武力攻撃事態への対処に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2003/05/23
会議録
○委員長(山崎正昭君) ただいまから武力攻撃事態への対処に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、若林秀樹君、川橋幸子君、松井孝治君及び田英夫君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君、高橋千秋君、大塚耕平君及び福島瑞穂君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山崎正昭君) 安全保障会議設置法の一部を改正する法律案、武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案及び自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。 有事とか災害、それに伴う混乱とかカタストロフィー、私たち、考えたくない、ましてや武力攻撃されるなどということは本当に考えたくないことでございます。しかし、災害は忘れたころにやってくると、そのようなことわざがありますように、備えあれば憂いなしということです。 しかし、どれだけ備えれば憂いがないのか、安心なのかと、これが問題でございます。あり得うべき危機にどれだけコストを支払うか、そのコストというのは分からないわけですから、できるだけそのコストを払いたくないというのが人間の普通の心情だろうと思います。だから、有事や災害など決して起こりっこないんだと、日本ではもう平和憲法があるから大丈夫なんだと、そのように思いたいところです。それが、少なくとも戦後の日本人だったと思います。 今から何十年か前ですけれども、イザヤ・ベンダサンという人が、日本人は水と安全はただだと考えていると「日本人とユダヤ人」という彼の本の冒頭に書いてありましたけれども、しかし今や日本でも水はただではございません。恐らく安全もただではないんじゃないかと。そういった一連の動きの中で有事法制というのが考えられた。私ども民主党といたしましても、当然こうした法律というのは考える必要があるし、できることなら立派な法律を作るべきだというふうに思うわけです。特に、日本は戦後非常に豊かになったと。人の命、非常に高い、そして戦後築き上げてきた都市のインフラ、文化財その他いろいろございます。そういうものを守るために緊急事態法が作成され、国会に上程されているわけです。 戦後、冷戦下で日本はどのように守られていたかと。私が申し上げるまでもなく、日米安全保障、そしてGDP一%の軍事費で抑えながら、非常にコストを低く抑えながら自衛隊で日本を守ってきたと。幸い、アメリカは世界一の軍事力を持っている。そのアメリカに守ってもらうために日本側がアメリカに支払ったものは、基地の提供であり、インフラとかマンパワーとか技術、それから思いやり予算。冷戦中そして戦後、アメリカは極東の地に基地を必要としていた。そういうことで、ギブ・アンド・テークが非常にバランスよく保たれていたんじゃないかと思います。 そして、もしかしたら今でも、アメリカは世界戦略の一環として、日本に基地を持ち、そして日米安保を結ぶことを彼らの国益というふうに考えているかもしれません。利益を共有している間は、この関係というのはいいんですけれども、非対称になったときどうなるかということが心配でございます。 アーミテージさんがまだ今度のブッシュ政権に入る前にアーミテージリポートというのを出して、日米関係についてイコールパートナーというようなことに触れられているわけですけれども、イコールパートナーというようなことをわざわざ持ち出すのは、アメリカがやはり日本との関係、つまり持ちつ持たれつの関係を再び見直そうとしているのではないかなと思うわけですけれども、日本とアメリカの今の関係というのはイコールパートナーだと防衛庁長官、思われますか。
○国務大臣(石破茂君) 何をもってイコールと言うかということだろうと思っております。お互い主権国家同士であるということであれば当然イコールということになるわけでございますが、かつて戦争に敗れ、占領から独立をしという、これはもう日本の経済なんというのは、今委員が御指摘のようにアメリカなんというのは及びも付かなかった。そして、吉田総理の下で軽武装ということがあり、経済を拡大していった。今の経済という点からいえばかなりイコール、イコールとは言いませんが、少なくとも日米安全保障条約ができた当時とは相当に違うと思っております。 では、そのイコールという場合に、本当に、例えて言えば、先般来御議論がありますように、集団的自衛権というものも認めてイコールというふうにすべきなのかという議論だとするならば、やはり我が国は我が国の事情があるのだということだろうと思います。 それは、そういう意味で、完璧にイコールとか軍事力でイコールということではなくて、あくまで補完関係、ベストの補完関係というものをどうやって目指していくのかという意味であって、イコールというのはそういうような環境の中においていろいろなことを考え直していこうということだと思っております。すべてのことを対等にとか、そういうことだとは私は認識をいたしておりません。
○広中和歌子君 このたびのアメリカの、アメリカを中心とするイラクへの攻撃でございますけれども、我が国の小泉首相はそれに支持を表明された。その理由として、もし日本が攻撃されたらば、アメリカは自分たちが攻撃されたと同じように考えるということで、つまり、同盟関係というのはそういうものであるんだから、日本も当然アメリカの軍事行動に対して支持をするというようなことで参戦したわけでございます。そのとき、国民の七割、八割の人が非常に疑問を持っていた、あるいは反対していた。 こういうふうに非常にこれからの日米関係、世界の情勢が動く中で微妙になるわけでございますけれども、日本がイラク攻撃を支持をして、そして支持だけで済むものなのかと。どのようなことをすることによって日本はアメリカに対して同盟関係としての義務なり責任なりを果たすことになるのか、そのことについてお伺いいたします。
○副大臣(矢野哲朗君) 委員御指摘の、支持をしたからには使命を果たさなければいけないんじゃないかというのは一つの考え方だと思いますけれども、この点で、昨日でありますか、安保理でもってイラク復興に関する決議が採択されました。このことについては、我が外務省としても歓迎する旨のコメントを出させていただきましたけれども。 我々の復興に対する一つの使命ということで、先般、もう一人の茂木副大臣がバグダッド訪問をしました。その政府ミッションの報告を踏まえて、二十一日、総額五千万ドルの具体的支援策を発表させていただきました。現在までに既に三千二百万ドルの支援を実施しておりますから、都合八千二百万ドルの支援ということが既に表明されたことであります。 イラク人の生活基盤の再建を優先するとの方針で、また、今回の安保理の決議をもってして国際協調体制の確立がされたというふうに私どもは理解しておりますけれども、イラク人道復興支援に関する国際会議が日本でも開かれたらどうなんだろうななんというような一つのいろいろ提案もさせていただきながら、使命というものを十分感じつつ、最善の努力はさせていただきたいと考えております。
○広中和歌子君 補完関係と防衛庁長官はおっしゃいましたけれども、ともかく、アメリカが主導するいわゆる世界戦略の中で、日本が受け身で支持というんでしょうか、援助を約束させられるという状況というのは、多くの日本人にとって非常にフラストレーティングではないかと思います。 ともかく、日本は自ら守る力を付けていかなければならないと、そして特に、武力攻撃をされるような事態になったようなときには、あるいはそのような事態が起こるようなときには、自ら対応するその力を持たなければならないということで武力攻撃事態法だろうと思いますけれども、この法律でかえって戦争が起きやすくなるのではないかと。あるいは、人権などが制限され戦前戦中の日本に舞い戻るのではないかという不安で、通りなどでデモンストレーションなどが行われているわけです。こうした国民の、一部の国民かもしれませんけれども、危惧に対してどのようにおこたえになるのか。 民主党は、こうした法律が必要だとすれば、基本的人権は最大限守らなければならないというふうに主張しているわけでございますけれども、この二点についてお答えいただければと思います。
○国務大臣(福田康夫君) そもそもこの法律は、法案は、国と国民の安全を確保するという、そのために体制を整備しようという、そういう趣旨でございます。武力攻撃事態を始めとする緊急事態に国全体として的確に対応できるような態勢を構築すると、こういうことが趣旨なんですね。 そういうことでございますので、この法律が成立すれば、そういうような緊急事態に対して、国民が安心して暮らせる国づくりということにこれから政府としても邁進できるわけでございますので、決してこのことによって不安を醸し出すとかといったような趣旨ではない、そういうところを正確に御理解をいただくように我々としても努めていかなければいけない、そのように思っているわけでございます。 基本的人権の問題につきましては、これはこの法案においても国民の基本的人権が最大限尊重されるということ、これはもう当然のことでございまして、またその趣旨のことはこの法案の中にも盛り込まれているというふうに思っております。 民主党においても、そのようなことについて強い御意向を示され、その御趣旨をこの法案に盛り込んだと、こういう経緯もあるわけでございます。例えば、武力攻撃におきまして国民の生命、身体等を保護するためにやむを得ない場合に限って国民の自由と権利に必要最小限の制約が加えられることもあり得るけれども、その場合においても基本的人権が最大限尊重されることであるという考え方です。 また、その国民の権利義務に関する規定の具体的内容につきましては、そういう基本的な理念に基づきましてこれからの事態対処法制の整備の中で検討をいたしていく、そういう考え方をいたしておるところでございます。
○広中和歌子君 有事の際というのは、人権を制限しなくちゃならない、そういうせざるを得ないような状況というのが生まれることが大いにあり得るんではないかと。そういう中で、民主党の求めた修正に対して応じたというのは、ちゃんと整合性が合ってのことなのか、あるいはむしろ不誠実ではないのかなと、そのような気がするんですけれども、もう一度お答えいただければと思います。
○国務大臣(福田康夫君) ただいまもお答えしたんですけれども、基本的人権は最大限、最大限尊重するという考えでございます。そして、国民の自由と権利の制約は、あくまでも国民の生命、身体等を保護するためにやむを得ない場合に限り必要最小限の範囲で行われるということで、武力攻撃事態であるからといって国民の自由と権利が無制限に制約されるものとは考えておりません。
○広中和歌子君 この際でございますのでちょっと憲法のことでお伺いしたいと思うんでございますけれども、憲法の例えば十三条とか二十二条とか、度々「公共の福祉に反しない限り、」というような限定が付いているわけでございます。この「公共の福祉に反しない限り、」というこの「公共の福祉」とは具体的にどういうことを指しているのかお伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 公共の福祉ということは社会的共同生活の利益などというような説明がされておりますけれども、その具体的な意味内容は、立法の目的などによって、立法の目的などに応じまして様々でございます。 今、審議をしていただいておりますこの武力攻撃事態法案について言えば、外部からの武力攻撃を排除することによって国民の生命、財産の安全を確保することが公共の福祉であると理解していただければよいのではないかというように考えております。
○広中和歌子君 具体的には、十四条、十八条、十九条、二十一条、この条項においては公共の福祉に反しない限りという限定は付いていないんでございますけれども、私が先ほど申した十三条とか二十二条などに関しましては、私どもが与えられた権利というものは、「公共の福祉に反しない限り、」ということが付いているわけです。これは、何というんでしょうか、数の問題なのか、それとも重さの問題なのか。 私も、例えば成田の飛行場を造る場合、非常な反対があったわけでございますけれども、公共の福祉という視点があれば当然強制収用ということがあり得るんではないかと思いますけれども、二十数年掛かってもいまだに完全な空港とは成り得ていない、国際空港に成り得ていないと。そういうことを考えますときに非常にこの公共の福祉というのが難しい問題なんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ具体事例を挙げますと難しい問題がある。成田の問題も、単に土地の所有者の利益とかそういったようなこともあるかもしれないけれども、しかしそれと同時に、政治的な情勢とかいろいろな様々な情勢を判断した上でのことだと思います。ですから、保護されるべき法益の大きさとか制約される基本的人権の内容とかいろんなことを総合的に考量の上、個別に判断されるべきものだというふうに考えております。
○広中和歌子君 二十世紀を終え二十一世紀を迎えるに当たって、国連が作りました世界人権宣言、あれをもうちょっと見直しした方がいいんじゃないかというような一部の動きがございまして、私もそれに参加したことがあるんですけれども、むしろ人間の責任と義務と、そういうようなことをむしろ一つの憲章にしてやるべきではないかというような動きもあったことを思い出しながら今の質問をしているわけでございます。 さて、武力攻撃事態に至った場合でございますけれども、武力攻撃の予測というものは、だれが、どういう形で、何に基づき、どういう情報に基づき認定するのかということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) それじゃ、認定に当たりましてどういうプロセスを踏むかということを申し上げますけれども、武力攻撃予測事態であることの認定に当たりましては、その時点における国際情勢、相手国の動向、それから我が国への武力攻撃の意図の推測などを考慮して、我が国に対する武力攻撃が発生する可能性について客観的に判断することは当然必要なことでございます。 武力攻撃事態対処法案におきましては、武力攻撃予測事態であることの認定及び当該認定の前提となった事案を対処基本方針に記載することといたしておりまして、その対処基本方針は内閣総理大臣の諮問を受けて安全保障会議が審議をした後、内閣が閣議において決定をすると、こういうふうにしております。 また、安全保障会議設置法改正案におきまして、安全保障会議に事態対処専門委員会を設置しまして、事態発生時には迅速かつ的確に政府としての対応ができるよう、平素から専門的な調査分析を行い安全保障会議への進言を行わせると、こういうふうにしておりまして、このような仕組みを適切に活用することによりまして的確な事態認定を行うと、こういう手続になるわけです。
○広中和歌子君 この専門委員会というのは常設でございますか。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま申し上げましたように、この専門委員会は常設の委員会でございまして、そして関係各省庁からそれぞれの専門の者を集めて行うと、構成するということになっております。
○広中和歌子君 民主党の提案といたしまして、常設の危機管理庁というものが必要だというふうに述べておりますんですけれども、危機管理庁とその専門委員会の、何というんでしょうか、役割の比重というんでしょうか、はどのようなものになりますでしょうか。だれでも、どっちでも。
○国務大臣(福田康夫君) 比重というのはどういう意味なのかちょっとよく分かりません。しかし、その前に、危機管理庁そのものがまだできるということではない、その在り方についてこれから検討しようということでございますから、今ちょっとその比較検討というのは難しいのではないかと思います。
○広中和歌子君 いや、言葉足らずで申し訳なかったと思います。 専門委員会というものの占める位置でございますけれども、それで事足りるのかということでございます。それで不十分だから民主党としては危機管理庁というのを提案いたしましたし、またそれは今度の修正案で取り上げられなかったんですけれども、附帯決議として明記されたということでございますけれども、緊急事態が起こったときには、まず大切なのは迅速性とかそういう機能の問題でございます。 そういう組織をきっちり整備しておくということは非常に大切なんではないかと思いますけれども、お二人に、久間先生とそれから渡辺先生に、それぞれ民主党、自民党のお立場から、この専門的なというんでしょうか、より高い立場の危機管理庁みたいなのの必要性について、そしてこの検討するというふうになっておりますけれども、どのくらいの期間検討なさるおつもりなのか、お伺いいたします。
○衆議院議員(久間章生君) この政府原案が国会に出ます前に、与党におきましてもいろんな議論がございました。昨日の舛添議員の質問にもありましたように、与党の中でも御党のようなそういう考え方を述べておる同志もおったわけでございます。 しかしながら、今度の政府から出てまいりましたのが武力攻撃事態等を中心とした法律でございます。そこで、私どもとしては、今の段階ではこれは必要ないということでやったわけでございますが、民主党さんの方からは、武力攻撃事態等だけではなくて、テロとかあるいは災害とかそういうのを念頭に置いて危機管理庁を常設する、しかも地方にまで組織を作るという形で出されたわけであります。 しかしながら、災害とか原子力災害、テロとかということになりますと、これまたいろいろと対応が複雑でございますから、今直ちにというわけにはいかないし、特にFEMAを念頭に置いて案を作っておられましたので、FEMAというのはどちらかといいますと災害を中心にやっておりますから、アメリカでも、今度のいわゆるあの大規模な九・一一テロなんかに際しまして、FEMAでは十分じゃないんじゃないかということで国土安全省という省への昇格を考えたわけでございますので、この問題については、全国のいろんな、世界の各国の例なんかをもう少し検討しながら政府においてやっぱり検討してもらって、そういう組織を、今のままではちょっと何かあった方がいいし、今の危機管理監というのは独任官でございまして、大森副長官補の下のスタッフは全部付いているとは言いながらも、やっぱり独任官が一人おるだけでございますから、これでは十分じゃないんじゃないかという意見を我が党でもたくさんの方が持っておられますので、いずれにしましても、これはこれから先、検討課題だということにしたわけであります。 したがいまして、できるだけ早くしなければならないと思いますけれども、今言いましたように、そういう常設の機関としてどうするのか。先ほど言われましたような安全保障会議との関係も私たちの頭の中にはちょっとかすめまして、むしろあっちの方を拡充して常設機関として置くような、そういうのがいいのかなというようなことも、いろんな折衝の過程では前原議員とも話し合ったこともございますけれども、そういう点で、もう少しこれは時間を掛けて検討さしていただきたいと我が与党の方でも思った次第でございます。
○衆議院議員(渡辺周君) 今日、前原委員がどうしても答弁に立てず、私は民主党の安全保障担当の副大臣という立場で答弁をさしていただきますけれども、今の御質疑の中で、久間委員からは非常にちょっと最近の答弁の中に少々後ろ向きのような答弁もあるかとも思いますが、ただ、今回の与党三党と民主党の合意の中で、これは附帯決議よりもっと重い附則として、本法の附則として今回はあるべき組織について検討を進めるということでございまして、当然我々の主張が盛り込まれたものだと思っております。 この危機管理庁は、やはり阪神・淡路大震災以来、いかに初動態勢を取れるか、そして行政の一元化あるいは意思の疎通をいかに図るかということがかねがねから指摘をされまして、その点、我々としては、この危機管理庁、ただこれは基本法に触れた危機管理庁でございますので、今後危機管理庁設置法を、もし必要となればこれは設置法を当然制定して、当然どのような中身でその組織を作るかということになるわけでありますが、昨日の舛添委員からの御指摘あるいは衆議院の参考人質疑でも、この危機管理庁というものの存在については大変肯定的なこれは意見として幾つか挙げられております。 我々は、行政改革に反することなく、既存の組織を整理統合して、そして予算を膨脹させることなく、これは、ある意味では行政組織の編成の中で考えていかれるかなと思っておりますし、また今後の安全保障の議論の中で私は与党と同じ方向に向かって結論を出せるものだろうというふうに考えております。 ただ、安全保障的な、軍事的なオプションについて果たしてこの危機管理庁がどこまで対応できるかということになりますと、これは、例えば情報の一元化といいましても、正直インテリジェンスの部分について難しい部分がございまして、そこはやはりテロ対策あるいは災害対策といった、現実に起こり得る蓋然性の高い危機に対応する組織として、我々は常設で考えていきたいと、そのように考えております。
○広中和歌子君 大変どうもありがとうございました。 で、最近は例えば、武力攻撃をされる事態よりも、例えば九・一一に象徴されますようにテロのような形、例えば原子力発電所へのテロ行為とか満員な新幹線に爆弾を持ち込むとかといったような、とてつもないそういう災害というのが起こるわけでございまして、これは一日も早く具体的な形で機能する危機管理庁なりそうした安全保障の体制というものを作っていく必要があるんではないかと思います。慎重に慎重にというのが政府のやり方かもしれませんけれども、是非前向きにできるだけ早く作っていただきたいと、そのようにお願いいたしまして、どうも御出席ありがとうございました。 それで、続けてお伺いするわけでございますけれども、武力攻撃事態を予想するとか、起こってしまったらもう明らかなわけでございますけれども、その情報でございますね、それはどういう形で情報を得ていらっしゃるんでしょうか。防衛庁長官、お伺いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 情報はどのようなところから入れるかということでございますが、それは当然関係省庁と密接な連携を保ちながら収集、分析評価をするということでございます。これは、要するにどこからどんな情報が入ってくるか、これはもう非常に多岐にわたるわけですね。電波情報もあればあるいは人的情報もあれば画像情報もあればということでございます。 要は、それを、例えば私ども情報本部というものを持っております。それが分析したものを内閣の方に伝えるということになるわけですが、これは、一元的にどこで管理し分析するかということは必ずしも定まっておるわけではございません。ただ、判断をされる場合に、いろんな情報が交錯をして何が本当だか分からない、こっちから上がってきたことはこう言っている、こっちから上がってきたことはこう言っている、それじゃ判断のしようがないではないかということが起こらないように、きちんと情報の収集、そして分析評価という体制について一元化できるような方向で今後更に議論されることになると思っております。 これは外国からの情報も含んでのお話でございます。
