財政金融委員会 第13号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2003/05/29
会議録
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十七日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として勝木健司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公認会計士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 公認会計士法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。 午前中は大臣には予算委員会でもお付き合いいただきまして、ありがとうございました。予算委員会でもお伺いしましたように、やはりたまたま今起きている問題が、今日この本席で議論する公認会計士法の改正案とは大変つながりが深いものですから、午前中の積み残しがちょっと一問ありますので、それを消化してから公認会計士法の具体的な話に入らせていただきたいと思います。 りそな銀行にこれから公的資金が投入される予定で、あした、その申請の締切り期限だというお話が再三ございましたけれども、新聞報道等でもう金額とかいろんな情報が流れていますが、現時点で、現時点でお持ちになっている情報で、こんな方向になるんではないかと想定しておられる公的資金の投入規模と、一体どこに投入するのかと。りそなグループは御承知のとおりいろんな銀行が一緒になっておりますので、そういう点について、開陳していただける範囲で結構ですのでお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、りそなの公的資金の申請の期日、期限は明日でございます。明日の申請を待つ段階でございますが、今の時点で申し上げられることといたしましては、まず規模がございます。 規模に関しては、これもいろいろ様々な御議論をいただいていると思いますけれども、先般の答申では、自己資本比率が一〇%を十分上回る、正に十分な自己資本を持っていただきたい。それを考えますと、りそなの今リスクアセットが二十三兆円でありますので、非常に単純に掛け算をいたしましても、二兆円前後のやはり規模というのは、まあ数字としてはやはりめどとしては出てくるのだと思っております。しかし、これは正確には、この商品設計をどうするかということにもかかわってまいりますし、そのときの価格をどのように見積もるかということにもかかわりますので、これらの変動の幅はございます。 その上で、どういう形で注入するかという商品設計でございますが、これも正に今検討中でございますが、方向としては、やはり国民から分かりやすい形が私はよいのではないのかなと思っております。その意味では、普通株がきちっと入るような、それで結果としてしっかりとした議決権を政府が持てるような、もちろんこれは商品性でありますから、それに加えていろんな仕組みを作っていかなきゃいけない問題はございますが、その意味での分かりやすさというのはやはり重視されなければいけないのかなと思っております。 それと、これはりそな銀行に対して、その必要性の認定の対象はりそな銀行でありますし、また、資本増強を行う旨の決定がなされれば、資本増強の対象もそのりそな銀行になるわけでありますけれども、最終的にはこれはりそなホールディングスに係る株式交換が行われることになるというふうに認識をしております。 これは、グループ全体の健全性を確保する必要があるという一方で、預金保険法上、百二条一項による資本増強の対象は同法第二条に規定する金融機関とされておりまして、銀行持ち株会社はその投資対象になっておりません。まずその傘下のりそな銀行への資本増強を行った後、銀行持ち株会社の株式と株式交換を行うというのが考えられる姿ではないかと思っております。
○大塚耕平君 今、明快にお答えいただきましたが、取りあえずりそな銀行に投入をして、予算委員会でも言っておられましたけれども、市場で後で売却することを考えると、やはり、りそな銀行の株は非上場ですから、りそなホールディングスの株が上場株なのでそれと交換すると。 加えて、今はホールディングス傘下のほかの銀行の経営の安全も考えるというような視点をおっしゃいましたが、それについてはちょっと別の論点ですので後で触れさせていただきますが、そうすると、りそなホールディングスの株と交換する、まあこれ自体は別にあり得ることだなと思うんですが、りそな銀行に二兆何がしを投入して、まずその、投入してほしい、これは申請があるからですから当然といえば当然ですが、しかし株主総会で申請するということもやはり本来は議論するべきですし、後でホールディングスと株を交換するときもりそな銀行の株主総会をやる必要もあると思いますし、預金保険法はそれを想定していると思うんですけれども、りそな銀行の、銀行の株主というのは、分かり切った質問で恐縮なんですが、どういう構成になっておりますでしょうか。りそな銀行の株主。
○国務大臣(竹中平蔵君) ホールディングスでございます。
○大塚耕平君 そうですね。だから、ホールディングスだけが一〇〇%株主ですから、多分反対することはないですね。したがって、株主総会を開くか開かないかというのはある意味儀式的なものであって、書類上の株主総会でもいいと思います。しかし、じゃ今度ホールディングスに株を交換したときに、りそなホールディングスの株主構成はどうなっておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) それは、今後正にどのような形で我々が普通株を持つかということにかかわってまいります。どのぐらいの規模でどのぐらいの種類の株を持つかということになりまして、その結果として当然決まってくる問題でございます。
○大塚耕平君 いやしかし、先ほどの予算委員会で、減資のところで大臣は、三種類あるというお話をしてくださって、株主自身が決議をしなくてはならない、財産権の侵害があってはならないという、こういう御答弁をされたわけですよね。 りそなホールディングスの株主の中には一般株主がいらっしゃるはずで、大臣はダイリューションというお言葉もお使いになりましたね。株式の希薄化を起こしてはならないということは、りそなホールディングスの株主総会も開いて、一般株主の権利も守った上で、りそなホールディングスとしてりそな銀行の株と交換するかどうかということを決めるのが筋であって、それを想定してダイリューションという言葉をお使いになったのかなと思って私は聞いていたんですが、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは増資等々に係る問題でありまして、当然ホールディングスの株主総会を開くということをもちろん想定するわけでございます。
○大塚耕平君 それは、開くということでよろしいですね。もう一回確認させてください。りそなホールディングスの株主総会も開くことを金融庁としてやはり前提としていると考えてよろしいですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) そのように想定をしております。
○大塚耕平君 金融庁にお願いしますが、りそなホールディングスの株主構成について後で、後日で結構ですから教えていただきたいと思います。もし今お分かりになっていれば教えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) りそなホールディングスの概要、細かいところは必ずしも分からないところがございますけれども、これは旧大和銀行が三・二五%、第一生命が二・〇九%、それと三井アセット信託銀行が一・八五%、野村証券一・四二%、朝日生命一・四一%等々でございます。
○大塚耕平君 やはり二兆何がしという資金を投入することにかかわる話ですので、是非、後で結構ですから、株主構成、教えていただきたいと思います。 さて、先ほど大臣御自身が言っておられましたように、預金保険法百二条は持ち株会社を想定していないんですよね。だから、株式交換をやったときに、持ち株会社が株主総会をどうするべきかということも、実はそこには何も書かれていないわけなんです。そういう意味では、これも先ほどの予算委員会で申し上げたように、法体系として穴があったわけですね。あるいは、預金保険法を、百二条の議論をしたときには想定していない事態が起きているのかもしれないなと思うんですが。 ところが、持ち株関連法案というのは九〇年代後半にもうできているわけですよね。持ち株関連法案が九〇年代後半にできているのに、二〇〇二年になってから施行された預金保険法百二条が持ち株会社を想定していない構成になっているのはどうしてなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) その辺の経緯は私よりも大塚委員の方がよほどお詳しいのかと思いますが、これは、銀行持ち株会社の制度をどのように位置付けるかということについていろんなお考えなり御議論があったからなのではないでしょうか。御承知のように、銀行持ち株会社そのものが新しい制度として定着しつつあるというふうに申し上げていいと思うんですが、そのような中で、今、大塚委員御指摘のような点が出てきているのだというふうに思っております。
○大塚耕平君 先ほど予算委員会では銀行法二十六条の話を申し上げましたけれども、結局、百二条は、破綻処理と資本注入のそれまでの仕組みを全部百二条に引き継がせた形になっているんですけれども、しかしそれはあくまで、危機が起きたときと、しかも金融機関の現状は健全であるという、そういう前提の上に立って枠組みを作ったものですから、したがって予防的資本注入というコンセプトがそこになくなってしまったんですね。 だから、本来予防的資本注入ということが必要であるとすれば、先ほども申し上げましたけれども、私は、法律というのは、時と場合によって、合理的な根拠さえあれば解釈というのは変わっていく面があると思っていますので、銀行法で対応できた部分があるんですが、しかし、銀行法二十四条、二十六条のこの一連の流れで今回のことをやると、あるいは、今回に至るまでの間に金融庁がメガバンクやりそなにそういうことをやるということに関して、恐らく、金融界の経営者の幹部の方かあるいは与党の関連議員の方か分かりませんけれども、何がしか抵抗があったがゆえに、結局、百二条一項という伝家の宝刀の解釈を安易に変える結果になってしまったんではないかと、こう思っているわけでありますが。 そうであったからといって別にここで叱責するつもりはございませんので、やはりその所管の大臣として、そして一年前まではむしろ客観的にそういう法体系の不備を見るお立場にあった所管外の大臣として、学者でもあられる竹中大臣ですから、是非忌憚のない御意見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に、預保法百二条の規定だけで資本注入に関してはこれで十分かどうかということに関しては、金融担当大臣を拝命した当初から明示的に申し上げてきたつもりでございます。であるからこそ、金融再生プログラムの中にはっきりと、新たな公的資金の投入、注入の枠組みについて検討するという項目を入れまして、早速にこれは金融審のワーキンググループを立ち上げて議論を進めていただきました。その結論は来月、六月には出てまいります。 その意味では、現状認識としては、これもまたいろんな議論が分れるところではあろうかと思いますが、やはりこれは私は、預金の引き出しとか、そういった意味での危機が生じているとは思っておりません。危機ではない、しかし健康体ではない、その間のグレーゾーンのところでの対応策が必要なのではないかと。そうした問題意識を踏まえて、その新たな枠組みの必要性も含めて、今、正に検討していただいているところでございます。 なお、百二条の解釈を安易に変えたとは、私たちは実は思っておりません。これは、支障があるおそれがある、重大な支障を来すおそれがある場合は、これは百二条を適用するわけでありますから、今回、正にそのような場合に当たっていたというふうに思っております。
○大塚耕平君 そこは解釈論ですから水掛け論になるかもしれませんが、しかし、多くのこの分野についていろいろ意見をお持ちの、例えばジャーナリズムの皆さんとかそれから国会議員の中でも、これは、預金保険法が想定していた破綻処理や資本注入、つまり一項一号と二号、三号の間の一・五号みたいなものを作っちゃったなというふうにみんな思っています。私もそう思っています。 だから、それを今度、臨時国会でやられる、お作りになる予定だと聞いております新法でそこをカバーするというならば、それはそれで結構なんですけれども、つまり、私が申し上げたいのは、ちょっと長くなるかもしれませんが、昨日、菅さんと小泉さんの衆議院の質疑を聞いていたら、超法規的措置という言葉が出てきたんですね。どういう脈絡で出てきたのか、ちょっと記憶にないんですが、外交の問題か、金融の問題だったような気もしますけれども、つまり、我々は法治国家ですから、法に基づいたことをやっていただければ、別に野党だからといって政府や与党の皆さんのやることに全部反対するつもりは全くありません、少なくとも私は。 そのためには、予算委員会でも申し上げさせていただきましたけれども、考え方は幾つかあるというのはこれは当たり前ですが、事実はやっぱり一個なんですよ。だから、政策を発動する前段階としてまず事実をきっちり認定していただくということ、そして論理矛盾のないことをやっていただく、これは経済理論的にということだけじゃなくて法的にです。法的に論理矛盾のないことをやっていただくということを考えると、この百二条をこういう形でお使いになったということとか、今日は日銀は参考人で来ていただいていませんけれども、日銀が四十三条認可で株を買うということとか、認識の差かもしれませんけれども、随分超法規的な経済政策を随分やり始めているなと、そういう危惧を、議席をお預かりしている人間としては感じるわけであります。 こういう時代ですから、戦争こそ起きませんけれども、この間、NHKの「その時歴史が動いた」というので斎藤隆夫国務大臣の戦前の粛軍演説の話をやっておりましたけれども、つまり、大政翼賛会ができる直前に、軍の横暴を許していたら議会は死んでしまいますよという趣旨の演説をされたわけですよね。今でこそそういうきな臭い話は目の前には見えてきていませんけれども、しかし経済政策の面では非常に似たようなことに私はなっているんではないかなと思うんです。 したがって、この席でも何度も申し上げていますけれども、中央銀行の信頼が失われれば、これはもう一回作り直すのは大変な社会的コストが掛かると思います、その信頼をかち得るという意味も含めてですね。そして、この金融行政にかかわる分野でも、別に事実さえちゃんと開陳していただいて、こういう理由があるからできないんだと。例えば、予算委員会でも申し上げましたけれども、今ペイオフやれと言っても無理でしょうと。そういうことであるならば、事実をきちっと国民に明らかにしていただいて、今定期預金だけはペイオフ解禁になっていますけれども、定期預金も含めて、一年前、半年前に比べたら経済状況がもっと悪くなっているから、ペイオフはもう一度、定期預金も含めてしばらく発動しないことにするとか、事実さえきちっと言っていただければ、別に議論はかみ合うと思いますよ。そういう意味で、超法規的な経済政策をやらないでいただきたいなと。 しかも、それを官僚の皆さんも本当に一生懸命、特に中堅以下の方が、別に幹部の皆さんが嫌いなわけじゃないんですけれども、中堅以下の方は本当に汗水垂らして一生懸命やっていただいているんですが、皆さんサラリーマンですから、この法解釈は違うんじゃないかなと思いながらも、局長から命令されると、そうかなと思いながら、はいって言っちゃうのが、そういう習性がありますので、だからそこをねじ曲げないようにしていただくのが大臣の役割だと思いますが、るる偉そうなことを申し上げましたけれども、今申し上げましたことについて、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本銀行の政策について具体的に私は申し上げる立場ではございませんが、大塚委員が言われた点、やはり二点、私も全く同感であります。事実は一つであるということと、法治国家として守るべききちっとしたルールがある、これはもう全く御指摘のとおりだと思っております。御指摘の点は我々常に肝に銘じて、やはりしっかりと行政をしなきゃいけないというふうに思っております。 小泉総理が、我々いろんなことで御説明に上がったときに非常に頻繁におっしゃる言葉があります。ルールどおりにやろうと、もうその言葉です。これは総理がやはり、法律をきちっと守って、その中でごまかさず、先送りせず、隠さず、しっかりとやっていこうではないかと。変えるべきところは、したがって変えていこうではないかと。これは同じことを金融に関しては私も庁内で金融再生プログラムのとおりやろうと、つまり、正に決められた、これはルールではありませんけれども、示された路線どおりやろうと、そのようなつもりで我々としても行政を行っていっているつもりでございます。 しかし、委員の御指摘、さらにしっかりと受け止めてやっていきたいと思っております。
○大塚耕平君 りそなに関して最後に一問だけお伺いします。 明日、申請の締切りだということでありますが、新日本監査法人は監査報告書を既に提出していますでしょうか。正式な監査報告書を。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正式の監査報告書を出していると聞いております。
○大塚耕平君 ということは、正式に判を押したといいますか、問題ないと、問題ないといいますか、今の財務内容について承認した立場ですから、先ほどの予算委員会でも申し上げましたように、朝日監査法人が四月の段階で何がしか出していたレポートと突き合わせて、事実は一つしかないわけですから、そう言うと多分新日本の方が事実だということになってしまうんでしょうけれども、しかしそこを是非大臣の良心に従ってきちっとした結論を出していただきたいというふうに思っております。 続きまして、公認会計士法の本題の方に入らしていただきますが、衆議院でも似たような質問をもう幾つもお答えいただいていると思いますが、繰り返しになって恐縮ですが、今日、私どもは修正案を最後に提出さしていただく予定になっておりますので、その修正ポイントを中心に、逐一お伺いをさしていただきたいと思います。 まず、原案にあります第一条の「公正な事業活動、」の「公正」の定義についてお伺いしたいと思います。副大臣でも大臣でも、どちらでも結構です。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘の第一条にあります「公正な事業活動、」の「公正」の意味でございますけれども、文字どおり解釈すれば、会社等の事業活動にまず不正がないということでありましょうし、かつ、この文脈の中では、この法律の中では正確な財務情報の開示が図られているというようなことを指しているというふうに思っております。 なお、ここで言う公正な事業活動の主体は会社等、会社等の公正な事業活動ということでございます。
