農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/05/29
会議録
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、食品の安全性の確保のための農林水産省関係法律の整備に関する法律案、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律の一部を改正する法律案及び牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法案、以上四案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官梅津準士君、厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君、厚生労働省健康局長高原亮治君、厚生労働省医薬局食品保健部長遠藤明君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、農林水産省生産局畜産部長松原謙一君、農林水産技術会議事務局長石原一郎君、水産庁長官木下寛之君、海上保安庁長官深谷憲一君及び環境省地球環境局長岡澤和好君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三浦一水君) 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、食品の安全性の確保のための農林水産省関係法律の整備に関する法律案、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律の一部を改正する法律案及び牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法案、以上四案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○常田享詳君 自民党の常田でございます。 ちょっと通告していないことで、先に大臣にお聞きして、今日の新聞に出たものですから、例の牛肉の全箱検査終了したという記事であります。このことは承知しているわけでありますけれども、この中で、この事業の問題点を検証するため昨年発足した専門家による調査検討委員会では来月中にも報告書をまとめるというふうに出ております。また末尾には、省内には偽装事件はもう過去のものとの空気が漂っている、もう一度襟を正すくらいの覚悟を持ってやるべきだというような厳しい指摘も書かれております。 そういうことで、一点、いよいよ全箱検査終了し、その内容を見ますと、三分の一に当たる百二十一業者の牛肉の一部に品質保持期限切れなど、本来は買上げ対象にならないものが含まれていたというようなことも指摘されているわけでありますが、先ほど申し上げましたようなこの調査検討委員会の検討結果を待って、ここに指摘されているような、偽装事件はもう過去のものとなったというようなことではなくて、襟を正してきちんとやっていただくことを大臣からおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今、御指摘をいただきました件、いろいろやってまいったわけでありますが、まだこれからもいろいろ過程と、こう私どもに指摘をされた問題はたくさんあるわけでありまして、そのことを踏まえて、この食肉流通問題調査検討委員会、これにおきます調査、検討中でありますし、その結果を今後の行政に十分反映しなければならないと。いろいろの角度から御意見を承って、あのようないろいろ不始末をしておることの反省の上にやらなければならないと、このように考えております。
○常田享詳君 新大臣の下で是非引き続き緊張感を持って、また反省を生かして対処していただきたいというふうに思います。 さて、トレーサビリティーのことでありますけれども、実は昨日、我が党の小斉平議員の質問に対する答弁をお聞きしておりまして、私、頭が悪いのか、答弁になっていないというふうに思いまして、それで、至急その議事録を、小斉平議員の議事録を取り寄せまして、読み返してみました。そうしたら、小斉平議員が指摘しておられることは誠に的を得ているわけでありますが、答弁はそのことに対して極めて不誠実というか、的を得た、聞いていることに答えていないということが私としては思いますので、同じ自民党の小斉平議員でありますので、同じ政党としてこのままではちょっと納得できないなと思いますので、再度お尋ねをさせていただきます。そういう意味で、小斉平議員にはお許しいただいて、ちょっと議事録を使わせていただきますけれども。 小斉平議員がまず冒頭に聞かれましたのは、輸入牛肉については、JAS法で国産、輸入の別を表示することを義務付けられているものの、本法では表示の義務の対象になっていないと。輸入牛肉が国内流通量の六五%を占めている状況で、こういう下で、今回のトレーサビリティーの対象になる牛肉は流通量の約四分の一程度しかないと。全体の流通量の二五%しか対象とならないというのでは、牛肉製品等に例えば事故があった場合、製品の回収とか事故原因の究明、これができないのではないかということをまず聞いておられるわけですね。 ところが、農水省の答弁は、今のところに全く、この今のままでそういう、何かがあったときにさかのぼって原因の究明とか回収とか、そういうことがちゃんとやれるのかということについて答弁していないんですね。だから、ここのところをきちんと、この制度でそういうことがさかのぼって、輸入牛、輸入牛肉についてもできるのかどうか、今の制度、この制度ではですね、そこをちゃんとおっしゃっておいていただきたい。
○国務大臣(亀井善之君) このトレーサビリティーシステムの導入、これは、この間も申し上げましたが、BSEの発生、このことによりこの制度の導入と、こういうことで、国産牛肉と、こういうことでお願いをしておるわけであります。 輸入牛肉への個体識別の義務化、こういう視点の御質問かと、このように思います。 それで、輸入牛肉の安全性、これにつきましては、BSE発生国からの輸入禁止あるいは水際での各種の検疫措置、さらに輸出国政府の証明書と、このように、これによりまして万全を期してまいる、こういう体制でおるわけでありまして、具体的には、今回新たにカナダでBSEの発生がなされたわけでありますけれども、直ちに今輸入禁止、あるいはまた既に輸入されたカナダ産の牛肉についての厚生労働省が特定部位の混入又はそのおそれがあるものの回収を指示、あるいはカナダ由来の牛肉の対日輸出について所定の措置を要求と、こういうようないろいろの施策をし、輸入牛肉に対する安心の問題について、まずBSEの未発生国からの輸入であることをJAS法の、国産、国表示で情報提供するということによりまして安心を十分確保すると、こういうことであるわけでありまして、そのような意味で、先ほども申し上げましたが、BSE発生後、直ちに輸入の禁止であるとか水際の各種検疫措置だとか輸出国の政府の証明書と、あわせて、JAS法の原産国表示、こういうことで、BSE未発生国の輸入に対しては、輸入牛肉に対しては、それが、安全性が確保できるんではなかろうかと。 さらに、輸入品までトレーサビリティーを、世界じゅうで、現在、輸入品までトレーサビリティーシステムを徹底している国はないように承知をしております。EUでもやっていないようなわけでありまして、これら、いろいろ、外務省や厚生労働省の見解を伺い、また、現行WTO協定、SPS、TBTとの違反のおそれと、こういうこともあるわけでありまして、今回のトレーサビリティーシステムの採用と、これは国産牛肉と、このようにこの法改正をお願いをしておるところであります。
○常田享詳君 大臣、申し訳ないんですけれども、今の御答弁は昨日のとおりなんですよ、結局ですね。 私がお聞きしているのは、小斉平議員が聞きたかったところは、例えば、具体的に言うとカナダで一月に出ましたね、今もう五月ですね、この間、かなりのものが流通しているという危険性がある。また後ほど触れますけれども、アメリカにカナダの生体牛がかなり入っていて、それがアメリカの牛として日本に入ってきている、だけれどもそこのところも担保されていないというようなね。 ですから、もう一度申し上げますけれども、六五%を占めているわけですね、輸入牛肉が。そういう日本の状況の中で、国産牛はいいんですよ、昨日、小斉平議員も何遍もおっしゃっているんですよ。国産牛が安全だということは、全頭検査もやっているし、その上にトレーサビリティーも今後、今度もやる。だから、国産牛のことを言っているわけじゃなくて、輸入牛の中で、それからBSE発生国に検疫でやるというようなことは承知していますよ。それで、これから、今回もやったという。しかし、そういう空白、さっき申し上げたような一月から五月までの空白とか、それから牛がアメリカ経由で入ってくるという、そういったことも含めて、この日本の六五%の、特に、BSE発生国は入らない、非BSE発生国のですね、そういったところに対するところで、何かがあったときにちゃんとさかのぼって回収したり、それからその原因を突き止めることがこの制度でできるんですかということを聞いているんです。 再度お答えください、大臣でなくても結構ですから。
○政府参考人(須賀田菊仁君) トレーサビリティーシステム、原材料にさかのぼって追跡・検証できるシステムでございますので、食品事故が起きた場合にはその原材料までさかのぼって追跡することができる……(「輸入牛肉」と呼ぶ者あり)分かるわけでございます。 輸入牛肉について、この法案の、法案の対象として個別識別情報の伝達を義務付けるということは、先般るる申し上げましたとおり、国際協定上の問題もあり困難であると考えておりますけれども、輸入牛肉の安全、安心に対する今の先生の御指摘を始め、恐らく消費者の皆様も強い心配があろうかというふうに思っておりますので、輸入牛肉の生産履歴情報を幅広く消費者に提供していくということは極めて重要な課題というふうに思っております。 そういうことで、私どもは、輸入業者あるいは販売業者に、現在、生産情報公開JASというシステムがございますので、消費者に対し輸入牛肉の生産履歴情報を積極的に提供していく取組を今後積極的に推進していきたいというふうに考えているところでございます。
○常田享詳君 さらに、小斉平議員は次のようなことも重ねて尋ねています。今回のカナダでのBSE発生という事態は、輸出国の判断に我が国の、我が国の安全をゆだねるということの危険性を示唆しているんではないか、輸入牛肉の安全性を確保するためには輸出国に安全性を確保するための手段を示させることが必要ではないかと。また、トレーサビリティー等の、等の安全確保システムの導入を求めることも必要ではないかということを言っているわけですね。 ですから、輸出国の証明だけで大丈夫だと言われても、実際、一番私が今心配しているのはアメリカです、アメリカ。カナダは入りませんからね。アメリカですよ。もし、じゃアメリカのものが入ってくるときに、それが本当に安全かどうかということを、アメリカは安全だと言いますよ、だけれども日本のようにアメリカは全頭検査やっていませんからね。ですから、本当に安全だと言えるのかどうなのか、輸出国だけの証明書で言えるのかどうなのかということになれば、やっぱり小斉平議員が指摘したように、ちゃんとそこのところを輸出国に対してもやらせるということが担保されないと意味がないんではないかということなんですけれども、ここはどうでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほどもちょっと申し上げ、また局長からも申し上げましたが、国際的な個体識別情報の伝達、この義務付けの問題につきましてはいろいろ、るる申し上げておりますが、国際協定上の問題、これもあるわけであります。そして、私ども、何としても輸入牛肉の安全、安心、これを、消費者の関心、大変強いわけでありますので、そのことはしっかりやらなければならないわけであります。そして、先週、前回もこの委員会で御指摘をちょうだいしておりますこの安全性の問題に関する先生方のいろいろの御意見をまた厳格に私は受け止めておるところでもございます。 そして、今般のカナダにおけるBSEの感染牛の発見に伴いまして、このBSEが、我が国への侵入防止に万全を期していかなければならないわけでありまして、特にカナダとの家畜、畜産物の輸出入が多い米国に対しまして、私は、我が国に米国からその牛肉が輸出されておるわけでありまして、この安全性に問題のないように、そして今御指摘がありますようにいろいろと経過もあるわけでありまして、近いうちに私から米国大使館に、先生方、この委員会での皆さん方の御意見、こういうものを十分申し上げて、そして安全な牛肉が輸入されるようになお一層努力をしていただくように、するように強く要請をいたしたいと、こう考えております。
○常田享詳君 大臣からそういう、強くそういう要請をしていただくことは大事だと思います。それをお願いしたいと思いますが、今日まで手をこまねいていたんですか、農水省は、アメリカに対するですね。何らかのアクションを起こしておられると承知しておりますけれども、どういうアクションを起こされたのか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これまで、まず、五月二十一日にカナダ政府が自分のところでBSEが発生したということを発表いたしまして、直ちにカナダからの、カナダからの牛、綿羊、ヤギ、そしてそれらの動物由来の肉製品の輸入というのはその日に直ちに停止をいたしました。 先生御指摘のように、カナダからだけではなくて、アメリカ産の牛肉の中にカナダ由来のものが含まれる可能性が排除できないということでございまして、まず二十一日に、カナダ由来であるということが明らかなものについては米国産牛肉の輸入を停止するように動物検疫所に指示をいたしました。さらに、二十二日には、アメリカの政府当局に対しまして、米国を経由したカナダ由来の牛肉等を日本向けに輸出しないように書簡で申入れをいたしました。さらに、動物検疫所に対して、輸入検査をする際に米国からの牛肉等に特定部位が混じっていないということをちゃんと確認して、そして証明書を書くようにという指導をしたところでございます。 さらに、農林水産大臣から指示がございまして、アメリカとカナダの畜産に係る輸出入関係、あるいはアメリカの中でどういうBSE防止措置が取られているのか、こういうことを調査する必要がございますので、ちゃんとアメリカへ調査団を派遣しろという指示をいただいておりまして、本日、アメリカに対して私どもの職員を派遣をいたしまして調査をさせるという措置を取っているところでございます。
○常田享詳君 じゃ、今の大臣並びに局長の答弁をお聞きした上で、改めて小斉平さんの質問をさせていただきます。 輸出国に安全性を確保させるための手段を、安全国に安全性を確保するための手段を示させる必要があると思うと、また、トレーサビリティー等の安全確保システムの導入を求めるべきだと。ここのところは、じゃどうなるんですか。求めるんですか、何かそういう。トレーサビリティーだとは言っていませんよ、等を含めて。
○国務大臣(亀井善之君) 米国や、豪州もそうですけれども、ごく一部でこの個体識別制度が構築されているということも承知をいたしております。その内容がどういうことか、我が国としてもこの伝達、情報伝達の可能性について十分調査を、また研究をいたしたいと。 私は、先ほども申し上げましたが、今、委員の皆さん方からこのことにつきましていろいろとお考えを御披瀝でございます。それぞれの国の、我が国ではこの牛肉のトレーサビリティーシステムを導入するわけでありまして、この安全性を確保すると、こういう面からアメリカ大使館に、大使にも我が国の状況というものを十分説明をして、そして安全性を確保していただくように、先ほども申し上げましたが、本当に強く申し上げ、そして今後どういう、先方のシステムがどうなのかと、それらのことも十分研究してまいりたいと、こう思っております。
○常田享詳君 私がここでくどくど重ねてお尋ねしているという意味は、何も日本だけのことを考えて言っているわけではなくて、私は今こそ、このBSE問題では日本が世界の一つのモデルになってリーダーシップを取る、またそれだけのことをこの一年間やってきたじゃないかと思うんですね、まだ道半ばとしてもですよ。だとしたら、やはりその自信と誇りを持って、日本がやってきたことを海外の国々に対してもその成功例を示すことによってちゃんとやるべきではないかと。特にまた日本に入ってくるものについては、そういうことをきちんとやっていただくことによって受け入れるということを、そしてそれが世界に伝わっていくようなことだろうと思うんですね。 だから、そういう意味からが一つと、それから冒頭に申し上げておかなきゃいけなかったんですが、なぜ今与野党ともにこの問題を言っているかといったら、衆議院でこの法案を審議したときにはカナダの問題出ていないんですよね。衆議院でこの法案が成立してからカナダの問題が起こっているわけですから。ですから、そこのところを十分認識していただいて答弁していただかなきゃならないのに、昨日の小斉平さんの答弁見たところ、全くそういった真剣さがないということで、今日重ねて私はまた取り上げているわけであります。 厚生労働省に、それでは同様のことでお尋ねをいたします。 昨日の答弁を聞いていますと、農林水産省は、要は、BSEが発生した、発生国にしろ何にしろ水際だということで、いわゆる水際での検疫と食品衛生法での対応が一番大事なんだということを力説しているわけですね。 とりわけ、カナダ産牛肉のみならずアメリカを経由したカナダ由来牛肉の輸入についてもそういうことでありますけれども、本当に先ほど来申し上げている、カナダを経由して入ってくるアメリカの、逆ですね、アメリカを経由して入ってくる牛ですね、肉ですね、が本当に水際で、厚生労働省の食品安全基本法で検疫で防ぎ得るのかどうなのか、完璧にですね、それをちょっとお尋ねしておきたいと思います。農水省はできると言っているんだから。
○政府参考人(遠藤明君) 私ども、外国から食肉を輸入をする際には、食品衛生法第五条第二項に基づいて、相手国政府の発行する衛生証明書をもって我が国で流通する牛肉等の安全性の確保の一助にしているというふうなところでございます。 もちろん、その後、水際での検査等もやっているわけでございますけれども、まず第一には、相手国側で安全性を言わば保証してもらうというふうなところで国内での食肉の安全性の確保をしていくというふうなシステムでございます。
○常田享詳君 ですから、農水省は厚生労働省だと。厚生労働省はうちだけではできませんと。結局、元々BSEの問題は、食品安全委員会を作ることになったのも、そして今関連法案を、基本法も作って関連法案もやろうとしているのは、縦割り行政がいかに国民の安全、安心、食の安全、安心を脅かしたかということをきちんと反省した上で再構築しようとしているわけでありまして、どうも昨日の農水省の答弁のようには厚生労働省は完璧にやれるということではないと思います。 また、厚生労働省は、カナダでのBSEの発生後、カナダや米国からの輸入牛肉についてどのような対策を取ってこられたのか。また、現在カナダ由来で米国を経由して輸入されている牛肉について、厚生労働省は米国に対して、米国に対してですよ、厚生労働省は米国に対して具体的にどのような対応を取っておられるのか。
○政府参考人(遠藤明君) カナダ及び米国に対する措置でございます。 まず、カナダに対しましては、五月二十一日に、先ほど申し上げました食品衛生法第五条第二項に基づきますカナダ政府の発行する衛生証明書を受け入れないということでカナダからの牛肉の輸入を認めないという措置、及び国内に流通しているカナダ産の牛肉等について、輸入業者別、製品別の輸入実績を確認し、国内で一頭目のBSE感染牛が発見された際と同様、特定部位の混入している若しくはそのおそれのあるものの回収を輸入業者等に指示をしたところでございます。 また、米国政府に対しましては、カナダと隣国の関係にありますことから、米国産輸入牛肉の安全性確保に万全を期するため、米国における直近のBSE対策の詳細について情報提供を要請するとともに、米国におけるBSEサーベイランスの強化、特定部位や高齢牛由来の牛肉等の輸出中止等の、BSE発生前にそういった事前の対策をどのように検討しているのかというふうなことについても要請をしたところでございます。
○常田享詳君 私の手元にもその要請書があるわけですけれども、アメリカ合衆国駐日大使館特命全権大使あてに遠藤部長が出しておられる。これを見ますと、今もおっしゃいましたけれども、貴国における最新のBSE対策の詳細について当方に情報提供されたいと。また、貴国においてBSEが発生した場合の混乱を未然に防止するため、特定部位及びこれが含まれる可能性がある食品の対日輸出を中止されたいと。それから、二十四か月齢以上の牛由来の牛肉等の対日輸出を中止されたいと。それから、BSEサーベイランスの強化等考えられる事前の対策については検討されたいと。そして、それらについて回答されたいと。非常に、農水省よりもはっきりとアメリカに対してですね。 これは、だけれども、明らかに厚生労働省としては、BSEが出たのはカナダであるけれども、大量に輸入した、アメリカから大量に輸入している日本、ましてやアメリカ経由でカナダの牛が入ってくる可能性もある。それから未発生国とはいっても、アメリカそれ自体も安心できる状況ではないということから、こういった強い要請をされたと思いますが、それの確認と、これをいつまでに回答してもらうおつもりなんですか。回答をお願いしますと言っておられるけれども、言いっ放しじゃないでしょう。
○政府参考人(遠藤明君) ただいま委員の御説明されましたような文書を五月二十一日にアメリカ合衆国駐日本大使館特命全権大使あてに発出をしたところでございまして、回答につきましては期限を明記しないで出してはおりますけれども、既に米国におけるBSE対策の現状につきまして、アメリカ本国の農務省から大使館を通じまして一部回答が提出をされているという状況にございます。 まだ、今後の対策の強化等の検討状況につきましては未回答というふうなことで、早急に回答が得られるよう今後も接触をしてまいりたいと考えております。
○常田享詳君 是非ともアメリカから早急に回答をもらっていただきたいというふうに思います。 それで、時間の関係ではしょりますけれども、どうも昨日、おとといです、失礼しました、私、昨日昨日と言っていました。おとといの農水省の答弁を聞いていますと、私の邪推かもしれないけれども、大国アメリカにちょっと言えないよなというような何となく雰囲気があるんですね。トレーサビリティーは国内の牛をちゃんとやるためにしたことで、それをそういうまだ、ましてやBSEが出てはおらない未発生国、ましてやアメリカにそんなことをちゃんとやってくれなんてちょっと言えないよなと、そんなことを言ったら国際社会のいろんな議論の中で袋だたきに遭うんじゃないか、WTOで仕返しをされるんじゃないかというようなふうに受け止められるぐらい何か自信のない答弁をされる、そこが私は気になるんです。 そこで、じゃ、アメリカという国はこのことについてどう考えているんだろうかということで、何かないかなと思って、米国の農務省のホームページを出してみました。そうしますと、こういうことが書かれております。もちろん英語なんですけれども、日本語で言いますと、一九八九年以来、米国政府はBSEの国内侵入防止のため、一連のセーフガードを実施した。反すう獣(牛、綿羊、それから羊)、反すう獣の肉及び食肉製品、動物たんぱく質を含んだ動物飼料は、ここからです、BSEリスクのあるとアメリカが判断した国から輸入はできないと。だから、BSEと言っていない、BSEのリスクが、BSEのリスクがある国からはアメリカが自ら判断して輸入させないということをアメリカは言っているわけですよ。だから、自らがもうそういうセーフティーネットをしっかり張ってやっている。ところが、そのアメリカから日本に入ってくるものについては、日本はそれに対してそういったことができないというのは、これはちょっと違うんじゃないかなと。 やはり、日本も自らの、これ最後ですね、おとといの小斉平さん、いいこと言っているんですよ。トレーサビリティーをやる出発点は何ですかと。出発点は、国民に食品は、牛肉は安全だと、その追跡調査はできますと言うことでしょうと、国民に対してそういうことを約束するということがその本来の目的でしょうということを、最後に恐らく、字になっていないけれども、むなしいという字がその後に、答弁聞いて、まあ、これは私のあれかもしれませんが。 そういうことで、今のアメリカのこのホームページのBSEリスクのあるとアメリカが判断した国から輸入はできない、やっぱりアメリカのこの主体性というのはそれなりにすごいじゃないですか。何でそういった主体性を持ってやっているアメリカに対して日本はそんなに遠慮するんですか。アメリカと同じように主体性を持ってやればいいんじゃないですか。いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) ですから、先ほど来お話し申し上げておりますとおり、この委員会での皆さんの御意見、こういうものを踏まえて私はアメリカ大使館に行って、そしてそのことを強く申し上げると、こういうことを申し上げておるようなわけでありまして、今のようなことを含めて私は責任者としてそれを十分やり遂げたいと、こう思っております。
○常田享詳君 このことでは最後にしますけれども、大臣、再三誠実に答弁していただいていますし、期待もしています。しかし、さっきも言いましたように、今私はこの一年で日本は世界、このBSE問題では世界でやっぱりトップランナーになっているんじゃないかと思うんですよ。EU、EUって、昨日、おとといの答弁でもEUでさえやっていないことを何で日本がやれるんですかみたいなこと言うけれども、EU以上のことを日本はこの一年間本当に死ぬような思いをお互いがしてやってきたわけですから、やっぱり更に先を行くと、そして、小斉平さんのあれじゃないけれども国民に本当に安心してもらうということだと思いますよ。 だとしたら、やはり日本独自の、再度申し上げますけれども、日本独自の安全の仕組みというものを、アメリカとかそういうことに言われてやるというんじゃなくて、また遠慮するというんじゃなくて、この機会に大臣、亀井大臣のお力できちっとやっていただきたい。最後に簡単に、決意だけで結構です。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほども申し上げましたとおり、私は私の大臣としての、この委員会の皆さん方の御意見と、御発言と、これは大変重く受け止めておるわけでありますから、そのことを大使館に十分申し入れたいと、こう思っております。
