予算委員会 第18号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/05/29
会議録
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、経済問題に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、質疑を行います。山東昭子君。
○山東昭子君 おはようございます。本日は、自民党・保守新党を代表いたしまして、私、山東昭子がお尋ねをいたします。 まず、総理、お疲れさま。アメリカ、中東とパワフルに信頼関係を築いてこられましたが、今回の訪米でブッシュ大統領と経済政策面でどのような話合いがなされたのか、お聞かせ願いたいと存じます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済の問題につきましては、日本の改革どのように進んでいるかと。私から、構造改革、この手を緩めるわけにはいかぬと。それと、りそなの問題も話出たものですから、これは前向きに評価すると、ブッシュ大統領は、金融改革の一歩前進と見ていると。 さらに、アメリカもイギリスも改革に取り組んだときは通貨は下がったと。日本は、経済が悪い悪いといいながら、通貨が強い中での改革なんだと。これほど悪い悪いと言われていたらば日本の通貨は売られて不思議じゃないと、円安になっても不思議じゃない状況なのに、これは今までの世界で例がないだろうと。三十年前に比べれば円はドルに比べて三倍価値が上がっていると、イギリス・ポンドと比べれば五倍上がっている。こういう、悪い悪いと言われながら、国債の格付が低いにもかかわらず通貨が強い、そういう中での改革をしている。 そういう話をしましたら、ブッシュは、実は私も強いドルを望んでいると。私も、日本としてはこれ以上円高を望まないから、政府で操作はできないが、結局、通貨は市場が左右するんだけれども、基本的な考え方としては私はドルが強い方がいいと、私もそう思うと。 いずれにしても、日米経済は世界のGDPの四割を約占めているから、経済の成長はお互いの国にとって大事なんだけれども世界経済全体にとっても大事なんだと。協力をして、経済の面でも世界の中の日米同盟としての役割が大きいと、そのような話をしました。
○山東昭子君 また、エビアン・サミットにおいても、先進国との間でイラクの復興支援についてアメリカと欧州諸国との仲介役として総理がイニシアチブを取られると期待をしているんでございますけれども、どのような政策協調を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、五月の連休、イギリス、スペイン、フランス、ドイツ、EU議長国の定期首脳会議が行われましたギリシャを訪問いたしました。その際にも申し上げたんですが、日本がアメリカとフランスが対立している調整役を買って出るようなおこがましい気持ちは全くないと言ったんです、それぞれ各国には立場があるだろうと。 しかし、このイラクをめぐってアメリカとフランスが対立いたしました。しかしながら、これはアメリカとフランスの対立の問題じゃなくて、国際社会全体とのイラクの問題なんだと。今後、アメリカとフランス、ドイツ、ロシア等も国際協調の中でイラク復興支援、そしてイラク人のイラク人によるイラク人のための政府を作っていく面では、必ず協力できる場合が出てくると。いつの場面にとっても国際協調体制というのは重要であると。日本は、戦後、一貫して日米同盟を重視してきたし、国際協調体制も重視していると。 同時に、北の問題につきましても、それぞれの国が関心を持っておりましたので、北朝鮮に対する対応も含めまして、拉致の問題はどうなっているんだろうかという点につきましても私から十分説明を申し上げまして、それぞれの二国間関係の協力はもとより、サミットでは協力できる体制が取れるように努力しようと、そういうような話もいたしました。 今回、その後でありますが、アメリカを訪問したわけでありますが、タイミング的にもよかったと思いますね。ちょうどブッシュ大統領と会談する前日に国連で、アメリカ、イギリス提案の国連決議が、フランス、ドイツ、ロシア、開戦前には反対していた国が賛成したんですから、時期的によかったと思います。 アメリカも国際協調体制の重要性を認識していると。現に、去年の十一月、一四四一を国連で決議が採択される際にもこの国際協調体制を作れるように努力してきたと。その後も、十二月、一月、二月、三月、ぎりぎりまで努力したけれども、結果的には賛成を得られず、国連決議、新しい国連決議なく武力行使に踏み切ったわけでありますが、今、終わってみれば、反対していた国もイラク戦後復興においては協調体制を取ろうという姿勢に変わってまいりました。 こういう中で、日本としても、これから日本独自にイラク復興支援できること、そして国連決議に基づいてできること、またORHAを通じてできること、アメリカとは違った、またフランスやロシアとは違ったいろいろな支援ができると思います。 さらに、エジプト、サウジを訪問いたしまして、ムバラク大統領、アブドラ皇太子殿下とも会談いたしまして、日本はアラブ諸国との対話の重要性も感じている、今後アラブ諸国と交流を深めていこうと。さらに、アラブ諸国には反米感情が強いものですから、日本と協力してイラクを支援することもできるのではないかということで、エジプトと日本が協力して、イラク復興支援、何ができるか。例えば医療活動なんというのは、日本がカイロに小児病院、子供専門の病院建てて、昭和医大の方々が今までいろいろ協力して、今も交流が続いている。非常に親日的な関係を持っておりますから、アラブ諸国と協力して日本がイラクに人道支援あるいは復興支援活動できるんじゃないかと、そういう共通の認識を持つことができました。 今後、日本も、イラクの問題が中東和平に結び付くように、限られた影響力でありますが、働き掛けていかなきゃならないな。もちろん、ブッシュ大統領もイラクの問題が中東和平につながるよう積極的努力を惜しまないと。中東和平については、やはりアメリカが一番影響力を持っているということはフランスのシラク大統領も認めておりますので、日本としては、全く政治的野心がない地域でありますが、それだけに日本の善意なり好意なりを素直に受け取ってくれるアラブ諸国の協力を得ながら、イラクの復興支援について取り組んでいきたいと思っております。
○山東昭子君 とにかく、厳しい日本の中から人もお金も出していくわけですから、日本として顔の見える貢献策を是非御検討いただきたいと存じます。 さて、国内経済は相変わらず厳しいわけでございます。そしてまた、株価も低迷しております。なに、株価上昇対策はただ一つ、竹中大臣が辞めれば直ちに一万円台になるよなどと言っている口の悪い人も多々おります。しかし、竹中さんは総理に請われて大臣になられたわけですから、国民の期待にこたえて、守りの姿勢ではなく攻めの経済運営を是非とも行っていただきたい、まず要望をしておきます。 次に、りそな問題ですが、国民から見て非常に唐突感は否めませんでした。竹中大臣、りそなの融資取引先は中小企業が多く、様々な影響が及ぶんではないかと存じます。今後の取組を伺いたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) 是非、積極的に攻めの政策をさせていただきたいというふうに思っております。 実は、その公的資金の注入に関してでもでございますけれども、御指摘のように、りそな銀行の場合、取引融資先で見ますと九九%が中小企業、額で見ましても、まあ七七%であったと思います、要するに四分の三が中小企業、しかも、大阪地域、埼玉地域という地域に非常に深く根差したネットワークを持っているところでございます。 公的資金の注入、これは過小資本、資本が一定基準を下回ったということで資本を注入する必要性を我々認めたわけでありますが、これは取りも直さず十分な自己資本に基づいてその地域に根差したきちっとした融資活動をやはり展開していってもらうと、その公的資金の注入そのものがやはり中小企業に向けた融資をしっかりとさせるやはり重要な基本になるというふうに思っております。 具体的な手続で特に申し上げますと、実は明日、五月三十日がりそなからの申請の締切日になっております。その申請に合わせまして、どれだけの資金が、公的資金が必要だということを申請してくるわけでございますが、それに合わせて経営健全化計画というのを出してくることになっております。 りそなをどのように再生させていくのか、その中で、りそなはかねてから地域に根差した金融というのを目指しておりますので、この経営健全化計画の中でも当然のことながら、地域の中小企業を中心とした地域に対してどのように貢献していくかということをしっかりと絵に描いたものにこうなっていかなければいけないというふうに思っております。 我々は、その経営健全化計画を今度はしっかりと審査する立場になりますので、まずきちっとした財務の基盤を持ってもらう、それで融資活動を展開していただく、その上でこの経営健全化計画の中で地域に根差した金融活動がきちっと示されるように是非しっかりとした審査をしてまいりたいというふうに思っております。
○山東昭子君 今回の公的資本注入に際しまして、なぜりそな銀行の資産の再査定を行わないんでしょうか。近々のうちに、経営体制のチェックのみならず、資産査定についてしっかりした検査が行われると思いますけれども、検査に当たってどのような姿勢で臨まれるのか、重点的にどこに絞られるのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと存じます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今回、預金保険法百二条一項の第一号というのを適用して資本注入を決定したわけでありますけれども、これは、資本が過小になったときに正に政府としては迅速に早い行動でその金融システムが揺らぐことを防ぐという大変重要な役割を担っております。したがいまして、その時点で、例えばですけれども、資産の査定を行って一か月も二か月も掛けてということになりますと、これはそもそもその法律の趣旨とそぐわないものになってしまうわけでございます。我々としては、現時点で利用可能な情報に基づいて、これはこの自己資本比率がこのぐらいの状況になっている、二%台になっているという、そのように判断をして今回の行動を決めたわけであります。 御指摘の、そうするとその資産の中身は大丈夫なのかということは、これは当然重要な問題でありますけれども、我々としては、今回の判断の材料になりました決算の数字というのが非常に信頼性の高い数字になっているというふうに思っております。 その理由は、これまで数年間、特に検査のシステムを非常に強化をしてまいりまして、通年・専担検査という、通年でしっかりと見るというシステムを既に持っております。さらには、今回、ディスカウント・キャッシュ・フロー等々、新たに非常に資産を厳しく見るという手法も採用をしている。特別検査をこれまで二度にわたって行ってきて、資産の分類に関してもしっかりとしたものになっている。そういう意味で、この資産の査定そのものは実はこの決算の数字の中にしっかりと反映していると、されているというふうに判断をしているわけでございます。 もちろん、この検査のシステムもこれは不断に今後もしっかりと続けてまいります。 その検査に当たっては、特に、これは金融再生プログラムの中に書いているわけですけれども、資本が過少になって経営者も替わると、経営者が替わるときにいわゆるガバナンスの空白が起きて、従業員のモラルが低下するとかそういうことが起きてはならない、だから法令遵守、つまりコンプライアンスの検査というのを行うということは、これ金融再生プログラムに決めておりますので、これについては早速に取り掛かるという方針にしております。 さらには、先ほどから申し上げております通年・専担検査のシステムをしっかりと活用をいたしまして、引き続きこの検査の体制をしっかりと運用する形で資産の内容もしっかりと見ていきたいというふうに思っているところでございます。
○山東昭子君 何やら我が国は銀行が安定して国民が滅びるんではないかと、そんなことがちょっと心配になるわけでございますが、大手四銀行の赤字を見ましても、不良債権処理を促進する税制改正が必要なんではないでしょうか。 例えば、アメリカなどでは既に導入されておりますけれども、金融機関の貸倒引当金の無税償却の計上基準の引上げなどの範囲を広げ、それから欠損金の繰越還付を例えば十五年程度の長期にわたり認めるなどがございますけれども、竹中大臣、塩川大臣との綱引きはいかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今回のりそなが当初六%程度の自己資本比率を確保するというふうに見られていたものが、結果的には二%台となりました。予想より四%ポイント下がったわけでありますが、この四%ポイントの低下のうちの三分の二の部分、二・六%相当が実は繰延税金資産の評価をめぐる、評価が引き下げられたという点に起因をしております。その意味では、この繰延税金資産、これ言うまでもなく、言わば有税償却を行って税金を前払いしている分でございますけれども、これをどのように評価していったらよいのかというのは引き続き極めて重要な問題であるというふうに思います。 一つの解決策としては、これは解決は大変難しい問題であります、企業会計と税務会計の違い、さらには金融の監督基準の問題絡まってまいりますから一朝一夕では解決できないわけでありますけれども、一つの解決策としては、とにかく有税償却で払った税金を全額ごっそりと返してくださいと、それが実は三つの、有税償却から無税償却に繰戻し還付、繰越期間の延長等々の三つの税制の改革になってまいります。 我々としては、これは要求する立場でございますので、財務省の方にこういう一つの解決策として前向きに御検討いただきたいということをかねてから要求をしております。与党の税制改革大綱におきましても、この問題は引き続き検討するという位置付けを与えていただいていると思っております。 税制でありますから、全体の中でのやはり調和の中でこの問題を解決していかなければならないわけでございますが、これはあくまで我々要求官庁といたしましては是非とも引き続きよろしく御検討をいただきたいと、実現していただきたいということでお願いをしているところでございます。
○山東昭子君 税収減にはなりましょうが、今申し上げたような不良債権処理には極めて効果的な税制改正をすべきだと思いますけれども、総理のお考えはいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 構造改革の柱に、一つになっておるのが税制改革であります。今年も税制改正、二兆円減税し、酒、たばこで二千億円増税したと。現実には一兆八千億円減税しているんですよね。来年度も減税先行です。 こういう中で、総合的にこれから経済状況を見ながら、今、竹中大臣が言ったような税制改正要望も踏まえて、どのような税制改正が必要かということは、よく政府税制調査会あるいは与党の税制調査会、論議を踏まえて判断していかなきゃならぬなと思っております。直接担当しているのは塩川財務大臣でありますが、これについてはよく経済財政諮問会議でも議論しておりますので、塩川大臣も状況をよく見ながら考えておられるんだと思っております。
○山東昭子君 金融庁の銀行政策についてお伺いいたします。 りそな銀行については、大和、あさひ、近畿大阪、奈良銀行、このような銀行が母体となっており、統合発表以来、弱者連合と言われ続けてまいりました。 これまでのように疲弊して自力経営が困難な銀行同士が統合して生き残りを図るということにはちょっと限界があるのではないかと思いますけれども、その点で今後の銀行政策についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 銀行の経営を健全化していくということに関して、何か奇策はやはりないのだと思います。不良債権を含む資産をきちんと査定していただいて、いろんな方策を講じて自己資本を充実していただいて、何よりも収益力を高めるためのコーポレートガバナンスを強化していただく、これは金融再生プログラムの三つの柱でありますけれども、そうしたことをやはりしっかりとやっていただくということしかないのだと思います。 一方で中小の、地方等に根差した中小の機関に関しましては、今回、我々、リレーションシップバンキングというふうに申し上げましたけれども、非常にグローバルな競争の中で利益率を単に高めるということではなくて、長年の間柄を重視したような、そうした地域に根差した展開もそれぞれの工夫でやっていっていただきたい、それが重要であるということも我々一つの方向として強く認識しておりまして、そのためのアクションプログラムも持っております。 直接お尋ねの合併等々でありますけれども、合併したからそれによって問題が解決するということではもちろんございません。しかし、同時に、やはりある程度の財務基盤を、しっかりとした財務基盤を持つという意味では、これは合併は場合によってはこれは大変有力な手段にもなり得るのだというふうに思っております。 あくまでもこれは、したがいまして経営の自主的な判断によって実行に移されていくべき問題であろうというふうに思いますけれども、我々としては、先般、地域の金融機関再編のための特措法を設けまして必要に応じて資本を増強する、ないしはそうした合併が促進できるような幾つかの政策を準備をいたしました。 これはあくまでも、繰り返しになりますが、自主的な経営判断でございますが、そういった方策も活用していきながら、場合によっては合併というようなものも重要な方策として位置付けて、果敢なやはり経営をしていっていただくということが何よりも必要なことであろうかというふうに思っております。
○山東昭子君 これからは個人投資家が求めております企業会計の透明性あるいは思い切った税制改革の導入によって日本の金融システムに対する内外の投資家の信頼度も高まるのではないかと思います。竹中大臣の取組をお聞かせください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 間接金融から直接金融へ、ないしは個人の投資家を資本市場に呼び込む。実は、気が付いてみますと、これもう二十年来日本で様々な形で議論されてきた問題であろうかと思います。 しかしながら、現実問題としてそれがなかなか定着をしていかない。特に、これは個人の投資家に関していいますと、むしろバブル崩壊後は収益性と安全性をどちらを重視するかというと、資産がどんどんどんどんこれだけ増えているんだから収益性というふうに答える人が多くなるということが期待されるんだけれども、現実には安全性ということでむしろ投資マインドが萎縮していると。その意味でも、今、山東委員言われましたように、やはり市場そのものの信頼感を回復していくための努力というのがこれはもう大変重要になってきているというふうに思います。 先般、証券取引法の改正を御審議をいただきまして、その中でも、個人の投資家をやはり呼び込むための手段として販売チャネルを多様化していく、さらにはこれは取引所そのものの競争力を高めていただくような持ち株会社制度を導入する、様々な制度を導入したところでございますけれども、これはやはりこの一つの政策ですべてがうまくいくというような打ち出の小づちのようなものはないと思っております。 今申し上げましたような様々な政策努力、さらには、引き続き来年度に向けて税制等々でも何かできることはあるのかないのか、幅広くやはり検討をしていかなければいけないと思っております。
