財政金融委員会 第7号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2003/04/17
会議録
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として中央大学総合政策学部教授堀内昭義君及び日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 おはようございます。 まず、竹中大臣に私、御礼を申し上げたいのは、このリレーションシップバンキングの中に、我々がずっと主張してまいりました金融アセスメント法案の趣旨を盛り込んでいただいた。本当にありがとうございました。あともう一つお願いは、是非実効性のあるものにしていただきたいと思っておりまして、今日はその点についても議論をさせていただきたいと思います。 その中で、まずひとつ経緯を教えていただきたいんですが、我々はずっと金融アセスメント法案の必要性というものを主張してまいりました。竹中大臣の前の柳澤金融担当大臣の時代から、これは規制をするものであって、こういう法律は必要がないんだと、こういう考え方は余り、こういうやり方は良くないんだということをずっと言われ続けておりました。別に方向転換したことを否定しているわけでも何でもなくて、どういう経緯があって、それから、昨年から、ちょっと正確なことを忘れてしまったんですが、一昨年か、我々がモデルにしましたアメリカの地域再投資法、それの勉強会も金融庁の中で行われたようなんですけれども、その地域再投資法についても否定的な意見が多かったように思うんですが、その辺のところを踏まえて、どういう経過でこの趣旨が盛り込まれたのか、その辺について教えていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 恐らく金融の問題を考えている人間の多くの思いは、日本の金融システムを本当に強固なものにしたいと、世界から評価されるものにしたいと。と同時に、金融というのは世界のどの国を見てもやはり非常に国民生活に密着したものであって、特に地域の中小企業等々の金融問題に関しては、これはきっちりとお金が流れるような、そこで地域が発展していけるようなものにしたい。その思いは、過去の金融庁、柳澤大臣ももちろん、全員同じであったというふうに思っております。 そのときに、いろんな政策論議の過程では、察しますに、市場メカニズムの中に政府がどのような形で介入をしていくのかと。市場メカニズムをもちろん尊重する、しかしその中で、その実態に合わせたよりきめ細かな対応というのをどのようなレベルで行うのか、法律で縛って行うのか、それともガイドライン的なものでいろいろ調整をしていくのか、そういった点に関しては、これは今でも様々な議論があるというふうに私は認識しております。 後ほど堀内先生の方から、審議会の中でも多分いろんな議論があったというふうに承知をしておりますけれども、そうした中で、私自身が、昨年の九月三十日に金融担当大臣を仰せ付かったときに、この問題を少し明示的に議論してみたいと。グローバルバンキングに対してリレーションシップバンキング、この実はリレーションシップバンキングという言葉は、私の記憶違いでなければ堀内先生が経済セミナーか何かにお書きになっていたものの中に現れた言葉で、私自身大変頭に残った言葉なんですが、そういったものを少し明示的に取り上げてみようではないかと。それは恐らく、櫻井委員始め皆様方が以前から主張しておられたことと気持ちの上では重なるものがあったのだというふうに思います。そうした経緯もありまして、堀内先生に是非この委員会の取りまとめ役をお願いしたいと、私自身も強く思いました。 その思いでは、変更と申し上げるのが適切かどうか私にはよく分かりませんが、かねてからやはり政策の担当者の思いの中にあったものを、少し踏み込んで明示的に議論をして今回のような形として取りあえず取りまとめたと、そのように御理解を賜りたいと思います。
○櫻井充君 大臣、今、法律というお話がございました。私、野党の人間として、与党の方々そして行政の方々と立場が全く違うのは、我々には行政権限というのがないんですね。つまり、我々が主張するときに、政策という形で発表するか、若しくは法律という形を作って発表するか、それしか方法がないわけです。ましてや行政側を、まあかなり意見を、いろんなことを言うと動かせるのかもしれませんけれども、なかなか動かせないという形になってくると、広く自分たちの意見を知っていただくという点で言うと、法律を作ってくるということが私は政治の在り方からすると一番はっきりするのかなと、そういう気がしています。 今回、この法律を作ったことによって、元々、中小企業家同友会を中心とする中小企業の方々が署名活動をするとは言っていたんですけれども、法律ができたということによってその運動論の展開というのは全然違ってきました。そして、ましてやこの法律案があったからこそ、六百を超える地方議会でこの法律案の早期制定をという意見書も採択されていくということがあると、政治的な手法でいうと、我々はやはり法律を作っていくというやり方に頼らざるを得ないんじゃないだろうかという気がしています。 ですから、これはあくまで私の感想ですから、そういう意味で立場がやはり若干違っていて、行政側の権限でもって、例えば通達とかそういうやり方でいろんな手法を持っていらっしゃる行政側と、我々はそういう権限がありませんから、どうしても法律を作らざるを得ないという、そこの違いというのは出てくるんじゃないかなと、そういう気がしています。 それで、後、堀内先生にお伺いしたいんですけれども、その審議会の中で金融アセスメント法案というものが出てきたのかどうか。それから、こういう趣旨が盛り込まれた、そこら辺の詳しい経緯についてちょっと教えていただけますでしょうか。
○参考人(堀内昭義君) お答えします。 リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループにおきましてもこの議論が取り上げられました。アメリカの地域再投資法とか、あるいは民主党その他の党から提案された法案について若干の議論がありまして、我々としては、竹中大臣もお話になったように、この問題について非常に深い関心を持っておりまして、地域懇談会や何かでもこの問題について議論いたしましたが、金融機関の方々は、地域貢献とあるいは地域との密着の関係、非常に密接な関係ということについて非常に強調されておられますけれども、我々の印象では、まだまだ御自分たちがどういうふうに地域の経済に貢献しておられるかということを一般の方々に分かるように情報を開示していないんじゃないかというような意見が出ました。 むしろ、ですから、まず第一には、やはり金融機関の方々が、非常に積極的に地域と自分たちのかかわりをどのように理解しておられるか、あるいはどのように貢献しておられるかについて発言してもらいたいと、情報を我々に示してもらいたいということが非常に強く出されたところであります。 それから、地域貢献に関して一定の法的な枠を設けるべきかどうかというような、そういう問題もこれも取り上げられましたが、これはなかなか難しい問題でありまして、地域貢献というのは非常に多様で、なかなか一定の尺度で測定することが難しいということがまず第一にあると思います。 それから、それぞれの金融機関の経営の健全性とか経営基盤の強化ということが我々にとってもう一つ非常に大きな課題ですけれども、そういう課題と、それから特定の地域に対する非常に具体的な貢献との間の関係はかなり微妙な関係にあるというふうに思いまして、これを一律の法的な枠組みの中で律するのは難しいんではないのかというような御意見も出たと記憶しております。 したがいまして、私どものワーキンググループでは、報告書に書いてありますけれども、積極的に情報開示をしてもらいたいと、この点についてはですね、そういう金融機関の側の自主的な対応を求めていくということだと思います。 これをお願いして、さらに今後そういうものがNPOの組織とかその他第三者機関による評価などにつながっていくのではないかというふうに期待しております。 以上でございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。 そこで、一定の基準をと。昨日も金融庁の方とちょっと話をしたんですけれども、本当に自主的に任せてきちんとした情報公開がされるのかと。 これまでもディスクロージャー誌があったわけですから、そのディスクロージャー誌の中で、ディスクロージャー誌で不十分だということを認識されているからこそ、今回ここに改めて地域貢献に関する情報公開ということを盛り込まれたんだろうと思うんですね。ですから、今までも自主的に金融機関に対して情報公開を積極的に進めてくださいと、そういう話をしていたにもかかわらず、あのディスクロージャー誌を見ていただければ分かりますが、頭取の顔から役員の体制からどうでもいいような情報が山のように並んでいて、本当にこの地域に対してどういう活動をしているのかと、そういうことが全く見えないということがございました。 ですから、本当の意味で自主的に任せて可能と判断されているのかどうか、その点について竹中大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) こういう政策の問題の場合に、常にやはり議論になる基本というのはガバナンスの仕組みなんだと思います。きちっとした情報開示をしてもらいたいと、これはだれでも思うことでありますけれども、それをその法律の枠組みで、法律でやるというのは一つのガバナンスでありましょう。いわゆるマーケットのプレッシャーでやるというのも一つのガバナンスでありましょう。私がやはり目指したいのは、言わば成熟した市民社会におけるガバナンスというものなんだと思います。 それは、基本的にはやはり自主的な公開があって、それに対して国民の目という、消費者の目というプレッシャーが働いて、それが更により良い情報公開に結び付いていく、そういうメカニズムで、是非とも成熟した、それこそ行き届いた金融システムに成長してほしいというふうに私自身は思っております。 直接お尋ねの地域貢献に関する情報公開、ディスクロージャー誌がある、今既にあるじゃないかと、それでも十分になっていないじゃないかと。そういった点は、確かに現状ではそういう問題があろうかと思います。 今回、御承知のように、この問題等々に関して我々でアンケート調査を行うということを考えておりまして、これは言わば国民の声をアンケート調査という形で、ひとつ見やすい声、プレッシャーにしようではないかという試みでございます。そうしたことも重ねながら、我々としてはいい意味で金融機関にやはり競争をしていただきたい。そのためにリレーションシップバンキングの機能強化計画というのを、これすべてに提出してもらうわけですから、実はこの点は我々としては物すごく思い切ったことをやったつもりなんです。これ事務的にもこうしたものを消化していくというのは大変なことであるんですけれども、強化計画、自分で努力してくれと、それを通して競争していってくれと。 そうした中で、情報公開等々についても、一方でアンケートというそのボイスを発するような仕組みを作る。そうした中で、従来とは違った非常に前向きの、いい意味での競争メカニズムが働いて、その情報公開にしても、地域の貢献にしても、前向きにいろんなことが進捗していくということを期待しているわけでございます。
○櫻井充君 今、機能強化計画の話になりましたが、この今の金融庁の考え方ですと、その機能強化計画、金融機関が策定して、あとは金融庁に提出するということのようなんですね。 ところが、アメリカの地域再投資法なんかの場合には、支店を出すときには、地域のお金を使ってくる方々、ここだと中小企業の方々とかいうことになるんだろうと思いますが、そういう人たちと行政と金融機関ときちんと話合いをして、この地域に対して自分たちはどういう金融機関であるんだということを宣言する、そういう場があるんだそうなんですよ。 ですから、今のこの強化計画というのは確かにすばらしいものかもしれないけれども、しかし、我々の今までの感覚で言うと、この強化計画はだれのために作るのかというと、地域のためではなくて、決して、金融庁のためにだけ作ってくるんじゃないだろうかと、そういう気がしてならないわけです。 そうすると、地域の人たちの声が反映できるような、まず強化計画を作る際に、例えば商工会議所とか、中小企業の方々が作っている中央会みたいなものとか、そういう人たちも加えて、取りあえずまずその人たちの意見をきちんと聞きなさいと。そういうような場があって、それから行政側として、県なら県になるか、市なら市になるか分からないけれども、町づくりのコンセプトというのがないといけないと思いますから、その場においてこの金融機関がどう役割を果たしていくべきなのかという議論をきちんとしていくべきだと私は思っているんですね。 なぜかというと、実は昨日、中小企業の方々と、十数人の方と懇談をした際に、地元の金融機関を使っている方って半分しかいらっしゃらない。宮城県でいうと、例えば岩手県とか秋田県とか、そこを本店に持つ地銀さんとお付き合いをしていて、地元の金融機関と半分しか付き合っていない。今度は、じゃ岩手県に行くとどうなのかというと、ある方がおっしゃって、これはちょっとまあ正確なものではないんですけれども、どうも岩手でも同じような傾向があって、岩手を本店としている地元の金融機関以外のところから借りている人たちがかなり多いということなんです。 そうすると、やはり大事なことは、金融機関と地元の経済を支えているような人たちときちんとした形で話し合う場があって、それで初めて地域の活性化というのが成り立っていくんだろうと思うんですよ。仙台で行われた、あれは公聴会ですか、懇談会ですか、あそこの中でも随分意見が出ていたと思うんですけれども、地域の活性化のために、金融機関とそれから地元の企業とがどうやって支え合って良くしていくことができるのかということが大事なんだという話になっていました。 ですから、この強化計画を出させること自体はすばらしいことですが、金融庁が満足するような内容になるということよりも、地元にとってどういうメリットがあるのか、地元の人たちの意見が是非反映されるような、そういうシステムを作っていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に櫻井委員が冒頭でおっしゃった、目指しているところは悪くないと、しかしそれが本当にうまく機能するのか、うまく機能するメカニズムをしっかりと作っていけと、そういう御趣旨に沿ったお尋ねであるし、御質問、また同時に若干の懸念があるということであろうかと思います。 例えば、もしも私が地元の地域金融機関の頭取であるならば、私はこういった計画を作る際に間違いなく地元の人たちとの対話の場を持つと思います。そういう形が徐々に定着していっていただきたいというふうに思うわけです。仮にですけれども、計画に当たっては地元の人と何時間会議を開けと、そのような、ちょっとこれは極端な例ではありますけれども、そういうことを金融庁が述べたとしても、これは実行が伴わなければ、これはそれこそ形式要件を満たすだけということにもなりかねません。 我々としては、そういうことで、できれば、行為そのものを具体的に縛るよりも、とにかく自由に創意工夫をしてくださいと。しかし、それに基づいていろんな計画が上がってくる、策定された計画の実施状況は当局において取りまとめ、半年ごとにこれを公表することになっていると。かつ、ここにアンケート調査等々も絡めて、地元の声、ボイスを発するようにしていると。そういうようなメカニズムをうまく組み合わせることによって、ここで我々が目指しているメカニズムがうまくワークしていくと、そういう姿を是非目指したいというふうに思っているわけであります。 話合いの場というのは、それはそれで私も大変重要だと思います。計画を作る段階での話合いの場ではございませんけれども、今回のアクションプログラムの中には、例えば創業、新規事業の支援等々に関しては、例の産業クラスターが各地でありますけれども、それをサポートする金融会議をやってみようとか、いろんなマッチングの場というのは別の形で用意をしているつもりでございます。こういうことを、やはり努力を合わせて結果がよい方に導かれていくように我々としてもしっかりと見ていきたいと思っております。
