法務委員会 第4号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2003/03/27
会議録
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に法務大臣官房長大林宏君、法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省矯正局長中井憲治君、法務省人権擁護局長吉戒修一君及び外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、名古屋刑務所等矯正施設の処遇に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 連日御苦労さまでございます。今日も名古屋刑務所問題等にかかわりまして質疑をさせていただきたいというふうに思います。昨日も予算に関連いたしまして何点かお尋ねをさせていただいておりますが、それと多少重なり合う部分もございますが、よろしくお願いをしたいと思います。 まず、昨日もお聞きをいたしましたが、行刑改革会議につきまして改めてちょっと何点か聞かせていただきたいというふうに思います。 昨日、法務大臣も、私が提起をさせていただきました考え方、おおむね御理解をいただき、共通な認識を持たせていただいているというふうに受け止めさせていただいております。 ただ、漏れ聞こえてまいりますところ、大分、行刑改革会議のメンバーも固まりつつおありなのではないかというふうに推測をされます。それぞれ、私も聞き及んでいる限り、大変立派な、そして造詣の深い皆さん方であろうかというふうに承知をいたしておりますが、ただ、必ずしも、言わば刑務所にかかわる問題、あるいは例えば刑務所等収容施設内での医療などにお詳しい方等がそろわれているかなと、こういう感じもいたします。 もう一つ気になりますのは、やはりNGO、これまで人権問題などに大変積極的に、法務省とはいささか対立関係にあるかもしれませんが、こういう皆さんが入っておられるのかな、こんなところがちょっと疑問でございます。 大臣、どうでしょう。大臣が今御選任を進めておられる中に人権にかかわるNGOの方などが入っておられるんでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) いわゆる行刑改革会議というふうに名付けようと思っておりますこの民間の有識者の会議でございますけれども、一連の名古屋事件をきっかけにいたしまして、それを教訓に再発の防止をしっかりしよう、万全を期そうということで、今までの専門家ももちろん大切でございますけれども、更に広く国民全体の立場から広く眺めていただいていろいろな御意見を自由に言っていただこうという気持ちもございますので、専門家という方ばかりではもちろんございませんで、そうでない広い見識をお持ちの方ということも加えなければならないと思いますので、どなたが最終的に決まりますかまだはっきり決めておりませんけれども、今、先生がおっしゃいましたような方だというふうに目される方がいらっしゃるとか決めたとか言うわけには、今のところまだ申し上げることはできないんでございますが、できるだけ広い視野から自由な立場で御発言をいただきたいという気持ちは、今おっしゃったような立場の方も、あるいはそのような立場を代弁なさる方、そういう立場から発言なさる方も是非入っていただきたいというふうに思っておりますので、何と申したらよろしいんでしょうか、先生の御趣旨を体しつつこれからも最終結論に行きたいというふうに考えております。
○千葉景子君 それともう一つ、やはりこのような議論を進めていくためには、それを言わば支えていく、あるいは準備を進めたりあるいは議論を整理をしたり、そういう事務方というのも大変重要な役割であろうと思います。そこが一生懸命やっぱりこの問題に即して動き回ることができませんと実を上げることができません。この事務方については大臣はどのように考えておられますでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 今のところ、事務次官が事務局長ということで進めようかと思っております。
○千葉景子君 ここもやっぱり、事務方が法務省内の皆さんだけで占められるということではなくして、先ほど大臣もおっしゃいましたが、メンバーとしては本当に幅広いいろんな、各分野からの皆さんということでございますけれども、この事務方については、正にそれこそ専門的な皆さんをこの事務方として加えて作業、そしてまた内容の濃いものに進めていくということが必要ではないかというふうに思います。 そういう意味では、そういうところにもやっぱり、刑務所とのいろんな関係をよく分かるあるいは調査能力なども持つ、例えば弁護士とかそういう者も外からも加えながら事務方を作っていくと、これも必要だと思いますが、そういうお考え方取っていただけますでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 数が限りがありますので、すべての分野のすべての専門の方をというわけにはまいりませんのですけれども、場合によって、この分野の方のこの御専門の御意見を、この方の御意見をお聞きしたいというようなときには事情を伺うためのいわゆるヒアリングの機会もできるだけたくさん作りたいと思っておりますし、何に限定してどなたに固定してというようなことを余り堅苦しく考えないでやっていきたいというふうに考えております。 しかし、あくまでも行刑改革会議のお立場というのは、広い視野から国民の立場を反映するということでありますので、それをまとめてきちっとしていかなければならないということもおっしゃるようにございますので、それはどちらかといえば事務方の責任ではなかろうかというふうに考えますので、事務次官が中心になって、矯正に限らず全省のすべての人の力をかりてやっていかなければならないと考えて、申し上げたようなおぜん立てを今のところ考えているわけでございます。
○千葉景子君 是非、今申し上げましたような点を念頭に置いていただくこと、それからこの行刑改革会議が立ち上がりましたら、そこの会議のメンバーの皆さんがやはりいかに自分たちがいい論議ができるように、それをサポートしてもらう事務方ということになりますので、そういうメンバーの意見、事務方にこういう人を入れて仕事ができるように、あるいは調査をしてもらえるようにと、こういうことなどがやっぱり出てくるかと思いますので、是非そんなことがありましたら、この際、大いにそういう意見を尊重して、より良い議論になりますように取り計らっていただきたいというふうに思いますが、その点、念頭に置いていただけますね。
○国務大臣(森山眞弓君) 先生の御指摘を十分踏まえまして、今後努力いたしていきたいと思います。
○千葉景子君 それでは、刑務所にかかわる問題で、何点かこのところ私の元にも気になるいろんな意見が寄せられております、訴えと申しましょうか。既にこの委員会でも指摘があった問題もございますけれども、改めて聞かせていただきたいと思います。 一つは、刑務所内で、職員の皆さんということになるんですけれども、空出張が横行しているのではないかと、こういう指摘がされております。どういうことかというと、受刑者を護送するような場合の出張などがありますと、本来は、本来というか、旅費としては、日程としては一泊の出張という申告にして、そしてそれを日帰りにして旅費を浮かせている、こういうケースがかなりいろんな刑務所等で行われているのではないかと、こういう訴えなどが私のところにも届けられておるんですけれども、多分いろいろな厳しい財政をやりくりしようということかもしれませんけれども、こういうものが横行しているということはやはり正常なことではありません。 この点について、もし法務省の方で承知をし、あるいは把握をし、あるいは何か手だてを講じたりしているのか、あるいは初めて知ることであるということであるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 平成十三年の十一月以降、新潟刑務所の護送出張について私どもで調査いたしましたところ、新潟刑務所では一泊二日の日程で旅費を受領しながら日帰りするという旅費の不正受給があった事実を確認しております。このような行為は誠に遺憾であると私ども受け止めております。 矯正局といたしましては、この事案を受けまして、全庁に通知を出しまして、旅費の適正な運用について注意を喚起いたしました。また、このほか、監察等の機会を通じまして、同種事案の再発防止に努めるよう矯正管区や現場施設に対して厳しく指導しているところでありまして、このような不正受給というものは改善されたのではないかと思っているところでございますけれども、なお今後とも引き続きこのような不正のないようチェックしていきたいと考えております。
