経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/04/16
会議録
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会、環境委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたしますので、よろしくお願いをいたします。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料のとおりでございますから、御了承のほどをお願いをいたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○大島慶久君 自民党の大島慶久でございます。順次質問をさせていただきたいと存じます。 まず最初は、化学物質対策と化審法についてでございますけれども、私どもの身の回りには化学物質が様々使われておりますし、また新たな化学物質の開発によりまして、生活は便利になり、そして豊かになってきているのは事実でございます。しかしながら、そのような有用な化学物質の中には、人の健康や動植物に有害な影響を及ぼすおそれがあるものも少なくございません。 例えば、夢の化学物質と言われましたPCBや有効な殺虫剤でございましたDDTは、環境に残留して生物体内にも蓄積されやすく、毒性もあることが明らかになっております。我が国では、その製造、使用が禁止されるようになりました。溶剤や洗浄剤として多量に使われておりましたトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンは、発がん性が疑われ地下水汚染が明らかになっていることから、その使用や排出が規制されるようになりました。また、最近では、いわゆる負の遺産の解消を目指してPCBの処理や有害物質による土壌汚染対策も求められている状況になっております。 このような様々な化学物質対策を進める必要があるわけでございますが、特に未然防止の観点から、新しく開発される化学物質について、製造、輸入される前にその安全性を審査をし、環境汚染による人への健康や環境への被害が起きないように適切に管理、規制することが重要であると思います。そのための法律が、本日審議をいたします化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法でございます。私たちの健康や環境を守る上で非常に重要な法律であるわけでございます。 そこで、お伺いをするわけでございますけれども、化審法のこれまでの運用実績はいかになっておるのか、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) お答えいたします。 この化審法は、昭和四十八年にPCBによる環境汚染問題、相当の多くの方がこれで病気になったわけでございますが、これを契機といたしまして制定をされました。また、昭和六十一年には、トリクロロエチレンなどによる地下水汚染問題を契機として、内容を強化して現在に至っております。具体的には、化学物質が環境汚染を通じて人の健康被害を生ずることがないように、新規化学物質の有害性を事前に審査するとともに、その結果を踏まえまして化学物質の有害性の程度に応じた製造、輸入などの規制を行っております。 これまで新規化学物質の審査につきましては年間約三百件の届出がございまして、法律の施行時からこれまでの累計としては約八千件でございます。これについて審査をしてきておるところでございます。
○大島慶久君 次に、化学物質の生態系への影響の防止についてお尋ねをいたします。 化審法では、これまで人の健康を損なうおそれがある化学物質を規制してまいりました。化学物質の影響は、我々の健康への影響に限らず、環境中の動植物や生態系への影響も懸念されるところでございます。例えば、PCBやDDTが極地のアザラシやシロクマに蓄積されているとか、世界各地で船の塗料に用いられております有機すず化合物の影響で貝が死んでいるということもお聞きをいたしております。 そこで、化学物質の動植物や生態系への影響を防止するための国際的な取組があるはずでございますが、そのことと諸外国における対応はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) 国際的には、人の健康影響と並びまして、動植物、生態系への影響にも着目しまして化学物質の審査や規制を行うことが主流となっております。例えば、国際条約では、残留性有機汚染物質に関する条約、いわゆるPOPs条約と呼んでおりますけれども、その中でPCB、DDTのような難分解性かつ高蓄積性で環境に対する有害性を有する物質につきまして、製造の原則禁止などを義務付けております。また、二千一年の船舶の有害な汚染防止の規制に関する国際条約でも、海洋環境保護の観点から、有機すず化合物の船舶への塗装の禁止などを義務付けておるところでございます。 そして、化審、化学物質審査につきましては、諸外国、例えばEU、ヨーロッパでは、事業者に対しまして動植物の毒性データ、これは魚、ミジンコ、藻類の急性毒性試験でございますけれども、その提出を求めておりまして、一定の毒性を示す化学物質につきましては毒性レベルの分類ごとに表示の義務付けなどを行っております。また、あるレベル以上の毒性を有します場合には、リスク評価を行いまして、その結果に応じて製造、輸入、使用などに関する規制措置を講じております。 また、アメリカにおきましては、事業者が届出時点で持っております試験データの提出を求めた上で、人の健康あるいは動植物への毒性、さらに環境中への排出などについて推定いたしまして、推定検討いたしまして、提出された試験データと合わせた上でリスク評価を行っております。そして、リスク評価の結果、必要があれば追加データ、追加の試験データを事業者に求めるほか、また具体的に問題があれば、製造、輸入、使用などに関する様々な規制措置を講ずる仕組みになっております。
○大島慶久君 次に、環境中の動植物への影響に着目した審査、規制の取組についてお尋ねをいたします。 諸外国では、既に化学物質の動植物やあるいは生態系への影響に着目した審査、規制を行ってきている中で、我が国の化審法では、これまで人の健康保護の観点のみから審査、規制が行われてきておりますが、諸外国に比べて取組が後れているんじゃないか、こんな気がいたします。 これまで動植物に対して毒性がある化学物質に関する審査、規制が行われてこなかったその理由をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 我が国の化学物質対策は、専ら人の健康被害の防止を念頭に置いて進められてきております。そして、その中の一つでございます化審法につきましても、PCBによる人の健康被害ということを契機といたしまして制定されたという経緯がございます。また、これ、環境行政全般でございますけれども、化学物質による動植物への悪影響につきましては、その評価が難しかったことから、なかなか知見が集積されてこなかったということもございます。 こうした中で、今般の改正におきまして、一つには、これまでの調査研究によりまして化学物質による動植物への悪影響につきましても知見が相当たまってまいりました。また、国際的にも、環境中への動植物への被害防止を図るということが大きな流れとなっております。さらに、国内的には、環境基本法制定以降、その重要性に対する認識が高まってまいりました。そういったことから、環境基準の設定など、他の制度的な取組とも併せまして、今回の改正をもちまして現時点で可能な対応を図りたいと考えておる次第でございます。
○大島慶久君 次に、動植物への影響に着目した審査規制制度にかかわる法改正の内容について少しお尋ねをいたします。 今般、化学物質の動植物への影響に着目した審査規制制度を導入するために化審法の改正が提案をされておりますのは、中央省庁再編で環境省がこの法律を共管することになったことの一つの成果だというふうに私は思っているわけでございますけれども、化学物質の生態系への影響というのはなかなか目に見えてきません。だからこそ、未然防止の観点から事前審査を行い適切に対応することが必要だと思うわけでございます。 今般の改正で導入される動植物への影響に着目した審査規制制度として、どのような生物への影響を試験、審査し、どのような規制が行われるのか、その概要をお聞きをいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) 今回の改正におきましては、人の健康と併せまして動植物の生育、生息に支障を及ぼすおそれのある化学物質による環境の汚染を防止するために、新規化学物質の性状を事前に審査するとともに、必要な規制措置を講じたいというものでございます。 具体的には、難分解性、分解しづらく環境に残りやすいという化学物質でありまして、そしてそれについて藻類、これは藻でございます、藻類、ミジンコ類、魚類への急性毒性試験によりまして動植物全般への毒性があると判定されたものにつきましては、第三種監視化学物質という名前を付けておりますけれども、そういう物質として製造・輸入事業者に対しまして製造あるいは輸入の実績数量の届出を求める、また必要に応じ指導、助言を行うなどの監視措置を講ずることといたしております。 また、生活環境に関係のある動植物に対する長期毒性が確認され、その環境残留の程度から見ましてこうした動植物に被害を生ずるおそれがあると認められたものにつきましては、第二種特定化学物質ということでより厳しい規制、取扱いに係る技術上の指針を策定、そして必要に応じ製造、輸入の予定数量を制限するということもできるというような措置を導入したいと考えております。 また、これに加えまして、難分解、分解しづらい、また高蓄積性でどんどん蓄積していくと、体内に蓄積するというものでございまして、かつ鳥類、哺乳類といいました食物連鎖の上位にございますこういった生物への長期毒性があると判定された化学物質につきましては、第一種特定化学物質として製造、輸入や使用を事実上禁止したいと考えております。
○大島慶久君 通告をちょっとしておりません。細かい問題ですが、もしお分かりになれば。 今のお話にありました特定化学物質、第一種、第二種、第三種、数量的にはどのぐらいの数があるかお分かりですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 第一種特定化学物質、これは原則禁止でございますが、これは十三の物質が指定されております。それから、第二種特定化学物質としまして、予定数量の制限等を行える対象でございますけれども、これにつきましては二十三の物質が指定されております。さらに、今回で申しますと監視物質でございますが、これにつきましては六百七十六の物質が指定されております。
○大島慶久君 ありがとうございました。 次に、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモン対策についてお尋ねをいたします。 近年、環境中の化学物質が体内で分泌されるホルモンと同じような作用をもたらすことで人や野生生物に様々な影響を及ぼしているのではないかと、こういう懸念があるわけでございますが、例えば、人の精子が減ってしまっているとか魚の精巣の中に卵ができているとか、いろんな影響の可能性があることが報道されております。どうも科学的にはまだまだ判明されていないことが多いようでございますけれども、科学的な解明を進め、そして国民の不安を早く解消していただきたいと、こう思うわけでございます。 従来は、病気というのは医者は薬と手術で治療ができたわけでございますが、今では、医師は環境や化学物質のことまで考えなければならない、こういう時代になってきております。そして、臨床環境医学、こういったことの重要性が認識をされているというのも正にそういう意味であろうと私は思うわけでございます。 そこで、環境ホルモンに関する環境省の取組がどうなっているのか、また審議されるこの化審法の中ではどのように取り扱われているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) いわゆる環境ホルモンにつきましては、世代を超えた影響をもたらすということで、そういう指摘がございます。したがって、極めて重要な問題だというふうに認識をいたしております。しかし、科学的には未解明な点が多うございます。 現在、国際的には、OECDなどによりまして試験法の確立を始めとする共同作業が進められております。我が国もOECDの作業には大きな一翼を担っておりまして、経産省、厚労省、環境省、各々分担いたしましてその作業を進めておるところでございます。 その早急な解明というものが環境保全上非常に重要な課題だというふうに認識をしておりまして、関係省庁が連絡をいたしまして、連携をいたしまして、内分泌攪乱の環境ホルモンのメカニズムの解明、さらにスクリーニング試験手法の開発、そして環境ホルモン作用が疑われる化学物質の有害性評価、さらに実際に環境中のモニタリングというものを行い、その上でリスク評価の在り方の具体的な検討を進めておるところでございます。 また、環境省におきましては、九八年に環境ホルモン戦略計画という計画を作りまして、それに基づいて調査研究を進めておりますし、この問題、国際協力が重要でございます。毎年、平成十年から世界最大規模の環境ホルモン国際シンポジウムを開催しておりまして、今年は十二月に仙台で開く予定でございます。そのほか、日英あるいは日韓の二国間協力による調査研究も進めておるところでございます。こうした取組によりまして、科学的知見の蓄積等、国際的貢献を進めるとともに、進めていきたいと考えております。 また、この化審法における扱いでございますけれども、現時点は残念ながら科学的知見の集積に努めているところでございまして、この段階で化審法において環境ホルモン作用に着目した規制というものまで行うことは困難だというふうに考えておりますけれども、引き続き具体的な取組の中で因果関係の解明あるいは標準的な試験方法の確立を、状況を踏まえながら検討していきたいということでございます。 特に、OECDテストガイドラインというものが国際的にも非常に重要視されておりまして、それが早く確立できるように関係省が協力して、単に国際的な決定を待つんじゃなくて、どんどん日本から発信をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○大島慶久君 次に、環境中への放出可能性に着目した事前審査制度の導入についてお尋ねをいたしたいと思います。 今回の法改正では、環境中の動植物への影響に着目した審査規制制度の導入以外に幾つかの改正がなされております。おおむね規制強化の方向であると思いますけれども、その中で、環境に出にくい用途で使用されている物質や生産量が少ない物質を対象とした環境中への放出可能性に着目した事前審査制度の導入については、制度の効率化という観点では必要だと思いますけれども、適切に運用しないと環境汚染につながるおそれがあると思うわけでございます。 そこで、環境中への放出可能性に着目した事前審査制度の導入により環境汚染や人の健康等への被害が生じることはないのか、その防止のためにどのような対応を取られようとしているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) 我が国におけます化学物質の審査規制制度につきましては、欧米と同様に環境中への放出可能性も考慮したより合理的な対応を行うべきだという御指摘も国内外から求められておったところでございます。こうした状況を踏まえまして、将来においても人の健康や環境中の動植物への被害の発生につながることのないように専門家の意見も伺いながら慎重に検討を行いましたが、その結果としまして、一定の条件を満たす場合には化学物質の環境中への放出可能性を考慮した措置を講ずることが可能だという判断に至っております。 具体的には、新規化学物質の製造・輸入業者から特に申請がございました場合におきまして、製造・輸入数量や取扱い方法などから見まして、環境汚染や人の健康被害などを生ずるおそれがない旨を国がその物質ごとに確認した場合に限る、またこういった事前のチェック以外にも、事後におきましても引き続き立入検査あるいは報告聴取等の監視を行うといったことにいたしております。 こうした厳しい事前事後の要件を課すことなどによりまして、人の健康や環境中の動植物への被害を生ずることはないというように考えておりまして、私どもといたしましても、その制度の運用に当たりましては、事前の確認、事後の監視に万全を期してまいりたいと考えております。
○大島慶久君 それでは次に、既存化学物質の安全性の点検についてお尋ねをいたします。 世の中には、化学物質は、新たに開発される化学物質だけではなく、昔から使われているいわゆる既存化学物質が二万種類もあるというふうにお聞きをいたしておりますけれども、これらの安全性の点検を国で進めるよう、化審法の制定時、国会で求めたわけでございますけれども、国際的には事業者による自主的な点検も行われているというふうにお聞きをしております。事業者にも一定の責任を担っていただく必要があると思いますが、またこれからは動植物への影響についても点検していく必要があると思います。 そこで、既存化学物質の安全性の点検、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) 既存化学物質は二万でございますけれども、この安全性の点検というのは非常に重要な課題だと認識をいたしております。国におきましては、昭和四十八年の化審法成立時の国会の附帯決議を踏まえまして、化学物質審査規制法に係る安全性確認のための点検を行ってきたところでございます。また、国際的にも、OECDにおきまして国際的な協調の下で評価の優先順位が高いと考えられる高生産性の化学物質に関する有害性評価の取組が進められておりまして、我が国もこれに参加しておるところでございます。 既存化学物質の安全性点検につきましては、こうした従来からの取組を着実に進めるとともに、これを加速することが重要でございます。そのため、今回の法改正におきまして、化審法に係る既存化学物質の点検にも活用できるよう、事業者が自ら有害性情報を取得した場合の報告制度を導入いたしております。また、この制度の以外にも、この制度の活用以外にも、関係省が一体となりまして、事業者と十分な連携を図りながら既存化学物質の安全性点検をより計画的に進めていきたいと考えております。 さらに、動植物に対する毒性につきましては、環境省におきまして平成七年から水生生物についての生態毒性試験を行ってきております。 今回の法改正を契機といたしまして、今後は化審法に係る既存化学物質点検の一環として、より一層充実を図り、また化学構造式などから生態毒性を予測する手法の検討も進めまして、点検の効率化、加速化を図ってまいりたいと考えております。
