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156回国会参議院2003/04/02

国際問題に関する調査会 第4号

発言数
33
登壇者
9
会派数
5
開催日
2003/04/02

会議録

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。  国際問題に関する調査を議題といたします。  本日は、本調査会の調査テーマである「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、東アジア経済の現状と展望に関し、情報化の進展と東アジアのITについて参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、太平洋経済協力会議日本委員会電気通信小委員会主査佐賀健二参考人及び株式会社アジアネットワーク研究所代表会津泉参考人に御参加をいただいております。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  両参考人におかれましては、御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  本調査会では、東アジア経済の現状と展望につきまして重点的かつ多角的な調査を進めておりますが、本日は、情報化の進展と東アジアのITについてお二方から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いをいたします。  本日の議事の進め方でございますが、まず佐賀参考人、会津参考人の順でお一人三十分程度で御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでを目途に質疑を行いますので、御協力方よろしくお願いをいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、佐賀参考人から御意見をお述べいただきます。佐賀参考人、よろしくお願いいたします。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) 御紹介いただきました佐賀です。御指示がありましたので座らせていただきます。  二枚目の紙が私の今日のテーマであります。五項目にわたってお話をさせていただこうと思いますが、後で二時間の討論があるということですので、冒頭の三十分はできるだけ問題提起を含めて後の討論を活発にさせていただいて、討論の中でより深く突っ込むと、こういう考え方で資料をまとめました。  まず最初に、IT革命をどう評価するかというテーマがございますが、ここで沖縄IT憲章と、今年の一月に世界情報社会サミットのアジア地域会議が東京で行われました。この二つの代表的な国際会議でITをどう評価しているかということを御紹介しております。学者先生方のIT革命の定義などというよりは、社会的にどのような価値を持ちどのような評価があるのかということの方が私は役に立つと、こう思いまして、そういう角度からこの二つの指摘を選びました。  情報通信技術は二十一世紀を形作る最大の潜在力であり、世界経済の成長を実現する原動力であるということで、この情報通信技術についてはインフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー(IT)と沖縄IT憲章には書かれています。ところが、二つ目の世界情報社会サミットでは、同じ日本語は情報通信技術ですし、フルネームは両方とも同じインフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーなんですが、国連あるいはITU等ではICTという略語を当てています。  じゃ、両者に別の意味があるのかといいますと、そうではありません。IT憲章もフルネームは全く同じインフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーですから、余りその違いをせんさくするよりは、むしろ同じものと、こういうふうに御理解をいただいた方がいいと思います。  それでは、このIT産業って何だということですが、アメリカ、カナダ、メキシコの北米の三か国が九〇年代の初めに産業分類を改革をいたしまして、技術の変化に対応した産業分類ということでIT産業という分類を作り、そのIT産業の中に四つのサブインダストリーということで、サブインダストリーの第一がハードウエア産業、コンピューター及び関連機器、二番目として通信機器産業、これが電気通信・放送、AV機器、そして三番目がソフトウエア・サービス産業、コンピューターのOSとかアプリケーションソフトなどなどのソフトウエア産業、第四が通信サービス産業で、電話、放送に加えてインターネット等の幅広い通信サービス産業が位置付けられています。  そこで、このIT産業に対してどういう評価があるかという意味で、米国の例をアメリカの商務省の報告書に基づいて御紹介をいたします。  一九九九年と二〇〇〇年の年に、アメリカの商務省はエマージング・デジタルエコノミーⅡというのとデジタルエコノミー二〇〇〇という二つの報告書、実はこの前の年に、九八年にエマージング・デジタルエコノミーという最初の報告書が出ておりますが、この二つの報告書でアメリカ経済がIT産業の影響を受けてどのように長期の持続的成長が可能になったかということを紹介しておりまして、IT産業の全経済に対するシェアが六%から八%に上がったと。これは、九三年から九八年の間にそのような二%の上昇があったと。  しかしながら、IT産業が、この八%のIT産業が経済成長全体への貢献度で見ますとアメリカの全産業成長率の三分の一、八%が三三%の原動力になっているということを言っております。そして、インフレなき長期成長が可能になった原因として、IT産業の生産物の価格低下がインフレ率を抑えたということを評価をしております。もうコンピューターの値段が性能が上がって下がってくるという、これは皆さん御経験のとおりであります。  それからもう一つは、生産性の上昇ということが非常に重要な意味を持ちますが、アメリカの生産性上昇率が七〇年代から九五年までのかなり長期にわたる平均が一・五%であったけれども、九五年から九九年の四年間の間は二・八%に上昇したと。通常、経済成長を遂げるに従って、経済が成熟するに従って生産性上昇率は順次緩慢に、緩やかになっていくというのが経済の常識だけれども、それを破る現象が出てきた、だからこの新しい現象をニューエコノミーと呼びたいと。こういうことで、ニューエコノミー論がアメリカの中で盛んに議論されたんですけれども、二〇〇〇年を天井にしてITバブルがはじけた、そしてIT不況が起こったと、こういう現実があるわけですね。  そういう状況の下で一体どういうふうに今日を見るべきなのか。一九九九年から二〇〇〇年の間、アメリカのエコノミストたちの間で真っ二つに分かれて、このニューエコノミー論と、いや、そんなに楽観はできない、大きな経済循環は必ずやってくるんだと、こういうふうに言った学者たちも半分はいたわけで、その後の方の、否定的に、いや、循環を避けることはできないと言った学者たちが今元気を回復していると。こういう状況ですけれども、昨年の初めに商務省は二年ぶりにデジタルエコノミー二〇〇二という報告書を出しましたが、その報告書では不況からの回復を予想して、またアメリカ経済は元気になるんだという楽観論に満ちた報告書を出したんですけれども、その直後、昨年の夏ごろから再びIT不況は深刻化してきていると。  これが今日の状況で、この不況の、IT不況の影響はヨーロッパ、日本へとかなり厳しい波及効果を出していまして、アメリカ第二の長距離通信事業者、ワールドコムが倒産をする、そしてブリティッシュ・テレコム、イギリスのブリティッシュ・テレコムあるいはドイツ・テレコム、フランス・テレコム等々も多額の借金を抱えてリストラをせざるを得ない状況に追い込まれていると、これが今日の状況であります。  それなら、一体アジアはどうなんだろうかと。こういうことになるわけですが、経済企画庁は毎年「アジア経済」という報告書を出していたと。最後に出たのが「アジア経済二〇〇〇」と。その「アジア経済二〇〇〇」にこの九七年までの統計がIT機器生産高で出ておりまして、その後の新しい統計を探し回ったんですけれども、出ておりません。経済企画庁が内閣府に変わってからこの報告書は出なくなったというのが政府刊行物センターの方の説明で、残念ながらこの後のグラフをお示しできないんですけれども。  これを、グラフをごらんになって、おやっと思われる方がいるかも分かりません。おまえはついさっき全経済に占めるシェア六%が八%に上がったと言っているけれども、これではアメリカは下がりっ放しじゃないか、しかも八%どころか三%ぐらいじゃないかと、こういう疑問をお抱きになると思います。ここを見てください、IT機器生産高です。つまり、このIT産業の上の、上二つなんですね。したがって、このことから判断できることは、アメリカで急成長を遂げたのはソフトウエアサービス産業と通信サービス産業だと、こういうふうに判断することができるということが言えるのではないでしょうか。  私自身の経験でも、去年の一月に新聞広告を見てデルコンピューター、これはアメリカのコンピューターですね、世界最大シェアを誇るアメリカのコンピューターを新聞広告を見て買いました。一週間後にちゃんと注文どおりの付加価値を付けて配達されました。箱を見てびっくりしました。メード・イン・チャイナです。その中を、更にこん包を外してキーボードが出てきました。キーボードを見たら、メード・イン・マレーシアです。ということで、つまりそのことがアメリカのハードウエアのところがほとんど停滞している、あるいは若干下がっているということの意味で、生産、ハードウエアの生産の面でアメリカの相対的地位は下がっている、空洞化していると。これはひょっとしたら、今の日本で生産工場がどんどん中国へ行ったり外国へ移っている、日本の姿でもこの種のことが起こるのではないかということを示しているのではないかと思われます。  さて、そのIT革命、いろんな期待と懸念が出てきておりますが、新しい技術というものをどのように我々は理解したらいいのかという面で、私は昨年の三月末まで大学にいましたが、学生たちには、新技術というのは人間の能力を拡張すると、こういう立場で評価をして、ただし、新しい技術には常にマイナスとプラスの面があると、その欠点をいかに克服し、そして恩恵をいかに拡大するかだと、こういうふうに講義をしておりましたが、そのことが第一。  それから第二は、このITはニューエコノミーの推進力であるけれども、ニューエコノミーそのものに対する疑問が若干今出てきていると。  それから三番目、ITは新たな格差、デジタルデバイドを生み出す。これも克服すべき課題であります。  それから、ネットワーク社会の脆弱性とセキュリティー問題が登場していると。これも皆さん御存じのとおりであります。  その次に、ITはデジタルオポチュニティーを創出すると。大きな新たな機会を創出するということで、一番上に戻って、問題はいかにして欠点を克服し恩恵を拡大するかという立場からいいますと、デジタルエコノミーをいかにしてデジタルオポチュニティーに変換するか、転換させるか、これが我々が抱えている最大の政策課題ではないかということを強調したいと思います。  それから、ITは異文化交流を活発化し、異文化理解を深化する。これはそのとおりでありますが、その反面、世界じゅうが、英語のコンテンツが半分以上である影響を受けて、固有の文化を破壊し独自性を喪失する可能性も持っていると。この点についても、やはりいかに欠点を克服して、逆に独自の文化を世界に発信するという形でデジタルオポチュニティーに転化する必要があるということであります。  最後は、ITは新しいライフスタイルと文化を創造すると。これにもプラスの面とマイナスの面があることは御存じのとおりであります。  さて、次にデジタルデバイドの構成要因。  いろんなデジタルデバイドに関する報告書が出されています。アメリカの政府の商務省もフォーリング・スルー・ザ・ネットということで、ネットの落とし穴とでも日本語に訳したらいいんでしょうか、デジタルデバイドを分析した報告書が出ておりますが、たくさんの角度から格差が分析をされています。  先進国と途上国の間の格差、都市とルーラルの間の格差、さらに、その次に書かれてあります収入、教育と職業訓練、人種、ジェンダー、年齢、身体障害、いろんな起因に基づくデジタルデバイドがございますが、特に国際的に見る場合には、アメリカ平均と例えばインドネシアの平均を見たときの格差よりも、インドネシアの中のジャカルタとその他の格差の方がはるかに大きいということを私は強調したいと思います。例えば、インドネシアのジャカルタの電話の普及率は約二〇%ですけれども、島々の方へ行くと電話のない部落が今日なお約半分あるということでありまして、百対ゼロみたいな形でのとてつもない格差が途上国の都市部とルーラルの間にあると。  したがって、デジタルデバイドをグローバルに解消するためには、開発途上国のルーラルとか遠隔地の情報インフラをいかに整備するかということが最大の課題であるということを強調をしておきたいと思います。  これはアメリカにおける人種間のデジタルデバイドであります。  後で皆さん興味をお持ちになったときに、この表を見てあれっと思われることがあります。アメリカの、黒人とかいろいろありますが、あれっ、ホワイト、白人よりもエイジア・パシフィック・アメリカンの方がITに対する関心が強くてインターネット利用率高いの、これ何と、こういうことですが、もし討論が展開されるんであれば質疑応答のときにお答えいたします。  これは世界的に見たインターネット人口ですが、九九年から二〇〇〇年のこの一年間にとてつもない急成長を遂げております。アジア太平洋で二・五倍、ヨーロッパでも二倍強、ただし既に普及が届いているアメリカの場合には四〇%と、こういうふうになっていますが、これを見て、その後どういうふうに変わるか。私は、やがてアジア太平洋はヨーロッパを追い越しアメリカに追い付くだろうと、こうその当時予想しました。二年後の、これが昨年の九月現在、二年半後ですね、の現状であります。アジア太平洋がトップに出るという私の予測は外れまして、トップに出たのはヨーロッパが先にトップに出まして、それに僅差でアジア太平洋が従って、アメリカ・カナダを追い抜いたと、こういう現状ですが、これは絶対人口ですから、普及率ではありません。人口が二十数億のアジアの場合は仮にアメリカを追い越しても普及率ははるかに低いわけでありますけれども、総人口、インターネット人口という意味では非常に面白い数字であります。今日では恐らく私はアジアはヨーロッパをも追い越しているだろうと、こう思いますが、世界的に有名なヌア・サーベイという、一番下のところにウエブサイトのアドレスをお書きしておりますからごらんいただいたらいいと思いますが、昨日現在この数字は更新されておりませんでした。これが一番新しい数字と思っていただいて結構です。  さて、今は国家IT戦略ということで非常に盛んですが、九〇年代の半ばにアメリカのクリントン政権が登場するときに、情報スーパーハイウエーの構築ということを掲げました。そのクリントン政権の情報スーパーハイウエー構想が非常に大きなインパクトを持って、アジア太平洋地域の各国がそれに対応する国家の戦略を出しました。日本でも二十一世紀の知的社会の変革へ向けてという長たらしい名前の報告書が出て、二〇一〇年までに全家庭に光ケーブルということを打ち出したことは御存じの方は多いと思います。ところが、この計画は大体二〇〇〇年を目標にしておりましたから、二〇〇〇年が近づくにつれて少しずつ変わってまいりました。次の段階の戦略を立てようということで、九九年から二〇〇〇年にかけて出てきたのがこれであります。これがアジア太平洋各国の国家IT戦略。IT革命という言葉が流行語になりましたので、それぞれIT、IT21とか、インフォコム21とか、IT二〇一〇とか、そういう形でITという言葉が国家戦略の名前として登場をしてまいります。  これは、各国の国家IT戦略の取り上げているテーマをテーマごとにランク付けをしたものです。黒丸は実施中で、白丸は計画中で、空白のところはなしという、計画なしということなんですが、ほとんどの国の国家IT戦略が課題としては共通しているということをこれは示しております。  さて、そのIT革命さなかのミレニアムイヤーと言われた二〇〇〇年にはたくさんの国際機関がITに関する政策提言を行いました。二〇〇〇年の五月に国連ハイレベルパネル、七月にはWEF、世界経済フォーラム、ダボスで有名なところです。その次、沖縄IT憲章、そしてアジア欧州会合、アジア太平洋情報社会サミット、そしてe―ASEAN枠組み協定ということでASEANも共同のIT戦略を打ち出す、APECも首脳会議のブルネイ宣言を出す、こういうことでありました。  この沖縄IT憲章のときに、日本政府はIT包括協力策ということで、ITはチャンスだとの認識向上と政策・制度作りへの知的貢献、人づくり、情報インフラ整備、援助におけるIT利用の促進、こういうことで発表をいたしました。これは十二月四日のこの研究会で外務省が発表しておりますので、これ以上申し上げません。ただ、外務省は具体例を言っておりませんので、私が自分で経験しました、かかわりました、これの最初の政策・制度作りへの知的貢献の具体例を申し上げます。これがインドネシアの国家IT戦略に対する提言であります。  JICAが私に対してインドネシアの国家IT戦略立案に対するシニアアドバイザーになってくれと、こういう要請がありまして、私がシニアアドバイザーとして現地に赴き、現地の人たちとの討論を経て、最終的に分かりやすい絵でかいたのがこの絵であります。  一番下にインフラストラクチャー、これはすべてに共通したものですよと。しかも、その上にぐるっと輪をかく形でヒューマン・キャパシティー・ビルディング、これは人材育成、これもすべての分野に必要ですよということ。そして、縦の三本柱として、電子政府と、それからIT産業の育成と、右側にEコマース、電子商取引という柱を立てて、そして横に国際的協調が必要ですよというふうに書いた。これがインドネシアの国家IT戦略に対する一番一般的な分かりやすい絵がこれであります。  もう一つは、JICAが遠隔研修のネットワークを展開中であります。私は同じくJICAから頼まれまして、このJICA―NETの管理委員会の座長をさせていただいて、この立案に関与をいたしました。目的はここに書いてありますように、既存の研修に取って代わるというよりは、既存の研修をより充実し更に拡大するという、そういう目的で展開されておりまして、センターとしましては、沖縄と東京のJICAの研修センター、そして外国側は、インドネシア、フィリピン、マレーシアが運用中、タイ、ベトナム、ラオスが間もなく運用を開始するという状況にあります。最終的には三十か所というふうに目標が立てられています。  これは世界のインターネットインフラというものを絵に描いたものですが、これは後でまた議論をしたいと思います。  さて、そこでe―APECストラテジー、アジア太平洋地域全体をカバーするIT戦略、これがe―APEC戦略であるわけですが、歴史はございます。九五年に、先ほど言いました情報通信基盤という意味で、APII、エイジア・パシフィック・インフォメーション・インフラストラクチャーを作ろうということで、第一回のAPEC電気通信大臣会合が決めました。五年たったところで今度は、先ほど紹介しましたAPEC首脳会議がブルネイ宣言で目標設定をして、二〇一〇年までにアジア太平洋地域のすべての人がインターネットにアクセスできるように、こういう目標を設定しました。それをいかに実現するかということで、e―APECタスクフォースが設置され、e―APEC戦略の討議を開始して、一年後の上海での首脳宣言、首脳会合でe―APEC戦略が採択されました。このe―APEC戦略の採択を受けて、昨年の五月、APEC電気通信情報産業大臣会合で活動計画を発表いたしました。その後APECの電気通信情報ワーキンググループで、その具体化のための討論が進んでおります。先週私はこのAPECの電気通信情報産業ワーキンググループ会合でマレーシアのクアラルンプールに行っておりました。  さて、e―APECの戦略の課題、「市場構造及び制度強化のための環境整備」と、こうありますが、随分たくさんのことが書かれています。ちょっと見たところ、財務と企業統治などという四番目のテーマなどは、果たしてこれITとどのぐらい関係があるのと、こういうこと、疑問も出てくるぐらい非常に幅広いテーマがこのe―APEC戦略の中に盛り込まれております。  二番目が「インフラ投資と技術開発のための環境整備」ということで、この中でITに絡むオンライン取引法とか電子認証、情報セキュリティー、個人データ保護といったテーマが並んでおります。ここらは討論の中で深めていきたいと思いますので、最初の段階ではさっと飛ばしてまいります。  その次が「人材育成の強化と起業家精神の向上」ということで、ここでデジタルデバイドへの対応、人的能力の強化、それから国際協力と情報交換、ベンチャービジネスの育成、中小企業というような言葉が出てまいります。  この戦略を受けて、実行計画として電気通信情報産業大臣会合、昨年の五月に同じく上海で開かれたところで発表した行動計画の柱がインフラストラクチャーの整備、二番目が政策問題、特に自由化とそれからプライバシー保護などといった問題、三番目が通信インフラとネットワークのセキュリティー、そして人的能力の向上と、ヒューマン・リソース・ディベロプメントとかヒューマン・キャパシティー・ビルディングなどという英語が使われております。  さて、実はAPEC加盟国というのは二十一か国なんですけれども、地図上で描いていきますと太平洋のど真ん中が抜けております。太平洋島嶼国、二十一か国地域があるんですが、その中でAPECに入っているのはパプアニューギニアだけなんです。そこで、この抜けているところを何とかしなければということで、太平洋島嶼国の人たちが集まって、昨年の四月にたたき台でありますけれども、太平洋島嶼国地域のIT政策戦略計画を発表いたしました。それがここに書いております中身です。内容的にはよく共通しておりますので、ここらは飛ばしていきたいと思います。  さて、沖縄サミット以降、ITに関してどのような国際協力策が提言されたか、この五つについて申し上げたいと思います。  私が所属しておりますPECCの日本委員会電気通信小委員会、ANIC構想ということで発表をいたしました。七月に沖縄IT憲章、そして協力包括策が出てきたんですけれども、なかなか動きが見えてこないということで、民間主導型ということが言われているんだからひとつ民間の手で作ろうじゃないかということで議論を始めました。  基本的な考え方として、対等のパートナーシップと共有するオーナーシップに基づいて、アジア太平洋地域のコミュニティーに必要な公共、公益サービスの提供あるいは持続的、自立的、協働可能なITプラットフォームを共同で構築してはどうか。そして、アジア型ビジネスモデルを創出してはどうだろうか。そして、沖縄の新たな重要性と躍進ということがここに入っております。これは後の討論のところで是非私の考えも申し上げたいと思います。そして、デジタルデバイドの解消ということであります。  ANICの必要性については、ここに、皆さんのお手元にあります。余りこれを詳しく説明する必要はもうないかと思います。後の討論のところでまた必要があれば返っていきたいと思います。  このANICの基本、これがANICの基本構造ですが、これはローアーティアというインフラのところ、これはだれが作ってもほぼ同じものになるであろうと思われるインターネットインフラ。その上に、それぞれが個性を生かしてお互いに競争しながら発展させていくべきアプリケーションの分野があると、こういうふうに一枚の絵を描きました。そして、それぞれについてどういうふうにしていくべきかということについて議論をいたしました。  その結果、我々が目指すこのインターネットの姿というのは、今のアメリカ集中型ではなくて、アメリカ、ヨーロッパ、そしてアジアが対等と平等の立場に立って二十一世紀のこのようなインターネットインフラを作るべきではないかというのが我々の提言の中身で、その真ん中に次の世代のIPv6を入れようと、こういうことであります。  具体化する場合にどういう具体化の方法があるかといえば、これは政府と、官民ですね。先ほど紹介しました、たくさんの二〇〇〇年に発表された政策提言文書のすべてが官民の新しいパートナーシップあるいは官民の新しい戦略的提携、こういった言葉を抽象的に提言しております。これについてはだれも反対する者はいない。皆賛成なんだけれども、どの報告書を見てもその具体的姿が見えてこない。それを何とか具体化しなければ駄目ではないかというのが私どもの考え方で、私どもとしてはこういう絵を描いて、まず政府と政府の間の緩やかな枠組み協定のようなものがあって、それに基づいて今度は民間同士が更に国際的に話し合うような、そしてそれぞれの国で政府と民間、官民のパートナーシップが結ばれて、戦略提携ができ上がって、更にそれが横の国際的に広がるような姿、これが新しい官民のパートナーシップあるいは官民の戦略的提携の姿ではないだろうかと思って提言をいたしました。  PECCの電気通信小委員会って何だということになりますので、PECCの生い立ちを紹介してあります。これはもう見ていただくだけでいいんではないかと。  JICAの研究会、これは皆さんのお手元にこういう冊子をお配りをいたしました。柱はそれぞれの分野別のことを書いているんですけれども、その前に全体像を明らかにしてから分野別にと、こういうことで整理するのがよかろうということで、この研究会、私も委員として参加をして、この報告書をまとめた一人であります。  具体例、これは医療分野と環境分野で書いておりますが、これは省略をいたします。  次いでIT推進有識者会議、これは必ずしも国際的なものだけを取り上げたんじゃなくて、国内も含めて全体的なものを取り上げて、その一部として国際的な活動の報告がここに書かれています。結構今までのものとダブっておりますから、これは省略いたします。  最後に、アジア・ブロードバンド計画、二十八日に政府が発表をいたしました。e―Japan二〇〇二重点計画の中で二〇〇二年度中にアジア・ブロードバンド計画を策定すると、こういうことがうたわれて、それがやっと具体化され、固まって発表をされたということであります。私がマレーシアのAPECの会議から帰ってきたら、総務省から決まりましたよという報告をいただきました。といいますのは、私、このアジア・ブロードバンド計画研究会の会津さんと一緒にメンバーでありまして、この中身を固めた一人であります。また後でこれは討論のところでむしろ具体的にお話しする方がいいかと思いますので、冒頭のところは避けたいと、こう思います。  終わりの方に参りますが、我が国のIT協力策への提言ということで、ODA改革は不可欠だ、在来型では対応できない、こういうことを私は思っておりまして、五点にわたって提言をいたしております。  ODA案件決定に時間が掛かり過ぎる、もっと早めるべきだ。在来型人材育成では対応できない。三番目は、ローン返済期間三十年というODAの枠組みはITの現実に合わない。それから、ODAは基本的にバイラテラルで行ってきたけれども、マルチの援助枠組みが必要だ。そして、受け身の要請主義だけでなく、積極的かつ戦略的援助案件の形成をやるべきだと。こういうふうに思っております。ここらは私の問題提起でありますので、後で是非議論を深めたいと思っていることであります。  二番目としては、一体、アジア・ブロードバンド計画決まったよ、だけれどもどういうふうにしていくのということについて、どのような枠組み、マルチの枠組みがあるか、日中韓か、日・ASEANか、それともASEANプラス3かと。ここらについて是非議論をしたい。しかし、このように書いてまいりますと、台湾という扱いが非常に政治的に微妙になってまいります。したがって、多角的な取組が必要ではないかと思われます。  それから、沖縄の国際情報通信ハブをどう実現するか。アジア・ブロードバンド計画を立てろといったe―Japan重点計画に沖縄の国際情報通信ハブ化ということが別の項目として入っております。これをどう組み合わせるのかということが非常に重要と。  さらには、新しい国際協力の理念をどう具体化するかということで、日・ASEAN賢人会議、この座長は小和田大使であります。皇太子妃のお父様の小和田大使が座長になって、対等のパートナーシップ、共有されたオーナーシップ、相互尊重と、こういうことをうたいましたけれども、これを具体的にどう実現していくのかということがあります。  これは、具体的な戦略的アプローチの重要性ということで、電子政府と、それから経済発展計画と国家IT戦略を結合するべきだという具体例として、タイの具体例を挙げております。これは後の討論のところでより詳しくお話をしたいと思います。  最後に、e―Japan戦略の基本理念ということで、これは二〇〇〇年の一月に決定されたものの中に、冒頭に非常にいい言葉が入っております。「既存の制度、慣行、権益にしばられず、早急に革命的かつ現実的な対応を行わなければならない。」というふうに書いているのが果たして実行されているんだろうか。私はまだまだ大いに問題ありと。改革の実行こそ最大の課題ということで私の冒頭の話は締めくくりたいと思います。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) 大変ありがとうございました。  次に、会津参考人から御意見をお述べいただきますが、映像の準備がありますので少しお待ちください。──会津参考人、お願いします。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) 会津でございます。  私は三つ所属しておりまして、一つは自分で会社といいますか、一応最近はNPOというのがはやっているんですが、これはノープロフィットカンパニーと呼んでおりまして、利益が全然上がらないのでノープロフィットでございますけれども、私だけでおりまして、後ろの秘書がおりますが、双方で、二人でSOHOをやっていますが、SOHOを双方ということでやっておりますが、これは五年前にマレーシアに参りまして会社を作りました。  マレーシアで非営利法人を外国人が作るということは、これは不可能だということもありまして、仕事をするのに、契約を取るためには形にならなきゃいけない、ビザも取らなきゃいけないということで、向こうですと二ドル払う、マレーシア二ドルですからざっと七十円払うと会社が作れるということで、手続その他でコンサルタント随分使ったんですけれども、それにしてもまず会社を作って、それがアジアネットワーク研究所で、二〇〇〇年に戻ってまいりまして三年いて、そこで日本の会社というふうにしております。  その下に国際大学GLOCOM、今日は舛添先生いらっしゃっていますけれども、舛添さんにもずっと特別研究をしていただいておりまして、そういう情報社会論の議論を、大学に附属している独立の研究所でございますが、ということでやっておりまして、最後にハイパーネットワーク社会研究所、佐賀先生の話にありましたが、大分に一村一品運動というのを現知事、もうじき替わられますけれども、平松さんが言い出したんですけれども、その大分に本部がある、今ですと総務省と経済産業省共管の、国共管の財団で、地域のコミュニティーのネットワーク作りの研究を十年間やってきておるハイパー研と、この三つに属しております。  今日は、東アジアに焦点を置いてお話ししますけれども、本題入ります前に、私のモットーは百聞は一見にしかずと。一つは、写真をお見せしますけれども、もちろん、ワン・ピクチャー・イズ・サウザンド・ワーズ・ワースということですけれども、それだけじゃなくて、見を経験の験に是非していただきたいということを申し上げていまして、つまりインターネットとかブロードバンドとか、遠くから議論しているだけでは、あるいは教科書を読んだり、私の話を幾ら聞いてもほとんど理解はできないと思いますが、実際におやりになればすぐに分かる。  大変僣越ですが、皆さんの中で御自分で電子メールをやっていらっしゃる方ってどのぐらいいらっしゃいますか、ちょっと手を挙げていただくと──おや、結構いらっしゃいますね。僕、三分の一ぐらいかなと思ったんですが。これが全員になるべきだとは申しません。それぞれのお考えがあるんで、秘書がやった方がいいとか、いろんなあれがあるんで。ただ、だんだんやらざるを得なくなる可能性はありまっせということは申し上げておきたいと思います。  その数字というか、根拠がこの表でございます。今、東アジアのブロードバンドの、これ人口普及率でございますので、韓国で言いますと、去年の十月に一千万人を突破して、政府が記念式典をやりました。役所が表彰されたんですけれども、二一・四%と。