内閣委員会 第1号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2003/03/14
会議録
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題といたします。 まず、内閣官房及び内閣府の基本方針並びに平成十五年度皇室費、内閣及び内閣府関係予算について、福田国務大臣から所信及び説明を聴取いたします。福田国務大臣。
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房及び内閣府の事務を担当する大臣として、所信の一端を申し述べます。 現在、内閣に課せられた最重要課題は、日本の経済と社会の再生であります。小泉内閣は発足以来、聖域なき構造改革を推進するとの考えの下、経済社会のあらゆる面において、二十一世紀にふさわしい仕組みの創造に取り組んでまいりました。構造改革特区の四月からのスタートや、今国会に関連法案を提出しております産業再生機構、食品安全委員会の設立を始めとして、動き出した改革の流れを更に加速させ、確固たる軌道に乗せていくことにより、我が国経済社会の発展に着実に結び付けていかなければなりません。 私は、内閣官房の責任者として、また、内閣府の事務全般を取りまとめる立場から、総理のリーダーシップの下、各大臣と緊密な連携を図りつつ、断固たる決意で改革の実現に向けて全力を尽くす所存でございます。 続きまして、内閣官房及び内閣府の所管行政について申し上げます。 内閣官房におきましては、内閣を直接支える立場から、内外の特に重要な政策課題に強力に取り組んでまいります。 北朝鮮による拉致問題については、引き続き、被害者の方々及び御家族の御意向も踏まえながら、北朝鮮側に対し、事実解明、五人の被害者の御家族の帰国等を強く求めるとともに、関係地方自治体とも密接に連携協力しつつ、被害者等の方々の自立と生活基盤の再建に向けた支援の実施に取り組んでまいります。 大規模テロ、武装不審船、大規模自然災害など、国と国民の安全を損ない、重大な被害を及ぼすおそれのある各種の緊急事態に対しては、政府一体となって取り組む態勢の整備に一層努めてまいります。また、我が国の安全の確保に必要な情報収集能力を強化するため、我が国初となる情報収集衛星の今月末の打ち上げに向けて、万全を期して、最後の準備を進めます。 国際社会の有力な一員として、国際平和協力を積極的に進めていくことは、我が国の外交の柱の一つとして重要になっており、国際平和協力の分野における活動の強化策を検討してまいります。 日本の魅力再生の一環として、都市再生本部が中心となって、都市再生プロジェクトや都市再生緊急整備地域の整備の推進、稚内から石垣までを対象とした全国都市再生の取組などの施策を重点的に推進してまいります。また、観光立国を目指して観光振興に取り組み、二〇一〇年には我が国を訪れる外国人旅行者を現在に比べ倍増させることを目標とします。 さらに、知的財産立国の実現に向け、近く立ち上げる知的財産戦略本部を中心として、知的財産政策の充実を図り、我が国産業の国際競争力の強化に努めます。 内閣府におきましては、経済の再生、科学技術創造立国の実現、防災などの重要課題に関し、経済財政諮問会議、総合科学技術会議、中央防災会議などを活用して英知を結集し、総合的、戦略的な政策の下に、各般の施策を的確に実施してまいります。 男女共同参画社会の実現は、政府の最重要課題の一つであり、私は、担当大臣として、また男女共同参画会議の議長として、いまだ十分とは言えない女性の社会進出を促進し、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の形成を目指して、施策の総合的かつ計画的な推進を図ってまいります。男女共同参画会議では、女性が意欲と能力に応じて、新たな職業分野へ進出し、また、子育て後の再就職や地域活動等にも積極的に挑戦しやすい環境を創出するため、女性のチャレンジ支援策を近く取りまとめ、関係各府省の連携協力の下、各種の取組を推進します。また、国民が身近に理解できる男女共同参画社会を目指して、その将来像について検討してまいります。 国民皆で子供や若者を育成、支援し、年齢や障害の有無にかかわりなく安心して暮らせる社会の実現を目指し、青少年健全育成、高齢社会対策、障害者施策、バリアフリー施策等を総合的に進めてまいります。青少年の育成に関する有識者懇談会における議論を踏まえ、次代を担う青少年に係る骨太の指針を策定いたします。また、昨年末に策定された障害者基本計画及び重点施策実施五か年計画に基づき、設備、制度、意識にわたる社会全般のバリアフリー化など、障害のある人の社会参加のための諸施策に取り組んでまいります。 交通安全対策については、今後十年間を目途に、発生件数及び負傷者数を減少させ、交通事故死者数を半減させることを目標とし、世界一安全な道路交通の実現を目指して、対策を一層強力に推進してまいります。 