文教科学委員会 第5号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/03/27
会議録
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十六日、北岡秀二君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭郎君が選任されました。 また、本日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として輿石東君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大野つや子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治財政局長林省吾君、財務省主計局次長杉本和行君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君及び文部科学省初等中等教育局長矢野重典君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大野つや子君) 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○後藤博子君 おはようございます。自民党の後藤博子でございます。 今日、また質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。何度この席に立ってもどきどきしておりますので、よろしくお願いいたします。 今日は、義務教育の国庫負担制度の見直しについてのお伺いなんですけれども、その前に、ちょっと是非伺っておきたいことがありますので、質問させていただきます。 平和な解決を望んでいましたが、残念なことに三月二十日、アメリカ、イギリスなど、イラクとの間で戦争が始まりました。今日でちょうど一週間が過ぎました。連日テレビなどの報道を見るたびに、胸が締め付けられる思いがいたします。これは私だけではなく、ここにいらっしゃる方全員がそういう思いをされているのではないかと思っております。この上は一日も早く武力行使が終わることを強く願っています。 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、二十日のイラク攻撃が始まりましてずっと悩んでいることがございました。それは、この事態を子供たちにどう説明すればいいんだろう、子供たちにどう話をすれば子供たちが分かってくれるんだろう、そういうことをずっと思ってきました。先日、有馬先生にもちょっとその質問をさせていただいたんですけれども、教育の現場ではこの戦争のことをどのように説明しているのでしょうか。 私たちは子供には命の大切さを教えます。どんなことがあっても人をあやめたり殺してはいけないということもしつけの中で子供にしていきます。そういうことを片方では言いながら、また片方では、こうやった戦争の現実を子供たちにも伝えていき、また子供たちも今実際テレビを見ていろんなことを感じていると思います。これはドラマでもなく事実、現実に起こっていることです。 文部科学省としては、現場に何か指導をしておられるのでしょうか、それとも現場の先生方の判断に任せているのでしょうか。先生の判断に任せた場合、先生の考え方によっては戦争に対するとらえ方が違うと思います。 先日、地元での私のちょっとした講演がありまして、残念なことにとか、悲しいことに攻撃が始まりましたというお話しましたら、ある男の方が、それは悲しいことではなくて、先生、正義ではないですかということも言われました。だから、とらえ方によってはいろんな意見があると思いますが、実際、子供に対してどのように接していけばいいのか。先生方におかれましてもいろんな考え方があると思いますが、その辺は文部大臣といたしましてはどのようにお考えがあり、また御指導をいただけるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 本当にこのところ毎日のように極めて鮮明な映像で激戦の状況が映し出されるわけでございまして、こういった大きな社会的事象につきましてどのように学校で取り上げるかということはこれは大変難しい問題だと思います。 当然ながら、学校教育におきましては学習指導要領に基づいて作られた教科書等を用いて指導をするというのは当然でございますけれども、この問題についてはそういうことではございません。もうそういうものはもちろん間に合わないわけでございますし、元々そういう個別のことについて方向性を出すというのは、これは私は制限的に考えた方がいいと思うわけでございますので、それぞれの学校でしっかりと考えた上で指導するなり授業の素材にするなりということになっていくと思いますけれども、これは何といいますか、その局地的なことだけではなくて、国際機関も絡み、それから世界の多くの国々が絡んでまいっております。また、歴史的な経緯もございますね。十二年前のイラク侵攻の事実というのもありますし、大量破壊兵器の問題もありますし、これはなかなか取上げ方は難しいと思います。 したがいまして、これはもちろん私どもはどう教えてくれなどと言うつもりは全くございませんし、そうではないと思いますが、期待すべきことは、私といたしましては、各学校で取り上げる際に、何といっても児童生徒の発達段階に応じた適切な内容である必要があると思いますし、それから、事実を客観的に取り上げて用いるということはとても大事だと思います。それが偏った考え方でありますと、子供たちの将来、公正な判断力を培ったり、あるいは自分のしっかりした考えを持つということにおいてマイナスになるわけでございますので、その辺はしっかりと各学校において議論をされて、どういう取上げ方をするかというのをお考えの上で、それぞれが、教師の力量も問われるところでございますけれども、この問題についてはそういう取上げ方がとても大事ではないかなと思っております。
○後藤博子君 ありがとうございます。 今日、朝、テレビのNHKのニュースを見ておりましたら、アメリカではこの問題についてもう高等学校で議論をさせる場面を作っているということが今日放送されておりました。正解を求めるんではなくて、この戦争というものに対してどうとらえていくかということを生徒同士に議論させながら、アメリカ人としてどう考えていくのかというふうな方向へと導くというような今日の報道でありましたし、私たちといいますか、日本人としてどうとらえていくのかという、そういう視点での議論も必要ではないかと思っておりますので、引き続き、現場で今、現実で起こっていることをしっかりと、発達段階に応じた各々のとらえ方をまた先生方がうまく導き、御指導していただけるように願っております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 では、質問に入らせていただきます。 今回の義務教育費国庫負担制度における負担対象経費の見直しは、いわゆる三位一体改革を進める中で、総理からの指示を受けて文部科学省が検討し、その後、経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議における議論や関係省庁間の協議の結果、今回の見直し案になったと聞きます。義務教育国庫負担制度の見直しを検討するに当たり、本制度を所管する文部科学省としてはどのような観点に立って検討を進めてきたのでしょうか、その考え方を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) この問題、今御紹介がございましたようにいろいろなプロセスがございまして、地方分権会議あるいは経済財政諮問会議での議論、さらには総理からの宿題という形で、かなり鮮明に一般財源化というのが取り上げられたわけでございますが、私はその一連の動きを見ながら、これは私としては、唯一閣僚の中で、教育の重要性あるいは義務教育について、特に憲法の要請にのっとってその水準確保を守っていく、あるいは向上させていくというのが私の責務であるというふうに考えまして、対応をしてまいりました。 義務教育費国庫負担制度、御存じのように昭和二十八年に制定され、多くの方々の御努力、御尽力によってそれが維持され、また戦前にもさかのぼることができるぐらいの、日本の言わば骨格を成す制度だと思います。それは単に予算を取って地方に配分するというような性格のものではなくて、言わば日本の義務教育という、子供たちの発達段階の一番の基礎を作る、そこで最もその力を発揮してもらうべき教員について、国費において二分の一の、給与の二分の一を負担をしていくことでその質を確保していくという、非常に、何といいますか、理念ということは大変深遠なものがあるわけでございまして、そういうものをしっかりと維持していくという角度から私としては取り組んでまいったわけでございます。 ただ、他方で、国として、国の関与をできるだけ少なくしていく、あるいは地方分権という大義名分もあるものでございますから、それへの協力ということをもちろん閣僚の一人としてやらざるを得ないということでございましたが、そこのところのぎりぎりの判断でもって今日の状況になったわけでございますが、私はそのときに一番大事だと思ったのは、義務教育国庫負担制度の根幹は揺るがしてはならないということでございます。経済財政諮問会議において二回呼び出されまして、話をし、議論をし、白熱した議論を展開いたしましたけれども、そのときの基本を貫いたのはそういう考え方でございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 文部科学省が十月三十一日の経済財政諮問会議で提示した見直し案では、平成十五年度から十八年度までの間に共済費長期給付、退職手当等に係る経費の約五千億円の縮減を図るとしています。一方、今回の見直し案では、共済費長期給付と公務災害補償に要する経費を一般財源化することとされています。 今回の見直し案で、共済費長期給付と公務災害補償の部分だけを一般財源化とすることとなった理由は何でしょうか。また、これらの経費がこれまでの国庫負担の対象とされてきたのはなぜでしょうか。済みません、お答えくださいませ。
○政府参考人(矢野重典君) 今回の見直しで共済費長期給付と公務災害補償の部分だけを一般財源化するということについての理由をお尋ねでございますが、地方分権改革推進会議の意見におきましては、義務教育国庫負担金につきまして、共済費長期給付、また退職手当等に係る経費を段階的に一般財源化するということを提言がなされているわけでございますが、その際には、その具体的な財源措置については関係者間で十分に協議、調整が行われるべきものとされたところでございます。 これを踏まえまして、関係省庁間におきまして、財源手当てを要する経費の規模、あるいは財源措置の方法、あるいは都道府県への影響等を総合的に勘案しながら、適切な財政措置を講じるよう鋭意協議、調整を行った結果、今回の平成十五年度に共済費長期給付と公務災害補償に要する経費を一般財源化するという今回の見直し案になったものでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 今回の見直しに当たっては、義務教育に関する国と地方の役割分担や費用負担の在り方を見直していくとの観点から、これまで国が負担していた経費の範囲を限定すると思います。それに見合う財源が地方に対して措置されていないのであれば、言い方ちょっときついかもしれませんけれども、単なる地方へのツケ回しではないかとも思われます。 地方からも、国の予算編成上の都合等により、歳出の削減のみを目的とした国庫補助負担金の廃止、縮減を先行して実施し、単なる地方への負担転嫁となることのないようすべきであり、財源移譲等による税財源措置を同時に行うべきとの意見が地方の知事会や議長会で寄せられています。 今回見直しを行う経費については地方特例交付金と地方交付税により手当てがなされると聞きますが、これはあくまでも暫定措置であるとも聞きます。地方財政が厳しい中、今回の見直しに伴う一般財源化が地方へのツケ回しとならないよう、国として地方財源への十分な措置をすべきではないかと思います。 そのような観点から、今回の地方財源への措置はなぜ暫定措置とされたのでしょうか。今後、今回の一般財源化に係る経費について、地方への財源措置は十分になされるのでしょうか。総務省としてどのような対応をしていくつもりであるのか、考え方をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。 地方財源への措置についてのお尋ねでございますが、御案内のように、昨年の六月に閣議決定されました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」におきましては、今後、国庫補助負担金につきまして数兆円規模の削減を目指しますとともに、廃止する国庫補助負担金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要があるものにつきましては地方の自主財源として移譲すると、こういう取組がなされることとされているわけであります。 今回の義務教育費国庫負担金等の一般財源化はこのような三位一体改革の芽出しとして行われたものでありまして、その規模も二千三百億円余となっておりますが、税制の安定性の要請にも配慮する必要もございまして、将来、税源移譲による財源措置が講じられるまでの間のつなぎとして、当面、地方特例交付金及び地方交付税の増額により暫定措置として地方財源対策を講ずることといたしたところでございます。 具体的には、御指摘もございましたが、一般財源全体につきまして財源措置を講ずることといたしておりますが、その二分の一につきましては地方特例交付金により、残の二分の一につきましては地方交付税の増額によりまして完全に財政措置をすることといたしておりますが、今回、一般財源化することといたしましたこの共済長期負担金等につきましては、平成十六年度以降も当分の間、このスキームによりまして財源措置を講ずることを予定しているところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 現在、デフレによる不況に伴う税収の落ち込みや国債発行残高が約四百兆円を超えている状況であるなど、国の財政状況が非常に厳しいものであることは十分認識しております。このような中で義務教育費国庫負担制度の見直しを行うことは正に苦渋の選択であったかとお察しをいたします。 しかしながら、教育は資源が乏しい我が国にあって将来の発展の希望であります。大臣もその所信で、明るい未来を創造的に力強く切り開いていく担い手である子供たちが、将来に夢と希望を持ち、それを実現するためのしっかりとした実力を身に付けられることが我が国社会の発展基盤を形成する上でも不可欠であると述べられていらっしゃいます。 とりわけ義務教育はすべての国民にかかわるものでありまして、その基本的、基礎的資質を培うものでありますから、正に国の土台を成すものであると思います。このような義務教育の意義からしまして、当然国としても責任を持って義務教育を充実させていく必要があると考えております。 そこで、また総務省にお伺いしますが、三大臣の合意では、退職手当、児童手当の一般財源化について平成十六年度予算編成までに結論を得ることとされておりまして、さらに十八年度末までに全額一般財源化の検討を行うこととしておりますが、昨年九月に、先ほどちょっと申し上げましたかもしれませんが、全国知事会がまとめた調査では、一般財源化を実施すべきだとする意見は四・五%にすぎませんでした。地方は国庫負担金のこれ以上の一般財源化は望んでいないのではないかと思います。地方の意向をどう受け止められますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(林省吾君) 義務教育費国庫負担金の見直しにつきましては、地方の自主性、自立性の向上を図る観点から、国庫補助負担金、交付税あるいは税源移譲を含む税源配分の在り方を一体として見直す、三位一体の改革の一環として検討されてきたところでございます。 その過程で、先ほど大臣からもお答えがございましたが、文部科学省の方から地方団体に対する国庫負担の対象につきまして御判断が示されたわけでありますが、昨年の時点、御指摘になりましたアンケートした時点におきましては、地方団体におきまして必要となる財源の措置方法につきまして明らかにされておらなかったものでありますから、職員を設置するために必要な義務的経費の一部分に限定して負担対象外とする考え方につきましては、地方の自主性は何ら向上せず、単なる地方への負担転嫁となるのではないかと、こういう心配が地方団体の側にあったわけでありまして、そういう懸念が調査結果に、その当時の結果に表れたものではないかと思っております。 ただ、この調査の結果も、ちなみにちょっと御紹介したいと思いますが、一般財源化についての財源措置の在り方が明らかでない等の理由もございまして、慎重に検討を行う必要があると、こういうふうに回答された団体も四三・二%あるわけでございまして、その他も一五・九%となっている調査結果でありましたことも御紹介申し上げておきたいと思います。 私ども、これらの声も踏まえつつ、文部科学省とも御相談をさせていただき、御承知のように、地方の自由度の拡大を図る、あるいは地方団体における必要な財源につきましては完全に補てん措置を講ずると、こういうことにさせていただいたわけであります。この問題につきましては、地方団体の中にもいろいろな意見がございますが、地方の自主性の拡大により義務教育の充実を図るという観点等から、その全額の一般財源化についても検討すべきであると、こういう意見もあるのは事実でございまして、このような意見を踏まえて、今後、関係省庁間で所要の検討を行うことといたしているところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 少し分かったような、ちょっと分からないような感じがいたしましたけれども、引き続き国の根幹であるという点では一生懸命取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、私も国会議員になりまして二年目になっておりまして、こうやって文部科学委員として仕事をさせていただいております。私も子供を育ててきました。二人の子供がおります。だから、今の子供たちをもう一度育て直そうかと思っても、もう子供たちはまた私のおなかの中に入ってこれるわけでも何でもなくて、二十年、三十年近く育ててきた結果はどうだったんだろうかと反省することが多いと思います。 ですから、教育の結果というのはやっぱりすぐには出てこなくて、二十年も三十年も、あるいは五十年も掛かると思います。そうなってきますと、ここにいる私たちはもういないかもしれませんし、私自身も三十年後、五十年後にはこの世の中にはもういないかもしれません。 そういうことを考えますと、教育の責任はだれが取るんだろうかと。戦後、経済成長を成し遂げまして、国は本当に豊かになりましたけれども、その反面、子供たちは、有村先生の質問ありました夢や希望や自信をなくし、また無気力になってきたように思います。いじめや不登校、また親による我が子への虐待、このような世の中になった責任はだれにあるのでしょうか。それは私も自分の責任にもあると思っております。ですから、少なくとも結果が出るまで私たちは待てないわけですから、今いる私たちが本当に真剣に教育に取り組んで、世代へ渡す責任を果たさなければならないと思っております。 そこで、義務教育についてはそのような思いが私あるんですけれども、国としてはどのような責任を果たしていくべきであるとお考えでしょうか。また、義務教育の充実を図るためには国としても必要な教育予算を確保していくことが重要であると考えます。そのような点から、どのようなお考えがあるのかお尋ねをいたします。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 本当に教育の重要性というのは今、委員がおっしゃったとおりでございまして、その子供にとっては一回限りでございます。その幼いときにどういう教育を受けたかによって将来が決まるわけでございまして、特に義務教育については国の責任というのは非常に重いわけでございます。 もちろん、国だけでやるわけでございませんで、国と地方公共団体、もちろん学校法人もありますけれども、公立の学校につきましては国と地方公共団体がともに役割を分担しながらやっていくわけでございますが、憲法上の要請もありまして、基本法、あるいは学校教育法の体系もございまして、国としてやるべきことは義務教育については大変多いわけでございます。 一つは、全国的な観点から教育の機会均等あるいは教育水準の維持向上という大きな目標のために教育制度の枠組みの設定という役割がございます。これは法制度を始めとしていろんなシステム作りということが必要なわけでございますが、それからカリキュラムの水準を維持するために学習指導要領を設定するということがございますし、あるいは必要な助言、援助というものをやっていくというのがありますのと同時に、やはり教育条件の整備に関する財政的支援も行うことが必要であるわけでございます。 今般、一部の経費について一般財源化ということでございますけれども、きちんとこれは私としては一〇〇%裏打ちがなされていると思っております。そうでなければこれは絶対にその地方へのツケ回しでございますから、地方としても受け入れられないと思いますし、私どもとしても今法改正をお願いするわけにもいかないわけでございます。これはきちっと裏打ちをされているわけでございますが、特にその義務教育については長い経緯の下に確立してきた義務教育費国庫負担制度、これはしっかりと堅持していくということは、私はこれは私どもの責務であり、これは単に一省の責務であるのではなくて、国民全体に対する責務であり、将来に対する重い責任であると思っております。 私は、これを安易に一般財源化というようなことでやるとすれば、タックスペイヤー、納税者たちが納得しないと思いますね、深くは言いませんけれども。そういうことは、私はやはり一般財源化というようなものが軽々に論じられてはならないと考えております。
