厚生労働委員会 第4号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2003/03/26
会議録
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 昨二十五日、風間昶君が委員を辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 去る二十日、予算委員会から、本日一日間、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長真野章君外十四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。 本日は、医療費の問題を中心にして御質問をさせていただきます。 御案内のように、少子高齢化の急速な進展を背景にしまして、老人医療費が急騰している、また政管健保や国保などの医療保険財政も大変な問題になっている、我が国民族を世界一の長寿国に引っ張り上げたその功績も非常に大きい、世界に冠たる皆保険制度が将来ともどうなるのだろうかと、そういったことから小泉内閣は医療保険制度改革を進められているんです。 そして、その考え方として三方一両損、国民に応分の負担を皆さんでしながらこの制度を支えようじゃないかと、そういったことから昨年の四月に医療費の引下げという行政的な対応を行いました。具体的には、二・七%医療費をカットする、お薬の価格で見ますと六・四%お薬の値段を下げるという、そういった医療費の引下げを行いました。 このいわゆる俗に言われるマイナス改定と言われている影響で、特に整形外科領域等の特定の診療科に著しい影響が現れているとも言われているし、また、どういうわけかその理由がはっきり分からないんですが、実は受診患者さんの数が減ってきているというようなことも統計的に見えてきておるわけです。 そこで、この医療費の引下げから、実施して約一年間を経過したわけでございますけれども、この制度改定が保険医療費に対してどのような影響を与えたのか、厚生省の解析の内容について御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 昨年四月に二・七%の診療報酬の改定を行いました。この影響でございますが、私ども、いわゆる診療報酬単価の影響を見ますのに、一日当たり医療費というものを使って比べております。昨年の四月から十一月までの医療費の動向によりますと、この一日当たり医療費は〇・九%の伸びということでございます。平成十三年度が三%の伸びでございましたので、診療報酬改定前と比べましてマイナス二・一%の減ということになっております。 それから、受診延べ日数でございますが、先生もお触れいただきましたように、平成十三年度は〇・二%の増でございましたが、平成十四年から四月までは受診延べ日数は一・七%の減ということになっております。その結果、総医療費は〇・八%の減という状況でございます。
○藤井基之君 この四月から政府管掌健康保険を始めとしまして組合健保本人の患者負担を二割から三割に引き上げるということになっているわけですね。これに対しまして、医療関係団体などから、生活弱者に負担を強いるものであり容認できないんだという強い反対の声が上がっております。また、ただいま御説明ありましたように、昨年四月の医療費によって医療費はマイナスに推移したと。そして、加えまして十月には老人保健の患者負担の改正が実施されたわけでございます。現時点では医療保険財政状況はそれほど、思ったほど悪化していないんじゃないかと、四月の実施というのは先送りしてもよいのではないかと、こういった声も出ているわけです。 現在、参議院におきまして、三割負担導入を、これを前提とした平成十五年度予算案の審議が進められているわけでございますが、厚生労働大臣、この負担引上げについてはどのようにお考えでしょうか、御意見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから藤井議員がおっしゃいますように、高齢化社会をつくるということにつきましては日本の医療が果たした役割というのは非常に大きかったというふうに思っております。世界に冠たるこの高齢社会ができ上がったわけでございます。 しかし、でき上がりましたその高齢化社会は、いいことだけではなくて、またやはり我々自身にもその応分の負担というものが降り掛かってきた。そして、そこで御努力をいただいた医療機関の皆さん方にも応分の御負担をいただかなければならないという、そういう側面もまた生じてきたことも事実でございます。 今お話ございますように、昨年の十月から一部の高齢者医療に対する改正が行われまして今日に及んでおりますが、その内容は局長が申し上げたとおりでございます。その内容を見てみますと、影響する高齢者の皆さん方のところの変化が起こるのはこれは理解できるところでございますが、何ら影響のない若年層にも影響が出てきているのはどういう理由なのか、ここを少しよく分析して考えないといけないというふうに思っている次第でございます。 長い目でこれからのこの少子高齢社会を見ていきますと、医療費がだんだんと厳しくなってくることは、これはもう当然でございます。高齢者が増えれば増えるほど、現在の制度をそのまま持続いたしましても、これは国庫負担を始めとして、これは保険料にも影響を与えてくることでございます。そうしたことを考えますと、やはり今年だけの保険の、政管健保を始めとする保険者の、保険者と申しますか、保険の収支決算だけではなくて、やはりもう少し先を見て医療制度改革というのをしておかないといけないというふうに思っている次第でございます。 平成十五年度一年間を取りましても、三割負担をもし実現をしなければかなりの赤字が出ることだけは間違いがございません。それは一方におきまして、この保険に加入をしておみえになる皆さん方の数が、例えば政管健保でありますとかなり減ってきておりますし、そうした影響が出ていることも事実でございます。国保におきましてはもう慢性的な赤字でございまして、都道府県、市町村が、都道府県じゃありません、市町村がそれに対してかなり負担をしていることは御承知のとおりでございます。医療を行う側の皆さん方の立場からするならばそれはかなり厳しいことかもしれませんけれども、この難局は乗り切っていただかざるを得ない、私はそう思っております。
○藤井基之君 大臣の御苦労も分かるわけですが、現在の負担の状況を考えますと、現在は健保の本人は医療費の二割負担、それに実は薬剤の一部負担が加えられております。健保の家族の方は三割負担ですね、そして薬剤負担。国保は本人、家族ともに三割負担であり、薬剤の一部負担というのが加えられると。これが今回改定になりますと、負担は、健保も国保も、本人も家族もみんな三割にしちゃうよと、こういうことになるわけですので、それで薬剤負担もなくすと言っている。この薬剤負担をなくすとどうなるかという、これ、厚生労働省が試算をされている数字見せてもらっているわけですが、四月からこの薬剤の一部負担を廃止すると患者の負担軽減というのは、これ十五年度で見ますと一千七百億円だという、非常に大きな軽減効果が出ているわけですね。 私も実はこの数字聞くまでは、実は知らなかったんです。となりますと、いわゆる二割から三割に健保本人の方々の負担を引き上げることによる負担増というのは、この試算されている数字はたしか三千六百億円ぐらいと、こう言われている。そうすると、そのうちの約半分というのは実は、薬剤の負担を廃止することによって実はその患者負担というのは少し減ってきているという意識が本当は芽生えてもいいのかなと、こう思うんですね。だから、二割から三割というともう五割アップだというふうに思われている節があるんですけれども、どうも事実と違うのかなという感じもしておるわけですね。 医療保険の人口構成を見ますと、今回のその引上げになる健保の本人というのは、たしか概算しますと三千四百万人ぐらいの方だと思うんです。一方、薬剤の負担がなくなることによってその負担が引き下げられる健保の家族の方や国保の方々という数はこれは約八千万人ですよ。それ単純に見たら、実は下がる人の方がこの制度改正というのは多いんですよと、こういうことじゃないんでしょうかね。 私は、この薬剤の一部負担が導入されたのは、これはたしか平成九年だったと思うんですけれども、このとき、この薬剤の一部負担導入ということは薬剤負担の患者さんから二重に取ることになるんじゃないかということで、これは日本医師会も反対し、薬剤師会も反対した。多くの団体がこれ指摘したところなんですよ。そして、この九年にこの制度が導入されたらすぐに、結局は特に老人医療についてはまず国が肩代わりをした、薬剤負担について。そして廃止をしたんです。本来だったら、一般だってそのとき併せて、財政状況が良ければ廃止しても良かったはずなんです。ここまで引っ張ってきた、ようやく今回これを四月から廃止しようとしているわけです。 私は、国民に負担を求める、確かに負担を求めるんですよ、この制度は。みんなが負担をして制度を支えようと、こうしているわけですね。私は、そうなら、これを医療費のマイナス改定をやったとか、あるいはこうした薬の問題についての二重負担を解消するんだと、あるいはまた一方において、いわゆる乳幼児の医療費の問題であるとか、いわゆる生活困窮者の方々の医療費の問題等々、今回の制度改正というのはこの二割、三割だけの話じゃないわけですね。 私は、厚生労働省、もう少し国民に、今回の改定というのは全体がどういう図なのか、それを分かりやすく説明して、もっと理解を求める努力というのが私は必要なんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) それは御指摘のとおりだと私も思います。厚生労働省の中でどういうふうに皆に分かるようにしているかというと、インターネットに出しております。判で押したように返ってくるわけでありますが、インターネットを見ておる人はそうざらにたくさんいるわけじゃありません。とりわけ高齢者の皆さん方は見ているわけじゃありませんから、やはりもう少し皆さん方にお分かりをいただけるようにしなきゃいけないんだというふうに思いますが、現実問題、下がればそれはお分かりをいただけるんだというふうに思っております。 これ、かなり大きいわけでありまして、国保に加入しておみえになります皆さん方は、これもう必ず下がるわけでありますし、それから政管健保等に加入をしておみえになります皆さん方の中でも、慢性的にと申しますか、生活習慣病等で常時お薬をお飲みになっているような皆さん方は、二割から三割に上がりますのとこの薬剤費が下がりますのとでいたしますと、下がる方が多いぐらいだというふうに思います。例えば糖尿病でありますとかあるいは高血圧でありますとか、そうしたことで毎日お薬を二剤、二種類以上お飲みになっているような皆さん方でありましたら、必ずと言っていいほどそれは下がるわけでございますから、そこは四月になりまして、皆さん方が実際に経験をしていただければすぐそのことがお分かりをいただけるわけでございますから、そのことに対しましては皆さん方もやがて御理解をいただけるのではないかというふうに思っている次第でございます。 試算も幾つか出しておりますが、試算というのは幾つかの前提を置いてやりますから、余り、厚生省は身勝手な、自分たちに都合のええのばっかり計算しているんじゃないかというふうに言われますから、あえて出しませんけれども、現実問題はそうだと思っております。
○藤井基之君 昨年十月、老人保健につきまして、患者負担についていわゆる一割、一定の所得のある、以上の方はこれ二割という定率制というものを導入されたわけでございますね。これによりまして、実はそれまでありました定額に伴うようないわゆる患者負担の月別の上限制というのが廃止されて、いわゆる高齢医療費の償還払い制度というものを導入をなさったわけですね。この窓口負担の上限撤廃というのは、最初からこれは老人の方々の受診抑制が起こるんじゃないだろうかと、こういうふうに言われていたわけです。そして、その償還払いというやり方はこれは非常に手続が煩雑だと、本当に患者さんがそんなことできるんですかという意見が多々あったわけですね。制度は十月から実施をされたわけです。 私は、その直近の厚生労働省のメディアス等のデータを見てみますと、厚生労働省、公式にはその影響というのはまだはっきり分かりませんと、こういうことだと思いますけれども、私はやはり、十月以降、高齢者の方々の受診抑制というのは私は起こっているんだろうというふうに見るべきだと思うんですね。これはもう少しデータが蓄積されたらその辺について明らかになってくると思いますけれども、私はそういう感じをしております。 この償還の問題につきまして、実は最近ちょっと新聞報道がありました。厚生労働省もごらんになったと思うんですけれども、この新聞報道によりますと、これは青森県の例なんですが、昨年十月に限度額を超えた高齢者の方が約九千人いたと。そして、その九千人のうち、払戻しを申請した人というのは約三千八百人にしかすぎなかったんですよというんですね。そして、その償還払の申請をしていないための未払額というのが三千万円ありましたと、これはもう報道でございます。 このような実態が事実かどうか、これはまた厚生省、調べていただきたいと思うんですけれども、もしもこのような状況が、あるいは一つの限られたところだけではなくて全国的にこういうことが起こっているとしたら、これはやはり早急に対応を考えなければいけないんだろうと思うんですね。 私は、高齢者にとっては、やはり従来の上限制が廃止になった患者負担というのは大きいんだろうと思うんですよね。診療内容によりましては、これはたとえ後で返ってくるとしましても、これはひょっとすると窓口で負担する額というのは何万円というような額になるわけですよ。そして、償還の仕組みが複雑だと。こうなれば、これはひょっとすると、こんなことが理由で、本当は必要な医療を受けなきゃいけない方がこんな制度のために、制度を変えたために医療を受けられなくなる、もしもそんなことが起こったらこれは大問題だと思うんですね。我が国が誇る皆保険制度というのは崩壊するかもしれない。 私は、厚生省でもいろいろ検討いただいていると思うんですけれども、私は医療機関での患者負担の徴収問題、この償還の仕組みに代わる何か簡素化する法律というかあるいは簡素化する仕組みというものを全国の担当者に理解させて、そして患者さんにそういうような指導ができる、そういった対応を早急に取るべきだと、こう思うんですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) この徴収免除のお話も、これはいい方法があれば考えたいんですが、いろいろ考えているんですけれども、なかなかいい方法が見付からない。今までですと、上限が三千円になっていて、そして幾つかの科を行きます。例えば高齢者が眼科に行きました、整形外科に行きました、内科に行きましたということになりますと、三千円、三千円、三千円というふうに九千円掛かる。こういう方法だったわけですが、今度は上限を八千円にして、その代わり幾つ行っていただいても同じですよと、こういうことにしたわけですね。 そういたしますと、その患者さんが月の間に幾つの医療機関を訪問されたかということは、後にならないと分からないということで、後でお返しをする以外にないということになったわけであります。 そこを何とかうまくクリアできないかというので、例えば入院をしておみえになります方はほかへ行かれることはないわけでありますから、それはその月々でちゃんとしましょうと、あるいは在宅介護でもう受診をしておみえになり、もうお一人の人しかもうそれを診ていないような場合に考えられないかというような、そうしたことも少し考えようということにいたしておりますが、そのほかの一般の皆さん方にこれ、なかなかいい方法がないわけであります。 しかし、御指摘をいただいているように、本来はそこに返還を、返還じゃない、返してもらえるにもかかわらずそれを申請しないという患者さんが多くあるということになれば、これは何らかの方法を今後、将来は考えなきゃいけないということになるのかもしれない。ここは我々も、現在のこの状況の中でもっといい方法はないかということを見ておりますが、特段のいい方法というのがなかなか見付からないものですから少し我々も困ったなというのが現実でございまして、このところにつきましても、もう少し経過を見させていただきまして、そして患者さんの皆さん方の状況等を把握をさせていただいて将来の検討課題にしなければならないと思っているところでございます。
○藤井基之君 大臣、よろしくお願いいたします。 昨年の四月の医療費改定におきまして、これは細かい内容かもしれませんが、保険医療機関及び保険医の療担規則と言われておるもの、療養担当規則、これが改正されまして、医薬品の、お薬の処方の日数制限というのが緩和されたわけですね。そのうち、これまで内服薬というのは、一回の処方におけるお薬というのは大体十四日分というのが限度だと。それが、もちろん条件はあるわけですね、病状等について医師の予見可能な範囲などという、そういった条件の下ですけれども、原則としてその処方をするお薬の日数というのが撤廃されている。これによって、いわゆる長期のお薬の投薬というのが可能になってきたわけでございます。 これも厚生労働省にお尋ねしたところ、なかなか本当にそういった長期投薬の実態が現れたかどうかという判断、また難しいというふうに伺っておりまして、確かにこれ簡単には分かりづらいんですが、ただ私どもいろいろな医療機関の関係者の方々にお伺いしますと、この長期処方というのは、どうも大病院を中心に広まってきているようだ、どちらかというと診療所であるとか小規模の病院では必ずしもそれほど増えていないんだと、そんな傾向がありますよということを伺っているわけですね。 ところで、患者さんの受診間隔というのが一月だとか、あるいはそれが二月になって、あるいは三月になってこれが延びていく。その間、この患者さんの病症の状況等をフォローするのはどうすりゃいいのかということが、これはいろいろと大きな問題になってくると思うんです。 日本薬剤師会が、服薬コンプライアンスですか、患者さんがお医者さんからお薬を処方されてもらった場合、どのようにお薬を服薬されているかという、そういった状況を調べた実は調査を行っているデータがあるんですよね。全国三十六軒の薬局に、処方せんで調剤を求めてこられて複数回薬局へ来られて、そして継続した薬物療法を受けている患者さん、ですから慢性疾患の患者さんを中心にして、六百十七名ということなんですが、この方々にお願いをして調査した。それによると、その患者さんの調査対象のうちの六三%の方々が、それはもらった薬というのは残っていますよと、こう答えているんですよ。このデータは、実は平成十三年の二月時点で調査されたものでございまして、ですから長期処方が可能になった、そういった時期よりもっと前の段階でのこれはデータなんですね。 ですから、その後もっと長い期間のお薬をもらえるような状況になっているとするならば、こういったお薬が残っている状況というのは、もっともっと増えているかもしれません。この増えている問題というのは、いろいろな問題があろうと思うんですよ。確かに、薬が無駄になるということもあるんですが、それよりも加えて、やはり服薬のコンプライアンスとか、あるいはその治療の経過等について把握が医療法人として、医療機関として本当に的確にできているのかどうかという問題に帰結すると思うんですね。 これ、ある医療関係者は、この長期投薬というもの、長期処方というのが出てまいりますと、いろいろ在り方を変えてしまうんじゃないだろうかということを憂えているわけですね。厚生労働省としても、この実態、長期処方の実態であるとか患者の受診動向等のビヘービアがどのようになっていくのか、これを把握して医療の質的向上のために必要なら対処する必要があろうと思うんですが、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(坂口力君) これも御指摘のとおりだと私も思っております。 最近、いわゆる受診回数、一つの病気での受診回数というのが非常に減ってきております。この受診回数が減ってきております理由には、いろいろあると思いますけれども、薬剤を長期間もらえるようになったということが非常に大きいと思います。今まで二週間ぐらいでしたから、そうしますと月に二回は行っていたわけですね。それは、確かに三か月ぐらい出ているところございます。 ある薬局に聞きますと、六か月出る人、出すところがあるという話でありまして、何ぼ何でもこの六か月というのはどうかなと。その間に健康状況変わったら一体どうするのかなというふうに思うわけでございます。これはおのずから限界のある話だと思うんですが、やっぱり現実問題としてはそういうところもある。 御指摘のように、公的なと申しますか、大きい病院多いわけであります。やはり大きい病院の先生方にはそれぞれのやっぱり理由があって、余りにも毎日毎日が患者さんの数が多くて大変だと。だから、生活習慣病等でそう内容が変化をしない人には長期間もう与えておいて、そう何回か来てもらわないようにして、そしてそれぞれの少ない患者さんをより丁寧に診るということを心掛けたいという思いも働いていることも事実でございまして、そのこともよく分かるわけでございますが、しかし長いのも、しかしそれはほどほどだというふうに私も実は思っております。 それで、そこは医師の良識にこれはゆだねるべきことではありますけれども、このままでいいのかなという気も率直に言って若干いたしております。そうしたことをもう少しよく見させていただいて、また今後の検討課題としたいというふうに思っております。