○大島慶久君 次に、化学物質の動植物への影響に関する試験研究の実施について少しお尋ねをいたします。 我が国では、これまで、魚だとかあるいはミジンコなどへの影響を試験したり研究したりする施設が極めて少なかったのではないか。今般の審査規制制度の導入に当たりましては、きちんと試験を行える施設の整備が必要であると、こう思います。 また、このような試験研究については、国立環境研究所がリーダーシップを取って進めていくべきだと思うわけでございますけれども、化学物質の動植物への影響を試験する施設はどのように整備をされておられるのか、また国立環境研究所の役割はいかがなものか、お伺いをいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) 生態系の毒性試験データ、この信頼性確保のためには、OECDが定めております優良試験所基準というものがございまして、これに準拠した化学物質審査規制法の優良試験所の基準を整備いたしまして、これを満たすと認定された試験研究機関において試験を実施することが必要でございます。私どもといたしましては、適正な試験が実施されますよう、この優良試験場の認定などを通じまして、試験研究機関に必要な助言などを行ってまいります。また、研修などを実施いたしまして、この優良試験場の認定促進も図っていきたいと考えております。 お尋ねございました国立環境研究所でございますが、この研究所内には化学物質環境リスク研究センターというのがございまして、ここが生態系についての中心的な試験研究機関になるものと考えております。ここにおきまして、毒性、生態毒性試験に関する知見の集積、あるいは国内の各種試験研究機関の指導等の業務が行われますように環境省としても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○大島慶久君 いわゆる施設整備ということもこういう研究には欠かせない要素でございますから、御努力をいただきたいとお願いをしておきたいと思います。 それでは、最後になりますけれども、今日は化審法の改正を中心に環境省の化学物質対策についていろいろ伺ってまいりましたけれども、今回の改正に当たりまして、特に化審法改正による今後の化学物質対策の強化について、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 冒頭に大島先生がお話しになられましたとおり、化学物質というのは、これは国民生活に欠くことのできないものでありまして、言わば国民生活を支えている物質の一つであると思っております。 しかし、一方におきまして、化学物質において人への環境、人への健康被害でありますとかあるいは生態系に対する影響、こういうものも懸念をされるわけでありまして、これに対する対応をしっかりやるということが環境行政上も極めて大切なことであると、そのように認識をしております。 今回、法改正でお願いをしておりますものの中には、動植物に対します影響に着目をした化学物質の審査、規制、こういうものを新たに導入をしようというものでありまして、私はこれは大変重要なことであると、こういうふうに思っております。 今回の法改正を契機にいたしまして、こうした化学物質によりますところの環境影響というものが、悪い影響というものが起こらないようにしっかり取り組んでいくことが大事であると、これからそういう決意を持って取り組んでまいりたいと考えております。
○大島慶久君 御答弁ありがとうございました。 残りの時間、持ち時間は、我が党の近藤委員にお譲りをいたしまして、私の質問を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○近藤剛君 自由民主党の近藤剛でございます。よろしくお願いをいたします。 引き続き、化審法改正案につき質問をさせていただきますが、今日は平沼大臣並びに鈴木大臣が御列席でいらっしゃいます。せっかくのめったにない機会でもございますので、本題に入ります前に、気候変動に関する国際連合枠組み条約の京都議定書につきまして、両大臣に三点ほど確認をさせていただきたいと存じます。 まず、京都議定書発効の見通しについてでございます。 御高承のとおり、我が国は昨年京都議定書を批准をいたしておりますが、ロシアの批准が後れているということもございまして、いまだその発効要件を満たすに至っていないわけであります。世界で二酸化炭素の一七%以上の排出量を有するロシアの動向が注目されるわけでございますが、当面、京都議定書の発効の見通しにつきましてどのように御判断をされておられるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。 二点目でございます。京都議定書にかかわる我が国の具体的対処方針についてでございます。 万一、京都議定書が発効しなかった場合、我が国はどのように対処する方針でありましょうか。また、京都議定書が発効した場合、速やかに第一回締約国会議が開かれることになると思いますが、その場では、コミットメントに対しまして拘束力をいかに持たせていくのかという議題が議論されることとなると思います。 この点に関しましては、昨年六月四日の参議院の外交防衛委員会におきまして、私の質問に対して川口外務大臣が、我が国の方針としては法的拘束力の導入に反対をするとの御答弁をいただいております。この点に関する我が国の方針にその後変更はないのか、御確認を賜りたいと存じます。 三点目は、次期約束期間にかかわる交渉に対する我が国の方針についてでございます。 次期約束期間に向けての交渉は二〇〇五年から始まる予定になっているわけでございますが、このままではアメリカの参画は期待できそうもございません。また、中国、インド等に代表されます発展途上国によりますコミットメントへの参加もまだ確保されている状況にないと思われます。次期約束期間の交渉を目前に控えまして、我が国の方針につき、その検討状況をお伺いをいたしたいと思います。 以上三点につきまして、まず平沼大臣、できましたら次いで鈴木大臣の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと存じます。よろしくお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 京都議定書の発効要件を満たすためには、先生御指摘のとおりロシアの批准が必要となっております。これまでのところ、ロシア政府として批准に向けて準備をするという方針に変化はないと、このように承知をしておりますけれども、ロシア政府部内の準備作業に時間が大変掛かっております。具体的な批准時期については、そういう観点でいろいろ接触をしているんでございますが、今の段階では確たる見通しは立っておりません。 京都議定書をめぐる交渉におきましては、既に一昨年のCOP7におきまして京都議定書の運用ルールの大部分が合意をされているところでございますけれども、なお重要な論点もまだ残っているわけであります。特に、御指摘のございました不遵守の場合の措置に法的拘束力を持たせるかどうかという点が未決着に相なっておりまして、この点につきましては、京都議定書発効後に開催される第一回の締約国会合において改めて交渉される、こういうことになっております。 我が国の立場といたしましては、これも先生御高承のとおり、厳格な措置を設けるということは将来の枠組みへの参加国の拡大に決してプラスにならない、むしろ障害になるおそれがあるのではないか。したがって、法的拘束力を持たせることには反対の立場を取ってまいりました。今後の交渉においても従来の立場に沿って対応すべきだと、このように考えております。 地球温暖化防止に向けた世界の取組に実効性を持たせるためには、排出量の四分の一強を占めております米国、それからほぼロシアに匹敵するようなお隣の中国、こういった途上国を含むすべての国が参加するルールの構築が不可欠だと思っておりまして、政府といたしましては、かかる枠組みの実現を目指して最大限の努力を傾けるつもりでございます。このため、京都議定書がいつ発効するかにかかわらず、私どもといたしましては、将来の枠組みの望ましい在り方について国際的な議論を早い段階から喚起しなきゃいけない、こういうことで努力をしているところでございます。
○国務大臣(鈴木俊一君) 京都議定書についてでありますが、この問題については、やはり早期発効をさせるということと、それからグローバルな取組の枠組みづくりをしていくということが極めて大切であると思っております。 この早期発効につきましては、ただいま平沼大臣からもお話がありましたとおり、ロシアがこれを批准をするかどうかに掛かってくるわけでありますけれども、いろいろロシア政府部内でもいろいろな立場があるようでございまして、やや不透明なところがございます。しかし、ロシアとしては批准に向けての手続を準備を進めていると、そのように承知をしているわけでありますし、我が国といたしましても、この発効ということを前提に国内対策に今取り組んでいるというところでございます。 その中で、この法的拘束力を導入するかどうかということについての御質問がございましたが、これは、議定書が発効をいたしますとその後の第一回の締約国会議、COPMOP1の議題となるというふうに考えておりますけれども、法的拘束力の導入に反対するとのCOP7までの我が国の主張、これを踏まえて対処していくべきであると、そのように考えているわけであります。 それから、グローバルな取組の枠組みづくりということでございますが、私もCOP8に参加をして、そろそろこの途上国も含めたそうした第二約束、第一約束期間以降の、二〇一三年以降のことについても話題にできるような、そういうようなことが必要ではないかということも主張をしてきたところでございますけれども、今後ともこうしたグローバルな取組の枠組みづくりということについて努力を継続していく必要があると強く感じているところであります。
○近藤剛君 御確認いただきましてありがとうございます。 発効を前提に対処をしているということでございましたが、ロシアの最近の状況を聞きますと、ひょっとして発効しない事態もあり得るのかなと思われる点もございます。そういう意味で、発効しない事態にも備えて我が国の対処方針を検討をしておくことも必要ではないかなと、そのように存じます。是非御検討を賜りたいと思います。 それでは、本題であります化審法の質問に入りたいと思います。 化審法につきましては、私は環境の保全と産業発展の両立を可能とするための重要な手段を提供するものであると考えております。御承知のとおり、化審法は、昭和四十年代初期に発生をいたしましたPCBによる環境汚染と人体への危険性の顕在化の状況を深刻に受け止めた結果、この分野では世界に先駆ける法体系として一九七三年に制定されたものでございます。経済産業委員会の理事であられる本日御出席の松田岩夫先生が、通商産業省化学工業局化政課の若き課長補佐であられた当時、法案立案の中心人物として化審法の制定に重要な役割を果たされたと聞いております。この場をおかりをいたしまして、松田岩夫先生の多大な貢献に改めて敬意を表したいと思います。 その制定から三十年が経過をしたわけでございます。特に近年に至りまして、経済のグローバル化が進む中にありまして、化学物質の安全基準についてもグローバルな共有化が進んでおります。国内基準だけでは必ずしも十分ではない時代になっているわけであります。 本改正案は、国際整合性に配慮しながら、環境の保全と産業の競争力強化の双方に対する配慮がバランス良くなされていることもございまして、実際に運用する化学産業界におきましても、中小企業から大企業まで幅広い理解が得られていると承知をいたしております。本改正案が一日も早く成立、施行され、所期の成果を上げることを願うものであります。 そこで、改正案の内容に関連をいたしまして、将来に向けた視点から何点かの質問をさせていただきたいと存じます。 第一に、平沼大臣及び鈴木大臣に、化学物質の審査規制制度の枠組みにつきましてお尋ねをいたします。 本改正案におきましては、一部取り入れられることになっておりますリスクに応じて評価し管理する手法、これは、環境の保全と産業の発展の両立を実現するための重要な手段の一つとして世界的に共有されているものと聞いております。したがいまして、今回の改正に当たりまして、基本的な考え方、手法としてその考え方を導入、強化しようとすることは大賛成でございます。しかしながら、改正案で見る限りにおきましては、経済の発展と環境の保全の両立を達成させる手段として、導入の程度が必ずしも十分ではないのではないかといった考えもあるやに聞き及ぶわけでございます。 例えば、化学物質の管理制度が異なりますので直接比較は必ずしも適当ではございませんが、アメリカの化学物質管理制度、TSCAと略されているように聞いておりますが、その制度に比べますと改正案の内容は必ずしも十分なものではないとの意見があるわけであります。 日本やヨーロッパは、リスクベースよりもハザードベースの評価、管理に重点を置いた手法を採用しておりまして、リスクベースのアメリカに比べまして、新規化学物質の開発スピードに結果としてイノベーションギャップが出てきていると言われております。これは化学業界の競争力に影響を及ぼす重要なポイントであると思います。 したがいまして、リスク評価、リスク管理を今後どの程度、どのように導入、強化していかれるのか、基本的な方向性につきまして御確認をいただきたいと存じます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 重要な御指摘をいただいていると思っております。 化学物質というのは、優れた機能性により幅広い産業で利用されまして、国民生活にも密着した存在になっているわけであります。一方、化学物質には有害性を持つものもございまして、その取扱いでございますとか管理方法によって、人の健康や動物への影響、これの可能性もあるわけであります。 このため、昨年八月のいわゆるヨハネスブルク環境サミットにおいて確認されましたとおり、化学物質の利用に際しては、有毒性の程度だけではなくて環境中への放出状況も併せて考慮したリスクの評価、管理が必要である、こういう考え方がある意味では国際的な共通の認識になっていると、こういうことでございます。 各国におきましては、各々の法制度において可能な範囲でこのような考え方に基づく具体的な審査の制度や規制措置を導入しているところでございまして、現行の化審法に関しましても、第二種特定化学物質の指定に際しましては環境残留の程度を考慮するなど、一部の制度につきましては既にリスクの評価、管理という考え方を取り入れてきております。 今回の法律改正においても、国際的な動向を踏まえまして、国内外の類似の法制度やその見直しの取組を参考にしながら、引き続き環境汚染の防止に万全を期しつつ、リスクの評価、管理という考え方を一層拡充させる方策について慎重に検討を行っているところでございます。新規化学物質の事前審査における化学物質の環境中への放出可能性に着目した新たな制度というのは、正にそのような考え方に基づくものとなっております。 さらには、化学物質の管理を一層効果的かつ効率的に進めるためにも、今後とも、リスク評価・管理の重要性を常に念頭に置きながら、化学物質管理政策の不断の見直し、これを行っていかなければならないと思っておりまして、イノベーションのことを言及されました、これも非常に産業競争力というような観点で大切でございます。 ですから、そういう中で私どもとしては、その持っている危険性、ここもしっかり除去をしながら、両方が立つような、そういう形で慎重に、そして十分検討していきたいと、このように思っております。
○国務大臣(鈴木俊一君) 化学物質によります環境汚染を通じた人の健康や生態系への影響を防止するためには、先生が御指摘のように、化学物質の有害性のみを着目するのではなしに化学物質のリスクにも着目した評価、管理を適切に行うということが重要であるということは、同じような認識を持っているわけであります。こうした考え方は国際的にも定着をしつつある共通認識になっておりまして、各国の制度におきましても可能な限り、こうした考え方に基づく審査規制制度が設けられている状況であると、そのように認識をしております。 今回、こうした状況を踏まえまして、専門家の意見も伺いながら慎重に検討を行った結果、我が国の化審法につきましても、事前審査において化学物質の環境中への放出可能性に応じた措置を導入することとしたところでございます。この改正は、国際的動向も考慮しつつ、将来においても人の健康や動植物の被害が生じることのないように十分に配慮しながら、リスク評価・管理の考え方を我が国の制度に適切に反映させたものになっていると、そのように認識をしておるわけであります。 リスク評価・管理を今後更に強化をしていくべきではないかというお話ではございますが、まずは今回導入される制度を着実に実施をしていくということが重要であると考えております。 今後とも、環境省といたしましては、国際的動向等も注視しながら、御指摘のようにリスク評価・管理を更に拡大強化するということも含めまして、より効果的かつ効率的な化学物質の審査、規制を行うように努力してまいりたいと考えております。
○近藤剛君 ありがとうございました。 バランスと国際的なハーモニゼーションの視点が重要でございます。是非、引き続きそのような視点からこの改正法案の将来に向けた展開も考えていただきたいと考えております。 続きまして、化学物質管理に関します法律の見直しにつき質問をさせていただきます。 化学物質管理にかかわる法律は、化審法を始めといたしまして毒物及び劇物取締法、労働安全衛生法など、六省庁でその数は二十を超えているわけでございます。いずれも必要に応じて制定されたものではございますが、内容について整合性の悪さが指摘をされておりますし、また手続、窓口も各省庁にわたり、非効率との指摘も少なくありません。このような法律の目的、期待される成果、運用に必要なコストなどの国の経済全体から見て、決して現状は効果的、効率的とは言えないと思います。 今後、化学物質の管理に関する法律の整理、再体系化が必要だと思いますが、行政の効率化の推進の視点も含めまして、お考えを伺いたいと思います。
