国家基本政策委員会合同審査会 第4号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/06/11
会議録
○会長(江田五月君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。 本日は私が会長を務めますので、よろしくお願いいたします。 この際、本合同審査会における発言に関して申し上げます。 各党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が行われるようにするため、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願いいたします。また、本日は時間表示装置を使用いたします。表示装置は残り時間を示します。配分時間が終了したときは赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。民主党代表菅直人君。(拍手)
○菅直人君 小泉総理、今日はイラクの大量破壊兵器についてまずお尋ねをします。 三月の、アメリカが、ブッシュ大統領がイラク攻撃を決めて、その翌日でしたか、総理は、イラクに隠し持たれている大量破壊兵器が他の独裁国やテロリストに渡ると極めて危険だ、それを防ぐためにアメリカの武力行使を支持する、こう言われましたね、総理。それに対して私は、国連中心の査察がかなり効果を上げてきておりましたから、もっと強化して査察を継続すべきだ、武力行使を始めることには反対だ、こういうことを申し上げました。そして、その後イラク戦争が始まり、バグダッドが陥落をし、フセイン政権が倒れて、もう二か月が経過をいたしております。 この間、米軍を中心に大量破壊兵器の発見に努めてきたはずですけれども、今日までそれが発見されたという報告はありません。逆に、イギリス議会などでは、MI6というんですか、情報機関の当時言っていたことが、間違った情報に基づいている、誇張されている。あるいは、CIAの昨年の報告も、そういうものがある有力な証拠がないとされている。ブリックス委員長も、そういったものは既に自分たちの手で廃棄をされていたんではないか、こういうことを言っております。 今後、大量破壊兵器が発見されない場合に、小泉総理はどういう態度を取られるんでしょうか。今、総理が用意されているというイラク新法においても、大量破壊兵器の処理を支援するという、それを一項目を入れるということが報じられております。そうすると、総理は、大量破壊兵器はあるんだと言って支持し、今日もそれが隠し持たれているということを前提にして新たな新法を出そうとされている。しかし、これから一、二か月、更に多くの人を動員して調査をするとアメリカは言っていますが、その中で発見されない場合、総理はどうされますか。 率直に、判断が誤っていたと国民に、国際社会に謝られますか。それとも、元々それは口実だったんだ、フセイン政権をつぶすのが目的だったんだから、そんなものが見付からないなんということは大したことないと言って居直られるんですか。いずれかはっきりとお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、結論からお答えしたいと思いますが、発見されなかったならばどうするかというお尋ねであります。私は、いずれ発見されると思っております。 国連の協議におきましても、大方の国は、イラクが大量破壊兵器を保有しているであろうという疑念は払拭し難いというのがほとんど多くの国の考え方であったわけであります。そういう中で、査察団、UNMOVICありながらイラクはなかなか即時速やかに破壊しているという証拠を見せなかった。破壊兵器がないという、そういうことに対してなぜ誠実に対応してこなかったかというのが昨年十一月からの議論だったわけであります。 戦闘が開始されまして、イラク国民もフセイン政権の圧制、抑圧から解放されて、今、自らの国の国づくりに立ち上がっております。(「質問に答えていないぞ」と呼ぶ者あり)最初、答えました。 そして、いずれ、今後、私は時間が経過するにつれて、この大量破壊兵器の発見にも当局は全力を尽くすでありましょうし、今後どのような兵器が保有されていたか注視する必要があると思っております。