○広中和歌子君 情報本部というのは、どこに属しているんですか。
○国務大臣(石破茂君) 失礼いたしました。 防衛庁の中の統合幕僚会議の中にございます。
○広中和歌子君 日本では、例えばアメリカのCIAのような情報局というのはないということですね。
○国務大臣(石破茂君) アメリカのCIAのようなものはございません。ですから、情報本部ありあるいは公安調査庁あり警察庁あり外務省ありということでございまして、CIA、中央情報本部に該当するような組織を日本で挙げてみよと言われれば、それに該当するようなものはございません。
○広中和歌子君 日本の情報収集活動でございますけれども、もちろんこれは行き過ぎがあっては人権侵害になったりいろいろ問題だろうと思いますけれども、どういう方法で集めていらっしゃるのかなと、素人として非常に関心があるところなんですけれども、盗聴とかスパイ活動とか、そういったようなことは、普通小説などで読みますとどこの国でもやっているということですけれども、我が国ではいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 今の御質問の前に、ちょっと先ほどの防衛庁長官のお話、答弁を補足いたしますけれども、情報本部というのは防衛庁にございます。それから外務省にも情報調査局かな、局がございます。部ですか、──国際情報部というのがございます。それから公安とか、いろいろな情報がございます。 それを内閣で集約するということで、その集約するポジションにいるリーダーというのは、リーダー格の人は情報官、内閣情報官というのがおります。ですから、そこにすべて情報が集約されて、そしてそれを総理大臣に相談すべきかどうかといったような、そういうふうなシステムでやっておるわけでございます。ということでございますから、先ほどCIAの話ございましたけれども、CIAといえば、そういう内閣情報官のところで集約される、そういう機能がCIAに当たるものであるというふうに思っております。 それから、安全保障、危機管理に関する情報については、可能な限り正確かつ迅速に情報を収集し、的確な分析を行うことが重要であると認識をしております。 内閣におきましては、そういう意味で、今情報官という話しましたけれども、その下に内閣情報集約センターというのがございます。それで、各種の情報を二十四時間体制で収集し、そしてまた分析をしているということでございます。また、それに最近は衛星情報センターを設置するということもございまして、そこでもって危機管理のための情報収集を主な目的として行っておるわけでございます。 いろいろスパイ活動とかそういうような話でございますけれども、こういうような内閣を中心として行っている情報収集・分析活動については、これは、これまで法令に従って適正に行ってきているということでございまして、今後ともそのようなことで行ってまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 法令に従ってやっていただくのは結構なんでございますけれども、しかしながらそこに、省庁の仕組みというのは、あそこに二年、ここに二年というような感じでぐるぐる回っていますよね。果たして、専門家の集団であるのかどうなのかということが問題ではなかろうかなと思います。 ついでに伺いますと、もしきちんとした情報の網というものがあったとしたらば、今私たちが大変に怒り狂っております不審船の問題とか拉致とか、そういった問題ももっともっと早くに分かっていて、そして解決への道筋が作られたんじゃないかなと思うわけでございますが、これは情報なりなんなりの不足からきているんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 過去において不十分であるというようなこと、そういうような指摘というのは多々ございます。 そういうような反省を踏まえまして、近年その体制整備に努めてきたということでございまして、こういう問題は、それは完全ということはないんだろうと思います。ですから、より完全に近付くように日々努力をしていくということではないかと思いますので、またこちら体制を固めれば、相手はその体制を更につくという、そういうようなこともするわけでございますから、そういうことを、追っ掛けっこのようなところございますが、日々これからも大いに注意をしていく、そして国民の安全という観点から鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 確かに、援護射撃するわけじゃございませんけれども、アメリカの五・一一だって、アメリカのCIAとかそのほか様々な組織をもってしても分からなかったわけですから。 ともかく、これから私どもは世界じゅうが大変な時代に突入しているんではないか。特にイラク戦争後のテロ、それは世界じゅうにこれから広まるんではないかというような危惧がされます。別にそれをエスカレートさす、何というんでしょうか、あおるようなことを言うつもりはございませんけれども、非常にこの分野においては政府も念には念を入れてやっていただきたいと思うわけです。 ただ、今度の法律で少しは警戒態勢が強まるのかなと一方思いながら、しかしながら、様々な形で有事が認識されたりすると武力攻撃事態にエスカレートするような可能性があるのかなという心配もないわけじゃないですよね。それについてどう思われますか、防衛庁長官にお伺いします。
○国務大臣(石破茂君) 拉致ですとか不審船ですとか、そういうテロ的なもの、それをそのまま有事と認定するか武力攻撃予測事態と認定するかといえば、それは、拉致、拉致はちょっと違うのかもしれませんが、テロとか不審船とかいうものは、ある意味、武力攻撃予測事態というふうに認定されないケースの方があるのではないかというふうに思っております。 そういうものを我が国に対する組織的な計画的な武力の行使につながるかどうかということで予測事態に判断するかどうかというよりは、これはむしろ海上警備行動でありますとか治安出動でありますとか、そういうものの対応をして、そこの事態の沈静化、鎮圧、排除を図るというものだろうと思っております。 そういうものが今回の仕組みを作ったことによって武力攻撃予測事態になり、武力攻撃事態になっていく、そういうエスカレーションの連鎖みたいなことを起こすことがないようにこの法はきちんと運用されなければいけない。しかしながら、それが過小評価をして見誤ってしまうというようなこともあってはならないことでありまして、きちんとその事態に応じたような対応をするように法の運用というのは心掛けていくべきものと考えております。
○広中和歌子君 今、ちょっと既に絡んでいるものですからお伺いいたしますけれども、テロの定義でございますけれども、例えば拉致とか、それから今まで北朝鮮が我が国に行ってきた様々なことですね、不審船、そしてそこで麻薬を運んでいるとか、そういうようなこと自体は我が国に対するテロ、何というんでしょうか、テロ行為というふうに位置付けてよろしいんでしょうか。
○副大臣(矢野哲朗君) 昨日もこの件について幾つか御質問をいただきました。 アメリカにおいては、テロ支援国認定をする法律が整備されておる、ついては経済制裁というような一つの対応も可能だというふうな法的体制が整えられておりますけれども、我が国としましては残念ながらそういうふうな体制がいまだでき上がっていません。テロという概念も定義付けがされていないということでありますから、今の御指摘、拉致はテロかというようなことでありますけれども、拉致被害者、そして家族会等々からの要請、ひとつ断定をしてくれと、そしてより一層強い政策の展開をしてくれというような要請もあるわけでありますけれども、我が国としては、そういう状況下にかんがみまして、一般的には拉致はテロというふうな表現にとどめさせていただいているのが現状であります。
○広中和歌子君 今、何とおっしゃいました、最後のところ、済みません。
○副大臣(矢野哲朗君) 拉致は、一般的に言うと拉致はテロというようなことで考えさせて、整理をさせていただいていると、現状であります。
○広中和歌子君 本当に国によって対応が随分違うんだろうと思います。 アメリカで九・一一が起こりましたときに、あれは明らかにテロなんですけれども、ブッシュ大統領はこれを戦争だとすぐに発言なさいましたよね。同じようなことが日本で起こったら、例えば同じ規模というんでしょうか、例えば原子力発電所がやられるとか、想像するだけでもいけないのかもしれないけれども、そのようなことが起こったときに、日本はもうすぐに武力攻撃事態というふうに認定なさいますか。
○国務大臣(石破茂君) 九・一一のときに、合衆国大統領がザッツ・ウオーと、こういうことを申しました。これは戦争だと、こういうふうに言いました。じゃ、あれと同じことが日本で起こったら、あるいは委員御指摘のように原発が攻撃されたらということですが、これは非常に議論が難しいのは、その攻撃を加えたものがだれであるのかということも議論されなければいけないことなんだと思っています。 アメリカが、九・一一に基づく、アルカイダでありますとかタリバンでありますとか、そういうものを自衛権の行使、戦争というふうに構築をいたしましたのは、テロは本来警察権で対処すべきものだと言われております。しかし、警察権を行使しようにも、アフガニスタンのタリバン政権というものがそういうような警察権の介入は認めないんだと、テロリストを育成し保護しエンカレッジするんだというようなことを取っております場合には、これはもう警察権というものは入る余地がございません、物理的に入れない。そこで、タリバン政権という、国に準ずるようなものというものと重ね合わせまして自衛権の行使というような概念設定が可能になったのだということはあるんだろうと思っています。 じゃ、原子力発電所を攻撃したものが国家による組織的、計画的な武力の行使あるいは国に準ずる団体というものであればこれは自衛権行使というお話に相なりますが、これが例えば個人でありますとか集団でありますとか、国又は国に準ずるものではない場合にそれをどのように判断するのか。しかし、起こっておりますことは戦争と同じ被害が起こっている、しかし攻撃を加えた主体がそのようなものであるというときにこれをどう判断するかという問題だと思っております。 それは、やはり私どもとしては、国又は国に準ずるものによる我が国に対する組織的、計画的な武力の行使でありという自衛権の行使の三要件、あるいはその前提となります武力攻撃事態の認定ということになりますが、これは、この場合はこう、この場合はこうということを確立的になかなか申し上げるのが難しかろうと思っております。しかしながら、攻撃を加えた主体がそういうようなもの、国又は国に準ずるものであった場合にはこれは武力攻撃事態ということになる可能性が非常に高い、判断をすることになるだろうと思います。
○広中和歌子君 今のお言葉にありました、テロであれば警察が基本的に対応するということでございますよね。とおっしゃいましたよね。ということは、あれですか、不審船とか拉致とか、ああいう問題は依然として警察の権限であり、自衛隊、防衛庁は関知しないと、そういうことでございますか。
○国務大臣(石破茂君) それは、登場するアクターというか、出てくるのが警察なのか海保なのか、陸上自衛隊なのか海上自衛隊なのかということと、警察権の行使かどうかというのはまた別の問題でございます。すなわち、治安出動にいたしましても海上警備行動にいたしましても、第一義的に出ますのは、警察であり、海上保安庁というものが一義的には出るわけです。テロにいたしましても不審船にいたしましても、まず警察権力、警察でありますがところの警察や海上保安庁が出ます。しかし、それが対処不可能である、警察でも海上保安庁でも対処が不可能である、例えば大変物すごい武器を持っているというような場合には、これは陸上の場合には通常治安出動を掛ける、海上の場合には海上自衛隊に海上警備行動を掛ける。しかし、そこにおいて使われる国家権力というものは、自衛権に基づいて行うのではなくて、それはあくまで警察権において行うものという構成をしておるわけでございます。 ですから、当然、警察や海上保安庁の能力を超えます場合には自衛隊がそれぞれの法令に従いまして出ることになりますが、そこにおいて行使されるのは自衛権ではないということを申し上げておるわけでございます。
○広中和歌子君 実を言うとこういう想像に基づいた質問は余りしたくないんですけれども、武力攻撃事態が起こったとします。そうした場合には、日本が一義的に、日本の軍隊、軍隊じゃない、自衛隊が一義的に対応するのか、それともすぐにアメリカとの協力の下に行うのかということをお伺いいたします。
○国務大臣(石破茂君) もちろん、そういう場合には、密接に協議をし、連携して行うことに相なります。しかし、それがどういう事態であるかによりますが、もちろん、日本とアメリカの協議を行って、日本だけで対処できます場合に日本だけでやるということは当然あることだと思っております。しかし、日本に対する攻撃というものは合衆国に対する攻撃でもあるということでございますから、そこにおいて当然協議が行われることに相なりますけれども、当初からアメリカが、日本とアメリカが共同して対処するということには必ずしもならないものと考えます。
○広中和歌子君 じゃ、例えば米軍基地が今度は攻撃されるとします。そうすると、日本はどういうふうに対応しますか。
○国務大臣(石破茂君) その場合には、アメリカに対する攻撃、アメリカの場合には、当然、アメリカも個別的自衛権というものを行使することになります。日本の場合には、米軍基地は日本の国内に所在をするわけでございますから、当然日本に対する攻撃でもありますわけで、日本は、アメリカ軍基地、日本にございますアメリカ軍基地が攻撃をされました場合には、我が国における個別的自衛権で対応することになります。
○広中和歌子君 それでは、ちょっと話題を少し変えまして、五月の二十日というと数日前でございますけれども、アメリカの上院の公聴会におきまして北朝鮮の元技師と元高官が証言されました。その内容というのは、弾道ミサイル開発にかかわったという技師は、その弾道ミサイルの部品の九〇%は日本から来たと言っております。また、それが万景峰号で三か月ごとに運ばれてきたというふうに証言しています。元高官の方は、麻薬の主要な市場は日本であるというふうに証言していると。 この証言内容についてどのようなコメントを日本政府としては出されるんでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(薮中三十二君) 今、委員が御質問の件でございますけれども、五月二十日に開催されました、これは米国の上院政府問題委員会の財政・予算・国際安全保障小委員会、この公聴会の場でございました。ここで、この公聴会に出席しました元北朝鮮のミサイル技術者という方が、北朝鮮で製造されるミサイルの部品の九〇%、これは三か月ごとに日本と北朝鮮を往復する万景峰号を利用して日本から密輸されたものであるとの証言をしたということは私どもも承知しております。 また、同公聴会において、この北朝鮮政府当局で十五年間勤務した元政府高官が、北朝鮮は、政府の監督の下、ヘロインとメタンフェタミン、これは覚せい剤でございますけれども、この二種類の薬物をそれぞれ月一トン製造し、中国との国境で、中国、香港、マカオ、ロシアに向けて販売していると。また、日本海等で国際麻薬取引業者と取引をしており、薬物の主要市場は日本になっているという証言をしたというふうに承知しております。 そして、これらの証言の内容でございますけれども、もちろん日本政府としてこれを確認するということはなかなか困難でございますが、私どもとしてもこの問題の重要性というのは非常に強く認識しております。そして、特に我が国の製品が北朝鮮の大量破壊兵器、ミサイルの開発に転用されることがあってはならないというのは非常に強く認識しているところでございまして、現在、これはもう既に昨年から非常な努力がなされておりまして、こうした問題についての厳しい、関係当局との連携によっての厳しい取締りを行うということをやっておりますし、また麻薬の関係でございますけれども、これにつきましても、北朝鮮の違法行為というのは、これは絶対に許されてはならないということで、関係当局と緊密に連携しながらこうした問題に取り組んでいるというのが現状でございます。
○広中和歌子君 こういう事実がアメリカの上院で証言され、そして世界じゅうにニュースとなって配信されているというのは日本にとって全く恥ずべきことだろうと思うんですけれども、外務省としては元々こういうことを御存じだったんですか。それとも、改めてその問題の重大性に気が付いたというところなんでございましょうか。
○副大臣(矢野哲朗君) るる関係する情報については入手をさせていただいているところでありますけれども、真偽のほどについては、これから最大限努力をして調査をさせていただくというふうな状況であります。
○広中和歌子君 公安保安庁はいかがですか。
○政府参考人(町田幸雄君) 今、委員の御指摘になられました証言につきまして、私どもも非常に関心を深く持っておりまして、その発言内容の全体を見て正確性なども慎重に検討したいと考えておりますが、しかし、いずれにしましても、北朝鮮が我が国から大量破壊兵器を、破壊兵器関連物資を違法な方法を含めていろいろな方法で入手していることや、それから北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤が我が国に密輸されていると、そういうようなことはかねてから指摘されてきたところでありまして、そこで当庁といたしましても、かねてから、こうした合法、不法を問わず、広い意味での日朝間の貿易取引の実態をまず解明し、そしてその日朝間の貿易の状況、これに関与する企業、人物、そしてそれからまた、もちろん違法なものも含めて申し上げているわけですよ、そしてそういう朝鮮総連関係者とか、万景峰92号を始めとする北朝鮮船舶の動向、こういったものについて鋭意調査を行ってきたところであります。 なお、今後とも重大な関心を持って、こういう違法な取引等が行われないように十分努力してまいりたいと思っています。 この関係につきましては……(発言する者あり)
○広中和歌子君 今おっしゃったような事実についてはいつごろから意識していらしたんでしょうか。何年前ぐらいからこういうことを御存じで注目をしていらっしゃったんでしょうか。そして、注目しながら、依然として今そういうことが行われているとしたらば、当然、自分たちの範囲を超えるものであるということで、別の行動を危機管理庁などに取っていただかなければならないんではないんでしょうか。お伺いいたします。
○政府参考人(町田幸雄君) 北朝鮮の不正輸出問題とか、そういったことにつきましては一九八二年ごろから刑事事件等にもなっておるわけでございます。時々検挙されております。 私どもも、そういったことについて問題があれば、関係省庁に連絡するとか、そういうことで努力してまいっております。
○広中和歌子君 八二年というと、まだ冷戦下ですよね。ココムなんていう、そういうものもあったはずですし、それから、ともかくこれは日本の国民の要するに健康なりなんなりに、それから犯罪にも結び付くし、重大な問題だろうと思うんですよね。 これが一省庁で関心を払って注目しながらいろいろ対応していらしたということをおっしゃるわけですけれども、どうしてこれが日本の国の問題として内閣がきっちり対応してこなかったのか、お伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 私も過去のことはよく分かりません。最近のことを申し上げれば、この問題については度々いろいろと指摘をされているところでございまして、そういうような指摘が本当なのかどうかということについては、関係省庁に対して厳しくその点検をするようにということを指示をしております。 また、内閣官房におきましても、関係省庁を集めまして、もう何度もこの件についての検討を加えております。そういう検討が十分なものかどうか、末端まで行き渡るものかどうか、そういうことにつきましても我々としては非常に大きな関心を持っておりまして、今後十分なる体制を取れるようになお一層の監視をしてまいりたい、我々としても監視をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。 先ほど申しましたように、こういう問題は万全というか完全ということはなかなか難しいんだろうと思います。しかし、その時々の情勢をよく判断しながら、万全に近いように、万全になるように努力をすべきことだというふうに思っております。
