経済産業委員会 第15号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/05/15
会議録
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特許法等の一部を改正する法律案、不正競争防止法の一部を改正する法律案、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、法務大臣官房審議官河村博君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文化庁次長銭谷眞美君、経済産業大臣官房審議官桑田始君、経済産業省産業技術環境局長中村薫君及び特許庁長官太田信一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 特許法等の一部を改正する法律案、不正競争防止法の一部を改正する法律案、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎でございます。 まず、特許法改正関係につきましてお聞きしたいと思います。 最近、特に平成十年以降、特許料金の引下げを含めまして毎年のように特許法等を改正しているわけでございます。今回また改正案が出てきたわけでございますが、まず特許法制につきまして全体的な展望はどうなっているのか、また毎年の改正ではなくて、一括して三年ないし五年ごとに大改正をしていくという方針を持った方がいいんではないかという、この点につきまして、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。 福島先生に答弁させていただきます。 特許庁においては、特許法、実用新案法、意匠法、商標法に加えまして、特許国際出願法あるいは電子手続のための特例法、さらには弁理士法、こういった多岐にわたる法律を所管をしているところでございます。 近年、情報技術の発達やインターネットの普及などに伴いまして、技術の進歩、新規事業の拡大はますます多様かつ急速となっておりまして、これらに関連する産業財産を時期を逃さず適切に保護することが求められているところでございます。また、国境を越えた経済活動が盛んになる中、国際的な制度調和に対する要請がますます高くなっておりまして、国際条約をめぐる取組の成果を我が国国内法において速やかに実施をする必要がございます。 こうした状況を踏まえまして、十分に検討した上での結論を得られたものについて制度改正の提案をしているところでございます。したがって、各改正の内容が重複しているわけではございませんで、また迅速に知的財産の保護強化を図ることによりまして創造的な技術開発や新規事業の創出を推進することは、我が国の産業競争力の維持強化を図る上でも重要であると認識をしております。 しかしながら、福島先生御指摘の点は大変もっともでございまして、政府といたしましても、国際的な動向をよく踏まえつつ、できるだけ中長期的視点に立った展望で改正法案を今後ともしっかりとやっていかなけりゃいけない、このように思っております。
○福島啓史郎君 知財基本法もできたことでもありますし、将来展望を持って改正に当たっていただきたいと思います。 次に、今回、特許法改正は三本柱、一つは料金体系の見直し、二番目は審判制度の改革、三番目が国際的制度調和という三本柱になっているわけでございます。後者、つまり審判制度の改革あるいは国際的制度への調和、これらについては異論がないところでございますけれども、料金体系の見直しにつきましては議論があるところであります。 それで、まず第一にお聞きしたいわけでございますが、今回の改正によりまして全体の水準を引き下げると同時に、審査手数料の引上げあるいは返還制度を導入するなどによりまして迅速的確な特許審査実現効果をねらいとしているということを言っているわけでございますが、そのことによりまして具体的に、例えば審査待ち期間二十四か月がどの程度短縮されるのか、また戻し拒絶率二四%がどの程度減少するのか、そういった具体的な効果をどういうふうに考えておられますか。大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 特許審査の長期化の要因といいますのは、特許庁の審査可能な件数、これは現時点で約二十二万件でございます。それと、出願人による審査請求件数、これが約二十四万件ございまして、この間の不均衡による審査待ち件数の増加にあると思っております。 今回の特許料金体系の見直しに加えまして、企業の質重視の知的財産戦略管理の充実に向けて、企業、業界団体に対する説明会を一層強化するなどの対策を講ずることによりまして、審査官の拒絶理由通知に対して何らの応当もなく拒絶が確定する、いわゆる戻し拒絶査定、これは二〇〇一年で全査定数の約二〇・五%もございます。このような特許性の乏しい出願の審査請求される率が半減をして、審査請求件数が一割程度減少するのではないか、このように期待をしているところでございます。 さらに、特許審査体制の強化、審査の効率化についてもできる限り行いまして、これらの総合的な対策の結果として、私どもとしては審査待ち時間の更なる長期化を防ぐことができるのではないか、このように考えているところでございます。
○福島啓史郎君 私は、この審査期間の短縮、審査待ち期間の短縮等は要するに本筋、後で御質問したいと思いますけれども、本筋は審査員の定員なり、あるいはアウトソーシングを進めることが中心ではないかと、この料金体系の見直しというのは言わば副次的というふうに言うべきではないかと思うわけでございます。 それで、もう一つの考え方といたしまして、料金体系の見直しは出願者間の費用負担のアンバランスを是正するという考え方に立っているということでございます。そうした考え方と同時に、特許の全出願者間あるいは全特許権者間で負担力に着目して、負担力のある特許権者等に応分の負担を求めるという、そうした、何といいますか、実質的な公平を求める、そういうバランスの考え方、両方の考え方があると思うわけでございますが、本来どちらの考え方が望ましいというふうに考えておられますか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 特許制度の利用を促進する観点から、出願料や審査請求料の水準を実質よりも低めに設定をいたしまして、特許料等の権利維持料金で産業財産権制度全体を運営するために必要な経費の不足分を補うという料金体系の考え方については、今回の改定においても大筋変更するものではございません。 今回の改定は、そのような考え方の範囲内におきまして、特許率の高い出願人が他者の審査費用を負担するという出願者間の費用負担の不均衡が拡大しつつある現状を是正をいたしまして、かつ審査請求行動の適正化を図る観点から、特許性が高くて、経営戦略の観点からも価値の高い権利の取得を目指す出願人の方々の経済的負担が軽減されるようにするために、特許関係料金における負担のバランスを見直したところでございます。 したがって、特許関係料金の水準を設定するに当たっては、御指摘のあったいずれの視点、これも私どもは非常に重要なことだと思っておるところでございます。
○福島啓史郎君 今、大臣御答弁あったところでございます。要するに、負担力に着目するという考え方も私は十分意味ある考え方だと思っております。負担力のある特許権者に応分の負担を求める考え方、これは是非維持をしていただきたいと思うところでございます。 次に、今回の改正によりまして、初期の、出願者の初期費用の負担が重くなるわけでございますが、これに対しまして分割納入やあるいは延納制の導入等を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(高市早苗君) 今回の改正によりまして、出願した段階、それから権利維持を行う段階、それからトータル、この三つに関してはコストがむしろ下がるわけで、唯一この審査請求時に限ってみれば、確かに費用負担が重くなっております。 これを分割ですとか延納制度、こういったのはどうかという御提案なんですけれども、もしそういう制度を導入いたしますと、期待される審査請求行動の適正化効果、これは弱められてしまうだろうと思います。 それから、手数料という性格上、完納されるのを待ってから審査を行うというのが適切であると考えておりますので、このため、そういう制度を導入してしまいますと審査請求期間が実質的に延長されてしまうと。そうしますと、この審査請求期間につきましては、平成十一年の法改正におきまして、第三者監視負担を軽減するという観点から七年から三年に短縮されたところでございますので、今の時点において、再び延長するような効果を持ち得るかもしれないシステムの導入ということには、妥当ではないんじゃないかと判断をいたしております。
○福島啓史郎君 否定的な御意見でございますけれども、今回、倍近く審査手数料が上がるわけでございますから、長期的な、中長期的な課題として是非この導入を検討をお願いしたいと思います。 次に、したがって、個人あるいは中小企業対策が重要になるわけでございます。 まず、現行の中小企業減免制度の対象割合、二%相当というふうに聞いておりますが、どの程度かと。また、今回の改正によりましてその対象割合がどの程度増えるのか。これについてはいかがでしょうか。
○副大臣(高市早苗君) この減免措置の対象でございますけれども、資力に乏しい法人等に対する減免措置の対象企業、これを五年以内の企業から設立十年以内の企業まで拡大すること、これによってどの程度増えるかという点につきましては、対象企業は約一〇%から二〇%へと拡大すると考えております。 それから、産業技術強化法における研究開発型中小企業に対する減免措置の対象企業、これを中小企業創造法認定企業ですとかSBIR補助金交付企業まで拡大することによって、この場合は対象企業は、従来約三四%なんですが、更にプラス七%程度拡大すると推定いたしております。
○福島啓史郎君 そうしますと、現在の二%がせいぜい三%になるぐらいだというふうに考えられるわけでございます。 現在、アメリカ始め知財立国を、日本を追い掛けております東アジア諸国におきまして、思い切った個人、中小企業対策を実施しているところでございます。例えば、アメリカでは従業員五百人以下の企業につきましては二分の一に出願料あるいは特許料金等を軽減しているわけでございます。また、韓国は、資力の乏しい人につきましては全額免除という制度もありますし、また個人、小企業につきましては七〇%減免、中小企業なり公的機関につきましては五〇%減免という制度を設けております。中国、台湾等も同じように個人、中小企業に対する減免措置を考えております。また、シンガポールは、これは減免ではなくて補助金を代理人の手数料を含めて五〇%、一定規模以下の企業には出しているわけでございます。 このように、各国とも、資力に着目するということではなくて、むしろ規模の小ささ、つまり小企業、例えばアメリカのように五百人以下のという規模に着目して半額減免制度をやっているわけでございます。 我が国もこうした思い切った個人、中小企業対策を導入すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) 米国の制度等のように中小企業対策を拡大すべきとの御指摘については、今いろいろ例示をお示しいただきましたけれども、各国それぞれで定められていると認識しております。御指摘のように、米国では一律半減ですが、ただ欧州特許庁では中小企業に対する減免制度はございません。 加えて、特許特別会計というのは収支相償を原則として、ある出願人について減免した分は他の出願人が負担することとなるため、中小企業や個人のすべてに対して料金の減免措置を講じるべきかについては、実際に料金を負担するユーザー全体の意見も踏まえつつ検討すべき課題である、このように認識しております。 いずれにいたしましても、中小企業に対しましては、減免措置の拡大と手続の簡素化、広報の一層の強化による着実な利用の促進を図るとともに、特許取得を目指す中小企業を対象とする先行技術調査の支援制度を創設するなどして、私どもとしては、全体として中小企業支援策をやはり御指摘のように一層積極的に講じていかなければならない、このように思っているところでございます。
○福島啓史郎君 今、大臣言われましたように、収支相等だと言われたわけでございます。現在、特許特会には九百億円の剰余金があるわけでございます。そのうち六百億円相当は言わば前受金になっているので、これは取っておかなきゃいけないわけでございますが、残りがネットで三百億円の剰余金があるわけでございます。 したがって、私はこの三百億円を使って、先ほど言いました個人なり中小企業対策を期限を切って、正に知財立国でございます、国際競争力の強化あるいは経済活性化のためにも、ニュービジネスの創造のためにも、個人、中小企業に対する資力の乏しさという要件を外した減免を導入すべきだと思います。 また、国際特許取得の円滑化等にも期限を切って使うことを考えるべきではないかと思うわけでございますが、大臣、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特許などの特別会計の剰余金についてのお尋ねでございます。 御指摘のとおり、特許特別会計における剰余金は、平成十三年度の決算でございますけれども、八百九十億円となっております。ただし、これも御指摘ございました、そのうち約六百億円は、現在審査待ち件数が約五十万件存在することによりまして、将来に必要な審査費用がいわゆる前受金の形で生じている額、これは約五百四十億でございます、そして出願人が将来納付する見込みの額をあらかじめ特許庁に納めている額、これが約六十億でございますけれども、これから成っておりまして、これらは将来必要な費用でございます。もとより、受益者負担を原則とする特許特別会計の性格にかんがみまして、特許特別会計においてはユーザーである出願人に対する行政サービスを向上させる形で予算を活用していくことが重要である、このように認識をしております。 こうした観点から、重点課題である迅速かつ的確な審査処理の促進のために必要な先行技術調査のアウトソーシング予算を拡充するとともに、中小企業への支援策につきましても、中小企業等が権利を取得するための情報の提供、あるいはその相談、あるいはサービスの充実等について重要な施策と位置付けておりまして、近年、予算の拡充を図っているところでございまして、十五年度予算におきましても剰余金の一部を財源に組み入れた形で歳出予算を組んでおります。 迅速かつ的確な審査処理の促進が強く求められている中、予算を有効に活用することにより、重点課題に的確に対応するとともに、工業所有権に関する事務を着実に実施しつつ、今後とも、収支相償の原則に立ち、適切な運営を行っていかなければならない、このように思っております。
○福島啓史郎君 約三百億円の実質的な剰余金の使途につきましては、全体の制度、サービスの改善、もちろんこれに充てることも重要でございますが、併せまして、個人、中小企業対策の充実について是非検討し、速やかなる実施を求めたいと思います。 また、審査手数料等は、手数料関係は法律で上限を設定し、実際の料金は政令に委任されているわけでございます。また、今回の改正法附則第十九条では五年以内の検討規定もあるわけでございます。 私は、五年以内、五年以前であっても、我が国の国際競争力強化の観点から、審査手数料等、この料金の引下げができる場合には可及的速やかに実施すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の料金体系の見直しと申しますのは、知的財産戦略大綱におきまして示されている特許審査の迅速化等のための具体的な行動計画の一つでございます我が国の出願・審査請求構造の改革の施策の一環として位置付けられているものでございます。 このため、出願者間の費用負担不均衡の是正及び審査請求行動の適正化の観点から、審査請求料については引き上げるとともに特許料を引き下げまして、かつ特許出願一件に関して出願から権利の維持までに必要なトータルの費用を、これはもう御承知のとおり現行料金より約十万円減額することとしておりまして、特許性が高くて経営戦略の観点からも価値の高い権利の取得を目指す出願人の方々の経済的負担が軽減されるようにするものでございます。 今回、改正案として提示させていただいている料金の金額につきましては、ユーザーや審議会等の御意見も踏まえまして、また実際の審査に掛かるコストも勘案をいたしまして、出願者間の審査コスト負担の不均衡の是正及び出願人等の審査請求行動の適正化が可能となる金額として定めさせていただきました。 特許法の規定に従いまして、特許料についてはその金額自体を法律で規定をいたしまして、出願料及び審査請求料においてはその上限を法律上規定しているところでございます。こうした改正の趣旨に照らしますと、今回の特許法の改正に伴う政令改正においては、法律の定める上限どおりの額を定めることが必要であると考えております。 今回の料金改定の見直しにつきましては、改定料金が十六年度以降の出願に適用されるものでございます。また、審査請求期間というのが三年であることから、料金改定の出願・審査請求行動への影響を正確に把握するには約五年程度の期間が私どもは必要だと考えております。 いずれにいたしましても、実施状況を踏まえた将来の施策の検討を行うため、毎年の状況把握をしっかりとしまして、必要があれば、御指摘のように適時適切に対応していかなければならないと、このように思っております。
○福島啓史郎君 大臣最後に言われましたように、毎年の状況を見まして適時適切に、つまり可及的速やかなる、引下げ余地のある場合には引下げをお願いしたいと思います。 次に、先ほど申しました審査待ち期間二十四か月でございますけれども、こうした短縮など審査迅速化の目標をどういうふうに考えておられるか、またそのための方策についてどのような方策を考えておられるのか、これは事務当局、長官にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 知的財産立国の実現のためには、優れた技術を事業化のタイミングを逃さずに適正に権利化し、これを保護活用する、いわゆるプロパテント政策が不可欠であると考えております。 現在、出願人の行う審査請求の件数、先ほど大臣が御答弁申しましたように、特許庁の審査可能な件数を上回っていることから、審査着手を待っている出願の数は増加する傾向にございます。それから、これに加えまして、今後数年間、審査請求期間が七年間から三年間に短縮されたことに伴って審査請求件数の増加が予想されます。そういうことで、審査期間の長期化が懸念されている状況でございます。 昨年七月の三日にまとめられた知的財産戦略大綱におきましては、こういう懸念を踏まえまして、必要な審査官の確保、それからアウトソーシングの徹底、さらには審査補助職員の積極的な活用等によって審査体制を整備しろ、あわせて、企業啓発等を通じて我が国の審査請求構造の改革を図る総合的な施策を講ずべきであるという宿題を私どもいただいております。今回御提案させていただいている法律改正もその一環だというふうに御理解いただければ有り難いと思っております。 そういうことで、大綱で言われている長期化の歯止めというものは、今回の法律改正も含めて実現できると思っておりますが、更なる審査期間の短縮を図らなければならない状況にあるかと思います。 ただ、世界最高ということで、これを何か月にするかというところは、これから、法律を通していただいた後しっかり関係者の間で議論して定めていきたいと。その際、恐らく、より充実した対策も求められてくるというふうに考えているところでございます。
○福島啓史郎君 知財基本法に基づきます要綱で具体的な期間を定めることになるかと思いますけれども、相当程度、半減、半分以下に持っていくような大胆な迅速化目標を持っていただきたいと思うわけでございます。 それで、そうした迅速化を達成するにはアウトソーシングの積極的な活用が重要だと思うわけでございます。 現在、このアウトソーシング先といたしましては、財団法人工業所有権協力センターのみが指定調査機関になっているわけでございますが、これは、公益法人改革、先日ここの委員会でもやりましたけれども、公益法人に限定しているのは私は問題だと思っております。優れた民間の調査機関の新規参入を促進すべきだと思っております。特に、この工業所有権協力センターの料金は高く、一件当たり七万円相当、また職員も大手企業のOB職員の救済策にもなっているということでございます。 是非、優れた民間調査機関の新規参入を進めていただきたいと思うわけでございますが、長官、いかがですか。
○政府参考人(太田信一郎君) 御指摘のように、現在、アウトソーシングの指定機関としては、IPCC、工業所有権協力センターのみでございます。千百名の主として大手企業からの出向者がそれぞれの分野において懸命にサーチ作業をしておるところでございます。 この先行技術調査を行う指定調査機関への新規参入のお話でございますが、この点につきましては、昨年十二月に、総合規制改革会議の第二次答申におきまして、「現在、特許権の調査業務を行わせている指定法人については、今後、この業務が更に拡大すると見込まれるため、公益法人に限定せず、幅広く民間を指定することができるよう検討し、結論を得るべきである。」との指摘をいただいております。平成十五年度中に結論を得るべく、現在検討を進めているところでございます。 他方、先行技術文献調査のアウトソーシング、これは国が行う特許権の付与に極めて密接に関連する業務であるため、これを実施する機関におきましては、秘密保持の確保、それから公平性、中立性の担保に万全を期すことが必要であります。また、先行技術文献調査は極めて高度な専門性を要求される業務であるため、優秀な技術者を有する機関が実施することも必要でございます。 したがいまして、今後、こうした秘密保持、公平性、中立性の確保、更には高度な専門性に関する要請にこたえつつ優れた能力を有する民間調査機関の新規参入を促進するため、指定基準の見直しを含め様々な方策を検討し、早期に結論を得たいというふうに考えているところでございます。
○福島啓史郎君 是非、今年度中に結論を出して、民間の、株式会社を含めた民間調査機関の新規参入を進めていただきたいと思います。 次に、この特許取得、出願取得の国際戦略についてお聞きしたいわけでございますが、我が国は、この国際特許出願が後れていると言われているわけでございます。特に、製造拠点であります中国等に対する特許申請が後れている、数が少ないというわけでございます。また、量は確かにアメリカ、欧州と並ぶわけでございますけれども、その質の面では疑問なしとしないわけでございます。 価値ある特許を国家戦略としても進める。そのためには、特許の価値評価を行う機関や、あるいは資格制度を作ったらどうかと思うわけでございます。 また、三番目には、そうした特許を産業化に結び付ける技術移転を戦略的に進めなければならないわけでございますが、TLO機関、いろいろ作られておりますが、規模が小さく、実績に乏しいわけでございます。アメリカのナショナル・テクノロジー・トランスファー・センター、NTTCと言われておりますけれども、専門家も相当数抱えております。全省庁の、アメリカの全省庁あるいは大学法人の特許の技術移転を戦略的にサポートする機関となっているわけでございますが、そうしたものを日本でも進めるべきではないかと思うわけでございますが、長官、いかがですか。
○政府参考人(中村薫君) お答えいたします。 委員御指摘のように、アメリカでは一九八九年、約二十年前にNTTCが設立されまして、NASAやDOC、EPAなどの連邦の機関の保有する研究成果の移転促進を図っておるというふうに聞いております。また、大学研究の成果につきましても、TLOが一九八〇年代から大学ごとに設置され、既に百五十機関のTLOが整備されております。 それに引き換え、我が国においては、四年前にTLO法が制定され、現在までに三十二機関、大学で作られております。また、各省につきましては、及び独立法人につきましては、二〇〇一年にいわゆる産業技術総合研究所がTLOを設立したのに続き、先週、厚生省所管の国研がTLO化されました。また、さらに他省庁、農業関係の省庁でございますが、作ろうということを聞いておるところでございまして、本格的な取組がまだ始まったばかりというふうに認識しております。 このような中で、経済産業省といたしましては、TLO組織間での連携を図ることが重要と考えており、現在TLO協議会を設置を支援しまして、TLO間の情報やノウハウの共有といった活動を行ってきております。また、これ以外、TLOのみに限るものではございませんが、発明協会において特許アドバイザーという形で支援をすると。最近、非常に実績は上がってきている。 御指摘のNTTCの事業の基本的なところは、いわゆる人材養成であるとか情報を共有するという点でございますので、今行っておりますTLO間の連携の強化を含めて、専門家、事業の派遣というようなことも含めて我々として取り組んでおるところでありますが、御指摘の点につきましては、もう少し実態の成熟度を見て、また既存の事業との兼ね合いなども考えて検討課題とさせていただきたいというふうに考えております。
○福島啓史郎君 正にTLOの人材養成をやっていかなきゃいけないと思うので、是非実現に向けて検討、対応していただきたいと思います。 次に、文科省にお聞きしたいわけでございますが、知財立国を目指すといたしましても、その基礎は正に国民の知力がなければ駄目なわけでございます。 最近の調査では、特に小学校、小学生の算数で基礎的知識の定着不足やあるいは思考力の弱さが指摘されております。徹底学習やあるいは義務教育の弾力化、飛び級あるいは理数系学校の拠点配置等、相当抜本的な強力な対策を講じなければならないと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 先日公表いたしました平成十三年度教育課程実施状況調査の結果によりますと、学習指導要領における目標、内容に照らして、学習の実現状況、どれだけ実現されたかという、そういう状況でございますが、それを見ますと、小中学校の学力の状況は全体として見ますればおおむね良好と言える、そういう状況にあるわけでございますが、御指摘のように、学力の状況を詳細に分析いたしますと様々な課題が明らかになったところでございます。 このような結果を踏まえまして、文部科学省といたしましては、児童生徒に、基礎的、基本的な知識、技能はもとよりでございますけれども、思考力、判断力、表現力等を含めました確かな学力を育成することが大変重要というふうに考えているところでございます。 昨年の四月からスタートいたしました新しい学習指導要領では、全員が共通に学ぶ内容を厳選をいたしますとともに、それによって生じた時間的、精神的な余裕を活用して、児童生徒一人一人の理解や習熟の程度に応じ、例えば学習指導要領の内容の理解が十分でない児童生徒は繰り返し指導を行うなど、きめ細かな指導でございますとか、あるいは体験的、課題解決的な学習を進めることなどによりまして確かな学力をはぐくむことといたしているところでございます。 また、昨年の一月に公表いたしました「学びのすすめ」におきまして、学びの機会を充実し学ぶ習慣を身に付けさせるということなど、確かな学力向上のための方策を示しまして、各学校における創意工夫を生かした取組を促したところでございます。 さらに、文部科学省では、確かな学力を育成するために、各学校の取組に対する支援策として、拠点校において個に応じた指導に関する実践研究を行う学力向上のためのフロンティア事業でございますとか、理科、数学教育を重点的に行いますスーパーサイエンスハイスクール、そうした事業などを実施をいたしているところでもございますし、さらに今年度からは学力向上を、学力を大きく向上させるための総合的な施策として、個に応じた指導あるいは学力の質の向上などを図る事業から成ります学力向上アクションプランを開始をいたしまして、これにより子供たちが確かな学力を身に付けることができるようにいたしているところでございまして、今後とも、新しい学習指導要領のねらいの実現に努めまして、児童生徒に確かな学力を育成してまいりたい、かように考えているところでございます。