○千葉景子君 今、新潟刑務所の例を引かれました。私もその新潟刑務所の問題を承知をさせていただいておりますが、これどうですか、それで改善方を命じてやっておるということですが、実態としてどうだったんですか。こういうことが言わば日常的に行われているような実情だったんでしょうか、全国的に。あるいは新潟等が特有な、特有と言うと変ですね、非常に限られた問題だったんでしょうか。その辺についてはきちっと調査等されておられますか。
○政府参考人(中井憲治君) 最初に、新潟刑務所の事案について中身を御報告いたしますと、東京矯正管区におきまして、平成十年四月から平成十三年十月までの護送出張につきまして、護送計画書や旅行命令簿等に基づき、関係職員からの聞き取り調査を行いました。 その結果でございますが、この期間内に宿泊を伴う出張において日帰りをした延べ人数は三百二十七名。それから、不正受給額は三百五十二万円ということでございまして、これら不正に受給した旅費については全額返納をさせました。職員の処分については、調査が平成十四年十二月に終えたところでございますので、処分すべきものは処分するということで、東京矯正管区において現在検討中であるという報告を聞いております。 また、他の施設についてはどうかという、そのような情報があるんではないかというお尋ねでございますけれども、私どもとしましては、当該情報の内容がどのようなものであるかつまびらかでございませんけれども、新潟刑務所における事案の発生後は、先ほど申しましたように、各矯正施設に対して旅費の適切な運用について指導を徹底しているところでございまして、現在はそのような問題はないものと、かように思っているところでございますけれども、万が一同様な事案が他の施設においてあると、こういう事実が判明いたしました場合には、新潟刑務所と同様、厳正に対処していきたいと考えております。
○千葉景子君 是非、こういうことが日常茶飯事のようにいろいろな施設で行われていなかったことを私も望みますけれども、是非きちっとした調査をしていただきまして、対処するように要請をしておきたいと思います。 それから、これも既に指摘がございましたが、刑務官等の勤務実態ですね。これもやはりかなり過酷な状況があろうかというふうに思います。だから、このようないろんな不祥事が起こっていると短絡的につなげることはできませんが、非常にやっぱり厳しい勤務実態、そういう中で本当に一生懸命受刑者の更生などに何とか寄与しようと頑張っている人も当然いるわけでして、少し刑務官等の勤務あるいは働き方もやっぱり人間らしくできることが受刑者に対してもやっぱり人間らしく対応できる本当に最低限の条件にもなろうかというふうに思うんです。 本当に、休日出勤が続くとか、それから時間外勤務、これも日常で、しかも超過勤務手当などは当然カットされてサービス残業になっている、そして休憩時間はほとんど取れない、こういう状況。そして、東京拘置所などの一例ではございますけれども、新しく新庁舎でその移転や作業などによって更に多忙を極めると、こういう話も耳にしております。 どうでしょう、この刑務官の勤務の実情ですね、こういうものは法務省の方できちっと調べて調査をして、その改善方などを取り組まれた経緯はこの間あるのでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 委員御指摘のとおりでありまして、刑務官、施設ごとに若干違いはございますけれども、勤務時間に応じた休息、休憩時間というのが確かに定められているところであります。しかしながら、私どもが承知している範囲でも、その職務の特殊性から、仮に休憩時間中であったとしても緊急事態等が生じた場合には直ちに職務に就かなきゃならないと、こういう実情がございます。 また、近年、被収容者急増いたしまして、全般的に全国的に業務量が増加しております。 御指摘のとおり、超過勤務が常態化している施設もございますし、当局において把握している限りでも、行刑施設の職員一人当たりの平均年次休暇の取得日数は年々減少しております。平成十三年度におきましては五・五日となっております。また、いわゆる週休日の取得につきましても、全施設の約九二%に当たる六十八庁におきまして四週八休は確保できておりません。このうち三庁においては四週七休さえも確保できていないという等々の状況を私ども把握しておりまして、刑務官の負担増は顕著な状況にございます。 こういう状況を踏まえまして、現在御審議いただいております平成十五年度予算案におきましては、行刑施設の職員については二百四十三人の増員をお願いしているところでございます。純増ベースを申しますと、定削数を差し引きますと百二人の増員、純増ということになるわけでございますけれども、現在の犯罪発生状況等を見ますと、被収容者は今後とも増加することが予想されます。その動向を踏まえながら、今後とも必要となる要員の確保に努めてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 是非一度、各施設の勤務実態などを調べていただきまして、御報告をいただければと思いますので、よろしくお願いをします。 やっぱり刑務官の皆さんというのは、こういう本当に施設内で休みもなく朝から夜まで、夜中まで働いておられる。しかも、普通、大体住まいも、宿舎等が刑務所施設の敷地の隣というか中にあって、そこを行き来をしている。休みはない。そういう状態で、ほとんど外部との接触あるいはリフレッシュをするようなそういう環境にない。こういう職員の側にも、その風通しの悪さといいましょうか、非常に閉鎖的なやはり社会になってしまっていると。こういうことも刑務所の様々根深い問題を生ぜしめている一つのやっぱり要因になっているのではないかなという感じがいたします。 そういう意味では、こういう面もきちっと実情を調査をいただいて、やはり人間らしく職務に携われるような、そういう環境整備というものを是非実現をしていただきたい。これはまた今後の行刑改革会議等でも論議になる部分かと思いますけれども、是非この委員会等でもまた今後も引き続き議論させていただきたいというふうに思っております。 さて、先般来要請をいたしまして、死亡帳を提出をいただきました。今日、この間いろいろ個々指摘をさせていただいている部分もありますけれども、野党間で皆さんと調整をさせていただきまして、どうもちょっと問題がありそうだ、死亡帳の記載だけを見ましてもどういう経緯で死に至っているのかがいま一つ分かりにくい、あるいは何か疑義を感ずると、こういうものをピックアップいたしまして一覧表にいたしました。これお届けをいたしますので、是非これについて、カルテそれから保護房収容の有無、革手錠使用の有無、そういうケースなどは特にそれに関連する身分帳の記載、それからこういう事件について矯正局にどのような形で報告がなされてきたのか、こういう点について、資料をきちっと提出をいただきたいというふうに思いますが、まずその点についていかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 御指示いただきました各案件につきまして、いわゆる事件性の有無あるいは犯罪性の有無、それと、個別の関係者のプライバシー等をよく勘案しながら、前向きに検討させていただきたいと考えております。
○千葉景子君 私たちも、プライバシーを侵害をしようと、あるいはそれに立ち入ろうという意味ではございません。やはり、その実情をきちっと把握をさせていただきたいということでございますので、今申し上げましたカルテ、それから身分帳、関連する身分帳、そして報告書等、これは一遍にとは、そこまでは申しませんが、是非御提出をいただきたい。 本来であれば、私どもがこうやって一枚一枚死亡帳をめくって、問題がありそうだ、あるいはなさそうだとやるまでもなく、法務省の当局の方で、やっぱりこれだけの問題になっているわけですから、これはきっときちっと報告をしないと皆さんにも疑問を持たれるのではないかと。こういうことを自ら明らかにしていく、自ら資料をできるだけ順次提出をするという姿勢が私は必要だというふうに思います。こちらからリストまで作って出さなきゃいけないというのは甚だ私は遺憾でございますが、いずれにしても、これからでも結構ですから、順次お願いをしたいというふうに思います。 今日出した中でも、本当に決して面白おかしく考えているわけでは決してないわけですね。 例えば、既にもう調べてお分かりのことであれば報告をいただきたいというふうに思っておりますけれども、先般もお聞きいたしました。通し番号が付いているんですが、それが欠けているものがございます。この通し番号が欠けているもの、その理由があろうかというふうに思うんですけれども、その通し番号がない事例というのは、内容も何か極めて疑義を感ずるような、こういう内容のものも多いのです。 これも番号がないものは指摘をさせていただいておりますけれども、例えば順次あれしますと、黒羽刑務所に二件ございます。それから前橋刑務所でも一つございます。それから、これは刑務所といっても少年刑務所にもあるんですね。水戸少年刑務所にも二件ございます。それから松江の刑務所にも一件ございます。それから鹿児島刑務所にもやっぱり番号がないものがある。