決算委員会 第4号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/04/14
会議録
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、福島瑞穂君及び大江康弘君が委員を辞任され、その補欠として広野ただし君及び大田昌秀君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 平成十三年度決算外二件を議題といたします。 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、金融庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(中原爽君) この際、お諮りをいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(中原爽君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(中原爽君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本でございます。 今日は決算委員会ですけれども、まだ頭が選挙モードで皆さんも悲喜こもごもだと思いますが、質問に入らせていただきます。 本日は、内閣、内閣府本府、金融庁などの省庁別審査になっておりますけれども、私は大きく二点について、一点目は内閣官房報償費の執行体制についてと、もう一つはDV法について今日は御質問させていただきたいと思います。 まず最初に、一昨年大きな問題となって国民の関心を呼びました内閣官房報償費の私的流用、いわゆる松尾事件として当時も報じられましたけれども、この問題につきましては当決算委員会でも警告決議が出されまして、その中では、逮捕・起訴に至ったことは言語道断であり、国民の信頼を著しく損なう事態を招いたことは、極めて遺憾であるという大変厳しい警告決議が出されております。当時の新聞記事をちょっとひもといてみたんですけれども、その中でも、ずさんな経理処理を許した外務省、機密費のチェック機能を喪失していた内閣官房、また判決も不十分な審査体制が犯行を助長したというふうに新聞でも指摘されております。 私は、その後のこの問題についての対応について、確認を含めて若干質問をさせていただきたいと思います。 まず、内閣官房報償費にかかわる是正処置要求の処置状況についてでございますけれども、この問題については、会計検査院からも会計検査院法第三十四条の規定による是正及び改善処置の要求が内閣総理大臣並びに外務大臣に対して行われております。二〇〇一年度決算検査報告では、この処置状況が掲記されております。 まず、会計検査院から、是正及び改善処置要求に対する処置状況について簡潔に御説明をお願いいたします。
○説明員(石野秀世君) 検査院では、松尾事件が発生したことなどを受けまして、事件の発生原因を究明するとともに、内閣官房報償費の執行体制、内部チェック体制を中心に厳正な検査を行ったところでございます。 その結果といたしまして、一つ目に、内閣官房及び外務省におきまして、総理外国訪問に係る各々の事務分担を明確に定め、その事務の分担に応じ自らの責任において予算を執行すること。二つ目に、内閣官房において報償費の出納、保管に係る事務補助の内容及び実施手続を定めるとともに、管理状況が十分把握できるよう、その執行体制を整備すること。三つ目といたしまして、内閣官房におきまして官房報償費の出納、保管について定期的に内部監査を行うなど、報償費が適正に使用されているかどうかの確認を内部で行うことができる体制を構築することということを内容とする処置を要求したものでございます。 これに対しましての処置状況でございますが、一番目の総理外国訪問に係る経費につきましては、一部を除きましてすべて総理外国訪問に係る経費を外務省予算で計上するということ、そしてそれぞれ各々自らの責任において執行するという、しているということ。それから、そういうことで総理外国訪問に係る内閣官房と外務省との間における事務及び経費の分担の明確化が図られたというふうに思っております。 それから二つ目でございますが、内閣官房におきましてその報償費の取扱いにつきまして基本方針等を定めまして、内閣官房報償費につきまして、取扱い責任者の責任と判断の下でその経費の性格に適したものに限定して執行するとともに、その使用目的類型の明確化、事務補助者の指名等を定めまして報償費の執行体制を整備し、また同じく基本方針におきまして定期的に内部監査を行うことなどを定めまして、報償費が適正に使用されているかどうかの内部確認を行うことができる体制を構築するという処置が取られたというふうに承知しております。
○神本美恵子君 今御説明の中にもありました内閣官房報償費の取扱いに関する基本方針が定められたということですけれども、これについて少しお伺いしたいと思います。 この基本方針が定められてからここでちょうど一年が経過しましたので、この間の運用状況についてですが、この内閣官房報償費は、「一つ一つ吟味しながら真にその経費の性格に適したものに限定して使用するもの」というふうに明記されております。そのため、今まで以上に厳格な執行がなされたことと思いますけれども、二〇〇二年度の執行状況は前年度までと比べて変化が見られたでしょうか。 また、執行に当たっては、その中で、政策推進費、調査情報対策費、活動関係費というふうに「三つの目的類型ごとに、それぞれその目的に照らして行うもの」とされておりますけれども、この目的類型別の割合はどのようになっているのか、大まかな概数で結構ですので、御答弁をお願いします。
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房報償費につきましては、総理外国訪問にかかわる内閣官房と外務省との間における事務及び経費の分担の明確化を図ると、こういうようなことで、ただいまの会計検査院の方からも報告がございましたけれども、平成十二年度から、総理外国訪問に当たりましての総理大臣及び内閣官房副長官並びに内閣官房職員の宿泊費を順次施設借上費として庁費により支弁する等の見直しを行っております。平成十四年度予算からは、これらの経費以外は外務省に一元化して予算計上しまして、各々自らの責任において執行するなどの改善措置を講じております。 また、平成十四年度につきましては、内閣官房報償費の取扱いに関する基本方針などを策定いたしました。そして、これらに基づいて内閣官房報償費の厳正かつ効率的な執行に当たっているところでございます。もとより、一件一件適正なる使用をするということで、その支出に当たりましては厳密に検討をいたしております。これは内閣官房報償費だけというわけじゃありません。すべての政府関係の支出についてはそういう姿勢で当たるべきだというように思っております。 ただいま質問ございました類型別と、こういう話でございますけれども、これは、内閣官房報償費の執行にあたっての基本的な方針において、まず高度な政治的判断により機動的に使用することが必要な政策推進費、またその時々の状況に応じ必要な情報を得るために必要な調査情報対策費、またもう一つは、ただいま申し上げました両方を行うに当たりましてこれらの活動が円滑に行われ、所期の目的が達成されるよう、これらを支援するために必要な活動関係費というその三類型に分類したわけでございます。内閣官房報償費の使用目的を可能な限り明らかにしたいというそういう趣旨で、このように三類型にいたしたわけでございます。 しかしながら、内閣官房報償費というのは、かねてから申し上げておりますとおり、その経費の性格から具体的な使途等については明らかにはしないと、こういうことにいたしておりますので、御質問の点についての答弁は差し控えさせていただきたいと思っております。
○神本美恵子君 その従来から明らかにしないということのその意味は、国の機密保持上、その使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費であるということは私も承知をしておりますけれども、この政策推進費、特に官房報償費の中の政策推進費というのは、「官房長官としての高度な政策的判断により、機動的に使用」できるというふうにされていますよね。 それで、その「高度な政策的判断」とするその範囲があいまいであっては、国民の中に、それがどういうふうに使われているのか、中身が詳しく一つ一つ明らかにされることはもちろん機密上無理だとは思いますけれども、範囲があいまいであっては合意が得られないのではないかというふうに私は思います。 そこで、官房長官に更にお伺いしたいんですけれども、「高度な政策的判断」とは何か。また、限定された特定の事案、事項があるのでしたら、それを示していただきたいと思います。 国費支出である以上、これは金額ですれば十四億円相当だと聞きます。ですから、一日に換算しますと、約、まあ平均ならしますと四百万円というような金額ですので、国民からはその示せる範囲はきちんと示していただきたいというのが国民感情でもございますので、是非明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房報償費というのは、取扱者、取扱責任者でございます内閣官房長官のその都度の判断で、その時々の内閣の最重要課題であります内政、外交の円滑な推進を図るための機動的な経費であると、こういうように規定いたしておるところでございます。また、そういう趣旨に沿って支出をいたしておるわけであります。 こういうような内閣官房報償費の性格から、高度な政治的判断の内容というのは、これは類型的に申し上げるのは困難なことであるというように考えております。
○神本美恵子君 その高度な政策的判断ということで明らかにされないと、そのことが国民に対してやはり不信を招いているのではないか。また、こういった不祥事といいますか、私的流用がその中で行われてきたというその反省に立つならば、何とか明らかにできる、あるいは無原則に、その原則や基準も示されないということでは国民は納得できないのではないかというふうに私は思います。 それで、私は、国民の皆さんが、その内閣官房報償費の執行に当たっての基本方針に掲記されている三つの目的類型、それを十分に理解していただくことが必要ではないかと思います。さらに、この基本方針の中の取扱いに関する基本方針で、毎年度又は官房長官が替わったときは執行に当たっての基本的方針を改めるというふうになっておりまして、二〇〇三年度も近日中に改正するというふうに伺っております。 この執行判断の基準というものがころころ変わるといいますか、毎年度見直されて変わるということでは、とても透明性を高めるとは言えないのではないかというふうに思いますので、この際、福田官房長官のときに今後の内閣における規範となるべき執行方針を定められてはいかがかと。そして、経年的にこの報償費の執行について国民の判断を仰ぐというふうにでもしなければ、国民の信頼回復というのは到底できないのではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 平成十四年四月に内閣官房報償費の取扱いに関する基本方針を策定いたしました。そこで、取扱者責任者、取扱いの責任者でありますその時々の内閣官房長官が毎年度、報償費の目的類型を明らかにした上で、その執行に当たっての基本的な方針を定めると、こういうようにいたしておるわけであります。 現に、私も現在、平成十四年度の実績を精査いたしているところでございますが、その結果を踏まえまして、平成十五年度の内閣官房報償費の執行に当たっての基本的な方針について決定したいと考えております。 しかし、お尋ねのことにつきましては、これはこの性格上明らかにできないということでありますので、これは、この点は御理解をいただきたいと思っております。
○神本美恵子君 国民に納得できるような説明をということで、私は是非、先ほどお聞きしましたように、その三つの類型の割合も示せない、そしてまた特にその中の政策推進費ということの範囲も示せないということでは、機密保持ということがあるにしても、執行判断の基準をせめて示してほしいと、そうでもしないと国民には納得できないし、また透明性を高めるということにはならないのではないかというふうに私は思います。 次に、この報償費の取扱要領が定められていますが、その運用状況についてお伺いしたいと思います。 この今回の取扱要領については、報償費の出納に当たっては出納管理簿を整備するというふうにされておりますけれども、この事務は適正かつ遅滞なく実施されたのか。また、取扱要領では取扱責任者である内閣官房長官自らが定期的に記録の確認に当たるというふうにされております。そこで、実際にこの一年間で何回ぐらい、どの程度の頻度といいますか間隔で記録を官房長官自らされたのかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これはもう御質問を度々いただきましてお答えしているところでありますけれども、この内閣官房報償費は、これは内政、外交を円滑に推進させるために機動的に使用する経費であるということでありまして、この内容について、たとえ類型的というふうに言われましても、説明始めますと、それは、じゃ、それだけじゃ納得できないからもう少し教えろと、こういう話になるわけでありますので、ですから、そういうこともありますからなかなか説明しにくい性格のものだということを申し上げたいと思います。 それから、ただいまお尋ねの件につきましては、取扱いの責任者であります私が指名した事務補助者に整備を行わせて内閣官房報償費出納管理簿を整理しておる、整備させておるところでございますが、加えて、その取扱責任者である私が毎月確認を行っているところでございます。
○神本美恵子君 示しても、それでは納得できないからもっと出せ、もっと言えというような、それはちょっと余りにも国民に対して失礼ではないかと思うんですね。 私が言っていますのは、その範囲はどの程度な、どういうものなのか、政策推進費として何か使うその基準というものがあるのか、それとも無原則なのかということをお伺いしているんであって、その点いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、先ほども申し上げました、内閣官房長官の判断によりましてその時々の内閣の最重要課題である内政、外交の円滑な推進を図るために機動的に使用する経費であると、こういうことでありまして、これ以上のことはないのであります。
○神本美恵子君 何か、そういう御答弁の仕方をされると何かあるのかなと、逆に私は国民の方もそういう御答弁を聞くと。適正かつ厳正に、一日四百万円の国費を使うということに、平均ですね、ということに対してやっぱり信頼を深めるような御答弁を是非お願いしたいと思います。 次に、会計検査院にお伺いしますけれども、会計検査院は、憲法上認められた独立機関ということで、この報償費に対しても検査を行われてきたと思いますが、これについてはいわゆる聖域といいますか、踏み込んだ検査が行われていなかったのではないかというふうな印象を持っております。 報償費については、計算証明規則第十一条の規定に基づくいわゆる簡易証明というのがあるそうですけれども、私も今回勉強させていただきました。その簡易証明ということで、実地検査においてはこれまで十分に説明を徴したり関係書類の提示を求めたりして十分に厳正な検査ができているとしておりましたけれども、この松尾事件が起こってしまっております。国の会計経理に係る不正、無駄遣い、これについては会計検査院がただしてくれるんだ、きちんと独立機関として検査をしてくれるというふうに思って、国民はそう期待をしてきたところでございますけれども、今回のこの事件についてはその期待に会計検査院はこたえることができなかったということだと思います。 私は、会計検査にそういう簡易証明というような例外を作ってはいけないと思うんですね。もしそういう簡易証明というようなやり方でやるとしても、これを認める、これは簡易証明でやるというその基準、基準を厳格にして、どうしてもそれが必要なものについてのみ、個々の事案ごとに内容を厳しく吟味して極めて限定的に行うべきだというふうに思いますけれども、会計検査院として、現在、簡易証明の取扱いをしているものはどういうものがあるのか、また、一度これは簡易証明でというふうに承認されたものであっても、少なくとも毎年あるいは状況が変わるごとに見直しを行っているのか。承認する際の手続について御説明をお願いしたいと思います。
○説明員(石野秀世君) 今お話しの簡易証明ということでございますが、計算証明規則の第十一条の規定に基づきまして、領収証書等を取扱責任者の手元に保管させておき、会計検査院にはその支払明細書を提出させるという言わば手元保管を認めているという形のものがございます。これは今の内閣関係の報償費だけではございませんで、ほかに警察庁の報償費、捜査費あるいは法務省関係の報償費、調査活動費、外務省関係の報償費と、ほかにもございますけれども、そういったところがございます。 この証拠書類の手元保管と、認めておるといいますのは、今申しましたように計算証明に係る一環の手続ということで行っているものでございまして、証拠書類を作成する必要がないという性格のものではございません。単に手元保管を認めておるというだけのものでございまして、検査に当たりましてはそういった証拠書類の必要に応じて提出を求める、あるいは実地検査の際に確認するということで他の経費と同様に検査を行ってきているという状況でございます。 それから、計算証明の、今の手元保管の取扱いを認める基準ということでございますけれども、これはその経費の性格上、多数の目に、その証拠書類等が多数の者の目に触れるということが好ましくないということで取扱省庁から申出のあったものに対しまして、毎年そういった状況が本当に認められるのかどうかということを十分、その報償費の管理執行状況というものを勘案いたしまして、毎年度その必要性を見直すということによりまして、そういった申出を承認して差し支えないという判断ができたものを年度ごとに承認を行うという方法にしておるところでございます。
○神本美恵子君 簡易証明検査のやり方、今お伺いして分かったんですけれども、この松尾事件に関してみれば、会計検査院は事件が発覚するまで会計経理の不正を見いだすことができなかった、これはもう起きてしまっていますよね。この簡易証明の実地検査においては、支出目的等について適正に使用されたという心証が得られるまで関係書類の提示や説明の聴取を受けるというふうにされております。 それで、その松尾事件のときも、といいますか、そのときもこの簡易証明を行って心証が得られたということですよね。ですから、その適正に使用されたという心証、これが非常に重要なことになると思うんですけれども、その基準は、実地検査を、そのとき、どなたがなさったか知りませんけれども、人によって異なるのではないかというふうに危惧をします。 それで、検査の基準、またその水準が、検査する、実地検査をする人によって左右されては問題だと思いますので、特に出納簿管理や支払関係書類の保管などが行われるようになったというふうに今お聞きしましたが、役務提供者等の領収書がなくて、かつ関係書類の提示もない、いわゆる三つの類型のうちの政策推進費、この使用に対する検査においては、この心証だけが頼りといいますか、心証がとても重要だと。 その基準がどこで、これは信用できる、確かに適正に使用されたというふうに判断する基準が非常に重要だと思うんですが、会計検査院としてはこの心証の基準をどのように定められているのか、また各検査担当者の心証の基準やレベルを統一するためにどのようなことをなさっているのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(石野秀世君) 今お尋ねの心証を得るまでということでございますが、これにつきまして、一般的に個々具体的にここまでやればいいというふうな基準を特に設けているということはございません。ただ、そういった説明の内容が合理的なものであるかどうか、あるいは提出された書類とその説明とが整合性があるのかどうかと、そういった当該会計経理の妥当性、合理性を総合的に判断するということで対処してきております。このことは報償費だけではございませんで、ほかの経費でも同様のことでございます。ですから、一般的にこういった基準まで行けば大丈夫だということを設けておるわけではございません。 ただ、今お話しの官房報償費につきまして、どういったことの状況なのかということでございますと、先ほど来申し上げておりますように、その執行体制の整備が図られたということでございますので、そういった執行体制が確実にそのとおり実行されているのかどうかということにつきましては、例えば専従の担当者を決めるとか、そして担当者の中であるいはそういった検査の方法といったことについて検討を加えるというふうなことで、そのレベルの、検査のレベルの維持あるいは向上というふうに行っていくということで対処してきておるところでございます。
○神本美恵子君 基準は特にないということですけれども、やはり私は何らかの基準を作らなければまた起きるのではないかということを大変危惧をいたします。 それで、更に会計検査院の検査体制についてお伺いしたいんですけれども、検査にリスクマネジメントの視点を取り入れて将来生じることが危惧される問題について指摘することも重要というふうに会計検査院としては今行われていますけれども、この報償費の取扱いに関する基本方針が整備されたことで報償費の執行については将来問題が生ずるような危惧はなくなったというふうに会計検査院としてはお考えでしょうか。 私は、今ずっと最初からお聞きしてきて、どうも本当にそれで大丈夫なのかということについては国民は今の御説明では、官房長官と会計検査院の御説明、両方お聞きして、本当に松尾事件のようなことが今後起こらないというふうな心証は受けていないんですけれども。 この基本方針では、会計検査院が必要として会計検査院長から特に申入れがあった場合には長官自らがその説明に当たるというふうにされております。この二〇〇二年度分の実地検査がこれから行われるというふうに思いますが、官房長官からの説明聴取や質疑応答、関係資料の検査などを通じて、この内閣官房報償費の支出は適正に支出されたというふうに判断できる、あるいは二度と国民の期待を裏切ることはない、そのような検査を行うということをここで決意なり、できたら明言を、難しいでしょうけれども、でも、それをしないとやっぱり国民は信頼できないと思うんですね。是非とも会計検査院長からここは御答弁お願いしたいと思います。
○会計検査院長(杉浦力君) お答え申し上げます。 リスクマネジメント検査ということで、昨年来から私ども一生懸命勉強いたしておるところであります。 官房の報償費につきましても、その問題となるべき扱い方の問題とか、あるいはそういった点を整理していただいて、そうすると基本的な帳簿上の問題、数字の問題というのは非常に少なくなるというようなことは考えられると思っております。 このほか、私どもといたしましては、使われました中身が本当に正確に使われておるかどうかという点につきましては、官房長官の方とも連絡を取り合って、きちんと調査をしていくつもりでおります。 先ほどからお話にありました政策推進費というような特に政治的な問題の高い問題につきましても、ほかの経費と同じような考え方に持ちまして、必要であれば最適な時期、最適な方法により検査を進めてまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 では最後に、官房長官に是非御答弁をお願いしたいんですけれども、やはり今ずっと御答弁をお聞きしながら、松尾事件が起きて、官房報償費についてはどうなっているのかという国民の疑問にやはり私はお答えできるような明確な今質疑ができたというふうには思っておりません。まだまだ厚いベールに包まれているのではないかというふうに思います。 それで、やはり一昨年に起こったこの事件で報償費の使途について国民の信頼を失った、その信頼回復のためのゼロからの出発であるということを是非とも肝に銘じていただきたいというふうに思います。ですから、報償費の執行に当たっては、その目的にかなったものに限定して、厳格な基準を持って使用をしていただきたいということと、会計検査院の検査に際しては、できる限り、可能な限り透明性を高めるために関係領収書等を示して直接説明して、一層の透明性を高めていただきたいということをお願いしたいと思います。 今後の報償費の執行に当たって、国民に分かるように、ガラス張りとまではいかなくても、透明性を高めるという決意を込めて官房長官からの基本的な姿勢をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先般来、松尾事件のお話もございましたが、この松尾事件のようなこういう問題が今の体制で起こるはずはありません。そういう問題が起こるようなことはすべて改善処置を講じまして、今後二度とそういうことは起こることはないということは断言を申し上げたいと思います。 これ、この内閣官房報償費というのは、正に取扱責任者でございます官房長官の判断と責任の下で私が実際担当いたしまして以来、一つ一つ吟味しながら厳正かつ効率的な執行の徹底に当たってきております。今後の内閣官房報償費の執行に当たりましても、昨年度までの執行状況を踏まえながら、更に吟味をし、執行に当たってまいりたいと、このように考えているところでございます。
○神本美恵子君 すべて改善をし、二度と起こることはないというふうにおっしゃいましたので、そのことは是非信じたいというふうに思いますし、国民の信頼を再び失墜するようなことがないように是非重ねてお願いをしておきたいと思います。 では次に、大きな二点目の質問ですけれども、DV法、いわゆる配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律についてお伺いをしたいと思います。 このDV法は、二〇〇一年の十月に施行されて、全面施行が二〇〇二年の四月、一年半ぐらいたっているわけですけれども、まずこのDV法に関する、DV法といいますか、ドメスティック・バイオレンスに関する実態調査についてお伺いをしたいと思います。 この法律が成立する前の一九九九年九月に国として初めて女性に対する暴力についての実態調査が行われて、その結果がこの法律の制定のきっかけにもなったというふうにお伺いしています。 このような調査は定期的に継続していく必要があると考えますけれども、法施行後、二〇〇二年度の内閣府の女性に対する暴力対策関係予算において、この女性に対する暴力の実態調査が加害者研究の調査とともに千三百万円、予算が計上されております。そして、この調査ではどのような対象においてどのような方法で調査が行われたのか、今朝、私、その調査結果の概要をいただいたばっかりなんですけれども、概要について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答え申し上げます。 内閣府では平成十四年度に配偶者等からの暴力に関する調査を実施して、先週末、十一日に結果を公表いたしました。この調査は、昨年の十月から十一月に掛けまして、全国から無作為に抽出いたしました二十歳以上の男女四千五百人に対してアンケート用紙を郵送し、調査員がそれを回収するという形で実施しております。回収率は七三・八%、三千三百二十二人の方から回答をいただいておりますが、この結果ですが、女性の約五人に一人、一九・一%ですが、そういう方たちがこれまでに配偶者等から身体に対する暴行、恐怖を感じるような脅迫、性的行為の強要といった行為を受けているということが明らかになっております。また、女性の四・四%、約二十人に一人がこれらの行為によって命の危険を感じていたと。また、女性の二・〇%が暴力によってけがを負い、医師の治療を受けていたというような結果が出ております。 依然として被害が深刻であるということが明らかになっております。
○神本美恵子君 こういう調査については定期的に、今後とも継続的に行う必要があると思います。前回の調査から比べても、命に危険を感じるような暴力を受けたという数も上がっておりますし、また今回の調査では潜在的な、要するに暴力を受けていてもこういう法律があることを知らないとか、これは犯罪であるといいますか、訴えてもいいんだということも知らない潜在的な被害ということも含めまして、是非定期的に、また継続的な調査が必要と思いますけれども、そのことについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 議員御指摘のとおり、こうした調査によって配偶者からの暴力の実態が浮かび上がり、対策を行う上でも大変有用なデータとなりますので、継続的に実施することは大変有意義だと思いますが、内閣府の方におきましても、男女間における暴力に関する調査、平成十一年度、それから配偶者等からの暴力に関する事例調査、これはケーススタディーですけれども、これを平成十二年度、そしてまた今回の配偶者等からの暴力に関する調査、さらに暴力の加害者更生に関する調査研究というように調査研究を重ねております。
