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156回国会参議院2003/05/22

文教科学委員会 第14号

発言数
92
登壇者
12
会派数
6
開催日
2003/05/22

会議録

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  著作権法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君及び文化庁次長銭谷眞美君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) 著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 おはようございます。自民党の後藤博子でございます。  本日は、この著作権法の一部を改正する法律案は参議院からスタートと伺っていますので、基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。  知的財産立国日本を目指すという大きな目的があります。どのような日本になっていくのか、どのような日本にしていくのか、今私の胸は高まっているところでございます。時間が限られていますので、恐れ入りますが、答弁を短く分かりやすくお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず最初に、今回の改正案の意義や位置付けといったことについて伺いたいと思います。  今回の著作権法改正案は、現在、国全体として推進しつつある知的財産戦略を著作権の分野について具体化するためのものと伺っています。  そこで、まず副大臣にお伺いいたしますが、いわゆる知的財産を適切に保護していく仕組みとして、特許権と並んで重要な著作権について、国全体としての知的財産戦略の推進という観点から、文部科学省はどのような取組を進めておられるのでしょうか。また、そのような全体的な取組の中で、今回の改正案はどのような位置付けのものであり、どのような意義を持つものなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

河村建夫自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(河村建夫君) お答え申し上げます。  知的財産権といいますか、そういうものを重視しながら、知的財産立国といいますか、目指すという大きな目標があるわけでございまして、そういう意味で知的財産戦略というものは国家戦略として位置付けられておるわけでございます。  今回の改正につきましては、今、後藤委員御指摘をいただきましたが、今国会に特許法や種苗法、あるいは不正競争防止法とか民事訴訟法、出されておるわけでございます。これと一つの関連というか一環のものでございまして、知的財産戦略大綱あるいは知的財産基本法に示された政府全体の知的財産戦略といいますか、これを具体化するという方向で今回著作権法についての改正も出させていただいておるわけでございます。  この知的財産戦略大綱と知的財産基本法に示された政府全体の戦略の中で、著作権、今回お出しした著作権に関する部分は五つの分野と言われておりますが、第一点は法律ルールの整備、それから円滑な流通の促進、第三点が国際的課題への対応、そして著作権教育の充実、さらに司法救済制度の充実と、これに整理することができるわけでございまして、今回の改正はそのうちの、いわゆる戦略大綱の五つの分野のうちの二つ、法律ルールを整備すること、もう一つは司法による救済制度の充実、この分野が今回の法律改正であるわけでございまして、そのほかの円滑な流通の促進、それから国際的課題への対応、それから著作権教育、これも所要の施策を展開していかなきゃならぬと、こう思っておりまして、文部科学省といたしましても総合的に知的財産戦略を推進し、特に著作権の部分については積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えておるところであります。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございます。  では、少し具体的な事項についてお伺いしたいと思います。  今回の改正事項の中には、従来、教員などの教える側だけに認められていた例外的な無許諾コピーを、児童生徒などの逆に学ぶ側にも認めるという内容が含まれています。従来の規定では、例えば教員が今朝の新聞記事をコピーしてクラスの子供たちに教材として配付するといったことが例外として認められていたと伺っております。さらに今回の改正では、新聞記事や図鑑、絵などはもとより、子供たちがパソコン教室などでインターネットを通じて入手した著作物について、子供たち自身がコピーできるようになるのだと伺いました。これは子供たちが情報を活用して主体的に学ぶということを推進する上で役に立つ改正だと思いますが、現在、既にパソコン教室などでは子供たちが様々な著作物をダウンロードしたりコピーしたりしているのではないでしょうか。  今回の改正自体はいいことだと思いますけれども、この改正は現に行われている違法行為を合法化するためのものなのでしょうか。それとも、これまでできなかったことをできるようにするためのものなのでしょうか。この点について確認のために伺っておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 学校教育の場で子供たちが自分が勉強するために著作物を教材としてコピーするということは、私的使用のための複製に該当いたしまして、現行法でも著作者の許諾を得ずに行えることとなっておりまして、そのようなコピーはこれまでも実際に行われてきたわけでございます。ただ、現在の法律では、子供たちが教材としてコピーをしたものをほかの子供たちに配付などして授業で使うという場合には、これは無許諾で行うことはできないということになっております。  今回の改正は、学校教育の場におきまして、子供たちが自分だけが使うためのほか、コピーしたものをほかの子供たちに配付などして一緒に使うということを可能にするものでございます。例えば、子供たちが調べ学習などにおきましてインターネットを通じて入手した資料をプリントアウト、コピーしてほかの児童に配付し一緒に勉強するといったようなことが考えられるわけでございます。今回の改正によりまして、今後はより多様な授業展開が可能になるというふうに考えているところでございます。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございます。  本当におっしゃられるように、教育目的での著作物の活用が今おっしゃったように促進されることは大変結構なことだと思いますが、そのことと並行して、やはり学校現場で著作権に関する知識をもっと広めることや他人の権利ということについての意識を高めることが是非とも必要ではないかと思います。恐らく権利者の方々の中には、今回の改正によって教育関係者がますます著作権をないがしろにするようになるのではないかという危惧をお持ちの方がいらっしゃると思います。したがって、例外は例外として、できることとできないことに関するルールを教員にも児童生徒にもしっかりと知らせることが極めて重要ではないでしょうか。  既にパソコンは小学校でも使っておりまして、そうした教育は小学校から教員研修まで非常に幅広い層を対象として行うことが必要になっていると思います。そのためには極めて多様な考え方や教材などが必要になるのではないかと思いますが、そうした点についてはどのような研究や施策を実施しているのでしょうか。  社会の中のあらゆる問題や課題について教育は最も重要な対策の一つであり、著作権問題と教育ということについても、教育をしやすくするために、著作権制度を変えることだけではなく、著作権の問題に対応するために幅広く教育、授業を展開するという観点、視点も重要だと考えますが、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 昨今、情報化が急速に進展してまいりまして、インターネットやパソコンなど著作物の創作手段、利用手段が急速に普及をしているわけでございます。ある意味では、著作権に関する知識や意識は広く多くの人々にとって不可欠なものになっているというふうに思います。何ができるのか、何をしてはいけないのか、こういうことをきちんと理解をする、そのための教育ということは今後重要になってくるという認識を私どもも持っているわけでございます。  文化庁としては、これまでも講習会の開催など著作権に関する教育、授業を行ってまいったわけでございますが、ただいま申し上げましたような新しい状況に対応するために、平成十四年度から著作権に関する総合的な教育事業、著作権学ぼうプロジェクトというものを展開をいたしております。特に学校教育では、新しい学習指導要領におきまして中学校や高等学校で著作権の保護について取り扱うということが示されたことを受けまして、各学校での教育を支援するために、中学生向けの漫画などの教材を開発、提供したり、教員のための手引書の作成や講習会の開催といったようなことを行っております。  さらに、本年度からは新たに著作権教育研究指定校というものを設けまして、著作権教育の具体的手法の研究開発を行いたいというふうに考えております。  加えて、昨年から文化審議会の中の著作権分科会に新たに著作権教育小委員会というものを設けまして、著作権教育の目標でございますとか教材開発といった具体的な支援策について今検討を行っていただいているところでございます。  こういった検討結果も踏まえながら、文化庁としては、学校での著作権教育につきまして引き続き一層の支援を行ってまいりたいと考えております。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございます。  今申し上げたみたいに、著作権に関する知識を広めることや他人の権利ということの意識を高めることなど、著作権教育に広く展開していくことは極めて重要だと思います。  そこで、一つ忘れてはならない大切なことがあるのではないかと感じたわけでございますけれども、著作権、権利を主張する、自分の書いたものを著作権として権利を求め、またそれを保護してもらうという、そういうことも大事なことではございますけれども、それをすることに終始してしまうのではないかと。どういうことが言いたいかといいますと、相手を思いやる心だとか、人を、権利権利と主張することの反面、人を許せる、許す心、また広い視野に立った物事の考え方をどう教えていくのか。  著作権法ができるということで、その可能性がたくさん生まれてきます。自分のまた権利を保護されることで周りの人たちに夢を与えられるという、そういう著作権教育を進めていただきたいと思っております。よろしければ大臣、それについてコメントをよろしくお願いいたします。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 今、後藤委員の方から大変大事な点を御指摘いただいたと思っております。  最近、ともすれば、子供たちは自分のこと、自分が言いたいこと、自分がしたいこと、これはやりますけれども、他の人のこと、友達のこと、あるいは社会のこと、なかなか考えない、あるいはそのために尽くすというようなことを忘れがちというような傾向が見えるわけでございます。  私は、この著作権というものは、知的な人間の活動、あるいは芸術などもございますけれども、そういったものを創作した人の権利を認めるということでございまして、そういうことを創作すればその人の権利を認めるんだ、これを大事にしなくてはいけないんだ、他者の権利というものをしっかり認めていく、そのことによって社会秩序があるんだということを教えることができると思います。  ですから、そういう物を書いたり、描いたり、いろんな作曲をしたりというような人に権利が認められる、だからあなたもやってみなさいという、権利者としての自覚、なり得るということを教えるのと同時に、他者の権利というものをしっかり守っていく、そういうことが、私は要すればそれも思いやりにつながると思います。  つまり、今の例えば万引きが多い、あるいは公共物を壊してしまう、学校のガラスを割ってしまうことから始まって、何か自分がしたい、自分の快楽といいますか快感というものを味わうために様々な物を壊したり秩序を乱したりというようなことに走りがちな子供たちに対して、しっかりと他の者の権利なり他の者の持っている物、あるいは公共の物、こういったものを大事にしようという精神もともに教えていくということが私は本当の権利を教えるということになると思いますね。  その意味で、そういったこともうまく展開をしながら、委員おっしゃいますように、思いやりの心、それから物を大切にする心等々のものに展開するような、バックを持った著作権教育というものをやっていただきたいというふうに思います。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございます。  本当におっしゃるとおりだと思います。お伺いしていてうれしくなりました。よろしくお願いいたします。  私も、この質問に当たりまして、文化庁の課長さんにいろんなことを教えていただきました。大人はともすれば損か得かで著作権を主張する。子供はそうじゃないんだと。損得じゃない子供たちの視点というもの、そういうものがもっともっと生かされるような、そういう著作権教育であってほしいと思います。そのためには、この著作権というものを説明するときに、私はもっともっと分かりやすく、だれが見ても納得できるような、そういう著作権にしていただきたいと思っておりますので、学校教育に関する今回の改正は、教育の情報化や新しい学習形態を推進する上で効果的なものであると思います。  現場の先生の、教員の方々がこの条文を読んで果たして理解できるのかという疑問があります。文部科学省では、当然分かりやすい資料を作成して改正の内容を各学校等に周知されるのでしょうが、すべての人々が著作権とかかわる時代を迎えたとおっしゃるのであれば、著作権法自体も規定ぶりを簡素化するなど、もっと分かりやすいものに変えていくべきではないかと思っています。このことは、先ほどお尋ねしました著作権教育の推進ということの関連でも大変重要な問題だと思います。そのような議論や検討は行われているのでしょうか。よろしくお願いいたします。