国際的に我が国が求められている責任や義務を果たしていくための施策や、国際的な連携、交流の推進に取り組んでまいります。 国際平和協力業務については、現在、国連東チモール支援団及びゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視隊へ自衛隊の部隊等を派遣しており、今後とも国連を中心とした国際平和のための努力に積極的に参加していく所存であります。 中国における遺棄化学兵器の問題については、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を誠実に履行するため、引き続き廃棄処理事業を進めてまいります。 栄典行政については、二十一世紀を迎え、社会経済の変化に対応したものとするため、昨年八月に閣議決定された「栄典制度の改革について」等に沿って準備を進め、本年秋の叙勲及び褒章から実施してまいります。 政府広報については、政府の重要施策に関し、国民の理解と協力を得ることにより、その円滑な遂行を図るため、構造改革の推進などの重要施策に重点を置いた広報広聴活動を機動的かつ効果的に実施いたします。タウンミーティングについては、全国各地域で一層多様な形で開催し、国民との活発な対話を継続してまいります。 私は、内閣官房及び内閣府がその機能を十全に発揮するよう万全を期してまいります。 委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。 引き続きまして、平成十五年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 皇室費の平成十五年度における歳出予算要求額は六十九億八千四百万円でありまして、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十三億六千二百万円、皇族に必要な経費二億九千八百万円を計上いたしております。 次に、内閣所管の平成十五年度における歳出予算要求額のうち、内閣官房に係るものとして、情報収集衛星のシステム開発、内閣の重要政策に関する総合調整等のための経費八百十三億五千六百万円、内閣法制局に係るものとして、法令審査等のための経費十億四千六百万円を計上いたしております。 次に、内閣府所管の平成十五年度における歳出予算要求額のうち、内閣府本府に係るものとして、経済・財政政策、科学技術政策、沖縄対策、沖縄振興開発、男女共同参画社会の形成の促進、青少年の健全育成、国民生活行政、防災対策、原子力安全対策、食品安全行政の充実強化、北方領土問題の解決促進、国際平和協力業務、化学兵器禁止条約の実施、京都迎賓館(仮称)の建設、政府広報等のための経費四千百四十八億三千八百万円、宮内庁に係るものとして、皇室の公的御活動、皇室用財産の維持管理に附帯して必要となる事務等のための経費百十四億六千百万円を計上いたしております。 以上をもって、平成十五年度の皇室費、内閣及び内閣府関係予算の概要の説明を終わります。
○委員長(小川敏夫君) 次に、行政改革及び規制改革の基本方針について、石原国務大臣から所信を聴取いたします。石原国務大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) 行政改革・規制改革担当大臣として所信の一端を申し述べます。 行政改革、規制改革は、小泉内閣の進める聖域なき構造改革の中でも最重要課題の一つであります。 言うまでもありませんが、行政改革、規制改革の目的は、簡素で効率的な質の高い政府を構築するとともに、活力ある経済社会を実現し、もって国民の利益を最大化することでございます。政府といたしましては、平成十七年度までの集中改革期間に各般の行政改革を実施することとしており、昨年末までに、特殊法人等改革関連法律の成立、公益法人改革や規制改革に関する実施計画の閣議決定など、改革の具体化は大きく進展してまいりました。 このように動き出した改革路線を更に確固たる軌道に乗せ、日本の再生と発展を実現するために、私は、行政改革・規制改革担当大臣として、引き続き全力を尽くしてまいります。 特殊法人等改革につきましては、一昨年十二月に閣議決定した特殊法人等整理合理化計画の具体化を引き続き進めてまいります。 これまでに、百十八法人の業務及び組織形態について法改正等の所要の措置を講じ、特殊法人等向けの財政支出の一兆円を超える削減を行い、役員給与も削減するなど、整理合理化計画に従って改革を実行してまいりました。昨年末には、新東京国際空港公団について民営化の方針を決定し、道路四公団、政策金融機関の在り方について、それぞれ道路関係四公団民営化推進委員会、経済財政諮問会議において検討結果を取りまとめていただいたところです。 