○藤井基之君 健康保険法の附則の第二条第二項に医療制度抜本改革の中心的な課題であります三点、一つは保険者の統廃合、再編の問題、一つは新高齢者医療制度の創設の問題、もう一つは診療報酬体系の見直しと、この三つについては、これは今年度じゅうに基本方針を策定するということになっているわけですね。今年度じゅうといってももうあと一週間ぐらいしかないということなんですけれども。 先日、このうち非常に関心を呼んでおります新高齢者医療制度につきまして、一部の新聞で厚生労働省が検討しているという内容が報道されております。その報道によりますと、平成二十年度実施を目途として、七十五歳以上のいわゆる後期高齢者の方々を対象にした、高齢者御本人からも保険料を負担していただく、そして公費を五割投入する、そういった新しい高齢者医療制度を作るんだと。そして、六十五歳から七十四歳までのいわゆる前期高齢者と呼ばれている方に対してはこれは財政調整というもので対処しよう、そして現行の老人保健制度は廃止すると、そういったような考え方が示されていたわけでございまして、もちろんこの本件は、先ほど年度内ということで時間が限られているわけでございますけれども、私、聞くところによりますと、二十八日の閣議で諮られて、閣議了解の後に具体的な対応等の検討がなされられる、進められるものと、私もそう思いますけれども。 この制度というのは、やはり今回の医療費の負担問題も含めまして、やはり将来どういった図の医療の仕組みを作るかということを国民が分かることが負担の問題に対して前向きな対応ができるんだと、その前提になると思うんですね。この老人保健制度、現在、対象年齢七十歳からこれ七十五歳まで段階的に引き上げていくことになっているわけですね。そして、老人保健制度は廃止される、いわゆる平成二十年度が予定されているわけですが、こうなったときに高齢者医療の仕組みというのはどう変わっていくんだろうか、これはどうなるんだろうか、高齢者の負担というものがまた具体的にどういうふうになるのか。あるいは、この報道に書かれているように、公費負担というふうなことを考える場合には、そしたらその財源というのは一体見通しどうなるんでしょうかと。これはまた、これから先、多くの問題が山積しているように思うんですね。 まだ閣議了解の前でございますけれども、本件について、厚生労働省における検討の状況等について厚生大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 後期高齢者医療を含みます医療保険制度の改革につきましては、各種団体とも直接お会いをいたしまして、いろいろのお話合いをさせていただいてまいりました。いろいろの団体それぞれに御意見があってなかなかまとめにくいというのが現状でございますけれども、これ三十五年ぐらい前から言われてきたことでございますので、この問題、この際に決着を付けさせていただきたいというふうに思っております。 その中で一番問題になりますのが後期高齢者の医療の問題でございます。この後期高齢者の医療は昨年の改正におきまして五割国庫負担をするということを決めていただいたわけでございますので、その残りの分をどのようにしていくかということだろうというふうに思います。 この部分におきましても、もっと高齢者医療を導入しろという御意見もありますし、しかしそれは、そうは言うけれども、それは大変だという意見も双方あるわけでございますが、昨年の改正によりまして五割負担というのは決めていただいている、そういう状況でございます。 この後期高齢者の医療にそういうふうにいたしますが、その残りは、そうすると、若年者の側からの保険料でのこれは支援と、それから高齢者のこの保険料ないし自己負担といったもので賄う以外にないわけでございます。これは、そういうふうに、その中の仕組みはそういうふうにしますけれども、いわゆる保険者というのは、これは別に新しいものを作るということはしない方がよろしいんではないかというふうに思っております。 そして、でき得れば、国保を中心といたしました現在の市町村、それを統合いたしまして県単位にしてというふうに思っておりますが、その中で、都道府県と県とがその中にお入りをいただいた公法人を作って運営をしていただくことが望ましいのではないかというふうに思っている次第でございます。 しかし、最終的、この都道府県、とりわけ都道府県の合意が得られているわけではございません。今、最後のいろいろのお願いもしているところでございますが、知事さん方のかなりの反発もあるところでございます。しかし、大きな流れで見ました場合に、そういうふうにしていただく以外に方法はないというふうに思っておるところでございまして、それぞれ多少の御不満は残るだろうというふうに思っておりますけれども、最終決断迫られておりますし、決断をさせていただきたいと考えているところでございます。
○藤井基之君 この問題、やっぱり非常に大きな問題だと思うんですね。 引き続きまして、また今回におきましても議論を深めさせていただいて、ともにより良い制度構築のためにこれからの検討を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○堀利和君 民主党・新緑風会の堀利和でございます。よろしくお願いします。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 本年は障害者にとって大変重要な年でございます。昨年の十二月に、二十四日ですね、閣議決定されました新しい基本計画、あわせて五か年の重点施策ということでの新プランというものが当然この四月からスタートするわけでありますし、戦後長く続きました措置制度も、いよいよ支援費制度がスタートするということで、障害者にとって正に大きな転換期であるわけです。 今日はこの問題を中心に取り上げさせていただきますが、その前に、スペシャル・トランスポート・サービス、STSと言っておりますけれども、通常の公共交通サービスでは単独でどうしても利用できない障害者、高齢者に対しまして、初めはボランティアの方々によりまして、ドア・ツー・ドアといいますか、通院など含めて、車いすの方も移動困難な方も利用できる移送方法が進められてきたわけですけれども、この件についてまず取り上げさせていただきますが、このSTSにつきまして、交通バリアフリー法の附帯決議におきましても、今後検討するというように明記されておりますし、障害者基本計画におきましてもこのSTSを活用していくというようにうたわれております。 最初はボランティアによって始められた事業も、本格的に事業者が取り組むようになってまいりまして、国土交通省からいただいた資料を見ますと、介護タクシーと言われるものが三百四十二事業者が取り組んでおりますし、福祉タクシーにつきましては千二百六事業者が取り組んでおります。また、今回私が問題にしておりますSTS、NPO等による移送サービスにつきましては、全国ハンディキャップ連絡会の調査によりますと、全国に二千三百四十団体がこれに取り組んでいるという調査結果もございます。 今申し上げましたように、通常のタクシーも含めて、どうしても移動の際に利用できない、そういうことですから、やむにやまれず自然発生的に必要に応じてこういった方法が取られてきたわけですけれども、当然充実し拡大すれば、現行制度とのかかわりがどうなっていくかという、問われるのは当然です。 まず、そこで大臣に、福祉の分野といいますか、福祉サービスの観点からこのSTSについての評価、御認識をお伺いしたいと思います。
○副大臣(木村義雄君) 堀先生からSTSの評価ということで、どのように認識しているかということで、御質問にお答えをさしていただきますと、やっぱり障害者の方々が一番不便に感じておられるのは正にその移動の点ではないかなと、こう思えてならないわけでございまして、これに対してNPOの方々も含めまして大勢の方々が大変なる御尽力をしていただいておるわけでございまして、どれほど障害者の方々に福音を与えているか計り知れないものがあるのではないかと、このように思っているような次第でございまして、この移送サービスを重視すること、先生がおっしゃるSTSを重視するということは障害者の、ある方々の社会参加を促進することにとって大変重要な問題である、重要なことであるということは十分に認識しているところでございます。 このため、厚生労働省といたしましては、市町村が障害者の社会参加の促進や高齢者の介護予防等を目的として行うメニュー事業の中に車いすの使用者等が利用できるリフト付き乗用車を運行する重度身体障害者移動支援事業、またリフト付きバスを運行するリフト付き福祉バス運行事業、それからリフト付き車両による利用者の居宅と医療機関との間を送迎する外出支援サービス事業などを位置付けまして、これに国庫補助を行っているわけでございまして、これによりまして障害者等移送サービスの普及にこれからも一生懸命努めてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。
○堀利和君 厚生労働省としても、STSの充実に向けて諸施策が取られているということで伺いました。 併せてお伺いしたいんですけれども、その場合に、いわゆるNPO等による移送サービスを行っている運転者が、現状では一種の免許による運行というのも結構あるわけなんですけれども、安全性から見て二種免許の方がやはり望ましいとは思うんですけれども、これについての支援施策というのはあるんでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) 今の御質問の点でございますけれども、御承知のように、先生の御質問は二種免許を取得する際の助成ということでございますね。 それで、まず、仮にこの二種免許を助成を受けて取られた場合に、そのままその方がずっとボランティアの事業をしていただけるかどうかということに対しては多少いろんな御意見がございまして、例えば、仮に免許を受けた方が移送サービス以外の業務に従事する場合もあるわけです。つまり、免許取っちゃったから、二種免許取っちゃったからタクシーの運転手か何かに変わっちゃうような場面もあるんではないかなと、こういうふうに思われるわけでございまして、その場合に、個人の生業に要する資格取得に対する助成となるわけでございまして、これは多少今度は意味合いが違ってくるわけでございます。 そういうことから、先生がおっしゃられた、今言った二種免許の取得に助成をするということは、市町村障害者社会参加促進事業などの対象として公的助成をするということはなかなか現時点では困難なことではないかなと、このように考えているような次第でございまして、先ほど申しましたような移送事業の実施に対する助成を今一生懸命これからも行うところでございまして、この辺の普及に是非努めてまいる、こういうことで是非先生の御理解をいただければなと、このように思っているような次第でございます。
○堀利和君 確かに言われるように、助成を受けて二種免許を取ったらもうそれを辞めて、自分で正に営業の方に回ってしまうということになればこれは大変なことなので、なかなか悩ましい問題かなというふうにも承ったわけでございますけれども。 とにかく安全運転、スキルの問題からいって、二種免許を取るに困難なケースには、何とかその辺は工夫を凝らしてやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 国土交通省の方からいらっしゃっていただいておりますけれども、この二種免許を、今の問題、今の問題にかかわって二種免許を基本とするというようなことを伺っているわけなんですけれども、これについてちょっと御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(中山寛治君) お答えいたします。 NPOなどによりますボランティア輸送における運転者につきましては、本年一月に閣議決定されました構造改革特別区域基本方針におきまして、普通第二種免許を有することを基本としつつというふうになっております。 したがいまして、今般、特区におけます措置に際しましては、第一次的に地方公共団体において域内の普通第二種免許保有者を活用しまして、または一定の目標を立てて早期に運転者が取得できる体制の整備を図るための努力をしていただくものというふうに考えております。 しかしながら、そうした努力を尽くした上で、これにより難い場合におきましては、当該地域における交通の状況などを考慮いたしまして、十分な経験及び能力を有しているということが認められれば、運転者が普通第二種免許を有するものであるかどうかにかかわらず有償運送の許可の対象としていくこととしております。
○堀利和君 第二種免許を基本とするということが一般に広がった中で、正にNPO等でSTS、こういった移送サービスをやっている方々から一種免許でやっているんだということでの心配がありまして、恐らく国土交通省の方にもいろいろな意見、申入れがあったと思いますけれども、この辺の状況についてお聞かせ願えますでしょうか。
○政府参考人(中山寛治君) お答えいたします。 今般、構造改革特別区域におけますNPOなどによるボランティア輸送にかかわる措置を定めるに際しましては、移動制約者の輸送サービスを行っているボランティア団体の代表を始め、公共交通機関や労働組合の代表など様々な関係者から陳情などの機会をとらえて意見、要望をお聞きするとともに、意見交換を行ってきたところでございます。このうち、ボランティア団体からは、主に運転者の資格に関しまして、実態を無視した一律な普通第二種免許の義務付けを行わないよう、懸念が示されているものと承知しております。 国土交通省といたしましては、こうした点を踏まえ、旅客輸送の安全確保の観点から、普通第二種免許を有することを基本としつつも、これを一律に義務付けるものではありません。 具体的には、地域の関係者による運営協議の場における議論の結果などを踏まえつつ、運転者が十分な能力及び経験を有していると認められる場合については、普通第二種免許を有する者であるかどうかにかかわらず有償運送の許可の対象としていくこととしております。
○堀利和君 そうしますと、基本は二種免許であると。しかし、構造改革特区では一種免許でも可能だというふうにも、今後の検討でしょうけれども、あるわけですね。構造改革特区というのは、基本政策、既存の制度があって、これを経済的な規制緩和のために更に広げていこうということでの特区というのが方針として政府から出されていると思うんですね。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 この二種ではなくて一種でも可能だという特区を見る限り、むしろ二種免許に基本はしていきたいんだけれども、今すぐそのような措置を取ったら、先ほどのお話のように、実際にサービスを行っているボランティア、NPOの方々が困るということで、言わば規制緩和に対してというよりは経過措置というような意味合いかなというふうに私は受け取れるんですが、そうなりますと、基本的に二種免許で所持して運転するという基本と、その特区における二種でなくても、必ずしも二種でなくても一種でもいいという関係は今後どういうふうになっていくのか。これから特区も含めて決めることですからなかなか現段階でどうというのは難しいかもしれませんけれども、この関係というのはどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(中山寛治君) お答えいたします。 今般の構造改革特別区域におけますNPOなどによるボランティア輸送にかかわる措置におきましては、運転者につきまして普通第二種免許を有することを基本としつつということをしております。 これは、国におきまして一律に普通第二種免許を義務付ける趣旨ではなくて、地域の関係者による運営協議の場における議論の結果などを踏まえつつ、運転者が十分な能力及び経験を有していると認められる場合については、普通第二種免許を有する者であるかどうかにかかわらず有償運送の許可の対象にしていくということでございます。 なお、全国的な実施に当たりましては、特区におけます先行実施の状況を十分検証し、問題点を検討した上で、必要に応じ見直しを行っていくということにしております。
○堀利和君 同じ文章三回聞きまして、私がポイント聞きたいのは、特区は特区なのですが、その経済の規制緩和という前向きでやっていくものではないように私は思えるものですから、いずれ特区というのがなくなってといいますか、一種免許ではもうこの先は無理だというふうになってしまうのかどうか、ここがちょっと、今後のことを聞きたいということなんですが。
○政府参考人(中山寛治君) 今申し上げましたように、特区におけます状況を十分検証した上で、今後どうするかということについては検討してまいりたいというふうに考えております。
○堀利和君 現段階では確かにどうするというふうには、まだこれからの検討でもありますから、なかなかはっきりした答弁はむしろ無理かなと思いますので、STS、NPO等によるこういったサービスは本当にやむにやまれずといいますか、本来公共交通の方で担っておればよかったんですけれども、現実にはできない中から生まれましたし、現実に地域の実情ではこれがないと高齢者なり障害者困りますので、この辺は十分配慮していただきたいということをお願い申し上げて、この問題は終わりたいと思います。 次に、障害者の福祉制度についてお伺いしたいと思いますけれども、支援費制度がこの四月、もう一週間ほどでスタートするわけですけれども、半年前より申請、支給決定などが各市町村、自治体で行われておりますし、この辺の準備状況、何か問題点が起きているのかいないのかを含めて、この辺のところについてまず厚生労働省の方からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(河村博江君) 御案内のように、四月から支援費が施行されるわけでございまして、厚生労働省としては一生懸命準備を進めてきたところでございまして、例えば、事業者指定あるいはサービス単価に関する基準の策定でありますとか、自治体の具体的な一つ一つの事務処理に関する全国会議、これ十四年度一年間だけでも四回ほど開いて、そのたびにQアンドAというか、そういったものも発出して周知に努めてきたわけでございますし、それから市町村等においてこの準備経費が掛かりますから、そういったものに対しての補助をするということによって自治体の支援に取り組んできたわけでございます。 これまでのところ、自治体等関係者の非常な努力を通じまして、施行準備はおおむね順調に進められておるというふうに思っております。 例えば、ホームヘルプサービス事業者の指定につきましては、これまで障害者の専任のヘルパー、障害者専用のヘルパーがいなければならないということを定めておったわけでありますが、昨年末にこの指定基準を緩和いたしまして、介護保険事業者の参入というものがその要件緩和によって相次いでいるという状況でございます。 また、この利用者への支給決定につきましては、三月中に実施する市町村が非常に多いというふうに聞いておりまして、四月からのサービス利用に支障がないように、今月中には利用者の手元に受給者証が届くということになっておるというふうに考えております。 国としては、自治体の支援費施行事務の円滑化のための支援策というものを引き続き平成十五年度においても盛り込んでおりまして、引き続き自治体に対する支援を行っていきたいというふうに思います。 中期的に見れば課題がもちろんないわけではなくて、相談支援体制の普及、定着あるいは障害者プランに沿ってサービス提供基盤の一層の拡充と、そういった課題というのも当然あるわけでございますが、この支援費制度をほぼ直前というか前にいたしまして、順調にスタートを切るところまでこぎ着けることができたのではないかというふうに思っております。 市町村等が支援費制度の重要性を十分認識されて、自らがその中心的な役割を果たしていくという、そういう自覚を持って当たられることができるように国としても支援を重ねていきたいというふうに思っております。
○堀利和君 よろしくお願いしたいと思います。 そこで、大臣に基本的な認識、お伺いしたいんですけれども、在宅福祉と施設福祉のかかわりについてでございますが、施設から在宅へという方針が示されていると思います。 障害者の基本計画、新しい基本計画でも、生活支援のところの基本方針ではこう書かれているわけです。ちょっとたどたどしい読み方ですが、「利用者本位の考え方に立って、個人の多様なニーズに対応する生活支援体制の整備、サービスの量的・質的充実に努め、すべての障害者に対して豊かな地域生活の実現に向けた体制を確立する。」というふうに書かれているんですね。かなり私は踏み込んだ方針だと思っています。特に、すべての障害者に対して豊かな地域生活の実現ということであるわけです。 ところが、現実を見ますと、十五年度の予算額を見まして、障害者の在宅サービスにつきましては五百十五億円超、施設サービスにつきましては二千六百九十七億円超、大体この割合が、在宅と施設が二対八なんですね。高齢者の福祉の十五年度の予算を見ますと、介護給付の国の負担金を見ますと、在宅と施設の割合が四対六なんですね。障害者の場合は二対八ということで、まだまだ在宅へというのがこれからかな、不十分かなと思いつつあるわけです。ホームヘルプサービスも、厚生労働省などから聞いたところによりますと、全国で市町村が実施している身体障害者のサービスは七〇%程度で、知的障害者が三〇%程度だということでもあるんですよね。 そこで、障害者の関係団体の方が厚生労働省の方々と昨年お話をされたときに、いや、施設関係者の方が声も大きいし力もあって、なかなか皆さんのような地域在宅を目指している方々には十分どうも行き渡らないというようなことを担当課長が言われたというふうに私は聞いたんですね。 この基本的な考え方、方針を大臣はどういうふうに御認識されるか、まずお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しございましたように、すべての障害者に地域中心の生活をしていただけるようにするという大方針は、これはもうそのとおりでございまして、これに向けて着々と進めていかなければならないというふうに思っております。 ただ、一度にこの方針を転換をしようということになりますと、一番御迷惑を掛けるのは障害者に対してでございます。徐々にその体制を整えながら、今までの施設の生活から地域の生活へと転換をしていただくということをしていかなければいけないというふうに思っております。 まだまだ、御指摘のように、今までの経緯ございまして、施設中心ということがまだございますし、そしてまたその施設からの声の大きいことも事実でございます。また、御家族を始めとし、あるいはまた地域全体といたしましても、そうした受入れの思いというのが十分にまだでき上がっていると言えない状況だというふうに思っております。ここはしっかりとやはり地域の皆さん方に、みんなで障害者を支えていくのだという気持ちをやはり持っていただくようなこともこれは大事だというふうに思います。 今年の予算でも、平年度ベースでございますが、施設サービスにつきましては五・三%の増になっておりますが、ホームヘルプなどの在宅サービスにつきましては一五・一%、これは予算も増やしております。 徐々にこのスピードを上げていきたいというふうに思っておりますけれども、一度にはなかなかいかない。少なくとも数年は掛けながら、在宅サービスという方に順次持っていくということが私は障害者の皆さん方にも御迷惑を掛けずに、そしてでき上がっていくことではないかというふうに思っている次第でございます。 しかし、その基本的な考え方はもう御指摘のとおりでございまして、そういう方針で進みたいというふうに思っております。
○堀利和君 大変力強い御見解を伺いまして、ありがとうございます。 もちろん、私も施設をあしたなくせとか、なくなるというふうには思っておりません。去年もイタリアに行きましたら、精神病院をなくす、廃止する法律ができて、二十年掛かってようやくなくなったというのが二〇〇〇年だというふうに聞きまして、それはなくすからといってあしたにすぐなくなるわけじゃないですから、今、大臣が言われた基本方針に沿って是非全力を尽くしていただきたいと思います。 そこで、さらに基本計画にこうあります。真に必要な入所施設とあるんですね。この真に必要な入所施設というのはどういう意味でございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 平成十五年度を初年度といたします新しい障害者基本計画を閣議決定をいたしまして、今後の障害者施設というものに対して政府の基本的な方針を定めたところでございます。 これは先ほど御指摘をいただいたところでございますが、その中に「入所施設は、地域の実情を踏まえて、真に必要なものに限定する。」ということが書かれているわけでございます。これは、今後入所施設の整備を全くこれは必要としないということではなくて、ホームヘルプサービスでありますとか在宅サービスの提供体制というものを、これを充実をしていきながら、しかし、地域での生活を確保することのできない方というのもやはり中にはおみえになるだろうというふうに思います。例えば御家族の関係で、やはりほかに御家族がおみえにならないとかいうような方もございましょうし、その環境は様々だというふうに思っております。 で、そういう人たちのためには、必要な入所施設につきまして既に整備をされました施設もあるわけでございますから、そうした皆さん方ができるだけ地域で生活をしていただいているのと同じような環境にこれは改革をしながら、そしてそこでお住まいをいただくということも必要になるのであろうというふうに思っております。 ただ、こういうことを認めるからと申しまして、それに名をかりて施設に多くの人をとどめておくということは本来の趣旨に反するというふうに思っている次第でございます。