河村建夫自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(河村建夫君) 後藤委員御指摘のとおり、著作権というと何か分かりにくい、そういうイメージがありますし、事実なかなか理解を求めるのは容易ではないと。そのことをもっとしっかり、教育の面もそうですし、一般にも広報して、これまでも努力しているつもりでございますが、特に今回の改正に伴って、特に教育現場を中心にそういうことが徹底される必要があろうというふうに思っておりますし、あわせて、パソコンとかインターネットが入ってまいりましたから、容易にいろんな情報が伝達される、無意識的にどんどんやってしまうということも起きるわけですね。そうした場合に、ここにこういう点が問題になるんですよということも知らせなきゃなりません。特に著作権というのは、すべての人々にそういうことでかかわってまいるという認識は大事だと思います。  そういう意味で、後藤委員の御指摘を踏まえて対応しなきゃならぬと思っておりますが、昨年から、文化審議会におきましても、著作権分科会がございまして、その中でも著作権法の簡素化について検討が進められております。これまでどっちかというと中長期的な課題ということで取り上げられてきておったんでありますが、これをもっと短期間に、もっと方向付けを急ぐべきではないかと、こう思っております。  特にどういう点があるかといいますと、いわゆる創作的な著作そのものの面と、今度それを伝える側、特に音楽なんかですと、作詞作曲すると、それを今度演奏する、歌う人ございます。この隣接著作権ですね、これがまた分かりにくいということでありますから、総合的に全体を考えたときに、この形を単純化といいますか、分かりやすくしていく必要があろうということ。それからさらに、演奏権であるとか貸与権であるとか、こういう問題もございまして、これをもっと規定上分かりやすくするということもあります。それから、権利者の許諾を得ないで利用できる場合はどういうことがあるのかとかいうようなことを、もっと規定を単純化する必要があろう。  それから、当事者間の契約にゆだねる事項を決めている法律もあるのでありますが、こういうものが非常に分かりにくいので、これを廃止すべきものは廃止するというようなことがございます。契約、例えば契約というのは、雇用契約等に著作権に関する規定がない場合には、従業員の著作物について一定の条件の下に雇用者を著作者とする規定なんというのがあるんですね。こういうようなことがございますし、また、放送する場合の、その放送事業者がこれを一時的に録音、録画するようなこういう契約とか、そういうようなことがありますので、こういうものをやっぱりきちっと廃止する等々分かりやすくしていくということがありましょう。  それから、特定の著作物等のみを対象とした規定の見直しというのもございまして、美術の著作物であるとか写真とか映画、それから建築とかプログラム、商業用レコード、あるいは視聴覚的実演等に係る特定の規定があります。  こういうものを見直していこうというようなこと等を踏まえて審議会の検討を今やっておるわけでございますが、こういうものから、特にこれは急がれるというものを早く出しながら協議、調整をやって、著作権法の簡素化を目指して、国民の皆さんにできるだけ、著作権というものが本当に身近なものだし、分かりやすくて、その権利というものがどういうふうに使われて、またこれをうまく使えばこういう大きな夢があるとさっき御指摘、そういうふうな方向へ持っていきたいと、このように考えております。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございます。  本当に私もよく分からなくて、何度も文化庁の課長さん、省の方々、足を運んでいただきました。そして、何度もお会いしてお聞きして、やっと、少しですけれどもやっと分かってきたというふうな、私がのみ込みが悪いせいもあるんですけれども、そういう状況がありますので、今、副大臣おっしゃられたように、是非分かりやすく法にしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  また、今回の改正案は政府全体の知的財産戦略を推進するためのものだそうです。そうですと今言ってきました。知的財産戦略の中では、保護戦略だけでなく活用戦略も重要な要素になっていたはずです。特に、広く国民の福祉、福祉という言葉を私調べたんですが、幸福な生活環境ということが何か福祉だということなんで、ああそうなのかと思ったんですが、そういう国民の福祉に資する著作物については、できる限り広く活用や流通を促進していくべきだと考えています。流通、活用を促進するための一つの方法は、今回の改正案にも盛り込まれている権利制限の拡大ですが、これは条約によって定められた国際ルールの制約により無制限に拡大することはできないと理解しています。  そこで、国際ルールに従った保護を前提としつつ、価値ある著作物をできる限り広く流通させていくため、文部科学省としてはどのような施策を講じているのでしょうか、よろしくお願いいたします。少し時間がなくなりましたので、簡潔にお願いします。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 御指摘のように、政府の知財戦略の中で、保護戦略と同様に活用戦略ということは大きな柱の一つとして位置付けられているわけでございます。著作権につきましても、著作物の円滑な流通の促進ということは極めて重要な課題でございます。こういった著作物の円滑な流通を促進をするためには、文化庁としては、例えばビジネスモデルの開発とか簡便な契約システムの開発普及といったことが今後必要になるのではないかと、こういうふうに考えております。  例えば、最近日本発の新しいビジネスとして国際的に注目をされております着メロのような契約システム、セキュリティー技術、自動課金システムなどを組み合わせました新しいビジネスモデル、流通システムの開発を積極的に支援をしていきたいなというふうに思っております。  さらに、例えば今、文化庁としてモデル開発をしていることに、インターネット上のサイトに権利者が自分の著作物や利用条件を示して、その利用を希望する人とネット上で契約ができる、ちょっと片仮名になって恐縮でございますが、バーチャル著作物マーケットといったような研究を進めたりして著作物の流通の促進を図っております。さらに、自分の著作物をどうぞ広く御自由に利用してほしいという方もいるわけでございますので、ネット上などで自由に利用してよい範囲を権利者が容易に明示をできるようないわゆる自由利用マークというものを策定をしてございまして、このマークが付いたものはその一定の条件の中で皆さんが自由にその著作物を利用できるというものでございますけれども、こういうものの普及も図っていきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、関係省庁、関係団体とも連携協力をしながら、今後とも著作物の円滑な流通の促進に努め、我が国の知的財産の活用戦略を積極的に推進をしてまいりたいというふうに考えております。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございました。  自由利用マークということで、私もマークをいただきました。「コピーOK」「障害者OK」と、これもすばらしいですよね。それから「学校教育OK」という、こういう利用マークを是非皆さんが活用していただければすばらしいものになるんじゃないかと思っております。  今、正におっしゃっていただきました、自由利用ということをおっしゃっていただきましたけれども、先月の十五日だったと思うんですけれども、NHKの「プロジェクトX」でトロンプロジェクトが紹介されました。私も初めて知ったことなんですけれども、トロンはウィンドウズと同じ働きをするコンピューターの基本ソフトであり、大多数の方が既に身の回りでその恩恵を受けているということです。携帯電話だけでも一億以上コピーされて普及しているとのことでした。  トロンはコンピューターソフトであり、著作権物に当たるものです。しかし、トロンを使っても私は著作権を要求しませんと、無料の公開の宣言をされておられます。無料公開する理由は、基本ソフトのようなコンピューターインフラは無料にすべきという、すばらしいこのトロン開発者でもありますし、またトロンプロジェクトリーダーを務める東大教授の坂村先生の持論だからです。正しく、公共の利益の確保のために留意するという知的財産基本法第十条の趣旨を、坂村先生は法律が、こんな法律が制定される以前から自ら実践されていらっしゃいます。また、同じようなプロジェクトや研究が国内に多く存在していることも指摘されていらっしゃいました。  私は、この番組を見て何かすごく感動してしまいました。このような考え方があってこそ、初めてバランスの取れた知的財産立国日本が世界に誇れる日本になると確信いたします。そういう視点もどうか視野に入れまして今後とも取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  では、時間が少なくなりましたので、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。  今回の改正案の内容は権利の強化、権利制限の拡大、司法救済制度の充実といった多様な分野をカバーしております。かなり幅広いものになっていますが、知的財産戦略を推進するための著作権政策は、当然のことながらこれらには限定されないと思います。例えば、最近話題になることが多い海外の海賊版対策とか先ほど質問した著作権教育の充実など、必ずしも法改正を必要としないことについても様々な施策を総合的に実施することが重要であると思います。  そこで、極めて多くの人々にかかわる重要な課題となった著作権というものについて、権利を適切に保護すると同時に、著作権の活用も推進し、同時に国際的な課題や教育問題などにも対応していくことが必要になっていると思います。それと、併せて、今まで私が質問してきたことを総合して、知的財産立国実現に向けて大臣の思っていらっしゃること、その決意といいますか、決意と、文部科学大臣としての知的財産立国を目指すという、この日本という、そういうすばらしい日本に対して、またこの法律ができることに対してどのような夢を思い描いていらっしゃるのかという、そういうことを含めまして最後に質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 正に二十一世紀は知の世紀と言われております。知の世紀である以上は、知の財産権というのもしっかり権利化し、それを活用しながら生きていくというのは、科学技術創造立国である日本の生き方でもあるわけでございます。  そのような角度から、今、政府におきまして知的財産戦略というのを国家プロジェクトとして立てておりまして、昨夜も知的財産本部の会議がございまして出席をいたしました。その中で近々計画が立てられるわけでございますけれども、その骨子の中に我が省に絡むものは一杯ございます。  一つは、知的財産である以上、知的な創造がまずなくてはいけない。これは、大学を中心とする本当に先端的な様々な創造活動というのが活発に行われなくてはいけませんし、文化芸術の面についてもそうでございますが、それに対してどう対処するか、それからそれをどのように権利化していくか、そして保護をし活用していくかという、そういうことについても骨子に盛り込まれているわけでございますが、さらに我が省絡みの方といたしましては、コンテンツビジネスという新たな分野についてどう対応するか、それから人材育成ですね、これについて責任を持っているのは我が省でございまして、法科大学院のみならず、いろんな角度からの人材育成についてどう対応していくかというようなことも課題に掛けられております。  そのような大きな仕事をこれから逐次やっていかないといけないと思っておりますが、この著作権分野につきましては、冒頭の御質問に対しまして河村副大臣からお答えいたしましたように、五つの戦略を立ててやっておりまして、今回の法改正がその二つぐらいにこたえているわけでございますが、他の三つについては更にこれも漸進的に解決に向けて取り組んでおりますが、ちょっと申し上げますと、国際的課題への対応につきましては、アジア地域における海賊版対策や国際ルール作りへ参加するということ、それから著作権教育の充実につきましては、先ほど来の御議論のように、学校教育に対する支援あるいは国民一般への普及啓発というのを図っていかなくてはならないと、こう考えております。  また、円滑な流通の促進につきましては、ビジネスモデルあるいは契約システムを構築するということについて、私どもも支援をしていくなどの重要な課題について今後とも積極的に取り組みながら、著作権を始めとする知的財産の戦略というものが本当に日本の将来につながる、そして、しかもそういう知的財産が広く世界に、日本の権利も認めてもらいながら使っていただくことによって国際貢献をしていく、そのような角度の仕事というものを私どもとしては大変重要に考えておりまして、今後とも努力を続けたいと思います。

