内閣委員会 第20号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2003/07/17
会議録
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 少子化社会対策基本法案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官石川正君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 少子化社会対策基本法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございますが、二日越しの、間一日置いての質問になりますが、五十分質問さしていただきます。 先回は、社会保障・人口問題研究所の阿藤所長に研究者としての認識を伺ったわけでございます。 少し記憶を呼び覚ましていただくために、要点だけ私の方から、雑でございますけれども、御紹介さしていただきますと、少子化の要因というのは、女性の社会進出が進んできた、女性の就業率が上がることによってなかなか仕事と育児との両立が円滑にいかなくなったという、そういうライフスタイルがあることと、もう一つは、女性の働く働かないにかかわらず、人口というのは社会の発展段階によってどこかで出生転換が起こるわけでございますけれども、自営業等々の社会におきましては子供の数といいますのが生産力になる、生産財としての効用を持っていた。そうした出生という意味が、今度は、子供は愛情の対象、消費財という効用になってくることで、必然的に起こってくるものでございますけれども、その子供を生み、育てることの経済的な費用あるいは心理的な問題、家族形態が拡大家族から小家族になることによって育児のノウハウがなかなか伝わらないことに伴う、そういう心理的な問題があるというようなお話があったわけでございます。 そして、出生率、人口学という純粋なそういう研究的な立場から考えれば、家族の形態が非常に多様化してきている中で、一番諸外国の例から見て関係が深いと思うのは、事実婚に対する社会的な容認度が高いと、こういう国については出生力との相関性が非常に高いことははっきりしているという、そんなお話があったわけでございます。 それで、重ねて、私としては、日本の民法改正、十年来、法務省の方から出されております改正要綱によりますと、民法改正の中の三つのポイント、これは今私が御紹介するわけでございますけれども、選択的な夫婦の別姓。 それから、破綻主義。有責主義から破綻主義へという、その離婚原因についての、どちらに責任があるかよりも、むしろ破綻してしまった家族については婚姻の解消を認めると、その点。 それから、三点目が非摘出子。摘出と言っていますと何か引っ張り出すみたいでございますので、非嫡出子の方がいいでしょうか。非嫡出子に対する法律上の、特に相続の問題、そうした差別の問題。法律上はそうした相続法上の問題だけでございますけれども、そういうものがこれまでの日本の過去の家族から考えますと、非嫡出子に対する様々な社会的な偏見、差別を生むという、そういうことが法務省の方から提案されておりますけれども、なかなかそこが進まない。実態の家族の変化は多様化しているけれども、法律制度は法律婚主義という、そういうモデルが強いために、なかなか制度が実態の変化に追い付かないというようなことを私としては問題意識として持っているわけでございます。 ただし、その点については、研究者の方でいらっしゃいましたので、それが人口との相関ということについてはお触れにならなかったというのが前回十分間費やした質問でございました。 さてそこで、本日は、衆議院、提案者の方々、様々御苦労され、そして参議院でも審議が進んでおりますこの法案についての、この法案本体の話に入らしていただきたいと思います。 まず、鴻池大臣の発言について。 長崎の四歳児の、子供が、十二歳のまた子供によって殺害されたと。あの事件、大変痛ましい、心痛める事件でございますが、その問題について鴻池発言、鴻池大臣の発言がメディアの中では大きく取り上げられ、様々社会の中でも、その発言は行き過ぎがあるのではないかというような、そういう批判があったわけでございますが、この法案第二条の中で、父母等が子育ての第一義的責任を有すると書いてございます。もちろん、これは当然のこととは思いますけれども、この少子化対策議連の会長として法案の取りまとめに御苦労された中山会長から、鴻池大臣の発言についての御認識を伺いたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) ただいまの委員のお尋ねでございますが、鴻池大臣の御発言については、私自身も相当驚きました。これは、率直に申し上げまして、現在、社会通念上ちょっと考えにくい発言であったと私は認識しております。 しかし、その裏を返せば、こういう子供たちが現社会に生きて、そして幼い子供を殺すということについて、子供の教育は一体どうしているんだということは一つあったと思います。その子供の教育をやるのはだれがするんだと、それは家庭教育であり学校教育だと、そこに対する不満が爆発したんだろうと、私はそのように認識しておりますが、もう少し穏やかな、私のような言葉で言っていただければよかったと考えております。
○川橋幸子君 このところ、世界のといいますか、国際会議の中で家族の問題が取り上げられることが非常に多くなったと私は思っております。家族の問題というのは、かつては各国の国内法制に従うといいますか、文化、伝統、慣習に従うと。法律はむしろ家族には入らずという、そういう流れがあったわけでございますけれども、女子差別撤廃条約ですとか、あるいは児童の権利条約、子どもの権利条約とか、などなど、様々な個人の人権というものが世界の中でも大きく取り上げられてきておりまして、今でも一夫多妻といいますか、そういう結婚が認められている国もあるといえばありますけれども、やはり家族についても、各国の文化に従いながらもその中にユニバーサルなもの、普遍的なものを求めてくると。特に、子供の問題については先進国の中では共通の課題でございまして、子供にとっての最善の利益を考えていこうと、こういうことで家族についても普遍性を求めると、こういう流れになっているかと思います。 第一義的な責任は、もう当然親自身、子供に対しては非常に愛情を持つわけでございますからあって当然でございますけれども、家族が核家族になって家族の機能が弱くなっている中に、家族の責任だけを追い求めてはむしろ家族を孤立させてしまう、その危険が言われまして、むしろ次世代を育てるという点から、子供の育成につきまして社会、それから政府、それから政府に限らず企業でありますとか地域でありますとか様々な中間団体があるわけでございますけれども、そうしたものが一体となって子供の、次世代の健全育成について義務を有するんだと、このようになってきたのではないかと思います。 そこで、ちょっと今日は資料が多くて恐縮でございますけれども、一番目のものは後で説明さしていただくといたしまして、二枚目を開けていただきますと、少子化対策、今回の基本法のフレームワーク、枠組みが書いてございまして、そのフレームワークの下に、せんだって成立いたしました次世代育成支援対策推進法との関係が書かれている紙がございます。このペーパーは、実は厚生労働とこの内閣委員会との連合審査のときに朝日委員が提出、提出といいますか、書かれたのは厚生労働省だそうでございますけれども、示されたものでございます。 もう一枚めくっていただきますと、これはその際には提出されなかったものですが、厚生労働省の方ではこのようにその概念を考えられているという一つの簡単な図式がございます。これを今日、厚生労働省の方から私が出してもらったものでございます。 どういうペーパーかといいますと、次世代育成対策と少子化対策と少子化社会対策との関係が書いてあると、事務方はこのような概念でとらえているという、そういうものでございます。 一番コアになって施策の中で反映されてくるのが次世代育成支援対策でございますが、子育て支援対策のほかに、私がちょっと厚生省にお聞きしたせいかどうか分かりませんが、厚生労働省の方は子育てプラス子育ち支援対策と。何か子育ち支援対策、私にとっては耳新しい言葉でございますが、やはり子供の利益を考えるという意味の子育ち支援対策がコアになって、これが施策となると。 その上に来る概念としては、この間、厚生労働大臣も、坂口大臣も言っておられましたけれども、次世代育成対策よりもどうも少子化対策の方は概念が広いんだということをおっしゃっておられまして、少子化対策という物の考え方は少子化の流れを変えるための措置と。産みたいのに望ましい子供が産めないという状況を社会の方がサポートしようと。そういう、産めよ増やせよではなくて、産みたいけれども、産み育てたいけれども、そこがネックになっている核家族等々に対するサポートが少子化対策という、そういう物の考え方であるということが中間の四角に書いてあるわけです。 一番大きなところが少子化社会対策と書いてございまして、その中で、厚生労働省の範疇のことだけが書いてあるのかも分かりませんけれども、労働力不足、この問題はデメリットとして、少子化対策のデメリットとして挙げられる大きな点でございますが、それを補うための措置だけが書かれているわけでございます。 そこで、どうも次世代育成対策基本法があればもう少子化社会対策基本法は要らないのではないかとか、余りにダブり過ぎるのではないかとか、基本法と個別法の関係がはっきりしないのではないかという、そういう疑問が絶えずこの委員会で出たように私は思っておりますので、厚生労働省が作成された、事務方が作成されたこうした概念図というものを提案者の方はどんなふうにごらんになりますでしょうか、お伺いします。
○衆議院議員(荒井広幸君) 先生が先ほど解説されたそのような趣旨でございますけれども、この厚生労働省が作りました図につきましては非常によくできているなというふうに私自身は感じておりますけれども、基本的なことでございますのでお答えさせていただきますと、少子化社会対策というのは、出生率が低下して子供の数が減少しつつある社会においてどのようなことを講じたらいいかということを総合的に施策をするべしと、こういうふうに考えている内容でございまして、少子化対策は、このうち急速な少子化の進展に、先生がおっしゃるように環境を整備して、結果、歯止めを掛けていこうと、こういう施策を指すものと理解しておりますので、先生の御指摘、そのとおりだと思います。 そして、先ほどの、閣法でございますけれども、次世代法。これは、いわゆる御審議いただいています今の少子化社会対策基本法の中で、子供を産み育てやすい環境を整備するために推進する施策を講じなければならないと、こういうふうにしているわけです。その具体的なものが基本的に次世代育成法を指すものでありまして、厚生労働大臣もそのように御答弁をされているわけでございます。 そして、それじゃ少子化社会対策と少子化対策というのはどう違うのかという、先ほどの御趣旨にもあったかと思いますが、一言で言いますと、法案の第二条第四項におきまして、社会、経済、教育、文化その他あらゆる分野における施策が少子化の状況に配慮して講ぜられるというふうに規定をしております。ここが少子化対策以外の少子化社会対策に当てはまるというふうなことで考えておりますが、例示として労働力不足を担うために講ずるというふうにこの厚労省の方は書いてありますが、これは一つの例示として書いてあるんだと思いますので、その書いた意味は、ここにそれだけ書いたということについては厚労省の方にお聞きいただきたいというふうに思いますけれども。 今おっしゃった先生の趣旨のように、本委員会でも御議論していただいておりますように、少子化社会対策というのは、子育ちの概念もたくさんありますし、すべての子供たちが健やかに育つというようなこともございますし、非常に幅広いものを持っている内容であるというふうに考えております。
○川橋幸子君 そうなんですね。今、荒井先生、提案者の方から御説明のように、この少子化対策基本法というのは、「目的」の中に「少子化社会において講ぜられる施策の基本理念を明らかにする」と、非常に幅広い少子化社会に対する施策、基本的にはどのようなものを講じなければいけないかという理念を明らかにすると書いてあるわけでございますが、しかし、「施策の基本理念」のところに入りますと、先ほど御説明のように、一項、二項、三項ともが少子化に対するための施策となっておりまして、「目的」に書いてあるよりも施策の方が狭い、掲げてあることは狭いわけですね、「少子化に対処するための施策」ということで。 最後、四項めに、「社会、経済、教育、文化その他あらゆる分野における施策は、少子化の状況に配慮して、」云々と、こうなるわけでございますけれども、この項につきましてはこれからということなのかも分かりませんけれども、せっかくこうした少子化社会対策基本法を出される以上、何かイメージとしてはお持ちではないかと思うのでございますけれども、どのようなことを考えておられますでしょうか。
○衆議院議員(荒井広幸君) イメージということになりますけれども、改めて基本法の性格をお問いいただいているというふうに思います。 まず基本法として考えるところは、七、八割方のところは御指摘のように、少子化に対してどうするかというところがおっしゃるとおり七、八割方になっておりますが、残りの二割というところが非常に重要なところだというふうに思います。 それは、先ほどからありますように子供が健やかに育つという環境もありますし、先生冒頭でいろいろと御指摘されましたように分け隔てなく子供が育っていく環境をどう作るか、そういったことを含めて、国民の皆様方とともに少子化社会あるいは少子化対策というものをみんなで共有する問題として考えていきましょう、そういう意味での基本的な考え方をうたっているということは基本法として非常に重要なものであると。 同時に、少子化社会対策会議というものを設置いたしまして、今までばらばらにやられていたもの、そういったものについて統合していく。 そして、白書を出します。委員会では御指摘まだございませんけれども、年次報告、言ってみればこれは少子化社会対策会議で出す少子化社会対策白書とでも申しましょうか、年次報告が出される。それによって、様々な個別な施策も含めて、理念、哲学にのっとったいろいろなものが進んでいるかどうかということを毎年、国会の先生方とともに政府、あるいは自ら国会がどのようにしていくかということを常にチェックしながら前進させていくという意味において、非常に私どもは重要であるというふうに考えている次第でございます。 先生の方のイメージというふうなことでございましたけれども、例えば次世代の方では国の責務という、国の役割、自らは書いてないわけでございます。こちらに書いてあるものということで申し上げますと、みんなが協力する。 ちょっと私見でもございますけれども、生み、育てる、あるいは結婚するということは個人の、あるいは男女の決定ではございますけれども、その方々も産みたいという方について御協力しようというような気持ちは当然おありになるんだと思います。みんなでそういう協力をしていくというところに、もしかしたら、少子化社会対策のみならず、だれもが自分を自己発揮でき、みんなが生活に充実をしていく、そうした社会というのが見えてくるんだろうというふうにも思いますし、そういったものの理念というようなこともこの基本法ではうたっているというふうに私は理解をしているところでございます。
○川橋幸子君 私はもうちょっとこの四項め、こうした法案を御用意されるなら、少しくこの少子化社会に対する施策、今、白書ということが初めて伺われましたので、大変結構なことだと思いますが、絶えず分析し、国民の意識を問い、それから国民に投げ掛けながら、双方向でもってこれからの社会というものを考えていくべきだと。そこは賛成でございますけれども、どうもこの四項が余りにも小さ過ぎるために、女性の間では非常に大きな不安を呼んだ。やはり産めよ増やせよ法案だったんじゃないか、あるいは産まない女性あるいは産みたくても産めない女性、それから、例えば離婚というのもこのごろ社会の許容度は高くなりましたし、本人も自分自身あるいは子供の幸せを考えるなら離婚ということを選ぶにしても、母子家庭の八割方は大変経済的に困窮すると。しかし、また国の財政難の中から児童扶養手当の支給というものが窮屈になってきていると。こんな時代なわけです。 そうした時代認識を、時代認識とちょっと大げさかも分かりませんが、社会状況の認識を踏まえた上で、この法律の少子化社会対策というものが考えられていかなければいけない。これから、そうした夢もあるかも分かりませんけれども厳しさのあることもしっかり見据えた上で、その問題点を指摘されて大綱を、次の大綱をいつ作るんですかなんというのは、法律も成立しない前に言うには余りに先のことかも分かりませんけれども、これはぱっとやってぱっとやめるというような法律ではなくて、本腰を入れるべき法律であるということを提案者の方々には特に御要望申し上げたいと思いますし、受皿になる政府にも要望したいと思いますし、それから我々委員全体も考えなければいけないことではないかと思っているところでございます。 さて、今回、参考人の、参議院における参考人の質疑の中で、八木先生とおっしゃる方の御意見がどうも提案者の方の御意見ともかなり違う、非常にユニークな持論を展開されたと、この委員会のかなりの者が思っているのではないかと思います。答弁席の方々もお聞きになられたか、あるいは政府側もお聞きになられたかということでございますが、まず八木先生は、この法案は結構なことなんだけれども、中を見るとまるで男女共同参画第二基本法であるぞよという、そういう御指摘だったのでございます。 そして、その先生自身、その方の価値観をとやかく申し上げることではないのでございますけれども、男女共同参画社会基本法というのはマルキストが主張する女性も働くべしという、そういう価値観と、フェミニストの価値観、女性も権利を主張するという、それが一緒になってマルフェキス、ちょっと言葉は忘れましたけれども、何と、(「フェミマルキスト」と呼ぶ者あり)フェミマルキストの思想であるということを展開されたわけでございます。 しかし、事実を見れば、女性の就業率が上がったのは社会主義国、もうソ連は、ソ連邦はなくなりましたけれども、社会主義国だけではなくて、むしろ先進国、先進工業国の中であってこそ産業構造の変化、経済の発展に応じてむしろ女性の就業が必要とされてきて、需要の側が大きかったからこそ女性の側も、供給の側もそれに呼応して就業率が上がってきたと、そういうことがあったのではないかと私は思うわけでございます。 それで、まず少子化社会対策と男女共同参画社会の形成との関係について分かりやすくお示しいただきたいと思います。 お手元に、一応内閣府の男女共同参画局の方からちょうだいいたしました男女共同参画基本計画、もう既にこの法律ができましてから十一の基本的な施策とそれに伴う具体的な施策が並べられたものであるわけでございます。少子化対策基本法の中でも、「男女共同参画社会の形成とあいまって、」と、両々相まってということでこの基本法が提案されているわけでございますが、果たしてこの法律は男女共同参画社会第二基本法なのでしょうか。そこの、この二つの法案の関係について、事務方からで結構で──これはあれでしょうか。そうですね、提案者の方からやっぱり、後法、後で作った法律の提案者の意図としてこれ、男女参画基本法との関係についてお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(肥田美代子君) 法案第二条の「男女共同参画社会の形成とあいまって、」というところの御質問でございますけれども、川橋委員ももう既に御存じでございますけれども、男女共同参画社会基本法が、男女の人権が尊重され、活力ある社会を実現するため、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的としております。 少子社会対策基本法案は、これ、私は少し視点は違うと思うんですけれども、やはりこの二つの基本法は車の両輪であると思っております。どちらが欠けてもこれは社会づくりに大変欠陥が出る法律であると。ですから、私はより豊かな男女の関係づくり、それから補完し合う関係にこの法律があると信じております。 既にこれまで審議の中で度々出てきましたのは、男は仕事、女は家庭という、そういう役割分業意識が結婚とか出産とか妊娠とか、そういうことに制約しているという、そういう御意見がいろいろ出てまいっております。ですから、本法案の趣旨は、男女がともに家庭内で責任を果たす、そしてその喜びを分かち合える、そういう環境を整えるという、また仕事と子育てが両立できる社会を作りたいというところにございます。 ですから、男女共同参画社会の実現は、少子社会のありようを考える上でとても大切なことでありますから、少子化社会に対処する政策は男女共同参画社会の形成と正に同時進行で推進されなければいけないと私は思っております。
○川橋幸子君 同時進行でという御意思は私もそのとおりだと思っております。 この十一の基本的施策の中に含まれる具体的施策という項目と照らし合わせてみまして、今回の少子化社会対策基本法との関係を見てみると、この施策が男女共同参画社会の形成にも役立ち、それから少子化社会対策社会、少子化対策、少子化社会に対応する対策にも役立つ施策というのは、一ページ目の五番目ですか、男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援、この部分がぴったり今回の少子化社会、少子化対策に該当するということになりますのと、それとかなりの部分重複すると思われますのが二ページ目にある八、生涯を通じた女性の健康支援、リプロダクティブヘルス・ライツという、この部分になるわけでございますね。 ですので、私は、第二基本法ということではなくて、これこそ、この少子化対策という狭い意味の少子化対策の中の両立支援なりリプロヘルス・ライツなりの施策というのが正に一石二鳥で、少子化社会、これからの社会の在り方にも対応し、男女がともに尊重し合いながらともに社会を担っていくという男女共同参画社会にも寄与すると、一石二鳥の関係にあるのではないかと、なると、そのように私も受け止めてこの法律にはまあ賛意を表しているわけでございます。 ただし、どうもいつも、先ほどの八木参考人の答えにとらわれるようでございますが、女性の就業率の増加が出生率を低下させる、まあこれは人口研の所長も、それは因果関係があるから未婚化が進んだり晩婚化が進んだりするんですよということになるわけでございますが、それと、加えまして、「生み、育てる」、そこの衆議院段階での修正の部分について「生み、」が入ったことは、産んだ者は育てなくてもよいと、まあこれちょっと極論でございますが、「育てる」は育児の社会化を意味しているというように御理解されたようでございます。私どもの修正案の段階の理解は、育てる方は男性も責任があるんじゃないかと、父親は産ませっ放しじゃないんだよと。育児をしない男はパパと呼ばないというかつてのポスターがございましたけれども、男女が、両親がともに子供の生育には責任を持つんだよと、そういうことを、趣旨から「、」が入ったと思っているわけでございますが、参考人の方は育児の社会化、つまり、育てるのは社会の責任として育児の社会化を進め、育児の社会化というのは保育行政となると育児の質が劣化すると、これはたしかこういう、このとおりの言葉でお話しになられたと思っております。 そこで、事務的なことでございますので岩田局長の方にお伺いいたしますけれども、女性の就業率は出生率を低下させるんだろうかと、諸外国の例はどうなんだろうかと、またその質を劣化させて少年非行を増加させるというようなそうした話になるんだろうかということをごく客観的に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、北欧諸国の例でお話をさせていただきたいと思いますが、一九七〇年代には確かに女性の就業率が上昇いたしまして、それが原因ではないかと言われているんですが、出生率の低下がございました。その後、一九八〇年代に入りまして、育児休業制度の拡充ですとか保育サービスの充実といったような対策面での対応がなされまして、その後、高い就業率を維持しつつ比較的先進国としては高い出生率を回復しておりました。 スウェーデンの例でまいりますと、九〇年代に入りまして再び出生率が低下したわけですが、これは、一つには若年雇用が非常に不安定になりまして若年の失業問題が出てきたということですとか、財政事情があったのかと思いますが、育児や保育についての給付サービスについての水準の切下げなどがございまして、これが出生率の低下に結び付いたというような指摘もございます。二〇〇〇年代に入りまして再びスウェーデンは出生率が回復基調になっておりますけれども、それは、一九九八年以降再び育児休業給付などの拡充を政府が図ったということとも関係があるんではないかといったような指摘がなされております。 以上、北欧諸国、スウェーデンを中心とした北欧諸国の例でございますが、それに限りませんで、欧米の先進諸国を見ますと、統計的には子育て期の女性の就業率が高いということと子供の出生率の高さとは正の関係、就業率が高いほど出生率も高いといったようなことになっております。 で、日本については、統計的な制約がございますけれども、子供を産んだ方について、一歳以上の子供がいる夫婦について、妻の就業経歴と産んだ子供の数との関係を見た最近の調査結果があるんですが、それによりますと、女性の就業形態、就業の継続型、あるいはお子さんを産むときにはいったん仕事を辞めるけれども再就職する再就業型、また専業主婦型、この三つに分けて見ますと、お子さんを産んだという女性についてだけの比較ではありますけれども、この三者の子供の数には違いが見られなかったということもございます。 もう一つの女性の就業と子供の、子育ての質の問題でございますが、子育ての質をどういう統計で見るかということはなかなか難しいことがございますけれども、最も極端なケースで、刑法犯の少年の例えば検挙をされている人数ですとか少年人口に対する比率などを見ますと、例えば二十年ほどさかのぼって見ますと非常に大きな波を描いております。増加をしたり減ったりして、また近年それは増勢にあるというふうに思っております。一方、我が国の女性の労働力率全体では高まっているんですけれども、これは未婚の方、晩婚化といいましょうか、晩婚化の影響ですとか、あるいは子育てが一段落した方の再就職、その辺りの労働力率が高まっているということでございまして、子育て期の女性の就業率は我が国の場合にはこの二十年間ほとんど変化をしてございません。一方では、先ほど申し上げましたような子供の非行については大変大きな波があるということで、どうも直接的な関係はないんではないかというふうに私は思っております。
