財政金融委員会 第11号
- 発言数
- 315 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/05/22
会議録
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 証券取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、日本証券業協会会長奥本英一朗君、株式会社東京証券取引所代表取締役社長土田正顕君及び株式会社大阪証券取引所代表取締役社長巽悟朗君、以上三名の方々に参考人として御出席をいただいております。 この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、本当にどうもありがとうございます。 参考人の方から忌憚のない御意見を賜りまして、本法案の審査の参考にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○入澤肇君 参考人の皆さんにはお忙しいところを御出席いただきまして、大変ありがとうございます。少しきつい質問になるかもしれませんけれども、是非率直に御答弁願いたいと思います。 今回の証券取引法の一部改正案は、何で今ごろになってしまったんだろうかなというふうな気持ちもするわけであります。要するに、証券市場の改革促進プログラム、これに基づきまして、だれもが投資しやすい市場の整備、それから効率的で競争力のある市場の整備というのを投資家保護の観点も踏まえて各種の規定がなされたわけであります。すなわち、証券会社の主要株主に対する規制、これなどもなぜなかったのかなというふうな感じでありますし、それから証券業の仲介制度の創設、さらに協同組合組織の金融機関による有価証券の売買業務に係る書面取次ぎの解禁。 今まで当然早くやっていなくちゃいけないことを今ごろやるわけでございますけれども、一応これによって貯蓄から投資へという非常に大きな流れを加速しようという機運ができてくるんじゃないかと私は思っているんですが、どうしても私理解できないのは、この前の有取法の改正のときに手数料依存体質からの脱却ということを言われていながら、一向にそれが改善されていない。五億枚とか四億枚とかの取引があれば一応の経営は成り立てると思う。最近の売買の状況を見ていますと、株価は下がっているけれども、十億枚ぐらいの取引はあるわけですね。 私は、貯金とそれから株と証券と比較した場合に、貯金するときにはこれは手数料も何も取らないわけですよね、下ろすときに税金取られますけれども。証券の場合に、株を買う場合に売買手数料を往復で取るのはいかがなものかと。少なくとも買うときには手数料を取らないで、そして売るときだけ手数料を取るというふうな片道にすることを業界内部で徹底したらどうかと思うんですが、お三方の御意見のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(奥本英一朗君) 証券業協会会長の奥本英一朗です。よろしくお願いします。 ただいま先生からの御質問、手数料の問題というふうに理解いたします。 御案内のとおり、平成十一年に手数料が完全に自由化されました。現在、インターネット取引等を含めまして、当時と比べますと極めて低価な手数料になっていることは事実でございます。 今、買いとか売りとかということでおっしゃられました。一つの考え方ではあるのかもしれませんが、やはりコマーシャルベースとしまして、それを売買するにつきましてはもろもろの経費が掛かる、その経費をやはり請求させていただくということはやむを得ないことなのかなというふうに考えています。 なお、当然のことながら、株を買っていただいたお客様がその店で必ず売っていただくという保証もないわけでございますし、技術的に片道だけどうかするというのは、個人的にはなかなか難しいことなのかなというふうには思っております。 ただ、全体の中でやはり今回の証取法の改正を機にいろいろな商いというものも工夫できるわけでして、その中で手数料の問題、今以上に業界として個々、個社それぞれが工夫していかなくちゃならない問題だというふうにも理解しております。
○参考人(土田正顕君) 東京証券取引所の社長をしております土田でございます。 ただいまの御質問は、主としてお客対証券業者の関係のお話だろうと思います。 私どもは取引所でございますが、取引所は客を直接相手にすることはございませんで、証券会社、言わば参加者と言っておりますけれども、その参加者を相手にして取引を仲介しておるわけでありますが、それはもうその都度東証のシステムを動かすわけで、そこそこの経費は掛かるわけであります。 取引所の場合は、極力多数の注文を集めまして、言わば豊かな流動性の下に適正な価格の形成を期待するということがございますので、極力、取引を取引所に集めたいというふうに思っております。今、もし片肺飛行的な手数料体系を取りますと、言わば、手数料を取られるところは取引所につながないで手数料を取られないところだけ取引所につなぐというようなことが仮にあれば、これは取引所としてやっぱりいろいろな業務に支障を来しますので、取引所につきましては、やはり往復その手数料をちょうだいするということが必要やむを得ないものと思っております。
○参考人(巽悟朗君) 巽でございます。 今、先生のおっしゃったような売りと買いというのは昔、信用取引にそういう制度がありましたけれども、私も、取引所の立場ですけれども、長年証券会社の社長をやっていましたので、徹底的な、もう自由化に備えては、グローバルな社会においては本当に手数料は自由化だと、それは先生のおっしゃるようなことも含めて各証券会社が考えるべき問題であります。 そのようなことにつきましては、もう早くから、自由化に臨みますときに、どんと来い自由化委員会というのを作りまして、すべてのことに対応できるということです。 これには、まず第一にコストダウンということはもう徹底して行わなければならぬということは、これはもう本当に事実でございまして、その上で、今掛かっています流通コストというのは、非常に協会も取引所も人件費は日本一でございます。そういうような非常にコスト高。海外の取引所のうちで、私も統計取りましたけれども、一番コスト高いです。もう一歩進みまして、海外に何人働いていてどうだという、その統計を取れば一番分かるんですけれども、私が個別に各世界の取引所を回りましてやりましたところ、これはもう非常に給料はべらぼうに高いと。それも三倍や四倍やという数字でございますから、その辺のところももう徹底してコストをダウンして、そしてそういうことにもこたえる、そして市場の厚みを増す、増やすということに尽きるというふうに思っております。
○入澤肇君 経営の中身が必ずしも、何といいますか、余裕がないというのは私どもも金融庁から話を聞いて知っているんです。ただ、与党の金融対策のプロジェクトチームでいろんなことをやりました。税制も、貯金に比べて当面五年間ぐらいは最終的な税率を一〇%にする、配当課税ですね。いろんな環境条件を作ってきているんですけれども、もう打つ手がないなという感じになっているんですね。 特に、個人投資家を証券市場に呼び込むためには、やはり売買の手数料の片道制みたいなことを目玉にして、そして個人投資家をどんどん引き込むということがないと、市場よく言われている、千四百兆円の貯蓄から投資への移行というのはなかなか進まないんじゃないかというふうに考えていまして、議員の中では比較的、業界がどう対応するかだけれども、そういう案は言ってみる価値があるなというふうなことで議論をされていたんです。 もう一つお聞きしたいんですが、アメリカのブッシュ大統領は、配当についての二重課税を撤廃するということを宣言しましたね。これについては、我が国の証券業界はどのようにお考えになっていますか、受け止めておりますか。また、こういうことを期待するかどうかも併せてお聞きしたいと思います。
○委員長(柳田稔君) 答弁は。
○入澤肇君 三人に。
○参考人(奥本英一朗君) 今、先生のおっしゃられたとおり、アメリカでは配当二重課税の問題が審議、議論されているというふうに承知しております。近々一つの答えが出るという新聞報道も出ておりますので、何らかの答えが出るんだというふうに思います。 実は、これも先生もう既に十分御案内のとおり、この四月から証券税制が改正になりました。配当課税につきましても、従来の形と変わった分離課税という格好で、一〇%という税率に変わったわけです。現在の低金利の中で、株式配当が持っている、株式が持っている配当の魅力、これは明らかに見直されてきておりまして、私どもも業界も、営業の手ごたえというのを十分感じているという報告を、つまり、株式を配当という格好でお勧めすることに対する手ごたえを十分に感じているということを報告は受けております。 現在、私どもとしまして、いわゆる配当課税は分離課税でございますので、その中で、じゃ、将来どういうふうな方向で議論をしていただくのかということは、いろいろな角度の議論があると思いますが、金融商品というものをすべて一本化したような、いわゆる金融商品一元化的な中で、配当問題、証券税制すべての問題での議論がしていただければというふうに期待は持っております。
○参考人(土田正顕君) 私どもは、今回の税制改正は、これは十分であるかどうかについては御議論はあろうと思いますけれども、やはり分かりやすさ、課税の簡素化という点では大きな前進であると思っておりますので、当面、この税制の浸透を図ることが大事ではないかと思っております。 それからまた、税制の議論をするのもさることながら、やはりそれぞれの立場で、取引所もそうでございますが、それから証券業者、さらには上場企業、それぞれの立場でやはり大きな貯蓄から投資への流れの促進ということでどのような努力ができるか、それをそれぞれ自分の立場で考え直して取り組んでいくことも大事であると思っておるわけでございます。
○参考人(巽悟朗君) このたびの税制改正、一歩進んだということは言えると思いますけれども、やはり先生の御質問の一般投資家のためということを考えますと、今後、長期的に株を持つにはどういう税制かという理想論をやっぱりきっちり詰めておかなければならぬと思います。 それから、先ほど前段先生がいろいろおっしゃいましたことにお答えしたいと思うんですけれども、やはり商品開発力というものが劣等国なんです。これを強めぬことにはいつまでたっても一般投資家が参入するような市場はできないというふうに思って、努力を進めなければならないというふうに思っております。
○入澤肇君 最後にもう一つ、これは土田参考人にお聞きしたいんですけれども、証券取引所が株式会社になったわけですね。株式会社になったことによって経営がどのように変わったか、例えば行政庁の介入の度合い、あるいは経営責任の明確化の問題、それから意思決定スピードの問題、それから外国投資家の信頼性は一層高まったのかどうか、この四点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○参考人(土田正顕君) 東京証券取引所は平成十三年十一月に株式会社に組織変更いたしました。それで、今現在、実は株式の公開をやがて考えておりまして、その道半ばでございますので、まだその経験を申し上げるには道半ばというか中途の感じがございますが、これまで私どもが感じましたところを率直に申し上げますと、やはり株式会社制度というのは仕組みとして非常に整備されておると。現在の会社法とか企業会計制度は、株式会社を中心に議論をし、しかも大変なスピードで日進月歩の勢いで整備が進んでいるわけでございます。そういう制度を取引所の運営に取り入れることによって、企業経営に規律を持たせるというところに、やはりこれまで感じたところでは最大のメリットがあると考えております。 その働きの一つといたしまして、例えば企業の合理化、経費の節減、それから意思決定の迅速化、その他についていろいろとメリットが出ておるというふうに考えるわけでありますが、例えば外部に対する説得力ないしは公開性というところを見ましても、私ども、実は取締役会の過半数は社外重役でございます。非常にそこで取締役会は緊張感が増しておりますし、また外部に説明できないようなことはしないという意味で、内容の透明性、公開性というものは一応進んだと思います。 それから、当局との関係はなかなか微妙でございます。株式会社に転換することができるというときの証取法の改正で、特別、当局の権限関係が大きく変わったということはございません。それは従来と同じであります。ただ他方、当局の監督を受ける私どもといたしますと、新たに商法の規定によるところの取締役の義務、それから商法の規定によって、一般株主、ある程度の大株主でございますが、大株主が会社に対して物を言う権利、そういうものがきちんと法定された存在として出てまいった。例えば、改めて申し上げるまでもございませんが、取締役には善管注意義務、忠実義務、競業避止義務、自己取引禁止義務、こういうような義務が法律上の義務として課せられておるわけでありまして、当局の方も恐らくは取締役がそのような法的な義務を履行するということについてはそれなりにしんしゃくしていただけるものだと思っておりますので、その限りでは当局と取引所との関係は変わりつつあるということは申せるかと思います。
○入澤肇君 終わります。
○勝木健司君 おはようございます。民主党の勝木でございます。私も与えられた時間も十五分でありますので、お三方には大変恐縮でありますけれども、簡潔に分かりやすくお答えをいただきたいというふうに思います。 まず、市場活性化策についてお伺いをいたしたいというふうに思います。このところデフレがますます進行をいたしておりますし、またIMFなどでは日本のデフレが更に悪化するおそれがあるという報告書を出して警鐘を鳴らしておるわけであります。小泉内閣になりましてから日経平均株価は一万三千円台から今や八千円台、八千円そこそこまで下落をいたしておるわけでありまして、改革なくして成長なしと、経済のてこ入れではなくまず改革を実行することが先決で、株価対策など必要ないとの強気の姿勢を貫いてきた小泉内閣も、さすがこの異常さに市場対策、株価対策を検討すると言い出しまして、先週の五月十四日の閣僚会議で市場活性化策が決められたわけでありますが。 参考人のお三方の目からごらんになりまして、今回の市場活性化策をどのように評価しておられるのか、またこの考え方をお聞きしたいということで、お三方がそれぞれ考えられます市場活性化策についても、最も効果があると思われる策がありましたらお述べいただきたいというふうに思います。
○参考人(奥本英一朗君) 御指摘のように、大変厳しい経済環境、マーケット環境になっているわけでございまして、市場活性化策というのが非常に強く望まれるところでございます。私どもといたしましては、先月の四月の半ばに株式市場に対する緊急対策という形で関係方面にいろいろ業界としてのお願いをしたところでございます。 この活性化策、株式市場の活性化策というのは、基本的にはやはり経済の再生といいますか、経済そのものの活性化なくしてはないわけでございまして、そういった意味では、いわゆる景気対策、デフレ対策、そういったことが基本にはあると思います。 ただ、株式市場そのものだけ見ますと、現在私どもが非常に危惧しておりますのは、いろいろな需給関係の面でのアンバランスというのがたまたま一つの時期に重なってしまったと、それによる需給の悪化があるということを大変懸念しております。そういった面で、それに対するいろんな対策を講じていただきたいということを特にお願いしているところでございます。
○参考人(土田正顕君) 似たような御説明になるかと思いますが、やはり証券市場の低迷の背景、原因というのは非常に根深いものがございまして、なかなか一朝一夕というわけにまいらないのでございますけれども、やはり当面この低迷を打開するには、デフレの克服、それから日本経済全体の活性化が基本的には必要でございます。ただ、それはなかなか難問であろうと思います。 それはそれとしまして、やはり取引所から見ておりますと、株価はその都度の需給環境によって大きな影響を受けるわけでございまして、最近の株価の低迷にはいろいろ特殊要因も含めて需給環境の悪化が原因になっているということを感じております。その点につきまして、今度、ある程度需給環境を視野に入れて政府の方でいろいろな対策を取りまとめられたわけでございますので、私どもとしては、当面、各項目の早急な実施によって需給改善につながることを期待しておるわけでございます。
○参考人(巽悟朗君) ちょっとお二方とは観点を変えて申し上げますけれども、日本人に全然なくして欧米人にあるというのは、こういう投資環境におきましても、いろいろ自分の反省から、過去の反省から新しい株式投資とかいうのを考えるというのは向こうの特性でありまして、こちらは全然反省がないというところに問題があると思うんです。 ですから、一九九〇年、九一年、もう完全に世界がデリバティブ時代に入ったと。今、投資信託でも全部デリバティブを駆使してやっているわけです。そのときに、大証、大阪証券取引所は世界で一位になったわけです、九〇年、九一年。そのときに、株が下げているのは、これは現物が下げるのは先物が災いするからだと。東証のその当時の理事長は、犬のしっぽが胴体を振り回しているというような訳の分からぬことを言っておった。この理論は、これ今、全世界でどこへ行っても、この十何年間、私はどこへ行っても、どうなっているんやということを言われます。その結果、せっかくメジャーリーグと草野球ぐらいの違いまでのところを狭めようとした我々の努力は、完全に草野球がなくなって、全部スタンドへ上がったわけですよ。そこで、今そういう問題が起こっている。 そのときに益を得たのは、あの保守的なドイツが完全にゼロからトップに立ったわけですよ。今度もあれだけドイツ、この間も金融庁の大臣がおっしゃっていましたけれども、あれだけドイツは言うてるけれども、日本は五割やけれどもドイツは六割下がったと。違うんです。あれはEUREXが活躍することによってつないでいるわけですよ。ヘッジしているわけです。 ヘッジ機能が全然ないと。これではやっぱり外国人は、昨日も有力証券のトップが来まして、私にそれをるる言うていましたけれども、そこのところを一丁、国会議員の先生方にはよく考えていただいて、今後そういう間違いのないようにせぬことには、その上に立って、道具を取られておるわけですよ。道具を取られていて、今、これどうするかという話を今議論されているわけですよ。それでは、いつまでたっても日本の株式の理論というのはもう堂々巡りして、行き当たりばったりになる、思い付きになるということではないかということを強く申し上げておきたい。その結果、一九九〇年、九一年のそういう理論は間違っていたということを大証の三十歳の職員が昨年阪大で、大阪大学で博士号を取りました、これで。これも最優秀博士号を取ったわけです。それで、犬のしっぽが胴体を振り回したという人は今どう説明するんですか。その辺をもっとやらぬと日本の金融界は良くならない、金融劣等国、マーケット音痴、リスク音痴ということをいつまでも言われる原因だというふうに思います。
○勝木健司君 同じく五月の十四日に金融庁が株価対策の一環として取引所あるいは協会に対しまして個人株主の育成・拡大に向けたアクションプランの策定を要請したということでありますが、これについてお三方はどのようなアクションプランを策定する予定なのか、これも時間の関係で簡潔にお願いをしたいというふうに思います。
○参考人(奥本英一朗君) 簡潔に簡単に御説明します。 今度の戦略会議のような取組、これは実は私どもとしましてもかねて計画しておりました。こういったことの仕組みが大変重要なんだというふうに認識しておりますので、金融庁の戦略会議構想につきましては全く時宜を得たものというふうに思っております。 できましたら、早い機会に、月内にでも関係方面のメンバーをそろえまして、この検討に入りたいと思っております。基本的な問題、株式市場を今後どうすべきなのか、個人投資家の活性化をどうすべきなのかということについて、突っ込んだ議論を関係者間でできればというふうに思っております。
○参考人(土田正顕君) ただいま証券業協会長から御説明がありましたような動きがございますので、私どもは協会を中心に関係団体と協力して努力をしてまいりたいと考えております。 東証プロパーの話を一言だけ申しますが、私どもとしては上場会社の情報を東証のホームページに掲載する、そこについて何らかの新機軸を出したいと。 それからさらに、東証は従来から各種団体と協力するほかに、独自に投資知識普及のための活動でそれなりの実績を上げております。例えば、株式学習ゲーム。中学、高校を中心に、十四年度には千三百三校の生徒の参加を得たわけでございます。それからさらに、そのほか、各種のセミナー、これは投資家のみならず学校の先生や何かに対してもセミナーをやっております。 そのような従来からの実績を踏まえながら、更にこの充実を図りたいと考えております。
○参考人(巽悟朗君) 私は、金融庁の政策は時宜を得たものだと評価しております。 一つ、お二方の言われたことに付け加えますのは、これは現物株式投資に限定せず、デリバティブを含んだ商品というものの投資研究を個人投資家にしていただくということが一番大事じゃないかと。 もう今から二十年もなりますけれども、日本が初めて大阪の株先五〇を導入する以前に、シカゴの町というのはずうっと先物商品の垂れ幕が下がり、私もインタビューしましたけれども、買物かごを、日本流に言えば買物かごかけたおばさんが全部店頭へ現われてやったというのが今シカゴの活性化のあれなんです。当時の大島市長も、これはもうシカゴ経済を活性化したのはこれだということで、非常に力を入れようと言っていたわけですけれども、そういうものを含めた教育ということが必要だと。 私は、もう当時外国で、中学校の投資信託なんかでですね、中学生、小学生の、シカゴなんかでやっています、専門の投資信託なんか販売して、もう今、中小、小学校の教育が大事なんだということを言うていましたけれども、親が何も分からぬわけですよ。先生方も私らもそうやったって言うたら、おじいちゃん失敗してこれやと、こういうようなスタンスで株式市場に臨むのは、もう世界じゅうに類見ないですよ。 一つ、その点が一番問題だということです。
○勝木健司君 時間も迫ってまいりましたので、法律の中身について若干まとめて三点ほどお伺いしたいというふうに思いますが。 今回の証券取引法の改正案におきましては、証券仲介業制度を導入することとされておるわけでありまして、最終的には株式市場の活性化にあると思うわけでありますが、商品に魅力がなければ単純にアクセスを、機会を増やしただけでは効果は余り期待できないのではないかと思うわけでありますし、また、この法律の中では、仲介業者が複数の証券会社と契約を結ぶこと等可能とされておるわけでありまして、こういうことは、現在の制度においても証券会社外務員との間でのトラブルが多発していると。その上にまたこういう形で証券仲介という新たな制度を導入するに当たって、また複数のそういう証券会社と契約を結ぶという、メリットはあるでしょうけれども、やはり投資家保護の観点から不正事件とかあるいはトラブルを防止するためにしっかりとした業界ルールというものをやはり定めていく必要があるんじゃないかというふうに思いますので、その一点、業界ルールについてどういうふうに整備をされていくのかということと、二点目は、先ほどありましたけれども、取引所の株式会社化をされました。そしてまた、今回はこの法律で取引所の持ち株会社制度が導入をされた場合に、すぐに活用される考えがあるのかどうかと、そして、その場合は具体的にイメージはどういうふうに活用しようとされておるのかということと、三点目は、要するに、株式会社化され、持ち株会社化がされておるわけでありますが、本来ならば、従来の会員取引所のときには営利の追求を禁止されておったわけでありますが、今回の法改正によって、営利を追求する余りに自主規制機関としての役割というのがおろそかになりはしないかということで、そういう危惧する声もあるわけでありますので、その点についてそれぞれの代表の方はどう考えておられるのか、以上三点お願いをして、質問を終わりたいと思います。
○参考人(奥本英一朗君) 先生御指摘のとおり、仲介業の事故といいますかトラブルといいますか、そういうものの防止ということは万全を期する必要があると思います。 もう既に御案内のとおり、仲介業そのものは商いを仲介するだけでして、その裏には責任持った証券会社が介在するということになっておりますので、協会としましては、当然のことながら、証券会社各社に課している、あるいは証券会社の営業マンに課しているいろいろな規制、それから教育、その他もろもろのことを仲介業者についても同じようなことでやっていきたいというふうに思っております。 二番目、三番目につきましては、協会として余り分からないといいますか不得手な部分なんですが、ただ、最後の御質問のいわゆる自主規制と株式会社化という問題、これにつきましては、当然のことながら自主規制の重要さということは論をまたないわけでございますし、私どもとしまして、株式会社化になったことによってそういうものがなくなるといいますか、おろそかにされるというふうなことはあり得ないというふうにも思っておりますので、そのような角度からいろいろ御協力していきたいというふうに思っております。
○参考人(土田正顕君) 三点のお尋ねの中の二点目と三点目につきまして、簡単に御説明をいたします。 私どもは、株式会社になりまして、そこで当面、企業運営に規律を持たせることにある程度成功しておると思います。今後は、更に規律の上に立って業務を展開し、株式を公開するということも考えております。株式公開のメリットは、一つには資金の調達の便宜であり、もう一つは、やはり幅広く、投資家をも含めた広範な各層に株を持っていただくことによって取引所のステータスが一層公的なものになるということをねらっているわけでございます。 その延長線上ですが、持ち株会社云々については、当面、具体的なイメージは持っておりません。ただ、これはむしろ国際的な意味のいろいろの今後調整が、連絡調整、競争が本格化するときに選択肢を豊かにするということで、私どもは非常にこの改正は意味があるものと思っております。 最後に、営利性と自主規制の問題でございますが、実は取引所というものの性格が随分ここ数年変わってきておりまして、もちろん基本的には売買の場を提供することではありますけれども、そのほかに、言わば証券業者に対する自主規制機能、更には企業、上場企業に対して広い意味でコーポレートガバナンスを支援するという、そういう公共的な活動がどんどん広がってきております。 私どもは、そのような私どもの持っておりますところの公正で信頼性の高い市場であるということを追求する役割、これは非常に重要なものだと思っておりますので、いわゆる利益の追求と反するものとは思っておりません。むしろ、この市場の品質を高めることによって市場が更に発展する、そういうような好循環を期待しているわけでございます。
○参考人(巽悟朗君) 先ほど先生が言われました自主規制機関の問題ですけれども、これは大阪の証券取引所ではいち早く、日本で一番早く株式会社化したわけですけれども、これはもう完全に企画部門と自主規制部門は分けております。自主規制というのは、これはもう一番これからの取引所に必要なものだということで、冒頭からそれを挙げまして、それを中心に物事を考えるということにいたしております。 それから、各店をやってのいろんな証券事故の問題についてでございますけれども、私はかねがね業界の改革ということをもう常に申してきましたけれども、ルールを作ること、これはもう当然のことです。先生のおっしゃったようないろんなルールを作ることは当然のことですけれども、守るか守らぬかは業者にあるわけですね。なぜ、私も四十年近く社長をやってずっと見てきまして、これ、なぜこういう事故が起こるかということを考えますと、そんな堅いこと言うてたら商売になりまへんでというやつなんですよ。これがもう基本です。これをたたかぬといかぬと。 ですから、もっと、条文だけ何やかんや言うてんと、もう具体的にこれだと。それで、やった人間はもう厳罰に処すと。はっきり言うて、日本の金融界における処罰というのは軽過ぎます。アメリカの例を見ましても、もう格段の差があるということを考えます。そこの辺が一番のポイントではないかと思います。 それから、先ほど述べましたので、あれ、一言だけ言っておきますけれども、やっぱり商品開発力、売買技術、これは世界的に劣っているわけです。だれがこの芽を摘み取ったかということは、やっぱり政府にもあるということを申し上げておきたいと思います。
○勝木健司君 ありがとうございました。
○山本保君 公明党の山本保です。 私は、この部門はなかなか素人なんですけれども、今お聞きしていまして、言わないでおこうと思ったことを一回ちょっと言ってしまいます。 前に、柳澤大臣に怒られたんですけれども、先ほどでも、巽社長の方からも、おばさんが買いに来ているというような話がありまして、私は、株というのはやっぱり遊びとして、ギャンブルと言ったら言い方がおかしいかもしれないけれども、そういうものとして見た方がいいんじゃないかということを前、言いましたら、そんな、資産運用ってそんなものじゃないんだと前に怒られましたけれども、どうもその気持ちがまだあるんです。 ただし、つまり、今やもうギャンブルとかそういうもの自体が変わってき、社会的な認知というのが変わってきているんじゃないか。 以前に、何か、野村証券の物語ですか何か、中公新書を読みましたら、それまでの株屋さんというイメージをいかに変えるかということで努力したんだとか書いてあって、ああなるほど、それは先人は頑張ったんだなと思うんですけれども、でも、それは資本主義というのがやっぱりもうけるということがいいことだということを追求しなくちゃいかぬというときの話であって、私はいつも言うんですが、もうけること自体そんなにいいことじゃないという考え方も大事じゃないかと思っていまして、かといって、楽しむことは大事な人間の幸福の中の一つだと思いますから、そういう部門をということで、パチンコ屋さんだとか競輪競馬をやっているところでも株が売れないかということを前に言いましたら怒られたんです。 しかし、今回、といいましても、私も全く株は買ったことも見たこともありません、申し訳ありませんが。なぜ取っ付きにくいのかなと考えてみますと、今申し上げたこととは別に、一つはアクセスがやっぱりしにくいんじゃないかな、情報がないし、アクセス。新聞見れば株の欄があるじゃないかと思うんですけれども、まあしかし、あの株の欄なんというのは数字ばっかり並んでいまして、何だか難しい記号だとか書いてあるようなので全く読む気もしないですから、本当、この辺から変えてほしいなと思っていたんですが。 それと、もう一つはやっぱり信頼性で、これは同級生の、学生時代に株屋さんに入った人間が、二か年ぐらいで辞めましたけれども、物すごい調子のいいことを言って、何しろお客さんに何でもいいから売りまくってもうけるんだということをやれと言われておるんだということを聞いたこともあって、そんなのを聞きますと、やっぱり心配だなと思っているんですよ。 それから、今日もお話もあったように、この制度自体が何か問題あるのかななんて、こう思っていまして、それで、ちょうどそういう目で見ましたら、今回の法律がそういうことについて、まあこれ十分かどうか分かりません。そこで、お聞きしたいんですね、ちょうどそういうことが出てきましたので。 最初に、まずこれは会長にお聞きしますが、ほかの参考人の方からももしあれでしたら言っていただければ、時間配分難しいので、もし御発言あればお願いしますが、証券の仲介業制度ですか、こういうのができるというふうになっていますが、これはどのような効果をもたらすのかということについて専門の立場から教えていただきたいと思います。
○参考人(奥本英一朗君) 今回、証取法で新たに定められますこの仲介業につきまして、我々業界、大変期待しております。と申しますのも、仲介業ということの活用によって販売チャネルが大きく増えるというメリットがある。これはどういうことかということは、現在、株式の営業の中でネット等の商いも活発になってきておりますが、やはり対面営業、つまりお客様とお話しし合いながらする商い、これがやはり弱体し過ぎているのかなという気はしております。特に、新規参入、新規に株式を買っていただくようなお客様にとりましては、やはりいきなりネットというわけにもいかない、コールセンターというわけにもいかない。やはり営業マンと会っていろいろな話をする、聞くというのが大変重要な入口なのかなというふうに思っております。 ただ、残念ながら、現在のような環境の中で、店舗の展開、証券会社の店舗の展開が非常に厳しいのも現実でございます。なかなかペイするような格好での店舗展開は難しい。その中で、このような仲介業というものが認められることによりまして、その辺のところが十分活用できるメリットがあるというふうに考えておりまして、我々業界にとりましても、あるいは店舗網が必ずしも十分と言えない証券界にとりまして、お客様にとりましても、その利便性は十分提供できる制度なのかなというふうに思って、期待しているところでございます。
○山本保君 それで、じゃ、奥本参考人に引き続いてお聞きしたいんですが、今お話出た営業といいますか、そういう担当の、この場合は仲介業の方ですか、この方たちが本当に信頼できるものなのかどうか。やっぱり大きなところに、町の中心に大きな店舗を構えておるのでという、そういう感じもあります。それが、言うならば町の保険屋さんというか自動車保険だとか、あんな感じのイメージでよろしいんでしょうかね。私、ちょっとイメージがわかないので、どういうところでやられるのか。どれぐらいまず全国にできるであろうかという、また、それぐらいあったらいいかというふうにお考えなのか。そして、そこに行われている、今、対面営業、営業マンと言われましたけれども、こういう方というのは私どもから見て本当に専門性というのはきちんと持っておられるのかどうか、これについてお伺いしたいんです。
○参考人(奥本英一朗君) まず、どういうイメージかということですが、これからいろいろ展開するわけですが、仲介業というのは、そもそも自分でお客様と直接商いするわけじゃなくて、商いそのものをつなぐわけでございます。 したがって、今回の法律での、これからいろいろ政省令も細かく出てくることになるというふうに期待しているわけですが、当然のことながら、仲介業は、裏にある証券会社、裏といいますか、そのバックにある証券会社の名前をはっきり掲げる必要があるわけでございまして、そのすべての責任はその証券会社が負うという制度というふうに理解しております。したがって、お客様にとりまして、仲介業そのものの信頼というのは、掲げられている証券会社の信頼ということで理解していただけるのかなというふうに思っております。
○山本保君 全体の数等は。
○参考人(奥本英一朗君) 数につきましては、これはなかなか予想も困難なんですが、我が協会としましてこの問題につきまして業界にアンケートしている中では、かなりの証券会社が非常に関心を示しております。 特に、今、先生おっしゃられた証券のベテラン営業マン、ある程度の年齢に近づいた、あるいは定年退職間近になったような営業マンが自分で国へ帰って、あるいは自宅でそういったような営業をするとか、あるいはフィナンシャルプランナーとかいろいろ資格を持っている方々が世の中にはたくさんおられるわけで、そういった能力をこういった証券のお仕事に活用していただくチャンスも出てきているのかなというようなこともあります。いろんなケースがあると思いますが。 これからの動きということで、今から数の想定はなかなか難しいんですけれども、私としましては、冒頭申しましたとおり、大変期待もしておりますし、また業界全体も大変な関心を示していることも事実でございます。
○山本保君 済みません、もう一つだけお聞きしたかったんです。 外務員の資格というようなものを聞いたんですが、これは何か、聞きましたら、学生が就職するまでに勉強すれば受かりますよなんということもちょっと聞いたんですけれども、就職するまでに勉強すればすぐ取れるものだなんということを聞いた覚えもあるんですよ。その程度のものなのか。 それで、もっとちゃんとした段階などがあって、きちんとそこをやっぱり見て、ああ、この人なら大丈夫だという、そういう客観的な資格制度みたいなものはどうなっているんでしょうか。
○参考人(奥本英一朗君) 外務員の資格、簡単といえば簡単ですし、難しいといえば難しいあれなんでございますけれども、営業マン、その資格試験というのは現在もやっておりまして、昨年に新しく、五年ごとにやっぱり営業マンの資格ももう一遍再見直しするというような制度も取り入れております。 広くやっぱりいろんな方にこういったものを通じて証券知識を勉強していただくということもある面では重要かとも考えておりますので、現在、金融庁のプログラムの中にもあります、いわゆる資格試験のオープン化といいますか、だれでも受けられるような制度というのも取り入れることも検討しております。
○山本保君 そうですね。是非、資格というのはオープンでなくては意味がないという気がしますので、期待したいと思います。 それからもう一つ、先ほど入澤委員の方からもお話がありまして、この前もそういうお話を聞いてなるほどなと思ったわけです。正に今、株を買ってもらいたいとみんな言っているのに、どうも売る方が得になるような制度じゃないかなという気がしておりますし。 そこで、今回の改正の中に、自己売買の書面開示義務を免除すると。どういうことですかというふうに担当の方に聞きましたら、いや、これで、例えば私どもみたいな分からないのがお願いしておけば、はっきり言えば、もうかればそこからお払いするんだと。僕はそれは当然だと思うんですね。つまり、売ったり買ったりするときに手数料を取られて、それで御商売されたんでは、訳分からない、向こうにもう全部なんという具合にとてもいかない。結果的にもうかったですねといったときに、そこから会社の方がもうかるとすれば、これはもう両方一生懸命頑張ってもらえるだろうなと思うわけで、私、やっぱり株の一番信頼できない面はここじゃないかという気がしておるんですよ。 ただ、これが何か今度の制度改正でうまく動くんじゃないかというお話も聞いているんですが、時間もありませんので、お三方にこれについて、予定していなかったかもしれませんが、御意見をいただきたいと思います。
○参考人(奥本英一朗君) 先生のおっしゃる口座管理型といいますか、お客様の資産をお預かりして、ある契約を結んで、それによっていろいろ商いをさせていただくという、いわゆるラップ口座というふうに呼んでいるんですけれども、御案内のとおりアメリカでは大変盛んにはやっている制度でございます。 実は、これはもう既に認可されているんですが、今の規定で、投資顧問業という資格を証券会社として取る必要がある。その投資顧問業の資格を取るときに、投資顧問業法によりまして、お客様からそういう口座を預かったときには、自己が売買した内容をお客様に、自己ではこういう売買をしましたということを三か月ごとに報告する義務があるというのが制度上課せられているわけです。 ところが、現実には、大手証券になればなるほど、今商いがいろいろ複雑でございますので、機関投資家との商いの中で、一遍、自己向かいというようなことも必然的にやらなくちゃならない。詳しく言うといろいろ複雑になりますので簡単に申し上げますと、そういう中で、やっぱりほとんどの主要銘柄は自己が関与してくると。ですから、その売買の内容を全部お客様に報告するということは実際なかなか不可能に近いということで、せっかく制度がありながら活用されていなかった部分でございまして、今回の改正でそれが、書面によるお客様への提示が免除される。 ただし、その中で、内部におけるいわゆるファイアウオールみたいな制度というのが厳格化されるわけでございますけれども、書面によるというだけが免除されるということになりますと、大変、証券会社としてもそういった商いがやりやすくなる。お客様にとりましても、従来の一対一でやる商いよりか、全体をまとめて、証券会社と話し合って商いするというようなことができる。あるいは証券会社のサービスも、いろいろ工夫したサービスがその中ではお客様に提供できるんじゃないかということで、これも今回の改正の中で大変期待している部分の一つでございます。
