財政金融委員会 第14号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/06/13
会議録
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、池口修次君、藤原正司君、近藤剛君及び峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君、大塚耕平君、上杉光弘君及び信田邦雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のうち、りそな銀行に関する件の調査のため、本日の委員会に参考人として株式会社りそな銀行前頭取勝田泰久君、新日本監査法人理事長竹山健二君及び朝日監査法人理事長岩本繁君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 財政及び金融等に関する調査のうち、りそな銀行に関する件を議題といたします。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。 当委員会におきましては、財政及び金融等に関する調査を進めておりますが、本日は、特に参考人の方々からりそな銀行に関する件について御意見を伺いまして、今後の調査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 この際、勝田参考人から発言を求められておりますので、これを許します。勝田参考人。
○参考人(勝田泰久君) りそな銀行前頭取の勝田泰久でございます。お時間をいただきまして、一言おわびを申し述べさせていただきます。 りそな銀行がこのような事態になり至ったことにつきまして、国民の皆様、お取引先、株主の皆様を始めとする関係者の方々に大変な御迷惑と御心配をお掛けし、加えまして、多額の公的資金の注入をいただくことにつきまして、経営の責任を負う者として深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございません。 終わります。
○委員長(柳田稔君) これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 自由民主党・保守新党の中島啓雄でございます。 今日は、三人の参考人の方々には、お忙しい中を御出席いただきまして、誠にありがとうございました。 まず勝田参考人にお尋ねさせていただきたいと思いますが、りそなグループへの公的資金の注入が一兆九千六百億円ということで決まったわけでございますが、これは、直ちに税金に結び付き国民に負担になるというわけではありませんけれども、国民一人当たりに直しますと一万六千円の公的資金を注入するということで、決してこれは低廉な額ではないということで、りそなグループを始め金融機関全体の安定のために国民からの貴重な資金であるということを十分自覚をしていただいて、金融再生に取り組んでいただきたいと、こう思っております。 そこで、りそなホールディングスの連結ベースの自己資本比率というのは、十四年の三月は八・七三%であったものが、十五年三月期には三・七八になったと。それから、りそな銀行だけの連結ベースですと二・〇七%というようなことで、業務改善命令が出され公的資金の注入と、こういうことになったわけでございますが、その主たる要因は、昨日の衆議院の方でも議論がございましたけれども、要するに繰延税金資産の取崩しの額の評価の問題と、こういうことだと思います。 十四年三月の繰延税金資産の繰入れ、正式には法人税等調整額ということだろうと思いますが、ここで利益として二千五百六十四億円を計上して、十五年三月期には逆に取崩しということで損失を三千八億円計上をしておると、その差が五千五百七十二億円に上るというようなことで、結果として連結純損失が八千三百七十六億円に達したと、こういうことでございます。 この決算が出る過程においていろいろ御議論があったようでありますが、現時点で勝田前頭取としては、こうした決算になったことについて十分に納得しておられるのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
○参考人(勝田泰久君) お答えを申し上げます。 まず最初に御指摘がありましたように、私ども、かねて、健全化のために既に二度の資本注入、これは旧あさひ、旧大和でございまして、約一兆二千億弱の資金をお借りしているわけでございまして、本来なら、その過程で健全化を果たし、また剰余金を積み上げて返済のめどを立てていかなければいけない立場にあったわけでございますが、もちろん、不良債権の処理あるいは株式の低下に伴うそうした剰余金の積み上げが十分でなかったということはございますけれども、しかしながら、その中で、やはり健全化の道筋を立てることなく、加えてまたこのような、今御指摘のような決算をし、また改めて多額の公的資金の注入を受けなければならなくなったということについては、本当に心苦しく、申し訳なく思っております。 今御指摘のとおり、決算そのものを納得しているのかというところについては、不本意な決算についてはおわびを申し上げなければいけないという一言でございます。 以上でございます。お答え申し上げました。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 答弁は、時間の関係もございますので簡潔に。 次に、竹山参考人にお伺いしたいと思いますが、繰延税金資産が計上できるケースというのは、あくまでも将来の利益によって回収ができるという範囲に限られるというのが基本だと思いますが、十四年三月期では、要するに五年間の所得の見積り分を計上したと、八千三百二十六億円と。それから十五年三月期では、今度は三年間ということで五千二百三十億円と。著しく判断が違ってきたわけですが、この理由について御説明をいただきたいと思います。
○参考人(竹山健二君) それではお答えいたします。 繰延税金資産自体は、平成十一年の四月から採用されていますが、当初から、繰延税金資産自体の性格が、将来の課税所得から回収すると、そういうふうに客観性が非常に難しいという問題でございまして、会計士協会の方から、あれに、実務指針といいますか、よく今話題になっていますが、監査委員会報告の六十六号が出ています。これはあくまで、過去のその会社の状況を五つの分類ぐらいに分類しているんですが、例えば非常に業績のいい会社であるとか、あるいは全く、片一方の極端な例を申し上げますと、ほとんど営業利益が出ないような会社という、そういう両極端の例の五つのパターンを示しております。 基本的には、これは一般の事業を含めて全般的な回収可能性でございまして、金融機関の場合は少し違うと思うんですね。と申しますのは、金融機関自体のコアなビジネスといいますか、いわゆる業務利益自体は、貸金等を中心に、基本的に大きな流れとしてはそんなに大きな変化なく来ていると。ただ、片一方で、御指摘のように、一つは担保に取っている資産とかあるいは自分が持っておられる保有する資産等が時価の下落で下がってきていると。この傾向が当初予定しているよりずっと悪い傾向に来ているという状況でございます。 したがって、我々自体、昨年までの状況でございますと、基本的には業務純益がしっかりしているし、五年を上げられても問題ないという状態でございましたが、この一年でまた大きな毀損があったということで、やはりこの状況を見ますと、コアの純利益がきちっとある状況自体は変わっていませんが、やはりこの客観性という問題から判断いたして、やはり会長通達等の趣旨のとおり、経済状況の変化に伴って、五年以内ということでいろいろ検討いたしました結果、今回の決算になったと、こういうことでございます。
○中島啓雄君 経済情勢の変化ということだそうでございますが、この辺は大分議論のあるところだろうと思うので、後で触れさせていただきたいと思いますが、むしろ正直に、十四年十月三十日に金融再生プログラムというのが出て、その中で、繰延税金資産の算入に関する適正化の話とか、あるいは合理性の確認とか、こういうのが出ているので、こういう影響もあったんだと、こう答えていただいた方が正直な話ではないかと私は思うんですが。 そこで、勝田参考人にお尋ねいたしますが、昨日の衆議院でも取り上げた問題でございますが、いわゆる電話メモとか、それから大塚耕平議員あての何か内部告発文書らしきやつとかですね、そういうのがありまして、金融庁が繰延税金資産四年にすればいいじゃないかとか、あるいは金融庁にいろいろ恫喝、強要されたんだというようなことが書いてあったようでございますが、もし金融庁からそういう恫喝、強要のようなことがあったとすれば、竹中大臣は金融庁は一切介入しないという趣旨の答弁を何回もしておられるので、いささかそれに反するのではないかというふうに思いますが、その辺の恫喝、強要といった事実があったと認識しておられるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○参考人(勝田泰久君) お答えをさせていただきます。 そのような恫喝、強要は全くございません。 以上でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 そういうことならば、金融庁としては公正妥当なやり方で今後の再生を進めていただきたいと思っております。 それで、竹山参考人と岩本参考人にお尋ねいたしたいと思いますが、繰延税金資産の計上に関しては、あくまでもこれは回収可能性の判断ということが非常に重要な話でございまして、先ほどもお話があったように、公認会計士協会の監査委員会報告の六十六号というのに基づいているわけですね。