○川橋幸子君 そうなんですね。子供を産むというのは本当に経済的なコストの掛かることでございまして、それを両親が賄うということは、むしろ共働きこそが育児費用が払えて子供が産めると、そういう部分がある。 そういう中で若年雇用、若年失業が増えてくる場合にはちょっと産み延ばししようよと出てくるのはもう非常に端的な例でございますし、それから、別に共働きとは限らず、デフレ不況下になれば自分の生涯設計がはっきりできないということで子供を産み延ばすという、そういう状況がある中で、社会がどれだけサポートできるかと。その第一義的な親の責任のほかに、第二義的な社会のサポート体制というのが実はこの少子化社会では非常に大きな影響要因になるということだと思いますし、それから正に女性の就業率、データで見れば女性の就業率もじりじりじりじり上がってきているわけでございます。今のこのリストラの中ではむしろ女性のパートに対する求人が多いぐらいな状況でございまして、日本の女性の場合のそうした就業率が右肩上がりのものと少年非行の問題というのはもうまるで相関を描くものではない、これははっきりしているわけでございますね。 私も昔、こうした問題を、なかなか統計的にはとらえるのは難しいけれども、法務省の関係の方々あるいは家族社会学の関係の方々のお話を聞きながら、まあケーススタディー的なものをまとめさせてもらったことがございます。そのときの結論では、やはり過干渉、余りにも干渉し過ぎるか、それから余りにも放任し過ぎるか、そうしたバランスの欠如というのが子供の育成にとって非常に大きな影響を持つと、こんな研究者の方、実際の子供の問題を扱う方々の話の中から出てきたことをよく知っていることでございまして、最近に至りましては、児童虐待等々あればむしろ問題児は──問題親は子供から切り離した方がいいという、そういうことになっているかと思います。 さて、そこで、今まで述べましたことは俗論に対してどれだけ誠実に事実を見詰めながらこの少子化社会に対応していくかという、そういう態度が私は重要であることを強調させていただいたということでございますが、少しテクニカルな問題に入らせていただきます。 この基本法によりますと、少子化社会対策会議の関係大臣、これは、このフローチャートによりますと内閣総理大臣及び関係大臣で構成すると、こうなっておりますが、今までも少子化対策推進関係閣僚会議というものがあったわけでございますね。十三大臣だと思います。今度設けられるこの閣僚会議というのは今までの閣僚会議とメンバーが同じなのでしょうか。 それから、もう一点伺いたいのは、産むというのは徹底的に女性、もう男性と女性の違いというのは子供を産むことができるか産むことができないかの差が非常に大きいわけでございますけれども、少子化対策を推進するというときに、民間の有識者といいますか女性が、大臣の中にも数人いらっしゃることはいらっしゃいますけれども、有識者が入れない、女性の声が入らないというのは一体いかがなものかというのが私の非常に素朴な疑問でございますが。 まず前段の方の、従来の閣僚会議との関係につきましては米田副大臣にお尋ねし、何で閣僚会議でもってやるんだと、やっぱり国が、大臣が会議を開いて産めよ増やせよの掛け声になるのではないかという、こういう女性の側の危惧を考えると、民間の意見を聞かないのはなぜなのかという、こちらの方は提案者の方に、それぞれお伺いしたいと思います。
○副大臣(米田建三君) お答えをいたします。 従前の少子化対策の推進関係閣僚会議の構成員でありますが、御案内かと思いますが、閣議了解の形で限定列挙をされているわけであります。 さて、少子化社会対策会議の委員でございますが、基本法案の第十九条において、内閣官房長官それから関係行政機関の長及び内閣府設置法の特命担当大臣のうちから、会長である内閣総理大臣が任命するということになっております。 少子化社会対策は、少子化に対処するのみならず、その少子化の背景である社会、経済、教育、文化等々、あらゆる分野の施策が必要になるんだろうというふうに思います。したがいまして、私から申し上げるのもなんですが、同会議の所掌事務を適切に遂行するという観点から総理は必要とされる関係大臣を任命されるものというふうに考えております。
○衆議院議員(肥田美代子君) 川橋委員の御質問の御趣旨、私は本当によく理解できます。 ただ、今回の法案、本法案におきます少子化対策会議は、内閣が一体となって取り組むという趣旨から閣僚で構成されております。私は次の組閣のときにはなるべく多くの女性の大臣がまた出てきてくださればいいなという願いはございますけれども、おっしゃいますように、やはり少子化問題は男女共同参画社会の実現と車の両輪又は同時進行となるべきものでありますので、施策の大綱を定める場合におきましては、民間有識者、とりわけ私は女性の民間有識者の意見を聞く場を設けてくださることを強く期待をいたしております。
○川橋幸子君 提案者が期待と言われると私少しがくっとくるのですけれども、このようなことで枠組みを作ってやりますという決意を示していただきたいというのが私の気持ちでございますので、どうぞ提案者の方々、その後実現がうまくまいりますように御努力願いたいと思います。 残りの時間が少なくなりましたので、少し、もう質問ではなくて意見という形で、飛ばしていただいて、最後に不妊治療の話に入りたいと思います。 今の各種会議の関係がはっきりしないという点でもう一つ申し上げさせていただきたいのは、次世代法では計画策定にかかわる七主務大臣というのが明記されているわけですね。 それから、これまではエンゼルプランを策定する場合に、これは省庁再編の前の省庁名でございますけれども、六省庁大臣の合意というのがあるわけでございます。このエンゼルプランがどうなるのか、次世代育成のときには吸収されるのか、これらの閣僚はどのようにかかわっていかれるのか、その辺の道筋がさっぱり付けられないで、後先になって施策の流れが作られようとしていることに対して私は疑問を感じることを、もう質問ではなくて、時間がありませんので恐縮ですが、そのように申し上げさせていただきまして、善処方をお願いしたいと思います。 善処方をお願いしますというところの一言だけ、善処をお願いできるのでしょうか。確認的に、イエスという御答弁ちょうだいしたいと思いますが、中山会長、米田副大臣、お二人並んでいらっしゃいますが、いかがでございましょうか。この辺の道筋をすっきりさせていただきたいということですが。
○衆議院議員(荒井広幸君) 先生の御指摘、もっともでございます。 同時に、国会で御審議をいただき、また議連でも提出した法律でございます。内閣において、特に総理においてはそうした関係する大臣をきちんと入れていただくことはもとよりでございますし、同時に、それぞれの各法において実効性をあらしめるようにするというねらいもありますので、各役所とも、女性の意見を十分に、審議会やら様々な場面を通じてそれらの御意見を、皆さんの御意見をいただくとともに、また、大綱を作る際においては十分にそこに配慮をして、様々な公聴会なども含めてのいろいろな作り方あると思います。きちんと、御指摘のようなところを内閣において、少子化社会対策会議においてやっていただきたいと、このように望むものでございます。
○川橋幸子君 政府側から一言、いかがでしょうか。
○副大臣(米田建三君) 先ほどのでも答弁申し上げましたが、私は、この少子化社会対策というものは、この政策は本当にもうすべての分野の政策を総動員して当たらなければならないものだろうというふうに思います。 そういう観点からも、ただいま荒井先生からもお話がございましたとおり、これまでの従前の施策あるいは関係各機関、これらの言わば整合性をしっかり図りながら進めてまいらねばならないと、そのように考えております。
○川橋幸子君 整合性ある体制を取るというその約束でこの質問、通告質問、集約させていただいて、時間が本当にございませんので、最後に一言、不妊治療のことについて質問したいと思います。 その前に、今日提出しました一枚目の資料でございますが、もう言葉で読み上げて説明する時間がございませんので、女性たちが何を心配しているか、「女性展望」の七月号に芦野由利子さんという方が書かれたものがございます。 先生方のところにも、もちろん私どものところにも、たくさんの女性の団体あるいは個人の方々からの懸念、不安が表明されて、これがこの七月号の短い論文の中に集約されております。是非お読みいただきたいと思います。 一番上の左から三行目、少子化法案に問題ありとするそれらの声は、主に次のようにされるということで、一点から、次の行にかけて五点がございます。これらはクリアされたと、附帯決議によってクリアされたというふうにこの委員会審議の中では整理されているかと思いますが、なお今後とも御留意賜りたいということを要望いたしまして、最後に、不妊治療を質問させていただきます。 この基本法の中には、基本法にはふさわしくないという女性たちの声で、不妊治療が突出して記述されているのではないかというふうに書かれております。 この不妊治療には、人工授精、体外受精、代理出産が含まれるのでしょうか。代理出産については政府の中では原則禁止という方向が出ているようでございますが、この不妊治療に人工授精、体外受精が含まれるのかどうか、この点、専門家の五島先生に伺いたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 不妊治療という問題につきまして、それの継続線上である生殖補助医療の中に大きな意味において含まれるものであろうと思っておりますが、代理懐胎の問題については、川橋議員御指摘のように、こうしたものについては、我が国において、問題が非常にあるという認識であるというように考えております。 一言申し上げさせていただきますと、今日、我が国の少子化の一番大きな理由は、結婚年齢が遅れていく、それから独身者が増えてきている。そうした中において、三十代の出産がやや増えているけれども、二十代の出産が大幅に減ってきている。これは一つの時代の流れであろうと思います。そうして、晩婚化の流れの中において、子供を持ちたいというカップルが増えてきている。そうした方々に対してどのような形で正常な妊娠、出産が可能なのか。これは、不妊原因の検討が必要でございますし、また、今、非常に体力が若返っている時代の中において、三十代におけるカップルの妊娠というものをどういうふうに医学的に可能ならしめるかという立場からの研究というのがこれから急がれるんだろうと思います。そういう意味では、生殖補助医療の問題だけが私は不妊治療であるとは考えておりません。
○川橋幸子君 もう時間がなくなりましたので、私の意見ということでまとめたいと思います。 不妊治療については、非常に経済的にはもちろん費用の掛かるものでございますけれども、心理的にも非常に大きな問題をはらむものでございます。特に、産みたいという親の願いだけではなくて、後の生まれてきた子供と親との親子関係の特定において子供が不利益を被ってはならないと、そこの部分があるわけでございまして、医療の技術だけではなく、人間の倫理観なりあるいは社会学なり哲学なり、様々な分野からこれは検討すべきものでございまして、この部分については十分な研究を重ねた上での施策であるということを要望して、私の質問を終わりたいと思いますが、この点については、中山会長、一言お返事いただけますでしょうか。
○衆議院議員(中山太郎君) 子供が欲しくても身体上の理由で受胎しにくいといったような御婦人もたくさんいらっしゃいます。また、御相談に来られる女性の方もたくさんいらっしゃいます。そういった方にできるだけの相談に乗ってさしあげられるような仕組みを社会に作っていくと。決して強制的にそれをやるという問題ではございませんで、あくまでも御婦人方の自発的な御意思に対応してやっていくべきではないかと、このように思っております。
○川橋幸子君 もう終わって同僚の時間の方に行かなければいけないのでございますけれども、御婦人だけではないのです……(「時間が」と呼ぶ者あり)同じ会派の中でございます。 男性の不妊治療もこの中では指摘されたことでございますし、この問題については非常に、先ほど申し上げましたように、倫理的なもの、法律的なもの、それから医学の問題とのすり合わせがある大きな問題であることを御指摘させていただきまして、私の質問、岡崎さんに失礼しましたけれども、終わらせていただきます。
○衆議院議員(中山太郎君) 御婦人のと申し上げました、もちろん男性もやはり問題を抱えている、これは産婦人科学会の専門誌でも報告されております。そういったことで、御夫婦でこの不妊がどこに原因があるかということをお調べいただくようなこともコスト的にも十分配慮できるような社会を作っていくべきだと思います。
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いします。 少子化社会対策には二つの要素があろうかと思います。一つは、人口減少ということを前提として、新しい社会構造あるいは移行期の社会構造への対応。もう一つは、子供を産みたいと思っている個人やカップルに対して、その希望が実現しやすい環境づくりだというふうに思います。 法案の背景にはやはり少子化傾向を抑えたいと思う問題意識があるのは間違いないことだと思います。すべての子供が幸せに育つ社会、そうした社会を作ることのための取組がなければならないと思っております。 しかし、生まれてきた子供たち一人一人が幸せに育つためには、これはなかなか容易なことではないと。この問題、一つ一ついろんな方の話を伺ってそのように思いまして、永遠のテーマだというふうに思っております。 その中で、社会の制度や慣行、子供たちには責任のないこの部分について、その差異に基づいて子供たちが差別をされる、あるいは不利を負わせるものになるという、こういう場合には、それらのすべてを改めなければならないというふうに思います。 これは自明のことと思われますが、子どもの権利条約に次のような規定があります。 第二条第一項に、「締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。」、このように書いてあるわけなんですが。 そこで提案者にまずお聞きしておきたいと思いますが、すべての子供が幸せに育つ、そうした社会でなければなりませんが、それは、そうした取組がなければ私はこの法案は成り立たないというふうに思います。そのような認識を共有されるかどうか。そして、日本政府はやはり同じように子供たちを差別するような制度、慣行をなくす義務を負っている、そのように思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(肥田美代子君) 岡崎委員が今御指摘されましたとおり、すべての子供が幸せに育つことができる社会でなければならない、そのための取組がなければ本法案は成り立たない、私はこの認識は十分に共有させていただきたいと思っております。 本法案が施策を講じて推進するに当たりましては、すべての子供がひとしく健やかに育つことに配慮すると基本理念で挙げております。これは正に岡崎委員の認識と合致しているものであると思います。だからこそ、差別的な制度、慣行をなくす義務がある、そのような岡崎委員の御指摘でございます。これも全く同感でございます。 それで、一九九四年、日本も子どもの権利条約を批准をいたしました。そして、これは世界の子供の憲法と言われているぐらい今広がっておりますし、大切にされております。 その中で、今、岡崎委員がるる述べられました第二条一項の差別の禁止でございます。しかし、日本におきましてはやはり非嫡出子の相続制度の面でも不平等な扱いを受けておりますし、国際人権委員会の勧告もございます。法律から非嫡出子に対する差別的な規定を除外すべきときに来ていると私は思います。こうした差別は、それぞれ差別の現れ方が違います。ですから、個別の制度改革や法改正によって解決の道を探ることが大変必要だと考えております。 本法案の第二条でございますが、子供自身が真の喜びを感じ、夢と希望を持つことのできる社会の実現ということをうたっております。子供が生きる喜びを感じる社会、それはすべての大人もやはり生きる喜びを感じられる社会でありますので、このことは私たちはしっかりと実現していかなければいけない。ですから、国も地方自治体も、本法案の趣旨に基づき、子供に対する差別や偏見をなくす措置を取ることが必要でありますし、施策の推進に当たっては、子供の最善の利益を優先して取り組むべきであると私は考えております。
○岡崎トミ子君 私も、今、肥田議員の最後におっしゃられた、子供たちには最善の利益を与えるという言葉はいつも繰り返し思いながら政治に当たっていきたいというふうに思っているわけなんですが、今お触れになりましたが、これから私が問題にしたいと思っておりますのは、参考人質疑の際にも参考人からも訴えていただきました婚外差別の問題でございます。 法律婚の下で生まれた子供であろうと、何らかの理由で法律以外のところで生まれた子供であろうと、その出生においては子供たちの選択によるものではありませんし、いかなる理由があっても婚外子であることによる差別的な取扱いは正当化できないというふうに思っております。 この法律婚の枠以外のところの出生に関して様々な理由があります。最近では多様な価値観というものも非常に大きくなってきておりますけれども、どんな事情であっても、すべての子供たちが生まれたということについて歓迎され、ひとしく幸福追求権を保障されなければなりません。 ところが、婚外子には生まれたときから差別があります。一つには、出生届を出す段階からこの子供が嫡出子であるか非嫡出子であるか、これは私、出生届持ってまいりましたけれども、ここに一番、ここのところの欄にあるわけですね、これ一目で分かる一覧性なわけなんですけれども。(資料を示す)ここで嫡出子であるか非嫡出子であるかということについて書かなくてはなりません。それから、嫡出子であれば長男、次男、あるいは長女、次女、こういうふうなところが、「子」というふうな記入をしなければなりません。さらに非嫡出子の場合は、父親が名のり出たとしても非嫡出の子供には父親がいないということで、父親の名前を書くことができないというふうになっております。 実際に婚外子の母で、同じ立場の女性たちとともに闘ってこられました富沢さんに会っていろいろお話をお伺いいたしました。富沢さんは、子供が生まれて本当にうれしかったと言うんですね。子供に、生まれてくれてありがとう、幸せになってね、そういうふうに心から叫びたい、そういう気持ちになった。新鮮な気持ちで役所に行って、区役所に行って、この出生届というのを出す段になりましたら、その記載欄のところに、嫡出であるか非嫡出であるかというその記載欄があったと。何なんだこの国は、子供を産むということに関して喜んでいないと。その現実にまずぶつかったわけなんですね。 私は彼女の話を伺ったときに、ははあと、みんなにも聞いて、これは国がきちんとこういう標語をやっているんだなということを思ったんですけれども。一九八三年にお子さんはお生まれになったんですが、世界人権宣言が宣言されましたときの十二月十日を記念して人権週間というのを設けられておりますけれども、この一九八三年の人権週間の標語、御存じでしょうか、「オギャーと、生まれたときからはい人権」。しかし、残念ながらこの国は生まれたときから差別があるというのが実態でございます。私は、生まれてきた子供が歓迎できない国が少子化対策とは何かというふうに思わされるわけなんですね。 そこでお伺いしたいと思いますが、坂東眞理子さん、いらっしゃいますよね。後ろから前の方にどうぞおいでいただきたいと思いますが、先週七月八日、ニューヨークで行われました女性差別撤廃条約委員会。女性の世界の憲法というふうに言われておりますけれども、この九年ぶりに行われたこの会議に坂東眞理子男女共同参画局長、参加されたということですけれども、この中で婚外子の問題について取り上げられたということでございました。どの国の専門委員からどのような質問を受け、どのように回答をされたか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(坂東眞理子君) 先週七月八日、国連の女子差別撤廃委員会で九年半ぶりに日本の報告書の審査がございまして、五時間半にわたる審査の中で二百問以上の質問がございましたけれども、その中で、嫡出である子と嫡出でない子の扱いの差異については、オランダ、アルジェリア、ベニン出身の三人の委員より言及がございました。 オランダの委員の方からは、嫡出でない子の不平等は国際法に違反しているとの発言がございました。アルジェリアの委員は、出生記録を見るだけで嫡出でない子であることが分かり差別につながるためその記述を改める必要があると述べておられました。ベニンの委員からは、嫡出でない子の相続分の不平等が問題との指摘がございました。 それらの意見に対しまして、政府代表団、私の方から、嫡出でない子の問題に関しては国民の意見が分かれていると。また、嫡出である子と嫡出でない子の相続分についての差異は、法律上の婚姻により成立する夫婦を尊重する目的で設けられているということを説明いたしました。さらに、最近の最高裁の判例においては、裁判官の意見は分かれておりますが、嫡出でない子の相続分に関する民法の規定について合憲との判決が出ていることも説明いたしました。
○岡崎トミ子君 それでは、婚外子差別についてこれまで国連の委員会から勧告を受けてきておりますけれども、どのような勧告でしたでしょうか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 本件に関しましては、二〇〇一年九月に出されました経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会、いわゆるA規約と言っておりますが、そちらの最終見解、一九九三年十一月及び一九九八年十一月に出されたB規約人権委員会による最終見解、それから一九九八年六月に出された児童の権利に関する委員会による最終見解において、婚外子に対する差別についての懸念が表明されております。