○参考人(土田正顕君) 今のお話は、主として証券業者と顧客との販売チャンネルの問題、それから顧客のニーズをどのように証券業者が受け止めるかという問題のようでございますので、私ども関心は持っておりますけれども、証券業協会長の御説明に特に付け加えることはございません。
○参考人(巽悟朗君) 私も取引所の立場ですけれども、せっかくの先生の御質問でございますのでお答えいたしたいと思いますけれども、非常に私ショックに受けましたのは、本当に山本先生非常に尊敬しておりますけれども、心配で心配でかなわぬということは、アメリカの少年に、先ほど言いましたような投資信託をやっている少年に、株を買うということはどういうことやと、株を買うということは国を買うということだ、コカコーラを飲み、コカコーラの株を買うということは国を買うことだというような答えをします。やっぱりそういうような、資本主義もあそこまでいかぬと駄目ではないかというふうに思うんです。 ですから、アメリカにマン・アト・ワークとマネー・アト・ワークという言葉がありますけれども、これは訳し方が全然違うんですね。金も働くし、人も働く。これ、五分五分に話をアメリカはやっているわけですよ。日本の場合はそうじゃないと、自分がこうやってこうやってやっているのがこれ投資だというふうに思っている。それは大きな間違いだと。これはひとつ先生、率先してひとつ改めていただきたいと思います。
○山本保君 ありがとうございました。 終わります。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 今日は参考人の方々御苦労さまでございます。 今回のこの法改正なんですけれども、これは目的に明確に書いてあるんですが、要するに個人投資家の証券市場への参加を促進すると、そのためのインフラ整備だというふうに言われております。 私、三年前から、証券市場の民主化といいますか、こういった問題を取り上げてまいりました。市場への個人投資家の参加を促進しようというんであれば、これはもう大前提として、この市場、証券市場が信頼されるような市場にしなけりゃいかぬのだということを言ってまいりました。先ほど勝木委員の中で取引所等の信頼の問題も取り上げられたわけですけれども、正にそこにある。 政府の方としましても、三年前に現在の証券等取引監視委員会の高橋委員長が就任された際に、信頼の問題どころか、市場に不信が満ち満ちているということを言われたわけですね。三つの不信を払拭しないといかぬということを言われた。その三つの不信というのは、市場仲介者に対する不信、市場参加者に対する不信、そして監視当局自らへの不信、そういったものがあるんだと。だから、信頼よりも前にもうマイナスの不信からまず出発しないと、不信の払拭から出発しないといけないと、こういうことになっていたわけですね。 この不信といいますと、まず筆頭に挙げられておりますのが市場仲介者への不信ということですけれども、この市場仲介者といいますと、証券会社、そしてその自主規制機関たる証券業協会や取引所ということになると思うんですね。 そこで、ちょっと思うんですけれども、結局、証券会社が特定の市場参加者、そういったものを証券犯罪に加担するようなことがあれば、これはもう何をか言わんやですね。そういったことがないようにしないといかぬと。そのために何をしなけりゃいかぬかといいますと、こういった三つの癒着ですね、三者の。特に証券会社と取引所が癒着するというようなことがあってはならないし、それを監視当局が見逃すといったようなことがあってはこれはならない。どうしてもそこのところをきちんとしないといけないと思うんですね。 そういったところから、私、その大前提の不信払拭、信頼確保という面からちょっと参考人の方々にお話を伺いたいと思うんですが、まず最初に証券業協会会長の奥本参考人に伺いたいんですけれども、証券会社が取引所から特定の顧客を紹介される、紹介してもらう、こういったことが大体日常的にはやられておるんでしょうか。
○参考人(奥本英一朗君) 私、取引所のいろんな業務をつぶさに知っているわけじゃございませんですが、当然のことながら、市場開設者としての公正性、中立性、信頼性というのが大事なことは事実でございます。 今の先生の御質問ですが、どういうケースなのかよくちょっと分かりませんですが、日常的に取引所が紹介するとか、あるいは協会が何かをするとかというようなことは、これはないといいますか、あり得ないことだというふうに思っておりますけれども。
○池田幹幸君 土田参考人に伺いますけれども、東京証券取引所で、その東京証券取引所の役員、職員等が証券会社に顧客を紹介するといったようなことはやっておられるでしょうか。
○参考人(土田正顕君) 御質問の趣旨をちょっと受け止めかねておるわけでございますが、私ども東証では、これは当然でございますけれども、特定の証券会社に顧客を紹介するというようなことは行っておりません。
○池田幹幸君 重ねてちょっと土田参考人に伺いますが、紹介していないということは、紹介してはならないからだというふうに思うんですが、その理由について簡単にお話ししていただけますか。
○参考人(土田正顕君) 若干一般論になりますが、やはり市場運営には公正、透明であることが求められると思います。それで、またしたがってすべての取引参加者に対して公平、公正を期すように心掛けなければならないものだと考えておるわけでございます。
○池田幹幸君 巽参考人に伺いたいと思うんですけれども、参考人は、先日の衆議院の財務金融委員会にも出席されて、そこで佐々木憲昭議員の質問にこう答えておられますね。「初め、野口から私に電話があって、顧客紹介というのがあったわけですけれども、それは電話番号と個人の名前だったと思います。」と。 この野口と言われたのは、これは当時大阪証券取引所の専務をやっていた野口さんですね。その野口さんから顧客紹介を受けたということが答弁されているんですね。この紹介されたというのは、八木二郎さんというロイトファクスの社長であったわけですけれども、これはあなたが光世証券の社長の時代に経験された事実だと思うんです。 こういった顧客紹介を光世証券は当時大証との間で受けていたんでしょうか。
○参考人(巽悟朗君) お答えする前に一言申し上げたいと思いますけれども、せんだっての五月七日に衆議院の委員会に出まして、その一年前にもこの委員会に出まして私が証言したことをねじ曲げて、うそまで言って、私が、何といいますかね、相場操縦をやったと、張本人であるということが、明くる日の朝から赤旗と組合で大阪はもうそれを街宣運動をやられて、昨日なんかも、何かの記念日か知りませんけれども、東京へ来る前にだあっとそれをやるわけです。そういうことが、衆議院でも申し上げましたけれども、国政の壇上にそういうことを持ち出してやるのは、一体国政をどう考えておられるかということを申し上げたい。今後、私のここでやることをそういうことのないようにひとつお願いしたいと思います。 それから、ただいまの質問に対してお答え申しますけれども、今、お二方のあれとは違います。大阪証券取引所はそんな、大阪証券取引所として、そこに質問のおかしさがあると思うんです。皆、証券取引所の職員と同時に個人というものもあるわけですね。お客紹介というのは、個人株主の問題でもそうですね、やはり良質などこか紹介してくれるところないかと、それは個人として紹介を受けたわけであって、大阪証券取引所は現在もそんなことはやっておりません。 当時も私は証券業協会長をやっていましたけれども、正月なり、どんなときでも業者の言いなりになるなよと、そうしたら証券取引所としての機能が失われるということはもう全部記事に載っております。それを曲げてやることだけは絶対にやめていただきたい。
○池田幹幸君 参考人ね、私お伺いしたことにしっかりと答えていただきたいと思うんですが、あなたは、野口さんから八木さんを紹介されたということを証言されたんですね。紹介されたと、顧客紹介を受けたんだというふうにはっきりと答えているから、私、そのことについて伺っているんです。 そこで、委員長に申し上げますが、国政の場をかりて云々という表現は参考人として非常に不穏当な発言でございますので、今日は時間がありませんからそのことについてはここでやりませんけれども、後で御検討願いたいというふうに思います。 さてそこで、要するに、思い出していただきたいんですけれども、三年前にあなたが、私の質問に対しては、光世証券とロイトファクスの取引について知ったのはそのときではなしに三年後の調査委員会の中で知ったんだというふうに答弁されたんですね。ところが、実は先日の、私が申し上げましたように、もうそのときに取引の最初の段階から八木さん紹介されて関与したということを言われたわけで、結局、昨年、私への答弁は全く事実と違っていたということだと思うんですね。これはもうはっきりした。 そこで、改めて伺いますけれども、当時、光世証券の社長として、ロイトファクスが大証の関連会社、ペーパーカンパニーであるということを承知した上で結局取引を開始したということではなかったんですか。
○参考人(巽悟朗君) 何ですか。
○池田幹幸君 取引を開始した。
○参考人(巽悟朗君) 何が。
○池田幹幸君 大証の関連会社であるということを承知の上で。
○参考人(巽悟朗君) 私は申し上げたのは、今のは間違いがあります。ここで申し上げたのは、議事録繰っていただいたらいいです、私が、電話があってそれで紹介を受けたから会社へ電話したと。そのままなんです。それから、その後この問題が発覚したのも、私が、ナスダックとの提携のときにそういう関連会社があるということで僕が追及したんです。相場操縦についても私が告訴、告発しているわけです。その私がそんなことをやっていて何でできるんですかということ。 それからもう一つ、こういうことが発覚してから調査委員会がありまして、その調査委員会の終わりましたときに公認会計士の委員の方から光世証券の名前が出ていますよという話があったので、何でですかと言ったら、いや、そこのあれで、へえ、なら問い合わせてみますということで会社へ問い合わせたら、それが同一である、その当時紹介した人であったと、こういうことなんです。 言っていられることは全部間違いです。私ははっきり言いますけれども、先生どこの社会に住んでおられるか分かりませんけれども、私は、もののふの、国会というのはもののふの社会だというふうに思っております。私に、武士に二言はないわけであります。
○池田幹幸君 非常に極めて不穏当な発言です。これについては問題にしたいと思います。問題ありますね、あなたの態度は。 そこで、私は事実関係で押さえていきたいと思うんですが、紹介されたという、これはあたかも顧客紹介で知らない人を紹介されたように言うけれども、しかし、あなたは当時、八木二郎さんとはもうとっくの前からじっこんの仲だったでしょう。
○参考人(巽悟朗君) 私は、昭和五十年のあれに、先物取引を導入する委員会の、新構想研究会の会長をやっていたわけです。そのときに八木二郎という人がそのあれにおったわけです、事務局に。それから一回も八木二郎と話ししたこともなければ、今まで会ったこともありません。八木という名前だけで、聞いただけで、何でそれをひっ付けてそういうふうに考えられるんですか。
○池田幹幸君 ちょっと興奮しておっしゃられても困るんですが、私も一応調べてきているんですよ。あなた自身が、光世証券社史、これはあなたも関与して書かれたんでしょう。それの中にはっきり出ているじゃありませんか、あなたは。八木二郎さん、この人と一緒に何か新構想研究会というのをやってきた、自分は会長をやってきた、そこの事務局に彼がいた。そしてあなたは、これ何年のことかな、その後、三年後ですね、新構想研究会が新しい会長に替わるときにあなたはあいさつをしたと。そこで八木さんに対して、含めて、私は感謝いたしますというふうなことを堂々と述べているので、こんなことはもうあなた自身否定されること自身がおかしいと私は思います。 非常に時間が短いから次の質問に移りたいと思うんですが、結局、私は、紹介されたと言うけれども、初対面の紹介ではなしに、旧知の間柄のあなたと八木さんを紹介したということは、何らかの取引をするために紹介したとしか私には思えないんです。そういったことからちょっと質問をしたいと思うんですけれども。 今おっしゃったのは、この電話を受けた、それを八木二郎という名前だけじゃあの八木さんだとは分からぬから社員に紹介したと、こう言いましたね。だったら社員は、これ口座開設の話ですから、きちんとした仕事をしたと思いますね、おたくの社員は。なさったでしょうね。
○参考人(巽悟朗君) 当然ですよ。
○池田幹幸君 やったということを衆議院でも証言しておられる。 そうしますと、これ日本証券業協会のどこかの規則に協会員の内部管理責任者等に関する規則というのがある。その中で、内部管理統括責任者は、投資勧誘等の営業活動、顧客管理に関し、重大な事案が生じた場合には、速やかにその内容を取締役社長に報告しなければならないとあるんですね。調べたら、この八木二郎さんのロイトファクスという会社は大阪証券取引所が作った会社だということは、その関連会社だということは登記簿を取り寄せて見るだけで分かったはずじゃありませんか。
○参考人(巽悟朗君) 先ほど申しましたように、私は、新構想研究会が一つの研究会としては非常にいろんな提言をして先物が導入できたと。そのときの名前を言っただけで、それから全然会っていない。それは五十年の末なんですよ。それをさっきも申し上げているわけです。それをひっ付けてやられるということ。 それから、光世証券、野村証券、大和証券の商いと、日本電子証券、全然言わないんです。これ僕告発しているわけです。この日本電子証券何がし、全然違うんです。光世証券、大和証券、野村証券の商いは完全な一顧客としてあれなんです。その紹介とかなんとかいうのをあたかも罪を犯したごとくああいうふうに言うのは、僕は問題があるというふうに思っているんです。 光世証券の場合は、これは衆議院でもはっきり言いましたけれども、この間のここの財政委員会ではほかにも影響が出るから言わなかったんです。証券会社というのは、注文出ますね、これは受けられません、これは受けられません、これははっきり断るわけです。例えば、大引け関与になるとか相対クロスになるとこれは仮装売買の心配があるとか、そういうことになるわけです。ですから、光世証券の、私どもこの間いろんなあれを見ましたら、だっと消してある、これは何やと言ったら、全部断っているわけです、一注文一注文。それは、この間も佐々木議員が言われていましたように、とうとうと、某社は、これはこれは五つの理由で、これは一年十か月もたってやっているわけでしょう。そうした場合は、証券監視委員会がこれ全部摘発されるわけですよ、そういう場合は、一回一回、一注文全部違反しているわけですから。 だから申し上げなかったわけですけれども、光世証券の場合は、十年の十一月にも監視委員会のあれがありまして、その後も協会の検査も全部あって、そういうものは一切ないと、そういうことなんです。それをでっち上げて国政の立場でやるというのに私は問題があるということを言っているわけです。全然違うんです、この商いとそれから電子証券で行われた商い。これを私は告発しているわけです。 それと、先ほど言うたように、八木二郎は知っていた、知らぬと。光世証券の東京の人間はそんなことは一切知りません。登記簿を見ても、そんなことは大阪証券取引所のあれと一切知りません。ですから、ロイトファクスについては、そういう会社もあると、十二。それで調査委員会で分かって、それ、やりましたと、それだけの話で、その後、北村当時の理事長が、その会社、関連会社が十一社あったわけです、十二社。理事会の承認を得たのは一社、あと十一社は違かったわけです。そのうちに三が株式会社じゃなくして合名会社だったんです。その会社は先につぶさせてくれと言ったので、僕は委員長を呼んで、委員長、それ、いろいろ調査した上でつぶせるものならつぶしたらどうやという、そのときも全然分からなかったんです、そのことは。そういうことです。
○委員長(柳田稔君) 時間ですからまとめてください。
○池田幹幸君 まとめます。 参考人、巽参考人、あなた私に対して極めて失礼なことを言ったことについては、後で私は、委員長、理事会で検討していただきたいと思います。 それはそれとして、あなた私の質問に答えていないんだけれども、結局、顧客を紹介された、これは取引所からじゃないですよ、どこからでも紹介された、そういうときには、必ずその登記簿謄本、法人の場合には登記簿謄本を取り寄せて調べにゃいかぬということになっているんですね。それは当然どこの証券会社でもやる。もし光世証券がそれをきちんとやっていたならば、ロイトファクスの存在する会社、それがどこにあるのか、東京にあります。それからもう一つは、定款があるんですけれども、その定款の中でどうなっているのか、これを調べていきますと、何と追及すると、ロイトファクスは、出資者として八木二郎さんのほかにもう一人、松原公一さんというのがいるんですね。この二人が社員、それだけなんです。 松原公一さんの会社というのは、何と中央コンピュータサービス株式会社といって大証の関連会社なんですよ。そこにはあるということもはっきりするわけですから、これはもうそれを見ただけですぐに分かるわけです。それが分かれば、当然、管理責任者は社長に対して報告しなければならない、これは金融庁の検査マニュアルにもちゃんと書いてあります。取締役責任者はそれもやらなきゃいかぬし、管理責任者は報告しなければならない、そういったことまで書かれていることですから、そういった法規をきちっと守ればこのことははっきり分かったはずです。 そういったことについては答弁されなかった。このことも私は記憶に置いて、今日は時間がなくなりましたのでこれで終わりたいと思います。 それから、あなた自身の発言については深く反省していただきたいと思います。
○委員長(柳田稔君) 手短にお願いします。
○参考人(巽悟朗君) ただいま言われましたのは、そんなことはもう当たり前の話でして全部やっているわけですよ。それは金融庁、今度の検査でも全部それはやっておられます、何時何分にどうしてどうしてということは。何もそんなことを先生は心配されぬでもいいということです。 それから、松原という人間も、元大証の役員であったということは認めます。これは、私がなったときも、松原が何でこの役員になるのかと、どこの松原さんやと言うたら皆知らぬ顔をしていますので、三保の松原かと答えたのが役員会で全部言うているんですけれども。その人が、光世証券が行ったときに、この間はっきり分かったんですけれども、ロイトファクス総務部長松原何がしという名刺まで出してカムフラージュしているわけですよ。一切私には知らさぬ。何なら野口を呼んで野口に聞いたら分かるわけですよ。八木を呼んで八木を聞いたら分かるわけですよ。松原を呼んで聞いたら分かるわけですよ。
○委員長(柳田稔君) 巽参考人、手短に、もう時間も大分超過していますので手短にお願いします。
○参考人(巽悟朗君) はい。それで、そういうことで、委員長、ああいうことを、ちょっとした誤差を投じて十何年、二十何年間もぴしゃっとひっ付けて赤旗に書くというようなことを絶対やめていただきたいということなんです。
○委員長(柳田稔君) 時間も大分超過していますので、次に移ります。
○大渕絹子君 三人の参考人の皆さん、御苦労さまでございます。 非常に今の日本の経済というのは厳しい状況にあるのはだれも認識が一緒でございますけれども、小泉内閣になってからのこの二年余りにおいても、デフレは更に進行して、株価は平成十三年四月に一万三千四百円台を付けていたのが今は八千円を切る場面もしばしばあるというような状況にありましたり、あるいは国民所得の減少、失業や、それから企業倒産の増加は、これはもう本当に大きなものがございます。 財政赤字の恐るべき拡大と、日本経済が良くなったというものはこの二年間全くないわけでございますけれども、参考人の方々はそれぞれ証券業界トップの方でいらっしゃいますけれども、この今の日本経済に対して最も問題であるということはどういうことだというふうに考えておられるのか。そうした中でも、これから希望が少しでも持てる点があるとすれば、こうしたらどうかというような御提言がありましたら、それぞれお考えをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○参考人(奥本英一朗君) 先生今御指摘のとおりの現況であります。 ただ、振り返って、今、後半先生がおっしゃられました明るい展望があるとすれば何かということでございますけれども、まず国民金融資産、千四百兆という国民金融資産がある、それから上場企業のいわゆるキャッシュフローと称する余剰金、これはかつてないほど潤沢に持っておられるということは大変明るい材料で、他国に例を見ない部分だというふうに思います。逆に言うと、それだけの潤沢のキャッシュフロー、あるいは個人金融資産、これを活用できていない体制というのが、やはり今先生がおっしゃった、冒頭懸念された部分なのかなと。 やはり証券市場の活性化、あるいは個人のそういった市場参加というものを、我々自身努力しながら、やっぱりそういうものをそういうもので作っていきながら、そういったことを解決するのが我々に課せられた仕事なのかなというふうに思っております。
○参考人(土田正顕君) 経済全体についての批評を的確に申し上げることは私の能力に余るわけでございますが、株式関係で率直に申しますと、一つにはやはり、よく言われておりますような経済低迷の原因、これは銀行の不良債権問題、更にはデフレの進行、そういうような国内的な原因があります。それから、海外的にもこのところちょっと世界の株価はさほど順調ではございません。その影響もあるかと思います。しかしながら、これに対しましては、政府、首脳部を始めとして難問に鋭意取り組んでいただいておるし、今度も次々と対策を立てておられますので、何とか対策を早急に実施して、当面の問題は需給の改善だと思いますが、その需給の改善を実現していただきたい。 奥本協会長も申されましたけれども、企業そのものの、本体の経営といいますか、いわゆる営業利益、経常利益はすこぶる全体としては好調なのであります。さらに、この七月から始まる来年三月までの年度の予想も決して暗いものではございません。それがただ、いわゆる償却損とか引き当て損、引当金、それによって最終黒字が大きく減少する、ないしは赤字になるというのが昨今の問題でございますが、実体そのものが元気があるならば、それはやがては株価にも反映するはずであると思っております。 私どもの仕事は、どちらかというとそういう経済を論ずることではございませんので、市場を整備し関係者に言わば十分な情報を提供して、それで健全な投資をやっていただくと、そういう正に環境の整備が私どもの仕事でございますので、今後とも鋭意努力してまいりたいと思っております。
○参考人(巽悟朗君) 私は、小泉内閣の構造改革というのは正しかったというふうに思います。ただ、その進捗状況がちょっと遅々として進まないというふうな状態、これは非常に憂えております。それから、銀行の不良債権処理、これもより早急に抜本的な対策を行っておくべきだったというふうに思います。 ただ、一つ先生に申し上げたいのは、さっきも申しましたように、過去のいろんなことというものをもうちょっと検証して、だからこうだったと。今の現状はこうだということで小泉内閣を、小泉首相がどうだというようなことを言うのはあれだと思います。とかく改革というのは、私も改革者として入っておるわけですけれども、難しいものだということをつくづく感ずるわけであります。
○大渕絹子君 小泉改革の方向性は正しかったと、方向性というかな、やっていることは正しいという参考人の御意見でございますけれども、そうだとすると、どうして経済が上向き、まあ経済は少し上向き、企業の業績は上向きになりつつあるという土田参考人の御意見もございましたが、なぜ株価がこういうふうな低落を続けていくのかというところがちょっと私には理解ができないのですよね。そして、その改革の方向も正しく、企業の業績も上がってきておれば、当然株価は回復をしてくるというのが市場の原理だと思うのですけれども、それがなかなかそうはなっていかない。ということになると、この二年間、どこらかの場所で政策的な間違いがあったのではないかと私は思っているんですよ。 参考人の皆さん方は、この二年間のところで、あの場面でこうしておったらよかったんじゃないかというようなことは考えられていることはないのでしょうかね。もしあったら教えていただきたいというふうに思うんです。私は、不良債権処理を加速する余りに状況の判断を間違えた時期があったのではないかというようなことがあったり、あるいは銀行の持ち合い、企業との持ち合い株の整理をいわゆる促進をし過ぎてきたようなこともあったのではないかというふうに思うわけですけれども、参考人の皆様方はそんなことを考えることはないのでしょうか。
○参考人(奥本英一朗君) 生きた経済の中で、過去の対策、こうすればよかったとか、なかなか後になっていろいろ言うこと、これ自体なかなか難しいことだと思います。 実際、現在の株価がいわゆる企業業績、それから日本の経済の実態以上に売られていると、低くなっているという部分があるとすれば、やはりそれは現在需給関係がちょっと狂っているのかなということを私ども思っております。それにつきましては、たまたまいろんな、例えばただいま銀行の持ち合い解消というような問題、あるいは年金の代行返上に絡む売りとかいうのがたまたま一時期に重なってきちゃったと、それが一つの要因によって必要以上にやっぱり株が売られる要素になってきちゃったのかなというふうなことは思っております。
○参考人(土田正顕君) 大きな議論でございますので、大変私も的確なことは申しかねるわけですが、ただいま取り上げられておりますテーマ、需給関係ということについて、もう一つ余り世間でそこまでのことは言っていないようでありますけれども、この根は非常に深いものだということを申し上げますと、やはりかつて八〇年代後半、いわゆるバブルの時代に株価が急伸いたしまして、それでその株価上昇に合わせて何十兆円もの株が発行されたと。その株がしかも市場に出回るのではなくて、持ち合い株とか安定保有株というような形で消化されていったわけであります。 ところが、それが世の中が変わりまして、それが持ち合い株とか安定保有株が一転して市場で売却されるようになる。これはもう市場における大量の供給過剰をもたらすということは明らかであります。それに加えて、最近の事象として、協会長から言われましたような銀行の株式処理とか、それから代行部分の返上とか、そういうような当面のこれまた供給過剰をもたらすような現象が現われたと。 これに対して、さすがに需給関係の重要性というものを、僣越ですが政府は十分御認識いただいて、それに対していろいろな処方せんを打って出されておると。それは大変私は結構なことだと思います。 何が抜かったかということは特別申し上げたくありませんが、私は、全力を尽くしておられるとは思いますが、もう少し早くやっておられたらよかったなということは、例えば税制改正などで感じないわけではございません。
○参考人(巽悟朗君) 私は、先ほども申しましたように、やはり過去の反省に立ってどうすべきかということが改正なんです。ですから、空売りが増えたら空売り規制、そういうふうに矢継ぎ早にやって、そんなもんやないと。今はやっぱり、市場対策というのは全く一に、それは余り触らないというのが最大の市場対策だと思うんですね。 ですから今も、私は長年証券会社の経営に携わって考えますことは、証券行政と銀行行政は全然違うんです。接するたびに感じました。そういう異議も申し上げました。しかし通らなかったと。それ以上申しますと差し障りも出てまいりますのであれですけれども、そこがやっぱり一番の問題なんです。 ですから、バブルで皆発行したと、それがいかぬと。しかしそのときに、そのツールとして、ブレトンウッズ協定が破棄された後、先物でつなごうというのが世界的なあれだったんです。その世界的な道具を取り上げて、そして後どうかというところを一つも議論しないと。これはやっぱり国政の場で議論してほしいということが大事です。それがあれば、やはりこういういろんなヘッジ機能というのはなされるわけですよ。そこのところが一番の問題です。 当時は、先物を導入したときは私らも国際的な知恵比べで堂々と欧米に対して対抗するというつもりを持っていましたけれども、今、先生御案内のように、全部とにかく外資系、何や言うたら外資系へ持っていく。なぜこうなったかと。そう言いながら、株式市場には外資が五〇%もありますので、その外資の芽を摘むようなあれをやると、やっぱりここは、かくなる上は、やはり外資系にも、余り規制規制でたたいてやらずに、もっとやらぬと。欧州系は皆帰ると言うてますけれども、アメリカ系は頑張っていますけれども、やっぱりその辺のところを考えぬといかぬというふうに思います。
○大渕絹子君 ツバサ参考人には私さっきからお聞きを──ごめんなさい。巽さん、ごめんなさい。名前間違えたら失礼ですね。済みません。 大証会長さんに、さっきの、デリバティブの世界一になったところから規制が加えられてきて思うようにできなくなってしまったという発言がずっとあって、それは国会の中で規制強化をしたんだろうというふうに思うんですけれども、そこらは私が勉強不足で分からないので、これが終わりましたらちょっと勉強さしていただきたいなというふうに思っております。 それから、最後ですけれども、証券税制など改正がずっと行われてきていますけれども、参考人の皆さん方も、遅かった、それが遅いんじゃないかということもおっしゃっていますけれども、私たち利用する側からすると、目まぐるしく税制が変わっていくことに対して全然覚えられないというような状況もあって、信頼ができない、証券業界に参加をしていくという安心感というのが全く持てない状況にあるわけなんですけれども、もう少し個人投資家が、一千四百兆あると言われる個人資産が投資の方に向いていくためには税制改正をもっと積極的にやる必要もあるだろうし、私なんかは、損をした場合、もし損をした場合どうなるのかというところを考えた場合になかなか参加ができないわけなんですよね。 国会の議論の中にも、損をしたときには自分の所得から相殺をしていくようなことにはならないのかというようなこともあるわけなんですけれども、今、法改正の中で、株取引の中の、分割をして、繰越しをして相殺をすることはできるようになってはいるんですけれども、自分の所得の中から相殺をしていくような仕組みというのはどうなんでしょうか。御意見伺わしていただきたいと思います。
○参考人(奥本英一朗君) 証券税制につきましては、この四月一日から施行されています新しい税制、これは大変すっきりした形で分かりやすくなっているということ等々で、大変魅力ある税制になっているというふうに先ほども申し上げたとおりになっているわけです。 ただ、これをいかにもっとPRしていくのか、知らしめていくのかということについて、私どもとしましてまだまだやらなくちゃならないことがあるのかもしれないということは常日ごろ思っておりまして、折に触れてそれはやってきております。今後とも続けていきたいと思います。 ただ、先生今おっしゃった、いわゆる売買損というものをほかの所得から相殺するという件でございますけれども、今実は、証券税制、この譲渡益につきましても、総合課税としてはなっていないわけでございますですね。したがって、果たしてそういった総合課税というくくりの中で全体の所得から相殺できるような制度にした方がいいのか、あるいはそういった分離課税という格好でいろいろ議論していただいた方がいいのか、これはいろいろ議論が分かれるところだと思います。 現在、分離課税になっているというメリットも実際にはあるわけでございまして、証券税制そのもののメリットの一つに数えられているわけでございまして、果たしてそういった総合課税としての全体の所得の中で云々ということが本当に証券市場の活性化につながるかどうかというのはやっぱり議論を要するところだというふうには思っております。
○大渕絹子君 ありがとうございました。時間ですのでお一方で結構でございます。 ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。 参考人の方々には、長時間にわたり御出席を願い、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。本当にどうもありがとうございました。(拍手) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(柳田稔君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 証券取引法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 証券取引法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○円より子君 民主党・新緑風会の円より子でございます。 八十五分だった質問時間が六十分になりましたので、かなり質疑通告したものを省かせていただくと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、平成十二年の改正案の法案審査で、取引所の株式会社化につきまして特定の株主に経営が支配されることが懸念されまして、五%超の株式保有の禁止規定の実効性が議論の焦点になったと思いますが、今回の改正では、内閣総理大臣の認可なしで取引所及び取引所持ち株会社の株式を二〇%まで保有できることになりました。認可を得れば五〇%未満までまた保有できます。 この株式保有の規制が緩和されることで、特定株主による経営支配といった問題は起きないんでしょうか。特に、五%超二〇%未満の株式保有者は総理大臣への届出以外、行政の関与が全くない状態となりますけれども、当局としてはこの株主による不公正な経営支配が生じないようにどのような対策が必要だとお考えでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘のように、取引所の株主ルールにつきましては、今般の法改正によりまして、近年の取引所をめぐる国際的な動向を踏まえまして、取引所間の資本提携を可能とするため、現行の五%超の議決権の保有を一律に禁止するという株式保有制限を廃止することといたしております。 一方、取引所が特定の株主に支配され、取引所の運営の公正性等が損なわれることのないよう、新たな株主ルールを整備することといたしておりまして、具体的に申し上げますと、原則として二〇%以上の株式を保有する主要株主を、これを事前の認可に係らしめるというようなことをいたしております。さらに、主要株主として不適格というふうに考えられます者を排除することといたしております。また、過半数の議決権の取得、保有、これは原則禁止というふうにいたしております。さらに、先ほど申し上げました、主要株主に対しまして当局は検査、報告徴求を行えることといたしております。もし主要株主が法令に違反した場合、あるいはそういう場合は認可の取消し、その他、監督上の必要な措置を取ることができることといたしております。
○円より子君 もう一つ、持ち株会社による取引所の子会社化が可能となりますけれども、外国では持ち株会社形式によって随分統合再編が加速しております。中には国境を越えた買収競争に発展した例もありますけれども、将来的に日本の取引所が海外の取引所を買収したり、反対に海外取引所グループの傘下となることも考えられるということでしょうか。 そうした場合に、こうした事例が生じましたら、政府はどういう対応をお取りになるのか。また、日本の取引所が海外の取引所のグループの子会社となった場合に取引所の運営が外国人にゆだねられることになりますけれども、国内金融における重要なインフラだと私は取引所は思うんですけれども、この運営権が外国人に移った場合に、取引所のユーザーである投資家や企業が不利益を被るおそれはないんでしょうか。 例えば、通信とか放送分野、これは社会的インフラだと思うんですが、放送法また電波法で外国人による通信会社や放送会社の株式保有を一部制限しております。取引所に関しては同様の制限は必要ないのか。 それとともに、取引所というのは国民のインフラなんでしょうか。単に銀行や証券会社のような一つの金融仲介業者なんでしょうか。この辺の位置付けについても政府の御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先ほども御答弁させていただきましたが、取引所の株主ルールにつきましては、現在の五%超の議決権の保有を一律に禁止すると、これを廃止いたしまして、原則二〇%以上の株式を保有する株主を主要株主と位置付けまして、事前の認可ということに係らしめております。そういうことによりまして不適格者を排除するとともに、過半数の議決権の取得、保有を原則として禁止するという等の新たなルールを整備することとしております。これは、外資を含め、特定の者が取引所の経営を支配することができないという仕組みを考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、こうした新たな制度によりまして、我が国取引所の公正性、中立性、信頼性が引き続き確保されるものと思っております。 以上でございます。
○円より子君 外資を含めということは、今私が質問したようなことはないということなんですね。
○政府参考人(藤原隆君) まず、その五〇%超の保有は禁止しております、特定の者を除きまして、取引所等を除きまして。さらに、その二〇%から五〇%までの主要株主につきましては事前の認可ということでございまして、そこで、私どもといたしましてはいろんな多方面から審査を行うことにいたしております。 例えば、認可申請者がその議決権を行使することによりまして取引所の業務の健全性かつ適切な運営が損なうことのおそれがないこととか、あるいはその認可申請者が取引所の業務の公共性に関し十分な理解を有している者であるとか、あるいは認可申請者が十分な社会的な信用を有する者であるとか、そういうようなことも含めまして総合的に判断させていただいております。
○円より子君 何度聞いてもよく分からないんですけれども。直接私が質問したのに答えていただきたいのと、それと、竹中大臣に分かりやすくお話し、もし今の、海外の子会社になり得るのかどうか、それからもう一つは国民のインフラとしてどうなのかという、インフラなのかどうか、その辺の取引所の位置付けについて、もし今のを補足していただければ幸いでございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、局長からある意味で非常に正確に答弁をさせていただいたんですが、正確であるゆえに少し分かりにくいということなのかもしれません。 円委員のお尋ねは、直観的に言うと、外国のどこかの非常に強い意志を持った人に支配されないか、それによって証券取引所という大事なこの国の機能が損なわれることはないのかと、その点に尽きているのだと思います。 今回の改正の趣旨は、これは証券取引所にやはりうんと大胆に行動していただくような、自由度をある程度与えたいと。その意味では、外国との提携も可能にしたいし、持ち株会社によっていろんな戦略を練るということも可能にしたい。しかし、そうすると、今度はそこの、まあ持ち株会社が典型ですけれども、今までの、御指摘のように五%の株式の上限というその特定の支配権が確立してしまわないか、そのバランスをどう取るかという点にもう尽きているということだと思います。 その意味では、今、局長からお話がありましたように、今度は主要株主という概念で、二〇%以上のところについては不適格者を排除するというような仕組みを作る。そもそも過半数はやっぱり駄目ですよ、その代わり五%までというのは取っ払いましょうね、それでダイナミックに子会社形式、持ち株会社形式を可能にしましょうと。 もう一つのお尋ねは、内外の区別をするかと。これはやっぱり内外の区別をするということでは私はないのだと思います。 しかし、国内、海外の資本を問わず、一つのところが支配してしまうということは避けなければいけない。その制度はこれで担保をされているというふうに考えております。