○常田享詳君 それでは、またこのあれは他の議員からも出ると思いますので、私は二、三、そのほかのことで聞かせていただきます。 家畜伝染病予防法についてでありますけれども、防疫マニュアルのことでちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 今、御存じのとおり、東南アジアを中心にSARSが猛威を振るっているわけでありますけれども、正に高速交通網がネットワークされて世界の、またアジアのどこかで起こった感染症が、新興感染症がぱあっと一気に広がっていく、そして二次感染、三次感染というようなことで多くの方々が犠牲になるという、これはSARSに限らず私は今後もいろいろあるんだろうと思います。 そういうことで、とりわけ感染症対策でも、中でも人畜共通感染症ですね。人と家畜が共通して感染する、家畜から人に感染する、こういったこのたびのSARSのような形のものですけれども、これらのことについてはしっかりこのSARSのことを踏まえて体制を強化しておくべきだと思います。 そういうことの中で、ちょっとはしょらせていただきますけれども、まず最初に、現在そのことで策定が進められております特定家畜伝染病防疫指針、いわゆる防疫マニュアルですね。これ農林水産省と厚生労働省、両省にまたがるものであります。先ほど申し上げましたように感染症対策は迅速な対応が不可欠であります。私はこのたびのこの防疫マニュアルの作成については高く評価しているんです。 その高く評価しているということを踏まえて申し上げているんですが、しかし、ともすれば今までもいろんなマニュアル、マニュアルが出ましたけれども、とかく絵にかいたもちになりやすいのがマニュアルでありまして、したがって、実効性の高いマニュアルを策定するということはもちろんですけれども、この感染症に関しては、やっぱり日ごろからマニュアルに基づいて迅速に行動できる連携、連絡体制を両省間で構築しておくというのが非常に大切だと思います。その両省間と申し上げているのはその人畜共通感染症だということですから、これはもう農水省と厚生労働省が両方かかわってくる問題であります。 そこで、防疫マニュアルの策定に当たって農水省、厚生労働省の両省で具体的にどのような検討を行ったのか。また、このマニュアルに基づいて具体的にどのような行動を想定しておられるのか。そしてあわせて、都道府県との連携、連絡体制ということも含めてお尋ねをしておきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この特定家畜伝染病防疫指針、BSE発生したときに具体的なマニュアルがなかった、必要以上にそれで国内の混乱を招いたということでございまして、今度は法律上の責務として課すということにしたわけでございます。ということで、先生今言われました人畜共通感染症のような、例えばそういうおそれがあると言われている鳥インフルエンザ、こういうようなものについても、まずは侵入防止対策の強化徹底というのが大事なことでございますけれども、やはり万一国内で発生した際の危機管理マニュアルを整備する必要が高いというふうに思っております。 例えば、これはどういうことを決めるかというと、万が一国内で侵入した場合、直ちにその農場を隔離して、すべての飼養されている鶏の殺処分、あるいは汚染されている物品の消毒というようなものを行うと。そしてもちろん厚生労働省と連携を取りまして、これらの措置と、それから人に感染しないような措置、それから都道府県に対してもそういう連携を取って、万が一にも蔓延が広がらないような防止措置を取っていきたいということでございます。 要は、我々の意識の問題もございます。危機管理意識を持って、万全な対応を取っていきたいというふうに思っております。この本案が、本法案が成立した暁に、速やかにこういう指針を作っていきたいというふうに思っております。
○政府参考人(遠藤明君) 農林水産省において従来から口蹄疫あるいはBSE等の家畜防疫マニュアルを策定をしていると承知をしておりまして、その検討作業を担っている技術検討会に厚生労働本省、厚生労働省の研究機関、都道府県の衛生部局の職員が参加をし、両省の対応にそごが生じないよう検討段階から連携を図っているところでございます。 厚生労働省といたしましては、家畜伝染病には人の健康に影響する疾病が含まれていること、また屠畜検査段階で家畜伝染病が発見される可能性があること等を踏まえて、引き続き農林水産省と連携を密に対応してまいりたいと考えております。 また、今回新たに導入をされます特定家畜伝染病防疫指針の策定に当たりましても、これまでの家畜防疫マニュアルの策定と同様に、農林水産省との連携を図っていきたいと考えております。
○常田享詳君 もうこのことに関しての質問はやめますけれども、例えば、脅かすわけじゃなくて、よく言われるエボラ出血熱なんていうのは、これはアフリカでいわゆる猿を介して人間に感染した場合、八割死ぬんですよね、八割。天然痘とか今のSARSなんかの比じゃない。もう八割死滅、人間がやられると言われている恐ろしい新興感染症、これなんかも人畜共有の例ですね。ですから、是非ともここのところは厚生労働省と農林水産省、しっかりタイアップしていただいて、聞くところによりますと、今年の末には農林水産省は動物衛生高度研究施設を完成させるというようなことも聞いておりますので、是非とも成果を上げていただきたいというふうに思います。 次に、農薬の問題で、地元に帰りますと、もう帰るたびにこのことを聞かれますので、再度お尋ねをしておきたいと思います。 私は、昨年十二月にもこの委員会で特定農薬の問題、指定の問題を申し上げたんですが、しかしこれまでのところ、特定農薬候補である全七百四十資材のうち、特定農薬として指定するものが百二十、そもそも農薬に当たらないと除外するものが二十ということで、差し引きますと、特定農薬に指定するかどうか保留とするというのがいまだに六百資材残っているわけですね。ここで生産者の方々はもう本当に困っておられるということでありまして、再度の質問で恐縮でありますけれども、通常、その農薬を登録、それで、もうこれもやめましょう。 ここだけ聞きます。指定保留となった六百資材、これが使用者の判断で防除に使用できるとしたわけでありますが、使用を認めた法的根拠はどこにあるのかということと、とりわけ使用者の判断により指定保留の資材を利用して何らかの環境被害や健康被害を生じた場合、その責任は農家自らが負うのか、それとも暫定的な使用を認めた農水省が負うのか、どちらが負うことになるのか、これ聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 特定農薬で判定が保留されているもの、約六百でございます。これできるだけ早く安全性と効果の指針を作って判定をしていきたいと考えております。 現在までのところ、その保留された資材というのはその防除の効果というものが不明であるということで、防除に用いられて役に立つ薬剤であるというふうに判断できないということで、農薬取締法の使用規制の対象外、農薬取締法の使用規制の対象外ですので使って構わないということにしているわけでございます。ただ、そのときに、使用規制の対象外になっているからといって、その農薬の効能をうたって販売されたらそれは無登録農薬になりますので、そこは販売上の規制を掛けるわけでございますけれども、要は、今のところは、そういうものを購入されて実際に使用しても構わないということになっているわけでございます。 それで、何かその残留とかいろんな事故が生じた場合という先生お聞きでございますけれども、この保留されているものを見て、そういう事故はまずちょっと注意していただければ起こらない、特に残留その他はそう考えられない物品で、薬剤でございますので、そこのところはそう心配はないというふうに思っております。
○常田享詳君 そうなんですよ。私、薬剤師ですけれども、医薬品と医薬部外品がある。ところが、農薬と特定農薬と言うからこういうことになるわけで、心配するわけで、正に今局長言われたように、長い経験の中で安全なものであるなら、やっぱり早くスピードアップして認めてあげないと使いたくても使えない。しかし、特定農薬なんて言われて何かあったら、これは被害補償でもしなきゃいけないと。だから、正に今御自身が言われたそのものでありますから、早くやってあげていただきたいと思います。 最後に、この食品安全委員会なんでありますけれども、このことは先ほど申し上げましたように、BSEの問題から日本の食の安全、安心の体制を再構築しようということで、食品基本法を作って、食品安全委員会にリスク評価をさせて、それで農水省と厚生労働省でリスク管理をやっていくということで、いよいよこの法律が通ることでスタートするわけでありますけれども、内閣府に、これも随分出ていてまたかと思われるかもしれませんが、基本的なことを三点ほどお尋ねをしておきたいと思います。 一つは、委員会が、この内閣府にできる委員会が関係する情報ですね、関係する情報を速やかに把握することができるような、いわゆる国際的な情報とかいろいろな主要国の情報とか、そういうものを集約、伝達できる、そういう仕組みになっているのかどうかということですね。委員が何人かおられて、その辺りにおられても、やっぱりしっかりした情報がなければしっかりしたリスク評価できないのは当たり前のことでありますから、確認しておきたいと思います。 それから、これも皆さん心配しておられるのは、消費者の声が本当に安全委員会の決定にきちんと反映されるということが担保されているのかどうなのか。このことも改めて聞いておきたいと思います。 それからもう一点、最後は、委員会の透明性、それから情報公開、このことについてはきちんと情報公開されるのか、このことが担保されているのか、これは内閣府、お答えください。
○政府参考人(梅津準士君) 三点お尋ねがございました。簡潔にお答えします。 速やかな情報収集でございます。食品安全委員会、国内外の食品安全に関する情報を各方面から収集することは大事でございます。国、県などのリスク管理機関、あるいはメディア、インターネット等から国内外の危害発生情報、それからこれ先生御専門でございますけれども、いろいろなトクシコロジーとか様々な専門の学会誌、あるいは学術雑誌ございます。あるいはインターネット等から最新の科学的知見に基づいた危害情報、さらにはOIEやWHO等の国際機関、あるいは諸外国の関係行政機関から海外の危害発生情報や食品リスクに関する科学的見解、こういったものを入手して分析整理し、活用することにしております。その際、例えば翻訳なり、特にそういった情報の緊要度を判定することが大事でございますので、専門的な能力のある方を非常勤の技術参与として事務局に備えるということも検討しております。 二点目でございますけれども、消費者の意見の反映でございますが、委員会の下に置かれる専門調査会につきましては、年間の評価計画を担当する企画部門あるいはリスクコミュニケーションの検討を行うそういった専門調査会につきましては、消費者の意見を代表する方にも加わっていただく方向で検討いたしております。そうした意見につきましては、ホームページ、意見交換会、独自のモニター等々を通じまして、幅広く収集いたしまして、これらを評価の年間計画の策定やコミュニケーションの手法の検討に生かしていくことを考えております。 三点目の情報の公開でございますけれども、委員会につきましては、法律の二十三条三項に基づきまして評価結果や勧告内容を公表しますほか、審議会の運営に関する指針にのっとり、原則として議事の内容を公開することにしております。 また、このほか、委員会の活動状況あるいは食品安全に関する資料、実態を取りまとめて公表することを想定いたしておりますけれども、具体的内容は委員会設置後に委員会において詰めたいと思っております。
○常田享詳君 十分残してやめたいと思いますので、最後の、もう一回、大臣、またかと思われるかもしれませんけれども、お聞きいただきたいと思います。 二十六日の新聞に雪印の前社長の裁判の記事が載っておりました。雪印の、名前は言いませんけれども、その雪印の前社長がその裁判の中で、自分の会社、大阪の会社をその事件があった後見たら、目を背けたくなるような汚さだったと言っているんですね、自分の会社のこと。逆に言えば、そういう状況を把握していなかったということで、目を背けたくなるような状況をトップは把握していなかったと。それから、出荷していない製品の再利用まで違法とは知らなかったと。そして、他の工場でもやっていたと。そして、乳業界では私と同じ考え方が一般的だと。そして、回収した加工乳の開封作業を再現した写真を見せられると、到底お客様に見せられるようなことではないと言っているわけですね。そして、事件当時の雪印は隠し事をする体制だったということをはっきり言っているわけですね。これは日本のトップですよね、言わばトップ企業がああいう形で崩れていった、その裁判の過程の中で前社長は、正に私はこれは正直なあれだと思いますよ。 しかし、こういったことも含めて、この一年間、一年間ちょっとの間で、日本はいろんなことを学んできたと思います。そして、その行き着いたところが食の、先ほど来申し上げた食の安全、安心への消費者重視への転換ということであるわけでありますが、どうか、先ほどのBSEの厚生労働省と農林水産省の答弁を聞いていましても、私は心配のし過ぎかもしれませんが、いまだに縦割りの弊害が排除されていないのではないかという思いがして、で、何で、私は官僚じゃありませんから分からないところがあるんですが、何で縦割りの弊害があるかと聞いた。そうしますと、相手の領域に干渉しないということだろうと思うんですね、そうすることの方がいいという。 このことは、さかのぼってみるとBSE問題に関する調査検討委員会の報告書にも書かれているんです。「縦割り行政で相手に干渉しないという悪い側面が反映したといえる。」という、そして厳しい指摘を受けているわけでありまして、どうか大臣、私は先ほどの輸入牛肉の、自分が行ってよく話してくるんだというのは分かるんですけれども、亀井大臣には是非自分、自ら新しい体制を、この世界に冠たるBSE対策の新しい仕組みを日本で構築するんだという決意を持っていただきたい。それから、あわせて、今の縦割り行政をこのたびのこの法案の成立を基にしてしっかりやっていただきたい、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。 前回、おとといの委員会を通しましても本当に緊張感のない答弁が続いているなという思いであります。今日の答えを聞いていてもまだまだ不十分であると、そして厚生労働省、そして農水省の縦割りの弊害というのを感じるような答弁であったと私は指摘せざるを得ないと思っております。特に個体識別のこのトレーサビリティー法に集中して、私はこの四十五分間使ってお聞きをしていきたいと思っております。 今回審議されている一連の法案は、さかのぼるところ一九八六年、英国で初の狂牛病が発見され、二〇〇一年九月、日本で一頭目の狂牛病感染牛が見付かるまでの対応の悪さ、見付かってからも農水省、その当時、武部農水大臣はおとといの委員会のようにいらいらするような答弁を繰り返されて、そして行ってまいりました。我々の出したBSE緊急措置法案も、国民運動そして署名活動を経てやっと、与党の皆さんの御協力も得て、その与党の皆さんの案とそして我々の案と修正によって半年掛かりで成立をさせていただいたというような状況でありました。 BSE問題に関する調査検討委員会も設置されて、武部大臣もタウンミーティングや公開された中で行われる検討委員会の中で、初動については国民の認めるところとはほど遠いものがあったわけですけれども、半年も過ぎると大変緊張感を持って、これが正しいと思うことを進めて、国民の安心と安全のために闘っているんだなという思いが我々でさえもできるような委員会であったと私は感じておりました。 その一つの例として、先ほども常田委員が言われた全箱検査ですね、あれが終了したということでありますけれども、あのときも、武部大臣は牛肉偽装事件があったときに国際規格の一番厳しい基準で行うと言われたわけですね。しかし、農林水産省は厳しいところから二番目の厳しい基準で検査をし、そのことが新聞にも載りまして、そのまま黙って通すわけにはいかないですから、私もそのことについて指摘をさせていただいたところ、武部大臣は農水省に対して全箱検査を命じたということでありまして、大臣の決意によって変わってくるわけですよ。大臣がしっかりと自分の意思を持ってこたえていく、このことが私は大切だと。そして、どこを見るのかということが大切であって、やはり消費者である国民、このことを忘れてはいけないんだと私は感じている次第であります。 須賀田生産局長、今日いつもと違う方に座っているものですから、なかなかこっちを向くの大変なんですが、須賀田生産局長、我々の質問に対しても大臣に答えるかのように、そのときには、何度も何度も武部大臣の方を見ながら、ちらちらちらちら、我々が笑っちゃうような形で。それだけ緊張感があったわけですよ。農水省にしても、大臣が何を言うのかということをしっかりと聞かなくちゃいけないと、そして、我々が言ったことが大臣が本当に受け入れられてくれるのかということを、本当に緊張感のある中で委員会が進められていったということであったと思います。しかし、武部大臣が辞められて、それからというものはもう堂々としたものですよね。もう答弁にしても、本当にそんな答弁、今までしてなかったでしょう。もっともっと緊張感を持って答弁していただきたいなと思っております。 とにかくあのころのことを思い出していただいて、まず最初に、BSE問題に関する調査検討委員会でどのような指摘を受けたのか、はっきりと答えていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) BSE問題の調査検討委員会、トレーサビリティーの関係におきましては、その部分を申し上げますと、BSE問題とそれに引き続いて明らかになった虚偽表示問題は、食品の原材料の追跡・検証が可能になるようなシステムを必要としているということ、そしてまた、このトレーサビリティーはリスク管理における重要な手法として位置付けられなくてはならない、こういう指摘を受けております。
○羽田雄一郎君 それはトレーサビリティーに関してですけれども、もっともっと基本的なところで消費者の保護、やはりきっちりと国民の方を向きなさいということが言われたんだと思いますよ。やはりそれが日本の農業を守る唯一の道ですし、生産者の皆さんを最終的には守っていくことにもつながっていくんだと思うんですよね。国内の安心、安全が守れなかったら国民の皆さんも認められないし、そして生産者の皆さんも生きる道がなくなるわけですから、そういう意味ではその部分での認識というものがまだまだ甘いんではないかなと思っております。 大臣、この報告書、就任されてお忙しいと思いますが、読まれましたでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) すべては読んではおりません。
○羽田雄一郎君 今、その今までBSEが起こって食の安全、安心が守られていない、それをどうにかしようといってこういうことになっているわけですよ。一番大切な検討委員会、厚生省、農水省の縦割りの弊害をなくして、そしてそういう中で出てきた報告書です。要約で結構ですからしっかりと読んでいただきたいと思います。もう一度御答弁をお願いします。
○国務大臣(亀井善之君) 今の御指摘は十分肝に銘じて読ませていただきます。
○羽田雄一郎君 今、皆さんびっくりしたと思うんですよ。こんなものは読んでいなかったらおかしいんですよ。読んでいると思っているからみんな聞いていないわけで、私も読んでいると思ったんでお聞きしたら、こういう答えが出てくるとは思わなかったんですが、やはり農水省のトップとして、要約でいいですから、まず今日読んでください。そこからスタートしていただかなければ、こんなものは通すわけにはいかないということを指摘させていただきたいと思います。 そして、このトレーサビリティーのシステムというのは食の安全、安心の、まず牛肉ということで、基本なんですね。基本になって、これがしっかりとできたところで、しっかりとお米又は野菜、あるいはその他の加工食品、遺伝子組換えの問題等もあります、そういうものにどんどん広げていくんだと。そういうことを開発、そして実用化を図っていくつもりはあるのかどうか、お答えください。
○国務大臣(亀井善之君) 今回のこの問題を契機に生産履歴等と、そしてさらに、消費者のニーズあるいはまた生産者の方々も、提案型と申しますか、いろいろの商品に対しましてそういうものが導入をされて、そしてまた任意に、これ、消費者とあるいは生産者との顔の見える関係、こういうものを構築するためには、そのような資料あるいは情報の提供、こういうことは大変重要なことでありますので、そのようなものが推進できるようないろいろの支援を考えて、またその導入のために努力をしてまいりたいと、こう思います。
○政府参考人(西藤久三君) ただいま大臣からお答えがあったとおりですが、具体的に、私ども、現在、米、野菜など牛肉以外の食品へのトレーサビリティーシステムの導入ということで、もう先生御案内のとおり、食品の種類ごとに、お米と野菜では生産、それと流通の形態、当然のことながら違ってくるわけでございます。それぞれに合ったシステムの開発を進めると同時に、最近の情報技術といいますかIT技術を活用したシステムということで、そういうシステム導入に当たりまして当然一定のコストが掛かるわけでございますので、そういうものに対して支援措置を行うことによって自主的な取組を支援していきたいと。 私ども、具体的には、野菜等の青果物であり、お米であり、牛肉以外の食肉ということで豚肉、鳥肉、あるいは卵あるいは養殖水産物、キノコ類等について、平成十五年度、実証、そういう取組に対して、自主的な取組に対して支援をしていきたいと思っておりますし、加工食品、これはより複雑になってまいります。そういうものについては、実証・開発ということで支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○羽田雄一郎君 西藤総合食料局長は、昨年の三月、私の質問の中でも、牛肉のみならず、お米、野菜あるいはその他の加工食品についても同様のシステムの開発と実証試験に取り組んで順次早期に実用化を図っていきたいと。やはり法律化していくということが大切だと思うんですが、そのことについてもう一度お答えください。
○政府参考人(西藤久三君) 先生今御指摘のような観点から、私ども十四年度に、具体的には、そういう開発・実証ということで、鳥肉、野菜、果実飲料、養殖カキあるいはお米について開発・実証のための支援措置を実施してまいりました。そういう成果を受けて、正に十五年度においては、先ほど申し上げましたような各品目について自主的な取組を支援して実効を図っていくということでの取組でございますし、加工食品につきましては、正に去年、生鮮食料品等で実証・開発ということで取り組んできたわけですけれども、本年度においては、加工食品において、より複雑、形態異なりますので、開発・実証のための取組を支援していきたいというふうに思っているところでございます。
○羽田雄一郎君 いや、取組、自主的な取組に支援していきたいという話をしているんではなくて、法制化に向けて準備をするかどうかという話をしているんです。
○政府参考人(西藤久三君) 先生御案内のとおり、生鮮食料品を含めて食品の生産、流通の形態というのは誠に区々でございます。そういう点で、例えばトレーサビリティーは導入しないけれども、契約栽培なりあるいは産地等でもう顔の見える関係で既に高付加価値農業を展開している、あるいは食品産業と結び付いて展開しているという流通、生産形態もございます。さらには、より効率、低コストということで食品の安定供給をしたいというような取組もございます。 そういう状況の中で、私ども、言わば正に自主的な取組、こういうトレーサビリティーという自主的な取組を現在支援していくことが重要なんだろうというふうに、一律に一つの形で対応するということではなくて、正にその状況に応じた自主的な取組を支援するということが我々の課題であるというふうに思っております。
○羽田雄一郎君 全然答えになっていないんですが。 渡辺政務官、今までのお話聞いて、政務官は、この並びに座っていただいて、御一緒に質問も何度もさせていただきました。特にこのことについては毎回毎回質問をされていたのを記憶に、覚えております。是非御感想等お聞かせいただければ、また、今政府の立場の中で御決意をお聞かせいただければ有り難いなと思っています。
○大臣政務官(渡辺孝男君) BSEの発生という残念な事件がございまして、私としても、国民の健康の保護を第一に考えると、そのような食品の安全のシステムを構築するために質問もさせていただきまして、またそのために現在も努力をしているわけであります。 今回の食品安全関連の法案の成立も、その食品の安全を確保するための大きな一歩であろうと、そのように考えておりまして、その成立を目指しているところであります。
○羽田雄一郎君 今質問をさせていただいている牛の個体識別、トレーサビリティー法案、このまんまで通していいと、早く通してほしいというお話がありましたが、通していいと思われているんでしょうか。
○大臣政務官(渡辺孝男君) 先ほども大臣が答弁されましたように、我が国としてできる体制としてはしっかりやっていると。あとは、ほかの国に関しましては、大臣が申し上げましたように、例えばアメリカに対しては、我が国に輸入される牛肉等が国民の健康保護のために問題が起こらないように十分に対応してもらうように申し上げるということでありますので、それを実行していただけるように私どもも努力をしていきたい。 そしてまた、トレーサビリティーシステムについても、大臣お述べになりましたように、そういうシステムも一部ででき上がっているということでございますので、そういうものを生かして伸ばしていければなと、そのような思いでおります。