○堀利和君 全く私も同感でございます。 今度の新プランの中では施設についての数値目標がありません。これまでの七か年戦略では数値目標がありまして、おおむね九十数%ぐらいの達成率なんですけれども、これはもはや適正水準に達したというふうな御認識なんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) この新しい障害者プランにおきましては、通所施設の整備に努めると。で、入所施設については、達成目標を設定せずに真に必要なものに限定して整備をするということにいたしております。具体的には、地域での生活を支援して通所による訓練が必要な障害者のニーズにこたえるために、通所授産施設等につきましては今後も整備をしていく必要があると。引き続き達成目標を定めまして、計画的に整備をしたいというふうに考えておるところでございます。 一方、入所施設につきましては、地域によってもちろん事情は異なるわけでございますけれども、例えば身体障害者療護施設の整備状況を見ますと、具体的に数字を申し上げますと、十二年度は二十五施設、十三年度は二十施設、十四年度は十四施設、十四施設のうちの七施設は十五年度に掛けての二か年事業という形で整備需要自体もやはり落ち込んできておるということもございます。 地域によって事情が異なるということを申し上げておるわけでございますが、グループホームあるいは通所施設、あるいは在宅サービスの整備の旺盛な需要に比べますとやはり大分落ち込んできておるというふうに思っておるわけでございまして、目標を定めて計画的に整備をする段階ではもうなくなってきているんではないかというふうに思われておるのが今の状況でございます。
○堀利和君 次、大臣にお伺いしたいんですが、施設から在宅へということですので、先ほど大臣の御見解も聞いた上で支援費制度と基本方針との関係で伺うわけですが、支援費制度というのは利用者本人がサービスを選択、選ぶわけです。ですから、ある種競争原理に基づいて、悪いサービスの提供施設は障害者が来ない、いいサービスをするところには集まるということで、これは大変結構なことで、したがいまして、サービスの質が悪いところは定数割れになり障害者がサービスを受けに来ないということで、淘汰されるかどうか分かりませんけれども、運営、経営が非常に困難になっていくわけです。これ、私はこれはこれで支援費制度の考え方からいっても当然だと思います。いいと思うんですね。 ただ、長い目で見たときの施設から在宅へという場合に、在宅サービスが充実し、今は施設に入所せざるを得ないけれども、在宅サービスが充実する中で施設から在宅に、地域に生活するということになっていけば、いいサービスをしている施設でも当然定数割れといいますか、障害者が地域へ出ていってしまうことで施設の運営、経営が困難になるというのも将来考え得ることだと思うんですね。せっかくいいサービスをしていても、本当に施設から在宅へというのであれば、そういう事態は起こってくるであろうと思います。 その際に、何らかの手だてを、今は具体的にお聞きするつもりはありませんけれども、対策を講じないとどうしても運営が苦しくなる、経営が苦しくなるといえば、当然施設経営者は何とかそれを安定化するために囲い込もうとします。障害者を囲い込もうとします。そういう意味では、そのような事態が将来起こらないようなことも考えておかなきゃならないんじゃないかと思うんですけれども、この辺については、大臣、どのように御認識されていますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、特に過剰に施設がありますような地域におきましてはそうしたことが起こる可能性がございます。そうなってまいりました場合に、私は、一つ考えられますことは、やはり施設が、いわゆる通所施設と申しますか、障害者の皆さんがそこに昼間お通いになって、そこで例えばいろいろのお仕事をされますとか、あるいはまた共々にその生活を楽しむといったようなことの、いわゆる通所施設としての機能を発揮していただくというのは私は一つの方法ではないかというふうに思っております。 ただ、今の施設が非常にへんぴなところにありましたりとか交通不便なところにあったりというふうなときに、一体そういうようなことが可能かどうかということもあり得るというふうに思いますが、先ほど申しましたように、それからどうしても地域社会に帰ることのできない方もあるわけでございますから、そういう皆さん方のためにはもっと開放した施設に中を変えていくといったことも一つの方法だというふうに思っております。 したがいまして、そのほか、例えば職場と申しますか、そういう障害者の皆さん方も働いていただく場をその中に作っていく、現在もそういうもう併設したところございますけれども、もっとよりそうしたことを強めていくとか、これからも今まで施設をおやりをいただいた皆さん方がおやりをいただくことというのは、やはり新しい時代に応じてまたあるというふうに私思っている次第でございまして、すべてがそうなる、できるとは限りませんけれども、できるものはそういうふうなことをしながら、障害者のためにお尽くしをいただきたいというふうに思っている次第でございます。
○堀利和君 大変力強い御見解を聞きまして、是非この大臣のお考えを厚生労働省としてきちんとしっかり着実に進めていくようにお願いしておきたいと思います。 次に、国庫補助事業について伺いますけれども、この国庫補助事業につきましては政府全体が一般財源化するという方針を立てているわけですけれども、この国庫補助の事業が厚生労働省に幾つあって、そのうち障害者関係は幾つあり、何%あるのかお聞きしたいし、同時に、来年度一般財源化する事業が何本あって、そのうちの障害者関係が幾つあるか、まずその数字をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(河村博江君) 厚生労働省所管の国庫補助金で地方公共団体向けのものが二百七十七ありまして、このうち障害保健福祉部関係では二十七と、比率にいたしますと九・七%ということになっておるわけでございます。 また、平成十五年度に一般財源化が予定されております事業というのは厚生労働省全体で九事業でございまして、このうち障害保健福祉部関係ではいわゆる市町村障害者生活支援事業、いわゆる相談支援事業二事業のほか、あと精神障害関係でやや細かい補助金が二本、都合、障害部関係で四本と、厚生労働省全体では九本ということになっておるわけでございます。
○堀利和君 今年度がたまたまそうなのか分かりませんけれども、非常に一般財源に、まあ吐き出されたと言うとちょっと語弊がありますけれども、障害者関係が多いんですよね。そういう意味で、大変私は心配しております。 今お話しになりましたように、地域支援事業、療育事業が一般財源化されたわけですけれども、八月の概算段階では補助金として入っていながら、十二月になって急に一般財源化されて関係者は非常に自治体も含めて慌てたんですが、これはどういうことでそうなったんでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) 確かに八月の段階で補助金の概算要求いたしてきたわけでございますが、この支援費制度に移行します平成十五年度以降というのは、支給決定事務を行うなど制度の中心的な役割を担うのは住民に身近な市町村でありまして、市町村において支援費対象サービスの利用援助を始めといたしまして一般的な相談支援機能を担うことが求められておるというふうに思っております。 また、都道府県におきましては、市町村の相談支援をバックアップしてより専門的な内容に対応するという、そういう役割とともに、広域的な自治体として市町村域を超えて地域全体の相談支援体制の調整に当たるということが必要であるというふうに思っておるわけでございます。 市町村なりあるいは都道府県、このような役割というのは、この支援費制度の施行に伴いましてどこの地域においても整備されるべき一般的かつ基本的な機能、むしろ本来的な機能であるというふうに考えておるわけでございまして、こういう機能を賄う財源として、実施主体があるいは実施箇所数が、具体的には市町村の生活支援事業でありますと二百幾つ、三百足らずというようなそういう形での補助金よりも、むしろ全国的に普及して各自治体の実情に即した弾力的な対応をするということの方が本来の姿であろうという観点から、今回この二つの事業につきまして一般財源化するということにいたした次第でございます。
○堀利和君 今の説明は確かに正論なんですね。正論が正論となるように具体的にしっかりやっていただきたいと思います。 時間がありませんので先に進ませていただきますが、昨年から今年一月にかけてホームヘルプサービスにかかわり混乱がございました。そのことを踏まえて、今後、検討会を設置するということで合意されたわけなんです。 検討会の内容についてお聞きしたいんですが、本来、大臣の答弁を求めるものではないんですが、私なりに申し上げますと、来年の通常国会には恐らく介護保険法附則第二条に基づいた見直しが、されるかどうかということなんですが、問題になってくるということを含めたときに、単なる混乱の処理として検討会が設置されるだけに済まない。 この一年は、今申し上げたような介護の在り方を含めて、かなり前向きな討論というか議論もされる場になり得るかなと思っていますので、そういう意味で私は、実は私どもの周辺の方々は介護保険に反対で、障害者独自の介助、介護サービスをと言っておりまして、私は討論やらシンポジウムの中では、いや介護保険にするべきだろうということで大変苦しい立場にあるんですが、もちろん現在、現行の介護保険制度のままでは、これは無理がありますし、反対せざるを得ないけれども、サービスの在り方だとか保険料、あるいは応能負担から応益負担に替わる、利用料も含めていろいろ見直しといいますか変えなければならない、こういう要件の下で、しかし将来は介護保険というものも考えなきゃいけないかなと思っておりまして、こういうことを考えますと、検討会というものが今年という時期を見て、かなり突っ込んだ内容での討論というか議論になるのではないかと思っています。 そういう意味で、大臣の御見解をお聞きしたいんですが。
○国務大臣(坂口力君) 検討会を作りましたのにはいろいろの理由があるわけでございます。一つは、現在の障害者の皆さん方の支援状況というものが現在どういう状況で行われているかということを、必ずしも明確でないというふうに思っております。したがいまして、本当に障害者の皆さん方のためになる支援が現実にちゃんと定着をしているのかどうかということも拝見をさせていただかなければなりませんし、今お話がございましたように、これから全国津々浦々、障害者に対する支援が定着をしていくわけでございますし、そしてまたしていかさなければならないというふうに思っております。 そのときに、将来、一体現在の体制の中でそれが可能になるのかどうか、財政的なことを言えば、やはり私は財政は非常に膨らむのであろうというふうに思っているわけでございます。それを現状のままでそれが行うことができるのか、それとも、先ほど堀議員がお示しになりましたように、この介護保険との関係どうするのかという議論もまたその先の問題としては私も出てくるというふうに思っております。 介護保険が決まりますときに、この障害者の問題もどうするかということはかなり議論をされたというふうに聞いておりますし、その当時といたしましては障害者の皆さん方は、いろいろ御意見はありましたけれども、大きな流れとしては、やはり介護保険とは一線を画してやはりやっていくという御意見であったように私も聞いております。しかし、中には議員のように、やはり介護保険の方が長い目で見た場合いいのではないかという御意見もあったことを承っております。 そうしたことを将来の問題として議論のやはり中心になることをにらみながら、少なくとも現在の障害者に対する支援体制というものをより明確に、より良いものにしていくために、現状がどうなっていくかということをやはり調査をし、そして調べるといったことが大事ではないかというふうに思っております。
○堀利和君 時間がありませんので、次に二問、残った二問をちょっと是非やらせていただきたいんですが。 半年前から支援費の支給申請が始まり、決定がなされていると思うんですが、その市町村、自治体にサービス提供がなければ、申請においてその利用者本人がサービスを求めてもそれは現実には不可能なことなんですね。この場合に、その不支給の決定について、当時は受給者証に記載するというふうにお聞きもしたんですけれども、そういうことによって、いつもその自治体としてはサービスがないよないよと二年も三年もたっていつまでも言っておれないので何とかサービス提供の整備をするようになるんだという、そんなふうにも伺ったわけですけれども、この不支給の決定等についてはどういうような状況になるんでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) 先生おっしゃいますように、支援費支給の決定に当たりましては、市町村におきまして申請者の障害の程度なり申請者が置かれておる環境を勘案すると。同時に、利用者の円滑なサービス利用を確保するために、申請されたサービスに係る提供体制の整備の状況、そういったものも勘案するということになっておるわけでございまして、そのために地域によってはサービス提供体制の整備が十分でないということによりまして支給決定がままならないということもあるわけでございますが、そのような場合には、申請に対して支給決定しないという行政処分を行う場合には、市町村は行政手続法上、それに基づいてその理由を示す義務があるということでございます。 支援費制度導入の趣旨にかんがみれば、サービス基盤の整備というのは重要な課題であるというふうに思っておりまして、国といたしましては、都道府県、市町村に対して提供体制の整備が不十分であることによって支給決定ができないということがないように、地域のニーズを踏まえて計画的な基盤整備に取り組む必要があるという、そういう旨を周知を図っておるところでございまして、また、昨年末に策定された新しい障害者プランに基づきまして、自治体と一体となってサービスの基盤整備を計画的に進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○堀利和君 一つお願いしたいんですけれども、大臣に、簡単にというのは失礼ですけれども、御見解を伺いたいし、お願いしたいんですが。 支給申請をした段階というのは、もう既に相談も含めて何のサービスが欲しいかということを、どういう提供があるかといういろいろな調整した結果として正式に支給申請ということになるんですね。ですから、支給申請を見れば何がサービスが欲しいかというのは分かるんですが、今申し上げたようにその段階ではもう調整された段階ですから、本来その本人、利用者本人が欲しいサービスというのが潜在的に、消えてしまうんですね、見えない状態になるんですが、そういうものをもっと顕在化すれば、何が本当にニーズとして必要かというのが出る中でどういうサービスを重点的にやるかというのが分かると思うんですけれども。 そういう意味での、結果として調整された申請の支給、申請書だけじゃなく、その以前も含めたところでの把握を自治体にやっていただきたいと思うんですけれども、大臣にそのことをお願いしたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 私は、必ずしも議員が御指摘になりましたことを十分理解しているかどうか分からないんですが、御本人がこれをしてほしい、あれをしてほしい、こういうふうにしてほしいというふうに思っておりますことと、それから客観的に見て、いや、そのことよりもこういうことが必要ではないですかということと、そこに違いが生じることもあるだろうというふうにそこは思います。その辺がどう調整されるのかということは一つ大きな問題だというふうに思います。 いずれにいたしましても、しかし、市町村におきましてそうしたことをよく理解をして、こういう障害者の場合にはやはりこういうことが本当は一番必要ではないかということをその御本人や御家族にも説得もし、そしてやっていくというようなことが大事でありますから、やはり人をどう養成するかということに私は尽きてくるんではないかというふうに思っている次第でございます。
○堀利和君 終わります。
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 委嘱審査の質疑の前に、一点、今日的な問題についてお伺いをいたしたいと思います。 もう既に新聞等でも報道され、あるいは三月の十九日の衆議院の厚生労働委員会で我が党の鍵田委員も質問しておりますけれども、SARS、重症急性呼吸器症候群の問題でございます。 これは御案内のとおり、香港、ベトナム、シンガポール等で流行し、原因が不明な肺炎ということで、刻々その状況が報道されておりますけれども、現時点での国内での発症の状況と、そして、WHOが基準としている、基準に基づく疑い例あるいは可能性例がどのようになっているか、御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(高原亮治君) SARSのWHOの基準に基づく現時点の国内発症例でございますが、厚生労働省ではWHOのSARSの報告基準に基づきまして、都道府県等を通じて国内医療機関より報告を求めております。 二十五日現在、確認いたしましたところ現在においても変わっておりませんが、WHOの報告基準を満たしたものとして六例の疑い例及び一例の可能性例が報告されております。しかし、いずれも症状は改善しておりまして、これがいわゆるSARSである可能性は低いと考えております。
○谷博之君 今の報告を受けて、特に平成十一年に改正された感染症予防法に基づいて指定感染症にこのSARSを指定するという考えはございますか。
○政府参考人(高原亮治君) 重症急性呼吸器症候群、いわゆるSARSでございますが、病原体、感染経路、治療法や医学的定義自体もまだかなりぼんやりしたものがございまして、また、WHOの報告基準も極めて広く設定されております。 引き続き、情報収集に努め、WHOや諸外国の対応も考慮しながら、指定感染症あるいは新感染症とすることの要否を判断してまいりたいと考えております。
○谷博之君 一昨日の新聞の報道でありましたけれども、香港大学でこのSARSの治療研究が相当進んでいるというふうな報道がなされておりましたけれども、そういった研究機関に専門家を派遣して、そしてSARSの治療研究等々のそういうふうな対応をしていくというお考えはございますか。
○政府参考人(高原亮治君) 香港大学の微生物学のチームがSARSを引き起こすウイルスの培養に成功し、検査方法を考案したというふうに発表されております。また、米国においてはまた違うウイルスが原因ではないかという報告も出ておるわけでございます。 WHOによりますと、このウイルスが、どのウイルスが原因であると確定したわけではまだない。現在、我が国の国立感染症研究所を含む十一の代表的研究機関において検証を行っているところでございます。 国立感染症研究所では、従来より、WHOの協力機関といたしまして、海外からの検体を受け付けたり、検査を実施するなどの技術協力を行っております。今回のSARSにつきましても、患者が報告された当初より、WHOの要請に基づき、検査の実施等の原因究明に取り組んできております。 ハノイへは国立国際医療センターの医師二名、香港へは国立感染症研究所の医局の専門家一名をそれぞれ派遣いたしまして、現地におきます第一線の情報収集に努めておるところでございます。
○谷博之君 私は、こうした感染症の問題が起きるたびに一つ考えていることがございまして、それはエキゾチックアニマルのいわゆるペット動物と動物由来感染症の問題、この関係だと思うんです。 ここに財務省の貿易統計というのがございまして、これを見ておりますと、平成十三年の貿易統計による輸入された哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類等の数がここに出ております。輸入された哺乳類は、平成十三年、百十八万九千匹、鳥類、爬虫類、両生類は七億八千百五十二万一千匹、魚類や昆虫類はもう統計のしようがないほど入ってきていると、こういうふうなことでございます。つまり、日本は大変外国からいろんなそういう動物がほとんど無制限、そして多種多様に入ってきていると、こういうことだと思います。 実は、私は民主党の中の、外来種、輸入種の規制、何らかの規制をしなきゃいかぬだろうという、そういうふうなチームを作っておりまして、そのメンバーの一人に入っておりますけれども、そういう党の勉強会の中でペット業界の代表の方からもお話を聞きましたが、彼らも飼養方法を理解する余裕のないほど多種多様、無制限に入ってきておると、こういうふうなことを言っております。そして、こういう業界の皆さん方も、このような状況というものは、実態は決して好ましいとは思っていないと、こんなことを言っているわけですね。 現実に、今年から厚生労働省はプレーリードッグ、これはペストを媒介するということで一応輸入を禁止するということになりました。それから、ほかの国の二、三の例をちょっと見ておりますと、南米のボリビアのハムスターが狂犬病に感染をして飼い主をかむとか、あるいは米国のいわゆる西ナイルウイルスの病原菌に感染をした牛とか、失礼、馬とかトナカイとか、特に鳥類が多いわけですけれども、ハトとかペリカンとか、こういうふうなものが約二百種感染をしているという、こんなような数字も出ております。 私は、こういうふうな事例を見ておりまして感ずることは、BSE問題が実は厚生労働省で大変頭を悩ませた、いろんな教訓をあの問題から得たと思うんですけれども、結局、そういうふうな、動物を媒体にして、媒介にしていわゆる感染するというふうな、そういうふうな実態が既にあるわけでありまして、そういうふうな動物の輸入に当たっては、私は何らかのやっぱり規制をしていく必要があるんではないかというふうに思っておりまして、来年にも基本的な改正が予定されているというふうに聞いているんですが、感染症予防法、この法の改正のときにこういった問題をしっかりやっぱり取り組む必要があると思っております。具体的には、業の登録とか輸入申請のときの手続とか検疫の一定の基準をしっかり作るとか、こういうことが一番大事なことではないかと思うんですが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今、委員がお挙げになりましたほどの数字がたくさん入ってきているとは私も知りませんでした。非常に予想しておりますよりも多くのものが入ってきていますね。 それで、問題は、いわゆる生物に限定されました病気のものと、それから人畜共通の病気のものと、両方注意しなきゃならないわけでございます。猿ならば猿だけにうつる病気でありましたら猿を診てもらえばいいわけでございますけれども、そうはいかない、人にもうつるということになってまいりますとそうはいかないことになってまいります。したがいまして、輸入を禁止をするということは、猿でありますとか、あるいはまた先ほど出たプレーリードッグでございますとか、こうしたものをやっているわけでございます。 それで、もうこれは、そうした病気を持つものは、あるいは伝染する可能性のあるものはもう水際で入れないということにするのか、それとも入ったものに対して日常的にそれをチェックをする機構を作り上げるかということなんだろうというふうに思いますが、なかなか、どんどんどんどん今御指摘になったほどのペットが入ってくるということになりますと、それに対応していくということは不可能だというふうに思われますから、そうなってまいりますと、これはもう水際で入ってくるのを抑えるということ以外に方法ないのではないかというふうに思う次第でございます。 感染症の問題、来年は国会で御審議をいただくだろうというふうに思っておりますが、人間の問題だけでなくやはりペットの問題も、人間に共通した病原菌である場合もあるわけでございますから、十分注意をしたいというふうに思う次第でございます。