○円より子君 大変分かりやすく、ありがとうございました。政府参考人の方の答弁で分かりにくかったものですから、つい大臣に補足してほしいなんて失礼な申し方をしまして、大変失礼いたしました。分かりやすい御答弁、ありがとうございました。 次に、証券取引所には、証券取引の場を提供する側面と、もう一つ、上場審査や自主規制を行って市場の公正性を確保するという側面があると思いますけれども、この取引所間の競争の結果、上場企業の獲得競争が大変激化しております。それによって公正性確保の面が軽視されることが内外の取引所で散見されてきておりますけれども、このため、英国では、二〇〇〇年には上場審査等の公共性の強い業務を金融サービス機構、FSAに移管したと聞いておりますし、香港でも、取引所が有しておりました上場審査や監督権限を政府に移管すべきかどうかの議論が続いておると聞いております。 日本では、我が国では、取引所が有する上場審査及び自主規制権の帰属について、今後の課題として検討する必要があると思いますけれども、この問題については金融庁はどういうお考えなのでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、大変この問題は重要な問題でございまして、今回の内容に、今お話しいただきました話につきましても、金融審の第一部会、昨年十二月の報告書の中でも、取引所市場の在り方のみならず、店頭登録市場や取引所外取引の在り方を含めて国内市場全体の制度整備が必要であるというふうに言っておりまして、今後、取引所市場や店頭登録市場あるいは私設取引システム、この位置付けの見直しやあるいは市場開設者の在り方等の課題につきましても更に検討を行っていくことが必要とされておりまして、御指摘の自主規制機能の在り方につきましても今後の検討課題というふうに位置付けられているところでございます。
○円より子君 次に、証券販売チャネルの拡大についてお伺いしたいんですが、今回の改正で協同組織金融機関による有価証券の売買等の書面取次業務が解禁されます。これは既に銀行で解禁というかされているんですけれども、全く銀行の方では書面取次ぎが活発に利用されていないと私は聞いているんですが、なぜその書面取次ぎが銀行で余り拡大していないのか。その拡大もしていないのを、今度は協同組織金融機関に同業務を解禁するメリットというのは何なのでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) まず、ニーズの方から先に説明をさせていただきたいと思うんですが、協同組織金融機関からは、書面取次業務の解禁について、実は全国信用金庫協会、そして全国農業協同組合中央会から総合規制改革会議に対しまして要望が出されているところでございます。 御指摘は、銀行が今までこうした業務の活用が進まなかったんではないかということでございますけれども、この進まなかった要因でございますが、書面取次ぎ業務というのは自ら勧誘行為を行わない受動的な業務であるということでありますけれども、勧誘とされない行為の範囲が必ずしも明確でなかったことがその一因だというふうに考えております。 この点につきまして、昨年の九月に事務ガイドラインを改定をして、そして顧客に対する業務の内容の説明やあるいはチラシの掲示等は勧誘行為に当たらないことを明確化いたしました。このことによって当該業務が今後積極的に活用されることを期待をいたしております。
○円より子君 今おっしゃったように、確かに勧誘とは何かというその定義が大変あいまいだったと思います。ですから、ガイドラインを出されたということなんですけれども、もう一つは、何かPRが不足していたのかなということや、それから私は、やっぱり銀証分離を変えるのは時期尚早というような形で証券会社から、圧力とは言わないまでも、自分たちの業務を余り銀行にするなというような、そういったこともあったのかしらなんていうふうにも思いますけれども。 そもそも書面取次ぎといいますのは、おっしゃったとおり、勧誘を行わずに顧客の売買注文を受け身の姿勢で取り次ぐものですよね。そうしますと、証券仲介業の創設や、今回の、インターネット取引の拡大を考えますと、今後も私は、せっかくガイドライン出されて勧誘の定義をなさってもニーズはそんな拡大しないんじゃないかという気がするんですが、したがいまして、銀行及び協同組織金融機関の窓口での有価証券の販売につきましては、書面取次ぎという形ではなくて、証券仲介業者の兼業を可能としまして、窓口で株式や投信を勧誘、販売することができるようにした方が証券販売チャネルの拡大につながるかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤原隆君) 有価証券の販売チャネルを拡大すると、先ほどの参考人のお話でもありましたように、そこは私どもも一生懸命努めているところでございまして、今御指摘の、例えば投資信託、こういうものにつきましては既に銀行等の金融機関の窓口で販売を認めておりまして、既に順調にスタートしておるというところでございます。
○円より子君 次に、先ほども参考人の中にも厚生年金基金の代行返上の話なども出ましたけれども、最近の株安、それの一つの原因がこのことだというふうによく言われておりますけれども、株価対策としてこの厚生年金基金の代行返上ルールの緩和がされるようですけれども、この現物返上の条件緩和によってどの程度株式売却圧力が緩和されると見込んでいらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 厚生年金の代行返上につきましては、二月に私どもの案を提示をいたしまして、いわゆるパブリックコメントということを受けております。例えば厚生年金基金の方でありますとか、これに携わる金融機関の方からの一方で要望をお受けをしております。 それから、五月十四日の証券市場活性化関係閣僚等による会合において取り上げられました中で、施行時期の前倒し、物納の際の要件緩和というのを挙げられましたので、私どもといたしましては、施行時期を当初十月一日と予定しておりましたけれども、九月一日に前倒しをする、それから物納要件につきましては、TOPIX連動でございますけれども、構成銘柄の九〇%以上という要件を八〇%以上に緩和したいというふうに考えております。 それで、この効果といいますか、それはなかなか数量的に測定することは非常に難しいだろうと思います。と申しますのは、実際に物納で返上をされるか、あるいは市場で売却をされて返上されるかというのはそれぞれの基金の投資判断にかかわりますので、そこは私どもはなかなか、これはもちろん指図することもできませんし、機関投資家としての自主的な判断に沿うということだろうと。ただ、例えば、元々返上を予定をされていた基金がございまして、その基金の判断ができるだけ早い返上をしたいということであれば、この一月というのは効果が出てくるというふうに思います。 それから、最初に考えておりました九〇%という要件でございますが、これは、返上していただいた資金は、今度は公的年金の積立金の運用になってまいります。したがいまして、公的年金の積立金の運用として十分効率的に運用をしなければならないという、こういう課題がございますので、実は、私どもの年金基金、自主運用基金で実際に運用しておりますパッシブファンドが非常に構成銘柄数が九十数%から一〇〇%近いという状態がございまして、この関係もございまして九〇というふうに設定をいたしておったわけでございますが、実際の厚生年金基金が運用しておるパッシブファンドの中には八〇%台のファンドがございまして、これについても対応できるようにいたしたいということでございます。このことによりまして、パッシブファンドとしての、いわゆるトラッキングエラー率というふうに申しておりますけれども、実際の市場の動きに対してある意味で中立的なファンドを持っておりますので、そことの誤差は変わらない状態で保持ができるということでございます。そういう意味で拡大をしたいというふうに思っております。 そういうことによりまして、実際に厚生年金基金がTOPIX連動の運用ファンドを持って運用しておられることについては、一応物納の対象にすべて入ってくるという状態であります。ただ、これも実際にお使いになるかどうかは機関投資家としての御判断になるだろうというふうに思っております。
○円より子君 確かに機関投資家の判断なんですけれども、九〇%が八〇%になったり、また十月からが九月に前倒しになったりということが本当に実行されるのかどうか。売り圧力、さっきの圧力が緩和されるのか、どの程度なのかというような、竹中大臣はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 代行返上に係る問題というのは、今の局長の答弁にもありましたように、これ大変技術的で、正確に議論していくと本当に難しい問題なのだなというふうに思います。 したがって、私自身、代行返上に関しては所管の立場でもありませんので、それがどのぐらいの効果があるかということはなかなか申し上げられる立場にはないんでありますけれども、しかし我々としては、午前中の参考人のお話があったと思いますけれども、今の市場というのが、企業収益を見る限り決してそんなに悪いわけではないんだけれども、どうも需給の、短期的な需給によっていろんな影響を受けているのではないだろうかという関係者の声がある。そうした問題に対して、やはり総合的に政府としても考えていっているんだという、やはりその姿勢はきちっと示さなければいけないと思っております。 そのために、証券市場の構造改革と活性化に関する対応というのを取りまとめたわけですが、その中のやはり最も重要な項目の一つとして代行返上の問題があり、厚生労働省で様々な制約の中でいろんなことをお考えいただいておりますので、こうしたことが我々の政策姿勢というメッセージも含めて前向きに受け取られるということを期待しているところであります。
○円より子君 先ほどパッシブ運用のことがお話にありましたけれども、このパッシブ運用の拡大といいますのは、優良企業への資金配分機能を損ねるという指摘があると聞いております。この問題点については運用側としてどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
○政府参考人(吉武民樹君) 今、先生のお尋ねの、要するに公的年金の運用でございます。 これは、もう端的に申し上げまして、相当運用枠が大きな形になっております。それで私どもは、いろいろな問題があるわけでございますが、一つは、市場に対しての影響を十分考えていく必要があるだろうというふうに考えております。 それから、アクティブ運用の場合には、御案内のとおり、市場の中の不均衡を利用するというのが基本的な性格でございます。パッシブに比べますと市場の中の不均衡を利用して収益がいいときは良くなるということではございますが、私どもの場合には基本的には中長期の運用でございますので、これが一年、二年の運用でございますと市場の中の不均衡によって収益を上げることによってプラスが出るということはあり得るわけですけれども、中長期の運用でございますので、そういう機会はもちろん存在するわけでございますが、中長期に見ますと、パッシブ運用であります、つまり、日本の経済自体の成長を評価をするということとほぼ同様にいくだろうというふうに考えています。そういうこともございまして、基本的にはパッシブ運用比率を七〇%程度で考えていこうというふうに考えております。 それからもう一つ、パッシブ運用の場合で申し上げますと、これは金融機関にお願いをして実際にやっていただいているわけですけれども、その委託手数料がアクティブに比べますとはるかに低いコストでございます。今、私どもの自主運用基金で運用しております委託手数料はかつて〇・二%ぐらいございましたけれども、今は〇・一一%まで低下をいたしております。その面もあるということでございます。ちなみに、十四年度の成績で申し上げますと、トータルで申しますとパッシブ運用の方がアクティブ運用より若干いい状態でございます。
○円より子君 確かに、パッシブ運用は運用コストが安くて資産管理も簡便であるという、そういった利点があると思いますけれども、私は、パッシブ運用の比率を下げて社会責任投資の比率を上げるという、そういったことが高い運用利回りが期待できるんじゃないか、そんなふうにも思うんですけれども、それが企業倫理の確立にも資するというようなふうに考えるんですね。 先ほど参考人の中にこんなことをおっしゃった方がいる。アメリカでは子供のころから株の教育をしていて、株を買うのは国を買うことだと教えるんだとおっしゃっていた方がいるんですが、このことを私流に換えれば、国を買うという言葉ではなくて、投資を通じて誠実な企業を応援し、そして日本の再生に貢献するという、そういうふうな形で個人投資家をもっと拡大していくということが大事かなというふうに思うんですけれども。 そうしますと、やはり社会責任投資という、そういう考え方というのが相当重要になってくると思うんですね。例えば、法令遵守、雇用、環境、それから女性の、今なんか、例えば二十五年ほど前から考えますと、高齢者の一世帯での一人の収入というのは四十何%も上がっておりますし、一般世帯も上がっている。そういう状況の中で、母子家庭は一割しか収入が上がっていない。六十三万がやっと七十三万になった。それも、ほかのところよりも、一割上がっているといっても、元々の収入が三分の一、四分の一しかないという、そんな状況なんですね。そうしますと、そういう母子家庭の方たちの雇用とか、そういったことも考えたり、それだけじゃありませんが、いろんな形の社会責任投資という比率を上げていけば、そうしますと、今言ったような投資を通じて誠実な企業を応援して日本再生に貢献するということもあって、そして個人投資家というものが広がっていくかなという、そんなことを思うんですけれども、その辺についての政府の御見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 先生がおっしゃるようないろいろな側面がございまして、つまり、市場における運用でございますので、リスクとリターンをどう考えるかということが最大のところになってくるわけでございます。その際に、社会的な投資というふうに考えましたときに、あるメルクマールを設定せざるを得ない。そのメルクマールを設定したときの結果といいますか、実績はどうだというのは、この分野についてはまだ十分に出てきていないという問題がございます。 むしろ、アメリカの企業年金の中では、むしろ議論がされていましたのは、こういう社会的責任投資のような観点で投資を行うことが受託者責任に反するんではないかという議論があったわけでございます。つまり、リスクとリターンで、専門家としてできるだけ投資の収益率を高めようというのが基本的な義務でありますが、それと全然別の判断を入れながら、リスクとリターンを十分評価をしないで投資することは受託者責任に反するんではないかという議論があったわけでございますが、この議論は長い積み重ねがございまして、アメリカの労働省はそういうファンドを行うこと自体が直接に受託者責任に反するものではないということを言っております。したがいまして、この議論は正に形成途上でございまして、これから十分議論をしていく必要があるだろうというふうに思います。 私どもは、社会保障審議会の年金資金運用分科会という、金融界それから経済界の方に入っていただいて議論をしていただいて、そこでもこの議論はございましたけれども、そのときの御議論で申し上げますと、おっしゃるような例えば環境でありますとか、あるいは雇用でありますとか、そういうことについて社会的に良質的な行動パターンをされる企業であれば、基本的には収益率でいいという結果で出てくるだろうというのがそのときの御議論でございまして、この御議論はもう少しよく注目していく必要があるだろうと。 したがいまして、年金の、公的年金の自主運用の中でこのファンドを作って今実施するという事態ではないだろうというふうに思います。私どもはしかし、この議論についてはよく今後とも注目していきたいというふうに思っております。
○円より子君 次に、株価の低迷背景に進みます。 いろいろ株価対策が検討され、方向性も固まっているようですけれども、証券市場の活性化ということでは、個人投資家が投資を行いやすい環境を整備するために、税制面からも私は投資家に対するインセンティブを付与する必要があると思っておりますが、具体的方策として、例えば株式譲渡益を時限的にゼロ税率化したり、アメリカのように株式譲渡損と他の所得との損益通算を認める等の措置が有効であると思うんですけれども。 新聞等によりますと、新税制の定着を図ることがまず重要だと政府は言っていらして、証券税制の見直しには否定的でいらっしゃいますが、個人投資家に対して証券市場活性化に向けた強いメッセージを発するためにも、税制の見直しに向けてもっと見直しをやっていくべきではないか。例えば、今ゼロ税率化の話もしましたが、もう一つ、二重課税の撤廃、こういったことについてどうお考えか、塩川財務大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(小林興起君) 御承知のように、この国会におきまして証券新税制を実現していただきまして、四月からかなり個人投資家に向けて優遇措置が取られる税制改正が行われたわけでございます。従来に比べますと、譲渡益課税にしましても二〇%を一〇%に下げる、あるいは配当につきましても総合課税から分離して一〇%の分離課税でいいと。 これは今までの証券税制からいいますと、非常に多くの国民といいますか、政治家といいますか、そこから要望が上がってまいりました税制改正を実現した画期的な税制改正でございまして、したがいましてそれをもう少しPRすることによって、なるほど、証券税制、こんな簡単でこんなに簡素化されて税率も低いなと、いいじゃないかということが広がれば画期的な税制が動き出すということでございまして、まずはPRに力を入れていきたいというのが当局の思いでございまして、まだ何とかなんといいますと、じゃ、また待とうかなんという話でせっかくの税制が動きませんので、そういう意味で、せっかく通していただいた証券税制の実施に向けて頑張っていきたいというふうに考えているところでございます。
○円より子君 今、個人投資家を中心に配当利回りの良い株式への需要が高まっております。この株安の中でも高配当企業の株価下落率はかなり小さいというふうに思いますが、これは、収益力があって、なおかつ株主に還元することに積極的な企業を評価するという市場原理に即しているんだと思うんですね。個人投資家による株式の長期保有を促進する流れでもあると思いますが、このためにも私は配当に掛かる二重課税の撤廃の必要を今言ったわけですが。 大和総研の試算では、二重課税が廃止されますと、企業がもし税負担の軽減分を全額配当へ回す、全額配当の方へ回すと仮定したらという試算をしているんですが、東電の配当利回りは二%台から四%台になると。また、東証第一部上場企業全体では一%強から二%弱になるという、こういうこともなっておりまして、今の株安で本当たんす預金を株にという人はなかなか少ないと思いますが、せめて配当が良ければというようなこともありまして、二重課税の撤廃、今、副大臣は、ようやくこうなったんだから、また変わるぞなんてなったら、また待ってなかなか動かないじゃないかとおっしゃいましたが、もう早くから抜本的にばっとおやりになった方がよかったんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○副大臣(小林興起君) そういう御意見もある中で、一応今回の改正案でまとめさせていただいたところでございます。ただ、非常に証券税制は大事でございますので、また政府等の税制調査会等でも十分にまた、証券税制のみならず金融商品関係につきましての税制はどうあるべきかと、広い観点からこれを議論をしていくことにさせていただいているところでございます。
○円より子君 それでは、今度は証券取引等監視委員会の強化についてお伺いしたいと思います。 先ほどから言っておりますように、証券市場の活性化の前提には、証券取引の公正性を確保する、こういうことが喫緊の課題だと思いますが、この証券取引等監視委員会の人員は毎年増員されております。十年前と比べて二倍になっているんですね。小泉総理の行革改革路線に逆行しているとは思いますが、これは逆に投資家の保護を最重視していらっしゃることだと思って評価しております。 ただ、今後も同委員会の監視体制の強化がますます必要になるんではないかと思いますのは、例えば日本ではアメリカのSECと比べますと最も強い権限が刑事告発でございますが、平成何年でしたかね、平成十年で告発件数は六件、十一年で七件、十二年で五件、十三年で七件と、大変少ないんですね。こういったことで実際の監視ができるのかという問題がありまして、この少ないネックというのは、人員が少ないからなのか、それとも証券取引法が定める厳格な構成要件を満たすだけの証拠とか供述集めが容易ではないからなのか。この辺りについて、今後監視をどうなさっていくのか、組織作りをどうするのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に円委員御指摘のとおり、証券市場の信頼性を確保するという観点から、この監視機能の強化というのは極めて重要である、今回お願いしている証取法の改正等々と一体となって初めてうまく機能していくものなのだというふうに思います。総じて言えば、行政の在り方そのものも、やはり事前の介入ではなくて事後のチェックにやっていかなければいけないと。そういう観点からは、正に事後のチェックの典型のような面もあるのだと思います。 御指摘のように、監視委員会、我々としても一生懸命強化をしております。数を増やしているだけでなくて質の向上という観点からも、その検査官として、弁護士二名、公認会計士七名、デリバティブ等の専門家、知識を有する者三十七名、合計四十六名の今民間専門家を活用している。これも極めて新しい動きでありますけれども、積極的に今強化に我々は努めているということでございます。 それを今後どのようにしていくかということに関しては、我々は今の制度を着実に強化していく中で、やはり現実的な強化策というのを取っていかなければいけないのだと思っております。もちろん、これ数を増やして質を高めて、その中で告発の事案なんかも増えていくという、結果が付いてくるということになるというふうに思っておりますけれども、これに関してはどういう組織体にするのかというような御提案もいろいろいただいているということは承知をしております。我々としてはしかし、機能の強化という観点はこれはもう疑いないことでありまして、この機能の強化を更に進めるために様々な努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○円より子君 大臣おっしゃったように、本当に機能の強化が必要だと思います。 例えば、日本の場合は企業財務の分析がかなり手薄な分野ではないかというふうにも聞いておりまして、重要事件の摘発、また高度化する取引や企業財務への対応、こういったものをきちんとやはりしていく必要があるんじゃないかと思いますが、やはり人員の方も、アメリカのSECでは三千二百二十八人ですか、これは去年の九月現在で、今年また二百人増やすということを聞いており、それに比べますと日本は二百十七人と、十分の一以下、十五分の一ですよね。やはり、幾ら優秀な方を入れても、その辺のことで今の日本の状況下ではなかなかこの人数では難しいのかなと思いますし、また、アメリカでは職員の多くが弁護士さんとか会計士、アナリスト。弁護士が四割、会計士とアナリストで二割。 それからもう一つ、そういう専門家ということだけじゃなくて、新人はすぐまたウォール街に出して勉強というか研修をさせ、そしてまた戻ってくるという、民間との人材交流も大変活発に行われていると聞いております。 この辺について、是非ともきちんとしていただけたらなと思って、もし何かありましたらお願いいたします。
○副大臣(伊藤達也君) 先ほど大臣が答弁をさせていただきましたように、この監視委員会の機能強化を果たしていくことは極めて重要でございまして、政府としてもその方針を明確にしているところでございます。 米国のSECに比べて人数が少ないというお話がございましたけれども、私どもとしましては、少数精鋭でしっかりとしてやっていかなければなりませんし、また、国会の皆様方に御理解をいただいて、人員の増強についても努力をしていきたいというふうに思っております。その中で、今ある体制の中で専門能力を向上していくというのは極めて重要なことでございますので、今、専門分野の部内の研修を徹底をさせていく、あるいはオン・ザ・ジョブ・トレーニング等を通じて専門性の向上をさせていくというような努力をしながら、この専門性の能力の向上のためのいろいろな取組をさせていただいているところでございます。
○円より子君 それでは、投資者保護に関する質問をさせていただきたいと思います。 最近、金融商品の契約保護の在り方について随分話題になっているんですけれども、民間生命保険の経営不振が続く中で、今回はまた予定利率の引下げとか、解約しばらくの間は禁止されるとか、いろいろ生命保険の問題が、皆さん、ちまたでは大変な重要視されておりますけれども、そうした中で共済の人気が高まっております。 共済といいますのは、経費の削減によって、保障の大きさに比べて掛金が民間より安いと言われているんですが、その反面、セーフティーネットが整備されていませんで、破綻時の契約者保護の点で大変問題があると、そういうふうにも言われております。また、根拠法や監督官庁を持たない共済が随分ありまして、一部ではマルチまがいの商法の勧誘が行われているということで、聞きましたら、国民生活センターにも随分相談が寄せられております。 そこで、共済のうち、これ質疑通告のときにもいろいろ各省庁と話したんですが、いや、どこも根拠法がないし監督官庁がないから、私どもの範疇ではありませんのでお答えができませんという、じゃどこに質問したらいいんでしょうという、そんな話になったんですが、それでは実際にそういった共済、根拠法がなく監督官庁を持たない共済に入られた方々のことが大変重要な問題になってくるかと思いますので、まあ金融庁の範囲ではないんですが、例えば生命保険に関するような共済の場合の例えば実態把握、その共済の規模や経営状況についてこれから実態把握をなさるおつもりがあるのか、また全体のそういう金融商品等の関連で根拠法を作った方がいいのか、その辺のことは検討なさっているのか、お聞きしたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) 先生はもう消費者保護の問題について大変熱心に取り組んでおられますし、私もある意味では問題意識を共有をさせていただいて、様々な委員会で御議論もさせていただいたこともございますが、まず私どもの取組についてお話をさせていただきたいと思います。 保険業は、不特定の者を相手方として、各種のリスクに備え、万一の場合に保障するなどの機能を通じて国民生活の安定等に貢献するという公共性を有していることから、保険業法においては、保険業を行う者に対する規制、監督等を行うことにより、その業務の健全かつ適切な運営等を確保して保険契約者等の保護を図ることとされているわけであります。 一方、先生御指摘のとおり、いわゆる共済は、対象者が地域、職域等に制限され、不特定の者を対象としていないものであることから、保険業法の趣旨に照らし、その規制の対象外とされているところでございます。 この共済の中には、農業協同組合など根拠法や監督官庁が明確なものがあるもののほかに、根拠法がなく任意団体の形で行われているものがございまして、これらは、例えば職域等において互助的に小規模で行われるなど、様々な規模、形態で多様な事業が行われておるものでございます。一律に規制等を課すことについては、共済事業の在り方にかかわる問題でありますので慎重な検討が必要だというふうに考えておりますが、ただ、共済と名のっているものであっても、保険業の免許を受けずに不特定の者を対象として保険の引受けを行うことは、これは保険業法において禁止されているところでございまして、こうした違法な共済については関係機関と連携をして対応していくことが必要であるというふうに私どもは考えております。 さらに、消費者保護の観点からは、消費者に保険と共済の違いについて十分理解をしてもらうことが大変重要だというふうに考えております。こうした観点からも、関係機関とも連携をしながらこうした取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。
○円より子君 平成十年には、全国消費生活情報ネットワークシステムの方で、伊藤さんも経済産業委員会のときに私がこの質問をしてお答えいただいたことがありますけれども、その平成十年に三百六十三件、共済に関する苦情相談があって、十四年には五百八十六件にやはり増えているんですね。そのうちの生命保険共済に関するものも二百二十八件から三百八十七件に増えております。今おっしゃったように、是非ともしっかり対応していただきたいとは思いますが、やはり共済の根拠法を設けて健全性確保や募集の適正化等の担保する枠組みを作るというようなこともまた御検討いただければと思っております。 一つ、外国為替証拠金取引なんというのが今人気集めているらしいんですが、そして証券会社による参入も進んでおりまして、これは兼業でやっていらっしゃいますから、これも証券取引を、もしこちらでつぶれると、証券取引やっている方の方々に大変迷惑掛かるんじゃないかというような意見もある。この証拠金取引というのは、外国為替版の信用取引で、少額の証拠金で多額の外貨運用を行うことができるらしいんですが、その反面、取引に関して投資家と取引業者の間でトラブルが発生したり証拠金の保管に不備があるという問題点が指摘されているんですね。この業界では業界団体を設立して取引の適正化を図る動きが見られますけれども、一部から法的ルールの整備の必要性がやはり指摘されております。 金融庁としても、またこういったことも多分今後、金融技術の発展を背景に、先ほどの共済ではありませんが、どの業法の規制にも属さない金融サービスが登場する可能性が大変高いと思います。この外国為替証拠金取引とか、こういったものがいろいろ出てきた場合に、今後どう対応なさるのか、そういった検討はなさっているんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今ちょっと御指摘いただいた外国為替証拠金取引の事例について、申し訳ありません、今日は詳細には情報持っておりませんのですが、基本的には、取引は非常に多様化している、これはもう間違いないことで、あしたになると今日は考えられないような商品が出てくる可能性があるという分野であるわけです。そうした点も踏まえまして、これは平成十二年の金融審議会の答申、二十一世紀の金融を支える新しい枠組みについてというのがございまして、その中で、縦割りの規制から機能別、横断的なルールに転換する等の観点に立って金融サービスに関するルールの整備を進めていくことは重要であると。縦割りの業法はずっと存在しているわけでありますけれども、それを機能別に横断的に見ていくという視点が重要だと。これはもう全く私たちもそのとおりだと思っております。 こうした点に立って幾つかのスキームをここ数年間我々も準備してきたつもりでございます。平成十二年には、資産の流動化に関する法律、いわゆるSPC法等を改正しまして一般的な集団投資スキームの法制というのをこれは整備いたしました。それともう一つは、これはもうよく御存じのように、平成十三年でありますけれども、いわゆる金融商品販売法、これはすべての金融商品を横断的に対象とする利用者保護の法制を整備をした等々でございます。これと、もう一つは、金融だけではありません、金融商品とはむしろ別にといいますか、それと同じ時期に、合わせる形で、事業者と消費者の契約全般について事実と異なることを告げたり不確定な事項に関して断定的な判断を提供したような場合は、これは悪質な行為があった場合にこの契約を取消しできるという例の消費者契約法が施行されている。今、そのような観点から徐々に体系が進んできているというふうには思っておりますが、しかし、その中で更にいろんなものが出てくるということで整備を進めていかなければいけないという強い気持ちを我々は持っております。 なお、今、最初に御指摘のありました外為取引の関連ですが、これは実は金融サービス法上の金融商品ではないということでございます。しかし、実態をよく見て我々にできることをしっかりとやってまいりたいと思っております。
○円より子君 ありがとうございます。 最後に、少し時間を早めたいと思うんですが、今の投資者保護とか消費者保護の、いろいろ苦情ですとか事件を見ておりますと、やはり国民の皆様方が何とか自分が働いて得た預金等を、この低金利で銀行に預けていてもあれだし、銀行もまたいつどうなるか分からないというような状況があったり、生命保険もそうだし、何とかいい方策はないかと思って、よくそういう消費者契約法とかいろいろやっていますと、何でこんなのでだまされるのかしらねと思うようなケースがたくさんあるんですけれども、多分それは、何とか自分の財産を守りたいというそういう表れで、今のやはりこの株安や様々な経済不況の反映だと私は思うんですね。 最後に、竹中大臣にお伺いしたいんですけれども、マクロ経済や雇用の安定化、そうしたものの中で、貸し渋りで苦しむ中小企業への融資を促進するとか、また地域金融の活性化、雇用対策、いろんなことに今後配慮していかなければ、とても株価の、株価対策というか、それだけで株価がうまくいくものとは思えませんので、是非ちょっと、何とかこの日本再生へ向けてこうしようというあれがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 円委員、今のお話の前半に御指摘になられましたように、資産運用どうしていいかということを本当にもう国民全員が戸惑っているんだと思います。 振り返ると、この国は一生懸命勤労所得を稼ぐという意味では非常に立派な実績を残していた、だから我々が年間生み出すフローのGDPというのは世界で最高水準になってきていると。しかし、これまで、じゃ資産運用どうしてきたかというと、実は土地という非常に特殊な資産があって、ほとんど間違いなく値上がりすると、それさえ買っていれば間違いないという中で、考えてみれば投資家教育も進んでこなかったし、リスク・リターンに関する正しい判断、ちょっと今のような状況になると非常に憶病になってしまうしという問題を抱えているということだと思います。したがって、一方で勤労所得をしっかり稼ぎ続けられるような地盤を作って、さらに資産所得がしっかりと出てくるようなものにしていかなければいけないというふうに思います。 そのためのやはりマクロ経済運営というのは御指摘のように極めて重要でありまして、しかし、そのマクロ経済運営の中に、実は財政をいかに破綻させないように運営していくかという極めて厳しい条件も入ってきている。狭い道ではあるわけですけれども、勤労所得を稼げるんだ、付加価値を生み出せるんだというベースをしっかりと守りながら、正に構造改革を進めてその間のマクロ政策を是非しっかりと運営をしていきたいというふうに思います。 申し訳ありませんが、一点ちょっと訂正させていただきたいんですけれども、外為取引に関しては、取引の形態により入るもの、金融販売法の対象に入るものも入らないものもあるということでございますので、申し訳ありませんが、その点は訂正をさせていただきます。 いずれにしても、実態をよく見て対応したいと思います。
○円より子君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(柳田稔君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ─────・───── 午後一時三十一分開会
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、証券取引法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 今回の証取法の改正は、午前中にも申し上げたんですけれども、要するに、個人投資家を市場に、市場参加を促進させるということを目的とすると明記されているわけですね。その際に、やっぱり証券市場に対する投資家の信頼をかち取るということがどうしても大事だということで、午前中はその立場から参考人に質疑を行いました。 大証、大阪証券取引所にかかわる問題について質問してきたわけですが、私は二〇〇〇年四月以来この問題を取り上げてきました。最初の取っ掛かりは、大証の中にあります仲立証券という会社ですね、それを計画的に倒産、廃業に追い込んでいったという問題があったものですから、そういったところから取っ掛かっていったんですけれども。結局はその中で、大証の役員が関連会社を設立したと。大阪OB、大蔵OBの役員がこんなことをやったというようなことで、それを追及するということをやってまいりました。 その中でやられていたことは、関連会社を通じて自らの取引を繁盛にしている、繁盛と言うんですか、繁盛に見せ掛けるために違法な仮装売買をやってきたし、そして光世証券という会社がその片棒を担いでいたと。そして、その光世証券の社長が現在の大阪証券取引所の社長であるといったようなこともありまして、こういったことでは、とてもじゃないけれども信頼なんか得られないんじゃないかというのが私の追及の立場であったわけです。 やっとマスコミ等でも今年に入って大きく取り上げられてまいりました。監視当局による検査も近々終わりを迎えるというふうに聞いているわけなんですが、私、法案の審議に入る、内容に入る前に、この問題についてちょっと一言だけお話ししたいというふうに思うんです。 大証の、大証というのは大阪証券取引所の関連会社でありましたロイトファクスが売買した証券会社は、光世証券と大和証券、日本電子証券。日本電子証券というのは大証のまた関連会社だという非常に複雑なものがあるんですけれども。しかし、この取引をした会社の大和証券は、これはもうとんでもない取引だということで、こんなことをやっていたんでは当局から問題にされちゃうぞということで、つまり第三者が検査に入ったときに問題として指摘されるおそれがあるということを明言してやめたんです、ロイトファクスの取引を。ところが、光世証券は続けてきたという問題がありました。 そういったことがあってあれしたんですけれども、今年の四月十七日にこの巽社長は、先ほどから何度も言っていましたように、告訴、告発をやったと言っているんですけれども、確かに告訴、告発しました。やったのは、日本電子証券とロイトファクスの取引について告訴、告発しまして、光世証券とロイトファクスのことについては全然やらなかったというおかしな現象があります。これは百五十九条違反ということで告発しているわけなんですが。 そこで、私、竹中大臣にこのことについてひとつ伺いたいなと思うんですが、ロイトファクスと日本電子証券という関連会社同士の取引はこれは違法だと、繁盛に見せ掛けるためにやったと。光世証券とロイトファクスも繁盛に見せ掛けるためにやったんだけれども、これは違法じゃないという論理に立ってやられているんですね。これはだれから見たっておかしいと。とにかく、自分の会社ですね、光世証券、そのことについては一切棚上げにしているという、そういうところでますます不信が募る、募っていくわけなんですが。 そこで、大臣、自分の証券会社を守るために、証券取引所の立場、現在証券取引所の社長という立場に今あるわけですけれども、そういった人が、自分の会社の今オーナーですけれども、そのオーナーという立場を上に置くといいますか、先に置くといいますか、重視するといいますか、そういった態度を取っている。こういった行為を監視当局の金融庁あるいは監視委員会、そういった立場からして許されるのかどうか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大阪証券取引所、大証をめぐる御指摘、そして御質問がございましたが、これは個別の問題についてはこの場で私がコメントできる立場にはございませんが、金融庁としては、言うまでもなく、正に池田委員言われたように、これ信頼回復の基礎のような話だと思います。 特に、証券取引所というのは、証券取引所というところが一種の自主規制を行うことによって幾つかのルール、このマーケットのインフラを作っているものですから、そこの信頼性というのは極めて重要である。そうした観点からも、必要な改善措置を自ら厳しく課していくというような方向に是非持っていかなきゃいけないと思っております。 これまでの経緯につきましては、今、池田委員からも御指摘ありましたけれども、様々な問題があったというふうに聞いております。この問題に関しては、この証券取引所の公共性、関連会社の、大証の関連会社の設立手続等の観点から見て適切ではなかった点があるという認識に立って、大証に対して関連会社に係る改善措置を求めてきたわけでありますけれども、これは大証においても、これは十二年六月の調査結果を公表した後、理事長、副理事長の退任、関連会社の整理、そして公益理事の増員、考査室の新設等、再発防止のための様々な改革を実施するなど、必要な改善措置をそれなりに実施してきているというふうに思っております。 その後のさらに問題に関しては、大証に対しては、御承知のように、昨年五月から金融庁と証券取引等監視委員会による合同検査に着手をしております。仮に、仮にですけれども、検査において御指摘のような取引も含めて法令違反行為が明らかになった場合には、これは証券取引法に基づき、我々としても厳正に対処してまいるという決意を持っております。
