金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 295 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/06/25
会議録
○委員長(佐藤道夫君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会したいと思います。 最初に、委員の異動について御報告申し上げておきたいと思います。 昨二十四日、池田幹幸君が委員を辞任されまして、その補欠として大門実紀史君が選任されました。御了解ください。 ─────────────
○委員長(佐藤道夫君) それから、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたしたいと思います。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長五味廣文君、総務省郵政行政局長野村卓君及び国土交通大臣官房技術審議官門松武君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤道夫君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤道夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 同じく、本日の委員会に参考人として日本銀行理事白川方明君の出席を求めたいと存じますけれども、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤道夫君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤道夫君) それでは、金融問題及び経済活性化に関する調査を議題として質疑を行いたいと思います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○近藤剛君 ありがとうございます。自由民主党の近藤剛でございます。 今日は、塩川大臣、平沼大臣、竹中大臣がおそろいで御出席される貴重な機会でございます。当面の金融経済対策につきまして早速質問を始めさせていただきたいと思います。平沼大臣には日ごろから御指導をいただいておりますので、今日は主として財務大臣そして竹中大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 まず、今月の十七日に預金保険法百二条に基づきまして初めて公的資金を注入することになったりそな銀行について、竹中大臣にお尋ねをいたします。 従来計上していた繰延税金資産が監査法人によりまして減額算定された結果、自己資金が大幅に減少をするという事態になりました。国内銀行が必要とする四%の自己資本比率を割り込んだということもありまして、危機的な状況にあると判断をされ、その結果、約二兆円に上る公的資金の注入となったと理解をいたしております。 繰延税金資産の大幅減額は、六月十一日の衆議院財務金融委員会における参考人の発言によりますと、監査法人が、繰延税金資産の算入額につきまして、五年分の算入を認めるのはこういう経済状況では難しく、総合判断で三年分としたと、そのように伝えられております。監査法人が異なるとは申しましても、りそな以外の大手行には五年の計上が認めているわけであります。一方、りそなには、現下の、先ほど申しましたように、経済状況のゆえに三年の計上しか認められないという事態が起こったのであります。この点につきまして竹中大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 より具体的に申し上げますと、日本公認会計士協会監査委員会報告第六十六号、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」と題する文章がございます。例示区分にもよりますが、大手行の場合、繰延税金資産の計上期間はおおむね五年内と規定をされています。したがって、これを三年に短縮するには相当の根拠が必要となるはずでありますが、今回はその根拠を経済状況に求めたものとも解釈できるわけであります。このような一般情勢の判断を個々の監査法人にゆだねることで本当によいのかという点につきましては、正直なところ疑問なしとは申せません。金融庁の方で判断に当たってのガイドラインなどを作るべきではないかとの意見もあるやに承知をいたしております。 これらの点も含めまして、竹中大臣のお考えをお伺いをいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 近藤委員が御指摘のりそなに関する繰延税金資産の問題、御質問のポイントは三点であったかと思われます。一つは、そもそも今回の厳しく見た内容についてどのように見ているのかということ、理解しているのかということ。第二番目が、五年、三年に関して、これは経済情勢一般を反映したものであって、ほかはどうかというような問題。三番目が、このような大きな判断が会計士にゆだねられているという点についての問題。この三点であろうかと思います。 まず、基本的には、りそな銀行の発表は、繰延税金資産の計上を厳格にした理由としまして、将来の収益が過大であるとの指摘を受けて将来の収益見通しについて厳格に見たんだと。あくまで将来の収益、将来の収益を上げてそれで税金を払う、そこから回収される資産であるので、その収益見通しについて厳格に見た結果と、これはりそなの説明でございます。 一方で、同時にと言うべきか、新日本監査法人竹山理事長は参考人質疑において、りそな銀行は基本的に業務純益をきちんと上げているんだけれども、株式の下落、不良債権処理の増加など経済情勢が厳しいことから客観性が問われる、確実性にかんがみ総合判断として回収可能を三年にしたと。これは正に監査法人も総合判断をされた、その回収の確実性についての総合判断をされたのだというふうに思っております。 第二の点として、五年、三年という数字を監査法人の方々が挙げておられるということに関して、これは五から三にするのはやっぱり相当の根拠が要るのではないかという御指摘でございます。 ただ、今委員が正に御指摘をいただきました公認会計士協会の実務指針では次のように書かれているわけであります。将来の課税所得の合理的な見積可能期間、おおむね五年は、個々の会社の業績予測期間、業績予測能力、会社の置かれている経営環境等を勘案した結果、五年以内のより短い期間となる場合がある。したがって、決して五年というのが何か先験的に与えられているものではなくて、正にそこは会計士、監査法人が総合的に責任を持って判断するんだということになっていると。したがって、五年についても三年についても、やはりそれは会計士の御判断であるというふうに申し上げる必要があるのだと思います。 それを踏まえた上で、第三点の、ここは何かのもう少し客観的な議論が必要なんではないかという御指摘、この議論はやはり理解できる点があるのだと思っております。そうした点も踏まえて、一種の会計士の判断が重要だということはもう言うまでもありませんが、それにしても一種の予見可能性のようなものがないとゼロなのか一なのか五なのか、非常に主観的でも困るではないかという議論、これは大変理解できるところだと私も思っております。 そうした観点から、昨年の秋の段階で、この繰延税金資産のそもそも論についてしっかりと議論しようではないかということを私たち自身が問題提起をさせていただいた次第であります。御承知のように、今、金融審議会のワーキンググループでこの自己資本の問題、とりわけ繰延税金資産の問題を議論する場が設けられておりまして、これは会計、金融、法律、それぞれの日本を代表する専門家に集まっていただいております。そうした方々の中にはこれ様々な意見がございます。会計士の判断が重要だと、それにしてももう少し分かりやすい方がよいのではないか、何らかのやはり基準、上限も必要なのじゃないか、様々な意見が出ているというふうに聞いておりますが、今年一月から始まりまして、半年ぐらいで経過報告をしていただくことになっておりますので、我々としてもその議論の動向に大変注目をしているところでございます。 いずれにしましても、委員がおっしゃったような問題意識を受けて金融審でやはり議論しておりますので、この点御理解賜りたいと思います。
○近藤剛君 御丁寧な御説明ありがとうございました。同僚議員もよく理解できたものではないかと思います。 今後、総合的な判断によりまして、繰延税金資産の計上が一段と厳格化される可能性も大いにあり得ると考えられます。したがいまして、現在大変重要なことは、昨年の十月の三十日に金融庁から出されました金融再生プログラムにございます自己資本を強化するための税制改革、すなわち引当金に関する新たな無税償却制度の導入、繰戻し還付金制度の凍結措置解除、欠損金の繰越控除期間の延長の三項目を何としても実現させることであろうかと思います。 この点につきまして、政府内におけます現在の検討状況、それから、これからの早期実現に向けての見通しを竹中大臣にお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、正に近藤委員御指摘になられましたように、これはもう言うまでもありませんけれども、税務会計と財務会計の間のギャップがある、そのギャップを埋める調整項目としてこの繰延税金資産という資産勘定が立つわけでございます。現実問題として、しかし税務と財務の間には差があるわけで、これが非常に、当初一般に想定される調整項目にしては余りに大きな額になっているというところにやはり今の問題が集約されていると思っております。 したがいまして、これは言わば税金の前払勘定に当たるものでありますから、これを繰延税金資産という不確かな資産ではなくて、これをもし仮に返していただければ、具体的には現金とか、より確かな資産になるという意味で、やはり基本的な解決策の一つであるというふうに我々は考えております。 今、委員御指摘くださいましたように、その引き当ての損金算入の問題、欠損金の繰戻し還付の問題、欠損金の繰越控除期間の延長の問題、これはやはり三点セットで、我々としては実は税務当局には昨年の十一月に要望を提出してお願いしているところでございます。これは、私は塩川大臣にお願いする立場でございますので、頭を下げてよろしくということに尽きるのでございますが、政府税調でもいろんな立場からそれについての御議論はいただいている。ただ、一方で、税の公平の問題と税の全体的な整合性の問題等々で非常に難しい問題でもあり、大所高所からの御検討を今いただいているというふうに認識をしております。
○近藤剛君 もうそのとおりだろうと思います。 でございますので、同様の質問を是非塩川大臣にお伺いをしたいと思います。 本来、ゴーイングコンサーンとしての企業に対する課税におきましては、課税所得を計算する事業年度は極めて人為的、便宜的なものでございます。ある年度に欠損金が生じた場合は、当然に前後の事業年度との損益通算が認められるべきであります。こうした観点から、欠損金の繰越し、繰戻し制度は国際的にも普遍的に認められております。 例えば、アメリカにおきましては二十年間の繰越控除、二年間の繰戻し還付、英国におきましても無制限の繰越控除、一年間の繰戻し還付が認められております。これに対しまして、我が国におきましては、繰越控除は五年間にとどまっております。また、繰戻し還付は本法において一年間に限られている上に、現在は租税特別措置法におきまして凍結をされているという状況にございます。加えて、引当金の無税償却は欧米諸国に比べて著しく制限されたままであります。このような税制上の厳しい取扱いは、我が国の金融システムあるいは経済全体の再生を過度に遅らせている一つの要因であると考えております。 米国におきましては、八〇年代の不良債権問題の処理に当たりましては欠損金の繰戻し還付制度などを極めて大胆かつ柔軟に活用した実績がございます。不良債権の処理を我が国の金融再生と経済改革にとりまして一丁目一番地であると位置付けるのであれば、小泉内閣の総力を挙げて、打てる手はすべて打つべきであると思います。 少なくとも、金融機関の不良債権の無税償却、そして欠損金の取扱いの適正化につきまして高い立場からの判断が今こそ求められていると思います。財務大臣の御英断に期待するところ大でございますが、是非前向きのお考えをお示しいただきたいと存じます。
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題は、現在政府税制調査会でも非常に大きい関心を持ちまして検討いたしております。 そこで、原則的なことで申しまして、近藤さんは十分御存じでございますから余り詳しいことは要らぬと思いますけれども、原則的なことを申しますと、一つは、今要望されておるこの三つの点をこれを実現するとして、満足していくといたしましたら十兆円近い減税になっちゃうんですね。これは国の財政上非常に大きい問題であるから、だからして、とりあえず一番有効なものから選別的に考えていこうということが一つございます。 それからもう一つ、この税制改正をするについてはBIS関係との関係どうなっているんだと、国際的に。そういうことをまず見なけりゃならぬ。それから、さらにもっと、実は一般企業と金融機関との間の関係というものをどう見るかというこのことも必要であるということが税調の方で検討されてきております。 そして、さらにもう一つは、企業会計と、先ほど竹中大臣の話ございました企業会計と税会計との間の絶えざる接点をどこに作っていくか。例えば債務区分につきましての考え方等によってもいろいろと公認会計士協会とかあるいは金融機関自身と税当局との間でも違うということもございますし、そういうようなものを現在整理して処理していきたいと思っております。 といって、要するに金融機関が活動しやすいようにするためには、ある程度、例えば無税償却の範囲内というようなものを考えていかなけりゃいけないんじゃないかということが一つあるのと、それから債務区分についてもお互いが絶えず信頼感を持って処理できる基準というものをきちっとしておかなけりゃいけないんではないか、こういう点について政府税調の方で近く結論出してもらうように現在しておりまして、そういうようなものを受けて、整理を急いでいきたいと思っております。
○近藤剛君 ありがとうございました。是非前向きに御指導を賜りたいと存じます。 また、言われました十兆円の件でございますが、これは必ずしもすべていっときに還付する必要はないと思います。政府の債務であることを確認すればそれで済むわけでございまして、この辺は何らかの工夫の余地があるのではないかなと、そのように考えております。いずれにいたしましても、よろしくひとつ御検討を賜るようにお願いをいたします。 続きまして、塩川大臣にデフレ対策についてお伺いをしたいと思います。 小泉内閣といたしましては、デフレ克服に向けまして、政府は日銀と一体となって強力かつ総合的に取り組むこととされているわけであります。具体的には、金融政策に加えまして規制緩和あるいは財政の役割も必要との考えであるんだろうと思います。財政につきましては、現状の財政状況にございますので、歳出の単なる増額という財政出動はしにくいということは当然でございます。しかし、歳出項目の適切な組替え、言わば歳出構造の改革によります経済効果には大いに期待したいところでございます。 昨年の予算編成プロセスにおきましては、重点を置くべき裁量的分野には各省の要求は前年度比で二〇%増を認める、全体としては減らすべきところは思い切って減らすという手法によりまして、ほぼ前年度並みの歳出額に抑えるというプロセスを取ったわけであります。この方式と結果としての予算のでき栄えを総合的に経済効果の視点から判断をどうしたらいいのか、まだ断定的な判断はできないとは思いますが、本年度の予算編成作業を間近に控えておりますので、中間的な御判断で結構でございます。塩川大臣の御所見を伺わせていただきたいと思います。 同時に、昨年のこのようなプロセスにつきましての反省点がもしあるとすれば、それも併せてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) まず一つは、昨年実施いたしましたのは、御承知のように、公共事業で三%節減いたしまして、それから一般的な選択的補助金、助成金というのにつきましては、科学技術関係だけ除いてほかは全部二%カットいたしまして、それから義務的経費につきましては、話合いの下において事業量で調整できるところは節減するということで若干カットしたということでございました。そして、結果といたしまして、当然増、十五年度において発生するところの当然増の一兆四、五千億円というものを微増に終わらしまして、若干減額した状態において十五年度当初予算を編成できたということでございます。 それじゃ、十六年度はこの方針を堅持していくのかということでございますけれども、方針としては大体私はこのようなマインドでやりたいと思っております。しかしながら、ここで国と地方との関係というものもこれから考慮して、考えていかなきゃならぬと思っておりますので、そういうようなものについてのこれからの重点項目の取り方というのも若干変わってくるんではないかと思っております。 それからもう一つ今検討いたしておりますのは、十三年度、十四年度の予算の執行状態を検討いたしました結果、予算の言わば配分をするに、査定について相当言わばプラン・ドゥー・シーのシーの面を活用して、ここでチェック・アンド・アクションの効果を現していきたいと思っております。 それはどういう格好でやるかといいましたら、一つモデル的な事業を、行政事業を取り上げて、事務でも、行政事務でもいいんでございますが、そこで数年度にわたる言わばプロジェクト的な事業として予算の付け方を考えてみたらどうだろうと。そのことの方が、民間手法を取り入れてやっていきますと同様なことしまして、効果的に予算が使用できるんじゃないかということ等もございまして、そこを鋭意考えております。 したがって、十六年度予算にはそんなところをもう一つ、重点のめり張りのほかにそういうようなものを考えて多様化、予算編成に対する多様化を図っていきたいと、こう思っております。
○近藤剛君 ありがとうございました。是非意欲的に取り組んでいただきたいと期待をいたします。 デフレ対策の一環といたしまして、株価対策の在り方につきましてもいろいろな議論がなされているのは御承知のとおりでございます。 日銀によります銀行保有株式に加えまして、ETFなどの購入を期待する意見も出されております。これらの資産は、伝統的な日銀の保有資産と比較いたしますとそのリスクは高いわけでありまして、日銀の資産の健全性維持の観点からどのように考えるべきなのか、塩川大臣の基本的なお考え、もう簡単で結構でございます、御確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、何といいましょうか、市場経済によって左右されておる経済の動きというもの、それに対して人工的に私は余りすべきじゃないというのが私の根本的な考え方なんです。したがいまして、株価対策も、公的資金の導入だとか何か無理をしましても、それは確かに雰囲気は作るかも分かりませんが持続性はないということと。何としても私は、この際、税制を中心にした株価対策を、ここを我々財務省としては中心に置きたいということを考えております。
○近藤剛君 ありがとうございました。 お伺いをいたしまして安心をいたしました。また、心強くも感じました。よろしくお願いをいたします。 さて、株価対策としての一方で郵便貯金あるいは簡保資金の活用に期待する意見もございます。これについてはどうお考えなのでしょうか、総務省にお伺いをしておきたいと思います。 それに関連をいたしまして、生田総裁が提案をされておられる郵便局窓口におきます株式投資信託の販売の解禁については総務省としてどのように考えておられるのでしょうか。これを実行するとなりますと法律の改正が必要だと思いますが、これについても併せて基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(野村卓君) お答えいたします。 まず、郵貯による株式購入の件でございますけれども、郵貯資金というのは、御案内のとおり国民の皆様から預かった大切な資金でございますので、その運用については、安全確実性を重視しまして、国内債券を中心とした長期安定的な運用を基本としております。株式運用につきましては、分散投資の観点から指定単運用の中で補完的に運用しているところでございます。 また、日本郵政公社はこの四月に発足したところでございますけれども、発足時の資本は大変過少でございます。そういった観点から、総務大臣が認可した中期経営目標等におきまして、当面は郵政公社は資本の充実に取り組むこととされております。 したがいまして、今後、日本郵政公社におきましては、自己資本の充実に努めつつ、郵貯資金の性格に応じまして国内株式の運用の拡大について検討されるものと考えているところでございます。 また、郵便局窓口における株式投信の販売の関係でございますけれども、いわゆる郵便局ネットワークを活用した投資信託の窓口販売につきましては、投資信託を国民の身近なものとして、投資信託のパイを増やすということになるものと考えておりまして、総務省といたしましても積極的に取り組んでいきたいと、かように考えているところでございます。 そういった意味で、できるだけ早く関連の法案を出せるように関係省庁との調整を図ってまいりたい、かように考えているところでございます。