○谷博之君 是非、今の御答弁を前向きにひとつ生かしていただきたいと思いますが。 もう一つちょっと付け加えておきますと、例えば、今、事例を挙げましたけれども、ハムスター、これはオランダとかあるいは韓国とかアメリカ、チェコ辺りから年間百万匹を超えるハムスターが入ってきております。 そして、要は、今ペットブームというものがありまして、俗に言う、これ一兆円産業と言われておりますけれども、こういうふうな物すごい数の動物や植物が日本に入ってきて、結果として、責任を持ってしっかり飼っている場合はいいんですが、残念ながら飼い主の事情でそれを捨ててしまう、放棄してしまうということになると、そういうふうな動物たちはやっぱり我々の周りに野生化するというわけですね。そういうふうないろんな問題が実は、これは感染症予防法の問題だけではなくて、いわゆる日本の生態系全体の問題としてのやはり大きなこれから課題があると思うんですね。 私は、入ってくるそういうふうな動物の、あるいは植物の問題というのは、この感染症の問題と、それ以外にもいわゆる日本の在来の生態系を壊していく、例えば魚類でいうところのバス類が日本のコイやフナを食っていってしまうという、そういうふうな状態とか、あるいは交雑をするというふうな、元々ある生態系とは違った、そういうふうな動植物に生まれ変わってしまうという、こんなこともあるわけで、これは決して厚生労働省だけの問題ではないというふうに我々も思っています。他の省庁との関係ももちろんあるわけですけれども、特にこの問題について言えば、来年のそういう法改正のときに是非この視点をしっかり位置付けながら法案を作っていく、改正する、そういうふうな努力をしていただきたいというふうに考えています。 それから、SARSの問題についてですけれども、ここにもいろんな新聞報道は手元にあるわけですが、例えばシンガポールでは、三月の二十五日にシンガポール保健省が七百四十九人を自宅隔離にしたというふうに報道がされていますし、あるいはベトナム、あるいは香港などでは既に二百名以上の患者と少なくとも四人の死亡者が発生したということで、これ三月十九日現在、WHOが発表しておりますが。 こういうことで、これは、先ほども聞きましたように、まだ事例は少ないわけでありますし、断定はできないわけでありますが、是非ひとつ今後の予防といいますか、そういうものをしっかりとひとつやっていただいて対応していただくように強く要望しておきたいというふうに思っております。 それから、本論に入りたいと思いますけれども、今回、私、時間がありませんので、介護保険制度における移送の在り方、先ほども堀委員からいろいろSTSの問題が出ておりましたけれども、この問題について絞って質問をしていきたいというふうに思っております。 今回の介護報酬の改定、改正によりまして、御案内のとおり、介護タクシーのサービスに対して、通院等のための乗車又は降車のための介助、これが新設されたわけですね。そして、片道百点、こういうふうなことになりました。 これは、いろんな介護保険財政の問題とかその他の報酬との見合い等もあってこういうふうな百点に改正をしたということなんだろうと思うんですが、問題は、従来は介助、いわゆる乗降介助とそして運送部分というのを分けないで一緒にして身体介護ということで二百十点、こういうふうに規定していたわけですね。ところが、これが百点になったということで、介護タクシー業界からすれば、これは大変ちょっと厳しいと、こういう御指摘を受けているわけです。 そこで一つお伺いしたいんでありますけれども、今、新しいそういうふうな、新設された、先ほど申し上げた片道百点、これは厚生労働省の調査によっても一回の乗降介助に掛かる時間が二十六・九分というふうに言われておりますけれども、こういうふうな時間との見合いの中で適切な水準の設定だというふうに考えているかどうか、そして百点としたその根拠をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 今、先生から御質問のございました介護タクシーについてでございます。 お話にございましたように、従来は特別な乗車、降車の介助等についてのカテゴリーはございませんで、ホームヘルパーの資格のあるタクシーの運転手の方が介護を要する乗客の乗り降りの際に介助を行う場合に、身体介護、これは訪問介護の中の身体介護の報酬を算定されておると。通常三十分二百十単位、二千百円が算定されていたところでございます。 どうしてこういう改正を今回行ったのかということについてまず御説明申し上げますが、この取扱いにつきましては、身体介護はそもそも先ほど申し上げましたように訪問介護、一般の制度として設けられたものでございまして、このような実はタクシーの乗り降りに特化したような形態のサービスというのは想定していなかったわけでございます。また、タクシーの事業者の中には、この身体介護の報酬を受けていることによりまして利用者の方からは運賃を徴収しないケースも出てきており、本来、介護報酬は運転とかそういうところではなくて介護サービスに対して支払う訪問介護でございますので、その分を、運賃分も賄えるような報酬水準じゃ高過ぎるんじゃないかという御指摘が、これは介護保険を運営する主体の市町村から高まったということでございまして、このことを踏まえまして、今回の見直しでは、そういう通院等のための乗車又は降車の介助を、専らサービスを行っている事業者があるということに着目いたしまして、乗車、降車の介助行為につき身体介護報酬を設定いたしまして、百単位、先生からお話がありました千円でございますが、一回千円ということを設定さしていただいたわけです。 根拠といたしましては、御指摘いただきましたように、私どもも実態調査をさしていただきましたところ、大体千四百五十一人の方の実例で平均二十六分くらいというふうなことがございました。タクシーの運転手さんの平均賃金を計算さしていただきますと、時給換算で千三百七十八円ということでございましたので、そういう時給から照らしても一回千円というところは妥当なのではないかというふうに考えたこと。それから、実は介護報酬を請求されておらないタクシー会社がございまして、そういったところで乗降の介助をしている場合に、A社ではタクシー運賃だけで乗降の介助は無料でサービスしていたと、それからB社では病院における受診の手続まで介助する場合、タクシー運賃に介護基本料金として五百円ちょうだいしているようなケースがあるというようないろんな実例も考えまして一回千円という単価を設定さしていただいたところでございます。
○谷博之君 いろいろ説明をいただきましたけれども、結論から申し上げますと、そうすると今までの二百十点というのは間違いだったと、こういうことですか。
○政府参考人(中村秀一君) 今御説明申し上げましたように、介護保険の訪問介護サービスとしては、典型的な例としては、要介護の方の在宅で入浴のお世話ですとか食事のお世話、あるいは排せつのときの身体介助サービス、それから家事の支援といたしまして調理、掃除、こういったことを総合的に行う、そのときの言わば単価といたしまして、身体介護中心の場合には三十分未満で二百十単位とか、家事援助中心の場合には時間が掛かりますので三十分以上一時間未満の場合に百五十三単位とか、そういうふうに設定していたところでございます。 したがいまして、どちらかというと、介護タクシーというようなサービスの形態が出現することを当初、率直に申し上げまして、介護報酬、訪問介護の報酬を設定したときに想定しておらなかったということがございます。そういった意味では、当初の設定が適切じゃなかったんじゃないかという御指摘に対しては、ある意味では十分行き届いていなかったと。 しかし、現実問題として、通院介助というものが必要でございますし、その際、そういうサービスされている事業者の方で乗車、降車の介助をきちんと行っておられると。御自宅まで迎えに行き、玄関から車までお迎えすると、また、車を降りてから病院の窓口まで御案内するというようなサービスをやっておられるという実態を考慮いたしまして、いろいろ審議会の方でも御議論はございましたけれども、その乗車、降車の介助を行った場合に限定して千単位、一回千単位、百単位の、失礼しました、百単位の介護報酬を設定さしていただいたということでございます。
○谷博之君 答弁は短くしてくださいね。 それで、今の話について関連してお聞きしたいんですが、三月の三日に厚生労働省が実施上の留意事項というものを出しておりますね。その中で、運転手がヘルパーを兼ね、ほかにヘルパーが同乗しない場合は要介護度四以上には身体介護中心型は適用し得ると、こういうふうに説明しておりますね。 そこで二つ聞きたいんですが、じゃ、要介護の三以下はどうなのかということですね。それから、今お話ありましたように、例えば要介護者を病院に連れていく、そしてそこでいわゆる受診の手続までその運転手はしてあげるということになったときですね、当然これは乗車、降車だけではないわけです。ある程度身体介護もしているわけですね。こういうケースの場合に、要介護度三以下であっても私は適用するケースも出てくると思うんですが、この辺はどうですか。
○政府参考人(中村秀一君) 要介護四、五の方につきましては、ただいま申し上げました乗降介助のために特設いたしました介護報酬以外に、先ほど来説明申し上げました身体介護中心型のサービスがございますが、四、五の方に対してはこちらの方の介護報酬も請求できると、こういう扱いにしております。 基本的な考え方は、要介護四、五という方は、実は要介護四、五の方は重度な方でございまして、在宅におられる方と施設におられる方の割合を見ますと、実は施設に入所されている方の方が四、五では全体的には多いというようなことで、大変重度の方というふうに考えております。 そういった方の乗車、降車の介助ということは、例えばNPOとかそういった団体の方々がやっておられる実例を見ましても、お宅まで入って実はベッドの上から起こして洋服を着せてあげて、それから下までお連れして乗せて、そして病院に行き、また車いすを押してと、こういうことでございますので、介護の手間が非常に掛かるということに着目して、重度の方、四、五については身体介護の度合いが高いということで訪問介護の方の身体介護の点数を設定したところであります。 先生の御指摘ありました、じゃ要介護三の人はどうなんだ、二の人はどうなんだ、一の人はどうかという議論でございますが、要介護者の機能低下に関する調査結果、これは島根県のデータでございますが、見ましても、要介護四、五の方は乗り移るときに全介助必要な人の割合が要介護四で六〇%、要介護五で九〇%以上ということで非常に重度でございますが、要介護三までの場合は一割程度ということでございまして、かなり重度の度合いに違いがあると……
○谷博之君 簡潔に頼みます、簡潔に。
○政府参考人(中村秀一君) そういったことで、要介護四、五については身体介護中心型、算定してよいという取扱いにしたところでございます。
○谷博之君 それじゃ、時間もありませんが、もう一点お聞きします。 厚生労働省は移送サービスイコール施設送迎との認識に立っておられますけれども、これからの介護というのは自由な外出を保障するというのも私は介護の大きな柱だと思っています。したがって、何もそこに限定していないよというようなことを言いつつも、現実はこの施設の送迎にほぼ限定されています。そういう意味で、これからそういうふうな仕組みを見直す考えがあるかどうか、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(坂口力君) ここは介護保険というものと医療保険というものを将来連携して考えていかざるを得ないと思うんですが、そうしたことを考えました場合にも、その介護を受ける人が外出をいたしますときのサービス、そこまでこの保険点数の中に入れることができるかどうか、これはなかなか難しい問題だと率直に私は今思っております。 というのは、医療保険におきましてもその行き帰りというのはなかなか保険料の中には入らないわけでございますしいたしますし、医療保険とは違うんだと言ってしまえばそれまででございますけれども、そこをどう整理をするかという率直に言って問題になるだろうというふうに思っております。御指摘でございますから私たちも十分検討したいというふうに思っておりますが、そうした難しい側面もあるということもひとつ御理解をいただきたいと存じます。
○谷博之君 これで最後の質問になりますが、国土交通省にお越しいただいていますから、一点お伺いしたいと、こう思います。 先ほどSTSについては堀先生からも話が出ましたので、この点は重複を避けたいと思います。そして、一点だけお伺いしたいんですが、いわゆる特区での施行の後、平成十五年度中にも全国にこの取扱いを適用させたいというふうな考え方を持っておられるというふうに聞いておりますが、そういう中で、具体的な話として、この運営協議会の構成メンバー、この中にNPOの扱いはどうなるのか。それともう一つは、細かい話ですが、このNPOの皆さん方が、運送の対価に関して営利に至らない範囲が当該地域のタクシーの上限運賃額の二分の一と定められておりますけれども、リフトカーの場合は、この比較するのは大型タクシーの運賃ということでいいのかどうか、この二点をお伺いします。
○政府参考人(中山寛治君) お答えいたします。 運営協議の場のことでございますけれども、原則として地方公共団体が主宰するものでございます。また、運営協議のメンバーは、当該地方公共団体の長又はその指名する職員を含む関係者であるということを基本として主宰者が定めるということになっております。その中身は二つございまして、一つは、協議に参加するメンバー、それから意見を聴取するメンバーというので構成されています。そのほかに、許可の対象となりますNPO等につきましては、必要に応じて協議会が適宜説明を求めるということになっております。 二点目の運送の対価の二分の一の件でございますけれども、運送の対価につきましては、当該地域におけるタクシーの上限運賃額、それから公共交通機関の状況等地域の特性を勘案しつつ、営利に至らない範囲において設定されるものであるということとしております。 この場合、二分の一の根拠でございますけれども、タクシー事業者の原価計算、それから福祉タクシー事業者の実態調査などを総合的に判断いたしまして、一定の許容範囲を加味した上で設定した数字でございます。 それから、リフトカーの取扱料金でございますけれども、使用する車両の排気量それから定員によりまして、普通車、大型車、それから特定大型車の運賃を基準として定めるということになっております。
○谷博之君 最後に一点要望いたしますが、坂口大臣から外出のときのお話についての、難しいというお話もございましたが、実はこれはいわゆる在宅の要介護者の皆さん方もいわゆる病院とか施設にただ通うということではなくて、やっぱり人間として毎日を送るためにそういう外出というのはやっぱり絶対必要なわけですから、そういう意味での視点をしっかり持って、この問題についても前向きのひとつ検討をいただきますように心からお願い申し上げまして、以上で私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩といたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本保君 公明党の山本保です。 短い時間ですけれども、お許しいただきまして御質問させていただきます。 最初に、これは大臣、質問通告をしていなかったことなんですが、午前中に──二問ですね、二問じゃないです、質問じゃないですから。堀委員、そして谷委員から移送サービスのことが議題に出されまして、非常に私も、実はこのことでちょうど団体の方ともお話をして国交省といろんな細かい詰めをやっていたところだったものですから、ちょうどいい機会ということで、大臣にちょっと御要望をしたいと思っております。質問ではございません。たくさんあるんですが、二点だけ申し上げます。 一つは、今、第二種免許の問題が最初に出ましたが、第二種免許というのは、もちろん営業として営利として事業をするためのものでありまして、ただ最近少し直して、そういうお年寄りや障害の方をやるようなこともその免許の課程には少し入れてきたところなんですね。取り方も今までは県立、県営の県の試験場でしか取れなかったのを自動車学校などでということで、国交省も本当に最近から改正はしているんですけれども、やはりこういうサービス、特に福祉型のことをするのに第二種免許が必要かどうかという問題はあると思うんです。是非必要な、第二種免許にしてもよろしいし、福祉型免許でもよいと思うんですが、こういう方の介助をするときに必要な技術というものをきちんと、厚生省の側から国交省ともよく連携していただきまして、その辺が本当にサービスを受ける方の福祉向上のために、その中身を是非御検討して、連携していただきたいということが第一点です。 第二点は、谷委員の言われたことにもちょっと関係するんですが、実は今対象が、特に最後に局長からありましたように、保険対象としてお金を介護保険の対象にするかどうかというときに、ある程度厳しい条件が要るというのは私もそう思うんですが、実は国交省の方は特区の中で営業許可をといいますか、営業の大臣の許可を出そうということで今やっているわけなんですが、それを見ますと、車いすを使うことをどうも前提としておりまして、車いすの方が、ですから車も車いすが付けられるようないろんな改造した車であるというようなことになっておるんです。これは、もちろんそういうサービスの必要な方にはそういうのが要るわけですけれども、実際に今やっているいろんな団体の情報などを見ますと、そうでなくて、本当に近くで診療に行かれたりとかデイサービスなどに行かれるときに使われるという方が多いわけでして、車いすの方が使われるよりはそういう意味で使われていると、こういう実態もあります。 ですから、何か国交省の方は福祉というか、そういう介護の考え方を、はっきり言えばかわいそうな状態になってからやってあげましょうという感覚がどうも強いようです。是非、福祉の考え方で、そうならないように予防するとか、又はその進行を遅らせるという意味のサービスというのがあっていいと思いますので、これについても、これは国交省の担当には話をしているところでございますので、是非担当同士で中身の充実をお願いしたいということを最初に申し上げます。 続きまして、質問でございます。 昨年の十一月の十二日でしたですか、大臣にもおいでいただきまして、ALSですね、筋萎縮性側索硬化症、この日本ALS協会の方とも大臣お会いになられまして、陳情を受けられました。その一番中核は、日常生活においてたんの吸引を今、家族、また医師、看護師さんだけに認められているものを、指導を受けたヘルパーなどの方にも認めていただきたいと、こういう陳情だったというふうに思っております。 ちょうど二日後に、この委員会で大臣に私の方からもお願いをしましたところ、大変積極的な前向きな御答弁をいただいたと思っておりまして、この問題は法的な問題とかまたその中身、正に技術論というものがあります。簡単なものじゃないそうであります。 先日も私の会に偶然、患者さんと全然関係ないんですが、別の看護師さん、女性の看護師さんが参加されていまして、大論争になってしまったと。そんな簡単な技術じゃないですよというようなこともお聞きしたこともありまして、すぐに結論が出るようなものではないと思っておりますけれども、現在ちょうど、何か月もたちまして、春にもなってまいりました。大臣の方から、今どんな形で取組をされているのか、この辺について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 確かにALS患者の皆さん方にお会いをさせていただきまして、そしてお約束を申し上げた。いつまでに結論を出してくれるのかという話でございますから、桜の花の咲くころにはと、こう申し上げたわけでございまして、桜の花はぼつぼつ咲き始めてまいりましたので結論を今急いでもらっているところでございます。できれば三月中にというふうに思っておりましたけれども、ちょっと三月一杯は無理になってまいりまして、四月にずれ込んでまいります。桜の花も所によりましては咲く時期も少し違いますので、四月ならばお許しをいただける間ではないかというふうに思っているわけでございます。 検討会を作りまして、そして議論をずっとしていただいておりまして、看護師さんの代表にもお入りをいただき、第三者的な立場の方にもお入りをいただきということで進めさせていただいているところでございます。 方向性としては認めるというふうになりましたときに、どういうことが一番大事なのか、どういうことに気を付けなきゃいけないのか、どんなときに限定するのかといったようないろいろな意見が出ているようでございますけれども、方向性としては是非御家庭で、ALSの患者さんのおられる御家族だけではなくて、ヘルパーの皆さん方も含めましてそうしたことに参加のできるような方向で検討を進めている。間もなく結論が出ると思っているところでございます。
