内閣委員会 第10号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/05/27
会議録
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十三日、小泉顕雄君及び大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として山崎正昭君及び阿部正俊君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に阿部正俊君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、警察庁生活安全局長瀬川勝久君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森下博之君 皆さんおはようございます。自由民主党の森下博之でございます。 今期通常国会の会期も一か月を切ることになったわけでありますが、当委員会では既に食の安全ということにつきまして食品安全基本法案の成立を見たところであります。今回は、国民生活の安全、安心、そのために特殊開錠用具の所持の禁止に関する法律案が提出をされたところであります。 大臣、余分なことでございますが、私は唯一国会議員の中で村に住んでいる男であります。高知県高岡郡日高村という六千人を足らない部落、村でありますが、大体外出をするのに施錠して外出するのは半数ぐらいの方じゃないかと思うわけでありまして、実生活の中ではちょっと私この問題ぴんとこないわけでありますけれども、しかし都会を中心にピッキング犯罪というものが大変深刻な問題であるという認識は持っておるつもりであります。 そこで、以下質問をいたします。二十分でございますのではしょって、通告分を全部できないと思いますが、お許しを賜りたいと思います。 まず、本年二月に読売新聞社の世論調査によりますと、この数年の間に日本の治安はよくなったかという質問に対して、悪くなったあるいはどちらかといえば悪くなったという方が九〇%を超えるということが回答されておるところであります。また、このうち三分の一のものがピッキングなどの窃盗に対する不安というものを挙げておられるわけであります。この世論調査の結果について、またこのピッキング法案を今国会に提出をされるに至った背景ということについて大臣から承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま森下委員がおっしゃいましたように、今年、読売新聞が世論調査をやりまして、三月七日にその結果、版に結果が出ておりますが、非常に不安が国民の間に広がっているという指摘でございました。 それで、現在の犯罪情勢は刑法犯の認知件数が平成十四年は実に年間二百八十五万件、これは昭和期大体百四十万件平均、そのプラスマイナス二十万件ぐらいで推移してきたことから比べますと実に倍になっております。そして、七年連続で戦後最悪を更新するという大変憂慮すべき状況にあるわけであります。 特に、本来最も安心できる場所であるはずの家庭の中に、住宅の中に侵入してくる、こういう犯罪が近年急激に増加しておりまして、その場合もピッキング用具を使用した侵入窃盗の多発、あるいは新たな侵入手口をいろいろ編み出してくるといった状況にあるわけでございまして、こういう中で侵入犯罪の取締りの強化、それからそのためには防犯性能の高い錠前とかそういうものを開発して、あるいは普及を促進していくとか、それからそういうことを国民にも認識していただくように広報啓発活動を進めるとか、あるいは関係機関、団体との連携といったような対策を推し進めてきたところでございます。 しかし、なかなか侵入犯罪に歯止めが掛かるというふうにならないわけでございますので、侵入犯罪の発生というのを警察挙げて取り組むべき課題というふうに考えまして、今年の一月に街頭犯罪及び侵入犯罪の発生を抑止するための総合対策というものを作りまして推進しております。 そこで、侵入犯罪を抑止するためには、さっき申しましたような対策に加えまして、建物に侵入するのに使用されるような器具を取り締まる、これをもう少し強化したい、それから建物の防犯対策自体も強化したい、こういうものをより踏み込んだ形で展開する必要がありまして、そのための立法措置、必要な事項についてこの法律案をこの国会でお願いをしているという経緯でございます。侵入犯罪の抑止のためには是非とも必要なものと考えておりますので、早期成立を心から期待しているという次第でございます。
○森下博之君 本法案での処罰規定を新設する前提といたしまして、第二条第二号、特殊開錠用具が、またその三号においては指定侵入工具が定義をされておるわけでありますが、その具体的内容については政令にゆだねるということであるわけでありますけれども、この二つの問題につきまして、具体的にどのようなものを指すのか、簡潔にちょっとお答えいただきたい。
○政府参考人(瀬川勝久君) お答えいたします。 まず、特殊開錠用具でございますが、これは、例えば建物錠のシリンダーを操作して開錠するための道具であるピッキング用具、それからかぎ穴に挿入いたしまして無理に回すことによりその建物錠のシリンダーを破壊するための専用のシリンダー壊しドライバーといったものを我々認知をしておりまして、こういったものを政令案に定めるように検討してまいりたいと考えております。 それから、指定侵入工具でございますが、これは侵入犯罪の実態を踏まえまして、またここで定めます工具は国民が日常生活において用いるものであるということも配慮いたしまして、工具の種類、形状、大きさ、必要最小限度のものにしたいというふうに考えております。 現在、考えておりますのは、現下の建物への侵入の実態を見ますと、最も多く使われているのはドライバーでありますし、またバール、それから最近急に増えてきておりますのがドリルでございます。こういったものについて指定侵入工具として定めることとしたいと考えておりまして、さらにその形状につきましても、侵入の実態から、ドライバー全部、こういうことではなくて一定のものに限定をしたいと考えております。ドライバーにつきましては、例で申し上げますと、歯の形状がマイナス型である、いわゆるプラスドライバーは含まない、それから歯幅がドライバーの、マイナス型のドライバーの先の歯幅でありますが、五ミリメートル以上、それから全体の長さが十五センチメートル以上、こういったものに限定するように政令を検討してまいりたいと考えております。 また、当然でありますが、政令案の策定に当たってはパブリックコメントを実施し、広く国民の御理解を得るというふうに考えております。
○森下博之君 今回の法案の大きな柱といたしまして、第三条で「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持してはならない。」ということと、第四条におきまして「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない。」という規定が設けられておるわけであります。 私が少し心配いたしますのは、実際の警察活動の現場で、今申し上げました業務その他正当な理由あるやなしやというその判断に当たりましては、やはり客観的あるいは厳格な判断基準というのが改めてきちっと明示をされる必要があるんではないかと思うわけであります。警察官、現場の警察官のそれぞれの主観で判断をするということは公平さを欠く危険をはらんでおるのではないかという思いもいたしておるところであります。 こういった運用面についての御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) この法案は、今、委員が御指摘になりましたように、「業務その他正当な理由」という言葉を使っておりまして、これが一体何なんだということで、ここをきちっとしませんと、その運用が場合によっては乱用というそしりを受けることもあり得ると、こういう御指摘ではないかと思っております。 それで、私どもとしましては、先ほど申しましたような極めて厳しい侵入犯罪の情勢に対応するためには建物への侵入を未然に抑止しなきゃいけない、そのためには侵入に至る前の段階で侵入に結び付く危険性の高い行為を取り締まることがどうしても必要だということでこの三条、四条のような規定を考えたわけであります。 ただし、今御指摘になりましたように、特に四条の指定侵入工具というものは、国民が日常生活に用いるために広く普及しているものであります。私も、自転車に乗るんですが、大概乗るときはドライバーを故障したときのために持っております。したがって、そういうことにも十分配慮しまして、この三条、四条の運用に当たっては、現場で取締りに当たる都道府県警察に対して具体的な運用基準というものをきちっと示す、そしてその指導教養というものを徹底して、いささかも乱用にわたることのないような留意が必要だろうというふうに考えておりまして、今後ともその督励指導、督励してその点を指導してまいりたいと考えております。
○森下博之君 今回の法案では、この製造、かぎを製造する者に対して、援助を受けたい旨の申出があった場合は、国家公安委員会が相当と認める場合には、その者に対して特定侵入行為の手口に関する情報を提供する、その他の必要な援助を国家公安委員会は行うという仕組みになっておるわけであります。 現在、警察におきまして、業者への援助は、援助と言えるものとしては、破錠手口又は不正な開錠手口における情報提供を行っているということでありますが、今後、特に特定侵入行為の手口情報を業者に提供した場合、この情報がほかに漏れるというおそれはないのか、業者の信頼性を確保する手だては整っておるのかどうか、その点についてちょっとお伺いいたします。
○政府参考人(瀬川勝久君) 御指摘のように、本法律案六条二項で、建物錠、窓、それからドア等の住宅部品の製造・輸入業者等に対する援助の規定がございます。また、本法十一条におきましても、錠取扱業者の組織する団体に対する援助の規定がございます。 御指摘のように、これらの者に対する侵入手口に関する情報は、これが侵入犯罪を企図する者の手に渡った場合に悪用されるおそれというのは当然あるわけでございますので、いずれの場合におきましても、このような情報を提供するに当たりましては、そういった援助する相手方がしっかりそういった業を行おうとする者であるかどうかということと同時に、その情報を適正に管理する意思あるいは能力、こういったものを持っているかどうかということについて、我々としては慎重に判断することになるというふうに考えております。 したがって、これらの手口情報が外部に漏れることはないものというふうに考えておりますけれども、御指摘も踏まえまして、遺漏のないようしっかりとした制度の運用に努めてまいりたいと考えております。
○森下博之君 最近、刑法犯の検挙率が大変低下をしていると言われているわけであります。また、アジア系を中心とした不良外人といいますか、そういう者の犯罪が目立っておるわけであります。また、ピッキングによる窃盗の防止には本法案の成立ということは大変重要でありますが、これだけでは十分と言えるかどうか私も疑問であります。 この今回の法律を契機といたしまして、国民が安心して暮らせるためにも、その防犯対策を強力に今後取り組んでいく必要があろうかと思うわけであります。警察力の強化ということも含めまして、今後、その犯罪防止の御決意をひとつ国家公安委員長にお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはり、冒頭に指摘されましたような国民の不安を解消して治安をもう一度、安全と水はただだというような時代がございまして、この認識が必ずしも正しいものとは思いませんが、もう一回世界一安全な国というものを目指さなければならないというふうに思っております。 その場合、警察としてやらなければならないことは、大きく申し上げて私は二つあるというふうに思います。 一つは、治安を良くするためには、警察だけでできることは限界がございまして、地域社会と密着をしていくといいますか、そういうような努力、民間とも連携をしていく、あるいは自治体とも連携していく、そういう地域社会との密着というのは不可欠だろうと思います。他方、拉致とかテロとかいうことを考えますと、地域社会に密着するだけではなかなかできないことがございまして、国が前に出るところはやはり前に出るということも私は必要だろうというふうに思いまして、そういうことを併せた総合的な犯罪抑止対策というものを講じていかなければいけないというふうに考えております。 そこで、当面の課題を申しますと、国民が不安を感じている体感治安が悪くなっている大きな原因は、街頭犯罪とかあるいは先ほど来の御議論の侵入犯罪が増えている。その発生を抑止するための総合対策というものがやはりなきゃならぬと思います。それから、自動車盗難とかあるいは建物に入ってくることを考えますと、防犯性能の高い自動車の在り方とかあるいは建物の開発普及、こういうものを官民合同で考えなければなかなかできないことでございます。 それから、町づくり等も、例えば公園等暗がりがあるとそこに引きずり込まれて犯罪に遭うというようなことがございますので、犯罪防止ということを考えた道路とか公園とか住宅の環境設計、犯罪被害に遭いにくい町づくりということを意識する必要があるのではないかと。それから、入管とか税関、海上保安庁との連携によって来日外国人犯罪対策というものを推し進めていく、こういった国民や地域社会、関係機関と連携した動きが不可欠であるというふうに考えております。 それから、こういう時代でございますから徹底的な合理化が必要であるということは申すまでもございませんけれども、徹底的な合理化を行ってもなお不足する人員というのがやはりございます。そこで、緊急に増員を図る必要があるということで、平成十三年度二千五百八十人、十四年度四千五百人、本年度四千人という地方警察官の増員を行ったところでございますが、これもやはり実情をよく見ながら、今後も考うべきところは考えていかなければいかぬということではないかと思っております。 それから、御審議いただいている法律案は、侵入犯罪の発生の抑止に資するものとして相当の、抑止対策には相当の効果があるものというふうに考えているわけでありますが、今後とも、こういう犯罪を抑止するための取組を推進して、安心して暮らせる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
○長谷川清君 ありがとうございます。 ただいまの質疑を聞いておりまして、質問の順番を変えて、せっかく一つ流れが出ましたから、三条、四条に絡む問題、この点についてまず、予告では七番目に書いてある質問でございますけれども、そこから入りたいと思います。 今も言われておりましたように、答弁もありましたように、マイナスドライバーであるとかバールであるとかそういうものについては、今答えを聞いておりますと、ドライバーは幅が五ミリ以上、そして長さが十五センチ以上、これを対象にしている、これが使われているものだ、特殊工具と、こういうふうな定義付けも例を挙げてございました。 しかし、現実の問題からいきますと、現場において、こういうドライバーとかバールというのはもう家庭の工具箱の中にもあるし、自動車の中にも当然あるでしょう。そういうものについての見分けという問題については、判断一つ間違えちゃうと大変なことになります。しかも、罪を重くしておりますから、誤認、判断というのは大変間違います。 こういうような状況というものについて、今もちょっと質問がございましたが、業務その他正当な理由は除くという、その場合の「業務」というのは、分かりやすく例を挙げてどういう業務を指しているのか、「その他」というのはどういうその他なのか、例えばの話で分かりやすくひとつ説明願いたい。
○政府参考人(瀬川勝久君) 「業務その他正当な理由による場合」というのは、三条及び四条で規定をされておるわけでございますが、社会通念上、特殊開錠用具の所持あるいは指定侵入工具の携帯が当然に認められるような場合を想定をしておるわけでございます。 こうした行為が業務その他正当な理由による場合に該当するか否かといいますのは、その者の職業や周囲の状況等の客観的要素に加えまして、その者の所持、携帯に係る動機、目的、認識の主観的要素を総合的に勘案して判断されるということになろうと思います。 特に、御指摘の指定侵入工具につきまして例を挙げて御説明いたしますと、例えば、典型的な例でありますが、大工さんが業務のために工具箱にドライバーですとかバールとかを入れて持ち歩いているというような場合、あるいは、これは最も多い例だと思いますが、自動車には車内の工具入れに工具が、一定の工具が入っているわけでありまして、これは車が故障した場合に備えて必ず車には積んであるようなものでございますので、これはもう当然その正当な理由による場合に当たるわけであります。あるいは、そのほか一般の方でも、特に例えば何か物を修理するでありますとか、あるいは引っ越しのためにその必要があるとか、そういった場合に用いている場合、持ち歩いている場合などが当たるわけでございます。 なお、その運用に当たりましては、先ほど大臣が答弁されましたように、第一線まで厳正、的確な運用がなされるように具体的に基準を示しまして指導教養にも万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
○長谷川清君 大工さんであるとか、車に積んでいるだとか、そういう状況でというお答えでしたが、例えば開錠教習業というのがありますね。これは一体どういうものをやる事業なんですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 開錠教習業と一般に言われているものについてはいろんな、何といいますか、業態といいますか、あって、なかなか我々としてもその実態、つかみにくいところがありますけれども、一般的には、こういった特殊開錠用具等を使用して錠を開けるための技術を教えるものを言うというふうに言えようかと思います。
○長谷川清君 もう少しく実態的に言いますと、一人だけの者が教師になって、そして大勢の生徒を募集して、今言う普通のかぎを開ける開け方じゃないんでしょう、特殊な、ここで禁止する特殊な工具によって侵入用の工具の開け方をいわゆるこれは教習する業でしょう。 この業務その他という業務の中には、こういうような、そういうある意味においては泥棒会社みたいなものですね、泥棒の技術を教えていく。習う方だってそれは泥棒以外には目的がない、ほかに何の使い道もない特殊工具でしょう。その使い道を教える業、そういうこれも、こういう業務その他のという、その業務という中にはつまり入って除外されると、こういう解釈でいいんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 特殊開錠用具でございますけれども、これにつきましても、業務その他正当な理由による所持というのはあり得るわけでございます。 例えば、先ほどは申し上げませんでしたけれども、具体的な例としましては、例えば、裁判所の執行官が強制執行に赴く際に錠取扱業者に特殊開錠用具を使って開錠をさせると。強制執行に赴いた場所が錠がロックをされているという場合に、それを開けさせるために錠取扱業者を帯同すると、その者が特殊開錠用具を持っているというような場合がございますし、それから、建物錠の製造、輸入を行っている業者が防犯性能の高い建物錠を開発するために、その研究開発のためにこういった特殊開錠用具を持つという場合もあります。それから、一般の錠取扱業者の方でも、例えばお客さんがかぎをなくしてしまった、家に入れないということで開けてほしいというときに、錠を壊さずに入るために特殊開錠用具を使ってその錠を開けるという場合もあるわけでございます。 したがいまして、御質問にございました開錠教習学校ですか、こういったものにつきましても、委員御指摘のように不正な目的で技術を教えるという場合もあるだろうと思いますけれども、このような正当な理由による特殊開錠用具の使用のために技術を教えるという場合もあるだろうというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、この開錠技術を教える学校につきましては、私どもも十分に把握し切れておりませんけれども、全国に数十程度しか存在しておりません。先ほど申し上げましたように、営業実態が必ずしも明らかでないようなものもありまして、委員が御指摘のようなものも確かに存在しているだろうと、こう思います。したがいまして、こういったものについては、制度を設けてまで規制をするということではなくて、あくまでも所持、不正な目的でそういったものを持っていれば本法に言う所持違反でありますし、また、そういった技術を教えるとともに、泥棒をする、侵入犯罪を犯すということを承知していながらその特殊開錠用具を販売すれば、いわゆる本法律案に規定する知情販売という構成要件に該当するということになるだろうと思います。こういった形で学校については規制をしてまいりたい、対応してまいりたいというふうに考えております。