○池田幹幸君 先日、衆議院でこの問題、同じような問題を取り上げられたんですが、そこで、おいでいただいている監視委員会の事務局長新原さんですね、こうお答えになっているんです。九九年から二〇〇〇年二月にかけて検査をしておりますが、これは光世証券に関しての検査ですね。光世証券について検査をしておりますが、「それ以降、検査を行っておりません。」とお答えになっているんですね。 結局、私が問題にした以降のことも含めまして、大証の問題が指摘されて以降、光世証券に対する検査は、やられたのはこれだけというふうに理解していいんですか。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 そのとおりでございます。
○池田幹幸君 二〇〇〇年の夏ごろから、この二〇〇〇年二月まで検査をやられたと。その後私はこの問題を取り上げたんですけれども、だんだんだんだん光世証券の問題というのははっきりしてきたと思うんです。仮装売買にかかわる問題というのは当時まだ分かっていなかったんですが、その後明らかになってきたと。そういって回を重ねてきたわけなんですけれども、これはどうして、その当時、二〇〇〇年二月までのところについて言えば、仮装売買のことについては問題になっていませんでした。私はこれを指摘しました。その指摘された後、一回もその検査に入っていない。極めて私は異常だと思うんですが、何で調べないんですか。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 一般論としてお答え申し上げますと、私ども証券取引等監視委員会は、証券取引に関する様々な資料、情報等を収集、分析しておりまして、仮に取引の公正を害するような違法な行為が認められれば、法の定めに従って厳正に対処しているところでございますが、大変恐縮でございますけれども、個別の具体的な内容についての御説明は差し控えさせていただきたいと存じます。
○池田幹幸君 これは、仮装売買というのは一人ではできませんので、相手があってできることなんですからね。その双方の記録を、関連する取引記録というのは、これは十年間保存されているわけですから、調べれば当然調べることは可能なんで、しかもそれは極めて初歩的な検査だと思うんです。確かに面倒くさい仕事かもしらぬけれども、検査そのものは初歩的ですよね。そういったことをもしやっていないとすれば、私は重大な問題だというふうに指摘しておきたいと思います。 それから、各証券会社は口座を開設する際どういうことをやるかといいますと、これはもう法人、個人を問わずに、まず本人確認というのをしっかりやるわけですよ。所在地、氏名、代表者名、それから属性、財力などをこれは全部確認します。光世証券とロイトファクスの問題についてもこれは当然やられたはずだということで、私は午前中、ちょっと詳しく質問しようとして時間がなくなったんですけれども、当然のことながらこれやられているんですね。おかしな取引が発見された場合には、証券会社は一体何をしなければならないかということもちゃんと決まっているんです。 これは自主的に日本証券業協会で決めているし、そしてまた、証券検査マニュアルというのがありまして、金融庁、お持ちですね。その証券検査マニュアルの中にも同じようなことが詳しく書かれています。おかしいなという取引があったら、その責任者に報告し、その責任者は社長に報告しなければならないという、これはもう社長ですよ、社長に報告しなければならないことになっているんですね。そういうマニュアルがあるわけですが、それから照らしても、光世証券の場合には何ら社長に報告がなかったというふうな形で、先ほど巽社長は元の光世証券の社長時代のことについて言っていましたけれども。 もしそうだとすると、こういった検査マニュアルに照らしても、やられていることはもう全然法律を遵守するという姿勢からはほど遠い、証券会社として初歩的なことすらやっていない、そういうふうなことになるんじゃないかと思うんですけれども、これはどういうふうにお考えですか、監視当局としては。
○政府参考人(新原芳明君) 大変繰り返しで恐縮でございますが、いずれにいたしましても、個別具体的な問題につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○池田幹幸君 これは竹中大臣に伺いたいと思うんですけれども、具体的な事例というのは余り御存じないかも分かりませんが、この問題、先ほども話聞いたんですが、顧客取引を紹介されたというんですね。証券取引所の専務から顧客を紹介された、ロイトファクスという会社を紹介されたと。これだけでもまあとんでもないことなんです。しかし、紹介されたというから知らぬ人同士を紹介したのかと思うけれども、そうじゃなしに、もうお互い、巽氏と八木さんというロイトファクスの社長は、もうずっと以前からのじっこんの仲なんですね。巽さんがお書きになった五十年史、社史の五十年史の中にも登場する人物なんです。そういう人を紹介したということは、どう考えたってある特定の取引を紹介したとしか思えない。私はそういう形で先ほども言ったんですけれども、そういったことがやられた。 つまり、取引所の野口氏とか、それから八木氏とか松原氏という役員ですね、そういった人が組んで、巽さんと組んで変なことをやったんじゃないかというふうに私は思わざるを得ないんですが、結局はうやむやのうちに巽さんは大阪証券取引所の社長になって、そして御存じのとおり、当時の関係している人は次々と首切られました。このことは御存じと思うんです。結局、そういう状況になっているんですけれども、これが今の大阪証券取引所の社長なわけですね。 取引所と監督当局というのは、これは車の両輪できちんと監視していかなければいけないと言われているわけですが、だとしますと、信頼回復という点からいって、こういった実態というのは一体どうすればいいんだと、大臣としてですよ。感想ございますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員言われましたように、正に当局、それと取引所それぞれの、当局は当局のルール、取引所は取引所の自主ルールで、これは一体となって市場のシステムを作って信頼感の基礎にならなけりゃいけないものですから、本当にこれは重要な、信頼感を、信頼を取り戻すという意味では重要な問題なのだろうと思います。 ただ、これ、先ほど事務局長から話もありましたように、証券取引等監視委員会では、当然のことながら、様々な情報に基づいて検査する必要があると判断した場合は当然検査をしてしかるべき対応をすることになっております。ただ、ここの特定の会社について検査はどうだったこうだったと、これは申し上げられない立場にあるということで、これは御理解をいただきたいと思います。 今申し上げましたように、今、昨年の五月から金融庁と証券取引等監視委員会による合同検査に着手をしております。こうした様々な我々の持っていますリソースを動員して、それで検査すべきは検査をしてしっかりと監視監督していく。この合同検査に着手しておりますので、こうした点も含めて、様々な法令違反のようなものがもし明らかになった場合は、これは先ほども申し上げましたように、我々としてはもう厳正に対処してまいるという強い決意を持っております。
○池田幹幸君 私、このことがあって何回か大阪にも行きました。関係者の方々の話も聞きました。その中で感じたことは、やっぱり証券取引所の信頼、これは回復しないと駄目だという立場で発言される方は圧倒的に多いんです。先ほどお話ししました仲立証券の方々だって、今は争議中でもう生活の糧がないという中でありながらも、やはり取引所の本来の在り方をどうすべきかということを証券業界の労働者の方々と一緒に真剣に取り組んでいる。そしてまた、取引所の職員で構成される労働組合の方々も、本当に弾圧、嫌がらせ、圧力を受けながらもきちんと内部告発をして、取引所のあるべき姿という形で求めているんです。 私、ここで確信を持って言えることは、こういった方々の存在があるからこそ、こういった方々の存在こそが日本の証券市場を再生していくといいますか、そういった力になるんだと、これは確信を持って言える。ですから、そこの力に私は政府も依拠すべきだというふうに思います。今、検査結果がどうなるか分かりませんけれども、しかしどうなったにせよ、やっぱりこの力というのは大いに働いていくだろうと。当局も、こういった方々の意見に真摯に耳を傾けられて、できるだけ早い、迅速な検査結果をお出しになるよう要望しておきたいというふうに思います。 それでは、法案について入らせていただきますが、株価対策について、関係閣僚の会議がやられまして、十二日と十四日ですか、要請が出されましたですね、金融庁から関係団体に対して、総合的なアクションプランを策定するよう要請すると出された。これは記者会見でなされたわけですが、そのアクションプラン見ますと、こう書いてあるんです、ラップ口座の積極的活用だと。当該法案が成立した場合には、法案に盛り込まれているラップ口座に係る環境整備を利用してラップ口座の活用を図る。特に、小口投資家向けラップ口座の導入を促進するとあります。 これまでの投資一任契約を見ますと、一件当たりの平均額が七十億円、相当な高い額ですよね、になっています。年金資金始めとして機関投資家が相手となってきたわけなんですけれども、今回、小口投資家向けというのは、一体どの程度の投資家を考えているんでしょうか。アメリカなんかのような一般の本当の小口投資家といいますか個人投資家ですか、そういったことを考えているんでしょうか、小口投資家というのを。
○政府参考人(藤原隆君) 先生御指摘のように、従来のラップ口座というのは機関投資家中心の大口のやつでございました。これを今回の個人投資家のすそ野の拡大という意味からも、もっと使いやすい、小口でも使いやすいようなラップ口座を開発していこうということでございますが、今具体的に幾ら以上とかというのはまだ決めておりません。
○池田幹幸君 そうすると、小口というのは個人というふうなことで理解していいんですか。
○政府参考人(藤原隆君) 個人ということには限りませんが、個人も含みます。
○池田幹幸君 それで、現状を見ると、随分お粗末といいますか、そういったことを感じるんですが、合法的な個人客相手の投資一任取引というのがありますね、合法的なやつ。これはもうほとんどないんですよね、個人客相手に存在しない。あるのかもしれませんけれども、ほとんどゼロだと。 他方、そういう投資一任的な取引、この違法なやつは、違法な投資一任取引というのは、これは投資一任取引とは言わないんですか、取引一任勘定というんですかね。名前が似ているんで分かりにくいんですが、中身はほとんど同じなんですね、やることは。ラップ口座のようなものというふうに理解していいかと思うんですが、後でこれはちょっと金融庁に御説明願いたいと思っておりますけれども、要するに証券取引法では、顧客等から売買の別、それから銘柄、数又は価格について個別の取引ごとの指示等を受けないで売買を行ういわゆる投資一任勘定取引は、投資一任契約に基づくか別に政令に定める場合を除き禁止だと、非常に分かりにくいんですが、要するに法的に認可されてやる場合はよろしいと、されていないやつは違法だと、こういうふうに解釈していいかと思うんですけれども。 ところが、投資一任勘定取引を違法に契約して取引しているというのは結構多いんです。正式に認可されているやつはほとんどなくて違法は結構あるということになっています。私、監視委員会のホームページで見せていただいたんですけれども、九二年七月から二〇〇三年五月まで、約十年ですが、その勧告事案の法律違反等の中で一番多いのがこの違法な一任勘定取引契約の締結と、こうあるんです。これが二百二十一件に上るというんですけれども、この違法な一任勘定取引契約というものについてちょっと分かりやすく、分かりやすく簡単にというのは語弊がありますが、御説明願います。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 いわゆる、今、先生、違法なと申しましたが、適法なというのが投資一任業務でございまして、今違法と言われておりましたのがその取引一任勘定取引ということだと思います。 これらはいずれも投資について一任を受けるという点では共通しておるんですが、投資一任業務の方は、顧客が行うべき資産運用を一任されると、認可を受けた業者が一任すると。他方、取引一任勘定取引と申しますのは、今、先生お話ありましたように、証券会社が顧客から、売買の別、あるいは銘柄、あるいは数、それから価格の決定、これらを一任された、このうちの一つでも一任されると一任取引になるわけでございますが、こういうものを一任されて行う個々の有価証券の売買でございます。 したがいまして、取引一任勘定取引と申しますのは、その個々の売買に対しまして手数料が徴収される、その都度徴収されるわけでございますから、いわゆる手数料稼ぎのための過当売買や、一任された範囲が非常にあいまいなことによる損失補てんの問題が大きい、その温床となりやすいというようなことで、過去から非常に投資家との間でトラブルが多かったものでございますから、証券取引法上はこれを禁止しているところでございます。
○池田幹幸君 結局、九〇年でしたっけね、特金、ファントラ、野村証券などが損失補てんをやった、大体その温床となったのがこれですよね。この一任勘定取引、取引一任勘定契約ですか、こういったことでやられていったと。今説明にありましたように、結局これが顧客とのトラブルや不正の温床となるということでも禁止されてきたと、こういうふうに理解します。 そうしますと、これまたこれやっぱりホームページで見たんですが、監視委員会が行った勧告事案というのが全体で六百五十三件あります。それでその中、取引一任勘定取引契約、これ違法なやつですね、これが二百二十一件、さっき言いました二百二十一件。ですから、勧告事案の中では三分の一以上がこれを占めているということですね。結局、監視委員会が勧告しても勧告してもということですかね、繰り返し勧告しても結局減らない、そんな状況に今あります。そうしますと、果たしてこの六百五十三件のうち二百二十一件、これだけが本当に悪いことをしているやつかなと思うとどうもそうも思えない。これ全件を調べたわけではありませんから、恐らくこの水面下では随分いろいろあるんじゃないか、これは氷山の一角じゃないかなという感じがせぬでもないんですよね。そういう今、今現在がそういった実態にあるということだと思うんです。 そういう中でこの法案が出されてきたということを念頭に入れて質問していきたいというふうに思うんですけれども、今回のこの法改正、ラップ口座というやつなんですけれども、これアメリカで有名になったラップ口座、その名前をかりてきているわけですけれども、これ結局、今るる説明ありましたけれども、取引一任勘定を結局やっていいよと、九〇年以前の段階に戻していこうと、こういうふうなことをすることになりはせぬかという疑問なんです。そうですよね。結局、一任勘定取引できるようにしようというわけですから、ラップ口座という名前でもって。しかし、現状は今言いましたように大変お恥ずかしい状態で、幾ら勧告してもやめようとしないといった業界の実態にあるわけです。 こういった点を反省した上でないと、書面交付について書面交付義務を免除するわけでしょう。それから兼業規制、これも緩めようというわけです。確かに、今度の法案はそうなっています。そうしますと、結局繰り返されてきた証券会社における不正、これを合法化する方向に持っていくということになるんじゃないか。これは細かいことではなしに大きな流れとしてそうとしか見えないんですが、竹中大臣、この疑問は当然じゃありませんか。
○政府参考人(藤原隆君) 先ほど取引一任勘定取引とそれから投資一任業務は違うというふうにお答え申し上げましたが、正に個々の個人投資家などが取引をやる場合に、例えば時間的な制約とかいろんなことから、ある一部の条件を任せてしまうというようなことが今まだ行われている、そういう実態だと思います。 したがいまして、そういうものではなくて、本当に投資一任業務というものが個人のレベルでもやれるようになれば、まさしくそういう許可制として許可を受けたそういう業者が、しかも公正かつ的確にその業務を遂行するような人的構成を持っている、そういうところが適切に利用されるようになれば、むしろ今までのような違法な取引が減少するというふうになると、それがまた証券市場への信認を確保する一つの道だというふうに考えて、今回はこういうことを提案させていただいているわけでございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 二つのことがあるのだと思います。 一つは、取引一任というのは、これはもう売買ですから、その売買の何を、だれが何を幾ら買うかというのは、そういう意思決定を非常にあいまいにしたままにしておく中でいろんな問題が起きてきた。これはこれできちっと、どこまでが責任範囲なんです、どこまでが売る方の、どこまでが買う方の責任なのか、これははっきりさせましょうというのは、これはもう取引においては常にやらなきゃいけない。 もう一方で、しかし一つ、時代の要請としてフローを重視するのではなくてストックを重視すると。証券会社から見ますと、売買で手数料を稼ぐというのはフローの典型でありますから、先ほど局長の話にもありましたように、いい加減にしておくととにかく売買だけを増やして手数料だけ稼ごうということにもなりかねない。しかし、我々はやっぱりストックを大事にして運用しなきゃいけない。これはやっぱり時代の要請であるんだと思います。そういう意味では、資産運用を正に一任するというか、その中で専門的な知識を活用して包括的に資産を運用すると、これはラップ口座の趣旨であろうかと思います。 ただ、ラップ口座というのは、手数料は、フローではなくて、取引量ではなくて、ストックに対して手数料が掛かるようになる。ここで今問題になっているのは、一つはやはりきちっとした売買、どっちにしても売手と買手でありますから、責任関係を明確にする中で、かつフローからストックへの時代への対応を行っていきましょう、そういう趣旨がこの中に込められております。
○池田幹幸君 ちょっと言っておられることが矛盾するんじゃないかと思うんですがね。 要するに、市場が今信頼されていないと、だから個人投資家が入ってこない。何で入ってこないかというと、証券会社が勝手なことをやって一任勘定取引やって、こんな違法な行為があふれている、だから信頼されていない、入ってこない。さあ、今度はそれをだからどうするかというと、今度はその規制を緩めて、ラップ口座という形でもってやっていこうじゃないかと。これはもう私から見れば非常に矛盾したやり方だなというふうに思います。 それからもう一つ言えば、今、竹中大臣、詳しくおっしゃったんですが、ラップ口座の場合はストックにと、残高ですかね、残高に手数料を掛けていくということなんですけれども、しかし、今度の法案で、そういうふうな残高に手数料を掛けるようにするんですよというようなこと、書いてありますか。
○政府参考人(藤原隆君) 証券会社が行います投資顧問業務との兼業と申しますか、それはもう既に認められているところでございます。 ただ、実際これが機能しておらないというのは、現行、自己売買に掛かる通知義務とか様々な障害がございまして、それで現在は、認められてはおるが、少なくともラップ口座を含む投資一任勘定業務は認められておるわけでございますが、それがうまく機能しないと。そこを、今度ファイアウオールを厳格にやり、そういうことをもちましてそこのところを解除していこうというような趣旨でございます。
○池田幹幸君 ファイアウオールと言われますけれども、実際上、これ時間がもう余りないから言えないんですけれども、いわゆる日本証券投資顧問業協会などは、ファイアウオールなんて一社内でできるかと、余り信用していませんよ。実際、あれじゃないですか、情報でいえば、共有しちゃならないと、営業部門と管理部門は共有しちゃならないというんです。ラップ口座の部門とほかの部門は共有しちゃならないというけれども、そんなものはあなた、常に同じ会社で同じ情報を見てやるんですから、利用されますよ。そんなこともあって余りそれは信用されないと私は思います。 もしそれをおっしゃるのだったら、法案にきちっと、今までやってきたラップ口座まがいのものについていえば、残高に掛けたんじゃないんですよ。取引は一任であるけれども、売った買ったでは手数料その都度増えちゃって、手数料稼ぎやっちゃったというようなこともあるわけでしょう。だから、そんなことをやらせないようにしようということであるのであれば、きちんとした形で、残高に手数料を掛けるんだということぐらいは書いたらどうですか、少なくとも。そういったことも全然法案には出ていないですよ。 私、実際、この問題について、私自身は素人ですから、証券業、証券会社の方々に話伺ってきました。ラップ口座というんだけれども、投資一任業務というふうに言われているんだけれども、一任勘定取引とどう違うんだという質問、先ほどの質問と同じようなことを質問ぶつけました。答えは、もう長年いた方々みんな共通していたんですよ。三十年この仕事をしているけれども、これが違うなどということは聞いたことがないと、こう言う。そんなものは損失補てんの温床になりかねないという点では問題は何も変わらない、これやってもと言っていましたよ。 だから、今までの書面の交付義務とか兼業規制、今までだってこれ設けてきたわけですよ、今までも。ところが、これ守られていないんですよ。今までそれが、書面交付義務や兼業規制が守られていなかったのを、これファイアウオールちゃんとします、ちゃんとしますって、どこにどんな保証があるんですか。今までもそう言ってきたんです。新たなそのファイアウオールというものについて何も書いていないじゃないですか。残高に掛けるということすら書いていないじゃないですか。まあ恐らく政令でやると言うんだろうけれども、そういうことですか。
○政府参考人(藤原隆君) まず、その手数料の話でございますけれども、これは、手数料はもう御案内のように既に自由化されております。したがいまして、どのような手数料であれ契約で決めることができる。ラップ口座のような資産をベースとした手数料、これについてもお互いの契約でできるということでございます。 それから、ファイアウオールの話でございますが、具体的なファイアウオールにつきましては、証券業を行う部門とそれから投資一任業務を行う部門とを明確にまず分離すると。そういうことに加えまして、一つには、証券業を行う部門と投資一任業務を行う部門との間でそれぞれの非公開情報が遮断されているという体制を作ること。もう一つは、これらの実効性を担保するための内部管理に関する業務を公正かつ的確に遂行できるような人的構成及び業務運営体制を有していること等を内閣府令で定めることを予定いたしております。
○池田幹幸君 省令ということになりますか。政令ですか、省令、政令ですか、省令ですよね。そういうことになるんだろうと、結構です、なるんだと思うんですけれども、私の疑問とするところはお分かりいただけたと思うんですよ。こんな今までやってきたことに対して、大した変更なしに、これをもってファイアウオールだといったって何が信用されるんだと。現場の労働者の方々が、こんなもの、今度のこれやったって今までと同じだよという、正にそこで働いておられる方々がそう言うぐらいの代物だということを私は指摘したいと思うんです。こんなことをやっておったんじゃ、またまた信頼をかち取るどころか新たな不信を招く材料を増やすことになるというふうに私は言わざるを得ないと思うんです。 時間が来てしまいましたので、資料を配らせていただいていたんですけれども、これは、証券取引所、地方証券取引所があるわけですけれども、ここでずっと私調べてみたところ、どんどんどんどん衰退していくわけですよ、地方の証券取引所はね。しかし、よく見ていただきたいのは、要するに、都道府県別の上場企業数の比較を右側にやってあるわけですけれども、この取引所があったところとなかったところと比べてみますと、取引所があったところではやっぱり上場企業は多いと。例えば新潟とほかのところを比べてみますとそういった状況になっているということで、私はやっぱり、政府は今度の場合も国際競争力強化というふうなことを盛んに言われるわけだけれども、そういったことにばかり一生懸命になっているうちに、この地方取引所の育成がおざなりになってこういった状況を招いているんじゃないかということを質問しようと思いまして準備した資料なんです。 それを紹介だけさせていただきまして終わりたいと思いますが、その私の疑問について、もし大臣、いや、そんなことないよというのであれば、ちょっと一言だけ聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 地方の取引所、大切だと思います。そういう意味でも、そこがそれぞれやはり今回のスキームを使って大いに活性化していただいて、いい意味で競争の中で活性化していくということを我々は期待しているわけでございます。
○池田幹幸君 終わります。
○平野達男君 国会改革連絡会の平野です。 今回の証券取引等の一部を改正する法律案、中身を拝見しますと、基本的にはいろんな規制緩和をして証券市場の活性化をもっともっと促そうという、そういう趣旨かと思います。この背景の中には、やっぱり間接金融から直接金融という流れに移行するんだと、させるんだということを、これ、金融大臣あるいは財務大臣等も事あるごとにいろいろ言ってこられたと思います。 しかし実際には、いろんなデータ見ますと、なかなか直接金融、いわゆる株への投資とか、あるいはいろんな証券を買ったり売ったりするという、そういった売買がなかなか進まないということで、間接金融から直接金融への移行というのはなかなか進んでいないというような結果になっていますけれども、この理由につきまして、竹中大臣あるいは副大臣でも結構ですが、どのようにとらえているか、まず、冒頭ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 間接金融から直接金融へという言葉は、恐らくもう一九七〇年代からずっと言われてきたのだと思います。 構造を考えますと、間接金融には間接金融のメリットが確かにございます。一つは、やはり小口の、家計における小口の預金を集めてそれを資金の取り手に流すという意味では、銀行というのはそういった資金を吸収するという意味で大変優秀な機能を持っている。 もう一つ、今度は資金の取り手に対する機能に対しても、いわゆるその情報が非対称であって、それぞれの企業の情報というのは、特に中小企業の場合はなかなかやはりオープンなマーケットでは集まりにくいんだと。そういう中で、日本の間接金融、銀行を中心としたシステムというのは、恐らく一九七〇年代の最初ぐらいまでは非常に有効な機能を果たし得たのだと思います。 しかし、それ以降どうも、資金の出し手の在り方、資金の取り手の在り方が大幅に変わってきたにもかかわらず、これがなかなか間接金融から直接金融へシフトが進まない。理由はもう本当にたくさんあろうかと思いますが、資金運用者の態度が、先ほども少し申し上げましたけれども、やはり日本の場合、資産所得の形成というのは大変重要なんですけれども、それがもう九九%、土地という非常に特殊な資産、必ず資産利得を得てくれる間違いない資産があったことによって、その資産の分散というのがなかなか図られなかったというのがあるのだと思います。 また、今度は企業の取り手の方で、お金の取り手の方から見ても、そこは実は、やはりどうしても銀行優位の中で資本市場の育成が遅れたと。その中で、それは銀行も証券会社も政府もプレーヤーとしてもっともっと積極的に果たすべき役割があったんだと思いますが、それが十分に果たせなかった。そうした中で、バブル崩壊後はむしろ株式の損失に対する非常なアレルギーのようなものが広がっていて、客観情勢が変化しているにもかかわらず、その主体の意思決定がなかなか変わらない、そういうジレンマの中に今まだ置かれているのだというふうに思っております。
○平野達男君 丁寧に御説明いただきましたけれども、私なりにいろんなことを考えますと、一つは、日本人というのはそんなリスクというものを取りたくないという性格、性向があるのかなという、いわゆる安定志向ということがあるのかなという気もします。 しかし、その一方で、これは前にどこかの委員会で言ったことなんですけれども、日本ではパチンコが物すごい大人気ですし、競馬も人気ですし、どうもギャンブル性といったら、投資がギャンブル性があるとは言いませんけれども、そういったリスクを取るということについては余り違和感もないという感じもあります。 あと一方は、もう一つは、やっぱりリスクを取るというのは、自分が投資したことに対してどれだけのリターンがありますかというのを自分で判断するということで、これは投資顧問会社なんかにいろんなアドバイスを受けたりするわけですが、最終的には自分で判断する、そのときにいろんな条件を考えなくちゃならないわけですね。一方で、銀行とか何かに持っていくと、これだけの利率ですよということで、保証しますよということで非常に判断が簡単だということで、一方の直接金融の場合のいわゆる証券とか何かに投資する場合の自分で判断をするというそのリスクを取ることと、その労力と、それをやった場合のリターンというのは、今の景気というもの、景気状況等は別として、仕組みとして返ってくる仕組みになっていないんじゃないかと。具体的には、もう税制の問題とかなんとかというのに関連するわけですけれども、そういった仕組みの問題がこれ二つあるんじゃないかなと、問題としてはあるんじゃないかと。 それからあと三つ目は、やっぱりこれ見ますと、今の直接金融市場の仕組みというのが、これは私だけかもしれませんが、物すごい分かりにくい。投資顧問会社があって投資顧問委託、例えば投資顧問会社は、これは一対一の投資信託のコンサルタントで、まずはアドバイスしましょうと、だけしますと。そういう会社があるかと思うと、投資信託委託会社というのがあって、これはファンドを形成して複数を相手にしましょうと。それから会社でも、証券会社があったりすると、そこで今度は資産運用とそれから管理は別で、それは別々会社にしますとかですね、何かこういろんな形の会社があって、それがどういう仕組みで動いているのかというのが、直接金融のときは多分ある程度全貌を見なくちゃ分からないと思うんですが、そういった仕組みの難しさというのも、これは私が今個人的に感じているのでは、やっぱり強くあるなという感じがしています。 三番目の問題は後でちょっとまた触れますけれども、一点目の、特に日本人のDNAの遺伝子に組み込まれている投資に対する感覚というのを伊藤副大臣は、これどのようにとらえておられますか。ちょっとお聞かせ願えますか。
○副大臣(伊藤達也君) 今、先生の方から、やはり日本人のDNAの中にリスクを取ってというところが非常に弱い、安定志向というところがあるんではないか、そういうお話がございましたけれども、私は個人的には必ずしもそうではないんではないかというふうに思っております。 確かに、個人投資家が積極的に証券市場に参加をしておりますアメリカを見てみますと、株式の保有比率が四〇%ぐらいございます。日本も過去を振り返ってみますと、昭和五十年代、この前後、これ実は三〇%台ぐらいの比率がありまして、その後やはりどんどんどんどん落ちて、今二〇%ぐらいまでなってしまった、こういう傾向がございます。 内閣府で実は昨年調査をいたしまして、その中の調査で、証券市場に積極的に参加をするということについてやっぱり消極的な姿勢が出ておりまして、その理由を見てみますと、やはり投資に対する知識が不足をしている、あるいは投資の単位が大きい、さらには証券市場、証券会社に対する信頼性の欠如があると、こういったことが理由として挙げられているところでございます。 こうしたことを踏まえて、昨年の八月に発表した証券市場の改革促進プログラムに基づきまして、個人の投資家が主体的な判断ができるような、そういう投資というものが容易になるように、投資知識の普及、そして情報提供に努めると、さらには投資の単位の引下げを、これを実施をしていく施策というものを積極的に展開をしてきたところでございます。また、今御審議をいただいておりますように、個人投資家の方々に積極的に参加をしていただけるように今回の証券取引法の改正をさせていただきたいということで今御審議をいただいているわけでございますが、こうした取組を通じて個人投資家の方々に積極的に証券市場に参加をしていただくように私どもとしても努力をしていきたいというふうに考えております。
○平野達男君 そこで、今回の規制の中に、いわゆる業務委託、失礼しました、証券仲介業者、証券仲介業制度、要するに代理店制度というんですか、これの拡充を入れてあります。これは、先ほど私が言いましたように、きちっと、投資というのはこうするものですよということを小学校とか中学校からきちっと教育を受けているなら別ですけれども、私なんかの感覚では、自分で投資をしてリスクを取るというのはなかなか勇気が要ると。そこに対するアドバイザーがどういう資質を持ってどういうアドバイスをしてくれるかというのは物すごい重要だと思うんですね。こういう規制をしたのはいいんですけれども、今の、その証券仲介制度の今の現状というのがどういうことになっているのか。 私は今日、先ほどの池田委員の議論、あるいは前のいろんなこの委員会での議論を聞いていますと、どうもいろんなアドバイスを聞いてみたけれどもだまされたと、悪徳業者にだまされたと、そういうニュースばっかししか入ってこないんですよね。ばっかししか入ってこないというのは言い過ぎかもしれません。その一方で、こういう門戸を広げるというのは、これはやっぱり規制緩和で、それだけ要するに投資をしたいという人、投資をしたいと思っている方が代理店制度を通じていろいろ情報を仕入れる、入るよという意味においてはいいんですけれども、同時に、そういう悪質なというか質の悪いというか、そういった証券仲介業者みたいなものを増やす結果になってくるんじゃないかと。 ここで言いたいのは、やっぱりこのやる人というのは資質が物すごい重要だと思います。的確な判断をして、これでいいですね、そして投資家が、ああこの人なら何となく信頼できるなというような感じの人をやっぱりたくさん作らなければいけません。だから、数の問題じゃないんじゃないかと、今は。今この国がやらなくちゃならない、今の状況でやらなくちゃならないのは。今、数だけやって何となく法律改正したような形になっていますけれども、そこの肝心の部分は今回の法制度のところでどういうことを入れてあるのか、ちょっと御説明願いたいと思うんですが。
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。 正に今先生御指摘のありましたように、今回のその証券仲介業者というのは、単にチャンネルを増やすというだけの話ではございませんで、従来外務員、もちろん優秀な外務員、善良な外務員には多いわけでございますが、にはないような例えば資質を持った方々、こういう方々が証券仲介業者として活躍していただき、それで国民の信頼を得て適切なアドバイス、仲介をやっていただくということも目的としているところでございます。 さはさりながら、やはりその証券仲介業者に対しましては、我々としましても、いろいろな規定、規制といいますか、そういうのを考えておりまして、一つには、まず証券会社と同様に登録制というふうにいたしたいと思っております。それからもう一つは、その使用人で勧誘を行う者につきましては外務員登録を要件として一定の資質を求めることといたしておりますし、さらにその業務につきましても、証券取引上の勧誘に係る行為規制や金融庁の検査監督の対象とするということを通じまして、法令遵守の確保に十分配慮した体制にしていきたいというふうに思っております。