○岡崎トミ子君 日本政府はこれまでも度々国連から今おっしゃったように勧告を受けてきて、婚外子差別について日本政府は取り組まなければならないということについて言われてきておりますけれども、坂東局長の報告されたことというのはやはり従来のこれまでの在り方を超えるものではないというところから、日本の制度が世界の国々に比べて依然立ち後れたものであるということがやはり印象付けられたというふうに私は思うんですね。 この法律婚の枠の外で生まれる子供たちに関して、これは相当数がいるというふうに思っておりますが、その婚外出生について、その数と全体に占める割合の推移、また最近の傾向の変化がありましたら、その背景について分析をしていただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺泰男君) お答えいたします。 人口動態統計によりますと、平成十三年の出生数百十七万六百六十二人のうち嫡出でない子の出生数は二万三百六十九人で、その割合は一・七%となっております。また、その推移を見ますと、十年前の平成三年が一万三千五百九十二人で、出生数の一・一%、五年前の平成八年が一万五千四百五十三人で、出生数の一・三%となっております。これらの状況から、嫡出でない子の出生数、出生割合は増加傾向にあるというふうに認識しておりますが、それ以上の要因分析というものについては行っておりません。 以上でございます。
○岡崎トミ子君 出産全体の一%というふうにずっと言われてきたわけですけれども、百人に一人ですよね。平成十三年度の数字で一%の後半ですから、これまでの倍になった、倍増だということです。つまり、価値観の多様化の中で法律婚によらない出産というのが増えているんだということが言えるだろうと思います。 それでは、死産となった子供について、このうちの人工死産、つまり中絶の占める割合が非嫡出子と嫡出子では著しく違うというふうに言われておりますが、この死産に占める人工死産の割合について最新のデータがありましたら、嫡出子、非嫡出子の別にお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺泰男君) 人口動態統計によりますと、平成十三年の死産数は三万七千四百六十七体、そのうちで人工死産の数は二万一千七百六十三体で、その割合は五八・一%となっております。また、嫡出子、嫡出でない子別の人工死産の割合は、嫡出子が死産数二万二百七十五体のうち七千十五体で三四・六%、嫡出でない子が死産数一万七千百九十二体のうち一万四千七百四十八体で八五・八%となっております。
○岡崎トミ子君 非嫡出子の場合には八五%中絶ということが言えるだろうと思います。つまり、社会の中でなかなか育てることができない、産むことができない、そんなふうに思ってしまったのだというふうに思うんですね。 この出生届に嫡出、非嫡出の別を設ける理由として、現行法では、嫡出子と非嫡出子の区別に基づいて相続面、一番は相続というふうに言われているわけですけれども相続面というふうに言っておきましょう、異なる扱いをしておりますので、この違いを戸籍に反映させるためだというふうに説明されておりますけれども、この相続上の差別について、婚姻制度を守るためだというふうに説明されているわけなんです。 でも、この婚姻制度を守る目的ということに関しましては、結婚について大変多様な価値観の中で自分の自己決定に基づいて事実婚という方が増えておりますし、効果にも疑問がありますし、そもそも婚姻制度を守るために子供を差別をしてはいけないということについては国連の方からもたびたび指摘をされているとおりでございます。 実務的には、じゃどうなのかというふうにいいますと、現在、東京地方裁判所で係属中の戸籍続柄裁判で原告側が提出した準備書面には、元内閣法制局長官や元法務省で地方法務局長をされた方、司法書士の方などの、区別記載をやめても実務上支障がないという見解が示されております。 この区別記載をやめても実務上困難はないのではないでしょうか。
○副大臣(増田敏男君) 岡崎委員のお尋ねにお答えを申し上げますが、まずその前に、御発言の趣旨は私なりに理解、受け止めはいたしているつもりであります。 そこで、戸籍は国民の親族的身分関係を登録、公証する公簿でありまして、個人の親族的身分関係を正確に登録することが戸籍制度の目的であります。 現行法は、嫡出子と嫡出でない子につきまして相続面で異なる効果を認めておりまして、この法律上の区別を正しく戸籍に表示するため、出生届出書には嫡出子又は嫡出でない子の別を記載することといたしております。このような現行法の仕組みは合法的なものであり、これを改正すると、以外のような考え方は今ありません。
○岡崎トミ子君 今そういうふうにおっしゃいましたけれども、実はこれをずっと、それを実務的には要らないというふうに言われている、しかも国の中で働かれている方々がそういうふうにおっしゃっているわけなんですけれども、私に聞こえた言葉は、単に便利だというか、そういうふうに聞こえますし、そういうことのために現に大変な人権侵害を受けているという現状があるわけなんですね。 つまり、戸籍に区別の記載があることによってどんなことが起きているかといいますと、これは法務省に勤務された、やはり戸籍行政にかかわった、現在は大学教授を務められている方が、やはり戸籍続柄裁判のために提出された意見書の中で結婚差別の問題、就職差別の問題について触れられておりまして、実は身元調査機関が多くの企業と契約をしておりまして、もう本当に二重に三重にいろんな差別を受けているというようなことの報告がございました。 そのことを知って愕然としたということも言われておりますけれども、戸籍は公開が原則というふうになっておりますので、このようなことが起きるのだというふうに思っておりますが、これ問題はありませんか。差別をされているという現実について、いかがですか。
○副大臣(増田敏男君) 嫡出でない子と嫡出である子の相続分の同等化の問題につきましては、従来から立法政策の問題といたしまして、相続分における差異は解消するのが適当であるとの意見があります。法制審議会も平成八年にその趣旨の答申をいたしております。 しかしながら、この問題は家族制度の在り方についての国民感情や社会事情等に密接にかかわる問題でありまして、大方の国民の理解を得ることがまず大切だ、大方の国民の理解を得ることができるような状況の下で法改正を行うのが相当であろうと考えております。
○岡崎トミ子君 国民の意見を大事にすることは私も大事だというふうに思っておりますけれども、それは子供の責任ではないというふうに私は思います。 この相続上の差別の問題について、日本の制度について国連の委員会などで批判されてきているということは繰り返し、先ほども申し上げましたけれども、自分が非嫡出子として生まれたことに何の責任もない子供が差別される、これは不合理ではありませんか。
○副大臣(増田敏男君) 現在の戸籍法にのっとりまして仕事はいたしております。世界のいろいろの動きも、先ほど坂東局長さんの方から答弁もございましたが、もちろんそれらも受け止めております。 そこで、嫡出と嫡出でない子の相続分につきましては、現在は主要国の多くは差異を設けていないと承知をいたしております。しかし、当方で調査した範囲では、そのような差異を設けている国もまだ一部あるようでありますが、前に、ただいま答弁を申し上げましたように、大方の国民の理解の中で法改正という運びを取られるのが相当だと、このような理解をいたしております。
○岡崎トミ子君 それでは、そうした啓蒙などをされたことはあるんでしょうか。法務省がリーダーシップを取って、こういうふうに、海外の事情をまず説明をしておいていただきたいと思います。具体的に海外の事情はどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 嫡出子と嫡出でない子の相続分につきましては、現在では主要国の多くは差異を設けていないと承知しております。いわゆる欧米先進国の中では、米国、英国においては相続分の差異を設けていないということでございますが、最近に至るまで相続分の差異を設けておりましたドイツ及びフランスにつきましても、ドイツは一九九八年、フランスは二〇〇一年に、それぞれ立法により相続分の差異を廃止したところでございます。 なお、そのような差異を設けている国として当方が現在承知している国としては、トルコ及びフィリピンがあるという具合に承知しております。
○岡崎トミ子君 私も最初に、トルコ、フィリピンが送られてきて、差別があるので、一体何だろうって、この意図は何かってちょっと思っちゃったんですけれども、要するに、ほとんどの国で区別、差異、それを設けていないと、区別がなくなっているということを確認することができる内容だったというふうに思うんですね。 例えば、夫婦別姓を望むカップルの中には、自らの責任で事実婚というのを選び取っている、そして出産、育児には踏み切れないでいると、そういう壁にぶつかっている人たちが相当いるわけなんですけれども、経済同友会が注目すべき踏み込んだ提言を行っております。このように書いてあります。 単身世帯や共働き世帯が増加して、事実婚や別居結婚が見られるようになる等、家族形態が多様化しています。これは、従来の家族観・制度の揺らぎを反映しており、こうした流れを食い止めることは難しい。結婚の形態にこだわるよりも、男女が共に生きることを尊重し、自然な男女・人間関係の構築を優先すべきではないか。晩婚化の進展により、特に二十歳から三十歳代の男女が共に生活し、喜びや悲しみを分かち合う機会が減少しているのは憂うべきことである。同棲、事実婚等が社会的に認知される風土が一層醸成されれば、それが共同生活への契機となって結婚、出産につながることも想定される。また、多様な家族形態を尊重するためには、夫婦別姓選択制の導入や婚外子差別の撤廃等も必要である。これが経済同友会の提言でございます。 やはり、婚外子差別をなくすことは、子供を生み、育てることに夢を持つ社会というふうに皆さん提案者がおっしゃっているわけですから、そのための大事な条件だというふうに思います。 そこで、差別をなくすための裁判も起こされております。一九九五年、最高裁で相続差別を合憲という判決を出しております。参考人として出ていただいた吉岡日弁連の参考人も原告代理人を務められた裁判でありますが、これが判例となって、その後の裁判の判断にも影響しているようなんですが、合憲という判断以上に重要なのは、合憲と判断した十人の判事のうち四人までは、差別には、法制定時にあった合理性が失われつつある、あるいは国会での法改正が妥当だということを言っているということですね。 つまり、違憲に近いけれども、違憲とは言わず、法改正に期待したこの判決をどのように受け止めているのかということについて、法務副大臣にお伺いしておきたいと思います。
○副大臣(増田敏男君) 御指摘のように、御発言にもございましたように、最高裁判所の大法廷決定は、法律上の婚姻の尊重と嫡出でない子の保護の調整を図る観点から、嫡出子と嫡出でない子の相続分を区別することにも合理性があると判断したものと認識をいたしております。 現行の制度には一定の合理性があり、またこのような制度を支持されている方も相当数おられるということを踏まえますと、この問題については国民各層や関係方面における議論の動向を踏まえた上で対処していく必要があると考えております。
○岡崎トミ子君 法務省として少し心のある答弁というのは私は欲しいと思っておりますが。 この大法廷の判決が出ましたときに、このように、私は資料を手に入れたんですが、結局、受ける不利益というのが単に相続分が少なくなるという財産上のものにとどまらず、このような規定が存在することによって不当な差別の目で見られ、あるいは見られるのではないかということで肩身の狭い思いを受けることもあると。ですから、精神的な不利益も無視できないものがあるということで、裁判の中ではそこのことをすごく裁判長は気にしていらっしゃるんですね、本当に違憲に近いけれども違憲とは言わないという。それで、法改正で立法の方でやってくれないか、法務省では前にそうした提言もきちんとされているわけなんですけれども、そのことをきちんと受け止めていただきたいというふうに思ったんですね。 そこで、五島議員にお聞きしたいんですけれども、今年も実は最高裁で相続規定についていずれも合憲という判決が出された。これは一九九五年のこれを踏襲しているということなんですけれども、いずれも三対二の多数で判例どおり合憲とされたけれども、三月三十一日の分の判決では裁判長が、違憲の疑いは濃く、法改正が可能な限り速やかになされることを強く期待するというふうに言っております。 どうでしょうか。立法府に対して大きな宿題が与えられたというふうに思っておりますけれども、いかがですか。
○衆議院議員(五島正規君) 先ほどの議論、お聞きしておりまして、岡崎議員のおっしゃるとおりであると思います。本人の責に帰さず、そして本人自身が何としても変えようのない、そういう婚外子ということだけにおいて差別を受けている。そのことが裁判所の判断において訂正できないということであるのならば、立法府はそれについて新たに法律を作っていくということは当然だろうと私は思っております。 また、先ほど岡崎議員が御指摘ありましたが、経団連等々の御意見ございます。日本の場合は非常に、この婚外子の問題の大前提として、同棲というのは非常に少のうございます。同棲という形態をほとんど取らずに、その結果がパラサイトシングルなんというような日本でしか通用しないような言葉があるわけですが、そういう状況というものは間違いなく少子化を進めているだろうというふうに思っております。 そういう意味では、やはり結婚のありよう、あるいは婚外子、嫡出子という区別の問題、そうしたものを変えていくために、私は立法府として努力すべきであるというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。 今度は行政の方なんですけれども、行政の関係者の方々の中に、心ない言動で傷付けられたケースが多いというふうに聞いているんですね。それは、民生委員、保健所、人権擁護委員、こういった方たちの意向というものが本当に差別につながるということがございます。ですから、意識の向上というのは必要になってくるわけなんですけれども、こういう方たちに対する教育の必要性についてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(森田次夫君) 先生御指摘のとおり、といいますか、民生委員の問題だったですよね。 妊娠だとか出産に悩む方々に的確な情報を提供して専門的な相談に応じられる体制を整備することがまず重要かなというふうに認識をしております。 こうしたことで、厚生労働省といたしましては、これまでも保健所等におきまして妊娠、出産についての悩みに応ずる女性健康相談事業を行ってきたところでございますが、平成十五年度から、特に思春期クリニックの場を利用して、妊娠について悩んでいる若者を対象に、個別に医学的、精神的、社会的に相談、援助を行う場を設置するモデル的事業を実施するなどの取組を進めておりまして、今後もその充実に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、ちょっと今触れられましたけれども、民生委員の問題でございますけれども、これは児童法において児童委員の職務につきまして定めておりますが、児童及び妊産婦の生活及び取り巻く環境の状況の適切な把握であるとか、その保護、保健その他に関するサービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助及び指導を行うことと、このようになっておるわけでございます。 そうしたことで、住民から妊娠に関する相談等を受けることも想定されるわけでございますが、委員御指摘される事例につきましては、民生委員の問題については承知しておりませんけれども、民生委員あるいは児童委員は常に住民の立場に立った活動を行うことが重要でありますし、これからも研修の機会等を活用いたしまして周知徹底をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○岡崎トミ子君 周知徹底を本当によろしくお願いします。 今、個別に挙げる時間がありませんので触れておりませんけれども、どれだけ心を傷付けられた人たちがいるかということについて、私はお願いをしておきたいというふうに思っております。 この法案の運用に当たって、多様な価値観や個人、カップルの意思が尊重され、様々な理由で子供を持たない個人、カップルの人権が侵害されないように、また婚外子への差別も発生しないように、十分な配慮が必要というふうに思います。 肥田議員は一番最初のところで、もうそうした差別のない社会のことについて触れていただきましたので、ここで質問をすることになっておりましたけれども、政府の方に直接お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
○副大臣(米田建三君) 私も実は子供がいないものですから、最近何となく肩身が狭い思いをしておりますが、ともあれ、委員の御指摘の点に関しましては、法案審議の過程において、もとより結婚や出産は個人の決定に基づくものであるがという文言を前文に追加する旨の修正がなされたわけであります。 これは、憲法第二十四条における結婚についての両性の自己決定、また憲法第十三条における個人の尊重や幸福追求権についての国政上の尊重規定、これを踏まえまして、これらを前提とする少子化に対する施策を講ずるべき、そういう旨を明確にしたものであるというふうに理解をしております。 また、施策の基本理念として、「子どもがひとしく心身ともに健やかに育つことができるよう配慮しなければならない。」、このことも明確にされているところであります。 本法案が成立した暁には、政府は、この本法案の基本理念にのっとりまして諸施策の推進に取り組んでまいる決意でございます。
○岡崎トミ子君 米田さん、どうぞ御退席くださいませ。 質問の終わりに、会長に、この法案が婚外子差別、婚外子の排除、そういうものではないという、そういう趣旨であるということを確認したいと思いますし、これからやはり多様な生き方を認める社会の在り方というのが大事になってまいりますので、正面からこの議論をしていくべきではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(中山太郎君) 委員御指摘のとおりだと私も考えております。
○岡崎トミ子君 ということは、婚外子差別をしないということでございますね。大きくうなずいていただきまして、ありがとうございました。 質問を終わります。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。 今日の質疑の中でも出てきたんですけれども、せんだっての参考人質疑、高崎経済大学の八木助教授から非常に面白い主張をお聞きしました。それは、要はジェンダーフリー教育、男女共同参画社会というのはフェミマルキストだという、非常に我々も唖然として聞いておったんですが、それで、やっぱり非常に子育ての社会化を否定するであるとか、理想の家庭は何かという質問に両親がいてそして子供がいる核家族だという、こういうような意見が今回のこの委員会でもちょっとまかり通っていることに私は大変懸念をしておりまして、その関連で男女共同参画局に対してちょっと質問をしたいんです。 その八木助教授の主張を基にして、私の住んでいる新潟県の白根市の小学校で男女混合名簿を廃止したという、これ、この前も私、説明しましたけれども、男が先とか女の子は後だとかいうことではなく、男女合わせて学級名簿を作るという、これが新潟県では既に小学校で九三%、男女混合名簿が導入されているんですが、それを要は共産主義に基づくジェンダーフリー思想を排除するというような、この理屈で我が新潟県のある校長がやめたんですね。 この件について、男女共同参画局に男女混合名簿についてどうだと聞いたところ、男女共同参画基本計画に混合名簿に対する規定が特に存在しないことから内閣府当局としては何も答えようがないという、本当に木で鼻をくくったお答えをいただいたんですが、私、坂東さんに個人的にもお聞きしたい。 この男女混合名簿、確かに私のころは男女別でした。ただ、振り返ってみると、何であのころそんなことに違和感を覚えなかったということがたくさんありますよね。例えば、私が中学のころですと、やっぱり男子は技術、女子は家庭科、高校になると、男子は体育、女子は体育の例えば週四時間のうち二時間だけが家庭科と。あのころ当たり前だと思っていたことが、やっぱり振り返ると、八〇年代にそんなことをしていたのかということがあると思うんですよ。私、混合名簿なんてものは今後ほとんど一〇〇%になっていくんじゃないかという、そういうことも思っております。 坂東局長、この男女混合名簿というのはやっぱり男女共同参画社会という観点からすれば当然だと思うんですけれども、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 男女共同参画社会を推進していく上で学校教育の果たす役割は大変大きいということで、男女共同参画基本計画の中でも「男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実」ということを挙げているわけですけれども、具体的な個々の現場でどういった名簿を使われるかといったようなことに関しましては、学校あるいは教育委員会が判断した方法を採用するということになっております。 個人的な意見というふうなことをお尋ねになりましたけれども、その現場で責任者の方たちが判断をされるということは尊重しなければならないと思いますが、例えば、私も男女の名簿で育ちましたが、女の子の方が全部まとめて先で男の子が後の名簿があってもいいんだけれども、それは現実には存在しないなとか、そういったようなことで、知らないうちにそれが当たり前だと思ってしまうということについては十分配慮していかなければならないと思っております。
○黒岩宇洋君 もう一回聞きます。 坂東局長、坂東さんは男女混合名簿というものに対してどうお考えなんですか。そうあるべきと考えているのか、そうでない方がいいと考えているのか、お答えください。
○政府参考人(坂東眞理子君) 私自身は、男女共同参画において一番日本で足りないのは、例えば、申し訳ありませんが、ちょっとよその、別の答えになってしまうかもしれませんけれども、先日、七月八日にUNDPの方でGEMが日本が六十六か国中三十二位だったのが七十か国中四十四位に低下しておりますが、女性たちがせっかく学校で勉強して能力を蓄えているにもかかわらず、十分それを発揮する機会が与えられていないんじゃないか、それが十分に評価されていないのではないかと。そこのところでやるべきことがたくさんある中で、混合名簿ももちろん間接的には影響を及ぼすだろうと思いますけれども、少なくとも行政の立場からは現場の方にお任せしなければならない事項だというふうに思っております。
○黒岩宇洋君 もう聞きませんけれども、坂東局長、行政の立場を聞いたんじゃないんですよ。坂東さんとしてどう考えるかと。今、いみじくもGEM、ジェンダー・エンパワーメント測定、これは私、この前も取り上げさせてもらいました。本当に日本の女性というのはすごく能力と、そして教育も受けているけれども、社会参画というのが非常に後れているというその数値でしたね。私がこの前見たときには三十八位でしたけれども、四十何番目まで下がりましたか。もう大変なことですよ。 ですから、男女混合名簿にもうこだわりませんけれども、やっぱりひとしく社会に出ていくということが後れているこの国ですから、もうちょっと坂東局長も御自分の主義主張も交えながら、本当に鋭意先進的に取り組んでいただきたいと思います。 それでは、じゃ、文科省に聞きましょう。 今回、新潟県のこのある校長の対応について県の教育委員会は、このことについては、男女混合名簿については善しあしの判断をする立場にはないと。それはそうかもしれません、そうかもしれないんです。ですけれども、私は、八木助教授は、この男女混合名簿がひいては男女の更衣室が同じであるとか、ないしは修学旅行でも男女が同じ部屋に寝るということにつながっていると言うんですね。 ちょっと私、質問通告してないんですけれども、本当にそんな事例がそこまで広がっているのかということと、やはり善しあしの判断の立場にはない。立場はどうでもいいんですが、今もう七割近く全国で導入されている男女混合名簿、このことについての局長の評価というものもお聞かせください。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほどお尋ねの具体の事例は、私は承知をいたしておりません。 学校におきましては様々な場面で出席簿等の名簿が用いられているわけでございますが、それについて男女別にするかあるいは男女混合で作成するかといったことも含めまして、文部科学省においては特にその様式等を定めていないわけでございまして、それはそれぞれの学校や教育委員会におきまして教育指導あるいは学校運営上の実態を踏まえて判断されているところでございます。 したがいまして、文部科学省といたしましては、一律にどちらかにするように指導することは適当ではないと考えておりまして、このことはそれぞれの学校や教育委員会において適切に判断されるべき事柄と考えております。