あるいは札幌刑務所にも番号がない、そこだけ続き番号がないものがあるということでもございます。 そして、例えばその中で前橋刑務所などは、全くそのほかの用紙と違う様式での死亡帳になっております。検印もされていないと、こういう死亡帳でございます。内容も、そういうもの、続き番号がないようなものに限って大変不思議な死因といいますか、例えばその今の前橋の、全く様式も違う、検印もない。これは、病名は吐物による窒息ということでございます。のどを詰まらせるというようなことは決してないわけではありませんけれども、それで死に至るというのは、年齢等をお聞かせいただかなければ分かりませんけれども、そんなに、それまでの経過がどんなことだったのかと大変疑問に感じますし、そのほかでも、黒羽のケースなどは単にその死因が心臓停止と。それは亡くなって心臓停止は当たり前であるといえば当たり前なんですけれども、こういうことしか記載をされておりませんで、その経過全然分かりません。 これは、悪く推測をいたしますと、問題があるからここだけは別な様式で作って、その経過を伏せてあったのではないかと。あるいは、これが出るとまずいので、一回それを引っこ抜いて作り直したか何かしたんじゃないかと、こういうことを悪く言えば疑うことにもなりかねない、こういうことがございます。 こんな辺り、もし何かお分かりのこと、きちっと御説明していただけるようなことがございましたらお聞かせください。
○政府参考人(中井憲治君) 個々の、御指摘いただきましたその個々の事案の詳細につきましては調査させていただきたいと思いますけれども、まずその形式的な面で御疑念がございますので、その点について私どもが取り急ぎ調査した結果を御報告させていただきたいと思います。 先般、二十日でございましたか、法務委員会の際、委員から、平成十三年と平成十四年の黒羽刑務所分身分帳のうちに通し番号がないものがあるという御指摘をいただいたわけでございます。 この点について私どもが取り急ぎ調べた結果を申し上げますと、黒羽刑務所では、今回、死亡帳のコピーを矯正局に送る際に、黒羽刑務所で保管している死亡帳のコピーと同刑務所の宇都宮拘置支所で別途保管している死亡帳の写しがあったわけですが、これをそれぞれ別々に送れば足りるにもかかわらず、その両者を合体いたしまして、なおかつ時系列順に並べ直して送ってきたという事実が判明いたしております。したがいまして、宇都宮拘置支所における平成十三年及び同十四年の死亡者がそれぞれ一名でございまして、当該死亡帳に通し番号を記載していなかったことから、それが途中に、今言うように、時系列順に並べ直す作業の際に挿入されて、委員御指摘のような状態になったのではなかろうかと私どもでは把握している次第であります。 これを契機といたしまして、他の施設分についても取り急ぎ調査をさせていただきました。他の施設でも、この黒羽刑務所と同様に、一連番号を付した本所の分の死亡帳のコピーの間に番号の記載漏れのあります支所分を挿入したため番号が飛んでしまった例というのがございました。このほか、死亡帳につき、施設によってはそもそも番号を付していないところもございました。また、死亡帳の様式は途中で旧様式から新様式に変えているわけでございますけれども、この旧様式については番号を付していない施設がございました。 また、今申し上げた様式変更でございますけれども、平成六年の末までは縦書きであったものを七年から横書きに改正しているわけでございますけれども、その改正以降相当期間が経過しているにもかかわらず、漫然となお縦書き様式の古い用紙を依然使用しているものや、あるいは施設によりましてはワープロ等を利用しまして同じ様式を作りまして、これを作成しているものも散見されたところでございます。 要は、この死亡帳の整理番号に係る記載要領というのがあるわけでございますけれども、これが徹底されていなかったという点が一つと、そのほかに単純な記載漏れ、誤記があるといったものも見受けられたところでございまして、私どもといたしましては、これらの点について改めて指導して、適切な事務処理に努めさせたいと考えております。
○千葉景子君 今お聞きいたしました、全部が同じではなくして、支所から来ている、あるいは様式が統一されていなくてワープロで別建てで打って使っていたとか、ちょっとそれはそれぞれきちっと整理をして、御報告を、後日でもよろしいですので、書面にするなりして御報告いただきたいというふうに思いますが、よろしいですか。
○政府参考人(中井憲治君) 若干時間を拝借いたしまして、資料を作成したいと思います。
○千葉景子君 今、その体裁とか様式等に絡んで大変疑義のあるものを多少指摘をさせていただきました。 様式ばかりではなくて、内容としても非常に死亡帳から考えるに疑義といいますか事件性を感じさせる、あるいはそれまでの病歴の経過あるいは死に至る経過、これが非常に疑問視されると、こういうものがございます。その一覧で出させていただいたもの、すべてそれはいろんな問題がありそうなんですけれども、その中でも幾つか挙げさせていただきますと、例えば、あれですね、保護房に係る事例なども何か非常に問題を感じます。 大阪の拘置所、これは六の一というケースですが、これ保護房の事例です。それから六の二、これも単に自然死ということではないんだろうと思いますが、検視がなされていない。なぜそういうことになっているんだろうかと。それから十三の四、これは脱水性のショックという死因になっております。ただ、その経過はこれ多少書かれておりまして、多分、居房の壁をたたくとかあるいは大声を発する、こういうケースのようでございます。これは、そうすると、推測するに、保護房収容などが経過としてあったのではないかと、こういうことも推測をされる事例でもございます。 それから、これは少年刑務所などでも起こっていることでございまして、川越少年刑務所七の一、これはやっぱり保護房収容中でございます。保護房収容中、吐物吸引による窒息と。保護房の中でこういう事態に立ち至っているというのは一体どういうこれこの経過があったんだろうかと。これも非常にその措置とかその処遇の実態というのが大変気になるところでもございます。 水戸少年刑務所でも、平成八年、これも番号なしです。それから、平成十年、番号なしですが、窒息死というものがございます。少年ですから、窒息死といっても、なぜ窒息死などが起こるんだろうと、こういう疑問が生ずるところでもございます。 そのほか、鹿児島刑務所の七の二、これも保護房拘禁中ということで、やっぱり保護房拘禁中に亡くなるというのは、やっぱり本当に自然の状態とは考えられません。 こういうものがありますし、それから福岡拘置所の十の一は、これも単なる窒息ということですけれども、非常に窒息のようなものが多い。普通の生活状況であればそう簡単に窒息というのは考えられないわけで、こういうことも、一体背景に何があるのか。 それから、高知の十一の一、これは急性心臓死ということですが、これは司法解剖に回っております。これは、司法解剖に回っているということは、それなりに何らか事件性を疑問視されたものではないかというふうに思われます。 それから、笠松の九の一、これも経過を見ると、大声を発し、扉まではって出房後、静かになった、こういう記載もありまして、これは大声を発するとか、かなり動きが激しいということになりますと、これも推測ですけれども、保護房などがやっぱり使用されていた事例ではないかという疑いを持つところでもございます。 これらをちょっと挙げさせていただきましたけれども、これなどはいろんな意味で疑問を生ずるものですから、是非こういうものを真っ先に、そして挙げた事例についてのやっぱり納得できる資料等を是非おそろえいただきたいというふうに思います。いかがですか。今の挙げた事例などを中心にして、まず資料の提出をお願いしたいと思いますが。
○政府参考人(中井憲治君) 御指摘を踏まえまして、個別案件ごとに検討させていただきたいと思います。
○千葉景子君 それから、医療の問題も昨日も若干触れさせていただきました。やっぱりこれは本当に、これもかなりひどい状況のように思われます。 常勤、非常勤の話が昨日も出ました。この常勤、非常勤の区分け、基準というのは何ですか、医師のですね。
○政府参考人(中井憲治君) 刑務所に勤務する医師は一般職の国家公務員であります。休日等を除き、毎日、勤務時間中、常時勤務することを要する職員が常勤職員でございまして、これに対して常時勤務することを要しない職員が非常勤職員とされているものと承知しております。
○千葉景子君 そうすると、全然それとは違った実態が存在しているわけで、これも全部は挙げませんけれども、例えば宮城刑務所などでは内科の医師が常勤として三名でございます。ところが、それぞれの勤務の実情を出していただいたものから見ますと、一人が月曜日だけ、それからもう一人は火曜日と水曜日だけ、もう一人は木曜日だけと。これで常勤です。 今のおっしゃった基準等から考えますと、とても常勤ということには当てはまらない、しかし常勤の多分待遇はされているということになるんでしょうか。どうですか、実態は。