○羽田雄一郎君 先ほど常田委員が言われましたアメリカへの要請もされているという話でありますが、これは要請をしているだけで、いつまでの期限もないものでありますし、はっきり言って私は意味がないと言わざるを得ません。 なぜかといえば、ホウレンソウ、この残留農薬、この問題が起こりました。そして、中国から冷凍ホウレンソウに、昨年、昨年ですね、中国からの冷凍ホウレンソウに残留農薬が入っていたということで、二国間の話合いをしているはずなんですね。そして、その二国間で使わないというふうにしたはずのクロルピリホスが残留している冷凍ホウレンソウがまた見付かったということでありますが、輸入禁止にも踏み切れずに何をやっているのかと言わざるを得ないと思うんですが、そのことについてお答えください。
○政府参考人(遠藤明君) 食品衛生法第四条の三の輸入禁止措置の発動に当たりましては、違反率、人の健康を損なうおそれの程度、現地の食品衛生上の管理の状況などを発動の要件としているところでございます。 今回の中国産冷凍ホウレンソウの違反につきましては、残留農薬の検出値が低く、直ちに人の健康を損なうおそれはないこと、現時点で直ちに中国側の対策全般に問題があると判断できないこと、違反が発見をされた企業については中国政府が輸出禁止措置を講じたと承知をしていること、我が国においては輸入者に対し中国産冷凍ホウレンソウの輸入自粛をしている、指導していることなどから、現時点では直ちに発動するとの判断には至っておりません。 厚生労働省といたしまして、今後、中国側における原因究明及び改善防止措置についての報告を得て、二国間協議の内容も踏まえまして輸入禁止措置の規定の発動の要否について更に検討していきたいと考えております。
○羽田雄一郎君 残留農薬の濃度が低いとか輸入禁止にする規定にまでないとか、そういう話ではないと思うんですよね。二国間の協定でその薬品は使わないということになっていたんじゃないですか。もう一度お答えください。
○政府参考人(遠藤明君) 輸入自粛を今年の二月に解除をいたしまして以降、百四十六件の輸入件数がこれまで中国産冷凍ホウレンソウについてあるわけでございまして、これまでの百四十四件のところまでは二国間協議での内容が守られてきたというふうな状況にございまして、その後、ここで二件発生をしているというふうなことで、この原因について至急解明できるまでは先ほど述べましたような措置を取ろうというふうなことでございます。
○羽田雄一郎君 そうじゃないと思いますよ。使っちゃいけないと二国間で協議して決めたことを守らせないで、どうやって守っていくんですか、国民の命を。そのままずるずるずるずると、先ほども、アメリカに要請をしていると、いつ戻ってくるか分からない。 中国にも要請しましたよね。全然戻ってきていないというのが現状じゃないですか。全然回答返っていないはずですよ。私が昨日ホームページで見たところによれば、中国政府への申入れの経緯等、そして、要請したけれどもこれに対する回答は現在までないというのがたくさん出ていました。そして、中国側が何と言っているか分かります。日本の野菜残留農薬基準は科学性が欠如していると、そんなことを言われているんですよ。これは中華人民共和国駐日本国大使館経済処。 これが今の日本の現状なんです。まるっきり危機感もないし、約束したもの、それを破ったのにもかかわらず輸入禁止もできない、これが今の現状なんです。大臣、お答えください。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど厚生労働省からも御説明がございましたが、それらが、繰り返しその協定等の問題につきましてやはりその約束を履行すると、こういうための努力は積み重ねなければならないと、こう思います。 先ほどの、私、BSEの問題、トレーサビリティーの問題と今の御発言等々踏まえて、またこの委員会の先ほども申し上げましたような御意見と、こういうものを十分私は先方に申し上げて、そして食の安心と、こういうものを維持できるように、確立できるように頑張ってまいりたいと、こう思います。
○羽田雄一郎君 それは、検討していくとかは全然決意にもなっていないですし、輸入禁止にすべきなんじゃないですか。二国間の約束を破ったんですよ。それで、これで輸入禁止もしないでずるずるずるずるとやっていては、日本は甘いと世界じゅうから笑い物になると私は感じます。 牛肉について、トレーサビリティー法で対象になるのは何%ぐらいでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃられましたように、現在、我が国で流通しております牛肉、六五%が輸入牛肉、三五%が国産牛肉でございます。トレーサビリティー法案で対象となりますのは、個体識別番号により管理される牛から得られた牛肉ということでございます。 申し上げますと、小売店で主として家庭用に販売されるステーキ等の精肉が国産牛肉の中の五五%を占めております。そして、六%がミンチとか細切れの牛肉でございまして、これは今のところ対象とすることが難しいというものでございます。外食向けが三七%でございまして、そのうち、このトレーサビリティー法案の対象となり得る焼き肉、しゃぶしゃぶ等が約一五%ということでございます。トータルいたしますと、国産牛肉の七〇%がこのトレーサビリティー法案の対象となるということでございます。
○羽田雄一郎君 輸入が大体六三、国産が三七%。輸入の方が多いわけですよね、六三%と。そして国産はたったの三七%。トレーサビリティーにかかるのは、その中でも細切れとかいろいろ抜いていきます、そうすると二二%ぐらいなんじゃないでしょうかね。それでは国民の、消費者の安全を守っていくという法律とはほど遠いんじゃないかと。 先ほど、細切れ、ひき肉、総菜、加工品みたいなもの、これは今のところと言っておられましたが、今後、研究して入れていこうという努力をされるつもりはあるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生も御存じのように、ミンチだとか細切れといいますのは、部分肉加工をするときの端材が一杯出ます、それから精肉加工するときの端材も一杯出まして、それらが、百頭以上の肉が、牛のが混ざるというようなこともございまして、対応する牛の特定に極めて手間、コストが掛かるということで、目的とそのコストのバランスを考えて現在は省令によって対象外ということにしているわけでございます。 これをコストが掛からないで追っ掛けられるというような技術なりが開発された際には、あるいは対象とできるということも将来あろうかというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 EUの方でも研究をされているようでございますので、是非そういうところ、連携して、なるべく牛の流通についてトレーサビリティーがしっかりとできるようにしていっていただきたいなと思う次第であります。 とにかく、今話を聞いていても、このトレーサビリティーの法案、中途半端なもので、これが今、四つの法案、法律案と一括して審議することに意味があるのかなと。これは食の、食品の安全の関連法案ということで一つにまとめられて審議されているわけですけれども、この意味というのを、そしてこれをなぜ入れたのか、こんな中途半端なものを。是非教えてください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先般成立を見ました食品安全基本法、この中に、農家を含みます食品関連事業者の責務ということで、その事業活動に係る食品等に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならないということと、それから、施策の策定に当たって、食品の表示というものが食品の安全性の確保に関し重要な役割を果たしていることにかんがみ、食品に関する情報を正確に伝達するために必要な措置を講じなければならないという規定がございます。 この牛肉トレーサビリティー法案は、国産牛の個体情報を屠畜以降の流通の関係者に次から次へ伝達していく、食品安全基本法の言葉で言えば、食品等に関する正確かつ適切な情報の提供ということでございます。言わば食の安全と安心というのは不可分一体の行政課題ということでございまして、ほかの直接安全性にかかわります法案とともに、食の安全関連法案として御審議をいただいているということでございます。
○羽田雄一郎君 それでは、消費者保護という理念というのはこのトレーサビリティー法の中には入っているんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この法律の目的規定にもございます、牛肉に係る個体の識別のための情報の適切な管理及び伝達に関する特別の措置を講ずる、大目的がもって消費者の利益の増進を図るということでございますので、消費者利益の保護ということを目的にした法律でございます。
○羽田雄一郎君 平成十四年の予算公聴会にも参考人として出席していただきました新山陽子先生は、消費者の信頼を取り戻し市場を保全する上でこのシステム導入が不可欠であるということを言われておりました。 そういう中で、食品安全基本法案との関係については先ほども述べられていたようですけれども、どう考えますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいまの御指摘、修正の部分でございましょうか、衆議院の方で食品安全基本法案の修正がなされまして、農林水産物の生産から食品の販売に至る食品供給の行程におけるあらゆる要素がという部分を、「国の内外における」という修正が入りました。 確かに、私ども思いますのに、相当多くの食料品が我が国には輸入されている。それから農薬とか肥料とか、そういう生産資材も大きく輸入をされている。それから有害な病害虫が侵入する危険も増している。こういうことの状況を踏まえて、この修正といいますのは、我が国に輸入されますそういう食料品とか資材とかそういうものの海外における生産以降の一連の行程における要素というものが我が国の食品の安全に影響を及ぼすおそれがあるので、海外でのそういう供給過程へ必要な関与を適切に行えという趣旨に受け止めてございます。 私ども、食料品に関しては検疫でございますとか食品衛生法に基づくいろんな措置がございますし、生産資材に関しましては農薬、肥料の取締法、飼料安全法の措置がございます。また、有害動植物や家畜疾病の防止に関しましては動物検疫でございますとか植物防疫がございまして、こういうもの、今後非常に新たな危害の発生、混入の危険性、そういうものが高まるということでございまして、海外からの危害の侵入の防止のために積極的に関与していけという趣旨に受け止めております。 これを輸入牛肉の問題というふうにとらえますと、やはり輸入牛肉の安全性といいますのは、先ほど来るる申し上げておりますように、やはり検疫措置によりましていろいろな輸入禁止措置、水際での措置、それから相手国へのいろいろな働き掛け、そういうものの措置を機動的に講じる必要があるだろうというふうに認識しているところでございます。
○羽田雄一郎君 この食品安全基本法案の中でも、「国の内外」ということが修正されております。やはりそういう意味では、このトレーサビリティー法、この法律にもこの趣旨をしっかりと入れていく必要があるんではないかと。特に、今まで亀井大臣そして農林水産省ともにBSE未発生国からしか輸入していないという答弁を繰り返し繰り返しされてきて、そしてこの法案が衆議院では修正もされずに参議院に送られてきているわけでして、そして今参議院に送られてきた段階ではカナダからのBSEの発生ということが起こっているわけであります。 そして、カナダからは入ってこないかもしれませんが、アメリカには自由に出入りしているわけですよね。そして、あるかどうか分からないですけれども、日本でも偽装表示があったり、また北海道で生まれた牛が長野に来ていたり、いろんなところに移動しているわけですよね。そして、長野産になって出ていったりすることもあるかもしれない。アメリカでも子供の子牛がそのままアメリカに来て育てられて、アメリカ産として日本に来るかもしれない。そういうことも考えられないわけじゃないわけですよね。安全なんだ安全なんだと言っていたら、危険なことが起きても、また起こってからでは遅いわけです。必ずリスク管理というのをしっかりとしていかなければならないという意味では、アメリカ産についても大丈夫かなと言わざるを得ないわけです。 そういう意味で、新聞等でしか読んでいないものですから是非教えていただきたいのが、カナダにおけるBSE発生について、経緯と経過、対応、これまで把握している日本に入ってきているもの、こういうものについて詳しく教えてください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これまでの経緯を申し上げますと、五月二十一日の午前六時過ぎ、カナダの現地時間では五月二十日の十七時に当たりますけれども、私の担当者の方にカナダ政府がBSEが発生したことを発表したという連絡がございまして、アルバータ州で八歳の牛一頭がBSEに感染していたということでございます。 このため、担当官が直ちに動物検疫所に連絡をいたしまして、緊急措置としてカナダからの牛肉等の輸入の停止を指示して、同時に厚生労働省にこの旨を連絡をしたわけでございます。二十一日の午前九時過ぎに、在京のカナダ大使館から、カナダにおけるBSEの発生が事実である旨の報告がございまして、正式に関連動物を含みます輸入停止をいたしまして、同日十一時ごろにプレスリリースをしたということでございます。 〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕 その後、米国産の牛肉の中にカナダ由来の牛肉が含まれる可能性が排除できないということでございまして、二十一日に、カナダ由来であることが明らかなものについては輸入を停止するよう動物検疫所に指示をいたしました。二十二日には、アメリカの政府当局に、米国を経由したカナダ由来の牛肉を輸出しないようにという申入れをいたしましたし、二十六日には、動物検疫所に対しまして、アメリカからの牛肉に特定部位が混じっていないことを確認するように指示をしたわけでございます。さらに本日、先ほど言いましたように、アメリカに対して、アメリカのBSEのリスク管理、食肉等の防疫、流通実態、こういうものを調査するために専門家を派遣することとしております。 先生がおっしゃられました一月三十一日に、このカナダのBSE発生牛はたしか肺炎の疑いということで死亡をしておりまして、その後、五月の二十日までに至ってやっとBSEの感染牛であったということが判明をしたわけでございます。 この間のカナダから輸入される牛肉・牛肉加工品につきましては、厚生労働省におきまして、輸入業者別、製品別の輸入実績を確認した上で、特定部位の混入又はそのおそれがあるものの回収の指示を輸入業者等に行っておるということでございます。私どもは、これに対して、情報提供その他の協力をしたいということで連携体制を取っていると、こういう、これが今日までの状況でございます。
○羽田雄一郎君 アメリカにも先ほどからずっと言っているような形で要請もしているという話ですが、先ほど、中国にも要請しても回答が返ってきていないんじゃないかという話もさせていただきました。 ただの要請ではなかなか、やはり自国を守るという、そしてアメリカにカナダ産のは間違いなく入っているわけですよね、日本よりも多く。一番のカナダからの輸出国がアメリカであり、そして三番目が日本なわけですから。そういう中で、アメリカはすぐに輸入をストップしましたけれども、日本への輸出はできるわけですよね。まずイギリスで出たときもヨーロッパに蔓延していったのは、自国では出せないから外に出していこうと、取りあえずはという動きにならざるを得ないんじゃないですか。だからこそ、これだけで世界じゅうに広がってきているんだと私は考えます。 そして、亀井大臣、二十一日本会議で、私ども同僚の郡司委員が質問をしたときも、未発生国からしか入っていないという答弁をされているんですよ。そして、カナダのことには一切触れていないというのが大臣の今の状況なんですね。このことについてどう思いますか。
○国務大臣(亀井善之君) カナダの問題につきましては、すぐ厚生労働省と連絡を取り、先ほど経過をお話し申し上げましたとおり、この同国からの牛肉等の輸入停止をしたわけでありますし、プレスリリースもいたしたわけであります。 参議院の本会議、二十一日の本会議での御質問項目になかったと、私はこのように理解をしております。そういう点から、私の方からあのときの本会議、短時間でと、衆議院との絡みもありまして簡潔にと、こういうことも承っておりましたので答弁をすることはしなかったわけでありまして、この発生につきましては、危機意識を持って輸入停止等の措置に迅速に対応してきたわけであります。 先ほど来、いろいろ申し上げておりますとおり、カナダ経由からの確認された米国の牛肉の輸入停止、あるいは米国へのカナダ由来の牛肉の対日輸出の回避の要請と。また、米国からの輸入牛肉すべてについての特定部位の除去の確認と。あるいは、職員を派遣をする問題と。また併せて、先ほどもお話し申し上げましたが、米国大使館に、実は衆議院の段階でこのことにつきまして、大使館から私にお目に掛かりたいと、こういう、これは逆の意味でのお話があったときに、私は会わなかったわけでありますが、今回この委員会での、本当に先ほど来再三申し上げましたとおり、皆さん方の御意見というものを十分私はお話を申し上げて、この食の安心と、安全と、このことを確立するために、政治家としてその使命を果たして、安全、安心を確立したいと、こう思っております。
○羽田雄一郎君 その本会議でも、カナダで発生したという指摘も郡司委員はされましたし、そして答弁の中で、未発生国ということをはっきりと言われているんですよ。ちゃんと持っているんですから、僕は。それが状況なんです、大臣の。 そして、五月二十日、亀井大臣、二〇〇二年度の農業白書を提出されました。その中でも、食の安全と安心が農業再生、食料供給の原点であると指摘し、消費者に支持される農業の重要性を強調しておられました。やはり、消費者を重視することによって生産者もしっかり守られていくということをしっかりと踏まえて行動を取っていただきたいなと思っております。 小斉平委員の質問に対しても、トレーサビリティー法は安全性を確認するものではないと、それは検疫措置だと、トレーサビリティーなんかよりははるかに強い検疫措置であると、厚労省の食品衛生法、農水省の動物検疫、安全性措置をこのトレーサビリティー法案に求めるというのは、制度の目的として不適切で無理だとまで須賀田生産局長は言われました。国民、消費者の上に立った答弁とは私は思えません。そして、岩本委員の質問に対しても生産局長は、このシステムを作れ作れとさんざん言われたから作ったんだとはっきりと答弁をされています。こんなことでは、消費者である国民、そして与党の皆さんも我々野党も納得できないというのが実際ではないでしょうか。 我々は、野党の皆さんと衆議院の場でも修正を求めてまいりました。しかし、かないませんでした。しかし、このトレーサビリティー法案をそのまま通してしまっていいのかといえば、国民の声、生産者の声、与党の声、野党の声を聞いていても、余りにもといった感じが否めません。良識の府である参議院、そしてこの農水委員会としてもっと検討していく必要があると考えます。是非、三浦委員長始め理事の皆様には、修正等の検討をいただければ有り難いなと思っております。 それでは、あとは本田良一委員にお任せをさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ─────────────
○理事(田中直紀君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、信田邦雄君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君が選任されました。 ─────────────
○本田良一君 羽田委員の後を受けまして、民主党・緑風会の本田良一でございます。質問をさせていただきます。 この食品安全関係法案は、昨年のBSE騒ぎに端を発して、消費者の口に入るものすべての安全性をまず確保するという観点から、あらゆる関係法案を見直したものと認識をしております。 さらに、従来は出口規制、すなわち食品衛生法を基本として、売場に並んで消費者の口に入る最終の状態である食料品、飲料についての残留農薬などのチェックが主体でありましたが、今回の見直しでは、生産、製造や輸入などの入口段階でのチェック体制を拡充することも盛り込まれました。すなわち、農作物の生産行程におけるHACCP法改正、農作物生産に使う肥料、農薬については、それぞれ肥料取締法、農薬取締法の改正、牛肉トレーサビリティー法案、畜産や養殖魚類に使用する飼料、飼料添加物については飼安法、薬事法の改正などがあります。 〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕 そこで、大臣にお伺いをいたします。 私は、実は今回の法案では、消費者の口に入るものすべての安全性が確保されていないのではないかと私は思います。今、羽田委員も申されましたが、今回のこの食品安全法、安全関係法案の質問をずっと聞いておりますと、与野党とも国会議員であります政治家が一致してこの今回の法案について疑念を様々提起をいたしました。何か、消費者の保護という名の下に、ある面、流通や薬品メーカーや他の問題を起こした国、発生源の国ですね、そういうところに対しては、何か逆に複雑になったような取扱いをやっているような感じもし、この法の制定によって新たな脱法による食品安全の危険性が出てきたと、こういうふうに私は感じておりますが。 次に、我が国は世界一と言っていいくらい養殖大国であります。我が国漁獲量全体の約三割を養殖生産が占めております。今回の一連の法改正では、養殖動物と申しましょうかね、魚介類は薬事法の動物用医薬品における対処が明記をされております。それでは、ノリなどの養殖、つまり植物、海藻ですね、海藻についてはいかがでしょうか。今回の一連の法改正の中に何か御提案があるのでしたらお聞きしたいと思いますが、全くエアポケットになっているような感を持ちますが、前段のことと今申し上げましたことについて、大臣の答弁をお伺いします。
○国務大臣(亀井善之君) 養殖植物としてノリ、ワカメあるいは昆布等があるわけであります。ノリの養殖は種苗を網に、あるいはまたワカメ、昆布の養殖では種苗をロープ等に付着させ、海中で養成する方法を取っておるわけであります。ノリ養殖につきましては、海藻類の駆除、病害の防除等に酸処理剤が使用されているわけであります。ワカメ、昆布の養殖におきましては、薬剤が使用される例は承知をしておりません。 ノリの酸処理剤については、食品添加物であって、天然の食品に含まれる、ノリに残留しない有機酸を用いるよう指導しているところであり、これらの研究成果から見ても、ノリの食品としての安全性には影響がないというようなわけでありますが、今回、いずれにしても今回の一連の法改正、そういう面で食品の安全を目的としたものであるわけでありまして、いろいろ生産、今回、食品安全委員会の設置、そしてリスク管理をする、そういう面で私ども、食品の生産から、行程からいろいろの中での食品安全のために努力をしなければならないわけでありまして、飼料、農薬、肥料等々の問題につきましても、厚生労働省と基準を設定するなど、いろいろ施策を進めて食の安全を図っていくと、このようなことでありまして、養殖の問題等々につきましても、やはり食の安全、安心を図るためにこれらの法を、連携し、また厚生労働省とも緊密な連携の下に確立してまいりたいと、こう思っております。
○本田良一君 後でもう少し大臣から的確な答弁をいただくことで、事例を挙げながら入っていきたいと思います。 それでは、ノリについて、その養殖生産のために、例えば塩酸などの劇物を使用した場合、どのような取締り法規が適用されるのでしょうか。塩酸については、有明海でノリ養殖のために実際に使用されたという報道もあります。また、私も直接、使用をしたノリ生産業者から聞いたこともあります。このことについて水産庁はこの事実を御存じでしょうか。 局長に答弁いただきますが、その前に、大臣はこのことを、一応新しく就任されて聞いておられるか、こういうことがあったかどうか、お伺いします。
○国務大臣(亀井善之君) いえ、まだ私はちょっと勉強不足か、聞いておりません。
○委員長(三浦一水君) 羽田雄一郎君から御要望がございました件につきましては、具体的御提案があった段階でまた協議をさせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(木下寛之君) 私の方から二点お答えをしたいと思います。 まず第一点の、ノリ養殖における塩酸使用の事実を承知しているかどうかという点でございます。 私ども、従来からノリ養殖につきましては、酸処理剤でございますけれども、酸処理剤検討委員会で認められた適格品を使用するように指導いたしているところでございます。 現在、昨年十月から始まりましたノリ作における使用実態について、関係県を通じまして、また私ども水産庁といたしましても職員を現地に派遣いたしまして、その実態の調査を行い、現在その取りまとめを行っている段階でございます。 私ども、漁業関係者の中に以前は塩酸を酸処理剤に使っていたというような話があるということを報道等で承知をいたしておりますけれども、先ほど申し上げました、今回、十四年産につきまして調査をしている、その段階でございますけれども、今漁期におきまして塩酸等を使用したというような報告は、私ども承知をいたしておりません。 それから第二点目でございますけれども、塩酸などを使用した場合にどのような取締り法規があるのかという点のお尋ねでございます。 私の方からまずお答えをしたいというふうに思いますけれども、一つが、一般論として申し上げますと、酸処理剤の使用後の残液を船上から海洋に投棄をするという場合には海洋汚染防止法に抵触するというふうに思いますし、また一方で、酸処理剤の残液でございますけれども、廃棄物処理法によりまして、産業廃棄物として養殖業者自らの責任において適正に処理しなければならないというような法規制があるというふうに承知をいたしております。