○神本美恵子君 ありがとうございました。 それで、この、では実態の把握の仕方について、今のはサンプル的な調査とかあるいは事例の調査ですけれども、実際にDV法が全面施行された二〇〇二年四月から二〇〇三年二月の間の調査結果が発表されています。それによりますと、来所あるいは面接、電話によるものも含めて相談された件数が約三万三千件というふうにお伺いしています。 しかし、実際には、今日お手元に資料を配付させていただきましたが、配偶者からの暴力防止・被害者の保護に関する法律の概要ということでチャートのペーパーをお配りしておりますが、この内閣府の調査の三万三千件というのは、この「被害者」からの黒い矢印が二つ出ているうちの右側の配偶者暴力相談支援センター、ここに寄せられた相談件数ではないかなと思うんですね。これと別に、また濃い矢印がもう一つ出ております、警察の方に直接訴えた数、また裁判所に直接申立てをした被害者の方、ここには出ていませんけれども、民間シェルターや各都道府県や自治体、市区町村の自治体の福祉事務所に訴えた被害者というふうに、ほかにもあるというふうに聞いております。ですから、重複している場合もあるとは思うんですけれども、このような、それぞれ担当省庁が違うからということではなくて、内閣府として全体の実態を把握する必要があると思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、配偶者からの暴力を受けた被害者が相談する対象といたしましては配偶者暴力相談支援センターがございまして、そちらに既に三万三千、そしてまた警察の方に一万四千百余り、また裁判所、市町村の福祉事務所等々にいろいろな相談が行われておりまして、それぞれの機関におきまして業務遂行上の必要に応じて集計されていると思いますけれども、御指摘のとおり、一人の方が幾つもの機関に相談をしておられるということもございますので、単純に各相談機関の件数を合算することによって正確な被害実態は把握できないというふうに考えております。 そしてまた、こういうふうに、もちろん集めた方がよろしいんですけれども、御存じのように、例えば民間のシェルター等、あるいは配偶者暴力支援センターの方でも、大変限られた予算で、限られた人員がこういった被害者の相談に当たっておりますので、こうした統計、数字、あればもちろんそれにこしたことはないわけですけれども、過大な負担を強いることになるのではないかなというふうに考えております。 内閣府では、支援センターに関する相談件数を集計しておりますが、これはあくまでその被害実態に関する一つの参考で、これですべてを網羅しているというふうには考えておりません。また別途、いろいろな形での調査でその被害実態の調査を行ってまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 是非、確かに重複したり、それぞれの担当の現場のところで過度の負担になるというような配慮も必要ですけれども、内閣府としては、この被害者から下りているそれぞれのところの有機的な連携といいますか、そういった連携を進めていく上でも、またそれぞれの現場で、市区町村の福祉事務所や民間シェルターのそういったところの現場での課題なども把握するということも含めて、何とか全体を見渡した課題認識を持つための調査を工夫、研究していただきたいということを御要望いたします。 それから次に、DV被害者に対する施策の中で最も大きな課題というのは被害者の自立支援であるというふうに考えます。今、DV被害者の自立支援といいますか、生活再建を支援する最大の手段というのは生活保護というふうにお聞きしております。しかし、この生活保護の実行主体、実施機関は都道府県や市町村の自治体になっておりますので、なかなか、DV被害者が生活保護をどのくらい受けているのか、そのための経費がどのぐらい掛かっているのかというふうなことは全体的に把握が難しいとは思いますが、DV被害者の生活保護の適用件数というような実態は内閣府の方では把握されているのでしょうか。それとも、直接担当の、これは厚労省の方になるんですかね、生活保護の中でDV被害者の生活保護適用件数がどのくらいあるのかという把握は。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 事前に通告をいただいておりませんでしたので、担当の局長が参っておりません。戻りまして、生活保護の受給者の中でDV被害者がどの程度いるかどうか、把握できているかどうか、調べまして御報告するようにいたしたいと思います。
○神本美恵子君 済みません、通告していたつもりですけれども、何かちょっと、じゃ、ずれていたんでしょうね。 私は、是非、このDVのために発生した福祉経費という観点から、恐らくこれ把握していないというふうにお聞きしたんですけれども、生活保護の中でDV被害のために生活保護を受けているという数を是非把握していただきたいし、それは内閣府としても是非把握をしていただきたいと思います。 そして、私は、生活保護による生活再建というのではなくて、むしろ自立支援の施策として、例えば住宅確保や就労支援などを進めていくことによって被害当事者の経済的自立を促していくことの方が、コストから見ても、コスト面から見ても安い、安いといいますか、いいのではないかと。福祉的に保護を受けてもらうということよりも、自ら経済的に自立できるような支援策にお金を使う必要があるんではないかというふうに思いますが、その点については内閣府の方、お願いします。
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、配偶者からの暴力の被害者が自立をする、その自立を支援するということは大変重要でございまして、そのためには、お金、金銭の問題だけではなしに、住居の問題、雇用の問題など様々な面からアプローチしていかなければならないと思いますが、それぞれ公的な制度が用意されております。 そうした情報が是非そういう被害を受けた方たちに十分に届くように、私どもといたしましては、情報を一元化して、相談に当たる方たちが使いやすいように提供する事業をするとか、そういったような形で努めておりますが、さらに、その被害者の方たちが十分にサポートされるように内閣府としても努力してまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 是非よろしくお願いします。 もう時間がなくなりましたので、まだたくさんあるんですけれども、一つ、じゃ、これは是非もうすぐにでもやっていただきたいということで、外国籍の被害当事者への対応についてなんですが、いわゆるDV被害者の中で多くは、いわゆる農村花嫁として東南アジアの方から来日された女性の人たちが被害に遭っているというケースが多いというふうにお聞きしています。ところが、今、DV法に関する啓発や情報提供という面で、インターネットやパンフレットが、日本語はもちろんですが、英語に限られているというふうに聞いています。 是非、こういった女性たちが直接その情報を手にするとか、あるいは窓口に駆け込んだときに、担当者がタガログ語とか中国語とかで書かれている情報を提供することができるというようなことを考えると、そういった配慮も必要ではないかと思いますので、要望と質問です。
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、女性に対する暴力対策情報提供事業、これが大変重要だと思いますが、今までは日本語、英語中心にやってまいりましたが、平成十五年の四月、今月から、相談員の方が外国人被害者から相談を受ける際に資料として利用できるように、タイ語、タガログ語、スペイン語、ロシア語、ハングル、中国語、英語の七か国語で簡単に概要を説明したものを提供しております。また、外国人のための人権相談所や外国人在留総合インフォメーションセンターの連絡先も分かるように工夫しておりますので、外国人被害者の方にも活用していただければと思っております。
○神本美恵子君 予算にも関連することで大変かと思いますけれども、更に進めていただきたいのと、もう一つ、外国籍被害者に対しては、支援センターで言葉が通じないために拒否されるとか、あるいは通訳を置いてほしいという現場的な要望も出されておりますので、そういった予算措置もお願いしたいと思います。 時間が来てしまいました。私も、共生社会に関する調査会のメンバーに入れていただきましたし、法の見直しに関してこれからそこでも議論されていくと思いますので、是非とも内閣府として、このDV法の実効ある施策を御要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 初めに、今年一月十五日に記者発表をされました地震防災施設の現状に関する全国調査最終報告について伺います。 この調査結果は、都道府県が作成する地震防災緊急五か年計画や、あるいは東海地震、東南海・南海地震に係る各種計画の策定、推進等、地震防災対策推進の重要な基礎資料として活用されるものだと承知をしております。その内容を見ますと、初めてこういう全国調査をされたということを多とするわけでありますけれども、「重要な建築物の耐震化」、こういう項目の中に「社会福祉施設」、「小中学校等」があります。これは当然でありまして、まだ耐震化をこれから計画的に積極的に進めていただかなければならないと思っていますが、幼稚園がこの調査の対象施設にはあるんですが、同じような施設、また子供にとっては幼稚園より長時間で対象年齢も幅が広い、こういう施設が入っていないんですけれども、保育園の入らない理由、あるいはどういうふうな震災対策を取っておられるのか、これをお示しください。
○政府参考人(山本繁太郎君) 内閣府が実施いたしました地震防災施設の現状に関する全国調査についてのお尋ねでございます。 この調査は、地震防災施設として非常に重要ないろいろな機能につきまして、統一しました指標を設けまして、初めて全国にわたって調査をしたものでございます。 その趣旨といたしましては、地震が起きましたときに、住民の方々が避難するための道路、あるいは避難先になります公園などのオープンスペース、あるいはしばらくの間そこで生活することになります避難所として使えるしっかりしたスペースを持ちました大きな建築物について耐震性があるかどうか、そういった観点から調査をいたしました。したがいまして、小中学校の施設そのものあるいは附属してあります体育館、そういったものについて耐震性、地域の被災時に地域の避難所となるといったような観点から、その耐震性を調べる調査対象としたものでございます。 今回、初めて行いましたので、これからだんだん充実させていこうと思います。地方公共団体とかあるいは関係省庁の御意見を聞きながら、御指摘のありました保育園の取扱いなどにつきましても御意見を伺いながら、次回以降、調査、充実させていきたいという考えでおります。
○八田ひろ子君 公立、私立を問わずに、保育園では耐震診断や耐震改修が重要であることは当然だと思いますし、避難場所になるかならないかということも重要ですが、そこに子供がたくさんいるということ、最も多い施設の一つだと思いますので、幼稚園がそういう対象に入っておりますから、保育園も当然入れていただいて整備や進捗率を把握していただく、これは地震防災対策推進にとって重要であると思いますので、次からはそういうふうにしていただきたいというふうに思うわけです。 それから、大臣に伺いますけれども、地震防災施設の整備状況の把握、これは計画策定や推進の基礎だと思いますけれども、阪神・淡路大震災から八年がたって、あの震災で亡くなった方は多くは倒壊した家屋で下敷きになって亡くなっている。人の命を守る、人的被害をいかに出さないかは震災対策の中心課題だというふうに思うんですが、震災による人的被害を少なくする、なくすために住宅、個人の住宅の倒壊を防止することが不可欠だと思います。 そうしますと、個人住宅の耐震診断や耐震改修というのが避けて通れない最重要課題だと私は思うんですが、大臣どうでしょう。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員御指摘のとおりでございまして、私も目の当たりに体験をいたしておりますが、やはり家屋が倒壊して、その下敷きになってしまって命を失われる、あるいは重傷を負われるというのが八割以上ありました。 ああいう大震災というのは、人の力では押しとどめるわけにはまいりませんけれども、しかし、それに備えることはある程度はできるという考えで我々は事に当たっているところでございまして、これも委員御指摘のとおりでございます。 今、建物の安全性につきましては、所有者自らがしっかり関心を持っていただかなきゃいかぬということが重要でございまして、そういったことに周知徹底をまず精神的な部分からお願いをしていくことになっておるわけで、やっておるわけでございます。 また、補助制度、融資制度などを用意して建築物の耐火、耐震化の促進に努めておるところでもございますけれども、今後ともこの重要性にかんがみて国土交通省始め関係省庁と連携を密にして、なおしっかりと取り組んでいく所存であります。
○八田ひろ子君 本当に最重要課題が個人住宅の耐震診断、耐震改修だと思うんです。 今日、皆さんに資料として一枚のペーパーをお配りしているんですけれども、これは日本木造住宅耐震補強事業者協同組合というところが実施した耐震診断四万五千六十五件の診断結果を分析したというふうに、実際にやられた中身ですね、九九年から二〇〇二年までの三年間なんですけれども。 これを見まして、右側のところなんですけれども、昭和五十五年以前の建物、これは一九八〇年以前ですね。これですと、「倒壊又は大破壊の危険があります」と、こう診断をされたのが六二・二七%で、今、大臣がおっしゃった個人住宅、精神的に備えるとおっしゃったんですが、この精神的だけではなかなか大変かなというのをこれ、思いました。 今、一九八〇年以前のはいろいろと融資とかそういうものがあるんですけれども、その下が一九八一年以降ですね、五十六年以降と書いてありますが、これ見ましても、「倒壊又は大破壊の危険があります」というのが三四・三九%なんです。 私、これを読ませていただいて、その下に、「昭和五十六年以降の建物であれば安全と言う訳ではない」と。いろんな自治体では五十五年以前の建物を限定しているんだけれども、五十六年以降の建物でもこの必要性が高いんだというふうに専門家が言っておられるんですけれども、こういうのは当然、担当大臣ですので御存じだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 五十六年以前、以後のことはよく承知をしておるんでありますが、以前、以後関係なく、やはりそういったところはしっかりと見極めて対処していかなきゃいかぬと思っておりますが、しかし五十六年以前が非常に危険度が高いということも聞いておりますので、そっちの方からまず取り組んでいくというふうな方法を取らざるを得ないのではないかというふうに考えておりますが、先ほど申し上げましたように、いずれにいたしましても、そういう耐震のための、各省庁とも連絡を取りながら進めなければならないことであるというふうに認識をいたしております。
○八田ひろ子君 本当に私、これを見まして衝撃的な思いがしたんですね。今いろいろと各自治体も本当に熱心にやっておられるんですけれども、実際にはこういう状況があると。御存じない方もきっと多いのかもしれないんですね。今、大臣は、確かに一九八一年以降もこういうふうで大変なんだけれども、当面は一九八〇年以前の分を重点的にやっていくと。私も緊急に必要、だってこれ六二・二七ですから、「やや危険です」を合わせると、これ八割超えているわけですよね。 だから、本当に緊急にやってもらわないといけないというふうに思うんですが、この最重要課題である個人住宅の耐震診断、耐震改修というのは、ではどういうふうにどの程度進んでいるのか。とりわけ、地震により著しい被害を被るおそれのある地域や地震防災強化地域というのが発表されておりますが、そこでの木造住宅についての耐震診断の進捗状況あるいは耐震改修、この全木協、木耐協ですか、ここでは大変だと言っているんですけれども、進捗は今どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) この問題につきましては、住宅を所有しておられる方がきちんとした問題意識を持っていろいろ用意されております融資制度とか補助制度を活用して前に進んでいくということが一番大事でございまして、御指摘のありました東海地震の対象であります静岡県などは、非常に熱心に、TOUKAI—〇という計画を持っておられまして、まず耐震性の診断を自分がフォームに従って自己診断をした上で専門家に診断していただき、悪いところが発見できれば手当てしていくという段取りで進んでいるんですが、正直に申し上げまして、東海地域の対象地域であっても耐震診断がまだまだ進んでおりませんで、なおかつ自分で進んで耐震化を図ろうというところまでいくのは非常に限られております。 したがいまして、今回の調査結果を基にして、しっかりした対策を公共団体と一緒になって進めていくと、そういう考え方でこれに取り組んでいるところでございます。
○八田ひろ子君 私の持ち時間がもう余りございませんので、官房長官とそれからもう一度鴻池大臣に伺いたいんですけれども、東海地震の場合は前兆現象の早期発見の可能性があるというふうに言われている唯一の地震なんですね。しかし、東海地震の被害想定地域というのは、歴史的に東海、東南海、南海の巨大地震がまるで兄弟のようにほぼ同時期に発生しているというのが言われていて、地震三兄弟と言われている大変な地域だというのが心配をされているわけなんです。 今、ただ、こう、それぞれの自治体も頑張っていらっしゃるけれども、さっき鴻池大臣は精神的と言われたんですけれども、それぞれの個人の住宅だから個人がというふうにおっしゃるんですが、私は、人の命を守るという視点で効果のある予算配分とか、そういうことが絶対に必要だと思うんですね。 先進的な自治体がいろいろやっているものですから、それに学びながら、やはり国がきちんとした計画を持って人の命を守るという姿勢が大きなところで必要だと思いますので、大臣と官房長官と御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 当然そういう考え方というのも大事なことだというふうに思いますが、まずはしかし、自らの命は自ら、そして自らの財産は自らで守っていこうという、精神的という言葉がどうもお気に入らぬようでありますけれども、私はそのように基本的には思います。 中央防災会議で報告されましたのは大変恐ろしい数字でありまして、死者数は九千二百人、うち六千七百人が家が倒壊して亡くなるのではないかと想定をされております。そういった切迫している中で東海地震に関しては、私の聞いておりますところでは、プレートの動きである程度の予測がさす、分かるといったようなこともございます。 関係自治体と十分連携を図りながら、住宅の耐震化の状況を的確に把握しながら、耐震診断や耐震改修等が着実に進展していくように努めてまいりたいと、このように思っております。
○八田ひろ子君 官房長官、一言お願いします。
○国務大臣(福田康夫君) 大規模災害への的確な対応、これは危機管理という、国の危機管理という観点からもこれは極めて重要な課題でございます。特に、地震のように、あらかじめ備えるという、そういう観点から建築物の耐震性を確保するということはこれは重要なことでございまして、国におきましても、住宅の耐震性能に関する診断とか耐震性を高めるための改修に対する補助金制度、また政府系金融機関等による耐震改修工事への融資制度等を設けておりまして、耐震化を促進するための支援策に取り組んでおります。そういうことをしながら、今後も各省連携し、建築物の耐震化の推進に努めてまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 大沢でございます。 今、国民の命と財産、安全を守るという視点で、強く私からも再度要請をしておきたいと思います。 私の方からは三宅島の災害対策についてお聞きしたいと思います。 御存じのように、三宅島の災害によって避難されて二年七か月が過ぎましたね。島の人たちの生活実態というのは非常に厳しくなってきつつあります。もうなっています。まず、大臣は、この島の人たちの避難している生活の実態、とりわけ就労そして生活の実態をどのように認識していますか、まずお聞きします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私も度々三宅村の政治家の方々、あるいは、就任早々でございましたけれども現地に参りましたし、極めて重要な局面に来ているということは認識をいたしております。そしてまた、島の方々は一日も早い帰島を熱望しておられるということもよく承知をいたしているところでございますが、何分、人体に極めて悪影響を及ぼすガスが発生し続けております。量が減ってきたとはいえ、まだ帰島が完全にできる状況ではないということも調査の結果出ておるようでございまして、心を痛めておるところでございます。 今、委員の御質問の島民の方々の就労については、関係省庁や東京都、三宅村の御努力によりまして三宅村げんき農場等、緊急地域雇用創出特別交付金事業によりまして平成十四年度は延べ一千人以上の方々が働かれていますとともに、三宅島におきましても復旧工事ですね、これに約二百名の方々が従事をされておると、このように承知をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、この四月十八日からクリーンハウス、三百人収容ができておりますし、島民の方々が長期滞在、二、三日でしょうけれども島の様子を見、また自らの財産の保全状況を見ることができることが可能になってまいりました。それを見られた後、新たな、昨年十二月に第四次三宅村総合計画等もできておるわけでありますが、その後、東京都、三宅村と密接な連携を図りながら対処していきたいと、このように考えておるところであります。
○大沢辰美君 本当に長きにわたる避難生活の中で、三宅村自身が二回も調査されて、一昨年の調査では約三分の一の方が生活が苦しいという訴えをされているわけですね。ですから、げんき農場などを設置されたというんですけれども、やはり年金で生活している人たちが約六百四十九世帯、そしてアルバイトの生活者が二百三十六世帯、一か月の収入が平均九万四千円だと言われています。保険や、解約して預貯金を取り崩して生活している、ぎりぎりの方たちが三百三世帯、そしてその人たちは月七万八千円で生活をしているという実態なんですね。そして、そういう調査の中で、一年以上たっている、調査の後一年以上たっているわけですけれども生活は一向、まだ現在も良くなっていないという実態。そして、東京都が昨年調査をされました。これは訪問調査をされたそうですけれども、収入が生活保護基準以下の世帯が三百世帯ですね、推計されました。 だから、少なくとも私は、これらの世帯の方に生活支援を講じるべきではないかという、それは多くの世論があったわけですが、三宅村と東京都で、生活保護の弾力的運用と方針で、収入が生活保護基準以下で預貯金が五百万円以下の世帯に三宅村災害保護特別事業が二月より実施されたと聞いております。本当にこの対策で生活支援ができたのでしょうか。その実態をおつかみになっていらっしゃったら、そして、その実態の中でこれからどうされようとしているのかをお聞きします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員の方で既に御承知の上の御質問でございますが、三宅島避難島民に対する生活保護の適用に当たりましては、噴火災害の特殊性にかんがみて、資産面と預貯金面の両面にわたりまして、現行制度上認められる最大限の弾力的な運用が行われておるところであります。さらに、三宅村災害保護特別事業は、三宅村と東京都が連携して、生活保護の弾力的運用に該当しない村民に対し、避難生活が困窮状態にならない、陥らないようにするとともに、帰島してから自らの努力によって生活の再建が可能となるように支援することを目的として実施されておると認識をいたしております。 政府といたしましても、東京都、三宅村と連携をいたしまして、平成十四年度において生活福祉資金貸付けの特例を実施、緊急地域雇用創出特別交付金事業による島民の就労機会の確保等の対策を行っておるところであります。
○大沢辰美君 繰り返しますけれども、生活保護基準以下の世帯が三百世帯と推計されているわけですね。この新しくできました生活保護基準以下の特別保護の事業というのは、私は一定前進だとは思っています。だけれども、このところに相談に来られた方たちのうち、わずか二十世帯しか対象にならなかったというんですね。三百世帯の人たちが生活保護基準以下で生活しておられると推定されるのに二十世帯しか対象にならなかったという、私は本当にこの事態は、憲法に保障された最低の生活水準、被災者を私は放置していると考えざるを得ないです。正に、憲法に保障されたその実態を作り上げるために、今、村と東京都と一丸となってと繰り返し繰り返しこれまでもおっしゃっていましたけれども、私はこのことについて都と村に任せるのでなく、国の責任を果たすべきだと思うんです。 私は、前大臣が、昨年だったと思うんですけれども、村の調査を受けて、都の調査を受けて、一工夫も二工夫もできないかと、今後研究させていただきたいという約束を昨年の三月にされました。一年たってもこういう生活保護基準以下の方が三百世帯もあるということは、深刻な事態に国は放置していると言わざるを得ませんが、その前大臣の見解、そして現大臣の、これからの私は対策を抜本的に行うことを求めたいと思いますが、国の責任としていかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 前大臣の御発言につきましては、私は直接そのとおりのお話として承っておりませんので、私から申し上げる話ではないと思いますが、今、大沢委員のお話のように、三百の大変苦しんでおられる方がおって、助かりつつあるのが二十人と、そういうことですか。──そういうことをもう一度私は調べます。調べます。憲法論議じゃなしに、どういう実態になっているのか調べて、家も近いことですから、また連絡いたします。
○大沢辰美君 やっぱり実態をもうつかんだわけですから、調査をして、ですから、その対策を講じるのは、村任せでなくて、私は政府は本当に乗り込んでいただきたいと思います。 今年は生活再建支援法の抜本的な改正もありますが、その一時金の抜本的な改正と、やはりこういう長期にわたる避難の災害に対しての持続的な支援というのも作り上げるべきだということを要請をいたしまして、私の質問を終わります。
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。 債権放棄問題について伺いたいと思うんですが、ゼネコンの合併等、ゼネコンを救うために銀行が債権放棄をすると、こういうことが非常に多く行われているわけです。中小企業の場合はなかなか債権放棄を受けれるということはなくて、何か大手ゼネコンになると助けられると。大いに借金をどんどんした方が助けられるのかと、もう中小企業はそういう面で非常にひがんで、誠に差別的なことが行われていると、不公正がまかり通っているんじゃないかと、こういう声を私たちはよく聞くわけであります。 そういう中で、銀行に公的資金が入っているわけです。これは、金銭贈与の場合もありますし資本増強の場合もありますし、いろんな形で入っているわけですけれども、公的資本増強を受けている銀行が債権放棄を行うと、こういうことについて、税金が投入をされているというところで、そこの銀行が借金の棒引きに応じてくると。これは一体全体どういうことになるんだと。自分たちが一方で助けてもらっているのに、また一方で借金棒引きをしていくと。一方では全くそういうところに関係のないところが助けられないと。一生懸命やっているんだけれども、そういうところは助けられないと。片一方の大きく借金をしたところは助けられて、片一方は助けられない。誠に不公正なことがまかり通っている。 こういうことでありますけれども、資本増強銀行、これの配当については現在どうなっておりますか。竹中大臣に伺います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 広野委員御指摘のとおり、今正に日本全体が一種のバランスシートの調整をやらなきゃいけない、これはその意味では銀行においても企業においても同じことだと思います。そのバランスシート上、不良な資産を持ってしまった分についてはそれをしっかりと調整していかなければいけない。その中で、資産を償却する場合にその負債の方、企業から見ると借入金なのか自己資本なのか、そういうところを何らか調整しなければいけなくなる。その場合に銀行が例えば債権放棄を行う際に、相手が大きいから小さいからということで、それで単純な区別をもしなしているとなれば、これはもちろん当然のことながら問題であるし、これは経済原則にも明らかに反するわけでございます。 委員お尋ねの公的資本増強行、そこが公的資金を入れているところでそういうことが行われる場合、それは一体どのようなルールで行われていて、それが銀行の配当等にどのように影響をしていくのかと御指摘だと思います。 ただ、これは、相手が公的資本増強行であるかどうかにかかわらず、個々の金融機関が債権放棄を行うかどうかというのは、これはやはり経営判断の問題だということになろうかと思います。経済合理性の観点から個々の具体的ケースに応じて判断されるもの、これは先ほど申しましたように、大きいか小さいじゃなくて経済的な合理性の観点から判断をされるものであるというふうに思っております。 金融庁としては、金融全般に関する監督、とりわけ公的資金増強行に対しては経営健全化計画の下でしっかりと経営基盤を強化していってもらわなければいけないわけでありますから、その監督の一環として日ごろからヒアリング等を実施してその報告を受けているというところでございます。 ただ、一点是非申し上げたいのは、個々の債権放棄について承認等々を、承認するかしないかというのを金融庁というのは行う立場ではございません。その中で、全体として金融機関が、特に公的な資金を受け入れた金融機関が経営健全化に向けてどのような筋道、道筋を歩んでいくかということを監督するという立場にあろうかと思っております。 今の配当等々でございますけれども、配当、十四年三月期の決算でございますけれども、これに関しては、公的資金による資本増強を受けている金融機関のうち、優先株式の配当が行われていないものは、この十四年三月期では、足利銀行、岐阜銀行、北陸銀行の三金融機関、それ以外のものは配当を行っているという状況でございます。 十五年三月期につきましては、正に今決算の作業中であるということであります。