○櫻井充君 大臣のおっしゃっていることは僕は理想論だと思っていて、それはそのとおりだと思うんですよ。 しかし、今までそういうことを経験したことのない人たちが果たしてそういうことができるのかどうかというところに疑問を感じていることと、それから、昨日話をした地元の中小企業の方々というのは決して経営状況が悪い方々じゃないわけですよ。皆さん、そこそこいい方々が集まっていても地元の金融機関に対しての不満というのはすごく強いんですね。仙台の徳陽シティ銀行というのが破綻しましたけれども、その徳陽シティに関して言うと、すごく世話になった、あそこの銀行がつぶれなければもっと経済良かったんじゃないかという声が圧倒的に多いんですね。 健全性という点では優れているのかもしれないけれども、地元の方々からしてみると決して評価が高くないという実態があります。そうすると、本当にそういうことできちんと話合いがされているのかというと、どうも話合いがされていないんじゃないだろうかと。 ですから、大臣、先ほど市場が決めることだということもおっしゃっていましたけれども、しかし市場が決めるにしても、その市場が決める前にどういう情報が、ちょっと金融アセスの方に戻りますが、どういう情報がまず市場に流れていくのかと、その市場に流すべき情報が実はいろんなことがあるんですよと、本当だったら。本当だったらいろんなことがあるんだけれども、しかしそういうものが流れていきませんよということだって、メッセージとしては本当は教えてあげないとなかなかできないことというのがあるんだろうと思うんですよね。 ですから、いろんな場面で大臣はよく、市場が決めること、そしてそこのところで競争原理が働くことということをおっしゃいますが、ここまで言うと言い過ぎかもしれないけれども、そこまで意識の高い人たちが一体どのぐらいいるんだろうかと。そうすると、決してそこまでみんなのレベルがまだ高くないというのがこれ実態なんだと思うんです。ですから、その人たちを育てていって、軌道に乗ったら大臣のおっしゃるとおりですよ、しかし軌道に乗せるまでの間はだれかが機関車の役割をしなきゃいけないわけであって、そういう部分を行政側がある程度のところまでやっていく必要性が私はあるんじゃないのかなという気がするんですが、その辺についていかがでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 何か、市場メカニズムというふうに言いますと、それが常に完璧に働くというふうに誤解を与えがちであるんですけれども、私はそういうことはもちろん全く思っておりません。 おっしゃるように、いろんな、特に地域金融の場合、そこに登場するプレーヤーが残念だけれどもいろんな意味でまだいろんなリソースを持っていなくて、成熟していなくて、だから本来だったらきちっと貸すべきところに貸すような、そういうような判断もなかなか現実にはなされていないのではなかろうか、それがやはり受け入れるべき現実ではなかろうか。私は実は、全く実はそのとおりだと思います。 実は、この今回のアクションプログラムをある方にお見せしたときに、こんなことまで行政やる必要あるのかと。こういうふうな計画を出しなさいと、それでアンケートで公表しますと、それでいろんな地域の会議を開きなさいと、こんな手取り足取りやってあげなきゃいけないのかと、実はそういう御批判も受けました。 私は、先ほど言いましたように、本当にそれぞれの個々のプレーヤーが完全情報を持っていて完全な意思決定をできるんであるならばこういうことは本当は必要ないんだと思うんですね。ただ、やっぱりそこまでの、だから私たちはここの工程の二年間を集中改善期間という一種の助走期間であるというふうに定めて、その間はこういうことをやってはどうか、やってはどうだ、やってはどうかということをかなり、ある意味で丁寧にメニューを出しているわけです。ただし、それ一つ一つをより強力に縛っていくと、これはやはり自由な、これはやっぱり助走期間で育っていただきたいと、その育つことそのものをやっぱり護送船団のように縛ってしまうリスクがまた別に出てくると。 そこは実は、もっと政府はやるべきだという御批判と、こんなことまでやる必要がないという御批判と、これは実はこのプログラムには常にそういう御批判が私は出てくるものだと思っております。我々としては、その間のぎりぎりの、何とかできるだけメニューは示してガイドライン的なものにするけれども、そこはしかし競争で、ある意味で自助努力でしっかりやってほしいと、そういうところを目指しているつもりでございます。 いろいろ状況を見ながら、修正すべき点は修正していかなければいけないかもしれませんが、立ち上がりの時点では、先ほどの堀内先生にも、お話にもありましたように、やっぱり多様性ということも考えて、このような形で是非スタートをさせてみたいというふうに思っているわけでございます。
○櫻井充君 分かりました。それでうまくいかなければ、また考えていただきたいと思います。 ある方が、ただ、銀行の方が、機能強化計画というのを作らなきゃいけないんだという話になって、これどういう内容のことを書いたらいいんでしょうねって、そうおっしゃっている方もいらっしゃって、別の方が、えっ、こんなの今まで、じゃ銀行の中で議論されたことがなかったんですかって驚かれている方もいることは事実なんです、これは。ですから、ですからこれは、やはり意見の聞いてくる場が全然違っているのかもしれませんけれども、本当に様々でして、そこら辺がきちんと実行されるようにしていただきたいなと思います。 それから、もう一つ、創業とか新事業の支援機能等の強化に関してという項目がございます。そこの中で言われたのは、やはりまず最初、これですとプロジェクトファイナンスにしなさいという話になって、取りあえず貸し出すことになって、この時点ではまず正常債権でいいんだろうと思うんですが、取りあえず企業を起こした後に何年間か赤字が続いてしまったときに、もう、じゃこれは要注意先ですねとか、もう要管理先ですねという、そういうふうにどんどん落とされていってしまったんでは、なかなか安心して新規事業というか、そういうことをやることができないんだというお話をいただいたんですね。 ですから、ある程度、何年間かは安心して、正常債権ですよとか、とにかくそういう分類にしますよと、そういう形のことを明示していただけると、何年掛かりの計画で、元々計画は立てていますけれども、しかしそれが計画どおりいくわけ普通ないわけですから、そういう意味で、ある程度年限を区切っていただいた方が創業しやすいという声があるんですけれども、この点についていかがでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) まず、検査においては、条件変更を行ったことのみをもってその債務者区分を判断するのではなくて、貸出し条件やその履行状況、企業の財務状況、あるいは企業の技術力でありますとか販売力、成長性、そうしたものを総合的に勘案をして、当該企業の経営実態を踏まえて判断することとなっております。その際、金融機関の自己査定におけるあらゆる判断の材料の把握を行って、条件変更を行った要因等についても十分検討し、企業の経営実態に応じた適切な債務区分がなされているかの検証に努めているところでございます。 検査マニュアルにおきましても、先生からも今お話がございましたが、創業間もない企業で赤字決算となっていたとしても、事業の進捗状況やあるいは事業計画の合理性を総合的に勘案することとしておりまして、売上高やあるいは当期利益の推移などから黒字転換がおおむね五年以内に実現可能であると見込まれる場合には、要注意先とはせず、正常先と判断して差し支えないことといたしております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 ただ、そこの中でもう一つ地元の方々から言われたのは、検査官の数が少な過ぎるんじゃないだろうかという指摘がございました。というのはなぜかというと、銀行側がその説明をするわけです。このおやじ、この中小企業の社長はこういう人でと、いろんな説明をしていると、検査官は山のようにこなさなきゃいけないものですから、もういい、分かったと言って、書類を見て、はい、駄目って、そういうことが結構あるんだそうなんですよ。 まあ大臣、副大臣、検査官からどういう報告を受けているのか分かりませんが、結局のところ、今度プロジェクトファイナンスだ何だということになれば、より説明をしなきゃいけなくなると思うんです。そうすると、銀行側からの説明をもっときちんと聞けて、時間を取って査定ををしなければいけなくなってくると思っていて、今ですら体制的に不備があるんじゃないかという声があるんですけれども、もちろん金融庁として増やしたいと思っていらっしゃるんだと思うんです。私ももっとどんどん増やせばいいと思っているんですが、実際、検査官が足りているんでしょうか、今。そこら辺のことについてどうお考えでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 金融庁の検査官の定員につきましては、これは国会の方の大変な御理解をいただいて、各業態の検査ニーズを踏まえて体制整備に努めてきた結果、金融監督庁が発足した平成十年度の百六十四名から平成十五年度末には四百六十名になる予定でございます。 また併せて、先生今御指摘のように、検査マニュアルそのものがしゃくし定規に適用されると、こういうことを防止をしていかなければいけませんので、検査官に対する研修の充実や検査モニター制度の実効性確保など、運用面においての対応に一生懸命努めているところでございます。 これまでも認められた定員、機構というものを最大限活用しながら私どもとしては対応しているところでございますけれども、先生に増員という大変力強いお言葉をいただいておりますので、そうしたことをしっかり受け止めて、私どもとしても一生懸命やっていきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 変な天下り先見付けるよりそういうところでもうちょっと人員増やしていった方が本当にいいと思うんですよ。私の記憶が正しければ、アメリカはたしか一万人とかそのぐらいのレベルのような気がしますけれども、ほかの国々から比べるとかなり少ないんじゃないかと思うんですね。これは金融検査だけの問題ではなくて、例えば医薬品の安全とか、そういうものをチェックする人間ももうアメリカの十分の一以下なんですよ。 ですから、これから日本の流れとして、規制緩和というのは、今まで日本は全部入口で規制をして、チェックして、後はどうぞ自由におやりくださいという社会だったと思うんですが、そこの入口の部分の緩和をするけれども今度はルールを守ってやってくださいということになってくると、監督官というのは相当な数必要になってくるんだろうと思うんです。ですから、是非声をもっともっと上げていただいて、きちんとした形で増やしていただきたい。そのこと自体が国にとってマイナスになるかというと、決してそうではなくて、大きなプラスになっていくわけですよね。 地域経済の活性化に対しては、私はまだまだ検査官の数が足りないと思っていますので、是非毎年毎年増員の要求をしていただきたいなと、そう思っています。 それからもう一つ、新規事業に関してなんですが、例えば、自分たちの今やっている企業がもう駄目だと、将来先行きがないから、じゃ別なものを起こそうかという話をして金融機関に融資を今求めようとすると、何と言われるかというと、今やっている事業が例えばもう二期とか三期続けて赤字だから、あなたのところにはもうこれ以上貸出しをすることができませんと簡単に言われてしまうそうなんですよ、金融機関からですね。 そうすると、結局、駄目な部分は淘汰して、そして新たなものをやっていこうと、そう思ったとしても、そう思ったとしてもなかなか方向転換できていかないということがございます。もう一つ、じゃその会社を整理すればいいのかといったときに、早めに整理すれば済むのかもしれませんけれども、そうでないとすると、身ぐるみはがれてしまってやり直しが利かないといった実態もあるわけなんです。 ですから、そこら辺のところで、大企業であれば分社化みたいな方法があるわけですが、中小企業、特に零細企業なんかにとってみるとそういうことは全く無理な話ですので、そこら辺のところの、とにかく銀行側は、新しいところに貸そう、何とかしてやろうという意識よりも、ここは何とかだからもう貸せませんと、そんな感じになってきているんですね、実際のところは。そういうところを何とか是正するような、また検査官の方からの指導みたいなものをしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 今、先生御指摘がございましたように、中小企業は、大変厳しい中にあっても、今ある事業の将来性に問題があった場合に、第二の創業というような形で新しい分野に挑戦をしながら一生懸命努力をしているわけでありまして、そうした実態というものを、また新たに挑戦する事業の将来性というものを十分勘案して、総合的にやはり判断していく必要があるというふうに思っております。 先生御指摘のように、既存事業において要注意先以下になっていた債務者が事業内容を変更して新しい事業に臨んでいる場合、債務者区分の判定に当たっては、その既存事業が赤字続きであることをもってのみ当該債務者を直ちに引き続き要注意先以下とするものではなく、新しい事業の今後の見込み等を含めて総合的に判断するということになっておりますので、その趣旨というものを十分私どもも現場において徹底をさせて対応していきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 企業再生のために必要なことなので、是非お願いしたいと思います。 もう一つ、これは、今回は金融庁側からの立場でこういう政策を打ち出されたわけですけれども、こういうことを聞くのは失礼なのかもしれませんが、中小企業を代表する中小企業庁から見たときに、この政策、この金融政策に対してどのような判断を下されているのか、その点について御意見いただけますでしょうか。