○本田良一君 まだ酸処理については聞いていないところを答えていらっしゃいまして、塩酸のことですね。だから、報道で一応知ったということでありますが、報道で知ったんであれば、直ちに調査もしておられるけれども、現在はつかんでいないと。しかし、この報道はもうかなり早かったんですね。そして、今日まで調査をされて、その実態をまだつかんでおられないということが非常に私は、消費者の側に向いてこの食品安全法を制定をされるという立場にある官の、行政の側としてちょっと怠慢であるなと思いますが。 次に、今日は海上保安庁長官も来ていただきました。この現場の、直接海のことについて治安を維持される長官にお伺いをしたいと思います。 塩酸などの、特に有明海等でノリの養殖にこの塩酸が使用されていることを知っておられるかどうか。そして、もし使われていたときに、海上において海上保安庁として法的な取締りとしてはどういうことになりますでしょうか。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明を申し上げます。 ただいま委員御指摘の塩酸の問題につきましては、私どもといたしましては、現時点においては具体的な事実を承知いたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、ノリ養殖の際にいわゆる酸処理剤が使われる、これが廃棄物として海に排出されるケース、この場合、一般論的に申し上げれば、今、水産庁さんの方からも御答弁がございましたけれども、いわゆる廃棄物処理法、また船から捨てられるようなケースにつきましては、いわゆる海防法にそれぞれ違反することであろうというふうに思っておりますが、当庁といたしましては、法規に照らし具体的な事実を確認して、こうした廃棄物を海中への不法投棄をする、こういうことにつきましては、今後とも鋭意監視するとともに、取締りを当たっていきたいというふうに考えております。
○本田良一君 またこちらも酸処理を言っていただきました。 それで、後でまたいろいろ長官にお尋ねしますが、私は非常に海上保安庁にはある面よくやってもらったなと、こういう一つの事例がございます。それでわざわざ実は来ていただいたんですが、私は熊本でございまして、三角の海上保安庁が私のところには毎月、三角海上保安庁のパンフレットを届けていただきます。その中に、これは現実に新聞報道もありましたけれども、海上保安庁が、この宇土、有明海の宇土の網田というところでモジャコに対して除草剤を掛けてこのモジャコを大量に捕獲する、そういうのが長く続いておりました。それを、海上保安庁は自らこれを取締りをやって逮捕したわけですね。だから、こういう立派な、ちょうどこれは有明海の塩酸問題が報道もされたところでこの逮捕の事例があったわけです。よって、非常に私は海上保安庁としてはすばらしい海の監視の一端をかいま見たということで、私は敬意を表しているところでございますから、今日わざわざ海上保安庁に来ていただいたのは、これから、海は安全だという神話はもう崩れておりますので、それは海上で、海でいわゆる養殖をされる、そういうもののもう神話は崩れたと。いろんな薬物を使われて大変な危険な状態に食の安全上あることを現場の長官として認識をして、より法的なやっぱり網をかぶせて、そのことを現場で守り抜いていただきたいと、そういう意味で今日はお呼びをしておりますので、もっと後で具体的なことをお聞きしたいと思います。 それから、厚生省はこういう塩酸などを使う漁法に、養殖漁法についてはいかなる厚生省としての対応をされるか、お伺いをいたします。
○政府参考人(鶴田康則君) お答え申し上げたいと思います。 まず、濃度が一〇%を超える塩酸につきましては、毒物及び劇物取締法におきまして劇物に指定されておるところでございます。この毒劇取締法は、保健衛生上の観点から、毒性が強くて取扱いに特に注意を要する、こういった化学物質の事故の発生を防止するという観点から、ために、製造、販売、保管、管理等について必要な取締りを行うことを目的としているわけでございます。この塩酸等の劇物の用途を規制するものではございません。したがいまして、ノリ養殖の目的で塩酸等の劇物を使用すること自体は規制していないわけでございます。また、劇物を含有する廃液につきまして廃液の基準を定めておりますが、ノリ養殖で使用した廃液はpH二程度と考えておりまして、これは劇物に相当する毒性を有しないということから、規制の対象とはなっておりません。 以上でございます。
○本田良一君 こちらも後でまた。 次に、私は、養殖生産における薬品使用に対する規制は大きく分けて二つの観点からなされるべきと考えております。まず第一、生産・流通時に薬品を使用した食品が人の健康を損ねるおそれがないかという点であります。次に、二つ目として、養殖生産に使用した薬品が周辺の海洋環境を汚染をし、他の魚介類や植生に影響を与えないかという点であります。 最初の観点では薬事法が対応しているわけでありますが、あくまで水産動物、魚介類が対象であります。ノリなどの水産植物、海藻は対象外であります。当然、我々の口に入るという点では動物も植物も同じでありますから、水産植物も薬事法の対象とすべきであると思いますが、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 薬事法は、人又は動物の疾病の診断、治療、予防等に使用されることが目的とされている医薬品を対象としております。また、保健衛生の向上を図る観点から、医薬品の有効性や人又は動物に対する安全性の確保、このために必要な規制などが行われておるものでありまして、このような薬事法の趣旨、目的にかんがみれば、生物としての特性が異なる水産植物は薬事法の規制にはちょっとなじまないんではなかろうかと、こう思います。
○本田良一君 今、大臣は正に何か、やっぱり官僚の答弁をされたようでありますが、こういうときにやっぱり政治的な判断で、やっぱり大臣、お答えをしていただきたいと思います。 それは、この動物用医薬品までは獣医師がかむようになっているんですね。ところが、最終的にこれは食の安全ですから、人がやっぱり最終的には守られなくちゃならない。そうなった場合はやっぱり薬事法で対応していかなければ、今後この問題を本当に確保すること、食の安全、はできないと思います。 次にまた行きます。二つ目の観点である環境対策についてお伺いをいたします。 養殖生産における環境対策として持続的養殖生産確保法という法律が平成十一年に制定をされました。これは私の地元の熊本県始め西日本で養殖生産していたクルマエビがPAVウイルスの混入で全滅をしたことや、各地の養殖生産において過密養殖や抗生物質の過剰投与などにより病気などが発生したのを契機として、むしろ漁協などからの要望があって法律制定となったものと聞いております。したがって、その内容も漁場環境改善計画を各漁協に任意に提出をさせ、適正な計画であれば共済掛金を減額するというような、どちらかといえば養殖業界の支援法であります。これはもう、ずっと今までそういうふうに私はこの確保法を言ってきておりますが、自分さえよければいいという法ですね。他の魚介類の生育に影響を与える、そういう法では、それを他の魚介類に影響を与える、それを与えないようにする法ではないんです。無秩序な養殖生産によって食品としての安全性を損なうのを規制をしたり、周辺海域の汚染を防止するものではありません。 そこで、私は、先般来、この持続的養殖生産確保法を改正をした法案を今国会に提出をしております。大臣は、まず、このことを御存じでしょうか。それから、熊本では、フグ養殖に使われたホルマリンが同じ海域で行われていた真珠養殖を壊滅をさせ、百億円近く被害を与えました。有明海のノリ養殖で使用された大量の酸が他の魚介類、特にタイラギやアサリなどの漁獲を激減させたという疑いが限りなく強いと言われている事例があります。 この際、持続的養殖生産確保法を改正されるおつもりはございませんか、大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 持続的養殖生産確保法のことにつきましては承知をいたしております。また、この養殖の生産過程における検討課題として食品の安全性あるいは漁場の環境の保全と、この両面は重要なことであります。 今回、今御審議をいただいております関連、薬事法、飼料やあるいは飼料添加物、飼料安全法、こういう法案の御審議をお願いをしておるわけであります。いわゆる食の安全、安心、この政策大綱、こういうものも中間取りまとめをいたしたわけでございまして、消費者、生産者などの関係者に、生産資材に関するリスク管理を私ども担当するわけでございまして、このことから、必要があればこの制度の改正と、これは改善なりその取組等々につきまして十分検討することは必要なことと、こう思います。
○本田良一君 ありがとうございました。検討するということを聞きまして、今まで、この議員立法を出しました、私のこの議員立法が、成立はしませんけれども、今の大臣の検討するということで非常に期待をいたします。 それで、どういうことかといいますと、これは、「環境保全と養殖漁業の新世紀戦略」という中で論議を出席者の人たちがやっておりまして、水産庁では井貫水産庁栽培養殖課長が答弁をしておりますね。まず、船渡さんという宮城県の漁協の参事、連合会の参事がこう質問をしましたね。海の汚染に対して、もっと真剣に取り組んでいかなければなりません。養殖新法というのは、今、この持続的養殖の、前段の、生産確保法が成立をしたことなんですね、この新法はもっと取り入れてもらいたかったという、養殖新法の中にも少しは入っていると思いますが、もっと取り入れてもらいたかったという感情を強く持っておるわけでありますと、こう言っております。 そして、井貫水産庁の課長は、養殖業者や自らの努力のバックボーン規定として養殖新法を作ったわけですが、それだけで済まないことは国としても水産庁としても十分認識をしております、現在、水産基本法の制定をめぐる議論の中で、漁場環境保全の対策をどうするか、特に漁業者以外の部分をどのように対処していくかが一つのポイントとなっておりますと、こういうふうに答えております。 よって、今、大臣がこれをまとめていただいたと考えて、今後検討するということでひとつ是非改正をお願いしたいと。 それでは、この持続的養殖生産確保法に従って漁場改善計画を提出をしている養殖漁協は、平成十一年以来今日まで全国で何%ありますか。漁協の数での把握が難しければ、生産量ベースでお答えを願いたいと思います。局長、お願いします。
○政府参考人(木下寛之君) 平成十五年五月現在の数字でございますけれども、持続的養殖生産確保法に基づきます漁場改善計画数、十八道府県で百六十二の計画がございます。漁場改善計画を策定いたしております漁協の養殖生産量、三十五万トンでございますけれども、全国の養殖生産量に占める割合が約二八%ということでございます。魚類で見ますと六〇%程度、あるいは貝類でいきますと二三%程度がその対象となっているという状況でございます。
○本田良一君 今年の四月二十二日、長崎県は記者会見をして、県内の十一漁協、九十五業者から、業者が平成十三年から今年に掛けて養殖トラフグにホルマリンを使用していたと発表いたしました。これらは県内養殖業者の約六割に当たるそうでありますが、これらの業者は持続的養殖生産確保法の定める漁場改善計画を提出をしていませんでしたか。それとも、虚偽の漁場改善計画を提出をしていたのでありましょうか。局長、お願いします。
○政府参考人(木下寛之君) 長崎県からの報告によりますと、委員御指摘のとおり、ホルマリンを使用していた養殖業者が所属いたします漁協は十一漁協というふうになっておるわけでございます。この中で一漁協が昨年十一月にホルマリンなど水産用医薬品以外の薬品の使用禁止ということを盛り込んだ漁場改善計画を策定し、長崎県知事の認定を受けているところでございます。 また、長崎県の調査によりますと、当該漁場改善計画を、昨年十一月でございますけれども、策定をした漁協でございますけれども、計画策定以降はホルマリンの使用はないということでございます。
○本田良一君 もし、実際はホルマリンが使われているのに虚偽の漁場改善計画を出していたとしましたら、持続的養殖生産確保法ではどう処罰されるのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(木下寛之君) お答えいたします。 漁場改善計画に従った養殖生産が行われていないという場合だと思いますけれども、一つは、都道府県知事によります漁場改善計画の認定の取消しというのが一点でございます。もう一点といたしまして、都道府県知事によります漁場改善計画によります改善のために必要な措置を取るべきことを勧告と。また、このような勧告を受けた漁業協同組合がその勧告に従わなかった場合にはその旨を公表するということでございます。 また、この公表の後、当該漁業協同組合が正当な理由なくその勧告に係る措置を取らなかった場合につきましては、公益上必要と認める場合には、漁業法第三十四条の規定に基づきまして所要の措置を取るというのが規定でございます。
○本田良一君 それで、こういう場合はどういうふうになるかと言えば、漁業法に基づく漁業調査委員会の指示についてという、こういうものが水産庁、ありますね。これによって、裏付け命令違反の者には、裏付け命令遵守をするようにということになっておりますが、まず、長崎ではホルマリンを使用した業者についてどうするか。それから、既にホルマリン使用をやって裏付け命令を出されているところがありますね。熊本県に一件ですね。こういうものについてはどうされますか。
○政府参考人(木下寛之君) 長崎県の場合でございますけれども、今回の事案を受けまして、本年五月に漁業調整委員会の指示が出されたという段階でございます。 また、二つ目のお尋ねの漁業調整委員会指示に違反した事例はどうするのかという点にお答えをしたいというふうに思います。 漁業調整委員会指示に違反した場合には、漁業調整委員会は知事に対しまして、委員会指示に従わない者に当該指示に従うべく命ずるよう申請ができるというのが一点でございます。これがいわゆる裏付け命令という点だろうと思います。また、この裏付け命令につきまして、都道府県知事の判断によって行われるべきものというように考えておりますけれども、それぞれの県におきまして適切な対応が取られるものというふうに考えております。 また、この裏付け命令に対して、先ほど申し上げましたように熊本県の事例だというふうに承知をいたしておりますけれども、先ほど申し上げましたような裏付け命令に違反した場合には、それに対して所要の罰則が掛かるというふうに理解をいたしております。
○本田良一君 生産量ベースでいまだに全国の、先ほどの局長の答弁で、二七%しか漁場改善計画が出されていないということでありますから、しかも、ホルマリンを使っても何にも処罰をされない。このようなことでは、この持続的養殖生産確保法という法律の実効性は全くないと言っていいのではないかと思います。大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) この法律、漁業協同組合等による養殖漁場の自主的な改善の促進あるいは伝染病、疾病の蔓延の防止、このような内容でもあるわけでありまして、いろいろこの問題点の指摘も今承りました。自主的な改善の促進と。一つは、本年秋に予定をされている漁業権免許の一斉切替えに際しまして、この法律に基づく漁場改善計画の策定が促進されるよう各都道府県に指導いたしたいと。 また、いろいろこの漁場改善計画の作成に当たっては、漁場収容力に見合った養殖を行うとともに、改正薬事法の趣旨を踏まえて、承認医薬品の使用など水産用医薬品の適正使用に関する事項が盛り込まれるよう指導することとしておるわけでありまして、伝染病の蔓延防止と相まって機能する、あるいは過密養殖の防止、適正給餌の推進等が図られ、ひいては食品としての安心、安全の養殖水産動植物が育成されるところであるわけでありまして、是非いろいろ指導をし、この法律の実効性を確保するようにしたいと、このように考えております。
○本田良一君 私はこの法案を思い、感じましたのは、動物用医薬品につきましては薬事法で適用されますね。しかし、処罰はされない。今度は一方、ノリとかそういう海藻ですね、これは全く薬事法でも除外されているし、今度は先ほど申しました塩酸とかホルマリンを使っても処罰をされないんですね。そういう、いずれも最終的には処罰をされないんですよ。このことが今から重要なこの海の汚染をますます加速をさせると、こう思っております。 それで、このホルマリンの使用について、私は先般の十五年の三月二十七日、大島大臣の答弁をもらいました。薬事法の一部改正によりホルマリン等未承認の動物用医薬品の使用は禁止をいたしますと、こういうふうにはっきりと私の質問に大島大臣は答えてもらったわけです。亀井大臣、あの大島大臣は、私は非常にこの委員会で、農林大臣として、個人的な問題は別として、こういうものでは本当に勇断を持ってこういう決断ある発言をしていただいたわけであります。よければ亀井大臣も、本当に官僚が書いた判断で回答をするんではなくて、大臣らしく政治家としてこれからの食の安全を、そして、特に私が強調しますのは、どう、陸の農薬の問題、ずっと昔から言われてきました。しかし、最も盲点になっているのがこの海洋、海なんですよ。水俣病も海で発生したんですよ、ですね。この水俣病は結局、後で聞きますが、検出をされない、されないということでずっと、ホルマリンも他の魚介類から検出をされないということでずっと水産庁はそれを、使用を野放しにしてきました。そのことがあの水俣病を拡大をあれだけしてしまったんです。 だから、ここでそのことをもっとはっきりと、検出をされないこととかそういうことでなくて、この文章の中にはまだ、ホルマリンの使用の水産庁長官の通達には、成魚についてと書いてあるんですよ。そしたら、稚魚の場合にホルマリンを使ったときはどうなるかという、まだこの問題残っております。だから、しかし、もう大臣がホルマリンは使用しないと、こう言っているからこれで稚魚の場合も使われないものと私は思っておりますが、水産庁長官、どうですか。
○政府参考人(木下寛之君) 現在御審議いただいております薬事法の改正案でございますけれども、第八十条、八十三条の三だと思いますけれども、未承認医薬品については禁止をするというふうになっているわけでございます。また一方で、改正後の薬事法第八十三条によりますと、薬事法の規制対象動物は、牛、豚その他食用に供される動物として農林水産省令で定めるものというふうにされているところでございます。 私ども、この省令で定める範囲でございますけれども、一つが、現在マダイなど十一魚種が対象となっておりますけれども、これを食用に供される全魚種に拡大をする。またもう一点は、成魚の一連の生産行程の一環を占めるという観点を踏まえまして、今御質問の、通常そのままでは直接食用に供しない魚卵あるいは稚魚につきましてもそれを含める方向で現在検討を進めている段階でございます。
○本田良一君 実は、ずっと私は口を、自分の持論を言わずに案外ここまで来ました。それは、いわゆる海上保安庁長官と厚生省の答弁をいただくために、ここが実は山場なんだ。 ホルマリンを私が例えば工業用として購入をして、そしてフグの養殖に使った、この場合は処罰をされない。海上保安庁長官、私が工業用として購入しながらも、どぼっと海に捨てたときは、いわゆるこれは投棄ですね、そうしたときには私は逮捕されますかね、どうですか。
○政府参考人(深谷憲一君) いずれにいたしましても、海への、物を廃棄物としてこれを捨てるというふうな行為につきましては、いわゆる廃棄物の処理及び清掃に関する法律、あるいは海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律、それぞれ規定がございます。その規定に照らしまして、私どもとしてはその具体的事実を確認し、これを私どもの任務としまして、海を安全に、あるいは海を守っていく立場といたしまして今後も厳正に対処をしていきたい、かように思います。
○本田良一君 それでは、クエン酸をそのまま、先ほどの質問に戻りますが、残液をノリ業者がそのまま海に投棄をする、そうしたときは、今後、厚生省それから海上保安庁長官それから水産庁、局長にお尋ねしますが、そのときの処理の仕方について、それぞれの御見解を。
○政府参考人(木下寛之君) 私の方からまず申し上げたいというふうに思います。 私ども、今委員御指摘のとおり、クエン酸を海中にそのまま投棄をするという点につきましては、一般論で申し上げますと、海洋汚染防止法に抵触をするというふうに、国土交通省の所管でございますけれども、私どもはそのように理解をいたしております。
○政府参考人(深谷憲一君) したがいまして、先ほども申し上げましたけれども、廃棄物として海中にそういったものを捨てるということにつきましては、一般論的に申し上げれば、通常、陸からのケースはいわゆる廃掃法、船からのケースはいわゆる海防法、これに違反するというふうに考えております。 したがいまして、先ほど申し上げたように、事実に照らして今後私どもとしましては厳正に対応をしていく考えでいるということであります。
○政府参考人(鶴田康則君) クエン酸につきましては、毒物・劇物取締法の対象になってございません。
○本田良一君 それでは、フグの養殖、今後別な形であろうと思いますけれども、今度は、ホルマリンは、フグの養殖はそのまま海水の他の一衣帯水、他の海水と間切りをしてそしてホルマリン使用はやっていないんですね。ホースでそのままホルマリンをだあっとビニールの網の中に入っているフグにまきまして、そしてそのホルマリンは海水に溶けていくんですね。ある面、今度はクエン酸もそういう状態なんです。 そうしたときに、今後、海上保安庁としてはそういう場合にはどのような対処をされますか。
○政府参考人(深谷憲一君) いずれにいたしましても、いわゆる海洋汚染防止法におきましては「何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない。」、こういうことで、これについては所要の担保措置があるわけでございます。他方で、廃掃法の方では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と、こういう規定があるのは先生御案内のとおりでございます。 私どもといたしましては、具体的な事実関係、これを、有用物でないものを廃棄物として捨てる場合には先ほど申し上げたようなことになり、それぞれの規定に違反するケースが発生する、この場合についてはきちっと、事実を確認できれば、厳正に対処していきたいと。 ただ、先生御指摘のホルマリンを使うようなケース、これにつきましては、ケースによっていわゆる廃棄物を海に捨てているということに当たらない事案、こういうことになりますと、先ほど申し上げましたような、いわゆる海防法十条の規定に直接違反にならないケースもあろうかと思っています。
○本田良一君 それでは、大体、時間がございませんから、もっと本当は事例を挙げてやりたいんですが。 最後に、大臣に、今まで申しましたこのようなホルマリンとかいろんな水産用医薬品の未承認のものが養殖で使われております。よって、この持続養殖改正法を検討するとおっしゃいましたけれども、これをひとつ時期を明示しまして、もうこの本当に一年か二年かとか、そういうところで今までのいろんな省令をもって今後の海の養殖の安全のために、これは外国でも、例えばタイとかマレーシア、日本の養殖、エビ養殖とか、それがマングローブを、マングローブの林を破壊したり、そういうことをやっております。 だから、この法ができることによって日本は先進法を持って、他のグローバル社会の中で先進国と法上はなると思いますよ。だから、私は、大臣に、是非この持続改正法を、他の魚介類、他の環境に与えないということを含めて改正を検討していただく、その意思をもう一回御確認したいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今回の食の安心、安全、これを図るためにいろいろの施策を進めるわけでございます。特に御指摘の海の関係、養殖の関係等々につきましては、いろいろの魚種等々あるわけであります。また、その態様等いろいろあるわけでありまして、十分、食の安心、安全を確立する意味合いにおきまして、御指摘の点、十分検討させていただきたいと思います。
○本田良一君 終わります。