○大塚耕平君 雑誌等でも私の意見は開陳さしていただいておりますので詳しくは申し上げませんが、今の定義をお伺いすると、なるほどなという気はするんですけれども、しかし、今日おいでになっているかどうか分かりませんが、羽藤参事官が私の部屋に説明に来ていただいたときに、監査報酬というのは投資家や株主からもらっているという擬制の上に成り立っているんだというふうにおっしゃっていますので、とすれば、やはりここは、仮にこれを入れるとしても、公正な事業活動を企業に促し、もって投資家と株主の信頼向上に寄与すること、そこまで書き加えてこそ本当の条文ではないかと思いますが、所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 趣旨としましては大塚委員がおっしゃったことになるのだと思っております。これは文章の書き方等々の問題かもしれませんが、我々としては、申し上げましたように、会社等の事業活動に不正がなく、正確な財務情報の開示が図られる、そうすることによって、正しく今日、今朝からも問題になりました公認会計士の、そのものとしての社会的な使命が果たされていくということを念頭に置いているわけでございます。
○大塚耕平君 結局、ここの定義が問題になったり、こういう条文、文言を入れることが問題になるのは、監査法人が監査業務と非監査業務を併営することに伴って利益相反的なことが起きるんではないかと、あるいは監査結果が少し甘きに流れるんではないかということを懸念しているからでありますけれども、監査業務と非監査業務を併営することについての監督当局としての留意点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、アメリカにおいて、例えばエンロン社等の不正会計事件や、近年、日本でも虚偽証明事件がございました。その背景には、監査人と被監査会社の癒着によって粉飾決算を見逃す等の問題があったというふうにやはり考えられるのだと思います。監査の公平性、信頼性の向上を図るためには、会計士、監査法人が、そういった意味で被監査会社が独立していることを実質的にもかつ外見的にも維持することが必要だというふうに思います。特に同一の会社に対して監査証明業務と非監査証明業務を同時に提供した場合には、例えばこれは経営判断にかかわってしまうのではないか。監査人自らが行った業務を自ら監査するという自己監査のおそれがあるという意味で、この制度の意義が損なわれるおそれがあるのだと思います。 こうした観点から、今回、大会社等に対してでありますけれども、監査証明業務と一定の非監査証明業務とを同時提供することを禁止するための措置を講ずることが必要であると我々も考えたわけでございます。
○大塚耕平君 今のお話で尽くされているとは思いますが、参考までに、お分かりになっている情報を教えていただきたいんですが、アンダーセンはエンロンの件でああいう結果になりましたけれども、それを受けてアメリカでは随分監査業務と非監査業務についてきちっとした峻別をしようという動きが広がっておりまして、例えばプライスウオーターハウスクーパーズがアドバイザー業務を他社に売却した経緯と事実関係について、金融庁がおつかみになっている範囲内で教えていただきたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、二〇〇二年の十月に、国際会計事務所の一つでございますプライスウオーターハウスクーパース、これがアメリカにおける経営コンサルティング部門を米国のIBMに売却したと承知いたしております。 この理由といたしましては、会計事務所が被監査会社に対しまして監査証明業務とコンサルティングなどの一定の非監査証明業務を同時に提供することが、SECの規則等により、会計事務所の独立性の観点から問題があるとされたことから、会計事務所が特定の非監査部門を売却により分離したというふうに考えられております。 なお、ほかの大手の国際会計事務所におきましても現在同様の動きがあるように聞いております。
○大塚耕平君 そうであれば、私は、例えば今回の改正案で、監査法人には、日本には日本のルールがあっていいわけですから、欧米よりも厳しかったり欧米よりも甘かったり、日本の実態に合わせたルールがあっていいと思いますので、本来、今回の改正案では、昨今の日本の財務諸表に対するマーケットの信頼性の脆弱さを考えると、むしろ非監査業務はやらせないというような選択もあったんではないかと思うんですが、その点についてはどういう御検討をしてこういう結果になられたんでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先ほどプライスウオータークーパースの話をお話申し上げましたが、我が国の監査法人におきましても、やはり独立性の強化の観点から、コンサルティング部門を分離させていくというような動きになっております。 もっとも、我が国の監査法人は、現在の公認会計士法によりまして、監査証明業務に支障がない限り非監査業務を行うことができるということになっておりまして、全体の収入に占めます非監査業務の比率はアメリカに比べまして大変低いものとなっております。 ただ、コンサルティング部門を分離するかどうかというのは各監査法人の判断によるわけでございますが、提携いたしておりますアメリカの国際会計事務所の動きに合わせまして、我が国の大手監査法人におきましてもコンサルティング部門を分離する動きが見られているところでございます。
○大塚耕平君 今の局長の答弁もそうですけれども、何といいますか、都合のいいところだけと言うと何かおしかりを受けそうですけれども、監査法人の独立性とか自主性とかとすぐ言うんですけれども、監督官庁なんですから、きっちりすべきところはきっちりしていただいていいと思うんですよ。 例のりそなの件で新日本と接触していたかどうかということも、私は、接触することが是か非かと言えば、監督官庁なんですから接触するのは当たり前だと思いますよ。接触しないでよく監督ができるなと。むしろ接触して、何を指導しているのか、強要しているのか知りませんけれども、そこが問題なのであって、接触すること自体は監督官庁だから当たり前でありまして、接触しない、私の部屋で某課長は、長官から一般職員に至るまで、監査法人、公認会計士とは直接間接に一切接触しておりませんというふうに宣言しましたからね。これは伝聞情報じゃないですから、私の前で言ったんですから。こんな非現実的な話はないですよ。そういうのが、事実は一つしかないのに、事実じゃないことを言っているということでありまして、それ自体をここでとやかく申し上げるつもりはありませんが。 つまり、何を申し上げたいかというと、そこは、日本の場合、この際、非監査業務は例えば、監査法人にやらせないという厳しい決まりを決めつつ、非現実的な点を幾つも直していく、これが本当の改正案じゃなきゃいけないんです。 例えば、無限責任だから怖くて判こが押せないと言いますよね。ところが、公認会計士が無限責任を負えるかなんて、これも虚構ですよね。例えば、公認会計士協会のせんだっていらっしゃった奥山会長が、二兆も三兆も財産を持っているんだったら、判こを押して、押した会社がつぶれたら無限責任で弁済してくれと言えますけれども、持っていないんですから、そんな財産。無限責任が負えるわけがないんですよ。そういう虚構の上に成り立っているようなところを直すことこそ改正案の中身に盛られることではないかと思います。 ほかにもやっていただきたかったことはあります。例えば、今、標準報酬制度ということで標準報酬体系決まっていますけれども、あくまで標準であって、やっぱり被監査企業の顔色をうかがわないと、報酬が上がったり下がったり、あるいは契約切られちゃったりするわけですよね。 非監査業務を全部やめさせて、監査に特化していただいて、無限責任も外して、例えば法定報酬制度にする。しかもそれは、法定といっても、なかなか自分たちに耳障りな監査結果を出す公認会計士や監査法人には契約をしてくれないというんでしたら、例えば東京証券取引所が上場企業からその法定報酬に見合うコストを徴求して、それを監査法人に付与するという形でもいいわけですし、今いろんな起きている問題を是正し、そしてその虚構を正していくことこそ本当の改正案ではないかと私は思うんですが、これはもう局長の答弁結構ですから、大臣の御答弁をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) 事実関係だけちょっと御説明申し上げますが、標準報酬規定は今回外しておりますので、それはなくなっております。
○大塚耕平君 そうすると、標準報酬体系外してどうなるんですか。裁量相場になるんですか。
○政府参考人(藤原隆君) 正しく監査の深度、質、その量、ボリューム、そういうものを勘案して決まっていくというふうに思っております。
○大塚耕平君 そうすると、なおさら私が懸念しているようなことが起きる状況が作られる可能性がありますよね。 標準報酬体系があるからむしろ、すごいディスカウントされたら、いや、それはさすがに標準体系と比べたら余りにもひどい仕打ちじゃないですかと言って、監査法人も言えるわけですよね。どうですか、局長。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今回、標準報酬規定を外しましたのは、規制緩和の観点から、そういう規制緩和委員会の方からも指摘されておりまして、それを私どもとしては規制緩和の観点からそれをさせていただいたわけでございます。
○大塚耕平君 大臣、もうちょっとお待ちくださいね。 これも、都合のいいところだけ自主性、独立性、都合のいいところだけ規制緩和と言いますけれども、もう昨今いろんなことで議論になっていますけれども、規制緩和、規制緩和と言いますけれども、逆に規制が必要なところもあるんですよ。規制が必要なところは規制をし、しかしもう時代錯誤的な規制になっているものは外していくという、これが行政の皆さんが今真剣になって取り組むべき基本的スタンスであって、今の標準報酬のところの局長の御答弁は、これはまた考え方は様々でしょうから、総理のおっしゃるように。もう水掛け論はやりませんけれども、私はいかがなものかと思います。 それだけ申し上げた上で、大臣にちょっと御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大塚委員は虚構という言葉を使われましたが、確かに、一見した論理的整合性だけを貫いていっていい政策ができるとは思いません。そこにはやはり実態を踏まえた、こういうのを正しく政治判断と言うのだと思いますが、その判断をしていかなければ政策は動かないというふうに思っております。 そうした意味では、私も金融庁の職員もそういうことを理解しながら努力はしているつもりでございますが、同時に、例えば今回の兼業等々に関しても、非常に一気に理想的なもの、非常に分かりやすくてメッセージ性のあるものを作るという、そうしなければいけない、そうしなければ改革にならないという面と、しかし、そこで実際に仕事をしている人たちの間で、これはやはり監査は続けなければいけないわけですから、そうしたところの空白を生じさせてはならない。現実に我々は制度を、今動いている制度があるわけですから、それを進化させていくという観点から、なかなか一気にジャンプするのが良いかどうか、これは常に行政の判断としてはあるのだと思っております。 しかし、できるだけ、まあ継続性だけを考えていたら、しかし逆に何も変化は生じさせることができませんので、我々としては今回そうした点も含めて必要な判断は極力行ったつもりでございます。 今事例としてなっております兼業についても、かなりの範囲のものを禁止すると。大塚委員的な御示唆によれば全面廃止と、全面禁止ということでございましょうけれども、これは現実の会計士の皆さんの活動等々も踏まえて、我々としては、決して論理的整合性だけではない、現実の判断も踏まえた一つの案を提示したつもりではございます。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 時間も迫っていますので、あと幾つかお伺いしたいと思いますが、今回、改正案の中に監査法人自身の業務監査について規定がないわけでありますけれども、これについてはどういう枠組みで監査法人自身の業務を監査することになるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 監査そのものが、やはり全体の、社会全体のガバナンスを強化するための仕組みだと思っております。 しかし、それを担う監査法人自身のガバナンスをどのようにしていくべきか、これは当然のことながら、同時に極めて重要な問題、海外の事例等々から見てもこの点が今非常に求められているんだと思っております。 監査法人のガバナンスを強化するという観点からいいますと、監査法人の業務のレビューを実施するということはもちろん重要であって、既に監査法人においては、監査業務における審査部門、品質管理部門の設置でありますとか監事の設置等の対応をしているというふうに承知をしています。 さらに、平成十一年四月から公認会計士協会が、監査法人の内部管理や審査体制についての指導監督、いわゆる品質管理レビューというのを実施しているわけですが、実は、今般の改正においては、この公認会計士協会の品質管理レビューを行政がモニターすると。公認会計士・監査審査会がモニタリングする制度を導入したという、そういう趣旨で導入しておりまして、監視監督体制を充実強化をするという方向に、我々としてもその政策の方向を持っていっているつもりでございます。
○大塚耕平君 そういう形でやっていただきたいと思いますが、できれば監査法人に第三者による監査を義務付けるような内容がよりベターではないかと私は思っております。 加えて、三十五条関係で、公認会計士・監査審査会、従来の審査会を拡充して、これを言わば独立性、業界の独立性を守りつつ、しかし監査法人及び公認会計士の皆さんの業務実態を審査、モニタリングするという役割を担わせていこうと、こういうことでありますが、ここに常勤の会長と常勤の委員を一名ずつ、そして会長及び委員は内閣総理大臣の任命というくだりがございますけれども、先般、私どもの企業会計ワーキングチームというところで公認会計士協会の皆さんにおいでいただいて、やはりここの常勤の会長とか委員に官僚のOBの方とかがいらっしゃるとまたあらぬ疑念を呼ぶことになるので、絶対官僚のOBの方は常勤には就けないでくださいと申し上げたところ、奥山会長は、分かりました、そのつもりもありませんと、はっきり我々におっしゃいました。 私は、その他の非常勤も含めて、大変申し訳ないんですが、この分野は官僚のOBの皆さんは御遠慮いただきたいなと思っておるわけですが、そういう方針でやっていただけますでしょうか、大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、この審査会の委員というのは、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する大変重要な重い職責であります。 この人選に当たりましては、この目的でありますとか、正に役割を考えまして、当然のことながら、経験、識見、能力を総合的に勘案して、大変やはり立派な人を選んでいただかなきゃいけないと思っております。 ただ、難しいのは、私は一般論としてこれはやはり民間の方に大いに活躍していただきたいというふうに思っておりますが、例えば、もし大塚委員が将来こういうのに御就任される場合に、日銀出身者というふうに言われるのはどうかと。そういった点も含めて、難しい問題がこれあるのだと思います。 その意味では、一般論としては、これはやはりできるだけ民間の人にやっていただく、その上でしかし、経験だけで左右することなく、やはり人物本位でしっかりとした人にやっていただくということではないかと思っております。
○大塚耕平君 それから、やはり公認会計士の皆さんは本当に重要な仕事をこれから日本経済の中で担っていかれる、今まで以上に、あるいは今までと一線を画して、実質的にそういう機能を果たしていただかなくてはいけないわけでありますが、そのためには、今回のりそなの件でもそうですが、仮に財務諸表に事実誤認やあるいは意図的な間違いがあれば、これは有価証券報告書に虚偽記載があるに等しいわけでありますが、今の公認会計士法の改正案での罰則規定はどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今回の制度改正におきましては、二つの観点から罰則の改正をやっております。 一つは、公認会計士監査の充実強化の観点から、公認会計士等に対する監督上の新たな規制、これを導入することに伴いましての所要の罰則規定を設けております。もう一つは、制度の見直しにより位置付けがより重くなるというようなものにつきまして、その実効性を担保する必要がある事項について罰則の見直し、この二つの観点からやっておりまして、具体的に申しますと、最初の新たな規制を導入することに伴うものにつきましては、例えば、公認会計士等に対する立入検査権の導入に伴いまして、同規定に基づく報告の拒否あるいは検査忌避でありますとか、こういうものにつきまして百万円以下の罰金でありますとか、公認会計士や監査法人の社員の就職制限が導入されることに伴いまして、同規定に違反した場合、同じく百万円以下の過料というようなことでございますし、さらに、その二つ目の観点、より位置付けが重要になるというような観点からは、その実効性を担保するために、例えば、無資格者の業務制限ということで、従来は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金でございましたのを、これを二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金というようなことを措置することといたしております。
○大塚耕平君 それなりに強化はしていただいていると思うんですが、やはり有価証券報告書等の虚偽記載にかかわる責任の体系に比べると、ややまだまだ甘いと思いますので、私どもの修正案では証券取引法の一部も改正する形で後刻提示をさせていただきたいというふうに思っております。 塩川大臣においでいただきましたので、もう一度りそなの問題に戻って、ちょっと塩川大臣にお伺いしたいんですけれども。 今日、浜田先生でしたか、無税償却の話もちょっと聞いておられたと思いますが、私も時間があれば是非予算委員会でもお伺いしたかったんですけれども、やはり衆議院でもいろんな方が言っておられますし、今日も何人かの方がおっしゃられましたけれども、企業会計と税務原則のねじれがこの繰延税金資産という問題をここまで大きくしてしまったわけですし、無税償却がもっと早くできるような形になっていれば、もう少し不良債権処理というものも違った形になったのではないかなと個人的に思っているわけであります。 そういう意味では、本当に金融機関の皆さん、今やや、特に経営陣の皆さん同情に値するところもあって、今経営陣にいらっしゃる方々というのは、ちょうど九〇年代は部長ぐらいで一生懸命働かされて、今経営陣になったら今度は責任取れと言われて、九〇年代に多額の退職金をもらって、八〇年代後半から九〇年代半ばぐらいまでだれが経営してもうまくいった時代にゴルフばかりやっていた経営陣はどこ行ったんだということを考えると、本当に今の経営陣は私はある意味で同情に値すると思っております。しかし、そうであっても一切の責任を負わなければならないのが経営者でありますので、経営者の皆さんには運が悪かったと思って覚悟を持ってそのポストに就いていただかなくてはならないと思うんですが。 しかし、政府、行政も、今の銀行業界が、特に経営者の皆さん、そして行員の皆さんも、浅尾さんが言ったようにまだまだ給料が高いとはいっても、急に生活レベルが下がるわけじゃないですから、いきなり三割カットというのはりそなの人も大変だと思います。 そういうことは、企業会計と税務のねじれも事の問題を大きくした要因の一つだというふうに考えると、今日までそれを放置してきたことはやはり政府や行政の責任ではないかと私は思っております。 そして、不良債権処理は半年前、一年前よりも僕は事態は深刻になっていると思いますので、財務大臣に無税償却を早くできるようにしていただきたいと。あわせて、それをいつまでに結論を出していただけるのかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) この金融機関の税務問題が、税効果の議論からいろいろ発展しまして、いろんな様々な過去におけるところの繰越損をどうするかと、扱いとかいろいろございます。 いろんな要望が出ておりますけれども、私の方で簡単に集約いたしまして、繰戻しの税の、繰戻しの計算をするということについては、これは非常にいろいろな問題があって、税の執行上の問題もいろいろありますから、非常にこれは難しいからこれは将来問題として考えようと。当面の問題は、無税償却について、先ほどおっしゃる、この扱い方をどうしようかという問題について議論を進めようということで始めております。 政府税制調査会の方もこの問題につきまして、先ほど言いました私の方針で当面の問題として取り上げるということにいたしまして、大体論点を絞り上げてまいりまして、今三点の、三つの視点からこれを更に深く検討して結論を出そうと。その結論がいつかということですが、大体六月中に出すようにしておおよその御批判を仰ごうということでございますので、それをするにいたしましても、政府部内の手続とそれから党内の手続等いろいろございますので、もう少し会計士関係の、会計士協会関係の方々との間で、債権の認定をどうするかという基準について、税法とそれから企業側に立った立場が違いますから、税はやっぱり国民に対する公平の議論をやっていますし、企業は利益中心の視点に立っておりますので、この間の調整をもう少ししっかりとやった上で決めたいということを言っております。 それからもう一つ、政府の方から出てきておりますのは、そのことを見直しをすることによって、将来、先ほど午前中浜田先生の質問の中にあった効果はどのぐらいあるのかという問題がございますので、それ見直すことによって経済の成長に、あるいは企業の発展にどのような効果があるのかということも併せて国民に説明するようにしなきゃならぬので、その勉強をいたしたいと。 いずれにしても、六月中には結論を出すようにいたしたいと、こういうことです。