○黒岩宇洋君 事前に文科省にお尋ねした答えと同じことを今局長がおっしゃってくださって、ありがとうございます。 私、やっぱり振り返って、この二十一世紀の初頭、やっぱり男子と女子が分かれて男子が先の名簿なんということがそのまま現状であるということ自体は、私は振り返ればもうおかしい話だと、いずれ将来になってそうとらえられると、私はそう思っております。そこでやめておきます。 それで、話は細かな方に、今回の少子化対策、少子化社会対策基本法の条文について、少しずつ細かなところに触れていきます。 これは提案者にお聞きしますけれども、前文にこういう文言がございます。「子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、」という、育つ社会を目指すんだということなんですけれども、この「ひとしく心身ともに健やかに育ち、」というのは一体何を指すのか、お答えください。
○衆議院議員(近藤基彦君) ここの趣旨は、本法案では前文及び二条の三項にも「子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、」あるいは育つというものが出ていますが、先ほども出てきましたけれども、日本が一九九四年に批准をいたしました子どもの権利条約第六条の一項に規定されていますすべての子供が生命の固有の権利を有することを認めるということを踏まえて、これはすべての子供さんがひとしくその権利と主体性を尊重し、健全に成長することができるように配慮をするべきということを規定をさせていただいたところであります。
○黒岩宇洋君 それでは、ちょっとお聞きいたします。 いわゆる障害児はこの心身ともに健やかに育った子供には含まれるんでしょうか、お答えください。
○衆議院議員(近藤基彦君) 当然含まれると考えております。 子どもの権利条約の、先ほども第二条の話が出ていましたが、差別禁止ということがはっきりうたわれております。その中で、障害を持つ子供への差別の不可が、これはあらゆる差別のことを禁止がうたわれておるわけでありますが、そのほかにも同条約の二十四項において、健康、医療の権利として、疾病の治療あるいはリハビリテーションのための便宜に対する子供の権利を認めております。 そういった意味で、この本法案もその趣旨を踏まえて、もちろん障害を持つ子供もこの中に含まれると我々は考えております。
○黒岩宇洋君 じゃ、ちょっと最初の質問の方に立ち返りますけれども、心身、心の健やかということについてはいろんな意見があると思うんですけれども、体の健やか、これは障害があろうがなかろうが体が健やかと、それでよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(近藤基彦君) ここで言っています、生まれ付いてあるいは途中からという障害、いろんなことの障害があると思います。しかし、障害があろうがなかろうが、そのお子さんが身体の障害をもって、そこが健やかかどうかというのは別として、心もあるいは社会的にもほかのお子さんと同様に扱われるべきだと思って、これは特に、別に障害のある方は体が不自由なんだから云々とかということではなく、心身とここにうたわせていただいたのはそういう意味も含めて、ですから、そのことを余り突き詰めると障害者を今度差別するような話になるということを、そういうことは全くありませんので。ここで言う心身というのは、体に障害を持っても、その部分を社会的には差別することなく健やかに育っていただきたいという趣旨でございます。
○黒岩宇洋君 近藤先生のおっしゃる趣旨は本当に私も賛成なんですけれども、やはりちょっとこの文言で、「心身ともに健やかに育ち、」という、ここを強調している点について、ちょっと改めて厚労省に聞きます。こういう文言、どうでしょうか。私はある意味適切ではないと思っているんですけれども、どうお考えでしょうか。
○大臣政務官(森田次夫君) 条文についてでございますけれども、これについては政府としてはコメントする立場にはないわけでございますけれども、黒岩先生のたっての御質問でございますのでお答えさせていただきますけれども、これは先ほど来から提案者の方からも御説明がございましたとおりで、障害の有無にかかわらず、すべての子供が心身ともに健やかに育つことが必要であり、こうしたことを踏まえまして立案された規定であると、このように理解をしているわけでございます。
○黒岩宇洋君 分かりました。近藤先生のおっしゃるように、本当に障害者が差別されるような、そんな社会を作ろうと思っているとは思いませんけれども、その点ちょっとどうしても引っ掛かる文言だったので、御留意いただきたいというお願いを申し上げて、前文についてはこのぐらいにしておきます。 これもちょっとさらっと触れさせてもらいます。十三条の不妊治療ですね、大変問題になっているところなんですけれども、では一点だけお聞きしたいんですけれども、やっぱり不妊というか妊娠しないという、このことってすごくセンシティブなことですよね。私、三十半ばですけれども、同級の友人たちにもお子さんがいない家庭についてだと、触れられないんですよね。何でいないのなんて聞けないですし、非常に神経使っているんですよ。自らの意思で産まないのか産むのかって、こんなことは聞けませんよね。 で、私、大変ちょっと懸念するのは、この情報提供や不妊相談というのを要は行政がやるんだと、国及び地方公共団体と。私、これは個人情報の保護にもかかわるんですけれども、私は、そこまで行政がこの情報を踏み込んで、不妊に悩んでいる、悩んでいない家庭がどれかということが選別されるわけですから、そこまで踏み込まない方がいいと、私はそう考えているんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 新エンゼルプランに基づきまして、すべての都道府県で不妊相談センターを整備していただくように今進めております。都道府県で不妊専門相談センターをどこで実施するかということについては、それぞれ自治体が判断されているわけですけれども、代表的な例ですと、その地域の中核的な医療機関あるいは保健センターでございます。そういうところで、不妊についての医学的な情報ですとか、あるいは心の問題もございますので、そういった心の悩みの相談も含めて不妊専門相談センターとして事業を実施していただいております。それに対して国は助成金を出しております。 病院で実施するにしろ保健センターという行政機関で実施するにしろ、もちろん情報管理について慎重であるべきだというのはそれはもう当然でございまして、プライバシーに配慮しながら相談に当たっているということでございます。
○黒岩宇洋君 普通、不妊相談と言ったら、私、お医者さんのところに行くのかなと思っているんですけれども、よくよくいろんな法律を見ると、医師の守秘義務違反に対する罰則よりも行政の漏えい違反の方が大変重いようなので、そういう意味で、罰則が重いからどうかというだけでなくて、本当にセンシティブな情報なので決して漏れるようなことがないように、それだけはひとつお願いして、この十三条、触れさせていただきます。 さあ、次に十四条。十四条でゆとりある教育の推進とあるんですよね。これも提案者に聞きます。このゆとりのある学校教育というのは、これ一体何を指しているんでしょうか。
○衆議院議員(肥田美代子君) ゆとりある学校教育、これは子供を生み、育てる者が、学校教育、それから幼稚園、保育園など、子育て全体に感じております心理的負担を取り除くことを意味しておると思います。家庭や子育てに夢を持ち、安心して子供を生み、育てることのできる環境を整備する、そしてそうした整備を通じてゆとりを実感できるようにしようというのが本法案の趣旨でございます。ですから、いわゆるゆとり教育、文科省がおっしゃっているゆとり教育とは意味が違いまして、受け手のゆとりを表しているものでございます。受け手というのは、ですからこの場合、親でございますね。
○黒岩宇洋君 そうですね。幾つかの質疑の中で文科省の唱えるゆとり教育とは違うんだという表現がございました。 それでしたら、文科省に聞くんですけれども、私、文科省の言うゆとり教育というのは、要は学習時間を減らしたりとか、そういったことですよね。私の時代からもうどんどんどんどん減らされてきました。例えば土曜日に、私、四時間目まであったのが途中から三時間目になったとか、中一のときには英語を週に四時間やっていたのが中三になったらもう三時間になったとか、どんどんどんどん減らされているんですよ。 今の現状というのは、これはある新聞なんですけれども、要は標準時間というものを学習指導要領で決めて、それを実は小学校は、もう八〇%以上の学校がこの標準時間数よりも授業数を増やしているんですね。中学校も五〇%以上ですよ。どんどん行事を削ってまでやらなければいけないと。そのぐらい学力が低下しているという、これ大変今ゆゆしき問題になっていると思います。 それで、皆さん御存じでしょうか、今の中学校というのは例えば地理で世界の国を何か国習うか。私、相当、私の時代は相当習った記憶があるんですけれども、今、三か国なんですよね。これは四つの教科書の会社の、じゃ、どこを教えたかというと、ある会社はアメリカ、マレーシア、フランス、次の会社はアメリカ、中国、イギリス、次はアメリカ、中国、ドイツ、次はアメリカ、中国、オランダなんですよ。たった三か国しか教えていないんですよ。これで私、イラクがどこにあるかと中学生に聞いて分からないのも当然だと思いますよ。 都道府県についても三つなんですよ。ある教科書だと東京、岩手、福岡、ある教科書だと東京、山形、福岡、ある教科書だと東京、北海道、長崎。私の新潟県なんか出てきませんからね。今の中学生、新潟県なんかどこにあるか知りませんよ。 例えばもっと言うと、びっくりしたのが英語で、中学校で教える必修の単語ってたった百個なんですよ。この百個には何が含まれているかというと、ジス・イズ・ア・ペンのアまで含まれているんですよ。アムも含まれている。アイも含まれている。イットも含まれている。全部含まれて百個ですよ。私のころも相当教わって、結果として私、英語しゃべれないんですけれども、今の子たちにこれで英語しゃべって国際的だなんといっても、このぐらい私も本当にびっくりしているんですけれども、このゆとり教育というのをまだ進める気なのかどうか、文科省、お答えください。
○政府参考人(矢野重典君) この法案のゆとりのある学校教育の実現という、関連してのお尋ねでございますけれども、文部科学省といたしましてはこういうふうに考えております。 学校におきまして、教育の内容を精選をし、そこから生ずる時間的、精神的なゆとりを活用して基礎基本をしっかり確実に身に付けさせるということが一つでございます。それとともに、自ら学び自ら考える力、そういったものを含めた総合的な力という意味での生きる力ということをはぐくむというのが私どもが考えているこれからの教育の在り方でございまして、そういう意味では、今ちょっとお話がございましたが、学校教育におけるゆとりというのは、言い換えれば、内容を精選し、厳選し、そしてそこから生じる時間的あるいは精神的な余裕を活用してじっくり取り組む教育であるというふうに私どもはとらえているところでございます。 そういう意味では、私どもといたしましてはそういう観点で、そういう基本的な考え方に基づいて新しい指導要領を作成いたしまして昨年の四月からスタートいたしているところでございますが、その目的を、そのねらいを実現するためには、また一方では様々な施策ということを講じていかなければならないと考えておりまして、例えばきめ細かな指導ということを徹底することができるように教職員の数を増やしていくといったような、そういうきめ細かな施策を通じて今私が申し上げたような新しい学習指導のねらいを実現していくように努めてまいりたいと思っております。
○黒岩宇洋君 生きる力ということに対してはいろんな議論がありました。ただ、私、今局長がおっしゃられたことはむしろ家庭でやるべきで、学校はもうちょっと基礎的な学力を身に付けさせてくださいよ、読み書きそろばんぐらいは。 これもっと言うと、やっぱりこの国がどうやって繁栄してきたかということを考えると、基本的に勤勉な国民性とそして質的に学力が高かったという、こういうことで我が国は繁栄してきたと私はそう思っているんですよ。そのことなしに、やっぱり今後、じゃこれだけ景気も経済も悪化した社会をどうするかといったときに、英語が百個の単語、アとかイットとか教えるんですよ。そんな程度でどうかということは私は本当に真剣に考えてほしいと思っています。 だから、詰め込め詰め込めと言っているんじゃないんですが、最低なことも教えないで、結局各学校も行事削っているんですよ。行事削っているということは、今局長のおっしゃっているような幅広い生きる力云々ということを削っているわけですよ、現実には。この矛盾はやはり文科省、私真剣に考えるべきだと思いますよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。 それで、ちょっとこれやっぱり提案者にも聞きたいんですけれども、さっきのゆとり教育については文科省とは違うと言っていますけれども、やっぱり十四条を読むと、前段でゆとりを云々と言いながら後半の子供文化体験云々は、これはともすると、週休二日制になったその二日をどうするかとか、体験にするとか、私はこれはやっぱり矛盾だと思うんですよ。ゆとりを持って学校に行く時間を減らして、学校に行かない時間をどうしようかで慌ててじゃ何か体験だと言っているんですけれども、このことも何かちょっと文科省の答弁のようなんですよ、これ十四条を読むと。だれがお答えになるかちょっと分からないんですけれども、ちょっとこの矛盾についてお答えください。
○衆議院議員(肥田美代子君) 今、黒岩委員がおっしゃいましたけれども、私はこの十四条の後段の趣旨、これは正に、学校週休二日制の居場所づくりを考えてとは全く思っておりません。 それで、黒岩委員の地元の方には自然がたくさん残っているかもしれませんけれども、全国的には都市開発によって子供たちの遊び場が失われております。原っぱや路地裏がなくなっていると。ですから、子供たちが遊びの天才であるけれども、その天才ぶりを発揮する場所がもう既にほとんど失われてしまって家庭の中で時間を過ごすと。そういうことでございますので、私たちはやはりそういう場づくりをしたいと純粋に思っております。
○黒岩宇洋君 この十四条は、「国及び地方公共団体は、」というわけですから、やっぱり文科省とか県の教育委員会とかですよね。行政がやることにしてはやっぱりもうちょっと丁寧に分けて、家庭とやることとは違いますからね。だから、やっぱりゆとり教育の何か言い訳みたいに、体験云々というふうに感じるような条文は私はちょっと違和感があるということだけ指摘して、十四条から離れようと思います。 それで、私全体にこの法案を読んでちょっと一つ視点が欠けているんじゃないかというところがあるんですね。というのは、要は親の負担軽減の非常に強調、それも分からないではありません。子供を産むことに対する精神的、肉体的、経済的負担を軽減、分かるんですけれども、やっぱり今生きている子供、お子さん、お子さんたちに対する観点がどうもここには触れていないような気がします。例えば十四条にしたって、これはやっぱり親の軽減負担の条文ですよね。 何が言いたいかというと、私実はひのえうま年生まれで極端に子供少なかったんですよ。小さいころからいやあ競争なくていいねと育てられて、何か環境良かったらしいんですね、余り自分では認識ないんですけれども。そうすると、今少子化でお子さんたちが非常に住み心地がいいと思ったときに、自分たちが子供を産むときになって、じゃ産もうかとそういう気になれないかもしれない。又は逆にお子さんたちが今学校教育でもいろんな現場でも非常に生きづらい世の中だと思ったら、逆にまた年取ってから産みたくないとそう思うかもしれない。 そういう意味で、私、少子化社会対策基本法案という限りは、今の現存のお子さんたちに対してやっぱりいい社会だと、やっぱり子供時代楽しいんだと、そう思っていただいて、将来、楽しい子供時代を過ごしたことを思い出しながら、じゃ自分たちも子供をまた産み育てたいんだと、そう思わせるような視点を持っていただきたいんですが、その点について提案者、お答えください。
○衆議院議員(肥田美代子君) 正にそのとおりでございまして、この法律の一番上にかぶっているのは子どもの権利条約でございます。この子どもの権利条約の一番大きな精神は、子供の最善の利益でございます。 ですから、この私たちが法律を作るときに、子供たちが本当に幸せに育っていく、そのために二条の三項で、子供がひとしく心身ともに健やかに育つように配慮しなければならないと基本理念を挙げておりますけれども、おっしゃいますように、この子供たちが幸せになる社会を作ることが私は少子化対策の最大の手段だと思っております。ですから、そのようにこれからも進めてまいりたいし、御一緒に努力してまいりたいと思います。
○黒岩宇洋君 じゃ、最後にちょっとお聞きしますけれども、これもそもそも論なんですけれども、じゃ少子化社会がなぜいけないのか、これも当初にいろいろとやり取りありましたけれども、私は、一つ大きなところというのはやっぱり経済的な理由、それは労働力人口が減るであるとか、ないしは年金とかそういった問題であると。要するに、高齢化社会に対して元々子供を産むという、そちらの方から対処しようということだとは思っているんです。 ただ、経済的、社会的理由だとすれば、私は子供を、じゃ今一・三二からどのくらい増えるか分かりませんけれども、それよりもむしろ六十五歳までが労働力人口、生産力人口だと言いますが、むしろ定年を引き上げたり、そういったことによって、もう今元気ですよ、七十歳の方だって。そういう方たちをじゃ活用するという、私そういったことの方が今申し上げた少子化に対する懸念、それは社会的、経済的な理由だとすれば、そのことの払拭に対して言えば、やっぱりもうちょっと総合的に、産め産め言っているだけではそんなに私はこれ解消しないと思っているんです。このことについて総合的な、複合的な対策を私はするべきだという、この視点についてお答えください。
○衆議院議員(近藤基彦君) 全くおっしゃるとおりだと思います。 これは少子化社会対策基本法ですから、それは少子化に視点を置いて行っておりますけれども、そもそも少子化社会が高ぜられて、経済面あるいは社会面で弊害が出てくると。それを、少子化社会をその環境を良くしたり、あるいはお子さんを育てやすくするとか、そういった大変時間の掛かるお話だろうと。一・三二がこれができたからといってすぐに一・五とか一・六とか数字が跳ね返ってくるわけではないだろうと思いますが、しかし恒常的にこういうものはやっていかなければいけない。 反面、そういう労働力の確保の面においてもやっぱり少子化という社会現象を踏まえて施策を講ずる必要がありますけれども、その際に、委員御指摘のとおり、高齢者の労働力活用等といったことは今後より一層真剣にこれは考えていくべきものだと、当然複合的に考えていくべきものだと思っております。
○黒岩宇洋君 最後に述べさせてもらいます。 私は、産みたいと思った方々が産める社会づくり、このことはもう当然皆様と同じように目指すところでありますけれども、何度か指摘しましたけれども、各条文にうっすらと埋め込まれた、結婚するべき、そして子供を産むべきという価値観が、各条文を一個一個見てそぎ落としていくとうっすらしたものがくっきりと浮かび上がる法案ではないかということを私感じております。 何度もこれ参考人質疑にもあったんですけれども、各党呉越同舟だと言ったんですが、私は言いました。やっぱり呉と越は別々の船に乗るべきだと、私、申し上げたんです。ですから、私は、ちょっといろんな意味で主義主張がそごを来しているということを最後に指摘して、私の質問、終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、少子化社会対策基本法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○白浜一良君 提案者の皆さん、本当に御苦労さまでございます。私、公明党の白浜一良と申します。五十分、時間いただいておりますが、予定質問が終われば終わりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それで、少子化が進んでいるということでございますが、これをどうとらえるかは別にいたしまして、女性が安心してお子様を産める、また育てられる、そういう社会を作るというのが基本的に大事なことでございます。そういう意味で、現在は少子化社会なので、そのために様々な角度から考える必要があるんじゃないかということで本基本法案が提案されたと思うわけでございますが、しかしながら、重要なことは、一つは、国民のあらゆる層によって論じられるべきこういうテーマだということがまずございます。それから、子供を持つ意思のない人もいるわけでございますし、また産みたくても産めない、そういう方もいらっしゃるわけで、そういう方に、心理的に圧迫するようなことがあってはならない、これはもう当然でございます。 それから、子供が心身ともに健やかに育つという、こういうこともまた非常に大事なことであるわけで、衆議院段階で附帯決議に、不妊である者について心理的な負担になることのないよう配慮すると、こういう附帯決議も付けられたと伺っておりますが、まずこういう基本的な、いわゆる問題の視点といいますか、とらえ方ということに関して提案者の御意見を伺いたいと思います。
○衆議院議員(福島豊君) ただいま委員御指摘いただきました、三点にわたって御指摘いただきましたことにつきまして、それぞれに重要であると提案者共通して認識をいたしております。 その共通した認識の上に立ちまして、結婚や出産の妨げとなっている様々な社会的、経済的、心理的な要因を取り除いて、子育てを支援するための諸方策の推進を図り、個人が望む選択ができるような環境を整備していくということが、現在生きている我々の将来に対しての責務であると、そのように考えておるところでございます。
○白浜一良君 それで、いろんな批判的な御意見も本法案に対してあるのは皆さんもう御存じだと思いますが、一つこういうことが言われております。第六条に、「家庭や子育てに夢を持ち、」という、こういう規定がされているわけでございますが、これが家庭とか結婚というスタイルに一定のいわゆる概念を決め付け過ぎるという、こういう一般的に批判もあるわけでございます。自己決定権をいわゆる尊重するという考え方に反するんじゃないかと、こういう批判もあるわけでございますが、この点に関しましては提案者はどのように受け止めていらっしゃいますか。
○衆議院議員(福島豊君) この第六条はるる議論になったところでございます。国民が「家庭や子育てに夢を持ち、」と、持つことができる社会、この実現に資するように努めることを規定したのでありまして、家庭や子育てに夢を持ちなさいと言っているわけではないというふうに御理解をいただきたいと思っております。 むしろ問題は、家庭を持つ、そしてまた子供をつくる、これは個人の自己決定ですから、それを、どのような家庭を持つかということについてはそれぞれ違いがあるということは当然でございますし、そしてまた子供を持とう、そしてまた持たないという選択もあると。 しかしながら、今の日本の社会で問題になっているのは、子供を持つということが大変大きな負担で、そのこと自体に夢が持てない。それは、要するに働き方の問題もございますし、経済的な問題もあるし、教育の問題もあるかもしれません。そういう負担感の方がより強くなっているという社会の在り方、ここのところに問題があると。そのことが、ひいては家庭を持つということに対しても夢が持てない。そして結果としては、例えば晩婚化が進む、そしてまた非婚化が進む、そういうことが起こっているわけでございます。 ですから、自己選択というものに対して、こうしなさい、ああしなさいというわけではありませんけれども、少なくとも、家庭を持つ、子供を持つということ自体が決して苦痛であり負担であるということではなくて、夢が持てるような社会の在り方というものを目指していく、これが私どもの考えでございます。
○白浜一良君 是非ともそういう理念に沿った今後の運営を望むものでございます。 それから、いわゆる合計特殊出生率がずっと低下しているというのは一般的に報道されております。これに係数の上で歯止めを掛けるためには、二〇一〇年ぐらいまでがチャンスだと、こういうことも一般的に報道されているわけでございますが、そういうことで本法案が作られたのかどうかは分かりませんけれども、一般的にそういうふうに報道されていることに関しまして、提案者の御意見、また厚生労働省の御意見を伺いたいと思いますが。