○福島啓史郎君 正に知財立国の基礎でございますから、この問題につきましては政府全体として取り組んでいただきたいと思うわけでございます。 次に、今回の改正で積み残した問題といたしまして、一つは、特許法第三十五条の職務発明規定の見直し問題、それから二番目には特許審査の迅速化措置、三番目には特許信託なりあるいは特許の証券化、さらには、四番目には医療等のバイオあるいはビジネスソフトウエアへの特許権の付与の問題等があるわけでございますが、その中で特に私が重要だと思いますのは、三十五条の見直し問題でございます。 契約にゆだねる考え方が相当出ておるようでございますけれども、その方式では、私は、入社時、入社するときにすべてサインを求められるということで、正に発明者の相当な対価というのは私は考慮されない可能性が高いと思うわけでございます。 したがいまして、一定の基準等を作るなど法律上の担保が必要だと考えるわけでございますが、これは大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさしていただきます。 特許法三十五条の職務発明規定については、光ピックアップ装置事件の高裁判決を契機にいたしまして、産業界から、一度定めた対価の額の安定性が損なわれるとして当該規定の見直しの議論が提起されまして、昨年七月に策定された知的財産戦略大綱を踏まえまして、産業構造審議会知的財産政策部会の下で特許制度小委員会を設置しまして、今検討を進めているところでございます。 職務発明の対価につきましては、企業と研究者の自由な契約を尊重すべきとの考え方については、産業界においてもこうした方向性を支持する意見があり、また発明者側におきましても、従業者を対象としたアンケート調査においては、仕事の内容に応じて発明の報酬を雇用契約で使用者と従業者が自由に合意して決められるようにすべきとの考え方に賛成である者と、それから条件付きの賛成である者の合計がちょうど半分ぐらいでございました。これに対し、反対だと回答したのは一割でございました。なお、条件付き賛成の条件といたしましては、その第一位は、労使が対等に交渉できる環境の整備、これを挙げた人たちが二三%。そして、第二位が対価算定についてのガイドライン、ルールの策定、こういう回答が一一%でございました。 いずれにいたしましても、経済産業省としましては、現在、さきの調査結果、そして各界の意見等を踏まえまして特許制度小委員会において今集中的に検討を行っているところでございまして、現行特許法三十五条の改正の是非及び改正する場合にはその方向性について二〇〇三年度中に取りまとめを行う、こういうことで検討を進めているところでございます。
○福島啓史郎君 まあ契約という考え方が多数だという御説明でございますが、その契約の場合にも、やっぱり法律上の担保が私は正に公平公正を確保するためにも必要だと思いますので、十分なる検討をお願いしたいと思います。 次に、不正競争防止法でございますけれども、今回、違反行為の類型を受けまして罰則を定めているわけでございますが、その中で、十四条三項におきまして、刑法の規定の適用を排除しないという規定があります。そうしますと、今回の罰則と刑法の罰則との関係はどうなるのか、また運用はどうするのか、これは法務省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(河村博君) 御説明申し上げます。 この法律案によりましては、委員御指摘のとおり、「第一項の規定は、刑法その他の罰則の適用を妨げない。」との規定を設けることとされておられまして、この規定によりますと、営業秘密に関します罪に該当する行為が同時に刑法などの窃盗罪などに当たり得る場合におきましても、この法律案におきます営業秘密に関する罪とともに刑法上の他の犯罪も同時に成立し得るということを明らかにしておりまして、結局のところ、その罰則において保護しようとする法益などを異にしておるということを明らかにしているものと理解いたしております。 したがいまして、今後、検察当局におきましては、これまで同様ではございますけれども、捜査を尽くしまして事案を解明しました上、適正な罰則の適用と申しますか、本改正の趣旨などを踏まえまして、適正、厳正な処理に当たるというふうに考えております。
○福島啓史郎君 時間が参りましたので、景表法改正までは至らなかったわけでございますが、これは後日御質問したいと思います。 先日、私、参議院の政審のメンバーで特許庁を視察をしたわけでございますが、玄関に高橋是清初代特許庁長官の胸像が建っているわけでございます。高橋是清は、戦前の、正に日本の明治以降、日本の発展のために特許が必要だと、重要だということで、正に自ら志願して特許制度を取り調べて初代の特許庁長官になったわけでございます。 第二の知財立国を目指す日本としては、是非この特許制度の前進、更なる前進、料金体系を含めまして更なる前進を大臣にお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○簗瀬進君 おはようございます。 我が会派には二時間の時間をいただいております。私が前半戦一時間を、そして後半戦は木俣議員が一時間と、こういうふうな重厚な布陣で臨みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 さて、今、同僚議員の福島さんの方から高橋是清の話が出ました。私も高橋是清の自伝を読ませていただきまして、大変波乱に富んだ人生を送りながら、非常に、何といいますか、企業感覚をたっぷりと踏まえた上で、この日本という国を本当にいち早く近代化をしていくためには特許という知的創造力、そしてその結果としての成果物、これを国の一番根本に据えなければならない、ということをアメリカ留学をしながら見抜いたと。私はすばらしい炯眼だったと思います。そして、今正に我が国にとっての第二の敗戦というふうに言われたこの経済停滞の中で、やはりこの日本を本当の意味で二十一世紀の豊かな、そして幸せな国にするためにはこの知財が正に国幹に据えられなければならないと、このような巡り合わせに立ったというようなものもある意味では必然的なことだったのかなと思う次第であります。 ということで、知財基本法もでき、知財戦略本部もできました。しかし、同僚から私も民主党の中じゃ知財の鬼だなどと冷やかされておるんですけれども、この知財を国家戦略と言っている割には非常に国民に対するアピールが全然弱いなと、こういうふうに思うわけであります。 先ほど同僚議員の触れたとおり、やはり、例えば小学校の子供たちの知的創造力をどのようにアップをしていくのか、そういうところから始まって、社会全体の知的創造力をいかに活性化し、またそれを経済の一番基本の戦略にしていくんだと、こういう日本社会全体への動機付けといいますか、これが極めて弱い、これでは国家戦略という名前が泣く、私はこのように思っております。 正にそういう意味では、国家戦略というその名にふさわしい国民へのアピールあるいは動機付け、これをもっと大々的にやっていく必要があるんではないのかな。発明の日等もあるというふうな話も聞きましたけれども、昨年、ノーベル受賞者が二人同時に現れたという世界の快挙をやっておきながら、それを大変な好機としてとらえた上でこの知財立国に向けた大きなキャンペーンを展開する等の努力が全然政府の方から出てこない。小泉総理も、国家戦略と所信表明の中で一行触れたばかりでありまして、これを本当の意味で国家戦略にして日本を引っ張っていくんだという熱意が全然伝わってこない。これじゃ、私は駄目だと思うんです。 そういう意味では、経済産業大臣に、この戦略本部の副本部長というお立場もありますから、戦略本部として、正にこの国民に向けた大きなイベントとかあるいはキャンペーン、これを知財立国、知的創造力革命と、こういうふうなことでやっていく必要があるんではないのかな、そういうふうな考えに立つわけでありますけれども、具体的な御計画やら、あるいはそれが仮にない場合でも、御決意等でも聞かせていただければなと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 さすがに知財の鬼と自負されている簗瀬先生からの鋭い御指摘がございました。御指摘のとおり、やはり国家戦略として、これは国民に対して啓蒙をし、そして国民の皆様方に理解をしていただく、こういうことは非常に大切な私は視点だと、こういうふうに思わせていただいております。 こうした観点から、知的財産戦略大綱を同会議の委員から説明する、そういう催しというのは八回ほど全国各地でやらせていただきました。そしてまた、特許流通フェアに合わせてそれを実施するなど、知的財産に関する普及啓発に努めているところでございます。 また、今御指摘いただきました発明の日というのが四月十八日でございますけれども、前回は今お名前を出された小柴先生にも講演をしていただいて、そして、やはりいかに知財立国が大切か、こういうことも小柴先生のお口から言っていただいたと、こういうことでございます。 私どもは全国各地で様々なイベントを開催しているところでございまして、知財の功労者表彰でございますとか、あるいはシンポジウム、さらには発明品のデモンストレーション、こういうことをやらせていただいていますけれども、確かに御指摘の点はそのとおりだと思っておりまして、私も知財戦略本部の副本部長として働き掛けて、そして、やはり国家の重大な国家戦略でございますから、私どもとしては積極的にやらせていただきたいと、こういうふうに思っております。
○簗瀬進君 特にこの問題については、子供たちへのアピール、これを特に重点を置いてやっていただきたいと、こういうふうにお願いをいたしまして、次の質問に移ります。 正に現在は大変目まぐるしい、分進秒歩などと言われるわけであります。コンピューターの機種等ももう二、三か月でがらっと変わってしまうと、こういうふうな状況の中で、いわゆるこの審査体制の迅速化というようなものは本当に喫緊の課題だろうと思うんですね。 そうした中で、出願後三年間ということで、審査請求期間を今までの七年から短縮にしたと。これはそれなりの評価をいたしますけれども、これでも私はまだ足らないんじゃないのかなと思います。正に、例えば今度のSARSの問題にしても、あのコロナウイルスというようなものが発見をされる、その背景にあるのにはもう目まぐるしい科学技術の進展があったからあのようにできているわけでありまして、本当の、もう一、二か月でがらっと変わってしまうというような状況が今世界にいろんな科学技術の分野で取り巻いているわけであります。 こういうふうなことを考えてみますと、出願をして、そして三年内に審査請求をして、そして最終的に査定をして特許になっていくというふうな、こういうふうなシステムというようなもの、これはある意味では出願をした人たちのいろんな考慮を考えてのことであるかもしれませんけれども、全体的にもっと圧縮をしていかないととても世界の中で我が国がリーダーシップを取れるような体制は作れないんではないのかな。 正にそういう意味では、この問題で、例えば昨今逆サブマリンじゃないかなんという話も聞かれるわけです。というのは、サブマリンというのは、見えないものが突然浮き上がってくるのがサブマリンなんですけれども、日本の場合は出願をして公開もされていて、もしかしたら特許取られるかもしれないなと思わせておいて、それで最終的には取らないと。だから、浮かび上がらせておいて突然沈めると。私はこれ逆サブマリンじゃないのかななんというふうに思うんですけれども、そういう中で一種の企業の駆け引きも行われている。 そういうふうな状況の中で、どうも相手の出方を見ながらこの戦略を考えていこうなんというふうな、ある意味で若干ゆとりがあり過ぎるような体制もそこから生まれているんじゃないのかなと。これは全体を圧縮をしていこうという形になると、現在の審査体制を前提にするとある程度猶予期間というようなものが必要だと。その中に出願と請求というふうな、こういう段取りを経て、段階を経て徐々に絞っていくというふうな、ある意味での審査体制の弱い部分から出てくる一つの何といいますか、刻みといいますか、こういうふうな状況が出願から審査請求からというような、こういう段階的な手続を生み出しているんではないのかなと思うんです。 しかし、これをこのまま維持をいたしますと、正にその分進秒歩の技術革新の中で我が国がリーダーシップを取っていく、そういう意味での戦略的な攻めの知財戦略という形でいってみると、これはむしろ守りの姿勢に完全に回っちゃっていると思うんですよ。これではやっぱり国家戦略の言葉が泣くというものじゃありませんか。 だから、私は審査請求というこの制度自体をそろそろ抜本的に見直していくという、こういう状況も来ているのではないのかなと、こういうふうに思うんですけれども、大臣の御見解を。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えさせていただきます。 審査請求制度は、特許出願をした後にその発明を再評価するという期間を与えるため、昭和四十五年の特許法改正により導入されたところです。制度導入当時、審査請求期間は出願日から七年以内とされましたが、先ほど簗瀬先生御指摘のように、平成十一年の特許法改正におきまして出願日から三年以内に短縮されております。 審査請求期間を設けることによりまして、出願人は、事業化の可能性、特許性の有無を考慮した上で特許出願のうち真に必要なものを選別することによって、審査に当たり負担する費用を軽減することができます。また、審査する私ども特許庁の方としても、特許性の高いもの、事業性の、経営価値の高いものを中心に審査ができるということで、この特許審査という公的インフラを効率的に運用することができるというふうに考えているところでございます。 一方、今御指摘の審査請求期間をどの程度の長さにするかということでございますが、これを余り長くしますと、簗瀬先生御指摘のとおりのいろんな問題が出てくるかと思います。一方、過度に短くした場合には、出願人は審査請求の要否を判断することができないため、かえって不必要な審査請求を助長し、発明を再評価するという制度の目的の達成を制限する懸念があると考えております。 ということで、平成十一年の改正におきまして七年から三年へさせていただきました。一昨年の九月からの出願については三年の請求期間となっております。私ども、第三者の監視負担を軽減するという意味から、インターネット等を通じて審査経過情報を随時公開することにしておりまして、そういう形で第三者の負担を軽減したいというふうに考えているところでございます。
○簗瀬進君 そこで、大臣にお尋ねしたいんですけれども、この際、審査請求の話から次の議論に行きますけれども、審査請求から結論が出るまで、特許になるまで現在二十九か月程度掛かっていると、こういうふうな話なんですね。これは私はやっぱりまだ遅いなと。もっともっとスピードアップしていかなきゃならない。ここで明瞭な目標年次というようなものを出すべきなんじゃないのか、そして、それに対して、それを前提にして取り組んでいくべきなのではないのかなと、こういうふうに思うんですけれども、大臣の具体的な御見解があれば。
○国務大臣(平沼赳夫君) 日本のいわゆる特許出願の最終処理期間というのが二十九か月と、こういう御指摘でございました。随分努力をしてまいりまして、大分縮まってきたことは事実ですが、まだアメリカなどに比べますと長い、こういう御指摘があります。 そして、先ほど来御指摘のように、やっぱり知財立国、これからは知的財産というものをいかに生み出し、それを保護し、それを活用する、これが非常に大切なわけでございまして、そういう意味でも最終処理期間を短くするということは非常に私どもは御指摘のとおり大切なことでございます。 そういう中で、私どもとしては、出願・審査請求構造改革等の総合的な施策を講ずることを目指しておりまして、私どもとしては、二〇〇六年度以降、世界最高レベルの迅速的確な審査を目指すことにいたしております。そういう意味で、今回の法改正が実効あるものとなるように、企業への説明を通じた審査請求構造改革を進めまして、そして制度の中核を担う特許審査官の確保に努めるとともに、アウトソーシングや審査補助職員の活用によります審査体制の充実に向けた総合的な取組を講ずることによりまして、今言った目標を私どもは達成をするために最大限努力をしていきたいと、このように思っております。
○簗瀬進君 審査請求の手続の構造改革をすると、こういうふうなお話ではございまして、是非とも期待させていただきたいと思うんですが、その改革の前提として、在庫一掃作戦ではありませんけれども、現在の未処理出願たまっている、先ほどの御答弁の中にもそれはございました。これをもうこの際、在庫一掃、滞貨一掃、これをすべきなんではないのかなというふうに考えるわけであります。 そこで、これもまた大臣に重要な問題でございますので御答弁いただきたいんですけれども、この未処理出願の在庫がどの程度の見込みで一掃できるのか、そして、それを御決意の中でどの程度短縮を考えるのか、ちょっと御答弁いただければなと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 現在、出願人の行う審査請求の件数というのが、特許庁の審査できる件数を御承知のように上回っております。審査着手を待っている出願の数は増加傾向にあるわけであります。 今後数年間は、審査請求期間の短縮に伴いまして、審査請求件数の増加は予想されます。審査着手を待っている件数が増加しまして、審査期間が長期化することが懸念されております。 こうした観点から、知的財産戦略大綱におきまして、必要な審査官の確保あるいは先行技術調査の外部発注や専門性を備えた審査補助職員の積極的な活用等による審査体制の整備に加えまして、企業啓発等を通じて我が国の審査請求構造の改革を図るなど、総合的な施策を講ずることによりまして、審査期間の長期化を防止することが当面の大切な課題だと思っております。 したがいまして、現時点におきましては、審査請求を待っている出願を一掃する具体的な目標を設定することは非常に今のでは困難でございますけれども、今般の法改正を含む総合的な取組の効果を見定めまして、先ほど申しました今後世界最高レベルの迅速かつ的確な審査の実現を目指しまして、その具体化に向けた方策を引き続き検討していかなければならないと思っております。 滞貨一掃と、こういうお話がございましたが、今我が国特許庁に出願され審査請求がなされたものの一次審査の結果を通知していない件数というのは、二〇〇二年末現在で約五十万件ございます。こういったところの滞貨一掃をしなければならない、このように思っているところでございます。
○簗瀬進君 どうかその数に圧倒されずに果敢に挑戦をしていただきたいなと、このように思います。 さて、そこで、委員諸氏にはお配りをしております配付資料の中で、参議院の調査室が作った三十一ページの部分をコピーしたものがありますので、それをごらんになっていただきたいなと思います。 いわゆる今回の手続費用の改革、審査請求費用のある意味での著しい値上げ、私はどうしてもこれ納得いかないんですよ。最終的には、全体としてはこれは賛成せざるを得ない法案なんでありますけれども、知財立国と全く逆行しているというふうにこれは断ぜざるを得ない。 経済産業大臣が知財の意味を十分に御理解をしておきながら、事務当局の持ってきたこの案を最終的に受け入れたというのは、私はどうも信じられないんです。それが明瞭に表れているのは、実はこの表だと思うんです。これは出典は特許庁の表ですよ。だけれども、特許庁、やっぱり値上げを求めている側でありますから余計なことは書かないんで、私が下に書いておきました。 下に書かれているbプラスc分のaというのは私の試算であります。この横長の表でございますので、どうぞごらんになっていただきたいと思います。 これは日本と米国と欧州のそれぞれの手続関連費用の相互比較でございます。出願及び審査関連費用と設定登録費用、権利維持費用と、そして実は重要な小計が抜けておりまして、その重要な小計というのは、設定登録費用と権利維持費用の合計額がここには抜けております。それが私の言うbプラスcであります。すなわち、手続をいってみますと、これ非常に三段階に分かれておりますので意外にみんなある意味では見落としてしまうんですけれども、出願それから審査請求と、それまではゴールに飛び込む前のお金なんですね。ゴールに飛び込んで、そして合格者になったよといったら、その次に払うのが今度はいわゆる特許料と言われているものであります。でありますから、戦いに、まあいわゆる特許レースに参加をする人の参加費用というのがここに言っているaなんです。そして、そのレースに勝って認定してもいいよというお墨付きをいただいた人が払うのがbとcなんです。この両方の比較をすべきなんですよ。 それでやってみますと我が国はどうかというならば、改定前はいわゆるレースの参加費用が十二万円で、勝利者が登録をするために払うお金が三十五万円なんです。三三%です、その両者の比率は。それを今度どうしようかといいますと、レースに参加する参加費用が二十一万円で、レースに勝った人が払うのが十六万円、逆転現象になっているんですね。レースに参加費用の方をがっと高めて、そして言うならば勝利者が勝利の特権を確保するために払うお金が十六万円ということで、この比率は一二九・五%なんです。bプラスc分のaという形でやりますと。 さあ日本はこのようにやりました。アメリカも改定しています。こういうふうなことで横を見てみますと、どれを見ても、そのレースの参加費用とそれから勝利者が払う金、日本のように逆転をしている国ってないじゃありませんか。アメリカだって改定前はレースに参加費用が十六万四千円、そして勝者が払うお金が五十一万円。だから、参加費用を安くして勝者として登録する金はそれの倍以上という形になっている。それが改定後どうなるかというと、改定後だってやっぱりそれは変えていないですよ。レースに参加費用は二十一万円、そして登録費用は五十六万円。 それから今度欧州、これを見ても、欧州は若干、特に指定国の場合はちょっと高めになっています。レースに参加費用するのが四十三万八千円、そしてレースに勝った人が払うお金が五十四万六千円。でありますけれども、やっぱり参加費用のがその後勝者が自らの権利確保のために払う金よりもずっと安いんです。 これ日本だけですよ、こういう逆転現象やったのは。これは何なんですか。正にこれは知的創造力を発揮をしようと思ってたくさんの人にすそ野を広げながら創造力を幅広く広めていって、そして初めていわゆる山の頂が高くなるんですよ。すべてそうです。これは人間の知能指数だってそうなんですよ。やっぱり人口が多いところは高い知能指数を持った人が最終的には出てくるという、すそ野を広げないと高みは上がらないんです。日本が今これ、今度の費用改定でやろうとしているのは、すそ野をできるだけ絞って、そしてレースに勝った人だけには高い金払ってもらおうと。 正にある意味で知財の中に言うならば強者、これが勝ちやすいような状況を入れて、全体的に例えば中小企業とか大学とか、そういう資金力が弱いところまで参加をしようと、そしてみんなで知的創造の善意の競争をしようという大勢からいってみれば全く逆行したことをやっている。これは世界の趨勢と全く反します。大臣、これでいいんですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) こういう数字をお出しをいただきまして、そういう御指摘も一つの見方だと私は思います。 ただ、日本の場合には、簗瀬先生も御承知のように非常にタクティクスな出願状況がございまして、それが非常に、先ほどの答弁でも申し上げたように実際は休眠状況になっておりまして、これが大切な知的財産立国の中で非常に事務的なそういう作業というものを阻害をしている。ですから、そういう中でとにかく特許性のあるものもないものも全部出しておけと、こういったことが非常に大きな比重を占めています。ですから、そういう日本の特殊事情というものが背景にあるということも事実でございまして、そういう意味では確かにおっしゃったように知能指数のことをおっしゃいまして、すそ野が広ければそれだけいいものが出てくるということは私は統計学的にはそのとおりだと思います。 しかし、全体的に見れば日本というのは出願数も多いわけでございまして、そういうものを一方的に排除をすると、こういうことではなくて、私どもとしては先ほども答弁の中にありましたけれども、例えば中小企業者に対する配慮もいたしておりますし、あるいはまたそういうベンチャーだとか、あるいはこういう知的財産を伸ばす、そういった一つのカテゴリーに入るそういう出願者に対してもインセンティブを与えると、こういうこともさせていただいておりますので、御指摘の点は私は一つの事実だと思いますけれども、今、日本のそういった冒頭申し上げたような事情もあるということも御賢察をいただければと、こういうふうに思っております。
