与えていいのかという根本的な疑問があるわけであります。 また、この監査法人は三月期においては適正であると監査をしたわけでありまして、多くの人々はそれを信じて株を買った人もいるわけであって、それを信じて応援してきたわけであって、この期に及んで突然考え方を豹変させた。一つの見方によれば、来年の公認会計士法の改正、それによって金融庁の監督権限が強くなる、それを見越して、今回の問題で不評を得るよりも、先のことを考えて自己保全を図ったという見方すらあるわけでありまして、監査法人のそういう態度の豹変については、非常に信頼性の問題もある、また責任の問題もあると思っております。 この点につきまして、大臣の見解はいかがでございましょうか。
○竹中国務大臣 企業はみずからが決算をつくる、その際に、監査法人の監査を受けなければいけない、そういう協議をしなければいけない、その場合、監査法人というのは、一般に公正妥当と認められる会計慣行に基づいて、職業会計人としてのきちっとした判断をしなければいけない、これが私たちの社会が持っている会計情報作成のための一つのインフラであろうかと思います。その過程で、これは当事者間の、あくまでも会社、この場合は銀行と監査法人の間の話し合いであります。どの監査法人を選ぶかということも、これは会社、銀行の選択の自由です。国が割り当てているわけではありません。 そうした中で、今回、当事者間でいろいろなやりとりがあったということは、間接的には我々にもそういった話は聞こえてくるわけでありますが、このあたりのやりとりについては、これはもう当事者間の問題として、ともに責任ある立場の人たちでありますから、きちっと御判断をされるしかないのではないかと思っております。 我々の理解では、いろいろなやりとりがあったのでありましょうが、最終的には銀行の判断で、債務超過である、そういうことを取締役会でも、決算の承認の会議で決めて、その上で銀行の判断で破綻の申し出をなしているというのが現状ではないかと思います。 公正妥当な会計慣行、このものについてもいろいろな議論があろうかもしれませんが、現実問題としては、繰り延べ税金資産に関しても、公認会計士協会で作成された実務指針に基づいてそうした監査が行われているものというふうに承知をしております。 監査法人は、会計士は、まさにいかなる利害からも、国からも独立した立場で、職業監査人、プロフェッショナルとしての監査を行うものでありまして、独立性を持って判断されるものである以上、個別の監査に、監査法人の判断に関与する立場には実は政府はないわけでございます。この点は、ぜひ当事者間でしっかりと説明責任を果たしていただきたいというふうに思います。
○遠藤(乙)委員 確かに、監査法人、米国でも大問題になっていたわけでありますけれども、今後日本におきましても、ぜひ、監査法人の監査あるいはまた説明責任はしっかりと問う体制をつくるべきだと考えております。 そこで、今回の措置は、株主の責任を問うということが非常に大きな特徴でありまして、先ほども申し上げましたように、地元の株主の株が全部いわば紙くずになったということが大きな特徴でありまして、これは大変地元に大きな衝撃を与えております。 今回、足利銀行の資産増強のために、地元だけでも七百二十七億円という株が購入されており、一万五千件に達する。自治体、企業、個人も含めて、いわばオール栃木で応援団として今回株を買っているわけであります。だれも、収益性を期待して買っている人はほとんどいないわけでありまして、足利銀行がつぶれちゃ困る、何とか立ち直ってほしい、そういった意味で、応援団として、あるいはまた借り手の立場で、説得されてやむを得ずおつき合いで買った人もいるわけでありまして、株の購入動機はいわば応援団としてのものであるということを理解していただきたいわけであります。 したがいまして、株式だから株式だということで単純にこれを割り切ることは極めて大きな問題があり、また、現実的にも負の資産効果が極めて大きいということをそんたくする必要があるわけでありまして、この問題に対する対応策あるいは救済策がぜひとも必要であると思いますけれども、具体的にどういったことを考えられるのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○竹中国務大臣 足利銀行という、地域で五割のウエート、シェアを持っている金融機関に対して地元の方々が出資を行ってこれまで支えてきたという経緯は、大変我々もよく存じ上げております。そうした観点から考えますと、これは、債務超過でありますから、実質的な一株当たりの資産がマイナス、ゼロになっているということで、今回の措置になっているわけでありますけれども、心情的にはやはり極めて遺憾なことであり、その地域への影響というのは大きいというふうに私たちも実感をしております。 そうした観点から、先ほどから申し上げておりますように、関係省庁の連絡会議等々でも、その資金繰りの点等々でどのような措置がとれるかということを全省庁を挙げて今検討しているところであります。法律的な問題、それと、現実のやはり問題の大きさ、そういうものをしっかりと踏まえて、何ができるかということを積極的に、前向きに、あらゆる手段を考えていきたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 ぜひとも、具体的な救済策を早急に検討していただき、できる限りの措置をとっていただきたいとまず要望するものでございます。 そこで、この今回の措置につきましては、私ども、大変大きな疑問を持ってはおりますけれども、こういう措置を決断した以上は、余りそういうことを云々してもしようがないわけなんですけれども、今後の未来志向の問題として、どうやってこの地域の金融システムを立ち直らせていくか、これが大きなテーマであると思います。 そういった意味で、まず具体的に問題なのは、今、経営監視チームが派遣されておりますけれども、本格的に来る役員の選任、具体的な経営陣のリーダーシップ、経営感覚、能力というものが大変問われるわけであります。特に今回の問題は、地域の経済の再生のためにどれだけ役に立つかということが一番のポイントでありまして、そういった意味では、役員には、地域の実情に精通し、また、地域の経済の活性化にさまざまな努力ができる、そういう経営陣でないとならないと思うわけでありますが、この点につきまして、どういう段取りでどういう役員選任をするのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○伊藤副大臣 今御指摘がございましたように、まず私たちは、ガバナンスの空白をつくらないために、今、経営監視チームを派遣させていただいて、融資を受けられる企業が融資が受けられないような事態がないように、万全の対策を講じているところでございます。 今、先生御指摘のとおり、できるだけ早く新経営陣を選任していかなければなりません。その新経営陣の選任に当たっては、この三号措置の趣旨を徹底していけるように、その能力のある人を選んでいかなければいけないわけでありまして、そうした視点から今作業を進めさせていただいているところでございます。
○遠藤(乙)委員 能力は当然なんですが、特に、地域の実情に精通し、地域の活性化に役立つ人ということが大変ポイントであります。この点、もう一回確認したいと思います。
○伊藤副大臣 これは、先生の御指摘も含めて総合的に判断をして、しっかりとした経営陣の体制をつくっていかなければなりません。その経営陣の体制をつくるに当たって、地域の問題に精通している方も必要でありましょうし、また、中小企業の問題について精通される方も必要であります。本当の、金融の問題について、これはもう経験と能力のある方々の選任も大変必要であると思います。さまざまな観点が必要でございますから、そうした観点を総合的に勘案して、大至急、人選を進めていかなければいけないというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 ぜひ、最善のチームを選んでいただくよう強く希望しておきます。 もう一つは、受け皿銀行の問題なんですが、これもやはり、地域の活性化に役立ち、きめ細かなサービスが引き続き提供できる銀行でなければならないと思っておりまして、余り利益だけを求めるような、そういった銀行では地域としては困るというのが地域の強い声でございます。 そういった点で、この受け皿銀行の、新聞等では既にいろいろな名前が挙がってきておりますけれども、どういう段取りで、どういう期限で、またどういう性格の受け皿銀行を考えているのか、これにつきまして大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○伊藤副大臣 これも先ほどから議論になっておりますが、今の時点でこの受け皿のあり方、見通しというものを述べることは大変困難な状況でございます。 私どもとしましては、先生の先ほどの御指摘のように、できるだけ早く経営陣を選任して、そして、新しい経営陣のもとで、やはりまずこの銀行の健全化に向けた経営改革というものを進めていかなければなりません。それを進めるとともに、できるだけ早く、法の趣旨に基づいて、受け皿を確保することが望ましいと考えているところでございます。
○遠藤(乙)委員 ぜひとも、その趣旨を体して、よい、地域のために役立つ受け皿を選定してほしい、強く要望しておきたいと思います。 最後になると思いますが、今回の問題、足利銀行の問題、単に足利銀行、栃木県の問題というよりも、日本全体の、地方経済の象徴的な事件であったと私は思っております。一部に景気は持ち直しているとの見方もありますが、これはあくまで一部の、局部的な問題でありまして、日本の地方、中小零細企業あるいは商店街というのは大変な疲弊のきわみにあって、いまだ景気の回復の光が見えないという大変深刻な状況にあるということをまず知っていただきたいと思っておりまして、今回のケースは、何としても地域の金融システムの再生を果たし、地域の経済活性化、発展をぜひとも成功させなければならない、大変な重大なテーマであると思っております。 そういった意味で、今回の足利銀行の問題を踏まえ、今後の地域経済、栃木県を含めた地域の経済の活性化に向けての大臣の決意、具体的なビジョンをお聞きしたいと思います。
○竹中国務大臣 地域経済をめぐる問題、構造的な深刻な問題を抱えているということに関しては私たちも十二分に認識をしているつもりでございます。地域全般に関しては、そうした観点から、地域再生本部をつくって、地域再生の担当大臣も置いて、内閣全体として取り組む、そのような非常に強い決意を持って臨んでいるところでございます。 とりわけ、今回の栃木県をめぐる問題に関しては、先ほどから議論していただいていますように、今回の三号措置をもって、この銀行が、地元の銀行が日本を代表するリレーションシップバンキングの代表格の銀行に生まれ変わっていただくというのがやはり何よりも重要なことだと思っております。 その意味では、一番重い措置をとったんだ、一番重い責任を政府が負ったんだという御指摘がございましたが、まさにそのとおりなんだと思っております。強い決意で、地域再生本部を活用して地域全体を再生させる、とりわけこの栃木県に関しては今回の措置の趣旨を生かすように最大限の努力をする決意でおります。
○遠藤(乙)委員 もう一点だけ。 今回、百二条の三号措置が発動されたわけですけれども、やはり、特に地域の金融システムの問題に対してこの百二条の対処システムはまだまだ問題が多いんではないか、欠陥があるんではないかというふうに思います。特に、いきなりハードランディングをとらざるを得なかった、そういうルールは極めて欠陥が多いと私は思っておりまして、この点について、どういった改善の方向があるのか、大臣としてどのように考えられるのか、最後にお聞きしたいと思います。
○竹中国務大臣 金融システムを強化するために、とりわけ地域の金融システムを強化するために、リレーションシップバンキングの趣旨にのっとって、さまざまなことを今後も強化していかなければいけないと思っております。その中で、とりわけ、資本の増強をどのように考えていくかというのは、今回の百二条の問題も絡めて、やはり欠かすことができない重要な問題であると認識しております。 これは以前からいろいろなところで御検討をいただいて、金融審等々でも御検討をいただいておりますけれども、今の預金保険法百二条で十分足りるという御意見が専門家の間でもある一方で、何らかの予防的な措置が必要でないかという強い意見も専門家の間である。私自身は、やはり何らかの新たな枠組みが必要なのではないかというふうに考えております。 この点は、今、与党の皆様とも勉強させていただきながら、前向きにしっかりと対応していく必要があるというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 今回の足銀の件、栃木県の件をぜひとも成功例にすべく、大臣以下、政府関係機関の最大限の努力を期待いたしまして、私の質問といたします。 以上です。
○田野瀬委員長 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。 さきの通常国会で、りそな銀行の件で質問させていただいた経緯もございまして、今回もまた質問させていただくわけでありますけれども、ことしの五月、そして先ほどの足利銀行のケースを含めて、立て続けに二つの預金保険法第百二条の適用のケースが出てきたわけでありますけれども、今、この二つの銀行の取り扱いをめぐって、いろいろ、世の中の人たちがどうも変だな、おかしいなと思っている点がたくさんあるような気がするんです。 きょうはその点を特に確かめていきたいというふうに思っているわけでありますけれども、その前提として、まず、竹中大臣には、金融行政の基本姿勢、竹中大臣はどういう基本姿勢を持って金融行政を行おうとしておられるのか、この点をまず国民の皆さんに明らかにしていただきたい。そして、その基本姿勢のもとで、りそな銀行の取り扱い、あるいは足利銀行の取り扱いというものが、決して国民の皆さんが持っているようないろいろな疑念というものがないんだということを明らかにしていっていただきたいというふうに思っているわけです。 そういう意味で、最初に、竹中大臣の金融行政における基本姿勢が何であるのか、まずこれをお尋ねいたしたいと思います。
○竹中国務大臣 大変大きな御質問でございます。 金融行政、金融をどのように考えて、政府がそれにどのようにかかわっていくかというお尋ねだと思いますが、金融というのは、読んで字のごとくお金を融通する、余資のある家計、そこから資金不足の生じている法人部門、今ですとそれに政府部門が加わる、そうしたところにお金を流していく仕組み。そこには、やはり当然のことながら、市場の活力を生かしながら、そこでの情報を管理する、リスクを管理するという意味でのプロフェッショナルとしての金融機関が存在し、さまざまな、直接金融の市場、さらには市場型の間接金融市場も存在するという多様な資金ルートの中で、市場メカニズムを生かしながら健全にお金が流れるメカニズムをつくっていく、これに尽きるのではないかと思っております。 しかしながら、日本の場合、そこに至る過程で解決しなければいけない大きな負の遺産があると思っております。それが、いわば不良債権の問題。 不良債権の問題というのは、その背後に過剰な債務を抱えた企業の問題がありますので、やはりバランスシートを国全体として調整しながら、今申し上げたようなメカニズムをつくっていくことが我々の重要な任務なのではないかと思っております。 しかし、その場合に、例えば、世界的な競争をするメガバンクと言われるところと地域に根差したところ、そこは、市場の、ないしは情報のリスク管理の活用の仕方が多様であるということもやはり踏まえなければいけないのだと思います。それぞれの社会の実情に応じて、そういった色分けについては微妙な問題がある。 もう一つ、金融の姿勢としては、今まだ依然として、日本の金融のかなり大きな部分が公的部門、郵政に象徴される公的な部門によってドミネートされているという要因もありますので、そうした問題も市場メカニズムに基づく金融の中に統合していくということがあわせて重要な政策上の課題であるというふうに思っております。
○平岡委員 今竹中大臣が言われたのは、金融行政の目的とか金融政策の目指すべき方向といったようなことだったと私は思うんですけれども、私が聞きたかったのは、そういう目的を持ちつつも、では金融行政というのはどういう姿勢を持って臨んでいくのかという、そこだったんですね。 私は、前の大蔵省の金融行政から、そして今の金融庁の金融行政へと移ってきた過程の中で、今金融行政に求められているのは、やはり、国民の皆さんにとってみて透明性がある、そして公平性がある、こうしたもので金融行政が行われていかなければいけないというふうに思うわけです。そういう点に照らして、今回の足利銀行、そして前回のりそな銀行のケース、果たしてそういうものにたえ得るものになっているのかということをやはり大臣としてもきっちりと答えていっていただかなければいけないというふうに思っているわけであります。これからの質問については、そういう視点に立ってお答えいただきたいというふうに思います。 そこで、まず最初にお聞きいたしますけれども、金融行政の透明性、公平性という観点に立ったときには、その前提となるものとして、情報公開がしっかりと行われていなければいけないというふうに思うわけであります。 さきの通常国会、五月二十八日の予算委員会で、民主党の海江田議員が議事録の公表のお話をされました。これに対して竹中大臣は、金融危機対応会議の議事録につきましては、できるだけ速やかに公表すべきであると思っておりますというふうに答えられておるわけでありますけれども、私がこの議事録が欲しいというふうに言いましたら、議事録はありません、議事要旨しかありませんという答えしか返ってきませんでした。 どうして議事録がないんでしょうか。大臣、これは大臣がみずから答えられた話でございます。公表すべきであると思っておりますというふうに答えられたにもかかわらず公表されていないのはなぜなのか。これは大臣の責任で答えてください。
○五味政府参考人 事実関係を申し上げます。 りそな銀行に係る金融危機対応会議の議事、これは、議事要旨を六月十三日付で当庁ホームページに掲載して公表しております。この議事要旨のほかに議事録はございます。ございまして、議事録と議事要旨の違いは、発言者の言葉遣いをそのまま引いているかどうかとか、議事規程のような極めて事務的な説明を議事要旨では省いているとか、その程度のことでございますが、議事録はございますので、これは御要請がありますればお届けをいたします。
○平岡委員 今、要請があれば出しますというのなら、どうして要請をしたときに出してくれないんですか。それこそ、何か隠しているんじゃないかというふうに国民に思わせるという以前に、国民から選ばれた我々議員を何か欺こうとしているというふうに我々が受けとめてもおかしくないでしょう。そう大して違わないものなら、議事録はこれですというふうに出したらいいじゃないですか。やはりそういう姿勢がないから、多くの国民が、今回の足利銀行のケースについても、本当に何か隠しているんじゃないか、何か恣意的なことをしているんじゃないか、こういうふうに思っているということだろうと思います。 では、大臣。
○竹中国務大臣 ちょっと事実を確認させていただきたいんですが、委員が要請をされたんだけれども金融庁は出さなかったということなんでございましょうか。そういう事実があったということなんでございましょうか。
○平岡委員 そういう事実があったということです。あったことを前提に話しているわけですから、別に、それは大臣に対して直接要求したわけじゃありませんよ、事務的に要求しただけであって、事務的にそれはなかったという返事ですから、今大臣が、出していただけるということでありますから、もうこれ以上この問題について言うことはありません。時間がもったいないので次の問題に行きます。 当然のことながら、足利銀行の今回のケースについても議事録をできるだけ速やかに公表していただきたいということも要請しておきたいと思います。確認させてもらってよろしいでしょうか。
○竹中国務大臣 情報公開のルールで、一定期間を置いて公表する。幾つかの、風評等々を考えなければいけないという観点からこういう規定になっているんだと思いますが、前回もかなり詳細な議事要旨を出しております。前回と同様に、議事の内容がほぼ正確に御議論いただけるような議事要旨をとりあえず急いでお出しできるように準備をしたいと思っております。
○平岡委員 そこで、内容の話に行きますけれども、まず、りそな銀行についてですけれども、もともと、りそな銀行については、ことしの三月期で債務超過ではなかったかという疑いが随分と持たれていました。マスコミ報道の中にも、特別検査ではその対象が大口融資先に限られているし、大和の飛ばしの受け皿と言われている親密不動産会社など非上場会社の有価証券の査定も対象になっていないというような指摘もされておりました。 また、ことしの六月末時点を基準日として、新しい経営陣が資産の再査定を行っております。その結果として、当初、金融危機対応会議のときには、自己資本比率が、資本注入したら一二%ぐらいになるんだ、十分に高い自己資本比率を達成できるものとして入れるんだというふうな説明をしたことが、今度は、この資産の再査定の結果として六%台まで低下したというふうに指摘されています。 こういうふうな流れから見ても、平成十五年三月期にはりそな銀行は実は債務超過ではなかったのかと思うわけでありますけれども、この点について、大臣、どのようにお考えになっておりますでしょうか。
○竹中国務大臣 委員の御指摘、これは本当にきっちりとお答えしなければいけない問題だと思いますが、二つのことをぜひ分けて御議論賜りたいと思います。 まず、三月期の状況、三月期につきましては、これは繰り返し申し上げますが、決算というのは会社が行うものであって、それに監査法人が独立した立場から監査の証明をつける、そうした正式の手続を経て示されたものが、資産超過である、当時の自己資本比率で二%台ということで、それで一号措置になっているわけでありますが、実は、これ以外に利用可能な財務諸表はございません。唯一利用可能な正式の財務諸表がこの監査法人の議を、監査を経たものである、それにやはり基づくというのが、我々の今持っている、我々の社会が持っている会計情報システム、それに基づいた一つの正しい判断であろうかと私は思います。 その上で、第二の問題として、新しい経営陣が着任されて、一二%を想定されていた自己資本が、さまざまな、いわば損出しのような形を経て六%台に下がった。その理由を直接前期の債務超過に結びつけて考えるのは、会計の考え方として私はやはり誤っているというふうに思います。 これは、要するに、経営が変わりましたら、当然のことながら経営の判断が変わります。例えば一つの子会社、これを存続企業として評価するのか、いや、もうこの事業から撤退して、経営方針を変えて、これをスクラップバリューで、残存価格で評価するのか、これは経営の判断でございます。 三月期において、例えば必要最低限のいわゆるリクワイアメントは満たしていた、それに加えて、さらに将来のリスクを先取りしてこういうような評価をしたい、当時はまだ考えていなかった事業の再編を行いたい、その結果、存続価値で評価していたものが残存価値に変わる、こういうものもあるし、典型的には、将来のリスクを先取りしてより強固な財務基盤をつくるという観点から繰り延べ税金資産を大幅に取り崩した。実は、繰り延べ税金資産の計上の比率というのが最も低い部類の会社に今「りそな」はなっているわけでありますが、これは経営方針の変更であります。より強い財務基盤にしたい、将来のリスクを先取りしたい。それをもって、それが単純に前期の場合に行われていたならば債務超過であった、この議論は、やはり会計の議論として私は不適切ではあるというふうに思っている次第でございます。 今の二点、ぜひ御理解賜るようにお願いを申し上げます。