○衆議院議員(中山太郎君) 委員御指摘のように、二〇一〇年ごろまでは第二の団塊の世代が、ベビーブームに出産した連中が婚礼、生産、生殖期時代に入る、生殖時代に入る、そういう年代層だと思うんですね。 しかし、少子化問題というのは、一定の時間を限って対策するべき問題、本来ございませんので、やはり国家全体が人口の面から見てどうなっていくかということを考えたときに、現在のこの特殊合計出生率が一・三二というところまで落ちてきたということは、これに対して政策的、政治的にどうするということじゃなしに、お子さんが欲しいと思っていらっしゃる御婦人が働いておられて、やはり子供を預けて、子供を持ちながら働くには、幼児保育の面から見ても、保育所といいましても、朝の九時から夕方五時までということじゃなしに、朝早く出勤するときに子供を預けていける早朝保育とか、あるいは会社は五時になったらすぐ帰れるということじゃございませんので、いわゆる延長保育とか、あるいは病気になった、預けた子供たちが緊急時に関係の小児科、小児専門医と連絡が取れるような社会のシステムを作ってあげるという意味で、私どもはこういうことを考えてやってまいった次第でございます。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。 委員御指摘の点は、人口学的な事実認識というものに照らしますと、重要な視点の一つであろうかと思います。私どもも、今後の十年というのは大変貴重な期間ではないかという考え方も一方に強く持っております。ただ、政策的にはそういうことだけにとどまらず、国民の意識一般、それから関連する政策の動向というものが、環境に与える影響等々も含めて出生にも一定の影響があるというふうに私どもは考えておるところでございます。 そこで、若干立ち戻りますけれども、私どもといたしましては、平成元年のいわゆる一・五七ショック以降、様々な箇所において検討をいただいたり、提言をいただいたり、あるいは政府として基本方針を作って政策的な改善を図ってきたところでございます。取り組んできたところでございます。 これまでのところの指摘の中で、主に仕事と子育ての両立支援についてだけ偏ってはいないかと、こういう御指摘も強くなってくる中で、昨年は、働き方の見直しや地域におけるすべての子育て家庭への支援ということ、あるいは年金制度における次世代支援ということ、さらには子供の社会性の獲得を含めた健全な育成という観点、こうした観点を総合的にバランスを取っていま一歩、もう一段の政策を取るということでプラスワンというものを打ち上げ、またこの三月に、それを踏まえて関係閣僚会議の方針を御決定いただき、そして先般提出させていただいた次世代育成支援対策推進法等の法律について国会で御可決いただいたところでございます。 様々な背景がございますけれども、この十五年、十六年を基盤整備期間として、さらに来年に向けて児童手当の見直しや育児休業制度の見直しなどについて検討を行い、更に対策を付け加えてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○白浜一良君 今いろいろ御答弁をいただきました。この問題は、やはり社会の持っている安心度といいますか、優しさというか豊かさというか、そういう問題でもございますし、また女性だけじゃなしに男性も含めた意味でのいわゆる価値観の問題なので、単に係数だけでこの問題はとらえてはならないと、そういう御答弁でございますから、そういう趣旨に沿って今後対策を講じられるべきだと、このように思うわけでございます。 そこで、少子化という面ではもう既に今までからいろんな対策が行われているわけです。厚生労働省、当時は厚生省でございますが、平成六年にエンゼルプランを作られましたし、その翌年ですか、育児休業制度というものを制度としては導入されておりますし、いろいろ対策はそれなりに国としてもうやってこられたと。ところが、なかなかそういう意味では目指すような社会になっていないということでございまして、この点に関しましては、国の責任また各地方自治体の責任ということに対しまして提案者はどのように評価されているのか、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 委員御案内のように、平成十一年の新エンゼルプランの策定、また平成十二年の児童手当改正法の施行による支給対象年齢の拡大、三歳から就学前まで延長をいたしました。いろいろやってきておりますけれども、私から見ましてまだまだ育児に必要な政策は欠けているところが多いと思います。 例えば、小児医療の問題でも、二割負担になっておりますが、人生の中で最も発病期の率の低いのがいわゆる幼児の時代でありますから、両親もまだ若い世代で所得も低いと。そこで、できれば将来、子供の医療に関する自己負担分はゼロにしてやるということも一つの考え方と私は思っております。 もう一つはやはり、なんですね、育児手当の増額の問題がこれから検討する必要があるんじゃないか、あるいは期間の延長。さらに、育児休業の、男性側の休業取得の率が〇・五%ですから、女性の場合は五七%ぐらい育児休業を取っておりますから、男性も雇用主の理解の下に育児休業が取れるような社会環境を作っていく必要があると、このように思っております。
○白浜一良君 次の質問とこれダブってしまったわけでございますが、ということで、まだ十分じゃないというので例えの例を、乳幼児の医療の問題とか育児休業制度の実態というか、そういう面で今おっしゃいましたので、十分じゃないからなかなか効果が上がっていないんだと、こういう御主張だと思います。当然、私もそのように思うわけでございます。 それで、もう一つこれ、私も聞いた話でよく分からないんですが、北海道大学の金子教授ですか、はこういうふうに言っていらっしゃるんです。出生率に歯止めが掛からないのは、今までのいろいろな制度というものが既婚者の出生力の低下の阻止に焦点が置かれ過ぎていると、もっと全般的な手を打つべきだということをこの金子先生がおっしゃっているわけでございますが、この点に関しては何か御意見ございますか。
○衆議院議員(中山太郎君) いわゆる婚外子の問題の御指摘だろうと思いますが、生まれてきた子供たち全部を対象に私どもは施策を打つべきだというふうに考えております。
○白浜一良君 これ、厚生労働省はどういうふうに受け止めていますか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) これまで出生率の動向に関連いたしまして、晩婚化という説によって説明がされてきた時期が長く続いておりました。ただ、国民の意識の変化の中で、未婚も増えてきたり、様々な変化もある中で、特に昨今は夫婦の間での、既婚者の間でのお子様の数が減ってくるんじゃないか、減ってきているんじゃないかと、こういう強い問題意識もいただいております。先生のお答えに、直接答えていないとは思いますが。 一方において、既婚、未婚にかかわらず、出産をめぐる環境をもう少し整備していく必要も指摘されております。そこまで参りますと、今度は現に既婚の方々だけではない、もう少し幅の広い対策になろうかと思います。 また、先ほどもちょっと申し上げました子供の育ちの中で、昨今の核家族、一人っ子の多さということから、兄弟あるいは親戚の赤ちゃんや何かを手に取って抱くこともない、あるいは年上の兄弟と接することもない。こういうような環境は是非政策的に何か支えをしてあげる必要があるのではないかということで、例えば中学生、高校生などが保育所を訪れる形で、小さな子供たちとの接触を図る等々を通じ、子供の人間に対する関心や感受性、そして社会性というものを育てていく、こういう政策も子育ちということの中で重要な点であるとし、この領域はいわゆるプラスワンの中の一つの柱に立てておりますが、そういう意味で、既婚の方々だけではなく、青少年層を含めてすべての方々に問題意識を持ち、経験も持っていただくようないろいろな環境条件を整備していく、そういう幅の広い考え方が大切だというふうに考えております。
○白浜一良君 今、少しお伺いしましたけれども、本法案成立後、そういう全般的な施策が国の責任において施行されていくことを望むものでございます。 そこで、今日は鴨下副大臣に来ていただいておりますので少しお伺いしますが、どうしても、働きながら御家庭を持っていらっしゃる女性も多いわけでございまして、その場合はお子様を産む場合は保育所に預けるわけでございますが、聞くところによりますと、保育所が足りないというのは当然でございますが、いわゆる保育所の充足度とそういう出生率のデータというか関係性、そういうデータが全くないというふうに聞いているんですが、いわゆる保育所の果たす役割、この少子化問題における、これは副大臣、どのようにお考えになっておりますか。
○副大臣(鴨下一郎君) 確かに、今、少子化の要因というのは様々あるわけでありまして、一つは先ほどから議論になっていますように、未婚化と晩婚化でありますけれども、さらに結婚した御夫婦もなかなか一人ないしはお二人ぐらいのお子さんしか出産しないと、こういうようなことも含めまして、子育てそのものがしにくい社会というふうに皆さんが考えているんじゃないかというのが我々の問題意識であります。 そういうような意味からいいますと、育児の負担とか仕事と子育ての言わば両立に対する負担、こういうようなことをいかに軽減していくかと、こういうような趣旨から、厚生労働省としては、仕事と子育ての両立支援を進める、さらに、先生御指摘のように保育所を中心とした保育サービスを充実していくと、こういうようなことをしてきたわけであります。 そしてさらに、特には都市部に多いわけでありますけれども、保育所の待機児童の問題が非常にありまして、仕事と子育ての両立がなかなかできないんじゃないかと、こういうようなことが御指摘いただいていますので、これは待機児童ゼロ作戦として、保育所、さらに保育ママ、それから自治体の単独施策、さらに幼稚園の預かり保育等を様々複合的に活用しまして、これは平成十四年度中に五万人、さらに平成十六年度中に十万人、合計十五万人の受入れ児童数の増を目指しているわけであります。 さらに、これは待機児童解消の取組としまして、平成十七年度以降もこれを推進していくというようなことで、今国会で成立させていただきました児童福祉法の改正におきましても、これ、一定以上の待機児童数を有する市町村及び都道府県に対して、地域の実情やニーズを的確に把握して保育計画の作成を義務付ける、こういうようなことで、ある意味で地方自治体、それから国が総合的に取り組んでいこうと、こういうようなことであります。 先生の御指摘の、保育所を整備したらそれでじゃ出生率が上がるのかというようなことは、おっしゃるとおり、正確なデータはあるわけじゃないわけでありますけれども、多くの子育てに当たる親の方々のニーズをうまく我々が対応するということによって、産み育てやすい環境を作るということが重要なんだろうというふうに考えております。
○白浜一良君 今、副大臣、少し具体的にデータを言っていただきましたけれども、審議官に重ねてお伺いいたしますが、待機児童ゼロ作戦というのは我が党、昔から主張しておりまして、それで、ちょうど小泉総理が誕生したときに施政方針演説の中でこれを入れられたんですよね。それ以後随分、当然ですが、進んできているのは間違いないことですが、現在ではこの待機児童ゼロというのは現状どうなっているかということが、これが一つと。 もう一つ、そういう数の問題じゃなしに質の問題があるんですね。要するに、延長保育の問題とか、それから夜間とか休日保育の問題とか、そういうことがやっぱりニーズがあるわけでございますから、ただ入れ物だけ一杯造ったというんじゃ、それだけじゃないものがあるわけで、この辺はどういう現状になっておりますか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) ただいま待機児童ゼロ作戦の進行の状況、あるいは保育の質にもかかわる、いわゆる特別保育と業務上呼んでおりますが、そういうものの動向についてお尋ねでございます。 待機児童ゼロ作戦は、十四、十五、十六、三か年度、保育所を中心に五万人の受入れ増を図るというものであり、そのための所要の予算を十四年度、十五年度と計上してまいりました。これはまだ現在進行形でございますが、スタートの時点の十四年四月一日の待機児童数が二万五千人程度でございました。年度内にもそれから手を挙げられる方がいらっしゃるので数字が動くわけでございますが、私ども、本年度どういう結果になるか、来年度についてどうかというのはまだまだ不確定な要素が存在していると思っております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、五万人ずつ受入れ力を追加していくという政策を、来年度の概算要求を含めて、来年度の事業としても推進してまいりたいと思っております。 今後、さらに経済状況等との関連もございますが、女性の就労の増加でありますとか、また少子化のトレンドの中で、児童数自身の変動というようなものが地域的にも様々な形で変化を見せるというふうに思っておりますが、そうした中でも政策の所期の目的が達成できますように、自治体と協力して努力してまいりたいという途上でございますので、そのような説明でお許しいただきたいと思います。 もう一方の特別保育、延長保育や休日保育などの多様な保育サービスというのが保育の質という意味でも利用者の方々に非常に強く求められているわけでございますが、これは新エンゼルプランというものに基づいて、十六年度までの目標値を掲げて施策を進めております。 例えば、延長保育につきましては、十六年度目標値一万か所の延長保育を実施する保育所の確保を目標として掲げましたが、十四年度で実績で既に一万六百か所、十五年度予算においては更に目標値を上回る一万一千五百か所の延長保育の実施ということを見込んで事業を進めております。 また、休日保育につきましては、十六年度目標値三百か所というものでございましたが、十四年度実績で三百五十四か所、そして十五年度予算において五百か所という事業量を見込んで予算を計上し、それを執行しようというところに来ております。 以上でございます。
○白浜一良君 今いろいろ御報告いただきましたけれども、全国を統計してみればいろいろ足りないとかいうこともあるんですが、地域的に見ていきますと、田舎の地方というんですか、ほとんど充足しているんですね。待機児童がいらっしゃるというのは、どちらかというと都市部の問題で、私、伺ったデータでいいますと、百人以上が待機されているというのはたった六十三市区しかないと、もう本当に都市問題なんですよね。 これ、全体的な件数を今おっしゃいましたけれども、予算措置も含めておっしゃいましたけれども、特別、そういう都市問題ですから、こういうものは特化して何か考えていらっしゃるんですか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 先ほどの説明で少し足らざるところあったかと思います。 今御指摘のように、百人以上の待機児童を抱えているところが全国で六十三市区ございます。そこだけで、今手元に資料ございませんが、おおむね待機児童の六割はそこにいらっしゃる、中核市ぐらいまで含めてまいりますと八割近くというふうにも言われております。 私ども、待機児童ゼロ作戦で、ある意味で全国的な保育所受入れ予定数の増加ということを図るために五万人ずつと、こういう予算計上をしておるわけでございますが、そうした、あえて言えばマクロ的な予算政策に対しまして、やはり特定の市区、まあ町村もないとは言わないと思いますが、そういう特定の自治体における具体的な待機児童ゼロの目標、青写真というものを前提とした、ミクロ政策とかみ合わせた予算政策ということにしていかなければいけないと、こういうふうに考えておりまして、その意味も込めて、先般御可決いただいた児童福祉法では、特定の自治体に具体的にいつまでにどう待機児童をゼロにするのかという計画を立てていただいて、それを前提に政府としてピンポイントで支援をしていく、こういうような考え方を盛り込ませていただいたところでございます。
○白浜一良君 はい、分かりました。 次に、予算のことで少しお伺いしたいんです。 これも私、教えていただいたデータなんですが、予算も給付の実績ベースで見ますと、平成十二年度の実績で、いわゆる社会保障給付費のうち高齢者関係給付費が六八%を占めていると。それで、いわゆる児童・家庭関係給付費はそれに対して三・五%だと。これは給付ベースですから、予算ベースとは違うのは当たり前でございますが。予算ベースで見ますと平成十五年度は、児童家庭予算は一兆四千億と、高齢者関係給付費に係る予算が十兆五千億と、こういうふうになっている。 これは中身はいろいろございますから一概には言えないわけでございますが、しかし全体の傾向はあるわけでございまして、こういう予算の今現状に対しまして提案者の皆様がどうお考えになっているのかということをお伺いしたいのと、同時に厚生労働省の考えも伺いたいと思います。
○衆議院議員(中山太郎君) 高齢者に対する給付が、予算が非常に大きいという御指摘でございます。それに対して子供たちに対する給付が少ない、予算の編成が少ないと。 率直に申し上げて、一番大きなものはやっぱり年金と医療費の格差だろうと思います。一番子供が発病しにくいのは、大体三歳から十歳ぐらいなんですね、小学校卒業までの。しかし一方、高齢者といっても五十前後から始まる成人病、これがだんだん医療費を押し上げまして、大体頂点に達するのが七十五歳から八十歳。そういうことと、子供はまだ年金を受け取れませんけれども老人の方は年金を受け取る。こういうふうなコストを計算すると、非常にバランス上は比較にならないほど高齢者に対する給付が大きいと、こういうことだろうと思いますが。 そういう点から考えましても、まだこの少子化対策のために、いわゆる保育所の予算とか、あるいは延長保育、深夜保育、あるいは小児科の専門医のネットワークを構築すると、こういったようなことに対しての予算の配分はこれからやっていかなければならないと。そうしないと、子供を託児所に預けて、そして企業で働いていらっしゃるお母さん方が、子供が発病したからといってすぐ帰ってこれないといったような緊急の状態にも対応することを考えてさしあげることが必要だと思っております。
○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘の、高齢者関係に重点があるんじゃないかと、おっしゃるとおりなわけでありますけれども、ただ、少子化そのものというのがある意味で、言ってみれば、高齢社会における社会保障にとって一番影響を受けることでありますので、私は先生今御指摘になったことは極めて重要なことであると思います。 要するに、特に年金等につきましては、これは支える側の現役世代というのの数が減れば減るほど、これは制度そのものの持続可能性というのが非常に困難になってくるわけでありますので、そういう趣旨からいいますと、高齢者についての社会保障費というのは非常に重要でありますけれども、加えて、少子化対策等にも十分な予算を配分していく必要があるんだろうと、こういうふうに考えているところであります。 ただ、それはいろいろなバランスの中で、今までの大きな流れの中でやってきたわけでありますので、是非こういう御議論を機会に、先生方におかれましても、少子化も極めて社会保障制度を支える上で重要な観点なんだというようなことからも御支援を賜ればというふうに思う次第でございます。
○白浜一良君 おっしゃるとおりでございまして、別に高齢者対策が多過ぎて、それを削って少子化対策に回せと、こういう意味じゃないわけで、全体的な社会保障の在り方として、今いろいろ御答弁いただきましたので、それにのっとって我々も努力をしたいと、このように思うわけでございます。 それから、先ほど北海道大学の金子教授のお話をいたしましたが、答弁にも少しあったんですが、結局、既婚者に対する対策に偏重しているというお話もございました。やっぱりこれからは、シングルマザー、よく言われるシングルマザーとか非嫡出子が差別されない、同じ価値観でその生を営めるというか、人生を楽しめるような、そういう社会にしていく必要があると、このように私も思うわけでございますが、この点に関しまして提案者の皆様、どうお考えになっているかお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(肥田美代子君) 午前中にも議論がございましたけれども、正に今、個人の結婚観、価値観が変わってきましたので、未婚化、晩婚化ということもございますし、とりわけ今、子供たちの中で一番やはり悲劇的なことは差別があることだと思っております。非嫡出子、その戸籍上それから相続上の差別があるわけでございますから、私はこれはもう何としても二十一世紀の初頭に改善していかなければいけない喫緊の課題だと思っております。
○白浜一良君 いろいろと大きな課題があるわけでございますが、一つ一つ取り組んでいかなきゃならないと、こういうことだと思います。 それから、これはもう何回も同じような傾向の主張はされているわけでございますが、子育て家庭に対する支援策の調査研究報告書というのを昨年三月提出されたということでございます。その報告書によりますと、子育てしながら働きやすい職場環境の整備ということが一つ、それから、子育てへの経済的支援、これが強く望まれている、要望が強いということでございますが、この点に関しまして、当然それを前提として本法案が作られたと思うわけでございますが、どのように認識されているかお伺いしたいと思いますが。
○衆議院議員(肥田美代子君) 白浜委員から御指摘いただきましたこの子育てしながら働ける職場づくり、これは大変重要な課題でございます。男女共同参画社会を推進していく上でも、子育てと仕事の両立支援は不可欠の問題でございます。結婚や妊娠、出産しても本人が希望する限り雇用が継続される制度を充実させることが必要だと思っております。 そのために、やはり労働時間の短縮、それからフレックスタイムの制度の導入、託児施設の設置、育児費用の支援という経済的な支援が私は充実されることを、この法律、基本法が成立した後、しっかりとやっていかなければいけないと思っております。 それからもう一つ、多様な就労機会、それも保障しなければいけませんが、例えばパソコンを利用した在宅勤務なども十分に考えられていくべきことだと思っております。 それから、子育てに対する経済的支援でございますが、これは正に、いろいろ具体的には出ております。確かに、就業の支援、それから経済的な支援ということで出ておりますけれども、私は、やはり総体的にもう少し総合的な支援をしていかないと、各省庁でばらばらにこういう支援が行われているということにやはり大変疑問を持っておりますので、この基本法ができたら是非その経済的支援も総合対策としてやっていっていただきたいと思っております。