後藤博子自由民主党・保守新党

○後藤博子君 ありがとうございます。夢を語っていただきまして、期待しております。  片方で国民の保護を一生懸命やりながら、片方では、私いつも付けていますこの、私事で申し訳ありませんけれども、このぬいぐるみは私を選んでいただいた三十万四千八百三十という方々の夢を乗せていると思っていますし、このバッジはそのためのものだと思っております。今後とも取り組んでまいりますので、御指導よろしくお願いいたします。  本日は本当にありがとうございました。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 おはようございます。  私は、法律案に入る前に、一点だけお伺いしたいと思います。外国人学校卒業者の大学入学資格の問題についてお伺いをします。  これについては、三月に一応、当初は欧米系の学校だけ入学資格を認めるというような対応案から、様々なパブリックコメントが寄せられて、アジア系の学校にも同時に認めるべきではないかという御意見がたくさんありまして、文科省としては更に拡充する方法をどうやって考えたらいいかということで更に検討を進めるという結論を出されたことはもう皆さんも御承知だと思いますが、そのときに、たしか事務次官が七月ごろまでに何とか考えていきたいというふうなことをおっしゃったというふうにも聞いております。  それで、その後の検討状況をお伺いしたいと思います。どうなっていますでしょうか。

遠藤純一郎文部科学省高等教育局長

○政府参考人(遠藤純一郎君) 今、先生が御指摘のように、外国人学校卒業者の大学入学資格の問題につきましては、国際的な実績が認められる評価団体により評価を受けている外国人学校の卒業者について入学資格を認めるという対応案を三月に公表いたしましたけれども、この対応案につきまして、各方面から結果的に対象とならなくなるアジア系等の外国人学校についても何らかの対処をすべきといったような意見が多く寄せられ、またパブリックコメントにおきましても同様の意見が多く見られたということがございました。  これらの意見を踏まえまして、当初の対応案に加えまして、アジア系等の外国人学校の取扱いについてもどのような対応が可能かと、検討する必要があるということで、現在この問題につきまして引き続き検討をしているという状況でございます。  今、七月ごろ、夏ごろまでにというような発言があったのではないかと、こういう御指摘がございました。夏ごろといいますのは、仮に次の入学時期でございます十六年度の入学者を念頭に置いた場合の目安ということでございますけれども、今、先ほど申しましたように検討中でございまして、結論をいつ出すかという時期をも含めまして検討しているというような状況でございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 ということは、来年の入試に間に合わせるか間に合わせないかということも含めての検討だということでしょうか。

遠藤純一郎文部科学省高等教育局長

○政府参考人(遠藤純一郎君) 具体的な結論の時期を決めて検討しているということではございませんで、今どのような対応が可能か検討しているということでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 この件につきましては、私の方にも、大変な、やっぱり大検を受けてしか国立大学の試験が受けられないということで、当事者の生徒さんたちは大変な精神的な負担も得ているし、物理的にも大検の入試の勉強とそれから本番の入試の勉強と両方しなければいけないということで、もうかなり早くから非常な負担を覚えているわけですね。それから、大検の勉強のためにもう部活もやめてその二つの勉強に取り掛からなければいけないというような生徒さん自身の負担もありますし、こういった状況をいつまで続けるのか。  やっと、せっかく入学資格が認められるというところまでこの三月、期待を膨らませていたのに、それがちょっと先送りされたと。でも、切り離してアジア系だけ認めないという結論よりはよかったというふうに私も思って大変期待をして待っているわけですね。  現実その当事者の方たちから私の方にも何度も御要望が来ているんですけれども、是非とも来春の例えば入試に間に合わせるとすれば、いつごろまでに結論を出せばいいのか、ルーティンワークとしてですね。センター試験というのがありますから、それに間に合わせるには大体いつごろまでに結論を出せばいいと。これは、この問題で結論をそれまでに出しますということではなくていいんですけれども、大体どういうふうになりますでしょうか。