○山本保君 ありがとうございます。 一週間に一度ぐらいの割合でもう精力的に、これが報告書ですけれども、私も読ませていただきました。大変難しい問題もある中で、大臣の今言われたように、できれば是非積極的に、また難しいとは思いますけれども、まず、今、特区という話もありますし、こういう命のことにちょっと特区ということはこれはなじまないと思いますけれども、しかし、まず一歩踏み出していただきたいということを私からも重ねてお願い申し上げます。 どうもありがとうございました。私の質問は以上です。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。 まず最初に、私は技術移転機関の整備問題についてお伺いをさせていただきます。 平成十五年度厚生労働省予算の中で、先端的技術を活用した医療の展開として七十一億円が措置されております。この中で研究開発基盤の整備として新しい事業、国立試験研究機関等の知的成果物の民間移転推進事業、いわゆる厚生労働省版のTLOが行われることになっておりますが、この概要について、この事業の概要についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(田中慶司君) お答え申し上げます。 大学や国立試験研究機関等で生み出されました研究成果を社会に還元し、国民生活の向上に貢献させるためにはこれらの研究成果の民間企業等への技術移転を促進することが大変重要でございまして、平成十年に制定されましたいわゆるTLO法におきまして、国立試験研究機関等を所管する大臣が認定したいわゆる認定TLOにつきまして、特許料の免除等の支援措置を講じること等が定められております。厚生労働省では、所管の国立試験研究機関等につきまして、TLO法に基づきまして認定TLOを新たに設立するために、平成十五年度予算にその整備に必要な経費を計上しているところでございます。 厚生労働省といたしましては、今回の認定TLOの設立によりまして、国立試験研究機関等におきます知的財産の活用を推進するとともに、基礎的研究段階から研究成果の応用、技術移転に至るまで、一貫した研究体制の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○沢たまき君 ありがとうございました。 九八年制定のTLOから、翌年、九九年の日本版のバイドル法、それぞれ制定されて、二〇〇〇年に国立大学教官等の民間企業役員の兼任が可能となる等、産学連携を促進するための環境整備は徐々にではありますが進められてまいりました。 それまで大学は、国の委託によって研究をしても、その成果はまた国に返さなければならなかったですし、研究者としてのメリットが得にくい状況にあったわけですけれども、こうした法整備がなされたことで、大学あるいは個人にとって研究の成果が享受しやすくなって、知的財産の海外への流出も少なくなるのではないかと期待をしているところでございます。また、産学連携に伴う国際競争力のある特許技術を開発することによって経済活性化が図られるのではないかと期待が大変大きいものであります。 厚生労働省としても、昨年の八月に医薬品産業ビジョンを発表なさいましたし、また平成十六年の四月に設立予定の独立行政法人の医薬品医療機器総合機構においてバイドル方式が、委託事業を実施することになっておりますが、どうしても経産省とか文部科学省に後れを取っているなという感が否めないわけでございますが、もっと厚生労働省としても積極的に取り組んでいただきたいなと思っておりますが、こうした産官連携に対する厚生労働省の協力の体制について御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今おっしゃるように、いわゆる技術移転機関、TLOというふうに言われておりますが、この分野では確かに御指摘いただくように厚生労働省若干後れているのかなというふうに私も思っております。いろいろな機関で研究はやっておりますが、そのことを現実のそれが利用できるようにどういうふうにそれをしていくかというところまで、いわゆる一貫性はなかなか厚生労働省の中では取れないわけでありますから、研究しましたこと等についてそれが現実になりますように、これは民間の企業のかなり御支援をいただかなければならないことだというふうに思っております。 これからできるだけ民間企業の皆さん方にそうしたノウハウをお示しを申し上げることによって、そしてそれを現実に利用できる、それが薬であれ医療機械であれその他のものであれ、それが国民の皆さん方の医療あるいはまた福祉に役立つものになっていくようにしなければならないというふうに思っている次第でございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。ちょっと後れているなという感じがありました。 今、本当に世界は大国際競争という時代に入っております。その中で日本は立ち後れが目立っているなと思います。例えば、国際競争力の一つの指標として、スイスの国際経営開発研究所が毎年発表しております各国の競争力ランキングというのがありますが、それを見ますと、国内経済、国際化、政府、金融、社会資本、マネージメント、科学技術、人的資源、この八つの分野においての調査の結果は、我が国は大変競争力の評価は低いんですね。対象四十七か国の中で全体の総合の順位は十七位、二〇〇二年においては七十九か国が対象国で三十位。九三年に首位の座を渡して以来、低下の一途をたどっているという、こういう状況であります。 一方、国際競争力を支える特許の技術ですが、我が国では大学における特許の取得の件数がこれまた諸外国に比べて格段に低いんです。例えば、アメリカは二〇〇〇年に三千二百七十二件の特許の取得件数があるのに対して、我が国は二〇〇一年に百三件しかありませんし、また、TLOの実施許諾の件数は、アメリカが二〇〇〇年で一年間三千六百六件、日本は一九九八年から二〇〇一年までの三年間でわずかに二百八十二件しかありません。この取り後れという、まあ後れは、大学の特許出願件数でも明らかなように、お隣の中国と比較しますと、中国が二千九百二十四件に対して、我が国は五百七十七件しかございません。 私は、大学は勉強するだけというだけでは、そういう時代ではなくて、もっと大学を活用して、その頭脳を使って新しい技術の開発に生かし、産業に結び付け、日本の経済の再生へと、こういう道筋を付けていくことが今大変求められているんではないかなと思っております。 この点をちょっと文部科学省に伺いたいと思います。
○政府参考人(丸山剛司君) お答え申し上げます。 知の源泉であります大学の優れた研究成果を知的財産として確保して、それを社会に活用していくということは、大学の教育研究の活性化の観点からも、新産業を作り出して我が国の経済社会を活性化するためにも極めて重要なものであるというふうに認識しております。 先生御指摘のとおり、米国と日本の大学においては特許について大きな違いがございます。これまでは特許の例えば取り方が違うということで、米国は原則大学が特許を取る、これに対しまして、多くの場合日本では、原則として研究者個人にゆだねられているというのが実態でございました。しかしながら、こういう特許の取得方法の違いというものはありますけれども、米国に比べてその特許を取る努力というのが十分でなかった面もあることは事実でございます。これは、原因を考えてみますと、特許を取得しようとする大学の研究者のインセンティブが余りなかったとか、あるいは特許取得のための資金的、時間的な負担が大きかったというようなことが挙げられると考えております。 私どもは、国立大学の法人化の動きやあるいは国全体としての知的財産権保護、活用の重要性、こういうものに十分対応していくために、大学の知的財産を作り出しそれを活用していくということに積極的に取り組んできてございます。まだまだ効果は十分とは言えませんけれども、最近五年間での大学における特許の出願件数は五年前に比べて七倍に増えたということで、大きな特許料収入を上げている例も出てきてございます。 制度の面では、大学がその組織として知的財産を積極的に作り出して活用する仕組みを整えますために、大学の知的財産を原則として大学に帰属させて活用するという方針を明確にいたしました。 また、発明補償金という、いわゆる発明した人にとっての経済的メリットでございますが、これの上限を撤廃することによって研究者が特許を取得する意欲を高めたりすることもいたしました。 また、十五年度の予算案におきまして、大学が組織的かつ戦略的にその知的財産の管理、活用を図るために、全国の約三十の大学に知的財産本部というものを設置したり、あるいは大学等の研究成果を日本の国内だけでなくて海外でも取得するということを支援するような予算をお願いをしているところでございます。 文部科学省としては、こういう制度の改革に加えまして、先般、先ほどお話がございましたTLOの活動に対する支援とか、あるいは大学発のベンチャーを作り出す、こういうことの支援を進めているところでございます。 こういう成果が全体として大きな成果を上げまして、先生御指摘のように、知の拠点であります我が国の大学が日本経済再生の中心になっていくように全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○沢たまき君 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 大学による新技術の開発を促進する、研究費を今上限を撤廃してくださったというお答えをいただきましたが、研究開発費に十分な予算措置を講じるとともに、大学の研究者が技術開発を行い、産業に結び付け、起業も、おっしゃっていただきましたけれども、起業家育成、インキュベーター、これを整備してくださるとおっしゃっていましたけれども、大変重要であろうと思いますが、これもその数がやっぱり少のうございますね。我が国は百十三しかありませんが、アメリカは八百、中国が四百八十五、韓国が三百三か所、これインキュベーターがございます。これもどうぞ学校の中だけでなく、官それから民、増やしていただければと思います。 今後、成長産業としての医療分野などのバイオ産業が期待されていることを考えますと、産業政策だから経済産業省、それから大学だから文部科学省というのではなくて、厚生労働省も積極的に取り組んでいくべきだろうと考えております。 医療の技術の進展は、新規の事業、新産業の創出効果をもたらすというメリットだけではなくて、迅速かつ的確な医療提供体制を整備していく上でも、また先ほど山本先生がおっしゃったような難病の克服を図るためにも大変必要なことだろうと思っております。産官連携が雇用創出の効果をもたらすと思いますし、雇用対策の観点からも、より良い医療提供体制の観点からも厚生労働省が果たす役割は大変大きいと考えております。 今後、厚生労働省はこうした技術開発をどのように支援していかれるおつもりなのか、伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 画期的あるいは独創的な医薬品ですとかあるいは医療機器の研究開発を推進するためには、企業が主体となって医薬品の研究を行うことは当然必要なことでございますが、国といたしましても、そういう研究開発の環境整備の方面に積極的に取り組む必要があるというふうに認識をいたしております。 このため、これまでがんですとかあるいは心筋梗塞、脳卒中、痴呆、骨折などのそういう疾患に対しまして、画期的な新薬の開発を推進することを目指しましたメディカルフロンティア戦略というようなものをやっておりまして、こういうものの研究を推進するため、いろいろ努力をしてまいりました。 さらに、医薬品につきましては、平成十四年の八月に取りまとめました医薬品産業ビジョンというものにおきまして、新薬の研究開発などに対するいろいろな国の支援策を持っておるわけでございますが、一つは、新薬開発につながる重要な疾患関連たんぱく質の解析、この研究を推進しようというのが一つ目でございますし、二つ目は、大規模治験ネットワークを構築をいたしまして、先ほど先生も御指摘ございましたように、国際競争力のある治験環境の整備をしたいというふうに思っております。また、さらには研究開発促進税制の大幅な拡充、こういうようなものを盛り込んでおります。また、医療機器につきましても、今月でございますけれども、三月に医療機器産業ビジョン案を公表をいたしまして、革新的な医療機器の開発を支援するということといたしております。 国民の保健医療水準の向上あるいは医薬品、医療機器の開発を促進するため、これからも施策の着実な実施に努めてまいりたいと考えております。
○沢たまき君 また、その研究の成果を生かすためにその技術を使って産業を起こそうと思っても、これはまた別の才能が必要になるわけでございますので、先ほど申されました、文部科学省はインキュベーターを整備するとおっしゃっておりましたが、その起業家育成の方策について厚生労働省はどう取組をされるのか、またどういうお考えをお持ちなのか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘のように、起業家、いわゆる業を起こす起業家の育成というのは大変重要であるというふうに考えております。このため、今までも医薬品機構を通じまして、先端的な技術の研究開発に取り組んでいるベンチャー企業に対して出融資方式による資金面での支援をしてまいりました。また、ベンチャー企業の開発した発明などを大手企業やあるいはベンチャーキャピタルに紹介をして、その製品化を促進するフォーラムというようなものも開催してまいりました。 十六年度からは医薬品機構が、先ほど先生も申されましたように、独立行政法人化をするわけでございますが、それを機に、ベンチャー企業の資金ニーズなどを踏まえまして、資金面での支援について、その対象を今まで基礎的研究というふうなことに重点を置いておりましたが、実用化研究の方にシフトしようというふうに思っております。そして、その支援方式も従来の出資方式からベンチャー企業などに特許権が一〇〇%帰属するいわゆる日本版バイ・ドール委託方式、そういうものに転換をしたいというふうに考えております。 医薬品、医療機器の開発におけるベンチャー企業などの重要性にかんがみまして、こうした企業の育成にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○沢たまき君 そろそろ時間がなくなりました。ちょっと早めに伺います。 昨年の七月に策定された知的財産戦略大綱に基づいて各省庁では知的財産保護に向けた取組を検討されているとお聞きしておりますが、厚生労働省はこの知的財産保護に対してどのような検討がなされているんでしょうか。 また、先般設立されました知的財産戦略本部において厚生労働省はどのようにかかわっていくことになるんでしょうか、伺います。
○政府参考人(田中慶司君) お答え申し上げます。 厚生労働省といたしましては、知的財産戦略本部に先駆けまして昨年二月に設置されました知的財産戦略会議に厚生労働大臣がメンバーとして参加しておりまして、知的財産戦略大綱の策定に参画いたしました。 また、この大綱を踏まえまして、国立試験研究機関等におきます認定TLOの設立に向けての検討を行いますとともに、国立試験研究機関等におきます知的成果物の研究者本人から所属機関への帰属の転換と発明者への報奨に係る規定の整備等に取り組んでいるところでございまして、これらの取組等によりまして知的財産の創造や活用等を推進しているところでございます。 さらに、知的財産戦略を積極的に推進するために、本年一月に関係部局や国立試験研究機関、国立高度専門医療センターなどから成ります厚生労働省知的財産戦略会議、これを省内に設置したところでございます。 なお、政府の知的財産戦略本部には厚生労働大臣もメンバーとして参加しておりまして、今後も引き続き知的財産に関します施策の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○沢たまき君 あと一分しかありませんが、雇用対策といっても産業を育成して国際競争力を培っていかないと何ら抜本的な対策になりませんので、このことをよく御理解をいただいてこの知的戦略を頑張っていただきたいと思います。 経産省に来ていただきましたので、ちょっと伺います。 百万件と言われております現存の特許なんですが、実際に使われている特許が約三十四万件と全体の三分の一にとどまっておりまして、あとは休眠特許と言われているのでございますが、この未活用特許はうまく活用することで新たな事業と雇用を創出すれば日本の経済とか社会全体の活性化につながるのではないかと思っておりますが、経産省の御見解を伺って、質問を終わります。
○政府参考人(平井敏文君) 御答弁申し上げます。 御指摘のとおり、日本には現在百万件を超える特許権が存在しております。その三分の二は大企業などが有する未利用の特許でございます。その半分、すなわち全体からしますと三分の一になりますが、御指摘のとおり未利用でございますが、開放する意思がございます、どうぞ有料あるいは無料で使ってくださいという開放の意思がある特許が百万件のうちの三分の一ございます。それにつきまして、我が国の産業競争力の強化のためには、これをベンチャー、中小企業などが有効に活用できるような環境整備が特に必要でございます。 特許庁におきましては、これは特許流通市場という言葉を使っておりますが、この特許流通市場の整備が必要であると考えておりまして、独立行政法人工業所有権総合情報館がございます。そこを通じまして、特許流通アドバイザー制度、あるいは特許流通データベース、あるいは各種セミナー、そういった事業を通じまして、平成九年度から開始しております、これまで約六年間で、中小企業とそういった開放特許との契約といいますか、ライセンス等二千六百件を超える成約ができておりまして、契約されております。こういった事業を通じまして、ますますそういった特許の流通を推進、充実いたしまして、知的財産の有効な活用ができる環境整備に一層努めてまいる所存でございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。
○井上美代君 日本共産党を代表して質問をいたします。 私は、三月十四日に発表されました去年の十月一日現在の我が国の人口統計を見ておりまして、人口増加率が本当に戦後最悪になった、最低になった、少子化が一層進行しており、そして子育て支援への社会整備が待ったなしのものになっているということを感じております。そうしたさなかに日本航空が行おうとしております深夜業の免除制限の問題を取り上げたいと思います。 育児・介護休業法では、育児を行う労働者の深夜業制限を定め、そして就学前の子供がいる労働者が申請すれば夜の十時から朝の五時までの深夜労働をさせてはならないと、こういうふうに規定をしております。日本航空では、この制度ができたことで退職しないで頑張れるということで、現在約百人の客室乗務員の方々が深夜業免除を適用されております。 ところが、今年の二月の十日、会社は突然、深夜業免除措置適用方法の変更を告示してまいりました。四月の一日から深夜業免除適用者を七十五人に限定するというんです。申請者の中から抽せんで選ぶと発表をいたしました。現在百人、四月には更に申請者が増えると分かっていながら、四月実施直前に七十五人に限定すると労働者に突き付けてきたわけなんです。 この件につきまして、昨日も本委員会で取り上げられ、そして、厚生労働省と東京労働局が相談の上に、三月六日に日本航空に対して行った指導の内容も明らかになりました。要約すれば、七十五人の枠を広げる努力をすることということと、そして申請者全員への適用を可及的速やかに検討し実施すること、こういうのが内容になっております。 しかし、会社は七十五人枠は全く広げようとしていません。そのために、深夜業免除の適用希望者約百六十人がいらっしゃるんですが、百六十人のうち半数以上がはじき出されてしまったということです。この八十人以上の人に対して会社は、四日間帰宅できないフライトをするのか、泊まりがある、幾つも泊まりがあるんですね、そういうフライトをするのか、無給の休業を取るか、どちらかを選択するように求め、結局八割の方が今無給で休まざるを得ない、そういうところに追い込まれているわけなんです。会社の姿勢は余りに私は不誠実だというふうに思っております。 三月の二十日には、四月だけでなく五月も七十五人の枠を拡大しないと、こういうふうに通知をしておりますし、客室乗務員組合との交渉記録をずっと読ませていただいたんですけれども、何人増やせば百六十人分の深夜業の免除パターンが作成できるのかという質問に対して、そういう検証はしていないと、こういうふうに会社側は答えておられるんです。とにかく、深夜業免除パターンは七十五人分しか作られないと、こういうふうに会社は言っておられて、申請者全員のパターンは人員増を伴うから検討さえしないと、こういう姿勢のようなんです。これでは、人員コスト問題を持ち出しさえすれば、育児・介護休業法に規定された労働者の権利を保障しなくてよいということになってしまいます。 まずお聞きしたいんですけれども、深夜業の免除を申請者全員に適用する方法として人員増を伴うパターンについては検討さえしていないという、このことがあるならばこれはもう本当に問題ではないかなと思っているんですけれども、局長、いかがでございましょうか、御答弁願います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 労働者が育児・介護休業法に基づきまして深夜業の制限について請求した場合には、事業主は、労働者が請求どおりに深夜業の制限の適用を受けられるように、通常考えられる相当の努力をすべきものであるというふうに考えております。その努力の中には、勤務体制の変更や代替要員の確保など、企業の実情に応じてやられるべきものも入ってくるというふうに理解しております。
○井上美代君 昨日、組合から資料が届きました。会社が発表した四月の乗務パターン表を組合側は詳細に検証したところ、申請者全員への深夜業免除適用は人員増なしでも可能であるとして、そしてその変更案を示されたものです。 たとえ暫定措置というのであったとしても、パターン変更をすれば無給の休業などという事態を避けることができるという主張をしておられるんですね。私もその表を見てみましたけれども、そのように私も分かりました。これは労働者の権利にかかわる問題です。組合が具体的に案を提示しているのですから、会社としても誠実にこうした案を検討するべきだと私は思います。 それで、大臣にお聞きしたいんですけれども、このように労働者も必死の思いで変更案などを作ったりしているんですけれども、これをやはり検討していくということが大事ではないかと思いますが、いかがお考えになりますでしょうか。 大臣にあれですけれども。
○副大臣(鴨下一郎君) 副大臣も使っていただきたいと思います。 育児・介護休業法の趣旨に基づきまして、深夜業の制限を希望する労働者全員が制限の適用を受けられるようになることは極めて重要なことだというふうに考えておる次第でございます。 この点につきましては既に、今、岩田局長からも答弁いたしましたが、指導をしているところでありまして、会社の対応を更に注意深く見守っていくということが重要であろうと考えておりますし、さらに必要があれば適切な助言、指導を順次行ってまいりたいと、このように考えております。