○大塚耕平君 大体、役所の皆さんが六月中と言うと六月末になって出てくるのが普通ですが、六月中は、来週も六月中ですから、一刻も早く出していただくということと、やっぱり最後は政治決断ですから、中途半端な結論を今回は出さないでいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○峰崎直樹君 引き続き、公認会計士法の質問に入りますが、まず、りそなの関係で、先日もたしか私、竹中大臣にお話を申し上げ、昨日も菅代表から、もう実名も昨日は挙がっておりましたね、金融庁の銀行一課長、さらにりそなの常務と思われる方が作られたこの電話メモというのが。これはもう中身についてはたくさんのことを言う必要はないと思うんですが、私はこの関係で見ると、どうもやはり今回の公認会計士法の第一条に関係して非常に重要な問題がここに含まれているような気がするんですよ。 一つは、朝日監査法人の対応なんですが、私も、実は参考人で、先日ちょっと三名の参考人の方に対して、朝日監査法人は、社会的公正という観点から考えたら、やはりこれはもう三年分も認められないと、繰延税金資産はもうゼロだと、こういう判断をされたやにこの資料等で伺っているわけですけれども、であるならば、そのことをずっと主張し続けなきゃいけない。それをやはり途中で降りられてしまっているわけですが、そういった点で非常にこれは心配だなと、問題だなと。 さらに、新日本監査法人について言えば、いろいろ金融庁とのやり取りがあって二転三転しているわけですが、これも繰延税金資産は三年がいい、三年ということは具体的にはだれも言っておられませんが、大体いろんなことを勘案すると三年程度だと言われている。これも実はもう一回、私どもはやはりきちんとしなきゃいかぬねと。 実は、この電話メモというのは、その過程の中で金融庁がこのりそなの常務と監査法人に対していろんな圧力を掛けなきゃいかぬということを、実はこれいろんなやり取りの中で出てきているわけです。そうすると、この事実について、私どもは、やはり二兆円を超えるような税金を投入するということを決定する上に当たって大変重要な課題だということを実は昨日も言ったわけであります。 そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、その意味で、私どもはやはり、この金融庁とりそなの双方が監査法人に対してこういう圧力を掛けたかどうかということについて、これは非常に政治的な責任が重いと思うんですが、その政治的な責任の問題前に、これを外部の方々によって真相をやはりきちっと解明すると、こういう努力をすべきじゃないかと思うんですが、この点については大臣はどのように考えておられますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、昨日もお答えをさせていただきましたけれども、その電話会談のメモなるものが出回っているということは承知をしておりますが、それは少なくとも私が知る限りワープロ打ちの紙でありまして、そういうワープロ打ちの紙が一体どういう意味を持っているのかと。これはまあ重要なものかもしれません。しかしこれ、そういう紙、実はだれでも作れるものじゃないかという意見もございますでしょう。そうしたことに、一つ一つに対して我々は一体どのように取り扱うべきなのかと。 この点に関しては、客観的にこれは調査に値するというような証左があれば、これは我々としても果敢に行わなければいけませんが、現時点において、これは私は何度も部下に指示を出して、部下からもそういうことはなかったという報告を受けておりますので、そうしたことを是非御信頼をいただきたいというふうに思います。
○峰崎直樹君 昨日もそういう回答をされておりましたけれども、しかし、大臣、この問題の真相というのはやはりきちっと解明するということは、私は国民に対する責任として非常に重要だと思っておるんですよ。 ですから、もしこれが事実が出てきて、いや実は後から分かったところによるとこういうことがあったようですというふうなことが出てきたら、そういう判断を、いやワープロ打ちの資料だから我々は余り信用しなかったということだけで片付けてしまって、そうしたらもう大臣自身の責任が問われるということになりますので、私はやはりきちっと真相究明やるべきだと思うんです。 我々は国会の場でも、これは委員長にお願いしたいんですが、りそなの、りそなホールディングの元頭取ですか、会長さんですか、勝田さん、それから新日本監査法人の代表者、それから朝日監査法人の代表者、この三名の方を是非当委員会で、この間の経緯についてやはりきちんと明確にする必要があるだろうというふうに思いますので、その証人を、証人じゃないですね、参考人として招致をしていただきたいと思います。
○委員長(柳田稔君) 先日の御発言もございましたので、併せて理事会で協議をさせていただいております。
○峰崎直樹君 それでは、公認会計士法の第一条のところで、実は先日も、参考人で八田先生ですね、青山学院の先生が来られて、この第一条を学生さんに読ませたんだそうですよ。ずっと皆さん読んで、このいわゆる「会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与する」という、その「会社等の公正な事業活動」は何に係るかということを質問したら、みんなこれは「保護等」に、「保護」というところに係っちゃうというふうに読むんだと。 やはり我々、これはたしか金融審議会等の中ではこの文言は入っていなかったと、最後の、聞いているわけでありますが、しかし何でこんなものが入っているんだろうかなと。これが入っているがゆえに、先ほど申し上げた、先ほど大塚委員の方からも追及したように、やはりどうしても公認会計士と企業との間の癒着の関係というんですか、そこをきっぱりと絶たなきゃいかぬというときに、こういうある意味では疑われるような、どうもやはりまだ依然として企業の、会社等の公正な事業活動を保護するというような、そんなイメージを持たれるような文言というのは、私はこれはやはりこの機会にきっぱり外した方がいいんじゃないかというふうに思うんです。やはりこの日本の監査の在り方というのは長い間、もう癒着しているんじゃないか、粉飾じゃないかということをずっと指摘をされ続けてきたわけですね。その意味で、私は、この点についてはやはり削除すべきだと。後で修正案を出しますので、是非与党の方々もそれには賛成をしていただいて、是非これを修正していただきたいなというふうに思うわけであります。 この点について、改めて修正する気持ちはないのかどうか、削除する気持ちはないのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先ほども大臣から御答弁させていただきましたが、公認会計士は、中核的な業務でございます監査証明業務を独立した立場で行い、会社等における不正の発見でありますとか正確な財務情報の開示等を図ることによりまして財務書類の信頼性を確保するということを、これを会社等の公正な事業活動を図るという表現によって公認会計士の使命として明記したものでございます。これは、監査証明業務の本来的な目的の一つとして第一条に位置付けられるべきものと考えております。
○峰崎直樹君 だから、会社等の公正な事業活動というのは、これはこれで一つのある意味では重要な役割がもちろんあるんですけれども、しかしそれは会計監査という一つの、いわゆる会計事務をやってディスクローズをしていく、その事実を天下に公表して、これが適正であるかどうかということをある意味ではディスクローズすることによって明らかになっていくわけであって、この保護規定の中にわざわざ書き込むことは私はないというふうに判断をしております。 これはまた恐らく水掛け論になって、延々と衆議院の場でも、もう藤原局長、立ち往生するような答弁がずっと続いておりましたので、この点は、大臣、やはり修正された方がいいんではないかという意見だけを申し上げておきたいと思います。 そこで、今度は、この癒着の問題でいえば二年・七年ルールという問題、実は公認会計士の、七年・二年ルールですか、継続期間、監査の継続期間なんですが、これはアメリカでエンロンの事件をきっかけにして、これはやはり厳しく対応しようということで五年・五年ルールになっていましたね。 そういう意味で、この五年・五年ルールになぜやらないのか。日本の公認会計士制度の方が私は、やはり世界的に見るとやはり後れている、あるいは問題を抱えてきたというふうな歴史からすれば、もっとここは厳しくあってしかるべきだと思うんですが、この点について、今五年・五年ルールにしないことと、もう一つ、実はいわゆるこれは同じ会計監査事務所の中では自由にできるわけですが、会計監査事務所を交代させるべきではないかという意見があるわけですね。これは、たしか諸外国を例を見てみると、銀行に関しては会計監査ごとに替えるべきではないかと、替えているところも実はあるわけでございまして、その意味で、これはどこでしょうか、どこかの国に、たしか銀行に監査だけは、これ監査法人ごとにもう替えちゃえというようなルールもあるやに聞いております。 そういう形で厳しくやるということが、私はやはり、日本の会計監査の水準というか、そういうものを上げるためにどうしても必要になってきているんではないかと思うんですが、この点はどのように考えておられますか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今、先生の方から公認会計士の監査ローテーションを五年、五年とすべきではないかというような御指摘がございましたが、継続監査期間の五年のインターバル、五年、それからインターバル五年というような規制を当初から導入いたしました場合、公認会計士の現在の数の不足の状況や地域的な偏在等、様々問題ございまして、企業等の負担の拡大や監査の質が低下するというようなおそれも生ずるようなことがございます。 一方、今回私ども、具体的な継続監査期間につきましては、政令に委任いたしまして当初は七年間とすることといたしておりますが、七年後に五年間に見直すことも視野に入れて考えておるところでございます。インターバルにつきましても、当初は二年間とすることを基本に、今後の公認会計士の質的あるいは量的な拡大、あるいは地方での実情などを十分に踏まえて弾力的に見直しを行うようにしているところでございます。 なお、EUにおきましては、継続監査期間七年、インターバル二年というように勧告がなされておりまして、ここは我が国と同じでございまして、我が国の政府案は国際的にも遜色のないものだと思っております。 また、もう一つ、監査法人自体の交代制ということの御指摘がございました。監査人の独立性強化のためには、監査法人自体を、自身を交代制、監査法人自身にその交代制を導入するべしという意見があるのは存じ上げておりますが、大規模な組織的な監査を一から構築しなければならないということになりますと、監査水準が著しく低下するおそれもあることなどから、実施の社会的なコストが非常に大きいということを踏まえますと、独立性の強化の要請とのバランスという観点からその有用性について検証する必要があると思っております。 なお、先生も御指摘のように、主要国の中で監査法人の交代制、これを採用しているのはイタリアでございます。また、金融機関についてのみ交代制を採用しているのはシンガポールというのがございます。
○峰崎直樹君 シンガポールがそうだというのは、私も資料見たらシンガポールと書いてありました。 イタリアというのは、日本と同じように政官業の癒着が最も著しかった国ですよね。炭化水素公社とどこの政党のだれが結び付いているとか、いろいろありました。九二年に、その有名な、ナポリですか、そこの検事さんが出てきて一斉にそれを徹底的に取締りを始めて、今や余り腐敗が聞かれなくなっている。そのときに、この企業と監査人の癒着の問題も実は指摘をされて、こんな癒着を許しておいた今までのシステムは駄目だということで、監査法人ごとにがらっと替えていったわけです。 日本はある意味ではそれと同じ水準にあるんじゃないですか、これ。去年、たしか金融庁がいわゆる銀行の検査と自己査定との間の矛盾は四七%あるという、その数字出しましたよね。四七%も自己査定と後で特別検査やった金融庁の検査との差があるというのは、それだけ実は監査法人がきちんと監査していなかったということを証明したんじゃないですか、これ、大臣。そうじゃありませんか。だとすれば、ここは徹底的に、これは今最も世界で進んでいるのがイタリアだとすれば、あるいはそれをシンガポールでは銀行という金融機関だけにその焦点を絞っているとすれば、それだけでもそれを適用するということぐらい日本で率先してやった方がいいんじゃないですか。どう思いますか。 いや、藤原さん、駄目だもう、政治家として聞いているんですから。
○政府参考人(藤原隆君) 済みません、ちょっと状況の説明をさせていただきます。 先ほど、主要国では監査法人の交代制を導入したのはイタリアだけと申しました。ただ、その議論につきましては、一昨年のアメリカの会計問題、エンロン、ワールドコム事件以来、アメリカでもどういうふうにすべきかという議論は出ております。しかしながら、その議論の結果、現在のところアメリカのその企業会計改革法では、監査法人自身の交代制については現在導入が見送られておりまして、引き続き研究することになっております。 我が国といたしましても、これらの諸外国の状況を見ながら、今後検討していきたいというふうに思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) ひとつ本題に入ります前に、自己査定の乖離が出ました。これはこれで大変重要な問題だと思っております。 しかし、特別検査を繰り返す中でこの自己査定の乖離幅は着実に縮まっておりますので、その意味では、今の時点で、私は査定そのものも、自己査定そのものも非常にきちっとしたものになりつつあるというふうに基本的な認識を持っております。 峰崎委員の御指摘は、基本的には、その意味では、イタリアの例を出されましたけれども、日本についても非常に危機意識を持って、むしろショック療法ぐらいの、むしろほかよりも厳しめぐらいのそういう姿勢を示すべきではないかと、そういう御指摘なのかなと思って拝聴いたしました。それは確かに一つの考え方としてはあり得るのだと思っております。 しかし、我々の今の今回のところの改正の中では、とにかく公認会計士さんには頑張っていただきたいと。その中で、足下からできることを着実にやっていこうではないかと。その意味で、今回、言うまでもなく初めてこの継続期間のルールを導入するわけで、それを七、二にしたと。しかし、これまた、これ前回から申し上げているように、七年後にはこれを五年に見直すことを視野に入れて我々としてもやっていきたい。その意味では、当面、移行期としては七年だけれども、これは五年にしていくという、そのことは私は必要だと思っております。 これは会計士だけじゃなくて、監査法人そのものの入替えという御指摘でありますが、日本の場合、監査法人制度そのものがアメリカや諸外国に比べてまだ十分に、数の面も含めてですけれども十分ではない、そういった質と量の充実のために今回、公認会計士法の、公認会計士の試験の改革もこの中に含めていただいているわけで、やはりここは総合的に制度を成熟させていくことが必要なのではないかというふうに思っております。 しっかりとやるという問題意識はこれ我々しっかりと持っているつもりでありますので、こうしたルールの中でやっていきたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 大臣、政令にこれはたしかゆだねるということになっているんですよね。政令というのは正に大臣の決断で、よし、これはもう当初は七年で、次はもう五年ルールでいこうということを決断されればそれはもうすぐできることですから、是非それはもう大臣是非やっていただきたいし、願わくば、アメリカもこの程度だから日本もこの程度でいいだろうと、こういうレベルではなくてもうちょっとしっかりと、やはりイタリア並みにきちっとやっていこうと、もう世界の最先端行くぐらいにしたらどうですか。 罰則の問題についてはどうですか。今度は、罰則は、アメリカなんかの場合はエンロン問題があってサーベンス・オクスレー法の中でもかなり罰則が厳しくなっているんじゃないですか。例えば粉飾決算対策では、企業経営者の宣誓書の義務付けとか、あるいは禁錮二十年という刑事罰とか、非常にアメリカの場合はそういった点、経済犯罪に対してきついんです。日本の場合、その点はほとんどこれ何も、何もと言ったら極端かもしれませんが、極めてやはり甘いんではないかなというふうに私は思うんですが、この点はどうですか。
○副大臣(伊藤達也君) 罰則の点のお尋ねでございますが、虚偽の証明をしたときには、相当の注意を怠った場合も含めて、これは懲戒処分の対象となり得るほか、故意の場合には証券取引法に基づく有価証券報告書の虚偽記載罪の共同正犯や幇助としてのこれは罪に該当するわけでございます。 言うまでもなく、市場の公正性あるいは透明性をしっかり確保していくことは大変重要であり、こうした観点から証取法の罰則については平成九年に引き上げられ、さらに今のお尋ねは更に引上げが必要ではないかということでございますけれども、一般論として申し上げれば、罰則の水準は違法行為の性質や他法令との均衡等を総合的に勘案して決めるべきものでございまして、刑事罰全体のバランスを考慮して私どもとしては今後検討をしていきたいというふうに考えております。
