農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/04/22
会議録
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 種苗法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省行政評価局長田村政志君、財務大臣官房審議官浦西友義君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君及び農林水産技術会議事務局長石原一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三浦一水君) 種苗法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取をいたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次発言願います。
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。 亀井大臣も大変な難局の中で大臣に就任されて、御活躍を心から御期待申し上げたいと思います。 それでは、種苗法に先立ちまして、若干、WTO農業交渉あるいはメキシコ等とのFTAの交渉、さらには家畜排せつ物の処理の問題、これらを前段少しお聞きをさせていただいて、それから種苗法の方の質疑に入らせていただきたいと、このように思っております。 まず、WTO農業交渉なんでありますが、御案内のとおり、三月末までにいわゆる関税の引下げ方式等モダリティーを決定をすると、こういうふうな段取りになっておったわけでありますけれども、ハービンソン議長の提案された内容、私どもも見せていただいたわけでありますが、余りにも野心的というか、余りにも私どもから見ると、輸出国一辺倒の提案だというふうに私などは受け止めております。 そういうことがあって、我が国だけではなくEU等からも評価が得られない、あるいは輸出国側から見るとこれでは不十分だと、こういうふうな見方もあったようでありますが、いずれにしても、モダリティーを三月末までに決定するということにはならずに、現在WTO農業交渉はとんざをしていると、こういうふうなことなんだろうというふうに思うわけでございます。しかし、やっぱり九月のメキシコにおける閣僚会議が行われることはこれは間違いのないことでありますし、そこに向かって時は確実に動いているわけなんですね。 そういう中で、非公式な閣僚会議あるいは五か国農相会議等々、うわさとして聞くわけでありますけれども、これから九月に向けて、一応モダリティーについてはああいう形で棚上げというか、そのままになっているわけでありますけれども、動きはいろいろあろうというふうに思うんですね。 やはり過去の外交交渉のことを考えてみると、こういう時期にじっとしておったのでは駄目なんだろうというふうに思うんです。やっぱりいろんな意味で仕掛けられてくると思うんですよね、非公式閣僚会議等々を軸に。 そういう意味で、私ども自民党においても農林部会の中に農林水産物貿易調査会を作りまして、これまでも政府からいろんな情報等をお寄せいただいたり、あるいは私どもが分析をしたり、更には議員外交を積極的に展開したりと、こういうふうなことで今日までやってきまして、これからも九月に向けて積極的にやっていかざるを得ないというふうな判断を私どもはしているわけでありますけれども、四月になってから、例の三月末でのモダリティーの交渉が一応の一区切りが付いたと。それ以降の政府における、これは外務省、経済産業省との関係も多々あると思いますが、発展途上国を含めて、あるいはフレンズ国等を含めて、どんな形で今外交を展開をしようとしているのか。その辺、事務方からでも結構ですから、ちょっと動きをお知らせをいただきたい、このように思います。
○政府参考人(西藤久三君) 国井先生御指摘のとおり、三月までのモダリティー確立という期限が、確立できなかったわけでございますが、これは、これも御指摘ございましたが、私ども、現実的、具体的なモダリティー案を提出するなどして交渉の進展に努力してきたわけでございますけれども、保護・助成の大幅、画一的な削減といった過大な要求をいたしておりますアメリカあるいはケアンズ諸国と、私ども、漸進的、現実的なルールを求める、私どもだけじゃなくて、EUとの間の溝が埋まらなかった、そういう状況でございます。 御指摘のとおり、今後、交渉のプロセスといたしましては、九月にメキシコのカンクンで第五回目のWTO閣僚会議が予定されております。それに向けてできるだけ早期にモダリティーの確立を図っていくということが加盟国共通の認識になっているというふうに考えております。 私ども、こういう状況の中で、先生、四月以降ということでのお尋ねでございましたですけれども、四月の頭にジュネーブでWTO貿易交渉委員会が開催されましたが、そのときに、加盟国あるいはWTO事務局主催の少数国会合、いろんな形で開かれまして、改めてそういう場で我が国の状況を説明し、理解を求めておりますし、さらに、これは日米関係でございますけれども、先週になりますが、四月十五日にアメリカで日米次官級経済対話が行われました。その中でWTOについても話し合われ、改めて我が国の考え方を説明して理解を求めてきている状況にございます。 また、先週の十八日、フィリピンのさきの農業長官でございますが、モンテマイヨール前長官がお見えになったものですから、大臣との会談が行われまして、大臣御自身からウルグアイ・ラウンド方式による関税削減方式の支持、フィリピン自体、ケアンズ国でございますけれども、支持等について働き掛けを行っていただいている状況にございます。 また、先生、途上国というお話ございました。 現在、WTO加盟国百四十六か国、百か国が途上国という状況でございます。四月以降というわけではございませんけれども、途上国の働き掛け、非常に重要だという我々認識を持っております。過去にもいろんな形で取り組んでまいりましたが、十五年度の関税改正で特恵関税の拡充措置ということを実施させていただいておりましたので、昨年、その方向を決定させていただいた十二月に、在京の各国大使館、大使、大体五十六か国だったと記憶いたしておりますが、お集まりいただいて、私ども農水だけじゃなくて外務省も、各省参加の下で状況の説明、理解、あるいは同様の趣旨を私どもの在外公館にその働き掛けを一斉に行ってきたという状況もございます。 いずれにしましても、今後、スケジュールとしましてはっきりいたしておりますことは、ジュネーブでの個別技術会合のほか、六月の下旬及び七月の中旬に農業委員会特別会合が予定されております。さらに、それに先立つといいますか、四月末にはパリでOECDの閣僚会議に関連して、その同一の時期に非公式閣僚会議、あるいは六月にもエジプトで非公式閣僚会議が予定されたり検討されている状況にございます。 私ども、こういう国際会議の場で、関係省庁ともちろん連携しながら、また引き続き、EU等のフレンズ国と分担、連携、共同歩調を取りながら、途上国を始めとする各国に粘り強く働き掛けをしていきたい。当然そういう中で、私どもの日本提案の基本的考え方であります多様な農業の共存ということを働き掛けていきたい。また、先ほどもちょっと申しましたが、今後も機会を見て、大臣、副大臣あるいは大臣政務官からの働き掛けをお願いしたいというふうに考えております。
○国井正幸君 ありがとうございます。しっかりとこれはやっていただかなくちゃならぬというふうに思っています。 それで、特に今、局長の答弁にあったように、発展途上国の国の数というのは非常に多いんですよね。やはりしっかりと我が国の、発展途上国への配慮というものも十分我が国は考えているわけですから、そのことをしっかりとやっぱり発展途上国に伝える必要があると思うんですね。やはり、ある一定の関税を保持したまま、そして発展途上国へはそこから更に下げるということですから、むしろ我が国への輸出はそういう形を取った方が発展途上国が輸出しやすい、そういう環境になるわけですから、これ、全く関税を取っ払ったら、それはもう発展途上国といえども全くの競争の中で輸出をすることになるわけですから。関税がありながらも、ほかの国に対しては関税を張っているけれども、発展途上国に対しては、あなたのところは少し優遇しましょうと、こういうことをやればそういう国々がもっとしやすくなる、そういう現実をしっかりとやっぱり発展途上国に説明をして理解をしてもらう、そういうことに一層努力をしてもらいたいというふうに思います。 それから、もう一つ厄介なことは、一方でWTOの場で全体的な関税のありようというものを協議をされているわけでありますが、二国間あるいは多国になっても複数のいわゆる相対での交渉で自由貿易協定あるわけですね、いわゆるFTAでありますが、メキシコについては相当進んでいるというふうに話聞くんですね。特にこの中でも豚肉が一つの焦点になっているのではないか、こういうふうに承知をしているわけでありますが、手短で結構ですから、FTA、特にメキシコとの交渉の今到達している状況あるいはそこでの課題ですね、そういうものについてかいつまんでちょっと御説明いただければと思っております。
○政府参考人(西藤久三君) FTA交渉、FTAを含む経済連携交渉でございますが、先生御指摘のメキシコとの関係、一昨年から昨年にかけまして産官学の研究会を行いまして、その研究会の報告を受けた形で、昨年十一月、首脳会談の下でFTAについての政府間交渉が行われている状況にございます。ほぼ毎月の状況で意見交換を、交渉を行っております。 メキシコから我が国への輸出の状況を見ますと、約その二割が農林水産物であります。そういう状況の中で、メキシコ側は農産物分野での成果を強く希望している状況にございます。その取扱いが課題であるというふうに認識をいたしております。 私ども、各国との経済連携に当たっては、農林水産物の関税撤廃の困難性について相手国との間で一定の理解、そういう、醸成することが重要だというふうに考えておりまして、産官学の研究会でそういう議論もさせていただいていました。現実に強い希望がありますが、国内の状況についての相手国の理解を深める努力を今後も継続実施していきたいというふうに思っております。
○国井正幸君 これは大臣にお伺いしたいというふうに思いますが、メキシコはそれなりに進んできているのは承知していますが、ここに来て、タイ国との間でFTAが、交渉が相当急速に進むんではないかと、こんなことが過日マスコミ報道で伝えられたんですね。私どもも実際びっくりしましたし、農業者、農業団体なども、あらっということで相当警戒感強めたと思うんですね。しかし、やはり大きく見れば、このアジアという地域でFTAの交渉も進めていかなきゃならぬという国際情勢もあるというふうに思います。 WTO農業交渉にしてもFTAの交渉にしても、これはやっぱり国益を懸けた大変重要な交渉でありますし、この交渉の結果いかんによっては我が国の農業生産のありようというものが大きく変わるということも十分想像できるわけなんですね。是非、このWTO農業交渉あるいはFTAの交渉において農林水産大臣として是非頑張っていただきたいというふうに思うわけでございます。 実は中国との間で、過日、谷津農林大臣のときでありますが、私もその当時、大臣政務官をやらせていただきましたが、その当時、セーフガードを発動するということで暫定措置の発動をしたわけでございます。しかし、その後、本発動すべきというのが党内の意見でもあり、当委員会、衆議院ももちろんでありますが、委員会でそういう意思決定もさせていただいたわけでありますが、残念ながら本発動に至らずという状況でございました。世界の貿易交渉あるいは貿易ルール定めた、これはWTO協定にもあるわけでありますが、セーフガードが発動されなかったというのは世界に類を見ないことだったというふうに私は理解をしております。 どうも、なぜセーフガードが発動できなかったかということになると、与党においても発動すべし、それから衆参両院においても発動して毅然たる態度でやるべき、そういう意思がありながら、それができなかった。意思決定がどこにあったのかというのが私どもは今もって残る疑問でございます。 したがって、今度のWTO協定あるいはFTA等々において、十分農林水産大臣の意向が我が国の政府の意思決定において尊重されるというか、農林水産大臣の意思が十分やはりその政策決定あるいは外交姿勢に反映されるように、これは私どもも与党としてサポートしていくつもりでありますけれども、大臣においてもこれは不退転の決意で臨んでいただきたいというふうに思うわけでございますが、大臣の決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今、国井委員御指摘のとおり、全く、今までの経過につきましても私もそれなりの考えを持っておるわけであります。 このWTO交渉、あるいはまたFTAの交渉につきましても、二十一世紀の農業、農政の在り方、ひいては、私は、これは国民生活に多大な影響を与えることであるわけでありまして、是非、いろいろと情報の提供、また国民の皆さん方の御理解、御協力をちょうだいするような努力をいたさなければならないと。またまた、私がこうして先般、農水大臣を拝命することになりましたのも、やはりこの問題にしっかりやるようにと、こういうようなこともあるんではなかろうかと、このようにも考えております。 委員会の皆さん方や、そして国民の皆さん方、あるいはまたその他関係者の皆さん方の御理解と御協力をちょうだいし、その責任というものを全うしてまいりたいと、こう思っておりますので、是非、先生方のなお一段のお力添えを賜りますよう、この機会にお願いを申し上げ、私も精一杯その責務を全うしてまいりたいと、こう思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○国井正幸君 是非、不退転の決意でよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 それでは、時間も進んできていますので、家畜排せつ物の適正処理について伺いたいというふうに思います。 御案内のとおり、これは平成十一年に法律を制定して、五年間の猶予期間を定めて、今、鋭意体制の整備を進めているところでございますけれども、いよいよその猶予期限が来年の十月末と、こういうことになっているわけでございまして、私も、今年というか十五年の畜産物価格を決めるに当たって、自由民主党の畜産酪農対策小委員長として、関連対策を含めて政府との間で協議をさせていただいたわけでございますけれども、その中で、どうも施設の整備状況がおよそ五割、半分しかまだ行っていないというんですね。あと残り一年半なわけですよ。 これはやっぱり相当なペースで進めていかないと大変なことになるということで、予算、体制等々、省を挙げて取り組んでいただけるということになっているわけでありますが、聞くところによりますと、特別プロジェクトなんかを省内に立ち上げて総合力を発揮して努力をされていると、こういうふうな話も聞くわけでありますが、これらについて、どんな状況になっていて、どんな見通しを持っているのか、これは副大臣からでしょうか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(太田豊秋君) ただいま国井先生がおっしゃっておられましたように、この家畜排せつ物の処理の関係につきましては、国井先生が自民党の畜産酪農対策小委員会の委員長としていろいろと御指導をいただき、そこの中でのまた関連対策として、これらのことを十六年の十月末までしっかりやれるような対策を講じろというふうなことで、小委員会で国井先生の下でお取りまとめをいただいたわけでありまして、大変に御協力、また御指導いただきましたことに心から感謝を申し上げます。 その畜産物価格決定の際の議論を踏まえまして、去る三月の二十八日に、農林水産省とそれから全国農業協同組合中央会が共同いたしまして、今お話がございました畜産環境整備促進特別プロジェクトを立ち上げ、今、全力を傾注して取り組んでおるところでございまして、特別プロジェクトの進捗状況につきましては、三月二十八日の第一回会合に続きまして、今後の具体的な取組について協議するために四月の八日、事務方による第一回の幹事会を開催いたしました。この結果を踏まえまして、四月の十五日、畜産環境担当者等全国会議を開催いたしまして、各都道府県に対し、施設整備状況の総点検及び施設整備目標の達成に向けた工程表の作成を行うように指示をいたしたところでございます。 今後は、各都道府県からの報告をいただきまして、特別プロジェクトにおきまして、六月中を目途に施設整備状況及び工程表を取りまとめる予定でございます。整備推進上の課題と対応方法等につきまして協議いたしまして、猶予期限内の施設整備の完了を目指して最大の努力をしてまいるつもりでございます。 なお先生方に、委員の先生方におかれましてもよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。