○菅直人君 発見をされるであろうと、総理がそれは確信を持たれているのは個人としては結構です。しかし、それが持たれていることを、確信持たれていることを前提として、政府として、小泉内閣として、アメリカの軍事行動を支持した。さらにはそれを前提として新たな法律も出そうとしている。単に仮説とか個人の思いということは超えているんです。 ですから、私は、例えばこれから一か月、二か月、さらに千数百人の調査団をアメリカも派遣すると言っているわけですから、関係者もかなり拘束して、当然取調べをしているんでしょう。その中で、百年後に発見されるなんという種類のものじゃありませんから、この一、二か月の間に発見されない場合にどうされるのか、こうお尋ねしたんですが、相変わらず真正面から答えようとされておりません。 この問題は、これからの国会審議、あるいは次期総選挙の前までには私はある結論が出ると思いますから、その時点で小泉総理の国民に対する態度、国際社会に対する態度をしっかりと見極めていきたい、このことをあらかじめ申し上げておきます。 そこで、少し話題を変えます。 総理はこれごらんになったことはありますか。(資料を示す)これは、一九九七年、当時野党であったイギリス労働党のブレア党首率いる労働党の総選挙に向けてのマニフェストであります。これは、二〇〇一年政権を取った後のブレア総理率いる労働党のやはり総選挙に向けてのマニフェストであります。 マニフェストというのは、ただのスローガンではありません。国民とのその政党の契約だと、こういうふうに位置付けられております。私たち民主党は、次期衆議院選挙に向けてこうしたマニフェストを作るということで、今、私が指示をし、準備に入っております。 例えば、このマニフェスト、一九九七年のマニフェスト、いろいろなことが書いてありますが、大きく言えば十の項目になっております。その一つを見てみますと、例えば五歳、六歳、七歳の子供たちの学級のクラスを三十人以下にする、こういうふうに非常に具体的に公約が書かれております。そして、二〇〇一年のこのマニフェストを見ますと、その最後のところに、ザ・コントラクト・デリバードという、つまりは契約したものについての検証が出ております。この中に、二〇〇一年の多分春出たんでしょう、今年の九月には五歳、六歳、七歳の子供たちのクラスで三十人を超えるところはなくなりますと。つまりは、その公約が実行されたことをきちんと自ら検証をいたしております。 私は、政権与党である自民党がきちっとマニフェストを出し、政権交代を求める私たち民主党が私たちのマニフェストを出し、国民がその二つを比べてどちらがいいか、本当にどちらができるか、こういう戦いになることが国民にとって最も望ましいと思いますが、小泉総理としては、自由民主党としてマニフェストを出されるおつもりがあるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) マニフェストと言いますと、まだ国民の多くにとってなじみが薄い言葉だと思います。公約ですね、名前は変わっても公約なんですよ。公約をそれぞれの政党が掲げて戦うのは私は当然だと思っております。今、日本においては二つの政党だけじゃありませんから、自由民主党と民主党だけじゃありません、ほかの政党もあります。イギリスは小選挙区、完全小選挙区制、違いもあります。しかし、公約を掲げて戦うのは大事だと思います。 しかし、実際の選挙を見ますと、幾つか公約を掲げても、マスメディアの方で取り上げられ方が違いがありますね。政党ではこれが強調したいと言っても、この問題に焦点を当てると。しかし、自由民主党としては当然公約を掲げて次の選挙には戦う準備を始めております。その公約を掲げて戦うというのは、私はいかなる政党にとっても大事なことだと思っております。
○菅直人君 元々のこれまでの公約と意味が違うから申し上げているんです。(発言する者あり)ちょっと皆さん静かにしてください。 いいですか、総理。これまでの公約は、どちらかといえば活力ある日本をつくりたいとかいろいろな希望的なことを並べました。あるいは、必ずしもその公約が次の内閣で実行されるという、いわゆる国民との契約という、そういう認識は薄かったんじゃないでしょうか。 例えば、三年前ですか、二年半余り前の参議院選挙で、総理は郵政事業民営化を言われました。しかし、時の自民党公認候補は郵政事業は絶対に国営を守る、その候補者と総理は握手したポスターを出されました。こういう党にはマニフェストは出す資格がないんですね。つまりは総理が言っていることと候補者が言っていることはばらばら、現在の自動車、現在の……(発言する者あり)ちょっといいですか。
○会長(江田五月君) 静粛に願います。静粛に願います。
