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156回国会参議院2003/07/10

財政金融委員会公聴会 第1号

発言数
82
登壇者
12
会派数
6
開催日
2003/07/10

会議録

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会公聴会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨九日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。     ─────────────

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 本日は、保険業法の一部を改正する法律案につきまして、京都大学大学院法学研究科客員教授村田敏一君、日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター前川弘之君、保険評論家・保険アナリスト山野井良民君及び融資一体型変額保険被害者の会事務局長田崎アイ子君、以上四名の公述人の方から御意見を伺います。  この際、公述人の皆様方に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、本当にどうもありがとうございました。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、会議の進め方について申し上げます。  まず、村田公述人、前川公述人、山野井公述人、田崎公述人の順序で、お一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、公述人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、これより順次御意見を賜ります。  まず、村田公述人にお願いいたします。村田公述人。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 日本生命に勤務しますとともに、京都大学大学院法学研究科の客員教授を務めております村田でございます。  本日は、保険業法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、意見を申し述べる機会を賜り光栄に存じております。まずもって厚くお礼申し上げたいと思います。  私は、生命保険の契約条件の変更に関する問題を含め、生命保険をめぐる総合的な検討を行い、平成十三年六月に公表されました金融審議会金融分科会第二部会の「生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告」の素案の検討を行いました保険の基本問題に関するワーキンググループのメンバーを務めますとともに、本問題につき、かつて学術論文を発表しました立場から、本日意見を申し述べさせていただきたいと思います。  初めに結論から申し上げますと、私は本法案に賛成でございます。以下、賛成いたします理由につきまして申し述べさせていただきたいと思います。  まず、本法案の本質でございますが、これは保険会社の破綻前に当該会社による自主的な集団的手続によりまして契約条件の変更を行うことを可能とし、契約者の負担の軽減をする点にあるものと理解しております。  本法案の論点といたしましては、第一にこうした立法を行うことのそもそもの必要性と、第二にその手続等の在り方といった具体的な立法の内容の妥当性に大きく分類できるものと思います。  まず、第一点目の本法案の必要性について申し述べさせていただきます。  御高承のとおり、平成十二年六月の保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律によりまして、生命保険会社への更生手続の適用が現実に可能となり、生命保険会社の倒産処理法制が整備されました。  この法律では、まず更生手続の申立ての要件として、破産の原因となる事実が生ずるおそれがある場合と規定され、債務超過に陥る前の早期処理が可能となったものと理解されております。さらに、生命保険契約者に一般先取特権が付与されますとともに、保険会社に事業継続困難となった場合の申出義務を課すことにより、全体として生命保険会社の経営悪化時における契約者保護の枠組みが前進したものと考えられます。  その後、現在に至るまで、生命保険会社では三社に更生手続が適用され、裁判所、更生管財人、生命保険契約者保護機構等関係者の多大の御努力により、おおむね六か月間という期間での円滑な処理が行われるとともに、生命保険契約者保護機構による資金援助もこれらの事例では回避されました。  このように、相当円滑な処理が実績としてなされた更生手続が存在するにもかかわらず、何ゆえ破綻前の契約条件の変更を可能とする本法案が必要となるかが論点となるわけでございます。  まず、更生手続は、再建型とはいえ、あくまで倒産処理手続の一つであり、司法の全面的な関与の下で行われる強制的な手続という性格を有しております。この点につきまして、金融審議会第二部会の中間報告でも、強制手続である更生手続の開始要件についてはおのずと限度があると指摘されておりますとおりでございます。  一般に、更生手続におきましては、資産査定の過程で株式の大量売却等のキャッシュ化が行われ、短期間での売却の必要性から勢い清算価値ベースでの資産評価とならざるを得ないという傾向がございます。この結果、更生手続では、一般的に手続開始後に大幅な資産劣化、すなわち債務超過額の拡大が生じることとなり、そのことが結果的に契約者に厳しい条件変更等を強い、その負担増につながっているという実態がございます。  また、会社を再生し、長期契約である生命保険契約を長きにわたり守るという観点から申し上げますと、やはり営業職員を始めとする経営のインフラを可能な限り維持存続させていく必要があるものと考えますが、更生手続においては、その性格上、一定期間自社商品の営業が停止されますことから、こうしたインフラが劣化する可能性が強いものとなっております。  こうした性格を有しております更生特例法の早過ぎる適用につきましては、以上申し述べましたような弊害が顕在化するため不適当と考えられます。  ただいま更生手続の有する課題あるいは限界について指摘させていただきました。もとより、本法案のスキームを用いましても、現実には更生手続同様、一定の信用補完やスポンサーの出現が必要となるケースもあろうかと存じますが、その場合でも更生手続の有する問題点は相当程度回避され、ゴーイングコンサーンベースでの再建が容易となり得るものと考えます。  このように、あくまで倒産法制の一つである更生手続は、それ自体工夫された優れた制度であると考えますが、やはり強制手続としての性格上、適用時期の限界もあり、契約者保護の観点から破綻前の手続を工夫する必要があるものと考えられます。  したがいまして、契約者の負担の軽減を図り、円滑な企業再生を図るためには、更生特例法適用前の契約条件の変更を可能とする本法案の成立が必要と考えるところでございます。なお、過去の更生手続の適用事例、生保の三例では、幸いセーフティーネットの発動は回避されておりますが、これは決して制度的、構造的なものではないことにつき、申し添えさせていただきたいと思います。  続きまして、第二の論点である具体的な法律の内容、法案の内容、すなわち手続の妥当性、実効性について意見を申し述べさせていただきたいと思います。  一般に契約条件変更の手続につきましては、法律による直接や行政命令により契約条件の変更を可能とするタイプと、契約者の手続への参画を一定程度確保しつつ集団的な意思決定を行ういわゆる自主型と呼ばれるタイプに二分されるところでございます。改めて言うまでもなく、本法案は後者、すなわち自主的手続により契約条件の変更を行うことを基本とするものでございます。  法律や行政命令による手続につきましては、さきの金融審議会の中間報告におきましても、経営者の逡巡等によって問題への対応が遅れることがない等のメリットが指摘されております一方で、保険契約者自身の意思決定によらない一方的な内容の変更は個人の財産権との関係上問題があり、一般的な契約の在り方ともそごを来すものであるとされるとともに、保険契約者の理解を得ることの困難性が指摘されておるところでございます。こうした点を踏まえ、本法案が自主的手続を、自主型手続を採用しておりますことは妥当であるものと考えられます。  ただし一方で、立法を行う以上、その手続はワーカブルなものでなければならないと考えます。金融審議会の中間報告の基本イメージでは、契約者の意思確認の手続として、本法案にございます異議申立てに加え、契約者集会制度も提言されているところでございますが、余りに厳格な契約者意思確認手続は手続の迅速性を阻害するものとなります。  また、自主型手続とはいえ、こうした契約者に負担を求める手続は、ぎりぎりまで他の手段による経営努力を行った上での最後の手段と位置付けられるべきことは言うまでもございません。当該会社が本当にぎりぎりまでの経営努力を行ったか否かという点につき、日常的な検査監督を通じ生命保険会社各社の実情を把握しておられる当局が、その必要性を認定し、手続の濫用を排除する必要があるものと考えます。  こうした観点からは、本法案は、契約者の意思確認手続は基本的に異議申立て手続によることとするとともに、手続の開始に当たり、当局が事業継続困難の蓋然性につき検証し承認を与えることとされており、全体として実効的かつバランスの取れた法案内容となっているものと評価されます。  繰り返しとなりますが、本法案は、その立法の必要性の観点、手続の妥当性、実効性の観点から、真の意味での契約者保護の前進につながるものと考えられますので、原案での成立に向けた御審議をお願い申し上げる次第でございます。  最後になりますが、本法案が自主型の手続でありますことから、経営者がその申請をちゅうちょし、せっかく制度が用意されたとしても結局破綻に至るのではないかとの意見も聞かれるところでございます。将来、万が一、あらゆる経営努力を行ってもなお残念ながら客観的に保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合と認められる会社が現れましたならば、その会社の経営者は、漫然と事態を放置し更生特例法の申立てを待つことなく、勇気を持って本法案に基づく手続の申出を行うことこそが自らの経営責任を全うすることとなるものと考えます。  以上で、私からの意見陳述を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。  次に、前川公述人にお願いいたします。前川公述人。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) 日興シティグループ証券会社の前川でございます。  本日は、保険業法の一部を改正する法律案審議に当たり、意見を述べる機会をいただきましたことを大変光栄に存じております。まずは厚く御礼申し上げます。  私は、日興シティグループ証券会社で生損保業界担当の証券アナリストをしております。本日は、株式市場にかかわる実務家の観点から意見を述べさせていただきたいと思います。  なお、以下の意見は私個人の見解であり、日興シティグループ証券の見解ではございません。また、特定の個別会社にかかわるコメントは差し控えさせていただきたいと存じますので、あらかじめ御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。  私は、予定利率引下げの制度の整備は、生命保険会社の経営再建策にかかわる多様な選択肢を増やすという観点から、法制化する意義があると考えております。  そもそも保険会社の破綻前の予定利率引下げ制度は、保険業法で特に生命保険契約について先取特権まで認められた契約者の権利を倒産手続によらずにカットするという世界に類を見ない制度であり、保険事業への国民の信頼を維持する上で相当な劇薬であると思われます。  したがって、実際に保険会社の破綻前の予定利率引下げ策が実効性を持つのは有力なスポンサーの支援の下で経営再建を目指す場合と想定しております。すなわち、保険会社は信用が命であり、予定利率の引下げで傷付いた信用を補えるような有力なスポンサーによる経営支援又は信用補完が必要不可欠と思われます。保険会社が有力なスポンサーなしで単独で予定利率引下げを提案すれば、解約の急増を招きかねず、資金繰りが切迫しまして、かえって経営破綻を早める可能性も懸念されるところでございます。  予定利率の引下げは原則として更生特例法の下で実施することが望ましいと考えておりますが、同法の下での破綻処理では、公平性及び透明性を担保するために破綻処理に一定の時間が掛かります。また、その間に通常、スポンサーは望まない資産を引き取ることを嫌いまして、市場価格よりも低い値段での引取りを希望するので、管財人は評価損の圧縮に努めるため、破綻生保の保有財産を売却せざるを得ないと想定されます。  金融システムが不安定だったり株式相場が低迷している場合には、金融危機対応として、こうした更生特例法によらず、有力なスポンサーを見付けまして迅速な経営再建策を打ち出し、必要最低限の予定利率引下げを行った方が短期的な資産売却を回避することが期待でき、契約者負担を軽減できる可能性があるのではないかと考えます。また、金融システムの安定性の観点から見ましても、保険会社の破綻処理ではなく経営再建という形を選択することで国民に対する心理的な悪影響が軽減されることが期待されます。  したがいまして、破綻前の予定利率引下げ制度を整備することは、保険会社の経営再建策のオプションを増やし、外部環境に照らして資産売却が望ましくないといったケースでも柔軟な対応を可能にするのではないかと考えております。  更生特例法の下での予定利率引下げは公平性、透明性に優れておりますが、破綻前の予定利率引下げも、監督当局や第三者専門家等の関与の下で適切なデュープロセスが確保されることを前提とすれば、迅速性や国民経済の安定性の観点から評価できる場合があり得るのではないかと考えております。  以下ではその点について御説明いたします。  破綻生保会社の資産処分の対象は、有価証券、貸付金、不動産と多岐にわたりますが、とりわけ保有株式の売却はマーケットに大きなインパクトを与える可能性がございます。  ここで、株式市場にかかわる者の立場から、株式を例に取って、株価が低迷している場合に破綻保険会社の株式を行うことがどのような副作用を持つのか具体的に分析してみたいと思います。  生命保険会社は我が国有数の機関投資家でありまして、数多くの企業の大株主になっております。