○平岡委員 今回の足利銀行のケースを見てみますと、平成十五年三月期の決算、これは平成十五年三月三十一日を基準日として検査をしたわけですね、九月以降は。そして、その結果として、平成十五年三月期からもう自己資本比率はマイナスであるという結論が出されている。そして、今回の九月期の決算にそれを反映するように、検査結果を反映するようにという形で決算がつくられたということですね。 それと同じように、りそな銀行についても、もし仮に足利銀行と同じように検査をしていたとするならば、平成十五年三月期は既に債務超過である、自己資本比率はマイナスであるという結論が出たかもしれません。 この点について、実は大臣は、前回の通常国会の審議の中でも、同僚の五十嵐議員の質問に対して、検査の必要性があるんではないかと指摘されているのに対して、我々としては、通常のペースで検査を行って、その中でしっかりと資産を査定していくということですということで、検査を行うことをその時点で既に拒否しているような、そういう答弁になっているわけですね。 実は、預金保険法の百三条に、百二条で一号の認定をした後、実は債務超過の銀行であったときには一号の認定を取り消すということが法律上、制度としてあるわけであります。 本来であれば、しっかりとした、透明性のある、公平性のある金融行政を行っていくためには、やはり、平成十五年三月期の決算を平成十五年三月三十一日の基準日においてしっかりと検査しておく、これが必要ではなかったかというふうに思うわけです。 なぜこれを言うかというと、今回、一号措置と三号措置、何が違うのかということは多くの人が指摘しています。一号措置でいった場合には、株主が、自分の、株を保有していることに対してほとんど損失をこうむらないことになってしまっているんではないか。それに比べて、三号措置であれば、株主は株主責任を問われている。逆に言うと、一号措置の場合は、株主が得ている利益というのは、実は資金援助をする国民負担、国民が広く負担しているということを意味しているわけですね。 このような状況をつくり出してしまったのは、まさに、大臣、あなたがしっかりとりそな銀行に対する検査を行ってこなかった、平成十五年三月三十一日を基準日とする検査を行わなかったということの結果じゃないですか。大臣、あなたは責任がありますよ。大臣の答弁を求めます。
○竹中国務大臣 お尋ねは、足利との比較において、「りそな」の検査がどうかというお尋ねであります。 「りそな」に関しましては、委員もよく御承知のとおり、これはいわゆる主要行でありますから、通年専担の検査を行っているし、決算期においては、債務者区分に関してリアルタイムで検査を行う、いわゆる特別検査も二年連続で実施しているわけであります。その意味では、我々として果たせる最善の検査の努力は行っているつもりでございます。 現実に、りそな銀行については、主要行に関する通年専担検査の枠組みの中で、ことしも十一月二十六日に立入検査を開始しております。金融機関の業務の健全性と適切性の確保という金融検査の本来の役割にかんがみるならば、それを実施する時点で把握可能な直近の決算、すなわち十五年九月期を対象として行うのが私は効率的なのであろうというふうに思っております。 十五年の五月に関しては、預金保険法百二条の趣旨からして、やはり迅速な危機対応をしなければいけない。その意味では、その時点で利用可能な最も確度の高い情報に基づいて行うべきである。しかし、それとは別に、銀行としての、いわゆる主要行の枠組みの中で、我々としては通年の検査はしっかりと行っていくということ、これは我々の重要な務めであろうかと思っております。 株主責任に関して、やや細かい話になるかもしれませんが、「りそな」に関しても株主の責任は求められております。債務超過でない以上、その価値を強制的にゼロにするということはもちろんできないわけでありますが、実質的に、配当の抑制というのも株主責任でありますし、資本が注入されることによって、いわゆる薄まりといいますかダイリューションが起こって、本来あるべき価値が、それ以前に比べて、そうでない場合に比して影響を受けるというような責任も負っているわけでございます。 我々としては、今申し上げたような枠組みの中で、しっかりと金融の検査監督の責任を果たしていっている所存でございます。
○平岡委員 先ほど渡辺議員の方からも、一号措置と三号措置の違いの話で、一号措置をとる場合でも減資をするというようなこともやはりやるべきじゃないかというような趣旨の話があったと思うんです。 実は、預金保険法の中には、百六条に、減資の話もあるんですね。一号措置をとった場合でも株主の責任を問うという仕組みが既に法律の中に整備されている、そういう状況であろうと思うんですけれども、どうして、そうした株主の責任をちゃんと問うような仕組みの中でりそな銀行の処理が行われなかったんでしょうか。ただ単にこれまでやってきたりそな銀行の処理でいけば、逆に株式市場の中でモラルハザード相場を生じさせたという話もありましたけれども、株主の責任が問えていないというような状況が生じてきている。 それに比べて、今回の足利銀行については、株については預金保険機構が無償で取得するという形で、株主の責任がすべて問われてしまう。 こういう大きな違いが出てくるということについて、金融行政の公平性という視点から見たときに、これは大きな問題があるんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 誤解のないようにぜひ御認識を賜りたいんですが、預金保険法第百六条第一項に基づく減資、これはいわゆる会計上の減資であります。会計上の減資でありますけれども、これは実施をしております。これはぜひ御確認をください。そういう会計上の減資はしておりますので。 ただし、これは、厳密に言うと、株主当たりの純資産が変わるわけではございませんので、いわゆる株主責任としての減資というのとは意味が違う。しかし、ここの百六条で決められている会計上の減資は「りそな」はしております。 公平の観点からの御指摘がございました。 先ほどからも申し上げているように、これまで株式を取得してきた方々に関しては、やはり割り切れない、非常にその思いはあると思いますし、そうしたことになったことに対してはやはり遺憾でありますが、事実の問題として債務超過か資産超過かというのは、やはり決定的に違っているということだと思います。 債務超過ということは、一株当たりの資産価値がゼロ以下ということでありますので、そういう状況があるからこそ、こういう今回のような預金保険法百二条の二号、三号の措置が、法律上も、憲法の規定に矛盾しないものとして正式にこう措置されているのであるというふうに私は思っております。そもそも資産超過か債務超過か、その差が非常に大きい一つの分かれ目、境目になるという点を御認識賜りたいと思います。 〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○平岡委員 資産超過か債務超過かが大きな境目になるというふうに言われているからこそ、私はこのりそな銀行について、平成十五年三月三十一日を基準日とする検査で、りそな銀行について、一体本当にどういう状況であったのかということを明確にする努力を金融当局としてすべきであるということを言っているわけです。 なぜ、平成十五年三月三十一日時点を基準日とする検査を行わなかったんですか。これを行っていればまた、金融行政のあり方として、どのようにりそな銀行に対して対応するかという結論が違ってきた可能性がある。もう何度も言うのも時間のむだではありますけれども、国民が負担をするような形を大臣がとってしまった、大臣が検査をぴしゃっとやっていればそういう形にならなかったかもしれない、大臣の責任は非常に大きいと私は思います。 なぜ平成十五年三月三十一日を基準日とする検査をきちっと行わなかったのか、もう一度答弁をお願いします。
○竹中国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、今の我々が依存しております預金保険法第百二条というのは、いわゆる金融危機を回避するための措置であります。その運用に当たっては、その時点で得られる最も確実性の高い情報に基づいて迅速に対応する。 今でこそいろいろな議論がなされておりますが、やはり当時、決算はどうなるんだ、この銀行はどうなるんだといろいろな風評、憶測が市場である中で、我々としては、迅速に銀行を安定させる状況に持っていく必要がありました。これは金融行政の、やはり大変重要な私たちの役割だというふうに思っております。いわば非常事態での緊急措置としてのこの百二条の性格にかんがみれば、そのときで一番確度の高い措置をとる。 その上で、新経営陣のもとで、経営体制の整備、ガバナンスの確立、新たな策定等の課題に優先的に取り組むべき状況にあるわけであって、通常検査の実施がこうした移行作業の阻害要因になるということも避けなければいけない。体制移行期において検査を実施すると、銀行側の検査への対応の面から見て、経営実態の的確な状況把握を目的とする検査の有効性に懸念が生じないか。同行が実施しているデューデリ作業等経営判断に、当局が同時期に検査を行うということで、結果的に経営判断に何らかの影響を及ぼすかもしれない。そうしたことも我々は考慮した次第であります。 〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○平岡委員 いずれにしても、結果的に国民負担をより多くしたという意味において、私は大臣の責任は重いということを指摘しておきたいというふうに思います。 そこで、ちょっと視点は変わるのでありますけれども、今回、足利銀行のケースにも関連しますので、日銀の考査について、りそな銀行はどういう状況であったのかをお聞きしたいというふうに思います。 日銀も、本来は、金融調節機能を発揮して物価の安定を図るというようなことが目的でもありますけれども、日本銀行の目的として、信用秩序の維持に資するということも含まれているわけであります。そして、そういう目的の中で、日銀にも、日銀法四十四条に日銀考査というものが規定してあります。そして、その考査の結果は、金融庁長官も、必要があれば参考にして、金融行政に生かしていくことができる仕組みになっているわけであります。 そういう意味で、実は足利銀行の方について特に聞いてみたいと思っているんですけれども、りそな銀行について日銀の考査はどのタイミングで行われ、そして、その結果というのはどのような結果であったのか、日銀総裁からお聞かせいただきたいと思います。
○福井参考人 お答え申し上げます。 りそな銀行に対する日本銀行の考査でございますが、昨年の三月から四月にかけて行いました。当時はまだ経営統合前でございますので、大和銀行、あさひ銀行、それぞれの銀行に対しまして、昨年の三月から四月にかけて実施をいたしました。 その結果でございますが、その時点では、自己資本比率は両行とも余裕を持って規制水準を上回っていた、つまり四%を上回っていたということでございます。 ただ、日本銀行の判断といたしまして、これら両行に対しましては、経営基盤をより強固に整えていっていただきたい、そういう趣旨で、一層の不良債権の処理に取り組んでいただきたいこと、それから収益力の強化を進めていただきたいこと、そうしたことが必要だということを確認いたしまして、両行に伝達したという次第でございます。
○平岡委員 それでは、足利銀行の話にちょっと移っていきたいと思いますけれども、足利銀行については、先ほど来から多くの委員が指摘しておられますように、検査のあり方に対して多くの人たちが疑問に思っているということであります。 特に、足利銀行に対する検査は、前回検査が平成十三年五月から六月までの間に行われています。つまり二年前に行われているわけでありますけれども、その検査結果と比べて今回の検査結果が余りにも違い過ぎているということが指摘されるのではないかというふうに思います。そして、今回、この一回の検査だけでいきなり国有化ということにいってしまった、そういう状況になってしまったわけですね。 そうすると、一体、検査というのは何のためにやっているのか。 預金保険法の中にも検査というのがあります。預金保険法における検査というのは、多分預金保険法に基づくさまざまな措置をとるために行われる検査でしょうけれども、この検査は多分銀行法に基づいて行われている検査だろうというふうに思います。そうした検査が、検査をしたら直ちに国有化、これは幾ら何でも、私は、余りにも検査というものの持っている意味が失われてしまっているのではないかというふうに思うんですけれども、大臣、その点についてどのようにお考えになりますでしょうか。
○伊藤副大臣 検査のあり方が、前回検査と今回検査が違うのではないかというお尋ねがございますけれども、今回の足利銀行に対する検査は、十五年三月期を対象として、先生も御承知のとおり、銀行法第二十五条に基づき実施したものでございます。そして、この検査に当たっては、その基準やルールそのものは前回検査と異なるものではなく、また大銀行、地域金融機関と異なるものではない。これは、先ほどから繰り返し御答弁をさせていただいているところでございます。 さらに、私どもとしましては、前回検査後の平成十四年の六月に、これは中小企業の経営実態をよりきめ細かく把握することを目的として、金融検査マニュアルの別冊というものを作成、公表しておりますので、こうしたものを踏まえて、今回検査について、同マニュアルを十分に踏まえた検証を行っているところでございます。 その結果として、十五年三月期について債務超過の検査結果になりました。これを踏まえて、足利銀行と監査法人が協議の中で、十五年九月期決算を策定するに当たって、債務超過である、そして、それを受けて破綻の申請がなされて、私どもとして、百二条の適用、そして第三号措置をとることによって地元に対する影響というものを最小限に食いとめていきたい、こういう危機対応をさせていただいたというところでございます。
○平岡委員 検査が、厳しくなかった、通常の検査の流れの中で行われた、通常の検査の手法の中で行われた検査だということは、先ほど来から同僚議員の人たちの質問でわかっているので、そんなことを私は聞いてないんですね。検査というものの役割、それから見たときに、一回の検査をしていきなり国有化という結論を出すというのは、本来の金融行政における検査のあり方として問題ではないかということを私は指摘しているんです。 答弁がありませんでしたから、答弁ができないということなんだろうと思いますから、次の話に行きます。 次の話というのは、まさに、今回この検査について、実は、竹中大臣が出されました平成十四年十月の金融再生プログラム、そして、ことしの三月に出されましたリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム、ここに資産査定の話が、検査における資産査定、そして自己査定との関係が書いてあります。 概略ですけれども、ちょっと私の方から言いますと、金融機関の自己査定と金融庁の検査結果に格差がある場合には、まずその格差是正が当該金融機関に求められる、そして、正当な理由がないにもかかわらずその格差が是正されない場合には、銀行法二十六条に基づく業務改善命令が出される、こういう流れなんですね。そして、業務改善命令が出されたのにもかかわらずそれに従わなかったら、多分国有化というような強硬な措置もとられることになるんだろうと思います。 一体、今回の足利銀行のケースで、竹中大臣がみずからつくられたこの金融再生プログラム、そしてアクションプログラムに示された手順というのは踏まれているんですか。全く踏まれないままにいきなり国有化にいってしまっているんじゃないですか。私は、金融行政の大きな手順の間違いがあるというふうに言わざるを得ないです。大臣、どうですか。
○五味政府参考人 今お話のありましたアクションプログラムそれから金融再生プログラム、これによりまして、格差が正当な理由もなく是正されない場合の業務改善命令ということが記述をされております。この命令は財務にかかわる命令でございますので、発動したかどうかということについては実は他の銀行の場合でありましても公表はしていないということでございます。 ただ、今のお話の中でちょっと感じますのは、足利銀行の場合には、九月の中間決算で大幅な債務超過に陥るということが銀行法二十四条の報告で金融庁に提出をされまして、その際に、自己資本の状況を健全性を回復する状況まで上昇させるということはこの大幅な債務超過の状況から見て困難であるという、そうした健全性回復の手だてがいわばないということを銀行みずからが当方に報告をしてみえている、そういった手順があって、その上でのその後の行政上の措置の検討が行われた、こうした事実関係がございます。
○竹中国務大臣 先ほどの委員の御指摘とも関連しますが、一回の検査に基づいて破綻を決めたと、これは表現そのものの、言葉じりをとらえるつもりは決してございませんが、決して検査に基づいて破綻を決めたというわけではございません。 委員御承知だと思いますが、検査を行ったのは三月期でございます。その三月期の検査の結果をさらにしっかりと反映してくださいということを申し上げて、そうしたことを反映した結果を九月期の決算として、これは検査とは関係ありません、銀行がみずから決算をつくりました、監査法人の監査と協議を経てつくりました。そこで債務超過であるというふうに銀行がみずから申し出てきたということであります。 繰り返し言いますが、検査は三月期であります。債務超過云々の今回の危機対応の判断は九月期の決算に基づいているというのが事実でございます。その間の自己査定との差というのは、これは当然埋めていただかなきゃいけないんですが、今回はそういう手続を踏む前に、これはもうその以前の問題として、破綻であるというふうに銀行自身が申し出た、これが事実関係でございます。 今後の問題としては、こういう問題、自己査定との差については、当然のことながら、我々がルールとして決めているとおりにしっかりとやっていく、その差が埋まらないときにはしっかりとした指導をしていく、これはもう当然のことであるというふうに思っております。
○平岡委員 検査がどういうものであったのかというのは、検査をする側と検査を受ける側とで多分受けとめ方が違うんだろうと思います。先ほどの与党の議員の先生方も、検査が余りにも前回検査と違うんじゃないか、あるいはこれまでの検査と違うんじゃないかというようなことを銀行の方々が感じておった、そういうお話もありました。 そういう指摘は十分に検査当局としても踏まえていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、そもそも検査というものが何のためにあるのか、そこのところをしっかりと踏まえてやっていかなければ、金融機関の方々も、いついかなるときに金融庁が厳しい検査をして、ねらい撃ちをして、自分たちをスケープゴートにするようなことになってしまわないか、そんな不安を持っていたら、本当の金融行政というのは私はできないんじゃないか。先ほど来からずっと言っています、金融行政において透明性、公平性ということは十分に踏まえていっていただかなきゃいけない、そういう問題の一つとして指摘させていただいたわけであります。 ところで、検査については、前回検査、平成十三年の五月から六月、そして今回の検査はことしの九月から行われていたというふうに伺っておりますけれども、日銀の考査ですね。先ほどりそな銀行について考査の話を伺わせていただきましたけれども、大体私が知っている限りにおいて申し上げれば、検査と考査というのは金融機関にとってみれば似たようなものでありますから、かなり負担がある、それを受けることに対しては負担があるということで、それなりに時期的な調整はしながらやってきたというふうに思います。日銀法四十四条にもそのような趣旨の規定が置いてあります。ということで、竹中大臣も記者会見の中で、大体地銀は二年に一遍ぐらいの割合で検査していますというようなことを言っておられますけれども、その二年に一遍の検査の間、間に日銀の考査が行われているのがこれまでの一般的な例ではなかったのかなというふうに思うわけです。 そこで、先ほど言いました、平成十三年の検査のときには大きな問題があったのかなかったかわかりませんけれども、今回のような問題は生じなかった。そして、平成十五年の今回の検査で、国有化まで至るような検査の結果が出てきた。そうであるならば、平成十四年の、本来行われているであろうと思われる考査というものは一体どんな結果が出ていたのか。これについて日銀総裁から答弁を求めたいと思います。
○福井参考人 お答え申し上げます。 足利銀行に関するお尋ねということでお答え申し上げますが、足利銀行に対する日本銀行の考査は、直近時点では、少しさかのぼりまして平成十一年四月でございます。 そのときの考査結果は、足利銀行の自己資本……(平岡委員「それは結構です。中身はいいです。平成十四年のお話をお願いします」と呼ぶ) 平成十四年には考査を行っておりません。
○平岡委員 今の日銀総裁の答弁は、平成十一年に考査をやった後、当局の検査が十三年、十五年と二回も入っているにもかかわらず、ずっと考査を行っていないということですよね。 これは何でですか。普通だったら私は平成十四年に考査が行われるんじゃないかと思うんですけれども、これは金融当局との間で、何か、考査をしないでくれとか、あるいは考査をするといろいろ問題があるからやらないでくれといったような、そんなことでもあったんですか。なぜ平成十四年に日銀考査が行われていないのか、明確に答えてください。
○福井参考人 考査という形で実地に踏み込むときだけが日本銀行の銀行に対するモニタリングの役割ではございません。考査に入ったときの資料に基づいて、銀行に対して、極力経営内容が改善するように自主的な経営努力を促すということが私どもの重要な役割でございます。 十一年の考査の結果は、この銀行は、当時の経済環境、不良債権の状況を踏まえますと、自己資本の状況が必ずしも十分とは言えないという判断に至りました。したがいまして、抜本的な資本増強策と収益強化策が必要だということを強力にこの銀行に申し上げて、その後の経営の改善ぶりをしっかりとモニターしてきた。したがって、この銀行は、その考査の趣旨を踏まえまして、直後から民間の増資を実行した、また公的資金を受け入れた、そういうふうなことをやっておりまして、経営統合とか、経営の姿形も変えるというふうな努力を続けてきたわけであります。その辺の状況を見守りながら、指導を強めながらウオッチしてきたということでございます。 十四年あるいは今年につきましては、日本銀行が次に考査に入るべきタイミングが近づいている、明確にそういうふうに認識しておりました。金融庁と日本銀行では、考査、検査のタイミングについていろいろな角度から打ち合わせを続けながら、ベストと思えるタイミングでいずれかが入っておりますが、今年度につきましては、公的資本を受け入れて経営改善を図ってきているこの銀行の状況を踏まえて金融庁の検査がお入りになるということで、考査の方はすぐには入らないという結論に至っているということでございます。
○平岡委員 ここにも金融行政の公平性というのがやはりあるんですよね、多分。 りそな銀行は大きな銀行でありますから、随時検査が入っている、あるいは毎年毎年やっている、こんな状態の中で、ちょっと資本が低下すれば、自己資本比率が低下すれば、四%を切るような状態になれば、国有化というような措置をとらないまでに何らかの対応がとれる。 だけれども、地方銀行なんかになってくると、二年に一回、三年に一回と、あるいは後で指摘するように、なぜか知らないけれどもしばらくやっていないようなところもあります。そういうところで検査したら、二年、三年たったときに、ある程度急激な資産の劣化があるというようなことで、いきなりさっき言ったような強硬な措置がとられる、こういうことになってきてしまうわけですね。その点にも私は大きな問題があるんだろうと思います。 この点も、記者会見なんかで聞かれていて、いや、人がいないからできないんですよ、財務局の体制が整わないからできないんですよというようなことを言っていますけれども、それは当局の問題であって、やはり、金融機関あるいは金融機関の取引先となっている人たちにとってみれば、そんな恣意的な金融行政でいきなり国有化されたんじゃ、たまったものじゃない。 幸い、日銀の考査という仕組みもあるわけでありますから、考査と検査が、しっかりとそういう問題について意識して、できる限り丁寧に検査、考査をしていく、そういう方針が必要じゃないですか。大臣、どうですか。