○白浜一良君 おっしゃっているとおりで、これはやっぱり省庁縦割りでやるとなかなか全体的な効果がないので、内閣府かどこかで調整して、全体的な施策、総合的な施策が取られることが望ましいと、私もそのように思います。 それで、同じような質問で恐縮ですが、厚生労働省にも、こういういろんなニーズがあるわけで、それに対してどういう施策を考えていらっしゃるか、どういうことを取り組まなきゃならないと思っていらっしゃるか、ちょっと確認をしておきたいと思いますが。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 御質問の範囲が相当広うございますので、若干的確なお答えになるかどうかという点ございますけれども、先ほど、子育てしながら働きたいという、その非常に切実な願いに関連しての今のお尋ねだというふうに考えております。 まず一つは、私ども、昨年九月、大臣から少子化対策プラスワンで打ち出させていただきまして、それ以来、法律にまでさせていただいておりますが、こうした子育てしながら働きやすい職場環境の整備につきましては、子育て期間における残業時間の問題、これをいかに縮減できるか、あるいは育児休業の問題につきましても、社会全体での目標値として男性一〇%、女性八〇%ということを打ち出させていただきましたが、そういう目標を踏まえた着実な取組の推進、それから保育所の待機児童解消のための施策の推進、それから、放課後児童クラブと呼んでおりますが、学齢になりましてもやはり子育てしながら働きたいという親御さんたちの大きな課題がそこにまたございます。そういう点も含めて、乳児期から本当に学齢期に至るまで、それぞれの時点で働き方と生活と両面にわたる様々な施策が必要であると考えております。 当面、今私ども急いでおりますのは、成立させていただきました次世代育成支援対策推進法に基づきまして国の指針をお示しをし、それに基づき、企業及び市町村、都道府県もですが、が具体的な今後十年間の行動計画を、それぞれ数年ずつのローリングとなると思いますけれども、その行動計画を策定していただく。で、津々浦々で、職場で、そして生活の場である地域で一体何が必要で何ができるかということを積み上げていただく。こういうものの中に、今御指摘もありましたような縦割りじゃいかぬというような点も含めて、私どもがもう一度目を開かされるような部分もあるのではないかというふうにも思いますし、またそれぞれで本当に御努力いただきたいというふうに思います。 それらを総合いたしまして更に今後の対策の推進のベースとしていきたいと思っておりますが、当面は、経済的支援の問題もお触れになりましたけれども、昨年暮れに与党三党でおまとめいただいた御方針に沿って概算要求をし、また法律改正もと考えておりますのが、一番普遍的な経済支援対策であります児童手当でございます。 それから、関係閣僚会議において当面の取組方針でも盛り込んでいただきました、来年における、より利用しやすい仕組みとするための育児休業制度の在り方の見直しと、こういった点をもう一歩また踏み込ませていただくというようなことを通じて、行動計画の策定と結果を待つまでもなく、国としてできることについて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○白浜一良君 しっかりお願いをしたいと思います。 それから、十二条に「地域社会における子育て支援体制の整備」という項目がございますが、私、昭和二十二年に奈良県の大和郡山市というところで生まれ育ったんです。それで、自分の子供のころを思い出しますと、町内会というか地域社会、しっかりありましたですよね。それで、子供のグループがあるんですね。自然と指導者、指導者というかボスみたいな人がいて、それを取り巻く年長者がいて、それで子供が、全体があちこちで遊ぶ。家庭も全部、そういう子供のグループはどの家庭もそれは全部受け入れるという、地域社会全体で子育てされていたのかも分かりません。自分自身の少年期を振り返ってそう思うわけでございます。 当然時代の変化があるわけで、都市化現象もございますし、だんだん家庭と家庭の結び付きというのはなかなかそう一体感のないような地域社会にもなっているわけでございますが、この十二条でわざわざこういう概念を、整備という、そういう「地域社会における子育て支援体制の整備」と、このように規定を入れられた背景といいますか、そういうものをお聞きしたいと思いますが。
○衆議院議員(西川京子君) 議員御指摘のとおりに、確かに地域社会の教育力、これが低下していることは事実だと思います。そういう中で、特に核家族が進行する中で世代間の交流、これが本当に落ちてきていると思いますね。 そういう中で、例えば、私も経験上、家族の中にお年寄りが一人、例えばその家族の中にいないんですが、たまたま遊びに来ただけでも子供の社会が広がるというんでしょうか、親には見せなかった面を、その一世代上のおじいちゃん、おばあちゃんには子供が優しい感情を見せたり、そういう行為をしたというような、私自身も子育ての経験の中で、母が遊びに来ただけで、今まで自分が知らなかった子供の面を発見するとか、そういう経験も持っております。 そういう中で、本当に地域で、昨今は特にこの子育ての支援が、仕事を持っていらっしゃる方の子育てとの両立支援に偏りがちの中で、むしろ専業主婦自体が子育てに大変な負担感を持っている、子供と常に一体化しているようなところがあると。そういう問題も含めて、地域で子育てをしている母親あるいは保護者を支援していくのは大変大事なことだと思っております。 そういう意味で、拠点としての地域の子育て支援センターあるいはつどいの広場などの整備、こういうことも行政側として大いに心掛けていくことだと思います。そしてまた、学校教育の中でも若い世代に、未来の親に対する一つの意識教育ということも含めて、先ほどもお話が出ましたが、高校生、中学生などの保育所への研修その他、そういうことも考えております。 そしてもう一つ、私、これは一つの実践例ですが、保育園のパートに、とかく若い保育士さんが多い中で子育ての終わったおじいちゃん、まあおばあちゃんが中心かもしれませんが、まだまだ元気な方々、特に独り暮らしのお年寄りなどは、そこに本当にボランティアという立場で、わずかなパートのお金をお上げすることで保育園で働いていただく、こういうことを実践している自治体もあります。それはもう、お年寄り自身も生きがいを見いだされ、そして保育士さん自身も世代間の勉強になり、子供たちがまたお年寄りとの交流を図るということで、そういう様々な行政側の一つの試行錯誤というんでしょうか、そういうことをやっているところでございます。
○白浜一良君 今、提案者のいわゆる趣旨を伺いましたけれども、厚生労働省は審議官ですね、この問題に対しましてどのように取り組んでいくお考えでございますか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 「地域社会における子育て支援体制の整備」という条文に関連してのお尋ねでございますが、地域の子育て支援事業というものを、大変重要な事業にますますなってきているというふうに認識しております。それは、やはり家庭やその地域の置かれている環境というものが近年大きく変化してきていることとの関連だというふうに理解をしております。 そうした家庭や地域における子育て力の維持強化という観点から先般成立させていただきました、御可決いただいた法律の、次世代育成支援対策と、こう申しておりますが、子育て世代にだけ閉じ込めてしまうのではない、もっと幅広く、世代が地域の中でともに支え合うような、そうした新しい地域社会の力というものを作っていくことにより、家庭における子育て力というものも維持強化されるという側面があるのではないかというふうに考えておりまして、環境の変化とともに重要な事業となってきているのが地域子育て支援事業であると思います。 具体的には、実は予算面でもまだまだ開発途上のところがございまして、先ほど提案者の方からもお触れになりましたつどいの広場事業、これは親子共々育つという大変重要な事業であると思っておりますが、十五年度予算で二十か所増やしてようやく八十五か所というような状況にございます。しばらく前から実施しております保育所等における地域子育て支援センターにつきましては、二万七千か所を今目指して十五年度予算計上しております。 それから、十五年度予算では、さらに新しい取組といたしまして、地域の中の様々な子育て支援のサービス等々の情報をコーディネートする力というものが必要であるということから、子育て支援総合コーディネート事業というものを起こしております。そのほかファミリー・サポート・センター事業などもございますが、こうした地域子育て支援という仕事、その重要性にかんがみ、先般の児童福祉法改正によりまして、これを市町村自身の責任を持って行う仕事として一群のサービスを位置付けさせていただきました。 こういう体系の下で、今まで少し、まだまだ開発途上でございました地域子育て支援の具体的に的確な、有効な事業が展開されますように更に努力をさせていただきたいと思っております。
○白浜一良君 大事なことなんで、しっかり推進をお願いしたいと思います。 最後に、制度を作ってもいわゆる実効性という面で物すごい格差が出るという問題、この問題を最後にお伺いしたいと思うんです。 一番分かりやすいのは育児休業制度ですね。大変大事な制度でございます。しかし、実態から見ますと、これを利用されている比率で言いますと、公務員は、当然男女合わせてでですが、公務員の場合は三三%、民間は一二%でございますね。同じ制度を作っても、まあそういう公務員の方が制度を取り入れやすいということはございますが、民間はなかなかそういう制度を取り入れにくいと。 それで、同じ民間でも、これは見たら分かりますが、どうしても会社側も負担になるわけでございますから、だから、そういう土台のしっかりしている会社はいろんな制度を受け入れる力がございますけれども、私、大阪なんですが、まあそういう中小企業の事業そのものがもう火の車というところはそんな制度を導入する、もう休むんやったら辞めてよと、こういう簡単に、社長がというんですか親方がというんですか、言うような事業も一杯あるわけでございまして、同じ制度を作っても実効性の面でこれは官民の格差もございますし、同じ民間でも実際実効性という面では大変差が出る。 ここはやっぱり何か考えないと、国は制度だけ作ってこれで終わりだと、あとは現場だと、こういうんじゃ余りに私は一律過ぎると。もっと重層的に実効性のある制度を、同じ作るんでしたら考えていくべきだと思うんですが、この点に関しまして、提案者と厚生労働省、簡潔で結構でございますから、お考えをお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○衆議院議員(西川京子君) この子育てと仕事の両立という面の中で、本当にこの育児休業の問題というのが、制度が一番大切だということは十分に認識しております。 その中で、私も生まれたばかりから一年ぐらいは本当はじっくり、職場のことを忘れてお母さんと子供がじっくりそこで交流をしてほしい、そのことが私は子供の将来に一番大切なことだと思っております。そういう将来の子供たちのためにも、この育児休業制度を本当に充実させたいなと思っております。 そういう中で、確かに、職場のそういう、職場自体の格差というんでしょうか、それが大変大きいということは私も十分に認識をしておりまして、確かに公務員が比較的まあ恵まれているという状況の中で、いかにこれから行政側が対応していくのか、そのことは本当に大事なことだと思っております。要するに、制度だけ作って魂を入れないと、そのことが一番の政治家としての課題だとは思っております。 そういう中で、民間の必要な雇用環境の整備に努めるということはもちろんでございますけれども、環境整備、そういうものについての行政側の責任、それは私ども痛感しておりますので、これから十分にその辺のところを、これはある意味では経済が上向かないとなかなか厳しいという問題もありますので、そういう大きな視点からも、私たち政治家の責任というのは大きいと思いますので、一生懸命取り組んでまいりたいと思います。 詳しいことはまた厚生労働省の方でお願いしたいと思います。
○委員長(小川敏夫君) 簡潔にお願いします。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 関連いたしまして、やはり今般の法律制定によりまして企業の行動計画というものが出てまいります。中小企業には特にこれは義務付けせず努力義務にとどめておりますが、私ども、中小企業でもいろいろの御工夫をいただきたいと、こういうふうに考えております。 そういうことを通じて、全体として、民間であっても育児休業が取れる雰囲気、理解というものが進むんではないかと思いますが、そのためのハードルは非常に高いという御指摘、そのとおりだと思いますが、行政といたしましては、関連の助成金制度を活用し、今までもやってきておりますが、その周知を徹底する、あるいは特にこの新しい仕組みにおきましても、そうした業種や企業の規模によっていろいろな困難があるだろうということで、事業主の団体を、これはもう複数、多くでございますが、次世代育成支援対策推進センターとして指定をし、中小企業であれば中小企業に対応いたしました様々なソフトな支援をしていく、そうした配慮が最低限必要であるというふうに考えておるところでございます。
○白浜一良君 終わります。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 少子化社会対策基本法案について伺います。 参議院でも、二〇〇一年の六月二十日に少子化対策推進に関する決議というのが本会議で全会一致で上げられております。国民生活・経済に関する調査会というのが参議院でございまして、一九九八年から三年間にわたりまして少子化問題を中心に議論を積み重ねてきたところでございますが、私もその調査会の一人として取り組まさせていただきました。今日は全面的な質問になるかと思いますが、よろしくお願いをいたします。 まず最初に、この法案で言われております少子化社会ということについて伺いたいと思います。 まず、少子化社会とは何か。衆議院、そしてこの参議院に至っても議論をされていることだと思いますが、特に最近の急激な少子化の実態と少子化社会による問題点について、提案者及び政府の両方から伺いたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 少子化社会と申しますのは、出生率が低下し子供の数が年々減少していく、そういう社会を指すものと考えています。 我が国の場合、昭和五十年以後出生率の低下が続いておりまして、人口置換数を大幅に割ってまいりました。とりわけ一九九〇年以後、昨年は合計特殊出生率が一・三二ということで、一・五七ショックから比べましても急激に出生率の低下というものが続いております。 この少子化のもたらす影響といたしまして、まず第一にはやっぱり経済的影響というのは当然ございます。それは、労働力が低下し、そしてまた経済成長を制約するという意味において経済的な影響がございますし、また結果として、現役世代の負担が増大するという形で社会保障制度その他に対しての非常なひずみというものが予想されるわけでございます。そうした結果として、現役世代の手取りも減っていくということが当然予想されるわけでございます。 さらに、そうした状況における社会的な影響といたしましては家族の形態が多様化と。これは当然、そういう状況に対する順応という意味では当然のことですが、家族の概念そのものも変わっていくだろうと。決して否定的に申し上げているわけではございませんが、そういう非常な多様な状態が生まれてくるだろうと。そして、子供の健全な成長への影響というものも当然生じてまいりますし、社会的なそういうサービス、住民に対する基礎的なサービスというようなものについても当然困難になってくるというふうなことが予想されるものと思います。また、地域的には、国土の保全、資源の管理といったようなことも困難になってくる場合もあり得るかというふうに考えています。 そういう意味においては、今日の社会の根幹というものが大きく揺るがされてくるというふうな状態になるものではないかというふうに考えています。 問題点ということがどういうふうな御意図で質問なさっているのか分かりませんが、現象としてはそういうことでございますし、またこうしたことが起こってきた状況としては、本日も午前中から非常に御議論いただいているわけでございますが、かなり共通した認識としては、例えば人口研のレポートの中にも、例えば一九七三年から一九九六年の二十三年間に、高齢者一人当たりの関連福祉予算が五・八倍になったけれども子供一人当たりの福祉予算は一・三倍しかなっていないというふうな形で、高齢化に目を奪われている中において子育ての問題について非常に、あるいは子供の環境の問題についてないがしろにしてきたというふうなこともその一つの原因ではないか、そうした社会ということが少子化社会というものを生み出した一つの要因ではないかというふうに思っております。
○委員長(小川敏夫君) どなたに。
○畑野君枝君 厚労省。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。 まず少子化社会ということでございますけれども、正に技術的なお答えになろうかと思いますけれども、合計特殊出生率で申しまして、人口置き換え水準である、二・〇八と言われておりますけれども、それを下回る水準で子供の数が減っていくということが少子化社会の技術的な面での事柄であると思っております。 その社会的、経済的影響につきましては、ただいま提案者の方から包括的にお述べになりましたので、私の方からは特に付け加えることはありません。
○畑野君枝君 高齢化社会の話にも触れていただきましたけれども、これは寿命が延びるというのはいいことでございまして、それは大いに対応も進めるということだというふうに思いますが、一方で、少子化社会という点で次に伺いたいのはその要因ですね、特に近年の要因としてどのようにお考えになっているのか。この点も提案者とそして厚労省にそれぞれ伺いたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 要因の最大の問題は、日本においてはやはり晩婚化とそれから生涯独身という問題が最大の要因だろうというふうに思っています。そして、昨今では夫婦世帯の中においても子供を持たないという、持たないというよりも子供を持てないという夫婦が増えてきているということがかなり数字的にも明らかになってきたというふうに考えています。 これは、ある意味において、長寿社会になり、社会が成熟していき、そして様々な教育の機会が増えてまいりますと、晩婚化の傾向というものは私は否定されるべきものでもないし、そういう時代に入ったと考えるべきだろうと思っています。 ただ、日本の場合はそこに、午前中もお話ございましたけれども、諸外国を見てみますと結婚の時期は遅れているけれども、例えば同棲という形はかなり一般化しております。そして、その中で婚外子の出生というのはかなりの数がございますが、日本の場合はそうした同棲という形態を取ることは非常に少ない。その結果として、婚外子も非常に少ないという状況で、そのことがパラサイトシングルというふうに、何かよその国では起こらないような状況が一方で起こってきている。このことが、この長寿社会にふさわしいライフスタイルの中において、日本で特殊に少子化を進めてきた一つの原因ではなかろうかというふうに思っています。 また、夫婦の中における出生数が減ってきている問題につきましては、もちろん経済的要因も非常に大きいわけでございますが、もう一つとして、不妊の問題が非常に増えてきているというのは無視できないというふうに思っています。 不妊の問題点の最大の理由は、今日、女性の不妊も増えているともいう報告もございますが、男性不妊の方が大幅に増えている。データによっては六割、七割の不妊の原因が男性側にあるというふうなデータもございます。そういう意味におきまして、この不妊というものが増えてきているという状況も無視できない要素ではなかろうかというように思っています。
○政府参考人(水田邦雄君) 少子化の要因についてお尋ねでございますが、これもただいま提案者から御説明ありましたとおり、晩婚化、未婚化の進行ということは大きな要素でございます。 さらに、これに加えまして、昨年一月に公表されました日本の将来推計人口におきまして、これに加えまして、一九六〇年代前半の出生世代から夫婦、結婚した夫婦の出生力の低下という新たな要因も認められたところでございます。これも御指摘のあったとおりでございます。 こういった晩婚化、未婚化、それから夫婦の出生力の低下ということにつきまして、政府内部では平成九年の人口問題審議会で総合的な検討がなされておりまして、晩婚化、未婚化の背景といたしまして、個人の結婚観、価値観の変化でありますとか、親から自立して結婚生活を営むことへのためらい、こういったことが挙げられておりまして、またその夫婦の出生力の低下にも共通する問題といたしまして育児の負担感、特に仕事との両立の負担感が大きいこと、これらが挙げられているところでございます。
○畑野君枝君 その点で併せて伺いたいんですが、やはりこうした問題を考える際に、当事者世代といいましょうか、若い女性やまた若い世代の意識はどうなのかということから出発することは大変大事だと思うんですね。その点でのその結婚あるいは出産の意識ということについてはどのように受け止めておられるか、この点も提案者と厚労省に伺いたいと思います。
○衆議院議員(西川京子君) 御指摘のとおり、実は個々具体的な一つの調査の結果といたしまして、第十二回の出生動向基本調査というものの中に、年齢別の未婚率あるいは生涯未婚率というのがあります。それが、特に男性の場合は二十五歳から三十四歳の間、そして女性の場合は二十歳から二十九歳の間に大変著しい。それから五十歳ぐらいの生涯未婚率というのは、五十歳というあれも出ております。これも非常に上昇している傾向にあります。 そういう中で、私は、この社会全体の中で結婚あるいは出産、子育てというものに対して若い人たちが余りいいイメージを持っていないのではないかと、そのことが大きな一つの原因だと思っております。これは政治家として大変大きな課題だと思っておりますけれども。 そういうことをよく考えてみますと、基本的にやはり私は小さいころからの子育ての教育という問題が大きく左右しているように思います。すなわち、若い方々が人間として大変大人として自立していないという現実、受験勉強その他、過保護、少子化の中で親の過干渉、いろんな問題を含めた中で、若い方々が大人の人間として自立していないんではないかと、そういうことが私は大きな一つの要素のような気がいたします。それがいわゆるパラサイトシングルなりモラトリアムなり、なかなか親から離れない。今、先ほどの御説明もありましたが、少なくとも親から自立して同棲はする外国と比べると、そのこと自体ができない日本の若い人たちというような姿が見えてくるような気がいたします。そういう意味で、大変に根本的な教育の問題から考えていかなければいけないような、これは少々個人的な意見もありますが、そんな思いも持っております。 是非、若い人たちがそういう結婚あるいは子育て、出産というものに対してもっといいイメージを持てる社会、それを作っていくことがこの少子化の一つの歯止めにも寄与することではないかなと思っております。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。 出産あるいは結婚に関するその当事者の意識はどうかというお尋ねかと思いますけれども、出産に関する意識調査といたしましては、ただいま提案者の方がお答えになりました、昨年、二〇〇二年の第十二回出生動向基本調査、夫婦調査と言っておりますけれども、ここで調べております。 別の観点でございますけれども、ここで妻が理想とする子供の数というのを聞いておりまして、これが二・五六人。それに対して実際に持つ予定の子供の数というのが二・一三人ということでございまして、理想の子供の数と予定する子供の数にはやや乖離が見られるところであります。実は、この調査におきましてこの理由についても聞いているわけでございますけれども、一番多いのは子育てや教育にお金が掛かり過ぎるからという回答が最も多くなってございます。 次に、結婚に関する意識調査、これは独身の方に聞いたものでございますけれども、一九九七年の第十一回出生動向基本調査というものがございまして、そこで調査をしております。その結果によりますと、いずれ結婚するつもりと考える女性は近年少しずつ減る傾向にはございますけれども、なお九割の方がいずれ結婚するつもりとお答えでありまして、一生結婚するつもりはないと考える女性は五%にとどまっているわけであります。 この結婚するつもりのある女性、九割の女性でございますけれども、このうち、ある程度の年齢までには結婚するつもりの方と理想的な相手が見付かるまでは結婚しなくても構わないと、二つグループがあるわけでありますけれども、この前半、前のある程度の年齢までには結婚するつもりの女性の割合は近年減少しておりまして、四割強になっております。他方で、理想的な相手が見付かるまでは結婚しなくても構わないと考える方は五割を超える、過半数を超えるという状況になってございます。 意識調査の結果はこのようなことになっております。
○畑野君枝君 やはり具体的な調査に基づいて考えていくことが大事だというふうに私も今伺って思いました。結婚や出産を望んでいてもそれがなかなかかなわない、あるいは相手はだれでもいいというわけではなくて、それはもちろん真の愛情に基づいてそういう人を、出会いたいという思いもあるということだというふうに思います。 以下、厚労省に伺いたいんですが、先進国での出生率の特徴と少子化問題での対応で特に日本と違う点があれば伺いたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。 欧米諸外国との対比ということをベースにちょっとお答え申し上げたいと思いますが、フランスとか北欧諸国、あるいはアメリカやイギリスというのが比較的高い出生率を示しております。それらにおいても、それぞれ国によって政策的な濃淡は違います。御承知のとおりかとは思いますけれども、フランスの場合には子育ての経済的支援に大変特色があります。それから、スウェーデンを始めとする北欧諸国は、子育てと仕事の両立支援というところに大きな特色があると同時に、手厚い児童手当というものもあると、こういう状況かと思います。アメリカやイギリスはいずれでもなく、特に政府は一般家庭の問題には介入しないというのが基本的なスタンスになっており、貧困家庭対策というジャンルでとらえられる範囲での対応をされているという特徴がございますが、結果としては、いずれも我が国に比べて相対的に高い出生率になっている。我が国の政策と比べると、それぞれに今申し上げましたようなところの特色、違いというものがあるように思います。 一方、我が国と同様の低い出生率ということでは、これも御承知のことかと思いますが、ドイツや南欧諸国がよく指摘されるわけでございます。ドイツにおきましては、手厚い経済的支援というものはあるけれども、公的な保育サービスの整備が低いというふうに言われております。イタリアを始めとする南欧諸国では、そうした経済的支援も子育てと仕事の両立支援も弱くて、女性の労働力率自身もやや低いというような特色があると言われておりまして、一概に比べることはできないと思いますが、それぞれに、我が国と比べて出生率の高いところ、低いところ、それぞれの違い、特色というものがあるというふうに理解をしております。