○簗瀬進君 先ほど大臣の答弁の中に審査請求の構造改革と、こういうふうなお話がございました。正にこれ構造改革をやらなければ駄目だと思うんです。この手続費用の検討を私もずっと昨年からさせていただきました。また、特許庁長官も何度も私のところにお見えになって大変な、この問題については頑としてお譲りにならない、何でなんだろうか。これは、与党さんだって先ほども福島さんの御指摘の中でいろんな優遇措置をやれというふうに言ったけれども、やっぱり優遇措置は優遇措置でしかないんです。一番の根幹の部分でまずは大体決まってくるんです。与党だってかなり強くこの問題について反対をしているのにもかかわらず最終的にこれをのむ、なぜなんだろうかと私は非常に自分自身理解ができなかった。だが、最近になってようやく焦点が絞られてきました。正に構造改革なんです。構造改革を妨げるものとして私は三つあるのではないのかなと、こういうふうに思っています。 まず、第一番目は特許特会ですよ。先ほどの御指摘の中で、収支相償という原則がこれは特別会計の原理の中から出てくる。すなわち、出願者があるいは特許登録者が払う金の中で手続費用を全部賄わなければならないという。入口と出口、金をこの特許関係については全く同じようにしておかなきゃならない。 先ほど高橋是清、これは後進国で特許制度を作るためにはやっぱり特別会計的なものが必要だと、インセンティブを与えて金のないところをやっぱり参加者からもらうと、こういうところで特許特会という理想が出てくる、そこから収支相償という考え方が出てくる。これはその時点ではある意味で歴史の必然性はあったかもしれない。しかし、今になってこの特許特会という、収支相償というようなものをやってまいりますと、最終的に金はもう縛られてしまう。いわゆる関係者の中の出してくれるお金の中でしか物を解決できないという状況になってしまう。だから、まず構造改革をしなければならない第一番目は、その特許特会の収支相償原則、受益者負担、これをこのまま維持するというと絶対知財立国はできませんよ。これが一つ。 それから二番目、私は総定員法だと思います。これは例えば、私は本会議でこれを触れたことありますけれども、この配付資料の中の五十六ページに審査官一人当たりの最終審査・国際予備審査件数の比較と。日本は一人の審査官が百八十二件でアメリカが八十一件、欧州が六十一件。日本の審査官は頑張っているなと思った。しかし、実はこれは裏の話がありまして、先ほど来話が出ているアウトソーシングです。アウトソーシングということで、IPCCといういわゆる工業所有権協力センター、これが実は千二百名程度の主席部員というサポーターを持っているわけですよ。だから、これを足し合わせていってみると日本はアメリカとあんまり変わらなくなっちゃうんで、九十本ぐらいになっちゃうんですよ。そういう一つのマジックがあるんです。 本来は審査官としてやらなきゃならないものをやっぱり外注せざるを得ないような状況を作っている。そして、先ほどの五十万件とか、相当これから出てきてもらわなければならない特許の件数をこなすという、そういう特許体制を総定員枠の中で審査官を増やさずにアウトソーシングというふうな形でやるという形になると絶対限界が来ます。でありますから、私は、ある意味では経済産業省は知財省に衣替えをすることによって、経済省の逆のほかの部分はその知財省の一部局にする、それぐらいの大胆な形でやっていかないと知財立国というのはできませんよ。でありますから、二番目の構造改革のターゲットはやっぱり総定員法であり、ある意味では経済産業省の構造改革なんですよ。 それから三番目、今も触れましたいわゆるアウトソーシングが、実はアウトソーシングという外に出す、外にソースを求める、それとは全く名ばかりになっているということです。今お手元にお配りさせていただきました財団法人工業所有権協力センター、この常勤役員名簿、これ配ってあります。これはもうホームページに出ておりますから。 アウトソーシング、これは外部に出すんですよ。外部の資源を有効活用するというのがアウトソーシング、それによって費用低減を図っていくというのがアウトソーシング。ところが、工業所有権協力センター、ここに常勤役員名簿、七名の常勤がありますけれども、理事長、元特許庁長官、副理事長、特許技監、専務理事、特許技監、常務理事、特許庁審査第五部長、それからあと二人の理事が両方とも特許庁の課長だったり審判長だったり、そしてもう一人いる方が、この方だけ特許庁じゃなくて通産省の調査統計部の商業統計課長。アウトソーシングじゃないじゃないですか。身内に、形を変えた身内に出しているんですよ。だから、本当の意味で徹底したアウトソーシングの妙味というか、コスト削減の効果がここから出てくるか。こういうふうな点からいっても、この点もやっぱり改革をしなければならない、こういうふうに私は思っておるんです。 こういう体制でがんじがらめになっている中で、もう人も金も全部縛られた中で知財戦略なんて立てようと思うと、どこかにしわ寄せしなきゃならない。そのしわ寄せの最も大きな結論がこれじゃありませんか。正に厳選主義を取らざるを得ない。絞って今の体制の中でこなそうと思うから最終的に、いわゆるレースに参加する参加費用を今までよりも倍にする。こういう中で、参加者少なくして絞って審査をしようというふうな体制を作らざるを得ない。少々演説が長くなっちゃったのでこの辺でしますけれども、このような構造改革の三つのターゲット、これ何とかしないと駄目ですよ。大臣、どう思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変説得力のある、構造改革というところに視点を置いた御指摘というのは、私は非常に傾聴に値することだと、このように受け止めさせていただきました。 私どもは知財立国を目指しているわけですから、今後私どもが知財立国を築いていく上で、今、簗瀬先生の御指摘というのも非常に貴重な御意見だと思っておりますので、私どもは真摯に受け止めさせていただきたいと、このように思います。
○簗瀬進君 演説がちょっと長過ぎたので極めてあっさりとした答えになってしまいまして、非常に私はがっかりをいたしておりますけれども。 若干、この工業所有権協力センター、これについてお話をさせていただきたいんですけれども、現在の常勤役員と、それからその他のスタッフの数、どれぐらいになっているんですか。
○政府参考人(太田信一郎君) 常勤役員は七名でございます。職員数については、四月四日時点で、本年の四月四日時点で千三百二十名でございます。
○簗瀬進君 その千三百二十名の内訳、どんなふうになっています。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 主席部員が約千二百名、千百九十六名でございます。事務系の職員が八十一名おります。それから検索・分類指導に当たる、主幹と申しますが、これが四十三名おります。以上で千三百二十数名ということでございます。
○簗瀬進君 いわゆる、今お答えの中にあった千二百名弱の主席部員というものが特許庁と協力をしながら審査体制を作っているわけです。 お手元にあるこの二番目、もう一枚の表、これもいわゆるIPCCからのホームページから取ったものでございます。正に特許庁と骨絡みになって仕事しているわけですよ。ここに出願受け付けますと、分類付与業務というのがIPCCの方に行く。そして、いろんな分類をした上で出願公開という形になる。そしてその後、先行技術調査業務と、こういうふうな部分でまたIPCCの方に仕事が帰ってくるんですね。この分類付与業務と先行技術調査業務、いずれも言うならば外注費用という形で特許特会の中からお金が出ているわけですよね。だから、外注費用の近年の動き、特許特会の中でのそのパーセンテージ等についてちょっと御説明ください。
○政府参考人(太田信一郎君) 先行技術の文献調査外注費は、平成十五年度の予算では百三十五億円でございます。それから、分類付与、Fタームの一元付与実施費として六十五億円ということでございますが、両方合わせると二百億ということでございまして、特許庁の特会、約一千百億でございますので、二割弱ということになります。先行技術文献調査外注費は、今年、十五年度は百三十五億ですが、十四年度は百五億、十三年度は八十六億ということで増加しております。
○簗瀬進君 二百億ということなんですけれども、IPCCの全体の費用の中でこの外注費、全体の収入の中でこの外注関係の占める割合というのは何%ぐらいですか。
○政府参考人(太田信一郎君) 正式な数字は持ち合わせておりませんが、ほとんどが外注費で賄われているというふうに理解しております。
○簗瀬進君 質問通告させていただいておりますので御答弁いただけるだろうと思うんですけれども、このIPCCの七名の役員の待遇関係はどうなっています、特にいわゆる年俸等、それから退職金。
○政府参考人(太田信一郎君) IPCCの常勤役員は七名、先ほど御答弁申し上げましたように、おります。 役員報酬につきましては、平成十五年度におきまして、理事長は千九百五十万、副理事長が千八百五十二万五千六百円、専務理事が千七百五十五万円、常務理事が千六百五十七万四千四百円、理事が千六百二十三万三千六百円となっております。 それから、役員の退職金につきましては、現在の役員報酬規程が変更されず、ちなみに、ちょうど四年間在職したと仮定いたしますと、退職時の年俸額の十二分の一に百分の二十五を乗じまして、在職月数、四年間ですと四十八か月でございますので、それを乗じて算定することになりますので、四年間おりました場合には先ほどの役員報酬の年俸と同額となるという水準でございます。
○簗瀬進君 先ほども指摘したとおり、七名の常勤役員のうち、経済産業省、通産省関係が一人、あとは全部特許庁OBなんですよ。こういう体制について、生え抜きもだれもいない、こういう体制について、大臣、どう思われます。
○国務大臣(平沼赳夫君) それぞれ経験だとか知識、そういう知見、そういうことで選ばれたと思っておりますが、昨年来の国会の質疑の中でもそういう問題点の御指摘がございました。そういう中で、私は、やっぱりこの見直しということもやらなければならないと、そういうふうに思っておりまして、今そういう見直しも検討していると、こういうことでございまして、御指摘の点はある意味では大変偏っているということは事実だと思っています。 ただ、冒頭申し上げたように、それぞれの特殊なそういうジャンルでございますから、知識だとか経験だとか知見、そういったものによって選ばれたと、こういうように思っておりますけれども、今の世の中の中で、やはり疑念を抱かないような形で国民の皆様方に納得していただくと、こういうことが必要だと、こういうふうに思っているところでございます。
○簗瀬進君 お配りしてあるこの常勤役員名簿の次の二ページ目から、今度、役員名簿があるので、ちょっとごらんになっていただきたいと思うんですが、実に広範に日本の超有名企業のお歴々が並んでいるわけであります。富士ゼロックスとかリコーとか三菱重工、古河とか。 恐らく、先ほどその主席部員が千二百名と。その人たちがこの分類付与、先行技術調査という形で特許庁に協力をするわけでありますけれども、その主席部員の出身社、出身企業というもののトップが全部ここに並んでいるのかなと、こういうふうな想像をするんですけれども、その辺はどうなんですか。その主席部員の出身企業ということとこの役員の関係、それから、ついでにこの主席部員と言われている千二百名の特許庁の審査体制をサポートしていらっしゃる皆さんの待遇、幾らぐらいか。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 主席部員、今、簗瀬先生から御指摘の企業からの出向者、これはサーチをしていただくということで、やはりそういう能力のあられる方ということですから、大企業の方が中心となります。それと、その方々は出向者という形でIPCCの方に来ていただいております。それから、出向期限が終わった後、嘱託職員として引き続きサーチをされている方もおられます。その両方から主席部員は構成されております。 このうち、企業からの出向者の給与でございますが、出向元企業から支給されておりますが、IPCCは出向元企業に一人当たり年間六百万円を支払っております。一方、嘱託職員でございますが、派遣元企業を退職した者をIPCCが直接雇用しているものでございますが、IPCCから年間六百三十五万円を支給しております。
○簗瀬進君 今の世間の常識からいってみると、かなりペイはいいなというふうに言わざるを得ないし、そこに先ほど同僚議員が御指摘の一件七万円という方のサーチ費用というようなものの反映がやっぱり出てくるんじゃないのかなと。もっと企業努力、私、できるんじゃないのかなと思うのが一つ。 それからもう一つ、もっと重要なのは、特許庁の審査に対する信頼性という形でいってみると、このような企業の、ある意味でひも付きと言ったら失礼かもしれませんけれども、企業の色が付いている人たちが重要な特許審査に絡んでくるという体制を前提にしているということですよ。例えば、今企業が大変厳しい競争をしている。燃料電池をどう開発するんだと、あるいは医薬品について、今のヒトゲノム全部解析できた、これをどうしようか、こうやっている。そうしたときに特許が出る。そして、その特許で、分類付与ぐらいだったら問題はないだろうと思うけれども、先行技術調査業務のところで、内部に特許庁と骨絡みで企業の出身者のサポーター、主席部員としてこのIPCCの方に付いていると。こういうふうな状況になりますと、それがトラブルの種になりかねないんじゃないんでしょうか。そこについての内部体制、どうなっているのか。あるいは、今後ともこういうふうな、ある意味ではもう最初から疑われかねないような体制作っていると。このままでいいんでしょうかね。だから、前半は特許庁長官で、後半は大臣に。
○政府参考人(太田信一郎君) 七万四千円、一件当たりの単価が平均掛かっております。これは、従来、納品型と私ども呼んでおりますが、IPCCのサーチャーがサーチした結果をそのまま書類として審査官の元に届けてもらっていたわけでございますが、最近は対面、対話型ということで、審査官が直接サーチャーと対面して、具体的にこれが先行事例があるかどうかということを調査することに、そういう仕組みのものが増えておりまして、必然的に一件当たりの単価が上がっている状況にございます。 それから、出向者については、もう当然のことながら出向元の企業との間できちんとIPCCは契約を結んで、秘密等の保持等については厳正に遵守すると。あわせて、IPCCの中の業務体制も極めて厳しい秘密保持体制をしいておりまして、特段大きな問題が生じているというふうに私どもは承知しておりません。
○国務大臣(平沼赳夫君) やはり今、知財というものは大変重要でございまして、燃料電池あるいはバイオ、そういう例をお出しになられましたけれども、こういう大変貴重な、そういう特許性のあるものについて、やはり私どもとしては、今、長官から答弁をさしていただきましたけれども、しっかりとした守秘義務と、そしてその中立性、公平性、そういうものを保てる体制を取っておりますので、そういうことが起きないように更に私どもとしてはその体制というものを徹底していかなければならないと、このように思っております。
○簗瀬進君 正にそれぞれの守秘義務を問うのであるならば、IPCCを通してそういう守秘義務を求めるのと、そういう守秘義務を企業として守りますよと言った人と契約をするのと何の変わりもないんですよ。 ということになりますと、正に先ほど来これはもう議論出ておりますのでこれ以上言いませんけれども、このアウトソーシングといいながら、これは身内に出している。しかも、そこに企業絡みの話が出てきていると。審査の信頼性をもしかしたら損なわれるかもしれないというこういう問題まで出てきていると。 ということでありますから、このIPCCを中心にした物の考え方というようなものは、これから根本的に改めてもらわないと駄目だと思いますよ。こういうものを前提にしながら物を考えていくから、先ほど言ったような、結果として間口を絞って、そして物になりそうな人だけにお金を出させると、こういうふうな世界の趨勢とは全く逆行した料金改定にこれつながっていくんですよ。 だから、私は、そういう意味では、大臣にある意味ではもっともっと根底的な部分から物を考えていただきたいと。そのためには、先ほど言ったその特許特会、IPCCの独占アウトソーシング体制、そしてもう一つは総定員法と、ここら辺の枠組みをやっぱり果敢に突破してもらわないと知財立国できないと思いますね。 それはもう要望ということでこれ以上答弁は求めませんけれども、最後にIPCC絡みで一つ聞かせていただきたいのは、どうもこういう、言うならばかなり濃厚な天下り先といいますか、天下り先の通常の概念とは違うよとおっしゃるのかもしらぬけれども、全く言うならば支店と同じですよね。そういうようなものを作ってしまいますと、自己増殖していくんですよ。その自己増殖の気配がもう見えているのが次からの質問なんですけれども、大阪と福岡にIPCCの支部を作りたいと、こういうふうな話がある。そうすると、ただでさえ今IPCC、この大きなサーチ業務を抱えながら少ない状況の中で余り拡大もできないと、そして収支相償ということでありますから余り高い値上げもできないと、こういう状況の中で、ぎりぎりでやっていかなきゃならない。そういう状況であるにもかかわらず、そこに例えば支部を出していくと。という形ならば、支部がどういうふうな建物の中に入るのか、あるいは自分で建物を造るのか分かりませんけれども、いろいろなところでまたIPCC余計な金が掛かってきますよ。 こういう動きが本当にあるというふうにちょっと聞いたんだけれども、どうなんですか、そういう事実があるのかどうか。そして大臣に、その事実についてどういうふうに、そういう話があるんだったらどういうふうな対応で臨んでいくのかというのをちょっと聞かせていただきたい。
○政府参考人(太田信一郎君) 各地域においてIPCCの支部設置があるのかどうかというお尋ねでございますが……
○簗瀬進君 各地域じゃなくて、二つ、大阪と福岡ですよ。
○政府参考人(太田信一郎君) 大阪と福岡でございますか。 一部の地方自治体、これは大阪、福岡からIPCC支部設置の要望があることは承知しております。IPCCは、従来より、優秀な人材を調査業務実施者として確保するため、関西地域等での採用活動も行っております。安定的な人材の確保の観点から、IPCCにおいて地方支部の設置について検討をしていることは事実でございますが、設置を決定するには至っていないものと聞いております。 特許庁といたしましては、国際的に遜色のない迅速かつ的確な審査の実現に向けて、制度の中核を担う特許審査官の確保に努めることはもちろん、アウトソーシングの更なる拡充を図る上で、これらの調査に従事する高度の専門性を有する優秀な技術者が十分に確保される必要があると考えているところでございます。 こうした認識の下、特許庁といたしましては、首都圏では人材を確保し難い技術分野について、地方において優秀な人材を一層安定的かつ円滑に確保することが可能ではないかとの視点から、どの地方においてどの技術分野の技術者がどの程度の人数を確保できるかについて、その可能性を調査することとしております。 しかしながら、この調査については、アウトソーシングを行う主体について何らかの前提を行っているものではございません。優秀な技術者を擁する調査機関から指定の申請があれば、特例法に定める指定基準を満たせば当然に指定を行い、先行技術文献調査を行わせることも想定しております。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、特許庁長官から御答弁させていただいたことに尽きると思うわけでございまして、私どもとしては、そういうIPCCの福岡やそういった大阪にブランチを作るというようなことは今毛頭考えているところではございません。 ただ、地域からの要望として、やはりこの知的財産立国を造るに当たってはそういう機関が欲しいというような商工会議所等の要望はあることは事実でございます。したがって、私どもは、今後やっぱり、どういう体制で全国的にこの知財立国を造るためにどういう形でそういう受皿ができたらいいかということはこれからの検討課題の一つにはなると思っておりますので、そういう観点で、ブランチを作るとかそういうことじゃなくて、検討はすることは必要があると思っておりますけれども、今、差し当たって大阪、福岡にそういうことを具体的にやると、こういうことは全くございません。
○簗瀬進君 正に特許特区でも考えたらいいんじゃないんでしょうかね、そういう意味では。 IPCCということを前提にして、言うならば特許庁の外郭団体を拡大をしていくということではなくて、先ほども同僚議員から御指摘があったように、そういう地域の要望があるんだったら、それを更に、官が民を圧迫するんじゃなくて、民に新しいそういう雇用を作っていくなり新しい動きを起こしていくと、ということで、それをいい方向に受け止めて大阪とか福岡に対応すればいいんじゃないんですか。そういうふうなことを考えますけれども、大臣、いかがですかね。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもとしては、IPCCの自己増殖的なことは、これは考えておりません。 ですから、今、特区というのも第一段階全国で五十七か所を指定しました。ですから、そういう発想というものも非常に重要ですし、いずれにいたしましても、私どもとしては、この全体が非常にパワーとして足りないわけでございますから、そういう意味では、そういう受皿を作っていくということはやっぱり検討に値することだと思っております。ですから、特例法上、指定基準を満たす者からの申請があれば指定機関に指定することは今のところ可能でございまして、複数の機関が指定されることを排除するものではないわけでございます。 現在のところ、IPCC以外からのそういう指定の申請はない、ただ、商工会議所等からの陳情があると、こういうのが現状でございます。
○簗瀬進君 時間が限られておりますので、この問題についてはこの程度にさせていただきたいと思うんですが。 特許特会についても突っ込んだ議論できませんでした。だけれども、やっぱり特許特会だけではやっぱり済まないんじゃないのかな、もう正面からやっぱり国費を入れるというふうなことも逆に、高橋是清の時代とはまた全く別の発想になりますけれども、もっと積極的な意味付けをしながらこれを考えていくというようなことは必要なんではないのかなと思いますので、先ほど総定員法等含めまして三つの構造改革のテーマを出させていただいたんですけれども、これについて真剣に取り組んでいただきたいと思います。 そして、あと、最後の質問でございますが、知財のための司法インフラ整備ということで、司法制度改革本部の方に御答弁いただきたいんですけれども、知財専門の控訴審を作れと、ということをもう私どもの民主党のはばたけ知的冒険者というレポートでももう随分前から提言をさせていただきましたが、このたび東京高裁にも控訴審裁判所として知財の専門部ができると、こういうふうなお話を聞いております。 してみますと、裁判所はやっぱり最終的に判断をするのは人間でありますから、判断をする裁判官あるいはそれをサポートする書記、書記官やあるいは調査官、こういう総体の中で判断が行われなければならない。 そこで、司法制度改革本部として、この控訴審を始めとしてトータルとしての知財審判体制、まず一つには裁判官、技術裁判官をどういうふうにするのか、それから書記官や調査官、特に重要なのは調査官だと思います。そういう体制をどうするのか、そういう総合的な取組をしていかなければならないと。そういう取組の体制について、今後どういうふうにお考えになっているのか、ちょっと聞かせていただきたいなと思います。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の知的財産訴訟専門の高等裁判所の件については、もう委員も御案内かと思いますけれども、今般の国会に民事訴訟法の一部改正案、これが提出されておりまして、一昨日衆議院で可決をいただいたということで、間もなく参議院の方の御審議をいただくという状況でございます。 ここで、実質的な特許裁判所の機能、これを創出するという観点から、控訴審を東京高等裁判所に専属化する、ここに集中をするということ、それから五人の裁判官による合議体で審理及び裁判をするということができるようにする、こういう内容等を盛り込みまして、現在その改正案を提出しているところでございます。これによりまして判例の事実上の統一という効果も期待されるというところでございます。 私どもとしましては、更に専門的な処理体制を備えた、いわゆる知的財産高等裁判所、これの設立の要否等につきまして、私どもの方で昨年の十月から検討会を設けておりますので、その中で今検討中ということでございます。 それから、御指摘がございました技術判事それから専門家の登用、この問題につきましても私どもの検討会のテーマとして現在検討中でございます。まだ、結論めいたものはまだ出てきておりませんけれども、可能であれば来年の通常国会には、それ以外の点も含めまして改正案を提出させていただければというところでございます。もう少しお時間をいただきたいと思います。
○簗瀬進君 知財高等裁判所というふうな御答弁でございましたけれども、法律的には十分可能だと思うんですね、この知財の高等裁判所という。 私はそういう意味では、専門部的なもので、全体の東京高等裁判所の中にそれを置くというふうなこともいいんですけれども、やっぱり国民に対するインセンティブ、アピールというようなことを考えますと、明瞭な知財高等裁判所的なものをやっぱりきちんと整備をしておく必要があると考えるんですけれども、これについてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のような考え方、私どもも承知はしております。 現在、まず民事訴訟法の改正をいただきまして、実質的にそれがどの程度機能するか、まずそれはきちっと見なきゃいかぬだろうと思います。それ以外に、じゃ独立させた高等裁判所、これを創設するかどうか、現在その要否も含めて検討中ということで、もう少しお時間をいただきたいと思います。
○簗瀬進君 アメリカで連邦巡回控訴審裁判所がこの知財関係でできたのが一九八二年です。それから比べればもう二十年余のギャップができちゃっているわけでありますけれども、是非とも、このアメリカの巡回控訴審裁判所がある意味ではアメリカのグローバルスタンダードを世界に広めていくために非常に力があったということも考えますと、この整備は国益の観点で必要だと思いますので、是非とも積極的に進めていただきたいとお願いいたしまして、私の質問を終わります。 以上です。
○木俣佳丈君 同僚議員の質問に続きまして、民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。 今日は三法一括ということで審議をしておるわけでございますけれども、私の方は、冒頭、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案、これについてまず冒頭お伺いをしたいと思っております。 私は、忘れもしませんけれども、今から三年前、ちょうど今ごろ、四月からほぼ十か月にかかって、この不当景品類、不当な要するにチラシとかこういったことについての注意をもっと促さなきゃいけないということで、公正取引委員会の方々にお願いをしながら進めてきたものでございます。その案件は、具体的に申しますと、今までは牛肉の缶詰、かつては牛肉の缶詰が中身が鯨だったとか、こういう簡単なものだったわけではありますけれども、次第次第に内容も複雑かつ巧妙かつ大きな金額になってくるというような問題でございまして、これ大変実は重要な法案であると私は思っております。 特に、私が三年前にやらせていただいて、公正取引委員会の皆さんにも動いていただいて違反事件を処理をしていただきましたことがありましたのが、有料老人ホームに対する違反事件でございます。今年になりましてから、初めていわゆる排除命令という一番厳しい命令が出たわけでございます、三件。それまではこれがございませんでして、勧告又は注意というようなことでありましたけれども、冒頭、公正取引委員長に、この五年間の、排除命令から始まって勧告又は警告、そして注意、こういったものの数をまず述べていただきながら、全体と比較して述べていただければと思っております。