○広中和歌子君 先ほど言いましたように、九・一一のように突然起こる、多少の準備期間があったにしても起こるテロ行為と違って、これは長い期間掛けて行われていたことでございます。 一番この中で悲劇的なのは拉致された被害者ではなかろうかと思いますけれども、そうした事実がいろいろうわさされながら何も対応が取られてこなかった、つい最近まで、というようなことは、日本は国として体を成していないんじゃないかと。 私たち国民も平和ぼけかもしれませんけれども、少なくとも日本の政府は平和ぼけじゃないことを国民は期待しているんじゃないかと思うんですけれども、お答えいただければと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど私から申し上げましたようなことでございますけれども、危機管理と申しますか、拉致も含めまして、危機管理ということについては、これは正に国民の安全を、これを守るという、そういう趣旨でございます。 そういう意味におきまして、今回、この有事法制を今審議をお願いしているということでございまして、この法案の中には第二十五条に、今、委員の御指摘なさっているような事態に対しても十分なる対処をするようにと、こういうような条項ございますので、その趣旨に沿ってその体制を考えてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 今までのことは今までのこととして、これからでございますけれども、例えば、ミサイルを作る部品の九〇%がほとんど日本から運ばれ、九〇%が日本から運ばれているということに関しまして、今後どのように取り締まっていかれるのか、お伺いいたします。通産省。
○政府参考人(細川昌彦君) 輸出管理当局でございます経済産業省としましても、我が国あるいは国際社会の重大な脅威であります北朝鮮のミサイルあるいは核兵器の開発に、結果として我が国企業が関与することがなってはならないと、かように考えておりまして、昨年の四月一日からキャッチオール規制という規制の強化を打ち出しております。さらに、このような制度の整備に加えまして、運用面におきましても、税関あるいは取締り当局との連携を取る、あるいは諸外国との連携を取るという形で規制の実効性を高めるという努力をしておる次第でございます。 こうした取組の結果、先般ございました明伸の事件にございますように、輸出、こういう不正な輸出を未然に防止し得たものと、かように考えております。
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 警察といたしましても、北朝鮮への安全保障関連物資の不正輸出事件、これは非常に我が国の安全、国益を害する非常に重大な問題だと考えておりまして、これまでも取締りを行ってきております。これまで四件検挙をしておるところでありますけれども、今後とも引き続き、こういう事犯についての情報収集、あるいは沿岸警備に努めますとともに、海上保安庁、経済産業省、あるいは税関等と緊密に連携をいたしまして、こうした事件の摘発に最大限努力をしてまいりたいと考えております。
○広中和歌子君 海上保安庁に関しましては、私も度々外務委員会などで、大変恐縮な言い方かもしれませんけれども、十分に機能していらっしゃらないんじゃないかと。防衛、保安庁、防衛庁。海上保安庁じゃない、海上でいいの。いや、これ防衛庁の方よ、海上自衛隊、海上。そのレベルの軍隊の知識しかないんですけれども、ともかく海上自衛隊が当然やるべきだというふうに、少なくとも何かの形で関与できないのかなと、絶えず御質問申し上げてきているんですが、現状はどうなんでしょうか。
○政府参考人(西川徹矢君) お答えいたします。 先生の方から、先ほどこういう麻薬取締りとかあるいは不審なものの輸送、貨物船等についての取締りということですが、警察的取締りのような一次的な、防衛庁では、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、やらないことになっておりますが、実はこれまでも通常と警備の一環、警戒監視の一環という形で常に航空機ないしは艦船で、艦艇で日本海等の警戒監視をしております。これは実は海上保安庁とかあるいは警察等ともでございますが、いろいろ情報交換、実務レベルでいろいろやっております。 ですから、不審船の取締りも、実は何をもって不審船というか、いろいろございますが、おかしな船があるねということがあれば、いわゆる事務レベル、官庁間でそれは一般情報として相互に提供し合うという格好でこれまでも実はやっているところでございます。 先般、五月に入りましてそういう話があったということでございまして、それこそ報道によりますと、核開発のためとかそういうために資金を取っているというような報道もございまして、我々としては、そういうふうな警戒監視、一般的な警戒監視を通じまして、なお各警察機関とも情報連絡を密にしながら協力できることはできるだけやると、本来の安全保障絡みの任務は遂行しながらその中でやるという格好で考えております。
○広中和歌子君 今までのお答えとか、今までの日本の対応というものを私たち思い出してみるだけでも、やはり万景峰号が資金とかそれから部品とか様々な形で問題を起こしている船ではなかろうかというふうに思うわけですけれども、なぜ、五月二十二日の新聞の報道によりますと、運航再開、運航の再開に踏み切るというふうに書かれておりますけれども、それは事実なんですか。
○副大臣(矢野哲朗君) 御質問でありますけれども、改めて報道の事実関係を確認をさせていただきました。 御案内のとおり、船舶が我が国の港に入港する際に際しては、バース確保等のため、事前に港湾管理者たる地方自治体に対して届出があることになっております。つまり、新潟に入るということになれば、新潟県がその届出を受け入れるということだと思うんでありますけれども、今日現在その届出はなされておりません。 ですから、今後、運航の再開の見通しについては最大の関心を持って見守っていきたいと考えております。
○広中和歌子君 ということは、運航されていないということでよろしいんですよね、今のところ。
○副大臣(矢野哲朗君) ですから、今日現在の情報ですと、その届出がないということから、そういったことがないだろうというような想定ができると思います。
○広中和歌子君 非常に受け身なお答えなんですけれども、禁止をするといったような、あるいはそれが望ましいというふうなお答えなんでしょうか。それとも、要するにお任せというような感じなんでしょうか。
○政府参考人(薮中三十二君) ただいまの件でございますけれども、今日この時点において港湾管理者への届出がなされていないというのは、一つの事実関係でございます。 それから、当然のことながら、これは開港なものでございますから、その入港自身についてはこれはオープンになっているということで、これを規制するということ自身は現在の法律ではできないわけでございますけれども、他方、今、委員が御指摘のとおり、いろんな問題が言われているわけでございます。当然厳しい、厳格な税関、入国管理局における審査と検査というのが行われると、そういう自治体の場合には。そういうことでございます。
○広中和歌子君 終わります。 ありがとうございました。
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。 私は、質問通告を行った後で、昨日の午後、同僚の平野議員から、今の法案には自衛権を発動するに必要な、一体だれが武力攻撃発生事態ということを認定するのかという規定もないし、また、自衛権の発動に関する規定もないということが取り上げられました。これは私、非常に重要な問題だと思いましたので、事前に通告していたテーマを後に回して、まずこの点から入らせていただきます。 最初にお伺いします。これは官房長官になるでしょうか。日本は憲法上自衛権はあるということになっております。私どももそういう解釈でおります。ところが、その自衛権を発動するに当たっての手続というのの規定というのはどうなっているのか。武力攻撃を受けた事態というのは、一体だれがどういう方法で、あるいはどういう機関で認定するのか。また、それを認定した場合に、自衛権の発動というのはどのような形で行われるかという規定があるかないのか。これ、まずお伺いします。
○国務大臣(福田康夫君) 武力攻撃事態の認定の問題かと思います。 この法案におきましては、武力攻撃予測事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実を対処基本方針に記載することとしておりまして、その対処基本方針は、内閣総理大臣の諮問を受けて安全保障会議が審議をした後、内閣が閣議において決定すると、こういう手続でございます。
○吉岡吉典君 私がお伺いしたかったのは、この法案の前に、日本に何らかの、憲法にもありませんね。私は自衛隊法にもないと思っております。しかし、私の知らない何らかの法律で今私が提起した問題についての明確な規定があるのか、ないのか。 それから、例えば、併せてもう一つお伺いしますが、日本は自衛権発動の三要件というのが確認されております。しかし、その三要件というのは法制化されては私はいないと思いますけれども、この点、法制化されているものがあれば、その点も併せてお伺いします。どなたでもいいです。
○国務大臣(福田康夫君) それは、今申し上げましたのは、対処基本方針を、これを作成する、そして内閣総理大臣の諮問を受けて安全保障会議が審議をした後、内閣が閣議において決定する、こういうことでございます。 それから、自衛権の問題でございます。 これは、この憲法には明確に記載をしているわけじゃありませんけれども、これは憲法に書いてないけれども、国家として自衛権というものは、これは認められるものであるという、そういう考え方をしているわけです。
○吉岡吉典君 私のお伺いしたことは、この場できちっと答えてもらいたくて言ったんですけれども、法制局にも私、お伺いしました。 法制局の方では、今言いましたように、日本には、この法案ではもちろんのこと、自衛隊法でも憲法でも、自衛権は認められているが、その自衛権を発動する際の三要件の法制化したものはないと。それからまた、武力攻撃の発生しているかどうか、その事態を認定することについての手続規定も、またその際の自衛権発動の手続についても規定したものはないと、こういうことでございました。 これに異論があれば別ですけれども、自衛隊法もそういう規定はありませんということでしたので、それでよろしいかどうか。石破長官、異論があったら。
○国務大臣(石破茂君) 委員すべて御案内のことだと思いますが、防衛出動を下令する手続というのはきちんと定められておるわけでございます。防衛出動を下令した後に、実際に自衛権の発動として武力を行使するかどうかという三要件でございますが、これは何も法令で決まっておるわけではございません。 しかしながら、我が国に対する急迫不正の云々かんぬんと。そのほかに取るべき手段なく、必要最小限度にとどまる。これは、ある意味、国際慣習法的に定まったものであります。そういう中において、当然自衛権を行使する場合にこの三要件ということは、政府としても何度も申し上げていることでございますし、これは我が国においても確立をしたものであるというふうに考えておる次第でございます。
○吉岡吉典君 今度の事態対処法というのは、武力攻撃が発生した場合には自衛権を発動すると、そういうことを大きな目的の一つとしていると思います。その法律でそういう手続がないということは、私はこの法律に非常に大きな欠陥があると思っております。 その問題はこれから後で論議するとしまして、まず石破長官に、この論議の中で、自衛隊が自衛権を行使する手続については交戦規則云々ということを述べられました。私は、交戦規則という問題は、実は長い間関心を持ってきた問題でございますので、昨日の発言について幾つかお伺いしておかなくちゃなりません。 まず、この交戦規則という問題を見る場合に、長い戦後のこの問題をめぐっての経緯がございまして、元々、自衛権の発動の手続というのは我が国では憲法で交戦権が禁止されているために規定のしようがないというのが私がずっと受けてきた説明でございました。今おっしゃいましたように、防衛出動の下令はあるわけですけれども、これが直ちに自衛権の発動でないということは、これは長官、これまでも繰り返し言っておられるわけですね。 それで、自衛権の発動と武力の行使ということは、これがすべてが直ちに戦争につながるとは言いませんけれども、しかし戦争につながる大きな問題を持ったものですから、この手続がきちっとしていないということは、これは一つの問題であり、なぜそういうふうになるかということも含めて私は考えていかなきゃならない問題だと思います。 そして、交戦規則については、私、赤旗記者時代から、一九六〇年代の半ばからずっと繰り返し防衛庁等でもお伺いしてきましたし、国会へ来てからも論議してきましたけれども、それは一応ないということになっているのが長い間私が聞かされてきたことでございます。ないために、大変ないろんなそれを切り抜けるための方策が行われているということも国会でもしばしば取り上げられてきた問題です。 これは、私、取材した委員会ですが、一九六八年、大分昔の話になりますけれども、の、これは参議院の決算委員会でこういうことが問題になったことがあります。日本は交戦規則は持っていないと。そこで、どうしているかという、実際はどうなっているかという場合に、例えば航空自衛隊はアメリカの交戦規則を準用していると。 〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕 それで、国会の委員会でも、例えば一九六四年三月二十日付けの総隊発内訓第三号によると、日本の自衛隊の交戦規則がないことから、自衛隊の出動の基準として、米第五空軍の交戦規則、ルール・オブ・エンゲージメントを準用すると、こういうことが内部で指示されていると。これ、秘密の文書ですけれどもね。そういうことが問題になったこともあります。私は、もう随分昔に書いた本の中でそういうことも書いたことがございますけれども、そういう経過を通ってきた。 つまり、憲法九条、交戦権を認めていない国において交戦規則を作ることができない。これは、ないのは、昨日、長官は防衛庁の怠慢かなという言葉も吐かれましたけれども、怠慢じゃなくて作りようがなかったんだ、作れば憲法に違反するものを作っていたことになる、その問題だと私は思います。 ですから、私、去年、本会議でも防衛庁に、交戦規則があるということが話題になったことに関連して、どうなのかと質問しました。そのとき、小泉首相、今の首相ですね、首相の答弁は、それは交戦規則ではなくて、自衛官の武器使用の適正を期するためにその基準や手続を定めるものなんだということでありまして、いわゆる自衛権を発動するかしないかというようなことを決めるようなもちろん文書でも何でもないんだということでした。 ところが、昨日、長官の答弁を聞いて、これはあるということなのか、作ろうとしておられることなのか。答弁が、最初のうちはあるようにも受け取れる、途中から、これから作る、あるいは作る過程だというようにも取れました。まず、この事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私ども、交戦規則という言い方はいたしておりません。これは部隊行動基準という言い方で言わせていただいておりまして、これからそういう言葉で答弁をさせていただきたいというふうに思っております。 これは今あるのかというお尋ねでございますが、あるものもありますし、ないものもあります。 それは、これ何も秘密で進めているわけでもございませんで、例えば今一番新しい平成十四年度版の防衛白書におきましても、防衛庁では米国などにおけるルール・オブ・エンゲージメントに相当する部隊行動基準の作成作業を開始しておるというふうに書かせていただいております。 これは具体的に申しますとどういうことかと言いますと、平成十二年、今から三年前でございますが、十二月に部隊行動基準の作成等に関する訓令というものを発しております。この訓令を整備をいたしまして、この訓令に基づきまして作成作業というものを進めておるところでございます。ですから、冒頭、あるものもあるし、ないものもありますというふうに申し上げましたのはそういうことでございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、日本が戦後ずっとやってきて、新しい事態対処法を作って、侵略、武力攻撃発生事態ということを認定して実際に自衛権を発動しようというふうなときに、それを認定し、それを決定することをそういう基準に任せるなどということはとてもできる文書ではないと思いますが、その点はどういう、今の私の判断でいいかどうか。 強いて言えば、この武力攻撃発生事態というものの認定、そして自衛権発動の決定というのは、これは本当にきちっとしなきゃ、戦争につながる可能性のある決定ですからね。明治憲法ではそれは天皇の統帥権として確立されていたわけであって、そういうものがどこで決まるかということが憲法にもない、そして自衛隊法にもない、どこにもないという状況というのは、それは一体どういうふうに考えて、私は作ればいいとは言いません、その点は後で私の言いたいことは述べさせてもらいますけれども、いずれにせよ、今の基準というものに任せるというふうなものではないと思います。
○国務大臣(石破茂君) 確認的にもう一度政府の立場を述べさせていただきたいと存じます。 自衛権発動に当たりましての要件に係る判断は現場の部隊で行うものではございません。この判断は、内閣を代表して自衛隊の最高指揮監督権を有しております内閣総理大臣や自衛隊の隊務を統括する防衛庁長官を始めとして、政府全体として行うべきもの、このように考えております。自衛権の発動としての武力の行使を行うか否かの判断は、最高指揮監督権を有する内閣総理大臣が行うもの、このように考えておる次第でございます。 他方、現場で実際に戦闘行為を行いますのは部隊の自衛官でありますけれども、自衛隊の行います武力の行使は自衛権発動の三要件と自衛隊法八十八条という法的制約の下に行われるものでございまして、内閣総理大臣を頂点といたします指揮命令系統に従いまして、個々の戦闘行為が行われることにより適切になされるもの、このように考えております。 具体的には八十八条、自衛隊法でございますが、八十八条に定めます武力の行使につきましては、教育を通じまして国際法を習得させ、必要な訓練を通じて技能の向上等を図りますとともに、部隊行動基準、まさしくこのROEでございますが、部隊行動基準の策定等を進めますことによって武力の行使が適切に行われるよう努めているところでございます。 武力の行使が違法に行えぬようにするためにはどうするかという担保といたしましては、実際に戦闘行為に従事する自衛官に対して、上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した場合などにはほかの公務員にはない厳しい罰則が科されておることによりまして、厳正な権限の行使を担保しております。これ、済みません、朗読いたしまして恐縮でございましたが、これが今の政府の立場でございます。 個々の部隊、個々の自衛官が自分勝手に判断をして、これは自衛権の行使としての武力の行使だということを行うことはあり得ないということでございます。
○吉岡吉典君 そこで、憲法九条との、交戦権否定との関係ということになります。 今、いろいろ言われることを通じて、またこのところの論戦を聞いて、私は、私が取材をしていた時期、しばらく前に比べても、憲法との距離が本当に大きく懸け離れてきたなということを私は感じます。今の交戦規則でも、私、取材していた当時に聞いた話では、非公式には決まっているが内容は秘密である、あるともないとも言えないというのが、取材に行って一対一でお話聞かせてもらったものなんです。そういうふうに、内密である、あるともないとも言えなかったもの、それを今は考えとして表明されるようになりました。なぜないかという理由が、憲法九条の交戦権否定、それとの関係でした。 私は、憲法との距離が遠くなったというのを別の答弁で言いますと、PKOの問題ですね。PKO協力法が最初に出たときに、私どもが公式に説明を求めたときの説明、僕は今でも覚えておりますけれども、こういう説明でした。 PKOに日本は参加することはできない、これは憲法上も自衛隊法上もPKOに参加はできない、協力である、したがって協力法として出したんだと。その協力ということの中身は、それは自衛隊の出張であると。だから、東京の自衛隊が九州へ行くの、九州の自衛隊が北海道へ行くのと同じように、出張先がカンボジアであるかどこであるか、そういうことであると。したがって、指揮権は完全に日本の総理大臣と防衛庁長官が持っていて、現地の指揮には入らないんだと。後には授権するんだという答弁に変わりましたけれども、そういう説明で、したがって、これは国連のPKOに参加しているのではないから国連から給料ももらわないんだと、こういう説明でした。 その説明に比べると、今のPKOの説明というのも大きく変わっている。それは、自衛隊法を作る経過からいってもそういう説明しかしようがないんだと、だからPKO協力法なんだと、こういう説明でした。ですから、その話をするともうびっくりする人いるんですね、今のPKOについての。憲法の制約からどんどん懸け離れていく。私は、憲法ってそんなにないがしろにしていいものだろうかということを感じます。 それで、この法案が、ここでの論議でも、長官は、日本が武力攻撃を受けた際の問題だということでしたけれども、私は、この後からまた論議の中でいろいろ言わせてもらいたいと思いますけれども、これはやっぱり新ガイドラインの際の合意によって日本が周辺事態法で自衛隊が後方支援という形ではあるが出掛けていく、それと関連して作られた有事法案であるということは、これは私、長官ね、防衛庁からも外務省からもガイドラインについての説明も何回も繰り返し、しばらくたつと聞いているんです。 その質問の一つには、新ガイドラインはどの時点で完了するということになるのか。外務省の説明は、周辺事態法はできてもうかなりのところまで来ました、有事法制ができれば大体完結ですという説明でした。防衛庁はもうちょっと突っ込んだ説明でして、周辺事態法ができた、それに有事法制プラスあと二年間でできる法律ができたらそれで新ガイドラインは完成ですと、こういう説明で、それが完成すると見直しして新新ガイドラインに進むのかどうなのかというのが私の質問で、そのときに、まだその作業まではやっていませんという答弁もありましたけれども。 ですから、防衛庁にしても外務省にしても、有事法制というのは、これはもう周辺事態法と一体の、新ガイドラインの具体化として考えているんですよ。だから、それは認めたくないのが長官の心情のようですけれども、これは、認めたいか認めたくないかは、私はそういうものだというふうに思っています。 日本に武力攻撃が起こるのは、どこかの国がやってくるということじゃなくて、一番あり得る危険は後方地域支援であれ日本の自衛隊が米軍と一緒になって米軍の戦闘に協力する、それは幾ら説明されようと攻撃を受けないという保証はありません。 これはいろいろあるでしょうけれども、私は、そこへ行くためにまずお伺いしたいのは、旧ガイドラインと新ガイドラインのかかわりに関してです。 私は、旧ガイドラインができたときに、旧ガイドラインにも極東事態における日米協力ということがありました。これは研究テーマですけれども、その研究結果はどうか、何も現われてこないがと言ったら、防衛庁のある責任ある人はこう説明しました。それは法律上できないんだ、そういうことになったんだと、可能だとすれば、基地の共同使用ないしは、どうしても自衛隊がということなら、自衛隊を辞めて基地労務者に身分を変えて協力しかやりようがない中身だというのが我々の研究結果だということでした。 新ガイドラインでは、極東とは違う周辺における日米協力になった。この日米協力は、旧ガイドラインと違って具体化がどんどん進んでいるわけですね。旧ガイドラインでできなかったことが新ガイドラインの下ではできる、それは何に、なぜできるのか。これ、お伺いします。