我が国の上場銘柄及び店頭銘柄約三千四百銘柄のうち、主要生保十社が上位五番以内の大株主に入っている企業の数を単純合算しますと、合計約九百社に及びます。また、ある大手生保を例に取りまして、同社が三番手以内の大株主になっている企業二十社を拾い出しまして、その持ち株数が過去一年の一日当たりの出来高と比べてどのくらいかを計算いたしますと、大体数十日分を保有している計算でございまして、二十銘柄合算で考えると約六十日分の保有ということになります。  ここで、仮の話といたしまして、二十社の株式をすべてマーケットで成り行き注文で売却してみようということでシミュレーションをいたしまして、その値下がりリスクがどの程度か計算してみましたところ、足下のような株価が急速に上昇している局面で出来高が増加する中におきましても一定の値下がりリスクは避けられないという結果になりました。具体的には、二十銘柄のうち予想値下がり率が一〇%未満のものは六銘柄、一〇から二〇%未満が九銘柄、二〇から三〇%未満が四銘柄、三〇%超が一銘柄ということでございました。このように、株式相場の地合いが大変強いときであっても、破綻生保の株式売却がマーケットに及ぼすインパクトは決して小さくないと想定されます。  最近では、株価は企業の信用を表すバロメーターともなっております。万が一、破綻生保の保有株式の売却により株式の需給が悪化いたしまして個別企業の株価が急落した場合には、マーケットにあたかも当該企業の信用が悪化したかのような誤ったシグナルを送ることが懸念されるところでございます。  さて、生保と銀行の関係に目を転じますと、合併して誕生した大手行は複数の生保と親密な関係にありまして、基金、優先株、劣後ローンといったバランスシートの右側における資本調達手段の持ち合いで密接に結び付いていることがよく知られております。ちなみに、今年三月末の大手生保十社から銀行への拠出額は約六兆円で、内訳は優先株を含む銀行株一・六兆円、劣後ローン等が四・四兆円でございます。他方、大手生保十社に対して銀行からの拠出額は一・八兆円で、内訳は基金八千億円、劣後ローン等一兆円となっております。  ここで、ある大手行と親密な大手生保二社との保有株式上位五十銘柄を拾い出しまして大手行の保有銘柄と比べてみますと、大手行保有株式上位五十銘柄のうち、実に三十銘柄までが親密生保の保有株式上位五十銘柄と重なっておりました。このように、生保と銀行はバランスシートの左側の株式保有でも密接に結び付いております。したがって、大手生保が破綻すれば、大手行と破綻生保が共通して保有する銘柄につきましては、大手行は多額の評価損を被るだけでなく、個別株価の下落が大手行の債務者の資産自己査定にも影響を及ぼす可能性がございます。株式のように流動性が高く換金性が比較的容易な資産でもこのような換金ロスが想定されますので、流動性が劣る銀行向けの劣後ローンや不動産の売却についてはなおさら大きな換金ロスが生じることは想像に難くございません。  なお、破綻前の予定利率引下げにつきましては、銀行から生保に拠出した基金、劣後ローンを相当程度まで保護する一方で、契約者に過大な負担を負わせるのではないかとの議論がありますが、私は必ずしもそういうことにはならないと考えております。有力スポンサーの下で破綻前の予定利率引下げが実施されるケースを想定いたしますと、スポンサーは更生特例法の下での破綻処理と破綻前の予定利率引下げの両方のメリット、デメリットを十分に比較検討した上で破綻前の予定利率引下げを選択するものと思われます。スポンサーにもその株主等への説明責任というものがございますので、銀行だけを有利に扱うといった経済合理性を欠いた経営再建策を選択することは難しいと思われます。したがって、更生特例法の下での破綻処理であれ、破綻前の予定利率引下げであれ、銀行と契約者の間の公平性を著しく失した経営再建策というものは取りにくいのではないかと考えております。  さて、以上のように、更生特例法の下での破綻生保の資産売却にかかわる懸念を述べさせていただきまして、破綻前の予定利率引下げ制度の意義を認める理由を御説明いたしました。ただし、倒産手続によらない破綻前の保険契約者の権利カットを制度化する場合には、十分な情報開示により、あらかじめ自己責任で契約者に判断する材料と判断する機会が与えられることが重要だと考えております。  まず第一に、生保会社の収益性を三利源損益の開示若しくはそれに代わる適切な基準によって既存契約者並びに一般国民に分かりやすく開示し、生保会社を選択する機会を十分に与えることが重要と考えます。予定利率を引き下げる会社のみが三利源損益の開示を行うということでは、あらかじめ安心な保険会社を選ぶ機会を契約者から奪うことになりかねません。  第二に、既存契約者が加入している契約がいわゆる逆ざやであって、将来予定利率引下げの対象となり得る契約なのか、順ざやで保険会社の収益に貢献している契約なのか、個別契約ごとの収益性を契約者に通知し、保険契約を見直す機会を与える必要があると思います。  なお、個別契約ごとの収益性を判定するに当たりましては、死差、費差、利差の三利源損益の状況を利源別に個別に把握した上でトータルに見ることが重要と考えております。予定利率を基準として利差損だけに着目し、死差益、費差益の状況を考慮せずに会社収益への貢献度を判定したり、契約者の権利をカットすることは、契約者間の公平を図る観点から問題が多いと思います。予定利率の引下げを既存保険契約の基礎率を適正水準に見直すプロセスと考えるならば、死差、費差、利差の三利源損益の状況を利源別に開示するとともに、個別契約ごとに収益性を判定することが重要だと考えております。  ちなみに、相互会社の株式会社化では、保険契約者に対して株式を割り当てるプロセスにおきまして、個別契約ごとに満期までの三利源損益の現在価値というものを計算いたしまして、それに基づいた寄与分計算を行って、その結果を契約者に通知していると聞いておりますが、それに準じた手続が望まれるところでございます。  最後に、予定利率の引下げは、倒産手続の下であれ、破綻手続であれ、保険という制度を信頼して老後の資産形成や万が一の不幸への備えを行ってきた保険契約者の生活設計を大きく損なうもので、社会的な混乱は計り知れません。したがって、当局による早期是正措置の適切な発動により、保険会社の経営破綻を未然に防ぐことが何よりも大切であるということを改めて最後に申し添えまして、私の意見陳述とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。  次に、山野井公述人にお願いいたします。山野井公述人。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) それでは、明確に反対意見を申し述べさせていただきます。  与野党の先生方、切にお願いしたいところでありますけれども、構造改革、金融・財政改革、いろいろ熱心にお取り組みをされているところだろうと思います。また、デフレの回復についても真剣な御議論を継続されているところと理解をしております。そういう中で、私としては、契約者の保護と保険会社の経営健全化の両面において明確に反対をさせていただきます。是非、先生方につきましても、このような国政による生保業界全体への過剰介入というふうなものにならないように、慎重かつ厳正なる御議論を是非お願いをしたいと、こう思っております。  幾つか反対についての項目別に意見を申し述べますけれども、私自身も様々なマスコミにおいてお話をするような機会もあるわけですけれども、情報公開並びに、それから国民からの意見集約の機会が非常に不十分であるということを痛感しております。保険商品は、御案内のとおり、無形商品であるし、日常生活で使わないという意味におきまして非日常性商品であります。恐らく、予定利率引下げといっても、先生方のように専門の御議論をされている方は理解できるかもしれませんが、私の判断からするとほとんど多くの方はよく理解をされていないと思うんですね。  例えば、あるテレビ番組に関連をいたしまして、予定利率の引下げを取り上げる番組に関連して、テレビ局の方で事前にアンケート調査を行いました。そうしたら、かなりの方がもちろん反対なんですけれども、中には肯定する方もいらっしゃったですね、利下げを肯定する方もいらっしゃった。それで、その理由をテレビ局の担当者の方から尋ねたところ、債権配当率下がっているから今更騒ぐことないんじゃないか、つまり予定利率と配当率を全く混同しているというふうなことが現実にありました。こういうようなことから、正確に保険金額の減額ということについて明確に理解している消費者は極めて少ないというふうに思います。  また、情報の集約と、意見の集約という点においても、パブリックコメントを求めておりませんので、あるいは金融審議会において専門家の、御専門の先生方の御議論が徹底されたとはとても思えない。こういう状態でこのような段階まで来ていること自体が私は非常に不可解で仕方がないところであります。いずれにしても、民意を反映した法案というふうにはとても思えないと思っております。  次に、社会保険ではありませんで、生命保険契約ですから、純粋な民民の保険契約であります。これについて、保険業法を改正してまで保険会社、契約上の当事者、一方の当事者ですけれども、保険会社による破綻前の契約不履行を是とし、かつこれを助長するような趣旨の法案自体が、高度の社会的な信義則で成り立つ保険契約並びに保険会社の社会的な存在価値というものを著しく劣化させるというふうに思います。現状のような可処分所得が非常に低下している中での保険離れというのはますます加速することになりますから、保険業界全体に悪影響を与えるということはあえて申し上げるまでもないところであります。  日本の保険業界の全体の信頼を劣化させるという意味でいいますと、私も仕事柄、毎年この時期には生損保の経営者のヒアリングをやっているんですけれども、今回も生命保険会社、国内生保、外資系生保、損保系生保、十八社について経営者のヒアリングを行いましたが、信頼を劣化させる、要するに消費者、契約者から信頼されなくなるという意味で、一社を除き全社反対であります。インフォーマルには反対をするという、こういうことでございました。自民税調あるいは許認可権を握る金融庁に対してあえて反対は言わないけれども、当然のことながら保険会社は契約不履行なんかできないと、こういうことを言っておりましたので、法案策定の趣旨を満たさないと思っているところであります。  それから、逆ざや対策としてこのような妙な珍案が浮かび上がってきたわけでありますけれども、現在既に、逆ざや、利差損を穴埋めして、なおかつ死差益、費差益で穴埋めをいたしまして、約二兆円もの巨額の基礎利益というものを生み出しているところでありまして、国民的な納得は得られるのかと、是非冷静に御検討を願いたいと思います。国民の理解は得られるはずもないということであります。  それからまた、追って御質問があれば説明をさせていただきますが、生命保険会社、長期的に毎年逆ざやが発生する可能性が高いということから、収益重視型のビジネスモデル、ローコストオペレーションを中心とする収益重視型のビジネスモデルというものを構築しつつあります。そういう中においても、むしろ先生方におかれましては、こういう保険会社の生き残り、勝ち残りのための自助努力というものをむしろ主導するような、そうした御議論を是非持っていただきたいし、そうした姿勢を強く持っていただきたいと思っているところでございます。  それから次に、九六年の改正保険業法が施行されましたけれども、その間に至るこの議論の経過、先生方も御案内のとおりだと思います。十条三項、旧業法の十条三項、それから社員自治に関する条件変更ですけれども、こういうものが削除をされたというこの御議論をもう一度ごく普通にお読みになっていただければ、もうそこでこの結論は出ている話であります。  実効性があるのか。実効性はないということです。実効性が仮にあるスキームを考えるとすれば、国内生保、逆ざやを多く抱えておりますので、これが一斉に利下げを申請をすると、ないしは統合によるスキームというふうなことでの利下げというものを行うことが考えられないわけではありませんけれども、それはどう考えても、国内生保で膨大な逆ざやを抱える保険会社におきましても、格付機関においてシングルA以上の、あるいは少なくともシングルAの格付を持っている健全な会社があるわけでありまして、一斉にというのは考えられない。もちろん全社は全く考えられない。逆ざやがない会社若しくは逆ざやが極めて少ないという会社が多いわけで、そういう会社の方が数は多いということですから、一斉に利下げを申請することはあり得ない。  個別の場合には統合以外には考えられないが、統合の受皿会社の方からすれば、異議申立てをするような怒れる契約者を抱き込んでまで統合することについて、当然、その当該受皿会社側の社員あるいは株主、こういう者からの強い反対というのが予想されるわけでありまして、訴訟が起こされるということは十分考えられる。特に、三利源の公開というものが行われておりませんので、そういうものが前提として行われない以上、これを理解するということは、一般の社員あるいは株主からすれば理解できないところであります。特に最近は、株式会社の保険会社においては外国人の投資家が非常に大きなウエートを占めておりますから、現実論にこういうものはならないということであります。  それから、大変懸念しているのは、現在、生命保険業界における保有契約のうち、専門用語になりますけれども、孤児化契約というのが非常に大量にあります。つまり、営業職員が早期に脱落をいたしまして、その担当者がいない契約、つまりこれが解約・失効のもとになっているわけですけれども、それが全体の四割から五割あるわけであります。このような実行不可能な法律を作るだけで、そのような担当者が事実上担当していないような状態に置かれている孤児化契約と言われているもの、こういうものが、いわゆる逆ざやがない会社ないしは逆ざやが少ない健全な会社の方に一気に流れる可能性が高いということでは、健全な会社を優遇することになるということであります。  次に、この本法案による事前破綻処理の方が契約者にとってもし有利になるということがあるとすれば、それは、既に破綻七社あるわけでございまして、そうした責任準備金がカットをされ条件変更を受けたと、こういう破綻七社の契約者は恐らくは一千万件ぐらいは優にあろうかと思いますけれども、こういう人たちとの契約者保護上の不公平が生じる、不均衡が生じるということがありまして、まず是非、良識の府としての、法益の不公平、不均衡というものを先生方には容認していただきたくないということで、明確に反対をさせていただきます。  以上であります。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。  次に、田崎公述人にお願いいたします。田崎公述人。