○井上美代君 私は、局長にお聞きしたいんですけれども、深夜業免除を申請者全員に適用する方法として、人員増を伴うパターンについては検討さえしないということを申し上げたんですけれども、それに対してはどのように思われるでしょうか。本当は大臣にお聞きしたかったんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 具体的なことは私は十分に存じておりませんが、予算委員会かどこかでも一度この問題、聞かれたことがございまして、そのときにもお答えしたんですが、会社側もいろいろそれは事情はあるんでしょうけれども、抽せんでというのはいささか乱暴過ぎるんじゃないでしょうかと、もう少し丁寧にやはり対応する必要があるということを申し上げたわけでありまして、そんな思いでおります。
○井上美代君 大臣のおっしゃるとおりだと思います。私も、やはり介護・育児休業法がなぜできたかというそこのところが非常に重要なんだというふうに思うんです。 昨日、組合からその資料をもらっていろいろ考えたんですけれども、申請者全員への深夜業免除適用というのは人員増なしでも可能であるというふうに言っているわけですから、これを検討してもらうということを是非御指導願いたいというふうに思います。 この深夜業の制限というのは、深夜、常時子供を見る人がいないんですね、同居の家族がいない労働者に限定されているのです。それで、申請を拒否された労働者の方々はもう本当に、手記も読ませていただいたんですけれども、途方に暮れているんですよね。 私も直接該当者の方からもお話を聞きましたけれども、彼女たちは客室乗務員としての誇りを持って、本当に困難な中で子供を育てながら、しかしながら自分も働きたいという意欲に燃えているわけです。だから、困難な中でも子育てと両立をさせるということで頑張っているんですね。やはりフライトをしたいということを言っておられました。それなのに二か月も収入がなくなるという今の状態なんですね。その先どうなるかということが今の会社の返事では何ともならない。このままでは保育所から退所するよう言われるかもしれないと、もうせっぱ詰まった思いになっておられるんです。 これでは退職者を出しかねません。そうなった場合に、子育て中の客室乗務員に対する間接的な言ってみれば退職強要と同じではないだろうかと私は思うんです。日本航空に対して、申請者全員への適用のためにどんな検討をしているのか、その内容というのを明らかにさせていく指導というのが要るんじゃないかなと。最初に出された指導は、私は非常に適切だったというふうに思っているんです。しかしながら、それ以上はなかなか進まないんですね。会社側が非常に強硬なんですけれども。 私は、大臣に、育児・介護休業法の趣旨からいっても、今回の措置による退職者を一人でも出さない、もう出さないで頑張れるようにする、そういう援助が必要なんじゃないかというふうに思いますので、日本航空へのあと一息のやはり指導を強めてほしいと、そして無給で休業せざるを得ない労働者に希望をやはり示してほしいというふうに思うんですけれども、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 三月にJALに対して指導いたしまして、その後会社の方から、検討状況について報告をするようにということをお願いしてありますので、今後も会社の方から情報提供があるというふうに思います。 四月、五月の暫定的な体制について会社の方として方針を決められたようでございますけれども、その後のことはよくまだ聞いておりませんので、三月の指導の内容にも含まれておりましたけれども、深夜業の制限を希望する方全員がその希望が実現するような体制をやはり速やかに作っていただくということが大事だというふうに思いますので、先ほど鴨下副大臣も答弁されましたけれども、今しばらく会社の状況を見守っておりますけれども、また必要であれば必要な対応を行政としてもしたいというふうに考えております。
○井上美代君 四月、五月、そしてその先についても見通しが、私の聞くところでは全然出ていないんですね。だから、そういう意味で、今、局長からお話がありましたけれども、これは子供を持つ、小さい子供を持つ女性たちへのもう支援として何としてもやってほしいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 私は、次に企業再編に伴うリストラ問題について質問をいたします。 企業組織の再編に伴う人減らし、そして賃下げなどのリストラがNTTなどでもう大掛かりに始まり、最近では丸井デパートなどがマスコミでも取り上げられて、皆様方お読みになったというふうに思いますけれども、日本労働研究機構の調査では、過去三年間で一四・五%の企業が企業再編を実施し、今後も広がっていくことが予想されているわけなんです。 企業再編の手法については様々な手法があるわけなんですけれども、営業譲渡など企業再編に伴う労働者保護については、三年前の労働契約承継法の審議の際、衆参の両院で附帯決議が議決され、そして立法上の措置を含め十分検討を加え適切な措置を講ずることがその内容として決められているんです。 この附帯決議に沿って、厚生労働省は、一昨年になりますけれども、企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会というのを立ち上げになったんですね。そして、昨年八月までに、ずっと研究を続け、調査を続けてこられました。そして、この報告書が作られているわけなんです。この報告書では、法的な措置を講ずることは適当でないが、企業が講ずるべき措置について指針などを策定する必要があると、こういうふうに報告書の中には書いてあるんですね。 厚労省は、この指針に相当するものを現在検討しておられるということを聞いておりますが、この指針について質問をいたします。 まず、営業譲渡の際の雇用についてなんですけれども、企業があるAという一つの企業部門をほかの企業に営業譲渡し、そして労働者を転籍させることとなった場合を想定していただきたいというふうに思うんです。企業のグループから転籍をさせたい。そのA部門の労働者が転籍を拒否した場合、嫌だと言った場合、使用者から、あなたはA部門に従事するものとして採用されたのだからもう仕事はないと、こういうふうにして解雇されたり自宅待機になったりすることは、私はあってはならないことだというふうに思いますけれども、指針ではどのように検討されているのでしょうか。労働政策統括官の方、おいでくださっていると思いますが、お願いいたします。
○政府参考人(青木功君) 営業譲渡に伴う雇用の関係でございますけれども、今、先生からお話がございましたように、企業再編をめぐって合併とか会社分割、あるいは営業譲渡、様々な措置が取られておりますし、またこれに対応するように、この厳しい中で、この国会にも産業活力再生特別措置法の改正、それから産業再生機構法の制定ということで、この国会で御議論をいただいているように承知をしております。 こういう中でも、様々な経営改革の手法として合併だとか営業譲渡だとか、そういった手法が予定をされておりまして、これらのただいま申し上げました二法案につきましても、関係労働者の地位を不当に害してはならないとか、あるいは労働者との協議の状況を産業再生機構の方の認可の要件にするとか、様々な新たな事情が生じております。そういったこともございまして、私どもとしては、先生お触れになりました昨年の研究会報告に加えた新しい状況に踏まえた在り方というものについて検討してまいりたいと存じております。 そこで、ただいまお尋ねの転籍に際しての問題でありますけれども、営業譲渡は言うまでもなく合併とかと違いまして、営業が譲渡すると同時にあらゆる法律関係がそのまま移行する包括承継ではございません。ですから、働く方も労働者の方もお一人お一人が言わば同意をしないと転籍をすることにならないという法律関係でありますので、例えば転籍を拒否したということをもって解雇をするということは法制的に許されないというふうに考えます。
○井上美代君 次に、私は営業譲渡に伴う労働条件の変更について質問をいたします。 この間の企業再編の動向を見ても、営業譲渡に伴って労働条件の切下げが横行しております。日本労働研究機構の調査でも、子会社を作って営業譲渡するなど、企業グループ内での営業譲渡に伴う転籍に関しては賃下げになる割合が高いという結果が出ているんです。 労働条件の不利益変更をする場合には、一般的には就業規則の不利益変更の法理にのっとって合理的な理由が必要とされます。営業譲渡で労働条件を引き下げる場合はどうなるでしょうか。これもお答え願いたいんですが。
○政府参考人(青木功君) 営業譲渡にかかわって転籍前と転籍後で労働条件の変更があるというケースがございます。これにつきましても、やはり個別の、お一人お一人の労働者との関係でございますので、やはり労働条件の変更には、当然の前提といたしまして、関係労働者の同意が必要であるというふうに考えます。
○井上美代君 本人の同意だけでいいということですよね。ですけれども、企業グループ内でのこの営業譲渡に関しては、特に労働者保護が私は切実であるというふうに思いますが、報告書ではこの問題は事実の指摘はしてあるんです。しかしながら、分析はされておりません。 労働契約承継法が成立する前の段階で、この企業組織変更に関する労働関係法制等研究会報告という報告書が厚生労働省の審議会から出されておりますけれども、そこでは、営業譲渡について、労働者保護立法である労働契約承継法が見送られたのは、営業譲渡が、資本、株式の面でつながりのない会社へ譲渡されることが相当あることを考慮したためと、こういうふうに述べているんですね。 営業譲渡の現状を見ても、法制定の経過からいっても、特に企業グループ内での営業譲渡に関しては、就業規則の不利益変更論に言ういわゆる合理的な内容が必要といった労働者保護法が必要ではないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか、御答弁願います。
○政府参考人(青木功君) 同一グループの中で新しい会社を作って、そちらの方に転籍をしていただくというケースもございますし、様々な形態がございますが、いずれも企業の持つ経営資源、人、物というものが大切に使われるように行われる企業活動であるというふうに承知をいたしております。 そこで、先ほど申し上げましたように、労働条件の問題が言わば労使のお約束で決まっていくと。労働者の同意を得るということに関しましては、やはりこれは同一グループ内で一定の資本関係があって行われるケースであっても、あるいはそうでない場合においても法的な基礎は同じでありまして、やはり関係者の同意を前提に進められるものというふうに考えております。
○井上美代君 私は、この営業譲渡による転籍の際の労働問題の典型的な事例として京王電鉄のバス部門の問題を取り上げます。労働者保護立法がないと労働者の権利がどのようにもう踏みにじられるかということを典型的に示したものだというふうに思います。 京王電鉄では、昨年八月、一〇〇%の、この本社が出した一〇〇%の子会社にバス部門を営業譲渡し、そこに働く労働者を転籍させて賃金の引下げを行いました。その賃下げで失われる生涯賃金の総額というのを計算いたしましたけれども、賃金と退職金合わせて三十二歳の労働者は六千五百万円に上ります。大変なものです。 最初、経営側は転籍に拒否権はないと言っていましたが、それが違法行為だと労働者から批判をされると今度は譲渡先への出向を、合理的な理由の有無は関係なく、賃金引下げと一体に強要してまいりました。その出向を拒否した労働者には自宅待機の命令を出しています。この自宅待機命令というのは、バス部門の労働者として雇ったのだから、バス部門を営業譲渡した以上、仕事はありません、こういう理由で出された業務命令で、これが大変な問題になるわけなんです。 私も聞いてびっくりしておりますけれども、自宅待機で仕事を与えず、賃金も基準賃金だけとなったため、もう諸手当などが付かなくなり、月々、受取が二十万円減ったという人もおり、経済的不利益はもう大変大きなものです。 最大の問題は、もう去年の八月から自宅待機が八か月近くの長期にわたって行われているということです。このような長期の自宅待機を強いる業務命令の有効性については今までの裁判判例の中ではどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。参考人、よろしく。
○政府参考人(松崎朗君) 一般論として申し上げさせていただきますけれども、使用者がいたします自宅待機命令でございますが、これは労働者の就労義務を免除するということにすぎないわけでございますので、ただいまお話しございましたように、使用者が賃金を支払う限り、例えば労働契約の中に特約があるとか、そういったような特別な事情があれば別でございますけれども、そうでない場合は、労働者の側から具体的な就労を請求するということはできないという考え方が学説における通説であり、また裁判例の大勢であるというふうに承知しております。
○井上美代君 判例の中で調べてみますと、自宅待機命令の期間が不当に長期にわたる場合や、それから労働者の被る事実上の不利益が特段に大きい場合は業務命令権の濫用に当たり、違法であるとしています。 八か月にもわたる自宅待機というのは、余りにもこれは異常ではないかというふうに思うわけなんですが、大臣、その点についてどのようにお考えになるでしょうか。今こういうものが増えてきているんですけれども、是非大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどからるるお聞きをいたしておりまして、会社更生法が改正され、そしてまた営業譲渡の問題がその中で議論をされた、そういう経過の中で、企業の側もそのことはよく分かっていると申しますか、解雇したりすることはできないということが分かっている。しかし、企業の方が譲渡されたりするものですから、その中でどうしたらいいかというようなことを考えているうちに自宅待機みたいな形がだんだんと長くなってきているんではないかというふうに、これは私、若干想像でございますけれども、そんな気がいたします。 八か月というのは非常に長いじゃないかというお話、確かに八か月というのは非常に長いと私も思いますが、しかしそれにはそう長くならざるを得ない事情というものがそこに存在するだろうというふうに思います。これしかし、このままずっと、このままでいけるかといえば、これはいつまでかこれ続く話ではないわけですね。待機させられているその労働者側も大変でございますが、企業の側にとりましても、これをずっと続けていくということは困難な話ではないかというふうに思うわけです。 それはやはり、労使でよくそこはお話合いがなされなければならないのではないか、そのことがまず現在一番最も大事なことではないかというふうに私は思いますが。役所として、その場合にどうしても労使の間でうまくそこが話が進まないというときに、どういう我々として発言をしていくかということも考えなければならないのではないかというふうに思っております。
○井上美代君 大臣は、八か月は長いというふうに思いましたけれどもいつまでも続くわけではないと思うというふうにおっしゃっているんですけれども、なかなかそれは解決できないし、労働者側は弱いですから、そういう意味では。だから、ずっと追い詰められていっているわけですよね。 私は、こういうことはあってはならないというふうに思っておりまして、是非やはり、大臣も何か検討しなきゃというふうに言われましたけれども、この企業だけではなくて、こういうリストラが進んでおりますので、やはり労働者保護のためにも頑張って検討をしてほしいというふうに思います。 それで、判例、裁判例などでは自宅待機について、経済的不利益を被っている場合には、不当に長期間にわたる場合などでは懲戒処分とみなすと、こういうふうにされているんですね。その一方で、京王電鉄の就業規則では、懲戒処分については、自宅待機命令は懲戒規定としては読みましたけれども、全く定められていません。 私は、この問題は懲戒処分は就業規則に定める必要があるとした労働基準法の八十九条というのがあります。これに違反する可能性もあるのではないかというふうに思うんです。私は、労働基準局で是非この調査をすべきだというふうに思いますけれども、大臣、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 先ほども申し上げましたように、賃金が支払われておらなければまた懲戒処分といったような格好の問題があろうかと思いますけれども、この事案では、お聞きしましたところ、先ほど先生のお話でも賃金は支払われているということですので、私どもはこの限りでは懲戒処分とは考えておりません。
○井上美代君 懲戒処分と考えていないということですけれども、その様相が非常に強いですので、そういう点でも是非お考えをいただきたいというふうに思います。 私は、更にこの京王電鉄のバス事業の問題で労働時間問題についてお聞きしたいと思います。 バス事業というのは本当に、京王に限らず、リストラと相まってもう長時間労働が今広がっているわけですね。労働組合の調査でも、労働者の健康が損なわれている結果が出ているということが出されておりますし、一方でこの事業用のバスの交通事故が大変増えているというのもあります。 京王電鉄のバス事業は、私がつかんでいるだけでも何度となくこれは、本当に何回もです、繰り返し繰り返し労働基準法の違反として勧告を受けているんですね。厚生労働大臣の定めた自動車の運転者の労働時間改善基準というのがありますよね。これにも違反しているということなんです。 二〇〇〇年十月に国土交通省がこの改善基準違反で京王電鉄を指導していますけれども、そういう指導をしているんですけれども、この内容を是非出してほしいというふうに思います。 また、改善基準違反については、厚生労働省と連携を取りながら相互通報制度というのがありますよね。このケースではどのように活用されているのか、この制度が。そのことを御答弁願いたいと思います。 政府参考人、国土交通省の政府参考人、よろしく。
○政府参考人(中山寛治君) 先生御指摘のとおり、二〇〇〇年の十月に関東運輸局が京王電鉄株式会社南大沢営業所に対しまして一般的な監査を行いました。そうしましたら、厚生労働省のいわゆる改善基準に違反し、前日の終業から翌日の始業までの休養が十分でない運転者がおりました。過労防止措置が不適切であると認められましたために、同年十二月に同社に対しまして文書警告処分を行ったところでございます。 相互通報でございますけれども、併せまして、厚生労働省との相互通報制度に基づきまして、関東運輸局から東京労働局に対しまして通報を行いました。これに対しまして、東京労働局からは、既に二〇〇〇年の七月に同社に対して監督指導を行った旨の回答があったところでございます。
○井上美代君 労働時間の問題はこの労働者本人の健康の問題だけではないと思います。特に、乗客を乗せているわけですから、安全にも、非常に深く命とのかかわりを持っているというふうに思います。 京王だけではありませんが、この相互通報制度も活用していかなければいけないと思いますし、基準違反の内容とか、それから万全を期してやはり全体の労働者の状況というのを見ていただきたいと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) ただいまの御質問でございますけれども、この相互通報制度、特にバスでございますとかタクシーでございますとか、こういった陸運関係につきましては国土交通省との間で相互通報制度を設けております。 ただいま国土交通省からもお答えございましたように、国土交通省から通報を受けた場合には、その内容によりまして所轄の監督署におきまして臨検監督を実施して、法令違反等が認められた場合にはきちんと事業所に対しまして必要な改善のための指導を行っているということを従来からしております。 したがいまして、今後とも連携を取りながら、そういった相互通報制度を活用しながらこの違反の是正といったものに努めてまいりたいと考えております。
○井上美代君 やはり今の不況の中、もう大競争の時代の中で、労働者は本当にもう命と引換えに働いているという状態です。私、このたびいろいろ勉強もさせていただきましたけれども、本当に大変です。 やはり、その中には、リストラ促進企業法制というふうに一般には言われているぐらい、独禁法の改正だとか、民法の改定だとか、そしてこの分社、分割法の制定だとか、企業の先ほどの分社化、また合併、そして営業譲渡など、もう本当により取り見取りで使われているという感じなんですね。そして、同意なき移譲というのを組み合わせながら人減らしがやられる。そして、労働条件がもう驚くような、常識では考えられないような引き下げられ方をして労働者は働いているわけなんです。リストラのやり方もやはり同意なき移籍ですので、そういうものを禁止していく、そしてまた労働条件の一方的な不利益変更も禁止していく。 そしてまた、整理解雇の四要件が長年にわたって積み上げられてきておりますけれども、やはり違法、脱法の多重的に組み合わせた、それを拡大して労働者いじめをしている、これをやはり今の時代こそ全面的に改善をしていかなければいけないというふうに思いますが、最後に大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 具体的なお話、いろいろございまして、具体例につきましては私もより具体的な話を存じ上げているわけではございませんが、総論的に申し上げれば、やはり経営譲渡等が行われるときにはスムーズにその組合等とのお話合いが進むことが前提になっているわけでありますから、そうしたことは、これは守っていただくようにしていかなければいけないというふうに思っております。 そうしたことで、全体が今そういうことで企業とそして労働者側の間でうまくいっていないところが非常に増えているのかどうか、そんなことにつきましてもよく検討したいと思います。
○井上美代君 これで終わりますけれども、何しろ非常に人の命にかかわるような労働ですので、是非御検討、調査、そして検討、研究をして、そして手を打っていただきたいというふうに思います。 これで終わります。 ─────────────
○理事(中島眞人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。 ───────────── 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
○森ゆうこ君 私は、増大する社会保障費の負担はだれが担うのかということについて質問したいと思います。 私は、高齢者扶養の問題と子供の扶養の問題をパラレルに考えなければならないと思います。また、この人口減少社会は労働力不足社会でもありますから、将来の労働力減少を前提にした社会保障制度の財源を考えるべきだと思います。社会保障費の担い手を育てていくという政策を今すぐに取らなければならないというふうに思っております。 子育て支援策についてまず伺いたいんですけれども、先ほど同僚議員からも御指摘がありましたが、子育てと仕事との両立支援ということについては、例えば育児・介護休業法の適正な使用、運用ということについて今後も努力されなければならないと思いますが、一方で、二十年後の労働力、その社会保障費の担い手である子供について、家族が子育てをするということについての支援ということも考えなければならないと思いますが、まず最初に、十五年度予算要求額の中での子育て支援関係費の割合はどれぐらいでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子育て支援関係予算について正確なというんでしょうか、統一的な定義があるわけではございませんけれども、医療の給付を除くいわゆる児童・家庭関係予算について見ますと、一兆四千億となっております。厚生労働省が所管しております一般会計予算総額が十九兆四千億ということになっておりますので、それと比較いたしますと、約七%という状況でございます。
