財政金融委員会 第16号
- 発言数
- 261 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/07/01
会議録
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六月二十六日、江本孟紀君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 保険業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣法制局第三部長梶田信一郎君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村耕太郎君 おはようございます。自由民主党・保守新党の田村でございます。 この前、りそな銀行への公的資金注入問題でも質問させていただきましたが、私は、この問題、この法案、同じような問題意識を持っています。この法案によって日本の金融問題を終わりにするんだと、金融再生の大きなプランを描くんだと、そういう法律であれば私は応援したいと思うんです。今日は、これからの審議で是非その覚悟と壮大なプランを御披露いただきたいと思います。 まず、基本的なことからお伺いしたいと思います。このような法案が必要となった根本的な原因についてお伺いします。 今言われているのは、超低金利政策が長く続いたこと、資産デフレが同じように続いていること、生命保険会社の経営の問題、簡易保険との競合又は旧大蔵省と一体だった保険審議会の提言、大手生保がセーフティーネットの負担を嫌がっている、いろんな要因があると思うんですが、できましたら大臣、簡単に根本的な原因を優先順位を付けて列挙いただきたいと思います。竹中大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 田村委員から大きなプランについて話をしろという御指摘がありました。今回お願いしております法案は、そうした方向に、大きな方向に向けてのささやかかもしれないけれども重要な一歩であるというふうに私自身は思っております。 それで、お尋ねの根本的なこの法案が必要になった原因でありますが、委員御指摘くださいましたように、実は要因はたくさんあろうかと思います。しかし、何といっても一番重要な問題というのは、やはり生保を取り巻くマクロ環境が非常に大きく変わったと。具体的にはやはり、今回問題になっている逆ざやを生み出すような低金利の状況が出現した。低金利政策そのものはもちろん日本銀行によって取られているものであり、これはあくまでマクロ的な観点から取られている政策であります。生保云々、銀行云々という観点からこの政策が取られたのではない、あくまでマクロ的な観点から取られている。 しかし、そうした低金利の政策というのは、マクロ経済を刺激するという重要な効果をもたらす一方で、資産運用に、特に名目金利に、実質金利ではなくて名目金利、資産運用金利に大きく依存している生保のような業種にはやはり非常に大きなダメージになって現れてくるという側面があろうかと思います。そうした意味でのその超低金利政策、それに基づく逆ざやというのが大きな背景としてあると思います。 さらには、これも資産運用の一環でありますけれども、株価の下落、保有契約高の減少、そうした問題が一体となって今日の構造的な問題を生じている。さらに、遠因とすれば、やはりこれは日本の金融行政全体でありますけれども、期待成長率が高い中でなかなか競争的な政策が長年にわたって取られなかったと、そうした中で経営のガバナンスに関する競争力も弱体化していて、そうした問題も遠因としてはあろうかというふうに思っております。 いずれにしましても、こうした状況下で各社が有効な経営戦略を立てていただく、その経営戦略の中の選択肢の一つとしてこうした法律の措置を視野に入れていただきたいという観点からこの法律の審議をお願いしております。
○田村耕太郎君 この法案の目指すものは何かということを次にお伺いしたいと思うんです。 私、この法案をできるだけ建設的、肯定的に考えてみました。今、公的保険がこれだけ信用性が揺らいでいます。私的保険の重要性が増しています。私的保険の信頼性、公平性の回復という観点から考えられると思うんですが、しかし、現実にこの審議が始まった途端、私的保険の信頼性と公平性が逆に揺らいでいる、不信感と不公平感が募っている。では、もっと建設的に考えると何かといいますと、一番最初に言いましたように、やはり金融再生の大きなプランの中の一つの武器、それであるならば建設的に考えられるなと思うんです。 例えば、これはあってはならないことですが、また大手銀行に公的資金を注入する、そして注入と同時に、大手銀行が大手生保に対して持っている債権、基金とか劣後ローン、これを放棄して、放棄するだけではなくて、デット・エクイティー・スワップのように出資に切り替えて、その生保を子会社化する、このような金融再生の大きなプランがあって初めて私はこの法案が、後で聞きますけれども、初めて使われる可能性があると思うんです、これは私の勝手な未熟な推測ですけれども。 その金融再生のプランのために、金融庁が背中を押すことも含めて、そのような大きなプラン、どのように描いておられるか、これを簡潔に竹中大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどからも、田村委員からはその大きなプランという言葉が出てきたわけでございます。大きなプランというのをあえて申し上げれば、これは銀行の場合にも申し上げているような三つの、資産の査定をしっかりとして、自己資本を充実させて、さらにガバナンスを強化させる、その方向に少しでも現状を良くしていくような制度をしっかりと作っていくということが、我々が目指すその意味ではプランということになるのかもしれません。 委員御指摘のように、私的保険の重要性は高まっていると、その信頼性を確保することが極めて重要である、全く同感でございます。重要な点はしかし、バブル崩壊という一つの問題を経てこの金利の、金利のパラダイム、金利世界の姿がこれはだれも想像できないように変わってしまったという点にあると思っております。 今日のような低金利の、低金利政策を取らざるを得ないような状況というのはやはり十年前には、十数年前には想定できなかった。そうした中で、私が今申し上げているように、ガバナンスを強化して、自己資本を充実して、資産査定を厳格していく、その中での経営の選択肢を増やす、新たな選択肢を増やしていく、それを金利のパラダイムが変化した中で行うというのがやはり今保険会社に一つ求められている重要なポイントであろうというふうに思うわけであります。 今回の措置はそうした視点に立って、そうした問題の解決を自主的な判断と自治的な手続によってゆだねる。さらにそれに、非常に強力な経営強化、経営革新を伴うような形でそれを実行していっていただきたい。もって、先ほど申し上げたような三つの方向を実現していってもらいたい、それが我々が目指すものでございます。
○田村耕太郎君 次に、この法案が使われるかどうかというところで議論をさせていただきたいと思います。 この予定利率引下げ、このスキーム自体は保険会社の自主判断で使われるかどうか決まるということなんですが、もし金融庁が通常の監督業務の中でこの会社はこのスキームを使う段階にあるということが判明した場合、金融庁はどのように対応されるのでしょうか。背中を押すこともあり得るのでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 私どもといたしましては、従来より保険会社の経営状況の的確な把握に努めて、ソルベンシーマージン比率を活用した早期是正措置制度の厳正な運用に努めるとともに、早期是正措置の発動に至る前の段階から保険会社各社において早め早めの経営改善が図られるように求めてきたところでございます。 具体的には、収益指標等に照らして経営改善が必要と認められる保険会社に対しましては、その原因でありますとかあるいは改善計画等についてヒアリングを行う、更に必要な場合には報告徴求をする、そして更に必要な場合には業務改善命令を発すると、こうしたことによって経営改善を促すことといたしているところでございます。 予定利率の引下げの制度は、これは保険会社とそして契約者による自主的そして自治的な手続の中で行えるものでありますので、当局が引下げを命ずることを制度の趣旨としているものではございません。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、早期警戒の仕組みの実効性のある運用に努めて保険会社の経営改善についての真剣な対応を求めてまいりたいというふうに考えております。
○田村耕太郎君 保険契約者保護のための法律ということなんですが、自主的に保険会社がこのスキームを活用することがあるかどうか、現実的なちょっと御意見をお伺いしたいと思うんですが、そういう状況になった場合、マスコミの騒ぎ方、経営責任を経営陣がどう考えるか、又は、その段階になった場合、やっぱり経営努力又は経済の回復に対する期待、こういうものがいろいろあると思うんですね。そのときに本当に保険会社が自主的にこのスキームを使うことがあるのかどうなのか、私は非常に疑問なんですが、その辺り、マスコミの対応とか経営陣の経営責任とか、その破綻の前の段階であるからこそ経営の自主再建とか経済の回復に対する期待というのが、選択肢がいろいろあると思うんですが、本当に使われるのかどうなのか、この辺りは大臣はどうお考えなのでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) やはり保険会社の経営の健全性の確保に当たっては、まずは保険会社自らが経営努力をやっぱりしっかり行っていくということが前提だというふうに思っております。そして、私どもとすれば、必要があれば監督当局として当然経営改善の努力を促していく、こうしたことをやはり前提として考えていく必要があるのではないかと。その上で、契約条件の変更を行わなければ将来において保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合に、保険会社が契約条件変更の手続を行うことができると今回のスキームではさせていただいたところでございます。 いずれにいたしましても、今回の制度を用いるかどうかは自主的な判断によるものでございまして、保険会社が将来の経営の在り方を考える際に、経営の新たな選択肢の一つとして予定利率引下げの申出が検討されるものと考えております。
○田村耕太郎君 では、自主的に判断をして保険会社がこのスキームを活用する段階になったとします。その場合、私、異議申立てに対する対応についてお伺いしたいと思います。 異議申立ては一割以上ということなんですが、マスコミの騒ぎ方又は、インターネット上でよく今コミュニティーやグループみたいなのができていますが、そういうグループができてしまったときに異議申立てが成立してしまう可能性は十分あると思うんです。そうなると、私、次は破綻しかないのかなと思うんですが、異議申立てが成立した場合、金融庁はどのような対応を取られるのでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 契約条件の変更に当たりましては、まずもってその保険会社の方が保険契約者に対して十分な御説明と御理解を得るべき最大限の努力をする必要があると思っております。正しくその内容が、内容いかんが契約者の御理解を得るか得らないか、あるいはそれに臨むスタンスが本当に真摯で真剣で、ぎりぎりのものであるかということがまず一番大切なことだと思っております。 その上で、契約条件の内容が異議申立て手続におきまして否決された場合、保険会社においてその財務の健全化を図り、それから保険契約者の保護のための方策について改めて再検討してもらうということになると思います。
○田村耕太郎君 その異議申立てについてもう一つだけお伺いしたいんですが、異議申立てをするかどうかという判断を保険契約者がする場合、ある、やっぱり破綻処理とは違うという議論があるんですが、破綻処理かこのスキームを使うかということを保険契約者も比較すると思うんです。その場合、このスキームを使うことによるメリット、保険契約者に対するメリット、これについてお伺いしたいと思うんですね。 例えば、銀行はつぶせない、つぶせるという議論がありました。大き過ぎてつぶせない、公的な役割があるからつぶせない、決済機能なんかを含めてですね。保険会社の場合はどうなんでしょう。大き過ぎてつぶせない又は社会的な役割があるからつぶせない、金融危機連鎖の可能性があるからつぶせない、業態とか保険会社の経営の中身を見ると、いったんつぶしてからの再生が難しいからつぶせない。保険会社がつぶせないというようなロジックが成り立つでしょうか。保険契約者から見た場合、リターンだけのメリットではなくて、保険会社をつぶさない、そういうロジックというのは何か金融庁として用意されているのでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 生命保険は、やはり人の生死や疾病などの様々な危険に備えて、国民の経済生活を保障するという重要な役割というものを担っており、生命保険の保障機能は国民経済及び国民生活の基礎になっているというふうに考えております。保険契約者の保護をしたがって適切に図ることがまずもって私どもとしては重要なことではないかというふうに考えておるところでございます。 そうしたことを踏まえて、今回の法案というものは保険契約者の保護を図るために新たな選択肢を追加することができると私どもは考えておりまして、過去の破綻事例というものを見てみた場合に、破綻に至る過程、破綻処理においては、その営業基盤や財務基盤の劣化が進む可能性があることや、あるいは破綻処理の場合にはセーフティーネットが発動され資金援助が行われる可能性があることについて留意する必要があるんではないかというふうに思っております。 いずれにいたしましても、予定利率の引下げというのはやむを得ない場合に限られて行われるものでございまして、変更の、契約内容の変更については保険会社の財務状況に応じて適切に決定されるものであるため、基本的には保険契約者の利益に資するものと考えております。
○田村耕太郎君 あと、このスキームに対する説明の十分さについてちょっとお伺いしたいと思います。 今、格付機関がいろいろ騒いでいます。このスキームをもし活用するようなところが出てきたら破綻とみなすとか、そういううわさが出た段階で資本構成を見直すとかいろいろ言われています。私は、こういう格付機関の影響は無視できないと思いますので、こういう格付機関などに対する金融庁からのこの法案の背景にある本当の理由のしっかりとした説明、こういう情報公開、これがしっかりなされているかどうなのか、その活動について少し、どんな活動をされているか御披露いただきたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) 予定利率を引き下げた場合の格付の取扱いについては、民間の格付会社において様々な見解が示されているところでございまして、委員御指摘のとおり、その格付機関との私どもとのやはり意思の疎通というものを十分行っていくということが極めて重要だというふうに思っております。 そういう意味からも、格付機関に対して、従来より、必要に応じて私どもとしては説明を行っているところでございますが、今回の制度や意義の内容について、今後も十分理解が得られるように更に努力に努めてまいりたいというふうに思っております。
○田村耕太郎君 この法案は相互会社に関してほとんどの議論が行われると思うんです、思っているんですが、この法案の適用対象は株式会社も含まれると思います。逆ざや問題は相互会社だけではなくて株式会社でも発生していると思うんですが、株式会社で起こった場合、この前のりそなへの公的資金注入の問題でも起きましたが、減資、これをどう取り扱うのか、これについてお伺いしたいと思うんです。 もし株式会社形態を取っている保険会社でこのスキームに手を挙げた場合、減資はしなくてもいいんでしょうか。それとも、例えば株主総会で減資と予定利率引下げをセットにして決議を行うというようなことが考えられるのでしょうか。経営責任問題も含めて、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今回の法案が相互会社だけにとどまらず株式会社にも適用されるのは先生御指摘のとおりでございます。今度の予定利率の引下げに当たりまして、保険契約者に対して基金等の取扱いに関する書類、これを送付することにしておりますけれども、仮に基金債務について免除が行われれば、保険相互会社の場合、消極財産、いわゆる負債が減少します。これは、負債という性格を基金は持っておりますので、消極財産、負債が減少しまして、会社財産が増加するということから、保険契約者等にとりまして直接の利益につながるものでございます。 他方、保険株式会社において資本の減資を行いましても、それ自体で株式会社の財産が増加するものではないため、債務免除とは同列に論ずることがちょっと適当ではないということから、今回、そちらの方については手当てをしておりません。資本の取扱いについて書類の送付等は義務付けておらないところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、資本の取扱いにつきましては、個社の状況に応じまして自治手続の中で適切に対応が図られるべきものであるというふうに考えております。
○田村耕太郎君 一番最初に申し上げましたが、今、公的な社会保障制度に対する信頼性が揺らいでいると。構造改革の中で公から民へという、官から民へという大きな流れがあることもありまして、私的な保障制度に対する期待は大きいわけです。 この法案が通れば、残念ながら、自分の私的年金とか保険が減額されるんじゃないかというような不安が逆に広がっていると思うんですね。この法案を審議すること、作ることがそういう社会不安を助長しているような傾向も、これはマスコミの対応もあるんですけれども、あると思うんです。 このことに関しまして、大臣はどのように考えられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどから一連、大変重要な御指摘、御質問を田村委員からいただいていると思います。副大臣、局長から十分な答弁をさせていただいたつもりでありますが、若干敷衍しながら今の御質問にお答えしたいと思うんですが。 先ほど委員が、例えば早期是正措置、それ以前の業務改善命令等々とこれはどんなふうに絡まっていくのかという、この法律を使いなさいというような指導、監督をするのがあるのかというお尋ねがございました。実はこれ、この法律の性格上、大変重要なポイントだと思います。 我々、早期是正、この現状を是正してほしいと。例えば財務基盤をもっと強くしろと、そういうのは、これは監督上、我々は監督省庁として責任を持って、場合によっては命令をしなければいけない。しかし、それをどのような手段で行うかということに関しては、これは正に経営の判断に基づいて行わなければいけない。 今回の措置というのは、この法律を使いなさいとかそういうことは、この性格上、私たちは想定をしておりません。ただ、財務内容を良くしろというふうに当局から言われた場合に、保険会社が、生保会社がいろんな手法を考える場合の選択肢として、この法律は視野に入れていただきたい。早期是正との位置付けという観点からいうと、私はそのような位置付けに尽きるのではないかと思っております。 委員御懸念の、これはしかし本当に使われるんだろうかと。これは今の保険制度の信頼性の問題とも重なるんでありますが、ここは私は、使われ方というのは本当にケース・バイ・ケースなのだと思っております。すべての、逆ざやに悩んでいるすべての保険会社がこれを使って新しい段階に行くと、そういうふうに私自身は考えているわけではございません。これは、個社が置かれた財務の状況でありますとか、どのような経営改革と一体としてこのスキームを使えるかどうか、これは正にケース・バイ・ケースだと本当に思っております。しかし、いずれにしましても、逆ざや問題という厳然たる問題が存在している、それを解決するのは大変なことであるけれども、その選択肢として、こういった法の枠組みを選択肢の中に入れていくことによってこれが有効に機能する場合は、私はやはりあるのではないかというふうに思っております。 最後に、正に今御指摘くださった、結局こういうものは、むしろ自分の保険の受取額が減ると、そうすると、保険契約者はむしろ保険制度の信頼を損ねるのではないかという御指摘。例えば、例えばこの法律が適用されて自分の受取額が減るというような場合、これは契約者にとってもちろん大変やはり不快なことであり、心地よいことであるはずはございません。しかし同時に、我々が直面している問題というのは、逆ざやという厳然たる問題がそこに存在していて、万が一にもこの延長で保険会社が破綻した場合に、本当に保険契約者にどのような問題が生じるかということだと思います。 これについては、いろんな比較、また今後とも御審議をいただくと思いますが、私は、破綻に至った場合に、これまでの事例等々から見ましても、やはり資産が劣化すると。その資産の劣化で一気に財務内容がまた悪化してしまうというそのプロセスは、私はやはりマーケットの中では大変恐ろしいことだと思います。 その意味では、破綻ではなくて、破綻を避けながら条件の変更によって、それにもちろん経営改革が伴わなければいけませんが、そういう手法を置くことによって保険会社そのものが存続して、継続企業として存続して、保険契約者にも、一〇〇%満足ではないかもしれませんけれども、資産が劣化して破綻する場合に比べてやはりそれなりの保険の受取額が保証される。私は、やはりそこはこの制度の趣旨として是非とも御理解を賜りたいところだと思っております。 ただし、これはやはり直観的には、保険契約者から見ると保険の受取りが減るというのは、これはやっぱり大変困ったことであり、この点に関しては私たち、やはりしっかりとこの趣旨を説明して、国民の皆さんに納得していただく努力を重ねることが大変重要な責任であるというふうに思っております。
○田村耕太郎君 りそな銀行への公的資金注入問題のときにもお願いしましたけれども、お願いというか、我々も政治家ですから一緒になって頑張る立場にあるんですが、是非、先送りとか経営を緩ませるとか、そういうことではなくて、金融問題を、日本の十二年以上にわたって続く金融問題をこれで終わりにするんだと、そういう覚悟を持っていただいて、もうお持ちと思いますが、それと大きな、壮大な金融再生のプランとセットで、一つの武器として前向きに使っていただくことを期待しまして、私もそのために微力ではありますが頑張らせていただこうと思いますので、是非前向きに使っていただきたいと思います。よろしくお願いします。 質問を終わります。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。 今日は、我が党の国対委員長の命令で百五十分も時間をちょうだいしてしまいましたので、どのように時間を使わせていただくのか大変頭を悩ませたんですけれども、少しでもお役に立つ議論ができればなというふうに思っております。 まず最初に、資料の方は今配付されていますでしょうか。 〔資料配付〕
○大塚耕平君 済みません。 今日は、生保の予定利率の引下げの問題ではあるんですが、やはり生保に限らず銀行も非常に経営が厳しいというのは、これは株価が大変低迷していたり経済全体が低迷していることが大きな背景でありまして、必ずしも銀行経営者、生保経営者だけの責任ではないということはもう重々私も承知しております。 したがって、何とか株価とか経済、景気全体が早く良くなっていただきたいとは思うわけでありますが、しかしそのためには日本の金融あるいは金融行政に対する内外の信頼が高まるということが非常に重要なポイントだと思っておりまして、そういう観点で、冒頭、日本の株式市場の問題についてちょっと質問をさせていただきたいと思います。 株式市場にまつわる話としては、当委員会の池田委員が数年にわたってロイトファクスの問題を取り上げておられたのがようやく捜査のメスが入ったわけでありますが、私といたしましては、証券取引等監視委員会がもっと早くからきちっとした活動をして、三年も時間を掛けずにこうした展開になっていれば、これもまた日本の株式市場の信頼向上に寄与したのではないかと思っているわけであります。 そういう観点で、証券取引等監視委員会にまずお伺いしたいんですが、日々の市場取引においてどのような監視活動を行っているのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 証券取引等監視委員会は、特異な値動きをする銘柄、取引形態に不自然さの見られる事例など、幅広く証券市場の取引状況について日常的な監視を行っているところでございます。 こうした中で、市場の公正性を害すると疑われるような事例が認められれば、更に詳細な分析、情報収集等を行いまして事実の解明に努めておりまして、仮に違法行為が認められれば、法の定めに従いまして厳正に対処しているところでございます。
○大塚耕平君 そうすると、今お手元に資料をお配りしたんですが、一枚目に幾つかの銘柄の最近のチャートをお付けしたわけでありますが、このチャートを見てどのようにお感じになられますか。
○政府参考人(新原芳明君) 大変恐縮ですが、今いただいたばかりで、ちょっとこれ理解ができない状態でございます。
○大塚耕平君 いつも何見て仕事をしているんですか。
○政府参考人(新原芳明君) 大変失礼をいたしました。 私どもに、日々の銘柄を、その動きを見ております専門の担当官がおりまして、そういう者が何十人か銘柄を見て、問題がないかどうか監視をしております。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 これは、下に棒グラフで出ているのは出来高でありますね。ずうっと出来高がないものが急に出来高がばあっと増えているものばかりであります。出来高がこういうふうに増えれば相場がばあっと上がっていくわけでありますが、この三月から今日に至る間に三倍とか四倍に相場が上がっている銘柄が幾つもあるんですが、こういう実態について監視委員会としてどのようにお感じになられますか。 確かに今初めてごらんに入れたわけですから、所感で結構です。株式市場の公正さを維持するために活動しておられる委員会として日々大変多くの銘柄をチェックして、その報告が委員会内で行われているわけですから、そういう組織としてどのようにお感じになられますか。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 実際のいろいろな取引、売りが多いとか買いが多いとか、そういうことは私ども大変関心を持っておりますが、具体的な個別の銘柄についてどのような感触を持っているというようなことを申し上げますと、市況に対する影響等もございますので、従来から個別の内容についてはお答えを差し控えさせていただいているところでございます。
○大塚耕平君 いや、それは私もそれを気にしているからこそわざわざ銘柄名を消してこのようにグラフだけお示ししているわけであって、このように短期間で、全体の相場が低迷している中で急に出来高が増えて三倍にも四倍にも相場が上がっているこのグラフを見てどのようにお感じになるかということを聞いているわけです。個別銘柄のことを言ってほしいと言っているわけではないです。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 私ども、監視活動を行う上で注意を要する個別銘柄の動きについては様々な形態がございますので一概に申し上げることはできないんですが、御指摘のような、株価が急騰急落するなど特異な値動きをする銘柄、あるいは投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす重要な事実が発生した銘柄、あるいは、一般からいろいろ日ごろから情報が寄せられておりますけれども、そういった情報を含め、日ごろの情報収集活動の中で出てきた銘柄、そういったものについては幅広く取引状況について監視活動を行っているところでございます。
○大塚耕平君 いや私は、一言、いや、このチャートはちょっと異常な面があるかもしれませんねぐらいのことを一言言っていただければそれで済むわけでありまして、そういう率直な御意見を言っていただいた方がやっぱり委員会というのは活性化しますので、是非御協力いただきたいと思うんですけれども。 今の御回答と重複するかもしれませんが、個別銘柄がそれでは具体的にどのような動きをすると要注意だというふうに監視委員会では見ておられるんですか。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 大変今の答えと重なって恐縮なんでございますが、株価が急騰急落するなど特異な値動きをするものとか、あるいは投資判断に著しい影響を及ぼす重要な事実が発生した銘柄、さらに、一般から寄せられた情報の中からあぶり出された銘柄、そういったようなもの、一概に申し上げることは困難なんですが、私どもの日ごろの活動の中でそのようなものを重視しております。
○大塚耕平君 それでは、ちょっと質問の切り口を変えさせていただきますけれども、このグラフを見る限り、この銘柄はそれぞれ過熱しているわけであります、相場が。これを早くから知っていれば大変もうけることができるわけですね、これは。選挙の前になるとこういう銘柄が出てくるというふうによく聞くんですけれども、これを見ると、何か選挙が近いのかなという気もいたしますけれども。 それでは、個別銘柄の相場過熱の原因となり得ると考えられる売買制度あるいは株式市場の仕組みとしてどんなものがあるというふうに委員会としてお考えになっておられますか。
○政府参考人(藤原隆君) 制度の問題でございますので私の方からお答えさせていただきます。 今、先生御指摘の取引所の有価証券市場における株式の売買制度の中には、御案内のように、投資家が自己資金や自己が保有する株式により売買を行う現物売買と、それから証券会社が顧客に信用を供与しまして行う信用取引がございます。 このうち、信用取引制度は、信用取引による売買が市場に流入することによりまして証券市場に厚みをもたらすというような効果があるわけでございますが、反面、その信用取引による買い付けや売り付けが過度に市場に流入いたしますと過当投機が生じて、かえって価格の形成上問題が起こるおそれがあるということが言われておりますことから、そういうことから信用取引制度の利用については種々の規制が加えられているところでございまして、信用取引の規制措置といたしましては、日々公表銘柄指定あるいは増し担保規制というようなものがございます。
○大塚耕平君 今、信用取引というお言葉が出てまいりましたけれども、顧客と証券会社の間においては信用取引、そして証券会社と証券金融会社の間においては貸借取引というのがありまして、これを総合して信用取引と言うケースもあるようでございますが、この信用取引も貸借取引も、早い話が、手元に現物がなくても思惑だけで空売り、空買いができるという制度でありまして、これが私も相場過熱の一つの原因になり得る、なり得る制度ではないかというふうには思っているわけであります。 そして、空売りをするということは、もうかると思って空売りをするわけですから、そうすると株を調達しなくちゃいけないんですね、先々。しかし、この株というのは、現物は限りがありますから、足りなくなると、業界用語で恐縮ですが、逆日歩といいますか、借り株料が高くなってくるわけでありますが、したがって個別銘柄の日歩の状況を見ていれば、ニチブというような言い方をする人もいらっしゃいますけれども、この日歩の状況を見ていれば、どの銘柄が今ひょっとすると相場が過熱している可能性があるかもしれないという推測が成り立つわけでありますね。私は、委員会としては当然そういうことも日々チェックしているというふうに思っているわけでありますが。 そこでお伺いしたいんですが、現在、逆日歩が付いている銘柄はどのぐらいあって、その逆日歩がどのぐらいになるとどのような規制が行われるのかということについて、ちょっと分かりやすく解説していただきたいんですが。