○長谷川清君 業務その他正当な理由という、その場合の業務には一応こういう開錠教習業のようなものも入るし、それで今のお話だと、警察が、これは分かります。あるいは消防、緊急のときに、この二つは、これはあくまでもこれは公共の仕事です。全体の福祉と、あらゆる災難を防止するという、これは別格です。それ以外に今例が挙がりましたのは、自分の家のかぎを忘れたとかどこか紛失して入れない、だからそういう特殊工具で開ける、開けてほしいということは、それをどこか連絡すれば開けてくれる会社がいるんですか。そういうまれな例なんですね。むしろ犯罪を防止しようという場合には、さっき大臣もおっしゃっていたように、一人一人の意識と地域、そして警察と、全体が三位一体になって対応しなければこれは防げない、自覚の問題があります。 そういうことを考えますと、そういう全く例外的な、自分のかぎを落としたかなくして入れないからどこかへ電話して、電話すればその会社がいて、来て開けてくれる、そういう会社があるんでしょうか、それともかぎ屋さんがそれをやるんでしょうか。そういう例は一体どのぐらい年間であるんだろうか。 私は、それを助けるというか、その便利さのために、一方において、これはあくまでも今ここで規定しようとしている最大の問題は、まだ侵入していないし窃盗も犯していない、その前の段階の所持とか隠し持つというこの段階で、いわゆる準備段階ですね、犯罪に至っていない前の準備段階で判断しなくちゃいけないわけでしょう。それをいわゆる調べる側、調べられる側が現場で、そこで一つのただドライバーのミリが何ミリだとか、こういうことの基準だけで、その場でさじ加減でこれ判断するんでしょうか。持っているだけでそれを禁止するという準備行為の段階で、犯罪が起こる前の段階を今議論しているんですから、だとするならば、そこにはきちっとした、正当なと言うが、業務及び正当な、非常に抽象的で分かったようで現実に当てはめてみると分からない。その例として考えられるのが、警察とか消防がそれを必要として、これはごく一般人から見れば全く関係のない問題ですから、それはそれでそのことをきちんとしておけばいいんです。 ある意味においては、アメリカであるとかオーストラリアでは、こういうたぐいのものは、かぎの問題についても許認可制取っていますね。認可を受けたものならよろしいということ。ピストルとかあるいは刀とか、そのもの自体が危険なものについては禁止していますよね。この工具は、特殊工具はそのもの自体は危険でない、しかし持っていれば、持っていることによって禁止するんですから、だとするなら、そこにおいてただヤマカンでもって判断するんですか。これはきちんとしておく必要があるんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員のおっしゃった点は、一つは、先ほども申しましたように、特に四条の場合は、どういう形態のものかというのをきちっとこれは政令等でまず厳格にするということが一つ必要でございます。それで、ただし、先ほど申しましたように、私なんかでも自転車乗るときはドライバーを持っていると、こういうようなことがありますので、どういう状況で判断するかということを考えますと、委員のおっしゃったヤマカンというのとはちょっとやはり違うわけでございまして、その周囲の状況等からして建物への侵入等を謀っているという疑いがやはり濃厚でなければこの条項を適用するわけにはいかないんだろうと思います。 典型的には、例えば深夜に住宅街を徘回して、いわゆる指定侵入工具のほか、軍手を持っているとか懐中電灯も併せ持っているとか、そういう状況がある場合で、それからその本人に職務質問をしても、なぜそこでそういうことをしているのか真っ当に答えられないと、こういうような状況がある場合にはこの条項を使うと。それで、そういう本人の供述とか周囲の状況からして全くそういうおそれのない場合にはこの条項を使うわけにはまいらないと、こういうことではないかというふうに私は考えております。
○長谷川清君 言葉の上では分かるように思うんです。 質問を変えて、しからば、こういう予備的な、準備的な段階においてのこれを処罰する、禁止するという場合の法的ないわゆる解釈というのは、法律上の解釈をしていただきたい。
○政府参考人(瀬川勝久君) 侵入に至る前の段階でこういったものを取り締まるという法制度といたしましては、現在軽犯罪法がございます。 軽犯罪法の一条三号では、住宅の侵入のために使用されるようなものを持っているということが禁止をされております。「正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」と、こういうふうになっておりまして、今回この法律案の三条及び四条といいますのは、言わばこの軽犯罪法一条三号で従来規制されていたものの一部につきまして、特則的に違反に見合った処罰を可能にすることにしようとしたものであります。 この三条の特殊開錠用具でございます。ただいまの委員の御質問でるる御指摘されたとおり、これは建物への侵入に結び付く危険性が非常に高い、錠を開ける専用の工具でございますから。それからもう一つは、これもまた御質問にありましたとおり、一般人が日常生活に用いるようなものでは全くない、非常に特殊な業務、業態の場合に使われるものである、こういうことでございまして、そういったことを勘案しまして、軽犯罪法におきましては、先ほど申し上げましたとおり、こういったものについても隠して携帯をする、隠匿携帯という態様を禁止をしておるわけでございますが、今回この特殊開錠用具につきましては、隠匿携帯にとどまらず、そういった道具を入手、保管している段階も規制の対象としてとらえるということで所持を禁止をするということにし、罰則につきましてもその違反に見合ったものとするということにしたものでございます。 他方、ドライバー等の指定侵入工具、四条の指定侵入工具でございますが、これらの工具につきましては、現実に建物への侵入という法益侵害に結び付く蓋然性が他の工具に比べて高い、実際に非常に使われているわけでございます、侵入犯罪行為に。その意味で他の工具よりは危険性が高いと言える。ただ、一方、国民が日常生活にこれは用いるということで広く国民生活に普及をしているものである、こういうことから、この指定侵入工具につきましては規制の対象物を危険性の高い工具に限定をした上で、しかもその規制の対象となる行為につきましては、所持にまで拡大するということはせずに、軽犯罪法と同様に隠匿携帯にとどめておく、そしてその違反行為に対してそれに見合った処罰を可能にするということで、この両者を区別した形でこの法律案では規定をしているものであります。
○長谷川清君 今の話はそれなりに分かりますが、私が考えたいのは、予備罪というのもあります。刑法上でいくと二百三十七条、予備罪を規定する場合には、やはりその目的というものが何であるかということ、例えば強盗という場合の予備については、その違法要素としての目的が明確になっているというようなことがあったときのその目的、ここで言うところの侵入とか、そして窃盗するとか、強盗するとか、この場合に当てはめて言うなら、窃盗ないし侵入の罪を犯す目的を持って携帯しているという場合、これは確実に押さえなきゃいかぬですね。この前段のあれはないんです。所持しているだけで禁止しようというんでしょう。その場合は、今度は横並びの、予備罪という関係の横並びで、刑法上の、だから法律の背景上の、ここで言うところのいわゆる侵入窃盗であるとか、侵入強盗というケースについての予備的な段階、つまり、現にもう窃盗を犯した、侵入して今こうやっている、現場ではないんですね、現場を押さえてはいない、その前の段階でたまたま持っている。 じゃ、さっきも答弁がありましたように、その持ってはいけない特殊工具を持っていたとする、その目的が、いやこれは、私は自分の家のかぎをよく忘れたり失ったりするから、その用心のためにいつでも開けられるように自分だけのものとして持っているんですと、こういう目的が立証された場合ですよ、仮に。そういうケースは全くないでしょうか。 先ほど、だから私は聞いたのは、そういう困った人を助ける何か会社ができていて、そこに電話すれば、その工具を持っていてそれで開けてあげる、そんなことされなくても自分で用心深く持っていた、こういうことについては、目的が自分の家に特定されていて、それ用に持っていると、こう言われた場合、これはどういうふうに処置されるんでしょうか、現実は。
○政府参考人(瀬川勝久君) そういった説明が、事実いろいろその現場でお話を伺う中で全くそのとおりであるということであれば、これは業務その他正当な理由に当たるということになる場合が多いだろうと、こういうふうに思いますが、あくまでも具体的な状況の下での当てはめの問題でございますので、その状況に応じてこれは最終的には判断されるべきものだろうと、こういうふうに思います。 それから、予備罪との関係についてのお尋ねがございましたけれども、これは侵入犯罪の予備罪というものというよりは、例えばその特殊開錠用具が一番分かりやすいと思いますけれども、そういった侵入の用具に、侵入用に専ら使われるような道具を業務その他正当な理由なく持っているということ自体が侵入犯罪に非常に結び付きやすいという蓋然性をとらえたものであるというふうに御理解をいただきたい、こういうふうに思います。
○長谷川清君 現実にまだよく、僕、今の答弁聞いても分からないんだけれども、実際上にそういうことが現場の段階で起こることが想定できるし、先ほど大臣は質疑の中の答弁で、いや、そういうことがあるからいわゆる指導していきますよと、そういうことのないようにやっていきますよと、こういう答弁ですが、言葉として分かるんですが、現実の問題、そういう場面というのは一体どういうふうに、これはそのままもしあれする場合には、私は結論的に言うと、いわゆる法案の中で本当はそれがきちっとなって判断しやすくなっていればいいと思う。 しかし、そうでないとするなら、やはり政令できちんとその辺が明確になるように、ここのところは是非、修正しろとは言わないから、いわゆるその目的というものを、窃盗ないし住居侵入の罪を犯す目的を持って携帯しているとかというこの一言、一行が入ることによって、ただ持っているというだけでやるのと、その目的を持っているかどうかが一つの判断の重要な、それは横並びのいわゆる予備罪を規制する、規定している他の法律と整合性が取れるのではないか。その点どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員の問題意識もよく分かるところでございますが、目的というふうに限定いたしますと、現実にはピッキング用具を持って夜中に徘回しているような人間が住居侵入の意図を、目的を持っている場合が多いんではないかと想像いたしますけれども、現実の取調べなり捜査の実務を考えてみますと、目的というのはあくまで主観的な要素だと思うんですね、目的を持っているか持っていないかということは。これは、そこを立証しなければこの条文が使えないということになりますと、現実問題として、夜、夜中に住宅街を徘回して、いや、自分は侵入する意図は毛頭持っていなかったと言い張られますと動かなくなってしまうんではないかというふうに私は思うんです。定型的には、確かにそうやっている者はそういう目的を持っている場合が多いとは思いますが、目的というのは主観だけにそこのところが非常に難しくなるのではないかと。 それで、正当というのも、確かに委員がおっしゃるように、ある意味では明確さを欠いているという、講学上、一般条項と申しますか、こうしか表現のしようがないものですからこういう表現になっているわけでありますけれども、これは恣意的に判断するのではなくて、やはり先ほど申しましたような周囲の状況であるとかそのときに持っているものであるとか、あるいは当人のその時点でその時刻にそういう行動をしていることに対する申し開きとか、そういうものをやはり総合的判断を多分取締りの実務においてはせざるを得ないんだろうというふうに私は思うんですね。そうすると、技術的にどう詰めてもこういう法文上としては表現にならざるを得ないという形でこういう表現になっております。 したがいまして、一つは、実際持っている道具の規定というものを、先ほど五ミリとかいろんなことを申しておりますが、そこをきちっとしていくことと、あと、やはり捜査実務の教育、研修というものの中でその辺の趣旨を十分に徹底し、もちろん、私は現場のこと十分に分かりませんが、マニュアルとかいろんな教育の体系が警察の中にございますので、そういう中で遺漏なきを期していくということにならざるを得ないのではないかというふうに私は考えております。
○長谷川清君 これはこの法律だけではない、関連するいろいろと、もし仮にです、許認可制度でもあって、そしてきちんと審査してオーケーが出ればその業種を、仕事をこの業務として、さっきの開錠教習業のように、だれがどう見ても泥棒をつくる会社、それ以外の目的が全くない、そういうものまでが除外されて、一方においては、準備の段階、犯罪の前の段階で厳しくやる。 私は、こういう犯罪を少しでもなくすために、予防医学じゃないが、そういうところでやるという気持ちはよく分かるし、あってほしいわけです。そのぐらいしなければなかなか直らない。であればあるほど、そこで重要なことは、そういう認可制度でもあって、それがちゃんと下敷きにあってこれが法案が乗っかる場合ならまだ救われるところがある。ところが、そういうところは余り日本の社会の場合に整備されていないところがある。 それで、そういうようなところは正当な理由という格好で除外されていてということとの問題、関連がありますから、これはやはり運用の中において、一たびそこで誤認されたり、ちょっとしたあれでもって、まあここでは話があれだからといって署まで行きましょうよといって、ずるずる行って一年とか五十万とか、こうなる場合がありますので、その場合はよく注意をしながらやってもらわないと天と地の違いになっちゃう。そういう危うさというようなものが、こういう、法案の中に出ている「業務その他正当な理由」という中のケース・バイ・ケースの中で、警察とか消防の場合はうなずけます。それは持ってもらわないと困ります。 だけれども、こういった泥棒業界のようなものまでがオーケーになるといったようなことでもこれまた困る。それから、ケースが挙がったように、かぎをなくして困っている人のために、これは、実際問題は、犯人がこれは密造して作っているものなんですか、それとも製造業者自身が、かぎ製造者が製造しているものなんですか、その特殊工具というものは。
○政府参考人(瀬川勝久君) これはいろいろでございまして、今、かぎをなくした方が開けてくれという依頼についてのお話もございましたけれども、現実にそういう依頼はございます。どのぐらいあるのかという件数は正確には承知しておりませんが、業者の方に伺うと、やはり一つの業者で月に何件かはそういう依頼があるということで、そういったものに対応しておられます。 その肝心の特殊開錠用具、ピッキングの道具でございますが、これは、現実にきちっとしたメーカーで製造をし、販売をしているものがございます。と申し上げますのは、今申し上げた取扱業者、かぎ取扱業者のほか、先ほど若干例を引かせていただきましたけれども、実際に正当な業務としてこれを使う場合もあるということで、そういう製造メーカーもちゃんとございます。それから、実際に窃盗団等では、そういったちゃんとしたメーカーのものを使う場合もあるかと思いますけれども、多くは自らが手製で、密造といいますか手製をしているという例が多いように聞いております。 それから、御質問にございました、申し訳ありませんが、開錠技術を教える学校についての規制の御指摘がございましたけれども、先ほども少し申し上げましたけれども、数が現在私ども承知している限りで数十しかない、できたと思ったらすぐなくなってしまうものもあるということで、必ずしも実態も明らかでない。数が少ないということと、それから現行法上は、単に技術を教えるだけの行為を許可制という形で規制をするという立法例は実は見当たらない、私ども承知していないところであります。したがいまして、今回は特殊開錠用具の所持の規制ということで、こういったものについても規制の対象としていこうと考えたところでございます。 しかし、こういった本法律案の効果というものを今後見極めた上で、なお更なる必要性が生じた場合には、また今後の規制の在り方については十分これは検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○長谷川清君 ここらの問題については、恐らく大臣以下、認識はしていただいたものと思いますので。 それでは次は、中国の窃盗団と言われるものについての実態は、どこまで今現在解明されているんでしょうか。
○政府参考人(栗本英雄君) ピッキングを使用いたしました侵入犯罪の検挙人員について御説明申し上げますと、その約七割が中国人となっているところでございますし、また、具体的なその犯罪の形態はほとんど複数犯で行われた侵入犯罪になっているところでございます。 現在、警察といたしまして、このような来日外国人や、時には暴力団も絡んだ組織的な窃盗事件が非常に急増いたしておりまして、平成九年以降、私ども警察庁といたしましても、いわゆる警察庁組織窃盗登録制度というものを設けまして、組織壊滅、そのような窃盗団的なものの組織壊滅を主眼といたします捜査を推進しているところでございますが、この中で、平成十一年の一月以降に、約二十件ほどのこういうグループととらえたようなものの関与した事件を登録して、現在捜査中でございます。この現在登録しております二十件について、いずれも中国人が深く関与していると見て捜査をしております。そのうち十五件は既に捜査を終結いたしております。 そのような捜査を通じてみますと、いずれの事件につきましても、不法入国者や不法残留者などによりまして、一つのグループが約三十人ぐらい近い人間で構成されておりまして、その中の首魁の下に、言わばリーダーの指揮の下に、今申し上げました三十人ぐらいグループがそれぞれ個別事件ごとに三、四名あるいは四、五名という形で個別のグループを更に作りまして、その一人の指揮者の下に次から次へと侵入窃盗事件を敢行しておるというところでございます。またさらには、盗み出した物の、例えば預金通帳の引き下ろしを行うとか、あるいは盗品の処分を行う、こういうような行為を今申し上げましたグループ内において共同また分担をして行っているというところが見られております。 このような、先ほど御説明申し上げました例えば登録事件では、一つのグループで平均その余罪が三百件以上もあるとこういうような検挙を通じて見られておりますし、その平均被害額が六億円以上にも上っていると、こう見ておるところでございます。それからまた、このような二十ほどの登録事件の中だけ見てみましても、そのうちの七事件につきましては暴力団関係者が関与していると。 そのような意味で、委員御指摘のように、その詳細はまだ十分に把握しているところの段階ではございませんが、かなり組織立った窃盗団があるものと見て現在捜査を進めているところでございます。
○長谷川清君 この中国の窃盗団と言われる、今の話だと七割がそうだということのようですし、これが暴力団と、必ずかどうかは別として、日本側の受入れ組織がいる、そこがいろんな下準備、何日か掛けて、そのねらいとする物件の周辺の調査、道路状況等々をチェックする。そこには金があるかないかなどもチェックする、見張りにも立つ、運転手は我々日本側のメンバーが請け負う、時には実行犯にも加わる、それでいわゆる資金を稼ぐ。こういったいわゆる中国窃盗団が軸になって、そしていわゆるその手先というんでしょうか、いろんな情報を売って行動をともにして共犯、こういうような構造になっているというふうに聞いております。 これらの問題について、例えば中国という問題がはっきりしているけれども、余りこういう公式の場で中国、中国と言いたくない、いわゆる諸外国ということでしょう。つまり、最近は海外の、いわゆる国際的な犯罪、組織的で、しかも今も全部が組織的に動いているということでしょうし、広域化していますね。どちらかというと大都市圏に集中しているというような全体の状況にあると思いますが。 私は、そこまでがはっきりしているなら、中国との間で今現在、少なくも平成の六年以降九年ぐらいまでに警察幹部における双方の日中の道筋ができておりますし、閣僚レベルにおいても、日中の首脳会談は平成十年五月から始まって十一月にも、十一年の七月にも八月にも、当時は小渕さんであったりしておりますけれども、野田国家公安委員長もかかわりながら向こうの首脳とやっている。そして、私が一番言いたいのは、そういう背景があるんですから、少なくも我が方の実務者のレベル、場合によったら大臣も、今ちょっとSARSの問題ありますから今すぐ行けとは言わないけれども、それも注意をしながらです。 そして、今現在のところで一番新しい状況としては、平成十四年の七月に課長クラスの実務のレベルの双方の日中が、不法入国の問題や銃器対策や薬物対策ということを具体的なテーマに上げていろいろと打合せ、会合を持っているというところまでは大体把握されておりますけれども、その後の、平成十四年の一月には、いわゆる偽造パスポート、旅券の問題、あるいは偽装結婚というような問題。だけど、これほど法律を作らなきゃならないほどまでいわゆる日本の犯罪が増えてきているわけですから、具体的なこの侵入犯という問題等々について、なぜ打合せなどぐらいの一回もしていないのか、これからする気があるのか。やる気がある背景はちゃんとあるんじゃないか、このように思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(小田村初男君) 来日外国人犯罪対策の一つといたしまして、中国治安当局との連携強化に現在努めているところであります。 ただいま御指摘もありましたように、具体的には平成十年の国家公安委員会委員長の訪中を初めといたしまして閣僚レベルでの交流を進めますとともに、これを受けて過去三回にわたりまして実務レベルでの日中治安当局間協議を開催いたしておりますほか、様々な実務的な協議の場を通じて連携強化を図っているところであります。 特に、ただいま御指摘ありましたように来日中国人、侵入窃盗犯の検挙の中でその六七%が中国人による犯行というような現状でもあります。そういうことでありまして、中国人侵入窃盗対策につきましてもこの日中治安当局間協議の場で実際に協議をいたしてきておりますし、今後とも中国当局との連携を更に密にいたしまして、窃盗グループの実態や盗品等の海外処分ルート等の解明にも取り組んでまいりたいと考えております。