○峰崎直樹君 要するに、他のいわゆる罰と同じように、経済犯罪の全般が低いものですからそれに引きずられているんじゃないかと思うんですよ。これはやはりどこかで、脱税もそうでしょう、それから粉飾決算もそうでしょう。本当に会計のインフラというのは資本主義にとってこれはもう生命線だと。これはきちんとやはり肝に銘じて進めていかないと、お隣の中国の朱鎔基さんは、去年の十一月に世界会計士学会で、もうこの会計制度というのは極めて重要だということを、お隣の中国の社会主義国の人に何だか先を越されているようで、極めてその点は、「やさしい経済学」とかいろんな、竹中先生が絶対大学で教えるときにはこれはもう厳しく書かれるであろう点でありますので、是非その点は率先して改革をしてもらいたいなというふうに思っております。 さて、今、公認会計士の量と質というふうにおっしゃったんですけれども、ちょっともし、質問に入れていませんでしたので、答えられなかったらいいんですけれども、例えば生命保険会社を監査をするときに、アクチュアリーというのは監査法人というのは持っているんでしょうかね。私は、監査法人でアクチュアリー持っているという、つまりそれが分からないと、恐らく物すごい複雑な計数整理ですから、それに対抗できるような監査法人というのは本当にいるのかなというふうに思えてならないので、私は、監査法人の質を、公認会計士を、量と質というのは非常に、特に質は重要だと思うんですが、監査法人から見たときには、むしろそういうアクチュアリーを入れないで監査をしていたとすれば、それを充実させなきゃ、これは監査になりませんよと、こういうやはり全体としての中身を見ていく必要があるんじゃないかなというふうに思っているんですよ。 いるかいないのかというのは、もし分かれば教えていただきたいんですが、いても極めて数が少ないんだろうと思いますが、その辺りどうですか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 突然の御質問で計数がないので恐縮なんでございますが、大手の監査法人におきましては、そのステータスはちょっと定かじゃございませんが、アクチュアリーは存在いたしております。ただ、その人数がどの程度であるかというのは、ちょっと今現在把握しておりません。
○峰崎直樹君 そこで、公認会計士のいわゆる数を増やそうということになっているんですけれども、いわゆる今度は数を増やすことと並んで試験制度の問題なんですね、改革をされているわけでありますが。 公認会計士と我々は通常呼ぶときは、これはやっぱり企業会計を監査をするということが中心的になり、税理士は、これはもう当然のことながら、納税をきちっと社会的任務に従って当然出てくるわけです。その中で、私も税理士法改正のときもたしかこれ議論したことがあるんですが、公認会計士は自動的に実はこれは税理士になることができると書いてあるんですよ。 最近の税法は、今日も主税局長、大臣もおられますけれども、出てくる税の法案というのは、もうこんな分厚い、よくまあこんな法案作ったものだな、内閣法制局よく審議したなと思うぐらい膨大なものが出てきています。特に、企業会計というか、会社が合併したり、あるいは分割統合したり、そういうある意味ではものが出てきているときに、税理士さんは、当然のことながら税法は、所得税法とか法人税法とか、あるいは消費税法、相続税法、たくさんの税法をかなりマスターしなきゃいけない。今度のいわゆる公認会計士法の中では、一つだけ何か税法を取ればいいというふうになっている。これで、じゃ本当にできるんだろうかなということもあるんです。 だからその意味で、もう日本、戦後日本においては、大体そういう公認会計士とそれから税理士というものの職業の分野は、絶えずこれは恐らく士法同士のぶつかり合いというのは当然あるんだろうと思うんですが、普通に考えて、そろそろそこは、専門的なプロフェッショナルとしての公認会計士さんとプロフェッショナルとしての税理士さんというものの、ここの区分けはきちんとやはりするべきときに来ているんじゃないかというふうに思えてならないんですが、この点はどのように考えているんでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今回の公認会計士法の改正は、公認会計士監査制度の充実強化を目的とするものでございまして、従来の監査証明業務の範囲とか、税理士業務を行うことができる公認会計士となる資格を有する者の性格を何ら変更するものではございません。 公認会計士と税理士は、異なる使命と職責を有しつつ、五十年余りの間、職業会計専門家として併存してきたものでございまして、公認会計士制度と税理士制度との役割分担につきましては、中長期的な視点から関係者間での十分な議論が必要であるというふうに考えております。 それから、先ほど一科目、論文式の租税法一科目をもって税理士の業務ができるのは不適当ではないかという話でございますが、それにつきましては、公認会計士が監査証明を行う上で、連結納税制度でありますとか税効果会計制度等への対応の必要性があることにかんがみまして、論文試験におきましては、租税法として、租税に関する法律関係の体系的な理解、あるいは法人税、所得税、消費税等の租税実体法、租税手続法等についての理解を求めることといたしております。 さらになお、公認会計士試験合格後に行います実務補習におきまして、法人税、消費税等の各租税実体法の詳細な理解を求め、公認会計士登録の前に日本公認会計士協会が行います統一考査でその理解を確認することといたしております。 現行制度におきまして、公認会計士が有しております税法の理解に比較して劣ることにはならないものと考えております。
○峰崎直樹君 どうもそこら辺りは、やはりそれぞれもうプロフェッションとして確立してきていますから、また社会的使命がそれぞれあるわけですね。ですから、それに応じてやはりこれはきちんと整理をしていくべきときに来ているんじゃないかという気がするんですが、たしかあれ、平成十三年の税理士法改正がございましたですね。あのときにも許可公認会計士制度というものが廃止されたというふうに思っています。 これは、国税局長の許可を受けた公認会計士が、税理士の登録を受けることなく、平成十七年三月三十一日をもって税理士業務を行うことができる特例が廃止をされたというふうに理解をしているんですが、これはやはり公認会計士と税理士の社会的使命が異なるという理由もあったんではないかと思うんですが、それはどのように考えておられますか。 これはむしろあれかな、主税局の方に聞いた方が早いんでしょうか、税理士法ですから。そういう理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 一応、先般の税理士法改正におきまして改正いたしましたことは、許可という形ではなくて、その代わり自主性、日本税理士会としての自主性を尊重するという観点から、税理士会に登録、入会ということをしていただいた上で、税理士として業務をしていただくということを明記したということでございます。 やはり先生が申されているとおり、公認会計士というのは基本的には独占業務は監査でございます。税理士はやはり基本的には適正な納税の確保、公正独立な立場からという税理士法一条に基づいて行うわけで、それぞれの任務が違っているわけでございます。 したがいまして、公認会計士さんが税務業務をやる場合には、日本税理士会に登録、入会いただいた上で税理士として仕事をしていただくということを明記したという改正でございます。
○峰崎直樹君 公認会計士協会がいろいろこれ、いろいろ審査しますよと、こういうふうに自主性任されているというふうに話があるんですが、しかし実際問題、大変な試験なんですよね、あの税法に関する試験というのは。三科目だったでしょうか、税理士さんの場合は。三科目中二科目だったでしょうか。いずれにせよ、これは正に試験ですから、それが自主的に、自主性でもって我々やっていますよということで代替できるというのが、ここのところはやはりちょっと、やはりなかなか納得できにくいのかなと。 しかも、この数がこれからあれでしょう、今やや二万人近い公認会計士さんを三倍近く持っていくということなんでしょうね。ですから、そうなってくると、これ実際問題、会計士さんの今実際上会計士が足りないとおっしゃっているんですが、会計士さんというものが、公認会計士さんというものが、税理士を今やっておられる方が何人ぐらいいらっしゃるのかなというのは、そういう統計はつかんでおられるんですか。ちょっとこれは聞いていませんでしたけれども。
○政府参考人(藤原隆君) 公認会計士一万四千人のうち、税理士登録は六千でございます。約六千というふうに見ております。
○峰崎直樹君 そうすると、残りがいわゆる税理士ではない、公認会計士だけだということですね。 これは、これから将来職業は、市場はどういうふうになっていくか分かりませんけれども、公認会計士さんで税理士を、特にこれ中小企業の方がかなり多いと思うんですけれども、そういうところへかなりウエートが高くなっていくということについて、そうすると、これは当然のことながら税理士さんの方の職業のところと非常にぶつかってくるということになるので、その辺り、やはり大臣、これはもう政治家としての判断をお聞きしたいんですが、将来的にはやはり、公認会計士が税のことを分からなきゃいけないというのは私もよく分かりますから、税法についてちゃんと勉強してもらうというのはそのとおりなんですが、しかし、公認会計士が税理士というところになれるという戦後これまでずっと続いてきたものに対して、そろそろそこの仕分はきちんとすべきときに来ているんじゃないかなというふうに思うんですが、その辺り、大臣、この辺りで少し決断をされたらどうかなと思うんですけれども、どうでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今回の改正では、これは委員御指摘のとおり、公認会計士には公認会計士の重要な役割があり、税理士には税理士の重要な役割があると。その役割というものが戦後の社会の中でそれなりに定着してきているという状況であると思っております。今回は、そうした問題については直接新たに線引きを引き直すというものでは全くございません。しかし同時に、正に委員御指摘のように、社会がますます複雑化して、これからそれぞれ数ももっともっと増えていくであろうし、役割も非常に、その業務の内容も非常に多様化していくんだと思います。 これは、私アメリカに住んでいたときに、一つ非常に、ああ、これはこういう制度なのかと思ったのは、アメリカには実はタックスローヤーという人が非常にたくさんいらっしゃる。タックスローヤーというのは、ローヤーとは弁護士でいらっしゃるけれども、お仕事の中身は日本で言う税理士さんと非常によく似た仕事をしておられる。これもまあその社会の中で出てきた一つの仕切りなんだと思います。 弁護士は弁護士でまたこれから増やしていかなければいけない。会計士についても同じようなことが言える。それで、税理士の業務は業務として大変重要である。非常に長い目で見ると、これは先生御指摘のように、やはりこの役割というのは、むしろそれぞれに確立しながら、しかし、ある意味で相乗りのようなところも長期的には非常に出てくるであろうというふうに思います。 繰り返しますが、今回はそうした線引きを直接変えるものではございませんですけれども、制度を進化させていくという観点から、今申し上げたような分担の在り方の模索というのは、やはりこれから仕事の中身がどんどん進化する中でますます重要になってくるというふうに思っております。
○峰崎直樹君 最後に、ますます重要になっていくというのは、要するに、公認会計士が税理士のような仕事をすることももっともっとどんどん増えていいという意味での進化するという意味なんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはちょっと非常に長期の理想論でありますけれども、例えば税理士さんがアメリカのようなタックスローヤーのような形になっていくことも、これは将来的にはあるでしょうし、そうした点については、日本独自の弁護士、会計士、税理士のそれぞれの役割分担とそれぞれの相互乗り入れのようなものをやはり柔軟に私は考えていかなければいけないんだと思っております。 しかし、これは非常に長期の話でありますので、当面の話としては、むしろ役割分担を非常に、今回線引きを変えているわけではございません。それぞれの役割が更に強く果たせるように、やはり当面の制度整備と、一方で超長期的な在り方の議論というのを並行して行っていく必要があるのではないかと思っております。
○峰崎直樹君 そうすると、三つ、弁護士さん、それから税理士さん、それから公認会計士、それぞれの相互乗り入れと、こうおっしゃっていますよね。そうすると、これはあれですか、例えば税理士さんが訴訟指揮だとか、あるいは訴訟指揮の補助だとか、そういうことをやがてはできるようにするとか、そういう意味でのあれですか。あるいは、公認会計士の仕事の方まで進出していいとか、そういう三つが相互に広がっていくという、こういう理解なんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そのように言ってしまうと、非常にそれぞれの業務分担が侵食し合うのではないかというような御疑念も出てこようかと思います。 私が申し上げているのは、この制度は常にやはり国民のために存在しているわけでありますから、非常に長い目で見ると、そういった柔軟な姿勢で制度の進化ということを見ていくことも必要ではなかろうかと、そういう非常に長期の問題提起をさせていただいておるというふうに御理解をいただきたいと思います。 当面は、今の制度の枠組みの中でしっかりとその足下を固めることが重要だと思っております。
○峰崎直樹君 どうも何だかよく分かったような分からないような結論しか聞いていないんですが。 これはやはりある程度、もう社会的にほぼそれぞれの使命とか、それからそういう、国民の間にも、税理士さんはやっぱり納税のお手伝いを含めてやっていると、一方で公認会計士さんは大体企業の監査をやっていると、ほぼそういう方向で分化しているということをやはり国民の意識的にも定着しているわけですから、そういう方向をやはりある程度、責任と権限といいますか、やっぱりきちんとすべきじゃないかなと思います。 さて、同じように、今アメリカの話が出たんですね。エンロンで、実はエンロン問題というのはいろんな角度でやらなきゃいけないし、特に私は、ストックオプションというのは、多分一九九五年に、ストックオプションというものを日本でも導入したらどうだということを提案を割と早めにした一人だったんですが、今思うと、ストックオプションというものを提案したことが、経営者が一生懸命頑張るよという意味での、そういうある意味ではインセンティブが働くと思ったんですが、悪い方のインセンティブが働いちゃって、株価をつり上げていくという、そのためには借金をしてでもとにかくつり上げていくというような、非常にストックオプションの弊害みたいなものもやっぱり一面出てきているし、会計上の扱いもいろいろと問題を起こしているようなんですが。 アメリカの場合にはちょっと日本と違って、税理士制度を、さっきおっしゃったように税理士制度というのがないようでありますし、企業会計と税務会計と、さっきからそこの間の矛盾があるんだとか、あるいは問題があるんだということをおっしゃっていますけれども、確定決算主義というのが日本においては存在しているわけでありますけれども、アメリカではそれがないんだと、こう言われています。 最近、このフォーブスという雑誌にも、エンロン問題が起きてくるのは、会計上は利益をいかに膨らませるか、税対策としてはいかに税を減らすかと、それがアメリカの場合は非常に大きな問題をもたらしたということで、日本の確定決算主義があればこんなのは起きていないじゃないかと。だから、国際的なもし、IASか何かで会計基準を今統合化していると言われていますが、日本の確定決算主義というのは、これは世界へ輸出してもいいんでは、もちろん同じような、ドイツとかはそういうのを取っているかもしれませんが、いずれにしろ、アメリカにないもので日本でいいものがあったらそれはお勧めしたらどうかなというふうな中身になっているんじゃないかと思いますが。 これを、確定決算主義というものはどのように位置付けたらいいのかなと。これは、そういう質問を投げたら、法人税法上の位置付けは財務省に聞いてくれと。今日は主税局長来ておられますのでそれをお聞きしたいと思うんですが、いわゆる会計制度ですから、もちろんこれは会計制度審議会というのは金融庁の所管ですから、いずれにしても、いわゆる確定決算主義と言われているものは必ずそれは会計上の決算の絡みを持つので、その意味で、金融庁としてはこれはどう考えているのかということと、財務省では法人税法上の確定決算主義というものの位置付けはどうされているのか、それぞれお答えになっていただきたいと。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 いわゆる企業会計は債権者や投資家の保護ということを目的といたしておりますし、税務会計は課税所得の算定、こういうものを主たる目的としているわけでございまして、基本的にはそれぞれの目的に応じて適切な取扱いがなされるべきだというふうに考えております。 先生御指摘のように、欧米におきましても、課税所得の算定におきましては、商法決算を基礎とするいわゆる確定決算主義、これを採用する国、いわゆるドイツとかフランスとか、そういった大陸法のところはそういうものがございますが、一方、確定決算によらないで独自に計算する方法を採用しているアメリカとかイギリスとか、こういう国もあるわけでございます。 我が国は、御案内のように、その確定決算主義によりまして、基本的には商法決算及び企業会計を基礎として課税所得が算定されることになっておりますが、税法には課税の公平性、公正性の確保という要請や特定の政策的な課税等がございまして、企業会計との違いが生ずることはやむを得ないものと考えております。 なお、税務会計と企業会計の間で収益や費用の認識時期の違いから生ずる一時的な差異につきましては、企業会計上は税効果会計により調整が行われることとなっております。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 今、藤原局長がお話しになられましたとおり、我が国の場合には、フランスですとかドイツですとか、そうしたヨーロッパの国々と同じでございますが、法人税法上、法人の課税所得においては、その期に企業が稼得した利益の額を基礎とするという基本的考え方に加えまして、例えば減価償却費など、企業の内部取引について恣意性を排除して公平中立な立場で言わば税を計算するというようなことから、株主総会において報告、承認された商法上の確定決算を基本とする、そういう確定決算主義というのを取ってきているわけであります。 ただ、現実の問題から申しますと、先般来、先ほど先生からも御質問のあったとおり、例えば連結納税ですとか、そういうような言わば新しい企業上の扱いというものに伴いまして両者がいよいよ乖離してきているという実情がありまして、むしろ逆の立場から、確定決算主義を廃止してアメリカのような体制にすべきではないかというような御意見が実は実務の方から一部出てきております。 他方、そういうようなことをいたしますと、正に先生が言われたとおり、会計処理が煩雑さを解消するという観点からも、むしろ中小企業など、そんなことに巻き込まれてはとてもじゃないけれども大変だ、むしろ税務上のこの確定決算主義をより重視すべきだと、こういう御意見も他方出ているわけでございまして、ある意味でいいますと、これから法人税におけるグローバルスタンダードというのをどういうふうに持っていくか、非常に悩ましい部分を持っております。 ただ、我々としては、やはり中小企業というようなものの事務ということを考えますと、現状の確定決算主義という一つの考え方は極めて重要な、シンプルという意味でも重要な考え方ではないかと、そのように思っているところでございます。