○平野達男君 国ができること、法律ができるというので、法律でできるというのはそこまでなんでしょう。もう当然のことながら証券仲介制度、この人がいい人が来なければ証券会社が廃れてしまうわけだから証券会社も多分本気になってやるだろうとは思うんですが、いずれ本当に窓口となる方々の資質というか、その能力というのはやっぱり非常に大きいんじゃないかなという感じがします。 それから、ちょっと時間がなくなってきまして、実はりそなのことをお聞きしたかったんですが、後の委員会にちょっと出れなかったんで、ちょっと一点だけりそな関係でお聞きしたいんですけれども、今回のりそなはどれだけの公的資本注入か分かりませんが、金融危機ではない、再生だというふうに言っています。 しかし、これをふと考えてみますと、じゃ、危なくなったやつを、ちょっとこれ危なそうだなという、再生の名の下にどんどんどんどん公的資本注入をやっていけば、いつまでたっても危機起きないんですよね、これは。だから、今回のりそなというのが、再生というのと、これをほうっておけば、武力攻撃事態法じゃないけれども、おそれがあるじゃないですけれども、その注入した段階の判断というのは、これは再生と言い切っていいものかどうか。じゃ、要するにりそなが終わった後、どこの銀行がまた、要するに監査法人がやっぱり厳密な監査をやって繰延税金資産が随分少なくなったと、ここで自己資本比率ががたんと落ちましたというようなときに、落ちそうだと、あるいは落ちてしまったといったときに、これは再生でございますから五千億とか一兆とかという公的資金を注入しますと、これも再生になってしまうんです。なってしまうんです。 ここのところは、一般の我々が受けている感覚と、金融危機ではございません、金融危機ではございません、これは再生です、再生ですと言っているところとの話の中にちょっとギャップがあるし、じゃ、先ほど言いましたように、次の銀行でそういうことが出たとき一体どうなるんだろうかということの当然疑念を持ってくるんですが、竹中大臣、これはどのように思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 公的資金を注入するというのは正に大変大きな、我々としても大きな決断でありますし、間違いなく国民にとっても大きな負担を求める可能性が出てくるわけであります。 就任以来申し上げてきたのは、今の経済の現状を見ると、危機かと言われれば、危機とはやはり言えないと。その危機という意味は、これは林先生のその国会答弁が残っているわけでございますけれども、いわゆる、例えばシステミックリスクとして連鎖的な反応が起きるとか、そういう意味での危機ではないと。これは恐らく認めていただけるんだと思うんですね。しかし、私はもちろん健康体だとは思っておりません。日本の金融システムは病んでいると。 そういう状況の中で、正にこのりそなは、その病んでいる中にあって、資産規模四十兆円の銀行ですから、これが一気に二%の自己資本比率になるということが明らかになって、それをマーケットで放置したらそれこそ信用秩序の維持に重大な支障が出る、そういう瀬戸際のところにやはり来ていた。 これは破綻ではなく再生だというのは、これをこのまま破綻に向かわしめるのではなくて再生に向かわしめるのだと、そのために今回の措置を取るのだと。入れたら、お金を入れたら再生だとはもちろん思っておりません。これは正にしっかりとガバナンスを発揮して再生の道を歩ませなければ再生にはならないわけで、そのための枠組みはしっかりと取ります。しかし、その一歩として、やはり資本を注入して厚い自己資本を持たせることは今回は必要であるというふうに判断したわけであります。 趣旨はそういうことでございますけれども、二つ目の、他行の場合はどうだと。これはいろんなシナリオを仮定を置いて幾つか今の時点で申し上げることは、これはちょっと難しいかというふうに思います。ただ、いずれにしましても、金融再生プログラムの趣旨にのっとって、我々としては金融全体の再生を目指して是非しっかりやっていきたいというふうに思っております。
○平野達男君 じゃ、もう一点だけ。これは通告申し上げませんでしたけれども、今まで金融機関は百六十何行破綻しています。今回、りそなは、破綻させたらこれは大変なことになるということは私でも分かります。で、再生ということで公的資本注入を早期に決断をしたと。 この破綻する金融機関と再生させる金融機関の境目というのは、これはどういう形になりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、大変一般的な言い方になりますけれども、正に実態を判断しなければいけないということだと思います。 非常に著しくその財務内容が欠落していて傷んでいて、これはもうとても元に例えば戻せないような状況であれば、これは再生させることはあきらめなければいけないということになります。 しかし、今回の場合、そういった意味で、我々は日ごろから検査、これはもう検査というのを非常に厳格化してきておりますし、その意味では、いわゆるそういった意味での債務超過とかそういう状況ではなくて、正に過少な資本であると。この資本、過少な資本を是正してガバナンスを立て直すことによって再生は可能である、そうすることが国民経済を安定させるためにも、ないしは、特に今回の場合、大阪、埼玉を中心とした地域の経済を安定化させるためにも最良の方法であるというふうに判断したから今回のような措置を取ったわけでございます。
○平野達男君 いずれ、公的資本注入による自己資本の割合が、中に占める公的資本の割合がどんと大きい銀行ができてきます。もう実質、国有化じゃない、国の銀行というか、本当の国経営のみたいな銀行がちょっとできている感じがするんですが、今回の措置について、次の危機というか、もう類似の銀行がまた同じような例が出てこないようにしっかり運営してもらうようにお願いして、時間になりましたので質問を終わります。
○大渕絹子君 構造改革という名の中で日本の金融機関も大変大きな今改革の途中でございますし、証券業界も、銀行とか証券の垣根を低くしたり、あるいは手数料の自由化をしたり、あるいは税制の改革をしたりしながら、できるだけ証券業界に資金が潤沢に流れるような改革を今取り組んでいるやさき、この法案もそうした意味ではその改革の一環だというふうに思うわけですけれども、今回の改革を踏まえて証券業界の今後の展望、これは非常に大きな問題だと思いますので一言ではなかなか言いにくいんだろうというふうに思いますけれども、竹中大臣はどんなふうに考えていられるのか、お聞かせください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に、展望は一言で申し上げるのは大変難しい問題であろうかと思います。 ただ私、かねてから思っておりますのは、やはりこの日本の証券市場というのは非常に大きな潜在力を持っていると思います。これだけの金融資産を国民が現実に持っております。それがどちらかというと、何度も申し上げておりますけれども、土地という非常に特殊な資産形成を行う一つのプロセスとして、つまり、ちょっとした頭金をためて金融資産という形でもって、それで土地、マンションを買うんだと、やっぱり一般のサラリーマンの方々はそういうふうな資産の形成を描いていた方が多いと思うんですね。 そういう中で資産形成が行われてきたわけですけれども、しかし諸外国の資産の運用の実態なんかを見ますと、こういう株式に代表される、ないしは投資信託等証券市場に関連する資産に非常に大きなウエートを皆さん置いておられると。その意味では、正に個人のお金がこの市場に流れ込むことによって大変市場が活性化していくという非常に大きな余地を有しているんだというふうに思っております。それが結果的には株価を含む証券市場の活性化、つまりマクロ経済の活性化にもつながることであるし、個人の資産形成を通して日本人の生活を豊かにしていくという道でもあるのだと思います。 今回準備したものは、その意味ではまず何よりもその販売チャネルを多様化する、証券仲介業というのはその制度の典型でございますし、さらには、いわゆる資産管理業務といいますか、資産を運用していくために求められる証券会社の資産管理業務をより適正化していくための様々な規制の適正化、先ほどから議論になっておりますラップ口座が円滑に運用されるようなシステム、さらには取引所そのものが活性化していくようなスキーム、これは持ち株会社の制度を含めてでございますけれども、そういった包括的な手段をこの本法律改正の中に準備をしたつもりでございます。
○大渕絹子君 今年四月に株価が大変、七千六百七円ですか、もうバブル崩壊後最安値というような厳しい状況、二年前の市場と比べて二分の一に下落をするというような状況がこの間ずっと起こってきているわけですけれども、こうした状態を引き起こしてきた原因というようなものを探っていかないと立ち直りはなかなか難しいのかなというふうに思うわけですけれども、さすがに小泉さんも、株価については市場介入はしない方がいいのだというようなことを言っておられたんですけれども、五月十四日には市場活性化対策ということで決定をせざるを得ないような状況が今起こっているというふうに思うのですけれども、この活性化対策が発表されてもなおかつ株価は上昇を見ない、それには余り期待ができないというような株価を示しているのではないかというふうに思いますけれども。 この対策に対する市場の評価というものに対して大臣はどんなふうに考えておられるのか、この対策が実施をされたら本当に株価対策として株価の上昇は起こってくるのかというようなところは分からないですよね。分からないと思いますけれども、見通しをどうぞ大臣教えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど委員は市場介入というふうにおっしゃいましたけれども、市場介入をするつもりはございません。ただ、市場が抱えている構造的な問題を解決して市場を活性化したい、そういう思いであの五月十四日の政策は取りまとめられております。 これ、是非ひとつ御理解いただきたいんですが、今年に入ってまたバブル後最安値を付けました。大変厳しい状況であるということは認識しておりますが、これ実は先般の月例経済報告で報告をさせていただいた、内閣府の試算として報告させていただいたんですが、実は今年に入ってから株価下がっております。厳しくなってその中で最安値を付けております。ところが、日本の今年に入ってからの平均株価の下落ですよ、全体の下落のうちの五〇%が実は上位五社の下落だけで説明できると、数字の上ではそういう数字が出てくるんです。つまり、日本を代表する幾つかの優良銘柄と言われているところの五社、そこの株価が下落したということが株価全体の下落の何と半分を占めていると。 詳細に更に見てみますと、株価がそのTOPIX、東証全体で見ると、平均株価が下落しました、今年に入ってから、最安値を付けました。しかし、下落した会社の数からいうと、三割が下落で七割は上昇しているんです。これがやっぱり今の日本の株の実態です。 つまり、収益状況等々に反映されるように、いいところはそこそこやっていて株価は上昇させている。これは七〇%そういうところがある。しかし、例えばですけれども、その優良銘柄等々は代行返上等々で、年金というのはそういう株を持っているところが多いですから、そういうところが代行返上等々で売られている。これはすべてそれで説明もちろんできませんが、一つの要因として考えられるのではなかろうか。つまり、先ほどから議論している短期的な需給要因が非常に何らかの形で働いているのではなかろうかと考えられるわけです。 したがって、前回のような、代行返上について様々な措置を取る、さらにはより公的な部門のお金が市場に入ってくるような仕組みを作る、そういった観点から正に市場の構造改革として今回の措置を投じて、これ難しい問題ばかりですけれども、できることから順次やっていこうという、そういう決意を持っているわけでございます。その意味では、万能薬に足り得るものはないんでありますけれども、やはり地道な努力を続けて、今の日本の経済の実力が適正にやはり評価されていくように株式市場を活性化していく必要があるというふうに思っております。
○大渕絹子君 午前中の参考人質疑の中でも、需給のバランスが非常に崩れたんでこういうことが起こってきたというのは、今大臣も同じことをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、大手主要五社が下がってきたという原因は、銀行との持ち合いを解消しながら、企業株が持ち合い解消のために放出をするというところが非常に大きくなってきているんだろうと思うんですね。銀行側の保有する株式については、生保とか簡保とかの資金も利用して買い支えをするということでこの対策の中にも書かれているわけですけれども、報道等によりますと、銀行からの放出されている株は市場に流れてきているのは一割程度にすぎないと、むしろその反対に事業者の企業から放出される銀行株の放出する数の方が多くて、それが市場を下げているんだというような報道もあるわけなんですよね。 そうすると、一方的に銀行保有株を買い支えをするというような対策だけでは駄目なのではないかというふうに思うわけでございます。それだったら、そのことについてまず答えていただきましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 需給の状況について、私自身、十分把握してこういう場で申し上げる立場にはないというふうに思っておりますが、持ち合いの解消、それと年金の代行返上に伴う売り、様々な要因が今の需給関係に反映されているというのは間違いないと思っております。 持ち合いの場合も、銀行が放出する場合、それに対応するような形で事業会社が銀行株を放出する場合、これはもう両方ともそれなりにあるのだと思います。そうした問題に対応すべく、株式保有の買取機構の中身も、今度は相手の会社が持っている銀行株についても対応が可能になっているわけでございまして、そういった対応も少しずつであるけれども取られているのだというふうに認識をしております。 ただ、いずれにしても、この需給の話というのはなかなか見えません。それと、いろんなこういう観察、観測はあるんですけれども、これはあくまでも個々の投資主体の判断の積み重ねでありますから、なかなか余り単純にストーリーを描いてしまうと、ともすれば、これは言い過ぎというか、オーバーステートメントになる可能性もある。その意味では、やはりその資金の流れ、構造をしっかりとさせていくような、正に証券市場の構造改革を進めるというのがやはり政策の本筋であろうかと思います。
○大渕絹子君 この活性化対策を決めなければならないような事態に陥ったことに対して、その前段でずっとやられてきた金融政策そのものが、それでは失敗をしたというふうに大臣はお認めになりますか。これが、こういうことをやらなければならなくなってきた過程において、行政側で何らかのこの金融政策に失敗があってこういうことをやらざるを得なくなったというふうにお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融政策とおっしゃるのが、マクロの金融政策、金利とか通貨量の調整ということも含めてそういうことを専らおっしゃっているのでもしあれば、そういう要因、これはそういう要因ももちろんあろうかと思いますけれども、それは決して決定的な要因ではむしろないと考えるべきなのだと思います。 例えば、持ち合いの解消がなぜ起こっているのかと、それは金融政策の失敗か、それはそうではないわけですね。お互いにその株式を持ち合ってリスクをシェアするというシステムが高度成長の下では可能であったけれども、お互いがそのリスクを背負えなくなるようなこういう新しいグローバルな環境下では、今までの構造を正に変えなければいけなくなった。これは、そういうふうに構造を変えていくことが現実に求められているのだと思います。 その構造を変える中で、例えば持ち合い株の解消売りに出されると、それはその構造改革の中で出てくる一つの現象であるということだと思います。それに対して、例えば、じゃそれに代わる資金の受け手というのが実はなかなか育ってこない。これが本来期待されるのは家計、個人のお金でありますけれども、個人のお金がバブル後なかなか萎縮してリスクのマネーに回ってこない。そうすると、やっぱりそこがしっかりと回るような構造的な、そういった構造改革を助けるような政策を行っていかなければならない。 今年の証券税制の改革というのはその重要な一手であったと私は思いますが、この証券の取引法の改革も、その意味では、証券仲介業等々を通してチャネルを多様化して、その正に進んでいる構造改革と整合的な形で、ないしはそれを後押しするような今政策を我々はしっかりと後押ししようとしているわけです。
○大渕絹子君 なかなか先の見えない中での状況で進んできた状況で今こういう状況にあるというのは分かるわけですけれども、それにしても、不良債権処理であるとかあるいは持ち合いの解消であるとかというのを急ぎ過ぎたがために日本の株式市場がこういう状況に陥ったというような批判も私は一理あるんではなかろうかと、こういうふうに思っております。 それでは、郵政公社の生田総裁は、国民のとらの子である郵便貯金や国の郵便貯金を国の金と錯覚してはいけないというような発言をなさっていて、直接に資金を投入をして郵貯の、郵貯や簡保の資金が株を取得をするというようなことにはならないわけですけれども、銀行等保有株式買取機構にその資金を提供をしてどの程度の株を購入をさせようとしているのか、またそれによってどの程度の株価の上昇が見込めると踏んでいらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) お金、郵貯等々でとらの子のお金という、とらの子という表現がよく出てくるわけですが、私はお金はすべてとらの子のお金だと思います。銀行のお金も庶民のとらの子のお金であるし、生保等々に集められたお金も正にそういうものであろうかと思います。正にそれを適正に運用していくということがそれぞれの運用主体の立場で求められているということだと思います。今回これ、郵政が公社になりまして、それは公社の立場で独自にしっかりと運用していただくということに尽きるわけでありますから、これは政府がどうこう言うという性格のものでは本来ないというふうに思っております。 今回、その対策の中に織り込まれた一つの趣旨は、株式買取機構が債券を発行して資金調達するときにそれに運用すると、郵貯、簡保のお金を運用するという趣旨でございますから、その意味では、リスクが少し分断された形でお金を運用するということについて今御検討をなさっているということだと認識をしております。
○大渕絹子君 だって、政府がどうこうするって言わなくたって、この対策は政府が出されたんじゃないんですか。証券市場活性化関係閣僚等による会合の中で、早急に対応することとして、郵貯、簡保の資金を市場から株式を購入することを検討すると、本年度中に検討すると、しかも早急にと、こうなっているわけでしょう。政府がどうこう言うことじゃないというふうにおっしゃっているけれども、それは違うんじゃありませんか。大臣、変じゃないですか、そこ。いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これ、御指摘のとおり、閣僚による話合いの中で郵政公社は検討するということが述べられております。ですから、申し上げたかったのは、郵政公社に何か政府が何かを命ずるとか命令しているとかそういうことではなくて、郵政公社の方で一体となって検討しておられると、そういう趣旨でございますということを申し上げたかったわけです。
○大渕絹子君 変ですよ。生田総裁はそんなことにしたくないと言っているのに、政府はこうしろと、こうした方がいい、こうしてほしいという要望でしょう、これ、大体。そういう対策だというふうに私は読んでいますけれども、そうじゃないんですか。じゃ、拒否されたらやらなくていいんでしょうかね。そうとはならないでしょう。だから、そんな変な答弁をなさらない方がいいんじゃありませんか。 それでは、塩川財務大臣にお聞きをいたしますけれども、証券税制なども随分と検討されてきて、個人の資産が証券の方に参入しやすいシステムをこの委員会でも作ってきたというふうに思うのですけれども、まだなかなか入ってこないという状況はございますけれども、キャピタルゲインの課税だとかあるいは株式配当に対する課税とかというのは一時的に凍結をする、課税をしないというようなこととか、あるいは総合課税の中で発生した損失は税制全体の中で補っていくような思い切った、当面、個人の資産が株式市場に入り込んでくるまでの間、当分の間、そのようなことも考えられてもいいのではないかというふうな時期が来ているんじゃないかというふうに思っているんですよ。 消費税の値上げ等々が検討されているようですけれども、キャピタルゲインについて総合課税というような話の方がむしろ分かりやすくて明快で、国民の中に疑問もなくそれじゃやってみようかというようなことも起こってくるのではないかというふうに思うのですけれども、この件についていかがでございますか。
○副大臣(小林興起君) そういう御議論がもちろんある中で、御承知のとおり、先生方の御協力をいただきまして今国会で証券税制を新しくさせていただきました。そのことによりまして譲渡益課税が大きく下がったということもありますが、その配当につきましては、実はこれまでは配当課税は総合課税だったんですね。しかし、今日、証券税制、証券業界を活性化していこうと、証券市場を活性化していこうと、こういう声の中で、いろいろな御議論がある中で、総合課税よりは分離課税でいって、そして安い税率、一〇%、譲渡益も一〇%ですけれども、この配当も一〇%だということで今回通させていただいたわけでございます。 そういう意味では、また将来どうなるかは別といたしまして、むしろ今回の税制改正で、申し上げましたとおり、この配当につきまして総合課税から分離課税と、便利でぱっとやれるということについて多くの賛成の意見がありまして、それを受けて政府としてそういう形で踏み切ったわけでございますので、この一〇%という税率の中で少し積極的にPRもさせていただきながら証券市場の活性化に努めていきたいと、そう考えているところでございます。
○大渕絹子君 塩川財務大臣は十五日から十七日まで財務相、閣僚のサミットですね、参加をされてきましたけれども、その場所でアメリカのスノー財務長官などが、ドル安は輸出に役立つとか、日本やEUが自国経済の低迷をドル安のせいにするのは不適切だなどと発言をしながら、ドル安を容認の方向性を打ち出しているのにもかかわらず、このサミットの場所でなぜ日本は、私たちはこの委員会の場所で常に円安の方が日本の経済にとっては立ち直りが早いのではないかというような議論をしてきているにもかかわらず、このアメリカのドル安容認発言に対して日本としては何か塩川大臣は発言をされてきましたか。 日本経済を立ち直らせるためには、アメリカにはもっとそうじゃない立場を取るべきだというようなことは御主張なさったのかどうかというのをお聞きをしたいんですけれども。
○国務大臣(塩川正十郎君) G7の会議で、正式の会議では為替の問題は一切出ませんでした。ですから、スノーさんがそれをおっしゃったのは会議の席で言ったんではなくして、会議の各セッションがございまして、セッションが終わりますとばあっと新聞記者が皆食らい付いてきます。その中でおっしゃったんで、しかし、よくその文言を見ますと、あえてスノーさんがドル安に持っていきたいんだという意向を言っているんではなくて、ドル安の状況について私はこう思うということを言ったんであって、ドル安の方向を示唆しているとは私たちは取っておらないんです。 けれども、マスコミからの評論でいきますと、スノーさんの発言がドル安だというふうにとらえておって、これがアメリカでも議論が出ておるということは承知しております。しかし、スタンスとしては、為替には積極的なそういう人工的な工作をするということはアメリカはいたさないということを言っておりますし、また、アメリカ政府全体の雰囲気、方針としてはやっぱりドル高がいいんだという、そういう古来の精神は、伝統的な考え方は変わっておらないように思うんです。 しかし、先ほどもニュースでございましたが、アメリカの中で今デフレ懸念というものが起こってきておりますので、そういうようなものが、やはり一般の期待としてドル安の方向を期待しておるものがそういうマスコミの波にすっとスノーさんの言葉が利用されてしまったんじゃないかと、私はそう思っておりまして、スノーさん自身がドル安でいきたいんだと、あるいはドル安がいいんだというような表現はしておりません。
○大渕絹子君 だって、実際にそのG7の会議の後、ドル安・円高に振れてきて、日本の政府は円を売って円安支え、円が上がらないように支えなければならない事態があって、ずっとなさっているじゃありませんか。それなのに、そういう御答弁は少し変ですよ。せっかく発言するいい場所があったにもかかわらず、そうしたことに対してどこの国からも問題提起をしないということであれば、アメリカのスノー財務長官の発言について全体が容認をしたということになっていくんじゃありませんか。 私は、この間、日銀総裁の来られたときの質疑の中で、日本も円安方向を打ち出してきちっと明快に世界にアピールすべきだと言ったら、今そういう状況にないので言っても駄目だというような答弁されているんですけれども、アメリカはそんな状況になくても堂々と発言をしてほかの国の財務大臣の口を封じてしまうようなことがちゃんと行われているというのを、これに対してやはり対等に発言をしていけなければ日本の経済って立ち直っていかないというふうに思いますよ。いつまでも日本が自らの円を売って、そして何とか円が高くなるのを抑えていかなければならないような状況を続けていて、私は景気なんか立ち直るはずはないというふうに思いますので、是非、国際的な立場に、会議に出られたときには日本の立場をやっぱり最大限に御主張なさるのが大臣のお立場だと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、証券取引法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。 反対する第一の理由は、本法案が投資家保護、不正防止の規制を緩和するものだからです。多発する証券不祥事が示すように、現在の金融市場は極めて不公正な状況にあります。証券市場の健全な発展のためには、九八年、金融システム改革法の附帯決議を踏まえた包括的、横断的な金融消費者保護法制の整備を始め、迅速な紛争処理が可能な機関の設置、消費者の立場に立った補償制度の創設などを行い、国民の信頼を回復することこそ求められています。 ところが、本法案は、このような消費者保護法制の整備に背を向けるどころか、目先の株価対策の一環として、証券仲介業の解禁やラップ口座などの普及を図るために今以上に消費者保護を弱めるものです。さらに、不正取引の防止について関係業界団体からも危惧の意見が出されており、反対です。 第二は、証券取引所の保有株式制限の緩和や持ち株会社の導入についてであります。株式会社後の大阪証券取引所が上場審査、取引参加者審査などで不正行為を働いた上、自浄能力を発揮できないでいる現状が示すとおり、株式会社化によって取引所の公正性、公共性が弱まる状況が生まれています。その中で保有株式の制限緩和を行えば、特定株主の支配力を強め、今以上に取引所をゆがめることになり、反対です。 また、取引所の持ち株会社の導入をてこにした地方取引所の統廃合や、自主規制機関としての機能の低下を招くことは認められません。 以上で、私の反対討論を終わります。
○委員長(柳田稔君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 証券取引法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局参事官西原政雄君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 金融危機に対応するための措置の必要性の認定に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。竹中金融担当大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 五月二十日、預金保険法第百二条第六項に基づき、株式会社りそな銀行に対する同条第一項第一号に定める措置の必要性の認定の内容に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、本報告を提出するに至った経緯及び本報告の内容等について御説明申し上げます。 株式会社りそな銀行については、平成十五年三月期決算における同行の自己資本比率が健全行の国内基準である四%を下回る二%程度となるとの報告を受け、五月十七日、金融危機対応会議の議を経て、同行に関して、預金保険法第百二条第一項第一号に基づく資本増強を講ずる必要性の認定を行うとともに、同行が資本増強の申込みを行うことができる期限を平成十五年五月三十日と定めました。 今回の株式会社りそな銀行に対する認定につきましては、破綻処理やいわゆる国有化ではなく、金融危機を未然に防ぐために、同行に資本増強を行って十分な自己資本を確保し、同行の再生を図るものであります。 また、認定の後、同行からの申込みを待って、資本増強についての具体的な決定を行うこととなりますが、経営の安定を図り、預金者等の不安を招かぬよう一〇%を十分上回る自己資本比率を確保したいと考えております。 今回の資本増強及び徹底的な経営改革により、同行の健全性の確保、収益性の向上が図られるものと期待しております。当然のこととして、同行においては、引き続き通常の営業が行われており、預金につきましても全く問題は生じません。 ただいま御説明申し上げましたとおり、今回の株式会社りそな銀行に対する必要性の認定は、金融危機を未然に防ぐための万全の措置として講じたものであります。現状においては、金融システム全体に影響が及ぶ状況にはありませんが、政府としては、今後とも、金融システムの安定を確保していくとともに、日本銀行とも緊密な連携を取りつつ、預金者の保護、信用秩序の維持に万全を期してまいる所存であります。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(柳田稔君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村耕太郎君 田村でございます。今日はよろしくお願いします。少々厳しい質問をさせていただくかもしれませんが、国民の目線に立って聞かせていただきます。 公的資金の必要性と意義、法的根拠についてはよく分かっているつもりなんですが、私は感覚的には公的資金に対して、公的資金注入に対して共感を覚えることはできません。竹中大臣も御実家が御商売をなさっているということなんですが、私も地方都市の商売人のせがれでして、やはり経営責任というものの厳しさについてやはり小さいころからたたき込まれていますので、ちょっと納得いきません。 私の作りました資料を見ていただきたいんですが、この裏表一枚になっているやつの横に広い方を見ていただきたいんですが、いろいろごちゃごちゃ書いていますが、結論から言いますと、過去の経験から見まして、公的資金の注入のたびに私、銀行は緩んでいると思うんです。 公的資金の目的は大きく分けて二つあると思います。一つは信用秩序の維持、預金者の保護、もう一つは過去との決別、過去の清算だと思うんです。公的資金を入れるたびに一つ目の目的は達成されたように思えますが、後半ですね、後者、過去との決別、過去との清算、これは逆効果になっているんじゃないかと思うんです。公共性という名の下に銀行はあぐらをかき、もっと言えば、公共性を人質に取って過去のしがらみを拍車を掛けているんじゃないかと私は思います。公的資金をもらいながら、相変わらず問題企業に貸し込み、そして債権放棄を乱発しています。銀行経営も苦しくなり、産業全体のモラルハザードも下がっていると思います。今回も下手をすればそうなる危険性があると思います。今回は大臣は違うと言い切れるでしょうか。どう違えるのでしょうか。 私は、公的資金とセットで強力なガバナンスを注入すべきだと思っています。新しい経営陣も過去の人脈で選ばれていますので、自発的な事業再構築だけでは不十分のように思います。 まず、どう違えるのでしょう、お伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 田村委員の御指摘は誠にごもっともな御指摘ばかりであると思います。 公的資金の話は九五年の末の住専以来八年間この国で行われていると。最初は六千億円程度の額に対して物すごい議論が行われて、しかしその後、九八年、九九年等々の議論でそれが兆単位の議論になり、しかしこれ、公的資金を入れないと、やはり正に銀行の公共性を考えると、決済機能を持っているセーフティーネットの社会的なインフラとしての性格を考えると大変になると。委員は公共性を人質に取ってという言葉を使われましたけれども、正にいざとなればそのお金を使わざるを得ないと。その上に立って、しかし結果的に見ると、日本の金融システムというのは今回のような問題をまた引き起こすではないか、この点はやはり素直に我々見詰めて、もう銀行に対して、りそな自身が過去に二度公的資金の注入を受けて今回のような問題生じてありますから、誠に遺憾な問題であるというやはりある種の怒りの上に立った政策の構築が必要なのだというふうに私も強く思っております。 ある意味で今、田村委員はそれに対する答えも出してくださったんですけれども、結局何が必要なのかと。私は、この担当大臣になったときから三つのことをもう何回も申し上げてきました。資産査定をきっちりとして、自己資本を充実させ、そしてガバナンスを強化する、この三つを同時にやらないと絶対問題は解決しないと。正に資本不足を解消するために多額の公的資金を注入する。しかし、それだけでは絶対問題は解決しないわけですね。引き続き資産査定をきっちりすると同時に、正にガバナンスを確立しなければいけない。 今回、これはまあ危機を予防するために緊急に非常に速やかに行動しなければならなかった。公的資金の必要性を認定して、その上で、しかし、これは銀行の行員も大変動揺するかもしれないし、取引先も動揺するかもしれない。そうしたときに、やはり新しい経営者がその月曜の朝の時点では決まっていて、取引先に対しても預金者に対しても行員に対してもしっかりとしたメッセージを発するような体制を急遽やはり作らなければいけなかったというふうに思っております。 そこで、やはりこれは行内の事情を知る人で、しかし過去のしがらみを引き継がないような若手を一気に登用する。その他の体制については、正にこれから資本注入の申請を受けて、総会に持っていってそこで決めていくわけでありますけれども、その点については、思い切ったガバナンスが発揮できるような、確かに変わったと、これはもう多くの人に確かに変わったぞと納得できるようなシステムを作らないと、今回の注入は失敗になると思います。そのための努力を今大変我々もしております。 具体的に言うと、過去の経営者の方が新たな体制に口出しすることが絶対にないように、我々は今監視チームを持っておりますけれども、そういう監視チームでもそのような気遣いを日々しているところでございますし、具体的にどのように作るか、これは幾つか私自身も考えていることがございます。そう日を置かずにこのようなことについてのまた姿もお示しできるというふうに思っておりますけれども、何よりも、この若い新たな経営者にガバナンスを発揮してもらって、それを外部的にやはり厳しくチェックできるような仕組みを同時に持っておく。それで間違いなく今度こそいい結果を出してもらえる、そのような体制を是非作りたいと思っております。
○田村耕太郎君 小泉総理は今年一月の施政方針演説でこう言われました。「大事なことは、失敗しないことではなく、失敗を次の成功に生かすことです。人生で大切なことは、挫折してもくじけず、また立ち上がることだと思います。」、こう言われました。今日のFT、フィナンシャル・タイムズなんですが、グリーンスパン議長もたまたま昨日の下院の委員会で似たような趣旨のことを言っておられるようです。 私は、今回のケースは裏を返せば大きなチャンスだと思います。十三年以上続いた日本の金融問題の終わりの始まりにすることができる可能性があると思います。銀行のガバナンスを是非立て直し、銀行と事業会社が一体となった自主的な事業再生の好循環を作り出していただきたいと思います。そのためには、先ほど大臣言われましたが、人事権をしっかり掌握して、情報公開を徹底して、数字で厳しく管理して、できなければすぐ首にすると。それらを含めてすべてを徹底的に国民に知らせるようなガバナンスを強力に注力することが可能だと思いますが、それができますでしょうか。私は、是非もう一度そこをお伺いしたいと思います。 是非、大臣、市場に明るいメッセージを送っていただきたいですし、二兆円という規模が定かではないですが、大体それぐらいの規模になると思います。我々の二兆円を値上がり益と配当込みで是非返していただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員は総理のお言葉を御引用されましたけれども、私も、総理がよくおっしゃる言葉で、政策を行うに当たってよく自分自身に言い聞かせる言葉がございます。それはよく、正すべきは正すんだと。今までの中でいろんなことをやってきました。ともすれば、政府の立場というのは無謬性というか、今までの政策は一〇〇%正しかったというふうに言いたい衝動に駆られるわけでありますけれども、しかしこれは、正すべきは正す、それが小泉内閣の役割であると。これは総理よくおっしゃいます。その意味では、過去の資本注入等々でやはりそのガバナンスを強化するということについて、今回、一段も二段もやはり踏み込んだことをしなければいけないと思っております。 一つはやはり、今回、一〇%を上回る自己資本、十分上回る自己資本比率を確保したいと考えておりますが、そのためにはかなり多額のやはり注入になると思います。これをどのような形で注入するかというのは、これは目下いろいろ検討しているところでありますけれども、やはりその中には議決権を持ったものが当然入ってまいりますし、その議決権等々も踏まえたガバナンス、しっかりさせるということが重要であるし、それに関して結果が出るような仕組みを作っていくということは不可欠であると思っております。この場合、大変私自身重要だと思っているのは、ガバナンスは、つまり枠組みに関しては我々がやっぱりしっかりと作ると。これはもう政府の責任が非常に大きいと思います。 しかし、経営者が経営判断をするに当たって、経営判断というのはいろいろありますけれども、どういうビジネスモデルを作るかというのも経営判断だと思いますが、非常により具体的な経営判断の典型は、この企業に幾ら融資するか、これ経営判断です。そういうことに、逆に我々が立ち至ってはいけない。我々は枠組みをしっかりと作る、そういう意味でのガバナンスは発揮するけれども、経営におけるオートノミーというか自律性、自由性はしっかりと確保することが、これまた我々にとって求められていることだと思います。こういう例、今までないわけでありますから、ガバナンスとオートノミーの両立という問題を是非とも実現したいと思います。 繰り返し申し上げますが、そのための仕組みを幾つか考えております。また、それがもう少し煮詰まった段階で是非また御報告もさせていただきたいし、御批判、御議論も賜りたいと思います。
○田村耕太郎君 今、外部監視チームの話がありましたが、外部監視チームの仕事というのは、私聞いていまして、私自身の血沸き肉躍るんですね。もし私、立場が許せば手を挙げて挑戦したいぐらいです。産業再生機構と今回の外部監視チームというのは、これぐらい大きな規模で事業再生にかかわれるという非常に大きな挑戦だと思っています。 今、大臣が、分かりやすい言葉で言いますと、はしの上げ下げまで国が関与するのはどうかという意見がありましたが、確かにそういう意見もありますが、私、今回は、もっと国は、大臣が買手の代表なわけですから、資本参加を受け入れるような事業再生を必要としている会社というのは、私は買手の強い意思表示が絶対に必要だと思っています。 銀行経営をしたことのないような官僚や国がはしの上げ下げまでやるのはどうかというような議論はありますが、実績から見まして、銀行経営者と官僚と大臣と、だれが一番ビジネスセンスがあるか、もう私、分からないと思うんです。対して銀行業をやっている人がプロとは私は言えないと思います。銀行業がもうからないのは私、不思議なぐらいだと思うんです。私も商売人ずっとやっていましたから。コストはゼロですよ。三パーから五パー上乗せして、いい筋の借り手もしっかりあるわけです。都知事だけじゃなくて、やりたい人は一杯いると思います。ですから、私は大臣が買手の代表としてしっかり口を挟んでいただきたいと思います。 そして、新しい経営陣の方が決まりましたね、二人。この方々に対して私はこう言っていただきたいんです。今までのことはあなた方だけが悪いんじゃないですよと、しかし、あなた方にも責任はありますが、今回全部話してくれれば責任は問いません、責任は今までの経営者にもあるでしょう、しかし、全部話したという段階を過ぎてもし何かありましたら、それは許されないことです、それを過ぎてもし何かありましたら、次の相手は金融庁じゃないですよ、次は東京地検ですよと、それぐらい厳しくこの新しい経営陣に言っていただきたいと思います。大臣、言っていただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 新しい経営者の方とは昨日お目に掛かってあいさつをする機会がございました。大変強い決意を持って経営に臨まれるというふうに私も認識をしております。 今、委員、監視チームのお話ちょっと御紹介してくださいましたけれども、これは正確には金融庁の中に設けている経営監視チーム、これは金融再生プログラムの中で明記している仕組みでございます。特別支援を行うことになった場合には、このようなチームでコンプライアンスを中心にしっかりと見てまいります。 それと、庁内には金融庁の顧問を集めた金融問題タスクフォースがございます。このタスクフォースは、その経営についていろいろアドバイスするという機能も持っております。我々はそういった意味での枠組みを既に金融再生プログラムで持っておりますので、それをフルに活用させるということは是非やらなければいけないと思っております。 今、はしの上げ下げ云々という言葉がございましたが、先ほどの答弁と少し重なりますが、私はやはり次のような整理が必要だと思います。 会社の仕組み作りに関しては細かいところまで私たちは口を出させていただく必要があるでしょうと。そうしないと、やはり多額の公的資金を注入するという、国民に対してもやはり申し開きができないと思います。 ただ、同時に、先ほど言いましたように、この企業に幾ら貸すと、そういう経営判断に逆に立ち至ってはいけない。会社の仕組みと日々の銀行業の運営、そこはやっぱり私としては区分しないと、それこそ公務員が何か口出ししてとんでもないビジネスをするという、そういうこと、その弊害を指摘する方もいらっしゃるわけでありまして、先ほどガバナンスとオートノミーのバランスと申し上げたのはそういうことでございます。 いずれにしても、やはり今回、我々としてももう物すごい強い決意が必要だし、委員言われたように、経営者、まず経営者がそのような一つの決意肩に背負っていただいて、死に物狂いでやはりやっていただかなければいけないと思っております。