○広野ただし君 健全行であれば、これは何をされても、それは民間の経営方針ですから民間の経営判断でやっていいと思います。しかし、公的資金、資本増強をしている、何か突っかい棒をしてもらわないとやっていけないんですね、そこは。もうよたよたの言わば病人なんですよ。その病人がまた債権放棄をする、借金棒引きをしますと、ますます厳しい経営状況になるんじゃないんですか。 それに対して金融庁は全くの経営判断だと、こういうふうにおっしゃるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、公的支援を受け入れているというところはその財務内容に問題があって、それが金融システム全体を弱体化させないために、国民のある意味で税金を使ってそれを支えているという状況にもちろんなっているわけでございます。 その場合に、その各資本増強行の健全化計画、このどのように履行していくかという中で今御指摘のような問題を考えていかなければいけないわけでありますけれども、これに関しましては、金融再生委員会が平成十一年三月十二日に出した資本増強の基本的考え方というのがございます。この基本的考え方というのは、まず第一に残存債権の回収がより確実になる、そういった合理性がある場合、借り手企業の経営責任が明確化される場合、当該企業の社会的影響、そういった問題について十分に検討した上で債権放棄を実施しているという、していくことが必要でありまして、そうしたことを各健全化計画の履行の中で債権放棄を行った銀行が主張しているというのが現状でございます。 繰り返しになりますけれども、先ほど言いましたように、残存債権の回収がより確実になる等々の合理性を踏まえてその債権の放棄が行われているという点が重要なポイントだと思います。
○広野ただし君 私は、例えば金融のシステミックリスクですとか、あるいは預金の保護ということに関して資金を、公的資金を投入していく、これは非常に大切なことだと思うんですね。 ところが、個々の銀行において、政府から突っかい棒をしてもらわなきゃいけない銀行、そこが更に自分の病状を悪くするかもしれない行為を行うと。借金の棒引きというのはそういうことですね。そういうことに対して金融庁が相談にもあずからなくて、具体的に言いますと、余り個々のことに入りたくはないんですが、例えばこの間、今正に問題になっております熊谷組と、どこですか、飛島の問題を取りましても、全体的に何回かやってまいりまして、一兆数千億、四、五千億の債権放棄が行われる。この二社を足しましても売上高は今一兆円ぐらいにしかならないんですね。一兆円というのは大変な大きなお金なんですけれども。そういう一兆数千億もの借金棒引きをしていくということに対して、金融庁は何の相談もあずからないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な考え方というのは、先ほど委員は、悪いところが、突っかい棒で支えてもらっているところが棒引きすれば、よりもちろんそれは損が出るわけでありますから大変になるのではないかという御指摘がありました。もちろんこれ、短期的にはそういうことというのは起こり得るわけであります。 しかしながら、その相手を、その先方の企業をそのまま、バランスシートをそのままにしておいて、それがむしろどんどんどんどん劣化していくような状況になるならば、より多くの債権の回収が不能になる、難しくなると、そういう可能性が今出てきているわけです。したがって、悪い部分については、残念だけれどもここは切り離しましょう、その代わりそこをしっかりと再生させることによって、再生させることによって長期的にはむしろしっかりと回収ができるはずであると、そういう判断に基づいて、これは正に経営判断でありますけれども、判断が行われているというのが私は現状ではないかと思います。 金融庁としては、特にこういった非常に難しい、再建をしっかりとしていかなければいけない企業に関しては、これは再建計画というのがございます。この再建計画が本当に実効性のあるものなのか、現実的なものであるのかということをしっかりと見ていくのが、これが実は検査上の非常に重要なポイントであるというふうに思っているわけです。 であるから、先般の金融再生プログラムの中では、検査局の中に再建計画の検証チームを外部の専門家も集めて作って、これによって、債権放棄をすればそれはそれで銀行も傷むわけですけれども、それによってしかし本当に再生が可能になっていって、将来的な企業の再生、さらには銀行としても債権のしっかりと残りを回収できるということが可能になるかどうか、そこをしっかりと検査、検証するということが今の段階では私は大変重要なポイントになっているというふうに思っています。
○広野ただし君 先ほども申し上げて、繰り返すんじゃないんですけれども、民間が、正に健全銀行で、自分たちの経営判断でやっていくということについては、私は何の問題もないと思うんです。何でもないというのもおかしいですけれども、それでもまだ、何で私たちは救われて、私たちは救われないのかと、こういう観点がどうしても残るので、そこにやはり公正なルールがないといけないと、こう思うんですが、ここが正にモラルハザードを起こしていく根本だと思うんですね。あの公的資金が入って、あるところは救われて、あるところは救われないと、こういうことが現実として起こると。 全く公的資金が入っていない場合はいいですよ。そういうところに政府の何らかの意図的な、行政の何らかの意図的なものが入るんじゃないか、そしてまたそこに、じゃ政府に頼れば何とかやってくれるんじゃないかというような、正にモラルハザードが起こるということだと思うんです。 官房長官、そこの点、これは金融庁だけの問題じゃなくて、経済界全体における根本的なモラルハザードの問題につながるわけですけれども、どのようにお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) モラルハザードを引き起こしてはならないという点に関しては、全くそれは重要なポイントであるというふうに思います。 ただ、重要な点は、これは公的資金を確かに入れているわけです。公的なお金で突っかい棒をそれこそ入れているわけでありますけれども、そうした銀行に対して、ちょっと言葉は適切かどうか分かりませんが、それこそはしの上げ下ろしまでいろんな形で金融庁が介入すべきか、介入できるかということに関しては、これはやはり違う考え方が私は重要なのではないかと思っております。 重要な点は、これは個別の債権の債権放棄をするかどうか、どういう再建をするかどうかというのは、これは個別の経営判断でございますから、ここはやはり正に民の活力にゆだねたい。しかし、公的資金を入れている以上は、これは経営健全化計画に基づいて資本増強行に対するガバナンスの強化はしっかりとしていかなければいけない。そういった銀行に対する経営の結果としての我々のモニタリングは従来以上にしっかりとやっていくというのが基本的な我々のスタンスでございます。 これに関しては、以前から、例えば目標から利益が水準が三割以上下がった場合、三割ルールを適用して行政的な処分も含めて指導するというルールがありますが、それをより明確化しまして、場合によっては、幾つかの業務改善命令を出しても事態が改善されない場合は普通株を、優先株を普通株に転換するというところまで踏まえたガイドラインを先般我々としても発表したところでございます。 そうした全体としての結果としての責任を問うという中で、はしの上げ下ろしは介入はしないけれども、やはり結果としては、公的な資金を入れている以上、しっかりと責任を持っていただく、そういう体制を是非作っていただきたいというふうに思っているわけでございます。
○広野ただし君 官房長官については後でまた総括的に伺いますので。 それで、現在また産業再生機構ができ上がるわけでありますけれども、何回も債権放棄を受けてきている、そしてなお立ち上がれない、こういうところが産業再生機構に持ち込まれた場合、どのように判断をされますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 産業再生機構の使命といいますか目的とするところは、有用な経営資源がありながら、過大な債務に足を取られて本来の力が発揮できないと、そういうところから、そういう事業者について金融機関が有している債権などを買い取って、それでその事業の再生を支援しようと、こういう目的を持っているわけですね。 ですから、今、委員がおっしゃったように、仮に過去に債務免除であるとか、場合によっては債務の株式化というようなこともあるかもしれませんが、そういう金融支援を受けたけれども、必ずしもその再建計画どおりに進んでいない、こういう企業がもう現実にあると思います。そういうものが機構に、まだ来ておりませんから分かりませんが、仮に持ち込まれたとした場合、我々の観点から言えますのは、そのコア事業が十分な競争力を持って再生可能なものであるならば、我々は、この事業を早期に再生させることで、地域に与える雇用とかあるいはその取引先の影響も含めて再生させることによって我が国の経済の再活性化を図っていきたいというふうに考えております。 もちろん、そのとき受け入れて、その新たな再生計画をどういうものにしていくのか、あるいはその再生計画を認めていくかどうかということに関しましては、支援基準等に基づいて産業再生機構で厳格に判断をする。委員がおっしゃったように、過去に何回かそういうことがありながらうまくいっていないというようなところについては、一般的に言えば、相当深掘りをするとかいうようなことがなければなかなかいけないと思いますけれども、しかし過去にそういう債権放棄等を受けた一事をもって我が機構が受け入れないということは考えておりません。
○広野ただし君 前にも経済産業委員会でもお話ししましたけれども、片一方で、例えばゼネコンでちゃんとやっている企業があるんですよ。片一方は何回も債権放棄を受けて、なお今度は産業再生機構に持ち込まれると、何でそこまでそこをやらなきゃいけないんだ、健全な企業はまともにやっているのに、なんてことをして片一方のあれをやるんだと。言わば適正な資源配分を政府が邪魔をしているじゃないかと、こういう話になるんですね。ですから、なかなかお答えにくい答弁だったんだと思いますけれども、そこは厳に慎んでいただくということで、よろしくお願いをしたいと思います。 それともう一つ銀行、あおぞら銀行と新生銀行、非常に大きく公的資金が投入をされた、それぞれ三兆何千億の公的資金が投入をされた銀行であります。特に、このあおぞら銀行の場合、最近ソフトバンクが持っている株式をサーベラスの方に売ると、こういう話になっているようであります。 片一方の新生銀行は非常に厳しい経営態度でと批判も相当あったとは思いますが、それなりにどうもうまくいっているようだ。で、片一方のあおぞら銀行は、同じ分ぐらいの三兆何千億が入っておるけれども、もうソフトバンクの方が、株主の譲渡を受ける方がうまくいかなくて売るという形になると。 元々、この金融庁の方は短期のうちに売り買いをして利益を得るということは厳に慎むということをやっていたわけですけれども、このソフトバンクの場合は二年半ぐらいでこれを売るということになるんですね。そして、それによって得る利益がまた相当額あると、こういうことになるわけでありますけれども、このあおぞら銀行にかかわる株の譲渡、これについてどのように思っておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先日、十一日でありましたですけれども、ニューヨークのサーベラスの本社からプレスリリースがございました。ソフトバンクによるあおぞら銀行株売却に関しては、その全株について先買い権を行使することを決定したと、そういう旨のプレスリリースがあったことは承知をしております。 しかしながら、この問題そのものに、個別の問題そのものにつきましては、現時点では売買条件等が明らかにされておりません。また、民間同士の個別の取引でありますので、売却等、売却益等に係るコメントは、これは私の方からは差し控えをさせていただきたいと思います。 これ、もしもでありますけれども、そういうことになりますれば、主要株主の認可の問題がございますので、そういう認可申請がまだなされておりませんけれども、もしありましたら、それはしっかりと対応をしなければいけない問題であるというふうに思っております。 委員御指摘の中に、あおぞら銀行と新生銀行の両行のパフォーマンスといいますか、業績のお話もございました。これはいろんな評価が今後もなされていくというふうに思いますけれども、基本的には経営健全化計画で示した利益と大きく違わない形で両行とも推移をしているというふうに認識をしております。また、旧日債銀の株式売買契約書においては、その前文におきまして、長期的な視野から投資を行って、それで日債銀を収益性、成長性の高い銀行として運営する目的で日債銀の株式を購入するんだという意図を表明している、これも委員御指摘のとおりでございます。これにつきまして、当事者の間ではその趣旨も十分考慮した上で対応をされているものというふうに考えております。
○広野ただし君 どうも竹中大臣のお話の場合は、余り個々の問題には入らないんだとおっしゃいますけれども、大変なお金が投入をされているんですね。納税者の立場からいうと、大変なお金がそこに投入をされている。そのことについて、個々のことは余り言われないんだと。これではどういう使い方をされているのか分からない。 しかも、ちょっと詳細に入りますけれども、銀行の頭取は物すごいお金をもらっているとか役員は物すごいお金をもらっている、こういう怨嗟の声は一杯あるわけですね。そういうこと。あるいはその二つの銀行を考えまして、たくさん公的資金を投入をすれば将来経営にはいいわけです。だけれども、少なければ経営は誠につらい。これをどの程度入れるかというのは誠にまた微妙なところなんですね。そこで何千億と違うと、それだけでも税金というのは非常に大きく違ってくるわけですが、この金融特別検査をされた会計検査院長、このところはどのような、税金の、公的資金の投入と個別銀行等についての検査というものをどのように考えられますか、お答えいただきたいと思います。
○会計検査院長(杉浦力君) 検査院の検査の内容について御説明申し上げます。 金融機関の破綻処理や資本増強等の措置に対しましては、多額の公的資金が先ほどからお話しのように入っておるわけでありますが、私どもは平成六年度以後、法令の枠組みとか適切な支出がなされているかという観点を中心に毎年検査いたしてまいりました。そして十三年度、先日お出しいたしました決算検査報告におきましては、検査機能の信頼性が大きく低下する事態あるいは金融システムが抱える課題、それまでの施策の実施に伴い判明した問題点等に対して、各種法律を制定し、又は法改正を行いながら、各種法律に基づいて講じられた公的資金の投入状況について記述いたしました。 その内容についてちょっと申し上げますと、金融機関の破綻処理に投入された公的資金につきましては、多額の預金等が保護され、また多額の資金が継続されるなど、金融仲介機能の維持に寄与したものだと考えております。 また次に、資本増強の措置につきましては、ジャパン・プレミアム等の問題の解消、こういったものがあるということで、一定の機能を果たしたというようなことを、考えを持っておりますが、一方では、先ほどから御議論にありましたように、金融機関で依然多額の不良債権があります。そして、その処理等につきまして、処理したおかげで各機関の財務内容が非常に大きく悪くなったとか、あるいは投入したときの当初の目的に合わない結果が出たかというようなことにつきまして大変関心を持っております。 今後もそういった点については検査もしていくつもりでおります。
○広野ただし君 最後になりますけれども、金融機関の場合は非常に大きな金額になっています。一兆円というのをどれくらいの大きさになるだろうかと見ますと、富士山の大体三倍くらいの高さになるんですね、富士山を飛び越してずっと行っちゃうんですね。それくらいの大きなお金が、金融機関の場合は三兆円だとか何かという形でやり取りをされている。片一方で中小企業の場合は、数千万あるいは数億円で倒産をすると、こういう非常に悲惨なことは一杯起こっているわけです。 ですから、そういう税金という考え方の観点と、そしてまたそういう不公正なことが行われるということであっては、モラルハザードの点、またもう一つ税金の面からといって非常におかしなことが行われるということについて厳に、やはり厳正にやってもらいたいと、こう思うわけであります。 官房長官、最後にお答えいただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど来、広野委員から公的資金の投入の問題とかまた産業再生機構の問題とか、いろいろ御質問ございました。 そういうようなことについては、金融システムの安定化とか、それからまた産業の活性化とかいったような観点から今の経済情勢に即して考えた場合に大変必要な、大事な部門だというように思っております。ですから、こういうような仕組みを活用することによって日本経済の活性化に持っていくと、こういうことが求められているというように思っております。 しかしながら、あわせて、その運用に当たりましては、これは委員の御心配されるようなことがないように、その心配が実現いたしますと、これは今申しましたシステムの信頼性とかそういったようなものに大きく影響して運用ができなくなると、こういうようなこともございますから、その点は十分注意しながら今後の運営、そして活用に当たってまいりたいというように考えております。
○広野ただし君 どうもありがとうございました。 終わります。
○加治屋義人君 自由民主党の加治屋義人でございます。 不審船についてでありますけれども、危機管理という観点からお尋ねをしたいと思いますが、海上保安庁、外務省、大変御苦労いただいて御出席いただいたことに感謝をしたいと思います。 平成十三年十二月でございました。銃撃戦の後、自爆、沈没した不審船を私は昨年十一月に視察をしてきました。正に戦闘船、驚きのもう一言でございました。 そこでお伺いしたいと思いますが、このことについて海上保安庁は、不審船への対応については警察活動の一環として海上保安庁が第一義的に対処すべきだと、こう言われておりまして、しかしながら不審船問題、正に外交、防衛、経済、すべてに関係する、し得る事件であったと、私はそう思っております。 調査の結果、不審船の目的は何だったのか、そして内閣としてどのように総括し、今後どう対策を取っていかれるのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) それでは私からお答え申し上げますが、今回の工作船の目的につきましては、海上保安庁では捜査の過程で判明した事実からは犯罪の特定には至らなかったと、こういうことでありますが、九州の周辺海域を活動区域として覚せい剤の運搬及び受渡しのために使用されていた、そういう疑いが濃厚であること、また、このほか、北朝鮮当局の工作員の不法入出国等、他の重大犯罪にも利用されていた可能性も否定できないと、こういうふうにしております。 政府といたしましては、今後とも不審船事案に対しまして我が国の安全を確保するというために厳正に対処することとしておりまして、今回の捜査で明らかになった工作船の活動実態、武装等の状況も踏まえまして、関係省庁の相互の連携、装備等をより一層充実強化してまいりたいと思います。また、北朝鮮当局に対しては不審船事案の再発防止に向け毅然とした態度で臨もうと、こういう考え方をいたしておるところでございます。
○加治屋義人君 不審船は正に北朝鮮の工作船、今、拉致問題とかミサイル発射の問題とか、これはもう外交上大変な問題だと思っておりまして、この不審船の調査の結果が今後の北朝鮮外交政策に大変重要だと、そういうふうに思っておりますが、このことについてどう反映をされようとしているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(薮中三十二君) ただいまの工作船、不審船の件でございますけれども、本件につきましては、昨年九月十七日、日朝首脳会談において総理の方から、これは我が国の安全保障に直接かかわり合いのある重大な問題であるということを強く指摘し、そしてまたこのような遺憾な事案が発生しないことが確保される必要があるということを強調され、それに対して、先方、金正日国防委員長の方から、これが特殊部隊の関与があった、そして今後更に調査してこのような問題が一切生じないよう適切な措置を取ると、こういう発言があったことは委員御承知のとおりでございます。 そして、その後でございますけれども、日朝国交正常化交渉、この会談におきましても本件について取り上げ、そして、こういうことの、かかることの再発の絶対にないようにと、これは正に日本の安全保障にかかわる問題でございますから、その点を強く指摘したわけでございますけれども、こうした努力を今後の交渉においても継続して強化していきたいと、こういうふうに考えております。 いずれにしましても、現在、政府といたしましては、平壌宣言、日朝平壌宣言に従ってこうした諸問題の解決ということで努力をしていくわけでございまして、その中で本件についてもきっちりと取り上げていきたいと、そういうふうに考えております。
○加治屋義人君 現状は大変厳しいこともよく分かっているんですが、しっかりと対応していただきますようにお願いしておきたいと思います。 今回対応した海上保安庁の船、防弾面あるいは速度面など能力的に大変不安があったと、こういうふうに聞いているわけですが、十五年度の予算で高性能船舶の建造、配備がどう生かされようとしているのか、そのことについて伺いたいと思います。
○政府参考人(深谷憲一君) 先生お尋ねの件でございますけれども、御案内のとおり、今回の工作船事件、工作船からの銃撃によりまして当庁の職員三名が負傷いたしたということでございます。 御指摘のとおり、日本の治安を脅かす大きな事件だったというふうに認識をしておりまして、当庁といたしましては、過去の不審船の事案、また一昨年十二月二十二日の御指摘の工作船事件、こういったものの検証を踏まえまして、不審船あるいは工作船事案に更に一層的確に対応すべく、平成十四年度の補正予算、それから先生今御指摘の今年度の平成十五年度予算、これによりまして、例えばヘリ甲板付きの高速高機能大型巡視船二隻、あるいは高速高機能大型巡視船三隻、高速特殊警備船三隻、こういった対応型の船その他二隻を含めまして計十隻につきまして、その巡視船の建造に総額百四十億円を計上しているほか、巡視船、現在ございます巡視船あるいはヘリコプター、こういったものにつきましての御指摘の防弾の関係の対策、あるいは武器の高機能化、あるいは夜間でも可能な赤外線捜索監視装置、こういったものの整備、こういうものにつきまして新たに十五年度予算におきまして三十一億円を計上いたしておるところでございまして、こういった予算に基づきまして、さらにソフト面の警備の対応の在り方、こういったものも含めまして、今後、海上におきます治安維持あるいは安全確保、こういったことについて海上保安庁として万全を期したい、かように考えております。
○加治屋義人君 ありがとうございました。 このたびのイラクの戦争で国民の間に安全保障の意識が大変高まっていると思っています。引き揚げられた工作船は国民にこうした有事に対する危機意識を向上させるためにも絶好の材料だと、私、視察をしてそういうふうに思いました。 そこで伺いたいと思いますが、かつてビキニ水爆実験で被曝した第五福竜丸のように、今後、広く国民の目に触れられるような場所に、国民に公開すべきだと、展示して見せるべきだと、こういうふうに思っているんですけれども、このことについて、いかがでございましょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおりでございまして、第五福竜丸のこともございました。今回の件も、この工作船からの銃撃でもって海上保安庁の職員が三名負傷すると、こういったようなことで我が国の治安も大変脅かしたということでございます。 この船自身は昨年の九月に船体引き揚げまして精査を実施しております。また、海上保安庁に対する殺人未遂罪等の容疑も固まったものですから、本年の三月十四日に鹿児島地方検察庁へ事件を送致いたしたところでございます。 この船自身は薬物の、先ほど申しましたように、薬物の密輸入とか、そういう重大犯罪に関与している疑いのある工作船でございますが、その他の、不審船等が我が国の近海を徘回して、そして我が国の治安を脅かすと、こういうような事実を改めて明らかにしたという意味で我が国の海上警備の重要性を再認識させる、そういうことであったという認識をいたしております。 御提案のことにつきましては、まだ検察において処分が確定しておるわけでございません。まだ引き続き捜査等継続しているんだろうと思いますので、この工作船、この船体の取扱い、これは今確定的なことを申し上げることはできませんけれども、議員の御提案も、これを参考にさせていただきまして、どういうような対応ができるものか、また今後考えてまいりたいと思います。
○加治屋義人君 ありがとうございました。 移動の問題とか、あるいは腐食がもう相当出ているんですけれども、この展示については是非実現していただきたいと要望しておきたいと思います。 座礁船に関連して端的に伺います。 過去において各地で座礁船が相次いでいることは御承知のとおりです。第一点、予防のための施設、これをどう進められようとしておりますか。第二点、事故の処理費用はすべて地方自治体であります。国で政策的な措置を講じるべきだと思っているんですが、いかがお考えでしょうか。三つ目、座礁船に限らず、先ほど地震等の質問もありましたけれども、すべての防災の仕組みは自治体の対応が前提でなっております。国、地方自治体等の組織の縦割り行政の弊害が指摘をされているのは御承知のとおりであります。内閣に総合調整機能を持った組織を作るべきだと、こういうふうに思っておりますが、いかがお考えでございましょうか。
○政府参考人(鷲頭誠君) 私の方からは座礁船の撤去についてお答え申し上げたいと思います。 先生御指摘のとおり、我が国沿岸には現在十二隻の放置座礁外国船がございます。こうした船舶の座礁等により被害が発生した場合には、その賠償や船舶の撤去にかかわる費用は船主の責任により処理されるというのが原則でございますが、実際には、無責任な船主が対応を行わないというようなこともございまして、地方自治体がやむを得ず座礁船を撤去したり、あるいはそのまま放置されているという例があるのが現状でございます。 先生のそういう問題意識を、私ども同じようなものを持っておりまして、国土交通省におきましては、現在、放置・座礁船舶等に関する検討会というものを設置しておりまして、放置座礁外国船の撤去に関しまして地方公共団体が負担する費用の一部を国が支援する新たな制度を平成十六年度に立ち上げるべく検討を行っているところでございます。