○政府参考人(中井憲治君) 三名につきましては、矯正施設に勤務する常勤医師の給与でございますけれども、これはそれぞれの医師の知識、経験に応じて関係法令に基づいて決定しているところでございます。 刑務所に勤務する常勤医師についてでございますけれども、その技術、能力の維持向上の必要上、刑務所長の命令によりまして、当該施設において勤務する以外の時間について、勤務の一環として大学等で研修を行わせているものでございまして、このような場合であっても常勤医師として所定の給与を支給しているものと承知しております。
○千葉景子君 変じゃないですか。そういうケースが、一定の期間研修に行くとかそういうことはあっても、恒常的に今申し上げたような形の医師の勤務が常勤として整理されているわけですよ。これは別に、この宮城刑務所を取り上げましたけれども、必ずしもここに限ったことではない。むしろ、非常勤の人の方がもっと、もうちょっと勤務やっていたり、こういう実情があるんですよ。これおかしいじゃないですか。 一回、改めてこの点についてはどうするのか検討いただかなければいけないと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(中井憲治君) 確かに委員御指摘のような点もございますので、刑務所内における勤務と研修の比率ということも含めまして、今後検討に値する、検討していかなきゃいけない課題であるというように考えております。
○千葉景子君 ただ、出していただいた資料は、そういう意味では実態に合っていない、何か作り物の資料だということになりますよ。そこをちゃんと、もしあれならばもう一度そこを作り直す、あるいは実態をもう一度きちっと詳細に知らせていただきたいというふうに思いますので、それだけ指摘をして、時間ですので終わらせていただきます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 千六百名分の死亡帳が提出をされた。これに基づきまして、やはり刑務所内におけるいろんな問題をメスを入れて解決をしていくというのが、資料を求めた私たち国会の責務だと思っております。 先ほど千葉委員からありましたように、この死亡帳の中から不審な点がある事例二百余りを一覧表として出させていただいておりますので、関係する資料の提出、併せて積極的な対応をまず求めます。 その上で、既にこの間も指摘もしましたし、また洗い出しも法務省としてされていると思いますので、この中にある幾つかの点について具体的に聞きますが、まず、これは先日指摘もありました名古屋の平成八年十番の例でありますが、肝腫瘍破裂による腹腔内出血というものであります。右側胸部から側腹部にかけて強度の疼痛を訴えたと。これ、急死事案でありますけれども、死亡帳には検察への通報の記載もありませんし、所長検視も総務部長が代行しているものであります。腹腔内出血ということで、保護房・革手錠事案、事件ではないかという疑いを我々持つわけでありますけれども、この点、その後調査で明らかになっているでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 御指摘の案件につきまして、取り急ぎ死亡帳等の関係記録により調査した結果を御説明させていただきたいと思います。 当該事案でございますが、名古屋刑務所の病舎に収容中の五十歳代の受刑者が、平成八年十月四日午後四時ころ、右側胸部から側腹部にかけて強度の疼痛を訴えました。そこで、直ちに腹部超音波検査を実施いたしましたところ、委員御指摘のとおり、肝腫瘍破裂による腹腔内出血が認められたため、同日午後四時四十五分に重症の指定をいたしまして、輸血や止血剤の点滴等を実施するなどいたしましたが、このような治療のかいなく、同年十月六日午前三時十四分、心肺停止して死亡が確認されたというものであります。 死亡帳に記載しております、に記載がありますように、同日午前三時四十分から名古屋刑務所の総務部長による行政検視を実施しております。その後に、名古屋地方検察庁岡崎支部と聞いておりますが、同支部に対し通報したという報告を受けております。 また、お尋ねの保護房収容、革手錠使用の有無についてでございますけれども、保護房収容や革手錠使用はないという報告を受けております。 この事件の詳細につきましてはなお調査中でございます。
○井上哲士君 通報はしたが、検視、検察による検視は行われなかったと、こういうことでいいんでしょうか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 現時点までの調査を前提にお答えいたしますと、お尋ねの事案につきましては、名古屋地方検察庁から司法検視に関する書類が存在する旨の報告は受けておりません。このことからしますと、お尋ねの事案につきましては司法検視を行っていない可能性が高いと思われますが、念のため、報告漏れがないかどうか再度、司法検視の有無について再確認を指示しているところでございます。
○井上哲士君 それから、名古屋の平成九年四番の例でありますが、これも脳血管障害で急死をした事案です。急死の場合は検視をするということのはずでありますが、これも死亡帳には検視の記載がありませんが、この点はどうだったんでしょうか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 司法検視のお尋ねでございますね。 同じように現時点までの調査を前提にお答えいたしますと、お尋ねの事案につきましては、名古屋地方検察庁から司法検視に関する書類が存在する旨の報告は受けておりません。このことからしますと、お尋ねの事案、この事案につきましても司法検視は行っていない可能性が高いと思われますが、念のため、報告漏れがないかどうか再指示をしているところでございます。
○井上哲士君 通報はされていたんですか。
○政府参考人(中井憲治君) この事案につきまして取り急ぎ関係記録によって調査したところでございますけれども、八月九日午後五時十五分から、死亡帳に記載がありますように、総務部長により行政検視を実施した後、名古屋地方検察庁に通報したという報告を受けております。 若干付け加えさせていただきますと、保護房収容や革手錠使用については、これはないという報告も併せて受けておりますけれども、事案の詳細につきましてはなお調査中でございます。
○井上哲士君 この際、こうしたいろんな不審な点がある問題については徹底した調査を重ねて求めますし、また名古屋や府中、横須賀の保護房の死亡事案についても徹底した真相の究明を求めます。 一連の問題を解決する上で、身内だけの調査では駄目だと。第三者の視点、意見、これを取り入れることが不可欠です。今朝、二つの新聞がこの問題で社説を書いておりましたけれども、いずれもそういう第三者の関与ということを非常に強調をしております。 そこで、人権擁護局から出されました意見具申と行刑改革会議の問題についてお聞きをしますが、一月三十日に人権擁護局から大臣に対しまして、「受刑者の人権擁護について」という意見具申が出されております。この名古屋の事件を受けまして、人権侵害に関する受刑者からの申告の取扱いの改善、それから革手錠の使用抑制を検討するべきという中身であります。 当時の報道を見ますと、法務省の幹部が、極めて重大な人権侵害であるため実効性のある再発防止策につながる目的があるというふうに述べております。ただ、当時から既に報道の中ではこの意見具申が、革手錠の廃止、それから情願の問題、これが法務大臣に届いていないことに踏み込まなかったという指摘がありました。その指摘から一か月たちますと、正にこういう指摘が正しかったということが明らかになったわけで、今はもう大臣が全部情願を読む、それから六か月以内に革手錠を廃止をするということが決まっております。 本来、この人権問題でリードをすべき人権擁護局が、逆に一月末の時点では、この革手錠廃止にも踏み込めない、情願が、言わば受刑者の人権の命綱であるのにもかかわらず、機能していなかったということについて指摘をできなかったということは、むしろリードすべきなのに立ち後れた状況だったわけですね。 この点、人権擁護局長はどういうふうに認識をされているでしょうか。