田崎アイ子融資一体型変額保険被害者の会事務局長

○公述人(田崎アイ子君) 今日は、私、一消費者そして一主婦にこういう場を与えていただいたことをまず御礼申し上げます。ありがとうございました。  私は、この保険業法の一部について反対の意見を述べさせていただくことを公述人として申し出ました。私たちがなぜ反対しなければいけないかということを、私は消費者でございます。今までは専門的なことで山野井さんが述べてくださいました。でも、私は、消費者そして一契約者でございます。なので、私たち肩書ということは持っておりません。でも、一応この場に出るために肩書というものを書きました。そして、被害者として、そして契約者として意見を、反対意見を述べさせていただきたいと思います。  この変額保険という名の保険、これを保険として扱ったことに問題はなかったのでしょうか。  変額保険は一九八六年に、それまでになかった新種の保険として大蔵省から認可されました。当初、好調な売行きを見せましたが、変額保険も一九八八年になると投資信託と競合する中で人気が落ち始め、生保の契約高が伸び悩み始めました。ちょうどそのころ、バブルの末期です。大都市圏で地価高騰、地価が高騰し、土地の所有者にとっては相続税を支払うというためのことで土地を手放すことになるだろうと言われ、新聞紙上にとって大きく報道されることもありました。そのような情勢が融資型変額保険を生み出したのです。  そのねらいは、将来予想される莫大な相続税の準備資金を変額保険を利用して、その加入に必要な高額一時払い保険料を土地担保として銀行融資で賄うものということを、一九八七年に青山ファイナンシャルステーションという金融関連機関が考え出したものと言われています。  変額保険と銀行融資を結び付けて相続税対策とする方法は、対象する物件の数が多く、しかも一件当たりの金額が億単位になることから、銀行、生保ともに業績拡大、利益増大、大きく寄与するものでした。特に銀行は、この保険の勧誘に生保を差しおいて自ら主役を務めるほどでした。もちろん生保にとっては願ってもない大きな市場だったのです。  銀行と生保は、当面最も相続対策を必要とする、土地持ちであっても資金がない高齢者をピックアップし、銀行の営業マンと生保誘導員が入れ替わり立ち替わり変額保険の加入を熱心に勧めました。時には銀行の支店長までもが直接勧誘のために現れました。  そして、高齢者へ巧みなセールストークが始まりました。そこではリスクのすべては隠されていました。莫大な相続税が予想されますから、残された方はこの土地や家に住めなくなります。その対策として、銀行から融資をしてあげますから是非この有利な保険にお入りなさい、借金をしていることで相続財産が減る利点があります。この保険の運用は生保の専門家がやりますから大丈夫です、お任せください。銀行利息を上回る大変高い運用ですから、相続税発生時の保険金で銀行に借金を返した上で相続税も払えます、その際、保険金で相続財産評価額が軽減されます、そういう利点もあります。この保険は大蔵省が販売を禁止するかもしれません、入るのなら今のうちですと、このようなセールストークで多くの高齢者を勧めました。加入された高齢者はそういうリスクがあることも知らずに、銀行が勧めることです、ありがとうございます、それではお願いしますということで、多くの高齢者、そして私たち主婦、一消費者が入ることになりました。  私も同じように、さきに言った青山ファイナルステーションと大手銀行の巧みな提携でした。銀行がいつも来るたびに、銀行を信用しなさい、田崎さんのうちも例外ではありません、相続対策をしておかないと、御主人が亡くなると、御主人に万が一のことがあると大変なことになります、是非この保険に入りなさいと、融資の方は私の方でやります、それは安心、安全、信用させ、何々の、天下の何々銀行ですと言って勧めました。私は一〇〇%、一二〇%その銀行を信用して入りました。融資をしたときに、するときに、死亡時に保険金で返済すればよいということでした。それでなお安心しました。でも、五年たつと、ごめんなさい、融資は一億六千万です。その中の一億が保険料でございます、支払保険料でございます。六千万は、五年分先の利息を一緒に貸せられて融資をされて、一億六千万ということでした。私はすべてがそういうものだと信じてその保険に入りました。  五年たって利息がなくなったころに、銀行は私どもに何度も何度も来ます。来なければ銀行に呼び出されます。そして、もうその保険は財産価値がない、早く解約をして銀行に返しなさい、残った債務はお嬢さんが保証人として三十年ローンで返しなさいということでした。私は、死亡したときに返せばよい、そのときに返せるというお話でしたということでお断りしました。でも、銀行は非常に厳しい迫り方で返済を迫ってまいりました。そのときに私は、では私ども夫婦が今ここで死ななければ返せませんということまで口にしました。銀行は何と言ったでしょう。それはそちらでお考えくださいということでした。非常に非情なことでございます。私は死をも考えました。でも、娘のことも考え、思い直して私は銀行とお話をしようとしましたけれども、銀行は受け付けません。  そして、裁判に持っていくことになりました。提訴して三か月目に、代位弁済という生まれて初めて聞く言葉です、されました。それはダイヤモンド信用保証会社というところでした。これは私の勉強不足もあったと思います。融資をされるときに、ダイヤモンド信用保証会社に百四十万払ってくださいと言われました。信用保証会社と言われるので私を信用保証してくれるものと思いましたら、銀行を信用保証するという会社でした。それも説明がないので、私の勉強不足と言うしかなかったということは後に気付きました。そして、そこから代位弁済され、三か月後に競売をされました。そのときの気持ちといったら、今でも本当に奈落の底に突き落とされた気持ちは私ども夫婦は非常に銀行に持って、憤りを感じます。  でも立ち直って、闘わなければといって、ここ八年間は一生懸命裁判で頑張ってまいりました。そして、地裁で全面敗訴でございます。その理由の一つは、保険が解約されていないのであなたの損は、損害は分かりませんということでした。ほかにも間々あります。銀行は信用できるけれどもあなたは信用できないということで、私が小学校三年しか出ていないことも信用していただけませんでした。あなたにそれだけの納税をする力があればそれだけのことは分かっただろうということも言われました。でも、負けずに控訴しました。弁護団も頑張ってくれました。そして、高裁では、一部勝訴ですけれども、後に話しますけれども、これが欠陥商品である、そしてその欠陥商品であることと、相続税対策には不適合だと、不適格だということも言われました。本当に、私たちが初めからこの保険は、変額保険は欠陥商品であると言い続けた八年間がそこでやっと報われた思いがしました。  でも、皆さん、ここで私が死にたいと思ったと同じように、変額保険加入した方は悩んで自殺をされた方もあります。被害者の会に入っていた人だけでも今までに五人は自殺をされています。私どもはこの変額保険を早死に保険と言っております。でも、早死に保険ではないんです。初めにリスクを言ってくれれば融資も受けませんでした。でも、本当にこの保険は、今でも死ななければ私どもの債務はなくならないんです。金額によっては、死んでも払い切れない、それが孫子の代まで残るということもあります。  そして、私がこの保険に反対することは、この保険業務、保険業法の一部とされています保険の予定利回りを切り下げられることによって死亡保険金も減額されるおそれなしとは言えないのです。もしこの引下げがすべての保険に適用されることになりますと、私たちの将来も甚大な影響を及ぼすことになります。一同憂慮を深めております。  本当に私たちはこの変額保険で長年苦しめられております。バブルの時期に銀行、生保の提案融資により販売された相続対策として融資一体型変額保険は、その販売における違法性が問われました。それは、さきに申しました裁判においても一部それらが認められ、また、昨年の東京高裁第八民事部での判決では、相続対策として不適切な商品と判断が下されました。それゆえか、一部の銀行の競売が強行されている一方で、多くの案件が裁判における和解あるいは任意の交渉における合意に至るようになりました。  しかしながら、案件の多くは、変額保険を継続させ、将来の死亡時に支払われる死亡保険金に質権を設定し借入金の返済をしているケースが多いのです。死亡保険金を銀行への主なる返済資金としておることが条件になっております。したがって、将来予定利回りの引下げが行われますとこの前提条件が崩壊し、深刻な被害を引き起こすことになります。ようやくたどり着いた和解に至るまでの血のにじむような苦しみを、これから高齢者にとって耐えられない仕打ちと言うほかありません。  私たちは、予定利回り引下げを到底許すことはできません。認めることはできません。是非、私たちのこの変額保険、これをいま一度思い直していただいて、利回り引下げを是非されないよう、私、お願い申し上げます。  どうもありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。  以上で公述人各位の御意見の陳述は終わりました。  これより公述人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田村耕太郎自由民主党・保守新党

○田村耕太郎君 どうも皆様、今日は貴重な御意見を賜りまして本当にありがとうございます。  誠に恐縮ですが、時間が限られておりますので端的に御返答いただければと思います。  まず、村田公述人にお伺いします。  村田公述人御自身も在籍されている会社も、各社が反対する中、この法案の成立の立場でしっかりと意見をワーキンググループでも言われています。  今、山野井公述人の方から、この法案、スキームができること自体に対するマイナスの、マイナスというか厳しい評価をいろいろいただきました。それに関するもし御反論があればそれも含めてお伺いしたいんですが、私個人的には、これだけ公的な社会保障制度が揺らいでいる中、民間の保険制度がしっかりする、信頼性、公平性を回復するというのは非常に重要なことですし、少子高齢化が進む中、民間の保険会社は成長産業であるべきだと思っております。  しかし、残念ながら、この法案を作ること、審議すること自体が民間の保険制度の信頼性や公平性を非常に揺るがせているのではないかというような指摘があるわけですが、こういう指摘に対してどのように評価されますか。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) お答えさせていただきます。  御指摘のとおり、破綻に至る前に契約を守るべしというのは、これは大原則でございます。破綻に至る前に契約が変えられるという法案でございますので、特に生命保険のような確定給付制の商品につきましてこういう制度を導入すると全体の契約に対する信頼感が低下するのではないか、こういう御指摘はあるわけでございます。  ただ、現実には、契約を守るということを目標にした場合に、最終的にハードルが高くて破綻してより権利が縮減される、事前に一定の手を打つことで幅が狭まるということは、よく御理解をいただければ生命保険制度の全体の信頼感に、向上になる。また、決して、これは制度論でございますので、正に法案にもございますように蓋然性のあると、正に将来的に破綻しそうだという会社のみに、自主型とはいえ、適用される可能性があるものでございまして、決して健全度のある会社ができるものではございませんし、正に政府においても今後お努めいただけると思いますが、その辺りの実際の制度内容についてきちっと国民に御説明いただければ、より信頼性の向上に、増すものと私は考えます。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党・保守新党

○田村耕太郎君 次に、前川公述人にお伺いします。  私は、この件に関しまして、アナリストの方々の役割は非常に重要だと考えています。非常に影響力も大きいと思います。  既にアナリストや格付機関が、このスキームができて、もし採用した場合は、その評価を見直すですとか資本の内容を再評価するとかいう発言をされています。保険会社の中身やこのスキームの趣旨を国民に正確に知ってもらうためにはアナリストの方々の役割が重要だと思うんですが、このスキームとかこの制度変更、これができる際に金融庁の方々とオープンな議論をするような機会はあったのでしょうか。そして、今もあるんでしょうか。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) 御質問にお答えいたします。  オープンな場というのは設けられてはおりませんけれども、私どもはフランクに実は担当官の方々とは御議論させていただいております。  それで、先ほど私どもの広報活動が重要だというお話ございましたが、国内の有識者の方々は消費者、国内投資家に御説明されていると思うんですが、私ども外資系証券会社に勤務する者は実は海外の投資家にいかに説明するかが重要でございまして、それで、非常に皮肉な話ではございますが、この五月から、海外投資家の見方というのは、大きく日本に対する見方が変わりました。それは、以前は、日本政府は金融危機は起こさないと言ってはいるんだけれども具体的なアクションがよく見えないと。ところが、五月に、一つはりそなに対する政府の対応、もう一つはこの法案の閣議決定、この二つでもって外国人投資家は、日本の政府は金融危機を起こさないんだということで得心がいったんですね。その結果として、昨年秋以降、日本株の保有を減らしてまいりましたけれども、業績は回復していますし、株価も十分下がった、じゃ買おうという気になりましたので、今急速に外人投資家の買いが戻って、上がっているということでございます。  具体的にどういった効果があったかを申し上げますと、非常に皮肉なことなんですが、予定利率引下げ論議をすることで予定利率引下げリスクが遠のくというところがございまして、結果、この法案を閣議決定したことによって、三月末から生保各社の持ち株の時価は二兆四千億円上昇しております。昨年度の逆ざや額が一兆二千億ですから倍ぐらい取り返しているということで、現時点で、ですから、生保各社の方々、予定利率引下げの蓋然性をお考えの方は恐らく余りおられないんじゃないかと思うんです。  ですから、この法案の論議はあくまでも金融危機対応であって、平時に使われる法律じゃないんだということは外国人投資家はよく理解しているということでございます。その辺、国内の投資家あるいは消費者の方々にどう説明するかというのは、私どもも含めたアナリスト、評論家の責務かと存じております。  以上です。

田村耕太郎自由民主党・保守新党

○田村耕太郎君 次に、前川公述人と山野井公述人にお伺いします。  この法案が出てきた背景に、一つとして、保険会社の体力格差がこれだけ開いてしまった。この委員会の審議でも様々な委員の先生方がいろんな資料をもって審議、そして意見を言われているんですが、これだけ体力格差が開いてしまった。素人目に見ますとそんなに差別化された商品を扱われているようには思えないんですが、なぜこんなに体力格差が付いてしまったのか。  そしてもう一つ、このスキームが採用されることによってこの体力格差は更に今後どうなっていくのか。スキームができ上がったことだけで、採用されるかどうかは別として、この法案が成立してしまったことがその体力格差にどのような影響を与えるか。  この二点に関して、前川公述人と山野井公述人に御意見をお伺いしたいと思います。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  最初の御質問につきましては、これは元々同じような商品を売っているとはいえ、規模に格差がございます。あと、資産の運用能力に格差がございます。したがいまして、負債の予定利率を満たすために、大手の会社は無理なく運用することで利息を付けることができます。ところが、中位、下位になってまいりますとだんだんそれが苦しくなってまいりまして、その結果、過去に蓄えた遺産であるところの株の含み益に手を付けていったと。それで、どんどん株式の簿価が上がってしまいまして、株価が下がったときにバランスシートの毀損というものが問題になったということでございます。したがいまして、やはり体力格差というのは会社の大きさあるいは資産運用能力といったものに依存している部分が大きいのではないかと存じます。  それから、あと、第二の御質問の、今後の格差がどうなるかということなんですが、これにつきましては、私どもが海外投資家によく説明しておりますとおり、これは平時の法制ではなくて金融危機対応なんだと。金融危機を防ぐために、起こさないための法律なんだということが国民に理解されれば、そこはいたずらな解約の増加ですとかそういったものを助長することは防げるのではないかと考えております。  以上でございます。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) そのいわゆる体力格差というものの意味合いがもう一つよく分かりませんが、それはマーケットシェアを表すのか、あるいは今、前川公述人が申されたような、そういう資産面の内容、そういうものについておっしゃっているのか分かりませんけれども。  私は、確かにマーケットシェアは非常に大きな差があります。国内の大手生保がほとんどのシェアを占めているという状況では体力格差はあると思いますね。しかし、非常に大きなマーケットシェアを占めている生命保険会社が正に非常に高額、多額の逆ざや、これに足を引っ張られているということも事実だろうと思っております。  もう一つ、資産面については、当然、かつてからの流れでいえば、含み益というものはやっぱり大手の生保の方が非常に余裕があるということは言えるかなと思いますけれども、そういう面の体力格差というのはあろうかと思いますが、生産性、特に大事な、最も大事なのは収益性でありまして、後ほど御質問があれば御説明いたしますけれども、これは必ずしも大きい保険会社が収益性が高いということではありません。  したがって、今、風評いろいろ言われているような会社におきましても、抜本的な収益改善、収益重視型の経営を進めておりまして、そういうことから見ると、私は、あえてこの際このような保険会社に契約不履行を認めるような、そういう特例的なあるいは徳政令的な考えを出さなくても十二分にこれをしのいでやっていけるという確信がございます。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党・保守新党