今国会でも、十法人について法改正をお願いするほか、平成十五年度予算案においても、特殊法人等向け財政支出を昨年度に続いて削減することとしております。 私といたしましては、これらの成果を踏まえつつ、引き続き改革の具体化を進めていく必要があると考えております。法人の組織形態だけでなく、個々の事業についても整理合理化計画にのっとった厳しい見直しを行い、器だけではない中身の改革も進めてまいります。 公務員制度改革については、一昨年十二月に閣議決定した公務員制度改革大綱に基づき、国民の立場から公務員制度を抜本的に改革することにより、行政の在り方自体を改革することを目指しております。現在、能力等級制を基礎とした能力主義に基づく人事制度の整備、内閣が人事行政に責任を持って取り組む枠組みの構築等を図るため、国家公務員制度改革関連の法律案を今国会に提出すべく鋭意検討を進めているところです。さらに、今後、関係法令の整備を平成十七年度末までに計画的に行い、平成十八年度を目途に新たな制度に移行することを目指して全力を傾注してまいります。 次に、公益法人制度については、民法制定以来約百年ぶりの抜本的な改革に取り組んでおり、今年度中を目途に、公益法人制度等改革大綱(仮称)を策定します。新制度における法人類型、適正運営確保のためのガバナンス等の検討課題について、民間有識者から成る懇談会でいただいた御意見等も参考にしつつ、具体的な計画を更に進めてまいります。 また、行政委託型公益法人の改革については、昨年三月の実施計画に基づき、各府省が責任を持って改革を実施することとしており、私としましても、その実施状況を引き続き厳しく注視してまいります。 次に、規制改革は、不要な規制を取り除き、民間の自由な競争によって生活者、消費者が安い値段で質の高いサービスを受けられることを目指すとともに、民間のビジネスチャンスを拡大し、経済を活性化するものであり、その推進への期待がますます高まっております。 このため、昨年十二月には、総合規制改革会議において、経済活性化のために重点的に推進すべき規制改革として、規制改革の推進に関する第二次答申を取りまとめ、政府として答申に示された具体的施策を最大限尊重する閣議決定を行ったところであります。本答申を踏まえ、所要の施策に速やかに取り組むとともに、年度末までには規制改革推進三か年計画の再改定を行ってまいりたいと考えております。 今後とも、総合規制改革会議を活用しながら、また、経済財政諮問会議及び構造改革特別区域推進本部とも一層の連携を図りつつ、先般策定したアクションプランにおける十二の重点検討事項を始めとして、規制改革を強力に推進し、これを加速してまいります。 委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
○委員長(小川敏夫君) 次に、警察行政、産業再生機構及び食品安全行政の基本方針並びに平成十五年度警察庁関係予算について、谷垣国務大臣から所信及び説明を聴取いたします。谷垣国務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 国家公安委員会委員長、産業再生機構(仮称)担当大臣並びに食品安全委員会(仮称)等担当として、所信の一端を申し上げます。 まず、警察行政について申し上げます。 最近の治安情勢は、刑法犯の認知件数が七年連続して戦後最多を記録する中、路上強盗、ひったくりといった街頭犯罪や侵入盗等の侵入犯罪の増加、不法滞在の来日外国人等による組織犯罪の深刻化などに加えて、国際テロの発生が懸念されるなど、極めて厳しい状況にあります。 こうした状況の下で、警察は、国民が求める安全と安心を確保し、世界一安全な国、日本の復活に向け、全力を挙げて取り組んでいかねばなりません。私は、こうした基本的認識の下に、総合的な治安対策の推進に最大限の努力を払ってまいります。 以下、その概要について御説明申し上げます。 初めに、犯罪情勢と対策について申し上げます。 その一は、街頭犯罪等抑止のための総合的対策の推進であります。 最近の犯罪情勢は、とりわけ国民が身近に不安を感じる街頭犯罪や侵入犯罪の増加が顕著となっています。こうした街頭犯罪等の発生を抑止するため、検挙活動の強化、関係機関等と連携した防犯対策の推進等、総合的な対策を積極的に推進してまいります。 その二は、少年非行等への取組の強化であります。 最近の少年非行等の情勢は、少年の凶悪犯、粗暴犯が依然として高水準で推移する一方で、いわゆる出会い系サイトを利用した犯罪の被害者となる児童が急増するなど、極めて深刻な状況にあります。少年の健全育成は国民すべての願いであり、少年の非行防止と保護の両面にわたる対策を強力に推進してまいります。 その三は、組織犯罪対策の強化であります。 不法滞在の来日外国人や暴力団による組織犯罪の深刻化は、我が国の治安を根底から揺るがしかねない極めて重大な問題であり、今後とも、資金源対策の徹底、銃器・薬物事犯の取締り強化、国内外の関係機関との連携強化など、総合的な対策に取り組んでまいります。 