○山東昭子君 続きまして、国民の健康と命、また経済不況にも関連いたしますSARSについて坂口大臣にお伺いしたいと思います。 お答えをいただいた後、どうぞ御退席をいただきたいと存じます。 この病気は、今現在、潜伏期間があるにもかかわらず、中国などの国からマスクもなく旅行者が入国しておりまして、国民は非常に不安になっております。国民が安心できるような危機管理、そして予防対策の確立が急がれておりますが、どんな対策を考えておられましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 一つは、何と申しましても航空機の中で状況を聞かせていただく、問診票をお渡しをし現状の状態を知らせていただく、そしてまた体温測定等をさせていただくといったことをいたしております。しかし、それだけではいけませんので、また空港に着きましてからもう一度またチェックをさせていただいておりまして、せきやあるいは熱があるという方は検疫所でまた診察を受けていただいている。それから、あと、その当時何もなかった人たちに対してどうするかということでございまして、お帰りいただきまして約十日間は外出をできるだけ自粛をしていただくということにいたしておりますが、万が一発熱等をいたしましたときに、そのときにどうしていただくかということが一番大事だというふうに思っております。 保健所等に連絡をしていただくようにいたしておりますけれども、保健所というのは夜いないところもございますしいたしますので、指示いたしまして、皆さん方に、それぞれの地域において保健所等に連絡をいたしましても通じないようなときにはここに連絡をしてくださいという、一応それぞれの都道府県の連絡場所等を書いたものをお渡しをする、そしてそこでいろいろと御相談をいただいて、そしてどこの病院に行くかということを決めていただいて、その病院に連絡をして、そしてそこの病院に行っていただく、ここをきちっとやらないといけないというふうに思っているところでございまして、そうした水際作戦と申しますか、そうしたことに今熱心にやっているところでございます。 幸いにいたしまして、現在日本の国内で発生した人はございませんが、これからも厳重に注意をしていきたいというふうに思っております。 一方、もう一つだけ付け加えておきますと、研究もこれしっかりやっていかなきゃいけませんので、本日十時から文部科学省と厚生労働省の研究者一緒になりまして、どういうことを研究していくか、そして役割分担をどうするかといったようなことにつきましても議論をしてもらうことにしているところでございます。
○山東昭子君 是非、今おっしゃられたようなことを周知徹底をお図りいただきたいと存じます。 二十一世紀の活力は、マネー経済への手の打ち方だけでは難しいと思います。心理や個性という文化型のマーケットを作る時代だと思います。旅もショッピングも気分と目的、予算と時間に合わせて最も適したものを選択する客が多くなってまいりました。愛知万博もございますけれども、外国人を迎えてのサービス教育、類似型でないデザインアートを軸にした都市づくり、観光づくり、物づくり、こうした日本の文化力が私は次の経済を作るんだろうと思っております。ピンチの後にチャンスあり、健康、環境、観光をキーワードに日本人の優秀な知恵でピンチを克服いたしましょう。 平沼大臣に抱負をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 山東先生から大変重要な御指摘をいただいたと思っています。 日本のGDPに占める消費の割合というのは個人消費で六割を超えるというような状況であります。また、サービス部門というものが非常に大きな分野になってきまして、これはあらゆるサービスが入るわけですけれども、これもGDP比で七割になんなんとするものがありますし、また、消費に占めるサービスの割合というのも年々高くなってきています。ですから、文化に根差したものはすべてそれに直結するわけですから、そこを伸ばしていくということは非常に大きな経済の活性化につながっていくと思います。 また、地方におきましては、大変世界に誇れる伝統文化、伝統工芸品、こういうものがたくさんあるわけでありまして、経済産業省といたしましては、二百三品目を指定して、そして地域に根差して、そしてそれを基に地域の発展を図っていこう、こういう施策もやらしていただいています。 それからまた、今、観光についてのお話がありました。 これは、小泉総理が観光倍増計画を作ろうと。日本の場合は、残念ながら、今の段階では日本に来てくださる外国人の方々が日本から出ていく日本人に比べて三分の一というような状況です。日本にはすばらしい景観があり、すばらしい施設があるわけですから、それで二〇一〇年までには外国人の日本に来られる数を倍増しようと、こういう形で各省庁と連携を取って、そして、今申し上げたような日本の誇るべきそういう文化ですとかサービスですとか、それから町づくりですとか、そういったことを連携して総合的にやっていく、このことが日本の新しい経済の活力を生む。 御指摘のとおりでございますので、山東先生の御協力もいただきながら、我々全力で頑張っていきたいと、このように思っています。
○山東昭子君 本年は、ノーベル賞受賞者、ジェームス・ワトソン博士がDNAの二重らせん構造を発見いたしまして五十周年になるそうでございます。 最近、日本のいろんな研究所を見ましても、バイオであるとかゲノムであるとか、その研究の成果がすばらしいものが上がっております。資源のない我が国において、新しい産業の育成、経済の活性化の観点から期待が持てるのは科学技術でございます。 それで、もちろん科学技術に関して非常に政府が予算を重点的に配分をされておられるのは評価をいたしますが、今後の将来展望について、細田大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(細田博之君) 山東議員は元科学技術庁長官をしておられまして、大変この分野でお詳しいわけでございますが、バイオテクノロジーを含むライフサイエンス分野は非常に、医学、食糧、環境問題の解決に貢献する大きな分野であると言われておりまして、今、日本の市場規模が大体一・五兆円程度でございますが、二〇一〇年、七年後には十五倍以上、二十五兆円程度に成長するとされておりますし、世界では二百三十兆円と言われております。 なぜかと申しますと、この分野は、例えば今、糖尿病、アルツハイマー病、高コレステロール症等は対症療法でございますが、再生医療が進みますと基本的に治せるとか、今、個々人の遺伝子や体質の違いによって対応した治療が必ずしも行われておりませんが、肺がんの薬が死につながったり、治る人もあれば悪くなる人もあったりするわけですが、個々人の遺伝子によって対応する治療、テーラーメード医療をやろうとか、あるいは皮膚、血液、血管、臓器などの再生医療が進む、あるいはアレルギー症等にかかりにくくなるような食品の開発、強くておいしい作物を作るとか、地中で土に返るプラスチックを作るとか様々な分野があって、そのような高度の成長が今期待されておるわけでございます。 そういった国際競争の中でも日本が勝ち抜いていくためには、バイオテクノロジー戦略大綱に基づきまして予算面で今抜本的な拡充を図っておるわけでございますし、産学官の連携、あるいはベンチャーの育成等も通じまして、知的財産権、特許料で稼げるような体制も取らなきゃいけませんし、また健康や医学、環境にも貢献するような目標を定めまして、現在、関係省で協力しながら取り組んでおるところでございます。
○山東昭子君 最近は三位一体の改革論議が非常ににぎわしておりますけれども、確固たる信念で地方分権を進めるという観点から、税源移譲を含む三位一体の改革案を取りまとめるべきであろうと考えますけれども、決意を片山大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 小泉内閣の構造改革の基本的理念は、一つは官から民へなんですよ。もう一つは国から地方へなんですね。いつも総理が言われますように、地方でできることは全部地方にやらせる、そのための地方の行財政の基盤を強化すると、こういうことなんですね。 それからもう一つ、平成十二年四月から地方分権一括推進法というのが施行になりまして、御承知のように、権限移譲だとか、国の関与の縮小だとか、機関委任事務の廃止だとかが行われたんですね。ところが、その際、税財源の問題だけ残ったんですよ。そこで国会で修正されたんですね、次は税財源であると。それから附帯決議の中にもそれが衆参で盛り込まれておりまして、こういう背景の中でこの三位一体が出てきているわけですよ。 三位一体というのは、御承知のように、地方に、国から地方に税源を移譲するということを柱に、それに併せて国の補助金、負担金の整理合理化をやる、地方交付税も見直すと、三つが一緒でバランスよくやるということなんですよ。一つだけやっちゃいかぬのですよ。二つでもいかぬ、三つやらないと。三つが一体なんですよ、バランスよくと。こういうことでございまして、いろんな議論がありますけれども、これをやらないと本当の地方分権にならないんです。 だから、あくまでも志は、地方分権を進める、地方を強くする、地方が元気にならなきゃ国が元気にならない、地方が変わらなければ国が変わらないと、こういうことでやっていきますので、総理のリーダーシップも大いに期待しておりますから、しっかりやってまいります。
○山東昭子君 さて、日本人の生き方も多様化してまいりました。特にこんな若者はどうしようもないというのもありますけれども、一方では、できるなら社会に貢献したいという人たちが社会福祉法人やNPOに低賃金や手弁当で働いているのを見ますと、まあ捨てたものではないなと思っております。しかし、草の根活動をしている若者たちの多くは、金銭的な不自由さと将来の不安を抱えています。 英国のシングル・リージョナル・バジェットのように、特定地域の社会貢献活動体に人件費やコンサルティング費の支援が直接届くような制度が将来できないものだろうかなと、そんなことを思っております。 さて最後に、日本のリーダである小泉総理に、これからの日本の十年、どのようにこの国をしていくのか、そしてそれを支える若人たちにどのような考えで行動してもらいたいか、激励のメッセージを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私の内閣において、最重要課題は経済活性化でありますが、その柱が、民間にできることは民間にと。役所がやらなくてもいい仕事たくさんあります。民間ができる分野たくさんあるんです。そういうことと、国から地方へ、地方にできることは地方に任せていきましょうと。 そして、今の若者の話になりますが、一度や二度チャンスを逃しても、あるいは失敗してもくじけないで立ち上がれるような機会をたくさん作っていこうと。いい学校入って、いい企業に入って、そこで一生終わろうというのが、かつての一つの親の描く子供の好ましい将来像だったと思います。しかし、最近それは当てはまらない。もうせっかく、もう一生懸命勉強して、必死になって大学入って、大企業に入って、辞める人も最近多くなってきている。そういう観点から、一度や二度の失敗にくじけず、立ち上がっていけるような機会をできるだけ与えるといいますか、作ると。そして、それぞれ自分の個性を生かした仕事を持つようなチャンスを与えていくべきではないかと。 そして、海外青年協力隊、私は外国へ行くとよくお会いするんですが、これは外国の方に評価されていますね、外国の政府の人に。よくも、あの困難な、衛生状態の悪い、きつい仕事に取り組んでいる。あの姿見ると、日本の青年たちも大したもんだと私も感心しております。やはり、一番大事なのは、自ら助ける精神と、いろんなやりたい、したい欲望もあるでしょう、それを律する、抑える、この精神を持って活躍している青年がたくさんいます。 やはり、政府としては、基本的なことは国が保障しても、あとの半分ぐらいは自ら助けようと、自らを律して頑張ろうという、そういう機会をたくさん作って、民間が政府のやるような仕事もやっていけるような企業経営のすばらしい会社をたくさん輩出できるような環境、そして、地方も今、構造改革特区で規制を緩めておりますけれども、地方が特色を生かしてそれぞれの持ち味を出していくような、そういういろんな個性が生かされるような日本社会を築いていきたいなと思っております。
○山東昭子君 終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で山東昭子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、浅尾慶一郎君の質疑を行います。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 ちょうど二年前、五月三十日だったと思いますけれども、小泉総理が総理に就任されて初めて、私はこの予算委員会の場で質問をさせていただきました。そのときに、実は、金融の問題も取り上げさせていただきました。そのとき総理は、金融の問題については柳澤大臣に任しているからという答弁で一応終始されました。昨日の予算委員会を拝聴いたしておりますと、金融の問題については竹中大臣に任しているということでございます。 そこで最初の質問は、柳澤さんから竹中さんに替えられた、その替えたこと、どういう理由で替えられたのか。特に、今度、竹中さんは金融も経済も両方兼務していると。何かその替えなければならない理由があったんではないか。何を期待して替えたのか、その点を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 柳澤大臣、それぞれ専門的な知識、経験を生かして、日本の金融問題にしっかり取り組んでいただきましたが、なぜ替えたかということではございますが、竹中大臣、経済財政担当しております。これからの経済問題考えますと、金融問題と産業問題が、やっぱり両面を見なきゃいかぬと。金融健全化、不良債権処理、同時に産業再生、これがやっぱり経済全体に大きな影響を与えると。経済財政諮問会議というものもあると。そういう中で、竹中大臣に金融問題も一緒に担当させて、総合的に見させた方がいいんじゃないかなと思って、竹中大臣を起用いたしました。
○浅尾慶一郎君 一年、総理就任されてから大体一年半たって、柳澤さんを替えて竹中さんにされたと。その一年半の間の行政運営とその後の行政運営で、一年半の間に、やはり一緒でなければいけないという結論に至ったということですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 不良債権処理を加速していかに金融を健全化していくかという点のみならず、産業再生、経済再生、一緒に見ていこうということで、私は兼務がいいと判断いたしました。
○浅尾慶一郎君 そうすると、竹中大臣が兼務することによって不良債権処理を加速するという姿勢を示したと。そのことが結果として今回のりそなの問題につながってきている側面もあるんではないか、側面があるというふうに言えると思いますが。 ちなみに、柳澤大臣のときには健全なものをより健全にするということで公的資金を銀行に注入いたしました。しかし、例えばりそなだけで見てみましても実は八千六百八十億円、優先株だけで、劣後ローンは別にして、優先株だけで八千六百八十億円の公的資金が入っておりますが、うち五千億円以上は既に毀損しているというような状況ではないかなというふうに思います。 そうだとすると、これは健全なものをより健全にするということではないんじゃないかなというふうに思いますが、そう発言したことについて行政の連続性の観点からどのように考えるか、竹中大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 浅尾委員がおっしゃった、そう発言したことについてという趣旨が……
○浅尾慶一郎君 健全なものはより健全に。
○国務大臣(竹中平蔵君) 健全な、ええ。これは、これまでのその当時の健全化法等々のスキームと今の預保法のスキーム、それぞれ違う理念といいますか違う状況下での法律体系になっているわけでございますけれども、当時そのような判断をこれはされたということは、私は、これは当然その法律の枠内でその法律を執行する過程で合理的な判断であったんであろうというふうに思っております。 浅尾委員のお尋ねは今の状況が健全かどうかということも含まれているかと思いますが、これは自己資本比率が健全行の基準である四%を下回ったという意味では、これは資本が過少であるというふうにこれは認定をしているわけでございます。
○浅尾慶一郎君 後ほども詳しくやりますけれども、既に政府が取得した優先株についても時価会計で評価すれば大幅な損失を出しているわけでありますから、それは今の竹中大臣の答弁は当たらないということを指摘しておきたいと思います。 りそなの問題につきましては、国民はやはりどこか割り切れない思いを持っているんではないかと。つまり、一人当たり二万円の負担をしている。しかし、責任が、まあ経営者の責任は多少は取ったでしょう。しかし、では従業員はどうだろうか、あるいは普通株の株主の責任はどうなっているんだろうかということを考えると、責任追及というのがまだまだ不十分ではないか、そのことが多分割り切れない思いにつながっているんじゃないかなというふうに思います。 ちなみに、ホームページで見てみましたら、りそなホールディングスの従業員の平均年齢三十九・八歳、平均年収は一千飛び三十八万円というふうに出ておりました。そして、三割削減したとしても普通の企業から比べればかなりの高収入だということになりますから、こういったことは、やはり国民の感情からすればおかしいんではないかなと、こんなふうに思うわけであります。 そこで、今日は幾つか資料を用意させていただきましたが、(図表掲示)先ほど来、りそながまだ債務超過ではないというような話をされておられます。あるいは、実質まだ三・何%自己資本があるんだというような御指摘をされておられますけれども、今日お配りした資料は実はそのりそな自身が出した決算から取ったものでありますが、りそな自身が出した決算を見ますと、ここにありますように、一株当たりの株主資本、マイナスの百三円七十六銭、つまりは普通株で見れば、これは完全な債務超過なんです。そのことについてはどういうふうに竹中大臣は説明されるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、浅尾委員が御指摘になった数字は、決算短信の中に出てくる連結の財政状況、一株当たり株主資本の数字をお挙げになったのだということだと思います。 これは、しかし、委員自身がよく御存じのとおりだと思いますが、これはバランスシート上の資本勘定から、資本勘定から優先株を除いたものでございます。優先株を除けばマイナスになるということは、これはもう事実としてそのとおりでございます。しかし、現実に優先株は出資をしております。出資をして、そこに資本として存在をしております。その意味では、先ほどから申し上げていますように、自己資本比率は、ホールディングで見て三・八、それで、りそなで見て二%強と、これは事実としてそういう数字になるわけでございます。