○政府参考人(斉藤浩君) 借り手の立場から御説明申し上げたいと思います。 私ども、把握している状況、マクロのデータで見ましても、あるいは私が自分で実際に中小企業の方々からお伺いしましても、やはり今の経営上の問題、売上げ不振がなかなか戻らない。それと並びまして、資金繰りがなかなか好転しないという点がございます。 その背景としまして、私どもから見ますと、やはり地域の中小企業金融機関におかれましても、残念ながら企業の財務データ、数字に表れません中小企業の強みであるとかあるいは成長性という、そういう定性的な情報がなかなか融資判断において取り入れてくれないと。結局、担保があるかないかというところにどうしても依存してしまうということかと思います。 したがいまして、私ども、中小企業金融対策一生懸命やっておりますが、それと並びまして、今般、報告書とアクションプログラムの中で、特に地域金融機関につきましては地元中小企業との間で密接な関係を長期にわたって維持することで、それによりまして財務データに表れない企業の状態を的確に把握していくと、これはリレーションバンキングの基本的な考え方として打ち出していただいております。 さらに、それに基づきまして地域金融機関が具体的なアクションプログラムを作られるということでございますので、私どもとしましては、やる気と能力のある中小企業の信用力あるいは成長力を的確に評価して貸出しができるという方向に進んでいただけるものと考えております。 ただ、考えているだけではなくて、私どもも積極的にそれに参画をしたいと思っておりまして、プログラムの中に、例えば中小企業再生支援協議会あるいは地域産業クラスターという私どもが地域の中小企業のためにやっております各般の施策と連携をして進めていくということを明確にうたっていただいておりますので、例えばもう既に中小企業の再生支援協議会の中には地域の金融機関の代表の方も入っていただいて、一緒にそれぞれの地域における中小企業の再生を考えていこうということを進めているところでございます。 したがいまして、こういう具体的な動きもございますので、私どもといたしましては、状況の把握それから私どもの施策というものを十分進めながら、そのアクションプログラムの中にできるだけ我々の経営の実態なり要望を取り込んでいただけるように今後とも金融庁とも連絡、情報交換を進めていきたいと、かように考えております。
○櫻井充君 やはり地域経済支えていくのはもちろん金融機関でもあるんですけれども、とにかく企業との連携ということだと思いますので、是非中小企業庁の方にも声が上がってきているものを積極的に意見交換していただいて、いい関係を作っていただきたいと思います。 あと、もう一つどうしても出てくるのが公的金融機関の在り方なんだろうと思うんです。その公的金融機関の在り方をまず論ずる前に、今回、担保をなるだけ取らないでくれ、それから、とにかくプロジェクトファイナンスにしてほしいというようなことを民間の金融機関に要望しているわけですが、じゃ公的金融機関は一体どうなのかということになってくると、必ず担保を取っている。若しくは、国民金融公庫ですか、国金の場合などは第三者保証を取ることが多い。無担保でと言いながら、結局人的担保を取ってしまう。これが自殺者を増やしてきている原因ということになりますから、民間の金融機関に担保主義に走るなということを訴えるんだとすると、まずその前に公的金融機関に対して意見を言っていくということが極めて大事なことなんだろうと思うんです。 これは、金融庁は主管官庁ではないんですよ。ただし、ここから大事なことなんですが、本当は金融政策に対しての総合調整を図るものとするというふうに設置法になっていますよね。設置法になっている割には、意見を言うことができるとか、その手のところでしかないというところが極めて弱い制度になっている。 ただし、問題になるのは、最終決定権が総理、今のシステムは総理になっていて、あとは総理がどう決断されて、どういう形で方針を打ち出される、特に、要するにそこの中の閣議でどういう話合いがされるのかということは極めて大事なことになっていくんだろうと思うんですけれども、システム上はですよ、今の法律のシステム上は多分そういうことになっているんだと思うんです。是非、ここは竹中大臣の御意見をお伺いしたいんですが、民間にだけそういうことを求めるのではなくて、やはり公的金融機関に対してももう少しきちんとした声を上げていただけないんだろうか。 これも、お伺いしてきたら、例えば制度融資みたいなものがあると、国からのやつがあったとしても、必ず第三者保証を取られる。必ずというか、それが多いと。だから、もう二の足踏んでしまって駄目なんです。しかも、自分がだれかに第三者保証を頼むと、今度は逆に自分もその保証にならなきゃいけないという格好になって、むしろリスクを背負う場合もあるというそういう話もありましたので、ですから、公的金融機関に対しても、是非金融庁の側から意見を言うべきじゃないかなと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょうど一年ぐらい前だったと思いますが、正に櫻井委員が今おっしゃった問題意識を柳澤前担当大臣にこの場で質問されていたのを思い出しました。 これは私の立場ではなかなかちょっと申し上げるのは難しい問題ではあるんでございますけれども、しかし、経済活性化という観点から、民間の金融機関にも努力をしてもらいたいし、同時に政策金融機関にも努力をしてもらいたい。そういう観点から、是非、将来的にどのような方向が一番望ましいのかということは問題意識としてしっかりと持って、関係の方々と話合いを是非してみたいというふうに思います。 いずれにしましても、公的な金融というのは、今後、当面非常に重要な役割を果たさなきゃいけないと思います。同時に、例えばですけれども、地域の金融機関等々でしっかりと貸していただいて、それに対して、例えば公的な金融機関等々は、直接貸しということは当面重要なんですけれども、将来的にはその保証とか、そういった業務をやっていくべきだという議論も経済財政諮問会議では非常に根強くある。そういった総合的な在り方の中で、今、櫻井委員が御指摘のような点についても是非考えていきたいというふうに思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 あと、最後に一つだけ。 今回、金融アセスの趣旨が盛り込まれましたが、この盛り込まれた中に、盛り込まれたというか、盛り込まれるようになった中で、百万人の署名を集めてくださった中小企業の方々がいらっしゃいます。その方々が地方議会に働き掛けて六百幾つの、六百、今、十を超えていると思いますが、意見書を採択してくれたと。こういう活動というのは、実際大きく影響しているんでしょうか。 私は、こういう声があったからこそ変わってきたんだということになってくると、日本の民主主義の在り方というのは変わってくるんだろうと思います。国会や、国会の中で行政と議論しているだけでなくて、本当に多くの人たちの声が反映されていくということになっていくと大分変わってくると思うんですが、そういうものというのは極めて大きな影響があったのかどうか、その点について御答弁いただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは正に国民の皆さんの声、それを代表しておられるこの政治の場の皆様方、国会議員の皆様方の声が、我々なりにこれは非常に大きいものであるということを実感した上で今回の問題に取り組みさせていただいたつもりでございます。 皆様の御努力、それとさらには、超党派で更にそういった問題意識を発展させた、我々も敬意を表しておりますし、しっかりとそういうものを受けて対応をしていきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 一言だけいいですか。 どうもありがとうございました。 本当に、今回の考え方、つまり大銀行と中小企業金融という形で二つに分けていただいたと、これは画期的な僕は方向転換なんだろうと思っています。しかも、その地域に根差した形で、そして地域の活性化のためにこうやって取り組まれているということがすばらしい、私はすばらしいことだと思っていますし、それの第一歩なので、是非成功させられるように実効性を担保していただきたい、そのことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 今日、リレーションシップバンキングのことについて伺う前に、今朝の読売で非常に大きな報道をされております大阪証券取引所問題について一言だけ伺っておきたいと思います。 中身は、私がもうこれまでずっと取り上げてきたことがそのまま出ておりますので特に新しいとは思いませんが、何かこれ、SECの方と、それから総務企画局長の方に伺いたいんですが、新しい動きがあって社長が参考人として事情聴取を受けたというふうなことが出ておるんですけれども、どういった状況にあるんですか。簡単でいいですから。
○政府参考人(新原芳明君) お答え申し上げます。 そのような報道があったということは私ども承知をしておりますけれども、個別の事案につきましては従来からお答えすることを差し控えさせていただいております。 といいますのは、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるためでございますので、この点については御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。
○池田幹幸君 じゃ、総務企画局長に伺いたいんですが、今、大阪証券取引所はこういった問題でごたごたごたごたあることによって上場企業がどんどんどんどん撤退しているんですね、昨年から八十幾つに上るという状況になってきていますから。そういった点では、より健全な形に一日も早く立ち戻らせるということのために、そういった状況も踏まえた形でこの問題解決に当たるべきだと思うんですけれども、そのところの認識はいかがですか。
○政府参考人(藤原隆君) 大証の件につきましては、先ほど新原事務局長からお答え申し上げましたように、現在、金融庁の検査局と証券取引等監視委員会との合同検査を実施中でございまして、現時点でコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○池田幹幸君 そういった現状を考えて、やっぱり検査は急ぐべきじゃないかなというふうに思います。 それじゃ、リレーションシップバンキングのことについて伺います。 地域金融に関しましては、私ども、昨年から地域金融活性化法案というのを本院に提出させていただいております。その中身については余り詳しくは申しませんが、要するに、その地域経済の担い手であります中小零細企業、そういったところに必要な資金をもう安定的に供給していくと、そういったことをやっていかなけりゃいけないという考え方に立ちまして、その地域金融に携わる金融機関、これは何も中小とは限りません、大手も含めまして地域経済に携わる金融機関を第三者機関が評価して公表、それから必要な場合、勧告を行う、こういったことをやっていこうと。また、第三者機関といいますのは、各都道府県に、私ども名前は地域金融活性化委員会というふうに名付けたんですけれども、そういったものを置くと。その委員会というのは、業界団体だけでなしに中小企業団体とか市民団体の代表をも入れた形でやっていこうじゃないかというふうな提案をしております。 そういった立場から見ますと、今度の報告書、第二部会の報告書は、かなりの点におきまして私どもの提案した点と一致する点が含まれておりまして、そういったところについては評価するものなんですが、特に、「中小・地域金融機関の不良債権の特性を踏まえた処理の推進」という項目の中では、これはあれですね、こう言っているんですね。「中小・地域金融機関の不良債権処理は、その地域経済に与える影響を念頭に置きつつ、貸し手、借り手双方が十分に納得がいく形で進められる必要があると考えられる。また、このような地域の状況は、地域ごとに大きく異なるものであり、その実態に即した対応が求められる。」と、そういった特徴が書かれております。 そして、アクションプログラムでは、十六年度までの二年間をその集中期間として、「リレーションシップバンキングの機能を強化し、中小企業の再生と地域経済の活性化を図るための各種の取組みを進めることによって、不良債権問題も同時に解決していくことが適当」と。 この不良債権の、中小における不良債権の解決というのは、要するに、景気回復の中で、景気対策を重視し、それをやっていく中で解決していかなければできないよということを度々申し上げてきましたけれども、少なくとも、そういった方向というのに寄ってきているという点で大事なことだというふうに思っております。 そこで、中身に入る前に一つ大臣に確認しておきたいんですけれども、このリレーションシップバンキングというのは、リレーションシップバンクという特定の銀行ということではなしに、中小の銀行においても大手の銀行においてもリレーションシップバンキングという物の考え方は取っていかなければいけないという考え方に立っているものだと思いますが、その点、確認願います。
○国務大臣(竹中平蔵君) リレーションシップバンキングというのは言わば一種の機能でありますから、その意味では、金融機関の主体というよりは、これは機能の問題であると。これは中身は堀内先生に詳しく御説明いただけると思いますが、先ほどからも少し出ましたが、地域の定性情報、つまり、情報の非対称性がある中で、その地域固有の、地域に根差した金融機関でしか分からないようなものを活用しながら、その地域に貢献しながら、しかもしっかりと収益も上げていける。そういう意味じゃ、リレーションシップバンキングというのはあくまでも機能でございます。 ただ、これは行政に関しては、これはアクションプログラムでございますから、そういうことに関して機能は機能で認めながら、プログラムそのものは、これはまあ行政ですから一つの仕切りが要りますので、今回のアクションプログラムはいわゆる主要行以外のところを対象にして考えていると、このような割り切りをしていただきたいと思います。