○政府参考人(楢崎憲安君) 最近五年間の有料老人ホーム関係の事件数でございますけれども、警告件数が九件でございます。それから注意が六件、それから今年の四月十六日、初めて法的措置でございます排除命令を三件行ったと、数字的にはこういうふうになっております。
○木俣佳丈君 全体を。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 有料老人ホームにつきましては、木俣委員から適切な御意見、御指導をいただいて、公取も取り組んできておりまして、今回は、先ほどお話にありましたように三件、具体的に排除命令という、公取、今持っておる手段の中で一番厳しい措置を講じたということでございます。 不当表示全般を見ますと、やはり十四年度に食肉、食品等をめぐったケースが非常に多かったということかと思っておりますけれども、私どもは、やはり消費者の自主的で的確な選択、これを確保するという意味で、不当表示というのはあってはならない。これはもう一番大事な情報の提供でございますので、これについてはこれから、ただ単に注意とかということではなくて、注意も促しつつ、いきなりやぶから棒というのもいかがかと思いますけれども、ステップを踏んで、これからはきちんとした措置を取っていくということで、各関係業界の自覚を更に促していきたいと、こういうふうに思っております。
○木俣佳丈君 実は、有料老人ホームというのは、四千万、五千万という、ついの住みかということで御高齢の方が全財産なげうって、介護も含めて見ていただこう、こういうものでございまして、全国には約二万人ぐらいの方がいらっしゃるんではないかと私は思っております。 そのときに行いましたことが、介護保険が始まったわけでありますけれども、介護の一時金預かりというものを平均五百万、二万人掛けますと約千億、要は預かっていたというものでありまして、こういったものが介護保険始まりながら五百万ずつ取られているというでたらめなことがされていたということで、全体的には二割ぐらい返ったのかなと、二百億ぐらいが返ったのかなということで喜んでおるわけでございますが、しかしながらこの四月にも、今、委員長からありましたように、排除命令がいよいよ出るぐらいになってしまったということでありまして、全国の二万の方々、いまだに結局そういう中にあるのかなと思うと私も非常に残念で仕方ありません。 今日は木村大臣に突然でございますけれども来ていただきまして、この辺り、やはりまだまだ業者の方、不当な、「輝」という雑誌に本当に輝かない不当な表示があるわけでありますけれども、何とかもっともっと抜本的に改正しようと、この決意のほどをいただきたいと思っておりますが。
○副大臣(木村義雄君) 木俣先生の御質問にお答えを申し上げます。 先生御指摘のとおり、有料老人ホームというのは、例えば入居一時金で五百万円から五千万円程度の大変多額なお金を支払わなきゃいけない。また、月額利用料も、管理費プラス食費で十七万円が平均ということで、程度ということで、大変高い負担があるわけでございます。 そういう中で、正についの住みかであるにもかかわりませず、今般、中部地方における有料老人ホーム三施設について、公正取引委員会から、大変厳しい中身でございます排除命令があったということは、厚生労働省といたしましても重く受け止めているところでございます。 今般の排除命令は、個別の事業者が不当な表示を行ったことに対するものと承知をしているところでございまして、厚生労働省といたしましても、入居者に対するサービスの質や適正な運営を確保する観点から、命令の内容等について、排除命令のあった四月十六日に担当課長通知を発出いたしまして、指導監督を行う都道府県を周知し、指導の徹底を図ったところでございます。
○木俣佳丈君 二度とこういったことがないように、是非、副大臣、大臣にもお伝えいただいて、担当の方々、お願いしたいと思います。 ただ、この表示法については、排除命令に従わない場合には罰金が科せられるわけでありますけれども、不当表示自体を処罰する規定がございませんので、結局はやった者勝ちというようなことがずっと続くのかなというふうに思っておりますので、委員長の方もくれぐれもよろしくお願いしたいと思っております。 それでは、知的財産の、特許法の改正の質問に移らせていただきますけれども、簗瀬議員が非常に広範な、しかも非常に的を射た御質問をされておりまして、正に知財の鬼というのにふさわしいなと私も思いました。簗瀬議員が鬼であれば私は小鬼ぐらいにはなりたいな、体は大きいわけでありますが、こういうことを思いながら質問させていただきたいと思っております。 今日は、実はこのチャート、二枚ものの資料を皆様方にお配りさせていただいておりますけれども、実は名前も書いて、正にコピーライトがこの方にあるということで名前も載せさせていただきましたけれども、弁理士会の政治連盟の会長の森さんがお作りになったチャートでございまして、正に知財曼陀羅と言ってもおかしくないような総括図でございまして、私も去年いただいてから非常に参考にさせていただいて、見せていただいておるわけでございます。この中にありますように、まだまだ基本法ができたところ又は知財の戦略本部ができたところでございまして、ここに改正をしなければならない法律の数々が載っておるわけでありますけれども、まだまだ足りないなということを思いながら質問をさせていただきたいと思いますけれども。 いずれにいたしましても、基本戦略として二〇一〇年までには知財立国になるんだという決意の中でありますけれども、私自身がいろいろここ二日間、三日間、特に集中していろいろ学びましたけれども、さてはて本当にそうなるのかなと。実際に制度があっても、結局中身のところがどれほど付いていくのかな。又は、知財で日本再生の切り札と前長官が書かれておりますけれども、しかし、思い起こせば、一昨年はITで全部再生をやり直すんだというような、これでやりますみたいなことは、大体それがこれではできなかったというような理由から、なかなかそれは一筋縄ではいかないんではないか、こんな思いを結論的には私も持ちながら、しかし、やはり人、物、金、技術という中で、やはり人と技術というものが日本の最高の財産であるということからかんがみたときに、この知財で生きていくのかな、こんなふうに思っておるわけでございます。 全体の話はともかくとして、大臣所信に対する質疑のときにも大臣に、又は副大臣に御答弁をお願いしたわけでありますが、今回の改正でも、中小企業の皆さんに本当に使い勝手がいいのかな。つまりは、九九・七%を占める、企業の中での位置を占める中小企業、そしてまた環境が変わるときに柔軟に迅速に対応できる中小企業の、特に中堅中小という枠組みでしょうか、そういう方々が本当に喜んでいただけるような法案に私はなっていないというふうに思っておりまして、そういう観点から幾つか御質問をしたいと思います。 前回の質問の中で西川副大臣からお答えいただきましたように、中小企業の全出願に対して減免適用の件数が、この間だとたしか一%ぐらいということでお答えいただきましたが、再度、中小企業の全出願に対して減免適用の件数は何%ぐらいか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 減免適用の出願件数に占める割合でございますが、出願と審査請求のタイミングが異なるため正確な割合の算出は困難でございますが、仮に毎年二〇〇一年と同数の出願、これは約六万三千件と推定しておりますが、あったと仮定した場合は出願件数の約一・三%になります。また、全審査件数に占める割合は約二・五%でございます。
○木俣佳丈君 この一・三%という数字を大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 一・三%というのは、二〇〇一年と同数の出願で、これ六万三千件でございますから、そうなりますと一・三%というのは約七百件ぐらいと、こういうことに相なります。そういう意味では、日本の中小企業の数が約五百万社と、こういうことを言われておりまして、そういうことから見ればまだまだちょっと低い水準だなという気はいたしております。
○木俣佳丈君 それでどうされたいかということを伺いたいわけでありますが。もっと、どのぐらいまで増やしたいかとかという一つのターゲットがございますでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これはいろいろインセンティブを与える、そういう減免措置等もしております。そういったところは今徹底的にPRをいたしておりまして、私どもは今の水準が少しでも上がるような努力をしなければいけないと、こういうふうに思っておりまして、少なくともこの今の状況の一・三というものをもっと増やさなきゃいかぬと、こういうふうに思っております。
○木俣佳丈君 前回の質問の中で、また御答弁の中で、減免制度を知らないせいであると、周知するように改善するというお答えを副大臣からいただいておるわけでありますが、これはおかしいと私は思っておりまして、なぜおかしいかというと、やっぱり出願に際しては基本的には弁理士さんが付いていらっしゃいますので、これを弁理士さんが知らないということはないというふうに思います。ですから、周知はされているんだけれども使い勝手が悪いということではないかと思いまして。 そうしますと、よく大臣、別の話で、開廃業の話なんかもよく、きちっと数字を挙げて出される姿勢は大変私も参考になりますけれども、敬意を表するものでありますけれども、やはり、じゃ一・三がどのぐらいにしたいのかというところを、もうちょっと増やしたいというのが、一・三が一・四になったからいいという話ではないと思うので、やはりその一けた上になるぐらいという御決意の中でやっていらっしゃいますでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに弁理士さんが付いておられます。そういう意味ではあれですけれども、しかし、そこの弁理士さんに相談に行く前にも、やっぱりそういういわゆる減免措置があるということをやっぱり知った上で行動を起こすと、こういうことも考えられますから、やはり中小企業の皆様方には周知徹底をするということは私は必要なことだと。ですから、その面の努力は怠ってはいけない、こういうふうに思っております。 一・三をどのぐらいと、こういうことでございますけれども、私どもとしては、二〇〇六年、これを一つの目標として、私どもとしてはこの知財立国の中でしっかりとした体制を作っていくと、こういう一つの目標もございます。そういう中で、今の一・三ぐらい、一・三という数字が少なくとも倍増するぐらいの私どもは努力をしていかなければいけないと、こういうふうに思います。
○木俣佳丈君 倍増という具体的な数字をいただきましたが、私は倍増でもやはり少ないんではないかと思っております。例えば、出願審査料、出願審査請求料の減免の部分でございますが、平成十四年度の、二種類あるようでございますね、資力に乏しい者、さらには産業技術力強化法第十七条にのっとった者ということで、これが実は件数をお答えいただきたいと思いましたが、私が答えますと、平成十四年で十件、前半がですね、後段が六百八十件で、六百九十件ということでございます。これはいただいた資料でございますが。 これは私は、どういう方、どういう要件かなと思って政省令を拝見いたしましてちょっと驚いたわけでありますが、「資力に乏しい者」と書いてございます。この中に三つの要件がありました。イは、生活保護法の適用を受けていること、つまり生活保護の対象者である。ロは、市町村民税を払っていないこと、つまりは二年間所得税払っていない、簡単に言うとそういうことでございます。ハとして、所得税が課されていないということ。この三つが要件でありまして、この三つは、なかなかそういう方、町でいうと発明おじさんで非常に、引退された、ただ生活保護法を受けながら発明をしようという方もなかなかいないだろうなと。マニアがテレビに出るぐらいな感じかなという感じで私はこの一番目に書いてある条件を見ました。 二の方は、いろいろ企業の赤字法人であること、今回その拡充がされるということでありますけれども、しかし、なかなか結局、赤字法人、中小企業の中で、正に釈迦に説法でありますけれども、全企業数の七割が赤字であるということと、そしてまた、やはり我々は、中堅中小という正に技術をしっかり持った起業を進めていかなければならない、こういう観点からすれば、なかなか赤字でありながら特許をどんどん取っていこうという企業というのは私は非常に少ないんではないかというのが結局はこの六百八十という数になっているというのが私の結論でございます。 中小企業、今非常に厳しい中でも、大臣、副大臣、皆様方御案内のとおり、この日本国においてもまだまだ捨てたものではないというのは当たり前でございます。世界第二位の経済大国でありまして、いろんな技術力を保持し、そして特許をという件数は正に世界に冠たる日本国でございますけれども、しかし、それが二・六、倍増しても大した減免措置にはならないということでありまして、この資力に乏しい者、そしてまた、二で、もう一つの要件の企業の法にのっとった者、こういったものが若干拡充されるわけでありますが、これで十分であるということを大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 個人の場合の減免措置というのは、今言ったその三つの条件と、こういうことでございます。 ただ、今、木俣先生も御指摘のように、日本の場合には大体七割が赤字法人と、こういうことです。そして、この特許の審査制度というのは、特別会計の中で自己完結の中で、そしていろいろな料金体系を作ってそこで自己完結でやっています。 ですから、そういう意味では、やはり黒字でそういう余力のある方々のものに対しては、私どもとしてはもう赤字法人で七割をカバーをさせていただいていますから、そういう大きな観点からいえば、やはり私どもとしては赤字法人を対象にするということは、私はその意味では理にかなっていることだと思っています。 要は、中小企業の皆様方がやはり新しい技術の獲得に対して意欲を持っていただく。それは、特許のもちろん料金というものもそれは影響しますけれども、もっと根底的に、技術立国としてそういう意欲を持つ、そういうことが背景にあることが特許の出願にも私はつながってくると、こういうふうに思っておりまして、もちろんこういう中小企業に対しての配慮というものは更に検討しなければなりませんけれども、アメリカや韓国やあるいは台湾、そういったところの例は、確かに中小企業に対しては大変減免措置をしております。 しかし一方、ヨーロッパにおいては、やはり大変大きな科学技術的な潜在力があるわけですけれども、ヨーロッパではそういうことはしていないということも考えますと、日本の場合の減免措置というのは、国際的に見てもまだまだ強化しなきゃならない面もありますけれども、私は、それほど私は劣っているものではないと。 だから、そういう意味では、繰り返しになりますけれども、もっと特許、発明に対するやっぱり意欲が出るようなそういう政策を作っていくことが必要だと。そうなりますと、やっぱり一・三%のものが二けたになるということだって私は可能じゃないかと、そんなふうに思っております。
○木俣佳丈君 おっしゃるとおりでございます。 〔委員長退席、理事松田岩夫君着席〕 この一件当たり、弁理士の方々にも私も改めて伺って、審査請求をするまで掛かるコストというのも、ちょっと長官に伺いたいんですけれども、どのぐらい費用が審査請求料も含めて掛かるものかというのは御案内でしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) 通常、今の料金でいきますと、出願のときに二万一千円いただいております。それから、審査請求が平均の請求項、大体七から八ぐらいでございますが、十万円。中小企業で軽減措置を受けられる場合はそれが半分になりますが。それからその後、特許を取れた場合に維持費が掛かります。これが大体平均九年間で三十六万円ぐらいと。ただ、その過程において弁理士の方々に代理人の費用をお払いになっていると思います。これは案件によってまちまちかと思いますが、十数万円程度、あるいは二十万円ぐらいですか、その辺は私も詳しい数字は存じ上げませんが、そういうのが一連の費用として掛かっているというふうに承知しております。
○木俣佳丈君 私がちょっと伺ったのは、審査請求料も含めた場合に、大体審査請求のコストが十九万九千円ぐらいに今回なると。二十万ですね。そこまでいくのにいろんな形はあるけれども、三十万ぐらいやっぱりコスト、弁理士さんに払うお金も含めると掛かるということで、そうしますと、五十万ぐらい結局掛かるわけですね。 ですから、先ほど簗瀬議員からありましたように、簡単に言えば大学に入るのに受験料が非常に高いという話であって、大学でもありますけれども、受験料でもうけて、あとは授業料は安いよみたいなところはございますけれども、正に受験料が非常に高くてというのがちょっと余りにも私はあるんではないかなと。 そういう意味でやはり知財立国にならんとする日本にとっては非常に、今、大臣からも欧州ではそういった制度がないんだからいいんではないかという話がございますけれども、やはりそうではないんではないかなというふうに思うんですが、今改めて五十万という数字を聞いて大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) そういう具体的な数字の中で、それは大変五十万というのはイニシアル的なコストとしては高いと、そういうふうに思っていまして、そういう中でやっぱり皆さん方が特許を出願しやすい体制を作るということは私は必要なことだと思っておりまして、そういう中で私どもとしては一層努力はしていかなければいけないと、こういうふうに思います。
○木俣佳丈君 もう一度ちょっと料金、何かせこい話ばかりのように聞こえてしまいますけれども、やはり大事なところだと思うんで、ちょっと追及したいと思いますが、この審査請求料、出願料については特許法で上限を規定して政令でこの額を決定、確定するというふうに書いてあります。特許料については特許法で額を規定するというふうに書いてございまして、私が思うのはこの二つがなぜ違うのかなということでございます。ちょっとあちこちしておりますけれども、つまり、特許法の中では上限を規定して政令で額を確定をする。しかし、特許料の方は法でその額を規定するということであります。 結局、じゃ審査請求料については上限は規定されております。それが一件に付き十六万八千六百円でしょうか。一請求項に付き四千円を加えた額、これが上限ということでありますが、実はこれが政令の確定額でございまして、上限ではなくて確定の額なんですね。なぜこれを法律で一方では確定させて一方では上限を決めるという、こういう書き方になっているのかな。長官でしょうかね。
○政府参考人(太田信一郎君) 私どもがいただいている料金は、先ほど申しました出願のときの出願料それから審査請求料と、それから特許維持料、特許料と。出願料と審査請求料は実費を勘案しつつ政策的に決めるという理解かと思います。それで、産業財産権行政、特許行政全体で賄うためには、最後の足らず前を特許料でいただくということになっております。 そういう意味では、審査請求料と出願料については実費を勘案しつつ政策的に決めるということで、仮に実費等が大きく、例えば出願について今でもネット出願をできるようになっておりますけれども、そういうもので大きく下がればそういうものは勘案しなくちゃいかぬということで、政令で上限を定めてその中で決めるということになっているというふうに私どもは考えているところでございます。
○木俣佳丈君 今のお話を伺うと分かる話も半分あるわけでございますが、その分かる話を、つまり実費が掛かるからマキシマムを取るんだよという話でいうと、つまりは出願の件数を減らさなければいけないと、取りあえずは、いう考えが根底になければマキシマムの金額を取らないと思うんですね。ということは、出願をとにかく絞って絞っていくんだよと、こういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) この三つの料金のバランス、関係につきましては、昨年の九月の産業構造審議会で特許制度小委員会を設けてかんかんがくがく議論をさせていただきました。 実際、どのくらいの費用が特許庁で出願の段階、審査請求の段階で掛かっているかというのについても、第三者の監査法人に監査していただきました。審査請求料につきましては現在十万円いただいておりますが、平均、二十五万円から三十万円ぐらい掛かっているという監査結果をいただきました。 出願料は現在二万一千円をいただいておりますが、実際は一万八千円ぐらいだと、そういう実費も勘案し、実費のマキシマムではなくて、当然実費より下の範囲で政策的にどういう料金水準がいいかということを議論させていただきまして、出願料については、出願奨励の観点から、かつ実費も現在のものより安いんだからということで一万六千円が適当ではないかと。 それから、審査請求料につきましては二十五万円から三十万円ぐらい掛かっていますけれども、いろいろ出願人の御意見等もお聞きし、そういうことで十九万五千円ですか、十九万九千五百円という水準にして、最後にその足らず前を特許料ということで定めたということで、マキシマムの値をそれぞれの金額、手数料にしたわけではございません。
○木俣佳丈君 確かに、何というんでしょうか、出願料はもっと掛かっているんだから安くしてあげているよということは、それはちゃんと会計検査で入られて、しかも欧米と比べてもそうなのかなということも言えないこともないんですが、ある意味でこの特許料の方で埋めるというのは応益性という観点からすると間違っているということが私、結論付けたいと思います。 つまり、応益的観点からいえば特許を維持するために特許料を払うわけでありまして、この人たちが正に益を受けているということでありますから、そこから出願する人に補てんをするというのは、そういう観点からは非常におかしいというふうに思うんですが、大臣、副大臣、どうでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) 審査請求料につきましては、いわゆる戻し拒絶という、結局私ども審査結果を通知したときに何の応答もないものがかなりの量に上っているということで、この点につきましては、やはり審査請求制度は昭和四十五年に設けられた制度でございますが、本当にその機能が発揮されているかどうかということが審議会の場でも議論がされました。加えて、審査請求をされる方で、きちんと見ながら請求されて特許率の高い方、その方が特許料は当然負担するわけですが、その方がややイージーに、安易に審査請求をされる方のコストを負担している形になります。この点については、やはり審査請求人相互の間の公平さということもある意味で図らなくちゃいかぬのじゃないかということを両方併せて、先ほど申しましたような形で実費も勘案して審査請求料というのを定めさせていただきました。 当然のことながら、それぞれの出願料、審査請求料がその機能に即した水準になった場合に、最後は特許会計で収支相償でございますから、特許料は独占的排他権でございます。そこから、きちんと特許を取った方からお金をいただくというのは当然でございます。
○木俣佳丈君 これ、政策を整合するとよく分かりやすいわけでありますが、大臣、ゼロ円でも、資本金ゼロ円でも設立ができるように大臣のお力でしましたよね、一円、ごめんなさい、一円。そういうことからすると、入口はとにかくハードルを低くして、とにかく中で頑張ってもらおうと、これが大臣の元々の今の方向性だと思うんです。 そうすると、今回の特許料を上げると、つまり全体で言うと一対一に持っていくということですね。要は入口のところで費用負担が一対一になるということでありますけれども、これはその原則からすると違いますよね、どうでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 企業を立ち上げるのと特許というのは違うことだと思いますし、また今、長官から答弁がありましたように、やはり特許を出願する際に非常にある意味ではタクティクスでやみくもにやって、それが非常に大きな混乱を来しているというような、そういう事情もあります。 ですから、そういうことを勘案しながら、やはり、しかしまじめにやって特許を取得する、そういった方々の利益を守らなきゃいけないという側面もありますけれども、そこの中でぎりぎりの調和を図ったということが今回のことでございます。 おっしゃるように、入口を広くするということは、それは私は必要なことだと、そういうふうには思っておりますが、やっぱり今の特許の制度が非常に直面しているそういう問題ということも考えますと、やっぱり今回の措置というものはやっぱりぎりぎりやむを得ないところではないかと、そういう判断を持っております。
○木俣佳丈君 分かるところと分からないところがございます。 これは、例えば今いろいろ調べを今回させていただいて、これは例えばTLOなんというものも当然ながら入ってくるわけでありますけれども、大学が、よく言う、悪口で言うと象牙の塔になっていると。こういうところをとにかくもっともっとアメリカ並みに特許を取ってもらって、会社を起こしてどんどんやってもらおうじゃないか。これは正にシリコンバレーで言えばスタンフォードその他バークレーですね、こういったところの役割であるし、これをとにかく日本でも起こしていこうというのが国の方向性でありまして、つまりは起業することと特許を取るということが実は同じ方向でございます。 ですから、今、大臣言われましたように、日本では実は五年、五年内赤字法人であればみたいな、こういう要件で減免措置になりますが、実は現状を弁理士さんたちに伺いますと、五年内で特許の申請をするというところは今少ないらしいんです。これは結局はハードルになってしまっていると、高い。ですから、そこを下げていけば、今言いましたように、特許を取りながら、その特許で要は起業をしていくと。これは正にTLOの発想であり、我々が進まなきゃいけない発想だと思うんですね。ですから、これをやはり考えなきゃいけないと思うんですが。再びちょっとお願いしたいんですが。