○近藤剛君 よく分かりました。ありがとうございました。 最後になりますが、日本銀行の量的緩和政策の結果、これから直面することになります国債保有リスクにつきお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、日銀の保有する国債の法定財務諸表上の取扱いが平成十六年度から低価法から償却原価法に替わると聞き及びました。この変更は、いつ、どのような理由で財務省はお認めになられたのか、御確認をさせていただきたいと思います。 また、これによりまして、当面、日銀のバランスシート上のリスクの表面化は回避できることになりますが、今後、金利が上昇をいたしますと、その分通貨発行益が損なわれることになります。当然、国庫納付金にもマイナスの影響が及ぶことになると思いますが、この点につきましても併せて御確認を賜りたいと思います。 一方、国債を保有する一般金融機関につきましては時価評価のままだと思いますが、この点の御確認と、一般金融機関が直面する金利変動によります価格変動、国債価格変動リスクを今後どう考えたらよいのか、また、その急激なマイナスインパクトを回避する手段をどのように求めるべきなのか、この点につきましては竹中大臣の現時点における御判断をお伺いをしておきたいと思います。 まず塩川大臣、次いで竹中大臣の順でお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(小林興起君) 日銀保有の国債に係る評価法につきましては、これは日銀自らが決めております日銀会計規程において、平成十六年度決算以降、今お話ありましたとおり低価法に代えて償却原価法を適用することになったわけでございますが、これは日銀自らの判断でございまして、財務省としては、日銀の会計規程については、届出は受けますけれども許認可権を有するものでございませんので、日銀にお任せしているということになるわけでございます。 したがって、日銀が自ら自分で考えて日銀の財務の明瞭性向上を図る観点から行われたというふうに聞いているところでございます。同様に、国債とかあるいは日銀がどんな債券を持つかということも日銀の独立性の中に日銀が自ら判断するということになっておりますので、財務省としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 まず最初の、これをどのように評価するかと。国債のところでございますが、これは満期保有の場合には取得原価ということになりますし、その他有価証券ということであれば、これは時価評価ということになろうかと思います。 また、銀行、生保等の民間金融機関が国債を多く保存しているということは私たちも承知をいたしておりまして、各金融機関がそのポートフォリオをどのように構成するかについては、これはその時々の経済情勢を踏まえて各金融機関の経営者自らの経営判断により決定されていくものであるというふうに思っております。その際に、国債投資にかかわる市場リスク、金利リスクについては、やはり適切な管理がしっかり求められているわけでありまして、各金融機関ではリスク量の定量的な計測、把握を行うなど、適切なリスク管理に努めているものと承知をいたしているところでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、各金融機関によるリスク量の定量的な分析結果の把握やヒアリングを通じまして、さらには金利等の市場の動きにも注視しつつ、各金融機関の健全性の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○近藤剛君 時間が参りました。終わります。
○小林温君 自民党の小林温でございます。 本日は三大臣にも御出席をいただいておりますが、骨太の方針二〇〇三も間もなく閣議決定される、こういう報道がございました。いろいろ紆余曲折もあった中で、中身を議事録で拝見すると、先ほど近藤議員からも質問もありましたが、予算編成プロセスの改革ということが挙げられております。今日は、この貴重な時間を使わせていただいて、平沼大臣には日ごろ御指導いただいております、特に塩川大臣始め財務省に、この予算編成プロセスについての質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。 問題意識は、特に中央省庁の大型のITシステムの予算編成プロセスをどういうふうに改革していくかと。中には、これ、一つ一千億ぐらい年間掛かっている実はシステムもあるわけでございます。 私は、自民党のe—Japan重点計画特命委員会というところで、レガシーシステムと呼ばれる、中央省庁において年間十億円以上毎年経費を要して一九九四年以降ずっと随意契約を繰り返しているような古い情報システムの調達、運用、それからその予算措置の関係について調査をしてまいりました、今日お手元に資料を配付させていただいておりますが。その調査を経てだんだん分かってきたことは、やはりこの特に大型のITシステムの投資に係る予算編成については、既存のアプローチとは違ったアプローチというものが必要ではないかということでございます。 そこで、お手元にお配りした資料をちょっと見ていただきたいと思いますが、これ、いわゆるITのシステムを民間の企業が導入した場合と、それから政府が導入した場合のライフサイクルコストですね、その最初の計画から運用、廃棄までの間にどういう予算の変動があるかということを図で示させていただいたものでございます。 政府のシステムの方を見ていただきますと、これ分かるわけですが、なぜその安値落札という問題が起きるかと。つまり、単年度予算に合わせた価格設定ですね、最初にその受注をしますと、次年度以降を随意契約で、割高な追加開発費ですとか保守・運用費で受注側の企業は収益を、収支を合わせることができる、あるいは収益を上げることができるということでございます。 一方、民間のシステムを見ますと、最初に思い切った初期投資をすることによってその後の保守・運用費が計画的に配分をできると。途中でその更新をした場合も、また同じようにその後の追加の開発でありますとか保守、運用にそれほどのお金を使わずに済むということで、これ結果的に見ますと、ライフサイクル全体で、その棒グラフを足した面積の、つまり、この金額の部分は民間の方が掛からずに済むということを図に表させていただいたものでございます。 ですから、この表を見て明らかなように、やはりITの投資に関しては、やはりこのライフサイクルコストというものを見極めつつ、その複数年度にわたって十分な投資をすることが結果的には投資効果が望めるということが言えるんだろうというふうに思います。 そこで、塩川大臣にお尋ねをしたいわけでございますが、骨太の方針二〇〇三の中に、弾力的、複数年度にわたる予算執行の試みであるモデル事業という表現がございます。先ほど私が述べさせていただいたようなことを考えますと、ITシステム投資というものがこの弾力的、複数年度にわたるモデル事業として当然含まれるべきだと思いますが、大臣、この点についての御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、先ほど近藤先生の質問の中で答えたふうなことで、来年度からこういう、それは今、小林さんのおっしゃるような初期投資に重点を置いたいわゆるプロジェクトとして発足する事業ですね、そういうふうなものの予算の付け方を考えていくべきだと思っておるんです。公共事業においてもそうだし、また一般の行政事務においても私そういうことが言えると思っておりまして、これはもうおっしゃるように、投資の仕方が非常に官庁の場合まずいですね。だから、そこらを検討してやっていきたいと思っております。 この図面のとおり、こんなになるかどうかは、これはちょっと分かりまへんけれども、分かりませんが、大体これに近いような格好に考えていきたいと思っております。
○小林温君 是非、積極的な取組をお願いしたいと思います。 この電子政府の関係プロジェクト、大体、中央政府で、中央省庁で一兆円ぐらい年間掛かっておりますし、地方公共団体あるいは特別会計も含めて合わせるとかなりの規模になると思います。数兆円だと思います。今進めている、見直しを行っている省庁の例でいいますと、四〇%ぐらい実は削減できるというところもありまして、考えると二兆円ぐらい捻出できるのかなと、こんな見方もあるんだろうと思います。 そこで、これ、竹中大臣にもお伺いしたいんですが、行財政におけるイノベーションの重要性、そして、その手法としてニュー・パブリック・マネジメントというものをしっかり導入すべきだということを大臣、様々な場面で言及をされているわけですが、この言わば民間のプラクティスを行政に取り込むことによって行財政改革を前に進めようと、この取組において予算を複数年度で管理する、そして行政コストを下げながら歳出の効果を極大化しようというのは、NPMの、先進的に進められ、取り入れられている各国でも具体的に行われていることだと思います。 先ほど来の骨太の方針に基づいた政策運営の中で、このニュー・パブリック・マネジメントの活用、あるいは複数年度予算の導入というものについてどういうふうに扱われるのか、あるいはこのITシステム構築についてはどのようにお考えかということについて御見解をいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆる骨太第三弾は今取りまとめの最終段階でございますけれども、今回の骨太第三弾の中で幾つか、三位一体の改革とか大きな改革ございますけれども、それに匹敵するものとして、やはり今御紹介いただいたニュー・パブリック・マネジメントの予算手法を試験的ではあるけれども日本に取り入れるという点、私はやっぱりこれが大変大きいと思っております。 ニュー・パブリック・マネジメントといいますとなかなか中身、分かりにくい面があるんですが、先ほど財務大臣が正にプラン・ドゥー・シーとおっしゃいましたけれども、しっかりとした目標を立てて、大胆に実行して、厳しく評価すると。その大胆に実行するということの中に、物によっては複数年度のものも含めてしっかりとそれで大胆に効率的に執行できるようなシステムを導入するということになるわけでございます。 今回、それをモデル事業という形でやるわけですが、小林委員、正にe—Japan特命委員会で非常に活躍なさっていること承知をしておりますが、我々としては、それにふさわしいものについては是非しっかりと対応していく必要があると思っております。 今回の骨太の中で、モデル事業としては政策目標を設定していただいて、内閣府と意見交換の上、ふさわしいものについてはモデル事業として概算要求を行う、それで経済財政諮問会議でその報告をするというような、そういう方向を明示したいというふうに思っております。 繰り返しになりますが、したがいまして、そのような求めが、ITシステム構築についてモデル事業化について関係省庁からの提案があれば、これは積極的に意見交換をしていきたいというふうに思っております。
○小林温君 是非、財政の正にイノベーションに竹中大臣、そして塩川大臣、力を合わせて頑張っていただいて、来年度の予算編成の中で実現していただきたいと、こういうふうに思います。 次に、財務当局と複数年度予算というものについて少し議論をさせていただきたいと思うんですが、先ほど申し上げたこのITシステムのライフサイクル管理という議論を何度か財務省の事務当局とはさせていただきました。例えば、複数年度化を可能にする制度は実はあると。例えば、それは継続費、これは大規模予算に使われるものでありますし、国庫債務負担行為、これは長期予算の確保のために使える、あるいは繰越しということも制度上は担保されているということでございます。 しかし、実は、あわせて、電子政府関係プロジェクトの実態と予算という調査も行ったわけでございますが、これ、大体三百四十四件ぐらい今中央省庁で一億円以上の行政の情報化、公共分野の情報化というプロジェクトがあるんですが、これについて実際どういう年度でシステム予算を処理しているかという質問に対しまして、ほとんど実際複数年度の予算であっても単年度で処理しているという答えが返ってまいりました。現実的に国庫債務負担行為とか繰越しという制度を活用しているのは国土交通省ぐらいでございまして、実は財務省も含めてほとんど複数年度の予算措置というのは実は活用されていない、このITシステム投資において、という結果が出たわけでございます。 この仕組み自体は担保されているけれども、実際、活用されていないというところの原因について、これは小林副大臣、よろしくお願いいたします。
○副大臣(小林興起君) その原因ということでございますけれども、やはり今まで日本の財政は基本的に単年度でございますからね、そういうことの中で複数年度にまたがるということについては非常に大きないろんなところに抵抗が、財政、財務省にもあったでしょうし、また国会でもやはり抵抗があるということじゃないかと思うわけであります。 ただ、近時、やはり最初から複数年にわたって、わたるわけでありますし、それから、そういうものを長期的に見て考えた方が合理的な予算が組めるんじゃないかと、こういう意見が台頭してきておりまして、今お話ありましたように、制度としては、国庫債務負担行為とか、繰越明許費、あるいは継続費等々あるわけでございますので、それを見直しながら更に適用していこうという事態になってきております。 情報システムの例でも、十五年度予算で国庫債務負担行為ということで、電子政府関係では、国土交通省三十一億、農林水産省七億、文部科学省三億とか、結構、電子政府というところでは国庫債務負担行為をやっておりますし、また繰越明許費の方でも情報システムの例として情報収集衛星システムとか、そういうことにつきましては適用をしておりますので、徐々に増やしてきているというのが現状だと思います。
○小林温君 今、国土交通省の例も副大臣、御言及されましたけれども、何でこれ、国土交通省はその継続費や国庫債務負担行為というのを、ほかの省庁に比べるとではございますが、活用しているかというと、それは公共事業を始めとした大規模かつ長期の予算に慣れているということなんですね。つまり、財政法について、特に複数年度化というものについて他省庁より詳しくて、かつその運用のノウハウがあるんだろうということだろうと私は思います。 同じ質問を他の省庁、要求官庁の方にしてみますと、確かにそういう仕組みは担保されているけれども、複雑で手間が掛かると。面倒くさいということなんだろうと思いますが。それは、財務省との間でやり取りもしなければいけませんし、書類も単年度に比べて別なものを作らなきゃならないという答えが返ってくるわけです。 ただし、これは、仮に手間が掛かるとしても、効率的な予算編成が可能になるとすれば、これはやっぱり積極的にこういうことを進めるというのが要求官庁の方にも求められるんだろうというふうに思います。 中央省庁のみならず、今地方自治体でもIT投資のベンダーへの丸投げ、つまり開発をして納入する業者へ全部任せちゃうということが言われて、それが問題になっているわけでございますが、それから予算制度の問題も一つだと思いますが、と同時にやっぱり、要求する省庁側の残念ながら能力不足という面があるのも私はこれは否めないと思います。 そのいわゆる発注の仕様書ですね、設計図をかいて、予算もしっかり書いて、ということを役所の中でしっかりできなければ、そういうことに精通している業者に任せるしかないと。そうすると、言いなりで値段も決めてしまうということが、これは現実的に起きていることだろうと思います。 ですから、予算編成プロセスについても、これは財務省側にもいろいろと御努力をいただいて、複数年度化も積極的に進めていただきたい。と同時に、要求官庁側のレベルアップ、それから、こういうことを面倒くさがらないと、こういう姿勢も是非お願いしたいと、こういうふうに申し上げたいと思います。 そこで、この部分の結論としては、先ほど図も見ていただきましたが、IT投資のシステムの予算管理については、やはりライフサイクルのコストというものを見極めつつ複数年度にわたって必要十分な投資をすることが必要だと、こういうふうに思うわけでございます。 それで、これ先ほどのグラフ見ますと、やっぱり今、ある年度の予算を少なくしますと次の年に予算を付けてもらえないんじゃないかということを要求省庁は考えるわけですね。ですから、この振れ幅をいかに小さくするかと。その棒グラフの振れ幅がいかに小さくすべきかということに苦心するわけで、その辺のところに今の単年度制の問題もやはりあるんだろうと、こういうふうに思うわけでございます。 続けて財務省の方にお伺いをしたいんですが、次の質問は、歳出削減のインセンティブということについてお伺いをしたいと思います。 今申し上げましたように、その棒グラフの例でございますが、ある年の予算を削減すると翌年以降の予算も削られるんじゃないかと、こういうことを要求省庁の方は思うわけですね。ですから、ある意味でいうと、各省庁が仮に節約をしたとしても、いろんな努力の結果、国庫に返還されるだけであると。あるいは、もう削られる可能性もあるわけですね。これではやっぱり節約意欲というものはわかないわけでございます。 一方、納入者側ですね、受注者側にしても、その購入の予算が前年度の実績で決まりますので、値段を下げるという、こういう動機も生まれないというのが今の現状だろうと、こういうふうに思います。 先ほど申し上げましたように、この部分の歳出削減効果というのはこれはやっぱり計り知れないものがあると思いますので、要求側の官庁にもあるいは受注者側の企業にも、その削減のインセンティブ、予算の削減のインセンティブというものがわくような予算編成のスキームというものが私はこれ必要なんだろうというふうに思うわけです。 そこで、今日、国土交通省さんにおいでいただいていますが、発注側の受注者側に対するインセンティブを付与するために、公共工事の発注の際に、契約をした後に事業者からの技術提案を受け止めてそして設計変更を行う、そして契約金額の一部を受注者に支払うことを前提として契約額の減額変更を行うバリューエンジニアリングと、こういう手法が国土交通省さんの公共事業において取られているということでございますが、この概要と具体例について御紹介をいただければというふうに思います。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。 国土交通省におきましては、民間技術を積極的に活用することによって工事の品質を確保しつつコストの縮減を図る、こういった観点から、民間からの技術提案を求めるVE方式、バリューエンジニアリング方式を施行しているところでございます。その一環といたしまして、工事の契約後におきまして、民間から技術提案を受け、縮減された額の二分の一を請負者に還元する契約後VE方式を比較的規模の大きい工事において施行しておるところでございます。ちなみに、平成十四年におきましては七件がこの対象になりました。 具体的な例を一つ紹介いたしますと、中部管内で行われました都市域で行われますトンネル工事、共同溝工事における例でございますが、請負者からトンネル、シールドトンネルというふうに申し上げ、都市域で行われます、軟弱地盤で行われますトンネルの工事でございますが、この構造に関しまして技術提案を受け付けた例がございます。シールドトンネルは、地盤が弱いわけでございまして、ぐるりと周りにコンクリートの壁を造ることになりますが、それをパーツに分けまして現場で組み立てる、連結してトンネルの壁を造るというような工事を考えておりまして、そのブロックとブロックの間をつなぐ技術を請負者が提案されまして、接続方法を簡略されコストも安くなったと。これによって約七千万円が縮減され、その半額が請負者の方に、三千五百万円でございますが、還元されました。 以上でございます。
○小林温君 ありがとうございます。 つまり、七千万円縮減効果があって、その三千五百万円を受注者側の企業が受け取り、残りの三千五百万は国土交通省が新たな部分に予算として活用できると、こういう仕組みであるわけでございますが、このバリューエンジニアリングについて財務省としてはどういう御評価をされますでしょうか、小林副大臣。
○副大臣(小林興起君) 事務当局から正式な見解は聞いておりませんけれども、私が一政治家として今聞いていて考えますに、多分、国土交通省の今トンネルの話なんというのは、今までこの程度のトンネルを掘ると幾ら掛かるという相場があると思うんですね。したがって、それで予算を決めている。それが、新しいことを技術提案して安くした。そうすると、今までの例から見て非常にうまくやっているわけですから、じゃ報奨金ということでなじむんじゃないかなと、頑張ったということですね。 しかし、先ほどから出ておりますこのITの新しいものについては、幾らか大体分からないわけですから、それを一応こういうふうにやっておいて下げた場合に、努力して下げたのか、最初から意図して仕組まれたのか、これが非常に会計検査院的な発想では疑問になる分野がありますので、やっぱりケース・バイ・ケースというのが用心深い財政、財務省の立場じゃないでしょうか。
○小林温君 ケース・バイ・ケースではあるにしても、御評価をいただいたというふうに受け止めさせていただきたいと思います。 確かに、公共事業の場合はその積算の単価も決まっておりますので、積み上げがあって値段がはっきりして、そこからどれだけ縮めたかということが分かりやすいと思うんですが、例えばこのITのシステム調達に関しても、例えば先進国ではEVMという科学的な手法を導入して、例えば時間と労力とどれだけ削減できたかということによってその縮減効果を数値的に表すということが活用されて、これによって例えば、例えば本当に何千億のシステムを作るのに対して何百億円も、あるコンサルティング会社がフィートしてもらうと、こんな仕組みも活用されているわけでございます。 今、電子政府構築の府省連絡会議でもこの方式についてはいろいろ検討されているというふうに思いますけれども、是非この流れを加速していただきたいと、こう財務当局にもお願いをしたいというふうに思います。 それで、今、IT戦略本部でも電子政府推進のための体制の整備も進んでまいりました。今お話ししたような例えば科学的な手法の導入も含めてIT調達もかなり進んでいるというふうに認識をしております。ただ、やはりITの世界というのは非常にスピードが速くて、ある知識もすぐに陳腐化してしまうというところもあって、やはり外部知見の活用というものをどう取り入れていくかということがこれ大事なんだろうというふうに思います。 CIOというのを各省庁で任命をいただきました。そして、CIO連絡会議というものを作っていただいて、今、各省庁間で、例えばIT投資の重複がないかということも含めてチェックをしていただいているわけですが、今度新たにCIO補佐官という制度もそのCIO連絡会議で作っていただいて、正に専門家を民間から登用して各省庁のIT予算の管理を補佐してもらうということが取組として始まっているわけでございます。 この点について、経済産業省はもう既に他省庁に先駆けてそのCIO補佐官を配置したと、こういうふうに聞いておりますが、この詳細ですね、どういう方を雇われて、どのような契約形態で配置をしている、そしてそのCIO補佐官がどのような仕事をしていて、今後どのようなことをそのCIO補佐官に期待しているかということについて、平沼大臣からお答えをいただければと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 電子政府というのは、単なるIT化ということじゃなくて、いかに効率的に、そして簡素化をして、そして国民に対する便益をスピーディーに、そしてコストも掛からないでやるか、これが眼目だと思っております。そういう観点で、私どもとしては、第一号でございましたけれども、今年の五月二十九日に三名のCIO補佐官、これを任命さしていただきました。 この三名は、それぞれ異なった企業の異なった分野の専門家でございまして、具体的には、細かい経歴書は後でお届けできると思いますけれども、一人は大手ベンダーシステム設計技術者でございます。そして、もう一人は大手ユーザー企業のデータ設計技術者、そして三人目は情報系のコンサルタント企業のシステムコンサルタントの、そういう三人でございまして、契約形態は、これは業務委託契約に基づく人材派遣と、こういう形式を取らしていただいております。 このCIO補佐官の方々には、経済産業省の業務とそれから情報システムにつきまして、具体的なまず目標の設定、さらには的確なプロジェクトの管理、そして成果の評価をどのように行っていくか、こういうことについて今検討をしていただいているところでございまして、その成果は、当然でありますけれども、十六年度の予算に反映をさしていただこうと、こういうふうに思っております。 こういう電子政府構築計画の着実な実施の貢献だけではなくて、これ、今御指摘がございましたけれども、各府省のCIO補佐官会議における報告、検討などを通じて、全省的な、全府省的な取組も当然これは貢献していただけるものと、このように期待しているところでございます。