○副大臣(西川太一郎君) お答え申し上げます。 近藤先生の御指摘、大変重要だと思いまして私も調べてみましたら、おっしゃるとおり大変多くの法律がございまして、これは大変なことだなと、こういうふうにまず率直に思いました。 しかしながら、この化学物質は、一般的なものから農薬や又は食品添加物や、いろんな多様性を持っているということ、それから環境に与える影響、人や動物に対する与える影響も非常に多様であるということ、こういうことにかんがみましてきめ細かな専門的な対応を取る必要があると、こういうことに基づいてこれらの法律ができているんだろうと、こういうふうには先生と同じように私も理解をいたしたわけでございます。 しかしながら、一方、政府としては、御指摘のような御批判を受けることがないように、関係省庁が緊密な連携を図りながら、関係法令に基づく制度をそれぞれの目的に応じて整合的に活用し、一体的な対応をしていくということが重要であると考えております。 今般の法改正におきましても、環境中の生物への影響の観点を含め、これを盛り込むということに当たりましても、水質の環境基準でございますとか農薬の取締法など、同様の接点を持っております制度と整合性をきちっと持てるように、関係省庁とも緊密な具体的な御相談を申し上げて改正案に盛り込んだところでございます。 先生の御指摘は大変重要だと存じますので、これらを、環境の変化を十分に踏まえながら、しかし若干お時間をいただいて整理をしていく必要があると、このように考えております。
○近藤剛君 ありがとうございました。 当面は運用の改善にまずは期待したいと存じますが、将来は従来の延長線上を離れた抜本的な見直しも是非御検討いただきたいと存じます。 続きまして、関連する質問でございますが、本件化審法に関する行政窓口の在り方につきまして経済産業省にお伺いをいたします。 化審法改正案におきましては、行政としては、経済産業省は分解性試験、蓄積性試験、厚生労働省は毒性試験、環境省は生態影響試験というように、三省がそれぞれ専門分野に応じて業務を分担、担当することになるわけであります。他方、事業者はこれらの分解性、蓄積性、毒性、生態影響の四分野の試験をすべて実施する責任を負っております。 行政に専門分野があることは十分理解できるわけでございますが、今後とも三省が分野別に分担していく現行の三省共管でよいのか、やや私自身、疑問に感じております。少なくとも当面、三省共管ではありますが、窓口の一元化ぐらいは即刻行うべきではないかなと、そのように考えますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 当省、厚生労働省、環境省の三省庁がこれまでも緊密に連絡を取ってまいりましたが、例えば新規化学物質の事前審査におきまして、事業者と事前にいろいろ打合せをする、相談をするというときは三省庁の代表が出まして一緒に御相談を申し上げるということをやってまいりました。また、この四月からそれぞれの審議会、各省の、三省庁の審議会を合同で開催することにいたしておりまして、その面でも一体的運用を行っているところでございます。先生御指摘の窓口の一元化につきましても、このような様々な事務的な整理をいたしまして、早急に一元化をしていきたいというふうに思っております。
○近藤剛君 分かりました。行政の在り方、特に行政の効率化並びに法目的の効率的な実現の視点から、是非一段の工夫をお願いをしたいと思います。 さて、最後でございますが、将来を展望いたしまして、本件に見られますような法律改正の進め方につきまして、一般論として平沼大臣にお尋ねをしたいと存じます。 あらゆる変化がグローバルかつスピーディーな時代にありましては、今回のような改正は、環境の保全と産業の競争力強化の双方の観点から、タイムリーにもっと早期に、少なくとも数年以上前に実施すべきであったとの指摘が聞かれます。 なぜこれほど時間が掛かってしまったのか、また本法律に限らず、世界の動きに後れることなく必要な法律の見通しをより迅速に行うためにどのように経済産業省として今後取り組まれる御方針か、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 化学物質の管理制度につきましては、化学物質による人の健康でございますとか動植物への被害の未然防止を確実に行っていくことが重要であります。一方で、御指摘のように、国際的な調和を図りながら効果的かつ効率的な制度としていくことも必要であると、このように考えております。 環境中への化学物質の放出可能性に着目した制度の導入については、今申し上げたような認識の下、その導入によって人の健康や動植物への被害の未然防止を損なうことがないように具体的在り方を検討してまいりました。そうした結果、今回お示ししたような制度改正案を得るに至ったわけでございます。その後、関係審議会の御審議をいただきまして、さらに人の健康や動植物への被害の未然防止が十分に図れるかということについて御検討いただいた上で、法律改正案にして提出をさせていただいた次第でございます。 今後の制度の見直しにつきましては、改正法案の附則におきましても、改正法の施行から五年を経過後に、五年経過後に施行状況を勘案をして、必要がある場合には所要の見直しをする旨規定をしてあるところでございます。こうした既に申し上げた考え方に基づきまして、国際的な化学物質管理の動向等を十分踏まえながら、必要な場合には速やかに制度の枠組みでございますとか運用について見直していきたいと、こういう形で対応していきたいと、このように思っております。
○近藤剛君 よく分かりました。ありがとうございました。 化学産業は、物質変換技術である科学技術によりまして、新物質、新材料を作り出す唯一の産業であります。極めて多種多様な製品を生み出しておりまして、それらをあらゆる産業に供給をして経済社会を支える重要な産業であります。 我が国の化学産業は、二〇〇〇年度実績で見ますと出荷額は三十五兆円と、製造業の一一%を占めております。米国に、アメリカに次ぎまして世界第二位の規模を持っておりまして、八十万人以上の雇用機会を持つ基幹産業でございます。しかしながら、欧米の化学産業と比較いたしますと、個別企業については規模が小さい、また業界は横並び体質などがもたらします過当競争など、構造的な問題を抱えているわけであります。近年、急激な経済のグローバル化が進む中にありまして、日本の化学産業も必死に構造改革を進めております。規模が国際競争力の大きな要因であった石油化学汎用製品から、研究開発が決め手となる医薬品あるいは機能性製品などに重点を移しつつあるわけでありまして、ますます新規化学製品の開発が死命を制する時代になってきていると思います。 このように考えますと、新規化学物質の審査、規制を行います化審法は、単に化学産業のみならず、あらゆる産業の将来にかかわる重要な法律であると言えると思います。早期の本改正案の成立を期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。 化審法について質問をさせていただきます。 その前に、実は茨城県におきまして、茨城県の鹿島地区、神栖町というところで、今日の地方版なんですけれども、あるいは全国版にも出たかと思いますけれども、井戸水から砒素が検出をされたというようなニュースがございました。ジフェニルアルシン酸という、海軍航空隊がございましたので、化学兵器用に使ったんではないか、作ったというか、それを、何というか埋設処分というか、そこの辺は確たることは分かっておりませんが、茨城県の方でも会合を、専門家を集めまして専門委員会を開いて、本日、福田官房長官に要望するというようなことでございました。 窓口がどこになるのか。これは環境省の問題なのか厚生労働省の問題なのかその辺、あるいは防衛庁というか、そういう問題なのか釈然、明確ではありませんけれども、もし御承知であれば、どのようなお考えをお持ちなのか、対応等についてお聞かせをいただければ大変有り難いと思います。環境省、環境大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) 本問題につきましては、実はこの問題とはまた別に、相模原で道路の建設をしておりましたら、国土交通省が、やはり海軍のかつての工廠のところからビール瓶に入ったいわゆる毒物が出てきて、工事に当たった方が被害を受けたということがございました。そういうこともございまして、内閣官房の方から御指示がございまして、関係省庁で協議会を、協議をする場を作っているところでございます。 その後、今回、今御指摘のこの茨城県のこの神栖町の飲用井戸の汚染問題等出てまいりましたものでございますから、これにつきまして内閣官房から同じように御指示があればその協議会で扱いたいと思っておりますけれども、その協議会の対応の責任は環境省がやらせていただくということになっております。
○小林元君 ありがとうございました。 ひとつ、住民不安といいますか、既に飲んで影響が出ていると、症状が出ているというような者も、住民もおるようでございますので、何とぞよろしく御対応をお願いしたいと思います。 それでは、化審法について御質疑をしたいと思います。 この法律は、四十八年ですか、環境庁が発足直後の法律ということで、大変素早い対応で出されたんではないかと。先ほどもちょっとお話がありましたが、いわゆるPCB、ポリ塩化ビフェニル、カネミ油症の事件がございまして、そういう問題で、これはやはり化学物質一般について対応しなきゃいかぬというような中でこの問題が出てきたんじゃないかというふうに思いますけれども。 そもそも我々、普通に考えますと、我々は長い間、人類といいますか人間は、自然天然のものを食べたりあるいは着たり、いろんなことに使ってきたと。大体は自然天然のもの、産品を使ってきたというのが我々の生き方だったわけですが、ここ産業革命以後、いろんな人工物質といいますか、それが化学物質のすべてだと思いますが、建材から薬剤からいろんな分野で、大変人間のためには役立ったという部分も相当あるわけでございますが、よくよく考えてみれば、やはりこれは人工のものということでございまして、人間の体というものに接触したり取り入れたり、いろんなことがあるかもしれませんが、そもそも合っていないということがこの前提として考えられるんではないか。だから、いかに立派に役立つものといえども、その辺のことを考えながら対応していかなくてはいけないんじゃないかというように考えております。 最近の問題では、環境委員会でも近々議論が、審議がされるわけでございますが、遺伝子組換え食品といいますか植物と、あるいは動物もあるかもしれませんが、こういうものもやっぱり人造物、人工物というようなことでありまして、やはり相当な注意を払ってどうするかを対応を決めないと、やっぱり人類の将来というもの、地球の将来というものにいろいろ問題があるんではないかというふうに思って、この法案を考えてみたわけでございます。 それから、そういう意味で、先ほども近藤委員から、あるいは大島委員からもありましたけれども、この化学物質のリスクといいますか、というものについてやはり特性があるんではないか。この法案の中でもいろいろ考えさせられましたが、いわゆるその特定物質、指定物質といいますか、そういうものは有害性がある、有毒性があると。長期毒性、急激な毒性いろいろあるでしょうけれども、そうではなくて、よく分からないものがたくさんあるというような、要するにリスクの確定、リスクを計るについて非常に不確実なものが、なかなか結論が出せないと、あるいは長い時間が掛かるというものが、不確実性が大きいままにどっちにするか決めなくてはいけないというような問題があるんではないか。 それから、リスクの発生した場合には、いわゆる損害が生じたというときには、戻せないと。なかなか簡単に、病気を治すというような形でうまくいけばいいんですが、いったん体内に入った、例えば有機砒素というものを、それを取り出すというのは非常に大変な問題でありまして、これはカネミ油症のときもそういう問題で大変患者さんが大変な思いをしたということもあるわけでございます。 それから、リスクというものを伴う行動がもたらす、こういう化学品を使って、物質を使って、利益がありますけれども、そのリスクの、いい方に行けばいいんですけれども、そうではなくて、その発生する損害というものを比較しますと、利便性と損害というのが必ずしも対照的ではありません。利益が多いほど損害が多くなるかというと、そうではない。いろんな場合も考えられると。 それから、そういう意味では、そのリスク評価といいますか、そういうものにやはり科学的な根拠というものをしっかりつかんでやれれば一番いいんですが、そこまでいかなくて、残念ながら政策的な価値判断というものを加えながら対応していかざるを得ないんではないかというようなことを考えながら質問していきたいと思います。 まず初めに、先ほど来いろいろ御質問もありました。おおよそのことは分かったんですが、今回OECD加盟国、ほとんどの加盟国は、全部ではありませんが、主な国としては、日本は、先ほども言いましたように、化学工業では二番目というような大国でございまして、全世界の一二%の生産量を誇っているというような状況でありますけれども、せっかく四十八年に早いスタートを切りました。しかし、今回はこのOECDの勧告を受けて、それで去年の一月ですか、それからにすれば大変素早い対応と言ってもいいかと思いますけれども、もっと早い対応ができたんじゃないかというふうに思えるんですが、先ほどの答弁を見るともういま一つすっきりしないんですが、環境大臣、よろしかったらお願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほどの答弁と重なる部分が多いんでございますが、先生御指摘のとおり、化審法が制定されて久しいものがございますが、我が国における化学物質対策というのは、これはもう専ら人への健康被害というものに着目をして行われてきたという、そういうような経緯がございまして、この化審法もPCBによる環境汚染問題を契機といたしまして制定をされたと、こういうことでございます。 生態系への悪影響を及ぼす化学物質についての重要性、問題意識というものは、これはもちろんあったわけでありまして、これまでも一定の取組というものはもうなされてきたわけであります。しかし、この化学物質による動植物への悪影響について、その評価といいますものがなかなか難しかったということがございまして、化審法などの制度的な規制には至らなかったと、この知見が整わなかったということが、評価が難しかったということがOECD諸国に比べて後れた理由ということでございます。 しかし、今回の改正におきましては、これまでの調査研究等によりまして知見も相当程度蓄積をされてまいりました。それから、国際的にも、人の健康被害の防止と並びまして、環境中の動植物への被害防止を図るということが主流になりつつございますし、また国内的にも、環境基本法の制定以降、その重要性に対する認識が高まってくるなどの状況も変わってきたということもございまして、環境基準などの他の制度的取組とも歩調を合わせまして、現時点で可能な限りの対応を図ることにしたわけでございます。
○小林元君 生態系へのテストといいますか、試験、そういうものの手法が必ずしも確立していなかったというような点があって後れたと、こういう話でありますけれども、実は、大臣も御承知だと思いますが、平成十一年にPRTR法が改正になりました。化学物質の排出把握管理促進法という大変長い名前でありますけれども、これにはいわゆる生態系の問題を考えて入れると、含んで対応しますよということで一歩先んじているんですよね。 先ほど来、こういういろんな化学関係の法律が一元的に扱われなくて、いろんな矛盾点が出ているんではないかというような御指摘がありましたが、そのときにやはりこの化審法についても、本来は同じ土俵で、同じスタートラインに立てたんではないかなと。多少、いろいろテストとか、いろんな技術的な問題で不十分だというんですが、先ほど冒頭に申し上げましたように、不確実ではあっても、やはり今やるにこしたことはないというような踏み切りができたんじゃないかと思うんですが、その辺、いかがでしょうか。
○副大臣(弘友和夫君) お答えさせていただきます。 確かに、先生御指摘のように、PRTR法の場合は人の健康というだけじゃなくて生態系の影響の物質も入っているわけでございます。しかしながら、先生御承知のように、PRTR制度というのは化学物質の環境排出量等を事業者に把握をさせて自主的な管理を促すと、こういう制度でございまして、製造や輸入を規制するものではないということでございます。そういうことで、動植物に有害な化学物質もですから対象させていただいております。 一方、化審法の場合は、化学物質の製造、輸入の数量制限の直接の規制を含んでおりまして、そういう規制制度でありまして、動植物への、先ほど来大臣お答えさせていただいておりますように、動植物への悪影響について定量的な評価、可能性を考慮する必要があると、こういう違いがございまして、十一年の制定時に一緒に改正に至らなかったということでございます。 しかしながら、今、大臣、答弁いたしましたように、ある程度この悪影響の評価に関する知見の集積ができてきたと。そしてまた、国際的な動向、そして国内的な認識の高まり、取組の進展などが背景にございまして今回の法改正に至ったものであるということでございます。