○池田幹幸君 そのとおりだと思うんですね。 そこで、主要行に対する、主要行の中小企業向け貸付けですね、それに対しては、じゃどうするんだという問題ありますけれども、主要行の貸付けの場合には、ここの報告書で言っておりますリレーションシップバンキングではなしにトランザクションバンキングの方向で行くんだということではないと思うんですね、でしょう。このリレーションシップバンキングというその機能については、大手企業の中小企業向け貸付けにも適用していくと。 ただ、今度のアクションプログラムは中小金融機関向けですから、それはそうですけれども、行政として、大手企業に対してはどういう対応をしていくのかということをちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大手企業というか、メガバンク、主要銀行についてはということでございますか。
○池田幹幸君 主要銀行ということです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 主要銀行については、これは主たるフィールドというのがやはり非常に競争的な世界の市場に直結したところにあるというふうに考えておりますので、これは金融再生プログラムに沿ってしっかりと不良債権処理を進めていただかなければいけないと思っております。 ただ、例えば、これは地域に貢献して、その地域にどのように貢献しているかというふうなことに関して情報を開示するというのは、これは一つのリレーションシップバンキング、例えばですけれども、主要行の中でも、そういった部分に関して主要行が自主的に情報を開示したい、ないしはリレーションシップバンキングの部分についての強化の計画を自ら作りたいと、そのような形になるというのは一つの理想でございまして、そういうものをもちろん拒むものではございません。 ただし、一方で、その主要行に関しては、非常に厳しい世界の競争状況の中でしっかりと不良債権も処理していただかなければいけない。その意味では、金融再生プログラムに沿ってしっかりとやっていただきたい。リレーションシップバンキングの部分に関して、自主的に様々なことをやっていただけるというのは大いに歓迎するというのが立場でございます。
○池田幹幸君 そこで、報告の出た方向、その報告を踏まえてリレーションシップバンキングを出したというふうに書いてあるんですが、問題は、リレーションシップバンキングという考え方、私たちの地域金融活性化法案といいますか、そういった方向の考え方にきちんとした形でアクションプログラムとして反映しているかどうかというところの問題があるんですね。具体的に見ていきますと、やっぱりそのように向かっているように見えるが、運用によってはこれはうまくいかないぞといったようなこともとらえられるし、下手したら全然今までと変わらぬなというふうなことになりかねないものがあるんですね。 そういった点について、若干私伺っておきたいというふうに思います。 一つは、アクションプログラムの「監督、検査体制」のところです。ここでは、従来の早期是正措置や早期警戒制度が視野に入れていた領域に加えて、それもやるけれども、それに加えて、コーポレートガバナンスや経営の質、地域貢献が収益力、財務の健全性に与える影響等の観点も取り入れた、より多面的な評価に基づく総合的な体系を確立するというふうに出ていますね。そのために、何といいますか、総合的な監督指針を作るというふうに書いています。 ここで、先ほど堀内参考人の方からもあったんですが、この地域貢献、貢献、これがなかなか幅が広いとおっしゃったんですけれども、ここでは、金融庁、その地域貢献というのは具体的にはどういうことを考えているんですか、ここの部分で。
○国務大臣(竹中平蔵君) 地域貢献の内容として具体的にどのようなものをイメージしているか。 これについては、今後地域の金融機関の皆さんにもしっかりと考えていただきたいし、我々もその中で考えを煮詰めていただきたいというふうに思っておりますが、審議会等々でいろいろ議論された経緯からいいますと、例えばですけれども、その地域の中でどのような形で資金を還元しているのか、地域の経済の活性化に向けて、例えば人的な支援、コンサルティング的アドバイス、いろいろあると思いますけれども、どのように貢献しているのか、正にそこは多様なんだと思います。 その地域の実態に根差して、その多様性をしっかりと反映して、そういったものを考えていただきたいというふうに思っておりますが、今私がちょっと申し上げたようなものも、そういうふうな中には含まれてきてほしいと思っております。
○池田幹幸君 そうしますと、地域の多様性というものに根差していろいろやりますということなんですが、そうすると、ここにも書いてあるように、「その内容が中小企業の実態により即したものとなるよう改訂する。」ということも書いてあるんですね。いわゆる金融検査マニュアルのことです。そういう方向に持っていこうというわけですね。それはそれで非常にいいと思うんですが、そうだとすると、これは金融庁がやろうとしているんですね。いろいろ意見を聞きまして、金融庁がそういうような改訂やっていきますと書いてあるんですが、そこまで踏み込むんであれば、一歩進んで、その精神を徹底させるべきだろうと。 そういうふうにしないとなかなかうまくいかぬのじゃないかというのは、信用金庫、信用組合、少なくとも信用組合については従来都道府県が所管していました。信用金庫も含めて、今度は信用金庫、信用組合については都道府県が所管するという方向に持っていったらどうかなと思うんですね。我が党の案がそういう方向なんですけれども。要するに、地域ごとに大きく異なるもので、その実態に即した対応を求められると言っているわけですから、そうなると正に都道府県というところで所管することは非常にいいことになるんだろうと。 やっぱりこの精神を生かすにはそういった方向に行くべきじゃないかと思うんですが、竹中さん、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと御趣旨があれなんですが、今、委員が御指摘になった地域の実態に即したもの、これはやはり経営判断においては地域の実態に即してしっかりと経営判断をしていっていただきたいし、結果的にそれが地域に非常にコミットできるサービスになっていく、そういう趣旨が込められているのだと思います。 それに対して、監督行政の方からいきますと、これが例えば一つの信用リスクの管理でありますとか、我々が行いますのはそういった観点からのもの、法的な遵守が行われているか、コンプライアンスが十分かどうか、こういった点に関しては、しかし地域の実情に合わせて法的な遵守が違ってくる、これはやはりないのだと思うんですね。そういった基本的な部分の検査や監督というのは、これはやはり金融システムの一環として我々が行わなければいけない。しかし、同時に、経営判断そのものはしっかりと地域の実情に根差して行っていっていただきたいし、その非常に適切なバランスというのが正に今、金融システムに求められているのだと思います。 したがいまして、実は「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」というもの、委員もうよく御承知のとおり、大きく二つに分かれておりまして、前半は中小企業金融再生に向けた取組、二番が健全性確保、収益性向上に向けた取組。地域の実情に合わせてしっかりとやっていただきたいんですけれども、しかし、さはさりながら、やはりこれは民間の金融機関としてしっかりと収益、財務基盤は持っておいていただかないと地域に根差したサービスもできなくなるわけでありますから、その一つの基礎的な部分に関してはやはり金融庁としてしっかりと見ていく必要があるものではないか、そのように思っております。
○池田幹幸君 私も読んだ上でやっていますから、よくそこのところは承知しているんですがね。 そこで、検査・監督のことについて伺っているんですよ。検査・監督という点で、今、竹中さんは、それをやった上で、地域によって法律の適用が変わってくるものではないとおっしゃったけれども、それはそのとおり、法律の適用という点では。しかし、ここでも、あなた方自身が書いているように、実態把握、検査に際してですよ、検査に際して、債務者である中小企業の実情に即したきめ細かな実態把握に努める、しかもそれは地域ごとに異なると、あなた方自身が言っているわけですよ。そうでしょう。そういうものを踏まえて、金融検査マニュアル別冊ですか、それは改訂していくというんでしょう。そういうことでしょう。 そうするならば、正にマニュアルそのものが一定程度変わっていくということになるんじゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 検査マニュアルの中身、特に別冊の中小企業編に関しては、正に何を書いているかというと、実態に合わせてしっかりと把握してくれ、実態判断がやはり重要なんだということをこの中に書いているわけです。それはしたがいまして、今既に我々が行っている行政、それで今後さらに地域の実情を踏まえて様々な展開を企業にもしていただきたいし、我々もそれの実情に合わせた監督を行っていくという観点からいうと、実はこの精神といいますか、基本構造は我々変える必要がないというふうに思っております。 別冊の改訂については、これは今一生懸命周知徹底しておりますけれども、その中でこういうものは常に進化していくものだというふうに思っておりますので、これは様々な、与党の中にもいろんな御意見があるし、国民の中にもいろんな御意見がある。そういった意味では、この別冊そのものについては実情に合わせて不断に見直していく必要があるというふうに思っておりますけれども、繰り返し言いますが、この別冊中小企業のマニュアルに書かれておりますのは、正に実態判断をしてくれということを書いているわけで、その意味では、今回我々が掲げているアクションプログラムと非常に整合的なものであるというふうに思っております。
○池田幹幸君 何かすれ違いのように思えるんですがね。私が言っているのは、検査マニュアル別冊については改訂していくというんだけれども、その改訂の方向は、あなた方が言うリレーションシップバンキングという考え方に沿って、それを満足する方向でやっていくんですよということでしょう、これは。 そうすると、我々もう盛んに言ってきたんだけれども、大手銀行に対する検査と、中小金融機関に対する検査と同じスタンダードでやっちゃ駄目だ、ダブルスタンダードだと言ってきた。それに対して、この報告書は、いや、ダブルスタンダード駄目だとは言っているんだけれども、しかしそうは言うものの、実態に即した方向でやっていかなけりゃいけないという、ただしという形で書いているんです。 それを受けて、これはあなたは改訂していかなけりゃいかぬということを言っているわけだから、方向としては、正に、事実上は私はダブルスタンダードの方向に行くものというふうにこれは読んだんだけれども、方向はどっちなんですか。リレーションシップバンキングを満足していく方向での、これから実情をよく聞いて、地域別のことも聞いて改訂していくということじゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、不良債権の処理という問題に関しては、これはメガバンク、主要行に対するものと、それとリレーションシップバンキングに対するものとはこれは違います。これは、数値目標を主要行の場合は掲げてやっていく。しかし、リレーションシップバンキングの場合は、様々なそういうことをやるための基礎、例えば人材の育成、情報の収集等々において、そういうものを強化しながら、地域と共存する形でやっていきましょうということでありますから、この点ははっきりと違うものを目指しているというふうにお考えいただいていいと思います。 しかし、例えば信用リスク等々の把握の場合に、こちらはしっかりと出しなさい、こちらは隠してよいですと、そんなことではあってはいけないというふうに思うわけですね。したがって、検査そのものについてはしっかりと実態把握はやります。ただし、実態把握をやるに当たってはその実情に応じてやります。その上で、例えば不良債権の処理等々、これは監督の中身でございますけれども、これに関しては、やはり主要行が置かれている立場と地方のリレーションシップバンキングの立場とは違うので、そこは違った点を踏まえてしっかりとやっていきましょうと、そのような整理を我々はしております。
○池田幹幸君 ちょっと時間、擦れ違うので、次へ進みますけれども、何か違う感じがするんだけれども、まあいいや。 それで、地域貢献に関する情報開示等といったところでの問題について、時間がなくなってきたのでまとめて聞きますが、これの考え方は、要するに、金融機関にこうやってください、ああやってください、金融機関にこう考えてくださいと言うんだけれども、その金融機関だけで考えよという手法を取っているんですよ。それは、やっぱり地域の借り手の立場、そういったものもきちんとした形で織り込んだ検討をやりなさいよということになっていない。例えば、地域経済に関する情報開示等では、各業界団体に要請するとして、要するに地域の預金者とか借り手、そういったことの意見を聞いてやっていくというスタイル取っていないんです。そういった点で、やっぱり地域の借り手の立場も盛り込む形で検討できるような、そういう方向でのガイドラインというのをむしろこういう形で示すべきだろうと思うんですね。そういったことなしに、業界団体だけでやりなさいと、こうやっている。 それから、アクションプログラムが言っている地域金融円滑化会議というのもあります。この円滑化会議というのを持ってくるという、そういった発想そのものはこれはいいだろうと思うんだけれども、この会合の仕事にしても、苦情、相談等に関し意見交換を行うと。意見交換を行うだけなんです、この会議は。しかもその意見交換については、業界団体とあれでしょう、これはどこだ、これもやっぱり業界団体だけなんですね。借り手なんか入っていない、中小企業なんか入っていないですよ、その地域の。こういうやり方なんですよ。しかも、意見交換だけで、上がってきた意見についてどうするかということについてもない。 これはやっぱり、この円滑化会議なんというのは、やっぱり我が党が主張しているように、第三者機関という形で持っていかないと余り意味のないものになってしまうんだろうと思うんですね。 ちょっとまとめてお伺いしましたけれども、その発想です。お答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々が基本的に目指しているのは、地域に正に根差したものでありますから、結果的に、今、池田委員は、例えば地域円滑化、地域金融の円滑化会議のことを御説明いただきましたけれども、これはもう委員よく御存じのお尋ねだとは思いますが、顧客への説明態度の整備、相談・苦情処理機能の強化ということで、金融機関の強化するために行うものなわけです。そこで、まず当事者に対してそのことをしっかりとやってくださいというふうに要請をしている。 しかしその過程で、じゃ、それを当事者がしっかりと良いものにするためにはどうしたらよいか。ここはやはり当事者の創意工夫です。私は、結果的にはここはやはり、当然のことながら、地元の借り手の声を聞こうというような話が当然出てくると思いますし、そうした問題に関して、その地域のそれぞれのリレーションシップバンキングの機能強化計画の中で、我々は今回新たにアンケート調査を行うんです。アンケート調査を行って、ここの地域はうまくいっているか、この金融機関はうまくいっているかということに関する一つのボイスを出すわけでありますから、それが、先ほど言いました成熟した市民社会の一つのガバナンスになっていくのではないだろうかというふうに考えているわけです。 そこは恐らく思いは同じだと思いますが、委員は何か一つ、行政の一つの強権のようなものでそういう場を作ったらどうかというような御指摘だとは思いますが、我々としては、まずそこは、基本的にはやはりその金融機関、地域の金融機関に独り立ちをしていっていただきたい、その独り立ちをしていく過程で幾つかのような器を用意して、その中で、自助努力を踏まえながら、結果的には地域に根差した非常に質の高いものにしていっていただきたい、そのようにストーリーを描いているわけです。