○森ゆうこ君 今初めてそういう区分けでの数字を聞いたわけですけれども、今ほど資料でお配りしました高齢者関係給付費と児童・家庭関係給付費の割合ということなんですが、これは直近のもので平成十二年度のものしかありませんでしたのでこの資料をお出ししたんですけれども、これは皆さんがよく、先生方もごらんになる表だと思います。日本の場合、児童・家庭関係給付費の社会保障給付費に占める割合というのが非常に低いと、三・五%ということでございます。例えば、ドイツでは九%、スウェーデンでは一〇%であるというふうに伺っております。 そういう意味で、私は、今回のこの十五年度の予算額、子育て支援関係費、本当にもうせっぱ詰まって子育ての支援策をもう本気でやると、厚生労働省がそういう気持ちで盛った金額ではないなというふうに思っているんですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今までの経緯を見てみますと、このお配りをいただきました表でも分かりますとおり、高齢者に対しましてはかなり手厚くやっておりますが、それに対しましてこの児童・家庭関係の給付の割合というのは非常に少なかったわけであります。しかし、ようやく少子化対策の必要性というものが皆さんが感じていただくようになって、そしていよいよ本格的にやはりここにてこ入れをしていかなきゃならないなという、その気持ちになっていることだけは間違いがないわけでありまして、そういう意味でこの種の予算も今までに比べるとやはりかなり増加してきているというふうに思っております。 この二、三年、待機児童ゼロ作戦の問題でございますとか、そうしたことも本格的に取り上げられてまいりましたし、ようやく少子化対策というものが緒に就いてきたというふうに思っているわけでございます。
○森ゆうこ君 今ほど大臣の方から待機児童ゼロ作戦というお話があったんですけれども、大臣は度々この委員会で、どんなに待機児童ゼロ作戦やってもすぐ待機児童が増えるんですというふうに答えていらっしゃると思います。 私の方から、子育てコスト、子育てを行政が担う子育てコストという、子育てコストというところに着目いたしまして、待機児童を減らし、その上雇用対策になる方策を提案させていただきたいと思います。 本当はこれ答弁をいただこうと思ったんですが、私の方で御報告しますと、年間の保育所の運営費が子供一人当たり全国平均が三歳未満児ですと八十二万円という、年間です、年間八十二万円ということになります。私の住んでいる近隣の市町村に聞きますと、大体保育園、幼稚園、自治体の、行政の方の負担するコストは、いろいろなものを付け足すと一人百万円だというふうによく首長さんからお話をいただきます。 要するに、そのコストを、これはどうしても掛かるということがまずあるわけですね。八十二万円なら八十二万円ということであると思うんですが、このコストを在宅子育て費として親に給付してはいかがかという御提案でございます。そうしますと、親が外に出て、その間、子育てと仕事を両立しながら働く必要もなくなりますし、ただし、これは母親が大変だから、父親が大変だから手当てをということではないんです。いずれにせよ、行政もそれだけのコストを、子育てコストを負担するわけですから、その支払を受ける相手をだれにするかという選択の問題だと思うんです。担い手は、保育所がその担い手となってそのコストを受け取るのか、それとも在宅で子供を見る親がそのコストを受け取るのか、このどちらかの選択だということなんだと思います。 私は、親に子育てを担わせる方がむしろこの子育てのコストは安く済み、合理的だと思います。それ以上に、また子供と親の精神の安定、そして先ほども同僚委員から様々な今の現下の経済状況の中での雇用情勢という話ありました。そういう厳しいところに何も子育て中の親を追い込んでいく必要はないのではないかと思います。 そういう意味で、在宅子育て費を給付された親というのは求職、職を求める差し当たって必要がなくなりますので、失業率の分母が減るという意味での隠れ失業対策になるのではないかと思いますが、この私の提案について御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 三歳未満とおっしゃいましたですかね、八十二万円は。 東京都がゼロ歳児を一人預かるのに、そういたしますと、出さなきゃならない財源が一人、月五十万円というお話を聞いたことがございます。そのときに、これは、東京都の中で、半分は冗談だと思いますけれども、それだったらもう二十五万円そのお母さんに上げたらどうだ、その方が安く付くではないかという話が出たということをお聞きしたことがございますけれども、いわゆる財政上の話だけからすれば、そういうこともそれは話としては出るのも無理からぬことではないかというふうに思いますが、しかし、少子化時代、この少子化対策というのは、子供も育てていかなければなりませんけれども、しかし、女性の皆さん方にもやはり働いていただかなければならない時代と申しますか、そういう社会だと私は思いますね。 二〇〇〇年に比べまして、二〇一五年には、いわゆる労働力人口、六十歳未満で見ますと三百三十万ぐらいもう減るわけですね。急ピッチで減ってまいります。そういう状況の中でございますから、女性の皆さん方にもやはり働いていただいて支えていただく社会でないと日本の経済というのはなかなか好転していかないというふうに思います。 そう考えますと、お母様方にどうぞ子育ての間ゆっくり御家庭でおってくださいというだけではなかなか少子化社会というのは解決のできない社会ではないかというふうに考えておりますし、そういう意味からいきますと、やはり働いていただくときに対してどういうふうに社会が対応していくかということがやはり中心であって、ただ子育てだけを見て、それが社会全体の中で支えるか、家庭の中で支えるかというだけの話ではないんだろうというふうに思っている次第でございます。
○森ゆうこ君 大臣のおっしゃるとおりなんです。私が言いたいのは、逆行して女性は家庭にいなさいなんて言うつもりは更々ありません。 当然、今後この人口減少社会、少子高齢の中で女性が社会に貢献しなければいけない。今以上に社会に出て経済活動に参加すべきであると私は思っておりますが、ただ、その子育ての期間ということに関しては、やはり選択できる、その選択肢をちゃんと用意しておく。 もちろん、子育てとの、仕事の両立をしたい人にはそういう意味での支援が必要だと思います。でも、その期間は家庭で育児をしたいという人がいたら、それを選べる。そして、少しだけパートタイム、本当の意味でのパートタイムの仕事に就きたいという選択ができる。また、フルタイムでしっかりと働きながら、なおかつ子育てもしたいという、そういう意味での選択を可能にすること、これをやらないと、ただ子育ての両立支援だけでも大変難しいと思いますし、むしろ、やはり子育て期間は少し休養を取って育てたいと。 ただ、先ほどもいろんな事例がありましたが、この賃下げ、それからリストラ、倒産、様々な問題でパートナーの収入が不安定になってきているということで、やむなく、やむなくパートの口を探しているという親もたくさんおりますので、そういう意味で、いずれコストは、子育てのコストはどこかが負担するわけですから、在宅子育て費として給付してはいかがかという提案をさせていただいたわけです。 いずれにしましても、例えばこの在宅子育て費というものを支給するということになりますと、やはり、これは例えばお金の使い方なんですが、根本的に子育ての、前回の、さきの国会でも質問させていただきましたが、子育てについて子供の養育義務を本来的に第一義的にどこが担うと考えるべきなのかということについてきちんと新しい考え方に基づいてやらなければいけないと思うんです。 それで、私、昨日、坂口厚生労働大臣から先見の明があるというふうにたしかお墨付きをいただいたと思いますので、そういうことで自信を持って再度大臣にお聞きしたいんですけれども、子供の養育義務を、子供の養育義務を本来的には国の責任であるというふうに定義して、そして、もちろんその担い手は、担い手は基本的には家庭で行うと、そういうことについて公が支援していくというふうな考え方に、これが新しい考え方だと思うんですが、これに改めるおつもりはありませんか。
○国務大臣(坂口力君) 昨日の話は先見の明があったんですが、今日の話もそうかどうかですね。 やはり、子育ては第一義的にはどこかと言われれば、第一義的にはやはり家庭が子育てをするというのがやはりこれは原理原則ではないでしょうかね。そして、そういうこの基本の上に立って、これからお母さん方が職場を持たれるというときに、それに対しましてどこまで社会が手を差し伸べるか。 今まで以上に、やはり少子化のこの社会の中で今まで以上に手を差し伸べていかなければならない。そこはおっしゃるとおり、先見の明のあるところだと私も思いますけれども、やはり一番基本のところは、そこはやはり家庭だという自覚の上に立っての話ではないかというのが私の思いでございます。
○森ゆうこ君 私、いずれ近いうちに、やはり先見の明があったと、この問題についても大臣からお褒めの言葉をいただくというふうに私は確信しております。 今回、次世代育成支援法案出されますが、私、その基本理念を見て本当にがっかりしたんですね。私が提案させていただいたことと正反対のことが書かれているんですよ。親に基本的な養育の義務がある、こんなの当たり前のことなんですよ。当たり前のことなんです。でも、そういう考え方の下に立って行われた子育て支援策が今まで成功しましたか。何の効果も上げていないじゃないですか。 もう本当に一・三三、合計特殊出生率、これをもう本当に今解決しなかったら、もう人口減少になると分かっていますが、これを本当に食い止める気があるのであれば、非常に、とてもそんな考え方は受け入れられないというふうに大臣はおっしゃっているんですけれども、私は、基本的にもう社会全体で子育てする、つまり公が子育てについての第一義的な義務が、扶養義務があると、こういうことをその次世代育成支援法案の理念として書かなかったら、絶対効果のある子育て支援策なんていうのはそこから生まれてこないと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) そのつもりでやらなきゃいけないとおっしゃるのなら私も理解できるわけでありまして、そのぐらいのつもりでやれという叱咤激励だというふうに受け取らせていただきます。
○森ゆうこ君 もうほかにいろいろ質問あったんですが、ちょっとこの先見の明の議論で終わってしまいそうなんですけれども。 やはり、その次世代支援法、今後法案になって出てくると思うんですけれども、私、見させていただきましたが、残念ながら特に目新しいものはなく、今まで、従来もう、先進的な企業はもう独自にとっくに実施しているようなそういういろんなことを、地方でも既に実施しているところがあって、何を今更といった感じだったんですね。 私は、やっぱりそういう意味で、もうむしろ基本的理念、全く新しい考え方に立って、そういう法律の形で政策が実施されていくように政府がしていくべきだと思いますが、大臣は同じ答えしかないかもしれないんで、局長、いかがですか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今国会に次世代育成支援対策推進法案と児童福祉法の改正案を提出させていただいておりますが、今の森先生のお言葉をかりれば、何を今更と、もうとっくにやっているという、こういう厳しいコメントをいただいてしまったんですけれども。 しかしながら、現状をよく見てみますと、確かに地方自治体はそれなりにはやっていただいておりますが、ほとんどがそれは保育対策でありまして、先ほど大変強調なさいました例えば専業主婦が子育てすることに対する支援などは、予算措置、国から見ればその予算措置としては様々なプログラムありましたけれども、市町村レベルにおいて見ますと、その実施状況というのはやっぱり極めてまだまだ不十分であるというふうに思います。 また、企業が従業員の、従業員が家族を持っている、子育てをしているということを念頭に置いた働かせ方をしているかというと、それはまだまだ多くの問題を抱えているというふうに思いますし、少子化の問題を個々の企業が自分の問題としてとらえるということは非常に難しい、距離のあることだというふうに思いますけれども、今回の法案が契機になって、少なくとも大企業についてはすべての企業が次世代支援のためのアクションプランを策定することが義務付けられるわけですから、そこは随分変わってくるというふうに思います。 本来は、本来といいましょうか、私も一義的には子育てというのは家庭が行うということだと思いますが、その家庭の子育て機能がやっぱり弱くなっている、そしてそれを取り巻く地域の子育て機能も弱くなっているというふうに思いますから、それをどういうふうに社会全体で、国も地方自治体も企業もこぞって支えるかという、そういう理念に基づいてこれからの対策は展開していきたいというふうに考えております。
○森ゆうこ君 そうなんですよ。ですから、一義的に行うのは家庭でいいわけですよ。今、局長がおっしゃったように、子育てを行うのは家庭、その責任という言葉が法案にあったと思います。その責任は国、要するに社会全体で次の世代を、そのタイトルはすごくいいタイトルですよね。あのタイトルに見合う法案、条文といったら、やっぱり本当に社会全体でということであればその責任は国、公にある、あるというふうにするべきだと考えて、時間ですので、私の質問を終わります。
○大脇雅子君 私は、中国残留孤児に対する施策についてお尋ねをいたします。 去る日に、人間らしく暮らしたい、祖国に帰って良かったと思いたいというので、六百人以上の中国残留邦人の方々が訴訟に踏み切られております。平成十二年十二月に中国帰国者支援に関する検討会の報告書が出されておりますし、その実態調査を見ますと、その中国残留孤児に対する施策は大変現状とマッチした場合に後れが目立っているというふうに感じます。訴訟を起こした人たちは、終戦後の国の定住政策、そして五〇年代の引揚げの中断、そして現在の教育や生活支援の手薄さを挙げて、三度棄民されたと言われております。 この検討会の意見書を見ますと、支援が三年以内というのを、これを延期すべきだというような意見もあります。現在の具体的な支援策の実施状況など、この検討会の報告書を踏まえてどのように改善されたのか、お尋ねします。
○政府参考人(河村博江君) 中国残留邦人につきましては、日本国政府として、日中国交正常化後、速やかに残留邦人の調査等の援護措置を講じた上で、また従来から帰国旅費あるいは自立支度金の支給等をまず行って、それから、帰国されました段階で中国帰国者定着促進センターというところに入所していただいて、帰国後のオリエンテーション、生活訓練あるいは日本語訓練、そういったものを受けまして、それから、それが終わった後、定着先の自立研修センターでやはり語学研修であるとか就労相談であるとか生活相談であるとか、そういったものをやる。あるいは各家庭に自立指導員等を派遣いたしまして、やはり同じように日本語教育、生活指導、就労指導、こういったものをやっておると。そのほか、国民年金の特例措置というものも講じておるわけでございます。それから、各省において、公営住宅の優先入居あるいは子女の教育のあっせん、そういった各般にわたります自立支援策を講じてきておるわけでございます。 おっしゃいますように、検討会の報告を踏まえまして、これらに加えて、中長期的な自立支援を継続的に行う、そういう拠点として平成十三年度に支援・交流センターというものを開設いたしまして、就労に結び付くような日本語習得支援あるいは生活相談、それから帰国者相互、地域住民あるいはボランティア等の交流支援、それから引きもこり防止策として友愛電話、友愛訪問、そういった帰国後四年目以降の帰国者に対する支援も力を入れて取り組み始めているというのが今の状況でございます。
○大脇雅子君 今、具体的には国民年金は特例によって通常の三分の一の年金が支給されておりますが、この点の改善については何か検討しておられますか。
○政府参考人(河村博江君) 国民年金の特例措置につきましては、支援法に基づきまして、国外に居住することを長い間余儀なくされていたという極めて特殊な状況によりまして特例措置を講じることとして実施をいたしております。 具体的には、国民年金制度発足、昭和三十六年以来の期間、帰国するまでの期間というのは保険料免除期間としてまず認定する、その上でその期間につきまして保険料の追納措置を講ずる、追納措置を講じた上で納付済み期間としてみなすということをやってきておりまして、これまでに千人余りの方がこういう特例追納措置というものを受けておるというのが今の状況でございます。
○大脇雅子君 そうしますと、大体帰国した人は二千四百五十五人という報告がありますので、そのほかの人は無年金ということですか。
○政府参考人(河村博江君) 今は国民年金のことを申し上げたわけでございまして、もう日中国交回復以後、続々と帰ってこられまして、先ほど先生、二千人余りというあれだったんですが、残留孤児及び残留婦人という両方を足し上げますと約六千人余りの方が帰ってこられておるという状況でございます。 当然、就労しておられる方もおられるわけでございますから、厚生年金の適用も当然そうした場合にはありますから、全体として今、年金受給者がどれぐらいいるかというのは、ちょっと今手元に資料がないものですから後ほどお持ちしたいと思います。
○大脇雅子君 それから、養父母の墓参りや病気見舞いで一時帰国した場合に、その間の生活費を差し引かれるということで、これが随分非人道的な措置だということで問題になっておりますが、これはどういう根拠でそういう手配をされているのか、あるいはこれはもう改善されたのでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) 国内に帰国された方が例えば生活保護を受けておられる、その方が養父母の墓参りに中国に行かれる、中国に行かれるときには、その間の渡航費等は中国残留孤児基金ですか、からそういった渡航費を出すと、あるいは自前で行かれる方もおられますが。そういった中国滞在中の期間については、これは日本国外におられますものですから生活保護の、その期間は生活保護の適用がないということだというふうに思っています。先生の御質問はその点でございましょうか。
○大脇雅子君 しかし、生活保護を受けている人が六五・五%あるという現状の中で、中国に行って食べないわけにはいかないわけですし、その分を差し引くというのはかなり、かなりというか、ひどく非人間的だと思うんですが、これへの改善要求は随分来ていると思うんですけれども、そういう検討はされていないのでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) やはり、国外に行かれている期間、日本国内の法律として適用されます生活保護の受給というのが認められるかといいますと、そこはなかなか難しいのではないかというふうに思います。 それから、中国におられる期間の滞在費等につきましては、これは孤児基金からの給付というものもありますし、それから実際に家族の元に行かれて、家族が滞在費なりあるいは食事等の面倒を見るという状況でございますので、国外へ出て、帰ってこられればもちろんまた生活保護は適用されるわけですが、国外におられる期間、更に追っ掛けて生活保護を適用するかということになると、これは実際問題としてなかなか難しいというふうに思っております。
○大脇雅子君 現実の問題として、滞在、支給される滞在費が向こうの生活を上回ることはないと思われますし、このいわゆる差し引くという根拠というのは通達で決まっているんですか。どういう通達なんでしょう。 ちょっといろいろ検討するんですが、何で差し引かれるのかという根拠規定が明快ではないので、生活保護法には規定がないと思うんですが。今分からなければ、後でその通達の根拠を明快にお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(河村博江君) 通達がどこに書いてあるかというのは、これちょっと持ち帰って調べてみたいと思いますが、この法の適用上、条理上、国外におられる方に生活保護を適用するということはないというふうに思っておりますが。
○大脇雅子君 これは、生活保護法が国内だけに適用されるといっても、一時帰国という意味で養父母の墓参りや病気見舞いに行くということで観光ではないのですから、みんな実際上帰ってきて、その間の生活保護費を返却するというのは大変困難で、借金をして返したという事例などございますので、この点は私は、例えば生活実態の報告書を、中国にいたときの状況を報告させるなどして、余りにも非人道的な扱いをしないように再検討をしていただきたいと思います。 国策の犠牲者であります中国残留日本人や家族の今後の自立した生活を確保するために、どのような指針でこれから臨まれるのか。日本の生活保護世帯が例えば国民の一%ぐらいだとすれば、六五・五%じゃないかと思うんですけれども、余りにもちょっと対策として後れを取っているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。大臣に答えていただきたいんですけれども、副大臣、申し訳ありませんけれども。
○国務大臣(坂口力君) 副大臣ほど整理された答えができないかも分かりませんけれども、お許しをいただきたいというふうに思いますが。 確かに、六〇%を超える生活保護者というのは非常に異様ですね。それで、国としては生活保護の形で支援をするのか、もっと違った形で支援をするのか、やはりここは少し検討をしなきゃならないのかもしれないと思っているわけでございます。その辺のところを、かなり高齢になっておみえになりますし、そしてまた、私も帰国されました皆さんのところにお邪魔さしていただきましたが、あれだけ高齢で、しかも中国できちっとした教育を受けていない方でありますから、いわゆる中国の文字も完全に覚えておみえにならない、そういう人たちに日本語を教えるということも、これまた至難の業だというふうにそこの職員の人たちも言っておりますが、それは私もそのとおりではないかというふうに思います。 そういう高齢の皆さん方に、したがって日本語が覚えられない、そうすると日本で職に就くことはでき得ない。やっぱり、何と申しますか、お子さんやお孫さんが一緒にお帰りになっている方は、その皆さんが日本語を覚え、そして働かれる、家庭の中にお入りになっている、それはそれで大変いいことだと思いますし、一緒にお帰りになった方にはそれなりのやはり支援もしなければいけないんだろうというふうに思っておりますが、もうそれこそ、六十歳はもう超えておみえになる方が多いわけでありますから、その皆さん方に新しい言葉を覚えて新しい職業にといってもなかなか無理なことだと思うんです。だから生活保護なんだということにもなってくるわけでございますが、生活保護という形で非常に制限の多い中での支援をするのか、そうでない、この人たちにもう少し希望のある支援の仕方をするのかということの違いと申しますか、その辺のところはやはり十分に考えていいのではないかというふうに思っております。 年金のお話もございましたが、来年は年金改革の年でもございますしいたしますので、広範な中で議論がされるだろうというふうに思っております。そうしたことも念頭に置きながら、少し全体で、今までは今までとしてでございますけれども、これからこのままでいいかどうか、少しやはり検討してもいいときに来ているのではないかというふうに思っております。 私、自分の考え言うておるだけでありまして、厚生労働省の中で議論され尽くしたことを言っているわけでは決してございませんので、私の意見として申し上げさせていただきました。