香港が意外と高くて一六・二、台湾、日本、シンガポールということで、日本が、これちょっと一年前の数字で、二〇〇二年、去年の二月、ちょうど一年前ですとまだ二・二%、それが七%まで急に増えたんですけれども、それでもまだ韓国との間は三倍強あると。これは普及率ですから、数でいいますと、韓国は日本の人口の三分の一ぐらいですから、日本の方が三倍多いということになるんですけれども、実はそんなに変わらなくなってきていますけれども、普及率では全然違うと。  このデータにはあれしていないんですけれども、お見せしていないんですけれども、韓国のインターネットそのものは九七年までは大したことなかった。日本より普及率低かったわけですね。経済危機が来てから急に増えていったということで、後でその話もちょっとしますけれども、じゃ、どうしてブロードバンド、韓国に限らず、東アジアが世界の中でもこんなに普及してきたのか。例えば、アメリカは四%、ヨーロッパは平均値でいうと二・三%しかないということで、これはOECDがおととしそういうレポートを出したので急に注目されたわけですけれども、少なくとも今までのどうも常識とは違うことが起きているらしいと。  全世界的に言いますと、スウェーデンとかフィンランドとかカナダというのは多少ヨーロッパの平均よりはるかに高くて一〇%前後あるんですけれども、それでも圧倒的に東アジアが強くなってきていると。どうしてなんだ。これは、去年の四月の東アジアの経済統合というシンポジウムでしゃべれと言われまして、僕は経済学者じゃないんで嫌だと言ったんですけれども、経済学者でアジアのITに特化して議論というか研究をがんがんしている人ってめったにいないですね、佐賀先生。ほとんどいないです。これ、ですから、中国、韓国、台湾、みんな呼んだ国際シンポジウムやったんですけれども、だれも議論できないということで、なぜだと。IT産業全体が例えばアジアの中で、先ほど佐賀先生のお話にもあったように、非常に大きなウエートを占めているにもかかわらず、それがどういう、なぜそういうふうになっているかとか、じゃ、どうすればいいかということについて研究している人はほとんどいないというのが実態でございます。それで、しようがなくて、私は別に学者でも何でもないんですけれども、引っ張り出されて、いろいろ議論をすることになっているんです。  それで、そういう、先ほどのデータなんかを示すと、韓国や台湾の学者たちも知らなかったから一緒に議論しようというようなことになって、でも、じゃ何でそんなにブロードバンドが伸びていったのかということはなかなか説明が難しいわけです。普通でいえば経済力、経済的に豊かであればそういうのもどんどん入る、インフラもあればパソコンも買えるしということで、と考えられるんですけれども、必ずしもどうもそうじゃない。  あるいは、じゃ国が積極的にe―Japanとかサイバー・コリア21とか、そういう政策を打ち出せば、皆さんが仕事をされて、お役所と一緒にそういう政策を作っていけば普及するのかと、どうもそうでもないらしいというふうに思います。むしろ、社会制度とか文化とかあるいは国民性、気質とか、そういったものの方が大きな影響があるんじゃないかというのが私の仮説でございます。  インターネットそのものでも今、東アジア、特に香港が一番高くなっていまして、これ携帯の普及率も大体似たようなものですけれども、日本は少なくとも去年の段階では四割ぐらいでありまして、数値でいうと東アジア諸国よりも少し落ちている、台湾と同じぐらいということでございます。世界でいうと、スウェーデンとか北欧系が一番普及率高いんですけれども、ほぼ数字変わらないところにもう来ているということが言えると思います。これ、GDPパーキャピタとか、後で見ますけれども、そういうのを見ると、非常に面白いことが出てきます。  ただし、アジア全体でも、このブルーにしてあります香港、台湾、韓国、シンガポール等は五割を超えていますけれども、日本がその次で、その次にマレーシアがちょっと特異現象で二四%の普及率で、ブルネイ一〇パー、タイ五パー、中国二パー、今、中国はちょっと数字が上がって四パーぐらいまで来ていますけれども、その先はデジタルデバイドで二%、一%、〇・何%ということで、アジアの中でも国別の普及率も非常に違う。もちろん、さっき佐賀さんが言われた、首都と、あるいは都市と農村、あるいは田舎との差というのも非常にあります。  ただ、インターネットの方は、相対的に見ますと、GDP、一人当たりのGDPとインターネットの普及率というのは大体並んできます。例外は日本です。日本だけは経済力に比べてインターネットの普及率は遅い、低い、これははっきりしております。もう一つ挙げるとブルネイですけれども。  韓国は逆に、ちょっと見にくいかもしれませんけれども、指数的に取りますと、一人頭のGDPよりもネットの普及率がはるかに高い。数字というのはマジックですから、これは韓国は非常によくやっているという言い方をすることもできれば、反対に、別にそんなにインターネットなんか使わなくたって日本はGDPは非常に高い数字を上げているじゃないかと。だから、余りコンピューターとネットワーク使わない方がGDP上がるということが日本を基準にすれば言えますし、韓国を基準にすれば逆のことが言えるということになるかと思います。  ただし、ブロードバンドで見たときに、まだ普及度が短い、歴史が浅いですから、必ずしもこういういろんな要因をきちっと固まった数字で説明するのは難しいんですけれども、それにしても、そんなに経済発展の度合いとブロードバンドの普及度との間の相関関係は余りないかなというふうに今のところ言えます。  例えば、アメリカがGDPは非常に高いんですけれども、それほどブロードバンド伸びていませんし、日本もシンガポールもそうであると。ところが、香港、台湾もそうですが、韓国は非常に伸びたと。ここに書いてございませんけれども、中国でいいますと、中国を一つの国として比べるの、少なくとも香港や台湾まで一緒にして比べるのはむしろアンフェアでありまして、上海、北京、それから杭州等の地域だけで見ますと、二%とか三%ぐらいのところに既にブロードバンドで数字が来始めています。  じゃ、経済的な要因から説明できないとしたら、じゃ何なのかということを少し韓国の事例で見てみたいと思うんですけれども、先ほど申し上げたように、去年の秋に一千万人を突破して一千百万、世帯普及率でいうと六割を超えているということでありまして、国民の六割以上がブロードバンドを日常的に使っている。なぜなんだと。  最初の引き金は、大体、いろんな説があるんですが、ゲームPC房と呼ぶんですけれども、町に失業者があふれ始めて、しようがなくて始めたゲームセンターに何となく学生とか子供たちが行き始めて、でも夕方からというか、午後か夕方から子供たち来るんですけれども、それだけじゃ飯が食えないというか、回転が悪いですから、昼間は、じゃ朝は主婦とか、それから夜、ビジネスマンも来るようになって、ゲーム好きであるということもあったんですけれども、別にゲームだけじゃなくて、ちょっと株を買うとかメールを出すとか、そういったたわいもないことも含めてみんなが使うようになった。今、大体二万から三万軒あると言われていまして、先ほど申し上げたように、人口が日本の三分の一ですから、日本にすると、六万軒というと、日本のコンビニが大体今、少し減ったのかな、六万あるかないかですね、五万幾つとかということで、少なくとも日本のコンビニぐらいには犬も歩けばゲームセンターというか、PC房にぶつかるというのが韓国の実情であります。最近、ちょっと落ちてきているんですけれども、これは家庭にどんどん入っちゃったんで、何も町になくてもいいんじゃないかということでこうなったんですけれども。  最初のころは、もうずらっとみんな並んで使っているんですが、高速のネットワークの言わば家庭に入る前は、ブロードバンドがまだ余りなかったころは、町に行くとすごく速いインターネットがんがん使えると。これは非常に気持ちいいということで、皆さんもそうだと思うんですけれども、速いパソコンを一遍使い始めますと、遅いパソコンというのはみんな使わなくなるんですね、どうしても。というようなことで、これも百聞は一見にしかずでそういうことが起きてきた。  ゲームもいろんなゲームがありまして、花札、マージャン、何でもござれでありまして、別に賞金が出たりしないんですけれども、一人一人、みんなニックネームとかそういうのを持っていて、何か名誉を競う。あいつが何かハイスコアを上げたとか。僕の友達で韓国で初めてインターネットのプロバイダーを始めた人間がいるんですけれども、去年会ったら、うちの母親が、もう七十近い母親がインターネットを始めたと。メールなんかやらないんだよねって、トランプばっかりやっているというんで、何か町のマージャン、雀荘に通うみたいな感じなんですけれども、主婦の暇つぶしも含めて。でも、必ずおしゃべり、チャットというのが一緒になっていまして、何となく世間話をしながらやるということで、中国でも町のゲームセンターへ行きましたけれども、やっぱり高速系と低速系と二つあって、高速系の方が料金高いんで、そっちは満員で、低速系はそうでもなくて、マージャンをやったりとかそういうことも起き始めています。  ゲームなんかでって皆さんばかにされるかもしれないけれども、これをばかにしたかしないかが韓国のある意味で分かれ目でありまして、韓国の文部省が最初のころに、青少年が町で夜も遅くまでゲームセンター、つるんでいるのはけしからぬから規制しようということを言ったんですけれども、情報通信部が、いや、そういう必要はない、彼らの中から新しいIT化が進んでコンピューターが少なくとも使えるようになるのはいいことじゃないかということを金大中含めて言ったわけでありまして、規制しなかった。そうしますと、こういうふうにどこでもネットワーク状態で国じゅうにあふれているわけですけれども、どんどん普及していった。  私の考えでは、少なくとも韓国の場合は、国の政策は原動力にはならなかった。今、情報通信部へ行きますと、省と書いてあります、部ですね、違います。我々は、サイバー・コリア21というのがあって、自分たちの政策の正しさが証明された、すごいだろうということを、多分皆さんが訪問されてもおっしゃると思います。私が九八年ごろに、ここ数年間で七、八回行っているんですけれども、会ったときの説明というのは、いや、どうしてこうなったかよく分からない、だれもそんなこと計画しなかった、偶然が起きたので説明はできないということで、今日持ってきませんでしたけれども、私がおととし書いた「アジアからのネット革命」という本に詳しく書きましたけれども、その原稿を韓国の人たちに見せたら、うん、大体そうかなという感じですけれども。  もちろん、通信への競争導入とかベンチャー育成とか、そういう政策もありましたけれども、例えば実態でいいますと、九四年からKII、コリア・インフォメーション・インフラストラクチャーということで、アメリカのゴアの向こうを張って、NIIの向こうを張って、情報インフラをどんどん作るんだということで、かなり国も優遇策を出して、投資をして国じゅうにファイバーとか引っ張り回したんですけれども、そこへやってきたのが経済危機で、想定していた需要が消えちゃったわけですね、言わば。設備は打ったけれども、お客さんはいない。そこへ競争を入れたものですから、何が起きるかと、価格破壊で、先ほどのPC房の専用線、インターネットの高速の線というのを非常に安く買ってくれという形で入っていって、家賃よりずっと通信回線の方が安いというようなことになりまして、そういう要素で、言わばある意味では政策的なエラーといいますか、あるいは危機が来たことがむしろプラスになったということで、一番大きいのは、経済危機による危機感、もう自分たちはやっていけなくなるんじゃないかということを、ずっと日本を追い越せ追い付けで来て、うまくいったと思っていたのが突然やっぱりそうじゃなかったということで、挫折したわけですね、あるいは自信を失った。  その中から立ち上がっていく中で、とにかく自分たちは何とかしてこの危機を乗り越えていかなければならない。たまたまPC房が当たったわけですけれども、そうすると、彼らは早いネットがいいなということで家にも欲しいと。たまたま韓国の人は、大体人口の四割以上が高島平みたいな団地に住んでいます。たまたまそこの電話設備は韓国電話会社のものではなくて、団地のディベロッパーか住民たちのものである。そうすると、ADSLという高速のインターネットの線を普通の電話線を使って引くんですけれども、そのときに韓国テレコムの、コリア・テレコムの許可が要らない。日本の場合には、総務省さんが大分いろいろやって、嫌がるNTTにちゃんと回線開放をしろ、相互接続をしろということを全部作って行政指導をやって、訴訟が起きて、やっとみんなが入れるようになっていったわけで、その先鞭を着けたのがヤフーBBですけれども、ヤフーも韓国の実例はよく知っています、孫さんも含めて。韓国は、コリア・テレコムは嫌だと言っていたんですけれども、自分のものじゃないものをつなぐなと言えないわけですから、いつの間にかどんどんハナロとかスルーネットという新しい会社につながれて、ある意味で仕方がなくてコリア・テレコムも始めて、最初のうちは全然やる気なかったんですけれども、やってみたら意外と、これは少なくとも負けるよりはいいということで、今は完全にコリア・テレコムがシェアを握っておりますけれども、そういうようなことが起きている。  ゲームのほかに、最近はちょっと有料化も始まっていますけれども、KBSとかSBSとか、全部の放送局の全部の番組がインターネットでただで見れたことがずっとありまして、それからポルノがかなりはやった。先ほど申し上げた株も、個人のオンライン取引が、インターネットが全体の取引の半分以上ということで、機関投資家よりも個人投資家の利用が非常に高いと。ただし、先ほど申し上げたように、その裏にはやはり、もう英語とインターネットが使えなければ食っていけないと親たちは思って、子供たちにどんどんやる。ですから、隣の家がインターネットを入れていれば、自分ちも入れる、ブロードバンド入ったらブロードバンドは入れる。宿題が出てきますから、片付けるためにはやっぱりネット使わなきゃならないというようなことはもう当然であります。英語もそうですね。最近の、ですから韓国の人は物すごく英語がうまくなっていますね。  それから、政治家もネットで評価が決まるということで、例の落選運動のときも、あれインターネット使って相当積極的に市民運動の人たちがこの政治家はけしからぬということを流していったわけで、止めようがなかった。今度の、御存じだと思いますけれども、盧武鉉の場合でも、最初は与党の中でもそれほどランク高くなかったのが、ネティズンたち、韓国ではネティズンというのはごく日常用語になっていますけれども、彼らの支持、二十代、三十代の若者たちが支持をして、勝手連というよりももう少しうまくオーガナイズをして、資金も集まりいつの間にかトップに躍り出て勝っちゃったわけですけれども。  逆に言いますと、六割の普及率があるということは、テレビの視聴率とは言いませんけれども、皆さんですと多分テレビに出て何を言うかということが一番ある意味では影響力、もちろん選挙区で、参議院の方はそうでもないのかな、よく分かりませんけれども、選挙区でのお話も大事だと思うんですけれども、お付き合いも大事だと思うんですけれども、テレビで少なくともマイナスされたら非常にまずいでしょうし、やっぱりいいこと言っていれば反応が高いと思うんですけれども、その有権者がテレビよりインターネット見ていたらどうしますかと。  ある意味では、韓国は議論型の掲示板とかそういうところは非常にはやっていまして、市民が自分でどんどん議論をするという。これはまだ初めて民主選挙を行ってから十年しかたっていない国ですから、その前は牢屋にぶち込まれるか殺されるかという時代、少なくとも好きなことが言えなかったわけですから、ちょうどパソコン通信からインターネットが登場してきたときに、韓国の場合には、それが言論の自由あるいは政治活動の自由と言わば結び付いた。そういう意味では、必ずしも韓国の例が世界じゅうに適用されるかとか、あるいは日本にそのまま来るかというのは分かりませんけれども、しかしみんなが使うようになってメディアとしての影響力を持っているとすれば無視をできないということで、閣僚候補千人ぐらいもインターネットで盧武鉉さんは募集したと言っていますし、またそういう姿勢を示すことが非常に重要であると。  もう一つ、最後に、パリパリという、韓国語で、僕もよく知らないんですけれども、急げ急げとか早く早くという意味で、彼らは何でもすごく忙しいというか急ぐということで、食堂でも料理出てくるのを待てないとかというんでブロードバンドもどんどん入れちゃったという、そういう話もあるかもしれません。  対比的に言いますと、そうやって韓国でできていることがどうして日本じゃできないんだろうか。いろんな理由があると思うんですけれども、少なくとも、先ほど佐賀先生も最後に言われましたけれども、韓国の場合には基本的には社会改革というのを進める、そこに電子政府とかインターネットの利用というのも組み合わせるということで、前ソウル市長がソウルの市政改革をするときに電子政府というのを入れて民願システムというのを導入していますけれども、住民が例えば建築許可を取るとかいろんなことをするときに、申請がもちろんインターネットでできるだけじゃなくて、他人がどこまで申請しているかというのをチェックすることができるとか、あるいは自分の申請が今、委員会のどこまで行ったかということのチェックができるということで、返事が四十八時間以内にしなければいけないとか、そういうことで市政改革団の団長の人が電子政府の、ソウル市の電子政府の担当者をしております。その積極的に進めた人が総理大臣に今度なったというような状況の違いがあると思います。  皆さんの中で随分いらっしゃっている方多いと思うんですけれども、私は是非行って、百聞は一見にしかずで見て経験されることを韓国との関係ではお願いしたいと思いますし、それが日本、韓国だけじゃなくて、今ですと香港とか上海とか台湾にも非常に大きな韓国効果とでも言えるようなことを言えるのかなと。去年も香港、上海へ行きましたけれども、すごく人気があるんですね、韓国のテレビとか音楽とかドラマ。政府が結構補助金を、実は韓国政府のコンテンツ戦略があるという説もありますけれども、それだけでは説明できない。この間、リバイバルやっていた「おしん」みたいな人気ドラマが随分出てきているわけで、共感を呼んでいるわけですね。  それが、よく見ればゲームとかアニメとかDVDとかカラオケとかプリクラとか、そういうものは日本とか韓国とか台湾とか香港ですごくはやっている共通のものがあるような気がしまして、恐らくこういった文化性というかあるいはビジネスというのは、必ずしもハリウッドにこだわらずに、日中韓あるいは東南アジアも含めて生まれてくるんじゃないか。ですから、それは必ずしも政策というよりもマーケットあるいは市民たちの声に動きが同調してくるんじゃないかというような気がしていまして、それが今後の東アジアの大きな流れになるかもしれない。  これに比べますと、私も行っていたマレーシアとかシンガポールというのは若干、熱心にはやっているんですけれども、今壁にぶつかっているかなという感じがありまして、特にマレーシアはマルチメディア・スーパーコリドールということで、特区というのを呼び掛けて、マハティールさんが九六年に言い出して、ところが九七年の経済危機でかなり激しくストップせざるを得なくなって、私の記憶では、たしか沖縄のこのころ特区構想というので、マレーシアの通信特区みたいのを沖縄でも展開できないかなという議論をされて、前の知事さんがいらしたりしたのを覚えていますけれども、そういう大胆なビジョンを先に打ち出そうとした。ただし、製造業は強いんですけれども、ITは必ずしもまだ十分マレーシアは自分のものにはできていない。それから、電話会社が非常に問題が多いというようなことで幾つか問題点もあるんですけれども、少なくとも国力に比べれば頑張っているということで、原野の一角を切り開いて、この場合には首相府を先頭にして役所が全部今移動し始めていて、大学を作りということで、人材をつくり、日本からも若干の協力はしていますけれども、そういうプロジェクトが動いている。  これといつも競争しているのがシンガポールなんですけれども、ブロードバンドを実は世界初めて本格的に入れたのはシンガポール、九五年から六年に掛けてやったんですけれども、少し早過ぎたことと、それからインターネットの本質というのを十分よく分かっていなかったということで、従来型のメディアに近い形で仕掛けたものですから、必ずしも需要が付いてこなかったということで、シンガポールでは政府の批判をすると罰金とかいうことで、なかなかシンガポールの人は本音で言ってくれないんですけれども、かなり問題は多かったと思います。  そういう英語のペーパーを書いてシンガポールの人にも送ったんですけれども、この前、そしたら役所の人が、おまえのペーパーすっごい評判悪いんだよね、というか、おまえ評判悪いんだよね、来てくれと言われまして、特区だけは是非話を聞きたいということで、来いということを言われておりますけれども、やっぱりうまくいった例だけで見ていちゃいけないわけであります。  それから、最後に二点ありまして、是非議論も御一緒にしたいと思うんですけれども、一つは、佐賀先生も言われたデジタルデバイド。本当に、それじゃ、貧しい国が世界じゅうにあって、世界の七人に一人が飢えているというときに、沖縄サミットでぶち上げたのは、一つは、このままいくと更に格差が拡大してしまう、IT革命でニューエコノミー、インフレなき成長で、アメリカを先頭にして、富める国は富めるようになる、じゃ、そのデジタルデバイドの反対はどうなるんだ、それでいいのかということがあります。  もう一つは、上手にITを応用すれば貧しい国でも、韓国も、ある意味ではその経済水準に比べればIT化が進んで、その結果、今IT産業、サムソンを先頭にして非常に調子がいいわけですけれども、そういったことを途上国でも何とかできないだろうか。ある意味では、少なくとも設備投資ベースでいうと、半導体の工場を造ったり、車の工場を造ったり、化学プラントを造るよりは、パソコンとインターネットを引く方がはるかに安く、はるかに大勢の人に直接手に触れる手段を提供することができる。  ただし、それでもって、これはよくJICAとかJBICさんなんかとの議論にもなる、あるいは外務省さんとの議論にもなるんですけれども、じゃ本当に水や健康もままならないようなところにパソコンなんて、そんなのぜいたくじゃないかとかいうことをよく言われるんです。我々も、必ずしもストレートにインターネットを普及させればみんながすぐ貧しさを脱却できるとは、少なくとも短期間では言えない。  しかし、日本でも、人材あるいは教育が充実していたからここまで成長してきたということが言えるとするならば、あるいは国づくりを進めようとしたときに必ず必要になるのは、いわゆる専門職、例えば学校の先生であったり、医者であったり、看護婦であったり、様々なエンジニアであったりというような人たちが、今一番安く先端の技術を身に付けたり、あるいは現場で使えるようにするためには、ネットワークにつながっているということは非常に重要かなと。  アジアの各地に参りますと、電話回線が必ずしも十分になくても、パソコンがなくても、これはネパールのポカラなんですけれども、インターネットのお店が一杯ありまして、電話一本で、パソコン一台で、みんなで順番に使っている。考えてみれば、自宅のリビングルームに電話とパソコンを置いておいたって、みんな外に働きに行くわけですから、使える時間なんて限られているわけですけれども、それに比べれば、町じゅうの人たちが共有することによって、テレセンターとかコミュニティーアクセスというふうによく言われていますけれども、みんなでこれを使い回す。  最初、これは観光客向けにやっていたんですけれども、ホテルが外国人観光客を、一日二十ドルで売るときに、代理店に、少なくとも日本やヨーロッパの代理店にそんな手数料二十ドルの中から渡したら残らなくなっちゃうわけですから、インターネットでウエブを作れば、ほとんどお金掛からなくてお客さんを集めたりする、予約を取ったりすることができると。  その後、チモールに、東チモールに参りまして、これ、国連で担当している人間がどうしても来いというんで、ちょうどあの百五十億ドルをぶち上げたころだったんですけれども、その直後に行ってきました。  ところが、なかなかこれは難しい問題があって、もう電話回線も完全に破壊されて、ひどい状況だったんですけれども、その中でも、飛び地がありまして、西の方、ヘリコプターに乗せられて、誓約書を書かされて、飛び地の先まで行ったんですけれども。そうすると、現地の人がインターネットを使っている、これは公共交通機関も何にもないところですけれども。ということで、外務省の方は、いや、会津さん、まだインターネットとかパソコンはチモールではぜいたくである、早過ぎると言って、必要ないと。そういうプロジェクトやる必要はないということだったし、国連でもなかなかうまく通らなかったんです。行ってみると、みんな使っているわけであります。  これをどう考えるのかということで、そういったことを含めて包括的に、沖縄サミットの後にG8ドット・フォースというのができて、我々も、その中でGLOCOMとして、非営利法人、NPOの代表で付き合えということで、随分議論をしました。  それから、カンボジアにも行って、左は大使館で、大使とお会いしたんですけれども、経済的なこと以前に、カンボジアの文字であるクメール文字というのがカンボジア人が全然いないうちにいわゆる技術標準を決めちゃったもので、非常に使いにくいものができて、一遍作ったらもう変えられないということで、これもさんざんもめたんですけれども。  こういうときに、やっぱり経済的な問題だけじゃなくて、いわゆる知的分野といいますか、技術分野とかそういうところでの途上国の意見とか声というのが入らないと、先にゲームのルールを決められちゃ、例えば電子商取引とかもそうですしポルノの規制とかもそうなんですけれども、先進国側のルールだけでいろんな枠組みを作っておいて後からおいでとやると、間に合わなくなってしまう、あるいはうまく合わないので、そういったところにも注目すべきじゃないかということを我々はドット・フォースの中で随分訴えてまいりました。  ただし、もう時間がないのであと議論にしようと思いますが、あの百五十億ドルは何だったのかということをどこへ行っても聞かれます。当時から聞かれたんです、どうやってもらえるかというのから始まって。これに対して、少なくとも皆さんを満足させるようなお答えが出ているとは思えませんし、大変申し訳ないんですが、我が国の体制は無責任であるというふうに私も思っていますが、そう思っている声は強いです、なかなか言わない人は多いですけれども。  それで、産業界も今の景気ですからほとんど、お金が入ってくる方はいいかもしれませんが、お金にならない。それから、IT分野での日本の競争力というのは大変低いですから、そういう意味では、こういったことにコミットしようとしないということで、花火は打ち上がったんですけれども、今、じゃ何が本当に行われているのかということで見ますと非常に問題は大きいというふうに思います。  欧米政府その他からも、ああいう数字だけ出されちゃって自分たちが十億ドル出すと言っても全然相手にされないと。だけれども、実際には、今になって、じゃ日本政府は何をしてくれているのというときには、もちろん外務省から御説明あると思うんですけれども、少なくとも現場の実感としては非常に数字は目に見えないというふうに言われております。  唯一の成果と言われているのがマルチステークホルダー。NPOも一緒に入って、国や政府と、あるいは民間と一緒にいろんな議論をしたということは我々もそれを実感として感じましたし、そういう機会を与えてくれたことには感謝しているんですけれども、実際の実行ベースではその資金的なコミット、根拠がほとんどないままに進められているものですから、それに対する不満、批判はかなりございます。  そういったことを含めて、最後に、グローバルガバナンスということで、添付資料の方に随分書いたものをお渡ししていますので詳しい御説明は省略しますけれども、今までですと、ITUとか、いわゆる国際組織が、国連の条約機関、WTOとかそういうところを含めて決められている議論が多かったんですけれども、最近はもうインターネットの世界でいいますと、そういう国対国で約束を作って基準を決めていくということが非常にしにくくなっている。  電子メールは国境をどんどん越えちゃいますし、技術者もそういうことこだわらないということで、ICANNとかIETFとかW3Cとか、ちょっと舌をかみそうな名前の組織が幾つもできていまして、こういうところが、皆さんが使っている電子メールの何とか何とかアットドットjpとかドットコムとかというのはどうやってルールを決めるかとか、そういうことのルール作りをやっている、あるいは実際の管理をしているということでありまして、日本からの参加もないわけじゃないんですけれども足りないですし、途上国からの参加は非常に少ない。どうやってこういうところで決めるのか。一国一票では必ずしもうまくいきませんし、そうかといって、お金を出しているところが、マイクロソフトがすべてを牛耳れるのかというとそうもいかない。  ということで、最後に、世界情報社会サミットというのが今年の十二月にジュネーブで開かれると。これは、政府は一生懸命かなりまあまあやっているんですけれども、議員さんが非常に少なくて、最近になってパーラメンタリアンということで、市民社会の一つのセクターに、二十一あるうちの一つにパーラメンタリアンというのを入れようということが決まったんですけれども、それでいいのかなというふうに思います。これは国連がやるサミットで、是非皆さんの中からももっと御関心を持っていただきたいと思うんですけれども。  やっぱりデジタルデバイドをどうするかということが一つの動機になっていまして、情報社会が登場するときのあらゆる問題を議論しようということであります。ただし、先ほど佐賀先生もちょっと言われたように、今年の一月に、この間、東京でアジア太平洋の地域会合、総務省さん、外務省さんがホストとしてやったんですけれども、台湾のNGOを認めるかどうかで大もめにもめました、私も直接そこ巻き込まれましたが。そうはいいながら、実質的にはNGOが非常に前向きに参加をできた、日本政府もそれを許したということで、海外からは非常に高い評価を受けております。  そういったことを含めて、本当にやはりリーダーシップを取ってほしいというのは、アジアの各国から特にITの分野でもあるんですけれども、それだけの体制ができているんだろうか。やっぱりそれだけの人材が日本の側にいるのかというようなことでいいますと、私は非常に悲観的に考えております。  東チモール、それからカンボジアへも行きましたけれども、悪く言いますと、アメリカが爆弾を落とすと後からインターネット引きに行かなきゃいけないんですね。コソボでもそうでした。そのときに、国連の枠組みでも、国連の自分たちのインターネットは引くんですけれども、先ほど申し上げました復興支援とか国づくりということになるとそういう枠組みがなかなかなくて、外務省さんもやっと最近アフガニスタン、地雷撤去とそれから非武装化というプロジェクトの中に何とかインターネットも入れられないかということをやっています。  アフガニスタンの通信大臣も一月に来られて、僕もいろいろ議論しましたけれども、国際社会でもやっぱりそこまでなかなか手が回らない。次これ、イラク終わればイラクでもインターネットを作り直さなきゃならないし、北朝鮮だってどうするかという問題があるので、こういったことを、後から悲劇を繰り返させるんじゃなくて、もっと率先して、先取りした形でのプロジェクトをやるということが必要かなというふうに思います。そういうことをきちっとやることが我が日本の国益を実現することにもつながるんじゃないかと思います。  ちょっと時間は過ぎたようでございますので、舌足らずですが、私のお話はこのぐらいにしたいと思います。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。  これより質疑を行います。  本日も、あらかじめ質疑者を定めず、質疑応答を行います。  質疑を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。  できるだけ多くの委員の方々が質疑を行うことができますよう、委員の一回の発言時間は五分程度でお願いをいたします。  また、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。  なお、理事会協議の結果ではございますが、まず大会派順に各会派一人一巡するよう指名いたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、まず最初に世耕弘成君。