○小林温君 多分このCIO補佐官として雇われる方々は、民間にいれば年間五千万だったり一億円だったりという報酬が必要な方々だと思いますが、今、多分、契約形態ではそういうものは保障できないんだろうと思います。ただ、これは実際、先ほど来申し上げているように、一省庁でも数百億ぐらいの年間の予算の節約が可能な場合もあるわけでございますので、そういった今の公務員の制度の部分も含めて是非柔軟に考えていただいて、こういう外部知見の活用ということを積極的に進めていただきたいと、こういうふうに思います。 時間もないようでございます。最後でございますが、これまた財務省にお願いでございます。 入札の改革も進めていただきまして、今、国が委託を行うソフトウエア開発に中小のベンチャー企業が以前よりは入りやすくなってまいりました。しかし、この場合、原則として年度末に、履行確認後にその支払を行うということになっておりまして、これ中小で資金的な余力に乏しい企業にとっては、一年間開発資金なりなんなりをしっかりとキープすることができないということがあって、入札に手を挙げるのをちゅうちょするような状況も起きているというふうに聞いております。 制度上は、これも四半期ごとの概算払というものがあるということでございますが、これもやはり先ほどと同じように手続がやっぱりちょっと厄介だというところもあるようでございます。是非、やっぱり中小のベンチャー企業が政府の調達の中に参入できる、そしてそういう企業が大きくなって日本の経済を引っ張るような核になると、こういうことを実現するためにも、この概算払、特に中小についてはこれを原則とするような手続の円滑化を図っていただきたい、今以上に柔軟にということでございますが、是非、小林副大臣にお願いしたいと思います。
○副大臣(小林興起君) おっしゃるとおり、中小のベンチャーの方、技術があってもなかなか資金があるわけではありませんので、そういうものを見極めて、もちろん最初は担当官庁が話をして、そしてそこから要求が来るわけでございますけれども、担当官庁の方からそういう御相談があれば円満にいくように応じていきたいと思っております。
○小林温君 終わります。
○浜田卓二郎君 公明会派を代表して御質問をさせていただきたいと思います。 最初に、竹中大臣に何点か伺いたいと思いますが、先般の参議院の予算委員会で申し上げたことの繰り返しになると思いますけれども、その間、我が財政金融委員会では参考人質疑を行っておりまして、そのやり取りも踏まえて再度御見解を承りたいと思っております。 まず、先ほど近藤委員がお取り上げになった繰延税金資産の問題についてですけれども、今主要十三行では大体八兆円程度、全銀行ベースで十一兆円程度の繰延税金資産があるというふうに私は聞いておりますが、これ私ほっておくと増えると思うんですね。つまり、なぜ繰延税金資産が生まれるかといえば、先ほど来議論になっておりましたように、課税当局の無税償却の範囲と、それから金融庁が指導するというか銀行業務に必要な引き当ての額と、この乖離が繰延税金資産になるわけですから、貸付債権が増えれば増えるほど、あるいは新たに貸付けが起きれば起きるほど、そういうことによって生ずる繰延税金資産は増えていくだろうと思います。 他方、現実に引き当てて有税償却をしておった分が、翌年度に引き当て債権が、引き当てておった債権が貸倒れになった、現実化したと、その段階で洗い直しますから繰延税金資産は減るわけですよね、論理的にはね。しかし、五年間という時間で考えて、私は繰延税金資産というのはこれからまだ増えていくだろうというふうに勝手に思っておりますけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のとおり、これは主要行の数字でありますが、繰延税金資産は約七・八兆円、委員は八兆円とおっしゃいました、そのぐらいの規模、かなり大きなやはり金額がございます。これはもちろん銀行だけではございませんで、一方で、例えば電気機械等々でも、今、技術革新が大変速くなっていますから、税制、税法で決められた耐用年数よりも早く償却する場合には同じような問題が生じているというのがこれ日本の現状でございます。 実は、大変私も以前から難しいなと思っておりますのは、今もう浜田委員すべておっしゃってくださったんですが、実は増える要因と減る要因と両方あるわけです。要するに、不良債権処理を加速すると、つまり引き当て不足がもしあって、それを一気に何か新しいディスカウント・キャッシュ・フローのような方法でぱっと引き当てを積んだその瞬間、その有税償却が増えますので、有税償却が増える限りにおいて繰延税金資産は増えます。 しかし、一方で、我々はオフバランス化を求めておりまして、オフバランス化を二年三年のルール、五割八割のルールでやってくださいということでありますが、これ実はかなり進んできているわけでありますから、これがオフバランス化された段階で、その意味では、その時点で清算が行われるわけでありますから、全部、極端な話、今この瞬間にすべてオフバランス化したら繰延税金資産は理論上はほとんどゼロになるということも一方でございます。 その意味では、これから増えるかどうかというふうに聞かれるとなかなかお答えは難しいのでありますが、短期的には増えるということはあろうと思いますが、私は、それが非常に大きな規模で中長期にわたって増えるということはないのではないかというふうにも思っております。そういう性格の問題があるということでございます。
○浜田卓二郎君 一気になくすということは一気に倒産をさせるということでもあるわけですから、私は、短期とおっしゃいましたけれども、ここ数年は増えていくんだろうなというふうに勝手に思っております。 そうなると、この前の繰り返しになりますけれども、自己資本の中にそれだけ大きな水膨れがある。いつそれを監査法人が、りそなのように五年を三年にせよ、あるいはまた、極端に言えば五年丸々駄目だというふうなことだって全くないわけではないというふうに思うんですね。つまり、爆弾を抱えているわけですよ、水膨れという。だから、それが銀行経営には物すごい私は影響を与えていると思います。 実は、最近御相談を受けた件で、極端なケースだと思うんですけれども、四億円のリスケジュールを頼んだと。それに関連する銀行が九行あった。八行までは了承を何とかしてくれた。ところが、残りの一行がどうしてもリスケジュールに応じないと、固有名詞は言いませんけれどもね。それで、幾らなんだと言いましたら、四億円の中の千二百万円なんですよ。その千二百万円の中で信用保証協会が保証したやつが七百万あって、プロパーの貸付けが五百万ですね。だから、それをリスケジュールに応じてくれれば全体のリスケジュールができる。 なぜ応じないか。そこでいろんな類推というか憶測が生まれてまして、要するに本店はもうこれ以上自己資本を減らすなと。つまり、引き当てを積めば、つまりリスケジュールになって不良債権という認定を受けて、仮にですよ、引き当てを積めば自己資本が減る。もうびた一文、自己資本を減らすなという指令を本店が出しているという、つまり本店のせいにするわけですね、支店では。これはもう絶対認められないんですと。つまり、それは水膨れの巨額の自己資本を抱えておって、しかも、ある大銀行はもう二期連続赤字ですから、来期赤字であればこれはやっぱり税金、繰延税金資産の査定という問題必ずなってくるだろうという、実はそういう、現場では私は影響も出ている。それが非常に不自然な、後でリレーションバンキングの話をいたしますけれども、不自然な融資態度、あるいはまた企業と銀行との関係につながっている。だから、私は、早くこの問題を合理的な形で処理する必要があるということで、予算委員会でも申し上げましたけれども、この前、参考人の皆さん、監査法人の、新日本監査法人と朝日監査法人のトップが来ておられましたから、私の見解を申し上げて、どうかと意見を伺ったんですよ。多分、竹中大臣は忙しいからそういうものは読んでいらっしゃらないと思いますので──お読みになった、読んでいらっしゃらないと思いますがね。お読みになりましたか。
○国務大臣(竹中平蔵君) はい、読みました。
○浜田卓二郎君 ああ、そう、それは光栄でございますが、それはそれで、もう一度繰り返して申し上げることになりますけれども、要するに金融庁の御指導があって、本来、無税償却でいくべきものをそれ以上に積めと、だから有税償却だという面があるわけですから、それは行政もかんでの積み上がった繰延税金資産である。この繰延税金資産の存在というのが絶えず金融機関の経営を脅かしている。そういう状況は一掃すべきである。それを、今金融庁が税務当局に出されている要求では無税償却に切り替えますと、その代わり三点セットになっておるわけですね、無税償却の範囲をもう少し広げてくださいと、金融業という特殊性にかんがみてですね。それと、これは計算を逆にしてやったんだと思いますけれども、十五年分さかのぼって税金を返せとおっしゃっている。私はそれは無理だと思うんですね。しかし、積み上がった十兆以上の繰延税金資産を何とか整理しておかないと、ここで無税償却になったら繰延税金資産の根拠が失われるという問題になりますから、私はそこを、行政の責任ということも加味して、やはりある種の工夫をせよと。 それが私の案ですと、十年ないし十五年の交付国債を、どういう会計処理になるか分かりませんけれども、繰延税金資産と置き換えてあげて、そして十年、十五年掛けてそれを真正の自己資本にするように銀行自身に努力をさせる。そういうことによって行政も、一種のモラトリアムと言われるかもしれないけれども、猶予期間を、行政の責任で積み上がったというゆえをもって金融機関に与え、そして後は金融機関の自助努力で真正の自己資本に置き換えさせていく、そういう提案を申し上げたわけですが、二人の公認会計士法人のトップのお答えは、それができれば一番いいですということでもありました。 事は急を要するわけですよ。これをゆっくりゆっくりやっていこうという間に、りそなの二の舞が私は起こりかねないとは保証できない。そうしたら国有化するんですかと、前もお聞きしました。日本じゅう国有化銀行ばかりになったら一体これはどういうことだと、私はそう言わざるを得ないものですから、事は急ぐのであって、その提案をもう一度申し上げて、是非まじめに御検討賜りたいということをお願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、非常にたくさんの、ちょっと、多くの重要な問題を御指摘いただきましたんですけれども、特にやはり三点お答えしなければいけないかなと思っております。 まず第一に、繰延税金資産によって自己資本が水膨れしているという表現、委員は分かった上でお使いだと思うんですが、これも、繰延税金資産に非常に多く頼っているということは事実でありますが、実は何よりも重要なのは、コアの資本が小さいからなわけですね。今、例えば繰延税金資産が今より二倍、三倍増えてもコアの資本が十分であればこれは何の問題もないわけでありますから、重要なのは、繰延税金資産が大きいというよりはやっぱりコアの資本が小さい。コアの資本が小さいがゆえに、それを補うものとして繰延税金資産に大きく依存している、これがやはり正しい姿なのだと思います。だから、いずれにしても、コアの資本が少ないという事実を踏まえた上で、繰延税金資産に関しては、これはやはり何とかしなければいけないという問題意識は大変重要なポイントであるというふうに私も思います。 これは金融庁が償却を早めさせたと。これ、しかし、我々は無理に償却しろというふうに言っているわけではなくて、正しくやってくれと、正に市場の価格に合わせてやってくれということを申し上げているわけでありますので、これはやはり資産の査定はきっちりとやっていただかざるを得ないのではないかなというふうに思っております。 これを、二番目の問題として、合理的な形で解決しなければいけないだろうという御指摘は、私はやはりそのとおりだと思います。であるからこそ、繰り返しになりますが、我々もこの問題を提起して、今、ワーキンググループでそもそも論をしっかりと今議論をさせているところであります。 三番目の、一つの提案、これについては前回、正に委員から御指摘をいただいて、私もその後ちょっといろいろ考えてみたんでありますが、技術的にどういうふうにできるのか難しいかもしれないが、交付国債等考えられないだろうかという御指摘。これも実は前回、一応の答弁をさせていただいて、その後も私考えたんですが、やはりこれは手続としては、繰延税金資産を還付すると。還付するに当たって現金で還付するか交付国債で還付するかと、そういうやはり資産の選択の問題であって、やはりこれは還付という手続には変わりないのではないだろうかというふうに思えるわけなんです。 でも、ちょっとこれは私の誤解があるかもしれませんが、その意味では、私としては、繰り返し申し上げていますように、税務当局には、やはりこれは一つの合理的な解決策であることは間違いないわけで、お願いはしているわけでありまして、大所高所からの御検討をいただいている。やや技術的でありますが、還付する場合は現金で還付しなければいけないというのは何か法律では決まっているらしくて、それを法律を改正して交付国債でもできるようにするかと、そういう問題はあるのかもしれません。 ただ、いずれにしてもこれは還付であるというふうに私には理解されるわけでございまして、この点については、引き続き、やはり私どもとしては税務当局にお願いをして、是非、大所高所からの御検討をいただきたいと思っているところでございます。
○浜田卓二郎君 私は、十五年分還付しろというのは無理だと思うんですね、理屈として。なぜ金融機関だけバブルのときに納めた税金を返してもらえるんだと、そういう議論になりますよ。だから、どっちにしろ大義名分が要るんですね。ですから、私は注意深く申し上げているのは、なぜ繰延税金資産が積み上がったかというところに、一つの行政の指導もあると、考え方もあると。金融業という特殊性を考えた指導であると。だから、その金融業という特殊性を一つの原因にして、そしてそれを行政が指導してきたという、そういう事実も踏まえながら、責任を半々で分けると。だから、単に還付をしろというだけの理屈では私はなかなか難しい。 その辺りは、二兆円も株式を平気で買い込むぐらい大胆な大臣ですから、だからひとつ、よくよく工夫をお考えいただいて、頑張ってみてください。否定的に申し上げているわけじゃありません。 それから、この件に関しては、財務大臣、ちょっと、質問通告はしておりませんけれども、このもう一つの前提は、やはり無税償却なんですよ。だから、無税償却を十分に金融業という特殊性に基づいて認めてあげればこういう問題は実は生じなかったわけですね。ですから、私は、原則は無税償却に戻すべきである、そのためには、無税償却の考え方を税務当局が金融業という特殊性を考えてきちんと改めてあげるべきである、それを実態に合わせてあげるべきである。それがもう一つの必要な前提条件ですが、この点について、短く御所見だけ伺いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 無税償却が一番分かりやすいですね。私はそれはいいと思いますが、しかし、一般企業はそれを余り歓迎はしておりませんね。やはり一般企業は設備投資等どんどんやっておりますから、それと償却の方のバランスを取りたいということもございますから、やはり五年の間の繰延べでこれをやるのも有利だということもあるだろうし、といって、金融機関ももうけておったら問題ないんですけれども、もうけていないからこんな問題起こってくるんで、そこらの体質の問題等がありまして、今おっしゃる問題はもう政府税制調査会でも検討の事項に入っておりますので、十分いたします。
○浜田卓二郎君 じゃ、もう一つの論点を金融担当大臣にお伺いいたしますが、リレーションシップバンキングというんですか、ちょっと正確な言い方が分かりませんが、これは何だということなんですが、私なりに考えると、企業の実態に合わせた融資とか、企業の実態に合わせた不良債権処理とか、そういう生きた処理をせよということだと思うんですね。ここの議論、柳澤大臣のころからずっとありまして、金融検査のマニュアル、検査マニュアルの別冊もできました。だから、ある意味では、この金融行政というのが私は進歩しているんだろうと思うんですよ。進歩しているというか後ずさりしているというか、実態に合わせるようになってきているというふうに思うんですよ。 だけれども、それは、よく考えると、ダブルスタンダードなんですね。そういう観点からちょっと見解を聞かせていただきたいんですが、このリレーションシップバンキングという考え方を適用する金融機関というのは中小金融機関だけなんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) リレーションシップバンキングの金融審の報告書、お目通しいただいているかと存じますけれども、基本的にはこれは金融の行為でありますから、この人がリレーションシップバンキングで、この人がリレーションシップバンキングではないというような線引きはできないと思っております。 言うまでもありませんけれども、今、実態に合わせたというふうに御指摘くださいましたが、もう少し言いますと、やはり目に見えないような定性的な情報とか、正に間柄、リレーションシップ、そういった間柄に象徴されるような定性的な地域に根差した情報も踏まえてしっかりと、ちょっと理屈っぽく言えば、情報の非対称性が非常に強いような世界で地域に根差した、実態に合わせた融資活動を行っているような事実を指してリレーションシップバンキングというふうに言うわけであります。 ただ一方で、これは政策でありますから、この人に適用する、この人に適用しないというのは、ここはやはりどこかで線引きをせざるを得ないというところがございます。我々は、不良債権問題に関しては、やはりいわゆる主要行に関しては、これは外に目を向けて、外からも見られていて、これはしっかりと一種のしっかりとした数値目標も決めて、不良債権比率を半分にするという目標を決めて取り組まなければいけない、でなければ日本の金融市場全体が信頼されないのだというふうに思っております。 あえて言えば、その意味ではダブルスタンダード的に、しかしそうではない世界も現実には存在しているということでこのリレーションシップバンキングというのをまず概念で決めて、その適用の範囲としては、念頭に置いてはやはり地方銀行、第二地銀等々の組織を念頭に置いて政策は行っていくと、そのように考えているわけでございます。
○浜田卓二郎君 さっきも申し上げましたけれども、九つの銀行から借りているといった企業、これは実際の例なんですけれども、四億円ぐらいですね。九行ですよ、九行。その中には、ちっちゃな銀行もあるんです。大銀行もあるんですよ。だから、日本の間接金融で長くやってきたこの企業社会というのは、別に小さいから信用金庫だけから借りているということじゃないんですよ。大銀行の支店長も同じなんですね。 だから、それから、リレーションシップバンキングとおっしゃるから何か特別のことのように聞こえますけれども、相手の実態をよく見るというのは金融業では当たり前でしょう。要するに、この企業のリスクを取っていいかどうかというのを単に担保の有無とか形式的なことで判断するな、実態を見ろと。よく言うじゃありませんか、土地本位金融から事業本位金融へと。掛け声だけで全然そうなっていないんですよ。そこに今、日本の金融のシステムの最大の問題があるわけですね。 それから、おっしゃいました、大企業は二年で半分にされるとおっしゃった。じゃ、何で中小企業、中小金融機関は二年で半分にしなくていいんですか、逆に言えばね。 だから、私の言いたいことは、二年で半分にするなんてむちゃくちゃな目標を立てなさんなということを申し上げているわけですよ。なくすべき不良債権って一杯あるでしょう、一杯引きずっているわけですから。そういうものはなくせばいい。だけれども、そうでない不良債権もあるわけですよ、景気変動に基づく。それも全部一緒くたにして二年で半分という考え方が私は乱暴だと申し上げていて、その乱暴だと言い続けてきたことに対する一つの答えが、ひいき目に解釈すれば金融検査マニュアルの別冊でありリレーションバンキングだと思うんですけれども、しかしよくよくもう一回考えてみるとそれはダブルスタンダードであって、金融業務の本質からいえば大小によって区別する理由は私はないというふうに思うものですからあえて申し上げたわけでありまして、どうかひとつ、当たり前のことなんですから、リレーションシップというようなことも言わなくても、要するに企業の実態に合わせた、そしてまた銀行が自主的判断に基づいた融資というのができるようにならなければ、リスケジュールというのができるようにならなかったら日本の企業社会は元気を取り戻せないということを申し上げたいわけでありまして、あと平沼大臣と財務大臣に申し上げなきゃいけないものですから、一言だけ感想を聞かせていただきたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと大きな御指摘ですので一言で申し上げるのはなかなか難しいのでございますが、実態判断というのはもう全くそのとおりであろうかと思っております。要は、最後は経営者、人で判断すべきだというようなことも、これももちろん重要な提言であろうかと思います。 政策としては、しかしやはり重点を置いて、長年解決できなかった不良債権の問題に関して、主要行に重点を置いて、政策としてのやはり一つの到達点を決めてしっかりとやっていくという政策は必要かと思っておりますので、そういう意味では金融再生プログラムは何とか実現をするように努力をしたい。しかし、同時に、委員が御指摘になったそもそもの本質は実態判断である、この点は同時に肝に銘じて金融政策に当たりたいと思います。