○池田幹幸君 先ほど大臣も、何でここまで手取り足取りやらにゃいかぬのかというふうな意見もあるというふうに言っていましたけれども、やっぱりそれをやらなければいけない実態だという判断でやったわけでしょうね。 それを考えますと、程度はもっとひどいんですよね。実際、苦情が来ると、苦情処理体制なんかできていない。というよりも、苦情を受け付けないという金融機関が結構あるんですよ。聞かない、最初から拒否しちゃう、そういうところが実際あります。具体的に名前も私、挙げることができるんだけれども、そういう姿勢の信用金庫といったようなところは、じゃ、どんなことをやるのか。 そうすると、やっぱりそういう姿勢のところはやることもおかしいですよ。私、今日ここでもう時間ないから余りできないんですけれども、こういうカードを持ってきたんです。ティッシュを配っているんですね、これ、ある信用金庫が。サラ金と同じですよ、サラ金はこういうやつを配っていますけれどもね。これの中にティッシュを入れて配っているわけです。それに書いてあるのは、御契約時、即キャッシング、最高額九十九万円まで、いつでも自由にキャッシングと。主婦でも、学生でも、アルバイトでも、パートでも、年金受給者でも、自営業者でもと、こう書いてあるわけ。これは正にこのサラ金のあれとほとんど同じです。これ、信用金庫がやっているんです。 それで、それだけならまだしもですよ、具体例、言いましょう。埼玉県のある住宅地に配布されたやつはこういうやつなんですけれどもね。これも同じようなこと、このティッシュペーパーと同じようなことを書いています。 要するに、それでどんなことをやっているかといいますと、各家庭のポストに入れて、それで飛び込みで来る人に融資するというわけです。融資する際に、ある人の例を引きますけれども、その前にちょっと伺っておきたいけれども、事務ガイドラインというのは、金融庁の事務ガイドラインというのがありますね、これはあくまでも、信用金庫、信用組合、金融機関じゃなしに、ノンバンクに対するガイドラインですよね。ちょっとそのことだけ、ちょっと一言伺っておきたいんですが。金融会社等の事務ガイドライン、要するに貸付限度額がどうのこうのという。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今御指摘のものはノンバンクに対するものだというふうに認識しています。
○池田幹幸君 そこで、ある人の事例なんですが、これは五十万円借りた方なんですが、年収三百万、住宅ローン毎月十二万払っているわけです。その他に三百五十万の借金があるという方なんですね。 それで、せっぱ詰まって借りに行った。これが三月十日。三月十日というのは要するにサラ金の支払日の日。だから、結局、そこから借りたやつを返すために借りに行ったわけですけれども、即融資されたわけです。即融資されたんですが、そのやり方。こういういろいろ申込書に書くわけですね。カードローン、ポケマネ申込書、これ書くわけです。それで、今言ったようなことを書いて渡したら、信用金庫で受け付けた方は何するか。すぐそのまま信販会社にファクスです。信販会社から、はい、オーケーですよと来た。はいと言って五十万円融資したと、こういう形なんです。つまり、何の審査もしないんですよ、信用金庫は。盛んにこの報告書などは目利きを作ると、貸付けの目利きを作りましょうとか、その援助をしましょうとか書いてあるけれども、また、アクションプログラムにも若干あるけれども、こんなもの全然ないですよ。こんなものでは目利きも育たない。そういう融資の仕方、これはもうサラ金と全く同じですよ。 こういうやり方について、金融庁は把握していますか。信用金庫はそういったことをやっているよ。しかもこれがずっと広がっているんですよ。片一方で、借換え融資のあれが来たら、借換え融資断ります、業者断って、それでこっちばっかりやっているんです。というようなことについては認識していますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に各機関が個人に対する貸付けというのを重視しているという傾向にあるというふうには認識をしております。 今ちょっと池田委員御指摘の非常に個別の事例について、ちょっと即座に判断はできないんでございますけれども、そういうことも踏まえて、我々は今回、正に目利き、しっかりとした信用の判断ができるような体制にどんどん地域の金融機関がなっていってほしいというふうに考えているわけであります。 それと、先ほどちょっと、ダブりますけれども、苦情処理も受け付けないという話がございましたけれども、今回のアクションプログラムの中に、であるからこそ、相談・苦情処理体制の強化ということについても、しっかりと正に地域で対応できるような体制を取ってもらいたいということで様々な項目を設けているわけでございます。
○池田幹幸君 それで、このカードローンですね、金利一八%ですよ、一八%。そのうちの九%は保証料です、信販会社の。九%はこの信金のもうけ。これ、もし返済不能になったら、信販会社、保証会社が保証してくれるから信金はこれノーリスクですよ。ノーリスク・ハイリターンで非常にうまみのある仕事だから、だからどんどんどんどん広がっているんです、本当にね。この私の今調べたこの信用金庫はカードローン残高が五億円に達しているんですね。利子が信用金庫に四千五百万入ってくると。非常にうまみのある仕事だということで、こんなことを許していていいのかという問題があります。 例えばアメリカなんかでも、私、若干調べてみましたら、みずほ総合研究所というところで、今、アメリカでもこんな実態が出ているそうですね。今紹介したやつと同じような事態が起こっていまして、商工業融資が低迷する中で金融機関が利ざやの大きい消費者金融などの業務への依存を強めていると。同じようなことをやっている。それに対して、OCCとかFRB、FDIC、これが一定の規制を掛け始めたということが出ています、そういった論文が。これはやっぱりひとつ参考にすべきだろうと。 大体、信用金庫がこういうふうなことをやることについて、まず基本的にいいことだと思っているのかどうかということが一つと、いいことだったらまあやらせるということになるんだけれども、いいことでないと思うならば、こういったアメリカのことも参考にした一定の規制というのに踏み出すべきじゃないかと思うんですが、この二点について伺って、終わりにいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の、カードローンについての御紹介ありましたけれども、非常に速く無担保に、そういった無担保だ、商品特性があると。これは基本的には、調達コストがどのぐらいしかし一方で掛かっているのかであるとか、リスクが今ゼロというふうにおっしゃいましたですけれども、本当にリスクがゼロかということになると、それは必ずしもそうではないのだと思います。 これはまあ、あくまでもやはりそれぞれの経営判断であろうというふうに思いますが、もちろん、その際に法令違反等々があれば、これは我々はしっかりと対処しなければいけない。しかし、ここは、先ほど言いましたリスクや調達コストも含めて一つの経営判断でありますし、例えばですけれども、今おっしゃった、委員がおっしゃったようなことばかりをやっている金融機関があれば、これは地域に根差していかないわけですから、これはこれで別の意味でその社会、地域社会からの淘汰を受ける可能性はある。 そこは我々としては、あくまでも経営判断を尊重しながら、法令違反には、法令違反がある場合には、これは厳格に対処していきたいというふうに思います。
○池田幹幸君 委員長、一言だけ。 これ、法令違反であるかないかじゃないんですよ。あなた、リレーションシップバンキングだと言っているね。そう言うんだったらば、それに合った方向での中小、信用金庫や信用組合の在り方というものに立ってほしいと考えなければいかぬ。そうすると、その立場に立ったら、一体これ、いいのか悪いのかと。 法令違反でなかったらいいんですよと、そんな考え方じゃ駄目じゃないですか。リレーションシップバンキングという考え方に立って、これがいいのかどうかの判断をやっぱりすべきでしょう。そういう態度がないと駄目ですよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどから申し上げましたように、そうしたいろんな計画について公表もいたしますし、進捗について公表もいたしますし、アンケート調査等々でこれは市場の評価も受けるわけでございますから、そうした中で、是非地域に根差したリレーションシップバンキングが発展していくように我々もしっかりと努力をしたいと思います。
○平野達男君 国会改革連絡会の平野達男でございます。 今回のリレーションシップバンキングの機能強化に向けてという報告書でございますけれども、今回の報告書が出た元々の背景の一つにやっぱり不良債権の処理というのがありまして、地域金融については主要行とは異なる別のルールが必要なんじゃないかという問題意識があったと思います。 今回の報告書の中では、主要行と同様のオフバランス化手法を取ることの困難性ということで三点ほど大きく挙げてありまして、なかなかやっぱり主要行とは違う、同じ手法で取るというのはなかなか難しいんじゃないかという、そういうトーンの報告書だったと思います。 先ほど竹中大臣の答弁の中にもう答えが出ていたのかなという感じがするんですが、具体的に今度、地域金融、いわゆる主要行以外の金融機関の不良債権のオフバランス化ということのルールなんですが、いわゆる五割、三割、二割ルールというのがもう既に主要行については設定してあるんですが、そのルールというのはもう設定をしないということの理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆるオフバランス化のルールについては主要行に適用するものであります。地域金融、このリレーションシップバンキングにつきましては、今正に平野委員が御指摘くださいましたように、その基盤になるような、例えば中小企業に関する再生手法の確立の状況でありますとか中小金融機関における企業再生のノウハウの蓄積、そういった状況等々、やはり主要行とは全く違う状況にある。そうした中で、その主要行のような数値、非常に焦点を当てて結果を出していただきたい、早く結果を出していただきたいと、そういった形での不良債権の処理のシナリオではないと、そのように御認識をいただきたいと思います。
○平野達男君 今言われた、地域金融は状況が違いますよということで集中期間二年を設けているわけですけれども、この中でいろんな、企業再生の手法でありますとか、それからあとDIPファイナンスとか後でいろいろ出てきますけれども、そういったことについてのノウハウを蓄積していきましょうということだと思うんですけれども、その二年間過ぎた後でもこの不良債権の処理のルールというのは主要行とは違うという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは我々としては、まずこの二年間に、先ほど申し上げましたように、一種の、一方でしっかりと中小企業再生のためのシステムを作っていってほしい、同時に、財務基盤、収益基盤に関しては、これはやはりマーケットの中にいる以上しっかりと作っていっていただきたい、そうした意味での二年間の重要な助走期間であるというふうに思っております。この助走期間に関しては、助走期間に関してまず全力を挙げて取り組みたいというふうに思っている。 その先、どういう姿を描くかということでありますけれども、これは適切に今後我々としてもフォローアップを行って、そのフォローアップの結果に応じて、必要があれば金融審議会において更にその見直し等々の検討も行っていかなければいけないというふうに思います。 しかし、当面やはり、今、非常に新しい試みを今回始めるわけでありますので、この二年間の期間の改善に是非全力を挙げたいというふうに思っております。
○平野達男君 ちょっと声ががらがらして申し訳ないんですけれども、統一地方選挙でずっと街宣車に乗ってがなり立てたものですから。 そこで、アクションプログラムの中の中小企業金融再生に向けた取組の中でいろんなこと書かれてあります。これは金融庁からいただいたペーパーなんですが、この中で例えば、RCCの中小企業再生型信託スキームというのが例示的にありますし、あとそのほかにデット・エクイティー・スワップとかDIPファイナンスとかいろいろ出てきています。 この中で、例えばRCCの中小企業再生型信託スキームというのは、これは破綻懸念先以下の債権を対象とするということだったと思うんですが、元々これは主要行、元々というより今もそうじゃないかと思うんですけれども、主要行を対象とする制度だったんですね。これ今、RCCの中で中小企業までこれを対象とするという体制にあるのかどうか。それから、そもそもこれに、集中期間の中で中小企業再生型信託スキーム、恐らくこれから地域金融機関とか地方のいろんな金融機関にいろいろ説明すると思うんですけれども、これまでそういう説明をしっかりやってきているのかどうか。 私が聞いた限りでは、こういったスキームなんというのはもうほとんど信金組合の理事長さんも、地方銀行の人は、大きな地方銀行の方は知っているかもしれませんけれども、もうほとんど知らない。RCCと聞くだけで本当にこれはもう大変な、それこそ完全に倒産みたいな、そちらの筋道に入ってしまうという認識が依然として強くて、こういったものに対しての今までの取組と、それからRCC全体が今どういう状況になっているかということをちょっとお聞かせ願いたいんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) RCCの信託スキームの話、デット・エクイティー・スワップ、DIPの話、いろいろ我々が考えていることについて、それが本当に進捗可能なのかという御質問であったと思います。 このアクションプログラムでは、早期事業再生に向けた積極的な取組を促すという観点から、中小・地域金融機関に対してこの中小企業再生型の信託スキーム等の、これはRCCの信託機能活用、更には産業再生機構の積極的な活用を要請しているところであります。 このRCCの信託スキームは、昨年十月の金融再生プログラムを受けまして、正に委員御指摘のとおり、当初は主要行を念頭に創設されたものでありますけれども、今般のアクションプログラム、このリレーションシップのアクションプログラムを受けまして、RCCは今後主要行以外の金融機関への取扱いの拡大を図るということにしております。今、それについて正に準備を始めた段階でありますけれども、これは、RCCの鬼追社長の記者会見等々でおいても、今後、主要行以外の地域金融機関への取扱いの拡大を計画しているということを表明されて、そのため説明会等様々な準備等を行っているというふうに聞いております。 RCCに関するお尋ねに関しては、このように、これから委員のおっしゃったような御懸念がないように是非しっかりとやっていきたいと、RCCもその期待にこたえてくれるものというふうに思っております。