○菅直人君 総理は民主党も同じだと言われますが、じゃ、ちゃんと勝負しましょうよ。私が責任者で、民主党はまとめると私が言っているんですよ。選挙のときにちゃんとまとめると私が申し上げているのに、総理はまとめるという自信がないからやじを飛ばしているだけじゃないですか。 例えば高速道路の民営化についても、総理が選んだ推進委員会はいろいろと民営化の方針を出しています。しかし、自民党の道路調査会を始めとする道路族議員は高速道路の計画の見直しに反対をし、扇大臣率いる国土交通省までもが全く違うことを言っている。こんなばらばらな政党にマニフェストが出せるのか。総理は我が党のことを言われましたから、我が党は私が責任を持ってまとめますから、総理は少なくとも自分の党、自民党をまとめ上げてマニフェストを出されるおつもりがあるのか、いや、とてもそんなことはまとめ切れないからそれはできないと言われるのか、はっきりお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは政党にはいろいろ議論があります。しかし、最終的にはまとまっていくものであります。また、まとめていかなきゃならないものであります。議論については、それは自由民主党だって民主党だって、ある問題については意見が違った議員がたくさんいますよ。しかし、最終的には議論が集約するに従ってまとまっていくものであります。今回だって、民主党と自由党合流しようと、党首が合意をしてもなかなかまとまらない場合もあるでしょう。 自由民主党も、私は郵政事業民営化を主張しておりますし、まず公社にしていこう、それから民営化に持っていこうという手順を踏んでおります。そして、この公社化においては自民党にも反対がありました。しかし、結果的にはまとまって自由民主党は賛成の下に公社化法案通っている。これから時間を掛けてきちんと将来の民営化の方向を示していきますし、道路公団の民営化についても当初は反対がありました。今は恐らく道路公団民営化、反対する議員はほとんどないでしょう。民営化賛成になっています。ここが自民党なんですよ。当初は反対していてもちゃんとまとまっていくと。世論を見ながら、どこが大事かということを見ながら、国民の動向を見ながら考えていく。当然公約を掲げて戦って、公約とは全く違うからこの議員は排除すると、それもある政党はやるかもしれませんが、反対者も説得に重ねて、ああ、反対だけれども、この辺は仕方がないな、協力しようというのが今まで自民党は長年の知恵によってやってきたんですよ。 だから、その過程での議論の賛否両論はいいんです。結果的には大きな方向に沿って協力していく、これが大きな政党の私は一つの度量であり、寛容と忍耐という精神も大事であります。対話と調整、話合いも大事であります。そういう調整過程を経て、より良いものを作っていくのが政党として大事じゃないでしょうか。
○菅直人君 私は、今の総理の発言は、大変ある意味で国民の皆さんに判断してもらう上で重要な指摘があったと思います。 つまり、議院内閣制というのは、特に小選挙区においては、全選挙区で小選挙区では一人ずつの公認候補が立ちます。そして、これは国会議員、衆議院議員を選ぶと同時に、その結果、多数派を占めた、国会で多数派を占めた党が内閣を組織する。マニフェストは、内閣を獲得したときにどういうことを実行するかという内閣の国民との契約であります。与党というのは単独とは限りません。多数党が、多数党が与党を、つまり多数党が総理を決めて、そしてその多数党が与党として、(発言する者あり)ちょっとですね、黙らせてください、日笠さんを。 ですから、もう一度話を戻しますと、国民の皆さんによく理解していただきたいのは、自民党という党は、常に党と内閣を別々に物事を決定をします。党が決定しなければ内閣が決定しないというのが一般的ルールです。そして、党はどうなっているか。多くの場合、関係省庁の官僚がやってきて、それこそ党税調であろうが党の道路調査会だろうが、全部官僚のシナリオに乗って族議員とともにその役所の利益を主張します。そして、官僚は同時に、自分の役所の大臣に朝から晩までレクチャーをして洗脳して、ほとんどの大臣が各役所の利益代表になってしまっている。これが現状じゃないですか。 ですから、マニフェストというのは、単に党の公約ということを超えて、官僚とは別に、自分たちが多数派を握ったときには、自分たちが多数派を握って内閣を組織したときにはこのことを実行するという国民に対する約束なんです。 私は、そういう意味でのマニフェスト、単に、自民党にはいろんな考えがあるけれども、小泉総理はこうだけれども、ほかの人は別のこと言ったってそれは許容と寛容でいいなんというんであれば、政権選択の選挙にならないじゃないですか。一体、自民党の候補者に入れるということは、郵政民営化なのか公団民営化なのか。あるいは、三位一体に対して、いわゆる十何兆の、我が党は十五兆のひも付き補助金をひも付きでないように変える中身を前十五年度の予算で提案しましたけれども、そういう内閣を組織したときの方針をきちんと示さないで政権を争う選挙をやろうとしているんですよ、小泉さんは。 