○浜田卓二郎君 次に、順序を変えて平沼大臣に先にお伺いをしたいんですけれども、私は今の製造業の実態というのを実は大変心配しております。どなたも自分の選挙区に製造業を抱えている方々ばかりだと思いますけれども、まあ実に乱暴に空洞化しているわけですよね。ある日突然、発注元の工場が中国にできちゃって、ごそっと持っていかれるわけですよ。 これは、私はやっぱり政策的に、保護と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、考えてあげなければいけない。つまり、産業構造が今、日本は変わりつつあるんだと思います、確かにね。だけれども、産業構造が変わるには時間が必要なんですから、その時間を確保してあげるのが私は政策であり、特に平沼大臣の御所管の行政はそういうことに配意すべきだと思うんですけれども、今大きく空洞化しつつあるすそ野の、製造業のすそ野の部分の対応というものをどういうふうにお考えか。この委員会以外で大いに議論されていると思います。私は、今までの議論を踏まえずに申し上げているわけですから、その点は御容赦いただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、それぞれの政治家の地元のお話もございまして、私の地元もやはり空洞化という形で大変大きなダメージを受けていることは事実です。統計的に見ましても、一九九〇年、これを起点といたしますと、製造拠点の移転率というのは六%台であったものが二〇〇〇年には一七%になんなんとする。それだけ実際空洞化が起きていると、こういうことだと思っております。 そういう中で、やはり私どもとしては、一つはいわゆる産業政策として中国より一歩、二歩先を行くような、そういう競争力を付けるということが必要だと思いまして、産業競争力のいわゆる戦略会議というものを一昨年立ち上げました。そして、その中で、どうすればこの産業競争力ができて、イノベーションを起こして、そして現実その空洞化というものに歯止めを掛けられるか、このことについて提言をして、これは骨太の方針の中にも実は盛り込むことができております。 それからもう一つは、地域の経済の活性化のために、やっぱり日本はポテンシャリティーがありますから、その地方、地方が持っているポテンシャリティーを生かすためにやはり産業政策をしようじゃないかという形で、これはもう浜田先生もよく御承知だと思いますが、産業クラスター計画というのを作りました。これは、今全国十九の拠点で二百の大学が参画をして、企業の数も四千社、そしてそこから新しいベンチャーや新しい特許等が生まれてきて、非常に活性化をしてきて、そこから競争力が出てきている、こういったこともさしていただいています。 ただ、この後御質問にあるかもしれませんが、やはり正常な競争ができる、そういう基盤も私は必要ではないかと、こういうふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、日本は現実というものを受け止めながら、その先でやっぱりポテンシャリティーを生かして、そして地域経済活性化、中小企業の活性化、これを図っていくことが基本的な大切なところじゃないかと、こういうふうに思います。
○浜田卓二郎君 中長期で見れば、私は大臣のお考えに全く反対ではありません。賛成であります。しかし、今最後にもおっしゃいましたけれども、競争条件のできるだけ対等化を図ってあげるということも、これはやっぱり行政や政治の責任だと思うんですね。 財務大臣にはもう同じことを二度ほど申し上げた、財政金融委員会で申し上げた経過があるわけでありますけれども、今日は産業担当大臣ということで重ねて申し上げるわけですが、一九七一年に円の切上げがありました。そして、日を置かずして変動相場制に移行した。そして、ということは、円レートが三百六十円から三倍になった。そのことは、日米の人件費の格差からいえば、この人件費がアメリカの人件費に対して三倍になったと一緒なんですね。 その前夜、つまり円切上げの圧力が高まってきた前夜、何が起きていたかといいますと、それはもう米国政府のなりふり構わぬ自国産業保護政策ですよ。ローカルコンテンツ法というのがありました。高くても国内の下請から買いなさいと。アメリカ政府は現にそれをやった。当時、私どもはそれを批判していました。自由貿易の旗手であるアメリカが何をやるんだということを言っておりました。でも、それによって、アメリカはその後の技術革新、そして産業構造の転換の時間を稼いでいたわけですね。そして、その挙げ句が円レートの変更要求ですよ。そして、現実に日本の円は切り上がり、変動相場制に移行して、人件費はアメリカに追い付き始めた。今やはるかに追い抜いておりますね。 今の日本と中国の関係は、当時のアメリカと日本の関係以上の格差がある。私は、これを基礎的不均衡がある、当時はやった言葉であります。アメリカが言っていた言葉であります。それをなぜ日本は中国に対して、あるいは世界に対して言わないのか。それは、その所管は財務大臣であるかもしれませんけれども、一つの国内の製造業、日本の製造業は合理化の極を追求してきた製造業ですから、これだけの人件費格差がなければ世界でまだ勝負できるはずですよ。その格差を埋めてあげるというのは、彼らの個人的な努力ではできません。やっぱり政治であり、行政であると思うんですね。 ですから、私は、ドルペッグになっている元をドルとの間を切り離せばいいんですよ。そして、変動相場制に移行させれば、これは相場が決めてくれますよ。そういうことを私は財務大臣に申し上げて、財務大臣はG7の蔵相会議でそういう主張をなさったということを新聞で承知しております。ただ、まだ声が小さいんです。しかし、しかし今チャンスなんですよ、チャンスなんです。というのは、中国の安い人件費が世界にデフレを輸出し始めたという認識が今世界に広まり始めております。ドイツが今それを一番恐れております。グリーンスパンも、このデフレ対策に対してはあらゆる手を打つよということを、そういう何かの場面でかつて言っております。 いずれにせよ、私は、二大有力大臣が声をそろえて、やっぱり製造業をきちんと対等な競争条件に置くための環境整備をする、そのために通貨レートの正常な改定というものを世界に向かって言っていくべきである、そう思いますけれども、平沼大臣の所見と御決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 人民元というのは、一九九四年からドル固定に相なっております。そういう中で、例えば象徴的な数字では、一九九四年、中国は輸出を三〇%以上伸ばし、その傾向が、年によってはフラクチュエートがありますけれども、大体続いております。また、生産拠点の移転率もさっき言ったような数字で推移をしていると。私は、そもそも論は、やっぱり為替レートというのはその国の経済のファンダメンタルズにやっぱり依拠しなければならない、これは一般的にだれしもが思っていることだと思っています。 そういう中で、私は、今はこういう立場で、為替のことを云々するというのはその任ではございませんけれども、中国もWTOにも加盟をいたしました。そして、今御指摘のような各国のいろいろな分析、そして各国の思いがあります。また、塩川財務大臣もそういう中で御発言もあったと。こういうことですから、だんだんそういう状況は私は整ってきているんじゃないかと、こういうふうに思っておりまして、私も、やはり中国も相当競争力も付けてきましたし、そういう中で、国際的なそういう場の中でもそれぞれ連携をし合いながら、やっぱりイコールフッティングのそういう状態ができるように私は努力はしていくべきではないかと、こういうふうに思います。
○浜田卓二郎君 私は、今の日本の産業、製造業だけを申し上げましたけれども、あらゆる産業にとって最大の産業政策は実は為替政策である、そう思っておりますので、ひとつよろしく御努力をお願いしたいと思います。 最後に塩川大臣にお伺いをいたしますけれども、先般の予算委員会で税制構造改革について私は総理に申し上げました。構造改革の中に、私の主張ですけれども、受け止め方ですけれども、税制構造改革が抜け落ちていると、そう申し上げたら憤然としておられました。それが一つですね。それからもう一つは、消費税は次の内閣で上げればいいということを答弁をされました。議事録に残っております。 消費税をいじらない税制構造改革というのはあり得るのかどうか、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、あらゆる面で税制改革を進めていくことが必要でございますので、何も消費税だけが税制改革ではないと私たち認識しております。 私は、総理があえて私の任期中は消費税を上げないと言ったのには、私はそこには非常に信念としての考え方が宿っておると思いまして、私は余計なことでございましたけれども解説いたしまして、総理が、えらい親切だな、あんたはということで言っておりましたですが、正に私はそのとおりだったということなんです。 要するに、消費税を財源対策として考えたらいかぬということが、一つが総理の頭の中にあるんです。これを財源対策として考えるならば、予算の中の効率化、あるいは予算の仕組みの見直しというものが十分に進んでいかないから、ですからこれは辛抱してでも、つらくても、予算の言わば有効な執行ということについて見直していこうと、ここにあると思っております。それが一つ。 それからもう一つは、消費税を上げるについては、何のために使うかということが必要なんだと。そのための、消費税を上げる目的のために消費税が使われるならばいいけれども、今ここで消費税上げたら、さあ、各省ともみんなもうのど渇いていますから、その上げた消費税をおれのところへよこせ、おれのところへよこせと、ちょうどハゲタカが皆水吸いに来るようなものになってしまいまして、そこであなた、だから目的どおり使える状況を作っていくということがひとつ大事だと、こういうことでございました。
○浜田卓二郎君 私は、随分悠長な議論に聞こえてしようがないんですよ、失礼ですけれども。だって、財務省が出しておられる試算では、三年後の予算は借金額が四十五兆円、そのときの税収が四十兆ちょっとでしょう、四十一、二兆ですか。借金と税収が逆転するんですよ。こんな先進国が、先進国だけじゃないでしょうね、こんな国家運営というのがよく放置できるなというのが私の率直な感想でありまして、消費税を議論するのは後回しだと、目的を特定することが難しいとおっしゃいました。でもね、消費税をやっぱり目的ごとに引き上げるとしても、そのチャンスというものは日ごろ日常にあるんですよ。 例えば、医療改革、医療の制度の改革をおやりになって、国庫負担を三割から五割に上げたでしょう。三割から五割に上げることによって、将来的な税金の負担増というのは二兆二千億ぐらいになるはずですよ。その手当てをしましたか。その手当ては赤字国債じゃないですか。こういうときにこういう形で医療費は国民、特に高齢者の医療費というのは国民全体で負担しよう、立派な理由になるじゃないですか。 だから、私は、税制改革というのはこれが終わってから、景気が良くなってからというのは口実にすぎない。景気が良くならない一つの理由に財政破綻があると、私は最近そう考えていますよ。国の将来が不安だ、福祉がこのままもつのかどうか分からない、だからみんな銀行が駄目だからたんす預金するんですよ。 だから、やっぱり私は、物事というのは切り離して、これは先でやっていい、楽になってからやりましょうじゃできないと思いますよ。しかも、そんなことを安易に言っていられるような状況ではない。私は、是非、小泉さん、何か人材難だそうでありまして、長くもつんだそうですか、平沼さん。平沼さんが早く総理になってくれればいいなと私は思っていますけれども、ずっと長くもったらどうするんですか。ずっと税制構造改革やらないんですよ。日本は四等国ですよ。紛れもない四等国ですよ。平沼さんはそれを憂えた発言が過激だったということで、何かどこかで怒られていましたけれども、私は賛成ですよね。四等国ですよ。それをそのまま放置して、景気だけ良くしよう、ほかの制度だけ健全にしようといったって私は無理だと思う。 やっぱり国の基本は税だという認識に立ち返っていただいて、税の責任担当大臣であります塩川大臣の一日も早く税制構造改革に着手をするという決意を聞かせていただいて、質問を終わります。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、浜田先生の長年の主張でございますから、十分に承っておきます。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 質問に先立ちまして、今、私も浜田委員の議論を聞いていてなるほどなと思うところがあるものですから、今の大臣の答弁で、今まで大臣は消費税はこの小泉内閣でやらないと言っておられたんですが、承るということは、やることも含めて考えるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) ちょっと、えらい失礼ですが、在任中はやらないということの確定でよろしいかということですか。 私は、小泉総理の考え方はそうではないかと思っております。 ただ、私は、先ほども申しましたように、目的税とかなんとかということであるとするならば、これはまたいろいろな考え方はあるだろうと思うのでございますけれども、しかし、先ほど申したように、消費税の増収額、税率を上げて増収額分が一般財源として使えるということであるならば、なかなか目的どおり使えない状況に現在の予算の構造がなっておるんじゃないかというところが一つ問題点があるということ。 それからもう一つは、私もこの十六年度予算を見ておりまして、それは随分と改革するところがあります。私は、そういう予算の無駄というものは、これはやっぱり国会も協力していただいて、やっぱり相当なたを入れていかなきゃならぬのではないかなと思っておりまして、そういうふうなものの継承を一つの心得としてやっていく意味においても、やはり消費税の増税の前にやるべきものはやるべきだということを私は申し上げておるということです。
○浅尾慶一郎君 それでは、通告した質問の方に入らさせていただきますが、先般、予算委員会でもいろいろと竹中大臣に質問をさせていただきました。幾つか明確になっていない部分がありますので伺っていきたいと思いますが。 まず、りそなの問題についてでありますけれども、既に一兆一千億円、これは竹中大臣になられてからということではなくて、以前の柳澤さんが大臣のときに公的資金が投入されております。この投入されるときに、その理由として、りそな、当時は大和銀行とかあさひ銀行とかでありましたけれども、健全なものをより健全にするために一兆一千億円入れるんだというふうにおっしゃって入れられたわけであります。 ところが、この間の予算委員会でいろいろ質問しましたら、結果として自己資本比率が四%を下回ったということは健全ではなかったということを大臣も認められたわけでありますから、そうすると、行政としては判断を誤ったということを認められるのかどうか、その点を端的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 前回も申し上げましたけれども、過去に資本注入をしたところが再び資本注入をせざるを得ない状況になった、これは極めて遺憾なことであるというふうに思っております。 委員のお尋ねは、そのときの判断がどうだったのかというお尋ねでございますけれども、当時の早期健全化法が定めていますところの自己資本の状況の区分に応じて承認要件というのは決まっているわけですけれども、これは確定した決算に基づく自己資本比率によって判断をしなければならない。決算を確定してそのときの自己資本比率がどうだったのか、そういうことに尽きるわけでございます。 平成十一年三月に資本増強を行っておりますけれども、これは平成十年九月期の決算に基づきまして、これは確定された決算に基づいて自己資本比率を算定してその時点で判断をしたということであります。その時点の判断では健全な自己資本の状況にあることを確認する。あわせて、これは平成十年の七月以降、一斉検査も行われておりますので、それの結果も踏まえて、早期健全化法が求める金融機関の存続可能性でありますとか投下資本の回収可能性等について審査を行ったわけでございます。 したがいまして、その時点での判断としては、確定した決算に基づいてきちっと判断してルールどおり行ったということは、これはやはりきちっと申し上げてよいのではないかと思います。 ただし、その後のやはり経営そのものが決して、やはり結果的には更なる自己資本を必要としたわけでありますから、そこは幾つかのガバナンス等々について、今から振り返るとやはり適切でない問題があった。 今回、我々が資本注入を決定するに当たって、やはり反省すべきところは反省する。その意味では、企業のガバナンスを本当にしっかりとさせて、幾ら自己資本を入れてもガバナンスが十分に機能しないとこれはやはり問題が更に続くわけでありますから、その点について我々としては最大の関心、注意を払ったということでございます。
○浅尾慶一郎君 責任を問われなきゃいけないのは、当然、経営者、株主、そして行政ということなんですが、行政についても、今大臣おっしゃったように、不健全なものを健全にする、その時点でバランスシートを切ったら、バランスシート上は、それは粉飾とかいろいろあります、バランスシート上は健全に見えた。 しかし、同時に、経営健全化計画というものを出させているわけであります。大和銀行についてもあさひ銀行についても出させている。それが達成できなかった。達成できなかった責任はもちろん経営者にあるんだと思いますが、その経営健全化計画を承認した、そしてその後、フォローして見ていたわけでありますけれども、実現ができなかった。それは、今、正に、余りはっきりおっしゃらなかったんでしょうけれども、行政の責任だというふうに私は理解いたしますが、行政の責任だとおっしゃるからには何らかの責任の、行政としての責任の取り方というものがあろうかと思いますが、それは具体的にはどういう形で表れるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 当時、御指摘のように、経営健全化計画を出してもらって、我々としては、審査をしてこれに基づいてしっかりとやっていただきたいというふうに考えた。同時に、それに対してはフォローアップも行ってきた。しかしながら、その後の経済情勢、マクロの経済情勢もありますし、様々な要因があるわけでありますけれども、結果的にこのような形で資本の注入を再度しなければいけなくなったということに関しては、これは経営にも責任があると思いますし、行政の側にもやはり反省すべき点があるというふうに思っております。 そもそも、やはり反省すべきところを反省しようということで金融再生プログラムを作っているわけでございますので、そうした点を踏まえて、今、新たに不良債権問題の終息に向けて体制を立て直して、我々なりに新たな政策の強化の体制の下で今回の資本注入も行ったし、その後のガバナンスの強化も行っているということでございます。 資本注入の効果をしっかりと出してりそなを再生させて、りそなだけではありませんけれども、不良債権問題を二年で終結させるということが我々の重大な責任であるというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 やはりそれぞれの時点時点で責任を、間違ったことについてははっきりさせなければいけないということですが、今の御答弁ですと、それは間違えたんだと、しかし今後を見てくれという答弁にしか聞こえないわけでありまして、それだとなかなか国民の理解は得られないんではないかなと。ですから、誤ったことについてはしっかりとそれは誤ったんだと、それについてはこういう形で責任を取るんだということを、それは別に大臣が辞任しろということをそのことで申し上げているわけでは、まだそういう段階ではないわけでありますが、しかしそのときから、大臣が大臣に就任される前から継続して担当されている要するに行政の事務当局はいるわけでありますから、そうした方々の責任ということを一切形上問うつもりがないのかどうか、その点を確認させていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) この間の日本経済の運営全体に関しては、例えば予想された、期待された成長率が実現できなかった、期待されたような物価上昇率にならなかった。これはもちろん内外の様々な要因が絡まってそういう結果が出てきたわけでありますから、これはいろんな要因を我々はつぶさに検討して反省すべきところは反省していかなければいけないのだというふうに思っております。 しかし、今回のそのりそなの問題、やはり非常に大きく日本の経済、世界の経済の状況が変化する中で、やはり今回のような問題が生じてきた。我々としましては、これはもう総理自身がよくおっしゃいますが、反省すべきところは反省して、それで構造改革を進めていくんだということでありますから、繰り返しになりますが、金融再生プログラムはそのような観点に立って正にその八か月前に作成したわけであります。我々としてはこの金融再生プログラムをしっかりと実行して、是非ともこの二年で不良債権問題を終結させるというこの内閣の目標をしっかりと達成したいというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 大臣、答弁長いので、ちょっと短くしていただきたいと思いますが、まずそのどこが反省されているのか、どういうふうに反省したのか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この点は金融再生プログラムを作るときにはっきりと申し上げたつもりでございます。三つの点をきちっと反省して強化していかなければいけない。 第一の点は、資産査定の厳格化であります。資産査定の厳格化を行うために、これもいろんな指標がありますが、ディスカウント・キャッシュ・フローの問題でありますとか、自己査定と金融庁の査定を公表することによって、その開差を公表することによって、自己資本、自己資産の査定そのものをしっかりとしていただく、これもそうした意味での政策の強化であります。 二番目が自己資本の充実であります。自己資本の充実、これはまずはやはりその銀行それぞれが努力をして、これは増資も行いました。しかし、自己資本が足りない場合は、これはその危機を回避するために等々、政府が必要であれば果敢に資本注入も行うということを我々は宣言したつもりでございます。 第三番目が、先ほど浅尾議員にお答えをさせていただきましたけれども、正にガバナンスの強化です。資本だけが増えてもガバナンスが強化されなければ、やはり収益力を向上させなければ、この問題は解決していかなければいけないわけで、この三つの点がやはり反省すべき点、それで政策を強化する、すべき点、そのように八か月前に判断をして金融再生プログラムを提示したわけでございます。