○国井正幸君 本当に省を挙げて取り組んでいただいているという行為に感謝を申し上げたいと思いますが、是非、引き続きこれ努力をしていただいて、法律作ってやはり罰則などが掛けられることがないようにこれはお願いしたいというふうに思います。特に、技術陣動員すれば、簡便な方法で野積み・素掘りという部分を、最低限の基準をやっぱりしっかりクリアできる方法もあるんではなかろうかというふうに思いますので、そんなことを含めて、是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。 それでは、時間も随分なくなってきたわけでありますが、種苗法について質問をさせていただきたいと思います。 種苗の品種登録制度、これはやはり、新品種をしっかりとやっぱり育成をし、あるいは振興していくことによって農林水産業全体の振興を図るということを目的にしているわけでございます。 年々この登録も増えてきているというふうに思うわけでございますが、これ、かいつまんでで結構でありますが、出願者の割合、民間の種苗会社もやる、個人もやる、あるいは公的な試験研究機関もやると、こういうふうなことになるというふうに思いますが、おおむねどんな割合になっているのか、簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 我が国の品種登録出願件数、十三年度、十四年度と一千件を超えておりまして、世界でもトップクラスということでございます。 出願者の割合でございます。 いわゆる民間企業、種苗会社等の民間企業が約六割、それから公的機関、独立行政法人を含みますけれども、国、都道府県の公的機関が約一割、個人が約三割ということでございます。 特徴的には、草花ということでの九割あるいは野菜の七割が民間企業や個人、米麦では八割が公的機関、果樹では半分、約五割が個人と、こんな特徴があるところでございます。
○国井正幸君 随分、私どもも最初、こういう種苗の品種登録というと、大体、会社、種苗会社ですね、あるいは公的機関ということが大部分で、余り個人育種家というのはそんなにないのかなと思ったわけでありますが、随分増えてきて三割ぐらいあると。 そういう中で、特にやはりこれは、今回、種苗法を改正する中で育成者権というものをしっかり確立をしよう、そして単なる種苗の増殖、販売にとどまらず、そこからできる農産品、いわゆる収穫物、これについてもしっかり権利を付与していこうというのが一つ、それから、やはり違反した場合の罰則というものも強化をして実効性あらしむるようにしていくと、こういう二点だというふうに思うわけでございます。 今朝の農業新聞見ていましたらば、福岡県ですが、福岡県の農業総合試験場の中に農産物知的財産権センターというのを作って、しっかりとこの権利を保護しようということ、あるいはその啓発をしよう、権利があるんだよということを啓発をしようということが、そういう行為を行うための知的財産権センターというのが動き始まったというのが出ているんですよ。朝、忙しいから見た方と見られない方いらっしゃるというふうに思うんです。 別にこのことについて聞こうとしているわけではありませんが、特に栃木県、私、栃木選出なのでありますが、栃木県の農業試験場が開発をしたものにイチゴの「とちおとめ」という品種があります。 これは、種苗権は栃木県が持っているわけなんですね。ところが、売り渡したこともないにもかかわらず既に韓国や中国などには出回っておって、そこで栽培されているというわけですよね。明らかに、売っていないわけだから、違法に持ち出されたことだというふうに私どもは思っているわけなんですね。今度はそういうことがあったら、国境措置を講じて、これは関税定率法との関係もありますが、しっかりとそれ押さえていくと、こういうことになるわけなんですね。 ただ、やっぱり問題なのは、いわゆるその権利侵害に対する罰則というのを幾ら法律で定めてみても、まあこれ公的機関だったら何とかやれると思うんです、体制があるから、公的機関は。しかし、個人の育種家なんかですと、なかなか、そこをうまく相手に対して主張していけるかというと、なかなかやっぱり難しいんじゃないかと思っているんですよ。 そういう意味で、いわゆる個人育種家などが権利を主張する上で、農林水産省としてこれやっぱり何らかの形でサポートをしていかないと、個人じゃできにくいんじゃないかというふうに思うんですが、これらについて行政としてどんなことを考えられるか、あるいは考えているか、ありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(太田豊秋君) 今、先生御指摘のように、栃木県で開発され、品種として育成されました「とちおとめ」、正にデータで見てまいりましても、海外でこれが収穫物の、海外からの収穫物の輸入とかそういったふうなことになっておるわけであります。 農林水産省といたしましても、権利侵害などに対する対応のためのマニュアルの作成だとか、あるいは相談の窓口、これは種苗課に設置を行っておるところでございます。 ただ、いわゆる私人間、個人と個人、あるいは個人とそういう海外との争いというふうなことになりますと、具体的な措置が図られるよう、昨年十月に設立いたしました植物品種保護戦略フォーラム、これは育成者権者等によって構成される民間団体でございますが、ここで、育成者権侵害に対しどのような措置が取れるか、あるいは海外の品種保護の制度はどうなっているかなどに関する情報の交換とか、あるいは専門の弁護士による法律の相談会の開催などの活動に対しまして情報の提供だとかあるいは助言などを行い幅広い活動支援を行ってまいりたいと、そして権利行使が行いやすい環境整備に積極的に農林水産省としても取り組んでまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○国井正幸君 是非これは農林水産省としても一層体制の確立に努めて、そういう意味でサポート体制をしっかり確立をしていただきたいというふうに思います。 そういう一環で、これはやっぱり権利侵害が本当にあるのかないのかということで、随分今科学技術も進歩してきていまして、DNAの鑑定なんというのがやっぱり相当有力な決め手になるのではないかと、こういうふうに思うわけでございますけれども、これは特に、関税定率法によって疑わしいものを水際で阻止するということを含めて、大概のものはこれ生ものですよね、農産物というのは生ものですから余り時間が掛かっていたのではやっぱりこれ困っちゃう話なんですね。できるだけこれを迅速にひとつ権利侵害があるのかないのかということを判定をしなくちゃならないというふうに思うんですね。 簡単なDNAの品種識別技術の開発などを含めて、そういうものがもう今簡単にできるような状況になっているのかなっていないのか、その辺について実態をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 品種の侵害の際に、それが本当に侵害されているかどうかというのは、外観からの特性というものもありますけれども、やはりDNAの識別技術の開発ということが重要だというふうに思っております。 現在までに、稲、イチゴ、インゲン、こういうものについては実用化が既にされているということでございます。そのほか、ナシ、桃等の果樹、それからナス、ネギ等の野菜でも実用化に向けた技術開発が進められているということでございます。 今後、そういうふうに開発された技術を公的機関から民間に移して、広く民間の皆様方がこの分析サービスというものが受けれるように努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○国井正幸君 是非よろしくお願いしたいと思います。 それから、これは非常に難しいことなんでしょうけれども、国内においては、例えば今イチゴの話出しましたが、栃木県で開発したといっても隣の県等でこの「とちおとめ」を栽培することについてはだれもとがめていないんですよね。これはお互いさまということだというふうに思うんです。 ですから、国内では取り立てて公的機関も含めて余り権利を主張していないわけですよね、実態として。どこかの農家を訴えたなんという話は私も聞いたことがないんですよ。品種名もどんどん、「とちおとめ」だったら「とちおとめ」というのを名のってほかの県の人だって作っているわけで、それに対して取り立てて何のとがめもしていない。 しかし、国内でそういう状況になっておって、いったん、海外の人に対してだけ、国外の者に対してだけ、あんたは権利侵害だから駄目だよということが言えるんだろうかという思いがあるんですね、内外無差別の原則。国内でだれにでも認めておるような実態があって、事海外の人に対してだけあなたは駄目よと、そういうことが通ずるんだろうかという思いがあるんですよ。 ですから、やっぱり、そうかといって、昔から良き法律家は悪しき隣人ということわざもあって、隣近所と常に法律論議みたいなことばっかりやっているということがいいことだともこれはまた思わないんでありますが、本当にこれ種苗権、種苗法を改正して知的財産権の位置付けをきちっとしても、国内における実態がそういう権利の主張というものをしっかりされていない中で海外の者に対してだけそんなことできるのかと率直なところ疑問に思うんですよ。その辺はどうなんです、事務方としても。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 大変微妙な問題であります。制度上は、農家が許諾料を払って自分のところへその登録品種を持ってくれば、それ以後の自家増殖というものは、そこは例外として認められているという状況になるわけでございます。 ただ、私どもがアンケート調査をしたところ、国の内外を問わず、やっぱり育成者権の侵害を受けたことがあるという方々の割合というものは三割ぐらいになっておりますし、そのうち収穫物の利用を含む侵害というものは半分ぐらいになっております。 今後は、こういう権利意識というものが非常に高まってきますし、やはり今後の農林水産業の発展ということを考えた場合には、こういう技術を生かした基盤の開発というものを進めないといけないというインセンティブ、品種開発のインセンティブを与えないといけないということが非常に重要なこととなってくるというふうに思っておりますので、国の内外を問わず、こういう権利侵害については毅然とした対応ということに努めていきたいというふうに考えております。 まずは、誤解のないように、今回の法律改正事項を含めまして、どういうものが侵害に当たる、こういうことをすればこの法律に抵触するよというその情報提供をまずしていく、そして普及啓発をしていく、こういうことが基礎にならざるを得ないというふうに考えております。
○国井正幸君 それで、これはやっぱりしっかりと国内の関係者に対して、この種苗法の改正を契機に啓発活動をしっかりやってもらいたいというふうに思います。 それと併せて、少なくとも公的機関の持っている種苗権、育成者権、これに対しては、国内で栽培するということに対しても何らかの形で申請なりなんなりを出させて、それでそこに許諾を与える、こういうふうなことを、事務的に大変かもしれないけれども、私はやっぱり一回はやっておく必要があるんじゃないかと思うんです。それを全くやっていないと、恐らく、これは裁判だって今国際化しているわけですからね、それは日本だけでこうこうだと言ってみたって、実態がどうなのかということになると、常日ごろやっぱりその権利を主張していないものはなかなか難しいということになると思うんですね。それらをひとつお願いをしたいというふうに思います。 それから、聞く話によると、関税定率法を改正して、これが種苗権を侵害しているということになると、そこでもって水際で止めることができるわけなんですね。今度はそういうふうになるわけですよ。なったわけですよね。だけれども、そのときに、その権利の乱用を防ぐという意味で供託金を積む。もし間違っていて、生ものですから、そこで輸入を差止めをする、しかし、それが、訴えた方が間違っていた、その間、腐ってしまったなんということになると、それは、だれがじゃそれを補償するんだというふうなことがあって、供託金を積むんだという話が聞けるわけですよね。 しかし、これ、供託金を積むということになると、なかなか金がなくちゃ裁判も起こせぬというか、訴えもできないということもあるわけですよ。そういう意味で、そうかといって無防備にこれ、どんどん訴えりゃいいというものでもない。これらについても、やっぱり農林水産省として、しっかりと権利を主張できやすいような体制をひとつ併せて、これはお願いでありますが、今後の中で是非作っていただきたい、このように思います。 もう時間が、十六分までということで、余りなくなってしまったわけでございますけれども、ひとつ大臣に最後にお願いでありますが、いろいろこれ、新しく始まってきて、余り実態としてこれまで取組がなかなかなかったという部分もあると思うんです。ですから、種苗権というものをしっかりとやっぱり、それぞれ持っている者が権利を主張する、あるいはその権利というものを尊重をするということを、是非役所を挙げて啓発活動をしてもらうということと併せて、権利侵害に対して、侵害された者が侵害されているということに対して訴えた場合、関税定率法の関係も含めてでありますが、是非農林水産省としても、やっぱり農業者は弱者だという部分があると思うんです。そういう意味で、是非役所としてサポート体制を確立をしていただきたい。 このことをお願い申し上げたいと思いますが、大臣の所感がありましたらそれを伺って、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 今、国井委員からもいろいろお話をちょうだいし、特に新品種の開発等々、正に我が国、科学技術立国、こういう立場で、また農林水産業の基盤を強化していくということは大変重要なことであるわけでありまして、その育成権者の権利が保護されるように努力をしなければならないと思いますし、御指摘のとおり、個人の農家等々が大変御努力をされておるわけでありまして、なかなかそれらを守るためにいろいろ難しい課題もあろうかと思いますが、御指摘の点、十分留意をし、体制をしっかり整えてまいりたい。そして、ジャパン・ブランド、日本ブランド、こういうもので、いろいろの分野でそれぞれ関係者が更に御努力いただけるようなことをも考えていかなければなりませんので、万全を期してまいりたいと、こう思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○国井正幸君 ありがとうございました。