○加治屋義人君 是非、こういう危機管理ということからも今質問させていただきましたが、実現方、お願いしておきたいと思います。 次の質問でありますが、二年前の四月二十六日、小泉総理が就任された日であります。間もなく二年になろうとしておりますが、小泉内閣の構造改革について、これは竹中大臣、全く私は初歩的な質問で申し訳なく思っているんですが、易しく御答弁いただけば分かりやすいのではないかと前置きさせていただきたいと思います。 まず、経済、財政の構造改革であります。 小泉内閣発足当初は、平成十四年度予算では財政健全化の第一歩として国債の発行を三十兆円以下に抑える、こういうことを明言をされたんです。これは国民に対して内閣の基本姿勢を分かりやすく示したものとして本当に国民みんなが評価したんだろうと思っています。しかし、一方では、平成十五年度予算編成の基本方針では、前年の国債発行三十兆円以下の基本方針を受け継いで、国債発行額を極力抑制する、そういう表現にとどまっているんです。 やはり、分かりやすい数値目標が示されていないと、そういうふうに思っておりますが、これはどういう、なぜなんだろうと、そういうことを思います。それから、その後の情勢でもちろん変わることはあるんですけれども、国民に分かりやすい数値目標をこれからしっかり示す方がよいのではないかと、いつもそう思っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な問題というのはある意味で一番説明が難しいところでもあろうかと思います。 加治屋委員御指摘のように、平成十四年度の予算編成に当たりましては、国債発行額、当初三十兆円に抑制すると。これは総理が掲げた目標、かつ国民には大変分かりやすいメッセージであったというふうに思っております。 ただ、これは総理が実は同時に最初の所信表明の中で非常にはっきりとおっしゃっていることなんでありますけれども、財政の健全化を二段階で進めたいんだと。二段階というのはどういう意味かといいますと、まず、とにかく最初は極力やはり歳出、無駄を切っていく必要があるだろうと、そうして国民の納得を得ていきたいと。まず無駄を省きたいというのが第一の段階。第二段階としては、これは本格的に財政を健全化させるために、それはやや技術的な言葉でありますけれども、プライマリーバランスを回復させる。そういう二段階で考えていこうではないかということを総理は所信表明の中でおっしゃっている。 そこで、まず第一段階だと。その第一段階のできるだけ無駄を省いていこうというときに、当面、目標を国債発行三十兆というのを掲げたらどうかというふうに総理はお考えになったわけです。 これは、言うまでもありませんけれども、歳出があって、それで税収等の歳入があって、その差額が国債新規の発行額ということになります。ここを目標として掲げた。その後、「改革と展望」等々いろんな数字を発表していく中で、よりこれをはっきりと整合的に政策を運営していくためにはやはりプライマリーバランスを回復させるということをはっきりとした目標にしようと、それを二〇一〇年代初頭というふうに掲げた。 そうすると、この当面の短期の目標をどうするかということでありますけれども、実は歳出と歳入の差額が国債発行額でありますから、歳出はある意味で政府が決めることができますが、歳入は経済情勢によって非常に変動すると。その歳出と歳入の差額を目標にするよりは、歳出そのものをむしろ分かりやすい目標に、短期の目標にしていって、それが長期的にプライマリーバランスの回復につながるという、そういうシナリオの方が良いのではないだろうかというふうに諮問会議で議論がされた、そういう趣旨の議論がされたわけでございます。 したがって、三十兆円というのはその意味では当初非常に分かりやすかった。今それが少し形を変えて、この三十兆の精神を引き継ぐ形で歳出をある意味でコントロールしていく、それが短期のある意味で私は分かりやすい目標になっているのではないかというふうに思います。 これは、十五年度予算編成の基本方針の中では一般歳出及び一般会計全体について実質的に平成十四年度予算の水準以下に抑制する、つまり歳出をゼロ成長ないしはそれ以下に抑制すると、これを目標にしているわけでありまして、同時に中期的に、中長期的にプライマリーバランスの回復も目指す。その意味では、三十兆円の精神を引き継ぐ形で、今度は差額ではなくて、歳出と歳入の差額ではなくて、歳出を目標にしてそれなりにメッセージを出しているつもりでございます。これをより御理解いただけますように、我々としても引き続き努力をしたいというふうに思っております。
○加治屋義人君 ありがとうございました。 小泉内閣発足当初の所信表明演説、総理は、例えば過去の借金の元利払い以外の歳出は新たな借金に頼らないことを次の目標にしていると言われました。このことは平成十五年度の予算にどういうふうに生かされているんですか、伺います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げました正にプライマリーバランスを中期的に回復させていく、言うまでもありませんけれども、プライマリーバランスを回復させないと何が起こるかというふうに言いますと、借金がGDPに対して無限大までどんどんどんどん拡散的に増大していくということになります。したがって、これはやはり中期的にはプライマリーバランスを最低限回復しないことには責任のある財政の運営はできないということになるわけでございます。 このプライマリーバランスの、したがって現状いかんという御質問だと思いますけれども、プライマリーバランスの対GDP比は足下で見て約五%であったというふうに認識をしております。このプライマリーバランスを、約マイナスGDP比で五%でありますから、約十年間でゼロにする、その分、まあ平均しますと毎年GDP比で〇・五%ずつぐらい中期的に見てプライマリーバランスを回復させていく、そういうシナリオが「改革と展望」の参考試算として示されているところでございます。 そのために、予算としては、先ほど申し上げましたように、一方で経済活性化をしっかりと図っていく、その一方で歳出に関しては前年度を上回らないような水準に抑制をしながらやっていく、しかし同時に、今年度に関しては現下の厳しい経済状況にかんがみて先行減税を行う等々、短期的な影響にも配慮を行いながら、かつプライマリーバランスが回復できるような道筋を示した、その途上に今年度の予算も乗っているというふうに理解をしております。
○加治屋義人君 小泉内閣でこれまで経済財政諮問会議を中心として経済財政政策について論議を行って、総理のリーダーシップの下で肉太の方針、いわゆる第一弾、第二弾という形で大きな方針を出してこられました。これは従来の大蔵省や官僚主導の経済政策から脱却して政治主導の意思決定を図る、私、そういう意味では大変評価をさせていただいておりますが、一方では与党との調整が十分ではないではないかと、また言いっ放しでマンネリ化しているではないか、こういう批判も聞かれるのは御承知のとおりだと思っています。 経済財政諮問会議で基本政策を決定するという現在の意思決定をどのように評価をされておられますか。一回の会議ごとに議論された趣旨を総理が受けて具体的な対応方針を指示されるなど、運営の改善も必要ではないか、そういうふうに思っておりますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政諮問会議の運営について御質問、御指摘をいただきました。 まず、与党との調整、これはもちろん言うまでもなく大変重要な問題であるというふうに我々は思っております。与党とは政策責任者等々の会合等々、様々な機会を通じていろいろ御議論をさせていただいておりますが、具体的にこの諮問会議では、六月の末に骨太の方針を作る、さらには予算編成の基本方針を予算の編成に当たって作成する、そしてその予算の裏付けとなるような「改革と展望」という中期のビジョンを示す、そういうところが大きな決定事項になっておりますが、これはもう各部会でいろいろ御相談をして、御三党とも御相談をして、かつ与党のプロセスを経て閣議決定をさせていただいているものでございますので、引き続きそういった与党との対話を重視しながらしっかりと調整を進めていきたいというふうに思っております。 二つ目の総理のリーダーシップに関する御指摘でございます。 マンネリとの御批判もあるという御指摘がございましたが、決してそういうことはないというふうに認識をしております。実はこれ、毎回毎回総理から、そのたびの議論を受けてこういうふうにしなさいという非常に強い指示をいただいております。その指示は大変適切に実際の政策決定の方に生かされているというふうに思っております。 この間も例の国と地方の大変難しい問題に関して、総理から、これはなかなか総務省と財務省その他の省庁の調整が簡単ではないから、これはもう次官ベースで各論に関して思い切った具体案を示しなさいというような御指摘がありまして、その御指摘に沿って今作業が進められております。また、先般の税制改革等々に当たっても、これは昨年の夏でありますけれども、非常に包括的な総理指示が出されて、その総理指示にのっとって骨太の方針等々もまとめられたという経緯がございます。 総理の御指示に沿う形で、引き続きめり張りの利いた運営を是非経済財政諮問会議に関してもしていきたいというふうに思っております。
○加治屋義人君 竹中大臣、私が冒頭で申し上げた、初歩的と申し上げましたけれども、まあ大体私の今の認識が国民のレベルなんだと、そう思っておりますだけに、やはり分かりやすい、本当に国民が理解できるような、これからの説明その他していただければ大変有り難いと思います。 委員長、竹中大臣、御退席いただいて結構でございます。
○委員長(中原爽君) では、大臣、御退席いただいて結構でございます。
○加治屋義人君 規制改革について二、三お尋ねしたいと思います。 小泉内閣では、総合規制改革会議において精力的な議論を行って規制改革を一定のレベルに前進をさせたと、このことはよく理解ができます。その結果はどのようなものだったのか。新しいビジネスがこれだけ生まれましたよ、あるいは雇用がこれだけ増えましたよ、そういうような具体的な例があれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま加治屋委員が御指摘されましたように、総合規制改革会議では昨年のテーマとしてこの経済の活性化に資するものをどんどんどんどんやっていこうということで、様々な分野でこの規制改革を実現し、受益者がメリットをかなり受けられるようなものが出てきております。 これまでの例を具体的にということでございますので、身近なものを若干御紹介させていただきますと、例えばガソリンスタンド、海外ではセルフ式というのが当たり前でありますけれども、これも規制緩和して二千か所ぐらいになってきております。あるいは、電力の大口顧客向けの小売自由化、今度、東京の方で再開発が行われるところは電力会社とガス会社が競争しまして、ガス会社がメーンの方の電力の供給を、提供するというようなことが入札でなされる、様々なことがございます。あるいは、金融などでは株式の売買委託手数料の完全自由化などがございます。もう少し身近なものでまいりますと、例えば航空運賃の自由化、これでどのぐらいのメリットがあるのかということを内閣府の方で試算をしたわけですけれども、国内航空など十三分野におきまして十五兆七千億円程度、これを国民一人当たりに直しますと十二万四千円、利用者のメリット、この自由化、運賃が低廉化することによって利益を得ているということでございます。 まだまだ、具体的な例を挙げますと本当に細かいものですけれども、かなりの分野がございますし、新たなビジネス、例えばバーコードに代わる、今日は持っていないんですが、タグというものがございまして、これも昨年規制緩和したことによりまして、そこだけでも、たった一つのバーコードに代わるタグ、情報量が大体五十倍ぐらい入るんですけれども、これだけで三百億円の新しい市場ができるなど、小さいものを積み重ねるとかなり多くの影響、メリットというものが出ております。
○加治屋義人君 ありがとうございました。 一つの規制の背景には一人の役所の担当者がいて、その後ろには一つの規制で利益を得ている業界があるわけで、これらが規制改革を進める上で大変障害になっているとも言われています。 規制改革こそ改革の決め手であって、正に政治の調整能力が試される改革だと思っておりますが、この規制改革を進めるために必要な仕組み、そして体制、ポイントは何であるのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま加治屋委員が御指摘されましたように、縦割りな弊害によりまして、またそこに付いている人たちの多くが各論では反対に回るという形で様々な抵抗があるということは御指摘のとおりだと思っております。 そんな中、総合規制改革会議というものを内閣府、総理の直轄という形に置きまして、各、この会議が関係府省庁と折衝し、これは公開討論も現在は行わせていただいておりまして、反論も公にされているわけであります。総理直接の思い切った提言を行いまして、それを最大限尊重して政府の決定としていくような仕組みにさせていただいております。これは、内閣府の持っております総合調整機能を生かす仕組みとなっていることは言うまでもないと思っております。私は内閣府のこの規制改革の特命大臣でございまして、規制改革行政にかかわる総合調整、各府省間の総合調整という権限が付与されているわけでございます。 こうした民間の方々から成る総合規制改革会議の提言と内閣府の総合調整機能が非常にマッチした形で機能される体制によって規制改革というものを進めていかなければならない。そして、委員が御質問いただきましたように、いろいろなことが出てきておりますので、これも十分に、国民の皆様方にこれだけ変わったんだということもこれから示していかなければならないと感じているところでございます。
○加治屋義人君 規制改革は正に予算を伴わないで実現できる経済対策であって、今後も強力に推進していかなければいけない、そう思っています。 これまで一定の実績を上げてきたこの総合規制改革会議、今年で、限りでこの設置期限が切れるんでしょうか。先ほどの石原大臣の認識も踏まえて、今後どのような体制でこの規制改革を推進していかれようとしているのか、伺います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま加治屋委員が御指摘されましたように、総合規制改革会議はこの平成十五年度末に政令による設置期限というものがやってまいります。 その後の取組ですけれども、現在の取組というものも十分に配慮をして、その中で各委員の方々からどういう点に問題がある、これもうかなり三年間やっておりますと分かってきておりますので、こういうものを含み、飲み込んで推進体制の在り方、より一層スピード感を持ってできるような体制、どうあるべきかということも検討課題であると考えております。 もう間もなく年度末、新しい年度が始まったばかりでございますけれども、一年というものはあっという間に過ぎますので、この六月を目途に、これももう公にされていることでございますけれども、十二項目のアクションプランの実現に向けて努力というものをこの一年間の当面の、何というんでしょうか、クリアすべき問題等置かせていただいて、この十二分野、特に抵抗の激しい分野でございますので、この推進に全力を尽くしてまいりたいと思っておりますし、その後のありようについては、ただいま申しましたように、総合規制改革会議のメンバーの皆様方あるいは関係者の意見を幅広く聞かせていただいて、より一層強固な組織にしていく必要があると感じているところでございます。
○加治屋義人君 長官、ありがとうございました。 鴻池大臣にお伺いしたいと思いますが、規制改革を進めるに当たって重要な視点は、やはり規制は全国一律である必要はないんだろうと、ここが視点だと思っているんですが、構造改革特区の考え方は非常にユニークで斬新な発想だと私は思っています。しかしながら、一方で、全国津々浦の面倒を自分たちが見なければならない、そういう誤った気概に基づく中央官庁の役人意識、これが要因で地方独自の規制改革がなかなか認められていないと、そういうふうに聞くんです。 この一例でありますが、長年、地方公共団体から多くの要望が寄せられております幼稚園と保育所の制度の一元化、まだまだ実現をしていないんですね。直接の所管事項でないことは承知しているんですけれども、改革特区を進める上で各省と折衝をされる中、例えばこの幼稚園、保育園の制度一元化に国がどのような理由で反対されているのか、またその壁をどのように突破し、改革を推進しようとお考えなのか、御所見を大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 特区構想につきまして御理解をいただき、御支援をいただいておりますことに感謝を申し上げるものでございます。 四月の二十一日に特区第一号が誕生いたします。この約半年間で百四十の特区における規制改革、また百八十八の全国で対応できる規制改革が誕生をすることに相なりました。 ただいまの御質問でございます幼保一元化につきましては、そういう方向でやっていこうということは推進本部で決定を、総理が推進本部長でございますが、決定をいたしております。そういう方向で進んでいくものと信じておるわけでございますが、今、委員御指摘のように、いろんなところでできる、できないものはできるようにしようではないかという思想の下に動いておるんですが、できるものでもできないようにしようという役所の考え方も相当強く出てきておるわけであります。 特区でございますから、地方あるいは民から出てきたもの、これをどう実現してさしあげるかというのが我々の役目でありますので、今後この問題につきましてはお願いや調整をしていく所存でございます。 そして、お尋ねの幼保一元化につきまして問題になっておりますのは、保育所の方は保育に欠ける子、えらい古い話ですな、もう貧乏たれでどないしようもないと、それで子供を預けぬともうどうにもならぬといったような子しか預からぬという基本的な思想があるんですよ。今の若いお母さん、パパやママはあれですよ……(発言する者あり)どうして、かつてですよ、かつての話しているんだよ。(発言する者あり)じゃ、立ち上がって言ってみろよ。かつて、どうにもならない時代があったでしょう。それで、保育に欠けるということになっているんだけれども、今は、今はね、若いパパやママが芝居に行ったり映画に行ったりして預けたいということもあるんですよ。あるいは、私の秘書官なんかもそうですけれども、奥さんがもう大変仕事が忙しくて、そしてお預けになっているところもあるんだ。だから、そういったことと幼稚園との一元化というものについては特区で一度先行的にやってみたらどうかということなんですよ。ところが、保育所の方は調理室がなきゃ駄目だと言うんです。それ、分かっていますか、調理室、調理室がなきゃ、いわゆるキッチンがなきゃ駄目だと言っているんですよ。変でしょう。(発言する者あり)いやいや、やじっているから、さっきから。 だから、そういったこと、そういったことをお互いの役所が、全体のどういうんでしょう、考え方というものをすり寄っていただいて、そして幼保一元化という問題を何とか先行的にやっていただきたいと、こういうのが特区として非常に大事なところだと思います。 国が一律に規定するものだけではなく、地域の実情というものを大事にして特区の構想を進めていきたい。幼保一元化も同じことであります。
○加治屋義人君 鴻池大臣、この特区に取り組まれる熱意、私は大好きです。頑張っていただきたいと思います。 次に、地域の特性に応じた規制改革を進めることによってこれからの日本はそれぞれの地域の個性を生かした多様な発展を目指すべきだ、そういうふうに考えておりますが、こうした観点から、例えば鹿児島の屋久島から提案されている屋久島の豊富な水を使って水素燃料を作ろうよ、島全体をCO2を排出しないモデル地区にしようよと、これを、クリーンエネルギー社会屋久島モデル形成特区構想をこの屋久島の豊かな自然を背景とした脱化石燃料の社会的実験として積極的に推進すべきであると、私はそう最大の期待をさせていただいているんですけれども、このように地方から国や社会を変えるような大胆な提案に対しては政府としても立案段階から重点的に育てるべきじゃないかと、そういうふうに思っているんですけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 屋久島の例を取られました。確かにすばらしい御提案だというふうに思います。ただ、残念ながら、一月十五日締切りの第二次の御提案をいただくところまで至っていないということでございますので、第三次の御提案に是非とも先生また御努力をいただきましてお出しをいただきたいと思います。 私は、地方、地域あるいは民からそういう提案が出てきましたものは、私どもの特区室は正に宝物のようにして取扱いをさせていただく、このような基本的な気持ちで進んでおります。それを、こういうすばらしい提案だから是非とも規制の緩和をしていただきたい、あなたの省で、役所で規制撤廃をしていただきたいということの役割をしていただく。上へ丸上げしているわけです。丸上げで、また丸のまま下へ帰ってくるのを絶えず役所と折衝しているというのが今までの姿でございますが。 なお、何度も申し上げますように、いずれの日か屋久島におきまして水素で走る自動車が必ず実現するということを心から期待を申し上げながら、ただいまの委員のお話のように、前段にいろんな打合せをさせていただきたい、このように思っております。
○加治屋義人君 ありがとうございました。 是非一回、屋久島等の現地を、取組を見ていただくようにお願いしておきたいと思います。 委員長、行政改革について通告をしていたんですけれども、せっかく官房長官、石原大臣に残っていただいたんですが、時間がなくなってしまいました。行政改革についてはまた次の機会にさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○中島啓雄君 自由民主党の中島でございます。同僚の加治屋議員に続きまして若干質問をさせていただきます。 まず、経済見通しと実績効果についてということで質問させていただきたいと思いますが、今お手元に資料をお配りをしております。 それを眺めていただきますと、主要経済指標ということで、平成十二、十三、十四年度の見通しと実績というのが載っておりますが、この各年度の見通しは、各年度の予算編成時に予算と一緒に経済見通しということで出された数字が載せてあるわけでございます。実績の方は内閣府のGDP統計ということになっておりますが、ただ、十二年度は六八年SNA方式で、十三年度以降は九三年SNA方式ということでちょっと方式が違っておりますので、数字の連続性がないということは御容赦いただきたいと思います。 これで見ていただいて、特に今回は十三年度の予算ということでございますので、十二年度の国内総生産、見通しと実績の差が八・八兆円あったと。これも決して小さい数字ではございませんが、十三年度は五百十八兆六千億の見通しに対して五百二兆六千億で十六兆円の差があるということで、三%以上の差があったと。それから、十四年度は四・五兆円のプラスという、これは、ただ、十四年はまだ年度が終わった実績が出ておりませんから、仮に暦年の実績で置いてございますが、今のところではこの暦年の実績よりも年度の実績の方が上回るだろうと思いますが、いずれにしてもこれはプラスになっておるということで、これは、十三年度はまだ竹中大臣が御就任前の数字でございますから、大臣が御就任されてじっとにらんでいただけたらもっといい数字になったのかもしれませんが、十四年度はそういうことで見通しよりはプラスになっている、こういうことでございます。 そんなことで、十三年度はなぜこんなに見通しと狂ってしまったのか。一つは、十二年の大体十月ぐらいが景気の山で、そこから下降線をたどるということがなかなか見込めなかったということだろうと思いますが、ちょっとその辺について解説をしていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平成十三年度、ちょうどこの年度が始まりまして約一か月ぐらいで小泉内閣が発足しているわけでございますけれども、発足以来、この十三年度というのは大変厳しい経済の一年になったということでございます。 その数字等々については今もう既に中島委員が御指摘してくださったとおりでございますけれども、要因を今振り返りますと、やはり世界全体で見てこの二〇〇一年というのは大変厳しい年であったということに尽きているのかと思います。 これ、例えばアメリカでありますけれども、アメリカは前年の約五%成長ぐらいから一気に二%成長ぐらい、三%ポイントぐらい成長率が下がったと。ヨーロッパでもほぼ全体としては三%ポイント近い成長率の低下があった。これまあ日本で見ますと、前年実績〇・九からこの実績マイナス一・二ということでありますから、二%を上回る低下があった。日本もその世界全体の非常に厳しい下降の中に置かれていたということが改めて確認されると思います。 その要因として、やはりあえて二つ大きいものを挙げるとすれば、一つは、世界的ないわゆるIT関連企業の収益の悪化、俗に言うITバブルの崩壊というもの、IT部門において非常に厳しい生産の低下があったということ、これがやはり一つの大きなポイントでありました。 もう一つは、この二〇〇一年に正に九月十一日のテロがあって、同時多発テロがあって、それ等々を踏まえて非常にその先行き不透明感が世界全体に広がっていった。こうしたことの中で、日本においても、具体的には輸出の大幅な減少、企業部門における急速で大幅な生産調整、それと同時にストック調整に伴う設備投資の大幅な減少、こうした現象が見られて大変厳しい経済になったと、そのように認識をしております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 今御説明あったような状況で、十三年度ちょっとパフォーマンスが悪くなったねと、こういうことでありますが、いずれにしても、政府としては、ここ三年間、年度途中、年度末近くに経済対策ということで若干の補正等をやって景気刺激策をやってきたと、こういうことでございますが、それを表で見ていただきますと、十二年度に実効性のあるのは前年度の対策だろうということで、真ん中から下の方に「前年度の経済対策事業規模」と、それから「うち社会資本整備・災害対策」というようなことで書いてございます。 十二年度は十八兆円の規模で六・八兆円の社会資本整備をやったと。それから、十三年度にかけては十一兆円の規模で五・二兆円の社会資本整備等をやったと。それから、十四年度は四・一兆円と書いてありますが、その前に一兆円ございますから、まあ五・一というのが正しいのかもしれませんが、いずれにしてもそういう対策をやってきて、規模から見ますと十二年が一番大きくて、だんだん縮小をしているんですが、経済成長の方は十四年度は最終的にプラスになっていると、あとはマイナスであると、十二年度はプラスですけれども。 そんなことで、どうも経済対策の規模と経済成長というのがなかなか連動してないといいますか、ここ十年ぐらいの、九〇年にバブルが崩壊したわけでございますけれども、九〇年から二〇〇二年度ぐらいまで考えてみても、経済対策ということで大体百四十兆円ぐらいの規模でなされているわけですね。ところが、GDPの方の動きを見ますと、名目では二十五兆円ぐらいしか増えていない。実質でも五十二兆円ぐらいしか増えていないということで、どうも非常に経済対策の効きが悪くなっているというような感じがあるということが一つ。これがどういうふうに経済対策の効果という意味で評価をしておられるか。 それから、政府支出の方を見ていただくと、これも残念ながらマイナスになっているんですね。十二年度が五・八兆円のマイナス、それから十三年度はマイナス一・三、十四年度が一・三ということで、経済対策等で国がコントロールできるはずの政府支出ですらなかなか合わないと。これは地方財政の話もあるのでそうなるのかと思いますが、そんなことも含めて、経済対策の効果という面についてどんな評価をしておられるのか、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 中島委員の御指摘は今後のマクロ経済運営を考える上で極めて重要なポイントであろうかというふうに思います。非常に興味深くここで数字を並べてくださっていると思います。主として前年度の補正予算等々で今年度、当該年度に利いてくるものがこれだけあったはずだと、それと経済のパフォーマンスとの間になかなかずれがあるではないかという御指摘、大変重要な御指摘であると思っております。 要因は幾つかあろうかと思いますが、二点ないし三点挙げさせていただきたいと思いますが、一つは、これまでのやはり予算の組み方が、どちらかといいますと非常に不透明性の高い中で当初予算を作成して、その後、必要に応じて補正予算で微調整をすればよいのではないのかというような運営の仕方がやはりバブル以降割と続いてきたのではないかなというふうに思っております。そうしますと、これ経済対策の数字を挙げておられますけれども、当初予算との関連が実は重要になってくるわけで、その点、小泉内閣の下ではこういう経済の、財政による微調整というのは非常にタイムラグが伴ったり問題があるので、極力そういうことを避けて、本来、経済、財政が持っている自動安定化装置、ビルトインスタビライザーを活用すると。景気が悪くなれば税収が減る、税収が減るということはその分財政赤字が拡大して財政拡大と同じ効果があるはずだと、そういう機能を活用するということで二〇〇二年度に関してはそういう姿が少し出ているのだろうというふうに思います。 もう一つは、そもそも日本の経済の低迷の要因が、これ要因は、経済低迷の要因はいろいろありますけれども、やはりその根本的なところは経済の供給側の、サプライサイドの要因であって、財政が出動して需要を刺激するというだけではやはり限界があるんだということが非常に次第に明らかになってきているということ、この点も大変重要なポイントなのではないかと思っております。 