○小林元君 次に、今回の改正は、そういうことで生態系、生態毒性といいますか、そういうものに加えて、人間の、人への影響、健康影響に加えて、生態系に対する新規物質に規制をすると、あるいは段階的な審査の効率性の問題でいろいろ、今まで一トンだったものが十トンというようなことで段階的な審査体制を、制度を作るというようなことがあるわけでございますけれども、この法律の、何といいますか、趣旨というんでしょうか、どうもはっきりしないのは、産業の発展といいますか、経済の発展といいますか、そういう問題と健康の保護あるいは生態系の保全というようなものを相まってと、こういうふうに、先ほどもそういう議論があったかと思うんですが、そこは非常にあいまいになっているのかなというようなことがございます。 最近では、BSEの問題で、農林水産省がいわゆる生産振興をやりながらBSE問題をやっていたというようなことで、後れがあったんではないかというような指摘もあったわけでございまして、現在法律案が出ているんでしょうか、要するに食品安全庁といいますか、そういう考え方ですね。やはり生産とそういう安全というのは分離してやるというのが欧米等の主流と、になっているかどうかは私も全部調べておりませんけれども、そういう傾向が強いんではないか。 ですから、そういうことで、ほかの国々のやり方というものについて、経済産業大臣、御意見がございましたらお願いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 化学物質には様々な種類、そして用途があるため、様々な観点から管理を行うことが必要だと思っております。そして、政府の組織あるいは政府部内での役割分担についても各国の事情は様々であると、このように承知しております。 例えば、我が国の化学物質審査規制法に相当する法律について見てみますと、環境保全担当省庁が担当している国がアメリカでございます。さらに、環境保全担当省庁とともに産業省も分担して担当している国、これはフランスなどがその例になります。それから、環境保全担当省庁のほか労働省や健康省が担当している国もございまして、これはドイツでございますとかオーストラリアというのがここに含まれます。 こういうふうに、各国の事情には様々なケースが見られるところでございまして、我が国におきましては、公衆衛生の向上、そしてその増進、経済産業の発展、環境保全というそれぞれの省の任務に基づいて、御承知のように、本法を厚生労働省そして我々経済産業省と環境省の三省で共管をしている、こういうことでございます。
○小林元君 ありがとうございました。 実は公害問題で、昭和四十五年ごろだったと思いますが、昭和四十二年に公害対策基本法というのができました。それによりますと、この第一条で、ちょっと読ませていただきますと、第一条、この法律は公害の防止に関する国、地方、事業者の責務を明らかにし、並びに公害の防止に関する施策の基本となる事項を定めることにより、公害対策の総合的推進を図り、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とすると書いてありまして、第二項に、前項に規定する生活環境の保全については、経済の健全な発展との調和が図られるようにするものとすると、こう書いてありました。しかし、これはいささか問題ではないかというようなことで四十五年に削除をされました。その当時、私も公害関係の仕事をやっておりまして、県でも公害防止条例というのがございまして、全くこのような表現で、今読ませていただいたような表現であったわけでございますが、例の昭和四十五年のころの公害問題がばっと出てきた。その段階で、やっぱりこれは四日市ぜんそくとか川崎のぜんそくとかイタイイタイ病とかいろんなことがございまして、健康の保護というものを優先すべきだというようなことで、産業の発展はどうでもいいということではないと思いますけれども、それはそれとして重要であるが、やはり健康や生活環境の保全というものは大事なんだということで削ったわけでございます。 そういうこともございますし、経済産業省、当時の通産省でございますか、には公害保安局というのがあったんじゃないかなと、松田先生御存じかどうか分かりませんが。いろいろ公害問題の取組を通産省としても一生懸命やって、私どももあの大気汚染の、鹿島地区におきまして大気汚染の事前調査といいますか、そういうものも通産省の協力といいますか、一緒にやった覚えがございます。しかし、結局はその後、環境庁といいますか、そういうことになり、環境省になったというふうなことで、やはりこれは、それはそれとして重要な行政の省であるということで現在の環境省があるんだというふうに思っております。 しかし、にもかかわらず、ここへ来て経済産業省からこの法案が提案され、これは院の問題かもしれませんが、この経済産業委員会で審議をされるというのは、私は環境委員会なんでございますけれども、いささか疑問を感じながらこの質疑をしているんですが、その辺の考えについて、よろしかったらお願いしたいと思います。
○副大臣(西川太一郎君) 小林先生にお答えをさせていただきます。 まず、これは大変おしかりを受けるかもしれませんけれども、単に習慣的なことといいますか、四十八年の制定時、六十一年の改正時にこの法案提出の事務を私どもがさせていただいたということが大きな理由ではないかというふうに思います。 先ほど近藤先生の御質疑に、また大島先生の御質疑にもそれぞれお答えを申し上げましたが、審議会を一緒に開いておりますし、それから特にこのPCBの問題、先ほどもお話が、御披露がございましたが、松田先生御活躍の当時、これはいち早くこれの規制を当時の通産省としてはしておりまして、これは決して環境を軽視しているということではないわけでございます。 加えてもう一点、言わずもがなでおしかりを受けるかもしれません、もう時間が大事でありますので短く申し上げますけれども、例えば第一種特定化学物質なんかは、これの製造に対する許可というのは経産省だけが持っております権限でございます。それから、化学物質の輸入でございますとか製造につきましての届出先も、これ経産省になっております。 こういうようなこともかんがみて、三省庁仲良くやっておりますが、これの提出はおまえのところでやれと、こういう、ただそれだけの理由でございますので、余り深くお考えいただかなくてもよろしいんではないかと、生意気でございますが、そう思っております。
○小林元君 そう深刻に考えているものではありませんけれども、これはやっぱり私の個人的な考えというのではなくて、国民の立場から、どこの省庁が担当されれば安心なのか、安心できるのか、信頼できるのか。いや、やっぱり作っている人に安全ですよと言って売りさばくというのと、やっぱり第三者的な人がこの製品は安全ですよと、大丈夫ですよと言うのと、やっぱり受け止め方が随分違うんじゃないかと思うんですよ。 ですから、やはり国民の方から見て何が安心できるのか、この行政ではどうなんだろうかというようなことで私は意見を申し上げたので、経済産業省は駄目だとか環境省では駄目だとか、農林省は駄目なんだという意味で申し上げたつもりはございません。それぞれの立場で一生懸命やっていることは十分承知しておりますけれども、やはりその辺のことも十分考えて今後の対応をお願いしたいと、こういうふうに思います。 それから、今回の法改正の中で、今、生態毒性を規制の対象にするということなんですが、法案の中では動植物の生息又は生育に影響を及ぼすおそれがあるものというふうな規定になっております。例えば、カルタヘナの議定書などでは生物多様性というような表現を使ったり、環境基本法では「人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障」というようなことで、この化審法の規制も基本法の二十一条の中での規制というふうに読めるんだろうと思いますが、そういう意味で、要するに動植物の生息又は生育に影響を及ぼすということは、生態系を保全するんだというふうに考えてよろしいんでしょうか、お答えいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 本法案におきまして、化学物質によります生態系全般に対する影響、生態系といっても大変もう大きなものがございますし、それぞれ様々な生き物等がそれぞれにかかわりを持っているという大変幅広いものがございますので、それに対します影響の定量的評価というものが困難であるということも踏まえまして、法文上は生態系保全の文言を直接用いておりませんけれども、今回導入しようとしております動植物への影響に着目した審査規制制度、これは先生のおっしゃっておられますとおり、生態系保全を視野に入れたものであることには変わりはないということでございます。
○小林元君 私も、そのように理解して受け止めさせていただきたいと思います。 それから、今もありましたが、今般の法改正で、動植物への影響に着目した三種の生物を用いた、先ほどなかなかこういう手法が見つからなかったと、こういう話でありますけれども、急性毒性試験といいますか、そういうことが行われるわけでございます。 そういう中で、毒性が確認されたというようなときには何か更に必要なといいますか、第二段階の実験、試験、そういうものはあるんでしょうか、その辺はどうなんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) お答えいたします。 新規の化学物質の審査におきましては、水生生物に係ります急性毒性試験で毒性が確認された難分解性の物質につきまして第三種監視化学物質ということで指定をいたしまして、製造・輸入数量の実績の届出の義務付け、あるいは必要な助言、指導を行うことといたしております。 また、この第三種監視化学物質のうち、製造、輸入の実績などから推計されます環境中における残留の状況などから、生活環境動植物への被害のおそれ、これは具体的に人の生活と密接にかかわりのある動植物でございますが、それに対します被害のおそれが認められるものにつきましては、製造業者等に対しまして有害性の調査を指示するということにいたしております。 その有害性調査の指示いたします内容といたしましては、当該化学物質の暴露を受けやすく、実際に被害を受ける可能性のある生活環境動植物に係る慢性毒性試験を想定しておりまして、例えば魚に対する慢性毒性試験というものを考えております。 ただ、具体的にはOECDのテストガイドラインに定められている試験法を念頭に今後検討してまいりたいと考えております。
○小林元君 どうぞ、そのような世界的な知見といいますか、手法というものを十分しっかり把握して対応していただきたいというふうに思います。 それから、従来、政令で一トン未満のものについて環境放出のおそれとかいろんな問題を含めて事前審査を省略するといいますか、というようなことについて、今回は十トンというようなことがございます。これはEUあるいはアメリカでもそういう段階的な、何といいますか、規制というんでしょうか、対応というものを認めると。これは正に産業への配慮というようなことになるのかもしれませんが、やはり環境の方から見て大丈夫だという確認をした上でそのようなことをやったというふうに思っておりますが。 この場合、ちょっと質問が前後しますけれども、中小企業者ですね、というのは、余り言って、大生産量の設備を持って大量に生産をするというようなことはないんだというようなことが前提かもしれませんが、中小企業にとっては、もしもこういう新規化学物質というものを生産をする、したいというようなことでやった場合に、いろいろこういうテストについてはかなり生態系の試験というようなものを含んできますと負担も大きくなるんではないかと。いや、そういうことは心配ないんだ、統計的に見てもそんな大量生産をすることは中小企業はできるはずもないと、こういうようなことがいろいろあるかと思いますが、その辺の判断といいますか、御認識についてどのようなのか、お伺いしたい。
○副大臣(西川太一郎君) お答えを申し上げます。 化学物質の安全確保をしつつも不必要な負担を減らすということは大変重要な課題であると考えております。特に中小企業の方々につきましてはそうした影響が大きくなってはいけないと、こういうふうに十分に配慮をしていかなければならないと考えております。 〔委員長退席、経済産業委員会理事松田岩夫君着席〕 特に、我が国にございます化学製品を作っておられます工業界、中小企業、中堅企業の方々が圧倒的に多い組織でございますが、そうした関係者からもこの法改正につきましていろいろな御提言をいただいております。それを十分踏まえまして、例えば先生が御指摘をいただきました十トン枠の問題、それからもう一つ、環境中への排出可能性に着目した事前審査制度を今回見直すわけでありますけれども、これらの対応につきましても十分中小企業の方々の御負担増にならないように気を付けて、その上なおかつ安全性や環境の問題をきちっと確保していけるように努力をしていきたいと思っております。
○小林元君 ちょっと、もう一つお伺いしたいんですけれども、十トンというようなことになっておりますが、これは先ほども申し上げましたように環境への放出というものがそれほどないんではないかというようなことで、環境庁が実施をしておりますいわゆる黒本調査ですか、化学物質環境汚染実態調査、こういうのの中で十トン未満の化学物質について調査をしておりまして、ほとんどそれについては、これは六件ですか、なされておりますけれども、これについてはほとんど環境の中で検出できないというような状況であるから大丈夫なんだというような考えもあったのかどうか、私、分かりませんが、その辺についてたまたま、これぐらいの標本数ですから、たまたまなかったのかもしれないし、本当に安全性に問題がだからないんだというふうに言い切れるのかどうか、その辺はいかがでしょうかね。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、今回の改正法案におきましては、年間の製造・輸入予定数量が一定量以下である場合につきましては、難分解性であるけれども高蓄積ではない、つまり一番厳しい第一種の特定化学物質には該当することはないというふうに判断されました段階で、毒性試験の実施に代えまして物質の構造式等既存の知見を用いまして、環境の汚染や人の健康被害を生ずるおそれのない旨の三大臣の確認を受けた上で、事後の監視、報告聴取、立入検査等を前提として事前審査の特例を認めようというものでございます。この特例を認める際の製造・輸入量としましては、審議会での検討結果などを踏まえまして、十トン以下ということを予定しております。 御指摘のとおり、これまで環境省で四十九年から行っております化学物質環境汚染実態調査、御指摘の黒本調査でございますが、その中で十トン以下について出ていない、検出されていないということももちろんでございますが、全体としまして製造・輸入数量が小さくなるほど環境中に残留して検出されるものが割合が小さくなっております。そういったことで今回の判断に至ったものでございますし、今後とも環境モニタリングは続けてまいりたいというふうに考えております。
○小林元君 今後とも環境調査というものはやられると思いますので、十分その辺も、何というか念頭に置きながら検証していっていただきたいというふうに思います。 それから、生態系、生態毒性といいますか、そういう動植物への影響に着目した審査というのは、大体水生動物というんでしょうか、コイですとかフナですとかメダカですとか藻類ですとかという大体、水に溶けた化学物質がどうなってどういう影響を与えるのかというようなテスト方法になっていると思うんですね。しかし、実際に土壌中に、例えば農薬がまかれたり、肥料に毒性があるかどうかは別なんですけれども、そういう問題で土壌汚染といいますか、土壌中に入っているというようなものについては、なかなかこの影響というものは、土壌中に入って雨でそれが溶け出してどこかへ流れてというのはあるんでしょうけれども、土壌中の生態毒性といいますか、そういうのはなかなか難しいんですが、この辺はどういうふうに考えたらよろしいですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、化学物質による生態影響につきましては、これまで水生生物、おっしゃるとおりイワナとかコイとかフナとかサケとか、そういったものについての知見は非常に充実をしてきております。ただ、その一方で、化学物質が土壌生態系に及ぼす影響につきましては、評価方法を含めまして国際的にも残念ながら知見が乏しいというのが実情でございます。今後、国際的な動向を含めまして、土壌汚染によります土壌中の生態系への影響の評価方法についての知見を是非集めてまいりたいというふうに考えております。
○小林元君 かつて肥料で畑にカドミウムが検出をされたことがあるんですけれども、いろいろ調べてみましたらば、燐酸肥料ですか、中に、これは何かいわゆる燐酸、燐鉱石というんでしょうか、そういうものの中にカドミウムが含まれていたと。そういうものは気が付かないで畑、肥料として散布をしたと。そのためにカドミウムが出たと。これによって何かの被害が出たというところまではございませんでしたが、そういうこともございました。 ですから、意外なところで意外なものが出てくるということはありますし、例えば鹿島の地区の、これは工業用水道なんですが、生活用水も処理をしている下水道がございます。そこで水銀が検出をされました。どうして水銀が検出されるのか。鹿島には苛性ソーダを作る電解工場がございまして、そこで触媒、触媒じゃない、何というんですか、電極として水銀を使っていたんです。今は水銀を電極にする手法は取っていないと思いますが。ですから、そこから漏れたんではないかというような疑いもしまして、いろいろ調査をしたんですが、現実にはそうでなくて、トイレットペーパーの中に水銀が入っているというようなことで下水道に検出、排水を検査したらば出てくる。 というのは、結局、電気分解をして苛性ソーダを作った、その中に電極である水銀が溶け込んで、ですから、紙パルプを作る際に苛性ソーダが絶対必要でございますので、それを作ったらば紙の中に残留、残留というのか、残っていると。それがトイレットペーパーとして使われて、下水道の排水中に検出をされたというようなことがございましたけれども、そういう意外なところで意外なことがあるというなかなか難しい問題でありますけれども、ちょっと余談になりましたが、そういうこともいろいろ考えていかなければいけないのかなというふうに思っております。 それから、先ほども近藤委員からちょっと話が出ました。重複しますから余り、簡単に済ませますけれども、既存の化学物質二万、それから新規化学物質が八千というようなことでこれまで点検が行われてきたわけでございます。これは事業者にと言っても、だれが事業者か特定できませんので、国がしょい込んだということになっておりますけれども、しかし、そうは言っても、その中で難分解性、高蓄積性あるいは毒性というふうなことで、まあ千五百物質ぐらいしかまだ終えていないんですね。分解性、蓄積性については千三百七十七、人の健康に影響のあるものは二百四十六というようなことでやっているようでございますが。 これは国際的な関係もあると思うんですね。日本で全部しょい込んで、化学物質やっていないからそれを日本が全部検査をするんだというやり方もあるでしょうけれども、国際的な枠組みの中でどういう分担をしてやっていくか、そしてまた国だけではなくて、これは事業者についても、事業者と行政、国がどういう分担でやっていくのか、いろんな考え方があると思いますが、いずれにしても今回はこの生態系、生態毒性についてもやるということでございますから、少しやった部分があるとはいいながら、たくさんあるというふうに認識しておりますが、その辺についてスケジュール等を含めてもう少しきめの細かいお話をしていただければと思います。