この二年間、小泉さんがいろいろと格好いいことを言っても何一つ物事が進まなかった最大の原因がここにあるということを私は国民の皆さんによく理解してもらいたい。(発言する者あり)つまり、小泉総理が何を言おうとも、与党はまとまらない、下手をしたら自分が任命した閣僚までもがまとまらない。 そこで、少し具体的なことを言います。 今、国対委員長がやじを飛ばしていますけれども、イギリス、議院内閣制の先輩国であるイギリスでは、院内総務という言わば与党の幹事長及び国対委員長に当たる役割があります。その幹事長及び国対委員長に当たる院内総務が、実は内閣の無任所大臣として入閣しているんですね。多分、日本でしたら、何だ、大臣が国会に対していろいろ言うのかと、こういう反発が、場合によっては与野党を超えて出るでしょう。 しかし、議院内閣制というのはそうではない。国民が選べるのは、総理大臣を直接じゃない。国会議員をまず選んで、その多数派が、それは複数だろうが単数だろうが、多数派が総理を選んで、その与党、多数派である与党と総理と総理の任命した大臣とが、正にこの与党と総理と大臣がこういう意味で三位一体になって物事を進める。そして、イギリスの官僚は、御存じかもしれませんが、与野党の部会などには出席をしたら首ですよ。内閣をサポートすることはあっても、自民党の公約のように、歴代、官僚が全部作っているというのは周知の事実じゃないですか。こんなことをやった官僚は全部首ですよ。 それもできない自民党が、相変わらずマニフェストというようなことを、公約を出そうとしながら、先ほど口ごもって、こもられた理由は、つまりは、総理は与党と一体の内閣を作る自信がない、考え方として。そう思いますけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イギリスと日本とは違います。議院内閣制はあっても、イギリスには貴族制度がありますし、日本には貴族制度はありませんし、また小選挙区、完全小選挙区制ではありません。また、今、連立政権ですから、必ずしも第一党の党首が総理大臣になるとは限りません。国民の意向を受けた議員が国会で総理大臣を決める場合に、第一党の党首が総理大臣の方が望ましいという考えは分かります。しかし、現実に過去、第一党でない党首が総理大臣になった例もありますから、これは今後なってみないと分かりません。 私は、マニフェストが良くて、公約が悪いとは思っていません。公約は大事です。国民にとっては公約は大事なんです。政党にとっても大事なんです。これから選挙がある際には公約というものを掲げて、これから次の選挙に向かってどういうふうに戦うかというのは、各政党が公約を掲げて戦うべきだと思いますし、その際には各政党、いろいろな考え方が出てくるでしょう。そういう中で、それぞれの主張を国民に分りやすく説明するのが政党の責任だと思っております。
○菅直人君 私はこの議論は今後も続けたいと思いますが、かなりよく国民の皆さんに理解していただいたと。つまりは、マニフェストというのは、単に政党にいろんな考えがあるその一つを掲げたんじゃありません。国会で多数派を握った場合にはこういうことを実際に実行します、さっき例を挙げました、三十人学級以下にしますという約束をちゃんと五年後にはこういう形で実行しましたということを検証したんです。 そういった意味で、政権というものを選択する選挙を行おうとするのか、相も変わらず与党と政府がばらばらで、それぞれが官僚のおぜん立てに乗ったような官僚主導の政権をこれ以上続けるのか、そのことが日本の行き詰まりの原因であるということを申し上げ、私たちが政権を握るときにはそれとは全く違う政権を作り上げていくということを国民の皆さんに申し上げて、私の質問を終わります。
○会長(江田五月君) 以上で菅直人君の発言は終了いたしました。(拍手) 次に、日本共産党幹部会委員長志位和夫君。(拍手)
○志位和夫君 今、イラク新法なる新たな自衛隊派兵法が問題になっておりますが、日本共産党は、イラクに対する復興支援はあくまで国連中心に行われるべきであって、無法な戦争に基づく軍事占領を続けている米英軍の支援のために自衛隊を派兵することは、私は、イラク国民の意思に基づく本当の復興にも逆行する、憲法もじゅうりんする、我が党はこれに反対であるということをまず表明しておきたいと思います。 私が今日質問したいのは、総理にはイラク新法を云々する前に国民に明らかにすべき重大問題があるということです。それは大量破壊兵器の問題です。 バグダッドが陥落して二か月になりますが、いまだに大量破壊兵器は発見されておりません。