○竹中国務大臣 委員御指摘のように、検査のインターバルが長くなれば、そこで急激な変化が起こってそれが問題になり得るという御指摘は、一般論としては私もそのとおりだと思います。そうした観点から、我々も、特に注視しなければいけない金融機関に対してはインターバルを平均よりも短くするような努力はしております。一般に地方銀行の場合に、このインターバル、二年七カ月ぐらいだと思いますけれども、今回も、それよりはかなり短い期間で足利には入っております。 ただ、我々としても、もう少しそういったインターバルを短くしたいという努力を今後も続けたいと思いますが、これも、委員御紹介いただきましたように、非常に限られたキャパシティーの中でやっているという面もあります。 御理解いただきたいのは、そうした限られたキャパシティーの中でも、今回の足利のように注意を要するところに関しては、その普通、平均のインターバルよりも短い期間でやる、そういう努力は我々もしておりますし、さらに続けていかなければいけないと思います。
○平岡委員 検査、考査のあり方、そしてそれを踏まえた金融行政のあり方というのは、やはりしっかりと、透明性、公平性という観点から再度チェックしていただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、それに関連して、ことし八月に業務改善命令が、公的資金を注入した金融機関に対して出されております。これを見ますと、足利銀行を除いて、地方銀行に対して九行あるわけでありますけれども、これに対する検査の状況をちょっと聞いてみました。聞いてみましたら、中には、平成十二年に検査をして、今まで検査が行われていないという金融機関があるわけであります。 これも、先ほど言いましたように、かなり恣意的な検査が行われているんではないか、あるいは恣意的に検査が行われていないんではないか、こんな疑念も我々は持つわけでありますけれども、どうしてそんなことが起こるんですか。どうしてこれだけの、業務改善命令を出さなければいけないような金融機関に対してそれだけ検査をしないような状態が続けられているんですか。大臣、お答えください。
○佐藤政府参考人 御指摘のとおり、業務改善命令を受けました十五行のうち九行、足利を除いて九行が地域銀行でございまして、そのうち二行については現在立ち入り継続中、その他七行についてでございますけれども、前回検査から現在までの平均経過期間、約一年一カ月というような状況でございます。 御指摘のとおり、その七行の中に、前回検査から三年以上経過した銀行があることも事実でございますけれども、そのときそのとき各年度の検査対象の選定につきましては、もちろん各金融機関の経営状況、前回検査の結果、あるいは当局の人繰り、限られた人員の中でやっておりますので、そういったことを総合的に勘案いたしまして、個別に判断しているところでございます。 その結果として、たまたま、現在のところそういう状況になっているということでございます。(平岡委員「たまたまというのは、ちょっと。大臣」と呼ぶ)
○竹中国務大臣 御理解いただきたいのは、今の局長の答弁もありましたように、地銀九行のうち二行については立入検査をしている、その他の七行については平均して一年一カ月でやっているということですので、我々としては、まあ、かなりめり張りをつけてやっているつもりでございます。 御理解いただけますように、例えば二年七カ月が平均だとしますと、二年でやるところがあれば、当然三年半とかできないところも——済みません、前回から一年一カ月しかまだ経過していないということであります。もう一度申し上げますと、二行は立入検査中であり、その他の七行については、前回検査から今までの経過期間はまだ一年一カ月である。 インターバルが長いところがあるではないかという御指摘ですが、これは二年七カ月の平均で、それより短いところをつくると長いところも出てくる。これは、業務改善命令を出しているようなところ、公的資金を注入したところというのは、極めてプライオリティーを我々としても高くしておりますが、それに加えて、そのときどきの収益の状況であるとか債務者の固有の問題であるとか、やはり幾つかの問題がありますので、そうしたことを総合的に勘案して、年次年次の検査計画を、検査局の方で優先順位を考えながらつけて対応しているということであります。
○平岡委員 今、一年一カ月とか何かそんな話がありましたけれども、私が言ってるのは、足利銀行は十三年に検査をして、今回十五年にやったわけですね。そして、地方銀行の業務改善命令が出された九行の中には、ある、名前は出しませんけれども、平成十二年に検査をしておりながら、いまだに次の検査が来ていない、つまり足利銀行よりも随分インターバルの長い銀行がある。こういうことがあったのでは、本当に公平性のある金融行政が行われているのかということを私は疑っているんです。 さっきからの答弁は、局長の答弁はそれなりにそういう状況を踏まえての答弁だったと思いますけれども、今の大臣の答弁は全然私の質問とかけ離れた答弁をしているんじゃないですか。私が聞いていることをちゃんと答えてください。一年一カ月なんかというそんな数字じゃないでしょう。じゃ、私がもらっていた資料が間違いなんですか、これは。平成十二年十月立入検査、十二月十五日に検査終了、この金融機関について、どうしてそんなに長いインターバルになっているのか、これを聞いているんですよ、私は。
○竹中国務大臣 私が申し上げているのは、平均でそのようになっているというふうに申し上げているんです。 委員の御指摘はわかります。長いところもあるではないか。これは、個別の銀行に関しては、風評につながる可能性もありますので申し上げられませんが、それは当然のことながらばらつきがあります。こうした銀行に対しては我々は高いプライオリティーを置いて検査するようにしておりますけれども、その時々で、特に急ぐところ、また、そうした銀行のほかにも、こうした今問題になっている銀行のほかにも急いで検査しなければいけないようなところは出てまいります。 そうした中で総合的に判断をさせていただいているわけで、繰り返しますが、個別にはいろいろなことがあります、風評につながるから申し上げられませんが、全体としては今申し上げたような、平均経過期間は一年一カ月であるという平均数値で見ていただけますように、全体としてはプライオリティーを置いた努力をしている、そのことを申し上げたかったわけでございます。
○平岡委員 この点についても日銀の考査がどうなっているのかというのを聞きたいんですけれども、ちょっと時間がないので保留しまして、もう一つだけ、この業務改善命令を出した銀行に関連してお聞きしたいんですけれども、竹中大臣は、十一月二十九日の記者会見でこういうことを言っています。今般の九月の決算ですべての銀行が自己資本を十分に健全基準を満たしているという報告がなされているというふうに言っておられるんですけれども、九月末以降検査に入って現在検査中の銀行というのがこの八行の中にもございます。こういうような状況の中で、何を根拠にして、すべて健全基準を満たしていると言っておられるのかということを、まず国民の皆さんに説明していただきたい。何を根拠に、すべてが健全な銀行である、自己資本を十分に健全基準を満たしているというふうに判断されておられるのか、この点について明らかにしていただきたいと思います。
○竹中国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、我々の社会が持っている会計情報のインフラというのは、企業が決算を行う、監査法人がそれに対して監査を行う。そうした手続を経て地域銀行百十五行は十一月末までに中間決算の公表を行ったというふうに承知しております。 そうして公表された中間決算を見ますと、全体としては当期利益が増益となる銀行が多い、現時点では足利銀行を除くすべての地域銀行において健全性の基準を満たしている状況にある、そういう事実に基づいて申し上げているわけであります。
○平岡委員 公表ベースでそういうことを言うのは私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますよ。公表ベースだったら、何も大臣が言わなくたってみんなわかっていますよ。 そうじゃなくて、大臣が持っている権限というのは、検査権限もあるわけです、日銀の考査だって中身を見られるんです。そういうものを踏まえてきっちりとした情報提供をしてもらわなければいけない。公表ベースで見たら健全ですから健全だと思います、そんな答弁じゃ私は納得できないということを申し上げます。 時間が来ましたのでやめますけれども、冒頭申し上げました、金融行政に今求められている基本的な姿勢というのは、私は透明性、公平性だというふうに思います。きょうの議論の中でも、私は、それについて大臣にしっかりと答弁していただいたとは判断できませんでした。今後とも、公平性、透明性という視点に立って国民の皆さんに十分説明できるような行政をやっていただきたいというふうにお願い申し上げまして、質問を終わります。
○田野瀬委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○田野瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。永田寿康君。
○永田委員 先ほどそちらですれ違ったら、大臣から当選おめでとうというふうにおっしゃっていただきまして、私からも再任おめでとうございますというふうに申し上げたいと思います。 加えて、大臣にお顔のよく似た某柔道の選手が結婚もされたということで、大変おめでたいこと続きではございますが、この閉会中の審査に、またそのおめでたい雰囲気を吹き飛ばしながら全力でやりたいと思いますので、ぜひ大臣、おつき合いをいただきたいと思います。 さて、選挙が終わったので、ちょっと一つだけ大臣にお伺いしておきたいんですが、選挙期間中に、大臣が自民党の候補者の応援をした、車の上に上がって演説をしたという姿を私テレビでちらっと拝見したんですけれども、そのような事実があったんでしょうか。
○竹中国務大臣 させていただきました。
○永田委員 御記憶の範囲で、大体でいいですから、何カ所ぐらいあったのかというのと、あと、できたら地域、この県でやったとかいうのも、御記憶の範囲で教えていただきたいなというふうに思います。
○竹中国務大臣 応援をさせていただいた先生方が二十数名、二十から三十の間の数であったと記憶をしております。正確には勘定しておりません。場所でありますが、北海道から鹿児島まで、地域的には分散をしております。地域と応援させていただいた先生方の人数はそういうところでございます。
○永田委員 その際の旅費はだれが負担されたんでしょうか。
○竹中国務大臣 ちょっと今、御質問いただきましたんですが、基本的には党の方から依頼されたもの等が主だったと思いますので、そちらの方で御負担をいただいたというふうに思っております。
○永田委員 移動に公用車を使ったことがありますか。
○竹中国務大臣 ございません。
○永田委員 確認の上で質問させていただきたかったのでこれぐらいにしておきたいと思いますが、そういう公とプライベートとは分けてなさった方がいいと思いますので、すばらしい姿勢だと思います。 さて、りそな銀行と足利銀行、この二つの銀行の取り扱いなどについて、質問の中身に入っていきたいと思いますけれども、まず第一に、先ほどの大臣と平岡委員の質疑を見ておりましたところ、大臣はこのように答弁されておりました。 すなわち、今回の決算は、監査法人と銀行の間で話し合いをして決められたものである、そこに国が介入する余地はない、そして、そこで決定された財務諸表のみが唯一利用可能な財務諸表であるということを大臣も強調されました。そして、その財務諸表を見た結果、債務超過であるならば、その債務超過であるという事実に従って行政的な判断をしていくんだというような答弁であったと思います。 しかし、それだと、一体何のために金融庁は検査をしているのかということになるんです。すなわち、監査法人と足利銀行はそれぞれ独立した主体として話し合いをして決算を決めていく、決算を決めた結果を見て、いわば自動的に受け身の立場で金融庁が行政的な権力を発動していくんだという立場になるのであれば、事前の検査というのは一体何の意味があるんだということになるんですが、事前の検査はどういう意味合いなのかというのを教えてください。
○竹中国務大臣 永田委員は、受け身の対応をしているのかという、ポイントはそこかと思われます。 御承知のように、日本の金融行政というのは、銀行行政というのはいろいろな経緯を経て変遷してきておりますが、従前の事前介入というのはやはりやめるべきである。市場の成熟とともに、経営主体そのものが責任を持つ、市場の中で評価をされて生きていく、それに対して事後的なチェックを行うというのが新しい金融の行政であるというふうに思っております。 これは決して受け身ということではございませんが、事前か事後かと聞かれたら、これはもう事後しかないというふうに思っております。事前にできることは、その意味では、早期の警戒のアーリーウオーニングを出すとか、場合によっては早期是正の命令を出すとか、そういうことはもちろんさせていただくわけでありますけれども、検査そのものも、これは事前の検査じゃなくて事後の検査ということになります。例えば、三月期の決算は向こうでおつくりになって、それで、その後、数カ月後で今回検査に入ったわけでありますが、我々は事後の行政という立場にございます。
○永田委員 今回の十五年三月期の決算が終わってから十五年九月期の中間決算が決まるまでの間、金融庁は、業務改善命令を出すなど、さまざまな形で足利銀行に対して意見を述べるというか意思を伝達してきたと思うんですけれども、この間の繰り延べ税金資産の計上の規模などに関する、足利銀行の資産についての金融庁の見解はどういうものだったんでしょうか。過大であるとか過小であるとか、あるいは繰り延べ税金資産以外の資産の劣化も当然あるでしょう。そうしたところについて、特に繰り延べ税金資産の点について、この間、金融庁が持っていた意識というのはどのようなものであったのか、教えてください。
○五味政府参考人 足利銀行の繰り延べ税金資産に関しましては、十五年三月期の決算において計上されておりました金額、これは監査も経てということでございますので、その決算をもとに、その後また、これは公的資金注入行でございますので、経営健全化計画なども策定をしたりしております。そういった過程で意見交換はしておりますけれども、三月期に計上されておりました千三百八十七億円の繰り延べ税金資産については、監査も経たものであるし、私どもがその後、意見交換をしている過程で、これが問題になるのではないかというような認識は、計画を担当する監督局としては、特段意見表明をしたことはございません。
○永田委員 特段大き過ぎるというような認識も持っていなかったし、大き過ぎるかどうかということについても、全く足利銀行に対して意見を述べてこなかったということでございますが、果たしてそれで金融行政が成り立つのかというところに議論を移したいと思います。 つまり、公認会計士協会は、確かにこの繰り延べ税金資産の計上の仕方について基準を持っています。私の記憶が正しければ、監査委員会報告第六十六号という基準を持って、これに従って行ったものだというふうに思います。公認会計士協会がこのような基準をつくったねらいは一体どこにあるというふうにお考えですか。目的と言ってもいいと思いますが。
○佐藤政府参考人 これは公認会計士協会の監査委員会がおつくりになったものでございますので、私ども金融当局があれこれ申し上げるべき筋合いのものではないと思いますが、恐らく、税効果会計が導入されたのを機に、この繰り延べ税金資産の計上について一般的なよって立つべきルールをつくった方がよかろうということで、公認会計士協会でお決めになったということではないかと推察いたしております。
○永田委員 どうしてそのようなよって立つべきルールをつくるべきだというふうに考えているとお考えですか。
○五味政府参考人 経緯は今検査局長から申したとおりでございますが、この六十六号の取り扱いを定めました報告の冒頭の部分に「はじめに」というところがございまして、税効果会計の適用開始に当たりまして、我が国において初めて導入された会計制度であるということから、実務上での適用に当たって、この制定の時点ですので平成十一年度でございます、この時点で協会にも多くの質問が寄せられているということ。特に繰り延べ税金資産の回収可能性に対する考え方とか実務上の判断についての質問が多い。そこで、こういった報告を検討して、この税効果会計の全面適用に当たって、繰り延べ税金資産の回収可能性の判断に関して、監査上留意すべき事項を取りまとめる必要がある。こうした御認識だったようでございます。
○永田委員 その基準はどのぐらい国民に知られていると思いますか。
○五味政府参考人 これは、銀行に限らず、企業会計上は、税効果会計導入というのは大きな影響を持つものでございますので、企業の経営に携わる方あるいは特に財務に携わる方には十分知られていると思います。また、監督当局、私どもも十分承知しておりますが、一般国民の方となると、どの程度こういったことに御関心をお持ちか、ちょっと自信がございません。
○永田委員 公認会計士協会のホームページをごらんになるとわかると思いますが、この第六十六号の報告は、見ようと思っても普通の人は見られないんです。お金を払った会員にしか公開されていないんです。つまり、どういう基準に従ってこの税効果会計が認められるか、認められないかということを判断する基準が一般国民には知られないようにできているんですよ。一般の投資家、一般の株主には知られない形になっているんですね。 なぜこういう話をしているかというと、公認会計士協会のホームページに書いてあるんですが、「日本公認会計士協会の役割」とあって、ここに六点箇条書きになっているんですが、私はこの三番目に注目をしたいと思います。三番目、「監査及び会計に関する理論及び実務の調査研究並びに企業会計制度の確立のための諸施策」、これを公認会計士協会の目的としているんですね。この一環として第六十六号の基準がつくられたことは間違いない。役割の中の三番目に従ってつくられたことはほとんど間違いがない。 しかし、なぜこういうことをする必要があるかというと、もちろん情報公開、つまり、企業の実態に即した決算情報をまず作成し、そしてそれを適切に公開していくことによって、投資家及び株主、そして各種の市場関係者の利益に資する。つまり、これはインフラづくりですね。適切な企業決算がつくられて、そしてそれが公開されるということはインフラなわけですね。それをつくるために基準が設けられているんだという話です。 なぜそのようなインフラが必要かといえば、当然、情報公開というのは、これは透明性の確保、先ほど平岡議員の議論の中にもありましたが、企業の決算、財務状況について透明性を確保しなければならない。なぜ透明性を確保する必要があるかといえば、それは予見可能性を高めるためなんですね。 つまり、この会社はどれぐらい今後収益が上がる見込みだとか、あるいはどれぐらい倒産の可能性があるとか、そういうことをできるだけ予見したいという気持ちが投資家や市場関係者の中にあって、その欲求を満たすために、できるだけ透明に情報を公開していかなければならない。そのためには基準もつくらなければならないという話になっているんだと思うんですけれども、しかし、その基準自体が一般に公開されていない。 これで一体、投資家が今回の足利銀行の健全性、あるいは今後倒れるかどうかという倒産リスクを、あるいは破綻リスクというものを計算する上で、この六十六号が公開されていない段階でどうやって判断しろというんですか。教えてください。 〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○竹中国務大臣 委員御指摘になったように、予見可能性、そのもっと大きな背後というと、やはり説明責任、情報の開示、これは今の制度を社会に定着させるために欠かせないキーワードばかりであろうかと思います。 今委員は公認会計士協会のホームページについて言及されて、そこで見られないのは不備ではないか、そういう御指摘は確かに傾聴に値する点があると思います。ただ、こうした問題にアクセスしたい方々というのは、一般にはやはり会計に携わった方々、そうした方々は、通常は例えば監査小六法とかそういうものでお仕事をされるんだと思いますが、当然のことながら、そういうところには公表されているわけでございます。むしろ、情報はその意味ではきちっと開示されているんだと思いますが、説明責任をより高い次元で積極的に果たすための努力はやはりしなければいけないというふうに思います。 これは、そうしたことを我々が公認会計士協会に直接指導するという立場にあるかどうかという問題はありますが、いろいろなところの協議等々で、できるだけそうした努力はしてほしい、ホームページについてはそういう御意見もあるぞということはきっちりとお伝えしたいと思います。
○永田委員 この公認会計士協会が、今申し上げたとおり、「監査及び会計に関する理論及び実務の調査研究並びに企業会計制度の確立のための諸施策」、こういう目的を達するために、役割を果たすために基準をつくったというふうに私は理解しているんです。恐らくそれでほとんど間違いないと思いますが、ここには、金融システムの担い手としての金融機関、金融システムを担うという意味での金融機関の健全性を確保するという考え方は全く入っていないんですね。 つまり、公認会計士協会が基準をつくる目的というのは、先ほど申し上げたとおり、投資家、株主、そして市場関係者に対して、この企業の決算はこういう考え方に従ってつくられているんだよ、そして、それをこのようなやり方で公開しているんだよ、そういうような、言ってみれば情報インフラをつくるためにこの公認会計士協会は一生懸命仕事をしているわけですけれども、そこには、金融システムの担い手としての銀行の役割というものは全く考慮されていないんですね。 恐らく投資家もそうでしょう。そういう観点から投資家も全く、そういう金融システムの担い手としての金融機関という部分に着目をして投資をしている人というのは恐らくほとんどいないでしょう。何しろ、決算のつくり方あるいはさまざまな財務諸表のつくり方がこういう考え方に従ってつくられているわけですから、金融システムの担い手としての銀行の役割に着目しようと思ってもできやしませんよ。 だから、そういう考え方に従ってつくられた決算書を見て、おお、これは債務超過だ、これは資産超過だ、こういうことを判断するよりどころに金融庁がしているというのは、僕は間違った考え方じゃないかと思っているんですよ。 つまり、金融庁は公認会計士協会とは違う考え方で企業の財務というものを見るべきだ、そして、公認会計士協会の判断にはかかわらず、金融庁は、この銀行は健全だとか危ないとか、そういう判断をする力を持つべきだ、私はそう思うんですけれども、大臣はいかがでしょう。
○竹中国務大臣 ある意味では非常に大きな問題の御提示だと思います。 まず、我々として考えなければいけないのは、我々は事前の介入はしない、事後のチェックに徹する。そうすると、まず、当事者がどのようにしっかりとした観点からしっかりとした会計情報を出せるか、これを何に依存するかということだと思います。 私、ひょっとしたら永田委員の御主張を聞き違えているかもしれませんが、一つの例としては、通常の会計、バランスシートをつくるようなものとは少し別の、金融システムを担っている銀行に対しては何らか特別の、何か当事者の作成システムというようなものもあってよいのではないか、そういう御提案かなというふうにもちょっとお聞きするんですが、金融だけを特別にするということにどれだけの社会的な理解が得られるだろうか。これはやはり少し議論の余地があるのではないかと思います。 金融機関は、金融システムを支えるものとして大変重要であります。しかし、それを言うならば、ほかの業種に関しても同じようにこれは重要だという議論も成り立つでありましょうから、そうしたものを押しなべて、今日の企業会計の制度、一般に公正妥当な会計の制度、それを支える監査のシステムというのがあるのではないかと認識をしております。 非常に大きな、将来的な問題として議員の御意見を拝聴いたしましたが、今の金融行政の中ですぐ何か我々ができることがあるのかな、どうかな、これはちょっとまた考えさせていただきたいと思います。