○副大臣(矢野哲朗君) 御指摘の旧指針において、日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合に日本が米軍に対して行う便宜供与の在り方について、日米安全保障条約、その関連取決め、その他の日米間の関係取決め等、また日本の関係法令の範囲内において研究が行われたことは先生御指摘のとおりであります。 そして、その後、平成九年の新指針でありますけれども、平素から行う協力、我が国に対する武力攻撃に際しての対処行動等における協力及び周辺事態における協力をより効果的かつ信頼性のあるものとすべく、かかる協力の在り方について一般的な大枠及び方向性が示されたことは御承知のとおりであります。 周辺事態法は、冷戦終結後、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全確保が一層重要になっている情勢にかんがみまして、周辺事態における新指針の実効性を確保することが重要と考えて、十一年に成立をさせていただきました。 他方、今国会にお諮りしております武力攻撃事態対処法については、あくまでも我が国に対する武力攻撃等に際しての国全体としての対処の基本的な姿勢を整備するものでありまして、新指針に基づく我が国に対する武力攻撃に際しての対処行動等を進める上での基礎となるものであります。 このような法制の整備や、政府にとって長年の課題であったことも事実でありますし、米国同時多発テロ、武装不審船事案などの事実を踏まえまして、我が国の緊急事態に対処する全般について改めて見直し、いかなる事態にも対処できる安全な国づくりを進めていきたいがための取組の一環として法案を提出されたものと考えております。
○吉岡吉典君 今いろいろ説明ありましたけれども、私は、端的に言えば、かつて法律上できなかった。できる法律作った。周辺、それは周辺事態法を作り、それから同時に、自衛隊法を改正した。法律改正によってそれができるようにしたと、一番端的に言えばそういうことではないかと思っております。 そこで、私は、もう一つお伺いしなくちゃいかぬのは、周辺事態法に基づく日本の後方地域支援という形の協力にしろ、これは日米安保条約の条文の第何条から出てくるか、私には幾ら考えてもその答えが出ません。この第何条による協力なのか。これ、どなたか。
○政府参考人(林景一君) 委員御指摘のとおり、日米安保条約の明文の規定として後方地域支援というものが規定されておらないということはそのとおりでございますけれども、これは周辺事態法の御審議の際にも再三政府側から申し述べましたとおり、この日米安保条約の目的の枠内におきまして、我が国が米軍に対しまして様々な安保条約の目的を達成するための施設・区域の提供、これは地位協定でできることになっておりますけれども、それ以外の協力を行うことを妨げるというものはないということで、条約の目的を達成するために日米両締約国が協力をするということはむしろ当然のことではないかというふうに考えている次第でございます。
○吉岡吉典君 要するに、これは私はちょうどその時期、安保関係の委員、関係委員会におりませんでしたので、審議、速記録から見るしかありませんけれども、いわゆる安保見直し、あるいは安保再定義という協議が始まった時期から安保条約についての説明が大きく変化してきた。その変化というのは、かつて安保条約、安保条約と言われたのが安保体制という言葉で述べられるようになった。 安保条約と安保体制とはどう違うのかということで、これは私も若干かかわる委員会に入るようになったので、聞いたら、安保体制というのは、安保条約よりも非常に広い概念であると。安保条約は、条約関連取決めだけだと。その後の様々の日米間の合意、取決め及び日米関係等を加えた、それが日米安保体制であり、日米安保体制を具体化したのがこういう形になった。 〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕 また、当時の速記録を読んでみると、今後の日米協力においては、必ずしも安保の第何条というところによらない日米協力があるんだということが言われているようになり、条約に基づかない日米協力ということになったら、一体、これは歯止めのない協力にもなりかねないと私は思ったものですけれども、条約の条文に一々よらなくても日米協力はできるというのが今の日米安保条約の実態。 それがこのごろは、日米同盟、日米同盟という言葉で言われておりますが、日米同盟というものの中身は、そういうもう一九六〇年に結んだ安保条約の条文なんかには一々こだわらないと。そういう日米の協力関係が今の日米同盟下の協力と、そういうふうに考えていいんでしょうか。これは、どなたか。
○政府参考人(林景一君) 日米安保体制の定義というのはちょっと私、必ずしもあれでございますけれども、もちろん日米安保条約を中核とする様々な取決め、協力関係を総称したものを俗に言う人がいるということではないかと思いますけれども、いずれにいたしましても、その周辺事態法に基づきます協力ということにつきましては、この周辺事態法自体、いわゆる新ガイドラインの実効性確保のために、その中にございます周辺事態に対応して我が国が実施する措置を定めたものですけれども、この当時、御説明しましたとおり、同法第一条にございますとおり、安保条約の効果的な運用に寄与し、我が国の平和と安全の確保に資することをその目的としておるということで、これは我が国の安全に着目したものでございまして、したがって、これは我が国及び極東の平和と安全の維持という、これは六〇年の安保改定以来御説明しておりますその安保条約の目的の枠内であって、この条約を超えるものではない、その条約の枠内のものであるということで御説明をしてきているところでございます。
○吉岡吉典君 日米同盟とは何ぞやということについて、かつての防衛局長の海原さんは生死をともにする関係を結ぶことだと書いておられますね。ですから今、日米同盟、日米同盟ということが盛んに強調されますが、それは生死をともにする関係を結ぶことだと。私はそれは非常に重要な言葉だと思って、これはしゃべっているのじゃない、本にちゃんとお書きにもなっておりますからね。そういう関係を結んで、その条約、取決めももう今や、例えば私ちょっとここに持ってきていますけれども、一々条文の、安保条約の規定に根拠がなくちゃいけないというものではないと、これはかつて池田外務大臣の答弁ですけれども、そういうふうになってくると、目的が我が国の平和と安全だということならもうどこまで協力が行くか分からない、そしてその根拠のない協力の一つが周辺事態法であると。 私はなぜこういうことを言ったかというと、周辺事態法で日本の自衛隊員が後方地域支援だとして行くと。これは危険じゃない、危険になったら中断するとかどうとか、いろいろありますね。しかし、生死をともにする関係を結んだ日本が、危なくなったらおれの方は引き揚げますという、そういうことができるのか。そういう関係なら結ばない方がいいと私は思います、そんなばかなことを取り決めるようだったら。だから、私はいい加減なことを取り決めて国民を安心させて、そしてその結果が日本の戦争にまでつながるような事態になりかねない、そういうことは私はやっちゃならないことだと思います。 そういう点で、今日は時間が来ましたからここまでにしておいて、また次回にこの続きはやらせていただくことにいたします。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。よろしくお願いいたします。 まず最初に防衛庁長官にお伺いいたします。 一昨年の九・一一にアメリカで起きました同時多発テロの直後に、ある識者の方が、直後にですけれども、今回のテロは政治の文明史において未曾有の問題を提起した、提起したと。治安と防衛、犯罪と侵略、警察行動と戦争、軍事行動との伝統的な境界が無法者、無法者のいわゆる暴力、テロによって一気にこう吹き飛ばされた、そういったことをある新聞のインタビューでおっしゃっていらっしゃいました。 私は、この見方は大変鋭くて九・一一の本質をついているんじゃないかと思っております。その本質というものは、今申し上げましたように、治安と防衛そして犯罪と侵略、警察行動と戦争、その区別が付かなくなった、そこにあるんだと思っておりますけれども、この区別がなくなったのか。そこについての防衛庁長官の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 基本的におっしゃるとおりだと思います。ですから、先ほどもお答えいたしましたが、あれは戦争だとこうブッシュ大統領が叫んで、ちょっと待ってくださいと、これはテロであって戦争ではありませんというようなやり取りがありました。しかし、自衛権の発動ということであり、そしてNATOは集団的自衛権を行使するという過程をたどったわけで、そこの一種の、何というのかな、論理が一貫していない部分がありましたよね。それがまさしく、今、委員がおっしゃる識者のお話とまさしくオーバーラップするのだろうと思っています。 ただ、これを従来の法的な枠組みでは対処し得なくなったということがございまして、これをどのように考えていくか、そしてそれに対応するような国内法をどう作っていくかということが我々に今課せられていることなのだというふうに思っております。もちろん国際法は慣習法でございますから、成文法のようにきちんきちんとできたものではございませんけれども、これをどのように考えていくのか。まさしく委員がおっしゃいますように、警察と戦争、戦争と犯罪、治安と防衛、これをどういうようなものがどういうものに対して使うのか、そしてその対応はどういうふうにあるべきものなのかということが今問われていると私も思っております。
○山本香苗君 ちょっと確認なんですが、大事な前提ですので、話の。区別がなくなったという御認識はお持ちだということですね。
○国務大臣(石破茂君) 区別がしにくくなったということだと思います。それは、なぜアルカイーダによるあの九・一一が戦争になったのかと言えば、それはタリバン政権というものがそれをかくまっていて、警察権の行使というものが事実上不可能になったという状況は現出をしたので、これは戦争という構成が可能だったのだというふうに思っております。それが不可能な場合、つまり国家によるテロ支援国家みたいなものがなくて、完全にそういうような集団とか個人が同じようなことを引き起こしたらどうするんだということになりますと、これは区別が付かないというふうな事態もあり得るものと思っております。
○山本香苗君 この治安と防衛というもの、警察行動、軍事行動、そうしたものが区別が付きにくくなった、あいまいになってきた。そういう中におきまして、伝統的ないわゆる国家対国家という戦争よりも、九・一一のようなテロ、そうしたものの脅威に対してどう対応していくかということが今日的には非常に重要な問題になってきていると思うんです。 そうなってきますと、今一番初めにちょっと確認させていただきましたが、治安と防衛という形で治安は警察だと、防衛は自衛隊、そういった従来の対応、発想では対応し切れなくなってきているんじゃないかなと思うわけでございます。見えない敵、テロ、それに対して国民の安全をどう守っていくか、それを真剣に考えれば考えるほど、国家と国家の戦争、それを想定した上でできている自衛隊の在り方、これについて今見直すべきじゃないか、その防衛力の在り方を見直すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりだと思います。 例えば、例えばサイバーテロって、これどう考えるんだということですよね。つまり、パソコン少年がどこか遠く遠隔の地でたった一人でキーボードをいじっている。しかし、発生したことは何千何万という人が死ぬということが発生をした。じゃ、このキーボードをいじるという行為は、それは一体何なんですかと、これが我が国に対する組織的、計画的武力の行使ですかということになると、これは国際法的な答えが出ていない。どの国も困った困ったと。これをどうしようかと思っているようなお話でございます。 また、他方、九・一一みたいなことが、これ、その昔、私が大学生のころですからもう今から三十年ぐらい前のことかと思いますが、児玉誉士夫さんという人の家にある男優がセスナ機で突っ込んだということがございました。旅客機が突っ込むなんという話はもうおととしの話ですが、セスナ機が突っ込んじゃったみたいなことは今から三十年ぐらい前にあったわけでございます。これをどう考えるんだと。陸の場合には警察があり、海の場合には海上保安庁がありますが、空の場合には航空警察というのはこれはないんですね。じゃ、これを一体どう考えたらいいんですかということになってくるわけでございます。 この場合に、じゃ九・一一みたいなことが日本で起きたらどうするんだ。いろんな、つまりだれがハイジャックをしたのか、その飛行機の国籍はどこであるのか、一体何人それに乗っているのか、いろんなことを勘案して法的状態は変わってくるわけでございますが、そのときに、一体どの権力がどの対応をすべきなのかということは本当に考えていかなきゃいけないことなんだと思っています。 私どもが考えなければいけないのは、いきなり軍隊の形をした、形ですよ、軍隊そのものと申し上げているわけじゃありませんが、自衛隊が出ることによって、あ、日本はもう防衛出動、宣戦布告をしたのだなと、戦争する気なのだなということを相手に思わせてはいけないということがあります。 同時に、我々が考えなきゃいけないのは、出るのが遅れて警察官に物すごい犠牲が出た、海上保安官に物すごく犠牲が出た、出ることが遅れることによって事態が更に拡大したということも防いでいかなければいけません。 その間にあって、どのような防衛力を整備し、どのように法を運用するかということについて今きちんと詰めを行わなければいけないということで、警察とも海上保安庁とも連日協議をいたしておるところでございます。
○山本香苗君 昨日も今日もそういった警察との連携強化とかそういうお話ございました。それは大事なことだと思うんです。 しかし、始めに申し上げましたように、想定が変わったんです、想定が。元の元がですね。一番始めに区別が付かなくなった、あいまいになったというところをお認めになられたわけですよね。警察がまず出ていくと。その能力を超えたら、じゃ自衛隊が出てくる。それで果たして国民の安全が守れるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これ、すごく難しいお話で、では大が小を兼ねるということがございますが、それはもちろん海上保安庁の船よりも海上自衛隊の船の方が強力な装備も持っています。防水区画ももっと細かくしてあります。しかし、それじゃいきなり、いきなり海上自衛隊の船が出ていいんだろうか。いきなり陸上自衛隊が出ていいんだろうか。これは法律の仕組みとして、治安出動にいたしましても海上警備行動にいたしましても、一般警察力をもってしては対処し得ない事態というような書き方をしておるわけでございます。 そうしますと、これはやはり同じ使う権力が警察権とはいいながら、やはり第一義的には警察が出るべきものなのだということは、これはどの国も共通していることなんだろうというふうに思っております。 これは軍隊の、かぎ括弧付きで申し上げますが、軍隊の警察的流用というものをどう考えるかという問題でございまして、例えばフランスなんかにおきましては、ジャンダルムリーという、委員外交官でいらっしゃいましたからよく御案内かと思いますが、ジャンダルムリーという、そういう組織を作って、警察でもない、軍隊でもない、そういうものを持っている国もあります。あるいはアメリカ合衆国のように州兵という組織がある場合もございます。私どもの場合にはそういう中間的な組織を有しておりませんので、警察権、そして同じ警察権の行使でも、それを自衛隊という法的な構成にさせていただいておるわけでございます。 そこの信号機が赤から青に変わるような話になりませんので、この中間部分というものをどうするのかということは、本当に訓練をし、いろんな協議をいつもやりませんと、ぶっつけ本番でできるものではございません。したがいまして、私どもは、四十七都道府県すべてと協定を結びました。そして、海上自衛隊と海上保安庁におきましても、中央レベル、地域レベルで本当にありとあらゆる想定を考えながら、この場合はどうなる、この場合はどうなると。甚だしきに至っては、能登半島沖不審船事案のときなんというのは、お互い無線が通じなかったなんということがあったわけですね。そんなばかな話がどこにあるということで、着実に着実に積み重ねております。 私は、委員の御指摘も、じゃ、一遍自衛隊がということも、国民に安心していただくという意味では意味のあることかもしれませんが、現行法の体系はそのようになっておりません。私は、いきなり自衛隊がすべてを兼ねるということは、これはやや、極めて慎重であるべきだという考え方を個人としては持っております。
○山本香苗君 もちろん、現在のアジアの情勢だとかそういうものを見ていく中で、国家と国家の戦争というのが全くなくなったということではないというふうには認識しているわけなんですけれども、他方、一番始めに申し上げましたとおり、治安と防衛、犯罪と侵略、警察行動と軍事行動、これの区別が付きにくくなっているのも事実なわけでありまして、従来、今おっしゃられましたように、従来の例えばテロだとか犯罪、軽度のものというんですか、警察でも対応できるようなもの、それは警察が対応して、別に自衛隊がばんと出ていかなくてもいいと思うんですけれども、いわゆる九・一一なんかでは警察の力を超えて戦争に似たような被害が、甚大な被害が起きたわけでございますが、こうしたテロとかを想定した上で、ちょっと今お話しになられた中にもありましたけれども、自衛隊の中で組織編成だとかいわゆる装備だとか、そういったところをきちんと対応できるように見直すべきではないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) その攻撃がどういうものであるのかということが、先ほども、例えばアメリカで九・一一があっても全CIAをもってしても情報が分からなかったじゃないかいうようなこともございますが、私どもとしては、とにかくそれが何によるものであるかということを把握するためにも全力を挙げておるということを申し添えさせていただきます。 装備についてどうかということでございますが、これは主に陸上自衛隊と海上自衛隊でございますが、そういうものに対応でき得るような装備ということで、予算をちょうだいをいたしまして整備をいたしておるところでございます。例えば舞鶴、海上自衛隊の舞鶴基地には高速ミサイル艇というものがございます。これは、従来五十トンぐらいであったものを二百トンにして、いわゆる工作船というものが非常に速いスピードで逃走を図ろうとしても追い付くとか、いきなりどっと五インチ砲なんか撃ってしまいますと沈んでしまいますが、それが沈まないように正確に撃てるというような、そういうような銃を備えるでありますとか、あるいは陸上自衛隊におきましても、そういうテロ、ゲリラ、そういうものに対応できるような個人の装備、あるいはそれに対応した訓練、そういうことを今急速に展開をしておるところでございます。
○山本香苗君 ある本の中に、米国、今情報が云々という話がありました、九・一一のときに情報があっても防げなかったじゃないかと。その根本的な理由というものは、国家を安全保障の基本単位とするホッブスの近代戦争観に米国指導者が呪縛されていたことにもあるんじゃないか。いわゆる国家と国家の戦争というその近代戦争観だけに縛られていた、そこの死角を、死角というか、観念の虚というか、そういったところをつかれたんじゃないかと、そういうような御意見があったわけでありまして、この今、石破防衛庁長官が持っていらっしゃる、今共有していただきました想定、一番初めの認識、それを持った上で、これからこの防衛力その他の見直しをしっかりとしていただきたいと思います。 この問題についてはここで終わります。 時間が大分迫ってまいりましたので、ぱんぱん聞いていかせていただきます。 国を守るということ、それは国民を守るということでありまして、今回の有事法制の眼目というのは国民保護法制にあると思っております。 そこで、具体的にたくさん、国民の皆様方に分かりやすい形で、国民の保護法制、どういったことをイメージしているのか、お教え願いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国民保護の法制、これは、イメージと申しますか、その内容を申し上げるしかないんだろうと思うんです。 それで、その内容をちょっと簡潔に申し上げますけれども、例えば住民の避難等に関しては、警報の発令、避難の指示、それから避難の誘導などの措置を実施するということです。それから、避難地における住民の救援に関しましては、収容施設や医療の確保等の措置を実施することを想定しております。 被害を最小化にするための措置としては、都道府県対策本部長の総合調整、市町村長の応急措置、消防、生活関連施設の安全確保、原子力施設や危険物質等の安全確保などの武力攻撃災害への対処のための措置、また、そのほか、交通の規制とか衛生の確保、国民生活の安定、輸送及び通信の確保、応急、復旧などについても検討をいたしております。 そのほかに、地方公共団体の対策本部の設置や、それから計画の策定、指定公共機関等の業務計画の策定、国の費用負担、損失補償、損害補償などについても規定を設けるということでございまして、もう非常に広範にわたるわけであります。