世耕弘成自由民主党・保守新党

○世耕弘成君 非常に興味深い御説明、ありがとうございました。  今、会津参考人の方から、使ってみて、行ってみてから議論すべきだというお話がありました。私は、議員の中でも、自分で東京の事務所と地元の事務所の間にネットワークを張ったり、あるいはいろいろ新しい機器が出てくれば必ず使っておりまして、今も最新型のFOMAはもちろんちゃんと買っておりますし、隣の山本一太議員からはサイバーパーラメンタリアンと呼ばれておるわけでございます。シンガポールもマレーシアも現地へ行って見たこともあります。あるいはインドの状況ですとか、あるいはスリランカの状況も視察してきたことがあります。  その中でちょっといろいろお伺いをしたいんですけれども、まず、私自身本当にその答えが見付からなくて困っているんですが、ITでのアジア地域の連携というのは一体何を目指すんだろうかというのが全く姿が分からない。この間、二十八日に発表になったアジア・ブロードバンド計画なんかも、私、何回もひっくり返して読みましたけれども、非常に総花的にそれなりに美しいことは書いてあるんですけれども、一体それでアジアとして何を目指すのか。例えば何か大きな基幹のネットワークを引いて、それで各国を太くつないでいって何かをやろうとしているのかとか、どうしても、安全保障とか貿易という観点でいけば地域の中での諸国の連携というのは分かりやすいんですけれども、ITでアジアが連携をして何を目指すのかというのがいま一つ私自身分からないという点をまず一つお伺いをしたい。これは御両人にお伺いをしたいと思います。  そして、もう一つ、これは私自身、海外を、二番目の質問ですが、海外を見てきて、いろいろアジアではいろんなプロジェクトが走っています。ただ、やっぱり韓国を除くとどうしてもハード型のプロジェクトが先行しがちで、例えばインドのバンガロールですとか、あるいはマレーシアのサイバージャヤですとか、ああいうところはそれなりにお金も入って形も見えて、ああ何となくまあ進んでいるのかなという感じがするんですが、一方でネット型というかソフト型のプロジェクトですね、この会津先生の資料にも入っていましたが、シンガポール・ワンなんかは全然うまくいっていない。あるいはマレーシアでも、フラッグシップアプリケーション、これは非常に私すばらしい実験だなと思っていて、とてもこれ日本だと多分野党の皆さんが個人情報で反対してできないようなすばらしいプロジェクトが一杯入っていて、どうなるのかなというのを注目していたんですけれども、なかなかうまくいっていない。  この集積型の、いわゆる開発型のやっぱりプロジェクトがどうしても先行して、いわゆるソフト型のプロジェクトがなかなかうまくいかないという理由を、これは会津参考人にお伺いしたいと思いますが、どういうふうにお考えになるかということ。  そして三点目は、日本の求めるものと相手国の求めるものにやっぱりギャップがあると思っています。やっぱり日本はアジアと連携をして、ODAを使ったりしていく中で、当然、IPv6だとかトロンOSだとか携帯電話の3Gですとかiモードですとか光のインターネットの技術だとか、いろいろ売っていきたいものがあるわけですけれども、まずそれを具体的に日本の思いを実現するためにどうしていけばいいんだろうかということ、これは佐賀参考人にお伺いをしたいと思います。  三番目に関連して、最後の質問になりますけれども、森首相がAPECにたしか行ったときだと思うんですけれども、現地で各国の代表と話をしたときに、非常にITはすばらしいから使ってほしいという話をしたら、特に途上国の方からまずその前に水と電気が欲しいと言われて、全く話がかみ合わなかったというようなこともあったわけですけれども、その辺についてどうお考えか、これは両方からお伺いしたいと思います。  以上でございます。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) 今、非常に突っ込んだ質問が出ました。この討論、非常に楽しくなってきそうだなと思っております。  まず、ITでアジアでの連携、何があるのかと。これはハードの分とソフトの分と両方であると思います。先ほど私が絵を描いて、今アメリカ、ヨーロッパ、アジアと、こういうふうに見た場合に非常にインターネットのトラフィックの流れが不均衡であると申し上げました。現実に例えばインドネシアのジャカルタから電子メールで隣の国のマニラの友達に電子メールを送ったらアメリカ経由になるんですね。つまり、インドネシアとじゃマニラ、フィリピンの間にどのぐらいの直通の太さの回線がインターネットで使われているかというと誠にお寒い状況、一メガ以下だと、こういう状況ですね。  したがって、抽象的、一般的に二十一世紀の情報インフラは北米、ヨーロッパ、アジアと、対等、平等でと、こういうことは言いやすいですけれども、これを具体化するためには、やはりアジアの国の中でお互いにトラフィックを交換し合うようなそういうネットワーク、基幹的なネットワークの構築がこれは欠かすことができないと。  APECの場では実はもうここ五年近く、九六年だったと思いますが、シンガポールで開かれたAPECの電気通信情報産業大臣会合でこの問題が取り上げられて、しかも途上国から、お金のない途上国からアメリカへインターネットでアクセスするときに、どうして途上国側だけがアメリカとつなぐ専用線の料金の両端分を全額負担しなきゃならないんだと。アメリカのユーザーがインドネシアの立場に立てば、アメリカのインターネットユーザーが我が方のホームページから情報を取りに来るときにはただ乗りしているんじゃないかと、こういうことで、ICAISと言いまして、インターナショナル・チャージング・アレンジメント・フォー・インターネット・サービスということで、国際的なインターネットの料金負担を公平にしようではないかと、アメリカ以外の国がアメリカへアクセスするときに専用線の両端分を全部負担してアクセスするのはけしからぬと、こういう議論が起こって、これ、今なお未解決のままですけれども。  逆に言えば、なぜ、アジア同士でトラフィックを交換すればいいのに何でアメリカ経由になっているんだと、まずここらを自分たちの手で改革する必要があるではないかということ、そういう反省がアジアの中でも出てまいりまして、二〇〇〇年の十一月に調印しましたe―ASEANフレームワークアグリーメント、それからASEAN十か国共通のIT戦略文書の中では、ASEANの中のトラフィックはASEANでということで、ASEAN・IX、ASEAN・リージョナル・IXの計画が打ち出されています。まだ具体化しておりません、お金がないということで。ただ、政策としては合意されています。こういうことが一つの重要なきっかけになるのではないか。  したがって、日本の資金援助があれば相当なことができることは間違いないと。しかし、それはまだ具体化していないと。その原因はどこにあるのかといえば、バイラテラル、受け身、要請主義とかいろんなことがあるかも分かりませんけれども、そういういろんな問題の中で政策としては改革の方向で合意されたものもあるにもかかわらず、まだ事実にはなっていないという問題があります。  それから、ソフトの面で、ハードばかりだと、こう言われました。まだインフラがない、あるいは十分整っていないアジアの場合には、インフラとそれから利用するアプリケーションとコンテンツと全部が一緒にならなければならないと、こういうことであります。  コンテンツあるいはソフトという面で申し上げますと、それぞれの国の国家IT戦略立案の中でやはり問題がございます。私のこの資料の中で、インドネシアの国家IT戦略、先ほどは一枚の絵しか見せておりませんが、どんな質疑応答があったかということを紹介しておりますから見ていただきたいと思いますけれども、インドネシアの人たちはコンテンツということになる、あるいはソフトということになると、まずインドが成功したと。インドネシアにとってはインド洋を挟んで隣の国なんですね。インドのソフトでの成功を追い掛けようじゃないかといってわっとそちらの方へ彼らは走っていました。  私は、ちょっと待ちなさいと。私の立場からいうと、まだ語学的にも英語がそれほど使われていないインドネシアでインドをソフトで追い付くというのは無理じゃありませんかと、皆さんもう少し戦略的なアプローチをすべきだということで、まずインドネシア語のコンテンツをきちんと整備すべきではありませんかということを、問題を提起をいたしました。  やり取りの中で、結局彼らが、うん、分かったと言ったのは、かなり厳しいコメントを私が出したときです。それは何かと。もし皆さんがインドネシア語のコンテンツの充実に手を抜いたらどこかがやりますよ、どこがやると思いますかと、こう言ったら、皆ぎょっとした顔しましたね。皆さんの言葉とマレーシアで話されているマレー語がよく似ていますねと、マレーシアはその気になったら皆さんより早くインドネシア語のコンテンツ作れるんじゃありませんか、皆さん、もっと足下をしっかり見詰めて自分たちの国のIT戦略を立てた方がいいと思いますよという、かなりやり取りも経験しました。  そのように、やはり彼らが自分たちの足下を見ながら自分たちに必要なコンテンツをどのようにして作るか。そのためにはインドネシア語のソフトが要るんですね。  もし今日本で、ワードだとか電子メールのあれでもし日本で英語しかインターネットで使えないという状況に置かれたら、これほど日本でインターネット普及したでしょうか。我々は、自由に日本語でインターネットでメッセージを交換しているからこれほど普及しているんだと、そういうふうに考えたときに、先ほど会津さんが言われたカンボジアのフォントの問題なんか物すごく重要ですね。ローカルコンテンツをいかに充実するか、これは非常に重要な課題だということを強調しておきたいと思います。  そういう意味で、日本としてお手伝いするようなことはできないだろうかと。私はあると思います。まだフォントのない国のフォント作りに私はODAの無償資金協力を使っていいと思います。そんな感じでおります。  ITの前に水と電気と、これも事実ですけれども、しかし、電力もないところで自家発電装置を付けてITを学校教育に導入しようとしている太平洋の島嶼国があります。  私は、三週間前、ヤップとパラオに行ってきました。驚きました。彼らがいかに熱心にIT教育をやろうとしているか。小学生、エレメンタリースクール、小学生の子供たちにもコンピューター教室作って教えようとしているんですね。このITの分野はリープフロッグができる。つまり、中飛びで到達することができるということがよく言われますが、可能だと思います。彼らの、コンピューターラボを見、上半身裸の子供たちが一生懸命コンピューターをいらっている姿を見て、実感としてそう思いました。  以上、これで。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) まず最初の御質問ですけれども、初めに、ITでアジアの連携をしなきゃいけないというのが先にあるのは変かなと。アジアの連携協力をしなきゃいけない、ITであろうがなかろうがというのがあって、その中でITというのも使えるかということを考えた方がいいのかなと思います。ある意味では、ちょっと私が言うのも釈迦に説法だと思うんですけれども、むしろ政治的な問題の方が大きいんではないかと。  ですから、本当にアジアが一体となって協力していかないといけない切実な必要なり、例えばヨーロッパで戦争でみんなが殺し合って、EUのときに、ドイツとフランス、あれだけ殺し合ったからやっぱりEU作らなきゃ駄目だということで非常に切実な課題になったんだと。アジアで殺し合いはもう結構でございますけれども。何らかの、もちろん、それと経済的にも日本、アメリカに対抗するためにという大きな動機があったと思うんですけれども、やっぱりそういうような政治的なリーダーシップとかいうのがないと。  少なくとも、私はマレーシアに行くときによく言われた、アジアは一つ一つだよという。それぞれがそれぞれで、しかも隣り合っているところは殺し合ったりいがみ合ったりということをどこでもやってきているわけですから、やっぱりそれを片付けないとなかなか。タイとカンボジアで一生懸命、もっとさっきのフォントの問題で協力したらと両方へ行ってお願いしたんだけれども、ううん、分かっているんだけれどもねと言って動かないわけですね。マレーシアとシンガポールの間のインターネットの回線もなかなかつながらないわけで、ほかの国を経由したりということはそれぞれの事情があると思うんで、やっぱりそういうものを乗り越えるためには、ちょっとITの次元とは違う次元のことを考えないとうまくいかないのかなと。  ただし、実績としては、先ほどちょっと申し上げた、ガバナンスと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、インターネットの標準化の分野等々では、あるいはインターネットの普及支援ということで、日本のごく一部少数の人たちが、例えば村井純とか高橋徹とか、我々もかみましたけれども、九三年ぐらいからアジアにもっとインターネット広げようよということで、韓国と協力したり、あるいは香港で会議を開いて、当時の、中国メーンランドからみんな人を呼んでセミナーをやるとか、そこにモンゴルの人来てもらって一緒にやるとかということは草の根細々とはやっておりまして。  そのころ、ODAの人たちは、インターネットなんてそんなもの役に立つのということで、JICAの方に言われましたね、自分たちが勉強して、分かるようになってから考えますと。そのころ、同じ事務所にいたシンガポールの、カナダの政府援助機関のシンガポール人がカナダを説得して、嫌がるカナダを説得してプロジェクトを立ち上げて、モンゴルとベトナムとカンボジアのプロバイダーを作っていったと。そういうような歴史があるわけであります。  最近でいいますと、国際iDNS、インターナショナライズドドメインネームと言うんですけれども、皆さんの、あるいは我々使っているインターネットの、今はアドレス全部英語で入れないと、例えばwwwカンテイドット何とかとやっていると思うんですけれども、それを日本語でもタイ語でも中国語でも何でもできるようにしようということで、ようやくこのほどまとまって、もうじきそのサービスが始まりますけれども、これなんかは日中韓、シンガポール等々の関係者は非常に協力して、政府も少しはお手伝いしてくれましたけれども。  ということで、幾つか芽はあります。ただ、それが大きなものになるかどうかというのは、従来はやっぱり、どちらかというと電話通信まではITの日本の国際協力の枠組みの中にあったので比較的分かりやすかったんですが、インターネットとかICTということになると、やっぱりその分野が十分に枠組みができていないということでまだ難しいのかなと。ただし、多分これからすごく必要に、もう切実な必要が出てこざるを得ないというふうに思います。  というのは、ネットワーク化されていない経済というのは全然成り立たないわけで、日中間でもそうだと思うんですけれども、日本の会社が中国に工場造ってインターネット使えなかったら全然ビジネスにならないということはもう明らかですし、そのときに、税関のシステムが何か紙を一生懸命やっていないといけないというのでは、それは中国側の競争力も落ちますし。  ということで、そういったことでいうともう必要性。あるいは、教育でもそうだと思うんですけれども、日本の中で日本の教育しか受けていない人たちでは、これから先、絶対活躍できないと思うんですね。じゃ、それ、どういう枠組み作るかということを一つ一つやっていくと、韓国がもう既に小学校一年から英語、義務教育に十年準備してやったと思うんです。日本は多分間に合わないと思いますけれども、そういったことを間に合うように直していくためにはITを使うということは必然になると思います。  一つ御紹介しておきたいのは、BHNテレコム支援協議会というNGOがあるのを御存じでしょうか。──世耕さん、御存じですよね。NTTさんやKDDさんのOBが一生懸命やって、日本で唯一国際的にITで人道支援をしているNGOであります。  彼らは、ラオスのそれこそ水も電気もないところ、すべての県の病院に無線通信機を持っていって、薬を送ったり患者を救ったりするための設備というのを本当にボランティアでやっています。アフガニスタンにも行ってインターネットを引きたいとか、地震が起きたトルコとか、インドとか、数人でやっている、手作りでやっているところがあるんですけれども、やっと外務省の草の根資金が若干出ていますけれども、そういった事例はあるので、そういったものをもっと理解して支援していくこと、NGO同士の連携を作ろうということを僕らも議論していますけれども、そういったことが重要かなと。ですから、お役所だけで考えるとなかなかうまくいかないと思うんですけれども、そういうふうにやる。  それは二番目の点とも絡んでいると思うんですけれども、つまり、開発型のハード、国のプロジェクトで百五十億ドル使おうとすると、そんなちまちましたことやったって間に合わないですから、たくさんお金が動くダムや学校、学校じゃ足りないかな、匹敵するような、やっぱりどうしても土建型のプロジェクトになりかねないんですけれども、従来海外援助をやってきている機関というのはどうしてもそういう形になっているので、昨日もJBICでそういう議論をしたんです。やっぱり、プロジェクトの枠組みそのものが工業社会を作る枠組みなんですね。情報社会を作るための枠組みに全くなっていないんで、やっぱりそのギャップ。  日本は工業社会、産業社会を作るノウハウは一杯持っていまして、ゼネコンさんにもあっちこっちにあると思うんですけれども、情報社会作り、ソフトの、我々自身がそういう社会をどうやって作ったらいいかということを分かっていないのに、どうやってほかの国に行って支援できるんだということ。むしろ、今だったら韓国の方が早いかもしれない。ですから、去年から韓国政府は国際連携ということで東南アジアにミッションを出したりして、若者二百五十人をボランティアで呼び集めて送り込んでいます。その後ろからサムソンとか、そういうところが多分行くんだと思うんですけれども。  ノウハウでいうと、だから日本側からのノウハウは余り期待されていないんですね、残念ながら。電子政府を作ろうと、例えばそういうときに、上海市だけで多分四百億円掛けて電子政府作ると言っていますけれども、そういった動きをやっぱり見直さなければいけないのかなというふうに思います。  それから、最後の、森総理が行ったときの話ですけれども、一つはやっぱり時期的にちょっと早過ぎたんじゃないのという感じがあって、今の途上国のリーダーたちというのはもう少しちゃんとした認識を持っているんじゃないかというふうに思いますけれども。  水や電気があったら、じゃ本当にそれでいいんですかと。そのときに、その次の社会を自分たちで築くためにはやっぱり人材が育っていかなければいけない。その人材というのは、いろんな意味での専門知識を駆使できる人たち。今、専門知識を一番安く効率的に手に入れるためにはインターネットです。これしかないと思うんですね。ですから、それはもうどうしても必要なんだということを、範を垂れる形で、日本でもこうなんだとか、あるいはちょうど国際協力銀行が中国の国家経済情報システムというのを日本の二百四十億円のローンと中国が百数十億掛けて作って、中国の経済情報というのは全部今言わば日本のODAでできているんですけれども、そういった事例をほかの国に示してあげるとかいうことを一つ一つ説いていくしかないんじゃないかと思います。