○政府参考人(五味廣文君) 六月二十七日現在で逆日歩となっている銘柄は二百六十四銘柄でございます。逆日歩となっている銘柄の数が一定限度を超えているとか、あるいはその逆日歩の額、品貸料がどうなるということに基づいた行政上特に規制することというのはございませんけれども、今、先ほど藤原局長から申し上げましたように、証券金融会社におきましては、株券調達が困難となるような場合においては、注意喚起銘柄通知といったような通知を出す、あるいは貸し株申込停止といった措置が取られるというようなことがございますし、また、取引所の段階におきましては増し担保規制などが取られるということがございます。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 今、二百六十四銘柄というお話でしたが、これは通常に比べると多いんですか、少ないんですか。
○政府参考人(五味廣文君) ちょっと、通常というところをどう取るかなんですが、最近の推移で見ますと、今年に入りましてから逆日歩の銘柄数が比較的多かったのは一月あるいは二月ごろでございまして、このころは、例えば一月の二十四日現在ですと三百七十五銘柄、先ほど六月二十七日では二百六十四と申しましたので、これよりも百銘柄以上多かったというようなことがございます。ここ半年ぐらいではこの三百七十銘柄程度というのが手元にあります中では大きい方です。最近では、六月の六日で取りますと三百七十九銘柄と。その時々によってかなり変動いたします。 二百六十四という数字は、この半年ぐらいのトレンドをチェックしてみますと余り大きい方ではないということでございます。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 そういう中で、今、五味局長がおっしゃってくださった、証券金融会社が注意喚起したり、貸し株申込みを停止したり、増し担保したりするという、証券金融会社がどういう基準でそれをやっているのかということは、監督当局としてはその基準は御存じですか。
○政府参考人(五味廣文君) 証券金融会社が貸し株申込みの停止を行う、あるいは注意喚起銘柄通知を行うといったような際には一定の基準を持っております。 この基準につきましては私ども承知しておりますが、対外非公表という扱いでありますのでこの場で御紹介はできないということで御容赦をいただきたいと思います。
○大塚耕平君 それはごもっともな御対応だと思います。基準が明らかになってしまいますと、基準が近くなるとそれを想定した売買ができますので、それが非公開だということは私も納得できます。何か違いますか。
○政府参考人(五味廣文君) 申し訳ありません。一つだけ訂正させていただけますか。 貸し株の申込みを停止したり制限したりする基準は非公表でございますが、注意喚起銘柄通知を行う基準というのはございまして、これは公表いたしております。 残高基準というものがございまして、例えば信用売りの残高、これが上場株式数に占める割合、これが一〇%以上というようなことになる場合、これは注意喚起銘柄通知が出る。あるいは、信用売りの残高が信用買いの残高に対する比率で六〇%を超えるケース、こうしたような場合も通知の対象となります。 主なところを御紹介するとそういうことでございます。
○大塚耕平君 その辺の基準の適正さをよく再チェックしていただいて証券金融会社への御指導もしていただきたいと思うんですが。 公開はされていない基準も含めてある一定の基準に達すると、先ほどおっしゃっていただいたような規制が行われて、またその基準の範囲内に戻ると、例えば一時的に空売りを禁止していたものを解除するわけですね。ところが、まだまだこの相場は上がっていくというふうに見ている人たちは、空売りが禁止されている間はちょっと売買を手控えるわけですが、空売り禁止が解除されると、やっと解除されたといって、実は空売り禁止解除を契機に相場が再過熱していくケースというのはよくあるんですね。 このお手元のグラフでも、例えば一番右のグラフなんというのは典型的だと思います。証券金融会社や監督当局が警告を発してある一定の規制をするとすうっと相場が下がるんですけれども、その規制が外れると、ここぞとばかりにまたぐっと上がっていくという、こういう二段ロケットのような相場展開がよく見られるわけでありますが、そうした弊害、私はあえてここで弊害と申し上げますけれども、弊害を是正するためにどういう対策が考えられるというふうに思われますでしょうか。御回答はどなたでも結構です。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘の件でございますが、個別の銘柄につきましては空売り規制というのはございません。したがいまして、先生御指摘の件は多分増し担保の話だと思っております。 先生御指摘のように、こういう過熱いたしますと増し担保も徴求することがございます。それは、通常でございますと三〇%という水準でございますが、過熱してまいりますと、第一段階では五〇%、第二段階で六〇%、第三段階で七〇%というふうに積み増していただくことになります。それが、先生が御指摘のように七〇%ぐらいまで行ったものが徐々に解除されまして、例えば五〇%も切って規制の対象から外れると、そうしますと、お客さんの方は、積んでいた金が、証拠金の方が余るといいますか、余裕が出るもので、その金を、それを元にまたその銘柄を買い上がるというような傾向があることは事実でございますが、それだけが、それがすべて皆さんがそういうふうにするかどうかというのはちょっと私どもも把握し切れないところでございます。 したがいまして、そういう事例があったりそういう傾向があることは御指摘の点でございますが、すべての方がそうされるかどうかというのは、調べたことがないものですから今後また調べていきたいと思います。
○大塚耕平君 是非調べていただきたいと思うんですが。 いろいろ自分なりにも考えてみたり、あるいは御提案を外部の方からいただくこともありまして、例えば、こういう相場の動きが何らかの株価操作の疑いがあったりして、そこで不当利益が出ているとすると、分かった後に、もちろん刑事罰が掛かることもありますけれども、超過利益税を、大変巨額な利益税を掛けるということがあらかじめ決まっていれば抑止効果があるんじゃないかということをおっしゃる方がいたり、あるいは一定期間内の急騰率が一定水準以上になった場合には、一定期間もう貸借銘柄や信用銘柄として、しかもかなり長期間もう使わせないというような規制をするであるとか、空売り禁止にいったんなった銘柄は、株不足の解消状況いかんにかかわらず空売り禁止期間をかなり長期間取る、つまり二段ロケットを噴射させないという、そういうこととか幾つかあります。 ほかにも、特定銘柄の、三市場、東京、名古屋、大阪、まあ名古屋、大阪は今大変小さくなっていますけれども、三市場の空売り残高が浮動株式数の一定割合や発行済株式数の一定割合を超えた時点で貸借銘柄から外すとかいろんなことがあるわけでありますが。 これらの問題について、監視委員会は金融庁本体に対していろいろな制度について建議が行えることになっておりますが、どのような建議を過去何件ぐらい行って、今私がお伺いしているような問題については具体的にどういう建議を行ったか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 監視委員会は平成四年の七月に設立されました。それ以来、今日までに六件の建議を行っております。平成六年に店頭登録審査に関する建議、平成九年に証券会社の内部管理体制に関する建議、平成十一年に金融機関の財務諸表の記載に関する建議、十二年と十五年に証券会社の営業姿勢に関する建議、それからもう一つ、今年、インターネット証券の取引に関する建議という六件を行っておりますが、私ども証券取引等監視委員会は、金融庁の設置法に基づきまして、検査又は犯則事件の調査の結果に基づき、必要があると認めるときは、証券取引等の公正を確保するために必要と認められる施策について金融庁長官等に建議することができるとされておりますので、具体的に検査なり調査なりを行ったその結果に基づいて建議をするということでございますので、ちょっと御質問の点については今どのようにお答え申し上げていいのか、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
○大塚耕平君 私も、事前にお伺いした限りでは、この辺の問題については必ずしも、過去、委員会としてどうするべきだという建議をされたことはないというふうに認識しております。私も株式市場に関心のある人間の一人として、また自分なりの意見は委員会に申し上げますので、是非この辺の問題はフォローして、委員会として有意義な活動をしていただきたいなと思います。 私どもが常日ごろ申し上げていますように、委員会は日本版SECとして金融庁から独立されて、銘柄についての日々の動きをチェックする要員ももっと増やすべきだと思っています。今たしか数十人という単位でやっておられますけれども、もっと増やしてもいいと思います。そういう中で、きっちりと相場のフォローアップをしていただいて、相場操縦等の疑いがないかどうか、しかもあればそれをきちっと摘発するということをやっている姿を見せていただくと、株式市場に対する信頼も高まり、日本経済に対する信頼も高まるという、こういうことでありますので、是非きっちりやっていただきたいと思います。 ちなみに、今私がなぜこういうことをお伺いしているかというと、これらの銘柄の背景には俗に言う仕手筋が相当入り込んでいるというふうに巷間言われております。その具体的な事実もつかんでおりますが、それらについてはこの場で公にすることは差し控えさせていただきますので、改めて委員会の方にお伝えをしますので、しっかり調査をしていただいた上で、必要であれば建議をしていただきたいと思います。 なお、今私が申し上げた話は小泉総理の耳にも既に入っていると思いますので、大臣、それは総理に御確認の上、総理やそして今日こうして大臣のお耳にまで入れているわけですから、後でまた委員会経由で具体的な話はお伝えしますけれども、これは日本の経済を預かる総理と経済担当の責任者として、これをこのまま看過するということはあってはならないと思っておりますので、最後に一言お伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大塚委員から冒頭、グラフを示していただいて、監視委員会事務局長からは、我々としてもやはりいわゆる異常値の発見という形でいろいろ努力しているんだという答弁をさせていただきました。 実は、今この部分の締めくくりで大変重要な御指摘をいただいたと思っておりますが、実はここ最近の相場の動きについて、個別に、全体というよりは個別にいろんな問題があるのではないかという御指摘を実は私も幾つかの方面からいただいております。そうした問題意識は金融庁として持っておりまして、監視委員会でもそういった問題意識を持ってその異常値の発見というのには全力を挙げてもらっているというふうに思っております。 制度のこともいろいろ御指摘をいただきました、信用取引に関して。これはもう委員大変お詳しいですから言うまでもありませんが、大変難しいのは、信用取引があることによって市場に厚みができて、それによって価格の、いわゆる裁定取引が活発に行われて市場に厚みができる、市場に信頼性ができるというプラスの面がございます。しかし一方で、これが特に日本の場合、過去においても、いわゆる仕手筋というところに利用されて非常に不健全な動きをした。その中で一般投資家が被害を受けたようなこともあった。これについては証券取引等監視委員会がチェックすべき大変重要な問題であるというふうに思っております。この制度作りを、市場のダイナミズムを失わせないようにしながら、しかしいわゆる仕手筋に関してはしっかりと取締りができるような、これは引き続き我々にとっての重要な課題であると思っております。 私、金融担当大臣、昨年の九月に就任させていただきましたが、その一か月前に実は証券市場に関して金融庁で包括的なプログラムを発表させていただいております。この八月でちょうどそれが一年になるものですから、一年そのプログラムを粛々と進めてきた、それを少しフォローアップしなければいけない時期なのだろうなと、私、個人的には思っております。 まだ金融庁の諸君には相談はしておりませんけれども、委員御指摘のような問題意識を踏まえながら、証券取引等監視委員会でしっかりとその異常値の発見をしながら日々のチェックをしていく。同時に、制度そのものについて、大塚委員がいわゆる日本版SEC、独立した、そういう御議論をしておられるということも十分に承知をしておりますが、この体制そのものの強化について、市場の透明性を高める仕組みについて、引き続き我々としてもしっかりと勉強をしていきたいと思っております。
○大塚耕平君 ありがとうございます。大変前向きな御答弁をいただいたと思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 さて今日は、本題は生保の予定利率の話でありますが、やはり冒頭申し上げましたように、金融行政がいかに国民や外部の、海外の特に投資家から信頼されて、日本は本当にいい方向に向かっている、不透明なところがないというようなことが皆さんに確信されてこそ本当に日本経済はいよいよ立ち直っていく局面に入ると、こう思っているわけであります。したがって、金融行政というのは合理的でかつ透明でなければならないと、私はそのように思っているわけであります。 そこで今日は、お手元には、私自身の意見は拙稿として雑誌等に掲載していただいておりますので、それも引用さしていただきながら質疑をさしていただきたいと思いますが、まず冒頭、衆議院での議論を議事録で拝見すると、破綻処理の場合と比較して今回の予定利率引下げというのは保険契約者にとって有利だからというような答弁が繰り返しなされているわけでありますが、これは必ず有利と言えるのでしょうか。御答弁はどなたでも結構です。
○国務大臣(竹中平蔵君) 個別には、かつ個々の契約者についてはいろんなケースが想定をされますし、ちょっと極端な話を言えば、破綻をする場合と比べるというふうに申し上げましても、どの時点で破綻するのか、どういう状況で破綻するのかということがありますので、一〇〇%すべてというような議論は性格上なかなかできないと思います。 しかしながら、やはり基本的な考え方として申し上げれば、先ほども少し御答弁させていただきましたが、やはり破綻というふうになった場合に、これまでの破綻したケースを見ても、やはり資産が一気に劣化するという怖さがあると思います。いわゆる優良な顧客が逃げてしまう。優良な契約者が逃げてしまう。その劣化が進むということはやっぱり大変怖い問題であって、そういう意味では、可能であればこういう、まあ、一回その資産が劣化して、その条件が変わってしまったら、今度は比較的その買手というのが見付かっているというのも今までの現状であります。そういう混乱を避けるというのは、やはり政策の立場から見ますと、私は重要なことであろうかと思っております。 もう一つ、いわゆる責任準備金の問題。破綻した場合は責任準備金が最大一〇%までカットをされる。今回それを想定していない。最終的なその運用の受取がどうなるかというのは、理屈からいいますと、責任準備金がどのぐらいカットされるかということと、契約を変更した後の予定利回りがどうなるかと、この二つの、極端なケースを言えばこの二つの変数で説明できるということになります。責任準備金は、破綻した場合、ゼロかもしれないけれどもマイナス一〇%かもしれない。しかし今回のスキームの場合は、これはカットはない。かつ、その契約条件変更後の利回りというのが、今回御承知のように三%ということを下限に想定しているわけですが、今までの破綻のケースでいきますと、それより下回っていることが多い。その二変数だけから考えますと、やはり総じて言えば、破綻よりはこうした条件変更のケースの方が契約者に対する被害は少ないということは言えるのではないかと思います。 もう一つ最後に申し上げるとすれば、これは契約者にとってというよりは一種の社会的コストということになりますが、破綻処理の場合、セーフティーネットが発動されるかもしれない。このセーフティーネットというのは、基本的には他の保険会社の契約者ないしは国民全体の負担ということでありますから、そういうことも視野に入れて、契約者にとって総じてやはり今回のスキームの方が有利であるという判断は私はできるのではないかと思っております。
○大塚耕平君 今は破綻のケーススタディーの中でいろいろ御解説をいただいたわけでありますが、少し視点を変えて、一般債権者と保険契約者の関係をちょっとお伺いしたいんですけれども、一般債権者といえば出資者等でありますね、基金等を出している。この方々と予定利率をカットされる保険契約者との有利不利関係はどういうことになりますでしょうか。どなたでも結構です。 じゃ、もう一回言います。
○委員長(柳田稔君) 答弁者はしっかり質問を聞いておくようにしてください。
○大塚耕平君 簡単に言いますと、出資等をしている一般債権者と保険契約者との予定利率引下げのときの有利不利の関係はどのようになりますでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) 今回の予定利率の引下げというのは、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように破綻ではないわけでございまして、破綻の前段階の話でございます。したがいまして、破綻に至りました場合は、当然のことながら基金とか劣後ローンの扱いはもちろん一番劣後するわけでございまして、保険契約者が優先されるわけでございますが、この生命保険、今回の予定利率の引下げにつきましては、破綻ではないわけでございますので、この法案の中で説明させていただいておりますように、保険会社とそれから保険契約者が相談いたしました内容で、正しくその基金拠出者あるいは劣後ローンの拠出者と相談するということになるわけでございます。
○大塚耕平君 藤原局長、今の答弁を是非、僕、テレビ局にワイドショーで使ってくれと言いますけれどもね。 今の答弁、国民に聞かしてあげたいですね。つまり、破綻処理じゃないから保険契約者にとっては有利だと言っているんですよ。これ、破綻処理させたら、破綻処理させた方が保険契約者に有利な場合があるわけですよね。つまり、一般出資者の方に先に責任を取ってもらって、保険契約者の方が守られるわけですから。今の仕組みだと、保険契約者に先にロスカットをさせて、そして一般債権者は守られるわけですから。 だから、金融庁は、衆議院の答弁聞いていると、保険契約者にとって有利な対策として考えているという、ここを非常に強調していて、メディアも大分そこに引っ張られているんですけれども、それは、破綻処理じゃないという前提に立てばそうなんですけれども、破綻処理であれば一般債権者の方がまず先にロスをかぶるべきなわけですから、有利不利の関係でいうと、程度は分かりません、それは程度は確かに破綻の仕方によりますから一概には言えませんけれども、実はそこに論理のすり替えというか、ある意味で非常にうまいというか、私的に言うと詭弁が入っていて、これをワイドショーで奥様方に分かるようにきちっとやっていただけるとかなりもっと怒りが増してくるんではないかなというふうに思うわけでありますが。 それはそれとして、公正取引委員会にもおいでいただいていますので一つお伺いしたいんですが、これは自主申請だということになっていますけれども、与党の相沢大先生におかれては、雑誌等で、いやいや、これは個別に申請すると大変なことになるから業界が一斉に申請するのが望ましいと、はっきりこう発言しておられるわけでありまして、しかし生保各社が一斉に変更申請した場合、これは私は独禁法違反じゃないかという気もするわけですが、この点について公取の御意見を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(伊東章二君) お答えいたします。 どういう行為あるいはケースが独占禁止法に違反するかどうかにつきましては、基本的には個別具体的な事案ごとに判断するということになるわけでございますが、お尋ねの予定利率の変更申請に関しまして、例えば保険会社が予定利率を幾らに引き下げるかについて話し合って一斉に申請を行うというようなことは独占禁止法上問題になるというふうに考えております。
○大塚耕平君 そうすると、例えば金融庁の皆さんが非公式に、一斉に申請したらどうだとささやかれて申請してきた場合は、これは公取のお立場としてはどうですか。
○政府参考人(伊東章二君) いわゆる行政指導と独占禁止法の関係ということになるわけでございますが、行政指導がございましても、独占禁止法の違反は、違反行為があるときは、それはその責任は免れないというふうになっております。
○大塚耕平君 非常に今のは意味のある御答弁だと思います。行政指導であっても内容によっては公正取引委員会の網に掛かる可能性があると言っておられるわけですね。 私は、公正取引委員会とか証券取引等監視委員会とか事後チェック型の行政組織には大変大きな期待をしておりますので、多分ほかの先生方もそうだと思いますので是非頑張っていただきたいですが、この期待に反して臭い物にふたをしたときには、これはこれで大変な跳ね返りが出てくるということを今から是非肝に銘じていただきたいなというふうに思うわけであります。 さて、冒頭、この問題の冒頭にも申し上げましたが、生保や銀行の経営が苦しいというのも、別に個別の生保や銀行だけの問題だとは私も思っておりません。そこで、大臣にお伺いしたいんですが、生保、銀行の経営不安の要因というのはどのようにお考えになっておられますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 生保に関しては、先ほどの答弁と少しダブるかもしれませんが、やはりマクロ経済環境が大きく変化する中で、十数年前とは全く違う金利の世界というか金利のパラダイムが大きく変化してしまった、それによって逆ざやが生じているというのがやはり一つの大きな要因であると思っております。それと、期待成長率が低下する中で、それぞれの将来所得を消費者が見積もる中で保険契約高も減少しているという点、さらには、これは資産デフレの中でその中核である株式市場の低迷、こうしたものが資産運用を業とする生保に対して非常に大きな打撃を与えたという面が非常に大きかったと思っております。 一方で、これは生保を見ますと、生保の中でもいろいろばらつきがあるわけでございますから、そのような意味では、やはり競争条件の中で経営改善努力をどのように行っていくかというその競争環境においても、やはり必ずしも、過去の中で不十分な点があったのだろうというふうに認識をしております。 銀行に関してでありますけれども、銀行に関しては、これは一つは、資産査定の厳格化の基準であるとかガバナンスを強化するための仕組みとか、やはりその仕組みそのものが過去のいわゆる護送船団時代のものから十分にいわゆるグローバルな環境に対応するものになっていなかったと、そうした中で銀行自身が安住して様々な問題が速い速度で解決されてこなかった、そういう問題が非常に大きいのではないかというふうに思っております。
○大塚耕平君 やはり、今回の生保の決算を見ても、過去数年を見てもそうなんですけれども、実は利回りの低下よりも株安の影響がかなり大きいんですよね。ここは、大臣、そういう理解でよろしいですよね、銀行も含めて。
○国務大臣(竹中平蔵君) 株安によって受けた影響、バランスシート上、PL上の影響というのは、生保、銀行を通して大きかったというふうに思っております。
○大塚耕平君 そういう中で、生保の経営維持を、国民に多大な影響を与えないような観点で経営維持を考えて今回の生保の予定利率の引下げを発議されておられるということですと、これは銀行だって事情は一緒なわけですから、生保でこれをやるんだったら、銀行の例えば預金者の利回りを引き下げたり与信先への金利を上げたり、そういうことを認めるということを片方でやらないで、どうして生保だけはこういう対応になるんですか。 あるいは、逆でもいいですよ。銀行でそれをやっていないわけですから、経営が悪くなったところには今回のりそなみたいに公的資金を入れればいいわけですから、生保にもそれをやればいいわけですよね。生保も銀行も仕組みは、仕組みというか経営が悪くなっている理由は同じなわけですから、マクロ経済の影響なわけですから、同じような仕組みで対応するべきだと思うんですが、銀行と生保で対応の基本的な枠組みが違うのはどうしてでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 要因は決して一つではございませんが、やはり基本的な違いというのは、生保の場合、非常に長期の契約になっていると、そこに集約されるのだと思います。長期間にわたって一定の利回りを契約者に対しては保証する。 銀行の場合は、特にいわゆる長期信用銀行的なものではない銀行の場合は、極めて短期の資金調達で行って、貸付けも長くて数年というものでありますから、そうした中で一種のローリングが行われて可変的な商品構成に結果的にはなっている。それに比べますと、生保、特に日本の生命保険というのは、圧倒的に世界の中でも長期固定の金利が大きくて、そうした意味での条件変更に対応できないという一つの仕組みを、宿命を持っているというふうに思っております。
○大塚耕平君 非常に今御指摘いただいた点は論理的にそのとおりだと思います。 おっしゃるように、生保は長期固定で、本当に高度成長期までは良かったですけれども、今日こういう環境になって、先々も見通せない中で長期固定の今の生保という仕組みを前提として今回のこのびほう策をやることがいいのか悪いのかというと、私は実はそこが大変不安なんですね。 だから、衆議院での議論でも随分議論になっていますけれども、破綻の蓋然性があるという部分については、五年先までは破綻しないことを想定しているとか十年だとか、そういう議論がありましたけれども、先々は読めないから問題になっているわけですから、であるとすれば、長期固定型の生保の今の業務構造そのものを見直さなければならないと思いますし、また銀行とのダブルギアリングの問題も含めて、つまり全体をどういうふうに見直すのか、そして日本にとっての生命保険会社というのはどういうALMを持った構造にするべきなのかという、そういう基本的な議論がないまま、あるいはそういう点についての金融行政当局の見識が我々に示されないまま、ばんそうこうだけ張っていると。ここに多くの国民は不安を感じていますし、私も不安を感じているわけであります。 それはそれとして、もう一つ、不透明なことを金融行政がされると、大変、ただでさえみんなが疑心暗鬼になっているのに、余計金融行政に対する信頼がなくなり、それはひいては株価や経営状況にも影響してくるという、こういうロジックになっているわけでありますけれども、大臣、私が、予算委員会のときに、りそなの問題で、朝日監査法人がりそなに対して何らかの報告書を出しているはずなので、それをやはり国会として資料を徴求して我々に提示していただくのがよろしいんではないかというふうに御提案申し上げまして、予算委員会委員長に資料請求をしたわけでありますが、それはその後、もちろんこれは予算委員会の理事会の問題ではありますけれども、全くナシのつぶてでありますが、この件についてはどうなっておられますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 朝日監査法人の資料についてお答えする前に、一点だけ。 先ほど、まあ、ばんそうこうを張っているだけでは駄目なんじゃないか、ばんそうこうを張っているだけでは本当に駄目なのだと思います。この点は、先ほども申し上げましたように、今回の予定利率の変更という問題だけですべてが解決するというふうには私も全く思っておりません。例えば今度の、しかし予定利率の変更の中で、その変更の後で金利変動商品のようなものが出てくるというのは、これは実はあり得ることでございます。そういうものが非常に経営改革の中でダイナミックに出てくれば、これは生保が抱えている構造的な問題の解決に資する方向には行くということなんだと思います。さらに、これは条件を変更するだけではなくて、早期是正、早期警戒の制度等々を絡めながらしっかりとした方向に持っていく、やはり一つだけでは駄目で、そういう総合的な対応が必要だと、これは私たち自身もそのように位置付けております。 朝日監査法人につきまして、委員御指摘のように、そのような御指摘をいただきました。これは、ただ、朝日監査法人は契約をした監査法人ではない、そこが一種のコンサルティングのような形でりそなにそのようなものを出しているかどうかというのは、当局としてそれを確認できる立場にはないというふうに思っております。 仮にそのようなものが存在するとしても、これは一種の守秘義務の問題、公認会計士が立場で調べて、それを命令で出せというのは、これはやっぱり守秘義務上の問題もあろうかと思いますので、この点については、前回の答弁と結局同じになってしまいますが、最終的には契約して監査する立場にあった新日本監査法人の報告書に基づいて我々はその決算の状況を判断していると。あくまでそのようなことになるということを御理解いただきたいと思います。
○大塚耕平君 御理解できません。 監督当局なわけですから、監査法人に対しても、別に国民に広く公開しろと言っているわけではないですから、二大監査法人が非常に一つの基準について異なる考え方を示したわけですから、片方の意見もよく聞いてみるというのは、大臣が予算委員会の席でおっしゃった、監督当局として利用可能な資料をすべて使ってちゃんと判断しているんだという趣旨のことをおっしゃったわけですから、私は、朝日監査法人の資料も利用可能な資料に入るのではないか、そして監督当局としてそれは別にそれを徴求することは監査法人の守秘義務に抵触しない、むしろ監督当局として当然の行為だと思っておりますので、委員長、改めて当委員会としてお願いをしたいと思います。 朝日監査法人がりそな銀行に対して提出したと思われる資料がまずあるのかないのかを調べて御回答いただきたい。もしあるとすれば、それを金融庁が徴求をして、当委員会に御披露いただきたい。この二段階に分けてお願いをしたいと思います。 あるのかないのか、ないという御回答であれば、それはそれでまたその後の展開があると思いますが、あるのかないのか、そしてあるとすればしっかりそれを徴求していただきたいということをお願いします。
○委員長(柳田稔君) まず、あるかないかについて、金融庁、どういうふうな把握をされておりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは我々としては、繰り返し言いますけれども、公認会計士、弁護士、それぞれそういったプロフェッショナルと、ないしはコンサルタントとどのような形でいろんな意見交換をして経営の意思決定をしているかと。これはまあやはり正に経営の判断であり、その個々の銀行の言わば自由の裁量の問題であろうというふうに思っております。 我々としては、決算書はちゃんと出してくださいと、決算書には監査法人のちゃんとした意見を付けなきゃ駄目ですよと。これは我々としては監督当局として求めて、その結果が問題ある場合はその業務改善の命令を出すわけでございますが、それ以前の自由な言わばコンサルティング的なものの問題について、そこに立ち入ってどうこう命令できるというふうには申し訳ありませんが考えておりません。 それともう一点、委員が、これは監査法人そのものも監督する立場にあるではないかと。ただ、これは監査法人の経営、その業務の内容といいますか、監査の内容についてどうこうというような権限は私たちは持っていないというふうに理解をしております。例えば、守秘義務違反をした、何か不正を働いた、そういう問題については公認会計士法を所管する役所としてきっちりと見なければいけないのでございますけれども、その中身について我々が言わば銀行監督と同じようなレベルで監査法人を監督するというような法律の仕組みにはなってございません。
○委員長(柳田稔君) もう一回委員長からお聞きしますが、あるかないかについてはどうなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、経営の判断でどのようなコンサルティング的なことを行っているかどうかについて、それを銀行に対して問いただす立場に金融庁はないと思っております。
○委員長(柳田稔君) あるかないかについてはお答えができないという答弁だと受け止めて、後刻、理事会で協議をさせていただきます。