その下で今、米英両国では、ブッシュ大統領やブレア首相が戦争突入の際に繰り返し行った言明、イラクは大量破壊兵器を保有しているという断言、断定、これには根拠がなかったのではないか、情報を不正に操作し、国民を欺いて戦争に導いたのではないかという疑惑が広がり、議会でも追及の火の手が上がっております。 ここへ持ってまいりましたが、米国のタイム誌では、大量消失兵器という皮肉の特集が、題名の付いた特集も行われています。核兵器開発の根拠とされた情報は、IAEAにお粗末な偽造文書と否定されました。テロリストの結び付きの根拠とされた情報は、大学院生の論文を借用して捏造したものであることが判明しました。アメリカの国防情報局が、化学兵器が存在する信頼できる十分な証拠はないと昨年の秋、報告していたことも明らかになりました。次々と根拠が崩れていく。 そして、私、最近注目して読んだのは、ニクソン大統領時代に大統領法律顧問であったジョン・ディーン氏が最近の論文でこの問題の本質は何なのかということを鋭く提起しております。それは、ブッシュ大統領が、イラクが大量破壊兵器を保有していることを明快かつ断言的に述べていたこと、ここに問題があると。ディーンさんはこの事実を列挙しながらこう述べています。 ウォーターゲート事件以来三十年で、これは私が見た初めてのウォーターゲート事件が顔色なしのある可能性を持つ政治スキャンダルだ、もしブッシュ大統領が意図的に、イラクを支配するための軍事行動を議会に承認させ、国民に支持させるために情報を操作し偽って伝えたとすれば、それは醜悪極まる不正行為だ、合衆国憲法の大統領弾劾条項に言う重罪となるだろう。 これは、首相自身にも問われる重大問題なんです。総理もまた、イラクは大量破壊兵器を保有しているということを、ディーン氏の言葉をかりて言えば、明快かつ断定的に述べ、それを戦争支持の最大の理由としたからであります。 私、ここに持ってまいりましたが、小泉内閣メールマガジン、ここにもそのことが述べられております。総理に一部お渡ししたいんですが、よろしいでしょうか。(志位和夫君資料を手渡す) 附せんの付いた場所ですが、戦争開始一週間前、三月十三日付け、この問題は、全世界対大量破壊兵器を持っているイラクの問題であることを忘れてはいけないと思います。断定しております。次に、三月二十日付け、戦争が起こった当日ですが、問題は、大量破壊兵器を保有するイラクの脅威に私たちがどう対峙するかです、これが戦争を支持する理由ですと書いてあります。戦争が起こって一週間後、三月二十七日付け、この問題の核心は、イラクが自ら保有する大量破壊兵器、生物兵器、化学兵器を廃棄しようとしないことにあります。すべて「小泉純一郎です。」と始まるあなた自身が主語になった首相自身の発言として断言しているんですよ、保有を。 そこで私、伺いたい。一体、総理は、当時いかなる具体的根拠に基づいてイラクが大量破壊兵器を保有していると断言したんでしょうか。端的にお答えください、いかなる具体的根拠に基づいて述べたのか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、過去、化学兵器等を自国民に使ってまいりました。また、国連の査察等に対して、イラクは疑いを払拭するような行動をしてこなかった。完全に破棄しましたという証拠を見せなかった。あるいは、査察団が来ても追い返した。そういうことから見れば、ほとんど多くの国が、大量破壊兵器を保有している、化学兵器、生物兵器を保有しているということに対しての多くの危険性を抱いていた。 現に、フセイン大統領はいまだに見付かってないんですよ。生死も判明していない。フセイン大統領が見付かっていないからイラクにフセイン大統領は存在しなかったということ言えますか、言えないでしょう。(発言する者あり)
○会長(江田五月君) ちょっと静かにしてください。静かにしてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これから……(発言する者あり)
○会長(江田五月君) 静かにお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 生死もまだ分かっていない、存在も分かっていない。大量破壊兵器も私はいずれ見付かると思いますし、今、イラクの復興支援づくりに各国が協力しようとしております。私は、今後、イラクの大量破壊兵器がどのようなものになっているか注視していく必要があると思います。