次に、交通情勢と対策について申し上げます。 昨年の交通事故による死者数は、過去最悪であった昭和四十五年に比べて半減するに至っておりますが、今後とも、悲惨な交通事故の犠牲者を一人でも少なくするため、悪質、危険な違反に重点を指向した交通指導取締り、交通安全教育の充実、交通安全施設の整備などの諸対策の推進に努めてまいります。 次に、警備情勢と対策について申し上げます。 米国における同時多発テロ事件以降も、世界各地でテロ事件が依然として発生しているほか、イラクをめぐる情勢も緊迫の度を増しており、我が国においても国際テロの発生が懸念されるところであります。 警察としては、テロの未然防止に万全を期するため、テロ関連情報の収集、関係機関との連携の強化を図るとともに、重要施設の警戒警備の徹底、装備資機材の充実等の諸対策を推進してまいります。 また、北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、引き続き、関係各機関と十分に連携し、全容解明のため最大限努力してまいります。 以上、当面の課題について申し上げましたが、現下の治安情勢に的確に対応するためには、警察力の一層の充実強化が必要であります。警察においては、地方警察官一万人緊急増員三か年計画を策定し、平成十四年度に続き、平成十五年度予算に四千人の増員を盛り込んだところであります。今後とも、職員の処遇の改善等にも取り組み、真に国民の期待にこたえることのできる警察の確立に努めてまいります。 次に、平成十五年度警察庁予算について、その概要を申し上げます。 警察庁の平成十五年度における歳出予算要求額は、二千五百八十九億九千二百万円を計上しております。これは、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費であります。 続きまして、産業再生機構について申し上げます。 産業再生機構は、日本経済の再活性化を目指し、金融機関の不良債権処理の加速化に併せ、事業、産業の再生に取り組むための新たな機構であります。昨年十一月に担当大臣を拝命して以来、その設立に向けた作業に全力で取り組んでまいりましたが、今国会に、株式会社産業再生機構法案及びその施行に伴う整備法案を提出したところであります。今後も、民間の英知と活力を最大限に生かしながら、産業再編や事業の早期再生に向けた取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。 最後に、食品安全行政について申し上げます。 昨年は、BSEの発生、未指定添加物や無登録農薬の使用等、食品の安全性にかかわる様々な問題が発生しました。政府は、食品安全行政を再構築し、国民の信頼を回復するため、今国会に食品安全基本法案を提出いたしました。 食品安全基本法案は、食品の安全性の確保に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体及び食品関連事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、施策の策定に係る基本的な方針を定めることにより、今後の食品安全行政を総合的に推進しようとするものであります。また、内閣府に食品安全委員会を設置し、科学的な食品健康影響評価とそれに基づく関係行政機関への勧告、緊急時における政府全体としての取組、さらに、消費者等関係者との間で幅広い意見や情報の交換を行うこととしております。 新たな食品安全行政を速やかに構築するため、本法律案の早期成立に向け、関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 以上、所管行政についての所信を申し上げましたが、国民の皆様が、これまで以上に安心して安全に暮らせる社会を実現するため、全力を尽くす覚悟でありますので、委員長、理事及び委員各位におかれましては、よろしく御指導と御鞭撻をお願いする次第であります。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 次に、経済財政政策の基本方針について、竹中国務大臣から所信を聴取いたします。竹中国務大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 本日、内閣委員会が開催されるに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきます。 小泉内閣は、発足以来、民間でできることは民間に、地方でできることは地方にの基本的立場に基づき、構造改革の基本戦略を経済財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太の方針として決定し、それに沿った経済・財政運営を行ってまいりました。 