○永田委員 いや、大臣は、見識の高い大臣ですから、ほかの業種がやっていないからうちだけやるのはおかしい、そういうことを言っているんじゃないと思いますけれども、しかし、銀行には厳然として、例えばBIS基準みたいな基準もあるわけですよ。国内基準行は四%以上の自己資本比率を持っていなければならないという特別な基準があるわけですね。それに即して、欧米では、自己資本比率の一〇%ぐらいまでしか繰り延べ税金資産を認めないというような基準も独自に定めているわけですね。 それは、要は、預金の払い戻しにきちんと対応していくためには自己資本がそれぐらいなきゃいけない、しかも見せ金ではなくて。つまり、繰り延べ税金資産というのは、黒字を出して実際に税効果会計が実現するまでは全く意味のない、単に帳簿上の数字にすぎないわけですから、繰り延べ税金資産で例えば不良債権を処理するとか、繰り延べ税金資産で預金を払い戻すとか、そういうことはできないわけですね。そういうところに着目をして、一定限度まで繰り延べ税金資産の自己資本算入を制限しようという話も特別に課されているわけですよ。 私は、ほかの業種と並べて、横並びでやっていくべきだという議論はここでは成り立たないと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 今の御指摘は大変ごもっともだと思います。ごもっともだという意味は、今委員がおっしゃったのは、監督の基準としては当然別のものがある。八%、四%の自己資本の規制そのものも、これは監督上の、会計監査とかそういう観点ではなくて、金融システムを健全に保つための監督上の指針、規制というのは当然持っていなければいけませんし、持っております。 とりわけ、今いろいろな形で、ここ半年、一年話題になっております繰り延べ税金資産に関しては、御指摘のように、アメリカでは非常に形式的に限度を設けている。そういう点も踏まえて、この繰り延べ税金資産さらには自己資本の充実をどのように考えるかということは、我々自身も金融再生プログラムの中で問題提起をいたしまして、御承知のように、金融審のワーキンググループで今もさらに議論をしております。 こうした観点からの議論は我々も問題意識を持ってしっかりとやっておりますので、引き続き、今御指摘のような問題は、このワーキンググループの中で非常に強い問題意識を持って我々も議論を進めたいと思っております。
○永田委員 金融ワーキンググループの議論ができるだけ早く、特に、来年に予定されているであろう公的資金注入新法、これが準備できる前にぜひその議論が終わることを期待したいと思います。 一方で、先ほど申したとおり、財務を透明性を高めて公開していく、そして予見可能性を高めていくということはとても大事なことだと思うのですけれども、同時に、予見可能性を高める上でさらに効果が高いのは、実は客観的に基準を設けていくということなんですよ。 今回の問題になった公認会計士協会の第六十六号の基準というものは、実はかなり主観的に判断することになっています。要は、将来利益が見込めれば繰り延べ税金資産は自己資本に算入していいというし、見込めなければだめだという、そういう非常にあいまいな文言になっていて、これを読んだ人が果たして客観性を確信しながら財務諸表を読んでいけるかというと、かなり疑わしいと私は思うんですね。つまり、将来の利益というものは、できるだけ客観的に、できるだけ予見可能性を高めながら計算していかなければいけないのは当たり前ですけれども、しかし、どうしても人によって判断が異なる部分が出てくる。 私が申し上げている客観性というのは、例えば、三十は五十よりも小さい、これはだれに聞いたって当たり前のことなんですよ。これぐらいの客観性を持ってほしいということなんです。アメリカの会計基準がすぐれているのは、自己資本の一〇%までしか繰り延べ税金資産を認めない、これはだれが見ても明らかなんですよ、電卓さえたたければだれでも計算できる数字なんですね。だけれども、日本の会計制度では、決算のときにそこまでの客観性は確保されていないんですよ。 ですから、ぜひ、監督上の問題だというふうに先ほどおっしゃいましたけれども、監督上の問題の方がむしろ大事なのであって、監督する上で基準をつくるのであれば、そういうような、だれが考えても同じ答えになるという客観性を持った基準をつくるべきだというふうに考えているのですが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○竹中国務大臣 先ほども申し上げましたように、委員御指摘のように、私も予見可能性というのは大変重要な問題だと思っております。 委員の今のお話は、客観的に、恐らく何らかの外形的な基準、外から見えやすい基準で判断できるような仕組みを用意しておく方が予見可能性が高まるのではないかと。その点は、一般論として、私も全くそのとおりであると思っております。 今のその実務指針に関しては、これは監査する側からも、非常に会計士の判断にゆだねられる部分が大きいということを言う専門家もいらっしゃるということを私も承知しております。将来の利益等々の問題に絡みますので、どこまで詰めてもやはり判断の問題は残る、これが一方である。しかし、何らかのもう少し予見可能性を高めたらいいのではないかという議論が一方である。同時に、こうした予見可能性とより外形的な基準について昨年の秋に議論を始めたときには、今の基準をそういう非常に一律な形で変えるのはいかがなものなのかという意見もこれまたマスコミも含め強く出されたという事実もございます。 こういう点を含めて、金融審では、まさに今の御指摘の中核部分の議論を今進めておりますので、専門家にぜひしっかりと問題の重要性も認識しながら議論を進めていただきたい、深めていただきたいと思っております。 〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○永田委員 今大臣は、予見可能性という観点から見て、将来利益が出るか出ないかというような部分が、やはり人の判断にかかわる部分が、全部とは言わないけれども、一部そういうような要素があるというようなことはお認めになった、そのことを知っていたということもお認めになった。 人によって判断が変わるかもしれないという要素が含まれているようなものに、千数百億円の繰り延べ税金資産の資産計上、そして四兆円の貸し出し規模を誇る銀行が債務超過になるか資産超過になるかという問題がゆだねられているということは重大な問題なんですよ。その危険性を大臣が今おっしゃったように認識していた。つまり、人によって判断が異なる要素がある、そのことに繰り延べ税金資産の計上が可能か不可能かということが依存しているということも大臣は知っていた、なのにそのまま放置していた。これは金融監督行政の怠慢としか言いようがないと僕は思っているのですけれども、大臣の責任をどういうふうにお考えでしょうか。
○竹中国務大臣 であるからこそ、この実務指針を提供して、どのぐらいの繰り延べ税金資産を認めるかという判断が非常に特殊な専門技能を持った専門家にゆだねられているということなのだと思います。一般の方にゆだねられているわけではない。まさにそれが公認会計士であり、会計士は独立した立場でそういった専門の技能を発揮するということが問われている。これはやはり、今の我々の社会が持っている会計情報のインフラとしては尊重すべき点であるというふうに思います。
○永田委員 改めてお伺いしますけれども、そのような、専門家でしょう、多分その人よりもすぐれた判断をする人はいないんでしょう。しかし、問題なのは、その人の判断に銀行の生殺与奪の行き先がゆだねられている、そういう不安定な状況にある。そして、そこに金融システムそのものも栃木県の地域経済もゆだねられているという不安定な状態にあることを知りながら、それを漫然と放置している金融監督行政というのは一体何なんだという話なんですよ。そんなことをやる人を我々は税金を払って雇っていなければいけないんですかね。全く理解できないんですけれども、もう一回自分の責任を自覚していただきたいと思いますので、もう一回答弁してください。
○竹中国務大臣 どこの国においても、一般に公正妥当と認められる会計のシステム、会計の原則があり、公正妥当と認められるような監査のシステムというのがあるんだと思います。私たちの社会は、日本だけではなくて、どの社会もそのシステムに依存して会計情報を得ている、それはやはり最大限尊重されるべき問題であると思っております。 その上で、私たちは事後のチェックをいたします。また事後的な検査も行います。事前の介入をしない限り作成そのものに政府が介入するということはあり得ないわけで、この点につきましては、事前のといいますか、一義的な財務諸表は企業がつくるものであって、資格を与えられた職業監査人がそれを監査するものであって、金融当局はそれを事後的に当局の立場としてきちっとチェックしていく、これが今の私たちのシステムだと思っております。
○永田委員 いや、何も投資家に提示するような決算書の作成に対して金融庁が介入しろと言っているんじゃないです、そういう話をしているんじゃない。そうじゃなくて、公認会計士協会も株主も投資家も、金融システムの担い手としての金融機関という認識が希薄なまま決算書をつくり、それを読むわけですから、金融システムの担い手としての金融機関の健全性を確保するという観点から、金融庁は大きな仕事をする余地があるじゃないかというふうに言っているんですよ。それをやっていないという話なんですよ。 公認会計士協会の、金融システムの担い手としての金融機関、その性質に着目をした決算をつくろうとしていないことは明白ですから、ここに丸投げをしているということは、金融システムを守ろうとする金融システムの番人としての金融庁の仕事を完全に放棄しているということになっちゃうんですよ。もう一回答弁してください。
○竹中国務大臣 一般に公正妥当と認められるような基準をどのようにつくるかというのは、これはそれぞれの社会でいろいろなお考え方はあろうかと思います。 しかしながら、例えば会計の基準、かつては国の審議会であります企業会計審議会がそれを担っていた。しかし、委員よく御承知のように、世界の流れはむしろそれではだめだということになってきたわけです。国からも独立して、民間の特定の利害からも独立した専門家の集団にそういうことはゆだねられるべきである。御承知のように、今そのための財団法人の機構が日本でもつくられております。 そこで議論されるもの、さらには、先ほどから申し上げているように、今のシステムは非常に分権的に、会計士は会計士の役割、国は国の役割、企業は企業の役割、分権的にそれぞれの役割を果たすことになっておりますので、会計の基準については、国から独立したそういう機関でつくられるものもあるし、さらには専門家の集団である公認会計士協会でつくられるものもある。 繰り返し申し上げますが、かつての国の一部であった企業会計審議会等でそういうことをつくるのは、むしろ世界の潮流になじまないということで近年の改正が行われてきたわけでありまして、その意味では、そうした会計基準を独立した監査法人がしっかりとはぐくんでいくというのが、私はやはり成熟した市民社会での会計基準のあり方であるというふうに思います。
○永田委員 言葉のすれ違いがあるようなので強調しておきますが、私が主張しているのは、会計制度の話を議論しているんじゃないですよ。そうじゃないですよ。金融庁の金融監督行政がまともに動いていないんじゃないかという指摘をしているんですよ。何も会計を動かせという話をしているんじゃないんです。わかりますか。 会計基準というのは、投資家のため、あるいは株主のため、預金者のため、関係者のためにあるんですよ。それはいいんです。私が言っているのは、金融システムの担い手としての金融機関の健全性を確保するという金融庁の使命はどこへ行っちゃったんですかという話をしているんですよ。 それを確保するために事後の検査をしているんじゃないですか。決算が終わった後に事後の検査をしてもいいですよ。何も事前に検査をして会計を誘導しろと言っているんじゃないんです。そうじゃないんです。終わったものを見て、これはどうやら危険な水準に近づいてきているから、これ以上繰り延べ税金資産をふやすのはやめなさいよというようなことをどうして言えないのか。それを言って、金融機関の健全性を確保するために汗をかくのが、税金で御飯を食べているあなた方の仕事じゃないですか。なぜそれをやらない。教えてください、なぜそれをやらないのか。
○竹中国務大臣 金融庁の検査においては、繰り延べ税金資産の検査は行うわけです。しかし、行うときには、当然のことながら、一般に公正妥当と認められる会計慣行に基づいて行う、ここはお認めいただけるんだと思います。 繰り返し申し上げますが、金融庁の検査においても、繰り延べ税金資産の検査はこの六十六号の会計基準に従って検証を行っております。現実に、この三月期においても、過大の見積もり計上があったということで、繰り延べ税金資産の計上額についての減額を行っている。したがって、検査として、そういう監督の観点からしっかりと検査は行っているということです。ただし、その場合も、一般に公正妥当な会計基準にのっとって我々は減額を行っているということでございます。
○永田委員 だから、一般に公正妥当と認められる会計基準に従ってやるのは、それはいいですよ。しかし、その一般に公正妥当と認められる会計基準をどれにするかという点で、この第六十六号によるのはおかしいんじゃないかという話になっちゃうわけですよ。 つまり、金融庁が公正妥当と思うのであれば、それは金融システムの健全性を確保する上で役に立つ会計基準じゃなきゃだめなんですよ。しかし、公認会計士協会がつくった会計基準はそういうものじゃない。そこが問題なんですよ。金融庁は金融システムの健全性を確保するという使命を帯びているんですから、銀行が破綻しないようにさまざまな努力をし、指導をする立場にあるわけですから、そういう観点から見て、公正妥当な会計基準を採用しなくちゃいけないんじゃないですか。なぜそれをしない。
○竹中国務大臣 我々は、監督上の措置を、監督上必要な判断を行います。そのときに、ちょっと委員がおっしゃることがどちらか、二重に聞こえるのでありますが、そのときに会計基準そのものを我々なりの独自の全く別の会計基準をつくっておくべきだという御主張なのか、会計基準は会計基準でいいけれども、その際しっかりと監督上の措置を見よという意味なのか、後者であれば、まさに私たちはそのように行っているということです。 繰り延べ税金資産に関する基準に関しては、先ほども申し上げましたように、外形的な基準も含めて、さらなるものが必要かどうかということは、今私たちは金融審で専門家に御議論をいただいているということです。
○永田委員 今同僚議員がちょっとつぶやいたように、まさにそれが遅いというお話だ。遅過ぎたから、こんなに多大な迷惑をさまざまかけながら足利銀行がこういう末路をたどったということは肝に銘じていただきたいと思いますね。私は、本当にこれは大臣の責任問題に発展してもおかしくない遅延だと思いますよ。それは一つ指摘をしておきます。 それから、ことしの八月に業務改善命令が出ていますね。ここには資産の内容に関する言及は一切されていないというふうに私は思っているんですけれども、事実関係はいかがでしょうか。
○伊藤副大臣 御指摘の点でありますが、私どもは八月の一日に、当期利益が経営健全化計画対比で大幅に下振れをした資本増強行十五行に対して、抜本的な収益改善のための方策を織り込んだ業務改善計画の策定、履行等を求める業務改善命令を発出したところでございます。 この命令の趣旨は、当期利益が計画比大幅未達の先に対して、収益力を一層強化し、そしてより強固な財務基盤を確立するよう自己努力を求めたものであります。 なお、この業務改善命令の発出に当たっては、外部監査を経て作成された十五年三月期決算及びその内容を罰則で担保された銀行法に基づき徴求した報告を十分精査しておりまして、その時点での足利銀行単体の自己資本比率は四・五四%と、健全行の国内基準である四%を上回っており、健全性の基準を満たしていたものと承知をいたしております。 さらに、この命令に加えて、これは銀行が開示をしていることでありますが、足利銀行における経営困難企業に対する的確な債務者管理及び企業再生に向けた態勢の強化のための方策を業務改善計画に盛り込むこと、そして、同社保有の足利銀行株式の減損リスクへの的確な対応を図る観点から、足利銀行における保有有価証券の価格変動リスクの早期縮減に関する計画を提出することも命令をいたしているところでございます。
○永田委員 なぜ、資産の健全性、つまり、こんなに繰り延べ税金資産が積まれているのは危険なんじゃないかというような指摘をしなかったんですか。
○五味政府参考人 経営の健全化のための計画と申しますのは、投入されました公的資金、優先株で入っているものが中心ですが、これについて、利益をもとにする剰余金を積み上げていくことで将来的にその返済が可能であるということを示していただく一つの根拠として、法律上は公的資金注入の条件としてこうした計画を示すということになっております。 したがいまして、この命令のきっかけになりましたのは、当期利益においてその計画を大幅に未達であるというところに着目をいたしまして、新しい計画が必要であり、それはパブリックプレッシャーにさらすのみならず、政府に対して計画を約束していただく必要があるということから、命令を発して新しい計画をお出しいただいたということでございますので、こうした将来収益というものに着目をした計画に関する命令であったということでございます。
○永田委員 これは、関係者に対して大きな誤解を招くような情報を与えた可能性があるんですよ。 すなわち、政府から業務改善命令が出てきた、それは、今局長がおっしゃったように、ひょっとしたら、報告を受けた決算の中に利益が計画どおりになっていないという要素があった、それに着目をして出したものだから利益だけに言及をするのは当たり前だ、こういう議論になるのかもしれません。しかし、そんなことを全然知らない関係者がこれを見て、業務改善命令が出てきた、利益をもうちょっと出せる体質にしなさいと書いてある、資産の健全性については一切触れていない、ああ、なるほど、国は資産の健全性については問題視していないんだな、こういうふうに考える人が出てきたって全然おかしくない話なんですよ。 これは、仮に金融庁の意図が利益が大幅に計画から未達であるというようなところに着目をして出されたものであったとしても、何らかの手段で、あなたのところはちょっと資産の健全性がおかしいよ、繰り税をこんなに積んでいるのはおかしいよというような情報を出してあげないと、関係者あるいは増資に応じるか応じないか迷っているような人たちが、ああ、国はなるほど安心しておるんかいなというふうに思う可能性があるんですよ。そこについての責任をどういうふうに思われますか。
○五味政府参考人 現行の監督上の考え方におきましては、繰り延べ税金資産の銀行における計上というのは、会計上これが認められる範囲において、監督上もそれを計上したところで自己資本の充実の状況を確認していくというやり方になっておるわけでございます。 したがいまして、大切なのは、会計上正しく計上されているか、それが企業決算として会計上の手続を正しく踏んで出されたものであるかというところがまず重要でございます。もちろん、事後的に検査による検証はいたしますけれども、一義的な監督の指標としては、そこを注目して確認をしていくということになるわけでございます。 他方で、先ほど来大変私も勉強になる御議論を聞かせていただいておりますけれども、会計上計上が可能な繰り延べ税金資産と、監督上の指標として自己資本比率を見るときに計上するべき繰り延べ税金資産の限度とは同じであっていいのかどうかという点は、確かにこれは検討する必要のある話でございますし、そうした問題意識に立って、金融再生プログラムに基づいて今検討中でございますので、こうしたところで方向性が出、またこれについての結論が得られるようであれば、監督もまたそうした問題意識で決算を確認していくことになると思います。 ただ、現状の監督方針は、会計上計上してよいものは、監督上も計上した形でこれをチェックするということになっておるわけでございます。 ただ、主要行に対しましては、繰り延べ税金資産の計上の確かさというものを一般の方にも確認していただけるようにということで、この九月中間期から繰り延べ税金資産の計算手続の主要指標に関する開示を行っていただくように要請したところでございます。
○永田委員 いいですか、これは、繰り延べ税金資産の計上の額がここまで過大であっても、金融庁はろくな問題意識を持たずに、そして業務改善命令にも言及せずに、利益だけに着目をして、こうやって業務改善命令を出してきた。このことは、つまり、言葉を言いかえれば、監督上意味のある繰り延べ税金資産の水準について、基準を今の金融庁は持っていない。今後は議論して持っていくかもしれないけれども、とにかく今の時点では持っていないということは、これはBIS基準を空洞化させる問題なんですよ。 例えば、一兆円貸し出している銀行があります。例えば八%、八百億円は自己資本がなきゃいけないという銀行があるとします。これに二つあるとします。Aという銀行は八百億円ちゃんと現金で自己資本を持っている。もう片っ方は、七百九十九億円は繰り延べ税金資産から成っている、一億円だけキャッシュで持っているというような状態があるとしましょう。このBという二つ目の銀行は、来年以降利益が伸びていくというふうに公認会計士の方で見てくれれば、そうすれば八百億円という自己資本を積んだというふうに決算報告をすることができる。しかし、そうじゃなければ、来年以降の利益が認められなければ、これは一億円しか自己資本がないということになって、あっという間に破綻する。 こういう状態であれば、一体八%という自己資本を定めたのは何の意味があるのかという話なんですよ。自己資本があるから、それは不測の事態に対応し、そしていざというときの預金の支払いに回せるからということで八%という基準が定められているんじゃないですか。しかし、繰り延べ税金資産が七百九十九億円あったら、そこでは預金の支払いには対応できないという性質のものになっているわけですね。 繰り延べ税金資産をそこまで過大に認めていいということは、これは言いかえればBIS基準を空洞化させているということになっているんですよ。だから、自己資本の一〇〇%以上繰り延べ税金資産を積んでいるような銀行は、どう考えたっておかしいという判断を、金融庁は、僕はするべきだったと思う。なぜしなかった。 五〇%でも六〇%でも本当はいいんだけれども、いざというときに、預金の支払いに対応するためにこの繰り延べ税金資産は全く役に立たないということは当たり前ですから、一〇〇%を超えるようなものが見つかったら、即座にこれはおかしいということを言うべきだった。なぜ八月の業務改善命令でもそこに着目をしてそういう発言をしなかったのか、ぜひ教えてください。
○五味政府参考人 現行のBIS規制におきましても、繰り延べ税金資産というのはその資産性が認められております。もちろん、繰り延べ税金資産というものは、金融審議会のワーキンググループの中間報告でも述べられておりますように、また今先生から御指摘ございますように、資本としての脆弱性というものが見られます。それは、将来の課税所得をどう見積もるか、あるいは将来課税所得がどう上がるかという、将来の事象に依存をしてその金額が決まってくるという部分を持っていること。それから、万一破綻という事象に至った場合には、これは将来の利益ということが見込めないわけですから、その資産性がその時点で消失をするということから脆弱性があるということでありまして、これは報告書にもそういった記述がございます。 したがいまして、これをどういった形で銀行監督上算入していくのが妥当であるのかということを今検討していただいている、その検討していただいている最中であるということでございます。
○永田委員 一体その検討はいつ終わるんですか。そして、その検討が終わるまでの間は、やはりほかの銀行も同じような道筋をたどることになるのか。この二点について教えてください。