○長谷川清君 大臣、最近そういう国際的な犯罪や、組織的な、広域的なそういった、この問題のみならず全体的にそういう傾向、特徴を示してきております。特に、そういう中にあっても東京を中心とする大都市圏に集中的に起こるという、これらの問題について、今現在そしてまたこれからについて何か考えるところを述べていただきたいんです。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、今おっしゃった国際的な問題ですね。昔は警察担当の閣僚は内務大臣なんていって国内のことばっかりやっているようなイメージがございましたけれども、私就任しましてから、いかに国際的な連携が治安の確立のために必要なのかということを痛感しておりまして、中国のみならず、こういう治安当局でのいろいろな連携というものを更に強化していきたいと思っております。 それから、我々としても各国の大使館に警察の人間を送っておりますけれども、東京にございます大使館にも是非そういう方を、これは直接我々がやるわけにはまいりませんが、いろいろお願いはしておりますが、是非そういう方をそろえていただきますと、具体的な連携がやりやすいということがございます。 後ほど御議論を賜ると思いますが、児童買春のようなものでも、私、昨年、東南アジアを見てまいりましたけれども、やはり在京の東南アジアの国々の大使館の方々との連携というようなものも、国際的な児童買春を抑えていくという意味では非常に有効であると、こんなふうに考えているわけであります。 それから、他方、今大都市の問題をおっしゃいましたが、大都市では例えば東京二十三区それから政令指定都市で平成十四年中の刑法犯の認知件数が八十七万九千件、これは全国の約三割でございまして、たしか政令指定都市、二十三区と政令指定都市で人口が二割をちょっと超えたぐらいだと思いますから、やはりそこのところに非常に集中的に問題が起こってきているということをこの数字が表現しているんではないかと思います。 その内容を見ましても、今日御議論をいただいている街頭犯罪やピッキングといった侵入窃盗が多発しておりますし、それから街頭犯罪ですね、路上強盗、ひったくり、こういうものがまた体感治安を非常に悪くしておりますので、昨年の十一月、警察庁で街頭犯罪等抑止総合対策室という部署を設けまして、それから各都道府県警におきましても、今年一月からそれぞれの地域の犯罪情勢の分析に基づいて計画を立てて総合対策を推進しているわけであります。 いずれにせよ、各県の実情に応じて違いますけれども、街頭活動を強化するための執行体制の確保、先ほど増員、一万人増員計画というようなこともお認めをいただいているというふうに申しましたけれども、やはり地域と密着をしながら執行体制を強化していかなきゃならない。それから、街頭犯罪、侵入犯罪の検挙活動の強化、この法案もその一環でございます。それから、非行集団に対する取締りの強化それから解体あるいは補導、それから立ち直り対策、居場所づくりというようなことも言っておりますが、そういうことも強化をしなければならないと思います。それから、街頭犯罪とか侵入犯罪の手段となり得る行為の取締り、こういうことも大事でございますし、犯罪類型に応じた防犯対策をそれぞれ考えていかなきゃならないと。 こういったことを精力的に進めて、大都市の犯罪というものの抑止に努めてまいりたいと、こう思っております。
○長谷川清君 ただいまのお答えにもありましたように、やみ金からそして今の路上犯罪に至るまで二百八十五万件も、件数でこの十年で百万も件数が増えている。こういった状況で、しかもそれが人の集まる人口の多い都市部に非常に多いと。 これからは、だから対策という部分について残りの時間質問していきたいんですけれども、大臣も今までの答えの中に、対策の部分について、これはもうみんなでやるよりしようがないんだとおっしゃっていますね。 個人個人がまず自分のところを守るという、そういう意識というものが非常に大事だと思うんですが、調べてみると、渋谷の東急プラザなんかを見てみると、相当これらの問題について自分のうちを守ろうという意味で関心が高いと。特に、このサムターン回しやなんかは注文が殺到していて間に合っていない、週に五百個以上売れているといった、そういう状況もあるようでありますし、意識が非常に高い。そしてまた、二重ロックの商品とか、それから窓枠を、最近はまた熱で、普通のあれで割るだけじゃなくて熱でやる、そういったようなことに対する新防犯用具、そういうものも非常に今は人気が出ていて問い合わせが殺到しているというような状況もあるようだし、いろいろありますが、これはそういうものがどんどん売れて、そして自己防衛をしようとすることが大いに大事です。 と同時に、それだけでは対策が駄目だということが、そこをやったら今度は弱いところへ来るという、そこでどうしてもやはり面でという格好になって、地域ぐるみということになっていくと思います。そういう地域ぐるみというものが更に警視庁と連携、連絡を取ってという、三位一体の、向こうが組織犯なら対策の方も組織的に対応ということがもう最大の防御策だというふうに思うんですが、そういう点について、まずコメントがあれば。
○政府参考人(瀬川勝久君) 誠に今御指摘ございましたとおり、現下の状況の中で犯罪発生抑止を図っていくためには、警察による予防、検挙活動は当然でありますけれども、国民の皆様が防犯意識を自ら高揚させるということ、そしてそれぞれの地域で、警察と地域住民あるいは自治体とも連携をしまして地域における犯罪を防止する活動を推進していくということが非常に重要だというふうに考えております。 現にそれぞれの地域でこういった試みが展開をされております。例えば警察と住民、自治体が連携をして、危険箇所ですね、生活上安全についてやっぱり疑問があるといいますか心配があるような場所を皆で点検をする、あるいは合同でパトロールをする、あるいは防犯リーダーを育成をしたり、安全意識の更なる高揚を図るために安全マップといったものを作成をしているというような取組が推進をされております。また、地域によっては、安全な町づくり協議会といった本当に町ぐるみの体制が構築をされているところもございます。 警察としましては、こういった活動を支援するために、地域住民に身近な犯罪でありますとか事故の発生状況、それから犯罪類型別の具体的な防犯対策、こういった地域安全にとり必要な情報をしっかり提供していくということが大事だと思っております。また、こういった活動の推進方策に関しても適切なアドバイス等をしていくことが必要だと考えているところでございまして、更に町ぐるみの防犯の活動というものが行われるように我々としても努力をしてまいりたいと、こう考えているところでございます。
○長谷川清君 時間があるうちに私も一つは提案をしたいんですが、警察がこういう犯罪等についての犯罪の映画というもの、二十分か三十分物、そういうものを作成して、もう今や視聴覚教育ですからね、言葉でいろいろ言うよりも目で見るとよく分かる。 私は、もう三十年か四十年前に、日本が車社会になっていくころ、警察で「悲しみの記録」というフィルムを、警察が作ったやつで、それを見たことがあります。それはいまだに覚えています。一番たちの悪い運転手に見せるやつというんで、段階があって、それはオートバイと乗用車が追突して首と足がばらばらに吹っ飛んでいるという、これはもう失神するぐらい大変な、だけれども、そういうことを見るとやはりこれは気を付けようということになるんですよね。 そういうフィルムを作って、対企業とか商店街だとかいろんな地域、そういったような人たちと共同してそこでどんどん放映して見てもらう、こういうことなどのPRを計画的にこれをやってもらえないかというふうに思うんです。そうすることが本当に、意識は大分出てきていますから、個々人。あとは地域ぐるみというところがなかなか、こういうものによって地域ぐるみが非常に意識というものが横につながるという、そういうことが出る可能性が強いので、その「悲しみの記録」ということの例に倣って、これから更にまた犯罪が増えるであろうことを是非食い止めてもらえないかな。この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 大変貴重な御意見をいただいたというふうに思います。 私どもとしましても、やはりこういった実態についての広報啓発活動というのが国民の防犯意識を高める、あるいは地域ぐるみの活動を促していくというためにもう是非とも必要なことだと思っております。また、最近の、何といいますか、傾向といたしまして、国民の側からも具体的なやっぱり情報の提供を求めるというニーズが非常に強いということもございます。 今まで、私どもとしましては、例えば都道府県警察の事業でございますが、ひったくり対策でありますとかそれからストーカー対策でありますとか、あるいは子供を犯罪から守る対策、こういったものについては広報啓発用のビデオを制作し活用に努めてきたところでございますが、御指摘にありますような侵入犯罪についての広報啓発用ビデオというものを作っているという例は最近では承知をしておりませんので、委員の今の御指摘も是非参考にさせていただいて、ビデオを制作、活用して、防犯意識高揚のための広報啓発に更に努力をしてまいりたい、こう考えております。
○長谷川清君 さらには、アイ・エヌ・ジーで今現在も警察がやっていることが幾つかありますね。一つは防犯基準というものを作成して、既に動いております。これの状況と、もう一つ警察がやっておりますのは、二年前から警察署協議会というのを発足しております。この二つの状況について、現下の状況をお聞かせください。
○政府参考人(瀬川勝久君) 御指摘の防犯基準でありますが、これは平成十二年の二月の安全・安心まちづくり推進要綱というものを警察庁で策定をいたしまして、国土交通省と連携をしまして、環境設計からの安全・安心町づくりに取り組んでいるというものでございます。これは、道路、公園、駐車場等の公共施設あるいは共同住宅について犯罪防止に配慮した環境設計を行うということで、犯罪被害に遭いにくい町づくりを推進をし、安全で安心して暮らせる地域社会を形成しようという取組でございます。 若干例を申し上げますと、例えば道路につきましては、特に防犯対策を講じる必要性の高い道路というものについて、例えばひったくりに遭いにくいように歩道と車道を分離をさせるとか、それから道路周辺の空き地について道路から見通しを確保すると。見通しが悪ければ、その空き地に連れ込まれて犯罪の被害に遭うということがあります。それから、防犯灯等で夜間の照度が確保されているというようなことを挙げております。 それから、公園につきましても防犯対策を講ずる必要性の高いものについて、先ほど申し上げましたような見通しの確保、あるいは防犯灯による照度の確保、更にはその周辺に交番、駐在所、それがなければ子ども一一〇番の家といった、一種の防犯のための連絡所のようなものを設置をしているというようなことを定めております。 それからさらに、共同住宅についても防犯上の留意事項を定めておりまして、共用部分である出入口、エレベーター、廊下、階段、こういったようなところにつきまして見通しの確保でありますとか照度の確保、あるいは玄関の扉等につきましての防犯設備等の事項を定めているものであります。この普及を図るために、各都道府県警察におきましては、条例の制定でありますとか、あるいは防犯モデルマンション、あるいは防犯モデル駐車場認定制度といったものを作っているところもございますし、それから共同住宅の設計段階から防犯対策に関するアドバイス等に取り組んでいるところもございます。 今後とも、こういった防犯上の留意事項の普及促進に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(吉村博人君) 警察署協議会についてのお尋ねでございますが、委員御承知のとおり、平成十二年の警察法改正で導入をされたものであります。警察法の施行は十三年の六月から、ちょうど二年前になりますが、全国で約千二百七十の警察署がございますが、一部の空港署でありますとか水上警察署等を除くほとんどの警察署で既に協議会が設置をされておりまして、年平均四、五回は開かれているという状況にあります。 その中で、警察署長が署の業務運営に民意を反映させるために業務運営の在り方について管轄区域の住民の方あるいは事業者等の意見を聞き、併せて、こちらから、署長から署の業務運営について住民の方々に説明をするということで、言わば協議会においては双方向性の運営がなされているものと承知をしております。 犯罪防止ということで申し上げますと、警察署側から警察署管内の犯罪発生状況の詳細な説明をいたしまして、こちらで説明をしておりますし、また協議会の委員からは管内での防犯に関するいろんな要望あるいは意見が提出をされておりまして、所要の取組が行われております。具体的には、例えば、意見がきっかけとなりまして警察と地域住民が合同でパトロール活動を展開するようになった、あるいはまた関係機関との情報交換、連携体制を確立したというようなことも聞いておるところでございます。 このようにして、署の協議会の活動を通じて地域住民の防犯意識の向上、あるいはまた防犯等に関しまして自治体等の関係機関の協力が得られるということの成果が得られているところでもございますので、今後ともこのような活動が広がっていくことが望ましいものではないかと考えております。
○長谷川清君 ただいまも答弁がありましたように、防犯基準という問題については、公園とか道路を造る前の設計段階から防犯の意識についてタッチしているという、そういう成果を出しておりますし、それから警察協議会の方については、もう既に豊島区などについても建設業者が一定規模のマンションを造るというようなとき、これは防犯対策について警察と事前協議をしているとか、あるいは神戸の方で、兵庫区においてはタクシー、個人タクシー、その営業タクシー千台ぐらいが全部一一〇番タクシーという格好で流しているうちに、いろんな怪しいものを見たり、それで早期通報に役立って成果を上げているとかいろいろ出ておりますから、私のビデオの提案も、大臣、あらゆる面において全国でやられているやつのいわゆる好ましいものについての水平展開を是非これからお願いしたいと思うんですが、最後に一言だけ答弁願います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 長谷川委員から幅広い観点からいろいろ御示唆をいただきました。特に御提案いただいた件は、いろいろ今までやっていたようでありますけれども、ピッキング侵入盗に関しては少し取組が今までなかったということでございますので、早速工夫をさせたいというふうに思っております。 それから、この法案の運用に関しても、三条、四条についていろいろ御懸念をお示しになりまして、運用上おかしなことにならないようにきっちりと指導監督と申しますか、その辺の状況もしっかりやるように督励してまいりたいと思っております。
○長谷川清君 ありがとうございました。終わります。
○白浜一良君 引き続きまして質問したいと思いますが、冒頭に、谷垣国家公安委員長にまず総論的なお話を伺いたいと思います。 平成十四年度の侵入窃盗、侵入強盗犯罪というのは三十四万件だと伺っております。この五年間で十万件増えているというふうに伺っておりまして、それで、しかしながら、検挙率は十三年も十四年も二九%台だと、大変低いわけでございます。それで、従来のこの軽犯罪法では確かにこれを検挙率、また犯罪防止という観点で実効あらしめるのは大変難しいということでこの法律を作ろうと、こういうことになったのはよく承知しておりますが、実際この侵入犯罪の中で六割近くが何らかの器具を用いて犯罪が行われているということなんですが、この法律でどのぐらいがそのいわゆる対象になるかと、犯罪数の中の、ということと、この法律でどれだけ予防措置、そういう効果があるかと、予防効果があるかということをまず総論的なお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、白浜委員おっしゃいましたように、平成十四年中の侵入窃盗を調べてみますと、何らかの器具を用いて建物に入ったというのが、これが全体の約六割でございます。それで、それをもうちょっと見てみますと、いろんな用具が利用されているわけですけれども、多く使われているものから順に申しますと、ドライバーが約四五%と、それからバールが約二〇%と、それからピッキング、いわゆるピッキング用具が約一〇%となっておりまして、この三つを合計しますと全体の約七五%でございます。 それから、最近ではドリルサムターン回しと言われる手口ですね、ドリルを使ってドアに穴を空けて工具を差し入れてはいれる手口ではいってくる侵入犯が今年に入って大変増えております。 そこで、この法律を通していただきましたら、こういう実態を踏まえて、特殊開錠用具としてはピッキング用具等の器具、それから指定侵入工具としては一定の大きさ、形状のドライバー、バール、それからドリルといったものをその対象として定めて政令案を検討していきたいと思っているわけでありますが、そういたしますと、建物の侵入に用いられる器具のうち相当部分がこの法律案で、この法案で対処できるということになると考えております。 それから、これをやると器具を使ったものにはそのぐらいのかなり効果があるということを申し上げたわけですが、もう一つ、どれだけ軽犯罪法等に比べてこの法律を作ることによって予防効果が期待できるかということでありますが、まず、現行の軽犯罪法は拘留、科料のみと、こういうことになっておりますが、本法は懲役と百万円以下の罰金、百万円以下でしたか、五十万以下の罰金と、こういうことになっておりますので、厳正な処罰が可能になると。やはり、俗に言うこんなに罰せられるのならやめておこうという抑止力が、抑止効果が働くのではないかと期待しております。これが一番目でございます。 それから二番目に、特殊開錠用具、ピッキング用具等につきましては、現在の軽犯罪法では隠し持つという行為に限られて規制されているわけでありますけれども、この法案では、正当な事由がある場合を除きまして処罰、所持していること自体を処罰対象とするということでございますので、犯罪をたくらんでいる者が隠し持っているというような場合でなくても、例えば組織的な窃盗団が特殊開錠用具を密造、保管している段階でこれを検挙する、侵入行為の実行に及ぶことを未然に防止する効果があるのではないかと。 それから三番目に、手続的な面ですが、現行法の軽犯罪法では拘留、科料のみと、こういうことになっておりますので、そうしますと捕まえた場合でも逮捕するということには相当制限が、逮捕、勾留には制限がございまして、なかなか逮捕、勾留というのがしにくいという実情がございます。 それで、この法案ではそういう問題点が、制約が解消されまして、侵入が実行に移される前に侵入に結び付く危険性の高い行為を取り締まることが容易になる、侵入犯罪の発生を、これも未然抑止につながっていくのではないかと思います。 それから、来日外国人の問題も先ほどから御議論をいただいているわけでありますが、この来日外国人被疑者に対して、この法律で検挙した場合に、懲役、執行猶予も含めまして懲役に処せられた場合には国外退去を強制することができるようになります。これも効果があるのではないかというふうに考えておりまして、概括的に申しますと、以上四件ぐらい、かなり従来に比べて効果が上がるのではないかというふうに考えております。
○白浜一良君 そういう適正な効果が出ますように、施行後もしっかりお願いしたいと思います。 それで、先ほどもお話ございましたけれども、このいわゆる侵入犯はグループでやっているということでございまして、それで中国の関係が多いということなんで、先ほども実務的な打合せを中国当局とやられていると、三回ですか、今までやられたのが。そういうお話伺いましたけれども、何か具体的にこれ、例えば単発で捕まえても中国本土との、中国とか香港とか本土との組織との連携というのもあるわけでございまして、そういう根こそぎいかなければ単発で捕まえてもなかなか根絶やしにできないわけで、そういう面でいわゆる中国当局との打合せが必要なんでしょうけれども、何か具体的に決まったことというか詰まったことというのはありますか、何か。