昨年十月には、金融経済情勢の不確実性の高まりを踏まえ、改革加速のための総合対応策を取りまとめ、さらに十二月には、この総合対応策を補完、強化する改革加速プログラムを策定するとともに、これに基づき平成十四年度補正予算を編成し、十五年度予算と併せ、切れ目ない対応を図ることとしました。 昨年一月、構造改革の進展を踏まえてのマクロ経済と財政の中期的な姿を一体的にとらえた「改革と展望」を示しました。「改革と展望」は、規律ある財政と経済活性化の両立という狭い道を歩むための道しるべであります。この「改革と展望」については、策定後の厳しい内外経済環境等を踏まえ、本年一月、集中調整期間を一年程度延長すること等を内容とする二〇〇二年度改定を行いました。この改定においても、その基本シナリオは変わりません。これを今後とも堅持し、民間需要主導の持続的成長とプライマリー収支の二〇一〇年代初頭の黒字化を目指します。 平成十五年度の経済・財政運営につきましては、マクロ経済運営の観点からは、財政の無駄を排除しつつも、決して緊縮型でない景気中立型の経済・財政運営を行います。引き続き、経済財政諮問会議等を活用して更にこれまで取り組んできた様々な改革を加速させ、その進展を実感できる年にすることを目指します。 その際の最優先課題はデフレの克服です。政府と日本銀行が一体となって、前例にとらわれず、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組むことが必要です。 このため、不良債権処理と産業再生の一体的な加速に取り組み、官から民へ、国から地方への方向に沿った改革を強化し、税制改革及び地域経済の活性化を通じた需要と雇用の創出に向けて、規制改革と構造改革特区の創設等を推進します。豊富な家計の貯蓄を将来の経済成長に結び付けるため、公的な資金の流れの改革についても新たに検討を行います。 また、国民の生涯にわたる安心を構築すべく、年金、医療、介護等について総合的に議論し、持続可能な制度の確立を目指してまいります。 国民生活の面でも、消費者を取り巻く環境変化にかんがみ、公益のための情報提供者を保護する制度の整備を含め消費者政策を再構築するとともに、二十一世紀社会の新たな担い手であるNPOの活動基盤を整備してまいります。 十五年度においては、不良債権処理の加速に伴う影響はあるものの、以上のような改革の成果と十四年度補正予算や先行減税の効果等により、国内総生産の実質成長率は〇・六%程度になると見通されます。 政府は、今後とも改革を進めつつ、経済情勢に応じて大胆かつ柔軟なマクロ経済の運営に努めて、民間需要主導の持続的成長を図ってまいりたいと考えます。 委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を心よりお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 次に、構造改革特区の基本方針について、鴻池国務大臣から所信を聴取いたします。鴻池国務大臣。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 構造改革特区担当大臣として、所信の一端を述べさせていただきます。 構造改革特区は、地方や民間が自発的に構想を立案し、それぞれの地域の特性に応じた規制の特例を導入することにより、官から民へ、国から地方へという小泉内閣の構造改革を更に加速させるための突破口です。昨年の臨時国会において御審議していただき成立した構造改革特区法により、農業分野への株式会社の参入や特別養護老人ホーム等、今までは難しかった規制改革が特区において実現することとなりました。四月一日から構造改革特別区域計画の申請を受け付け、四月中にも構造改革特区第一号が誕生します。 特区を実現するに当たっては、関係省庁の裁量の余地を極力小さくするとともに、地方公共団体の自発性を最大限尊重するため、臨時国会での附帯決議も踏まえ、法令解釈事前確認制度の運用の明確化、通達等による上乗せ規制の禁止、関係行政機関の長の同意要件の明確化について定めた構造改革特別区域基本方針を閣議決定いたしました。こうした制度も活用し、今後、地方の知恵と工夫あふれるすばらしい特区計画が申請されることを期待しております。 特区において実現した規制改革については、実施状況を評価し、全国で実施すべきものについては着実に全国規模の規制改革につなげていくことが必要です。そのため、今年の夏にも、構造改革特別区域推進本部の下に、民間人、学識経験者等第三者から成る評価委員会を設置し、経済財政諮問会議や総合規制改革会議とともに連携を取りながら、特区で講じられた規制の特別措置の全国実施の可能性について検討してまいりたいと考えております。 また、本年一月十五日を締切りとして構造改革特区の第二次提案募集を行いました。この募集では、前回の募集時の四百二十六件を大きく上回る六百五十一件もの構想が提案されました。