○浅尾慶一郎君 今、大臣おっしゃったのは、政策を変更したという話であって、反省をしたということにならないんです。政策を変更するには理由があって、その理由を反省したんですかしないんですかと。反省したと言うのであれば、その継続性の事務当局の人に対してはそういう注意をしたんですかしないんですかという、特に注意をしたのかしていないのか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、今までの点は、反省すべき点は反省して変える点は変えようというふうに私が提示したわけであります。それに合わせて金融庁としても再生プログラムを作って、そのための工程表も作ったわけでありますから、その意味では変えるべき点は変えようと私も副大臣も金融庁の諸君にはしっかりと申し上げて、金融庁の職務をそれに合わせて今行政を行っているということです。
○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問をもう一回繰り返しますが、その政策を変更したというのはおっしゃるように変更したんでしょう。しかし、その前の政策を作って、あるいはそれに携わってきた金融庁の職員に、前のところは間違っていたんだからそこは改めなさいと、あるいはその結果に対して責任を問うたのか問うていないのか、その点であります。
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本における不良債権の政策の問題というのは、実はかなり新しい問題であるというふうに私は思います。例えば、不良債権の公表、不良債権の公表を義務付けたのもこれ一九九九年か二〇〇〇年か、三、四年前なわけですね。実は──十一年ですか、九九年の三月期決算からなわけですね。考えてみると、実は四年前ですから、驚くほど新しい政策であると。 そのときに、それまでの政策はじゃ間違っていたから何か責任問題というのを議論する、したのかと。私はやはり政策というのはそういうことではないと思います。例えば非常に大きな判断のミスがあったとかそういうことに関しては御指摘のような問題も私は議論されるべきだと思いますが、残念だけれども、私たちの社会全体について、不良債権問題をどのように解決したらよいかについて、ディスカウント・キャッシュ・フローを採用すべきかどうか等について、残念だけれども、やはり私たち社会全体に十分な知恵が蓄積されていなかったということだと思います。 それを専門家の意見も取り入れながら徐々にここ四年、五年の間にその政策が強化されてきた。我々は今後もこれは不断に強化をしなければいけないと思います。今のままで本当に十分かということになると、政策を強化しなければいけない面が出てくると思う。こういう努力は私たちとしてはしっかりと続けたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 判断のミスを問うているわけであります。もっと具体的に言いますと、りそなのケースで言います。一兆一千億円お金を入れたと、これがどぶに捨てられたことになってしまう可能性が強いわけです、後ほどやりますけれども。その点について責任はないということなのかどうか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一兆一千億円、一・二兆円、一・一兆円か一・二兆円のお金を入れまして、それによって経営が一時安定したというのも事実だと思います。しかし、その後の変化に対して、経営が十分にそれに対して適応できなかった。その意味では、先ほどから申し上げておりますように、更にガバナンスを強化して政策の枠組みを強化する必要があったんだというふうに考えています。
○委員長(佐藤道夫君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤道夫君) じゃ、速記を起こして。
○浅尾慶一郎君 それでは、もう一度別の観点から聞きますが、行政の監督責任は認められるわけですね。監督責任の当事者はこれは人ですから、その担当されている役人に注意をしたのかしていないのか、それを伺います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々行政は与えられた枠組みの中でその検査、監督をしていきます。その枠組みに対する重大な違反とか重大な落ち度というものがあったというふうには考えておりません。しかし、その経済全体の流れの中で枠組み全体をやはり強化する必要があったと、それは反省すべき点としてあると思っております。その枠組みを強化をいたしましたし、更に強化をしていく必要があると考えております。
○浅尾慶一郎君 分かりました。そうすると、注意等々はしていないと。したがって、これは失敗をしてしまったけれども、具体的にだれそれさんの責任という問題ではないというふうに竹中大臣は認識をされているという理解で次の質問に移らさせていただきます。 そういたしますと、そうは言いながらも、私は、この問題というのはやはりその行政の責任というのは明確にしていかなければいけないと思いますが、次の質問は、その行政の責任を明確にしていく中で、一義的な責任はその経営者であると、そして経営者を選んだ普通株主にあるという観点から次の質問の方に入らさせていただきますが。 まず確認ですが、優先株、政府が持っておりますのは今のところ優先株しかないはずですけれども、優先株と普通株との間では経営に対する責任は当然違いますね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 優先株、今の優先株は議決権を持たないものでありまして、経営に対しての議決権、人事権等持たないという意味では、普通株とは経営に関する関与の仕方という意味で当然のことながら異なると思います。
○浅尾慶一郎君 ところで、政府が保有しております優先株は、無配になった瞬間に、あるいは無配になった次の株主総会において議決権が復活するという理解でよろしゅうございますね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 旧商法の第二百四十一条第一項がございます。優先権に対して配当がなされないときに議決権が発生する旨を定めている。この規定は経過措置によって現在も有効であるということになりますので、優先株に配当がない場合には優先株主は議決権を有することになるということであります。
○浅尾慶一郎君 質疑を分かりやすくするために通告の順番をちょっと変えていきますが、竹中先生、教授に少し株式理論の教えを請いたいなと思いまして。 会社の株というものは、これは何というんですかね、エクイティーはいわゆるレジデュアルバリューであるという考え方があるようでありますが、その点について、ファイナンスも研究されておられると思いますから、聞かれたことがあるかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私、コーポレートファイナンスの専門家ではございませんで、浅尾委員の方がはるかにこの分野お詳しいとは思いますが。 バランスシートを考えて、借方と貸方があって、借方に資産があって、貸方に一方で他人資本としての負債があると。ただ、その資産から他人資本としての負債を引いた残りが株主の持分であると、エクイティーであるという意味では、そのレジデュアル、正にその残り分がバランスシート上こう表示される。これは、複式簿記は恒等式でありますから、そのようなことを意味しているのだと思います。
○浅尾慶一郎君 次に、株というものは残り、残り部分であるというふうに今おっしゃいました。会社というのはゴーイングコンサーンとも言われますし、ずっと続いていくものでありますから、もうかればその残り部分というのは大きくなるし、損をすれば残り部分というのは少なくなるし、場合によってはマイナスになってしまうと。したがって、その形は、株というのはコールオプションに近いという説もありますが、そういう理解を竹中大臣も取られますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これも非常にテクニカルな質問で、この質問を初めて読んだとき、その奥に浅尾議員は一体何を考えておられるのかなと思ったのでありますが、コールオプションというのは、その文字どおりいきますと、ある定められた資産をある特定の時期に特定の価格で買う権利ということになります。類似、アナロジーとしてはやはりそういう言い方はしたがって持分に関してはできるんだと思います。 これは、いわゆるファイナンス理論にあります条件付請求権分析の枠組みの中での議論というふうに聞いておりますけれども、ある企業の株主、資本全体のコールオプションと観念して、それで、ブラック・ショールズ・モデル等のオプション・プライシング手法によってその現在価値を計算するという手法があると、そういった議論に基づく御指摘であろうかと思います。
○浅尾慶一郎君 そこで、このりそなについて考えてみますと、りそなの株は御存じのように政府が持っております優先株と一般の投資家が持っております普通株があると。政府が持っている優先株というのは、つまり国民の権利を政府が代替して持っているということだと思います。 先ほど大臣がおっしゃったように、一方においてその政府が持っている優先株は今度の株主総会において議決権が発生をしております。単純にこの優先株の立場に立つと、一方で普通株主というのが存在すると、これは存在しない方が優先株主としては残りの取り分が増えるということになるわけですから、今度のその株主総会において、株主として議決権も発生していますから、政府として、特に今、そのりそなの状況を考えてみますと、資本の、資本勘定が大体三千億円、しかし、政府が投入した優先株だけで八千億円あるわけでありますから、政府が投入した優先株は既に五千億円今の段階でいうとマイナスになっていると。 そういうことを考えると、そこに更に普通株主がいるということは、優先株主の立場からいうと、まずその人たちには責任を取ってもらって、一〇〇%減資をしてもらって、いなくなっていただいた方がいいんではないかという考え方に当然なるわけでありますから、それを株主総会において提案をしないんですか。しないとすれば、どういう理由で提案をされないのか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 以前も浅尾委員から同様の御趣旨の質問をいただいたと記憶をしております。 これは考え方の整理の問題といたしまして、まず、この企業、りそなは清算するわけではありません。清算するのではなくてゴーイングコンサーンであって、我々も資本を提供して、このりそなという経営資源の塊に是非その能力を発揮していただいて、これは先ほどからも御指摘のように、将来にわたっての収益を最大化していただきたいというふうに思っています。したがって、まずその清算価値を前提とした、先方がいなくなればこちらの方が有利になるというような議論は少し仮定が重なり過ぎているのではないのかなというふうに思います。 それともう一つ、この企業は資産超過の企業です。債務超過の企業ではございません。そこについても御議論あろうかと思いますが、資産超過の企業においてその普通株の一〇〇%減資を求める場合、私が知っております学説上、株主全員の同意が必要であるというふうになる。株主の全員の同意が必要であって、個人の財産権のことも考えると、これはそういうことを求めるのが果たして適切であるのかというやはり判断はあろうかと思います。その意味で、御指摘のようなことは今の時点では考えておりません。
○浅尾慶一郎君 私も、ゴーイングコンサーンであると、清算を前提としないという点についてはそれはそのとおりだと思いますが、一方で、なぜゴーイングコンサーンであるか、なぜ資産超過であるかというと、政府が八千億円株を取得しているから資産超過なんです。政府が八千億円取得した、その八千億円が現時点で見ると三千億円しかないわけです。つまりは、政府が投入した八千億のうちの五千億はどこかになくなってしまった。 先ほど、どこかになくなってしまった責任についてはそれは仕方がないんだというようなお話をされておりました。そこは議論のあるところでしょう。行政の中でだれに対しても責任を問わないというふうにおっしゃいました。しかし、その八千億円政府が入れた、そのものが現時点でいえば三千億円しかないというのは厳然たる事実でありまして、さらに、じゃ、いや、これはまだまだこれから良くなってお金を返せる可能性があるんだとおっしゃいますが、しかし、本当に、じゃ、そうだとするならば、政府が入れた八千億円、あるいは劣後ローンも入れれば一兆二千億円入れております。それから、追加で入れる一兆八千億とか一兆九千億入れますと、三兆一千億を先に普通株の持分の人たちには一切配当もしないで返すという観点に立つんですか。そういう考え方ではないんじゃないかと思いますが、一応確認のため、簡単簡潔で結構ですから、お答えを伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 最初の方のお答えは、今正に浅尾議員、浅尾委員御指摘くださったんですが、我々は回復可能性があるというふうに思っているわけであります。したがって、現時点で計ればこうだという意味での含み損の発生という議論は少し私は誤解を与えるというふうに思います。 繰り返し言いますが、回復可能性があると、しっかり回復させるようなしっかりとしたガバナンスの体制をしくんだというのが我々の政策に当たっての基本的な決意でございます。 もう一点、済みません、二点、もう一点、済みません、もう一度お願いします。
○浅尾慶一郎君 質問もなるたけ簡潔に伺いますので、御答弁も簡潔にお願いしたいと思いますが。 つまり、これからトータルで三兆円近いお金がりそなに入りますと。三兆円のお金をすべて市場における売却かあるいは配当という形で政府に返してからしか普通株には配当を認めないという立場に立つんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 当面、配当を抑制して、これは株主にも責任を取っていただくという意味もありますし、内部留保を厚くしてほしいという意味もございます。しかし、これはどのぐらいのタイムホライズンで先ほど申し上げました回復の可能性を考えるかということでありますから、今の時点で、一義的に何とかするまでは配当しないとか、そういう問題では私はないというふうに思っております。これは経営の判断の問題がそこには入ってまいります。 いずれにしても、重要なのは、三兆ですから大変多額ではありますけれども、我々としては、十分に長い時間的な余裕、長いタイムホライズンの中で今申し上げたような回復可能性を発揮していっていただきたい、実現していっていただきたいと、そのように考えているわけです。
○浅尾慶一郎君 先ほど来のその普通株と優先株の話を別な観点から伺わさせていただきますが、単純に、普通株が一〇〇%なくなった場合と現存する場合とで政府が入れた三兆円の回収、回収の仕方はいろいろあると思いますが、これに差が生じると思いますが、その点について、差が生じないという立場ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 回収の可能性が生じると。その回収の前提としては、自己でその剰余金を積んでいって、それで、その場合に配当もまあ流出しないということであって、それに対して、そのような場合に回収がより可能で、容易になるのではないかという御指摘かも、御指摘というふうに思いますが、一方で、その資本がそこに存在していることによって、委員の御指摘は、その普通株だけを、他人が今出している、政府ではないものだけをあきらめてもらえと、そういう御指摘だと思いますが、その場合、計算上明らかにそうなるかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、それは今の学説上、これは現実不可能だということを申し上げているわけです。
○浅尾慶一郎君 学説上不可能ということではなくて、商法上、別に資産超過の会社であったら一〇〇%減資はできないかということでは私は必ずしもない。これは特別決議が必要であるということは商法で書いてありますが、資産超過の会社の場合に一〇〇%の減資ができないというふうには書いてはいないと思います。 それから、その二段目の前提は、資産超過の中身をもう少し詳しく分析してみると、何ゆえ資産超過かと。政府が入れた八千億あるから資産超過なんであって、その点をしっかりと分析すればこれは特別決議として私は通る話だと思いますが、その点について、大臣は違う考えだということですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 法律の専門家ではありませんが、私の理解では法律上は違う解釈をしております。特別決議があれば、そういった場合、資産超過の場合に一〇〇%減資ができるというふうには理解はしておりません。これは学説ではございますけれども、やはり全員の同意が必要だというふうな学説が私は一般的であると考えております。
○浅尾慶一郎君 では、その全員の同意が必要であるからそういう手続は取らないというふうに大臣は答弁されたと思いますけれども、一方で、理屈を今るる申し上げてまいりましたけれども、普通株主は単純に、先ほど来のお話を申し上げると、政府の入れた八千億に現段階ではただ乗りをしているというふうに考えられるわけでありまして、そうだとすると、提案はして、その一〇〇%の同意を求めていくという、そういう行為をする価値はあるんではないかと。つまり、否決されることを前提でもいいけれども、政府として、株主の、特に普通株主の責任を株主総会の場において提案をすると。もしかしたら株主も、なるほどそうだな、自分たちに責任があったんだ、賛成しましょうということになるかもしれませんが、そういう行為自体を学説があるからということでやらないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に今の時点で私たちに提案権そのものがございません。提案権はございません。次の株主総会において我々はまだ提案権がないということですね。提案権を持つには六か月以上たしか株主でなければいけないということであろうかと思います。したがって、今回、我々は提案権を持っておりません。 それともう一つ、この八千億なかりせばという議論そのものが本当に意味があるのかということもやはり考えなければいけないと思います。これは、もしこの八千億円なかりせば、りそなは別の調達をしていたかもしれないし、別の事業展開をしていたかもしれない。したがって、ある条件だけを固定して議論を進めていくと、時として議論の方向を誤ることになるのではないかなというふうに思います。
○浅尾慶一郎君 提案権がないというのは、優先株主としてないかもしれませんが、これは市場で普通株を事前に調達すればそれは出る話だと思いますので、そこは意見の分かれるところだというふうに思います。 次の議論に移りますが、じゃ、今後、新規で公的資金を入れるわけでありますけれども、この規模と投入形態はどういうものでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 資本増強の規模につきましては、五月十七日の金融危機対応会議の答申において、預金者、取引先、市場の不安を払拭する観点から一〇%を上回る十分の自己資本比率の確保が必要との意見が申し添えられたことを踏まえ、りそな銀行からの申込みのとおり一兆九千六百億円といたしました。この資本増強により、りそな銀行の連結自己資本比率は一二・二%程度になる見込みでございます。 そして、その投入の形態でございますが、普通株式で株数が五十七億株、そして議決権付優先株式で株数が八十三・二億株、これにより国の議決権の割合は七〇%を超える見込みでございます。
○浅尾慶一郎君 ごめんなさい、普通株式は取得価格は幾らになるんでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 普通株式の取得価格は二千九百六十四億円になります。それから、議決権付きの優先株式の方が金額で一兆六千六百三十六億円ということになります。
○浅尾慶一郎君 ちょっと今、空で計算すればいいんですけれども、一株当たりの取得価格も教えていただけますか。
○副大臣(伊藤達也君) 普通株式の方が五十二円、一株当たりですね。そして、優先株式の方が二百円、一株当たり二百円ということになります。