その中で四項というのがありまして、重要な税務上の欠損金の存する会社については、翌期に課税所得の発生が確実に見込まれる範囲だということで、原則は一年だと、こうなっているんですね。ただし書で、いろいろな条件付で五年分までできると。それから次の五項では、過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社は繰延税金資産の回収可能性はないと、ゼロだと、こういうふうに言っておるわけです。 そうしますと、十三年度末、十四年三月期の決算と十五年三月期の決算を比べてみますと、十四年三月期の経常利益は、不良債権を償却したということでマイナス一兆二千六百三十七億と。十五年三月期の金融庁に出された経営健全化計画でも、十五年三月期というのは九百七十二億ぐらいの経常利益がプラスになるんだ、こういうことでありましたし、業務純益の推移は大体三千億前後のところでずっと推移しているわけですね。そうすると、不良債権の残高も三兆三千と、こういうふうなことですから、とても五年間で八千三百億にも達するような繰延税金資産を利益で回収できるというような見込みは立たないのではないかという気がいたします。 そういうことで、どうももう十四年三月の決算そのものもかなり甘い決算ではなかったかと、こう思うんですが、これについて御意見をちょうだいしたいと思います。竹山参考人に。
○参考人(竹山健二君) それではお答えいたします。 少し先ほど御説明申しましたように、繰延税金資産の一年と申し上げましたが、この考え方は、例えば一般企業の場合に、一般の営業利益の段階ですね、この段階で非常に利益が上がったり損が上がったりという不安定な会社があると。そうして、不安定だけれども、結論的には繰越欠損の状況にあると。そういう会社が今の四項の問題なんです。 そういう状態の会社は、その一年の先は、頑張って、会社ですから経営計画立てられたら必ず利益の計画立てられると思うんですね。そうすると、一年間は何とか見えるからというふうな、そういう前提があるんです、この委員会報告自体が。したがって、一つの会社のパターンをおおむね分かるような形にしたものです。したがって、金融機関を見る場合には、そのコアとなる部分はしっかりしているということを念頭に置いて判断しないと、一般の事業会社とは大分違うと私思っております。 りそな銀行さん、合併前はそれぞれあさひ銀行さん、大和銀行さんでございますが、その状態におきましては、この一年間で、株式の下落とか、いろんな不良債権の、いわゆるそれに伴う、下落等に伴う資産の、等で非常に資本が痛みましたが、それ以前につきましては、やはりきちっとできる状況があると。ただ、こういう将来の予測ですから、株式の下落等、これから先ですね、今の株式相場等を含めてどこまで行くのかと、こういう蓋然性から見て、まだしっかりと、今の状況まで資本が欠けますと、やはり五年というのはしんどいんじゃないだろうかということで今回は三年になったと、こういうふうに御理解いただきたいと思っております。
○参考人(岩本繁君) それでは、私ども朝日監査法人は、十四年三月期につきましては、あさひ銀行を新日本監査法人と共同して監査をしております。私ども、十四年三月の時点でのあさひ銀行の繰延税金については、この委員会報告六十六号から検討いたしまして、将来収益を十分いろいろ聴取し、内容を検討した結果、その計上について特に問題にするところないというふうに社内的に審査も経過して、審査でも検討しておりますし、私自身、特に問題ない旨聞いております。
○中島啓雄君 どうも十四年三月期は問題がなかったんだと、こういう話でございますが、どうも客観的な数字を見るとなかなか信じ難いというところでございます。 時間もなくなりましたので、あと、勝田参考人に簡単にお尋ねしたいと思いますが、六月十日に経営健全化計画が出されまして、その中で、グループの業務純益、十五年三月は三千七十三億を、十七年三月期に三千七百十五億ぐらいまで上げますと、プラス六百四十二億と、こういうことでございますが、その間に、金融再生プログラムにありますように二年間で不良債権を償却しようと思えば、約二兆九千億の不良債権があるわけですから、一兆四千五百億ぐらいを償却しなければならないと。さらには、その繰延税金資産の回収ということで、五千数百億あるわけですから、三千数百億は回収しなければならない。そうすると、実に一兆八千億ぐらいを二年間で償却できるのかねというのは極めて疑問に思いますが、その辺どういう計画になっておられるのか。国民負担とならぬように是非御努力をいただきたいと思いますが、簡単で結構でございます、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○参考人(勝田泰久君) お答えをいたします。 私、五月二十日付けで代表取締役を辞任いたしました。六月十日付けで取締役も辞任しておりまして、新執行部が、新経営陣が健全化計画を今までとは違ったやり方で新たな決意の下に立てたというふうに認識をいたしておりますので、コメントは差し控えますけれども、新たな決意でこういった数字に挑戦してもらえるものと期待をいたしております。 以上でございます。
○中島啓雄君 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 今日は、お忙しい中、三人の参考人の方に国会に足をお運びいただきまして、本当にありがとうございます。 まず最初に、勝田参考人にお伺いしたいんですが、りそな銀行自体が税務上の欠損金を計上しているわけですが、これは何年間継続されているんでしょうか。
○参考人(勝田泰久君) 二年間でございます。
○櫻井充君 この二年間ということになりますと、こちらにあります実務者指針というんでしょうか、そこの中で言うと、これは四項に当たるんでしょうか、五項に当たるんでしょうか。竹山参考人と岩本参考人にお伺いしたいと思います。
○参考人(竹山健二君) 今、基本的には、先ほど申しましたように、これは判断する状態の中においての一つの要素でございますが、ですから、繰越欠損金が何期続いているという状況の前に、必ず念頭に置いていかなきゃならないことは、基本的なその会社の状況でございます。その状況がどうであるかという、総合的に判断すると。 実務指針の内容は大きく分けて二つになっております。一つは、過去の会社の業績の推移を見ること、もう一つは、大きく一般的にその会社の期末現在の収益力を見ることと、この二つの大きな判断で総合的に判断することになっております。収益力を見る場合には非常に不明確だと、いわゆる客観性に乏しいということで、先ほどから申しましているように五つに分類しています。その中において、例えば欠損金が二期あるというような状況になったような会社は、おっしゃっているように四項だというふうな規定はあります。 そういうことでございます。いいでしょうか。
○櫻井充君 はい。
○参考人(岩本繁君) 私どもは三月一日からスタートしたりそな銀行の監査人にはなっておりませんので、りそな銀行についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、今の議員の御質問を一般論で解釈すれば、例えば税務上の欠損が二期続いたということを一般論で考えれば、四号で考えるんじゃないかと思います。
○櫻井充君 それから、債務超過かどうかという判断をされるときに、繰延税金資産を基本的には除いて判断されるのか、それともそれを加えて判断されるのか、一般論で結構でございます。竹山参考人と岩本参考人にお伺いさせていただきます。
○参考人(竹山健二君) 繰延税金資産は、商法上も配当可能利益ということで、導入時に非常に議論されまして、基本的には配当可能利益に上げる資産であるということでございます。したがいまして、例えば現金とかほかの資産と同じように、資産である以上、その資産を外して考えるとか外して考えないということ自体が私はどういう議論かなと思っております。 したがって、もしその繰延税金資産の大小とかいろんなことを御判断なさる場合には、その金額を、投資家とかあるいはアナリストとか、そういうふうに見られたらいいんであって、基本的に商法上の決算を見る場合には、当然資産ですからそれを考慮していくということで、そういう質問にはちょっと当たらないかと私は思っておりますけれども。
○参考人(岩本繁君) 一般的に、一般的なお答えなんですけれども、繰延税金資産は会計上資産として計上することが認められております。その辺で、内容を検討して会計上適正な価格を資産計上した上で、自己資本がどうであったかというふうな、自己資本を見る場合ですね、一般的には繰延税金資産を考慮に入れた上で検討するのが一般的です。
○櫻井充君 岩本参考人、そうすると、いつも繰延税金資産を加味されて判断されているんですか。一般的にで結構でございます。大体、我々会計上よく分かりませんから、一般的に言うと、どのぐらいの割合で加味されているんですか。
○参考人(岩本繁君) その辺は、その企業の財務体質の充実度合いですね、それは場合によると、繰延税金を外したところで一度検討してみることもありますし、それから、その後の資本増強、短期的な資本増強の有無、それから利益計画、そういうところを総合的に判断して、繰延資産をどのくらい考えるかということで検討するわけですね。ですから、最終的には、適正な繰延資産額が計上できるものがあれば、それをすべて含んだ上で最終的な自己資本というのを我々は考えております。
○櫻井充君 それでは竹山参考人にお伺いいたしますが、もし、一度繰延税金資産を外してしまった場合に、今回のりそな銀行は債務超過になっているんですか。