遠藤純一郎文部科学省高等教育局長

○政府参考人(遠藤純一郎君) 先ほど申しましたように、夏から秋ぐらいにかけてというのがそういう意味での時期かなと。あるいは、ぎりぎりということになりますとまたいろんな対応の仕方があるかとは思いますけれども、いずれにしましても、具体的なその結論の時期を決めて検討しているということではございませんで、どういう対応が可能か、そういうことも含めまして今一生懸命検討しているという段階でございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 やっぱり、いつごろということを是非とも決めて検討していただきたい。何がそんなに大変なのかなと。物理的といいますか、実際に一定の教育水準を確保できているかどうかを認定するのが難しいというふうにそれは実務的には思うんですけれども、それは、例えば専修学校などで行われているような水準の認定の仕方ということも応用できるのではないかというふうに素人は考えるんですが、どうもほかの作用も働いているのではないかというように私は勘ぐってしまいますが、是非とも来年の入試に間に合うように結論を出していただきたい。そして、何がその検討の阻害要因になっているのかということも私は今日聞かせていただきたいんですけれども、ちょっと今日、本題ではございませんので要望としてそれは申し上げておきたいと思いますが、大臣、副大臣どちらでも結構ですが、この問題については国民的な関心も非常に高いと思いますので、一言お願いします。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 今、局長が答えましたように、この問題につきましては、一定水準の教育というものをどのように担保するかという問題点を整理しながら検討をし、その努力をしていくという状況にございます。そういう角度で取り組んでいるところでございます。  今の御要望の趣は私どももよく分かっているところでございまして、そういうことももちろん勘案しながら、制度のことでございますので、これは今申し上げましたような角度から検討を続けるということでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 例えば、外国の日本人学校に通っている子供たちはそこで上の学校に行くことは認められているわけですよね。もしも外国でそういうことが認められないということであれば、やっぱりそれは日本の、日本人としておかしいというふうに怒りを持つと思いますので、是非とも来年の入試に間に合うような方向で鋭意もう本当に検討していただきたいということをお願いしておきたいと思います。  さて、著作権法の改正案についての質問に移りたいと思いますが、先ほどの後藤委員の御質問の中で、大体今回の改正の趣旨は御質問で明らかになったと思いますけれども、私は、改正案の中の映画の著作物、映画やアニメ、ビデオの著作物の保護期間が二十年延長されて、現状公表後五十年というのが公表後七十年に延長されたということで、これは大変いいことだというふうに思います。  ただ、諸外国の例を見ますと、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの国では、映画制作に関与した著作者のうち最終に死亡した著作者の死後七十年というふうになっているんですね。同じ七十年でも、日本の場合は今回公表後七十年、ヨーロッパの場合は死後七十年となっているので、生存期間中の分、日本の方は短くなると思うんですね、実質的に。  やはり、特に日本の映画、アニメなんか非常に強い競争力を持っていますので、そういったものを保護するという観点から言えば諸外国と同程度にすべきではないかというふうに、ちょっと、日本の場合、今回改正されたけれども諸外国より短いという点についていかがですか、同程度にすべきだと思いますが。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生がお話しされましたように、今回の改正によりまして映画の保護期間を公表後七十年に延長するわけでございます。これに対しまして、欧米諸国におきましては、映画の保護期間は、例えばEU諸国では死後七十年、あるいはアメリカでは発行後九十五年といったようなことで、映画の保護期間の原則についてはまだ差異がございまして、今回の改正によりましても映画の保護期間が欧米諸国と全く同じになるというわけではございませんけれども、これまでの公表後五十年というものに比べますとかなりの改善が図られたというふうに考えております。  その背景には、我が国の場合、著作物の保護期間が映画以外のものにつきましては著作者の生存期間プラス死後五十年ということで、大体七十年から八十年ぐらい実質的に保護されるという状況にあるのに対しまして、欧米諸国におきましては著作物の保護期間が著作者の生存期間プラス死後七十年ということで、一般の著作物の保護期間自体が欧米の方が日本に比べて長いということがございます。  それで、日本の場合は、その上に映画の著作物が一般の著作物に比べて保護期間が短いということがございましたので、今回その点は解消されるわけでございますけれども、一般の著作物の保護期間自体がまだ欧米に比べて短いという問題がありますので、この保護期間の原則そのものを今後どうするのかということが課題だと私ども認識しております。  ただ、このことにつきましては、関係者の間に様々な御意見がございまして、文化審議会の著作権分科会におきましても今後の検討課題として引き続き検討していくということにいたしております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 国際競争力の強いこういった映画などのコンテンツ産業の保護という観点から、是非諸外国と同じようなことを検討していただきたいと思います。  次に、損害額算定制度というものが、この制度のインターネット配信に関しても権利者による損害額の立証負担を軽減するためということで導入されております。この百十四条一項にそのことが今度新設されているんですけれども、このインターネット等によって送信された著作物等についても保護を図るということはいいと思うんですが、インターネットで一度送信されたならば瞬時にそれは全国に行き渡るわけで、またそれを受け取った人がまた更に配信するというようなことも想定されますので、新設された侵害者の譲渡等の数量というものを把握するのが非常に困難ではないかというふうに思います。そうすると、せっかく新設されても実効性に乏しいのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先生ただいま御指摘の部分の改正は、訴訟における損害額の立証につきまして、権利者自身が正規品の販売を行っている場合、海賊版の販売がなければ同じ数だけ正規品が売れたはずだという前提に立ちまして、損害額として海賊版の販売数量に権利者正規品の単位当たり利益を乗じたものを損害額として請求できるようにしようとする、その部分についてのお尋ねでございます。  この新しい制度は、侵害者が著作物を無断で店頭で販売するような場合だけではなくて、ただいまお話がございましたように音楽のネット配信、こういうものを違法に行った場合にも適用されるわけでございます。この場合は、違法にネット配信されたものが受信者のパソコンに取り込まれた、つまりダウンロードされたその回数、これが海賊版の販売数量ということになりまして、それをベースに損害額を算定をするということになります。  御指摘のように、ネット配信によりましてダウンロードされた数量の把握ということは、店頭で販売されるものの数量に比べますと確かに難しいという面はあろうかと思います。ただ、ホームページを管理をするプロバイダーなどからの情報を得ることによりまして、ある程度の把握が可能であるというふうにも考えられております。  今回の改正によってもあらゆる侵害について立証が簡単にできるようになるわけではございませんけれども、訴訟において権利者ができる限り容易に権利の実効性を確保できるよう、今後とも司法救済制度の充実に私どもも努めてまいりたいと思っております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 次に、著作権教育についてお伺いしようと思ったんですが、先ほど後藤委員がもうほとんど中心的に御質問されたんで、私もこの著作権教育というのは非常にこれから特に重要になってくると思いますので、是非とも研究を進めて推進していただきたいということを御要望しておきたいと思います。  次に、いわゆる拡大教科書について幾つかお伺いしたいと思います。  これにつきましては昨年の通常国会において、衆議院を始めこの委員会でも取り上げられて、そのとき大臣も、最近になってこの問題の所在について認識をした、それで、できるだけ早く良い方向を見付け出したいというふうに御答弁されておりましたし、また初中局長も、一番望ましい形を考えていきたいということで、昨年の四月以降、文化庁の方に初中局長名で著作権改正の要望についてという通知を出され、そして今回の改正案に入れられたということで、私は大変良かったなというふうに本当に思っております。今回のこの法改正は、この点だけでも大変国民は皆さん喜ばれると思いますので、文科省からの要請を受けて文化庁が今回入れられたことに対しては、私は心から感謝申し上げたいと思います。  ただ、文科省の方では、昨年の四月のこの委員会での議論以降、教科書制度の見直しも含めて文部科学省としてどのような検討が行われてきたのか、今回の改正に至るまでの検討の経緯をちょっとお伺いしたいと思います。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) ボランティア等が拡大教科書を作成する場合、一番大きな問題は、著作権についての許諾の問題があるわけでございまして、これにつきまして、すべての著作権者を探し出し許諾を得るということは極めて大きな負担となっておりますことから、文部科学省といたしましては、まず、その許諾手続を簡便にするためにボランティア団体と著作者の団体との間における包括的な契約をあらかじめ締結することができないかと、そういうことで検討をずっとしてまいったわけでございます。  しかし、すべてのボランティアを組織化することが困難でございますし、また、すべての著作権者が著作権関係団体によって網羅されているわけではないわけでございますので、そうした事情から今申し上げたようなシステムを構築することが極めて困難であるという私どもとしての結論に至ったわけでございまして、それを受けて昨年の十月に、この拡大教科書の作成、利用に係る著作権法の一部改正の検討を、教科書を担当する局として文化庁にお願いを申し上げたところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 検討の最初がやっぱりボランティアが作成する場合というふうに、前提としてボランティアの方たちが現状作成していらっしゃるので、それをしやすくするにはどうするかという検討がされたということで、これについては後で意見を私も述べたいと思うんですが、実質的にこの弱視の子供さんたちに対する教科書給付、いわゆる拡大教科書というものが盲学校や特殊学級においては検定教科書に代えていわゆる百七条教科書として無償給付をされております。  今日、お手元に資料をお配りさせておりますけれども、今、「視覚障害児の教科書の実態」ということで、これは弱視者問題研究会の方が作られたものなんですけれども、点字教科書はこういうふうに文科省が発行して無償、それから拡大教科書の中にも小学校、中学校で一部発行されているものについて無償となっています。それから、弱視学級の分と一般校の通常学級に通っている子供さんたちの分については発行がされていないわけです。ここの分をボランティアの方たちが一人一人の子供のニーズに合わせて作られているわけですけれども、この通常学級に在籍している子供さんが文科省の推定では約千人ほどいらっしゃるというふうに聞いているんですけれども、昨年の学校教育法施行令の一部改正で、特別の場合という言葉が付いていますけれども、弱視児でも条件が整えば通常の学級に就学することが法的に可能となっていますので、今後も増えていくと思うんですね。  ところが、この通常学級に通っている弱視の子供さんたちについては無償給付の対象にならないわけですね。ですから、この通常学級に通う子供さんたちの拡大教科書も無償給付すべきであるというふうに私は思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 現状は、委員御指摘のとおり、小中学校の通常の学級におきましては検定教科書を主たる教材として授業が展開されておるところでございまして、視覚に障害のある児童生徒が在籍している場合でありましても、他の児童生徒同様に検定教科書を無償しているわけでございます。  そういう意味で拡大教科書は無償給付はされていないわけでございますけれども、御指摘の問題につきましては、通常の学級と特殊学級の関係などに深くかかわる問題でございます。今後、特別支援教育の在り方を検討していく中でこの問題につきましても検討してまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 検定教科書はもちろん通常学級に行っている弱視の子供さんにも配られているけれども、それでは学習できないということで、本当に、今日、私はボランティアの方たちが作られたいわゆる拡大写本といいますか、拡大教科書というものをお借りしてきたんですけれども、ちょっと回させて、回していいですかね。皆さんにも是非見ていただきたいと思います。  本当にこういうふうにして手書きで作られているわけですね。一人一人の子供さんの視力に合わせて大きさを変え、大変な御苦労の中で作られているわけです。ですから、この一冊作るのに一万五千円から二万円というようなお金、人件費ではなく掛かっているわけです。こういった現状、ボランティアに頼っている現状を何とかするためには、私は、やっぱり本来教科書というものは無償である、それから義務教育は無償であるという憲法の規定から考えると、非常におかしなことであるというふうに思うわけですね。  今回の改正に合わせて是非ともそこまでいっていただきたかったんですけれども、そういっていないので、それは要望としておきますけれども、この普通学級に行っている子供さんたちの拡大教科書、こういった教科書は教科書として認められていないので、実際には保護者負担になっているわけです。先ほど言いましたように、一万五千円から二万円というふうな膨大な費用が保護者に負担となっているんですけれども、この購入費について国が何らかの支援をするということは考えられますでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) それは普通学級の話ということでございますね。それにつきましては、先ほど申し上げましたように、無償給付の問題についてのお尋ねがございまして、先ほども申し上げましたとおり、私ども特別支援教育の在り方を検討していく中で検討してまいりたいと思ってございますので、そういうことで御理解をいただきたく思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 これもまた先ほどと同じですが、いつまでこんな状態を続けていくのかと。当事者の子供さんや保護者の方たちは、本当にこの同じ日本の国に生まれてきて、そして同じ子供が一方では無償給付で六年間義務教育として受けられると、一方では使えない教科書を無償でくれて、そして本当に欲しい教科書は膨大な保護者負担のままに置かれているということは、こういう状況は決してよくないと思いますので、早急に検討して、特別支援教育と名前変わりましたけれども、その在り方の中で早急に結論を出していただきたいと思います。  次に、でも、とはいえ、具体的に今実際ボランティアの方たちに頼っているわけですから、そのボランティアに対する財政的な支援についてお伺いしたいと思います。  今回の改正案では、拡大教科書の作成に当たっては、ボランティア等の非営利、無料譲渡の場合には著作権者への補償金は不要というふうにされていますので、これは本当にいい措置だなというふうに思っています。しかし、先ほど言いましたように一万五千円から二万円も掛かるという、しかも一人の子供さんの、例えば高校でいえば、三年間考えると十何万かな、具体的な数字もお聞きしたんですけれども、十三万幾ら掛かるんですね、教科書代だけで。しかも、それを一年にならすと四万幾らというふうに掛かるわけですけれども、もう一歩踏み込んで、このボランティアの皆さんに対する拡大教科書の作成費、作成費用等への支援ということで、何とかこの単価を下げるとか作成がしやすいようにというような支援も必要であると考えますけれども、いかがでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 弱視の児童生徒につきましては、視力が同じでも見え方が様々でありまして、児童生徒一人一人の見え方に対応した適切な指導方法、それから教材ということが工夫されることが必要であるわけでございます。  学校現場におきましては、教材の一部が保護者や先ほどお話がございましたボランティアの御協力によって作成され、実際に使用されているところでございまして、文部科学省といたしましてもこうした活動をできるだけ支援してまいりたいと考えているところでございます。  このことにつきましては、従来より、ボランティアの作成する拡大教材につきましても特殊教育就学奨励費によります教材購入費の補助の対象となっているわけでございます。また、今回の法改正におきましては、先ほどお話がございましたように、著作権の手続が簡略化され、拡大教科書を作成する上での負担が大幅に軽減されるということになると考えておるわけでございますし、さらに、盲学校におきましては拡大教材制作のための設備等の充実が図られてまいっております。  今後、盲学校とボランティアの相互連携を充実するために、弱視の児童生徒のための教育の充実に資する、そういうネットワークの構築について、現在、全国盲学校長会と連携を密にしながら検討を進めてまいっていると、そういう状況にあるわけでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 今、就学奨励費として出ていて、それが実質的にはボランティアの方たちへの支援になっているのではないかというふうにおっしゃいましたけれども、それはそれでいいんですが、文科省の方にお聞きしますと、この就学奨励費の中の学用品購入費という中に入っているらしいんですが、それは盲学校の子供さんに対しては年間一万円、それから特殊学級の子供さんには年間五千円というふうな金額になっていますので、とても到底これだけでは足りないと思いますから、是非とも、今おっしゃったように、ボランティア団体の方たちと緊密な連携を取りながら、その御要望を聞いていただいて、ボランティアに対する財政的支援、今後とも検討していただきたいということをお願いしたいと思います。  それから、今度は作成に当たっての具体的な制度的な支援なんですけれども、この教科書を作成しているボランティア団体の方々からお聞きしたところ、実際、作るのに必要な原本が入手できるのが非常に遅くなると作るのに大変な手間が掛かるということで、原本入手を是非とも早期にできるように取り計らっていただきたいということと、それから、例えばこれはスイスの例なんですけれども、スイスでは一つの教科書に対して音声データがこういうふうに付いていまして、それから拡大のデータもこれデジタルデータとして付けられて、それから点字データというふうに、こういったものがデジタルデータとして教科書会社から教科書を発行するときに同時に出されているというふうなこともお聞きしています。こういうものがあれば、一つ一つ手書きでするとか、あるいは拡大をコピーして張り付けてというようなことをしなくても済むようになるわけですね。  ですから、そういうボランティアが作成しやすいような制度的な支援といいますか、具体的な支援を是非とも当面のこととしてしていただきたいと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の点につきましては、私どもといたしましても、それぞれの教科書発行者がそれぞれの事業に支障のない、支障の生じない範囲でボランティア団体等の拡大教科書の作成に協力していただきたいと考えているところでございます。  ただ、具体的にどのような協力を行うかにつきましては、教科書発行者も、これは民間の企業でありますから、あくまでも教科書発行者の自主的な判断に基づいてなされるべきものでありますが、私どもといたしましては、ボランティア団体の果たす役割の重要性にかんがみまして、従来から各教科書会社に、教科書発行者に協力をお願いしているところでございます。  その中では、例えば、検定決定後、見本本ができた段階で速やかに見本本の提供を行うこと、また見本本の無料提供の可否についても検討していただきたいということ、それから、先ほど御指摘がございましたけれども、デジタルデータの提供の可能性についても検討していただきたいといったようなこと等々につきまして、教科書発行者に私どもとしてもお願いをし働き掛けているところでございますが、今後とも引き続き教科書見本本の早期提供など可能な範囲で協力を行うように私どもとしても働き掛けてまいりたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 本来、やっぱり私は、これは、この拡大教科書も検定教科書として認められればこんな問題は全部一挙に解決すると思うんですね。検定教科書として認められない理由がよく私には分からないんですけれども、例えば点字教科書は百七条本として認められているということですので、聞くところによりますと、拡大教科書だとレイアウトが変わるということで、編集の、何といいますか、検定された教科書と違うものになってしまうということで認められないというふうに聞きます。  確かに、レイアウトが変わると、検定の中では、文字のポイントとかレイアウトも含めて検定されるということは私もよく承知しているんですが、この拡大教科書の場合は、そういう別の意図があるのではなくて、何といいますか、本当に必要な子供さんたちの視力に合わせた教科書ということで作られる教科書ですので、是非とも百七条本として認めて、そして無償給付ができるように早急にやっていくことが憲法が要請する義務教育の無償、それから教育基本法の教育の機会均等という観点からも必要だと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) これは、もちろん百七条本には当然、各学校が採択すれば、各教育委員会あるいは各学校が採択すれば百七条本になるわけでございますが、それが直ちに検定教科書にはならないわけでございまして、そのことにつきましては、今、委員が少しお触れになりましたけれども、内容的にかなり変わるわけでございます。その証拠に、私ども、拡大教科書を作る場合、単純に言わば検定教科書を翻訳するといったようなことでは内容的には十分きちんとしたものができないわけでございます。そのために、私ども、例えば国立特殊教育総合研究所で拡大教科書の在り方はどうあるべきかということをかなり専門的に研究しないと拡大教科書の内容として定まらないわけでございます。  そういう難しい面もあるわけでございますので、そういう意味で直ちに、検定を経ないで直ちに、検定教科書と同様に扱うというのは、これはなかなか難しいということについては御理解をいただきたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 いや、もう現状は、いかにボランティアの方たちが御苦労なさっているか、そしてまた弱視の子供さんを持っている親御さんの保護者負担がいかに大きいかという現状については私もるる申し上げましたのでお分かりいただいたと思います。  非常に硬直した検定の在り方というふうに私は受け止めたんですけれども、やっぱりそこは、是非とも早急にこの問題を解決していただきたい。今回の著作権法の改正では本当にちょっとだけといいますか、一歩前進だというふうには私も思います。でも、これでは決して問題は解決していないし、相変わらずボランティアの方たちが御苦労なさってやらなければいけないという、その現状を是非とも文科省としては認識をしていただきたいというふうに思います。  最後に、大臣、この件について御決意をお願いいたします。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) この問題は、昨年の委員会、衆参におきまして御議論いただきまして、私も大変大事な問題だと考えております。そして、今回の著作権法の法改正は、この問題に取り組んでいる方々にとって一つの大きな福音であることは確かでございます。しかし、それを更に学校教育の現場において、現に弱視である子供たちが例外なく拡大教科書が使えるようにしていくというのは、私は行政の責任だと思っております。その角度から、子供たちにとって最もいい方法でこの問題を解決をしていく必要があると私は思っております。  初中局長は、言葉を選びながら、いろいろ検討していくと。あれだけ言っているということは、相当検討するということだと私も思っておりまして、この法律が施行日を迎えるのが来年の一月一日でございます。一月一日が施行日でございまして、このことを考えますと、施行日ないし来年度に向けまして、できるだけのことをしていきたいと私は考えております。  そのことが日本の大事な子供たち、弱視であっても、私は、十分世の中で活躍してもらうことができるわけでして、そういう子供たちにとって本当の意味の福音になるようにしていきたいと思いますが、その方法論につきましては若干お時間をいただきたいと思います。  しかしながら、その御指摘の点については、私は十分この問題についての大事なポイントであるというふうに承っております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 大臣の今、弱視の子供たちが例外なくこういった教科書が行き渡って学べるような環境を作りたいという言葉、それから文科省として局長が検討する検討するとおっしゃっていただいたので、それは本当に前向きな検討だというふうに大臣からもおっしゃっていただきましたので、是非その方向でやっていただきたいと思います。  ありがとうございました。よろしくお願いします。