○浅尾慶一郎君 いろいろ専門用語が出てくるとなかなか分かりにくいんですけれども、普通株と優先株というものがあるのが今のりそなの現状であります。普通株というのは一番経営に対して責任を負わなければいけない、優先株は先ほど申し上げましたように国民の税金でもって投入されている。今、普通株だけで見ればマイナスである、債務超過ですと。優先株を入れてそれを助けてあげましょうということは、普通株の一番経営に対して責任を取らなくていい人たちに対して責任は取らなくていいですよということを、竹中大臣はそれが正しい資本主義の下でも在り方だということをおっしゃろうとしておられるんでしょうか。 別の言い方いたしますと、本来であれば、普通の会社であれば優先株、普通株という形にはなっていませんから、普通株しかなければ、たまたま気前のいい人からお金を借りられたとしても普通株はマイナスになったら、それは一〇〇%減資してそこで責任を取ってもらうというのが普通のありようではないでしょうか。そういう考え方に立たないのかどうか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 優先株を除くと債務超過という、その表現の仕方はちょっと私にはよく理解できません。これは、債務超過かどうかというのは資本勘定がどうか、資本勘定がネットでプラスかマイナスかと、これでやっぱり判断されるわけでありますから、その株主の構成によってこれを除くとこうなる、昨日も、例えば繰延税金資産を除くとマイナスであると、そういうような御指摘は衆議院で出まして、それは、これなかりせばという仮定がいかがなものかということを申し上げたのでございますけれども、これは言うまでもなく会計上の概念でありますので、会計上としての自己資本の資本勘定がどのぐらいあるのか、そのことが、そのことで自己比率がどうか、高いか低いかということを判断するのが、これが通常の企業会計に基づく判断の基準であろうかと思います。
○浅尾慶一郎君 別の角度から質問をいたしますと、それでは優先株と普通株、経営に対する責任は同じだというふうにおっしゃいますか、優先株主と普通株主、責任は一緒でしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 優先株にもいろいろございますけれども、今回の場合、議決権を持たないものでございますから、その意味では、経営に対しての議決権を持たない、人事権等々を持たないという意味で、その意味では関与の仕方は当然のことながら違っているわけであります。
○浅尾慶一郎君 りそなの場合はマイナスがあるわけであります。確かに、政府が投入した八千億円強の優先株を入れれば三千億円強資本が残っているというのが現状ですが、その八千億円も含めてマイナスを一掃しようというのが、今減資を一〇〇%減資しないという政府の立場でありますが、しかし国民の感情、一般の常識からいっても、経営に対して責任が、距離がある優先株と、その経営に直接責任を負う普通株で同じように減資をするときに、あるいは累損を一掃するときにお金が使われるということについては、やはりそこに問題があるというふうに考えるのが私は普通じゃないかなと思います。 だからこそ、経営に対する責任をしっかり追及するということであれば、これは別に商法上おかしいことでもありませんから、普通株について一〇〇%減資をする、その上で優先株を普通株に転換していくというのが私は取るべき責任ではないかというふうに思いますが、大臣はそういうふうに考えられませんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 減資についての議論がいろいろなされております。 実は、浅尾委員はきちっと減資についていろんな意味合いがあるということを区分した上で御発言いただいておりますが、大変混乱があると思いますので、少し私なりに整理をさせていただきたいんですが、三種類あると思います。一般に減資と言われておるものは三種類あると思います。 一つは、一〇〇%減資、つまりこれは長銀のときのようにもう株式を、普通株持っている人の価値はゼロにすると、今、浅尾議員はそれを言っておられるわけですね。 しかし、減資というのはほかにもあって、いわゆる株数減資というのがあります。今まで五百株持っていた人を二百株にしてくれと、こういうことをすべきではないかという議論があるわけですけれども、これはしかし株主責任という観点からはおかしな議論であります。つまり、株の数が減ったら一株当たりの純資産が増えるわけですから、株主が持っている資本価値には何ら影響を与えるものではございません。それは、要するに、株の数が減れば一株当たりの価値が増えるわけですから、これはしたがって議論するその対象ではないと思います。 もう一つは会計上の減資と言われるもので、これは繰延べ、繰越欠損がある場合に、繰越欠損と資本勘定を相殺してはどうかという話です。これは、多くの場合、そういったことを繰越し、繰欠がある場合は消していくのが割と普通に行われていることで、これは会計上の操作の問題。しかし、これまた株主に対して株主の純資産の価値を変えるものでもございません。 したがって、減資、株主責任としての減資を言うんであれば、一番最初の一〇〇%減資、長銀のような場合しかございません。 しかし、この百二条の第一号というのは、そういうものを想定しておりません。三号措置において、経営破綻かつ債務超過の場合はこれは株主のいわゆる一〇〇%減資をするわけでありますが、今の法律の作りがそのようになっていないということでございます。 もしも、これは監督上無理やりにそういうことをさせてはどうかということをもしおっしゃっているのであるならば、これは私はやはり大変問題があろうかと思います。それは、これは株主自身が自らやっぱり特別決議を総会でしなければいけません。反対だというふうに言った場合に、それを強制させる方法はございませんし、さらに、万が一にもそういうことがあった場合でも、これは本当にいわゆる憲法で認められた財産権の侵害にならないのか、重大なやはり支障が生じると。その意味では、今の法律の中でやはり求められる株主の責任というものは、今、委員がおっしゃったようなものでは私はないと思っております。
○浅尾慶一郎君 私は、監督上それを主張しろということを申し上げるつもりはありません。 しかし、配当がないから、自然に優先株に対しては議決権が復活できます。そうすると、政府としては、あるいは国民の立場に立てば、経営に対する距離が今まであったわけです。あったんだとすれば、その提案ぐらいはできるんじゃないですか。提案もするつもりもない、株主として提案するつもりもないということですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私、先ほど申し上げましたように、究極的にはこれは個人の財産権の問題、財産権の侵害の問題だと思います。財産権の侵害を生じるようなおそれがあるような提案はやはりすべきではないと思います。
○浅尾慶一郎君 個人の財産権というのは正におっしゃるとおりですが、そうすると、国民の財産権はどうなるんでしょうか。八千億円投入していますと。それは、経営に対して普通株よりも距離があるわけです。それを同じように扱うということは、国民の財産権を私は侵害することになります。そのことを国民に代位して株主総会で商法上の手続に従って言わないということは、私は国民の財産権を代弁していないということになると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 公的資金を注入して、それを、正にこれは再生させるために注入しているわけです。その再生をさせるというその趣旨を生かすために我々がなすべきことは、今の時点ではガバナンスをしっかりと強化して、今回の注入額も含めて公的な負担、国民の負担を最小化するために、そういった新しい経営体制を作る、その銀行を再生させる、そのことこそが私たちの国民に対する責任であろうかというふうに思っております。 その点で、是非、確かにこの優先株に関しても普通株に転換するという問題も当然出てまいります。結果的には今回、国は、増資後でありますけれども、最大の株主になるわけでございます。その最大の株主としてしっかりとガバナンスを強化していく、そういう形で是非責任を果たしたいと思います。
○浅尾慶一郎君 ちなみに、伺いますけれども、今、政府が取得しております優先株、今はやりの時価会計で評価すると一体幾らの含み損を抱えていますでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 転換期が到来している優先株については、毎年転換の価格の見直しがなされていることから、現時点において普通株の株価が転換価格を下回っているとしても、それをもって直ちに含み損が発生しているものとは考えておりません。 仮に、既に転換期が到来している優先株、普通株に転換する場合においては、現時点での株価が注入時より低下をし、下限転換価格を大幅に下回る状況にあるので、結果的に注入額に見合う株式数を取得することができないことになります。 したがって、現時点のりそなホールディングスの株価を前提として、政府が保有している優先株のうち、既に転換期が到来している優先株を現時点で普通株に転換すると仮定し試算した場合、時価総額は約二千百八十六億円となり、それに対応する注入額が七千六百八十億円に対して約五千四百九十四億円の差額が生ずることとなります。
○浅尾慶一郎君 今、普通の企業の経営者は、時価会計の下で、例えば五千四百九十四億円のマイナスが出ればそれをバランスシート、決算書に載せて、そして赤字になるわけです。政府はそうした時価会計を推奨しているあるいはやっていこうという立場であるわけですから、そうだとすると、政府としても、時価会計上でいえば五千四百九十四億円のりそなだけでマイナスを持っているということはやっぱりしっかりと認識をしておかなければいけない。その上で、先ほど申し上げましたように、普通株とはどう考えても経営に対する責任が違うわけですから、そのことをしっかりと商法上株主総会の場で、否決されるかもしれませんけれども、私は主張していくということが国民の側に立った政府のありようだというふうに思います。 そのことを申し上げて次の質問に移りますけれども、仮に、先ほど来、じゃ、立て直すんだと、二兆二千億と八千億入って三兆円ぐらいりそなに注入したとします。これ、どうやって返してもらうんですか。あるいは、どうやってその三兆円は回収しようというふうに考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 回収というふうにいいましても、今回かなりの程度普通株で持つということに結果的にはなると思いますから、これを回収するというのは、将来の想定される姿としては、やはりこれは市場で売却する。市場で、逆に言いますと、市場で売却できるような、そのときにしっかりとした値段で買手がいるような、そういった企業にりそな自身がなってもらわなければいけない、そのことに尽きていると思っております。 明日、その公的資金の申請が正式に行われると思います。そのときに経営健全化計画が出てくる。それに併せて、恐らく新しい経営陣、まだ新しい経営陣の全容が整っておりませんが、その新しい経営陣の下でしっかりとしたビジネスモデルを構築してもらって、経営化健全計画をしっかりと打ち立てて、それを実現する中で、そのりそなが正に価値の高い、市場から見ても価値の高い企業になっていっていただく。それを通して国民の負担を最小化していく。委員の言葉でおっしゃれば、その資金を回収していくと。そういうプロセス、これは時間が掛かるものではありますけれども、是非とも実現していきたいというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 実現していきたいということは、これは実現できない場合もあり得るというふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは企業でありますから、必ず成功する企業というのは、これは資本市場では理屈の上ではないのだと思います。 さはさりながら、これはしかし公的な資金も注入するわけでありますから、これはしっかりとやはり経営陣には本当に命懸けで頑張っていただかなければいけない。我々はやはりそれを可能にするような、何度も申し上げていますが、ガバナンスの仕組みをしっかりと打ち立てていきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 その株、普通株を市場で売却するというようなことを先ほどおっしゃっておられました。それは一つの手法だと思いますが、しかし、私は先ほど一〇〇%減資を少なくとも株主総会で提案すべきだと申し上げたのは、例えば、りそなの問題が発表になる金曜日、株価四十八円でした。その日に買った人は、今どうでしょう、七十円ぐらいになっているかもしれません、すごくもうかっています。しかも、全く責任取っていないわけですね。その普通株がそのまま残っていれば、将来、政府がその普通株を損をしないレベルで、多少利益が出たところでもいいでしょう、損をしないレベルで売ったということになれば、普通株の人たちはただ乗りをして責任を取らないでもうかってしまうと。これは国民感情からいって私は許されないと思いますから、是非株主総会において、別に監督権限を使ってということではなく、提案をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現実に株価がどうなるかと、資本注入を決定する段階でそれがどのように動くかということは、これはほとんど予測が困難でありました。これは現実問題として今後も、これからどのようになっていくかと、これは予測困難であろうかと思います。 これはしかし、皆さん御承知のように、これは株式の数が増えるといわゆるダイリューションが起こるわけですから、これも価格が下がるというメカニズムがあると。しかし一方で、ガバナンスがしっかりしていく、これは今後収益が上がっていくというふうな予想が強ければ、これは株の価値を押し上げるということになる。これは正にその綱引きの中で、これは今日たまたま株価が幾らかということではなくて、これはしっかりとやはり結果を出していただくことが重要なのだというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 総理に伺いますけれども、総理はよく常識で判断とおっしゃいます。今までの議論を聞いて、株主は経営責任あるいは株主責任を取らなかった、しかも、もしかしたら、あるいはそうならなければいけないわけですけれども、国がお金を投入した結果、結果として株主も利益が出てしまう、これは普通の感覚からすればおかしいんじゃないかと思いますが、その点について総理の感想を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 要は、公的資金を注入することによって預金者や取引先企業等に不安を起こさない、この方が大事だと思っています。
○浅尾慶一郎君 預金者や取引先企業に不安を起こさない。私は別に公的資金注入そのものに反対しているわけじゃありません。しかし、取るべき責任は取らせなければいけない、株主はやはり株主責任を取って一〇〇%減資すべきじゃないかというのが今までの議論ですが、その点を踏まえても同じ意見でしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、経営陣が退陣して新しい経営者によってこの公的資金が戻ってくるような経営をしていただきたいと期待しております。同時に、信用秩序に重大な支障が起こらないよう、常に健全行になるような努力を他の金融機関もしてもらわなきゃ困ると。 全体として、私は、この金融危機対応会議が開かれたのが土曜日でしたけれども、月曜日以降暴落するんじゃないか、混乱が起こるんじゃないかという見方もあったわけであります。しかし、結果的に非常に落ち着いていた。これは、やはりこの判断は正しかったなと思っております。