○後藤博子君 ありがとうございます。 何か大臣の決意のほどを伺ってうれしく思っております。 ちょっと視点を変えた質問といいますか、質問の中には特に挙げていないんですけれども、これは大臣と、もしできましたら副大臣にちょっとお尋ねしたい。これは質問の中にないことで申し訳ないんですけれども、子供たちがなぜ、お母さん、お父さん、なぜ勉強しないといけないのと聞かれたときに、何と答えますか。あるいは、日本の親たちがよくその子供たちに勉強しろ勉強しろと、私も言ってきましたけれども、言いますが、そういう、なぜそううるさく言うんでしょう。ちょっとその辺、済みません、ちょっと一言でお答えいただければ有り難いんですが。
○副大臣(河村建夫君) ちょっと一言でなかなか言いにくい点もありますが、私も子供を四人育てまして、直接的にそういう質問に遭った覚えはありませんけれども、ただ、私は、もしそう言われたら、あなたは日本に生まれてこんな豊かな、お金があったら何でも買えるし、今豊かな国になっているけれども、それはやっぱりみんなが一生懸命勉強したせいで、もっとほかの国に行ったら、勉強もできなくて、もう一日一日の生活するのが貧しい、もう今日にも死ぬかという子供たちも一杯いる国もいるんだよと、これはやっぱり日本が一生懸命勉強したせいじゃないかと、これからもそうあろうと思ったら、しっかり勉強することが大事じゃないのと、一言で言えといったらそう言うんではないかと思います。
○後藤博子君 ありがとうございます。 本当に一言で答えるというのは難しいんですね。これは別にアメリカかぶれをしているわけではないんですけれども、よく日本の親たちは勉強しろ勉強しろと言って、そういうふうになぜ勉強しろと言うのかと聞くと、いい大学に入っていい生活をして、そのために勉強するんだよということをよく言われる親が多いそうです。これは欧米の親に聞きますと、なぜ子供たちが勉強しないといけないの、あるいは勉強しろと親たちが言うんだろうかといった問いには、退屈な人生を送らないためだよという答えをするそうなんですね。 私もずっと一言で何と言ったらいいんだろうかと思ったときに、人生を愉快にするためだよとか、一杯いろんなことがあって、たくさんのものがあって好奇心を、何というんでしょう、持つためにはやっぱり勉強していくといろんなことが発見できるんだよと、そういうふうなことを答えるんですけれども、退屈な人生を送らないためにという、正に私は義務教育というのは、教育というのはそのためにある。 今、大臣がいろんな御答弁いただきまして、いろんな難しい表現もなさっていただきましたけれども、簡単に言えば、子供たちが本当に退屈しないために勉強するんだよというような答えでいいんじゃないかなと思うんです。余りに私たちは物事をすごく難しく言ってしまわなきゃならないということがありますから、もっともっとシンプルに、もっともっと分かりやすく子供たちに投げ掛けていけば、目のきらきらする子供たちがもっともっとたくさん増えるのではないかと思っておりますので、済みません、突然に質問しました。ありがとうございました。 それで、またちょっと元に戻りますけれども、義務教育の国庫負担金の今後の取扱いについて、文部科学省の見直し案では国として真に負担すべきものを限定するとして約五千億円の段階的縮減が提案されています。これを越えて昨年の十二月の総務、財務、文部科学大臣、三大臣の合意では、全額一般財源化についても所要の検討を行うこととされております。これは国庫負担金の整理合理化という政府全体の方針を受けて関係省庁でぎりぎりの調整が図られた結果であるとお察しいたします。 ちょっとこの質問は重なるかもしれませんけれども、文部科学省としては、三大臣合意を受けて、今後、義務教育費の国庫負担金の全額一般財源化の問題についてどのようなスタンスで検討を行っていくのでしょうか。もう簡単で結構ですので、お答えいただければ有り難いです。
○国務大臣(遠山敦子君) これは三大臣合意でございますので、それ以上に踏み込むことはあれではございますけれども、そこに書いてございますように、義務教育に係る経費負担の在り方について、教育改革の中で義務教育の在り方の一環として検討を行う、これを行う権限を持つのは我が省でございまして、私としては教育改革の一環という角度からしっかりと検討をするという立場を貫くべきだと思っております。その読み方によっては一般財源化するというようなことも視野に入るかのように読めるかもしれませんけれども、私は、義務教育の水準確保についての制度的な保障が損なわれるという大きな問題が生ずるおそれがあるというふうに考えております。 したがいまして、もちろん全体の今年の年末における様々な状況を勘案しながらではございますけれども、先ほども申したような姿勢をしっかりと保っていきたいと考えております。
○後藤博子君 ありがとうございます。 私がこれちょっと考えたんで正確ではあるかどうか分かりませんけれども、教育という字で、教育と書きます、教え育つということで教育と書きますが、ノーマライゼーションということになりますか、ともに育つ共育があったり、また協力し合うという、またその字の協育もあるのではないかと思います。 教え育つ教育は、画一的であったり、横並びであったり、一人一人が認め合いながら力強く育つことに欠けているのではないかと思います。ともに育つという共育は、人を思いやる心がはぐくまれるのではないかと思います。協力し合うという字の協育というのは、弱い人を助けるという優しさが育つと私自身は思っております。 戦後五十年の教育、教え育つ教育は、感性や心が育たず、たくましく生きる力が弱くなったのではないかと思っております。本来、こういうことの教える、一番の教えなきゃならないのは、また家族というのの中で教えていかなければならないことだと思うんですけれども、戦後豊かになり、核家族が進み、家族とのつながりが希薄になってまいりまして家族が崩れていっている現状は、やはり今の教育というものに関しては学校の先生にどうしても頼ることになってしまいます。そういう点では、教育の成否というのはとりわけ教員に左右されることが大きいと思います。先生にとっては非常に厳しい時代が来たとも思います。 昨年四月から実施されています新学習指導要領では、すべての児童生徒が基礎・基本を確実に習得し、自ら学び考える力などの確かな学力を育成することをねらいとしております。このねらいを達成するためには、児童生徒一人一人の理解や習熟の程度に応じたきめ細かな指導を行うことができるよう、教員配置に十分配慮していく必要があると考えます。 そこで、習熟度別指導の充実に向けてのお考えをお伺いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 今お話しのように、新しい学習指導要領、今年度から始まりましたけれども、そこのねらいとするものは、今、委員が正におっしゃったような基礎・基本をしっかり身に付けた上で、自分で考える力等の本当の意味での確かな学力といいますか、もちろん豊かな心、たくましい体も大事でございますし、そういったものを身に付けさせていくというのがねらいだと思います。 私は、今回の新しい学習指導要領に基づく教育、これは大きな改革だと思っておりますが、これまでのように一律に子供たちに一斉授業で学ばせるということから大きく一歩踏み出して、子供たち一人一人の進度あるいは能力に応じてきめ細かい指導をしていくという、そこのところが私はこれからの日本の将来にとって大変大事なものではないかと思っております。 短くしましょうね。
○後藤博子君 はい、ありがとうございます。 本当に先ほど来申し上げています、また大臣もおっしゃいましたけれども、本当に義務教育の水準を確保するのは国の責任によって行われるべきものであります。そのためには教育予算の充実確保に努めていただきたいと思っております。 平成十五年度予算案においては、教育はいわゆる重点四分野のうちの一つと、人間力の向上や発揮ということで位置付けられました所要の予算が計上されているところでありますが、文部科学大臣には、先般二十五日にもおっしゃっておりましたように、義務教育をしっかりやらなければ国の未来はないと、そういうふうにおっしゃっておりましたので、今後とも引き続き、教育あるいは教育予算の更なる充実や確保に取り組んでいただくことを切にお願いを申し上げます。ありがとうございます。 少し時間がありますので、この場をおかりいたしまして、幼児教育について若干お尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 今、豊かになったが余りに、子供たちを取り巻く環境も本当に非常に厳しくなっております。不登校、先般も質問の中に出ておりました不登校はどこで止めるんでしょうか。いじめはいつなくなるんでしょうか。児童虐待はどうしたらなくなるんでしょうか。わずかな金品を奪うため人を殺してしまう若者、夢や希望や自信をなくし、簡単に自ら出会い系サイトで命を絶ってしまう若い人たち、後を絶ちません。 そんな悲しい子供たちにしないためにもしっかりと子育てをしなければならないと、そういうふうに思っております。そういうしっかりとした子育てをしなければならない時期が、お母さんのおなかに入った胎児、マタニティーから私は幼児期なのではないかと思っております。この時期さえしっかり愛情を注いで、しっかり抱いて、そして下ろして、歩かせて、抱いて、下ろして、歩かせる、ここを親がやっていれば、今のような非行やいじめや不登校も私はなくなると思っております。一番大事な時期にお金も時間も掛けたいと思うんです。 そういう点に関しまして、ちょっと質問のニュアンス、若干違うと思いますけれども、大臣、私の今申し上げた胎児から幼児期の大切さということに対してどう思われていらっしゃいますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 自ら子育てされた体験に基づく大変貴重な御意見だと思います。私も大賛成でございまして、子供たちが生まれ落ちて、そして十分な愛情を受けて、そして折々にその生き方について親から教えられていく、あるいは親の背中を見て自分の生き方を学んでいく、そこが一番大事だと思います。その意味では、義務教育ももちろん大事でございますけれども、幼児の教育というものはその人間の将来を決めると思っております。私自身も、幼いときに両親から受けた有形無形の教えというものが今の骨格を作っていると思っております。 その重要性を見ますと、行政的、あるいは国の施策として考えるべきことはたくさんあると思いますね。私は、今の少子化の問題、多くの若い女性たちが、やはり自分が子供を産んでも、自分たちもしっかりやるけれども社会も見てくれるんだ、そういうことを制度的にもっと保障していくような優れた制度を作っていかなければ少子化の問題もなかなか解決できないと思いますし、本当に優れた教育というのは、その豊かな幼児教育の上に立って、知的なもの、体力的なもの、様々なものが展開していくわけでございますので、幼児教育の重要性というのは私も大変関心を持っているところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 本当にそうなんです。もちろん、初等、中等、高等、大学、もう非常にどの教育段階においても大事なことなんでございますけれども、一番大事なのが、胎児から幼児期の間の子供たちがいかに健康に、健やかに、伸び伸びと育つかによって子供たちの未来は全く変わってくると思っております。 何度も言いますけれども、この時期さえ手を掛けて育てれば、後はほっておいても子供は育ちます。人間の脳には、より良くうまく生きるというふうにうまく作られています。これは私も医学のある先生にお聞きして、ああそうなんだと。いろいろと言わなくても子供って、人間というのはちゃんとそういうふうな能力を持ってもう生まれてきているんだということを確認させていただいておりますので、自信を持ってこの時期に手を掛け、お金を掛け、しっかりと文部科学省といたしましても取り組んでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 そういたしましても、今、大臣がおっしゃいましたように、社会の状況は、お母さんがやっぱりどうしても働かなければならない、お母さんの、自分の、親の価値観で子供を預けてでもやっぱり仕事をしたいという、そういう多様な価値観がありますので、ゼロ歳から子供を預けなければならない方々のためには教員の資質向上をさせる取組が必要だと思っております。もちろん、保育園、幼稚園の設備も大事なんですけれども、そこにいらっしゃるまた先生方の資質向上も大事だと思っております。 私が知っている範囲では、幼稚園の先生方、保育園の先生方は本当に皆さん真剣にやっていらっしゃいます。もう皆さんすばらしい先生方ばかりで、資質向上、これ以上何をするんだろうかと思うような先生方ばかりなんですね。先生方がおっしゃるには、自分たちも、自分たちの資質を高めていくことももちろん必要なんですが、親に代わって自分たちも愛情をひたすら子供に傾けながら大事な子供を預かっていると。しかし、子供が、例えばゼロ歳児の子供が初めて寝返りを打ったとか、初めて三歳、四歳、五歳の子が自分の力で立つことができたとか、あるいは鉄棒にぶら下がることができたとか、そういう瞬間瞬間に子供たちが見せる笑顔、そういうものを是非お父さん、お母さんに見せたいんですと、そういうことを先生方はおっしゃるんですね。本当にそうだと私も思っております。 そういう、何というんでしょう、そういうことまで自分たち、先生方は何か胸を痛めているそうです。特に、病気になったときには、幾ら自分たちが看護しても、あの小さい胸を痛めながら、お母さんいつ来るのお母さんいつ来るのというふうに子供たちが待っている。それで、お母さん来たときには、もう抱いていた先生の手を振りほどいてでも親のところに駆け込んでいくと。だから、どんなにすばらしい資質を持った先生がいても、親には勝てないんだということをおっしゃっています。 是非、親とは、親子とは何なのか。だから、今の社会のニーズに合わせることだけが私は国の施策ではないと思っております。ですから、この時期、是非、幼児の時期のことを真剣に考えた施策をこれからも是非考えていただきたいと思っております。 ちょっと話が長くなりまして申し訳ありませんが、そこで幼児教育の充実のために幼稚園教員の資質を向上させる取組をどのように進めていこうとしているのでしょうか、その点をお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
○副大臣(河村建夫君) 後藤委員の幼児教育がいかに大事かということ、私も身にしみて感じております。そのために、幼稚園で教えている立場の幼稚園の教員、教諭、この方々がやっぱり立派な資質を持ってしっかりとした幼児教育をやっていただく、これはもう非常に大事なことでありますから、この点を文部科学省としてどういうふうに進めていくかということで、昨年六月に、その以前に協力者会議というのを持ちまして、いかにこれからの幼稚園の先生方の資質を上げようかということで、幼稚園教員の資質向上に関する調査協力研究者会議報告というのがあるわけでございます。 これは、幼稚園振興プログラムというのもございまして、それにのっとって、やはり何といったって幼稚園教諭の皆さんが資質を上げていただく必要があるということで、その報告も含めて、どういうことがその中でも特に言われたかといいますと、やっぱり幼稚園教諭としての専門性を上げなきゃいかぬということでありますけれども、幼稚園教諭を目指す人たちがまずどういうふうに自分たちは学んだらいいかということで、実際に幼稚園に行ってみてインターンシップ、そこからスタートさせる必要がまずあるだろうということ。 それから、幼稚園教諭の免許というのは短大から取れるわけです。そこで二種なんですね。更にやっぱり学んでいただいて一種の免許を取るように努力をしていただくことはどうであろうかということ。それから、教諭になられた方の経験あるいは年齢、それぞれにおいて更にまた実践的な研修をやっていただく、研修に出てもらうという必要があろうということ。それから、さらに幼児教育の研究、実践を統括するようなそうした研究センター、そういうものを活用して効果的な研修をやる必要がある、こういう提言もいただいておるところでございまして、教職経験十年たつと必ず研修を受けよという、今度法律も改正をいたしました。そういうものもこれに適用していかなきゃなりません。 それから、幼稚園の場合には約八割近いものが私学でございます。そこの、いわゆる公立、文部科学省の公教育プラス私学に対してどういうふうな支援をしていくかということも当然これは入ってくるわけでございまして、今申し上げたような点をしっかり踏まえて、幼児教育における教員の皆さんの資質をうんと高めて、皆さんの期待にこたえるように頑張ってもらいたい、このように思っております。
○後藤博子君 ありがとうございます。本当に河村副大臣のおっしゃるとおりで、期待をしております。 どうしても、やっぱりニーズに、さっき申し上げたみたいにニーズに合わせなくてもいいんじゃないかという意見もさせていただきましたけれども、女性の社会進出が進む結果、やっぱり幼稚園に預けなければならない、そういう社会であるんであれば、やはり文部科学省といたしましても、教員の資質というか、そういう先生方を是非育てていただきたいと思っています。先生になる方々も、本当に夢を持って子供たちのために一生懸命取り組みたいとおっしゃる先生方がたくさんいらっしゃる。それはもう現場で非常にうれしいことだと思っております。 また、先生方の件ももちろんそうなんですけれども、今お母さん方が、なかなか核家族が進みまして、どうしても家庭の中で家族の中でいろんな相談に乗ってくれる人がいない。そうなってきますと、どうしても地域で開かれた幼稚園として地域住民のニーズにこたえていく必要があるかと思います。 幼稚園運営の推進のためにどのような取組をしているのかお尋ねしたいと思います。よろしいですかね。じゃ、とりあえずその辺だけ。もうあと時間が。
○副大臣(河村建夫君) 幼稚園がやっぱり地域に開かれたものである。私は幼稚園関係者の皆さんとも非常にお会いする機会が多いわけでありますが、その中で一番申し上げるのは、やっぱり幼稚園というのは子供の場でもあるけれども親の場であって、親と子が一緒になって学ぶ場であってもらいたい。そのためには、幼児教育センターとして大いにひとつ幼稚園が活用されるし、皆からも期待されるし、地域と一体となってやっていくようにしてもらいたい。 そのためには、やっぱり自己点検、自己評価もやるし、情報もしっかり公開して、うちの園はこういうふうにやっていますということをしっかりPRして、そして保護者の皆さんとも一体となってやれるような形でやってもらいたい、こう言っておりますので、地方自治体等々におかれてもこういうふうな働き掛けをやって、地方に開かれた幼稚園経営が一層進められるようにという思いで進めておるところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 本当に幼稚園の明るく元気な子供たちの声、先生方の笑い声、地域における温かい場所、そういう幼稚園教育に取り組んでいただきたいと思います。 あと学校図書館とか日本人の英語教員のことについてもお尋ねしたいと思っておりましたけれども、時間がなくなりました。次回にまた回したいと思います。 私もハッピーな二十一世紀を作りたい、そういう思いで議員に当選いたしました。これからも頑張っていきます。よろしく御指導くださいますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。 本当にありがとうございました。
○草川昭三君 公明党の草川であります。 特殊教育諸学校の施設整備費の補助費関係の予算についてお伺いをします。 特殊教育関係の施設整備補助が平成十五年度予算を見てまいりますと前年に比べて減少をしております。元々余り大きな予算ではないんですけれども、基本的な取り組む姿勢に私、若干問題があるんじゃないかと、こういう趣旨でこの質問をしたいと思うんです。 また、公立特殊教育施設整備費の減を見てまいりましても、平成十四年度には三十億三千六百万であったわけですが、これが二十五億七千八百万というふうに減少をしております。各地域ではそれぞれの増設計画、改築等があったと思うのでございますが、こういう補助が減ってまいりますと、それなりのスケジュールなり打撃を受けるのではないだろうかと思うんですが、その点についてのお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 特殊教育諸学校の施設費につきましての御心配をいただきまして、大変有り難いと思っております。 公立の特殊教育諸学校施設整備費予算につきましては、平成十五年度予算案とそれから平成十四年度補正予算を合わせてみますと、文部科学省として三十三億円を計上いたしております。これ全体としては平成十四年度予算と比べて三億円増の金額を確保しているわけでございまして、平成十五年度の地方公共団体の整備計画には支障を来すことなく十分に対応できると考えております。 年末の予算編成のときに十四年度補正予算をまず決めていただいて、そして十五年度予算案ということであったと思いますが、先取りをまずしまして、そして十五年度予算という順序であったわけでございまして、結果的にむしろ昨年より多い予算を取ることができたと考えております。
○草川昭三君 じゃ、私の、平成十五年度特別支援教育関係予算、これ平成十四と十五の内容を見てまいりますと、特殊教育設備整備補助あるいは最新の情報機器等整備補助、学校安全設備整備補助、障害児巡回相談補助費活動、そのほか公立の養護学校等の新増築に関する国の負担、この数字を見て私、先ほどのような数字を申し上げたわけでございますが、大臣のおっしゃる、最終的にトータルで合わせれば減っていないと、こういう答弁でございますので、それはそれでじゃ了解をしておきたいと思います。 いずれにいたしましても、就学指導に伴う父兄の方々からの要求もあるわけでございますので、是非ともそういう心配のないようにお願いをしたいというように思います。 じゃ、この点についてはどうなんでしょうね。平成十四年の四月に学校教育法の施行令が改正されまして、盲・聾・養護学校への就学基準の見直しが行われ、基準に該当する方々がそれぞれの認定を受けて学校への就学をされることになるわけでありますが、問題は、小中学校のバリアフリー化が非常に必要になってきておるわけでございますが、障害を有する子供さんたちを入学させることができる程度のバリアフリー化が進んでいる学校というのはどの程度進んでおるのか、お伺いをしたいというように思います。