世耕弘成自由民主党・保守新党

○世耕弘成君 ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) 次に、大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。  大変両参考人には、面白い話を聞かせていただいてありがとうございました。何の委員会だったかなと思って途中から分からなくなってきましたけれども。  私も自分のホームページはカナダのサーバーに置かせていただいていて、インターネットの恩恵をフルに享受して安上がりに事務所運営させていただいていますけれども。いや、お伺いした話はもうごもっともな話ばかりなので、お二人への御質問は最後に同じ質問をさせていただきますけれども、いかにこのままいくと日本が、多分アジアの中でも、この分野においては、あるいはこの分野を契機に後進国になっていくかという危惧を抱いているわけですが、その参考例をよもやま話として申し上げたいんですけれども。  財政金融委員会出ていただいている先生方は聞いていただいたこともあるかと思うんですが、私も、議員になってからずっと政府のITのビジネス、幾つかフォローアップしているんですけれども、ビザですね、査証のシステムが今度在外公館と結んでいよいよカットオーバーするんですけれども、これは外務省さんからいろいろ話を聞いていましたら、平成七年から検討を始めて、いろいろプロトタイプも作って、いよいよようやく来年の頭ぐらいには何とか完全にカットオーバーするといって、都合八年間掛けて、インフラの規模としては大体サーバーが数台ぐらいに在外公館で使う端末は二百台ぐらいの規模なんですけれども、これに予算延べ百億円掛けておって、何しろITを普及させるとかアジアとうまくやっていくとかといっても、そもそもITに関する常識を共有できていなくて、やることが長過ぎる、金が掛かり過ぎる。  さらに、もう一個申し上げると、じゃ、そのビザのシステムどういうふうに作ったかというと、早い話が、セキュリティーはそれなりに意識はしておられると思うんですけれども、例えば暗号のかぎ帳が最長のものは全部アメリカに押さえられているという認識の下に、本当にセキュリティーをきちっと維持したいと思えば、日本のメーカー使ってやっていますので、OSから完全に独自のものを開発してやれば例えば耐用年数も長くなるんですけれども、汎用的な技術を使っていよいよカットオーバーして、これしばらく使うんですかと言いましたら、これ完成したら当分使えるなんて言っているわけですね。常識で考えたら四年ぐらいで次のことを考え始めなきゃいけないんですけれども、まあ何といいますか、長い、金が掛かり過ぎる、それからITの世界の常識を外れたことをやっていると。  もう一個違う話題ですけれども、住基ネットについては、いろいろ賛否もありますけれども、住基ネットが政治的にいいか悪いかということは私はここでは申し上げないんですけれども、あれは常識的に考えたらメーンフレームでかいのを持ってそこに全部データを集めればいいのに、何と市町村ごとに、サーバー別に持ってレプリケーションを取るなんということをやっているわけですよね。これももう本当に常識外れなことで、こっちの方はつまりどういうことかというと、日本の場合はIT産業が公共事業になっちゃっているんですよね、もう先生方もよくお感じになっていると思いますけれども。  だから、ITが出てきたというのは、人間社会の文化でいうと、紙と筆が開発されてコミュニケーション能力が非常に高くなった、この紙と筆に代わって今度はITというものが出てきたんだけれども、日本の場合は紙と筆ばかり一生懸命作って、それで何を伝えるかということに役所や政府の目が向いていないということで、多分私が申し上げていることはもう大体共感していただけるんじゃないかと思っていますので、そんな私なりの、こう、何といいますか、今政府が一生懸命やっていることに対する焦燥感をお伝えした上で、最後にお二人に共通してお伺いしたいのは、両先生とも政府のいろんな委員会の委員とかいろいろかかわっておられるようなんですけれども、かかわっておられる中で、一体この日本の官僚組織や政府のやっているこのITにかかわる技術のプロジェクトの非常識さ、今申し上げた何点かの非常識さを是正していくためには、お付き合いしておられて、どういうふうにその日本の官僚組織とか政府を変えていったらいいとお感じになっているかというのをお二人に共通してお伺いしたいんですが、よろしくお願いいたします。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) 私のパワーポイントの原稿の四十二ページを開けていただけませんでしょうか。  我が国、国際協力策への提言、先ほどタイトルだけ読むような形で飛ばしてしまいましたが、ここで私は五つの問題を提言しておりますが、この五項目の提言は、実は沖縄のIT憲章が出た後、三か月後にJICAが情報通信技術をODAにいかに活用するかという研究会を組織して、私に委員の要請があったと。  まあこれにも実は話がありまして、沖縄IT憲章を控えた四月に、当時の外務省の国際協力局長から、私がこういう本を出したものですから、「実践的情報通信政策論」、こういうものを出したものですから、一度言いたいことをだれにも気兼ねなしに言ってくださいといって、私は五点ほど言った、その中の三点が沖縄IT憲章の中に入っています。  あなたが言ったことを入れたんだからJICAに協力してやってくれということで、この研究会の委員になって、二回目の研究会でこの五点既に提出しているんです。かなり厳しい現状批判を込めて出しているんです。  ODA案件に時間が掛かり過ぎるって、当時、私が問題提起したときには、調査を始めて決定するまで平均三年なんです。どうなりますか。皆さん、三年前に提出した案件を今日オーケー出したら、どんなコンピューター使っていると思いますか。しかも、これから工事を始めたらどういうことになるでしょうと。もう全くITに合わないということを申し上げて、早める、とにかく決定を早めると、こういうことで、その点はこれに載りました。在来型人材育成では駄目ですよ、もっと多角的な人材育成が必要ですよというのも、若干及び腰ですけれども、この中に少し入りました。  ローン返済三十年。コンピューターの寿命、三十年も、三十年前のコンピューター使っている人なんかいませんね。私のゼミの学生なんかは、大体四年前のコンピューター私が使っていたら、先生、このポンコツいつまで使うんですかなんというような状況ですね。そういう変化の激しいことをドッグイヤーと言いますが、犬の七年と人間の一年に相当するということでドッグイヤーと言いますけれども、そういう意味で、このローン返済の三十年は、ダムとか道路ならいいですけれども、電気通信の場合でも海底ケーブルなら、まあまあ寿命二十五年で敷設していますから、まあいいですけれども、このITの最先端の分野では全く実態にそぐわないと。  バイラテラルだけでなくてマルチの援助枠組みが必要と。残念ながら、これにはちょっと二行ぐらいしか書いておりません。でも、これはアジア・ブロードバンド計画、この三日前に決まりましたアジア・ブロードバンド計画にははっきり、私が強く言って、載っております。最後の、要請主義だけでなくて積極的かつ戦略的な援助案件をというのも載りました。これは、アジア・ブロードバンド計画で載りました。  したがって、ここで提起している五つは、何らかの形で政府の政策提言文書には載りました。しかし、じゃ、それ変わったのと、こう言われれば、迅速化は少しずつ実現しつつありますが、いまだにITにふさわしい手順で早く決まっておりません。確かに早まってきつつあります。だけれども、その早まってくるスピードが余りにもまたこれのろいなと、こう率直に思っております。  要請主義じゃなくて戦略的対応というのは、先ほどのフォントなんかでも、こちらから考えれば幾つでもあるわけですね。それを戦略的に対応していくようなことが課題としてあるはずなんですね。  しかも、もう一つは、バイラテラルだけじゃなくてマルチ、先ほど紹介しましたASEAN・リージョナル・IXでASEAN十か国が合意していると。私は、このASEAN十か国だけではなくて、これにASEANプラス3で、日中韓が入って、日中韓も入ったASEANプラス3で基幹ネットワークを作って、お互いのトラフィックはお互いの中でというふうにすべきだと思っていますけれども、そういうことをマルチでやる感覚はありません。  しかも、戦略的にも持ち出すべきだけれども、要請主義だと、こういうことになったら、じゃASEANから要請主義で出てきたときに、その出てきたものをイエスかノーかしか判断しないんですかと。そうじゃなくて、ASEANから仮に十か国でASEAN・リージョナル・IXについて援助の申請が来たときに、戦略的思考で、それじゃASEANプラス3でいきましょうという戦略的反対提案をすべきじゃないかと思いますが、そういう枠組みがなっていない。  これはまだ三日前の提言ですから、しかも三日前のアジア・ブロードバンド計画は、総務省だけじゃありませんね、経済産業省も外務省も皆連名になっていますから。やっとこれで本格的に変わってほしいなと、こう思っておりますけれども、是非先生方の積極的な発言で是非実現していただきたいと、これはお願いしたいと思います。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) 先ほどの百億円のビザシステムというので、またかと思ってがっくりきているんですけれども、そういうことなぜ許されるのかって知りたいですね。会計検査院が問題なのかどうか分かりませんけれども、もしそれが本当に問題だったら、やっぱりきちっと評価、事後評価も含めてですけれども、ODAでもちょっと幾つか見た中で、どうしてこういう予算通っちゃうのかなというのが実はあったりして、そこに足が長いんで、皮肉なんですけれども、三年とか五年たっているうちに機器の価格はどんどんどんどん安くなるんで、場合によっては全部買い換えちゃって、スペック替えて安いものをもっとたくさん買ってうまくいったというような例がある。日本側はその辺はよく分かっていなかったと。変にうるさく管理するよりも、できるところにはお金だけ上げて任せた方がよっぽどうまくいくということを、今度のちょっと評価でそういう結論を書かなきゃいけないのかどうしようかと思っているんですけれども、そういう現実はあります。  例えば、ソウル市が民願革新システムといってさっきの電子政府システム作ったんですけれども、去年、その担当者の人に来てもらっていろいろ話を聞いたら、九か月でカットオーバーですね。ソウル市、一千万人の市民が使う四十ぐらいのアプリケーションが入っているんですけれども、担当が数人と言ったかな。全然、二けたぐらい、それぞれ基準が違うんですね、多分。いろいろ問題が起きるんじゃないと。起きるよ、だから起きたら考えればいいと。  だから、どっちを選ぶかなんで、全部問題が起きないようなものを何年も掛けて何十億、じゃない、それ二十億円ぐらいで作ったと言っていましたけれども、何百億とか掛けて完璧なものを作って、できたころにはそろそろ次がとかと言っているようなことをやるのかと。とても自分ではそんな余裕もないし、さっきのパリパリじゃないんですけれども、そういう常識もないということで、ある意味では日本のシステムベンダーさんとかメーカーさんも、公共事業ですとある程度そういうこと厳しくされませんから、受注さえしちゃえば後はもうオーケーというようなところがあるんではないかと思います。  もう幾つでも多分それは洗えばそういう例はあって、どうもプロジェクトというかそういう受注、情報システムの作り方そのものがやっぱり相当問題があるんじゃないかということをまず思います。  それから、じゃ、それどうすればいいのかということまで聞かれているような気がするんですけれども、ちょっとそこはよく分かりませんが、少なくともODAに関して言いますと、基本的には、あえて言えばもう外務省から切り離すしかないんじゃないですかと。外交の一環としてやっていることと、やっぱり、少なくとも専門エージェンシーをきちっと作って、今度、JICAさんが今年独立エージェンシーになると思いますけれども、それで本当に外務省の人事とか予算の枠から違った形で援助をどうやってうまくいくかという観点から進められるのかというと、私は残念ながら難しいんではないかと。あるいは、そういう議論を本気でやらないと、お金の無駄遣いというのはやっぱり避けられない。つまり、そういう仕組みになっていない、あるいは専門家が十分育っていないわけですから、JICAの例えばITやっていらっしゃる方でも、プロパーですから次長にはなっても上にはなれないと、決定権はないとか、そういう問題がある。  あるいは外務省さんが沖縄サミットの後でIT国際協力推進室というのを作られましたけれども、今あると思います、ないんですよ。やめちゃったんです。担当の方が、もうとにかく省内でも人気がないんだと。それこそ水や薬の方がよっぽど大事で、IT幾らつぎ込んだって全然その効果がないじゃないかということを省内でも言われ、なかなかそれ説明できない。会津さん、何か人道的な分かりやすいものないですかというようなことを言われるわけですね、その担当。財務省へ持っていっても、今、ITという言葉が付いているとその効果が難しいから、むしろほかの名前にしてくれというふうになっちゃうんだということを、あれだけ打ち上げて、百五十億ドルでコミットしといた当のお役所がさっさとその旗を、まあほかの事情もいろいろおありになったんだと思うんですけれども、変えなきゃいけないというのは、何てやっぱり無責任なんだろうということを僕は思います。  だから、事前にどのぐらいそういう議論をきちっとやられたのかどうかということ。国会で例えば議論されて、そういう情報技術分野に関しての援助、我が国のですね、政策としてやらなきゃならないということを与党と野党で決めたというのなら分かりますけれども、どうもそういう話は私は全く聞いておりませんので、やっぱり本当にそれでいいんだろうかということは思います。  それから、実際に援助に当たっている人たちの中も非常に苦労しているんですけれども、特にITの専門家がいない中で急にやらなきゃいけなくなったということで、セミナーがたくさん開かれたりしています。佐賀先生が行ったり、僕らも何か呼ばれたりしているんですけれども、付け焼き刃でやっている例が非常に多いということで、逆に経済産業省とか総務省の中では一部専門家がいるんですけれども、十分、日が当たってなくて、例えば技官の人たちなんかだと、予算を持ってくるのもすごく苦労して、結果が出てないじゃないかと言われて、フォント問題でも予算が削られている。その中でやっている人たちも、実は我々は専門家だけれども途上国の人たちは専門家じゃないからということで、やっぱりそこの姿勢の問題というのもあって、これまあちょっと一口で言うのは難しいんですけれども、非常にいろんなことが錯綜しています。  ただ、総合的に言えるのは、やっぱり、先ほど申し上げたように、情報社会が作られていくときの作られ方というのは、産業社会、工業社会の作り方と違うんだと。何が違うかって、末端でインターネットを持っている人間というのは、何人であっても自分たちで自分たちの運命を決定しようという力が付くわけですね。情報は持っていますし発信もできる。それから、こういう問題があるからひどいじゃないかということを、一人でも勇気があれば言えるわけですね。そういう人たちが多く生まれてくるときの組織とか社会の在り方というのを、トップダウン型で次官が決め、そうでもないか、日本の場合はボトムアップもあるのかもしれませんけれども、従来型の組織決定の枠組みの中に持っていこうとするとうまくいかない。  これ、決して一般論を言っているんじゃなくて、だから韓国や中国でITを進めるのと政治や行政の仕組みを変えるということは一緒にやろうとしています。インドネシアでもそうです。マレーシアも、少なくともお題目ではそう言っています。そういうことを進めないと合わなくなってる。それは、紙と、何というんですか、対面型で議論して決めようということだけ、それがいけないとは言いませんけれども、それだけで済んでいた時代じゃなくなってきているときに、やっぱり従来のやり方を取ろうとすると、どうしてもそこはそごが出るような気がします。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。  次に、沢たまき君。