○畑野君枝君 日本において少子化社会に対応していく上で、結婚、出産、家庭の在り方について国として考える際の前提あるいは留意点、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 前提といたしましても、これまでも様々な有識者会議その他の御提言その他がございますが、例えば子どもの権利条約におきましても、保護者が子育ての第一義的責任を有するというくだりが出てまいります。そういう点は、当然の前提として踏まえられているものだと理解をしております。 また、先週成立いたしました次世代育成支援対策推進法におきましても、基本理念といたしまして、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的な認識の下に、家庭その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行わなければならない、こういう施策推進上の基本的な留意事項が述べられているところでございますので、政府といたしましては当然そういうものを前提といたしますが、例えば、冒頭申し上げましたこれまでの御提言の中に出てくる留意点といたしましては、典型的なものといたしまして、例えば昨年九月に公表いたしました少子化社会を考える懇談会の中間取りまとめにおきます留意点としては三点言われております。 子供の数だけを問題とするのではなく、子供が心身ともに健やかに育つための支援という観点、それから、子供を産むか産まないかは個人の選択にゆだねるべきことであり、子供を持つ意志のない人、産みたくても産めない人を心理的に追い詰めることになってはならないという観点、共働き家庭や片働き家庭、一人親家庭など多様な形態の家庭が存在していることや、結婚するしない、子供を持つ持たないなどといった多様な生き方があり、これらを尊重することというような留意点の指摘も一方においてございます。 政府といたしましては、以上のような点を踏まえながら、少子化社会への対応という観点での政策を進めてまいるということが肝要であろうと考えております。
○畑野君枝君 そこで私、提案者の方に御提案申し上げたいんですが、一つは、少子化社会に対応するための施策は、結婚及び出産は個人の選択に基づくものであるということを前提として講ぜられなければならないと、これを理念として明確にしておく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。 と申しますのは、この参議院で、先ほど御紹介しました全会一致のこの国会決議、二〇〇一年でございますが、そこでは明確に、「いうまでもなく結婚や出産は個人の自由な選択に委ねられるべきものである。今日の少子化は、個人の価値観の多様化や意識の変化に社会の仕組みが対応できていないことに大きく起因している。」というふうに言っているわけです。 こういう点含めて、いかがでしょうか。
○衆議院議員(西川京子君) 委員今お尋ねの件は、もう正に今回のこの法案の修正部分に盛り込まれていることと全く一致することだと思います。参議院でのその一致した御見解と何ら変わるところはないと思っております。 本法案が、個人の自己決定権を当然の前提として作られていることは言うまでもございません。今回、この少子化に対する様々の施策が個人の自己決定権を侵害するものではないということは文言上明らかにしているわけでございまして、これを基本理念に規定するやり方もおありでしょうけれども、今回のこの法案は前文でそのことをきちんとうたうということで皆さんの一致を見たところでございます。
○畑野君枝君 あわせて、この二〇〇一年の参議院の国会決議の中では、「かかる社会の在り方を見直し、安心して子どもを生み育てることのできる社会の形成を目指し、総合的な施策を早急に確立することは、国会及び政府の責務である。」というふうに、社会の在り方についてかかわって提案をしているわけなんですけれども、私は、やはり何よりも社会の条件整備がこの少子化社会にかかわる対応ということでは大事じゃないかと。 そういう点で、少子化社会をどうするかという点では、少子化社会を克服しという文言を付け加えるべきではないかと思いますが、提案者の方はいかがでしょうか。
○衆議院議員(西川京子君) 共産党が目的規定の方に、その少子化社会を克服しという文言を加えるべきだということは十分承知しております。 その中で、私どもはこの法律案に、前文に、少子化の進展に歯止めを掛けること、それが我らに求められていることだと、そういう意味での認識の点において一致しているところでございます。 しかし、同じ趣旨をどこに規定するのかということは、様々な議論がありました中で前文に規定することとして、今回、委員もおっしゃっていることの目的は十分に達成されているということで、あえて重ねて規定はしなかったところでございます。
○畑野君枝君 この二つの問題含めて、いろいろな懸念や意見があったわけでございまして、私としては、本当にそういうことがきちっと書かれていくことが必要ではないかということで質問をさせていただいたわけでございます。 次に、二つ目に働き方の問題について伺いたいと思います。 最初に、男女共同参画について伺わせていただきたいんですが。ちょっと順序が変わりますが。この間白書が出されまして、その中で固定的役割分担意識、つまり男性は仕事、女性は家庭を守るというような意識について、特に若年層でどうなのかということと、それから実態として、家事労働の役割分担については先進国と比較していかがなのか、この男女共同参画社会推進のために、各国の問題意識として、男女平等のために最も重要なことは何かというふうに言われているのかという点について伺いたいと思います。
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘の平成十五年版男女共同参画白書での基になっております調査ですと、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるという役割分担意識、二十代の男女で見ますと、日本は三八・九%。ほか何か国か調べておりますが、ドイツは一七・四%、イギリスは五・四%というように、日本は、ほかの世代に比べて、あるいは過去に比べれば若い方たちの役割分担意識は減少しておりますけれども、それでもほかの国々に比べては大変高いと。そしてまた、家事労働の役割分担につきましても、掃除、洗濯、食事の支度、すべてにおきまして日本では妻が行うと、九割近くが妻が負担しているというような状況でして、欧米諸国では、妻も多いですけれども、夫ですとか家族全員が多い。家族全員といいますと子供も一緒にやっているということですけれども、日本はひたすら妻が引き受けるという傾向が欧米諸国に比べると強いようです。 先日、国連の差別撤廃委員会でも、日本はこの固定的な役割分担意識が強過ぎるのではないかといった指摘が委員からもございましたけれども、男女共同参画社会の実現に向けて、国民すべてにこの男女平等及び人権尊重の意識を深く根付かせるための広報啓発がまだまだ必要かなと思っております。
○畑野君枝君 なぜ日本が性別役割分担が根強いのかということで、新聞報道などによれば、確かな理由の一つは男性の労働時間の長さだというふうに指摘されておりますが、坂東局長はそのようにお考えになりますか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 私どもの今年度の白書におきましても、週に六十時間以上働いている男性の例えば育児への参加は、それ以下の方たちに比べると明確に短いと。やはり長く働き過ぎて、疲れてなかなか育児や家事に参画できないのかなというデータはございます。
○畑野君枝君 正に、三十代から四十代前半の男性の四人に一人近くが、過労死にかかわる週六十時間以上の仕事をしていると。本当に子育てしたくてもとてもかかわれないという状況、この改善が私は一つは大事だというふうに思っている次第です。 例えば、社会経済生産性本部と日本経済青年協議会が平成十四年度新入社員の「働くことの意識」調査の結果を発表されておりますけれども、仕事と生活の両立という回答が八〇・六%で大多数だと。もう若い人もそういうふうに望んでいるということだと思うんです。 それで、この働き方の問題について、一つは男性の働き方の問題、それからもう一つは女性の働き方の問題、それぞれを解決して、正に仕事と生活の両立と若い人たちが望んでいる方向に進む必要があるのではないかと思いますが、まず、男性の働き方の改善という点で、とりわけサービス残業の是正含めてどういう推進が必要か、提案者に伺います。
○衆議院議員(近藤基彦君) 今ほどずっと議論があったように、まだ日本型の雇用慣行が延々と続いておる大変ゆゆしき問題だろうと、我々もそう感じております。 具体的には、長期雇用、年功序列、あるいはサービス残業、あるいは頻繁な転勤、そういった問題が家庭よりも職場の都合を優先させると、これは雇用慣行と、一言で。長い歴史の中での雇用観という話も中には含まれるだろうと思います。特に、すぐに是正をしなければいけないのは、やはりサービス残業を含む過度な残業。こういったことが、そういった子育てや、ひいては家庭生活を営むゆとりというものを非常になくしているんではないかという、そういった危機意識は我々も同一に持っているつもりでおります。 ただ、これを具体的にすぐに政策的にどうすればいいのかということは非常に難しい問題であり、このことはもう少し具体的な、我々で検討し、是正をしていかなければならない第一の問題だと認識をしております。
○畑野君枝君 そこで、厚労省に伺いますけれども、最新のサービス残業是正の状況、そして、今回新しくいわゆるサービス残業、賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針、このリーフレットも出されておりますけれども、これを本当に徹底していくことが必要ではないかというふうに思いますが、それぞれ伺います。
○政府参考人(青木豊君) サービス残業、いわゆるサービス残業と言われているものは、法に、労働基準法に規定しております時間外労働に対する割増し賃金を支払わないままに時間外労働をさせるというものでありますけれども、これは賃金を払わないという意味で賃金不払残業ということであります。 今申し上げましたように、基準法に違反するあってはならないものであるというふうに考えておるところでありまして、私どもとしては、平成十三年四月に、労働時間の把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準というようなものを策定しまして、周知徹底を図る、そして的確な監督指導を行うというふうなことをやってまいりました。 その指導の結果、平成十三年四月から平成十四年九月までの間に、未払になっていた割増し賃金につきまして、百万円以上支払った企業数、是正をさせて百万円以上支払うこととなった企業数は六百十三企業であります。是正を受けて割増し賃金の支払を受けた労働者の数は七万一千三百二十二人ということになっております。これらの割増し賃金、是正をすることによって支払われることとなった割増し賃金の額の合計額は約八十一億円ということになっております。 こういった取組に加えまして、賃金不払残業の解消を一層推進するために、去る五月二十三日に賃金不払残業総合対策要綱というものを策定いたしまして、その一環として賃金不払残業解消対策指針を策定いたしました。 今お話に出ましたが、この指針につきましては、企業の本社と労働組合等が一体となって、企業全体として主体的な取組を促そうということのために、各企業における労使が労働時間管理の適正化と、それから賃金不払残業の解消のために講ずべき事項を示したものであります。 具体的には、例えば労使に求められる役割でありますとか、労働時間適正把握基準といったものをきちんと遵守するとか、あるいは職場風土の改善、改革でありますとか、それから適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備だとか、あるいはその把握のための責任体制の明確化、それからチェック体制の整備、そういったことを示したところであります。 私どもとしては、先ほど申し上げました的確な監督指導を引き続き実施してまいると同時に、この指針の周知などを図りまして賃金不払残業の解消に取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
○畑野君枝君 私もある大手の企業の本社に伺いましたら、先ほど御紹介あった通達そのものの中身もまだ知らないという状況もございました。今度は労使でということですけれども、是非、労働者の側からもそういう声を上げていくということが大事だというふうに思いますが。 全国の状況も伺いました。例えば神奈川労働局、二〇〇二年十月一日から本年の三月三十一日までの六か月でも六億三千二百四十万円割増し賃金支払われたということで、これはそういう実態でよろしいですか。──いいです、そういうふうに聞いておりますので。 ということで、新しい状況がまだ幾つかの県で、これは全国的ではないですけれども、更にそういう状況があるということでございますので徹底をしていただきたいと、是正のために一層強めていただきたいというふうに思います。 あわせて、女性の働き方なんですが、これも他の先進国には見られないM字型と言われるカーブに対してどのように対応されていくのか、提案者とそして厚労省にそれぞれ伺います。
○衆議院議員(肥田美代子君) 少子化は、私は価値観の多様化ということと、もう一つはやはり女性たちの静かなる抗議だというふうに思うんですね。 今おっしゃいましたように、M字型、要するに未婚のときは就業率が高くて、妊娠、出産で低くなって、また子育てが終わると上がるんですが、大体、三人の子供を持っておりますとそれが五年間ぐらい続くわけですね。私はこの暗やみを、子供を育てていこうという決意をする大変大きな障害になっていると思います。ですから、この雇用環境をもう私は飛躍的に変える必要があると思うんですね。 ですから、例えば労働時間の短縮、多様な就労形態導入、また就労機会を確保する取組が必要でありますけれども、私は、ここのところをしっかりと整えなければ、幾ら産んでほしいと望んだところで大変無理な話になるんだろうと思っております。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お尋ねのM字型カーブと言われるものに関連いたしまして、我が国の平成十四年の女性の労働力率を年齢階級別に見た数字をまず御紹介させていただきたいと思います。 二十五歳から二十九歳の層は七一・八%という労働力率を示しております。四十五歳から四十九歳、七二・四%、これを左右のピークといたしまして、御指摘のように、三十歳から三十四歳の層の方に、見てみますと六〇・三%ということで、それがボトムと言われておるわけでございます。他の先進諸国におけるものとは違うカーブであるということでよく言われるわけでございますが、確かにそうした労働力率の年齢による違いというのは我が国の特徴となっているというふうに言えようかと思います。 ただ、一言申し上げさせていただきたいのは、十年前と比べますとこのM字型のボトムの労働力率も上昇の傾向を見せておりまして、先ほど申し上げました十四年の数字は初めて六〇%を超えた数値に引き上がってきたということがございます。 その背景でございますけれども、既婚者の労働力率が上昇している、これも事実でございますが、未婚者の割合が高まっているというのも一方における事実であろうかと思っております。希望する方を加えた潜在的年齢階級別労働力率ということで見ますと、希望ベースで言えば、M字型というよりは、他の先進諸国におきますように台形型と、こういうふうに言われておりますので、まだまだ就労継続を希望する女性は少なくないものというふうに考えて差し支えないと思っております。 厚生労働省といたしましては、働きたい女性が働き続けられるような環境を整えていくということは重要という考え方から、引き続き様々な施策の推進を図っていかなければならないというふうに考えております。 子育て環境の改善という観点からは、今般の次世代育成支援対策推進法に基づく企業の行動計画も一つの道具として、労使の話合いの中でより良い環境の整備というものを考えていただきたいと思いますし、企業の作るそうした行動計画の中には更に幅広く職場の中でお話合いいただいて、体制を組んでいただいてより良い環境の整備に努めていただきたいというふうに考えているところでございます。
○畑野君枝君 経済産業省関係の調査の中でも、女性が働きやすい企業風土があり、女性が就業している率が高いところで成績がよろしいという報告もあるかというふうに伺っておりますが、本当に女性の力が発揮できるような雇用環境のために是非取組を進めていただきたいというふうに思います。 あわせて、そうした両立を進めていく上で、働き方と同時にやはり三つ目に子育ての支援の具体的な推進が必要になってくるかと思います。 まず、提案者の方に、保育所や学童保育それから幼稚園というふうに法案に書かれておりますが、それぞれの役割をどのように考えているか、伺います。
○衆議院議員(肥田美代子君) 保育所は、保護者の就労によって家庭保育が難しい子供を対象に家庭に代わって保育サービスを提供する施設でございます。幼稚園は、親の希望により教育を提供する教育施設でございます。学童保育は、昼間保護者が就労している子供に遊び場や生活の場を提供する施設でございます。 この三つの施設が、やはり核家族の広がりとか地域社会の子育て力の低下が指摘される今日、子供の居場所としてとっても大事でございますので、私は願わくば、大人の勝手でなくてそれぞれの機関が相互乗り入れをし、私は、三施設が連携を深めていく、こういうことも大事だと思っておりますので、これから是非、この保育サービスにつきましてもこの法律ができましたら、積極的な対策を取っていくべきだと思っております。
○畑野君枝君 そこで、まず保育所について伺いたいんですが、厚労省に伺います。 この保育所の役割について、三歳児神話についてこれまでいろいろ言われてきましたが、厚生労働省としての見解と、あわせて保育の質をどのように作っていくかということも今言われております。この点についてと、そして幼保一元化というのが言われておりますが、この点についての厚生労働省の立場について、まとめてですが、伺います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 少子化が進行する中におきまして、子供の幸せを第一に考えて、子育てをしながら働く方が仕事と子育てを両立させて安心して子供を産み育てられる社会環境を作る、こういうことが大変重要な政策目標であるというふうに思っております。その中で、保育所というのは極めて重要な役割を果たす社会資源であるというふうに考えております。 いわゆる三歳児神話という考え方を含む子育てに関する考え方についてのお尋ねもあったかと思いますが、簡単に申し上げますと、乳幼児期は子供の対人愛着形成とでも申しますか、そういう観点から見まして大変重要な期間であるという認識は非常に重要な認識であるというふうに思っております。こうした観点も含めまして、乳幼児が自宅において養育を受ける場合、あるいは保育所において保育を受ける場合、いずれにおきましても質の高いしっかりとした養育や保育が行われるということが大切であろうかというふうに考えておるわけでございます。 そういう観点から、保育サービスの質の重要性ということも一つの見方として御指摘させていただきたいと思いますが、もう一つ質の問題について続いて申し上げますと、保育の質という場合にも様々な見方あるいは角度というものがあると思いますが、いわゆる延長保育とか休日保育に見られますような、特別保育による御家庭のニーズへの的確な対応ができるかどうかという点も一つの大きな質の問題として近年取り上げられ、エンゼルプラン、新エンゼルプランと通じて、そうしたところの社会資源の充実というものを図ってきたところでございます。 それから、保育所の役割と幼保一元化と言われる問題につきましての厚生労働省の見解を問うということでございますが、近年の女性の就業の増加等に伴いまして、多様な時間帯、休日を含めあるいは夏休み、冬休みなく年間を通じた保育ということ、それからゼロ歳児から二歳児の更なる受入れニーズの拡大への対応と、こういうことで保育所への需要というのは私ども大変増大しているというふうに考えております。そういった観点から見ますと、いわゆる就学前教育機関である幼稚園との差異はむしろ拡大している側面が指摘すべきだというふうに考えておるところでございます。 ただ、多様化する子育てニーズは、今の申し上げた点だけにとどまらず様々地域にございますものですから、地域の子育て資源を総合的かつ効率的に活用するという観点はこれまた極めて重要でございまして、とりわけ少子化が進行する地域、児童数が少ないような地域におきましては、貴重な社会資源である保育所と幼稚園の相互の連携をより一層強化するということが大切であるという認識の下に、文部科学省と共同してその連携の強化の施策を具体的に一つ一つ積み上げてきたというのが私どもの考え方でございます。 幼保一元化という御議論につきましても、どういうレベルの御議論であるかということによって私どもの考え方もそれぞれにあるわけでございますが、制度的に保育所と幼稚園をただ一元化してしまうということにつきましては、多様な子育てニーズに多様な社会資源をうまく組み合わせて対応するという観点からは、私どもいかがなものかというふうに考えております。 いずれにしても、今申し上げましたように、的確に子供の幸せを第一に考えながらニーズに対応していく、そして地域における子育て力というものが向上していくということが大切ではないかと思っておるわけでございます。 なお、先般の閣議決定の中で、「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設の設置を可能とする」ということもございますので、さらにまた新しい観点も含めて幅広く検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○畑野君枝君 もう時間が余りありませんので十分伺えないんですが、やはり本当に人間の一生のうちで出発点になる分野ですから、広く薄くではなくて、広く厚く対応を進めることが大事だと思うんですね。 この間もちょっとほかのところで議論させていただきましたけれども、厚労省さんとは。保育所の民営化で自治体によっては対立が生まれていると、横浜市などでもそういう保護者との問題がいろいろ生まれております。ですから、そういったようなきちっと国が厚くされると提案者が言われましたけれども、それは厚生労働省にも求めて、是非厚い対策をしていただきたいというふうに思います。 保育所運営費負担金などの一般財源化問題について、これどういうふうに考えられているのか、私はこれは大きな問題だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 先般成立いたしました次世代育成支援対策推進法や児童福祉法改正を通じて、政府を挙げて家庭や地域の子育て力の向上、環境の改善ということを進めておるところでございますので、保育所運営費の国庫負担金につきまして安易に一般財源化するということはあってはならない、こんな考え方をベースに私ども様々な場で見解を述べさせていただきました。 また、この問題につきましては、社会保障というものを赤ちゃんからお年寄りまでを含めて全体の図柄で考えましたときに、社会保障における国と地方の役割分担というものがどうあるべきかということをきちっと整理しながら慎重に検討していくべき問題であるというふうに考えております。