○五味政府参考人 検討の期間でございますが、現在、繰り延べ税金資産の計上の課題といいますのは、税制と会計との損失の認識時点が違うというところから生じている話でございますので、現在、税制改正要望を金融庁ではしておりまして、この税制改正の要望についての今後の議論の行く末ですとか、あるいはもちろんBIS規制の、バーゼル2と言われます規制についての議論がどうおさまっていくかということを見据えて議論する必要があります。 半年以内には結論を得たいというような願望で今検討を進めております。
○永田委員 半年以内ではなく、ぜひ次の銀行が倒れるまでの間にやってほしいと思いますし、本当に、また同じ道筋をたどる銀行があるのかと関係者は心配をしているんですよ。ぜひ予見可能性を持って、だれが見ても客観的に判断できる基準をつくって、今後はこういう方針で監督していくんだということを強く打ち出していただかないと、いつまでも不安は解消されないんですよ。そして構造改革も進まない。ぜひやっていただきたいと思います。 加えて、これはちょっと小さな問題になるかもしれませんが、優越的地位の乱用によって増資を引き受けさせられている地元の企業がどうやら少なからず見られるようです。要するに、買った株式が紙くずになってしまって、本当に途方に暮れている人たちがいっぱいいるんですよ。 事実関係の確認がまず大事だと思いますけれども、仮に、本当に優越的地位の乱用があって増資に応じた人たちがいたのであれば、その人に対して損害を救済する道はあるのかということをぜひ教えていただきたいんです。
○伊藤副大臣 足利銀行においては、十一年の八月に優先株式で四百二十八億円、そして十四年一月に普通株式で二百九十九億円の第三者割り当て増資が行われているわけでありますが、当該増資に関して、現時点において、刑事、民事における訴訟は発生しておりません。 今委員が、例えばということでお話がございました。一般論として申し上げますと、増資をめぐる個別具体的な取引において、優越的地位の乱用等、勧誘方法等に重大な問題があって、そして出資者による訴訟が提起をされ、そして裁判手続において当該銀行に不法行為の認定がなされ、そして不法行為に基づく損害賠償請求権の存在が認められた場合には、その請求権は全債務保護の範疇に入ってくるものと考えられます。
○永田委員 それは司法手続でやってくれという話なんですけれども、金融庁は、こういう優越的な地位を乱用しながら増資を募ることを禁じているはずですね。どういう仕組みで禁じているのか教えてください。
○五味政府参考人 銀行法上にそうした規定があるわけではございません。優越的地位の乱用というのは独占禁止法の違反になりますので、法令違反の行為をもって業務あるいは業務に関連することを行うということは問題がございますので、私どもでは、事務ガイドラインに増資に関する募集のガイドラインというのを定めまして、そこで、優越的地位の乱用にわたるようなことがないようなチェック体制を整えるように、またその件についての報告も提出するようにということで、これをウオッチしている、こういうことでございます。
○永田委員 本当に仮にの話でしようがないんですけれども、一応ルールのお話ですから。仮に優越的地位の乱用によって増資を募った職員がいたとしたら、それは何か処分の対象になるんですか。それとも、法人はもう破綻して違う法人になっちゃったんだから、何も関係ないんだよということになるんですか。
○五味政府参考人 具体的な優越的地位の乱用ということが認定をされる、あるいはそういったおそれがあるということで、例えば公正取引委員会に私どもから通報して調べていただくというようなことがありまして、違法性が認定されるようなことがございました場合、これは独占禁止法の方でのさまざまな処分は当然あると思います。 銀行の監督当局といたしましては、そうした違法な増資勧誘が行われるについて、銀行の内部管理体制等にどういう問題があったのか、あるいはそうした行為に及ぶについて、そこに組織的な何か関与があったり問題があったりしなかったのかどうか、こうした点を調査いたしまして、必要があれば行政処分を行う。 ただ、新しい経営陣になったところでこうしたことになった場合、どれだけそういう処分をする意味があるかということはございますが、これはしかし、内部管理の問題でございますから、経営者がかわりましても、そうした体質というものが引き継がれていれば問題でありますから、こうした点についての指導なり、あるいは必要があれば行政処分なりということは、違法行為の内容と程度において検討する必要があると思っております。
○永田委員 本当に倒れるかもしれないといううわさの高い銀行でありましたから、ここに預金をしている人、預金を新しく募った職員もいるでしょう。そして、それに応じた一般の預金者もいるでしょう。増資を募った職員もいるでしょう。増資に応じた人たちもいるでしょう。そういう人間関係の中で、何百人、何千人という人が、おまえはうそつきだと言われているんですよ。安全だから預金をしてください、安全だから増資をしてください、そういうようなお願いをしているはずなのに、おまえはうそつきだと今何千人も言われているんですよ。ぜひその心の痛みを感じ取った上で迅速に適切な処理をしていただきたいと思いますし、そして、今後こういうことが起こらないように、先ほどの監督基準のつくり方を迅速にやっていただくということもこれまた大事だと思いますので、そのことをお願いして、私からの質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、松本剛明君。
○松本(剛)委員 民主党の松本剛明でございます。 大変時間が限られておりまして、さらに充実した審議を求めていきたいということを関係、また委員長に求めながら質疑に入らせていただきたいと思います。 少し順番を変えて、金融担当の大臣もおいででいらっしゃいますので、この数日間騒がせております武富士の問題について、一言だけ触れさせていただきたいというふうに思っております。 まず、警察庁の方、よろしいですか。今回の事件、概略の説明は、おおよそ報道されている以上のこと、お話をいただける部分がもしあるのであればもちろんお願いしたいと思いますが、現在、引き続き捜査中だという認識ですが、それでよろしゅうございますでしょうか。
○栗本政府参考人 お尋ねの事件につきましては、警視庁におきまして、本年の六月十九日に被害者の方から告訴を受けまして、その後、所要の捜査を行った結果、電気通信事業法違反によりまして、本年の十一月十四日に、大手消費者金融会社の元社員あるいは調査業者ら五名を逮捕し、さらに十二月二日に同社の会長を逮捕したものでございます。 逮捕事実の概要につきましては、会長ら五名が共謀をして加入電話による被害者と他人の通話内容をひそかに録音しようと企て、被害者方の電話回線に発信機を仕掛け、平成十二年十二月ころから十三年二月……(松本(剛)委員「はっきりわかっていることはもう結構です」と呼ぶ)はい。通話内容を録音し、同社元専務がこれを幇助した。これにつきましては、現在、警視庁におきまして、事件の全容を解明するために鋭意捜査を行っているところでございます。
○松本(剛)委員 今おっしゃったことで終わりということではなく、全容解明に向けて引き続き捜査をしているという認識でよろしいんですね。よろしいですね、うなずいていただいたので。 さて、この武富士については、暴力団との関与もこれまでもさまざま取りざたされてまいりました。事実、民事、刑事の裁判の証言であったり、また、判決においても関与があると認められる事例が出てきておるわけでありますが、武富士、またこういった消費者金融と暴力団の関係について、警察庁としてどのように把握して認識しておられるのか、御説明を願いたいと思います。
○近石政府参考人 警察では、高金利の貸し付けや無登録の営業などのいわゆる悪質なやみ金融事犯につきましては、本年上半期に二百二十九事件、四百六十九人を検挙しておりますけれども、そのうち暴力団員等が占める割合は、検挙件数で二五%、検挙人員で二〇%を占めており、暴力団が貸金業に相当関与している実態がうかがえるところであります。 また、武富士との関係ということでありますけれども、武富士と暴力団との関係につきましてさまざまな報道がなされておることは承知しており、警察としても関心を持っているところでありますが、警察といたしましては、特定の企業と暴力団との関係につきまして、当該企業の名誉にかかわる問題も含んでいるため、事件検挙を通じて正確に把握した事実に基づく場合は格別、一般的な形でその関係について公に申し述べることは差し控えさせていただいているところであります。
○松本(剛)委員 時間がありませんので要望だけにしたいと思いますが、もう御存じのとおり、報道だけではなくて、民事、刑事の裁判において、明らかに武富士から暴力団にお金が渡ったというようなケースが認められているわけであります。会長自身が、会長自身は関与していないと言っているようでありますが、会社として暴力団に依頼をしてお金を払ったということも認めておる事例も裁判の証言においてあるというふうに承知をしておりますので、ぜひ、警察庁としても、やみ金融対策法案の審議においても大変大きな問題になりました貸金業と暴力団の関係をしっかりと、警察庁の使命は大変大きいものだと思いますので、しっかりとここのところをやっていただきたいということを要望申し上げたいと思います。 そこで、大臣にお伺いをしたいと思いますが、まず、武富士の貸金業の登録の扱いがどうなるのか。一部の報道では、役員が有罪になった場合は登録の取り消しがあるけれども、やめてしまったらならないのではないかという話もあるようであります。そして、一般的にも、暴力団の関与があった場合、貸金業登録に対しては厳正に、厳しく対処をしていただきたいと思いますが、伺いたいと思います。
○五味政府参考人 まず、前半の御質問でございますけれども、一般論でお答え申し上げますと、貸金業規制法上は、法人またはその役員もしくは重要使用人が罪状のいかんにかかわらず禁錮以上の刑に処せられた場合、あるいは、貸金業規制法もしくは出資法に違反をして、あるいは貸し付けの契約の締結もしくは契約に基づく債権の取り立てに当たって刑法等の罪を犯した、この場合は罰金の刑に処せられた場合、この両方の場合は貸金業の登録を取り消さなければならない、こういう規定になっております。 これは、その役員が同様な違法行為を繰り返すおそれがあって、債務者の利益が害される可能性が高いということから設けられている規定であるということでございまして、例えば、罪状いかんにかかわらず禁錮以上の刑という場合、この刑が確定する前に役員を辞職しておりますと、法律上登録の取り消し事由には該当しません。 それから、暴力団との関係でございますが、厳正な対応が必要でございますけれども、現行の貸金業規制法では暴力団の関与に係る規制というのは特に設けられておりません。ただ、前の国会で全会一致で成立いたしましたいわゆるやみ金融対策法、この新しい改正法、これは来年の一月一日からの施行でございますが、これによりますと、貸金業登録の際の拒否事由ということで、暴力団員または暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者、さらには暴力団員等がその事業活動を支配する者、こういったようなものが登録の拒否事由に追加をされている。 それから、業務の規制としては、暴力団員などをその業務に従事させたり、あるいは暴力団員への債権譲渡を行ったりしたような場合には、登録の取り消しを含む行政処分の対象となるといったような規定が追加をされております。 また、こうした登録や行政処分の検討に当たりまして、監督部局から警察当局に対して暴力団員等の該当の有無について意見を伺うということもできるようになっておりますが、いずれも来年一月一日から施行される新法での規制でございます。
○松本(剛)委員 時間がありませんのでこの件はこのぐらいにしたいと思いますが、引き続き適宜国会に報告をするように求めると同時に、国会の方としてもしっかりと対応していきたいということを申し上げて、次の問題に移らせていただきたいと思います。警察庁の方、恐縮です。ありがとうございました。 それから、足利銀行の問題に移りたいと思いますが、先ほどから問題になっております銀行の決算、そしてまた金融の問題に入ります前に一つ。 足利銀行は、残念ながら北朝鮮との関係がこれまでもいろいろな形で取りざたされてきた銀行でありました。国会の中でも、具体的に足利銀行という名前が出て、その送金が質問で取り上げられたことも、当時まだ大蔵委員会ですか、あるわけであります。この点について、まず公安調査庁としてどのように把握をしておられるのか、その時点でも重大な関心を持って見ているというふうに国会で御答弁をいただいているように記憶をしておりますが、御答弁を願いたいと思います。
○柳政府参考人 公安調査庁におきましては、朝鮮総連の財政をめぐる活動、あるいは我が国からの北朝鮮への送金などに関しまして、かねてより重大な関心を持って調査してきたところでございます。 その調査の過程におきまして、足利銀行にかかわりますそれらの活動の一端につきましても把握しておりますが、その詳細につきましては、今後の調査活動に支障を来すおそれがございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○松本(剛)委員 内容を把握している、こういうお話であります。 監督をされる金融庁の方にお伺いをしたいと思いますが、その公安調査庁が把握をされている内容は監督当局としても承知をしているという理解でよろしいんでしょうか。
○五味政府参考人 私どもは承知いたしておりません。
○松本(剛)委員 財務省のお立場からはいかがでしょうか。
○渡辺政府参考人 私どもの方といたしましては、外為を所管している官庁といたしまして、足利銀行から北朝鮮への送金が幾らであったかということについては、件数及び概数の金額について承知をしておりますが、今御説明をいたしましょうか。(松本(剛)委員「いや、結構です」と呼ぶ)よろしいですか。
○松本(剛)委員 金融庁にもう一度お伺いをしますが、監督当局として、北朝鮮との取引もしくは北朝鮮に関連する融資、送金等の取引を把握しているというふうなことは、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○五味政府参考人 先ほどは公安当局の内容を知っているかというお話でしたので、存じませんと申し上げました。 監督当局といたしましては、足利銀行が公表いたしました北朝鮮への送金の実績といったものは承知をいたしております。申し上げましょうか。数字はよろしゅうございますか。
○松本(剛)委員 数字は結構です。数字等はまた別途必要があればお伺いをしていきたいと思います。 谷垣大臣とそしてまた竹中大臣にぜひこれは御所見をお伺いしたいと思いますが、我が国と今北朝鮮との関係は、一般的な我が国と外国との関係ということではないというふうに認識をいたしております。その中で、場合によっては、事実上北朝鮮への経済的な支援にもなりかねない、北朝鮮もしくは朝鮮総連に関連する取引を我が国の銀行が行っていたということがあるわけであります。 今もちろん、役所はそれぞれつかさつかさなんでありましょうけれども、私の方から申し上げれば、しっかりとこれは連携をしていただいて、そして北朝鮮への対応を内閣のレベルでしっかりやっていただきたい、こういうふうに思うわけでありますが、それぞれの大臣の所見をここでお伺いしておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 お答えいたします。 今松本委員おっしゃいましたように、各省庁が連携をとって、北朝鮮に対する対応は統一的な姿勢で臨んでいくというのは当然のことでございまして、これは当然、いろいろな機会にそういうことを、連携を深めていく、意思も共通のものを確認していくということは必要だろうと思っております。 それから、今こういう事態のもとで、恐らくお尋ねは、政府として経済制裁のようなものをどう考えているのかということもあるいは含まれていたかと存じますが、今北朝鮮との問題を解決するためのさまざまな外交努力が行われておりますので、現時点での外交的判断として、送金を停止するとかあるいは制裁を行うとかいうことを直ちに考えているわけではございませんが、これ以上北朝鮮が事態を悪化させるような行動に出たときは、適宜適切な措置をきちっととらなければいけない、こういう考えで今対処いたしております。
○竹中国務大臣 今財務大臣がお答えになったとおりでございます。 委員も御指摘のように、全内閣、各省庁で連携をとって統一的な行動をとらなければいけない。北朝鮮問題について、我々の所管の分野で内閣の方針と整合的な適切な対応をしていくというのは、これは当然のことであろうかというふうに思っております。 今後の事態を見守る中で、内閣の意思決定とともに、我々としての適切な対応をしていきたいと思っております。
○松本(剛)委員 この問題も、我が国の姿勢、またこれからの我が国にとって大変大きな問題を含んでいるというふうに理解をいたしております。 先ほど、あえて公安調査庁の方においでをいただいたのも、公安調査庁、前回のときも重大な関心を持って取り組んでおられるということで、お調べになった結果を、やはり横の連携を、あえてここで今具体的な数字もお伺いしなかったのも、さまざまな背景があろうかと思いますので、調査の内容等、ここでお話しいただけるものはお話しいただくべきだろうと思いますし、お話しいただけないものもあるのかもしれませんが、承知をしていないということではなくて、各省庁しっかり連携をとって、あらゆる対応が速やかに可能なような態勢をおとりいただきたい。 また、これも要望にとどめておきたいと思いますが、足利銀行に関しては、事実上、これで経営は国の監視のもとに行われるわけでありますから、これまでの足利銀行のビヘービア、そして今後のことについても、しっかりと我が国の立場も反映されるような形で運営をされるように要請お願いをいたしたいと思います。 私の質問時間も限られておりますので、この問題も大変重大な問題だと思いますが、今回の足利銀行の処理、それに関する金融の問題の方に移らせていただきたいと思います。 財務大臣の方は、ありがとうございます。本来であれば、まず当委員会において財務大臣の財政全般に対する御所見を伺い、その質疑をさせていただきたいとかねて私どもはお願いを申し上げておりますが、大臣がお断りになっているとは思いませんけれども、自民党の有力者として、そういうことは当然するべきだ、こういうふうに臨んでいただくようにお願いを申し上げて、どうぞお引き取りをいただきたいと思います。 それでは、金融の問題の方に移らせていただきたいと思います。 質問の順序が前後いたすことになるかと思いますけれども、総裁もお時間があるというふうにちょっとお聞きをいたしましたので、先に改めてお伺いをさせていただきたいと思います。 今までも、考査のことを含めて、さまざまな質問を総裁の方にさせていただいてまいりました。金融システムの安定ということの責任の一端を日本銀行は担っていただいているというふうに私も理解をしておるわけでありますけれども、今回の私ども同僚議員の質問からも問題になってまいりましたように、大変透明で公正で客観的なことが必要であるということを私どもが申し上げ続けているのは、今回の足利銀行の処理を見ても、大変恣意的に、そして検査についても、先ほどたまたまという言葉が出ましたように、基準、客観的なものが非常に見えない部分があるわけでありますけれども、総裁からごらんになられまして、この今の考査、検査の基準、金融の客観性、どのように担保されているとお考えになっているのか。 そして、今回の総裁の談話でも、これによって金融の安定が確保されるものと考えるというような談話が発表されていたかと思いますが、今後このままで、率直に申し上げて、私ども、また関係をするところ、まだまだ金融の先行きについて大きな不安を抱いている者が多い現状でありますが、この状況についてどのように御認識をされているか、いただきたいと思います。
○福井参考人 お答え申し上げます。 まず、金融機関の問題に対して、常に客観的に、かつ透明性を持って対処しているかという点でございますけれども、その点は最も重要な点だというふうに認識いたしております。 恐らく、金融庁におかれましても同じだと思いますが、特に私ども中央銀行の立場からいたしますと、銀行に臨むに際しては、いずれの銀行に対しても違った尺度は適用しない、そしていずれの銀行に対しましても法律及び会計原則という客観的な基準を持って判断に当たっていく、そして銀行あるいは金融機関の行動を促すという立場からいきますと、極力自主的な経営改善努力を促すという立場でございます。初めからしまいまで、はしの上げおろし等指導しながら銀行経営の改善を図るというよりは、極力自主的な経営努力によって改善を促進していくという立場でございます。 しかし、そうした私どもの努力、そして金融機関側の努力にもかかわらず、ある時点で、どうしても法律に基づく断固たる措置をとらざるを得ない局面が残念ながら来るケースがある。足利銀行の場合は典型的にそのケースでございますが、そういう局面に至りました場合には、あたかも一つの不連続な対応がなされたような感じが出る、このこともある程度やむを得ないというふうに私は思います。 しかし、適用されてくるルールというのは常に一貫性があり、最後は信用秩序の保全ということを大事にしながら問題の処理を行って、金融システム全体としては、将来の展開に向かってよりよき前進を遂げるようにという視点で行動がとられているというふうに思います。 そういったことで、今回の足利銀行の処理も、市場も比較的これを平穏に受け入れて、余り攪乱的な動きがないままに問題が処理されているというふうに私は認識しております。 日本の金融システム全体は、委員の御認識と恐らく私ども相違はないと思いますが、引き続き非常に厳しい状況でございます。大手の金融機関を中心に、不良債権問題の処理とか、あるいは企業の再生への努力とか、金融機関自身の収益性確立への努力とか、少しずつ前進してきていることは確かでございますけれども、これから先、前途なおいろいろな問題を抱えているということも事実でございます。しかし、時間的余裕というのは時の経過とともに少なくなっていくわけでございますので、こうした努力をさらに加速しながらやり遂げていかなければいけない、こういうふうに考えております。
○松本(剛)委員 残念ながらと申し上げるべきなんでしょうけれども、私は、日本の金融の情勢については大変厳しい見方をしておりますので、同じ見方だということであれば、認識は一致するということになるのかもしれません。 考査の基準等、具体的にお伺いしたいこともあるのですが、時間がありませんので、あとは竹中大臣、金融庁にお伺いをさせていただきたいと思いますので、総裁、もしお時間がお急ぎのようであれば、御退席いただいて結構でございます。 客観的な基準ということでございました。今までも質問をしてまいりましたので、できるだけ重複を避けてお伺いをしてまいりたいと思いますが、今、福井日銀総裁も、あたかも不連続のように見えるとおっしゃったように、少なくとも私どもから見ると、大変不連続なように今回の足利銀行の処理も見えることは事実だろうというふうに思います。 そこで、今回、それぞれ決算の結果、債務超過になった、そして銀行から申し出があった、こういうお話でありますけれども、足利銀行の今回の九月期中間の決算は、三月期決算に対する検査を踏まえて行われたわけですね。そういう理解でよろしいですね。そしてまた、今回、りそな銀行の中間決算が発表されて、経営判断によって不良債権処理を行ったということなんであろうというふうに思いますが、そういたしますと、資産をどのように評価するというのが大変大きなポイントになってくると思います。 先ほど永田議員の方からも繰り延べ税金資産の話がありましたけれども、その前提として、資産の評価をどう行うのか。これは、さまざまな事由、そして、先ほども存続価値か残存価値かというお話もありましたけれども、経営によって見方が変わるというお話でもあるわけでありますが、少なくとも金融庁の検査の見方としては一定の基準があるべきだと私は思うんです。 本来であれば一つ一つお伺いしていきたいんですが、時間がありませんので、まとめてお伺いをいたします。 りそな銀行の三月期の決算というのは、既に恒常的に行われている金融庁の検査によって認められた決算である、こういうお話でございました。今回の足利銀行の三月期は、自主的に行った決算と金融庁の資産評価を行った上での決算とには大きな格差が発生いたしておりました。同じ基準で検査を行っているということであれば、金融庁の検査の資産評価の基準に全く満たない自己査定を足利銀行は行っており、りそな銀行は金融庁の検査基準に適合する資産評価を行っており、今回の中間決算は、金融庁の資産評価を大変大きく上回る厳しい資産評価を行ったと。そして、今回のりそな銀行の決算が市場でそれなりに評価をもしされるとすれば、足利銀行も、金融庁の最低基準が今の資産評価であるとすれば、本来、市場に評価をされるレベルの高い資産評価をしようと思うと、さらに厳しい評価をしなければいけない、こういう理解でよろしいわけですか。