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。 このたびの食品安全に関する四法案、少しずつこれから質問いたしますので、簡潔な御答弁をお願い申し上げておきたいと思います。 まず、BSE、いわゆる牛海綿状脳症でございますが、これは平成十三年九月に千葉県下で我が国初めてのBSE感染牛が確認されて、今、七例目まで確認されておるわけでございます。一年八か月を経過したわけでございますが、発生原因の汚染ルートの解明、究明、どこまで一体進んでいるのかなと。何回お聞きしても、今一生懸命やっておりますということでございますが、現在どこまで、進捗状況はどうかということと、それからBSEのサーベイランスをずっとやっておられますけれども、その調査結果、またその評価についてはどのようにお考えなのか、以上二点についてまずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、感染源でございます。 一昨年の十一月から本委員会でもいろいろ指摘をされまして、海外調査を含めまして現時点まででおよそ三点疑わしいということで、一つがイタリアから輸入されたOIEの不活性化基準を満たさない時代の肉骨粉、それからもう一つが配合飼料工場で混入の可能性がある工場が五つあったと、それから七例に共通した代用乳、これにBSE汚染国のオランダ産の動物性油脂が含まれていた。 いずれも、その一つ一つを入念に調査をしたわけでございますけれども、今のところまだ我々としては感染源、感染経路の特定に至っていないということでございまして、難航しているこういう調査の隘路を切り開くということで、昨年末に専門家にBSE疫学検討チームというのを作っていただいて、これまでのデータを全部お出しして検討を依頼したわけでございます。 この疫学検討チームでは、BSEの国内侵入リスクあるいは国内での暴露リスクを、肉骨粉、それから輸入の生体牛、それから動物性油脂と、こういったものに対して仮説を立てると、複数の仮説を立てて起こりやすさというものを検証していきたいということが一つ。それからもう一つは、BSE発生群と、七例とおっしゃられましたけれども、その発生群と非発生群の飼養のやり方、飼育方法ですとか飼料の給与の方法ですとか、これに違いがあるんじゃないかということで比較考察をして、その違いから感染源を模索するというような、いわゆる疫学的分析評価を今行ってもらっておりまして、夏までに中間取りまとめをいただきたいというふうにしておるわけでございます。 それから、サーベイランスでございます。全頭検査、一昨年の十月十八日、屠畜場で全頭検査を行っておりますけれども、本年四月末までに百八十八万頭全頭検査を行いました。百八十八万頭で六例出たわけでございます。農林水産省は、生産段階における死亡牛の検査を八千頭行ってございます。また、本年四月以降は死亡牛、原則二十四か月齢以上の死亡牛の全頭検査が始まったわけでございまして、こういうサーベイランスのデータも蓄積をしながら、このBSEのリスクを評価していただきたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 私どもも、三浦委員長を中心に、栃木県に死亡牛検査をしておる現場へ行きまして、本当に関係者の皆様方のお仕事に敬意を表する次第でございますが、日本は科学技術大国になろうと、こういうわけでございますから、是非ひとつ一日も早い感染ルートの解明、究明を、特段のまた御努力を関係者の皆様方に御要請をしたいと思うわけでございます。 そこで、先ほど局長からも肉骨粉のお話が出ましたけれども、これは先日の新聞報道でございますが、今この肉骨粉はどういう処理をされているのか、その費用は一体どのぐらい掛かっているのか、それは国費なのか補助金なのか。肉骨粉の処理方法、また費用等々についてお答えいただければと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 牛由来の肉骨粉は、その飼料、肥料については製造を原則として禁止する、販売ももちろん禁止するということで、焼却処分をしているところでございます。その中で、OIEが定めます高圧、高温、こういう処理をしたいわゆる蒸製骨粉につきましては、飼料への誤用の防止というものを講じた上で肥料としての利用を解除しているということでございます。 それから、ほかの肉骨粉、鶏由来の肉骨粉、チキンミールとかフェザーミールでございますけれども、これは牛の肉骨粉と分別処理、製造されたことが確認できるものに限り肥料、飼料のリサイクルを認めておると。それから、豚由来の肉骨粉でございますけれども、これも同じく牛の肉骨粉と分別して製造されたということが確認できるものに限り肥料としてのリサイクルというものを認めているわけでございます。現在、レンダリング施設の分別処理というのを進めておるところでございまして、鶏、豚といったものが有効利用できるようにしたいというふうに思っております。 また、牛由来の肉骨粉、今のところ焼却処理で全額国が面倒を見ておりまして、年間約百六十億ぐらい掛かるわけでございます。私どもとしては、この牛由来の肉骨粉についても何とか異常プリオンの不活性化技術開発ができないかと、そうすることになりますれば利用ができることになるわけでございますけれども、こういうものに取り組んでいきたいというふうに思っております。また、その費用負担も、もういつまでも国が全額負担するのもつらい面があるし、またその経緯からするとやむを得ないかなという面もあるんですけれども、この費用負担を今後どうしていったらいいのかというのは検討課題だろうというふうに思っております。
○日笠勝之君 確かに、忠ならんと欲すれば孝ならずじゃありませんけれども、異常プリオンの対策の方法というものが確立しない限りはなかなか難しいんだと思うんですが、しかし一般市民からしてみれば、税金を使って市場に流通しない製品を作って、それをまた全額税金で燃やして、その後何か灰はセメントで固めて埋め立てるとか、いつまでもそういうわけにいかぬと思いますね。そういう意味では、先ほどから言っている科学技術立国になろうとしている日本でありますから、早く科学的知見に基づいた対応というものを、これもしっかりと対応を要請しておきたいと思うわけでございます。 続きまして、トレーサビリティーに関係いたしまして、トレーサビリティーと言っちゃいけないというのは私この前申し上げました、生産履歴ですね、追跡可能性というふうな言葉を今日はトレーサビリティーと言わせていただきますけれども、これのことでございますが、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法、いわゆる牛のトレーサビリティー法の第三条に、「牛個体識別台帳の作成」というところで、この第三条の第一項の八号までは具体的、個別的に書いておりますが、九号ですね、九号は「その他農林水産省令で定める事項」と、こうありますね。一体全体この「その他農林水産省令で定める事項」とは何を想定していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいまお尋ねの農林水産省令で定める事項でございます。現在考えておりますのは、一つが牛の種別、いわゆる品種でございます。それから次に、牛の管理者の電話番号でございます。三つ目に屠畜業者の名称と住所。四つ目に輸入の生体牛という場合には輸入先の国名。こういうものを想定をしているところでございます。
○日笠勝之君 これ、二十四条しかない法律で、附則が八条で、合計三十二条なんですが、私も暇に任せて政令事項が何項目あるかと調べますと、政令事項が八項目、省令事項が三十四項目。こんなに政省令が多い条文、短い法律にしては多いなと思いつつお聞きしておるわけでございますが、品種ということをおっしゃいましたけれども、これ品種はどこまでの記載をお考えでしょうか。 いろいろ資料をいただきますと、肉用牛には肉専門種として四種類ぐらいあるとか、交雑種、いわゆるF1であるとか、それから乳用種、去勢のホルスタインであるとかいろいろ、ジャージーもあるようでございます。どの程度の品種の、中身ですね、台帳に作成をするとお考えなんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) どこまで細かく書くかということでございます。私ども、これから具体的には詰めたいと思っておりますけれども、今考えておりますのは、先生今おっしゃられましたように、肉専用種であれば黒毛、赤毛、褐毛ですね、それから短角、無角、その交雑と、こういうような種類の表示ができないかなと。それから、乳用種であればホルスタイン、ジャージーと。そのほかにF1、交雑種と。こういうのが消費者の皆さんが求めていることかなと思うわけでございますけれども、今後関係者とよく協議して、その付けやすさとかそういうのも加味しながら決めていきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 それから、種類ですね、種類。すなわち去勢牛であるとか未経産牛であるとか子牛であるとか、こういう種類についてはどうなんでしょうか。この第三条第一項の九号の項目とされるんでしょうか。それとも任意になるんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今、先生言われました去勢とか未経産とか子牛とかいう種類のもの。今、私ども情報として記録管理するものとして、牛の出生年月日、これで月齢が分かるわけでございますけれども、と、雄、雌、雌雄の別というのを考えております。 今、先生がおっしゃられました、まず去勢かどうかという話だと、雄牛という表示があれば九九%以上は去勢でございます。それから、未経産かどうかということでございますと、種付けの月齢からいたしまして、黒毛和種であれば二十五か月齢以下、ホルスタインであれば二十六か月齢以下だと未経産ということに推定されますし、子牛は月齢で推定できますので、あえて直接義務付けなくても、今考えております雌雄の別と出生年月日でほとんど分かるのではないかというふうに思っております。
○日笠勝之君 その次は受精卵クローン牛ですね、受精卵クローン牛肉。体細胞はこの前やりましたから結構です、今日は受精卵クローン牛肉の、これはどうされますか。同じく第三条第一項九号の項目とするんでしょうか。今は任意表示だそうでございますから、任意表示のまま行くんでしょうか。 クローン牛についてはこの前、体細胞クローン牛でここで議論いたしましたが、なかなか消費者はまだ安心、安全感というものがないということもございますし、それからドイツ、フランスでは義務表示になっているということも聞いたようなこともございます。 今回の法律は、安心、安全をどう確保していくかということの、またどう情報公開を消費者に与えていくかということが観点の法律であるわけですから、どうなんでしょう、この受精卵クローン牛肉の表示、表示というか、ごめんなさい、台帳にこれを記載するということの対象になるんでしょうか。それとも表示の方でしっかり対応しようということになるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) このトレーサビリティー法案は、目的規定にもございますように、BSEの蔓延防止の実施の基礎とするというふうに書かれておりまして、BSEの蔓延防止という観点から見ると、受精卵クローン牛であるか否かというのは必ずしも必要な情報ではないということで、このトレーサビリティー法案の方の必須情報には今のところするつもりないわけでございます。 ただ、非常に受精卵クローン牛由来の牛肉についての情報提供を求める声が強うございますので、この表示、今のところ受精卵クローン牛かCビーフというふうに表示をさせているわけでございます。どうもフランスとかドイツも義務表示じゃないようでございます。フランスは実績がないようでございます。そういうことでございますので、今後こちらの方は表示の問題としてちょっと対応していきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 次は、やはりトレーサビリティーという非常に有効なシステムを使っていく上で、やっぱり国民といいましょうか消費者が知りたいのは、いわゆる牛の給与飼料、えさですね、それから病歴であるとか、それに関係いたしますが、投薬情報ですね、こういうものも欲しいなと。是非何らかのトレーサビリティーの中で情報を公開できないのかという要望が非常にこれは多いですね。そういう意味では、こういう、先ほど申し上げたような項目についてはいかにお考えなのか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 飼料給与、給与飼料、病歴、投薬情報、消費者の皆さんが一部の方々は非常に強くその情報の提供を求めているというふうに私どもも受け止めております。 ただ、飼料の給与だとか病歴、投薬、こういったものを一頭ごとに農家の皆様に義務付けして届け出てもらうと、それを国が一々確認をしていくというと、これ非常に農家負担とか行政コストが掛かり過ぎるという問題もございますので、義務表示にするのはなかなか難しゅうございます。 ただ、一部の消費者の皆さんから根強い情報提供のニーズがございますので、食品の生産履歴情報ということで、第三者、JASで、第三者機関に認証してもらうJAS規格制度の導入で、その中で給与飼料情報等の提供を推進していくことが現実的かなというふうに考えておりまして、そちらの方向で取り組んでいきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 局長、そうはおっしゃるけれども、多分、このトレーサビリティー法が成立して、生産者がそういう意識でやらなきゃいけないでしょう、これは義務付けですから、罰則もあるわけですから。そうすると、恐らく、やっぱり安心、安全というのはもう食品の命ですから、私はいつも、安心、安全じゃなくて安価と安定ということも大事だと。食品は四安だと、こうよく言うんですけれども、それはおいておいて、やはりそういうふうな給与飼料だとか投薬情報とかこういうものがきちっと、例えば精肉売場へ行くとボタン一つクリックすればぱっと出てくると。これは任意ですよ。だけれども、それが一つのブランドになるんじゃないでしょうかね、ブランド。あそこの肉はこういうふうなきちっと安全、安心情報を公開しているよと、一つのブランドになる。ブランド・ニッポンということでしょう、これから農産物も。ということになれば、奨励をすべきじゃないかなと、奨励。義務付けじゃないということですけれども、任意でしょうけれども、できれば、これだけブロードバンド時代で、この前も家畜改良センターへ行きましたけれども、大体七割ぐらいの方はもうメールで情報を送っておられましたですね、たしか七割でしたよね。 そういう意味では、給与飼料であるとか投薬情報も、これはだんだんと自分の、自分のところの情報ということでいつでも開示できると、こういうことにもなるんだろうと思うんですね。だから、トレーサビリティー法じゃないかもしれないけれども、そういうことを奨励というか、例えばそういうふうなことをしようとする生産農家がいらっしゃれば何らかの融資だとか補助だとか、こういうことも考えられるんじゃないかなと、こう思うんですが、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 実は、この飼料だとか病歴だとか投薬の情報は、私も先生と同じように、これは重要な情報でブランド化できると思っております。ただ、別の委員会で牛の鼻紋、鼻、それを表示しておると気持ち悪いと、拒否するからあんなのやめてしまえという、そういう御意見も一部ございまして、これは、こういう情報を望む方のために積極的に推進するという考え方でいきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 いずれにいたしましても、一日も早く成立をいたしまして、牛肉の安心、安全感というものが確保されるように望むところでございます。 そういう中にありまして、カナダにおけるBSEの発生の第一号が確認されたということでございます。第一号というか、第二号というか、前回のものは、あれはイギリスから輸入したものであるということで、純然たるカナダ産では第一号と、こういうことだと思いますが。 そこで大臣、私も是非お聞きしたいのは、カナダ、またアメリカ、豪州、日本は六五%の国内流通、出回り量の六五%を輸入しておるわけですが、この輸入相手の国ですね。日本はBSEを反省してトレーサビリティーであるとかいろんな食品の安心、安全のためのいろんな法律も改正しました、しっかりと国も厳しい財政の中、予算も計上いたしましたということで、是非おたくの国も、我が国に輸出をしているならば、法律を作れとは言いませんが、是非日本人の消費者が安心できるようなシステムなり対応をお願いしたいということは、大使館じゃなくても、そういう関係の国の農水、農務大臣ですか、等々にもこれは言えるわけですね。今日かあしたすぐ言えというわけじゃありませんよ、何かのときお会いしたときにきちっと日本の対応、それから輸出国への要望、こういうものはきちっとおっしゃっていただけるものと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員御指摘のとおり、また先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、この法律、そしてこうして先生方の御意見、これを重く受け止め、そして食の安心、安全、これを確立するわけでありますので、そのことは十分機会あるごとに我が国の状況、このことを申し上げ、そしてまた一方、米国あるいは豪州におきましてもどのような形でこのような個体識別制度、これが一部構築をされているというようなことも聞くわけでありまして、現実にどうなっておるか、そのことも十分研究を、調査をいたさなければならないわけでありまして、我が国のこのような制度が確立をし、そして食の安心、安全、このことが図られると。また、これがひいては世界の牛肉、その一つのリーダーと、こういうことができるような、またその努力はやはり機会あるごとに我が国の考え方を主張し、そしていろいろのことを説明することは当然必要なことだと、こう思っております。
○日笠勝之君 今度、アメリカにカナダのBSE発生に伴う海外調査があるということですが、カナダ本国には今非常に対応が、受入れ対応が困難ということでアメリカに行かれるということでございますが、これは突然のお尋ねですが、カナダには農水省のアタッシェの方いらっしゃるんですか。
○国務大臣(亀井善之君) 農水省、おります。
○日笠勝之君 是非、アタッシェの方も大いに頑張っていただいて、刻々と情報を日本の国に入れていただきたいと思うんですが。 そこで、日本の国のカナダのBSE感染牛に関してのいろいろな処置を取られていますね。今もってちょっと情報がないのは、これは私が得ていない情報かもしれませんが、カナダのBSEの感染牛の牧場というんですか農場は、これは隔離したと、そこまでは何か新聞かなんかで見たんですが、そこから先、日本だったら疑似患畜ということで措置をするわけですが、その辺のところの情報は、農水省、入っているんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) カナダのアタッシェから毎日のように電報が来ております。 具体的な疑似患畜がどうかということじゃなくて、カナダにおきましては感染牛が育った農場の農場群全部殺して検査をしているらしいことでございまして、ただ、その牛がどこで何年間育ったかというのをどんどんどんどん追跡をしていっているそうでございます。 まず、アルバータ州の発生農場の牛百五十頭は、全頭を殺処分して検査をして全部陰性だったと。アルバータ州の発生農場から牛の供給を受けていた三農場も殺処分中ということで、現在までに十七農場の牛約二千頭を隔離して、そのうち三百六十九頭について殺処分してBSE検査中ということで、今度はその牛の履歴もさかのぼって調査して、そういう検査をする予定というふうに聞いております。
○日笠勝之君 是非、緊密に情報交換をしながら、逐次、マスコミに発表するべきものは発表していただきたいと思います。 それで、もう一点、牛に関してお聞きしたいのは、薬剤耐性菌ですね。この前も同僚議員のどなたかがこのことについて御質問なさったと思いますが、私も、いろいろ食品に関する書籍を、本屋さんに行って目立てば、目に付けば購入して読んでいるんですね。食品が危ないとか、いろんな本がたくさん出ておりまして、五、六冊買って大体全部読みました。その中で一番やはりうんと思ったのが、この薬剤耐性菌問題ではなかろうかと思いますね。 動物用医薬品においては抗生物質は八十成分が承認されておるとか、日本国内において家畜飼料へは十六成分の抗生物質が同じく添加が認められておるとか、先ほど投薬のお話もいたしましたが、だんだんとこの薬剤耐性菌というものが大きな社会問題にもなっているというふうに私は思っておりますし、また最近、それに関する本も発行されておるのも、書評だけでございますが見ました。 そういうことを考えますと、これから人間の、人体への影響ということもあります、薬剤耐性菌と牛肉といいましょうか、この関連というものが非常に大切だと思うんですが、家畜に対する抗生物質の利用、またその影響などなどは、今現在どういうふうな調査研究がなされ、対応しようとされておるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 動物に抗生物質を投与するケースとしては、先生言われましたように、一つは飼料添加物、もう一つが動物用医薬品でございます。この抗生物質を家畜に投与して薬剤耐性菌が家畜内に生じて、それが畜産物、牛肉等を通じて人に感染すると医療上の重要な問題になるという問題が指摘はされておるわけでございます。 この問題について、我が国のみならず、外国でも多くの研究なされているわけでございますけれども、動物について生じた耐性菌が人に伝達されるということを直接に証明する報告は今のところないわけです。ただ、これ、先生言われましたように、非常に不安を与えているという問題は重く受け止めなくてはならないというふうに思っておりまして、まず飼料添加物、これ飼料添加物ですから毎日毎日与えるものでございますので、医療上問題になるような薬剤耐性菌を発生させる可能性のある抗菌性の飼料添加物、この科学的評価をして見直すという作業を今、農業資材審議会にお願いをしているところでございます。 一方、動物用医薬品の抗生物質は、人の医療上重要な抗菌剤、これはもう動物には承認しない、人にとって問題になるようなものは動物用医薬品とは承認を一定期間認めないという方針を取っておりますし、その承認されたものでも、投与する場合には獣医師が自ら診療をして処方するということとしておりまして、限定した使用というふうにとどめているところでございまして、適正使用の確保ということに努めていきたいと思っております。
○日笠勝之君 ですから、局長のおっしゃっていることは、安全は担保されているんですよと、しかし安心感がないということを、先ほど申し上げましたように、いろんな本の中に全部書いていますよ、この薬剤の耐性菌ということについては。だから、安心感をどう消費者に持ってもらうかということを、どう説明責任として発するかということが問われているわけですね。 そのことをしっかり今後とも対応お願いしたいし、それから、使う使わないじゃなくて、やはり病気にならない牛を作ればいいわけですね、健康な牛を。そうすると、飼養、いわゆる飼うですね、飼養環境の改善というふうなこともこれは大きな一つのポイントだろうと思います。 それらを踏まえましてしっかりと、国民に安心感のある、特にこの薬剤耐性菌の問題については安心感のある、理解が進むような対応をしっかりとお願い申し上げておきたいと思います。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 それから、だんだんと時間がなくなってまいりましたが、西藤局長、今回の食品安全関係法案ですけれども、農薬はこのたび回収命令を出すことができたと。肥料もそうでございますが、回収命令規定があるわけですが、販売者に対する回収命令ですね。使用者までは入っていませんね。農薬ですよ。 この前から私、農薬のことをいろいろ申し上げて、これで二回目の改正になるわけですけれども、結局、使用者、最終使用者、農家の方でしょう、その方が回収命令は掛からないんですよ。販売者までなんですよ。しかし、この販売者というのは、御存じのように、もう転廃業が結構ございまして分からないと。販売した人がもう倒産したり廃業されたということもたくさんございますよね。 そういう意味では、やっぱり使用者にも回収命令、保管禁止だとか、それから廃棄禁止だとか、そういうことを踏まえた、消費者のところに何か回収の関係の規定を設けないと、こっちか、ごめんなさい、無登録農薬の反省が生かされてこないんじゃないかなと、こう思うんですが、なぜ販売者に限ったんですか、使用者までブレークダウンしなかったんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 実は、前々から先生の御持論でございまして、実は今回法律出すときも、無登録農薬とか販売禁止された農薬について、農家に対して所持規制、こういうものができないかということを熱心に検討したわけでございます。 法令御当局とも相談をしたわけでございますけれども、我が国の法体系上所持規制をしているというのが、先生も御存じの、覚せい剤とか麻薬とかけん銃でございまして、そのもの自体が危険性が極めて高いと。所持規制というものが非常に厳しい規制でございますのでそういうものに限られておるということで、結局、農薬とか肥料とか、一定の所持規制を法的に導入するのは困難だということになりまして、私どもはもう、そういう場合でありますと、一応使用は法的に禁止されるわけでございますので、安全性に問題がある農薬の流通が発覚した場合には、マニュアルを作りまして、都道府県、農協に対してそれを徹底すると。それで、販売業者が回収を行う場合には農家に対して協力するように指導すると。 万が一、その販売業者がもう不明になったというような場合には、農薬は廃掃法、廃棄物の清掃及び廃棄に関する法律の適用を受けますので、この法律によると、みだりに捨てることとか、その法律で定められた以外の方法で焼却することは禁じられておりますので、この法律、廃掃法に基づいて適正な処理を行うというふうに指導していきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 農家の方々、使用者ですね、方々の保管禁止、廃棄、厳正な廃棄ということを法文にうたうということも手でしょうが、せめて回収協力義務ぐらい、義務ですから、協力義務だから、努力義務ですから、というぐらいのも入ってもよかったのかなという気もいたします。 なぜかというと、何か先日の新聞見て私びっくりしたんですが、土に三十年前の農薬が負の遺産として今もって影響があるという。何かエンドリンという農薬だそうでございます。ドリン系の農薬。三十年前に使ったその農薬が大地にしみて、それが今キュウリ栽培のこのキュウリに残留農薬として出てくると。だから、農薬というのはそういうふうな非常に、十年、二十年、三十年ぐらいの時を超えての大きな影響があるわけで、けん銃とは言いませんが、相当な影響がある、殺傷力もあるわけでございますし、環境汚染の最たるものでございます。 そういう意味では、使用者の回収協力義務であるとか保管禁止もあってもよかったのかなと、こういうふうに思いますが、一年に二遍も三遍も法律を変えたんじゃいけませんので、次なるときに検討していただくということで、ひとつまた御配慮をお願い申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、農薬取締法を改正したときに、つい私もうっかりしておりましたけれども、大きな課題が今回残ったというふうなことも言われておりまして、それはなぜかというと、食用の作物とか飼料作物に使った場合が罰則対象だと、花や樹木は除外されていると、こういうことですが、それでいいんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 原則的には食用に用いられるものというものを使用基準の対象にしているわけでございます。樹木や花でありましても、例えば桜もちの葉とかサンショウの葉とか月桂樹の葉のように食用に用いられる樹木の葉、それから、食用菊とか食用のナデシコとか食用のカーネーション、こういう食用の花、こういうものについては、ほかの食用作物と同様に使用規制の対象というふうにしております。