○大脇雅子君 ありがとうございました。 やはり、私はこの施策の基本的な理念のとらえ方が自己責任だと、帰ってきたのは。そして、生活維持もそうだと。困ったら生活保護をどうぞというやっぱりこの基本的な考え方が問題だろうと思う。先ほど、森議員ではありませんが、やっぱり国の責任ということがしっかり踏まえられた上の施策じゃないというところにこのような現況があるのだと思います。 それでは、時間もございませんが、医療の確保の施策について、今、安心で質の高い医療を目指した医療提供体制の充実が掲げられて、国立病院の統廃合、それから労災病院や社会保険病院の統廃合の見直しが行われております。さきに小池議員が東京北社会保険病院の開設中止問題についてお尋ねになりましたが、どのような論点で今こうした統廃合が進められ、そして地域との機能分担などを踏まえてどのようなプロセスで結論が出されようとしているのか、現在までの検討経過など分かりましたらお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今お挙げになりました中には国立病院・療養所の問題とそれから社会保険病院、それから労災病院、あるわけでございますが、国立病院・療養所の方は、これはもう政策医療に特化をいたしまして、その質的な充実を図る、そしてその中で再編成を行うということで今進めているところでございます。 ただ、地域との、地域医療ということにつきましてもこれは配慮していかなければならないわけでございますから、そのことを決して忘れているわけではございませんけれども、国立病院・療養所はしかし一方におきまして大きな政策医療というものをやはり掲げてやっていく、このことをやはり忘れてはならない、それがやはり中心であるという考え方の下に、地域別、それぞれ再編成をさせていただいているところでございます。ですから、国立病院や療養所が地域によりましてはたくさんあるようなところもございますし、全くないところもあるわけでございますから、そうしたところを配慮して今再編を進めさせていただいております。 それから、労災病院につきましては、これは中核病院を決めまして、例えば中毒なら中毒のことを中心にやっている病院、あるいはまたじん肺ならばじん肺をやっている病院、健康管理なら健康管理のことをやっている病院というふうに中核病院というものを作って、そしてその周辺の病院ではそれらをどうバックアップをしていくかということも含めて、中核病院プラスその周辺の病院という形での整理統合を進めているところでございます。 しかし、これもまた過去のいろいろの歴史がございまして、例えば九州ですとか北海道のように炭鉱等があって、そこでたくさんの病院があったというようなところにつきまして、その歴史的な任務を終わったところにつきましては、これは整理統合をさせていただくということで現在進めているところでございます。 それから、もう一つの社会保険病院でございますが、社会保険病院の方も、これは単独で経営自立ができる病院、そして単独で自立ができるというだけではなくて、やはりその中には、公的な病院でございますから、政策医療というものもやはりやっていかなければならないというふうに思いますが、しかし、やはり一つは自立ができる、しかしそうは言いますものの、それぞれの地域によりましてやはり地域住民のためにどうしても作らなければならないという経過ででき上がったものもございますので、その役割というものが現在も続いているようなところ、そこにつきましては、ただ自立というだけではなくて、地域医療というものも十分加味をして、そして今後の統廃合というものを考えていきたいというふうに思っているところでございます。 大略、今日の状況の御説明をさせていただきました。
○大脇雅子君 時間が終わりまして、済みません、問題たくさん残してしまいまして、済みませんでした。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。 昨日に引き続きまして御質問をさせていただきたいと思いますが、まず中村局長様に昨日の通院介助について一点だけ御確認をしたいと思います。 午前中からも堀先生、谷先生、山本先生の方からもいろんな角度で御質問が出たんですが、私はこの通院介助について、昨日の御答弁で、部屋に帰りまして何度かビデオテープも見せていただいたんですけれども、NPO、ボランティアについてというお言葉での御答弁をいただいたんですけれども、もちろん従来どおりということであれば、法的に問題となるタクシー会社以外の一般の訪問介護事業所の指定を受けている民間企業についても、新たな道路運送法の許可を受けることなく従来どおりの対応ということで私は理解をさせていただいたんですが、局長さんも国土交通省とお話をしてそういうふうにさせていただくというふうに御答弁いただいたんですが、よろしいでしょうか、それで。
○政府参考人(中村秀一君) 昨日御答弁申し上げましたとおりでございまして、今、先生の御指摘のあったとおりで間違いはないと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。そして、四月からは皆さんがお仕事のやりやすいように、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 昨日は局長様には介護保険サービス、利用したくてもなかなか利用ができない、それはどういった人か。激しい徘回があったり、そしてまた暴力におびえながら介護していらっしゃるおうちの皆さん方の特集をNHKの番組でもやっておりましたというお話もさせていただきました。実際にはこういった方々ほど介護の支援が本当に必要ではないかなというふうに思います。 家族にとってみたら、元気なうちはいいんですけれども、我が家も正しくそうなんですけれども、本当によく親が言うんですけれども、逆さ仏にはならないでくれと、だれに世話してもらったらいいか分からなくなるからな、きよし、なんというようなことを母親が言ったりもするんですけれども、父親がかなり弱くなったりとか、現実は大変厳しいものがございます。 この痴呆性老人については、早期の発見、初期の段階から終末期まで約十年ぐらい掛かるというふうに聞いておりますし、こういうことが多々あるというふうにも聞いております。しかし、幾ら年月が掛かろうが、それを長期間を継続的に関係者がバトンタッチをするような連携が必要ではないかなというふうに思います。 例えばグループホームのように、厚生労働省も戦略的に拡充していくというふうにせんだっての中村局長さんの御答弁も拝聴いたしました。この場合の対象者としては、あくまでも初期の痴呆症状で、共同生活ができる方というふうにこのグループホームはなっておるわけですけれども、当然、グループホームの生活によりましてそうした状態が維持できればいいんですけれども、それでも重度化した場合に、その高齢者は一体どうなるのか。あるいは、現に重度化している高齢者の利用が閉ざされてしまっているというのもこのテレビでやっておったわけですけれども、私の知り合いの中にもそういう方がやっぱりいらっしゃいます。ですから、こうした場合、高齢者に対する支援の在り方、是非本日お伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 痴呆性高齢者の介護の問題でございますが、昨日、先生の方から大臣の方にお尋ねがございまして、ショートステイなどの場合に、大変暴力の問題とかショートステイを提供する施設の方でもお困りになって、なかなか利用していただけないようなケースがあるというお話がございました。 痴呆性高齢者の場合は一種の認知障害でございますので、大変混乱しやすいということがあり、環境の変化が非常に痴呆性高齢者の方の混乱をもたらすという指摘がございます。そうでございますだけに、できるだけ、バトンタッチという御指摘もありますけれども、一つのところで最後までケアができれば理想であると、こういう考え方もございます。 今御指摘のございました痴呆性高齢者グループホームにつきましては、介護保険制度をスタートする前に二百二十六か所でありましたものが今年の二月現在で二千六百九十八か所と二千四百か所余りこの三年間に増えております。それだけ痴呆性高齢者を抱える家族の方の期待が大きいものだというふうに思っております。 このグループホームにつきましては、確かに今のところ軽度の方が中心ではないかという御指摘がございますけれども、グループホームをやられている方の中にはターミナルまで、終末期まで自分のところでお世話したいと、こういう希望が強いホームもございますので、重度化していることも事実でございます。 そこで、今回の四月からの介護報酬の改定では、重度化しているということで、夜間のケアも、非常に夜勤体制も必要であるということで、そういったところについても加算をするようなことで、言わば痴呆性高齢者のグループホームについても重度化対応を多少介護報酬の改定でも配慮したところでございます。 今後、実際に最後まで一か所で支え続けられることができるのか、できない場合でも、できる限り長く一か所で支え続けるためにはどういう施策が必要なのか、そういったことが求められておりますので、現在、研究班を立ち上げて、実際にそういう介護をやっていらっしゃる実務家の方を中心に今お知恵を拝借しているところでございますので、そのような成果も見ながら調査研究を進めているところでございますので、その成果も見ながらよく考えてまいりたいと思っております。
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございました。 僕もたまたませんだってあるグループホームにお邪魔をいたしましたけれども、自分が本当にそういう立場になった場合には、ああ、こういうところにお世話になりたいなという、私がお訪ねしたところはそういうところでございました。今、局長さんもおっしゃったように、もう二千七百近いグループホームができているということで、本当にこれから、四月からはまた新たな目標を持って、夜間のこととか予算のこととかありますが、よろしくお願いを申し上げたいと思いますし、また本当に中では、施設側にしてみれば、いつ何どき暴力を振るうか、他害行為があるかとか、職員の方が本当に目を離せない、でも人手を増やしたいけれどもお金がないというようなことも、だから断らなくてはいけませんというお話もお伺いしますし、一方では、そうした施設の職員さんの痴呆に対する知識、介護の技術は果たして十分なんだろうかと。 もっとそれぞれのサービスにおいて痴呆ケアの水準が上がればいいなと思いますし、今のサービスをうまく活用できるのではないかなというふうに思うわけですけれども、福祉の現場の最前線におきます介護の技術、こういった現状についてはどういうふうに厚生労働省としてはお考え、また評価をされているのか。平成十二年度から三段階の介護の研修事業を、これが制度化されているわけですけれども、内容と目的についても併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) おっしゃりますとおり、痴呆性高齢者のケアについては大変難しくて、なかなか専門家もいないということがございます。 それから、グループホームの方は、今申し上げましたように、量的には増えておりますけれども、やはり質の高いケアを提供するということを目指して頑張っていかなければならないと思っております。 そのために、平成十二年度から、まず介護に従事される方に対して各都道府県で研修を行っていただくということで、都道府県では二段階の研修を行っております。 まず、実務者研修がございまして、これが、基礎課程でございますけれども、二十時間の基礎課程の研修を受けていただく。それから、専門課程の研修、これが先生おっしゃった三段階のうちの真ん中の研修になるわけでございますけれども、実習八十時間、その他四十時間、百二十時間の研修を受けていただく。ここで言わば都道府県の中で介護の知識を得た方々を養成すると、こういう仕組みになっております。 しかし、実は、こういう都道府県で研修していただきますためにも、研修のまた先生が必要になるわけでございまして、これも全国的に足りないということで、今全国で三か所、高齢者痴呆介護研究・研修センターを作っておりますけれども、東京都と愛知県と宮城県にございますが、この研修センターで今度は都道府県の方から代表の方を出てきていただいて、年に三回、三か所のセンターで各県の指導者の更に指導をするプログラムということをやっております。これは六週間、一回六週間のプログラムで指導者養成研修を実施しているところでございます。 ここで研修を受けられた方、今四、五百人できておりますけれども、こういった方々が都道府県で先ほど申し上げました二段階の研修の講師として、あるいはグループホームの外部評価を行っていますが、そういったときのリーダーとして活躍されることを期待しているところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 この三段階の研修の中で指導者養成研修について、研修の受講者の派遣が極端に少ない都道府県、そして政令市がございますけれども、その中にある自治体にもその辺りの実情をちょっと聞いてみますと、十三年度については十二年の十二月ごろに国から通知があったので、人選もさることながら、予算的な問題もいろいろあると。ですから、見送らざるを得なかったというのは、これは分かりますけれども、やはり指導者研修ですから、現場においては中心的なスタッフが約二か月間派遣で取られてしまうということになりますと、非常に厳しいということですし、せっかくまた長期の研修を受けていただきながら、修了者がうまく活用されていないという難しい問題がございますが、その辺りの実情、対策というのはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 全国三か所のセンターで行っております指導者養成研修でございます。先ほど四、五百人と申し上げましたけれども、大変失礼しました。三百十名がこれまで修了をいたしております。十三年度と十四年度で修了をいたしております。 先生御指摘ございますように、かなり長期間の研修でございます。そうでなくても痴呆性高齢者の介護の専門家が少ない中で貴重な人材を派遣しなければならないというので、都道府県の方でも大変だと思いますが、各県の修了者を拝見いたしますと、多いところで八名、少ないところで二名というふうにばらつきが見られます。 私どもの方は、やはり今、痴呆性高齢者の介護の質を高めるというのは大事だと考えておりますので、今年の二月に改めて各県の課長さん方に是非この痴呆介護研究・研修センターの実施する年三回の研修に毎回一名ずつ受講者を出していただきたいということを改めてお願いしたところでございます。 それから、実はせっかく出していただいた受講者の方も、余り、何といいますか、名誉職的にと、こう言っては誤解がありますけれども、選んで出されたということで、その後お帰りになってからその方は忙し過ぎて、ほかの仕事で忙し過ぎて、私どもが研修目的としているその各県の痴呆性介護の方法論の先生という役割が十分できないという方もございますので、実は研修受講者の派遣に当たっては、私どもお願いしている趣旨をよく理解していただいて、お帰りになってからその県内の仲間のリーダーになること、又はそのリーダーとして十分やれるということと、そういう仕事ができるポジションにおられるという方を選んで出していただきたいということも、大変お願いばっかり各県にしていて申し訳ないんですが、そういうお願いをしていること。 それから、そういう貴重な研修を受けて帰られた方でございますので、各県が行います実務者研修の企画立案にも従事していただきたいと思いますし、また講師として当然使っていただきたいんですが、必ずしも各県そういうふうなふうに活用していただいていなくて、各県の研修会の講師としても使われていないというケースもございますので、こういった県についても、各都道府県にその趣旨をお願いしているところでございます。 こういうことを通じまして、痴呆性高齢者のケアの全国的な水準をそろえて底上げを図っていきたいと、こういうふうに考えております。
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございました。局長さんも全国にお願いすることばっかりで、私の方も局長さんにお願いすることばっかりですけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。どうぞお早めに、そしてお体を大切にして頑張っていただきたいと思います。 次は、高次脳機能障害の支援策についてお伺いをしたいと思います。 この点につきましては、平成十三年からですが、三年計画でモデル事業が実施されておりますが、丸二年が経過いたしまして、今月中には中間の取りまとめを行うというふうにお伺いをしております。 その内容はどういったものであるのか、また最終年度はどういった取組をしていかれるのかというのをまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(河村博江君) 高次脳機能障害につきましては、御案内のように、交通事故等によります脳外傷あるいは脳血管障害等によって脳に損傷を受けて、その後遺症として生じた記憶障害あるいは注意障害、そういったものを指すものでございますけれども。これらは日常生活においては非常に大きな支障をもたらす場合がありますが、一見して症状を認識することは困難であるということから、国民あるいは関係の方々に十分な理解が得られていないという現状があるわけでございます。 このために、厚生労働省といたしましては、具体的なこの支援方策を検討するために、十二の地方自治体、それから国立身体障害者リハビリテーションセンターにおきまして高次脳機能障害支援モデル事業、支援を特に今必要性が高いというように判断した三百二十四名の方に対しまして試行的に訓練、あるいは支援を実施しながら基礎データを集積していくというモデル事業を展開しておるわけでございまして、事業二年目に当たります平成十四年度には中間報告を取りまとめることにいたしておるわけでございます。 三月六日には、その案につきまして、モデル事業に参加していただいている自治体あるいは有識者の方々の意見をいただいたところでございまして、これを踏まえて現在最終取りまとめを行っている段階でございまして、四月の上旬には何とか取りまとめられるだろうというふうに思っておりますが、その中では、一つには、診断基準の案というものを提示するということが一つでございます。 それから、二番目には、リハビリテーションあるいは社会復帰あるいは生活支援の標準的なプログラムを作成するということを最終目標といたしまして、その素材となる事例を集約するということでございます。 それからさらに、検討を要する課題、具体的にはやはり医療の分野なりあるいは福祉の分野について施策対応をどう図っていくかという、検討を要する課題につきましてもお示しをいたしたいというふうに思っておるわけでございまして、平成十五年度におきましては、こうした中間報告について幅広い関係の皆様の意見を再度お聞きするということと、それから、引き続きデータの収集、分析を行った上で最終報告に取りまとめていきたいというふうに思っておるところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。御丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございました。 最後の質問にさせていただきますが、この高次脳機能障害の場合、今から五年ほど前ですけれども、突然交通事故での障害を持つことになりましたという御家族から本当に痛切な訴えをお聞きさせていただいたんですけれども、これまでにも定期的に委員会では御質問もさせていただきました。ほかの先生方からもございましたけれども。 第三者の目から見まして障害の有無がなかなか理解されにくい、そのために福祉サービスが受けられない、家族は途方に暮れる中で孤立をしてしまう。そして、先ほどの痴呆性老人の問題もそうですが、せっかく介護保険制度が始まりまして大変大きな評価を受けているわけですが、しかし一方で、本当に介護支援を必要としている人がサービスを受けられない、仕方なく保険外のサービスを利用せざるを得ないといった状況であります。 こういった問題をやっぱりこつこつと本当に解決をしていかなければいけない。本当の意味で安心をして暮らせる長寿社会はやっぱりそうしないと実現していかないのではないかなというふうに思うわけですけれども、最後に坂口大臣に御見解をお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 局長から答弁がありましたとおり、今、最後の取りまとめを行っているところでございます。その中にもありましたように、診断基準でありますとか、その後の標準的なリハビリテーションのプログラムでありますとか、そうしたことを一応やらなきゃならないんだろうというふうに思いますが、しかし、その後で、しかし回復しないという部分が残る可能性もあるわけでございます。 委員もお触れになりましたとおり、表面的に見ました場合に、手足に障害があるわけではない、また歩行が困難があるわけではない。しかし、社会的な一般の社会人としての生活が不可能である、あるいは家庭内におきましても会話ができないといったような場合に、その人たちを障害者と同じように扱うかどうかということに突き当たるんだろうというふうに思っております。それは、他の障害者もそうでございますが、やはり身体は健全でありましても全体として人間的な行動ができないという場合には、それは障害者として認めているわけでございますから、そうした方向性を持ちながら、どういう基準でどういうふうにしてそれを決めていくのか。そうしたことをこれからやっていかなければならない、また急がなければならないというふうに思っている次第でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) 以上をもちまして、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十九分散会