○政府参考人(矢野重典君) 公立小中学校の施設のバリアフリー化の状況でございますが、平成十四年の調査によりますと、公立小中学校の約六割に当たる、数といたしましては約二万一千校におきまして、エレベーターそれから障害者トイレ等、何らかのバリアフリー化のための設備の整備がなされているわけでございます。 ただ、これは、先ほど申し上げましたように、バリアフリー化の施設というのは幾つか、エレベーターとか自動ドアとかスロープとかいろいろあるわけでございますけれども、今私が申し上げた数字といいますのは、何らかのそういう設備が講じられている学校をカウントするとそういうことになるわけでございますので、全体として見ますればまだまだ不十分な状況にあろうかと思っております。
○草川昭三君 ちょっと私、不勉強なのでこれはもう一回お聞きしたいと思うんですが、平成十四年の五月二十七日に初等中等教育局長の通知というのがあるんです。これは、「認定就学者の認定に当たっての留意事項」、すなわち障害を持った子供さんたちのことでありますが、その場合に、これ読み方によっていろんな読み方があるんですけれども、障害に対応した学校の施設や設備が整備されていること、あるいは適切に専門性の高い教員が配置をされていること、いろんな条件があるんですね。「認定就学者の認定に当たっては、障害に応じた適切な就学のための環境が整備されていることについて十分に考慮してその判断を行う必要がある」ということを、これ読めば読むほど、地方自治体の場合、あるいは学校当局者はこれを受け入れていいのか、あるいは条件が整わないと認定をすれば断ることの理由にもなると思うんですが、この真意をいま一度御説明願いたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 平成十四年の四月に学校教育施行令の改正を行ったわけでございますけれども、その趣旨は、小中学校におきまして、障害の状態に応じて環境条件が整備されていて当該児童生徒が適切な教育を受けられる事情がある場合に、市町村の教育委員会の判断によりまして、通例の場合でございますと、その障害を持っている子供の状況を判断いたしますれば普通学校に入ることは適当ではないわけでございますけれども、そう今申し上げたような事情がある場合に、市町村の教育委員会の判断によって小中学校への就学を制度上可能にするというところに昨年四月の施行令の改正の趣旨があるわけでございまして、このことは、障害を持って、本来ならば特殊教育諸学校に入るのが適当であると、そういう児童生徒を受け入れるような、そういう形で環境整備を進めるべきだということには必ずしもつながらないわけでございまして、地域や学校の実態等を踏まえ、どのような環境条件を整備するかにつきましては、これは市町村において判断されるべき事柄であると、このように考えております。
○草川昭三君 ですから、大変、今の答弁だけで、はい分かりました、じゃAさん、Bさん、Cさん、あるいは条件それぞれ違うわけですが、希望を申し込んでも断られる場合もあるわけですね。だから、それが非常に私、全国的に、当該の児童ももちろんのことですが、父兄の方々も非常に苦しいところだと思うんです。 私、けしからぬとかという立場じゃないんですよ、何とかお互いに理解をし合って入学をさせていただきたいという立場で言っているんですが、こういういわゆる「認定就学者の認定に当たっての留意事項」というのは、もっと具体的に私は一つのイメージというんですか、いろんなものがあった方がいいと思うんです、これは表に出る文書でなくてもいいんですけれども。そうしませんと、あるいはまた、非常に積極的な市町村と非常に消極的な市町村もあるわけですし、思い切って単独の市町村の予算を注入してでもいいから対応したいという市町村もあると思うので、かえってそういうところに対して足を引っ張らないような、そういう指導があって私はしかるべきだと、こんな感じがするんですが、その点はどうなんでしょう。
○政府参考人(矢野重典君) 一つには、こういう事情がございまして、地方自治法の改正によりまして、今までは、それまではこの就学の事務というのは国の機関委任事務でございました。国の事務として、それを請け負う形で市町村にやっていただいたわけでございますけれども、先ほど申しましたように、法律の改正によりまして、就学の事務というのは市町村の自治事務だと、市町村が自主的に判断して行う事務だというふうに事務の性格が基本的に変わったという背景が一つございます。 それからもう一つは、こういう制度改正をすることによって、今、委員おっしゃいましたように、いろんな様々なケースがございます。その様々なケースにつきまして、国がある種の統一的な、一律的な基準でもってこうあるべきだというのは、市町村の具体的なケースに即しての判断するに際して、それは必ずしも適当ではなかろうということで、私どもは基本的な考え方をお示しをして、そしてその上で個々のケースについては、これは市町村の自主的な御判断にゆだねた方がより適切な対応が可能であろうということで今回こういうような形の改正をし、また国としての対応を行っているところでございますので、その点は御理解をいただきたく思います。
○草川昭三君 大綱としては私も賛成なんです。国が一々基準を作るとか、こうしなさい、これは駄目ですよと言う必要はないと。市町村でどうぞと、御判断をということは正しいと思うんですけれども、こういう文章は非常に読みづらいということを私は申し上げたいわけであります。そこは今後、これはもう父兄のお立場もありますし、またその他の父兄の方々の御要望もあるわけでありますから、私も非常に難しい問題だということは承知の上で問題提起をしたつもりであります。 それで、その次に、学校の情報化のことについてお伺いしたいわけですが、コンピューターで指導できる教員の割合について、いわゆるe—Japan重点計画の二〇〇二、これで二〇〇五年度までに約九十万人の公立の小中高等学校、盲・聾・養護学校のおおむねすべての教員がコンピューター等のITを用いて子供の指導ができるようにするというふうに大綱になっているわけでありますね。 それで、現状では、これは私どもの資料ですから正確かどうか、また文科省から御返事もらいたいんですが、コンピューターで指導できる教員の割合は全体で四七・四%と言われておるんですが、特殊教育諸学校ではコンピューターを指導できる教員の割合が三三・二%だというのが昨年の三月の数字で出ておるんですが、そういうことなのか、あるいは非常に指導できる教員の割合が特殊教育諸学校でなぜ低いのか、ここら辺りのこと、あるいは改善をするお考えがあるならばそれを示していただきたいと、こう思います。
○政府参考人(矢野重典君) お尋ねの公立の特殊教育諸学校教員のうち、コンピューターを用いて子供たちを指導できる教員の割合は委員御指摘のとおりでございまして、平成十四年三月現在で三三・二%となっておりまして、この数字は公立小中学校の場合に比べましてやや低い割合になってございます。つまり、公立の小学校の場合でございますと五九・四%、中学校ですと四一・五%、高等学校ですと三四・四%となっているわけでございますので、それに比べるとやや低い割合となっているわけでございますが。 そこで、その辺の事情でございますが、公立特殊諸学校の教員を盲学校、聾学校、養護学校別に見ますと、かなり学校種によって差異がございます。例えば盲学校でございますと、それが四〇・八%、聾学校でございますと四二・五%、養護学校でございますとこれが三一・八%になってございまして、こういうことを考えますと、盲学校、聾学校ですと大体公立の学校とほぼ同じぐらいな比率になっているわけでございますが、養護学校の割合が相当一般の学校に比べて低いというのが一つの特色というのでしょうか、その辺のところが読み取れるわけでございます。 それはやはり考えてみまするに、盲・聾学校に比べまして、養護学校においてこうしたコンピューター指導を使う場面がほかの一般の学校に比べ、あるいは盲・聾学校に比べ比較的そういう場面が少ない、あるいはその辺の必要性が少ないといったようなことによるのかなというふうに推定をいたしているところでございます。
○草川昭三君 今の答弁はそれなりにお受けしますけれども、また逆に、だからこそIT関係にもっと道を開くということもまた必要じゃないだろうか。これまたそれぞれの条件によって違いますから私も一概には言いませんけれども、養護学校等についても、私は、今後IT関係の進むべき道は、これからどのように発展するか分かりませんが、発達するか分かりませんけれども、考えていただきたいということを申し上げておきたいというように思います。 ちょっと今度は話の視点を変えまして、最近有力な新聞等にもいろんなアメリカの公立学校の運営株式会社というのが教育欄に出ております。それで、それを見て私質問するというわけではありませんが、市場主義経済が効率面で公的管理に勝るという見方がもしこの米国に、アメリカに一般的なものとして定着をしておるのかどうかということが私は一番お伺いをしたいわけです。 行政サービスの質的向上というのは、今我が国でも盛んに問題になっておるわけでありますけれども、その質的向上の手段として民営化というものの手法が取り入れられて、公の教育の分野でも例外ではないと。特に学校の施設維持、清掃、給食、スクールバス等までは、これは私ども理解がされるわけでありますけれども、保健だとか情報などの教育補助サービス分野にこういうような民間経営というものの参入ということが今後アメリカ辺りで広がってくるとするならば、当然我が日本にも影響をしてくることになるわけでありますが、この民間委託の在り方について、米国等でどのような現状になっておるか、これをまずお伺いをしたいと思うわけであります。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 米国では、公立学校の管理運営は設置者である市町村単位の学区が責任を担ってきたわけでございますけれども、一九八〇年代以降、学力の低下でありますとか学校荒廃などを背景といたしまして、特にこうした問題が集中している都市部におきまして、学区の教育行政や学校運営について、民間企業でありますとか、あるいは大学の教育学部、あるいは非営利の民間団体などにこれを委託をいたしまして、学力の向上を始め教育の改善を図る改革が進められていると承知をいたしております。 その委託の方式も、全面委託の場合もございますれば、あるいは一部の委託、例えば管理面でありますとかカリキュラム面、あるいは教育管理面、こういったものを委託をいたしまして、そしてその民間会社がそういった事業を提供していると、そういったような事例も増えてきておると、このように承知をいたしております。
○草川昭三君 これも私も非常に不勉強で申し訳ないんですが、こういう話が出てきたのは、一九九〇年代初頭にチャータースクールというものが登場したことが一つの原因ではなかろうかと言われておるんですが、このチャータースクールというものに対する、もちろんこれはアメリカの話ですが、どういうような評価をされておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 今、委員の御指摘のチャータースクールでございますが、これは一九九〇年代からアメリカにおいて導入されている制度でございまして、保護者や教員等の有志が公立学校を運営するものであるわけでございますが、まだ歴史としては十年程度と浅い歴史しかないわけでございますので、そういう意味で現実にこの学校、これが、このチャータースクールが学校教育の改善につながっているかどうかについては、これまでのところ必ずしもその評価が定まっていないというふうに私ども考えているところでございます。 しかしながら、このそもそものチャータースクールのスタートというんでしょうか考え方は、独自の教育理念、あるいは教育方針に基づく教育が実現できると、そういう評価も一方であるわけでございますが、他方、最近になりまして、例えば財政的困窮による学校閉鎖でございますとか学業不振者等の弱者を切り捨てるといったような、子供たちの教育を受ける機会が失われると、そういう例が増えてきているという指摘もありますし、さらには、これはアメリカのケースでございますけれども、人種分離やあるいは人種差別を助長すると、そういう懸念も一方では寄せられているわけでございまして、等々、様々な問題も他方では指摘をされているというふうに私ども認識をいたしているところでございます。
○草川昭三君 先ほどの近藤局長の答弁にもあったわけでございますが、この背景というのは、日本と違って非常にこれはもう、言葉が悪いんですけれども、アメリカ合衆国というのは非常に広い地域でありますし、他民族の方々も多いわけでありますし、それから移民の方々も多いわけでありますから、いわゆる貧困層というんですか、それからマイノリティーというんですか、そういう子供さんたちの多い地域で保護者からの公立学校の運営に対する批判が強いというのが背景にあるんじゃないかと言われておるんです。私が直接調べたわけじゃありませんが、今の局長答弁にも若干そのことのニュアンスが含まれているんではないだろうかと思うんですが、その点はどういうようなお答えか、お伺いしたい。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 米国におきましては、一般的に教育財政は学区の所得税を財源としているために、今、先生御指摘になりましたように、貧困層でありますとかマイノリティーの子供が多い地域では、どうしてもこの学校運営のための財政基盤が弱いものですから、十分な教育条件を確保できないということ等もございまして、青少年の非行、あるいは薬物乱用等の問題もまたあるわけでありますけれども、こういったことを原因といたしまして学力の低迷が深刻な問題になっていると、こういった指摘もあるわけでございます。 こういったことから、こうした地域では、米国における学力向上を目指す現在の教育改革の重点地域になっておりまして、学校運営の見直しでありますとかチャータースクールの設置推進等、いろいろな試みがなされていると、このように承知をいたしております。
○草川昭三君 私がこの問題を取り上げた一つのきっかけは、今構造改革特区問題というのが政府の中でもいろいろと議論になり、提言もあるわけであります。あるいはまた、非営利組織、NPOの学校運営についての道を開くというような提言もあるわけでありまして、学校の運営主体に対する関心が非常に高まってきておるわけで、よほど文科省としても一つの、分かりやすく言うならば否定をするような考え方があるならば、よほど事前に政府関係のいろんな機関に基本的な日本のあるべき問題を私はPRする必要があると。そうしませんと、この公立学校における民間のノウハウというのをもっと入れるべきではないだろうかというのが急速にあっという間に出てきて、それこそ対応できなくなってしまうんじゃないかという心配が私はあるわけであります。 それで、この公立学校の学校経営の信頼を失うというのは、やっぱし保護者からいろんな様々な場面で出てくるわけですよ、様々な場面で。様々な事件があれば出てくるわけでありまして、民間企業による良質な教育サービスを求めたらどうだろうと。事実、いろいろと有識者というんですか、学者の先生方からも米国からのそういう動きを紹介する動きもあるわけでありますから、その点について、私の要らぬ心配なのか、あるいはどうお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 米国の株式会社によります公立学校の運営は、学力向上を目指す近年の教育改革の中で、特に都市部の貧困地域を中心に、今公立学校の成績低迷校を立て直す手法の一つとして試みられていると承知をいたしておりますが、先生御指摘になりましたように、これもまだまだいろいろと問題点があるように承知をいたしておるわけでございます。 これを推進する側からいたしまするならば、この参入によりまして、市場競争が生まれるとか、公立学校が活性化し、教育の質の向上につながるんではないかという意見もあるわけでありますが、やはり一方、障害を持った児童生徒を排除するとか、不平等の発生、あるいは会社が収益性を高めるためにコストの削減を行いまして、それが逆に教育の質の低下を招くおそれがあると、こういう指摘もまた強く出されているところでございます。 いずれにいたしましても、まだ株式会社の公立学校運営参入の歴史そのものが浅いわけでございまして、アメリカにおきましても信頼性のあるデータがないためにまだ確定した評価というものはないものと、このように承知をいたしております。
○草川昭三君 今お話がありましたように、十年程度で、まだアメリカの中でも確たるメリット、デメリットというものの評価が定まっていないという現状だと思います。それは我々も納得できる答弁だと思います。しかし、先ほど私が申し上げましたように、学校運営についての特区構想等々については、現実の問題としてそういう問題提起もあるわけでありますから、反論というんですか、いろんな機会を得ながら対応を立てていただきたいと思います。 これはちょっと、最後は私の演説になるんですが、大臣から是非答弁を願いたいんですが、最近の青少年の凶悪犯罪、これは本委員会でもいろいろと出ておりますし、学級崩壊あるいは不登校や陰湿ないじめなど、学校を取り巻く諸問題は大変深刻な状況であることは言うまでもありません。 私は、今の日本の社会を私なりの言葉で言うならば、けじめの付いていない社会だと実は常日ごろいろいろと後援会の方々にも申し上げておるところなんです。規律を守るとか約束を守るといったごく当たり前だと思われることがいとも簡単に破られているようなことが非常に多いわけです。人間ですから完璧とは言いませんけれども、大人が社会の中でもう少し自分の行動を抑制していくということが大切だというふうに私なりに考えています。 例えば、通勤電車の中でもそうですが、子供に見せられないような雑誌を子供の目に触れるようなところでは売らないということがまず原則じゃないだろうかと、こう思うんですよ。私は、そういう本を発売を禁止をするということを言っておるんじゃないんです。これは誤解のないようにしてもらいたいんですが、表現の自由があるわけですから、その範囲の中でどのような雑誌を作ろうと、どのような見出しを立てようと、それは仕方がないというんですか、自由なんですけれども、であれば、余計に子供の目に触れない場所でそういう本を売るということに社会が何とか認知できないものかどうかといういら立ちがあるわけです。 通勤電車の中で大の大人が平気で裸のグラビアを見ていると。私は、こういうことはだれがどう見たっていいと言う人は一人もいないと思うんですよ。しかし、だからこそ駅のホームというんですか、出口のところではそういう雑誌を事実回収しておるわけでありますから、家庭には持っていかないわけですよね。また、教員の破廉恥行為が時々新聞に出てきておりますけれども、教師と生徒の信頼関係を揺るがすような行為は、これは許すわけにはいきませんし、罰する者はきちっと罰して当然ですけれども、これまた法律で取り締まるということで解決をするという問題ではない。 大人一人一人が、社会の中で少しずつ自分自身を抑制するという時代が今は忘れられているのではないだろうかというのが私の一つの考えなんですが、現在文部科学省においても教育基本法の改正の作業に入り、近く提言を提出されると思うのでありますけれども、教育の荒廃に歯止めを掛けるということを目的としているのかどうか。私はそれだけでは解決をしない、我々大人自身が自分の行動だとか自分の心を抑制していくということが重要だと思いますし、そういう風潮を私どもが作り上げていくことが大切だという考えがあるんです。 だから、そういうことを申し上げて、今後のまた法律の審議に参加をしたいと思うんですが、最後に大臣の見解をいただきまして、私の質問を終わりたいと、こう思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 今、草川委員からお話いただきましたことは、一々私は納得のいくお考えだと思いました。 今、いろんな問題が日本の国内で出てまいっておりますけれども、基本は大人であり親でありと私は考えております。それゆえにこそ家庭教育の重要さと言われますし、私は地域社会の問題でもあると思います。日本全体で起きている。日本人だけではなくて外国人まで来ていろいろやってくれているというようなことを目にする中で、子供たちだけにいろいろ要求してもなかなか難しい環境であることは確かでございます。 日本がかつて持っていた諸外国に誇るべきものは、私は、礼節であり、互いに尊敬し合う心であり、人間同士が心を許し合って助け合う、そういう美徳を持った国であったと思います。戦後、豊かさを求めてきた中で、衣食足って礼節を知るどころか、衣食が足り過ぎて礼節を失いつつあるのではないかと大変心を、危懼をしているところでございます。人間として大事なことは、自ら律するというのをベースにした上で、それぞれの個性を花開かせていくというのが大事ではないかと思っております。その意味で、抑制をする心を持つべしという委員の御指摘は本当にそうだと思います。 教育基本法の改正は、私は、単に子供たちに強制するということだけではなくて、むしろそういうことの論議を、教育基本法の改正というようなことをめぐってのいろんな論議を闘わせることによって大人自身も、この社会、これからの日本そして世紀の中で生きていく我が国の子供たち、そういったことへの責任感も議論をしながらやっていくというのが大事ではないかなと思っております。