○参考人(竹山健二君) 私は、申し上げていますように、繰延税金資産に、例えばの会社で、例えばの会社の棚卸資産がありますと、この棚卸資産が非常に金額の大きい会社だとしまして、この棚卸資産を除いたら資本金は、資本はどうなっていますかと、こういう御質問なんです。したがって、それは御質問なさる方が自分で判断なさったらいいと思うんですね。 ただ、私申し上げていますのは、債務超過債務超過という言葉が余り独り歩きして、基本的にはきっちりした資産であって、日本の場合には全体的に正しい会計処理としてやっているものが、何か誤解があって、非常に、ほかに債務超過があるんじゃないかとかいうようなことに、私、なるのが非常に危険ですからきっちりしたお答えしています。したがって、債務超過かどうかということについては、全く、そういう議論になっていますから、債務超過ではありません。
○櫻井充君 改めてお伺いしますが、なかったらということをお伺いしているのであって、会計監査をやられている方の私は責任だと思うんですよ。それはきちんとチェックされているわけですよね、ですからあえてお伺いさせていただいているだけで、それをこちら側が調べろということではなくて、そこも、先ほどの岩本参考人のお話ですと、一応は外して考えたりする場合があるということであるとすると、この点について、債務超過であったのかないのか、それは答弁される私は義務があると思いますが。
○参考人(竹山健二君) お答えします。 私が申しましたように、一つの今の実務指針の考え方は、過去の会社の状況、その中においての判断でございまして、今現在の考え方は、債務超過の金額、絶対値からいってですね、その金額自体の問題もおっしゃっていますけれども、そういう議論になっていないということを申し上げている。これは申し上げておかないと、何かそういうことで、外して考えるとか外さぬじゃなくて、少なくともその会社の将来の収益力をどう見るかというときに、その会社が本当に債務超過の状態で、基本的に営業能力もないと、そういうふうなことを想定した、連動した全体の問題なのでございます。したがって、我々はその繰延税金資産を上げるときにあくまで判断しておりますのは、ちょっとお読み願ったら分かると思うんですよ、後の方で収益の状態ということで書いていますから、やはり将来の収益力が一番大事なことだと思っておりますけれども。
○櫻井充君 債務超過であると合併できないんですよ。ですからお伺いしているんですよ。ましてや、一兆二千億円ものまず公的資金を使って再建計画立てて、それを守られていないからまた一兆九千億円のお金つぎ込まなきゃいけなくなるんじゃないですか。これだけ多額の税金を使うか使わないかという、そういう議論しているんですよ。今の答弁ないでしょう。 勝田参考人にお伺いします、それじゃ。 再建計画を立てられましたよね、平成十年に。この再建計画が守られなかった理由は何ですか。
○参考人(勝田泰久君) お答えいたします。 再建計画に当たって、やはりきちっと予定どおり剰余金を積み上げていくという前提に立っておりました。もちろん、貸出金の伸びあるいは利ざやの拡大、それからコストの削減、人件費、物件費等大幅なリストラをやって実現を図らなきゃいけないという前提に立って立てました。しかしながら、片や不良債権の増大、その処理、それから株式の下落に伴う減損の問題等々、環境のせいにするつもりはございませんけれども、そういったものがはかばかしく積み上げられなかったということでございます。 以上、お答え申し上げました。
○櫻井充君 つまり、現在の状況においては再建計画がうまく進まないというお答えなのかなと思います。そうすると、今回また一兆九千億円お金を入れたとして、果たして本当に再建計画どおりいくんでしょうか。
○参考人(勝田泰久君) お答えいたします。 私自身はその再建計画をやるべくもちろん努力をいたしましたけれども、十分でなかったということでこのたび責任を取ったわけでございますけれども、我々は、先ほど申しましたように、三度目にわたる多額の公的資金をお受けする立場でありますから、従来にない銀行のビジネスモデル、加えて、更なる今までにない人件費、物件費の圧縮等々でこの計画を実現していただけるものというふうに考えております。 以上でございます。
○櫻井充君 言葉は悪いかもしれませんが、結果的にまた追い貸しですよね。これは国側からの私は追い貸しだと思っているんですよ。こういう企業に、りそな銀行として、りそな銀行であったとしたら、こういう企業に対して追い貸しされますか。
○参考人(勝田泰久君) 私は、今、そういった新たな立場で、新経営陣にしっかりやってもらいたいという立場でございますけれども、私は、今度はきちっとそういうものを彼らが、新しい執行部がやっていただけるというふうに考えております。
○櫻井充君 もし新たなる執行部がきちんとやられなかった場合には、勝田参考人、どうお考えですか。
○参考人(勝田泰久君) 申し訳ありませんが、今、私自身がこの健全化計画を十分達成できなかったということを反省して、新たな執行部に期待を持っているということだけでお許しをいただきたいというふうに思います。
○櫻井充君 岩本参考人、衆議院のこの質疑の際に過少資本ではないかという発言をされたかと思いますけれども、りそな銀行に対してですね。この過少資本というのは正式な用語ではないと思うんですね。どういうことを指して言われたんでしょうか。
○参考人(岩本繁君) 私ども、三月一日からスタートしたりそな銀行の監査を受嘱するかしないかということで、いろいろな資料を四月十六日にいただきました。その中で拝見して、繰延税金を先ほど、前年の三月から計上された金額が一つあるわけですけれども、ただ、りそな銀行というのは、大和銀行とそれから従来のあさひ銀行、そのあさひ銀行は一部が埼玉りそなということで、一部分割した形で合併してできた会社で、従来の繰延税金がそのままそれじゃ引き継がれていいのかどうかという問題も当然あります。 そういうことが、二つの銀行がそのまま一緒になっていれば従来の考え方を相当踏襲して引き継いで考えられるんですけれども、その一部の業務の部分がほかの銀行に移っている等ありまして、組織的に比較ができないような一つ形があるものですから、四月十六日にいただいた資料の中で、もう一度、資産と負債とそれから繰延税金というふうに分けて考えまして、その段階では非常に資本が少ないというか、我々はそこのところ、大体自己資本比率が二%、やっぱり銀行業務にとって、繰延税金を外したところで二%以下になるということは、資本充実のところで非常に大きな問題、まあ、四%基準一つあります。更に二%基準ありますので、私ども、二%以下になる可能性が非常に強いということで、資本過少だというような表現をしております。
○櫻井充君 過少資本というのは独特の岩本参考人の言葉だと思うんですよ。つまり、きちんとした、皆さんがそのような形で使われているかというと決してそうではありません。結果的に、今のお話だけをお伺いすると、債務超過か債務超過でないのかという判断のところにつながっていくんじゃないのかなと、そう思います。 もう一度お伺いしたいんですが、結果的に、その過少資本とおっしゃっていることは債務超過ではないんですか。
○参考人(岩本繁君) 繰延税金を外せば、資産と負債と比較すると負債の方が多い状態です、繰延税金を外せばですね。
○櫻井充君 そうすると、今のですと、繰延税金資産を外すとどうも債務超過ではないかということがはっきりしたんじゃないかと、そういう気がいたします。 あともう一つ、これから生保の問題が出てくるので、この点についてお伺いさせていただきたいんですが、生保でも繰延税金資産を資本の中に加えていて、七五%を超えているような生命保険会社がございます。こういうところに関しての繰延税金資産に対しての取扱いについて、一言ずつで結構でございます、竹山参考人と岩本参考人からいただきたいと思います。
○参考人(竹山健二君) それは、その会社の状況、財務状況あるいは過去の業績、そして収益計画等を見てみまして総合的に判断して検討します。 ただ、今おっしゃっていますように、自己資本比率の自己資本の中に占める繰延税金資産の金額が大きくなっているということ自体は、私は、今議論されていますように、早く税制等でこの問題を解決してということがやはり必要かなというようには思っておりますけれども。
○参考人(岩本繁君) 協会の実務指針の六十六号は銀行だけを対象にしたものじゃありませんので、当然、六十六号の趣旨に沿って検討するということでございます。
○櫻井充君 ありがとうございました。
○浜田卓二郎君 参考人の皆様には、お忙しい中お出ましいただいて御苦労さまでございます。まずお礼を申し上げたいと思います。 まず、勝田参考人にお伺いをいたしますけれども、なぜ繰延税金資産をたくさん積み上げてしまったかということについて伺いたいんですよ。私は、貸倒れが本当に起きるんであれば、それに対する引き当ては当然経費として認められていいはずである、つまり無税償却ですよね。ですから、無税償却という原則を守っていきさえすればその期その期で勝負ができるわけですから、言ってみれば将来の利益という非常に不確かなものに依存した繰延税金資産、悪口を言えば水膨れ自己資本を計算上積まなくたって済むわけですから。 私は、なぜそんなに多額の繰延税金資産を積んでしまったのかということについて、時間が限られていますから答弁も簡潔にお願いいたします。