○政府参考人(吉戒修一君) 今、委員御指摘の一月三十日付けの意見具申でございますけれども、これは、いわゆる名古屋刑務所の五月事件とそれから九月事件につきまして私どもの方で調査を遂げまして、その結果に基づいて矯正行政上の検討課題を指摘したというものでございます。 今御指摘の革手錠の問題でございますが、これは意見具申の中におきまして、これは委員のお手元にもあると思いますけれども、記の2の(2)というところで、「「暴行のおそれ」を理由とする革手錠使用の抑制について」という見出しの下に書いてございます。つまり、革手錠の使用の抑制を図る諸方策の検討を求めたところでございまして、その諸方策の一つとして代替措置を講ずることも検討課題として明示いたしております。この趣旨は、正に革手錠の廃止をも視野に入れた検討を求めたものでございます。 その結果、御案内のとおり、行刑運営に関する調査検討委員会、これは今年の三月五日に開催された第三回のものでございますけれども、その際、法務大臣から革手錠については廃止する方向で速やかに代替品の開発を進めるよう検討の指示がございまして、その日の委員会で六月以内に革手錠を廃止し、開発された代替品に移行することが決定されたという経緯がございます。 それからもう一点、情願制度の問題でございますけれども、これは調査の対象にいたしました五月事件及び九月事件におきましては情願の在り方そのものが問題になっていないということから、意見具申の中では触れておりませんけれども、ただ人権擁護機関といたしましては、受刑者からの人権相談、それから人権侵害に関する申告等、これについて大いに関心がございまして、この相談と申告を容易にし、かつ、その実効性を高めるための方策の検討を、これは意見具申の中の記の1の(2)におきましてまた明示して指摘をしておるところでございます。
○井上哲士君 当時の報道を見ましても、これが革手錠の廃止に踏み込むものだという受け止めはおよそされておりませんし、実際には二月、内部告発で二月になってこの消防ホース事件が出てからそういうことに踏み込まざるを得なくなったというのが経過だと思うんですね。 かつ、情願の問題でいいますと、私は、今のは全く理由になっていないと思います。十一月の二十八日の時点で、衆議院の法務委員会でもこれは問題になっておりまして、そのときに大臣が、最近初めて見た気がすると、こういう答弁をされました。法律に違反した運用がその時点でもう明らかになっているわけですね。この審議のときに、名古屋で情願が年間三十件あると、制度が機能していないんじゃないかという指摘に対しまして、矯正局長からは十分機能しているという答弁がありました。しかし、これが全く機能していなかった、間違った認識だったということは、その後の国会の審議の中でも浮き彫りになっているわけであります。 情願というのは、皆さん方が使っておられます「行刑法」という研修教材がありますけれども、「情願」というところを読みますと、「情願は被収容者の権利である。」と書いているわけですね。言わば、行政運営のあれこれの手続でありませんで、受刑者が権利として大臣に直接訴えると。これが全く届いていなかったという、正に受刑者の権利が重大な侵害を受けているという、そういう問題だという認識は、当時、人権擁護局としては持たなかったんでしょうか。その点どうでしょうか。
○政府参考人(吉戒修一君) 受刑者の不服申立ての方法といたしまして、情願という方法と、それから私どもが所管しております人権相談あるいは人権救済の申立てという方法があろうかと思います。 委員のおっしゃるような意味での情願の問題点は、一般的に私も国会審議を拝聴しておりまして認識しておりましたけれども、ただ、この意見具申は、先ほど申し上げましたように、五月事件と九月事件につきましての個別的な対応として私どもで措置をいたしたということでございますので、その両事件の中では、情願そのものの在り方につきまして関係の方からの申立てというものはなかったわけでございます。 したがいまして、その点には触れませんでしたけれども、先ほど申し上げましたように、人権の相談と人権救済の申立ての円滑な運用といいましょうか、適正な運用ができるように、矯正当局に、より一層の実効的な措置をお願いしたいという提言をいたしたわけでございます。
○井上哲士君 五月事件、九月事件というのがこの名古屋の刑務所の中で連続して起こっているというのは、単にその事件の個別的対処をどうすればいいのかという問題ではなかったということが今明らかになっているわけですね。刑務所内における様々な人権が一体どうなっているかという法務行政全体を揺るがすような問題になっているわけであります。 やっぱり、人権擁護局として、現地に入って名古屋法務局と共同して調査をされたそうでありますが、こういう二つの事件の根本にある、こういう受刑者の権利がしっかり守れていないということは、本来、人権擁護局という最も人権については意識の高いはずの皆さんが現地に行かれているわけですから、私は、その大本にあるこの問題をえぐり出せなかったということは、やはりこれは問題だと思うんですね。 やはり、身内の調査といったときに問題が見えてこなかったんではないかと。法務省の中ではそういう取扱いが当たり前のように行われていたかもしれませんけれども、これはやはり不適切な行政であったと。こういうことがやっぱり発見できなかったというのが実態だと思うんですね。 私は、今度の人権擁護法案の中で人権委員会に人権擁護局が横滑りをするという仕組みになっているわけでありますけれども、このことを見ましても、やはり法務省の内部部局では身内のこうした不適切なやり方、法の精神もねじ曲げたような人権の命綱の問題すらやっぱり対応できなかったということは、やはり法務省の外局で作るような人権委員会では様々なこうした行刑施設内での人権侵害に対応できないということを私は示していると思いますが、この点、大臣、どうでしょうか。こういう状況でも外局で法務省内の人権侵害に対応できると今でもお考えでしょうか。大臣自身の私は人権感覚が問われていると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 名古屋刑務所の事件、一連の事件を振り返りますと、大いに反省すべき点が多々あると思います。いろいろそれぞれのつかさつかさでどのようにこれを改善したらいいかということを今真剣に検討しておりますし、民間のお力をおかりして、お知恵を拝借して、是非抜本的な改革をしたいということで行刑改革会議と称するものをやろうということに今なりつつありますが、人権法に関しましては、今の人権に関する法律の下ではなかなか十分な手だてができませんけれども、その辺を改善して、よりきちんとした方法で対応ができるようにというふうになっている中身だと私は思っておりますので、現在お願いしております形で一刻も早く成立させていただきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 これだけの問題が起きながら、やはり有効な指摘が今の人権擁護局の中でできなかったということは、私はやはりこの法案は廃案にして出直すしかないということを指摘をしておきます。 大臣は、革手錠の問題につきましても、この一月三十一日の記者会見では、報道によりますと、革手錠そのものを要らないと言い切ることはなかなかできないと、廃止するとは簡単に言えないと、こういうことを言われたということであります。 五月事件の報告を数日後に保護房内での死亡事件ということで聞いておきながら、九月事件の逮捕の直後、十一月の記者会見では、過去に例を見ない事態という、こういう発言もされておりますが、現実には過去にもあったようなことがあったわけですね。 こういう一連の発言を見ておりまして、本当にやはり人権を守る法務省の最高責任者としての私は当事者能力に欠く発言だと思います。改めて辞任という形で責任を取るべきだということを申し上げます。 その上で、行刑改革会議について最後、お聞きをいたします。 四月に発足するわけで、大変重要だと思うんですが、二〇〇〇年の六月から法務省の矯正局と日弁連が行刑問題についての定期的な勉強会をされております。二〇〇〇年の十一月には日弁連の代表と矯正局付け検事、矯正局の総務課長補佐も一緒になりましてイギリスやドイツの行刑施設の視察も行っておりまして、こういう大変立派な報告書も出ております。 この勉強会が始まった経緯、それからこの間の取組など、そして今後の方向、これはどういうことになっているでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 矯正局におきましては、平成十二年当時、法務省におきまして受刑者の移送制度について検討を進めていた状況にございますし、また、日本弁護士連合会との意見交換というものも久しく途絶えていたというような事情もございましたこと等々から、受刑者処遇について日弁連と意見交換の機会を設けるというのがそもそもの発端でございました。 この勉強会の性格でございますけれども、過日来御議論になっております監獄法改正を直接の目的とするものではございません。受刑者処遇の在り方について、矯正局と日弁連との意思疎通と相互理解を深めるということを当面の目的といたしまして、平成十二年六月五日に全体会議を開きまして、同年七月十九日以降、ワーキンググループによる勉強会において、刑務作業、教育等の各議題について意見交換を行っております。現在までに十四回のワーキンググループを開催いたしまして、日弁連との間で当初、意見交換をすることを予定しておりました各議題についての意見交換、これは近々終了する見込みでございます。 今後、この勉強会をどのように運営していくかにつきましては、種々の状況を勘案いたしまして、日弁連ともよく協議して決めていくことになろうかと、かように考えております。