○浅尾慶一郎君 普通の会社であれば債務超過、それは優先株というのは普通の会社は国から入れてもらえませんから、株主はそれで責任を取ると。したがって、別に、預金者や取引先企業に不安を起こすということを当然望まないわけでありますけれども、株主が責任取ったからといって私はそこに何ら不安が発生するものではないというふうに主張をいたします。 そこで、次の質問に移りますけれども、繰延税金資産のことがいろいろと言われております。ちなみに、繰延税金資産、資産性があるということを竹中大臣は昨日来ずっとおっしゃっているわけでありますけれども、しかし、過去に長銀、日債銀と、破綻した金融機関売却をいたしました。谷垣大臣もかかわられたと思いますが、その過去に破綻をした金融機関を売却した際には、繰延税金資産、長銀を売るときにリップルウッドから、これは価値がないからゼロにしてくれと言われて、政府としてその価値を認めなかったじゃないですか。そこは矛盾があるんじゃないでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思いますが、先ほどリップルウッドとの交渉の中でそうした変更したんだというような御指摘でございましたけれども、そういうことではございませんで、これは、破綻をして特別公的管理に入ったと、その前提の中でこの繰延税金資産を計上をしないということで、谷垣大臣も当時、この契約の中でそのことについてそうしたことを踏まえて確認的に規定されているものだというふうにお答えになられているというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 破綻をして特別公的管理に入ったのは事実です。しかし、特別公的管理に入った後、悪いものは全部整理回収機構に移した、しかも瑕疵担保条約まで付いていると。したがって、新生銀行やあおぞら銀行、今の業績見ていただければ、銀行の中で一番利益が上がっているじゃないですか。 つまりは、一番利益が上がる、そういうきれいになったときにおいては繰延税金資産の資産性は認めない、しかし、今回みたいにこれを認めてしまうと破綻という形になるから無理やり認めているんだということになるんじゃないかと思いますが、その点について、もし違うというのならば納得できるような説明を大臣にお願いしたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) これは、もう先生、一番専門家でございますのでよく御承知だと思うんですが、預保がニュー・LTCB・パートナーズ社に対して長銀の株式を譲渡した際の長銀のバランスシートには繰延税金資産が計上されていなかったということでありますし、このことは私も聞いております。 預保が長銀の株式を譲渡するに当たって、預保とニュー・LTCB・パートナーズ社とで合意して確定した確定基準日貸借対照表に基づいて金銭贈与等の額が決められているわけでございます。この確定基準日貸借対照表は、平成十一年九月期の中間決算における監査法人の監査済みの中間貸借対照表をベースとしておりまして、この中間決算においては、長銀が破綻をし、そして特別公的管理銀行となっていくことから繰延税金資産は計上されていなかったと承知をいたしているところでございます。
○浅尾慶一郎君 それは、責任を監査法人に転嫁をしているというふうに私には聞こえます。 つまりは、繰り返しになりますけれども、破綻をして、悪いものを取り除けばもうかる金融機関になっているわけであります。現に、あおぞら銀行は二年前に破綻をして、いろんな会社が投資をいたしました。投資をした一社が売ろうとしております、その会社を、株を。売ろうとしている値段は、彼らが投資した金額の倍の値段で売ろうとしているんじゃないでしょうか。その点、その事実についてまず大臣に伺いたいと思います。 それだけ二年間でもうかる、四百億投資したら八百億で売れると、それぐらい状態がいいその銀行に対して繰延税金資産を認めないというのは、私は論理矛盾じゃないかということを申し上げているんですが、まずその事実確認として、倍の値段で売ろうとしているかどうか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと今の売買の事案について、申し訳ございませんが、詳細は承知をしておりません。
○浅尾慶一郎君 監督担当の大臣として、あおぞら銀行のその売買というのは、よく新聞にも出ていますから多分御存じだと思いますが、承知をしていないというのは、それであれば余りよくその業界について注意をしていないということなんじゃないかなというふうに思います。 その繰延税金資産について、では再度伺わさせていただきますけれども、今回のりそなの方が、それでは別の観点からいうと、新生銀行やあおぞら銀行のビジネスモデルよりも、今のままで十分将来の税金が戻ってくる確率がきれいになった新生やあおぞらよりも高いというふうに大臣は考えておられるかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどは、詳細を承知していないというふうに申し上げたつもりでございます。詳細をお話しできる段階ではないという趣旨でございます。 今回、多額の公的資金を注入して、それが、今までの破綻していったんきれいにした後非常に経済価値の高いものに、市場で評価されるものになっていると、それは私も事実であると思います。そうしたものに、今回、過小資本行として公的資金を注入してなっていけると考えているのか。これは、正に先ほど申し上げました経営健全化計画をどのように作っていくかという、その経営健全化計画の中身そのもののお尋ねになっていくと思います。これは明日出てまいります。 ただ、新たな経営者がまだ決まっておりませんので、新たな経営者等の参加を得て、それを更に精度の高いものにしていかなければいけませんが、御指摘のように、繰り返し申し上げますが、我々の趣旨は、その資産として、資産査定をきっちりとして、自己資本を充実してガバナンスを強化すること以外に銀行の再生の道はないわけで、そういった意味で、幾つかのこれまでの事例もあるわけですから、そういった参考事例も踏まえながら、是非とも収益力の高い銀行に生まれ変わってほしい、そのような監督をしっかりと行っていきたいというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 経営健全化計画のお話いただきました。りそなについても、優先株を国が取得するに当たって経営健全化計画を出していただいているわけでありますが、それがうまくいかなくて、今回、新たにまた公的資金を入れるということになったわけですから、その経営健全化計画を見ていた国の責任についてはどういうふうに思われるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 結果的に、その経営健全化がなされなかったわけであります。これは、そもそもの経営健全化計画が本当に現実性のあったものなのかどうかも含めて、我々としても見直すべきところは見直していかなければいけないと思っております。 しかし、何よりも重要なのはやはり、一つ現時点で申し上げられることは、やはり企業のそのガバナンスの仕組みがやはり十分ではなかった点があるのではないだろうかと。そういった点を踏まえて、今も御答弁させていただきましたけれども、今回は委員会等設置会社等々、外部、社外の取締役を中心にしっかりとした強化のシステムを作ると。その中で、そのガバナンスが利くような形で経営健全化計画を作り、それを実行させていきたいというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 株主の、今までの議論でですね、株主の責任とそれから行政の責任というものが今回の件については全く取られていないと、そして、それについて認めようともしていないということを指摘させていただきまして、私の質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。 竹中大臣、伊藤副大臣におかれては、今回の経緯はともかく、先々週以来、大変お疲れのところを本当に敬意を表したいと思います。しかし、お疲れも見えないそのタフさは私も見習いたいと思いますけれども。 総理に最初にお伺いしたいと思いますが、昨日、菅代表と総理が外交・安保の問題を議論しておられるときに、外交・安保政策については考え方はいろいろあると、与党と野党で考え方が違って当然ではないかと、こういうことを言っておられました。私も全くそれはそのとおりだと思いますが、金融問題や経済問題についてもそういうことでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 外交・安保のみならず、金融経済におきましてもそれぞれの政党によって考え方が違うでしょう、あるいは個人によっても違うと思います。それは、議員ですから選挙区事情もあるし、個人の今までの勉強具合にもある、見識にもよる。様々な人たちが集まっているんですから、違いがあって私は当然だと思っております。
○大塚耕平君 選挙区事情とおっしゃいましたが、経済政策は余り選挙区事情でゆがめては私はならないと思います。 今、浅尾議員は、健康体になった長銀、日債銀に投入、投入したといいますか計上されていた繰延税金資産は、これは認められないのに、しかし、まだ健康体になっていないりそなに計上されている繰延税金資産は、これは計上されるという、その論理矛盾のお話をいたしました。 私が今、総理に考え方は様々だということは私も同感だと申し上げたのは、それはもうそのとおりだと思います。しかし、考え方は様々であっても、事実は一個しかないんです。経済政策や金融政策は、論理矛盾と事実誤認があるとこれはうまくいかないと思いますが、その点について総理はいかがお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事実の認定というのも非常に難しいので、経済政策、金融政策、私は浅学非才ですから、いろんな専門家の意見を聴くんですよ。専門家と言える議員がどうして右左全く違うことが言えるのかと、なるほどなと。結局、自分で判断するしかないのかな、あるいは信頼する人に任せる方がいいのかなと。もう専門家ほどいろんな意見を持っているのはないというのは改めてよく分かっています。もちろん、しかしそういう前提で事実というものは直視しなきゃいかぬと思っております。
○大塚耕平君 事実は小説より奇なりと申しますので、総理の言うことも分からないではないですが。 じゃ、竹中大臣と事実関係について幾つか議論させていただきたいんですが。 今回、衆議院でもいろいろ議論になっておりますし、この予算の集中審議以外の場でもりそなの件は議論になっておりますが、そもそもりそなは、残念ながら三月末において債務超過ではなかったのかということが一つの論点になっているわけでありますが、その点について、竹中大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども御答弁をさせていただきましたが、債務超過であったというふうな認識はございません。これは自己資本比率がホールディングスで三・八%、それでりそな銀行で二%強であります。これはプラスの自己資本比率でありますので、債務超過ではない。 恐らく、お尋ねは、その背後に何か見落としているようなものを、隠れているようなものがあるのではないかということでございますが、これも先ほど申し上げましたように、今の検査のシステム、決算のシステムというのはこの二年ぐらいの間に非常に強化、しっかりとしてきたものだと思っております。検査に関しては、通年・専担検査のシステムを持っています。 資産の、貸付資産の区分に関しては、連続して特別検査を行って、その特別検査の結果が直接決算に反映されるというようなシステム、正にリアルタイムで反映されるというようなシステムにしております。それを結果として更に、失礼、もう一つはディスカウント・キャッシュ・フロー等新たな厳しい資産査定の手法も今回取り入れて、それが今回の決算に更に反映されている。それと、公認会計士が独立した立場でそれを監査して、その監査の結果を出している。そういうことを勘案しまして、私はこの資産に関しては、資産の評価に関してはしっかりしたものがなされているというふうに思っております。
○大塚耕平君 竹中大臣とはいつも第三委員会室で大変距離がある質疑をやらせていただいております。今日は大変近いので、うれしく思っておりますけれども。 今、現在は、今大臣がおっしゃったような形で債務超過ではないというのが公式の認識になっているわけでありますが、しかし、日本の四大監査法人の二社が大変異なる判断をしたのではないかと言われているところが今問題になっているわけであります。 そこで、巷間言われておりますのは、朝日監査法人さんは四月末に監査契約を降りたということでありますが、債務超過であるために繰延税金資産を計上することはなかなか無理があるということで降りたと。しかも、その見解について、りそなと金融庁の御同意を得られないということで、しからば監査はできませんということで監査契約を降りたというふうに伺っておりますが、まずそこの事実関係について教えてください。御存じの範囲で教えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどの浅尾委員の質問とも絡みますが、繰延税金資産をどのように評価するかというのは、これはまず独立したプロフェッショナルとしての会計士、監査法人がしっかりと見るという立場に立っております。それに基づく実務指針、これは平成十一年にできた実務指針そのものは、確かに解釈に幅がある形になっております。であるからこそ、プロフェッショナルとしての判断が極めて重要だと。さっき旧長銀等との話もありましたが、それについても、基本的には過去にどのぐらい税金を払っているのか、その資産回収の可能性がどのぐらいあるのかと、そういうことを踏まえてやはり判断した結果が、そういうそれぞれの数字になって表れていると。その立場はやはり我々は貫くべきだというふうに思っております。 お尋ねの朝日監査法人のことでございますけれども、これは、私が承知しておりますのは、旧あさひ銀行が二月に決算の閉じる、閉鎖の決算をするまではこの朝日監査法人はこれにかかわっておりました。しかし、それ以降は、りそなとそうした契約を結んではいないというふうに聞いております。これはもちろん、どこの監査法人とどういう契約を結ぶかと、これは私的な契約でございますから、そういうものに我々は立ち入る立場にもございません。 さらに、今、大塚委員が、金融庁のオーケーが得られないから降りたというような御表現、表現があったかと思いますが、これは、金融庁はそういった監査法人の監査に対して物を言う立場には全くございません。そういうことがないように私自身が何度も指示をしております。 そのような意味でいきますと、やはり最終的に契約を結んで、りそなと契約を結んで監査を行った新日本監査法人、金融監督上はそこがしっかりとした判断を行ってそれを出してきた、それに基づいて金融監督の行政を行うべきものであるというふうに思っております。
○大塚耕平君 昨日も、たしか菅代表との質疑だったような気がしますが、あるいは海江田先生でしたでしょうか、朝日監査法人さんは監査契約を結んでいない、あるいは大臣の御表現で正式な監査人ではないというようなお言葉があったような気がしますが、私の知り得る限りでは、去年の九月の大和銀行とあさひ銀行の株主総会で、合併後も両社がそれぞれ、埼玉りそな、りそな、それ以外の銀行と幾つかの形で監査契約を結ぶということで総会の決議を経ているというふうに聞いておりますので、少なくとも合併後も朝日監査法人さんは一応その正式な監査人、降りるまではですね、であったんではないかと思いますが、そこは非常に重要なポイントですから調べて御報告をいただきたいんですが、委員長、その点、資料請求をしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○委員長(陣内孝雄君) 後ほど、ただいまの件については理事会で協議いたします。
○大塚耕平君 次に、今おっしゃっておられた実務指針、おっしゃるとおりです。公認会計士協会がお作りになっておられる実務指針にのっとってやっているんですね。 もうやり取りしていると長くなりますので申し上げますけれども、実務指針の六十六号五項、どう書いてあるかといいますと、前段があって、一番問題になっているところは、また書きというところであります。「債務超過の状況にある会社や資本の欠損の状況が長期にわたっている会社で、かつ、短期間に当該状況の解消が見込まれない場合には、これと同様に取り扱うものとする。」と。ここだけ聞いていただくと分かりにくいですが、要は繰延税金資産を計上していいかどうかということなんですね。この部分に該当する判断が朝日監査法人さんと新日本監査法人さんで分かれたということであります。 さて、監査法人、特に大きな監査法人さんが、これが五十、六十あれば、まあ五十、六十あると大きいとは言いませんけれども、十社ぐらいあったら解釈に幅が出るのも分からないではないですが、日本の監査マーケットの九割以上を占める四大監査法人の、しかもナンバーワンとナンバーツーと言われているところが一つのルールの解釈についてこれほど大きく違うということを監督官庁としてお許しになるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融担当大臣を兼務したそのときから、繰延税金資産というのは、これは言うまでもなく財務会計と税務会計を調整する重要な調整項目である、したがって資産勘定と、これはもう間違いございません。しかし、この資産性、回収可能性についてはマーケットから一部に厳しい見方もある、つまり評価が分かれる可能性があると、それに関しては、やはり金融システム全体の信頼性にかかわる問題であるから、この問題はやはりきちっと議論しなければいけないのではないかと、これはもう私自身が当初から問題提起をさせていただいた問題でございます。 しかし、さはさりながら、これ過去の税制の問題、それと財務会計の問題、いろいろ絡まってまいりますから一朝一夕にはなかなか答えが出る問題でもない。したがって、金融審にそのための、自己資本の比率を検討するためのワーキンググループを作らせて、そこに法律、経済、会計、その専門家を広く集めてずっと議論をしているところでございます。 今回の事例も含めて、確かにこれは、ルールとしてはこれは会計士が判断すべきです。最後はやはり会計士が判断していただかなきゃいけない問題だと思います。 しかし、この幅が、確かに御指摘のように、予測、予見可能性がないほど幅が大きいということであるならば、これはやはり問題であろうと。そのような問題意識を持ってこのワーキンググループで専門家に今議論をしていただいておりますので、この議論を是非急いでもらいたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 今日の委員会の質疑、監査法人の方もたくさん聞いていらっしゃると思いますが、監査法人の方々、怒りますよ。最後は監査法人の仕事だと言うんだったら、金融庁の仕事、監査法人に任せたらどうですか。もうこの部分は監査法人に全部お任せして、金融庁は監督官庁としての役割をやめられたらいかがですか。 それに関連して総理に一つお伺いしますけれども、今日の午後、私、また財政金融委員会で質疑に立ちますが、塩川大臣にまたお目に掛かりますけれども、公認会計士法改正案という、たまたま今回の問題に非常に関係のある法律の採決がございますけれども、今回の公認会計士法改正案は何をねらっているのか。もし総理がちゃんと御理解されているなら総理にお答えいただきたいですし、どなたかにお任せになってもいいですけれども、大変重要な問題なんです。日本の経済の今後を決めるか決めないかという重要な法律。有事法制とか個人情報保護法ばかりが注目されておりますけれども、この公認会計士法改正案、本当に重要な法律なんです。与党の皆さんもそう思っていらっしゃると思います。 さあ、総理がお答えになりますか、竹中さんがお答えになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この法案の審議につきましては午後も大塚委員から御質問をいただくというふうにお伺いをしておりますが、これは正に、公認会計士というのはインフラでございます。大塚委員は、それ全部、それだったら監督を公認会計士に任せたらどうだという言い方をされましたが、ここは是非とも御理解をいただきたいですが、決算の数値を作るのは、これはあくまでも企業です。これは我々のルールでは国が決算の数値を作るのではありません。資本主義において、企業が決算の数値を作る。そのときに監査を行うのが、独立して監査を行うのが公認会計士。この決算の数値を作る段階で当局が介入するということは、これは私はあり得ないと思います。 その中で、それを受けて、じゃ金融監督をどうするかというのは我々です。しかし、その過程でもちろん検査というのは行わなければいけません。しかし、この検査は、いわゆる護送船団のように事前に行われるのではなくて、決算が行われた後で独立して、数字が出た後で、事後で行う。事前から事後へというのは、これは恐らく大塚委員もこれが重要だということは御認識いただけるんだと思います。 我々は今そういうルールでやりつつあるわけです。その公認会計士の使命というのは、その意味では私は大変重要な、資本主義社会においては社会のインフラ機能を果たしている、果たさなければいけないと思っております。 そうした観点から、今回の法改正で議論をお願いしたいと思っておりますのは、やはり公認会計士の、今おっしゃったような正に使命であるとか職責を明確にするという、これはパブリックアカウンタントですから、パブリックなんだという観点からしっかりと、しかし企業のシステムに貢献していっていただきたいということでございます。 さらには、何度も申し上げておりますけれども、これはやっぱり独立してやらなければいけません。したがって、その独立性を確保するための幾つかの制度、これは詳細はもう申し上げませんけれども、今回の法改正でお願いをしております。 もう一つは、いわゆる一種のクオリティーコントロールと言うと少し言い過ぎかもしれませんけれども、品質管理レビューを公認会計士協会が行っておりますが、それを更に我々でモニタリングをする制度を作ってきっちりと、御承知のようにエンロンとかいろんな問題がアメリカ等でも生じました。そういった意味で、この公認会計士がきちっとした使命を果たしているかということを監督監視できるような体制を作っていこうというのも今回の中に含まれております。 それともう一つ重要なのは、公認会計士、とにかく今、数の上でまだ圧倒的に不足をしているというふうに思っております。公認会計士というのは、結局、企業の中にいて、常時、決算を作る側にもやっぱりいてほしいと思う。そういった意味で、多様な人材を登用するための試験制度の改革というのもその中に含まれております。