○参考人(勝田泰久君) お答えいたします。 もう先生も大変御存じのことだと思いますが、私どもも無税償却で不良債権の処理を加速することが一番望ましいということでございますが、一九九九年の三月からこの制度が、そういう制度といいますか、有税で償却をしたものについては繰延税金資産ということで、それが有税で償却をしたものが多く、このように増えてきたということでございます。そういうふうに認識をいたしております。
○浜田卓二郎君 そうしますと、ちょっと私も時期がつまびらかではありませんけれども、繰延税金資産を、結果的には五年間になったわけですけれども、そういうものを認めるよという行政の指針なり、それに基づく監査基準なりがこの世の中に出てきて、それによって積み上がったと、そう理解してよろしいですか。
○参考人(勝田泰久君) 私はそのように理解しております。
○浜田卓二郎君 私もそう理解しているんですよ。 繰延税金資産を作る必要がない経理処理というのを私は本来やるべきであると思っております。つまり、無税償却が原則でいいというふうに思うわけです。 ただ、金融業というのは、釈迦に説法でありますけれども、貸付けを業務とされるわけですから、一般の事業会社以上に引き当てについては用心もしなければいけない、準備もしなければいけない。ですから、これは課税当局の問題になってまいりますけれども、無税償却を認める範囲、つまり経費として認め得る引き当ての範囲というものを、金融業に限って、金融業の特徴を踏んまえて拡大してあげると、そういう前提を取りながらでありますけれども、無税償却の原則の方がよろしいと私は考えますが、勝田さんはもうそうお考えだから今のお答えがあったというふうに思っておりますので、竹山さんと岩本さんの御意見を承りたいと思います。
○参考人(竹山健二君) お答えいたします。 全く同感でございます。 一つは、やはりアメリカの例を見ますと、基本的には、こういう大きな経済の変動期には基本的にそういうものを、なぜ無税償却を認めないかといいますのは、国税当局は当局で、やはり客観性ですね。ということで、一番貸金で難しいのは、それぞれをすべて、その会社をゼロにして、また新しいビジネスにすべてすると。例えば、日本でいろいろ苦しんで経営なさっている、それは、その会社自体はある程度利益を上げておられても、何かの状況で借金があった、それが返せない、その返せないことが銀行に掛かっていると。これすべて、いろんなバブル期の資産の過大というものが下がったと、全部これに原因尽きているんです。したがって、この問題を大きく解決する一番いいやり方は、おっしゃっていますように無税償却にして、できましたら、いっとき議論されたように、銀行も非常に利益を上げている時期があったわけですね。そのときには自分たちの税金の五〇%も、たくさん国にお支払いになったということで、できれば、そういった議論あったと思うんですけれども、そういうことできちっと整理できたら、この問題は本当、そういうこと自体非常に難しいですけれども、分かりやすいんじゃないかというふうに私は思っております。
○参考人(岩本繁君) 会計のルールとそれから国税のルール、このギャップでこれだけ大きなものが出てきたわけですけれども、やっぱり金額がこれだけ大きくなって、特にこれが資産として認識しているわけで、それが当然、自己資本、銀行の自己資本の規制基準の大事な部分に影響を与える資産を構成しているわけで、我々とすると、その辺のギャップができるだけ少ない方が望ましいというふうには考えております。
○浜田卓二郎君 私の選挙区が埼玉県だからひいき目の発言をするわけじゃありませんけれども、りそなとして言いたいことは、多分、国税庁であろうと金融庁であろうと、それは民間の銀行にとっては行政そのものでありますから、この行政の判断の食い違いというものが結果的には、無理矢理と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、繰延税金資産が積み上がる今日の結果を招いた。私は、そういう側面を無視してこの銀行の責任なり今後の対応なりを議論してはいけないと考えている一人であります。 で、一番大事なことは、今までの経過がどうだったかということ。私自身は、果たして本当にこれを、国が七割も八割も株式を取得して国立銀行にして、そして役人さんの管理の下で経営の立て直しをするということ自体が、私は本当にそれでいいのかという気持ちを今でも持っております。役所が関与して経営がよくなるはずがないと、これはもう我々の経験則でもそういうふうに言えるわけでありますから。しかし、それはそれとしておいて、八兆円あるんですね、繰延税金資産が。だから、これからりそなと同じような状況に、収支見通しが悪ければ、陥らざるを得ない銀行が出てきている。 私はこの前予算委員会で竹中さんに申し上げたんですけれども、じゃ、そういう銀行が出てきたら全部国有化するんですか、国立銀行ばっかりになっちゃうじゃないですか、それが今の日本の経済にとっていいことなんですか、で、それをいつ手放せるんですかということを申し上げたわけであります。しかし、申し上げるだけではいけないわけで、私なりの対案を申し上げたつもりなんですが、今日はそれを繰り返して申し上げて、お三方の御意見を拝聴いたしまして、それで私の質疑を終わりたいと思いますが。 私は、今申し上げたように、繰延税金資産を積み上げてきた責任の半分、あるいはそれ以上の責任は国にあると。だから、これを全部銀行の責任に押し付けて、けしからぬというのは必ずしもフェアではない、そう思っているわけですから。 ですから私は、その積み上がってしまった八兆円の繰延税金資産を、原則を無税償却に戻すと。そして同時に、課税当局に対して、銀行業という、金融業という特殊性を考えて、この引き当ての範囲をもっと認めてあげると、実態に合わせた認め方にすると。その代わり、そうすると八兆円についての処理が残りますから、これを、私は十年と申し上げましたけれども、あるいは十五年でも二十年でもいいと思うんですけれども、交付国債の形で例えば入れ替えてあげると。 その入れ替える大義名分というのは、これは国の行政の責任が半分以上あって積み上がった資産であり、これが結果的にはこれからの金融業の経営を不安に陥れるっていうものでありますから、金融業という特殊性も考慮しながら入れ替えてやる。そうすると、銀行は十年あるいは十五年あるいは二十年掛かってこの国債の返済をしなければいけませんから、その返済の努力が同時に経営で利益を上げる努力であり、そして自己資本を水膨れじゃなくて中身のあるものにする自助努力である。 その自助努力が果たせなければつぶれていただくよりしようがないということで、交付国債を差し入れ、そしてこの繰延税金資産の八兆円を、あるいは全銀行を入れれば十一兆という数字も言われておりますけれども、これを中身のある本当の自己資本に戻す、そして無税償却の原則に戻す、そして金融業における特殊性を勘案した引き当ての認め方を国税庁にきちんと判断させる。 そういう考えを御提案申し上げているわけでありますけれども、一言ずつ御意見を賜って質問を終わりたいと思います。
○参考人(勝田泰久君) お答え申し上げます。 私自身は、先ほども申し上げましたとおり、健全化ということを成し得なかった責任者の一人でありますから、せっかくの、意見を言えということでございましたので言わせていただきますと、やはり、こういった問題は私どもの銀行だけではないのかなと、会計士の皆さんも悩みが多かったのかなというふうに考えております。 ただ、国全体、一般事業会社も含めまして比較しますと、なぜ金融だけがそういうふうに甘やかされるのかという議論も片やあるわけでございますから、かねがね我々が、銀行がまだまだ一般に比べて給与が高いとかあるいはリストラも十分でないと言われている環境の中で、銀行だけがということの議論が、今、先生の案は大変私いい案だなというふうに思いますけれども、まだまだ議論を深めていただくところが多いのかなというふうに、かように思っております。 以上でお答えいたします。
○参考人(竹山健二君) お答えいたします。 先生おっしゃっていることは、基本的には、技術的には私は、ちょっと先ほど申し上げましたように、一度ここで、金融機関ということを限定されましたが、もしそういう経済全体のしわ寄せが金融機関に来ているという御判断でおっしゃっているとすれば、そういうことも私、結構だと思います。 ただ、会計技術的には、やはり先ほど申しましたように、繰延べ、いわゆる繰戻しという手続がございます。ですから、そういう手続を伴わないとちょっと難しいかなと、こう思っていますけれども、どうも。
○参考人(岩本繁君) 先ほども話しましたように、我々、ルールの中で物事を考えて行動しております。たまたまこの件はルールとルールの間でギャップがある。我々専門家はその内容がよく分かるわけですけれども、一般の方には分かりにくい、結果的に分かりにくくなってきてしまったわけですね。その辺については、やっぱり何らかのこれから改善をしていかなければいけないんじゃないかというふうに考えています。