○田村耕太郎君 次に、質問変えまして、産業再生機構との連携の可能性についてお伺いしたいと思います。 私、二兆円云々の公的資金の話が今報道されていますが、今回、竹中プランにオリジナルがありましたけれども、大きな公的資金が用意されていると思うんです。それは私、産業再生機構だと思います。これはもう十兆円のブリッジファンドだと私は認識しています。りそなが契機になって私は再生機構が動き始めてもいいと思っています。実際、産業再生機構のトップの方は、高値で買い取る準備はありますよともう水を向けられています。 私は、これからりそなの新経営陣と外部監視チームと産業再生機構が連携して事業の選別と事業の再生に取り組むべきだと思うんですが、そういう準備や予定は実際あるのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 産業再生機構がどうするかというのは、私は必ずしも直接お答えする立場では、所管の一人ではございますけれども、全体についてお答えする立場ではございませんですけれども、産業再生機構がりそなに対して他の銀行とは違った形で関与すると、これは、そういうことはやはり予定されていないというふうにお考えいただきたいと思います。 しかし、産業再生機構は、りそなを含め銀行全体に対して極めて積極的に出口の見える再生可能な債権を買い取り、はっきりと国民に目に見える形でその再生を実現させていく、そのような重要な役割を負っておりますし、谷垣大臣始め、正にそういったことがもう私は現実問題としては始まってきていると思っております。 当然のことながら、りそなの新しい経営者も他の銀行の経営者と同様に、この再生機構という枠組みをしっかりと活用して事業を再生させていく。新しい経営者は、不良債権ではない正常な部分からはしっかりとした収益を上げるという責任を負っているし、いわゆるその不良な部分等々については、それを再生させるという非常に大きな責任をこのりそなの新しい経営者は負っている。この再生、再建させるという責任に関して、再生機構を私はやはり積極的に使っていただきたいと当然のことながら思いますし、現実にそのような形で事業の活性化が進んでいくというふうに期待をしております。
○田村耕太郎君 公的資金の注入額について端的に質問をさせていただきます。 まだ決まっていないということなんですが、大体、報道されている二兆円近辺に落ち着くんじゃないかと感じています。直観的に思うのは、やや多いんじゃないかなと思うんですが、いろんな基準で考えられたと思いますが、私は、逐次投入じゃなくて、今回はもう一気にやると。 そして、私は、これ大きなメッセージが隠されているんじゃないかと思います。しっかりとばんそうこうと包帯と血止めと痛み止めは用意したので、しっかり血を流せよと、私はりそな銀行に対するメッセージだと思うんですが、この辺りはいかがですか、大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融危機対応会議におきまして、この金融危機対応会議というのは、本来、公的資金注入の必要性を認定する会議でございますけれども、その認定に関連して、申し添えるという言い方ではあるんですけれども、自己資本比率は一〇%を十分上回るような、そういった形になるのが望ましいんだというようなことが、そういった旨のことが申し添えられております。 金融危機対応会議での我々の意思としましては、やはりこれは四%、健全行の基準を四%一度割り込んで、やはり関係者、融資を受けている企業も預金者もやはり不安な気持ちになる可能性がある。それを払拭するためには、やはり余裕を持った、ゆとりを持った形の自己資本を用意する必要が是非ともある。地銀等々で優良なと言われている銀行は自己資本比率一一%とか一二%ございます。そういったことも念頭に置きながら、一〇%を十分上回ることがやはり望まれる。 逐次投入ではなく、正に委員言われたように、きちっとした財務基盤を与えて、その中で思い切って経営改革をやってもらいたい。これは自己資本プラス、十分な自己資本プラス経営改革、これは二つが相まって、正に自己資本とガバナンスですけれども、初めて結果が出せると、そういう気持ちでおります。 額のお尋ねでございますが、これは実は技術的には大変難しい問題がございます。商法の様々な制約の中で何株この種類の株を出せるのかと、そういうことを一つ一つクリアしていかなければなりません。そのときの、どういう種類の株を出すかにもよりますけれども、そのときの株の一株当たりの値段、それがどのようになってくるかによって結果としての投入額が決まってくるというなかなか難しい計算がございますが、大まかな一つの目安で言いますと、りそなが持っているリスクアセットは二十三兆円でございます。二十三兆円ということで、その一〇%というようなことをやると、まあ委員が御指摘のような数字のどこになるかは正確にもちろん分からないわけでありますけれども、そのことはやはり想定しておかなければいけないのかなと、現時点では私もそのように思っております。
○田村耕太郎君 次に、四大メガバンクの危機感を活用する話をちょっとお伺いしたいと思います。 今回、間違いなく、私、四大メガバンクは今回のことで大きな危機感を抱いていると思います。資産査定の見直しや償却基準の変更によって自らの自己資本も吹き飛びかねないという危機感を持っていると思います。これ私、大きなチャンスだと思うんです。ひょっとしたらこれ竹中大臣が全部仕組んだのじゃないかなと思うぐらい大きなチャンスだと思うんです。 今まで強制注入によって自発的に過去との決別をさせるアイデアがあったんですが、今度は、新たな公的資金という、コストを負担せずに彼らに自発的に過去との決別をさせる大きなチャンスだと思うんです。 この危機感を今活用する、これは大事なことだと思うんですが、この準備や心構えは、大臣、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) もちろん、こんなことを仕組んでできるものでもございませんし、仕組んだというようなことはもちろんございません。ただ、委員御指摘のように、やはり常に銀行には健全なる危機意識というのを持ち続けていただくことが必要だと思います。決して悲観的になる必要はないと思います。しかし、やはりこのままでは駄目だ、しっかりと改革していかなければ駄目だという、そういう意味での健全な危機意識は常に持っていただきたい。 私は、資産査定に関しては、今回の決算でいわゆるディスカウント・キャッシュ・フローのやり方も入れられた、再度特別検査も行ったと、そういうことを通しまして、資産査定についてはかなり進んでいる、進歩しているというふうに認識をしております。 これを受けて、今回、りそなに関しては自己資本の問題が出てまいりましたが、他の銀行においても収益を改善しながら自己資本を是非厚くしていただく。自己資本を厚くするための増資ももちろん行ったわけでございますけれども、それをやはり有効に活用して収益力を高めてもらう。りそなに関しても非常に強いガバナンスの体制を作りたいというふうに思っておりますけれども、他の銀行においても、やはりこれは是非とも諸外国の例、りそなの例も参考にしていただきながら、しっかりとしたガバナンスの、一層の強固なガバナンスの体制を作ってもらって健全な危機感を是非良い結果に変えていただきたいというふうに思っております。
○田村耕太郎君 限られた時間でたくさん聞きたいことがあるので、ちょっと話題を変えさせていただきます。 これは、塩川大臣と副大臣、財務副大臣にもお伺いしたいと思います。税制のインセンティブに関する質問です。 財政、金融一体となって日本の経済を再生するということが今うたわれていますが、私はその一体に税制も加わるべきだと思うんです。 今回、監査法人が最後の引導を渡したような報道がされていますが、私は正確ではないと思うんですね。やはり問題の根源は税制にもあるんじゃないかなと思っています。不透明な有税間接償却というこの形を改めまして、アメリカのように無税直接償却、特に四大メガバンクは将来、収益の見通しが立っていますから、無税直接償却という制度を導入すれば自己資本の増強に必ずつながると思います。 まず、この税制改正へのインセンティブ、竹中大臣と小林副大臣にお伺いしたいと思います。まず、竹中大臣、お願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 税制に関しては、私は要求する側でありまして、査定する側は小林副大臣でございますので、私どもの考え方、これはもう金融再生プログラムの中にも書かせておりますし、昨年も税制の要望を行っております。 御指摘のとおり、繰延税金資産というのは、税務会計と企業会計の食い違いを調整する項目として存在をしている言わば調整項目であるわけですけれども、その調整項目が結果として物すごく大きな金額になってしまって、その自己資本、本来のコアの資本と余り変わらない、場合によっては変わらないぐらいの大きな額になっているというのが現実の問題としてございます。 企業会計の立場から見る限り、これはあくまで資産です。これはもう資産として計上できるわけでありますけれども、この資産が本当に回収できるのかという点で、実は市場から、その資産の確かさ、これがどの程度確かかということに関して様々な声があると。我々、そういった問題に関して去年秋に問題の提起をしたわけでございますけれども、そのときの声は、いや、今のルールを変えるのは待ってくれと、ルールを変えるのはよくないということで、それならば当面今までのルールどおりにやりながら、まあしかし今もルールはあるわけだから、これはこれできちっと守ってもらって、さらに金融審でこの根本問題をどうするかということを専門家を集めて議論をしていこうということになっていったわけでございます。 それに関して、その一つの方法は、これは金融審でずっと議論は続けているわけですけれども、一つの方法は、財務会計と企業会計のギャップを一瞬にして埋めていただくことであると。そうすると、例によって例の三つのセット、繰戻し還付等々、かなり大きな財源を要するものになってくるわけですけれども、これが一つの解決策であることは理論的には明らかでございます。 我々としてはその意味では、問題を解決するという意味で要求官庁としては要求をしているわけでございます。しかし税は全体のバランスということで、財務省の方でいろいろと今検討をいただいている、与党の方も昨年の税制改正の中で引き続き検討するという位置付けでございますけれども、正に各方面でこのことを御検討いただいているというふうに認識をしております。
○副大臣(小林興起君) この問題は、無税償却につきまして銀行について言われているわけでございますけれども、しかし税は客観性、公平性でございますから、銀行だけでというのはやはりいかがかというような問題もある中で、こういう問題が非常に大きな問題になってまいりました。 そこで、今、政府税調におきましてこの問題についてもう少し突っ込んで議論をしようということでございます。そういうことで、今また繰戻しのお話もございましたけれども、これはいきなり巨大な金が出てくる。そんなお金はあるわけでもございませんので、そんなことも含めて、多少確かにこういう問題についての検討が遅れていたということは否めない事実だと思いますけれども、先ほどの小泉政権の話ではございませんけれども、正すべきは正すということの中に、とにかく今議論を深めておりますので、やがてこの結論を出しまして、日本としては、税当局としてはこうありたいというようなものを出していきたいと思っております。
○田村耕太郎君 もう一つ、経済を再生する税制として必要、有効ではないかと私が思うのは、事業を再生する、そのインセンティブを与える税制を是非考えていただきたいと思います。 事業再生にまず身を乗り出す会社、そしてその事業再生に身を乗り出した会社に対してスポンサーとして手を挙げた会社、こういう会社に対して税制のインセンティブを与えていただければ、この産業再生機構もりそなの問題もいい循環で回り始めると思うんですが、この事業再生にかかわる税制のインセンティブ、これも是非考慮していただきたいと思います。 これに関しまして、両大臣の考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと税制の細部について質問通告をいただいておりませんでしたので、申し訳ありません、用意できないんでありますが、ちょっと、認識が間違っていなければ、産業再生法の中で税のインセンティブも用意されていたというふうに認識をしております。 今後、様々な再生事例の中で更に検討する項目があるのかどうか、そういったことも含めて、是非とも問題意識としては是非前向きに受け取っていきたいと思っております。
○田村耕太郎君 最後に、ワンコメントだけ両大臣にお伺いしたいと思います。 先ほど塩川大臣の方からも話がありましたが、いろいろ世界の情報を集めてみますと、今、日本はデフレ対策を必死にやっているわけですが、デフレは日本の固有の問題ではなくて、世界各国がもうデフレに向かい始めている。こういう状況になりますと、デフレ対策だけではなくて、デフレと共生するような考えが必要ではないかと思うんですが、デフレとの共生に関しまして両大臣のコメントをいただきまして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレは確かに難しい問題だと思います。アメリカでも、いわゆる物の値段はもう下がっている、しかしサービスの値段が上がっているということで、全体としてはいわゆるマイナスの物価上昇にはなっていないと。しかし、これは世界的な傾向として受け入れざるを得ない面がある。 しかし、その反面、特に大きな債務を抱えている日本の企業、日本の社会にとって、デフレが続くということを長期に容認することは、やはりその実質債務を拡張させるという意味で大変大きな弊害がある。その中で、難しい問題であるということは認識しながらも、やはり克服すべき課題として位置付けて、政策的な努力は続けていかなければならないと思っております。
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、今大変な不良債権を抱えている我が国におきまして、デフレが進行するということは不良債権問題が解決しないということを意味するわけでありまして、今日置かれました状況を考えますと、何としてもデフレを脱却するように努力していくことが国家としての重要な目標ではないかと考えております。
○峰崎直樹君 民主党の、新緑風会の峰崎ですが、五十分間という時間でございますので、りそな問題に限って、中心にしながら質問したいと思いますが、ちょっと日銀総裁がどうしても記者会見があって遅れるということなので、先にりそなの、過少資本と、こういうふうに認定をされたわけでありますけれども、これを最初に、どうもりそなが過少資本になるらしいというような状況を最初につかまれたのはいつだったんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) りそなの決算に関しましては、正に四月から五月にかけて決算を固める段階であったわけでございますけれども、今回の件に関して申し上げるならば、私自身は五月七日の朝に事務方から、りそなと監査法人の間で議論がなされているという短い報告を受けました。その前の日、五月六日に銀行から事務方、監督局の方に最初にその連絡があったというふうに聞いております。その直後、七日の日の朝に私は受けました。しかし、これはりそな側と監査法人側で引き続きいろんなその時点で協議を続けるということでございまして、その間、いろんな協議が行われたというふうに認識をしております。 次に、五月十四日の日に、それまでの、五月七日からちょうど一週間たっておりますけれども、一週間の間のりそなと監査法人の間のやり取りに関しましてそれを取りまとめる形で報告を受け、この問題をどのように認識したらよいかという考え方の整理について報告を受けました。その段階で、もちろんまだ結論は出ておりませんですけれども、その時点で私自身は、これはよく分からないけれども二%割れになる可能性も視野に入れなければいけないと、そういうふうに思いまして、その日すぐに総理にそのことは御報告をさせていただきました。総理からは、あらゆる事態を想定して十分に対応ができるように万全の準備をしておくようにという御指示をいただきました。 その後、最終的に監査法人の結論等々会社側も納得して、こういう今回のような低い自己資本比率になるというふうに私自身が確信しましたのは五月十六日の深夜でございました。で、五月十七日に最終的に決算を確定する取締役会がりそなで開かれた。その後、夕方、総理が、その日沖縄でございましたが、沖縄からお帰りになるのを待って金融危機対応会議を開いたというのが経緯でございます。
○峰崎直樹君 その前にちょっと。 元々、このりそなホールディングが出発したときには、旧大和とそれから旧あさひと、それ以外にもちろん大阪の方の地方銀行も入ってくるわけですけれども、この監査法人は二つあったそうですね。つまり、朝日監査法人とそれから新日本監査法人と。四月二十五日の時点で、この監査法人のうち朝日監査法人は、実はどうやら監査の方針をめぐって激突して、両監査法人が。降ろしてくれということで降りちゃったらしいんですよね。この経緯は報告があり、しかもそれは、私はなぜ降りたのかということはいまだに納得ができないんですが、それは大臣には報告が来ていたんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 細かくどういう内容について報告があったかということについては、これは監督上のいろんな問題もございますので、この場での御報告は控えさせていただきたいというふうに思っております。 ただ、私自身は、監査法人が最終的に一社になるということは、五月七日の段階で一社になりそうだと、そういう話があるということは聞いていたように記憶しております。
○峰崎直樹君 いやいやいや、五月七日は、りそなと新日本監査法人ですか、これのいわゆるやり取りの報告を聞いたわけでしょう。そうじゃなくて、その前に朝日監査法人とこの新日本監査法人が内部で監査方針をめぐって、今お話しになったのを聞いていると、どうもその事実はつかんでおられるけれども、ここでは報告できないとおっしゃっているんですが、このいわゆる一つの監査法人が降りたことについては五月七日の時点で分かったというふうに聞いたんでは、これはその間何をなさっておったんですかということになっちゃうんですが、本当に五月七日の時点で分かったんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この件について報告を、決算について報告を受けたのは、監査法人とりそなの間でそういうやり取りが行われているという報告を受けたのは五月七日でございます。
○峰崎直樹君 そうではなくて、二つの監査法人がこのりそなの監査をめぐって四月の終わりにかなり激しく議論し合ったようなんですよ、これ、どうも。私どもまだよく分かりませんけれども。 それで、私ども知りたいのは、なぜ下がったのか、何が問題だったのかということを金融庁はつかんでいたのかどうかということなんですよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰り返しますが、報告を受けたのは五月七日でございまして、そのときには、その監査法人に関しては一社になったということは聞きました。
○峰崎直樹君 問題は、なぜ一社になったのか、なぜ一社降りたのかと。 これはしかし、この監査法人の監査、監査というか、監査法人を管轄しているのは金融庁なんでしょう。しかもそれは、ちょうど今三月期決算をめぐって、当然のごとく監査の方向というのがみんなが関心を持っているところですよね。なぜ降りたんだろうかと。しかも、後でちょっと、後でというか、ちなみに申し上げますと、その朝日監査法人の方が、監査をされていた方が本当にお気の毒に自殺をされているという痛ましい事件も起きているわけですよ。 ですから、そういったことも含めて、そこに何があったんだろうか、なぜこんなふうに一社降りて、つまり契約を結んでいて監査をしましょうと言う以上は本当は最後まで監査を徹底しなきゃいけないはずなのに、監査をしないで実はやめたといって途中で降りるんですから、これは異常なことなんでしょう。異常なことが起きていながら、いや一社だけしかなかったんですよというふうに報告を受けただけでは、これは監督として不行き届きじゃないですか。どうなっているんですか、そこは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々は、その決算に関して、その決算をきちっと出していただいて、それに関して、その決算の数値に基づいてしっかりとした監督を行うというのが基本的な考え方でございます。その間、公認会計士事務所がどこがやるかというのは、それは個別について私たちはそれを監視、監督する立場にはございません。 そういった意味では、これは合併会社でありますから、最終的にここが監査をして、そこの監査法人とりそなとの間でこういう議論があるという、そういう報告を受けたということでございます。 これは、りそなのトップの記者会見でございますけれども、二月の、あさひ銀行の二月の閉鎖までが共同監査であった、最終的には存続銀行である大和銀行の監査法人であった新日本監査法人との交渉であったと。これは記者会見でりそなのトップはそう言っているようでございますけれども、我々としては、繰り返し言いますが、個別にどこの監査法人がどこをやっているというのは、我々の金融監督の範囲では当然ございません。
○峰崎直樹君 来週、この問題についての法案も審査するんですよ。二年・六年ルールとかあるいは二年・七年ルールというのは来週出てくるんじゃないんですか。どこが何年やるかということも、これはしかしもう絶えずウオッチングしておかなきゃいかぬ課題でしょう。 それと、今の記者会見は何月何日の記者会見ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の御紹介させていただいたりそなのトップの記者会見は、五月十七日でございます。 それと、どこが監査するというのを見ておかなければいけないと。これはしかし個別の契約ですから、どこの銀行がどこの法律事務所と顧問契約を結ぶかということに関して、我々がそれを監督するという立場にはないと思っております。
○峰崎直樹君 いえいえ、そうじゃなくて、商売上どこが契約結んだってそれは自由なんですよ。しかし、今ルールとして二年・七年ルール、私は五年・五年ルールにすべきだと思うけれども、そういうことを今真剣に議論している最中じゃないですか。そうしたらそれは、どこの監査法人が何年、いつまでどこでやっているのか、どうして降りたのかということは、それは絶えずウオッチングしているんじゃないんですか。しかし、そのことはもうこれ以上言っても水掛け論だから、あれですが。 五月十七日にその記者会見というのは、これは実はもう監査法人を一方の側が降りたのが四月二十五日だと言われていますよ。そうすると、もうその間はもう何週間もたっているわけですよ、連休があったといいながら。なぜ降りたのかということを、これはやっぱりきちんと理由だけはやっぱり正確につかんでおくというのが、これは金融監督庁、私は、金融庁が必ずしも公認会計士の皆さん方の協会を監査する、監督権限を持つということについては直接よろしくないとは思っている一人ですけれども、しかし今ある以上はちゃんとやっぱり見ておかなきゃ駄目なんじゃないかと思うんですよ。これはひとつそれは申し上げておきたいと思いますが。 そこで、問題は、なぜそんなことを聞いたかというと、この間ずっといろんな情報を仕入れて考えてみると、五月の七日にそういう話を聞いて以降、どうもやはり一週間大分やり取りがあったというお話がありましたですね、五月七日から十四日の間。どういうやり取りがあったかということについての詳細は、ここでつまびらかにしてもらえませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) それはあれですけれども、銀行と金融庁の間にどういうやり取りがあったということでしょうか。
○峰崎直樹君 りそな銀行と関係者と、それから監査法人と、それから金融庁の担当課、これ監督局ですか、の何課になるんでしょうか、銀行一課になるのかな。 いずれにしても、その関係ではどんなやり取りがあったのかということについて、一週間いろいろあったということは報告を受けたとおっしゃったんですよ。じゃ、どんな中身だったのかということをちょっと明らかにしてもらいたいんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には我々は監督する立場にありますから、監督する立場としてりそなからいろんなことを聞く、これがプロセスでございます。その過程でこの公認会計士、監査法人に対して我々が物を言う立場にはございませんし、そういうことは一切ございません。 しからば、りそなから我々が聞いたことについては、これは監督するという目的に基づいて聞いていることで、内容でございますので、それを、申し訳ございませんが、こういう場で明らかにするということは控えさせていただきたいと思っております。
○峰崎直樹君 四月の七日以降、これは多分九日じゃないかと言われているんですが、四月九日にですね……
○国務大臣(竹中平蔵君) 五月。
○峰崎直樹君 あ、ごめんなさい、五月ですね。 五月九日に新日本監査法人の方が金融庁を訪れたという、そして自己資本比率が四%を割っているという報告をされて協議をされたという、そんな事実はございませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そういう報告は全く聞いておりません。
○峰崎直樹君 恐らく大臣のところにはなかなか、どこか、いつの何という雑誌だったでしょうか、今、金融庁の中も竹中大臣の側に立つ人が少ないなんというふうな話もちらっとうわさ的には聞いておりましたので、まあ首をひねらないで聞いてください。そういうものがもう出るようになっていますからね。 だから、恐らく実際の事務方の方はそうなっていないのかもしれませんが、その担当課長さんが監査法人に対して、あるいはこれは当局から自己資本比率を四%に維持しなさいと、何とかこれはもう四%台に維持してくれと、こういうふうに指示をされたというふうに我々は情報としては聞いているんですが、そういう事実は全くございませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今のルールというのは、これ大変重要なポイントでございますけれども、決算というのはあくまで会社が作るものでございます。会社が作るときに公正な基準に基づいて作らなければならない。それに対して、監査する立場にある監査法人がそれを監査しなければなりません。当然、同じように公正なる会計慣行に基づかなければなりません。 我々は、そこで監査法人の監査を受けて最終的に当事者が作成した決算が出てまいりまして、それに基づいて我々は金融行政の立場から監督をするというものであります。したがって、その決算を作るプロセスに関して我々が介入するということはあり得ないし、あってはいけないことでございます。 この会計監査法人とその当事者がいろんな議論をしているということを知った段階で、私自身、金融庁の中で、このプロセスには絶対介入しないように、そういうことは分かっていると思うが絶対に介入しないようにということを何度か指示を出しました。金融庁の諸君はそのことを十分に理解しているというふうに思っておりますし、御指摘のような事実はなかったというふうに認識をしております。 もし、何か疑わしいということがもし、国会でお尋ねになるんだから、何かそういうものがあれば、それはむしろお示しをいただきたいと思います。
○峰崎直樹君 今、私、竹中大臣がおっしゃっている中身は、絶えずそういうふうにおっしゃっているということはよく知っています。そしてそれが筋だろうと思うんです。 だけど、過去のこの金融行政をめぐっては、護送船団行政という形で旧大蔵省、今で言えば金融庁含めてずっとそういう形で、決算の指導やそういうことも含めてずっとやってきたんじゃないですか。そういうものが事実上、今日、こういう形で引き続き残っていないという保証は私はないと思っているわけですよ、実際問題。 今、逆にそういう事実があったら教えてくださいと。いや、これは私どもは、正に金融庁の中にいて監視団を、監視チームを置いているわけじゃないから分かりません。ルーモア、つまりうわさで入ってくる場合もあるでしょうし、いろんな活字で入ってくる場合もありましょうし、いろんな人からの耳から入ってくることもあります。ですからそれは、今私どもが確固としてあったら、もうはっきりその事実を突き付けますよ。 じゃ、五月九日、これは本当に新日本監査法人の方が金融庁を訪ねたことはないとおっしゃるんですね。その点はまず明確にしてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 担当課からもそういうことは一切ないというふうに聞いております。 ちなみに、過去の護送船団と言われた時代の行政、それをやはり変えなければいけない、正に正すべきは正すというのが我々の重要な政策姿勢でございます。この点に関して、これはいろんなことをいろんな方がおっしゃっているのかもしれません。 ただ、五月二十一日付けの公認会計士協会の奥山会長の、これは毎日新聞のインタビューでございますけれども、金融庁は事前指導はしないと徹していた、大蔵省時代の護送船団方式から転換していると、そのようなコメントを公認会計士協会の会長はしておられます。
○峰崎直樹君 私は、来週、恐らく公認会計士法で議論になりますわ。その中で、公認会計士というものが弁護士と同じように自立した組織になり、せいぜいどこかの三条委員会かどこかできちんと、ある意味ではそこが十分監視するといいますか、要するに金融行政をやっているところと、それから、これは正に監督ももちろん入るかもしれません、監査をするところと、それが本来であればきちっとより明確に分離していなきゃいかぬと私は思っているんですよ。それが一緒になったまま、いや、もうこれからは我々は過去の護送船団行政とは決別して自立してやっていきますと、こういうふうになかなかなっておらぬのじゃないですか。アメリカのエンロンだって、あの公認会計士の問題、例の去年の七月に新しい法律作って厳しくなったといいますけれども、同じようなことが起きているわけですよ。 だから、来週これは本格的に議論いたしますけれども、私はもう一回、竹中さんは私は、今おっしゃっているように、金融庁は金融庁できちんとこれは自立してやっていれ、監査に対して一々介入してはいけないなんて、これはおっしゃっているだろうと思うんですよ。しかし、本当にそれがあったのかなかったのか、私は明確に調べてもらいたいと思うんです、もう一回。これは、ある意味では今回の二兆円とも二兆三千億円とも言われる税金を投入するわけですから、ここに至る経過というのは相当やはり私は責任が重いと思って見ていますから、その点を是非引き続き進めていただきたいというふうに思うわけであります。 さて、日銀総裁も本当に大変御苦労さまでございます。そこで、今度は責任の問題についてお話を申し上げたいと思います。 もう昨日衆議院でかなり私どもの五十嵐議員あるいは仙谷議員が激しく議論されている様子、私もテレビで見ておりましたし、議事録も取り寄せることもできました。 そこで、私、どうしても昨日納得できないのは、この預金保険法百二条、その第一号に該当するということで、今回この過少資本と認定して資本投下、税金を投入されると、こういうことなんですけれども、三つ責任があると言ったんですね、昨日。一つは経営者の責任、もう一つは株主の責任、もう一つは、昨日私聞いていて、行政の責任といいますか、これは過去、九八年あるいは九七年でしょうか、ビッグバン以降ずっと進められてきた金融行政、とりわけ九八年は佐々波委員会で一斉に入れていますわ。九九年は、我々がこういうやり方は駄目だと、つまり、今ある銀行が、これは健全だ、これはフィクションだ、健全だという前提でみんなに一斉に、ほぼ一律に公的資金を投入したわけであります。我々は、これはやっぱり間違いじゃないかということをずっと指摘し続けて、その都度柳澤金融担当大臣、柳澤さんに始まりまた最後に柳澤さん、竹中さんの前、柳澤さんですから、その間ずっとこれは問題がありますよということを指摘し続けてきた。 その結果、今回のやつは、昨日の議論を聞いていても、まず私、やっぱり政治の責任というのは、昨日竹中大臣の答弁を聞いていても、これはこうこう、過去の経過はこうでありまして、要するに、投入した資本、公的資金が今の段階では毀損されていて非常に問題だと思うけれどもということで、ほとんど責任らしい責任という言及がなかったんですけれども、改めて、このいわゆる過去の金融行政、そのことに対する責任についてどのように判断されているのか、明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど田村委員にも申し上げましたが、恐らく国民感情からしても、過去に資本投入を行って大丈夫になったはずの銀行が今回このような問題を起こした、これは極めて遺憾なことであり、やはりこの間の反省すべき点は十二分に反省しなければいけないという問題を提起していると思っております。 先ほど、正すべきは正すというふうに申し上げましたが、昨年、金融再生プログラムを作る段階で、このことはこの委員会でも議論をさせていただきました。資産査定がやっぱり不十分であった面があるかもしれない、自己資本についても考えるべき点があるのではないかと、何よりもガバナンスの強化に向けて、更に今までの点を正すべき点があるのではないか。そういった意味で、昨年の十月三十日の金融再生プログラムに、正すべき点を正して我々の行うべき道を示したつもりでございます。今回の繰延税金資産の話も、そのときに我々提起したわけでございます。 それを受けて金融審で、御承知のように今その在り方を、法律、会計等々、専門家を含めて今議論しているそのさなかで今回のような問題が生じてきているわけでございますけれども。さらには、新たな、今回のような形ではない新たな公的資金の注入の枠組みも考えていくべきではないのか、これも七か月前に問題提起をして、今正に議論をして、来月にも答申を出そうと思っているところであります。 正すべきところは正すという、我々の行政の中でこの問題を解決して、二度と国民に迷惑を掛けないようにするというのがやはり行政としての最も重要な責任であろうというふうに思っております。
○峰崎直樹君 もちろん行政の責任は行政の責任でまた問わなきゃいけないんですけれども、政治の責任なんですよね、私どもが聞いているのは。竹中大臣はそれは政治家じゃないといっても、もう大臣に就いておられるということは、それはもうある意味では政治責任も伴うわけですわ。 それと同時に、九九年に資本投入した後の五月のこの衆参の財政金融委員会の場で、柳澤担当大臣は、当時の金融担当大臣は、これでもう日本のいわゆる不良債権問題は終わったんだ、そしてもう二度とこんな公的資金の投入なんてあり得ないなんて言っていた。そして、ちょうど竹中大臣が金融担当大臣になられて兼務されたときに、私どもここで聞きましたよ、柳澤さんのやっておられた金融政策についてはどう評価しているんだと。よくやっていらっしゃると思いますと、こう言ったんです。金融不安も起こさないでよくやってこられた。よくやってこられたんだったら何でこんな結果が起きるんですか。どう思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正しく柳澤大臣の時代、極めて脆弱な基盤にありながら、金融危機を起こすことなく様々な施策を講じてきてこられたというふうに私は思っております。 しかし、同時に、構造改革を進めるためには、単に金融危機を起こさないだけではなく、より強固な、構造改革を支えるより強固な金融基盤を作っていかなければならない。そういう観点から、総理は約二年半でこの問題を終結させろという高いより目標を掲げて、それを実現するための政策、正すべきところは正して、より高い目標に向かう政策を掲げろということを私に命じたわけでございます。その結果として、金融再生プログラムを今掲げて、その中での行政の努力をしているところであります。 この問題、その後の経済の状況の変化等々も踏まえて、特にこの二年ぐらいはやはり世界的に、もう何度も申し上げましたけれども、世界的に例えば四〇%、五〇%という株式、株価の低下、一昨年の九月十一日のテロ以降の世界の情勢の不透明化、その中で、当初予想できなかったような、少なくとも九九年、九八年のころには予想できなかったような新たな問題も生じる中で、柳澤大臣の時代にはそれなりに問題の拡大を食い止めるその重要な貢献をなされたというふうに私は思っております。それを受け止めて、更に正すべきところは正して、より強固な金融システムを支えるような改革、金融システムの改革を今進めているところであります。
○峰崎直樹君 何回もそういう話は聞いたんですよ。柳澤大臣のときにも聞きましたよ。もう自由民主党の中におられる方ですら、この九九年の資本投入なんて、これはフィクションだといったことをずっと言っておられるんです。だから、それが全部化けの皮が出てきてはがれてきているんじゃないですか。我々はそのときに、本当にこれは一気にやらなきゃいけないということを、金融システムの改革というのは早くやらなきゃ駄目ですよと。 竹中さん、当時は金融担当大臣ではありませんが、最初に、小泉政権ができたときに、一番最初に投げ掛けたのは不良債権の問題だったんですよ。もう二年たちましたよ。去年の秋になられて、いや二年半とおっしゃった。何だか、二年だか二年半だったか、いつから始まっていつから終わるのかはっきりしないから、これはいつか本当にしっかり聞かなきゃいかぬと思うんですが、その後二年たって、まだこれから先二年間掛かると。国民はもう、そういう意味では、支持率の中身は別にしても、支持の中身は別にしても、小泉内閣に対しての経済政策に対してはもうバッテン付けているんですよ。 やっぱりそういう意味では、このいわゆる二兆三千億円の問題という、二兆三千億円かどうか分かりませんが、りそなに対する税金の投入というのは、これは明らかに政治責任がこれどこかで問われますよ、それはやっぱり。 これは私はもう時間ありませんから、これ予算委員会やこの財政金融委員会でも引き続きやりたいと思いますし、場合によったら、当時の金融担当の柳澤大臣に、今はもう柳澤衆議院議員ですけれども、参考人として来ていただきたいと思うんです。是非、委員長よろしくお願いいたします。