山本香苗公明党

○山本香苗君 公明党の山本香苗です。どうぞよろしくお願いいたします。  もういろんな先生方から質問ございましたが、重なる点もあるかもしれませんが、改めてお伺いさせていただきます。  昨年、知的財産戦略を推進することによって日本は国際競争力でも負けない、そうした国になるんだ、知的財産戦略大綱及び基本法というものが成立したわけでございます。今回の法改正、この流れの中の一環であるという位置付けだというふうにお伺いしておりますが、まず最初に大臣にお伺いしたいんですけれども、その大綱、基本法の中におきまして今回の法改正がどう位置付けられるのか。また、今回の法改正によりまして、前回の国会でもこの改正云々とやったわけでございますけれども、これで一体、一応この大綱とか基本法の中にあります著作権法にかかわるところ、すべて終わりになるという認識でよろしいんでしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来御説明しておりますように、知的財産戦略というものを初めて国家戦略として今取り組んでいるわけでございますが、その中におきまして、著作権法というものの在り方というのは、権利の在り方あるいはそれを守るという意味で、守り、財産化していく、経済的利益を得ていくという意味で大変重要な位置付けになっております。そのようなことから、今回幾つか改正をすることによりまして、知的財産の戦略の中でも権利の保護という意味で大変重要な役割を占めていると思います。  これでおしまいかということでございますけれども、著作権法の改正はこれまでほとんど毎年のようにお願いいたしておりますけれども、それはどうしてかといいますと、一つには、情報化などの新しい変化に対応して適時適切にその法改正を行っていくような分野でございますので、頻繁な法改正をお願いしているという点が一つございますし、それからもう一つは、著作権制度といいますものは、常に権利者の利益、それから利用者の利益といった、その二つの権利の間の微妙なバランスの上に成り立つものでございまして、したがって、いろんなテーマ、解決すべきテーマがあっても、両者の間の意見調整といいますか、そこの調整が容易なものと困難なものとがあるわけでございまして、その調整が付いたものについてきっちりと法制度で担保していくということになるわけでございまして、その意味で、一斉にスタート、これで全部終わりということではなくて、逐次やっていくという、そういう宿命にはあるわけでございます。  今回の改正案は、知的財産戦略を推進する観点から、現時点で法改正について協議、調整を終えた事項を盛り込んでいるわけでございますが、技術の動向あるいは社会経済の変化に適切に対応していきますためには、今後とも適切に法改正を行っていく必要があるというふうに考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 今、大臣がおっしゃられたように、著作者のいわゆる著作権の保護という観点と、もう一つ、いわゆる利用しやすい、利用者の側に立った、この二つのバランスを取っていくのが非常に重要だと思うんですけれども、この点につきましてどう図っていくべきか、御意見、御見解をお伺いしたいと思います。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今回お願いをしております法律案の中でも、権利の強化の部分と権利を制限をする部分と、双方が含まれているわけでございます。  著作権制度自体、基本的には、著作物を作り出した人を無断利用から守って、国全体として創作活動を活発化し文化の発展を図ろうというところが基本でございます。一方では、公益上の理由や他の権利との調整の必要などから、一定の特別の場合については、著作物の例外的な無断利用を認めることが社会全体の福祉に役に立つという場合もあるわけでございまして、この両者のバランスをやっぱり取っていくということが必要になろうかと思っております。このことは、いろいろな関係条約においても、権利者の正当な利益を不当に害しないこと等を条件としまして、権利者の許諾を得ずに著作物を利用できる例外を設けるということが認められているところでございます。我が国の著作権法におきましても、教育目的でございますとか報道目的とか福祉目的の利用などがそのような特別の場合の例外とされているわけでございます。  著作権制度の整備に当たりましては、繰り返しになりますけれども、著作者を保護をするということを基本としながら、公正な利用ということにも十分留意をすることが必要であると考えておりまして、今後ともバランスに十分留意した制度の整備に努めてまいりたいと考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 今回のこの法改正につきまして事前にいろんな御説明を、丁寧な御説明をいただいたわけなんですけれども、先ほど後藤委員の質問の中にもございましたが、もうこんなの教育現場でやっているんじゃないかというようなものも実際あったりしたわけでございまして、そのときに思ったのは、知らず知らずの間に著作者の著作権というものを侵害していたというか、そういった場合もあったんだな、著作権教育というのは重要だなということを改めて感じたわけでございますが。  先ほど著作権教育、教育現場でどのように取り入れられているか、そういった御説明るるございましたけれども、子供たちだけではなくて、私も含めてなんですけれども、広く国民一般に対します著作権教育というもの、著作権をどう確保していくか、守っていくかということを知らしめていくことも必要だと思うんですが、これにつきましての現状、また、これからどうやっていくべきかについての御見解をお伺いいたします。

河村建夫自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(河村建夫君) 著作権教育、まず子供のときからしっかりこういうことが、権利があるんだということを学ぶということ、まずこれ原則でございますけれども、その上に向けて著作権というものが、先ほどの御質問にもございましたが、非常に分かりにくい、何か難しいことだという皆さんのお気持ちがございます。  これに対して、もっと分かりやすくしてこのことに理解を深めていくということが非常に大事だろうと、こう思っておりまして、先ほど御答弁申し上げました著作権学ぼうプロジェクトも、学校現場だけではなくて、一般社会人を対象としたということもやっておるわけでございまして、特に著作権テキスト、それから著作権ハンドブックを作って、さらにその上に著作権講習会を開催して、それにできるだけ参加をしていただく。また、現場からいろんな質問がございますので、そういうことに対してもネットを通じて答えていくというシステムを作ったりいたしておるところでございまして、そのように国民対象、一般を対象としたPRといいますか、そういうものをしっかりやっていく方向で、これからもその点を強めてまいりたいと、こう思っておるところでございます。  そういうことで、今それをこれからどんどん進めてまいりたいと思っておる段階でございまして、予算的にも、国民一般を対象とした予算も既に用意をいたしておるようなわけでございます。そういうことで、一層またいろんな御指摘も賜りたいと、このように思っておるところでございます。

山本香苗公明党

○山本香苗君 是非、ちょっと聞いたことがなかったので、そういうことが、やっているんだということを広くPRをしていただきたいと思います。  そして、今回の例外的な無許諾利用の範囲が拡大するわけでございますけれども、今後、構造改革特区におきましてNPO、株式会社、学校の設置、運営にも参入できるようになってくるわけでございますけれども、この場合もこの無許諾利用の範囲に入るのでしょうか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の改正におきましては、教育を担任する者だけでなく、児童生徒が教材としてコピーしたものを他の児童生徒と共用する場合についても著作者の許諾を得ずにコピーすることができるといったような権利制限規定を新たに設けたわけでございます。  この国会に構造改革特別区域法改正案が提出をされておりますけれども、この法案では、特区においていわゆる株式会社も学校を設置することができるということとされているわけでございますけれども、ただいま申し上げましたこの特区法改正案の第十二条の第十一項におきまして、これらの学校におきましても教育が円滑に行われるように、今回の改正も含めまして、教育に関する権利制限規定が他の学校と同様に適用されるように措置をしているところでございます。

山本香苗公明党

○山本香苗君 次に、先ほど来質問がございます拡大教科書の件についてお伺いしたいと思います。  今回の改正で、先ほど最後、大臣に御答弁いただきましたとおり、一つ問題をクリアしたというところ、著作権の問題がクリアされたという状況でございますけれども、引き続き弱視の子供たちの学習環境を整えていく上では様々な課題が残されているとお伺いしております。  そこで、二点ほどまとめてお伺いしたいんですが、まず一点目は、いろんな今御意見ございましたけれども、何で普通学校におけます拡大教科書が無償配付をされていないのか、そのなぜされないのかという理由を具体的にお教え願いたいと思います。  二点目につきましては、このほかにも課題として文部科学省がこれから取り組んでいかなくちゃいけないというふうに認識されていること、どういうことがあるのか、そしてそれに今後どう取り組んでいかれるのか、その点についてお伺いしたいと思います。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) まず最初の点でございますが、これは、小中学校の通常の学級におきましては検定教科書を主たる教材として授業が展開されているところでございまして、視覚に障害のある児童生徒が在籍している場合でありましても他の児童生徒と同様に検定教科書を無償給与していることから、いわゆる拡大教科書を無償給与することはしていないわけでございます。つまり、検定教科書は、きちっとその子供につきましては通常学級においては検定教科書を使うこととし、それについて検定教科書は無償で給与されているということを踏まえての対応であるわけでございます。  それから、もう一点の弱視の児童生徒のための環境整備ということでございますが、これは、これにつきましては、特に拡大教科書の問題につきまして、昨年度から国立特殊教育総合研究所におきまして、これまではもう国語、算数、数学、英語につきましては既に拡大教科書が作成されているわけでございますが、まだ理科と社会については拡大教科書化されていなかったものでございますから、国立特殊教育総合研究所におきまして教科書作成のノウハウの研究開発を行ってもらいまして、その成果物として、昨年度でございますが、理科、社会の一部につきまして拡大教科書を作成し、今年度から百七条図書として無償給与され、活用されているところでございます。  今年度は、残りの分につきましても、残りの理科、社会につきましても研究開発をいたしまして、さらにその作成のための研究を進めたいということと同時に、昨年研究開発をいたしました拡大教科書につきましても、モニターを行うことによりまして拡大教科書作成のマニュアルも作成するようにいたしたいと思っているところでございます。  さらに、これは盲学校においてでございますけれども、拡大教科書、拡大教材制作のための設備等の充実を図ってまいっておりますけれども、今後、私どもとしては、先ほど来お話ございましたように、ボランティアの役割また意義というのは大変大きいわけでございます。そういう意味で、ボランティアとの連携を充実するためのネットワークの構築につきまして、現在、全国盲学校長会とも連携を密にしながら検討を進めていると、こういう状況にあるわけでございます。