○政府参考人(小田村初男君) 中国や例えば香港の捜査当局との捜査協力というようなことでありますけれども、従来から国際刑事警察機構、ICPOルートでありますとか外交ルート、こうした一般的な情報交換、捜査協力というものも当然行っております。 そしてさらに、先ほどおっしゃいましたように日中双方の治安問題の関係省庁が参画しまして治安当局間協議、こういうようなものを実施をいたしまして、具体的な情報交換を行うというようなことを行っております。また、具体的な事件が発生しますれば、必要に応じて警察職員を中国に派遣するということで直接的な捜査協力や情報交換も行っております。 また、香港に関しましては、平成十年から警察職員を海外連絡担当官というような形で香港に派遣をいたしまして、香港における組織犯罪情勢等の調査等も実施をいたしております。決まったことといいますか、こういうようなことを一つ一つ協議をしながら進めているというようなところが現状でございます。
○白浜一良君 なかなか違うお国なので、大きな国ですし、なかなかそういう実効性を出すのは難しいと思いますが、やっぱり連携が大事なので、今後ともしっかり具体的に詰めていくというか、よろしくお願いしたいと思うわけでございます。 それで、今日は法務省にも来ていただいておりますのでお伺いしますが、今回はこの法律で検挙された場合、犯罪になるわけで、中国人に限りません、在日外国人の犯罪が確定した場合は強制送還になるわけですね。今でもこれ、大変ですよね、人数が多くて。この辺は非常に仕事が増える可能性もあるわけでございますが、ここら辺の体制はどうなっておりますか。
○政府参考人(増田暢也君) ピッキングによる犯罪が多発しておりますけれども、今回の法案によりまして、業務その他正当な理由による場合を除いて、特殊開錠用具を所持していた者など所定の者については、たとえ一年以下の懲役、禁錮に処せられた場合、あるいは執行猶予が付された場合であっても退去強制することができることになります。 当局といたしましては、警察等関係機関と緊密に連絡を取りつつ、この法案の規定を積極的に活用することによりまして、この種、入管法違反者に対して厳正に対処するとともに、迅速な退去強制を実施していく所存でございます。
○白浜一良君 まあまあそれは厳正に対処してもらわな困るんだけれども、大変でしょうって私言っているわけですよ。今だってもう本当に手薄だと思うんですよ。一杯そういう該当者が、このピッキングじゃなしに、一般的な犯罪もあるわけでございますから。だから、少ないそういう署員で対応しなければならないと、心配して言っているわけで、厳正にやるのはよう分かっていますよ、それは。 それで、これ今までのケースを見ますと、強制送還してもまた、もう偽造パスポートでまた来たりするケースもあるわけですね。そういうケースはどういうルートで来られるルートが、例が多いのかということと、それからそれを防止するために、偽造パスポートをチェックするシステムというか体制というか、それをどういうふうにされようとしていますか。
○政府参考人(増田暢也君) ただいまお尋ねを受けました偽造パスポートを利用するケースというのは、その偽造パスポートを使って我が国に不法入国するというケースに当たりますが、その不法入国で実際にパスポートを偽造されたものを使うというのは、やはり航空機を利用した不法入国者が多うございます。 ちなみに、平成十一年に航空機を利用した不法入国者は六千二百八十一人、平成十二年が六千八百二十八人、平成十三年が六千二百九十九人、平成十四年は六千二百一人でございまして、この航空機を利用した不法入国者の方が船舶を利用した者より大体二倍から三倍多いという数にございます。そして特色として、この航空機を利用した不法入国事案というのは、かつて、数年前はフィリピンや台湾からの不法入国者も多かったのですが、この二年ほどはもう中国の人が多くを占めているということでございます。 それで、それではこの不法入国者、偽造パスポートをどのように入国を阻止するかということでございますけれども、平成十三年度におきまして、成田空港を始めとする全国の主要空海港に最新鋭の偽変造文書鑑識機器四十四台を入れまして、偽変造文書鑑識体制を充実強化いたしました。本年度は、更にこれに加えまして、空海港の入国審査官が上陸審査のブースにおきまして旅券等の文書を検査できる小型の鑑識機器、これを全国の出入国港に配備する予定でございます。 さらに、こういった偽変造文書鑑識体制の充実強化以外の水際対策といたしまして、これまでに全国の出入国港に配備した旅券自動読み取り装置、MRPリーダーと呼んでおりますが、これを使って、上陸しようとする外国人の所持する旅券を読み取って上陸拒否事由に該当する者と即時に照合すると、そういうことができるシステムを活用しております。 今日、不法入国を企てる者は精巧な偽変造旅券を行使するなど手口が巧妙化しております。そのため、より確実な水際での阻止が必要でございますので、今後ともこれら整備されている機器等を最大限活用いたしますとともに、その審査技術に関する審査官の研修、こういったことも充実いたすなどして厳格な入国審査を実施してまいりたいと考えているところでございます。
○白浜一良君 いろいろなハイテク器具が、新しい機械が出て──後で言うてください、それはね。後で言うて。何かあるんでしょう。
○政府参考人(増田暢也君) さっき私ちょっと言い間違えたかもしれません。
○白浜一良君 だから、それはもう後で重ねて言うてください。 それで、そういう最新鋭の機械を使ってきちっと水際防止するという、これも大事でございますが、そういう面でいいますと、アメリカはテロ阻止ということでございますが、いわゆる指紋とかの生体情報ですね、そういうシステムを作ろうと、テロ防止ということなんですけれども、アメリカの場合は。そういう話も伺っているんですが、その辺は我が日本においては導入される可能性があるわけですか。
○政府参考人(増田暢也君) まず、先ほど私、答弁の中で一か所間違えたところがあるのでそこを訂正させていただきたいのですが、偽変造旅券を行使している国について、先ほどフィリピンや台湾という言い方をしたかもしれません。それは台湾ではなくてタイの間違いでございますので、そこを訂正させてください。 それで、ただいまの委員から御指摘のありましたとおり、いわゆるバイオメトリックス、生体情報認証技術でございますが、これを出入国手続に導入することにつきましては、テロ対策という観点もございますし、それだけでなくて、入国審査の迅速化という側面からもこのバイオメトリックスの推進が期待されているところでございます。バイオメトリックスには虹彩、顔、指紋などの照合手段がございますが、現在、旅券へのバイオメトリックスの応用につきまして、国際民間航空機関、ICAOですが、ここが標準策定作業を進めているところでございます。 入国管理局といたしましては、ICAOでの議論を踏まえつつ、このシステムに関する情報を収集し、導入する場合の問題点等について検討しているところでございます。また、導入時期につきましても、ICAOの標準策定作業の進捗状況を見極めながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
○白浜一良君 分かりました。 警察もそういう水際防止という面で事前旅客情報システムですか、それを導入しようと。導入されているんですか。いろいろ計画されていると伺っておりますが、この辺はどうなっていますか。
○政府参考人(小田村初男君) 事前旅客情報システムというものでありますが、これは警察庁、法務省及び財務省が共同で導入を計画しているシステムであります。国際線の航空機が我が国の空港に到着する前に、航空会社から送信されます搭乗者の氏名等の情報を三省庁がそれぞれ保有する要注意者のリストと照合いたしまして、問題のある旅客等を事前に選別することによりまして不法入国者の上陸阻止でありますとか、銃器、薬物等不法物品の持込み阻止、指名手配被疑者の逮捕等、水際における取締りの徹底を図るものであります。 このシステムにつきましては、平成十五年度中、今年度中にプログラム開発を行いまして、平成十六年度にハードウエアの整備等を行って、十六年度中に運用を開始する予定で進めているところであります。
○白浜一良君 入管局長、結構でございます。ありがとうございました。 それで、用具販売業者がいらっしゃいますね。これも一定の販売規制は、効果は期待できるんですけれども、売り方というのはいろんなルートがありますし、海外からの輸入もございますね。そういう面でもう少し、そういう販売を規制を効果あらしめるためにはもう少し手を打った方がいいんじゃないかと、まだまだ抜け道があるんじゃないかと、こう思われる点もあるんですが、この点はどうですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 御指摘のとおり、ピッキング道具はインターネット等で通信販売をされたり、あるいは店頭販売という形もありまして、一般人が入手できるような状況になっているわけでございます。本法律案では、販売について、何といいますか、例えば許可制にするというような形ですべてを規制するという形は取っておりません。これは製造、輸入、販売すべて規制をするという形態を取るのが最も徹底的な規制の方式、形だということだろうと思いますけれども、我が国においてこういったすべてを規制するやり方が取られておりますのは、火薬類でありますとか銃砲でありますとか、そういった危険物でございます。これに比べますと、特殊開錠用具も、もちろんそれは侵入犯罪に非常に使われるものではありますけれども、こういったものと同等の規制を行う必要があるとまでは現時点では考えられないというふうに考えているところでございます。 そこで、この法律案におきましては、まず正当な理由のない特殊開錠用具の所持を禁止をいたしました。あわせて、相手が業務その他正当な理由によることなく所持することを知りながら特殊開錠用具を販売、授与した者について、加重処罰するということによりまして社会における特殊開錠用具の拡散に歯止めを掛けようと、こういう考え方で構成をしているものでございます。これらの規制によりまして、インターネットあるいは通信販売といった形での取引につきましても、あるいは販売そのものにつきましても、一定程度の歯止めが掛かるものというふうに私どもは考えております。 また、それだけではなくて、販売業者、約八十ほど我々今把握をしておりますけれども、こういった方々に対して、この法律案が成立をいたしましたならば、販売する際に、購入者が業務その他正当な理由により所持するものであるかどうかということを販売時に確認をしていただきたいというお願いといいますか、指導は是非してまいりたいと、こういうふうに考えておりまして、こういったことが相まって相応の効果は期待できるものというふうに考えております。 なお、この法律案によります効果を今後見極めた上で、特殊開錠用具の社会への拡散防止のために更に踏み込んだ規制が必要だというような場合、状況が生じましたときには、販売規制についても更に検討してまいりたいと、こう考えております。
○白浜一良君 よく効果があらしめるために必要だという場合は、しっかり検討していただきたいと思います。 私も聞きましたけれども、アメリカの場合は正規の錠前関係業者以外への開錠用具の郵送を禁止されているらしいですね。それから、スウェーデンの場合は許可を受けた者のみ販売を認めていると、こういうケースもあるらしくて、オーストラリアは登録された業者だけですか、販売できるのは。いろいろ工夫されているわけで、今回は新しい法律ですから、趣旨はよく分かりますが、そういう販売業者が不正の寝床にならないようにしっかり見ていっていただきたいと、こんなふうに思います。 それからもう一つ、開錠の教習業者というのがありますね。これがすべて犯罪につながっているわけじゃないと、これは私もよく知っているんですが、しかし、そういう錠前の関係業者の御意見を事前にヒアリングされたんですか、警察で。そうすると、やっぱり何らかのそういう許可制とか認可制にした方がいいんじゃないかというような御意見が出たと。そういう教習そのものが別に犯罪の温床じゃないのは間違いないんですが、意図的に悪用しようと思ったらできるわけですね、そういうノウハウを教わるわけでございますから、という御意見も出たということなんですが、この辺はどうなんですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) この法律案を検討するに際しまして、関係業界からのヒアリングも行いました。特に、部外有識者あるいは関係省庁の方にも御参加いただきまして、住宅等侵入犯罪予防対策研究会というものを設けまして、いろいろ御議論をいただきました。そこにおきましても、今後の課題ということで、今、委員が御指摘のような点も指摘をされているところでございます。 こういったことをこの立案に当たって私どもとしても検討してまいったわけでございますけれども、開錠技術を教える学校というのは、まず一つは、数が全国に数十ぐらいしかないということ、それから、その中には、きちんと正当な業務のために技術を教えるというようなものもありますし、全く営業の中身が明らかではないというようなものもあって、あるいはあったと思ってもいつの間にかなくなってしまっているというようなものもあるわけであります。 そういった実態に照らして、私どもとしましては、これは許認可等の新たな制度を設けてまで規制をするということは、行政効率という面も一つございますし、それから技術を教授するという行為自体を規制する立法例というのは私どもとしては承知をしていないというところでございます。 したがいまして、当面、この法律案におきましては、侵入犯罪を例えば企図している者を対象に開錠技術を教授するものというような者がいたとしました場合には、この特殊開錠用具の所持規制の規定を活用するということによりまして取締りを行っていくというふうに考えたものでございます。 今後、この点につきましても、本法律案が成立、施行されましたならば、その効果をまた見極めつつ、必要がある場合には適切な規制の在り方ということについて更に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○白浜一良君 そういうことでよろしくお願いしたいと思います。 それから、先ほどビデオの話をされましたね。やっぱり国民といいますか住民といいますか、防犯意識を持つというのが大変大事で、先ほどビデオの話を、確かに効果はあると思います。 それと関連してなんですが、私ちょっと御提案申し上げたいんですけれども、ホームページですね。 警察庁は執行機関じゃないから、それぞれ県警本部が執行機関なんで、そちらの方がニーズがあるのはよく分かりますが、警視庁のように、もう非常に能力の高いところは非常に都民から見て分かりやすいホームページというのは作ってはるんですね。警察庁はそういう執行機関じゃないのでそうなのかも分かりませんけれども、だけれども、そういう体力というか力量のない県警本部もあるわけで、やっぱり警察庁のホームページに、国民が見て、そういうピッキング事犯というのはこういうことになるんですよと、分かりやすい、そういうハウツー物というんですか、そういうページもしっかり警察庁の方で作られたらどうかなと。 できる県警本部はいいんですよ、やっているところは。でも、なかなかやっぱりそこまでいかないところもございますし、そういう、市民から見て分かりやすい、ハウツー物のそういうホームページ立てをされてはどうかということと、もう一つ、ホームページに検索がないんですね。こういういろんな事件について知りたいと国民が思ってもなかなか使いづらいという、そういうホームページのことも聞いているんですよ、警察庁のホームページ。この辺も改善をされた方がいいんじゃないかと、このように思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今日は、先ほどの長谷川委員の御提案といい、今の白浜委員の御提案といい、いろいろ大変我々にとって良い御提案をいただいているわけですが、ホームページに関しましては、今、白浜委員のおっしゃるとおりで、やはり分かりやすいものをやるように努力しなきゃいかぬと思っております。 警察庁では、平成八年の五月にホームページを開きまして、いろんな所管している法令であるとか、あるいはいろんな施策に関する情報をできるだけ幅広く提供するようにしているんですが、それだけでなく、例えばカム送り解錠、こういう不正な手口とその対策といったもの、これは国民に身近な防犯情報になるわけですが、こういうのも今まで発信してきたということがございます。 それで、警察庁のホームページの在り方は、行政情報の電子的情報を積極的に推進して国民の理解と協力を得ていく上で私は大変大事なことだと思っております。今年の四月一日から、今までよりかなり見やすく理解しやすい、情報提供も上手にできるような形でリニューアルをしたつもりでございます。 これは今後も更に分かりやすいものにしていく努力は欠かすことができないんですが、今おっしゃった検索、これが今までできなかったわけでございます。そこで、早速、御指摘をいただいて、理解しやすく利用しやすいという観点から、六月早々にも電子政府の総合窓口というのを政府でやっておりまして、そこに検索機能があります。それをうまく警察のと連携させますと、警察庁のホームページから検索によってすぐ目的のものに近づくことができると、こういうことになるわけでございますので、六月早々にもそれはやれるようにしたいと、こう思っております。
○白浜一良君 もう時間もなくなりましたので、大臣、申し訳ございませんが、最後に、本法律を施行されてそういう侵入犯罪を少しでも予防しようと、することにしようと、またそういう悪質な犯罪を検挙しようと、こういうことに対する決意を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほども申しましたように、やっぱりピッキングあるいは更にその背後にある侵入犯罪、これが一番体感治安を悪くしているものでありますから、この法律を活用して安心していただけるように努力をしなければならないと思っております。 その上で、先ほどから申しておりますように、まず警察としてもこういう侵入犯、街頭犯に対する体制というものをきちっと更に充実させていかなければなりませんし、また、官民合同によっていろんなものを工夫してやっていくということも更に意を用いなければならないと思いますし、それから先ほども防犯基準等御議論いただきましたけれども、町づくりにやはり防犯という観点を入れるように我々も努力をしていく、それから入管、税関あるいは海上保安庁と連携した来日外国人犯罪対策推進、こういったことを総合的に力を入れて取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。 特殊開錠用具所持の禁止等に関する法律について質問いたします。 まず、大臣にお伺いいたしますが、住宅等侵入罪の認知件数を報告していただきたいと思います。そのうち、ピッキングによる住居侵入窃盗は何%を占めるか。 住宅等侵入罪全体として見ると、ガラス破りなどピッキング以外の手口による住宅侵入犯罪が多くを占めています。ピッキングによる侵入窃盗が多発し、サムターン回しなど新しい開錠手法が確認されるなど深刻な状況にあります。ところが、検挙率が二九・一%に急減しています。その要因についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(栗本英雄君) 住宅等を対象とした侵入盗の発生状況等のお尋ねかと存じますので、簡単に御説明申し上げます。 昨年平成十四年は十八万九千三百三十六件となっております。これは、五年前の平成十年には十二万件ということで、五割以上急激に増加している状況でございます。 それから、ピッキングの御質問も今ございました。ピッキングにつきましては、昨年認知しておりますのは一万九千百二十一件認知しておりまして、ちなみに私ども警察庁としてこの関連の統計を取りましたのが平成十二年からでございますが、平成十二年が二万九千二百十一件、平成十三年が一万九千五百六十八件、そして昨年が先ほど申しました数字でございまして、二万件前後で推移して、かなり高水準の発生を見ておるところでございます。 また、これの検挙状況でございますが、検挙状況につきましては、昨年が二四・八%となっておりまして、侵入盗全体では二九・一%でございますので、若干それより悪い数字になっているところでございます。
○吉川春子君 その検挙率が減っているその要因についてはどうお考えでしょうか、伺います。