○委員長(柳田稔君) 後日、理事会で協議をいたします。
○峰崎直樹君 それから、来てもらいたいというのは、後でまた、本当は勝田元りそなホールディングの社長さんにも是非来ていただきたいと思います。後でまたこれを諮っていただきたいと思いますが、参考人でお願いしたいと思うんですが。 さて問題は、今日二番目の、前回、特に昨日、仙谷衆議院議員の責任問題で、株主の責任なんですよ。 先に、日銀総裁、お見えになったんですね。 日銀総裁は、これは株主の責任も免れませんねと、そして昨日のいわゆる答弁では、モラルハザードを起こすようでは困りますねと、これは経営者の責任もそうだし、株主の責任もそうだと言った。この点について日銀総裁は、モラルハザードを起こさない責任というのは、株主に対しては、これは配当制限するだけで事足れりというふうにお考えでしょうか。まずその点を率直にお聞かせ願いたい。
○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。 公的な資本注入に当たりましては、預金保険法の百五条というところで条文明記されておられまして、経営者の責任の明確化のほかに、株主責任の明確化も図る、それを含む経営健全化計画の策定、履行を求めるというふうに明文の規定がございます。私どもも、こうした国による措置が取られる場合には、モラルハザードの防止という点は、やはり社会の規律を今後ともしっかり保っていく上に非常に重要なかなめを成す部分だと考えておりまして、こういう経営健全化計画の中身の一つとして、ここはしっかりとした中身を入れていただきたい。 私どもも特融ということはなるべく実行しない状況で推移できるのが望ましいと思っておりますが、特融はできる状況を強いて今備えているというところでございます。仮に、不幸にも特融実行というふうなことになりました場合にも、この面からもやはりモラルハザードの防止ということは非常に重要だというふうに考えております。
○峰崎直樹君 残念ながら、いわゆる政令に落とされているんですね。そしてその政令では、政令というのはここで一回も議論したことありませんわ。政令にゆだねると。政令では、この一号議案、すなわち過少資本として資本注入する場合には、いわゆる配当に対してこれを配当しなきゃいいんだと、こうですよ。本当にこれでモラルハザードが防げるんですか。 第百六条に、昨日も仙谷さん指摘していましたよ。第百六条にはどう書いてあるかというと、必要があると、内閣総理大臣は、前第一項の申込みが株式の引受けに係るものである場合においてと、いいですか、株式を引き受けるんでしょう。「必要があると認めるときは、当該申込みに係る同条第三項の決定において、資本の減少を当該株式の引受けの条件とすることができる。」、この「条件とすることができる。」ということがわざわざ第百六条に書いてありながら、なぜこれを適用しないで、そのいわゆる政令に落としたところだけで、いや今回は減資はありませんよということを記者会見で発表されたんですか。第百六条との関係ではどういう整理されたんですか。これは金融担当大臣。
○政府参考人(西原政雄君) 法解釈の関係だけ私の方で説明させていただきます。 百六条、預保法の百六条でございますが、確かにそういう規定ございます。 実は立法趣旨の観点から申し上げますと、実際に発行する場合に額面発行をした場合、時価がそれより下回っている場合には、かえって額面で買い取った場合に不利になってしまう、すなわち買い取る政府にとってみれば不利発行になると。そういう場合にはそれを低い価格で引き取るという趣旨を書いたものでございます。それが主要な要因としてそこに条文がございます。
○峰崎直樹君 そうすると、これは今五十一円とか五十円とか額面すれすれみたいなことを言っているんですよね。昨日は二割上がった、六十円だとかっておっしゃっているような気するんですが、この第百六条は、額面を下回ったときには下回った価格で買っていい、あれですか、そういうことですか。その場合はいわゆる資本の減少をやりなさいと、こういうことなんですか。
○政府参考人(西原政雄君) 時価発行の場合にはそういうことにはなりません、時価で買えばいいわけですから。発行する場合に、額面発行の場合にということでございますので、今回の場合にこれが適用になるということではございません。
○峰崎直樹君 ちょっとまだ私も法律の解釈に持っていくとよく分からないんだけれども、もう西原さん出なくていいですよ。あなたの話聞いていたら、本当によく分からなくなるから。 それは政治家として昨日も議論していたでしょう、二兆三千億といったら四百六十億株だと。この株式会社、要するにりそなホールディングというのはせいぜい数十億でしょう、四十億か。要するに一割、一割ぐらいしかないんですよ。圧倒的に、普通株に換算した場合にはもう九割以上はこの新しい政府が注入する株式になっちゃうわけですよ。それは何とか株、何とか株という株の種類はいろいろあるかもしれないけれども。しかしこれで、いや、今の持っている、株を持っておられる方々は、株主は配当だけしなきゃ結構ですよと、これはないんじゃないのかというふうに私は思うんですよ。 この点は、金融担当大臣、やっぱりあれですか。配当を制限するだけで減資はしない、つまりゼロに、ゼロ円にしろとは言わないんですよ、長銀のような形にしろというふうに言っているんじゃないんです。要するに、減資をする、つまり欠損金が出てきていると。欠損金と、例えば今の欠損出ていないものもあるだろうから、欠損金の部分をまずこれを減資して、それから増資をするという、そういう手続を取るということはないんですか。 昨日は私は、福井総裁の話を聞いていると、いや減資は、当然増減資、まず減資をして増資をするという、そういうふうに私はまず、福井総裁の話はそういうこともあり得るというふうに私は取ったんです。そこは竹中大臣とかなり違っておられたので、そこは是非聞きたいということで今日お二人にお願いしたんですが、福井総裁、まずそこのところをはっきり、どういうふうにお考えだったのか、教えていただきたい。
○参考人(福井俊彦君) 一口に減資と申しましても、今委員御指摘のとおりいろんな方法がございます、有償、無償それから商法上の減増資と。そういったことの可能性を全部引っくるめて、この再建計画の中で最も適切な措置が取られるではないかと、こういうことを申し上げたわけでございます。特定の減資のやり方に絞って今私が判断を持っているというわけではございません。
○委員長(柳田稔君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(柳田稔君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねの趣旨でございますけれども、御承知のように、これ多額の繰越欠損を計上して、その会計上の損失処理をどうするかについては、これは会計上の資本金の減資、減額ですよね、会計上、それを含めて今後検討していくことになるわけです。
○峰崎直樹君 それなら、軽々しくあの新聞記者会見のところで減資はありませんなんと言うことは、我々から受け止めると、そういう欠損が出てくるのかもしれない、そのことに対して何にもやっていないじゃないか。ましてや、これからお金を投入しようとするときに、本来であれば資産査定、デューデリジェンスですよ、これをやらないと言っているんですよ、おたくの長官は。 そうすると、本当に大丈夫かなと。今までは公的資金はもちろん入っていました、優先株を中心にして。だから、きちんともちろん監査もしてもらわなきゃいけない、監督もしなきゃいけないけれども、また再び二兆三千億か二兆円を超えるようなお金を投入しようとするときに、いやいや、今はもうこの監査をしてもらったりあるいは検査をした後なんだから、これはもう正確なデータですと、こういうことでやられるとすれば、これは国民にとって私たちは説得できないんじゃないですか。そこはやっぱり、もう一回これはデューデリジェンスをやり直すというような気持ちをやっぱり持たないと、これは納得しないですよ、これ。どうですか、竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、その前半で、減資で、軽々と減資云々と言うと、軽々しくということをおっしゃいましたが、これは議事録をよく読んでいただきたいと思います。私は大変そのときは丁寧に発言をしておりますので、よく読んでいただきましたら、今の会計上の話といわゆる株数減資ですね、株式併合による株数減等々、そういうものを区別してきちっと説明、誤解ないように説明をしておりますので、その点は是非御理解をいただきたいと思います。 それと、これ資本注入の手順としての資産査定の問題でございますけれども、これは昨日も御答弁をさせていただきました。今回の措置は、もう委員御承知のように、資本増強を行うことでりそなの自己資本の充実を図ると。それによって、業務を行っている地域経済の信用秩序の維持に重大な支障が生じることを未然に防ぐために、正に一号措置なんだということであります。 で、資産の査定の問題ですけれども、主要行については、今、通年・専担検査の枠組みの下で年に一回の通常検査を実施をしています。また、直近の業績、企業業績や市場のシグナルなどをリアルタイムに反映した適正な債務者区分を確保している。十五年三月期決算に反映させるために、主要行に対して特別検査を再実施した。二重、三重にいろんな資産査定の仕組みを九八年当時とは違う形で我々はしっかりとして持っている。更に言えば、この会計期からディスカウント・キャッシュ・フロー法の適用によって引き当ても厳格化している。 これらの措置がりそな銀行の十五年三月期決算に反映されているというふうに考えておりますので、我々としてはしっかりとした資産の査定を行える仕組みを持っているというふうに認識をしているわけです。
○峰崎直樹君 新聞記者発表のときに、我々が知り得る、まだ私、金融庁の竹中大臣のこのときの記者会見のあれはまだメール、メールというかホームページに出ていないと思っていますが。 それで、今ちょうど私持っているのは日経金融新聞に出てきているところなんです。読んでみますと、こうおっしゃっているんですよ。「いわゆる国有化ではなく、公的な支援として資金を入れる。株式の数を減らすとか、株主の権利がゼロになるとかといった意味での減資は全くあり得ない。基本的に株主責任としての減資は考えられない」と、こう言っているんです。株主責任、いい、株主責任としての減資は全く考えられないと。 ここまで言い切っていたら、ああそれなら、これ数も減らさない。要するに、あなた、昨日おっしゃったでしょう、配当を制限するだけだとおっしゃったんです、昨日。そうですかということを聞いて、今お話聞いていると、いやいや、欠損金が出た段階ではまた考えなきゃいかぬと言う。だから、そういう丁寧な話をしているんだったらまた別ですが、昨日の答弁とは違いますよ、これ。まあ、そのことは別にしておきましょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 違わないですよ。
○峰崎直樹君 いえいえいえ、違わないですか。だって、数は、そういうふうにおっしゃっているわけですから、数が減るということなんかは全然考えておりませんと書いてあるじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そのとおりです。 繰り返しますけれども、株式併合により株式減、いわゆる株数減資を求めるということについては、これは理屈の上で言えば株主の資産減価を生じるものではありませんけれども、投資家からは否定的にとらえられ、りそなの銀行、さらには他の金融機関を含む株全体に大きな影響があるということをおもんぱかって、それで記者会見においてはそういう意味での株数の減資はしないということを言っている。 しかし、同時に記者会見では、これは記憶しておりますけれども、減資というときに人々はいろんなことをイメージするわけですね。会計上その勘定を消す、そういったことはこれは当然会計上の問題として今後検討していくんだと、そのようなことは申し上げているつもりであります。
○峰崎直樹君 おかしなこと起きるんですよね。何がおかしなこと起きるかというと、これで二兆数千億円のお金がりそなに入りますよと言ったら、株価が上がっていったんです。それはそうですよ。国家信用が付いて、減資はしない、株主責任が問われないということがはっきりしてきたら、ああ、これは国家の信用が付いたんだから、これはりそなの株は買いだわと、こうなったわけですよ。 今朝、ある短資会社の人からお話を聞いたときに、クレジットデリバティブというのがある。つまり、この倒産確率を、デリバリティブでスワップとかいろいろやるんだと。そのとき、これは企業の倒産の確率が、非常に株価が下がれば下がるほどデリバティブのスプレッドが低下していくというんですよ。ええっと思ったんですよ。なぜかというと、ああ、これは産業再生機構いくわ、これは何とかいくわという、公的資金が全部入ってくるということをみんなもう当たり前のように考えるようになっているから、実はスプレッドが拡大していかなきゃいけないわけです。みんな安心するんだそうですよ。これ、社会主義国へどんどんどんどん近づいていっているんじゃないですか。私は昔、社会主義がいいと思った方の一人ですからね。これは、こんなことは本当におかしいんじゃないのかと思う。 日銀総裁、これは質問に入れておりませんけれども、竹中大臣もそうですわ。もし、もう時間が、本当にもっと時間があればもっともっとやらにゃいかぬのですが、こんな現象が起き始めてきている。そして、そういうことに対して、これは竹中さんもそうでしょうし、小泉さんもそうでしょう。民に任せるのは民に任せなきゃいかぬと。ところが、民に任せるところは全部公がどんどんどんどん今行き始めているわけですよ。こんなばかな話が行き始めているということに対して一体どういうふうに考えておられるのか。 私は、日銀総裁、ここもう時間がありませんので、ひょっとしたら、ゼロ金利状態がずっと続いているから、これ資本主義でなくなっているんじゃないかという気がするんですよ。だから、金利はゼロで、あとは流動性をどんどんどんどん出されておりますよね。これいつまでお続けになるのかなというのが、つまり、金利に、全く金利が付かないと、我々が預貯金しているものは。 これがどうも、何か改革をしようとしたときに、日銀がゼロ金利に持ちよってる。しかもそれは、あらゆる流動性はとにかく提供しますよということが背景にあるために、何らかの形の市場主義的な改革をしようとしても、絶えずそれが、いやいや大丈夫大丈夫ということで、ベースに、要するにモラルハザードをさっき起こしちゃいかぬとおっしゃったけれども、モラルハザードが全部起きるような仕組みはこのゼロ金利にあるんじゃないかということを私は最近思うようになっているんですけれども、そこら辺も含めて、ちょっと日銀総裁の見解と、それから竹中大臣も是非御意見を、見解があればお聞きしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 実は国会の場を離れた記者会見の場でも時々私はお答えしているんでございますけれども、経済の状況が悪いときに政府の政策あるいは中央銀行の政策として打ち出しますことが、ウエートがどうしても社会あるいは金融秩序の維持ということを十分踏まえながら将来につながるいい効果も出していきたいと、そういうことになってまいります。そうなりますと、秩序維持という反面、それに安住をするといいますか、モラルハザードというものがどうしてもその下敷きとして入ってくる、この矛盾に悩みながら、しかしそれをもしやらなかった場合のより悪い状況との対比でやっぱりやっていかざるを得ない。 委員がおっしゃいますとおり、こういう状況はなるべく早く脱却すると。時間がなくなればなるほどモラルハザードを生む芽も大きくなるし、いったん生まれたモラルハザードが拡大する、社会のコンセプトそのものを変えるリスクすらある、ここはみんなで十分注意していかなきゃいけない点と、もうおっしゃるとおりだというふうに強く認識いたしております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大幅な資産価格の低下、いわゆるバブルの崩壊があって、その間日本という国は、平均的な実質国民所得で見る限り、国民は生活水準を下げることなく、バブルのピークよりも今の時点で十数%高い平均的な実質所得を得ながら生活しているという状況を続けてきた。 これ、韓国、タイ等々、インドネシア等々、大きなバブル崩壊のときはやっぱり一時的に生活水準を下げて、実質所得を下げていろんな調整を一気に行ってしまう。韓国の一九九七年から九八年にかけてがいい例であったと思いますが、日本はそういうプロセスを経ないで実は今日に来ている。 十何年間不況だ不況だというふうに言うけれども、繰り返しますが、実質国民所得は十数%この間上がっている。それを、実は様々な形でショックを和らげるための政策をやはり国民は政府に求めてきたということだと思います。 それは、あるときには国債の大量発行による公共事業等々であり、またあるときは今回の金融のような措置であったと。結果的に見ると、極めて資金の流れで見ると公的なお金が大きなウエートを占めている、大きな部分がいまだに国債に向かい続けている、そういう状況の中に日本の経済は、残念だけれども置かれているのだと思います。であるからこそ、今、福井総裁言われたように、やはりこれを長期間続けるということはできないんだと、不良債権問題を二年で是非とも解決、終結させたいという思いはそういうところにもあるわけです。 こういった形での問題意識の下に、是非ともこれ以上公的な部門が拡大することを避けながら、モラルを確立して終息、終結を図っていきたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 もう二年以上続いていて、早急にと言ったって、これからまた二年ぐらい掛かったら四年も掛かるわけですよ、この異常状態が。そういう意味で非常に問題があるなと。 また、もう時間が少なくなったんで、もう一つちょっとどうしても聞いておきたいことがあるんですが、新旧勘定を分離されるというんですよ。これで、これは竹中大臣、大手行だけに限ってと。大手行の業務純益四兆円ですよ、おおよそ。不良債権の金額四十兆ですよ、処理しなきゃいけないのが。これ、八%の比率を四%に二年間でやるとおっしゃっていましたよね。これ業務純益四兆円で、もうリストラもかなりのところまで行っていますわ。十年掛かるんですよ、業務純益でこれをなくそうと思ったら。いやいやいや、それは恐らく引き当て積んでいるとかなんとか言っているんですわ、何年掛かるか別にして。しかし、いずれにしても、過去十年間は間違いなくそういうことの繰り返しでやっていったんですよ。 そうすると、本来ならこのもうかったお金というのはどういうところに行っていたかというと、税金に行っていたんですよ、本来であれば、一つは。四割は税金に行ったんですよ、法人税で。そして、残ったものの十二・五倍、八%基準行であれば、これは与信として成長産業や成長企業にどんどん貸せたわけですよ。 この間やっていることって、全部そのもうかったやつを不良債権の処理に回しているわけですよ。これをまた何年か続けるわけでしょう。いや、二年以内に頑張りますと言っているけれども。 私は、昨日も仙谷代議士とやり取りを聞いていて、仙谷さんは、恐らくそれはもうそんな今のやり方できないと。これは新旧勘定を同じ企業の中で、同じ企業じゃないですね、同じ銀行の中で新勘定、旧勘定分けている。そうすると、新勘定でもうかる分野が出てきたとき、このあれは旧勘定のところと相殺するんでしょう、こっちの方のいわゆる処分を。そうしたら、これは何も変わらないじゃないですか。 だから、スウェーデンでやったような形になるのか、あるいは民主党が提案しているようなものになるのか。 我々はかねてから早くやりなさいと言っているのは、こういう形の銀行というのは、新しいもののぴかぴかの銀行と、それから駄目な部分と灰色があるでしょうと、中小企業は何年かもたした方がいいでしょうと。こういうふうに分けて処理をしないと、いつまでたってもぐずぐずぐずぐずして、これ二年間で終わるなんということを、昨日も大見え切ったというふうにおっしゃっていましたけれども、いや、私は大見え切っていませんと居直っておられましたけれども、私も二年間でできると思えないですよ。 今までそういうことをおっしゃった担当大臣が何人いたかと。いや、これで終わりです、必ずこれから良くなります。それは、いや、株が下がった、世界のあれがどうした、いや、九・一一がと、いろんなことをおっしゃるかもしれません。 そういう意味で、もうフローででき上がった利潤を、もうけをストックのその負債のところで費やしてこれをつぶしていくというやり方を取ったら、恐らくこれは何年ものまた、十年近く掛かってしまうんじゃないんでしょうか。 私は、そういう意味で、今回のこの旧勘定、新勘定というのは金融再生プログラムに載っている話です。だけれども、これは明らかに外に出さないと、RCCに出すのか産業再生機構に出すのか、どういう形にされるのかは別にしても、そうしない限りこれは変わらないと思いますよ。 この点について、これは竹中大臣にもお聞きしたいと思うし、もし福井総裁にも、これは世界のこういう不良債権の処理の、しかも大抵世界は五年以内にやっているんですよ、この種のものは。だから、そういう点を含めて、私は、今回のやり方、あるいは金融再生プログラムに入っている、新旧勘定を分けるけれども、しかも同一行内にそれを置いているやり方というのは、私はうまく成功しないんじゃないのかな、この点を申し上げて、御意見をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、業務純益三兆、四兆、それで不良債権、それとストックを比べると、これは峰崎委員はよくお分かりになって言っているんだと思いますが、これを単純に比較するのはこれはフェアではないわけであります。 不良債権というのはストックの額でありまして、それを実際にオフバランス化していく過程でどれだけ不良債権処分損が出るか、その処分損が出た場合は、これは業務純益でカバーしていきましょうというのが今のルールでありますから、残高そのものと比べますと、これは少し違ったストーリーになる。 峰崎委員がおっしゃるような、オフバランス化をひとつ非常にラジカルにやれ、今のは、おっしゃるのは、要するに別のところに、言わば国鉄清算事業団のようなイメージだと思いますが、オフバランス化を一気にそういうところにやってしまって、そこに一気に公的な資金を入れてというイメージをお話しになったんだと思いますが、我々は、オフバランス化は、これは非常に厳しいルールを作っているわけです、二年三年ルール、五割八割ルール。その二年三年ルール、五割八割ルールをりそなを含めすべての銀行に適用していくことによって不良債権比率を減らしていくことができるというふうなシナリオを今持っているわけです。 今回、決算が出ますので、その決算を踏まえて、そのシナリオを更にこれが有効に働くということを確認した上で、この金融再生プログラムにのっとった不良債権処理問題の終結を目指したいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 総裁、もしよければ。
○参考人(福井俊彦君) 委員のおっしゃった趣旨は非常によく分かるわけでございますが、銀行の中でこれからあの問題を処理していきます場合に、都合のいい部分と都合の悪い部分とを言わばどんぶり勘定のような形で内部の理解だけで問題を処理するという場合に、余り生産的でないことが起こるリスクがないかといったら、それは私はあり得ると、こう思います。 しかし、それを防止する方法としては、やはり経営に対して外からきちんとチェックが掛かり、なるべく問題処理に市場原理を取り入れていくというやり方がこれからの新しい社会に通じていくやり方だと思いまして、私は、委員のおっしゃった方法のほかにも、例えば、新しいこれからのりそなホールディングスあるいはりそなバンクそのものが、コーポレートガバナンスの形、例えば社外からしっかりとした取締役を入れて、その内部の情報を公開する形で経営をやっていくというふうな姿がもし行われるならば、それも一つの有力な方法ではないかというふうに考えています。
○浜田卓二郎君 私も、今国有化ということを十分よく分からないところが多いものですから、そういうことについて質問してみたいと思いますが、今回は、りそなは健全行であると、破綻はしていないと、それを国有化したと、国有化したというか、資本注入をしたと、そういう御説明ですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 健全行の意味でございますけれども、健全行の国内基準として自己資本で求められているのは四%以上ということでございますから、それを割り込んでいるという意味では、いわゆる国内の監督基準で言うところの健全行ではないということになります。しかし、決して債務超過になっているわけではない。さらには、資金繰りが回らない、それの結果破綻していると、そういう状況ではない。過少、正に過少資本の状況にある、状態にある銀行だと、そのように判断したわけです。
○浜田卓二郎君 不良債権の処理に失敗をするか。あるいは、保有株式の減価による影響が過大になるか。それから、今回は会計上の問題で、今まで税効果会計という仕組みを利用して自己資本を結果的には水膨れさせていたと、それを正常なというか、会計監査の折り合いが付く範囲まで引き下げてうみを出したと。この三つですかね。 今回は、そのうちの税効果会計によって起きた自己資本の不足だから百二条は使うけれども、いわゆる金融機関の破綻により信用不安が現実に起きそうになっているから資本注入をするケースとは違うんだと、そういうことをおっしゃりたいわけでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 理由を一つ一つ対応させて申し上げることはなかなか難しいのかと思いますが、これトータルの判断として、バランスシートでこれ我々としてはしっかりと資産の査定が行われたという認識の下に立って、バランスシートは債務超過ではございません。かつ、これは言わば企業と同じでありますけれども、いわゆる資金が回らないような状況、資金が回らない状況というのは、銀行で言うならば、どんどんどんどん資金が流出していくなり、例えば、それかインターバンクの市場でお金が取れませんと、そういうような状況ではない。その意味では、銀行としては機能は、銀行業務としては機能はしている。債務超過ではない。しかし、理由は幾つかございますでしょうけれども、過少資本になったと、そのような状況にあるというふうにこの銀行を我々は認識したわけです。
○浜田卓二郎君 ちょっと私も計算をして数字を持って伺うんじゃないんですけれども、いわゆる無税償却という手法を、どの程度までの無税償却を認めるかということもありますけれども、それに切り替えておったら今回のようなことは起きたんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 無税償却であったらということの意味は、この繰延税金資産が過去の分において、十何年もずっとさかのぼって有税償却ではなければ、そうするとこの繰延税金資産という項目は立っていないと。単純にすごく見事に一致するわけではないとは思いますが、その繰延税金資産が八千億円ぐらいございますから、その八千億円があれば、今概算出しますが、すごく単純に言いますと、二・六%高まるということですね。 実は、大変ちょっと混乱いたしましたが、混乱しましたが、整理いたしますと、三月に報告を受けた段階では自己資本比率は六%台だというふうに言われた。それが最終的には二%台になるというふうに言われた。四%低下すると、四%ポイント低下すると。その要因を非常にラフに計算しますと、繰延税金資産が否認されたということによって二・六%低まっております。この二・六%低まるということがなかりせば四%は超えていたであろうと。これは、ほかの繰延税金資産が別の形の資産で、どのような形で持っていたかという計算がありますから正確ではありませんが、大ざっぱに言えばそのような仮定の計算は成り立つと思います。
○浜田卓二郎君 何が申し上げたいかといいますと、今回のような状況で資本注入をした。私は、それがいい、それ以外の方法はなかったんだろうなというふうには思っておりますから、それに文句を言うつもりはないんですけれども、その百二条で考えているようなケースと何かちょっと違う気がするんですね。 つまり、信用不安が起きそうだと、あるいはもう破綻をしたと、だから公債で公的資金を入れてきれいにしてそして再出発をさせるというケースではなくて、続いているんだと、健全なんだということはおっしゃりたいわけでしょう。 ただ、それをこういう会計上の問題で、元々竹中金融政策の出発点には税効果会計を正そうというのが入っておったわけでありますから、そういうものを是正していく過程でこういう話が起きてくると。だから、それは資本注入によって、元々破綻したんじゃないものを更に健全にして継続させると。そういう、ちょっと百二条とは違ったケースのような気がするわけで、私はこの質疑の中で、予備的な公的資本の注入というのは手法として、別にシステムとして作っておいたらどうかという提案をした記憶があるんですけれども、今回のようなことを現実に経験してみると、やっぱりそういう手法を準備して、別に準備しておかれた方が分かりやすいんじゃないかなという気がいたします。そういう前提でちょっと伺いたいんですけれども。 これ国有化しちゃうわけですね。つまり、自己資本の四%以下のやつを一〇%に持っていくわけですから、それが二兆円なのか二兆三千億なのか分かりませんけれども、大半は政府資本だということになっちゃうわけですね。これ、いつまで国有銀行として持っていらっしゃるつもりなんですかね。ずっと国有でいくつもりなんですか、どこかでそれは売却するんですか、というのが一つの疑問ですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 幾つか御指摘をくださいましたが、まず、今回のように金融危機対応会議、これは明らかに、このまま放置すれば、資産規模四十兆円を超える銀行を自己資本比率二%台でマーケットの中に放置すればやはり重大な問題が生じかねないと判断して今回の発動したわけでございますけれども、先ほどから申し上げているように、危機ではないけれども、健全ではない、健康ではない。その間について新たな枠組み、資本投入の枠組みの、それが必要かも含めて検討することは当然必要、求められていることだと思っております。繰り返しになりますが、金融審議会のワーキンググループでの結論は来月に是非お示しできるようにしたいと思っております。 それと、国有化ということと、いつまでだということでございますが、これは先ほどの減資と同じで、国有化という言葉も幾つかやはりイメージ、違ったイメージで用いられているのだと思います。やや法律に基づけば、百二条の第三号措置というのが国有化と言われるものでありまして、これはほかの株主の、それこそ正に減資といいますか株式をゼロにして、それで全部国有化して国が完全に管理して、旧長銀のようなもの、これが厳密な意味での国有化なわけでございますが、今回は民間の株主がいて、民間の経営主体がいて、そこに大きな、非常に大きなウエートを持つ株主に国がなるということだと思います。 したがって、そこでは我々としては本当にしっかりとガバナンス、先ほどから申し上げているガバナンスを発揮するシステムを是非とも作りたいと思っているわけですが、さあこれをいつまでにどのように解消をしていくのかと。これはガバナンス次第ということでありますが、我々としては、五月三十日に公的資本の申請を受ける段階で経営健全化計画が出されてまいります。この経営健全化計画を審査する中で、その将来の展望をどのように見越していくのかということについて厳しく審査する過程で明確にしていかなければいけないというふうに思っております。
○浜田卓二郎君 国有化することの目的というのは、経営を健全にしてあげると、国が管理して経営を健全にしてあげるということですね。だから、さっきおっしゃった二号ですか、破綻金融機関、この場合はもうしようがないんですね。破綻しちゃって。ですから、これはもう新しい企業体として再生させて、それをどこかに売却する、そういう経過的な措置として国有化というのがある、これはまあ分かりやすいわけですよ。 だけれども、健全行でゴーイングコンサーンであると、まあ経営者の責任は問うにせよ、基本的にはその経営の要素というのは全部変えるわけじゃありませんから、続いているものに国が関与して健全化するという、その過程がやっぱり国有化ということなんだろうと思うんですけれども、そんなの本当にうまくいくんですかというのが、さっきの田村さんの質問とは逆で、私は逆に役人出身だから余計そう思うんですけれども。役所が管理してうまくいった事業なんていうのは余りないでしょう。これは、だから小泉さんは盛んに官から民へと言うんで、私も大賛成なんですよ。本当にうまくいきますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、もちろんこういうケースは初めてでございます。御指摘のように、官が強くコミットした事業というのはことごとく非効率なものとなり、その反省を踏まえて民営化、官から民へという大きな流れが今できているわけです。その意味では、我々としては、資本はこれは持つわけであります。資本が不足しているから持つわけでありますけれども、これはあくまでも新しい経営者側の、民間の経営がしっかりとガバナンスを発揮するという仕組みを作らなければいけないと思っています。 そのためには、中身で銀行からで、どうしてもしがらみを引きずってなれ合い的な経営になることが、これはもう絶対にないように外部からの厳しいチェックを入れて、我々もこれは監督当局の立場として結果を求めて厳しく監督し、繰り返し言いますが、これはうまくいくかと言われたら、これは初めてのケースでありますから、何としてもうまくいかせなければいけないというふうに思っておりますが、そのガバナンスの発揮の仕組みに是非新しい工夫をしたいと思っております。
○浜田卓二郎君 さっきから経営監視委員会という何か恐ろしい委員会が、これ、金融庁の中にあるんですか、その監視する人たちというのはどういうメンバーなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経営監視チームでございます。これは主として検査監督部局の職員から構成されておりますけれども、メンバーに外部の顧問、民間の学者の方も入っていただいております。主として経営を、これはコンプライアンスを中心に継続的に監視するチームでございます。
○浜田卓二郎君 そうすると、この経営監視チームに、例えば経営再建計画ができたら、りそなはそれを報告をしてチェックを受けるとか、そういうことですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これも初めてのことでありますので、なかなかこうイメージをつかんでいただきにくい問題だと思います。 この経営監視チームというのは、常時ヒアリングとか報告徴求を通じて、リアルタイムでこの特別支援を受ける金融機関の実態を把握して、りそな銀行の経営を継続的にモニターするという役割でございます。もっと具体的に言いますと、コンプライアンスの確保や事業計画に緊密に関連する事項について定期的にヒアリングを行うなど、常駐的にこれをウオッチするということになります。 しかし、今おっしゃった経営の監督上のものについては、これは金融庁に対して健全化計画をきちっと出していただく。で、今、例えばですけれども、この経営監視チームにお願いしているのは、やはり新しい経営陣にすぐに切り替わってもらわなければ困るわけですね。かつ、古い経営陣がいろいろな影響力を行使するようなことがあってはいけないと、そういうことがないようにいろいろウオッチしていただくとか、それこそ混乱が生じないようにいろいろとコンプライアンスを中心にウオッチしてもらうとか、そういうことが今のこの経営監視チームの重要な、この時点においては役割になっております。
○浜田卓二郎君 新聞の記事で読むと、そのりそな銀行の経営会議か役員会議にもお役人さんが入って監視するというか、チェックするというような、本当にやっていらっしゃるのかどうか分かりませんが、さっきの田村さんの意見とはまた違っちゃうわけですけれども、役人がそんな監視に入ったら、これはかえって経営会議は失敗するんじゃないですかね。 今でさえ金融検査、非常に末端においては大変厳密に行われている。それによって、要するに貸付先の審査とか貸付先に対する見通しというものが自己責任の持てないものになっているという、これは副作用ですけれども、それが必要以上の貸し渋りとか貸しはがしになっているんじゃないかという危惧を私は絶えずこの場で言っているわけですけれども、本当に国有化後のその管理、国有化の中身というのが非常に大事になっていくわけで、さっき大臣はガバナンスということを言われたわけですけれども、ガバナンスというのは銀行の経営的なガバナンスという意味ですよね。そのガバナンスが役所の監視下において本当に育つのかという疑問が私には基本的にあるわけですよ。 先ほど来、言葉を慎重に選んで言っていらして、ガバナンスともう一つはオートノミーという、そういうことを、これは配慮はよく分かりますけれども、おっしゃらんとする意味はよくわかりますけれども、私にはそこがかえって確信が持てないし、役所の監視下で銀行が再生をするという、本当にそういうシステムがうまくワークするのか、初めてのケースであるだけに心配なんですね。 要するに、銀行行政の歴史は今さら言うまでもないわけで、護送船団だから競争力がなくしたよと、護送船団だから自主的な融資判断ということが弱くなってバブルを必要以上に膨らませたよとか、そういう反省が一杯あって、そして銀行行政の方向を変えようというのが今の途中の経過だと思うんですけれども、途中経過だからという面は確かにありますけれども、逆に、さっき峰崎さんが社会主義という言い方をされましたけれども、何か逆行しているような気がしてならないんで、竹中さん大変なことやっちゃったんですよ、二兆円も一つの銀行の株買っちゃったんですから。いつまで持っているんですかという最初の質問ですね、だれに売るんですか、どういうふうに軟着陸させるんですか、そういう大事なことはこれからですという話は私は心配なんですね。 で、税効果会計だって今まで認めてきたわけでしょう。要するに、将来に確かに黒字が出て税金をうんと払っていく、その過程で引き当てたものが本当に損金になっていけば、これを今自己資本として積んでいることは、これは正当だと言ってきたわけですよね。だから、そういうことを減らしていくという話、その過程で起きる今回のことについては、私も必ずしも駄目だと言う必要はない、むしろさっき言ったようにこれしかなかったのかなと思うんですよ。ですけれども、まだほかにもそういう話が出てくるかもしれません。あるいは税効果会計で自己資本が膨らんでいる分は六兆円ぐらいあるんじゃないですか。あるんでしょうね。将来の赤字見通しにみんな変わっていったらどうなるんですか。ますますデフレが進んでいくわけでしょう。だから、私は空恐ろしいことに踏み込み始めたという気がするわけですよ。これは竹中さんの責任ですからね。 だから、この二兆円をどこまで持っていて、どういう格好で処理していって軟着陸させるのか、それはやってみなきゃ分かりませんという話でどうも済むことじゃないような気がしてならないわけですから、私はやっぱり、新しいシステムを作ってこういうことをやっていくんであれば、つまり予備的注入ということまで踏み込むんであれば、先まで責任を持つことですよ、予備的注入をするということは。 しかし、国立銀行で、中国の例を見てください。それは最初の一、二年は張り切って監視してうまくいくかもしれないけれども、これ、五年、十年持っていったら、日本じゅうが国有銀行になっちゃって中国の二の舞ですよ。まあ、これはちょっと中国に対しては失礼かもしれませんけれども。 ですから、どうかこれ、私の時間は終わっていますからやめますけれども、心配だということを申し上げたいんですね。 だから、そこにもう踏み込んじゃった。二兆円の株主ですよ、一つの銀行の。しかもこれ、何%の自己資本の、資本の持ち主だかちょっと今計算できませんけれども、これを一体抱えていく自信が本当にあるのか、その自信を裏付ける仕組みとかスタッフがいるのか。これは残念ながら、金融庁の役人さんが優秀であればあるほど経営者としては駄目ですよ。これはもう歴史的に実証されていることだと思いますから。 くどいですけれども、ひとつどうか、よほどの覚悟を持ってこの具体的な処理に取り組んでいただきたいということを申し上げて、一言感想を聞かせてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に今、浜田先生が一番最後におっしゃったよほどの覚悟、これは本当に覚悟の要る仕事でございます。 心配だというふうにおっしゃいましたですけれども、これはもう我々自身、なりふり構わず真剣にこのことを、仕組みを作っていかなければならないと思っております。 御報告の機会またありますので、是非ともいろんな御意見も賜りたいと思います。