山本香苗公明党

○山本香苗君 あえてこの弱視の子供たちの教科書を無償にしていただきたいという御意見、先ほど来ありまして、私もそれに全く同感なわけでございます。大臣の方からも、矢野局長の方が検討検討と言われていらっしゃると。私も役人で国会答弁を作るときに、検討という言葉の使い方、単に検討しますと軽くは言わないというふうにお伺いしておりまして、是非とも、次、法律が施行されるときまでに、しっかりとして本当に検討していただきまして成果を出していただきたいと思っております。  次に、司法救済制度についてお伺いしたいんですが、現在の司法救済制度、侵害した方は侵害し得というような実態があるというふうなこともお伺いしておりますが、今回の法改正でこうした状況は改善されるのでしょうか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 私権でございます著作権の侵害につきましては、基本的に権利者自らが侵害の事実や損害額を立証することが必要でございますが、昨今それがなかなか難しい状況が出てきております。今回の法改正は、こうした状況に対応するために、著作権侵害訴訟における権利者の立証負担を軽減をし、権利の実効性の確保を図ろうとするものでございます。  それで、その内容の第一は、訴訟におきまして、侵害行為の立証について、訴えられた側、被告側に一定の責任、説明責任を負わせるというものでございまして、この制度の実現によりまして、権利者の方からすれば立証負担が軽減をされるために侵害行為の抑止について一定の効果があるというふうに考えております。  第二は、訴訟における損害額の立証につきまして、権利者自身が正規品の販売を行っている場合に関しまして、海賊版の販売がなければ同じ数量の正規品が売れたはずだという前提に立ちまして、損害額を、海賊版の販売数量に権利者正規品の単位当たり利益を乗じたものを損害額として請求できるようにするというものでございます。  この制度が実現をいたしますと、海賊版というのは通常正規品よりは安く売るわけでございますので、侵害者はむしろ自分が得た利益よりも高額な損害額を請求される、逆に損をするという状況も出てくるわけでございまして、ただいま先生がお話しされましたような侵害し得と言われるような侵害行為の横行を抑止する上で大きな効果を持つのではないかと期待をいたしております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 実際、今グローバル化というものが急速に進んでいく中で、著作権侵害の行為として一番深刻なのは海外における知的財産権の侵害であるというふうにお伺いしております。今回の改正におけます司法救済制度というのはあくまで国内にとどまるものであるというふうにお伺いしておりますが、海外における侵害行為からの救済の現状はどうなっているのか、また、併せて今後こうした海外での侵害に対する救済をどう確保していくかについてのお考えを副大臣にお伺いしたいと思います。

河村建夫自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(河村建夫君) 海外における海賊版の問題は、報告を受けている段階においても非常に大きな問題でございまして、目に余る点もあるわけでございます。これは特に中国等に大きいということでございまして、実際の発行物のその八割あるいは九割は正に侵害状況にあると、こうも言われておりまして、これは急がなければならぬわけでございます。  二国間の国際機関の枠組み、これを通じて法制度の整備、そして取締り強化、この今要請をいたしておるところでございます。そして、我が国の権利者がそれらの諸国においてそういう発生がした場合の民事、刑事上の手続をより効果的にやるという意味で手引書の作成ですね、著作権エンフォースメントマニュアルと言っておりますが、要するに権利をどういうふうに執行したらいいかということ。侵害国及び国内権利者の双方に対して施策を講じておるわけでございます。これが、まだ国によってはそれがそのとおりいかないというようなケースもございまして、さらに侵害発生国においても権利者が円滑な権利を行使できるように、環境整備といいますか、二国間で更に協議を進めながらこの問題の解決に文部科学省としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えておるところでございます。