○大塚耕平君 詳しくは午後議論させていただきますが、総理、今度の改正案に、民間人である公認会計士さんの再就職に内閣総理大臣の承認が要ることになっているのは御存じですか。いや、御存じか御存じじゃないかと聞いているんです。(発言する者あり) 民間人の再就職に内閣総理大臣の承認が要るというほかの法律があったら、政府委員でもどなたでもいいですけれどもお答えいただきたいんですが。──ないですね、お答え。 これ、職業選択の自由、憲法二十二条に違反するんではないかと。今、竹中さんが、公認会計士あるいは監査法人の皆さんは独立してやっていただかなきゃいけないというお話がありました。しかし、再就職に関して、これはもちろん監査をしている被監査企業への再就職という話でありますが、ここに内閣総理大臣の承認が要るというと、やっぱり気の強い人でもついつい金融庁の言うことを聞こうかなと、こうなっちゃうかもしれないわけですよね。かもしれない。可能性を申し上げているわけであります。 したがって、やっぱり総理には、外交・安保も重要ですけれども、日本の言い分をアメリカがよく聞いてくれるようになるためには、日本経済が盤石であってこそなんですよ。それを考えたら、実は経済にとって本当に重要な公認会計士法改正案であるとか、そういうことにも是非関心を持っていただきたいということをお願いをしておきますけれども。 さて、竹中大臣、先ほどの朝日監査法人の話にちょっと戻らせていただきますけれども、再三、大臣は、現時点で利用可能な資料を使って、債務超過ではない、あるいは野党がいろいろ御質問させていただいている状況ではないということを確認していると、今回の決算について。昨日も衆議院で言っておられました。さっきもおっしゃられました。 とすると、やはり監督官庁として、少なくとも朝日監査法人さんは四月に監査契約の受嘱を降りるという重大な出来事が現にあるわけですから、そのときに当然、何もりそなに報告しないまま明日から辞めますと言っているわけはないわけでありまして、何らかの報告書が出ているはずです、あるいは、やり取りがあるはずです。 私は、監督官庁としてそれも利用可能な資料であって、冒頭申し上げましたように、論理矛盾と事実誤認があってはいけないと思うんですが、その事実誤認かどうか、つまり、りそなグループの財務状況について事実誤認が発生していないかどうかを確認するための重要な資料であると思うんですが、大臣は朝日監査法人から何かお話を聞かれたり、あるいは資料を徴求したことがございますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 公認会計士は、独立した立場で、これは民間の利害からも政府の圧力からも独立した立場でしっかりとプロフェッショナルとしての役割を果たしてもらうと、そういうことだと思っております。したがいまして、我々がその過程で、決算の過程で監査法人から話を聞くということは、これは全く想定をしておりません。 それともう一つ、大塚委員が言われた中で、その監査契約を降りたかどうかということ等がございますけれども、これはどこかの会社が、銀行が顧問契約をしている弁護士が替わったかどうかと、実はそれと基本的には同じ趣旨の話でありまして、これは正に自由な契約の話でありますから、そういったこと一つ一つに、正にはしの上げ下ろしに政府が介入するということは考えておりません。
○大塚耕平君 もう私は、昔、竹中大臣の本、一杯買って読んだんですけれども、ファンだったものですからね。そんなことを言われると大変残念なんですけれども。 今、おっしゃったのは一般論ですよ。もう三度目の公的資金注入。しかも、今回は二兆三千億、公的資金を入れる。この銀行の監査法人の片方が債務超過ではないかという懸念を持って降りたというときに、彼らが、四大監査法人の一角ですからね、専門家ですよ、おっしゃるように。何度もおっしゃっておられるプロフェッショナル。そのプロフェッショナルが出したデータとか意見とかを確認しないで公的資金を注入するのは私はいかがなものかと思いますので、委員長にお願いをいたします。 朝日監査法人がりそなグループに対して資料を提出していたか否か、そして提出していたとすれば、その資料を我々委員会の委員に提示をしていただきたい、資料請求をしていただきたいということをお願い申し上げます。
○委員長(陣内孝雄君) ただいまの大塚耕平君の要求の資料につきましては、その取扱いを後刻理事会で協議することといたします。
○大塚耕平君 それから、本当に巷間いろんなうわさが出回っていて、私ももちろん先ほどの浅尾さんと同じように公的資金注入には結果としては反対ではないですが、やはり事実を確認した上で、論理矛盾のない形で、国民に説明の付く形で経済政策を行うことが重要だと思っているわけであります。 今私の手元に、先週、朝日監査法人さんの中で行われた、とある会合の席で非常に責任ある立場の方が御発言なされた記録がございます。一部だけ読みます、私が大変問題だなと思っている。これ書き起こしらしいですから。 大和銀行、大和ホールディングスと新日本監査法人とが握っており、朝日監査法人側にはなかなか決算の数字が出てこなかった。握っておりというのは、これはそういう言葉をその方が使われたそうであります。それから、朝日監査法人は、一貫して上記規定、上記規定というのは先ほど申し上げた六十六号五項であります、に基づく繰延税金資産ゼロを主張したが、銀行側が金融庁に駆け込み、新日本監査法人が繰延税金資産の計上をオーケーしたとの情報を得たので、四月三十日付けで、監査契約をいまだ受嘱していないので、契約を受けていない形で朝日監査法人は監査から降りたと、こう説明されたんですね。 私は、本当に早く、一刻も早く日本経済が良くなって、総理がブッシュさんの前で言いたいことを言えるような、そういう日本になってほしいと思いますので、この問題はやっぱりきちっと解明しなきゃいけないと思います。 そこで、大臣、ちょっと私に約束してください。私に十分か二十分、二人だけでお会いいただけますか、この資料をお見せしますので。金融庁の職員にお見せすると、また森顧問とか高木長官のところに行っちゃうので困るんですよ。この間、外務省で総理が発言した重要な文言がねじ曲げられたり、まあ、起きてしまったことだから官僚の皆さんをかばわなきゃならないというのは分かります。しかし、そういうことを許しているから外交も経済も良くならない。この資料については竹中大臣だけにお見せをして、竹中大臣がこれはゆゆしき事態だなとお思いになれば是非調査をしていただきたい。私に時間をいただけますか。十分でいいですよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 喜んでお目に掛かります。
○大塚耕平君 ありがとうございます。昔買った大臣の本を持っていきますから、サインもお願いしたいと思います。 さて、もう時間もなくなってまいりましたので、今、臨時国会、今度の臨時国会で、今回のことを受けて公的資金の予防注入に関する新法を金融庁がお考えになり始めているという報道がありますが、それは事実ですね。もう出ていらっしゃると、時間が掛かるので。それは事実ですね。──そうですか、じゃ答弁してください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融審のワーキンググループで新たな公的資金の枠組みが必要かどうかということを含めて検討していると。それを、新法を検討しているわけではなくて、そういう枠組みが必要かどうかということを検討しておりまして、それは六月末までに結論を出すということになっております。
○大塚耕平君 そういう法律が検討の俎上に上ってきているということは、実は九八、九年以降の金融危機、今は危機だとお認めにならないみたいですが、この金融の混乱の中で、現行の法制というのに若干のまだまだ補強すべき点があったからだと思うんですね。二〇〇二年からですか、今の預金保険法改正案、ごめんなさい、百二条ができたのは。これは従来の長銀、日債銀のときの騒動でできた破綻処理と公的資金、資本注入のこの枠組みを実は預金保険法百二条に吸収したものですけれども、しかしそのときには、つまり金融危機のときしか注入できないという、言ってみれば虚構というかそういう現状認識、ここに事実誤認があるかどうかもまた問題なんですけれども、その上で作っちゃったものですから、今回、実は百二条一項二号、三号を適用しようとするとペイオフをやらなきゃいけない、しかし、ペイオフはこれは国民の皆さんも経験したことがないからちょっといかがなものかというんで、それは一項一号でやろうというふうに御判断される。 つまり、本来、預金保険法百二条を作ったときの考え方をちょっと拡大解釈して、拡大解釈してやっておられるんではないかと思うんですが、私は、しかし、法治国家でありますから、何か適当な法案がなく、法律がなく、しかし何かやらなきゃいけないというときは、それは解釈に幅が出るのはやむを得ないことだと思っております。しかし、実は預金保険法百二条を適用する前に金融庁はやれることがあったはずです。 大臣、銀行法二十六条、何て書いてありますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 二十四条で報告を徴求して、必要な場合、二十六条で業務改善の命令を打つと、そのような御趣旨だと思います。
○大塚耕平君 いや、さすがちゃんと法律を理解しておられるのは、本当に私はそういう点は尊敬しております。 昨日は、二十四条のことをおっしゃいました、必要な報告は徴求できるからと。報告を徴求したら、二十六条で実は必要な措置ができるんですよ、資本注入も含めて。書いてあるでしょう。金融庁は、百二条一項一号という本当に日本の経済政策にとって重要な法律の解釈を安易に拡大解釈する前に、銀行法二十六条に基づいた行政責任を果たすべきではなかったかと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融担当に就任しまして、総理からは一か月ぐらいで再生のプランを作れと、そのときに例のプロジェクトチームに集まっていただきました。その下で、私が一番最初に議論をしていただきたいというふうに申し上げたのは、そもそも金融庁にはどういう権限があるのかと、我々ができること、してはいけないこと、その権限を明確にしよう、そういうところから議論を始めまして、その下で業務改善命令等打てるところは果敢に打とうというふうな姿勢を行ってきたつもりでございます。 ちょっとやや形式的で申し訳ありませんが、今回のそのりそなの問題に関しても、委員はこういう細かいことを言っているのではないのかもしれませんが、十七日に、まず報告、二十四条の報告徴求を行いまして、それで早期是正の命令を行って、その上で金融危機対応会議を開いている。 我々の行政の基本は、あくまでも報告を徴求をして、それで必要に応じてその行政の措置としての業務改善の命令を打つということでございますから、これは一例としましては、メガバンクのうちの一つが大幅に、経営健全化計画で認められた中小企業貸出しを目標を下回っていると、これは決算期を前にした決算の、中間決算の途中だけれども我々は今回はそういった行動を取ったと。 そういったことも含めまして、積極的に対応できるところは積極的に対応しているつもりでございます。
○大塚耕平君 あと幾つか技術的な問題、是非、大臣に聞いていただきたい問題もありますので、それは午後の財政金融委員会でまたお話をさせていただきますが、総理、昨日も自由党の達増議員が、信なくば立たずという総理の座右の銘をお話しになりました、詳しいことを申し上げませんが。三木元総理も座右の銘にしておられた。私もそのとおりだろうと思います。国民の信任、信頼、政府はうそを言っていない、やることはやってくれているという、この信なくば立たず、まさしくそのとおりであります。 しかし、事実を確認することを怠ったり、事実を隠ぺいしていては国民の信は得られない。このりそなの問題に関して事実確認をしっかりしなければ小泉総理に信はなく、立つに及ばずと申し上げて終わらせていただきますが、この件についての総理の御所感をお伺いして、最後にさせていただきます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 信なくんば立たずというのは論語の言葉でありますが、これはどの分野におきましても、どんな時代においても最も大事なことだと思っております。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で浅尾慶一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、浜田卓二郎君の質疑を行います。浜田卓二郎君。
○浜田卓二郎君 私は、公明の会派を代表させていただいて、経済問題、金融問題で質問をさせていただきます。大変時間が限られておりますので、答弁はひとつ簡潔にお願いしたいと思います。 重なりますけれども、まず、りそなの国有化が間もなく実現しようとするわけですが、いつまで国有化をしているおつもりなのか。まさか社会主義の国ではありませんから、未来永劫国有化なぞとは考えていらっしゃらないと思いますけれども、いつまでで、そしてどういう状況でこの国有化を終わらせることができるのか、簡潔に金融担当大臣の見解を伺います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 浜田委員には以前にも御質問いただきましたが、要するに、今回の問題の出口をどこに据えるのかという大変重要な問題であろうかと思います。しかし、これはまさしく、どのぐらいの期間を掛けてりそな銀行がより強い銀行になっていけるのか、その答えそのものに重なってくると思います。経営健全化計画を出していただく、さらに新しい経営者が就任されてそれを様々に見直していく中で、我々としても全力を挙げてその答えを早期に見いだしていきたいというふうに思っております。
○浜田卓二郎君 見通しが立てられないというのは言わば当然かもしれませんけれども、見通しが立たないで国有化してしまうということ自体の重大さというのは、私は認識をしていく必要がある、これは財政金融委員会でも申し上げましたが。 そこで、それじゃ、国有化して本当に経営改革が進むのか、私は非常に懐疑的なんですね。今でも、大臣ね、金融検査が厳し過ぎるから銀行自身が萎縮してしまいまして、そして必要以上の貸し渋りや貸しはがしが出ているんですよ。つまり、護送船団行政を解体したといいながら、実は経過的な時期とはいえ、更に官のこの管理というのが強まり過ぎている、これが結局、私は銀行自身の体質強化を結果的には遅らせ、さらには日本経済のその回復も遅らせていると、そう思っています。 そこで、大臣ね、どういう形でお役人さんに管理させるんですか。その管理は最小限であるべきだと思いますけれども、国有化ということを踏まえてどういうことを考えていらっしゃるか、端的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは言葉の問題でございますから、御異論があろうかもしれませんが、我々は国有化というふうには思っておりません。ただ、現実にはかなりの多くの株式を持つということにはなります。 重要な点は、正に御指摘にありましたように、我々としてはやっぱりガバナンスの仕組みをしっかりと作る、そのガバナンスの下で民間の経営者に思い切りその経営手腕を発揮していただく、細部の経営判断には我々は一切立ち入ってはならない。よく申し上げるんですが、どこの企業に幾ら貸し付けるか、これは銀行における経営判断の典型でございますけれども、そういうところに公務員が口を挟めるわけがないし、挟んでいいわけがない。 したがって、その委員会と設置会社等々で民間人を中心として、特に外部の取締役を中心としてしっかりとしたガバナンスの仕組みを作る、その上で、しかししっかりとオートノミーを発揮していただいて、結果を我々としてはしかし厳しく求めていく、そのような形で運営をやはりなすべきであるというふうに思っております。