○畑野君枝君 続いて、幼稚園について伺いたいのですが、時間がありませんので。幼稚園はもっと少人数にしてほしいと、定数改善の要望、それから、非常に子育てする出発の中でお金が掛かるということで、就園奨励の補助金等を増やしてほしいという声が上がっております。 最初に少子化社会問題について提案者や厚労省に伺ったところ、理想の子供があるけれども、予定の子供は少ないと。その意識の調査の理由の一つが、教育費など子育てにお金が掛かるというのが八十数%、とりわけ若い人ほど高いという調査結果も伺いました。そういう点での、では一体我が国では幼稚園から高校まで教育支出はどれぐらいであって、負担軽減のために文科省としてはどのような施策に取り組まれるおつもりなのか。 その点を最後に伺いまして、本当は各それぞれ伺う予定でおりました。不妊治療について、乳幼児の医療費無料制度について、非嫡出子について、青少年の自立とフリーター問題について伺う予定でございましたけれども、皆さん大変御丁寧な質問に対する御答弁もいただきまして、こちらも盛りだくさんだったんですが、その幼稚園の問題だけ伺って質問を終わります。
○政府参考人(矢野重典君) 幼稚園から高等学校までを含めてで考えたいと思いますけれども、私どもといたしましては、従来から、奨学金及び私学助成の拡充を通じまして、教育費の保護者負担の軽減に努めてまいったところでございます。 奨学金の充実につきましては、日本育英会の奨学金におきまして無利子で貸与を行っており、これまで貸与基準を満たす希望者は全員採用をしてまいっているところでございます。 また、私学助成の充実につきましては、学校教育における私学の果たす役割の重要性にかんがみまして、修学上の経済的負担の軽減等に資するために私立高等学校等の経常費に対する補助を中心にその充実を図ってまいったところでございまして、そういう意味で、今後とも、厳しい国の財政事情の下ではございますけれども、奨学金あるいは私学助成の充実に努めてまいりたいと考えております。
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康と申します。よろしくお願いします。 まず、提案者の方にお伺いいたします。 本法案は、いわゆる少子化対策議員連盟の皆さん方が一九九九年と二〇〇一年ですか、それぞれ提案をされまして、国会で上程されたわけでありますけれども、いずれも廃案あるいは継続審議になった経緯がありますけれども、今回また議員立法として改めて提案された理由などについて御説明いただければ有り難いと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 私の方から答えさせていただきますが、この法案を作ることになった直接の契機は、御承知のように、非常に少子化が進んでくるという問題、そして子供をめぐる社会環境、子供は非常に社会の環境の変化に対して敏感に影響を受けるという状況の中において、将来を考えた場合にこの問題に取り組まなければいけないということで超党派の議員連盟ができました。 ただ、この問題をめぐりましては、私どもから言わせますと大変な誤解がございまして、多くの議論がある中で非常に審議に時間が掛かってしまいまして、もう過熟児になるんではないだろうかと心配してきた状況でございます。 ようやくこの国会で先生方の御審議をいただきまして、何とかこの法案、日の目を見させていただけるのではないかと期待しているところでございますが、まだ遅くはないと思っております。 とりわけ、社会そのものの変化の中において、その変化というものの段階において、子育ての問題あるいは出産の問題、どう対応していくかということは非常に大事だろうというふうに思っております。そういう意味でこの法案が議員立法として提案されてきた。もちろん、厚労省を中心に各省庁がこの問題に関連いたしまして様々な法案を出してまいりました。あるいは労働の分野において、あるいは子育ての分野において出してまいりました。 しかし、午前中の御議論にもございましたけれども、やはり省庁縦割りという状況の中で対応していくべきものではなくて、各府省庁共同してやはりこの少子化社会というものに対応していくべき時期であるという形でもって、この基本法という形で我々はまとめさせていただいたということでございます。
○島袋宗康君 この法案の議員立法によって他の省庁にも大きな影響を与えて、これからの少子化対策をどうして図っていくかというような点について進展を見たことは、この法案が成立して後に確実に皆さん方の期待に沿うようなことができるんじゃないかというふうなことも含めて、大変御苦労さんと申し上げさせていただきたいと思います。 そこで、本法案第六条の国民の責務の規定は、憲法第十三条の個人の尊重と公共の福祉の規定の枠内のものであることは当然のこととは思いますけれども、本法案第六条の趣旨に沿って努めることが公共の福祉であると解釈されることはないでしょうか。念のため、提案者の御見解を賜りたいと思います。
○衆議院議員(西川京子君) この法案の成立に至る過程、五島委員から御説明がありましたが、その中で、九九%の方々がこの少子化に何とか対応しなければいけないという意識がある中で、国及び地方公共団体が様々な施策を講ずることは当然の責務であろうと思っております。 そういう中で、国民もまたこの少子化社会の現状というのをやはり理解していただいて、そしてこの環境整備に努めていただくことは、やはり公共のサービスを受ける受け手側としても、一つの社会の一員として当然ではないだろうかと、そういう思いを込めましてこの国民の責務ということを併せて第六条に規定させていただいたわけでございます。 そして、今回の少子化社会対策は、国及び地方公共団体はもとよりでございますけれども、事業主そして国民も、社会全体が一体となって取り組む必要があるのではないか、そういう考えを持っております。国民の責務、そういったものでありまして、社会の一員として当然果たすべき責務であろうと。 それは、憲法に言う公共の福祉あるいは基本的人権にあります他人の権利を侵害するような場合においては一定の制約を受けるというような趣旨のものでありまして、本条の規定する責務とは異なるものであると言えると思います。
○島袋宗康君 二〇〇一年九月二十一日の日本弁護士連合会の本法案に対する意見書では、平成十年十月三十日付けの少子化への対応を考える有識者会議働き方分科会報告書の指摘を踏まえて、女性の社会進出の高まりは出生率の低下と不可避的に結び付くわけではなく、OECD諸国のように女性の就業率が高く、女性の自己決定権が尊重され、男女共同参画社会が実現している国ほどむしろ出生率が高いとし、合計特殊出生率は、日本よりもフランス、スウェーデン、イギリス、アメリカ等の諸国が高いことを例示しております。 我が国の厚生白書においても、女性たちが子供を持つためには、子育てに理解のある職場環境の整備と保育所の充実という、仕事と家庭の両立支援策を求める声が多いことがアンケート結果に表れています。 本法案においては、これらの要請に十分にこたえ得る施策が実現できると考えてよいのでしょうか、御見解を承りたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 非常に重要な点だと思います。率直に言いまして、女性の社会進出が進んでいった、その端緒といいますか、過渡的な時期においてそのことが出生率の低下に結び付いたという瞬間瞬間は各国でもあったと思います。しかし、今日見てみますと、女性の社会進出と出生率との関係について、その関係で見るよりも、その国の中において、いわゆるジェンダー思想がどの程度強く残っているかということの方が出生率との関係は強いように思われます。 我が国の場合は、まだ女性の社会進出率はそれほど先進諸国に比べて高くはございません。一方において、出生率は非常に落ちてきています。同じようなことが、スペインであったりドイツであったりイタリアであったりポルトガルであったりという国、その中でもスペイン、ドイツ、ポルトガルは、日本よりははるかに女性の社会進出は進んでおりますが出生率は低いということが言えます。その反面、今、先生御指摘のように、欧米諸国あるいは北欧諸国を中心としては、女性の社会進出とそれから出生率とはともに非常に相関的に高い関係にございます。 それらの国を共通して見ていった場合に、女性の社会進出が多いか少ないかというよりも、男女の役割分担という、この固有の発想といいますか、その思想が根強い国ほどやはり出生率が落ちてきているというところに私は特徴があるんではないかなというふうに個人的に思っています。 また、既に指摘されているところでございますが、今何が一番出生率の改善にとって重要な問題かということにつきましても、やはり何よりも、就労そのものによって、就労そのものと出産との間において、そのことによって女性が被る様々なそういう社会的、経済的なマイナスのデメリット因子、これを社会的にどう軽減するか、そのことによってしか出生率は伸びないんではないかという指摘もされております。 そういうふうな点から考えましても、今日、我が国の中で、後ればせながらも例えば育児休業制度の問題や、様々な雇用の形態の変化の問題に対応した社会整備というものを今進めてきつつあるというふうに考えておりまして、そうしたことがやはり今、先生御指摘のような形で、日本が欧米型のそういう女性の社会進出と、それから出生率の改善に向けての努力の過程にあるというふうに私は受け取っています。
○島袋宗康君 そこで、日本弁護士連合会の意見書でも、先日の参考人の質疑の中でも、女性の選択、自己決定権を本法案に明記すべきであるとの主張がございますけれども、この点についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか、お伺いします。
○衆議院議員(近藤基彦君) 委員が御指摘のように、そういった意見書いただいておりますが、そういった意見も踏まえて衆議院において修正が行われ、結婚や出産は個人の決定に基づくものであることが明記され、確認的に規定されたところであります。 我が国でも、一九九四年のカイロ会議における性と生殖に関する健康と権利が提唱されて国際的に承認されており、我が国はまたこれを承認しております。また、その翌年の北京における女性会議でも確認されている事項であります。 本法案も、このような国際的にも承認されている自己決定権の尊重という基本的な認識に立った基本法だと思っております。
○島袋宗康君 最近は犯罪の低年齢化が進行し、青少年の健全育成上の困難が増大しております。加害者のみならず被害者においても、幼児や小学生等の年少者を対象とした犯罪が多発しております。掛け替えのない命がつぼみのうちに散っていく様には正視し得ないものがあります。 このような状況に至ったことについては、日本社会のどのような点に病根があるとお考えなのでしょうか、御意見があれば承りたいと思います。
○衆議院議員(五島正規君) 大変憂慮すべき時代に入ったというふうに考えています。こうした犯罪の低年齢化につきましては、様々な社会的な要因が複雑に絡んでいるとは思います。しかし、その中でやはり大きな問題は三つほど個人的にはあると考えております。 一つは、子供社会というものが崩壊されてしまって、結局、親の目から見た子供社会、そして非常に核家族が進んでくる中において親子の関係がプラスにもマイナスにも、一対一の関係での子供に提供される社会が中心になってしまっているということが一つあるのではなかろうかというように思っています。 第二の問題として、人の命の問題、生命の尊厳の問題、そうした問題が体験的に経験されずに、ゲームソフトやパソコンといったような画像メディアからだけ、それより入ってくる。そうした中で、昔子供が盛んに遊んだように、昆虫の命のもろさ、植物の生命のもろさ、そういうふうなものを体験的に知るより、そうしたゲームや画像メディアからの情報に頼っていること。 三番目の問題として、子供そのものが、どういいますか、社会の中において相互に切磋琢磨してたくましく育っていくということに対して、親の目から余りにも規制的に関与し過ぎてしまって、そのことによって結果として子供の暴力というものも生まれてくると。 よく、今ではもう使われていないようでございますが、暴力の五段階という心理学の勉強したことございます。第一段階というのは突発的な暴力である、第二段階の暴力というのは、そうした暴力が抑圧された結果、より強い者によってだれかがいじめられる、しかられるのを見て喜ぶ暴力である、第三段階というのは更にそれを仕掛けて喜びを感じる暴力であるというふうなことを学生時代に学んだ覚えがございます。 第一段階の暴力というのは非常に目に付きやすい。それに対しては幼いときから、我々の時代に比べてはるかに激しい規制が入る時代になったと思っています。そのことが結局、第二段階、第三段階の暴力へ内心的に追いやってしまっているんではなかろうかというふうに私は感じています。 そういう意味において、幼児のときから子供は子供の世界を、親や社会が注意深く見守りながら残していく、その中で子供社会全体が健全な形で成長していくように社会全体が責任を持っていくということでないと、親と子と、この孤立した時代の中において一対一の関係に任せてしまっているところに私自身は今日の問題点があるんではなかろうかと思っております。
○島袋宗康君 大変貴重な御意見、ありがとうございました。 現在の世界においては、一方において人口爆発と飢餓の問題があり、他方においては我が国のような少子化と飽食の問題があります。これらは国際的な連帯感を持って解決していく姿勢が大事だというふうに認識しておりますけれども、その点について御見解があれば承りたいと思います。
○衆議院議員(近藤基彦君) 確かに、地球的な規模の世界人口を考えるときには、人口増加率、増加率自体は多少減少しておるんですけれども、人口の絶対数で見ると増加を続けているということであります。確かに、途上国における人口爆発のような人口増による飢餓の懸念をされていることは十分承知をしております。 しかし、我が国での少子化、いろいろ先ほどからも意見が出ておりますが、日本型雇用慣行とか、そういった日本独特な部分での要因によっての少子化の原因も考えられるところでありますので、そのことによって国際的な連帯を持って少子化を考えられるかどうか、この辺はちょっと私にもよく分かりませんが、しかし、そういった我が国独自のものは我が国で解決を付けなければいけない部分が多々あると思っておりますので、当然、そういった人口爆発あるいはそういったものにおける飢餓というものは、世界的な規模でやっぱり連帯を持ってこれからも飢餓という部分ではなくしていく努力を、不断の努力をして続けなければいけないと思っておりますが、今回の少子化、我が国においては経済面、社会面において大変計り知れない影響を国内で及ぼすと思われておりますので、これは我が国の少子化の問題として真剣に取り組むという姿勢が大事だろうと。 決して世界的に連帯を取らないということではありませんけれども、我が国は我が国で解決していく問題がまだまだ多々あると認識をしております。
○島袋宗康君 厚労省にお伺いいたします。 去る七月九日、沖縄県福祉保健部が発表いたしました二〇〇二年の沖縄県人口動態統計によれば、出生率は十二・四で前年を〇・六下回ったことが挙げられております。二十九年間連続全国一とのことであります。 沖縄県における出生率が比較的に高いのはどのような要因にあるものとお考えでしょうか、厚生労働省にお伺いします。
○政府参考人(水田邦雄君) 先生御指摘のとおり、近年はもしかしたら総出生率は下がっているかもしれませんけれども、合計特殊出生率で見ますと、沖縄県、平成十四年で一・七六となってございまして、全国一でございます。全国平均の一・三二と比べてもかなり高い水準になっているわけでございます。 この出生率の地域による格差というのは、要因様々でございまして大変難しい課題でございますけれども、沖縄の事例、沖縄県の出生率が高い理由につきましては、ちょっと前になりますけれども、平成四年の国民生活白書におきまして記述がございます。それによりますと、未婚率や初婚年齢は比較的高いにもかかわらず、結婚した女性が第三子、第四子以上を産む割合が高いためであると、このような記述がございます。 なお、こういった状況自体は現在においても大きくは変わってございません。
○島袋宗康君 政府は、平成十五年三月十四日の少子化対策推進関係閣僚会議の次世代育成支援に関する当面の取組方針の中で、家庭や地域社会における子育て機能の再生を図ることを基本的な考え方として述べておりますけれども、具体的にはどのような施策を推進していくのか、承りたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 近年の核家族化、都市化の進行などによりまして家庭や地域を取り巻く環境が変化する中で、その子育て力自身も低下してきているのではないか、子育て中の親御さんたちの孤立化が進んでいるのではないか、負担感が増大しているのではないかと様々な指摘がされる昨今になってきておるわけでございます。 そうした中で、これまで次世代育成とか子育ての支援ということを考える際に、仕事と子育ての両立ということが非常に、今でも重要でございますが、中心的な課題となってまいりまして、共働き家庭への対策ということがよく言われたわけでございますが、先ほど申し上げましたような状況の中では、すべての子育て世帯における子育ての支援、こういうことが必要な時代になってきているというふうに認識しております。 もとより、保護者、親御さんがお子さんを育てるわけでございますが、地域における子育て環境の改善という観点で見ますと、まだ行政の取組としても不十分な点が多々ある状況にあるというふうに考えております。 このため、様々な予算補助事業を近年緒に就けてまいりましたけれども、今般の児童福祉法改正におきまして、市町村の責任で体系的に実施すべきものとして地域子育て支援事業という一つの体系を法制化いたしまして、その中で地域子育て支援センター事業とか、あるいは親御さんとお子さん一緒に集い交流してもらう、そうしたつどいの広場事業などの相談・交流支援のジャンル、それから子育て中の親御さんの短期的な事情による預かり支援という意味での一時保育などの支援事業、あるいはお子さんをおつくりになっても、例えば祖父、祖母が近隣にいない都市の中において、出産後の大変不安定な時期、サポートが必要な場合も多々ございます。そうした点などを踏まえた出産後の保育士等の派遣事業など、居宅に出向いて適切な子育て支援を行うという出張型のサービス、こういったような事業を全体として子育て支援事業として位置付けて、市町村の実施の努力義務を課したところでございます。 また、それぞれの事業を行うということだけではいけないということで、各市町村が委託等により子育て支援事業に関する情報提供、相談、助言、あるいは利用のあっせんなどのコーディネート事業を行うこと、これも法制化をさせていただいたところでございます。 市町村の行動計画をこれから立てていただくということになるわけでございますが、これまで少し、まだ十分な事業量、内容が伴っていなかったこうした地域の子育て支援事業につきまして、子育て機能の再生という目標に向けて、市町村の取組、充実強化が図られるように行動計画が策定されることが望ましいというふうに考えております。
○島袋宗康君 先日成立いたしました次世代育成支援対策推進法と本法案の相関関係について、何かありましたら説明願いたいと思います。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 政府の側から見ての御説明でお許しいただきたいと思いますが、現在御審議賜っておりますこの少子化社会対策基本法案と申しますのは基本法でございますので、全体としての基本理念、それから政策全体の大綱というものをお定めになる、こういう基本的な事項の法律だというふうに理解をしております。 一方、今お尋ねのございました、先般成立いたしました次世代育成支援対策推進法は、これは各種の施策、取組を集中的、計画的に、どのような手順でだれが計画を立てて実施していくのかと、こういうことを定める実施のための枠組み法とでも言うべきものではないかと考えております。 併せて成立させていただきました児童福祉法につきましては、児童福祉領域における個別施策の実施、展開を担うものでありまして、こうした子育て支援分野につきましては、そのほか働き方の見直し関係では育児休業関係の法制、あるいは経済的支援では児童手当、あるいは年金その他様々な個別実体法はございますが、そうした個別施策にかかわるものとこの基本法というものは、それぞれ役割をきちっと分担して対応していけるものではないかというふうに考えております。
○島袋宗康君 最近の児童虐待に対する、非常にこれが社会問題化になっておりますけれども、その多発している現状をどう分析し、またどう対策を立てていくかということについて、厚労省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 児童虐待についてのお尋ねでございますが、これは家族の抱える社会的、経済的、心理的、精神医学的な様々な要因の複合的な相互作用によって生じるものと、こういうふうに言われております。 個々の要因につきましては、私どもの方でも挙げ切れない点がございますけれども、例えば一つには、子供の甘えや依存を受け止められない情緒的、社会的な未成熟など、親の側の要因も一つあろうかと思いますし、また中には、親が否定的な感情や大きな負担感を抱いてしまうような、いわゆる育てにくい子という子供の側の要因も決して無視はできないと、こういうふうに言われております。そのほか、経済的困難や家庭関係のストレス、孤立した育児環境など家族の要因というものも指摘されているところでございます。 ただ、こうした要因で直ちに必ず児童虐待が起こるというものではございませんで、様々な要因の重なりの中で状況が継続した場合にリスクが高くなる、こういう性質のものではないかと思っております。 こうした児童虐待の予防対策につきましては、現在、私どもの役所におきまして、親の孤立化を防止するための交流の場の提供、あるいは一歳六か月、三歳の健康診査の際における専門職による支援、あるいは思春期の児童と赤ちゃんの触れ合い事業などを実施することによる自立した親となるお子さんたちの育成、こういったことなどに取り組んでおると同時に、虐待そのものにつきましては、対策としてもより専門性の高い対策がまた求められるところでございますので、児童虐待の防止等に関する専門委員会というものを審議会に附置いたしまして、先般、六月に報告書が取りまとめられたところでございます。 こうした報告書に沿いまして、予防からその後のケアに至るまでの一貫した対策について、これから政策的に議論を煮詰めて、新しく来年度、再来年度と、これからに向けて具体化してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○島袋宗康君 時間が参りましたので、最後にお願いいたします。 私は、これまでの本案に対する審議の過程で、政府の少子化対策は極めて後手に回っていることを痛感いたしております。我が国経済も右肩上がりの高度成長時代が終えんし、バブルがはじけて低成長時代を迎えていますが、それへの対応も非常に困難を窮めております。 平成九年十月の人口問題審議会の報告書でも、少子化の要因への対応と少子化の影響への対応について触れております。本法案は、少子化の要因の対応を基本としていると考えられますが、人口減少社会の到来が必然的な事態であるとの前提に立てば、手後れにならないうちにこれに対する対策の樹立を積極的に推進する必要があると考えますが、その点について政府はどのように対策を取っておられますか。お伺いいたします。
○委員長(小川敏夫君) 簡潔にお願いします。
○副大臣(鴨下一郎君) 平成九年の先生御指摘の審議会報告の中で、少子化の進行を前提としてそのマイナス面を最小限とすると、こういうようなことで、少子化の影響への対応とそれから少子化の要因への対応、こういうような両面が必要だと、こういうようなことを指摘を受けているわけでありまして、厚生労働省の中でも、急速な少子化の進行は高齢化の進行とも相まって、年金などの社会保障制度にも大きな影響を与えると。 こういうようなことでもありますから、少子化の影響への対応として、社会保障制度の持続可能性、こういうようなことを維持していくため、将来の世代に負担が偏らないように給付と負担の不断の見直しを行っていくと、こういうようなことにしているわけでありますし、さらに、これは高齢者、それから女性等の就労促進支援を図っていくことによりまして少子化の影響をできるだけ緩和していきたい。かようなことを含めまして、総合的に対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○島袋宗康君 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会