○平野達男君 そのような方向で動いていただきたいということになるわけですけれども、どうも今の仕組み自体でもまだ余りよく動いていない、実態がですね。ましてやこれを今度は中小企業や地域まで拡大するといったときに、ここに項目で列挙しているのはいいんだけれども、本当に動くのかなという懸念が非常に強くします。 あわせて、さらにその動くかなという懸念は産業再生機構についてもするし、更にもっと言えば、デット・エクイティー・スワップ、債務の株式化とかDIPファイナンスで企業再生に入っているものに対して追加融資をしましょうというようなことが地域金融で本当にできるのかという、ましてやデット・エクイティー・スワップなんて、債務の株式化。株式化というのは、もうそもそも地域金融というのは直接金融が地域は中心でありますから、ただでさえ株式が難しいやつを何でデット・エクイティー……舌かんでしまいますが、債務の株式化みたいなやつが何でそんな普及するんだというのがもう私の感覚ではするんですよね。 この中にいろいろ項目を並べていますけれども、実はもう実現不可能なことを一杯並べているんじゃないかという感じが非常にしまして、これ書いているのはいいんですけれども、中小企業再生に向けた取組の中の項目としてはパンチのあるものが余りないんじゃないかという感じがするんですが、竹中大臣、これどのように思われますか。これ本当にスキームそのものとしては、元々は主要行とか大きな金融機関を対象にしたスキームなんですよ、これね。これを今、中小企業再生、金融再生という中でこちらに持ってきているという、そういう感じが私は非常にするんですけれども、そこはどのように説明していきますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員の御指摘は、正にこれ、そもそもやはり大手の、大口の債務者等々を念頭に置いたものであり、このようなものが本当に利用可能なのかと。 実は、これは是非申し上げたいんでありますが、私自身は、実は今回のいろんなプログラムの中で何とか知恵を絞ってこのデット・エクイティー・スワップに関して是非とも新しい仕組みを作れないものだろうかというふうに思っております。 その理由は、いわゆるリレーションシップバンキング、地域の中小企業に対する金融というのは、正にかなりの部分が長期の運転資金を出しているものであると。長期の運転資金を出して、言わば出しっ放しというような意味では、これは融資というより、貸して返してもらうというよりは、ほとんど出資しているという状況に資金の流れの上では近いわけですね。しかし、これは中小企業の方々から見ますと、これは、出資されると自分の経営者の立場はどうなるんだというような問題が例えば出てくるわけで、出資には、なかなか受け入れにくいというような面もある。しかし、繰り返し言いますが、これ、実態は出資なのに、融資だから例えば貸しはがしがどうこうというような問題が起きている。 私はここは是非、デット・エクイティー・スワップというのは元々は確かに大口債務者を念頭に置いたものであるけれども、むしろ日本のリレーションシップバンキングの実態を考えれば、ここは何かデット・エクイティー・スワップ的なものを根付かせることはできないだろうかということを実は考えておりまして、実は事務局に対してもかなり私が、こういうことを考えられないかということを強く指示して考えてもらっています。このために、実はこの問題に関しては金融庁に専門家から成る研究会を設けまして、どのような法令上、会計上の視点が必要なのかということの検討を始めております。今週第一回をやることになっております。 いずれにしても我々としては、モデル取引事例に対する基本的な考え方を今年の八月ごろを目途に作成・公表して、その上で実務レベルの対応策を是非検討していきたいと思っていまして、ここは御指摘のように難しいということも分かるんですが、日本の実態を考えますと、デット・エクイティー・スワップ等々については是非とも何らかの知恵を出したいというふうに思っているところでございます。
○平野達男君 是非、じゃ大臣主導で進めていただきたいというふうに思います。 ちょっと次の質問に移りますけれども、いわゆる担保、保証に過度に依存しないような体制にしましょうということがこの報告書にも書かれていますし、これ自体、私も、非常にいいことだし、是非そのようにその方向で進めなくちゃならないというふうに思うんですが、その一方で、担保・保証制度というのはある意味では、リスクということを考えた場合には金融機関と貸手と借り手のリスクシェアリングという面もあるわけですね。 それで、その一方で、これからはいろんな情報化ということで、失礼しました、いろんな数値化をして、キャッシュフローあるいは将来性の方向に着目した融資の判断をしてそれで貸していきましょうということは、その方向性としていいんですけれども、この担保、保証に過度に依存しないというその方向性もいいんですが、今のその状況の中で、キャッシュフローに依存するといっても非常に先行きが非常に不透明だ、それから経営の計画を立てるにしても立てにくい、どうしても担保、保証というところにやっぱり依存せざるを得ないという体質も残っているんだろうと思うんですね。ここの部分に何らかのきちっとした手当てをしないで、キャッシュフローに注目した担保、保証に余り過度に依存しないような体質に持っていきましょうという方向に、というふうに持っていけば、貸手にとっては、要するに自分リスクが非常に大きくなってくるということで、総体とすれば結局貸し渋りの方向に走るという懸念も出てくるような感じがするんですが、ここはどのように理解すればよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えの前に一点、先ほどデット・エクイティー・スワップ等々での研究会でありますけれども、今週に第一回と申し上げましたが、今週中にも公表ということでありますので、済みませんが訂正をさせていただきます。 お尋ねの、担保に頼るなとか別の判断をしろとか、実は正にこれは本当はもう経営判断の問題なわけですね。ただ、そこは本当に、御指摘のように、本当は担保を取らざるを得ないような状況であるにもかかわらず担保を無理やり取るなというようなことを言えば、御指摘のように、これはまた意思決定と資源配分をゆがめるということになるわけです。もちろん、我々はそうしたことを目指しているのではなく、しかし、これまでの日本の金融が、総じて見れば、結果的に見れば、余りにやはり担保に依存しているのではなかろうか。これはやはり、大数の観察としては多くの方がお認めになるのではないかと思うんですね。 したがって、そういう方向で、担保を取らないでもやる方向で検討してください。しかし、これはもちろん、担保を取らないで何でもいいから融資しろということを要請しているわけでも何でもなくて、これは金融機関としての経営判断はしっかりとやっていただきたい。アクションプログラムの中に資産査定や信用リスクの管理の厳格化というのをしっかりと入れたのはそのためでもございまして、そこはまあ一つの方向として目指していただきたい。しかし、そこは経営判断はしっかりとしていただきたい。もちろんそのような趣旨で我々としては考えているわけでございます。
○平野達男君 そのとおりであろうと思いますけれども、しっかりとした経営見通しがあってキャッシュフローもいいんだよというところでは、言ってしまえば、幾ら担保取ろうが保証取ろうが問題ないわけですね、後でそれが問題になることはないですから。 要は、ぎりぎりの状態にあるときに、これからいろいろキャッシュフローだとかという数値化していきますけれども、その境界線上にあるときに金融機関はどういう方向に走るんだろうかといったときに、この担保の、あるいは個人保証、こういったものの扱いがどうなるんだろうかということをちょっと気になるんです。気になっているから言っているんですが、要は、今何言いたいかといいますと、こういう状況の中で最終的にリスクというものをだれが取るんだろうかということだろうかなと思います。 さっき言ったように、担保、個人保証というのはある意味ではリスクシェアリングで、貸手と借り手が両方ともリスクシェアリングしますよと。それで、担保とか個人保証を取らないことにしましょうということになりますと、その部分のリスクというのはだれが取るんだろうかなといったときに、私が言いたいのは、やっぱり信用保証、今こういう状況の中で非常に見通しが立てにくいですから、信用保証の充実というのをやっぱりより求めていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。 今回の報告書の中にも、政策金融は直接融資から保証機能へ移行しましょうというようなことが書いてありますし、それからあと、民間金融機関との協調融資ということで政策金融機関、これ余り出てきてもらっても困るんですが、そういった中で、どちらかというとリスクを分散しましょうという、担保それから個人保証に代わるもののリスクを取りましょうという位置付けかなというふうに見たんですが、こういった保証機能の充実ということにつきましてより積極的にやってもらいたいと、やっていく必要があるんじゃないかと思うんですが、これはどのようにお考えになりますか。
○副大臣(伊藤達也君) 今、先生お話しになられたように、こうした厳しい現在の経済状況でありますし、また、主要行に対しましては金融再生プログラムにおきまして不良債権の正常化の取組を加速をさせるということをお願いをしているわけでありますから、そうした影響が中小企業にやはり行かないように、しっかりとしたセーフティーネットを張っていくと。その中の具体的な手段として保証制度を充実させていくというのは、正にそのとおりであります。 私どもとしましては、こうした政策の実効性をしっかり確保していくために、特に経済産業省、中小企業庁との連携というものを今まで以上に強化をいたしておりますし、また具体的な保証制度の充実ということにつきましては、資金繰りの円滑化借換え保証制度というものを新たに創設をさせていただいて、更に売掛債権担保融資保証制度等のセーフティーネットというものを強化拡充をさせていただいているところでございます。 また、こうしたものを金融機関がやっぱり積極的に活用していただくということが重要でありますので、金融機関に対しましても、大臣も私も、金融機関の代表者との会合の中で、こうした趣旨というものを十分理解していただいて、そしてしっかりと対応していただきたいということをお願いをさせていただいておりますし、金融庁といたしましても、関係者の方々との意見交換会において当庁の幹部がこうした趣旨というものをお話をさせていただいているところでございますし、また財務局、経済産業局、そして各都道府県でのいろいろな意見交換会あるいは共催での会合につきましても、あらゆる機会をとらえてこうした趣旨の徹底というものを今させていただいているところでございます。
○平野達男君 いずれ、報告書の内容が、資産査定、信用リスク管理の厳格化をしましょうとか、ディスクロージャーをしましょうとか、それから先ほど出てきた、できるだけ定量化していきましょうとかという、そういう個人的なフェース・ツー・フェースじゃない関係を、それをできるだけ定量化していきましょうということで、どちらかというと、金融機関にとっては耳の痛い内容になっている。取りようによっては一層貸し渋りを助長しかねないような、そういう報告書にも読めるんですね。 そうじゃないんだという意味において、今最大の問題は、やっぱりリスクだれ取っていくかということだろうと思いますので、その信用保証制度の拡充についてはしっかりやっているんですよということをより積極的にアピールをしていただきたいというふうに思います。 かつてこの委員会で、柳澤大臣のときだったと思うんですけれども、日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会が、金融システムと行政の将来ビジョンというのを出されまして、そのときの報告書は非常に片仮名が多くて、非常に難しいということをここでがちゃがちゃがちゃがちゃ言った記憶がございます。 今回は、片仮名は多少少なくなったんですが、内容的にはまだ非常に難しいということなんですが、これは、こういったことをその座長にお聞きするのは大変失礼だと思うんですけれども、そういったところの配慮というのを、要するに、地域の方が読んだときに分かりやすい配慮というのを今回されたと思うんですが、やっぱり、これは私も一応読みましたよ、これ。こういうふうに赤線しっかりした、しっかり読みました。読んで、一回読んで、二回読んでも分かんないんです。三回、四回読んでいるうちに、ああ、こういうことかなというふうに、私は金融は分かりませんから理解は遅いと思うんですが。 だけれども、これ多分、信用組合の方とか地銀の人がこれ読んで、これ見て、開けただけで嫌になるんじゃないかという感じがまだちょっとしますんで、是非そういったところについての御配慮をちょっとお願いしておいて、その方が、報告書書いて、これ読んで、ああ、こういうことになるんだなという方向性が見いだせればますますいい方向となるんで、これをちょっと御要望というか申し上げて、もし御感想あればいただきたいと思います。
○参考人(堀内昭義君) 御指摘の点はなかなか痛いところでございますけれども、ただ、短時間で大急ぎで竹中大臣の御要請があったもんですから仕上げたということがございまして、そういう意味では少し硬い表現が多かったかというふうに反省しております。リバイズバージョンでも出せれば相当軟らかいものにできたんだろうと思いますけれども、その点は御容赦いただきたいと思います。