○大臣政務官(桜田義孝君) お答えさせていただきます。 約二万種の既存化学物質については、国会附帯決議を踏まえまして、政府がこれまで安全性の点検を行ってきたところでございます。具体的には、製造・輸入数量が多いものや第一種特定化学物質等の規制対象の化学物質に構造が類似しているもの等から優先的に点検を進めてきたところでございます。その結果、予算、時間上の制約の中で、昭和五十年度から平成十四年度までの間に、分解性、蓄積においては約千四百物質、人に対する毒性については約二百五十物質の点検を実施いたしてまいりました。 これらの点検結果を踏まえまして、OECDの場で各国の協力の下に収集しつつあるデータを合わせると、我が国における年間製造・輸入数量が千トン以上である物質約六百三十物質のうち八割以上については一定の安全性データが得られることになっております。 このような化学物質の安全性データの収集作業を踏まえまして、簡易な有害性の評価手法の開発、例えば化学構造式から分解性、蓄積性、毒性といった性状を予測するシステムの開発を進めているところでございます。今後、こうしたシステムを用いまして点検作業の加速化を図るようにしたいと思っております。 さらに、有害性評価に対するOECD等における国際的な協力の中で取組や本改正案により事業者が入手した有害性情報の国に対する報告が義務付けられることを踏まえ、今後、既存化学物質の有害性評価を事業者と国が相互に十分連携しつつ計画的に速やかに進めていくこととしており、こうした点からも安全性点検の一層の進展を図ってまいると考えておるところでございます。 以上です。
○政府参考人(南川秀樹君) 大枠は、今、桜田政務官からお答えいただいたとおりでございます。 私どもも三省連携いたしまして推進してまいりますが、特に今回の動植物の影響に着目しました審査規制制度の導入に伴いまして、生態影響に着目した既存化学物質の点検というものがより重要な課題になってくると認識をいたしております。 私どもにおきましては、平成七年から水生生物に対する生態毒性試験を実施してまいりましたが、今回の法改正を契機といたしまして、今後は、化審法に関する既存化学物質総点検の一環といたしまして生態毒性試験事業というものを一層充実をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○小林元君 そういう試験というものをもっともっとやるということを伺いましたけれども、これはなかなか、体制とか人員とか予算とか、かなり掛かるんではないかと思うんですが、その辺について御質問という形はしませんけれども、どうぞ十分に対応できるように、両大臣に頑張っていただきたいなというふうに思っております。 それから次に、PRTR、先ほどお話をしましたが、これについて初めての、初めてではありません、十三年度の──あっ、初めてですかね、の調査結果が出ましたが、こういう、これは一つのフローのデータなんで、こういうふうに環境排出をしている、トルエンが何万トン排出しているというようなことで書いてありますが、一体これはどういうことなのかなというふうに、なかなか読めないんですけれども、その辺簡潔に、どのように認識、受け止めているのか。あるいは何かこれを、このデータを見てどういう対応を今後していったらいいのかとか、あるいは、これに先んじましてパイロット事業という調査をやっていますよね。これと今回の本格調査というんでしょうか、その辺の関係をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 今回の発表でございますが、PRTR、いわゆるPRTR法の施行後初めてのものでございます。 対象物質三百五十四物質の十三年度の排出量あるいはごみ等での移動量につきまして、全国の事業場からの届出あるいは国による対象外の排出源からの推計の結果を取りまとめたものでございます。 この評価につきましてはなかなか難しいところでございます。これからむしろ、私どもとしましては、基本的にはその全情報、これは事業場ごとの情報が三万五千件ほどございますし、集計もございますが、一枚のCD—ROMにいたしまして、それを請求があれば実費でお渡しをするということにいたしております。 そういったものを用いまして自治体あるいは学者の方々、NGOの方々に自由に分析をしてくださいというふうに申し上げておりまして、そういった中からまた評価も出てくると思いますし、こういったPRTRの届出の報告を重ねる中で傾向の分析も出てくると思います。 ただ、全体としまして、これまで四年間ほど私どもパイロット事業を行ってまいりましたが、そこで見ますと、排出量の多い物質については、例えばトルエン、キシレン、塩化メチルが多いとか、排出先としては大気が圧倒的に多いとか、そういったことで共通した部分があるかと思います。 こういったものを用いまして、今後、各省あるいは自治体、NGOとも連携しながら、リスク評価あるいはリスクコミュニケーションといったものを是非促進していきたいと考えております。
○小林元君 大変謙虚なというんでしょうか、評価についてお伺いできなかったのは残念でございますが、この対象にした三百五十四物質ですか、というのがございますが、これらをリストアップすると、これ、どういう化学物質をどういうふうにリストアップしてこういう調査をやるのか。要するに、そのリストアップしたいわゆるリスク評価というのかハザード評価というのか、その辺の関係、そしてまたいわゆる黒本調査では、今度はこれは累計ですから分からないんですが、ちょっと私も把握しておりませんが、累計で七百九十七物質というふうにこう伺っているんですが、どういう関連付けでPRTRとこの化学物質環境汚染実態調査と、こっちは蓄積の問題だろうと思うんですけれども、どういうふうに考えたらいいんでしょうかね。
○政府参考人(南川秀樹君) PRTR法、いわゆるPRTR法におきましては、その三百五十四の対象物質でございますが、基本的には二つ要件ございます。一つは、人あるいは生態系に対する、動植物に対する有害性のおそれがあるということが一点でございます。もう一つは、ある程度の量が使われて環境中に放出されておるということが懸念されるということでございます。そういった中で三百五十四が選ばれております。 そして、御指摘の黒本調査、化学物質汚染実態調査でございますけれども、これにつきましては昭和四十九年から実施しておりますけれども、その中で有害性、生産量などを考慮いたしまして、リストを十年ごとに更新をいたしております。そして、近年におきましては、新規化学物質の増加、それから御指摘のPRTR制度の施行、それから国際的なPOPs条約の関係、そういった今日的な動きを含めまして、限られた予算の中で専門家に御議論いただきまして必要なものを選んでおります。その中で、化学物質審査、化審法関係の指定化学物質あるいはPRTR法に基づく排出量の多い物質については優先的に取り組んでいきたいというふうに考えておる次第でございます。
○小林元君 もう一つ聞きたいんですけれども、要するに今回の法改正によって、今度、監視化学物質、第一種、第三種と出てきますよね。これらについてはどういうふうに取り入れていくんでしょうかね、こういう調査は。
○政府参考人(南川秀樹君) まず、PRTRでございますが、これにつきましては、若干補足をいたしますと、まずPRTRの関係でいいますと、現在の化審法と比べますと、生態毒性を有するものが含まれております。それから、難分解ばかりでなくて良分解性のものも含まれております。片や、新規の化学物質ではなくて、実際に環境中に相当程度継続して存在しているものが対象になっておりますことで、若干のずれがございます。 それで、今回の改正に伴いまして、生態毒性を有するものについてはダブる、共通するわけでございますが、良分解のものについては引き続き今回の化審法では全く対象になってまいりません。 そういったことを前提にいたしまして、まずPRTR対象物質三百五十四のうち、生態毒性の観点から対象とされているいわゆる百二十につきましては、難分解性であることが確認されれば第三種の監視化学物質に該当すると、し得るということでございます。 また、第一種の監視化学物質につきましては、これは毒性が難分解性であって高蓄積性であるという化学物質が、毒性が分からない間だけそこで監視をしておくということでございますので、したがいまして、その毒性のおそれのあるものを対象とするPRTRの対象物質には入ってこないということでございます。 この辺、ちょっと法律の趣旨が少しずれておりますので、分かりにくくなっても若干のずれがございます。
○小林元君 それでは次に行きたいと思います。 OECDのレビュー、勧告によりますと、データベースの整備とか、リスク評価とか毒性についてデータベースを整備しようと、それから有害化学物質に関してリスクコミュニケーションを強化するというような勧告が出ております。 主たるデータは、今までの話を伺いますと、経済産業省にたくさんのデータがあるような気がするのでございますけれども、もちろん環境省にもあるかと思いますが、よろしければ平沼大臣から情報公開についてどのように考えていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 化学物質の有毒性あるいはリスクに関する正確な情報を関係者の皆様方に分かりやすく、そして迅速に提供するということは、化学物質に関する正確な情報をすべての関係者間で共有するとともに、相互の意思疎通を図ること、いわゆる今大変重要視されておりますリスクコミュニケーションを促進する上で重要な課題、このように認識しております。 こうした認識の下で、国による既存化学物質の安全性点検で得られた試験データ等については、既にデータベースを構築をいたしまして幅広い関係者に公開をしているところでございます。 また、化学物質審査規制法の運用に際しましては、我が国が事業者から取得した試験データそして製造・輸入数量、用途等の情報については、国の情報公開制度における企業秘密の取扱いとの整合性にも留意をしながら公表の在り方について検討し、これを実施をしてまいりたいと考えております。 さらに、事業者から取得した情報に基づき新規化学物質等に関して国が行った評価の内容につきましても、今後はこれらを関係者に分かりやすい形で公表していかなければならない、こういうふうに思っておりまして、ホームページでこういうデータベースを開設しているところでございます。
○小林元君 先ほども問題が出ましたが、この化審法で四十条ですね。他の、これは他の法令との関係を規定しております。そういう中で、一つの例だけ取り上げて申し訳ないんですけれども、農薬取締法というのがございますが、これについていろいろお伺いはしているんですが、どのような、生態系の評価対象というようなことをやっているというふうにも聞いてはおるんですが、こっちの法律はまだ改正していないのを農薬取締法ではもう既にやっているというのはちょっと合点がいかないところがあるんですけれども、その辺について御説明をお願いします。
○政府参考人(坂野雅敏君) 農薬の登録に当たりましては、生態系への影響評価の観点からミジンコ、メダカ、藻類などの水産動植物への毒性につきましては、厳正な検査をしました上で安全性を確認し適正な使用指導を行っているところであります。 また、御案内のとおり、昨年十二月に農薬取締法の改正をしましたので、無登録農薬とかそれから安全性に問題ある農薬の使用を禁止したり、さらには使用基準の遵守義務と、そういう措置をしまして、不適正な農薬使用につきましては取締りを行っている。 今後とも、水産動植物の影響につきましても十分配慮して安全性の確保に努めたいと思っております。
○小林元君 これは環境省のパンフレットなんですが、そこに見ますと、農薬取締法、生態保全の観点で三角印が付いていまして、日本では水産動植物や家畜への被害防止のための基準が設定され、登録申請の際にそのような試験の提出が義務付けられていますが、野生生物や生態系に対する影響を評価するシステムは整備されておりませんというんですが、これは農林水産省なりあるいは環境省、どういうふうに受け止めたらよろしいんですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 恐縮でございます。このパンフレットの一番この表紙の裏側でございますが、閉じて、閉じていただくと分かるのでございますが、その裏側の方、その全く逆で、その反対にしていただくといいのでございます、済みません、そこです、済みません、そこに真ん中にございますように、環境省全体としてこの問題に取り組んでおります。 農水省ともちろん連絡を取っておりまして、農薬につきましての生態影響評価を行うということでございまして、農薬の生態影響検討会におきまして、農薬を登録申請する際の事前評価において生態系の保全を視野に入れた評価手法を導入するとなっておりまして、これは既に検討は終わりまして、既に今年の三月に水産動植物に対する登録保留基準を改正いたしておりまして、現在、施行のための準備を進めております。 そういった意味で、三角が既に、若干印刷の関係で時間がずれましたが、丸になりましたものですから、そういう意味で対応していきたいと考えております。
○小林元君 了解をしました。 時間がなくなりましたけれども、先ほども出ました、こういう、今たまたま農薬取締法の話をしましたけれども、やはりその化学物質の、近藤委員も言われたとおり、一元的管理というのは大変難しいところがあるのかもしれませんけれども、やはり総合的な取組ということで、矛盾なく足並みをそろえて取り組むという姿勢を示すことが必要なんじゃないかという意味で、今後、関係各省で知恵を、英知を集めて対応を考えていただければということを要望しまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 今日は、化学物質審査規制法の一部改正ということで質問をさせていただきますけれども、政府が様々な今回の法案についての説明書を、説明文を作っておりますが、その中で、化学物質審査規制法改正の考え方というのがございます。そしてその中で、持続可能な開発に関する世界首脳会議実施文書、その中で、予防的取組方法への留意というふうに書いているわけでございますが、この予防的取組方法についてはやはり予防原則とも関係してくるものであろうと考えておりまして、我々公明党としては昨年の党大会におきまして重点政策を発表させていただきまして、その中で予防原則、これについても相当のページを割いて書いておりまして、近い将来にはこういった予防原則について社会の仕組みの一つとして導入、定着をさせていくべきではなかろうかと、そういうふうに考えているところなんですけれども、この予防原則、なかなか整理されていないなという部分があるように私は思います。 ただ、かなり先進的に考えているのはEUであると思いますけれども、ドイツとかスウェーデンが予防原則のルーツというふうに言われている中にあって、昨年のヨハネスブルグ・サミットにおきましても、いわゆる循環型社会の構築、これについてはすぐに合意がなされたと。しかし、最後の最後までホットな議論で合意がなかなかうまくいかなかったという中にはこの予防原則の関係と再生可能エネルギーと、この二つがあったわけでありますけれども、最後には留意するというレベルに落ち着いたということだと思います。 それで、調査室が作った資料の中には、その点も含めて書いてございますが、この環境と開発に関するリオ宣言、一九九二年の第十五原則、こういったものと、それから予防原則、これをどういうふうに認識するかというのは極めて重要でないかなと、そう思います。 それと、我が国のこういった面における様々な点を検討してまいりますと、予防的な方策という言い方、あるいは場合によっては未然防止とか予防的措置、予防的取組方法、そういったふうにまだまだ整理されていないように見受けられるわけでありますけれども、まず最初に質問でございますが、予防原則に対していかなる認識をお持ちかということで、環境省に、予防的な方策についてもお考えをお示ししていただきながら、その予防原則に対する認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) この問題につきましては、昨年、加藤先生とヨハネスブルグに御一緒させていただいたときもいろいろ御指導をいただいたところでございます。 ただ、九二年に元々始まっておりますリオデジャネイロの宣言の際に、この際は予防的方策というふうに訳しております。そして、具体的には、この問題につきましては、深刻かつ不可逆的な被害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如を理由として環境悪化防止の施策を延期してはならないということでございまして、要は、完全に全部悪いと分かっていなくても、分かっていなくても、問題が深刻だということであればその対策を延ばしてはいけないということかと思います。 この訳につきましては、最近では、そのプレコーショナリーアプローチでございますけれども、外務省とも相談をいたしまして、予防的取組方法ということで統一をして扱っているところでございます。我が国におきましては、環境基本計画におきましても、この考え方に基づきまして、予防的方策、予防的取組方法に基づきまして、これを広く適用すべきとの原則を踏まえながら、化学物質対策を講ずべき旨が明記されております。 また一方、ECで言われております予防原則、これはプレコーショナリープリンシプルでございます、訳でございますけれども、これにつきましては、人の健康や環境に対する危険を防止する観点から、科学的根拠が十分でない場合であっても、その懸念がある場合には必要な措置を講ずべきだということで解釈をされておりますけれども、残念ながらECの中でも定義がまだ確立しておりませんし、国際的にもこれを受け入れるかどうか合意が至っておりません。 したがいまして、我が国の化学物質対策におきましては、科学的知見の充実に努めながら予防的な取組方法を進めていきたいと考えておる次第でございます。