最後に、中島委員御自身も御指摘になりました財政の数字そのものが、例えば国がこういうふうな財政政策を取りたいというふうに思っても、実際に支出する地方では、地方は地方で財政の赤字問題に対して非常に敏感になっていて、非常に中央の意思だけで国の公共的な支出全体が必ずしも動くものではないということも明らかになってきている、こういった点もやはり考慮すべき重要なポイントであろうかと思います。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 じゃ、資料の二枚目をごらんいただければと思いますが、これは一九八五年から二〇〇三年度まで、といっても二〇〇二年と三年は見通しと見込み、実績見込みでございますけれども、名目GDPの推移、それからGDPの内訳である民間最終消費とか公的支出とか民間固定資本形成とか、そういったものを並べてみたものでございまして、これ見ていただくとお分かりのように、名目GDPというのは九七年の五百二十一兆ぐらいをピークにして少し下がりぎみですが、それに対して一番マイナスの効果といいますか、足を引っ張ったのは民間固定資本形成と、こういうことで九一年のピークが百二十兆円であったものが〇三年度は八十七兆円まで下がっていると、約三割近く下がっているというような状況になっております。 それから、公的支出は全体としては九四年ぐらいから横ばいなんですけれども、公的固定資本の形成ということでは九五年ぐらいをピークに下がってきてしまって、〇三年度の見込みは大体九〇年のレベルと、その辺まで戻ってきてしまっていると、こういうことだと思います。 政府が経済政策をやってもなかなか需要面に響かないんだというような、今、竹中大臣おっしゃったとおりでございますけれども、その辺、民間の資本形成あるいは消費に対してなかなか政府の政策がうまく浸透していかないというのが一番大きな問題ではないかと思っておりますが、その一つの、何といいますか、今後の政策のための手法として何をやったら一体経済的な効果があるんだろうという点についてちょっと疑問に思っておりますのは、経済対策のときに必ずその効果についてということでGDPを一・何%引き上げる効果がありますというようなことが出ておりますが、これは短期日本経済マクロ計量モデルですか、九八年に最初出されて、〇一年十月に改訂版を出されたということがベースになっておって、公的固定資本の拡大で一年目は実質GDPが一・一二%ぐらい増えると。それから、個人所得税をもし一%減税すると、〇・六二%ぐらい増えるというような一本の数字で出しておられると。これも中身を見ますと百四十二本の方程式を使ってやられたということなんで、決して大変楽な作業ではないと思いますが、残念なことに公的固定資本形成というのは一本のマクロで出しておられるわけですね。 今、予算編成等で求められているのは、何をやったら本当に効いてくるんだと。公的資本、公共投資というのがどうも無駄が多いじゃないかとか、効かないじゃないかとかいう声がありますけれども、やっぱりやるべきことはやっていかなければならないんで、本当に効果のあるのは何だというのを出していくのが必要ではないかということで、もうちょっとマクロから、マクロとミクロの間ぐらいの想定というようなモデルを今後開発していただく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に専門的な御質問が含まれていると思います。 まず、前半で御指摘になられましたこのグラフに関する幾つかのポイントでございますけれども、これ、名目数値での御表示だと思いますが、実質で取りますと、デフレーターとの違いから、少し違った姿も出てくるのかというふうに思います。 ただ、いずれにしましても、民間設備投資がなかなかその基調が弱いというのは、これはもう御指摘のとおりでございます。難しいのは、民間設備投資というのは経済の水準ではなくて経済の変化分に対して非常に加速的に反応するという性格がございますので、成長率が低下する中ではどうしても設備投資は大幅に他の指標に比べて落ち込むという性格も持っている。 しかし、やはり一番重要なのは将来に対する期待。GDPはそこそこ実質で見ると別に減っているわけではない。しかし、将来に対する期待がなかなか明確に各経済主体が持てないでいるというところが今の日本経済の最大の課題であろうかと思います。この期待を高めていくためには、やはり政府が構造改革に対して、それを着実に進んでいるという姿を見せ続けることであるというふうに思っておりますので、その点の努力を引き続きしたいと思っております。 直接、お尋ねのこの効果を計る手法でございますけれども、これは技術的な問題含んでおりますけれども、なかなか厄介な問題がございます。 一つには、公共投資の種類別の分析を行ったらどうかということでありますが、今百数十本のモデルでもなかなかハンドリングが大変でございまして、これやはり、この経済政策を打つときに非常に機動的に計量的な試算をするという観点からしますと、モデルが複雑で大きくなるとなかなかこの機動性が失われるという問題がございます。その意味では、やはり今のやり方が一つのやり方なのではないかなというふうに思います。 もう一つ、これは技術的な問題でありますけれども、公共投資の種類別にやる場合に、例えばこれ、比較的短期の効果を出したいわけであります。四半期のデータを出したいわけでありますけれども、その四半期のデータで公共投資の種類別というデータはございません。その意味では、データから作らなきゃいけないとか、そういうややこしい問題になってくる。実施主体別のデータ等、そういうちょっと労力を考えますと、なかなか、モデルというのはなかなか完璧なものではございませんで、今のようなやり方を主体としつつ、必要に応じて政策効果分析を別途行っていく、補強するというようなやり方が当面適切なやり方なのではないかというふうに思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 いろいろ御苦労はよく分かるわけでございますし、小泉内閣の予算編成でもいろいろ重点を絞ったり、税制でも投資減税とかいろいろ重点を絞っておられるわけですけれども、やっぱりその効果というのはある程度定量的に把握していくということも必要だと思いますので、是非今後の課題にしていただければと思います。 それで、まとめて今後の経済・財政政策への課題というようなことでお聞きをしたいと思いますが、今議論したのにプラスをして言えば、やっぱりデフレというのが非常に今の経済に大きな影を落としていると。GDPデフレーターだけで見ましても九四年のピークから七・五ポイントぐらい下がっているとか、民間設備投資のデフレーターだけ見ますと八四・一というような、二〇ポイントも下がっているというような実績が出ておりますので、やっぱりデフレをとにかく克服するというのは非常に重要なポイントだと思います。 さらには、総合的な対策として規制緩和とか不良債権処理とか、いろいろな意味で投資と消費を刺激するというパッケージが必要かと思いますが、その辺の今後の経済・財政政策への課題という意味でお考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレ克服が重要であるという御指摘は、正にそのとおりであろうかと思います。 とりわけ、これは後からまた様々な議論が出てこようかと思いますが、不良債権問題が日本全体を覆っていると。債務者から見ますと、物価水準が下がるということは実質債務負担がそれだけ重くなるということを意味しておりますので、バランスシート調整下でデフレ克服をするというのは、これは極めて重要であると思います。 そのための方策ということになりますと、これはかねてから申し上げているように、やはりこれだけですべてがうまくいくというようなたぐいの万能薬はやっぱりなくて、政策を可能な範囲で総動員していくということがどうしても必要になってこようかと思います。歳出の改革、歳入の改革、この歳入に関しては御指摘のように経済活性化を目指した先行減税も今年度から行っております。金融システムの改革、これはやはり金融政策の効果が浸透するためにも不良債権の処理を加速、バランスシートの調整を進めなければいけない。それと規制改革、これは特区を突破口にして、是非規制改革を大胆に進めたいと思っているところであります。 今申し上げたようなことの合わせ技で、加えて、日銀において今様々な新たな金融政策の枠組み作りが模索されておりますけれども、物価の下落には様々な要因がありますけれども、そのうちのやはりかなりの部分は金融的な要因であるということも踏まえて、この金融政策、政府、日銀との一体の協力というのが更に重要になってこようかというふうに思います。 こうした点を、四つの構造改革を中核にしながら政策を総動員して、是非デフレ克服に向けて、向かっていきたいというふうに思っております。
○中島啓雄君 是非よろしくお願いをいたします。 次に、金融システム安定化対策についてお尋ねをいたしたいと思います。 金融システムの安定化対策というのは、最初、金融危機が平成五年の住専問題に始まったと思いますが、これがいろいろ迷走をして、結局、決着が付いたのが平成八年だと。本格的な金融危機対策というのがやり始められたのが、九七年、平成九年の拓銀、山一の破綻ということを契機にして、平成十年からいろいろな法律が整備されてきたと、こういうことだと思います。 現在、公的資金枠でいうと、五十七兆円の政府保証と十三兆円の交付国債というようなことで七十兆円の一応規模の資金枠があると。そのうち投入されたのは、会計検査院の報告では三十四兆円というような数字もあるわけですが、いろいろな数字があるものですから、ちょっとその辺を整理をしていただいて、公的資金の投入実績が現時点でどういうような数字になっているか、そのうち結局国民負担になってしまうと思われるものがどのくらいの規模になるのか、教えていただければと思います。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。 預金保険機構による十五年三月末までの主な資金援助等の実施状況でございますが、まず金銭贈与が十八・七兆円でございます。そして、破綻金融機関からの資産の買取りが六・四兆円、そして資本増強については十・四兆円となっております。 このうち、破綻処理においてペイオフコストを超える資金援助のために手当てされた十三兆円の交付国債の十五年三月末までの使用額の累計十・四兆円については、現段階で国民負担として確定をいたしております。 なお、破綻金融機関から資産買取りに要した資金及び資本増強については、買取り資産からの回収金や引受株式等の配当金等により返済が行われるものであり、必ずしも国民負担になるとは考えておりません。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 今の数字を合計いたしますと、大体、今、言わば公的資金が投入されたというベースで見ると大体三十五兆円ぐらいになるかと思います。で、交付国債の償還に使用されたのが十・四兆円と、こういうことでございますが、今後どうなるか分かりませんが、資産買取りとか、それから株式の増強などに使用されたのが、どのぐらいになりますか、十七兆ぐらいの規模になると思いますから、これは全額でないにしろ幾らかの部分はやっぱり国民負担にならざるを得ないだろうと。そうすると、十兆円が十五兆とか二十兆とか、まあ二十兆にならないことを望みますけれども、これはやはり年間の税収のうっかりすると半分ぐらいに達するような金額でありますから、大変な金額であると思います。 それだけのことをやって当面の金融危機を乗り切ると、こういうことでやっておられるんだと思いますが、先ほど広野委員からもいろいろ御質問ありましたけれども、これだけのコストを使って一体金融危機なり国民経済に対する効果というものをどういうふうに考えておられるのか、御回答いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 確かに非常に大きな金額であると思います。日本の金融システムに対する内外の信頼を回復するための緊急措置として、これは旧安定化法、早期健全化法に基づいて三十四行に対して、これは今集約されて二十四社になっておりますけれども、合わせて非常に多額の資本増強等々を実施をした。これまでの一連の資本増強は、その意味では日本の金融システムに対する内外の信頼を回復するための緊急措置として、例えばこれによってジャパン・プレミアムがほぼ解消して、金融機関の健全性について深刻な問題がなくなるといった意味で、日本の金融システムの安定にこれはもう間違いなく寄与したものだというふうに思っております。 しかし、不良債権問題は御承知のようにまだ継続しているわけでありまして、これまでの公的な資金を有用に活用するためにも、引き続き不良債権問題の加速、金融システムの安定化に向けて金融庁も金融機関も更なる努力が必要であるというふうに思っているところであります。
○中島啓雄君 そこで、昨年の十月に金融再生プログラムが発表されまして、十六年度末までに大手行の不良債権半減を目指して不良債権問題を終結をさせるんだと、こういうふうに述べておられますけれども、十三年度末あるいは十四年の九月現在で不良債権というのは主要行だけでも十二兆円ぐらいございますし、新規発生分も合わせれば恐らく十五兆円以上になると思いますので、これを二年間で処理をするというのはかなり厳しい状況ではないかと思いますが、その辺の自信のほどはいかがでございましょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年十月の金融再生プログラムにおいて、不良債権問題を終結させろという総理の御指示を受ける形で、一つの我々の目標としては約二年で不良債権比率を半分にしたいと。これ、十四年三月期では不良債権比率八・四%でありました。これを四%程度にしたいという決意を持って臨んだわけでございます。十四年九月末ではこれがわずかに低下しまして八・一%になっておりますが、これを今後二年間で何とか四%程度に、半分程度に引き下げるように努力をしたいというふうに思っているところでございます。 このためにはやはり幾つかの努力をしなければいけません。まず、経済全体としてはデフレ克服が着実に進まなければいけない。やはりマクロ経済を安定的に推移させる、回復させていくということが一方で大変重要になります。これは、マクロの経済と不良債権問題というのはともにお互いに原因と結果というその関係にありますので、マクロの努力、不良債権処理の努力、それを両方重ねるということが必要なわけでございますが、不良債権につきましては今後どの程度の新規発生があるかということも含めてしっかりと動向を見ながら、これを実現していきたいというふうに思っております。 景気動向も含め、経済全体の動向を含め、様々な要因に左右される面がありますが、我々としては、金融面に関して言うならばオフバランス化のルールがございます。いわゆる二年・三年ルール、五割・八割ルール、これを着実に進めて、このペースに基づいて処理を進めることによってこの不良債権比率を半分程度にするという努力目標を是非実現したいというふうに思っております。
○中島啓雄君 是非、大臣が言われるようなペースで処理をしていただきたいと思いますが、どうも最近の実績を見るとなかなかその辺が難しいんで、例えばリスク管理債権で見ますと、平成九年度末は全国銀行ベースで二十九兆七千ぐらいあったわけですが、それが十三年度には四十二兆まで膨らんだと。膨らんだといっても、査定を厳しくしたということもありますから単純に膨らんだということではないでしょうが、いずれにしてもどうも余り減っている傾向には見られないと。 一方、業務純益という面でも、これもなかなかプラスにはなっていないということで、主要行は十四年度末までに二兆円ぐらいの増資をする、こういうことで乗り切ろう、こういうことでございますけれども、本当にまじめにやっているのかねというのが外国の新聞でも冷やかされているような状況で、ブルンベルグニュースなどを見ますと、合併後相変わらず店舗はあの虎ノ門の周辺に固まって六店ぐらいあるとか、利益も上がっていないとか、人員も大して進んでいないんじゃないかというようなことが残念ながら世界に発信をされてしまっているわけであります。 主要行に対する公的資金の申請というのは十三年度末程度で終わってしまっておって、あと残されている道というのは預金保険法によるいわゆるシステミックリスク対応といいますか、危機対応勘定は十五兆円あるわけでございますけれども、そこに至らないまでも、不良債権問題を本当に終結させるためには早期健全化法の措置を復活させるとか、あるいは十月の金融再生プログラムで新しい公的資金の制度を検討するというようなお話がございましたが、そんな方法も必要ではないかという気もいたしますが、検討状況などどうなっておりますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権処理が本当にどのようなペースで進んでいるのか、銀行が収益力をどのように改善していっているのか、これは内外から非常に今厳しい目で見られているというふうに私も認識をしております。 事実関係から申し上げますと、不良債権、これリスク管理債権残高で見ますと、例えば十一年から十二年にかけて減少、十二年から十三年にかけて更に減少、しかし十四年三月期に関しては特別検査をやった関係でより厳しい基準であぶり出された部分では増えた。その後さらに、その後半年の決算しかまだ出ておりませんが、減少はしている。同時に、業務純益に関しても少しずつでありますけれども増加の傾向にあるというふうに認識をしております。 銀行は、その増資に関しては、これは福井日銀新総裁も国会でお話をしておられましたが、これはある意味でここでお金をいただいて、それをうまく収益力に結び付けていかないと、もう後は増資してくれと言ってもこれは今度は株主が応じてくれませんから、その意味では背水の覚悟で今しっかりとその決算に当たり、またその経営計画の強化に当たっているものであるというふうに思っております。そうした是非結果を出してもらいたいというふうに我々も思いながら監督、検査・監督を行っております。 それで、資本増強との関連で法的な枠組みのお尋ねがございました。委員は早期健全化法の復活が必要ではないかという点も含めて御指摘をいただきました。そのような御意見があるということは我々も十分に認識をしております。 御指摘のように、金融再生プログラムでは新たな公的資金の枠組みの必要性も含めて専門家において検討してもらうというふうに定めておりまして、今、金融審議会のワーキンググループで、今年前半、つまり六月までに何らかの結論を得るように専門家での議論を急いでいただいております。委員御指摘のような点も含めて、専門家の間でしっかりと新たな公的資金の枠組みの必要性も含めて検討が行われるものというふうに思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 次に、長期保有有価証券の時価評価といわゆる減損会計について、やや細かい話になりますが、お尋ねをいたしたいと思います。 長期保有有価証券といいますか、有価証券等金融商品の会計基準については平成十二年度から原則として時価評価だと。ただ、長期保有の有価証券といいますか、企業会計審議会上はその他有価証券と、こうなっておりますが、これは十三年度から時価評価をするんだということになっておりますし、それから固定資産の減損会計については十七年度から実施するんだという企業会計審議会の意見書が出ているということで既に進行中でありますし、それから、商法上の規定としても、流動資産については時価が著しく低いときは回復すると認められる場合を除き時価を付さなければならないとか、固定資産については予測することができない減損が生じたときは相当の減額をしなければならないというような、これは今、法務省令に依存をしておりますけれども、強制評価減の定めがあるわけなんで、何ゆえこういう問題が出てきたのか、その辺の経緯と趣旨を少し御説明をいただければと思いますが。
○副大臣(伊藤達也君) 経緯について御説明をさせていただきたいと思いますが、投資家や債権者保護の観点から、企業の財政状態を適正に財務諸表に反映するため、国際的な動向も踏まえて、平成十一年に金融商品に係る会計基準が定められ、このうち長期保有の有価証券については平成十三年四月一日以降開始する事業年度から時価評価が実施をされているわけであります。 なお、時価会計の凍結論と同じように議論されております株価が著しく下落した場合の強制評価減については、これは既に昭和三十七年に商法に規定されておりまして、原価法の世界での規定でありまして、長期保有の有価証券の時価評価とは異なるものでございます。 また、固定資産の減損会計については、事業の収益性に着目して、固定資産の取得原価が回復できない場合には減損を認識するとの会計基準が平成十四年に定められ、現在は財団法人財務会計基準機構企業会計基準委員会において、平成十七年度から完全実施するために適用の指針が作成が進められているところでございます。 会計基準と商法との関係につきましてでございますが、商法には、「公正ナル会計慣行ヲ斟酌スベシ」との規定がございまして、もろもろの会計基準が公正になる会計慣行として位置付けられているものと理解をいたしております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 いろいろな経緯で国際的な動向も踏まえて時価評価なり減損会計というのが進められつつあると思いますが、一方では凍結論というようなことで、当面の金融危機を乗り越えるために少し凍結したらどうかというような意見が出ておりますが、仮に延期をしたとしても会社の実態が変わるわけではないんで、凍結によって、確かに財務諸表上、債務超過になるようなところが表面上債務超過にならずに済んだというような効果はあるのかもしれませんけれども、優良会社は既にそれに向かって準備をしておりますから、緊急の対策としてそんなに大きな効果は望めないのではないかなというような気もいたしております。 そういう意味で、もし適用延期というようなことになった場合に、市場の評価がどうなるのか、あるいは国際的な評価がどうなるのか。更に細かいことを言いますと、海外に出す監査報告書、会計監査人の監査報告にはレジェンドクローズというようなことで、日本の会計基準に沿っていますよというような注書きを書かねばならないというような問題もあるわけですが、その辺についてはどうなのか。仮に延期がなかった場合には、もし時価評価なり減損会計をやらないとすると、恐らく会計監査人は不適正意見を付せざるを得ないのではないかなとも思いますが、その辺のことについてお聞かせいただければと思います。
○副大臣(伊藤達也君) 大変重要な御指摘をいただいているわけでありますが、やはり証券市場に対する内外の信頼、投資家の信頼というものを高めて、そして市場の活力を向上させていくと。そのことを図っていくためには、適正な財務の認識とディスクロージャーというものがやはり不可欠であるというふうに考えております。したがって、会計基準の適用を仮に恣意的にやはり操作をすることになれば、企業の活動の実態をやはり隠そうと、隠ぺいをしていると、こういうことになりかねないわけでございまして、こうしたことは投資家のやはり信頼というものを傷付けてしまうんではないかというふうに考えております。 また、先生からレジェンドクローズ、レジェンドの問題についても言及がございました。これは、平成十一年の三月期から、我が国企業が英文で作成をするアニュアルレポートに添付される英文財務諸表に対する監査報告書、ここにレジェンド、警句を付記するということになっているわけでありますが、この対象国は日本とそして韓国やインドネシアといった経済危機に見舞われた国であります。 警句の例を見てみますと、例えば財務諸表注記を見ますと、この財務諸表は財政状態、経営成績及び連結キャッシュフローを日本以外の国及び地域において一般に認められる会計基準及び実務慣行に準拠して表示しようとするものではないということになっているわけでございますので、先ほど先生から御質問がありました、いわゆる時価会計というものを凍結をするとか固定資産の減損会計というものを延期をした場合には、このレジェンド問題をクリアする上ではプラスには働かないんではないかというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 この辺はなかなか議論のあるところだと思いますが、やはり現下の動向、国際的な動向も踏まえて適切に対処していただくようにお願いをいたしたいと思います。 次に、沖縄振興と特区制度の問題について若干伺いたいと思います。 構造改革特区の構想については先ほど鴻池大臣からもいろいろお話ございましたが、第一次、第二次の募集がなされて、四月の二十一日でございましたか、第一号が認定がなされるというようなことも聞いておりますが、実は沖縄県では十四年度から第四次の沖縄振興計画というのが始まりまして、その中においてかなりいろいろな特区制度が取り入れられて、既に成果も上がっているというふうに聞いておりますんで、その辺の状況について沖縄担当の大臣からお聞かせいただければと思います。
○副大臣(米田建三君) 沖縄振興特別措置法に基づきます観光振興地域制度、情報通信産業振興地域制度、産業高度化地域制度、自由貿易地域・特別自由貿易地域制度、金融業務特別地区制度等の沖縄固有の特別地区制度は、法人税の投資税額控除やあるいは地方税の減免等の税制の特例措置を中心とするものでございまして、規制緩和中心の構造改革特区とは互いに補完する関係ともなり得るものと考えておるわけでございます。 これらの沖縄固有の特別地区制度のうち、観光振興地域制度につきましては、観光の振興を図るため観光関連施設の整備を促進することが特に必要とされる地域として現在十四地域が指定されておりますが、この制度の活用によりまして今後とも観光関連施設の整備が期待されると考えております。昨年の観光客数は、政府、沖縄県の一体となった取組が行われる中、過去最高の四百八十三万人となりました。 次に、情報通信産業振興地域制度でございますが、情報通信産業全般の企業の立地を促進する制度として創設されまして、二十四の市町村が指定されております。さらに、情報通信産業の集積効果が期待できるデータセンター等の立地を促進するため、法人税の所得控除制度等が適用される情報通信産業特別地区制度が創設されまして、那覇・浦添地区、名護・宜野座地区の二地区が指定されております。情報通信関連産業につきましては、これまでの約六年間で約八十社の企業が新規に進出をし、四千四百人を上回る新規雇用を実現いたしました。大変大きな成果の一例であろうかというふうに考えております。 次に、産業高度化地域制度でございますが、デザイン業などの産業高度化事業の集積を促進することによりまして製造業等の高度化を図るための制度として創設されました。南部地域と中北部地域の二地域、十五市町村が指定されており、この制度の活用により産業高度化のための設備投資が期待されていると考えております。 また、自由貿易地域制度でございますが、関税の選択課税制度等の特例措置の適用を受けることができ、自由貿易地域七地区において現在十五社が入居しております。また、特別自由貿易地域制度につきましては、関税の特例措置に加え、法人税の所得控除制度等の適用を受けることができ、特別自由貿易地域中城湾港新港地区には現在までに八社の製造業の立地が実現をし、四社の立地が決定するなど、合計十二社の立地が実現又は決定を見ているところであります。 最後に、金融業務特別地区制度でございますが、金融業務の集積を図るための制度として創設されまして、昨年七月に名護地区の指定がなされたところであります。法人税の所得控除制度等の適用を受けることができることとされております。同地区におきましては、特区の指定に先行して、インターネットを通じた証券業や投資顧問業を行う企業が進出したところでございます。 以上です。
○中島啓雄君 大変詳しく御説明をいただきまして、ありがとうございました。 これらの特別地域が割と順調に育っているという成功のポイントというのを考えてみますと、時間もございませんのでこちらから申し上げますと、国税の所得控除が三五%あるとか、地方税についても事業税なり固定資産税の減免があるとか、そういった税制の優遇措置、それから特別融資、そういったことがかなり大きな成功の要因になっているのではないかと思います。 今回の特区構想では原則として財政なり税制上の優遇措置はない、そういう前提で、専ら規制改革等でやれと、こういうことでございますから、それは心掛けとしてはそのとおりだと思いますが、地方によっては、国税の特例措置は無理としても、地方税上の措置として地方のそれぞれの判断で、地方税法の六条とか七条にも課税の免除とか不均一課税の措置ができるという条項がございますので、そういった措置が適用できると考えてよろしいのかどうか、その辺は総務省の方にお尋ねしたいと思いますが。