○国務大臣(平沼赳夫君) やはり今おっしゃるようにハードルを低くしてたくさんの人が参画できる、そういうことをする必要は当然あるわけでございまして、そういう意味では中小企業に対する減免というのをやっております。 それは今御指摘のように、五年で、赤字法人で、そこはなかなか出ないよと、こういうことはある意味では御指摘のとおりだと思いますけれども、私どもとしては今回そういった形で提案をさせていただき、これからのやっぱり課題としては、目指す方向は知財立国を作っていくことでありますから、そういったところもこれからは検討していかなければならないと、こういうふうに思います。
○木俣佳丈君 実はこの軽減措置で、実はここに八百四十名の御署名がございまして、スモールエンティティー制度のようなものを日本に導入してくれと。これ実は一人の弁理士の方が集められた署名でございまして、これはすごい数、これ一枚一枚でございますがこの厚さになります。また大臣にお届けしたいと思いますので、その方と一緒に行きたいと思いますけれども。 やはり中小企業の方々で本当に考えていらっしゃる方々、これは署名、捺印してありますので、実名を出しながら、何とかしなきゃ駄目だという方々が八百四十名。正に減免制度を受けているのが約六百、七百ということであれば、かなりの数の方々ではないかと。つまりはやみくもな方ではないという私は推測をしておるわけでありますが。 ですから、そういった観点からしても、まだまだこの今の日本の施策というものが、我々の、つまりは起業家の考えている、又は企業を起こそうとする立場からすれば足りないんだというのがこの集積であると思います。 一度持っていきたいと思うんですが、お話をちょっと伺っていただけますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私、喜んでお会いをさせていただきますし、その八百名の署名も是非御持参をいただいて、またじかに御意見も伺わさせていただきたいと、こういうふうに思っています。
○木俣佳丈君 ありがとうございます。 さらに、この拡充の措置で全出願に対する中小企業、個人の減免適用率がどのぐらいに増えるか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) 厳密な計算はなかなかでき難いわけですが、現在の措置は、設立五年以内、法人非課税という資力に乏しい方、これは恐らく最大約一割おられると思います、特許庁に従来から出願されている方で。それから産技法、産業技術力強化法で研究開発費が売上げの三%以上、これは総務省の統計等を見ますと約三〇%強が対象となる。ただ、恐らくダブっているところがあると思いますので、やはり三割前後の方が潜在的には現在でも減免措置の対象になり得ると思っております。 これを今回、設立五年以内を、今、木俣先生から御指摘あったように、その間もう発明は間に合わないということで、十年以内にすることにしております。これによって一〇%が、一割が二割ぐらいになるかと思っております。 それから、研究開発型の中小企業については、いわゆるSBIR法とか経営革新法、創造法の認定対象企業を今回の減免措置の対象としておりまして、恐らくこれは五%強になるかと思いますので、潜在的には四割、場合によっては五割ぐらいの方が減免措置の対象になるかと思いますが、要はそういう方にいかに利用していただくかということで、普及措置等を徹底してやらなくちゃいかぬというふうに思っているところでございます。
○木俣佳丈君 拡充してかなりの企業が入るんだということでございますが、いずれにしても、先ほどの繰り返しにもなるかと思いますが、やはり赤字法人ではない、つまり中堅中小が一番出願されやすいわけでありまして、やはりそういう方々、直接に私も今回お話を伺いましたけれども、そういうところは、使わないよね、こういうことであります。 実は、アメリカの方、インターネットで、じゃスモールエンティティーというのはどんなふうにしてできるのかな。実はこの書類がございまして、ぺら一枚でございまして、どうやったら適用できるかというと、日本のようにいろんな要件があるんじゃなくて、中小企業だよと、フィル・イン・ザ・ブランクスで、チェックすると、そのチェックだけでオーケーと、こういう違いがあるということでありまして、やはり日本でもここまで行くのが私は絶対に必要ではないか。 逆に言うと、全体的には届出でオーケーなんだけれども、もしこれを偽って届け出た場合にはこれは過料するんだよというようなやはりことでもやらなければ、なかなか知財立国というものが成り立たないんではないかと思うんで、前向きに是非大臣に検討いただきたいんですが、どうでしょう。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今御指摘のアメリカのスモールエンティティー制度のように減免措置の対象を拡大すべきでないか、簡素化すべきではないか、そういう御指摘でございます。 どのような方々に対してどの程度の軽減措置を講ずるかについては、やっぱり各国の事情を反映した政策的判断によって定められているものだと、こういうふうに認識しております。今御指摘の米国の場合には、一律半減で非常に事務手続も簡素であります。前にも触れさせていただきましたけれども、欧州特許庁の場合には、中小企業に対する減免措置はない。また、収支相殺を原則として、ある出願人について減免した分は他の出願人が負担することになる特許特別会計においては、中小企業に対していかなる料金の減免措置を講ずるべきかについては、実際に料金を負担するユーザーの意見等も踏まえる必要があると思っております。 いずれにいたしましても、中小企業に対しましては減免措置の拡大と手続の簡素化でございますね、あるいはまたPRの強化による着実な利用促進を図るということが非常に私どもは大切だと思っています。特許取得を目指す中小企業を対象とする先行技術調査の支援制度を創設するなどして、全体としての中小企業支援策を一層これから積極的に講じていかなければならないと、このように思っております。
○木俣佳丈君 今の御発言は一層とにかく今の改正より更に拡充をさせていくということでありまして、当然ながらこのアメリカ──アメリカ、アメリカ言ってはあれでございますが、しかし特許については先進国でございますので、アメリカのこのスモールエンティティーも含めて検討をするということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 我々としては、現在はこういう形で法律をお願いしています。しかし、知財立国を目指しているわけでございますから、当然検討課題として検討をさせていただければと、こういうふうに思います。
○木俣佳丈君 先ほども簗瀬議員の方から表がございまして、請求項の数の平均というたしか資料も付いておったかと思います。日本では平均が七・六に対してアメリカが二十二・六という請求項の数ということで、二十を過ぎると基本料金を超えてアメリカの方では高くなるからこの値段になるんだよ、前回も同様の質問をさせていただいたわけでございます。 いろいろ、その後も具体的に今まで、今現在アメリカに特許の出願を手伝っている弁理士の方々にお話を伺いますと、いやいやこういう三倍の差にはならないよと、こういう話でございまして、再度、これは本当にこの計算で良いのだろうかということを伺いたいわけでありますが、どうでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) 請求項の数、日米の比較でございますが、前にも木俣先生から御質問をいただいて、私もいろいろと調べました。 日本とアメリカの場合、請求項の記載の形が違います。日本の場合、我が国の特許制度の下による特許出願についてサンプル調査を行いまして、八項弱、七・六項でございますが、平均、その請求項の中には、アメリカの制度に照らして数えた場合には平均五十項以上の多数の発明が包含されておりました。ヨーロッパも、中国、韓国もほぼ日本と同じような請求項の数え方をしております。当然、アメリカの場合は御指摘のように二十を超えると超過的な料金を取られますから、各出願人はみんな同じようになるべく少なくしようという工夫はされていると思います。その結果として平均二十二・六項ということになっていると思いますので、日本の出願人だけがもっとこれとは別に低いというふうには考えておりませんで、日本の出願人もアメリカの出願人も、あるいはヨーロッパの出願人も、アメリカの特許庁に対する出願人の平均として二十二・六というふうに考えるのは自然なことではないかというふうに私は思っております。
○木俣佳丈君 私はと言っても長官ですから、要は特許庁としてはそうやって考えていらっしゃると思いますけれども。 これも改めて弁理士の方にも伺ったわけでありますが、実際にその代理業務を行っている弁理士の方によれば、やはり平均すると十二から十三項だよと、つまりは基本料金ぐらいでやれるんだよという、登録、特許の出願のところまでは千三百ドルですか、というところでできるんだよというのが返事だったんですね。 だから、特許庁さんから前にもいただいた請求項のいろいろ資料がありまして、こういったものを拝見をしながら、実はこれお見せしながらどうですかという話をしたんですが、これ実は組合せ的な発想で、組合せをすべて網羅して米国出願の場合には書き出すんだよと。のに対して、日本の出願の場合には、要はマトリックスでいえば表の項目を書くんだよというのが日本の出願の仕方であるというのがこの資料でございますが、しかし、そうじゃないよということを言われるものですから。実際にやっていらっしゃる方がそうじゃないよと言うならば、私はそうじゃないんだよということを、そうだ、そうじゃないとか言ってここでやっていてもしようがないんですが、是非大臣に、この辺り明確なちょっと統一した御見解を、一回また持ち帰っていただいて調査いただきたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもとしては、今、太田長官から答弁をさせていただいたそういうことだと思いますけれども、木俣先生が現場のそういう方々の実態というものも把握をされているようでございますので、私どもとしてはこの平均請求項数、この辺はちょっと特許庁と私の方から指示をしてよく検討をさせるようにさせていただきたいと思います。
○木俣佳丈君 よろしくお願いします。すっきりしたいものですから、是非お願いしたいと思います。 二十一世紀の生きる道としていろいろな考える中でこの知財立国ということで先ほどからいろいろ伺っておるわけでございますけれども、EUという一つの国を超えた固まりができる、そしてまたこれが知的財産においても固まった形になり、そしてまた裁判所もできるということに今進んでいるということを聞いております。アメリカの方はアメリカの方で、やはり周辺諸国、非常に米州は強いつながりを持っておりますので、やはりアメリカを中心としたアメリカの体制によるアメリカの主導の体制が築かれようとしていると。 それでは、アジアはどうなんだと。つまり、アジアはどうなんだ、日本はどこに入るんだ、又は日本が作るのか、こういう選択に今あるんではないかと思うんですが、大臣としては、アメリカの方に入るよ、又はヨーロッパの方に入るよという考え方なのか、それともアジアという一つの民族的共通性の中でこれから新しい一つのエリアを、知財のエリアを作っていくんだよ。特には、やはり言わなければならないことでありますけれども、中国、韓国、台湾、このもう模倣品とか、こういう知財のコピーですね、こういった侵害も含めて何とかしなきゃいけないという観点からも、前者なのか、それとも後者であるのか、どんな考え方をお持ちか、お答えいただけますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) アメリカにはNAFTAという大きな枠組みができております。また、今御指摘のようにヨーロッパにはEUというのがありまして、これが最終的には二十五か国、こういう形で拡大をされると、こういうふうに聞いています。 〔理事松田岩夫君退席、委員長着席〕 私どもとしては、やっぱりアジアというのは、東アジアだけ見ても人口では二十億を超える、またGDPも米ドルで七兆ドルである、そしてお互いに補完関係にあると、こういうことを考えますと、アジアにおける広域な特許制度の構築、こういったことは非常にこれから重要になってくると思います。 我が国とアジア諸国の間で包括的な経済連携を推進をするということは小泉総理も既にAPECの席上表明しているところでございますし、中国も同様な意思表示があって、それぞれ十年以内に実現していこうと、こういう大きな方向があるわけでありまして、私どもとしてはアジアにおける広域特許制度、これは一つの大きな重要な検討課題だと思っております。 もう一方、世界的に見ますと、世界知的所有権機関、これWIPOと言っておりますけれども、多国間の枠組みにおいても世界特許システムの構築という長期的な目標に向けて、現在、実体特許法条約の策定や特許協力条約、これはPCTと言いますけれども、これに基づく国際出願制度の改革等の取組も進んでいるところでございまして、これについても我が国も積極的に貢献をしております。 知的財産戦略本部におきましても、アジアを含む国際的な特許制度の調和の必要性について有識者から指摘がされているところでございまして、私どもとしては、やはりグローバルの時代ですから、今申し上げたように、世界にも大きくそういう連携を求めながら、やっぱりアジア地域に対してもこういった経済連携というのがこれから具体化してまいりますし、シンガポールとFTAを第一号をやりましたけれども、これからのFTA戦略の中でもこれは非常に重要なことでございますから、そういった観点で取り組んでいくべき問題だと、このように思います。
○木俣佳丈君 今のお話ですと、後者の方で、やはりアジアに重点を置いた知財のエリア作りというか、それを最後に述べられた、そのFTAとの絡みの中で進めていく、こういう理解でよろしゅうございますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御答弁の中で申し上げましたけれども、グローバルの時代ですから、やっぱりアジアだけが特殊に突出するということではなくて、アジアはアジアの連携、これからやっていきます。その中で当然それを構築していくという、そういう趨勢になると思います。しかし、同時にWIPOというのがあって、世界でも、これは日本はアジアだけに限定して、いわゆる通商立国ですから、やっているわけじゃございません。そういう意味では、世界との中でも整合性を保ちつつ大きな戦略でやっていく、こういうことに尽きると思います。
○木俣佳丈君 とにかく、全体のシステム作り、特に日本の、戦略という言葉がいろんなところで濶歩するわけでありますが、本当の意味での戦略を早急に立てていただきたいと思います。 特に頭脳流出が、理工系を含めますと、一つの数値でございますけれども、例えばアメリカに留学してそのまま残りたいという方が大体六割いらっしゃるということでありまして、やはりこういう方々が、いやアメリカじゃなくてやはり日本に帰って住みたいんだと。大体初め若いころ思っても、五十代、六十代になりますと、大体、何というんでしょうか、サケが帰るような思いで帰りたくなるそうでございますが、最近は流出甚だしいということに歯止めを掛けながら是非この戦略を速やかに実施していただきたいと思っております。 以上で終わります。
○松あきら君 午前中最後の質問でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 今日は高市副大臣が大きなマスクをされて、お風邪でしょうか、お大事になさってくださいませ。 今、SARSが非常に問題になっております。中国を中心としましてアジアを始め世界で猛威を振るっているという、もう本当に恐ろしい状況になっております。日を追うごとに感染者の数増えておりまして、今日の朝の朝刊によりますと、WHOが発表した患者数は世界七千五百四十八人、その中で死者が五百七十三人という数が今日は出ておりました。 これまで政府は、厚生労働省、外務省を中心に、海外渡航情報の提供、医療・検疫体制の確保などのSARS対策を進めてまいりましたが、内外の経済活動にも影響を及ぼしつつあるというふうに思います。国内では、SARSの影響によりまして航空業界あるいは旅行業者に大きな打撃を被っておりまして、このために経済産業省は先月十四日に旅行業者等中小企業対策を講じているというふうに伺っております。ちなみに、ILOの発表によりますと、世界の旅行観光業界では約五百十七万人失業している、関連産業も含めますと千三百六十五万二千人が失業しているというような大変な状況になっております。 中国には日系の企業が多数進出をしております。SARSの影響で生産ラインの一時停止、あるいは精密機器メーカーの中には中国からの部品調達が困難であると、こうした企業も出始めておりまして、更に今後こうした事態が長期化をしますと工場の閉鎖また中国からの撤退を余儀なくされる企業もあるいは出てくるのではないかというふうに予想されるわけでございます。その結果、投資した資金はもとより、これまで行ってまいりました技術移転や現地従業員の教育など、軌道に乗り掛けたそうした企業努力も残念ながら水泡に帰すということもあるのではないかというふうに心配されるわけでございます。 どのようにこの現状をまず把握されていらっしゃるのか、それからまた感染地域における日系進出企業の事業活動を側面から支援する必要があるのではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 高市副大臣は、地元に帰られて雨の中で頑張られて風邪を引かれたわけでございまして、その直後のSARSの御質問ですとあれでございまして、私からも風邪を引かれた事情についてちょっと御説明をさせていただきました。 現在のところ、SARSを直接の原因とした生産活動の停滞等、我が国企業に大きなダメージを与える、そういうものは生じていない、こういう認識でございます。 今後、SARS問題が長期化、深刻化した場合、中長期的には生産面への影響のみならず消費マインドが冷え込む、こういうことで需要面への影響、それから人の、今御指摘のような人の移動の停滞がもっともっと深刻になる。そうなりますと、貿易ですとか投資の面でやっぱり影響が生じる。こういう私どもは懸念を有しているところでございます。 このような状況を踏まえまして、SARSが流行している地域に投資する際には貿易保険を掛ける、掛けていただいた企業で、SARSの影響によって事業の六か月以上の休止といった事態が発生した場合には、その損害については事故の対象とする、こうして認めると、こういうことにさせていただきました。 また、SARSの感染拡大等によりまして売上げ減少等の影響を受ける中小企業の方々のための対策といたしましては、相談、特別な相談の窓口の設置をし、それから政府系中小企業金融機関によるセーフティーネット貸付けの適用を行うとともに、特に立ち上がりから深刻なのは御指摘のように旅行業でございまして、それからツアー、ツアーのオペレーター業ですね、それから添乗サービス業、こういったところが非常に厳しいものでございますから、これは信用保証協会によるセーフティーネット保証を適用をしているところでございます。 これらの対策の実績をちょっと申し上げますと、五月十三日現在で、特別相談窓口における相談件数というのが二百三十三件でございまして、融資承諾が約十二件させていただいて九千三百万円、保証承諾実績は四十三件で五億九千七百万となっています。しかし、毎日の報道でもまだまだ終えんを遂げていなくて、一部の国によっては更に拡大をしている、こういうことでございますし、御指摘のように、中国には日系企業が大変進出してきておりまして、その行き来も非常に多いものですから、私どもとしてはこれは深刻に受け止めて、そして企業にも聞き取り等をやりながら万全の措置を講じていく、こういうことにさせていただいております。
○松あきら君 どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、特許法改正案について質問をさせていただきます。 去る四月十六日、パソコンのスクリーン上に複数の画面を重ねて表示できますマルチウインドー、この表示制御装置に関する技術の特許権を侵害されたとして、カシオ計算機がソーテックを相手取りましてパソコンの製造、販売の差止めと五億五千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁でございました。 その中で東京地裁は、平成十年一月に登録されました原告の特許権について、出願前の昭和六十一年一月に米国内で同様の技術を掲載したマニュアルが配付されていたことから、原告は容易にその技術を発明することができたとしまして、特許法第二十九条第二項に規定されている進歩性がないことは明らかで特許は無効であるとの判断が示されております。 このカシオ特許無効判決は、裁判所における特許権の有効性をめぐる争いでございますけれども、特許庁の段階におきましては、特許庁が発明者に与えた特許権について異議申立人から請求があった場合に、特許庁の審判部の審判官によりまして申立て審理が行われる異議申立て制度と、特許庁が発明者に与えた特許の有効性をめぐりまして特許権者と利害関係人との争いを解決するため、特許庁審判部の審判官による審理が行われる無効審判制度というのがありまして、今回の法改正ではその両者の制度が一本化することとなっております。 なお、いずれの場合にも、特許庁の判定に不服の場合は、決定に不服の者はその決定の取消しを求めて東京高裁に提訴することができる、こういうことになっているわけでございますけれども、このカシオ特許無効判決は裁判所において特許無効の判断が示されたものでございますけれども、特許権をめぐる争いが裁判所にまで持ち込まれるケースというのはどの程度あるのでしょうか。まず、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(太田信一郎君) 特許庁による異議申立て、無効審判の決定審決に、今、松先生言われたように、不服をもってその決定審決の取消しを求めて東京高裁に出訴する件数は合計で約三百件でございます。その前提として異議申立てが約三千五百件ございます。それから、無効審判が約三百件ございます。両方合わせると三千八百件のうちの八%、三百件が東京高裁に出訴されているということでございます。 ちなみに、特許庁におきましては、現在一年間で約十一万件の特許権を登録しているところでございます。
○松あきら君 現行のその異議申立て制度及び無効審判制度につきましては、特許庁において特許の有効性を判断する似通った制度が、これが併存していることから、両制度を統合一本化することは私は合理的であるというふうに思います。 今回の両制度の統合によりまして、紛争解決の短縮化あるいは当事者負担の軽減が図られること、これを期待しておりますけれども、今後どの程度の効果が見込まれるというふうにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 現在、特許庁審判部では、無効審判及び異議申立てについては最優先で審理を行っておりまして、ただ、それでも平均審理期間は、無効審判で約十四か月掛かっております。異議申立てで約十二か月となっております。異議申立てと無効審判が現在併存しているわけですが、そういう制度の下では、まず異議申立てを行い、その結果、特許が有効と判断された場合は、その決定に不服があっても直接裁判所に対して不服を申し立てる道がなくて改めて無効審判を経由することが必要であるため、このようなケースでは紛争の最終的解決までに約二十六か月を要する結果となります。 今回の改正によりまして、異議申立て、無効審判を統合一本化することと併せて、さらに審理期間の短縮化のため事務の合理化や計画審理の導入も検討しております。そういうことによって、少なくとも十二か月にまでは半減することになるというふうに思っております。また、統合一本化をすることにより、同一の特許権に対する異議申立てと無効審判による繰り返しの攻撃がなくなると。あるいは、異議申立ては特許掲載公報発行から六か月以内に申し立てることを要したのに対して、統合後の無効審判には請求時期の制限がないことによって、不要不急の請求が減少するとの期待がございます。両当事者の対応負担も軽減されると考えているところでございます。