○加藤修一君 この予防的な方策でありますけれども、これは環境基本計画の方に載っておりまして、環境省ともたまたまそういった面について議論させていただく機会があるわけですけれども、いわゆるその基本計画の中に予防的な方策というのがあって、しかもその説明があった中で、科学的知見の充実に努めながら、必要に応じ、予防的な方策を講じますというふうに書いてございます。必要に応じてというのが、その必要という中身がどうもよく分からないということになるわけでありますけれども、この辺については後ほどの質問と絡めて質問をさせていただきたいと思います。 それでは、経済産業省にお願いでございますが、製造産業局次長の私的諮問機関、化学物質総合管理政策研究会、その中間報告を読みますと、未然防止がしきりにうたわれている、予防という用語は一切使用されていないというふうに読んでいるわけでございます、私自身がですね。 それと、厚生労働省から実は平成十二年十二月に出された、いわゆる生活化学安全対策室より出された「国民の健康確保のための今後の化学物質安全対策行政の課題について」と、そういうペーパーがございます。その二番目に、化学物質暴露に係る弱者、子供、妊婦、高齢者等というふうに括弧付きで書いてございますけれども、弱者リスク評価と予防原則導入の検討と、こういうふうにあるわけなんですね。 それからさらに、農水省の報告書には、BSE問題に関する調査検討委員会報告書の中には、いわゆる今回のこのBSEの問題に関して、危機を予測し発生を防ぐための措置を講じて危機のレベルを引き下げておく予防原則の意識がほとんどなかったと、こういうふうに書かれておりまして、要するに予防原則という言葉を、先ほど環境省から答弁がありましたように、まだ確定していない部分があるのではなかろうかと。そういった中にあって、比較的ですが、あちこちで不用意に使われているというふうに私言うとまずいんですけれども、そういうふうに使われていると。 こういったことについて、とりわけ未然防止という言葉とか、経済産業省が使っているそういったことについて、予防原則をどう認識しているかという点を含めて、経済産業省にこの辺についての御見解をお願いしたいと思います。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 先生の御指摘のように、リオ宣言の第十五原則で予防的取組という考え方が国際的にも重要なものとして位置付けられたわけでございまして、これを受けまして、環境基本法におきまして科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として環境保全を行うべきことが規定されております。 この未然に防止ということは、一つの言葉として、今、先生御指摘したようなところに引用されたんだというふうに思っておりますが、この環境基本法は、先ほど環境省の方から御説明ありましたように、環境基本計画におきまして明示されております。これは予防的取組方法として明示されておりますが、これは長期間にわたる極めて深刻な影響あるいは不可逆的な影響をもたらすおそれが指摘されている問題については、完全な科学的根拠が欠如していることを対策を延期する理由とはしないで、科学的知見の充実に努めながら、必要に応じて予防的な方策を講じるということでございます。 私ども、勉強会の方で未然防止という言葉を使ったかもしれませんが、この意味は、政府全体としては、環境問題、化学物質の安全問題につきまして、予防的取組方法というアプローチで対応しているというふうに理解しております。
○加藤修一君 そうしますと、そのペーパーに盛られました未然防止というのは予防的取組方法ということで読み替えていただきたいと、そういうふうに理解してよろしいということですか。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 私どもはそのように理解しております。
○加藤修一君 私は、先ほど農水省の関係も取り上げましたけれども、要は、やはり政府として統一的な用語の使用を是非考えていただきたいということをひとつ要請をしておきたいと思います。 それから、平沼経済産業大臣それから鈴木環境大臣に質問をしたいと思いますけれども、この予防原則をどう適用するかということに将来的にはなると私は考えているわけなんですけれども、私は、やはりこういった原則について、今から勉強していく必要があるんではなかろうかな、そういうふうに思っております。 それで、例えば、予防原則に関する欧州委員会報告書、ここには適用に関するガイドライン、こういったものがありますけれども、予防原則適用の前提とか、あるいは適用に当たっての一般原則、適用する場合のきっかけ、引き金になる背景あるいはさらに予防原則を適用したときの措置ということについて詳しく述べられているわけでございます。 また、今のはEUの関係でございますが、カナダ政府につきましても、これは予防アプローチということと原則、その両方についての適用の研究をされている。予防的アプローチということですから、予防的取組方法ということだと思います。それと原則、この両方の適用に関する研究を、保健省、環境省、産業省、農務・農産食品省、さらに食品検査庁、外務国際貿易省、そういった省庁が共同してワーキンググループを作ってそういった研究を開始し、さらに、これは一九九二年の、先ほど来から出ておりますリオ宣言の原則十五の予防的取組方法に基づいた議論を重ねまして、二〇〇一年の九月にいわゆる予防原則適用に関するカナダ政府の十一の指針、一般則、こういう形で実はまとめているわけでございます。 その中には、予防アプローチ、原則はリスクマネジメント、リスクの管理における論理的で独特な政策決定ツールと考える。二番目としては、リスクに対する保護レベルの選択が妥当であること。三番目としては、信頼できる科学情報とその評価に基づいていること。非常に大事な四点目がございます。立証責任、状況に応じてしかるべきところに課す。等々含めて、さらに私も重要だと思っておりますが、六点目としては、飛びますけれども、六点目として、予防的手段を行う場合の透明性、責任能力、住民参加原則の度合いがより大きい、そういった一般則を考えると。都合、全部で十一項、そういった法則、一般則を最終的に検討した結果、公表しているわけでございますけれども、これはもちろん法律とかそういったことじゃなくして、やはり適用におけるガイドライン、そういった意味合いで作られているわけなんですけれども、こういうことについて、恐らく、私は、将来的にはこういった予防原則というものを社会の仕組みの一つとして作らなければならない、そういう事態に立ち至ってくるであろうと考えざるを得ないわけでございます。 そういったことから、先ほどから申し上げておりますように、いわゆるワーキンググループ、こういったものを設置いたしまして、さらに予防原則適用のガイドライン、こういったものを作っていく方向を是非とも積極的に検討すべきではなかろうか、このように思っているわけでありますが、この辺についてよろしくお願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 化学物質による人の健康や動植物への被害を未然に防止するため、予防の観点から取組を進めることは非常に重要だと思っておりまして、このような考え方は、リオ宣言に示されたとおり、国際的な共通の認識に相なっております。 今御指摘がございましたEUやカナダのいわゆる予防原則の適用に関するガイドラインは、こうした考え方を国内の政策に反映させるに当たっての具体的な方針を示したものである、私どもはこうして認識しております。 他方、我が国におきましても、既に環境基本計画の中で予防的取組方法の考え方を国内の環境政策に反映させる上での方針が明示されているところでございまして、化審法を含めた化学物質に関する個別の施策に反映され、具体的な対応が取られているところでございます。 このような我が国の現状にかんがみまして、EU等のように予防的取組方法の考え方の適用に関する一般的な方針を検討するのではなくて、必要に応じて個別の施策の中に予防的取組方法の考え方を反映させることについて具体的な検討を行うことが重要である、私どもはこういう考えを持っております。 こうした個別施策に予防的取組方法の考え方を反映させるための検討を行うに当たっては、今御指摘をいただきました重要な点も踏まえまして、関係する施策の内容にそごが生じないように関係各省十分協議をし、共同してやっていかなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
○加藤修一君 協議、共同的におやりになるという御答弁でございましたけれども、先ほども申し上げましたように、一つのワーキングチームといいますか、そういった具体的な目に見えるものを作って、それを国民にある意味でアピールすることも極めて重要な点でございます。リスクコミュニケーションじゃないですけれども、いわゆるコミュニケーションという視点からは極めて重要でございますけれども、やはりそういう目に見えるやり方という観点からも極めて私は重要でないかと思っていますけれども、重ねてその点についての御質問です。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御答弁の中でも御指摘を踏まえてと、こういうことを申し上げました。そういう意味では、関係各省が連携をしまして、そういったワーキンググループ、そういうようなものも設けて検討をすると、こういうことで御理解をいただければと思います。
○加藤修一君 積極的な御答弁、ありがとうございます。 それでは、鈴木環境大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま先生から御指摘がございましたEU等が言っておられます予防原則の考え方、それから一九九二年リオ宣言第十五原則にございます予防的取組方法、それぞれそういうような考え方があるということは私も承知をしております。その定義というのはなかなか難しいわけでありまして、そこまでは十分理解しないわけでありますが、そういう考えがあるということは承知をしているところであります。 その中におきまして、我が国におきましては、先ほど来お話ございますとおり、環境基本計画におきまして予防的取組方法という考え方が原則に置かれていると理解をいたしております。今回の化学物質、化審法の改正におきましても、難分解性かつ高蓄積性の化学物質について、毒性が不明な段階でも一定の措置を講ずる第一種監視化学物質の制度が、それなどの予防的な取組も入れられたということで、今後ともこうした施策の内容、予防的取組方法の適用について検討することが大切であると、そういうふうに思っています。 それで、こうした予防原則についてでございますが、先生から各国のいろいろな、カナダ等のこういうような対応が取られているというそういう御紹介がございました。今後とも私はそうした国際的な議論の動向というものを注視をしていくということがやはり大切であると、そういうふうに思っておりますが、各省庁との連携の中で、今、平沼大臣から一定の御答弁がございましたので、よく連携を取らせていただきたいと、連携を取って協議を進めて対応を決めてまいりたいと考えております。
○加藤修一君 この予防的取組方法の関係でございますけれども、今回この化学物質審査規制法の一部改正ということで現在の法律の改正につながっているわけでありますけれども、これと同じようにして予防的取組方法を考えていくならば、従来、ほかの法律についてもこういった視点から一部改正という意味でやらなければならない法律というのがあるのではなかろうかと思っておりますけれども、この辺についてどのようにお考えか、経済産業省の方に。
○政府参考人(今井康夫君) 今般、化審法を改正させて、提案をさせていただきまして、先ほど環境省の方から答弁ございましたように、新しい第一種監視物質という、有害であるかどうか分からないというものでありましても監視下に置くと。それから、新規化学物質について、これが問題がないということがはっきりするまで製造することができないという、本来、この化審法の趣旨を考えますと、これが今般の改正で拡大したというふうに考えております。 また、これは予防的取組方法の運用、解釈の問題だと思いますけれども、それぞれの個別の法律で、そういう将来予想される被害、それから科学的知見、こういうものを踏まえてそれぞれの法律で対応していくことであろうかというふうに理解しております。
○加藤修一君 よく分からなかったんですけれども。 それでは、リスク分析で、リスク評価をやって、リスク管理をやって、最終的にリスクコミュニケーションという中で、いわゆるリスク評価をどうするかというのは極めて重要だと思います。それで、今までは一つの化学物質について、例えば環境基準があったりなんかするわけですけれども、我々が現実に住んでいるのは、一つの化学物質があって、その化学基準という、そこだけで済んでいるわけじゃなくて、物すごい膨大な量の化学物質に取り囲まれていると、そういうふうに理解していいと思うんです。 いろいろな種類の化学物質によって暴露をされていると、そういうふうに理解するのがごく自然の理解の仕方だと私は思いますけれども、そういった中で、リスク分析について、従来は一つの化学物質について多経路、水とか土壌あるいは空気、そういった経路を通して、最終的に暴露がどのぐらいある、あるいは累積暴露がどうあるか、そして最終的にリスクの評価を行うという話になっていると私は思いますけれども、これは一つの化学物質に限らないで、複数の化学物質についてそういうリスク分析を行っていく必要が当然あるわけで、アメリカもそういった面についての研究をし始めておりますし、これは極めて私は重要な視点であると思います。 こういった点について、環境省はどのように今取り組んでおるんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 加藤先生御指摘のとおり、複合影響という場合に二つございまして、最初に御指摘ございました、大気、水などの複数媒体から口あるいは鼻を経由して入ってくるそういう汚染の問題、それから新しい問題といたしまして、複数の化学物質に暴露する場合の問題とございます。 御指摘の前者につきましては、平成五年度から行っておりますけれども、その中で、複数媒体からの影響につきまして動物実験あるいはメカニズムに関する研究を進めてきておりまして、その結果といたしまして、例えばクロロホルムにつきましては腎臓を始めとする腫瘍の増加ということが認められておりますし、いろんなデータが得られております。 ただ、後者の問題につきましては、いろいろ、まず方法が難しいということで、私どもとしましては、複数の化学物質による複合影響につきましては変異原性に絞りまして調査、同定する検討をいろいろ進めてきております。ただ、残念ながら現状におきましてはなかなか明確な結果が得られておりませんで、引き続き変異原性モニタリングをしっかりやる中で、どのような形でその成果が得られるか更に詰める必要があるということでございまして、外国の動向を踏まえながら目一杯研究を進めたいと考えております。 〔委員長代理松田岩夫君退席、委員長着席〕
○加藤修一君 私としてはかなり無理な注文をしているような気持ちで実は質問しているんですけれども、積極的にそういった面について是非研究を進めていただきたいと、このように思います。 それで、先ほど来からもほかの同僚の議員からいろいろな、委員からいろいろな質問が出ておりました。私は、公明党の重点政策の一つとして化学物質安全基本法、こういったものを作るべきだというふうに政策の中にあるわけですけれども、それはやはり、先ほども小林委員の方からも話がございました、一元的あるいは総合的に対処すべきではなかろうかと。 確かに、調査室で作っております資料の中の二十一ページには、化学物質審査規制法の位置付けとして様々な法律がかかわってきている。毒劇法の関係、労働安全衛生法、農薬取締法、薬事法等々がございまして、やはり一元的に管理をしていくという意味では、化学物質安全基本法という、そういった親法的なものを作っていく必要も私はあるんではなかろうかと、そのように思っております。 それから、子供の健康、こういったことについても極めて重要でございます。環境弱者という立場を考えて、妊婦の関係も含めまして、やはりそういった面についてどういうふうに考えていくか。一九九七年のマイアミ・サミットで言われておりました、子供の環境基準を作らなければいけないと、そういう宣言をされて五年以上たっているわけでございますけれども、そういう件に関しまして、やはり子供の環境のリスクをいかに削減していく、そういった方法をいかに積極的に効果的に作り上げていくかということもまた重要であると思ってございます。 そういった意味では、こども環境リスク削減法という、これも公明党の一つの、重点政策の一つでございますけれども、こういった面についてもやはり積極的にやっていかなければいけない。こういうことに対しての政府の積極的な対応も我々としては強く求めていきたいと、このように考えております。 以上で質問を終わります。