○浜田卓二郎君 終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。 これからの覚悟もいいんですけれども、まず、なぜ二兆円も超えるこの公的資金を入れるような話になった経過がまだよく分からないんですね。先ほど峰崎委員からもありましたけれども、全然明らかにならないですから、まず、このりそなが過少資本に至る経過について、二兆円を超える国民の税金がそこに行く可能性があるわけですから、きちっとした説明を私お願いしたいと思うんです。 今日はいずれにせよ時間が短いですから、本番は来週開かれるであろう予算委員会になると思いますけれども、限られた範囲でその事実経過中心にお聞きしたいと思いますが。 一つは、新日本監査法人と竹中プランといいますか、再生プログラムとの関係なんですけれども、去年の十月三十日にいわゆる竹中プランと言われています再生プログラムが出ました。そしてその中に、税効果については厳正な適用でしたっけ、厳正な適用と書いてありますね。それで、具体的に十一月の十二日に公認会計士協会にそういうことをお願いしたいと依頼をされたということを金融庁からお聞きしました。それで、二月二十四日に協会が、協会のメンバーに厳正な対応をするようにという通牒、通知ですね、これを徹底したと。それで具体的に銀行の三月決算に入ってくるわけですけれども。 これ以降は、レクを受けても明らかにされませんので、幾つか新聞報道交えて私がちょっと聞いている部分を申し上げますので、違ったら、違うとかそんなことはないとおっしゃってもらうしか今の時点ではありませんので、そちらから情報開示ありませんから。 まず、先ほど峰崎委員も言われましたけれども、朝日監査法人は税の繰延べそのものをゼロにする。つまり、りそなは三年赤字ですから、実務指針に基づきますとゼロというふうなのが基本的な対応だというんで、朝日監査法人はゼロというのを、四月か三月の終わりか分かりませんけれども、りそなとやり合うというか、そのときに新日本監査法人が一緒でしたから、それはどうのこうのとあったか分かりませんが、とにかく朝日監査法人、自殺者も出ましたけれども、降りたということですね。これは実は朝日監査法人の広報部が答えておられますので、これは新聞発表というより、新聞の報道と、一報道というよりもこれは公のことだと思います。 新日本監査法人の方は、当初は、朝日と一緒にやっているときは、これは報道の範囲ですから違ったら言ってください、当初は五年分を税効果、税の繰延資産五年分を認めて自己資本六%という案もあったけれども、結局、いろんなやり取りの中で、ここで金融庁の指導があったかどうか私、知りません。いずれにせよ、三年分で自己資本二・一%というのが、最終的に今回そうなったわけですが、新日本監査法人の見解が出たと。 ここは新聞報道ですけれども、金融庁がそれに対して、竹中大臣とは言いませんが、事務方か担当者か分かりませんが、何とか四%を超えるようにというようなことでいろんなやり取りがあって、そういうやり取りに対して竹中大臣が、先ほどから言われておりますけれども、五月の十四日に、監査法人とのやり取りに介入をしないように、構うな、金融庁が構うな、独自の判断してもらえ、いただけというようなことを、昨日も答弁されていますが、言われたと。 ここまでの経過は、言えること言えないことあると思いますが、違ったら違うということで、そうでなければ事実関係を教えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、朝日監査法人の話が出ましたが、朝日監査法人は多分りそなと契約している関係ではないと思いますが、これも不確かです。特に、そこがゼロと言ったか言わないかとかそういうこと、私は一切存じ上げません。それと、新日本が三年と言った云々に関しても、そういう三年とかという数字は私は聞いておりません。 税効果会計の見方についていろんな議論がなされているということを五月七日に聞いた。私は、五月七日に聞いた段階で、金融庁の諸君に対しては、これは監査法人と企業が決めることで、金融当局が何らかかわるべき問題ではないということを申し上げております。その上で、五月十四日に、先ほど申し上げましたように、その考え方の整理を含めてまとめて報告を受けたということでございます。
○大門実紀史君 そうしますと、竹中プランでは、あのとき大議論になりまして、私も質問を予算委員会でやりましたけれども、税効果会計大議論になって、ルールの変更はしないと。つまり、実務指針とかああいう数字はいじらない、ただ厳正化やってほしいと。 ところが、実態としては、あの実務指針というのは完全にあのまま適用はされていなくて、金融マニュアルと似たところありますけれども、実態見ながらいろいろやっていたと。あれを厳正に適用始めたと。だから事実上、現場にとっては、銀行の現場にとってはルールが変わった状況なんですよね。今まで認めたことを認めないと。もう厳格に、あのマニュアル問題と同じですが、実務指針にのっとってやるというふうに変わったわけですから、現場サイドではもうルールが変わったというふうな。ですから、竹中プランの流れがこう来た中で、監査法人が厳格にやるということに切り替えていったと。それそのものは、いい悪いは今日ちょっと評価おきますけれども。 それで、そこでいろいろやり取りあったけれども、竹中大臣がわざわざ五月の十四日に、構うな、介入するなと、金融庁の──七日、ごめんなさい、七日にね。七日に構うなと言った意味は何なんですか。構っていたんですか、介入していたんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、厳正に適用というのは、今まで厳正ではなかったけれどもあのプランの後厳正になったというような趣旨で大門委員がおっしゃっているんであるならば、それはやっぱり違うと思います。これは、公認会計士協会の会長御自身が何らかの記者会見で、それはもう金融再生プログラムに関係なく公認会計士としてはずっと厳正にやっているということを明言していらっしゃると。 五月七日の発言でありますけれども、これは、いろいろ議論をする中で、銀行としても監査法人としてもいろんな判断が難しい問題があるであろうというふうに私自身思いました。これは銀行も判断が難しいし、監査法人も判断が難しいんだろうなと。それほど実はやはりなかなか評価の難しい資産項目なわけですね。だからこそ、そのことをこのままでよいのかということで、去年問題にしたわけです、我々。しかしそのときは、これに関して新たなルールを作るとかそういうことをしない方がいいと、とにかく少し時間を掛けて議論しろというのが大方の意見であったわけですね。であるから、ルールは何も変えないで今日まで来ているわけです。 それで、それだけ難しい資産であるから、ともすればいろんなことを、これは当局というのは、やはり我々自身が認識している以上に恐らく、いろんなことを言いたい、いろんな考えを引き出したい、そういう思惑が常にあるんだと思います、民間部門には。そういうことになるといけないから、難しい問題であるだけに、我々としては厳正中立を貫いてくれと、そのように金融庁の諸君には申し上げたわけです。
○大門実紀史君 真相はまだ分からないんですけれども、要するに、三年、四年という言い方が違っていれば、結果的に自己資本が二・一になるとか四%超えるとか、この判断は監査法人が微妙なところでやったわけですよね。大決断だったと思うんですけれども、ですから、そこが分かれ目だったわけですよ、どういう判断するかが、いずれにせよ、判断したかが。それによって国民の税金につながる公的資金が二兆円出されるか出されないかの分かれ目であったわけですよね。そういうことになりますね、今回、監査法人に任してそういう結果になって、入れるというわけですからね。 そうすると、私、これ、峰崎先生も言われましたけれども、私ね、これ、ちゃんと参考人を呼んで、二兆円を超える公的資金がどうして出されることになったかという経過をきちっと国民の前に明らかにする必要があると思うんです。 私の方は参考人として、委員長、お願いしたいんですけれども、りそなの勝田社長と新日本監査法人、この二者をこの委員会に参考人としてお呼びいただきたいと思います。
○委員長(柳田稔君) 後刻、理事会で協議いたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の件はもちろんこれは議会でお決めいただくことでございます。 一つやはり申し上げておきたいのは、公的資金を注入するかどうかというのは、これは金融監督上の意思決定だということでございます。バランスシートをどのように判断するかというのは、これは公認会計士の判断でございます。それぞれやはり社会の役割分担があるというふうに私は思っておりまして、この人の判断が結果的に二兆円にというようなことでは、私は多分ないのだろうと。これは我々が、会計士は会計として独立してバランスシート、適正なバランスシートを作り、我々はそれに基づいて、我々の独自の判断で金融監督行政の立場から今回の資本注入を決めたというふうに認識をしております。
○大門実紀史君 それは分かります。結果としての二兆円の問題で、関係者の意見は全部聞かなければいけないという意味で参考人をお願いしました。 今度、先ほどもありましたけれども、この公的資金注入の性格なんですけれども、預金保険法百二条の一号措置ということですが、これはもう繰り返し取り上げられているので中身は申し上げませんが、要するに、国会答弁で既にもうこういうケースというのは出ていますけれども、今回そのケースそのものには該当しないけれども、先ほど大臣が何度も言われたとおり、四十兆を超える資産を持っているところが、自己資本二%のままマーケットに放り出したらどうなるか、もう分かるでしょうと。確かにそのとおりですよね。株の売り浴びせなり資金流出が起きますよね。ですから、国会答弁であった、資金の流出か株の暴落かが起きる可能性があると、そういうおそれがあると。だから、何といいますか、国会答弁の、元々おそれの話ですけれども、国会答弁の、おそれの前の段階でそのおそれがあると、何か予測事態みたいですけれども、そういう注入なんですね、今度はね、もし判断されているとしたら。 そうすると、これ今、何か新しく法案で予防注入の仕組みを検討されているとおっしゃっていますけれども、この今の百二条で、そういう考え方を取れば、国会答弁でこういうおそれのある場合と言ったのに、前の段階でおそれがあるということだったら、予防注入的にこれからもうやれるようになっちゃうんじゃないですか。新法要らないんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、予防注入というお言葉がございましたけれども、そういうことも含めて必要かどうかを今議論していただいているということです。予防注入の枠組みを議論しているということではございません。そういう、もう何度も申し上げますけれども、危機ではない、しかし健康体ではない、その幅広いものがあり得るんだと思いますが、それに対して新たな枠組みが必要かどうかというのを検討をしていただいている。 したがって、今回のような場合は、危機にほとんど近いところで、もうひょっとすると危機になるかもしれない、このままだと危機だということで、それを未然に防ぐために今回の措置を取ったわけでありますけれども、このような措置が今議論されている中でどのように位置付けられるのかということは、これはやはりしっかりと金融審の中でも議論をされていくものであろうというふうに思っております。
○大門実紀史君 ちょっと今日は幾つか不明な部分だけ聞いていきたいと思いますけれども、この百二条の、先ほどもございましたか、減資の話なんですけれども、通常、この百二条の仕組みでいきますと、金融危機対応会議ですか、招集されて、首相が認定をして、当該銀行が公的資金の申請をして、それを受け付けて決定してという流れですよね。そのときに、通常ですと、これは公的資金の注入というのは当該銀行の減増資を前提にしておりますから、通常ですとね、通常ですよ。ですから商法上の減資の方ですけれども、それをやるとしたら、減資に関する臨時株主総会が必要になりますよね、普通ですと。いわゆる株主責任を取らせる意味でね、減額するなりなんなりですとね。 そうすると、これは先ほど言った対応会議で決定をして、もう公表しちゃって、決議をするまで、株主総会が開かれるまでタイムラグができます。恐らく大銀行だと一か月ぐらい掛かる可能性あります。そうすると、もうその間に、さっき言われたさらしものになっちゃうと、銀行がね。発表されて、その間に株主総会なんかぐだぐだやっているとさらしものになってしまうと。そうすると、もう破綻処理の違う適用になりかねないわけですね。 つまり、この百二条というのは、これを使おうと思うと、形式上の減資はできたとしても、実際の株主責任を問う減資というのはこの百二条の一号のスキームでは不可能なんじゃないんですか。だから、今回のように最初から減資はしませんと、累積損失の形式上の減資はされるかも分かりませんけれども、いわゆる株主が責任取る減資はこの百二条の一号を使う限りできない。つまり、株主に責任を取らせるような減資というのは、これはできない仕組みじゃないですか、百二条第一号というのは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 百二条の一号というのは、その百二条の三号等とは違いますから、その意味では、そういう資本を注入するということが一号で決まっているわけでありますので、その意味では、あと百五条に書かれて、百五条の政令とつながっていると。そういう意味では法律上、これもう繰り返し言いますが、減資という場合にいろんな意味がありますけれども、株数を減ずるというような措置は前提にされていないというふうに認識をしています。
○大門実紀史君 そうすると、この二兆円の金額にもかかわるんですけれども、これは私、ちょっと専門家じゃないんで教えてもらいたいから聞くんですけれども、いわゆる減資をしないで一〇%を維持すると約二兆円ぐらいが必要かと、めどとしてね、今の段階で。 ところがですよ、これもし株主責任を取らせて減資をする場合だったら二兆円も要らないということになりませんか。二兆円も要らないということになりませんか。要するに、ちゃんとした商法上のといいますか何法上か知りませんが、株数を減らす減資をやれば。
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆる繰越し欠損を消すという意味では、これは基本的にはグロスで見るかネットで見るか、両建てでするか、両方で本当にするかということですから、実態的な、その意味での実態価値の変動はないわけですね。そこは、先ほど言った一〇%云々、今後の資本注入の在り方に基本的な影響を与えるものではないと思います。
○大門実紀史君 ちょっと私も調べてみますけれども、要するに、急いで百二条で、さっき言ったタイムラグを設けないで、株主総会開かないで済む方法でやるには、要するに、この百二条を使うと必ず株主責任を問えない、いわゆる株数を減らせない、実際の減資をやらない方法でないと、実態からタイムラグが起きて、何というんですか、取付け騒ぎが起こるかどうか分かりませんけれども、さらされることになるから、百二条のこれを使う場合は必ず株主責任がこれからも問えない形になっていくんじゃないかというふうに思います。 時間が来ましたので、また次の機会に調べてこちらもやりたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと誤解があるといけませんので。 手続論としては、これは増資ないしはその欠損を両建てにするか両落としにするかと、これはすべて株主総会でいずれにしても決めなければならない問題でございますから、これは株主総会はきちっと開いて、それは決めていただくということでございます。
○大渕絹子君 質問予告をした部分はほかの委員の皆さんがずっと聞いてきて、私もここで聞いていたんですけれども、よく分からないです。ごめんなさい、すごく理解が難しいですね。 竹中さん、大臣、五月七日の朝、りそなにこの百二条が適用せなければならないような事態が起こるやもしれないという報告を受けたときに、率直に言って、ああ、やっぱりかと思ったのか、え、何でと思ったのか、どっちなんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これもちょっと誤解があるようでございますが、五月七日の時点で私は百二条を連想したわけではございません。五月七日の時点では、りそなと、それと監査法人の間でその評価をめぐっていろんな議論があるということを聞きました。その時点ではどういう事態になるかということは全く予想も付きませんでしたので、その時点で百二条を何らか連想した、ないしは考えたという事実はございません。 十四日の時点で、これは六四か四六か五五かはともかく、そういうことを念頭に置かなければいけないというふうにその時点では思いまして、それで総理にも情報を上げたわけでございます。そのときにどのように思ったかということを余り、そのときはもうしっかりしなきゃいかぬと、これはしっかりと金融庁を引き締めてやらなきゃいかぬという思いでございましたので、余り、やっぱりとか、そういうことをどう思ったかという記憶はないわけでありますけれども、これは行政でありますから、法律の枠組みに沿ってきっちりと混乱なきように何が起ころうとも対応していかなければいけないと、そのように強く思ったのを記憶しております。
○大渕絹子君 そうしますと、金融担当大臣としては、三月のあさひと大和の合併のときに、恐らくどういう資本状況になっておられて、これはこの二つが一緒になった場合にどういう状況になって、資本増強が状態が良くなって、そして再生というか、もう少しいい方向に行く合併だというふうに見越して合併の許可を与えたというふうに思うのですけれども、そのときの見込みと、五月に、まだ二か月しかたたない、二か月もたっていないですよね、三月の末とすると。 そういう状況の中でこういう事態が起こったことに対して、え、というふうに思わないのはおかしいわけで、そうすると、三月のときに既にこのことが想定されていて、まあ百二条、預金保険法の百二条があるので、それによってここの危機を回避すればいいというようなことが既に予想されていたとしか思えないんですよ、私、ずっとこの間答弁聞いてきていて。 だから、この法律を準備された段階でこういうことがもう既に想定されてあって、そのシナリオのとおりにずっと今来ているのかなというふうに今思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この法律が準備されたのは私が就任するはるか以前でございますので、そういう点も含めて、何かこの法律を準備して適用したと、そういうことではございません。 一つ重要な点は、これ合併の認可の問題、お尋ねがございましたが、これは、銀行法に基づく認可要件というのがございます。その認可要件を満たしていれば合併を認可するという立場にあるわけですけれども、基本的には幾つかの、これ認可の基準を申し上げますと、その合併等が資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして適当であること、利用者に不便が生じないということです。合併等が競争を阻害しない、競争を阻害するものではないということ、それと合併の後に業務が的確に遂行される、その基準で判断をするわけでございます。 その背後になる問題として、もちろん財務のことというのも当然見るわけでありますが、これは去年の九月の中間決算の財務諸表しかその時点ではないわけです。その時点の財務諸表に基づいてその合併を認可したということになります。かつ、これが競争関係を阻害しないということになる。 その意味では、今回のものは正に新しい今年の三月期の決算の数字でございますので、この決算の数字で、かつそれまでの時点では六%程度というふうに自己資本比率、聞いていたものが、先ほどから何度も出てまいります繰延税金資産に関する評価が下されて二%台と急落したと、そのような経緯であったわけでございます。
○大渕絹子君 たしか金融庁は銀行の特別検査等々も行っているわけでして、去年の九月の決算の数字をそのまま三月の合併時に、それしか分からなかったということはないんじゃないでしょうか。そこはちょっと私、分かりませんし、それで許可をした上で、さらにこういう事態が一か月半後に起こってくるというのは、正に監督庁の監督不行き届きじゃないのかと率直に考えるんですけれども、違っていますでしょうかね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 確かに、我々は常に銀行を見る重い責任を負っていると思います。ただ、今特別検査もやっていたではないかということでございますが、特別検査というのは、御指摘のように、特定の会社を対象としてその債務の区分を見るわけなんですね。ここでもしその債務者の区分が我々と違っていたというのでありましたら、これは検査は何をやっていたんだという話になると思うんですが、今回は繰延税金資産の評価なんです。検査の資産査定のところで大きなそごが出てきたということではない。 したがって、その特別検査で、これは繰り返しますが、つまり今回の直接的な要因になった繰延税金資産の評価というのは特別検査とは実は関係ないところで決まってくる資産項目の評価でございますので、これは特別検査を幾らやっても、これはやはりちょっと予測のしようがないという点を御理解いただきたいと思います。
○大渕絹子君 実際の、じゃ決算の生の数字が出てこない限りにおいて、その銀行がどういう状況になっているか、金融庁は全く分からないということですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現実問題として、もちろん決算の状況等々、その決算見込みを修正するために我々は報告を受けてヒアリングをするわけでありますけれども、最終的にはこれ、まあその最後の最後の瞬間で公認会計士が、監査が判断した。今回の例はその意味では極めて判断の難しい特殊な場合であったというふうに思いますが、その意味では、決算というのはやはり最終的には、日々の計数の単なる積み重ねではなくて、最終的には判断の問題が入りますので、そこはやはり、今回に関する限り、大変難しい判断をその最後の最後までいろいろ議論を重ねた上で監査法人の方でなさったと、やはりそういうことだというふうに理解をしております。
○大渕絹子君 その監査法人が、四%台で維持をするか、その実際の数字で出していこうかというようなことで非常に引き合いがあったやの報道もなされているわけで、そこらの事実は今後また委員会等々で明らかになってくるのかなというふうに思いますけれども。 それでは、繰延税金資産を抱えている銀行はりそなだけじゃなくて、すべての銀行がそれを利用しながら決算の数字を良くしているわけですよね。そうしますと、このりそなの経験があれば、今後それでは、そのことを厳格にゼロに、極めてゼロに近くして公表して公費を入れていただけるということがもう恒常化してくるという危険性というのはないのでしょうか。そこが非常に私は心配なんですけれども。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰延税金資産のもう基本的な性格については何度か御説明させていただきましたけれども、税務会計と企業会計の正に調整項目であると、しかし、それが恐らく最初は想像もできなかったほど大きなものに今なってしまっているということであります。 我々は、であるからこそ、非常に重要な項目ではあるけれども、評価がともすれば分かれがちなこの繰延税金資産について、何らかのもっと分かりやすいルールは作れないだろうかというような問題提起、問題を去年の秋にしたわけです。しかし、御承知のように、それに対しては皆さん、皆さんとは言いませんけれども、多くの反対があったわけですね、ルールを変えないでくれと。ルールを変えないで、じゃ、しかし問題の本質は皆さん分かったからしっかりと考えていきましょうということで、今、ワーキンググループでしっかりと議論をしております。 私は、これはやはり、今のルールは今のルールでそれはしっかりしているわけです。ただ、会計士の判断の幅が大きいというところが、これは現実問題としてはございます。それについては私は、各銀行及び会計士、監査の会計士によって、今のまずシステムの中でしっかりと判断をしてしっかりと決算を組んでいっていただけるものというふうに確信をしております。同時に、ワーキンググループでの議論は議論として、これはやはりいろんな問題意識、今回、多くの国民の層でお持ちだと思いますので、この議論はこの議論としてしっかりと重ねたいと思います。 今回の十五年三月期の決算に関して、今回のように大きな問題が生じるというふうには今の時点で私は聞いておりませんですけれども、今後、やはり各企業及び監査法人において適切に対処をしていっていただきたい問題だと思います。
○大渕絹子君 今はこれ、今後のことは聞いていないというわけですけれども、このりそなの問題も過去において聞いていなかったわけですよね。そしてこうやって起こってくるわけですよね。で、私は知らなかったで済むということになると、それはやっぱり大臣としてはどうなのかしらというふうに思いますよ。しっかり頑張っていただかなければなりません。 そして、前段に公的資金を注入した部分と合わせて三兆円を超えるものが使われていくという状況ですけれども、それの回収について本当に責任を持った対応を金融庁はどうなさって、どういう体制でその回収を確かなものにしていくのかというところをちょっとお伺いをしておきたいと思いますけれども。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 これは、りそな銀行が資本増強の申込みを行う際に、あわせて、新たな経営健全化計画というものが策定され、提出されることになります。同計画においてこれは厳しいリストラを含む収益性の向上に向けての施策というものが盛り込まれることになっておりまして、今後、この経営健全化計画が着実に履行されて、そして既往の、今まで投入をした政府の保有の優先株を含めて公的資金の確実な回収が図られていくものと考えているところでございます。 いずれにしましても、私ども金融庁といたしましては、資本増強にかかわる公的資金の回収が困難になることがないように、しっかりこの経営健全化計画というものをフォローしていきたいというふうに考えております。
○大渕絹子君 そこまでは今までの方の答弁と一緒なんですよね。でも、そこが本当に担保できるかどうかということなんですよ。それをどうやって担保していくんですか。ただ言葉で言っただけでは全然分かりません。同じ答弁です、ずっと。何人もの方とも同じ答弁しか来てしていないじゃありませんか。
○副大臣(伊藤達也君) 先生御指摘のとおり、これは資本増強するだけでは駄目で、やっぱり経営力というものをしっかり上げていかなければいけないわけであります。 私どもとして、その経営力を上げていくためにも、いろいろな意味で、今回初めてのケースでありますけれども、その対応を考えているわけであります。それはもう監督の在り方についてもそうでありますし、また、経営の中で何か不正なことが起こらないように、コンプライアンスもしっかり見ていくために監視チームというものも設置をさせていただいているわけでございますし、また、タスクフォースにおいても、これからの事業がしっかり展開できるように様々な視点から、会計士、弁護士、あるいはいろんな専門家の方々に、大臣に対してはアドバイスをしていただくというような形も取らさせていただいておりますし、そうしたことで、提出された経営健全化計画というものがしっかり履行されて、そして本当にしっかりとした銀行に再生していけるように私どもとしてもフォローをしていきたいというふうに思っております。
○大渕絹子君 終わります。
○椎名素夫君 この議論ずっと伺って聞いておりましたけれども、本当にだんだん分からなくなってきたですね。今まで随分いろいろとまずい事が起こるたびに聞かされた話とまた大体同じお話で、これについてはしっかり議論しております、利口な人を集めてやっているという話と、それから、何か例えば経営の話になると、健全化計画というのをしっかり出させて、それをフォローしてやりますと。毎回同じで、これ二年、小泉内閣の前からいえばもう十年ぐらいこういう話というのは聞いて聞いて、そのうちにもう一つのあれですね、ちゃんとましな企業なんというものは、創立から始めて大もうけして、人に売っちゃってにこにこしているというのもあるぐらいの期間、駄目なのがずっと続いて、それ、どういうわけでしょうね。 私、思うんですが、実は近ごろ、最近、ノーベル賞もらったあの小柴先生のお話を聞く機会があった。これから研究者になりたいという人に何かアドバイスないかという話聞かれたら、小柴先生がいわく、とにかく自然科学やるんだったら自分の目で自然をしっかり見なさい、偉い先生が言ってもその言葉をかりてその解釈をやっちゃいけないという話をしました。全くそのとおりだと思うんですね。彼が例として挙げたのは、子供のときに、ハトが、伝書バトを向こうまで持っていって、五百キロ先からちゃんと帰ってくると、これはどうしてだろうと思って理科の先生に聞きました。そうしたら、いや君、実はハトには帰巣本能というのがちゃんと備わっていて、だから帰ってくるんだよと、五百キロでも六百キロでも。言われて、なるほどそういうものかと思って納得したような気持ちになったけれども、考えてみたら何も分からなかったということは、彼にとって非常に大きな経験だったという話なんです。 これ、日本の経済がおかしくなってから十年、失われた十年というような話ですが、ずっと聞いていると、大体我々、いい加減な言葉をかりてきて、それでそのやり取りをやって分かったような気にお互いなりながら十年を過ごしてきたんじゃないか。現実はどんどんどんどん悪くなっているんですね。そういう気がしてしようがないですね、最近。 例えば、構造改革なくして成長なしというような言葉がありますが、一体これ何のことだか分からない。確かにそうなんです。リストラクチャリングをやらなきゃ企業だっておかしくなるんです。ところが、それを全部また拡張したのかと思ったら、そうでもないんだな。民間の偉い経営者とかあるいは学者の幾分もおられますけれども、民間は身を削っていろいろやっているんだと、だから政府もしっかりやらなきゃいけない、政治家もしっかりやらなきゃいけないし、行政もしっかりやらなきゃいかぬと。何だ、税金を無駄遣いばっかりしてと、こういう話になる。居丈高に言うわけですよ。 だけれども、民間の会社というのは、日本の会社でもアメリカでもそうですが、少しばかり恥を忍べば余計な人員は首にできるんですね。そうすればもうオーバーヘッドがなくなってぱっと楽になっちゃって生き延びられる、立派な再生ができるわけだ。しかし、国となると違うんですね。 私、あの土光臨調のときも、やたらに何か偉いと言われる人たちが威張り腐って、自民党に来ましたよ、政調会に。諸君、政治家は頑張ってもらわなきゃ。私は言ったんですが、一つだけ覚えておいていただきたいことは、あなたの会社の社員は首にできるけれども、国民というのは首にできないんだよと言ったんですよ。日本国民を辞めてくれと言って、余剰人員が例えば三千万人いるから、それどいてくれというのは、北朝鮮じゃあるまいし、できないわけだ。そこのところの区別が付いていないんですね、これ、結局。構造改革とかなんとか言っているけれども。 しかし、思い返してみると、小泉さんはなぜ自民党の総裁になったかというと、あれ二年ちょっと前ですか、総裁選挙というのをおやりになりましたね。四人候補が出て彼はそのうちの一人なんだ。あとの三人の演説は良き自民党総裁たらんという演説をやった。小泉さんだけは反自民党演説をやったんですよ。それでみんな国民は、百三十万人が党員の数でしょう、一億二千万マイナス百三十万人の人までが自分もやったような気持ちになっちゃって、いまだにそのイメージがずっと続いているというのがこの状況です。そして、とにかく今までとは違うことをやるんだとおっしゃったその延長線上の行動として、竹中さんを任命したというのがあるわけだね。 あの内閣ができたときに私は内閣委員会で五人の特別のあの担当大臣の方に質問をしたんですが、また例によって茫漠たること言いましたけれども、そのとき皆さんがいろんなことをおっしゃったけれども、竹中大臣は、私は政治家じゃありませんからもう信じたことは断固としてやりますと、こうおっしゃった。そうなんだろうと思うんですけれども、どうもやっぱり同じことを繰り返しておられるような気分を少なくとも国民の大多数は持っている。それで、自民党の方も持っておられるようでありまして、それで今度の話に戻りますけれども、大変なものを抱え込んだというのは、浜田委員もおっしゃったけれども、そう思うんです。 これはある意味では、何を切り捨てて何を救うかということの一つの重大な試金石になる。日本全体を首にしてリストラをするというのは無理だけれども、そのうちの何を救うかと。企業をみんな救っちまおうと思ったら、これは社会主義になるしね。だから、やっぱり駄目な企業は退出してもらわなきゃいかぬということを思っておられるんだろうと私実は思っておった。 それから、ツービッグ・ツーフェールということはありませんよということをおっしゃって、後で取り消したか何か忘れたけれども、そういうことが出てきたということは、やっぱりそこのところはある程度割り切ってお進みになるのかなと思っていたけれども、どうもそうでもないところも見えておりましたが、今度はこれすごいチャンスになっちゃった。二兆円か何か抱えて、初めての実験でしょう。ところが、さっき伺っていて、田村委員の御質問に対して、伺っていてちょっとがっかりしたんですが、やっぱりはしの上げ下ろしは向こうの話だと。こういうときには、はしの上げ下ろしに失敗したからあんなことになっているんでしょう。会社がおかしくなるっていうのはそういうものなんですよ。 だから、本当にやろうと思ったら、例えば、乱暴な話かもしれないけれども、これはおもしろいですよ、大実験でこんなことは世界でも余りできない。大臣、ちょっとしばらく大臣、休暇もらって御自身でおやりになってみたらいいと思うんです。だって、それは私は経営やったことないなんというのは駄目です。なぜならば、渋沢栄一だって、そんなことやったことないのが、あれだけのことを明治の最初にやった。そんな例はたくさんある。こんなチャレンジングなことないんですよ。そう思っているような人を見付けて、御自身なら一番いいんですが、それをそこに据えるということをやらない限り、また同じことを一年経ってもおっしゃらなきゃならないようなことになるだろうと、私は相当確信を持って予言できるんじゃないかと思っております。 別にお答え要りませんので。時間もあれですから、これでおしまいにいたしますが、何かコメントがありましたらどうぞ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今日大変重要な御指摘をいただきまして、その中で特に、同じことを繰り返さないというその決意、これをいかに本当に実行できるかであろうかというふうに思っております。はしの上げ下ろしというのは、枠組みについてははしの上げ下ろしを申し上げたいと。しかし、どこの企業にどうこうという、そういうことをやるつもりはないと、そういうことを申し上げたわけで、枠組み作り、結果として、もし例えばですけれども、目標が達成できない場合にはすぐに例えば取締役には責任を持っていただくとか、そういう意味でのそこのやはりけじめはきっちりと付けなければいけないと。 いずれにしても、同じことを繰り返さない、改革の初心を忘れずにそのことは是非とも結果を出したいと思っております。
○委員長(柳田稔君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 公認会計士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。竹中金融担当大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、証券市場の公正性及び透明性を確保し、投資者の信頼が得られる市場を確立する等の観点から、公認会計士監査の充実及び強化を図るため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、公認会計士の使命、職責を明確化することとしております。 第二に、公認会計士及び監査法人の被監査会社等からの独立性を強化することとしております。具体的には、監査証明業務と一定の非監査証明業務の同時提供を禁止するほか、公認会計士が同一の会社等を一定期間以上継続的に監査することを制限するなどの措置を講ずることとしております。 第三に、公認会計士及び監査法人に対する監視監督の機能の充実強化を図ることとしております。具体的には、監査法人等の業務運営の適正性を監視するための行政の立入検査権を導入するほか、監査法人の内部管理等についての日本公認会計士協会による指導や監督を行政が監視する制度を設けることとしております。 第四に、公認会計士試験制度の見直しを図ることとしております。具体的には、公認会計士の質を確保しつつ多様な人材を輩出していくため、現行の試験体系を簡素化するほか、一定の実務経験者などに対して試験科目を一部免除するなどの措置を講ずることとしております。 第五に、監査法人の社員の責任を一部限定することとしております。具体的には、指定社員制度を導入し、監査に関与しない社員の責任を限定することとしております。 第六に、規制緩和を推進することとしております。具体的には、広告事項の制限を廃止するほか、監査法人の設立等についての認可制を届出制に改めるなどの措置を講ずることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(柳田稔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十九分散会