○政府参考人(板倉敏和君) 構造改革特区につきましては、今御指摘ございましたとおり、特区の実現に向けた基本方針の中で、従来型の財政措置による支援措置を講じることに期待するのではなく云々とされているところでございまして、地方公共団体におきましても税制上の優遇措置を講ずるということは想定はされていないというふうに理解をいたしております。 ただ、これも御指摘ございましたとおり、一般的な制度といたしまして、現行地方税法上に各地方団体におきまして公益上の必要がある場合などに限りまして課税を免除したり不均一に課税をするという制度がございまして、これをこういう条件の下で適用するということは可能ではないだろうかというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 これは地方の判断の問題だと思いますが、その辺はよろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、金融特区制度の問題で、実は二月に国民生活調査会の派遣で沖縄まで行ってまいりましたんですが、その中で、特に金融テクノロジー開発特区ということでキャプティブ保険、これは親会社あるいはグループ会社のみの保険を扱うという特殊な保険会社を導入したいとか、それから外国証券あるいは指数連動型投信の取扱いのみを柱とするパスダック市場というようなことを創設できないかというような御要望がございましたが、この辺の御検討状況はいかがかと思います。 特に、キャプティブ保険というようなのはどうもオフショアでかなり盛んにやられているようなので、余りかたくなに守っているとオフショアでどんどん商売取られちゃうというふうなことにもなりかねないと思いますが、その辺について金融庁からお聞かせいただければと思います。
○副大臣(伊藤達也君) 構造改革特区については、先ほど竹中大臣から答弁がございましたように、私どもも大変重要なものだというふうに考え、真剣にこの問題については検討させていただきました。私自身、名護市長に直接お会いをさせていただいて、今、先生から御指摘のございましたキャプティブ保険の制度化の問題、あるいはパスダック構想についてお話をお伺いをさせていただいたわけでありますが、私どもとしましては、やはりその保険契約者の保護でありますとかあるいは投資家保護の観点がございますので、こうした観点からしますと、この提案については大変難しい点がございまして、残念ながら、特区推進室に対しましては特区としては対応不可という形で回答をさせていただいているところでございます。 この二つの提案についての個別の問題点を申し上げさせていただきますと、キャプティブ保険の制度化に関する提案につきましては、再保険キャプティブに再保険を出す一般の保険会社は広く日本国内で営業しているものでございまして、再保険を受ける者が破綻した場合の影響は特定地域にとどまるものではないため、保険契約者等の保護の観点からはやはり慎重に対応する必要があるというふうに考えております。 次に、パスダック構想についてでございますが、これは我が国国内で活動している証券業者やあるいは金融商品の内容について当局として最低限の情報すら取得し得ないことになるため、投資家保護の観点からは極めて問題が大きく、なかなか御要望におこたえすることが難しいと考えております。 ただし、パスダック構想のうち英語によるディスクロージャーについては、金融経済のグローバル化が進む中で御提案の趣旨は極めて重要であると考えているところでございまして、特区外への転売の問題を考えれば、全国的な対応がやはり適当ではないかと。金融庁としては平成十六年度以降に全国的に実施する方向で検討を行う予定でございます。
○中島啓雄君 なかなか厳しいお答えがございましたが、もう少し前向きに応用問題でも検討していただければ大変有り難いと思います。 特区の問題、いろいろございますけれども、やはり特区を本当に推進していくのは地元の県なり市町村といった行政、それから産業界あるいは学界等のいろいろな知恵と、そういったものが一体となって、やる気になって推進していくということが非常に必要ではないかと思います。 二月に稲嶺知事にお会いした際にも、今まで沖縄の、沖縄対策というのは、補助金で言わば魚を一生懸命もらっていた、だけれども魚は食べてしまえばおしまいだ、そうじゃなくて釣りざお、釣り道具が欲しいんだと、こういうことを言っておられましたが、これは小泉総理の米百俵の精神にも通ずるわけでございまして、沖縄の事例、比較的順調に推移しつつあると思いますが、そんなことも参考にしながら、是非特区構想について推進をしていただいて経済活性化に役立たせていただきたいと思いますが、国会対策委員としてお世話になりました鴻池大臣の御決意を承って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先ほど加治屋委員に申し上げましたのと重なると思いますけれども、ただいま委員からの最後のお話のように、地域の熱意あるいは地域の民間の熱意、こういったものが一体となって、本当に汗をかいて、いい提案を出されたところからこれが特区として決まっていっておる現実を考えますれば、やはり私ども努力をするのは、どうぞ提案を出してください、我々頑張りますからといったことが最も基本にあると思います。政府からこういう提案をしたらどうですかといったことはこの特区においてはいたさないということでございますので、これからも、私、いつまでこの任にあるか分かりませんが、しっかりとその辺り、全国に対しまして、どうぞいい提案を欲しいと。 そして、四月二十一日以降に認証をされたところは、私はやはり大変な活気が出てくる、活力が出てくるということを信じております。そして、それがいい意味で飛び火をする、いい意味で全国に波及をしていくということを心から期待をいたしているところでございますので、是非とも深い御理解をいただきまして御支援をちょうだいしたいと思っております。
○荒木清寛君 今日はもう既に様々な課題につきまして質疑が行われておりますので、私も重複を避けまして、若干の点につきましてただしてまいりたいと思います。 まず、竹中大臣にこの金融安定化策の評価につきましてお尋ねをいたします。 この十三年度決算報告書の特定検査状況という中に、金融システムの安定化のための金融対策等の実施状況と、そういう一項目がございまして、詳細に分析、評価をしております。言うまでもなく、交付国債を使用するなどした金融システムの安定化のための緊急対策が平成十三年度末に終了したわけでございます。会計検査院におきましては、毎年度の決算報告でこの問題をフォローしてきたんですけれども、今回の検査報告におきましては、要約をすれば、金融安定化策は当面の金融危機の乗り切りには効果はあったが金融機関の経営基盤は依然脆弱であるというような指摘であると、このように私は読んだわけでございます。 そこで、小泉総理の構造改革、構造改革なくして景気の回復はないと、こうした小泉総理のメッセージというのはもう国民の間に定着をしておるわけでございます。先般も世論調査がございまして、イラク戦のこうしたもう終局というようなこともあるんでしょうが、支持率が不支持を上回ったというようなことがございました。基本的に私は、小泉総理のこうした構造改革路線は国民に支持をされておると、このように思うのでございます。 そこで、総理がおっしゃる、構造改革をしなければ景気が回復をしないという場合の構造改革は、不良債権の処理のことを言っているのか、それとも財政再建のことをおっしゃっているのか、あるいはその両方であればどちらを優先をするというのがこの小泉内閣の立場なんでしょうか、大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 構造改革というのは非常に幅広い範囲を含んでいる言葉でございます。委員お尋ねのように、どういう中身、手順でやるのかというのはやはり大変重要なポイントであろうかと思います。 私はよく次のような説明をさせていただくんですが、構造改革にはまずもって後ろ向きのというか受け身の部分、それと攻めの部分、前向きの部分、両方あろうかというふうに思います。後ろ向き、受け身というのは、言わば我々が背負ってしまった負の遺産をやはり一刻も早く解消していくことである。この負の遺産の中身が更に私は二つあろうかと思いますが、不良債権の問題、それと財政の赤字の問題。できてしまった不良債権、積み重なってしまった財政赤字は、これはこれをちゃんと認識した上できちっと解消していくしかない。これは受け身の部分。もう一つ、更にはしかし攻めの部分としては、日本が本来持っている経済活力を引き出すために、これは鴻池大臣が先頭に立っておられる特区の話、規制改革を特区で進めよう、それとか、活力を引き出すための先行減税を行おうと、そういうものがあろうかというふうに思っております。 今、荒木委員お尋ねは、その言わば受け身の構造改革の中で負の遺産、不良債権と財政赤字をどのようなバランスで解決していくのかという問題なわけでございますけれども、私はやはりこれはいろんなバランスを考えながらも同時解決をしていくしかないのではないかと思います。不良債権の処理を進めて、できるだけ強い経済基盤を作っていくことが同時にこれは財政赤字の改革に資していくというふうに思いますし、財政赤字の問題がこれから更に大きくなってマクロ的に経済を不安定化すると、これは不良債権処理そのものを難しくする。大変狭い道ではありますが、そこはやはり同時解決でいくしかないのではないかと思っております。 ただし、不良債権処理によって短期的に例えば雇用の問題、中小企業の問題、非常に難しい問題が生じかねない。それに関しては、やはり財政はしかるべき負担をして、セーフティーネットを整備していく。そういう政策の組立てが必要に今なっているし、現実に四本柱の改革というのはそのような方向で今進行しつつあるというふうに思っております。
○荒木清寛君 私も大臣と基本的に認識は同じでございます。この負の遺産の処理の両問題、一概にどちらが第一番で第二番だというふうに言えないと思います。 財政再建ということで言えば、公共事業の重点化、削減、あるいはODAの削減、あるいは防衛費の圧縮というような問題につきましては国民の広範な一つの理解といいますか、むしろもっとやっていただきたいと、行政改革も含めて、そういう思いがあると思います。一方で、大臣おっしゃるように、不良債権に伴う混乱を回避するための財政支出、資本の増強、あるいは中小企業金融、あるいは雇用対策、こういう問題については思い切った出動をしなければいけないというふうに私も思うのであります。 そうしますと、やはり一律に三十兆円枠という機械的なキャップをはめてしまいますと、大臣そうおっしゃっても、不良債権の処理に伴う支出もやはりどうしても財政的な困難がゆえにできないというような話になるわけでありまして、そこは私は若干手法を改めた方がいいのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 重要な点は、ここまで積み上がっている政府の借金、政府の負債が長期的にはそれなりにしっかりとコントロールされていくというふうに国民に、市場にやはりきちっと認識してもらえるかどうかという問題であろうかと思います。 これは若干、余りに仮定が強過ぎる議論でありますけれども、財政赤字の将来について非常に不安が広がって、今七百兆ある借金、これ金利が仮に一%上がったらこれは七兆円の金利負担ということでありますから、それはそれでもう大変なことになりかねない。そのような意味では、財政が大変厳しい状況の中でしっかりと改善に向かっている、具体的にはプライマリーバランスの回復が可能であるというふうに市場や国民に思ってもらえるような状況をしっかり作っていく、これがやはり混乱を避けるために大変重要なポイントであろうかと思います。 その意味で、あとこれ約十年を掛けて、決して、性急にやるとこれは経済に対して負のインパクトがありますから、十年程度を掛けてやっていこうということ。そのために、当面は歳出を前年並みに、前年並み以下にするという緩やかなキャップをはめると。その中で、めり張りの利いた予算、雇用、中小企業のセーフティーネット等を重視しながらやっていくというのが今の方針でございます。 しかし、経済がもし混乱するというようなことが、可能性が高まれば、これは柔軟かつ大胆にやると、これはかねてから総理もおっしゃっておられるわけでありまして、そのような位置付けの中で、やはりしっかりと中期の見据えた財政運営を今行っていくことがどうしても必要ではないかというふうに思っております。
○荒木清寛君 官房長官、おいで早々恐縮でございますが、お尋ねをさせていただきます。 今回、十三年度決算を審議をしておるわけでございますが、十三年の一月六日、正にこの二十一世紀の開幕に足並みをそろえまして中央省庁の再編が実施をされました。その後、四月からは独立行政法人制度がスタートをし、そして時を合わせて小泉内閣の発足ということになったわけでございます。総理就任直後の所信表明によりましても、この中央省庁の再編は行政改革の始まりにすぎない、このように断じているわけでございます。 この中央省庁再編につきましては、我々は、法案につきましては、法案審議の段階ではむしろ批判的な立場に立ったのでございます。それは単なる数合わせではないかということも思いましたし、あるいは国土交通省というもう公共事業を一気に担うような利権官庁を誕生させていいのかとか、あるいは総務省は郵政省と総務省が合体するわけで、もうそういう情報を一手に管理をするような役所ができることの危惧とか、いろんなことを指摘をして、むしろ我々は批判的な立場に立ったことを思い起こします。 ただ、その後、これで二年三か月たちまして、いろんな意味で私はメリットが出ていると思います。 例えば、厚生労働省でいいますと、去年の国会で母子家庭を支援をする法律の改正がございましたけれども、従来の母子家庭に対して財政上の支援をするということに加えて、むしろお母さんの自立が必要ではないか、仕事ができるような環境を作っていくのが必要ではないかというようなことは、正に厚生省と労働省が一体になったからそういう発想を持ったわけでありまして、そうしたことが私は、この二年三か月間の間で具体的にこのメリットといいますか、いろいろそういう従来の縦割り行政を排し、もう少し大きな立場から国民生活を考えていくというメリットを発揮できているのではないかと思います。 そこで、官房長官と行政改革担当大臣に、その後、二年三か月間の中央省庁再編及び行政改革に対する評価、そしてそれを踏まえた今後の課題についての見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 委員から今、昨年、もう一昨年になりましたね、二年ちょっと前でございますけれども、この中央省庁再編、そしてまた政治主導ということを掛け声として、内閣主導といったようなことも、また更に申し上げれば、官邸主導とかいう言葉も生まれたんでありますけれども、そういうような体制の下にいろいろなことが、いろいろな問題が機動的に、そしてまた的確に行われるような体制ができたというようなことで、私は委員と同じように大きなメリットというものを感じております。また、メリットというその言葉だけでなくて、大きく政治の在り方というものが変わってきたと、こういうふうにも思っております。 いまだ私、十分だというふうには思っておりません。更にこれに磨きを掛ける必要があるというように思っております。 例えば、食品安全だとか、そういったようなことについても、これは関係省庁集まりまして、そしてこの法律、安全を目指した法律を作る、また食品行政を、これを消費者の方を向いた食品行政にするとかいったような、こういうことも実現をするというようなことになりましたし、また、話があったかもしれません、産業再生。これも、企画立案して、やろうというふうに決めてから半年たっていないんじゃないでしょうか、これが機構として動き出すと。こういうようなことが非常に機動的にできるようになったというのは、これはやはりこの新しい体制、新しい考え方に基づく体制の結果だというように思っております。 ですから、こういう仕組みを使いまして、更に内閣全体として何が必要か、そして必要なものを機動的に各関係省庁の横の連携を取りながら対策を考えていくという、そういうことで活用しなければいけないと思っております。 我々に課せられた課題というのは非常に大きいと思っておりますので、今後大いにまた注意をしながら体制の整備に心掛けてまいりたいと思っておりますので、委員からも適切なる御指導をお願いしたいと思っております。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま福田長官の方からは中央省庁改革に伴う行政改革についてのお話がございましたので、私の方からは、特殊法人改革、また行政委託型公益法人改革など、取り組んできた内容について若干コメントをさせていただきたいと思うわけでございますが、今言いました点につきましても、昨年三月までにこの改革の基本方針について与党の皆様方の御協力を得て方針を取りまとめたところでございます。現在、こうした基本方針に示された改革の方針を、平成十七年度末までが集中改革期間とさせていただいておりますので、その間にすべての具体化を実現するという形で作業を進めているところでございます。 昨年の臨時国会におきましては、特殊法人改革四十七法案、この中では、例えば東京地下鉄の株式会社化、民営化等々の法案が成立するなど、着実に特殊法人改革は進んでいると思います。 特殊法人七十七ベースで見ますと、石油公団や簡易保険事業団など、もう昨年の通常国会で廃止が九法人決まりましたし、民営化等々も、今言いました東京地下鉄など二十五法人が、民間法人等々も含みますけれども、民営化すると。また、これも昨年の臨時国会でございますけれども、特殊法人というこの形態がやはり時代のニーズにマッチしていません。やはり中期目標を持って、駄目なものは駄目と、その組織自体の洗い直しも行っていけるような独立行政法人に移行するということも、二十九の法人を二十七に整理するという形で成果を出してきたわけでございます。 だからといって、私はこれで終わりだとは思っておりません。独立行政法人になったにしろ、中期目標をしっかり持って、もう総理が申されておりますように、民間に任せられることは民間に、地方にゆだねられることは地方にという視点で、絶え間なく、手綱を緩めることなく監視をしていかないと行政の肥大化というものは防げない、そういうようなスタンスに立ちまして着実に改革を進めてまいらなければならない、こんなふうに考えております。
○荒木清寛君 それで、石原大臣にその特殊法人改革についてお尋ねするんですが、小泉構造改革の中で、なかなか構造改革の成果が見えないという批判もある中で、特殊法人改革というのはもう最も進展しているといいますか、目に見えて成果が上がっている部分だと私も評価をしております。 また、大臣もそうした中で正にサンドバッグになるような決意で闘ってこられたことも承知をしておるんですが、ただ、ちょっとこの発言の真意はお尋ねしておかなければいけないのは、四月六日に、これはテレビの発言でしょうか、道路公団の民営化、最終報告のとおりの実施は困難であるというふうに発言をされたということです。 私はそのテレビは見ておりませんでしたので、新聞の記事でしか承知をしておりませんので即断はできませんけれども、即断はいたしませんが、しかし、この道路公団民営化推進委員会というのは法律に基づく委員会でありまして、法律に基づいて昨年の末に総理に対して意見を述べたわけなんでありますから、それを受け取った行革担当大臣がそれに水を差すようなことを言われるのであるとちょっと私も余り適切ではないのではないかと思うんでありますが、これはどういう趣旨でそうしたことをおっしゃったんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) もう委員御承知のことだとは思いますが、道路民営化委員会はその手の審議会では極めて異例、私はこれからがこのスタイルが定着してくると思うんですけれども、公開の下、基本原則はやはりこの債務の返済というものを一番に考えよう。四十兆円あるわけでございます。そして、新たな国民負担は求めていくのはやめよう。さらに、建設コストを引き下げろ。これは二割ということでございますが、政府・与党で受けさせていただきまして、二割、四兆円にプラス五千億円、この建設コストを下げようということも決めました。また、ファミリー企業の在り方についても、天下りもやめていこうということも政府・与党で決めさせていただきましたし、その運営コスト、これの削減について答申では三割ということをいただいたわけですけれども、道路公団は大体二五%カット、あるいは本四、首都高、阪高は若干ここの率が悪くて二二、三%なんですけれども、その結果、平均的には二五%弱の経費削減。これは、道路公団が二五%程度できるわけですから、もう少し頑張って、今二千百億円程度のカットですけれども、積み増す努力はしなければならないと思いますが、答申よりもかなり踏み込んで政府・与党で案をもう実現させていただいていることはもう委員御承知のことだと思います。 私が申しましたのは、いささか無理がある、こういう言い方でお話をさせていただいたんですが、冒頭申しましたように、道路公団等民営化推進委員会は、国民の皆さん方の更なる負担は絶対にあっちゃいけない、債務を必ず返さなきゃいけないという基本哲学の下に案を取りまとめいただいたわけでございます。 しかし、若干説明が長くなって恐縮なんですが、説明を申し上げますと、十年を目途に資産を買い取ると、そういうところがあるわけです。しかし、その資産を買い取ることができるのかできないのかということで、私はいささか無理があるという発言をしたわけであります。 それはどういうことかと申しますと、これはもう既に公開されている資料でございますので、若干読ませていただきますが、四公団が通常の民間株式会社として発足する上で現状では既に多額の不良債権問題を抱えているのに等しい。十年後に民間会社となるために必要となる債務削減額は、固定資産税なし、JHの新規建設なし、交通量の伸びあり、四%以上の金利リスクを取らないという超楽観的なケースでも四公団合わせて債務削減額は八兆一千億。さらに、JHの新規建設なし、交通量の伸びなし、金利五%だと九兆八千億となると。そういう試算がこの委員会の中で示されたわけであります。 これは何を意味するかというと、今日のこの委員会での議論の中で竹中大臣が御答弁されておりますように、政府の財政の立て直し計画の中では二〇一〇年初頭をプライマリーバランスの回復と見ているわけであります。ということは、この十年後の買取り期間は二〇一〇年代に来るわけですから、そこで仮にキャッシュフローに対して有利子負債が十倍として仮定計算をしますと、それが民営化会社の、あるとするならば、今申しましたように、かなり楽観的なケースでも十兆円新たな国民負担をその段階で強いることになるわけであります。そのことが、私は、二〇一〇年、まだかなり先の話、一〇年代というのはかなり先の話でございますが、新たな国民負担は求めないという基本原則がありながら民間会社を作るために十兆円の債務削減を国民の皆様方にお願いするということは、財政事情から考えても、また税という形にきっとなると思うんですけれども、新たな民間会社を作るために十兆円の国民負担をお願いするということは、いささか考え方として無理があるのではないかということを客観的な数字に基づいて申し述べさせていただいたわけでございます。
○荒木清寛君 大臣の改革の決意は私は揺らいでいないというふうに今のお話で理解いたしました。 竹中大臣はもう退席いただいて結構です。
○委員長(中原爽君) どうぞ。
○荒木清寛君 それで、次に、中央省庁改革の目的の一つに、平成七年の阪神大震災の対応を教訓として、政府、特に内閣の危機管理体制の強化ということが挙がっております。 私もこの阪神大震災の折の政府の初動の遅れということについては強く憤りを感じたわけでございますけれども、当時覚えておりますけれども、村山総理が何せ初めてのことなのでというようなことで弁明をされたことについては唖然としたわけでございます。 危機管理というのは、二回目からうまくやりますということでは絶対いかないわけでありまして、万が一にも失敗できないというのがこの危機管理体制であろうかと思います。そうした意味では、北朝鮮ミサイル発射の政府の発表については、本当にそうしたことを教訓として政府の危機管理体制が万全なものになったんだろうかという一抹の不安を与えたと言っても私はいいのではないかと思います。 そこで、発射された、実は発射されていなかったということになったわけでありますけれども、第一に、今回の混乱につきまして、その原因はどこにあったのかという点、二番目に、今回のこうした混乱を踏まえまして危機管理体制上どのような見直しと改善を行ったのか、官房長官にお尋ねをいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 先般、ミサイル発射がございまして、そのときに混乱をしたと、こういうことが今の委員からの御指摘ございましたが、これ、四月一日の北朝鮮による地対艦ミサイルの発射があったかどうかといったことに関係するものだと思っております。 これは、政府としては、この情報は未確認情報であるということで一貫しておったんです。ただ、その間に若干不規則発言がございまして、何かいかにも混乱しているかのごとく見えてしまったといったようなことはございましたが、これは首尾一貫をしておりました。ですから、そういうことで問題があったということではございません。あのミサイルがどうであったかということについては、これはいまだに未確認でございます。 そういうことでございますが、今御指摘のように、阪神・淡路のときの経験、ああいうような緊急事態にどういうふうに反応してどういう対応をするかということ、これはもう正直申しまして、危機管理というのは毎回これは新しい経験なんですよ、毎回対応が異なります。ミサイル発射にしても全く同じ、前回と全く同じというようなことではない。不審船のことも同じでございまして、毎回毎回全く新しいことだというような、そういうような認識を持って当たらなければいけないと思っております。 しかし、そういう経験を積み重ねましてかなり賢くなってきております。そういう経験からいろいろの体制の改善とかいうものは不断に心掛けておりまして、今でもその改善には取り組んでおるところでございますので、今後、こういう問題が起こったときにいかにしてそれが情報の確認、判断、そして対策といったようなところにつなげていくかという、そのことは極めて大事なことでございます。 そういうために、体制も二十四時間体制の内閣情報集約センターというものもございますし、その危機管理全体を統括します内閣危機管理監という者もおりますし、それがトップの判断に直結できるような情報を伝達するという、そういうような体制も取っておるということでございます。 しかし、決して安住しているつもりは全くございません。
○荒木清寛君 今回はそうした意味では小さなミスであったのかもしれませんが、是非、今後の危機管理を万全にするために、無駄にすることなくこの教訓を生かしてもらいたい、このように思います。 そこで、次に、先ほどもございましたが、東海地震につきまして若干お尋ねをいたします。 今回の中央省庁改革の中で、やはり総理主導、内閣主導、官邸主導というのが大きなテーマでございまして、そこで内閣府には中央防災会議というのが設けられ、鴻池大臣は防災担当大臣ということを任ぜられているわけでございます。私も東海地震のことについてはもう従前より関心を持って取り組んでおりますけれども、そうした中で、中央防災会議というものができたことによって一層体制が充実をしたことは私は実感をいたします。 そこで、去る三月十八日、中央防災会議東海地震対策専門調査会は、マグニチュード八規模で東海地震が発生した場合の被害想定結果を発表いたしました。ここでの最大予想死亡者数は、静岡県で約八千人、愛知県で約五百人となっています。これは予知がなくて冬の午前五時に起きたという最悪のケースを想定したわけでありますから、このことからも予知をするということがもういかに大事かということが分かるのでありますが、調査会は四月末を目途にこの想定結果を踏まえた防災対策を検討することとしております。どうした方向でこの再検討をし発表されるのか、現時点での状況を大臣にお尋ねします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員御指摘のように、先月、中央防災会議において報告されました東海地震にかかわる被害想定、建物の全壊は最大で約二十六万棟、死者数は最大で約九千二百人と、大変恐ろしい被害が予想されておるところであります。 現在、中央防災会議東海地震対策専門調査会において、今回の被害想定結果を踏まえ、広域の防災体制の確立や建物の耐震化等緊急に行うべき予防対策について検討を行っているところであり、近々取りまとめられる予定であります。その後、この専門調査会の検討結果を踏まえて、予防対策から警戒宣言の対応、発災後の広域対応及び復旧・復興の全体にわたり防災対策を総括的にまとめた東海地震対策にかかわる大綱を中央防災会議で定める予定であります。これに併せて、地震防災基本計画など各種防災計画の見直しを早急に行うこととなっております。