○草川昭三君 以上です。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。 今日は義務教育費国庫負担法の論議をめぐって二日目になるわけですけれども、おとといの論議の中で遠山大臣はこういうことをおっしゃいました。構造改革という大きな国の流れはあるが、教育において国の果たす役割は何かを考えなければならない、貧すれば鈍するというような国になってはならない、たしかこういうふうにおっしゃいまして、大変印象に残っているわけですけれども、それでは、この教育において国の果たす役割は何かということと、今回論議になっております義務教育国庫負担法との関係、どういうことになるのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 義務教育の重要性にかんがみまして、国としてなすべき役割は幾つかあるわけでございます。 先ほど来申しましたように、法制度であり、カリキュラムの内容についての基準を作成することであり、指導助言であり、そして同時に、条件整備ということも大事でございますし、特に義務教育を担っていただく教員の方々の質の確保という角度から見て、義務教育費国庫負担制度というのは、国の責任による私は最低保障の制度であると思っておりまして、これは国がどのような場面になっても果たしていくべきものだというふうに考えているわけでございます。 教職員の給与費等の二分の一を国が負担することによって、全国的な観点から義務教育の機会均等あるいはその水準の維持向上というのが図られるわけでございます。同時に、その制度、運用等につきまして余り硬直的であるようなことは改め、見直しすべきことがあれば見直していくというスタンスは取りながら、義務教育費国庫負担制度の根幹はしっかり守っていくということが、私は未来の日本にとって極めて重要な土台となることであるというふうに考えております。
○林紀子君 この法律の第一条には、義務教育無償の原則に則り、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的とする、何回か引用されましたけれども、こういうふうにうたっているわけですね。 当初、教職員給与費及び教材費で始まったこの負担制度といいますものが、その後、当時の生活水準の向上や社会保障制度の確立、そういうものが充実していく中で負担する経費の対象も拡充されていったと思います。 しかし、八〇年代以降、政府の進める臨調行革路線の中で、教材費、旅費、これが一般財源化されていきましたね。教育の機会均等と水準の維持向上のためにという目的は、これは変えられていないわけですけれども、こうして一般財源化された教材費、旅費、こういうものは必要な経費ではなくなったと、そういうことでこの国の負担から外されていったものなのでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、昭和六十年度以降、逐次義務教育国庫負担の対象経費の見直しが行われてまいっておりまして、これは、義務教育に関する国の責任を適切に果たしながら、その上で国と地方の役割分担、また国と地方の費用負担の在り方の見直しを図るという観点に立って義務教育国庫負担対象経費の、その負担対象経費を限定してまいってきたものでございます。 その際、文部科学省といたしましては、その経費の性格にかんがみまして、それを国庫負担対象外としても、先ほど御紹介がございましたけれども、義務教育国庫負担制度の目的に支障が生じないかどうかということにつきまして、十分検討した上でそれらの経費の一般財源化を図ってまいったものでございます。
○林紀子君 今御答弁にもありましたけれども、教材費などが一般財源化されたときの審議、八五年、一九八五年ですけれども、我が党議員の質問に対して、当時の松永大臣は、全体としては父兄負担をさせないで、交付された地方交付税による財源に基づきまして教材の整備が着実に進んでいくように今後とも適切な指導をしていくとおっしゃっております。 しかし、現在どうかといいますと、これは東京のある地域の例ですけれども、教科備品費といいますのが九八年から五〇%減らされてそのままになっている。また、ワークとかドリルの保護者負担、こういうことが行われている。 文部省が調査した父兄が支出した教育費、保護者が支出した教育費調査というものでは、一般財源化される前の八五年度の学用品・実験実習材料費、それから教科書以外の図書費、こういうものは公立小学校で一万九千四百十八円、こういうことだったんですが、実施されてから五年後には二万一千六百九十五円、中学校では三万三百八十七円が三万二千百三十四円というふうに引き上げられているわけですね。 こういうふうに授業などに必要な経費が保護者負担になっている、こういうことについてどうお考えになりますか。
○政府参考人(矢野重典君) 教材費につきましては、委員お話しのとおり、昭和六十年度の一般財源化以降、各学校における標準的な教材整備が図られますように、必要な経費につきまして地方交付税措置の充実に努めてまいったところでございまして、平成十四年度、今年度でございますが、今年度からは、今年度は新たに教材整備計画、平成十四年度から十七年度までの五か年計画の新たな教材整備計画をスタートさせ、更に充実を図っているところでございます。 そこで、今お話がございました交付税措置による整備の対象となっている教材は、これは例えば学校のピアノ、体育の跳び箱あるいは地球儀など学校に備える備品でございまして、これらは公費で負担することとなるわけでございますけれども、そういう意味でこれらの経費を保護者に負担転嫁させることはこれはないというふうに思っているところでございます。 ただ、例えば教材といっても、例えば各教科のワークブックや、あるいは音楽用の笛とかハーモニカなど子供が保有することとなる学用品等の教材につきましては、これは個人で所有するものでありますから、元々公費による負担の対象とならないものでございまして、これは各地方公共団体において保護者への費用負担をお願いしているということでございます。 なお、その保護者の費用負担についてお話がございましたけれども、各教育委員会の学校管理規則等におきましては、教材の選定に際しまして、保護者の経済的負担について特に考慮しなければならないというふうに定められているところでございまして、このような個人所有の学用品等についても、保護者の経済的負担に配慮しつつ、適切に対応していただく必要があろうかと思っております。
○林紀子君 今、新たに新整備計画で交付金の措置というのも増やしているんだというお話ありましたけれども、しかし、交付金の措置ということになりましたら、それは積算の根拠にはなっても、本当にそれがきちんと使われるのかどうか、そういうところは非常に疑問なわけですね。 これは河村副大臣が一番よく御存じのところかと思いますけれども、学校図書館の蔵書充実のために国は今年度地方交付税、前年度比で二十二億円増やしたと。ところが、実際、これは文部科学省がお調べになったということですけれども、その予算はわずか一億円しか伸びていない。じゃ、あとの二十一億円はどこへ行っちゃったんだと。流用が多いということだというふうになっているわけですから、交付税で措置をするということは、結局こういうことが付きまとっていく。色が付いていないからどこに流用されてしまうか分からないと、そういうことが付きまとっているんではないでしょうか。
○副大臣(河村建夫君) 御指摘のとおりの結果を伺っておるところでございまして、私も大変懸念をいたしております。 交付税措置の性格そのものが、各地方自治体において自由に使ってもらいたいというのが総務省、旧自治省からのあれで、我々としては、政策官庁としては、それが計算根拠になっている以上、それはきちっとやってもらうと。これは我々も努力をしていかなきゃならないところでありますが、交付税措置には基本的にそういう傾向がありますので、我々としてもそこのところは十分踏まえた上でウオッチをしていかなきゃいかぬ面があると、このように思っております。
○林紀子君 ですから、大臣は今までも制度の根幹は守るんだということは繰り返しおっしゃっているわけですね。そして、教職員の給与に係る経費というのはどうしても守り抜くということはここでもよく伺っております。 しかし、教職員の給与に係る経費だけではなくて、やはり今、交付税措置とされているようなものも現実にこういうことですし、それから、義務教育費の無償という原則からいいましても、やはり先ほど局長の方からは個人で購入するものもあるんだというお話ありますけれども、しかしこれは限りなく無償に近づいていかなくちゃいけない、それが方向なんだと思うんですね。 ですから、授業に必要とされる費用、そういうものももっと拡充をしていく、そういう立場で国庫負担金というのをこれ以上カットしていくというのは許さないと、そういう立場を教職員の給与費だけではなくて守り抜くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 少し御説明をさせていただきますが、委員御指摘のとおり、一般財源化というときには、それは、その経費は使用目的、使途が特定されないわけでございますので、交付税上積算されてもそれが実際に使われるかどうかという保証はないわけでございます。それは正に御指摘のとおりでございます。 そういう意味で、教材費につきましては、先ほど交付税措置によって充実を図ってきたと申しましたが、実際の予算措置等を見てみますと、交付税の額に比べまして実際は約九割程度ということでの、そういう意味での落ち込みがあることは、それは御指摘のとおりでございます。 ただ、今回につきまして、今回の見直しによって措置いたします共済費長期給付と公務災害補償に係る経費につきましては、これを一般財源化いたしましても、形の上ではもちろん一般財源化でございますから二千二百億円は使用目的は特定されないわけでございますが、しかし他方、これにつきましては法律に基づきまして国は必ず、失礼、都道府県は必ず共済費長期給付についての積立てを行わなきゃなりませんし、公務災害についても同様の積立てを行わなきゃなりません。また、それに基づいて都道府県は必ず共済費長期給付の給付を行わなきゃなりませんし、また公務災害についての支給を行わなきゃならないわけです。 ですから、形の上では一般財源ということで使途は特定いたしませんが、実際はこれはとかく都道府県において自由裁量の余地が全くない、そういう経費でございます。 そういう意味での一般財源化しても、しかも今回につきましては、その財源につきましては全額必要な財源が措置されているわけでございますので、そういう意味でこの経費も含めた義務教育費国庫負担制度の実際の運用の場面におきましては現在と全く変わりませんし、そういう意味での支障は全く生じないというふうに考えております。
○林紀子君 今回の場合は支障はないと。でも、八分の一は結局返済のときに地方に負担が掛かるということになると思いますけれども、そういう説明は今までもいろいろ聞いているわけですけれども、じゃ逆に言いましたら、それじゃ全く変わりないんならどうして地方の方に回さなくちゃいけないのか、負担金というのを、法律まで改正してそういうことをしなくちゃいけないのかと、こういう疑問になるわけですが、そのことにつきましてはまた後ほど質問もさせていただきたいと思いますけれども。 ここでお聞きしたいのは、十二月十八日の総務、財務、文部科学三大臣の合意、いわゆる三相合意ですね、これについてお聞きをしていきたいと思うわけです。 第二項というのが一番根本的なことが書かれていると思いますので、そこからお聞きしたいと思います。 大臣にお聞きしたいのですが、この第二項では「義務教育費に係る経費負担の在り方については、現在進められている教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行い、これも踏まえつつ、「改革と展望」の期間中(平成十八年度末まで)に国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行う。」、そのとおり読ませていただきましたけれども、こういうことだと思うわけですね。 おとといの論議の中で大臣は、義務教育の在り方の一環として検討を行う、ここの部分を引きまして、これで財源論で見るのではなくて教育のフィールドに引き戻したんだというふうにおっしゃいましたね。しかし、今お読みいたしましたように、その後に続いて、十八年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について検討を行うというふうに書いてあるわけですね。 一番常識的に素直にこれを読みますと、やっぱり国庫負担金は全部一般財源化されちゃうんじゃないか、この合意というのは正にそこに向かって合意をされたんだというふうにどうしても読めてしまうんですけれども、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) その三大臣合意の二のところをお読みいただきましたけれども、私の考えでは、経費負担の在り方については教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行う、これが一番大事なポイントでございまして、この検討を行うのは我が文部科学省の責務でございます。 そこで、今、様々な教育改革が行われているわけでございますが、そうした中で義務教育の位置付けをどう考えていくかということについては、正に文部科学行政の基本の問題として取り扱うわけでございます。そのベースの上に立って一般財源化について所要の検討を行うと書いてあるだけでございまして、一般財源化するとは書いていないわけでございます。 私は、この問題は、実は昨年の地方分権改革推進会議の議論、それから経済財政諮問会議の議論、閣議決定、様々なものをベースにした上で、この十二月十八日の三大臣合意というのは、今お願いしております法案に表れておりますように、二種類の経費、対象経費については一般財源化するけれどもきちんと裏打ちをしますということを決めた、その直後にこういうことで交わされたわけでございます。いろんな流れの中での論議というものをベースにしているわけでございまして、全体の、これから政府の大方針である三位一体論あるいは地方分権と、様々なものがあるわけでございますけれども、私自身といたしましては、この二は今申したような角度で読んでおります。 そのことは、更に言えば、八月の経済財政諮問会議におきまして明確に財源論ではなく教育論でやるべしということで人間力戦略ビジョンを示し、そしてその中における義務教育の重要性ということで私は議論を教育の場に引き戻したと思っております。 そういうことで、これはなかなか読み方は難しいわけですし、また検討をするわけでございますから、今それ以上に明言をしてこれはこうなるとは言えないわけでございますけれども、私としては、そのことは十分に読み込んだ上でこの合意というものについて対応していきたいと考えております。
○林紀子君 衆議院のこの法律の論議のときに、我が党の児玉議員の質問に対しまして、大臣はこうもおっしゃっているわけですよね。国庫負担金全額の一般財源化、この二項の一番後に書いてあるところ、これは我が省ということではないというふうに考えている、だから文部科学省にかかわってこれを言っているんじゃないんだというふうにお答えになったということですが、そういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私としては、ややその言い方ははしょり過ぎているなと思うわけでございますけれども、この問題を根本的に考えていくときには、私は、考える際の日本の経済財政状況なりあるいは三位一体論の行方なり、それと同時に、他の全体の国庫負担、国庫補助負担金ですか、国庫負担金がどのように扱われるかというようなことを十分視野に入れた上で考えていく必要があるという趣旨も考えて申し上げたところでございます。 私としては、この問題については、読み方はなかなか明確でない面がございますけれども、それぞれどのようなふうに読んで互いにこれから論戦を闘わせていくのかなという気はいたしますけれども、私としては、この論議というものは、全体を通じてそういう大きな日本の方針決定の中で、国庫補助負担金というものの他の分野のものも視野に入れた上で議論されるべきだなと思ったことがちょっとその答弁の中で入ったのかなというふうに今思っております。
○林紀子君 そうですね、国庫負担金全額の一般財源化についてということですからね。でも、全額負担金を一般財源化しちゃうということになりますと、今、大臣がおっしゃったように、国庫負担金というのは、主に厚生労働省関係、それから身近な公共事業の国土交通省関係、そして文部科学省関係、この三つが主だと思うわけですね。全額と言われますと、文部科学省も全部入って、ほかの二つも全部一緒に、全部やっちゃうんだと、こういうことなのかなと。もっと恐ろしい話だと、こういうふうに思うわけなんですけれども。 片山総務大臣は最終合意が行われる前日に記者会見を行って、義務教育国庫負担金の約三兆円全額の一般財源化を目指すと勝手に言っちゃっているわけなんですけれども、これはどういうふうに、例えば十八日の日、三大臣が集まったときに、それはひどいじゃないかというような話にはなったんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私に対しては一度もそういう言葉はおっしゃっておりませんし、三大臣合意のときは淡々と、これは積み上げてでき上がった文書でございますので、淡々と皆サインをしたというところでございます。
○林紀子君 確かに、大臣がおっしゃったように、非常に読み方が難しいと言うけれども、しかし素直に読んだら、さっき言ったような結果に、文部科学省も含めて全部、一番国民の生活に大事な福祉の分も身近な公共事業も一緒くたに交付金化、一般財源化されてしまうという問題なんじゃないかなというふうに思うわけです。 文部科学省としては、それこそ教育のフィールドに本当に引き戻して、この国庫負担は国の責任で、義務教育の国庫負担というのは国の責任でやるべきなんだということをあくまで主張していっていただきたいというふうに思うわけですけれども、それには淡々とこれはサインをしたということですけれども、この第二項の後半部分というのは、やっぱり認められないんだと、今からでも、これは駄目ですよ、駄目ですよという、認められないという、そういう形できっぱりと大臣の方からも言うべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 我が内閣の抱えている問題というのは本当に様々でございまして、そういう中でぎりぎりのところは譲りながらも根幹を守るという立場であるわけでございます。国の財政状況、本当に残念ながら大変な状況になっております。そんな中で国費についても縮減していこうということもございますし、そういった全体の動きの中ででき上がった合意であるわけでございます。 私としては、むしろこの前段のところでしっかりと主張していくということが我が省の立場であるわけでございまして、ここにおいて明快になっているということは、義務教育の水準確保についての制度的な保障というものをしっかりやっていくには、私は全額一般財源化ということは極めて問題が多いという認識を持っていることにおいては何ら変わらないところであります。
○林紀子君 そうしますと、基本的に国庫負担金全額の一般財源化のその前段として今回のこの法改正があり、また来年度の問題というのがあるんだと思うんですね。それで、それが第三項にかかわってくるというふうに思うわけですけれども、教職員の年齢構成などからいいますと、今、学校現場では退職者が増えていくという状況にあると思います。片山総務大臣はまた、公務員の退職金についても二〇〇四年の十月には一割削減するんだという案を閣議で報告したということを報道で聞いております。 第三項の合意について、来年十月までに検討を続ける、これは仕切り直しだということもおとといおっしゃいました。どういうふうに仕切り直しをしていくのか、どういうふうに仕切っていくのか、それも是非伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) この三大臣合意におきまして、退職手当、児童手当の取扱いについては、関係省庁間における継続検討課題として、平成十六年度予算編成までに結論を得るというふうに明記されているわけでございます。したがいまして、この件につきましては正に今後検討を行っていくものであります。 そのような検討を行うに当たりましては、適切な地方財源措置というものがこれからも行われていくということが必要であるわけでございまして、それを念頭に置きながら関係省庁と慎重に協議、調整を行っていくというのは当然でございます。その際に、何度も申しておりますけれども、国庫補助負担金あるいは交付税、税源移譲を含みます税源配分の在り方を三位一体で検討する改革案が今後どのような形で取りまとめられるのか。それから、政府全体として、国庫補助負担金がどのような形で見直しが行われるかということを十分に見極めた上で考えていくべき問題だというふうに今思っているところでございます。 この三月二十五日に当委員会で私が申し上げました仕切り直しという意味は、これからもう一度やると、そういう全体の状況を見ながら考えていくべき問題だと私は考えているということで申し上げたわけでございます。
○林紀子君 もう一度仕切り直しで本当にいくというお話なんですが、どうしてこういうところに至ってしまったのかと、今年度、来年度続いて。それは、この三者協議、三者の大臣協議に先立つ十月三十一日の経済財政諮問会議でかなり具体的な案を文部科学省の方から出しているわけですよね。国庫負担金総額五千億円近くは、必要経費の一般財源化については文部科学省の方からこういう提案をいたします、こういうふうにいたします、こういう提案をなさったんじゃないでしょうか。それが今回のこの三省合意、特に一と三につながった。今年度は今回の法改正、そして来年度は退職金、児童手当を削る。これは、文部科学省が出した、遠山大臣が提出した、こういうものを前提に話が始まったんじゃないですか。
○政府参考人(矢野重典君) 少し経緯を説明させていただきたいのでありますが、昨年六月に閣議決定いたしました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」におきまして、国と地方を通じた歳出の構造改革を推進する、そういう観点から国庫補助負担金につきまして数兆円規模の削減を目指すこととされたわけでございます。これを受けて、昨年の七月には小泉総理から文部科学大臣に対しまして、国の関与の縮小等の観点から義務教育に関する国庫負担制度の見直しを行うようと、こういう御指示があったところでございます。 こうした一連の状況の中で、我が省といたしましては、昨年十月三十一日の経済財政諮問会議におきまして、義務教育負担金のその対象経費について国として真に負担すべきものに限定するという、そういう観点に立ちまして、共済費長期給付、退職手当等に係る経費約五千億円の縮減、五千億円を縮減すると、そういう改革案を提出したものでございますけれども、この改革案は、義務教育の水準確保という制度の根幹を堅持する、そういう立場に立って検討したものでございます。 そういうものとして経済財政諮問会議でお示ししたわけでございますけれども、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、共済長期給付と、それから公務災害補償以外の経費につきましては、経費の性格としては、今申し上げたような観点からそういう検討案をお示しいたしましたが、それを一般財源化するかどうかということにつきましては、これは今、先ほど大臣が申し上げたような形で改めて検討する必要があるということでございます。