○日笠勝之君 その花や樹木には農薬の残留基準というのは定められて、また罰則はあるんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 残留はないんですけれども、使用方法の、何回使うかとかそういう、どれだけ希釈してとか、そういう方法の規制をしております。 済みません、失礼しました。野菜の残留基準の適用があるそうでございます。
○日笠勝之君 それともう一つ問題点は、いわゆる防疫業者、消毒をする農薬を使う防疫業者の届出義務が過剰規制になるということで廃止されたんだそうですね。ですから、岩手県、三重県など十七県が登録、届出を復活させてくれと。そうしないと、農薬の使用だとかいろんな講習、研修などに指導しにくいと、こういうふうなことが言われておりますが、この辺のところの防疫業者に対する講習などなどについての対応はどうなっていますか。 〔理事常田享詳君退席、理事田中直紀君着席〕
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回の法律改正におきまして、従来までは使用規制がなかったものですから、業として防除をされる防除業者の方に届出をしてもらって、それを行政が監視して追っ掛けていくというシステムだったわけです。今度は、その防除業者の方も含めまして、使用基準違反の防除の仕方をするともう直接的に罰するということになりましたので、届出とその監視というのをやめたわけでございます。 そういう中で、全部やめてしまうと困るという私どもも要請を受けまして、特に環境への影響だとか、そういう農薬の使用量が多い航空防除、あるいは薫蒸による防除、それからゴルフ場の防除、こういう防除をする方は、その氏名、住所、使用方法を記載いたしました農薬使用計画書を農林水産大臣に提出するということを使用基準の中で決めまして、特に影響の大きい方の把握はするというふうにしております。 そして、研修につきましては、十五年度予算で都道府県が行います農薬使用者に対する指導、研修、取締り強化のための対策というものを拡充をいたしまして、こういう予算を通じて指導の徹底をしていきたいということでございまして、また、地方公共団体が防除業者に街路樹だとか公園の病害虫防除を委託するケースがございますので、そういう自治体とか関係機関に対して適切な防除をするよう指導をしていきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 水産庁長官、済みません、時間が。最後、簡単に一問だけ。 先ほど養殖業などについての水産用医薬品についてのお話がございました。今の生けすなんか、いわゆる養殖業者が生けすを持って、そこにいろいろ投薬をしているようでございますが、これはきちっと、獣医師のような資格のある方、こういう方々がきちっとやっているんでしょうか。それとも、資格のない方が経験だとかいろんなことを踏まえながらやっているんでしょうか。私は、もしそうであれば、やっぱりきちっと資格のある方が投薬というか投与すべきだと思うんですが、いわゆる魚のお医者さんですね、獣医さんでしょうけれども、是非そうあるべきだと思うんですが、現状と今後の対応はどうかということをお聞きして、終わりたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) まず第一点のお尋ねでございますけれども、私ども、水産用医薬品の適正使用を確保するために、都道府県職員による養殖業者の巡回指導、また養殖魚の出荷前の医薬品の残留の検査、また医薬品の使用状況調査を行ってきたところでございます。 委員御指摘のとおり、薬事法の中には、薬事法に基づきます報告徴収なり立入検査を行わせるために薬事監視員を設置することができるという規定がございます。この薬事監視員でございますけれども、薬事法の施行令によりますと、委員御指摘のような、例えば獣医師の皆さんとかあるいは大学で一定の専門課程を経た者を薬事監視員として任命できるという規定がございます。 〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕 私ども、今回の薬事法改正を契機に、先ほど来御説明いたしますように、対象動物をすべての魚種に拡大をするという観点もございますので、薬事法に基づきます立入権限を有する薬事監視員等による立入検査、あるいは今後設置されます地方農政事務所の活用等々を得て十分な指導監視体制を構築していきたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 終わります。
○紙智子君 それでは最初に、薬事法の改正に関連して、先ほども議論になりましたけれども、トラフグ養殖へのホルマリン不正使用問題についてお聞きしたいと思います。 水産庁は、対策本部を作ってこれまでのホルマリン使用防止策の問題点の整理、検証を行うというふうにしています。水産庁は、何度となくこれまで通達を出して県に指導徹底を要請をしてきたわけです。漁業団体にも要請をしてきたと。しかし、長らく使用のうわさや報道というのは絶えなかったわけです。この点で、国自らも実態調査を強めるべきではなかったかと思うんです。国の機関としての養殖経営への調査というのは食糧事務所が幾らか関与をしてきたけれども、このトラフグ養殖のホルマリンは法的規制ではないということで除かれていたわけですね、その調査からも。国は結局、通達は出すんだけれども、調査については県任せではなかったのかと、この点についてまず。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、養殖漁場につきましては漁業法に基づきます都道府県知事の監督下にあるということもありまして、私ども、これまでも都道府県を通じまして養殖漁場の巡回指導あるいは医薬品残留検査の実施等々を行ってきたところでございます。
○紙智子君 結局、ホルマリン調査は県任せで特別力を入れてきたわけではないということだと思うんです。県は、水産試験場などがアンケートなどで全業者を調査しているというふうに言うわけですけれども、この回収率も、聞きますとトラフグは五〇%ぐらいだと。これも非常に不十分なわけですけれども、禁止されているということの中で、アンケートに私はホルマリンを使っていますよと書く人はいないわけですよね。それで、併せて行っている巡回指導、この内容がやっぱり問題になってくると思うんです。長いこと同じように調査し、巡回指導してきて、それで摘発をできなかったわけですよね。だから、調査や巡回の内容的な不十分性やあるいは問題点を掘り下げる、これが必要だというふうに思うんですけれども、その点は今どこまで検討されているんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、これまで、委員御指摘のような、都道府県を通じての医薬品の残留検査なりあるいはアンケート調査を実施をしてきたところでございます。 私ども、今回の薬事法改正を受けまして、薬事法の規制対象を全魚種に拡大する等々、その内容を大幅に拡大をしているという点でございます。したがいまして、今回の薬事法改正を契機にいたしまして、薬事法に基づきます報告徴収なり、立入検査の権限を有しております薬事監視員でございますけれども、このような薬事監視員等による立入検査による実態調査の把握、あるいは設置予定の地方農政事務所の活用等々、いろいろのレベルを通じて、先ほど申し上げたような水産用医薬品の適正使用に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 これからどうしようかということはあると思うんですけれども、今、私お聞きしたのは、実際にこれまでやってきて、そのことの中身に対する、不十分な中身をどう掘り下げて、そうでなければやっぱり次に生かしていくことできないと思うんですけれども、そこら辺についてはどうなんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 例えば、委員御指摘のように、医薬品の使用状況の調査、従来は五〇%程度の回収率という点でございます。私ども、今回、このような結果でございますので、先ほど来申し上げているように、予算でも組んでいるところでございますけれども、特別対策事業七千万強の国費ベースでございますが、このような予算も活用しながら、できるだけ法律に基づく具体的な検査、立入調査を実施をしていく。そのようなことを通じて、先ほど来言っているような具体的実効性が上がるような体制を構築していきたいというふうに考えております。
○紙智子君 掘り下げ方が本当に、何というんでしょうか、はっきりしないわけですよね、お聞きしていても。 例えば、通達を出されていますよね。それで、その通達の中で、代替薬がないなど他に代わり得る手段がない場合で、魚卵や稚魚の消毒などにやむを得ず用いる以外は使用しないことと。ということは、魚卵や稚魚についてはいいということになるわけですよね。そして、今回使用が発覚した中では、結局、稚魚に使っているという名目で成魚にも使っていたということもあるわけですよね、そういう業者もいたと。 しかし、消毒剤ということでいえば、この魚卵消毒用の指定医薬品があるわけですし、寄生虫駆除の指定医薬品も開発をされたというふうに言っているわけですから、だからほかに代わり得る手段がないという状況ではなかったと思うんですよ。で、そういう状況であるにもかかわらず、魚卵や稚魚を含めて、じゃ、全面禁止ですというふうに言ったのかというと、こういう通達は出していないですよね。やっぱり、そういうあいまいさがあったんじゃないかということも含めて、きちっとやっぱり深めておかなければいけないというふうに思います。 今後、法改正をしてこの指定医薬品以外は使えないということになると、魚卵だろうが稚魚だろうがフグには一切使えなくするということだと思うんですけれども、確認の意味でもう一度お願いします。
○政府参考人(木下寛之君) 今回、農林水産省令で定めます水産動物の範囲についてでございますけれども、まず第一点が、食用に供されるすべての魚種に拡大をする、これが第一点でございます。第二点といたしましては、今、委員御指摘の魚卵あるいは稚魚の観点でございますけれども、成魚への一連の生産行程の一環を占めるというふうに考えておりまして、そういう意味で、直接食用に供しない魚卵あるいは稚魚も含めて規制の対象にいたしたいというふうに考えております。 また、具体的な取扱いにつきましては、代替薬の開発の見通し等を踏まえまして、できるだけ早く結論を出したいというふうに考えております。
○紙智子君 ホルマリンの使用問題は養殖業全体にも影響する重大な問題で、やっぱり厳しく使用者の反省が求められると思います。 このほとんどが長崎県ということですよね。百五十一件の養殖業者のうち六割以上の九十五件の業者が不正使用していたということなんですけれども、なぜ長崎だけがこんなに広範に大規模に使われていたのか。そして、なぜ水産庁の指導が貫けなかったのか。そして、行政当局のフグ養殖業者への対応の甘さがなかったのかどうか。 これ、大臣にですね、大臣、水産庁の指導が徹底できなかったこの水産行政の問題点、行政責任、なぜこの長崎でこれだけ広範に不正使用があったのかと。このことについて、大臣の考えと、それから、この後徹底調査をして明らかにするつもりがあるのかどうか、これについてお答えください。
○国務大臣(亀井善之君) このホルマリンの関連につきましては、平成八年、九年、十二年とホルマリンを使用しないよう都道府県に対しまして指導強化を水産庁もいたしておったところでありますし、全国魚類防疫推進会議、これを始め、機会あるごとに都道府県に指導してまいりました。また、この全国団体、全国かん水養魚協会でホルマリン使用禁止の、業界団体として決議をされておったわけでありまして、本当に今回、この長崎県、特に主産地であります長崎県でこのような過半のトラフグ養殖業者がホルマリンの不正使用を再三したと、これは大変遺憾なことと、こう思っております。早速このことにつきましては、長崎県知事に厳重に、私からも強くこのことにつきまして申入れをしたわけであります。 今後こういうことのないように、今回、この薬事法改正によりまして未承認医薬品の使用禁止などがありまして、再発防止ということに万全を期してまいりたいと、こう思っておりまして、水産庁にもその旨、再三注意をいたしておるところであります。
○紙智子君 今後、対策本部でこういう全国調査を基にして検討を深めるということでよろしいですか。
○国務大臣(亀井善之君) 食の安全、安心と、今回この法案を御審議いただいておるわけでありますし、このことを成し遂げなければならないわけであります。そういう面で、十分、十二分に注意を喚起して対応してまいりたいと、こう思います。
○紙智子君 次に、厚生労働省にお聞きしたいんですけれども、この養殖トラフグは約一千トン中国から輸入されていると言われています。韓国からも少し入ってきていると。それで、海外でのフグ養殖でのホルマリン使用の実態というのはあるのか、規制はあるのか、その辺、つかんでおられるでしょうか。
○政府参考人(遠藤明君) 厚生労働省におきましては、養殖トラフグに寄生虫駆除の目的でホルマリンが使用されているという情報を得まして平成九年に調査をいたしましたが、天然トラフグとホルマリンを使用した養殖トラフグの可食部のホルマリン濃度に差がないということ、ともに安全性に問題のないレベルであるということから輸入時検査の対象項目とはしておらず、また輸出国における使用状況についての情報収集等も行っていないところでございます。
○紙智子君 安全性心配がないというように言われるんですけれども、いただいている資料を見ましても、「ホルマリンとは」というのがありますけれども、これを見ましても、結局、発がん性のあることが疑われる物質とされていますし、そして、ホルマリンを養殖業において薬剤として使用した場合に、魚介類が食品となった場合の残留性等は十分解明されていませんというふうに書いているわけですね。 ですから、やっぱり、そういうことで一切この対象にしないというふうなことではなしに、消費者の立場からいいますと、やっぱり安全、安心上、このホルマリンについてはとんでもないというふうに思っているわけですから、積極的にこの情報を調べて、やっぱり今、全体を議論されてきているわけですけれども、リスクコミュニケーションの一環として公開する用意が、必要があると思うんです。そういう用意はありますか。
○政府参考人(遠藤明君) ホルマリンにつきまして、先ほども申し上げましたように、天然のフグからも数ppm程度検出をされているというふうな状況の中で、私ども、食品衛生法上での取締り対象にするというふうな観点から申し上げますと、天然と養殖での区別が付かないというふうなことで規制の対象にする考えが今のところございませんので、情報収集等も行っていないというふうな状況でございます。
○紙智子君 消費者の中でのいろんな不安、安全、安心という立場からは、やっぱりリスクコミュニケーションということで情報を公開するという立場でそこら辺のところはお答えいただきたいと思ったんですけれども。 法改正で今度、水産医薬品の規制は全魚種を対象にして、指定医薬品以外に使えなくなるということになりますと、規制の範囲が広がって法で使えない医薬品も増えていくはずだと思うんですね。これらの規制を海外の養殖水産物にも適用させていくべきだというふうに思うんです。ホルマリンに限らず、海外の養殖において、日本で禁止され、そして安全性が証明されていないものについて、使用させないように輸入業者への指導も含めて徹底するということが必要だと思うんですけれども、そのおつもりはありますか。
○政府参考人(遠藤明君) 基準の適用につきましては、内外無差別の観点から、国内と同様、外国から輸入される食品に関しましても同じ基準を適用し、その安全性の確保については輸入業者等に指導してまいる所存でございます。
○紙智子君 食品安全基本法の修正で、わざわざ国の内外における食品供給過程における安全性の確保ということでうたっているわけです。同時に、海外でも使わせないように積極的に対処すべきだということについては、農水大臣にも要求をしておきたいと思います。 それから次、質問ですけれども、死亡牛のBSEの全頭検査についてお聞きします。 それで、全国で今、死亡牛の調査が始まっているわけです。先日も委員会として栃木県の検査施設を視察いたしましたが、年間の死亡牛の頭数で全体の約半分を占めるのが北海道ということで、四万頭の死亡牛を検査しなきゃならないということで、体制が間に合わないということで、十五年度は五千頭、十六年度には全頭検査できるようにというふうになっているわけです。それで、北海道では十六年度から四万頭を検査するために道内の七か所の検査施設を整備をして、これに大体十九億ぐらい掛かるということで、すごい額だと思うんですけれども、このうち道負担が十二億五千万ぐらいだと、相当な負担になるわけです。 そもそも、このBSEというのは農水省の重大な失政から引き起こされたものです。防ぐことができていれば、これは全くやる必要のなかった対策なわけです。その意味では、国の責任でやるべきところを、言ってみれば地方自治体の皆さんにも協力を要請して進めてきているということでもあるわけです。今、非常に財政的にも地方も大変だという中で、やっぱりできる限りこの負担を軽減すべきではないかと思うんですね。 その点で、いろいろ事業されているんだけれども、ハード事業の施設整備の補助残について地方交付税の制度などで十分な措置を取るべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生には、先日、死亡牛検査の現場視察をいただきまして、ありがとうございました。 まず、その死亡牛検査、ハード面といたしまして、検査材料を採取する施設、それから死体を保管する冷蔵保管施設、それから死体を焼却いたします焼却施設、こういうものの施設整備が必要でございます。いろいろございますけれども、これ都道府県の固有業務であるという面もございますので都道府県にも負担をしていただくということで、私どもが負担すべきところは、十四年度の当初、補正、それから十五年度の当初ということで希望の額はすべて措置をしたわけでございます。 それで、地方交付税措置ということでございます。現在、三月の特別交付税ということで約十一億円ぐらい措置する見込みだということを伺っております。そういうようなことで、できる限り都道府県の負担の軽減ということに努めていきたいというふうに思っておるところでございます。
○紙智子君 十五年度もです。話しています、十五年度。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 十五年度も、実はまだ時期が来ていないわけでございますけれども、しかるべき時期が来たら引き続き要望をしていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 それから、ソフトの面の事業でいいますと、検査キットの購入など、言ってみれば検査する側の経費への事業が行われているわけですね。 それで、北海道で四万頭の検査で大体掛かる費用というか、十五億から十六億ということで、これまたすごく掛かるんだなと思ったんですけれども、一頭につき大体三万五千円から四万円になると。それで、これ道と国とで折半でということで、国は交付金で見るというふうになっているわけですけれども、実際には交付金に色が付いているわけじゃないものですから、十分確保できるのかどうかというのは不明なわけです。もし不足という事態になるとまたそれも道の負担になっていくということで、ここについても国としての負担の軽減をすべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ソフトの面、都道府県でやるべきものと、生産者ももう輸送とかそういうことで負担をするわけでございます。 都道府県が負担すべきものへの助成ということは、先ほど先生言われました検査キット、これは伝染病予防法で一定の負担というか、決まっておるわけでございます。そのほかにも、検査材料の採取、検査材料の輸送、それからエライザ検査の実施と。先生先ほど言われた額は恐らく人件費込みの額だろうと思うわけでございますけれども、そういう人件費を除いたものについては所要の助成と、明らかになっていないと言われましたけれども地方交付税措置と。 それから、生産者に対しましても、死亡牛の輸送、処理、検査ということで、できるだけその負担が軽減が図られるような措置ということで、十五年度は全国で十八億四千万という額を用意をさせていただいたわけでございます。 人件費の問題が一番きついものだと思っておりますけれども、そういうようなあらゆる手段を講じて、全体として死亡牛検査が効率的に実施されるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 生産者支援の今対策もお話しになったんですけれども、この問題も、いろいろ聞きますと、死亡牛の検査ということで一頭につき大体六千円ぐらいだと。それで、輸送料についても国の支援があるというふうに聞いているんですけれども、実際の現場の話聞きますと、検査料、それから保管料、それから輸送促進費というんですか、これは屠畜場に持っていくところと、そこから先に持っていくところと。それから、そのほかにも獣医さんが診断書を書くと、で、指示するわけですけれども、そういうのも掛かってくるとか、それから死因の解明のために解剖しなきゃいけないとかというのもあるんですね。結構これも何千円と掛かるんだそうですけれども、そういう検案料だとか、その他いろいろあるということなんですね。そうすると、やっぱり生産者には負担掛けられないということで、やっぱりそこの分もそうすると国の助成分の差額分は都道府県が担わなきゃならないかということになるとこれも非常に大変だと、これも是非、軽減策ということでお考えをいただきたいというふうに思います。 それで、続けてちょっともう一つ。どうして北海道でなかなか進まないのかなというふうに思ったものですから、そういうことでいろいろ聞いてみたわけですけれども、やっぱり進める上では体制がどうしても必要で、獣医師の確保の問題というのがあると思うんです。 それで、新たに獣医師の増員ということが必要とされているということを思うわけですけれども、北海道においても、今年の死亡牛のBSEの検査に当たって、その確保するためにもう相当苦労したということなんですね。それで、家畜保健所も人手不足の状況が変わっていないということですし、釧路管内なんかも聞いてみますと、新しく獣医師の資格を持って入ってくるというのは数えるだけしかいないというんですよ。 結局、毎年の獣医師の資格取得者が限られている、そういう中で、死亡牛の検査のための獣医師の確保ということについて、やっぱり農水省としても具体的な支援策というのが必要だというふうに思うんです。例えば、獣医師の大学などがあると思うんですけれども、そこを掌握もして奨励するために何らかの働き掛けをするとか、実際就職の紹介とか含めてそういうことをやられているのかどうか、働き掛け、この辺はどうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 死亡牛の検査、BSEがどの程度までの広がりを見せているのかということを調べ、その防疫を行うということで、非常に重要な問題と私どもも受け止めております。 一般的に行政の定員に対する風当たりは強いわけでございます、効率化ということで。そういう中で、やはり先生言われるように獣医師、家畜保健衛生所の獣医師職員の増員というのを図らなければこれに対応できないということでございます。全国の数字で申し上げますと、十四年度に比べて十五年度は七十五名の増員、十四年度が二千九十九名、十五年度が二千百七十四名でございました。特に、今言われた先生の地元の北海道は、十四年度が百六十二名、十五年度が百七十一名、九名の増加となっているわけでございますけれども、さらに十六年度は二十五名を増加させる予定ということで、百九十六名にする予定だというふうに聞いております。 実は、私どもも、全国の国立、私立の獣医学部、獣医学科の先生を通じて死亡牛検査の重要性というのを説いているわけでございまして、できる限り家畜保健衛生所の獣医師への就職というんでしょうか、確保というようなことも念頭に入れてお願いをしていると。そして、給与はこれ面倒見れないんですけれども、地方交付税の交付対象ということになっておりますし、そのほか家保の負担になりますソフト面は先ほど申し上げましたような事業を中心とした支援ということで、何とかこの死亡牛の検査が十六年の四月には北海道を含めて全部できるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 やっぱり進まないところがどこで詰まっていて、どういうところに困っているのかということを具体的に取り除いていく国としての支援というのを、対策というのを取っていただきたいというふうに思うんです。 それからもう一つ、疑似患畜の問題です。国際基準の改正が行われて、OIEでBSEの疑似患畜の範囲を大幅に狭める国際動物衛生規約改正ということになりました。従来の基準の中で、三つの基準がありましたけれども、その中の一つに、一歳以下のときに患畜と同居していた牛のうち、患畜が一歳を超えてから同居した牛については除くということになったことで、今まで同居牛の八割程度が結局疑似患畜ということで指定をされていたわけですけれども、それが二割程度まで縮小されるというふうになるということなんですね。 この間も本当に、BSEの発生で見ると、北海道の牛が多かった、廃用牛ですね、多く出ていて、その都度生産者の方から、もう本当に家族のようにかわいがって育ててきた牛なのに、明らかに、多分かかってはいないと思うけれども、そういう牛まで含めて殺してしまわなきゃいけないというのは本当にいたたまれないということを繰り返し言われてきたし、何とかやっぱりならないのかということで声が上がっていて、本当に切実な問題だというふうに思うんです。 それで、この後、農水省として、この新たな国際基準を受けて日本の基準の見直しの作業を進めると思うんですけれども、どのような方針、スケジュールで進めていくのか、御回答をお願いします。