山本香苗公明党

○山本香苗君 どうもありがとうございました。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。  著作権法の一部改正案につきましては、第一に映画の著作物の保護の強化という点で、欧米では保護期間は七十年以上であり、保護期間の延長が求められていたという点からも、また第二に教育機関等での著作物活用の促進という点で、コンピューター教室等での児童生徒による複製、遠隔授業における教材の送信、インターネット試験での試験問題の送信、そして今議論されております視覚障害者のための拡大教科書を作成することなどという技術の発展に対応した法整備であるという点、さらに三点目に、著作権侵害に対する司法救済については、権利者による侵害行為、損害額の立証負担の軽減のため、明確な損害額算定制度を導入し、権利者救済制度を充実させたものであるという点で賛成でございますが、幾つかの点で質問をさせていただきます。  まず第一に、映画振興、日本の映画振興の問題でございます。  御存じのように、アメリカのアカデミー賞を日本アニメ「千と千尋の神隠し」が受賞するなど、長年の関係者の皆さんの努力で日本の映画が注目される状況も生まれております。  四月の二十四日に、映画振興に関する懇談会から、「これからの日本映画の振興について 日本映画の再生のために」という提言が出されました。  そこで、まず遠山文部科学大臣に伺いたいのですが、この提言では、すべての映画フィルムを保存することや映画撮影所への支援など、長年の映画関係者の要望が盛り込まれております。また、映画制作にかかわる者が安心して仕事ができるよう、環境の整備や著作権、隣接権にも触れております。この提言を真摯に受け止めて、従来の施策にとどめず、本気で映画振興のために尽くすことが国に求められているというふうに思います。  国立の人材養成機関が盛り込まれなかった点など、今後の充実が求められる点もあると思いますけれども、今後、映画にかかわる人々、映画振興を願う人々とも協力して、各省庁とも連携をして具体的な実行を求めていただきたい、進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 日本の映画は大変海外からも評価されておりまして、映画の訴える力の大きさを思うわけでございますが、今お話しのように、今年四月に映画振興に関する懇談会が報告書を出してくださいまして、「映画に関係する著作権の課題について、今後とも、関係者間での合意形成努力が行われる必要がある。」というふうに提言されているところでございます。  著作権法の改正につきましては、常に、先ほども御説明しましたように、権利者と利用者の間に利害の対立がありますので、その協議あるいは合意形成ができ上がったものについて法改正を行うことができるわけでございますが、今回、映画の関係では保護期間の延長といったようなこともありまして、その件につきましてもこうした協議、合意形成を経て行ったものでございます。  映画につきましては、このほか俳優の権利、それから監督の権利などの大変大きな問題があるわけでございますが、我が省といたしましては、こうした課題につきましての関係者間の協議の場として既に映像分野の著作権等に係る諸問題に関する懇談会、長いので映像懇と言っておりますが、この映像懇を設置しておりまして、関係者間の合意形成努力を支援しているところでございます。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 今、提言に基づいて大臣からも具体的に映像懇のお話にも触れていただきました。  それで、ここでは映画監督の権利あるいは財産権の拡大など具体的なことが話し合われているようですけれども、私、この提言を受けて更に広く、例えばスタッフの労働組合とかそれから鑑賞団体など、そういう方たちの声も是非くみ入れられるような、広げていただくような方向をお願いしておきたいというふうに思っているわけでございます。  それに関連して、さらに、著作隣接権の問題でございますけれども、昨年私も質問をさせていただきまして、文化庁の御答弁としては、実演家に財産的権利を付与するということについては暫定合意が行われたと、そして、文化庁では映像分野の著作権等に係る諸問題に関する懇談会というのを設けて、大臣が先ほどおっしゃっていただきましたけれども、国内法での対応について検討しているということでございます。  それで、この点については更に進めていくという点で、今の状況はいかがでしょうか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) いわゆる視聴覚的実演と呼んでいますけれども、俳優さんなどの権利の拡大につきましては、先ほど大臣からお話を申し上げました映像懇の中に実演家の権利の在り方検討グループというのを設けて検討を行ってきているところでございます。  昨年も申し上げたかと存じますけれども、平成十二年十二月のWIPO外交会議におきましてこのことに関する条約の暫定合意ができたことから、この懇談会におきましても、いわゆる視聴覚的実演につきまして、将来実演家に権利を付与することを前提にして適切な契約システムの在り方について検討するということになっております。このことにつきましては、実演家側と制作者側の双方が契約システムの案を検討し、それぞれの案を持ち寄って更に協議検討を進めることとされておりましたけれども、本年一月に双方それぞれの案がまとまりましたので、検討グループの会合を開催して議論を行っているところでございます。  現在は双方が相手方の案を持ち帰って検討しているところでございまして、近々再度検討グループの会合を開催して、契約システム作りについての合意形成を更に進めていく予定になっております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 文化庁の方の御発言によると、日本の役割が大変期待されていると、合意形成に向けてということでございますので、是非進めていただきたいというふうに思っております。  一方で、しかし事態はもう急速に進んでおりまして、五月の二十日には経済産業省の中から知的財産の信託に関する第二次緊急提言も出されるような状況が出てきております。信託業務の対象に著作権、特許権など知的財産権を加えるように求める中身の提言でございます。  このように、映画が信託業務の対象にしようというようなそういう意見が出ている状況の中で、著作物の利用が進んでいくというふうになりますと、ますます著作権や著作隣接権の整備が急がれることになるのではないかというふうに思いますが、文化庁としてはどのような対応をされますか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先般、産業構造審議会の緊急提言におきまして、信託制度を利用した知的財産権の活用が提言をされたということは私どもとしても承知をしているところでございます。  実は、信託による著作権等の管理につきましては、既に平成十三年十月に著作権等管理事業法が施行されまして制度の整備が行われたところでございます。また、著作権などの知的財産権による資金調達の手段を拡充するために信託業法の改正等が検討されていることも承知をいたしておりまして、文化庁としても資金調達のための権利者の選択肢が広がるということは好ましいことであると考えております。  御指摘のように、このような知的財産権に関する信託制度の充実は知的財産戦略の推進の一環でございまして、文化庁としても、著作権に関する制度の一層の改善等について、必要に応じ、時期を逸することなく対応してまいりたいと思っております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 対応をお願いをいたします。  「これからの日本映画の振興について」の提言の柱十の中で、先ほど大臣からもおっしゃられました「映画製作に関わる者の労働環境の向上について、映画製作会社及び職能団体双方からの詳細な実態把握を行った上で、検討を行う。」というふうに提言がされております。私もアニメを含む詳細な実態調査を求めてまいりましたけれども、今正にこの調査を進める段階に来ていると思いますが、いかがですか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先般の映画振興に関する懇談会の取りまとめに当たりましては、既に映画関係者二十人近い方から会議において意見を聴取をいたしたり、十一の職能団体を含む三十以上の映画関係団体に対しまして文書照会を行うなど、幅広く意見の聴取を行ったところでございます。  その結果、ただいまお話にございましたように、映画制作にかかわる方が他の産業分野の一般勤労者並みの保障の下に、安心して仕事ができるように国は環境の整備に努める必要があるという提言をいただいたわけでございますし、詳細な実態把握を行った上で労働環境について検討を行うということも報告されたわけでございます。  文化庁としては、このような提言を受けまして、今後更に、監督、照明、カメラマンなどの職能団体の代表者の方々からヒアリングを行ったり、実際に撮影所で働かれている方々から実態を伺うといったようなことで問題点を整理をし、さらに映画製作者の方からの意見も聴いて、様々な方法によりまして実態把握を行って、労働環境をめぐる課題を明らかにして必要な検討を進めてまいりたいと思っております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 そうしますと、アニメも含めてということでよろしいですか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) そのように考えております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 是非進めていただきたいと思います。  提言の中では併せて、フィルムセンターにかかわって、すべての日本映画のフィルムを保存する制度の創設ということが提言をされております。この点は映画関係者の方々のもう長年の願いでありまして、画期的な提言の中身だというふうに思います。  あわせて、私、フィルムセンターの相模原分館にも伺わせていただきまして、お酢のにおいが立ち上る中をいろいろと、もう本当に寒い、防寒着を着ないといけないところを見せていただきました。その点で、すべての日本映画を保存するためには、やっぱり製作しているのが中小プロダクションもあるということで、納入する際には国の負担がやっぱり必要になってくると思うんですね。  韓国ではプリントを納める場合には映像資料館が作成費の払戻しを行っていると、フィルムセンターのニュースレターでも紹介されているのを私拝見をいたしまして、各国いろんな取組がされております。  今後、すべての日本映画を保存するためにフィルムの数量、状況、納入する場合の金銭的負担が幾ら掛かるか、権利関係などよく調べていただいて、国の負担で保存ができるように進めるべきではないかと思いますが、いかがですか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) お話にございましたように、映画振興に関する懇談会の提言では、国内で製作をされ、公開された映画のポジフィルム一本についてフィルムセンターにおいて保存が行われる制度、これを設けることが適当であるとされているところでございます。  フィルムセンターは我が国唯一の国立の映画に関する専門機関として、実は独立行政法人国立美術館に属する組織ではございますけれども、その独立行政法人の中期計画においても、我が国における映画文化振興の中核となる総合的な映画保存所を目指すとされておりまして、今後フィルムの収集に努力をしていかなければならないと考えております。  ただ、実態を申し上げますと、フィルムセンターは現在日本映画約二万七千六百本を所蔵しております。このうち劇場公開されましたいわゆる劇映画について言えば、フィルムセンターが保存しているのは五千本弱でございます。これまで我が国で劇場映画が製作された本数、これは正確にはまだ分からないわけでございますが、一般には約三万四千本と言われております。フィルムセンターの保存本数は、したがって全体の約一五%弱という状況でございます。日本映画の一部しか保存、収集できていないと。  提言では、映画作品は国として継承すべき文化遺産として保存、継承を行う必要があるとされているわけでございますので、予算措置を伴うものではございますけれども、今後、フィルムセンターにおいてできるだけ日本映画の収集、保存ができるよう、映画関係者の理解と協力を得ながら取組の充実に努めてまいりたいと思います。  また、日本映画の数量とか保存状態の全体的な状況の把握、これも重要でございますので、関係団体等の協力も得ながら把握に努めてまいりたいと思っております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 世界の映画フィルム資料館を比較しますと、やはり日本の人材と予算が必要になってくると思うんですね。日本は十一人、フランスは三館二百四十人、アメリカはもちろん百九十一人ということでございますが、是非対応が求められると思いますが、いかがですか。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) フィルムセンターの人員、予算でございますけれども、現在、フィルムの収集、保存、上映、展示等に当たる職員は、常勤が十一名、非常勤十九名の合わせて三十名でございます。これらの職員の人件費やフィルムの購入費、施設の維持管理費等を含めました支出予算は約六億三千万円ということになっております。  映画振興に関する懇談会の提言では、フィルムセンターにつきましては、映画にかかわる内外の窓口の機能を高めることはもちろん、保存機能、普及・上映機能を格段に充実する必要性があること、さらに、本格的な人材養成機能、製作支援機能を担う可能性についても今後の検討課題である旨示されております。  文化庁といたしましては、提言の具体化に向けまして、フィルムセンターの今後の在り方全般について関係者とともに検討を進めてまいりたいと考えております。その際、予算や人員につきましては、提言の具体化に伴う機能、業務の充実の検討に併せて、適切な確保に努めてまいりたいと考えております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 大臣からも最初にお話がありましたけれども、是非この映画振興、提言に基づいて進めていただきたいというふうに思います。  次に、拡大教科書の問題は先ほどから各委員からもう熱心な質疑がございました。私、ちょっと予定していたものと若干角度を変えて、ちょっと突然なんですが、聞かせていただきたいんですが、理科、社会の話がございましたね。これは現場からはすべての教科書を含めてやってほしいと。今回、著作権法の改正でそれがもう進みやすくなるというふうに思うんですね。  そういう点を進めるのはどうなのかということと、併せて、先ほどから出されている、やっぱり通常の学級に通う弱視の生徒さんがそういう著作権の改正の流れ、先ほど学校での教育を進めようという話もありましたけれども、じゃ、何で自分たちは違うんだと疑問を持たれるわけですから、これは本当に無償の方向を先ほどからあるように急いで進めていただきたいということを、大臣を始め伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。  一言で結構です。済みません、突然なんですが。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 弱視の人たちが使う教科書につきまして、先ほどお答えいたしましたように、十分検討をして、そして子供たちが、子供たちのその期待にこたえるような方途を探ってまいりたいと思います。  もちろん、いろんな課題がまだあるわけでございまして、それらもきちんとクリアをしながら、今回の法改正をきっかけにこの問題について前進を見ることができるように努力していきたいと思っております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 私も横浜の中学校をこの間見せていただいたんですけれども、通級学級でやっぱり一生懸命練習していらっしゃるんですね。でも、やっぱり自分の教科書で、見やすいもので見るのが一番本当にいいなと私は思ってまいりましたので、是非、大臣がおっしゃったように速やかに進めていただきたいというふうに思います。  最後に、公益法人改革にかかわって質問をさせていただきます。  三月二十七日に公益法人及びその関連団体十七団体が緊急アピールを発表されました。この中には、芸術支援の企業メセナ協議会や芸術文化助成財団協議会、私立美術館会議、それから芸団協、日本オーケストラ連盟、そして公益法人協会始めいろんな団体が含まれております。芸術文化団体も含まれております。アピールでは、第一に、「中間法人と公益法人・NPO法人の一本化に反対します」、第二に、「原則課税に反対し、寄付金税制の充実を主張します」というふうになっております。  私はあらかじめ伺ってきたんですが、文化庁所管の公益法人は約五百近くあるというふうに伺って、それだけ公益性の高い団体が所管のところで多いというふうに思うんですね。  伺いたいんですが、やっぱり税制支援というのは世界各国の常識になっておりまして、そして文化芸術振興基本法でも「税制上の措置その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」というふうに定められております。公益法人改革は、情報公開等必要な部分はあるでしょうけれども、税制の部分では、むしろ公益活動により得られた所得の非課税と民間公益活動の活性化のための寄附税制が必要ではないかというふうに思います。さきのアピールでも、「公益活動を担う組織を現行の原則非課税から原則課税扱いにする考え方は、まさに時代に逆行する暴挙としか言いようがありません。」と訴えられておるわけでございます。  文化庁としてどのような御認識をされているのか、伺います。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 公益法人制度につきましては、御案内のように、昨年三月の閣議決定に基づきまして、民間非営利活動を社会経済システムの中で積極的に位置付けるとともに、公益法人について指摘される諸問題に適切に対処する観点から、現在、与党及び内閣官房行政改革推進事務局等におきまして、税制等の関連制度を含めて抜本的な改革に向けた検討が行われていると承知をいたしております。  現在、文化庁が所管をしている公益法人は、社団法人が百八十、財団法人が二百八十八、合計四百六十八法人ございます。これら公益法人が我が国の文化芸術等の分野におきましてその振興に大きく寄与してきていることは自明のことでございまして、今後とも私どもとしては積極的な役割を果たすことを期待をいたしております。  文化芸術振興基本法におきましては、税制の問題につきましても、文化芸術団体が個人又は民間の団体からの寄附を受けることを容易にする等のための税制上の措置その他必要な施策を講ずるよう努めなければならないということが規定をされておりまして、文化庁としても、文化芸術団体への寄附の促進は重要な課題であると認識をいたしております。  こういった観点を踏まえまして、今後とも文化芸術関係団体の活動への支援の充実を図って文化芸術の振興に努めてまいりたいと思っておりますけれども、新しい、どのような制度ができるかはまだ分かりませんけれども、新たな法人制度の下におきましてもこれら文化関係の公益法人が円滑な活動ができるように適切な制度設計が図られる必要があるというふうに考えております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 終わります。

山本正和国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○山本正和君 大変、今日は各党賛成の法案で、中身のある御質疑があったわけでありますが、私も若干質問をいたしますけれども、その前にちょっと、これは五月の七日の日にまた例の地方分権推進会議が、おかしなものと言ったらしかられますけれども、実施状況その他発表しまして、そしてどうも今までここで文部省からお伺いしたことと違うようなことが意見として出されておりますので、ちょっとそれについて私の方から要望だけ申し上げておきたいと思います。  というのは、今までは退職手当、児童手当等に係る部分の取扱いについては継続課題とされ、十六年度予算編成までに結論を得るものとすると、こういう格好で来ておったわけですね。ところが、この意見書を見ると、もう済みになってしまった。共済長期給付、退職手当等に係る諸経費については、国庫負担対象から外し、十五年度からこれを段階的に縮減し、一般財源化を行う、ばんと書いてあるんです、意見。私は、どう考えても、一体この地方分権推進会議なんていうものが我が国のありようまで、我が国の姿までばんばかばんばか言うと、これは許されぬと思っておるんですよ。  前にも申し上げたんですけれども、こういうふうな状況に対して、これは文部大臣、副大臣、お二人で、ひとつ歴代の文部大臣経験者、ここの横にも一人お見えになるんですけれども、向こうにもお見えでございますが、全部集まっていただいて、国の基本、義務教育の基本にかかわる国庫負担の問題を、地方分権推進会議で議論する前に、少なくとも国の基本として我々やってきたんだということについていろんな御議論いただいて、これはちょっと私、小泉さん、勘違いしていると思うんですよ。  森さんと私が話したときに、森さんも実は、いや、小泉君は教育をやったことないもんだからちょっと困るんだよということを言っていましたよ、本当に。それを正すのは私は皆さん方の責任だと思うんです。もう現職の今、両大臣、何とか全部を集めていただいて、この地方分権推進会議が余りおかしなことしたら承知せぬぞという格好でこれ是非ともひとつお取組をいただきたい。これは要望でございますので、申し上げておきます。有馬先生も是非頑張っていただきまして、よろしくお願いします。  次に、質問ですが、まず冒頭に、ずっと各委員から御質問がございまして、おおむね大体、何といいましょうか、全貌が分かってきたわけでありますけれども、これひとつ次長、銭谷次長から、要するにここまで来たら諸外国と比べてまず遜色ありませんと、あるいは、しかしながらまだ目標とすべきことはこれですということを簡単にひとつ、どうでしょう、先進国の中で、我が国の著作権のありようについては、これで大体ここまで来ましたと、残されている課題はこれですということをちょっと教えていただきたいんですけれども。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 各国の著作権の保護水準というのは、条約によりまして最低水準が設けられておって、それぞれ保護水準が高い部分、低い部分がございまして、一概に比較するのはなかなか難しいとは思いますが、私は、我が国は国際的に見た場合非常に高い水準にあると考えております。特にインターネットへの対応ということにつきましては世界最高と言っていい水準にございまして、インターネット等を用いた著作物の無断送信を防止する権利を法律に定めることにつきましては、著作物、実演、レコード、放送番組、有線放送番組のすべてにつきましてそうした法整備を終えているのは世界で日本のみでございます。昨今、あるいはこれまでもそうでございますけれども、国際条約の締結等に関連いたしましても、言わば国際秩序の形成に我が国は大きく寄与してきているというふうに考えております。  ただ、今回改正をお願いをしております保護期間につきましては、我が国は原則が死後五十年ということでございまして、他の先進国において事実上死後七十年というのが標準となりつつある状況と比べるとまだ短いなという指摘もございます。  今回の改正案は、関係者間の合意が形成された映画の著作物につきまして保護期間を他の先進諸国の水準に近づけようとするものでございますが、著作権に関係する技術や産業経済の状況は急速に変化しつつありますので、今後とも制度の充実には努めていかなければいけないと、こういうふうに考えております。