○峰崎直樹君 また是非、アメリカ流のやり方というのはキャッシュフロー会計みたいなことでしょうか。なかなか難しい問題なんで我々も勉強させていただきたいと思いますが。 これはやっぱり主税局になるんでしょうかね、法人税法における会計処理、いわゆる税務会計ですけれども、これも実は公正なる会計慣行を形成するというふうに通説言われているんですけれども、これはそういうふうにとらえてよろしいんでしょうか。その点、明確に一回お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 今御指摘になった点がむしろ確定決算主義をやめろという御意見から一部出てきているわけです。すなわち、むしろ我が国法人税法上確定決算主義を取っていることによって、逆に企業会計が税務会計の影響でゆがめられるんじゃないか、よく言う逆基準性という御批判なんでございます。 ただこれは、今申し上げたような意味でいえば、やはり会計処理の煩雑さを解消するということも、実務、特に税務処理をする中小企業等にとっては極めて、やはりこの税務上の確定決算、すなわち総会において報告、承認された商法上の確定決算というものを土台に据えることが一番分かりやすい、それからさらには企業の内部取引における恣意性も排除できる、公平という観点でも好ましいと、こういうようなことから、実は我々としてはやはり確定決算主義を基本に、根幹に置いているというのが現状であるということでございます。 政府税制調査会でも、この辺りの問題というのは極めて法人税の基本にある問題でございまして、正にこれからも実態を見ながら検討していく課題だとは思いますが、アメリカを除く多くの国々はなお現状も確定決算主義を取っているというふうに思っております。
○峰崎直樹君 ちょっとこれ質問入っておりませんが、例えばデリバディブ取引とか、先ほど言ったストックオプションとか、そういうものの位置付け、アメリカの場合はこれエンロンのときにもこれは簿外に、つまり帳簿外にあったわけですけれども、そういうものは、今のこの日本における確定決算主義とか、あるいは先ほど、今、公正なる会計慣行の中ではこういった問題は日本の場合は起きないと、こういう理解でよろしいんでしょうか。そうじゃないんですか。
○政府参考人(大武健一郎君) いわゆる取引形態に応じていわば総会、いわゆる企業会計上どう扱うかということと税務会計がすべてずれているわけじゃありません。それも正に、具体的にどういう取引によってそれを会計処理するか、それに懸かっているわけです。 ただ、例えば一番企業会計と違っている、一番簡単な例で申し上げれば、企業会計上例えば認められている賞与引当金ですとか製品保証引当金というようなものは、むしろ税法上は課税ベースを拡大する、特に賞与というような形態を取らない企業の方が現状は増えてきているわけで、そういう意味では、課税の公平上は好ましくないということで正に廃止をもう既にさせていただいていると。 あるいは、十三年度に導入した再編税制、組織再編税制というのがありますけれども、例えば、本来であれば移転資産の譲渡益というのを課税するのが原則でございます。ところが、組織再編後においても移転資産に対する支配が継続している場合にはむしろ課税繰延べをするということに税法上はさせていただきました。ただ、この辺り、企業会計上は、企業結合会計に係ります会計処理基準についてはなお現在審議中と聞いておりまして、この辺り実は企業会計の方が来ていないというようなのもある。 あるいは、先般十四年度導入した連結納税というようなのは、商法上はそもそも連結決算制度がないんでございます。しかし、税の上というか実態は、もう既に連結決算もちろんありますし、連結納税という仕組みも整備させていただいた。 そういう意味では、実態というか、実際の企業の経理というか、企業決算の仕方が多分商法なりとかなり乖離している部分があって、それをそれぞれの立場でどのように解消していくか、実態に合わせていくかということに、それぞれの目的に適合する形で今七転八倒しているというのが多分実態じゃないのかなというふうに思う次第です。
○峰崎直樹君 大分難しい問題のようですから、また私ども勉強したいと思いますが。 そこで、今度、公認会計士のさっき試験の問題で簿記の問題を私たちは非常に重視しているんですね。いわゆるエントリー段階、最初の段階でやっぱり簿記の問題は非常に重要だ、中間どころで監査だと、最後のところでディスクロージャーだと、こういう分け方をしているんですが、その意味で、今回簿記の位置付けを金融庁はどうとらえているのかな。 ちょっと古くは、私は、あのロッキード事件とかあったときに、領収書、コーチャンさんがピーナツとかピーシズとかという、一九七六年ですからもう四半世紀前の話ですけれども、あれはやっぱり結局、一枚一枚の領収書をめくって実はピーナツなんて変なのが出てきて、これは問題だというふうになったんだろうと思うんですが、そういういわゆる最初の簿記の重要性というのは、私は粉飾決算とかいろんな問題起きるときの最初の原点はそこのところにあるんじゃないかというふうに思うんですが、金融庁としてはどう考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 会計学は、職業会計専門家でありますその公認会計士になろうとする者が必要な学識及びその応用能力を備えているかを判定する際に欠くことのできない重要な科目であるというふうに思っております。したがいまして、今回新たにいたします試験制度におきましても、簿記は財務諸表論とともに財務会計論を構成する重要な科目として法律上も明らかに位置付けておりまして、短答式試験のみならず、論文式試験においてもしっかりとその素養を問うことといたしております。 具体的に申し上げますと、短答式試験におきましては、試験科目の一つに財務会計論というのがございまして、「簿記、財務諸表論その他の内閣府令で定める分野の科目をいう。」と規定しておりますし、さらに、その論文式試験におきましても試験科目の一つに会計学がございまして、それは「財務会計論及び管理会計論をいう。」というふうに規定いたしておりまして、簿記の素養を問うことといたしております。
○峰崎直樹君 もう大分時間もなくなってまいりましたので、先ほど大塚委員も聞いていましたけれども、監査法人が監査とそれから非監査業務と、これを同時提供できないと、こういうふうに言われているんですが、改めて、非監査業務というのは具体的にはこれはどういうものが非監査業務なのかという、ここら辺を明確にちょっとしておいていただきたいなと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先ほど大臣の方からも御答弁申し上げましたが、今回の公認会計士法の第二条第二項におきまして、公認会計士は、財務書類の調製、財務に関する調査立案又は財務に関する相談に応ずることを業として行うことができる旨規定されておりまして、これらの業務を非監査証明業務と呼んでいるところでございます。 今回の改正で監査証明業務との同時提供の禁止対象となります非監査証明業務につきましては、現在精査中でございますが、一つには、被監査会社の経営判断にかかわることを防止する、二つ目には、監査人自らがなした業務を自ら監査、いわゆる自己監査することを防止するという観点から、アメリカの企業会計改革法などの諸外国の改革の動向も踏まえながら、現在、次のような業務を内閣府令で規定する方向で検討しております。 具体的に申し上げますと、例えば記帳業務でありますとか、財務書類、会計帳簿に関する業務、あるいは財務会計情報システム設計、さらには現物出資、財産評価に関する業務、あるいは保険数理業務、内部監査の外部委託に関する業務、ブローカー、ディーラー、投資アドバイザー、投資銀行業務、あるいはこれらに準ずる業務でありまして、先ほど申し上げましたように経営判断に関与するおそれのある業務又は監査する財務諸表を自ら調製する業務に該当すると認められるもの、こういうものを今検討いたしております。
○峰崎直樹君 いよいよ最後になるんですけれども、財務大臣もおられるんで両大臣にお聞きしたいんですが、この会計士法の改正によって、日本のいわゆる会計士のレベルといいますか、要するに、世界に誇る日本の会計士制度ができ上がってくる、また粉飾決算なんかはもう起きないだろうと、こういうふうにお考えなんでしょうか。その辺りお聞きして、私の質問を終わりたいと思いますが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の会計士制度を名実ともに立派なものにしていくためには、これは政府も努力し、また会計士の皆さんも努力をいただいて、また実際にそれと接する企業の皆さんにも努力をしていただかなければいけない、それを利用する投資家の方々にも有効に利用していただかなければいけない、そういう性格の問題であろうかと思います。 その意味では、それぞれの分野で不断の努力が必要ではありますが、今回、そうした中でその独立性を高めること、さらには広く人材を集めて会計士のその層を質量ともに充実していくこと、その意味では、そうしたことを目指すに当たっての重要な一歩になるというふうに思っております。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、先ほど峰崎さん御指摘になったように、日本の会計制度というものは随分と後れておるような感じがするんでございまして、その一つは、やっぱり会計というよりも税理に重点を置いてきたと、日本の企業がですね、そういう点があったんじゃないかと思っておりますが、グローバリゼーション化してまいりまして、世界各国の企業会計を合わさなきゃならぬということ、当面の問題だと思っております。 そこで、私自身も会社経営しておりましたときに感じたんでございますけれども、どうしてもやっぱり税理士さんに頼ってしまう会計になってしまうと。これをやっぱり改めまして、要するに、中小企業の税の処理をする税理士が、仕事は必要でございましたけれども、やはり企業が育てていくということと、企業の信頼を取るというためには、やっぱり会計学の領域をもっと充実させていく必要があると思いますし、そのためには税の方も、主税局を始めとした税の方も、もっと会計学の方にやっぱり会社行為を合わせていくような、そういうことを見た税制の改正にも資していかなきゃならぬだろうと。 双方歩み寄ったところにやっていく必要があるだろうと思っておりまして、その意味におきましては、今回の貸倒引当金の税効果をどう見るかということとその扱い方について、私は、これは一つのきっかけになって非常に密接な議論が行われて、それを一つの頼りにして会計学、税の学の方の発展に資したいと思っております。
○峰崎直樹君 終わります。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として藤原正司君が選任されました。 ─────────────
○大門実紀史君 大門でございます。 竹中大臣、午前中に続き、御苦労さまでございます。何かお疲れのようで、大丈夫ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いえ、大丈夫です。
○大門実紀史君 お互い頑張りたいと思いますけれども。 目の覚めるような質問をしたいところなんですが、我が党はこの法案に今のところ、この時点では賛成というところでございますけれども、ただ、一つちょっと聞いておきたいんですが、我が党、賛成という方向で今検討といいますか、独自の判断で精査したわけですが、この間、公認会計士協会の方、あるいは、ちょっと異様なんですが、政治連盟の方が、公認会計士政治連盟の方が私の部屋も含めて回っておられるんですが、日本共産党に公認会計士協会の政治連盟の方が来られるというのは非常に珍しいことでありますけれども、税理士法のときに、先ほど大武さんいらっしゃいましたが、来られたことありますが、非常に珍しいことなんですが。 この法案は、そもそも公認会計士協会の皆さんの何か強い要望とかそういうものがあったのか。あれば、どの項目が、これ協会と言わなくていいですよ、公認会計士の皆さんということでも結構なんですが、何かそういう強い要望があったんですか。今日も何か傍聴に来られているみたいですが。
○政府参考人(藤原隆君) 今回の法律改正は、先ほどから申し上げておりますように、エンロン事件等を発端といたしまして、監査の充実というようなことを主眼とし、さらには公認会計士試験の簡素化、拡充ということを主眼としてやっているわけでございますが、他方、従来から規制緩和要望の中にあったものでありますとか、あるいは業界等からこういう規制緩和をしてほしいという要望もございました。そういうものにつきましては、例えば今回、広告規制の廃止でありますとか、あるいは公認会計士協会の会則事項からの、先ほどもちょっと話題になりました監査標準報酬規定の廃止でありますとか、あるいはその監査法人の会計年度の弾力化でありますとか、あるいは公認会計士協会の役員解任命令権の廃止、あるいは監査法人の設立・定款変更等の廃止、そういうようなものを今回盛り込んでおるところでございます。
○大門実紀史君 私、お聞きしたのは、協会の皆さんの強い要望とお聞きして、今答えられたわけですから、全部それ強い要望だという理解でよろしいわけですか。──まあ、いいです。 今回の公認会計士法の一番重要なところは独立性を高めるという部分なんですが、私、エンロンのことは小説とかその部分でしか知らないんですけれども、報道でしか知らないんですが、アメリカのエンロンとアンダーセンの場合は割と対等な、アメリカですから対等な、日本ではちょっと想像できないような、公認会計士あるいは監査法人と企業というのは割と対等な関係にある中で、いわゆるマネーの関係で癒着していったというふうに取られているわけなんですけれども、日本の場合はちょっと少し違いまして、そもそも余り対等の関係にないと。どちらかといいますと、大企業の場合はかなり大企業の方がポジションが高くて、もうやらせてやっているんだというふうな、分かりやすく言えばですね、おたくに頼んでやっているんだという、アメリカとそもそも違って、非常に対等の関係にまだなっていないような状況があるというふうに思うんです、アメリカと比べて。違ったら指摘してもらえばいいんですけれども。 その上で、今回、もちろん独立性の観点から、監査業務と非監査業務の同時提供禁止とか等々の措置が盛り込まれていますので一定の役割は果たすと私は思うんですけれども、このエンロンがあっていろいろお話ありますけれども、もっと日本は、余り対等になっていない関係も含めてもっと心配される部分があると、癒着とかですね、そういう部分でいくと。したがって、今回の法改正だけではなくて、もっと日本独自でこの独立性の確保について更に検討していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、これは会計監査の問題だけではなくて、日本の社会全体として、いわゆるチェック・アンド・バランスというようなシステムを必ずしも我々の社会の中に明示的には取り入れてこなかったという点はあるのだと思います。 これ一例で言いますと、企業の中でも、今まで監査役の地位というのは決して高くなかったんだと思うんですね。しかし、正にチェック・アンド・バランスが必要で、チェックされる方は余り心地良くないかもしれないけれども、きちっとチェックされていることによって自らも良くなっていくんだと。そういうやはり前向きの志向というのはなかなかなくて、チェックされると何かうるさいと、そういうような中で、いわゆる一体化とかというものがむしろ強調されてきた風土がやはりあるのだと思います。 そうした中では、公認会計士というのは大変重要な役割を本来果たさなければいけない。恐らく委員の御指摘は、そういった風土全体を変えていくようなことが必要でしょうと。私は、やはりそういう良い事例を作っていくということに尽きるんだと思います。公認会計士がその意味では社会使命を果たして、社会の中からも従来以上に敬意を持って見られるように立派な仕事をしていく、大変重要な判断をやはり果敢に行っていく、そういう事例を示していく中でやはり解決していかなければいけない問題であろうかと思います。 今回は、その一歩になるべく、先ほどから言っていますように、監査証明の業務とそれ以外について、これはやはり一定のルールの下でやはり禁止も必要でしょうと。自ら継続的な監査に制限を課すことによって、より質の高い監査ができるように、独立性のある監査ができるようにすることも必要でしょう。関与社員の被監査会社の幹部への就任の制限、これもいろんな御意見があるのは承知しておりますけれども、自ら襟を正すことによってそういった風土を形成していく第一歩になるのではないか、そのような期待を持っております。
○大門実紀史君 分かりました。 第一条に公認会計士の使命、職責が明記されたと。私どもも歓迎しているんですけれども、この法案の中では、その中で、「投資者及び債権者の保護等を図り、」と、こうなっております。これ大事なことなんですが、ここに「等」が付いている意味といいますか、「投資者及び債権者の保護等」、この意味を少し、どういうふうな範囲があるのか教えてもらえますか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘の「投資者及び債権者の保護等」の「等」でございますが、そこに規定されております「等」とは、財務情報の信頼性の確保を通じまして、公認会計士は投資家や債権者の保護だけでなく、例えば資本市場に対する信頼、信認の確保なども図るものであるということを意味しております。これは、昨年十二月に出されました金融審公認会計士制度部会の報告の中でもこういうくだりがございまして、特に、公認会計士監査制度については、企業の財務情報の適切性の保証を通じ、資金調達の円滑化を図るとともに、投資家の保護、それから資本市場に対する信認の確保を図りというようなことが書かれておりまして、ここに等ということが書かれております。これを等と言っているところでございます。
○大門実紀史君 会社というのは、いわゆるマーケットといいますか、市場だとか債権者、株主だけではなくて社会的責任というものがありますから、ケースによるでしょうけれども、絶えずそういうことということではありませんでしょうけれども、余りひどいいろんな、例えば働いている人に、あるいは下請業者に、あるいは地域でのいろんな自治体等含めていろんな関係の中で、やってはいけないことというのは当然社会的責任があると思うので、今言われたのは市場、市場の評価、市場何ですか、市場関係者だけですか、もう少し──まあいいです。もう少し広くものをとらえていってもらいたいというふうに思います。 次のこの公認会計士法の関係ですけれども、ずっと心配されているのが中小監査法人あるいは個人の公認会計士さんの問題です。 これは直接ヒアリングしましたら、いろいろ心配されております。今、中小監査法人というのは百三十七社、これは五人から二十五人ぐらいの公認会計士さんが所属されている中小監査法人というのは百三十七社あるとお聞きしました。合わせて千三百二十五人の方が、会計士さんが所属されていると。個人の方は、個人で公認会計事務所を開いておられる方が会計士さんで六千八百三十三人、実はこれ全公認会計士の約半数を占めているということだそうです。こういう方々は普段は中小企業の監査を大体やっておられるんだと思います。 で、今回のこのいわゆる監査業務、非監査業務の同時提供の禁止あるいは同一会社の継続監査の制限等の部分ですけれども、いわゆるこのローテーションの規定をそのまま当てはめると、なかなかもう三人しかいないところでこのローテーションがどうやっていけばいいのかとか、いろいろ不安が出ているところです。 これは法案ではローテーションの規定について、やむを得ない事情があると認められる場合は、内閣総理大臣の承認を得たときはこの限りではないという特例的な規定が設けられています。これは具体的に、内閣総理大臣の承認というと何かかなり大げさな気もしないでもないんですが、具体的にはどういうふうにして適用されるような規定になりますか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今、先生の方から御指摘ありました監査法人と個人の公認会計士についてでございますが、監査法人につきましては、このような監査法人が監査を担当しております公認会計士を定期的に交代させ会社との癒着を防止するということは、監査法人の大小に関係なく、かかわらず必要最小限の措置だと思って、今回はローテーションの対象と致すことにいたしております。 ただ、しかしながら、個人の公認会計士の交代制につきましては、実質的に個人の開業による監査証明業務を制限することとなってしまうという指摘を踏まえまして、公認会計士の独立性を確保しつつ実態に即した適切な対応をすることといたしたものでございます。特に、地方におきまして、公認会計士不足が著しいという実態にも配慮いたしまして、隣接地域に公認会計士や監査法人が存在せず、交代しようとしても被監査法人等の監査人になり手がないような、そういうようなやむを得ない場合には、公認会計士協会のいわゆる品質管理レビュー、これを毎年受けることを条件に行政が個別に承認し、継続的監査が認められるよう、最長期間を超えて同一の大会社等に対して監査証明業務を認めることといたしたところでございます。