沢たまき公明党

○沢たまき君 公明党の沢でございます。  両参考人、本当にありがとうございました。  実は私、余りITというのをできないんですけれども、ちょっと伺わせていただきたい。  まず、佐賀参考人に伺わせていただくんですが、IT革命の期待と懸念、光と影というのがございましたね。私は、やっぱり文化というのは大変重要だと思っているんですけれども、この中で参考人は、「異文化交流を活発化し異文化理解を深化する」、また「ITは固有の文化を破壊し、独自性を喪失する可能性」とありましたけれども、これは文化におけるデジタルオポチュニティーとデジタルデバイドの光と影だろうと思うんですけれども、この光の部分を大きくして影の部分を小さくしていくにはどうしたらいいか、まずその御意見を伺いたい。  それから、二点目なんですけれども、e―Japanの基本理念がなかなか実行されない理由というところなんですが、最後の部分の「結語に代えて」ですけれども、参考人がおっしゃっているように、「既存の制度、慣行、権益にしばられず、早急に革命的かつ現実的な対応を行わなければならない」というふうに書かれていらっしゃいますけれども、なかなか基本理念が実行されないように思いますし、我が国の場合はだれもが認めるスローガンでもなかなかそれ実行に移せないという。なぜそうなのか。また、会津参考人の中にあった先送り症候群という言葉がありましたけれども、こういうのかもしれませんが、この点について佐賀参考人に伺いたい。  それから、会津参考人に伺いたいんですが、参考人の論文の中に、ネットシチズン、略してネティズンという用語がありました。その中で、アメリカの主導ではなくて、新しいガバナンス、統治の体系を実現する可能性を持ち、多数から一つではなくて多数は多数のままにという考え方、さっきアジアは一つ一つとおっしゃいましたけれども、そういう御指摘がありました。アジアを考えますと、正に、今さっきおっしゃっていましたように、多数は多数のままという発想法でないと対応できないと思っているんですが、こうしたそんな発想の中で新しいルールを作るのが、もし、日本の我が国の国際貢献だろうと思っているんですが、そのための具体的なツールはどのように考えていらっしゃるでしょうか。  それからもう一つ、貧困とITという、ありましたけれども、貧しさをITで解決できるかと。東チモールとか何か見せていただきましたけれども、そのチモールの例にもありましたように、インターネットも水とか食料とか医療とかなどと同じようにベーシック・ヒューマン・ニーズだということに驚いたわけですが、私たちは、後進国というのは、さっきもお話がありましたように、ITよりもほかの方が先なんじゃないかという認識があったので、まあちょっと、ああ、そうなんだなってちょっとびっくりして、先入観っていうのは持っちゃいけないなと思ったんですが。  そこで、伺いたいんですが、現地のJICAとか外務省の、外務省の中ではなくなっちゃったってさっきおっしゃっていましたんですけれども、会津参考人あるいは佐賀参考人の御指摘で外務省の考え方が変わったんでしょうか。もし、変わらなかったとすると、それはどんなところに原因があるとお考えでしょうか。  以上四点、伺わせていただきたいと思います。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) ありがとうございます。非常にいいところをついた質問をいただきました。  影をどう光に変えていくかというところで幾つかの問題を御紹介したいと思います。例えば、異文化交流を活発化し異文化理解を進化するということと、固有の文化を破壊されないかと、独自性を喪失しないかと、この問題、非常に重要です。  アジア・ブロードバンド計画の中に私が強く主張をして入っていることがあります。それは、例えば世界文化遺産として登録されているようなそういう場所、例えばカンボジアとかいろんなところにありますが、そういう場所のデジタルアーカイブですね。世界じゅうからアクセスできる、その遺産の中身を勉強できるようなデジタルアーカイブをまず作ってはどうですかと。これは、デジタルコンテンツの重要な一つの柱として日本のODAを使っていいじゃないですかと私は言っているんですけれども、これはアジアの登録された世界文化遺産のデジタルアーカイブを作って、それを世界じゅうの人たちが利用できるようにする。これは異文化交流の非常に重要な役割を私は果たすと思っていますし、それを通じて成功させることができるんじゃないかと、この異文化交流、世界的な理解の進化が実現するのではないかと、こういうふうに思います。  もう一つは、独自性を喪失するんじゃなくて、独自の文化を世界に発信するという方法で結構いろんな動きがあります。例えば、太平洋の島嶼国のヤップというところは、これはマイクロネシア連邦の一つの州なんですけれども、このヤップステートというのは、ステート・オブ・ザ・ストーン・マネーという、石の貨幣の国という、自らそういうふうに言って言わば観光宣伝をしているんですけれども、そこで高校生たちが自分たちの文化をデジタルコンテンツにして世界に発信する、そういうことを一生懸命高校の授業として取り組んで、そしてコンテンツを作り、その作ったコンテンツが小学校で、エレメンタリースクールで教材として使われていると、こういう非常にローカルの文化を大切にする運動があの太平洋の島国で起こっております。こういうことも一つの振興策として役に立つのではないかと思います。  それから、影を光にする動きとしては、もう一つは、例えば最後の会津さんへの質問でも言われたんですけれども、貧困とITって言われましたね。  こういう有名な話があります。テレコム99というITUが主催で四年に一回開いている大々的な国際会議で、コミュニティーアクセスという、いかにして開発途上国のルーラルの人たちにインフラ整備を実現するかというテーマの開発サミットが開かれたときに、私はパネリストとして出ました。そのときに、ITU事務総局長、日本人の事務総局長である内海さんが冒頭の記念講演で面白いことを紹介しました。  それはペルーの山奥の農民がインターネットを通じてその農産物を直接アメリカのスーパーマーケットに売ったら、五倍の現金収入を得ることができた。つまり、仲買人から始まって真ん中に、この中間にいる人たちをすっ飛ばして直接売ったら数倍の現金収入を得ることができたと。  この話を聞いて、e―ASEANグループの、ジャカルタにあるe―ASEAN事務局の、あの事務局の責任者は、アジアでもeファーマーズプロジェクトを立ち上げたいと思っていますと。何ですかと。インドネシアの島の唐辛子、シンガポール行ったら十倍で売っているんですと、町で。これを何とかこのミドルマン、真ん中にいるミドルマンを減して、この農民の収入にすることはできないだろうかと。  つまり、電子商取引が貧困救済、つまり収入を増やす手段になり得ると、こういうことであります。これは一つの、幾つかの例としてお聞きいただいたら、この種の例はたくさんございますから、ITをいろんな形で活用する。現に、UNDPですね、国連開発計画の責任者は、貧困救済にITを使いたいということを大々的に言っております。その方向でUNDPはいろんなプロジェクトを太平洋島嶼国も含めてアジアで走らせておりますし、世界銀行も走らせております。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) 一つはですね、先ほどガバナンスのこと、ネットシティズン、ネティズンということをお聞きになられたと思うので。  元々、ネティズンという言葉を作ったのは、当時二十三歳のアメリカのコロンビア大学の学生マイケル・ハウベンって去年自殺しちゃったんですけれども、僕の友だちなんですけれども、見付けてから、やっぱり若者たちが自分たちの声を上げるということが非常に重要なんだということで共感を呼んだ部分というのはあるんですけれども。  それが今あの中で、多数から一つではなく多数は多数のままにって書いたのは、あそこにありましたけれども、アメリカのコインってラテン語でイ・プルリブス・ユナムって書いてあるんですよね。これはアメリカの建国のモットーで、十三州植民地が集まって一つの国を作って、いろんな民族がいたときにやっぱり旗は一つだということで、その枠を外れることは絶対に認めないのがアメリカでもあると思うんですね。  だけれども、アジアの場合に、それはそれの是非はともかくとして、やっぱりそれでは元々日本と中国とインドが一つだと言えるかというと、やっぱり言えないので、原理的にもいろんな原理を持っていると思うので、そういう議論をしていたんですけれども。  それは、そのインターネットのあのドメインネームというののルールを作るICANNという組織がありまして、日本もそこに理事を送ったんですが、役所が業界選挙をやって理事を送ったので、僕は非常に困って批判もしたんですけれども、日本型選挙をやって、まあ考えてみれば日本で選挙するというのはそういうもので、アメリカでは企業ぐるみ選挙は考えられないという文化の違い等もあったので、一概に日本が悪いことをしたとは言いませんけれども、そういう暗黙の前提が違っているときにどうやって一つになっていくかということの中で議論をしていく中でああいうことを書いたんですけれども。  やっぱり、だれも実は新しい形の国際ルールとか国際機関を作る、どうしたらいいかって分かっていない。アメリカでもヨーロッパでもどこでも分かっていなくて、応分の負担を必死になってするしかやっぱり道はないと思います。  ただし、アジアの場合にはなかなか、まずお金がそんな国際会議に、ICANNでいうと三か月に一回は、この間、僕行かなかったのでブラジルでやって、その次はモントリオールであって、その次はどこかな、もうあちこち世界じゅう回らなきゃいけないと。そこで、間はずっと電話会議というのに出なきゃいけないし、企業でそういうのをサポートするということはほとんど難しくて、みんな個人が非常に、日本人でもそうですけれども、献身的にやっているんですけれども、お金がある日本ですらそうなので、もうシンガポールですらつらいと言っていますし、というような中で、もうちょっと途上国も含めてアジアの中の協調体系を作らないと、やっぱりそういう国際ゲームにそれぞれの国が単独で出ていったってやっていられないんじゃないですかと。  ヨーロッパはEUというのがあるので、イギリスとかフランスももちろん出てこないことはないんですけれども、やっぱりEUとして意見を言うというと、もうじき二十幾つになりますか、というふうな議論がやっぱりできるような仕組み、やっぱりそういう中で国際ルール、ですからやっぱりある程度は地域でコンセンサスを作ってグローバルルールに持ち込むということをしないと、なかなか単独で日本の利益だからといって、いやシンガポールはそれをフォローしないんだよねといったら、もうその場で通らなくなっちゃうと。まず、隣の国をちゃんと説得してから来たらみたいなですね、そういうことにはなると思います。  その御質問の中で具体的なツールとおっしゃったんでしょうか。ちょっとよく聞き取れなかったんですけれども。