○林紀子君 経済財政諮問会議の中で遠山大臣が、なぜ文部科学省だけがターゲットになるのかということを熱弁も振るわれました。それも読ませていただきましたけれども、そのとき片山総務大臣は、文部科学省が五千億円削減案を最初に出したからそういうことになるんじゃないかということを言ったということなんですね。ですから、先ほど来お話がありますように、今回の法改正の部分はほとんど変わらないんだと、ほかの法律で担保されるから大丈夫なんだということを言っていますけれども、これがスタートになる。 芽出しという言葉が盛んに言われていますね。芽出しのために今回文部科学省のこの予算、このところが法改正で芽出しにするということが大事だ、そういうことで位置付けられているんじゃないですか。芽出しについてはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府参考人(矢野重典君) ここで言う芽出しとは、先ほど御紹介いたしましたけれども、基本方針二〇〇二に示されました政府全体としての国庫補助負担金全体の見直しの芽出しと理解いたしておりまして、義務教育国庫負担金の削減の芽出しというふうには考えていないものでございます。
○林紀子君 しかし、三位一体の芽出し、そのために来年度の予算でどうするかが大事なんだということを小泉首相も議長としてまとめているわけですよね。 私たちが調査をしたところによりますと、三十人学級、少人数学級、各県でどうなっているか。二十九の道県でこれが今実施をされることになっている。ですから、こういうところにもっと予算を付けてほしいという声は、私も、広島県からこの義務教育費の国による財源措置の堅持と、そして学級編制の弾力化等に対応した負担制度を改善してほしいという要望も来ているわけですし、この国庫負担金、絶対削減してはならない、義務教育に係っては絶対削減してはならないという要望を各方面から私も受けておりますし、文部科学大臣、文部科学省の方にもそれは届いているということだと思います。 今、国がやるべきことは、国庫負担を削るということではなくて、こうした自治体の努力を財政的に援助する、本当にこの条件を、大きく教育条件というのを整えていく、そこにこそもっともっと予算を使えということを主張していくことではないか、そのためには私も大いに応援をしたいというふうに思っているわけですから、そのことを強く申し上げて、質問を終わります。
○委員長(大野つや子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本正和君 三日間連続の質問でございまして大変こう、何となく気恥ずかしい気がいたしますが、今日はこの法案に対する採決までありますので、ちょっと私なりに今まで議論されましたことをまとめて、自分の感想はこれ申し上げっ放しにしておきます。 一つは、義務教育費国庫負担法に関する法案出てきた経過は、地方分権推進会議だとか、あるいは経財会議だとか、あるいは例の二〇〇二ですか、等のいろんな中で文部省としては対応に迫られて出してきた法案であると、こういう経過であろうと思います。ただ、今からの議論が大事なんであって、今後の義務教育国庫負担の在り方についてのといいますか、義務教育そのものについての在り方も含めた議論が一番根底であって、それに基づいて対応していくというのが大臣の御答弁でございましたし、私はそれが何よりも根っこに置いて今後も進められるべきものだと、こう思っております。 ただ、心配なのは、地方分権というのは大事なことですけれども、じゃ義務教育とのかかわりはどうなんだと。また、その義務教育というものに対して今まで我が国が国策として、国是と言ってもいいんですけれども、取り組んできたそのものとのかかわりを無視して単なる地方分権の立場からのみ議論していったら大変なことになると。また国によってそれぞれ対応が違いまして、例えばフランス等では公立、日本で言う小学校、中学校、これに相当するものは全額国が負担している、そしてまた日本の国の憲法の精神からいえば義務教育はこれを無償とすると。それは国が持つ部分と、地方自治体が持つ部分といろいろあると思いますけれども、そういう原則もあると。そういう中で、もしもこれを単にいわゆる地財法で言うところの負担金、補助金と一緒に議論したんではこれは本末転倒するんじゃないか、こういうところが私の一番心配な部分です。 もちろん財政は大変な窮地ですから、これもいろいろやっていかなきゃいけないと思います。軽減のための国の努力が必要ですけれども、しかしそのことと国是ともいうべき問題と混同してしまったらいけない。また、構造改革と称せられるいろんな議論がありますけれども、それに当たっても、長い我が国の歴史といいますか、そして我が国として大切にしてきたものとの関連というものを無視した議論になったんではいけない。ところが、どうも私の印象としては少し小泉改革の中でごっちゃに扱われているような気がいたします。そこは文部大臣としてひとつ毅然とした立場で頑張っていただきたい。 ただ、そういう意味で、私はこの法案は文部省の苦労は多といたしますが、やっぱり今後のために私自身はこの法案に反対であると、こういうことはここで表明しておきたいと思います。そしてこれを逆に、一歩後退だと私は思うんです。一歩後退二歩前進ということありますから、義務教育のあるべき姿を目指して文部省としてはひとつ十分なお取組をいただきたい、これだけ初めに申し上げておきます。 そこで質問に入りますが、義務教育ということをしてきたいろんな経緯がありますけれども、明治四十年ぐらいまではいわゆる小学校は尋常小学校、尋常高等小学校、こうあって、そしてその尋常小学校の場合も補充的な小学校、きちんとしたものでない小学校もあった。そういう中で、これはこの前申し上げたかもしれないですけれども、初代文部大臣森有礼さんが三重県にやってこられまして、そして郡長あるいは県議その他の人を集めて演説をしておられるんです。演説というか、その当時は演説と言わずに大臣として教訓を垂れるというかな、訓示を垂れるということですね。 そこで言っておられる言葉の中に、尋常高等小学校といっても、いわゆる高等小学校を持っているような部分、尋常高等小学校というのは六年制なんですね、当時は。ですから尋常科四年と高等科二年。そういう部分についての問題よりも一番大事なことは、補充学校というふうなところのもの、それが大切なんだと。だからそういうものが全部学校に行けるようにするために国は全力を挙げないといけない、こういう趣旨のことを言っておられて、それで県会議員並びに郡長の諸君はしっかりやりなさいというふうなお話があったんですけれども。 そういうところから来ている長い伝統と歴史というものを踏まえた格好で議論せぬことには、単に金がないからとか、あるいは形式的に負担金、補助金を全部切るんだとかいうふうな中での議論をされたんでは全く本末転倒すると思いますし、それから更に法律の制度見ても、この義務教育国庫負担法というのは地財法第十条の第一項ですね、一番初めに書いてある。そして負担金と補助金とは違うと。負担金というのは、国が法令に基づいて責任を持ってやらなきゃいけない行事に対する負担であると、非常に重い意味があるんですね。そういうふうなものもひとつ含めて、しかもなぜ第一項にあるんだと。負担金がずっとあるわけですね。 今度、何か聞いたら六兆ぐらい負担金、補助金の整理したとかせぬとかいうふうな話を総務省の方から聞いたんだけれども、そういうことは別にして、何もかも一括しているその発想が間違っているという立場で、ひとつ本当の、本来のこの国の在り方を含めた立場で文部省、これからのこの義務教育国庫負担問題については取り組んでいただきたい、これをまず冒頭に要請しておきますし、今までの大臣の御答弁もそういう方向に沿っていると思いますが、ちょっとそれだけ一遍確認しておきたいと思う、いいですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 誠に義務教育費国庫負担制度を、財源といいますかお金の塊と見てそれをどうするというような角度で論じられるということは、私どもとしてはこれは国の将来を危うくすると考えております。地方分権といっても、義務教育費国庫負担金での裏打ちのあるものはほかに使ってはいけないものでございますので、地方分権と、一般財源化してもそれはほかに使ってもらっちゃ困るわけでございますので、いわゆる一般財源化して自由に地方が自律的に使うというたぐいのお金ではないわけでございますので、私は、地方分権論で処理されるのにはなじまない典型的なものじゃないかなと私は考えております。 地方分権という角度からいえば、むしろ今私どもが進めております教員の配置についてもそれなりに各地で工夫をしてください、カリキュラムの組み方も実情に合わせてやってください等のいろんな弾力的な権限の移譲といいますか、あるいは権限をむしろ行使してくださいという、そういうことこそが地方分権ではないかなと思ったりもいたしておりまして、今、委員のおっしゃったことを深く受け止めさせていただきたいと思います。
○山本正和君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。 今日はちょっと違った角度から大臣あるいは副大臣のかねがねお持ちになっているお考えを聞きたいと思っているんですが、学校の先生というのは、先生という言葉を使いますと、先生と言われるほどのばかでなしとかという言葉もありますし、それから先生というのはまず生きているんだと、こういうふうな言い方をすることもあります。 それはいろいろ言い方はあると思うんですけれども、私自身にとっても小学校のときの先生の思い出というのはいつも出てくる。そして、義務教育段階で教わった先生の像というのはいつも出てきます。今いろんな大変な、二十一世紀になったばっかりですから、世紀初めで世紀末の混乱が引き続いているという中で子供にもいろんな大変な苦しみがあるでしょうし、また教師の置かれている状況も大変な状況にあろうかと思いますし、また中には教師としてこんなことでいいのかというふうなことを自分自身思いながらやっている人もおるかもしれない。 様々な状況ありますけれども、それはそうとして国民一般が望む、願っている、あるいは私ども自身が願っている教師像というものがあるんですね。私は私なりに自分で振り返って思いますと、私が教えてもらった先生、中島先生という先生ですが、この先生はいつも黙ってじっと眺めているだけです。それでも随分、何となく、ちゃんとやれよというふうな感じを受けたんですね。 そして、我々の時代は旧制中学へ入るのが一クラスのうちで三人から五人です、中学へ入るのがですね。そういう中で、その先生が、中学へ行くときもいろんなことを言われた。いいか、おまえ、中学校へ行ったから偉いんじゃないぞと、中学校へ行って学んだなら、勉強すれば、おまえは行かなかった者に比べて学問というものを身に付けていくんだから、それがおまえは立派なんだよという話を私は先生から言われて中学を受けてみたんです。 だから、勉強する姿、学ぶ姿が、これが教育の進めていく中での一番大切なことだろうと、こう思うんですね。そういう先生のような思い出があります。 ちょうど私よりも年齢が二十歳違うんですかね、ちょうど二十歳違う元参議院議員、あるいはもう先生方も御承知の山本有三大先生、この方が大変、少年というか子供に対する大変な愛情を持っておられた。そういう中で書かれた小説が幾つかあります。例えば「波」にも出てまいりますし、それから「路傍の石」にも出てくる。 「路傍の石」という小説の中で出てくる教師が次野先生という先生なんですけれども、この次野先生が、吾一という少年が、これは父親は飲んだくれで、昔士族だったということを威張って、借金しまくってめちゃめちゃするんです。家へ帰ってもいきなり杯を奥さんにぶつけたりする。お母さんはじっと内職しながら吾一の生育を見守っているんですね。 そういう吾一が、友達といろいろなことを言い合いする中で、やれるんかおまえはと言われて、何をっと言って鉄橋の下にぶら下がるんですね。そこへそうすると汽車がやって来るわけです。汽車が通ってもおまえ、ぶら下がっておれるかというようなことで。だがしかし、幸いにして汽車は止まって、それで少年は助かったというふうなことが小説に出てくるわけですけれども。 その吾一に対して次野先生が、吾一、何でおまえ、そんなことしたんだと言っていろいろ話をされる。そのことを吾一は一生忘れずにずっと、それからだんだん成長していくんですけれども。おまえの名前を見てみろと。吾一というのは我一人と。だれが付けたか、お父さんが付けたのか、お母さんが付けたのか、それは分からないけれども、どういう意味で付けたか分からぬけれども、自分の文字を見てみよと言って、おまえはこの世界にたった一人しかいないんだぞと、これから何があろうと、おまえは一人で、自分で、自分が一人しかおらぬということを大切にして生きていかなきゃいけないんだよというふうなことをいろいろ言われて、そのことが一生吾一の教えになるわけですね。 ですから、今言われている教師像というのは何かといったら、進学勉強が上手な先生だとか、それから何か知らぬけど賢そうな顔をした先生がよく先生像で出てくるんですけれども、この山本有三先生の出てくる先生というのは、そうではなしに極めて個性的なんです。私は、そういう先生の姿というのは、私の自分の気持ちの中にしょっちゅう出てくるんですね。 小学校の先生というのは、これは中学は義務教育ですから近いけれども年齢が違いますから、小学校の先生ぐらいすばらしい職業はないという思いを私、時々いたします。そういう先生の姿というものに対して国民一般がいろいろな感じを持っていると思うんですね。 今日はひとつ、いろんな意見が、特に義務教育の問題で随分議論したものですから、今日はひとつ、是非、大臣並びに副大臣から、私の持ち時間がまだ大分ありますから、その中でひとつ教師像、大臣並びに副大臣がお考えになっている教師像についてちょっと承りたいと、こう思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 先生のお話にすっかり聞き入っておりまして、私にとっての教師像と言われますとちょっと緊張してしまうのでございますけれども。 私自身も、実は国民学校一年生で入りまして、その途中で敗戦ということでございまして、戦後の大混乱期に小学校、中学校を過ごしたわけでございますが、小学校のときの六人の先生方、いずれも本当すばらしい方だったと思います。特に印象的だったのが、私のクラスを大学を卒業して最初に受け持った先生がおられまして、これは本当にエネルギーに満ちて、もうすべてをぶつけて教育に当たってくれたと思います。 私は、教師というのは、もちろん指導力が問われなくてはいけないと思いますし、いろんな知識を持っていて、あるいは学校運営とか様々な能力が必要となると思いますけれども、根本はやはり教育に対する情熱をどれだけ持って、自分のすべてをぶつけて子供たちと対峙してくれるかと。あるいは、温かく見守って、それぞれの子供たちのいいところを見いだしてくれるか、大事なときに一言励ますかどうか、それが私は特に小学校の場合ポイントだと思います。 中学、高校になりますとやはり学識があってということになりますけれども、それでもなおかつ、先生の一言というのは一生涯、その発せられた相手の子供にとっては記憶に残るわけでございまして、私は教師という仕事ほどすばらしい仕事はないなと思うわけです。接したあらゆる子供たちに恩師であり得るわけでございますから。やっぱり、そういう教師、私も何人かそういう教師にお会いいたしましたけれども、そういう精神性といいますか、あるいは生き方、そして一生懸命さ、そういうものを子供はよく見ているんですね。 私にとっての素朴な意味の教師像というのはそういうことでございます。
○山本正和君 副大臣、お願いします。
○副大臣(河村建夫君) 教師というと、私はすぐ思うのは、私は山口県でございまして、萩の松下村塾、吉田松陰先生、田舎では松陰先生と、尊敬の念を持ってこう呼んでおりますが、でありまして、これは義務教育段階ではありませんけれども、塾生、わずかばかりの塾生でわずかな期間でありましたけれども、一人一人の子供の良さといいますか個性を見抜いて、伊藤博文に会ったときに、この子は政治家に向いているんではないかという手紙を残しておりますが、そのようなものと、それから、すさまじい信念といいますか気迫があって、そして子供、塾生たちの心に灯をともしたといいますか、それぞれの子供たちにそれぞれの目的を持たせるような灯をともした。これはやっぱり教育の原点、教師の原点が私はそこにあると、こう思っておりますし。 それから、内村鑑三先生が「代表的日本人」というところでお書きになっておりますけれども、やはり、今も大臣もお話ありました、子供と向き合って顔と顔、そして魂と魂の触れ合いが大事だと、こうおっしゃっている。 私は、教師というのは、やっぱり人格的な触れ合いといいますかね、それができる人でなければいけないと、こう思っておるわけでございまして、そういう意味で、子供から逃げない、そして子供をちゃんと認める、そしてその根底には、やっぱり子供が好きで好きで、あふれるばかりの愛情を持って子供に接することができる人、これが理想だと、こう思っておりますから、教員の採用試験等々では、単なる学力テストなんというのはもうやめてしまって、そこをどうやって見付け出すかということにもっと力を入れてもらいたいと、こういうふうに思っておるわけです。 結果として、教師は、尊敬の念がそこに生まれてくるでしょうし、それから、卒業したときにやっぱり忘れられない存在として心に残る人に、先生であらなければいかぬと、このように思っております。 駄弁でございますけれども、私、妻が保護司をやっておりまして、そして問題児がいろいろ来るわけでありますが、ほとんどその子たちは先生の思い出がない、先生の存在感が全くないということがあります。これは非常に残念なことでありまして、やっぱりそういうことを考えますと、先生、教師の存在というのは非常に大きいものがあるなと、こういうふうに思っておるわけでございます。 そんな思いをしながら、もう一つ私の経験からいうと、やっぱり先生は褒め上手の先生が、人気があるというだけじゃなくて子供をその気にさせる。子供には絶対みんないいところあるわけですから。ただ数学ができる理科ができるだけじゃなくて、スポーツができる音楽ができる、それをうまく褒めてやってやる気にさせる。山本五十六さんが、何か、やってみて、言って聞かせて褒めてやり、やってみせねば人は動かじと、こう言ったと聞いておりますが、やっぱりこの褒めてやりということですね、これがうまくできる先生になってもらいたいなと、このように思います。
○山本正和君 それぞれ本当に御自分のお持ちになっておられる教師像今お聞きしまして、私も本当に感銘いたしますが、そういう意味で、国がやっぱりそういう教師を支えるんだと、そういう、本当に国が教育に対してどうするかということに一番大事なことは、先生がどうなんだというその観点を忘れないようにしていかなければ、つい行政の効率だとかあるいは財政だとかいう観点からいきますと、もちろん財政絡むわけですけれども、根底の考え方として、教師というところに視点を据えて、それで考えていくということが必要だと。両大臣のお話聞いておりまして、ひとつ是非ともそういうことからも今後の行政でお取り組みいただきたいと思います。 今日は、それであと若干の時間、少し今置かれている学校の状況に絡んで質問をさせていただきたいと思います。 今の学校で私どもが聞くのは、何か知らぬけれどもばたばたばたばた忙しいと。学校におる間にあっと時間が終わってしまって、そして気が付いたらもう五時、六時になっていると。それから、うちへ持って帰って採点だとかあるいは翌日の学習の準備だとかいうのをばたばたしている、何か知らぬけれどもがたがた忙しいと。それじゃ学校で何しているんだろうかといったら、また学校でも何かぼやっとしているんだけれども忙しいような気がすると、こんなようなことを言う若い先生方がかなりおるわけですね。 私は、ですから、昔の私どもが教わった先生あるいは私どもが、私も四十年前までは教師だったわけですから、その当時の学校の状況を思い起こすと、何かやっぱり自分が教えることに対しては勉強する責任がある、しかし、だからその授業に対して責任を持つということ以外は割合自由だったような気がするんですね。あるいは、例えば生徒指導も持ったら、生徒指導ということについてそれはもう一生懸命になって時間も超えてやりますけれども、それ以外割合ほっとしたような気がしておった体験たくさんあったような気がするんですね。 ところが、それでいわゆる超過勤務という言葉があるんですが、私はその超過勤務という言葉は本当は嫌いなんですよ。昔、日教組が超過勤務手当要求闘争というのを起こして裁判を起こしたことがあった。私は、そのときに日教組の中で反対したんです、若いときだったですけれどもね。先生に超過勤務があるかと。先生というのは子供がおれば勤務しているんだから、それを、何時から何時まで勤務して、何時から後は余計働いたから金よこせなんというのはおかしいとやってみんなから笑われたことがあったんですけれども。 しかし、そういうことは別にして、現在、教員は教職調整手当というものが支給されて、いわゆる超過勤務手当は支払われていません。それで、一般公務員は超過勤務手当が支払われているんですね。しかし、私はやっぱりそういうことも含めて、教師の勤務の実態とかそういうものからいってそういうものが生まれてきたんだろうというふうに思うんですけれども、その前に、そのことも含めて、教職員が一体超過勤務というか、いわゆる普通の公務員に定められた勤務時間があります。その勤務時間は何というか学校の中におらなきゃいけないと、こういうふうなことを言われると、学校の中におって、そしてそこから外に出てやると超過勤務だと、こういう、役所と同じような感じがしますね。そうじゃないというふうに私は思うものですから。 そこで、その調査をするといっても大変難しいと思う、超過勤務の調査は。しかし、文部省としても、そういう中で、超過勤務についての実態調査あるいは教師の職務にかかわって、そういうことはどういうふうにお取り組みになっているのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思いますが。