○浜田卓二郎君 官から民へというのは小泉総理の信条であり、政策大目標だと思います。私も大賛成であります。 官が関与して経営がよくならない、これはもう経験則でみんな分かっているわけですね。ですから、どうか、必要最小限度の関与の仕方、これはしかし、大半の株式を国家が所有しているんですから、これは関与する覚悟で所有するんでしょうから、関与はあり得ないわけではないわけですからね。ですから、どうかひとつ、官が関与した企業のガバナンスなぞというのは本来あり得ないという前提に立って、よくやっていただきたいと思います。 そこで次に、繰延税金資産という言葉が先ほど来出ているわけですが、これは水膨れの自己資本であるという批判になっているわけですが、この状況を作り出した責任の半分、あるいは半分以上は私は行政にあると思っているんですよ。もちろん、銀行経営の在り方も問題です。先ほど銀行の責任ということが言われてきましたけれども、それも当然です。しかし、官の責任も私はあると思っています。 本来、引当金に対する税務会計というのは、これは損金として処理するんですね。つまり、貸倒れを、貸倒引当金を厳しく査定する一方、それは経費として認める。つまり、無税償却が原則でしょう。それを金融庁が、金融行政が指導して、税務当局が経費として認める以上の引き当てをさせてきたから、そしてまた、銀行がそれに従って引き当てを積み上げてきたから、つまり、経費として認められない税金が掛かる有税償却ということが生まれて、その一部を計算上自己資本に入れる、そういうことになったわけですから。 つまり、今水膨れと言われ始めている繰延税金資産を作り出した責任というのは私は金融行政にあるというふうに思っていますが、その点お認めになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰延税金資産が生じた理由というのは、基本的には財務の会計と税務の会計の仕組みの違いにあると。その意味では、仕組みをできるだけ整合的に持っていくというのがやはり政府の重要な役割でございましょうから、その意味で我々が大いに努力しなけりゃいけない余地はあると思います。 ただ、これは大変難しいところで、金融庁が引き当てさせたというよりは、これは市場の実勢に合わせてやはり引き当てはしていただかなければいけない、そういうやはり経済的な要請があったということ。それともう一点、あえて申し上げれば、これはオフバランス化が早く進んでいれば、オフバランス化のときに一気に清算されますから、繰延税金資産というのは生じなかったはずでございます。その意味では、オフバランス化が結果としてはやはり遅れてきたというような要因も加味されるべきであろうかと思います。
○浜田卓二郎君 お認めになったというふうに解釈して議論を進めますけれども、この水膨れ、妙な表現ですけれども、水膨れした爆弾を実は主要行だけでも八兆円も抱えているわけでしょう。これが、景気がこのまま悪化状況続いていけば、りそなの再来というのは次から次に起こり得るわけですね、可能性として。 それともう一つは、有税償却といいますか、税務当局が認める以上の引き当てをこれからも積ませていけば、そういう水膨れになりかねない自己資本をますます増加させていく、つまり、抱えている爆弾をますます大きくさせるということにつながるわけですね。 ですから、私はやっぱりこれを、このきっかけで有税償却、繰延税金資産をこれ以上積み上げるやり方というのは改めるべきだと思うんですよ。つまり、無税償却の原則に戻せということを申し上げたいんですね。そのためには、税務当局ももう少し銀行業という特殊性を考えて、この経費に認める引き当ての範囲というのを再検討してもらう必要がある、それはあります。 それで、問題は、この八十兆を、じゃ、どう処理するかですよね。つまり、無税償却の原則に戻したら──八兆円ですか、失礼しました。八兆円を自己資本に入れていく理由が直ちになくなるわけだから、このりそな現象というのは一気に主要銀行について、あるいはまた銀行全体について噴き出してくるわけですね。ですから、金融庁は、これを無税償却にせよという税制当局に対する要求に付け加えて、十五年分の税金を返せという要求も併せて付けていますね。これは、私は気持ちは分かるけれども、無理ですよね。ほかの企業だってバブル期にたくさん払った税金を返せという気持ちは同じなんですから、それは無理です。 そこで、私はこう提案したいんですよ。この行政の責任もあって積み上がった八兆円を交付国債で置き換えてあげたらどうでしょうか、例えば十年間ですね。ですから、そうすると十年間でこの交付国債を返さなきゃいけない。別の言い方をすれば、税金資産という架空になりかねない自己資金を取りあえず交付国債に置き換えておいて、十年間銀行の自己努力で返させるんですよ。つまり、十年間でその分の自己資本充実を銀行にやらせるんですよ。 別の言い方をすれば、一回一回資本注入をして、国有化をして役人さんの管理の下に再建を図らせる方が賢明なのか、あるいは、この際、十年間という期限で交付国債をあげて、銀行の自己努力で自己資本の中身を充実させていって、そして銀行の経営体質を健全化した方が賢明なのか、私はそういう選択だと思うんですね。 正に護送船団を解体したんですから、銀行の自己責任というのをもっと表面に据えなければ、さっき申し上げた金融検査も同じですけれども、銀行が積極的に貸してくれなかったら企業は元気になりませんよ、経済も元気になりませんよ、そういう意味合いも含めて私はそういう提案をいたしますけれども、金融担当大臣の御見解を伺いたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、我々金融庁としては、財務省に対していろいろ繰戻し還付をお願いをしております。その思いは、繰延税金資産という評価がなかなか難しい、ともすれば不確かな資産をこれを返すということは、現金という非常にはっきりとした、しっかりとした資産に置き換えると、そのことをもちろんお願いしている。しかし、これは税のバランスの中で大変難しいという御返答もいただいている。議員の提案は、その意味では大変興味深い御提案だというふうに思っております。 ただ、これも実は、繰延税金資産という資産を現金に置き換えるのではなくて国債という資産に置き換えろということでございますので、基本的には還付ということを税当局にやはり御承認いただかないとこれはなかなかできないことになるのではないのかなというふうに思います。 いずれにしましても、ワーキンググループ等々で幅広く検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○浜田卓二郎君 税金の還付という論理を持ってきたらこれは税務当局が絶対イエスとは言いませんよ、十五年分返せというのは無理なんですから。だから、やっぱり金融システムの安定、これ以上資本注入という形も含めて金融に波風を立たせないためにそういう、しかも、さっき申し上げたように、こういう言わば架空になりかねない自己資本が積み上がった責任のかなりの部分は行政の指導にある、そういう状況全体を踏まえて、特別な対応として私は位置付けておやりになったらどうか、そういうことを申し上げたいと思います。これは答弁要りません。 次に、総理にお伺いをいたしますが、この八兆円という爆弾が爆発するのは、不況が続くからそういう可能性に言及せざるを得ないわけですね。ですから、不良債権処理を急げというのは分かりますよ。だけれども、不良債権はなぜ発生するかという根本を考えないと減らないんですよ。日本はもう九十兆以上の不良債権を既に処理してきた、しかしデフレであるから、不況であるから不良債権は再生されているわけです。これはもうイタチごっこなんですね。 一番不良債権処理を速やかにやる方法は企業の収益性を回復させることです。つまり、健全債権に戻させる努力ですね。 ですから、私は景気対策というのをいつも言っているんですが、総理は、デフレ阻止策ということまではおっしゃいますけれども、景気対策とはなかなかおっしゃいませんよね。それは、景気は良くならないとお考えだからなんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、景気対策も併せてやっていると私は認識しております。改革なくして景気回復もない、成長もない、よく言いますよね、財政出動しろ、財政出動しろと。ということは、今、四十二兆円の税収しかないのに三十六兆円の国債を発行している。税収以上に国債発行すれば景気回復するんですか。私は疑問に思っていますよ、財政出動論者。これ以上国債発行して、また公共事業をやって景気回復するんだったら私だってすぐやりますよ。 そういうことから、奇策はないと。行財政改革を進めて、官から民へ、中央から地方へ、それから不良債権処理を含む金融改革、規制改革、構造改革、特区も含めた、更に税制改革。こういう状況でも減税先行させているわけでしょう、二兆円の減税。これだけ財政状況悪いのに二兆円減税して、まあ酒、たばこ怒られているけれども、これは二千億円ですよ、差引き一兆八千億円の減税を今年はしている。来年も一兆五千億円程度の減税先行じゃないですか。現在の景気情勢を考えているんです。単年度じゃないんですよ、多年度で考えているんです。 そして、歳出も、公共事業やれやれと言っていますけれども、これ公共事業だって見直さなきゃいかぬ、増やせばいいというものじゃない、重点的に配分しようと。ともかく、全体の規模というものをこれ膨らませていくと、これから幾ら景気が良くなったってこの借金返せませんよと。今、三十六兆円国債発行していますけれども、十九兆円は今までの借金の利払いですよ。今まで借金していなかったら、十九兆円が丸々新規の政策需要に使われたら、とっくに私は景気回復していると思いますよ。だから、国債発行すれば景気回復するものじゃないと。 今の財政出動論者の、今の内閣が緊縮路線なんてとんでもない。四〇%以上国債依存している予算を見て、緊縮路線、緊縮路線と言っている専門家、評論家、あきれているんです、私は。
○浜田卓二郎君 総理、私は景気は良くできると思うんですよ。国民所得の六割ですか、消費ですね。消費が出てくれば景気良くなるんですよ。 景気対策というのは、総理のおっしゃるように、垂れ流し政策だけじゃないんですよ。一番肝心な経済対策というのは心理的な政策ですね。つまり、国民の頭がなぜ消費に回らないのか、向かないのか。その頭を切り替えてやるというのが、私は景気対策の一番の本質だと思いますよ。つまり、呼び水政策とか刺激策というのはそういうことです。 総理の魅力は、端的に物をおっしゃる、説得力があるんですよ。だから、総理は、景気も良くしましょうと、そのために、確かに財政は苦しいけれども、政府のあらゆる手を出動させましょうと。公共事業だって垂れ流しをやれと言っているわけじゃありません。公共事業でも必要な公共事業は日本にたくさんあるんですから。公共事業だけの話ではありません。福祉支出でもそうです。 やっぱり、財政も含めて乗り出すぞという総理の決意、その説得力で国民の頭を消費に切り替える、私はこれ可能だと思いますけれども、もう一度見解を伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 消費もプラスになってきております。幾ら財政出動よりも、消費動向の方が景気に与える影響大きいんです。だから私は、消費税上げろ上げろという声に対して、消費税上げませんと言っているんです。景気対策論者の中には消費税上げろと言う人がいます。そして消費を刺激しろと。矛盾しているんじゃないですか。 まずは財政歳出分野を見直していった。重点分野に、成長分野に振り向けていく。これは不良債権処理、これが大事なんですよ。不良債権処理しなかったら、成長分野に投資、融資は行きません。だから、しばらく二、三年は低成長を我慢すべきだと。今年、十四年度、ゼロ成長を見込んだんでしょう。実体の経済は一・六%で成長していますよ。 今回、公共投資しなくたって、東京だけだという批判があるけれども、六本木、汐留、品川、大手町、丸の内、全然政府の金使っていない、もう何十兆円民間が投資している。石垣から稚内までそれぞれ、地域の都市再生事業に努力している地方団体もたくさんある。構造特区というのは、財政支援をしない、税制優遇をしないで、もう百件以上出てきたでしょう、要求、それを認めている。こういう動きが出てくることによって、私は、景気も回復してくるんじゃないか、国民の意欲も出てくるんじゃないかと。余り政府に金くれと陳情するな、自分たちで少しは考えてくれと、そういうことを言っているんです。
○浜田卓二郎君 景気を良くするという、そういう総理の決意を表明するということの大事さを私は申し上げているわけでありますが、是非、そううすれば良くなるぞという確信の下に、もっと単線的じゃなくて複線的に政策を考えていただきたい。 行政改革なくして景気回復なし、これは私正しいと思いますよ。しかし、時間が掛かります、中長期であります。同時に、景気回復なくして行政改革なしと、当面の対応というのも大事ですから、みんなが意気阻喪しないように元気で改革をやれる、そういう複線的な政策発動をお願いをしたいと思うんですね。 もう一つ、最後に申し上げます。 総理も消費税に言及されました。消費税をいじらない税制改革というのは、私は今、日本にあり得ないと思います。税制構造改革がなければ、景気回復だけではあの赤字は埋まりませんよ。三年後には既に借金の方が年間の税収より増えるんですから、こんなめちゃくちゃな財政をやっている国家はありません。だから私は、税制改革にも手を付けるべきだと思うんですよ、直ちに。 それと、やっぱり国民は、こんなに国債が評価が下がっちゃって、もし金利が上がったらどうなりますか。国債が暴落したら、株が下がる以上にパニックですよ。国債が売れなくなったらどうするんですか、国家活動は停止ですよ。そういう状況を踏まえて、やっぱり将来日本は大丈夫か、福祉は大丈夫か、消費は抑えようじゃないかという感じがあるんですよ。ですから私は、構造改革を進める中に、是非、消費税も含めた税制構造改革も一緒に入れて一緒に議論してもらいたい。 結論は、私の総理へのお願いは、総理の改革路線は私は支持です。それをうまくやるためにも、単線的な政策発動ではなくて、複線的、総合的な政策発動をお考えいただければ、それは政策転換じゃないです、責任追及の理由にはなりません。複合的な政策展開というのを私は主張して、見解を伺って質問を終わります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も複線的なんですよ。しかし、だから三十兆円枠にこだわらない。経済の状況を見て大胆かつ柔軟にやると言って、今年度は、十六兆円発行している、三十六兆円、増やしたでしょう。景気にも配慮しているんですよ。しかも、消費税を今上げるという前提やったら、歳出構造できません。役所も政治家も金配りたいから、税は上げたいです、歳出カット、みんな反対、総論賛成、各論反対。この仕事は必要ないと言うと、みんな反対しますよ。地方から陳情受けると、代議士はやっぱり地方の地元弱いから反対する。だから、行政改革は総論反対で、総論賛成で各論反対でできない。それをやろうとしているわけでしょう。ようやくそういう空気になってきて、この手綱を緩めちゃいかぬ、消費税上げないでも、歳出分野を厳しく見直してほかの税制を見直すことによって、いわゆる財政体質を強化して、消費税上がるかどうかというのは、私が辞めた後の総理大臣が考えればいいことです。
○浜田卓二郎君 総論賛成、各論反対で、是非やっていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で浜田卓二郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 まず、総理に今の日本の金融の状況全体についてお伺いをしたいというふうに思います。 国民の皆さんの暮らしがこれほど大変なときに二兆円を超える公的資金がりそなに注入される。あるいは、大手行が決算が出ましたけれども、過去最高の業務純益を出しているにもかかわらず、結局、最終的には軒並み赤字になってしまう。また、日銀は一生懸命銀行に資金をじゃぶじゃぶと言われるほど供給しておりますけれども、銀行から先はお金が行かない。むしろ貸し渋り、貸しはがし、また金利の押し付けが現場では起きている。 私、本当に日本の金融が今どうなってしまったのかと大変危惧をしております。本当におかしな状況になっているのではないかと思いますが、総理の御認識をまず伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 金融が健全でないという認識は私も持っております。早く成長分野に融資なり投資ができるような、企業活動を支えていく金融機関として健全化してもらいたい、そういう思いでおりますし、だからこそ不良債権処理、金融改革を進めているわけでありまして、その点につきましては、共産党と我々とは意見が違うと思いますが、金融機能が健全化していないという点については、ある面においては共通した認識ではないでしょうか。