○大塚耕平君 余り繰り返し言うと嫌われますけれども、私は竹中大臣の著書のファンだったわけでありますので、竹中大臣もまだこれから人生長いですから、ここで今回の件をどういうふうに処理されるかというのは、竹中大臣の学者としての、あるいはもっと違うステージでこれから活躍されるのかもしれませんが、今後のキャリアに大きな影響をしますので、一ファンとしてお願いをしておきますが、是非、過去言っていたことと現在公の立場になっておやりになることとが大きなそごを来さないようにやっていただきたいなというふうに思います。 さて、大臣、今、銀行は自由に経営をしているのでという御発言がその途中であったんですけれども、そうすると、銀行や生保が合併とか再編をするに際して、金融庁は何か意見を言ったり、こうしてくれってお願いすることはありますか。 いや、大臣に聞いています。
○国務大臣(竹中平蔵君) 合併は金融庁の認可が必要な問題であります。それを認可するに当たって、これはもちろん、合併するかどうか、それは経営上の、経営戦略上の非常に重要な意思決定であるわけでありますけれども、それについて、意思決定そのものについて、私的な意思決定に介入する立場にはないと思っております。 ただ、これは銀行を監督する立場から、銀行法でその要件は幾つか決められております。それの要件は大きく三つありまして、その競争条件が乱されないかというようなことでありますとか、預金者の利便が損なわれないかというようなこととか、その業務の的確、公正、効率的な遂行に支障がないかと、その三つの観点からその許認可をするということになっております。
○大塚耕平君 今、銀行はという主語で全部お話しいただいたんですが、生保も一緒ですね、基本的には。
○国務大臣(竹中平蔵君) 生保も一緒であります。
○大塚耕平君 それでは、今日、大臣に是非ごらんいただきたい資料を私持ってきておりまして、委員長の御了解をいただければ大臣にお渡ししたいんですけれども、よろしいですか。 大臣に是非ごらんいただいた上で審議をしたい資料がありまして、大臣にお渡ししたいんですけれども、よろしいですか。
○委員長(柳田稔君) では、どうぞ。(大塚耕平君資料を手渡す)
○大塚耕平君 今からこの資料について審議をさせていただきますが、ほかの委員の先生方、お手元に何もないのでは誠に恐縮ですので、御了解いただければお配りできるように委員の先生方の部数は持ってきておりますが、御協議いただけますか。 いや、なければ読み上げますのでいいんですよ、御同意いただけなければ。
○委員長(柳田稔君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(柳田稔君) 速記を起こしてください。 資料については、御配付よろしくお願いします。 〔資料配付〕
○大塚耕平君 それでは、委員の皆さんのお手元に行く間に、ちょっと資料の内容について御説明をさせていただきます。 今からお配りする資料は、昨年の一月二十一日の十八時三十分から二十一時の間、東京海上森副社長と金融庁、当時の高木局長の会談の書き起こしであります。 この会談は、当時、東京海上が合併を検討していたA生命保険に関して、東京海上が独自に試算したA生命保険会社の企業価値の算出結果を金融庁に報告するために、森副社長から高木局長に申し入れたものであります。 森副社長は関係資料を高木局長に手渡し、当該資料の頭紙に沿って算出結果を説明されたそうであります。資料の中身に関して詳細な議論に及ぶことなく説明自体は終了し、資料の詳細説明が必要であれば改めて東京海上側から金融庁保険課長に説明することとなった由であります。 今お配りいたしました記録は、東京海上側の書き起こし資料を忠実に私が再生したものです。 書き起こし資料の現物には、その資料が本物であることを証明できる情報が含まれております。ただし、情報提供者の身元の秘密を守る目的から、その資料を基に私が再生をいたしました。ただし、竹中大臣に今お渡しした封筒の中には現物の一部分を入れてございます。竹中大臣に本物であることを御確認いただくために現物の一部分をお渡しいたしました。また、文中の下線部分は、アンダーラインを引いてある部分は特定の企業名が現物には書かれておりましたけれども、それぞれの企業の信用問題に配慮して匿名に変更した箇所であります。 その上で、一枚めくっていただきたいんですが、順番に朗読をしながら、大臣に所感をお伺いしたいと思います。 「FSA高木局長VS森副社長」というタイトル、現物もこのままであります。そして、「A・PT」というタイトルもこのままであります。これも東京海上社内の称号であります。 森副社長 先週高木局長に面談した際、本件に関して白紙に戻すという結論になった場合、業法上の処分を行うことを検討しているという話を伺った。「脅し半分で……」という話だったので、もちろん社長には報告したが、そんなに本気で考えてはいなかった。金曜日に森長官から樋口会長に、いきなりに、それよりもはるか強いトーンでお話を頂いた。どういう風に理解すればいいのか。 高木局長 誤解していないか。あれは結論として言ったもので、FSAでは柳澤大臣、森長官以下、本件がダメなら、業法一三二条、一三三条、あれでやろうということになっている。先週もそう申し上げたつもりだ。 森副社長 それは話が違う。材料を集め、検討をしている、という話であった。大臣、長官がそんなことを言っているので、自分の口からそんなことは言いたくないが、脅し半分、本気半分で聞いてくれと言ったではないか。 高木局長 それは森さんの全くの聞き違い。これはFSAの結論である。内閣法制局にもFSA出身の弁護士にも意見を聞いている。いずれも「やれる」という見解。 森副社長 法制局もか? 高木局長 まぁ、法制局は別にして、OBに弁護士が多く居る。彼らはOKと言っている。私から「脅し半分」と言ったつもりはないが、本来は(この種の処分は)命令と同時に相手方に言い渡すもの。東京海上サイドで検討中の段階でこれを言うのは脅しのように受け止められるので心苦しいとは思っているが……。長官が言っておけというものだから……、ということだ。 ちなみに、今の発言の「(この種の処分は)」とかその他の括弧のところは、これは現物に東京海上側が加筆をしたものだと思われます。したがって、アンダーライン引いてあるところ以外は全部現物のままであります。 続けさせていただきます。 森副社長 私はそう受け取っていない。もし本当にそうなら事は重大だ。真剣に反論しなければならない。A生命の件で割いている要員を(処分対応に)向けないといけない。そんなに真剣に受け止めていなかったので、大して勉強をしているわけではないが、業法一三二条は、不適正な業務運営のケースと理解している。一三三条は公益を害する場合であろう。本件のどこがそれに該当するのか、にわか勉強では理解できない。 高木局長 A生命とミレア保険グループを結成しておいて、一定期間付き合って、人も出して、相手方の内容も把握し、昨年一月には細かい計画を大量に打ち出した。その後ずーっとやってきて、十一月の時点で本件を発表した。そこまでの間、A生命のことをよく知ったはずだ。世間に合意確率が高いと思わせておいて、一月末になってダメでしたでは、世の中に対してやはりマイナスが大きい。その結論は銀行にも響き、信用システムの崩壊につながり大変なことになる。それが判った上で今回の一連の動きを行ったと言わざるを得ない。東京海上にあるまじき軽率な経営判断だ。それを行政として放置するわけにはいかない。A生命が倒れたら、B生命・C生命も逝ってしまうかも……。C生命は保つかも知れないが、B生命は逝くだろう。 ちなみに、この「保つ」というところ、「たもつ」と書いてあるのも、これも原文どおりですので。多分「もつ」というふうに読むと思うんですけれども。各御発言の間に一行スペースが入っているのも、これも元のままですので。 ちょっとここで、スペースが入っていますので一区切り置かさせていただきますが、ここまで聞いて、大臣の御感想を一言。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、前提としまして、今、本当にこれ、今この場でいただきまして、確かにサインとかあるんですが、この場ではちょっと確認のしようが私もございませんので、先生の御趣旨を是非この場でしっかりと賜りたいと思います。
○大塚耕平君 もちろん、この紙の出来事があったときは大臣は大臣ではないわけですから、私は竹中大臣の責任だと思っていません。後で、これをどう処置するのかについてはまた意見を言わせていただきますが、続けさせていただきます。 森副社長 今回の結論は真剣に検討した結果である。それでも問題だと言うなら、業法のどこにそれが書いているのか。契約者の利益を害したとはどう言うことか。 高木局長 本件が破談になった場合、期待を持たせたA生命の契約者を不安に陥れ、契約者利益を害することになる。破談によって破綻すればなおさらだ。 森副社長 今回の「検討発表」が、契約者に期待を抱かせたとは言えない。合意を発表したわけでもなく、いわんや救済目的に検討するとも書いていない。公表文書には明白に「検討」と書いてあり、目的はミレア統合の早期化だ。これで(契約者等が)誤解するわけがない。現に発表した後、A生命の解約は増加している。これは発表によって逆に契約者が不安を持った証左である。A生命については三ノッチの格下げを食らっている。マーケットは合意成立と見ていないということだ。期待を抱かせ利益を害したというのはおかしい。 高木局長 契約者の利益を害したとは言えないかも知れないが、公益には反する。 ここで、後ろに「(業法一三三、五号)」と書いてありますが、これは原文も五号になっていまして、これは法律を見たら、しかし三号までしかなくて、多分これは三号の書き間違いだと思いますが、原文、現物が五号になっておりますので、御承知おきください。 森副社長 何故公益に反するのか。自分も業法を読んでみたが、そんなことは書いていない。「実務講座」にもそんなことは書いていない。 高木局長 書いてありますよ。社会的・経済的に公益を害した場合には処分と書いている。 森副社長 それは読み方がおかしい。業法の目的に照らして解釈すべきだ。そうでないと、例えば、国の安全保障を害した場合でも業法の適用があるということになり、国益の為なら保険会社をどうにでも処分できるという発想になる。 高木局長 一三三条にわざわざ「公益」と書いているのは、業法の目的以上に裁量権があるということだ。 森副社長 そんな解釈は初めて聞いた。それでは他の刑事罰も業法で罰せられることになり、他の法律なんかなくても業法だけで何でもできるということか。 高木局長 そういう考え方ではなく、行政に対する問題だ。 森副社長 それを一三二条、一三三条でどう読むのか。 高木局長 保険行政を混乱させたと言うこと。その結果、保険制度、健全性に悪影響を与え、契約者の不利益をもたらした、ということになる。 森副社長 契約者の不利益は言えないと言ったではないか。 ここも本当は「と」が入っているはずなんですけれども、現物が入っていませんので、済みません。 行政は今回の当社の行動で何が問題となるのか。 高木局長 行政に対して期待を抱かせたことだ。 森副社長 それは一三二条、一三三条と別の問題。いずれにしても、今のようなことを本気で言われるのであれば、当方としても徹底的に防御の構えを持たざるを得ない。ところで、今は(FSAと当社の)両者でそんなことをしている場合ではないのではないか。それ以外の方策を考えるべきではないか。当社もA生命への影響をどう少なくするか真剣に考えている。行政もどうすればよいか、何ができるかを真剣に考えて欲しい。 ここでちょっとまた一区切りあるんですが、五味監督局長と藤原局長にお伺いしたいと思います。 これが本物かどうかというのはこれから大臣が御確認くださると思いますが、私はこれ本物だと思って確認をした上で出しているわけです。その上でお伺いしたいんですけれども、二ページのところで高木局長が「業法の目的以上に裁量権があるということだ。」とおっしゃっておられますが、行政当局には業法の目的以上に裁量権があるんですか。それぞれに御発言をしていただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 基本的に、監督当局の権限というのは法律で定められた範囲内のものであるということでございます。 現象的に、その法律で定められた権限を行使するきっかけとなった行為があるいは業法に規定してある行為そのものでないケースもあるかもしれません。それは、他法令違反を犯したケースとか、いろいろなケースがあると思いますけれども、基本は法律に定められた権限の範囲内で行使されるものということだと思います。
○政府参考人(藤原隆君) 今、五味局長が答弁したとおりだと思っております。
○大塚耕平君 仮定の話なのでお答えできないという回答になるような気はしますが、あえてお伺いしますが、こういう御発言をしておられる長官の下でまだ働きたいですか。両局長にお伺いします。
○政府参考人(藤原隆君) それはお答えしかねます。
○政府参考人(五味廣文君) 同じでございます。
○大塚耕平君 続けさせていただきます。 高木局長 実は私もいろいろ考えて来た。ほとほとイヤになっている。 ちょっと一呼吸挟みますが、ほとほと嫌になっているのは我々であります。 続けます。 予定利率引き下げを議員立法でやってはどうかとも考えた。例えば、町内会方式で、予定利率=3%以上の契約者だけ手を挙げて貰って、(破綻かicutかと) これは、アイカットというのは予定利率引下げの東京海上社内の用語のようでありますけれども。 (破綻かicutかと)了解をとり九〇%以上の契約者がOKなら認可するというスキームも考えたが、下も乗ってこないし案も出てこない。OKしない一〇%の契約者はそのままにしても、残りの多数意見がOKならその人達だけでもicutする認可が下ろせないか、という考えだ。 森副社長 契約者から一人ずつOKをとるのは大変な作業で時間がかかるから現実的で無いかも知れない。A生命が倒れたとして、D銀行、旧E銀行に連鎖すると本当に考えているのなら、議員立法でやればいい。東京海上を脅すよりも、その方がリスク回避に建設的だと思う。 高木局長 A生命が倒れたら出来るかも知れないが、その前には無理。 森副社長 小泉首相も、いかなる手を使っても、金融システムを崩壊させないと言っておられるではないか。 高木局長 とにかく今は手詰まりでどうしようもない。 そして、その次、「(以下雑談、順不同)」という、これも現物にこのように記載されております。 続けます。 森副社長 特別解約控除をFSAの認可で出来るようにしてはどうか。 高木局長 法制局からは憲法違反になると言われている。 森副社長 十年位前の契約者は予定利率=五・五%で回る保険料を今でも毎月払い込み、内心こんなうまい話があるのかと思っているのではないか。そのしわ寄せが今の一・六五%などの契約者に来ている。これはunfairだと多くの国民が思わないだろうか。 ちょっと意見言わせていただきますけれども、ここの森さんの発言というのは極めて今回の法案の本質にかかわる部分なんですね。確かに、同じ受取一千万円の保険を掛けているのに、保険料が一万五千円ぐらいの人もいれば四万円ぐらいの人もいて、これでいいのかという問題があるわけです。だから、それはそれで、今回の法案が、こういう本音の話が出てきているならこれは分からないではないんです。ただ、それは私的契約としてその時点その時点で契約しているわけですから、どこまでのアンフェアが許されてどこまでのアンフェアは是正すべきかというのは、これは議論の余地があると思いますが、しかしその後の高木さんの発言が問題なんですね。 高木局長 どうしようもない会社になればそうだが、十分に内部留保のある会社に対しては内部留保をはき出せば良いという主張になる。だから、どこか破綻しないと無理だといっている。 つまり、内部留保はあるということを認めているわけですよね。まだまだそういう、引下げをする会社も内部留保はあるということを認めている。衆議院でも、すべていろんなことをやった上で予定利率引下げをしないと金融システムが揺らぐというなら、それはしようがないじゃないかという議論になっているわけですから、高木さんがこういう認識なら、やっぱりそこは正直にその議論を表に出して、例の三利源の話とか何かをきちっと表舞台に乗せてやっていればこんなことにはならないわけですよ、そもそも。こんなことというのは、今日のこの事態も含めて。 続けます。 森副社長 F生命だって契約者相互間で内部補助的なことが行われているということにならぬのか。このまま行くとF生命でも二十年後には赤字になる。 高木局長 そこまで読めているのであれば、A生命のことだって判っていたはずではないか。それが判らなかったと言い張るのはおかしい。 森副社長 この話をA生命の検討結果に結びつけて言われると何も話せない。 大臣、ここまでで何か御感想はありますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、今回そのサインの入ったものをいただいておりますが、ちょっと申し訳ありませんが、今の時点でちょっと確認のしようがございません。最後まで読ませていただきまして、特に大塚委員の御主張、御指摘がどの辺にあるかということをしっかりと賜りたいと思います。
○大塚耕平君 繰り返し申し上げますが、この件に関しては僕は大臣にも伊藤副大臣も何にも責任はないと思っています。ほかの皆さんにも責任はないと思っています。どう処分をするかということで今度は大臣の責任が問われるかと思います。 続けます。 高木局長 破談は即破綻につながると考えて欲しい。 森副社長 「破談」ではない。元に戻ってミレアグループとして結合を目指すということだ。旧G生命だって旧H生命だって、スポンサーが資本支援をやめてから数ヶ月保っている。 高木局長 その頃とは情勢が違う。FSAは、金融業界全体に飛び火するので、即破綻させるしかない。 森副社長 何故なのだ。A生命には充分な流動性もあり、多少の解約では大丈夫。A・BもSM比率もOKのハズ。 高木局長 放置しておくと営業基盤が毀損する。傷が浅い内に破綻させないとFSAがもたない。 ここで「A・B」と書いてあるのは、これは業界用語で実質資産負債差額というような意味で、資産をA、負債をなぜかLではなくてBというふうに表現するらしいですね。で、A・Bといいます。SM比率は、これはソルベンシーマージンのことであります。 それから、高木局長の「傷が浅い内に破綻させないとFSAがもたない。」というここのくだりには、大臣のお手元にある、サインをしておられる方の直筆でこの部分に、「FSA」の前に括弧して直筆の補記があります。これまで何もしてこなかったという批判にさらされて、「FSAがもたない。」という補記が具体的にございます。 続けます。 森副社長 いっておくが破綻ではない。今回の生損早期統合は見送ると言うこと。従前のミレアグループ結成の契約は生きており、ミレア保険グループの一員であることには変わりはない。二〇〇四年に向けて個社努力で頑張るということ。 高木局長 そんなこと言ったって、東京海上は支援しないわけだろう。と、いうことはA生命はそれだけ悪いと言うことだ。世間はそう見る。A生命は保たない。 森副社長 当社にばかり言われても困る。もともと個社努力で強いグループを作ろうとしていた。それを東京海上にといわれても困る。当社がダメなら、他に支援する人はいないのか。A生命には債権者が沢山いるではないか。 高木局長 銀行などにはそこまで力がない。 森副社長 Iグループはどうか。A生命にこれまで随分助けて貰ったではないか。 高木局長 そうはいかないだろう。A生命はそこまで影響力がない。 森副社長 A生命自身が頑張って支援を取り付ければいい。 高木局長 まずは東京海上、次いで旧J銀行、そしてIグループということで、先に旧J銀行他が出して東京海上は出しませんよでは世間は通らない。せめて基金拠出でも、という何か材料があって元に戻すのなら別だが。 森副社長 基金は貸付であり、純粋に貸付先にふさわしい会社かどうか。当社もNASDAQに登録している。海外の投資家に対して、日本的な解決策を説明しても難しいと考えて欲しい。 あと少しですから、続けさしていただきます。 森副社長 数字のみで合併の可否を決めるものでもない。これまでだって、合意しておきながらP同士の対立、 これ、Pというのは多分プレジデントじゃないかと思うんですけれどもね。 組合との確執、等で合併破棄の事例があったと聞く。まして、今回は合意すらしていない。 高木局長 B生命のケースがそれだ。あれは下が処分しなかった。K生命は突発事件があったからやむを得ない。但し、製薬会社のケースと同じに考える訳にいかない。保険会社は公共性がある。 森副社長 本件はM&Aであり、結果が制限されるとM&Aはできない。 森副社長 もともとミレアは救済のためのグループではない。そんなことを両社とも言ったこともない。始めから判っていたなんてとんでもない。今回の数字はA生命だって判っていなかった。今回の検討で初めて判ったものだ。現に十一月の時点ではA生命は企業価値が大きなプラスだと言っていた。 高木局長 条件付きでもいいので、合併は打ち出せないか。 森副社長 十一月以降の金融情勢の変化は大きい。一年後のことは言えない。 以上であります。 大臣、先ほど、合併に口を挟むことがあるのかという御質問をさしていただいた際に、私的な合併の話に口を挟むことはないというふうにはっきりお答えになりましたが、今の読み上げましたやり取りは、これは、大臣の価値判断、大臣の物差しからお考えになって、ちょっと行き過ぎた介入だとは思われませんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰り返し申し上げますが、ちょっとこの資料そのものが私たちには確認のできないものでございます。 ただ、一般論として、あくまで一般論として申し上げれば、合併という非常に大きな経営上の意思決定に対して、監督当局としては、もちろんこれは監督当局ですから、その個々にはいろんなやり取りが私はあり得るというふうには思いますが、その大きな意思決定に対して何か物を直接的に、こうすべきであるとか、そのようなことは私は言うべきではないというふうに思っておりますし、現にこれまで、私が確認している範囲では、そのような、こうすべきである、こうしなさいと、そのような事実はなかったというふうに聞いております。
○大塚耕平君 こういうことがあったり、私はもうあえて確信をしていますから、あったりというふうに申し上げますけれども、こういうことが現実にあったり、それから先般、りそなの件で匿名の方からお手紙をいただいた内容に、りそなの合併に関していろいろとやり取りがあったといって腹に据えかねている人たちがかなりいるんですよね。今ここに出てくるA生命に関しては、第一生命さんに引き取れないかといって話をしているということで、困った困ったと言ってきている人たちもいます。 金融庁は一体どういう了見で仕事をしているんですか。大臣の御指示の下でやっているとは僕は思えませんね。 監督局長や藤原局長は、何かコメントするべきことはありますか。
○政府参考人(五味廣文君) 監督当局といたしましては、保険契約者を保護する、これは大事な仕事でございますから、保険契約者の保護に資するような様々な手段、特に保険会社の経営の安定というのは非常に重要なことですから、例えば合併あるいは再編、そういったような問題も含めて、中長期的な視点に立って経営の安定のために各生命保険会社が抜本的な施策を検討していただく、これはとても大事なことだと思いますし、そうした取組についてこれを促すと、こういうことは、これは保険契約者保護の立場から行うべきことであろうというふうに思っております。 個々のやり取りとは別に、私はそういう姿勢で行政をしております。
○政府参考人(藤原隆君) 総務企画局は、御案内のように、今回の法案のように保険契約者の保護を図るための制度的な枠組みということをやっておりまして実際の実務はやっておりませんので、私の方から発言するのは控えさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 私は別に、例えば高木局長に、あ、失礼しました。現在では長官でありますが、高木長官に何か個人的な思いがあるわけでも何でもございません。そこは是非御理解をいただきたいと思うんですが。高木長官は高木長官で、森前長官とともに、何がしかお二方のこれまでの行政経験に基づいた価値観があってこういう行動を取っておられるのだと思いますが、その価値観が、残念ながら日本経済を再生させるためにはむしろ時代後れの間違った価値観になっていると、私はそのように思っているわけであります。 そして、高木長官の局長時代の答弁の論理の組立てとか御答弁の誠実さなどを自分なりに推し量ってみますと、やはり余り、別に個人的な好き嫌いはありませんが、この局面で金融行政を担っていただくには不適当な方ではないかと私は思っております。高木長官よりも私は五味局長や藤原局長の方がはるかに優れていて誠実な答弁をしてくださっていると思っております。 私は、大臣に、この事の真相をしっかりと把握をしていただいて、しかるべき対応をしていただきたいと思います。そして、今日はまだ私は二時まで時間があるわけでありますが、詳細に覚えていないにしても、おおむねこういうやり取りがあったかどうかは高木さんに聞けば分かる話ですから聞いてきていただいて、本物かどうかということを午後の委員会までに確認をしていただけないかというふうに思います。さもなければ、こんなに不透明な行政が行われている中で、その長官の下で出されてきたこの法案の審議は私は続けることができません。 したがって、委員長にお願いをします。私、時間、午前中まだ十分余っておりますけれども、午前の審議はこれで終えていただいて、午後、大臣がどのような回答を持ってきていただけるかを踏まえて、続けるかどうかを決めさしていただきたいんですが。そして、大臣は、もちろん昼の一時間だけで確認できないということであれば、なぜ確認できないのか、今後どうするのかというところまで含めて、是非前向きな御回答をいただきたいと思います。 委員長によろしく御対処いただきたいと思います。
○委員長(柳田稔君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、保険業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 午前中に引き続いて、よろしくお願いいたします。 休憩時間中に、マスコミの皆さんには資料について御説明をしてまいりました。その席でマスコミの皆さんに申し上げたことを委員の先生方にもお話をしておきますが、私自身は今の資料の一部分を去年目にすることがありましたが、しかしその一部分ではなかなか分からないところもありまして、今年に入って全文を入手いたしました。 そうしたところ、東洋経済ですか、六月の二十一日号にこれの記事が出ておりまして、その東洋経済の記者の方と確認をさせていただいたところ、私が持っているものとどうやら同じものの、全部ではないようでありますけれども、やはりごく一部を持っておられて、そのように流通していることも確認した上で、本日こうやって公開をさせていただいたわけでありますが。 これは実は、たまたまりそながああいう展開になって、巷間、私もお騒がせをしておりますけれども、そういう展開があったからこそ、実はこのドキュメントというのはメディアの皆さんも公開するチャンスを得たし、私も、この委員会の場で公開をさせていただく、ある意味で合理的なタイミングを得られたわけであります。それがなければ、こういうものはやみからやみへ消えていくものが非常にたくさんあって、若干は、たくさんのうちの若干は私の手元にも幾つかあるんですが、こんなことばかりを委員会でやっておりましたら、本来の政策の中身についてきちっとした議論をする時間がどんどんなくなっていってしまう。 したがって、是非、この件とか、あるいはりそなの問題もそうですけれども、先ほど資料請求した件もそうですけれども、行政当局が大臣の命令に従って、指示に従ってきちっとした仕事をしていただけるという確信を我々が持つことができれば、こんなものを一々国会で取り上げるまでもなくやっていただければいいわけですから、大変皆さんに期待をしているところであります。 今となっては、東洋経済の六月二十一日号は、これを大臣が本物だというふうに御確認いただければ、あれは大スクープになったんではないかなという気がしますけれども、大臣がここでこれは、いや、よく分かりませんというふうにおっしゃると、マスコミの皆さんも今度は腹の虫が収まらなくなってストレスを抱える人がまた増えてしまうと。私もストレスが高まりますので。 中断してから一時間十分の時間があったわけでありますので、この間にどのような御確認ができたのかをまず竹中大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 午前中の審議で大塚委員から御指摘のありました件につきまして、昼休みの間に長官を国会連絡室に呼びまして事実関係を確認をいたしました。 御指摘のように、東洋経済の記事が前ありました時点で一度長官と話をしております。しかし、改めて今日御指摘をいただきましたので、長官に改めて確認をいたしました。 これ、行政の中身、監督行政の中身の話でありますので、個々のやり取りの一つ一つについてのコメントは差し控えさせていただきたいんですが、長官に確認しましたところ、法令にのっとって適正に行政を行っていたものであって、いずれにせよ、過剰な介入をしたとか、恫喝、強要をしたことはないという御説明がございました。 これは、前回、東洋経済のときも確認はしているんですが、しかしながら、午前中の質疑で大塚委員から私にお渡しをいただいた文書については、確かにサインもございます。それと、詠み人知らずというものではございません。私としても、改めて先方に確認するなど、きちんとした事実関係の解明をしたいと思っております。 繰り返し言いますが、個々の、行政上の個々のやり取りについて一つ一つつまびらかにすることはできないという点に関してはちょっと御理解をいただきたいんですが、要は、行政の過剰介入があったか、恫喝的な行為があったかと、この二点についてはしっかりと御報告をしたいと思いますので、これは先方の確認もありますので、一週間ぐらいお時間をいただけないだろうかと思っております。その間に、長官はもちろんのこと、先方にもじっくりお話を伺って、正確な事実関係を確認の上で改めて御報告をさせていただきたいと思っております。 若干、今、大塚委員から改めてお話がありましたので敷衍させていただきたいんですが、私、やはりこういう場合、原則論が大変重要であると思っております。とにかく信頼、行政に対する信頼が重要だと。それに対して説明責任を負っている、全く同じ思いでございます。 昼の会見で大塚委員が、大臣はそれができる立場にあるんだというお話をしてくださったということを聞いておりますが、私も全くそのとおりであります。私と副大臣、そういう意味では非常に大きな責任を負っていると思います。 ただし、原則としてというふうに申し上げたのは、りそなの件で、りそなの内部の方のお手紙というのをいただきました。ただ、残念ながら、手紙は詠み人知らずで我々としては確認のしようがないと、その点は御理解いただきたいということを申し上げたんですが、今回はそうではございません。相手が確認できることでありますので、これは原則にのっとって私の方としても先方にしっかり、を含めて確認をいたします。 もう一点、改めて原則を御確認させていただきたいんですが、監督上はやっぱりいろんな行政のやり取りがあります。特に、今回は会社の、別の会社の状況も出てきますから、それに関する風評等の問題もありますから、個々についての、個々のやり取りについてこれは御報告をするということは、これはできないということはちょっと御理解いただきたい。 ただし、繰り返し言いますが、行き過ぎた過剰な介入がなかったのかということ、恫喝、強要のようなことはなかったのかということ、この点は内部とそれと先方、外部ともにしっかりと確認をいたします。私が先頭に立ってこれはやります。同時に、コンプライアンス室を設けて、弁護士、外部の方も含めて弁護士いらっしゃいますので、弁護士さんにも手伝っていただきたいと思っております。 そうした点も含めて、一週間程度の御猶予をいただきたいと思っております。