このような地方や民間の熱意は小泉内閣の構造改革に対する国民の期待の大きさの現れであり、構造改革特区担当大臣として真摯に受け止めております。第二次募集で提案された構想については、実現するためにはどうすればいいかという方向で関係省庁と検討を行い、先月二十七日の構造改革特別区域推進本部において、特区において講じることが可能になる規制の特例措置と全国において実施する規制改革事項等を定めた構造改革特区の第二次提案に対する政府の対応方針を決定したところであります。この対応方針に従って、構造改革特別区域法の改正案を今国会に提出をいたします。 委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願いを申し上げます。
○委員長(小川敏夫君) 次に、科学技術政策及び情報通信技術政策の基本方針について、細田国務大臣から所信を聴取いたします。細田国務大臣。
○国務大臣(細田博之君) 科学技術政策担当大臣及びIT担当大臣として、私の所信を申し上げます。 まず初めに、米国のスペースシャトル・コロンビア号の事故で犠牲になられた七人の乗組員の御冥福をお祈りするとともに、御家族並びに関係者の皆様に深く哀悼の意を表します。早期の原因究明を期待するとともに、我が国としても、科学技術を通じた人類の発展のために、宇宙開発利用を的確に推進してまいります。 科学技術は、我が国が国際競争力を回復し経済の活性化を図るための重要なかぎです。私は、就任以来、総合科学技術会議の機能を十分に発揮させつつ、総合的かつ重点的な政策展開を図ってまいりましたが、引き続き、第二期科学技術基本計画に沿って科学技術創造立国を目指して努力してまいります。 第一に、人類の知的資産の拡充に貢献する基礎研究を推進するとともに、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料という重点四分野を中心に戦略的重点化を進めます。特に、平成十五年度予算案においては、産学官が一体となり、経済活性化のための研究開発プロジェクトを戦略的に推進します。また、平成十五年度の予算編成過程では、各府省の概算要求施策の優先順位付けを行い、めり張りのある予算配分に努めました。こうした取組を通じて、全体として厳しい歳出の見直しを行う中で対前年度比三・九%増の科学技術振興の予算を計上しているところです。 第二に、科学技術システムの改革を大胆に進めます。競争的研究資金の制度改革、産学官連携の推進、知的財産の保護と活用、地域科学技術の振興等に取り組みます。また、研究成果が事業化に結び付かないいわゆる死の谷状況を克服するため、研究開発型ベンチャー創出・育成の支援を進めます。 第三に、公正でかつ分かりやすい評価を実施します。特に、大規模な研究開発その他の国家的に重要な研究開発については、総合科学技術会議において評価を行います。 第四に、科学技術政策の国際調和を図ってまいります。クローン人間禁止に関する条約の取りまとめなど国際的な重要課題に適切に対処してまいります。また、科学技術に関する共通の価値観を形成するため、科学技術と人類の未来に関する国際的なフォーラムの開催に向け国内外に働き掛けを行います。 また、国際熱核融合実験炉、ITER計画において、これまでの日本、カナダ、EU、ロシアの四極に加え、米国及び中国の参加が決定したことは誠に喜ばしいことです。引き続き、ITER計画の推進と国内誘致の実現に努力してまいります。 先日、高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分が無効であるとの控訴審判決が言い渡されました。安全審査は当時の最高の知見を踏まえて最善を尽くしたものであると認識しており、本判決の中で指摘された技術的内容については原子力安全委員会としても十分検討しているところであります。 いずれにしても、核燃料サイクルは、資源の乏しい我が国において資源の有効利用を進める上で重要な基本政策です。引き続き、安全確保を大前提に、高速増殖炉を含めた核燃料サイクル政策を推進してまいります。 IT革命の推進については、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家となることを目指し、「e—Japan重点計画—二〇〇二」を着実に実施してまいります。また、ネットワークインフラの整備等これまでの成果を踏まえ、利用者の視点をより重視した新IT戦略を策定し、ITの積極的な利活用を通して、社会全体が元気で、安心して生活でき、新たな感動を享受できる、これまで以上に便利な社会の実現に努めてまいります。さらに、IT社会における国民生活の保護に不可欠な個人情報の保護についても、法律案を提出したところであります。 委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会