○山本香苗君 その国民保護法制において国民の基本的人権はどのように担保されるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 基本的人権の保障も、憲法上絶対的な保障であるとされているものを除き、これはすなわち、例えば、思想、良心の自由、これは内心の自由の場合に限るわけですけれども、それから、検閲の禁止、そういうものを除いて、絶対的な保障ではなく、国民保護法制においては、国民の生命、身体等を保護するためにやむを得ない場合に限って国民の自由と権利に必要最小限の制約が加えられることもあり得ると、こういう考え方であります。 今後、国民保護法制整備に当たりまして、そうした場合における国民の基本的人権が最大限尊重されるよう十二分に配慮していく考えであります。
○山本香苗君 やむを得ない場合、制約があると。それに対して損失補償制度ということが先ほど御答弁の中にありましたけれども、これは具体的にどういったことになるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 医療施設や医薬品、食品などの緊急物資の確保など、国民の生命とか身体等を保護するためにやむを得ない場合に限って土地の使用とか物資の収用など、必要最小限の措置を行うことを想定をいたしておりまして、土地の使用とか物資の収用等がこの国民保護法制の規定に基づいて行われる場合については、この処分により損失を被った者に対して適正な対価で補償するというようなことを考えておるわけです。
○山本香苗君 次に、済みません、防衛庁長官、お伺いします。 自衛隊の行動が実際の戦闘時において超法規になるということはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それはございません。 自衛隊法八十八条に基づいて行動いたしますので、超法規ということは絶対に起こり得ないことでございます。
○山本香苗君 ちょっと、その自衛隊法八十八条についてお伺いしたいわけでございますけれども、この八十八条におきましては武力行使、防衛出動時の武力行使として書いてあるわけなんですけれども、その二項におきまして、「武力行使に際しては、国際の法規及び慣例によるべき場合にあつてはこれを遵守し、」と。この「国際の法規及び慣例」というのは具体的に何を指すのでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、お尋ねいただきましたので、確認の意味で申し上げさせていただきます。朗読みたいになりますが、お許しをいただきたいと思います。 この八十八条に規定をしております国際の法規及び慣習の主なものといたしましては、傷病者、捕虜や文民の保護を定めましたジュネーブ諸条約、これは第一条約と申します。海上にある軍隊の傷者、傷を受けた者ですね、及び難船者の状態の改善に関するジュネーブ条約、これは第二条約でございます。捕虜、病者の待遇に関しますジュネーブ条約、第三条約。戦時における文民の保護に関するジュネーブ条約、第四条約。加えまして、一九四九年八月十二日のジュネーブ諸条約に追加される国際的武力紛争の犠牲者の保護に関する議定書、第一追加議定書というものが一つございます、ジュネーブ条約系列。それからハーグ陸戦法規、そして毒ガス等の禁止に関する議定書、さらには対人地雷禁止条約、そういうものが挙げられます。 これは、日本が入っていないものというものが仮にあったといたしましても、これは慣習の中にカウントをされますので、これは日本は入っていないから、加盟していないからこの八十八条に言うがところのものには当たらないという考え方を私どもは取っておりません。 大体、以上のようなものが主なものと考えております。
○山本香苗君 その後に、「かつ、事態に応じ合理的に必要と判断される限度をこえてはならないものとする。」と。ここにおきます「合理的に必要と判断される限度」というのはどういう限度なんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、個々に戦闘が行われるわけでございますが、個々の戦闘場面で判断をされるというふうには私どもは考えておりません。全体として判断をされると、こういうふうに思っております。 それじゃ、一体だれがそんなものを判断するのかねということのお尋ねがこれは当然あるわけでございますけれども、それも、これは政府全体として判断をするということに相なります。 つまり、内閣、先ほどのお答えとも、吉岡委員に対するお答えとも重なる部分がございますが、この判断は、内閣を代表して自衛隊の最高指揮監督権を有する内閣総理大臣や自衛隊の隊務を統括する防衛庁長官を始めとして政府全体で行う、政府全体として、そして個々の戦闘場面ではなく全体として判断をされる、こういう立場を政府は今取っておるところでございます。
○山本香苗君 次に質問しようと思ったことを先に言われちゃったんですけれども。 今、言いました二つの縛りですね、国際の法規と慣例に従ってと、合理的に必要と判断される限度にある限り、自衛隊の行為が例えば戦闘時にほかの法律、国内法に反したとしてもその違法性が阻却されるという形で御答弁がいろいろあったわけなんですが、この違法性が阻却されるということは一体どういうことなんでしょうか。また、その理由は何でしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、この違法性の阻却というのは、構成要件には該当はしていると、しかし違法性はないと、こういう形で御理解をいただいてよろしいかと思っております。 その事実そのものは、これは犯罪行為に類するものだと、しかしながら、例えば、これもう委員十分御案内のことかと思いますが、お医者様が手術をいたしますね、それは傷害罪と、外見は人をナイフで切っているわけですから傷害罪ということになる。しかし、それは人の命を助けるためだということで、見た目は傷害罪だが、それは人を助けるという目的なので犯罪がないと、こういう形に相なります。 また、ボクシングで殴り合っておっても、これはもう傷害ではないかということになりますが、これはお仕事としてやっておるわけでありまして傷害ではないと、こういうことになります。これは、あるいは正当防衛、緊急避難もそうでございますが、その行為自体は構成要件には該当するけれども、自分が助かるためとか、大は小みたいな関係になりまして、これは違法性がないという形になっております。 この場合の八十八条はどういうことかといいますと、どれに基づくのかとおっしゃられますれば、これは正当行為ということに相なります。緊急避難とか正当防衛とか、そういうことではございませんで、これは正当行為という形で、八十八条の要件を満たしておる限りにおきまして、戦闘行為に際しまして行政法規等の国内法規に従えない、そういう場合がありましても、八十八条の要件を満たしております限り、これは八十八条に基づきます正当な行為、そして違法性が阻却される、こういうような構成を取っておるわけでございます。
○山本香苗君 ちょっと確認さしていただきます。 すなわち、例えばいろんな国内法、いろいろあります。それに違反したことが、いわゆる戦闘時でありますからあったとします。八十八条におきますこの二つの縛り、この二つの縛りの限りにある限りは、例えば違法になった、一瞬でも超法規の状態になった、しかし、この二つの縛りがあるからそれで超法規じゃないという形で下りるという論理になるわけですか。ですから、自衛隊がいつ何どき、戦闘時においても超法規にならないと、そういう認識でいいんですか。
○国務大臣(石破茂君) 片時たりとも超法規の状態は存在をいたしません。それは、行政法規に抵触したという形で形式的に構成要件に該当する場合はございますが、八十八条に基づいております限りそれは正当行為ということになりますので、いかなる時点におきましても超法規という法的状態は現出をしないものでございます。
○山本香苗君 じゃ、その戦闘時におきます自衛隊の行動と国民の基本的人権との兼ね合いについてお伺いいたします。 どういうふうな形で保障されるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど官房長官から御答弁がありましたように、基本的人権というものは最大限に尊重されるということに相なります。そして、これも何度か答弁をさしていただいたことでございますが、自衛隊が行動いたします場合に、例えば八十八条にのっとって行動するわけですが、その場合に民間人の方々がその場にいらっしゃるということが極力ないようにということを私どもはこれから国民保護法制でやってまいるわけでございます。 ただ、そこに家が残っていて、例えば財産権というものが侵害される、そういうような形での権利侵害ということは起こり得るものでございます。これをどのようにして補償していくかということは、これは事後的措置の場面ということになるわけだと思います。 ただ、それはどういう形をもって敵の侵害が排除できるのか、敵の侵害は必ず排除をしなければいけませんが、そのために非常に国力が損耗をして、本当にきちんとした補償ができるかどうかというような問題もございます。そしてまた、その損傷を加えたものが、我々自衛隊であるのか、あるいは我が国に対して武力攻撃を仕掛けてきたものであるのかということになりますと、これは賠償との問題、そういう関係になってこようかと思います。 いずれにいたしましても、事後的にそういう方々の侵害された権利というものを補償するためにはどういうような手だてがあるかということをこれから検討してまいるということになろうかと存じます。
○山本香苗君 ありがとうございました。 今、最後に御答弁されたように、戦闘時において何らかの被害というのを、もう一度確認なんですけれども、国民の方が受けた場合は、それに対して補償がなされるんでしょうか、なされないんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、法律に基づきまして、こういう場合にはかくかくしかじか、こういう補償を行うということがなぜ困難なのかといえば、それはどういう形で終わるか分からないということでございます。ですから、戦前におきましても、これは給付という法律、形態を取ったというふうに私は承知をいたしております。 したがいまして、補償等の問題を含めました復興施策の在り方の一環として政府全体で検討するということに相なります。もちろん、そういうような権利の侵害がなされたことについては、それがなるべく回復をされるということが望ましいわけでございます。しかしながら、それをどういう形で行うかということについて政府全体で検討していく、そういうような立場でございます。
○山本香苗君 その検討はいつなされるんですか。
○国務大臣(石破茂君) それはですね、どういう形で武力攻撃が起こるか分かりません。だから、それが物すごく国力を損耗するものかもしれませんし、大して損耗しないものかもしれません。したがいまして、武力侵害というものを排除した後に行われることになります。
○山本香苗君 すなわち、今の状態、何かが起きた後に検討されるということになるわけですか。
○国務大臣(石破茂君) それが終わってからということになります。
○山本香苗君 じゃ、補償、そうしたものは、とにかくそういうことが起きてからやると、検討すると。しかしながら、きちんと国としては対応していくよということでよろしいですね。
○国務大臣(石破茂君) それは政府全体で検討する。ですから、もう早く排除できて我々の被害というものが最小であれば、それはできるということもございましょう。そうあるべきものだと思います。 したがいまして、民間人の方がそういう被害に遭わないように、そして極力早く敵の侵害を排除できるように、そして、そういうような権利侵害があって補償というものがなされる、補償という言い方がいいかどうか分かりませんが、そういうふうに努めてまいります。それがどういうような被害が現出するかということが分かりませんと、それの補償、仮にかぎ括弧付きで使うにいたしましても、それが決められないということでございます。それも含めまして政府全体で検討することになります。
○山本香苗君 以上、終わります。 ありがとうございました。
○愛知治郎君 自由民主党の愛知治郎、日本人でございます。 この日本の根幹にかかわる法律の成立に私自身参加できたことを非常に光栄に思います。そして今、あえてですけれども、日本人ですと申し上げました。この点、ちょっと問題提起を、皆さんにも是非考えていただきたい話がございます。 今日ここの委員会室にお集まりの皆さんほとんど、多分皆さん日本国民の方々だと思いますけれども、あえて官房長官も聞いてください、申し上げます。 皆さんは、なぜ日本人なんでしょうか。本当に日本人なんでしょうかということをお考えをいただきたい、改めて。自分自身は小さいころからそれを非常に問題意識を持っておりました。日本人、日本で生まれたから日本人なんだろうかと。私自身は、この場で申し上げますけれども、アメリカで生まれました。私の父が会社員であるころにアメリカに転勤になって、そこで、ニューヨークで生まれたというだけですけれども、私は日本で生まれたのではない、だからこそ何で日本人なんだろうという問題意識を小さいころから持っておりました。私の兄弟は東京で生まれたけれども、私だけがなぜアメリカか、すごく疑問に思っておりました。 また、じゃ日本に育ったから、日本に育っていても日本人じゃない方は多くいらっしゃいますし、両親が日本人だったから、日本人じゃない違う国の系統というかルーツを持っている方を両親に持つという方はいらっしゃいます。ここで、国会の中で、今日はいらっしゃいませんけれども、ツルネンマルテイ議員さんなんかも見た目は全く日本人じゃない。何で日本人なんだろうという思いを抱いております。 是非、皆さんにもそのことは意識をしていただきたい。そして、国民一人一人がそのことをしっかりと考えていかなくちゃいけないと思います。 私自身が思うに、日本人とは、日本人であることとは、この国を愛しそして守ることだと考えております。そして、多くの義務や責任を果たして初めて胸を張って誇りを持って日本人であると言えるものだと考えております。 この点、多くの義務を果たして、一生懸命この国の日本人であることを自覚して、日本をつくっていく、そんな国はやっぱりすばらしい国なんだなというふうに思うんですが、大変悲しい話というのを自分自身も幾つも幾つも聞いております。 といいますのも、まずこれも聞きたくなかった話なんですが、ニューヨークのテロが起きたとき、友人がちょうど行っていたと最近になって聞いたんですが、その中で、その友人がテロ、直接現場のすぐ近くではなかったらしいんですが、テロが起こった後にニューヨークの方々、これはもうほとんど国際的というか、いろんな国々の方々がいたらしいんですが、皆さん何とかしようと、この有事に対応しようと必死になっているときに、日本人が全く意識をしないで買い物していたと。全く他人事のようにして、関係ないことのように振る舞っていたのを見てしまった。そのときに日本人であるということを言えなかった、恥ずかしくて。もう残念な話です。先ほどの日本人であるという意識を持たないがためにそういう事態が起こってしまっているんじゃないか。挙げ句の果てに、これも本当に悲しい事態なんですけれども、この国自体を否定するという事態も起こってしまっている。これは事実であります。 私自身も小さいころから大人の人たちを見て、先輩方を見て、それで若い人たちの中でも日本人は格好悪いんじゃないか。今でも子供たち、若者もそうですし、子供たち、本当に日本人であっていいのかと、日本人でいいのというふうに思わざるを得ない状況があるのも、これもまた事実であります。やはりその自覚を持って責任を果たしていくこと、これは本当に大切なことだと思います。 それで、福田官房長官、通告はしていないんですけれども、答弁の中の話なので感想というか、今の話を踏まえた上での感想で結構なんですが、この法律を作るときに、作るときというか内容ですけれども、国民の義務、義務じゃないですけれども、国民に関しての中身、規定されている部分があります。まず、これ必要な協力を努めるものと、「協力をするよう努めるものとする。」と。その中で、官房長官、国民については余りに過重な役割を課することは困難であると考えられるので、国民の責務を法案に規定することは適切でないと判断したと、そういう答弁をなされているんですが、通告していないので、改めてですけれども、この場でその感想というか、国民が果たすべき役割について見解がございましたらおっしゃっていただきたいんですが、なければ結構です。
○国務大臣(福田康夫君) 日本人かどうかというお話もございましたけれども、日本人だということを常に意識しながら生活しているというのも、それほどそういう必要性もないんではないかというふうには思いますけれどもね。しかし、事に当たって、自分は日本にいるんだと、日本のためにという気持ちというのは、これは当然持つのが自然だと思いますね。 ですから、これは第一次石油ショックございました一九七三年、あのときまで、そのとき言われたことですよ、若者たちはもう国というものを全然意識していないとかいったような議論がありました。自衛隊なんかも否定するといったようなことは当然のように言われておったけれども、しかし自衛隊が大事だというふうに、あの石油ショックがあった直後は、世論調査しますと急に上がったんですね、若い人の中で、特にね。そういうことあるんですよ。いざ何か起こったときには皆それぞれ、それぞれの良識を持って考え、そして行動するのかなというふうに思いまして、私はそのとき非常に救われたような思いがいたします。そういうことを考えないで意識しないで済ますことができるという我々は、逆に言えば幸せだなというふうに思うんですけれどもね。 しかし、だからといって何もしないで済むということではない。今、委員のおっしゃるように、常々そういうことは考えながらということも必要なんだろうというふうに思います。 国民の協力ということについて今お尋ねございました。国民が法的に拘束されることはないけれども、私はいざというときには良識を持って大いに協力をしてくれるというのが我が日本人だと、こう思っております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。突然だったので申し訳なかったんですが、私自身も本当にそう言っていただいてすごく心強く思います。 この内容についてでは、あえて法律で規定する必要はないんじゃないかと、当然のことだと私自身も考えております。そして、自らが進んで、さっきの、日本のことじゃないですけれども、有事が起こったときに国民が一致団結をして協力をできるような国であってほしいなと、これは切実に思います。 さっき日本人という話をしたんですが、自分自身は外国で生まれたから日本人を意識したというのもありますけれども、外国で生活された方というのは、話を聞くと、皆さんやはりそういう意識を持たれるらしいので、日本で生まれて育って本当にただ黙っていても日本人であるということが、これはゆゆしきことというか、余り褒められたことじゃないんじゃないか。常に何でもかんでも日本人だ日本人だという必要はないと思うんですが、守ると先ほど言いましたけれども、愛し守るというのが基本にあれば、何かがあったときに自然と協力体制ができるものだというふうに考えております。 それはいいんですが、さて、この有事関連法案に関してですが、その自覚がまだ足りないんじゃないかと自分自身は少なくとも思っているんですが、国民に対して、この法律が必要なんだよと、何で必要なのかということをしっかり説明をされたのか。これは総理に是非伝えていただきたい、また、官房長官もスポークスマンという役割を担っておられますので是非意見として聞いていただきたいんですが、小泉総理が備えあれば憂いなしということをおっしゃられております。それはそのとおりだと思いますが、私自身はその説明に対してやはりちょっと不満を持っております。 といいますのも、事情はよく分かります。小泉総理、よくワンフレーズポリティクスという話をされますが、現状の報道、マスコミ等見ますと、なかなかすべてしっかりと伝えてくれるということをしてくれません。これは自分自身が、もうすぐ二年になりますけれども、国会議員になって仕事をして感じておるこれは現実であります。もちろん、報道側にとってみても、例えば販売部数であるとか視聴率、様々な問題があるのでしょうけれども、やはりごく一部しか伝えてくれない。 だからこそ、そうやって端的に物を申していくというのは必要だったと思うんですが、一方、やはりこれは大変な努力を払ってでもしっかりと説明をしていかなくちゃいけない。それを今回、昨日舛添議員が紹介してくださった本の中で、スイスの本なんですけれども、ちょっとお配りをいただけますか。 〔資料配付〕