○志位和夫君 これは驚くべき答弁です。正に答弁不能に陥っての詭弁そのものです。 私が聞いたのは、あなたが保有していると断言した具体的根拠を聞いたんです。根拠を一つも言えないじゃないですか。過去持っていたと、過去持っていたということは事実です。しかし、あなたが言っているのは、現に持っているという断定をしたんですよ。その根拠はどこにあるか私は聞いたんですよ。国連の査察団の疑惑にこたえていない。疑惑は確かにあります。疑惑があるということと、保有していると断定することは違うんですよ。 ブリクス委員長が六月五日に国連査察団の報告を出しています。そこでは何と言っているかといいますと、これまでの査察団の査察によって証拠は見付かっていない。証拠が見付かっていないということは、必ずしも存在していないことを意味するものではない。しかし、行方不明だからという理由だけでそれが存在しているという結論に飛躍することは間違いだと。あなたはその飛躍をやっているんですよ。 私が聞いているの分かりますか。あなたは、正に疑惑の段階の問題を断定して言った。その根拠はどこにあるかと聞いているんです。もう一回聞きます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、国連の度重なる決議においてイラクは破棄したことを証明しろということを証明しなかった。 しかし、疑惑はあるということを志位さんも言った。それでは、今、志位さん、ないという、全くないという断定して言えるのか。だって、そうでしょう。だから、私は、今までの疑惑があるということを認めて、その説明責任はイラクが果たさなきゃいけないんです。
○会長(江田五月君) 時間が参りました。
○志位和夫君 私は疑惑があるということは言っているんです。
○会長(江田五月君) 時間が参りました。
○志位和夫君 しかし、疑惑ということと断定ということは違う。その根拠を聞いたのに、あなたは答えられない。
○会長(江田五月君) 以上で……
○志位和夫君 結局、アメリカの言っていることをうのみにして、オウム返しにしただけじゃないですか。
○会長(江田五月君) 以上で志位和夫君の発言は終了いたしました。 〔志位和夫君「そんな総理にイラク支援法を云々する資格はないということを言って、私は質問を終わります」と述ぶ〕(拍手)
○会長(江田五月君) 次に、自由党党首小沢一郎君。(拍手)
○小沢一郎君 今日は、民主党の皆さんの御配慮によりまして、十分間いただきました。ありがとうございました。 先日、韓国の大統領の演説を聞くことができました。私がずっと自分の心の中で抱いていた夢といいますか、あるいは頭の中で考えておりました構想、それを韓国の大統領の口から、しかも日本の国会における演説で聞かされまして、私、大変驚きました。しかし、それと同時に、非常に感銘し、また共感を覚えました。 その提案というのは、彼の演説を引用して申し上げますが、日韓関係の未来は、両国がいかなる目標とビジョンを共有しているかに懸かっています。私は、その共同目標として、両国がともに二十一世紀の北東アジア時代を開いていくことを提案いたします。日本の青少年が東京で列車に乗り、釜山とソウルを経て北京まで修学旅行に行くのは、決して遠い未来の夢ではないはずです。 今日、ヨーロッパは単一市場、単一通貨まで実現し、国民の間の心の障壁は崩れ落ちました。日韓両国が意思をともにすれば、北東アジアでもこうした協力の未来を切り開くことは幾らでも可能です。北東アジアの経済規模は既に世界の五分の一を占めています。人口はヨーロッパの四倍に達しています。それに、世界でも最も躍動的な市場の成長と限りない成長潜在力を備えています。しかし、今、この地域内ではいまだに不信の要素が残されております。経済発展の格差の問題のほかに、世界的な地域統合の趨勢にも大きく後れを取っています。 したがって、二十一世紀の北東アジア時代を実現するためには、だれかがまず乗り出さなければなりません。それは韓国と日本ですと。そういう話をされました。 私は、この大統領の言葉をかりれば、北東アジアの構想というのを自分が生きている間に果たして実現できるだろうか、そういう思いで実は常日ごろ自分の中で考えておりましたが、今回、韓国の大統領が未来志向の下に積極的にこういう提案をされたということで、私は本当に現実、実現への一歩に近づいたんじゃないかなという気持ちを持ちました。 しかし、これを現実のものとするためには、いろんな障壁、解決しなければならない問題がたくさんあると思います。本当に、日本人、我々自身が、そして韓国の人たちも、お互いに運命共同体的な信頼関係と、そして協力関係というものがなければ、言葉では言ってもなかなか実現は難しいと思います。 特に、この両国民の間にやっぱり心の中にわだかまりが残っております。両国民の心の障壁を取り除かないといけないと私は思います。