○本田良一君 民主党・新緑風会の本田良一でございます。私も種苗法改正法について質問をいたします。 〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕 今回の種苗法改正は、昨年の政府の知的財産戦略大綱に基づく特許法や著作権法などの一連の見直しに沿ったものでありますが、私はこの方向性については大いに賛成するものであります。しかし、今回の提出法案を見る限り、国家戦略の一環として農業分野における知的財産権の確立という観点からは極めて不十分、物足りないという印象を受けております。以下、その観点から質問をさせていただきます。 現在の種苗法では、種苗及びその収穫物の生産、販売などについて育成者権が及ぶことを認めながら、種苗についてのみその権利侵害に対する罰則規定を置いてまいりました。そこで、今回の改正で収穫物の権利侵害に対しても新たに罰則規定を加えた。大変望ましい方向であると思っております。 特に、刑事罰を入れたという点、私は国会に来まして気付きましたのは、いろんな各省庁が法改正をやるときに、罰金刑はあるけれども刑事罰が入っていない。これが非常に日本の法の盲点だと、そういうことに気付いたんですが、最近、各省庁で法改正の際、こういう場合には刑事罰が入ってくるようになりました。これは非常に私はいいことだと、こう思っております。 そこでお伺いをいたしますが、更に一歩進んで、加工品に対してもなぜ育成者権が及ぶことを法文上で明確にしないのか。また、その侵害に対して罰則を規定しないのか。 現に、小豆の輸入量は年間二万五千トンほどありますが、あんとしての輸入は七万トンもあります。商社などは様々な作物の種を持ち出して中国などで栽培をし、安い加工品を大手を振って国内に持ち込んでおります。何とか取り締まれないものかと思いますが、工業製品であれば一次製品であろうと二次製品であろうとあらゆる製品について特許権は及んでおりますが、なぜ育成者権は加工品には及ばないのか、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(亀井善之君) いろいろ種苗のことにつきましては、今回こうして改正をし、漸進的に進めていくわけであります。 また、種苗の違法な輸出、育成権者の侵害、こういう面では民事上及び刑事上の制裁を受けることとなるわけでありますが、実際に、御指摘の、種子を持ち出した者などを直ちに確定することができないと。我が省としては、当面、収穫物の輸入の段階で、チェックについては捜査機関等とも協力してまいりたいと、こう考えております。 加工品に対しましては、現行法上、育成権者の規定が及ばないとされているが、育成権者の対象に加工品を加えることにつきましては、登録品種と加工品種に用いられた品種との同一性の識別が現在においては実用化の段階に至っていないことでもあります。また、食品業界からも今度の、制度化されれば、加工品検査のコストの問題もありまして、掛かり過ぎるとか経営に与える影響が大きいと、こういう懸念も寄せられておるわけでありますが、是非、育成権者の対象に加工品を加えることについては、是非長期的にこの問題を検討していくことが私は適当なことであると、このように考えておりますので、その努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○本田良一君 この加工品というのは、だから日本は、この流通、これに非常に私は甘いと思いますね。例えば、昨日アメリカが、昨日の経済新聞に出ておりましたね。例えばアメリカの大学で研究をした人が日本に帰ってきた。その場合にも、そのときのマウスからすべて持っていっちゃいけないと、それくらい彼らは、学者に対しても頭の中を持っていくことすらできないと、それくらい歯止めを掛けてくるんですよ。それなのに、これくらいの加工品ぐらいが非常に鑑定が難しいとか、そういう認識をするのに難しい、そういうことぐらいで今から通用する時代じゃないです。 だから、この流通において、例えばイグサ、熊本のイグサ、イグサであっても、小豆であっても、私はある面、日本の産業を空洞化していると思いますね、こういうやり方は。法でもって、ある面、加工品はいいですよと、こうやってしまう。イグサを中国で安く作る。畳表にして持ってくれば、もうそれは何もとがめられないと。そうすれば、まず農業の生産が空洞化し、工業、畳表などを作っている日本の中小企業の工業が空洞化する。もう一層、何もかんも畳も、イグサの生産から畳まで作って日本に持ってくる。こういう、日本はだんだん空洞化してきましたね。だから、原料を安く、いいものを入手して、日本は加工して日本を高度成長に持ってきたわけですから、ところが、ここをこういうやり方で、日本の法自らが空洞化してきた嫌いが私はこういうことで感じることができますね。 それと、この流通業界が、例えば中国はこう言うんです。中国が、知的財産権を日本が、これは日本のものだと、工業製品を言ったときに、今中国は何と言っているかというと、いや、日本の人たちが持ってきて、日本の人たちが特許権を中国で侵害しているんですよ、日本のものを、こういう言い方で逃げているんですね。これがいい例なんです、加工品のね。いわゆるイグサを作らせて、日本人が作らせて、中国人は何も知らない。日本人が持っていって、これを作って、安く作ってくれと、安く上げる。そして畳まで作って日本に持ってくる。中国人に言わせれば、おれたちは知らないと、日本人が特許権を持ってきて、特許権を中国で侵したように言っているけれども、これは日本人が中国で特許侵害をやっているようなものだと、こういうふうに言うんですよ。だから、この流通のこれをやっぱり野放ししていることは、これから大きな打撃を、私は、日本は背負っていくと思いますね。 それともう一つ、この流通の、ある面、日本がこの知的戦略、知的所有権を国家戦略とアメリカ同様にするんであれば、私は、この知的戦略というのは何かと言えば、最終的には、この知的所有権が最終的には法廷で争われて、そして勝訴しますね。これがアメリカがねらった知的戦略なんです。いわゆる法的な商品、法定で商品化して、その商品が勝利する。そして、何千億円、何兆円という特許侵害の訴訟で勝利をする。それが国家に入ってくるから、最終的には裁判で勝つことが究極の国家戦略なんですよ。 だから、裁判をしないように持っていくんでなくて、最終的には裁判で勝って、日本の国家がそれで訴訟によって勝って豊かになっていくと、これがアメリカの究極の国家戦略。日本もそこを目指しているんですから、こういう流通・加工業者がそういうことをやったんだったら、最終的に裁判で、そしていわゆる法的商品にして最後は勝つというようなことに私は持っていくべきだと、こう思いますので、この加工品につきまして様々な問題があります。後でいろいろ、まだこれ言いますが。 だから、そういう点で、この加工品に対して私はちゃんといつでも訴訟ができるように、最終的には、鑑定が難しいという技術上の問題と加工品における知的財産権の保護の問題とは切り離して考えるべきではないかと思います。せめて法文上だけでも、加工品についても育成者権が及ぶということを明確にすべきではないか。そうすれば、育成者が最終的には訴訟に持ち込める、そういうふうに私はしておくべきだと、こう思っております。 それから、昨年七月に策定された政府の知的財産戦略大綱の中で、職務発明制度の再検討が提案をされております。一方、種苗の、種苗法の八条には職務育成品種が規定されておりますが、農水省には、この職務育成品種制度を今後どのように見直そうとしておられるか、具体的に大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど委員からも、加工品の問題につきましてはいろいろお考えをお述べいただきました。是非、知的財産と、こういう面で法科大学院の問題等、法律的な問題等々いろいろこれから進められていくわけでありますが、先般、私もつくばに参りまして、研究所でいろいろなことのお話を伺ってまいりました。その分析、DNAの鑑定等々の問題につきましても、大変努力をしておりますので、そういう面の点でも法律的な問題と併せてそれらが十分鑑定できるようなことを努力をしなければならないんではなかろうかと、こう思っております。 また、八条の職務育成品種の問題、これは経済産業省において、発明者の研究開発へのインセンティブの確保等の観点から職務発明制度の見直しの是非について検討が行われていると、このようにも聞いております。種苗法の職務育成に関する規定も特許法の職務発明制度との同様の制度である、こういう点から、今後関係者の意見を十分聞きまして、制度の見直しの是非につきまして検討してまいりたいと、このように考えております。
○本田良一君 大臣がつくばのそういう鑑定の技術を見学をして今日の委員会に臨んでおられるということは敬意を表します。 〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕 それで、特にこの特許権と育成権、これは簡単に言えば違いがありますか。どなたか、大臣でなくても答えられる人は、これはなかったと思いますけれども。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 特許権も育成者権も、人間の知的創造活動により認められている知的財産権ということでは同じ知的財産権の範囲に入るわけでございます。特許権がその対象が発明であるのに対し、育成者権が農林水産物の品種、新しい品種、こういう違いがあるわけでございます。 これを具体的に植物に当てはめて考えてみますと、例えば遺伝子、除草剤の耐性のある遺伝子を開発するだとか、それによって除草剤耐性になった植物を作り上げると、これは特許の世界でございます。で、そういう技術を用いまして特別の品種を作ったという場合に、これが育成者権の世界に入ってくると、こういう関係になっておるわけでございます。
○本田良一君 そのいい例がカーネーションですね。これを、カーネーションって、英語でカーネーションかな、これを販売するキリンビールが二重保護をやっております。まず、育成者権と技術特許をかぶせて二重保護をやって、これはカーネーションをキリンビールは知的財産権としているんですね。だから、結局今、ある面やっぱり育成者権というものをそういうふうに、ある面遺伝子の組換えとか、そういうことをやって技術的な特許にした場合に、この特許権を発生をさせるということで、特許権と育成者権というのを、まあひとつまだはっきりしないところがありますので、今答弁のようなことでありますが、もっと明確に私はしていくべきではないかと、こう思います。 次に、私は種苗法という法律の実効性について非常に疑問を持っております。法律に幾ら罰則が書いてあっても実際の運用に実効性がなければ法律としての効力はないに等しい。例えば、育成者権が登録をされた種子を海外に持ち出し、それが中国などで安く収穫物となって日本に持ち込まれる、我が国の農業に打撃を与えるというようなケースが続発をしております。育成者権を登録をした種子を無断で国外に持ち出した場合、その種子を持ち出した国内業者などは現行法上でも罰則の対象となるはずです。 そこでお伺いをいたします。国内の育成者権侵害事案に対して実際に種苗法に基づいて処罰をされた例はあるでしょうか。最近の五か年において種苗法の罰則適用の実態を担当局長に答弁を、いたします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この育成者権の侵害事案、当事者で訴訟になったり警告を発したり等する例は承知しているわけでございますけれども、罰則の適用までなった例はございません。今回の改正によりまして、罰則の対象が種苗段階から収穫物の段階に行き、また法人には重科ということが適用されますし、関税定率法で水際措置が講じられるということで、今後収穫物段階でのそういう行為にも罰則が適用されますので、今後はきちんとした対応に努めていきたいというふうに考えております。
○本田良一君 それから、育成者権の保護という観点からその実態をどう見るか、大臣にお答えをお願いします。
○国務大臣(亀井善之君) いろいろこの侵害案件につきまして今回こういう法律の適用をいたすわけでありまして、重要な知的財産の一つでありますので、その権利が保護されることを、保護を強化するということはまた国際的な潮流でもありますので、いろいろな面でその対応をしっかりやっていかなければならないと、こう思っております。
○本田良一君 こういう事例があっておりますね。 今のこの、例えば大分県の臼杵市で、かんきつですけれども、「佐藤の香」というかんきつが、この接ぎ木が持ち出されて済州島で栽培をされておったと。だからこの佐藤さんという育成者は相当走り回り、そして、これを持ち出した人は、国内のこれはたまたま熊本の荒尾の人が持ち出したと、それで、その人を説得をして、その説得は、種苗法で三年以下の懲役刑になりますよと、そういうことなどを言って、やっとその人が、それでは自分は、最初は否定しておったんだけれども、自分はそういうことをしたと。それで、どういうふうな経路で持ち出したということを説明をしたから、佐藤さんは荒尾市の農家と韓国へ行って接いだ穂木を全部焼却処分にしたと、こういう事例がありますね。だから、こういう事例が既にもう一杯あるんですよ。 だからこういう、あるのにもかかわらず、個人の育成者が一生懸命頑張って、さっき国井先生がいわゆる省庁の方で補完をしてしっかりやってくれと言われたけれども、こういう法をやっぱり的確にやっぱり適用してやっていかないと、本当に海外で、今もう韓国なども野菜を日本に、目指して野菜を輸出をしろと、そういうそして補助金まで出して徹底的に日本攻勢をやっている。それは全部、ほとんどが日本の育成者が開発をした種苗なんですよ。そこを、事例が一杯あるのに日本はこうして漫然としている。アメリカだったらこれは徹底的にいきますよ、徹底的に。そういうのが日本の本当に今まで省庁が漫然としてきた怠慢を、この法ができたからといって適用も恐らくしないでしょうね。私はこの法を、罰則規定があるけれども、農林省はこれを適用をしてぴしゃっとこの種苗法を確固たるものにしていくということは私はないと思いますがね、どうですか、大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 今回、こうしてお願いをしておることでもございますし、その点十分努力をしていかなければならないと。改正の趣旨、このことをまた大変積極的に努力をされて新品種の開発等々につきまして努力をされている関係者もおられるわけでありますから、そういう点で、その育成者の権利が保護されるような努力を省を挙げて今回の法改正を契機にやってまいりたいと、こう思っております。
○本田良一君 それで、ひとつアンケートを取っていただいてそういう事例、全国アンケートを取って、そして今度はどこの国でそういう栽培をやっているか、そういうことなども含めて、やっぱり一つのマップ上でそういうものをやっぱり指摘をしておくということが重要だと思いますが、韓国、中国、ベトナム、それから、私はベトナムに八年ぐらい前に県議会のときに行きました、ベトナムでは既に日本のコシヒカリを栽培をしておりました。そして日本にこれを輸出をするんだということでしたね。だから、そのときのコシヒカリは、それではこの種苗法に引っ掛かったのかと聞いたら、その種苗法ができる前だったからということだったんですよ、昨日のこの質問前の勉強会では。だから、そういうふうに既に行っているものに対して適用できない状況にもなっておりますね。 だから、ひとつしっかりとアンケートを取っていただきたいと。そして、地図上に大体予想されるそういうものを明確にしてもらいたいですね。 次に、海外における我が国の育成者権保護の観点から見ると、特にアジア地域各国の状況は大変心もとない。特に、中国の状況について育成者権の制度整備と的確な保護に向け我が国として積極的に要請等を行うべきではないか。 まず、種苗法上、中国や他のアジアの国で問題となっている案件があれば紹介をしていただきたい。それから、この法が今後中国等で理解される環境にあるかどうか、お伺いをします。
○国務大臣(亀井善之君) 現在、アジアの地域におきましては、UPOV条約、植物新品種保護国際同盟、これに加盟しておりますのは我が国のほか、中国、韓国の二か国と、こういうような状況でありまして、中国は一九九九年、韓国は二〇〇二年に加盟したばかりでありまして、保護対象植物が限定されており、アジア地域においては我が国の植物の新品種の保護を十分に行うことができない状況にあるわけでございます。 是非、このアジア地域においてUPOVを通じまして新品種の保護制度の整備に向けたまた支援もいたさなければならないと思いますし、また専門家の養成、あるいは国際協力事業団等を通じての研修と、これら活動を実施していかなければならないと、こう思います。 さらに、近く、先ほど先生も御指摘のベトナムあるいはフィリピンが加盟をするというようなことも聞いておるわけでもございます。是非、特に、中国などの外国領土内での我が国の法律に基づき権限を行使することができないと、こういうことでございますから、収穫物が中国から輸入される際にこれを摘発する方法等々また考え、中国もUPOV条約に加盟していることでありますので、今後の問題として互いに種苗法令事案をどう扱っていくかと、こういうことにつきまして研究する必要があると、このように認識をいたしております。
○本田良一君 案件は、案件。案件です。事例。 いや、大臣じゃなくても結構でございますが。
○国務大臣(亀井善之君) 品種登録をされた種苗が中国等に持ち出され、栽培され、その生産物が利用されることはゆゆしき問題でありまして、現在、特にないんではなかろうかと、こう思います。