○政府参考人(矢野重典君) 公立学校の教職員の勤務時間について文部科学省が行った調査といたしましては、昭和四十一年に、当時教員にかかわる、先ほどお話がございましたが、時間外勤務とそれに対する給与上の措置をどうするかということが大きな懸案、問題になっていましたことから、教員の勤務時間等に関する制度を検討をするために、その基礎資料を得るために教員の勤務状況の調査を実施したことがございます。 この勤務時間、勤務状況調査の結果その他を勘案して、人事院から教職調整額の受給等に関する法律の制定についての意見の申出がなされ、この趣旨を完全実施するために当時の文部省は国立及び公立の義務教育諸学校の教育職員の給与等に関する特別措置法案、いわゆる給特法でございますが、その特別措置法案を作成し国会に提出して、昭和四十六年に成立したと、こういう経緯がございます。
○山本正和君 そうすると、現在では教職員の勤務実態調査というようなことについてはおやりになっていないんでしょうか。もしおやりになっておれば、いつごろやったということをちょっとお聞かせ願いたいと思いますが。
○政府参考人(矢野重典君) 教員の勤務実態の調査につきましては、これは基本的には必要に応じて人事についての服務監督権者でございますそれぞれの都道府県が実施すべきものというふうに考えておりまして、文部科学省として、文部省として実施いたしましたのは、先ほど申し上げたような必要性から昭和四十一年に行ったものがあるばかりでございます。
○山本正和君 そうすると、各都道府県が行った調査等については、文部省に対して報告はなされておるんですか。これは毎年やられているんだろうか、それとも何年かぶりぐらいにやるのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたい。
○政府参考人(矢野重典君) これは、各都道府県が先ほど申し上げましたように必要に応じておやりになるものでございますから、その結果につきまして私どもには報告はいただいておりません。
○山本正和君 これは、確かにそういえば法律的にはそういうふうになっていると思いますが、ただ、今言いましたように、義務教育国庫負担法の問題等を議論するときには当然そういう教職員の勤務の実態というようなことも含めた議論を是非していただきたいと思いますから、一遍、これ平成十六年度ぐらいまでに結論出すんですか、抜本的な部分は。だから、そういう場合も含めて、学校現場におけるそういう都道府県等の調査等も是非一遍御検討をいただきたいと思いますが、どうでしょう、御検討いただけますか、そこは。
○政府参考人(矢野重典君) これにつきましては、国がやるということになりますと、私ども実は検討したことがあるんでございますけれども、大変なコストと、また手間暇掛けなきゃならないというわけでございます。そういう状況の中で、今申し上げましたように、基本的には人事についての服務監督権者でございます各県の教育委員会がそれぞれの必要に応じておやりいただくということが大事でございまして、国として全国的にやるということについては考えておりません。
○山本正和君 それでは、そこはまた今後の議論といたしますが。 現在、都道府県ですね、都道府県はこれについては実態調査をする当然役割を持っておると思いますが、どうですか。
○政府参考人(矢野重典君) 今申し上げましたように、必要に応じて各県がおやりになっておるはずでございますが、私ども、各県において実際にどのような形で教員の勤務実態の、ついての調査を行っているか承知をいたしておりません。
○山本正和君 じゃ、これは是非一遍都道府県教育長会議等で議論をしていただくように要請しておきます。 それから、その次に教職員の勤務の問題ですが、ちょっとこれも先ほど触れましたけれども、確かにこれ、それぞれの教師によってまちまちと言ったらおかしいんですけれども、例えば担任をして、そしてそれ以外の特別な自分の教科を持っている、中学校や高等学校の場合と小学校の場合とは違いますけれども。しかし、いわゆる授業時間というのがあります。授業時間以外にそれぞれ校務を分掌するわけですね。校務を分掌して、そして例えば校外指導というふうなものを担当する教員もおる。それから、学校行事というふうなことをやるときに、例えば学校行事の何担当とかやる者がおる。あるいは、その学校全体の時間割を編成するというような者もおる。それから、何といいましょうか、例えば遠足、修学旅行とか、そういう学校行事等の問題に絡んで責任を負わされる者もおる。要するに、教員の勤務というのは非常に多様なわけですね。 しかし、その多様な中で、ですから、一日八時間で勤務終わる者もあれば、あるいは八時間じゃなしに、もうそれこそ九時間も十時間も働かなきゃいけない場合もある。いろいろ、まちまちなんですね。それを全体として掌握して、それぞれの教員も人権があるわけですから、いわゆる労働時間、一定のものを、一か月なら一か月決まっているんですね。そういう中で、そういう時間の割り振りを含めて教員の勤務を、こういうことで勤務をしているんですねという確認もする、あるいはそういう指示もする、こういう役割並びにその責任は校長にあると思いますが、それについてはどうですか。
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のとおり、学校教育法上、校長は校務をつかさどり、所属職員を監督すると定められておりまして、学校においては校長は所属職員を監督する権限と責任を擁しているわけでございます。 したがいまして、校長はこの権限に基づきまして、先ほど御紹介がございましたように、学校行事等にかかわるそういう事項について所属職員に対して職務命令として時間外勤務を命ずるといったようなことも含めて、必要な職務上のあるいは勤務上の命令を出すことができるわけでございます。
○山本正和君 そうなると、例えば校長が、この先生は昨日は校外補導で夜八時まで校外のあるところで指導したと、したがって今日は授業がないから、午前中で授業が終わるから、あと午後はうち帰って休んでいいですよと。そういうふうなことの勤務の割り振りも校長は当然されることできると思いますけれども、いわゆる一日の勤務時間が、例えば八時半なら八時半から五時半ですか、休憩時間取って、とされても、そのいわゆる定められた勤務時間の中で、校長は悪いことするんじゃなしに、そういうその全体を含めた中での割り振りですから、課外でいろいろ勤務している時間があるとすれば、学校におる時間は八時半から必ずしも五時半までおらなくてもいいと。先生、あなたは今日はそこでないんなら、どこか、今日はうちへ帰って休んでもいいですということがあってしかるべきと思いますが、それについての権限は校長にゆだねられていると思うけれども、どうですか。
○政府参考人(矢野重典君) 一定の条例や規則等に基づきまして、今御指摘のようなケースについては、校長は勤務時間の割り振りをする権限があるわけでございますから、そうした条例や規則に反しない限りそうしたことは校長の権限で可能であろうと思います。
○山本正和君 ひとつ、その点、ちょっと都道府県によっては誤解をしているところもあるようですから、誤解のないようにこれはひとつ御指導をいただきたいと思っております。 それからその次に、そういう教職員の勤務するについてのいろんな勤務条件といいましょうか勤務の態様、これについては、いわゆる法律で定められた職員団体と教育委員会、都道府県教育委員会が当然協議をして、十分な協議をされるということの中でこの問題についての対応ができるというふうに私は思いますが、都道府県と職員団体とのこういう話合いについて、その話合いをこういう勤務条件については当然なされるべきものであると、こういうことでこれはよろしいですね。
○政府参考人(矢野重典君) 地方公務員法上、教職員の勤務条件、勤務条件につきましては、これは教育委員会と職員団体との交渉の対象になり得るものでございます。
○山本正和君 そこで、その勤務条件はそうなんですけれども、例えば校長会あるいは地教委、連絡会あるいはPTA、そういうものも含めて、そして何かの教育関係の行事をすると、組合も含めてね、職員団体も含めて、そういうことが地方によってはたくさんあるわけですね。そういうふうなことについての、何といいましょうか、話合いによって行われるそういう行事、こういうものについては当然県の教育委員会も含めて話合いの中で行われてもしかるべきと私は思うんですけれども、それはもう職員団体の勤務条件と違うからそういうことは一切話合いするのはおかしいと、こんなことがもし言われるとしたら私はおかしいと思うんだけれども、そこはどうですか、見解は。
○政府参考人(矢野重典君) 個々のケースについて、個々のケースについては、これは正に個々のケースに即して判断されるべきものだと思いますけれども、一般的な形で一般的なものとして申し上げますれば、勤務条件以外のそうした問題につきましても、これはそれぞれの教育委員会の個々のケースに即して教育委員会の判断によるわけでございますけれども、相互の意思疎通を図ったり、あるいは相互理解を深めるという、そういう観点から、職員団体から話を聞いたり、逆に職員団体に説明をしたり、そういうことは大事なことであると思っております。
○山本正和君 それでは、どうもありがとうございました。 ひとつ、これから義務教育に対する国庫負担の問題が大変な問題になろうかと思いますけれども、文部省はひとつ、今日のこれにかかわるの、各委員、与野党超えて、掛ける願いは皆一つだろうというふうな格好になってきていると思いますので、ひとつそれを背景にして頑張っていただきますようにお願いいたしまして、質問を終わります。
○輿石東君 民主党の輿石ですけれども、久しぶりに時間をいただきまして質問に立たしていただきますが、私がいただいた時間は八十分ということですけれども、かなり、今日は私の質問を終わると採決をし、多分この法案は明日の本会議で成立をしていくんだろう、こう思いまして、午前中からずっとお聞きをしました。 四人の方々のそれぞれの質問をお聞きしながら、感動したり、まあ私が質問しなくてももう終わったなと、そんな印象でもう聞いたわけですが、後藤議員の方からは、最初に、イラクのこの戦争を教育現場の先生たちはどう受け止めて、どう子供たちに指導していくんだろうと。 こんな話を聞きながら、私も一言、法案に入る前に、ちょうど遠山文部大臣はトルコの大使として三年間すばらしい実績を上げてこられているわけであります。私も、昨年の一月、本岡副議長班ということでトルコへ十日ほど行って、トルコの子供たちと会う機会が出ました。私自身も、後藤議員の話を聞きながら、今、トルコの子供たち、イラクの子供たちはどんな気持ちでこの戦争をとらえているんだろう。一日も早く終わってほしい、全世界がイラクへ集中している、そんなことを思うとき、そのお隣のトルコにおられて、行く先々で当時のトルコ大使、遠山大使のすばらしさというものをお聞きして、今日は別に持ち上げに来たわけじゃないわけですけれども、そんな話を聞いていますけれども。 先ほど、それにかかわって大臣は、まあ指導に当たってどういうことが必要だろうかと言ったら、発達段階に応じて指導すべきだ、それからもう一つは、その事実を客観的に眺めて指導すべきだろうと、この二点を強調されたと思います。私もそのとおりだと思う、一年生に教えることと六年生は当然違うでしょうから。 もっと大事なことは、そこでとどまるならいいんですけれども、この地球上から核と麻薬と貧困を追放して、平和で安全な地球を取り戻そうよと、こういうもし子供に指導をしたとすれば、それは偏った指導になるのかならないのか。私も教育現場に二十年ほど前にいたわけで、私だったらどうするかな、どう対応するかなと、こういうふうに考えながらやったわけですけれども、御感想も含めて、今、トルコやイラクの子供たちに思いを馳せるとき、どんな感想をお持ちか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 私も小さいときに機銃掃射を浴びて逃げ出した戦争の体験を持っているわけでございまして、本当に戦争というのは子供たちの生命にかかわることでございますし、いたいけない子供たちにとって心の傷にならないようにと願うのみでございます。 あの地域はイスラムの地域でございまして、イスラムの教えそのものは、私は非常にその人々の心の中にしっかりと受け止められて、平和でありお互いの隣人愛であり、見知らぬ人にも喜捨をするようなそういう教えであると思いますので、今フセイン体制の下で行われているような政治の現実というものはイスラムの世界の理想とするものとはほど遠いというふうには思うところでございます。 いずれにいたしましても、この戦い、これはいろいろ必然的なところもありますけれども、できるだけ早く最小の被害の下に終結されることを願う一人でございます。
○輿石東君 こんなことばっかり聞いたりやったりしていると時間がなくなるわけですが、一つだけ、先ほど冒頭に、後藤議員は正義ではないかという、正義という言葉を使われたと思います。私は、この戦争一つ取ってみても、正義という定義を一つ取ってみても、正義と悪は表裏一体で、見方によれば正義にもなるし悪にもなる。アメリカの子供たち、イラクの子供たちの正義の定義は違っているのかもしれません。そこに教育の恐ろしさ、怖さも感じますし、同時に化学兵器とか大量兵器、炭疽菌、それからサリン、これは科学技術の発展がもたらしたものだろう。その科学技術も我々の頭脳が生み出したものだとすれば、この使い方を間違えば恐ろしさ、怖さもある。その根底には教育の偉大さ、怖さ、恐ろしさ、両面あると思うわけであります。それだけに教育は大事だということに尽きるでしょう。 最後の山本先生の御質問の中で、教師論にまで出てきました。河村副大臣は、吉田松陰の話も出ました。小泉内閣の一角を担う遠山大臣も、小泉さんは、この内閣を組織する最初の所信演説で、米百俵という小林虎三郎の言葉を引用して、そして何か精神論を言ったようですけれども、小林虎三郎はそうじゃなくて、学校を作ろうよ、人づくりをしようよと、こういう、人の言葉を使うときに正しく使ってほしいと、いない小泉さんのことをここで悪口言っても仕方ないでしょうけれども、私はそういうふうに思っています。だから、その小泉さんの発想でこの義務教育国庫負担法にも手を付けてきたのかなと、そう思わざるを得ません。 したがって、今日は私の論調は文部省の応援団として立っております。いつもどっちからというといじめ側に立っているように思われたわけですけれども、今日は支援をしたいと。そのために、私は総務委員会でもいろいろ議論してきましたので、総務省の林局長にも来ていただいて、本当は片山大臣、塩川大臣もここへ来ていただいて、三大臣合意を、あなたたちはどういう約束をしたのと言えば一番はっきりするわけですけれども、そういうことにはならぬわけですから、逐次聞いてまいりますが、この法案が今日、二月十日に国会に提出されて、明日は上がっていくでしょう。 この経過を見たときに、三つのポイントが私は経過の中であると。出発は、お話もありましたように、昨年の五月の二十一日に、総務省の中にある経済財政諮問会議で地方への財源移譲というところから出発して、五兆五千億地方へ持っていかなきゃならぬ、その穴埋めをするのにどこからか金を捻出しなきゃいけない。補助金だ、負担金に目を付けて、ここから補てんをしなきゃならぬと始まった話だというふうに私はとらえたいと思います。そして、八月三十日は文部省、大臣なのか文部省からだか、その八月三十日に一つの基本的な考え方と、これに対する改革案を提示をされているはずだと思います。そして、十二月の十八日、年の瀬に三大臣の合意という形でこの法案が出てきたという。 簡単に言えばそういう経過だと思いますので、そんなことも含めながら、最初に大臣には、もういろいろ言われて質問する必要もないと思いますが、義務教育国庫負担制度というものについての基本的な考え方について、最後だと思いますので、改めてお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 義務教育は、これは憲法の要請によりまして、国民の基礎的な資質を培うというものでございまして、その水準確保については国としても十分に役割を果たしていく必要があります。 もちろん、義務教育は国だけではございません。地方自治体等との分担関係に立つわけでございますけれども、やはり義務教育の持つ教育全体の中での位置付けの重要さ、それから正に憲法あるいは基本法あるいは学校教育法体系で明らかにされている国の役割というものをしっかり果たしていきますためには、制度の枠組み作り、あるいは基準の策定、指導、助言といったようなものに加えまして、一番の根本たる教育を担う教員の給与費の二分の一を国庫負担していく、この制度というものは私は日本の今日を築いてきた根本でもございますし、将来の日本にとっても最も重要な国の施策で、施策の一つと言ってもいいかもしれませんが、最も重要なものであると私は考えているところでございまして、その意味で、国としてはこの制度の根幹というものはいかなることがあってもしっかりと守っていく必要があると考えております。
○輿石東君 今、大臣から、今日までも、またこれからもこの制度の根幹は揺るぎないものとして堅持をしていくと、そういう固い決意、午前中からそう語られていますが、そこ、しかし周りはそうではないと。本当にこの小泉内閣の中ですべての閣僚がそういう気持ちでいてくれればいいわけですけれども、私は一昨日の総務委員会でこの問題を最後の質問の一こまでやりましたら、片山大臣が、まあ御心配なく御心配なく、遠山大臣ともしっかりやっていますからと、こういう話だった。だったら何で一般財源化なの。義務教育国庫負担制度、その制度がなくてもその代わり得るものがあれば大丈夫なんですと、こういうニュアンスで答えているわけですね。 話を元に戻しまして、先ほど私が申し上げました経過で、五月の二十一日に経済財政諮問会議で、五千五百億円の原資を見付ける場所としてこの義務教育国庫負担金の二千二百億、最終的には。これを出さなきゃならなくなったという経過は改めて質問する必要はないと思いますが、片山大臣はその後、五月の二十四日の閣議があった後の記者会見で、報道によれば、国税の地方税への移譲というものにかかわって、これはどうしても五兆五千億というものを見付け出すのにはこの義務教育国庫負担金に手を付けなければならないんだという、こういう発言をされているように聞いているわけですが、林局長、この辺の事実関係と、片山大臣じゃないから大臣に聞いてくれという話になるかもしれぬけれども、局長が知り得ている範囲でこの問題に対する考え方を述べてください。
○政府参考人(林省吾君) 御指摘の、五月に片山大臣の方から提案がございましたいわゆる片山プランというものの中身でございますが、その趣旨は、今後地方分権を実のあるものにしていく、また地方財政基盤の充実を図っていくためには、国の関与について見直して、地方の自主性を伸ばしながら、地方財政の構造といたしまして地方税中心の構造を作っていく必要があると、こういう趣旨で大臣が提案されたものでございます。 したがいまして、基本的には地方財源に占める地方税収等のウエートを高める必要があるということで、国税と地方税との財源、税源配分について見直しをする中で、地方税の充実を図る必要があるというのが第一の基本でございました。そのときに併せて提案されたものが、所得税と住民税との見直しによりまして地方税の充実を図ることによって約三兆円、それから地方消費税の一%増強によりまして二・五兆円、合わせて五・五兆円ぐらいの税源移譲をしていただきたいと、こういう提案をされたわけであります。 その背景といたしまして、国も地方も大変財政状況が厳しいものですから、大臣は、一つの提案としての考え方でありますけれども、国の方も国債、赤字国債を発行して厳しい財政運営をされているところでございますので、その提案を実効性のあるものとして発表させていただくためには、それに見合うような地方の、国の歳出の中での見直しも図っていく必要があるだろうということで国庫補助負担金の整理合理化という点にも触れられたわけであります。 ただ、これは委員が御指摘なさいましたように、税源移譲の財源を捻出するというような考え方だけではなくて、以前から、国と地方との役割分担を見直しながら、また国の関与を縮小しながら地方の自由度を拡大する、そのためには国庫補助負担金の整理合理化が必要だということは以前から関係者によって要請され、主張されていたものでございまして、実は平成十年の閣議におきましても、地方分権推進委員会の報告を受けて閣議決定された経緯がございます。 そういう中で、現在国から地方に支出されております国庫補助負担金は、平成十四年度の場合、約十二・七兆円ぐらいあるわけでございますが、そのうちの国庫負担金につきましては、経常的な部分につきまして約半分程度、また奨励的な補助金につきましては、国の政策としてどうしても縮小のできないようなものを除きまして、部分の約七割程度を目安として提案をされたわけであります。 そういう中で、国庫負担金の経常的なものにつきまして見直すということになりました中には義務教育費国庫負担金も、分類上、中に入っておるものですから、当然そういうものも今後の国庫負担金の見直しに当たって議論の対象になるものというふうな認識で大臣がおっしゃったものと理解をいたしております。
○輿石東君 長く専門的に説明をしていただきましたが、今、局長の言ったことはこういうことですか。 国庫補助金、負担金の整理合理化で数兆円出さなきゃならない、それには経常的経費と奨励的なものもあると。そして、その経常的経費の中に義務教育国庫負担金も分類をされていると。だからこれも検討の対象にしたんだと。その理由は、その整理合理化する理由は、分権推進改革会議ですか、名前がちょっと変わって改革が入ったんですかね、その中で、国の、国で、地方でできることはできるだけ地方で、国の関与を縮小していく、地方の自由度を拡大していく、そういう理由で整理合理化も、ひも付きの補助金は余りなくならせていこう、その方向も分かるけれども、今もう一つちょっとそこで聞きたいのは、経常経費としてのこの義務教育国庫負担金もその類型の中にあるので検討の対象にしたんだと、そういう思いで片山大臣は義務教育国庫負担金にも手を付けざるを得ないと、こう言ったんだと、そう理解してよろしいですか。