○大塚耕平君 一週間程度の猶予を欲しいというそういうお話ですが、それについて、はい分かりましたというふうにここですぐは申し上げません。ちょっとそれについての私自身の回答は留保をさせていただきますけれども、留保した上でちょっと二、三話をさせていただきたいんですが、東洋経済の記事が出たときに、長官の記者懇、つまりオフレコで記者の皆さんが長官を囲んでやる懇談会が始終開かれておりますけれども、ある記者の方が長官に、東洋経済にあんな記事が出ていましたけれども、出ちゃいましたねと言ったところ、これは伝聞情報ですからもし正確じゃなければ後でおわびしますけれども、長官は、出ちゃいましたねとおっしゃったそうです。出ちゃいましたねという問い掛けに対して、出ちゃいましたねと。いや、長官、あんなことあるんですかと言いましたら、しばらく沈黙した上で、いや、そんなことするわけないでしょうと。それは、そういう答えになりますね。そこで、いや、そうですというふうに言えないのが人情だと思いますけれども。 そのやり取りとか、りそなのときに、私は国会議員として責任持って仕事をしているつもりでありますので、公開している文書や提供している情報は、数ある中から決して無用の混乱を招かないものを厳選してお出ししているわけでありますけれども、そういうことに対しても、木で鼻をくくったようなことを非公式の席で記者に対していろいろ長官は言っておられたり、金融庁の中堅幹部の方々も言っておられるようでありますが、大変不愉快であります。 そういう御対応をされるということであれば、それはそれでまた違う展開がありますが、そんなことをしていたら、本当に日本の金融というのはもう世界から相手にされなくなってしまいますので、もう金融庁はこの際、過去と決別していただきたいと思っています。 過去は確かに、過去は確かに護送船団方式の下で、森前長官や高木長官のような価値観の処理の仕方が一つの意味を持ったかもしれませんけれども、もはやそのこと自体を内外の市場関係者はいつまでそんなことをやっているんだという目で見ているわけですから、過去にだれがどうしたとかこうしたということはもう問いませんので、もうこの際、これを機会に決別していただきたい。 そして、ルールどおりにやって大きな混乱が生じるならば、その混乱そのものに対して手を打てばいいわけです。混乱が起きるからルールを曲げて混乱を未然に防ぐというのは、実は論理的なようで全く論理的ではありません。 そして、八〇年代までのように、金融関係者は、市場関係者は金融庁の情報、当時は大蔵省ですけれども、だけを信用しているわけではありませんので、みんないろんな情報を持っているんです。特に財務データなんというのははじけばいろんなものが出てくるわけですので。 だから、その辺の感覚がどうも世の中の実態と金融庁の現時点の常識とずれているという実感を持っています。現時点の常識というふうにあえて申し上げたのは、金融庁の中も特に、別に世代だけですべてが白黒付けられるわけではないですけれども、世代の若い方々というのはちょっと違う感覚を持っておられるようですけれども、また、今の幹部の皆様方の中でも、マーケットセンスがどれだけあるかないかで多少のお感じ方の違いがあるようでありますけれども、もはやうそは通用しないということを肝に銘じていただきたいなというふうに思います。 その上で、先ほどの一週間待っていただきたいということについては留保をした上で、ちょっと一つ聞かせていただきたいんですが、繰延税金資産、りそなでも問題になりましたけれども、これは生保のソルベンシーマージンの中にも計上されていますね。どなたでも結構です、回答は。
○政府参考人(五味廣文君) はい、計上されております。
○大塚耕平君 どのぐらい計上されていますか。例えば、大手十社がソルベンシーマージンをそれぞれはじいていますけれども、どのぐらい計上されていますか。
○政府参考人(五味廣文君) 十五年三月期における繰延税金資産、大手生保十社合計でございますが、一兆七千九百九億円が計上されております。ソルベンシーマージン総額、分子に対する割合が約一六%、こういう規模でございます。
○大塚耕平君 個別の決算は発表されていますので、これはもう秘密の情報じゃないと思いますので、私も私なりにはじいたもので数字を申し上げますが、例えば朝日生命、ここでも随分かねて大丈夫かという議論になっている朝日生命については、公表のソルベンシーマージンは三六〇%ですけれども、繰延税金資産を除くと七〇%しかないという計算になりますけれども、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(五味廣文君) 申し訳ありません。にわかにちょっと数字がないんですが、繰延税金資産を除いてソルベンシーマージン比率をコメントするというのはルールと違いますので、いずれにしても御答弁は控えさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 その御発言自体はりそなのときと論理の一貫性があって、なるほどなというふうに思うわけでありますが。 今日お手元にお配りさせていただきましたこの資料の、先ほどの文書の方ではなくて冒頭にお配りさせていただいたものの中に私の拙稿がございますが、ページでいうとB4の四ページの右肩の方になるわけでありますが、「金融ビジネス」に書かせていただいた記事でありますけれども。今回のりそなの件でも、今日は塩川さんおいでになっていませんけれども、税務会計と企業会計の矛盾が繰延税金資産を過大に計上させているんだという、大臣や副大臣からもそういう御答弁がありましたし、金融庁からもそういう話はよく聞くんですけれども、それは一面真実なんですね、一面真実。 しかし、例えばアメリカでは、銀行の場合、中核的自己資本の一〇%又は計上年数一年分を上限とするというふうに監督当局が自らの意思を明確にしているわけですよ、自らの意思を。金融庁は、銀行の自己資本比率及び生保のソルベンシーマージンにおいて、繰延税金資産をどのぐらいまで積ませることが、あるいは積むことを認めることが合理的な範囲内であるというふうに、どのように見解を明らかにしていますでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 現在、銀行における繰延税金資産の自己資本比率上の計算と申しますのは、会計上認められる繰延税金資産をそのまま計上をするという考え方で行っております。 しかしながら、当然のことですが、繰延税金資産と申しますのは、将来の収益あるいは課税所得、こういったものに当然影響されるものでございますので、その計上に当たりまして、会計上もあるいは自己資本比率上もこれが厳格に計算され、また監査され、検査をされる必要があるということで、金融再生プログラムでもそうした方針にのっとって計上を厳格に行うという方針で現在運用をしております。 なお、この繰延税金資産を自己資本比率に算入するについて算入上限を監督上設けるべきであるかどうかという点につきましては、金融再生プログラムに基づきまして、現在、金融審議会にワーキンググループを設置をいたしまして、そちらで議論を進めているところでございます。
○大塚耕平君 局長が今冒頭でおっしゃった、基本的に企業会計で積めるものは積めると考えているというのが、それが金融庁の意思なわけですね、意思なわけですね。 そうすると、またりそなの話に戻ってきますけれども、ところが、企業会計の世界において幾らまで積めるのかという議論が、実は朝日監査法人と新日本監査法人であれほど意見が違ったわけですから。企業会計で積めるところまでは積んでいいですよという方針で、企業会計を担っている公認会計士や監査法人の皆様方の意見が一致していたり、あるいは多少意見の差があっても誤差の範囲内であるときはいいですけれども、誤差の範囲内じゃなかったわけですよね、りそなのケースでは。 それでも、引き続き、自らは特に意見表明をしないで監査法人の御判断に任せるというスタンスを今後とも取り続けますか。この今後とも取り続けるかどうかという発言は、これ今、金融市場の皆さん、かなり見ていますからね、このテレビ、大手町でも。今後とも監査法人に任せますか、それとも規制会計、つまり、税務会計でもない、企業会計でもない、監督当局としての規制会計を明らかにされる御意思はございますでしょうか。局長で結構です。
○政府参考人(五味廣文君) 現在のルールはただいま申し上げたとおりでございますし、まず何よりもその計上の厳格化ということが必要であるという認識であります。 今後、監督上、会計ルールとは異なる算入上限を設ける必要があるのかどうかという点については、金融再生プログラムにおいてそうした問題意識が提示された上で、現在、金融審議会のワーキンググループで御検討をいただいているということでありまして、その結論というものがどういうものになるかによってまた今後の方針を決定していくということになります。
○大塚耕平君 金融審議会で議論しているのは銀行の分だけですか。生保のソルベンシーマージンに計上する分も検討しておられるんですか。
○政府参考人(五味廣文君) 金融再生プログラムは主要行に対するものでございます。現在検討していただいているのは、銀行に対する規制としての繰延税金資産の計上の在り方ということであります。
○大塚耕平君 それでは、生保のソルベンシーマージンに対する繰延税金資産の計上の仕方については今後どのように検討されますか。
○政府参考人(五味廣文君) 今後の検討の具体的な方針というのが今あるわけではございません。現状のルールは、会計で認められるものについて、これをソルベンシーマージン比率計算方式に従って計上するということであります。 将来これを再検討する必要があるかどうかというのは、恐らく一つには、銀行についての考え方がどういうことになっていくのか、あるいは税制上の様々な取扱い、その他繰延税金資産が積み上がっていく背景となっております様々な制度的要因などについての取扱いとも関連させながら考えていくことになると思いますが、まずは銀行の方で何らか現状と違うルールが必要であるという結論になるのであれば、それを踏まえた上での新たな検討が必要になるというふうに考えます。
○大塚耕平君 今の五味局長の御答弁を大臣聞かれて、局長は行政という枠組みの中で、のりを越えない範囲できちっとした御答弁をしておられると思いますよ、私は。さっきの高木当時局長のように、予定利率引下げは議員立法でやってもらってはどうかとも考えたとか、全く不届き千万な発言をしておられて、これは野党の我々は別にいいですけれども、与党の先生方はもっと怒らなきゃいけない発言ですけれども。 そんなようなことをされない、非常にお立場をわきまえた御発言で、やむを得ない範囲内だと思いますけれども、その上で大臣は、しからば生保のソルベンシーマージンに計上する繰延税金資産についてどのような指示をこれからされるおつもりですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一連の五味局長の御答弁は、正に我々が今金融行政のよって立つ立場を非常に正確にお話しされたというふうに私も思っております。 お尋ねの件ですが、これは委員はよく御承知のように、繰延税金資産について、非常に市場からはこれは確実性に疑問のある資産だと見られているのではないだろうか、そういう問題提起を行ったのは我々自身でございます。したがって、そうした資本算入の上限が必要か等々も含めて、金融再生プログラムのときに非常に様々な議論を行ったわけですが、当時、むしろこれは経済界からも含めて、ジャーナリズムもそうでありましたけれども、むしろルールの、今までどおりにやるのが重要であると、ルールを急に変えるのはけしからぬというような論調がやっぱり私は主であったのだと思います。私自身は、しかしこれは、やはりこの資産がフラジャイルであるというような認識を持って制度をしっかりと作っていきたいということで、金融審でワーキンググループを作ってこれを議論するという体制を我々自身が作りました。 これについて、例えば税法との関係もございましたが、税法はやはり変えていただけばこの問題は非常にすっきりするというのは事実でありますが、税法が動かなければ何もしないというような意識は私たちは別に持っておりません。税法は税法で御努力をいただきたい、しかし繰延税金資産の問題というのはそこにあるわけで、これについて金融審でしっかりと議論いただいて、それに基づいて我々の今後の行政を考えていくというのが基本的なポジションでございます。繰延税金資産の議論には、各方面から日本の第一線の方々にその意味で御参加をいただきました。 お尋ねの、しからばこれは銀行の話であろう、生保はどうかということであるわけですが、これはもう今更言うまでもありませんが、銀行、特に主要行に関しては金融再生プログラムを我々は作っております。しかし、生保について生保再生プログラムというのを私たちは別に作っておりません。これはいずれ作らなければいけないものかもしれません。 しかし、これ、主要行、銀行にもさらには地方の銀行、中小の銀行があります。生保の問題があります。そうした日本の金融システムが抱えている問題は非常に大きいと思いますが、これを全部同時並行的に、一括にはとても私たちはできないと思っております。まずやはり主要行だと。主要行の中でその再生の道筋を示した上で、それが軌道に乗り、その終点が見えるような段階では、これは例えば生保の再生プログラムのようなものが必要かもしれないし、今のリレーションシップバンキングについてももう一段踏み込んだ何かのプログラムが必要になってくるかもしれません。 したがいまして、銀行におけるその議論を参照しながら、当面できることをしっかりと生保等々についてはやっていきたい。繰延税金資産についてもそのような立場で考えていく必要があると思っております。
○大塚耕平君 局長の御答弁も大臣の御答弁もよく分かりましたので、ちゃんと検討してほしいと思いますが、ただ、もちろん金融審議会の場で透明性を持たしてやるというそれは分かるんです。分かるんですけれども、この規制会計の世界については、最後に判断するのは皆さんですから。だから、審議会にはいろんな利害関係者が入ってきますから、高くしてくれとか低くしてくれとか、いろんなことを言いますけれども、何でもかんでも審議会に掛ければいいというものではなくて、やはり皆さん自身がきちっとした結論を短期間に出すべき問題もあろうかと思いますので、特に今お伺いしたような話はそういう方向で、別に審議会に依存することなく皆さんが決めてしまえばいい話ですから。ただ、決めるときに、さっきの文書のように、何かわけの分からないところでわけの分からないことをやらないように、きちっと国会の場でどういう理由でそういうふうに決めたということを説明していただければいいわけですから。それをお願いしておきます。 その上で、局長にもう一回翻ってお伺いしたいんですが、除いたら、つまり繰延税金資産を除いたら何%かというのは、入れていいというふうに言われているわけだから、いかがなものかという御発言だったわけですが、それはだから、対外的に公表するかどうかは別にして、繰延税金資産を除いたら、しかし実際どのぐらいソルベンシーマージン比率があるんだということは内部的には一切気にしないということですか、じゃ。それを公表して公の場で議論するとかそういうことではなくて、そういう計算をしたものを一つの指標として、金融庁の内部では監督指標として全く気にしないということですか。
○政府参考人(五味廣文君) 大変お答えの難しい質問でありまして、気になります。気になりますが、そうした具体的な何か監視指標がこれとこれとこれであるというようなことを対外的に明らかにすることは、そのこと自体が風評を招くおそれがあるということもまた大変気になります。 銀行の話でありますけれども、金融再生プログラムにおきまして、先ほど大臣からお話がございましたように、繰延税金資産というのは、その資本性が脆弱であるとはっきり金融庁が金融再生プログラムに記述をしておるわけでございますから、そこから推し量っていただきたいと存じます。
○大塚耕平君 もう委員の先生方には釈迦に説法だとは思いますが、例えば、あえてもうどことは言いませんが、繰延税金資産を除くと一〇〇を切る先が大手の中でも二先、二〇〇を切る先が一先あるわけですね。そういうことになると、例えば保険会社に係る早期是正措置制度の概要で、その水準というのは第二区分に入ったりあるいは第一区分に入ってくるわけですね。 第二区分に入っちゃったものについてはいろいろそこでやるべき措置の内容が書かれているわけですが、衆議院の答弁では、いろんな経営努力をしてもなおかつ破綻の蓋然性がある場合には生保の予定利率引下げを認める、認めざるを得ないという、こういうロジックでずっと議論をしておられるわけですが、例えばこの今申し上げたケースで言うと、実態をどっちで見るかによって、本当はこの早期是正措置の第二区分でやるべきことを一杯やらせなければならない先が、公表上のソルベンシーマージン比率を見ることによって、仮に今回の法案が通っちゃうと予定利率引下げで、第二区分に掲げられている経営努力をすることなく予定利率の引下げができちゃうことになるわけですね。 だから、これは保険者にとっては月とスッポンぐらいの差があることになるわけなんですけれども、そういう展開が見えているにもかかわらず、引き続き行政というのは今の公表ソルベンシーマージン比率というのを前提とした対応を今後もずっとされるということですか。そこを局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 早期是正措置制度と申しますのは、監督手法が数ある中の一つでありまして、すべての監督行為をこの早期是正措置に頼るといったような行政はこれまでもしてきておりませんし、今後もするつもりはありません。 早期是正措置と申しますのは、トラブルに陥ったときに、そのトラブルから早期に、これは要するにプロンプトに改善を図ることで脱出をさせるというための措置で、そのために各区分における命令も定められておるわけでございます。 これに対しまして、各業界に対します行政と申しますのは、そうした状態に至る前の段階で、アーリーウオーニングの形で、これをトラブルに陥ることから免れさせるということの方がより重要なターゲットでありまして、保険会社の場合におきましても、当然のことでございますが、収益性の指標など各種のデータというものをオフサイトで多角的に収集をいたしましてこれを分析することで、いわゆるプロンプトに直すといったような状況にならないようにアーリーなタイミングで様々な行政的な指導を行い、あるいは必要があれば報告徴求を掛け、更に必要があれば業務改善を命令するといったようなことも行っておるわけでございます。 こうしたアーリーウオーニングとプロンプト・コレクションの組合せということが今後とも行政の基軸になるというふうに考えております。
○大塚耕平君 今日は議事録を、衆議院の議事録を持ってきてくださいというふうに事務方の皆さんにはお願いしてありますが、伊藤副大臣、せっかく来ていただいているんで、衆議院の財務金融委員会、六月四日の議事録、議事の中で、我が党の平岡委員に対する答弁の中で、議事録でいうと四十三ページでありますが、平岡さんが別に答えを求めていないところで、つまり一般論を聞いているところで、副大臣は、「ソルベンシーマージン比率が二〇〇%未満となったときに早期是正措置が発動されることになるわけでありますが、ソルベンシーマージン比率が二〇〇%以上であっても保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合に該当することになるというふうに思います。」と言って、これは話のつながりでそういう発言になったんだと思いますけれども、これを私、ずっと議事録を読ませていただいたときに、ああ、伊藤さんは二〇〇%以上であっても使うということを、もうはなからこれは頭にないとこういう発言にはならないなというふうに読めるんですね、後でよく議事録、御自分でも読んでいただきたいんですけれども。そういうことを今現実的に念頭に置いておられるわけですか。
○副大臣(伊藤達也君) この御答弁をさせていただいたときには、今、委員御指摘のとおり、前後のつながりがありますから、その中でこのお話をさせていただいたところがございまして、今回のスキームの問題と、私どもが監督上、今、五味局長からもお話がございましたように、早期警戒制度、そして早期是正措置、こうしたものを活用しながら生命保険会社に対して健全性を確保し、しっかりとした経営を促していくと、そうしたものが直接結び付いていくわけではございませんので、これは、このときの問いとして、ある種の仮定の中で、こうしたもののつながりがどういうものであるのかということでお話がございましたので、そうした中でこうした御答弁をさせていただいたというところでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、監督上与えられた権限の中で、しっかりと生命保険会社の健全性を確保するために適切な措置というものを遂行していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○大塚耕平君 今の御発言や、その前の局長の御発言、両方に関係するんですけれども、早期是正と、それから予定利率引下げのような、何といいますか、緊急対応と、この両方をうまく使い分けてやるんだというようなお話ですね。その脈絡の中で二〇〇%以上でもやる場合があるというふうに言っておられるんですが、その同じ日の答弁、すぐ後ですね、四十五ページで今度は竹中大臣がこういうことを言っておられます。 「したがって、そこはやはり見る基準が、」、見る基準というのはソルベンシーマージンですね、とか、それから今回の予定利率引下げを使うかどうかという、そういうものを見る基準が「ソルベンシーマージン比率を用いて早期是正をする今の仕組みと、より将来の蓋然性云々で語られるような姿は、想定されているものがやはり違っているということなのではないかと思います。」というふうにおっしゃって、この後、血圧と糖尿病の例えで、あっちこっちで使われておられますけれども、ソルベンシーマージンというのは血圧で、将来破綻するかもしれないというのは将来糖尿病になるかもしれないという、この違いなんだというふうに再三言っておられるんですけれども、今日はその答弁は聞きたくないんですよ、私は。 そうじゃなくて、今申し上げましたように、「ソルベンシーマージン比率を用いて早期是正をする今の仕組みと、より将来の蓋然性云々で語られるような姿は、想定されているものがやはり違っているということなのではないかと思います。」という答弁を、何がどう違っているかということを、比喩ではなくて、具体的に金融用語を使って、あるいは財務用語を使って聞かせていただきたいんですけれども。比喩は結構です。
○国務大臣(竹中平蔵君) 別の機会に答弁させていただいていると思いますが、基本的には、ソルベンシーマージン比率というのは、基本的にはですね、現時点で切った非常にスタティックな支払能力を示す指標であるというふうに思います。もちろん将来の指標も入っているわけでありますけれども、これは、バランスシートのようにすぱっと切った場合にどれだけ支払余力があるのかというような概念であるというふうに考える。 それに対して、今回の予定利率の関連で判断の基準となるこの蓋然性というのは、これは正にフォワードルッキングで、将来の経営の姿を非常にダイナミックに予測した場合にどういう姿が想定されるかということでありますから、その意味では、非常にスタティックな見方なのかダイナミックなのかという見方、現状なのかフォワードルッキングなのかと。 これはまあ、今申し上げたのは必ずしも金融用語ではありませんが、概念としてはそのように認識をしております。
○大塚耕平君 いや、フォワードルッキングは金融用語ですね。バックワードルッキングと金融理論の中では使いますんで、金融用語ですけれども。 今、ソルベンシーマージンは支払能力だとおっしゃいましたよね、支払能力。そうすると、局長にお伺いしたいんですけれども、繰延税金資産は今入れていいという前提の仕組みなので、それを除いてどうかというのはなかなかお答えになりにくいというさっきお話でしたけれども、支払能力ですからね。繰延税金資産というのは今目の前にある流動性ですか。
○政府参考人(五味廣文君) 実際に清算をした場合にどういうことになるかというお話であれば、それはなかなか難しいことでありましょうけれども、このソルベンシーマージン基準がスタティックなものであるとはいえ、早期是正措置、いわゆるプロンプト・コレクティブ・アクションですから、本当に駄目になってしまう前の段階で支払余力というもの、支払能力と言った方がこの場合はいいんでしょうけれども、ソルベンシーマージンですね、これがどの程度あるかという、もうちょっと前の段階で、本格的なトラブルに陥る前の小さなトラブルの段階でこれを直していくということですから、これを清算したらどうなるかという前提で考えるのでは意味がないというふうに考えます。
○大塚耕平君 いや、そういうことをお伺いしているわけじゃなくて、大臣は、ソルベンシーマージンというのは、マージン比率というのは支払余力、流動性のことだというふうにおっしゃったわけですね。 私がお伺いしているのは、繰延税金資産を今たっぷり入れたソルベンシーマージン比率で見ているわけですが、ソルベンシーマージン比率で見るのは支払余力であり流動性なわけですよ。だから、私がお伺いしているのは、ここにたっぷり入っている繰延税金資産というのは目の前にある流動性ですかということを聞いているんです。
○政府参考人(五味廣文君) 目の前にある流動性であるかないかというのは、事柄の本質であるとは私は思えません。 ここで言っておりますのは、通常の予測を超えるリスクが起こったときに、それを一定の仮定で算定したリスク量に対して、資本、基金、準備金等、要するにリスクに対応することが可能なバッファーという性格を持っているものをどれだけ持っているかということでありまして、そのことと、直接的な流動性が今そこ、金庫の中に入ってあるかどうかということは関係ないと存じます。
○大塚耕平君 そのぐらいすぱっと定見を述べていただくと、こっちも、ああ、それはもう見解の不一致だからしようがないなというふうになるわけです。 だから、さっきの規制会計のところも、ふにゃふにゃしたことを言っていないで、銀行と生保には我々はこれだけ、こういう理由で積ませられると思うんだとすぱっと言ってもらった方が分かりやすいんですよ。監査法人に任せてあるから企業会計上積めるものは全部積めますなんていうふうに言っていただくよりは、我々は規制会計で三年分は積めると政令で定めていますとか、そういうふうに言っていただいた方がよっぽどはっきりします。 今の問題は堂々巡りですからこれ以上申し上げませんけれども、もう一個確認しておきたいんですけれども、竹中大臣が一週間待ってほしいというふうに冒頭御発言があったことに対する回答は留保した上で、留保した上でもう一個だけ聞かせていただきたいんですが、この「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」とはいかなる場合かと、これが衆議院でも相当議論されて、やっぱりここが私はかなり重要なポイントだと思っているんですが、そのときに、繰延税金資産をはじく上でタックスプランニングということをやっていると思うんですけれども、蓋然性、つまり困難となる蓋然性があるかないか。あるかないかというのは、これは繰延税金資産を含んだソルベンシーマージン比率の水準で判断するわけですよね、今の仕組みの中では、第一区分、第二区分、第三区分となってですね。そのときに、じゃ、その蓋然性を判断する上でかかわりがあるのでお伺いしたいわけですけれども、繰延税金資産を計上するしないを考える上で、タックスプランニングということについてどのようなチェックをしておられますか、監督当局は。
○政府参考人(五味廣文君) 繰延税金資産の計上額が妥当であるかどうかということを確認する際に、検査、あるいは検査に入らない場合でありましても、監督上の事情聴取といいますかヒアリングですか、こういったようなものの中で、将来の収益の予測と、それから実際に損失として実現していくタックスプランニングとの関係がどういうことになっているかということはチェックをいたしております。検査・監督の過程でチェックをさせていただいております。
○大塚耕平君 りそなの話にちょっと関係があるので、生保の話とも当然関係がありますけれども、お伺いしますけれども、タックスプランニングというのは、私の理解では、繰延税金資産を計上するときの、来年、再来年、その後どのぐらい収益が上がるかというその前提で繰延税金資産を計上しているわけですから、予想どおり収益が上がらなかったときでも、それだけの繰延税金資産を計上する合理性があるんだということを担保するために、予想どおり収益が上がらなかったときにはこれだけの資産を売却して計画どおりの収益を出しますというのが税務戦略という意味でのタックスプランニングだと私は理解しているんですけれども、そうすると、りそなというのは自己資本比率が下がる前に売るべき資産があったと考えていいんじゃないんですか。
○政府参考人(五味廣文君) 済みません。今、ちょっとお時間が掛かって済みませんでした。 私の理解は違いまして、タックスプランニングというのは、有税で償却や引き当てをしたその債権が実際に無税化をするのはいつであって、どのくらいの規模になるかと、これを将来にわたって、何といいますか、予測をしていく、これがタックスプランニングであって、そういった収益計画とは別のものだと理解しておりますが。
○大塚耕平君 ここで教科書的な議論をするつもりはありませんが、今、局長がおっしゃったように書いてある解説本もありますけれども、そうじゃない解説本もあって、したがって、タックスプランニングについて繰延税金資産という言葉だけが独り歩きしていますけれども、その背景に、繰延税金資産を計上すると認めていい場合の三つの条件とか、物の解説書によっては四つの条件とか、いろいろあるんですけれども、その中にあるタックスプランニングというものをどういうコンセプトで監督官庁は監査法人の判断をチェックしているのかしていないのか。 これは、平時ならそういう、後ろで、バックベンチで御担当の方が一生懸命調べて御回答になるというのは非常に牧歌的ないい風景だと思いますけれども、りそなに二兆円入れる、ちゃんとしたタックスプランニングがあれば、二兆円つぎ込む前に、まず一兆円売るべき資産があったんじゃないか。そして、今度、生保の場合でもそうです。生保の場合でも、繰延税金資産をこれだけ計上してソルベンシーマージン比率がこれだけ上がっているというんだったら、生保の予定利率引下げをする前に実行すべきタックスプランニングがあるんじゃないかとか、その辺は皆さんちゃんとチェックするのが監督当局の仕事であって、心配だから、A生命保険をおまえ引き取れなんという交渉する時間があったら、そういうことをちゃんとやっていただきたいと思っております。 いずれにしても、今回の法案で各先生方はこれからいろいろ、いろんな論点を追及ないしは審議をされると思うんですけれども、保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合というのはこれは非常に重要なポイントだと思います。 ちなみに、局長でも大臣でも結構ですけれども、蓋然性という言葉の定義をお伺いしたいんですけれども。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 蓋然性もおそれも可能性の高さを示す用語として考えられます。物の辞書によりますと、そうなることが十分に予想できることというような辞書が多いようでございます。
○大塚耕平君 ちなみに、岩波の国語辞典によれば、蓋然性、その事柄が実際に起こるか否か、真である否かの確実性の度合い。また、蓋然的であること。そして、蓋然的とは、その事柄が実際に起こる、あるいは真であることもあり、そうでないこともあるという性質のものであるさまと。これはだから辞書の話ですから、これでどうこう申し上げるつもりはありませんけれども、こういうあいまいなコンセプトを、私的契約を破棄するというような財産権の抵触にかかわるような重要な法律の中で使う言葉として適切かどうかということなんですよね。言葉として不適切なものを使っているから衆議院でもここが物すごく議論になって、なかなか答えが出てこないわけであります。 そして、この、将来経営が困難になる蓋然性があるというのは、将来ってどのくらいだということを多くの衆議院の委員の方々が聞いていましたが、恐らく先生方御存じだと思いますけれども、もう一回確認しておきたいんですけれども、将来というのはどのぐらい先までのことをおっしゃっているんですか。つまり、予定利率を引き下げたときは、蓋然性が、経営が困難になる蓋然性があるというふうに金融庁が認める場合ですから、それは一年後ですか、二年後ですか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 契約条件の変更の申出を行うに当たりまして策定いたします将来の予測につきましては、もちろん合理的なものであることが必要でありますから、おのずとその期間につきましても限度があるというふうに考えておりますが、しかしながら、自主的、それから自治的な手法であるとの性格からしましても、画一的な基準を設けることにはなじまないのではないかというふうに考えておりまして、個々のケースによって判断せざるを得ないと思っております。 ただ、現在、日本アクチュアリー会というのがございまして、そこの実務指針によりまして、十年間につきましては将来収支の分析を行う実務が定着しております。これが一つの参考になるのではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、個々のケースに応じまして適切に判断していく必要があろうかと思っております。