○井上哲士君 この中でも述べられておりますけれども、とかく対立することが多かった日弁連と法務省がこの問題で海外調査を実施した非常に画期的なものだということで、私もこのワーキンググループの議事報告も全部読ましていただきましたけれども、大変いろんなことにわたって細かく議論もされております。 当然、ここで行われてきた成果をこの行刑改革会議の中に生かしていくべきだというふうに思うわけですが、その点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 今、局長がお話しいたしましたように、専門家のお集まりになった矯正局と日弁連との研究会は非常に有益であったと思いますし、それなりに専門的な立場から深く突っ込んでいただいたことであろうと思いますので、その報告書を十分参考にさしていただくということは大いにあると思いますが、行刑改革会議そのものは、その分野だけではなくて、更に広い様々な問題を国民の一般的な普通の常識の立場から見てどうすればいいかということを更に考えていただくということでありますので、おっしゃるように、この研究会の報告書を参考にさしていただくということは十分あると思いますし、また場合によっては、そのときに御参加なさった方の御意見をヒアリングさしていただくということもあろうかと思いますが、いろんな形でそのように参考にさしていただこうというふうに考えております。
○井上哲士君 ほぼ第一ラウンドの議論が進んで第二ラウンドに進むということに元々の流れとしてはなっているわけですから、これはこれで大いにこの勉強会を生かしつつ、本当の意味での改革ということをしていくことが必要であります。 人的にも、先ほどもありましたけれども、こうした専門家を参加をさしていくことが必要だと思うんですけれども、その点での改めて御所見をお願いをしたいのと、代用監獄の存続を前提にした新法制定などの報道もあるわけでありますが、これは論外でありまして、一番必要なのは、本当にやっぱり受刑者の権利を明確にして、そして第三者の目がきちっと入ると、こういうシステムを作っていくことかと思います。そういうためにも、人選について改めて御所見を聞いて、質問を終わります。
○委員長(魚住裕一郎君) 森山法務大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど来お話ししておりますように、広い立場から民間の方をお願いして御意見を承るという趣旨の会議でございますので、先生御指摘の点もよく踏まえながら、最善の努力をしていきたいというふうに思います。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 刑務所の内部の問題に関して、刑事告訴、告発のあったケースはここ十年間、何件ありますでしょうか。
○政府参考人(樋渡利秋君) お尋ねは、刑務官に対する告訴、告発、あるいは行刑施設内における事案についての告訴・告発事案という観点での件数を問われているものと思いますが、法務当局におきましては、そのような観点からは統計的には把握しておりませんで数字をお答えすることができないのでありますが、なお、行刑施設内における特別公務員暴行陵虐、同致死傷事件で刑務官に対する告訴、告発があった最近の事件としましては、網羅的には把握してございませんが、告発がなされた事案としましては、例えば現在起訴をしております一連の名古屋の関係の事件、これは矯正管区長から告発を受けております。そのほか、三重刑務所刑務官が受刑者に対し暴行を加えた事案、これは平成、暴行を加えた事案があるものと承知しております。 また、告訴がなされた事案としましては、例えば、またこれは今回の事件後でございますが、平成十四年十一月に名古屋刑務所の元受刑者が刑務官を告訴した事例、平成十五年三月に名古屋刑務所の在監者が刑務官三名を告訴した事例、平成十四年十一月に高松刑務所の在監者が刑務官を告訴した事例、さらに平成十二年十一月に神戸刑務所の在監者が刑務官を告訴した事例があるものというふうに承知しております。
○福島瑞穂君 法務省の方は、刑務所の内部での刑事告訴、告発のあったケースについては、同様に把握をされていないのでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 委員御案内のとおり、告訴、告発と申しますのは、告訴人、告発人対検察官若しくは警察官という関係でございますので、私どもはそれを把握する立場にございません。
○福島瑞穂君 私は内部資料での告訴のケースを見たことがあるんですが、じゃもう一回調べてお聞きします。 先ほど、刑事局長が告訴、告発のあったケースについておっしゃいましたが、そのうち何件、捜査が開始され起訴されているのでしょうか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 先ほど申し上げましたのは告訴、告発がなされておりますから、すべて立件されて捜査を遂げております。 一連の名古屋の事件は別といたしまして、三重の事件につきましては、三重刑務所の事件につきましては、三重刑務所刑務官が受刑者七名に対して、九度にわたり足げにしたり殴打するなどの暴行を加えた事案でございまして、平成十二年九月十八日、特別公務員暴行陵虐罪により起訴され、同年十二月十五日、津地裁におきまして有罪判決、懲役十月執行猶予三年が言い渡されております。 それ以外につきましては、いわゆる告訴を受けた事件で、平成十四年の七月事案それから平成十四年十一月の高松の事案は現在捜査中でございまして、十二年六月に刑務官から暴行等を受けたとして告訴をされました事案につきましては、平成十二年十二月二十八日に神戸地検明石支部において不起訴、嫌疑なしというふうに処理されております。
○福島瑞穂君 詳しくなくて結構ですので、この十年間のうち刑事告訴を、内部の受刑者の刑事告訴をきっかけにして起訴されたケースというのはありますか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 網羅的に把握しておらないんですが、調べて御報告さしていただきます。
○福島瑞穂君 よろしくお願いします。 なぜこういう質問をするかといいますと、法務大臣情願は大臣が、歴代の大臣が読んでこなかったと。刑事告訴、告発をしても実は立件をされない、起訴されなくてそのままになってしまうケースが非常に多いと。今、うんうんうなずいてくださっていますが、そういうふうに刑事告発があってもきちっと実は立件をされなかった。弁護士会が人権救済の申立てをして若干改善があったかもしれないけれども、実はなかったというケースが多かった。ですから、今回の名古屋の刑務所の事件をきっかけに、千六百名の死亡のケースあるいは拷問死のケースが出てきました。 要するに、捜査機関もそれから法務省もそれから国会もこれらにメスを本当に入れられてこなかった。訴えた人間はだれからも聞いてもらえなかったし、むしろ嫌がらせを受けてきたということがあります。 これはちょっと今日、質問通告していますが、難しいかもしれませんが、情願申立てをしたなどで独居房に入れられる人の割合というふうなものはありますか。もし、なければないで結構です。
○政府参考人(中井憲治君) 委員御案内のとおり、情願書を作成中の者についてはその期間中、独居房に収容する等いたしまして、情願内容の秘密保持がされるように配慮することとされているわけでございます。しかし、近年、過剰収容でございまして、各施設とも独居房が慢性的に不足しておりまして、他方、情願の申立て件数、申し立てる者の数も著しく増加しているということでございますので、情願書を作成中の者すべてがこれが夜間独居房に収容するということは、恐らくこれは事実上困難な現状にあると思われます。 御趣旨を誤解しているかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、情願を申し立てた人と独居房に入れられた人との割合という形では私ども統計は取っておりませんので、不明でございます。
○福島瑞穂君 そうすると、情願をすると必ず独居房にその期間は入れられるわけですね。
○政府参考人(中井憲治君) 先ほど説明いたしましたように、一般的には夜の間は独居房に収容することとしているわけでありますけれども、先ほど御説明いたしましたように、各施設とも過剰収容のために独居房が慢性的に不足しておると。それからまた、情願の申し立てる者の数も著しく増加していることがあるので、現実には、今申し上げたように、夜間独居房に収容することは困難な現状にあるというふうに私どもは認識しているところでございます。
○福島瑞穂君 情願申立てと厳正独居に入れられるということの関係性はありますか。
○政府参考人(中井憲治君) 端的にお答えいたしますと、処遇上の理由で他の受刑者から隔離することが必要な受刑者、これは情願書作成のいかんにかかわらず独居拘禁とされるわけでありますけれども、委員の御指摘の趣旨を誤解していないとすれば、いわゆる情願書作成を理由として、言わばそれを嫌がらせとして独居拘禁することはあるかという趣旨のお尋ねだとすれば、私どもはそのようなことはないという具合に承知しているところでございます。