沢たまき公明党

○沢たまき君 そうです。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) これは特にマジックはなくて、残念ながら電子メールだけでは駄目なんで、やっぱり電話会議という、しょっちゅう時差を気にしながら夜中の、大体日本だと十時ごろからやったりするような議論とかいった議論をしたりしなきゃいけないんですけれども、なかなかそれはショートカットはないと思います。  ただし、ちょっとこれ参考になるかどうか分からないんですけれども、従来型ですと、お役所担当課がやっぱりそういうところ、政策をまとめて、技術政策含めて対応するとか、業界団体でやるんですけれども、このインターネット絡みでいうと、特に最近はそういう枠組みじゃなくて、NGOやNPOに近いところ、あるいはそういうふうな形でしないとなかなかうまくいかない。開発とITでも多分そうだと思うんですね。  アフガニスタンで最初に必要だったのは、せいぜい一千万円ぐらい何とかならないか、それでインターネットのプロジェクトをどう作るかの調査費が欲しいと言うのでお願いしたんですけれども、半分は草の根で何とか外務省さん出せるけれども、残り半分自前で調達してきてといって、企業を幾つか回ってうまくいかなくて、今どき五百万円をぽんと出してくれる会社なんかありませんから、それで止まっちゃったんですね。その後、ですから、JICAさんなんかは今やっていらっしゃると思うんですけれども、数十億円というプロジェクトですと、これはコンサルタント会社とか企業が一つの受注になりますから動こうということで、その間をつないでいく仕組みが十分に存在していないということで、むしろそこはNGO的な発想を強めないと無理なのかなというふうに思います。  ただ、さっきのあれと関係するかもしれませんけれども、水や薬やお金が大事だという、チモールやアフガニスタンでもトップは案外分かっているんですよね。  実は、すごくつらかった、東チモールへ行って、インフラ大臣とその下の方といろいろ議論していて、最初のうちは、インターネットを入れたことの経済的効果というのをちゃんと証明できないと、年間予算八十億円しかなくて、二億円割いてくれというのはとても出せないとか言っていたんですけれども、途中であちらからもうやめようと、この議論は。つまり、経済効果じゃないものがあるんじゃないのと。もっとアイデンティティーとか国、あるいは人を育てるということは、そんな経済効果にならないところなので、じゃ、トップセミナーをやろうかと、グスマン出てくるかもしれないといって国連でそれができなくてつぶれちゃったんですけれども、そこから先が。国連の仕組みの方にむしろ問題がいろいろあって、途上国側よりも。  アフガニスタンでも似たようなことがあって、今の通信大臣というのは非常に優れた方で、いや、NGO非常に大事だよ、だって、おれ、この間までNGOで働いていたんだもんという人なんですね。だから、知恵はあるんですけれども、その知恵をうまく生かしていくところがもう一歩乗り越えられない。  そこが、日本の外務省だけじゃなくて、各国政府含めた仕組みが、一人一人はすごく献身的で優秀で努力されていると思うんで、個人的に私は批判するつもりは全くないんですけれども、組織として、それぞれの方が分かっている問題点が片付かないことによって何も進まない。皆さんも多分、個人的にこうだと思っていることが何ですぐに変わっていかないのかといらいらされていると思うんですけれども、やっぱりそういうところなのかなと。  これは、私の師匠が、公文俊平という学者がいるんですけれども、やっぱり、彼は二〇一〇年日本の危機説というのをずっと言って、六十年周期というのを言っていたんです。だんだん本当になってきちゃったんだよなと。本当にやっぱり破綻、彼は内戦か大不況が起きないと憲法は変わらないし、やっぱりみんな学ばないだろうという意味では、本当にやっぱり、韓国を見ていてもそう思いますけれども、もうこれは本当にやばいんだぞということを思わない限り、我々はのうのうとした議論を続けざるを得ないのかなというふうに申し訳ないけれども思っております。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。  次に、緒方靖夫君。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。大変有益で興味深いお話、ありがとうございました。  まず、佐賀先生にお伺いしたいんですけれども、ITでのハードとソフトのことなんですけれども、例えば中国の中関村あるいは上海の沿海部に行くと、やはり発展が非常に目覚ましいということを痛感するわけですね。  先ほどデルのお話がありましたけれども、開けてみたらメード・イン・マレーシア。本当に、日本の製品を開けてもメード・イン・チャイナ、台湾、これはたくさんあります。メード・イン・チャイナでも実際上は台湾が作っている。もう沿岸部のところは台湾からみんな企業が来て、もう大規模に来て、しかも台湾の技術者が来てやっているということですから、ほぼ一体化しているということだと思うんですね。ですから、その発展というのは本当に目覚ましいものがあると思うんですね。ですから、そういうハードの部分がある、しかし、じゃソフトはどうかというと、そこはちょっとということになると思うんですね。  ところが、例えばインドに行って、インドでのソフト開発について聞くと、確かに、アメリカのシリコンバレーを見ても、そこでの九割以上がインド人が開発しているとか、あるいは日本だってある程度そうだと思うんですね。都心で身なりのいいインド人を見ると大抵そういう仕事をしている人ということにもなると思うんですけれども、何でそんなインドでそういう開発できるのかと聞くと、彼ら自身が言うのは、学校の低学年でもう九九の二けたをやる、これがもうみんなそれを暗唱している、リグヴェーダを暗記していると、それから英語をやると、それが一つの要因だということで説明するんですけれども。  一つお伺いしたいのは、中国でのそういう発展と、それからインドでのソフトの発展のそれぞれの、なぜそういう発展があるのかという要因、それをどう分析なさっているのかということと、その二つの間にはすみ分けというのがあるのかどうか、それについてお伺いしたいと思います。  それから二番目なんですけれども、ASEANの中でのITなんですが、先ほどASEANプラス3というお話をされましたけれども、この関係で、ASEANの中には、例えばラオスなんかに行くと、もうメール一つ送れない、送るのにえらい苦労してするという、それほど大変な事態がある一方で、もうすいすい何でもできる、それだけの格差があるわけですね。  ですから、その中でASEANが共通してIT化ということを進めるというのは本当に大変なことだということを実感するわけですけれども、その辺で、現実に彼らがぶつかっている問題、そしてどういうことを克服しようとしているのか、その辺についてお伺いできたらと思っております。  それから、会津先生にお伺いしたいんですけれども、韓国の目覚ましいIT化というのは、これは大変興味深い話で、私も、韓国でシンポジウムがあったときに、何で急速に発展したのかと質問したんですね。そうしたら、答えられないんです、だれも、みんな大学の先生なんですが。それで、一つは、やっと出てきた答えというのは、いや、我々は競争心が激しいんだと、ほかの国と比べてはるかに激しいから、だからそれで行ったんだという話と、あとパリパリの話がやっぱりあったんですね。それで、ですからその辺で、その目覚ましい発展の要因というのが分かったようでなかなか分からない。気質、国民性というのは確かに非常に大きい要因だと思うんですが。  それで、私思うのは、日本の現状、それからこれまでの発展、それと韓国を比べた場合、これは、何といいますか、そこだけで論断できないとは思いますけれども、しかし、韓国の急速な発展と日本の経済力に比しての現状から見て何が見えてくるのか、御専門の立場からそういう感想があったら是非お伺いしたいなと思います。  それから二つ目に、マレーシアに長くおられたということで、私もマレーシアに行って、プトラジャヤですか、あそこに行って、首相府が移り外務省が移り、そして、今、大きな国際会議場を造っています、十月のOIC会議のために。それからシャングリラホテルを今建設中です。  それで、やはり、何といいますか、ITのコリドールといいますか、一つの都市とは言えませんけれども、ある単位の部分としては大変なIT化を進めた部分だと思うんですね。そういう中で、そういうことも含めて、マレーシアにおけるIT化の特質と位置、世界の中での位置、それをどうごらんになっているのか、お伺いしたいと思います。  以上です。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) お答えいたします。  会長、先ほどの沢先生の二つ目の質問に対する答えが少し舌足らずといいますか、これを改めてさせていただきたいと思いますが、そのまず前に緒方先生にお答えをいたします。    〔会長退席、理事山本一太君着席〕  中国と台湾の関係、政治的には時々火花が散るんですけれども、経済的には、もう台湾が生きていくために中国は欠かせないことになっていますし、中国にとっても台湾の技術力が不可欠の中国発展の要素になりつつあると思います。したがって、外交面でいろいろ対立が生じても、実態として、経済の実態はもう密接不可分にどんどん進んでいっていると。  台湾は、確かに今、中国へどんどん投資をして、そして中国のIT産業の発展に大変な役割を果たしている。その裏返しとして、台湾の中で空洞化が起こっております。私のゼミの学生、昨年三月に卒業した台湾からの留学生がその問題を取り上げて、台湾の空洞化をいかに防ぐべきかという卒論を書いたりいたしましたが、台湾ではそのことが問題になっているというぐらい、中国と台湾の経済的なつながりは深まっているし、簡単にこれは元へ戻せることはできないだろうと思います。  それが、上部構造での、政治面での対立をどのように和らげていくのか。これは少し時間が掛かると思いますが、長い目で見ると、これは変わらざるを得ない実態が出てきつつあると。そのことを促進することはアジアの平和のために非常に重要だと私は考えます。したがって、ASEANプラス3と私は言いましたが、同時に台湾との関係をどういうふうにアジアの中に組み込んでいくかということは非常に重要だということを強調しておきたいと思います。  次いで、インドのソフトの件ですが、これは時間の関係から余りこの問題、時間使わないで御紹介させていただきたいと思いますが、大蔵省の財務官していた榊原さんが、今、慶応大学の先生していますね。彼がインドのIT革命の秘密を解く小さな新書版を出しております。これは非常に面白いです。なぜインドでソフトが発展しているかと。単に英語が達者というだけじゃないよと。数学の教育、インドにおける数学の教育、ゼロの発見はとか、そういうところまで解き起こして話をしております。非常に面白いです。  私も何回かインド人の計算能力のすばらしさを自分で体験しました。現にロンドンへ行っても、レストランの計算係、皆インド人ですね。実に暗算でぱっと答えを出しますね。そんな特殊な能力を長いインドの歴史の中で育ててきたなということが言えると思います。この点は無視できないと思いますね。  そういう意味で、アジア全体のITの将来を考えた場合に、インドのソフト、中国のハードとか、いろんなことを言われながら、それをどう組み合わせてアジア全体を発展させていくかということ、それでその中にASEANをどういうふうに位置付けてあげるか。インドは十億、中国は十三億、これに五億のASEANをうまく組み合わせ、それに日本がちゃんと入っていくという、そういう発展の姿を我々は考える必要があると思いますし、ソフトの面でも、私は、十三億を抱え、かつ東南アジアにたくさんの華僑がいる現状を見ますと、コンテンツの面での中国語コンテンツはこれから急速に伸びていくだろうと、こういうふうに見ております。  そういうことを申し上げて、ASEANの中で一体というのはかなり難しいんじゃないかと言われました。二〇〇〇年十一月にASEAN十か国で合意したe―ASEANフレームワークアグリーメント、この日本語版を私、日本で紹介しておりますけれども、これでは、十か国の中の先にまとまった六か国と後から入ってきた四か国、この間でいかに協力するかと。後から入ってきた四か国が後れている、これをどう埋めるかと。ASEANの中の先進グループと途上グループをいかに橋渡しするかということで、彼らはそのフレームワークアグリーメントの中でたくさんうたっています。  ただ、これを実施するためには相当なお金が要ります。やはり日本のODAは重要な役割を果たすのではないかと、果たすことができるのではないかと私は思っております。  といいますのは、ASEAN十か国で一番進んでいるのは、先進国とはっきり言えるのはシンガポールだけですね。ところが、シンガポールというのは人口三百数十万の島国でしょう。この国の経済力全体ということになれば、小さな国で、一人当たりGDPとかあるいは電子政府の完成度でいえば世界一、二位だということは言えても、なかなかあの小さな国のシンガポールがそんな役割を果たすことができませんし、その他の六国の中でも、マレーシア、フィリピン、タイというふうに考えれば、自分のところの国でかなり財政的には厳しいだろうと。そうすると、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーに対しては相当日本のODAの役割は大きいと、また果たすことができるのではないだろうかと。  こういうことを全体として眺めると、やはり日本の外交政策の根幹にかかわるところまでいきますから、私は先ほど、会津さんと意見が違った方が面白いと思うんですが、ODAを外務省から外せという意見には私は賛成しません。むしろ、外務省が頭を切り替えて、古い頭を切り替えて外交政策を改革、ODA改革をして、新しい外交政策の中でODAを位置付け、IT戦略も位置付けるべきだというふうに思っておりまして、ただ、そのためには、沢先生の二つ目の質問、つまり現行の制度、慣行、権益に縛られず、早急に革命的かつ現実的という、この言葉は私大好きでして、提言するときには常にこれをくっ付けていろんな研究会で提言をしております。  例えば、ODAの改革、先ほど申し上げました、時間が掛かり過ぎる、早めろと。これはODAを長くやってきた人にとっては革命的なんです。三十年の償還期限、こんなのITに全然合わないじゃないのと。これはITの世界では常識でも、長くODAをやってきた人たちの頭ではそんなこと変えられるかと、こういうことですね。バイラテラルじゃなくてマルチ、とんでもないと。  こういうずっとODAを担当してきた人たちの頭の中は間違いなくそういうふうに固まってしまっていますけれども、それじゃ、私の提案は、確かにそういう固まってきた人の頭から見たら革命的なんですけれども、ITの事実、現状から見たら極めて現実的ですね。だから、私が言っていることは革命的だけれども、かつ現実的ですよと、こういうふうに言葉を置いて提言をずっと繰り返してきて、やっと報告書のレベルで五つとも盛り込まれたけれども、果たしてこれが現実になるときにどうなるんだろうかということを心配いたします。  一つだけ、非常に、せっかくの機会ですから、私が今非常に悩んでいることを申し上げます。  マイクロネシア連邦とパラオ共和国とマーシャル諸島、三か国の大統領が連名で、一年半前ですけれども、日本政府に対して、eラーニング、遠隔教育ですね、eラーニングとeヘルスのために遠隔設備を造ってほしいという申請を日本政府に出しております。いまだに全然反応がないといって、昨年の秋のPIDOという、パシフィック・アイランド・デジタル・オポチュニティー研究会に来たその三か国の代表の人が苦情を、一向に返事が来ないといって言われました。それを聞いていた外務省のある方が終わってから私に、あれ三か国で出さないで別々に出したらなということが一つですね。    〔理事山本一太君退席、会長着席〕  つまり、マルチは駄目だと、こういう感覚ですから、別々にした方が通りやすいよと。もう一つ、eヘルスとかeラーニングと言わないで、教育、健康、これならODAの最優先課題、BHNですから、ベーシック・ヒューマン・ニーズですから、最優先課題として取り上げることができると。したがって、別々に申請して、中身はeラーニング、eヘルスでいいけれども、教育、健康、保健と、こういうところを強調して別々に出したら通りやすいんですけれども何かアドバイスしてあげていただけませんかと。  これ、マルチ、マルチと一生懸命言っている私にとっては、自分の意思に反して太平洋島嶼国の皆さんにちょっとこれ分けてみたらどうと言わなきゃならないのかどうか、間もなくそのアドバイスをする時期が来るんですけれども、自分の気持ちの中では矛盾を抱えてどうしたらいいかなと、こう思っているのが現状です。  これはもう率直な現状を申し上げました。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) 韓国がなぜああいうふうに発展したのかと。全くおっしゃるとおり韓国の人も分かっていなくて、というよりも余り興味持っていなかったですね。むしろ当たり前にこうなって、えっ違うの、ほかの国はみたいなのがかなりあって、それはそれで面白かったことですけれども、学者、研究者は全然勉強していなくて、そういうことを、韓国の、本も出ていない、論文も出ていない、これはまずいというのは、二年ぐらい前から少し変わってきたかなというのが状況であると思います。  ただ、それはある意味では、そんな研究しなくても、現実がどんどん進んでいけばそれでいい。つまり、どうしようということ、僕は大学行かなかったのでよく分かりませんけれども、大学とか研究者が一生懸命研究して、それを計画作って実行してというふうにして世の中は果たして動いていくんだろうかというと、そういうことはないので。あと、経済学もそうです、大体後追いですよね。起きた現実をどうやって解釈するかということはみんなできるけれども、じゃ、この次どうなるかというのは、株でも何でもそうかもしれませんけれども、ということには余り役立たないので。  IT化でも、ある意味では余り、その計画を作って、こうなるだろう、ああなるだろうというので一生懸命プランを作って、実行の予算が付いていればいいんですけれども、実行から先がどんどん状況が変わっていくときに何もできないようではまずいんで、そこはある種の他山の石かなと。  それで、国民性でパリパリとかいろんなことを、危機意識とか申し上げましたし、それは確かにあの時点でそうだったと思うんですけれども、国民性ってそんなに固定されたものじゃないと思いますので、状況が変わったときにはどんどん変わる。例えば、日本で言うと、昭和で言うと四十年代、五十年代とか、つまり高度成長していたころはもっとみんなパリパリだったと思いますし、神風タクシーなんて今の子供たち全然知らないんですけれども、あるわけですよね。  やっぱり世の中みんな「モーレツからビューティフル」の「モーレツ」の時代でしたから、すごい勢いは多分我々が思っている以上に、外国から見たら、日本人って何でこんなに忙しく急いで東京と大阪の間も三時間ですっ飛んでいっているみたいなことがあったのが、十年、二十年して世界一の経済になって、なったつもりになって気が付いてみたら、それが崩壊したときにはやっぱりそこ消えてくるんだと思うんですね。  僕は、基本的には世界チャンピオンシンドロームだと言っているんですけれども、一遍、ボクシングじゃないけれども、世界チャンピオンになってファイトマネーも一杯入ってきて豊かになると、つい、じゃ、そこでエクササイズして苦しい貧しい時代に戻って何かするかというとしないわけでありますので、そういう意味では、ある意味ちょっとこう悲観的というかあれなんですけれども、しようがないのかなと。さっきのことに戻るんですけれどもね。  本当はやっぱり学べるところは韓国からでも中国からでも積極的に学ぶはず、必要があるはずで、依然として多分留学というと東海岸のMITとかハーバードとか等々に我々も多分送り込んでいるんだと思うんですけれども、この前、浙江省の杭州に行って、大学で電子商取引のコースという中で皆さんにお話ししたのとほぼ同じような話をしたんですけれども、してくれと言うんで。もうぎらぎらなんです、目が、学生たち。半分社会人ですけれども、夜の六時から九時ごろまでもうがんがん来まして。日本の大学で余り夜呼ばれたことないんでよく分かりませんが、多分全然違うと思うんですね。そこに日本から留学している人なんかいないんで、そろそろそういうこともシフトしないといけないかなと。  ただ、ちょっと話戻りますけれども、ラオスもついこの間行ってきたばかりですけれども、ラオス政府の人にも、電子政府とかe戦略というのをいろいろ考えているんだけれども、是非ヘルプしてくれと言うんだけれども、何にもできないなと思いつつ、基本的な矛盾がありまして、つまりITの世界というのは自立性というか、自分で計画を作り実行する、つまり他人に援助してもらうということはそぐわない世界なんですね。インターネットというのは自立分散ネットワークとよく、あと協調と言っていますけれども、問題解決はまず現場でやって、それをお互いに共有していくことで全体の問題を解決していこうという仕組みなんで、だから、じゃ初めからそういうものないところに自立性をどうやって植え付けるんだとか、そういうパラドックスをすごく持っていますけれども、やっぱりいつまでも援助国、被援助国が被援助国のままでいいのか。あるいは、沖縄の経済でもそうかもしれませんが、どこで自立するかというときにやっぱり自分たちが頑張るんだということで、そういう少数の人たちを徹底的にやっぱり付き合う、支援するというよりももう付き合うでいいと思うんですけれども、そこぐらいしかないのかなというふうに思っています。  そういう意味では日本もまだ、ちょっと今日はなぜか過激になっちゃっているんですけれども、いつもはもうちょっと穏やかなんですけれども。違うかな。  もうこれから先、僕らの子供たちになると年金を当てにできない世代が来ているわけですよね。もうあきらめたらって、多分あきらめていると思うんですけれども、彼らが次の時代を作っていく。だから、年金で食える人たちが、おれたちは年金で食えるんだけれども、食えなくなる世代のためにあれもしてやりましょう、これもしましょうかというのが多分今の我々、皆さんじゃないかと思うんですけれども。極端に言うと、そうじゃなくて、もう次の世代に任せると、おまえたちがやらなきゃもう知らぬよというような、じゃ冗談じゃない、年金ももう上の人たちに払いたくないというぐらいの、ちょっと過激かもしれませんが、そのくらい強い変化が起きていると思うので、それを連続的に、段階的に行ける時代の発想方法では駄目なのかなと思います。  