○浜田卓二郎君 終わりますと申し上げましたが、あと二分ありますから、最後に一言意見だけ申し上げます。 今、竹山参考人の言われたのは、会計士というお立場でそうだろうと思うんですね。ただ、還付という考え方を十五年もさかのぼってやれという、これは金融庁の御要求ですよね、税務当局に対する。これはやっぱり無理ですよ。もっと無理ですよね。 やっぱり、あのバブル期に税金を納め過ぎたぞと思っているのは別に金融業だけじゃなくて全部の業種がそうなんですから、十五年分戻せよという前提で無税償却に切り替えろというのはちょっと通りにくいと思いますね。課税当局としては入れ難いと思いますね。 そうであるとすれば、どっちが無理かという議論であって、バランスシート上どういうふうに処理するのか、これは私専門じゃないから分かりませんけれども、やはりその八兆円積み上がってしまった、これが今後、経済状況によってはりそなと同じような問題をどの銀行に起こすか分からない、そういう、言ってみれば水膨れの爆弾を抱えたまんま金融行政が推移していく、金融システムが推移していくよりも、一種の非常手段かもしれませんけれども、そういう方法はということを申し上げたものですから、是非、専門的にも御検証いただきまして、またいろいろ教えていただければ有り難いと思います。 どうもありがとうございました。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 今日は御苦労さまでございます。 私は、今の金融行政そのものがもう狂っているというふうにずっと指摘をしてきている中です。その中で起きた今回のりそな問題。ですから、そういう、もう本当に何をやっているのかというこの金融行政の中で、非常に象徴的に起きた歴史の一こまだというふうに私は認識をしております。 もちろん、りそなのそのものの責任、二兆円も公的資金を入れるということですから、ありますし、経営体力の一番弱いりそなが、大きな矛盾に満ちたこの金融行政の中で、私は、一番体力の弱いところ、あるいはいろんな経営上の問題があったところが脱落したということではないかというふうに私認識しておりますので、そういう点で、そういう歴史の一こまといいますか、私は、後で振り返りますと、これはあのときちょっと大変な大臣がいて大変なことをやってしまったというふうに、後で私は語りぐさになるような、りそなというのはそういう事件だというふうに思っております。 その点で、勝田参考人に、もちろん国民の皆さんにはきちっとおわびしてもらわなきゃならないし、責任を取ってもらわなきゃいけませんが、金融行政ですね、今のこの金融行政について思われることあれば、御意見を聞きたいと思います。
○参考人(勝田泰久君) お答えをいたします。 私どもも、不良債権の処理がなければやはり経済の活性化がならないという認識を持ってこの不良債権の処理に全力を挙げてきたわけでございますが、反面、やや責任を転嫁すると言われるかも分かりませんが、やはり、片や景気の回復、片や資産デフレの改善、特に株式と不動産でございます。そういったものが相まって不良債権の処理ができ、また銀行も健全化に向かうというふうに考えておりました。 以上でございます。
○大門実紀史君 今となればもう仮定の話ですけれども、とにかく資産の、ごめんなさい、税の繰延べの査定の厳正化ということがとどめを刺したというふうなことになっているわけですけれども、仮に、仮にそれがかなり厳しくやったとして、監査法人の皆さんの判断もあったかも分かりませんが、結果的に四%をクリアしたとして、資本不足ということにならなくて、まだりそなが公的資金、事実上の国有化されないでこの四月以降も営業を続けていたといたします。 それでも、中身的にはほかよりも税の繰延べが多かったりして問題はあったと思いますが、勝田参考人は、それでも改善していけたと、立ち直っていけたと、資産内容を良くしていけたというふうに、今となっては仮定ですけれども、思われておりますか。
○参考人(勝田泰久君) 正に仮定のお話で答えにくいところもございますし、また一線を引いた者としては余り述べにくいところもございますけれども、いっときそういった経営の責めにある者として、やはりこの銀行を立て直していかなければいけない。頭取になりましてちょうど一年十か月で終わったわけでございますけれども、以前から経営の一翼を担っておりました。 そのときに、やはり資本の弱さというものを感じながら、何とか、先ほどもおっしゃいましたように、剰余金を積み上げていく努力というものをしていたものですから、しかしながら、今先生御指摘のとおり、仮に四%を超えていたらということでも、やはり私どもとしては四大メガバンクに次ぐ五番目の金融グループでございましたものですから、必ずしも、その資本で健全化をやっていけたかどうかということに関しては、当時私、一生懸命やっておりましたけれども、なかなか難しい。 と申しますのは、やはり、新しい新BIS基準が入ってくるとか、やはり、私どもは国内基準行だといいながらも、大手行の一角であるからもっともっと資本を増やさなければいけない、自己資本比率をですね。そういったところが非常に悩ましい経営でございました。 以上でございます。
○大門実紀史君 そうすると、あれですか、仮に今回、自己資本不足ということの結果出なくても、やはりりそなは難しかったわけですか。
○参考人(勝田泰久君) 先ほど、また仮定の話になりますが、自己資本比率が、繰延税金資産が今回約二・六%下がったことによる四%割れでございますけれども、私は当初、三月増資をいたしまして、六%の半ばという予定でやっていたときは、やはり従来どおりの繰延税金資産を算入しての考え方でありましたから、これが否定をされるということは、非常に難しい状況になったというふうに判断をいたしております。
○大門実紀史君 少し基本的な話ですけれども、勝田参考人は、その四%という数字をどういうふうに、私は余り根拠がないといえばないというふうにも思うところあるんですが、率直にどういうふうに思われますか。
○参考人(勝田泰久君) お答えをいたします。 これは先生も御存じのとおり、今から十八年か二十年前ぐらいに日本の銀行のオーバープレゼンスが言われたときに、BISでこういった資本コントロールが出てきたと理解をいたしておりまして、そのときに国際基準行八%、国内基準行四%。そのときは株も右肩上がりで、その株価の四五%がティア2に算入できるということで、どの日本の銀行も当時は高い自己資本が計算できて、そしてまた格付も皆トリプルAをもらっているというような状況であったわけでございます。 そういったときには、特にその自己資本比率について深い考えといいますか、簡単にクリアできておりましたので考えていなかったわけでございますが、基準としてある以上は、私どもはやはり、一九九五年に大和銀行がニューヨークを撤退し、あさひ銀行もやはり国内基準行になったというところから、やっぱりこの四%がまず一つの基準になったと。そして、先ほど申しましたように、大手行である以上、やはり高い自己資本比率を達成しなければいけないということでやってまいったわけでございまして、意味があるかないかについては、私ちょっとコメントを差し控えさしていただきます。そういう考え方でございました。 以上でございます。
○大門実紀史君 私、りそな銀行というのはそもそも何を目指していたのかといいますか、何だったのかなということもお聞きしたいわけですけれども、旧あさひと旧大和が一緒になってと。ただ、地域的には広域合併といいますか、埼玉があり、大阪があり、奈良ですか、いわゆる狭域、狭い域の地域での合併ではなくて、非常に飛んだところが広域で合併をすると。りそな銀行は地域に根差してやっていくというところからいくと、どうしてそういうふうなちょっと変わった形の合併をされたのか。率直に言いますと、体力なり自己資本を何とかするために無理な広域の合併をしたような気がするんですが、その辺は何を目指しておられたんでしょう。
○参考人(勝田泰久君) 私ども、かつての大和銀行は一九一八年に大阪で生まれた銀行でございまして、都市銀行と言われながらも大変地域の偏在性、支店の偏在がある銀行でございまして、加えて、大阪の地銀、第二地銀というのが今から約十年か十五年ぐらい前から大変傷んでおりました。現在の大阪の経済も、残念ながらそういった意味では低下傾向にある。その中で、やはり地元の経済あるいは地域の経済にお役に立ってこそ銀行の存在があるんだという考え方で、今の近畿大阪銀行も、かつての銀行でいいますと四つ一緒になっているわけでございます。そこに奈良。今度、あさひ銀行については、埼玉県にはきちっとした高いシェアのある銀行だと。それから、首都圏でもかつての協和銀行と埼玉銀行もあるし、それに大和銀行もあるし、店舗網、お取引先があると。 こういうことで、広域ではありますけれども、首都圏とそれから近畿圏とそれから埼玉県というようなところに主要な融資並びに預金のお客様が偏在をしている銀行だというふうに考えて、そういう構想で持ち株会社を作ったと、こういうことでございます。 以上でお答えを申し上げました。
○大門実紀史君 私はそれじゃちょっと分からないんで、要するに自己資本比率ということが、地域性だとかリージョナルバンクとか言われていますけれども、そういうものを飛び越して、もういかに体力維持するか、自己資本維持するかというところにとらわれた結果ではないかと思っておりますので、また機会があればそのことはお聞きしたいと思いますが。 今後のことでいきますと、もちろん勝田参考人、もうお辞めになったわけですけれども、りそながこれから本当にそういう地域の金融、中小企業金融を本当に今までどおりやっていけるのかというところがかなり不安の声が埼玉りそななんかでも出ております。そもそも、りそながこの決算に向けてやっぱり体力強めなきゃという中で、金利の引上げみたいなことが個別の相談ではかなり寄せられておりましたので、それが今度、公的資金がまた入れられたということで強まるんではないかと。つまり、公的資金を返さなきゃいけなくなりますしね、それには収益性を上げなきゃいけません。 地域で中小企業を相手に収益性を上げるとなると、これはいろんなやり方あるかも分かりませんが、結局はやっぱり金利をどう取っていくかということにはっきり言って尽きるわけですね。そういう点でいくと、今までよりももっと中小企業の皆さんに高金利の押し付けが始まるんじゃないかとか、あるいは貸し渋り、貸しはがしが広がるんじゃないかという不安が大阪の方は強いですが、埼玉の中でも出ておりますけれども。 今までももう、一・九兆ですか、公的資金入っていて、それを返すだけでも大変だったと思うんですけれどもね、返そうと思うと剰余金積まなきゃいけませんね。大変だったと思うんですが、今度三兆円にもなって、本当にそういう中小企業向けの融資を維持しながら返済していくといいますか、株で売るといったって、結局、収益性上げなきゃいけませんから同じことだと思うんですが、そういうことは可能だとお思いですか。ますます厳しくなる方向になるんじゃないかと私は思うんですけれども。