○大門実紀史君 確認ですけれども、具体的にはあれですか、協会を通じて金融庁に申請といいますか、届けて承認を得るという形ですか。
○政府参考人(藤原隆君) 今申し上げましたように、公認会計士協会が行っておりますいわゆる品質管理レビューを、これを受けていただくと、毎年受けていただくということを条件に、最終的には行政が個別に承認するというようなシステムを考えております。
○大門実紀史君 いや、だから、ちょっと具体的に聞いているから、それ読まないで、僕の話を聞いて答えてくれます。それ読まなくていいんですよ、具体的に聞いているわけですから。具体的に、公認会計士さんが大変だと思ったときにどこに申請してだれの名前の承認を得てという、その具体的なことを聞いているんだから、読まなくて普通に答えてください。
○政府参考人(藤原隆君) 具体的には、個人の公認会計士が金融庁の方に申請して内閣総理大臣の承認を得るということでございます。
○大門実紀史君 はい、分かりました。 これは関連で、直接公認会計士法ではありませんけれども、先日この委員会で参考人の質疑がありました。そのときに協会の奥山会長が、私御質問したら答えられた件なんですけれども、これはりそなにかかわるんですけれども、今後のことも含めてということで奥山会長が言われたんですが、リアルに言えば、過少資本になってしまうような監査の結果が出るような場合、こういう場合は、是非金融庁と当該銀行と監査法人で三者協議の仕組みを、要するに見解を一致させるために、公的資金を入れるというようなことになったら、これは監査法人だけの何とかでやったらたまらないということもあるんでしょうけれども、見解を一致するためにそういう仕組みを作ってほしいと、もちろんその周辺でいろいろ言われていますけれども、その議事録あると思いますが、そういう要望をおっしゃっておられました。 これは別に、監査法人の出した結果を金融庁が、この間何があったか知りませんけれども、こうしろああしろという意味じゃなくて、とにかく三者の意見をきちっと踏まえて見解の一致という点をお願いしたいということを奥山会長がおっしゃっておりましたけれども、今後そういうこと必要だと私も思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今回のりそなの件で、監査法人の決断というのが大変大きな重要な意味を持つ、これはある意味では当然のことではあるんですけれども、当事者としては大変悩みも大きかったのではないかということは推察されると思います。 しかし、大変重要な点は、今の我々が行っている、持っているこの社会のシステムというのは、決算というのはやはり企業が行うものだと。企業が決算を行う、それをきちっと職業監査人が監査を行う、それで適正であるということの証明をしていただく。しからば行政はどういうことかというと、行政というのは、これはやはり事後チェックなのであると。今まで事前に介入して様々な、護送船団と言われるような御批判も受けてきた。それに対して、民間がしっかりとした決算を行う、その決算の数値に基づいて事後的に今度は金融行政の立場から、もちろん事後的に我々検査も行いますが、それに対して金融監督の立場からしっかりとした判断を行う、やはりこれが事前の介入から事後のチェックへという行政の在り方なのではないかと基本的には思っております。 恐らく奥山会長の一つの大きな御関心、御懸念というのは、今回の繰延税金資産が典型でありますけれども、非常に大きな判断の幅がゆだねられている。この判断の幅が大きいということはそれだけ公認会計士の役割が大きいということの裏返しでもあるわけですが、一方で、例えばその人によってどんな判断が出てくるか分からないということになると、これは予見可能性、これを利用する側の予見可能性の問題も出てまいりますでしょう。 そうした観点から、正に半年前から我々としては、この繰延税金資産に関してどのような扱いをしていくのがよいかということを、会計の専門家、法律の専門家、実務経済の専門家に集まっていただいて金融審議会で議論をしていただいているわけでありますので、奥山会長の御意見等々もその中では紹介をしていきながら、専門家に議論を是非深めていただきたいと思っております。
○大門実紀史君 一般的な関係ではよく分かるんです。監査法人の監査をちゃんと尊重してと、事後にいろいろ対応すると。ただ、要するに公的資金を入れるような事態のことだと思うんですね、心配されているのは。今後も続くかもしれないと。その場合、私はそうしたら少なくとも、りそなのことをやるとちょっと生々しくなりますけれども、簡単に言えば、ある監査法人が過少資本だという判断をしたと。その次の段階で公的資金を入れるということになりますよね、今のプログラムで行くと。少なくともその段階で金融庁として独自に、そういう三者で見解が一致するというようなことではなくて、それならば独自に検査をして、本当に公的資金を入れることになるのかどうかと、少なくともそれは必要になりませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、検査とおっしゃいましたけれども、今実は、これは会計士も、大きな規模の企業になりますと、非常に長期にわたって決算作業を一緒に立ち会う形で何か月か多分おやりになるんだと思います。その中で結論を出すわけであります。そのようなときに、金融庁が今日入って数日間で検査ができるというようなものではこれはもう決してない。その意味では、実は今、このりそなに関しても、りそなという旧大和に関しても、昨年の九月期の決算の検査を何か月か行って、その今検査の結果を取りまとめしている段階であります。そのぐらいやはり事後的なものというのはしっかりと時間を掛けて、時間もしたがって後になると。 そういうような意味では、この百二条というのは、正にそのときに利用可能な情報に基づいて迅速に決断をするところに非常に重要な意味がある。もって金融危機の到来を防ぐというところに大きな意味があるわけですので、実務的に考えましても、その時点で金融庁が検査に入るということはやはり想定されていないと思います。 しかし同時に、利用可能な情報が信頼できるものでなければいけない。そうしたために、これまで我々いろんな仕組みを作ってきた。二度の特別検査を行いましたし、通年・専担検査の仕組みも持っている。ディスカウント・キャッシュ・フローの制度も導入した。そういう制度を組み合わせることによって、しっかりとした情報を得て、しっかりとした判断をしていくという仕組みにしているつもりでございます。
○大門実紀史君 私、前回この委員会で申し上げましたけれども、百二条の第一項というのはやっぱり矛盾を持っていると。あれで公的資金何兆も入れるということになるとどうしても矛盾があるなと。結局、監査法人しかないんですよね。監査法人の判断ですぱっと決めてしまうしかないというふうになっちゃっているんですね、あれ。どうやったって、二兆円にしろ、これから分かりませんけれども、何兆円も入れるときに対して、行政がきちっとこのお金入れていいのかどうかという、本当にタイムスケジュールの立てようがないというのが百二条だと思いますので、百二条の一項そのものは矛盾があるということを御指摘しておきたいと。また引き続きやりたいと思いますけれども。 残りの時間、ちょっと予算委員会の続き的になりますが、お聞かせいただきたいと思いますけれども。 その前に、大臣はあれですか、昨日新聞報道ありましたけれども、九月にアメリカの大学に行かれるという話は、あれは全くのでたらめなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨日予算委員会が終わりまして議場の外に出ましたら、ぱっと新聞記者に取り囲まれまして、そういう質問を聞かれてびっくりいたしました。思わず不快感をあらわにして、もう全くのでたらめだというふうに申し上げたのがテレビに出ていたようでございますけれども、全くのでたらめでございます。 これは、公的資金、非常に大きな規模の公的資金注入をしようという非常に重要な政策の仕事をしているさなかに、まるで人が職探しをしているような報道がなされると。これはもう政策のクレディビリティーを大きく損なうものでありますので、弁護士を通じて正式に抗議をするということを検討しております。
○大門実紀史君 分かりました。私は早くお辞めになったらということを言い続けておりますけれども、個人的には、本当にそうなっちゃうと寂しいなというふうな思いしなくはありませんので。大臣と議論ができなくなりますからね。 最後、予算委員会の関連でいきますと、昨日、メガバンクのヒアリングをやったんです。まあ予算委員会、テレビでしたので名前出しませんでしたけれども、率直に言って、あれ、みずほなんですけれどもね。 予算委員会で午前中申し上げましたとおり、中小企業がどうなるのかと。これ率直なお話申し上げますね。この一年でどうなるのかと。みずほ、聞きますと、一兆四千億のオフバランスしたけれども、前年度ですね、この三月でですね。六千億、そのうちRCCに送ったという話なんですね。もちろんそれには、前年度ですから、大口が中心ですから、大口のRCC送り。中小企業もあったと思うんですけれども、予算委員会で申し上げたとおり、この一年は中小企業が残っていると、これはもう事実なんですよね。 どうするのと率直に聞きました。本当に一年で、大口といっても大企業ですから、金融支援もやりましたし、債権放棄もやりましたし、民事再生もありますし、いろいろ、いろんな手がありますね、企業再生という意味では。ところが、率直に言って中小企業の場合、再生していくといっても、これなかなか現場では、一人の行員が何人面倒見ているかとか、見られるかとか、これだけ考えると難しいんですよね。それで、もうバルクセールでやるしかないとか、RCC送りしかないと。RCCも一応企業再生と言っているんで、もうそれに期待するしかないみたいな、まあこれはもう本当に現場の率直な話なんですね。 私、もう今日のこの時点では、何党がどうとか、こういう意味ではなくて、本当にこの一年、中小企業が具体的に対象に、ターゲットにされる一年がこれから始まると。これ、本当にそのまま銀行は金融庁が言うからということでRCCに全部送っちゃう、あるいはバルクセールでやっちゃうと、これは大変なことになると思うんですよね。なかなか今技術力持っているいろんな中小企業もこの不況で困難になっています。そういうところは、ただ銀行との関係だけで、借入れの関係だけで処分されてしまうと、これもう日本経済にとって私大変な事態にこの一年なりかねないなと思っているんです。ですから、これはもう本当に午前中みたい、そういう方針やめなさいと思っていますけれども、その中でも、もう最大限、みんなで何とかしなきゃいけない問題に私なっているというふうに思うんです。 具体的にそれじゃどうしたらいいのかという話で、これはみずほだけではありませんが、ほかのメガバンクも少し言っていましたけれども、やっぱり二年、三年で、中小企業の場合ですよ、二年、三年ではい上がってこいというような、この二年・三年ルールはどうしても無理があると。もちろん中小企業の中でももうどうしようもないところもありますよね、率直に言って、もう実質破綻あります。これはもう市場経済ですから仕方がない部分もありますけれども、そうじゃないグレーゾーンのところはやっぱり相当整理されてきたし、この一年はされてしまうんですね、このまま行くと。 ですから、私、二年・三年ルールあるいは中小企業、銀行の中でも、メガバンクの中で今、子会社を作って企業再生部門と作っております。これは聞いてみると中堅以上ですね。もう少し中、小企業のところが、面倒見てあげれば随分違うと思うんですけれどもね。例えば銀行が、そういう今作っている子会社、いわゆる中堅相手の子会社だけじゃなくて、再生可能だと、ここは技術力あると、四年、五年待てば技術力あるというところにそういう枠組みを作ってやった場合、私はもうこの一年は特別な措置として、オフバランス化につながる措置というふうな新たな、何らかの新たな施策を設けないと、このまま全く進めたら、これは中小企業大変なことになると思いますが、何か新しいことを考えなきゃいけないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融再生プログラムを作りましたときに、我々やっぱり非常に強い決意で、主要行の不良債権比率は低下していってもらわなければいけない、しかし同時に、再生可能な中小企業については何らかの新たな措置も含めて政策を総動員させたいと、これは伊藤副大臣とも御相談しながら非常に強い決意で臨んだつもりでございます。 今いみじくも委員が何らかのオフバランス化につながる措置というふうにおっしゃいましたけれども、それ、委員御存じでしょうか、我々正にそういう措置を発表しております。これはRCCの中で信託勘定を使って、RCCの中の信託、これは、バンクに残したままで外部、すなわちRCCのノウハウを活用して、最長五年間そうした再生の可能にするシステムというのを、これ今年になってからだったですかね、昨年十一月ですか、発表をしております。今これはどうでしょうか、大門委員がおっしゃったようなイメージと正に重なっているものなのではないでしょうか。これを実効あるものに我々はしたいというふうに思っておりますので、これはオフバランス化に正につながる措置として位置付けておりまして、そういう措置を通じて、これ繰り返して言いますが、最長五年の期間を掛けて、御指摘のように中小企業は中小企業として独自に考慮しなければいけない要因があると思っております。 まあこれも一つでありますし、さらには、いつも申し上げておりますけれども、幾つかの新しい措置を組み合わせて、その中には、新規の中小企業に特化した新しい銀行、もし参入するところがあれば、我々としてはそれを歓迎する方向で是非考えたいし、そういうことを組み合わせながら、現実にやはり着地可能な方法を是非見いだしていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 その信託も聞いたんですけれども、やはりちょっと実態を是非聞いていただきたいんです、その信託の対象になるのはどれぐらいの規模かと。これはやっぱり同じなんですよね。 私が申し上げているのは、もう少し多数を占める、もう少し小さなレベル、しかもたまたま、ちゃんと商売やっていて、技術力もあって、大田とか墨田に多いわけですよね。ところが、もう金融関係だけで追い詰められていると。ところが、これちょっと見方変えて、一回滞った、二回滞ったで何かこうランク下げてというようなことをやらないで、もうちょっと先を見てやればもう生き抜いていけるんです、景気が少しでも良くなれば。そういうところがありますので、もう少しきめ細やかさが非常にこの一年求められると思います。 それと、とにかく社会問題化すると思うんです、このまま行けば、一言で言って、ざっと同じようなやり方やれば。ですから、新たな措置、例えばほかの銀行に、リレーションシップバンクにそういう企業を移した場合は、次のところで債権区分を変えると。例えばそういうことを専門にやる銀行でしたらあり得るわけですよね。だから、そういういろんな手を、新たな措置を含めてこの一年、是非至急御検討お願いしたいということを申し上げて、私の質問終わります。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君が選任されました。 ─────────────
○平野達男君 国会改革連絡会の平野です。 午前中の予算委員会の続きをちょっとやらせていただきたいと思います。非常に時間が短くて、かつテレビが入るということでどうしても時間までに終わらせなくちゃならないというオブリゲーションを感じながらやったという多少の言い訳がありますが。 言いたかったのは、最後に言いたかった、総理に、デフレは貨幣現象かということにつきましてのことなんですが、日銀は今金融緩和措置を、これは、デフレ対策というか、これをやることによってデフレを解消しようという明確な意図を持ってやっているんじゃなくて、今の経済がこれ以上落ち込まないように、例えば資金ショートを起こさないように潤沢に資金を供給しましょうという考え方でやっているはずです。その一方で、例えば日銀の政策会議でしたか、その中に副大臣が出て、ポートフォリオ・リバランシング効果の観点から、国債の買上げ、今たしか一兆二千億というふうな枠組みを、これは日銀、銀行券との、発行残高との関係で、今、月一兆二千億円ということで今日銀は買っているわけですが、これ二兆円までやったらどうかというようなことを毎回毎回要望されている。どうも政府の中で、これは個人の意見としてということを言っておるんですけれども、政府の中で、もっともっと金融緩和をすることによって、ひょっとしたらこれはデフレというのを解消しようという考え方があるのか。竹中大臣はそういうふうには、そういうことをはっきり明示されていませんが、どうもデフレは貨幣現象だと言うことによって、金融を緩和することによってこれが将来的にデフレの解消措置につながるんだというニュアンスを私は受け取るわけです。 ここの、今、日銀と政府が一体だというふうに言っておるわけですが、その政府と日銀との今の考え方にまだまだずれが残っているというイメージを私は持っていまして、これを確認したかったんですが、そもそも総理が私の質問の中身を理解されたのかどうかもちょっとよく分からなかったんですが、改めてここ、竹中大臣に、日銀の今の金融緩和措置という考え方と政府のデフレに対する考え方のずれというのはあるかないかどうか、これを改めてちょっと問い掛けたいと思いますが。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレは貨幣的現象であるかというふうに聞かれましたら、私はノーとは申し上げません。やはりデフレには貨幣的現象という側面が色濃くあると思っております。しからば、デフレはすべて貨幣的現象として説明できるかというふうに聞かれましたら、これはノーだと。すべて貨幣的だというふうには思っておりません。でありますから、委員会で申し上げましたように、やはり需要面からの努力も必要であるし、同時に金融面からの努力も必要である。政府、日銀正に一体となってやるべきことをやろうというのはその意味でございます。 しからば、政府の中で意見はどのように一致しているのか、政府と日銀の意見は一致しているのか、これは人によっていわゆる色の濃淡はあるんだと思います。しかし、私の知る限り、これは一〇〇%貨幣現象だと言う方は、学者の中にはいらっしゃいます、学説としてはあり得ますけれども、政策の実務を担当している人は一〇〇%貨幣現象と言う人は、これはほとんどいないのじゃないでしょうか。同時に、一〇〇%非貨幣現象であると言う人も、これまたいないのではないでしょうか。 ですから、私申し上げましたように、これは貨幣現象であると思います。でも、貨幣現象だけでは説明できない。その強度については若干これは差があるというふうに思います。そこは否定はいたしません。