それから、マレーシアについてですけれども、余り人の国、自分が生活していたから余計そう思うので、人の国の国内問題を評論的に言いたくなくて、悪口言おうと思えば幾らでも、もちろんマハティール政権の問題とか、その官僚組織がどうだとか言えるし、褒めようと思えば、もうすばらしいプロジェクトやっていて、とても、何というんですか、見習わなきゃいけないということも言えるんだけれども、多分真理は中庸にありで、どちらも問題もありながら成果を上げているということで。  基本的には、もう皆さん御承知だと思いますけれども、三民族、マレー系、中国系、インド系、その他もいますけれども、非常に微妙なバランスの中で国を作っていかなきゃいけないので、その中でああいうプロジェクトを出したという、MSC、マルチメディア・スーパーコリドーという、一応あそこを特区として作って、IT特区にして二十年計画で国全体を先進国に追い付くためのIT化、ないしマルチメディアの産業の推進ということを言ったので、ビジョンとしては非常に正しいというふうに今でも思っていますし、問題は、インプリメンテーションとよく言われる、実現をするための力が果たしてどこまであるかということで、そこはビジョン倒れに終わったITプロジェクトも日本の中でも山のように各県に一個ずつぐらいは大体あると思うんですけれども、いろんなビジョンがあってもうまくいかなかったというのが。  そういう意味では、百点は取れていないと思うんですけれども、零点でもない、六十点か五十五点か七十点か、状況によって違うと思うんですけれども、一つだけ言えることは、もし、ああいうITプロジェクト、政策がなかったら経済危機が来たときにマレーシアはもっと厳しいことになっていただろうなというのは明らかで、やっぱり外資系のIT企業を含めてかなり投資は残りましたし、批判はあっても、そういうことは言えるし、周辺のASEAN諸国に、相互作用ですけれども、タイとかインドネシアに対しての非常に大きな影響を与え、逆もありますけれども、シンガポール等ですね、そういうことがあって競争しながら協力していくという関係をマレーシアは作ろうとしているというふうに思います。  ちょっとお答えとしてかみ合うかどうか分からないんですけれども、そういった中をずっと見ていますと、基本的に思うのは、やっぱり日本の場合は、本当は単一民族じゃなくて、在日の人たちがいるとかいろいろ、それから今度人口が減っていくと移民の問題出てくると思います。IT化の問題とこの問題、非常に関連は深いでしょうと。つまり、ボーダーレスで活躍する人たちにとっては物すごくある意味ではプラスのツールになる。ですから、中国と台湾の間の投資云々というのは、多分インターネットなかったらあれもたないと思うんですね。あるいはそれを使いこなさないといけないわけで、そういういわゆるディアスポラと言っていますけれども、ポーランド人であったりユダヤ人であったりとか、そういう国境を越えた動きとか経済活動とか、あるいは人の交流というのはいやが応でも我々が多分想像しているのをペースをはるかに超えていくと思うので、その中で日本が従来型の国と言葉とシステムと憲法と法律、経済と全部ワンセットになっているという、そういう国は日本ぐらいしか、世界で非常に少ないと思うんですけれども。そういう中では、やっぱり非常に難しいと思うんですけれども、やっぱりその国の仕組みとかそういうことを変えていくことを、IT、あるいはアジアのITということを見ながら議論あるいは考えなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) 大田昌秀君。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 佐賀先生に簡単な質問を二つばかりお願いいたします。  まず最初に、先生は「ASEAN各国に対するIT国際協力戦略」という論文の中で、ASEAN各国の国家IT戦略の比較をなさっておられます。そして、情報通信インフラが非常に各国によって異なっていると御指摘なさっておられますが、そういう状況の中で、我が国がIT化を援助をしていこうとするときに、どういう心構えといいますか、どういう策が一番好ましいとお考えかということが一点ですね。  それから、沖縄の国際情報通信のハブ化の推進を御提言なさっておられるわけですが、その地域特性と可能性についてお伺いしたいと思います。  それから、会津参考人には、これまた同じく二点、簡単な質問をお願いいたします。  一つは、グローバリゼーションとIT革命の関連についてどのようにお考えかということと、去年沖縄では沖縄経済振興二十一世紀プランというのを内閣府と県が作りまして、その中で沖縄国際情報特区構想というのを盛り込んでおりますが、この情報特区構想についてどのようにお考えか、お聞かせいただけたら有り難いと思います。  よろしくお願いします。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) まず、心構えの問題ということですが、これは非常に含蓄のある言葉だなと受け止めました。  私のプレゼンテーションの、パワーポイントの四十三ページを開けていただけませんでしょうか。ここに「沖縄の国際情報通信ハブ化をどう実現」という、クエスチョンマークを付けて、さらにその下に「日・ASEAN賢人会議の提言「対等のパートナーシップ、共有されたオーナーシップ、相互尊重」」という言葉を入れてあります。この賢人会議の提言、小和田大使が座長としておまとめになった非常に貴重な報告書です。  この賢人会議はASEANの国のそれぞれの国を代表する学者とかインテリジェントな人たちが集まって議論をし、合意して出されたものです。この「対等のパートナーシップ、共有されたオーナーシップ」という意味は、従来のODAで援助する側、受ける側という、そういう立場を超えて、これからはお互いに対等の立場で議論をし合い、オーナーシップを共有し合い、パートナーシップを組むべきではないかという提言でして、これは非常に、心構えとして非常に含蓄のある内容だというふうに私は思っております。  小和田大使は今年の一月まで、私が電気通信小委員会の主査をしておりますが、PECC日本委員会の委員長をお務めになっております。今はハーグの国際司法裁判所の判事で、もう日本をお離れになりましたけれども、いろんなときに議論をさせていただきましたけれども、この対等なパートナーシップ、共有されたオーナーシップ、相互尊重という意味は、いろんな意味で、従来型のODA、援助する側、援助される側というものを克服していく一つのきっかけになる提言だというふうに私は考えております。  例えば、ITのデジタルデバイドという大きな課題で、先ほど私は、開発途上国の電力もないようなルーラルの地域に情報インフラを整備する、これなくしてグローバルなデジタルデバイドの解消はないと申し上げました。その具体化、それを具体化するためにそれぞれいろんな努力が行われております。  国際電気通信連合、ITUは、マルチパーパスコミュニティーテレセンター、つまり多目的テレセンターを途上国のルーラルに設置するのがいいだろう、こういうふうに提言をしております。そして、具体的なパイロットプロジェクトなども走らせております。  なぜコミュニティーにテレセンターですかと。一人一人の途上国のルーラルの人に電話回線とかインターネットというのは、これは気が遠くなるぐらい難しい。したがって、それぞれのすべての人がその地域のコミュニティーに来れば設備を共有してインターネットにアクセスができる、世界の情報が入手できる、こういうテレセンターを作ろうじゃありませんか、これがまず最初でしょうと、こういう提言なんですね。  これは沖縄IT憲章にも載っております。それから、日本のいろんな提言文書、全部載っております。同じく、二〇〇〇年の秋のアジア・太平洋電気通信共同体が提言した東京宣言、東京アクションプランにも載っております。私、この起草の委員の一人ですけれども、載っておりますし、アジア・ブロードバンド計画、三日前のやつにも載っておりますし、もうあらゆる文書に、途上国のルーラルのインフラ整備のためには共用設備としてのテレセンターがいいと。  現に、ヤップ島の小学校では、小学生のためのコンピューター教室、先ほど私、コンピューターラボと言いましたけれども、これは日本語で言えばコンピューター教室、これを二時半に、学校のスクールアワーが終わった後、市民に開放しています。そうすると、追加投資なしに、そして、先生方のボランティアはお願いしなきゃなりませんけれども、市民の人たちに開放して、テレセンターの機能を果たすことができるわけですね。こういったことをどんどんやっていったらどうですかというふうに申し上げたいんですね。  ところが、マレーシアで何が起こっているかといいますと、マレーシアでは、スクールネット、学校インターネット、教育省、マルチメディア通信省、テレセンター、このテレセンターは郵便局に置いてある。でも、局長さんが熱心でない郵便局はもう半分ぐらい動いていない。ところが、学校の方は、その村の学校の方はちゃんと立派なスクールネットができている。だけれども、これは学校の中だけで、クローズドで、一般開放しない、こういった縦割り行政の欠点がいろんなところで出ております。  e―APECストラテジーでは、ベストプラクティス、成功例をお互いにシェアしましょうと言っているんですけれども、私は先週、APECの会議へ行って、失敗例を交流することも重要ですよと、こう申し上げました。  今申し上げたような失敗例、なるほど、国際会議でマレーシアでこんな失敗例があると私が言うと、聞いているマレーシアの人は不愉快に思うかも分からぬという、そういうことはありますよ。だけれども、やはり失敗例をお互いに交流し合うことも必要じゃないか。  先ほど言いました、私が、対等のパートナーシップ、共有されたオーナーシップをもし我々が日本で、電子政府で、途上国の人たちと話をするときには、やはり日本の電子政府の失敗例を一緒に紹介をする必要があります。失敗例も共有する必要がありますね。インフォメーションシェアリングというのは、成功例だけじゃなくて失敗例も共有すべきだと思います。  成功例は、例えば横須賀市なんかもう明らかに成功例ありますけれども、やはり問題点、我々が抱えている問題点も率直に出し合って、お互いに意見交換しながらより良い電子政府を作っていくべきではないか。そのためには戦略的アプローチということが重要だということを、私は、日本の中だけじゃなくて外へ行っても、先週もそのAPECで、いかにテレセンター成功のためには失敗例の交換も必要か、そして戦略的アプローチが重要かということを言ってまいりました。この四十四ページ、四十五ページの、この戦略的アプローチの重要性の二つは、先週私がマレーシアの国際会議で発表したのを日本語にしただけです。  例えば、電子政府、これは何か行政の効率化とかなんとかという、すぐそういう方向で考えがちですけれども、もっと広い意味での国家IT戦略の中で、特に開発途上国が電子政府を作っていくときには、もっともっと広いたくさんの意味を持っています。それは、ここに書いていますけれども、電子調達。  電子政府にとっては、エレクトロニック、eプロキュアメントとか言っていますけれども、横須賀市なんかはその成功例ですけれども、電子調達実施の際には認証制度が要りますね。そして、その認証制度は当然制度化しなきゃならない。ところが、この認証制度を導入するということは、その国で電子商取引を推進するためのかぎ、制度改革の重要なかぎです。したがって、電子政府のこのeプロキュアメントに必要なだけじゃなくて、その国の電子商取引のためのインフラ整備にとっても欠かせないよと。  それから、そのeプロキュアメントを実施するためには、地場の人たちを集めて、どうやって入札に参加するかということを教育しなければなりません。これは絶好のチャンスだと。中小企業の人たちに、つまり、その途上国の地場の中小企業の人たちに、どうやったら電子入札に参加できるかということは、即、途上国の中小企業の人たちに、電子商取引の入門教育になっている。そういうことを考えると、これは戦略的アプローチ、電子政府が実は電子商取引普及のための決定的な戦略的アプローチの道具として使えますよと。  もう一つは、この②に書きました、住民票、運転免許、電子的交付、こういったことを具体的に実現するためには、市民に対して、どうやって住民票を電子的に請求できるかと。  シンガポールにはそのための小さなeシチズンショップみたいなところがあって、そこへ行けば政府から幾らでも政府の情報が得られるし、また住民票とかそういうものが引き出せることができるような場所がありますし、自分の家からでもできるわけですね。そうすると、これは市民に対して教育をする必要がある、手ほどきをする必要がある。そこで、私が書いたのは、eシチズンなくしてeガバメントの成功なしと、こういうふうに最後の行に書いてあります。  これは、電子政府というもののプロジェクトを通じて地場の中小企業に電子商取引の教育をすることも可能だし、一人一人の市民にITに慣れ親しむ教育をすることが可能になっていますと、そういう戦略的なアプローチを電子政府という中で、特に途上国の人たちにはそういう教育が可能なんですから、電子政府は戦略的に非常に重要な課題だというふうに私は申し上げて、インドネシア政府の人たちにも今申し上げていることを申し上げました。  もう一つは、ITだけじゃないよと。そこで、タイのこれが出て、一村一品運動とテレセンターが出てくるんですけれども、タイは、国家経済発展計画の中で、大分県の一村一品運動をまねて、あのタクシン首相は大分県まで足を運んで勉強して、そして国内の地場産業育成のためにワンタンボン・ワンプロダクト運動というのを今やっております。  国家IT戦略本部のNSTDAというのがあるんですが、国家科学技術開発庁というところがありまして、ここの長官、私の十年来の仲間なんですけれども、彼はそのワンタンボン・ワンプロダクト、タイの一村一品運動に併せてそのすべてのタンボンにテレセンター作ると。ワンタンボン・ワンテレセンター運動をうまく組み合わせて、そして戦略的に国家経済発展計画と国家IT戦略をインテグレートしている、統合して進めていると。これは成功例の一つですよというふうに、先週ASEANのあのAPECの皆さんに紹介をしてきたわけですね。こういったことが重要ではないか。  沖縄のハブ化については、私はアジア・ブロードバンド計画の研究会報告には、私が主張して今後の課題、研究課題というふうに報告書に入ったんですが、残念ながら二十八日に決定されたアジア・ブロードバンド計画からは外れています。  しかし、私は、沖縄のハブ化というのは、皆さん沖縄の国際的情報通信ハブ化というと誤解がすぐ出てくるんです。何、日本のITセンターを沖縄に置くのか、こういうふうに誤解されるんです。そうじゃないんですね。そうじゃないんです。皆さん、アメリカがインターネットの世界のセンターだといって、それじゃアメリカの中に、どこか一つの、一か所のセンターありますか。ありませんね。アメリカから外へ出ていくゲートウエーはたくさんありますね。太平洋岸だけ見ても、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルスと、こうたくさんあります。そして、元々インターネットというのは、アメリカが水爆攻撃を受けても生き残るネットワークですから、もうクモの巣のように張り巡らされて、どっかがやられても生き残るネットワークですから、そういう意味ではセンターはありません。  そういう意味で、沖縄のこの、ここで言う沖縄のハブ、国際情報通信ハブ化とかそういう言葉は、日本全体がアメリカのようにたくさんの基幹、インターネットの基幹網を相互接続しながら日本全体の基幹網ができ上がって、その中にしっかりと沖縄が入っていることが重要です。そうすれば、海底ケーブル沖縄へぽんと持ってくれば、直ちに沖縄はそこで重要な役割を果たすことができるし、仮に東京へそれが来ても、国内のITインフラがあれば沖縄はいつでもハブの役割を果たすことができるという、そういう考え方で私はおりますから、アジア・ブロードバンド計画の中でこの沖縄のハブ化というのは消えたといっても、私は余り悲観しておりません。  具体的な動きの中で、実質上沖縄が国際通信ハブを機能できるようにすることは可能です。ただ、そのためには沖縄の皆さんが是非頑張ってほしいと思うことが幾つかございます。  以上です。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) 一つ目が、グローバリゼーションとIT革命をどう見るかという御質問だと思うんですけれども、そんなの難しくて分かんないよという感じがしますけれども、あえて申し上げますと、多分IT革命というのはそのグローバリゼーションと言われるものの非常に大きな潮流の中の一つの表れであって、多分目に見える最大の表れの一つだろうと思いますけれども、恐らく、もうちょっと抽象的に言って、その技術とネットワークが核になって社会を変えていくというふうにしますと、今我々が知っているIT革命、例えばパソコンとインターネットじゃなくて、遺伝子であったりバイオであったりというようなことも、つまり別の技術とそれがネットワーク的に広がっていくという意味では、もっと違ったものもグローバリゼーションの表れないし推進役なのかどっちかということですけれどもあるので、今我々が直接目にして議論しているIT化とかIT革命そのもの自体がどんどん変わっていきますけれども、それは、そのワン・オブ・ゼムなのかなと。  あと、全然違う意味で、例えば本当に終わったのかどうかよく分かりませんけれども、冷戦というのが終わったとか、そういう全く違う次元の、それを衛星放送とネットワークが推進したという説もありますけれども、しょせんそれを定量的に決めることはできないので、そういう冷戦の終結とか経済の変化とか、あるいはそれによる人々の意識の変化というようなことの全体のグローバリゼーション、あるいは金融システムの変化とかガバナンスの問題というようなことの中で、IT革命は非常に大きいとは思いますけれども、余りそれだけを取り上げて議論することはいかがなものかと。  そういう意味では、同じように、よくグローバリゼーションはアメリカナイゼーションだという議論もありますけれども、私は全然そう思っていなくて、短期的にそう見えるところはあるかもしれませんけれども、別にビル・ゲイツがアメリカのすべてを代表しているわけでもありませんし、それを、別の意味のオープンソフトとか、リナックスというのもありますし、インターネットはそもそもアメリカが非アメリカ化をしようとすることによってある種世界じゅうに伸びていった。  つまり、アメリカの技術だからって抱え込まないで、これは同じような条件を持っていたらどの国でも同じ条件で使っていいよということを彼ら自身が進めましたし、そのドメインネームの先ほどから議論している管理でも、少なくとも始めたときはアメリカ政府は手を引くと、これは国際管理にゆだねて自分たちは手を引くんだと。これはクリントン政権時代の話なんですけれども。  もっと国際化して、みんなで一つのものに、あるいは全体のものにしていこうということをやったので、そこがある意味では、グローバリゼーションもそうかもしれないんですけれども、そのアメリカのローカルなものを押し付けてきて、これにおまえたち従えとやったら、多分皆さん、我々は受け入れないわけでありまして、やっぱりある種の普遍性がある部分、あるいは平等、対等だと、半分錯覚かもしれないんですけれども、そういうふうに少なくとも錯覚を起こすぐらいの強さがあって初めてそれを受け入れよう。あるいは、そのシステムの方が、コーポレートガバナンスもそうだと思うんですけれども、少なくともほかに知っているシステムよりそっちの方が良さそうだなと思うものは受け入れられて広がっていく。今韓国の企業なんかでもそういうのを少なくとも表面的には相当取り入れていると思いますけれども、そういうことなのか。  だけれども、それによって長期的にはアメリカとほかの国の関係もどんどん変わるという意味では、更に多元化が進んでいくのかなというふうに思います。  それから、二番目のその沖縄の情報特区ということですが、実はすごい旧聞でまず申し上げますと、大田先生には、僕は多分返還前にお書きになった「醜い日本人」という本を読ましていただきまして、当時高校生でございまして、以来沖縄に関心はあったけれども、行ったことないんです。よくだれも呼んでくれないからと言うんですけれども。いろんなところ、日本じゅう、多分三十幾つインターネットの話しに出掛けていったんですけれども、残念ながら沖縄にはまだお邪魔したことがないので、百聞一見の原点に立ちますと、見ていないものについて議論することはできませんので、よく分かりません。  ただし、まだ知事で大田さんいらしたころに、九六年の秋だったと思いますけれども、総務省、今の、郵政省から電話掛かってきて、おい、メールだったかな、その特区構想で、ちょうどあのときたしか五十億円でしたっけ、何か特別振興策が付いてお金が入って、シンクタンクがみんなで食いちぎろうとしているけれども、マレーシアの特区構想ってどうなっているか分かったら教えてというので、全部資料をお送りした記憶がありまして、その後たしかお出掛けになったとお聞きしていますけれども、そういう意味では全然縁がないわけじゃないんですけれども。  その特区そのものというのは別に悪いことではないと思いますけれども、コアになるのは制度でなくてあくまで人だと思うんですね。沖縄で与えられるないし獲得した制度を本当に生かすだけの人材、あるいは人材を生かす仕組みがあるかどうかということがポイントかなと。  スタートできても、つぶれないでどんどん先へ行けるためのそういう支えがないと、制度、特に良くも悪くも中央政府と一緒にやらないとなかなか難しいと思いますので、そのときに中央政府は良かれと思って反対にうまくいかないようなことを時々、どうしてもそうなっちゃう仕組みというのがあるので、その辺が特区であっても、じゃ本当にそこが状況の変化に対応できるだけのフレキシビリティーまで担保されているのかというと、そこがすごく心配ですし、その場合にやっぱり最後のかぎになるのは市民であったり県民であったりという、そういうやっぱりそのボトムアップで支えていくことができる力が産業界、あるいは教育界、あるいは市民社会の中にある、あるいはそれを育てるということが中央に、中心に置かれているかどうか。  そうじゃなくて、ああいい制度が来たから、これで何か何%か経済的に得で、その分アドバンテージだと思ったら、それは幻になるんじゃないかという心配を、大変僣越ではありますけれども、一般論としては思っております。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。  以上で各会派一人一巡いたしましたので、これから自由に質疑を行ってまいります。  それでは、まず野上浩太郎君。