○大塚耕平君 またそこでも、今度は公認会計士協会じゃなくて、アクチュアリー会ですか、他人任せも甚だしい。もっと自信持って、金融庁はこうすると言っていただいた方がよっぽどはっきりするんですね。 十年先とおっしゃいましたけれども、五年先という話も最初ありましたね、衆議院で出てきて。五年先じゃないですか。十年先でいいですか。少なくとも五年の間は破綻する可能性はないというふうにうちの永田委員に答弁しておられますよね。ですよね。更にそれを延ばすと、十年ぐらいまで先を想定してということですね、今のお話ですと。 そうすると、五年先とか十年先にどういうマクロ環境を想定するか。つまり、金利とか株価とか、どういうマクロ環境を想定するかによって予想される収益は全然違うわけですね。これはもう、衆議院でもこの答弁はずっと行われていますからそれは分かっています。その上でお伺いしたいんですけれども、そうすると、そこでどういうマクロデータを前提にして収益計画を立てるのかというのは、これは各生保の勝手なわけですか。
○政府参考人(藤原隆君) 基本的には各生保が合理的に設定して計算するわけでございますが、ただ、保険会社では今、保険計理人というのがございまして、これが毎年、将来収支の分析を行うこととされております。これにつきまして、実務面につきまして、先ほど申し上げました日本アクチュアリー会がやはり実務指針を策定いたしておりまして、予測における前提の置き方が客観的かつ妥当であるかということを判断する際には、この日本アクチュアリー会の定めております実務指針というのが一つの、実務基準ですか、これが一つの参考になって、これに準ずる形で算定していただけるというふうに思っております。
○大塚耕平君 いや、もう少しはっきり答えてほしいんですよ。各生命保険会社が収益予測を立てるときのその前提となるマクロ経済のデータは、各生命保険会社でそれぞれに自由に採用していいわけですね。
○政府参考人(藤原隆君) 基本的に合理的なものであればそれはよろしいと思うんですが、その一つの指針としまして、今申し上げました日本アクチュアリー会の実務基準というのがございます。 これは具体的に申しますと、例えば、金利とか株価とか為替レートにつきましては直近の水準で分析期間中を一定として置くとか、あるいは新契約進展率ですか、こういうものにつきましては直近年度又は過去三か年度の実績の平均で分析期間中一定と置くとか、あるいは資産配分等につきまして、ニューマネーにつきましては次のいずれかのシナリオ設定ということで三つほど掲げておりまして、一つは、直近年度の実績で資産配分するとか、あるいはすべて長期国債に投資するとか、更には直近年度に投資した国債のデュレーションに応じて国債に投資するとか、こういうような一つの指針を示しておりますので、こういうのが一つの客観的な基準になるんだというふうに思っております。
○大塚耕平君 いや、もう今のやり取りを聞いてお気付きいただいている委員の方々ばかりだと思いますけれども。 そうすると、AとBという生命保険会社があって、今のソルベンシーマージン比率はほぼ同じぐらい、ほぼ同じぐらい。ところが、Aという社は向こう十年間の株価とかを非常に厳しめに予測をしてきて、その結果、先々経営が困難になる蓋然性があるから予定利率引下げをさせてくれというふうに申請してくる。しかし、Bという会社はそんなに厳しめの予測をしないので、我が社は安全だといって別に申請はしてこないという、こういう差が出ちゃうんですよね。 だから私は、仮に今回皆さんが御提案になっておられる方向でやることになったとしても、例えば毎年毎年、向こう十年間のマクロデータはこういうことを前提に各社計算しろということぐらいは、これは金融庁がそれこそきちっと決めて、この計算の前提でやれということを言わないと、言わないと、もう何が何だかさっぱり分からないですよ。その全部を公開してくれるならいいですけれども、我々にその蓋然性の中身を、我々というか国民に公開して、どういう前提で計算しているかというのを教えてくれればいいですけれども、ところがその収益計画は個々の生命保険会社の、企業の経営情報にかかわることだから公開できないと言っているわけでしょう。 そうすると、ある先は十年後には株価は三万八千円になっていると言い、ある先はいやいや二万五千円だとかということで計算していたら、これはもう何が何だかさっぱり分からないわけであります。 したがって、私は、マクロデータぐらいは金融庁が毎年毎年、向こう十年間はこれで計算しろということをきっちり定めるべきだと。僕は反対ですけれども、この法案に反対ですけれども、仮にやるにしてもそのぐらいのことはやるべきだということを申し上げておきます。 そして、さっき保険計理人の話がありましたけれども、保険計理人が銀行の場合における公認会計士と同様に非常に重要な役割を果たすわけです。これはもう御承知のとおりですが、生命保険会社の場合は公認会計士さんに加えて保険計理人という人も非常に重要な役割を果たす。そして、この保険計理人が将来の収益計画が合理的かどうかを認定するわけですけれども、この保険計理人というのは社内の人ですか、社外の人ですか。
○政府参考人(藤原隆君) 保険計理人、御案内のように、保険業法百二十条におきまして規定されておりまして、一定の要件に該当する、保険数理に関する必要な知識及び経験を有する者の中から取締役会において選任されることになっております。ただ、保険計理人につきましては、生命保険会社の中にいる人もおりますし、全く独立の第三者としていろんな団体を構成する、あるいは会社を構成する、そういう方もいらっしゃいます。 私ども、今、法律の中で保険調査人ということを想定しておるわけでございますが、その際、私どもがお願いしようと思っているのは、独立系のこういうところにお願いすることを考えております。
○大塚耕平君 取締役会に選任される社員なんですよね、社員、今は、基本は。 局長、一つ資料請求しますけれども、じゃ、今の業務認可されている生命保険会社の保険計理人がそれぞれ各社何人ずついて、社内の人か社外の人かという、その資料はいただけますね。それいただけますか、資料。後でいいですから。
○政府参考人(藤原隆君) 保険計理人は社内に一人でございますけれども、いずれにいたしましても、今の資料につきましては検討させていただきます。
○大塚耕平君 私が申し上げたいのは、先ほど申し上げましたマクロデータぐらいは役所がちゃんとオフィシャルな十年間の計算の前提を定めるということと、それから、保険計理人は社外から選任するというような、そのぐらいの新たな枠をはめないと、そういうことは一切やらないで、生保の予定利率引下げの議論だけをするというのは大変偏った対応ではないかなと思うことを指摘しておきます。 さて、大臣は最初に、先ほどのペーパーについて真偽を確かめるのに一週間時間が欲しいとおっしゃられました。私は、調べるまでもなく、こんなものをここまで作文する人がいたら大変な文才で、芥川賞をもらえちゃいますから、偽物であるはずがないという前提に立って、一週間も掛からないで果断な処分をしていただきたいと思いますけれども。けれども、しかし一週間掛かるというならば、これは今回の予定利率の法案が出てくる過程にあった非常に不透明な話ですし、大体この法案は与党の先生方も、渡辺喜美さんとか衆議院の先生方も皆さん反対で、連名の血判状まで出したという、だけれども、採決のときはしようがないから中腰で採決したと聞いていますけれども。 そういう中身でありますので、やっぱりここは、今すぐこれを適用するような懸念のある先がないならば、一回きちっとこのペーパーの真偽と高木長官の存念を聞くまで審議をストップするのが適切な対応だと思います。与党の皆さんも多分御賛同いただけるのではないかなと私は思っております。 ただ、私だけこうやって自分の質問時間をちゃんと消化した上でここで止めてくれというのは大変心苦しいので、あと準備していらっしゃる先生方もいますので、ここは委員長や理事の皆様方の御裁断にお任せしますが、私自身は、一週間待ってくれとおっしゃるならば、一週間審議を止めた上で、そして、本当だと言うなら、高木長官が認めるなら認めるでそれは潔いと思いますし、高木長官も、自分が正しいと思ってこういうことを行政のトップとしてやっているんだったら堂々と言うべきだと思うんですよ。私はこういう理由でこれが正しいと思って、国のためにそう思ってやっているんだというんだったらそう言ってもらえばいいです。そうでないとすれば、そうでないとすれば、うそだとおっしゃるんだったら、じゃ、真偽のほども含めて、それもそれでまた意見をここで聞かなきゃいけない。 いずれにしても、参考人としては最低限、高木長官においでいただきたいなと思います。 したがって、委員長に一つのお願いと一つの御裁断をお任せしますが、一つは高木長官、そしてこの中にも書いてありますけれども、森さんが言えと言ったから、私は言いたくないけれども言っていると言っているわけですね。だから、森前長官も呼んでいただきたい。森前長官及び高木長官を参考人として呼んでいただきたいということをお願いすると同時に、委員会をここでいったん中断するしないについて、理事の先生方ほかと御協議をいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(柳田稔君) お申出の参考人につきましては、理事会で協議をいたします。
○山本保君 公明党の山本保です。 それでは、私も保険業法の一部を改正する法律案についてお聞きいたしますが、今日は余り細かいことについてはお聞きする気がありませんので、ちょっと、私はこういう御存じのように素人として仕事しておりますからどうも分からないところがやっぱりありまして、またいろんな方に説明もしなくちゃいけないということで、党の部会などでも担当の人にいろいろぶつけていたことがありました。 最初は、これは大臣にちょっとお聞きしたいんです。私も役所にいましたのでこういうことを聞くというのは失礼かなという気はするんですが、ただ大臣は、学者としてというか、レーマンコントロールの考え方で大臣やっていただいているわけですから、ひょっとすると答弁していただけるのかと思いましてお聞きしたいんです。 というのは、今回こういう勉強をしてきまして、いわゆるローンを借りましても、それから定期預金とか預金しましても、変動金利ということで、なりますし、また短期間、三年とか、そういうことで変わっていくと。たしか私もローンを借りて固定金利にしてしまってえらい損したんですが、それだってたしか三年とか短期間だったなと思っているんですが。こういう十年、二十年、三十年というようなものが、しかも五・五とか六%とか、こんなものが将来続くはずがないということは、いや、今だから歴史、後から見てそういうことは言えないということは分かりますが、しかし、歴史を見るというよりも、だれが考えてもそんな利率で将来に行くことはないんじゃないかと思いました。そして、お聞きしましたら、いや当然そうなんで、安全率というんですか、そういうふうに想定して、もし利益が上がったときには配当を出してその分をカバーしていく、そういう制度になっているんだ、なるほどねと、こういうふうに思ったわけですが。しかし、これ、いつでしたっけ、昭和五十年ぐらいでしたかに突然ずっと商品の金利が上がっていく、一体どうしてそんなことが専門家がそろっていながらやったんだろうかと。 それで、そういうことから少し調べてみましたら、まず簡保の方、今日はそちら関係呼んでいませんからあれですが、が昭和四十八年ですか、国民生活審議会で、これは簡保も含めて生命保険などの利率を考慮したらどうだと。はっきり下げろと言っているのかどうか微妙なあれですが、しかし、消費者のニーズにこたえたいろんな、多様なものがあっていいんじゃないかと。これ、国民生活審議会ですと、会社間のですかね、競争が料率、保険料率ですね、保険料率面にも反映されるべきではないかということが書いてあり、可能な限り料率を低くし云々と、こういう、配当、そうなれば当然配当は低くなるんでしょうが、配当も低くするいわゆる低料低配の商品に対する消費者のニーズが満たされていないと、こういうのが四十八年の二月に出され、そして、直後ですか、簡保がその料率を上げる。 それに対して昭和五十年の六月に保険審議会が意見を出しておりまして、そこではもっとはっきりと、契約者の負担する正味保険料をできるだけ安くし、もって契約者の利益を増進するよう努めることが肝要であるという前文が、前文というか前にありまして、後見ていきますと、はっきりと、昨年十一月、簡保が予定利率を五%に引き上げたこと等から見ても、現在の四%中心の予定利率についてはその引上げを検討することが必要であると、こういう意見を出しているんですね。 私、こういう意見が、当時専門家が出したのか、まあはっきり言いまして大蔵省が当然これは、当時の大蔵省が出させたんだと思うわけですけれども、この責任というのは私はあるんじゃないかという、厳しいかもしれませんが、そんな気がしてしようがないんです。 実は、正月に関係の団体の会合に出たときに、その当時の大変お年の先輩の方から、当時、大蔵省は料率を上げて保険料を下げるということについて大変な厳しいといいますか強い指導があったという、本当かどうかよく分かりません。しかし、私、そういう話を聞きまして、お聞きしたときは実は何のことを言っておられるのかさっぱり分からなかったんですが、今になってみますと、ああなるほどという気がしました。 こんなことが当時あったんじゃないか。しかも、それをマスメディアもあおって、政府というか大蔵省もそれをあおって、そして今回のというかこういう状況に立ち至ったんではないかと、こんな気がするんですが、これは余りにもうがった見方なのかどうか、大臣にその辺の感覚をお聞きしたいんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) やはり、今、昭和四十八年から五十年の例をお話いただきましたし、さらには、あのバブルのころのいろんな一連のやり取りを見ても、改めて、あのころなぜだれもその流れが止められなかったのかという思いはあります。なぜ専門家がそろっていてこんなことが起きたのかと。しかし、本当に振り返ってみると、バブルのときは、これはマスコミも含めてですけれども、株をやれば必ずもうかるんだ、今株に手を出さない人はどうかしていると言わんがばかりの論調がやはり社会を覆っていて、それに対して冷静な判断を社会全体が欠いていたということなのだと思います。 恐らくもう一つは、こういう社会の変動というのは日本はやっぱり常にあったと思うんですね。金利は上がることもあれば下がることもあると。しかし、そういう問題が起きたときでも経済が常に量的に拡大していて、察するに、生保なんかの場合も、一時不採算な商品を出してしまっても、その後どんどん契約高が増えていって全体としてのボリュームが拡大していく中で過去のそういった問題をやはり吸収していけたという、正にこれが右肩上がりの魔術だと思うんですね。そういうものがあったのだと思います。 しかしながら、九〇年代というのは、あのバブルが崩壊しただけではなくて、やはりグローバリゼーションの中で日本の潜在成長力そのものが大幅に落ち込んだと。正に成熟した経済になって、右肩上がりを前提に、そうした矛盾を経済のパイの拡大の中で吸収していくという力が社会に失われてしまった、それが今日の問題として顕在化しているのではないかと思います。 その意味では、正に山本委員御指摘のように、当時、今にして思えば、やはりこういう状況が続くはずないという判断がなぜできなかったのだろうかという思いはある。しかし、これは保険商品だけではなくて、正に株について、こんな高い、PERから考えても非常に高い株、今から見ると続くはずないじゃないかと思うようなのを、しかし、これはある意味で社会全体がそれを拒否する力を持っていなかったということなのではないかと思います。 一つ一つ振り返ってみると、保険商品については、例えば保険数理について、合理的か、妥当か、差別的な扱いがないか、それなりのチェックは行われていたわけでありますけれども、そうした社会の大きな流れの中で十分な知見が発揮できなかったということなのではないか。それが成長率そのもののキンク、下方低下と相まって今日の問題につながってきたのではないかというふうに思っております。
○山本保君 先ほど言いましたように私も役所に一時おりましたので、こういう過去の行政の失敗といいますか、そういうのに対してどうしたらいいのか大変重い気がするわけですね。特に私の専門の福祉関係とかいわゆる厚生行政などでは、昨年、一昨年来、いろんな訴訟に対して、大臣が謝罪をしたり、裁判を、控訴を断念するというようなことが続きました。私も中におりまして、ああいう問題というのは実は以前から行政の一つのがんといいますか、何とかならないかなということは、内部ではみんなそういうことは考えておったんですけれども、なかなか手が打てなかったことを政治的にある程度すっきりさせることができたかなという気がしておるんですけれども。 本当に聞きづらいことですが、というのは、今大臣もおっしゃいましたが、しかし、私も金のないサラリーマンであり、またそのほかのいろんな方聞きましても、株など手を出さなかった人も一杯いますし、生命保険こうだよ、貯蓄に有利だよなんて言われても全然やらなかった人がいますし、実はそちらの方が多いんじゃないかと思うんですね。ところが、そういう方がこの一部のというか、そういう失敗なりそれによって逆に影響を受けるとなれば、庶民感情としてなかなかその辺は、そうですかということは言いづらいような気がする。 もう一つ、もう一度重ねてお聞きしますけれども、行政責任というようなものはないのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 責任という場合に、責任をどう位置付けるかというのが大変重要になってくると思いますが、やはり反省すべき点はたくさんあったと、これに尽きると私も思います。 しかし、その場合に、決められた重大な法令違反が当時の人にあったのかと、役所にだけ非常に重大な過失があったのかということに関しては、その時々でやはり保険数理等々のチェックを行ってやってきたという意味で、そこまではなかなか言えないのではないか。しかしこれは、本当に役所を含めてでありますけれども、そうしたことをやはり流れを大きく止められなかったという意味での反省すべき点は、これは非常に重くあると思っております。
○山本保君 ありがとうございます。 今日は、今の言葉をお聞きして、あとどのように手を打っていくのかということだなと思いますので、私もやはり非常にそういう重い責任というのが自分自身感じるわけですけれども。 では次に、もう一つ、これも実は党で話をしておりましたら、そんなことを聞くのかと怒られまして、怒られたというか、そんな意見が出まして、そんな荒唐無稽なことを聞いたなと思っておりましたら、さっき大塚さんが出された資料の中に実は同じことが書いてあって、大塚さんがえらい褒めてくれましたから、これはいい。またちょっと自信を持ってお聞きするんですが、つまり、あの当時、率が高かったということは、実は今と比べれば相当安い保険料でお金を入れておられたんじゃないかなと思うんですよ。なかなか今まで資料で出していないんで、お願いをして少し出してほしいということなんで、今日も局長にちょっと教えていただき、この場へ出していただきたいんですが、つまり、これは決して、だからその当時がいけなかったとか、そういう意味ではないんですけれども、客観的な情勢を見るとき、例えば、いただいたといいますか、いろんな資料で言っておりますのは、昭和六十三年です。そうしますと、今、百万円もらえるというような人が七十九万円しかもらえないとか、また終身だと四〇%近くも減ってしまうとか、これも事実でしょう。 しかし、私、もう一つお聞きしたいのは、でもその当時の人はそんなにたくさんお金払い込んでいなかったんじゃないんでしょうか。もちろん利率が高かったからそれでよかったのかもしれないけれども、さっき言いましたような一つの感情からしますと、当時そんなことでたくさんお金がもらえるということで飛び付いていった方の気持ちは、私はちょっと素直に、どうもそのとおりだと言いづらいところがあるんですよ。 やはり、さっきのあの保険審議会などでも、保険審議会ですかね、契約者の利益を増進するなんという言葉がありましたけれども、それは契約者の利益って、会社が損をして契約者の利益という意味なのかもしれませんけれども、しかしこういう問題で、保険でありますとかこんな事業である人が利益を得るなんということは、本当は社会保障論とかでいったらそんなことはあり得ないんじゃないか。だれかが利益を得ればだれかが損をするわけですから。 そんな気がしておりますので、あえてそれは局長、藤原局長ですかね、つまり、分かりやすい数字で結構なんですが、当時どれぐらい今と比べて安い保険料を実際払っておられたのかということについて、少しデータを示していただきたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、予定利率や予定死亡率等の基礎的な基礎率について保険料は算定されておりまして、予定利率が高い保険契約はその分保険料が安いという形になっております。それを、例えばちなみに数字で申し上げますと、今先生がおっしゃいました百万円のケース、三十歳加入で保険期間三十年、保険金百万円ということで比較してみますと、例えば養老保険の場合の保険料でございますが、昭和六十三年、これは予定利率が五・五のときでございますが、このとき加入いたしますと、月額千八百円でございます。それが、平成十年で同じ条件で加入しますと、予定利率が二・七五でございますので月二千四百円、千八百円から二千四百円になっております。 同じように、例えばほかの終身とか定期保険で比べてみますと、例えば定期保険の場合は、昭和六十三年加入の場合は予定利率五・五でございまして、それは月額千百円でございました。平成十年加入の場合は、これが予定利率二・七五でございますので月額千七百円となります。それから定期、失礼しました、今の終身保険、ちょっと失礼しました、間違っております。 もう一回、終身と定期保険のところをちょっともう一回修正させていただきます。 終身保険、定期保険の場合でございますが、昭和六十三年加入の場合、予定利率五・五であります終身保険は月額千百円、定期保険は月額五百円でございました。それから昭和十年加入の場合、予定利率二・七五でございまして、終身保険が月額千七百円、定期保険は月額四百円。これは、死亡率とか事業費率の改善によるもので若干下がっておりますが、まさしく予定利率が高いときに加入しました方は月掛けの保険料が安く、低いときに加入された方は高いというような状況になっております。
○山本保君 実は私もいろいろ地元などで話するときに、こんな生命保険削られたら困るという声が非常に受けたとき、実はこういう数字もあるんですよということでお話ししますと、その分、実はとても、逆ざやですか、お金が足りないところを、実は今入っている人がそれを負担してやっているんだということをお話ししますと、それはどうですかねと、やっぱりそれはおかしいですねという声を聞くものですから。そのためにも、この今の数字、金融庁とかそういう保険の会社がそういうことを示すのはちょっと確かに難しいのかなと、何かいかにも自己弁護的なことになるのかなという気もするんですけれども。しかし、実態とすれば、今の数字からいきましても、当時の約一・五倍ですか、今。一・五倍の保険料を今の人は必要になっていると、同じ保険をもらうのにですね。というか、その当時が実は非常に異常な少なさでお金を入れていたということについて、もう少し、私などは、きちんとした数字を出して、まず、いい悪いの前に実態というものをきちんと示した方がいいのかなと思いましたのでお聞きしました。 それで、じゃ順番をちょっと変えます。それから関連して、四番目におっしゃったことでお聞きしたいんですが、これはまた大臣にお聞きします。 こういうことになりますと、今例えば、ちょっと気が付いたんですが、いわゆる掛け捨て型の定期保険ですか、これについては当時よりも今安いんですよね、今。死亡率と言われましたけれども、それよりはやはりこれは、私、多分業務の改善じゃないかなという気がしておるぐらいでして、生命保険というのは、万一といいますか、思いも掛けぬときに亡くなったときに、家族などに対するリスクをこう受けるものですね。それに対して、例えば社会保険とか年金というのは、逆に長生きした人が総取りなんというのが最初の、昔の形であったわけでして、生命保険とは実は全く別の、反対の、リスクに反対の方法でこたえるわけですね。 ですから、私などは、これは両方別個のものとして当然社会的にあって、それを上手に自分で組み合わせる、又は社会的に一つは強制年金で入れるというようなことで対応していくというのが制度としては一番すっきりしているんじゃないかなと思っておりましたら、どうもそうじゃないんですね。何か生命保険種というのは、先ほどの養老とか終身ですか、何かそうじゃなくて貯蓄型というようなものがあるんだと。それをまた組み合わせているんだと。確かに、そう言われてみますと、当時だったですか、何か非常に利率が得ですよと言って、何かその保険、養老保険をというようなポスターを見たような覚えもありますし、何かそんなことをコマーシャルなんかでよく見たような気もしているんですけれども。 これはしかし、私など単純に考えまして、そういうものを組み合わせるというのは生命保険というものの考え方に合わないんじゃないかなという気がして、どうしてこういうものが、これは日本だけの傾向なのかどうかということも含めて、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私も、本当に若いころ初めて生命保険に加入するとき、一体これは何だと。生命保険というのは何か死んだときに何かもらえるものだというふうに一般には思っているんだけれども、どうもこれは貯蓄であると。一体どうしてこういうことになっているんだと。当時、私が社会へ出たころ、いわゆる掛け捨ての保険というのが出始めて、いろいろ、掛け捨ての方がいいよと言う人もいらっしゃった。しかし、私の父親、母親の意見を聞いてみると、非常に安定的に長期にわたってしっかりと少しずつお金をためていくというやり方にこの方法はなじんできたという面もある。 委員御指摘の点は、正にその保障性に重点を置くか貯蓄性に重点を置くかと。正に今は保障性と貯蓄性両方兼ね備えたような総合的な商品というのがどうも生命保険の主流であったように思われる。しかしここは正しく、外資等々も入ってくる中で、様々な競争が今は展開されているということなんだと思います。非常に貯蓄に、小口の貯蓄、少額毎月毎月積み立てていくというようなペースでは総合性の、貯蓄性と保障性があるものについての相対的優位性があったと思うんですが、むしろもっと大胆に自分でリスクを背負って貯蓄、資産運用したいという方にとっては、恐らく委員言われたように保障性と貯蓄性を分けるということにもなるでしょうし、いや、まあしかし自分でリスクを負うのも何だから、生命保険のような言わば世界的な機関投資家に任すという方もいらっしゃるんだと思います。そこは正に私は競争なんだと思います。 制度上こちらの方が、合計している方が何か税制上有利であるとか、そういうような点についてはこれは見ていかなきゃいけないかもしれませんが、私は、その意味ではむしろ、いろんな外資を含めたプレーヤーが登場する中で、その意味での健全な競争というのはかなりワークしつつあるのではないだろうかと思っております。
○山本保君 それでは、ちょっと観点を変えてお聞きしますが、契約でパーセントといいますか利率決めておいて、今度、まあ今度の方法によって変わるということになりますと、さっきとはちょっと全然逆の、契約した側の方に立って考えてみますと、もし今後経営がうまくなって、今までどうも無駄遣い体質じゃないかなと私なんか思うんですけれども、それがなり、しかも、今日最初にお話がありましたように、いろんな金融ですとか、また経済状況が当然変わってきたときにプラスになるということが考えられるんじゃないか。というか、当然そういうふうに各会社努力してもらわなくちゃいけないと思っているんですが。 そういうとき、先ほど変動率、変動式というんですか、変動利率、私もさっき言いましたけれども、こういうものがもし出てくればまたよろしいですし、また、それは新規のものになるでしょうから、今のやっている方でも、五・五なりが三%なり三・幾つなり、そのことでもしなっていったとすれば、そこで結果がよくなってきたら、もう一度それを元へ戻す、若しくはもう少し有利なものにするというようなことは考えられていいのかなという、これはちゃんと契約をしたということから、そういうこともあっていいのかなという気もするんですけれども、この辺は可能なんでございましょうか。局長、お願いします。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 例えば、将来景気がよくなって金利が上がるというような場合に、予定利率の引き下げ対象となった保険契約者に対しまして利益を還元するというようなことにつきましては様々な考え方があり得るところだと思っております。正しく、個社の状況に応じて適切に対応することができるんだというふうに思っております。 今回の法案におきましては、予定利率の引き下げを行う保険会社は、契約条件の変更に係る保険契約に関する契約者配当あるいは剰余金の分配その他の金銭の支払に関する方針をそういうふうに決めました場合には、株主総会等の招集通知や保険契約者への通知においてその内容を示すことを義務付けます。それから、この方針をもし決めた場合は定款に記載することといたしまして、その方針に係る定款変更に際しましては行政の認可が必要となるというふうな措置を講じて、利益の還元を行う場合の手続を明確化しているところでございます。
○山本保君 ちょっと早いですけれども、一応予定もう少しありますが、今日はこの辺にしておきたいと思います。 ありがとうございました。
○池田幹幸君 日本共産党の池田です。 私は十三日の本会議で質問したわけなんですが、今日は第一回目の委員会質疑ということで、その本会議の質問の大体筋に沿って大まかに総論的に質問したいと思うんです。 それに際して、まず本会議で私は資料要求をいたしました。それに対する竹中大臣の答弁は、例えば契約者数の変動を織り込んだシミュレーションについては、これはなかなか技術的に困難だから出せないと。金融審議会の議事録については、これはどう解釈していいのか、なかなか難しいんですが、議事録は原則として公表しておると。私が指摘した議事録については、会議を非公開で行っているから、各委員も非公開を前提に議論されていること等によりまして、議事録については公表せず、会議終了後の部会長による記者会見をもってそれに充てたと、そこまでなんですね。 この資料については可能な範囲で極力対応させていただきますということなんですが、それじゃ、審議会の会議録については出すんですか出さないんですか。可能な範囲とは一体何なんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 六月十三日の本会議での御質問に対して御指摘のようなお答えをさせていただきました。もう繰り返すまでもありませんけれども、原則としては公表なんだけれども、特に問題によっては率直な意見交換を行うために、特段な理由により必要と認められる場合は公表しないことができる。御指摘の議事録については、非公開で行っておりまして、各委員も非公開を前提に御議論されているので、議事録については、公表をしてまいりませんでした。 しかし、改めて、今回の審議もこれあり、委員からの御指摘もいただきましたので、その御趣旨に沿うように公表すべく準備をしております。できるだけ早く公表をさせていただきたいと思っております。