○愛知治郎君 スイスのこの、スイス政府が発行した「民間防衛」というこの本ですね。私自身も舛添委員に借りて、ちょっと目を通しただけなんですけれども、感嘆させられました、すごいなと。是非皆さんにもこれを見ていただきたい。 そして、時間ですね、官房長官、これからちょっと予定があって退席されるということだったんで、是非このペーパーをお持ち帰りをいただいて参考にしていただいて、今、石破長官はごらんになっていますけれども、国民の方々に説明するということをこれからも一生懸命取り組んでいただきたいというふうに考えております。 それで、ちょっと、これをどうしても、どうしてもというか、私自身も是非皆さんにお伝えをしたい、参考にしていただきたいということで読もうと思っていました。 もう一つ、その労力が大事だというのは、これにも書いてあるんですが、この本自体、これは訳なんであれですけれども、原本はスイス政府がスイス国民、各戸に配ったと、皆さんにこれを配ったということなんですね。で、しっかり読んでいただいて理解をしてもらっている、そういう努力をしているということを踏まえた上で、これを、その一部ですけれども読ませていただきます。 時間があれば官房長官にその感想なり聞かせていただきたいんですが、是非持ち帰って検討してください。本も石破長官持っているようですので。ちょっと読ませていただきます。 この本は、わが国が将来脅威を受けるものと仮定して書かれたものである。 われわれが永久に平和を保障されるものとしたら、軍事的防衛や民間防衛の必要があるだろうか。すべての人々は平和を望んでいる。にもかかわらず、戦争に備える義務から解放されていると感じている人は、だれもいない。歴史がわれわれにそれを教えているからである。 スイスは、侵略を行なうなどという夢想を決して持ってはいない。しかし、生き抜くことを望んでいる。スイスは、どの隣国の権利も尊重する。しかし、隣国によって踏みにじられることは断じて欲しない。 スイスは、世界中で人類が行なうあらゆる建設的行為には全力を尽くして協力する。しかし、みずから行なうべきことを他人からさしずされたくはない。工業国、商業国としてのスイスは、自由競争の条件のもとで全世界と貿易をしており、スイス製品は一般の高い評価を受け、わが国民の職業的良心を立証している。 しかし、このような評価によって、スイスが、起こり得る大戦争の局外に立ち得るわけではない。 ヨーロッパにおけるスイスの戦略的地位は他国にとって誘惑的なものである。その交通網は、交戦諸国にとって欠くことのできないもののように見える。簡単に言うならば、われわれは、受け身に立って逃げまわる権利を与えられていない。 われわれは、あらゆる事態の発生に対して準備せざるを得ないというのが、最も単純な現実なのである。 次もすべてちょっと読ませていただきます。 紛争の時代と言われる今日の時代においては、ある種のことばは、その価値を失ったようである。「祖国」ということばも、その一つである。 今日は旅行の時代でもあり、それぞれの国に特有の美しい景色が見出されている。わが国は美しいが、そうは言っても、その山々や湖に基づく祖国愛を説いただけでは、もはやその説得力はなくなった。 人間というものは、自分たちの幼い時代のことを深く心に刻みつけているものである。生まれたころに住んでいた場所は、その人にとっていつまでも価値を失わない。その当時の家庭環境や社会環境によって、その人の好みは左右される。人は、自分が通った小学校や、その仲間、当時の遊び、そして愛の目ざめを、決して忘れない。自分の国に対する愛情は、人々が、それぞれの幼時に、その当時の世間に対してどのように対応したか、どのように世間から影響を受けたかによって、その基礎がつくられるのである。 しかし、大人になると、もっと深く、もっと広い立場から、ものを考えるようになる。大人は、自分の生活条件を他の国民の生活条件と比較する。正義、信頼、安全、自由を求める。 常識のあるスイス国民は、わが国の諸制度が、人間のつくるあらゆるものと同様に、完全ではないが、安定しており、人間を尊重していることを、認めざるを得ない。社会福祉の面では大きな進歩が見られる。貧しい人々、身体障害者、老人は、国家の援助を受け、この援助も常に改善されつつある。連邦制度は全国民を守っている。民主主義は正常にその機能を発揮している。公けの義務は公平に分担されている。すべての人々は一般教育を受けられる。このように基本的権利がよく保障されている国が、他に数多く見られるだろうか。 故に、わが祖国は、わが国民が、肉体的にも、知的にも、道徳的にも、充分に愛情を注ぎ奉仕する価値がある。 最後です。 今日のスイスは非常な平和愛好国である。しかし、常にそうであったのではない。過去には過失もあった。その過失は、われわれが将来をはっきり見通すための指針としての役に立つ。わが祖先は自由と独立を守るために戦った。この点で彼らの英雄的行為に感謝を捧げる。しかし、わが祖先は、近隣の土地を侵略し征服するためにも戦った。このため彼らは破滅しかかった。が、そのことを充分に理解して、侵略戦争を放棄したのである。 この賢明さによって平和がわが国にもたらされた。その平和を守り続けることによって、世代から世代にわたって国民の期待にこたえるような国を、石を一つづつ積んでいくように建設することができたのである。完全な国をつくるためには、常に手を加えなければならない。 わが民主主義の真価は、絶えず必要な改革を促すことである。 どのような制度も、生きものと同じように、それ自体の生命力によって変化することからのがれるわけにはいかない。すべては進化する。思想も、風俗や経済情勢と同様に進化する。だから、国民や、国民を代表する議員が、常に注意深く制度を見守ることは、どうしても必要である。 この注意深く見守ることによって、制度の改革が求められてくる。それは、改革であって、めくら滅法の破壊ではない。革命は、しばしば、益よりも害となる。革命のあとの恐怖政治は、歴史の示すとおり、独裁制による血まみれの様相を呈した。無秩序は、結局、暴君が現われて鞭をふるうことを求める。 しかしながら、権力が、ある個人に集中し、抑圧された人々が、その独裁者を追放するために立ちあがるほかなくなったときに、革命が必要となる。 民主主義は、何も生み出さないでじっとしていることと、破壊的に転覆することとの間に通じる、狭い、山の背のような道を、用心深くたどらねばならない。 各人の義務は、この法則に従って生き生きと生きることである。公けの問題に無関心であることは、この義務に忠実でないことを意味する。すべての破壊を欲することは反逆である。 法は、われわれすべてを拘束するが、われわれを守るものでもある。われわれも法の制定に参加せねばならない。もし、制度の改善のために何もせず、共同体の管理に参加しないならば、自分たちの制度について不平を言う資格はない。 健全な民主主義を維持し発展させていくためには、建設的な反対派による批判、審査が必要である。この反対派は、欠陥と不完全性を指摘し、えぐり出す。 賢明な異議申し立ては、必要な改善を促し、この改善によって共同体の安全平穏がはかられる。消極的逃避や組織的反抗は、有益な努力を無駄にし、妨害し、意味ないものとする。 とは言っても、世論は、個個ばらばらな意見に分裂してしまうと、何ら実りのないものになるので、どうしても党派が必要になる。自由とは無政府主義ではない。無政府主義は、国家に関するすべての義務を全面的に否定するものである。各個人の政治的自由は、精神的家族感あるいは経済的家族感というワク組みの中で現わされねばならない。このようなワク組みは、その中の各自の意見と利益を守るに足るものである。このような共同体生活のきまりの外で権力がふるわれると、秩序が失われ、効果がなくなり、弱く、不安定となり、効率が悪くなる。 もし、固く団結した多数派によって事に対する決定の責任がとられないならば、生き生きとした民主主義は存在しなくなる。また、もし多数派が、その力を勝手気ままに乱用して、すべての国民の持つ合法的権利を国民の一部に対しては否定する、とするならば、その国には平和がなくなってしまう。 非常に私自身も勉強になりまして、なるほど進んでいるというか、なかなか研究されているんだな、この国も負けてはいられないなというのが正直なところなんですが、スイスに負けない国を……
○委員長(山崎正昭君) ちょっと済みません。速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山崎正昭君) 速記を起こしてください。
○愛知治郎君 失礼いたしました。 大変これも一つの勉強になりましたので、これからの教訓とさせていただきます。 では、この点について、石破長官、感想なりあれば述べていただきたいのですが。
○国務大臣(石破茂君) この本は、私、随分以前に読んだことがあります。 やっぱり、読むたびに新鮮ですし、これ日本にそのまま置き換えてもいいんじゃないのという部分が、今、委員がその引用なさった部分はそれを日本に置き換えてもそのまま通用する部分が相当あるんじゃないでしょうか。 ただ、私が申し上げたいのは、この本が日本で訳されて出たのが昭和四十五年の話なんです。一九七〇年の話なんです。三十三年たっています。三十三年たっても本質は変わらないということと、三十三年前にこの本が出たときはとても売れたんです、これ。日本国じゅう随分読みました。ですけれども、だから民間防衛協会というものもできましたし、これ会長がたしか藤井丙午さんだったと思います。 また、我が党の中に民間防衛議員連盟というのができました。会長は小渕恵三先生であったと思います。 当時、その昭和四十年代の後半から五十年代にかけてこの民間防衛という考え方が相当高まった。にもかかわらず、それがまた下火になって今日なおそういう議論をすると、やれ隣組だ、やれ竹やりでB29を落とすのだみたいな議論になってしまう。 やっぱり、私たちは、スイスという国がどうしてこうやって平和を保ったか、平和を保つためにどんな努力をしているかということを、もう一度この本を読み直してみる意味があるなというふうに、委員のお話を聞きながら思ったことでございます。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 また大変な見識というか経験をお持ちでおられるので、私自身もなるほど、そういう歴史があったのかということを再確認をさせていただきました。 これは、さっき、先ほど福田官房長官のお話にもありましたけれども、常に無理というか、余りに強制するのはいかがなものかということも、そのような意味であろうことをちょっとおっしゃられていたように思われるんですが、やはりこれは憲法調査会でも議論になって私自身も申し上げたんですが、平和とは常に努力をし、たゆまぬ努力を続けて獲得していかなくちゃいけない、黙っていて与えられるものではない、その状態に甘んじていて守れるものではないと考えておるので、たゆまぬ努力が必要だと考えております。そして、自分自身も誇りを持って、先ほどの、日本人としてこれからも生きていきたい、この国をつくっていきたいと考えております。 さて、ちょっと話題を変えたいと思うんですが、先ほど言いました、自分自身が生まれた国、アメリカ合衆国のニューヨークですね、そこでのテロがありました。これはもう人ごとではない。少なくとも自分自身は同様のことをこの日本国内において起こさせるわけにはいかない、絶対にそれを回避する、守っていくんだという覚悟を新たにさせられた事件でもありました。 この点について政府の見解をお伺いをしたいんですが、アメリカのあの同時多発テロですね、なぜあのようなことが起こってしまったのか、いろんな見解があると思いますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(小田部陽一君) 委員御質問のアルカイーダにつきましては、オサマ・ビンラディンの声明などによりますと、正に米国との関係あるいは中東紛争との関係といった点々が背景になっているというふうに考えております。 また、一般論といたしましては、国際テロの多くは政治、宗教、民族等の対立が原因でありまして、さらには貧困の問題、あるいは開発の後れの問題といったものもそういったテロを一層助長しているというふうに考えております。さらには、こういうテロに対する対処能力が必ずしも十分でない国が存在しているといったことも背景にあると思います。 このように、テロの発生には様々な要因、背景があると思いますが、いずれにいたしましても、おっしゃられるように、こういったテロは我が国においてはもちろん、世界いずれの国においても二度と繰り返されてはならないと思っておりますし、そのためには多面的な取組が必要だと思っております。 具体的には、先進国におきますいろいろな取組といったことに加えまして、途上国における貧困の問題への取組の支援、あるいは途上国におけるテロ対処能力への協力、こういった点について協力を惜しまず、国際的に行うことが必要だと、そういうふうに考えております。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 私自身が端的にというか、今のお答え、なるほどなというふうには思ったんですが、簡単に、これからやはりこのテロを、このような事態を日本に起こさせないと、どういうふうにしたらいいんだろうかなと考えました。もう完全に単純化をしたんですが、一つは、やはりそのテロリストという存在自体を生み出さない、これが一番大事だろうというふうに考えております。また、先ほどもおっしゃられましたけれども、セキュリティー、管理というか、起こさせないために行動をチェックするであるとか武器を作らせないとか持ち込ませないとか、様々なセキュリティー上の問題があると思います。もう一つ、何か事が起こったときに、これはもう徹底して、一致団結して協力して、国民が一致団結して戦うんだというその体制を整えていくことが、正に有事に備えるということが抑止にもつながるのではないかというふうに考えております。 一点一点考えますと、テロリストを生み出さないためにはいろいろ、なぜテロに走ってしまうかと、これは原因が様々ありますので、それをしっかりと考えた上で国としてどのような行動を取っていくか、慎重に考えていかなくちゃいけないと思います。 また、このセキュリティーについてなんですが、やはり限界はあろうかなと思います。技術的なことを考えますと、これは将来不可能ではないということもあるんでしょうが、結局、テロリストを全部管理するとなると全世界の国民というか人間を逐一全部管理しなくちゃいけない。それは事実上不可能に近いであろうし、技術が仮に進歩してできたとしても逆に恐ろしいですよね。全部管理をされてしまう、それはもう国民の自由というのが完全に失われてしまうことになりかねない、怖いことです。 やはりテロリストを生み出さない、それから今取り得るセキュリティーを万全にする、そして有事に備えることがやはり大切じゃないかというふうに考えております。 この場で有事についていろんな意見がありましたし、政府側としても答弁をしていただいたのを聞いております。特に自衛隊と警察という話はございましたが、一方で、この有事、災害とかテロも同様なんですが、消防の役割というものも非常に重要じゃないか。また、火災であるとか救助活動、今でもよく頻繁に行われていますけれども、直結することであると思われるんですが、この点、消防庁、どのような取組をされているか、これからされるのか、お聞かせください。
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。 テロあるいは有事を含めました広い意味の災害対応につきましては様々な分野がございますけれども、災害の予防でありますとか災害被害管理の局面、具体的には警報の伝達あるいは避難の誘導、救助、救護、負傷者の搬送といったような分野につきましては、委員の御指摘のとおり、市町村あるいは特に消防の役割が重要であると考えております。 広域対応の体制につきまして、消防庁としては、全国の消防本部の中から二千二百部隊、三万一千人規模の緊急消防援助隊の登録なども行いまして、全国的な訓練、ブロック訓練なんかも図りまして、できるだけそういった事態に備えるようにしているところでございます。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 本当に総出でいろんな機関、協力し合いながら、国民一人一人ももちろんですが、事に当たるという態勢を整えて覚悟を見せるというのは大事なことだと思います。 また、その連携についてですが、改めて自衛隊、警察、消防の各機関の方々にどのような取組をする予定であるか、お聞かせ願えれば幸いです。また、これは国民保護法制の面でも議論される話でありますが、これからの取組ということで見解をお聞かせください。
○政府参考人(村田保史君) お答えいたします。 万一テロといった事案が発生した場合、現場に出動する各関係の組織が連携を図ること、そのために平素から訓練を重ねることが重要であるということは御指摘のとおりと思います。 こうした事案に対処する政府としての対処の仕組みとしまして閣議決定もございます。また、様々な、NBCテロと言われるような事案を前提とした対処のマニュアルもございます。こうした事案が発生した場合には、これらに基づきまして関係省庁が協力し合う、また現場に出動する警察、あるいは先ほど御答弁ありました消防組織、それからケースによっては自衛隊組織、さらには当該の地方公共団体なり医療関係機関、あるいは国民の協力も得て、そうした様々な組織間、個人が連携し協力し合ってこうした事案に的確に対処するということとしております。 問題は、こうした仕組みがいざというときにうまく機能するかということでございます。それで、それぞれの中央の省庁レベルのみでなく、各都道府県単位あるいは市町村単位におきましても、今申し上げましたような警察、消防、あるいは自衛隊組織も加わり、また医療関係機関も加わったような形で様々な事案を想定して訓練を行っております。こうした訓練をより合理的といいますか、情勢をいろいろ見ながら今後とも繰り返して、工夫を行ってまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(西川徹矢君) 防衛庁の運用局長でございます。 今、概括的なところを内閣の方から御説明がございましたが、防衛庁は警察と防衛との連携の強化という形で具体的にやっております、多々ございますので御紹介させていただきたいと思います。 我が防衛庁につきましても、これはテロの脅威というものは大変大きなもので、国民生活に大変重要であり、また政府の大きな責任であるということで、その政府の一環といたしましての防衛庁としてもこれまでも必要な措置をいろいろ講じてきたところでございまして、とりわけ、まず対応の形は、まず警察とかあるいは海保とか、そういうところの警察機関がまず第一義的に対応されますが、防衛庁の出番は、いわゆる一般警察力では著しく困難又は不可能な場合に出ていくという、そういう形での対応をしてきておりまして、特に自衛隊の場合は治安出動等を掛けて対応するということでございます。 そこで、どういうふうな、連携の強化という格好で何をやっているかと。一、二具体的に申しますと、一つは、まず枠組みを作っていただくという格好で、治安出動の場合の協定を警察と防衛庁の間で、これはまず基本協定という格好で中央レベルで作っております。それから、去年の五月までの間に、今回新たに現地協定と申しまして、都道府県警察とそれから師団ですね、防衛庁の、自衛隊の、これとの間で全都道府県の間での協定を作りまして、こういうふうな協定の枠組みを作った上で、いわゆる連絡の窓口とか、平素からの連絡の窓口とか、そういうものを、あるいは連絡会議を設けるという形での連絡の緊密化を図ると。 そして、これを踏まえまして、実は去年の十一月から治安出動に係ります図上訓練というものをやっておりまして、これまでで約六回やっております。これを通じまして、相互の理解が図られると。それからさらに、役割分担とかそういうことが現実具体的にどういう形でやるかという問題点等も十二分に把握できたということ等でございまして、この種の訓練にありましてはこれからも積極的に取り組んでいきたい、こういうふうに考えているところでございます。 事例を含めまして、具体的なポイントを御紹介いたしました。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 これから国民保護法制の議論もされ、しっかりと法整備を整えていくということになっていくとは思うんですが、法律が整ったところで実態が伴わなければ機能できないということがございますので、今訓練をされているということをおっしゃられましたけれども、これからもしっかりと連携して、万が一のときに対応できるような訓練をしていただきたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 もう一つ、いろんなケースを想定して万全を期さなくちゃいけない。その点で、国としてはまず対策本部を設置したり、組織をいろいろ、機関を作るというのがございますが、地方自治体においてもまたこれはしっかりとした対応をしていかなくちゃいけない。その点、自治体においてどのような取組をなすのか。対策本部を設置するであるとか、組織の問題ですよね。この点、まずお聞かせを願いたいと思います。
○政府参考人(増田好平君) お答えをいたします。 国民保護法制については、御承知のように、今後、今御審議いただいております三法案が成立後、国民保護法制整備本部等の場を使いまして法制整備を進めていくわけでございますけれども、現時点において我々が想定しておりますことは、武力攻撃事態等におきましては、例えば都道府県には都道府県国民保護対策本部というものを、また市町村には市町村国民保護対策本部というものを設置することを考えております。これらの対策本部は、それぞれ都道府県知事や市町村長を本部長とし、警察、消防、教育委員会などを含む主要な関係職員を本部員とすることを想定しております。 この対策本部は、地域内の被害の状況、また対処措置の実施状況を一元的に把握いたしまして、関係機関と連携を図りながら、当該地域において実施される国民の保護のための対処措置等を総合的に推進することをその任務とすることを想定しているわけでございます。
○愛知治郎君 もう既に取組というか、想定をされているということだったんですが、ちょっと分かりにくくなったので、改めてという形になるかもしれないんですが、例えば県、県の自治体単位で対処できることだったらいいんですが、県にまたがった広域的、例えば武力事態が起きたときというのは県境とかいろいろ広域にそういう事態が起こることの方が多いですね。 それからもう一つ、二点あるんですが、それが一点と、あとは、各自治体によって対応が余りにもばらばらになってしまうというか、対応の仕方、できふできというか、それが変わってきてしまうと、これは万全な体制とは言えないんじゃないか。その地域によって対応ができるところとできない、差が付いてしまうのはやはり良くないんじゃないかというふうに考えておるんですが、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(増田好平君) まず、第一点目の御質問でございますけれども、正に御指摘のように、武力攻撃事態等におきましては、正に事態の性格上といいますか、市町村とか都道府県の区域を越える、例えば広域的な避難が必要になることもあろうと思っておるところでございます。 例えば、都道府県知事が住民に対し避難の指示を行ったときには、避難先を所管する市町村長、これは市町村を越える場合でございますけれども、避難先を所管する市町村長に対して避難住民を受け入れるべき旨を通知することとしております。 さらに、都道府県の区域を越える避難を行う場合には、双方の都道府県知事の間で、避難住民の受入れの要請、また避難住民を受け入れるべき地域の決定等、必要な手続を行うこととしております。 さらに、このような都道府県同士の調整がうまくいかないという場合には、国の対策本部長が総合調整をし、さらに内閣総理大臣が必要な指示を行うということも想定をしておるところでございます。 それから二点目の、それぞれの都道府県また市町村によって対応がばらばらとなるということについてどうするのかという御下問だと思いますが、例えば都道府県レベルでばらばらの場合には国の対策本部として総合調整を行ってその整合を図る、また都道府県内の市町村であれば都道府県の対策本部のレベルにおいて総合的な調整を行うというようなことを想定しているところでございます。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 まだまだこれからの議論ということが求められる分野でもあると思うんですが、自分自身もしっかりと、今、取組について随分前向きに御答弁いただいたんで、勉強し、これからも自分自身も改めて、問題点ないか、想定されることについて勉強し、考えていきたいというふうに思っております。 それでは、これはもう、今地域のことを言いましたけれども、国全体として現実の問題がございます。 石破長官にお尋ねをしたいんですが、この委員会でも度々ちょっと言及されたことだと思うんですけれども、国を挙げてまず守るという体制を取るのが必要なんですが、一方、ミサイルですよね、ミサイル防衛に関して御答弁ございました、あったのは承知しておるんですが、その体制、あくまでも抑止という目的だと思うんですが、ミサイルをまず落とさせないという取組について、改めて長官の御意見、考え方をお聞かせください、ミサイル防衛構想に関して。