○大門実紀史君 おっしゃるとおり、小泉構造改革、特に昨年からの竹中プランを進めてきたから私はこうなっているというふうに思います。 今、お手元に資料を配りましたが、金融をめぐって全体状況がどうなっているかということをパネルにいたしました。(図表掲示) 今、本当に話題になっていますが、銀行の自己資本比率、これは今大変な話題になっていますけれども、りそなは国内銀行の基準であります四%を割って公的資金が入れられることになった。大手行は、国際業務を営む大手行は八%を超えなければいけない、至上命題になっているわけです。 この自己資本比率といいますのは、もう簡単な分数でございますけれども、資産が分母にあります。ほとんど貸出金ですね。分子が自己資本と。これは今大変厳しい状況に追い込まれているということだと思いますが、何が追い込んでいるかということです。 資料にもグラフにも書いてありますが、まず株価の下落です。小泉内閣になって百五十二兆円の株価が失われました。株価というのは実体経済の見通しを示すものですから、構造改革が二年間進んで、実体経済の見通しが立たない、もうお先真っ暗という判断が株価の下落だと私は思います。これが物すごく一番直撃をしているわけです、自己資本を。 もう一つの自己資本を直撃しているのが、昨年十月末に出されましたいわゆる金融再生プログラム、竹中プランと言われていますが、中身はいろいろありますけれども、特に不良債権処理を急いでやりなさいと、加速をしなさいと、こうなりますと、処理損が出ます。それが利益を食いつぶして自己資本が目減りをすると。 もう一つは、今回大変話題になっておりますけれども、繰延税金資産の厳正評価です。これがりそなにとどめを刺したということになります。 つまり、小泉経済政策あるいは竹中プランが自己資本を、分子の自己資本をずっと追い込んできているということは間違いないと思います。 さらに、銀行は銀行で何とか自己防衛、自己資本を増やす努力をしようとしますけれども、この三月に話題になりましたけれども、メガバンクが、各メガバンクが増資をなりふり構わずやりました。ただ、その増資の中身が問題だということで、いわゆる市場からは評価を受けずに、結局株価が下落をいたしました。 もう一つは、竹中大臣よく言われますけれども、収益性を高めなさいと。そのために金利の引上げ、リスクに見合ったという理屈を付けて金利の引上げをやりました。これがこの予算委員会で問題になりましたが、中小企業に対する金利の、高金利の押し付けということです。 もう一つは、分子が小さくなりますから、分母も小さくしないと、この比率が落ちてしまうということになりますので、分母の方の特に貸出金を減らそうと銀行はいたしました。これが貸し渋り、貸しはがしということになってきているわけですね。今も続いております。 全体を見ますと、これが、私、全体の今の金融、銀行が置かれた状況だと思いますが、私は、あれこれではなくて、正に小泉構造改革、竹中プラン、皆さんがお進めになってきたことが今の金融のいろんな困難、おかしな状況を招いていると思いますが、総理のお考えはいかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その辺が共産党と我々と全く違うところで、これを温存していたらもう経済成長はできませんよ。不良債権、なかなか処理が進まない。もうどうしても収益が上げられない企業に融資して、成長分野に融資が行かない。 私は、これは不良債権処理から今後の新しい時代にどういう成長分野に投融資をしていくかということが民間経営者にも求められている、特に金融機関においては。そういう観点からして、不良債権を温存する、処理を進めていかないと、これはもう足かせがますます重くなるばかりです。それをいかに外すかという金融改革をやっているんですから、その点は共産党と違いますけれども、逆に健全な分野に投融資が行かなくて世界から取り残されてしまう、もう成長可能性のある企業が利益を上げられなくなってくる、そして市場から退場しなきゃならない企業に手厚い融資をされて、どうして収益性上げられるんでしょうか。そういう点も考えなきゃいかぬと思っております。
○大門実紀史君 私、こういう質問を前にしたときも同じように、総理、共産党のことを言われましたが、私どもはゆっくりとか、やらなくていいとか、先送りしろと申し上げているわけじゃございません。今のこのプランでやりますと銀行も実体経済も共倒れしてしまいますよと。私ども申し上げているのは、景気の回復と不良債権処理を計画的に進めて共倒れしない、両建てでやるべきだと。そうしないと本当にもう危機的な状況になりますよということを申し上げておりますので、そういうことです。 もう一つは、総理言われましたけれども、今回の三月決算で六兆円、残高が減っているという意味もあって、進んでいるとおっしゃっているんだと思いますが、私、違うと思うんですね。これは大きな勘違いだというふうに思います。 小泉内閣発足時に比べて破綻懸念先だけで見れば六兆円確かに減っておりますけれども、大事な、要管理先も含めた再生法開示勘定、これは小泉内閣発足時の二〇〇一年三月に比べたらまだ二・二兆円増えているんです。小泉内閣になってもうはっきり言って自ら構造改革でデフレを進めて、自ら増やされて自ら減らしたと。しかし、まだ発足のときに比べたら二・二兆円増えているというのが今の現状ですので、破綻懸念先のところだけ減ったからといって、何か進んでいるということは私は大きな勘違いだと。逆に言えば、この二年間何をなさってきたのかと。不良債権処理、不良債権処理と大騒ぎされて、結局、元のスタート地点にも届いていないというふうに指摘しなきゃいけないと思います。 もう一つ、今回の銀行の決算で、私、大変懸念しておりますのは、これからの一年、何が起きるかということなんですね。 この今回の三月決算の中身見てみますと、これは破綻懸念先の方ですけれども、六兆円、残高、破綻懸念先減ったと言いますが、六兆円減らすために十二兆円ものオフバランスをやっているんですね。つまり、直接償却をやっているわけです。六兆円減らすために倍のオフバランスをやっていると。 例えば、これはみずほ銀行ですけれども、三兆円近くオフバランスしてやっと残高が一・四兆減っただけと。何を表しているかといいますと、どんどん破綻懸念先に転落がしている、このデフレで、不況でということなんです。 これをこれから一年どういうふうに考えるかということですけれども、金融庁が出しておられます五割八割ルール、つまり、不良債権、破綻懸念先は、一年目で五割なくしなさい、二年目で八割なくしなさい、三年目できれいにしなさいというこの五割八割ルールですけれども、これを計算しますと、大体、この新年度、これからの一年間で大手行は約四兆から五兆円の不良債権処理を迫られることになります。今申し上げた、例えば五兆円処理するためには十兆円規模のオフバランスをしなきゃいけないと、こういう経済状況なんですね。 大手行に聞きましたら、ヒアリングして聞きましたら、この一年は大口先を整理してきたと。割と、法的整理も含めて、私的整理も含めて進んだけれども、残っているのは中小企業だと、これは大変、これからが大変なんですと言っていましたけれども。つまり、この一年で中小企業が十兆円規模、しかも直接償却をされると、こういう状況にこの一年なってきたわけですね。 これはもうこの一年大変な倒産増が予想されるんではないかと思いますが、竹中大臣、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、前半で不良債権の額の推移のことを少しおっしゃいました。これはどこと比較するかという問題はあろうかと思います。 二年前と比較されてということでありますが、平成十三年度というのは世界的なITバブル崩壊の中で、日本も非常に厳しいマイナス成長の中であったと。そういうことを受けて、我々としては、よりその体制を立て直す、その間に特別検査等々で不良債権を洗い出して、洗い出した上で、今、減らそうというふうにプロセスに入ったのはこの半年でありますから、この半年に限ってみますと、不良債権は着実に減少をしております。この点は是非見ていただきたいと思います。 もう一つ、やはりオフバランス化を進めていかなければいけない。これは、オフバランスを進めていくことによって、先ほどから指摘もありました繰延税金資産についてもこれは減っていくというプロセスになるわけでありますが、オフバランス化というのはこれは様々なものがあります。証券化もあるし、特に中小企業の場合に様々な形でオフバランス化につながる措置ということで、実態的に中小企業が再生できるものはきっちりと再生させていくというような仕組みを併用しながらオフバランス化をさせていくということになります。 その意味では、これはもう不良債権の比率はやはり下げていかなければなりません。その中で、再生できるものはどんどん再生をさせていくと。そのための産業再生機構もできているわけでございますから、そうした仕組みを活用しながら、予定どおり金融再生プログラムに示された線に沿ってこの問題の終結を図っていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 この半年をどう考えるかというのは、後で申し上げますが、この先、大変なことになりますので、そう簡単にはいかないということを申し上げた上でですけれども、私は、この間、四大メガバンクの各本店の担当者、私の部屋へ来てもらって、昨日もある銀行、来ていただいて、いろいろ実態、話聞きましたが、中小企業の再生、本当にできるのかと、これから一年大変でしょうという話を聞きましたけれども、結論から言えば、竹中プランの下ではもう大変困難ですということをはっきり言っておりました。 といいますのは、この前の一年、今までの一年でどういう、中小企業もあったわけですけれども、どういう処理したかといいますと、ほとんどはRCC送りあるいはまとめ売りですね、バルクセールでその小さな債権をまとめて売ると。この二つが主な手法で、ほとんど再生ということは難しいと。人手もいないし、ちゃんと見なきゃいけないしということを言っておりました。 ですから、私は、再生再生と言われますけれども、もうほとんどやっぱり整理、清算に追い込むしか、このプランの下でですよ、銀行はほかにやりようがないというところに追い込まれています。 私、申し上げたいのは、一体こういうやり方で、こんなやり方で何が解決するのかということですよ、何が。本当に実体経済どんどん悪くなって、これからまた頑張ると言われますけれども、またもっと実体経済悪くなると。そうしたら、これ、悪循環でしょう。また株価に戻ってきますよね、実体経済が悪くなると。じゃ、また銀行の自己資本が目減りしてと、本当にこの悪循環を繰り返しておられて、しかも自分たちの小泉内閣になってからの二年間で不良債権増やして、それでこの半年は頑張りましたとおっしゃりますけれども、全体として自分たちのときに増やして、時代に増やして、それで自分たちで減らしているというイタチごっこをなさっているだけで、本当、基本的な方向が間違っているということを再三指摘してきたわけですけれども、その中で、今度はりそなに公的資金が入れるということですが、こういうやり方をやってきますと、また公的資金を、自己資本不足になって公的資金を入れる銀行がいつ生まれるか分からない状況ですね、これから九月決算あるいは来年の三月に向けて。ですから、自分たちで、竹中大臣そのものが金融不安を作り出して公的資金を入れるというような、私は本当に、さっきの堂々巡りと同じですが、自作自演のマッチポンプをやっていらっしゃるというふうに私は指摘したいと思いますし、大体この先幾ら公的資金が、こんなやり方していますと、注ぎ込まれるか分かったものではありません。それと、野党の中にも公的資金を入れたらどうかというお話が結構ありますが、私ちょっと、非常にこの公的資金は問題になっているということを御指摘したいと思います。 資料の二枚目ですけれども、今、日本の銀行の自己資本がどうなっているかということです。これは私が作ったものではございません。日本銀行が毎年八月に出しています全国銀行の決算というのでこのグラフを作っている、そのままです。ただ、直近の三月決算の部分は、これは日本銀行に独自に計算をしていただきました。それを棒グラフにしたものなんですね。(図表掲示) 見ていただければ分かるとおりではありますけれども、要するに、二〇〇〇年度、このときは繰延資産、問題になっている繰延資産もありました。ところが、民間資本、純粋な民間資本も十分ありました。公的資本は六兆円、これは優先株の部分ですが、六兆円入ってきた。 これがどうなってきたかをよく見てもらいたいんですね。二〇〇一年になって、小泉内閣になって、早期最終処理という方針が出て、急げとなりました。そうすると、結局、さっき言った不良債権の処理損で自己資本部分が二・九兆円に激減するということになってきたわけですね。さらに、竹中プランの前の昨年の九月末、この時点でも相当、もう純粋な自己資本というのは〇・八兆円、これは大手行全体の数字ですけれどもね、〇・八兆円にまで落ち込んでいる。 もちろん税金の繰延資産も比率をずっと上げていますが、見てもらいたいのは公的資金の自己資本に占める比率です。これはずっと増えてきておりまして、これは数字、グラフに入れていませんが、例えば二〇〇〇年度ですね、二〇〇〇年度のときは公的資本が全体に占める割合は二六%だったんです。それが、この三月決算でいきますともう五一%、公的資本が半分になっているという状況に今なっているわけですね。税の繰延資産だけではなくて、もう公的資本そのものが銀行の自己資本を形成していると、もう公的資金漬けになっちゃっているという状況です。 これについて私は、一昨年ですけれども、日銀の速水総裁に御質問をさしていただきました。そのときに速水総裁はこういうふうに言われたんですね。当時ですから、ちょうどこのゼロゼロ年度のこの棒グラフを見て、日本の大手行の自己資本というのは公的資金で補強され過ぎていると。これをもしもアメリカの基準に直しますと、つまり税の繰延べの部分を一年分にして公的資金がないとすると、実際の自己資本というのは七%台だということを速水総裁おっしゃいました。これでは国際的な評価がいつまでたっても受けられないんだと、半人前なんだということを速水総裁、前速水総裁が心配されておられたんです。 私、同じ計算方法で今年の三月末計算してみますと、何と二%台ですね、日本の大手行の自己資本というのは。税の繰延べを一年分にして公的資本を抜きますと、わずか二%台なんですね。もう国際的評価なんか受けられるような状況ではないわけです。私は、もうこの公的資金を入れるとか入れないとかよりも、もう公的資金漬け、もう補助金漬けの特殊法人と余り変わらないような、これはもう返すに返せない、取るに取れない、そして返せと言いましたら、八%、自己資本割ってしまいますからね。しかも、その評価も受けられない。 全体として皆さんがやってきたことというのは、銀行の自己資本を縮小さして、わざわざ縮小さして公的資金漬けにするという、銀行の体力を強くするどころか弱くしてきたんじゃないかと、結果的に私そう思いますが、竹中大臣、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどから大門委員は、不良債権を増やす不良債権を増やす、それを処理するから自己資本が減ると、一貫してそういうストーリーで基本的にはお話をしてこられたんだと思います。 我々は不良債権を、これは特に昨年、一昨年を通してでありますけれども、不良債権を徹底的に洗い出したわけです。資産査定を強化するというのは正にそういうことです。特別検査を始められた柳澤大臣の貢献というのは、私はその意味では非常に大きかったと思っております。 これは、しかしどうなんでしょうか。それを洗い出さないで隠しておいたら何かいいことはあったんでしょうか。これは正に日本の金融システムが、残念だけれども、やはりこれは大門委員がおっしゃったように非常に脆弱な状態にあるということです。脆弱にあるということを認めて、不良債権を不良債権できちっと洗い出しましょうと。これを長く持っていることによって、正に総理がおっしゃったように、良いところに資金が回らないのであるから、これをオフバランス化のルールを作って回収していくと。その過程で資本の不足が生じたような場合には、正に今回がそうでありますけれども、政府は果敢に資本の増強等々を含めて金融システムに不安が生じないように、そうしたシナリオの中で全体としての金融システムを、その再建を果たしていこうと。そのような方向で、これは政策問題を解決する方向で我々は行動してきているつもりでございます。 今回の決算で是非とも一つ見ていただきたいのは、私は、その金融再生プログラムの方向にのっとって日本の金融システムが解決の方向に向かい出したというサインは、今回の決算で私は幾つか示されていると思います。 一つは、最終的に赤字になっていると。業務純益は大きいんだけれども、不良債権の処理損が大きい、株の下落が大きい。しかし、この不良債権の処理損は、一部の銀行がその損を先取りして計上したところを除けば、おおむね業務純益の範囲に収まってまいりました。その意味では、このシステムを続けることによって、銀行が業務を続けて純益を上げながら不良債権を処理していくことが可能な方向が見えてきたということであります。 そしてもう一つ、何よりも重要なのは、結果として不良債権の比率は二年後に半分を目指して下がり始めたということであります。二年後に四%台を実現するためには、毎年半期で〇・八%ポイント程度不良債権比率を下げなければいけないんですが、この半年間で、金融再生プログラムが始動してからの半年間で〇・九%ポイント不良債権比率は下がりました。その軌道に乗り始めたという点を是非御認識いただきたいと思います。
○大門実紀史君 私、こういう状況をどう見られるか。本当にもう少し、もうそういう何といいますかね、そういう答弁ばかりされるんじゃなくって、一遍ぐらい反省されたらどうかと思うんですよね。本当に大変な状況だと思いますよ。もう化け物ですよ、日本の銀行は。はっきり言って、国際的に見て。 これから返せる、収益を出して返せると言われますけれども、公的資金を、りそなもそうですけれども、返すためには収益性を上げると。そしたらどういうことになります。金利を上げることになるわけでしょう。つまり、公的資金を受けた銀行がほかの銀行よりも金利を上げていかなきゃいけないというのは、これ、どうして国有銀行が一番金利の高い銀行にならなきゃいけないんですか。こういう自己矛盾も起きるということなんです。 ですから、本当に、アメリカの大学に行かれる話は否定されたようですけれども、私はそれは賛成です、アメリカの学生は困りますから。本当に、だけれども、大臣は早く辞めていただいて大転換をやらないと、もう日本経済、大変なことになるということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了しました。(拍手) ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 国会改革連絡会の平野でございます。 今日は総理に、デフレ対策あるいは経済対策の基本的な考え方について何点かお伺いしたいと思います。 今までの経済政策、いろんなことをやってきているというお話でございますけれども、大きく三つか四つぐらいあるのかなというふうに思います。その一つが、まず不良債権処理でありまして、これは骨太方針の一番最初に出てくる方針です。 〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕 これを見ますと、この不良債権処理なんですけれども、これ何といっても必要なのは金融機関の資産査定、この資産査定をしっかりしなくちゃならないということで、金融検査マニュアル。この金融検査マニュアルにつきましては、地域金融機関に対する適用、いろいろ問題ありますけれども、まず金融検査マニュアルを作った、そして監督当局による検査あるいは特別検査、こういったものを実施していまして、いろんなデータを見ますと、いわゆる今まで不良債権と認定すべきものを先送りされてきたんだけれども、それがきっちり洗い出しがされてきているんじゃないかなというような感じは正直言ってしますし、それから金融機関の、金融機関といわゆる監督当局との不良債権をめぐる判定の考え方をめぐる差もやはりこれは縮小してきているんじゃないかなと、これは政府のデータを見る限りそう言わざるを得ない。 しかし、問題は不良債権処理。そういった形である程度一つのレールにのっとって、破綻懸念先以下についても三年で料理する、三年でオフバランス化するというルールができて、これもレールに乗っています。乗っているんですが、どうも景気がいま一つぱっとしない。