○松あきら君 軽減あるいは半減というお言葉が出てまいりました。特許権の有効性をめぐる争いといたしまして、特許庁における特許無効審判制度ある一方で、裁判所の特許侵害訴訟で特許無効が争われておりまして、侵害訴訟と無効審判が並行して行われた結果、異なる判断が示されたケースも出てまいります。このため、裁判所の侵害訴訟と特許庁の無効審判の各々の制度の存在意義を踏まえた上で、特許庁と裁判所の間の連絡体制を強化するとともに、両者の情報の共有化を進めることなども必要になるのではないかというふうに思います。 また、特許庁と裁判所の役割分担あるいは連帯の在り方について、今後どのような方向性を示していかれるおつもりであるのか、これもお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 現行制度におきましては、特許権の有効性をめぐる争いは無効審判により解決を図り、権利侵害の有無をめぐる争いは侵害訴訟により解決を図るという基本的な役割分担となっております。これらの二つの争いが別個独立に生ずる場合には、現行の切り分けに起因する問題は生じませんが、権利侵害をめぐる争いと権利の有効性をめぐる争いとが同時に生ずる場合には、侵害訴訟の手続の中で二つの争点を総合して判断してほしいと、そういう要請が産業界の一部から出されていると理解しております。 この問題を解決するための方策につきまして、昨年十月から、内閣に設けられました司法制度改革推進本部の知的財産訴訟検討会におきまして検討が進められており、特許庁も当然のことながらその検討に積極的に参画しております。この検討会ではまだ意見が収れんしておりません。これまでに提案された方策としては、現行の役割分担、先ほど申しました役割分担は維持して、侵害訴訟と無効審判の連携を強化し、裁判所と特許庁におけるそれぞれの審理の進捗状況、あるいは証拠、主張に関する情報の共有を促進すること、二つ目には、両者の役割分担の在り方についても見直すと、見直した上で侵害訴訟における権利の有効性判断の対象を拡大するとともに、両者が重複する場合における無効審判等の請求を制限する等の議論がなされております。 特許庁といたしましては、今後も関係機関と連携しつつ、本件の解決に向けて鋭意検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○松あきら君 特許庁の資料によりますと、異議申立てによって特許が取り消された件数は、平成十三年で千二百八十一件、請求件数の三六%が取り消されております。また、無効審判によって特許が無効とされた件数は、十三年で二百八十三件と、請求件数の四九%にも上っているわけでございます。特許の出願件数が年々増加する中で、迅速な特許審査が求められる一方、当然厳格で質の高い審査も必要とされております。 私は、実は先ほどからもうずっと審議を聞いておりまして、そもそもという気持ちがあるんです。いろんな理由があるでしょう。例えば、出願料あるいは請求料金、お金が高い、あるいは時間が掛かる。IPCCの話も出ました。しかし、総定員法あるいは特別会計ということもあるんですけれども、私は、特許というのは絶対に信頼と権威がなければ駄目だと思うんですよ。 例えば、既に外国でオープンになっているにもかかわらず、それを見落とされちゃっている。特許庁が特許を出したんだからといって信じますよね。信じて、たくさんのお金を使って設備投資をする。ところが、特許そのものが無効だったなんて言われたら、どうするんですか、何億も掛けたお金が、どこも責任取ってくれない。こういう状況で、多分後で御答弁の中では、いや、この今私が言った数字は実際はそうじゃないと、もっと低いと、日本は外国に比べてとってもいいんだと、一番ぐらいとおっしゃると思う、思うんですよ。それは分かっている。 けれども、私は、やっぱりもっともっと、だって知財立国を標榜しているんですもの。毎回毎回私は言うのもう嫌なぐらいなんですけれども。あの中国や韓国が今国家戦略として進めている。日本は今一歩、二歩先進んでいますよ。だけれども、私はこれは十歩、二十歩進めなければ、あっという間に追い付かれる、いつも言っていますけれども、分かっているんですよ。ですから、本当のことを言って、お金も安くて、たくさんの方が、大変でしょうけれども、出願もできる。だから、私は総定員法なんてやめちゃって、もっと、千人足りなきゃ千人増やしたらいいんですよ、二千人増やしたらいいんですよ、特許庁に、もっとお金もどんと掛けるべきなんですよ。私はそう思っている。だから、本当に国家戦略としてどうするかと。 もうそもそもが腹立つわけですよ、正直言って。(「いいぞ」と呼ぶ者あり)ですから──与野党問わずいいぞという声、ありがとうございます。いや、本当にそう思っているんです。ですから、私は、本当はこのような課題に対して特許庁長官にどうやって対処するのかと聞きたいところだけれども、いいです、言ってくださってもいいんだけれども。やっぱりこれ本当にそもそもこういう、もう言いたいこと一杯あるけれども、もう省略しますけれども、国家戦略として知財立国を標榜しているんですから、これ、大臣、この知財立国にふさわしい機関にしていただきたい、熱望しております。御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特許庁を所管する大臣として非常に力強いお言葉をいただきました。私も政治家としては同じような考えを持っておりまして、ここのところはしっかりとしていかなければ、本当の知財立国は造れないと、こういうふうに思っています。 さはさりながら、今、日本はやはり国家公務員の数をいかに減らすかとか、そういう現実があります。その中で大変私どもも努力して、厳しい定員法の中でここのところは異例に増やしていることも事実でございますし、またいろいろ御意見が出ましたアウトソーシング等も拡充をしているところであります。 そういう意味で、私も知財戦略本部の副本部長という立場をいただいていますから、今の御意見を体して更なる努力を傾けていきたいと、このように思っております。
○松あきら君 政治家御本人、あるいは副本部長、あるいは大臣として苦しい胸のうちをお話しいただいたというふうに思いますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。 さて、最近における我が国の知的財産をめぐる動きを見ておりますと、昨年秋の臨時国会におきまして、知的財産戦略大綱を踏まえまして制定されました知的財産基本法を始めとして、今回の特許法、不正競争防止法の改正など、知的財産立国の実現に向けた取組が強化されてきておりますと申し上げておきましょう。 この知的財産戦略大綱では、著作権の適切な保護ということで、音楽、映画、放送番組、アニメーションなどデジタル情報の強力な保護の必要性が指摘をされております。私もこれいつか質問させていただいたことありますけれども。このために有効なセキュリティー技術開発、訴訟制度の改善、権利処理を円滑にするシステムの構築など、デジタルコンテンツの適切な仕組みを確立すべきであることが提言をされております。 今、国会には、知的財産戦略大綱や本年一月に出されました文化審議会著作権分科会の取りまとめを受けまして著作権法の改正が提出されておりますけれども、これらの提言内容は法案にどのように反映されているんでしょうか。なぜ映画は著作物について盛り込まれなかったんでしょうか。これについて、文化庁にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) お答えをいたします。 この国会に提出をいたしております著作権法の一部を改正する法律案におきましては、ただいまお話がございましたように、今年一月の文化審議会の著作権分科会の審議経過報告に盛り込まれた、早急に法律改正が必要とされるという事項を盛り込んでいるわけでございます。 この著作権分科会の審議経過報告では、法律改正事項として、映画の著作物の保護、これを大きな柱の一つとしております。具体的には、アニメやビデオなどを含めました我が国が強い競争力を持つ映画の著作物の保護期間を延長するということを提言をいたしております。これを受けまして、今回の法律案におきましては、映画の保護期間を現在の公表後五十年から公表後七十年に延長するという内容を盛り込んでおります。 このほか、審議経過報告におきましては、映画につきましては、現在、著作権者の許諾を得ずに行うことができる図書館などにおける非営利、無料の上映会につきまして、映画の著作物の保護を強化する観点から、著作者の許諾を得ないで上映できる範囲を限定すべきだということも言われております。ただ、この点につきましては、我が省では引き続き、著作権者の許諾を得ずに上映できる範囲についてどこまでとするのか、更に詳細、慎重に検討する必要があると考えまして、今回の法改正には盛り込んでいないということでございます。
○松あきら君 そうですか。ちょっと分かったような分からないような気がしますけれども。 文化庁に置かれた映画振興に関する懇談会では、昨年の五月ごろから一年かけまして、文化庁を始めとして総務省、経済産業省、国土交通省など関係各位が一体となりまして、横断的な視点から国として取り組むべき施策の検討が行われたと伺っております。その取りまとめが本年の四月二十四日に「これからの日本映画の振興について」の提言として公表されております。これまでの審議過程において、映画関係団体などから意見、要望が出されたようでございますけれども、それらの点が提言にどのように反映されているのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) お答えをいたします。 ただいまお話がございましたように、文化庁では、映画関係者二十一人から成ります映画振興に関する懇談会を設置をいたしまして、去る四月二十四日に、十二本の柱から成る「これからの日本映画の振興について」の提言を取りまとめたところでございます。提言の取りまとめに当たりましては、委員間の議論のほか、映画製作者、映画監督、映画俳優、観客の代表の方など二十人近い方から会議において幅広く意見を聴取をしたり、三十以上の映画団体へ意見照会をしたりなどいたしまして、それらの意見をできるだけ提言に反映するように努めたところでございます。 特に、映画関係団体から強い意見が出されましたのは、著作権問題についてきちんと対応してほしい、それから映画館や非映画館を活用した上映機会の拡大施策を充実をしてほしい、東京国際映画祭など国内映画祭の振興及び発信機能の充実を図ってほしい、映画人が集う映画の広場といったことを考えてほしいと。さらには、映画関係者の労働環境の改善、映画に携わる人々の社会的な地位の向上といったことを図ってほしいといったようなことが出されておりまして、これらにつきましてはできる限り提言に取り込めるように努めたところでございます。 今後、映画関係団体などとの協力を図りながら、また関係府省ともよく連携を取りながら、この問題には積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○松あきら君 映画は、その作られた時代の文化あるいは社会を映す鏡であるとも言われております。その蓄積は国として承継すべき文化遺産であるというふうにも思っております。 こうした映画の収集、保存を行う機関としまして、我が国唯一の国立の映画の専門機関であるフィルムセンターがありますけれども、日本映画の一部しか収集、保存されていないんですね。このフィルムセンターの保存施設は私の地元の神奈川県の相模原市にあるわけですけれども、全体で十八室から成る保存庫には長編映画に換算して約四万本の収納能力があるというふうに言われております。 映画振興に関する懇談会の提言では、フィルムセンターの保存機能や普及上映機能の充実に加えまして、人材の養成機能、製作支援機能なども今後の検討課題としてこれも指摘をされておりますけれども、文化庁はフィルムセンターの拡充も含めて、今後の在り方についてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) お話のございましたフィルムセンターは、独立行政法人国立美術館に属します東京国立美術館の一つの組織でございまして、東京京橋の本館と神奈川県相模原市の映画フィルムの保存施設から成り立っております。 先ほど来申し上げております文化庁の映画振興に関する懇談会におきましては、このフィルムセンターにつきまして、我が国唯一の国立の映画に関する専門機関であり、映画にかかわる内外の窓口の機能を高める、こういう観点から、フィルムセンターの保存機能、普及上映機能を格段に充実する必要があること、さらには新たに本格的な人材養成機能、製作支援機能を担う可能性についても今後の検討課題として提言されております。また、その組織を充実をするために、フィルムセンターを東京国立近代美術館から独立させるということも視野に入れるべきであるという提言もいただいております。 文化庁といたしましては、懇談会の提言を的確に受け止めまして、その趣旨が実現できるように、関係機関、関係団体とも十分に協議を進めてフィルムセンターの充実に努めてまいりたいと思っております。
○松あきら君 最近の報道によりますと、日本の文化が世界の関心の的になっていると。よく知られるアニメやゲームソフト、ファッションだけではない、美術も映画も本もということで、バブルから一九九〇年代の不況、あるいは経済が浮き沈みする中で培われてきた日本の文化力を求め、人と物とお金が地球を回るという、こういう記事がありまして、正に日本の文化力を求めて海外からその権利の買い付けがなされているという、種々書いてあるんですね。 例えば、日本映画はハリウッド映画のように形にはまっていないために、原作のアイデアや脚本を買って自前の監督や俳優で作り直すリメーク権、これは「リング」なんかで最近ヒットしておりますけれども、これたくさんあるんですね。かなりこういうことが行われております。 また、新聞情報では、映画製作の東京都における経済波及効果は一・六一で、これは一億円の映画を作ると一億六千万円の生産が誘発されるという、こういう試算結果も出ております。私は、文化、芸術というのは、実は全般的に見ても経済波及効果があると思っていますし、またそうした大学の先生のお話も伺っているんです。 一九三〇年代のニューディール政策、これはルーズベルト大統領が大恐慌のときに行った政策ですけれども、これは土木やあるいはダム、こういうことだけじゃないんですね。すごいもう、例えば連邦美術プロジェクト、連邦音楽プロジェクト、連邦劇場何とかって、例えば五千人の美術家を雇って絵をばっとかいて展覧会で多くの人に見せて、あるいは一万八千の彫刻を作ったり、教育ということで、十三万二千人もの人に毎週毎週いろいろなバレエやあるいは音楽やらそういう劇場で見ていただくとか、いろんな政策をやったんですね。そして、物すごく、大恐慌からばっと経済が物すごくよくなった、御存じのとおりなったわけですけれども、それとともに人の心を明るくしたんですね。そうした、いわゆる土木中心だけじゃない、人の心を明るくする文化や芸術というのを非常に力を入れてやったということで、とてもそういう心を明るくした。 こういうことが基礎になりまして、第二次世界大戦の後に、それまでは文化、芸術というのはパリが中心だったんですけれども、それがアメリカに移ってきまして、例えばブロードウエーのミュージカルあるいはハリウッドの映画、これが非常に成功したという、この基になっているんです。 私は、昨今の景気低迷下におきまして、せめて庶民の身近な楽しみでもある映画産業の振興のために一層の支援を講じてほしいというふうに思いますけれども、映画産業の経済効果及びその支援策について大臣にお伺いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 映画を始めとするコンテンツというのは、御指摘のとおり、非常に大きな波及効果を生むと思っております。例えば、映画というのは劇場だけではなくて、それがビデオになりますし、さらにはレンタル、それからまたキャラクター商品、こういったものに結び付いて非常に波及効果が多いわけです。 それから、国際的な面もおっしゃられましたけれども、日本が、日本人が作った映画で「ラブレター」というのがありまして、これが非常に東南アジアを中心にヒットして、例えば平成十一年を一といたしますと、特に函館、小樽が舞台になった、そういう映画だったようですけれども、それが平成十三年には外国からの宿泊数、特に東南アジア、これが十倍になったと。 こういうことですから、非常にそういう波及効果があるわけでありまして、そういう意味では、日本のやはりそういう文化という、そういうものを大切にして、そして景気の気は気持ちですから、おっしゃるようにやはり気持ちを明るくして、個人の金融資産が一千四百兆もあるのに、そういう意味では先行き不透明でみんなが財布の緒を締めてしまっていると。GDPに占めるいわゆる個人の消費というのは六割以上だと、こういうことを考えますと、そういった日本の非常に蓄積された、アニメーションを含めたそういうものをやっぱりしっかりと守っていく、こういうことが大切でございまして、経済産業省としてもそういう意識でここのところはしっかり伸ばしていかなければならないと、このように思っております。
○松あきら君 ありがとうございました。
○委員長(田浦直君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ─────・───── 午後二時十七分開会
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 休憩前に引き続き、特許法等の一部を改正する法律案、不正競争防止法の一部を改正する法律案、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 まず最初に、不正競争防止法の改正案から質問に入りたいと思います。 第一の質問ですが、今回の改正は営業秘密の刑事的保護の導入を行うということが大きな改正点でございます。これは、営業秘密の民事的保護規定を導入した九〇年には多くの反対があって一度見送られたという経過がございます。 産構審の不正競争防止小委員会のまとめを見てみますと、「営業秘密の刑事的保護」の章の中で検討に当たっての留意事項というものが出されております。これまで出されてきた反対意見の中で六点が挙がっているわけですけれども、留意事項として検討が進められた結果、今回の改正に至ったのだと思います。 ところで、その中で、とりわけその反対意見の中で三点、一つは労働者の退職、転職の自由を束縛するという問題、二つ目は秘密の概念が不明確で裁判上その認定をいかにすべきかが問題があるという指摘、消費者運動や公害反対運動等に対する抑制となる指摘、報道機関の取材、報道の自由が不当な拘束を受けるという重要な指摘がございます。この三点については特に構成要件を定める必要があるという指摘もそのときされているわけでございます。 こうした問題点はどのように払拭されたのでしょうか、どのようにクリアをなさるおつもりなのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 内部告発、取材、報道の自由、そして職業選択の自由を阻害をするのではないか、その御懸念につきまして、本法案の骨格を議論した産業構造審議会におきましても慎重な審議が行われました。これが今回の法改正によって阻害されることのないように手当てがなされているところでございます。 まず、内部告発や取材・報道活動の自由についてでありますけれども、これらの対象となる有害物質の垂れ流しや脱税の事実等の反社会的な情報は、そもそも公序良俗に反するものであるため、本法の保護の対象となる営業秘密から除かれることが判例上明確となっております。 これに加えまして、本法案においては不正競争の目的、すなわち自己を含む特定の競業者を競争上優位に立たせるような目的を有することに処罰の要件を限定をしておりますので、内部告発や取材・報道活動はこの目的に該当せず、処罰の対象から除外されることに相なります。 なお、刑法第三十五条は、「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」と規定しておりまして、憲法上保障される報道の自由に基づく正当な業務行為であれば、違法が阻却されまして、処罰対象とはなりません。 第二に、職業選択の自由についてでございますけれども、具体的には従業員が業務上知り得た営業秘密について、不正な使用又は開示が刑事罰の対象とされるのは、原則として従業員である期間に限定されているわけであります。このため、従業員が在職中に身に付け知識となったノウハウ等を就職先において活用することは処罰の対象とされておりません。 他方、退職前に営業秘密が記録された媒体を横領し、退職後、これを不正に使用し、又は開示する悪質な行為については、これは例外的に処罰の対象に加えております。 したがって、本法案によって転職の自由、内部告発の自由及び取材、報道の自由が阻害されるようなことはないものと考えております。
○西山登紀子君 事が刑事的な保護の導入ということですから、非常に厳正にこれは対処しなきゃいけないというふうに思います。 もう一つの問題は、その対象者が従業員だとか又は元従業員というふうなことになってくるわけですけれども、やはりその比重が、経産省が実施したいろんな統計がございますけれども、日本知的財産協会及び経営法友会所属企業のアンケート結果というのを見せていただきました。 約二割の企業が自社の営業秘密に関するトラブルを経験しているというわけですが、そのトラブルの相手の約七割はやはり従業員及び元従業員ということでございます。また反面、約、トラブルがないというふうに答えた八割の企業でございますが、百三十七社。そのトラブルがない企業は社内規程制度がきちっとしているということも挙げているわけですね。ですから、トラブルが起こらない、それは企業が営業秘密としての管理をきちっとしていると。そのことが非常に厳密にされているところではトラブルも起きないし、またトラブルをしたじゃないかという乱用がされないということではないかと思います。 そこで、お伺いしますけれども、言わばこの乱用というものをどうやって防ぐかということでお伺いしたいんですけれども、この従業員や元従業員が必要以上に不利な状況になってはならないと思うわけです。三要件の厳守、それから従業員に徹底されていない、つまり営業秘密としてきちっと徹底されていない、あるいは契約でも明確にされていないような場合には、この処罰の対象にならないというようなことをきちっと確認をしておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(高市早苗君) この秘密情報が営業秘密として保護の対象とされるためには、先生おっしゃったとおり、三要件がございます。この三つの要件を満たす必要があるということは明文化されております。 それから、判例上も、例えばこの要件のうち、秘密管理性の要件につきましては当該情報にアクセスできる者が制限されていること、そして当該情報にアクセスした者にそれが営業秘密であることが客観的に認識できること、この両方が必要とされるという解釈が定着いたしておりますので、ある情報が営業秘密であることが従業員に対して周知徹底されていない場合ですとか、それから元従業員との間で秘密保持契約が不明確な場合、こういった場合には営業秘密であるということが客観的に認識できませんので、秘密管理性の要件に欠けるということで刑事罰の保護対象になりません。ですから、刑事罰がこの場合乱用されるということはございません。
○西山登紀子君 それでは次の法案、急いで、三つありますので、次に景品表示法の関係の質問に入りたいと思います。 昨今のこのBSEの事件など、食の安全に対する国民の信頼というのは本当に政治に対する不信が大きくなっておりまして、消費者の表示に対する信頼の崩壊というようなことが、政府側の消費者取引問題研究会、公取のそういう研究会のまとめの中でも規定がされているところでございます。 その報告をちょっと読まさせていただきましたが、その報告の中にはこういう指摘がございますね。 景品表示違反行為に対する抑止力の強化という項の中で、JAS法の場合は、食肉の原産地虚偽表示の頻発を重視して、農水大臣が行う命令違反に対する罰則は法人に対しては一億円以下の罰金が規定されていると。景品表示法においても、この排除命令違反行為に対して法人重課を導入することが適当だと方向付けられていると思うんですけれども、今回の改正には盛り込まれておりません。なぜ盛り込まれていないのか、その理由をお示しいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおり、昨年十一月にいただきました消費者取引問題研究会の報告書では、法人重課を導入することが適当であるとされておるわけでございますが、私どもも法人重課については大変前向きに考えてはいるんですが、残念ながらそれを実現するためには独占禁止法の改正が必要でございます。 時を同じゅういたしまして、独占禁止法の違反行為に対します措置体系、いろいろ課徴金とか刑事告発とかございますが、こういったことについて今抜本的な見直しを既に昨年の十月から始めておりまして、それとの関係を踏まえて、体系的に法人重課の問題も処理させていただくのがいいんではないかというふうに思っておりまして、今回の景表法の改正には盛り込まさせていただいていないと。もうしばらくお時間をいただきたいというふうに思っております。
○西山登紀子君 いつごろをめどにできますか。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 独占禁止法の違反行為に対する措置体系の見直し、これは場合によっては、昭和二十二年に法律ができて半世紀ぶりの大改正になる可能性を秘めている改正でございまして、昨年の十月から鋭意専門家で勉強しておりますが、その報告が今年の秋に出していただけるものというふうに思っております。それを踏まえまして、関係方面との調整をいたしまして、法案の具体的な改正作業に入っていきたい。 ですから、あと一両年、来年の通常国会ということを申し上げるまでの自信は今ありませんが、少なくともその次までには具体的な法律改正が御提案申し上げられるように、そういうつもりで今作業を進めております。
○西山登紀子君 やはり消費者の信頼を回復する、崩壊してしまった、それを回復する。そのための改正あるいは独禁法の改正ですね。これは重大な決意を持って臨んでいただきたいと思うわけですね。 次に、二問併せて質問させていただきます。 日本生命の例の保険の不当表示問題で排除命令が、これは生命保険会社に対しては初めて出たということで、私もここまで問題が広がってきたということで非常に大きな関心を持っております。 そこで、お伺いいたしますけれども、これは排除命令が出たと。そして、日本生命には何か金融庁の方からは業務改善命令が出たというふうに報道がされております。そして、日本生命の方では謝罪を述べて、そして表示どおりさかのぼって支払いいたしましょうというようなことなどなど、改善が図られているようでございますけれども、しかし問題は、一つは被害を受けたそういう人たちが、この問題に限りません、さかのぼって、この不当表示で被害を受けた場合の被害者がさかのぼって、それこそ商品の、あるいは回収してもらう、代金を返してもらう、その他の受けた被害について補償をしてもらう、こういうことについては法律的な、法律上の仕組み、それを補償する仕組みがありません。 これはどうするのかということと、もう一つは、今度の日本生命の場合も、この保険の契約数は三十八万七千件、報道されております。大変多い数です。お一人お一人の被害者が、排除命令が出た後、無過失損害賠償請求訴訟を提起するということは可能なんですけれども、そうではなくて、今ややっぱり団体訴権というものを可能にするということが必要なのではないでしょうか。その二点、お伺いいたします。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 日本生命の件につきましては、今、委員お話にありましたとおりでございまして、法律上というよりは、むしろ、こちらの排除命令を受けまして日本生命の方でお客さんに対してしかるべき措置を講ずる、さかのぼって講ずるということで、既にその作業に入っているというふうに承知をいたしておりますから、実質的に今回のことによる関係消費者の損害というものは補償されるということになろうかと思っております。 一方、一般論として、今、委員御指摘のように、こういうことが起きた場合に損害賠償というのはなかなかしにくいではないかと。現に制度上は、公正取引委員会が独禁法二十五条の、排除命令を出しますと、独禁法二十五条というものがございまして、被害を受けた者は無過失損害賠償請求訴訟を提起することができるということになっておるわけでございます。しかし、実際これが使われることは余りないというのが実際でございます。 そこで、これからのテーマとして、今御指摘にございました団体訴権の問題ということになるわけでございますけれども、これにつきましては今年の三月十九日に司法制度改革推進計画というものが閣議決定をされておりまして、その中において、平成十六年十一月三十日までに団体訴権の導入、導入する場合の適格団体の決め方などについて法分野ごとに検討を行うことというふうにされておりまして、公取委のほか内閣府、それから経済産業省がそれぞれ関係する省庁になりますけれども、これらの省庁において今申し上げたような期限までにこの団体訴権について検討するということになってございます。 ただ、団体訴権の問題につきましては、差止め請求とそれから損害賠償と二つあるわけでございますが、それぞれに、特に損害賠償についてはいろいろ詰めなきゃならぬ難しい問題が含まれているというふうに承知をしておりますけれども、なるべく早くその決められた期限までに具体的な結論を得るべく検討していきたいというふうに思っております。