○参考人(勝田泰久君) 先生、付言していただきましたけれども、私、今替わりまして、余り後の経営陣にとやかく言う立場にはないんですが、どう見るかということでお答えをさしていただきたいと思いますが。 旧大和も旧あさひも、やはり自分の銀行が一年間に上げ得る業務純益を超えるようないわゆる大口の貸出しで失敗をしてきた銀行だと認識をいたしております。 旧大和銀行で申し上げますと、かつての永大産業、かつての三光汽船、加えてニューヨークにおける事故による多額の損失等々ですね、これは過去の経営者を非難するつもりはありません、私も一人でおりましたんですが。ただ、そういうものをリージョナルバンクとか地域を持った銀行がやっていたんでは駄目なんだと。ですから、当然、一社当たりの与信額を限定する、一グループ当たりの与信額を抑える、これはクレジットシーリングという言葉でございます、御案内のとおりでありますが。それがもっともっと徹底していかなきゃいけない。 私は、先般も衆議院の場で申し上げましたけれども、今経営を切り替えようとするさなかで、やはり一社に一千億を融資するんではなくて、一千社に一億ずつ一千億を融資する銀行になろうと、これがリージョナルバンクあるいはリテールバンクの本筋じゃないかと、これは当然、埼玉りそな、奈良、今は奈良銀行と言っておりますが、それから近畿大阪銀行。近畿大阪銀行もなぜ傷んだかというと、地銀、第二地銀という言葉でもって下に見るつもりはございませんけれども、体力を超えたような融資があった。これを反省に立てば、私はリージョナルバンクというのは、今アメリカでもそうですけれども、必ず収益性のある銀行になり得る、そう思っております。 ですから、私どもがなし得なかったそういった果断さで、私ども旧経営陣は過去のしがらみを持っていると、こう言われておりますので、新しい経営陣はそれをやっていただければ私は非常に開けてくるだろうというふうに、希望が開けてくる、展開が開けてくる、かように思っております。 以上でございます。
○大門実紀史君 最後に、新日本の竹山参考人にお伺いしますけれども、今お話ありました、将来の収益性をどう判断するかで、税の繰延べをどう見るか、計上をどう見るかというのがあったと思うんですが、私は、ほかのメガバンクと違って、りそなの場合は、もちろん今体力弱いかも分かりませんが、そういう点で収益を上げていくと。しかも、メガバンクとは違う方向での収益を上げていくという方向性があったと思うんですが、そういう点は、将来の収益の見通しが見込めないということで大変厳しい判断をされたわけですが、リージョナルバンクというのを目指していたりそなということは何も加味されないで将来の収益性を判断されたのか、あるいはそれはもうこれからも中小のリージョナルバンクでもメガバンクでも同じ判断されるのか、そのことをちょっと簡潔に聞いて、終わりたいと思います。
○参考人(竹山健二君) 全般的には、やはり銀行の経営自体は、今おっしゃっていますように、経営者が本当に真剣に考えておられるということで、私たち自体の判断は、やはりりそなさんは基本的には業務利益がきちっと上げられる銀行であるという認識でございます。 したがって、ただ、今の経済情勢とか自己資本の傷みで五年じゃなくて三年というふうな判断をいたしましたが、根幹的には、今おっしゃったようなことを判断に入れて、きちっとした体力のある銀行であるということでこの問題を解決したいと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございました。
○平野達男君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野でございます。 今日は、三人の参考人の皆様方、どうもありがとうございます。 質問の都合上、先に岩本参考人からお伺いしたいと思うんですが、朝日監査法人は受嘱というのを一応辞退されておりますね、これ四月末だったと思うんですが。衆議院のいろんなやり取りを聞いておりますと、いわゆる予備調査というか、予備調査というのがあるかどうか知りませんが、その段階で銀行側といろいろやり取りしていると。した段階で、どうも意見のそごがあって意見の一致を見なかったと、それがその受嘱を辞退したという答弁だったと思うんですが、大体こういう理解でよろしいでしょうか。
○参考人(岩本繁君) 今言われたとおりだと思います。
○平野達男君 そうしますと、大体監査法人というのは、クライアントというか、受注者の意向にそぐわなければ大体辞退をするという、こういう大体業界としての暗黙の了解というか、決まりというのがあるんでしょうか。
○参考人(岩本繁君) クライアントの意向に沿うという御質問ですか。──いや、そういうことはありませんで、契約ですので、受ける側と、まあ受ける側としても社内のリスク、受嘱リスクを一応検討した上で最終的に決めさせていただいているのが社内ルールなんです。
○平野達男君 まあ、その受嘱リスクという意味がちょっと理解できなかったんですが、その流れをちょっと私なりに勝手に解釈しますと、まず受注者側がこういうものを監査してくださいということを監査法人に示して、監査法人はそれに対する初期のコメントというか、プリリミナリーというかスタディーか何か分かりませんが、そういったものを出してくると。それを見て受注者が、これはどうも気に食わないということになりますと、その監査法人に対する発注というか、そこを切るということなんですか。 もしその流れだとしますと、その受嘱を辞退したというよりは、むしろりそな側から要するに受注をやめますと、発注はやめますというふうに告げられたというふうにも取れるんですが、ここはどのように理解すればよろしいでしょうか。
○参考人(岩本繁君) あくまで、四月十六日にいろんなデータをいただきまして、それまで余りデータをいただけませんで、我々は、あさひ銀行の方は、従来から共同監査でやっていまして内容をよく分かっていたんですけれども、合併した大和銀行側のデータは、監査それまで全然していませんので、余りよく分からなかったと。 それと、先ほど言ったように、三月一日から全く新しいような組織でスタートしていますので、その辺で、繰延税金の考え方だとか、後々の新しいりそな銀行の利益計画をいろいろお伺いしないと、繰延税金どのくらい上げていいのかとか、どういう考えを我々も持ったらいいのかということの検討材料がないわけですね。そういうことで検討させていただいて、我々、こういう状態ですとなかなか繰延税金が、先ほど言ったように、資本が非常に過少な状態なんで、六十六号から検討して非常に厳しい考え方をしますということで、いろいろ意見交換していたわけですね。それで、なかなか双方の考え方が歩み寄らないというんですかね、双方の考え方が一致しないので、銀行、それから新日本監査法人さんとも協議の結果、私どもは受嘱をしないというような結論に達しました。
○平野達男君 今のお話を聞いていますと、やっぱり事前調査の中で発注者と受注者の中の意見の一致を見ない場合は、これは私、なぜ予備調査の段階で頼まれた側がそれを辞退するのかというのはよく分からないんですが、どうも今のお話を聞いていますと、意見の一致を見ない場合においては監査法人側が受嘱をしないという、今回の例に関しては特例の例なのか、一般的にそうなのか、ここをちょっとお伺いしたいと思うんですが。
○参考人(岩本繁君) それほど数がある例だとは思いません。確かに、こういうふうに共同監査のケースがまず少ないですね、一般的に言って単独監査の方が多いと。共同監査の方が例が非常に少ないのが一つ。 それと、受嘱で、特に繰延税金という難しい問題の考え方が対象になっているというのもケースとしてレアだと思いますので、非常にまれなケースだというふうに認識しております。
○平野達男君 ちょっと聞きにくい質問になるかもしれませんが、これを引き受けた場合には、りそな銀行の自己資本がどんと落ちてしまう、我々の、朝日法人の監査によってですね。その自己資本、自己資本比率がぐっと下がってしまうことに伴ういろんな混乱を避けたというような、そういう判断はあるんでしょうか。
○参考人(岩本繁君) 私ども最後の決算案を拝見していないんで、そのときどういう判断がしたかはコメントはあれですけれども、十六日にいただいた資料で判断しますと、そのときは、りそな銀行さんの考え方だと繰延税金五年上げるような考え方は私どもの担当者は聞いておりますので、その辺でだと我々の考えと大分違いがあるなと。そういうことで、もし十六日の数字と余り違わないようなことで最終案ができていたとすれば、その辺で考え方違った意見が出たかもしれません。
○平野達男君 竹山参考人にお伺いします。 今のお話を聞いていますと、朝日監査法人がいろいろ事前にやり取りして、結局受嘱をしなかったということなんですが、そのやり取りの中でかなり、私の今聞いた限りでは、具体的な中身に入ったやり取りをしていたような感じが、というふうに取りました。新日本監査法人の方でこれはりそなさんの監査を引き受けるときに、朝日監査法人が受嘱しなかったという事実は、これは知っていたと思うんですが、これはどうでしょうか。