○田村耕太郎君 終わります。  ありがとうございました。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 本日は、公述人の四人の方々、お忙しい中おいでくださいまして、本当にありがとうございます。  衆議院の方で公聴会を開くことができませんでした。ようやくこうして参議院の方で公聴会を開いて皆様から御意見を聞くことができることを大変意義のあることだと思っております。  前回、参考人の方の中には、地方公聴会も是非開いて多くの国民の方々の意見を聞いた上で十分な審議を尽くしてほしいという御意見もございました。参議院では、まだまだ急がず、十分な審議を尽くして、本当に今回の法案が国民のためといいますか、契約者の本当に保護になるものなのか、その辺を審議尽くしていきたいと思っております。  それでは質問に入らせていただきますが、もう皆様御存じのとおり、例えば平成十四年度決算におきましては、大手生保の銀行への資本及び劣後ローンの拠出額は、第一生命で一兆円超えておりますし、それから村田さんのお勤めの日本生命や、また住友生命、明治生命も九千億円台というような大変な巨額の資本持ち合いが銀行と生保間であるわけですけれども、りそなが預金保険法百二条に基づいてこの間のような措置が取られましたのも、この銀行と生保の持ち合いの大きさから、つぶすにつぶせない事情があったんだと思います。  今回の生保のこの法案もその一環で金融危機を回避しなければいけないということかと思うんですが、先ほど前川さんの御答弁の中に、あくまでこの法案は金融危機対応であって、平時に使われるものではないというお話もありましたし、各生保も、今月の二日辺りに総代会かなり開かれて、ほとんどこの申請はしないという。ということは、作っても使われないのかなという、そういうこともありますけれども、やはりこの法案がわざわざこの間改正されて、先ほど山野井さんがおっしゃったように、強制的な行政命令ではやらなくなったけれども、また同じようなことが復活した背景には、私は生保業界が相当な、生保業界だけではありませんが、非常時にあるために用意がされているのかと思っているのですが、今の状況をどのように解釈しておられるか、村田さん、前川さん、山野井さんにお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 答えさせていただきます。  まず、業界の全般的な状況としましては、これは金融審議会の中間報告にございますように、確かに超低金利といった異常な超低金利の継続や、株価は若干今上がっておりますが、低迷によって財務体質が非常に全体的に苦しいものになっています。ただ問題は、それは個社ごとに違うわけでございまして、業界として全体がどうかという議論は、これは不適切であると思います。逆ざやの中でもいろいろ様々なリストラ、内部留保等の努力によってその財務内容は区々であると、こういうふうに認識しておるわけでございます。業界全体としての議論は、苦しいわけですが、適切ではないということを申し上げたいと思います。  それから一点、委員御指摘の持ち合いというようなことございましたけれども、これは事実として一点は訂正させていただきますと、日本生命につきましてはこれは持ち合いはございませんで、かつて銀行から債務取り入れしておりましたが、今それは全部償却されていますので、銀行に対する債権はございますけれども、逆はないと。他社は若干そういう財務状況は生じているんだと思います。  ただ、そういうダブルギアリング規制みたいなものにつきましては、これは別に適切に融資する場合にリスクを判断して引き当てすればよいわけでございまして、そこまで規制する必要はないというふうに思っております。  以上でございます。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  これまでの国会等での御議論を承ってまいりますと、基礎利益、すなわち生保のフローの収益力が比較的堅調な中で、どうしてこのような法案を審議しなければいけないのかと、そこのところが得心がいかないという御議論が見受けられるように存じます。  これにつきましては、生保会社の場合に、やはりフローとストックに分けて考える必要がございまして、フローの収益力は非常に堅調、まだしっかりしておるのですが、ストックの部分につきましては、先ほど申し上げましたけれども、長年にわたる株式、不動産等に係る資産デフレの影響が深刻になっておりまして、自己資本が目減りしている現状でございます。  通常、株式会社であれば、収益力は堅調だと、自己資本が足りないと、どうするかといえば、これは減資をするかあるいは増資をすればよいわけですが、相互会社の場合には減資、増資の手だてがございません。関係当事者は契約者と金融機関しかおらないわけです。したがいまして、株式会社生保であれば、収益力堅調でバランスシートが毀損した場合にはそれなりの対応のしようがあると思うのですが、相互会社の場合には、そういったストックが傷んだ場合にはこういった有事対応の法律を作ることが必要になってくるかと存じます。  ちなみに、足下では、若干のど元過ぎた感はございますが、株価堅調とはいいましても、例えば今年三月末の生保各社の、大手生保各社の実質純資産額は十一兆四千億円でございました。それが、これは昨日現在では十四兆四千億ということで、三兆円も増加しております。ですから、このぐらいストックの価格の変化というのは生命保険会社のバランスシートに大きな影響を与えてしまうということです。したがいまして、一番の早道はストックの値段を安定させること、それが結局生保会社の経営安定につながると。  ですから、大変皮肉なんですが、有事対応を決めることが株式市場を安定化させて有事対応の必要性を回避させると、こういった回りくどいロジックになるということでございます。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 私は、いずれにしても契約内容、約定内容を不履行の形にしてまで契約者に対して損失を与えるようなことはすべきではないという立場でございますので、そういう立場で申し上げると、確かにいわゆる債務超過というのはバランスシート上の資産に欠損が生ずると、負債、主に責任準備金でありますけれども、これが賄えなくなった状態、これがいわゆる債務超過と言うんだろうと、こう思っておりますが、確かに保険会社のことだけ考えれば、保険会社のことだけ考えれば、このような徳政令的あるいは特例的に、特に責任準備金の運用負担というものが大きく軽減できるような措置を講じてもらえれば大変有り難いなと、これはだれでも思うところだろうと思っておりますが。  いずれにしても、そういう保険会社の個別の内容の事情を云々する以前に、個々の契約者との契約上の信義則を守るということによって生命保険会社、損害保険会社、経営が成り立っている、社会的な認識を得られているわけでありますので、現状のような資産のような状況だけをとらえて、そして根本的なそういう信義則を崩壊するようなことをする今状況にあるのかと。全くそういう状況にはありません。そして、多くの外資系の保険会社なりあるいは損保系の保険会社なり、非常に収益性重視の経営やっておりますし、国内生保もここへ来て大きくリストラを行い、あるいは市場の特化を行いまして収益性を高める経営をやっております。収益を高めていって、そしてその利益を内部留保して純資産価値の増大につなげるということを整々とやっていくのが保険会社でありますので、それ以外の特別なことを国にお願いするようなことはそもそもおかしいというのが私の考え方であります。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 山野井さんにお伺いしたいと思いますが、私たち、生命保険を契約するときに普通、保険金が幾ら入るか、保険料が毎月支払うのはどうなのかと、そこだけで割合見ておりまして、予定利率なんという言葉をほとんど知らないと思うんですね、多くの人が。  そうすると、今度も予定利率の引下げなんというあいまいな言葉を使わずに、保険金のカットとか保険料値上げとかもっとはっきりした言葉で説明した方がいいんだと思うんですが、いろいろな保険会社に聞いてみますと、我が社は一切申請しませんからそんなことはシミュレーションも何もしていませんからと、ほとんど教えてもらえないというのが今実情で、先ほどお述べになったところで、全く事前に民意を反映したものに今回の法律なっていないとおっしゃっていますが、まず、三利源の公表についてどう思われるか。  それから、解約控除について、そして今度、予定利率のことだけじゃなくて契約条件の変更というふうに書かれておりますけれども、この辺りのことをきちんと契約者にどう説明すべきなのか、その辺りについてお伺いしたいと思います。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) いわゆる条件変更と申しましても、これは何も予定利率だけではありませんで、今委員おっしゃったように、当然のことながら保険金削減についてと、こういうことで御論議をされることが一番正しいと思うんですね。予定利率云々と言われてもこれは分からない。少なくとも現状の長期金利水準、そしてこれはかなり長期的にも、そういう状況をとらえれば保険金の削減についてということで御論議をされるのが最も分かりやすかっただろうと思いますんですね。  三利源の公開ということ、これはもう全く当然こういう議論の前提条件で必要になるわけであります。ですから、そういうものについて問題指摘はありますけれども、これについては具体的なものが見えてこないということでは、そもそもこういう法改正の前提条件を成していないと。  ですから、これまでの、三利源の公開をきちっとするということが伴わなければ、九六年の改正保険業法以前の御議論の中で既に議論が尽くされているわけですから、ですからその後のまた新たな状況に対応するというのであれば、そして当初は契約者保護と言っていたんです、当初これは。それが今は金融対策、金融危機対策ということでもうすっかりすり替わっちゃっているじゃないですか。こういうことをやっぱり、そういうやっていていいのかどうかということですね。ですから、そういう点でいうと、もし新たに、新たな状況というものに照らして御議論をしていただくということであれば、まず三利源を公開するということを前提条件としなければ、九六年の改正保険業法以前の形に戻るだけですよということであります。  その他のこと、ちょっと済みません、忘れましたけれども、どういうことでございましたですか。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 ほかに、解約の控除ですね。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 解約の控除ですか。  ちょっとその質問の御趣旨がよく分からない。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 解約停止は、解約控除を掛けずに予定利率引下げが嫌な人は後で解約しても損を被らないようにするならいいですよということで最初法制局が認めたと聞いているんですけれども、もしといいますか、手続に失敗して破綻しましたら、解約申込みをしていた人にも責任準備金のカットや解約控除が掛かるような仕組みになっていてこれは変なので、おかしいのではないかという、そのような質問でございます。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 端的に申し上げて、おかしいです、それは。もうそれ以上のことは特に必要ないと思うので。  その点、そのような具体的な技術論まで入る必要ないと思っておりますので、大変十分な返答しないで申し訳ありませんが、当然、解約控除などはあっては当然おかしいということになると思います。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 それでは、田崎さんにお伺いしたいと思いますけれども、大変な体験をなされて大変皆さん怒りを持っていらっしゃると思うんですけれども、今回も、予定利率というか、それこそ保険金のカットということがこの法案が通るとできるようになってしまうわけですけれども、それによって、中小企業の方たち、もう本当に銀行が融資をしなくなって貸し渋りや貸しはがしで大変なときに、生命保険の受取を担保にして融資を受けていらっしゃる方たちがもう本当にお困りになると思うんですけれども、今回の裁判等を行っていらした中から行政に対する責任というようなことは出てきたのでしょうか。

田崎アイ子融資一体型変額保険被害者の会事務局長

○公述人(田崎アイ子君) お答えします。  お答えになるかどうか、私たちの経験で、それと今置かされている状況でお話をさせていただきたいと思います。  まず、和解という状況で皆さん、司法の方で、裁判の方で解決をほとんどの人がしています。その人が和解をしたときにはまだこの予定利率の話は全然出ていませんので、契約者貸付けということを受けております。そうしますと、一億の契約者貸付けを受けておりますものが予定利率が下がりますと、それが減額されるということになりますと、その減額された、予定利率が下がった分がまた銀行に債務が残るんではないかという、私たちの本当に消費者の、これは本当に素人の考えかも分かりません、専門的なことは分かりませんけれども、本当に怖い今思いで皆さんが悩んでおります。  そして、予定利率が下がるということは完全に保険が目減りするということですから、またそこで困難な思いをするということで、私たちはこの予定利率を下げられることに反対ということで、現に和解を、契約者貸付けで和解をされて、そして死亡保険金が出たときに利息が高いために賄えなくて家を持っていかれたという例も一件ございます。  お答えになっていたでしょうか。