○岩佐恵美君 今回の改正でようやく日本でも化学物質の管理に生態系保全を含めることになるわけですけれども、OECD加盟国の中で生態系保全を化学物質管理制度の対象としていなかったのは日本だけでした。日本は、PCB問題でもダイオキシン問題でも欧米より対策が大変後れていました。日本全体の海、河川、土壌、大気が高濃度の汚染にさらされて、生物あるいは人間等を汚染して高濃度蓄積をしておりましたし、今でもまだそれがなかなかなくなっていないということで苦慮をしております。 実は、私も、一九七四年ごろですか、PCBが大問題になったときに、知り合いの学者が血液検査をさせてほしいということで私ども家族の血液を調べる、何検体かあったんですけれども、調べる機会がありました。それで、私の血液の中にも結構PCBが入っているということで、何でだろうなんというので大変驚いたわけですけれども、こういう化学物質というのは本人が自覚しないうちにひそかに体内に入り込んできているわけですから、とても怖いなという思いをした記憶がございます。 今回、化学物質の管理に生態系保全を加えるという法改正が行われることになったわけですけれども、実は昨年の一月にOECDから勧告を受けるまでこのことが行われないで、実施されないで来たわけですね。何で日本は化学物質に対する対応の後れが生じたのか、私はここにすごく大きな問題があるというふうに思っています。 結局、産業界の利益を考えて、国民の命やあるいは環境問題、これをやっぱり後景に退けてきた、そういうことが根底にあったというふうに思います。利益優先で今まで来てしまったということが大変大きな問題だと思っています。そうした問題点についてしっかりとした反省がなければ、今後の対応にも私はちゃんとしたことができないということで大きな影響が出てくるというふうに思います。 そこで、両大臣のこういう問題に対するお考えとこれからの決意について、まず最初にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 化学物質対策で今日まで生態系保全に対応してこなかったということについてのお話でございます。 先ほど小林先生にもお答えをしたところでございますが、やはり一つの流れというものがあったと思います。それは、我が国における化学物質対策、これは専ら人の健康被害の防止というものを念頭に置いて行われてきたということでありまして、化審法につきましても、PCBによる環境汚染問題を契機として人の健康被害の防止を目的として制定をされてきた。それと、私はこれが一番の問題であると思うんでありますけれども、動植物への毒性がある化学物質に関して、この悪影響についてその評価というものが難しかった、そういうことから化審法などの制度的な規制に至らなかったと、こういうふうに考えております。 しかし、今回、先生からは大変遅かったということではございますが、こうした生態系に対する影響というものを配慮した法改正が行われるわけでございますので、今回の法改正を契機といたしまして、後れてきたという御指摘でございますが、今後、化学物質対策を強力に進めまして、今後とも生態系保全に向けた取組に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(平沼赳夫君) 環境大臣と基本的に同じ認識でございます。 今般の改正というのは、国際的には人の健康被害の防止と並んで環境中の動植物への被害防止を図ることが主流になりつつある、こういったことや、これまでの調査研究によって化学物質による動植物への悪影響に関する知見も相当程度蓄積されてきたことを踏まえまして、政府部内での他の制度における取組、例えば環境基準でございますとか農薬取締法の基準の見直し、こういったことと歩調を合わせまして現時点で可能な限りの対応を図ることにいたしました。 そういう産業界への配慮だったんじゃないかという、そんな御指摘もございましたけれども、私どもは今、環境大臣が御答弁さしていただいたそういう認識に立っておりまして、経済産業省といたしましては、今回導入したこの新たな制度を着実に実施をしてまいりまして、引き続き、人の健康と動植物への被害、この未然防止を徹底していきたいと、このように思っております。
○岩佐恵美君 野生生物の化学物質による汚染は一九六〇年代から問題になって、その後急激に広がりました。特に海生哺乳類の化学物質汚染は世界的に広がって蓄積濃度が急増しています。環境省の調査でも、海生哺乳類のダイオキシン蓄積は年々増加傾向が見られます。厚生労働省の食品調査でも、小型鯨やイルカなどの歯鯨類の大半で高濃度のPCBが検出をされています。日本の一人当たりの化学物質受容量はOECD加盟国で最大です。これまで生態系保全の視点からの化学物質管理を怠ってきた、そういう私は日本の責任というのは大きいと思います。 現在、環境省が実施している野生生物への化学物質蓄積調査は、極めて対象が限られている上に検体数も少ないんですね。びっくりしました。対象生物、対象化学物質を増やして環境省として本格的な生態系への化学物質による影響調査を行うべきだと思いますが、いかがですか。
○副大臣(弘友和夫君) 今御指摘のように、環境省といたしましても、方向性として、化学物質の検体数、生物種、対象となる化学物質というのを拡大充実させていくというような方向性はそのとおりだと思います。 ただ、大変な数になりますので、これまで環境省では、化学物質審査規制法の第一種特定化学物質、難分解性、高蓄積性かつ長期毒性を中心とする残留性の高い化学物質の魚類、貝類及び鳥類中での蓄積の状況、今お話がございましたダイオキシン類の鳥類、海生哺乳類及び陸生哺乳類中での蓄積状況、内分泌攪乱化学物質による鳥類、両生類に対する影響実態調査ということに絞って調査さしていただいておりまして、これらの対象生物種の選定とか調査方法、結果の評価等については専門家による検討結果を踏まえて実施しているところでございまして、化学物質の野生生物への蓄積状況の把握及びその評価については、検体採取等の技術的な面も勘案して、実施可能な範囲で最大限努力しており、今後ともこれらの調査を長期継続して実施するように努めてまいりたい。 さらに、今般、化審法の改正によりまして、動植物の生息、生育に支障を及ぼすおそれのある化学物質を規制対象に加えることを踏まえまして、化学物質の野生生物に及ぼす影響に関する知見の集積にも努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○岩佐恵美君 今お話がありました中で、鳥類なんですけれども、環境省の調査では、鳥類は他の生物に比較してダイオキシン類の蓄積量が高いということです。特に、食物連鎖の頂点にいる猛禽類に深刻な汚染状況が生まれています。絶滅危惧種であるオジロワシあるいはオオワシの胸筋に蓄積した有機塩素化合物の分析結果では、ふ化や繁殖に影響を及ぼすレベルの高濃度汚染だということです。 猛禽類に関して、今特に繁殖率の低下が大問題となっています。西中国山地のクマタカの観察をしている広島クマタカ生態研究会の調査では、一九八〇年代初めまではほぼすべてのつがいが毎年繁殖に成功していたけれども、九六年から二〇〇〇年の繁殖率は一二・三%と急速に低下をしている。また、日本イヌワシ研究会の調査でも、一九八一年のイヌワシの繁殖率は五五・三%だったけれども、九〇年代には二〇%台に落ち込み、危機的状況が続いている。滋賀県のイヌワシ研究グループによる鈴鹿山脈のイヌワシ個体群推移の予想では、九〇年代初めに六ペア、十二羽いたけれども、その後、三世代のうちにはゼロになるだろう、そう推計をしているということです。 こういうふうになると、イヌワシもオオワシも、それからオジロワシですか、それからクマタカ、もうおじいさんとおばあさんばっかりになって、やがて絶滅してしまうということになりかねないわけですね。NGOの皆さんは、地道な取組で実態が少しずつ明らかになってきているんですけれども、まだごく一部しか分かっていないだろうということです。 私は、民間NGOの調査だけでは、当然、人的あるいは資金的な制約があると思います。ですから、環境省としてNGOと協力をしながら、本格的にこうした鳥類の繁殖率の低下等、異変の原因等も含めてきちんとした調査をしていってほしいということで、一言、副大臣、その点お答えいただきたい。時間がないので。
○副大臣(弘友和夫君) 今回の改正で一定の規制措置が講ぜられることになっておりまして、特に今オオワシだとかオジロワシ、クマタカ等、いつも先生が御指摘のようなそういう鳥類等の高次捕食動物に蓄積して、その生息等に支障を及ぼすおそれのある化学物質については第一種特定化学物質といたしまして、製造、使用が原則禁止されるなど、厳しい規制措置が今回講じられるということになっておりまして、また今回の改正はそうした問題の対策にも資するものと考えておりますけれども、化学物質が野生の生物に及ぼす影響については、今後とも実態等に関する情報の収集や知見の集積等に努めまして、そうしたNGOと連携を取りながら対策を検討してまいりたい、このように考えております。
○岩佐恵美君 今度の化審法の改正で化学物質の管理に生態系保全の視点を入れたことはもちろん評価できるわけですけれども、野生動植物を化学物質汚染から守るためには不徹底な点があります。化審法は元々、環境への蓄積による被害の予防を目指すもので、環境中で分解される化学物質は対象外としています。生態系保全という視点からは、当然、良分解性の化学物質も規制の対象にすべきだと思います。 三省合同の審議会は、パブリックコメントの意見に対して、良分解性で生態毒性を有する化学物質の中には、生産量や使用形態、環境への放出状況等によっては環境中に継続的に存在し、環境中の生物に何らかの影響を及ぼすものがある、このような化学物質による環境汚染の未然防止に取り組むことが必要と述べています。 環境省の生態系保全等に係る化学物質審査規制検討会の報告書でも、実験室レベルの試験で良分解性とされた物質でも環境中の分解速度には差異がある、あるいは化学物質が分解する間にもライフサイクルの短い生物は生涯暴露による影響を受ける可能性がある、製造・使用量が多い場合には環境中に残留して生態系に影響を与えるおそれがあるということなどを指摘をして、生態系保全の見地からは、単に良分解性であることをもって審査や規制を一律に免除することは適当ではないと述べています。 そして、対策として、分解性の判定を厳しくするか、あるいは一定の化学物質について生態影響に関する試験やリスク評価を行う仕組みを設けるなど、何らかの方策を検討する必要があると述べていますけれども、環境省、どうですか。
○政府参考人(南川秀樹君) お答えいたします。 難分解性の化学物質につきましては、良分解性のものと異なりまして、環境中に放出されました場合に長期間環境に残留する性格を有しまして、これらの化学物質が人や動植物への毒性を引き起こす場合には、特にその回復が困難な環境汚染というおそれがあるわけでございます。このため化審法におきましては、新規の化学物質につきまして難分解性などに関する審査、判定を行いまして、必要な場合にはそもそも作らない、あるいは作る量を制限するといういわゆる蛇口規制などと言われる管理措置を講じております……
○岩佐恵美君 良分解性について聞いているんです。
○政府参考人(南川秀樹君) はい。良分解性につきましてでございますけれども、これは基本的には環境中で分解消失しやすいということでございまして、その汚染を防止するための取組は難分解性のものとはおのずから異なるだろうと考えております。 したがいまして、私ども、いろんな意見いただいておりますけれども、PRTR制度の対象としてその情報を出した上で事業者に取り組んでいただく、あるいは実際に大気汚染防止法、水質汚濁防止法などの個別の法律の中で未然防止の観点をも含めながら排出段階における措置によって対応していただくということで十分対応できると考えております。
○岩佐恵美君 時間がないので、聞いたことにだけ答えてください。 保護の対象とする生物が限定されていることも問題なんですね。パブリックコメントで日本経団連などの業界団体は、あらゆる生態系の保全でなく、人の健康の保護であることを明らかにする必要があるというような意見を出しています。この意見は、私は、生物多様性の保全自体が人類生存の基盤であるという基本的考え方、これからずれるというふうに思います。 三審議会は、人の健康の保護とは別に、「化学物質の環境中の生物への影響に着目した何らかの対応が必要」と述べて、産業界の意見は一応否定しているんですけれども、改正案では保護対象を生活環境動植物に限定をしています。生物多様性の保全というのは、人の生活環境に直接関係がある動植物だけを保全すればいいというものではないはずだと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境物質の製造、輸入を制限する等の数量規制を行うためには、化学物質が動植物全体に及ぼす影響を定量的に評価する方法というのが確立をされていなければならないんですが、それが確立されていないために、現時点におきましては直ちにこうした規制措置を実施することが困難であるという状況がございます。 一方におきまして、そうした化学物質につきまして保護の対象を生態系全般でなく一定の範囲に限定することによって、現時点でも一定の動植物に被害を生ずる可能性を定量的に評価することが可能となります。このために、環境基本法や他の政府部内の取組等も踏まえまして、数量制限等の直接的な規制措置については生活環境保全の範囲に限定をしたところであります。 今回の法改正におきましては、動植物全般への影響を示す化学物質についても、第三種監視化学物質として一定の監視措置等を講ずることとしているところでございまして、こうした措置を通じまして、動植物全体の保全にも資するように取り組んでいきたいと考えております。
○岩佐恵美君 そこで、今回、化審法で生態毒性を対象にすることになったのですけれども、化学物質の環境への放出を規制する法体系の中では生態系保全を視野に入れていないものが幾つもあるわけですね。そもそも、今お話にあった一番基本となる環境基本法、ここでは環境基準の作成に当たっては人の健康の保護と生活環境の保全を対象にしているだけで野生生物の保全を直接位置付けていない。私は、そこに大きな問題があるという、ここに根本問題があるというふうに思います。 ですから、生態系、生物多様性を保全するための環境基準を定めるという、そういう規定を明確にした環境基本法に改正すべきだと思いますが、その点いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、先生からお話がございましたとおりに、環境基準と申しますのは、人の健康の保護、それから生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準でございまして、これは大気汚染、水質汚濁、土壌汚染及び騒音について定められているわけであります。 先生は、これを広く野生生物保全全体のために目標値を定めるということをおっしゃっておられるわけでありますけれども、野生生物保全の観点から環境保全上の目標値を定めるには、環境中に含まれ得る化学物質による野生生物への影響の程度について現在の科学的知見は不十分でございます。こうした状況の下で、御指摘のような法改正を行って環境基準を設定するということは困難であると考えております。
○岩佐恵美君 大変不満足な答弁です。 先ほどから議論になっている既存の化学物質の問題ですが、今回、既存化学物質について、高蓄積性があるものは毒性が確認されていない段階でも第一種監視化学物質に指定をして事業者に毒性調査を実施させることにしました。これは、私たちはここは評価できるというふうに思います。しかし、高蓄積性が確認されなければ第一種監視化学物質に指定できません。これまでに行われた既存化学物質の安全点検では、分解性、蓄積性の点検が済んだのは千二百七十九物質にすぎない、既存化学物質は二万種もある。このようなテンポでは既存の化学物質の毒性調査が進まないというふうに思います。 ですから、既存の化学物質の分解性、蓄積性の点検をいつまでにどれだけやるのかというその計画を立てて、それで急いで取り組んでいくべきだと思いますが、いかがでしょうか。経産省、経産省。
○政府参考人(今井康夫君) 御指摘の既存化学物質でございますけれども、現在、国際的な協力、OECDの場における協力、それから私どものこれまでの蓄積も含めまして、製造・輸入数量が千トン以上のある物質六百三十物質のうち約八割について一定の安全データが得られることになっております。 こういう国際的な取組、それから私ども各三省庁で協力して新しい知見を得ていくこと、それから、特に経済産業省では化学構造式から分解性とか蓄積性とか毒性といったものを予測するシステムを開発しておりますので、こういうものを得ながら可及的速やかにこういう問題に対応していきたいと思います。 以上でございます。
○岩佐恵美君 次に、パーフルオロオクタンスルホン酸塩、PFOSという難分解性の有機弗素化合物による環境汚染が新たな問題になっています。PFOSは、硫酸で二十四時間煮沸しても安定しているほど極端に難分解性だということです。コーティング剤や界面活性剤、難燃剤の原料として使われている。特に、PFOS原料のコーティング剤は家具、建築材、衣類等に多大な量が使われているということですが、これまで国内ではその危険性についてほとんど研究されていません。 産業技術総合研究所の研究によれば、PFOSは界面活性的な性質を持って、東京湾の海水中の濃度は十七から八十七ppbと、PCBやダイオキシン類とはけた違いに高濃度に汚染されていて、人や生物への影響が心配されるということです。 アメリカでは二〇〇〇年五月に使用を中止したということですけれども、早急に汚染実態と人や生物への影響を調査し、対策を講ずべきだと思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 PFOSにつきましては、撥水性等がございまして、防水スプレー等に用いられております。既存の化学物質でございます。 平成十二年にこの化学物質の輸入業者から毒性のデータなどの有害性情報が提供されまして、国において分解性、蓄積性の点検を行ったところでございます。その結果、PFOSは化審法上の指定化学物質に相当する性状を有するということが明らかになりましたので、平成十四年十二月に指定化学物質に指定したところでございます。 このPFOSの製造・輸入実績数量につきましては、化審法に基づきましてこの指定が行われましたので、平成十四年度分の届出が本年六月になされることになっております。既にこの指定後これを中止する、製造を中止する事業者もあると聞いておりますので、減少傾向にあると思います。 また、PFOSの残留状況につきましては、環境省におきましてモニタリング調査を実施しているところでございまして、製造・輸入実績の数量に留意しつつ、引き続き監視をしていく所存でございます。