○池田幹幸君 今日はその金融審議会の分については質問いたしません。その資料をいただいてから質問したいと思います。 さて、この法案なんですけれども、今、一口に言いまして本当に筋の悪い法案だと思います。私どもはこれ大反対なんですが、生命保険というのは、国民が生命保険に加入するというのは要するに万一に備えてなんですよね。言わば危機管理なんですよ。それを生命保険会社が契約して引き受けるということは、その保険契約者の危機管理を請け負うといいますか、そういった立場です。だから、きちんと契約をしてその範囲内においては責任負いますよということをやるわけです。ですから、二十年、三十年という長期にわたっての経済情勢についても一応予測もし、それに対応するということを前提としているわけですね。そういうことに基づいて契約し、したがって経済情勢の変化にも対応して安全かつ確実に運用していくということがこれはもう前提になっているわけです。 そういたしますと、当然それは、その契約は全うしていかなければならないんだけれども、今度の法案は、その契約者が、この超低金利が継続している中でなかなか約束守れなくなったと、逆ざや問題出てきておると。この逆ざや問題を解決して保険契約者の保護を図ると、そういった建前で、生命保険会社が破綻する前に契約者に約束していた予定利率を三%にまで引き下げたいと、それを政府が認めてやると、保険金をカットできる仕組みを認めてやるというのがこの法律なんですね、簡単に言ってしまえば。 要するに、情勢が変わったから約束守れませんというわけですね。で、予定利率引き下げてよろしいよと。これは資本主義社会における基本的なルール、契約、この考え方一体どうなっているんだと。契約というものを大臣は一体どう考えているんだということを、まず最も基本的なところから伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 以前も池田委員、大門委員から資本主義のルールに反するという御指摘をいただいて、答弁をさせていただいたことがございます。委員は筋悪だというふうにおっしゃいましたが、確かに非常に苦しい選択であるというふうに私も思います。 約束したんだろうと、約束は守るんだと、約束を守るというルールが崩れたらこの世のルールは崩れてしまうではないかと。特に、自治自由の原則で、正に合意に基づいてなされたんであると。約束が果たせないならば、約束を果たせないその責任を取るべきである。そういう議論はその限りにおいて当然のことであるし、非常に理解できる点があろうかと思います。 ちょっと、これ余り言葉が不適切であると御容赦をいただきたいと思いますが、しかし本当に今直面している問題は、守れない約束をしてしまった場合は一体どうしたらよいのだろうかと。それは守れない約束をしたのが悪いと、それはもうそのとおりなんだと思います。しかし、自治合意の中で守れない約束をしてしまって、このままで、例えば、つまり金利環境が予想できないように変わってしまって、それで万が一にも、この延長で万が一にも生命保険が破綻するようになると、結局、約束を守ってもらうはずの人が結局はもっと困るのではないだろうかと。そうすると、せめて守れる約束に修正すべき点は修正するという道を残したらいかがかと。もちろん、これ条件を変更しろというわけではないわけです。そのことに双方が合意した場合には条件を変更するという道を、その選択肢を残すということは、現状のような非常に大きな金利環境の変化の下では必要なのではないかと、そのように判断して今回の法律の御審議をお願いしているわけでございます。 先ほどからの御質問にもありましたけれども、やはり非常にこれだけ長期の契約を今までやってきた例というのは、生命保険、各国の生命保険の例を見てもやはりないわけですね。これは正に本当に右肩上がりの中でこんな何十年という契約を何とか続けていることができたわけですが、一つの例で申し上げますと、先ほど山本委員の御指摘の中にも変動型保険商品が出てきましたけれども、変動型の保険商品であればその後の金利環境の変化にそれなりに適応できるという条件があるわけですが、日本の場合、個人年金、個人年金の諸外国の変動型保険商品の割合を見ますと、例えばアメリカ、カナダ、イギリス、フランスでは大体三〇%から四〇%が変動型であると。日本の比率は、これ平均で六%でございます。日本の国内で見ましても、日本の大手と言われているところで、最大手と言われているところで変動の割合というのは〇・数%しか比率がなくて、そういう右肩上がりの中で長期固定の商品構成を持ってきたということが、今回のように金利環境が変動する中で、残念ながらやはり諸外国にもないようなこういう枠組みを用意せざるを得なくなった一つの客観的背景があったのではないかと思っております。 原則論として池田委員のおっしゃることは、これはごもっともな面これありますが、現実問題として目の前にある逆ざや問題に対応するためには、保険契約者の立場も正に考えて今回のような措置が必要ではないかというふうに判断をしたわけでございます。
○池田幹幸君 幾つかの点が出されたと思うんですね。一つは、守れない約束をやっちゃった場合どうするんだという問題。それから、特異な経済情勢であったということですね。しかも、それと加えて、この商品というのが二十年、三十年という非常に超長期にわたるそういった商品契約だということで、その間の情勢の変化があって、そして条件の単なる変更じゃなしに、お互い契約者双方の合意による解決を図る法案なんだからそれはいいんじゃないかと。大体、幾つか言われた中でそういったことだったと思うんですけれども、一つ一つ私は全部違うと思うんですね。 守れない約束とおっしゃったけれども、二年先、三年先にこうしますよという短期のものじゃなしに、正にこの生命保険というのは二十年、三十年先にこうしますよという、そういう約束をするそういう特殊な商品といえば商品なんですよ、そういうことを前提としてやっているわけですから。その間に情勢が変化することはだれでも分かるわけです。どう変化するかは分からない。ずっと右肩上がりだったからということでそういう考えになってしまっていたんだとしても、それを理由にすることはこれはできないと思うんですよね。 要するに、契約は事情の変化によって、先ほどそれじゃ双方が合意したらできるんだということだけれども、しかし残念ながらこの商品はそういったものじゃないだろうと。単なる条件の変更ということじゃなしに、これはもう根本的な問題、もう契約不履行に属する問題なんですよね。契約不履行を条件変更という言葉で置き換えることはこれできないだろうと。 事実、衆議院における参考人、深尾参考人が言っておられますけれども、これはこう言っておられますよ。保険契約書を見ていただきますと、何年後には幾ら解約返戻金があります、幾ら満期になりますというのが全部数字で書いてあるわけです。この契約を事情が変わったから変えたというわけでして、それは取りも直さず契約不履行でありまして、経営の破綻と言うことができます。経営の破綻ということまでおっしゃっているわけですね。正にそうなんじゃないですか。単なる条件変更というのは、これは言葉のごまかしだと思わざるを得ないんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 文字どおり、当初約束した事柄、約束が果たせなくなったと、そういう状況になったというのは委員の御指摘のとおりだと思います。 繰り返し申し上げますけれども、我々の判断の最大のよりどころというのは、しかしこのままいったらどうなるんだろうかということなわけです。このままいった場合に、万が一にも破綻というようなことに立ち至れば、責任準備金はカットされ、かつ、今までの破綻の例から見ますと、利回りはかなり大幅に下がって、それに至るまでに資産の劣化というのがありますから、その資産の劣化のプロセスでもっと会社そのものがダメージを受けるのではないだろうか。そうなったとき、やはり保険契約者に対してどれだけの損害が及ぶだろうかということを考えた場合に、やはり今回のような措置を準備しておくことは一つの重要な選択肢になるのではないかというふうに考えたわけでございます。 もうこれは、最初に約束した、元々長期であったはずだと、長期であることは分かっていたはずだと、それを守れない約束をしたのかと、その点に関しては、委員が御指摘の面、非常に私は強いというふうに思いますが、結果的にしかし契約者に戻ってくる、契約者のところに来るお金が少しでも多いような可能性がある場合はこうした措置を準備しておくと、選択肢として入れておくということには私はやはり意味があるのではないかと思っております。
○池田幹幸君 この議論は衆議院でもやられてきておりますし、それから先ほどの大塚委員の質問の中にもあったわけですが、必ずしも破綻した場合の方が、今度のこの法律を適用して予定利率引下げと比べてみた場合に、どちらが有利かということについてはなかなか一言で言えない。更生特例法を適用した方がずっと有利になるという説も衆議院では参考人の方々もずっとるる述べておられたことは竹中大臣も御承知のとおりだと思うんですね。 もう一つここで言っておきたいのは、この契約の変更が、つまりキャンセル、契約不履行、これが、何の責任もない保険契約者の側に一方的に不利な面が押し付けられてくるということになるわけですよね。大体、契約キャンセルすれば、普通、キャンセルした方が全部キャンセルフィー払うんですよ。ところがこれ、キャンセルされた方が負担するという、そういうおかしなことになっている。これから考えても全く逆立ちしたものになっていると言わざるを得ないと思うんですが、そのことについてもまず伺っておきたいと思うんです。これ中身はまた更に詳しく聞きますけれどもね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 実際に変更をして、その結果、経営がどのような責任を取るか、その他一般債権者がどのような責任を取るか、会社の経営をどのように革新していくか、それと、条件変更によって契約者の受取が減るか、これはやはりすべて総合的に今回の自治合意の中で、自主的な手続の中で判断される問題だということだと思います。例えばですけれども、一方的に、会社は何の合理化もせず、会社が何の変更もなく契約者だけに一方的に何かを求めるというようなことであるならば、私はこれはそもそもそういう合意は成立しないというふうに思いますし、契約者が不当に不利な条件をのまされていないかどうかについては、これは当局もきちっとチェックをするという仕組みをしたがって作っております。 こういう形での条件の総合的な変更というのは判断が大変難しい問題であるということは私も認めますが、それをしかし自治的な合意、自主的な手続の中で可能にするように我々としては法律の組立てに関しては目配りといいますか、それが可能になるような仕組みを作っているつもりでございます。
○池田幹幸君 自主的な合意とおっしゃるけれども、これもう全然そうと違うでしょう。予定利率の変更、これは本当に個々の契約者が保険会社と個々に相対して交渉して、私はこれそれじゃ予定利率引下げ認めましょう、私は認めませんというふうなことができるのか。そうじゃないですね。これはまず政府が保険会社から予定利率の引下げの申請ということを受けて、そしてそれを認定をすると、それから総代会をやって総代会で決める、あるいは株主総会で決める、こういう仕組みになっているんじゃないですかね。そういたしますと、実際、予定利率引下げさせない、あなたの言う契約条件変更、契約条件の変更をさせないというふうに保険契約者が考えたときに、自分自身だけ認めませんといったってこれは認められないわけで、どうやればその人の希望は達成されるんですか。
○副大臣(伊藤達也君) 先ほどから大臣が御答弁をさせていただいているように、今回の法案は自主的な手続により契約条件の変更を行うことを可能とするものであり、保険契約者の十分な理解を得ることが求められているわけであります。このため、契約条件の変更のための意思決定の手続については、保険会社としての機関意思決定手続として総代会や株主総会の特別決議を求めた上で、契約者の権利の保護のための手続として、保険契約者が膨大であることや保険の団体性というものにかんがみまして、異議申立て手続を活用することといたしております。 異議申立て手続の際につきましては、保険会社は保険契約者が適切に判断できるよう、契約条件の変更の対象となる保険契約者に対して、契約条件の変更の内容のほかに、契約条件の変更がやむを得ない理由、そして変更後の業務及び財産の状況の予測などを示さなければならないこととなっておりまして、行政当局においても、契約条件の変更案の承認の際には、保険契約者への送付書類において十分な説明がなされるかどうかについて審査をすることといたしているわけであります。その上で、十分の一を超える異議があった場合には契約条件の変更はできないこととしておりまして、保険契約者が参加する適切な意思決定手続となっていると考えております。
○池田幹幸君 まず、自主的だとか自治だとかおっしゃるけれども、今言われたように、まず異議申立てをできるようになっている。それはそのとおりです。しかしそれは、十分の一というのは金額とそれから数と両方でしょう。両方それぞれ、双方とも一割を超えなければ、これはもう異議申立て通らない。午前中は、田村委員は簡単に通るようなことをおっしゃったけれども、私は逆だと思う。なかなかこれは不可能なことだと思いますよ、事実上ですね、一割、それだけ集めると。個人でやろうとしても団体があるわけです。これ、団体も一つでしょう、数としては。団体加盟している数の、数になるんですか。団体も一つ、個人も一つでしょう、契約数。契約数でしょう、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、一団体一つの契約と認定します。
○池田幹幸君 そうなんですよ。だから、とてもじゃないけれども、これはまず不可能だということをまず申し上げておきたいと思うんです。結局、自由な意思に基づく自治だとは到底私言えないと思うんですね。今おっしゃったけれども、しかも、それを自主的に判断できるようにいろんな資料を提供するんだということを言われましたですね。 まず、そこでなんですが、説明責任を果たして本当にその生命保険会社が果たすことになるのかということなんです。これの予定利率を引き下げる条件というのは、大まかにいえば、これから五年先、当面ソルベンシーマージン問題ありませんと、五年先に破綻することはまずありませんと、五年先に破綻するような会社は、早期是正措置を適用して、これはもう更生特例法を適用するなりなんなりしなければいけないんで、この対象会社は五年先まで全然問題ありません、ソルベンシーマージンは問題ない。十年先、二十年先、これがちょっと心配なんだと。十年先、二十年先考えたときに、予定利率を引き下げなければ、いろいろほかに手当てをしてもこれは難しい。そういうことを政府が認めた場合、それがこの対象になるわけでしょう、今度の法案のその対象保険会社はですね。そういうものになっている。 じゃ、それが五年先は大丈夫だが、十年先、二十年先は心配だという、そういうそれだけのことが十分契約者が理解できるような資料を本当に提出するということになるのか。それはこの法律ではどういう形で担保されているんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 資料が十分納得的なものかという御質問ですが、ちょっとその前に、先ほど団体は一つだというふうに申し上げましたが、現実問題として、団体の加入というのはほとんど一年の掛け捨てなんだそうでございます。その意味では、今回の対象には必ずしも団体は十分にならないという点があるということを申し上げた上で、もう一点、十年かと。 ちょっと誤解があるといけませんので、五年以内であるならば更生特例法、それ以上になればこれの、今回のスキームということではございません。これは年限の問題ではなくて、今回のような措置を取らなければ、その代替的な手段では解決できない場合は今回のような措置ということでありますので、それは年限の問題ではなくて、その選択の手段として、今回のようなものを取らない場合に、それ以外にはその経営が破綻する蓋然性がある場合と、そのような趣旨でございます。 それと、十分な説明ができるかということでありますけれども、それに関しては、そういった説得的な資料を事前に送付するということを幾つか義務付けておりますし、それについては我々としてもしっかりとそのプロセスをチェックしていくということになります。委員御指摘のような点、やはり保険契約者の理解なくしてこの制度はワークしないものでありますから、その点の運用については我々も本当にしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っております。 ただ、自治的手続、自主的手続に問題があるのではないかという一連のお尋ねでございますが、一方で、これは保険集団を維持するという、やはり保険の特殊性というのが一方であるということも是非御理解いただきたいと思います。今回の異議申立ての手続等、何も今回設けた手続ではなくて、今の保険業法の中に、例えば破綻の手続をする場合等、更生の特例の手続すると同様の異議申立ての手続というのが整備されていて、それを、同様の手法を活用するという位置付けを我々はしております。
○池田幹幸君 私は、まず最初に申し上げたとおり、この法案反対なんですが、それにしても、いろいろと民主的あるいは自主的だというふうなことをいろいろ言われるんで、そこの点については、その点についてもそうじゃないよということは申し上げておきたいと思うんです。 これは衆議院で議論されて、「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」ということについてのガイドライン出してくれと。それにこたえてガイドライン出されましたね。その事務ガイドラインの中にいろいろ書くんだというんですが、要するに、大臣さっき言われたけれども、現時点では保険業の継続が困難である状況にはないと、これは大体五年先ぐらいまでは大丈夫だと、ソルベンシーマージンから見ても大丈夫だという説明が別のところでやられていましたよね。それは年限でないとおっしゃるのは、それはそれでもいいと思いますが、まず、現時点で問題のない生命保険会社であるということと、そして将来これが破綻の蓋然性が高くなるということをまずその時点、明らかにすると。そして、この二点についてもろもろもろもろ、これ書いてますよ、金利とか株価、為替レート等、金融経済動向にかかわる事項、いろいろいろいろと書いてありまして、そういったものを全部その事務ガイドラインには盛り込むと、こうなっているんですが、さて、それじゃ、こういったものについて、今さっき、事前に通知するとおっしゃいました、保険契約者に。これは、事務ガイドラインは保険会社が金融庁に提出する内容になっているわけですけれども、これと同じものをそれじゃ保険契約者にもきちんと事前に通知するんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) もちろんこれは、我々は監督する立場でありますから、監督する立場として詳細なものを出していただかなければいけません。しかし、一般の契約者がそういうものをごらんになって、やはり十分に理解していただくのは大変困難であるというふうに思っております。対象の契約者や総代等に対して書類を事前に送付することになっておりますけれども、それに関しては、保険の契約条件の変更の内容に加えて、変更後の業務及び財産の状況の予測をしっかりと示してくれということを義務付けております。 ただし、その内容は、まあ専門家でないと見れないようなものではなくて、きっちりとやはり一般の方にもごらんいただけるような、そういうものを見せていただかなければいけない。そのような指導はしっかりとしたいと思っております。
○池田幹幸君 私、その点についてこの法律ではどこで担保されているかというふうに伺ったんですけれども、法律じゃない、行政指導でそれをやっていくということですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 法律で求めている内容に、変更後の業務及び財産の状況の予測が分かるような書類というふうに書いております。
○池田幹幸君 その点に関して、これは二〇〇一年からずっとこれ論議されてきている問題ですよね。二〇〇一年の金融審議会、今度資料提出していただく会議録なんですけれども、その金融審議会ではパブリックコメントを求めたわけですね。パブリックコメントを求めて、それが公表されておりますが、それを見ますと、やっぱり、今おっしゃった、要するに保険契約者が見て判断できる資料というものをきちんと公開してくれということはかなり意見として出てきています。ともかくディスクロージャーをしっかりしたものにしなくてはもう納得できない、専門家が解説しなければ分からないようなものは開示したとはいえないという意見が出ています。今、大臣答弁なさったそれは、こういったことに一応こたえるものをきちんと示すというふうに解していいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ありません、手元にその金融審のものはございませんが、趣旨としてはもう言うまでもありません。この資料というのは、その当事者が判断すべき、当事者が見て分かるものでないと意味がございませんから、その意味では、今委員が御指摘になったような趣旨で我々は是非運用をしたいと思います。
○池田幹幸君 一つ、一点確認したいんですけれども、保険契約者に対しては分かるようなものを出すとおっしゃったんですけれども、政府に対して提出されたやつについてはどの程度公開するんですか。つまり、それを見て大丈夫だというふうに判断するわけですね。大丈夫と判断しましたということだけ公開するのか、これこれこれこれ、これこれこういう状況であるから大丈夫だと認定したというふうに発表するのか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはちょっと一般論でありますが、監督上いろんな資料を徴求いたします。しかし、監督上我々が徴求したものをそのまま一般に公表するというのは、これは通常ないことであると思っております。 いずれにしましても、これは、公表するというのは企業にとっても重要なことになると思いますので、これは一般に多くの方が納得できるような、詳しいものについては専門家にはいろいろ公表されるでありましょうし、今回の総代会等に出席される方々にはより一般的な形で公表が進むものというふうに思っております。
○池田幹幸君 出されたものを全部公表するということはないと、それはそうだと思うんです。思うんですが、少なくとも政府はこれだけ判断したよというものを、出される資料というのはここにこのガイドラインにずっと盛り込まれるわけで、かなり詳しくあるわけですよ。少なくともこれはこうこうこうこうこういう状況にあるんで判断したということぐらいはやらないと、今のお話だと、判断して大丈夫だと判断しましたということの発表だけでしょう。予定利率引き下げてよろしいよということだけなんですか。それじゃ、とてもじゃないけれども国民は納得できないんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと通告をいただいていないので戸惑って申し訳ございませんが、基本的な考え方としましては、考え方としては、これは例えば様々な計画というのが、経営健全化計画のようなもの、例えば銀行の場合はそういうものが出てまいります。そうしたものについては、銀行も当然のことながら銀行としてそれを皆さんに知っていただく必要があるので、これまでもディスクロージャーはきちっと行ってきたというふうに思います。 金融庁としてそうしたものを一括してやるかどうかというのは、これはちょっと検討しなければいけませんが、いずれにしてもこれは、これだけ大きな変更をする場合には、投資家に対してないしは市場関係者に対して、企業としても当然のことながらその動向について御理解をいただかなければいけないわけですから、我々としてもしっかりとディスクローズするように指導をいたしますし、企業は当然そのような形でディスクローズをしていくことになると思います。 さらに、繰り返しになりますが、今回の意思決定に参加される総代等に対しては、そうしたものがより分かりやすいような形で入手できるように指導をするということでございます。
○池田幹幸君 一応そういう形で検討をなさるということですので、了解いたします。 それじゃ次に進みたいと思うんですが、逆ざやが保険会社の経営を悪化させたというわけなんですけれども、これは先ほどの山本委員の質問とも共通するんですけれども、じゃ、その間、その政府の対応、これに問題なかったのかと。あったとすればどういう問題だったのかと。何もしなかったのか、それともしたことがどう、こうこうこういうふうに悪かったというのか、それについて伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) この点については、二年前に金融審でこの逆ざやの問題と予定利率の問題を御審議いただいたときにも、やるべきことはある、こうしたことを議論する前にやるべきことはあるということを含めて様々な御議論をいただいたと思っております。 例えば、財務基盤をもっと強化しろと。財務基盤をもっと強化すべきだということに関しては、これは我々もそのような監督を行いましたし、保険会社においてもその基金を強化する等々、様々な努力を行っております。一方で経営を、経営のガバナンスをしっかりとさせるという意味で、これは情報公開、ディスクロージャーが大変有益であると。自らの姿をディスクローズすることによって経営を強化するインセンティブが働いてくる。このディスクロージャーに関しましてもこの二年間でかなり様々な努力がなされてきております。 もう一つは、やはり商品開発が大変重要であるということで、多様な商品開発を促進する必要があると。これも十三年六月の金融審第二部会の中間報告で議論された点でございますが、これに関しては、保険商品の我々としては審査期間をかなり大幅に短縮したという問題もありますし、企業届出、企業向けの商品を届出制に移行したというようなこともございます。さらには、ディスクロージャーと関連いたしますけれども、中間業務報告書を導入したと。 そういう意味では、大きく言うとやはり財務の強化、それと情報公開によるガバナンスの強化、さらには新しい商品の開発、それとそれに対する我々の監督手法の整備、そういうところで地道な努力は積み重ねてきたつもりでございます。
○池田幹幸君 今言われたのは、要するに政府・金融庁としては保険会社の経営状況についてはそれぞれモニタリングをしてきちんと把握してきたとおっしゃるわけですね。ただ、いろいろ新しい商品開発等々についても指導してきたとおっしゃる。 しかし、現実を見てみますと、この数年間、七つの生命保険会社が破綻したんですよ。いろいろいろいろ手だてを取ってきたけれども破綻したと。じゃ、この七つの生命保険会社が破綻したその理由というのはほぼ共通しているわけですけれども、政府はどういうことによって破綻したというふうにお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 生保、破綻した生保がそのようになった理由、これは共通した理由があるという御指摘でありますが、共通な面もありますが、個々に違った要因もあったというふうにやはり申し上げるべきであろうかと思います。 共通の認識としましては、やはり資産の運用等々で必ずしも適切な運用が行われない中で、一方で土地の下落、株価の下落、資産市場の停滞という非常に大きな要因がありました。そうした中で、これは営業戦略になりますが、保険契約高の減少ないしは今般御議論いただいている逆ざや、そういう生保を取り巻く環境に対して必ずしも経営上十分な対応策ができなかった、そうしたことの複合的な効果が残念ながら七つの生保の破綻に至ったと、至らしめた理由であるというふうに思っております。
○池田幹幸君 大体、要するにバブル期ですね、そこで約束した高い利率の予定利率、こういったことが一つ共通の原因になってきているわけなんですけれども。例えば千代田生命、これについての、これ、千代田生命と協栄とそれから東京生命ですか、これ三つは更生特例法を適用されたところですね。この三つのその代表的なやつ、大体三つ同じなんですが、代表的な千代田生命保険、読みますと、こう書いてあるんですね。 バブル期の営業拡大方針の下、高金利商品を大量販売し、純資産の急拡大を図り、高利回り確保のため不動産関連企業及びノンバンクへの融資、株式投資等、高リスクの資金運用方法に傾注してきた。そのために破綻したと。大体、今先ほど大臣おっしゃったこと書かれてあるんです。大体共通しているんです。大体ほかもそうなんですけれども。 要するに、高金利商品を開発したと言っていいのか、何といいますか、やってきたわけですけれども、金融庁はそれを認可しているわけですよね。全部これ金融庁が認可しなければできないわけですから。そして、その後ハイリスク・ハイリターン、そういった資金運用にも傾注してきたわけです。 こういうことについて、こういうことについて政府は指導監督してこなかったわけですよね。そのことについての責任、これはどのように感じておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども申し上げましたように、これは山本委員からどうしてこういうことになってしまったんだという御指摘がありましたが、それに対するお答えと重なる部分があると思いますが、やはりその時々で、例えば保険数理の問題から見て問題ないかと、消費者の観点から見て問題ないかと、そうした行政上のチェックはしてきたわけでありますけれども、残念ながらやはり大きな経済構造の変化に対応するようなその対応策が十分に取られていなかったと。そこは我々としてもやはり反省すべき点になるのだと思います。 今回、正にそういう問題意識を踏まえて、この逆ざやという構造問題を放置しておくと、単に経営に対する、経営の強化の問題だけでは解決できない構造的問題があると。この構造的問題に対応するための枠組み、制度、そういったものをしっかりと作っていかなければいけないのではないだろうか、そういう問題意識に立って今回の法案の御審議をお願いしているわけでございます。 繰り返しますが、これまでも、保険数理から見て問題はないか、そういったチェックは行ってきたわけでありますが、我々としては、非常に大きな経済環境の変化に対して必ずしもその制度の整備が十分に追い付いていなかったという点も反省して、行政の制度、行政の枠組みを強化したいというふうに思っているところでございます。
○池田幹幸君 生命保険の利益の源泉というのは保険料ですよね。その保険料の計算、これは大塚委員と私もひとつ関心を同じくしているんだろうと思うんですけれども、この計算は保険計理人がやるわけです。その保険計理人というのは保険会社の社員なんですよね。それを、その社員が中心になって数理計算すると。それを今度は金融庁が認可していくという、こういうスタイルになっているわけなんですよね。 結局、政府、金融庁がバブル期に高い予定利率の商品を認可してきたということについて私先ほど伺ったわけですけれども、それもあるけれども、構造的な要因の方が大きいんだとおっしゃっている。私、違うだろうと思うんです。 これ、先ほど、お答えできれば答えていただきたいということで連絡しておきましたけれども、生命保険会社の予定利率の推移とそれから運用利回りの推移、これ一体どうなっているかということを私資料をいただいたんですけれども、それはそちらの方でお手元にございますか。 これを見て、昭和六十年から平成十三年までずっと時系列的に予定利率と運用利回りを書いた数字いただきました。これを見て、特にバブル期、九〇年以降の予定利率と運用利回りを見て大臣はどうお感じになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 運用利回りが急速に低下していく中で、予定利率も引き下げてはいるわけでありますけれども、その運用利回りの低下がやはり非常に大幅である、急激であると、そのように思います。