○浅尾慶一郎君 それでは、今までの議論でも、普通株と優先株との間で様々、何というんですかね、権利義務関係が錯綜していると。今回は普通株も政府として入れるわけでありますけれども、今までの金融庁が入れてきたものは優先株で入れてきたと。 本来、こうした問題を事前に規定する株主間協定と、優先株主と普通株主との間で権利義務関係をはっきりさせた方が後々のためになるんではないかということは私は前の柳澤大臣のときにもさんざん申し上げておったんですが、やっていただけなかったと。今度、新規で優先株を入れるわけですから、それについてはせめて普通株主との間で株主間協定を結んだ方がいいと思いますけれども、所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 株主間協定、シェアホルダーズアグリーメントのことは、御指摘をいただきまして少し勉強はさせていただきました。我々の理解では、一般的には、これは非上場のベンチャー企業等ですね、取締役選任等に関して当事者間で合意を行って議決権を行使する旨を定めたり、つまり議決権の拘束の話であるとか、当事者の承認なしに株式を譲渡しない、つまり同意条項と、そういうようなものを定めるものであるというふうに承知をしております。 ただ、今委員御指摘のような問題に関しては、通常、減資を内容とする議決権行使契約は締結されていない。これはアメリカの例等々でもそういうのは慣行上ないんだそうであります。さらには、実はこれ、現実問題として、りそなホールディングス、これ上場企業でありますから普通株主が多数に上ります。個々の株主と、これは正にアグリーメントですから個々の株主と結ばなきゃいけないということを考えますと、これはやはり事実上、実現不可能ではないのかと思います。 浅尾議員の御指摘は、考え方として理解できるところあるんですが、やはり今の法律の枠組みとか現実可能性とかを考えますとなかなか難しいのではないかなと思います。
○浅尾慶一郎君 例えばりそなの場合でいえば、やり方は幾らでもありまして、りそなホールディングスの下に幾つか金融機関がぶら下がっておりまして、そこの優先株を取得し、りそなホールディングスという単体の株主との間で株主間協定、つまりは、例えば埼玉りそな銀行とか、りそな銀行とか、りそな信託銀行の優先株を取得し、りそなホールディングスとの間で株主間協定を結ぶという形を組めば、これは、一兆九千六百億円というのは国民の結果としてお金になるわけでありますから、公的資金ということは国民の財産を投入するということですから、それぐらいの公的資金保全のための慎重さ、考えがあってもいいんではないかと思いますが、そういう考えについてはどのように思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 技術的な問題でありますのでにわかに一〇〇%のお答えしかねますが、今の話をちょっとお伺いしましても、例えば会社で、そのホールディングでぶら下がっている会社、法人組織でそういうことを、そうすると株主の数は少ないんじゃないかと。しかし、考えてみますと、その法人にはまた株主がいるわけで、この法人が、法人にはまた株主がいるわけですよね。
○浅尾慶一郎君 りそなホールディングス。
○国務大臣(竹中平蔵君) じゃ、ホールディングスという、ホールディングスの場合はそういう形も行えるかもしれませんが、これはしかしいかがでしょうか。 その他の株主のことを考えますと、その存在を考えますと、今おっしゃったような形だけで集約するということは、これは、現実に多くの株主が存在している中ではこれは難しいのではないかというふうに思います。全員と結ばないと、これはアグリーメントには私はならないと思いますので、おっしゃったようなことを踏まえましても、やはり現実には難しいのではないでしょうか。
○浅尾慶一郎君 これは、なぜそういうことを申し上げておるかといいますと、前回も、前回というのは、柳澤大臣のときも優先株として八千億円、劣後ローンを入れると一兆二千億円ですか、九千億円近く入れられて多分劣後ローンが三千億円ぐらいなんだと思いますが、入れられておると。 しかし、これから質問に入らせていただきますけれども、なかなか回収が難しいと、だとすれば、せめて国民の財産を守るための精一杯の手だてをするべきではないかという観点から伺わせていただいた質問であります。 そこで……
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっとよろしいでしょうか。
○浅尾慶一郎君 じゃ、どうぞ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 浅尾委員の御懸念とか御心配というのは大変重要だと思います。 我々としては、非常に専門的な観点から御検討をいただいておりますが、我々としては、やっぱりこれは経営者だ、ガバナンスだということで、御承知のように、これは委員会等設置会社にしたと。日本で三十六社、この四月から委員会等設置会社になりますが、銀行としてはこのりそなだけであります、今の時点では。そういうことも踏まえて、やはりガバナンスだと、正に反省すべきところは反省するというふうに申し上げましたが、この点でしっかりとした経営の基盤を築いてもらって収益力を高める、やはりそこに我々としては重点を置いているつもりでございます。
○浅尾慶一郎君 ガバナンスだとおっしゃったのであえて伺いますが、今までの経営者がそうすると問題であったというふうに、竹中大臣の御答弁ですと、そういうことになります。 そうだとすると、今までの経営者というのは、少なくとも政府が優先株を取得してからは経営健全化計画ということで、あるいは優先株主として、別に監督上ということではなくて優先株主としての指摘はできたわけでありますが、それは、経営者が問題であると認識をしておられながら何ゆえそういう指摘はしてこなかったんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 様々な形で、これは業務改善の命令とかで経営体制の強化、いろんなことはこれまでも指導はしてきております。私は経営者が問題だということだけを申し上げるつもりはありません。 現実に、経営者には責任を取っていただいて、ほとんどの取締役は今度御退任をいただいているわけでありますし、しかも退職金はお払いをしておりません。むしろこれは、経営者ももちろん重要でありますが、経営体制、ガバナンスのそのシステムの問題だという認識でございます。
○浅尾慶一郎君 そこで、先ほど来申し上げております、この三兆円を超える公的資金が投入されておるわけでありますが、これを回収する方法としては、単純に言えば市場で売却するか自己資金による買入れ消却しかないと思いますが、ほかに何か考えておられますでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 公的資金を回収する方法については、御指摘のとおり、市場への売却と、それから自己資金による買入れ消却、また、その他の方法としては、過去において相対の売却により回収した事例がございまして、これは、三菱信託銀行が十三年の一月に優先株式二千億円を三菱グループに転売したと、こうした事例がございます。
○浅尾慶一郎君 そこで、自己資金による買入れ消却の場合、その基本的な原資は税引き後利益というふうに考えますが、そういう理解でよろしいですか。
○副大臣(伊藤達也君) 今、委員御指摘のとおり、税引き後利益となると考えております。
○浅尾慶一郎君 それでは、りそなの過去五年の年平均の利益というのは幾らでしょうか。税引き後利益は幾らですか。
○副大臣(伊藤達也君) りそな銀行の十五年三月期及び十四年三月期以前の旧大和銀行及びあさひ銀行の過去五年間の税引き後当期利益、これ単体でございますけれども、これを基に五年間の平均を試算をいたしますと、三千八百二十億円のこれはマイナス、赤字になります。
○浅尾慶一郎君 確認いたしますが、五年間でマイナス、毎年三千八百二十億円の赤字ですか。
○副大臣(伊藤達也君) 五年間の平均でございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、三兆円、これ五年という長いスパンで見ましたけれども、三兆円回収できませんね。どうされるんですか。
○副大臣(伊藤達也君) これは、過去五年間のものが将来もそのままになるということではございませんので、今般りそなにおいて策定された経営健全化計画においては、今後の収益計画に基づき今後十五年程度で公的資本増強額に見合う余剰金を確保できると見込んでいると承知をいたしております。
○浅尾慶一郎君 過去五年間は間違いであったから今後十五年間は年間二千億円ぐらい税引き後利益が出るんだという御答弁なんだと思いますが、少なくとも過去五年間のうちの二年ぐらいは、経営健全化計画に基づいて、先ほど来申し上げております一兆二千億円のお金は入っていたわけでありまして、その経営健全化計画は政府が承認をしたわけであります。 そうすると、二年間については何か承認までしているわけですよね。今後十五年については、いや全然変わるんだと。その変わるという根拠はどこにあるんでしょうか。根拠があるとすれば、今までの二年間、経営健全化計画を認めてきたということに大きな誤りがあったんじゃないかと思いますが、併せて伺います。
○副大臣(伊藤達也君) 過去五年間の場合には、これは資産査定を厳格をして、それに基づいて不良債権を積極的に処理をしていく、また有価証券の含み損についてもこれは積極的に処理をしていくということ、そしてそれがためにこうした状況になっている面もあるわけであります。 今回は、経営陣が新しく替わり、そしてガバナンスを強化をして、そして経営力を向上させていくという中で、今回の資本増強を活用して一日も早く再生をしていただきたいと、私どもとしてもそうした計画を厳正にフォローアップすることによってりそなの再生を実現をしていきたいというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 ちょっと御答弁具体的にいただきたいんですが、過去五年間、繰延税金資産も今まで五年間という、だから五年というのは結構長い期間だと思います、経営の流れにおいては。においては、平均で、平均でマイナス三千八百二十億円という会社、ゴーイングコンサーン、ですから、そんなに営業形態が変わるわけじゃない、経営者は替わるかもしれませんが、そんなに変わるわけではないと。それが年平均二千億円のプラスにずっと十五年平均でいきますという根拠、どういう観点からそういうふうに考えられるんでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) これは、先ほどもお話をさせていただいたように、新しい経営陣の下で経営力を強化をして、そして、今回提出をされ策定をされた経営健全化計画において、今後の収益計画に基づいて今後十五年程度で公的資本増強額に見合う余剰金を確保していく、そのことによってこの三兆円というものを償却をしていくということでございます。
○浅尾慶一郎君 経営健全化計画、二年前にも優先株取得するときに出していただきました。今度の経営健全化計画と、二年前にりそなあるいは大和、あさひが出したのとどう違うんですか。
○副大臣(伊藤達也君) 今回の計画に当たっては、これはもう徹底したリストラが行われているところでございまして、社員の給与もこれは三割カットということでございますし、また経営者の責任ということで、先ほど大臣がお話しになられたように代表取締役全員退任と。そして、ほとんどの取締役の方々が退任をされて、そしてグループの外から新しい経営者の方々がお見えになられているということでございます。 こうした中で、ガバナンスを強化をし、そして企業価値を高めることによって内部留保というものを蓄積をし、その余剰金を確保することによってりそなの健全性というものを確立をし、そしてりそな銀行の収益力の強化というものを図っていくということで、私どもとしてもそうした計画をしっかりフォローアップをしていきたいというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 今回はリストラをし内部強化、内部留保を増やすというふうにおっしゃいました。先ほど質問させていただいたときに、内部留保を増やすということになれば、当然普通株に対する配当というのは普通考えればできませんけれども、当面の間というふうにおっしゃいましたが、そうすると十五年ぐらいはしないという理解でよろしいんでしょうか。それは、十五年という計画を立てられ、十五年で三兆円を回収するんだと。しかしその間も、何というんですか、配当も続けていくとなると、一体どういうキャッシュフローで十五年間を見ているのか、その辺を伺いたいと思いますが、まず第一点の質問は、十五年間配当をしないという理解でよろしいですか。
○副大臣(伊藤達也君) これは、新経営陣の下で配当の問題については今後決定をされていくということになろうかと思います。 ただ、平成十六年の三月期のりそなホールディングスの普通株の配当については見送ることになるということでございます。
○浅尾慶一郎君 非常に、経営健全化計画でやるから、しっかりしているから大丈夫だとおっしゃいますが、何かその数字の裏付けがないような気がいたします。 そこで、委員長にお願いいたしますが、その経営健全化計画に基づいた十五年分のキャッシュフロー、要するにキャッシュフロー分析というのはやっておられると思いますが、それを出していただきたいと思いますが、まず大臣、出せるかどうか伺って、その出せないという場合には……。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は自分のキャリアを銀行から始めまして、銀行でその五年を上回るような長期のものというのは、ある時点からは言わば定性的なといいますか、一定額のあれをやると。したがって、ダイナミックに十五年の各年次のものというのを、各年次のキャッシュフロー等々をお示しするということは、これは難しいようでございます。 ただ、経営健全化計画の中で示されているものについてはある程度、これは十五年でその後はどうなるかということはある程度は見ていただける、条件付でですけれども。そういうようなものについては、これは経営健全化計画の中で示されているものでございますので、お示しすることはできると思います。 ただ、いずれにしても、先ほどの副大臣等の答弁も含めて是非御理解をいただきたいのは、今まで、これは銀行だけではございません、再生計画というものを出してくる企業、これは企業が銀行に出してくる場合も同じでありますけれども、今までとはやはり違う、今まで赤字を出していたところを黒字出すということになるわけでありますから、過去の延長であっては困るわけで、過去の延長からは違うような姿の再生の計画というのが出てくるものだというふうに思います。 我々としては、今回、繰り返し申し上げますが、反省すべき点は反省しなければいけない。やはり、重要なのは二点であろうかと思います。 それは、今回経営陣が、新たな経営陣が着任されてからいろいろと新たなビジネスモデルに基づくそのプランを、まだお出し、修正してお出しいただくことになっております。更に加えて、これは一定の目標を、目標値を定めてその目標を実現していくという目標設定型の経営をしていただくということ。加えて、我々七〇%以上の株式を持つわけでありますから、その点ではガバナンスをしっかりと効かせて、今までとは数段違う体制でその利益を実現させたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 今、大臣大変重要なことを御答弁されたわけでありますが、つまりこれが、今回一兆九千六百億円のお金を政府として投入します、これはまだ破綻していない銀行ですと。で、その銀行が経営を変える、しかし経営を変える方向性、中身については新たな経営陣が来ない限り分からないということでありますよね。それを確認します。
○国務大臣(竹中平蔵君) これも私、以前別の委員会でお話をさせていただいていると思いますが、今の経営健全化計画というのは、新経営陣が着任する前で、現りそなとして行える最大限のものを出してきている。具体的にはコストカット、リストラを中心としたものでございます。 しかし、同時に、新たに経営陣が着任したら、これらを踏まえて更に新たなビジネスモデルを大胆に構築してもらわなければいけない。そのビジネスモデルをどのようにするかということに関しては、新たな経営陣が着任してから、そういう計画を新たに示していただく。これは別の委員会でもお答えしたとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、確認ですが、既に入れたものも含めて、三兆円は新たな計画がない段階でもリストラのみで返せるお金だというふうに判断をして追加の一兆九千六百億円を投入することにしたということですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的にはそのとおりであります。
○浅尾慶一郎君 それであれば、その計画表を是非出していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 計画表とおっしゃいましたが、これは経営健全化計画に、公表された経営健全化計画に示されているとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 確認、それは出していただければいいんですが、その公表された経営健全化計画は、新たな経営陣がいなくても、繰り返しになりますが、年間二千億円の収益が上がると、それはリストラのみで上がるということが書いてあるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経営健全化計画をお目通しいただいていると思いますが、リストラだけではございません。グループ全体としての一種のシナジー効果も併せて収益力も強化するということも入っております。 しかし、それに加えて、新たな経営陣の下では、新たな経営陣がこれにのっとってやっていくということで私はないと思います。これに加えて、新たな経営陣の下で更に大胆にビジネスモデルを構築していただく、そのように理解をしております。
○浅尾慶一郎君 どうもちょっと、非常に丸投げ、新たな経営陣にある種丸投げして期待をしているんじゃないかというふうに思いますが、その観点から幾つか伺ってまいりますが、その新たな経営陣が来られたら、当然資産の再査定をすると。これは金融庁長官も、それは当然のことだというふうに言っておられますが、再査定をした結果、債務者区分が変更になり引当金が増えるというケースも想定できるわけでありますが、まず、そういう理解でよろしいですか。
○副大臣(伊藤達也君) りそなホールディングの細谷新会長が、今後会長として責任を持って経営を行っていくに当たって資産内容をしっかり把握をしたい、そのための作業をしていきたいという御発言をされたことは私どもも承知をいたしております。 これは、金融庁として金融再生プログラムを踏まえて、りそな側に新勘定と再生勘定に管理会計上の分離を求めているところでございまして、当該勘定分離を実施するに当たって必要とされる資産内容の把握を行うものと理解をいたしているところでございます。 ただしその際に、どのような方法により資産内容を把握するかについては、これは経営者の判断でありますので、その作業の結果について予断を持ってお答えすることは適当ではないというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 先ほど、経営健全化計画出されたと、過去の経営健全化計画と今回大分違うと言いますが、過去成した実績と健全化計画とは、当然計画は大幅なプラス、実績は大幅なマイナスということでありますから、今回仮に計画出してまたマイナスになったということであれば、今度は完全に行政の責任になるというふうに理解をいたしますが、そういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経営の健全化というのは、やはり中長期的に見なければいけないと思います。これは、短期的には世界の資産市場の動向、景気の動向等によって影響を受ける、世界の景気が悪くなって赤字が出たらそれは経営者と金融庁の責任なのか、そんな議論ではないと思います。 ただしかし、しっかりとこれは中長期的に経営を健全化してもらって、それで公的な資金についてもやはり返していただけるような状況を作っていく、これはやはり長期的な責任は我々は負っていると思っております。
○浅尾慶一郎君 公的資金を入れるということは、私は一〇〇%そのことに反対しているわけではないです、この間も予算委員会で申し上げました。ただ、前提がありまして、それは、責任を取るべき人がしっかりと責任を取ってからでなければ、これ行政も含めて、国民の理解は得られないということだと思います。 今の大臣の答弁だと、それは、計画はこう書いてあるけれども、世の中の状況は変わってしまうから、そこは短期的には分からないということだと、非常にそれは、じゃ、どこに責任があるんだと。だんだん時間が流れて、たってしまえば、極論すれば大臣だっていなくなってしまうから、次の大臣は、いや、それはよく分からないという答弁になってしまうわけでありますから、そこははっきりと、逆にこれは、経営健全化計画については行政としても責任を持つと言われた方が国民の理解が得られると思いますが、そういうふうに考えられませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 責任を持つということの意味だと思います。 これは、そのとおりの数字にならなくてそれでどうかというような、やはりこれは、経営というのは、企業の経営というのは常にそういうリスクの中で行われているものでありますから、そういう数字で一対一の対応を求めるというものではないと思います。 ただし、そういった方向に向かって中期的に経営を健全化させていくということに関しては、我々は責任を負っていると思っております。
○浅尾慶一郎君 数字一〇〇%合わせろということを申し上げるつもりはありません。 しかし、前回の少なくとも経営健全化計画では、例えばりそなでいいますと三行合わして約一千八百、九百億円ぐらいの黒字のところがマイナスになっているわけですよ。そういう計画、黒字がマイナスになるような大幅な変更というのは、明らかにこれはずさんな計画だったか、それを認可した行政の責任ではないかということを申し上げたいと思います。 時間の関係で次の質問に移りますが、先ほど、自己査定による債務者区分は、それは経営者が考えることだというような話がありました。 仮に、債務者区分が変わって引当金が増えるというようなことがあった場合に、これは先ほど来、資本は一緒だから一兆九千六百億入れてしまえばこっちのものという考え方もあると思いますが、現段階で見れば三千億円しか資本金がないわけでありまして、そして債務者区分の変更というのは、今年の三月期の債務者区分でありますから、そうすると、三月期において仮に債務者区分を変更し引当金が三千億円を超える場合には、事実上、事実上三月期においても債務超過であった、これは優先株を入れても債務超過であったという理解でありますが、まず、三千億円を超えるような、引当金が増えるようなことはないというふうに金融担当大臣として考えておられるのかどうか伺いたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) これは、先ほどもお答えをさせていただいたように、りそなの新しい経営陣が資産内容を把握する際にどのような方法を取るかについては、これは経営者の判断の中で決まっていく問題でありますので、その作業結果を今の時点で私どもが予断を持ってお答えをすると、このことは適当ではないというふうに思います。