○政府参考人(林省吾君) 国庫補助負担金につきましては、先ほど申し上げました分権推進計画の中におきましても、また最近の閣議、昨年の六月の閣議におきましても、教育、社会資本、福祉等々含めて、すべての国庫補助負担金につきまして、地方の自主性を伸ばすというような観点を含めて見直し検討する対象とされているわけであります。 したがいまして、国庫負担金の中でも真に重点的なものに絞って、国と地方との役割分担を踏まえながら見直していこうという考え方が基本にあるわけでありまして、国庫負担金のうちの経常的な経費に分類されております義務教育費国庫負担金につきましてもそういう観点から議論する必要があると、こういう認識に立っておっしゃったものと思っております。
○輿石東君 最後に言われた、議論をする、検討をする必要はある。必要はあるかもしれません、本当に必要かどうかと。又はこれは削ってはいけないのか、削ってもいいのかという議論は必要でしょう。今日のずっと朝からの議論、それから総務委員会での議論にあっても、これはやはり国の責任において義務教育の教員の給与は二分の一は国の責任において負担をしていきます、永遠に、こういう制度はやっぱり堅持すべきだという、こんなもの要らないよという意見は一つも出てこない。 とすれば、そういう理解をこれからは総務省も片山大臣も認識をしていかなきゃならないと思いますし、その三大臣合意、十二月に行われたその中でも遠山大臣はそういう主張をされたと思いますが、大臣に確認しても仕方がないかもしれぬけれども、そうだと言うでしょうけれども、確認をさせてください。
○国務大臣(遠山敦子君) 義務教育費国庫負担制度、大変な歴史のある、しかも骨格、一国の将来に必要不可欠の骨格と私は考えておりますが、それにつきまして財源論、今伺っているような財源論の角度から論じられるたぐいのものではないと思っておりまして、だからこそ一連の経緯の中で、教育論といいますか、全体像の教育というのは何をねらっていて、義務教育は何をねらってどうすべきかと、そこのところの基本をやるのが国だということを主張し続けまして、私としては教育論の中で今後とも考えていくべき問題だと思います。そのことが合意の中に反映されていると思います。
○輿石東君 午前中の最後だったですか、林議員の方とのやり取りで、今おっしゃいました、遠山大臣は、財政論ではなくて教育論でその場へ引き戻すことができたというのは今言われた答弁の中にもあると思いますので、そういう形でこれからもきちんと主張をしていっていただきたいと思いますけれども。 総務省にもう一つお聞きしますが、これもずっともう明らかになってきた、午前中の議論にもありました、一般財源化された共済長期給付等に対する二千二百の補てんは、もう間違いなくきちっとできているんだと。これは共産党さんのですかね。しかし、八分の一は結局は地方が負担をしなきゃならないようになっているんじゃないですかと、こういう質問もあったわけですが、そこもきちんと手だてをできているというふうに理解してよろしいですか。もしそうだったら、その説明をしていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(林省吾君) お尋ねの今回の義務教育費国庫負担金の一般財源化でありますが、二千百八十四億円の一般財源化が図られておりますが、これに対しましては、二分の一は地方特例交付金の増額によりまして、また二分の一は地方交付税の増額により完全に地方財政運営に支障が生ずることがないよう補てん措置を講ずることといたしております。 このうち、地方交付税の増額に伴います分につきましては、当面特別会計におきまして借入金で措置することになりますが、その償還財源につきましては後年度国がその四分の三を負担することが決まっております。最終的には国の方で八分の七の財源措置をしていくと同時に、八分の一につきましては償還時におきまして地方が負担することとなっております。 この全体の八分の一につきましても御指摘ございましたのでちょっと申し上げておきますが、この借入金につきましては、今後、平成三十年度までの十五年間、五年据置きの十年償還という形にいたしておりますが、にわたり元利償還を行っていくこととなりますが、その償還財源につきまして、特に地方負担分の八分の一につきましては、その時点におきまして毎年度の地方財政対策等を通じまして適切に財源を確保してまいる所存でございます。
○輿石東君 地方特別会計の借入金という形でやっていく、地方特例交付金とか地方交付税で折半でという、国が八分の七持って都道府県が八分の一と、こういう話でありますが、私が言うまでもなく、ずっと議論になっております地方交付税というものの性格とこの義務教育国庫負担金が一般財源化されたときの危険。 地方交付税というのは何へでも使えるお金だと。しかし、この負担金、国庫負担金は教員の給与二分の一という位置付けがもう法的にきちっと決まっていますから、そこで心配になるわけですね。一般財源化したり地方交付税措置をした場合には、本当に義務制の教員の給与、義務教育費になるのかどうかと。その裏付けがないままこの制度を変えるということは決して許せることではないというのは、地方六団体、各都道府県の知事もみんな言っているわけですね。 で、総務省は、地方自治を充実する、三千現在ある二百の地方自治体の味方にならなきゃならない立場にあるわけですから、それをこういう形で地方へ責任を転嫁をし、国で面倒を見ないよというような道につながるような、そんな危険な方法を、ましてや協力していくということはないと思いますが、局長の答えられる範囲で、その点についていかがですか、今後の対応。
○政府参考人(林省吾君) 今回の義務教育費国庫負担制度、特に国庫負担対象の見直しにつきまして文部科学省の方から御提案があったわけでありますが、御案内のように、最終段階までその財源措置をどうするか、地方団体、大変心配をされたわけであります。 私どもも文部科学省といろいろと御相談させていただきまして、最終的には地方団体の義務教育現場における自由度が拡大されるように文部科学省も制度改正等を考えてくださいましたし、また、私どもとしても、その方向で地方団体に迷惑を掛けることがないよう十分の十の財源を用意する。特に今回の対象となりましたものは法令の規定等によりまして地方団体が負担をしなければならないものでございますので、それに必要な財源は十分の十用意しようと、こういうことでまた財務省とも御相談をし、先ほど申し上げましたような財源措置ができたわけであります。 そういう点を全体として見ていただきまして、地方団体、最初かなり心配されておられましたが、義務教育の現場にも支障が生ずることがないよう今回の改正を受け入れてくださっているものと承知をいたしているところでございます。
○輿石東君 念のために、十六年度以降の財源措置も今言われたような方向で考えていくということですか。 それと、財務省来ていますか。財務省にも併せて、今、総務省の林局長が言われた方針で、財務省も歩調を合わせて金を出していくということでよろしいですか。
○政府参考人(林省吾君) 御案内のように、今回の措置は全体的な三位一体改革の中の芽出しとしての位置付けもされているものでございまして、私どもといたしましては、最終的には税源配分等に結び付くような財源措置につながるものとして今回の措置を暫定的な措置と、こう位置付けているわけでありますが、今回の共済費長期給付等に対します先ほど申し上げましたスキームは、十六年度以降もこのスキームに基づきまして財源措置をしてまいる考え方でございます。
○政府参考人(杉本和行君) ただいま総務省の方から御答弁がございましたが、私どもの方も、今回の地方特例交付金と地方交付税による財源措置は、一般財源化に伴いまして直ちに地方において事務事業の効率化等により対応することが困難と考えられることから講じた暫定措置だというふうに考えております。 今後の取扱いにつきましては、地方における合理化等を踏まえてどの程度の恒久的な財源が必要かを見極める必要がございますので、今後、また三位一体の検討が進められていくわけでございますので、その中で考えてまいりたいと考えております。
○輿石東君 今の財務省の方で、三位一体の改革を視野に入れながらと、こういうお話ですから、三位一体、もう言うまでもなく地方交付税の見直しやこの補助金、負担金の見直し、それから地方への財源移譲というこの三つでしょう。だから、地方で心配しているのは、まず、財源の移譲を先にしてくださいよ、それから補助金なり負担金の整理合理化も、交付金の見直しも結構でしょうと、やることが逆じゃないですかと、こういうことですよ、簡単に言えば。財務省も総務省もそういう視点でその財源移譲。 しかし、国が、地方の地財計画を見てももう百九十九兆ですか、その借入残高、二百兆にもなってしまう、借金、こういうことだから、そんな財源移譲、なかなかできない。早く地方は二百兆の借金あるんだから国から財源移譲してくれといっても、なかなかできない。そこで、先ほどの、当面五・五兆円の財源移譲を試みようということからこれが出発したということでしょう。で、財源移譲については景気が良くならなきゃそんなことだれが考えてもできませんよと、こういうことであれば、この義務教育国庫負担金というのは、大臣の言葉をかりれば、我が国の今日までの繁栄をもたらしたもう基本だと、それは教育にあるんだと、国家百年の大計と言われる教育にあるんだということを踏まえれば、一番大事なところを削るとは何事だと、こういう声が地方やあらゆるところで起きてきているんです。 そういう認識で総務省も財務省も考えていただきたいし、お二人に言っても仕方がない話ですけれども、大臣にもよく言っていただいて、また次の三大臣会議もあるでしょうから、そういうところではそういうことにならないようにお願いをしたいというふうに思います。 そこで、この義務教育国庫負担制度というものの経緯、歴史。それは山本先生も触れてくれましたけれども。よく考えると、これは今は公立小中学校の義務制に対象にしていますけれども、大正七年に、一九一八年に市町村義務教育費国庫負担法、大正七年と言えば、今年、大正七年に生まれた人は八十五歳ぐらいになるんですかね、八十五年間もこれは堅持をしてきている法案。それで、戦後の混乱期も、財政的には大変窮乏期にもこれは堅持をしてきた。 ただ、片山大臣も言っています。一時期、二十五年から二十七年にですか、地方財政が圧迫した、それで地方財政平衡交付金ですか、こういう名前でこれを吸収し、またそれをやってみたけれども、今、それをやろうとしているんです、同じようなことを。だけれども、地方からも、とても格差が出たり、これではもたないということで昭和二十八年に今の義務教育国庫負担制度が復活をした。私たちは復活と言いたい。それは、ほかのところは、省庁で言えば創設をしたと。復活だか創設だか、まあそれはどっちでもいいでしょう。そういう歴史からいって、それだけ教育は大事だということで。 そしてもう一つ片山大臣が言ったのは、シャウプ勧告。昭和二十四年にシャウプ勧告を受けて二十五年から二十七年にしたと。じゃ、このシャウプ勧告というのは何だ。今、議論をされているように、地方財源を充実させて地方でできることは地方でやってもらおう、地方へ力を付けようと、こういうのが、分かりやすく言えばそういう勧告でしょう。 また、歴史は繰り返すじゃないですけれども、同じ過ちを、同じ轍を踏むのかという感もあるわけですが、総務省、財務省、それぞれ私の今のことに対してどんなお考え、または感想でも結構ですから述べてください。
○政府参考人(林省吾君) 義務教育の重要性につきましては、先ほど来先生が御指摘なさっているとおりでございまして、私どもも同じように考えているところであります。そのため義務教育を支える財政制度として、御指摘ございましたように、確かに大正七年に市町村義務教育費国庫負担法が公布されて以来、今日になっているわけでありますが、その間この義務教育負担制度につきましては、これも御指摘ございましたが、二十五年にシャウプ勧告によりまして廃止されました。このときのシャウプ勧告は、地方の自立といいますか、地方財源を充実するという観点からの提案であったわけでありますが、その際、現在の地方交付税制度の前身であります地方財政平衡交付金制度に国庫負担制度が吸収されたわけでございますが、その後二十八年四月からは今日の義務教育費国庫負担法という形になっているわけであります。 私どもも当時の状況もいろいろ勉強させていただいておりますが、当時、国、地方ともに大変財政が窮乏を窮めておりました。平衡交付金制度自身は、できるだけ国の負担制度の対象となっているものも平衡交付金制度の中に入れて地方団体が地域の実態に基づいて財政運営ができるよう、また自立できるようにしたいという趣旨のものではあったわけでありますが、平衡交付金の総額の算定方法が大変不安定でありましたこともありまして、交付金の総額が十分に確保されず、地方団体間で教育費の支出に大きな差が生ずると、こういう実態があったわけであります。 さらに加えまして、教職員定数の確保等に関します法制度もその時点では未整備でございました。現在は御案内のように昭和三十三年に義務教育の標準法が制定されて今日に至っているわけでありますが、今日では先ほど申し上げましたような問題点につきましては標準法が制定されまして、学級編制や教職員定数に係る水準が法的に定められるようになっていること、また財源面につきましては、平衡交付金時代と違いまして今日の財源確保の方策といたしましては、必要な財源を地方財政計画の策定と地方交付税の算定を通じて保障すると、こういう仕組みが確立していることを考えますと、当時とは、つまり国庫負担金が再度導入された当時とは状況は少し変わってきているのではないかと、こういう認識で議論がされているところもあるわけでございます。
○政府参考人(杉本和行君) 義務教育についての重要性は私どもも十分認識しているところでございまして、私どもの観点もいかにして教育を良くしていくか、保護者や地域の期待にこたえたような教育を実現していくか、さらにはこの国の将来を担う人材をいかに育てていくかという観点が重要だと思っております。そういった意味で、義務教育は国の礎でございますので、その重要性にかんがみれば国がその基盤の整備についてもう相当の責任を負うということは言うまでもないと思っております。 他方、これからの社会を考えますときに、やはり自立した地方が多様な個性と創造性を発揮して学校教育の質的な向上を図るために、限られた予算を最大限に活用して教育投資の効果をより高めていくという、こういう視点も重要だと考えております。 すなわち、義務教育につきましては国と地方が適切に役割を分担する必要があると考えております。その実施に当たりましては、地域の創意工夫を十分に発揮し、かつ地方の自由度というものも活用しながら教育をどういうふうに良くしていくかという観点が一番重要だと考えております。 義務教育費の経費負担の在り方につきましては、こういった観点を踏まえまして教育改革をどういうふうに進めていくか、より良い教育をどういうふうに実現していくかという観点に立ちまして、今後とも関係各方面との御意見を十分伺いながら、関係各省とも相談をしながら考えていきたいと思っております。
○輿石東君 お二人に確認をしますよ。 総務省の方、今お答えいただいた中で、地方財政平衡交付金に三年ほどやった当時と違うのは、地財計画があって地方交付税、そういう財源保障とそれから財源の偏在の調整をできるように、そういう仕組みになっているんだと、そのとおりだと思います。その点は結構だと思いますが、非常に気になるのは、昭和三十三年に簡単に言えば義務標準法、長い法律だからすべて名称は言いませんが、義務標準法があるんで、そこは違いますよと。地方財政平衡交付金のときには算定基準があいまいだったので非常に混乱も起こしたし、その各地方でもって格差も出てしまったと、ばらばらになったと、こういうことですね。 そこで、総務省にお尋ねをしますが、片山大臣も同じようなこと言っているんです。昭和三十三年に義務標準法があるから、これがあるから大丈夫なんだよと、一般財源化しても。その義務標準法というものと義務教育国庫負担制度とはセットに考えていかなければ、切り離して考えられないものだと思いますが、その辺はどうなんですか。
○政府参考人(林省吾君) 私どももこの件に関する議論の中でいろいろな方からの御意見も伺っているところでありますが、御指摘いただきましたように標準法と国庫負担制度はセットであるというお考えの方もいらっしゃいます。と同時に、標準法で教育の水準を守れば十分で財源的には他の方法によるものもあるのではないかと、こういうお考えの方もいらっしゃいます。 その点、結論がもちろん出ていなくて今後関係省庁で議論を深めることにしているわけでありますが、ただ、国庫負担制度につきましては、地方団体の御意見等も伺っておりますと、標準法で学級編制とか教職員配置につきましてある基準が定められ、それを守らなければならないというのはすべての団体が認識をいたしているところでありますが、国庫負担制度の運営の面で地方団体の自由度が十分に発揮できないとか、あるいは負担制度に伴う事務負担が大変重い負担になっているとか、こういう意見もお聞きをしているところがあるわけでございまして、今後とも地方の自由度を高め、地域の主体性を発揮しながらより教育が充実されていくためには、またそうしなければならないと思っているわけでありますが、そのためには国庫負担制度が本当にセットでなければならないのかどうかという意見もあるというふうに承知をいたしているところでございます。
○輿石東君 今の問題は片山大臣が経済財政諮問会議において高校の例を引いて同じようなことを言っているんですよ。 高校については標準法によって教職員定数の標準を決めているだけで、教職員の給与等を国庫負担していない。もう一つ例を言っている。警察官とも比べている。警察官の給与も全額一般財源で措置されている。だから義務教育費国庫負担金も全額を一般財源化してもよろしいではないですかと、こういうことなんです。ここはあえて文部省に話を、どうですか、セットでなければいけない、まあいろいろ立場があって言いにくいでしょうけれども、言っておいた方がいいと思いますので。だれか言ってみてください。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど委員が御指摘になりました経済財政諮問会議における片山総務大臣の発言につきまして、その際、遠山科学大臣も同席しておられましたので、その席で以下私が申し上げるようなことを反論という形で申し上げましたので、この場でその私どもの大臣が申し上げたことをかいつまんで御説明申し上げたいと思います。 まず、高校教育、高等学校との関係でございますけれども、これは、御指摘のように、国庫負担制度は高等学校にはなくて義務教育のみにあるわけでございますが、それは、一つは、義務教育については憲法上、すべての子供が一定水準の無償教育を受けられるようにすることが憲法上要請されているということ、また、義務教育は就学義務を課して国民としての基礎的な資質を培えという言わば国民教育としての側面を持っているということ、そういうことなどから義務教育については国の責任が強く求められていると、そういう理由に基づく、そういう理由に基づくものと考えられるわけでございまして、国の責任という点については義務教育と高等学校教育とは同列には論じられないということを申し上げたところでございます。 その上で、標準法があれば水準低下の心配はないという、そういう点につきましては、これは一般財源により措置されております高等学校の場合、現状、実情におきましては、約半数の都道府県におきまして、約半数の県が高校標準法に定める教職員定数の標準を下回っているという、そういう状況にあるわけでありまして、こうしたことを考えてみましても、仮に義務教育国庫負担制度を廃止して全額一般財源化ということで標準法から負担制度を切り離すということになりますれば、義務教育水準の水準確保についての制度的な保障が損なわれるという、そういう問題が、そういうおそれがあるということを申し上げたわけでございます。 さらに、警察官の関係についても言及を申し上げまして、警察官につきましては、その定員が、国家公務員である警視正以上の定員を政令で決定がなされておりますとともに、地方公務員である警視以下の定員も都道府県ごとに政令で定められているというふうに承知をいたしているところでございます。 これに対しまして、公立諸学校の教職員の定数につきましては国が学級編制や教職員配置の標準を設定しているわけでございますけれども、具体的な学級編制あるいは教職員の配置はそれぞれの都道府県の判断にゆだねられているところでございまして、その意味で、警察官に比べてより地方の自由度の高い制度であるというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、各県ごとに法令で定員を定めている警察官のような制度を教職員について、教職員について採用するといたしますれば、確かに水準確保という点についての保障にはなるわけでございますけれども、それでは明らかに地方分権の流れに逆行する、そういうことになるのではないかということを申し上げたわけでございまして、今の高等学校のケースと、それから警察官についてのお話が、総務大臣からお話がございましたので、今、私が御説明したようなことをその場で文部科学大臣から反論という形で申し上げたところでございます。
○輿石東君 今、矢野局長が最後に地方分権の流れに逆行しかねないものだと、こう反論しましたよと、こう言っているんですね。 財務省、あなたは、さっき、自立した個性ある、そういう町づくりというか地方を目指して、しかも最小の費用で最大の効果を上げると、それはそうでしょう。そして、しかも地方に創意工夫、自由度を与えていくと、そういう方向で国の流れもあるし、この補助金なり負担金なり地方財政の強化も図っていくんだと、そのとおりでしょう。 今、矢野局長は、これは警察官と高校の教員の例を引いて、警察官のように政令でもって定数を決めちゃって、もうこれで山梨の警官、これでやれ。確かに数はきちんとしているかもしれぬけれども、それで本当に自由度があるのか、こういうことでしょう。 そういう点について、片山大臣も、昨日の私どもの議論の中でも、まあ輿石議員、そう御心配なく御心配なく、どこの知事が、教育を大事にしない知事がありますかと、こういう話で、いやいや心配だからこれからも質問を続けるよと言って、時間が切れちゃって、終わったんですけれども。 今、矢野局長の説明を聞いて、お二人にもう一度、今度は逆に反論してみてください。