○池田幹幸君 急激である、運用利回りが急激に下がっていると。そして、予定利率は余り下がらないというんですけれども、それよりももっと注目しないといけないのは、正にバブルが崩壊した後の九〇年以降ですよね。 それを見ると、例えば平成三年、九一年です。九一年、この年、運用利回りは五・〇二なんです。その翌年、予定利率五・五になっているんですね、五・五%。これは、全部金融庁、このときは大蔵省ですか、大蔵省が認可しなければこの予定利率は決まらぬわけですから、これは新しく認可したやつの平均を出しているわけですね。それを見ると、前の年、五・〇二の運用利回りだったのに、その翌年には五・五という予定利率を出しているし、その年の運用利回りは四・三五に落っこちているのに、翌年は四・七五。全部次々次々と運用利回りを上回る予定利率をこれ認可しているじゃありませんか。 ずっと例外なしにこんなことをやっているのが、構造的な問題に責任なんか負わせられない。正に政府が、大蔵省が先導してこういう高利回り商品、高予定利率の商品を生命保険会社が売ることを認めてきたということをこれ示している以外何物でもないじゃないですか。生命保険会社もこんなことをやるのは悪いですよ、悪いけれども、それを認める金融庁はもっと悪いんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、池田委員から大変重要なポイントを御指摘いただいたと思いますが、当時の大蔵省が私はやはり十分な先見性を持っていなかったということは事実であろうかと思います。しかし、意識してこうした動きを先導していたかというと、必ずしもそうは思いません。 実は、ここには示されておりませんが、同じことが実はマクロの経済指標についても言えまして、九〇年代に入って成長率が大幅に低下していたと。にもかかわらず、実は政府のみならず民間のシンクタンクも翌年の経済見通しというのを何年間も非常に高いものを、高い数字を掲げ続けていたわけです。私はこれは恣意的にやったとは思いません。正に残念だけれども、役所もそうであったかもしれませんが、民間部門も含めて、そういった意味で、時代の成長率が低下したと、新しいディメンジョンに入ったということをきちっと認識していなかったということに尽きるんであろうかと思います。 俗に言う、当時言われた言葉は、一山来ればと。今悪いけれども、一山来れば何とかなると。そういう安易な気持ち、まだ右肩上がりが続くというような気持ちが日本社会全体で持たれていたということであると思います。
○池田幹幸君 だとすれば、そういった反省の上に立ってまずやらなければいけないわけなんですけれども、その反省が果たしてあるのかということについて、これからまたちょっとずっとるる質問していきたいと思うんです。 まず、予定利率引き下げるということは、しかもその予定利率を引下げの方式見てみますと、結局、株主や出資者については、これはほとんど迷惑掛けないというよりも損を負わせないで、契約者にのみ負担を負わせるという、基本的にはそういう構造になっているということを私最初に申し上げましたけれども、それについては衆議院の財務金融委員会でも論議され、参考人の、これは金融審のメンバーの一人でもあったんでしょうか、岩原教授が、そういったことについてもそういった懸念はあるんだというふうなことを言われたりというようなことをしております。 そこで、予定利率の引下げというのは正にモラルハザードを引き起こすものだと私は思うわけなんですけれども、その点について少し質問をしていきたいというふうに思うんです。 まず、これは現在、産業再生委員会委員長を務めておられる高木新二郎さんですね、この方は協栄生命の破綻処理で管財人を務められました。その方が最近本を出しておられまして、そこでこんなことを言っておられるんですね。 一般人が事故に対処するために加入する通常の保険契約は、もともと危機管理のためのものであるから、経済情勢の変動にも対応できるように、保険契約者から集金した保険金は安全確実に運用されなければならない。株価は相場の変動に左右されるし、社債や貸金はもともと回収不能になる危険を孕んだものである。結果論ではあるが、これまでの日本の生保会社にはそうした危機を意識するまでもない恵まれた環境にあったし、通常の事業会社と比べて価格競争による合理化の経験にも乏しく費差益の増加に熱心でなかったことも否定できない。また、不況下にあっても死差益は増えてるはずである。保険数理に安んじているだけでなく、厳しい経営姿勢が求められていることは、おそらく生保会社自身が痛感していることであろう。 と、こう言っておられるんですね。 これは、この指摘というのはかなり私はうがった指摘だというふうに思うんですけれども、大臣、感想いかがでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今この場でお聞きしただけでございますが、高木先生がおっしゃることは私も誠にごもっともだと思います。
○池田幹幸君 ということは、保険契約者にツケを押し付ける前に、生命保険会社自身が経営を悪化させたその責任、これは厳しく問われなければならないというふうに思うんですね。 そこで、ちょっと戻るわけですが、本法案では経営者の責任を不問にしているということについて先ほどから何度も言いましたけれども、私はそのことを改めて問題にしたいと思うんです。これはどう見たって、この法律では経営者の責任は不問にするということになるんじゃありませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この法律の枠組みというのは、委員御承知のように、変更対象契約者や総代等に対して書類を送付しなければならない、その中に経営責任に関する事項をはっきりと書けというふうに義務付けております。 今回のような場合に、これは経営者といっても実はまちまちだと思います。委員御指摘のように、そういうような、資産運用を明らかに誤ってきた経営者もいるかもしれませんが、本当に今回新たに若手を登用して、その経営の責任に就いた経営者もいらっしゃる。それぞれの経営者について、私はやはり責任の重みというのは違っているのではないかと思います。これはやはり実態判断として、契約者に条件の変更をお願いする場合は、経営者の実態に合わせて、どのような責任を負うべきかということがこれは自主的に判断されるというふうな問題だと思います。 ただ、いずれにしても、経営者についてどうするかということをはっきりしろということは明示しているわけで、そういう意思表明を会社が自らする中で、その自治的な手続、自主的な判断の中で私はあるべき解決が図られていくというふうに思っております。
○池田幹幸君 自主的に、契約ですから、そういうことでやるんだろうと、保険契約者にもきちんと説明するんだろうと。これは先ほど紹介した岩原さんも、岩原教授もそういうふうに言っておられるんですよね。それをやらなければ保険契約者は納得しないだろうと。それはそうだろうと思うんですが、しかし、それじゃ果たしてその自治、自主的にやってどこまできちんとした責任を取らせることができるんだろうかと。 例えば、早期是正措置。これ破綻しているわけじゃないんです、破綻するまだ前の段階、直前かずっと前か知りませんけれども、前の段階ですよ。その段階で取らせる責任、経営者に取らせる責任、これは先ほど大塚委員も指摘されたけれども、非常に詳しく書いてあるんです。書いてありますね。これと比べてどの程度のものになるだろうと大臣は考えておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、今回の枠組みの特色というのは、まさしく自主的な判断、これは我々が何らかの命令を出すものではなくて、自主的な契約当事者間の判断になるものでありますから、どういうものになるかというのは、繰り返しますが、ケース・バイ・ケースだと思います。 しかし、私がもし仮に保険契約者であって、委員が御指摘になったように、長年その経営に座っておられる方が資産運用の誤りとかいろいろあった場合に、何ら経営責任を明確にしないで予定利率を引き下げてくれというふうに言ったら、私は一契約者としてやっぱり、それは問題じゃないかというふうに言うのだと思います。しかし、新たに経営を立て直そうと思って新しい経営者が出てきて、それで、こういう枠組みで是非皆さん納得してくれと、こういう経営改革を同時にやっていくと、私たちも一生懸命頑張るから、保険会社がゴーイングコンサーンとしてしっかりとやれるように皆さんも支えてほしいと、そのように説得的に言われたら、私はそれを納得して受けるのではないか。 そこはもう本当にケース・バイ・ケース、正に自主的な、自治的な手続の中で実態に合わせてこれはしっかりとした解決が図られていくというふうに思っております。
○池田幹幸君 早期是正措置の場合には改善計画を出させるんですよね。その改善計画の中にかなり詳しい内容が出されるというふうになっています。それは当然のことながら、生命保険会社が破綻を回避するために十分な条件を備えたものでなければならぬということになるわけですね。今度の場合もその点では同じだと思うんです。破綻を回避すると。しかも、ゴーイングコンサーンでやるんですということですから、その点では同じだと思うんですが、そうしますと、今言われたやつについてはこれからのことだということだから、現在ある早期是正措置のことについて伺うんですが、これは竹中大臣が衆議院の審議で、早期是正措置によって行政命令を出された保険会社に対して、ソルベンシーマージン比率が不足している保険会社にはしっかりした対応策を取ってもらうというふうに答弁しておられるんです。 まず、しっかりした対応を取ってもらうと。このしっかりした対応というのは、要するに破綻を回避するためのしっかりした対応だというふうに思うんですね。ということは、そこにおける、しっかりした対応の中に含まれる経営者の責任というのは、この早期是正措置のときにはどんなことになるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御承知のように、早期是正の措置についても区分がいろいろございます。その区分に合わせて我々の方も求めるわけでありますけれども、早期是正というのは、言うまでもありませんが、ソルベンシーマージン比率がある一定水準を低下した場合に、ソルベンシーマージンを一つのメルクマールとして我々としてはしっかりとした経営を求めるというわけでありますから、それをどのようにしてソルベンシーマージン比率が上昇するような事態を作っていくかということに関して、やはり責任ある回答を求めるということになります。 それはもう正にケース・バイ・ケースだと思います。経営者がうまく、経営者が替わりますからこれでうまくいきますというような答えがあり得るのかどうか分かりませんですけれども、資本を調達するという場合もあるでしょうし、経営を合理化する、コストをカットしていく、新しい収益源を他に求めてその中で財務の健全性を上昇させていくという場合もあるでしょう。そうした問題に対して、しかし結果がちゃんと出せるかどうかということを我々は厳しくチェックをしながら、命令を出してその実効をしっかりとフォローしていくと、これが我々の監督上の仕事になります。
○池田幹幸君 そうだと思うんです。いろいろ、役員の賞与をカットだとか、あるいは禁止だとか、あるいは資産運用の、ある運用の仕方の禁止だとか、いろいろ書いてあります。そういうことをやりますということなんですよね。それはそれで当然のことだろうと思います。それをやった上で、今おっしゃったように、経営者に対しても応分の責任を取らせていくんですと、こういうことですね。 じゃ、本法案で予定利率を引き下げた場合に、これから考えるとおっしゃるけれども、当然のことながらこれと同じようなことを求めることになりますか。そうならないんじゃないでしょうか。というのは、ゴーイングコンサーンともおっしゃるけれども、要するに、当面、ソルベンシーマージン問題ありませんと、当面は破綻のおそれはないんです。十年二十年先考えたときに、予定利率を引き下げない場合にはいろいろやっても問題が起こってくるでしょうという場合ですよね、今度の場合は。それと早期是正措置の場合と同じように扱うんでしょうか、経営責任。
○国務大臣(竹中平蔵君) ソルベンシーマージンに基づく早期是正というのは、これは常にもちろん行っていきます。 委員の御指摘、御質問の趣旨でありますけれども、これが例えば条件変更したとして、それが、その後どのようにフォローアップしていくのかと、そういう御趣旨なんでしょうか。それとも、計画がうまくいくかどうかということのチェックをどのようにするのかという意味なのか、まあ両方かもしれません。 これは当然のことながら、当初、契約条件の変更が出されたときに、それが非常に現実的なものであるのかと、それが実現可能かということを我々はチェックをいたします。さらに、そのことを契約者が合意するかどうかというのは、これは経営者の判断であります。その上で、その会社がその後どのような経営を行っていくかということに関しては、これは、ソルベンシーマージン比率に関する早期是正の枠組みというのは、これはもうずっと続いて我々は継続的に常時やるわけでありますけれども、その後の経営が契約条件の変更を生かして十分にやっているかどうかというのは、これは我々としても、早期是正だけじゃなくて早め早めの経営改善を求めるアーリーウオーニングのシステムがございます。さらには、より実態的に様々な観点からその健全性とか収益性についてチェックをして、必要であれば業務改善の命令を出していく。これは、そうした契約条件の変更という重みを受けながら我々としては継続してその監督業務を行っていくということになります。
○池田幹幸君 そうすると、これはもう結局、自治としてやられるわけですけれども、これについては、ああしなさい、こうしなさいとは言わないけれども、今の御答弁だと、出されてきた申請書についてチェックをして、そして保険契約者が十分に納得できるようなそういったものが含まれているかどうか、経営責任についてもですね、あるいはその出資者、株主等々についても責任を取らせるようなことになっているかどうかということも含まれるんですか。例えば債権放棄だとか基金のカットだとか、そういったことについても当然入っているかということでチェックするんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々としては、保険会社の契約条件の変更案の承認に当たっては、経営責任や基金等の扱いについて保険会社において十分な検討が行われたのか、保険契約者に送付することになっている経営責任や基金等の取扱いの方針を記載した書類において十分な説明が行われているのか、そうした点は当然のことながらきちっとチェックをするということになります。
○池田幹幸君 じゃ、そういう、こうこうこうこう、こういうものを含みなさいよというふうなことについてはガイドラインには含まないんですか。先ほどのやつについて見ていると、そういったことは事務ガイドラインとして含まれる中に出ておらないように私は思うんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰り返しの答弁になるかもしれませんが、例えば、契約条件の変更がやむを得ないんだというその理由、それと契約条件の変更の内容、変更後の業務及び財産の状況の予測、さらに基金、劣後ローンの取扱い、それと経営判断に係る事項、今五つ申し上げましたけれども、これをきちっと記載して総代等に送らなければいけないというのは、これはガイドラインではなくて法律で義務付けられております。
○池田幹幸君 時間がなくなってきましたので、ちょっと予定した質問ができなくなりましたので、一つだけちょっと伺っておきたいと思うんです。 六月二十日の記者会見で、生命保険協会の横山会長がこういう発言をしているんです。制度ができても使わないよう、各社は死に物狂いの努力で契約者との契約を果たすべきだとか、予定利率を現実に引き下げるところが出れば契約者の不安心理が高まり、生保全体の解約が増える可能性があると解説したと。経営者としては絶対に制度を使ってはならないと覚悟を決めるべきだと。この法律が通っても予定利率引下げの申請なんかするなということで、生命保険協会の会長が言っておられる。 私は、こんな法律通っても、こんなもの使わぬ方がいいと私は思っているんだけれども、当の生命保険会社の協会の会長がこういったことを発言しているということについて、今日は大臣のまず感想、見解を伺っておいて、このことについての論議は次回にしたいと思うんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどからモラルハザードを生じさせるのではないかという御懸念がありましたが、実は、死に物狂いで契約を守るんだ、こういう制度を使わなくていいように頑張るんだということを協会長が表明しているということは、モラルハザードが起きていないということの一つの証左なのではないかと思います。 ただ、いずれにしましても、これは、自分のところは今のところ使う予定はないけれども、制度そのものの整備の必要性は認めるということを、これまた参考人等々で業界の関係の方が言っておられるということも承知をしておりますので、これは一種のセーフティーネット的なものでありますから、使わないで済むのであればそれはそれでこしたことはない、そうしないで逆ざやを解決していくのであれば、それはある意味で好ましいことかもしれません。我々としては、選択肢の一つとしてこの制度の御審議をお願いしているということでございます。
○池田幹幸君 ちょっと勘違いしておられるんじゃないかと思うんですが。死に物狂いで云々は修飾語としてあるけれども、一社でやるのはまずいんだよということを言っているんですよ、これ、一社でやるのが。 だから、これはまた次の論議といたします。
○平野達男君 平野でございます。 今回の法律が、最後の最後までというか、今の段階でももやもやなものが残っているのは、ひとえに「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」というこの一言に掛かっているんじゃないかなという気がします。 それで、この蓋然性につきましては、先ほど紹介がございましたけれども、これ私も調べてみたんですが、その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの確実性の度合いと言っています。更に私はもう一歩調べまして、類語辞典というのを調べてみたら、可能性、公算、確率とありました。ですからこれ、これをこのままいきますと、この文脈でいきますと、蓋然性というのは、何か非常に言葉として私ら、私なんかは余り使ったことがないんですが、可能性、公算といいますと非常に分かりやすい。分かりやすいと同時に、今までの議論の中で、今のお話にもありましたけれども、守れない約束とかという言葉を言っていましたけれども、正確に言いますと、守れないかもしれない約束なんですね。 しかも、この蓋然性につきましては、その判断をどうするかということについては、これは衆議院の委員会の中での議論がありまして、これは私どもの中塚議員がしつこく食い下がって竹中大臣の発言を引き出したんですが、まず「第一に、現時点では保険業の継続が困難である状況にはないこと、」ということで、これは先ほどの池田議員との議論の中でもありましたけれども、五年間はまず大丈夫だというような発言がたしかあったと思います。 そうしますと、これを受けますと、それ以降あるいはもっと先だという、どちらかというと中長期的な観点に立っての判断だろうということだと思います。しからば、その判断をどうするかということになりますと、金利、株価、為替レートとか、新契約進展率とか資産配分等運用にかかわる事項とかという、こういう専門的な用語が一杯出てきます。 五年以降、中長期的なそういった判断というのが、これは本当に自信を持った判断ができるのかどうかということが私は一番最初にちょっとお聞きしなくちゃならない質問だなというふうに思っておるんですが、竹中大臣、これはどうでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 中長期の判断というのは難しいと思います。 繰り返しになりますが、五年以上というふうに特定しているわけではございません。その上ででありますが、やはり中長期の判断というのは本当に難しいと。しかし、これは衆議院の委員会でもお答えをさせていただいたんですが、例えば政府系の金融機関が二十年、三十年の長期の貸付けを行います。住宅ローンでも二十年、三十年の貸付けを行います。これしかし、難しいんだけれども、やっぱりやらなければいけないことなわけです。やらなければいけないそうした収支の見通しについては、それなりに、もちろんいろんな可能性を考えなければいけないんですが、それを行う手法というのも我々はそれなりに持っていると思います。 大変難しいということについては全くそのとおりだと思いますが、それはやはりやらなければいけないし、それなりの手法も整備されていると考えております。
○平野達男君 今正におっしゃったように、政府系金融機関なんかは二十年、三十年の期間を一応設定して、いろんな貸出し金利なんかを設定しています。今日、先ほど、銀行と生命保険の違いは何かといいますと、生命保険は長期の契約だというふうに言っていますけれども、例えば政府系金融機関は長期の貸出しやっています。十年据置きの三十年償還とか、これ林野の世界なんかではあるんですね。 これは何でかといいますと、この世界は逆に今何に悩んでいるかといいますと、固定金利ですから、五%で借りたものの償還に物すごい苦しんでいるんです。そして、これを今、市中金利が安いものですから、銀行からお金を借りて繰上償還できないかということを盛んに言っているんですが、これは今の財投の運用上に非常に響いてきますから駄目だといって、これは断られている、そういった実態が一つあります。 今日はその議論をちょっとするつもりはございませんが、問題は、今言いましたように難しいと思うんです。難しいということで、予定利率を下げなければ破綻をするかもしれないという判断は、これは一つの予想なんですよね。予想ということは、確定でございませんから、暫定的にこういう判断をするという、そういう性格を持つんじゃないかなと思うんですが、暫定的という言葉がいいかどうかはちょっと、私自身もちょっと迷うところがあるんですが、取りあえずこういう試算で、これは合理的な予測という言葉を、これは藤原政府参考人が衆議院の委員会で答弁されておりますけれども、合理的な予測をして、予測をしてこういう前提で考えますと、予定利率をここまで下げればその保険会社は大丈夫です、でなければ、逆に言えば、そこまで下げなければ破綻するおそれがありますということで、これは確定でも何でもない。一つの予測なんです。 予測ということは、下げるということは、取りあえず下げるということを許可してもらえませんかというような、そういう問い掛けになるはずなんですが、このスキームの中では、予測しましたからいいですかということで、十分の一の異議申立てがない限りにおいてはそこで固定してしまうという仕組みになっちゃっているんですね。 本来、これは予測をして、その将来の予測の中でこれを取りあえず下げなければならないということの一定の、繰り返しになりますけれども、前提条件から推測した結果ですから、これを法律の中で、取りあえずこういうこと出ましたから下げさせてくださいというふうに固定をするという考え方は、これちょっといかがなものかというふうに思うんですが。質問の趣旨、分かるでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 生保の契約というのは、先ほどから御議論にありますように、かなり長期のものでございます。それからまた、生命保険会社の資産というのは責任準備金がほとんどを占めるわけでございまして、かなりの程度、十年先を予測することは可能なものでございます。 ただ、それを予測する場合に、ある一定の合理的な前提を置いて計算しないとこれはいかぬということを、今、じゃどういう合理的なものがあるのかと。 先ほどから少し、アクチュアリー協会のああいう実務基準というようなものは一つの参考になるということを申し上げておりますが、そういう前提を置いた上で、なおかつ「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」というのは、単に保険業の継続が困難となる可能性があるといった程度ではなく、現時点で破綻の要件であります保険業の継続が困難である状態には至っておりませんが、将来を見通して、今そういう前提で見通して契約条件の変更を行わなければ、他の経営改善努力を目一杯織り込んでもやっぱり保険業の継続が困難になるということが合理的に予測されると、そういう場合に限られておりまして、安易にそれが発動されるということではございません。
○平野達男君 私は、この質問を二つの観点からやっていますので、ちょっと整理させてもらいますけれども、一つは、その予測が本当にきっちりできるかという話と、それから予測した数字を今の段階で固定してしまっていいのかと。つまり、その数字でもって永久に予定利率五・五という人を三・三%に下げてしまっていいのかという、今この二つの問題があると思います。 前段の、正確な予測ができるかということなんですが、先ほど、アクチュアリーだかアーチェリーだか知りませんが、アクチュアリー協会ですか、それが十年先の予測をしているというふうに言っていましたけれども、これ、この十年先の予測したやつが合っているかどうかと実証した、確かめたことありますか。私は、少なくとも竹中大臣が内閣府から出した経済予測なんというのは全然当たっていませんよ。来年度の要するに経済成長率とか、あっ、失礼しました、今のはちょっと取消ししますが、必ずしも当たっていないということでやらせていただきましたが。 例えば、実質成長率でありますとか、それからあと失業率だとか、いろんな見込みを出しますけれども、一年後、二年後だって分からないですよ。何で十年後が、そのアクチュアリー協会が十年やっていますからこれで合理的な推測ができますなんて胸を張って言えるのか、これは私には分からないです、これは。 これは、一つの段階での、こういう仮定でやるとこういう結果になりますよという推定なんです。だから、胸張ってなんかだれも言えないんです。現に、これは藤原参考人の言葉の中で、今回のスキームはかなり長期の話でございますので、要するにぶれの部分が大きいというふうに言っていますし、竹中大臣も先ほどの答弁にもありましたけれども、正確な予測はだれにもできない、これはそのとおりだと思うんです。こういう実態だと思うんですね。 だから、そうすると、これはあくまでも仮置きの数字という形で考えなくちゃならないんじゃないかなと。としますと、これは例えば、今の段階でいくと五・五%を三%に下げなくちゃなりませんということで一回仮に認めたとして、今度はそれが本当に正しかったかどうかというチェックをする仕組みを設けなくちゃならないんじゃないですか。 この法律は、この前段の段階で、ここは今の段階では五・五から三%です、四・五を三%に下げますと。それで、一回それで認められたら、それでずっと行く仕組みなんです。だけれども、繰り返しますけれども、そのときの判断の仕組みというのは、あくまでも仮定に基づいた計算なんです。十年後、二十年後の話なんかだれも正確に分からない。分からないということを前提にやった数字ですから、分からないということでの前提でやったことであれば、それが本当に正しかったかどうかというのをチェックする仕組みが必要なんじゃないかという、そういう疑問が出てくるわけです。どうでしょうか、そこは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員が言われた、予測は難しいぞという話と、固定させていいのかという話、両方とも大変重要だと思います。 そこについては、私ちょっと政府系金融機関の長期の貸付けの話をしましたが、私自身、自分のキャリアは政府系金融機関で二十年、二十五年の貸付けを行うということから始めましたので、それは大変難しいということはもう間違いない。しかし同時に、実は短期の予測よりも長期の予測の方がある程度見込めるという面もあります。例えば、あしたの売上げはどうなるかというのは大変難しいんですが、十年後のトレンドというのはある程度予想できるという面もあります。 もう一つ、これは一つの指標だけを問題にするのではなくて、例えば収入について予測を行う、コストについて予測を行う。収入に合わせて、その時々の物価情勢等々に応じてコストも変動いたしますので、それはある意味で、トータルとしての数字のバランスというのは、実は長期になっても意外と大きく変わらないという側面もあります。 これはまあ若干予測に係る技術的な問題でありますが、重要な点は、そうした難しさを認定した上で、当初の予測どおりかということをチェックするということよりも、私はむしろ、これである程度定常的なゴーイングコンサーンとしてやっていけるんだという認識をしたならば、それ以降は、日々の日常的な検査の中で、そうしたゴーイングコンサーンを前提とした、きちっとした、正にソルベントな企業運営がなされているかということを検査・監督でチェックしていくと、そういうやり方で私は十分その後のパフォーマンスのチェックはできるのではないかと思っております。 第二の、固定する、金利の固定でありますが、これはもう委員十分御承知かと思いますが、条件変更する際に、私は、現実問題としては、変動金利の形に変えるというところもかなり出てこようかと思います。これは経営戦略上は非常にうなずける、今の生保の構造的な問題を考えるならば、それはやはりあり得べき選択であろうかと思っておりますので、そうした経営判断の中で解決はなされていくと思っております。
○平野達男君 合理性の問題につきましては、りそなの件についてだってこれは予想ができなかったということもありますし、この辺りはもうちょっと議論は大分分かれることだと思います。 それで、この変動金利、これは選択肢の問題ですから、固定するかどうかって、これはちょっと私の質問の趣旨と違うので、次は下げるかどうかという決断で、下げ続けていいのかどうかという、失礼しました、ちょっと質問の趣旨が違うと思います。 何を聞きたかったかといいますと、その判断が正しかったかどうかというのは、結果的に十年後とか十五年後とか、結果を見れば分かるはずなんです。あるいは五年後に分かるかもしれません。これは、結果がどういうふうに出るかというのは二つありまして、結局、そういうふうに契約変更したけれども、結局破綻してしまったというケースもあるかもしれません。それからもう一つは、物すごい純益が出てきましたと、結果、やらなくてもよかったじゃないかということもあり得るんです。 話を単純にするために、結果やらなくてもよかったんじゃないかという結果が出てきた場合には、これは例えば配当をどうするかというような一つの考え方はあるかもしれませんけれども、こういった仕組みというのは、法律の中では、そういった場合の考え方というのは、法律ではこれ、どのように考えているわけですか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、経営状況の改善や景気の回復によりまして契約者に利益を還元するような状況になった、できるような状況になった場合を想定しまして、将来景気が好転して金利水準が上がった場合に、予定利率引下げの対象となった者に対しまして、保険契約者に対して利益を還元するというようなことについては様々な御意見がある、集団の中であると思います。 したがいまして、そういう集団の中の検討の結果、そういうことを、将来的にもしそういう状況になればそういうことを行うということを決めた場合は、総代会等への通知の中に盛り込み、あるいは契約者への通知の中にそういうことについて盛り込んで、それも異議申立ての対象として御審議いただくということを法律上仕組んでおります。 それから、ちょっと済みません、それからそういうふうになりましたら、それを定款に記載すると。定款に記載しますと、それを変える場合は金融庁の承認が必要でございますので、軽々には変えられないということになっております。
○平野達男君 そうしますと、配当が出てきた場合には、今のお話ですと、契約変更した方々に優先的に配分するというようなスキームもあり得るということですね。じゃ、本当にそれができるかという問題がもう一つ出てきます。 今の配当の仕方は、単純に考えますと、これ、私は配当の考え方というのを金融庁の担当官に聞いたんですけれども、結局分かりませんでした。分からなかったんですが、低予定利率の方と高い予定利率の方を比べた場合には、ある配当が出てきたときには低予定利率の方に高く行くんじゃないかという、単純に考えればそういうふうに理解していますが。 仮に配当が出てきた場合に、その当該保険会社でですよ、配当が出てきた場合に、定款に優先的に契約変更した人に配当を回しますという保険会社があって、片方で保険会社で予定利率の変更なんか何もしませんでしたという保険会社があったときに、新規契約者はどっちを選ぶと思いますか。これは当然、新規契約者は、配当が出てきた場合には予定利率を下げた場合の人に優先配分されるんですから、自分がもらう予定配当が少なくなると計算しますよね。そうしたら、当然、保険会社の中で予定利率の変更なんかしなかった保険会社を選ぶに決まっておるんです。だから、そんなスキームなんか選べないんですよ。つまり、それらを定款に書いた途端にその保険会社の新規契約がずっと落ちるはずなんです。 だから、それは定款に、今そういうふうなことをおっしゃいましたけれども、言うべくして私はできないと思いますよ。どうですか、これは。