○本田良一君 これ、私は、UPOVのことをおっしゃいましたが、中国は八十幾種の種類しか入っていませんね。限定されております。ところが、日本は全品種をしているんですよ。 だから、そういうふうに、日本でこういう種苗法を持って、そして改正もした。ところが、それ日本の法ですから中国で適用するあれはありませんね。しかし、それを、お互いにこれを日本がこういう法を作ることによって、そしてまた日本が特に育成者権という、種苗の優れたものを持っている。だから、こういう法を作ったわけですから、そうであれば、これは先進法にならなくちゃいけないですね。 だから、日本がアジアにおいて法の先進国になるんですよ。ずっとアメリカは日本に対して法の先進国でやってきましたね。だから、技術だけでなくてアメリカは法の先進国なんですよ。日本はずっと法の後進国ですね。だから、法の先進国にならなくちゃいけない。 法の先進国であれば、アジアのこういう国に対して、日本の法はこうだから、あなたたちもこういう法を作ってくれと、そしてあなたたちはUPOVに加盟しているじゃないかと、国際的な視野を持っているんであれば、日本のこの法を理解して、あなたたちもこういう法を対等に作って、そして対等にこの育成者保護をやろうじゃないかと、やっていくのが今からでありますから、中国にはそういう環境にまだないわけです。こういう法を理解する環境にはありません。 だから、もっと、そういうまず指定品目をもっと増やし、そしてこの法を、実態を、中国辺りも作って、対等に理解する環境になってもらいたいということです。 それから、極端に言うならば、今ここに、済州島であったように、相手の国に行って、それはうちのだから焼却をしてしまうと。これはちゃんとビデオまで撮っているんですよ、佐藤さんは。 だから、そういうことが例えばやれるのかどうか。中国で日本の育成者が育成した種苗が栽培をされている、それについて、発見をしたから、行って直ちにこれはもう焼却だと、そういうことが今できる環境にありますか、中国は。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 中国、外国の領土でございますので、そこでの行為に対して我が国の法律に基づいて権限を行使するということは現在はできないわけでございます。 したがいまして、先ほど大臣が御答弁されましたように、そこから収穫物が日本へ輸入されるその瞬間をつかまえて我が国の法律を適用すると、こういう仕組みしかないわけでございます。 全体的に見た場合、やはり先生、先ほど来御指摘のように、中国の中での種苗管理制度と申しますか、品種登録制度を整備をして、我が国の育成権者が中国でも登録をして育成権者になって、そして中国の法令に基づいてきちっとした保護が受けれると、やっぱりこういう仕組みを築き上げていけないといけないというふうに思っています。 今、アジアでは辛うじて制度があるのが中国と韓国でございますので、これをもっともっと広げていく努力というものが必要になろうかというふうに思っているところでございます。
○本田良一君 それでいいですよ。そういうふうにやることを私は願うわけです。 ただし、先ほど、中国で生産、育成したものは日本に来るその水際でとおっしゃったけれども、この水際まで生のもので来ることはないですよ、今から。流通業者が扱うんだから、必ず加工されて来る。だから、これは脱法になってしまうと僕は言うわけですよ、さっきから指摘しているのは。だから、加工品になった場合の法的な措置が取れるように、これを脱法としないために、ここも法文化する、これが重要だということを先ほど、前段で言いましたね。 それから、今回の法改正では、種苗法の改正と前後して関税定率法を改正をし、育成者権を侵害した収穫物の輸入に際しては税関で阻止することが盛り込まれております。 しかし、日本から育成者権登録した種子を無断で持ち出すことについての水際のチェックはないに等しい。例えば、種子を外国に持ち出し、そこでの収穫物を日本以外の国々に輸出をした場合などは全く引っ掛からない。 確かに、収穫物に比べて種子の水際チェックは難しいが、外国における違法な種子の持ち出しに対して遡及的に追及する仕組みを農水省が中心になって提案をすべきではないでしょうか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(亀井善之君) 登録品種もこれ、業として許諾を得ずに輸出、譲渡等をした場合は、育成者権を侵害したことになり、民事上及び刑事上の責任追及がなされるべきと、このように考えます。 実態的には、今御指摘の種子を持ち出した者などを直ちに確定することができず、外国での生産や譲渡の状況を把握するために当該外国での捜査等が必要になってくると、このように思われます。 今後とも、この権利侵害の状況の推移を見て、いろいろ検討をすべきでありまして、当面は、これらのことにつきましては捜査機関等に対して情報の提供を行ったり、また品種識別技術を教授するなど連携をして収穫物の輸入段階でチェックをして、種苗を違法に輸出した者に責任追及に協力してまいりたいと、このような状況、現在のところはそういうことということになろうかと思います。
○本田良一君 次に、我が国では育成者権は農業者の自家増殖には及んでおりません。すなわち、最初の種さえ育成者権者から譲り受けておけば、翌年以降、その収穫物から種を採取すれば一々育成者にコストを払う必要はありません。これが特許権や著作権などと大きく違う点であります。せっかく苦労して新品種を開発をしても、最初の種だけの開発利得だけであればなかなか開発コストも回収をできない。このため、育成者権は最初の種すら譲渡するのを拒む傾向があります。これでは、育成者権を保護して農業の発展につなげようという趣旨に反して、知的財産戦略の本旨にももとることになります。 自家増殖であっても、その収穫物には適正な開発者利得を認めるべきではないでしょうか。大臣にお伺いします。
○国務大臣(亀井善之君) 自家増殖は、従来から農業者の慣行として行われてきたものでありまして、これを禁止するということになりますと、大変生産現場を混乱することになるわけであります。 そういう面で、育成者権侵害対策研究会におきましても、育成者権者側の委員から、育成者権保護の観点から自家増殖に対する制限を強化すべきとの意見も述べられたこと等を踏まえ、研究会報告では、現行の自家増殖の制限範囲、特定植物の栄養繁殖であるとか、挿し木あるいは自家増殖の、挿し木等は自家増殖の対象外と、こういうことで意見が述べられ、妥当性を検証することの必要性が指摘されておるわけでありまして、今後、自家増殖の制限に関する契約の状況等、再度調査をした上で農業者や育成者権者の意見を踏まえて検討を行ってまいりたいと、こう思っております。
○本田良一君 この育成者権で、今回の種苗法改正も、この冒頭から、知的国家戦略に基づいて、特許法の改正に基づいてこの改正をやるということになっておりましたね。それで、国家戦略の中に取り込んでこの種苗法を発展させる、これはいいことなんですよ、先ほど冒頭言いましたけれども。 しかし、何かまだ経済産業省の知的戦略の、そこから押されてきた感じが何となくありますね、農水省が。だから、こういうのは、種苗というその育成者、特許権と同じくらい重要なもの、それであるならば、経済産業省の描いた知的戦略の一環の中から発想するのでなくて、やっぱり農水省としてこの重要な種苗、特許、育成者権、これをやっぱり確固たる自信に持って経済産業とぶつかって、もっと経済産業省の知的戦略よりもより優れたものを農水省は育成者権で確立をし、そしてひいては農家の新しい産業の起爆剤になり、そして農家が本当にいろんな産業の、新産業創出につながっていくと、そういうふうになっていくように私はこれをやらなければ、ただ刑事罰を設けて取り締まっていくことだけがこの種苗法ですよと、こういうことにならないようにしっかりやってもらいたいと、こう思いますが、大臣、もう一回この点。
○国務大臣(亀井善之君) 先般も官邸で知的財産の本部の会議がございまして、私、初めて出席をしたわけでありますが、そのときに今委員御指摘のいろいろの権利等々の問題で御発言ある中で、種苗法のちょうどこの改正を本委員会に提案しておることでもございまして、それなりに勉強している中で、これは大変重要なことではなかろうかと、そういう分野の一分野としてしっかり私ども農水省としても対応していかなければならないんではなかろうかと、このように認識を持ったわけであります。是非、今、委員御趣旨のようなことで十分考えてまいりたいと、こう思っております。
○本田良一君 次に、我が国の種子保存状況について局長に答弁いただき、さらにその重要性の認識について大臣にお伺いします。
○政府参考人(石原一郎君) 我が国の種子保存の状況でございます。農業生物研究所が中心になりまして、我が国の各地にございます研究所と連携いたしまして、十四機関、三十五か所、二十一道府県の地域におきまして、現時点におきまして二十二万五千点の植物の遺伝資源の保存を行っているところでございます。
○国務大臣(亀井善之君) 種子等の植物遺伝資源につきましては、作物育種の素材として利用のほか、近年バイオテクノロジーの進歩と、こういう面で遺伝子の機能解析素材等、多様な用途への利用の重要性が高まっております。そのような面で、種子の保存と、これは野生種を含めたことでございますが、我が国農業の技術開発にとりましては必要不可欠のことと、このように思います。そういうことで、我が省、農水、農林水産ジーンバンク事業を実施しておるところでもございまして、一層のこの遺伝問題につきましては努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○本田良一君 まず、この種子の原種の保存ですね。これがいかに重要であるかということを今、大臣にお伺いしたんですが、日本は、米国が五十五万点、それから中国がロシアを追い抜きましたね、十年前はロシアが多かったんだけれども、三十五万、ロシアがその次に三十三万、インドが三十四万二千と、国際的にはそういうふうになっておりまして、日本はインドの辺に来ているわけですが、それよりもっと、二十二万ですからもっと少ないですけれども。 それで、この原種を保存する、この種を制する者は世界を制するという言葉が言われております。これはもう久しい、二十年ぐらい前から。そうしたときに、この原種を保存をしていなければ遺伝子組換えというのはやれないんですね。だから、今、この口上を述べるわけじゃないけれども、私は、去年まいた種を今年もらって来年まいても収穫はできないんです。遺伝子に仕掛けをしてあります。だから、ちゃんと遺伝子を、今年はこのスイカを作るためには、トウモロコシを作るためには、そこの種屋さんから買って植える、そのためには肥料も機械も全部収穫までのコンベヤーまで一切付けて買わなくちゃいかないということが、種を制する者は世界を制するという言葉なんですよ。だから、収穫から何もかんも、ハードからソフトまで全部制してしまうから、そういう言葉で言われるようになっているんですね。 だから、先祖代々の種を私は保存して来年もまいて収穫をするという時代はもうなくなって、ある企業から、ある種苗家から買って、毎年種をまいてやらないと収穫はできないという仕掛けになっているのは今のバイオテクノロジーのこの農業ですね。そうしたときに、この原種が一番重要なんです。 だから、原種の保存をずっとやってくださいと、私は県会のときからこれを言ってきました、十何年前からですね。そうして初めて熊本に八女にあった一部分が移ってきております。だから、一か所だけでは大変ですから、分散をして、サブセンター、今説明があったようにサブセンターを設けて保存をしておかないといけませんね。だから、もっとアメリカに追い付くように、原種の保存をしっかりとお願いしたいということがこの私の一つの趣旨であります。(「いい指摘だ」と呼ぶ者あり)はい、ありがとうございます。 それから、もうそれでちょっと忘れてしまいました。次に行きます。それで、もう忘れましたから、次に行きます。まあ、重要でありますから、よろしくお願いします。 育成者権の保護の期間が二十年又は二十五年になっておりますが、これは、例えば中国から輸入をしているインゲンマメの姫手亡や小豆のエリモショウズなど、元来北海道開発品種にもかかわらず既に保存期限を切っておるものがあります。我が国へ大量に輸入されても、何ら打つ手がないのが現状であります。 私は、育成者権の保護期間を欧州並みに二十五年又は三十年にすべきだと思いますが、いかがでありますか。中を抜きましたけれども、御答弁をお願いします、局長。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この育成者権の保護期間、先生おっしゃったように、EUは原則二十五年で、永年作物三十年、米国、豪州、韓国等は我が国と同じ二十年、二十五年と、こうなっているわけでございます。これをどのぐらい認めるべきかという話でございます。 どうも一つは、育成者権者の実態でございますけれども、やはりできるだけ早期に登録種苗を大量に販売してお金をもうけて、次の投資にまたしたいというのがどうも行動パターンのようでございまして、育成者権者サイドからは保護期間の延長という話は聞かれないという実態にございます。 それから、その存続期間中に登録料を払わなければ取消しになるわけでございますけれども、現時点でこの登録品種の存続期間の平均というのが五・二年ということでございまして、この実態から見ても存続期間についての延長要望というのは、そうないんではないかということで、次に、やっぱり利用者側、利用者側にとってはやっぱりお金を払わないで自由に利用できるという要望もあるわけでございますので、育成者権者とこの利用者側の双方の利益のバランスといったものも考える必要があるんじゃないかということで、現実には存続期間延長の必要性というのは今のところ感じていないというのが実態の認識でございます。
○本田良一君 もう時間が来ておりますから、私、これでやめます。もう少し、ちょっと今の答えは言わなくちゃいかぬけれども、これで終わります。
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。 食料もエネルギーも資源も乏しい日本は、先ほど大臣もおっしゃいましたように科学技術立国、裏を返せば知的財産立国にならなければならないわけでありましょう。そういう意味では、知的財産権を守り、またそれを積極的に活用を進めるために、昨年の十二月に知的財産基本法というものが成立をいたしました。これに伴い、新品種育成者権の保護強化を図るために今般の種苗法改正と、こうなったわけでございましょうから、この改正については私どもも賛成をし、早くこの権利というものが、また保護というものが国民に周知徹底されまして、世界の一つのモデルとなるぐらいの、そういう我が日本としてこれを契機に出発できるような、そういうものになってもらいたいなと、こういう期待をしておるところでございます。 個別具体的にそれではお伺いをしたいと思います。 農林水産先端技術産業振興センター、STAFFというそうでございますが、昨年の十月に全育成者権者へのアンケート調査をされておられますね。品質登録制度に対して望むことというアンケート調査でございますが、その中で、複数回答でよかったということでございますから、その中で三〇%以上の要望があったものが七項目ございます。一つは審査期間の短縮六六%、二つ目は立証方法の確立四六%、三つ目は相談窓口の開設四五%、四つ目が制度の普及啓発で四一%、五番目が海外での権利取得制度に対する支援で三六%、六番目が権利侵害品の水際規制が三五%、七番目が農家の自家増殖の制限三三%というのが、三〇%以上七項目ございました。 それらにつきまして逐次お伺いをしていきたいと思います。 まず初めに、審査期間の短縮、一番多くて六六%ございました。この審査期間の件は先進国は大体どういうふうな期間になっておりましょうか、まずお答え願いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 品種登録の審査期間、欧米各国の状況を見ますと、作物の種類によってまちまちではございますけれども、およそ二年から四年の間ということでございます。
○日笠勝之君 じゃ、日本の場合の現状と、今後のその審査期間の短縮ということでの目標についていかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 実際に植物を栽培してこの特性を調査すると、これは大変重要なことで、植物の種類によりますが、おおむね二年から四年の審査期間を要しておるようなわけであります。 審査委員の増員であるとかデータベースの整備等による審査事務の効率化を進めた結果、平成九年には四・一年であったわけでありますが、今十四年には三・一年と大幅に短縮し、早いもので二・三年というようなことになっておるわけであります。
○日笠勝之君 ですから、今後のこの目標、審査期間をどのぐらいまで圧縮していこうと、こういうお考えがあるかをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) この手続の電子化ですとか審査能力の向上あるいは栽培試験の体制整備等によりまして平成十七年度までに審査期間を三年以内と、このようにし、また審査期間の短縮が図られるように更に努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○日笠勝之君 審査官が二十二名ぐらいだそうでございますし、この体制で大丈夫なのかなとか、また、今日の日経の、日本経済新聞のDNA構造解明特集という中に、種から育てて姿形で判断していた従来の手法に比べて、品種がねらいどおり性質を備えているかどうかが発芽の段階で遺伝子チェックできる、そういう遺伝子、DNA解析技術が向上を今しつつあるし、今後もすれば育種期間が半分で済むと、こういうようなことも今日の特集出ておりました。 そういう意味では、今後の、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、DNA鑑定をいかに技術を向上させるか、またデータベース化をどうしていくか、こういうことも非常に重要なものだと思います。そういう意味では、是非ひとつこれらのことを総合的に進めていただきまして、せめて早くこの審査期間が短縮になりますように特段のまた御努力をお願いを申し上げておきたいと思います。 それから、普及の、失礼しました、制度の普及啓発でございますが、これ四一%ぐらいの要望がございました。この制度が発足してから二十五年経過をしておるわけでございますが、どうもこの育成者権というのは特許権とか商標権とか著作権に比べてちょっとまだ社会的な認知が低いのかなと、こう思っておるわけでございますが、なぜなんでしょうね。また、そして今後どういうふうにしてこの制度のまず普及啓発をされようとされておるのか、現状と対策についてお答え願いたいと思います。