円より子民主党・新緑風会

○円より子君 ありがとうございます。  終わります。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 どうも公述人の皆様、御苦労さまです。  まず、村田公述人にお伺いしますけれども、先ほど山野井公述人から、ヒアリングの結果、全生保会社は反対であると、何というんですか、どなたにお聞きになったのか、本音がそうだという趣旨の御発言がありました。  この予定利率の引下げ問題というのは突然出てきた話ではなくて、何回も議論されながら今日に至っているわけですが、その議論の過程の中で確かに、村田公述人のもう一つの肩書である日本生命の社員という御紹介がありましたけれども、日本生命は賛成していたんですね。ところが、ほかの保険会社は確かにかなり異論が多かったというふうに記憶をしておりますけれども、村田さん、先ほどの山野井さんの御意見のように生保業界全体としての受け止め方をどう理解されていますか。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) お答えさせていただきます。  委員御指摘のとおり、日本、これはまず制度論ということと個社での実行ということをきちっと分けて考えないといけないと思います。よく誤解されるわけでございますが、確かにパブリックコメントでも日本生命は制度論に賛成をしております。これは、制度があった方が当該経営悪化した会社の契約者にとっても有利だということで、制度論としては賛成しておるわけで、決して個社が実行するとかそういうことでは全くないわけでございます。  また、安全ネットの問題もあるわけでございまして、そういう他会社、あるいは場合によっては納税者負担まで掛けると、そういうことを回避するためにもこの制度はあった方がよいということで一貫して日本生命は主張しておるわけでございます。  他社についてはよく分かりませんが、少なくとも今回、協会長も参考人としてお述べになりまして、ワーカブルな法制になったということで特に反対はされていないと、こういうふうに現時点では思うわけでございます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 私も、実は二、三年前に財政・金融委員会でこういう方法も検討してみたらどうかという提案をした一人なんですけれども、そのきっかけは、あの当時、固有名詞じゃ申し上げませんけれども、破綻する生命保険会社が幾つかあって、それを結果的には外資が買ったと、そういう経過だったというふうに記憶していますけれども、そのときに感じましたのは、結局、破綻手続の中で予定利回りが引き下げられると、予定利回りが引き下げられる、つまり、ちょっと言葉は適切でないかもしれませんけれども、その破綻する保険会社が抱えていた問題点とか、うみが出される、それを待って買収が行われると、そういうことが本当にいいのかねというのが私のそのとき感じていたことでありまして、これ、前川公述人が危機対応の策であるという御指摘をされましたけれども、この村田さんのおっしゃった破綻手続の中では、資産の劣化あるいは経営の各種要素の劣化、そういうものが起きちゃった後で、結局、言わば劣化した会社を安くほかの会社が買う、この場合は外資が買ったわけですけれども、そういうことと、そうであれば、破綻に至る前に自己努力で経営存続をさせる、それが結局いろいろな意味で被保険者にとって保護に、利益保護につながるんではないかというのが私のそのとき感じて提案をした直接のきっかけであったわけでありますけれども。  この点について、村田公述人と前川公述人のおっしゃっていることはほぼ同じだろうと思いますけれども、ちょっとだけ御感想を聞かせていただきたいと思います。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) だれにですか。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 お二人に。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 答えさせていただきます。  全く先生御指摘のとおりでございまして、私もそのように思います。やはり提携交渉に入っております場合に、更生法も含めた破綻を待つ、そこまで待って大きな契約者負担の下に再建していくと、こういう、かつてこの法制がない状態ではそういう選択しかなかったわけでございますが、今後もし法案が通り、そういう選択、この選択肢ができましたならば、より契約者負担が小さい状況で、ゴーイングコンサーンベースでスポンサーもそれを評価して再建していくと、こういうことが可能になると思います。  全く先生のおっしゃるとおりだと思います。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  更生特例の下での処理は、実は保護機構ないし政府には負担はなかったのですが、確かに契約者は大変な大きな負担をさせられたわけでございます。  それで、更生特例における処理というのは一体何だったんだろうかと。幾つかの事例を考えますと、やはりゴーイングコンサーンをスポンサーが買ったというよりは契約を買ったと、我々は専門用語でランノフという言い方をしますが、残ってしまった契約を整々と履行することでもうけようと、そういった評価も可能なのではないかと考えております。  具体的に申し上げれば、先般オーナーチェンジのありました保険会社は、新聞報道によりますと、ごくごく短期間に早期解約控除で千六百億円の利益を出しているといったようなことございます。やはりこれはゴーイングコンサーンとして新規契約を伸ばそう、あるいは契約者サービスを増進させようとしなくても、もうかってしまう仕組みということでございますので、反対に解釈しますと、更生特例よりは早期に問題点を見付けまして経営再建を図った方が、恐らく契約者の負担が少ないのではないかなと想像するところでございます。  以上です。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 山野井さんにちょっとまた別の観点からも御質問申し上げたいんですけれども、今の点については、山野井さん、どういうふうに反論されますか。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 端的に申し上げます。  少なくとも、公式にどこの保険会社も、このような制度ができても当社については実行しないと公言しております。実行しないと公言しているものについて制度を作る必要があるんですか。もうただそれだけの話でありまして、改めて冷静にお考えの上御議論いただければそれでよろしいんじゃないでしょうか。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 その公言しているというのが、今の状況でそれを公言しないと、それは自社の経営の問題を逆に問われることにもつながりかねない。ですから、結局、公言できないんじゃないでしょうか。  また、もちろん私はそんなケースがあっていいというふうには思いませんけれども、さっき申し上げたように、どっちがいいか。それは現実に起きたケースを考えながら、破綻を待って、要するに統合というか買収が行われるという状況がいいのか、あるいは前川さんが言われるように、初めからスポンサー、つまり連携相手を見付けて、そして自分の経営問題をその連携によって乗り越えていく、そして結果的には、つながりとしては、いったん破綻処理をやって資産劣化、経営要素の劣化をさせないでゴーイングコンサーンとして統合されていく、そういう一つの極限的なケースですよね。だから、そこにみんななってしまうという予測を持たれるような公言をするわけがない。  だから、今おっしゃったことは私にはちょっと理解しかねるというふうに思うんですが、もう一回御意見を伺いたい。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 今次決算におきましても、マスコミの記者会見におきまして、マスコミの質問に答えて、いずれもどこの経営者も、このような法案ができたとしても当社は利下げをしないということを経営者の責任として、経営者は当然公の責任がありますから、経営者の責任として公言しているわけであります。  経営者が少なくともそうしたマスコミ、公器のマスコミに対しての、質問に、公式な責任を認識した上で、利下げをしないと、こう言っているわけなので、それについてそれ以上、いや、実はそれは公言すると、利下げをするということを言っちゃうと解約が増えるんではないかとか、それ以上類推する必要があるんでしょうか。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 この議論はやめましょう。私の方がむしろ経営者を信頼している立場じゃないかなというふうに思うものですからね。それに、経営者の信頼には限度がありますよ、サラリーマン経営者がほとんどなんですからね。要するに、自分の任期の間はうまくやっていこうというのは当然のことだろうと思います。この議論はもういいです。  それで、山野井さん、もう一つ伺いますけれども、生保業界全体への過剰介入の手段であるという御指摘をされました。  確かに、私は、平成七年改正前の法律は随分乱暴だなと。行政命令で一方的に利回り変更が、条件変更を可能にしたわけですからね。こんな過剰介入の手段を持ちながら、実に平成七年というと八年前ですよ、それまで生保業界は安定して信頼を得てきたというのが、逆に私は今の論法で言えば不思議でしようがないわけですよ。  それは、しかし、新しい憲法下で、平成七年も新しい憲法下であったわけですけれども、その手段は放置しておいて、そこで全面改正をきっかけにして削除した。私は、なぜ削除したのか、削除したやつを八年後に復活というのはこれは朝令暮改ではないか、行政当局にはそういう注文を付けていますよ。ですけれども、冷静に考えてみれば、過剰介入であるというのは、確かにその改正前の保険業法についてはそうであった。しかし、改正、それは削除したけれども今回復活しようとしているものは、その過剰介入という要件を極力整備して、そして手段として、非常事態に対応する一つの経営手段として復活しようとしている。それをもって過剰介入であるというふうにおっしゃられる必要があるのかどうか、そこの点について伺いたい。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) いずれにしましても、このような、かつて旧保険業法には、先生おっしゃる行政命令による条件変更、それからもう一つは社員自治による……