そして、この問題は、やっぱり日本人自身が大きな度量を持ってその障害を取り除く、障壁を乗り越える努力をしなければならないんじゃないかなというふうに私は思っております。 そういう意味におきまして、この構想、私自身は、朝鮮半島、あるいは中国も含めて、あるいは東南アジアも含めてのこういう、そしてひいては世界全体が本当に自由な一つの地球の国家としての体制を整えていくというようなことになれば、本当にいい時代が来るのではないかというふうにまで思っておりますけれども、いずれにしても、一方においてEU、そしてアメリカ大陸においてはNAFTA、自由貿易を中心としながらのまとまりがあります。やはり我々は、この今度の韓国大統領の提案を改めて真摯に受け止めながら、日本がやはりこういった構想に積極的に率先して取り組んでいくという姿勢でなければいけないんじゃないかなというふうに考えておるわけであります。 特に、今、両国の間の国民間の心の問題を私は一番重要な越えなければならないことであるというふうに申し上げました。そのことを踏まえて、総理のこの構想に対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も盧武鉉大統領の国会演説をじかにお聞きし、また首脳会談で率直かつ気さくにこれからの日韓関係お話しいただきまして、大変この方は未来志向だなと、日本と韓国、子供たちのためにすばらしい未来を築かなきゃならない、お互い協力していきましょうという話しぶりに対しまして、その誠実さに感銘を受けた次第であります。 今後、北東アジア構想、これも大事であります。そして北朝鮮との対応におきましても、日本は韓国と緊密に連絡していく必要があります。将来、日韓のみならず朝鮮半島全体、そして中国、ASEANというそのアジア全体を考えても、日韓両国の協力関係は非常に大きな意味を持っていると思います。 我々、数十年前、学生時代にEU、当時はECでした。あの時代はこういう時代が来ると思っていませんでした。考え方としては分かると、ヨーロッパの国々が一緒になろうという、ヨーロピアンコミュニティーですか、いつの間にかEUとなって、通貨もユーロという統一通貨ができたわけであります。私は、今、小沢党首が言われたような考え方も将来絵そらごとではない、実現に向かってお互い同じ方向を目指して協力していくべき大きな構想だなと思っております。
○小沢一郎君 私は、韓国の大統領の提案ということに、非常に彼の将来に向けた、またこの北東アジア、そしてアジア全体に向けた彼の政治姿勢、政治哲学といいますか、そういうものを感じ、それに感銘を受けたわけでして、それについて小泉総理自身の考え方といいますか、基本的な物の考え方を聞きたかったわけでありますし、それから、両国民の乗り越えなきゃならない障壁というこの心の問題、やっぱり一番両国民の中に横たわっている大事な、だれも余り口にしたがらないですけれども、やはりそれを乗り越えていかなくちゃいかぬと思うんです。 そういう、時間がありませんので、それらに関連いたしまして、大統領が同時に地方参政権の話を、要請を演説の中でされました。これについて総理はどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題については、現在でも与党内で議論を重ねております。 非常に難しい問題もはらんでおりますので、議論を重ねながら、お互い、日韓両国民が理解し合えるような形で結論を出すように努力をしていかなきゃならない問題だと思っております。
○小沢一郎君 今の答弁は全く総理自身のお考えが示されていないと思います。前半の抽象的な問題については総理も同じようにお考えを示されるんですが、具体的に結論を出さなきゃいけない問題についてはむにゃむにゃむにゃと、よく分からないお話をされます。私は小泉政治の最大の問題点はそこにあると思います。 終わります。
○会長(江田五月君) 以上で小沢一郎君の発言は終了いたしました。(拍手) 次に、社会民主党党首土井たか子さん。(拍手)
○土井たか子君 今日は、五分の間にイラク新法についてお尋ねしたいと思います。 アメリカ、イギリスが国連の承認を得ずに、多くの国々からの反対を押し切って行ったイラクに対する先制攻撃の目的は、先ほど来問題になっておりますイラクからの大量破壊兵器の排除だったわけですね、除去だったわけです。いまだに大量破壊兵器が見付かっておりません。それも、五月二日、ブッシュ大統領が戦闘終結宣言、言わば撃ち方やめという宣言だと思いますが、それがあってから約二か月たっております。 しかし、この問題はアメリカの議会においてもイギリスの議会においても大変深刻な問題として取り上げられて、随分、アメリカのDIAやCIAの報告に対して虚偽があったのではないかということも取りざたされるような昨今で、随分紛糾しております。 