○竹中国務大臣 委員の今お尋ねの中で、「りそな」と足利との比較においてお尋ねがあったというふうに認識をいたします。 御指摘のとおり、「りそな」に関しましては、それ以前に我々はもちろん検査をやっているわけですから、それを反映し、さらには決算期におけるリアルタイムの特別検査も反映し、そうしたものが三月期に公認会計士の監査を経て出てきているというふうに認識をしております。御指摘のとおり、検査で求めるのは、いわばその意味ではミニマムリクワイアメントのようなものでありまして、そうしたものをさらに超えて、九月期では、経営判断として、将来のリスクを先取りするというような評価を行った。繰り延べ税金資産についても、大幅にそれを取り崩した。 それに対して、三月期の足利に関しましては、我々が通常検査で求めているものから見て、それとそごするといいますか、我々の査定によれば、銀行のリスク管理体制が非常に不備であって、引き当て不足等々が出ている、我々の基準に照らして、そのような形で債務超過になった、そのような結果が出た。その意味では、今委員が描写されたことと違っていないというふうに思います。
○松本(剛)委員 これは、ここでお話をさせていただいても、半ば水かけ論のような形になりかねないというふうに思います。 ぜひお願いしたいのは、各金融機関の方も、どのような資産査定をされるのかということがわからない、客観的で透明で公平であるというふうに少なくとも多くの金融機関からは思われていないのではないかというおそれがある。基準を何らかの形できちっと公開していただければ、そこがある程度予測できるようになれば、金融機関ももっとお金が貸せるようになるはずであります。 どこまで厳しく査定をされるかわからないということが常に今の状況ではつきまとっているがゆえに、金融機関はとりあえず貸し出しを極めて渋るという方向が続いている、このように思うわけであります。だからこそ、今回のこの足銀の問題、そしてまた「りそな」の問題というのは、きちっと内容を徹底的に公開した形で解明する必要がある、こういうことで私たちは質問をさせていただいておるんです。 一点、関連して、足利銀行のこの三月期の決算、公表された決算がございます。自己資本比率だけを申し上げても、四%台からマイナスになる。金融庁の検査結果後の資産査定や結果後の決算がございます。どちらが三月期の最終の決算だという理解でよろしいんでしょうか。
○竹中国務大臣 基本的に監査の資産査定の基準が不明確ではないかという先ほどからの委員の御指摘に関しては、しかし、我々としては、どういう基準でやるのかに関しては、詳細なマニュアルを既に開示しているわけであります。そのマニュアルに基づいて検査をしているわけで、その点について幅広く御理解は私は得られていると思っております。 しかし、それでも、当局として資産査定に入った場合には格差が出ます。しかし、その格差が出る場合には、その格差についてもお知らせして、その格差を埋めていただくように、そういう意味での我々の基準に関して非常に御理解が得られるように、しかも、それを自己の責任においてしっかりとやっていただけるような体制を今とっているわけでございます。 直接お尋ねの三月期でございますけれども、決算というのは、商法等々の規定に基づいて取締役会の承認を得てやられるのが決算でございますから、これは既に会社が行って監査法人がその証明を行ったもの、これが正式の決算であるということになるんだと思います。 我々は、信用リスクの観点から、監督の観点から、別途それに合わせて事後的な検査を行っているわけであります。
○松本(剛)委員 そうすると、足利銀行の三月期の決算が債務超過である、こういう報道は誤りであるわけですね。決算は決算であって、債務超過になったという報道は誤りだという理解でよろしいわけですか。
○竹中国務大臣 商法上の手続を踏まれた決算は債務超過ではなかった、我々の検査結果は債務超過であったということになると思います。
○松本(剛)委員 言葉の遊びをここでやっているわけにはいかないわけでありまして、預金者、取引先から見てもそうでありますし、また、あしぎんファイナンスグループに対する投資家に対してもそうでありますが、有価証券報告書という形で決算も発表されて、それを多くの債権者、また投資家は信頼しているわけであります。しかし、結果として、株式はここで事実上の無価値になったわけであります。 私は、金融庁として、資産査定がいわばミニマムな要求を満たしていないと監督当局として御判断をされたわけだから、検査の結果としてそういう形が出たんだろうと思います。とすれば、決算も修正をするべきだというふうに思うわけであります。有価証券報告書の訂正命令を内閣総理大臣がお出しになることもできるはずであります。監査法人の責任とともに、しっかりとそういう対応をまずとっていただくことが、これから先の金融を透明、健全、そして公平、客観的にしていくために最低限必要なことだと思いますが、御所見をお伺いして、私の時間は終わりましたので、質問とさせていただきたいと思います。
○竹中国務大臣 我々が行いますのは金融上の監督検査でございます。それに基づいて事後的なチェックを行っているわけでありまして、商法上の規定に基づく決算が既に行われているということに対して、我々は、あくまでも金融監督の立場からそれを事後的にチェック、そういう形での検査を行っているということでございます。
○松本(剛)委員 大臣、証券取引法も大臣の所管じゃないかというふうに思うんですが、そうですよね。ですから、有価証券報告書、そして、その訂正命令の問題もしっかりと大臣にやっていただきたいということを申し上げたいと思います。 そして、決算については、今もお話がありましたが、あれも決算だがこれも決算だということでは全く話は前へ行かないということになると思いますので、ぜひその点もお願いを申し上げて私の質問を終わりたいと思いますが、もし何かあるのであれば……。よろしいですか。
○田野瀬委員長 次に、五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。同僚委員三人の質問を受けて、総括的に質問させていただきたいと思います。 松本委員の一番最後の質問でありますけれども、証券取引法第二十四条の二第一項、訂正報告書の提出命令を内閣総理大臣はすることができるという規定がございます。 今回の検査結果によりますと、足利銀行の自己査定との乖離率が異常に大きい。これまで私どもが伺っていたのは、以前は大体二五%だったのが、特別検査によって三五%に広がって、その後、厳格な検査が行われるようになって、一四、五%まで実は銀行の乖離率というのは下がってきたんだ、こういう全体の、これは全銀ベースだと思いますけれども、説明を伺ってきたんですが、今回の検査結果と自己査定との乖離率が非常に大きいわけですね。 これだけ大きいということは、やはり粉飾が疑われるということだと思うんですよ。それまでが粉飾であったということを疑うべきだ、こう思うわけですから、当然のこととして、監督官庁としては、訂正報告書の提出を求めるという態度に出るべきだと思うんですが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○竹中国務大臣 一般論として、虚偽のある財務諸表を作成したような経営者は、証取法上も商法監査特例法上も、刑事、民事、行政上の責任を負うことになります。虚偽のある財務諸表の、故意または過失により、それを虚偽のないものとして証明した監査人についても、刑法、民法、行政法上の責任を負うことになります。今回の場合、そういう場合に該当するのか、少なくとも今の時点では、私たちはそのようには判断はしておりません。 乖離率のお話をされましたけれども、乖離率等についても、乖離率を一体何ではかるのかというような問題もあろうかと思います。我々としては、急いで、緊急措置として今のこの第三号措置をとらせていただきました。今後、これまでの責任についても、当然のことながら、我々の行政としても対応しなければいけませんし、また、新しい経営者のもとで、民事、刑事の責任の追及も当然行わなければならないと思っております。そうした中で、御指摘の点も踏まえて、何が我々としてなすべきことかということは、これはいろいろと考えていきたいと思っております。
○五十嵐委員 ものすごいおかしいと思うんですね。もし見解の相違で、向こうの決算も、それは言い分としては仕方ないんだというのであれば、ここで何もつぶすことはなかったんじゃないですか。私はそう思います。 ここまで強行なことを皆さんがされたということは、建前はわかりますよ。竹中大臣は非常にお上手で、ちょっとだけ前期で債務超過にしておいて、それを教えることによって監査法人が今度は慌てて態度を変えて、繰り延べ税金資産を全額否認する、それによって九月期で債務超過に陥って、自主的に破綻を申請してきたんだ、だから私たちには何の責任もないんだ、こういう論理構成になっているんですが、これはずるいと思います。 実は、監査法人はそれまで、今までどおりに千二百億円程度の繰り延べ税金資産を認めようとしていた。だから豹変したと言っているわけでしょう、足利銀行側は。このポイントはそこなんですね。 要するに、皆さんは、自分たちは単純に前期の検査をしただけであって、私どもはつぶせとか繰り延べ税金資産を否認しろとか言ったわけではないんだ、自主的にやってきたんだと言っているけれども、実際にはそうではない。皆さんの行為が引き金となって、監査法人は態度を豹変し、繰り延べ税金資産を否認して、追い込まれた。これが実態ですね。竹中さんが何と言おうと、栃木の県民の方々、そして一般の人々も、みんなそう思っているんです。 金融庁がかなり恣意的に、最初からまずつぶそうと思ってつぶしたんじゃないか、そういう恣意的なことをうまくごまかしてやってきたんだ、こうみんな思っているんですから、そこは、皆さんは誠心誠意、そうではないんだということを説明する義務があると思うんです。 それから、監査法人の認識というのは、これは自分たちが手が出せない領域なんだということをずっと言い続けてきているんです。それは自主的なもので、自分たちは関係ないんですよ、我々はあくまでも事後的なチェックをしているにすぎないんですよということをおっしゃり続けているんですが、私は、それも皆さんは当然ながら疑っている。奥山さんは、公認会計士協会の会長は竹中さんとも親しいし、その他、タスクフォースですか、その中にもちゃんと入っているし、連絡はとり合っているのは当たり前だろうと。くしくも、中央青山監査法人の代表社員でもあられるし。 もう一つ傍証をしたいと私は思うんですが、これは私の質問です。平成十四年、昨年の四月二日の財務金融委員会、大臣は柳澤金融担当大臣であります。 私はここで、石川銀行の目論見書がおかしいじゃないかということを言っているんです。そのおかしい目論見書をそのまま金融庁は認めちゃったのではないですかという指摘をしたところなんですが、それに対して、途中からです、柳澤国務大臣の答弁。 私どもとしては、その経過経過で、例えば目論見書であるとか、あるいは決算の発表であるとかというものについて、いろいろその都度監査法人あるいは弁護士さんに、これでいいんですかというようなことを確認していくということで、ある種の牽制をしていく。それで、内部的にその監査法人なり、あるいは弁護士さんの当該の勧誘先に対する働きかけを期待する。こういうようなことが我々がとり得るところだということは、御理解いただけるだろうと思っております。 最終的に判断は監査法人がやるんだろうけれども、その監査法人に対していろいろ実は働きかけを金融庁はしているんですよということを柳澤金融担当大臣はおっしゃっているんです。おっしゃっているんですよ、これは。 ですから、全く私たちは監査法人とは関係なく、何の働きかけもしていないので自主的に判断したんですということは、その当の監査法人の態度の豹変からいってもこの柳澤大臣の答弁からいっても、世間の人には通用しないというふうに思いますが、どうですか。
○竹中国務大臣 今、五十嵐委員、四つの点を御指摘になって、それぞれに疑いがあるのではないかという話をされました。これはぜひ、この場を通してそういう疑いは我々も晴らしたいと思います。四番目の石川銀行の点につきましては、別途副大臣の方から御答弁をさせていただけると思います。 まず、三月期において、検査で恣意的に債務超過をつくり出したのではないだろうかと。 この点は、しかし、金融庁の中における検査局の独立性、この点をぜひとも御理解いただきたいと思います。検査の結果に対して、私たちは全く介入する余地はありません。これはまさに検査の最前線で、検査のプロたちが、その検査の目的に沿って、粛々と淡々と資産査定を行って検査を進めていく。この途中でどういうことになっているんだとかいうようなことを聞くことは私たちは全くありませんし、結果を知らされるというのが、この検査、まさにこれの独立性、金融庁の中におけるそうした意味でのファイアウオールというのは極めて厳格なものである。したがって、恣意的に検査結果をどうこうしたものをもたらすというようなことはあり得ないんだということを御理解いただきたいと思います。 二番目の、繰り延べ税金資産に関して監査法人がそうした何らかの圧力を受けて態度を豹変させたというふうにおっしゃいました。 これは、経営者、銀行と会計士の間にどのようなやりとりがあったかというのは私たちにはわかりません。一方的な経営者の方の、銀行の側の意見としていろいろ新聞等々にも聞こえてまいりますけれども、これは責任ある立場の銀行と監査法人がそれぞれ真剣にいろいろ議論した結果でありますから、もしその中身を判定するということであるならば、やはり双方の言い分を聞かなきゃいけないのではないかと思います。 ただ、いずれにしても、我々は事前介入はいたしませんし、できませんから、そうした中で、銀行にもまた監査法人にも、事前に圧力をかけるということはあり得ないことでございます。 監査法人と、特に公認会計士協会の会長と金融庁の関係についても言及されましたが、これは公認会計士協会という非常に重要な役割を担っているその会の会長、我々は金融行政を担っている、その場その場でそれぞれけじめのある対話をしているわけでありまして、顔見知りであるから、したがってそこで何かの圧力が生じるということ、これもあり得ないことでございます。 我々のけじめとかファイアウオールとか独立性、その点はぜひとも御理解を正確に賜りたいと思います。 石川銀行については、別途御答弁をさせていただきます。
○伊藤副大臣 お尋ねのございました石川銀行の増資についての柳澤大臣の発言についてでございますが、一般的に、増資については、これは銀行の自主的な経営判断と責任において監査法人や弁護士との協議の上適切に行われるべきものと考えておりまして、柳澤大臣も、この十三年春の石川銀行の増資についても、監査法人や弁護士との協議の上適切に行うよう指導したということでありまして、これは銀行に対して指導したということでありまして、監査法人や弁護士に対して指導をしたあるいは問い合わせをした、確認をしたということではございません。銀行に対してということでございます。
○五十嵐委員 議事録にきちんと残っているんですからね。「その都度監査法人あるいは弁護士さんに、これでいいんですかというようなことを確認していくということで、」そして牽制をしていくと。これは、主語は私ども金融庁あるいは金融担当大臣であって、ちゃんとここに書いて、答弁しているとおりですよ。そんなでたらめな答弁をしちゃいけない。 それから、竹中大臣がおっしゃるけれども、幾らおっしゃっても信用はされないでしょうね、多分。それは、先ほどから議論が出ているように、余りにも繰り延べ税金資産の取り扱いが恣意的に極端に行われているという実態があるからなんです。常に混同が意図的に、竹中さんは私は非常に頭がいいと思いますが、だれかが鬼平さんと言っていたけれども、ずる平さんじゃないかなと思っているんですが、意図的に混同されているんですね。 皆さんの立場は、何度も同僚議員が申し上げていますように、金融機関を健全化するという観点からチェックが行われなければならない。それは、会計基準に対してもそういう目で立ち向かわなければならないはずなんです。いわば、自己資本のほとんどがいまだに、現時点でも中核的自己資本の七六%が繰り延べ税金資産だなんという地方銀行があるわけですよ。それは明らかに健全じゃないでしょう、健全じゃないんですよ。ですから、そういう面から、それは金融庁としてはチェックをしていく必要があったのではないですか、こう言っているわけです。 要するに、アメリカでもやられているように、自己資本に算入できる税効果に制限を設けるということをもっと早くからやっていなきゃいけなかったということなんですよ。それとは別に、会計基準は専門家にお任せして、その専門家は専門家の方で、今金融審でおやりになっていると言っていたけれども、繰り延べ税金資産の回収可能性をどのように厳格に査定するかという問題は別途あるんですよ。二つの問題がある。 意図的に竹中さんはその両方を無視して、両面があるということを無視して、これは公認会計士の独占的な権限の範疇だから自分たちは関係ないんです、それは従わざるを得ないんですというふうにごまかしになられている。だけれども、実際には、金融機関の健全性という面から、もっと早くから、今すぐにでも、それは制限を設けておくべきだったし、やらなければいけないことなんではないですか。それは何回も私どもが指摘をしてきたことなんですよ。要するに、余りにも異常な実態が起きている。 私は、前の通常国会でも指摘をいたしました。このときは、足利銀行に風評リスクが起きてはいけないと思って実名を挙げませんでした。「りそな」が問題になったときでしたので、これは二つの見方があると言いましたけれども、過去の平均業務純益に法定の税率、四〇%なら四〇%と置いて、そして繰り延べ税金資産をそれで割ってみれば、想定課税所得で何年分その償却にかかるかというのは計算が出てきます。 それで、会計基準では、実務指針では最大限五年と言っていたんだけれども、実は旧大和銀行は、これは二〇〇二年三月末ですから一年前になりますけれども、八・九年分じゃないかという指摘をさせていただきました。だから、五年分をとっくに超えているじゃないかと。だけれども、皆さんは、これから先の収益見通しはもっと高いんだから、それは五年の中にはおさまっているんだとおっしゃるんだけれども、実は会計基準というのは保守的に見なきゃいけないわけですね。V字回復なんというのを想定して収益見通しなんというのは、会計家の立場からしたら、してはいけないことなんですよ。 ですから、保守的に見るんだったら、過去の業務純益の平均をとって、それに法定税率を掛けて、それで何年分以内かというのは一つの基準になってしかるべきではないかということを私申し上げました。 それで、足利銀行は、そのとき私は言わなかった、風評が起きるといけないから。十二・三年分なんですよ。これはやはり非常に悪い状態だった。二〇〇二年三月末ですから前々期末になりますけれども、そういうひどい状態だったので、ですからこれは余りにもひどいじゃありませんかと。つまり、繰り延べ税金資産を監査法人が認めたからといって、野方図に放置していて金融機関の健全性が保たれるとは思えないじゃないですかというお話をずうっとしているんですよ。 だから、これは二つのことを分けて考えて、私は、やはり何らかの制限を金融監督の立場からは設けるべきだ、こう思っているんですが、いかがですか。
○竹中国務大臣 委員がおっしゃるように、我々は金融機関の健全性、金融システムの強化ということを目標に政策をするわけですから、一般の公正妥当と認められる会計基準の話と、監査のないしは監督の基準としてどのような繰り延べ税金資産の扱いをするかと、これは当然のことながら二本立てで考えなければいけないわけです。 これはぜひ誤解のないように、委員は御承知だと思いますが、私自身が金融再生プログラムの中でこうした問題を提起したつもりであります。繰り延べ税金資産は、一般の会計の原則、慣行上認められているけれども、現実にマーケットからは、これだけ量も多いと、その不確か性について脆弱性が指摘されている、その声には耳を傾けようではないか。そういうことで、私自身が問題の提起をして、これは会計審議会で議論をしているわけではないわけです。金融審で、金融監督の金融の問題としてこの議論を始めたわけでございます。 そのような過程で、一つの例として、今、何年分の計上というのがございましたけれども、我々は、繰り延べ税金資産の情報開示の拡充を行う必要がある、それがまず我々でできることであるというふうに考えまして、この十月にそのような指示をしております。この中には、過去のものに照らして、将来のものではなくて、保守的にという御指摘がありましたが、そういう参考にするために、過去五年間の課税所得についても公表しろと。これは、我々の今までの認識でいいますと、かなり思い切った情報開示を求めたつもりでございます。 恐らく御指摘は、私も問題意識を持っておりますけれども、やることが遅いじゃないかという御指摘、五十嵐委員の御指摘はそこにひょっとしたら集約されるのかもしれません。しかしながら、これも御承知のように、現実問題として、今までのこのルールを見直すということに関してはさまざまな御意見がございます。そうした御意見を踏まえながら、我々としては、現実の混乱のないような形でこの繰り延べ税金資産のあり方をまさに審議していただきたいということで、ワーキンググループで今この中心的な議論をしておりますので、今しばらくそういう専門家の議論を待って、我々としての何らかの措置をとるべきかどうか、しっかりとした判断をしたいと思っております。
○五十嵐委員 ですから、「りそな」といい、今回の足利銀行といい、繰り延べ税金資産をめぐる算定の、あるいは自己資本算入の不明確性がこういう問題になってきているんですから、もっと早くやらなければいけなかったということと同時に、この自己資本に算入できる税効果に制限を設けるという方向性そのものをもっと早く打ち出すべきではないか、現時点ではどう思っているんですかということをまず伺わなきゃいけないと思うんです。
○竹中国務大臣 先ほども永田委員にも御議論をいただきましたが、そういった外形的な基準を設けるかどうか、設けるべきであるという御意見もワーキンググループの中にはあると伺っております。しかし、それは現時点では適切ではないという専門家もいらっしゃるというふうに伺っております。今しばらく、そうした専門家の議論を煮詰めていただく必要があるというふうに思っております。
○五十嵐委員 いや、専門家はいいんですよ。要するに、金融監督をする立場からどういうお考えを持つのかということを私どもは言っているんですから、不健全だと思わないんですかということですよ。今のような、繰り延べ税金資産が中核的資本のほとんどだとか、「りそな」だってそうだったわけでしょう。ですから、「りそな」は、今回のような見方でやったら、当然のこととして実は債務超過だっただろう、こう私どもは指摘しているんです。その「りそな」と足利銀行の扱いの不平等性ということを私どもは言っているわけですよ。 僕は、足利銀行を救済しろと言っているわけでは実はないんです。むしろ、もっと早く厳格にしていれば、ここまで傷が深まる前に足利銀行はいい銀行によみがえっていたんではないですかというふうに思うんです。ここまで被害者を出してきたのは、私は行政の怠慢によるものだ、その責任はどう見るんですかというような立場で質問をさせていただいているわけです。 足利銀行の被害者が出た、あるいは、過去に二度注入した千三百五十億円の公的資金が実質上毀損してしまったということについて、行政の責任はどうとるんですかという質問が記者会見でも、あるいはきょうでもあったんですが、私から言わせると、不満かもしれませんが、ずるい。竹中さんはそれにお答えにならないんですね。刑事上、民事上の責任を追及してまいりますという、よその人の追及の話にすりかえちゃって、自分の行政責任は一切お答えにならない。 済まないと思っているんでしょうかね。それは、私が注入した当人じゃないから知らないよと言うのかもしれないけれども、行政の立場というのはそういうものではないと思うんですが、いかがですか。