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 定款変更ですね。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) それと二つあったわけでありまして、それが削除をされたと。その後何回か、おっしゃられたように、こういう条件変更を何とかするようなことを考えてはいいのではないかというふうな議論はあったところであります。  私自身は、いずれにしても、こういう契約者個々に、少なくとも財産を侵害するということを伴う保険会社側の契約不履行ということを、これを是とするということを認めるのであるならば、いずれにしても、どのような金利水準で、それぞれの会社がどういう資産構成においていつごろになると破綻する可能性があるということを前提にしてお話をしないと、それはどの契約者の理解も得られないと思います。既に約定しているんですから、個別契約について。  先生御自身も保険契約について保険会社と約定されているように、既に約定しているわけなので、その契約の不履行を許すということを言うのならば、日本生命であろうと第一生命であろうと、このような金利水準でいくといつごろ破綻をする可能性があるということをやはり前提にして議論をしていかないと、これは契約者側の理解を得られるようなものにもならないし、保険会社側の信頼を失墜するということに終わってしまうということでございます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 今おっしゃったことを今までは行政命令で契約変更ができたわけでしょう。それは過剰介入ですよね。しかし、今度は経営者の責任においてそういうことがやれる。しかし、もう破綻するか、しかしこの手段を使って継続するかという選択の問題をこの可能性として入れるという話でありますから、だから片方が過剰介入と言うのは分かるけれども、今回のそれを過剰介入と言うのか。  私は、そう言う前に、どういう場合に予定利回りが引き下げられるのか。つまり、円さんの言葉を引用させてもらえば、保険金カットや保険料の値上げがあり得るのか。それはあり得るんですよね。平成七年以前もあり得たわけですよ。だから、それは契約をする場合にあり得るという前提でそして保険会社を選ばなきゃいけない、そういう説明を私は多くの皆さんに、むしろ評論家の皆さんやアナリストの皆さん、広めていただきたい。  何か、あたかもこの法律が通ると一斉に利回りが引き下げられるというような状況が生まれる、そう思ったらこれはとんでもない誤解であって、そういうことは行政命令によって引き下げられるという手段が政府に与えられていた状況でも長年起きなかったわけですから、今後もこれが起きないことが理想だし、多分そう簡単には起きないですよ。破綻するかどうするかという選択の話だというふうに私はもっと多くの方に理解してもらう。だから、一般の方はちゃんとした保険会社と契約していればこれは何の問題も起きないんだと逆に説明してさしあげることが必要なんじゃないかというふうに思いますけれどもね。これは結構です。  それで、最後にもう一つ教えてください。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) お時間が大分迫っておりますが。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 じゃ、もういいです。じゃ終わります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 本日は大変御苦労さまです。  最初に村田公述人にお伺いしたいんですけれども、日本生命の社員をやられているということで、うちも日本生命ですので、お世話になっております。予定利率引き下げないそうで安心をしているところでもありますけれども、この間、衆参で議論をしてきて、この前、参考人で協会の会長も来ていただいて、私、もう大体いろいろ出尽くしているんですけれども、どうしても分からないところが何点かあるので、その点を中心にお伺いしたいんですけれども、まず、なぜ今この法案が今国会でどうしても通すということで、金融審議会も五月に急遽開かれる形で一回だけということで出てきたか。  私、金融でいきますと不良債権問題、ずっと追い掛けている関係でいきますと、竹中プランで九月決算がある、三月にもまたあるというところで、かなり不良債権処理、銀行問題との関係もあるような気がしているところなんですけれども、そう言いながら、そう言いながらといいますか、そういう背景がありながら、お聞きすると、村田さんもそうでしたと思うんですが、これは一つの選択肢だと、前川さんの方は危機対応と、一定差し迫ったあり得る危機対応というふうにお伺いして、金融庁もどちらかというと選択肢の一つですということで、個別のところを想定しているわけではありませんという話があるんですが、私はどうもそうは思えなくて、やはりこの九月決算、その後の本決算というふうに向けた大きな流れの中で今やっておかなけりゃいけないということの強い金融庁の意思を感じるわけですけれども、その点でいくと、一つの選択肢というよりも、具体的な危機対応というふうな気がしてならないんですけれども。  というのは、名前はもちろんどこそこと出すわけにいかないでしょうけれども、幾つかのところがもう追い込まれている。こういうスキームで行って、次善の策と言われていますけれども、やらざるを得ないようなところに追い込まれて出てきているんではないかというふうな、どうもそういう感じを持つんですが、村田さんと前川さん、その辺どうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) なぜ今立法を急いでいるか、この辺は私も知るところではないわけでございますが、ただ一般論として申しまして、こういう制度は正に転ばぬ先のつえということで広い意味での安全ネットの整備に資するものと考えておるところでございます。  そういう意味では、正に、今は別に危機的でないとしましても、今後の状況がいつ急変するかこれは分からない、株価等も分からないわけでございますから、そういう意味では、そういう万が一危機的な状況が生じたときに、契約者保護のための制度というのは、これは今危機でなくても、広い意味での安全ネットは速やかに整備しておいた方が急変したときに対応できると思いますので、そういう意味では立法は急がれるべきものというふうに理解をしておるわけでございます。  選択肢ということと危機管理ということは、これは矛盾をしていないわけでありまして、あくまで制度は選択肢でございますが、そのような状況が起きたときには正に危機対応として個社が使える、こういうことでございますから、決して矛盾していないものと理解をしておるわけでございます。  以上でございます。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  度々、繰り返しになりますけれども、私は、この法制は危機対応のために、今必要性はないんだけれども、危機対応のために将来に備えて検討しておこうということではなかったかと存じます。  その危機対応を考えたことによって危機が遠のいているというのが現実だと思うんですが、それで、正に村田公述人がおっしゃられたとおり、これは転ばぬ先のつえと考えておりまして、じゃどういうところが危機対応かと申しますと、先ほど申し上げましたとおり、フローでは稼げるんですが、ストックが目減りしてしまったときにどうするかということを考えると、銀行と保険契約者しか債権者がいない中で、銀行さんにもある一定の負担をしていただきたいということになります。そうなりますと、銀行の債権放棄といったことも考えられるわけですが、今回の法律はよく見ますと銀行が債権放棄できるようなしつらえを中に内包しております。  具体的に言いますと、基金を債権放棄できる。ですから、銀行の経営者の立場からしますと、更生特例に追い込むのか、あるいは経営再建をさせるのかということで、経営再建の選択肢を取ったときには銀行も確かに負担をするのですが、契約者にも一定の負担をしていただきます。そのことによって回収可能性が高まるので、ビジネスジャッジメントの原則に基づいてこの経営再建策はのめますということが利害関係者に対して合理的に説明が付くんじゃないかと考えております。  したがいまして、この法律は決して契約者だけに負担を負わせるものではなくて、逆に言うと契約者の権利をカットしても当期のバランスシートのストックを改善することはできません。将来にわたっての効果だけでございますので、当期のバランスシートを改善するためには、これはもう相方の債権者に債権放棄といった選択肢が迫られてくるわけでして、それをのむためにはやはりこのようなしつらえが必要なのではないかというふうに考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 差し迫った危機は、株価の問題もあるんでしょうけれども、ちょっと遠のいたかも分かりませんが、いつ来るか分からないというような点はあると思いますけれども、私は基本的にこの法案反対なんですね。  その一番問題点は、契約者自治と言いながら、先ほど村田さん言われましたけれども、ワーカブルでなければならない、使い物にならなきゃ幾ら議論して作ってもしゃあないだろうと。そこのところで大事なことがどうしても拙速に形にしたところに一番のといいますか、基本的な問題点が含まれている。つまり、先ほど出ましたけれども、本来なら契約者集会をやるべきだという金融審の一定の到達点もあったわけですが、現実的に不可能だというふうなところ。実際に使えなきゃ、実際に使えるようにするために一番大事なところを非常にあいまいに保障しなくなった。契約者の権利を非常にあいまい、本当に保障されるのかどうかをあいまいにした部分が私はあるというふうに思っています。  この前の参考人質疑のときの参考人の方、言われたんですけれども、契約者集会というのはもう何万人もいてできないという話がありますけれども、株主総会はやっているじゃないか、やり方あるじゃないかということも含めて、総代会で本当にそれが保障されるのか、契約者の権利が。あるいは異議申立ての十分の一が本当にそういう非常に高いハードルだという方もいらっしゃいますし、非常にその辺が保障されないまま、契約者の権利が本当に保障されないまま、このワーカブルにするという一言、もう余り片仮名使わない方がいいと思いますけれども、そういう、とにかく実際に使えるものという意味は、だれがメリットを受けるのかということにかかわりますけれども、ちょっと無理が、無理にそこのところが進められた気がするんですけれども。  本当にそのワーカブルということと契約者の権利、矛盾するところが私はあると思っているんですが、これで保障されるのかというのは率直に言って、村田さん、いかがお考えですか。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 答えさせていただきます。  まず、契約者の意思の問い方としては、確かに一つの理想論として集会という制度が提言されておったわけですね。基本的には、今回の法制では、総代会とか株主総会というのは、これは契約者意思というよりもむしろ最高意思決定機関としての存在でございますから、この意思、異議申立てということで問うておると、こういう法制になっている。だから契約者意思を、集会と異議申立て、何も二つ聞くことまではやや過重であって、これはやっぱりそういう、ある種危機的な状況の下では迅速に手続を遂行して契約者保護を図るということが重要であるわけでございますから、これはもう異議申立てで十分であるという判断がなされたものと思います。  ただ一方で、金融審の中間報告では、何ら行政が事前に蓋然性を認定するとか、そういうスキームはなかったわけでございますね。そこは、実質的な契約者保護という観点では、今回はあくまで申請に基づきつつ当局がその蓋然性ということを認定しないとスキームが発動できないという点において手続が濫用できないという点から実質的な契約者保護が図られていると。だから、そこの蓋然性という一種の要件を設定して行政庁が認定するということがセットになって、そこの迅速性の観点から契約者集会が省略し得たものだと、このように考えるわけでございます。  以上でございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 山野井さんにお伺いします。  もうほとんど私、山野井さんの御意見と一緒ですので、私、これは何のための法案か、だれがこれでメリットを受けるのか、何でこんなに無理なことをやるのかというふうに考えていきますと、契約者保護といいながら保護になるのかどうかという資料もちゃんと出ていませんし、はっきりしないんですね、結局は。  今日のお話も含めて、結局だれが、このスキームを使うようになってだれが得するかといいますと、先ほど前川さん言われました、私、スポンサーになる、受皿になるところ、これはやっぱりメリットを受ける、そうなった場合、明らかにメリットを受ける。もう一つは、更生特例使った場合、銀行なんかの基金だとか劣後ローンが減る場合が考えられますから、銀行や、銀行がメリットを受ける。もう一つは保護機構ですね。ここにその処理でそこからお金を出すようになれば業界負担が増えるから業界がメリットを受けると。契約者保護と言いながら、銀行だとかスポンサーだとか業界がメリットを受けるような法律にすぎないというふうに私は思うんですが、率直に山野井さん、いかがお考えですか。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 銀行と保険会社が保護をされて契約者が保護をされないということになるわけでありまして、そして、今までの御議論で先生方お分かりのように、事態は切迫をしていない。個別の保険会社においても、この制度はできても使わない、こういうことがもう既にはっきりしているわけであります。  そうすると、あとは何が残るのかというと、万が一、万が一いつか行われることがあるかもしれないけれども、行われたときは契約者のみが損をする、こういう蓋然性だけがはっきりしていると、こういう法律でございますから、その辺冷静にお考えになっていただければ、私は瑣末な、あるいは、失礼しました、余り細かい議論をする必要も、までもないのではないかというスタンスを取っているところであります。  もし、これを具体的に危機が予想されるというのであるならば、あくまでも、じゃこのような統合スキームであるならば利下げ申請をした会社が救済できるとか、具体的に契約者の負担が軽減できるとかということについて、やはり国民の前にそういうスキームというものを見せていただかないといけないということですね。  要は、制度だけ作る話だからそんなことはどうでもいいではないか、具体的にそのような危機が起きる、あるいはその契約者にとっての損失がどうであるかというふうなことについて事態が想定をされないということについてその法改正をする、しなきゃならないということが私は全く得心がいかないということになります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 田崎さんに最後に伺いますけれども、いろいろ御苦労をされてきて、本当に生命保険会社の実態、銀行の実態、行政の実態というのはもう身にしみて苦労されてきたと思いますけれども、今回も契約者保護だとか破綻よりましだとか、何かいかにも契約者のことを考えているというふうに打ち出されていて、私はこれかなりまゆつばだと思って議論しているんですけれども、率直に言って、今回の予定利率引下げの、そういう契約者保護とかいうのは信用できますか、苦労されてきて。

田崎アイ子融資一体型変額保険被害者の会事務局長

○公述人(田崎アイ子君) お答えします。  私たちは、もう一度ならず二度も銀行、生保にだまされています。とてもこれは信用できません。ですから、私は、こういう場にお恐れながらもと言いたいことですけれども、出させていただいて、私たちは予定利率を下げていただくことは反対しますということを述べさせていただきました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 終わります。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 国会改革連絡会の平野です。  村田公述人からちょっとお伺いしていきますけれども、先ほど十分の一の異議申立てというこの制度の話が出ましたので、そこに関連してちょっと質問させていただきますが、今回の異議申立て制度というのは、法律の中身を見ますと、特別に大きな考え方があるんじゃなくて既に法律の中に異議申立て制度があるからということで、先例に従ってやっているという感じがするんですね。  しからば、今の法律の、今までの法律の中で異議申立て制度というのはどういうことがなっているか。合併それから若しくは破綻ですね。合併はもう、これはもう御承知のように個々の契約者には何の影響も及ぼしません。破綻はもう選択肢がなくなっているんですね。残った財産をどうやって分けるかという話ですね。  今回は、蓋然性というものからスタートしていろんな選択肢が出てくるはずなんですよ。予定利率の引下げはどこまでやるか、契約書、経営者、契約、経営者の責任はどこまで追及するか、そういったいろんなバリエーションがあるんですね。そういう中で、十分の一の異議申立てというのが本当に意味があるのかどうか。セットとして何を言いたいかといいますと、十分の九ということに対して了承しているかどうかという担保性がないんですね。これは、私、前にも言ったんですけれども、私が契約者で、こんなの気に食わないと言ったら、ノーなんて返事出さないですぐ解約するかもしれないんです。だから、表に出てきて、くる人が十分の一以上以外に解約する人がどっと出てくれば、その手続というのは一体何ですかという問題が出てきます。これに対して、まず、どのように思われるかということがまず一つなんですが、どうでしょうか。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 答えさせていただきます。  確かに、異議申立ての成立要件が本法案では十分の一超という、決め手になる数字というものが何がいいというのはなかなか難しい問題でございます。これは法制的にいいますと、御指摘のように保険会社の破綻処理に伴う、その破綻に伴う包括移転、合併の場合、確かに十分の一がございます。これは、破綻前処理でございますから、破綻という危機時よりもその率を上げる下げると、どちらの方向の議論もあるわけでございますね。一方で、平時にも使える包括移転というのが保険業法の百三十五条以下にございますけれども、ここでは五分の一になっているわけでございます。その辺のバランス感を総合的に考えて、当局あるいは法制局とも相談されて十分の一という数字が妥当であると判断されたものだというふうに思うわけでございます。で、……