しかし、その中で、肝心のイラクの現場においては戦闘状況というのはいまだ終息していないと。戦争状況というのはいまだに継続しているというふうに考えねばならないと思いますが、総理はどのように思われますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 主要な戦闘は終結したということだと思います。だからこそ、先月、このイラクに対する戦闘開始前には意見が対立していたフランス、ロシア、ドイツ等とアメリカ等との考え方も修復され、国連安全保障理事会ではイラク復興支援のために協力していこうという決議が、シリアの欠席を除いて、全員賛成で採択されたわけであります。 そういう状況から、私は主要な戦闘は終結したと。もちろん戦後の混乱は残っていると思います。しかし、主要な戦闘は終結したと思っております。
○土井たか子君 主要な戦争とおっしゃいますけれども、少なくともこの二週間くらいの間に十件も米軍が襲われるという事件が発生しておりまして、そして死傷者が出ると。しかも、イラク側は反米の集会とかデモなどがだんだんこれ強まっていっているという状況にあるということが報道を通じて知らされております。 そして、今朝の新聞を私は読みまして驚きました。大森官房副長官補が、米軍の隊員や武器弾薬も自衛隊がかの地に行って陸上輸送するという見解を示されております。イラクに派遣された自衛隊が武器弾薬の陸上輸送業務に当たる、アメリカ兵の輸送業務に当たる、イギリス兵に対しても同様と、こういうことになってきますと、これは一言で言ったら、米、英、日、一体化という形で軍事行動が動くという形になっていくんじゃありませんか。 まだ、戦争は終結していない。非戦闘地域と戦闘地域を区分けするのは誠に難しいです。 それと同時に、この輸送の問題については、今まで、周辺事態法に対しての審議のときもそうです、テロ対策特措法の審議のときもそうです、結局、武器弾薬、兵員に対しての輸送はできないということが結論なんですね。何かといったら、やっぱり集団的自衛権の行使に当たると。軍事行動の一体化ということが問題にされているんです。 わけても、向こうではまだ戦闘状況が、先ほども総理自らお認めになるように、終息していないんですよね。出ていく自衛隊の人たちに対してはやっぱり危険が襲い掛かるというのは言うまでもありません。 そして、今まで論議の中で随分これは問題にしてきた集団的自衛権の行使、わけても、今回は交戦権の行使ということにもなっていくわけでありまして、この点に対して、集団的自衛権の行使に踏み切るというふうにもう総理自身はお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは戦闘行為、武力行使に行くんじゃないんです。国連決議で、イラクの人道支援、復興支援のために行くんです。これがなぜ集団的自衛権に変わってくるんですか。戦闘行為、武力行使に行くんじゃないんですよ。 これはもう昔ながらの議論でありますけれども、自衛隊が行くとすぐ戦争行為、これは余りにも飛躍し過ぎるんじゃないですか。今までは、PKO活動で自衛隊はイラクのみならず各国でその国の国づくりに活躍してまいりました。今回も、国連決議でそれぞれの国がイラクの復興支援のために協力しようと、そういうことで自衛隊にできることは何かということで考えているわけでありますから、今後、この法案が提出されれば、よく議論をしたいと思います。
○会長(江田五月君) 申合せの時間が過ぎております。時間が過ぎております。
○土井たか子君 本隊は戦闘行為のために行くのでないといって出発しても、現地においてはそのようになる可能性が非常にある。そして、わけても、派遣される自衛隊や職員の人たちばかりじゃありません。
○会長(江田五月君) 土井さん。
○土井たか子君 中東やイスラム圏からすれば、日本国民全体に対して憎悪の念や不信の念というのが強まるということを私は考えますと、これは国益に反する。そして国際社会に対する貢献からすると、このような有様を具体化して、そして日本として今の……
○会長(江田五月君) 発言をおやめください。
○土井たか子君 イラク新法に盛るということに対しては、これは許せる中身ではないということをはっきり申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○会長(江田五月君) 以上で土井たか子さんの発言は終了いたしました。(拍手) 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十二分散会