○参考人(竹山健二君) 当初は受嘱されて、今、岩本さんおっしゃったように、後で辞退されたということですから、受嘱されたことは知っております。
○平野達男君 そうしますと、その受嘱をされた理由というのも聞いておられたと思うんですが、どうでしょうか。
○参考人(竹山健二君) これは、従来のあさひ銀行さんを私どもと朝日監査法人さんと共同で監査をしておりまして、その相手が、その会社が大和銀行さんとの合併いたしましたから、当然、一般的には、どちらかが選ばれるか、あるいは両方やると。基本的には朝日監査法人さんもそこに参加されるということで選ばれたと、こういうふうな事情でございます。
○平野達男君 そうすれば、先ほどの岩本参考人のいろいろなお話の中にあった、どうも繰延税金資産の取扱いをめぐっての見解の相違みたいなのがあったようなんですが、そういったことがあったということは聞いていなかったという、こういう理解でよろしいですか。
○参考人(竹山健二君) ちょっと誤解があってはいけませんので確かめますが、選択され、我々が選ばれているのはもっと前の状態でございます。繰延べ決算、決算は三月以降ですから、選ばれているのはもっと前の、りそながスタートしましたのは三月一日ですから、したがってもっと以前の問題です。したがって、まだ、会計の監査する前に選任しますから、そのときには選任されておったと、こういうことです。
○平野達男君 じゃ、そうすると、この新日本監査法人さんが今回の繰延税金資産の算定の年限を、五年を三年間に今縮めたわけですけれども、その判断をするときに、朝日監査法人さんが受嘱しなかったということは何にも影響していないと、こういう理解でよろしいですね。
○参考人(竹山健二君) 我々は収益性自体をきちっと見積もって、御説明しているようなことで判断したと、こういうことでございます。全く影響ありません。
○平野達男君 この監査ということを単一の監査法人がやるという仕組み、これについてはどのように思われますか。
○委員長(柳田稔君) だれに。
○平野達男君 竹山参考人です。
○参考人(竹山健二君) 多分御質問は、基本的には会社との関係がどうなるかという御質問ですが、今現在、私どもの監査法人は、基本的には関与社員自体は七年で、今やっとこの公認会計士法通っていますが、もう自主的に数年前から関与社員の交代ということで、基本的には組織的監査をより強めるということで、会社と関与社員という状態じゃなくて、監査法人全体が各、いわゆる監査をするという大きな組織でやっておりますから、その大きな我々ほどの組織を持っている監査法人がやれば、それ一つで十分やっていけると、こういうふうに判断をしております。
○平野達男君 ただ、先ほどの岩本参考人のお話聞いていますと、やっぱり過少資本ということで、繰延税金資産に対する見方というのはひょっとしたら大きく違っていたかもしれない。三年じゃなくて、もっと短かったかもしれない、あるいはゼロだったかもしれない、そういった可能性があるわけですね。 そうしますと、監査法人の、一つの監査法人、組織が大きいというお話なんですが、そういった監査法人単体でやるということに対する客観性というのは、今回のりそなの件に関していえば、そういう可能性が出てきたというふうに私は理解したいんですが、竹山参考人はどのように思われますか。
○参考人(竹山健二君) これは、これだけの話題になったケースですから、それぞれ専門家が見ておられると思います。 私たち新日本監査法人は、会計の、繰延税金資産という本当に会計の技術的な問題が、片一方の銀行という特殊性で、自己資本比率、いわゆる比率に懸かるという大きな判断を迫られました。したがいまして、組織を挙げて慎重に検討をいたしました。したがって、この答えはそれなりの重みがあって、それぞれの専門家が見ていただいたらそれなりのことを御理解いただけると信じております。
○平野達男君 勝田参考人にお伺いします。 五月の上旬に金融庁さんと何らかの接触を持ったというのは、これは事実でしょうか。
○参考人(勝田泰久君) まず、五月の六日の夕刻、企画部長、財務部長等がこういった厳しい見解が出たということを報告をいたして、接触を持ちました。
○平野達男君 それは報告をしたというだけですか。
○参考人(勝田泰久君) そのとおりでございます。
○平野達男君 いろいろ新聞報道によりますと、りそなさんが作成したメモなるものが、私は詳しく見ていませんが、あるらしいんですが、そのメモというのは、ただその報告をした内容というメモになっていますか。
○参考人(勝田泰久君) 五月の六日の場合には、ただ報告でございまして、メモはございません。今御指摘のメモはもう少し後のことだろうというふうに思います。
○平野達男君 その後のメモというのはどういうメモになりますか。
○参考人(勝田泰久君) お答えいたします。 私自身も実は、接触をしたのは担当者でございますので、詳しくは存じません。後からそういったものを見て知っておるということでございます。
○平野達男君 私はそれもう一度確認しますけれども、そうすると、その後のメモというのは、実際に金融庁さんと接触をして作ったメモと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○参考人(勝田泰久君) お答えをいたします。 いわゆる電話メモと言われているメモがございますけれども、これについては私も担当常務に確認をいたしましたけれども、そういったメモは作ってもいないし、これは存在しないというふうに聞いております。 もう一つ、五月十日付けだったと思いますけれども、いわゆるコンティンジェンシーについて、当方からお伺いをして金融庁の皆さんと協議をしたと、こういったところが五月十日メモというふうにございます。 以上でございます。
○平野達男君 その五月十日メモというのは、そのコンティンジェンシーというのはちょっと意味がよく分からなかったんですが、どういうメモ、位置付けになるんですか。
○参考人(勝田泰久君) 私は、本件については、五月の六日に繰延税金資産について厳しい見解を新日本監査法人から初めて知らされたわけでございますが、その以降、非常に限られた日数になっているわけですね。商法上は適時開示の問題がございますから、場合によっては決算修正をもう一度やらなければいけない。それから決算発表は五月二十六日を予定いたしておりまして、その中で、やはり四%割れという銀行にとっては大変重大な事態を迎えているわけでありますから、当然監査人と考え方の相違をすり合わせなきゃいけないと。片や、やはりこういった問題がそのまま、私たちの見解が通せなければ、やっぱり銀行としては金融システムに多大な影響を与えるのではないかなということを当然私は頭取として考えているわけでございまして、そのコンティンジェンシーについて金融庁に相談に行ったと、こういうことでございます。そのメモのことでございます。 以上でございます。
○平野達男君 そうすると、りそなさんが最終的に公的資本注入の決定をオフィシャルにしたというのは五月のたしか十七日でしたか、ではなかったかと思うんですが、社内的にはいつごろ意思の決定はされたんでしょうか。
○参考人(勝田泰久君) 私が最終的に竹山理事長と厳しい線を崩せないと判断をしたのは五月の十五日でございます。そして、組織的には十七日に預金保険法の申請を決定したと、取締役会でございます。 以上でございます。
○平野達男君 時間になりましたけれども、ここで終わります。 どうもありがとうございました。
○大渕絹子君 三人の参考人の皆さん、御苦労さまでございます。大渕絹子でございます。よろしくお願いします。 まず、竹山参考人と岩本参考人にお聞きをしますけれども、りそな銀行の監査法人を自分の一社でやりたいと思われていましたでしょうか。
○参考人(竹山健二君) 御質問がちょっと分かりにくいんですが、どういう意味でございましょうか。
○大渕絹子君 いずれりそな銀行の監査法人を自分の社で一手に引き受けたいと思われていたことがありますでしょうか。
○参考人(竹山健二君) 私たちは、あさひ銀行につきましては新日本監査法人と朝日監査法人の共同で監査しておりまして、大和銀行さんは我々新日本でございます。それでそのまま引き継いでいますが、私たちといたしましては、いずれも引き続き監査するということで思っておりました。
○参考人(岩本繁君) 会計監査人は株主総会で決まるものですので、株主が共同監査を望んでいればそのようにしたいですし、また一社、単独監査を望んでいれば、そういう状況で私ども対応したいというふうに考えております。
○大渕絹子君 岩本参考人にお聞きをしますけれども、朝日監査法人の三十八歳の公認会計士が亡くなられるという事件がございましたですね。そのことの真相究明というか、そこが私は、衆議院の参考人の質疑の場所でも、またここの参議院の参考人質疑の場所でも明らかにされていないというところに非常に不満があるんですね。彼が繰延資産についてゼロ査定をすべきだという主張をされて、金融庁にもそのことを申入れに行っているわけなんですけれども、そのとおりに今実際に現実はなっているのに、なぜ彼が死ななければならなかったのかというのが分からないんですよ。 ですので、朝日監査法人さんは、彼、担当公認会計士さんがそのことを主張されたときに、もしかしたらりそな銀行の意向を酌んで、担当官の主張は分かるけれども、しかし、ここはまあ三年か四年ぐらいはというようなことでなだめられたりするようなことはなかったのでしょうか。もう事実は、一兆九千億余の公的資金が注入される事実は事実としてあるんですけれども、そこのところがなぜなのかというのが分からないんですけれども、そこを今日は明らかにしていただけませんでしょうか。