○岩佐恵美君 今回の改正では、暴露可能性からリスクを評価するという枠組みを取り入れました。具体的には、製造段階の中間物あるいは閉鎖系の工程でのみ使用される物質については環境中に放出される可能性が極めて低いということで、分解性や蓄積性の事前審査をしなくてもよいという仕組みを新設をするとしています。 そうなると、環境中に放出される可能性が低い使われ方であるという事前確認を受けるだけで長期毒性の有無が未確認の化学物質を幾らでも製造、輸入することができるというふうになります。事前の確認だけで後は事業者の管理に任せるということになって、私は、言わば食品の製造工場におけるHACCP制度の化学物質版ではないかというふうに思えるんですね。 HACCPについては、御存じのように、雪印乳業事件で事前確認された製造過程が守られないで食中毒事件を引き起こして大問題になりました。このことから、必要があれば事後に審査できるという規定だけでは安全が保証されないということから食品衛生法が改正されるということになりました。つまり、HACCPの更新制度が取り入れられるということになったわけですね。 私は、化審法でも、食の安全分野の事件の教訓を踏まえて、環境中に放出されないという事前確認が守られているかどうか定期的に監視をするという対応をすべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。 今般考えております新しい環境への暴露可能性を踏まえた制度改正におきましては、まず事前に非常に厳しい事前確認を行います。一件一件につきまして具体的にどの工場でどのような閉鎖的な要素で使われるのかも含めて検討することにしております。また、それを、そのような厳しい条件を課して、その後実施状況を監視するように考えておりまして、本法の立入検査それから報告の聴取を行って、必要に応じてきちっとした対応をしていきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 絶対に環境に出ないという、そういう保証はあり得ないわけですから、予防的な観点からどういう化学物質がどのような用途でどれくらい使われるか、そのことについて事前に確認をして、必要な場合には量的な制限をするとか、あるいは毒性検査を指示するとか、そういうことができる仕組みが必要なのではありませんか。
○政府参考人(今井康夫君) 私ども、事前に対象となる化学物質につきましては、その構造等によりましてどの程度の危険性があるのか、既存の知識でございますけれども、確認をした上で対応したいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 リスク管理で一番大事なことは、情報が公開をされるということ、そして国民的なチェック、監視、これが十分行われるということです。安全性にかかわる事項に私は企業秘密があってはならないというように思います。企業秘密を盾に非公開ということはあってはならないことだと思っています。化審法の事前確認や事前審査、毒性試験、こうしたデータはすべて公開をするということでこの運営をしていくべきだと思います。 情報公開をしっかりやっていくということで、両大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 化学物質の有害性でございますとかリスクに関する正確な情報を関係者にしっかりと分かりやすい形で提供するということは、化学物質に関する正確な情報をすべての関係者間で共有するとともに、相互の意思疎通を図る、いわゆるリスクコミュニケーションを促進する上で重要な課題だと思っています。こうした認識の下で、国によりまして既存化学物質の安全性点検で得られた試験データ等については、既にデータベースを構築をして幅広い関係者に公開をしております。 化学物質審査規制法の運用に際しては、国が事業者から取得した試験のデータでございますとか製造・輸入数量、用途等の情報については、国の情報公開制度における企業秘密の取扱いとの整合性もあると思います。ここにはやっぱり留意しなきゃいかぬと思っておりまして、公表の在り方については検討をしてまいりたいと考えておりまして、さらに事業者から取得した情報に基づいて新規化学物質等に関して国が行った評価の内容についても、今後はこれを関係者に分かりやすい形で公表しなければならないと思っております。
○国務大臣(鈴木俊一君) これは政府として一体として取り組むことでございますので、基本的には平沼大臣がお答えになられたとおりでございます。 やはり、こういういろいろな危険性、そうしたリスクの問題、こういうものをきちんと国民に知らしめていくということが原則でないかと、そのように認識をいたしております。
○岩佐恵美君 終わります。
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国会改革連絡会の広野ただしです。しんがりです。よろしくお願いいたしたいと思います。 今度の化審法、今までの本当に経済中心あるいは産業中心の世界、また公害防止あるいは人の健康被害ということから、もう一つ、我々の周辺の動植物等についての被害というものにも目が及ぶ、ようやくそのところまで来たのかというふうに思い、私も基本的には賛成なんですが、じゃ、この化審法等が成立した暁に、じゃ本当に、私たち、小学校じゃありませんけれども、習いました、「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川」という、里山が戻る、あるいは小川が戻ると、こういうことに本当になるんだろうかという点が、もう一つ私は腑に落ちない点があるわけです。 例えば、実際、農業においては農薬ですとかあるいは除草剤、肥料というものを自然界にまいているわけでありますけれども、それによって、私はやはり小川にはメダカですとかあるいはミジンコだとか、あるいは蛍ですとかゲンゴロウですとか、先ほどいろいろとありました、チョウチョウですとか、いろんなものがやっぱり戻ってきてもらいたい、こう思っておるわけですが、じゃ、この体系ともう一つ農薬関係の体系、本当に整合性があると先ほどおっしゃっていましたけれども、本当に環境という点から戻ってくるのかどうか、その点について農水大臣に伺いたいと思います。 じゃ、まず農水省から、恐縮でございます。
○副大臣(太田豊秋君) お答え申し上げます。 農薬の登録に当たりましては、生態系の影響評価の観点から、今おっしゃいましたミジンコだとかメダカ、あるいは藻類などの水産動植物への毒性について、厳正な検査の下に安全性を確認いたしまして適正な使用指導を行ってきたところでございます。さらに、昨年十二月の農薬取締法の改正によりまして、無登録農薬及び安全性に問題がある販売禁止農薬の使用の禁止、そしてまた農薬使用基準の遵守義務を措置したところでございまして、不適正な農薬使用を取り締まっていくことといたしております。 また、肥料につきましても、都道府県が作物、土壌の性質などを踏まえまして、施肥量あるいは施肥地域等の施肥基準を定めているところでもありまして、過剰な施用は環境に負荷を与えることから、この基準に即して、土壌、それから作物診断などに基づく適正な施肥を指導しておるところでございまして、今後とも農薬及び肥料の水産動植物への影響も十分に配慮いたしまして安全性の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。
○広野ただし君 そういうことでやっていただきたいと思いますが、実際、例えば農村地帯で農薬をまきますと、まいた人はマスクだとかやっているんですけれども、まいた晩は晩酌をやめるというぐらいのものなんですね。やっぱり飲み込みますから、吸い込みますから、お酒飲みますと血液の循環が良くなって、やっぱり場合によってはということが時々あるわけですね。ですから、やはり薄めるとか、本当にそういうことをよく気を付けていただいて、農業も大切ですけれども、ぎりぎりのところの環境、生物等に影響のないようなことをやっていただきたいと思っております。 それともう一つ、例えば、今ちょうど春先になりますと、町内会で溝の掃除をやります。そして、時々上に上がっていると思いますけれども、そこへ消毒液をまくわけであります。この消毒液も流れていきますと、また環境のそういう動植物に影響を与えると。 私の実は町内会ではお医者さんが町内会長をやりまして、そうしましたら、これはやめようということを、非常に先進的なことをやりまして、二年間はやったんですが、その後はちょっと続かなくなりましたけれども、消毒液についてはいかがですか。
○大臣政務官(渡辺具能君) 御指摘の消毒液としての殺虫剤につきましては、環境中の動物への被害が生じないように、これは薬事法でございますけれども、薬事法に基づきまして、承認申請の際には魚毒性、つまり魚類に対する急性毒性に関する試験成績に関する資料の提出を求めておりまして、環境への一定の配慮は既になされているものでございます。 さらに、殺虫剤に対する環境影響も含めた安全確保の在り方につきましては、近年とみに社会的な関心が高まっていることを受けまして、最新の科学技術を基にした承認審査に資する観点から、殺虫剤の品質有効性、安全性の評価の在り方について検討しておるところでございます。 したがいまして、こういった研究に基づきまして、一定の研究成果が得られれば、その段階でその結果を踏まえつつ、動植物への環境についても十分に考慮した措置となるように、その際には適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○広野ただし君 また、もう一つは医薬品関係といいますか、医療用の廃棄物といいますか、これも最終的にはいろんな薬剤も使っておりますし、医療用用具も使っている、そういうものの廃棄物についての環境に与える影響というのは、これはいかがでしょうか。
○大臣政務官(渡辺具能君) 医薬品についての環境への配慮でございますが、今回の化審法改正に見られますように、国際的な動向を踏まえまして、薬事法における審査等の一環として、動植物へのこれらの影響も考慮いたしまして、重大な影響が懸念されるということが分かりました際は、当該医薬品等の医療用の効用とのバランスも考えながら必要な措置をその都度考え、講じてまいりたいと思っております。
○広野ただし君 環境大臣、お待たせいたしました。 各省それぞれやっておられるわけです。農水省そして厚生労働省、また経産省ということでありますけれども、本当に私たちの最終目的は、我々の環境に先ほど言いました小さな動植物も戻ってくるということだと思いますので、そこがちゃんとなるように是非やっていただきたいと思います。 整合性のある行政ができるのかどうか、その点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 化審法におきましては、専ら他の法律による規制との重複を排除するという観点から、他の法律におきまして一定の用途に用いられる化学物質による人の健康被害が生じることを防止するための規制措置が講じられているものにつきましては、化審法に基づく規制の対象外にしているわけであります。 今、それぞれの省庁からそれぞれの法律についての取組が答弁なされたわけでございますけれども、例えば除草剤等の農薬は農薬取締法、肥料は肥料取締法、蚊を殺す消毒液のような殺虫剤は薬事法によって規制がなされておるわけでありますが、これらの規制におきましては、動植物に対する悪影響につきましても必要な場合には製造等を禁止できる、そういう厳しい措置を講ずることが可能でございますので、事実上、化審法に基づく規制と同等程度の被害防止が図られることとなっております。 このため、環境への悪影響を防ぐという観点におきましては整合性が取れているものと考えております。
○広野ただし君 ところで、先ほどもお話ありましたけれども、環境ホルモンですね。非常に微少、本当もう微少な、微少といいますか、成分の少ない場合においても次世代へ与える影響が非常に大きいものでありますが、この化審法では環境ホルモンは対象にまだなっていないということであります。 しかし、先ほども話ありましたが、生物の例えば精子が少なくなるとか生殖にも影響を及ぼすですとか、いろんな問題があるわけで、将来の問題として環境ホルモン、いろいろと、数十ぐらいあるということですが、問題があるということではっきりした場合、この化審法で対象にできるのかどうか。その点、まず経済産業大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 化学物質のいわゆる環境ホルモンにつきましては、科学的に未解明な点が多いことが指摘されております。 OECDを中心とする国際的な協力の下で、この内分泌攪乱作用が不妊や子供の奇形、生育不良等を発生させる有害性、生殖・発生毒性にどのように結び付いているかといった因果関係の解明、標準的な試験方法の開発、こういったことが行われているわけでございます。 我が国におきましても、関係省庁が今連携をしておりまして、これに関する、例えば攪乱作用が生殖等にかかわる有害な影響に結び付くメカニズムに関する基礎研究でございますとか、あるいは攪乱作用に関する試験方法の開発でございますとか、それからそれが疑われる化学物質に関する実態把握など、科学的な知見の充実に努めております。 そういった観点で、私ども、まだ確立されていないという形で、その作用に着目した規制を行うことは今の時点では困難と、こういうふうに考えておりますけれども、内分泌攪乱作用が疑われると指摘されている化学物質については、攪乱作用が原因であるか否かにかかわらず、人や動植物に生殖毒性等の有害性が明らかになった場合には、この化審法に基づいて必要な規制策を講じることにしたいと、このように思っております。
○広野ただし君 非常に前向きな答弁いただきましたが、環境大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) この内分泌攪乱物質が人や生物・生態系に与える大変大きな懸念、それからこれについてはまだ科学的な知見が整っていないという点、これにつきましてはただいま平沼大臣からお答えになられたとおりであります。 したがいまして、これからは、環境ホルモンの解明、これが環境保全上重要な問題と認識をいたしております。こうした科学的知見を得るために、国際的な協力の下で、因果関係の解明とか標準的な試験法の開発が行われているところでございます。 この分野におきましては、日本は大変頑張っておる分野でございますが、引き続きまして、関係省庁と連携をしまして、人や生物・生態系への影響やスクリーニング試験法など科学的知見の蓄積に努めて、本問題に対して早期かつ万全の対応が図られるように引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
○広野ただし君 環境中の動植物とちょっと違いますが、正に人間の場合は薬を飲んでいろんな意味でホルモンに影響を与え、また子孫に影響を及ぼすというようなことが多々あると思いますが、そういう情報を是非また環境省なり経済産業省にフィードバックしていただいて、環境ホルモンのことについても影響、いろいろといい情報が、早めに情報をもたらしていただいて、規制をすべきはするというふうにしていただきたいと思いますけれども、厚生労働省はいかがでしょうか。
○大臣政務官(渡辺具能君) いわゆる医薬品による環境ホルモン作用の人の健康に与える影響につきましては、先ほど両大臣からの答弁にもありましたように、確たる因果関係がいまだ明らかにされておりません。その作用メカニズムなども含め、未解明の部分が多いわけでございます。このため、これらを明らかにする調査研究を積極的に進めていきたいというふうに考えております。 ただ、医薬品につきましては、承認審査等に際して、各種の毒性試験や臨床試験の結果を踏まえて、それが生殖機能への影響も含め安全性の確認は、評価は行っているところでございます。 内分泌攪乱作用による影響につきましては、今後の調査研究の成果を踏まえて、その際適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○広野ただし君 現在の少子化が何かそういう、私はストレスからくるんじゃないかというふうには思いますけれども、もし何らかのそういうホルモンに影響があってなかなか子供も生まれないということであってはならないと思いますので、是非厳正にまたやっていただきたいと思っております。 ところで、これはちょっと大気汚染にかかわる問題なんですが、今ガソリンにアルコールを混ぜて、どうも場合によっては税金が安くなるということでやっている節もあるんですが、ただ、アルコールは再生可能な、特にエタノール関係は再生可能なエネルギーであります。ですから、それを利用している国々もあるわけです、アメリカですとかブラジルなんかはやっているわけですけれども。 じゃ、そのアルコールをどの程度混ぜるかというのはいろいろとあろうかと思いますが、混ぜた場合に、公害という面でどういう影響があるのか、関連するものですから、環境大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今の先生の御指摘の点は大変重要な点であると思っております。ガソリン燃料にアルコールを混合する、特にバイオ由来のアルコールを混合するということになりますと、空気中の二酸化炭素を吸収した植物からアルコールを作って、それがまた燃えるということでありますから、CO2に対しては中立だということで、これは地球温暖化防止に向けた二酸化炭素排出量の削減等の観点からは期待されているところでありますが、しかし一方において、今、広野先生が御指摘のとおり、これらの燃料を使用した場合、自動車排出ガス、CO2以外のいろいろな有害物質がそこから排出されるのではないかという、そういう懸念もございますし、また実際に走らせる車両に対する影響等につきましても十分に検証をしなければいけないと、そういうふうに思っております。 このため、環境省は国土交通省と連携をいたしまして、学識経験者等から成ります石油代替燃料の環境性能等調査検討会というのを開いておりまして、ここでバイオ由来のアルコール混合ガソリン等が自動車排出ガスに及ぼす影響について昨年の十二月から実車による試験調査を進めているところでございます。 今後、この調査結果を踏まえまして環境面の評価、これをまず十分やっていかなければならないと、そのように考えております。
○広野ただし君 ブラジルですとかアメリカ等でアルコールを入れてやっているという、これもアメリカの場合は一〇%ぐらいに実際もう売れているというわけですね。ブラジルではもっと七、八〇%まで行っていると。ただ、余りたくさん入れて混合率が高いと何かいろんな問題が起こるようでありますけれども、いずれにしましても、再生可能なそういうエタノール等を入れるということは、ある意味では大変なエネルギー上、工夫なわけですね。ただ、公害なり環境に及ぼす影響が大きいとなると、これはまたいろんな意味の規制も必要になってくるんではないかと。ただ、今、大臣、環境大臣が言われましたように、国土交通省と試験をやっておられるということですから、それをできるだけ早く公開していただいて、まあいろいろとその点をやっておる人たちもおるわけで、是非よろしくお願いをしたいと思います。 それでは私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(田浦直君) 他に御発言もなければ、本連合審査会は終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後四時二十三分散会