山本正和国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○山本正和君 もうちょっと本当は具体的に、これとこれとこれを今後宿題として残っていますという格好で教えていただいた方がいいと思いますが、今の御説明でまた後、私ども勉強させてもらいますから。  そこで、実は去年の四月にもこの問題で質問をいたしまして、私は教科書の中での扱いをかなりお聞きしたんです。そのときに、初中局長から御答弁もいただいて、そしてまた大臣からは、こういう立派な本を出していますよと、大変分かりやすい、これも見せてもらいましたし、それから高等学校で扱うやつをコピーを取りましていろいろと見てみたんです。随分いろいろと書いてあります。  そこで、なるほどこれずっとやっていけば、著作権とは何か、あるいは著作権をなぜ大事にしなきゃいけないかというようなことは一応これでいいだろうと思うんですね。しかし、私は、実は、本当は著作権というのは人間の文明、文明史、人間の歴史と言ってもいいと思うんですけれども、人類社会の歴史と言っても、そういうものの中で非常に正に象徴的に現れてきている文明のその姿だろうというふうな気がしてならないんですね。  確かに、何といいましょうか、初めのころは、人間が社会をつくっていろんなことを勉強していく中で、初めのころは、大変優れた力を持っている人にいろいろな人が慕っていって教わって、それが引き継がれると、こういうふうな時代から、だんだん社会が形成されていって、そして特に印刷ができるようになったというところからこの問題が議論されていって、初めはそれを、何といいましょうか、君主なり王様が、認めてあげるから、それじゃこれはあなた方の権利として使う場合には何かしなさいよ、お金を払いなさいよと、また国として統制する一つの手段として様々なことがあったと、こういう歴史があるわけですけれども、しかし実は今聞いてみると、これはもう、ちょっと今日も西岡先生、今お聞きしたんですけれども、DVDで何かもう二週間たったら消えてしまうものができる、そうすると、著作権というものを保護するといっても、一体どうなんだろうか、大変なことだと思うんですね。  私は、結局そこで、今から国際社会の中でもこの問題がどんどん、それこそ中国が大変な生産力を持ってきている、あるいは発展途上国が大変な力を持ってどんどんいろいろなものを作っていくという中での影響も含めて考えなくてはいけない時代が来るなと思うんですけれども。となると、著作権というものを、人間の歴史というか、人類がずっと今まで、それこそ何千年という中で作ってきた文化的遺産というかあるいは文明というか、そういうものの中から生まれてきたものなんだということを、そこを根っこに教えなければ、単に例えば小学校の、これでいったら、どんな子供にも著作権あるよ、じゃ僕が何か作ったらいいの、そうだよと、要するにあんたが何かものをちゃんと書いたりあるいは曲を作ったりしたら権利があるけれども頭の中では駄目よという、ああそうかという程度の、まあそれはそれでいいんですけれども、しかしそうじゃなしに、なぜこんなものを、こんなものというか、こういうことを著作権というふうになったのかと。  そして、定義も、定義もこれはすばらしい定義ですよね。思想又は感情を創造的に作り出す、そしてできたもの、これに対して権利を与えると。すばらしいことなんですよね。そのことの意味を教えることが重要なんじゃないかと。例えば、小学校の子供に同じように教えるにしても、何というか、あなたに権利があるのよと、取り合いするという意味じゃなしに、あなたが考えたことはこんなにすばらしいのよと、そのすばらしいものをみんなで大切にしていくということが本当にみんなのためになるのだという格好で流した方がいいんじゃないかと思うんですよ。  ところが、学習指導要領やあるいは教科書の扱いをちょっと眺めていくと、大切にしなさいよということは書いてあるんですね。しかし、なぜ大切にしなきゃいけないの、なぜあなたが独創的に作ったものをみんなが大切にしなきゃいけないという部分の記述が弱いような気がするんです。  それから、もっと言えば、今度はこれは総合学習、今盛んに言っているけれども、私は高校でしか教えていないから小学校の小学生は知りませんけれども、僕が想像すると、想像って、自分で思うと、例えば著作権のことを教えるときに、印刷、大変な技術です、これね。三大文化の発見の一つに例えられる印刷ですね。それから活字あるいは木版、初めて金属を使ったと。そういうときに、あるいは自然科学の中で教えるようなもの、たくさんあるんですよね。そういうものを含めた総合学習の中でもこれは扱える問題だろうと思うんですね。  だから、著作権教育というものを、先ほどから委員の皆さん方の御質問で、銭谷次長からいろいろと取り組んでいる成果、報告がありましたね。すばらしいことだと思うけれども、それに更に加えて、何とかもっと大きな格好で、総合学習というか、人間が今日の人間社会をつくっているという中における役割というような形から教えていくような方法を考えられぬものだろうかと、こんなことを思ったものですから、その辺のことをちょっとお伺いしてみたいんですけれども、そういうふうな、今ある著作権のこれを更に発展させて、この教科書をですね、あるいは学習指導要領の中での位置付けをもっと発展できないだろうかと。  これは、初中局長にこの前御質問したときに、質問したときに、位置付けはこうなっていますけれども、中身はこうやってたくさん教えていますと。だから、位置付けをね、著作権というものの位置付けを、学習指導要領の中における位置付けというものについて更にひとつ検討してもらえないかと、こう思うんです。  これは今即答はできないだろうと思うんだけれども、私の今言ったようなことについて何か御感想があったら、大臣からでも結構でございますけれども、文部省としての考え方をお伺いしておきたい。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 文部省として、文部科学省としての考え方といいますよりは、私も大変今の御指摘に感銘を受けているところでございます。  人類の歴史というのは、先人たちが築いてきた知的な財産の上に立って文化が次々に蓄積されていくものだと思います。日本でも、写経のようなものも、それまでの哲学的あるいは宗教的な思索の結晶を写経をずっとしてきている。あるいは、万葉集であり、そして源氏物語であり、それらを本当に美しい筆で写し取って、そして次々に伝えてきた。そして、印刷技術が始まってもっと多量にそれが普及される際に、一つの権利として国際的にも確立してきたわけでございますね。  それが、国際的に文学的あるいは美術的な著作物というものを権利として認めようよというのを、ベルヌ条約ですか、それが国際的に成立したのが一八八六年ですか、何かビクトル・ユーゴーなんかもかかわったと聞いておりますけれども、私は、日本は、そのベルヌ条約の成立といいますか、ベルヌ条約ができ上がって十三年後には日本が著作権法を作り、そしてこれに加入しているんですね。その意味で、私は、日本の明治のときの改革者といいますか、あるいは立法に携わった人たちの英明さといいますか、正に様々な理由はあったと思いますけれども、すばらしいと思います。  その意味で、日本の著作権制度は、先ほど銭谷次長が胸を張りましたけれども、正にそのころからの大変な蓄積があって今日まで来ているところでございます。アメリカは、このベルヌ条約に平成元年に初めて入ったというようなことに比べますと、いかに日本の著作権制度といいますものは国際基準に合っているかということが言えると思います。  そんな中で、著作権について子供たちに教える際に、そういう人類の、何といいますか、築いてきた知的な労作物の成果としての作品というものをしっかり価値を認めて、同時に今日的あるいは死後五十年に満たない人たちの作品もちゃんとこれは権利として認めるんですよと、そういう深い流れも込めた教育をしてはどうかという御提案だと思いますが、これはすべての教員がそこまでなかなか難しいかと思いますけれども、先ほどのそういうふうな冊子なりあるいは教科書を作ってもらうようなときにも、何らかそういう香りが出るような著作権問題についての取上げ方というのは大変大事だと思います。  これは、いろんな方の御理解も得ながら、そういうふうなことができるようになったらいいと思いますし、少なくとも文部科学省、文化庁が作ってくれるそういう冊子には何らかそういう香りが出るような工夫を是非、銭谷さん、お願いしたいと思います。

山本正和国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○山本正和君 これは、実は著作権法が昭和四十五年に初めて国会を通ったときに、隣の西岡先生が文部政務次官だった、今日出海さんが文化庁長官だったときなんですけれども、これを見たら、何と参考人も呼んでいるんですし、審議時間というのは大変な審議で、しかも内容を見ると、先ほどお話のあった著作権、著作権を持っておる者か利用者かというふうな議論から何から、随分したんですね。  大変な激論があるんですけれども、実はその前に、法律を政府が提案する前にどんな苦しみがあったかと、これは西岡先生に言いましたら、自民党内で灰皿ぶつけ合いしたというぐらいの大変なことがあったらしいですけれども、まあそれぐらいの中で生まれた著作権法で、しかもこのときに今長官が、この法案が衆議院で全会一致で通ったと、大変うれしい思いですというふうなお話がありました。参議院の方はどういうわけかちょっと全会一致じゃなかったようですけれども、しかし内容は衆議院の上塗りして盛んにいろんなことをやられている。  私は、この著作権法の今回の成立というのは、そういう長い歴史の中で出てきた集大成されたものだと思うんですけれども、更に、銭谷次長がおっしゃったように、更に更にこれをもっと深めていく必要があるんだろうということをお聞きしましたので、ひとつ是非頑張っていただきたい。このことを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  著作権法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、佐藤泰介君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤泰介君。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 私は、ただいま可決されました著作権法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、近年のデジタル化・ネットワーク化の進展等に対応し、著作権の保護と著作物の利用の円滑化を図るため、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、教育機関における複製等に係る権利制限の拡大に当たっては、著作権者の利益を不当に害することのないよう、著作権教育の一層の充実を図ること。  二、障害者が著作物等を享受する機会が十分に確保されるよう、制度の見直しを含め積極的に取り組むとともに、学校教育において、障害の状態等に応じた適切な教科書及び教材を利用できるよう、必要な諸条件の整備・充実に努めること。  三、著作物等の利用に関する技術が急速に発展していることを踏まえ、著作権等の保護の実効性を確保するため、損害賠償制度の見直し等、司法救済制度の改善・充実について引き続き検討を進めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、遠山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。遠山文部科学大臣。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。  ありがとうございました。

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野つや子自由民主党・保守新党

○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会

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