○政府参考人(藤原隆君) 正に先ほど私が保険集団の中で御議論をした上でお決めいただくというふうに申し上げましたのは、今先生御指摘のように、例えばそういうふうに将来のあれを、利益を優先的に今回契約変更になった者に充てるとすれば、他の保険契約者への本来であればあり得る配当の縮減要因になるということでございますので、そこの辺をその保険集団の中でどういうふうに考えて調整していくかと、これまさしく自治的な仕組みの中でお決めいただくべき事項だというふうに思っております。
○平野達男君 そんなものを自治組織の判断なんかで任せるということ自体、もう非常に乱暴な言い方だと思いますよ。これは非常にやっぱり難しい判断だと思うんです。私が今必死になって考えて、こんなことをやったらこういう問題があるなというのをやっと気が付いたんです。もしそういうことを自治機能だと言うんなら、そんなことやったらこういう問題がありますよと、はっきりサジェスチョンしながらやりますか。私が言ったようなそういう危険性がありますよと、そういうサジェスチョンをやりながら自治機能にゆだねますか。できないでしょう、そんなことは。こういう危険性がありますよといった途端にそのスキームが破綻してしまいますから。 それからもう一つ、そういうまず大きな問題がある。元に戻りますが、私の理解では、そういった意味で、配当が出てきた場合に、契約変更した方に優先配分するというやつは言うべくして私はできないと思います。これを定款に言った途端に新規の人が来なくなっちゃうから。その保険会社は、その中で要するに破綻するということを宣言するのと私は同じだと思っています。 という前提で立ちますと、今回のスキームは予想が、要するに予想されるものが本当に正しいかどうか分からないんだけれども、胸を張って言えるという、その確証は竹中大臣はあるというふうにおっしゃいますけれども、十年後、二十年後の予測なんというのは本当、私だれもできないと思うんです。できないんですが、これ後でちょっと言いますけれども、これ、できないというままで例えばペーパー送りましたら契約保険者は何と取るかといいますと、蓋然性なんという言葉は吹っ飛びますよ。これをやらなければ必ず破綻するというふうに取っちゃうんです。そう思いませんか、竹中大臣、普通の契約者というのは。 大体、今回のスキーム自体は、蓋然性と言っていますけれども、冒頭に戻りますけれども、可能性があるということなんですよ。だから、この可能性だけでもって契約変更するということが、法律的にそんなこと仕組んでいいのかどうか、これは法律上何の問題もないんでしょうかね、これ。どうですか、これは。
○政府参考人(藤原隆君) 私どもの内閣法制局に御審査をいただきまして、それで今回法律を提出させていただいております。
○平野達男君 これについてはまた時間がありましたらまた別途の機会でやりたいと思いますが、それじゃもう一つ別な角度で質問しますけれども、自治機能、自治機能と言いますけれども、十年先、二十年先のやつを、先ほど来から情報開示とか何かいろいろ言われました。情報開示幾らやって、例えば株価がどうのこうの、新規契約進展率、保険契約継続率がどうのこうの、こんなの出されて保険契約者が判断できますか、これ。 その前提の話として、保険会社は、利率を下げれば会社が存続するとなったら、これ必死になっていろんな理屈を付けてきますよ。そして、金融庁さんもこれをもってそれを判断しますけれども、私は、繰り返しますが、それは確信を持った判断できないはずです。ある前提でこう思った、前提で試算すればこうなるでしょうねという判断をするだけです。しかも、同じ今度の判断は、保険契約者に対しては、こういう前提でやりますとこういう可能性がありますがという判断を求めるわけですね。可能性があると思いますが、どうですかという判断を求めるわけです。こういう判断は可能性の判断というのか、確率だとか公算だとかということですけれども、こんなの保険契約者にそんなのを求めたって何で判断できるんですか、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘の点はすごく難しい問題で、かつ重要な問題だと思います。ただ、確信を持った判断ができるかと、これはまあ予測の困難性からいって確信を持った判断はだれにもできないというふうにこれは正直に言わざるを得ないと思います。しかし、重要な点は、確信を持った判断ができないからほっておく方がいいかという問題なんだと思います。そういう選択肢もあると思います。 しかし、正にこれは蓋然性というところに行き着きますが、このまま逆ざや問題を放置しておくと、いつか分からないけれどもこれはやっぱり大変なことになるかもしれないというような場合に、確信はないけれども、率がいつどうなるという確信はないけれども、しっかりとした備えをしておこうと、それにそうならないような手当てをしておこう、それは私はやはり、経営の判断としても、政策の判断としても重要なのではないかと思っております。 で、契約者から見ると難しいではないかという点もそのとおりだと思います。そこで、先ほどから申し上げているように、契約者に対してはしっかりと分かるようなもので送付しろと。その中に、変更後の財産の状況の予測、それをいろいろ先生言われたような細かい指標だけではなくて、もっと全体の姿が分かるような形で一つ示さなければいけないのだろうと思っています。 それから、先ほどちょっと、大変先生、平野委員らしい鋭い御指摘があったんですが、これしかし、業務が利益が出てきてそれを優先的に契約者に配当した場合にはほかの人が割を被るだろうから新規は出てこないのではないかと。ただ、これは実はなかなか裏返しの議論も同時にあって、仮に利益が上がってそれを増配するまでの期間については、予定利率を変更しないよりは、その企業の内部留保というのは、内部のその剰余金というのはたまるわけですから、これはやはり、どのぐらいの時点でどういう増益があってどのような増配をしていくのかという経営戦略の問題でありますから、一概にはこれは言えない問題なのではないかと思います。
○平野達男君 それは極めて専門的な判断だと思います。一般の契約者はそんなこと分からないですよ。ただ、要するにそういう、分からないという意味は、やはり優先配分されるんですねということになりますと、やっぱり警戒心を持つということは、これは事実だと思います。 それから、要は、竹中大臣の必要性は分かります。だけれども、必要性の判断の、要するにこういうものを用意したいという気持ちは分かるんです。用意したいということとできるかどうかというのはこれは別問題ですから、これは。 それで、私、今聞いていますと、保険会社はやっぱりいろんな前提でいろいろ試算をしてくるでしょう。金融庁もどういう判断でやるか分かりません、これは。何かガイドラインを作るとかいって、これは公表すると言っていますが、これは数値化しないと言っているので、かなりこれはまたいろんなブラックボックス的な判断を、出てくるんじゃないかなと。ブラックボックスというか、その判断の中身が分からないままある程度こう判断が出てくるんじゃないかと。 そして、これを今度は自治機能という言葉で置き換えているんですね。この判断が正しいかどうかというリスクを金融庁は自治機能という言葉でかぶせているとしか取れないんです、私は。これは私は行政としては責任逃れじゃないかなという感じも強くしますよ。ましてや、この要するに判断基準についても、今先ほどの話聞いていると、どういう客観的な指標でやるか、これ客観的な指標も出てこない。取りあえず保険会社について出てきたものについては金融庁はガイドラインか何かの抽象的なことを書いたやつで判断するんでしょう。判断をして、あと自治機能ですからということで各個人に資料を送って、それで、その前に総代会かけますね。総代会かけて全員の契約者に資料送る。全員の契約者に資料送るでしょう。送って、それでその送った中から十分の一以上の異議者があった場合については認めないと、こういうスキームになっていますよね。どこか間違っていますか、どうぞ訂正あれば言ってください。
○政府参考人(藤原隆君) 契約者の方に資料を送りますのは、今回のその予定利率の引下げ対象となる契約者に対して送るわけでございまして……
○平野達男君 分かりました。そういう意味ですね。失礼しました。 対象となる契約者ですね、そこはちょっと言い直させてもらいます。いずれにせよ、そこの中で判断をゆだねるといって、ゆだねるということで持っていっているわけです。 だけれども、繰り返しになりますけれども、こんな難しい判断を、あと今度は、今日はちょっと時間がありませんから次の、十分の一の異議申立てでいいかどうかと、私はこれも物すごい重大な疑義を持っていますから、これはまたあさってやりたいと思いますが、その判断を自治機能という言葉で覆い隠してしまって、本当にそれが自治としてやれるかどうかを検証、検証というか確証を持って言えますか、それが。これは私は正にプロの判断だと思いますよ。プロフェッショナルな判断を一契約者の中にこれが妥当、いいですか悪いですかと求めること自体できないですよ、こんなの。もし本当に竹中大臣が言ったこういったスキームで新たな選択肢が欲しいというならば、全く別なスキームで考えなくちゃ駄目だと思うんです。これは私、明らかに金融庁が自分らの判断が、要するに例えばこれ客観的な指標ができないとかと言っていますけれども、仮に出したとすれば、批判に耐えられるような基準が出せないからですよ。そんな批判に耐えられるような基準が出せないやつを、もう一回繰り返しますけれども、個人の契約者に判断しろといったって、これは無理ですよ、これは。 だから、元へぐるぐる、最初に戻りますけれども、一番最初のこれは確定でも何でもない、蓋然性という言葉で、その中でオブラートに包んじゃったんですね。だけれども、もう一回これを、今日はもうそろそろ次のテーマに移ると時間切れになってしまいますからこの辺でやめなくちゃならないと思いますが、だんだんだんだんこれ末端契約者へ行きますと可能性という言葉は消えてしまいますよ。じゃ、どっちかですかという判断しかできなくなると思います。 それで、この答弁の中には、合理的な予測、合理的な予測ということでいろんなこと、言葉を並べてやっています、答弁されています。だけれども、そういったことは引下げ対象者の契約者に行った途端に全部消えると思いますが、そこはどのように、竹中大臣はどのように考えられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 判断は普通の一般の契約者にとって難しいというのは確かにそうだと思います。翻って、私自身保険契約者として見て、実は正直言いまして保険の契約の約款というのは読んだことありませんし、さっと昔読んだことがありますけれども、読んでも分かりませんでした。じゃ、読んで分からない契約をしているのかと。その意味では、大変難しいということに対して我々注意を払わなければいけないんですが、保険というのはそもそもそういうものであるという点も認めなければいけないんだと思います。そうでないと、保険契約そのものが難しくて、こんなものを認めてよいのかということにもなりかねない。 もう一点、委員が先ほどから御指摘になっている、金融当局というのは余り民間に任さずにもっといろんなことを責任を持って基準を示すなりしなければいけないのではないか、余りに多くの判断を民間にゆだね過ぎているのではないか、その御指摘は御指摘で理解できるところがございますが、一方で民間の判断に介入するなと、我々は裁量行政から事後的なチェックに行っているんだと、何をやろうと民間のこれは原則自由であり、事後的にどうなっているかということをチェックすべきであると、これはこれでまた政策の流れとしては一つの重要なポイントだと思います。 そうした意味では、今回、そうした経営の判断に我々余り立ち入るということは慎まなければいけない。一つとして、例えば将来の姿がどうなるんでしょうか、そのときの為替レートがどうなるんでしょうか、金利がどうなるんでしょうか、それについて基準となる為替レート、金利というのを政府が示すべきなんでしょうか。 私は、やっぱりそんなことはできないし、やるべきではないと思います。場合によっては、為替レートや金利を重視して経営のプランを立てるところもあれば、そういうものを余り重視しないで立てるところもあるかもしれない。一般に許容される範囲から大きく飛び出ているかどうかというのを我々チェックはしなきゃいけませんが、そこは正に経営の判断であると、どのような金利状況を設定するというのも経営の判断であるという面もございます。そうした非常に難しい間にあるということを是非御理解いただきたいと思います。
○平野達男君 今の竹中大臣のお話は一般論としてはよく分かります。ただし、前段の保険会社、保険というのはそういうものだよという前提で契約者は保険を契約しなくちゃならないというのであれば、今回のスキームは新規契約者から適用すればいいと思います。 それからもう一点は、やはり行政は民事に介入するなというのは、これは分かります。それはもう本当にそのとおりだと思います。 だけれども、今回の場合は、自治機能というもので、本当に自治機能というものにゆだねられるような事項かどうかということの私はまだ検証が十分されていないと思うし、私の個人的感覚からいったら、こういう、要するに十年先、二十年後の会社の予測なんというのは全然できないと。ただ、突き付けられたときに思うのは、これをもしオーケーしなかったら自分のもらう保険料というのはがたっと落ちてしまう、判こつけば、落ちるけれども、その落ち幅は少し小さい、その事実だけですよ。その二つの中で判断を迫られるやつがこれは自治機能と言えるかどうか、これは私、大いに疑義があるということで、ちょっと時間になりましたので、まだまだ法律のスキームについては、これは私、一杯疑問、何点か疑義がありますので、今日の話を引き続きまたあさってちょっとやらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○大渕絹子君 様々な議論が続いていますけれども、私も、今回のこの法案について、一体だれのための法案なのかということをずっと考えてみましたけれども、生保業界も、作られても使うことができないような法律だというような発言もあり、あるいは契約者の側も一方的に予定金利を引き下げられていくことで、これはもう全く合わないという、理屈に合わないというような法律ですよね。 私たち国会で法律を作るときには、公共の利益あるいは国民の暮らしの安全、そうしたものを守るために法律を作るということを建前にしてこの間法律作りをしてきているわけですけれども、その両方にもこの法律は合わない。一体この法律が何のために、だれのために作られるのかということをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民主主義社会において、人々の要望を踏まえて、意見を踏まえてそれを法律化していく、制度を作っていくというのは、あくまでもその基本であると思います。 だれも望んでいないと。確かに、生保業界で今のところ使うというふうに言っているわけではございませんし、これは保険の契約者から見てもなかなかしんどいという思いはあろうかと思います。しかし同時に、政策として考えなければいけないのは、皆さんにとってしんどいことでも、これはマクロ的に見て、全体としてその方が中長期的なコストが少なくて済むはずだという仕組みがあれば、それに関してはやはり積極的に御提案をしていかなければいけないと思っております。 先ほどから何度か議論させていただいておりますが、まあ残念ですが、逆ざや問題という問題は非常に厳しい形で厳然と存在をしております。このままいって万が一にも生保の破綻のようなものが出てきた場合は、私は、逆にやはり国民の声は、こういう状況になるまでなぜ何もしなかったのかと、そういうような声も私はやはりあり得るのだと思います。その意味では、そうした最悪の事態を避けて、一定のきちんとした手続を踏んで、少しでも保険契約者の保護になるような枠組みについては、これは行政当局としては準備をしなければいけないと思っております。 だれのためかということに関して言うならば、あえて一般的なお答えになりますが、やはりこれは保険契約者の保護のためになると私は思っております。
○大渕絹子君 同僚議員の質疑の中で、一部特定の企業名を挙げて、特定の生命保険会社を合併をさせていく過程、いわゆる再編成ですよね、生保業界の再編成の中にこういうことが必要、いわゆる新たな受皿の中にそこを吸収させていくために、高金利ですか、予定金利の高い契約件数が多く含まれている生保についてはなかなか一緒に合併することが不可能だというような状況の中でこのことが出されてきているとするならば、それは一部特定の業界、業者、企業を守るための法律と言わざるを得ないのじゃないでしょうか。本当に契約者の権利を守っていくという方向でなされているのであれば、もう少し、それではこの法案が使われていく段階の中でもう少し契約者にきちっと配慮した局面があってしかるべきだというふうに思うのですけれども。 私は、聞きましたら、この手続に入るときに、予定利率を引き下げる申請をすると同時に、契約者が解約は不可能になってしまうというふうに聞いているんですね。そうすると、これは更生手続の場合と全く同じなんですよ。 私は、協栄生命というところが破綻をしました。私自身も入っておりまして、ある日突然に手紙が来て、会社更生法適用申請をしていますので今からは解約はできません、そして保険料もこのまま凍結の状態で、決定まで凍結されますという通知が来ます。そして、一か月か二か月後に社名が変わりました、あなたの保険はこういう契約に変わりましたという報告なんですね、一方的に来て。そして、保険料は、保険額は、契約のときの保険金額は下げられましたけれども、あなたの保険料は上がりましたというんですね。来月からこういう保険料を払い込んでくださいという通知が来るだけなんですよ。 そういう破綻の処理から比べれば、もしこの予定利率を引き下げるということで契約者の権利を更に守っていくんだということであるならば、その申請を出す前に、その契約に該当する保険契約者に対してきちんと、あなたの保険はこのたび予定利率引下げの対象になっていますと、今解約をすればこうこうこういう金額が一時払戻しされます、しかし継続されてその利率を五・五から三%に引き下げた場合、将来の受取金額はこういうふうになりまして保険内容はこういうふうに変わりますというようなことをきちんとその契約者に通知がされて、解約をするか継続をするかということがきちっとその契約者が選択ができるようなスキームになっていなければ、これは破綻のときの処理と全く同じことになってしまうのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今、先生の御指摘のありましたこと、分からぬではないんですが、ただ、現実のその保険集団を維持しながらこういう予定利率の引下げを粛々と行うという場合、風評等によりましてあるいは保険集団が事前に崩壊するという事態も避けなければいけないというのも事実でございます。 したがいまして、今回、そういうことも総合的に勘案いたしまして、保険会社が行政当局に対して申請した段階で保険会社に対しまして解約の停止命令を行い、その後、粛々とかつ早期に手続を進めていくことを今予定させていただいております。
○大渕絹子君 それだったら、会社更生手続と、破綻の処理のときと同じなんですよね。そうすると、その契約者の利益を守るということにはならないんじゃないですか。 契約者はその事前に、その利率が引き下げる前に解約という手続を踏むことができれば、より払った保険料については現状の利率の中で一部払戻金を受けることが可能なんですよ。それさえも拒否をしている法案なんじゃないんですか、これは。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 保険契約者の保護という場合、私どもよく一番考えなきゃいけないのは、保険集団を維持していくということが最大の契約者の保護だということで考えておるわけでございます。したがいまして、解約が殺到して保険集団が崩壊するということは極めて保険者保護からは欠けるようなことでございます。 それからまた、今回の予定利率の引下げの場合のことでございますが、これは一応解約停止をしますが、その三か月後ぐらいにもし解約をしたい方は解約ができるわけでございまして、しかも、破綻の場合と異なりまして、今回の場合は責任準備金の引下げを行うわけではございませんので、要するに、何と申しますか、申請をした段階とほぼ同じ解約返戻金がもらえるという状況になるわけでございますので、そこは今回、解約の停止を行っても、そこはそれほどの大変な差異はないと思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御承知だと思いますが、今、局長の答弁、若干補足させていただきますが、解約の意思があれば解約はできます。これは、そのことを申し入れていただければ法律的には解約は成立いたします。その手続を一時的に停止するというだけでありまして、これは法的には解約は有効でありますので、解約したいと、向こうから例えば条件変更言ってきた、私は嫌だと思って解約の手続をすぐにして解約をすることはできます。だから、その権利は、解約の権利は一切妨げられておりません。解約の手続が凍結されるというだけであります。 それともう一点、更生特例法と一緒ではないかという御指摘ですが、これは先ほど御説明させていただきましたけれども、委員御自身大変つらい思いをされたということをお伺いしましたが、これは、更生特例法の場合は責任準備金を最大一〇%切り下げられる、これは今回ないですね。それと、その後の予定利率がどうなるか。これは下限が三%ですから、一般に今、協栄の場合は三%よりはるかに下に行っていると思いますので、その二点で判断する限り、これは、先ほどから申し上げますように、一般論として、更生特例の場合に比べて今回の条件変更の方が契約者の取り分というのは守られているような仕組みになっているということでございます。
○大渕絹子君 それは、あくまでもその後もその生命保険会社が健全に経営が続いていくということが条件になりますよね。そういう問題が起こった途端に解約が殺到して継続というか、安全な経営ができないというような状況に陥っていくとなれば、最後的には結局同じことになっていくのかなというふうに思いますけれども。 解約が可能というふうにおっしゃいましたけれども、それではその解約時において契約の内容のままの解約が可能ですか、そこをきちっと答弁しておいていただきたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今回の予定利率の引下げにおきましては、先ほど大臣からお答えありましたように、責任準備金の削減は行わせないということになっておりますので、仮に解約の停止期間が来て即座に解約した場合は、従前と変わらない、こういう措置が行われる前の解約と同じ条件で解約ができるということでございます。
○大渕絹子君 分かりました。そこを一つ確認をさせていただければ、選択肢は広がってくるというふうに思いますので、ありがとうございました。 それでは、高利率の対象保険というのは現在どのくらいあるんでしょうか。今、この法律の対象になるであろう保険の件数というようなものが分かったら教えてください。
○副大臣(伊藤達也君) 個人保険及び個人年金については、全社ベースで、予定利率が三%以上の契約が大宗を占める、これは平成七年度以前の契約数を見てみますと五千百四十四万三千件でございまして、個人保険、そして個人年金全体の四二・〇%となっております。 終身保険につきましては、全社ベースで、平均予定利率が三%以上の契約が大宗を占める平成七年度以前の契約件数が五百二十九万一千件でございまして、終身保険全体の四七・五%となります。 また、定期保険については、平成七年度以前の契約件数が百六十万四千件でございまして、定期保険全体の一三・三%となっております。 養老保険につきましては、同じく平成七年度以前の契約件数が六百四十四万五千件でございまして、養老保険全体の五二・〇%となっております。
○大渕絹子君 この法案がもし成立をしたときに、それらの対象契約者に対して保険会社から、今度こういう法律が成立をいたしておりますので、制定されましたのでこういうこともあり得るんですよというようなことがきちっとその契約者に伝わるような指令みたいなもの、指示みたいなものを金融庁はなさるのでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 今回のまず法律の趣旨そのものを多くの契約者の方々にやっぱり周知徹底していくということが極めて重要なことだというふうに思っております。これは午前中の委員会でもそういう御指摘もございましたし、私どももそうした努力をしっかり重ねていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○大渕絹子君 すべての対象契約者がこういう法案ができてしまっているんだということが分かるようにきちっと対応していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 それから、これちょっと質問通告が後になってしまったんですけれども、今、大変外資系の生命保険会社等々が日本に多く進出をしてきて、生保産業は非常にグローバル化が進んできているというふうに私は認識をしているんですけれども、外資系あるいは外資の日本支社等々が今占有しているシェアについてお答えをいただきたいと思います。具体的な数字で示してください。
○副大臣(伊藤達也君) 平成十四年度末の保険契約高で見ますと、生命保険市場における占有率は、国内会社が八八・四%、外資系会社が九・四%、そして損保系の会社が二・二%となっております。
○大渕絹子君 外資系の生命保険契約数は、アメリカンファミリー社という会社があるんですが、二〇〇三年三月期決算で個人保険の保有契約件数が千五百七十四万件と、日本の企業を抜いて初めてトップになったというような記事が載っているわけなんですね。非常に日本の生命保険業界もグローバル化が進んできているというふうに思っていますけれども、こうした動きについて竹中大臣はどんなふうにとらえているんですか。 私は、国民が、絶対につぶれない生命保険会社、あるいは生活の安心を得るためにはどこを選んだらいいのかという選択の中で生命保険とかあるいは損保の会社を選び始めていて、そうすると日本の企業よりも、生命保険業界よりも外資系の方がより安全だという認識が国民の中に広がってきているのではないかということを思うのですけれども、大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか、現状について。
○国務大臣(竹中平蔵君) 九〇年代以降、外資の日本進出というのは、全体として諸外国に比べればまだ低いんですが、局所局所で非常に目立つ現象が出てきていると思います。 これは何も金融に限らず、例えばおもちゃ業界で断トツのナンバーワンはトイザらスであって、それでファストフードで断トツのナンバーワンはマクドナルドであって、そういうところというのは随所に見られている。今のアメリカンファミリーのちょっと数字そのものは確認できないんでありますが、また、保険の商品、どの商品をとらえるかによってもシェアは当然のことながら違ってくるわけでありますが、非常に多様な分野で多様な競争が進展しているということの一つの証左であろうかと思います。 消費者にとって重要なのは、多様で非常に安心感のある商品が提供されていて選択肢があるということであろうと思いますので、そうした方向で更に健全な競争が促進されていくように我々も見守っているところであります。
○大渕絹子君 保険に加入するときに、本当に信頼と安心ということが一番、選択の私は重要な科目だというふうに思っているんですけれども、今回、予定利率を引き下げるというような、日本の生保業界にそういうことができるような法案を作ることによって、日本の生命保険産業は更に信頼を失墜していくんじゃないですか。 そういう懸念は、竹中大臣、どういうふうに考えますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 原則論としては、一度お約束したことを変更するような形を取らざるを得なくなったという点に関しては、これはやはり、繰り返し言いますが、反省すべき点、これは保険会社、業界においても行政においてもやはりあるのだと思います。しかし、かといって、繰り返し言いますが、このまま何もしないで置いておくことが、じゃ保険業界の信頼性を高めることになるのかというと、これはやはり違う面もあるんだと思います。 先ほど少し御紹介しましたですけれども、日本の保険業界というのは、その意味では非常に特殊に、変動金利の商品が少ない、であるがゆえに今回のような問題を惹起しているというところがございます。こうした点も踏まえて、制度そのものをしっかりとしていくこと、さらに経営がしっかりとした競争戦略を取っているということを言う中で、我々としても、是非生保、日本の生命保険業界の信頼性を内外に対して高めていけるように努力をしたいと思っております。
○大渕絹子君 そうはならないと思うんですよね。国会でこんなことを本当に、個人と企業とが行った契約を法律によってそれをほごにするような法律が作られるこの国家が世界で信頼されるはずなんかないじゃありませんか。どうして竹中大臣はこんな法律を作るんですか。私は、もう竹中さんはアメリカの言うなりになって、生保業界そのもの、日本の生保産業そのものをもうアメリカに売り渡してしまうべくこんな法律を作るのではないかとさえ思う。 ずっとこの法律、少し期間が長かったですよね、一生懸命読ましていただいて研究してきたけれども、何でこんなことが必要なのかというところに行ったときに、もしかしたら、そうしたグローバル化の流れの中でなのかもしれませんけれども、そう自然に流れていく、国民が選択をして流れていくならいいですけれども、国会の中で法案を作ることによって日本の生命保険産業がもう世界的に信頼を失墜していくということであるならば、私たちは全員で生命保険産業をよその国に売り渡してしまうという法案を今一緒に作っているということになるんじゃないでしょうか。 私はそのことに思い至って、これは一度言っておかなければいけないと思って、今言わせていただいています。 そんな私の指摘に対して、もっとも、そんなことはあり得ない、日本の金融担当大臣であられるわけですから、そんなことはあり得ないというふうにお答えになるんでしょうけれども、お答えを聞いて、私の質疑を終わらしていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員が日本の生保の行く末を非常に案じておられるという点に関しては、これは理解できる点もあるんでありますが、ただやっぱり、今回の法律がアメリカの言いなりであるとか、アメリカに売り渡すとか、どうしてそのような発想になるのかに関しては、私は全く理解ができません。 しからば、何もしないでこのまま置いておくことが日本の生保業界の信頼を高めることになるのか、私は否であると思っております。
○大渕絹子君 存続し得ない企業は淘汰をされて当たり前というのが資本の原理なんじゃないですか、竹中大臣。そうだとすれば、弱小生命保険会社、契約者と約束を守れないものは市場から去っていくのは当たり前だというふうに思うんですよ。 それを選択したのは契約者側にも責任があるわけで、その責任は私たちは十分に負うことは分かっているんですよ。それなのに、こんな法案は要らないというふうに思うんですけれども。 やめます。
○委員長(柳田稔君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。 保険業法の一部を改正する法律案の審査のため、七月十日午前九時に公聴会を開会したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 保険業法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その御意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は来る三日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十七分散会