○副大臣(太田豊秋君) 紙先生今おっしゃったように、大変に自分が手塩に掛けて育てた動物、この場合には牛でありますが、これは非常にやっぱり愛情を持ちながら育てておるわけでありますから、今おっしゃったような心境、よく私も理解できるわけであります。 そういった中で、我が国といたしましても、疑似患畜の範囲の見直しにつきましては、昨年の十一月にOIEに対しまして、範囲の見直しについては欧州での経験に基づきまして科学的に検討するよう提案してきたところでございます。こうした中、五月十八日から二十三日までの日程でOIE総会が開催されましたが、農林水産省のBSE対策本部長であります北村副大臣が自ら総会に赴きまして、科学的根拠に基づき処分する牛の範囲を縮小するように事務局長に強く訴えてきたところでございます。 今般、BSEの疑似患畜の範囲の見直しなどについて我が国の立場も考慮されたOIE基準が承認されたことは、これまでの我が国の提案が国際的に受け入れられた結果だと、こんなふうに考えておりますし、現行のOIE基準と主な変更点といたしましては、今先生がおっしゃいましたように、患畜が一歳になった以降に同居したことのある牛は対象外になったことであり、我が国のこれまでの発生例で、生産から出荷までの患畜が同一の農場で飼養されていた場合、同居牛のうち疑似患畜となる場合が現行基準では八割程度であったものが、新たな基準に従えば、今先生のおっしゃったとおり二割程度に減少するというふうに考えられるものでございまして、今後、これを受けまして、農林水産省といたしましては、獣医学の専門家から成るBSEに関する技術検討会で検討をしていただくとともに、各方面からの意見もお伺いいたしながら、当該基準について十分に吟味し、我が国における疑似患畜の範囲の見直しの議論を早急に進めていきたいと、このように考えておるところでございます。
○紙智子君 分かりました。 それでは次、有機農産物の振興の問題で質問いたします。 前回の農薬取締法の改正で特定農薬という制度を作ったわけですけれども、これは有機農業や化学農業をできる限り、農薬をできる限り減らすために様々な技術を生み出して努力している農家や、それを支える消費者の中では大変混乱と批判を招いたわけです。これは、農政の中に有機農業の振興あるいは化学農薬の使用を減らしていくという方向が明確になっていないからだと思うんです。 先日成立した食品安全基本法は、農林水産業も含む食品関連業者が食品の安全性の確保について第一義的責任を有するということで規定をしているわけです。安全の確保にとっては、より安全な農産物の生産を拡大するということが必要なわけですけれども、その点でやはり国内で有機農業や減農薬・減化学肥料などの、安全性が高く、環境に良い農業生産を拡大していけるように国としても推進しなければならないというふうに思うんです。 有機農業などを本格的に育成する方向に足を踏み出すべきだと思いますけれども、まず大臣、この点について一言お願いします。
○国務大臣(亀井善之君) 我が国の持続的な発展を図っていくと、こういう面で環境と調和の取れた農業生産を推進していく、これは大変重要なことと、このように考えております。有機農業等の環境保全型農業に取り組む農業者、これに対しましては金融や税制上の特例措置や補助事業等によりまして積極的に支援もいたしておるわけでありまして、持続農業法に基づくエコファーマー、これが約二万八千人と、このように承知をいたしております。これからもいろいろの支援措置を講じて、この有機農業と、これの環境と調和の取れた有機農法、これが推進されるように努力をしてまいりたいと、こう思います。
○紙智子君 持続型農業促進法で明記されている支援措置ですけれども、一つは農業改良資金の償還期間の延長と、それからもう一つは認定農家の取得した機械等に対する課税の特例措置、これだけなんですね。それで、生産者にとって支援策といっても非常に弱い。やっぱりこれで有機農業や減農薬などの取組が拡大するかというふうには思えないわけです。 それで、有機農業に関する統計は我が国は存在しないそうなんですけれども、二〇〇〇年センサスで、環境保全型農業の取組について調査をしていると思うので、特に無農薬・無化学肥料に取り組んでいる農家、それから慣行農法の二分の一以下の減農薬・減化学肥料に取り組んでいる農家の数がどうなっているのか、お答えください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 二〇〇〇年の農林業センサスによりますと、まず無農薬・無化学肥料栽培に取り組んでいる農家数が約一万三千四百戸ということでございまして、販売農家数の〇・六%でございます。それから、慣行的な農法、慣行農法と比較をいたしまして、農薬、化学肥料の使用を二分の一以下に抑えているいわゆる減農薬・減化学肥料栽培に取り組んでいる農家数三十一万五千戸でございまして、販売農家数に占める割合が約一三・五%でございます。
○紙智子君 今、〇・六%と一一・三%ですか、一三・五%ということで、本当に少ないですよね。それで、JASの認定に至っては、生産行程管理者、つまり農家、グループというのは千七百九件しかないですよね。これはやっぱり我が国の場合、環境保全型農業に取り組んでいる農家に対しての支援措置が融資とか税制上の特例措置にとどまっていて、やっぱり国として強力に推進するんだという姿勢が示されていないということがあると思うんです。 ヨーロッパなどで直接的な支援をして有機農業を計画的に拡大を図っているのに比べますと、我が国は逆に、この有機農産物として出荷しようというふうに思うと、有機JASに認定してもらうために高額の認定費用が必要になってくると。これではやっぱり国内の有機農業や環境保全型農業の生産、拡大していかないというふうに思うんですね。 それで、お聞きしますけれども、この有機農産物の認定制度に基づいて国内で格付された農産物の量と外国で格付されて輸入されてくる農産物の量というのはどういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(西藤久三君) 私ども、JASの世界で有機JASの認定制度を行ってきているわけでございますが、先ほど先生、生産行程管理者ということであれでございましたが、その参加の農家数を整理してみますと、本年の五月十六日現在で国内で約四千三百戸の状況、外国で二千三百戸の農家が有機JASの認定を受けている状況にございます。 そういう中で、お尋ねの生産量はどういう状況かということでございます。私ども、制度の枠組みの中で翌年の九月末までに報告をいただくという形で整理をさせていただいておりまして、現在、平成十三年、そういう点では先ほどのセンサスに近いところでございますが、平成十三年度の有機農産物として格付された数量、国内で見ますと約三万四千トン、内訳的に見ますと過半が野菜でございまして、約二万トンが野菜、お米で八千トン程度が格付されている状況にございます。 他方、外国では、数量ベースで十五万五千トン程度ということで、特に大豆がその中の四割程度を占めまして、六万トン強が大豆、野菜で二万六千トン程度という状況にございます。
○紙智子君 有機JASの認証がされて、有機と示されている農産物、輸入が国内で生産されたものの約五倍になっていますね。生鮮野菜でも国内で約二万トンに対して、輸入でいいますと二万六千トンと上回っている。 有機認証制度を作る際に、この我が国の認証基準が、高温多湿等の気象条件など、この条件に見合った基準や推進方向を示すのではなくて、国際基準に準拠して設定をすると。それから、各国が実施しているような助成制度もないままでこの認証を表示だけスタートさせたということになると、これはやっぱり国内の有機農業を拡大することにはならずに、輸入の拡大を招くんじゃないかというふうに元々懸念の声が上がっていたんですけれども、そのとおりになっているということじゃないんでしょうか。この状況に対する認識、ちょっと大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) EU諸国を始め、有機農法あるいは粗放的な畜産等に対する環境直接支払、こういうことにつきましては承知をいたしております。 今お話しのような状況と、そういう中で中山間地域の条件不利地域を対象とした直接支払の制度の実施状況もこれまた考える必要があると思いますし、いろいろこれから諸外国の施策の動向等々とも加味し、検討をいたす必要はあるんではなかろうかと、こう思います。
○紙智子君 諸外国の例も参考にということもお話ありましたけれども、この環境保全型農業で稲作、野菜とも、十アール当たりの所得でいいますと、慣行農法よりも上回っているんですけれども、労働時間も上回っていると。作付規模が小さくなって、稲作でいえば労働時間一時間当たり所得で千六百六十一円、慣行農法に比べると五・六%低くなっていると。JASの基準どおりにこの有機農業に移行するためには、その間の減収をやっぱり生産者自身が負わなければならないということがあるわけで、現場では、この有機農産物で差別化しても不況の中で消費が伸びないという話も聞いているわけです。 それで、我が国と同じ条件というか、高温多湿で同じモンスーン地帯にある韓国、ここでは環境農業への取組を自国の農業の存続を懸けた国家戦略ということで位置付けて、気候風土等自然条件に対応して現実的に実現していこうということで、メーンは減農薬・減化学肥料を置いて、有機栽培のレベルに段階的に近付けていくと。そのために九九年から、この有機農業転換期間中には、有機農産物とそれから無農薬農産物、それから減農薬農産物、こういう栽培に取り組んでいる農家には環境農業実施に伴う所得減少分について直接支払によって補てんをするというふうなことをやっているわけです。この取組は私は我が国としても非常に参考になるというふうに思います。 我が国でも国土や自然条件に見合った生産者の取組は蓄積されているわけですね。すごく努力がされているわけですけれども、法的な整備ややっぱりこの助成制度について後れを取っているということで、生産者に対して直接的な助成をするということが、この後、有機農業や減農薬・減化学肥料による生産拡大につながるんじゃないかというふうに思うんです。 韓国もそうですけれども、欧州でもイギリスやスイスやアメリカなんかも見ても、やっぱりポイントになるのは直接的な支援といいますか、補償が行われているということでは、是非これを進めていただきたいというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 環境に直接払いをしている例、今、先生がおっしゃられましたEUとか韓国とかやっているわけでございます。私どももこの問題は真剣に取り組まなければいけない問題だというふうに思っています。 ただ、いろいろな課題がございまして、技術的課題一つ取りましても、作物によって肥料だとか農薬の難易度あるわけでございます。例えば先生の地元の北海道でも、麦とかジャガイモとかタマネギはもう絶対に防除が要るわけでございます。そういうような公平感とか、いろいろありますので、そういう問題を解決しながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
○紙智子君 時間が参りました。 それで、国内でも宮崎県の綾町というんでしょうか、価格補償制度を七四年に導入して、野菜に保証価格を設定して、下回った場合は町が補てんして、六年間実施されて、制度をやめるころには町内で百軒ですか、超える農家が取り組んで、この綾町の有機農業が認められた結果、この補償制度が必要なくなったという状況になったわけですよね。 ですから、やっぱり国としてそういうことを全面的に進めていくということで是非力を入れていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。 長時間の御議論、大変御苦労さまでございます。私も何点か質問させていただきますが、何か最初は自民党の先生の御配慮で大分早く進んでいたのがまた元に戻ったような格好がございますけれども、私も簡潔に、できるだけ簡潔に質問させていただきたいと思います。 この食品安全については前回から質疑を始めたわけですが、私、前回は林野二法の関係で時間が使われまして、そこまで入り込めなかった面がありますが、今回も、最初に一つだけ、ちょっとこの法律そのものとは直接に関係ないんですけれども、質問させていただきたいんですが。 私、前から申し上げておりますけれども、いわゆる食料の自給率の向上というのが農業の問題の根源ではないかというような認識を持っておりまして、したがって、その食料の自給率をどうするかということを一番最初の目的から、前の大島大臣のときから質問させていただいてきたわけでございますが、その目的について、前の大島大臣は非常に明快に食料の安全保障だというようなお考えでございまして、亀井大臣もそのことを御否定はされないんですが、私も何回か質問はさせていただいたんですけれども、明確に安全保障だというお言葉は聞いたことがない、聞いていないわけでございまして、その辺が非常に残念なんですが、何か悪い、何かだれかが言うには、これは役人が答弁に書かないんじゃないかというようなうわさがございまして、そんなことはよもやないと思うんですけれども。 今回は、大臣にはいつもお聞きして、恐らくそういうお気持ちだろうということは分かるんですけれども、今日は局長がお見えですので、事務当局としては、局長、これは自給率の向上というのは農林省の大目標であるわけですので、どの局長も御関心を持っている一番大事なことだと思っておられると思うんですけれども、そういう向上をされる、向上を目指すというその目的といいますか、これは私は安全保障だと思っているんですけれども、その辺について明快に単純にお答えをお願いいたしたいと思っております。
○政府参考人(西藤久三君) 自給率問題、先生から度々御指摘をいただいているわけでございます。 るるあれはいたしませんけれども、いろんな環境の中で私どもの食料自給率、カロリーベースで見て四〇%という状況の中で、この向上を図っていくということは、私どもいろんな形での課題でございますし、基本計画の中でもそういう方向で取り組んでいるわけでございますが、正にそういう中で食料自給率の向上を図るということは、中長期的にいろんな問題を抱える中で、食料の安定供給に十全を期していくということが基本的でございまして、正に自給率の向上を図ることが我が国の食料供給力の向上につながると。 先生は安全保障という言い方をされましたが、国の内外における、私どもも経験してきておりますが、不作あるいは国際紛争による農産物輸入の減少等、正に不測の事態が生じた場合においても、国民が最低限必要とする食料の供給確保につながるものだというふうに思っております。 私ども、食料・農業・農村基本法の中でもそういう考え方が整理されていると思っておりますし、私どもも正にそういう不測時にどういう対応をしていくかということで、そういうマニュアルを作り、対応を準備をいたしてきているという状況にございます。
○岩本荘太君 須賀田局長、ひとつ御見解をお伺いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私は、先生の言われる食料安全保障、これはもういざというときに国民全体に必要最小限のカロリーを供給することだろうというふうに思うわけです。 そのためには、やはり人、技術、基盤、基盤は農地とか水とかでございますが、これを平時から確保していかなくてはいけない。急に大豆作れ、日ごろ作っていないのに小麦作れといってもそれはできないわけですから、平時からそういうできるだけ低コストでそういう必要なものを作る技術、人、農地を保全していかないといけないというのが安全保障、そのためにはやはり食料自給率というものの向上を目指しておく必要があろうというふうに思っております。
○岩本荘太君 どうも何かかみ合わないんですけれどもね。 私は、別に農林省がどうこう言っているんじゃないんですよ。要するに、食料安全保障ということであれば、農林省だけの問題でないでしょうということを言いたいんですよ、国民全体の問題でしょうと。そういう国民全体のコンセンサスがあればこそ、例えばWTOに行ったときにしっかりと国民の力をバックアップにしてできるでしょうと。そういうコンセンサスを得るために考え方をしっかりしていなきゃいかぬということを私は申し上げたいので、これをあえて言っているんですよ。 だから、要するに、確かにこういう問題は付随的に、付随的といいますか、農業をどうするかということも大事かもしれませんけれども、根本は何か、日本で農業は大事だ大事だと言っているのは何かと。これは食料の安全保障で、農業をやっていない人もやっている人も、皆さんの問題ですよと、こういう認識をさせなきゃいけないでしょうということを私は申し上げているんです。 その一つの裏には、私は、前回のウルグアイ・ラウンドのときに一度だけ、前にお話ししたことがありますけれども、一度だけ行ったことがあります。しかし、日本の場合は、例えば農業関係と工業関係と主張が食い違うわけですよね。アメリカは食い違っていないわけです。ほかのところは食い違っていないわけですよ。そういう状況だったら、幾ら強いことを言っても駄目ですよと。今回、なに、農業が多面的機能があるとか、農業部内だけでやっていても駄目ですよと。多面的機能あるんなら、これはそういうことを国民全体としての認識でないと力になりませんよということの意味から、私は、食料安全保障というのを、大島大臣の御発言は単刀直入で立派だったと、こう思っておりますし、そこからそういうスタートをしっかりさせなければ議論ができないと思いますので、これは申し上げておるんです。 これは、この点につきましてはいろいろ御意見あるでしょうけれども、また私も決算委員会等ございますので、またそういうときにもう少し突っ込んでいろいろとまた議論させていただきたいんですけれども。 したがいまして、今回はこの食料の安全、安心について、法案に関係することについて御質問させていただきたいと思います。 法案の中身そのものは具体的に私よく分かりません。これはそれぞれ担当部局である農林省がやられるんですから、よもや中身の個々については怠りがないと思うんですが、私は、こういう法案を作った前提というのは、いわゆる、度々出てきますけれども、食料の安全、安心という物の考え方ですよね。 その食料の安全、安心ということが、例えば今まで農林省に任せておいたら安全だった、食品会社に任せておけば安全だったというその神話的なものが全部崩れたわけですよね。国民、消費者は信用していないわけです。だから、ここで、農水省にしろ、そういう食品産業者にしても、名誉を挽回しなくちゃいかぬ。名誉を挽回するには、やはり消費者と同じ立場に立って、同じように判断して、消費者も、ああ、やっぱり立派なことをやっているということにならなきゃ判断できないと思うんですね。 それからもう一つ、したがって消費者の心配をどう解消していくか。リスクコミュニケーションというんですか、いわゆる今回の法案にしても、いろんな、当事者、研究者あるいは消費者、いろんなところから危ないんじゃないかということを農林省が受け止めて、それで一つのコミュニケーションをしながら法案を作ったと思うんですね。だから、そういう面ではやり方としては結構だと思うんですけれども。 さて、この法案が、じゃ、どういうふうにこれから動いていくか、どういうふうに消費者なり生産者なり末端の人に公開して周知せしめてやっていくかと。その辺についてはどんなふうにお考えでしょうか。これは生産局長かな。
○国務大臣(亀井善之君) このリスクコミュニケーション、それと同時に、食の安心、安全と。私は今、委員御指摘の安全、安心。安心の中に私は食料の安全保障と、こういう問題は十分入っておることでありますし、そのような理解を国民からやはり受けなければならないんではなかろうかと。 今朝も実は経済界の皆さん方に、食料の自給率のことにつきましても、とかく私ども行政の関係者はそういうことを常に、四〇%、これを四五%にしなければならないと、こういう意識を持っております。しかし、現実に、私もいろいろな方に、就任いたしましてお目に掛かっている中で、意外にその食料の自給率のことにつきましては御理解をいただいていないところが目に付くわけでありまして、是非これは省を挙げて努力をしなければならないし、実は今日もその資料を比較的克明にごらんになって御質問された方もあったわけであります。そういうようなことから、是非いろいろなことを進めていきたいと。 特に、この食の安心、安全と、今回のリスクコミュニケーションにつきましては、やはり消費者に何といっても行政が正確な情報を伝達しなければならないわけでありますし、また、消費者の皆さん方、国民の皆さん方のいろいろの情報を私ども受け止めなければならないわけであります。そういう面で、ホームページですとか、あるいは食と農を語る会だとか、いろいろ今、あるいはタウンミーティングであるとか消費者との懇談会だとか、いろいろ今日までも進めてきております。 そのことは更に省を挙げていろいろやっていく決意でありますし、また食品安全局と、こういう組織を作るわけでありまして、そういう中に消費者情報官と、こういうのも一人置きまして、そしてその下に、そして今度、食品安全局、地方含めて、本省、地方、(「消費・安全局」と呼ぶ者あり)消費・安全局、消費・安全局を作り、本省、地方、併せていろいろ進めていくわけでありまして、その末端までそういう意識を持って関係者にいろいろコミュニケーションを図る努力をすることが必要と、このように思っておりますし、いろいろの広報等々を通じて、また少し英知を結集して頑張ってまいりたいと、こう思っております。
○岩本荘太君 ありがとうございます。 今の御答弁お聞きさせていただきまして、本当に何か今までとは、一皮むけたような、こんなことを言っては失礼ですが、御自身の御決断で動こうという姿が見えておりますので、是非その点でこれからも頑張っていただきたいと思います。 食料自給率、これも度々申し上げるんですけれども、食料自給率を上げるというのは並大抵なことでないと思うんですよね。要するに、白紙の状態でやるんじゃないですから。今、WTOというその枠の中で、下手なことをやれば赤信号がつくわけでしょう。そういう中でどうやるかというのは、それでいて食料を、ただ単に食料競争をしたら、価格が安いか品質がいいかじゃないと勝てないわけですよね。価格なんというのは勝つわけがないですよ、今の状況で。アメリカの生産性の高い農業、それから労賃の安い中国の農業、発展途上国の農業と比べたら。 そういう中でどういうことをやるか、何があるかというと、私なりに考えますと、やっぱり質というか、質の一種としてこの安全、その安全も余りこれを国ベースで安全、安全と言うと、これもまたWTOに引っ掛かるかもしらぬ、保護政策として。だから、じゃ、どうするかというと、一番いいのは情報公開して消費者に選択してもらう。消費者がそれがいいんだと言えば、もうしようがないといいますか、そういう意味で、この安全、安心性ということを消費者にできるだけ情報公開してもらいたいというのが、私は、自給率向上とつながった一つの流れでありまして、そういう視点でこれを眺めさせていただいているわけです。 それで、具体的に、今のお話で基本的にお考え分かるんですが、具体的な問題として、例えばこういう法律が成立した場合、BSEとか、今回の組織は別として、個別識別とか、そういうものは結構なんですけれども、いわゆる肥料とか農薬とか飼料とか、そういうものの規定を今度の法律入っていますわね、この三と四ですか。こういうやつ、これで知らしめるというのは、今、大臣は基本的なお考えですけれども、具体的にどんなふうにこういう法律というのを普及させていくか。あるいは、それから後、生産者なり関係者からの情報を受け入れるのか、リスクコミュニケーションというのはどういうふうに考えておられるのか。これは生産局長ですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 昨年、農薬取締法、無登録農薬問題が起こりまして、農薬取締法を急いで改正した際に、その施行をめぐりまして、我々としては周知徹底したつもりだったんですけれども、今なおその特定農薬問題でございますとか農薬取締法の使用基準の問題でございますとか、マイナー作物にどうなるのかという物すごく問い合わせが多かったわけでございます。その経験にかんがみれば、今回の農薬、肥料、飼料の改正については特に難しい点がございますし、規制を強化しておるわけでございます。 全国に関係農家が非常なすそ野の広がりを見せておるわけでございまして、通常のリスクコミュニケーション、ホームページとかパンフレットを配布して知らしめるぐらいでは末端まで周知徹底しないだろうということで、農業団体を通じた系統、行政を通じた系統、ありとあらゆる機会を設けまして地方で懇談会を繰り返すということ、もちろんパンフレットの配布等もやりますけれども、特に入念にやっていきたいというふうに考えております。