○政府参考人(栗本英雄君) 大変いろいろな要因がございますし、また一部言い訳的な感じになって大変恐縮でございますが、私どもはこのような窃盗犯捜査等につきまして捜査をしている中で感じますことは、一つは、これは窃盗犯だけではございませんが、犯罪の増加に検挙が追い付いていかない。例えば、先ほど御質問がありました強盗とか住居侵入とか、こういうものは検挙人員、検挙件数、いずれも前年比等で増加をしておりますが、認知件数が更にそれを上回って発生しているために相対的に検挙率という面では減少している、こういう状況がございます。 それから二つ目としては、いわゆる検挙率の面で見ますと、これは認知件数を分母といたしまして検挙件数を分子とするわけでございますけれども、その面で検挙人員が増えておりますが、一人一人の検挙した被疑者に対して十分な取調べを行っていろいろ余罪捜査に徹底を期さなければいけないわけでございますが、第一線におきましては、次から次へと発生してくる刑法犯の発生のためのいろいろな初動捜査に追われるために検挙した被疑者の余罪捜査が十分にできないという関係から、検挙件数がなかなか増えていないという面も一つあろうかと思っております。 それからまた、現場での捜査力を確保するという面から見ますと、来日外国人犯罪などが大変増えておりまして、このような組織犯罪には非常に共犯者がたくさんいるということ、あるいは言葉の問題等々ございましてそのような捜査が困難化している、こういうことなどから、大変恐縮に存じますが、検挙率が低下しているところでございまして、それらを克服して何とか検挙実績の向上に努めているところでございます。
○吉川春子君 現在はピッキング用具の携帯は軽犯罪法の一条三号の侵入器具携帯違反として取締りが行われております。この検挙状況、侵入器具別にお答えいただきたいと思います。送致件数と言った方がいいんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) お答えいたします。 平成十四年中におきます軽犯罪法一条第三号侵入器具携帯違反でございますが、送致件数は三百六十三件でございます。平成五年から過去十年間の推移で見ますと、百七十一件、約八九%の増加となっております。
○吉川春子君 今度の新規立法の第四条で侵入指定工具の隠して携帯を禁止しております。隠して携帯は軽犯罪法の侵入器具携帯罪の構成要件と同様です。 送致件数は平成十四年で三百六十三件ということでありましたけれども、この新規立法によって捜査等の効果が上がり検挙数大幅に増える、このようにお考えでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 軽犯罪法との関係でのお尋ねかと思いますが、平成十二年の一月から十四年九月までの間の軽犯罪法一条三号違反の検挙について見ますと七百四件ございましたが、これで検挙した侵入器具の内容でございますが、そのうちドライバーが全体の二九%を占めるわけであります。次いでバールが一二%、ピッキング用具が約一〇%を占めるということで、軽犯罪法の検挙状況から見ましてもかなりの部分がこの法律案の三条、また四条に該当するものということになります。 それから、侵入窃盗の状況について見てみますと、平成十四年中の侵入窃盗について何らかの器具を用いて建物に侵入したと見られるものが全体の約六割を占めておるわけでありますが、その器具が判明しているものについて調べてみますと、ドライバーが四五%、バールが二〇%、ピッキング用具が約一〇%ということで、全体の約七五%がこのドライバー、バール、ピッキングというもので占められる、こういう状況になっております。 したがいまして、本法律案はこういった侵入窃盗に用いる器具につきまして事前の検挙措置等を講ずるという観点で、大変効果があるものというふうに考えております。
○吉川春子君 警察の答弁とちょっと違うような気がいたします。犯罪の増加に追い付かないんだと、検挙が、そういう御答弁でした、警察の方は。今のは、法律が変われば効果が上がると、こういう答弁でした。 伺いますけれども、軽犯罪法の一条三号では、正当な理由がなくて合いかぎ、のみ、ガラス切りその他の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は拘留又は科料に処すると、こうなっているわけですけれども、今回、これを麻薬や銃刀類のように所持そのものを、所持、携帯そのものを禁止して懲役刑を科したと、この理由はどこにあるんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 軽犯罪法は、今御質問にございましたとおり、その罰則が拘留、科料ということでございまして、一つは刑の感銘力といいますか、これが非常に弱いということがございます。それからまた、拘留、科料という罪は刑事訴訟法で逮捕あるいは拘留の要件等にいろいろな制約がございます。こういった点から、なかなか侵入犯罪の防止という観点から見たときに有効に機能していない面があるということで、今回の法律案をお願いをしているわけでございます。 三条につきましては、これは特殊開錠用具ということで、これは錠をかぎを用いずに開けるというためのみに使用されるものであるということであり、かつまた一般の方がそういったものを持つということは通常考えられないということで、言わば軽犯罪法の行為態様を所持にまで拡大をして罰則をこの法律案のような形にするということでございます。 それから、四条の方は指定侵入工具でございますけれども、これはドライバー、バールというのを例で挙げておりますが、国民が日常生活で使われるようなものでございますので、特に侵入犯罪の実態から見て侵入犯罪に使われるおそれの大きいものについて種類を限定し、またその形状、大きさ等についても限定した上で、構成要件としては軽犯罪法と同様の業務その他正当な理由なく隠して携帯するというものについて、その危険性に見合う罰則にするという考え方に基づくものでございます。
○吉川春子君 まだ伺わないところまで答弁していただきましたけれども、要するに、銃刀類とか麻薬とかそういうものは持っているだけで危険ということは私も分かるし、それはそれで納得できるんですけれども、日常的に大工道具などとして使っているようなものを持っているだけでもう危険として今度、所持、隠して携帯が犯罪の対象になるということで、非常に大きな飛躍があるわけですね。 それで、確かに軽犯罪法では現行犯逮捕も通常逮捕もできないという不自由があるんだというお話でしたけれども、私は、なぜ日常の大工道具を携帯していること自体が危険なんだというふうに今度の法律で規定したのか、その辺についてはまだ疑問が残るところです。 それで、もう答弁の方が構成要件の方に入りましたので、私もそちらに入っていきたいと思うんですけれども、先ほど同僚議員の質問に対して、どういうものを政令で具体的に定めるかということはお話しになりました。 まず、ピッキング用具なんですけれども、指定侵入工具その他の工具も政令で携帯が禁止されています。それで、日常生活で普通に使われている工具が対象になる。現場の警察官が車のトランクなんかを開けさせて、そのトランクの中に工具を積んでいる場合も、これは所持あるいは隠して携帯、こういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) ドライバー等についてのお尋ねだろうかと思いますけれども、車の工具箱の中には車が故障した等の場合に備えて必ずドライバー等が入っているわけでございまして、これは業務その他正当な理由に基づく携帯であるというふうに考えられるところ、これが本法違反になることということはないものと考えております。
○吉川春子君 正当な理由であれば問題ないと、こういうふうにおっしゃいますけれども、その正当な理由とは何ですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) そういった器具を所持するということが社会通念上必要性が認められるというようなものを業務その他正当な理由ということにしているわけでありまして、これは軽犯罪法一条三号で言います正当な理由とほぼ同義でありまして、法的な運用としてもこれは定着をしたものであると考えております。
○吉川春子君 軽犯罪法は拘留、科料だけですよね。懲役刑なんていうのはないし、さっき答弁がありましたように逮捕もできない。そういう中での構成要件と、今度は懲役刑が付くわけですから、そういうものと同一に、だから問題ないという根拠には私はできないと思います。 ドライバー、バールその他の工具で建物錠を破壊するため又は建物の出入口等窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとしているんですけれども、これは政令で定めるというのは、具体的にどういう工具が定められるんですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) この例示で示しておりますドライバー、それからバール、そしていろいろ今まだ政令案については検討をしているところでございますが、先ほど新しい手口ということでお話がありましたドリルサムターン回しというものが新しい手口で出てきておりまして、ドリルでドアに穴を空けてそこから特殊な器具を入れてサムターンを回すという手口でございますが、その穴を空けるドリル、こういったものを政令で定めることを今検討しているところでございます。
○吉川春子君 ここで国家公安委員長にお伺いいたします。 政令で定めるということは、つまり国会の審議は抜きでいいと、警察が必要と認めた場合はもういつでも追加できるということになっているんですけれども、構成要件の重要な部分を政令にゆだねるということは、非常にその構成要件を不明確にしますし、懲役刑を伴う犯罪ですから、この点についてちょっと問題があるなと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) どういう用具の所持を禁止するかということになるわけですけれども、私はこれはそのときの犯罪の実情とかそういうものをよく見ないと、なかなか現状に適したものに定められないんだろうと思うんですね。それで、先ほど生活安全局長も御答弁申し上げましたけれども、サムターン回しというような新しい手法が生まれて、それはドリルを使ってドアに穴を空けて侵入してくると。そうすると、それは従来余りそういうものはなかったという具合に、次々と犯罪の手口も変化するものですから、ある程度そういう実態に即して臨機応変に規定をする必要が私はあるんだろうと思います。 そこで、委員は構成要件の重要な部分を政令にゆだねることはどうかということでありますが、私は、基本的な部分はこの法律で決めていただいておりますし、今のような点はそのときの犯罪情勢をかんがみて、ある程度臨機の判断ができるようにしていただくことがよいのではないかというふうに考えております。
○吉川春子君 この点がこの法律の一つの大きな問題点だと思うんですね。つまり、次々と犯罪の手口が変化して、その状況に応じて臨機応変に政令に追加していくということは、犯罪の構成要件が臨機応変に変わっていくということにもつながりかねないのではありませんか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと私の御答弁も舌足らずだったかもしれませんが、基本的に三条、四条において、どういう目的に使われるどういう種類の工具というか器具であるかということは三条、四条できちっと決めていただいているわけですね。それで、更にそれより具体的に決めようということになりますと、先ほど申し上げたような社会情勢というか犯罪情勢、手口の変化というものがありますので、それを全部国会で御審議をお願いをするということになると、私はなかなかその事態に対応できない場合があるのではないかというふうに思うんです。 それで、もちろん、先ほど申し上げた舌足らずという、申し上げた点は、もちろんこの三条、四条で方向が決まっている範囲内であるということが一つでございますし、それからそういう範囲内でも新しくまた政令を変えていく場合にはパブリックコメント等を行って国民の御意見を広く承るというのは、これは今閣議決定でしたかね、政令を決める場合にはパブリックコメントにかけるというのが閣議の決定事項にもなっておりますので、当然そういうような運用をしながら、政令にゆだねられたからといって、何というんでしょうか、乱用の弊といいますか、乱用のそしりを受けることがないような歯止めを考えながらやっていくということじゃないかと思います。
○吉川春子君 三条の特殊開錠用具の所持、四条の特定侵入工具の隠して携帯、これが成立する要件としては、単純に所持していれば足りるんでしょうか。建物に侵入するとかマンションに侵入して窃盗を働くとか、そういう意図は必要ないということですか。伺います。
○政府参考人(瀬川勝久君) この法律案では、これ目的犯という形になっておりませんので、そういった建物に侵入する目的で所持していたということまで構成要件的に必要とされているものではありません。 しかし、業務その他正当な理由がなく、これは三条の特殊開錠用具の場合は所持をするということでありますが、これは先ほども御説明申し上げましたとおり、この用具自体が一般の方が日常生活でほとんどこれは持つ必要がないものでありますので、業務その他正当な理由がなく所持するということを禁止するということは、これは合理性があることだろうというふうに思います。 それから、指定侵入工具でございますけれども、これにつきましては、先ほども申し上げましたが、政令で定める際に、これは一般の方が日常生活で使われるものですから、非常に種類でありますとか形状でありますとかを制限をいたします。そしてまた、そもそも、この法案の二条の三号でありますけれども、どんなものでもということではなくて、「建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいもの」という大きな限定の中で決められていくものであります。そして、本法が適用される、その四条違反が適用される場面といたしましては、業務その他正当な理由がなく隠して携帯をしているということでありますので、正に深夜、住宅街等で不審者を発見した場合にこの規定の発動という場面になるものだろうというふうに考えております。
○吉川春子君 現場の警察官の裁量が不当に働くような、そういう構成要件の不明確性というのは、一般的にこれはよくないと思うんですね。 どういう歯止めがあるのかということを伺いたいと思うんですけれども、こういう場合は当たらないよと今いろいろおっしゃいましたけれども、その判断は現場の警察官にゆだねられているのではありませんか。正当事由だけで乱用のおそれは防止できません。 先ほどの答弁で具体的運用基準を設けるというふうに言われましたけれども、どんな運用基準を設けるのか、現場の恣意的な判断を防ぐためにどういう基準を設けるのか、お伺いします。
○政府参考人(瀬川勝久君) こういった、何といいますか、罰条構成要件の適用というのは、これはやはり最終的に現場の警察官の判断にゆだねられるということになるだろうと思いますが、要は、その現場において的確な判断ができるかどうかということの御懸念であろうと、こういうふうに思います。 具体的運用基準ということを答弁の中で申し上げさせていただいておりますが、要は、先ほど来御説明させていただいておりますように、この法律案の二条の例えば二号であり三号であり、それから三条、四条といった部分について、その規定の趣旨というものについて十分理解をさせるということ、それから業務その他正当な理由ということについて、できるだけ例示等も挙げながら、こういったものについて的確な判断ができるようによく指導教養すると、こういうことだろうと思います。 また、当然、この国会におきまして、今御質問も今朝からありますように、この規定の運用状況についていろんな御懸念等もございましたので、そういった点についても十分配慮してこの規定を運用するように、この点につきましても指導教養を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○吉川春子君 警察における住宅等侵入犯罪予防の考え方によりますと、「侵入犯罪の多発時間帯、多発地域において地域警察官による重点的な職務質問を行う」と。 「ピッキング用具使用の侵入盗とその対策」、「捜査研究」二〇〇二年三月号ですか、警察庁刑事局捜査一課の吉田良夫さんが書かれています。不審者に対する職務質問を積極的に行って、たとえ窃盗犯で検挙できなくても、所持品の中に侵入用具を発見した場合における軽犯罪法の適用、身分確保による不法残留、パスポートの不携帯等を発見した場合、外国人の登録法、出入国管理法及び難民認定法の適用等々、種々の法令を多角的に運用して、まず検挙に検挙を重ねていくことが必要になっていると、こういうふうに書かれているわけですね。 こういう姿勢から見て、まず検挙するということが先に立って現場の警察官の恣意的な判断が起こらないかという懸念を私は持ちます。別件逮捕の勧めみたいなことになってはまずいんじゃないでしょうか。不当な連行、取調べなど人権侵害の危険性がありますけれども、そういうことにはならないと、大臣、その保障というか、そういう歯止めが掛かっているという法律でなくてはならないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、御理解をいただきたいと思いますのは、この条文、三条、四条ですね、乱用の危険はないかという点からの今の御質問ですが、その前提に、何もないところに無理に重罰規定を設けたわけではございませんで、やはり侵入盗が増えている、それでそのうちの六割が何らかの器具を使っている。それから、先ほど御答弁申しましたけれども、ドライバー、バールあるいはピッキング用具等を使ったものがそのうち七五%ぐらいでしたかね、七十数%はそういったものであるという。やはり現実に増えている侵入盗、侵入犯罪にそういう道具を持っているのは極めて多いということがあるわけですね。 それで、したがってそういうものを防ぐためには未然抑止ということがやっぱりなければならないんで、入ってから捕まえるというんではなかなか、被害の拡大が、できないということで、この言わば事前の対応に資するようにこの法律をお願いしているというところがございます。 それからもう一つ、今この、何でしょうか、職務質問などをしていろいろな法律を多角的に利用して検挙につなげるというのがまあ乱用にわたらないかという御質問でした。 それで、まああえてこんなことを申し上げない方がいいのかもしれませんが、実は、私、警察へ参りましてこういう反省を非常に強く聞きました。それは、やはり治安情勢の非常にいいころ、職務質問というのは確かに受ける側からすれば余り愉快なものではないんだろうと思うんです。それはたまたま犯罪者であったりすればそれはやむを得ないことでありますけれども、全く身に覚えのないときに職務質問をされると余り気持ちがいいものでないことは、私もかつてそういうことされたことがありますので、それはそう感ずるわけでございます。しかし、それで何というか一歩退いて、治安のいいときはそれでもよかったんですが、退いておりますとなかなかやはり犯罪の検挙というものができませんし、これだけやはり検挙率が低くなり、犯罪の件数も多くなってまいりますと、やっぱり一歩前に出て警察官は職務質問を適時適切にやはり行わないとなかなか今の情勢は克服できないという問題意識が警察の現場に私はあるということもまず御理解をいただきたいと思います。 どうも本論に入る前に長々前書きで申し訳ないんですが、その上で今の委員の御懸念は、まず本当に、特に指定侵入工具は我々も日常使っているものでございます。るる申し上げておりますが、私も自転車に乗るサイクリストでございますから、乗るときは大概ドライバーやいろんなレンチを持って、余りここまで言わない方がいいのかもしれませんが、場合によると軍手も持っておりますし、そういう状況でやっておりますけれども、やはりそのとき本当に必要な犯罪、侵入盗に使われているものをきちっと選定して政令に書き込むということがまず第一点だろうと思います。 それから第二点としては、先ほど御懸念のような、もう書きようとして業務そのほか正当な理由のない場合というような書き方にしかなかなか立法技術上も書きようがないわけでございますけれども、それをできるだけきちっと、何というんでしょうか、現場の警察官に指導教育を徹底して、そして乱用にわたるようにないように努めていくと。結局、政令できちっと定めるということと今の現場の警察官をきちっと指導していくということに徹底するということではないかなと思っております。
○吉川春子君 もう一つお伺いしたいんですけれども、ピッキング用具を使って住居侵入、窃盗を行えば、素直に刑法五十四条を読むと、「犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れる」という牽連犯というふうに読めるんですけれども、それは併合罪なんだと、こういう事前の説明がありました。これはやっぱりちょっと非常に無理があるんじゃないか、その根拠ですね、なぜ併合罪とするのか、それはどういうことでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私が答弁するより法務省の刑事局長か警察の刑事局長に答弁していただいた方がいいのかと思いますが、牽連犯とされている場合は判例上も極めて定型的に関係のあるものというふうに限定されているのではなかったかと記憶いたしておりまして、ちょっとそういう事例とは違うのではないかというふうに私は考えております。間違っていましたらちょっと政府委員から訂正してもらいます。
○政府参考人(樋渡利秋君) 今、大臣のお答えになったとおりでありまして、一般に牽連犯というものが成立しますのは、社会通念上、類型的に一体と評価できる犯罪間に限り認められるべきものと解されております。したがいまして、少し本法のことを説明いたしましょうか。それとも……。
○吉川春子君 簡単にお願いします。