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 これはいいです。分かりました。これは法律論ですから、分かりました。今、それは法律論ですから、これはここでやめておきましょう。  むしろ問題は、先ほど契約者集会要らないというお話だったんですが、今回、予定利率引き下げますよという通知をもらったときには全体スキームをオーケーするかどうかという選択になるんです。ところが、先ほど言いましたように、契約者にとってみれば、経営者責任、不十分だと、それから予定利率も何も三%まで下げなくていいじゃないかと、それからそもそも蓋然性に対する根拠が不十分だとか言う機会が全くないんですね。その一方で、自治だと言っている。自治というものが今の制度の中で、このスキームの中で担保されるかどうかという疑念を非常に持つんですが、村田公述人はそれはどのように思われますか。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 一点は、確かにその契約者が異議申立て時において判断する前提として、法案においてもその経営責任や一般債権の縮減状況についてこれを通知が義務付けられておって、一定の判断材料に基づく判断が確保されているというふうに思います。  あと、解約の問題につきましては、確かに異議を唱えられた方も手続が成立すればその条件変更の効果は生じるわけでございますが、ここはしたがって離脱する、解約自由の原則ということが働いて、これは解約できる。ただ、ろうばい的な解約を防ぐ観点から一定期間停止できるということで、いろいろ総合的にスキームというものがぎりぎりのところ、その権利の関係と迅速性のようなことを調整して立案されているものと考えるところでございます。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 前川公述人にお伺いします。  この制度は危機対応ではないかというふうに言われました。私も、ある意味ではこれ、賛成するところがあります。ただし、その危機といったところをどういうふうにとらえるかといいますと、ある一つの保険会社が破綻する、世の中に影響がない、これは危機対応とは言わない。恐らく、危機というのは、このままほっといて、ある保険会社が危ないですよと、そういうことで持ち合い関係その他があって連鎖倒産ですよという、社会全体にいろんなシステムリスクというんですか、そういったものがあるということで金融危機対応と言うんだと思うんですね。その一方で、今回のスキームは、負担者が、ある一定の予定利率の高い人という、それに負担を求めている。  それから、先ほど基金ということで債権放棄というのもあるよと言いましたけれども、私、保険会社が銀行に向かって債権放棄してくださいと言えるかどうか、物すごい疑問です、これは。多分言えないと思います、これは。制度上は担保されていても、これ、稼働する可能性というのは非常に低い。  何を言いたいかといいますと、金融危機対応といいますと、これはもう公的な話なんですね。公的な話で、そもそもこんなものを自治的なものにゆだねていいかどうかという話と、ある一定の予定利率の人に負担をゆだね、負担を求めて回避するという仕組みというのは、これは違うんじゃないかと。だから、自治という仕組みでもない。  もし、本当に金融システムということであれば、全く別のスキームで、国家というものを表に出して、国というものを出してやるということが筋じゃないかと思うんですが、前川公述人はどのように思われますか。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  私は、一証券アナリストとして、今回の法制には全くかかわらず、外部第三者として与えられた情報の中で合理的にどう解釈できるんだろうかということを考えてきたわけでございまして、それで、立ち至った結論は、先ほど申し上げました分析のとおり、大手生保の規模になりますと、やはり私個人の見解としてはツー・ビッグ・ツー・フェイルなのではないのかなと思っております。  ですから、となれば、何らかの対応が必要だ。ただ、我が国の制度の中では金融システムというのは社会のインフラでございますので、公的に守らなければいけないと。じゃ、それ以外はどうなんですかというところにはまだ制度の手当てがなされていないわけでございまして、そういう中で、では、どうしたらば金融危機が回避できるんでしょうかということをぎりぎり考えていくと、最終的には危機は起きないんですということをアナウンスメントすることが一番大きな効果がございまして、結果として五月以降、りそなの件と、この法案が審議していただけているということで、そのアナウンスメント効果は強烈に効いているということかと存じます。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 ありがとうございました。  山野井公述人にお伺いします。  先ほど、生命保険会社の社長さん方がこれは使わないと言っているから、こんな法律作らなくてもいいじゃないかというのは、気持ちの上では非常に参考、賛成するところがあります。というのは、これは保険会社はこの制度欲しくて欲しくてしようがないと思っています。理由は何かといいますと、これをうまく使ったらこんなうまい制度がないですから。黙って要するに予定利率下げられるということでなんですね。これは有効に機能するかどうかはまず別として、もし有効に機能するという前提だったら、あるかないかということに関して言えば、これは非常にいい制度だと思っているんだろうと思うんです。にもかかわらず、使わない、必要ないと言っているのはおかしいじゃないかと、うそを、言葉は悪いですけれども、うそをつくなと、そんなうそをついている社長の人の言葉を聞いて、じゃない、そういうときに、ことまで憶測しないで、ちゃんと要らないと言っているんならば法律なんか要らないじゃないかということについて私、賛成もします。ただ、というこれはコメントであります。  私の質問は、この法律、本当に有効に動くんだろうかという疑問は強く持っていまして、少なくともある保険会社が、その保険会社単独で将来ともずっと経営をするということでありますと、やっぱりこれは新規契約者の加入の問題だとか風評の問題がありまして、とてもリスクが大きい。だから、これは踏み切れないんだろうと思いますね。しかし、もしこれやるとすれば、私はやっぱり合併じゃなかったかと思うんです。合併をしたときに、特に受入れ側の方は予定利率を引き下げてもらったらパイを、予定利率を引き下げたやつ、高いやつというのは邪魔ですから下げてくれたら非常にいいわけですね。下げて全体の合併することによってパイが広がりますから、ここに対するメリットはあるのかなと。逆に言ったら、これは悪用する可能性があって、合併する側が吸収するときにはもう予定利率どんどんどんどん下げてください、下げてくださいと圧力を掛けますから、その一方でこれ蓋然性ということで、これはだれも実は分からない、将来の不確定の本当に分からない制度ですから、政府、金融庁が見たって何したって、生保がいろんなこんなデータを出してきて、ここまで下げなければこの保険会社が駄目になります、経営が、合併が駄目になる、駄目になりますと言われたら、多分それに対して論破できる人はいないだろうという危機を持って、危惧を持っていまして、逆にそういった意味で悪用されるんじゃないかということがまず私の法律、今回の問題意識なんです。  先ほどの山野井公述人のお話では、合併ももうできないんじゃないかというお話だったんですが、そこのところをもうちょっと具体的に補足願えればちょっと有り難いんですが。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 先生おっしゃるように、これが金融危機対応の有事立法ということであるならば、そういうことを前面に出して具体的な危機のスキームなりあるいは個別保険会社の経営のありようなりについて、やっぱり前提条件をすっかり、すっきりと国民の前に見せる必要があるということがまず第一点。  そして、有事立法であるならば、あくまでも行政命令による処理を行うということを前提に語らなければ、この民民の契約に介入すること自体は大変おかしな議論になっているということでございます。  そこで、今お尋ねの具体的な統合スキームのことでありますが、常識で考えて、裁判所が整理したものについては、これはこれまでの更生特例法による破綻処理の結果を見ても、その後の訴訟ざたというもののリスクが非常に軽減されますので、そういうものについては安心して統合する、買収をするということは成り立つと思いますけれども、極めて中途半端な形における、いわゆるどういうのですか、それぞれの個別会社がそれぞれ申請をするというふうな形で、その行政命令による処分を受けているわけでもないと、こういうふうな案件につきまして果たして、その中には当然のことながら異議を申立てをする契約者が仮に一割に満たない場合であっても相当な多くの、例えば一千万人の契約者がいれば一割に満たなくても九十万人とか、大変多くの怒れる契約者がいるわけですよ。そういうものを好んで、好んで、じゃ株転をして、株式会社に転換をして、じゃ統合しますというふうなことを言う保険会社なり、その他の金融機関もあるかもしれませんが、考えられるかというと極めて考えにくいと。  むしろ、先生おっしゃるように、考えられるケースとすれば、破綻前に外資系の保険会社で日本の保険会社を買収した場合も、ケースもあります。そういうところは、こういう法律があるから、それじゃこれを使ってやってみようというふうなことで、かなりドライな形でもってやる懸念の方が私はあるんではないか。国内生保で私は考えられない、どう考えても。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 はい、分かりました。  田崎公述人にお伺いします。  結局、情報開示、情報開示というふうに言われていますけれども、私は今回の制度改正で思ったのは、やっぱり保険の仕組みというのは非常に難しい。これは確率論でありますとかですね、一般の方々が理解するには非常に難しい理論をいろいろ駆使してやっているわけです。ソルベンシーマージンなんて、あの訳の分からない数式出されまして、これ何ですかと聞かれても分からない。  その一方で、今回のように自治機能ですよと言われて、普段は要するに何かいいことばっかり言って、突然、要するにある日突然、破綻しますからということで恐らくいろんな資料を送ってくると思うんです。それで、蓋然性ということで、こういう形で会社が、保険会社が将来これ破綻するかもしれませんというような資料を送ってくるんだろうと思うんですね。そのときに、私だったらもう全然分からないということだと思うんですがね。私はそういう、じゃ、かといって、そういう資料が要らないかというとやっぱり欲しくて、やっぱりその前提とあるのはやっぱり保険会社と契約者とのやっぱり信頼関係だろうと思うんです。  ところが、その信頼関係というのが今本当に作られているかどうか。ここは非常に疑問なところは持っていて、この信頼関係がないときにこういうスキームをやったとしても、自治も動かないし、だれも分からないまま一方的に予定利率が下げられるというような、そういった、だれも分からないままと言うのは言い過ぎなんですが、保険会社と金融庁は分かっているんですけれども、分かっているかどうか分かりませんが、分かっているだろうという前提に立って話したとしても、契約者がよく分からないままそのスキームが進むという、そういう事態になってくると思うんです。  質問の趣旨は、今、保険会社と契約者との信頼関係、これを壊しているという、壊すって、私はまだ十分できていないと思うんですが、そこの最大の理由というのは何なのかということを最後にちょっとお伺いしたいと思います。