○岩本荘太君 まだ具体的なお考えはないようでございますが、私も、これはいい方法等現場で分かりましたら是非提言させてもらいたいと思うんですけれども、その辺がやっぱりあれなんですね。 私なんかの個人的な考えでは、例えばBSEにしましても、肉骨粉についての情報が生産者にもう少し下りていれば起こらなかったんじゃないかなという私は思いがあるんですね。生産者はやっぱり自分で作っていますからね。そういう面の気遣いというのは相当あるんですよ。だから、生産者に、中間でなくて、中間も大事かもしらぬですけれども、生産者にいかにうまく下りていくかというその方法が一番私は大事だと思います。ましてや、畜産なんかをやっている人なんというのは自分の子供と一緒ですよね。そういう人たちが自分の飼っている家畜にしろ、危ないものをやるわけないんですよね。その辺の感覚的なものを酌み取って、よろしく指導をしていただきたいと思っております。 それと、ちょっとがらっと変わるんですが、こういう問題は、これから、あるいはいわゆるリスクコミュニケーションとかトレーサビリティーに関係して重要な考え方になるかどうか分からぬですが、例えば牛の場合なんか、銘柄牛ありますよね、松阪とか神戸とか。これは、私の知っている限りでは、生まれたときから生産するまでそこで育てなきゃいかぬということではないと思うんですよね。ある一定の基準があってのものだと思うんですけれども、その辺の基準といいますか、これは最近、貝類なんかも韓国から持ってきて日本でやったのがどこのものかというふうなあれもありますし、人間だって、そういえば日本人が生まれてブラジルなんかへ行ったら十八歳ぐらいまでブラジル人か日本人か決めなくていいというようなことを聞いたこともありますから難しいのかもしれませんけれども、そういう意味で、ちょっと牛の場合の銘柄というか、そういうものの付け方についてちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 松阪牛、先生の地元でいくと能登牛というんでしょうか、こういう銘柄牛は、その生産者団体、生産者、食肉関係者等が自ら自主的に表示するということで、法的な根拠があるわけではないわけでございます。 私ども把握しておるのは全国で百八十九例ございます。例えば銘柄牛というのは、松阪肉牛協会、これ松阪市長さんが会長でございますが、そういう銘柄主体がちゃんと認定するということ。要件としては、松阪の場合ですけれども、自主的に決めているんですけれども、黒毛和種の雌に限っておる。それから屠畜場も限定しておりまして、二か所、松阪食肉公社と東京食肉市場、そこで屠畜したものじゃないと駄目だと。しかも格付けがA5かB5だと。しかも肥育地域は二十二市町村、こういう要件を課して銘柄牛の限定をしているわけでございます。 もちろん、これは人が勝手に銘柄名を使用いたしますと、不当景品表示法だとか不正競争防止法だとか、こういうものの処罰の対象になるわけでございますけれども、これ、かつて消費者の方々から、あの銘柄牛本当かと、ちゃんとした指針を作るべきではないかという御批判をいただきまして、平成二年に中央畜産会、中央団体がガイドラインを作りまして、ちゃんと主体を置けとか、規約を設けろとか、そういうガイドラインを基にそれぞれの自主的団体が銘柄牛の確立の指導をしているということになっております。 この現在御審議していただいておりますトレーサビリティー、これによって流通経路が追っ掛けられるわけでございますので、銘柄牛表示の偽装防止にも役立つということになろうかと思っております。
○岩本荘太君 分かりました。私、それ今聞こうと思ったんですけれども、トレーサビリティーによって消えちゃうわけですね。それで、本当にそこから生産した、そこから出荷したものがということですよね。だから、それが本当においしい肉になるかどうかはまた話が別だと。分かりました。 それで、今トレーサビリティー出たんですけれども、余りもう時間がないので基本的なことだけちょっとお話伺っておきたいと思うんですけれども、いろんな人が御議論されて、もう出ているかもしれませんが、何か、一つは、先ほど来の答弁聞いていますと、西藤局長の答弁だったと思いますけれども、いろんな需要があって、なかなかこれ難しいと。安いのが欲しい人もおり、いろんなことを言っておられましたけれども、それも正しいかなと思うんですけれども、やっぱり安全──安心までいかないかもしらぬけれども、安全に関しては、やっぱりこれは官が主管しなきゃいけないんだと思うんですね。それ以外の嗜好的なもの、これは情報のやり取りでそれは民間に任せるということは必要かもしれませんけれども、安全という視点からのものはしっかりととらえなきゃいけない。 したがって、それは産地もあるでしょうし、それ以外のいろんな情報というものは、安全に関しての情報というのは、これは是非僕は官にやっていただきたいというふうに思うんですが、そういう意味で、時間がなくて申し訳ございませんけれども、要するにこれからだと思うんです、そのトレーサビリティーは。 既に民間でいろいろ検討されて、私は驚いたのは、昨日、東京駅の本屋に行ったら、トレーサビリティーの本が平積みにされて売っているんですよ。そのぐらい関心が高まっている。大変大事なことだと思うんですけれども、どういうふうな方向で、それはどういう分野まで広げる、いつまで、どういう過程を通ってどういう分野まで広げる、あるいはスーパーや小売だけじゃない、外食産業とか、そういうものまでにも手を入れるのかどうか。その辺も含めて、基本的なこれからの方針というか方向というものをひとつ御説明願いたいと思います。
○政府参考人(西藤久三君) 先生ありましたように、トレーサビリティーシステム自体、私ども、安全、安心という観点で、消費者への情報提供ということと、万が一事故のときの対応を迅速に対応できていく、効率的に迅速に対応できるという趣旨で考えているわけでございますが、品目をどうするかというところで、私ども現在実証的に取り組んできておりますのは生鮮食料品、それとお米も含む生鮮食料品。しかし、これ一口でお米も含む生鮮食料品と申しましても、先生御案内のとおり品目によってもう区々でございます。 そういう状況の中で、昨年、かなり実証的な整理もさせていただきました。そういうものをこういう手引という形で整理をしながら情報提供をしていき、そういう中で自主的な取組という形で考えております。そのほか、加工食品、これもまた千差万別、大変です。これもどういう形で取りあえず取り組むかという実証的な取組を十五年度、取り組んでいきたいと思っております。 外食につきましては、これは外食分野、食生活の変化の中で外食の分野は非常に大きくなってきているわけでございますが、一律に外食という状況のときに、まあ私どもも体験しているわけですが、ファミリーレストランの状況一つ聞きましても、例えば一つのお店でメニューがどのくらいあるかというと、百前後大体あると。そのメニューも大体年四回程度変更するのが、まあもちろん変わらないメニューもあるわけですけれども、という状況があります。そういう実態、非常に区々ですが、やはりそれぞれの要望に応じて事業者がどういうふうに対応していくかというのが、やっぱり共通の課題なんだろうと思っています。 そういう点で、我々、いろいろ取り組んでいるものの情報を提供して、取り組みやすいような、取組に当たっての一部支援をしながら取り組んでいきたいと。そういう点で、どこまでだという限定はせず、できるところからやっていったらいいんじゃないかということで、それこそ情報を提供しながら取り組んでいる実態にございます。
○岩本荘太君 ありがとうございました。 今のお話ですと、相当長くこちらもフォローしなきゃいかぬなという感じがいたしますので、今日はこのぐらいにしてやめておきますけれども、またひとつよろしくお願いいたします。 どうもありがとうございました。
○中村敦夫君 先日の農水委員会の視察で四か所回りまして、大変勉強になりました。私にとって特に印象に残ったのはクローン牛の育成現場という場所なんですね。やはり見ると聞くでは大違いで、現場に立つと様々な疑問とか想像というのがわいてくるわけですけれども。本当に驚いたのは、四頭一組、六頭一組のクローン牛の非常に精密な外形的類似性なんですね。肉も部位まで非常に同質であるという話を聞いてびっくりしました。 しかし、私が直感的に恐れを抱いたのは、これはもう牛でできるわけですから、人間にも当然のことながら技術的にはもう可能だという段階に来たと。世界的合意でそういうことはしないということになっていますけれども、それは何の保証もないような話だと思うんですよね。こんなことをやったら、麻原彰晃が十人も出てきたらこれどうするのかと。もちろん人間の性格、思考、行動様式というのは後天的なものだといいますけれども、同じ環境で同じことをマインドコントロールすればかなり同質の人間というのは複数できるわけですよね。 利便性ということを考えたら、私だって忙しいですから、あと三人ぐらい欲しい。質問に立つ前まではここにだれかもう一人の人に座っていてもらったら楽だとか、いろいろありますよ。しかし、そういう考えでどんどん行っていいのかどうかということは大変な問題だと思うんですね。これは、効率性とか生産性とか経済性とかと考えていけば、そういう発想はどんどん合理的じゃないかというふうに進んでしまうという恐ろしさがありますね。 一九三〇年代に既にオールダス・ハックスリーという有名な未来小説家が「すばらしい新世界」という名作を発表して大変な問題になっていますし、今でもこれがいろいろなケースで例に引かれる小説なんですね。これはこういうクローン牛のような技術じゃないけれども、試験管ベビーということをモチーフにして作って、要するに、生産性効率のためにもう人間もあるパターンに整理しちゃえばいいということなんですね。例えば鉱山労働者を作るためには、大きい穴を掘ってやるんじゃ効率悪いから、小さな穴でいくためには背の低い腰の曲がった人たちを何千人も作っちゃうと。もう同じ顔して同じ体しているわけですね。それをやってしまうということを、社会で全部それをやっていくと非常に効率性が上がるという、非常にブラックユーモアですけれども怖い話ですよね。 正に彼が一九三〇年代に予想していたような事柄がある程度、今、現実化してきているという時代に入ったと思うんですね。しかしながら、科学技術的にはもう可能なんだから、無制限に何でもやってもよいというふうに進んでいいのかどうかという疑問がありますよね。BSEの発生なんて正にそうなんですよ、あれは。牛に牛の肉を食わせるというような話から始まってきて、やっていいことと悪いことというのがあるんじゃないかと。 人間も生態系の一部にしかすぎませんから、生き残るために自然に働き掛けて何とか工夫するということは必要だと思いますけれども、物には限度があるのではないかなと。要するに、本来、人間にもほどほどという重要な本能というのは実際あるんだと。しかし、そういうものを超えて生産性だというところへ突っ走っていくということになると、逆に非常に大きな危険というものが我々を待っているんじゃないかなという、そういう感想を私は持ったんですね。クローン牛にしても、わざわざこれまでしてこの種の特定の肉を食わなきゃ人間幸せになれないのかどうかという本質的な疑問を感じたわけですね。 質問に入る前に重要な問題提起をしたいと思うんですよ。四月十一日に、体細胞クローン牛の食品としての安全性を検討していた厚生労働省の研究班、ここが、体細胞クローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考え難いという報告書を作ってしまったんですね。状況から考えてみても、そんなにはっきり結論を出すのはちょっと早過ぎるんじゃないかというふうに感じますが、しかし報道によりますと、厚生労働省はこの報告書の内容を新設した食品安全委員会へ諮問する方針だということなんですね。どんどん進んでいくわけですよ。 しかし、これ、そもそもクローン牛の開発を始めたのは農林水産省だし、その流れの中で、食品の安全性を検討しているのは厚生省なわけで、この二省で一つの流れを作ってしまったその方針というものを食品安全委員会が押し付けられるというような形になっていくと、食品安全委員会というのは他省庁の結論を追認するだけの形式的な追認機関になりかねない、もはやそういう危惧が出てきたと、このことを強く警告しておきたいんです。 ところで、今日は、体細胞クローン牛開発の目的と整合性について若干お聞きしたいと思いますが、最初は農林水産技術会議事務局長にお願いいたします。 これまで農水省が体細胞クローン牛のために投じてきた研究開発費の累計の総額というのはどのぐらいになりますか。簡単にお答えください。
○政府参考人(石原一郎君) 体細胞クローン牛の研究開発につきましては平成九年からやっております。平成九年から十四年度まで、技術の内容としては体細胞クローン技術の作出の開発、一方で、不安要因の解消という研究でございます。 九年から十四年度まで、これらの研究に合わせまして十四億二千万円となっております。
○中村敦夫君 かなりのお金が掛かっていますね。 しかし、今、体細胞クローン牛の商品化ということに関しましては、依然多くの問題が残っています。中でも最も大きな問題というのは、まともに生まれてこない、まともに育たないというこの点なんですよね。クローン胚が着床、出産にこぎ着けるケースというのは非常にまれなんですよ、今。 例えば、体細胞クローン羊というのがありましたね、ドリーというやつですけれども。あれ、実験に使われた二百七十七個のクローン胚の中からやっと一頭だけしかできなかったという。非常に難しいんですね、これ。 体細胞クローン牛にしても、やっと出産にこぎ着けたものの、中には非常に異常が多いと。厚生労働省の発表によりますと、去年の十二月まで誕生した体細胞クローン牛というのは三百三十四頭いるわけですね。そのうち、流産、死産が五十五頭、生後すぐに死んでしまったのが四十七頭、病死が五十九頭、その他の死で亡くなったのが二十九頭ということになっていますね。結局残った、研究機関で育成できた頭数というのは百四十四頭ということであって、これ生存率四三%。苦労に苦労を重ねて四三%しか生きなかったことになる。別にしゃれではありませんけれどもね。 そこで、生産局長にお聞きしますが、ここまで体細胞クローン牛の成功率が低いということから考えて、商品として販売するには余りにもコストが高く付くし、また実用的ではないんじゃないかと思うんですよね。現時点で、体細胞クローン牛は生産者や畜産業界にとって商品化するだけの経済的メリットがないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これ、正に先生おっしゃられたように、科学性という問題と、安心、不安の問題と、両方あろうかと思うんです。 やっぱり技術的に見ますと、体細胞クローン技術は、遺伝子に操作を加えるものじゃなくて、遺伝的に同じような家畜を多数生産する、言わば一卵性の双子、三つ子といったものを人工的に作る、植物でいえば挿し木に当たるものでございます。だから、肉質が良くて飼料効率に優れた牛を、同じような形質持ったのを作るというための技術だったわけでございます。 そういう意味では、技術的に見れば生産性の向上とか品質の向上に役立つのかなというふうに思われるわけでございますけれども、そういうことを実用化して肉とか乳が商品として流通する、確かに先生言われたように、これ死産とかそういうものが多くて、果たして本当に安全なのかという問題がありまして、科学的に安全性を念を入れて確認する必要があろうということで食品安全委員会にかけたいということを言っているわけでございますけれども、科学的に安全性が確認された上でも、更にやはりリスクコミュニケーション、業界だとか消費者の方々がどう思うかということを慎重に検討しないといけない問題だろうというふうに思っております。 現時点ではまだその不安がなくなるといったような問題ではないんではないかというふうに思っておりまして、まだその商品化の経済的メリットとかいうのを検討する段階ではないというふうに思っております。
○中村敦夫君 しかし、これ、趣味でこれやってもしようがないわけでしょう。やっぱり商品化ということが前提になっているからこそやっておるんではないんですか。それじゃなければ、何でこんな莫大な研究開発費を使うのか。 それで、やっぱり食肉として流通させようとするその方針立てたわけでしょう。すると、矛盾しているじゃないですか、今のお答えだと。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今の、実用化に向けての研究の段階の今の評価を申し上げたわけでございます。試験研究機関で多額の経費を掛け、人材を投入してこの問題やっているわけでございます。今、まだ完全に科学的に安全かどうかというのも確認をされていないような段階にあるということを申し上げたわけでございますが。
○中村敦夫君 生育にこぎ着けた体細胞クローン牛が今約百四十頭います。これ、えさ代とか維持費など、総経費として、一頭、一か月で幾らぐらい掛かるんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これ、試験研究機関でやっておりますもんですから、えさ代、飼料費などはまあ普通の牛と同じだろうというふうに思っておりますが、研究機関の人材を投入しておりますんで、労働費は相当割高になろうかというふうに思っています。 実はこれ、実際の経費は研究機関が多数にわたるために把握をしていないわけでございます。一般だと、酪農では一月当たり搾乳牛一頭で四万七千円掛かりますし、肉用牛だと、肥育で約一万六千円掛かるわけでございますけれども、この体細胞クローン牛は、物財費というんでしょうか、えさ代等は通常の牛と変わらないですけれども、労働費が相当高く掛かっているというふうに思っております。
○中村敦夫君 いろいろ事情を調べてみたんですよね。かなりお金が掛かりますよ、これ。 それで、実際問題、これは農林水産省が体細胞クローン牛を食肉として性急に流通させようというような、そういう方向性があるというのも知っております。しかし、これは本当の理由は、畜産農家のための新技術の実用化ということじゃなくて、開発した体細胞クローン牛を飼い続けるためのえさ代と維持費というのが非常にかさむんで、予算が足りないから売っちまえという、そういう考え方というのがあるということなんですよね。ですから、基本的には各地の研究機関から、何とかしてくれ、早く流通解禁してくれという要望が来ているんじゃないですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まだ研究の段階でございまして、そういうような要望、私は受け取っておりません。
○中村敦夫君 まあ、そういう答えでしょうけれどもね。実際の本音というのはそういうところがあるということを私は知っているんですよね。それで、そうであるとすると、こんな重大な問題をこのちっぽけな予算事情で決めてしまって、その方向へ何かなし崩し的に持っていくということは、とんでもない話だというふうに思いますよ。そして、安全性という観点からしても、もっともっと慎重なテストが必要な段階だと思うんですね。 本来は実験動物なんですから、途中で食ってしまったらしようがないでしょう、これ。やっぱりこれは最後に死ぬまでちゃんと観察してなければ、これは実験ということになりません。 そればかりじゃないんですよ。要するに、子供を増やして、二代目、三代目ぐらいまで繁殖実験を繰り返すというのが、これは本当の科学的な検証なんですよね。日本では体細胞クローン牛が生まれてから五年しかたっていないわけですよね。まだ二代目、三代目というのはどうなるか不明なわけです。 そこで、農林水産省技術会議事務局長にお聞きしますけれども、この安全性の徹底追求のためには、体細胞クローン牛について二代目、三代目という世代まで調査研究を行うべきじゃないかと思うんですけれども、そういう姿勢はあるんでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 体細胞クローン牛の作出技術についてでございます。先生も御指摘のとおり、死産率が高いといったようなこともいろいろございます。そういう意味では、そもそも生命の発生機構には元々未知の部分がまだ多くあります。また、その死産率が高いといったこともございます。そういう意味で、今後更に体細胞クローン技術の確立を図っていく上では解決すべき課題があると思っております。 また、その体細胞クローン技術というのは大変新しい技術でございます。したがいまして、まず作出された体細胞のクローン牛に繁殖能力があるかどうかということ、あるいは繁殖能力があるとして、そのあった、その繁殖能力をもってできた子供、要するに体細胞クローン牛が雌であれば雌が産んだ子供、あるいは体細胞クローン牛が雄であれば、その雄の精子を使ってできた子供、いわゆる二代目でございます。その二代目の発育状況あるいは肉質等についてはどういうものであるかということについては現在も調べておるところでございます。 ただいまのところ、現在のところでは、そういう体細胞クローン牛の後代について、そういう調べ、調査をやっておりますけれども、特に異常が見られたというような報告はございません。 ただし、何分にもまだ今後解決すべき課題もある技術でございます。今後とも、体細胞のクローン牛につきましては、おっしゃられましたような後代も含めまして、調査研究を行ってまいりたいというふうに考えております。
○中村敦夫君 しかし、実際のところ、二代目、三代目までずっと研究していくということについて予算措置はないんじゃないんですか。それどころか、一代目だって死ぬまでやっていけるかどうか、という予算措置はしてあるわけですか。イエス、ノーだけでいいですから答えてください。
○政府参考人(石原一郎君) そういう予算措置はございます。
○中村敦夫君 また、体細胞クローン牛については、生産者にとっての経済性だけでなく、食品としての安全性というのについても非常に重大な疑問が積み残されているわけですね。先ほど指摘しましたように、流産、死産、出生直後の死が多いことについて、厚生労働省研究班の報告書は原因不明というふうにしているわけですね。研究班の学者は、報道機関に対しては、健康な牛かどうかを検査して、食肉にするなら体細胞クローン牛を不安視する材料はないと、もう何か答えちゃっているわけですね。 しかし、体細胞クローン牛についてはまだまだ明らかになっていないことが多いわけです。現時点での知見で幾ら危険な要素が見られないからといって、それがイコール安全ということを意味するわけにはいかないと思うんですね。 農水省が去年の八月十三日に公表した畜産生物科学安全研究所による実験結果でも、体細胞クローン牛を食べても安全という結果が示されました。 しかし、一方で、この研究のされ方のずさんさというものも相当指摘されているんですよ。 例えば消化試験。これはマウスかなんかに肉を食べさせるわけですよ。その肉は生まれてから一日か四日ぐらいまでの、通常は食用になっていないような肉を食べさせたと、これで実験をやったということになっているわけですよ。それから、マウスによる染色体障害。この検査は一群れたった六匹でやっているわけですよ。データとしてはもう全然少な過ぎるんですね。それから、ラットを用いた消化試験というのは実質三日間だけのデータなんですね。食の安全を重視するという建前の研究としては余りにもずさんでお粗末というか、これでは本当のデータにならないんじゃないかなというふうに私は考えているんですね。 こういうことは、限られた人たちが限られた方針の中でとにかく形式的にやらなきゃいけないということで、ちょこちょことやっちゃ研究発表するというんじゃなくて、かなり広範な分野の専門家たちのいろいろなアドバイスとかそういうものを総合してやらないと、実りのある実験というのはできないわけですよね。 そこで厚生労働政務官にお聞きしますけれども、体細胞クローン牛の安全性を検討していた厚生労働研究班が検討に用いた資料やデータというものをすべて公開してはどうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(渡辺具能君) 委員御指摘のとおり、今般、体細胞クローン牛の食品としての安全性に関する研究報告がまとめられたわけでございます。その中で、委員御指摘のように、クローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考え難いというふうに、ただいま委員御紹介されたように結論付けておりますが、データの開示の問題にお答えする前にちょっと付け加えさせていただくと、そういう結論の後に、実はその報告書の中には、委員もお目をお通しですから御承知かと思いますが、新しい技術であることを踏まえて慎重な配慮が必要であるということも書いているわけでございます。この研究報告書については、国立国会図書館にお送りしましてもう既に置いてありますし、あるいは国立保健医療科学院研究情報センターのホームページにおいても近々、この報告書につきまして開示をする予定でございます。 そして、さらに委員は、いろんな心配があるんで、研究の際用いた、あるいは研究の方法あるいはデータについて開示をしろというのが一番大きな質問だったというふうに思います。 今回、体細胞クローン牛に関する報告につきましては、今、ただいま委員御指摘のとおり、安全性についていろいろ議論しなきゃいけないという段階でございますので、そういうことも考慮いたしまして、必要に応じて、学術雑誌等で出版されていないデータの公開につきましても研究者の協力を、特段の協力をこれから求めてまいりたいというふうに思っております。
○中村敦夫君 私が言っているのは、そのデータというものの信憑性も重要であるから、それは全部公開して差し支えないんじゃないかと、それで足りないものは補う人も出てくるわけですから。そういう基本的な姿勢を徹底していただく方が、いろいろな不信感というものを逆に払底できるんだというふうに考えております。 これは同じことなんですが、大臣にも農水省としての御意見を聞きたいんですけれども、体細胞クローン牛について、農水省も保有している研究データというのがあるわけですよね。これも原則もう全面公開するというふうな、そういう姿勢を取られた方が私は賢明だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(亀井善之君) 今日までも、この研究情報、これは公開に努めております。プレスリリースあるいはまたホームページの掲載等をいたしております。さらに、新しくやられた研究成果、これ、知的財産権の問題等、あるいは研究途上の情報と、これには若干限界があろうかと思います。いろいろ、学術等の研究論文を発表するなり、これは原則公開をし、またいろいろのパンフレットやシンポジウム、そういうものを通じて研究データの公表等々に努めることは必要なことと思います。
○中村敦夫君 知的財産権という問題が都合の悪いことを隠ぺいする口実に使われると私は困ると思うんですよ。それで、私は、そんなもの、この話ではないというふうに思っていますから、研究するなら研究するなりではっきりしたものを発表し、そして、それが将来何の役にも立たないんだったらさっさと引き揚げるというぐらいの決断をしないと、いたずらにこの問題を放置していくということになってしまうと思いますので、よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(三浦一水君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十八分散会