○政府参考人(樋渡利秋君) はい。お尋ねの二つの罪は、要は簡単に申し上げますと個人的法益か社会的法益かということで法益を、保護法益を異にしております上、先ほども説明がありましたように目的犯ではありません。また、住居侵入罪又は窃盗罪が成立すると否とを問わず、当該用具又は工具を所持し、又は隠匿携帯している限り、その所持罪又は隠匿携帯罪が成立すると解されまして、社会通念上、類型的に一体として評価し得るような手段、目的あるいは原因、結果の関係に立つとは言い難いことから、牽連犯ではなく併合罪の関係に立つものと理解しております。
○吉川春子君 ドアを破ってとか、あるいは破らないで開けて中に入る、これは原因と結果ですよね。法益が違うとおっしゃるんだけれども、やっぱり財産犯じゃないですか。日常工具として普通に、大臣が繰り返しおっしゃるように普通の人が持っているようなものを持っていたから何で社会的な法益の侵害なのか、そこが非常に私は納得できかねます。そういう形で何かその日常用具を持っていることが社会的法益を侵す、銃とかナイフ、包丁とかあるいは麻薬とか、そういうものと一緒に扱う、最初の質問とも絡むんですけれども、そういうことはどうもちょっと納得いかないんですけれども、これは時間の関係で省略というか、その程度にしておきたいと思います。 それで、法案の第十二条で勧告の措置を命ずるために建物錠の製造輸入業者に業務の状況を報告させ、警察庁の職員、地方警務官はできないので本庁又は管区職員が担当とされていますが、事務所、工場、倉庫に立入検査する権限を持つことになりますね。検査権限の付与は警察の指導権限を拡大して製造輸入業者の介入、過度な関与を招くことにならないんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 十二条の立入検査の必要性についてのお尋ねかと思いますが、本法律案は八条で国家公安委員会に対しまして適正な防犯性能の表示を行っていない建物錠の製造輸入業者に対する勧告命令権限を付与しているわけであります。国家公安委員会がこの勧告命令を適正かつ効果的に実施するためには、このような措置の対象となる建物錠の製造輸入業者に対してその措置の前提となる事実関係について立入検査を行う権限を付与していく必要があるということでございまして、このような趣旨で第十二条は国家公安委員会にその八条の規定の施行に必要な限度において所要の立入検査を行う権限を付与するものであります。
○吉川春子君 もう一つ時間内に伺いたいと思うんですけれども、警察庁、国土交通省、経済産業省、関係業者などで構成された防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議、平成十五年の三月に開かれていますが、この資料を拝見しますと、「建物部品に関し防犯上配慮すべき事項」の表の中で、ラッチ送り、ピッキング、サムターン回しなど住宅等侵入犯罪の様々の侵入手口に対してワンドア・ツーロックが効果が認められる対抗策だと、このように書かれているわけですね。こういう建物部品の普及が非常に防犯対策になると思いますが、どうでしょう、これをまず事務局に御答弁していただいた上で、大臣、いたずらに刑法を作り、重罰化するという方法ではなくて有効な防犯対策に是非力を入れていただきたいと、質問と要望いたします。
○政府参考人(瀬川勝久君) 御指摘のように、この官民合同会議におきまして、防犯性能の高い建物部品の開発普及についていろいろ検討をし、取りまとめて、今御指摘ありましたようなワンドアツーロックを含めて、いろいろな防犯上効果が認められる侵入手口に対する対抗策を取りまとめているところでございまして、こういった施策につきまして是非今後とも普及に努めてまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、吉川委員がおっしゃったワンドアツーロックとかサムターン回しですね、私も今閣僚をしておりますので、うちの前にポリスボックス建ててもらっておりますので今は余り心配ないと思うんですが、辞めた後すぐ入られたりしたら、ピッキング対策などというのは恥でございますから、ワンドアツーロックとサムターン回しを取り付けたわけでございますけれども、是非、結局犯罪の抑止といいますか取締りというのは、警察だけでできることというのは、私は限界があると思います。やはりこういう形で官民共同と申しますか、それぞれもそれなりの対策を取っていただく、そういう理解、コミュニケーションというものは治安対策の上でも私は不可欠であろうと思います。その点では、先ほど委員がおっしゃった、いたずらに刑事立法を多くすればよいというわけでは必ずしもないというのは、私も一般論としてはそうだと思います。 ただ、御理解いただきたいのは、この法律は、先ほど申しましたけれども、現実に侵入盗が増えて、しかもこのような器具を使っているものが非常に多いという、その未然の抑止に何か手法が欲しいということで御提案を、ここで御審議をいただいているわけでございます。ただ、先ほどから御指摘のように、これが乱用にわたらないように我々としてもきちっと指導して、有効に、適切に使ってまいりたい、こんなふうに考えております。
○吉川春子君 終わります。
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康です。 まず、この資料によれば、住宅等侵入犯は過去十年間に著しく増加しているようであると。特に平成五年辺りから急上昇しているようでありますが、その主要な要因はどのようなところにあると分析していらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(栗本英雄君) 委員御指摘のとおり、いわゆる空き巣ねらいなどの住宅対象侵入盗、これの認知件数が大変増えてきておりますが、平成に入って当初は十二万件前後で推移いたしておりましたが、特に平成十一年から急増いたしておりまして、平成十四年には十八万九千三百三十六件の認知となっているところでございます。 こうした犯罪の増加原因、背景についてのお尋ねでございますが、これは一般の犯罪の増加と同じように、このような住宅対象の侵入盗の増加原因ということは、なかなか一概に申し上げるのは大変難しいところでございますが、先ほども申し上げました特に平成十一年ごろからの状況を見ますと、この時期から、先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、いわゆる来日外国人の検挙人員等が非常に増加しておりまして、その者らによります組織的な窃盗事件も増加している、こういうことも見られるところでございまして、そのような観点から分析をいたしますと、このような住宅対象の侵入盗についても、この種の来日外国人による犯罪の多発などもその一因になっているかと思います。 また、そのほか、犯罪増加一般に起因するものでございますが、そのほかのものとしては経済事情や社会環境の変化、こういうものも背景になっているかと思っております。
○島袋宗康君 外国人の犯罪が非常に増加しているという点については非常に各委員とも心配していると思いますけれども、やっぱりこの住宅等の侵入犯の内外国人別の構成比は現在どのようになっているか、お伺いいたします。
○政府参考人(栗本英雄君) 先ほど御説明申し上げました平成十四年ということでお答えをさせていただきたいと存じますが、平成十四年の住宅対象侵入盗の検挙人員は総数で五千二百四十一人となっております。このうちのいわゆる来日外国人の検挙人員が三百四十五人、全体の六・六%になっているところでございます。十年前の平成五年には、同じような観点で調べました検挙人員、これは六千八百三十三人の総数のうち来日外国人が六十一人ということで、十年前には全体の検挙人員の中の来日外国人が〇・九%でございました。 それからまた、侵入強盗、侵入犯罪というお尋ねでございます。侵入強盗につきましてはちょっと詳細なデータがないわけでございますが、昨年は千百三十四人検挙いたしておりますが、そのうち百六十三人が来日外国人です。すなわち一四・四%が来日外国人による検挙になっているという状況でございます。
○島袋宗康君 本法案附則において、出入国管理及び難民認定法の一部を改正して、本邦に在留している間に特殊開錠用具の所持の禁止違反の罪により懲役に処する判決の宣告を受けた者で、その後出国して本邦外にある間にその判決が確定し、確定の日から五年を経過していない者を出入国管理及び難民認定法上、本邦に上陸することができない外国人に追加することとした理由は何か、また過去にこの種の事犯はどの程度存在していたのか、お伺いいたします。
○政府参考人(瀬川勝久君) 現行の入国管理及び難民認定法でございますけれども、先ほど来刑事局長からの答弁にありますように、外国人による窃盗、強盗等の犯罪が多発しているということから、平成十三年改正で窃盗等一定の罪により懲役又は禁錮に処せられた者、処せられた来日外国人について本邦からの退去を強制することができること等を定められたものというふうに承知をしております。 この法律案の十五条、十六条の特殊開錠用具の知情販売、授与罪、また特殊開錠用具の所持罪、指定侵入工具の携帯罪、隠匿携帯罪とありますが、これは、この出入国管理及び難民認定法上のこのような措置の対象とされております窃盗等一定の罪と密接な関連性を有する罪であるというふうに言えるかと思います。 また、十四年中にピッキング用具を使用した侵入窃盗で検挙された被疑者四百二十三名のうち約七割の三百十名が外国人であることからすれば、外国人によるこの特殊開錠用具所持あるいは指定侵入工具携帯というのは極めて多いものというふうに考えられるところでありまして、本法律案はその附則において、御質問にありますような出入国管理及び難民認定法の一部を改正するという措置を講じたところであります。 法律の改正により、今後強制送還の対象となる事犯が過去にどの程度存在していたのかというお尋ねでございますが、なかなかこれは正確な数をお答えするのは難しい問題でございますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、十四年中にピッキング用具を使用した侵入窃盗で検挙された被疑者四百二十三名のうち約七割の三百十名が外国人であるということでありますので、今回の改正により退去強制等の措置の対象となる外国人による特殊開錠用具所持あるいは指定侵入工具携帯というものは相当数あるものというふうに推定をしております。
○島袋宗康君 本法案では、業務その他正当な理由による場合を除いては特殊開錠用具いわゆるピッキング用具などの所持を禁止し、これに違反した場合には一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処すると規定されており、新たな刑罰法規を定めるということから、本法案の立案過程において、特に構成要件や罰則の面で法務省との協議があったのかどうか。また、法務省との協議があったとすれば、どのようなレベルでどのような内容の協議があったのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(瀬川勝久君) 今回の法案には、御指摘のように刑事罰則が含まれておるわけでありまして、刑事罰則は法務省刑事局の所管と密接にかかわることから、今回の法案につきましては、警察庁生活安全局において、法務省刑事局と緊密に連絡を保ちながら鋭意協議を行ってきたところであります。 協議の内容とどのようなクラスでということでありますが、具体的な協議の項目としましては、刑事罰則の構成要件あるいは法定刑の適否等、刑罰法規としての内容にかかわる事項はもとより、運用上の問題点や他法令の罰則との関係、例えば今回の法案に含まれる特殊開錠用具の所持罪、指定侵入工具の隠匿携帯罪と軽犯罪法違反との関係などについて鋭意協議をしてきたものであります。クラスにつきましては、担当課間で協議を重ね、最終的に両省庁間の合意に至ったというものでございます。
○政府参考人(樋渡利秋君) 今、御説明のありましたとおりでございまして、今回の法案には刑事罰則が含まれており、刑事罰則は法務省刑事局の所管に密接にかかわりますことから、今回の法案に関しましては、法務省刑事局において、警察庁の担当部局である生活安全局と緊密に連絡を保ちながら鋭意協議を行ってきたものと承知しておりまして、その内容につきましては、先ほど説明のあったとおりでございます。
○島袋宗康君 そこで、谷垣国家委員長にちょっとお伺いいたします。 法案の題名は特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案ということで、法案名の「等」は何だろうと思って法案の内容を調べてみると、特殊開錠用具のほかに、ドライバーやバールなどの指定侵入工具の携帯が禁止されている。業者でなくても、一般の国民が日常生活にも使用するドライバーやバールを隠し携帯していた場合には罰則の対象になるということで、この点については同僚議員の質問でも指摘されておりましたけれども、職務質問など警察活動の現場において恣意的な運用がなされると、大きな人権侵害を引き起こす危険性がありますので、改めてその点を谷垣国務大臣に御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) この法案は、度々御答弁申し上げていることでありますけれども、非常に侵入犯罪が増えていると。それで、そのうち六割が何らかの器具を使っていると。その器具を使っているもののうち、一番多いのはドライバーである、次がバールである、それからピッキング用具であると、これで大体七五%ぐらい占めていると。こういう現状で、未然にこういう状況を抑止するために、こういう三条、四条のような手法がいただけないかということで御提案しているわけですね。 そこで、特に四条の場合ですが、ドライバーとかバールというのは当然我々の家庭にもあるものでありますし、場合によっては我々も、先ほどから申しておりますように、私のように自転車に乗る者は故障したときの用に小型のドライバーを常にポケットの中に入れているということがございます。 そこで、一つは、この条文にございますように、正当な理由によることなく隠匿携帯するという、こういう者がいけないんだと、正当な理由がある者は罰する限りではないんだと、あるいは公然と持っているような者は罰する限りではないんだということに一つしているわけでございまして、これは軽犯罪法で既に規定されているのと同様の形態でございます。 それからもう一つは、これは政令で決めるわけでありますが、形とか大きさというのも実際に忍び込むとき使えないようなものはもう排除すると、現実に使われる蓋然性の高いものを政令等で指定すると、こういう形で規制をしまして、この二つでもって一般の人にこの規制が及ぶことのないようにということを心掛けたつもりでございまして、あとは、先ほどから御心配を言っておられるとおり、具体的な運用ということになってくるわけでございまして、ここは警察における教育訓練と、こういうものをきちっとやるということで運用のよろしきを確保したいと思っております。
○島袋宗康君 大臣がそれほどの決意をもう今聞いたところでありますので、本当に運用の面で人権侵害にならぬような公平、公正な運用をしていただきたいという要望をしておきます。 それから、本法案は、特殊開錠用具や指定侵入工具の所持の禁止のほかに、もう一つの柱として、建物の防犯対策を推進するということで、建物錠の製造や輸入業者にその防犯性能の向上に努める努力義務を課し、また、一定の建物錠について防犯性能の表示制度を新設しております。この法案名だけからすると、その内容に建物錠の防犯性能の向上とか、その表示制度の新設が入っているとは一般の国民はとても思えないでしょう。谷垣大臣、いかがですか。この法案の内容にふさわしい法律名にすべきだと思いますけれども、大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに今、島袋委員おっしゃいましたように、この法案の中には分けてみれば二つの要素があるんだろうと思います。一つは正に刑罰規定、刑事法の領域のものが含まれていると。それからもう一つは、全体の犯罪を抑止していくために、事業者にある意味での義務を課したり協力をしていただこうという、どちらかというと、事業法という言葉があるのかどうか分かりませんが、そういう範疇に入るものと、二つがセットになって侵入犯を減らしていこうというねらいになっているわけであります。 そこで、この法律の題名が特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律というのは片っ方しか表していないじゃないかという御趣旨かと思いますが、この法律名は、最も強い規制措置を取っているのが特殊開錠用具に対する刑事罰でございますので、それを法律の中心名としたということでございまして、特に他意があるわけではございません。
○島袋宗康君 特殊開錠用具の所持の禁止を前面に出し、あとは「等」で読み込むという今回の法案には、警察官僚の別の意図が込められているのではないかという懸念がございます。 一つは、ドライバーなどの指定侵入工具の携帯を重罰化することの危険性を隠すこと、二つには、錠前の性能向上とか表示制度などという、本来民間に任せておけばよい分野に警察の影響力を行使して、この分野に公然とかかわる仕組みを設けた点であり、警察の天下り先が増えるだけだという国民の批判さえあります。そこで、民にできることは民にという、小泉改革の真髄ではなかったのか、警察分野であれば規制改革の流れに反してもいいのかという点でも疑問があります。 以上述べた点について、大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず題名から直接うかがえない四条の罰則、これを色を薄めるためではないかという御趣旨だったと思うんですが、それは大変私どもの意図を曲げてと言うと失礼でございますが、曲げて言っておられるような気がいたします。そういうことではございませんで、先ほど申しましたように、やはり現実に侵入盗に使われる道具の一番大きいものはドライバーである、二番目がバールであると、これはもう我々日常、つまり、我々が日常使っているものをそのまま使ってやっているような状況が現実にございますので、何とかそれに対応できないかという気持ちでこの四条を入れたわけでございます。 それからもう一つの、業法みたいなもので天下りの先を作ったり、あるいは民のことは民でという流れに反するのではないかという御意見でございますけれども、これは私もこの法案の審議で度々御答弁申し上げておりますように、やっぱり警察の手法だけでできることというのは私は限りがあるんだろうというふうに思います。やはり官民というだけではなく、警察としては、事業者、国民、あるいは地方自治体ということもあると思うんですが、やはり地域社会と、何というんですか、溶け込むというんですか、密接な連携を持たなければ犯罪の抑止ということあるいは犯罪の摘発ということも十分に行えないというのは、これはもう全く私どもほかの意図なくそういうふうに思っておりまして、この今議論していただいている局面で、じゃどう官民の協力をしていくかということになると、これがまあ一つの形だと、こういうことでこういう仕組みを作らせていただいたということでございますので、是非その点は御理解をいただければと思っております。
○島袋宗康君 警察の天下りというふうなことを率直に申し上げましたけれども、そういうふうなことが国民から疑惑を持たれないように、そしてこの規制改革の流れに反しないような体制をどう作っていくかということが非常に大事かと思いますので、その辺をまた、質問させていただきましたのでよろしくお願いします。 今回の法案では、国家公安委員会は、建物錠のうち防犯性能の向上を図ることが特に必要なものを政令で指定建物錠として指定し、この防犯性能に関し、その製造・輸入業者が表示すべき事項及び表示の方法その他遵守すべき事項を定め、これを告示することとしている。現在、財団法人全国防犯協会連合会では、警察庁の方針に基づいて、昭和五十五年から優良住宅用開き扉錠等の型式認定制度を運用し、同規定を満たす性能と強度を持つ錠前に対しCP錠と認定していた。しかし、錠前のシリンダー部分を開錠するピッキング犯罪が多発したことから、全防連は上記規定に新たに住宅用開き扉錠の交換用シリンダーに関する規定を追加いたしまして、この追加規定により、交換用シリンダー単体に関して耐ピッキング性能と強度を審査し、型式認定するCP―C錠認定制度が平成十二年七月から運用されております。 今回の指定建物錠の防犯性能の表示に当たり、全防連がこれまで行ってきた自主的なCP錠認定制度、CP―C錠認定制度との関係はどのようになるのか御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(瀬川勝久君) まず、第七条による表示制度でありますが、これは一定の試験方法によりまして指定建物錠の防犯性能を測定をして、その結果をそのまま表示させるというものでありまして、これはユーザーがそれを見まして製品選択ができる、言わばユーザーに製品選択の指標を示すという形のものであります。それにより、市場原理を機能させることによって防犯性能の高い建物錠の開発普及を促進をするという考え方でございます。 他方、全防連のCP錠、それからCP―C錠の型式認定制度でありますが、これは、防犯性能について言わば合格ラインを設定をいたしまして、その錠やシリンダーの防犯性能がその合格ラインに達しているか否かを判定をし合格品を認定をすると、こういう制度でございまして、双方の制度はともに防犯性能の高い建物錠の開発普及を促進しようという制度でありますけれども、防犯性能の表し方が、そういう意味で両者は異なる表し方になっておりますので、この両者は並び存立し得る関係にあるというものだろうというふうに考えております。