○西山登紀子君 ドイツなどではもう既に導入されているということでもございますので、是非急いでいただきたいと思います。 それでは、特許の方に移りたいと思います。 私は、九九年三月の三十日にこの委員会で特許法について質問をさせていただきました。そのとき、特許について勉強をさせていただきました。プロパテント政策ということで、審査請求期間の短縮、審査請求件数が増大することについての特別な審査体制を取るということも要求をさせていただきました。 その後、審査官の問題などどういうふうになっているかということも後ほど質問をしていきたいと思うんですけれども、これは今改正案が出ておりますけれども、そのとき私が問題にいたしました点、審査官の増員の少なさ、それからIPCCなどのサーチ外注効率の悪さ、審査請求件数予測の甘さなど、言わばこの間の特許庁の政策の誤りに起因して今の問題が起こっているのではないかと指摘をさせていただきたいわけでございます。そのときの議事録などももう一度振り返ってみますと、そのときには重大な決意で、日本の特許政策を早く強く広く権利保護をするんだということで随分強い決意が述べられていたんですけれども、その決意は本当にどうなったのかなというふうに思う実態でございます。 そこで、今、今回の改正はこの審査請求料を二倍に引き上げていくと。午前中も同僚議員の方から指摘がございましたけれども、この入口が非常に狭くなる、そして審査件数を狭めていく。そのことによって、これ以上審査請求期間を延ばさないように何とか保ちたいなというふうなことではないかなというふうに思いまして、この料金の改定のこういう、しかも入口を倍に上げる、入口を狭めるというようなことでは本質的な解決にはつながらないんではないだろうかと。早く強く広く権利保障をしていくと言っていた政府のその方向にはつながっていかない、むしろその方向には逆行していくんではないかなというふうに思うんですけれども、大臣の基本的なお考えを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 現在、出願人の行う審査請求の件数が特許庁の審査可能な件数を上回っている、そういう事実がございまして、審査着手を待っている出願の数は増加する傾向にございます。これに加えまして、今後数年間は審査請求期間の短縮に伴いまして審査請求件数の増加が予想されることから、審査着手を待っている件数が増加して審査期間が長期化することが懸念材料であります。 こうした中で、知的財産戦略大綱におきまして、必要な審査官の確保、先行技術調査の外部発注や専門性を備えた審査補助職員の積極的な活用等による審査体制の整備に加えて、企業啓発等を通じて我が国の審査請求構造の改革を図るなど、総合的な施策を講ずることによりまして審査期間の長期化を防止することが当面の課題であると、このように指摘をされていることでございます。 こうした指摘を私ども踏まえまして、迅速かつ的確な特許審査の実現に向けた総合的な施策の一環として今般の料金体系の見直しを行うものでございまして、これによって審査請求行動の適正化が行われ、審査請求構造の改革が図られる、こういうことを期待しております。 料金のみで問題は解決しないと思っております。こういったことを含めて総合的施策により迅速審査を実現したいと思っておりまして、例えば、今厳しい制約の中でございますけれども、例えば我が国の特許庁の特許審査官の増員等も厳しい中で増員を目指してきたところでございまして、二〇〇〇年は十名でございましたけれども、二〇〇三年にはこれを三十四名にするというようなことも努力としてやっておりまして、大変厳しい中でございますけれども、私どもとしては、今申し上げたように迅速審査を実現すべく全力で努力をしてまいりたいと、このように思っております。
○西山登紀子君 時間が非常に短うございますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。 料金の改定も、経済産業省の説明では、全体として十万円安くなりますよ、皆さんにとってメリットがございますよ、こういうふうな御説明、随分その点を強調していらっしゃるんですね。その点もちょっと見ていきたいと思うわけです。 審査の請求をするときに倍ほどの値段、十万円ほど高くなる。そして、全体としては十万円安くなるというのはどういうことだろうと。これは最終点であります特許を獲得する料金、特許料というのが約二十万ほど大ざっぱに言うと下がるからでございます。ですから、入口で十万高くなるけれどもゴールのところ以降はうんと安くなる、二十万安くなる、だから合わせて十万下がる、だから皆さんお得になりますよということなんですけれども、これは私ちょっと、みんながそれでは、午前中も議論がございました、すべてフルコース、十万円下がるかというとそうではありません。やっぱり、最終ゴールに到達した、そういう人がメリット、十万円、もっと下がるわけですけれども、メリットを受けるわけでございます。総枠は、特許庁のこの収入総枠はほとんど変わらないわけですから、その中で動かすということになります。 料金改定で利益を受ける人、利益を受ける企業、そして一方で負担が増える人、負担が増える企業、これが生まれるのではないかなということで、少し資料を用意をいたしました。 これは、非常に分析するのは実は大変なことでございまして、特許出願と特許登録件数、二〇〇一年と二〇〇〇年の上位二十企業を、これは国会図書館の御協力をいただきまして、私の部屋に出していただいたやつを私たちの部屋で精査をしたものでございます。 資料は議事録に残りませんので少し紹介をさせていただきますと、出願数の順位でございます。一位は松下電器、二〇〇一年は一万三千六百七十八出願をしております。そのうち登録した件数は五千九件でございます。二位は東芝、二〇〇一年に一万六百三十三で登録件数は二千八百九十二、三位はキヤノン株式会社で、二〇〇一年は九千四百六十二、登録件数は三千二百二十四でございます。四位が日本電気、五位が株式会社日立製作、六位がソニー株式会社、七位が三菱電機株式会社、八位が株式会社リコー、九位が富士写真フイルム株式会社、十位が三洋電機株式会社、十一位が富士通株式会社、十二位がセイコーエプソン株式会社、十三位はシャープ株式会社、十四位が松下電工株式会社、十五位が株式会社デンソー、十六位がトヨタ自動車株式会社、十七位が三菱重工業株式会社、十八位が本田技研工業株式会社、十九位はオリンパス光学工業株式会社、二十位がコニカ株式会社と、こういうことで、出願件数二十位の企業の名前をここに挙げさせていただきました。 私の問題意識というのは、今度の改定で、今度の改定の改正が出ているわけですけれども、今回、政府が料金改定の理由として、費用負担の不均衡、適正な審査請求行動の促進を挙げているわけですけれども、それならば、不適切な審査請求行動を行っているのは一体だれなのかと。問題意識としては、やっぱり大きな大企業じゃないのかというのが問題意識にありまして、そしてちょっとこういうふうに調べてみたわけでございます。上位二十社、出願件数の上から順番の企業がこういう企業。 それでは、特許率というのがありまして、これは登録率と同義語だと思いますが、これはなぜこちらの資料に出していないのかといいますと、二〇〇一年で見ますと、上位、出願率上位十社の企業は、特許庁が公表されております特許率三十位までの企業の中には一社も入っておりません。ですから書く必要もない。それから、二〇〇一年で見ましても、出願件数の二十社の企業の中で、じゃ上位、登録率上位三十位の中に入っている企業はといえば、十八番目の本田技研、これがただ一つ十五位に入っているだけでございます。 ですから、出願件数の多いところが必ずしも特許率、登録率が高いわけではないんですね。ここに私は非常に大きな問題があるのではないかと思っているわけです。 つまり、現状では、ろくに先行技術調査もしないでどんどんどんどん出していく、特許戦略として出していく、こういうことで、特許率の低下だとかあるいは戻し拒絶率の増加を招いた主要な一つの原因としては、こういう大企業のいわゆる特許戦略と、出願をしておいて予防的に特許を獲得しておこうと、防衛特許というふうに言われているようですけれども、そういうのがあると思うんですけれども、大臣のまず認識をお伺いいたします。
○政府参考人(太田信一郎君) 大手大企業が、特にIT企業が上位、出願の上位を占めるということはおっしゃるとおりでございます。そういう大手企業の特許率、登録率は私どももきちんと把握していませんが、特許率が平均よりやや低いということも事実でございます。そういうところがクロスライセンス等をするためにかなりの数の出願を出す傾向にあるということも御指摘のとおりでございます。
○西山登紀子君 私は大臣に認識をお伺いしたいと思うんですけれども、確かにこのエレクトロニクスの、そういう関係のメーカーというのが出願率でも、出願件数でも上位十社にあるんですけれども、政府の出している資料をちょっと見させていただきました。 産構審の特許制度小委員会の配付資料の中に指摘がされておりまして、これは公に出されている資料ですけれども、審査件数上位十社の特許率は我が国全体の特許率と比較して特に低い傾向にあると。そして、二〇〇〇年、二〇〇一年の平均数を見ましても、特許率で明らかに有意な差がある。審査請求件数五三・六%、上位十位の合計は特許率で五三・六で、それ以外は五八・五ですから、約五%上位十社の特許率の方が有意に低いんですね。全体は五七・四ということですから。これは、公に出していらっしゃる統計の数字から見てもやはり審査請求件数上位十社の方がうんと低いと、特許率がうんと低いという数字はもうはっきり出ていると思うわけですね。 そして、問題は、私のこの資料は審査件数の上位十社の資料ではございません。といいますのは、特許審査の件数、審査の件数別の企業別の公表がされていないということですから、残念ながら出願件数ということで上位十社をずっと並べましたけれども、大体審査請求するのは出願件数の半分ぐらいですから、大体私が出した資料どおりに、大体この審査請求上位十社というのは、企業名を明らかにいたしましたように、エレクトロニクス関係の企業であるということは突き合わせて見ていただきますと明らかではないかなというふうに思います。 ですから、もう一度大臣にお伺いいたしますけれども、実にこの上位の十社というのは、こちらの出していらっしゃる資料でも請求件数では約二割、特許査定件数でも約二割、拒絶査定件数では二四・五%というふうな数字、占有率といいますか、そういうものを占めておりまして、しかもそういうふうにたくさん出しておいて、そして審査請求もたくさん出しておいて、そして拒絶査定もかなりあるという、言わば大企業の特許出願戦略、そういったところに不適切な審査請求の主な原因があるんではないか、まずそこを是正すべきではないかと思うんですが、大臣の御見解を。
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山先生が表を御用意くださいまして、一つの傾向を示していただきました。確かにそういう数値は傾向として出ていると思います。 しかしながら、特許出願あるいは審査請求をどうやって行うか、どのように行うかについては、やっぱり技術分野でございますとか業種によって異なっているものだと思っておりまして、特許率や戻し拒絶の比率が単純に企業のそういう審査請求行動の適正さを示すとは私どもは思っておりません。特許出願及び審査請求をどのように行うかは、やっぱり競合する他社の特許の取得でございますとか権利行使の状況を踏まえて個々の企業が決定しているものと認識しております。 審査請求件数上位十社の特許率が御指摘のように平均より低いことは事実であります。これは、国内外とのライセンス交渉において、先ほど特許庁長官も申し上げましたけれども、特許権の数が重視されていると、こういうことも一つ背景にあると思いますし、特許取得件数が技術力を評価する指標として活用されていたこと等の業種特有の要因が審査請求件数をできるだけ増加させるという企業行動につながった結果であると、こういう意見もあるということは私ども聞いております。 近年は、多くの企業においては、特許関連のコストにも着目をいたしまして、今申し上げたように量の重視から質重視への特許戦略への転換を図る動きが出てきているものと、このように認識しております。こうした動きを私どもは更に促進をするために、平成十五年の三月には知的財産の取得・管理指針というものを策定をしまして、この中で知的財産や研究開発の選択と集中の重要性を示すことによりまして、経営者の知的財産に対する意識向上と戦略的な特許取得を促しているところでございます。 今後とも、産業競争力強化の観点から、企業におけます知的財産のより戦略的な取得及び管理が促進されることを私どもとしては期待をしておりまして、政府としても、そのための環境準備に最大限努めていきたいと思っております。御指摘のそういう傾向は確かにあったと、こういうふうに認識しております。
○西山登紀子君 私の作りました資料でも、やはり出願件数の高いところは必ずしも特許率が高いわけではないと。つまり、そういう戦略的に防衛的な特許という形で出しているということは大臣がお認めになったようにあるわけですね。そこのところを是正しなければ根本的な解決にならないと思います。 それで、そういう傾向があるという大企業なんですけれども、今度の改正では大変大きな恩恵を受けることになるのではないでしょうか。つまり、特許料金がうんと下がるわけでございます。 例えば松下電器の場合、二〇〇一年の登録件数は五千九件、現行では十七億八千四百万円ですが、これが八億三千四百万円になって、九億五千万円もお得になります。日本電気は八億四千四百五十万円なんですが、同様に、計算省略します、日本電気は八億四千四百五十万、キャノンは六億一千百二十七万、東芝は五億四千三百八十二万、日立は五億四千五百十万円もお得になると。つまり、今度の改正案は、特許の登録の多い企業、大企業ほど料金改定の恩恵を受けるという改正案になっています。これは時間がありませんので、先急ぎます。 一方で、それでは中小企業や個人はどうかということになりますと、先ほど来のお話がありましたように、審査請求時には出願者の負担は二倍に跳ね上がります。約十万円ほど跳ね上がってしまうということになります。ですから、いろんなパブリックコメントなどでも、これでは出せなくなっちゃうよと、中小企業の申請意欲に大打撃を与えるじゃないかという厳しい指摘がたくさんあったと思います。個人や中小企業の特許性が見込まれる出願の審査請求までも阻害をされるおそれがあるんじゃないかと。特許の入口を狭めてしまうということは国民の知的財産権を狭めるということにつながります。これでどうして知的立国を造っていけるというのでしょうか。 大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の点は、午前中の審議の中でも各委員から御質疑の中で出たところでございます。 今回の料金の改定につきましては、出願から権利維持まで、それに要するトータル費用を、これはもうよく御承知のことでございますけれども、平均的な出願一件当たり約四十八万円から三十八万円と、約十万円減額をするものでございまして、特許性が高くて経営戦略の観点からも価値の高い権利の取得を目指す出願人の方々にとってメリットが大きいものでございます。また、出願奨励の観点から、出願料についても二・一万円から一・六万円に引き下げることとしておりまして、この点からも、個人や中小企業において特許制度の利用がより容易になると私どもは考えております。 御指摘の審査請求料の引上げによる中小企業等の影響につきましては、料金減免措置などの拡大と手続の簡素化、PRの強化による着実な利用の促進を図るとともに、特許取得を目指す中小企業を対象とする先行技術調査の支援制度を創設するなどして、全体として中小企業支援策を一層積極的に講じていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、今回の料金改定は、我が国の知的財産活動についても、量的の拡大の追求から、経営戦略の観点から価値の高いものを目指す、その基本姿勢への転換を促して、ひいては我が国産業競争力の強化につながって知的財産立国の実現に資するものだと思っておりまして、これは午前中の答弁でも申し上げましたけれども、中小企業に対しても私どもは今回も減免措置等も加えておりますけれども、さらに私どもとしては知的財産立国を目指して努力をしていかなければならないと、このように思います。
○西山登紀子君 先ほど私は、非常に恩恵を受けるのは大企業だと言いました。私の提出させていただいたこの資料を見ていただきますと、この出願件数上位二十社、登録件数を見ていただきますと、その二十社だけで三万七千七百二十一、二〇〇一年の登録件数ですね、持っているわけです。これは比率にいたしますと三一%です。出願をたくさん出している上位二十社で登録件数の約三割を言わば独占をしている、占有している。今度の改正案というのは、最後のゴールのところまで行った人が恩恵を受けるという改正になっているわけですから、最後までたくさんゴールまで行けるのはやはり力の持った大企業であり、とりわけ、その中にはエレクトロニクス関係の企業が非常に集中していると。 こういう、非常に私は、今回の背景として、改正案の背景は、非常に大企業の恩恵を優先し、しかも一方では、本当に幅を広げなければならない中小企業や個人の国民の英知を集めるという点ではむしろ入口を狭めてしまう。これでは日本の発展方向は大変お寒い話だというふうに申し上げなければならないと思います。 時間が迫ってまいりましたが、最後にどうしてもお伺いしておかなければならない問題は、審査官の増員の問題です。 日本弁理士会の笹島会長は、二〇〇二年十二月十六日の、産業構造審議会知的財産政策部会特許小委員会に対して、「最適な特許審査に向けた特許制度の在り方に関する要望書」を出しておられる。その中で、「審査の遅延解消は、本質的には審査の増加に対応した審査官の増員によって図られるべきであり、サーチ外注等の強化は補完的な問題とすべきである」と、明快に述べていらっしゃるわけでございます。また別のところで、中国やアメリカではプロパテント政策重視によって特許審査官の五割増員計画が進んでいる、日本の対応が求められるというようなことも述べておられるわけでございます。 特許庁は、現在、そういう滞貨を消化していくという目的で任期付審査官の募集を行っていらっしゃいますが、この任期付審査官の採用は特許庁の実は定員の中にカウントされている、その分定員を食っている、ですから常勤審査官の雇用を難しくしている、こういう問題を私はお伺いをいたしました。やはり、この常勤審査官の抜本的な定員増と任期付審査官は緊急の措置であって、定員外の採用にすべきであるというこの声は私は極めて妥当だと思います。特許庁というところも総定員法の枠がはまるんだというようなことについては、私はやっぱり政策上はそういうものに縛られるのはおかしいというふうに思っております。 審査官の方にちょっとお聞きしたことがありますけれども、私はずっと、審査を始めて、審査そのものがずっと長く時間が掛かるのかなと素人見に思っていたんですが、審査官が順番が来てその審査件数を受け取ると、ほぼ一日ずっと集中して、一日ぐらいでオーケーかノーかという審査をずばっとやると。しかも正確にやる。その能力たるやすごいものだそうで、ですから、これ時間が長いというのは、倉庫の中にずっとたまっている時間が非常に長い、つまり審査をする人間が少ないから皆さんに御迷惑を掛けていると、こういうことなんですね。 やっぱり、早く広く強くですか、そのプロパテント政策を本当にやるためには優秀な審査官をたくさんきちっと増員するということがどうしても必要なのではないでしょうか。
○副大臣(高市早苗君) 迅速かつ的確な特許審査の実施ということを実現するために、この審査体制整備の取組の一環としまして、先生がおっしゃいました任期を定めて採用する任期付職員の制度を活用しております。今年度から弁理士さんを採用しまして、審査実務を行っていただくということにいたしました。 ただ、現行の制度、法制度の下では、具体的に言いますと、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律なんですが、これは定員内である国家公務員法第二条に規定する常勤の一般職の職員のみを任期付職員として採用し得ることとされておりますので、定員外での任期付職員の採用を行うことは不可能だということでございます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、今日もずっと午前中の質疑から、やっぱり審査官の増員ということは各委員の方々から御指摘がございました。また、いわゆる知財の戦略本部の中でも、知財の委員の方々からそういう御意見が出ています。 したがって、御指摘の、やはり審査官、これは厳しい中でもやはり増やしていくということは私どもも認識を持っておりまして、先ほどちょっと二〇〇〇年の、二〇〇三年の数字を申し上げましたけれども、厳しい中でもこの異例の増員は実現をしているところでございまして、更に私どもは努力させていただきたいと、こういうふうに思っております。
○西山登紀子君 終わります。
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。 まず、特許法の改正について伺いたいと思います。 午前中にもいろいろとございましたので重複は避けますけれども、今回の改正によって、出願料は下がり、審査請求料は上がり、特許料は下がると、こういうことでありますけれども、それによって、要は最終的に結果だと思うんですね。ですから、今ある対価がどれぐらいに減ってくるのかと。 そしてまた、審査期間はひところ非常に短縮されて十八か月ぐらいまでになりましたけれども、それがまた二十二、三か月にまでなってまいりました。ですから、審査期間が短縮、どれぐらい短縮されるのか。 この二点について、どういう効果が目に見えて現れるのか、どれぐらいの期間の間に、そのことについて、まず大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 特許審査の長期化の要因というのは、もう先生も御承知のとおり、特許庁の審査可能な件数と出願人による審査請求件数の不均衡による審査待ち件数の増加にございます。特許料金体系の見直しというのは、ここの辺、ここのところに着目をいたしまして、出願人の審査請求行動に影響を及ぼすものでありまして、出願人の行動を予測することは必ずしも容易でありませんけれども、今回の料金体系の見直しによりましてこの審査請求行動の適正化が行われると、こういうふうに思っております。 審査期間の短縮に及ぼす効果を定量的に把握することというのはちょっと困難でございまして、今回の料金体系の見直しを行う際に際して、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会の中間取りまとめにおきましては、審査官の拒絶理由通知に対し何ら応答もなく、拒絶が確定をいたしますいわゆる戻し拒絶査定、これは二〇〇一年において全査定件数の二〇・五%でございますけれども、このような特許性の乏しい出願の審査請求をされる率が半減をするんじゃないかと、こういうふうに思っております。それから、審査請求件数が一割程度これによって減少するんではないか、こういうことが指摘をされているところでございます。 経済産業省といたしましては、今般の料金体系の見直しが実効あるものとなるように、企業等への説明など、経営戦略の観点に立った質の重視の知的財産管理の充実を促してまいりたいと思っております。そういう意味で、今ちょっと定量的にお示しするのは難しいわけでございますけれども、今言ったような一つの目安が立つのではないかと、こういうふうに思います。
○広野ただし君 やはりこのプロパテント政策、もう今日、各委員とも知財立国のことを熱っぽく言われましたし、みんなそういう気持ちで、それが日本の将来にとって極めて大事なことだという思いはみんな変わらないんだと思います。そのときに、今回の改正、やはり目標がないと、私は何のためにやるんだということだと思うんですね。日産のゴーンさんが、やはり日産の立て直しに目標を、分かりやすい目標を立ててそれを実行していくと、こういうことをおっしゃっています。 それで、この間、日経にも出ておりましたが、知財戦略本部が大体特許審査期間を六か月ぐらいにしたいんだと、こういう目標を立てているんですね。ですから、三分の一ぐらいに短縮されると。こういうことが、まあ話半分だとしましても、じゃ一年でできるということになりますと、これはやはり非常なスピード感覚になってまいりまして、ある意味で特許行政の大変な構造改革になるんではないかと、こう思うわけなんですけれども。 是非一つの目標、三年以内にこうするんだという目標とか、対価はこうするんだという目標を是非明確に示していただきたいなと思いますが、定量的なものということではなくて、是非それは大体半分に、審査期間は半分にしますとか、あるいは対価も半分にしますというような大ざっぱなものでもいいんですが、何か、いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) 知財本部でのお話で六か月という、そういうことが今御披露になりましたけれども、これは、何といいますか、確定したということじゃなくて一つの目安だと、こういうふうに私ども認識しています。 いずれにいたしましても、私も、日本の経済の活性化のためには、やはり今おっしゃったような具体的な分かりやすい目標と、そしてそれに到達するやっぱり道筋というものを明確に示すということが国民にも理解をされやすいし、また協力もしていただけると、こういうことにつながると思います。 そういう意味では、やはりこの知財関係、特許、こういうものに関しては、今、先生がおっしゃったような、そういう一つの目標を立てるということは私は必要なことだと思っておりまして、私も知的財産戦略本部の副本部長という立場でございますから、今、先生からの御指摘のようなこともしっかりと体して、知財本部の中でも検討を進めるように私も努力をしていきたいと、こういうふうに思います。