○竹中国務大臣 公的資金を注入しながらこういう事態になったというのは、これは言うまでもなく、まことに遺憾なことであるというふうに思っております。 足利銀行への資本注入については、これは金融再生委員会及び佐々波委員会において行われたものでありますが、法令にのっとって、その当時の情報に基づいて的確に判断したものと承知をしております。また、足利銀行を含む公的資本増強行に対しては、必要に応じて業務改善命令を発出するなど、我々としては厳正に検査監督を行ってきました。 こうしたことに至った事態、極めて遺憾ではありますけれども、今般の措置は、そうしたことを踏まえながら、金融危機を未然に防ぐという観点からこの百二条を適用したものである、この点を御理解いただきたいと思います。
○五十嵐委員 それでは、きちんと今までも厳格な検査をしていれば、早期是正措置というのはとれたと思うんです。ですから、こんなにいきなりの破綻、先ほど、だれか同僚議員がこんな一回の検査で破綻なんですかと言いましたけれども、一回の検査で破綻にするようなところに追い込まなくても、早期是正できちんと立ち直ることができたと思うんです。それをやらなかったのは、やはり怠慢の責任なんですよ。それを私は指摘をしているわけですが、全く無責任としか言いようがないですね。私はそう思います。 また、過去の失敗の轍を何回も踏んでしまおうとするんですね。石川銀行だってそうじゃないですか。私は、石川銀行と比べてもおかしいと思うんですよ。 石川銀行は、九月期決算の後、翌年の一月に検査が入って、そして何と五月まで検査がだらだらと続いて、九月期決算は実は債務超過だったらしいという結果が途中でわかってくるわけです。そうしたら、慌てて、なぜか三月、四月になって増資計画を石川銀行は出してきて、その増資は我々は認可する立場にない、実は届け出事項だという口実で、ずるずると事実上は認めてしまって、増資をしたから債務超過は免れていますという形でその三月期決算はパスさせてしまう。そして、半年後には、やはり債務超過でしたといって破綻をさせてしまう。こんなめちゃくちゃなことが行われる、これは恣意以外の何物でもないですよ。 それと比べたら、今回だって、足利銀行は、まだ中間決算ですからね、これから増資をします、三月期末は債務超過に陥らずに済みますと言って言い張れば、直ったんじゃないですか。 しかも、肝心の部分の繰り延べ税金資産は、私はまさしく見解の相違だと思うんですよ。だって、千二百億円の繰り延べ税金資産をいきなり否認したから債務超過に陥ったのであって、業務純益はむしろ拡大基調にあって上がっていた、こう先ほど渡辺委員もおっしゃっていたんです。 フローで動いているんですから、利益は上がっているんですから、上がっている利益に対して、それは先ほどの計算でいっても、今までの計算方式が正しければ、一定程度の繰り延べ税金資産を認めてもいいんじゃないですか、私はそう思いますね、今までのやり方なら。 私は厳格にしろと言っていましたよ。私自身の考え方は、もっと最初から厳格にすべきだ、ゼロかせいぜい一年だと私は言ってきました。複数年認めるというのは異常なんだと。それは、経常的な要件じゃない部分、非経常の要件が起きたときに複数年認めてもいいんであって、通常は一年限りなんだ、あるいは一年かゼロなんだということを言ってきましたけれども、皆さんの論理で今まで認めてきたんだったら、業務純益が上がって、フローで利益が上がっているんだったら一定額のあれは認めていいはずじゃないですか。おかしいんですよね。石川銀行との違い、「りそな」との違い、余りにも甚だしい。だから恣意的だとみんな言っているわけです。これはどうなんですか。
○竹中国務大臣 石川銀行については、もし必要でありましたら後でまた詳細御報告いたしますが、まず、これまでどうして早期是正の措置を打たなかったんだということでありますが、御承知のように、早期是正措置というのは、自己資本比率が健全水準を割れて四%以下になったら、我々としてはそれを早期に是正しなさいという命令を出すわけでありますが、足利銀行はそういう状況にはなっていなかったということ、これに尽きるわけであります。 それと、繰り延べ税金資産については、これは先ほどからるるいろいろ議論させていただいておりますけれども、足利銀行の説明によると、今回の中間決算発表に関して、監査法人からは、繰り延べ税金資産を計上してもなお自己資本比率が極めて低い、繰り延べ税金資産の変動により債務超過となる可能性がある、今後の収益見込みの一部が過大に計上されているということを指摘されたということでございます。 債務超過も、収益がよくなっているから解消できたんではないか。これは、もし、債務超過が解消できるということで、すぐにでも例えば増資ができるということであれば、もちろん債務超過にならないわけです。しかし、銀行はそうは判断しなかったということです。銀行は、もはや回復できないということで、債務超過になった、したがって破綻を申請するというふうに、銀行自身がそのように判断をして今回の申し出があったという点に関しては御認識をいただきたいと思います。
○五十嵐委員 だからずる平さんだと言うんですよ、銀行のせいにして。銀行は無理やりさせられたと思っているんでしょう。憤りの会見をしているじゃないですか。 大体、意図的なのは、例えば立入検査終了日から検査結果通知日までが、足銀のケースだけが異常に短いんですよ。皆さん、普通は三、四カ月かけているんです。その間に話し合いしているんですよ。どうするんだ、どこを直せばどうなるのかというようなことをみんな協議しているんですよ。立入検査の開始日から検査終了日まで二カ月強かかっているのは、そういうケースはありますよ、たくさんあります。そして、それから、これだけの長時間の立入検査をした後、検査結果通知日まで普通は三カ月か四カ月かけているんです。今回だけが、十一月十一日に立入検査が終了して検査結果は二十七日に通知している。やはりこれは何か意図があるんじゃないですか。このケースだけ異常ですよ。
○佐藤政府参考人 今回の足利銀行に対する検査につきましては、御指摘のとおり、十一月十一日に立ち入りを終了いたしまして、最終的な結果の通知を二十七日に行っております。これは、通常三、四カ月の審査期間を要しているという中では非常に短い期間であるということでございます。 これは、私どもで、本件は速やかに銀行に対して結果を通知する必要性が高いというふうに判断いたしまして、全体の作業の中で優先的に取り組んだということでございます。この結果通知のタイミングというのが、たまたまこれを検査の対象となった決算の直後の決算、今回の場合であれば十五年の九月期決算でございますけれども、この九月期決算に反映し得るタイミングであったということもあって、最大限の努力をして急いで通知をしたということでございます。
○五十嵐委員 いや、だけれども、よそと比べて余りにも異常なんですね。和歌山銀行の場合なんか、約半年、五カ月以上検査結果通知をおくらせているんですよ。これはどう見たっておかしいですよ。これは納得できないですね。それはだから、先ほどから言いましたように、うまく小道具に独立しているはずの監査法人を使って圧力をかけながら、繰り延べ税金資産を利用して破綻に追い込んだ、無理やり追い込んだということの一つの傍証だ、私はこう思うわけであります。 それで、あと本質的な問題があるんです。せっかく財務大臣おいでですから聞いておかなければならないと思うんですが、今のこのやり方だと、有税償却をすればするほど繰り延べ税金資産が膨らんでいって、不確実性が膨らんで、本質的な自己資本の劣化をもたらすということが起きてきてしまうんです。この問題、一方では、オフバランス化を進めるんだ、銀行の健全性を増大させるためには不良債権問題の解決が必要なんだと言いながら、それに必要な手だてを政府として打っていないということではないかなと思うんです。 有税償却が膨らめば膨らむほどそういう問題が出てきて、また自己資本が低下して、さらに不良債権がふえるという一種の悪循環を生んでいる、こう言わざるを得ないわけなんで、これにもっと早く政府全体として手を打つべきだったのに、全く財務省と金融庁との間ではそのアコードができていない、政策の一致というのができていないじゃないか、私はこう思うわけです。 そしてまた一方で、監査法人にそういう恣意的な繰り延べ税金資産の扱いをさせている。これがまたおかしいんで、公認会計士協会をもっと独立させて、そして権限を高めて、公認会計士の監督はむしろ日本版SECといったところに移して独立性を高めた上で、そこで責任を持たせて、適正意見を付した債権償却や引き当てについては税務上損金扱いにして一たん無税にしてしまう。 その上で、実は貸し倒れにならなくて済んだという場合には、翌月洗いがえして益金に戻せば、これは課税対象になってちゃんと税は取り戻せるということになるんですから、有税と無税の範囲を逆転させればいいんです。最初に有税で償却しておいて、後から取り戻そうとするから繰り延べ税金資産、税効果会計という問題が出てくるのであって、最初に無税にしてしまって、後で使わずに済んだ分はそれは税金として取り戻せば、こういう問題は起きないんじゃないですか。これはどうですか。
○谷垣国務大臣 貸倒引当金の無税償却の範囲を広げることが問題の解決に必要だという御指摘だと思います。 不良債権処理を加速していく上で、確かにこれは考えなければならない問題ですし、税務会計と企業会計との間、ある意味で目的が違いますから差が出てくることはやむを得ない面もあるんですが、大きな観点からいうと、できるだけこの差を縮めていくのが必要ではないかと私も考えているところでございます。 ただ、今金融庁と、この問題、来年度の税制改正に向けていろいろ協議をさせていただいているのですが、多くの金融機関が今赤字であるというのが現在の状況でございます。そうしますと、こういう状況で無税償却基準を緩和しますと、かえって金融機関の経営に悪影響を及ぼしかねないという問題が、私も実はここへ来まして勉強しましてそういう問題があるのかと思ったのですが、そういう問題があるようでございまして、現在、来年度改正に向けて、金融機関に与える影響はどういうものかというのを十分に見きわめながらやろうということで、今御相談をしているところであります。
○五十嵐委員 ですから、無税償却を余りにも促進すると、モラルハザードが起きて、ごまかして過大にやって、逆の意味で粉飾を促すという面があるかもしれぬ。だから、一年後に取り戻せるように、そしてそれは適正意見を付しているんだから、不正をしたら監査法人がそれこそ大変な無限責任を負うという形に、責任を負わせるかわりにちゃんと粉飾決算をさせないようにするという仕組みをつくればいいだけの話です。そういう努力をどうして今までしてこなかったかということを申し上げたいんです。 金融当局の立場からはどうですか。
○竹中国務大臣 これは昨年から正式に、無税償却、それと繰り戻し還付、繰越控除、それぞれについて、実は、繰り延べ税金資産の今の問題を解決するためには、これは同時に実現していかないと意味がないという難しい側面がございます。 無税償却だけやられても、金融機関としては繰り延べ税金資産の計算上困ったことにもなり得るわけで、我々としては、私自身は谷垣大臣にお願いをする立場でありますが、ぜひ三点セットでこれを実現していただきたい。そうすることが日本の金融部門の繰り延べ税金資産問題を解消する一番の近道であるし、何とか引き続きお願いをしたいというふうに強く思っております。
○五十嵐委員 もう何年も前からこの繰り延べ税金資産の問題、そして不良債権の解消の問題というのが起きていたのに、なぜこの根本的な問題について政府が一体となって取り組んでこなかったのか不思議でならないんですよ。そういうことを追及しても、そういうのは怠慢でありましたというような態度も全然見られないし、私は本当に、金融行政、もっとしっかりしてくれなきゃ困るな、こう思うわけです。 それで、過去の反省が少しもないということを先ほど石川銀行の例をとって言いましたけれども、一時国有化というのは、長銀、日債銀以来でございます。この長銀、日債銀のケースと、百二条三号の適用というのは初めてなわけですが、どう違ってくるのか、これからどうするのかというのも国民の皆さんには余り見えてきておりません。 また瑕疵担保特約なんという愚かなやり方をやるのか。それとも、ロスシェアリングを今度からは適用するんだ、法律に入ったからと言うけれども、では、ロスシェアリングはどういうような形で実際には動かしていくのか。例えば、ロスの認定はどうするのか。株式だったら何割減価したらロスと認めるとか、そういうのが瑕疵担保の場合にはあったわけですけれども、今回のロスシェアの場合は、どの時点でどのようにロスを認定して、どのように分け合うというようなことを考えるのかという問題をもっと明確に、筋道立てて、足銀はどういうやり方で国有化し、どういうやり方で国有化を終わらせるのかというのを国民に示すべきだ、私はこう思いますが、いかがですか。
○竹中国務大臣 五十嵐委員は大変こうした問題にお詳しいですから、非常に問題の先取りをした御質問をされておられます。 しかしながら、先週、まさに土曜日にこの措置をとって、今我々としては、現状、ガバナンスの空白が生じないように監視チームを送りながら、できるだけ早く新しい経営陣を赴任させたいというふうに考えているところでございます。 一般論として、今後どうなるかということに関して申し上げれば、今後選任される経営陣のもとで適切な業務運営を確保しながら健全化に向けて改革を進めていく、その上で受け皿を探して、受け皿に引き継いでいく、一般的で大変恐縮ですが、そういうシナリオとしか申し上げられないというふうに思っております。 受け皿に関しましては、先ほど申し上げましたように、受け皿が存続する合併、受け皿への新設合併、受け皿への営業譲渡、受け皿への株式の譲渡等々、形の上ではそういう問題が考えられると思います。 直接、非常に技術的な問題に、しかし重要な問題ではありますが、ロスシェアの問題についてお尋ねがございましたけれども、これは、受け皿金融機関に引き継がれる際に預金保険機構により資金援助が行われるわけですが、その際に当事者間においてどのような譲渡契約と内容となるかということでありますから、現時点で申し上げることはなかなか難しい。 ロスシェアリングを活用することが可能になっているというのは事実でございます。受け皿と預金保険機構との間で個別に締結される契約によって定められることになりますので、その時点で、ロスシェアリングを活用するかどうかを含めて検討が進んでいくということになると思います。
○五十嵐委員 先ほども渡辺喜美委員の御質問の中にありましたけれども、こういう破綻した銀行というのは、時間がたてばたつほど劣化していくんですね。資産が劣化していく。それは長銀、日債銀でも嫌というほど知ったはずなんです。ですから、外国なんかの場合では、次のめどをつくっておいて、直ちに受け皿に移行するんですね。 ですから、私は、そのために検査結果通知は遅くなるというのはあってもいいと思うんですよ。その間に、検査終了から検査結果を通知するまでに、そういう結果が予想されるんだったら、用意しておいて、はい、次の銀行はここと受け皿として名乗りを上げて、よさそうですというところを決めておいて破綻に持ち込めばみんな心配がなくなるし、資産の劣化も最小限に抑えられる。全然これは生きていないんですよ、長銀、日債銀の教訓が。 これはいつになるかわからないんでしょう、このままでいったら。時間がたてばたつほど資産はどんどん劣化していきます。これは反省がないとしか言いようがないんですが、それについてはどう思いますか。それともめどがあるんですか。
○五味政府参考人 特別公的管理の場合は、長銀が管理の決定から終了まで一年四カ月ほどかかっておりますので、おっしゃるように、時間がたちますと人材の流出ですとか資産の劣化ですとかございますから、譲渡はできるだけ早い方がいい。 一方で、あらかじめ破綻するかもしれないから準備しておくというわけにはいきませんので、足利銀行さんは前の経営陣も精いっぱい頑張られたわけですので、それで健全性が回復できたんだったらそれでよかったわけですから、チャンスはきちんと与えなければいけないし、風評をもたらすようなことはできないと思います。 いずれにしても、現在の預金保険法では、できる限り早期に三号措置を終えるというふうにはっきり法律に規定してございますので、この趣旨に沿って、できるだけ早くまずは新経営陣を選任し、新しい経営に移行し、そして受け皿が探せるような形の銀行にできるだけ早くするということが基本であろうと思います。法律で、できる限り早期にとございますので、できるだけ急ぎます。
○五十嵐委員 その場合、法律には何種類かというのが書いてあるようですが、長銀や日債銀のように一括した売却先を探すんですか。それとも、分割とかほかのところとの再編とか、そのほかの手段も見つけるのか。要するに、一たん特殊会社のような形にしておいて、国が保有しておいて、そして再生させて、株式を上場して売却して、そこで民営化していくというやり方だって考えられないわけではないと思うんですが、それは、今申し上げたように、一括売却しか頭にないということなんでしょうか。
○五味政府参考人 ちょっと技術的な部分を御説明いたしますが、この特別危機管理銀行は、資産と負債の差額のロスの部分を公的資金で埋めますのは受け皿金融機関への譲渡時ということになりますから、債務超過状態のまま経営が継続することになります。したがって、そうした状態で継続しながら譲渡先あるいは合併先というものを探していく、こういう仕組みになりますので、これそのものが新しい銀行になるということではなくて、法律にございますように、合併ですとか営業譲渡、株式の譲渡、こういう形をとって、それが行われるときに公的資金を注入して、資産、負債をバランスさせる、こういう形になります。 譲渡として、一括譲渡でなければならないと法律には書いてはございませんけれども、この辺は、足利銀行が地域で占めている金融機能というようなこともよく考えながら、慎重に検討する必要があると思っております。
○五十嵐委員 私どもは、債権を分類して、不良債権はRCCにお引き取りをいただく、そしてグレーゾーンのものは一カ所に集めていく、それから健全債権はどこかに譲渡するなり新銀行に分けるというふうに、債務者区分というか、債権の区分で分けたらどうかというようなことを提案しているということがありますので、それはそのままでこの足利銀行に適用できるかどうかというのはまた別途詳しい検討が必要かと思うんですが、その意味からも、かつての一括売却方式だけが頭にあるというのでは不十分かなという指摘をさせていただいているわけであります。 瑕疵担保は、ロスシェアが入ったのでよもやおやりにはならないと思いますが、確認をその点もまたしておきたいと思います。
○五味政府参考人 ロスシェアリング、プロフィットシェアリング、両方法律に規定がございますから、何か私の想像を絶する事情があればわかりませんけれども、ちょっと常識ではそういった瑕疵担保条項が入るというのは考えられない。 ただ、具体的な契約の問題ですので、ちょっと今から断言しない方がよろしいと思いますが、法律上、そういう必要性は多分ないように仕組んであると思います。
○五十嵐委員 とにかく、かつての迷走した金融行政を繰り返すということは私は恥だと思うんで、そのようなことは絶対にしていただきたくないということを申し上げておきたいと思います。 先ほどから、地元の地域経済への不安が大変出ているわけですが、いわゆる外資に一括譲渡してしまったりすると、いいところだけつまみ食いされて、実は新たな融資が行われないというようなことが起きて、地域経済が疲弊をするということが一方では心配されているんではないかな、こう思います。 地域経済への貢献という視点もなければいけない。ですから、私どもは、金融アセスメントというのを、だからこそ必要なんだという立場をずっととっているわけなんです。栃木県という地域は、ある意味では大変心配のあるところで、町ごとに信用組合があって、その信用組合がかなりな規模でたくさん破綻をしてしまった、そして残ったのが足銀、みんな足銀しか頼るところがないという状況の中に来ている。その足銀が一時公的管理ということになったということで、その心配が一層膨らんでいる。 だからこそ実は百二条を適用したんだと思うんですね。百二条というのは、地域経済への深刻な影響か、あるいはシステミックリスク全体へ影響がなければ適用できないわけですから、だからこそ適用したんだと思うんですが、その地域経済への破綻の影響を最小限に食いとめるという立場から、今後どのような運営をされていくのか、伺いたいと思います。
○竹中国務大臣 委員御指摘のように、だからこそ百二条を適用させていただいた。この点は私どももぜひ強調させていただきたいと思っております。 貸し付け、預金で五割ないし五割強の県下でのウエートを持っている。そうした観点から、その地域への貢献というのは、これは大変重要な欠かせない要件だと私たちも思っております。まさしく、金融アセスメント法のお話を引用されますが、我々としても、いわゆるリレーションシップバンキングの趣旨に沿った経営として再生していくように、これはぜひしっかりとやらなきゃいけないと思っております。 同時に、地域経済への影響ということに関しますれば、足利銀行をまずしっかりと再生させるということに加えて、それ以外の、より広い観点からの対応も当然必要になってくるかと思います。既に、何度か御説明申し上げていますように、関係省庁の連絡会議をつくって正式に発足させております。そうした中で、政府系金融機関で活用できるものは活用していく、地域の雇用等々に配慮していく、各省庁横断的にしっかりとした対応をしていくという態勢をとっております。
○五十嵐委員 一言で言えば、外資の投資ファンドへの売り飛ばしというのは余り考えていないというふうに言っていいですか。
○竹中国務大臣 先ほど申し上げているように、出口としてどういう形になるかというのは、新しい経営陣にしっかりと再生していただくということを見きわめて我々として判断していくわけですが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、リレーションシップバンキングの担い手としての足利銀行が新たに再生していく、それが我々が想定している道筋でございます。
○五十嵐委員 それから、今出資者たちの不安が非常に広がっているわけなんですが、内閣総理大臣の談話を見ても、きょうの竹中大臣の発言をお聞きしても、健全な債務者については面倒を見るんだ、健全かつ何とかという表現になっておりまして、これは一分類しか面倒を見ないというふうに受け取られかねないという心配が出ているんですね。 それで、要管理先以下も見るんだというような発言もちらっとあったかに聞こえましたけれども、どこまで面倒を見るのか。実質破綻先は見ないんだろうと思いますが、例えば破綻懸念先まで、場合によっては見解の相違もあるでしょうから、見ることがあり得るということでいいんですか。それとも、破綻懸念先はRCCに行っていただくということなんでしょうか。
○竹中国務大臣 これは先ほど副大臣からたしか御答弁を既にさせていただいていると思いますが、三号措置の措置は、これまでと同様の営業活動を足利銀行として同じ法人格を持って進めていくということになります。同行においては、通常の融資対応がなされるように、要注意先以下の債務者についても、これは個々の債務者の実情に応じてきめ細かな対応がなされていく、そのように考えておりますし、実際そのような指導をしているつもりでございます。