○荒木清寛君 我が国は地震大国であります。まさか大阪で地震はないと思っておったらあのような阪神大震災になったわけでございますので、したがいまして全国どこの地域でも防災拠点を整備をするということが非常に大事でございます。 内閣府が一月十五日に報告をしました地震防災施設の現状に関する全国調査によれば、愛知県、静岡県等十四府県におきましては、一〇〇%この地域防災拠点を整備をしているということでありますが、しかし広域圏で見ますと、全国での整備率は四四・七%、東京に至っては一一・三%ということで甚だしく低い数値でございます。 我が国の危機管理上、こうした状況は看過できませんが、今後この地域防災拠点の整備について大臣としてはどう取り組んでいかれるのか、決意をお尋ねします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 全国の調査は、防災の観点から、全国統一の指標を設定して地震防災施設の整備の現状を把握するために行ったものであります。 この調査により、各地域における施設の整備の現状が初めて整理されたものでございまして、各地方公共団体におきましては、この調査結果を地震防災対策特別措置法に基づく五か年計画の内容に的確に反映して、今後の地震防災施設の整備が効率的、効果的に進められるものと考えておるところでありまして、国といたしましても計画に基づき実施される事業につきましては必要な支援を行っていくと、こういうところであります。
○荒木清寛君 最後に鴻池大臣に、地域の防災拠点ともなります公立小中学校施設、なかんずく体育館の耐震化を促進すべきであるというふうに私は考えますが、今後の公立小中学校の耐震化の促進に向けての大臣の決意をお尋ねします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 小中学校や医療機関の耐震化等、地震防災施設については、地震防災対策特別措置法に基づき全都道府県が五か年計画を策定して計画的に推進しているところであります。中でも、次代を担う子供たちが学び、災害時には地域の避難場所にもなる小中学校の耐震化につきましては、五か年計画に計上された事業に対し国庫補助率をかさ上げしているとともに、平成十四年度補正予算及び平成十五年度当初予算においても重点的に計上をさせていただいているところであります。 安全な国土の形成は我が国の経済社会の基礎となるものであり、今後とも必要な地震防災施設の整備に積極的に取り組んでまいります。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。本日は、理事会の御配慮によって質問順を御配慮いただきまして、細田大臣も含めて御質問させていただくことになりました。ありがとうございました。 まずは、まだ御着席になっておりませんが、竹中大臣に御質問をさせていただきたいと思います。 決算委員会でございますので、やはり今後の決算の重要性、あるいはそれはいわゆる決算制度のみならず我が国の財政制度をどういうふうに変えていくかという意味で、決算を含めて、予算の編成プロセスも含めて私は改革することが非常に重要だと思っています。 先ほど、同僚議員の方から橋本行革あるいは省庁再編の評価についての御質問あるいは御意見がありましたけれども、私も橋本行革の当時は役所におりましたのですが、見ていて、フェアに申し上げて、前向きに進んでいる部分というのがあると思います。特に、やっぱり橋本行革の省庁再編の大ぐくり化という部分と、それから官邸機能強化、内閣機能強化というのが大きな柱であったと思います。独立行政法人の問題については後でまたお話を伺いますが、その内閣機能強化が、竹中大臣いろいろ、ペーパードライバーとかいろいろ御批判される方もいらっしゃいますけれども、でも、竹中大臣の御活躍によって官邸機能強化が一定程度進んでいるということは私は率直に評価をさせていただきたいと思っています。 ただ、やっぱりまだまだ十分ではないと思っています。どちらかというと、橋本行革というのは行政のハードウエアの改革であったと思います。本当の行革というのは、やっぱり今後の行政の行動規範をどう変えていくか。恐らく大きくは、一つは公務員制度改革を、今いろいろ御議論を石原大臣の下でされていますけれども、公務員制度改革と、やはりもう一つは、やっぱり基本、政治の基本というのは国民の税金をどういうふうに使っていくのか、どういう分野に使っていくのかということを、財政制度をどう組み立てていくのかというのが政治の基本だと思います。その公務員制度改革と予算編成の在り方というものの二つというのが私は今後の行財政改革を進める上での極めて重要な二点であると思います。 本日は、時間の関係もありますので、石原大臣もいらっしゃいますけれども、公務員制度改革はさておきまして、まず竹中大臣に予算編成の在り方についてお話をお伺いしたいと思います。 三月二十六日の本院の内閣委員会で、竹中大臣が、私の予算編成の在り方についての質問に対して、足立区が財政課を廃止した、つまり主計局を廃止したということに等しくて、むしろ事前に予算を割り当てるための評価よりは事後の評価をきっちりとして予算の枠に結び付けていく、そういうような例も参考にしながら、これは予断を持たず忌憚なく大胆な議論をしていきたいと、こう答弁をされています。私、勇気付けられる答弁だなと率直に思いました。 従来、これはもう本日いらっしゃる委員の皆さんも、政府側の関係者も皆さん認めておられるところだと思うんですが、主計局の主計官を中心として各省と予算折衝をして、それなりの枠の中に各省の予算を追い込んでいく、そのトータルとして財政の健全性というのをある程度維持していく、この仕組みというのは戦後ある程度機能してきたということは事実であろうと思います。しかしながら、明らかに、バブル崩壊以降のこの十年間というのはそのモデルが機能しなくなった。もう主計局自身がそこの部分、まあ主計局だけの責任というよりはむしろ政治の責任が大きいんでしょうけれども、そこの部分が完全に機能しなくなったというのが、この十年間、我々の今の財政赤字の現状を見ても、政府が講じてきた政策の効き目の悪さを見ても、あるいは省を横断した資源配分というものが有効に行われていない今の現状を見ても、そこは明らかなんじゃないかなと思います。 そういう意味で、省庁縦割りの予算あるいは予算編成の、省庁から要求させ、事前のシーリング閣議というのがありますけれども、その後、八月末までに省庁から要求させて、それは基本的に積み上げベースで、積算をきっちり詰めた要求書を作って要求させる、それでみんなが議論をして、最終的に政府予算案を閣議決定をして、要するにみんなが納得する形でボトムアップで予算編成をするというやり方は、やっぱり明らかに限界がある。 そういうことがあって、骨太の方針などを出されて、ある程度、経済財政担当大臣として予算編成をもう少し政治的にトップダウンでめり張りを付けようという努力をされているんですけれども、竹中大臣、少なくとも御在任約二年弱の御経験で、こういう予算編成のやり方、去年、恐らく少し変えようという努力をされたというのは私も認識しますし評価をするんですが、今までの予算編成のやり方で本当にいいと思われますか。そして、もし、いや、それでは不十分だと思われるときに、予算編成の仕組み自身をどのように変えていくべきだと思われますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に、正に内閣の基本にかかわる重要な問い掛けであろうかと思います。 内閣機能の強化、これ正に経済財政諮問会議のような器を作った、内閣府を作った、正にこれは橋本行革の非常に大きな成果であって、その器の中で我々がどのように新しい仕組みを正にハード・プラス・ソフト面で作っていけるかというのが問われてきた二年間であったというふうに思っております。この二年間の一つの経験として、二年というのはその間に予算編成二回やっているわけでありますけれども、非常にまだまだ不十分なところはありますけれども、一つの方向に向かっているのではなかろうかというような自覚は持っております。 そうした点を踏まえて、今、足立区のことを委員言及されましたが、あの委員会でのやり取りの後、私、実際に足立区に行ってまいりました。区長さんや、その実際の財政改革を手掛けた担当者と、直接お話を伺ってもまいりました。よくプラン・ドゥー・シーという言葉を使うわけでありますけれども、このプラン・ドゥー・シーというのは経営の言わばある意味では常識的な部分なんだと思います。この経営の常識的な部分を予算編成の中にどのように組み込んでいけるかというのが日本のみならず世界じゅうで今問われている、特に九〇年代以降、経済環境が厳しくなる中で問われてきた問題であろうかと思います。 このプランの中身、これ、具体的にはやはり各省庁がどういった成果を実現したいんだという成果目標をきっちりと作るということなのだと思います。この成果目標をきっちりと作った上で、ドゥーの部分は、これは大胆に、やはり大胆かつ柔軟に実行していただく。シーの部分では、成果と大胆に実行したことの結果をきちっと評価してもらって、その評価がその後の予算の配分にきちっとつながっていくような仕組みを作る。繰り返して言いますが、これは経営の改革としては極めて常識的な話でありますが、これがしかし予算制度の中ではなかなか、理屈の上では分かっていても実現してこなかったということなのだと思います。 今、小泉内閣になってから行っていることをあえて少し理論付けしてみますと、プランの部分、成果目標、ここまではなかなかまだ行っていないんですが、その一歩手前ぐらいのところを今、骨太の方針というのでこういうことをやっていくんだという、そのプランの部分を今やっているんだと思います。問題は、それを更にどのようにより詳細に細かくできるのか、明確に示せるのかということであろうかと思います。 ドゥー、大胆に行う部分に関しては、昨年も一昨年もやりましたいわゆる大臣イニシアチブ、それぞれの目標に向かって各大臣がどのようにイニシアチブを発揮していけるのかということであろうかと思います。 しかし、例えばこの部分に関していいますと、頑張ってどこかの省庁で大臣が一生懸命予算を効率的に使ったと、そこで予算がうまく使い残しができましたと。そうすると、その使い残した部分を更に政策のために自由に使えるかというと、必ずしも今の制度ではそうはなっていない。そこの点に関しては更なる改良が必要なのではないかというふうに思うわけでございます。 そのシーの部分がまさに評価です。この評価の制度は非常に新しい制度でありまして、御承知のようにまだ走り始めたばかりの状況。このプラン・ドゥー・シー、その中では、あえて言えばこのシー、評価の部分が相対的にはまだ一番後れているのかなというふうに思っております。 いずれにしましても、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、九〇年代の財政改革に成功したところは、やはりこの経営の常識であるプラン・ドゥー・シーをしっかりと予算の制度の中に組み込んでいったという実績があったと思っております。 日本の実情にふさわしい制度改革に向けて、諮問会議では更に努力、検討を深めているという段階でございます。
○松井孝治君 おっしゃるとおり、プラン・ドゥー・シーの考え方というのは、橋本行革のときにも明確に議論されて、その下で内閣官房とか、特に大臣が所属しておられる内閣府、ある程度大きなプランというものをきちんと示していこうという議論であったというふうに思います。 それで、具体的に、大臣、今、プランの部分、ある程度骨太の方針で出したけれども、より詳細に明確に示す必要があるというふうに今の御答弁の中でお話があったと思いますけれども、今年は骨太の方針以外に、あるいはその骨太の方針をより具体的にされる御予定というのはあるんでしょうか。今回の、来年度の予算編成プロセスに向けて、具体的にそのプランの部分をより充実させる、あるいはそのシーの評価とどういうふうに一体化させるおつもりがあるのか、ちょっと具体的に教えていただきたいんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一般論としてのプラン・ドゥー・シーを言うのは、これは大変重要で、しかしたやすいことでありまして、それを具体的な制度に結び付ける工夫というのは、我々、今一生懸命考えておりますが、これはなかなか難しい問題がございます。 こういった予算制度というのは、どの国を見ても一年や二年で決して完成するわけではなくて、五年、場合によっては十年とか時間を掛けて少しずつ少しずつ改良をしてきていっているというふうに思います。我々としては、この大きな方向を確認した上で、今年具体的に何ができるかということをこれからしっかりと議論をしていきたいと思っております。 具体的に、六月末の骨太の方針でどういったことを内容とするか、どういった構成にするかというのは正にこれからちょうど諮問会議で議論が始まるところでございまして、民間有識者議員のお知恵もかりながら、どういったことを重点として出していけるのかということを是非しっかりと詰めたいと思っております。 幾つかのやり方があろうかと思いますけれども、例えばですけれども、特定の例えば部門、分野について少し例示的にこのプラン・ドゥー・シーについて議論を深めることはできないだろうかと、ないしは、それは一つの問題、分野を区切った進め方の一つだというふうに思います。また、それとは別に、特に評価等々についての一般的な手法をまず固めようではないか、それも一つの手法だと思います。 どのようなやり方が今の予算の現状に適して、かんがみてふさわしいのかということも含めて是非しっかりと議論をして、中長期的に取り組む課題ではありますが、当面、やはり一つ二つ目に見える形を示していきたいというふうに思っております。
○松井孝治君 割とすぐそういう総論では話が逃げられちゃうんですが、具体的に、大臣が五年、十年いらっしゃるわけじゃないんですから、いや、恐らく今の雰囲気からいうとですね。大臣にも御自身の人生がおありでしょうからね。ですから、具体的に早くやっていただきたいわけですよ。 そのときに、特定の何か分野でとか言って、平沼さんも何かそういうことをおっしゃっていますけれども、特定の分野でということではなくて、今一番国民が求めているのは、特定の分野のことは特定の役所に任せればいいんですよ。そうじゃなくて、分野間の、例えば国土交通省の分野と厚生労働省の分野と、何を、どういうミッションを再編成するのか、予算の使い道を大きく大枠で、例えば公共事業費とあるいは福祉の関係の予算と、これをどういうふうに組み替えるか。これは、幾ら財務省の主計局やあるいは各省に任せてもそんなことはできないわけですよ。 大臣にお願いをしたいのは、むしろそういう省をまたがることで大きな大なたを、省庁の資源配分に大なたを入れるあるいは配分を大きく見直す。そういうことを、今までのシーリング閣議のような、一律何%とか、せいぜいこの分野は若干例外的に何%まで増やして要求することができるとか、そういうことではなくて、予算編成の大枠をきっちり大臣の方から、あるいは経済財政諮問会議でもいいんですよ、全大臣が構成員になって資源配分を変える、予算編成の配分を変えるなんてことは、これは不可能なんですよ。今の閣議運営では、御承知のように全員一致というのが慣行ですから。そうではなくて、ある意味では一つのインナーサークルで、ほかのアングロサクソン系であればインナーで、五大臣で予算編成の大枠を決めるとか、そういうことを例えばオーストラリアなんか採用していますよね。そういうことを具体的に竹中大臣のイニシアチブで来年度予算編成についてやるおつもりがあるんでしょうか、ないんでしょうかということをお尋ねしているんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私も本当に早く成果を出したいと、もう心からそのように思っております。その成果を出すためにはどのようにしたらよいかということに関しては、これは私はやはり幾つかの方法があるのかなと思っているわけでございます。 今、委員おっしゃった、松井委員おっしゃったやり方というのは一つの方法でありますし、例えば幾つかのヨーロッパの国等々では、総理と財務大臣と担当大臣中心に、そのように正にインナーでやっているというような例もございます。考え方によっては、実は諮問会議というのはそれに近いものかもしれませんし、そこに担当大臣を来ていただいて大臣イニシアチブでいろいろ議論しているというのは、そのパターンをある意味でなぞっている部分がございます。 私がちょっとさっき申し上げ掛けたのは、特定分野と申し上げたのは、先ほど言いましたように、成果目標というふうに言っても、どういう成果目標を立ててよいのかというのはなかなか難しい、どういう評価をしていいかというのはなかなか難しい。その場合には、例えばですけれども、この特定の分野について、正にこれは一種の特区が一つの例かもしれませんが、こういう分野についてまずやってみよう、それで成功事例を作るということも一つかもしれないと、そういうような意味で申し上げたわけでございまして、松井委員がおっしゃられるようなやり方も私はあると思います。 今申し上げたようなやり方、何がいいかということを是非しっかりと議論したいと思います。
○松井孝治君 分かりました。それは、私が御答弁を誤解していたのかもしれません。 例えば、イギリスにおいて、PSAとかあるいはSDAとかそういうものを導入している。ああいうものを例えば特定の予算分野で導入すると。そして、できれば例えば単年度予算の原則をそういう分野について一定の枠の中で外すようなことをしていただければ、私は今、先ほどの私の質問の中で私が御提案したようなインナーで予算編成の大枠を変えてみるというようなことを議論すると同時に、ある特定分野においてそういう新しい政策評価の指標、手法なりを導入するというのは非常に結構なことだと思います。 例えば、具体的に今、私、例示として申し上げましたけれども、予算の単年度主義、これについて、今おっしゃった特定の分野においてある枠組みの中で見直すなんということは検討されていますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 法律の枠組みがございますので、松井委員は非常に詳しい情報量に基づいて先鋭な問題認識をお持ちでございますけれども、諮問会議の議論としてはまだそういうようなところまで行っておりません。 一般論として、経営改革の手法であるプラン・ドゥー・シー、正にニューパブリックマネジメントの手法を時間を掛けてしっかりと取り入れていこう、しかし何とか次の年度にその芽が出るようなものを反映させていきたい、そういうような提案が民間議員から出されているところでございまして、それをどのようにやっていくかというのは、残念ながらまだ我々、勉強中でございます。 御指摘の点を踏まえて、是非しっかりとしたものにしたいと思っております。
○松井孝治君 大臣がせっかくこういう非常に先鋭的な検討をしておられるにもかかわらず、私はちょっと世間の、マスメディアも含めて、この問題に対する関心が低いというふうに思っております。 今ここで具体的にこれ以上お答えをいただくのは無理かもしれませんが、是非、足立区の財政課廃止という話もありました。これはある意味では予算編成部局、大きな予算編成を行うその大枠を作る部局を経済財政諮問会議が担うのか、あるいは財務省の主計局が担うのか、そういうことも含めて本質的に検討するという、私は忌憚のない、聖域を作らない議論をしようという竹中大臣の意欲だと思っておりますので、是非、この議論は非常に関心を持って一部の有識者はフォローをしておりますし、そしてまた、本質的には全国会議員あるいは霞が関の全体の仕組みをどう変えていくかという意味での私は行政改革の一番本質的な部分だと思いますので、竹中大臣におかれましては、是非、いろんな声があるかもしれませんが、ここをやらずして大臣の職を全うできないというふうに私は思っておりますので、そこだけは是非気合を入れて取り組んでいただきたい、これは要望でございます。 竹中大臣、お忙しければもう結構でございます。多少時間がおありであれば聞いておいていただいても結構でございます。 それでは、次の質問に移ります。 今日、行革事務局から政府参考人にも御出席をいただいております。御出席いただいている羽深参事官にお尋ねをしたいんですけれども、これは制度の趣旨についてお伺いしたいので、あえて政府参考人にお尋ねをしたいんですけれども、さっきプラン・ドゥー・シーという言葉が竹中大臣からございました。プラン・ドゥー・シー、羽深参事官は私の記憶では橋本行革の事務局に中核メンバーとして御参加をいただいておりましたが、そのプラン・ドゥー・シーの中のドゥーの部分をいかに効率的にしていくかということで、そこを独立行政法人制度というのが導入されたわけであります。 ところが、この独立行政法人制度というのはちょっと今誤解されている部分があって、独立行政法人と、その独立行政法人に仕事をある種お願いをしている国あるいは主務大臣との関係の責任関係がどうなっているのかというところが必ずしも明確でない部分があると思います。 独立行政法人制度というのは、もう余り長い答弁にしてもらう必要がないように少し説明しますと、そもそも国民生活とか社会経済の安定上、公共上の見地から確実に実施されるべき事務事業であって、国自らが、自らが事業主体として実施する必要はなくて、かといって民間に完全に任せてしまったらそれが実施されないおそれがある、あるいはどこか特定の団体に、法人に実施してもらうことによってそれが円滑にそういう行政サービスが提供されると、そういうものを独立行政法人制度として、そういう業務を担っていただくということになったわけでありますよね。 具体的に独立行政法人制度を見ますと、国があくまでもその法律を作り、独立行政法人何とか法を作って、しかもその国が中期目標というものを立てて、その国が中期目標を立てた範囲で独立行政法人が中期計画を作って、それも国が承認をして、なおかつ独立行政法人は毎年毎年の事業を行って、それはできるだけ情報公開をする、それは国が評価すると、そういう仕組みになっているわけであります。 そういう意味で、独立行政法人制度のそういう制度にかんがみて、これは一般論ですけれども、どこまでが国の責任で、どこのどういう部分が独立行政法人の仕組みなのか。 従来の特殊法人が非常に一部問題があって、非常に親方日の丸的な意識があって、なおかつ自らが事業主体であるという意識がなくて、財政的に破綻しているようなところも非常に多いという、その反省に基づいてこれ作られたわけでありますが、国と独立行政法人のその責任分担の範囲というのは、制度を見ておられて、特殊法人改革を実際推進しておられる立場から、どういう分担関係にあるのかということについて、簡単に教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(羽深成樹君) これはもう行政改革会議におられました松井委員の方がむしろお詳しいような気もいたしますけれども、制度の仕組みとして御説明させていただきますと、今、委員からもお話がありましたように、独立行政法人というのは、そういう公共上の見地から必要とされるものを企画と実施の分離ということで実施主体である独立行政法人に行わせるということでございますので、これは一般論として、なかなか具体的な、あとは個別に考えざるを得ないと思いますが、一般論としましては、その事業を適正かつ効率的に運営する、これについて法人が責任を有していると。一方で、国も、その公共上の見地から当該事業が確実に実施されるということについて責任を有していると。 その事務事業をきちんとやるのが法人の責任、それから国がそのように公共上の見地から事業が実施されていることをきちんと担保するというのが国の責任と、そういう関係と考えます。
○松井孝治君 ありがとうございます。そのとおりだと思います。 それで、細田大臣、個人情報の法案の審議の後、お疲れだと思いますが、一つだけ細田大臣に是非とも伺いたいことがありまして。 それは、動燃と原研が、平成十六年度中にこれ法案出ると思うんですけれども、独立行政法人になりますね。これ、原子力に関する研究開発というのは、渡海副大臣ももう昔からずっと見ておられるように、あるいは細田大臣もよく御存じのように、非常に長期でリスクの高い事業ですね。 この原子力について、例えば「ふげん」一つを取ってみても、今はもう運転停止をしている。だけれども、これを解体し、そしてその解体された施設をどういうふうに処分するのか、非常にリスクも高く、なおかつ費用も莫大に掛かる話であります。これ、「ふげん」にとどまらずに、原子力の研究開発というのは非常に巨額の費用も必要ですし、リスクも掛かる。 これ、独立行政法人が、今後は、その平成十六年度、法案が成立すれば、その新しい、名前はまだ決まっていないでしょうけれども、事業を行うということになるんでしょうけれども、こういうものについての国の責任と、今でいえば原研であるとかあるいは動燃であるとかそこが新しく独立行政法人になるんですが、独立行政法人の責任、これ必ずしもまだ整理されていないんじゃないか。国として、例えば、それこそ「ふげん」の解体処理、そういったものについてきちっと財政的な支援をするのかしないのか。これ原子力政策とは別に、今現実に行われている施設の本当に将来のリスク管理をどう行うのか、だれが最終的に責任を負うのか。 それは細田大臣あるいは渡海副大臣も併せてお答えをいただきたいんですけれども、独立行政法人は、新たに作られるものは取りあえずもちろん運営上の責任は負いますよ。ですから、独立行政法人が安全管理上おかしなことをやったら、それは独立行政法人の長の責任でしょう。だけれども、それについての最終的な、公共上の見地からの原子力開発政策のある種の後始末の部分も含めて、これは国が負うということは、今この場で明言していただけますでしょうか、細田大臣、それから渡海副大臣、両方にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細田博之君) たくさんの特殊法人あるいは研究所等が独立行政法人化既にしており、また今後するわけでございます。そういった中でも、いろんな、実は細かく言えば性格が分かれていると思うんですね。 例えば貿易保険機構というようなところは、全体としてお金は回っていくと。だから、より民間的な発想からこの経営自体もやっていって何ら差し支えがないと思われるそういう法人、性格の法人もあります。研究所にしましても、産業技術総合研究所のように、研究自体をしっかりやってもらえば、あとはそれに対する所要の予算措置を取ればいいというものもあります。 ただ、御指摘の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合されてできる独立行政法人には特別な問題がありまして、それは正に松井議員がおっしゃるように、国策を実現しながら様々な原子力研究の事業をやってきておって、その後それぞれの、「常陽」にしても「ふげん」にしてもそうでございますけれども、今後、安全にその事業の後始末をどういうふうにするのかということは国家的な課題であるわけでございます。 しかしながら、私どもは、まず独立行政法人の役割としてはどうかと言われれば、やはり国が定める中期目標に基づいて中期計画を定めて事業を実施して、国はその中期計画を認可するとともに法人の事業の評価等を行うという枠組みはそのとおり実施していかなければならないと思っているわけでございますが、原子力委員会が定める原子力に関する長期計画で述べられておりますように、それら放射性廃棄物等を発生させた者の責任において独立行政法人でなされることが基本であると思うわけでございますが、それに加えまして、この処理処分、放射性廃棄物の処理処分及び原子力施設の廃止措置の重要性にかんがみ、これらが適切に実施されますよう、所管官庁において原子力に関する長期計画に基づいてこれらの業務が確実に実施されるような、必要に応じた所要の財源措置等が行われることが是非とも必要である、その点は国の責任でもあると考えております。
○松井孝治君 渡海副大臣にお答えいただく前に、今のお話ですと、それは文部科学省の責任において財源を確保して、国として将来の安全上の責任を全うできるようにきちっとしろという御答弁だと解釈してよろしいですね。──いや、細田大臣。
○国務大臣(細田博之君) 必要があれば所要の財源措置等、私どもも、原子力安全委員会というのもございますし、原子力安全の立場からもよくアドバイスをさせていただきまして、文部科学省と一緒になって措置を講ずる必要があるものと私は考えております。
○松井孝治君 それでは渡海副大臣に、今の大臣の御答弁を踏まえて。
○副大臣(渡海紀三朗君) 細田大臣がお答えになりましたとおりでございますが、当然、独立行政法人ができますと、中期計画、中期目標、いろいろ作って、それを認可し、そしてそれをしっかりと実行していく上で責任を背負っていく所管官庁は文部科学省でございます、今の二法人につきましては。 これが現実に行われる上では、交付金という制度によってこれが賄われるという性格のものでございますから、必要なものはきっちりと、これは政府の責任という意味で、文部科学省は一省庁といえどもこれは政府の一部でございますから、しっかりと政府とそういった、原子力委員会は今内閣府でございますし、やりながら、打合せをしながら、しっかりと措置を講じていきたいというふうに考えておるところでございます。
○松井孝治君 是非、原子力委員会、今のような議論は本来原子力委員会で行うべき議論だと思うんですが、原子力委員会になりますと細田大臣の担当になると思います。 是非きっちり、少なくとも平成十六年度に新しい独立行政法人ができる前にその制度設計もする必要があるわけですから、そこの責任関係、政府としてだれが責任を負うのか、まかり間違っても、独立行政法人がこれやっていますから、独立行政法人において運営上の責任は取るんですということだけでは済まされないように、財源的な問題、それから最終的な政府としての責任問題も含めてきっちり御議論をいただきたいと思います。