野上浩太郎自由民主党・保守新党

○野上浩太郎君 時間もちょっとありませんので、簡潔に両参考人に一点ずつお聞きをさせていただきたいと思います。  まず、佐賀参考人お願いしたいんですが、当調査会では、東アジアに焦点を当てまして、いろんな切り口で東アジアの将来についての議論をしてきたんですが、その中でやはり多い議論としては、FTAを始めとした要は広域経済圏をどういうふうに形作っていくのかというような議論が非常に多いんですが、その中でいわゆる電子商取引が、これを進めていくためには多分その共通のプラットホームというものを作っていかなきゃいけないと思うんですね。  その中には、例えば返品する、ネットで買ったものを返品するにはどういうルールがあるのかから始まって、商取引のその文化自体も全然違うわけですから、いろんな課題なり可能性があると思うんですが、先ほど電子政府というのも一つの道具だよと。なるほどと思ったんですが、そのほかにも電子商取引についてどのような課題、可能性があるのかという部分をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。  それから、会津参考人には、これは非常に根本的な話で、また漠然とした話なんですが、先ほど世耕議員からもアジアは連携して何を目指すべきかという根本的な話があったんですが、今この日本のいろんな情報戦略を見る中で、いろんな提言もありますしいろんな会合もありますし、情報はあふれていると思うんですね。その方向性の示されているものはあふれていると思うんですが、じゃ本当にその底流といいますか、に流れているインセンティブというか原動力というか、例えばお話の中で韓国は社会改革に絡めてインターネットなりあるいはブロードバンドの拡大があったと。しかも、それは実は余り意識していない中で進んでいたというお話もございますし、一方アメリカは、非常にマイクロソフトを始めとしたああいう世界戦略の中でやっていると。日本は、いろんな総花的な話はあるんですが、強烈なインセンティブといいますか原動力というものがなかなか私自身もちょっと見付からない状況が、感じがしておりまして、そうしますと、今の世界潮流から取り残される危険性ですとかをちょっと感じてしまうんですけれども、いわゆるどういうインセンティブなり原動力なりというものを考えていけばいいのか、非常に感想的なもので結構なんですが、お聞かせいただければと思います。

佐賀健二太平洋経済協力会議(PECC)日本委員会電気通信小委員会主査

○参考人(佐賀健二君) それでは、FTAに絡んで電子商取引の問題、お答えします。  FTAをそれぞれ拡大していくということも非常に重要ですが、私は、例えばASEANとの、ASEAN十か国との間で緩やかな枠組み協定みたいなものができれば、バイラテラルを駄目よと、やめろというんじゃないんです、大きな枠組み協定を結んでバイラテラルも並行で走らせるという、この立体的な組合せが最も望ましい姿ではないかと、こう思っております。  電子商取引に絞れば、e―ASEANフレームワークアグリーメントの中では、ASEAN十か国の中で電子商取引を推進するための基本的な考えは既に一致して、プロジェクトとして走ろうとしていますし、より広い立場でいいますと、e―APECがe―APECストラテジーに基づいて、このe―APECの中身は、今日お配りした資料の中にe―APEC戦略の内容紹介を含め、私のコメントを含めて書いておりますから、参照していただいたらいいと思うんですが、今非常にたくさんの具体的なテーマでAPECの中で議論が進んでおります。  特に、APECの電気通信情報ワーキンググループは非常に熱心にこの議論を進めております。もう個別具体的に、例えば共通の電子認証をどうするとか、パブリックキーインフラストラクチャーどうするとか、電子商取引の基本的インフラとして必要なものをどうAPEC全体の中で広げていくかという議論がもう非常に熱心に進められております。先週も、まず三日間の電気通信情報ワーキンググループの前に二日間のセミナーを開いて、お互いに議論を深めて、そして本会議の中でそれを承認していくというような形で、非常に熱心な議論が進んでいるということを御紹介をしておきたいと思います。  一つだけ、沖縄のことで追加してよろしいでしょうか。  私、昨年も今年も沖縄へ参りました。県庁の方ともお話をいたしました。これは、インドネシアの政府の国家IT戦略のときも申し上げたんですけれども、よそからの提言だけをああそうですかと受け入れるんじゃなくて、自分たちの計画を作らないと、例えばインドネシア、インドネシアの政府の皆さんには、皆さんの計画ですよ、皆さんが自分で作らないと、人から言われたものをはいはいといって受け入れるだけでは皆さんの計画にならないと。皆さんが自分で作った自分の計画だと思わないと本当に国家IT戦略になり得ないですよと、こういうふうに、若干、そのときその場に列席していたアメリカのUSAIDの人とか世界銀行の人に若干皮肉も含めてそう強調したんです。  私はそう信じているわけですね。もう世界銀行もUSAIDも一杯提案しているんですね。日本も提案しました。だけれども、私らの提案は参考ですよと、あくまで決めるのは皆さんだと。そして、皆さんが自分の計画にしない限り皆さんの国家IT戦略は成功しませんよと、こう申し上げましたが、同じことが沖縄にも言えると思います。  沖縄の皆さんが自分の、自分たちの頭で考え、沖縄のためにどう絵を描くかということを是非やってほしいと、こう沖縄へ私は行くたびに皆さんに申し上げておりますが、最近、沖縄の中でそういう動きが少しずつ盛り上がってきて、熱心にそのことを真剣に議論している人たちが沖縄の中にいることは、私、知っております。したがって、その動きを是非盛り上げて、助長していただきたいなと思います。  以上です。

会津泉株式会社アジアネットワーク研究所代表

○参考人(会津泉君) 何かちょっとお答えしにくい質問なんですけれども、私がそんなことをお答えしていいのかなと思うんですが、僕、サッカーが好きなものですからワールドカップを見に行ったりしていましたけれども、別に日本チームだけ応援しているわけでは必ずしもないんですけれども。  Jリーグができたのが九三年ですか、あのとき百年計画というのを作って、たしか準備してやっていたんですね。我が国の百年計画はどこにあるのかなと。やっぱりあのときは、たしかすべての町あるいは学校に芝のフィールドを作って、やっぱりサッカーを、まあそれがサッカーをしない人にとってはどうでもいいことなのかもしれないんですけれども、一つのそういうビジョンというか、結構現実的にもそういうことを考えているわけですが。  やっぱり、そういうこととの関連で、インセンティブとか原動力ということでいいますと、やっぱり基本的には若者をどうすんねんということだと思うんですね。もう皆さんの中にも私よりお若い方も少しはいらっしゃるし、かなりの方はそうじゃないんですけれども、もう僕らはそろそろ引退というと怒られるけれども、引退に近いことで、特にITの議論をしているのに、二十代が本当は中心のはずなんで、私も五十過ぎていますので聞く方に回らなきゃいけないと思っています。とすると、次世代をどうするのかは次世代の人たちと一緒に考える、ないしは彼らが考えるような仕組みを作ることが大事かなと。  現に、韓国、中国、実は国の中心の世代の人たちも相当若いですね。やっぱり、ある一説によると、政府やあるいは党の中でもどんどんIT化を進めて、それに付いてこないと、もう付いてこれないようにしてしまったんだという説も中国や韓国で聞くぐらいで、本当かどうかはよく分かりませんけれども、そこに何らかの真実はあるかなというわけで。ただ、それを百年先まで含めてどうするかを本当に考えるのが口幅ったいようですが本当の政治家であり我々が投票したい人でありますし、あるいは戦略家ないし思想家という人で、そういう理念の下で政党とか政党政治というのはあってほしいと思うんで、それは大変口幅ったいんですけれども、私の今の政治への不満でもありますけれども、どの党であっても何となくそこは、書いていないとは言いませんけれども、本当にこれ本気でやるつもりなのということに関して、どうしても一緒に苦労したいなと思えないものがあると。  反対に、例えば佐賀先生がおっしゃっていましたけれども、国連のUNDPとか世界銀行とか、IT化のアジアのプログラムというのをいろいろやっていますけれども、現場には、実は日本人の若者で努力している、あるいは働いている連中、結構いるんですね。ブータンのインターネットのプロジェクトでも、日本から専門家が何人か行って、プラス僕の知り合いのニューヨークにいた女の子、三十幾つですけれども、女の子なんて言ったら怒られますけれども、行って、現地のブータン人と結婚して、今度はエチオピアのIT化をやっています。それから、モンゴルにもいますし、この間ラオスにも、JICAの職員、じゃなかった、共通しているのはみんな正職員じゃないんですよね、委託とか何か短期契約とかであって、そこに何かある種の示唆的なものがあると思うんですけれども。  だから、組織の正規部隊はまだ動けなくて、やっぱり個人的に志を持っていたり、あるいはそういう思いを持っている人間は、日本人であろうが何人であろうが関係なく仕事しているわけで、やっぱりそこをもうちょっと僕らは考えていく、あるいはそういう中に多分知恵が入っていると思うんで、彼らを含めて次世代というか、次を考えていくというのが我々の仕事なんじゃないかと思います。

関谷勝嗣自由民主党・保守新党

○会長(関谷勝嗣君) 長時間にわたりまして大変ありがとうございました。  予定の時刻が参りましたので、本日の質疑はこの程度といたします。  一言お礼のごあいさつを申し上げます。  両参考人におかれましては、長時間にわたり大変貴重な御意見をお述べいただき、おかげさまで大変有意義な調査を行うことができました。  お二方のますますの御活躍を祈念いたしまして、本日のお礼とさせていただきます。改めましてありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後四時散会

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