○浅尾慶一郎君 しかし、そうすると、政府は現段階で債務超過でないと言っているわけであります。しかし、経営者が判断したら債務超過であったということもあり得るわけでありますが、それは経営者が違うんだから我々は関係ありませんという立場、そういう立場に立つという理解でよろしいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、今のお話は余りに仮定の話で、これから経営者が就任をされまして、どの時点で資産の把握をされるかということも分かりません。どの範囲でやられるかということも分かりません。繰り返し言いますけれども、これは、ちょうど日産にゴーンさんが就任されたとき、これは経営を把握するという意味でしっかりと資産の認定をされました。そのようなことを細谷会長も行っていくんだろうというふうに思っております。 ちょっと、委員の御質問はちょっと仮定なものですから、お答えはちょっと差し控えさしていただきます。
○浅尾慶一郎君 どの時点でということではなくて、私は別に新しい経営者が資産の再査定を行うことを否定するものではありません。むしろ、積極的にやった結果、三千億円を超えるような引当金があってもそれは仕方がないと思いますが、しかし一方で、政府はこれは債務超過ではないと現段階では少なくとも言っていると。 ということは、政府の立場からすると、そういうような事態になるということは、資産は、二か月しかたっていないわけですから、この間で変わるということはなかなか考えられないわけでありますから、そういうふうなことは少なくとも想定はしていないわけですね、確認ですけれども。
○委員長(佐藤道夫君) なお、時間でございますので、答弁は簡潔にお願いしましょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々は、確定した決算、公認会計士、監査法人が独立した立場でそれを監査している、その結果としての自己資本比率が出てきている、それに基づいて判断をしているということでございます。
○浅尾慶一郎君 終わります。
○櫻井充君 浅尾委員の質問を聞いていて、若干、ちょっと疑問点がありますので、通告していませんが、続きで質問さしていただきたいことがあります。 先ほど、伊藤副大臣は、不良債権処理をやっていたから年額大体マイナス三千八百億円程度の損失だったというお話でございました。りそな銀行というのは、これは不良債権処理まだ終わっていないんじゃないですか。
○副大臣(伊藤達也君) 先ほど御答弁をさせていただいたように、過去五年間を見た場合に、不良債権問題についてその資産査定というものを厳格をし、それに対してその処理を進めていったと、また、有価証券の含み損についても処理をしていったと、そのことによって当期利益が赤字になるという事態になったということでございます。
○櫻井充君 じゃ、もう不良債権の処理は、全部が全部終わっているわけではありませんね、なくなるということはありませんから。そうすると、ここ五年間の処理額とは比べものにならないぐらい少なくなるということですか。
○副大臣(伊藤達也君) 不良債権の問題については、新規発生分もございますので、今ここで不良債権がゼロになるということは申し上げられないというふうに思います。 ただ、りそなも含めて主要行全体として、この十五年三月期については私どもとしても金融再生プログラムを提示をさせていただき、その金融再生プログラムに基づいて十五年三月期の決算を行うということで対応が進んできているわけでございますので、私どもとしましてはこの二年間で不良債権問題を解決をしていく、りそな銀行についても同じようにこの不良債権が銀行経営にとっての大きなリスク要因でありますから、その要因を軽減をしていくためにも不良債権問題に対して積極的に対応していただきたいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 そうじゃないんですよ。積極的に対応するしないの問題じゃなくて、赤字になっていたのは不良債権処理をしたからだと答弁されているわけじゃないですか。これから、私はこの再建計画も読ましていただきましたよ、毎年何千億かのこれ黒字になると。その黒字に変換する理由の一つが、今までは不良債権処理をやっていたからこれだけ多額のマイナスになったんだというお話だったわけですよ。 じゃ、本当に不良債権の処理がもうここの時点で終わっていて、本当にりそな銀行が、これから政府が見る限りにおいて、またじゃんじゃかじゃんじゃかやらなきゃいけないようなぐらいじゃなくて、もうかなりきれいになって、健全行になっているのかどうかというところが問題なわけですよ。でも、そうすると、そこの時点で言う不良債権比率を見てみると、決して少なくないわけですね。 そうなってくるとですよ、大臣、ここは大事なことですけれども、伊藤副大臣の答弁、全然違うと思うんですよ。つまり、今までは不良債権の処理をやってきたから利益が上がらなかった。利益の分をそちらに回さなきゃいけなかった。今も同じようにまだ不良債権が残っている、比率として残っている。政府の方針として不良債権処理をしなければいけないということになれば、残念ながらここに書いてあるような利益は上げられないんじゃないですかと私はお伺いしているんです。大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権の処理という場合に、少し、二つの違った意味ですれ違いがあるようにお聞きをいたしました。不良債権の処理と確かに我々も言うとき、二つのことを言うわけですね。まず、しっかりと引き当てろということを言うわけです。引き当てた段階で、これは損失が出ます。その損が利益をむしばむ。もう一つ、しかし、不良債権の処理本来の意味というのはこれをオフバランス化することでありますから、これは残高が減るということを意味している。 副大臣がおっしゃった過去五年間で不良債権を処理をしてきたというのは、私はむしろ、例えば五年間ですからね、先ほども申し上げたように、五年前は不良債権を公表するということが法律でまだ義務付けられていなかったわけですね、法律では。さらに、その後、我々は特別検査を行ってこれを吐き出した。どんどんどんどん不良債権が、今まで隠されていたものがどんどんどんどん吐き出される中で、これは要するに不良債権の引き当てを行ってきたわけです。この間に、やはり通常ではないような大きな損失を出したという事実は、これはあったと思います。今検査の結果等々、検査はかなり充実しましたし、ディスカウント・キャッシュ・フローも適用された。そうした中で新たに発見される分というのは、私はもうかなり少なくなっていると思います。もちろん、景気が低迷する中で新規に発生する分はあります。その意味では不良債権の処理というのは続くわけでありますが、過去五年のような形で、今まで隠されていたものが一気に特別検査や新たな法律等々によって出てくるという状況ではなくなった、これはもう自信を持って私は申し上げてよいと思います。 副大臣がおっしゃったのは正にそういうことであって、将来を見るときはその点を考えて御評価をいただきたいということでございます。
○櫻井充君 これは、来年どういう数字が出てくるかでどちらの議論が正しかったのかという判断になるんだろうと思います。 じゃ、もう一点、五年間で約二兆円の損を出しているという、こういう銀行が健全行だったんですか、五年前。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今から振り返れば、先ほど申し上げましたように、ディスカウント・キャッシュ・フローも適用されていないし、特別検査も行っていない段階で、また自己査定も今から見ると甘かった段階で、隠されていた分というのは確かにあったんだと思います。 しかし、当時の基準でいえば、その自己資本比率で計る限り、自己資本比率は決して低い状況ではなかったということになります。十一年三月期は、大和銀行、あさひ銀行、一一%台、一二%台の自己資本比率になっておりました。当時の基準に照らしては、そのような認識が持たれていたということだと思います。
○櫻井充君 当時の認識はそうだとします。 じゃ、振り返ってみたときに、これだけ処理をしなきゃいけない、先ほど大臣おっしゃいました、見付かってこなかったものがどんどん見付かってきたんだということになってくると、実は五年前のあの状況は、健全行ではなかったんじゃないんですか。そう判断される、されますか。それとも、私がお伺いしているのは、あのときの判断を聞いているわけではございません。今振り返ってみたときに、本当に健全行と言えたのかどうか、この点です。
○国務大臣(竹中平蔵君) あのときの資産を今の基準で計るというのは、これは現実には不可能でございます。しかし、当時言われていたほど自己資本比率は現実には今の基準を当てはめればやはり高くなかったんだろうなと、そのことはやはり、そのぐらいのことは申し上げられるというふうに思います。 ただ、いずれにしましても、これはその時々でやはり英知を結集していろんなシステムを作ってきた。その時点では、今申し上げたような自己資本の比率になっていたということでございます。
○櫻井充君 それじゃ、ちょっと話変わりますが、基本的なことをお伺いしたいんですが、金融庁というのの役割って何ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっとその設置基準の言葉が頭に浮かびませんが、常識的に申し上げれば、金融システムの健全化を維持しながら、金融、日本の金融全体の発展を図る。その中で、個別銀行の、個別の銀行についても経営の安定化とその発展を図る、そのような政策的枠組みを提供していくことが我々の役割だと思います。
○櫻井充君 その中で、そういうことを実現していくために大事な点は、大臣、何だと思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 重要な点はたくさんあろうかと思います。しかし、やはり何よりも金融という非常に特殊な難しい問題に対して専門的な知見を養っていくこと、それを情報をしっかりと国民に開示しながら、問題意識を共有して、制度をしっかりと作っていくこと。それと、正に法令遵守の精神にのっとってしっかりとその執行を行っていくこと、そういうことであろうかと思います。
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思います。 要するに、知見を、今まさしくおっしゃったとおりでして、そうすると、こういった五年間の経過の中でどういう経験をしてくるか、そのことを踏まえて次の金融行政に生かしていくというのが、これは当然のことなんだと思うんですよ。 そうなってくると、そういうことを考えているからこそもう一度お伺いしたいんですが、このように毎年四千億近くも不良債権の処理をしたこともあって、マイナスを計上し続けているような銀行が果たして健全行と言えたのかどうか、その点についてです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 健全行と言えたかということに関して言うならば、その時々で健全性の基準の一つの指標としては自己資本の比率で計るということだと思います。繰り返しますが、その何年か前の資産を今の基準で査定するというのは、これは現実にはできないことであります。しかし、当時の、繰り返しますが、当時の基準に関して言うならば、それなりのやはり基準に基づいて判断がなされていたんだと思います。 しかし、御指摘のように、繰り返し繰り返し後からいろいろ隠されていた不良債権が出てくるという意味では、そうした意味でのガバナンスというものに関してはやはり決して健全なガバナンス、有効なガバナンスが働いていたとは言えなかったのだと思います。 今回、そうした観点から、経営者にも責任をお取りいただいたし、そういう反省を踏まえて、問題を繰り返さない、繰り返さないようなしっかりとしたガバナンスの体制をしいたつもりでございます。
○櫻井充君 生命保険会社で千代田が破綻、千代田だったと思いますけれども、ソルベンシーマージン比率があのとき二六〇ぐらいだったでしょうか。たしか二〇〇を超えていました。しかし、新しい基準になったところ二〇〇を切りました。まあソルベンシーマージン比率が絶対ではないとはいいながら、果たしてその基準が正しい、本当に適切な基準なのかどうかということを検証して、それで変えていっているわけですよね。 ですから、今強弁されておられますが、そういうことではないんだと思うんですよ。あの当時、健全行だからといって資本を注入しました。税金、最終的に損はこれ全部税金で面倒見なきゃいけなくなるわけですから、本当に健全行だったのかどうかというのは後で振り返ってみる必要があるんだと思うんですよ。そういうことをきちんとやってこないから、いつまでたったって同じことを繰り返すんじゃないだろうか。 今回のりそなの問題でも、再建計画を見せていただきましたが、従来のものと全く変わっていないように私は思えます。これからは、あとはここから議論の後ですから、来年、再来年になったときに、大臣がおっしゃるとおり私の考え方が間違っていたのか、それとも大臣としてこのようになっていきますよという監督側の見方が甘かったのかという、ここからこれは議論になるんだと思うんですよ。 しかし、少なくとも五年間経過してきた中で、五年間経過してきた中でこれだけの損益を出すところがとても健全行ではなかったんじゃないだろうか。もう一つ、再注入しなきゃいけないということなんです。しかも約二兆円ですよ。前回の倍も再注入しなきゃいけないような銀行が本当に健全行と呼べたのかどうかなんです。 改めていかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど浅尾委員にもお答えしましたように、当時としては健全行として判断をして資本注入を行ったところが、何年か経過して再び今度は健全基準を下回っているということで資本注入を必要としたということに関しては、これは反省すべき点はやはりたくさんあるというふうに思っております。 それについて、もう繰り返しはいたしませんですけれども、やはり我々の金融再生プログラムというのは、そうした点も踏まえて、今ある問題を素直に見詰めて、正面から受け止めて、やるべきことを列挙した、それが資産査定の厳格化であり、資本の充実であり、コーポレートガバナンスの強化であると。私たちの責任というのは、今のある現実を受け止めて、やはりそれに対して正に同じことを繰り返さないようにしっかりとした政策的枠組みを提供していくことであるというふうに思っております。その点に対してはしっかりと責任を果たしたいという思いでおります。
○櫻井充君 ちょっと認識が違うので、これ以上の議論をしても仕方がないのかと思います。 もう一点基本的なことをお伺いしたいんですが、金融危機という、これの定義は一体どういうものなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 預金保険法百二条の第一項に規定されておりますように、我が国又は当該金融機関が業務を行っている地域、国全体か地域かという問題はありますが、そこの信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じているような状況、これが預金保険法で想定されている金融危機であるというふうに思います。
○櫻井充君 そうしますと、今回は金融危機だったんですか。 要するに、これが金融危機だということになってくると、今回、金融危機に対応するための措置の必要性の認定とありますが、結果的にはやはり金融危機だったということなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、我々は金融、先ほど申し上げました信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあるというふうに判断したわけであります。 信用秩序に重大な支障が生じているというのは、例えば想定されますのは、銀行が預金の払戻しをできない、そこで長蛇の列ができている、ないしは銀行が流動性を手当てできない、インターバンクの市場でお金が取れない、そういうような場合は非常に明白に信用秩序の維持に重大な支障が生じている場合でありますが、りそなの場合そういうことがあったわけでは全くございません。しかし、資産規模四十四億円の銀行を自己資本比率二%のままで、四十四兆円の銀行を自己資本比率二%台のままで市場の中に置いておけば、今申し上げたような信用秩序の維持に極めて重要な、重大な支障が生ずるおそれがあるというふうに判断したわけであります。
○櫻井充君 そうしますと、この銀行はこのままいけば、今もう二%ですから、現時点で適切な、適正な業務が行われないと、そのように判断されたわけですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今申し上げましたように、その信用秩序に重大な支障が生じるおそれがあると、このままいけば、そのように判断したわけです。
○櫻井充君 現時点では、現時点では適切な営業は行われているわけですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現時点においては資本の注入も決まっておりますし、それを反映してと、さらには新たな経営陣に対する期待も反映して、株価もその一か月前に比べればかなり上昇をしている。それが適正かどうかということになると、まだまだ努力をしていただかなければいけないところはあるんだと思いますが、その危機が生じるような、そういう状況ではないと思っております。
○櫻井充君 今の御答弁、もう一度ちょっと確認いたしますが、逆に言えば、そうすると、今資本を注入したりとかしなければ、残念ながら適正な業務は運営できないというふうにお考えだったわけですよね。
○国務大臣(竹中平蔵君) その適正な業務というのが何を意味しておられるかですが、法律の言葉で申し上げると、信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じていたおそれがあったというふうに思っております。
○櫻井充君 くどいんですが、現時点でそう判断されたわけですね。現時点での、現時点でのおそれがあったというのは、将来に向けてですか、それとも今できなくなるからということですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 例えば、こういう重大な支障というのは、何かのうわさとかである日突然わっと列ができたり、急にインターバンク市場が萎縮してお金が取れなくなったりと、今までの金融機関の動きを見てもやはりそういう変化というのは非連続に突然にやってくるわけでありますので、どの時点でということを正確に予測していたわけでありませんが、そのような重大な支障が生ずるおそれがあるというふうに金融危機対応会議の時点で我々は判断をしたわけです。
○櫻井充君 そうすると、今回、おそれがあるということになるわけですが、例えば、メガバンクが同じように、例えば一つ経営状況が悪くなってくるようなことがあれば、これも今回と同じような形で金融危機が起こる、金融危機になるおそれがあるということで公的資金を注入するようなことはあり得るわけですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 仮定の質問ですので、例えばということでお答えするのは必ずしも適当ではないと思いますが、これは預金保険法百二条に想定されているような形で過少資本になるような場合、これは我々はやはり戸惑うことなく自己資本、資本の増強を行わなければいけないと思っております。 しかし、預金保険法第一項の、第二号、三項というのもございます。債務超過になっている場合、経営破綻の場合、それはそれに合わせた、法律に規定されたような政策的な措置をこれまた果敢に取らなければいけないというふうに思っております。
○櫻井充君 そうしますと、現時点ではメガバンクの収益状況等は悪くないと。ですから、こういう仮定には答えるというか、適切ではないという判断ですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 預金保険法百二条の第一項に書かれておりますのは、過少資本、金融危機の、過少資本じゃないですね、金融危機のおそれがある場合、金融危機が生じた場合ないしはおそれがある場合でございますけれども、第二項、第二号、第三項でそれぞれ債務超過ないしは債務超過であり経営破綻をしているという場合であります。 今のメガの状況というのは、もちろん自己資本比率、これ国際業務を行うには八%でありますが、八%をもちろん下回っているわけではありません。したがって、債務超過ではないし、経営破綻、つまり預金の払戻しができない状況などでは全くありません。その意味では、今の状況で、今の時点でメガに関して百二条を適用するような状況には全くないと思っております。
○櫻井充君 しかし、繰延税金資産を五年認めているわけですよね。これを、りそなと同じようにもし三年だったら一体どうでしょうか。自己資本を八%を切るメガバンクも出てくるんじゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) こういう議論がいろんな場所でなされていることは承知をしておりますが、私はやはりこういう議論は大変慎重でなければいけないと思います。 もしも資産がそこになかりせばどうなるのかと。しかし、資産はそこにあるわけです。資産がある状況で、公認会計士がそれを認めていて、これは資産性があるというふうに資産性を認定している状況でバランスシートが作られている。それを、もしも資産性がなかりせば、この資産がなかりせばこうなるというような議論は、これが独り歩きをするとやはり非常にその事態を混乱させるのではないかということを懸念をしております。 繰延税金資産が高く計上されていて、マーケットからその資産性について様々な声があるということは今日の午後もいろいろ議論はされております。これについて金融審でも我々は問題意識を持って議論をしているわけでありますが、今の時点でこれがなかりせばというふうには考えておりません。