○広野ただし君 それで、午前中にも指摘がありました特許特会という一つの枠内だけで考えているところに一つの限界が出てくるんではなかろうかという気が私もいたします。 スモールエンティティーのアメリカの制度等を、日本でも例えば三百人以下は半額にしますとか、そういう制度を入れますときに、どうしても財源との問題が出てくると思うんですね。特許特会の場合に見掛け上は九百億円の余剰がありますと、こういうことになっておるものですから、どうもいろんなところからの同情が出ないんですね、その財源についてですね。これはもう一つ、何か企業特会のような、企業会計のような概念でやりませんと、何か九百億円も余剰あるのに、何でじゃ例えば一般会計から入れなきゃならないのかと。 あるいは私は、エネルギー特会、二つの石油特会あるいは電特からでも入れていいんじゃないかと思っております。例えば、エネルギー関係の、先ほども出ましたけれども、燃料電池関係あるいは新エネルギーあるいはコジェネというようなエネルギー関係のものについては、大いに特許申請については、出願等については助成をするというようなことを、エネルギー特会等からも入れるという考え方があってしかるべきじゃないかと思うんですね。 ですから、まず特許特会の九百億円の余剰というところが実態を余り表していないんじゃないかと。実際、前受金があってということもありますし、それを実態の分かるようなものに改めなきゃならないんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特別会計の中で確かに九百億近くございます。そのうち約六百億というのはやはり預り金的な性質でございまして、実際のあれは三百億でございますけれども、それは、いろいろなアウトソーシングをやってもっと迅速化するとかいろんな形で使う、こういうふうなことがございます。 今、そういうエネルギー特会の中でそういうことも考えたらどうかという御指摘でございますが、例えば研究開発等に関しては、エネルギー特会の中で、例えば燃料電池でありますとか、そういったことについては支出をしていることがございます。そういう意味では、特許の中でそういう部分にインセンティブを与えるかどうかということに関しては、私どもとしては少し研究をさせていただきたい、こういうふうに思っています。
○広野ただし君 何といっても、プロパテント政策を実行していくという決意の下では、何かいろんなところから、やはり一般会計からでもいいですし、いろんな特会からでもいいですから、投入をして、やはりプロパテント政策を実行していくということが非常に大切なんじゃないかなと思っております。 そしてまた、審査官の問題でありますが、あるいは短縮化のために外部調査を委託をする、やはりアウトソーシングというのを大々的にやっていくべきじゃないかと思います。 審査官、先ほどお聞きしましたらば、どうしても定員内になるんだというお話がありました。ならば、そこは総定員法を変えるというのはなかなか問題なのでありますけれども、是非短縮化のための特別法を、今度、例えば、何といいますか、一年ぐらいに短縮するんだということのために、そういうアウトソーシングに関する審査官は定員外にするんだというような特別法でも作っていただくとか、要するに、目的達成のためにいろんなことを是非実行していただきたいと思うんですね。 そしてまた、先ほどからありましたIPCCですか、外部調査をやりますところを早く複数化する、あるいは民間会社も活用をする、これは是非やっていただきたいと思いますが、いつまでにそれをやるか、これも是非大臣の決意を聞かせていただきたいなと思います。
○副大臣(西川太一郎君) 時間の関係もありますから結論を申し上げますと、平成十五年度中に、ただいま先生の御指摘のアウトソーシングの充実、IPCCとの関係、民間の今六社あるそうしたところの質の向上も含めて、こういう問題については平成十五年度中に結論を出したいと思っております。
○広野ただし君 大臣、もう一つ、特別法か何かを作って短縮化のための措置を講ずるという考え方はいかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 知財立国というのは、やっぱり日本の非常にこれから最重要のテーマでございます。そういう意味では、そういったことも私どもは研究材料として研究させていただければと、こういうふうに思っています。
○広野ただし君 是非前向きに検討をいただきたいと思います。 それともう一つ、昨年でしたか、知財基本法のときに参考人等からもお聞きしたんですが、海外出願に非常にお金が掛かるということから、特にヨーロッパではEC全域に一つ申請をすれば効力を有する、こういうことが、二〇〇五年からですか、発効するというようなことのようでありますが、これは是非日本も各国との間で交渉していただいて、特に私はやはりアジアの国々、模造品ですとかいろいろと出てくるわけですね。ですから、アジアの国々に対してそういう交渉テーブルを作っていただきたいと思いますし、特に今フリートレードの、FTAの交渉を、幾つもテーブルを作っておられると思いますけれども、各国に対して。そういう国々に対して、是非、この特許政策等について、出願を一本すれば海外にも効力を有する、そういうようなことができないのか、お答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(西川公也君) この問題、平沼大臣からも午前中お答えをさせていただいたところでありますけれども、アジアが大切だと、アジアに目を向けて連携を強化していこうと、こういうことを申し上げたと思いますけれども、なかなかそのアジアの中で文化的あるいは歴史的な背景が、依然として大きな格差がある。そういう中で、欧州のような経済統合の歩み、これはまだ緒に就いたばかりでありまして、なかなか全体を包括してやっていこうというのは時間が掛かる話だと思いますけれども、私どもとしては前向きに一生懸命取り組んでいきたいと、こう考えております。 それから、FTAの問題でありますけれども、シンガポール、スタートしたわけでありますけれども、これからASEAN、タイ、フィリピン、マレーシア、韓国等とも経済連携協定を締結しようと、こういうことで今検討を進めている段階であるわけであります。今後、いかに貿易障壁の撤廃、これを超えて両国間の貿易投資の円滑化ができるか、これらにつきまして私どもも幅広い分野から検討してまいりたいと、こう考えておりますので、よろしくお願いします。
○広野ただし君 特に国際競争、グローバルの時代でありますから、海外における特許権等の取得というのは非常に大切だと思います。 そのためにもう一つ、早期審査請求というんですか、早期審査制度というのがありますが、特に海外のものについては、国際的なものについてありますが、これを抜本的に拡充いただいて、海外に対する負担、そして国際競争における日本のいろんなバリアを除去をすることが非常に大切じゃないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) 外国に出願しているものについては早期審査制度の道が御指摘のようにございます。通常ですと二十二か月ぐらい掛かるものが三、四か月で審査が終わります。おととし三千件ぐらいのものが去年は四千件ぐらいに増えております。 私どもこれを周知徹底して、やはり外国出願をするようなものは急ぐと、これをなるべく早く権利化して企業の競争力になってもらいたいということで、この周知徹底を図って大いに出願人の方に活用してもらいたい、そのための努力をしていきたいと思っております。
○広野ただし君 正に国際競争の時代ですから、大いに早期審査制度を拡充していただくように、よろしくお願いをしたいと思います。 ところで、前の特許法あるいは知財法関係のときにもお話もし、そこの附帯決議にも入りましたが、不正競争防止法、模造品に対する対処の仕方、これはもうちょっと時間が掛かりましたけれども、私は大いにやっていただいたことを評価したいと思っております。特に、これだけの国際競争時代ですから、経済スパイ事件等がいろいろとあろうと思います。そういうことに対してきっちりやっていただきたいなと、こう思っておりますが。 ところで、アジアにおいてはいろいろと模造品が出回っております。ですから、それを特に、名前を申し上げて恐縮ですが、中国あるいは台湾、韓国、香港といったところは大宗を占めるわけですね、模造品の。そうしますと、いろいろと日本に入ってくる水際のところできっちりと防御しなきゃいけないと思います。 そのところで、今、申告制度になっているんだと思いますが、この点、がっちりと防御体制が整ったのかどうか、関税定率法も改正されました、その点について、財務副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(小林興起君) 御承知と思いますけれども、関税定率法第二十一条一項第五号でその輸入禁制品に知的財産権を侵害する物品についてはなっているわけでございますから、輸入できないわけでございます。 ただ、それが本物かどうかと発見しなきゃなりませんので、一番は、それは権利者がこれはおかしいというふうに輸入の差止め申立てをしてもらえば、これはもう非常に分かりやすいわけですけれども、ただ、それだけではなくて、もちろん情報提供とか、おかしいぞとか、それからまた税関の方でもデータベースをいろいろ持っておりまして、今勉強して研修もしておりますので、いろんなうわさが入ってきますので、自ら勉強して積極的に防止するということで努力しております。 したがいまして、平成十四年も件数にいたしまして七千件、物品にしまして九十九万点をきちっと止めているわけでございますので、それなりに頑張っているのかなと思いますが、さらに気を許すことなく研修を積んで水際で防止したいと、財務省としてはそう考えております。
○広野ただし君 それともう一つ、入る方はそれでいいんですが、今度は出る方ですね。特に知的財産ですとか、あるいはそれに密着した精密部品、特に安全保障にかかわるような特に北朝鮮問題等があります。 そういうことで、出る方についてはどういうチェック体制、規制体制になっておるのか、そしてまたそれが有効に動いておるのか、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(高市早苗君) 有効に動いているかどうかということでございますけれども、先日、報道ありました警視庁が株式会社明伸に強制捜査を行った事案につきましては、これは外為法上、経済産業大臣の許可の申請が必要なもの、その申請をせずに第三国の通信関連企業を経由して北朝鮮に輸出をする疑いが持たれたということで、あれは経済産業省から告発を、四月二十四日に告発を行ったものでございます。ですから、今回の事案については、非常に貨物の調達を阻止する上で各関係機関の連携がうまくいった例だと思います。 具体的には、関係法令は、外為法第四十八条一項、輸出貿易管理令第一条、それから技術については外為法第二十五条一項と、外国為替令第十七条といったことがございますけれども、汎用品につきましても、安全保障管理に関する国際レジームにおいて輸出管理の対象とする旨合意された品目の輸出については、これは経済産業大臣の許可を必要とするこのリスト規制がございます。 それから、おととしの米国同時多発テロを受けましてから、テロリストによる大量破壊兵器の使用リスクというのが増えましたので、ことしの四月一日からキャッチオール規制ということで、食料品ですとか木材などを除く全品目の輸出につきまして、大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれがある場合には経済産業大臣の許可を必要とする規制というのがありまして、罰則も五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金ということですんで、こういった法令、そして法令の的確な運用、関係機関との連携、諸外国との連携を通じて、実効性の向上に努めたいと思っております。
○広野ただし君 特にこの北東アジアにおける我が国にとって大変な脅威になっている北朝鮮に対する、これは特に迂回輸出等もありますから、是非目を光らせておいていただきたいと、このように思います。 ところで、景表法についての改正について伺いたいと思います。 BSE問題に絡みまして、特にJAS法といいますか、農林物資についての不当表示問題がありました。JAS法も刑罰を、罰金を上げたり、そういうことをやりましたけれども、まずそのJAS法とこの景表法との仕分といいますか、重複しているにしても、じゃ、どういう観点からそこは重複するんだという点について、まず農水副大臣と公取委員長から伺いたいと思います。
○大臣政務官(渡辺孝男君) 広野委員にお答えをいたします。 景品表示法に基づく公正競争規約の表示ルールは、事業者間の公正な競争の確保を目的とし、公正競争規約が定めました特定の品目、食品の場合には三十二品目でございますけれども、それらのみに適用されるものでありまして、品目ごとに構成される事業者団体の構成員である事業者のみを規律の対象としておりまして、また違反者に対しましては、事業者団体による警告や除名など団体内部での対応が基本となるものと、そのように承知しております。 これに対しまして、JAS法に基づく品質表示基準は、一般消費者の商品の選択に資することを目的としておりまして、一般消費者向けのすべての飲食料品に適用され、飲食料品の製造、販売を行うすべての事業者を対象としております。また、違反者に対しましては、行政庁から指示、公表あるいは罰則を伴う改善命令がなされるという制度でございまして、景品表示法に基づく公正競争規約とは目的あるいは適用範囲、違反者への対応等において異なっているものであります。 なお、農林水産省としましては、食品の表示ルールが定めております公正競争規約とJAS法に基づく品質表示基準との整合性が図られるように運用を行っていくところでございます。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 景表法は、これは横断的な法律でございまして、どの分野、どの業種、どの商品ということではございません。 要するに、商品にせよサービスにせよ、その表示につきましては、著しく優良であるとか、著しく他の商品に比べて有利であるとかいうようなことを消費者に誤認させるような表示をしてはいかぬということで、そういうために横断的な規制をしているというのが特徴だと思います。 更に加えますと、JAS法にしても、これは食品というもの、厚生労働省の食品衛生法にしてもそうでございますが、景表法の場合はそういう商品に付随するラベルの表示の内容がどうかというだけではございませんで、その商品ないしはサービスの広告につきましても、それが不当であるかどうかということを判断しているというのも一つの特徴でございますが、要するに横断的であるというところが一番特色かなというふうに思っております。
○広野ただし君 そういうことではありますが、例えば食品衛生法とJAS法でいきますと、品質保持期限というのと賞味期限というのと、これがJAS法だし、食品衛生法だと品質保持期間というような、期限ですか、というようなことになっております。そしてまた、公正競争規約、この景表法でいきますものでは、そういうものが今度は保存の方法というような形であるので、なかなか消費者にとって、いろんなものが示されておりますから、どれを見ればいいのかなと、こういうようなことによく迷うわけであります。 ところでまた、中国の例のやせる薬ですか、あるいは食品だったのか知りませんが、この点について薬事法あるいは健康増進法、そして不当表示法のことについてどういう仕分になっているのか、厚生労働省の方と公取さんに伺います。
○大臣政務官(森田次夫君) 現在、参議院で審議いただいておりますけれども、健康増進法の一部改正についてでございますね、これで虚偽又は誇大な広告その他の表示等を禁止する規制を設けることといたしておるところでございます。 この健康増進法による虚偽、誇大広告の禁止措置と景表法による表示、不当表示の禁止が重ねて適用されることはあり得ると思いますが、景表法は公正な競争の確保を目的とするものでありまして、一方、健康増進法は国民の健康の保持増進を目的としている、こういう点で異なっておるものと考えております。 また、薬事法につきましては、医薬品等による保健衛生上の被害の発生を防止する目的で取締りを行っておるものでございまして、いわゆる健康食品については薬事法の規制対象となっていないわけでございます。しかしながら、健康食品と称するものであっても、その広告等について疾病の診断あるいは治療又は予防の目的に資する効能、効果を標榜又は暗示している場合には薬事法上の無承認無許可医薬品に該当することから、同法に基づく取締りの対象としているところでございます。いわゆる偽薬といいますか。 いずれにしましても、公正な競争を確保することで一般消費者の利益確保を図ろうとする景表法と、健康増進法、薬事法とは規制の目的が異なっておりまして、それぞれの法律の規制目的に照らしまして必要な規制が実施されていると、このように考えておるところでございます。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 先ほどのJAS法との比較と同じようなことになってしまいますけれども、薬事法とか健康増進法による規制というのは、当然のことながら、それぞれ安全性とか有効性という観点からチェックをされているんだと思いますが、景表法は、やせるかどうかというような場合も、それが本当にその効果があるのかどうかと、根拠がないにもかかわらずあるがごとく表示をするなり広告をして、そうじゃないライバル商品との間で著しくこれは有利、優良なものであるというようなことを誤認させるという行為を規制するということでございまして、直接的に健康に資するかどうかとか医薬品として有効であるかどうかということ、その切り口がもちろん違うということでございます。 ただ、不当表示という意味で広く申し上げれば、JAS法の場合もそうでございますけれども、ダブってそれぞれが発動されるということはよくあることだというふうに思っております。
○広野ただし君 じゃ、最後の質問になりますが、結局、ライバル企業との間に、非常に誇大な広告をしたり表示をするというようなことで、製品ごとあるいは業種ごとに公正取引協議会というのが八十三ですか、現在、公取さんの指導の下にできていると思います。その公正取引協議会の中にメンバーとして入っているインサイダーと、そこに入らないアウトサイダー。アウトサイダーの方が、じゃ、いろんな形で不当表示をやるかと、あるいはインサイダーがちゃんと守っているのか、そこのところは、いろいろと聞くと何とも言えないようでありますね。 ここのところを全体として消費者に、不当な表示で消費者にいろんな誤認を与えないようにやってもらいたいと思っておりますが、その協議会を通じて指導をされるという考え方なのか、全般的に法を守るという形でアウトサイダーに対してもきちっと掛けていると、こういうふうに見ていいのか、その点について公取委員長に伺います。
○委員長(田浦直君) 竹島委員長、簡単に答弁をお願いします。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) はい。 二つございまして、協議会に入っているメンバーに対しても、そうじゃない者と同様に、公正取引委員会は個別の事案に基づいて景表法の厳正な適用をするということでございまして、現に排除命令とか警告とかを行っているわけでございます。 一方、私ども、マンパワーにも限りがございます。それから、業界で、先ほどお話に出ました景表法もある、JAS法もある、薬事法もある云々と、こういう中で、それぞれに最大公約数といいますか、全部にカバーして事業者としてはこういう規約を作って、みんなで守れば全部に適合性を持つというような規約にもなっているわけなので、こういうものを自主ルールとして作るということについては大変有効であると私ども思っていますから、いい意味でこういう活動は慫慂していきたい。ただ、アウトサイダーに対しては、当然、自主ルールでございますから、効力は及ばないということになっております。
○広野ただし君 終わります。 ─────────────
○委員長(田浦直君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として田村耕太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより三案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べいただきます。
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、特許法等の一部を改正する法律案の反対討論を行います。 反対の第一の理由は、今回提案されている特許審査請求料の二倍化引上げ案は、審査対象の滞貨増と審査処理期間の長期化を防ぐために、審査請求の値上げによって審査請求件数の抑制をねらったものだからです。 審査請求件数の不適切な増加は、先行技術調査もせず多く出願する大企業などの多数出願者の特許戦略が大きな要因となっています。特許率の低下、戻し拒絶率の増加を招いているこうした大企業の特許戦略こそ是正すべきだからです。 審査請求時における出願人の負担を二倍に引き上げることは、個人や中小企業、ベンチャーの特許出願が見込まれる出願の審査請求までも阻害されるおそれがあり、特許の入口、国民の知的財産権を狭めることは明白です。 しかも、その一方で、質問で指摘しましたように、大幅な特許料の引下げで多く恩恵を受けるのは、特許を多数出願保有する大企業ほど有利となっているからです。 知的財産立国を目指すというのであれば、中小企業と個人について料金を半額にするなど抜本的な制度を作るべきです。 第二の反対理由は、特許付与後の異議申立て制度の廃止とその無効審判制度へ統合することは、広く国民が特許に異議申立てを行う権利を狭め、費用の面からも制限するものだからです。 そもそも異議申立て制度は、特許について権利付与する行政行為に対して、国民の何人も異議申立てする権利を保障するものです。本改正案は、行政の瑕疵ある特許について速やかな是正を促す国民的チェック機能を奪うもので、特許行政の健全な発展の道をも閉ざすことになり、認められません。 本法改正で迅速かつ的確な知的財産の保護を目指すというのであれば、審査官増員などの審査体制の拡充と、すそ野広く出願を可能とする料金の引下げを行うことを求め、反対討論といたします。
○委員長(田浦直君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、特許法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 木俣佳丈君から発言を求められておりますので、これを許します。木俣佳丈君。
○木俣佳丈君 私は、ただいま可決されました特許法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読します。 特許法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、知的財産創造の一層の推進とその適切な保護・活用を図ることにより、我が国の国際競争力を高めることが喫緊の課題であることにかんがみ、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 特許権等の的確かつ迅速な権利付与を実現するため、特許審査官の大幅な増員、外部人材の活用や先行技術調査におけるアウトソーシング機関の一層の活用など、更なる審査体制の整備強化に努めること。 二 我が国産業の基盤である中小企業者やベンチャー企業を支援する観点から、海外の減免措置制度の状況なども勘案し、個人を含めた中小企業に対する特許関係料金の使いやすい減免措置等、支援体制の強化及び支援措置の周知徹底に努めること。 三 特許審査請求料を含めた特許関係料金体系は、我が国産業の国際競争力にかかわる問題であるため、出願人のトータルとしての実質的な経済的負担を軽減するとの観点から、附則の見直し期間にかかわらず、欧米における料金の動向等を踏まえて適宜見直し、検討を行うこと。 四 出願人が出願後審査請求前に調査報告書を入手できてそれにより自発的に審査請求の要否を判断できる制度や、十分な先行技術調査を伴っている場合には審査請求料を減額する制度等も含めた所要の対策について、審査負担軽減への効果、出願人の意見等を十分に勘案しつつ、検討すること。 五 審査請求期間の三年への短縮による審査請求件数の一時的急増に対処するため、審査待ち期間の長期化を防止することを可能とする対策を十分に検討すること。 六 実用新案制度について、存続期間の延長、保護対象の拡大等を含めた見直しを早急に検討すること。 七 電子政府の推進の観点から、特許に関しても、インターネット上での特許関連手続や特許関係料金の電子納付を早期に可能とするなど、出願人の利便性の向上に努めること。 八 職務発明規定の見直しに際しては、我が国の産業競争力の強化という基本的視点に立って、発明者の研究開発意欲の一層の増進と、相当の対価の確定性の向上による使用者の経営安定等の観点から、発明者と使用者のバランスに配慮して検討を行うこと。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(田浦直君) ただいま木俣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、木俣君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 ありがとうございました。
○委員長(田浦直君) 次に、不正競争防止法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 木俣佳丈君から発言を求められておりますので、これを許します。木俣佳丈君。
○木俣佳丈君 私は、ただいま可決されました不正競争防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読します。 不正競争防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、知的財産創造の一層の推進とその適切な保護・活用を図ることにより、我が国の国際競争力を高めることが喫緊の課題であることにかんがみ、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 知的財産関係訴訟の手続における営業秘密の取扱いについて、早急に、その実効的な保護を図るための方策を検討し、結論を得ること。 二 営業秘密に係る不正競争行為に対して罰則が設けられることに伴い、営業秘密の開示を懸念して被害者が救済を求めないということがないよう、捜査当局においては、的確かつ迅速な取締りに努めるとともに、政府において取締体制の拡充及び強化に努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(田浦直君) ただいま木俣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、木俣君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 ありがとうございました。
○委員長(田浦直君) 次に、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十七分散会