○委員長(山崎正昭君) 石破防衛庁長官。──じゃ、その前に守屋防衛局長。
○政府参考人(守屋武昌君) 先生の御指摘でございますけれども、そういうミサイル攻撃を起こさせない、あるいはそういうことのためには我が国としまして情報の探知をいち早くするということが必要でございますので、我が国の防衛庁における情報収集体制がどうなっているかということをまず事務方から答弁させていただきます。 防衛庁では、我が国周辺の海域を艦艇、航空機等による警戒監視活動を常続的に行っているところでございます、まず。それから、我が国上空に飛来する各種の電波の収集、処理、分析を行っていると。それから、イコノス等商業衛星画像データの解析いたしまして、海外における軍事基地等の動向を分析しているというところがございます。それから、各国国防機関との情報交換を行っていると。それから、私どもから外務省に防衛駐在官を派遣いたしまして、防衛駐在官による任地国での情報収集を行っているということでございます。それから、当然のことでございますが、内閣情報調査室等の関係省庁との情報交換を定期的に行っているということでございまして、できる限り多くのソースによる情報の収集、分析、評価と、これが大事じゃないかと考えているところでございます。
○国務大臣(石破茂君) これは、一つはミサイルが非常に拡散したということを考えなきゃいけないんだと思います。弾道ミサイルというのは、いつも申し上げておりますように、冷戦真っただ中というのはアメリカとソ連しか持っていなかった、冷戦が終わるころは十か国がそれを持つようになった、今や四十六か国が弾道ミサイルを持つようになった。それだけ弾道ミサイルが拡散をしておって、ミサイル制限条約では制限し切れない部分が非常に多いということが一つあります。 もう一つは、国ではない、グループであるとか個人であるとか、そういうものが持つようになった危険性をちゃんと考えなきゃいけないだろうということ。そして、いわゆる恐怖の均衡、MADみたいな、相互確証破壊というような考え方、これが消えた、少なくともABM条約はなくなったということを考えなければいけないのだと思います。 そしてもう一つは、そのミサイル防衛の技術というものが、夢物語であったのが現実のものとなった。だから、イージス艦からミサイルなんか、中層を飛んでいるミサイルなんか撃ち落とせっこないよと言っていたものが、実際に撃ち落とせる。そして、ターミナルフェーズのものはPAC2であろうがPAC3であろうが、相当な確率で落とせるということになった。そうすると、ミサイルを撃ったってそれどうせ撃ち落とされてしまうんだということになることが、最大の抑止力なんだろうと思っています。 そうすると、じゃそれを超えるようなミサイルを開発する、多弾頭化みたいな形で。それを超えるようなミサイルが開発されて軍拡を招くからミサイル防衛は無意味だと言っちゃうと、そこで議論はおしまいになってしまうわけですね。どちらの方が抑止力として意味があるかと言えば、それは確かに追い掛けっこみたいなところはあります。しかし、そのミサイル防衛を打ち破るような急速なミサイルの配備とか多弾頭化というものは、じゃ一体何を意図して行われるものだろうか。 我々がミサイル防衛をするというのは、決して向こうを攻撃するという意味ではない。向こうは攻撃をしたらそれを撃ち落としますということであって、それを超えるようなミサイルを配備するということは、じゃ一体その意図は那辺にありやということになって、これは外交的なお話のジャンルかなというふうに私は思っておるわけでございます。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 いろいろな可能性が出てきたんだなというふうには理解できますし、本当にこの国を守るための最大限の努力をすべきだというふうに私自身も考えております。 しかしながら、技術的な問題なんですけれども、確かに撃ち落とせるだろうと。開発競争という話もありますけれども、もちろん日本においては、あくまでもディフェンシブなミサイル、攻撃するためのミサイルを配備するという考えではないとは思うんですけれども、その点どんどん強力な武器を作っていくという発想にはならないとは思いますけれども、ただ、これ現実的に、もし技術的に可能であったとしても、その技術の開発しっかりと進んで、全部整備をして配置をして、その防衛体制が整うまでに果たしてどれぐらいコストであるとか時間であるとか掛かるのかということは想定できておられますか。
○国務大臣(石破茂君) それは現在作業中です。 作業中ですと申し上げたのは、いい加減なことを申し上げているわけじゃありませんで、例えば、今、私ども何度も答弁しておりますように、PAC3だけとかイージス艦だけとかいうことは考えておりません。これは両方の組合せということを考えておるわけでございます。 そうしますと、イージス艦が一隻でカバーできるエリアはどれぐらいなのか、二隻だとどうなるのか、そしてミッドコースで撃ち損ねたものを、撃ち落とし損ねたものをターミナルフェーズでやることになりますから、そうするとそれの撃ち落とせる範囲はどれぐらいの円なのかということをかいてみまして、そうすると、それぞれの確率、撃ち漏らしたものを撃ち落とせる確率、これはかなり複雑な計算になりますが、それで日本国大丈夫ですねと、そのためには幾ら掛かり、同時に、イージス艦を改修するということになりますとドックに入れなきゃいけませんから、どれぐらいの期間が掛かりということをすべて検証してみる必要があるだろうというふうに思っております。 いつも申し上げますように、安全保障会議で仮にミサイル防衛についてどうかという御下問があったときに、幾ら掛かるのか分かりません、当たるか当たらないか分かりません、どれぐらいの期間を要するかも分かりません、効果のほども分かりません、そんなことで安全保障会議における御議論にはならないわけです。入れるにせよ入れないにせよ、そういうようなことはきちんと詰めておかないと、安全保障会議における御議論に堪えるものだと私は思っておりません。そういうような御下問があったときにきちんとしたお答えができますように、現在、検討を最大限といいますか、検討を全力を挙げまして、その担当部局でございますが、行っております。 それは、配備をするというふうに決めたとかそういうことではございません。決めるというときに全く分かりませんということでは御議論にはならない、そんな無責任なことはいたしたくないということを申し上げておるわけでございます。
○愛知治郎君 いや、本当にありがとうございます。今のようなお答えを聞いて、逆にすごく安心をいたしました。 といいますのも、技術的なものを過信をして国の政策を誤るということが一番恐ろしいことでありまして、そのように正確に、しかも慎重に事を分析し、当たられるというのは、やはり非常に自分自身としても頼もしく思えます。ありがとうございます。そういう間違い、えてして技術的な過信の下に間違いを犯すことは、これは人類の歴史が証明しておりますので、是非、石破長官にはこれからもそのような姿勢で取り組んでいただけますことをお願いを申し上げます。 本日、委員長におかれましては、私自身、大変不勉強なもので、また各委員の皆様、理事の皆様にも御迷惑をお掛けしました。申し訳ない。(「問題ないよ」と呼ぶ者あり) ありがとうございました。これからもしっかりと勉強をして、この国のために尽くしてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○田名部匡省君 官房長官おいでになっていないので、質問は別の方から入りますが、内閣法制局いらしていますか。はい、ありがとうございました。 〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕 我が国の憲法は、終戦を迎えてアメリカの押し付け憲法だというようなことを言われながらできた憲法であります。自国の防衛について法的な根拠を欠いておって、今日のような国家緊急事態に対する基本的な整備が欠けておりまして、今日まで、何かが発生すると泥縄式で国会に法案が出される。PKO協力法であれ、周辺事態法、テロ特措法、今回の有事法、こういうふうに出されてくると、私は、野呂田防衛庁長官のときに予算委員会で質問したんですけれども、憲法違反じゃないかという問題がしばしば国会で言われるようになっているんですね。 私もこれを拝見して、そのときに内閣法制局長官に聞いたんですけれども、自衛隊を持ってもいいというのはどこに根拠が書いてあるかと言ったら、憲法十三条を読んだんですよね。その憲法十三条を読んでみても、はあ、これで自衛隊があってもいいという、こんな感じを受けないがという私は質問したんです。 これは、今もってそういう考え方ですか。
○政府参考人(宮崎礼壹君) お答え申し上げます。 御指摘の答弁は、平成十一年の五月十一日の参議院日米防衛協力のための指針に関する特別委員会におきまして、当時の大森法制局長官が次のように述べたことを指していらっしゃるんだと思います。 〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕 「憲法は、第九条におきまして、戦争、武力の行使等を放棄し、戦力の保持を禁止し、交戦権を否認しているわけでございます。しかしながら、」「前文におきまして確認している平和共存権、平和的生存権の確認、あるいは憲法十三条の生命、自由、幸福追求に対する権利の尊重などの趣旨を踏まえますと、自国の平和と安全を維持し、その安全を全うするために必要な自衛の措置をとることまでも憲法九条は禁じているものではない」と、かように述べておるわけでございます。 この内容、この理解でございますけれども、これは憲法十三条を根拠にして自衛権を引き出すという趣旨ではございませんで、憲法第九条の解釈といたしましてしんしゃくすべき諸般の諸事情の一つとして憲法十三条の規定を引用したと、こういうふうに考えてございます。
○田名部匡省君 そういう説明すると国民分からぬと思うんです。単純に私が聞いたときも、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と。これがあるから自衛隊があってもよろしいという答弁だったんです。 それなら、この九条の後ろに自衛隊は持ってよろしいと書いてあれば国民は分かるというんですよ。こんな法を引用して、自衛隊があってもいいと、こんなことを言われても国民は理解できない。だからもめるんですよ。しかもこの憲法九条で、そのとき私は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と書いている。 ということは、これどういうことかというと、今の文でいくと何もできないことになっているんですね、これ。これをもって、おれ、戦争の放棄だと、こういうことになっているんです。片っ方では、いや、もう戦うものを持ってよろしいという議論が出てくるでしょう。 これは、憲法と法律とどっちが上なんですか。
○政府参考人(宮崎礼壹君) 憲法第九条と自衛隊との関係につきましては、年来、政府の方で答弁がございますわけでございますが、御指摘のとおり、憲法第九条は、国権の発動たる戦争、武力による威嚇、武力の行使を、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄すると、それから、戦力を保持せず、交戦権を認めないということを定めておることはそのとおりでございます。 しかし、年来、再々御説明をいたしておりますように、国民が「平和のうちに生存する」という憲法前文の規定や、それからただいま御指摘の、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を国というのは最大限尊重すべきであるという十三条などを踏まえてこの第九条を読んだ場合には、我が国に対して外国から急迫不正の侵害があった場合に、日本が国家として国民の権利を守るための必要最小限度の実力を行使してその侵害を排除するということまでを認めないというふうに同条が否定しているとは考えられないであろうというふうに、この憲法九条の解釈をする上でしんしゃくするべき条文として十三条を引用したわけでございまして、御指摘のとおり、十三条自体見ますと、国民の個別の基本的人権を尊重すべきである、あるいは国がそういうものを最大限尊重すべきであるというふうにしか書いてございませんので、十三条そのものから直接的に自衛隊の存立根拠が出てくるというふうに申し上げておりませんけれども、再々でございますが、第九条の禁止の範囲というものを考える場合に、それを踏まえて解釈する必要、それからその余地があるであろうというふうに、言うならば間接的な根拠と申し上げていいかもしれませんけれども、ということにはなっておりましても、十三条を直接的な根拠だと申し上げているわけではございません。
○田名部匡省君 さっぱり、分かったような分からないような。 これ、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と書いてあるんですよ。これだけ読んだら国民はおかしいと思うんですよ。それで僕は野呂田防衛庁長官に、陸海空その他の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めないと九条に書いてあるが、「その他の戦力」って何だと聞いたんです。分かんなかったんですよ、その他の戦力って。 陸海空のほかに、その他の戦力って何ですか。
○政府参考人(宮崎礼壹君) 今御指摘の質問については前にも国会答弁ございますけれども、要は、憲法が書いてあります陸軍、海軍、空軍という名前のものでなくても、またそういった編成のものでなくても、しかもそういった陸海空軍でない実力組織でありまして、そしてしかも自衛のための最小限度を超える実力を内容として持っている、そういうものが仮にあったとすれば、そういうものもやはり憲法の第九条二項は禁止しているんだと。 したがって、陸軍、海軍、空軍というふうに名前を付けるか付けないかにかかわらず、実質的に自衛のための最小限度の実力というものを超えるものはいけないんだよということを言っているという意味で、その他その名前のいかんにかかわらずという意味でその他が付いているんだと、かように解釈しておりますし、これまでもそのような説明をしてまいっておるところでございます。
○田名部匡省君 私はなぜこんなことを言うかというと、私は憲法をもう改正した方いいと、はっきりした分かりやすいものにということを言ってきたんだ。 私は、中曽根総理が初めてワシントンに公式訪問のとき、私と渡部恒三副議長と渡辺秀央さんと随行して行きましたよ。そのときは、アメリカの国会議員は何と言ったかというと、日本が攻められて、攻撃されてアメリカの若い人たちは何で日本に命懸けで助けなきゃならぬかと、こういうことを、意見どんどん言われました。それ以来、私は、自分の国を守るというこの意識のないことでは駄目だなと、まず自分の国は自分で守ると、このことが大事だなと思うから、やろうとすると、こんなこと書いてあるとなかなか軍隊は持てない。 今までだって、これ最初は警察予備隊ですか、これは途中で今度は保安隊に変わって、自衛隊に変わったんだ。これは何で三回も変わったか分かりますか。
○政府参考人(山中昭栄君) 御指摘の警察予備隊、保安隊、自衛隊の前身として位置付けられておりますので、私の方から御説明をさせていただきますが、御承知のように警察予備隊はいわゆるポツダム政令で昭和二十五年に設けられたものでございまして、その目的は警察力を補うということで、平和と秩序を維持して公共の福祉を保障するという任務を負ったものでございます。 二年後に保安隊が保安庁法でできましたけれども、これも基本的にはその前身でございます警察予備隊とその性格等を異にするものではないという説明がございます。 ただ、保安庁におきましては、保安隊のほかに、海上において行動することを任務とするということで海上警備隊を前身といたします警備隊、これが併せて保安庁設置と同時に設けられております。 その後、講和条約発効後の我が国の防衛の在り方等をめぐりまして、当時の保守三党を中心とするいろいろな議論を経まして、昭和二十九年に自衛隊が発足をしたわけでございまして、そのときに防衛庁設置法及び自衛隊法が設けられておりますけれども、一番大きな特徴は、自衛隊の任務として、直接侵略及び間接侵略に対して我が国を防衛するということを主たる任務としているという点でございまして、この点において、とりわけ警察予備隊及び保安隊と大きくその性格を異にしているということが言えようかと思います。
○田名部匡省君 私も分からぬから、辞書を調べてみたんですよ。 警察予備隊というのは、国民の生命、財産及び権利を守り、犯罪の捜査、被疑者の逮捕及び社会、公共の秩序を保つことを目的とする行政機関と書いてあるんだ。保安隊の方は公共の安全を保つのだと。そして、自衛隊は自分の力で自分を守ることだと。 これいろいろ質問すると苦しいだろうと思うんだけれども、何とかしたいという気持ちがあってこれ変わってきたと思うんです。そうじゃないですか。 だから、そういういい加減なやり方で国民を欺くようなことをやっておっては駄目だから、しかも、この日米安保条約というのは片務協定ですか、双務協定ですか。
○国務大臣(石破茂君) 非対称的双務条約だと理解をいたしております。
○田名部匡省君 これは箕輪登先生から片務協定だと、双務協定ではないよということを、みんな手紙もらったんです、そのとき。一方的に守るんだという条約だよということを言われまして、これは古い話ですから私は分かりませんけれども、そういうもう本当にあいまいな判断で今日まで来て、そうして世界はこんな状況にどんどんどんどん変わってきたわけですから、私はこの法案に対して独立国家として当然重要な責務だと思っているんです。 特に、多くの国民も、一昨年のあの米国の同時多発テロ、奄美沖の北朝鮮の武装工作、それから日本人の拉致問題、あるいはノドンミサイルの配備やテポドンミサイルの発射実験、またテロでは、サウジアラビア、ロシアの事件、インドネシアのバリ島、フィリピン等でテロ事件がどんどんどんどん起きてきている、こういうことで国民の安全保障問題の関心は私は今高まっていると思う。だから衆議院では九割の人たちが賛成してこの法案を通したでしょう。ですから、この安全保障観というものは変化したと思うんです。 どうですか、官房長官、この辺の認識はどういうふうにお持ちになっていますか。
○国務大臣(福田康夫君) 一言で言えば変化していると思いますね。やっぱり日本の国民が今まで米国に守られているという、そういうことで非常に安心をしておったということはあるかと思います。そういう中で、日本が経済大国第二位という、そういう状況の中で、日本人の意識としてもやはりやれることはやるべきではないかということ。 しかし、憲法というのはありますからね。これは憲法の枠内でやるということしかないわけで、しかしやっていいことはやってもいいじゃないかと、憲法が許す範囲であればやるべきじゃないか。例えば国際平和協力もそうですけれども、ああいうようなこと、今まで全然考えられないことが法整備としてなされたということもありますし、だんだんその意識というものは変わってきている。ですけれども、あくまでも憲法というものがございますから、その範囲の中で今後も考えていくべきものであろうというふうに思います。私はもう間違いなく変わってきていると思います。