○五十嵐委員 それから、肝心なところは、まさに善意の被害者たちなんですが、足利銀行は、増資を募るに当たって、実は私のところに投書も来ておりますが、二年間は売却しないでほしいというようなことを言っているんですね。それに素直に従った人たちが被害を受けているということがありました。 先ほども、これは前に石川銀行の例で私が柳澤大臣やあるいは松田預保理事長からお伺いをしたところでもあるんですが、不法原因給付があった場合には契約無効となるんだ、それは裁判で認定をされれば、債権として保護され得るという一般論はお聞きしました。お聞きしたけれども、これは一万人を超える個人の出資者がいて、それがみんな裁判を起こしていたら大変なことになるわけですよ。 私は、むしろ不法原因、あるいは、不法原因までいかなくても、貸し手の優越性を利用した、いわば事実上預金の振りかえ的なものがあった場合には、もっと政府側として救済する手だてが考えられていいんではないか、こう思っているんです。不法原因給付は契約無効になるのはある意味では当たり前ですけれども、それを裁判で確定するまで待っていたんでは、これは民事上との関係もありますし、時効とかいろいろな問題が出てくるんです。現に石川銀行問題で起きていますので、裁判、長引いています。ですから、何らかの救済措置が別途考えられていい。 だから、私どもは、その意味でも金融アセスメントなんですよ。金融アセスメント法案では、そういう紛争処理を委員会をつくって別途やるという仕組みにしようとしているわけですから、ぜひ、そういう被害者たちがあった場合、そういう考え方があっていいと思うんですが、それについてもう一度お答えをいただきたいと思います。
○五味政府参考人 確かに、今回あしぎんフィナンシャルグループの株が実質的に無価値になるということで、地元の出資者の方は大きな痛手をこうむっておられると思います。大変遺憾なことだと思います。ただ、やはり出資でございますから、これを保護するということは、制度上はどうしても、手だてがどうも見つからないように思います。 したがって、例えばそのように出資した株券が無価値になったことで資金繰り上問題が生じ得るとか、あるいはその担保価値が減少したために融資方針が変わったら困るとか、こういった個別具体の資金調達の状況に応じて、銀行側が法令違反などにならない範囲でリスク管理をしながら対応していくということが基本になるのではないかというふうに思います。 確かに、裁判で勝っていただくというのが一番わかりやすいんですけれども、恐らく、古い話ですし、立証するのも難しいでしょうから、私ども、できる範囲でそこは一生懸命考えていきたいと思います。
○五十嵐委員 融資で、できる範囲で面倒見るというんですが、もう一歩踏み込んでいただきたいというのと同時に、一つは、それだったらいわゆる劣後ローン、劣後債、これを優遇するのはやはりおかしいんだ、バランスがとれないんだということを申し上げておきたいと思います。 私は、むしろこういう銀行などは積極的に劣後債を役員は買え、持ちなさいと言うべきだということを前に言ったかと思うんです。それは銀行の経営を監視するためなんです。劣後債というのはそういう意味があるんです。銀行経営を監視するために劣後債、劣後ローンというのは意味があるんであって、それだったら、それは株主と同じ観点、立場というのがあるじゃないか。この劣後しない劣後債をここで認めてしまうのは、やはり今言ったような善意の出資者とのバランスがとれない、ですから劣後債は劣後させるべきだということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
○田野瀬委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 この足利銀行の破綻、一時国有化という突然の事態は、栃木県民はもちろんですけれども、全国的にも極めて大きな衝撃を与えております。栃木県内の中小企業の数は約四万五千社に上っておりまして、そのうち約六割が足利銀行と何らかの形で取引があると言われております。影響は極めて甚大である。 どうしてこういう事態になったかということでまずお聞きしたいんですけれども、金融庁は九月の二日から十一月十一日まで立入検査をしたそうでありますが、この二カ月以上にわたる検査を通じまして、足利銀行との間で一番大きな争点になった点は何かという点について、大臣に一言お答えいただきたい。
○佐藤政府参考人 個別の検査の詳細な内容については言及を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、今回の場合も含めて、一般的に、検査においては、信用リスクの管理の中で、債務者区分が適切であるかどうか、担保評価が妥当であるかどうか、あるいは引当金を算出するための予想損失率の算出が適切であるかどうか、こういったことが一般的に主要な論点になるというふうに存じております。
○佐々木(憲)委員 あしぎんフィナンシャルグループが十一月三十日に、株主、顧客あてに出した文書というのがありまして、こういうふうに書かれているんですね。「先日まで、金融庁の検査を受けておりましたが、その検査結果は大変厳しいものでございました。」「検査におきましては、個別の債務者区分、引当率の算定方法など、当方の考え方と相違する点が多々ございました。」「最終的に当方の主張が認められたのはごく一部にとどまり、十一月二十七日に検査結果通知を受領」、こういうふうに書かれているわけですね。 要するに、銀行側の主張を退けて金融庁が厳しい査定をいわば押しつけた、こういう経過ですね。
○佐藤政府参考人 立入検査のプロセスにおきましては、私どもの検査官と銀行の担当者の間で、先ほど申し上げたような債務者区分だとか担保の評価だとか予想損失率だとか、そういうことについて一つずつデータに基づきながら議論をしていくということでございまして、銀行側の方もそれぞれの主張をしていただき、検査官の側も主張をする。その中で、合意に至るものが多いわけでございますけれども、認識が異なるケースもあり得るということでございます。 そのときに、検査官の意見がやみくもに、強制的に押しつけられるというような仕組みではございませんで、検査官の仕事はまさに、銀行の担当者に自分の考えているロジックをきちんと納得してもらうということが大きな仕事であるわけです。それで、最終的に立入検査終了までの間に銀行側と立入検査班との間で合意が成り立たなかった場合には、そういう場合に備えて私どもは意見申し出の制度というのを設けておりまして、意見申し出を銀行の側が納得いかない部分についてお出しいただける、そのお出しいただいた部分については、検査班とは別の、私ども検査局の中の部局が審理をして結論を出す、こういう仕組みがあるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 認識が異なって納得が得られないという場合、合意が成立しないわけですから、その場合には意見を出すこともできると。しかし、この銀行側の主張というのは、そういう異議申し立てもほぼ認められなかった、最終的には金融庁の判断で押し切られる、実際上そうなっているわけですね、結果を見ますと。 そこで、融資先の企業を評価する方法として、いろいろあると思うんですけれども、一つは、業況悪化をどの程度に見るか、二つは、担保価値はどうなっているか、それから三つ目に、担保の評価方法として何を採用するか、これで大きく変わってくるわけであります。 例えば、業況判断についていいますと、金融庁の検査というのは三月末を基準にしている。冬場の冷え込む時期で、業況も悪くなるわけですね。銀行側は、春から夏にかけて改善している、それを見るべきだ、こういう主張をしたというふうに我々は聞いております。しかし、金融庁は、三月末以降は一切考慮しないんだ、こういう態度で押し切ったということであります。 それから、担保評価の方法ですけれども、銀行側は、不動産鑑定士の評価による従来どおりの積算法を主張した。ところが、金融庁は、収益還元法を採用するように、こういうふうに言ってきた。収益還元法によりますと、その土地からどれだけの利益が上がるかということで見るわけですから、価値は大きく下がるわけですね。この方法の違いだけでも大変大きな違い、格差が出てくるわけであります。 そこで、少し具体的に聞きますけれども、前回までの足利銀行に対する検査で収益還元法を採用したことはありますか。
○佐藤政府参考人 担保評価につきましては、午前の質疑でもお答えしたわけですけれども、不動産鑑定士の鑑定あるいは近隣の売買実例、あるいは再取得価格によるいわゆる積算価格、それから収益還元法、さまざまな手法がございまして、この中で、物件の性格に応じてどれを使うのが一番いいかということで議論をするわけでございます。 それで、担保評価については、実績が結果的に出てくるというケースがあるわけでございます。当該債権の債務者が破綻をして実際に担保の処分をした結果、計上していた評価額よりもはるかに小さな金額でしか売却できなかったということで、いわば担保不足という実態が後から出てくることがあるわけでございます。こういった場合にはどういう形で担保の評価をしたらいいかということを当然議論するわけでございます。そういう中で、収益還元法といったことも一つの手法として使われるということでございます。(佐々木(憲)委員「質問に答えて。前回まであったのかなかったのか」と呼ぶ) 前回、この手法を使ったかどうかにつきまして、ちょっと今手元に確認できる材料がございませんので、後ほど、確認をさせていただいてお答えをさせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 収益還元法というのは、この当事者に私聞きました、採用されていないんですよ、前回までは。ところが、今回初めて収益還元法でやれ、こういうことが金融庁から押しつけられたと、渡辺議員も午前中質問されていましたけれども。 そういう状況で、結局、例えば日向野善明あしぎんフィナンシャルグループの社長は、「収益還元法など地銀には適用していないやり方を幅広く適用され厳しいと感じた。金融庁の方針は、より保守的に見るために引き当ての厚みを増すということだった」、これは日経金融新聞十二月一日付ですけれども、こう述べているわけです。ですから、収益還元法を、前回採用していないものを今回採用してかなり幅広く適用した、これは事実でしょう。
○佐藤政府参考人 個別の詳細にわたる内容でございますので、できるだけお答えを差し控えたいと思うんですけれども、先ほど申し上げましたようなプロセスの中で、物件の性質に応じて、どういう評価方法が一番いいかということを銀行側と検査官の間で議論するわけでございます。そういう中で、収益還元法というのも一つの手法として議論されたということでございまして、幅広く収益還元法を適用したというようなことは必ずしも当たっていないと思います。結果的に、収益還元法を使った評価を採用したのはごくわずかでございます。
○佐々木(憲)委員 資料も提出しないでごくわずかとか、よくそういうことが言えると思うんですね。私が調べたところによりますと、担保評価方法を厳しくしたことによって引き当て増になった分というのは全体の三割を占める、その金額は百五十億円になる、こう証言しております。極めて大きな要因なんですよ。 結果を見ると、あなた方が銀行や監査法人の意見を押し切って厳しい査定を行って、結果として、それに見合う引当金の積み上げを求めた、そして債務超過に追い込んでいった。金融庁が足銀をつぶしたんですよ。だれもこれは否定できないと思いますよ。 委員長、ここで、こういう問題も含めまして、足銀破綻の真相を明らかにするために、フィナンシャルグループの社長、それから監査法人の責任者、自治体の長、商工会議所会頭など地元関係者、既に野党側は要求しておりますけれども、参考人として当委員会に招致されることを要請したいと思います。
○田野瀬委員長 委員長に一任になっておりますので、よく判断いたします。
○佐々木(憲)委員 決定的なのは、繰り延べ税金資産の計上を認められなかったということであります。繰り延べ税金資産を三月末より百八十億円減額して、約一千二百億円計上するという考えで、監査法人も当初はこれを容認するという姿勢だったわけであります。現に業務純益はふえ続けてきている。ところが、十一月二十六日の夜を境に事態は急変するわけです。その夜に監査法人の審査会が開かれて、その時点から、監査法人の態度がそれまでとは一変するわけであります。 次の日の朝、二十七日の朝、この日は金融庁が三月期決算についての厳しい検査結果を足利銀行に通知する、その日でありますが、その直前に、監査法人は一転して、足銀に対して繰り延べ税金資産の全額否認を通告した。このことについて関係者は、このように突然豹変するのはどうしても納得できない、こう言っているわけです。 三月期決算について、どうしてそういうふうに債務超過という検査結果が出てきたのか。そしてまた、それに基づいて監査法人自身の態度も変わる。この点について、日本公認会計士協会の奥山会長はこう言っているんですね。これは毎日新聞の十二月二日付ですけれども、三月期決算について、債務超過という検査結果が出た以上、九月期中間決算で繰り延べ税金資産全額を今までと同じように認めたら、そんな甘い決算をだれが認めたんだと批判を受ける、だから全額否認という態度に変えたという趣旨の発言をしております。 つまり、債務超過という検査結果が出た以上、繰り延べ税金資産の今までの容認の態度を変えざるを得ないんだ、こういうことをはっきり言っているわけですね。これが破綻への決定的な引き金になった。金融担当大臣、そうじゃありませんか。
○竹中国務大臣 委員、いろいろ御指摘してくださっておられますが、金融庁がどこどこをつぶしたとか、そういう性格のものでは全くないということは、これはぜひ正確に御認識をいただきたいと思います。 我々はしっかりと検査をいたします。その検査は、プロセス全部を申し上げるわけにはその性格上いきませんけれども、従来と同じような尺度でしっかりと行ってきた。その検査の中身そのものについて、先ほども申し上げましたように、しっかりとした内部でのファイアウオールが設けられていて、まさに独立して検査を行ったという事実、この点は御理解をいただきたいと思います。 また、今も、その監査法人が一夜にして一変した、豹変したというようなお話がございますが、ここは当事者の間でいろいろ意見の相違があったのかもしれません。当事者の間で意見の相違があったときに、いろいろな議論をしているときに、一方の意見だけを我々としてはそのまま聞くわけにもいかないのではないでしょうか。しかも、銀行と監査法人という社会的な立場を担った人たちでありますから、そこはやはりしっかりと合意をしてくださったんだと私は思います。だからこそ、みずからの意思で銀行は、繰り返し言いますが、債務超過であると、破綻の申し出をしてきたんだというふうに考えます。 会計士協会の会長のインタビュー、新聞記事等々でしか存じ上げておりませんけれども、私、趣旨そのものを正確に把握をしておりませんが、会計士としては、当然、独立した監査法人として、公正妥当な会計基準に基づいて、プロフェッショナルとしての責任を果たしたものであるというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 金融庁の態度というのは、今までやったことのない厳しい査定を行った。採用した方法も、今まで採用したことのない、例えば、土地担保の評価などについても、収益還元法を採用し、それを押しつけた。したがって、引当金をたくさん積まなきゃならない。その結果、全体として債務超過に追い込んだわけですよ。最初の監査法人と銀行側の考え方とは全く違う考えを持ち込んで、債務超過に追い込んだ。金融庁がつぶしたんじゃないですか。そういう形で、結果としてこういう被害が生まれてきた。これは地元では公知の事実なんですね。 関係者の話からいえば、監査法人の態度が豹変したと。二十六日の夜です。二十五日に通常、決算の発表をするという日だったわけですね。それを、ちょっと待てと、待てと言ったかどうかは別としまして、その日はやらなかった。結局、二十六日の夜に監査法人が態度を変えて、二十七日に、繰り延べ税金資産は一切認めませんと。 なぜそうなったかといえば、三月期決算についての金融庁の検査結果が債務超過だということがそこで伝わったからですよ、どういう形でどうしたか、私、知りませんけれども。この公認会計士協会の奥山会長の発言は、まさにそのことを物語っているわけであります。 金融庁に責任がないかのようなことを言いましたけれども、もしも、例えばこの繰り延べ税金資産を百八十億円程度の減額で千二百億円計上する、こうなりますと、監査法人も予定どおりそれを容認していれば債務超過にはならないわけであります。破綻することはなかったんです。金融機関が自発的に債務超過を申し出たんだと盛んに言いますけれども、これは事実と全然違うわけでありまして、その原因は金融庁がつくっているんです。 もちろん、銀行の経営者の責任もあります。それから、全体の景気が低迷しているという事態もあります。そういう事態もあるけれども、しかし、やり方として、こういう形で強引にやったら当然破綻する。だから、栃木の福田知事も、国という強力な権力にねじ伏せられた、こういう表現をしているわけであります。私は、こういうやり方というのは極めて重大だというふうに思います。 本来、大銀行と地域密着型の金融機関というのは性格が違うわけです。ことし三月二十七日に出されました金融審議会金融分科会第二部会、リレーションシップバンキングの機能強化に向けてという報告がありますけれども、この報告を見ましても、地域金融機関というのは、営業地域が限定されている、特定の地域、業種に密着した営業展開を行っている、中小企業または個人を主な融資対象としている、こういうふうに指摘をいたしまして、「わが国の地域経済の厳しい現状等を踏まえれば、」「地域の中小企業への金融の円滑化、地域経済の活性化のために質が高くアクセスが容易なリレーションシップバンキングが果たす役割は引き続き大きいものと期待される。」こう言っているわけですね。 ですから、地域経済への貢献という側面をしっかり踏まえて、何も厳しく査定をしてつぶすのが本来の目的ではないはずです。地域金融機関というものはやはり国が支えていく、そしてしっかりとその地域に貢献をさせていくというのが本来の政府の政策のあり方じゃないですか。そういう方向と全く違うことを今回やっている。 私はこの地域金融機関の特性を踏まえた対応をすべきだと思いますけれども、大臣はどうお考えですか。
○竹中国務大臣 地域の特性を踏まえた、他でわからないような地域に密着した定性的な情報を踏まえた、しっかりとした地域に根差したバンキングを行っていただきたい、これがまさに我々のリレーションシップバンキングの目指すところです。そこは全く異存ございません。 ただし、その場合に、資産の査定がいいかげんであっていいということでは全くないと思います。残念ながら、ここは信用リスクの管理が極めてずさんであって、そのずさんさを指摘されて、今回、検査から厳しい指摘を受けた。これはしかし、そういうやり方が問題だとおっしゃいますが、やはりきちっと検査をしないと、結局は、こういう状況をもしほっておいたら、被害を受けるのは預金者ではないでしょうか。 その意味では、リレーションシップバンキングの中にも、資産査定、信用リスク管理の厳格化というのは我々は掲げております。地域に根差したしっかりとした地についた信用創造活動はやっていただきたい。しかし同時に、信用リスクの管理はしっかりやっていただきたい。我々は、やはり検査と監督を通してその両立を目指していく、これがリレーションシップバンキングであるというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 あなた方のやっているのは、地域金融機関を生かしてその中身を改善していくという立場ではないのですよ。資産査定を厳格化し、収益至上主義で、利益が上がらない、資産が悪い、これは債務超過だ、ばっさばっさとそういう形で、上から押しつけて、地域金融機関を破壊しているというやり方なんですよ。何でこれが地域経済への貢献なんですか。地域の不安が広がるだけじゃないですか。 竹中大臣のこのリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムというのを見ましても、本当にこれは資産査定の厳格化。それは厳格にするというのは別にそう全面的に否定するつもりはありませんけれども、しかし、問題なのは、そういう相手先に対してどういうふうに地域金融機関としての金融機能を果たしていくのか、金融の公共的な役割をどう強化するかということでなければならぬのですよ。 ところが結局、償却、引き当てをどんどん積み上げていく、厳格化して、そういう形でやっていくということになりますと、金融機関自身の破綻につながるということになるわけでありまして、私は、今の金融庁のやり方というのは、地域金融機関を本当に改革し地域金融機関の機能を発揮させるという方向ではないと思います。それを否定する方向に行っている。 今、地元では大変な事態になっておりまして、増資に応じた分がすべて紙くずになるということで、甚大な被害を受けて、だまされたという声があります。例えば、下野新聞などを見ますと、結局だまされたと、五百万円分の優先株を取得したという年配の女性の記事が載っております。「言葉を詰まらせ、さらに続けた。「借金して普通株もさらに五百万円分買ったのに。親戚も集まって、みんな泣いています。夜逃げするしかない。」電話の向こうですすり泣きながら訴えていた。」という報道です。これが実態なんですね。 この優先株、それから第三者割り当て株式の実態についてお聞きしたいんですが、自治体、これもかなり増資に応じております、それから企業、個人、それぞれ増資に応じた件数、金額を明らかにしていただきたい。
○竹中国務大臣 発行済み株式が八億八千五百万株でございます。うち、地公体保有株式が五百八十七万株でございます。優先株については、発行済み株数が二億九千五百万株、うち、地公体保有優先株が八十万株でございます。
○佐々木(憲)委員 今資料をお配りしましたが、これは足利銀行から提供された資料であります。九九年と二〇〇二年の二回の増資がこういう状況でありました。 件数は一万五千百二十六件、そのうち企業は三千六百九十三件ですけれども、個人はその四倍の一万一千四百三十三件であります。これは大変な数なんです。個人で出した金額で一番多かったのが百万円から三百万円、三千七百四十四人。一千万円から三千万円の規模で増資に応じた人は五百四十八人。三千万から一億未満は合わせて二十四人。一億円以上も四人いる。これ全部紙くずですよ。 商工会議所も、血も涙もないやり方だと言ってかんかんに怒っている。例えば、足利銀行の株を担保に融資を受けた企業もあるんです。担保が全部紙くずになっちゃった、融資も吹き飛んでしまう。 金融庁は、こういう事態をもたらした責任をどう感じているのか、どう果たそうとしているのか。この被害者に対して被害補償をするという立場で取り組むべきだと思いますけれども、いかがですか。
○五味政府参考人 出資という形でお金をお出しになったわけでございますので、これが毀損した場合に、今回の足利銀行の破綻の申し出に伴う預金保険法百二条の措置では、これは救済のしようがないということでございます。 ただ、おっしゃいますように、保有の株式が実質的に無価値になったことに伴う資金繰りですとか、あるいは借入金の返済ですとか、そういったことについて困難が生じ得るような債務者の方についてどんなことができるかは、真剣に考える必要があると考えております。
○佐々木(憲)委員 大臣、関係省庁と連携をとってというふうに先ほど言いましたけれども、こういう方々に対して、単に融資だけではなくていろいろな措置が必要だと思います。具体的な措置を検討するようにお願いしたいと思います。
○竹中国務大臣 株主の心情を思うと、これはやはり大変遺憾なことであるというふうに思います。 さはさりながら、株というのはやはり持ち分である。その持ち分が債務超過でマイナスになっている状況下で、一体どういう対応策が可能なのか。先ほど局長が申し上げましたように、我々としても、連絡会議等々で、資金繰り等々、できることは何かということはしっかりと議論をしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。
○田野瀬委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十四分散会