○大臣政務官(渡辺孝男君) 品種登録制度そのものは昭和五十三年に発足したわけですけれども、この育成者権に関しましては、それを明確化した法改正は平成十年でありまして、今その強化を図っているわけであります、普及強化を図っているわけでありますけれども、やはり、今のところ、育成者等に対してはかなり制度の浸透が図られてきた、そのように考えておりますが、ただ、種苗が容易に繁殖できる、あるいは流通段階において登録品種であることが認識しにくいというようなこともありまして、まだまだ権利侵害を未然に防ぐためには不十分かなと。そういう面では、生産・流通業者等への制度の普及啓発を一層進める必要があると考えているところであります。 今のところ、流通業者向けのパンフレットを作成、配布はしておるわけですが、今後、更にそのパンフレットの配布先をもっと広い対象にしていくと、そしてまた説明会の開催等もより充実をさせて、きめ細かな普及啓発活動を行ってまいりたいと、そのように考えております。
○日笠勝之君 パンフレットを作成し配布するということでございますが、これも先ほど申し上げました育成者権者に対するアンケート調査の中で、国内でのこの育成者権の侵害の相手先はというアンケートに対しまして、種苗会社というのが結構あるんですね。 種苗会社といえば、もういわゆる種苗法四十九条で農林水産大臣に届出をしなきゃいけないわけですね。そういうプロ中のプロの種苗法に基づいて届けをするような種苗会社がその侵害をする、こういう育成者権を侵害するというようなことはあり得べからざることだと思うんですね。ところが、これが結構件数としては多いわけでございます。 そこで、今度罰則を強化をいたしまして、法人も一億円以下と、こういうことでございますが、著作権、失礼しました、特許法は一億五千万になっておるんですね。今回、法人の罰則を新たに一億円ということで改正すると、こういうことですね。なぜ特許法とこの種苗法とでは上限が違うのかと。 私がなぜこういうことを申し上げるかというと、農林水産大臣に届けをするような種苗会社も一億で、最高であれば一億ということですね。こういうのは、もういわゆる重科というんですか、普通は一億でも、一億五千万円ぐらいの、せめて特許法と横並びぐらいの罰則が強化されて初めてこの種苗法というものが特許法に並ぶぐらいの大変重要な法案だということにもなるわけですが、まずお聞きしたいのは、種苗会社がかなりこの侵害を、育成者権を侵害しておるという事実、これに対してどういう認識をされていますか。 それから、新たな罰則で法人も一億と、こうなりましたが、農林水産大臣に届けをするような企業が最高一億ということは特許法から見ても低過ぎるんではないかと、こう私は思いますが、以上二点、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど御指摘のような法人がそのような侵害をしていると、これは大変遺憾なことと、このように思います。また、そういうことのないようなことも私ども努めていかなければならないと、こう思います。 なお、罰則の限度でございますけれども、これは、違法行為の対象となる法益がどの程度尊重されるべきか、あるいはまた罰則により違法行為が、どの程度期待できるか、すなわち抑止効果がどの程度あるか、違法行為を行った者の責任がどの程度あるか等を総合的に勘案して決定されておると、このように思います。 育成権者の侵害は、他の類似の知的財産法との比較において、著作権、デザイン等の侵害と同様なものではないかと整理をされ、その罰則が決められたと、このように思います。
○日笠勝之君 先ほどの局長の御答弁ですと、ここ数年、種苗法違反で罰則適用ないということでしたよね。だから、罰則適用もないのに抑止効果が一億円ぐらいだろうなんというようなことは全然分からないんじゃないですか。ゼロから幾ら見ても、掛けたらゼロですよ。ゼロ掛ける百万もゼロですし、ゼロ掛ける一万もゼロですから。 そういう意味では、罰則適用がないのにこの罰則を強化をしますね、個人も法人も。そういうような、ちょっと何となく矛盾しているなという気もいたしますが、今後大いに罰則適用されるような事例がないことを望みながらも、やはりこれはきちっとした、種苗法において罰則を強化するわけでございますから、きちっとした対応を示さなきゃならない、それがまた抑止力にもなるわけでありまして、しっかりとした今後の対応、また推移を見ながら、諸外国等の罰則なんかの推移を見ながら検討もお願いを申し上げておきたいと思います。 それから、次に参りますと、権利侵害品の水際規制というのが三五%でございました。これと併せて、立証方法の確立ということも四六%でございましたが、併せてお聞きをしたいと思います。 このたび関税定率法が改正されまして、育成者権侵害物品を輸入禁制品に追加をいたしまして、また輸入差止め申立て制度の対象とするということになりまして、一歩前進をしたと思います。 ところが、税関の方も、いろいろと仕事柄、困難性、複雑性というものがございます。昨日夜、NHKのニュースを見ておりますと、アメリカから今、インターネットによって、けん銃の密売で、恐らく数百丁ぐらい日本に輸入されているんじゃないかというニュースを見まして、びっくりいたしました。どうやってこれ輸入するのかなと思っていますと、とにかく本体をばらばらにするんだとか、トリガー、引き金ですね、ああいう重要な部分は後ほど送りますとか、また銃口に詰め物をして模型品のようにするんだとか、こういういろんな工作をして送るんですね。ですから、税関もなかなか、社会悪物品のけん銃なんというのは、イの一番に、麻薬と一緒に取り締まらなきゃいけません。麻薬の方は、昨日も何か百五十キロも、大変な量を見付けられたようでございますが、このようになかなか見た目では分からない。もう知恵比べのような感じで、イタチごっこでございます。 そこで、今回、初めて育成者権侵害物品を輸入禁制品だとか差止め申立て制度の対象にするということで、税関の皆さんも非常に大変なこれお仕事になるかと思いますが、一体全体、どのような技術といいましょうか、鑑定技術といいましょうか、そういう技術を確立されようとされておるのか。また、昨今はDNA鑑定などが言われておりますが、そういう検査体制、こういうものをどういうふうに整備されようとされていますか。また、農水省とはどういう連携を取ってこの法律改正に成果が上がるように対応されようとされておりますか。 以上三点、お願いできればと思います。
○政府参考人(浦西友義君) 育成者権侵害物品の水際での取締りについての御質問でございますが、まず、税関におきましては、輸入差止め申立て制度によりまして、権利者から提供をしていただきます、まず海外及び国内における権利関係、それから外観で判断するための情報等を基に取締りを行いまして、育成者権侵害物品を発見いたします。そして、それから認定手続に入るわけでございますが、権利者及び輸入者から意見及び提出される証拠を基に侵害物品か否かの認定を行うことにしております。また、必要に応じましてサンプルを採取いたしまして、DNA鑑定を行うことにより侵害物品か否かを判断することを考えております。 現在、育成者権侵害物品が輸入禁制品に追加されましたことを受けまして、農林水産省の協力を得まして職員に対する育成者権に関する研修を実施しているところでございます。今後、育成者権者から輸入差止め申立てが出された際には、税関職員の識別技術を向上させるために、具体的な識別ポイント等につきまして、農林水産省と関係者の協力を得ながら研修を充実していきたいというふうに考えております。 また、DNA鑑定につきましては、関税中央分析所で行うほか、当面、農林水産省の監督下にございます試験研究機関に依頼することにしております。 なお、各税関におきましては、DNA鑑定を可能にするような検査機器、例えばPCR増幅器等の導入、それから人材の育成等、体制整備を今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 しっかりと対応、連携を密にしていただければと思います。 次は、海外での権利取得に対する支援、これは三六%ございましたね。それから、相談窓口の開設、これも結構多くて四五%ありましたが、これらを併せてちょっとお聞きをしておきたいと思います。 さて、海外での権利取得に対する支援策、サポート策というのは農水省にあるんでしょうか。希望は大変多いわけですね。それから、相談窓口を開設してくれという御要望も四五%、半数近くあるわけですが、これに対しての今後の対応、以上二点についてお伺いしたいと思いますが。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど来申し上げておりますけれども、やはりグローバルベースで育成者権を保護しようと思えば海外でやはり権利取得を推進する必要があろうということでございます。まだまだ、海外でどんな制度があるのか、海外での制度では侵害に対してどういうことがやれるのか、まず、そういう情報が足りませんので、こういうものをインターネットで掲載をする等をしておりますし、制度の後れているアジア地域に対しましてはその制度の整備を支援をすると、そして植物品種保護戦略フォーラムというところがいろいろな弁護士さんによる相談窓口等を開設するというような活動をしておりますので、そこに対しましていろいろな情報提供等の環境整備を行っていると、こういう状況でございます。
○日笠勝之君 経産省は特許において知的財産センターというものを検討しておるようですが、これと一緒になるような、行政のスリム化ということで一緒にこのセンターでそういう相談窓口などなど、相談業務などを受け付けるというようなことはできないんですか。あくまでも農水省は農水省、経産省はどうぞ勝手にやってくださいと、こういうことなんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 特許におきます知的財産センター、これは特許の制度というのははるかに進んでおりまして、日本で特許の申請をする、希望をすれば国際的にも申請できるような仕組みになっておりまして、私どものこの育成者権、それに比べますとまだそういう国際的な取組というのは後れている状況にございますので、その仕組みに追い付くべく、今後頑張っていきたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 それ以上深追いはしないでおきましょう。 続きまして、今度は別の角度からの質問になりますが、育成権侵害対策研究会というのがございまして、本年二月、その報告が出されておりますが、これによりますと、いわゆる加工品、先ほども出ましたが、加工品を育成者権の対象とするかどうかについては中長期的課題とすると、こうあるわけですが、中長期と申し上げましても、インゲンマメを白あんにしたり、イチゴをジャムにしたり、収穫物を加工し輸入しているという脱法行為に近いことが現在行われております。非常に懸念されるわけですが、事は急を要するわけですね。いつごろまでに、中長期的課題と言いますが、いつごろまでにその方向を出すのか、出そうとしておられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、加工品、直接の加工品というのはもうUPOVの条約上、各国の裁量で育成者権の権利の対象にしていいよということになっているんですけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、どうも加熱処理等の加工をやりますとDNAの抽出ができないということで識別技術が確立できないということがございまして、アメリカでもEUでも加工品はいまだ対象にしていないという状況にございます。 やはり、私ども、いつまでにというよりも、加工段階、加工品段階でのDNAの品種識別技術の実用化、これがまず先だろうということでございまして、その技術開発を急ぎまして、その時点で加工品も対象にできるようにしたいというふうに考えているところでございます。
○日笠勝之君 これ、税関に聞きますが、加工品を輸入差止め申立て制度ということで、もし申立てが出た場合はこれどうされるんですか、加工品。先ほど、今局長の話によりますと非常に識別難しいと、こうおっしゃっておるわけですが。
○政府参考人(浦西友義君) 税関におきます水際取締りは育成者権の侵害物品ということでございますので、現在加工品につきましては育成者権の侵害物品というふうには、範疇には入っていないということで、現在のところ、税関においての水際取締りはできないということでございます。
○日笠勝之君 だから、先ほど申し上げたように、局長は、加工品を育成者権の対象にするかどうかということを早く決めないと水際での差止めもできないわけですよね。そういう意味では、今後どのぐらいのスパンで、中長期的課題とおっしゃるんですが、中長期というと何年でしょうね、中期というと五年で長期では十年、しかし、日進月歩というか分進秒歩の世の中でございますから、大体目安ぐらいがないといかぬのじゃないかと思いますが、どうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生、これですね、今、種苗の段階、今度の法律改正で収穫物の段階まで罰則の対象とすると。それはなぜかというと、収穫物がDNAで識別の対象になったからということでございます。これは、ほかの法律の解釈、あるいは犯罪、罰則との関係で構成要件の明白性の要請との関係あるわけでございますけれども、私どもとしては、現在の収穫物の範囲というものを、識別技術が確立すればできるだけ、限度はあると思いますけれども、できるだけ広げていくという、そういうふうなことで対応をできないかということを検討していきたいというふうに考えております。 だから、逐次、識別技術が実用化すれば何とかその、限度はありますけれども、範囲で読めないかというふうな対応に心掛けていきたいというふうに考えております。
○日笠勝之君 財務省の方、結構です。ありがとうございました。 次の質問に移りたいと思いますが、品種登録における出願公表制度創設によりまして出願後の名称変更ができないと、こういうことになりましたが、先ほどからも質疑の中にありました福岡県の農産物知的財産戦略においても、是非名称変更をしてもらいたいと要望が出ております。 なぜかというと、出願後の自己都合による出願名称の変更ができなくなることについて、マーケティングリサーチとか、いろんなほかとの名称との関係とか、要は売りやすい名前にしたいと。名は体を表すわけでございますから、いったんもう出願しちゃうと名前は後、名称変更はできないと、こういうことですが、何とかその名称変更を認めてもらいたいというのが一つと、駄目なら一回ぐらいはいいんじゃないかということとか、ダブルでもいいんじゃないかとか、ただ括弧して二種類出すとか、いろんなそういうことが考えられるわけでございますが、どうなんでしょう、名は体を表す、本当に名前で物が売れるような時代でもございますので、名称変更要望がありますが、これに対してはどういうお考えでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 名は体を表すと言うんですけれども、種苗というのは外観からだけでは品種の区別が付きにくいということがございまして、やはり名称というのが品種識別の重要な意味合いを持っているわけでございます。出願をして出願公表になりますと、仮保護ということで育成者権の効力が及ぶわけでございまして、そうすれば品種識別の重要な手段でありますその名称を自由に変更されるというのはなかなか適当ではないというふうに思っておりまして、その名前でずっと宣伝、喧伝がされるわけですので、自由な変更を認めていると、流通、生産、そういう現場に混乱が生じるのじゃないかというふうに思っております。 平成十年の改正で、品種登録に係る未譲渡性の要件緩和ということで、出願以前一年間は譲渡可能というふうになっておりますので、その間に名称を考えていただけないかなというふうに思っております。