○平野達男君 いずれ、今の経済の状況を見ますと、やっぱり資産デフレというのが非常に大きな問題だろうと思います。 りそなの問題についても、今日は予算委員会でもちょっと言いましたけれども、税効果会計の見直しが、これは大きなファクターになったことは私は否定しません。ただ、私はこれ引き金というふうに言いましたけれども、だけれどもその背景にあるのは、やっぱり業務純益がどんどんどんどん減ってきている、上げたとしても含み損で食われているという。これは全部の銀行に多分言えるんだろうと思いまして、このりそなの問題を解決すると同時に、やっぱり資産デフレをどうするかという大きなやっぱり問題があるんだろうと思います。 この資産デフレを解消するときに、金融措置でいくのかあるいは需要でいくのか。これは両方でいくんだというふうな話でしたけれども、少なくとも日銀は、金融措置については、これはあくまでも下支えの部分としてやる話であって、デフレの解消を明確に意図するというようなことは言っていないと思うんです。ここのずれを私は早く、まだ微妙なずれがやっぱり残っていますし、政府、日銀一体という中でのずれを早くやっぱり解消しなくちゃならないんじゃないかと。だから、この過程の中でETFを買えとか、先ほど言ったように政府の中で国債をもっともっと買い増ししろとか一杯出てきているわけですね。 こういうことをこのまま放置しておいていいのかなという感じが強くするというのが今日の趣旨でありまして、またいずれ、また総理にはもう一回どこかの機会でこのことはちょっと聞いてみたいなというふうに思っております。 それからさらに、もう一点は不良債権。今日は公認会計士の話でもう恐縮なんですけれども、不良債権で。 私は、まだまだ不良債権は遅れているんだ、処理は遅れているんだという声をあっちこっち聞くんですね。私は、実態というのはこれ分かっていませんから、持っているデータでしかこれはしゃべれないわけでありますけれども、少なくとも、特別検査もう二回やりましたけれども、一回目はかなり差が開いていた、今回の三月期の特別検査を見る限りにおいては差は相当縮まっているということは、監督部局と金融機関の中の、これが不良債権ですよというその認識の差というのがなくなってきているということだろうと思います。そうすると、資産査定についてはある程度レールに乗ってきて、資産査定がうまく進み始めている。あとは引き当てをどうするか。それから、三年ルールもデータを見る限りではしっかりできている。不良債権といえば一体、じゃ一体何が問題なんだろうかということが私自身よく見えなくて、それにしてはまだまだ不良債権が大変なことになるということが出ている。これは政府の説明不足なのか、いや実態はまだまだあるのか、この辺がよく見えていない。 何でこんなことにこだわるのかと言いますと、景気の対策を議論するときに、不良債権、いろんなファクターが出てくるわけです。しかし、これは前にも言いましたけれども、ある程度めどに付いたのがこういう段階まで来ましたよということをしっかり説明していって、あとこういうファクターがありますよということをやっぱりきちっきちっきちっと整理しておかないといつまでたっても議論が終息しない。 今回の不良債権の問題についても、無税償却を必要じゃないかというのは、いろんな議論出ていますけれども、無税償却が、これやらないからまた不良債権を資産査定するときに出したがらないということなのか、不良債権はもうある程度資産査定きっちりしているんだけれども、これを要するにオフバランス化するときに銀行の資産が傷むから無税償却なのか。この辺の議論もちょっと私はよく見えないところがあるんですが、いずれにせよ、不良債権の問題については、今どういう状況で、あと何が問題残っているのかということをきちっとやっぱり説明していただきたいなと思います。 昨日の新聞では竹中大臣は、不良債権処理はまだまだ山は越えていないというコメントが日経新聞の中に出ていました。大手金融機関は山を越えたというふうに言っていますけれども、銀行の言うことと大臣の言うことには違いがあってもこれは不思議はないと思うんですが、じゃいつまでこういう不良債権がまだまだまだまだまだだという議論が続くのかということについてちょっと、竹中大臣のコメントをちょっとお願いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々は改革と展望の中で、あと二年程度は集中調整期間であるというふうに繰り返し申し上げております。この期間の間は、やはり本当に気を抜くことなくこの不良債権処理の加速、様々な改革の加速をやはりやっていかなければいけないのだと思っております。 山を越えた越えないというのはいろんな解釈できるかもしれませんが、この不良債権問題の終結のめどとして、御承知のように、不良債権比率を半減、半分程度にするということを掲げています。今私の認識では、昨年の九月期に八・一%であった不良債権比率が、先般の主要行の決算の報告で示されたように七・二%になった。四%台にするためには半期で、各半期で〇・八%ずつ減らしていけばちょうど半分程度になるという計算になる。その〇・八%という最初のスタートに関しては、最初の半年間に関しては〇・九%下げたと。その意味で私はグッドスタートだというふうに思っております。このグッドスタートを更にホップ、ステップという感じで数期続けられれば、それはいわゆる峠を越えたというか、山が見えてくるという感じに私はなるんだと思います。そのシナリオをやはり是非実現したいと思います。 そのときに、不良債権処理はまだ大変だと、そこそこまあいいスタートだと、その分かれ目としては、いろんな議論がなされているんだと思います。これはもう世間にはいろんな議論があります。例えば、特別検査一つ取っても、これは特別検査はいわゆる大口の債務者しかやっていないじゃないかと、小口のやっていないじゃないか、そこにいろいろあるんではないか。それは議論としてはいろいろあり得るんだと思います。主要行に関してはそういった目標を定めているけれども、それ以外に関しては定めていないじゃないか。それはそういう議論もありましょう。 我々としてはしかし、まず、まず主要行について、しかも主要行の中で大きなウエートを占める企業に焦点を当てた検査において、まず問題がしっかりと解決に向かっているというところを見せていきたい。これ全部すべてに戦線を広げるということは、これは現実問題としてはやるべきではないと思っております。そこにこの二年間の焦点を当てて、是非その解決に向けて努力をしていきたい。その意味でのグッドスタートではあるというふうには認識をしております。 ただ、その中でやはり解決といいますか、留意を要する問題があるとすれば、それは正に平野委員がおっしゃった、やはり経済が厳しい中で新たな不良債権が発生してくるリスクがある。我々の今のめど、特にこの半年間の状況を見る限りは、新たな不良債権は発生してきてはいるけれども、それは決してオフバランス化していく速度より速くはない。だからこそ残高としての不良債権は減っていくわけでありますけれども、そういう軌道に今は乗っているというふうに私は認識をしております。 しかし、これは将来の不確定要因でありますから、この点はマクロ経済全体がダウンすることのないようにしっかりと管理をしながら、その中で予想を上回るような新たな不良債権が発生しないように、やっぱりそこはしっかりと努力をしていかなければいけないポイントだと思います。
○平野達男君 この問題についてはまた引き続きいろんな場面でお聞きしていきたいと思います。 それで、公認会計士の方なんですが、その前に会計制度ということにつきましてちょっとお尋ねしますけれども、時価会計がいわゆるビッグバンという導入のときに導入を決めて、どうもいろいろお話聞くと、今年辺りに大体定着してきたと。結構長い時間が掛かったと思いますが、結構長い時間掛けてその定着を図ってきたということだと思います。あと一方で、減損会計を導入するかしないか、導入が一応決まったということになっているんですが、すべきかすべきでないかということでまだ議論があるようなんです。 この時価会計にせよ減損会計にせよ、特に時価会計なんかは、デフレ下のときには結局含み損をきっちり計上しなさいよということになっていまして、これを導入したことによって、企業がいろいろ運営するときには、本当はデフレは投資行動、投資意欲を、投資をどんどんしてもらわなくちゃならないんですけれども、時価会計を導入することによって投資意欲が結局減殺されてしまうよというような、そんな批判もあるようです。 この会計制度が今までどういった考え方で変更がされて、これからどういった考え方で減損会計あるいは導入がされるのかという、会計制度の何というんですかね、流れといいますか、流れ、考え方といいますか、その基本的な考え方をちょっと御説明していただきたいんですが。
○副大臣(伊藤達也君) そうしましたら、私から流れの方を御説明をさせていただきたいと思うんですが、先生今御指摘がございましたように、平成八年に我が国の場合には金融ビッグバンというものを決断をして、その一環として、フリーそしてフェア、グローバル、そういう観点から会計制度も併せて整備をしていくと、そうした流れの中で、今日までに、退職金の退職給付会計でありますとか、あるいは税効果会計でありますとか、そして金融商品の会計等の会計基準というものの整備を進めてきたわけであります。 これに加えて、経済取引あるいは企業活動の高度化、複雑化そして国際化、こうした急速な変化が起きてまいりました。これにさらに適応していくために、政府からも独立をして、また特定の団体の影響を受けるのではなくて、民間の会計基準主体というものの中で公正妥当な会計ルールというものをしっかり決めていかなければいけない、そうした観点から財団法人の財務会計基準機構というものが設立をされてきたわけであります。これまでに、二つの会計基準そして十五の実務指針等を公表するなど、活発な活動がなされてまいりました。 この委員会においても、投資家の信頼を高めて市場機能の活力を維持向上していくために、市場のインフラである企業会計制度の充実強化は大変重要だというお話が続いているわけでありますけれども、私どももそうした認識に立って企業会計制度の充実というものをしっかり図っていきたいと、このように考えているところでございます。
○平野達男君 分かりました。 いずれ、こういう会計制度導入が必要だろうと思うんですが、例えば税効果会計にしても何にしても、景気が良けりゃ全然問題にならない、本来的にはですね。問題にならないはずなんで、逆に言えば、本当にいい会計制度、あるべき会計制度であれば、本当であれば一番景気のいいときにやっておくべき話だったはずですね。それが本当にそれが先送り先送りされて、景気が悪くなったときに、デフレという状況の中でこういう時価、減損会計あるいは税効果会計の見直しをしなくちゃならないというのは、これは今までの何人かの皆さんの御指摘もありましたけれども、非常に不幸なことだというふうに思います。 先を見通して政策を導入するというのは非常に難しいと思いますけれども、そういうことができなかった一つのツケが今来ているんだろうというふうに申し上げまして、あと一分ありますね、一つだけ質問させていただきたいんですけれども、公認会計士ですね。 今回で五万人を何か確保するんだというふうにお聞きしました。岩手県では今公認会計士十四人しかいないんだそうです。それで、最近の試験の合格者、第三次試験の合格者を見ますと七百五十五人で、五万人を何年まででしたか、三年か四年後ぐらいまでに何か確保する。平成三十年ですか、これ。それまでに確保するためには何か三千人ぐらいずつ毎年合格させにゃいかぬという、そういう数字を聞いて若干びっくりしました。 数が増えますと、公認会計士さんの中で非常にいい競争が起きて、いい意味での競争が起きて、切磋琢磨すれば公認会計士の資質が高まるということも想像できますし、多分そのように期待したいと思うんですけれども、同時に、この七百五十五人の合格が三千人という枠に増やすことによる資質の問題、これをどうやって担保するのかというのが一つと、多分これから、もう一つは、合格したとしても、やっぱり公認会計士さんに資質をどんどんどんどん向上してもらえるような仕組みというのをやっぱり構築しなければならないんじゃないかなというふうに思うんですが、最後にその点をお聞きして、答弁は簡単でいいですから、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 公認会計士になるためには、単に試験に合格するだけじゃなくて豊富な実務経験が必要でございます。今回の改正でも、試験合格に加えまして、二年間の業務補助等の修了及び日本公認会計士協会によって実施されます統一考査の合格、こういうものを含む実務補習の修了を行政が確認することを公認会計士登録の要件といたしております。 また、公認会計士となった後につきましても、公認会計士としての資質やモラルの維持向上をさせていくことが重要でございまして、公認会計士協会の実施いたします資質の向上を図るための研修、これを受けるものとすることを法律上明記させていただいております。
○大渕絹子君 公認会計士法が大変、三十七年ぶりですか、改正されて、時宜を得ているというふうに思いまして、賛成をする立場は立場ですけれども、質問をさせていただきたいというふうに思います。 衆議院でも参議院でも、非常に第一条一項の、会社等の公正の事業活動の保護を図りというところを、ここについて非常に問題視がされて、激論がされてまいりまして、私たちは、ここ立法府は、政府が出されてくる法案あるいは議員立法で出された法案について、不備があるものについてそこの場所で直していくことを任務としている委員会だというふうに思うのですね。 衆議院でも参議院でも同じような問題が提起をされ、しかも修正案も出されてくるという状況の中で、本来ならば、これが閣法で出されてきた法律ですから、官僚が作られた法案だとすれば、大臣が判断をし、皆の議論を聞いて、この文言について不要だというふうに思えば即座に削除し、委員長提案でこの場所で修正案を成立をさせて衆議院に送るということは十分に可能なわけなんですよね。ところが、そうした議論には全くならないで、何か議論がかみ合わない中でやむなくこのまま放置をされていくということであるならば、私たちは国会議員としてここに何のためにいるのかという、そういう物すごい不信感があるわけなんですよ。 大臣、この第一条第一項の「会社等の公正な事業活動」という文言を削除をしたならば、この法案の、この「公認会計士の使命」というところに何ら支障が起きるのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この法案を作る過程で、これは専門家、与党の皆様方、いろんな方々の御意見を賜りました。その中でそれぞれに、これは皆さん国を良くしよう、この法律を良くしようと思っていろんな意見をおっしゃってくださいます。その中で、最終的には私自身が、このような文言が皆さんの意見を集約するものとして一番良いのではないだろうかということで、案を作ってお出しをしているわけでございます。 その意味で、この例えば一つの文言がなくなったらこの法案がひっくり返るといいますか、その価値がゼロになると、そのようなものではもちろんないかもしれませんが、我々としては、お出ししたものはやはり現時点でベストのものであると、そのように判断をしている次第でございます。
○大渕絹子君 竹中大臣は、せっかく、国会議員からでも官僚からでも登用されたのではなくて、本当に民間から、普通の国民の中から大臣に登用されている人なんですよ。その方が、率直にこの文章を読んで、この文言が必要かどうかということを私は尋ねているんです。本当に必要だと思っていられますか。 参考人の八田教授が、グローバル化の社会の中で、国際社会から失笑を買うような規定については存在しないようにすることは重要であると述べた中で、その後で、この第一条の「会社等の公正な事業活動」の文言は、誤解を招くものであり、国際社会からは誤解を招くものであって、削除をすることが望ましいということを明快に述べているんですよ。 竹中大臣は、アメリカにもお暮らしでいらっしゃいまして、グローバル化の中で、会計士法というようなものが世界の中で、この会社の利益というようなものをうたっているような法案があるのかどうかということは十分分かっておられるというふうに思うんですね。 そういう中で、更に私申し上げさせていただければ、参考人質疑の中で、公認会計士協の会長さんが、自分はこういうふうな法案にしてほしいとは言わなかったんだと。第一項では、要望書の中では、「公認会計士は、財務及び経営に関する業務を通じて財務情報の利用価値を高めるとともに、監査業務を通じて財務情報の信頼性を確保し、投資家の保護等を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを使命とする。」。第二項、「公認会計士は、前項の使命に基づき、監査及び会計の専門家として、常にその知識及び技能の修得に努め、独立した立場において、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」、こういうふうに規定をしてほしいということが要望書で出されていたわけなんですよね。それなのにこういう文言になってしまっているんですよ。 もちろん、その参考人質疑の中では、様々な意見があってこうなってきたことに何ら問題はないというふうに会長さんは答えておられましたけれども、八田教授は、これは問題であるので削除しろと、こう言っているんですね。 私は、両方の方の意見を聞いて、やはりこれからこの公認会計士制度が充実されて、特に監査制度というのがきちんとしていかなければ、証券市場等にも日本の信頼性が得られないということであるならば、ここは明快にしておく必要があるというふうに思うのですけれども、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、委員の御指摘の中で、失笑を買う、世界の失笑を買う文言なのではないかと。そのときに会社の利益というふうにおっしゃったんでありますが、もしもこの文言が本当に会社等の利益の活動のためにというふうに書いておりましたら、私は絶対こういったものを提出はしておりません。会社の、については、これはもういろんなことがいろんな段階で議論をされてまいりました。会社のために役に立つというような御主張もあったことはあったというふうに思います。 しかし、ここは是非そのまま読んでいただきたいですが、私はこの法案でいこうと思いましたのは、「会社等の公正な事業活動」です。エンロン等々、やはり不公正なことが起きていた。会計士は、もちろん職業人として財務諸表その他の情報を確保するために、そういったことを手段を、そういった一つのプロフェッショナルとしての手段を通して仕事をするわけでありますけれども、そのときに、何々を図り、つまりどういう意図を持ってやるのかと、会社の不正を許してはならない、投資家を保護しなければならない、そういう意図を持ってやるんだと、それが結果的に国民経済の健全な発展に寄与するんだと、私は素直にそのように理解をいたしました。「会社等の公正な事業活動」、正にエンロンのような不正なことをやってはならない、私はこの文言をそのように読んでおります。