不良債権処理は必要条件だけれども、必要十分条件ではないということは、これはっきりしてきたんじゃないかと思います。 二番目の規制緩和。これは官から民へということで、例えば特殊法人改革をやりましたけれども、基本的には、これは独立行政法人ということで、これは私どもに言わせれば看板の掛け替えにすぎなかったというふうに思っておりますし、特区というお話がございました。これはひょっとしたら多分期待できるかもしれません。できるかもしれませんが、これは試行的な政策でありまして、短期的にはこれで景気がぐっと上がる、あるいはこの規制緩和の効果が期待されるというものではない、こういう性格だと思います。 それから、三番目の税制改正。これは先行減税ということでやりましたが、これは先ほど小泉総理は、この厳しい財政の中で二兆円も減税しているんだということで先行減税ということを盛んに言っておられましたが、私どもは先行減税もこれはちょっと効果ないんじゃないかというふうに思っていますし、それから減税の内容についても非常に問題が多いということで反対をいたしました。実際、今の市場のいろんな状況を見ていますと、減税に対する評価も必ずしも芳しくはないと、こういう状況だというふうに思います。 そして、四番目に、あとは歳出構造改革とあるわけですが、この辺でやめておきますが、言いたいことは、こういう政策をやりながら、じゃ、今の政策は、今の経済状況はどうなっているか。一番最たるものは、資産デフレが全然止まっていない。それから設備投資に対する、設備投資に対してもなかなか上向かない。今までデフレを、デフレスパイラルに陥るのを辛うじて支えていた個人消費もだんだんだんだん落ちてきています。 こういう状況の中で、小泉総理にお伺いしなくちゃならないのは、今の政策のままで、取りあえずやることはやったという考え方なのか、ただ今じっと待っていれば必ず景気は良くなるということなのか、それとも、もう一段の政策が必要だというふうに考えておられるのか、まず、その基本的な考え方を総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今の政策を進めていきながら、経済状況を見ながら、必要に応じて日銀とも協力しながら、このデフレを取り組んでいかなきゃいかぬと思っております。 基本的に就任以来の方針というのは間違っていると思いません。行財政改革、金融改革、税制改革、規制改革、歳出改革、これを進めていくと、この方針に全く変更はありません。 金融も緩和も進めております。財政状況を見ながら、三十兆円枠にこだわらず、今年の予算においても三十六兆円発行しております。しかしながら、一般歳出は重点的に削減すべきところは削減、増やすべきところは増やす、しかし、実質的には前年度を上回らない、厳しい歳出の見直しを進めております。規制改革も、これは特区構想等で今失敗を恐れずやってみようじゃないかと、良かったら全国に広げる、駄目だったらまた見直してみようという形で進めておりますし、この基本的な政策路線を変えるつもりはありません。 そして、民間主導、地方主導で活力のある日本を再生していかなきゃならないという道半ばの過程にありますので、私は、この政策を進めていくことによって民間主導の持続可能な成長に導いていくのが私の責任だと思っております。
○平野達男君 今の、今まで取られた政策は、必ずしも、必ずしもというか、成功していないということの一つの私は表れが、今回のりそなの公的資本注入だというふうに思っています。 税効果会計の見直しがこれ原因だと言われていますけれども、税効果会計の見直しは、これは引き金になりましたけれども、引き金であって、もうこの最大の原因は、やはり銀行が、きちっとしたコーポレートガバナンスという問題もあるかもしれませんが、これがしっかりしていたとしても、経済全体が悪いために業務純益が上げられないということが最大の背景にあると思いますし、こういう状況の中で今のその経済政策が、どういうふうに評価するか。 今の総理からいきますと、今の政策のままでいいんだと、しばらくはじっと我慢しておけというふうに取ればいいのかということなんですが、どうでしょうか、そこは。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) じっと我慢じゃないですよ。どんどん進んでいるじゃないですか。規制改革も、税制改革も、それから三位一体の地方分権もこれからやろうとしている。しかも、道路公団の民営化もいよいよこれから来年に掛けて法案が提出される。郵政民営化もこれからやりますよ。ようやく公社になって民間参入してきた。 これは、今まで野党の皆さんもこういう構造改革はしないで景気対策をしろ、景気対策をしろと言うんだったら、私は聞きたいんです。何がそれじゃ景気対策なのかと。これ以上国債発行しろと、公共事業をやるのが景気対策なのかと。言ってくれれば、それに答えますよ。
○平野達男君 私どもは、従来から言っていますように、規制緩和は不十分、それから官から民へと言っているその官から民への規制改革も不十分、行財政改革も不十分、歳出の構造改革も不十分、こういうふうに言っております。 次の質問に移らせていただきますけれども、もう一つの柱で金融政策があります。 これは今、日銀が中心にやっていますが、やっています、御承知のように。日銀は今金利調整、金利の調整から今ゼロ金利になりましたから、御承知のように、量的緩和という方向で今動いて、現に当座預金も今二十七兆から三十兆ですか、大変な量に増えています。 これも、今日の議論あるいは昨日の衆議院の議論にもありましたけれども、量的緩和を進めていますけれども、目詰まりして市場に金が流れていかないというような問題が起きていまして、さてどうしようかということになっています。 総理は、日銀が今こういう政策を取っていますけれども、もっと何か日銀に対して求めるということはありますか。これは日銀の独立性という問題もございますけれども、総理として今、日銀に求めるとすればどういうことがありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日銀の自主性を尊重しなきゃいけませんが、現在、日銀の総裁も政府の考え方を理解していただいていると思っております。政府がああやれこうやれと言う立場にはございませんが、金融の緩和の面においても異例の形で量的にも増やしておりますね。資金供給、潤沢に提供している。そういう面において、私はゼロ%以上の物価上昇率を目指すという方向に積極的に取り組んでくれていると思います。私からあれこれ、日銀にこれをやれとかこれを買えとか、そういう立場ではありません。
○平野達男君 この量的緩和のいわゆる副作用として、例えばもうコール市場が物すごい縮小してしまって、そこで今まで運用していた金融機関のお金の行き場がなくなっていると、そういった問題も出ているということもちょっと併せて指摘しておきたいと思います。 そこで、この金融緩和ということに関連しまして、総理にもう一つお尋ねをいたします。 竹中大臣は、デフレは貨幣現象であるというふうに言っておりました。この先にあるのは、デフレを克服するためには金融緩和をどんどんどんどんやっていけばいいんだということがあるかと思います。アメリカのスティグリッツさんとかあるいはマンキューさんなんかも、どちらかというと金融緩和に近い立場を取っておられるようですし、さすがにアメリカから帰ってこられた竹中さんも、その影響かどうかは知りませんが、金融緩和の立場に立っておられるんだろうと思います。 その一方で、このデフレ下においては貨幣現象なんかじゃないと、需要が不足しているんだと、需要不足が最大の原因だということが、言っている方がおられます。これはもう、日銀総裁替わられましたけれども、速水総裁はこの立場を明確に取っておりました。 この立場を、いわゆるデフレを貨幣現象ととらえて金融措置でいくのか、そうじゃない、需要創出、需要創出こそデフレの解消策なんだというスタンスに取るか、これをどっちかに取るかで経済政策、金融政策がまるっきし変わってくると思います。 総理はこれをどちらの立場に立って考えておられますか。 〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 両方あると思いますね。需要政策でもいろいろあります、公的需要、民間需要。恐らく財政出動論者は、もっと国債発行してやれと、財政需要が足りないからと言うんだと思いますけれども。 これは、デフレを克服というのは、金融、財政だけじゃありません。世界的な情勢も見なきゃいかぬと。しかも、現在の世界経済あるいは中国経済の動向を見ますと、安い商品がどんどんどんどん入ってくる。なかなか容易なことではありませんし、本来、幾らお金をまいても、あるいは資金を供給、潤沢に供給しても、企業活動が活発にならないと物価は上がらないんだと、そういう議論も分かります。 いろいろあるんですよ。一方じゃないんです。複線的に、複眼的に見ないといけないんです。
○平野達男君 私は、これをどちらの立場、先ほど申しましたのは、どちらの視点に立つかによって経済政策が変わってくると申し上げました。これは今、大臣の、総理のお話を聞いていますと、両方だと言いますと、金融緩和もこれから進めていきます、それから需要も創出していきますということになるわけです。 じゃ、しからば、この金融緩和措置をどういうふうな形で進めていくか、今度は需要創出というのをどういった形で進めていくか、ここの説明を今度は聞きたくなってまいりますが、これはどのように説明されますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民間主導の需要創出を進めていくのが筋ではないかと思っておりますからこそ、今の不良債権処理、金融改革、そして規制改革、税制改革、歳出改革をしているんです。で、特区の構想におきましても、財政支援はしない、税制優遇はしないという中で、企業がもう百以上も手を挙げて取り組み出したじゃありませんか。そして、民間の消費も出てきました。 公的、これ五百兆円あるときに、八十兆円の財政規模でしょう。本当に十兆円更に国債を発行してそんなに需要が出てくるのか、国債の金利が上がってどうなるのか、そういう点も考えなきゃいけないんですよ。ただ借金して増やして需要ができるかというと、私はそれは非常に疑問に思っているんです。 だから、そういう点を考えながら、私は今言った改革を進めていくしかない。この改革を手を緩めて一番困るのは後の人たちですよ。今、多少厳しい、確かに。じゃ、これを改革を進めない、止めないで、不良債権処理はちょっと厳し過ぎるからもっと遅くやれとか、財政が大変だからもっと増税しろとか、あるいは行政改革、これはみんな必要な仕事なんだから民営化する必要ないとか言い出したら、こんなのはもうますます日本は没落していく、衰退していく。そうならないために、今多少苦しみ、痛みに耐えてもこの構造改革路線を進めていかなきゃならないと私は思っております。
○平野達男君 そういった訓示的な話もいいと思いますけれども、私は、金融論というのはこれは技術論だと思っていますので。 竹中大臣にちょっとお伺いしますけれども、先ほど言ったデフレを金融現象と見るか、あるいは需要不足と見るか、これはもう一度竹中大臣に見解をちょっとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) この問題は、一昨年の経済財政白書の中で我々としてはもう決着済みだというふうに思っております。 要するに、需要不足の要因も確かにあります。しかし、それは過去の不況に比べてそんなに大きいわけではない。しかし、当然のことながら需要を付けるための民需主導の、総理が言われたような活性策は我々当然していかなければいけない。供給サイドの要因もあります。中国から安いものが入ってくる、これは止められません。パソコンの技術進歩を止めるべくもありません。 最後に、やはり金融的な状況というのは確かにあるでしょう、マネーサプライが実際増えておりませんから。これはこれでやはり日銀と政府、正に一体となって、具体的には、これを目詰まりというふうにおっしゃいましたけれども、これは我々やはり不良債権をしっかり処理しないと日銀から出たお金が銀行を通して企業に行かないわけですから、我々は不良債権をしっかり処理します。 加えて、日本銀行としてはマネーサプライが増えるような様々な技術的努力をしておる。正に総理言われたように、これはやっぱり総動員でやらないと解決のできない問題だと思います。
○平野達男君 私の質問は、デフレは貨幣現象かということに対しての質問だったんですが、そこに対する、ちょっと時間がありませんから、明確な答弁がなかったように思います。 それで、この経済にあるいは金融問題につきましては、今日、小泉総理がおっしゃいましたように、専門家でもいろんな議論があるというふうに、と私も思います。そして、これは一種の社会現象ですから、右から見ても、右から見るのと左から見るのと、あるいは上から見るのと下から見るので随分違ってくると思います。しかし、いろんなその見方があるんですけれども、最終的にはどこかの政策を、何かの政策を決断しなくちゃならない。それが金融緩和なのか需要創出なのか。需要創出でもいろんな政策があると思うんですが、何かの選択をする。選択をした上で、これをはっきり国民に示す必要があると思います。 それからもう一つは、今日、大塚議員からもお話があったと思いますし、私も本会議なんかで何回も説明しているんですが、一番重要なのは、内閣がそういうふうに決めた方針をきちっきちっきちっとやるということだと思います。三十兆円枠の問題、ペイオフの問題、そういった分岐点分岐点できちっと固めておかなくちゃならないものをなおざりにして、しかしなおかつ、それに対する責任、説明責任をきっちり果たさなければ、経済政策に対する国民の信任は壊れてしまいます。 今本当に大事なのは、経済がこれからどうなるんだろうか、政策が、政府が今どういう政策を取るんだろうかということに対する投資家、国民、こういったことの方々の信任だと思いますし、今この信任を取るために小泉政策というのは、小泉内閣は一番そこの努力を怠っているんじゃないかということを申し上げまして、時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(陣内孝雄君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。
○大脇雅子君 今回のりそな銀行への公的資金の注入は、国民の目から見ますと非常に唐突の感を免れません。 預金保険法の第百二条に基づく「信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるとき」という関連でいいますと、この重大な支障とは一体何か。預金の流出だとか、重大な貸し渋りだとか、連鎖倒産だとか、株の暴落等と言われていますが、ほっておけば危機、危機の未然防止だということになりますと、この預金保険法百二条のこの重大な支障とは一体何かということの説明責任が果たされていないと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) その点はしっかりと我々は引き続き説明をしなければいけないと思っております。 しかしながら、この四十四兆円の資産規模、四十兆円を上回る資産規模を持つメガバンクに続く銀行でございます。大阪、埼玉に非常に厚いネットワークを持っている、基盤を持っているところ、そういうところが自己資本比率二%のままでマーケットの中で活動を続けるということになれば、これはやはり様々な不測の事態が生じかねないと、そのことがやはり懸念される。それが正に信用秩序に重大な支障が生じかねないという我々の判断の根拠でございます。 さらに、具体的にどういうことがあり得るのか。これはもう委員御指摘のように、一番困るのは、それこそ、その預金者が預金の引き下ろしに殺到するとか、銀行が資金の調達ができなくなるとか、そういうことがこれあってはならないわけでありますので、そういう意味で、正に事前に防止するためにこの措置を発動したということでございます。
○大脇雅子君 自己資本比率が一〇%になり、ぴかぴかの銀行に再生する、これはどこかへ嫁入りをさせるための支度だろうか、あるいは地域銀行吸収の受皿整備なんだろうかと、いろいろ思惑が言われております。 再生のモデルということを考えたら、竹中大臣自ら経営のトップに立たれて大なたを振るわれたら、金融行政に対する不信感も払拭され、究極の政治的責任を取ることになると思いますが、竹中大臣と総理の御見解を伺います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私、政策の勉強は比較的長くしてきたつもりでございますが、経営者では決してございません。是非ともこれは、民間の実績のある経営者の方にここのトップに立っていただきまして、さらにはほかにも社外取締役に外部からたくさん入っていただいて、内部の人と力を合わせてこの再生を是非とも実現していきたいというふうに思います。 我々は、今度はガバナンスを強化するという立場から、今申し上げましたようなその枠組み作りですね、枠組み作りと、それと目標を定めて結果を出していただく、その責任を求めるという点で、政府としての役割、私としての役割を果たしていきたいと思っております。
○大脇雅子君 総理、何かありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、もう総理大臣職全力投球するのに精一杯でありまして、民間企業を経営するという才能は全然ありませんので、考えておりません。
○大脇雅子君 それでは、りそな銀行の経営健全化計画について、政府としてはどのようなものを期待されているでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、正に新しい経営者にしっかりと考えていただく、それを受けて我々は審査するわけでありますが、審査に当たって我々がやはり期待しておりますのが、これまで地域に根差した銀行としてその基盤を持ってきた、その利点を生かした上で、しっかりと地域、日本経済に貢献する、その上で経営そのものを強化して、利益性の高い、収益性の高い銀行に再生していただく、そのような経営健全化計画の姿を是非とも期待したいというふうに思っております。
○大脇雅子君 国民負担が最も少ない形の処理であったのかどうか、コストの検証が問われているということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(陣内孝雄君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて経済問題に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二分散会