○日笠勝之君 次回の種苗法改正のときには、この十六条のこともひとつ検討の対象にしておいていただければと思います。 時間がありません。最後の質問になりますが、出願料、登録料でございますが、これ安いのか高いのかよく分かりません。省令で四万七千二百円が上限ということで出願料はなっておりますが、特許法の方は、これは経産省に言わすと、今度はもう特許料が下がるんです、下がるんですと非常に大きな声でおっしゃっておられますね。今回の種苗法での各種料金は一体どうなるかというと、全然変わらぬのですね、現状維持ですわね。デフレの今、世の中でもありますし、少し、出願料、登録料などなど、少し下げる方向で考えたらどうなのかというのが一点。 二つ目は、登録料はまとめて払うことができる、一年分だけじゃなくてまとめて払うことができると、こういうことでございます。数年とか十年ぐらいの単位でもいいそうで、前払いでいいそうでございますが、これは自動車重量税も、今度自動車リサイクル法で途中で自動車を廃車にするときには重量税も月割りで返ってくる。もう前から、自動車税の方は前から返ってきます。そういうふうなことで、いったん出したものは返さぬというのではなくて、まとめて払った分は登録を解除としたときは残りの分ぐらいは返すとか、その辺の穏便なお考えがあってもいいんじゃないかなと。 以上、二点どうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 品種登録のまずは出願料でございますけれども、先生おっしゃいましたように一律四万七千二百円と。特許の方は、出願料は二万一千円でございますけれども、その別に審査請求料が最低で八万六千三百円、これ若干今回下がりますけれども、そういうふうになって、特許と比べても出願の関係の料金は非常に低いレベル。それから、品種登録後の登録料も最初のうちが年間六千円、一番最後に来ても年間三万六千円ということでございます。これ、もちろん特許に比べても格段低うございますし、外国に比べても格段低いという状況でございます。 いったん払ったものをやめたときに返還できないのかという話でございまして、この登録料というのが登録品種を業として独占的に利用する権利を設定したことに対する負担、要するに、利益を受ける可能性の高い育成者権者に負担を求めていると、全体の費用に充てるという、こういう性格のものでございまして、その途中の自主的な取消しというのは権利の放棄ということで、返還する仕組みにはなっていないわけでございます。 とはいうものの、今後そのままでいいのかということについては、やはり他の類似の制度、外国の制度がどうなっているか、ちょっと研究をさせていただきたいというふうに思っております。
○日笠勝之君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 まず、種苗法から質問いたします。 開発輸入が急増する中で、日本の新品種の種苗が無断で中国や韓国などに持ち出されて、その収穫物が日本に輸入されると、それが日本の生産者に大きな打撃を与えているわけです。 北海道では、農業試験場が十年間掛けて育種してやっと品種登録をされた白あんの加工用のインゲンマメ、雪手亡ということですけれども、これは北海道としては豆の中でも主力品目ということで、品種ということで位置付けていたわけですけれども、これが商社が違法に持ち出して逆輸入をしてくると。 それで、これは六十キロ当たり大体一万五千円というふうな価格が付くわけですけれども、中国産で港に入ってきたときには六千五百円程度ということで、三分の一とは言わないですけれども、相当やっぱり差があって、そういう中で栽培面積が半減するような事態になっていると。 そのほかいろいろ、イチゴの話もありましたし、いろいろあるわけですけれども、今回の法改正がこういう種苗の違法な持ち出しによって海外で生産されて輸入をされた収穫物に刑事上の罰則を掛けるということで、実態から見てもこれ必要な改正だというふうに思うんです。 ただ、不十分な点もあると。既にいろいろな形で取り上げられて話になっているわけですけれども、加工品の扱いについて、これ、農水省は今回、育成者権の及ぶ範囲について、加工品については規制することを見送ったわけです。 しかし、加工品として入ってくる輸入というのは本当に増えてきていると。日本の商社が、野菜や果実等、日本からの持ち出した品種、この持ち出した品種を外国で栽培をすると。同時に、直接投資をして現地の企業と合弁で加工工場も造ったりして、安い賃金でカットとか冷凍というそういうことだけで輸入されてくるものも非常に増えているわけです。 こういう言わば加工度の低いものですね、こういうものも規制の対象外にされるのかどうか。加工といってもいろいろあるわけですけれども、今回の規制の対象というのはどこに線を引くのかということについてまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃられましたように、今回の法律改正で収穫物については育成者権侵害として罰則の対象にするわけでございます。加工品の方は条約上やってもいいというふうになっているわけでございますけれども、やはり識別技術が実用化の段階に至っていないこと等ありまして、今後の検討課題というふうにしたわけでございます。 それでは、収穫物と加工品と差がどこにあるのかということでございます。 一応定義上は、収穫物というのは植物体の全部又は一部で種苗を用いることによって得られるものと。植物体の全部又は一部で種苗を用いることによって得られるものと、こういう定義でございますし、加工品といいますのは、それに、その収穫物に一定の工作を加えて、その本質は保持させつつ新しい属性を付加して価値を加えたものと、こういうふうに定義をされているわけでございますけれども、その区分というのは個々具体的に社会通念に照らして判断するほかないだろうというふうに思うわけでございます。 社会通念に照らして何を判断するのかということでございます。一つは、技術的にその品種の特定が可能かどうかということ、それから二つ目には、収穫物に加えられた工作の程度がどうかということでございまして、ありていに言いますと、私どもとしては、単にカットあるいは冷凍した、乾燥した、塩蔵した、こういうものは識別が可能だと思われますので、収穫物と解したいというふうに考えております。
○紙智子君 冷凍、カット、塩蔵、乾燥ということでは、これは収穫物ということで見るということですね。 それで、収穫物に入るのかどうかということの判断の基準、今お話しされたわけですけれども、加工品について品種の同一性の立証が困難であるかどうかという話もありました。DNAの鑑定ができずに品種の識別が不可能なことが今回見送った理由にされているわけです。 しかし、冷凍とかそれからカット野菜以外にもDNAの鑑定などで品種を識別することが可能な加工品というのはあると思うんですね。 例えば、これも先ほど来話に出ていましたけれども、畳表、これは原料はイグサなわけですけれども、中国からはほとんどが畳表という形で、編んだ形で入ってくるわけですね。これは加工品とみなされて規制対象にならないのではないかと。これはどうでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) イグサと畳表の関係でございます。 もう先生も御存じのように、簡単に言いますと、畳表を作るまでには、イグサを収穫して、泥で染めまして、乾燥をして、選別をして織るということでございます。そして、そのイグサと畳表の間はDNAの識別によって識別可能というふうにされているわけでございまして、今後、いろいろな法令解釈の問題あろうかと思いますけれども、私どもとしては、今回の立法趣旨に、改正のこの趣旨にかんがみれば、この畳表はイグサの収穫物の範囲で解釈することができないかというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 これからのそういう検討に掛かっていくわけですよね。 それで、私、イグサについて申し上げたいんですけれども、中国から畳表の形で輸入が急増して、これが日本の生産者に本当に大きな打撃を与えました。九州などの産地で多くの自殺者を出しました。生産者の自殺者を出しました。 生産の中心になっている熊本の八代市の、委員長の出身でもありますからよく御存じだと思いますけれども、イグサの生産面積というのは、九八年に千四百四十一ヘクタールだったのが、二〇〇一年、平成十三年は半分以下ですね、六百四十一ヘクタールまで下がったと。九九年の輸入ライセンスの枠で三万トンなわけですけれども、これに対して七千二百トン上回るイグサの製品が輸入されて価格が暴落すると。それで、十アール当たり、当時、九九年当時で、所得では粗収益よりも生産費が大幅に上回る、もう完全に赤字と、絶望的な状況になって、そういう中で、深刻なその実態について、当時テレビもこれ取り上げました。 その中で紹介されている生産者の方が、もう本当に、おれ一代で終わりだという話をされていた声が紹介されていたわけですけれども、何人もの生産者がそういう苦境に立たされて自ら命を絶つという状況の中で、ようやっと二〇〇一年にネギやシイタケとともにイグサは、三品ということで暫定のセーフガードを発動した経過がありました。 それで、畳表として中国から輸入される品種は登録のないものなんですけれども、これは過去に日本から持ち出されて中国で広がった、畳表の大量輸入につながったというふうに言われています。現在、熊本県は、県が育成した優良のイグサの品種、これ「ひのみどり」という品種なわけですけれども、それこそ産地の再生を懸けてこの品種に取り組んでいるわけです。「ひのみどり」というのは、茎が細くて色むらが出ないので非常にきれいに編み上がっていくというか、そういう畳、すばらしい畳に仕上がるということで、栽培面積を広げて県内の三分の一に当たる五百ヘクタールまで広げて、そして県として株の海外流出を防ぐために必死の取組をやっているし、県としてはDNAの鑑定技術も開発したということが新聞でも紹介されました。 しかし、ここにもし畳表で輸入されるということになりますと、今の段階でいえば、差止めも損害賠償も要求もできないと。産地が一体どうなるかということになりますと、正しく存亡を懸けたそういう取組になっているんですね。もし仮にこの「ひのみどり」が持ち出されて畳表として輸入されるような事態になれば、それこそ産地は本当に立ち上がれない打撃を受けることになると思うんです。非常にそういう意味では重い問題が掛かっているということを思うわけですね。 明らかなやっぱり、こういう事態になれば、権利侵害ですし、品種の識別が可能で明らかに権利侵害があったものについてまで権利の行使ができないということになると、これは法の趣旨からいっても問題だというふうに私は思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか、御認識を。
○国務大臣(亀井善之君) 現状ではなかなか難しいわけでありまして、育成者権の対象と、加工品を、ということには限界があるわけでありますが、この辺も是非、実用化の段階と先ほど来局長申しておりますとおり、DNAの品種識別技術等の実用化と、こういうものをやはりいろいろ整備をいたしまして、中長期的に検討し、加工品の取扱いにつきましては是非、今いろいろのお話があるわけでありますので、それらの問題につきまして努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○紙智子君 育成者権の侵害対策研究会、ここの議論の中でも、明らかに加工品で侵害があったときに、それでも看過するのはどうなのかということで議論もされているわけです。加工度が低くて品種識別可能なイグサなど、県もDNAの鑑定での識別ができるように努力していると、こういうふうに、今すぐでも可能なものからやっぱり規制の対象にするなど検討すべきだと思うんですけれども、もう一度お願いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど来申し上げておりますけれども、私ども、現実、実態的な対応といたしまして、種苗とそのものの識別可能性があり加工度が低いといったものについては、法律上許されるという前提にはなりますけれども、今度の法律改正の収穫物の範囲で解釈をして、権利侵害に対しては所要の措置が取れるというふうなことという運用をしていきたいというふうに考えております。
○紙智子君 先ほども話に出ていましたUPOV、植物新品種保護に関する国際条約、この中では、加工品については対象とするかどうかというのは各国、加盟各国の裁量に任せるというふうになっていますね。 それで、その中で韓国の場合、加工品もこの品種保護の対象にしているというふうに聞いていますけれども、この韓国の種子産業法ですか、この関係でどういうふうに位置付けられているでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃいますように、UPOVの条約は、直接の加工品については各国の裁量で権利の対象としていいよというふうになっているわけでございます。 韓国は二〇〇一年に種子産業法というのを制定をいたしまして、加工品というものを含めまして専用利用権の対象というふうにしているわけでございますけれども、やはりお伺いをいたしますと、加工品の原料となった品種を効果的に識別する技術がないということで、加工品に関する権利侵害が問題になった事例がない、規定はあるんですけれども、なかなか実効が上がらない状況にあるということでございます。同様のことは豪州でも、加工品も対象にした規定はあるそうでございますけれども、実効が上がっていないというふうに伺っております。 その余の国は我が国と同様、加工品を対象にした法律はないということでございます。
○紙智子君 品種識別の検証方法というのはどのようになっているか、もし分かれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 品種識別の方法は、まずその外観で見るわけでございます。外観の形質とか特性だとか、実の形が長いかとか丸いかとか、中切ったら白っぽいだとか、そういう形質で見まして、そのほかにDNA分析でこの収穫、このものとこの品種登録されたものが同一かどうかというのを見るわけでございまして、種類によってDNA識別技術の確立の度合いが違っております。先ほど来言っておりますけれども、稲だとかインゲンだとか、そういうものは進んでおりますし、果樹、野菜というのも実用化の段階に来ているということでございます。 まず、先生、先ほどおっしゃいましたイグサの「ひのみどり」、これも今、特許申請の段階、こういうところでございます。
○紙智子君 農水省としては、今度の改正で加工品を見送って、対象から見送ったというのは、DNAの鑑定ができない、識別不可能だということが理由になっているわけですけれども、国自身の、加工品については国自身の裁量でということがあるわけですから、積極的なやっぱり対策を講ずべきだというふうに思うんです。 農水省は、農産物や加工食品についてのトレーサビリティーの導入を打ち出しています。それで、輸入食品も対象にすれば、加工品でも原材料にまでさかのぼることができると思うんですね。例えば、あんこなんかも今結構中国から入ってきているわけですけれども、これが中国のどこで栽培されたどういう品種のものなのかという原材料にさかのぼって分かると、これ識別できるんじゃないかと思うんです。 ですから、育成者権侵害対策研究会で「中長期的な視点の下に検討していく」というふうにしているんですけれども、そういった方法も含めて、イグサについてはその収穫物とみなせるようにという話があったわけですけれども、こういうことを、加工品全体についてもこういうやり方でもって早急に検討すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 是非、加工品の問題につきましては、DNAの品種識別技術の実用化、これを促進することによりまして、また技術開発の促進、こういうものを踏まえて育成者権の対象に加工品を加えると、こういうことにつきましても十分検討してまいりたいと、このように考えております。