○島袋宗康君 近年における窃盗罪の認知件数を見ますと建物の侵入盗が増加傾向にありますが、これよりは自販機荒らしなどの非侵入盗や自動車泥棒など乗り物盗の増加傾向がはるかに顕著であります。 そこで、警察庁にお伺いしますが、自動車、建設機械、また自販機を対象とした特殊開錠用具の所持の禁止についてこれまで検討の対象にならなかったのかどうか。自動車などを対象としたピッキング用具の実態や、それを用いた犯罪の有無について説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(瀬川勝久君) 御指摘の自動車盗、自販機荒らし等でありますけれども、建設機械の盗難は最近非常に多発はしておりますが、件数からしますと、自動車盗、自販機ほどではございません。 自動車盗について見ますと、十四年中の認知件数は六万三千件、自販機荒らしについては十四年中十七万五千件ということで大変多発をしておりまして、これらの犯罪を抑止することも重要な問題だというふうに考えているところであり、これらにつきましては、官民でのプロジェクトチームを作りまして自動車盗対策を推進をしたり、あるいは自販機荒らし等につきましても自主規制をいろいろお願いをしたり、さらに警察としては取締りの強化などを進めているところであります。 しかしながら、この建物の侵入犯罪というのは、自動車盗、自販機荒らしとやはり違いますのは、本来最も安全で平穏であるべき住宅、事務所あるいは店舗という生活空間に対する重大な脅威であるということ、それから平成十四年中の認知件数を見ますと、侵入窃盗は約三十三万八千件、侵入強盗は二万五千五百件、失礼しました、侵入窃盗は三十三万八千件、侵入強盗は二千五百件と多発をしておりまして大変深刻な状況にあります。さらに、ピッキング用具を使用した侵入窃盗の多発について、カム送りでありますとかサムターン回しと次々と新たな侵入手口が出現するなど大変憂慮すべき状況になっている。 こういった状況にかんがみまして、この対策を講ずることを最優先とすべきだということで、本法は、侵入犯罪を対象とし、その発生を抑止するために緊急かつ必要最小限度に措置すべき事項を盛り込んで法律案として立案をさせていただいたものでございます。
○島袋宗康君 経済産業省はいらっしゃいますか。 自動車や建設機械の窃盗、自販機荒らしなどの未然防止の観点で業界に対してどのような指導をされているのか説明をしていただきたい。特に自動車のドアロックやエンジンキーの改良についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(豊田正和君) まず、自動車の盗難未然防止についてでございますが、ただいま生活安全局長からのお話ございましたが、関係省庁、関係団体で構成をいたします自動車盗難等の防止に関する官民行動プロジェクト会議を通じまして社団法人日本自動車工業会に対して、自動車の盗難防止装置の装着車種の拡大、ユーザーへの認知度の向上のための広報などを行う旨指導をしているところでございます。 より具体的に申し上げますと、平成十四年の一月に行動計画を設けまして、電子的な自動車盗難防止装置、イモビライザーというふうに呼んでおりますけれども、そういったものの装着を進めるようにしております。例えばイモビライザーについて一言だけ申し上げますと、電子暗号がエンジンキーに埋め込まれた形になっておりまして、電子暗号が車体の電子制御装置によって正しいと認識されない限り作動しないような、そういったたぐいのものでございます。 それから、建設機械に関しましては、平成十五年二月に社団法人の日本建設機械工業会が盗難防止装置に関するガイドラインを制定をしております。建設機械メーカーが新たに製造をする建設機械に盗難防止装置を自主的に装着するとともに、既販済み、もう既に売ってしまった建設機械についても防止対策を行えるように対策を講じたところでございます。 最後に、自動販売機でございますけれども、平成八年八月に日本自動販売機工業会が自動販売機荒らしなどの犯罪行為を未然に防止するために自動販売機の堅牢化に関する技術基準を制定をいたしました。そして、新たに製造する自動販売機に適用をしてきているところでございます。
○島袋宗康君 ちょっと時間なくなりましたけれども、あと一点、お伺いいたします。 今回の法案は建物への侵入犯罪の防止という観点で二つの内容を含んでおりますが、私は、ピッキング用具などの特殊開錠用具の所持の禁止法と、もし必要があれば建物の防犯対策を総合的に進める法整備とを別にすべきではなかったかという疑問を持っております。侵入盗及び自動車盗や自販機荒らしが顕著である最近の犯罪情勢から見ても、建物錠を対象とした特殊開錠用具の所持の禁止だけではなく、自動車なども対象としたピッキング用具の所持を禁止して、刑法の特別法の位置付けにすべきであると思うからです。 今回の法律は、一方で警察の関与する分野を拡大しており、規制改革の流れに逆行している点で何か怪しさを感じます。現場の警察官が、最近、凶暴化し組織化されかつ巧妙化する犯罪の防止に大変苦労されていることは理解し、日ごろの努力に敬意を表しますが、以上申し上げた私の意見や素朴な疑問に対して、谷垣大臣の御所見を伺って、終わります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったのは、先ほど答弁させていただいたことも関連いたしますが、要するに刑罰法規と業法みたいなものをもう少し分けて、刑罰法規の方では、侵入盗だけではなく自動車窃盗とか、そういうようなものも含めて、かぎを壊して盗むような、そういう類型を広く一本化すべきではないかという御意見、制度の立て方としてはあるいはそういうのもあるのかもしれませんが、今度の法体系は、住宅ないし建物に侵入する類型、これがやはり一番我々の生活の安全感といいますか、そういうものにつながりますので、そこをとらえて事業者規制みたいな面と刑事罰と併せて一本化しようという考え方で作ったものでありますので、若干委員の御発想とは違うところがあるのは事実でございます。 それで、自動車盗とか自販機盗については、既に先ほど御答弁、経済産業省からもありましたように、いろいろ協力をしながら進めておりますが、そちらの方もなお進めなければならないことは当然のことだろうと思っております。 そして、先ほどちょっとおっしゃった、こういう形でむしろ規制改革に逆行して、場合によると、そういう言わば、業界団体等に警察が言わば影響力を強めようとするのではないかという御懸念もいただいたわけでありますけれども、規制改革に逆行するというようなそしりを受けることのないように、我々はやはり侵入盗というものをきちっと対策を立てて、ここを解決するんだと、こういうことでこの法案の運用をやってまいりたいと、こう思って、きちっとやってまいりたいと思っております。
○島袋宗康君 終わります。ありがとうございました。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。 それでは、まず一点、ピッキング用具を使用した侵入盗の認知件数、これは何度も出てきましたけれども、平成十二年が約三万件であったと。これは十三年に二万件に急減しているんですね。十四年は横ばいの二万件ですけれども、ちょっとここをお聞かせください。十二年からいきなり一万件急減したその理由をお聞かせください。
○政府参考人(瀬川勝久君) ピッキングといいますのは、元々錠取扱業者の間でかぎを使わずに錠を開けるための専門的な技術として用いられてきたものでありますが、これが平成十年ごろから東京都内でこれを悪用して敢行される侵入窃盗が頻発をしております。平成十二年には来日外国人等によるものが関東圏の都市部を中心に多発するとともに、全国的に波及し、二万九千二百十一件を認知すると、こういう状況になったものであります。 これに対しまして、警察におきましては、これを特定重要窃盗犯ということで、その一つに定めまして、取締りと防犯の両面で取組を強化してきております。 具体的には、この種事案に対する重点的な捜査の推進と、それから職務質問の強化というようなこと等ありますし、それから防犯面では、先ほど来御議論も出ておりますが、平成十二年の九月に全国防犯協会連合会によりまして対ピッキング性能の高い建物錠のシリンダーを認定するCP―C制度、CP―C認定制度というものの運用を開始をいたしました。それから、警察で各種広報啓発活動を通じまして、こういったピッキングに強い建物錠の普及を推進をしたところであります。 この結果、このCP―C認定の錠でありますが、平成十二年の九月から翌十三年末までの間に三百万個近いCP―C認定の建物錠のシリンダーが普及をしております。こういった対策を推進した結果だというふうに私ども思いますが、平成十三年には、御質問にありましたとおり、ピッキング用具を使用した侵入窃盗の認知件数は一万九千五百六十八件ということで一万件の、約一万件の減少を見たところであります。平成十四年も認知件数はほぼ横ばいでございまして、一万九千百二十一件ということでございます。 しかし、なお年間二万件近い被害が発生しているという現状でありまして、決して楽観できないといいますか、憂慮すべき現状だというふうに認識をしております。
○黒岩宇洋君 何で私こんなことを聞いたかというと、今回法案を作らなくても、いや、作らなくていいと言っているんじゃないんですよ、一万件も減らすことができるという、いろんな対策があるわけですよね。それに比して、果たして、今日も何度か議論になっていますけれども、どのくらいこの法案ができることによって侵入盗を防ぐ、ピッキングの認知件数を減らす効果があるんだろうかという、ここをちょっとお聞きしたいんです。 整理しますけれども、今までの軽犯罪法でも、要は今回で言うところの四条の指定侵入工具の携帯というものに対してはもう対応できていたわけですね。三条で言うところの特殊開錠用具に関して言えば、隠匿携帯している者については軽犯罪法でも対応できたわけです。裏を返せば、今回は、要は特殊開錠用具を堂々と所持している、ないしは家に保管している、このことにだけ取締りの対象が広がったんですよね。このことだけなんですよ。平成十四年度に軽犯罪法での侵入器具携帯違反の送致件数というのは三百六十三件です。 私、警察の方に問い合わせました。じゃ今言った新たな対象、新たな対象、この法案でですね、それによって送致件数というのはどのくらい増えるでしょうかと言ったら、まあ分かりませんけれども、数百件程度でしょうと。 そうすると、今二万件認知件数がある。これを大幅に減らすという観点というと、数百件程度、今回の法律で縛りを掛けて送致しても私は大幅な減少が見れるかどうか大変疑念を持っているんです。その点についていかがお考えか、お聞かせください。
○政府参考人(瀬川勝久君) まず、軽犯罪法の問題でございますけれども、これは累次この委員会で御説明しておりますとおり、軽犯罪法で規制されている侵入器具のうち、危険性の高いものを特殊開錠用具又は指定侵入工具として指定をして規制を強化するわけであります。 これによりまして、幾つかありますが、一つは、軽犯罪法は拘留、科料という非常に軽い罰則でございますが、これが一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金ということで罰則が強化をされるわけでありまして、その威嚇力といいますか、刑の感銘力ということはあるだろうと思います。 それから、拘留、科料という罰則は刑事訴訟法で逮捕又は勾留に非常に大きな制約がありまして、例えば組織的に敢行される窃盗団等について、その追及にも限界があるところであります。こういった問題点が解消されるということがございます。 それから、この罰則の見直しと同時に入管、入国管理難民認定法をこの法律案の附則で改正をいたしまして、一定の外国人等については国外退去あるいは入国拒否等の措置を取ることができるようにもなるわけであります。 それと併せまして、こういった罰則規定の整備だけではなくて、建物の防犯対策といいますか、防犯性能の向上という観点で、ドアでありますとか窓の戸でありますとか、その部品とか、一定の建物錠とか、こういったものについて防犯性能の向上を図るための施策を盛り込んでおります。こういったことをもろもろといいますか、双方が相まちまして侵入犯罪の防止、ピッキング等の防止に相当の効果があるものというふうに考えております。
○黒岩宇洋君 総合的とおっしゃいましたけれども、この後の、やはりこれ三条、四条というのは大変重要な条文ですよね。私、ともすると威嚇力すら持てないほど骨抜きにされるんじゃないかというその心配を今からちょっと解きほぐしていきますので、御答弁ください。 これ、何度も今日、この三条、四条に出てくる「業務その他正当な理由による場合を除いては、」と、これどういう場合かと、いろいろと御答弁がありましたけれども、もうその点は聞きません。あえてお聞きしたいのは、これ谷垣大臣の答弁でもございました。要は、各都道府県警等でいわゆる運用基準を作ったりして、いささかもこういった正当な理由は何かというところの乱用をさせないという、ありましたね。 ただ、私、銃刀法、きっちりと読ませてもらったんですけれども、これ第三条で、第十三号までですね、もう事細かく法律で決めていますよね、例外規定を。こういう場合は正当だと、こういう場合は持っていいんだという、やっているわけですよ。そう考えると、この法案、たった一言で業務その他云々正当なと、これちょっと私は余りにもおろそか過ぎる。それによってやはり現場の裁量は限りなく広がっていく。私はその危険性があると思うんですが、この点について、なぜ銃刀法のような、こういうふうな見本がありながら、今回の法律はこれほどおろそかなのか、お答えください。
○政府参考人(瀬川勝久君) 銃刀法との比較での御議論でございますけれども、特殊開錠用具といいますのはあくまでも建物に侵入するのに使用される器具でありまして、銃砲あるいは火薬といったもののように、そのもの自体に例えば爆発する危険性があるとか直接人を殺傷する機能を持つとかいうものと比べたときに、そのもの自体が持つ危険性が一般的には低いと、比較した場合に、現時点ではやっぱりそう言わざるを得ないというふうに思います。 ですから、こういった危険な、例えば火薬類や銃刀につきましては、例えばこの法律、銃刀法につきましても、その所持、一つ一つの所持行為自体に許可に掛からしめるという法体系になって、銃砲の例えば製造から販売から所持からあらゆる段階について規制を掛けているわけであります。そういったものと比較した場合に、この特殊開錠用具につきましては、現時点ではそこまでしなければいけないという状況ではないのではないかということでこういう規定の仕方にしたものでありまして、したがって、そういうことから、この銃刀法にありますような、銃刀法の三条にありますような細かな列挙の規定はできない、こういうことになるわけでございます。
○黒岩宇洋君 今のお答えだと、要は銃とピッキング用具等でどちらが重いものかとか、法益保護、保護する法益の重さとか、そういうところで論じているんですが、これ実は違うんですよ。これ、やはり正当な場合とかをきっちりしておかないと本当に取り締まれないものが出てくるという、だから重い軽いでなくて取り締まれないということが出てくる。どういうことかというと、これは十条にたまたまこういう規定がありますね、「特殊開錠を行う営業を営む者」と。これは多分正当な業務に入ると思うんですよ。入りますよね。じゃ、この特殊開錠を行う営業を営む者というのは、であるか否かの判断基準、これもちょっと明確に端的にお答えください。
○政府参考人(瀬川勝久君) 特殊開錠、この十条に言います「特殊開錠を行う営業を営む者」というのは、建物錠の販売、取付け及び特殊開錠を行う営業を営む者という意味でありまして、いわゆる錠取扱業者と言われるものであります。こういった、ここに言う特殊開錠を行う営業といいますのは、例えば先ほど来御答弁で申し上げておりますとおり、例えば裁判所の強制執行の際に裁判所の依頼を受けて執行現場においてその錠を開錠するというような業務に従事をする者というのが一つの例でございます。
○黒岩宇洋君 要は、裁判所の執行かどうかはともかくとして、町にはいわゆるかぎ開け屋さんているんですよね。いるわけですよ。私、警察庁の方に聞いたら、いわゆるかぎ開け屋さんもこの特殊開錠営業を営む者だと、すなわち正当な業務だとなるわけですね。じゃ、このかぎ開け屋さんというもの自体が一体どうなるとかぎ開け屋さんか。私、むしろ自分がピッキング犯になった気持ちで考えてみたら、まず家の看板に何々かぎ開け業者とかと張っておくわけですよ。ちょっと周りにでも、いつでも御入り用のときなんてチラシまくと、これもう確実に業者さんですよね、きっと。許認可制ありませんから。そうなったら、もういついかなるときにピッキング用具を堂々と持っていようが、指定侵入工具を隠し持っていようが、もう業者として正当な業務なんですよ。私、もうアリバイ作りにこれ絶対しますよ。例えば、その日でもいいんですよね。今日仕事始めましたと。それは業者ですかと、僕、警察庁の方に聞いたら、それはそうだと、その日に営業開始したことになると。 ですから、このことを、この正当な業務というものをきっちり決めておかないと、今の簡単なやり口で、三条、四条の、三条、四条自体が全く無意味なものになってしまうんですよ。言っている意味分かりますよね。言っている意味分かりますよね。分かりますね。分かりますよね。 だから、このような威嚇もへったくれもなく、ここを精査しないと、このように全くもってざる法になってしまうんですよ。このことについてどうお考えですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) その特殊開錠を行う営業を営む者であるというふうに言えるためには、やはりそういう営業を通常営むような、例えば店舗を持っているでありますとか、いろいろな器材があるとか、実際にそういう営業をしているとかいう状況をやはりしっかり確認をすることが必要だろうと、こう思います。 もしそういう営業をちゃんとしている、そういう実質があるということであれば、それはこの特殊開錠を行う営業を営む者ということになるだろうと思いますが、その方が例えば正当な業務としてピッキング道具等を持っている場合はともかく、深夜例えば住宅街に、全然仕事でもないのに例えば現れて、侵入犯罪を企図するために物色行為をしているというような場合には、これは恐らく正当な理由による所持ということにはならないというふうに判断されるだろうと思います。いずれにせよ、これはもう具体的なケース・バイ・ケースの判断になろうかと思います。
○黒岩宇洋君 いや、私ケース・バイ・ケースじゃないと思いますね。だって、現実に今かぎ開け屋さんなんて店舗なんて持たず、電話一本でやっているんですよ。よく町で配られていますよね、何でも屋さんといって。何でも屋さんなんてアパート一室、電話一本でやっているんですよ。その人たちもピッキング用具でかぎ開けたりもしているわけですから、ですから、今、局長の言ったようなそんなケース・バイ・ケースにはなりませんよ。もう自分が業者だって言い張ったらもうほぼ業者ですよ。もう天下の、何というんですかね、要するに免罪符をもう得られるようなそういう可能性すらあるんですよね。これ大変重要なんですよ。 それで、今回いわゆる十条ではこういった錠取扱業者については単なる努力規定ですね。これ、質問しません。要するに、努力規定というだけでも私は甘いと思いますし、しかも何のための努力かというと、要は客が成り済ますと。要するに、本来は盗みたい人間が客の顔をして業者さんに開けさせるという、私はこの心配よりは、業者そのものがやっぱり特殊の技能を持っているわけですから、そのものが侵入する可能性の方が高いと思うんです。そのことをこの住宅等侵入犯罪予防対策研究会、これ提言しているわけですよね。これ、本当にもうそういう人間を排除しなきゃいけないと、これについては過度の規制とも言えないと、ここまで言っているわけです。ですが、結果、今回はいわゆる規制掛けませんでしたね。例えば、許認可制のことを私言っているんですよ。 これに関連してお聞きしたいんですが、いわゆる今申し上げたかぎ開け屋さんですね、錠取扱業者というよりは、もう特殊開錠の営業を行う者、こういった人間の、実際に犯罪に手を汚しているといったそういった現状は警察庁としてはつかんでいるんでしょうか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 錠取扱業者による犯罪についての統計はありませんけれども、少なくとも、錠取扱い業者やその従業者がその業務を行う過程で、あるいは業務を行う過程で入手した知識に基づいて、知識といいますか情報に基づいて侵入犯罪を犯しているような事例は把握しておりません。