○福島瑞穂君 弁護士会が刑務所についての人権の一一〇番をやりました。結構、情願をやると嫌がらせを受ける。情願をやるとどんな仕返し、これ読まれなかった情願で、やった人は気の毒だと思いますが、情願をすると仕返しを受けるというふうに、そのことをみんな怖がっていると。 実際、私、手紙をもらったのは、情願、法務大臣情願は外からは見られないことになっていますが、その人は、どうも自分は見られているんじゃないか、工場に行っている間。御飯粒を付けて、ちょっとでも動かしたら、細工をして分かるようにしていたら、帰ってきたら動いていたという手紙だったんですね。だから、本人は工場に行ったりするわけですから、自分の情願が読まれているのではないかというふうなのもありました。 それから、これは二〇〇二年七月のケースで、刑事告訴した人が国会議員に三月十七日発送の手紙を書いています。 私は、昨年、名古屋刑務所を刑事告訴手続をしてからというもの、いろいろと精神的圧力や、刑務官を実名で告訴していることから、今度はその刑務官に、おい、おまえ、わしを訴えとるんか。いいぞ、訴えたければ訴えて。ただ、おまえ、体気付けろよとか、覚えてろとか、夜中私が寝ていると、部屋の扉をけっているのかたたいているのか分かりませんが、二、三時間越しにどかんとやられ寝かせてもらえなかったりという、ということの訴えの手紙が来ています。実際、この、おまえ、体気付けろよと言われたというのは私も聞いて、本人から手紙等で聞いているんですが、こういうことが起きる。 実は、明らかになった二〇〇〇年の九月の重傷のケースは、本人がエアブラシを体に吹き付けたことを理由に職務怠慢で懲罰になったケースです。本人はその懲罰がおかしいと言って弁護士会に人権救済の申立てをしていました。刑務官は、何としてでもその人権救済の申立てをやめさせたいと、保護房に何度も入れました。革手錠もしました。本人は、じゃ人権救済の申立てをやめると言ったけれども、やっぱりおかしい、あれは懲罰としておかしいということで、やっぱり人権救済の申立ての取下げをしませんと言ったら、あした弁護士が会いに来る日の前に革手錠で締められて、それで腸が破裂して腹膜炎で重傷によったケースです。 つまり、名古屋の刑務所で私たちが学ばなければいけないのは、例えば、ねらわれたら、つまらない理由で懲罰とか厳正独居とか入れられる、それに対しておかしいというふうに不服申立てをすると、それを理由に重傷の事件が起きているわけです。つまり、この刑事告訴した人もそれにおびえているわけですが、刑務所の中でこれはおかしいんじゃないかと不服を言うと、それがきっかけでいじめに遭ったり仕返しを受けたり、取り下げるまで保護房に入れられたり革手錠で締め上げられたりというのがあの刑務所の中の実態です。 ですから、今、私たちが議論している最中も、こういうふうにもし刑事告訴をしたことで嫌がらせが行われているんだとしたら、全然変わっていないんですよ。表面的に何かを変えても絶対駄目で、絶対にこれは変わっていないんですよ。権利救済をしたらいじめられる、だからこそ今まで刑務所の中の人権問題がこういう形で戦後一度も議論ができなかったんですよ。 だから、どうして人権救済ができないか、ここに根本的にメスを入れない限り、絶対それは、今まで監獄法ができて百年近くふたをしていたように、今後も出てこないですよ。大臣、どうですか。
○国務大臣(森山眞弓君) だからこそ、私はこの問題が起こってきましたのをきっかけにいたしまして、根本的に反省し、見直しをしていかなければいけないというふうに思っております。 監獄法という法律が明治四十一年にできたそうで、それ以来百年近くいろんな理由で改正もされないままやってまいりましたし、そのような基本的な背景があったものですから、職員の間にも非常に閉鎖的な、あるいは身内だけの共通理解というようなことで、外とのオープンな関係というのが持たれないままに来てしまったのではないか。それを基本的にこの際、一から考え直して改めなければいけないという、その非常に重要なきっかけだというふうに考えております。 したがって、先般来お話ししておりますように、省内において調査検討委員会をし、そしてその問題の整理をいたしまして、それらを材料にして民間の有識者の方々の御意見を率直に承って、そして基本的に新しい世紀の新しい矯正はいかにあるべきかということを考える有識者の行刑改革会議を持ちたいというふうに考えております。 これについてもできるだけ早くスタートさせまして、先生方にも御納得のいくような内容の御提言をちょうだいするということを期待しているわけでございます。
○福島瑞穂君 行革会議にも本当に期待するわけですが、現在進行形でも起きていると。統括が、そんな締め方では甘っちょろい、ぐうの音も出ないように締め上げろ、殺してしまえとか、殺してやろうとか、死ねなどと言われ、私自身、このままでは体や命に重大な支障を来す、殺されると思ったことなどが頭をよぎり、私は果たしてここ、名古屋刑務所から正常な精神状態で出所できるのかと悩んでいますと。これはもう現在進行形の問題です。ですから、権利救済をそもそも恐ろしくてできないと。やったらもっと恐ろしくなって、私は生きて刑務所を出れるだろうかというふうになるわけですね。これが現在進行形で起きていますので、こういう対処を是非お願いします。 刑務所の問題がなぜ外へ出ないかということで言いますと、これは広島の事案なんですが、一九九七年と九八年、広島弁護士会にそれぞれ刑務官から暴行を受けた、身体検査で屈辱的な扱いを受けたなどと、二名が人権救済の申立てをしました。弁護士が事実調査のため面会を求めたところ、本人には会えたものの、目撃者とされる他の受刑者との面会は施設の管理上許可しないとして拒否されています。この拒否はおかしいと。つまり、本人には会えても、目撃者に会いたいと弁護士が思っても、刑務所の中に行って会えないわけですから、目撃証人に会えないわけですから、でも刑務所側は会わせなかったわけです。 本日、その裁判がありまして、残念ながら原告敗訴の一審判決が出ました。でも、会わせないというのはひどいと思うんですね。一つは、なぜ刑務所の中がこれほど風通しが悪いかといいますと、基本的に家族にしか会わせない、弁護士も、依頼している弁護士しか会わせない。ですから、何か問題があると思っても会えないんですね。 昭和五十九年六月に新潟刑務所で六日間に四名もの受刑者が相次いで死亡するという事案が起きました。大量死亡事故はおかしいということで、弁護士が会いに行ったんですが、刑務所側はやっぱり会わせません。依頼されている弁護士じゃないわけですから会わせないわけですね。つまり、弁護士会も、中に入って調査をしたいと思っても拒否される。国会議員も入れないわけですね。 私は、刑務所の中の人権侵害をやっぱりなくすためには、家族だけではなくて知り合いや友人、それから弁護士、国会議員、こういう人たちが本当に、ジャーナリスト、一般の人たちも会えるというシステムを作る必要がある。それは立法上必ずやらないと駄目ではないかと。 南アフリカに行ったときに、今はアパルトヘイトなくなりましたが、黒人の活動家が拷問を受けないように白人の活動家たちは毎月必ず会いに行くと。そうすると、拷問に遭っていたら必ずそのことが本人話しますから。家族しか会えないとすると、家族から見放された人は何を中でやられようが分からない。事件が起きて目撃者に証言取ってほしいと弁護士思っても、そもそも会えないという事態があるわけです。 この面会や文通についての例外措置というか、家族にしか会えないことがこんなに刑務所を風通し悪くし、人権救済しようにも外部から手が入らないということに関して、大臣、改善の余地はないでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) そのようなことも含めて、先ほど来申し上げているような、皆さんのお知恵をおかりして、総合的に検討していきたいというふうに考えています。
○福島瑞穂君 是非、家族にしか会えないという国はほとんどありませんので、ほとんどというか極めて少ないですから、是非改善をお願いします。 また、受刑者が弁護士を依頼したい、NGOに連絡したいというときに、全く手だてがありません。弁護士の名前を教えない。NGOの名前を教えない。どこに訴えて、訴えようにもないわけですね。そういう情報をきちっと教えるべきではないか。 御存じ、イギリスの刑務所では、あなたはこのNGOに連絡ができますというパンフレット等を刑務所の内部で配っています。あなたにはこんな権利があるとか、権利救済のための情報提供等、弁護士会の番号や住所、そういうものを刑務所の中にきちっと置くべきではないでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 私の方から現状の御説明をしたいと思いますけれども、被収容者の不服申立てに関しましては、現在におきましても、それぞれの居室に備え付けられた生活心得の冊子等に、情願あるいは面接制度等の監獄法上の不服申立てについて詳しく記載しておりますし、また、裁判所へ訴訟を提起できることや捜査機関に告訴、告発することができるということ等も記載している施設もあると承知している次第でございます。 大臣からは、行刑運営に関する調査検討委員会に対しまして、矯正局から独立した体制で情願その他の救済申立てを調査することを検討しなさいと、かような指示がされているところでございまして、ただいまの委員の御指摘も踏まえて、同委員会で各般の検討がなされるものと思っております。