田崎アイ子融資一体型変額保険被害者の会事務局長

○公述人(田崎アイ子君) お答えします。  まず信頼関係でございますけれども、この変額保険に加入するときに約款というものがございます。それをまず私どもがいただいて、読ませていただいて入るのが保険だと思いますけれども、私どもは、まず融資が先、そして保険会社と一緒に来たならば、同時に検査を、要するに身体検査のようなものをされます。  そのときに、ここに印を押せ、押してくださいと言われます。私どもは分かりませんから、じゃ、押します。それが約款をいただいたと、自分たちにもういただいたと、手元にあるという印でございましたので、今、平野先生がおっしゃいました信頼ができるかとおっしゃられますと、全く信頼関係は私たちは持っておりません。まして、この予定利率ということは、お年寄りは予定利率についても何のことということで分からない方が多くいます。  ということでお答えになりましたでしょうか。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 どうもありがとうございました。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 大渕絹子でございます。  四人の公述人の皆さん、本当にありがとうございました。賛成の立場から、そして反対の立場から皆さんがおっしゃってくださったことは私十分に理解ができたというふうに思っております。それぞれ、賛成の立場ではこういうことなんだなと、反対の立場の方の御主張もよく分かります。  私は、常日ごろ、消費者の立場というか国民の立場に立って国会活動を続けておりますので、山野井公述人、田崎公述人の反対の御意見と共通するものが多くございます。  そして、この法律によって、本当に恩恵を受けると言われている契約者が本当に最後の最後のところで恩恵は受けられるのかどうかというところへいきますと全く疑問でございまして、この法律についてはまだまだ審議の必要もあるし、改正を、更に改正をしていく必要があるのではないかというふうに強く思っているところでございます。  それで、今日、この機会にお聞きをしておきたいことが一つございます。  日本の生命保険業界の将来の姿というようなものを公述人の皆さんはどんなふうに考えておられるのかということなんですけれども、村田さん、前川さん、山野井さんにお伺いをしたいのですけれども、三月の保有件数ですね、契約保有件数等々を見ますと、非常に外資系の保険会社が業績を伸ばしてきている、シェアを広げてきているという現実がございます。そして、日本の生命保険会社は、この法律に見られるように、こういう法律を作れないと守っていけないような事態が起こっていて、国民からの信頼を欠いているという実態が今あるというふうに思うんですね。  こうした中で、更に国民は新たな契約をするときに、より安全で安心な保険会社を選ぶということで、片方は外資系に行く、そして片や国がやっている、郵政公社がやっている簡易保険、簡保の方にシフトをするというような現象が起こってきていやしないだろうかというふうに思うんですね。  そうした中で、この生命保険産業というのが本当に国民の信頼を得てこれから先も発展をしていく方向というのは見いだしていけるのかどうか、そこらについて三人の公述人の皆さんにそれぞれお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 答えさしていただきます。  委員御指摘のとおり、生命保険業の将来ということですね。その担うべき課題というのはますます重責が出てくると思います。少子高齢化社会の中で、一方で国の財政事情もこういうことでございますから、自助努力型の保障といいますか、これの果たすべき役割はますます増していくと、マーケットも基本的には広がるものだと思っています。  ただ、確かに御指摘のように、足下、デフレでございますとかいろんなこういう問題の中で、業績的に苦しいものが続いておるわけでございますけれども、そういう状況を打開して将来の展望を開いていくための選択肢でございますから、制度としても今回の制度が一つ要るのではないかと、こう思っておるわけでございます。  外資がどうとか国内系がどうとかいう、そういう二分法的な問題でもないと思いますので、ニーズに合った商品開発をして、外資でも国内会社でも、今、私は適切な、十分安全度を判定できるディスクローズはできていると思うわけでございますけれども、そういう中で健全度の高い会社を委員御指摘のように消費者が選択していかれると、こういうことが大事であると思うわけでございます。  委員御指摘の簡保の問題は、これは大変大事な問題だと思っておりまして、これについては、今回、公社化されたわけでございますけれども、国家保障が付いておって、そういう実質的に増やしていって破綻リスクがないとか、あるいは簡保も逆ざやがありますけれども、これは税金を払っていませんから、内部留保を積み立てている。こういう非常に民業の補完であるべき簡保が民業を、制度的にレベルが合っていないという大きな問題がございます。これはもう一刻も早く競争条件の同一化が図られるべきと、こういうふうに考えるところでございます。  以上でございます。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  生保業界に限らず、日本の金融業態の将来の姿ということを考えますと、これは蝋山先生がよくおっしゃられた論点ですが、二十一世紀のやはり金融は金融の工場と販売とに二極分化していくのであろうということかと思います。  工場として優れた商品を作る、これは非常に大事なことですが、今の日本の金融業態各社は、意外と販売のところにスキルがなくても、製造販売全部自分でやりますというのが多いのが現状でございます。その例外は損保業界でございまして、損保ははなから自分では販売部門を持っておりませんで、代理店の方に販売を任せると、その結果として保険料に占める付加保険料の割合等も生保よりも低めになっていると。  それで、今後の二十一世紀、販売がどこが力を付けるかというと、やはりこれは、今後は第三分野の商品、あるいは老後の資産形成商品が重要になってくるということは、コンサルティング力が重要になりますので、恐らくコンサルティングができる販売員をどの業態が一番多く抱えているかということに尽きると思います。  そういうことがあれば、先ほど来御説明がございました不幸な事例も防げることになるわけですが、そうしますと、今、生保業界の置かれている立場は、どう考えてもコンサルティング力では銀行が一番強いわけですので、銀行と負けないぐらいのコンサルティング力を持つ営業職員を増やしていかないと、やはり製販分離、工販分離の中ではかなり今の販売体制を維持するのは難しいかと。ただ、逆にそれは、事業効率の面からいいますと、高コストの販売委嘱体制抱えなくていいわけですから、より経営の効率化が進んでいくということではないかと思っております。  以上です。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 事前に若干の説明資料を配付をさせていただいておりますけれども、ごく簡単にポイントだけ御説明を申し上げます。  「生保事業を取り巻く環境要因とビジネスモデルの方向性」という、これは今度、経済誌で私が出すその巻頭論文のために作成したものでございます。おおむね、国内生保会社であれ外資系であれ損保系生保会社であれ、このような環境要因にこたえて、対応して新しいビジネスモデルというものを作り上げていくということ、今既にもうやっております、やっております。ここに書いてあるような環境要因というのは、国内生保だけとかあるいは損保系だけに来るものではなくて、日本のマーケットにおいて営業する全保険会社がここに書いてあるような環境要因というものに対応して経営をしていくということになります。  一点だけちょっと念のため言っておきますけれども、ビジネスモデルのこの方向性のチャートの中に「予定利率引下」と私書いたんですが、これは閣議決定しちゃったものですので、これを全く入れないということになると、これも随分いい加減な話になってはいけないということがあるので、ここの、一応入れておいたということですが、もちろんこれは反対だということであります。  ここのフローというのは、毎年毎年の期間収益になります。ですから、ストックというのは貸借対照表の世界の資産あるいは負債にかかわる要因でありますが、この期間収益のところも三利源でいいますのは、当然のことながら資産運用にかかわる部分も入ってくるわけでございます。なかなか明確には整理できないんですが、今も前川公述人言ったような製販分離に進んでいくとか、その前提としてリストラをするとか、あるいはリテール市場に特化するとか、これ基本的にほとんどの会社がやっていきます。  ただし、具体的に申し上げるならば、日本生命から住友生命までは団体年金、団体保険という非常に大きな契約分母を抱えておりまして、リテール、個人保険市場の方が収益性が高いから、そうした団体を一気に切り捨ててリテール市場に特化することができるかと、それはできません。よって、できるのは朝日生命、三井生命以下の国内生保と外資系生保と損保系生保ということになります。そうなりますと、そういう前提できちんきちんと毎年収益が出ていける可能性があるかどうかということについては、後から追加した生産性の資料のところに単純な割り算の指標が出ておりますので、後ほど御参照いただければと思いますけれども。  ここで見ますと、例えば風評をよく上げられるような会社において、特に生産性が低いのかといったらそういうことがないということがはっきりしている。名前は特に控えますけれども、時々こういう利下げ論に関連して出てくる、名前がマスコミ等で出てくる会社におきまして新しい、新商品をこの四月に出しまして、それは、私は団塊世代でありますけれども、こういう層に対してのニーズの変化ということに対応して出したわけですね。介護保障とか医療の保障というものを重視したものを出したら、何とそのように風評を書き立てられている保険会社におきまして、今まで全く取引のない全く新しいお客さん、それが三割も獲得することができたと、こういう現象が起きているんです。  ですから、保険会社としてはきちんきちんと毎年毎年その利益を上げるということ、そして保険会社が自律的にコントロールできるのは経費を削減することだけなんです。罹病率や死亡率、保険会社が影響することできません。長期金利水準に保険会社が関与することはできません。よって、これは他律的な要因としてその影響を受けるということによってのみ保険会社は存在をしていくわけでありまして、保険会社が自律的にできるのはローコストオペレーションということをやっていくということと、それから市場を特化するということ、こういうことによってきちんと収益を上げることができる。  それから、前川公述人言ったように、生産性の指標を見ていただけるともうすぐ一目瞭然で、どういう保険会社が圧倒的な、圧倒的な生産性を示しているかがお分かりになると思います。それはきちっとしたコンサルティングをやる会社なんです。ですから、国内の生命保険会社も、逆ざや逆ざやなんということを言っていなくていいから、そのようなローコストオペレーションを思い切ってやって、新商品を出してコンサルティングを強化するということを一気にやっていく、同時に給与体系も一遍に変えていくということをやれば破綻懸念なんというのはあり得ません、どう考えても。そういう前提で私としては再々反対のことを言っているわけですが。  関連して一つだけ申し上げておきますと、もし諸外国の法令にも見られないようなことをこの法改正の中でやっていくということであれば、そのことについてあらかじめ保険約款の中に条件変更することがありますということを入れて、営業職員や代理店がきちっとやっぱり契約者にその説明をしないといけない、そういうことについて是非御議論をしていただきたいと思います。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 ありがとうございました。  最後に、田崎公述人さん、本当に御苦労さまでございます。変額保険の被害者の会の皆さん方が国会陳情をずっと来られておりまして、昨年来から頑張っておられたこと、よく存じております。そこの事務局長さんとして頑張っておられますことに対して本当に敬意を表します。厳しい状況は続くというふうに思いますけれども、是非頑張っていただきますように、御礼を申し上げさせていただきまして、終わります。  ありがとうございました。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 椎名素夫でございます。無所属です。  四人の公述人の方々、今日は大変に御苦労さまでございました。いろいろと勉強させていただきました。勉強させていただきましたけれども、皆さん御賛成あるいは反対という立場からお話伺いましたが、大渕先生のようにすっかりよく分かりましたということでもないんです。分からない。こっちは頭が悪いんだろうと思うんですが、大体、この法案が出てきたときから私はどうも分かりませんで、そういう意味ではこちらの私の個人的な感覚から言いますと、山野井公述人それから田崎公述人のおっしゃったことの方に非常に共感を感じて、村田公述人あるいは前川公述人のおっしゃることは、いろいろとまた、机の上で立派な議論をおっしゃったりお書きになったりする方はやっぱりたくさんおられるんだなという感じで伺いまして、誠に失礼ですが、率直に言わせていただくとそういう感じがいたします。  いろんな言葉はキーワードみたいに出てきますが、契約者の保護、保護というようなことがある。それを眼目にしてこの法案は作ったんだということは金融庁の方々もおっしゃるわけですね、それが中心だと。しかし、伺っているとどうもそうではなくて、村田さんのおっしゃる制度論というような言葉に象徴されるような感覚というのは非常に強いんじゃないか。それから、はっきりおっしゃったかどうかは忘れましたけれども、危機管理というような感じの前川公述人のお話というような、そういう角度からのお話が非常に優先しているんじゃないかと思うわけです。  それから、これは業界、あるいは実際に仕事をしていらっしゃる会社の、ひいては日本の金融システムが持っていた方がいいという安全装置だというような感じを非常に村田公述人、前川公述人、お二人からは感覚を受けたわけですが、しかしそれで分からなくなるんですけれども。その当事者である会社の方々は、本当かうそか、本気かあるいは当面こう言っておこうかと思っていらっしゃるのかは知りませんが、これは使いませんと、こう言っておられますね。そうすると、しかし、こういう法律があるということは、もし通れば、あるということはみんなが知っていないと非常に危険なことである。そのPRというか広報というのは一体だれがどういうふうにやるのかということを考えますと、これ非常に妙な話で、この間参考人に来ていただいたときも私伺ったんですが、会社でもやりますというんですね、こういうようなことは、法律があります、しかし我々は使いませんと。で、もし一時間説明するとすると、この法案の仕組みを説明するのに五十分やっぱり使わないと分からないだろうと思います。五十分使っても分からないかもしれない。  そうすると、最後にあと十分ですが何か質問ありますかと言ったら、おたくとの契約はこれどうなんですかというのが一番聞きたいところだろうと思うんですね。恐らく会社の方がおっしゃるのは、私のところでは使いませんからこれお忘れになって結構ですという話になるんじゃないかと思うんですね。だって、そうでないと商売にならない。  そうすると、どうも、しかし、いつどんなことが起こるか分からないから安全装置は持っておる、いつ火事が起こるか分からないからスプリンクラーも付けておこう、あるいは消火栓をそこらじゅうにこうやっておこうと。しかし、その会社へ行ってみたらそこらじゅうに消火栓が置いてあるというのはみんなを不安に陥れるから隠しておこうじゃないかというので、箱に入れて分散して見えないようにしておこうということになりますよ、これね。それで、何か起きたときに実はこういう法律がありましたなんというような話になっちゃうんじゃないかな。  そんな法律で、しかも一つ一つの消火栓は本当にもう古くて無効になっちゃってて、火も消えないのであったり、あるいは物すごい勢いでそこらじゅう吹き飛ばして、むしろ火が消えたけれども部屋はめちゃくちゃになっちゃったというようなことになりはしないかと。その保障もみんなないままに安全装置はありますと。  で、私、先ほど伺ってびっくりしたんですが、前川公述人おっしゃったけれども、やっぱり、しかしこういうのがあるということで、例えば外国人、外国からの投資についてはいい感じがあって、金融システムにはいい効果はあったというんですが、本当ですか、こんな。  要するに、約束したことはやらなくてもいい場合があるよというお墨付きを公的に与えるというようなことは、恐らく非常に狭い金融システムの中でやっていらっしゃる方で株に影響があるような方々はそう考えるかもしれないし、ですけれども、外国のどこに行ってもそんな約束は守らなくてもいい場合があるというような法律をやっているところはないし、また考えておるところもない。というような中で、私はそこの食い違いのところが、何か非常にスムーズにおっしゃったのを不思議でしようがないんですが。  そもそも、我々の取っているシステムの中でそういう約束は守らないかもしれないということを前提にした契約を導入しようというようなことは、私は非常に不健全な話だと基本的に思うんですが、これについて皆様から御意見を伺いたいと、それだけです。

村田敏一京都大学大学院法学研究科客員教授

○公述人(村田敏一君) 約束が守らなければならないというのは、これはもう契約社会の大前提であって、委員御指摘のとおりでございます。よく民法の世界でも、信義則の一展開として事情変更の原則というのがあるわけですけれども、問題は、その約束を守っておったら、約束を守っておったがためにより当事者にとって損失が膨らむ、要するに破綻するということですね、そういう状況が客観的に認定されるんだったら一部約束を守らなくても当事者に有利であると、こういう場合に限って約束を一部守らない、修正するということが正当化されるわけでございます。  だから、約束を守らないという制度ではなくて、守ったときにより痛みが大きくなることを回避するために一定の手続を踏んで約束を一部変えると、こういうことでございますから、その点でこれは別に契約法の原則と矛盾もしていませんし、正に契約者保護の観点に立った制度だと、このように理解しているところでございます。

前川弘之日興シティグループ証券会社株式調査部ディレクター

○公述人(前川弘之君) お答え申し上げます。  私も意見の冒頭で申し上げましたとおり、この制度をもし導入されれば、世界に類を見ない、それから使った場合には国民の保険事業への信頼を維持する上での相当な劇薬だということを申し上げたわけなんですが。ただ、劇薬は劇薬なのですが、早期に、資産の例えばへこみ、穴が小さいうちに関係当事者は少ないんだけれども分けましょうというのと、相当に穴が大きくなってから、ミシン目はちゃんと平等にしますから大きな分け前をみんなで負担してくださいなというのとどちらがいいかということに関しては、まあケース・バイ・ケースではございますが、もしかするといろいろ、諸般の金融システムの事情とか非常に不安定になっているときに関して言えば、ちっちゃな穴のうちにシェアした方が契約者にとっても有利な場合があり得るのではないかということで、あくまでもこれは本当に劇薬であり世界に類を見ない制度だということは全く委員と賛同するところでございます。  あと、後半部分でも述べましたとおり、こういったものを導入する上ではきちっとした契約者に対する開示が重要でございまして、要するにこういう制度があるんだと、あるいは収益力が今どうなっているのかということをあらかじめ契約者に知らせないで突然ごめんなさいはないということだと思っております。したがいまして、会社全体の収益力がどうなっているかと同時に、個別の契約者が加入している契約が会社にとって損と見られているのか得と見られているのか、これを知らせませんと、それは契約者にとってはフェアではないと考えております。で、そういうことが満たされて初めてこの議論というのは進めることができるのではないかというふうに考えているところでございます。  以上です。

山野井良民保険評論家保険アナリスト

○公述人(山野井良民君) 今、前川公述人のお話ししたとおり、諸外国の制度を見ても極めて異例なというか、特殊な、特異な法律を考えようとしているわけでありますけれども、そこまでしてなぜ保険会社のみ保護することを考えねばならないのか。そこまでして、万一のときそういう制度があってもいいというふうなことを考えなければいけないのかと。とても納得はできない。  それから、弱者のみに、つまり契約者のみに不利益を与える可能性が高い。そういう民法上の信義則の観点からいえば、弱者のみに不利益を与える可能性が高い、それから情報が不平等である、こういう前提に立てば、やはりそういう民法上の観点からいってもおかしい。  したがって、もし有事立法であるならば有事立法できちっと議論をして、財産権の問題からきちっと議論してくださいということを私申し上げたいし、まず九六年の業法改正のときもありましたけれども、例えば日本生命でも第一生命でもそうですけれども相互会社である、それぞれの契約者は社員であると、こういうことについて理解がありますかと、お客さん自体に。そういう説明を営業職員がしましたかと。してないですよ。そこで社員自治を語るなんということは正に語るに落ちる話でございます。  そういうことから、もし長期的に必要だと、世界的には異例ですけれども、考えるのであるならば、今後五年でも十年でも掛けて御議論をいただければいいのではないかというふうに思っております。

田崎アイ子融資一体型変額保険被害者の会事務局長

○公述人(田崎アイ子君) 私は、この変額保険が売られますときに、変額保険とはだれも聞いておりません。相続税対策にいい保険というふうに聞かされました。後に事件になりまして初めて証書を見て変額という字が入っていました。それも、各保険会社の名前で違っている保険だというふうにしか認識していらっしゃらない方が多くいらっしゃいました。  なおかつ、この今の皆さん、先生方がおっしゃっている賛否において、私どもはとても賛成する気にはなれません。またぞろ、ここでだまされて、そして債務を負うのが本当に子供の、また孫までも残っていくということを恐れて、私どもは反対の立場でここに参りましたので、とても信用できることはできません。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 どうもありがとうございました。  ありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。  この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり有益な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。拝聴いたしました御意見は当委員会の審査の参考にいたしまして、いろいろと今後も議論を続けていきたいと思います。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  午後一時三十分に委員会を開会することとし、公聴会はこれをもって散会いたします。    午前十一時三十一分散会

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