○紙智子君 今回の改正がこの新品種の知的所有権を守ると、それから日本農業を守る上で必要な改正だというふうに思います。 産地では、今回の改正で今まで横行してきたこの開発輸入に対する対応策として期待はあるわけです。ただ、その中でも、例えば二十年間というこの保護期間を過ぎたもの、コシヒカリなんかもそうだという話もありますし、ブドウなんかも、そのほかにもまだいろいろ一覧表で見るとたくさんあるわけですけれども、これが規制の対象とならないと。種苗法では対応の限界があるということですね。 開発輸入は、日本の商社が種子を持ち出して技術指導をやって、安い労賃で生産をさせて逆輸入をすると。ここには種子会社も大きな役割を担っているということも言われているわけです。国内生産を守るために、やっぱり種子の輸出についてもこれルールというのが必要じゃないかと。今日ここではそのことについてやりませんけれども、そのことを指摘して、次の質問に移りたいと思います。 次、表示問題について質問いたします。 農産物に対する表示問題ですけれども、この間、食にかかわる一連の事件を背景に、食品表示に関する国民の関心というのは非常に高いものがあります。六割輸入に依存している我が国の状況ということですけれども、産地と消費者の距離というのは離れているわけです。それで、消費者にとっては適正な表示というのがやっぱり本当に重要になっていると思うんですね。 まず、総務省にお聞きしたいと思うんですけれども、今年一月に総務省は食品表示に関する行政評価・監視結果に基づく勧告というのを行っています。この勧告に先立って、昨年、食品スーパー等の利用者に対しての食品表示に関するアンケートを実施されましたね。その中で、生鮮食品に新たに義務付けてほしい表示事項に関するアンケートというのもやっていると思うんですけれども、この結果について、どうなっているか説明いただきたいと思います。
○政府参考人(田村政志君) ただいま御指摘のアンケート調査は、総務省が平成十四年四月から十五年一月に掛けて実施いたしました食品表示に関する行政評価・監視の一環として、消費者が食品の表示に関して有している意識などを把握するために、十四年五月に二十三都道府県の消費者三千人を対象にして実施し、千三百三十六人の方から回答を得たものでございます。 調査結果の概要でありますが、生鮮食品について新たに表示を義務付けてほしい事項としては、農産物では出荷日又は収穫日六二%、農薬・肥料の使用量・回数五四%、消費期限四二%、畜産物では消費期限五六%、出荷日五三%、使用した飼料名が五〇%、水産物では出荷日が五九%、消費期限五八%、煮物・生鮮用などといった用途について五七%、それから精米では農薬・肥料の使用量・回数が五三%、出荷日又は収穫日四八%、生産者の氏名・住所三七%などとなっております。
○紙智子君 ありがとうございました。 それで、農水省にお聞きしますけれども、このアンケートの結果が示していますように、農産物について出荷日や収穫日を知りたいという声が多いわけですね。これは消費者としては当然の要望だというふうに思うんです。特に、野菜の場合、長期間輸入によって栄養成分が低下するということも言われている中で、長期間輸入された輸入野菜と国産野菜の差についていろいろこの調査のデータも出されているんですね。 九八年に女子栄養大学で市販のブロッコリーについて三年間これを調べて、調査の結果が雑誌に紹介されました。アメリカからの輸入品と国産品との比較では、ビタミンCそれからベータカロチン、還元糖などで輸入品は国産の八割程度しかないということが結果として出ています。 それから、文部科学省が五訂日本食品成分表というのを作成する際に使っている食品成分基礎データという中でも、例えばアスパラガスでは国産と輸入品で、輸入品の方が六二%のビタミンCの含有量になっているとか、枝豆で六七%、ブロッコリーで五九%という形で、国産の方がだから高いわけですよね。ここには輸送期間の差がやっぱり影響しているということが想定されているわけです。 しかし、輸入野菜というのは実際には我々スーパーなんかに行っても、いつ輸出国で収穫されて、どのように輸送されて、いつ日本に輸入してきたのかということは全く分からないわけですね。大半が船舶の輸送で、例えばアメリカから輸入される野菜の場合は約一か月程度以上というふうに聞きますし、中国からは大体一週間ぐらいかと。韓国からも収穫後、関東の市場に届くまでは約五日間ぐらいは掛かるんだということなんですけれども、消費者はそういう情報、全然知らない、知らされていないわけです。 最近は技術が発達していて、その鮮度を、見た目の鮮度を維持するということではいろいろ上手になっていますから、見た目には分からないということがあるわけで、消費者には判断できないわけですね。しかし、店頭でその国産と輸入ということで見た場合には、一緒に並んだときに比較するというと、価格があるだけで、あとはよく分からないと。これでは公正に判断できると言えないと思うんですね。 その要望の中に出ているように、収穫日、出荷日の表示というのは、これは消費者が公正に判断する上では大事な判断材料になるというふうに思うんですけれども、これについての大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 大変、野菜や果実、出荷日や収穫日、これは農産物直販施設等において生産者の自主的な取組として表示をされておるわけでありますが、現実になかなか難しいことでありまして、消費者の立場に立ちますれば、今委員御指摘のように、その食品の表示を実現してほしいと、表示の必要性あるいは流通実態を踏まえたいろいろなことも必要なわけでありまして、これらはこれからもいろいろ御指摘のような点から検討、議論をしていく必要があると思います。 実はこのことにつきましては、現在、厚生労働省と連携をいたしまして、昨年十二月に食品の表示に関する共同会議を設置をいたしまして、食品の表示基準全般について調査審議をお願いしておるところでもございます。御指摘の点や表示義務付けの問題等々、これらの課題を含めて、今後ともこの共同会議でいろいろ広い議論をしてまいりたいと、こう思います。
○紙智子君 大臣の認識としては、今いろいろその検討をすると。大臣の認識としては、やっぱり消費者の立場に立つならば、こういう収穫日、出荷日を示すということは、これはやっぱり重要な判断材料になるというふうに認識されているということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 事実、いろいろ私も仕事をやり、鮮度の問題、米の精米等々の問題につきましていろいろな経験を持っております。いろいろ消費者の皆さん方はこの日付の問題であるとか、もう大変関心をお持ちになっておりますことは十分承知をしております。 〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕 現実に、その貯蔵、貯温であるとか温度であるとか、いろいろな努力を関係者もするわけでございまして、なかなか今の技術から、それだけで、出荷日あるいは収穫日だけで判断するということも一〇〇%とは思えないわけでありまして、いろいろこれ研究をする課題もあろうかと思いますが、基本的にはやはりそういうものが分かることは大変重要なことと、このように認識をしております。
○紙智子君 総務省にお答えいただきましたように、アンケートの結果を見ますと、生鮮品、それから加工食品の表示で、現在の表示で十分だというふうに回答している方というのは少ないですよね。農産物で七%とか畜産物で四%とか、それから水産で八%、精米で一六%、加工食品で九%しかないわけです。新たに義務付けてほしい表示ということでは、今紹介されましたように、農産物では六割の人がやっぱり出荷日や集荷日を表示を望んでいると。 一月の総務省の行政評価局の勧告では、このアンケートの結果を紹介した上で、やっぱりこの食品について表示すべき項目等の、食品表示にかかわる現行制度の見直しを行う場合に当たっては、これらの消費者の意見にも十分配慮することが望まれるというふうにしているわけです。出荷日、集荷日、表示を実現すべきだというふうに私は思うわけですけれども、これについて是非進めていただきたいというふうに申し上げたいと思います。 もう一度、じゃ、大臣お願いします。
○国務大臣(亀井善之君) 今御指摘の問題、先ほども申し上げましたが、食品の表示に関する共同会議、厚生労働省といろいろと、これから共同でいろいろ会議を進めてまいりまして、その努力をしてまいりたいと、こう思います。 なお、いろいろこの出荷日あるいは収穫日の問題等々、いろいろ店頭に並ぶまでの時間も掛かるわけでありますし、また貯蔵技術や輸送技術等々もありまして、なかなか難しい課題でありますが、一方、今生産・流通業者等のコスト負担や消費者ニーズに対応の在り方等を踏まえて、トレーサビリティーの問題等々も踏まえた中で考えていくことが必要ではなかろうかと、こう思います。
○紙智子君 時間になりますけれども、これからの共同会議の中でということでもあるんですけれども、是非積極的に、やっぱり消費者に顔を向けた政策に転換をするということを言われてきているわけで、実現の方向で共同会議でも提起をしていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。 種苗法の改正に関しまして、これは新しいいわゆる開発に対する知的所有権の、何といいますか、保護といいますか、そういうことでしょうから、この新しい開発ということを考えます際の、遺伝子組換えの作物が多くあるんじゃないかなということは考えられますので、それについてちょっと質問を準備したんですが、今日のこの議論お聞きしていまして、ちょっとその前にお聞きしたいことが出てまいりまして、通告しておりませんけれども、ひとつお願いをしたいんですが。 今回のこの種苗法の刑罰を重くしたということ、それは、余談ですけれども、前回JAS法でも刑罰を重くして、農林省はどうも法人は一億円にこだわっているのかなというような感じがするんですが。 〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕 といいますのは、不正表示法ですね、JAS法と対応する、いわゆる経産省ですか、昔の通産省の不正表示法というのは三億なんですね。だから、経済活動として大きなものだとそうなるのかなというふうな感じがするんですが。それは農林省、そういうことをお聞きしても別に御回答がどうかということを期待しているわけじゃないんですが。私、この刑罰を重くするということは、確かにそれによって防ぐということは、いろいろな違法行為を防ぐということはいいと思うんですけれども、本来、そうでなくて法を、法というかルールを守ってもらいたいというのが筋じゃないかなという気がいたすんです。しかし、現実に起こっているからこういうことをやるのはやむを得ないと思うんですが。 ここでちょっと、少し話が飛ぶんですけれども、皆さんも御存じだと思うんですけれども、政治と金の問題で、小泉総理がよく答弁で、法律を破る者がいるからという御答弁をされる。何か個人の問題というような印象を私は受けるんですが、そういうような御回答をされるんですが。これ先日、決算委員会等で質問したんですけれども、確かに法律を破る者がいるということは言えるかもしれませんけれども、やっぱり破らない法律を作るということも一つ大事なことであろうし、その環境条件を考えなきゃいかぬというふうに私は思うんですが。 そこで大臣に、これは本当の大臣の個人的なふだんお考えになっているお考えでいいんですけれども、やっぱり破る者がいるということでこの法律の刑罰をお決めになるのか、これだけの刑罰を作っておけば大体破れないだろうと、破らないだろうというふうにお考えになるか、その辺、大臣の御所見なりちょっとお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(亀井善之君) 是非、この刑罰等々が該当しないようにいろいろの産業活動の、種苗の問題等々に取り組んでいただきたいと。これは委員、先ほどもお話をされたとおりでございます。その辺なかなか難しい問題でございまして、政治の問題も、政治資金規正法であるとか、あるいはあっせん利得処罰法案であるとか、いろいろの官製談合の問題等々、いろいろ法案を整備をし、実は、これはあっせん利得の関係につきましては、私は議員立法のときに提案者の代表でやりました。その後いろいろの事故が起きておりますことは大変残念に思っておりますけれども、幾らその刑罰、罰がこれだから起きないということはなかなか難しいことでありまして、是非、一つの、それぞれほかの法律との関係もございまして、数字が示してあるわけでございます。願わくはそういうことのないように活動していただきたいと、このように思っております。
○岩本荘太君 ありがとうございました。 私は、常識的に考えると、法律、どの辺に決めたらいいかというのは、これは一つの問題だと思うんですけれども、それで決められた法律は正常な人なら守ると思うんですね。破るのは正常でないところがあるという感じを持つんです。それを、そういう判断を政治と金の問題に当てはめますと、あれを破るのはやっぱり正常な人じゃないのかなというような感を持たざるを得ないような感じ、感想だけですけれども、申し述べさせていただきます。 それでは、この遺伝子組換えの問題なんですけれども、質問の順序をちょっと変えさしていただきますが、いろいろ今までもあると思うんですけれども、遺伝子組換えの新品種とかそういうものがあると思うんですけれども、今の開発状況等、それがどんな目的でやられているか、ちょっとお聞きしたいと思うんですが。
○政府参考人(石原一郎君) 遺伝子組換え作物についての開発の目的なりその状況ということでございます。 遺伝子組換え作物につきましては、従来の育種とは異なる方法でございます。したがいまして、これまでの品種にないような品種改良、あるいは栽培技術の改良が実現できます。したがいまして、この技術そのものとしましては、高品質で高機能な農産物、あるいは低コストでの生産と、食料の生産ということを可能にする技術であると考えております。したがいまして、この技術そのものを有効に活用いたしますれば、豊かな国民生活の実現に大きく寄与できる可能性を持った技術であるというふうに考えております。 現在のところ、この遺伝子組換え技術につきましては、独立行政法人あるいは大学の研究機関等を中心に、遺伝子の機能の解明あるいはその組換え作物の開発ということをやっております。 我が国で現時点で開発したものといたしまして、環境の、開発過程ですからいろんな実験なりが行われております、その過程におきまして環境の安全性の審査、いろんな審査があるわけですが、環境の安全性の審査というものを確認したものとしましては二十六件、十一作物になっております。 ただし、これがすべて栽培されるということではございませんで、現時点におきましては、これら栽培、商業的に栽培されているものはないという状況でございます。かつては色変わりのカーネーション等、商業的に栽培されていたこともございます。 以上が開発の状況及び栽培の状況でございます。
○岩本荘太君 開発の状況は分かりましたし、環境に対するその負荷があるかどうか、その辺の検討されているのは分かるんですが、そこまでして開発をするというメリットですね、目的といいますか、どういうメリットを求めてその新品種は開発されているんですか。
○政府参考人(石原一郎君) 作物のいろんな特性が変わるということがございまして、現時点での遺伝子組換え作物の開発というのは、言葉は第一世代とよく言ったりもしますが、海外で開発されているもの、例えば除草剤耐性ですとかいうような作物がございます。こういうものは、生産性の向上ということで、生産コストの削減ということでのメリットを追求した農作物としてございます。我が国におきましてはなかなか、むしろそういう第一世代というのは受け入れ難いような雰囲気というんですか、国民の懸念も一方においてございます。 また、開発の過程におきましては、これもまた開発途上でございますが、花粉症を緩和するような米の開発というものを並行して開発しています。これは消費者に対してメリットがある。大豆でいえば、例えば高オレイン酸大豆といったものもあるわけですが、そういう消費者のメリットを感じさせるような作物、これは第二世代とよく言ったりもします。 そういう意味では、第一世代、第二世代といったような新たな作物、農産物を通じて国民生活を豊かにする可能性を持った技術であるというふうに考えております。
○岩本荘太君 分かります、分かるんですが、除草剤とかの代替をするとか花粉症を少なくするとか分かるんですけれども、そういうやつ、もう少し具体的にいろいろあるんでしょう。そういうメリットがないとやっぱりそういう開発されないと思うんですよね。だから、それは生産者に任せているというんなら、まあそれかもしれない。農林省としてはそこまではつかみ切れない、出てきたものをチェックするというならそれまでなんでしょうけれども、今までの開発の状況を踏まえて、どういうメリットをもってそういう遺伝子組換えの種子を作っているかと。もう少し具体的な例があったら教えてもらいたいと思います。
○政府参考人(石原一郎君) いろんな作物の中に、先ほど申しました中に、例えば病害虫の抵抗性あるいはいもち病に強い遺伝子を持った稲ですとか、それからトマトにしましても病気に強い、あるいは日もちが良いといったようなトマトの開発ですとか、それからこれは食べ物ではございませんが、カーネーションについては先ほど申しましたように色が変わっているもの、あるいはペチュニア、これも花でございますが、病気に強いといったようなものの開発、それから大豆については高オレイン酸の大豆ですとか、そういう形での開発なりをやっておるところでございます。