○田名部匡省君 この法案に国民が、どのぐらいの人たちが関心を持って賛成しているかは分かりませんが、しかし、いまだに戦争の経験をした人たちもたくさんおって、特に長崎だとか広島、原爆を落とされた人たちとか沖縄の人たちとか、あるいは東京も大変な空襲で焼け野原になった、こういう経験を持っている人も多いんですよ。ですから、これは国民が本当に理解して賛成する、その努力というのは必要だと思いますよ。国論を二分してやるような問題では私はないと。特に、この国家の独立とか国民の安全を確保する上でこれは不可欠のものである。 しかし一方では、国民に忍耐とかこれは負担も求めるかもしれぬ。かつて私は野呂田長官に、警察や消防はサイレン鳴らせば赤信号でもどんどんどんどん行けるが自衛隊がどこかに上陸するときは信号止まり止まり行くのかと。しかも、最短距離を海岸に行くには畑行った方がいいというのを、行けば補償問題出るでしょう、そうすると国道か県道を遠回りして行くのか、何が問題だと聞いたら、陣地を構築するのに許可二週間とか三週間掛かりますと言うんです。こんな程度のことをもう改正もしない、そのままにしているというので、私は、本当にこれはもう思い切って憲法をきちっとしたものにしていかなければならない。 特に、この前、これは朝日新聞でしょう。知事のアンケートの結果が出ていましたよね。もうほとんどの人が法案の整備には賛成だけれども、政府の説明には不十分、ほとんど不十分だと言うんだ。たった一つ、青森県の辞めた知事だけが賛成している。これだけだ。 だから、公聴会を二か所でやるようですけれども、私は、こういうたぐいのものはやっぱり自治体、全自治体に徹底して理解して、県、市町村の議会で徹底的に議論するぐらいのことをやった上でこういうものでも憲法改正でもやろうという、そんな努力をしなきゃならぬじゃないのかという気がするんですよ。形だけ二か所やって、公聴会やりましたという、そんなことはどうかなと思うんだけれども、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) 公聴会の話は官房長官から御答弁があると思います。 先生御案内のとおり、まさしく広島であり長崎であり東京大空襲であり沖縄でありということをきちんと配意しないといけないのだと私は思っています。 例えば、戦前も防空法という法律はございました。防空法という法律はあったんですが、それがきちんと動かなかったので東京大空襲ではたくさんの人が死んでしまった。東京大空襲のときには、八五%の人が残っていて一五%しか避難をしていなかったということがございます。例えば、広島で原爆が落ちたときは、空襲警報が解除になってからエノラ・ゲイが飛んできて原爆が落ちてしまったということがある。沖縄においては、もちろん強制的に軍の任務に服させるなどということはあってはいけないことでございます。それはもちろんあってはいけないことではございましたが、やはり沖縄の民間人の人たちを米軍が上がってくる南部に残してしまったということは、これは大変な問題だったのだろうと思っています。 ですから、戦前のようなそういうことを繰り返さないためにこの有事法制を作るんだということは、きちんと私ども、何度も何度も国民の皆様方に御説明をしなければいけないことだと思っています。 なぜ戦争であれだけの犠牲が出たのか。それは、有事法制というものは、戦前もきちんとした有事法制はそのとおりできておりました。しかし、それがちゃんと運用されていなかった。国民を守るという発想がなかった。だから、日本国民はたくさん死んだんだと。 その反省に立って有事法制を作るということが、私はいろいろ勉強してみると本当に必要なことだなというふうに思っております。また今後ともお教えをいただきたいと思います。
○田名部匡省君 PKO協力法のときに、警察官が殉職したんですね、あれ、高田さんという。私は農林大臣でしてね、閣僚、広島か岡山でしたかな、葬儀に行ってくれって、行きました。小さい子供さんがおって、親が死んだのを知らないではしゃいでいるのを見て、ああ、悪いことをしたなと、そう思いました。 先般のアフガンのときも、海上自衛隊を派遣するというとき、日本の国は専守防衛だ、専守防衛だってね。専守防衛の国が何でアフガニスタンの方まで行くんだろうと。行くなら行くで、あらゆる装備は用意していかないと、それはかつてPKOか何かのときでしたか、村山さんが総理のときに、機関銃一丁ならいいとか、ピストルならいいとか、行く自衛隊だって名誉も誇りもありますよと言ったんだ。自分の身を守るには何が必要かというのは皆持たしてやるべきであって、そういう議論というのは、やっぱりどう考えても、だんだんだんだんやっていくと、これは憲法がしっかりしていないなという気がしてならぬのですよ。 さっき質問したんですけれども、官房長官、これは、本当にこういう時代になってくると、日本国の憲法じゃ対応できないことは一杯あるんじゃないかと思って、その改正というものを国民巻き込んで議論してみたらどうでしょうか。どうですか、お考えは。
○国務大臣(福田康夫君) 憲法、現行憲法では、なかなか国際社会のニーズに対応できないのではないかと。特に、日本国がPKO法で実施するような国際社会の平和と安定といったようなものに貢献するという、そういう観点からも対応できないと。そのために憲法改正したらどうかと、こういうお話ではないかと思いますけれども、憲法改正については、これは国会でも憲法調査委員会でもって熱心な討議がされておられるというように伺っております。憲法はどういうものがいいのか、どうあるべきかということについて様々な御意見があります。憲法改正するにしても、どの点を改正するかとかいったようないろいろ複雑な問題もあろうかと思いますが、それはそれで大いに議論をしていただきたいと思います。 私も、現行憲法、今の時代、これからの時代に適応するかどうか、適応していけるかどうか、そういう点については多少私なりの考えを持っておりますけれども、それはもう議員の方々皆さんそれぞれにお持ちのことでありますから、大いに議論をし、そして一つの形にまとめ上げていただきたい、そんなふうに思っております。
○田名部匡省君 私は、春の消防の観閲式に、もういろんなところに行きますけれども、私の地元、十勝沖地震というのを私は経験したんですよ。大変な大惨事でした。あるいは、阪神・淡路大震災のときだって。見ていますと、今度は警察と自衛隊と消防をうまくやる、活用すると。平素から、事が起きてからではなくて、これは自衛隊のあるところもないところもありますから、こうなったらこういうふうにしようというもう決め事をきちっとしていてほしい。ばらばらばらばらやっておるものですから、これじゃ生かされませんよ。 ですから、本当に何にもないときから、総理はよく言うでしょう、備えあれば憂いなしだって。何がどうなったときは消防はどうする、自衛隊はどうする、警察はどうする。事が起きたらばらばらにやっていますから、だから災害だんだん大きくなっちゃうんですよ。 避難といったって、避難する場所がどこかも分からぬ。昔は、僕ら子供のころは防空ごうというのがあって、サイレン鳴ると防空ごうに皆町内が逃げたんですよ。今ごろ避難せいといったって、どこへ避難すれば安全なのかだれも分かっちゃいないんです。そういうことは何にもないときからやっぱりきちっと決め事として相談して、こうなったときにはもう瞬時に対応を取れるというようなことを、もう起きてから泥縄式で法案出すのでなくて、すべて必要なものは本当に国民と一緒になって議論してやっておくべきだと、こう思うんですけれども、これについてはどうですか。
○国務大臣(石破茂君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。 ですから、地域地域によって違いますし、警察、消防、自衛隊、自治体、それがどういう連携を取るかというのは、もう常日ごろ訓練をやっておかなければどうにもなりません。私ども、四十七都道府県全部やろうと思っておりますが、共同図上演習を行って問題点を把握し、そして、その次は実際の演習というものをやってみなければ駄目だと思います。もうそういう訓練というのはなるべく大きければ大きいほどいいのでありましょうし、これからもう何月何日何時にやるなんということを決めていたらうまくいくに決まっているので、こんなもの突然やらないと何が問題点なのか分からないということもあるんだろうと思うんです。そういうことをきちんと詰めてまいります。 そしてもう一つは、今回、国民保護法制整備推進本部というものを作りましたのは、地方の意見、地域の意見を聞かないと、霞が関、永田町だけで国民保護法制を作っても駄目だろうという意識があるからでございます。地方の方々の御意見とか実情とか、そういうものを反映をさせた国民保護法制を作りませんと、法律は作ったけれども動かないという、さっき先生御懸念のようなことが起こるわけでございます。それを整備本部にいろんな御意見を言っていただくということと同時に、期限を速やかにということをいたしまして、いつにでもいいよと、国民保護法制なんというのはもう昭和四十年代からある議論でございますから、もういつだっていいよなんということにならない。期限をきちんと早くやる、そして国民保護法制整備本部を作る、このことによってきちんとした法律を作る、そのことが肝要だと思っている次第でございます。
○田名部匡省君 国民保護法制についても、国と地方の役割分担、これは、ある程度もう権限を地方にやっておかないと、起きたというときに、分からない、様子の分からない東京であれこれやっていたって駄目ですから、もう瞬時に対応しなきゃならぬと。そういう権限はやっぱり地方にある程度任せるというようなことを、これから一年以内に整備すると、こういうことでありますから、これは、国民の大方がやっぱり理解して賛成しないと、物は作ったって機能しないですよ。どうぞ、そういういろんなことを考えながら、これは国民のためにやっているんですから、我々は。 ですから、国民の皆さんの理解と協力、場合によっては相当、建物を撤去するとか御負担をいただくとか、いろいろなことがあるんですから、その補償についても、こういうことですよというすべてを取り決めて進めていただきたい。 もう時間ですから終わりますけれども、国民の期待にこたえるようにしっかりと対応していただきたい、このことを最後にお願い申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○委員長(山崎正昭君) ちょっとしばらく、委員の皆さん、そのままでお待ちください。──ちょっと理事の皆さん、御参集願います。──それでは再開いたします。 福島委員に申し上げます。 今後十分気を付けるようにお願いいたします。
○福島瑞穂君 はい、どうも申し訳ありません。どうも申し訳ありません。どうも済みません。 自衛隊法百二十五条の改正についてお聞きをいたします。 自衛隊法百二十五条は、保管命令義務違反で懲役刑、六か月以下の懲役ということが科されております。これは、物資の保管について、命令に従わないだけで六か月以下の懲役刑というふうになります。懲役刑は極めて重い刑罰で、捜査、あるいは勾留、あるいは起訴、そして実刑ということもあり得るものです。 この刑罰がこのように重い罰とされる根拠は何でしょうか。
○国務大臣(石破茂君) というような御議論がよくテレビでございます。保管命令に違反しただけで懲役なんですよ、怖いですねというような議論が行われることがございます。 私ども、これはこれから先も御説明を申し上げてまいりますが、この保管命令というのは、単なる義務違反だけでこの保管命令違反ということになるわけではございません。故意に、もちろん故意犯でございますが、故意に保管物資を隠匿、毀棄、搬出する、そういうような行為に対しまして限定して罰則を科すものでございます。 それはなぜかと申しますと、そういうような行為、つまり、この一項地域におきまして保管命令に違反をし、過失ではなく故意にわざと保管物資を隠してしまう、壊してしまう、運び出してしまう。そういうことになりますと、自衛隊の任務遂行上に多大な支障を生ずるおそれがある。したがいまして、故意にそのようなことを行った場合に限りまして罰則を科すということでございます。 では、何でこういうような六月以下の懲役刑ということになるのかと申しますと、これはほかの法令との均衡を取っておるわけでございます。すなわち、災害対策基本法、原子力災害対策特別措置法、それが同じ法定刑となっております。このことの並びで量刑を決した次第でございます。御審議を賜っております。
○福島瑞穂君 災害対策基本法には確かに保管命令義務違反で罰則があります。しかし、災害と戦争は性格が違います。災害は天災ですから、それは起こってしまう。しかし、戦争は避けられるということもありますし、イラク戦争への評価もそうですが、賛成という場合と反対という場合がある。 人によって、戦争は嫌だ、この戦争には協力したくない。あるいは、燃料、食料、ほかの様々、医療の薬品、様々なもの、限定はありませんから、農協が食料を提供したくない、何かを提供したくない、そういうことは起こり得るわけです。そのときに、故意、それはもう故意ですよね。自分はこの戦争に協力したくない、そして保管命令に従わないということもあり得ると。 そのときに、懲役刑になるということは、やはりその人が戦争は嫌だという行為を処罰をしてしまう。これは懲役刑ですから刑務所に行くという可能性もあるのですが、それはその人の思想、良心の自由などに明らかに制限となるのではないでしょうか。あるいは、自分は戦争は嫌だ、あるいはこの戦争に協力したくないと思ったとしても、だれだって警察に呼ばれるのは嫌ですし、刑務所に行くのはもちろん嫌ですし、だとすると協力をする、協力せざるを得ないという点が大問題だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そういう個人の方々の動機というものはこの際問うておりません。外に現れた行為というものを問うておるわけでございます。先ほど来申し上げておりますように、単なる義務違反はこの罰則の対象になりません。故意に毀棄、隠匿、搬出をした場合になるということでございます。 それは動機として、私は戦争反対だからということで壊してしまったり搬出をしてしまったり、あるいは隠してしまったりということはございましょう。しかし、それによって自衛隊の行動というものに大きな支障が来され、国民の生命、財産というものに大きな危険が迫るということをどう評価するかということでございまして、個人の方々がいかなる動機に基づいてそういう行為をなさったか、毀棄、搬出ですね、そして隠匿なさったかということを問うておるわけではございません。
○福島瑞穂君 しかし、その良心的兵役拒否の問題とはもちろん全く違いますが、自分は燃料を提供したくない、食料を提供したくないということがあるわけです。個人は内心で思うことは全く自由なわけですが、例えばそれを隠してしまう、その場合に刑務所に行くか、あるいは提供するかという二者択一をやはりその場合は迫られると。これは、その人間の戦争は嫌だという行為は、気持ちは結局実現しないわけですよね。戦争に協力したくない人を刑罰によって強制する、その側面があることはどうでしょうか。(発言する者あり)
○国務大臣(石破茂君) 先ほどお答えをいたしましたが、そういうような動機というものによって自衛隊の行動に大きな支障が生じて多くの人々の生命が失われたり多くの人々の財産が失われるということがあってはならないというふうに私どもは思っております。 そしてまた、そういうことを行いますことが、内心の自由というもの、あるいは沈黙の自由という言葉をお使いになるのかもしれませんが、内心の自由を侵すということには全く当たるものではございません。動機のいかんを問わず、外に現れた行為というものに着目をしてこの条文を作っておるわけでございます。
○福島瑞穂君 戦前の国家総動員法がなぜ威力を発揮したかといえば、それは間違いなく刑罰法規が入っていたからです。単に協力要請ではなくて刑罰があるから、みんながそれを聞かざるを得なかった。 先ほどやじの中で、日本人かという言葉がありました。しかし、これは、じゃ逆にいろんな日本人、あるいは戦争については、天災は違法か合法かの問題は発生しませんが、戦争については違法か合法か国際法違反かという議論などが起きます。そうしますと、国民の中に、あるいは在日の人たち、外国人の人だって日本には存在するわけです。その人たちだって保管命令義務違反で処罰をされる、それは間違いないですね。
○国務大臣(石破茂君) それは、戦争が合法か違法かという判断とこの保管命令に違反したかどうかということはそれは全く無関係のお話でございまして、私はこの戦争は違法だと思う、だから私はこれの保管命令には反対だ、したがって壊す、運び出す、隠すということが許されるというようなことにはどうにもならないと、どうしてもそういうような判断にはならないというふうに考えております。 今、委員が御指摘のようなことは、国内の法令に従って適正に執行せられるべきものと考えます。
○福島瑞穂君 違法の戦争だ、あるいは戦争、違法であれ合法であれ戦争で協力したくないという人も現にいるわけです。戦争反対という人だってそれはいるわけです。にもかかわらず、にもかかわらず、やはり六か月以下の懲役というのがきちっと入っていると。ですから、これについては、協力をするか刑務所に行くかという択一がやはり図られると。その点は本当に問題であると、そう思います。いや、私は、審議の中でもそういうのがおかしいという意見が出ることも分かります。ただ一方で、戦争に協力したくないという人もいて、刑罰で強制することの問題点、それについてはやはりきちっと国会は議論すべきだと思います。 修正案についてお聞きをします。 修正案は基本的人権の尊重ということが入っております。それは一面いいとも言えますが、反面問題とも言えます。保管命令義務違反が懲役刑になる、これは基本的人権を尊重することになるのでしょうか。
○衆議院議員(渡辺周君) 今の御質疑を聞いていて、私どもは、この法律の中で基本的人権というものが守られるということでこの基本法も出しております。 その中で、今もございましたけれども、これは実は党内でも議論をいたしました。そのときに、いわゆる今、戦争反対の事由によって自分はもう協力しないんだと、したくないというときになった場合にはどうするかと。この点に関しては、その内面の考え方は当然尊重されるべきであろう。しかし、結果的に、国益を損なうようなことを結果としてしてきた場合には、それはもっと大きな概念で考えるべきではないかと私自身は思いますけれども、今御指摘のようなその点においては、私は、その例えば協力を求められた人間が拒否するということは存在するだろうと。しかし、それをするということになった場合には、これは国益にかなうか否かということで私は判断せざるを得ないと、私はそう思います。
○福島瑞穂君 ただ、保管命令に関して、拒否をすれば処罰をされるということは残るわけですよね。ですから、その点について、やはり懲役刑というのはほかのとは違うやっぱり重い刑罰ですので、その点については、私は刑罰法規は本当に外すべきであると、問題であるというふうなことを、問題であると、そういうふうに思います。 それで、指定公共機関について第五条で規定があります。「その他」というのが入っていますので、この規定に、これは政令によっても、ほかのことによっても拡大ができます。 それで、衆議院でも議論になっていますが、NHK、新聞社、民放、いろいろ議論になっておりますが、警報を出すということになっています。警報だけなのか、それともほかのことも含むのか。というのは、災害であれば震度七とか一義的です。しかし、戦争は、極端ですが、戦前は、今もありますけれども、勝っていても負けていると言うとか、負けていても、逆ですね、負けていても勝っていると言うとか、あるいは戦争と広告代理店のような、戦争とプロパガンダの問題は非常に結び付いています。 つまり、何を、何を報道をさせるのかということについて、警報だけなのか、あるいはその中身等はどうなるのか、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 指定公共機関たる放送業者に、これに要請されるその放送の内容については、警報それから武力攻撃事態等の状況、そしてまた避難の指示の内容、こういうことを考えているわけでございます。
○福島瑞穂君 避難というのは分かるんですが、武力攻撃事態の内容について、その報道機関が自ら報道をするというのなら分かるんですが、そのことをこういうふうに報道してくれと、そういう制約が入る可能性がありますよね。それはいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) この武力攻撃事態の状況、これだって大変大事なことだと思います、国民の安全を守るという意味において。国民の安全が守られるべき情報については緊急に連絡をすると、こういう必要があるわけでしょう。 ですから、そういうことについてきちんとこれは法律、法定をして決めていきたいと思っております。
○福島瑞穂君 必要な報道がなされることはもちろん必要です。ただ、政府の今の、記者会見をやったり的確に様々なことを報道している面もあります。 危惧をちょっとするのは、戦争と報道という問題は常に指摘されている問題で、ですから報道について、例えば情報の提供ならまだいいんです。情報の提供をして、それを報道がどう料理をして報道するかならいいんで、ワンクッション、報道自身の自主的判断というクッションがあればいいんですが、その前段で何か指示があるのか、どれぐらい制約されるのか、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) やはり緊急性を要するということで放送機関を指定公共機関にしたいということなんです。やはり、その緊急性ということ、そのことによって、緊急に情報を提供することによって安全が少しでも確保できるようにすると、そういうような趣旨でございます。 もちろん、この放送の内容について報道の自由を制限するといったような、そういうことは考えておりません。
○福島瑞穂君 ただ、危惧はあると思います。つまり、いろんな多面的な取材を行って、あるいは情報が分かれる、評価が分かれるようなときにメディアが独自の判断でやるということはあるんですが、それとは別に、責務を生ずるというふうになると、武力攻撃事態の状況判断と若干食い違う報道が出る可能性も出てくると。 つまり、報道機関の自主性、あるいはそこにおける報道の確保ということは保たれるべきだと思いますが、じゃ修正案提出者、お願いいたします。
○衆議院議員(渡辺周君) お答えいたします。 私もかつて報道機関にいた人間としてこの議論はいたしました。 今お話しありましたように、例えば国家機密をあるジャーナリストが知り得たと、このことを例えば報道することによって国益が、もし我が国を攻撃している攻撃国を利するということになれば、それはやはり取材する自由あるいは報道する自由はありますけれども、果たしてそれが我が国が今そのような国家崩壊に近い状況においてできるだろうかということはあります。 ただしかし、附帯決議の中で、これは報道の自由を、表現の自由は守らなければいけないということにまではちゃんと我々は与党との協議の中で附帯決議として入れたわけでございます。 その点につきましては、御指摘の、ただ私も東大の新聞研究所の先生と話をしましたら、実はこの戦時における報道の在り方というのは、日本でだれもまだ専門的に研究をしていないというような実は回答がございました。 ですから、この点については今後まだ議論を深めていくことはございますけれども、我々の合意の中には、附帯決議の中で御指摘の点につきまして、我々も同様の懸念を持って附帯決議として盛り込んだところでございます。
○委員長(山崎正昭君) 時間が参りました。
○福島瑞穂君 時間になったので、終わります。
○委員長(山崎正昭君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時五分散会