○平野達男君 多少失礼な言い方になったかもしれませんが、趣旨を御理解いただきたいと思います。 質問を終わります。
○椎名素夫君 椎名素夫でございます。 今、平野委員からお話があった最後のところ、私も全く同感でして、これ見ているとコンピューターの使用説明書を見ているような感じがして、いいんですけれども、やっぱりお役所関係の文書は、こういうのは余り多いと日本語が壊れますので、気を付けていただきたいということを申し上げておきます。 さて、こっちですが、私も、片仮名が多いだけじゃなしに、内容もなかなかよく分からなかったんですが、ここで主要行と中小地域金融、専らやっている中小金融機関ということで分けておられて、専らこの地域金融機関についてリレーションシップバンキングというのについて書いてあるわけですが、主要行の方は数値目標で厳密におやりになる、しかし小さい方はそうもいかないから少し、はっきり言えば二つ基準ができたようなことじゃないかと思うんですけれども、この中に、本来の姿から、今我が国の中小地域金融機関が展開しているリレーションシップバンキングの実態は本来の姿から乖離している面があると、こう書いて、何かそういう感じはしないでもないんですけれども、もし乖離していなければ主要行と同じようなことでやれたということなんでしょうか、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) そこは実はなかなか難しいところだと思います。本来の姿から乖離している、これは先生のところでより詳細に御解説いただく方がいいかもしれませんが、私なりの解釈では、ここは非常に期待されている重要な機能があり、リレーションシップバンキングの機能があり、同時に重要なマーケットがあるということなんだと思うんですね。 これは、先ほどから言っているように、情報の非対称性が非常に強い中で、そういったことを地域に根差した情報、数値では分からない、この経営者はこういう能力を持っているというような定性的な情報を基にしっかりと貸していけば、これは地域に貢献するだけではなくて、しっかりとその地域の、つまりリレーションシップバンキングのビジネスとしてやっていけるマーケットがあるはずである。ところが、残念ながら、多くの信組の破綻等々にも見られるように、そういうふうにどうもなっていない。そこが本来の姿からの乖離になっているんだと思います。 私は、やはりそういうところが本来の機能を発揮していったならば、財務の基盤に関しても非常にしっかりとしたものになっていたはずだと思うし、したがって今後もなっていけるというふうに思っているわけでありますけれども、もしそうでなければ、そうすると主要行と同じであったかどうかということに関しては、これはちょっとなかなか即座には回答が難しいのかなというふうに思います。 いずれにしても、しかしここはしっかりとした本来の機能、本来のマーケットもあるところでございますので、その再生に向けてしっかりと取り組んでほしいというふうな思いで今回のプログラムを作っているわけでございます。
○椎名素夫君 主要行なんですけれども、地域というところには主要行も支店なんかで入り込んでおりますね。 これ、いただいたんですが、こちらの方は中小企業向けを含めて全体にわたってその経営について主要行向けの厳格な基準でやっていこうということでしょう。そうすると、中小企業向けが少なければ影響は少ないんでしょうけれども、実際には随分多いんですね。去年の十二月末ので言うと百二兆円あるし、そしてあと地銀が六十八兆、第二地銀が二十五兆、それから信用金庫は六十三兆、それから信用組合は九兆ということですから、相当な比率を占めていると。そうすると、とにかく主要行の厳格な基準でのオフバランス化、全体にわたってやれと、こういう話なんで、これは見ているとやはり減っておりますね、だんだんに。みんな減っちゃっているんですね。 ですから、勘ぐると、主要行のところの百二兆あるところが必ずしも、中小企業向け一生懸命やれとおっしゃっても、それよりもその基準を満たす方が大事だということになると今出ているような話になってくるから、地銀以下少し待ってやるから、余りうるさいことは言わないからしっかりやれというお話なんでしょうかね、これは。どうなんでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今朝の御質問の中に何度か出てきた問題と絡みますけれども、実は何がグローバルバンキングで何がリレーションシップバンキングかと、どこかで明確に線が引けるかというふうにいいますと、これはなかなかそういうものではない、この点は御理解を賜れるんだと思います。 御指摘のように、主要行の中でも中小企業に対する貸付けというのは相当のウエートを占める。逆に言いますと、この中にあります信用金庫の中でもグローバルなビジネスに対して貸付けをしているところも、これは当然のことながらあるわけでございます。さはさりながら、これは行政でありますから、一定のどこかで線引きをしなければいけない。 日本の不良債権問題、特に国際的な信用にかかわる不良債権問題に関しては、やはり主要行の不良債権比率というのを減らすということが、これは日本経済全体の信用のためにも重要であるという一つの判断の下に金融再生プログラムというものをまず作っております。したがって、そのグレーゾーンというのは常に常に残ってまいりますし、更に言えば、リレーションシップバンキングと一言で言っても、はっきり言いまして地銀の大手と信用組合とでは、これはもう全く違うというふうに言ってもいいぐらい中身が違うのだと思います。 しかしながら、そういう点も踏まえながら、現実にはそれぞれのファンクションに重点を当てながら、今回これに関してはリレーションシップバンキングの機能を再生するという観点から是非行政としても取り組んでみたいというふうな意思でもってこれを作っております。 その辺は繰り返しになりますが、グレーゾーンのところというのはあるわけでございますけれども、我々としては、このリレーションシップのファンクションの部分、特にそれを地銀、第二地銀、信用金庫、信用組合等々に適用することによってリレーションシップバンキング本来のメリットが十分発揮されるような、そういう仕組みに是非していきたいというふうに思っているわけです。
○椎名素夫君 先ほどからいろいろ話が出ていて、地域貢献というようなお話もありましたですね。だけれども、実際には今、中小企業への貸付けの、貸出しの残高の比率でいうと、要するに第二地銀から信用金庫、これは大きなところは随分、大小ありますけれども、大きなところはある意味ではそう局限されない活動をやっているということなんで、例えば、私のところは岩手県ですが、岩手県でとこう言われても、随分活動範囲は広がっちゃうんで、余りそんなことを言ってみても、格好はいいけれどもしようがないんじゃないかと思うんですね。 私思うんですけれども、反対の方は多いかもしれませんが、大体これも企業ですから、お役所なりあるいはみんなが見てこういうふうになってもらいたいという姿というものがあるとして、それをやらせるのに法律作ったり、ぎゅっとこう抑え付ける、コントロールするというやり方がある、規制で抑え付ける。それから今回のような指導的なやり方ですね、ガイダンスでやる。これをやると、ついいろいろかきたくなるから、かゆいところに手が届くというより、かゆくないところまでかいてやるというような風情も幾分あって、大変な力作を拝見しているわけですが。 もう一つ、最後はやっぱり市場の選択なんだと思うんですね。ずっと見ておりますと、主要行まで含めてとにかく金融機関というのは大事だからみんな死なないようにしようというふうに決めちゃうと、物すごく親切になっていくと、すべてがですね。ということで、またその全体がずっこけてきておかしくなるということが今までどうもあるんじゃないかと思うんです。 先ほど池田委員からもお話がありましたけれども、妙なことをやっている何ですか信用金庫があるとかいう。これも一つの要素であるし、あるいは地域に貢献をしているかどうかというのもこれ一つの要素である。いろんなことが重なって、やっぱりあそこは駄目だよと言われるところは、やっぱりだんだんつぶれていかないと本当はいけないんじゃないかと思うんですね。 だけれども、全部本当に生かしてしまうということにすると、何となしにこういうことになって、皆が忙しくレポートをお書きになったり、あるいは整合性のある、あれですね、今度のスキームのプログラムはこうだとかいう話なんだけれども、どうもそこのところが思い切りが足りないということは、全体を含めて日本の悪名高き不良債権処理というのはずるずるずるずる来ているんじゃないか。 最初は、ちょっと立ち入り過ぎておりますが、竹中さんおいでになったときはもう少しきっぱりおやりになりたかったんじゃないんですか。どこでこう戦線が拡大したのか非常に興味があるんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は常に市場のメカニズムを生かしながらきっぱりとやっていきたいというふうに思っております。 今回のリレーションシップバンキングのアクションプログラムの性格でありますけれども、これは、リレーションシップバンキングの特殊性、先ほど言いましたような情報の非対称性等の特殊性には十分に配慮しようと。しかし同時に、これは正に堀内先生がその中で御苦労なさったと思いますけれども、しかしこれはやはりマーケットの中に立っている以上、その収益性や健全性をしっかりとやっていかない限りリレーションシップバンキングそのものができなくなるんだと、そういうその両面について非常に気を配って配慮した、そういった報告書を書いてくださったと思っております。 先ほど実は平野委員から、これは見方によっては地域金融機関に非常に厳しいという御指摘がありました。実は非常に、一見して、そこまで言うのかというガイドライン的な手取り足取りの部分と、しかし厳しく信用リスク管理や資産査定を求めているマーケットの淘汰の中でしっかりと自らを律していくようなものと、我々としては両方是非その中に含めて、そういうことによってダイナミックに変わっていっていただきたいと、そういう思いで、これは先生も多分そういう思いで報告書を書かれて、我々もアクションプログラムを作っているところでございます。 椎名委員お尋ねの後半の部分に関して、私は市場メカニズムに基づいてしっかりと銀行部門を健全化していきたいと思っておりますし、金融再生プログラムは着々と実行に移されてその途上にあると思っておりますので、是非とも御理解と御支援を賜りたいと思います。
○椎名素夫君 もうそれ以上はいいんですが、もう少し、リレーションシップバンキングから少し離れますけれども、あるいは、例えばデット・エクイティー・スワップとかいうことと幾分かかわりがあるかもしれない。 地方に行きますと、商店街なんかがどんどんどんどんシャッターを閉めて、開いていないところがある。あるいはもう家も持っていられないから売ってしまって歯抜けの商店街、空き地がぽつぽつぽつぽつあってというようなことがよくありますね。これいろいろ聞いてみると、ある日やっぱり突然つぶれたという話になるようですね。そうすると、何が起こるかというと、非常にみすぼらしくなってきて、その商店街自身に魅力がなくなってくる。これもうそこらじゅうで起こっていることです。 しかし、よくよく聞いてみると、今までやっていた商売は何とか細々とやって利息ぐらいは払っていたと。だけれども、元はもちろん書換え、書換えで続けているという、さっきのお話みたいなのがありますけれども。そこのところがちょっと引っ込むと、利息に二か月ちょっとというような話になるとおかしくなって、今のような時代には、貸しはがしというのか、あるいはもうこれ以上しない、付き合わないというふうなことでつぶれちゃうというのは随分ある。 しかし、考えてみると、もし生かしておこうと思ったら、生き続けて別に余り迷惑掛けないというような事例というのは非常にあると思うんです。その場合、これはもう仮想の話ですが、その商店街の人たちが集まって、銀行がもう貸さないというんだったら我々で貸してやろうと。銀行に払う利息より少し安くていいよと、それ払ってくれればいいよと。だけれども、これは今銀行に預けておくよりもいい話ですよね、その利息はちゃんと払ってもらえれば。それから、まあちょっと半分資本金的になるから、やっている人もとにかく商売を続けられるというような話で、そういうことというのは成り立ち得る土壌は日本にはあると思うんですね。 それが、土壌はあるけれども、そういう仕掛けが全然ないから、いたずらにゼロ金利でみんな預けて、銀行へ置いておいてもしようがない、だけれども、よそへ持っていったらまた怖いというような話。こういうことがどうして起こるかというと、やっぱり、うち、商売がどうもきつくなってもう駄目かなと、こう言っていても、隣に話してやるのはやっぱり恥ずかしいんですね。恥ずかしくないような仕組みがあれば、こういうことというのはそこらじゅうで成り立つ。 それから、これはある意味では間接金融から直接金融への道を開いて、非常に原初的な資本主義みたいな話がたくさん起こってくると、これは心理的に、大きな会社の株を東証のマーケットで上がった下がったというのをやっているのと違った意味での投資という感じが出てくるんじゃないかと。 それは一人じゃできないことでもありますが、銀行、金融機関とか、あるいは何かの仕掛けを作って、そういうことを考えるということはできないでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、委員御指摘になった点は本当に重要な点だと思います。 元々は信用組合とかそういうのは、みんなでお金を出し合いましょうと、それで組合員で融通し合いましょうというところで成り立ってきた。これはリレーションシップバンキングのもう本当、原型であろうかと思います。実は、これはそういう仕組みがないからなかなかできない。私はあえて申し上げれば、その芽はあるのだと思っております。 これは御承知の先生も多いかと思いますが、実はコミュニティーファイナンスの仕組みというのができておりまして、具体的には、これ神戸の震災を受けた方々がお金を出し合って出資金を作って、そこに政策投資銀行と地元のみなと信金ですか、みなと銀行、地元のみなと銀行、それと政策投資銀行が出し合う。地元の方が五〇%出資する、政策投資銀行とみなと銀行が二五%ずつ出資する、これ正にコミュニティーファイナンスなんですね。これ実際にもうやっているんです。 なかなかしかし、それに続くところがないというのも御指摘のとおりなんですが、こういう仕組みをやっぱり是非、言わばリレーションシップバンキングの原型として活用して、経済の活性化を図りたい。これをどのようにもっと利用できるかということは、我々も是非宿題として考えていきたいというふうに思っております。