○岩本荘太君 今のお話伺っていますと、やっぱりどういうものを開発するかというのは民間任せになるわけですな。まあ、いいですよ、それは農林省がしっかりチェックしていただければいいんですけれども。 私は、この遺伝子組換え作物を申し上げましたのは、先ほどから出ている生物多様性条約ですか、そっちの関係もありますけれども、いわゆる自然環境に対する影響、これも大変大事だと思うんですけれども、やっぱり農林省という立場では食品としての人体に対する影響があるかないかということをですね、その辺をしっかりとチェックしなきゃいけないんじゃないかなと思うんですが、先ほど来お聞きしましたらまだ栽培、実際にあれですね、試験場以外の栽培はされていないというようなこともございましたし、今後こういうものはどんどん僕は増えてくると思うんですけれども、農林省としては今後どんなふうに増えてくると予想しているのか、それに対してどういう対応をされようと思っているのか、その辺をお願いいたします。
○政府参考人(石原一郎君) この遺伝子組換え作物につきましては、食品、いろんな安全性の審査がございます。環境の審査、それから食品につきましては厚生労働省の方で食品衛生法に基づき安全性の審査をしておるところでございます。 したがいまして、この遺伝子組換え作物につきましては、いろんな需要、国民の要望等を踏まえていろんな遺伝子組換え作物ができてくるであろうというふうに考えております。したがいまして、そういうものにつきましては安全性を、農林水産省としては環境への安全性、それから厚生労働省さんの食品としての安全性の審査等を通じて、安全でかつ国民生活を豊かにするようなものとして開発なりをしていきたいというふうに考えています。
○岩本荘太君 今の御答弁で、僕は食品に対する安全性というのは農林省がやっているとばっかり思いましたけれども、厚生労働省なわけですな。それはどこかがやってくれりゃいいんですけれども。 最後に大臣にちょっと御答弁いただけたらと思うんですけれども、こういう新しい開発を私は決して駄目だとは言っているわけじゃないんですけれども、やっぱり何が起こるか分からないわけですね。その一つの例があのBSEであったし、さらにはクローンなんかも同じように、最近ちょっとおかしな現象起こってきていますけれども、やっぱり新しいものとして開発されて、それが受け入れられれば人間社会が豊かになりますからそれはそれでいいんですけれども、その影響というのが単純に見た目だけで分からない、ずっと長い期間たたなきゃ分からないというような感じがするんです。したがって、クローンの場合もBSEの場合も、私は追跡調査といいますか、長い間ずっと監視して、それでいざ何かが起こったときにはすぐにそれが解析できるような、そんな体制で持っていってもらえないかなというような希望を持って申し上げたことあるんですけれども、そういうものも含めて、この作物の遺伝子組換えについて今後の農水省の対応といいますか、それについて大臣の御方針なり所見をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) 遺伝子組換え作物につきましては、先ほど来出ておりますとおり、食品としての安全性の問題あるいは環境の問題と、このことがやはり重要なことであるわけでありまして、それらを踏まえて十分私ども、先ほども申し上げましたが、研究機関もそのつもりで、それに、安全の問題、あるいは国民の皆さんに御説明申し上げる、あるいは理解を得る、いろいろのことを考えていかなければならないわけでありまして、そういう点を十分踏まえて慎重にその問題に対応してまいりたいと、こう思っております。
○岩本荘太君 終わります。
○中村敦夫君 種苗法改正案について公式な確認の質問をしたいと思います。 日本は農産物の品種改良において世界でもトップレベルの技術水準にあるということになっています。ところが、その改良された品種の種苗が国外に持ち出されて中国なんかで生産されて、安くそして大量に逆輸入されているということは大変な問題だと思いますね。この改正案によって、海賊版農産物を生産、販売、輸入する悪徳企業が一掃されればいいとは思いますが、問題はどうやって実効性を確保していくかということですね。そうした観点から質問したいんですが、生産局長、お願いします。 九八年の種苗法改正で、原品種の特性をわずかに改良した従属品種というジャンルですね、この種苗について育成者権の対象となることになったんですよね。今回の改正案では、これまで種苗のみが対象であった育成者権侵害における罰則規定が、今度は収穫物も対象になるということになっています。この収穫物への罰則規定というのは従属品種についても対象となるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、UPOVという国際条約で先生言われました従属品種にも原品種の権利が及ぶというふうにされているわけでございます。そして、種苗法でも同じく育成者権の効力というのは従属品種についても及ぶとされておりまして、今回の改正で収穫物段階の侵害について罰則の対象としたわけでございますので、従属品種の収穫物段階での無断利用行為に対しましても、原品種の育成者権の侵害ということで罰則の対象になるということでございます。
○中村敦夫君 最も問題になっているのは海賊版農産物の逆輸入ということですね。例えば、コシヒカリの種苗が違法な形で持ち出されて中国か何かで生産されて、それで逆輸入されるときに名前が変わって例えば毛沢東米とかいって来た場合に、名前だけではこれは分からないわけですよね。今回の改正案では収穫物にも規制が及ぶとなっていますけれども、どうやって水際でこの輸入を防ぐか、これが大きな問題で、課題だと思います。 名称などを偽装した海賊版農産物が輸入されようとしている場合に、従属品種を含めてこれを識別する方法というのは確立しているのか、水際で輸入を防ぐ方法を具体的に説明していただきたいんですが。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回、関税定率法の改正、これはもう四月一日から施行されておりますけれども、水際の取締りのまず手続でございます。その侵害されたという育成者権者から税関に対しまして、自分の権利はこういうものです、私の権利を侵害したのはこういう物品です、その識別のポイントはこうですという情報を添付して申立てがあるわけでございます。税関の方において認定手続をして、本当であれば輸入を差し止めると、こういう一連の手続を取るわけでございます。 その識別の方法でございます。やはり、従属品種を含めまして、名称のほか、まずは特性、品種登録される際に、特性がございますので、色、形、大きさ等の特性がございますので、それとの比較、外観からの識別をまず行うわけでございます。外観からの識別で不十分な場合はDNA鑑定を行うということで侵害物品を判定するというふうな仕組みを取ることとしているところでございます。 このDNAの鑑定技術、先ほど来ございます稲、イチゴ、インゲンマメ等については実用化されておりますし、ナシ、桃等の果樹、ナス、ネギ等の野菜でも技術開発が進められておりまして、今後ともその研究開発に取り組んでいくということにしているわけでございます。 それでは、先生が先ほど来言われている従属品種というのができるのかという話でございます。 従属品種といいますのは、原品種の特性の一部を変化させているわけでございまして、DNA鑑定はDNAの塩基配列を調査分析するわけでございますけれども、確かに一部変化させたその部分については区別ができないんですけれども、従属品種というのは多くの配列のうちの一部だけ変化させたものですから、その余の部分、多くの余の部分について同じ、原品種と同じ塩基配列があるということでございますので、DNA鑑定で原品種に由来するか否かの判別ができるということでございますので、確立していない部分については今後研究開発を急いでやっていきたいというふうに考えております。
○中村敦夫君 この従属品種を外観から鑑定するということはちょっと難しいですよね、水際で。ですから、出回ったとしても、そうすると今度は業者が訴えようにもDNA鑑定を業者がやらない限り分からないという非常に困難な部分があるんですけれども、その点についてはどういうふうに考えていますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもの試験研究機関等におきましてDNAの識別技術あるいはその機器がございまして、種苗管理センターでございますとか野菜茶業研究所でございますとか、そういうところにそういうものがございますので、依頼がございましたら活用をしていただければというふうに、そういう体制で臨みたいというふうに思っております。
○中村敦夫君 この育成者権というのは遺伝子組換え作物の新品種も対象となるのかという質問をしたいんですね。それから、遺伝子組換えの花卉、つまり花ですね、これも対象になるのかどうかということを質問します。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、品種とは何かということでございます。 植物の品種は、形、品質、あるいは先ほど来出ております耐病性みたいなもの、こういう重要な形質が他のものとまず区別できるということ、そして単に区別できるだけではなくて、その特性を保持しながら繁殖ができると、この二つの特質を兼ね備えた植物体の集合でございます。より具体的に申し上げますと、他の品種と明確に区分できる、まいた種から同じようなもの、均一性と言っていますけれども、同じようなものができる、何世代繰り返しても同じものができるという安定性、こういうことを満たしておれば植物の新品種ということでございます。 そういうものを作る手法として遺伝子組換えというものもございまして、遺伝子組換えによる新品種の育成ということも今のような要件を満たせば可能ということでございます。実際にも花卉におきまして遺伝子組換えの四品種が品種登録がなされまして、育成者権が与えられております。
○中村敦夫君 遺伝子組換えの品種もほかの品種と同じような過程で考え続けていくということは、ちょっと私は疑問に感じているんです。遺伝子組換え作物というのは、生物の種の壁を越えて、ほかの生物の遺伝子を導入して人為的に作り出される品種なんですよね。ここは大きな違いだと思いますよ。ですから、植物同士じゃなくて、植物に動物の遺伝子を導入するケースというものがもう既に研究されていますね。 話に聞きますが、ビタミン強化のためにレタスにネズミの遺伝子をも注入する、そういうような研究開発が行われているということなんですがね。そうしますと、それを食べて後どうなるのかということに対して全く保障なしに、これ、もう一つの新品種だからいいということで進んでいってしまっていいのかという、こういう怖さが私はあると思います。 そして、遺伝子組換え作物については、食品のそうした安全性という面と、栽培過程での周辺農業の環境、あるいは自然環境などへの影響、さらに特許と結び付いているために一部企業による農業支配というような大きな問題があるわけですね。実際問題として、昆虫の生態への影響、あるいは耐性雑草の出現など遺伝子組換え作物への害が実験の調査で明らかになってきているわけですね。 まあ今回ちょっと時間がありませんので、私は遺伝子作物には基本的に反対する立場にありますので、今後、種苗法と種苗行政の問題点をもう少し大きなスケールで議論していただきたいし、私もそうした観点から質問を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(三浦一水君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 種苗法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三浦一水君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦一水君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三浦一水君) 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案、農業災害補償法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。亀井農林水産大臣。
○国務大臣(亀井善之君) 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 将来にわたる食料の安定供給と農業の持続的発展を図るためには、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を早期に確立することが重要であります。 そのためには、地域の実情に応じて効率的かつ安定的な農業経営を広範に育成していくとともに、意欲ある農業の担い手が多様な経営展開を図ることができるようにしていく必要があります。 また、近年、遊休農地が増加傾向にあり、その解消を図ることが急務となっております。 政府といたしましては、このような課題に対応して、農業の構造改革を加速するための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、農業生産法人による多様な経営展開を可能とするための措置であります。 農業を営み又は営もうとする者の作成する農業経営改善計画について、現行の計画事項に加え、関連事業者等と連携して行う経営改善のための措置を含めることができるようにするとともに、分社化、のれん分け等農業生産法人の多様な経営展開が可能となるよう、このような計画の認定を受けた認定農業者である農業生産法人については、農地法に定める構成員要件について特例措置を講ずることとしております。 第二に、集落営農組織を担い手として育成するための措置であります。 地域の農地を面としてまとまって利用し、経営主体としての実体を有する集落営農組織について、地域における農地の利用集積を図るための準則である農用地利用規程に担い手として定めることができるようにし、その育成を図ることとしております。 第三に、遊休農地の解消及び利用集積を促進するための措置であります。 地域農業の振興を図る上で著しく支障があると認められる遊休農地について、その所有者等に農業上の利用に関する計画を届けさせることとし、その計画内容に応じて認定農業者への集積等その利用増進を図るための措置を講ずることとしております。 続きまして、農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農業災害補償制度につきましては、昭和二十二年の制度創設以来、半世紀以上にわたり、災害によって農業者が被る損失を補てんすることにより、農業経営の安定に大きく貢献してまいりました。 しかしながら、我が国農業をめぐる情勢が大きく変化している中で、意欲ある農業の担い手が創意工夫を生かした農業経営を展開するための条件を整備し、農業の構造改革を推進するためには、担い手となる農業者の経営感覚の醸成に資する等の観点から農業災害補償制度を見直していくことが必要であります。 このような課題に対応して、農業者の経営実態に応じた補償の選択、農業生産の実態に即した合理的な補償及び農業共済団体の運営の合理化に資するため、この法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、農業経営の実態に応じた補償の選択に資するための措置であります。 農作物共済、果樹共済及び畑作物共済の引受方式につきましては、現行では、農林水産大臣による地域指定又は農業共済組合等による選択等により、地域ごとに単一の方式とするのが原則とされておりますが、農林水産大臣による地域指定を廃止し、農業共済組合等が複数の引受方式を共済規程等で定めることができることとしております。また、乳牛の子牛及び胎児を家畜共済の共済目的に追加するとともに、果樹共済に樹園地単位方式を、畑作物共済に一筆単位方式を導入する等の措置を講ずることとしております。 第二に、農業生産の実態に即した合理的な補償に資するための措置であります。 農作物共済の災害収入共済方式に品種、栽培方法等による区分を導入するとともに、家畜共済の死亡又は廃用に係る共済金に支払限度を設けることとしております。 第三に、農業共済団体の運営の合理化に資するための措置であります。 農業共済団体の選挙権に係る規定を整備するとともに、農業共済団体の自治法規として共済規程又は保険規程を導入するほか、書面で行うこととされている共済細目書の提出を電磁的方法によることができることとしております。 以上が、これら二法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(三浦一水君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十七分散会