○福島瑞穂君 情願も面接も刑務所内部の問題です。ですから、弁護士会の名前や、あるいはNGOの名前の情報提供をしなければ、結局、告訴したいと思ってもどうしていいか実は分からないわけですから、是非その点の情報提供、現状では物すごい嫌がらせを受けるという話を聞きますし、実は情願の紙をもらうのだって物すごく嫌がらせを受けるという手紙をたくさんもらっています。権利救済ができない、やれば嫌がらせを受けることがこんなひどい状況を生んでいるわけですから、その点はよろしくお願いします。 先日、拷問等禁止条約の選択議定書をなぜ批准しないかというふうに聞きましたところ、もっといいものを作る旨の回答がありましたが、これは拷問等防止小委員会では、日本代表は、締約国の領域内の拘禁場所を査察する制限のない権限を持った国際機関の適切性について疑問を投じたというふうに報道、言われておりますが、そのとおりでしょうか。日本政府はなぜ国際機関による査察についてそんなに嫌がるのでしょうか。
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。 御指摘の報告書の日本政府代表による発言は、日本政府は締約国の領域内の拘禁場所の視察について無制限の権限を有する国際的機関が適当であるのか疑問を呈するとの記述を指しているものと思われます。 これは、二〇〇二年の第十回の作業部会の冒頭、冒頭に、選択議定書草案に関する一般的な議論の中で日本代表より行われた発言の一部でございまして、日本代表団よりは、多くの国が参加し得る効果的なメカニズムを構築すべきとの基本原則を支持するとした上で、作業部会において議論を尽くしていくべき論点の一つとして提起させていただきました。 昨日述べさせていただきましたように、政府は、これまでの国連の討議の場におきましては、審議過程及び予算等の観点から、人権委員会等の場では反対投票をいたしました。他方、その後の国連総会の本会議では、本議定書案が採択されることになるであろうとの判断に基づきまして、採択後において視察メカニズムが効果的に活動できるようにするべく我が国として関与していくことが適当であると判断して、棄権に投票態度を変えた次第でございます。 現在、政府といたしましては、この議定書に言うところの視察の具体的な態様等、選択議定書の中身と国内法との関係等について調査しておりまして、締結について真剣かつ慎重に検討を進めさせていただいているところでございます。
○福島瑞穂君 ヨーロッパの拷問等小委員会は、トルコの刑務所の査察をし、事実、そのヒアリングをやった結果、トルコの警察の中に拷問道具がある拷問部屋を発見したと。つまり、外からきちっと査察が入ることによって刑務所の内部のなかなか外に出ない問題ができるわけです。 こういう問題に関して、日本が反対というのをやること自身が本当に実は理解できない人権後進国と思いますので、是非選択議定書の、本会議では棄権をされたわけですから、是非選択議定書の批准に向けて努力をしてくださるように申し上げます。 今日は、野党共闘で、千六百のうちのセレクトをして、カルテ、保護房収容、革手錠使用の場合は視察表、矯正局あての報告書を出してくださるように、先ほどから千葉理事、そして井上理事の方からも話がありました。有効なる人権救済機関がない中で、国会はやっぱり有力なる人権救済機関の一つだと思います。きちっとメスを入れる意味でも、資料を出してくださるようお願いします。 昨日、医療の問題の常勤、非常勤に聞き、先ほど千葉理事の方からもありました。宮城は一日五時までしか働かなくて常勤になっていたり、もうばらばらなんですが、これ、昨日、幾ら給与を払っていますかということについては御返答いただきませんでした。今日も質問通告していますので、給与を教えてください。
○委員長(魚住裕一郎君) 手短に。
○政府参考人(中井憲治君) 宮城刑務所におきましては、一人当たり一千二百万でございます。
○委員長(魚住裕一郎君) 時間ですが。
○福島瑞穂君 はい。じゃ、一週間に一遍、九時から五時半だけ働いて一千百万というのはやはりおかしいと思います。医療を、そういう、やっぱりそれはおかしいですよ。全然おかしいですよ。だって、常勤とあるから毎日診てもらえるのかなと思ったら、一回しか診てもらわなくて、しかも月に四回だけしか働かなくて、しかも五時半で終わって一千百万というのは……(「一千二百万」と呼ぶ者あり)一千二百万。いやいやもっと悪いですね。一千二百万というんでしたら。 いや、もちろんお金払うのは構わないんです。でも、きちっとした医療を常勤としてやると。常勤で一週間に一遍しかいない。そして一千二百万。これは本当に受刑者にとってもひどいし、法務委員会としても税金の使い道がおかしいということを、改善を申し上げて、質問を終わります。
○委員長(魚住裕一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 両案について、政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。森山法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下その要点を申し上げます。 第一点は、裁判官につき、判事の員数を三十人及び判事補の員数を十五人増加しようとするものであります。これは、地方裁判所における民事訴訟事件、倒産事件及び民事執行法に基づく執行事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判官の員数を増加しようとするものであります。 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数を九人増加しようとするものであります。これは、地方裁判所における民事訴訟事件、倒産事件及び民事執行法に基づく執行事件並びに家庭裁判所における家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判所書記官等を二百五十二人増員するとともに、他方において、裁判所の事務を簡素化し、効率化すること等に伴い、裁判所事務官等を二百四十三人減員し、以上の増減を通じて、裁判官以外の裁判所の職員の員数を九人増加しようとするものであります。 以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 続いて、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の改正を行おうとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。 第一点は、簡易裁判所の管轄区域の変更であります。さいたま市の政令指定都市への移行に伴う行政区の設置に伴い、同市に設立されているさいたま簡易裁判所及び大宮簡易裁判所の管轄区域について変更を行おうとするものであります。 第二点は、簡易裁判所の名称の変更であります。裁判所の名称は、その所在地の市町村の名称を冠するのを原則としておりますので、山口県徳山市、新南陽市、熊毛郡熊毛町及び都濃郡鹿野町を廃止し、その区域をもって周南市が置かれることに伴い、徳山簡易裁判所の名称を周南簡易裁判所に変更しようとするものであります。 第三点は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理でありまして、市町村の廃置分合等に伴い、同法別表第四表及び第五表について必要とされる整理を行うものであります。 以上が下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 政府といたしましては、以上を内容とする各法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案において、「平成十五年四月一日」となっている施行期日を、「公布の日」に改める旨の修正が行われ、また、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案において、「平成十五年四月一日」となっている施行期日を、「公布の日」に改める旨の修正及びこれに伴う所要の修正が行われております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(魚住裕一郎君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十四分散会