○椎名素夫君 そういう入口とモデルがあるんでしたらもう大変心強いことなんで、これは要するに、日本には個人金融資産がたくさんあると言っているけれども、貯水池に水がたくさんあるけれども水道に流れてこないというような、いわゆる目詰まりというのをほぐすというのは一番、銀行にある金をどうするかというような話よりもむしろ重要なんじゃないかと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について、日本銀行から説明を聴取いたします。福井日本銀行総裁。
○参考人(福井俊彦君) 福井でございます。 日本銀行から御報告をさせていただきます。 日本銀行は、昨年の十二月、平成十四年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書というものを国会に提出させていただきました。今回、日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をちょうだいいたしまして、厚く御礼を申し上げます。 私自身は、約一か月前の三月二十日に日本銀行総裁に就任いたしました。日本銀行の持っております知恵と力をフルに発揮して、日本経済の持続的成長軌道、その軌道への復帰とデフレ克服のために中央銀行として最大限の貢献を果たす決意でございます。 まず、最近の日本の経済金融情勢でございます。この点について若干御説明を申し上げます。 我が国の景気は、このところ設備投資に持ち直しの動きも見られますけれども、イラク情勢の影響を含めた海外経済の動向など先行き不透明感が強い中で、全体として横ばいと言っていいような動きを続けております。 先行きにつきましては、海外経済が緩やかな回復傾向をたどる下で輸出や生産が再び増加に転じて、経済に前向きの循環が働き始めると一応考えられております。もっとも、米国を始めとする海外経済の先行き自体、不確実性を抱いております。また、過剰雇用とか過剰債務といった調整圧力がなお根強いということなどを踏まえますと、景気はしばらくの間、自律的な回復力に乏しい展開となる可能性が高いと思います。 この間、物価面を見ますと、国内企業物価は、輸入物価の上昇や素材業種での需給改善を反映いたしまして、全体としてほぼ下げ止まっております。消費者物価の方は引き続き緩やかに下落しておりますけれども、先行きにつきましては、原油価格上昇の影響に加え、社会保障負担、間接税にかかわる制度変更の影響も見込まれまして、マイナス幅は幾分縮まる見通しというふうに思っております。 金融面の方の動きでございますが、日本銀行の潤沢な資金供給の下で、金融市場は年度末を含め全体として落ち着いた動きとなっております。もっとも、株価の動きを見ますと、内外経済の先行き不透明感などを背景といたしまして不安定な動きを続けております。とりわけ、我が国金融機関の収益性に対する厳しい見方がございまして、そうしたことを背景に銀行株価のもう非常に弱い動きというものが目立っております。 企業金融の面では、全体としては緩和的な環境が維持されておりますが、相対的に信用力の低い企業の資金調達環境というものはなお厳しい状況にあるというふうに認識いたしております。 次に、最近の日本銀行の金融政策運営について申し述べさせていただきたいと思います。 私は、この一か月近くの間、イラク情勢の展開を踏まえた当面の危機防止と、そのための対応、それからやや長い目で見た金融緩和効果の強化のための対応と、この二つに取り組んでまいりました。 まず、イラク情勢の展開が株式市場や為替市場などを通じて経済全体にどのような影響を及ぼしていくか注視いたしますとともに、年度末を控えて、金融市場の安定確保に万全を期しますために、市場に対して多額の追加資金供給を実施いたしました。また、取引先金融機関が担保の範囲内でいつでも日本銀行から資金調達を行うことのできるいわゆる補完貸付制度につきましても、当分の間、すべての営業日を通じて公定歩合による利用を可能とするということといたしました。 このような措置の下で、金融市場では流動性をめぐる懸念はほぼ払拭された状況が続きまして、年度末もおおむね問題なく越えることができたと思っております。 また、今後の金融政策運営に当たりましては、潤沢な資金供給を経済活動の活性化、デフレ克服に結び付けていくということが重要な課題であると思っております。このような問題意識を踏まえまして、現在、金融政策の透明性向上、それから金融緩和の波及メカニズムの強化といった観点から、金融政策運営の基本的な枠組みについての検討を進めております。 日本銀行が現在取っております量的緩和政策は、金融市場の安定を確保し、デフレスパイラルを防止するという上で大きな貢献を果たしてきたように思っております。しかしながら、同時に、金融機関の信用仲介機能が万全ではないという状況が続いておりまして、民間の経済活動も十分に緩和政策によって刺激されるというふうには至っておりません。 申すまでもなく、金融システムの信用仲介機能が十分に発揮されていない最大の要因は、不良債権問題を挙げることができます。この問題を解決するためには、民間及び政策当局が一体となった取組が重要でございます。 同時に、日本銀行といたしましても、信用仲介というこの金融政策の重要な波及経路が十分に機能していない中で、金融緩和の波及メカニズムを強化する、そのために企業金融の円滑化や金融調節の面において更に改善を図っていくことが大きなポイントであるというふうに認識いたしております。 こうした観点に立ちまして、今般、日本銀行では、中堅・中小企業関連資産を主たる裏付け資産とするいわゆる資産担保証券を時限的に買い入れることについて検討を進めることを決定いたしました。 資産担保証券は、企業が持っておられる売り掛け債権などをプールいたしまして、これを証券化して市場に流通させるものでございます。資産担保証券市場というものは日本ではまだ発展途上の段階にございます。この市場が活性化すれば、中堅・中小企業にとって銀行借入れに代わる新しい資金調達ルートが開かれるなど、企業金融面に様々なメリットをもたらすことが考えられます。 日本銀行といたしましては、新たな資金仲介ルートとなる市場の整備・発展をサポートすることを通じて、金融緩和の波及メカニズムが強化されることを期待しております。 日本銀行は、現在、具体的な買入れ方法についての検討を進めておりますが、その際、広く市場関係者の御意見もお聞きしながら、市場の発展に真に資するような方向で検討を進めてまいりたいと考えております。 もちろん、金融市場は本来は民間のイニシアチブの下で自律的な発展を遂げていくことが期待されるものでございます。中央銀行として資産担保証券といった民間の債務を買い入れるということは、そういう意味では異例の措置でございます。 したがいまして、日本銀行としては、波及効果の大きさ、市場の機能をゆがめないかといった観点に加えまして、日本銀行の財務の健全性を維持し、将来にわたる金融政策の遂行能力を確保するといった点にも配慮しながら、具体的な買入れの方法を詰めてまいりたいと考えております。 また、金融政策に直接該当する事項では必ずしもございませんが、日本銀行は、銀行による保有株式の価格変動リスク削減努力というものを更に促す必要を認め、その観点から、昨年十一月以降、銀行保有株式の買入れ措置を実施いたしております。本年四月十日でございますが、十日時点での買入れ額は一兆二千九十億円と、既に一兆二千億円を上回っております。 この措置は、金融システムの早期健全化に向けた日本銀行としての一つの取組でございます。同時に、金融システムの健全化は、金融政策の波及メカニズムを強化する上で、これは欠かすことのできない条件であるというふうに考えております。 現在、日本経済が抱えております課題は大変大きいと言わざるを得ません。日本経済は、経済の成熟化、グローバル化の進展、情報通信革命の進展あるいはエマージング諸国の急速な台頭といった大きな環境変化に直面しております。 このような大きな変化の中で、日本の戦後の成長を支えてきた経済モデルに代わる、技術や知識のイノベーションを原動力とした新しい経済モデルの構築が今正に求められていると思います。日本経済がこうした新たな環境に果敢に適応していくためには、民間部門と政府、日銀が共通の目標に向かって力を結集していくことが不可欠であると信じております。 日本銀行といたしましても、今後とも、私どもの使命でございます物価の安定と信用秩序の維持を達成するため、全力を挙げてまいりたいと考えております。 誠に御清聴ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案及び酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案、両案を一括して議題といたします。 まず、酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川財務大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、酒類小売業に係る免許に関する規制緩和の進展等に伴う酒類業をめぐる環境の変化を踏まえ、酒類販売業等の免許の要件を追加するとともに、酒類小売業者は酒類販売管理者を選任しなければならないこととする等所要の措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。 以下、その法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、税務署長が酒類販売業等の免許を与えないことができる要件として、未成年者飲酒禁止法又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律等の規定により、罰金の刑に処せられた者である場合を加えることとしております。 第二に、財務大臣は、酒類の取引の円滑な運行及び消費者の利益に資するために定められた酒類の表示の基準のうち、特に重要と定める基準を遵守していない酒類販売業者等に対し、その遵守を命令することができるよう所要の改正を行うこととしております。 第三に、酒類小売業者は、未成年者飲酒禁止法等の酒類の販売業務に関する法令の規定を遵守した適正な販売管理が確保されるよう、販売場ごとに酒類販売管理者を選任しなければならないこととする等の規定を設けることとしております。 以上が、法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 次に、酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案について、発議者衆議院議員谷津義男君から趣旨説明を聴取いたします。谷津義男君。
○衆議院議員(谷津義男君) ただいま議題となりました酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本案は、酒類小売業免許にかかわる規制緩和の進展に伴い、多数の酒類小売業者の経営の維持が困難となる等の急激な社会経済状況の変化が生じている現状にかんがみ、緊急の措置として、緊急調整地域における酒類小売業免許の付与を制限するとともに、酒類小売業者の経営の改善及び転廃業の円滑化のための措置を取ることにより、規制緩和の円滑な推進に資することを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、緊急調整地域における酒類小売業免許の付与の制限等であります。 税務署長は、所定の事由により酒類の販売業の継続が困難な酒類小売販売場が占める割合が著しく高い場合として政令で定める要件に該当すること、当該地域に存する酒類小売販売場の過半数について所定の経営の改善のための計画が酒類小売業者から提出されていることの要件に該当する地域を、緊急調整地域として指定することができるものとしております。 その上で、税務署長は、緊急調整地域においては、酒類小売業免許の新たな付与及び他の地域からの酒類小売販売場の移転の許可を行ってはならないものとしております。 第二に、財政上の措置であります。 国は、酒類小売業者による経営の改善のための計画の実施及び酒類小売業者の転廃業の円滑化に資するため、必要な財政上の措置を講ずるものとしております。 以上が、酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいまするようお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) この際、酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員七条明君から説明を聴取いたします。七条明君。
○衆議院議員(七条明君) ただいま議題となりました酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案に対する衆議院における修正部分につきまして、その提案の理由及び内容の概要を申し上げます。 衆議院における修正部分は、公正な競争環境の整備及び青少年の健全な育成の重要性等の観点から原案を修正することといたしたものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、法律に公正取引委員会への措置要求等の章を設けることといたしております。 すなわち、国税局長等は、酒類販売業者の取引に関し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律における不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置を求めることができる旨の規定を設けるとともに、酒類製造業者、酒類卸売業者は、販売数量に応じた金銭の供与等の取引条件について基準を定めるとともに、これを関係酒類販売業者に対し提示するよう努めなければならない旨の規定を設けることといたしております。 第二に、政府が酒類販売業免許の制度の在り方について検討を加えるに際し勘案すべき事項の一つとして、青少年の健全な育成の重要性を追加することとしております。 第三に、この法律の施行期日を、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日とするとともに、この法律の施行前にされた酒類小売業免許の付与の申請等に係る適用区分の規定の追加、その他所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上が、酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案に対する衆議院における修正部分の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、御賛同くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(柳田稔君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会します。 午後零時十六分散会