○政府参考人(杉本和行君) 私ども、その教育の定数をそれぞれの地方で厳格に決めるのはいいとも考えておりませんで、私どもが考えておりますのは、結局、教育の質を上げていく、今の教育の現状を踏まえまして、どういった教育がこれからの日本の将来を担う子供たちを育てるために必要かという観点から、国庫負担制度についてどういうような仕組みが、仕組みなり改善が行われていければいいのかという観点でございます。 今の制度、今回、文部省にもいろいろ御努力いただきまして、各種の義務教育に関する地方の自由度を拡大する措置を講じることにしていただいているわけでございますが、そういった流れも踏まえまして、地方が本当に子供の教育になるようなその体制をどうやって作っていくのか。 地域社会が、例えばでございますが、地域社会がどういった形で学校の現場に参加していくとか、いろんな地域の方がいらっしゃいます。地域に在住していらっしゃるいろんな経験をお持ちの方もいらっしゃいますから、そういう人たちが教育に参画していって地域社会と教育というもののつながりが非常にもっと密接になっていくとか、そういうことを更に進めていくためには、今の義務教育国庫負担金制度というやり方がいいのか、それとも、もう少し弾力化を加えた、例えばでございますが、定額化、交付金化といった方向がいいのか、どちらが本当のその教育の現場にとりまして、これからの子供たちの教育にとっていいのかどうかということを考えていくということが必要なんじゃないかと思っております。 そういった意味で、それはいろんな多様な努力もあるようなやり方だと思いますし、地域地域ごとにいろいろ実情も違う話でございましょうし、これからの国際社会、日本社会、日本経済、そういったものを考えますと、やはりいろんな多様化の努力ということも必要だと思いますので、そういう意味で、先ほど申しました多様な個性と創造性というようなものを発揮するようなやり方が必要だと思います。 そういった観点から、どういったことがより教育に、日本の教育にとって、教育を改善していくためによろしいのかということを検討していく必要があるというふうに考えている所存でございます。
○輿石東君 教育の質を高めるためにという視点で、財務省、考えていただけるということですから、すばらしい発想だなと思って。 先ほど、草川議員が、一九九〇年代の初頭に、アメリカ辺りからチャータースクール構想と、地域の者が参加をしていくと、そういうものについての議論がありました。そして、日本ではこの間、失ったものはないかと。けじめの付かない社会にしてしまったと。自らを律するという、抑制できるという心も失ったのかもしれぬ、そんなお話もありました。 私も、一見、見せ掛けの豊かさの中で心の貧しさを生み出してしまったのかもしれない。物から心の時代、そして個性重視の時代だ、地方も個人も多様化していくと、こういうお話もありました。そのとおりだと思います。 だから、今まで、画一的な教育をなくそうということで文科省も努力してきたと思います。もうかなり前からですけれども、県の教育長を文部大臣の承認がなければ任命できぬという、そういう古き時代もありました。そういうふうに一歩一歩改善をしている、地方に任せるものは地方に任せるという発想で。 私は、その多様化とか個性化とかという美しい言葉が飛び交いますが、分かりやすく言えば、今まで、ややもすると十人一色の教育をやってきてしまったかもしれぬ。それを画一教育と言うならば、今度は十人十色の教育へ持っていけばいいわけでしょう。十人十色の教育をするためには、指導法もカリキュラムも、そしてお金もある面では先行投資していかなければならないということでしょう。 だから、そういう視点でこれからの財政論ではなくて教育論できちんとやっていってもらうということで安心をしました。 財務省も総務省も文部省も、三関係省庁でこれからこの問題を取り組んでいくでしょうから、それが教育改革の一環として、義務教育制度の在り方も含めてこの問題をとらえていくということに帰着をしていくというふうに思いますが、財務省、文科省、そして財務省、それぞれ今私が言った主張に対して、何か反論でもあったり、そんな簡単にはいかないぞということも含めて御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 私どもの基本的な考え方を述べさせていただきたいと思っておりますが、義務教育というのは大変重要な課題であると思っておりますし、現在、いろいろ知事さん、市町村長さんのお話をお聞きいたしましても、地域におきましても、また地方団体にとりましても、教育の充実は最重要課題であるという認識に立っておられまして、私どもそこは同じ認識に立っております。 したがいまして、私どもといたしましては、このような義務教育の重要性にかんがみまして、今後とも地方団体におきまして教育の一定の水準が確保をされ、地方団体における教育行政の運営に支障が生ずることのないよう必要な財源を確保をしてまいらなければならない、またこの点が私どもにとっての重要な課題であるというふうに認識をいたしております。 ただ、その際、今後更に検討してまいらなければならない点もあるわけでありますが、先ほど来申し上げておりますが、一つは、地域の自主性や主体性を生かすことによりまして、地域における教育内容の充実と活性化が図れるよう、現在の国と地方との関係あるいは国庫負担制度の運用を通じた実態等について見直す必要があるのかないのか、この点をひとつ頭に置いていかなければならないと思っております。 それともう一つは、今後、我が国におきます国と地方との関係を考えました場合に、地方分権を今後一層推進していく必要があるわけでありまして、地方分権の実を上げて一層の推進を図る観点から、地方の歳入歳出両面におきまして、自主性、自律性を向上させることができるよう制度の在り方を考えていかなければならないと思っております。 このような点を併せ考えながら、今後とも教育の重要性を頭に置きながら、制度の見直しを関係省庁と検討してまいりたいと考えております。
○政府参考人(杉本和行君) 私どもの観点は先ほどからるる申し上げているとおりでざいますが、一言で申し上げますと、その限られた予算を最大限活用して、より大きな効果を高めていく、そういうことから、そういう観点から、より良い教育を実現していくという観点からいろいろ検討してまいりたいと思っております。
○輿石東君 財務省にもう一つだけ確認をしておきます。 定額・交付金化も含めて財務省は検討してまいりたいと、こう言われたと思いますが、その点、どうなんですか。
○政府参考人(杉本和行君) 昨年十二月の三大臣合意におきましても、平成十六年度に義務教育国庫負担制度の改革、例えば定額化、交付金化のための具体的措置を講ずるべく所要の検討を進めるということになっておりますので、そういったことも視野に入れて検討していきたいと考えております。
○輿石東君 お聞きのとおりで、特に遠山大臣には、その定額・交付金化ということは一般財源化に直つながっていくと思いますので、そういうことをあきらめていないと、こういうことですから、よくそこをとらえてきちんを対応してほしいというふうに思います。 この三省庁だけでないという一つの事例として、この問題について、先日の衆議院の方のこの委員会で、三月十四日だったですか、参考人質疑が行われているはずであります。その中で、全国都道府県の教育長協議会もやられていますし、東京都の横山教育長がこの問題について参考人として次のような趣旨で発言をされていると思います。 義務教育費国庫負担制度が地方の独自性を妨げているとの議論もあると。これは、ここだけ聞くと地方分権に逆行していると、そういう議論もあると。が、義務教育費国庫負担制度の根幹を堅持しても、教育改革への主体的な取組は可能であり、何ら地方分権の推進と矛盾するものではないと。地方分権と全くリンクしないとまでは言わないが、義務教育費国庫負担制度の廃止はメリットよりもデメリットの方が大きい、こう言っているんですね。 そして、全国PTA協議会とか、地方六団体、知事や市町村長たちもこぞって、この問題は財源移譲なくしてこんなものを地方へ転嫁することは到底受け入れられるものではないと、こう断言しているんですよ。 こういうことをきちっととらえていただいて、もうこれから皆さん、この採決を待っていると思うので、私のくだらぬ質問よりも早く終わった方がいいという心境ですから、そのことだけ三省庁からお聞きして、私の質問を終わります。
○政府参考人(林省吾君) 地方六団体の中におきましては、いろいろな意見が交わされておりまして、確かに義務教育費国庫負担制度は制度の根幹にかかわるものであるから堅持すべきであるという意見もございますし、また地方の自主的な運営によりましてより教育を充実するために見直すべきであると、こういうような意見があるのも事実でございますが、地方六団体からは総じまして税源移譲による財源措置が明確にされないまま義務教育費国庫負担制度を見直すことに対しては反対である旨の表明がなされているところであります。 御案内のように、昨年六月に閣議決定されました基本方針におきましては、国庫補助負担金の見直しを行います場合は、例えば廃止されました国庫補助負担金につきましては、その中で引き続き地方団体が主体となって実施する必要があるものにつきましては、移譲の所要額を精査の上、地方の自主財源として移譲することとされているところでありまして、義務教育費国庫負担金の今後の見直しにおきましても、こうした全体、地方財源全体の見直しの一環として行うものであるという位置付けの下、税源移譲等による税源配分による財源措置も欠かせないという前提でこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。
○政府参考人(杉本和行君) 義務教育につきましては、先ほどから繰り返し申し上げていることで恐縮でございますが、教育をより良きものにするために地域の創意工夫を十分に生かし、しかし、しかも保護者や地域の期待に沿ったものにしていくという観点から検討を進めていくことが必要だと考えております。 三位一体につきましては、国庫補助負担金、交付税それから税源移譲を含む財源配分の在り方、この三つを一体的に議論することになっておりまして、本年六月をめどに改革案を取りまとめるということになっておりますので、それに向かって検討を進めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(遠山敦子君) 輿石委員、いろいろありがとうございました。 総務省の林局長それから財務省の杉本次長も、いずれも義務教育の重要性はよく分かっていると、そしてその質を向上するためにいろいろ考えてくださっている。誠に私としては有り難いわけでございまして、しかし教育の水準の維持あるいは優れた教育を展開していくことにおいて、最も責任を持っているのは我が省でございます。それが一点。 それから、もう一つ言いたいのでございますけれども、各国が実は大変な動きをいたしておりまして、つまり日本が成功してきた優れた制度をどの国も取り入れ始めております。あの個人主義のイギリスにおいても何とナショナルカリキュラムをしっかり導入しておりますし、そして教員の給与のアップのために、ちょうどこれが議論されていた同じ時期に、あのブレアさんが二兆何千億の、日本円にして、お金を教員の給与費のアップ等のために使うと明言されているわけでございます。アメリカにおいてもナショナルカリキュラムを入れ、そして各国における教育、特に義務教育等についての公的な予算といいますもののパーセンテージというのは日本より高い、あるいは同等、幾つかございます。それに、特に近隣諸国、韓国、中国等の教育への力の入れ方はもう大変なものでございまして、私は、そういう国際的な動き、特に、むしろ地方でばらばらにやっていたものを国がきちっと見るということで国力を上げ、学力を上げ、そして人間としての力を付け、将来的に一国が繁栄していくことにつなげるという、トップの誠に危機感を持った決断が次々になされ続けているところでございます。 そういう国際的な視野も十分持ちながら、私といたしましては、今、両省で大変教育についてお考えいただくということでございますので、そのことをしっかりと心に留めて、ともに日本の未来のために頑張っていきたいものというふうに思うところでございます。
○輿石東君 三省庁からそれぞれ教育の大切さを披瀝していただきまして、ありがとうございました。私は、今言われましたように、教育は未来への先行投資という言葉もあるわけであります。 そしてまた、私自身、「夕やけこやけ」という童謡というか、この教材が好きでして、先ほどお昼休みに「夕やけこやけ」という教材は今あるのかねと、こう聞いたら、小学校二年生の音楽の指導要領に「夕やけこやけ」、それから「春がきた」、「虫のこえ」、「かくれんぼ」と、こういうふうなものが教材として入っている。もう、ほっとしたわけであります。 夕やけこやけで日がくれて 山のお寺の鐘が鳴る お手々つないで皆帰ろ 烏といっしょに帰りましょ やっぱり幼児期の教育も大事だとどこかで言われました。チャータースクール構想もあると草川先生も言われました。市場主義、そういうものに惑わされては困る。けじめの付く社会にするために、自らを律せるような人間を作っていくために、小さいうち、せめて小学校ぐらいは群れて遊ぶ文化を子供たちに取り戻してやりたいと、そういう願いもありますので、義務教育の大事さというのは党派を超えて文科省を応援すると、この問題については、そういう結論になったようですから、頑張ってください。 終わります。 ─────────────
○委員長(大野つや子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐藤昭郎君が委員を辞任され、その補欠として近藤剛君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大野つや子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○佐藤泰介君 私は、民主党・新緑風会を代表し、義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。 義務教育は、教育の基本であり、国民として必要な基礎的資質を培うものであります。憲法第二十六条は、国民の教育を受ける権利を定めるとともに、国民がその保護する子女に義務教育を受けさせる義務を負うとしております。この規定は義務教育の条件整備を国の責務として要請するものでもあり、義務教育費国庫負担制度は堅持されるべきものであることをまず強調し、具体的に反対の理由を申し上げます。 反対の理由の第一は、本法律案提出までの経緯であります。 本案は、昨年五月の経済財政諮問会議で片山総務大臣が示した「地方財政の構造改革と税源移譲について」とされる試案から議論が始まり、経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議の主導でまとめられたものであります。片山総務大臣は義務教育費国庫負担金に手を付けないわけにはいかないと最初から述べており、初めに義務教育費国庫負担金の削減ありきであったことは明確であります。このため、財政論ばかりが先行し、教育面からの議論がなされていないのです。義務教育という教育の基本にかかわる制度を見直そうという場合には、義務教育の本質や今後の在り方を踏まえた慎重にも慎重な議論が必要でありますし、しかしながら、今回の措置はそのような議論もなく、教育的な判断を棚上げして行おうとするものであるというほかありません。 第二に、財源措置の問題であります。 本案による共済費長期給付、公務災害補償基金負担金の一般財源化に伴う財源措置は、地方特例交付金と交付税特別会計の借入れで賄われますが、この措置は平成十五年度の暫定措置とされており、次年度以降どうなるかは明らかではないのです。 第三に、そもそも本案提出の前提である三位一体改革の全体像が提示されていないことであります。 今回の一般財源化は、国庫補助負担金、交付税、税源移譲の三位一体の芽出しであるとされております。しかし、分かっているのは芽出しの部分だけであり、全体像は全く見えておりません。国庫補助負担金のカット、交付税の縮減、税源移譲の不足で終わることも十分考えられるのです。義務教育の重要性にかんがみれば、全体像を示さない中での法案提出は、それ自体が不見識であると言わざるを得ません。今申し上げたこれらの点は、二日間の、二日間にわたる当委員会の質疑を通して一層明らかになりました。 昨年十二月の総務、財務、文部科学の三大臣合意では、平成十六年度の定額化、交付金化の検討、平成十八年度末までの国庫負担金全額一般財源化の検討と、検討作業が進められようとしております。 義務教育費国庫負担法は、義務教育が憲法に定められた国民の義務、権利であることから、すべての国民に対して国が一定の規模と内容を保障すべき責務を負っており、この責務を果たすためには確実な財政的な裏付けが何よりも必要であることから提案されたものであります。義務教育費国庫負担制度は国の責務として義務教育の根幹を支えようとする制度であり、義務教育費国庫負担金の一般財源化は、国の責務である教育の機会均等、義務教育の水準の維持向上の観点から、将来に大きな禍根を残すことになるものであります。 最後に、今こそ教育を最優先事項として、教育は未来への先行投資であるという米百俵の精神を生かすときであることを付言し、反対の討論を終わります。
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対理由の第一は、この改悪案が義務教育に対する国の責任を後退させるからであります。 義務教育費国庫負担法は、義務教育無償の原則にのっとり、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的としたものです。これらの経費は、地方財政法第十条でも「国が進んで経費を負担する必要がある」と規定されているように、国の責任で措置すべきものです。今回削減される共済費長期給付及び公務災害補償基金負担金に要する経費は、教職員に当然の必要な経費という点では、給与本体と同様に必要な経費であり、これらの削減は義務教育に対する国の責任を後退させるものと言わなければなりません。 反対理由の第二は、義務教育に関して、地方に負担を押し付け、自治体の財政負担を増やすことにつながるからです。 政府は、今回の国庫負担削減の地方財源への手当てについて、地方特例交付金二分の一、地方交付税二分の一により全額措置するとしています。しかし、一般財源化そのものが国の責任の放棄であり、その使い道も色が付いていないとされるものであります。さらに、交付税特会借入金は五年後より償還を求められ、その四分の一は地方負担とされ、全体の八分の一、約二百七十三億円が地方負担となることも問題です。 反対理由の第三は、義務教育費国庫負担制度全体の見直し、一般財源化に道を開き、教育の機会均等や義務教育無償の原則が崩されかねないからです。 義務教育費国庫負担制度については、経済財政諮問会議や地方分権推進会議などの中で、地方交付税制度の見直し、国庫補助負担金の廃止・縮小、国から地方への財源移譲の三位一体改革の中で議論されてきたものです。今回の削減が合意された昨年十二月の総務、財務、文部科学の三大臣による合意では、二〇〇六年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行うことも併せて合意されています。これは、義務教育費国庫負担制度全体の一般財源化に道を開きかねないものです。 今求められることは、国庫負担金制度を堅持充実し、国の責任で少人数学級の実現など行き届いた教育を実現することです。このことを指摘して、私の反対討論を終わります。
○委員長(大野つや子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、佐藤泰介君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤泰介君。
○佐藤泰介君 私は、ただいま可決されました義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、義務教育の重要性にかんがみ、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、義務教育は、憲法の要請により、国民として必要な基礎的資質を培うものであり、今後とも、国の責任において、その水準の維持向上を図るとともに、教育の機会均等を損なうことのないようにすること。 二、義務教育について国はその責任を適切に果たすため、地方の自主性の拡大という視点に配慮しつつ、義務教育費国庫負担制度を堅持し、地方の財政運営に支障を生じることのないよう適切な措置を講ずること。 三、本法律案に係る地方への財源措置は、平成十五年度の暫定措置となっているが、次年度以降も地方財政を圧迫しないように適切な措置を講ずるよう配慮すること。 四、学校栄養職員、事務職員の学校教育において果たす役割の重要性にかんがみ、これらの職員に係る経費についても国庫負担の仕組みを堅持すること。 五、未来への先行投資としての教育の性格にかんがみ、教育予算の充実、確保に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大野つや子君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大野つや子君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、遠山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。遠山文部科学大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。
○委員長(大野つや子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会