○参考人(岩本繁君) マネジャーという実際仕事の中心になっていた公認会計士で、非常に優秀な会計士だったんで、私どもの法人としては非常に残念に思っています。 今、議員の御質問なんですけれども、彼は、例えば法人の、二十二日に最終的に私ども繰延税金についての考え方を決めた場に、当然、本部審査会でいて、彼も当然発言していますし、その日に、結論が出たことをすぐにりそな銀行の東京の担当の方それから新日本監査法人のやっぱり担当の方に同日連絡をしているわけですね、私どもの法人の意思決定、内容について。そういうことで、彼もその結果、経緯、十分知っていて、それで、彼が亡くなったのが二十四日なんですけれども、その辺で、逆に言うと、我々もその後同僚だとか上司だとかいろいろ原因についてヒアリングしているんですけれども、明確にこれはと思われるところは正直分からないんですね。ただ、やっぱりこの銀行監査が、特にこういう厳しい状況で、彼にいろんな負担が、負荷というんですかね、が掛かっていたということは考えられる。肉体的にですね、大分何日か夜も遅くまで勤務していたようですし。 そういう点はあれなんですけれども、実際には私どもの監査法人の考え方と彼の考え方がそごしているとも思えませんし、大体私どものスタンスが、彼が現場で考えているスタンスが、私どもの法人それから関与社員の意見が、本部審査会でもその意見が披露されて、それで検討した結果、最終的に私どもの繰延税金の考え方が決まったわけですので、そこのところで議員がおっしゃるように何らかの障害というんですかね、何か外部的なものその他、その後私ども周り調べても、その辺のことは調査している段階では見当たらなくて、そのところは非常に、原因について、残念に思うんですけれども、明確なことが、お答えが今の段階では分からないんですね。
○大渕絹子君 隠していらっしゃるから分からないんじゃないでしょうか。 月末に朝日監査法人がりそな監査から手を引くことを決められたのは、それでは、その若者が死んだ後なんでしょう、その辞退をすることを正式に決定したのは。だから、私はそこを聞いているんですよ。 当初、朝日監査法人は若者、若者と言っては失礼ですね、名前が分かりませんので済みません。公認会計士の方が主張されたことと違う判断を下されたんじゃないんですか。彼が死んで、死をもって抗議をしたからこそ、そこを認めて辞退をしようということになったのではないですか。そこなんです、そこの二、三日のずれのところを私はここで明らかにしていただきたい。そうでないと、若い方が浮かばれないというふうに思うんですよ。 自らの命を賭して日本の金融危機を救おう、これしかないということで判断されたとしたならば、せめてこの国会の場所でそこの事実ぐらいは明らかにしてあげなければならないのではないかなと私は思うのですけれども、いかがですか。
○参考人(岩本繁君) 私ども法人の意思決定は、先ほどもお話ししたように、四月二十二日の本部審査会で最終的に私どもの態度を決めました。それで、当日りそな銀行とそれから新日本監査法人の担当の方に伝えていますので、彼の死でどうこうということ、私どもの法人の意思がどうこうしたということはありません。
○大渕絹子君 そうしますと、若者の死の真相というのはやっぱりここでも明らかにならないわけでございまして、非常に残念でございます。 それでは、勝田参考人にお聞きをいたします。 経営健全化のための計画の中で、旧経営者のリーダーシップ、指導力不足ということに対して厳しく指摘がされておりますけれども、このことに対して何かコメントはございますか。
○参考人(勝田泰久君) お答えをいたします。 こういった三たびにわたる多額の公的資金を注入を受ける立場になった責任の一人でありますから、最高責任者でありますから、こういった指摘を受けざるを得ないというのは分かっておりますけれども、私も、先ほど来申し上げましたとおり、第一回目、第二回目の公的資金を受け入れて懸命に努力をしてきた一人でございます。 ただ、ここに指摘されているように、やはり思い切った不良債権の処理の加速という点で、そういった指導力が足りなかったとか、そういった点については私も甘受しなければいけない立場にあるというふうに考えております。
○大渕絹子君 竹山参考人、それから岩本参考人にお聞きをしますけれども、銀行とか生命保険会社の監査を行っておりまして、今回のりそなのような状況にあるような銀行や生命保険会社はあとどのぐらいございますんでしょう。
○参考人(竹山健二君) お答えいたします。 りそなさんはこういうふうなことでございますが、この三月決算の状況はもう既に発表を終わっております。その中には全くこのような、いわゆる繰延税金資産でりそなさんのように一定の基準がクリアできなかったという銀行とか生命保険会社はございません。
○参考人(岩本繁君) 私どもの法人も、三月決算で私どもが関与させていただいている銀行、生保については、すべて法人の審査をクリアしておりますので、問題ないというふうに考えております。
○大渕絹子君 そうしますと、この後、公的資金を注入しなければならないような状態が起こったときには、当然監査法人はその責任を問われるということになるんですよね。
○参考人(竹山健二君) 基本的に、次の時点はまた次の決算があります。したがって、この十五年三月期の状況で判断して基本的にはこういう結果が出たということで、また経済状況がまた大きく激変して非常に状態が悪くなる、もっと悪化していくとしますと、同じような状況が起こる可能性はございます。ですから、それは一に掛かって、今後の日本の経済自体がどうなっていくかと、これによって我々はそのときのそのときの時期に判断していくということでございます。
○大渕絹子君 私は、りそな銀行でさえも合併に合併を繰り返し、そして増資をし、公的資金を注入をしてもなおかつ一兆九千億余の公的資金を注入しなければならない今日の事態を引き起こしているわけですから、そうしたほかの生保や銀行にも恐らく同じような状態にあるものがあるのではないかという懸念がございまして、それらの銀行のその地域、いわゆる特に地方銀行などにそういうものが多くあるかなという心配はしているんですけれども、そうしたものの受皿としてのりそな銀行の存在というのはこれから先期待が持てるのでしょうか。竹山参考人、お答えください。
○参考人(竹山健二君) 基本的には我々は会社の財務諸表に監査証明するということですが、一般的に申し上げて、こうして公的な資金を投入されたりそなさんに、議員がおっしゃっているような形で一つの社会的な経済の発展に寄与されたら、それはすばらしいかなというのは、これは個人的に、会計士としての立場じゃなくて。ですが、あくまで私が公認会計士の立場でしたら、勝田さんにお聞き願った方がいいんじゃないかと思いますけれども。
○大渕絹子君 済みません。 それでは勝田参考人、かつて経営のトップにいられた方として、りそな銀行が地域のそうした、これから多分淘汰をされてくるであろう地域の銀行の受皿としての存在を金融庁に求められたことはございませんか。
○参考人(勝田泰久君) 私が求められたことはございません。 以上でございます。
○大渕絹子君 今回、勝田参考人、済みません、今回、預金保険法の百二条に基づいて公的資金が注入をされるということになったわけですけれども、今、国会では健全な銀行にも強制的に公的資金を注入するような法律を作ろうというような議論がされていますけれども、実際に今御自分で、百二条によって公的資金を注入をさせられる側にあった者として、その法律をこれから作っていこうとすることに対して御意見があったらお聞かせください。
○参考人(勝田泰久君) 健全な銀行に予防的にという考えで今議論がされているというふうに思いますけれども、私どもは今回預金保険法で、システムの安定のためといいますか、目的が違うと思いますけれども、ただ、備えとしてそういうものが私はあった方がいいというふうに考えております。 以上でございます。
○大渕絹子君 終わります。ありがとうございました。
○椎名素夫君 椎名素夫でございます。今日は大変御苦労さまでございます。 先ほどから同僚の委員の方々からいろいろ御質問がありました。私も幾つかお聞きをしたいと思っておりましたことはありますけれども、今日の参考人の方々からの御意見を伺うというのは、その目的は恐らく、こういう事態でりそなに多額の公的資金が注入されるということが決まって、そして一段落というような空気もあるけれども、これですっかり話が付いたわけではないとみんなは思っているわけでありまして、むしろ、不良債権をなくしていくという、この全体の金融の構造改革の中での一つの途中のワンステップであると。そうすると、その先をですね、一体どうなっていくかというのは、これでもうおしまい、安心と、こう言っている人はほとんどいないわけでありまして、これからの金融行政にどれだけ役に立つようなお話を伺えるかということが、参考人をお招きした今日のこの委員会の眼目だと思います。 そういう意味からいいますと、私、お聞きしたいといういろいろなことほとんど全部尽きてしまいましたので、これから先何を申しましても蛇足になりますから、誠に失礼でありますけれども、私はこれで、質問はこれ以上いたしません。 大変ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言御礼を申し上げます。 参考人の方々には、長時間にわたり御出席を願い、貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十九分散会