○大渕絹子君 その文言が、「会社等の公正な事業活動」等を削除したとしても、その前段のところに「独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、」と明快に書かれていますよね。だから、ここはなくたって、そこの会社のその財務に関する情報の信頼性を確保することが公認会計士の使命だということは明快に分かるわけですよ。ですから、その後のこの一言はなくても公認会計士の使命としての法文たり得ると、私はそういうふうに思う。 解釈の違いだから、ここはどんなにやっていてもしようがないのですけれども、私はせめて、竹中さんのような大臣が来られて、そして政府で出されてきたものに対しても、衆参の委員会の議論の中で同じことがこうやって繰り返してやられていった場合には、ここはやっぱり決断をしてもいい場面ではないのかなというふうに思いましたので、あえてしつこく言わせていただきました。是非お考えをいただきたいというふうに思います。 それから、公認会計士法の十七条、十八条では、公認会計士協会というのでしょうか、そこの位置付けについて非常に明快に、公認会計士になるためにはこの公認会計士協会に、その名簿に登載、登録をしなければ公認会計士とはなれないというふうになっているわけなんですけれども、これはもう前に作られた規定ですので、今回このことが議論にならなかったのかなというふうに思いながら、さらに今回、第二十八条の中で、「公認会計士協会が行う資質の向上を図るための研修を受けるものとする。」ということが法文化されてしまったんですね。 従来、公認会計士協会では資質の向上を図るために自主的な研修をずっと続けてこられていて、あえてここに法文化をして法律で義務付けるというようなことは私は必要でなかったのではないかというふうに思うのですけれども、これはどうした中でこういうことが盛り込まれてきたのでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) 今回、先ほどもお答え申し上げましたが、公認会計士協会の行う研修制度、これを受けるものとするというふうに規定させていただいております。この件につきましては、金融審議会の中でもいろいろと御議論ございまして、中では公認会計士の登録更新制度というような議論にまで至っておったわけでございますが、そういう議論もあったわけでございますが、そこの、これにつきましては、今やっております研修制度、これをやってもらうことによりまして、その後の経過を見た上で、またその登録更新制度についても判断していこうというような流れから、今回その研修制度をやらせていただくことにしてあります。
○大渕絹子君 それでは、諸外国の中で、欧米諸国、特にアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスというのを私は資料でいただいているんですけれども、この会計士団体が強制加入になっている国はございますか。
○政府参考人(藤原隆君) 諸外国におきましてはいろいろなケースがございます。強制加入もございますし、強制加入じゃない場合もございます。
○大渕絹子君 米国、イギリス、ドイツ、フランスと私は申し上げましたが、どうですか。
○政府参考人(藤原隆君) その中ではイギリスが、その監査をやる、やれないの資格によって分かれております。
○大渕絹子君 いずれも強制加入ではありません。しかも、団体が一つではありません。イギリスには三団体ありまして、どこを選ぶかというのはその公認会計士の選択にゆだねられているんですよね。 そういう状況の中で、日本には、十七条、十八条の規定でたった一つの公認会計士団体である公認会計士協会に登録が義務付けをされて、さらに今度二十八条で研修の義務付けがされる。もちろん公認会計士の資質を高めていくということは極めて重要なことでありますけれども、国家試験によって選ばれた公認会計士がこうした拘束をこれからもずっと受け続けていくことに私は少し疑問があったものですから今回取り上げさせていただいたわけですけれども、さらに、先ほど参考人は答えましたけれども、さらにあれでしょう、更新の制限を更に加えていこうというようなことも検討されたに聞かれています。今回はそのことを見送られたということですけれども、そういう中で、ううん、いいのかなというふうに思うんですよ。規制が更に強化をされていって、公認会計士の職域にまで法律が、何というかな、枠をはめていくような状況が強まっていくことはいいことではないのではないかと私は思うものですから、今日発言をさせていただきました。 それからさらに、もう最後になりますけれども、公認会計士業務全般を監視監督をする専門家集団から成る公的機関、これは民主党が非常に法案を出して積極的に作るべく働き掛けていますけれども、いまだに実現をしていないわけですけれども、こういうことの必要性というのは、大臣、どう考えていられるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本版SECをどう考えるかと、そういうお尋ねなわけでございますけれども、これは何度か御答弁をさせていただきましたけれども、いわゆる市場の監視機能を強化していくということに関しては、これはもう全く私もそのとおりだと思います。 それを証券だけ独立させてやること、そういう組織作りが良いか悪いかという点がやはり今問われているんだと思いますが、以前申し上げさせていただきましたけれども、世界の金融の動向を見ますと、いわゆる非常に複合的なサービスを行う金融コングロマリット等々に対応して、むしろその監視のものも、監視の主体もどんどんどんどん統合されていっているような動きがある。アメリカがその例外なわけでございますけれども、我々としては今の段階で、何といっても日本の証券等取引監視委員会、その規模そのものがまだやはり大変小さいということもあります。これをやはり拡充する、それを機能を強化する、その方向の中でどういった組織形態が一番良いのかということは、これは引き続き検討していくべき問題であるというふうに思っております。
○大渕絹子君 最後ですけれども、民主党が修正案を出されています。私は本質的には賛成をしたいというふうに思っているんですけれども、その中の第五項の中に「就職制限に関する規定の削除」というのがございまして、二十八条二項に今回、「公認会計士及び監査法人の監査証明業務を執行した社員は、会社等に対して監査証明業務を行った会計期間の翌会計期間終了までの間は当該会社等の役員等に就いてはならない旨の規定を削除すること。」というところがありまして、ここは私は、ここの制限はやっぱり一定程度必要なんじゃないかなという思いをしながら、修正案には、ここの部分はちょっと問題ですけれども、賛成をさせていただきたいと思います。 以上でございます。終わります。
○椎名素夫君 椎名でございます。 今、修正案の問題で第一条の話が出ておりますが、これ実は、この間、参考人の方がおいでいただいたときに私はちょっと妙な質問をしたんですが、公認会計士という名前を付けておりますね、こういうお仕事。この公認というのは一体だれが公認したのかねと、こう言ったんですが、どうもはっきりしないですね。 つまり、これ、恐らくアメリカのサーティファイド・パブリック・アカウンタントの、それが公認というようなことかというような話が横にずれてきて公認会計士と日本で言ったという感じなんだと思うんですけれども、しかし、そのアメリカのサーティフィケーションを持った会計士、会計のプロフェッションですね、プロフェッショナル、それからイギリスではチャーターですね、そういうプロフェッショナルな人たちがいると。いずれも、何といいますか、例えば日本で東京帝国大学というのがあって、東大になった。これは明治になってからできたわけですね、大学というものは、そもそも。しかし、例えばアメリカに行くと、ハーバードなんというのはアメリカ合衆国ができるより前から、百年ぐらい前から大学としてずっとあると。イギリスにもそんなのがある。それと似たような感じで私はあったプロフェッションだと思うんです。 それが、この間も言いましたけれども、ある意味では契約というか条約を結んで、我々はこういう仕事を担当しましょうというような約束事で、アメリカの場合はSECとの間の仕事の分担、そしてその中で、どうしても国としての必要がある場合にはこういうような言わば監督的なことも相談に乗りながらやりましょうという、この水平な関係に非常に近いと思います。ところが、日本の場合には、申し訳ないけれども、この出自はそういうもので、社会的なあれからいいましても、何というか、業者という感じであって、その監督官庁は大蔵省、今の財務省、金融庁と、こういうことにずっと流れてきているような気がするんですね。 そこのところをちょっと。今、大臣は、これどんどん進化していくんだとおっしゃるんで、大変結構だと思うんですが、進化する方向が、言うことを聞く業者というような感じで精密化していくと、また間違って、それこそ失笑を買うようなことだ、というよりも、全体としてまたこれは信用できないねという話にまた後戻りするおそれがあるということが私は非常に心配でありまして、それについて一つだけ伺えばいいんですが、我々、いまだに影響が残っているバブルというのがありました。あれは相当でたらめな話だったと私は思うんですね。 その原因はどこから来たかということは、これはもうまだまだ議論して解明されなければいけないと思いますが、起こっていた現象としては、要するに、会計のやり方というのは全部取得原価でやっていた。しかし税制の方はこれは時価でやっていた。資本調達も時価でやったと。それぞれの企業なりなんなりの会計ということからいえば、会計の本当に一番大事な原則である真実性の原則というのはどこかへ吹っ飛んじゃっているんですね、完全に。 それで、マクロの経済で見ると計算は合いませんから、あのときのバブルというのは、五百何十兆証券でバブルがあって、土地でいえば千百兆ぐらいですか、たしかあった。その分、一体、普通の経済計算では統計が出てこない。しようがないから、国民経済計算では調整勘定といってぼんと片付けた。税金も取れていないんですね。GDPに相当するところの経済活動の税収というのはありますけれども、しかし、この資産バブルで上がったところから取れたんだろうという税金は十兆に足りなかったという、ああいうでたらめなことが、その調整がビッグバン以来まだ付かなくて、いまだに我々は苦労しているというところは私はあると思うんです。 この進化していったところ、もちろん公認会計士法を変えただけで全部いく話じゃないけれども、これは非常に重要な一翼ですね。これも加えて、日本の資本市場の進化ということをきちっとした方向でやっていけばああいうばかばかしい話というのはもう起きなくなると思えるんだったら、私は安心してもうこれは賛成賛成と言って結構だという気がいたしますが、その辺りの方向感覚を是非大臣に教えていただきたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私が進化と申し上げたことに対して非常に深い御質問をいただいたと思っております。 冒頭におっしゃった公認会計士の公認という言葉は、委員の恐らく御指摘は、これはだれが認めているのかと。これは正に実は国家資格として国が認めているという公認の会計士。それに対して、欧米ではむしろ国がどうこう言う前に自然発生に、ハーバードの例を出されましたけれども、国ができる前に、一六〇三年にハーバード大学というのはできていると。それと同じように、すべての社会のシステムが先にできて、後から国なりがそれを追認するようなシステムであったのに対して、日本は、後れて近代化を始めた日本としては、むしろ国がリードをしてそういったアメリカの会計士制度、イギリスのチャータードアカウンタント協会の制度なんかを日本に取り入れてきた。正にその違いが非常に大きくあるんだと思います。 しかし、元々はこういう民間で自主的に出てきたもの。したがって意思決定のシステムも非常に分散されている。分散されているから、むしろ変化に対して非常に適応できる。日本の場合は、国が中心になったシステムの中で、正にバブルのときに全員が同じ方向を向いて、分散されていない社会の弱さというものをもろに出してしまった。 恐らく今の日本の公認会計士のこの法改正に当たっても考えなければいけないのは、やはりそういった分散型の制度で、分散の意思決定が結局は、その時々の変化、ショックを一番吸収していって、社会が長期的に目指すべき方向を誤らないように持っていけるんだと。そのシステムの中で今回のような法改正がその進化の方向にちゃんと貢献しているのかどうかと、そのような先生の問題意識なのではないかと思っております。今回、公認会計士の独立性をしたがって高めるという点での例えば配慮等々、今回法案の中に織り込んでおりますけれども、その意味では一つの重要な方向性であろうかと思います。 また、多様な人材を登用すると。これは、日本の場合はやはり始まりが国がリードした国家資格でありますから、これは国家試験であるということは引き続くわけでありますけれども、いわゆる入口が今までの画一的な試験だけではなくて、別のいろんな形で人材が入ってくるということも可能にしていく。数も増やして多様な人材を登用していく。その意味では、進化の方向に一応かなったものになっているというふうに私は思っております。 ただ、先ほど大渕委員が御指摘のように、例えば協会そのものに関して、一つの協会が力を持ち過ぎないか、そういったことの御懸念も一方ではあるのかと思います。それに対しては、今度はモニタリングのシステムを新たに導入して、そういった多様なチェックを行っていくということもこの法律の中では、一部でありますけれども考えている。 総じて、全体としてはそういった進化の方向に私は向かっていると思いますし、現実にそのような役割を果たせるように運用面でもやはり我々としては努力をさせていただきたいと思っております。
○椎名素夫君 結構ですが、日本の発展を振り返ってみると、明治の維新から近代化始めましたね。あの八幡製鉄から始まってみんな上からどかんと国でやり始めて、それはだんだん分散していったということはある。しかし、明治からずっと昭和にかけて、それから戦争に負けましたけれども、その後また国が主体になってやってきたという、この成功体験が強過ぎるので、民間はみんな業者というような感じがとても強い。この癖を私は抜かないといけないような気がするんです。 ちょっと前までは、コンピューターにしても、セントラルコンピューターをどんと据えて、それでそれに端末をつなげて、速い計算はみんな一か所でやってそれを配るだけだというところから、今のような分散型のインターネットのようなものができて、そして、それによって物すごい速い計算も組み合わせでできるようになっちゃっているというそういう方向、これは是非とも考えなきゃいけないと私は思うんです。 国家試験というのはなかなかきちっとやるのは大変ですから、最初はやってもいいけれども、本当は、立派なそれぞれの独立できるようなギルドみたいなものができれば、そこで試験をやって、それが資格を与えても決して困ることはない。むしろおっしゃったような多様性が出てくるというようなこと。これは公認会計士の問題に限らず、日本の産業の全般でそれをやらないとどうもいけないんじゃないか。やっぱり、国が親切なのはいいんですけれども、かゆいところに手が届くというより、かゆくもないところまでおせっかいするというところを、是非民間の大臣である竹中さんは援助していただくように少し努力をしていただきたいとお願いして、終わります。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として近藤剛君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について峰崎君から発言が求められておりますので、この際、これを許します。峰崎直樹君。
○峰崎直樹君 ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 御承知のとおり、過日、りそなグループの経営危機が表面化し、金融危機対応会議が初めて開催されました。その過程では、監査法人、被監査企業であるりそなグループ、監督官庁である金融庁の間で様々なあつれきがあったと報道されています。事の真偽はともかく、公認会計士業界あるいは監査法人が今後の日本経済にとって極めて重要な役割を果たすことをくしくも証明した出来事であります。 米国では、昨年のエンロン事件を契機として、会計士の交代制などを柱とする企業会計改革法、サーベーンズ・オクスレー法が成立いたしました。監査法人と被監査企業の公正な関係構築、監査法人の独立性強化などを企図した改革であり、企業会計に対する信頼性向上によって株式市場の低迷を打開しようとする試みです。 翻って、長引く不況と株価低迷、経済の地盤沈下にさいなまれる我が国の現状をかんがみれば、今般の三十七年ぶりの公認会計士法改正を機に、我が国においても企業会計の信頼性を高めることが不可欠と言えます。そうした観点から、監査法人と被監査企業の公正な関係構築、監査法人の独立性強化を企図して、以下の修正案を提案するものであります。 以下、主な修正点について御説明いたします。 第一に、第一条に規定された会計士の使命から、「会社等の公正な事業活動」という文言を削除します。過日の八田参考人の御意見にもあったとおり、この文言の意味するところが必ずしも明確ではなく、またこの文言があることによって、監査法人が被監査企業に従属する結果を招く危険性を排除するために、この際、当該文言を削除することが適当と考えます。 第二に、会計士にとって必須のスキルでありながら、試験では軽視されている簿記について、論文試験の独立した科目とします。 第三に、いわゆる会計士の交代制について、会計士のみならず監査法人にも交代制を義務付けることとするとともに、十年間に五年間を超えて同一の大会社等を監査できないこととします。監査法人と被監査企業の公正な関係構築のためには、今般の米国企業会計改革法並みのルールとすることが必要と考えます。この部分は本修正案の核心とも言うべき点です。 第四に、会計士及び監査法人の社員が監査証明を行った場合、その翌会計期間の終了の日までの間は当該会社の役員等に就いてはならないという就職制限の規定がありますが、当該部分については削除が適当と考えます。そもそも、民間人である公認会計士の再就職に政府が関与することは、結果として監査法人に対する監督当局の不当な圧力を誘発する危険性があるほか、憲法上の職業選択の自由にも抵触しかねないと考えます。 第五に、監査法人の業務管理体制を整備するに当たっては、監査証明業務の公正さに対する信頼が低下することのないよう特別の措置を講ずるとともに、社員数が百人以上の大手監査法人には、業務及び財産の状況の監査を行うべき機関の設置を義務付けることとします。企業会計の信頼性を高めるためには、監査法人の信頼性を高めることが必要であり、そのためには、監査法人自身のガバナンスの強化が特に求められると考えます。 第六に、会計士及び監査法人が虚偽の監査証明を行った場合、現行では刑事罰が科されていないところを新たに証券取引法において刑事罰を科すなど、罰則を強化します。 最後に、監査法人は独立した証券市場監視組織の下に置かれることが適当であり、民主党が衆議院で提出している証券取引委員会、日本版SEC設置法案の成立を図ることが必要であることを改めて申し上げて、修正案の説明を終わらせていただきます。 以上、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(柳田稔君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより公認会計士法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、峰崎君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(柳田稔君) 少数と認めます。よって、峰崎君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会