○副大臣(渡海紀三朗君) 現在、この二法人の統合の問題については準備会を作りまして、私が座長をさせていただいておりますけれども、原子力委員会からもしかるべき提言をきっちりといただいております。 夏ごろをめどにしっかりとその答申をまとめたいと思っておりますので、委員御指摘の点につきましてもしっかりとテークノートさせていただいて、検討させていただきたいと思います。
○松井孝治君 ありがとうございました。夏ごろをめどにきちっと方針を取りまとめられるという御答弁でしたので、よろしくお願いします。 大臣、副大臣、そして関係者の方、もう結構です。御退席ください。
○委員長(中原爽君) どうぞ。
○松井孝治君 それでは、次に移らせていただきます。 規制改革について、石原大臣にお尋ねをしたいと思います。 この三月二十八日、つい先日決定された規制改革推進三か年計画、ございますね。その中に、保険者と医療機関の協力関係の構築という項目がございます。要するに、例えばトヨタという企業とトヨタ病院のようなところが直接契約を結んで若干割引をできるようなそういう仕組み、これについてはもう既に平成十四年度中に実施するということに決定していたと思うんですが、三月二十八日の文書を見ますと、実施済みとなっていないんですね。これ、石原大臣、何か理由があるんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 理由はよく分からないんですけれども、三月二十八日に閣議決定する際に、本件と、もう一件実は十四年度中に措置するということで話が付いている問題について、三十一日がございましたので、月曜日が一日ございましたので、未措置の事項については年度末までに必ずやってくださいと閣僚懇で関係大臣に申し述べさせていただきました。 そして、本日も統括官レベル、局長レベルですけれども、どうなっているんだということを確認しているんですが、申し訳ない、やりますという趣旨の回答をいただいておりますので、遺憾であると言わざるを得ないと思っております。
○松井孝治君 ちょっと特命大臣がどういうわけか分からないけれども実施されていないということだと困るんですが、これは、木村副大臣、今日御出席ですが、何か理由があるんですか。明らかにできるような理由はないんでしょうか。
○副大臣(木村義雄君) 今御指摘の保険者と医療機関との診療報酬に関します個別契約、いわゆる直接契約と言っている部分でございますけれども、につきましては、今お話しいただきましたように、規制改革推進三か年計画におきまして、フリーアクセスの確保に十分配慮した上で措置をすると、平成十四年中に措置をするということにされているわけでございます。閣議決定にもこのようにございますように、フリーアクセスというのは我が国の医療保険制度の基本原則でございまして、この基本原則を尊重しつつ、実施に当たってどのような措置を講じればよいのか、具体的な検討を今行っているところでございます。 御承知のように、米国なんかにおければ、これは民間医療保険が一般的でありますけれども、非常に受診抑制的な直接契約等が多々見受けられるわけでございまして、こういうように、我が国のようなやっぱり医療制度というのは、フリーアクセスが最大に国民の皆様からも信頼を受けている制度でございますので、こういうことを踏まえまして今後できるだけ速やかに実施できるように検討を進めてまいりたいと、このように思っているようなところでございます。
○松井孝治君 やっぱりよく分からないですね。 これ、別に三月の半ばぐらいに決まって二週間ぐらいでやれという話じゃなくて、その十分前にそういうことに配慮してやるというふうに、これは厚生労働省さんも合意をされて決定されたというふうに聞いているわけですが、それがその文章に書いてある条件が整わない。何が整わないのか。こういう個別、例えばトヨタ病院とトヨタの関係の個別契約をやったらどういうふうにフリーアクセスが阻害されるのか、私にはちっとも分からないんですが、今、石原大臣も理由はよく分からないというふうにおっしゃっていたんですが、これちょっと、規制改革に絡まれている鴻池大臣、この趣旨、何で遅れているかは国務大臣として御理解できますか、できないですか。それだけ簡単に教えていただきたい。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今初めて聞いたことですが、理解、全くできないことだと思いますね。私なりに一遍、何でやなということで調べてみたいと思います。
○松井孝治君 是非、国務大臣として御調査をいただければ有り難いと思います。 これ、細かいことを政府参考人に聞こうと思ったんですけれども、まあ時間もありませんし、ちょっと手続上のミスもありましたのでもう一々聞きませんけれども、私の理解では、法律上は国民健康保険法上の規定で、これは別途契約というのが保険者と医療機関ができるという規定があるんですね。 これ、どういうことでそういう通達が出たのか、恐らくいろんな社会的背景があるんでしょうけれども、国民健康保険法あるいは健康保険法上の別途契約はできるというふうに法律に書いてあるんですよ。書いてあるんですが、昭和三十二年にこれ厚生省保険局長通達というのが出ていまして、昭和三十二年五月十五日、保発第四十二号というものなんですが、これ見ますと、その局長の通達で、割引診療を行わせる機関の範囲を従来以上に拡大させることのないようにすることと書いてあるんですよ。法律上それはできるんです。できるけれども、局長通達でこれ以上割引診療をさせてはいかぬという局長通達が出ているんですよ。 こういうやり方、これもういろんなところで私、指摘していますし、いろんな委員会でこういう議論が出ていますが、こういうことで結局、なおかつ三か年計画で認めてもそれが前に進まない。それはフリーアクセスが阻害されるかもしれないと。これちょっと、やっぱり木村大臣、答弁は要りませんけれども、分かりにくいと思うんですよ、国民に対して。何が問題でやらないのか、どういう理由で、法律上そういうものは別段の定めで個別の契約というのはできるということになっているにもかかわらず、それを局長通達で何で止めているのか、何でこういうことになるのか。もう答弁要りません、時間がないので答弁は結構ですので。僕は、これはやっぱり明らかにもっとするべきだと思います。 ちょっと併せて、ほかの問題もありますので、質問まで含めて、別の質問をしたいと思いますが、石原大臣、伺いたいんですけれども、石原大臣は、今度めでたく鴻池大臣も特命担当大臣になられた、大変良かったと思いますが、石原大臣はもう既に最初から勧告権を持たれている特命大臣なんですよね。これ、少なくとも政府として決めたこと、決めたことを実施しない、その理由が国民に対して分かるんならともかくとして、やっぱり普通ちょっと分かりにくい。 こういうことについて、そろそろ勧告権を発動して、それで当然、厚生労働省は、できない理由があるからやらないんでしょうから、勧告権に対して、いやそれは従えないと、この議論をちゃんと国民に分かるように示すべきではないかと思うんですが、石原大臣、勧告権の発動についてもこれは検討されないんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 冒頭、分からないと申しまして、木村副大臣の話を聞いても分からないもので分かる説明をしていただきたいと、今日も統括官レベルではございますが話をさせていただきましたところ、申し訳ない、やりますというような御趣旨をいただいておりますので、それでもやらなかったらしっかりと行動させていただきたいと思っております。
○委員長(中原爽君) 木村副大臣の御発言は認めますか。
○松井孝治君 簡潔にお願いします。
○副大臣(木村義雄君) 割引契約の話が、できるという話がありまして、三十二年の法律の話が出ましたけれども、実はその以前は、保険を適用されるのが医師の個人とか薬剤師とかそういうのに限られていまして、医療機関は、特定な、特別な医療機関、例えば国立療養所だとか保健所だとか日赤だとか、そういうのに限られていたわけであります。 特にその中で、結核医療で一割引き二割引きという、結核医療をできるだけ多くの方に受けていただきたいので一割引き二割引きの割引制度を取っていたわけですね。その部分だけ割引制度を取っていました。 それで、今度これを全部、個人的な資格ではなくて医療機関全体に適用できるようにしたのが三十二年の改正なんですが、そのときにその割引をどうするんだと、結核の割引をどうするんだという中で、これがそのまま続けるように割引の部分を残したわけであります。だから、非常に割引の部分というのは元から限定的だったんです。元から限定的だったんです。 そこで、さっき先生がお読みになった局長の中での答弁でもありましたように、その部分は残したいと。しかしそれ以上に広げるものではないという答弁をさせていただいているわけでありまして、そもそも全部最初から直接契約を認めるような中身ではなかったということを御理解をいただきたいと、このように思うわけであります。
○松井孝治君 もうその議論をし出すと時間が掛かりますからやめますけれども、ただ、そうだとすれば、局長通達というのは結核医療に関するものであって、この局長通達を金科玉条にして割引診療を認めないという議論も成り立たないと私は思うわけでありますので、その点は指摘させていただいて、次に進みたいと思います。 株式会社の医療参入について、これ、自由診療の分野についてということで本部決定がなされています。これについて、この前私、別の委員会で鴻池大臣と木村副大臣に伺いましたが、結論だけ伺いたいんですが、これは自由診療の分野であって、その自由診療の分野というのは高度先進医療に限るという決定はなされていないというふうに私は理解しているんですが、それで、政府としてその見解でよろしいですか、鴻池大臣、一言。
○国務大臣(鴻池祥肇君) そのとおりであります。
○松井孝治君 じゃ、木村副大臣、今、政府としての方針ということで鴻池大臣が明確に御答弁ありましたが、それでよろしいんですね。決定したことだけ教えてください。
○副大臣(木村義雄君) これは、公的医療保険とは関係ない自由診療の分野で、かつ高度先端医療の分野等を前提として特区における株式会社の医療を参入することを認めることとされたところでございまして、この株式会社の参入については、今のような様々な御意見がありますことから、推進本部で決定された六月中の成案作成に向けてこれから慎重に検討を進めてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
○松井孝治君 これ大事なところなので聞いておきたいんですけれども、今、高度先進医療分野を前提としてとおっしゃいました。私、本部決定の文章を見ましたけれども、そういう文言はありませんでした。前提として決定したんですというふうにおっしゃいましたけれども、これはどっちなんですか。前提としてという文章は本部の決定を見てもないんですが、鴻池大臣、それは前提としてということは決定文の中にないですが、それは別に条件ではないと考えていいんですね。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先ほど来、私が申し上げているとおりでありまして、なお申し上げれば、その話題になると思ってこの紙を持ってきました。今、松井委員がおっしゃったとおりでありますし、その折、私が座長というか司会役をしておりましたけれども、この構造改革推進本部において、総理からはこの文章どおりであるという御発言もあったということだけ付け加えて申し上げておきたいと思います。
○松井孝治君 責任を持っておられる、その本部を、議長役を、進行役も含めて全部しておられる大臣の答弁ですから、その本部の決定は、今、大臣の御答弁のとおりだと私は理解をさせていただきます。 したがって、高度先進医療を前提としてということは、政府決定としてはなされていないというふうに確認をさせていただいて、それはありがとうございました。 今日、本当はもう少しいろんな分野の質問をしたかったんですが、ちょっと時間が中途半端になりましたので、むしろ今後の推進体制を是非石原大臣に御質問をさせていただきたいと思うんですが、先ほどは割引診療の部分、この三か年計画の改定版の三月二十八日の閣議決定分について、これ以上合理的な説明なく実施しない場合には勧告権の発動も辞さないとおっしゃいました。これ、どれぐらいまでぎりぎりその事務的な調整を待たれるんですか。
○国務大臣(石原伸晃君) これは何か理由があるわけなんですね。理由があるから約束したことが、約束しますよ、やりますよ、申し訳ないということになっているわけですから、それが何なのかが幾ら話を聞いても私の理解では理解できないんです。だから、それをまず理解しないと、何だ、そんな理由かと分かったら、約束したんだからすぐやってくれと言いますし、その辺が何度話を聞いても分からない。 もう約束の期限が過ぎていて、しかも約束の期限が来る前の金曜日に、予感したわけじゃなくて、二項目残っていましたので、その二項目の担当大臣には頼みますよとまで閣僚懇で発言をわざわざしているんですけれども、よく分からないと。ですから、これは早急に、よく分かって、期限を区切って決断をさせていただきたい。
○松井孝治君 私ですね、半分笑いたくなるんですけれども、やっぱり笑えなくて、これは日本という国の意思決定が、理由なく分からない、例えば特命担当大臣も分からない、だから分からないからそれ以上前に進めない、こういう状況というのはやっぱり本当に問題だと思うんですよ。ですから、一日も早くその期限を切っていただきたい。 それから、また別の機会にこの議論は続けさせていただきたいと思いますけれども、やっぱり特区の世界で話が相当進んでいますよね。それは特区がきっかけになって全国的な規制改革も前に進んでいる。それはやっぱり期限を切ってその期限の範囲内できちっと物事を決定していこうということを約束して、政府全体として取り組んでおられるからだと思うんですよ。やっぱりこれを期限を切って、それが理由が不明の状態で決定したことが実行されないと、これだと本当に前に規制改革というのは進まないと思います。 また次回、別の機会で是非議論をさせていただきたいと思いますけれども、この規制改革の推進体制について、是非、石原特命大臣そして鴻池特命大臣、もう今特命大臣になられましたが、規制改革の推進という意味ではお二人の大臣が連携をしていただいて、事務局の活用とか、あるいはいろんな手法をお互いやってみて、うまくいった手法うまくいかなかった手法いろいろあるでしょうから、是非前向きに御議論を続けていただきたい、その旨、最後に要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。最後の質問ですので、ひとつよろしくお願いいたします。 まず最初に、厚生労働省にお伺いします。 政府は平成十三年度に失業率が五%という最悪の雇用情勢の中で、二次にわたる補正予算を組みました。第一次補正では、雇用と中小企業面におけるセーフティーネットの整備に重点を置いて公的部門で数十万人の雇用を生み出したいとして、新たに緊急地域雇用創出特別交付金を盛り込んでいます。この種の雇用対策は、平成十一年度から実施されている緊急雇用対策特別事業を引き継ぐ事業として実施されました。 そこで、それぞれの緊急雇用特別事業についての国の予算額と沖縄県及び同県内市町村への交付金の総額を教えてください。
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。 先生御指摘の緊急地域の関係の交付金事業でございます。 平成十一年度の補正予算で最初に設けられた事業がございます。これは事業規模二千億円でございます。これによりまして、十一年度から十三年度まで三年度にわたりまして、三十一万二千三百四十人の新規の雇用が創出されております。 それから、これを受けまして、平成十三年度の第一次の補正予算によりまして、また更に三千五百億円の緊急地域雇用創出特別交付金事業を実施しております。これは平成十六年度末までの事業ということで現在まで実施しておりまして、平成十三年度におきましては、三か月の分でありますけれども、約二万三千人の新規雇用、平成十四年度におきましては約十四万人の新規雇用の創出を見込んでいるところでございます。 なお、この事業につきましては、昨年十二月二十日に一定の運用改善を行う、あるいは十四年度補正予算によりまして八百億円の追加を行うということでございますので、現在、四千三百億円に事業規模を膨らませて事業を行っております。その際、小規模企業への事業委託を積極的に推進するということでございまして、小規模企業への委託の特例というのを新たに設けたところでございます。 以上でございます。
○大田昌秀君 これらの緊急雇用事業は、都道府県や市町村が企画立案し、国からの交付金を基金として実施するというものですが、前者の緊急雇用対策特別事業の場合は、新規雇用は六か月未満の期間雇用に限定し、雇用期間の更新は行わないとなっています。また、後者の緊急地域雇用創出特別事業の方も、公的部門における緊急かつ臨時的な雇用を図るため、民間企業等に委託又は直接雇用するものというふうになっています。つまり、臨時雇用とか民間委託とかの条件付であります。 沖縄県雇用対策課によりますと、この前者、すなわち緊急雇用対策特別事業による同県及び県内市町村の平成十一年から平成十三年までの雇用実績は二千七百七十五人、研修実績は七千七百四十五人となっています。また、平成十三年から平成十六年までの後者、すなわち緊急地域雇用創出特別事業による新規雇用の見込みは七千五十一人となっています。しかし、いずれも一時的な失業対策事業でしかなく、果たして言葉の真の意味で雇用拡大に結び付くのか疑問に感じざるを得ません。 ですから、期間限定とか民間委託とかの条件付は自治体にとりましていろいろ問題含みだと思いますが、そのような在り方について厚生労働省はいかにお考えですか。
○政府参考人(三沢孝君) 今、先生御指摘のように、本事業につきましては臨時的、短期的な事業だということ等の制約の中で行っておるわけでございます。 そういう点につきまして、地方公共団体の実際に事業をやっている方々からいろいろな御意見がございました。そういうことも踏まえまして、私どもとしては昨年の十二月に、原則六か月なんでありますけれども、その更新を一回認めるということで、一年間ということになるわけでございますけれども、そういう一年間認められる事業を追加するとか、あるいは一度この事業に従事するとかされた方は再び事業の実施、事業に従事できないんですけれども、六か月の範囲内であれば複数回の受講を可能とするというふうないろいろな措置を講じております。 いずれにしても、私ども、この事業によってその方が安定した雇用につながると、これは非常に重要だと思っておりますので、私どもとしては地方公共団体の方々にそのような事業の企画運営を努めるよういろいろ促しているところでございます。 以上でございます。
○大田昌秀君 沖縄県の基地対策室が平成十年に基地返還による雇用と経済効果についての調査結果をまとめています。その中から二つのケースを取り上げてみます。 まず一つは、沖縄本島中部のみどり町の例です。そこは以前は天願通信所という米軍の基地でした。その当時の雇用はわずか四人で、雇用者所得は年間約五百二十一万七千円でした。それが昭和五十八年に返還されて民間による跡地利用が進み、平成十年度現在では、雇用者の数は二千七百八十九人に増え、雇用者所得も九十九億三千四百万円に増大しています。 いま一つは、同じく沖縄本島中部の北谷町のハンビータウンの例です。そこは以前は米軍のヘリコプターの基地で、百人を雇用しておりました。そして、年間の雇用者所得は二億八千九百万円でした。それが昭和五十六年に返還され民間に利用されるようになると、平成十一年度現在、被雇用者数は九千六百五十七人に増え、いきなり雇用者所得も三百四十三億九千五百十八万と大幅に増えています。 ちなみに、現在問題になっております普天間飛行場の例を申しますと、普天間飛行場はハンビータウンの十一倍の大きさありますけれども、雇用はわずか百七十四人です。十一分の一のハンビータウンが九千名余り雇用しておりますが、その十一倍の大きさの普天間飛行場はわずかに百七十四人しか雇用しておりません。 このように、基地を返させて民間に利用させるということになりますと、県の計算では十倍の雇用、平均して十倍の雇用が確保されるというふうに言われておりますが、この点につきまして厚生労働省はどのように認識されておりますか。
○政府参考人(三沢孝君) 基地返還に伴う雇用増のお尋ねだと思いますけれども、この基地返還、今いろいろ当事者間で交渉がなされているというふうにお聞きしておりますけれども、いずれにしましても、私どもとしては、基地の返還に伴ういろいろな問題が生じ得ると、基地の離職者、基地の従業員の問題もございます。そういうこともありますので、いろいろな今後の状況を慎重に見守っていきたいと、こう思っております。
○大田昌秀君 通告はしておりませんが、せっかく細田長官がおいででございますので、関連してお伺いしたいと思います。 沖縄が復帰して三十年余りたちました。しかし、この間、沖縄の失業率というのは全国平均の二倍という深刻な状態がずっと続いてきております。私の考えでは、沖縄の面積というのは本土の〇・六%しかありません。そこに米軍基地の専用施設が七五%ありますから利活用することがほとんどできないわけなんですね。沖縄の深刻な雇用問題を解決するためには、今申し上げましたように、基地を返させるということなしにはこの深刻な問題は解決できないと思いますが、大臣はどのように認識されておりますか。
○国務大臣(細田博之君) 確かに全国平均値に比べますと、まあ二倍というところまでは行きませんが、例えば、平成十四年の平均では全国の五・四%の失業率に対して、去る二月の統計では七・三%と二%ほど高い失業率を示しておるわけでございまして、これについては、やはりIT関連産業、若い人には非常に向く産業がたくさんございますし、その他の再就職のための措置を通じまして若い人への就職の先を増やすように今懸命に政府も県を応援して講じているところでございます。 基地の問題等ももちろんいろいろ影響しておりますが、やはり今どきの若い方に向いたような仕事を、たくさん投資も増やし職場を増やすということが非常に大きな要素であろうと思っております。
○大田昌秀君 平成十三年九月十一日の米国の同時多発テロ事件後、九州管区を中心とした機動隊約四百人が沖縄に派遣されるなど、在沖縄米軍基地に対する警備が強化されたのが一つのきっかけになり、沖縄への修学旅行等のキャンセルが相次ぎました。 このときの修学旅行及び団体客のキャンセル件数と人数は、沖縄県リゾート局の集計によりますと、平成十四年三月十四日時点の累計で二千百三十件、人員にして二十四万九千六百六十二人に及んでいます。このように、平成十三年九月以降、県内観光産業界の業績は急速に悪化し、ホテル、運送業者だけでなく、建設を除くすべての業種に広範な悪影響を及ぼしました。その結果、主要ホテルの稼働率は一・八%減、売上げも三・五%減少しました。 ところが今回も、イラク戦争を背景として団体客のキャンセルが相次いでいます。沖縄県によりますと、この間、旅行をキャンセルした学校、一般団体客の数は、去る二月二十五日から四月四日までの累計で百三十八件、入客数一万五千四百九十三人の減となっています。キャンセルの理由は、同リゾート局の説明では、現在の国際情勢による旅行の不安ということであります。 ちなみに、地元紙の報道によりますと、本年一月から十二月にかけての沖縄への修学旅行の予約は一千七百七十校、人数にして約三十三万六千人と見積もられています。しかし、イラク戦争のあおりでキャンセルが続きますと、沖縄の観光産業は再び大きなダメージを受けることになりかねません。 そこで、細田大臣にお尋ねします。テロ事件後と今回のイラク戦争に伴う沖縄の観光産業への影響に対して政府はどのように対策を取ってこられたのか、御説明お願いいたします。 それから、関連いたしまして福田官房長官にもお伺いいたします。アメリカのイラク戦争を支持する政府は、沖縄の観光産業へのダメージに対しては補償する責任があると思われますが、その点について官房長官はどのようにお考えですか、お聞かせください。
○国務大臣(細田博之君) いわゆる九・一一テロの影響のときには、半年間で、おっしゃいましたように実に二十五万人もの観光客、修学旅行も含めましてキャンセルが行われまして、沖縄の観光業界にも非常に大きな損失、影響が出たわけでございます。また、秋には非常に修学旅行が集中するということも大きな要素の一つでありました。このたびは、現在のところは二万人ほどのキャンセルが出ております。 しかしながら、これは最近になって、イラク戦争の状況等もありまして、かつ、沖縄県からきめ細かく各都道府県教育委員会その他に、あるいは旅行会社に対しまして強い要請を出しております関係もあって、キャンセルは沈静化をしつつあるというふうに判断しております。 せっかく若い人たちが沖縄県を訪問しまして、戦争のこと、基地のこと、あるいは観光も含めまして歴史も勉強する機会を失うということは、実に、安全な状況であるにもかかわらず誤解等によってこういうことが生ずることは非常に遺憾でございますので、前回も、心ない都県で教育委員会等が通達を出す、安全を考えると行かない方がいいというような趣旨の通達を出すというような誤解もあって、非常に大きな影響を受けたわけでございますが、現在、県と一緒になりまして政府としても、観光強化キャンペーンを行ったり関係の部署に要請を出したりということを懸命にやっておるところでございまして、今後とも引き続き続けてまいりたいと思っております。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま細田大臣からもお答えいたしましたけれども、確かにこういう事件がありますと、そうすると沖縄への旅行客、特に修学旅行のキャンセルとかそういったようなことが起こるという、これは事実でございます。そういうことに対しては非常に憂慮しているところでございます。 ただ、今回のことは、前回の九・一一に比べますとその規模はかなり小さいように思われます。ですから、だからといっていいというわけではございませんで、政府としても、沖縄県と緊密に連絡を取りながら対応には努めておるところでございます。また、今年一月からは体験滞在型観光に焦点を当てた観光強化キャンペーンなどを実施しているということもございます。 今、細田大臣からお答えしたとおり、政府から各都道府県知事等に通知をいたしました。そして、沖縄では旅行に支障を来すような状況は何ら生じていないということを御理解をいただくということがまずは必要だというように考えております。今後とも、沖縄県とも十分連携、協力しながら、情勢の変化に的確に、また機動的に対応していく方針でございます。 直接的な補償とかそういうことについては、今、政府として考えているわけではございません。なかなか難しい問題もありますので、それはただいま申し上げましたようなことで、このキャンセルを、復活に向けた働き掛けをしてまいりたいと、このように思っているところでございます。
○大田昌秀君 去る三月十九日付けの沖縄地元紙によりますと、米軍嘉手納基地報道部は、三月十八日、同基地の第十八航空団からF15戦闘部隊とともに最大八百人規模の兵員が中東地域に派遣されていることを明らかにしたとのことであります。また、横須賀を母港とする空母キティーホークは、二月初め、米国防総省の中東への出動命令を受けて横須賀港を出港し、現在、ペルシャ湾でイラク攻撃の軍事行動を展開していると報じられています。 このような米軍の行動は日米安保条約第六条に基づくいわゆる事前協議制の協議の対象になると思われますが、政府の明確なお考えをお聞かせください。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘の新聞報道、これは承知しております。米側から事前協議の申入れが今回あったという事実はございませんけれども、日米安保条約及びその関連取決めに関してあえて一般論を申し上げれば、事前協議の主体となる日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用に言う戦闘作戦行動とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すものでございまして、米軍の運用上の都合により米軍の部隊等を我が国から他の地域に移動させることは事前協議の対象となるものではないと、こういうことでございます。 そういうような解釈の仕方は従来から一貫して申し上げているところでございます。今回も正にそういうことで、その米軍の運用の一つ一つについてその詳細を申し上げるという、そういう立場にはないということでございます。
○大田昌秀君 終わります。 ありがとうございました。
○委員長(中原爽君) 他に御発言もないようですから、皇室費、内閣、内閣府本府、金融庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四分散会