○黒岩宇洋君 これは不思議なんですね。把握していないってなるんですよ。でもね、今回は、この提言でこれだけの要望がありながら、結論は規制を掛けないという、本来何か原因があるはずなんですよ。 例えばその原因というのは、今言ったかぎ開け屋さんが犯罪を犯した例がほとんどないとか、逆にたくさんあったら規制を掛けることになったでしょうし、どうも、つかんでいないということは、この原因がすっぽり抜け落ちているにもかかわらず、結果として許認可制を取っていないという、このことは私おかしいと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 一定の業種について許可制というような形式で規制をするかどうか、すべきかどうかということは、これはやはりいろいろ慎重にその必要性、立法の理由について検討すべきものだろうというふうに思います。先ほど銃砲あるいは火薬等の例で御質問がございました。そのときに申し上げましたような状況が、状況といいますか理由が一つございます。そのもの自体が持つ危険性をどう判断するのかということが一つあります。 それからもう一つは、今申し上げました把握をしておりませんというのは、警察としてそういう錠取扱い業者が自らその錠取扱い業を通じて犯罪を犯すというような事例について、私どもは現時点で承知をしていないわけでございますので、やっぱりそういう事例がないという段階で、そういった方たちについて、何といいますか、いきなりもう許可制という形での規制を掛けることが妥当かどうかということについて、やはりこれは慎重に考えていかざるを得ないのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、これは本法律案が成立をし、施行されましたならば、しっかりこの法律を施行いたしまして、またそういった点について見直すことが必要な状況等が出てまいりましたら、それはまた十分検討をさせてまいりたいと、検討してまいりたいというふうに考えております。
○黒岩宇洋君 とにかく、看板作って、名刺一枚持って、何かチラシでも持っていれば、私は警察の職員はそれで逮捕とかに踏み切れないと思うんですよ。ですから、この許認可制というのは、単に私は業界に対して規制を掛ける掛けないの問題ではなくて、このことによってしか私は三条、四条というものを骨抜きにさせない、その要するに原因となるもの、対策はないと思うんですよ、本当に。このことをやらない限り、私は法案そのものが大変不安なものになってしまうという、このことは今指摘にとどめておきますけれども、局長、しっかりと今後御検討の課題の中に入れてください。 そうしましたら、また大変細かなことを質問させていただきます。いわゆるこの緊急な必要がある場合の勧告とその後の報告についてです。 これ、九条と十二条二項、そして十八条二項から一連の流れでなっているんですけれども、要は何かある一つの錠がもう簡単に破られるというような大変緊急な課題が起きたときに、これは国家公安委員会というのは必要な措置を取るべき勧告をすることができると、これ九条でうたっていますね。これについてはいわゆる罰則規定はないんですよ。この勧告に従わない場合は公表ができると九条でなっていますね。 で、その後に十二条二項にこうあるわけですよ。当然、勧告した後に、それについて従ったか従わないかは報告しなさいとあるんですね。この報告については十八条で罰則あるわけですね。要は、報告をしなかった、ないしは虚偽の報告をした、この二つについては罰金、幾らですかね、三十万とかあるんですね。 ここで私、あるちょっと矛盾を感じるんでお聞きしたいんですけれども、じゃ、勧告をしましたと、ある会社に。その会社は実際には従わなかったとしますね。じゃ、報告書出せと国家公安委員会言ったときに、じゃ、私は勧告に従いませんでしたと報告書を出したとしますよね。そうすると、これは報告はしているし、虚偽の報告でもないわけです。この場合、十八条二項の罰則規定というのは適用されないと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 九条の勧告は、その事業者が予測できないような新たな侵入手口が出現した場合に発せられるというものであります。事業者が知り得ないような新たな手口によっても開錠できない錠を製造、輸入することを事業者にあらかじめ期待するというのはこれは不可能でありまして、事業者が防犯性能の向上のための努力を十分に行っていたとしても勧告を受けることがあり得るということを考慮いたしますと、勧告に従わない事業者に命令を発し、これに従わない場合には罰則は過大であろうということで、その旨を公表することとしているということでございます。 他方、御指摘のように、その報告徴収の規定が十二条二項でございまして、これは九条の緊急時の措置を適正かつ的確に実施をするというために行われるものであります。 国家公安委員会が十二条二項に基づきまして九条の規定の施行に必要な限度において業者に報告を求めた場合に、必要かつ適正な報告を得ることができなければ緊急時の措置そのものを取ることが著しく困難になるということから、そのような事態を生じさせる虚偽報告等の行為については十八条二号により罰則で担保をすることにしたと、こういう考え方でございます。
○黒岩宇洋君 ちょっと私の質問に答えてください。 ですから、勧告に従いませんでしたと報告を出した場合、これは罰則規定を受けるのか、罰せられるのか否か、お答えください。
○政府参考人(瀬川勝久君) 勧告に従わなかった製造業者に対する罰則の定めはないわけでありますので、従わなかったという報告があれば罰則が適用されることはないわけであります。
○黒岩宇洋君 そうなんですよね。そうなんですよ。結局は、本来は、勧告するということは何か是正措置を取ってほしいと。ですけれども、今の流れでいうと、結局取らなくても罰則はないと。そうなると、この九条、十二条、十八条の一連の流れで抑止力を持つのは九条二項の公表だけですよね。そうですね、そうですよね。 そうしますと、じゃこの公表するという、要は勧告に正当な理由がなく行わなかったときにはその旨を公表することができる。この公表、大変重要な意味が持ちました。この基準をお聞かせください。公表するかしないかの、どういう場合するのか。
○政府参考人(瀬川勝久君) 九条での公表でありますけれども、公表するかどうかというのは、事業者側に当該勧告に従わない正当な理由があるかどうかということで判断することになろうと思います。 正当な理由といいますのは、例えば天災でありますとか、その業者の責めに帰すことができないような事由によりましてその対策部品の供給が不可能となった場合などが考えられようかと思います。
○黒岩宇洋君 これ何でこだわるかというと、これ質問しませんから。 要は、障害者の法定雇用率ってありますよね。あれも、法定雇用率に達しなかった場合、そういうのがあるんですよ、一・八%に達しなければ公表するって言っているんですけれども。これ、実は今までに、平成三年に四社公表したのみで、その後十何年公表していないんですね。その公表の仕組みというのが、また政令だ、省令だ、通達だといって、もう何重にも網が掛かって、とにかく、ある意味ではセーフティーネットが引かれて、公表しなくてもいい仕組みになっているんですよ。 だから私は、今言った、この勧告に対する抑止力というのは公表しかないということを今つまびらかに私はいたしました。この大事な公表基準が今のようにあいまいなようでしたら、ともすると業界団体の圧力とかでね。それはそうですよね。例えば三百万個売ったその錠を撤収しろとか、作ったものを販売するなといったときに、経済的なことを考えて、それを公表すると困るだろうという圧力絶対働きますよ。その際に、やっぱり担当行政庁として、そこら辺が、私、非常に業界寄りになったりする、そのおそれはあるわけですよ、これだけ裁量が広いわけですから。その点、そうならないように局長の方でも鋭意、知恵を出していただいて、私が今申し上げたようなことに決してならないようにしていただきたい、このことをお願いしておきます。 そうしましたら、もう一問お聞きします。 第十二条、ありますね、第十二条、これ、今日も何人かの委員の方から質問がございました。これは私思うんですけれども、端的に言えば、この製造業者等に対して厳し過ぎるような気がするんですね。というのは、いわゆる製造業者等というのは、風俗営業法や古物業法などによって許可制などで網が掛かっているわけではありませんよね。そこに対して、要は、この十二条の一項ですけれども、指定建物錠、帳簿、書類その他の物件を検査させることができるという、これは非常に厳しいと思うんですよ。 なぜかというと、二つの相対的な意味から厳しいと思うんです。一つは、あくまでも、錠を製造するところは少なくとも犯罪から防ごうという側ですよね、犯罪をしようという側じゃないんですよ。犯罪を防ごうとして努力している製造業者等に対して、私は相対的に厳し過ぎるという点が一つ。それともう一つ、先ほどのいわゆる錠取扱い業者、これは特殊な技能を持って、要は錠取扱いというのは現場に行く人たちですよね、ともすれば、悪意を持てば侵入犯になり得る人たち。この業者に対しては何ら規制を掛けていない、努力規定にもかかわらず。今言った犯罪を防ごうと、しかも現場にも行かないこの製造業者等に対して、私はこれ、大変厳しいと思っているんですが、この点について御見解をお聞かせください。
○政府参考人(瀬川勝久君) この十二条一項でありますけれども、これは八条の施行に必要な限度において行うものであります。 建物錠の防犯性能の表示というのは、これは建物の防犯性能を向上させるために非常に重要なものだというふうに考えておりまして、その防犯性能の表示に関する措置を実施をしていただいていないというような業者があったときに、その業務の状況について調査をするために必要な範囲で立入り等を行おうというものでありまして、製造業者に対して特に厳し過ぎるものだというふうには考えておりません。
○黒岩宇洋君 私、今のではちょっと理解できなかったんですけれども、いずれにせよ、今私が申し上げたような指摘があるということは、今後のまた改革にも生かしていただきたいと思っております。 それでは、せっかくの機会なんで、今回、本当に、サムターン回しだとかカム送りだとか、いろんなことを聞いて、自分の住まいの防犯に対してもちょっと不安を抱きました。我々の住む参議院の宿舎の防犯ってどうなっているのかなと。テンキーですから、いわゆるピッキングは行われないですよね。それは分かっているんです。私、この前、家に帰ったら、ドアが開いているんですよ。どうしたんだろうと思ったら、単に閉め忘れていて、そのままオートロック掛かっていたと。ということは、やはり不審者があの建物に入られると大変危ないなと、そこつ者の私としては考えたわけです。 そこで、今日、わざわざ事務総長においでいただいて大変恐縮なんですが、我々参議院の宿舎のいわゆる侵入盗に対する対策というのはいかがなっているか、お答えをお聞かせください。
○事務総長(川村良典君) 御説明申し上げます。 麹町議員宿舎におきましては、正門は二十四時間体制で警察官が警備いたしております。各出入口にはセンサーと防犯カメラを設置いたしておりまして、事務所内から出入りを確認できるようにいたしております。建物の入口につきましてはノンタッチカード式ロックを使用いたしておりまして、また各先生のお部屋にはテンキー式のロックを使用いたしております。このほか、定期的に職員が構内及び建物内の巡視を行っているという状況でございます。 一方、清水谷議員宿舎におきましては、警察官が定期に巡回を行っているほかは、麹町議員宿舎と同様の措置を講じているところでございます。 以上でございます。
○黒岩宇洋君 ありがとうございます。 ただ、お聞きすると、麹町には二人の警察官が常駐して、清水谷は一人もいないんですよね。この中にも多分、清水谷の方、何人かいると思うんですけれども、これはちょっと大臣への最後の質問と併せて、ちょっと清水谷の議員にももう少し防犯に対して厚遇していただきたいということをお願いと、それと最後に、やはりこのピッキング対策に対して言えば、カム送りやサムターン回しというのは針金使うんで、これ、指定侵入工具の指定が受けれませんから、対策としては対応できていないんですよね。そういう意味で、幅広い今の新しい侵入盗に対する対応という点を一点、大臣の御所見をお聞かせください。 それと、先ほどのやり取りで、要はかぎ屋さん、かぎ開け屋さん、こういう人たちの許認可制を取らないと、やっぱり三条、四条が骨抜きになるという、これは今日は皆さん提案しているので、これも私の提案です、何とかそれを入れていただきたいという、この点を含めて大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、黒岩委員が参議院宿舎の、何というんでしょうか、ピッキング対策と申しますか侵入盗対策、関心を持っていただいて大変有り難いことだなと思っております。 そこで、ピッキングは、今、私が今更申し上げるまでもなく、現在、二百八十五万件の刑法犯認知件数があると。これは昭和期の約二倍であって、七年連続戦後最高記録をこのところ塗り替えている状況の中で、どういう犯罪が増えているかということになると、類型別に言いますと、侵入犯、それから街頭犯罪が増えているということでありまして、どちらもいわゆる体感治安というものに非常に大きな影響がございます。 特に、侵入犯の場合には、自分の、言わばまくらを高くして寝たい、その生活の本拠に入ってくるわけですから、何というんでしょうか、その危険感と申しますか、それから受ける威圧というのは大変なものが、市民社会におけるその危険度というものは極めて高いものがある犯罪だろうと思います。したがって、これに対して全力を挙げなければならないのは当然のことだと思います。 それで、このピッキング法案はそれに対する大きな武器を与えていただくことになるというふうに期待をしているわけでありますが、今、委員が御指摘になりましたように、この法案だけですべてができるわけではないというふうに思います。 一つは、警察のこういう侵入犯あるいは街頭犯罪、こういうものに対する体制をどうするかという問題がありますし、それから、これもるるお答えしているところですけれども、官民の協力ということがあろうかと思います。やはり防犯性能の高い建物部品を開発するとか、そういうようなことも御一緒になって、警察も一緒に知恵を出させていただいて協力していくというような、民間の方との協力がなければいけないんだろうと思います。 それから、これも午前中来の御審議に出てまいりますけれども、侵入犯が入りにくいような、言わば犯罪に強い町づくりというようなものもあるんだろうと思います。住宅の建て方でも忍び込みにくい住宅というようなものをいろいろ研究していただいているわけですが、そういうものを含めて町づくりそのものを考えなきゃいけないと。 それから、不法滞在の外国人がこういう侵入犯でも非常に大きな部分を占めているわけでありますので、入管や税関、海上保安庁等と一緒になった来日外国人犯罪対策、こういうものの推進等々を総合的に展開して侵入犯を抑圧していくということに努めなければならないなと、こんなふうに思っております。 それで、これができましたら、この法案の御審議の過程でも、特に四条の関係では一般人が所持をしているドライバーとかバールとかいうものを使って、持った人たちに対する取締りでありますので、これが乱用にわたらないようにという御懸念がございまして、この点は私どももしっかり教育をやって、一般人に無用な負担を掛けるような運用はしない、こういうことできちっと当たってまいりたいと、こう思っているわけでございます。 よろしくお願いをいたします。
○黒岩宇洋君 終わります。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小川敏夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 長谷川清君から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川清君。
○長谷川清君 私は、ただいま可決されました特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派並びに各派に属しない議員黒岩宇洋君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意すべきである。 一、特殊開錠用具の所持及び指定侵入工具の携帯の禁止に係る規定については、明確な基準に従った適正な運用を確保し、いやしくも人権を不当に侵害しないようにすること。 二、住宅等侵入犯罪が凶暴化、組織化、巧妙化及び全国に拡散するなど、ますます深刻化し、国民の不安を増大させている実態を踏まえ、捜査体制の充実を図るとともに、関係国等との一層の協力に努めること。 三、総合的かつ効果的な防犯対策のため、国民への防犯に関する情報の提供等を積極的に行うほか、関係団体等との連携・協力を強化すること。 四、本法に基づく政令、規則等の制定に当たっては、幅広く国民の意見を聞き、反映させるよう努めること。 五、本法の施行状況を踏まえ、特殊開錠用具の販売等の規制及び錠取扱業者の信頼性の確保の在り方について検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(小川敏夫君) ただいま長谷川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小川敏夫君) 全会一致と認めます。よって、長谷川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 谷垣国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。谷垣国家公安委員会委員長。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(小川敏夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 谷垣国務大臣は御退席ください。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 次に、構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。鴻池構造改革特区担当大臣。
○国務大臣(鴻池祥肇君) このたび政府から提出いたしました構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 構造改革特区は、地方や民間が自発的に構想を立案し、それぞれの地域の特性に応じた規制の特例を導入することにより、構造改革を更に加速させるための突破口となるものです。 昨年の臨時国会において御審議いただき成立した構造改革特別区域法において、昨年八月の第一次提案を踏まえ、構造改革特別区域で講ずることができる法律の特例の内容が定められたところでありますが、これに加え、二月二十七日に構造改革特別区域推進本部において決定した構造改革特区の第二次提案に対する政府の対応方針では、本年一月十五日までに全国から寄せられた第二次提案を踏まえ、新たに特区において講ずることが可能となる規制の特例措置が定められたところであります。 これらの特例措置のうち、法律事項に関するものを構造改革特別区域法に追加することにより、経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図るため、この法律案を提出する次第であります。 この法律案の概要を申し上げますと、構造改革特別区域において、第一に、公有水面埋立法の特例として、港湾における公有水面の埋立てに係る竣功認可の告示がされている埋立地について、権利の移転及び設定並びに用途変更に係る免許権者の許可を要する制限期間を十年から五年に短縮することとしております。 第二に、学校教育法の特例として、特別の事情等に応ずるため、株式会社及び不登校児童等を対象とした教育を行う特定非営利活動法人は学校を設置することができることとし、当該学校が高等学校以下である場合には特区を設定した地方公共団体の長が設置認可等を行うこととしております。 第三に、児童福祉法の特例として、特区を設定した市町村の長は、保育の実施に係る事務を当該市町村に置かれる教育委員会に委任することができることとしております。 第四に、屋外広告物法の特例として、都道府県知事は、屋外広告物条例に違反する広告旗等を除却することができることとしております。 第五に、地方公務員法の特例として、特区を設定した地方公共団体において、一定の場合に臨時的任用を行うときは、採用した日から更新後の期間も含めた採用期間が三年を超えない範囲内であれば、六月を超えない期間で更新することができることとしております。 第六に、出入国管理及び難民認定法の特例として、特区内に所在する事業所において特定情報処理活動等を行おうとする外国人に係る在留期間を五年にすること等としております。 第七に、酒税法の特例として、農林漁業体験民宿業等を営む農業者が、濁酒を製造するための製造免許を申請した場合には、雑酒の製造免許に係る最低製造数量基準を適用しないこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十五分散会