○櫻井充君 それじゃ、昨年の十月の二十二日、堀内光雄衆議院議員と自民党五役の方々と竹中大臣とで金融問題について協議が行われていますね。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと急に御指摘を受けましたので十月二十二日というのは記憶をしておりませんが、十月三十日に金融再生プログラムを発表しておりますので、その約一週間ぐらい前、これは素案に基づいて与党の幹部の方々といろいろ議論をしていたころかなというふうに思います。
○櫻井充君 今回のこの文芸春秋の中で、堀内衆議院議員と竹中大臣とのやり取りの中で、大企業の収益がそんなに悪いことはないでしょうと堀内衆議院議員がおっしゃったと。その中で、竹中大臣が「いや、大変悪いんです。」と。堀内衆議院議員が「一、二の銀行にはあるかもしれないが……。」と。竹中大臣は「いや、一、二の銀行をのぞいて皆悪いんです。」と。このように書かれております。 これは事実なんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) それは何に書かれておりますのでしょうか。そういう詳細な議論は私は特に記憶はしておりません。
○櫻井充君 私は堀内衆議院議員に確認しております。つまり、どちらか正しいことを僕はおっしゃっていると思っております。堀内さんに確認したところ、このようにおっしゃる。まあ、このようにというか、この事務所に確認して、これを今日委員会で使ってもいいですかということもきちんと確認した上で質問をさせていただいています。 つまり大事なことは、大事なことは、また、要するに平成十一年に柳澤さんが公的資金を注入した際に金融危機は一応は収まっているんだというお話でした。本当に今そういう状況なのかどうかということは、これは極めて大事なことなんですよ。ですから、何回もしつこくこうやってお伺いをさせていただいているのはそのためなんです。実際のところ、一体どうなっているんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはもう何度も申し上げておりますが、今の時点で預金の払戻しが行われているわけでもなければ、インターバンクでの市場が、市場調達が困難になっているわけでもありません。したがって、金融が危機であるとは思っておりません。しかし、これも何度も櫻井委員にも申し上げましたが、私は日本の銀行が健全な体であるというふうには思っておりません。直すべき問題点があるというふうに思っているわけです。 したがって、金融再生プログラムにのっとって資産を査定を厳しく行って、自己資本を充実を行ってコーポレートガバナンスの強化を行う、そのための法律、行政上の手続を今着々と進めているところであります。必要があればそのガバナンスを強化するために三割ルールをしっかりと適用して、三割ルールというのは御承知のように、目標値から三割以上ずれた場合はその報告を徴求してしっかりと指導をして、必要ならば処分をしていくという意味でありますが、さらにその延長として、優先株を普通株に転換して、その転換するためのガイドラインも作りました。 そういう行政の枠組みにのっとって、今問題点を抱えている銀行業界をしっかりと健康体に戻すために我々も努力したいと思いますし、銀行にも是非とも頑張っていただきたいと思って、今その途上にあるわけです。
○櫻井充君 この論文の件については、また後日ちょっと聞かせて、質問させていただきたいと思いますが。 私は、大臣が厳しくすればするほど日本の経済悪くなっていくと思っているんです、大変申し訳ないけれども。つまり、査定を厳しくしますとおっしゃっていますが、大臣がおっしゃっている査定のやり方は現実に合っていないと思っているんです。これは大企業と中小企業は全く別物です。その別物の、別物の大企業と中小企業に対して同じようなルールを持ってこようとするところに、毎回申し上げていますが、根本的な問題があると思っています。ここはもう大臣と私の見解の相違です。 それでは、まず中小企業に関してちょっとお伺いしたいと思いますが、アメリカと日本と中小企業の自己資本とどの程度違うんでしょうか。平沼大臣にお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 相対的に言って、自己資本の比率というのは、私どもは細かいデータは今ちょっと持っておりませんけれども、日本の中小企業の自己資本比率はアメリカに比べて低いと、こういうふうに認識しております。
○櫻井充君 私がある方に聞いたところでは、大体日本の中小企業の自己資本が一八%、アメリカが四四%ぐらいとお伺いしました。ちょっとこれは聞いたところなので、正確な数字が分からなかったんで教えていただきたかったんですが。 しかし、これだけ自己資本が低いということは、景気や何かの影響を受けて債務超過になりやすくなるんだろうと思っているんです。その債務超過になりやすくなっているところを、債務超過だからといってこれを要管理先なり破綻懸念先などに査定するから不良債権になってしまう。そして、そのために融資が受けられなくなってつぶれていっている企業が山のように出てきているわけですよ。ですから、私は、大臣がいつもおっしゃっているようなやり方をすればするほど日本の景気は悪くなっていくと、そう思っていますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この点はもう櫻井議員と何回か議論をさせていただきましたが、是非とももう一度御理解を賜りたいのは、大企業と中小企業に対して同じ基準を求めているということではこれは全くございません。 例えば、先ほどからディスカウント・キャッシュ・フローによる資産の査定というものを求めておりますけれども、これは要管理の大口ですから、これは中小企業に対してはそういうものを求めていないわけですね。これは櫻井委員にも非常にいろいろ御意見を、貴重な御意見を賜りましたけれども、中小の金融機関に関しては、リレーションシップバンキングということで別に不良債権処理の目標値を求めているわけでもないですし、地域と一体となって情報公開をしながらしっかりとその改善をしていっていただきたい、地域を再生する中で銀行自身も再生してほしいという、先ほど一部にこれは一国二制度ではないのかという御指摘もありましたけれども、これはやはり違う基準でやっていると、これはもう実は櫻井委員はよく御存じのはずでございます。 あと、今御指摘のありました一時的に債務超過になった場合云々、その場合に資産区分をどうこうということでございますけれども、これも現実にはそういうことにはなっていないわけです。マニュアル等々においてもこれは実態で判断するということでありますし、そのような形式的な形での検査が行われているわけではありません。我々としてはこのことをしっかりと周知徹底させるべく、これは金融機関だけではなくて企業の方々にも周知徹底させるべく今努力をしているところであります。
○櫻井充君 これは残念ながら資料がないんですよ。資料がないから実態がどういうふうになっているのかというのを説明できなくて極めて残念なことなんですけれども。 例えば、日本のように製造業の強い国が設備投資をしたとします、土地を買ったとします、工場を建てるためにですね。その土地が、その土地が値下がりしたとします。そうなると、今時価会計でやられればこれは債務超過になり得ることというのは随分あるわけですよね。そういう国と、アメリカのようにサービス業でやっている国とやはり根本的に違うんだと思うんですよ。ですから、アメリカと同じようなルールを用いて果たしてアメリカと同じだからいいんだという議論には僕はならないんだと思うんですよね。日本は日本のルールを使っていかないとどんどん企業はつぶれていくと思います。 中国の方がこう言っておられました。中国がアメリカと同じルールを用いたらほとんどの企業が不良債権になるでしょうと。しかし、中国には中国のルールがあるからそれで我々は運営しているんですと。 つまり、今の実態の中で経済をどう考えていくかということが極めて大事なことでして、大臣がやっていらっしゃることは要するに、済みません、いつも医者の話で申し訳ないんですが、検査をきちんとやって、検査データだけが良くなればいいということであって、患者さん全体を見て、その方のときに、この数字は若干問題はあるけれども命に別状なければこのまま見ていてもいいですねという、そういうルールだと思うんですよ。そこのところを見ないで、厳格にさえやればいい、この数字が、この目標さえ達成できればいいというやり方は私は違うと思いますし、毎回申し上げているとおり、日本には日本の企業のやり方というのがあって、今までこんな自己資本規制なんかなくたって銀行はちゃんときちんと融資ができていくわけですし、企業は元気だったわけですよ。 私は、ルールが基本的にはおかしいんじゃないだろうかと。そのルールを変えるには、お金も何も必要ないわけですから、そこら辺を変えていったら、私はですよ、私は経済随分よくなると思うんですが、大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えの前に、是非これは御理解賜りたいんですが、時価会計を適用して、時価主義の会計を適用しているから大変だというお話がありますが、御承知のように、中小企業にはこういった時価評価は適用されておりません。もちろん減損はあります。これは昭和三十何年からずっとあるわけで、これはむしろ日本の特有の制度です。しかし、時価評価というのは、これは商法で言う大企業と、それとこれは資本金五億円以上又は負債が二百億円以上の大企業か、それか有価証券報告書を発行する、上場して証取法に基づくものですね。中小企業はこれはありませんので、ここは是非とも御理解を賜りたいというふうに思うんですが、決して我々は、特定の数字に着目して、それで何か報告にだけ基づいて形式的にやっているわけではありません。これはもう繰り返しになりますが、櫻井委員にもいろいろ御意見を賜って、リレーションシップバンキングという別の分野を更に明確に打ち立てようというのは正にその思いの表れであります。 ただ一点、高度成長期はこれでうまくやっていたのに、そのルールをというのは、私はむしろ逆だと思います。中国の場合、かつての日本の高度成長の場合、期待成長率が圧倒的に高くて、つまり周りが五%、一〇%成長していける中では不良な部分を持っていてもそれは自然に蒸発していってくれたんです。だから、日本はやってこれた、中国、今ではやっていけている。 しかし、どうなんでしょうか、むしろ日本は、そういうやり方を残したままで九〇年代以降低成長の時代に、成熟した成長に入ってきた。その成熟した成長の社会であるにもかかわらず、かつてのような期待成長率が高いことを前提にして、まあ少々悪くてもこのままほっておいたら何とかなるだろうというようなシステムを持ってきたのではないのでしょうか。むしろ、そこは日本は成熟した社会だと、ここはもちろんアメリカと同じ、ヨーロッパと同じにする必要は全くありませんですけれども、それにふさわしい形でしっかりと今ある問題は今直していかないと、後々により大変なことになってくると。これがむしろ失われた十年の我々の反省点なのではないでしょうか。 繰り返し言いますが、海外と、アメリカと同じにするようなことは全く必要ないと思いますし、現実には私はそうはなっていないと思います。ただ、やはり今の問題はしっかりと把握していかなければいけない、この姿勢は重要だと思います。
○櫻井充君 しかし、現場で声を聞いていると全然違うんですよ、やっぱりここでいつも議論していることと。現場の中小企業の方々や銀行の方々と話をしていると、今みたいな訴えが圧倒的に多いわけです。 それじゃ、大臣、若干視点を変えて、前もお尋ねしましたけれども、なぜそうすると国債なら国債の保有が高くなっていくんですか。それからもう一つは、中小企業になかなか貸し出す貸出先がないと大臣はおっしゃいますが、特別信用保証制度があったときに、あれだけ貸し出して、我々は相当デフォルトが起こると思って、こういう制度はいかがなものかと思いました。しかし、あの制度があっても今のところデフォルトはまだ六%まで行っていないじゃないでしょうか。つまり、極端な言い方すると、めくらで貸しても、めくらで貸しても、そうそうデフォルト起こすわけじゃありません。となってくると、本当であれば中小企業にもっともっとお金を貸せるはずなのに、あるルールがあるからなかなか貸し出せないんじゃないだろうかと思っているんですよ、こちら側は。 結局、国債を買わざるを得ないのは何かというと、いつも言っている話ですけれども、リスクアセットの部分で、国債はリスクウエートがゼロですし、プロパーで中小企業に貸し出せばこれは一〇〇%ですから、そういうことから考えれば、自己資本比率を維持するために結果的には国債を保有していく方向に行くというのは、これは当然のことなんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、櫻井委員が御指摘になったような一種の萎縮のメカニズムというのは、やはり残念ながら働いているんだと思います。その点を私一〇〇%否定するつもりはございません。国債に、銀行がリスクを取らないで、リスクを取らないで国債に向かうというようなポートフォリオを拡大させているというのは、これはやはり銀行の経営姿勢そのものに間違いなく大きな問題があるというふうに私も思っております。 しかし、じゃ、しからばなぜそういう行動を取るかと。それは、正に銀行が依然として非常に大きなリスクを抱えているからです。既に大きな不良債権というリスクを抱えている中で更なるリスクは取りにくいと。これが今の状況なのではないでしょうか。 であるからこそ、このリスクを、不良債権を早く処理して、早くオフバランス化して前向きの融資ができるようになってほしい。現実問題として、これは銀行の、金融の現場においても、支店長は不良債権の処理に追われていて、不良債権の処理に追われて、なかなか前向きの融資の対応の時間もない。ここは、であるからこそ、やはり不良債権の処理をしっかりと進めて、新たな体制でリスクに前向きに向かえるような、そういう銀行にやはりなっていただかなければいけないんだと思います。 その間は、確かに、したがってセーフティーネットが大変重要であって、これは平沼大臣にも大変御尽力をいただいて、セーフティーネット保証、セーフティーネット融資、これはそれなりに大きな効果を私は発揮しているんだと思います。このつなぎの期間は確かに大変厳しいです。企業にとっても厳しいし、銀行にとっても厳しい。しかしながら、これを後戻りさせたらやはり問題は更に大きくなっていくということなのではないでしょうか。そこはリレーションシップバンキングの分野で更に頑張っていただくとか、そういうことも含めてしっかりと前に進まなければいけないと思っております。
○櫻井充君 そこのところが、大臣がおっしゃるように不良債権を抱えているから融資ができないのか、私が言っているように自己資本規制のために融資ができないのか、ここが一つの争点なんだろうと思うんですよ。でなければ、その自己資本を充実するためにまた公的資金入れるのかという話になります。そういうことを本当にしなきゃいけないのかどうかというところが私は問題だと思っているんです。 もっと言えば、じゃどうするんだということになりますが、例えば、例えば今、政府の信用保証制度があります。おかげさまで、あれである程度は貸されているわけですが、じゃあのときに銀行はどうしているかというと、銀行は今三%なり四%なりの金利取っているわけですよね。しかも、その保証料一・三%上乗せして貸し出しているというような状況になっている。これは、実はリスクはほとんどないわけですから、本当であれば、例えば調達金利に手数料の〇・五%ぐらい上乗せしたもので貸し出すんだったらこれは分かるし、経済産業省の意図としては多分そういうことになっているんだと思うんですよ。ところが、そこのところで銀行は利子を付けて更に上乗せして貸し出していくようなやり方をしているところにまず根本的な問題があると思っている。 そこでどうすればいいかというと、保証料をもう少し高くすればいいと思うんですよ。その代わり、金融機関から貸し出す部分、金融機関から貸し出す部分の金利をむしろ調達金利プラス〇・五%ぐらいに抑えてしまって、そして自己資本比率の中でいったときにはリスクウエートをゼロにしてやったらいいと思っているんですよ。つまり、国債と同じような形のリスクウエートですよと。そういう制度設計をしてやると、私が考えているような理論であったとすると、理論であったとすると、貸出しはどんどんどんどん増えていくんじゃないだろうか。私はそう考えているんですが、両大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今のいろいろ御議論を聞いておりまして、確かに中小企業に対しては、土地の資産価格が目減りをしたからそれによって会計上厳しいということはないと思うんですけれども、銀行の貸出しのときに、土地資産が目減りをしていたら追い担保をよこせとか、そういう非常に厳しい状況になっていることは私は事実あると思っています。 そういう厳しい中で、デフォルトがなかったということをおっしゃいました。私は、非常に日本の中小企業の経営者の方々はこういう厳しい中でもまじめに返済されていると思っております。特別保証制度というのは、もうよく御承知のとおり三十兆の枠で、そしてほとんど無審査、無担保、無保証、それでやらせていただいて、そして百七十二万社利用していただきましたけれども、この厳しい中でももう返済したのは二十兆七千億に上っているわけですね。それから、我々は代位弁済率は一〇%に想定しておりましたけれども、これもおっしゃったように今五・九ということで、本当にぎりぎり頑張っておられます。こういったことは、私は日本というのはまだまだ捨てたものじゃない、皆さん歯を食いしばっても頑張ってくださっている、こう思っています。 そこで、今御指摘の、信用保証の方でひとつこの利率を上げて、そして銀行貸出しというものをほとんどゼロにしてやれば、それが広がるじゃないかと、こういう御指摘です。それはやっぱり一つの私はお考えだと思うんですけれども、この国の信用保証制度というのは幅広く中小企業の皆様方に満遍なく利用していただくという、そういう根本的な一つの考え方があります。そういう中で私は信用保証が付いたということは、御指摘のように非常に信用度があるわけですから、金融機関、最終的には借り手と金融機関の対応状況になるわけですけれども、しかし信用保証が付いたものに関しては、私は、金融機関というのは、やっぱりそれだけ信用が付いているということですから、その辺の配慮は私はして中小企業に対応すべきではないかと。中小企業を預かる立場としてはそういう思いがあります。 ただ、御指摘のことは一つの方法ですけれども、しかし満遍なくやると。信用、保証がないところに高いことを設定すると、そういったところに非常に厳しい状況が出てくるわけでありまして、そういうことも考えますと、私どもとしては、やはり幅広く満遍なくやるという観点からいうと、やはり金融機関の方がその信用度に着目をして対応していただく、このことの方がいいんじゃないかな、こういうふうに思います。
○副大臣(伊藤達也君) 私も今まで中小企業政策をやって、それで金融を今やらさせていただいておりますので、櫻井先生が指摘されるように、いろいろ地元で聞くと、その立場の方によって声が違うと。そこにやはりかなり大きなギャップや誤解があるなということは感じております。 まず、なぜ金融機関が中小企業に積極的にお金を貸せないのかというと、先ほど竹中大臣もお話しになられたように、株価の変動リスクやあるいは不良債権の問題といったやっぱりリスクを抱えていると。これはやっぱり間違いないだろう。このリスク要因をどう軽減させていくのかということは金融機関にとっての大きな課題の一つだというふうに思います。 そしてもう一方で、ある意味では今まで過剰に物的担保でありますとか、あるいは個人保証に依存をしてきたわけであります。そのために審査能力というものがやはりだんだんだんだん低下してきたことは否めない。したがって、やはり経営者の能力でありますとか事業の将来性、そうしたものをしっかり審査をして、そして貸し出していく、そういう能力を高めていくことが重要であります。 先生御質問の信用保証協会保証付きの貸出金については、これは私どもとしても、金融検査マニュアルの中にも、その条件変更を行っても原則としては貸出し条件緩和債権に該当しないんだと、その旨を明確にして金融機関に対しては注意喚起を行っているところでございます。 ただ、BISの基準の問題、お話しになられていましたですけれども、先生もある意味では金融行政について透明かつ公正な行政が必要だということは繰り返し御指摘をされているわけでございまして、私どもとしましては、やっぱり客観的な基準に基づいて、国際的に使われている客観的な基準に基づいて預金者を保護していくということも金融行政にとって大変大きな使命でございますから、預金者を保護し、そして預金者の信認が得られるようなそういう努力を金融機関にしていただくためにも、こうした基準というものを活用しながら、しかし自己資本比率が高い銀行がいい銀行だということではないわけでありまして、今回のリレーションシップバンキングの機能強化に当たっても監督の視点として、その健全性を見るだけではなくて、先生からも重ねて御指摘がございましたように、地域の金融機関にとっては地域の貢献度がしっかりあるのかどうか、また金融機関としての経営能力はどうなのか、その点についても監督上しっかり見て、総合的な監督の体系を作るということを明確にさせていただいておりますので、その中でこうした問題、こうした認識のギャップ、そうした問題を解決をしていきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 融資を増やしていこうとする観点か、銀行の健全性を求めてくる方が強いのかというところの差なんだと思うんですよ。 つまり、今の社会の中において、これだけ経済の状況が悪くなってきて、なおかつ税収だって落ち込んでいるわけです。法人税は、法人税と所得税が中心ですけれども、この二年間で約九兆円減っているわけですから。そうすると、そのために日銀は一生懸命金融緩和政策やって、市場に金が流通、市場にお金が回っていくようにという形で努力するわけですよ。しかし、じゃ今の金融庁のやり方で本当に市場にお金が流れていくかといえば、私はそうじゃないと思っているんです、何回も言いますけれども。 伊藤副大臣、今BIS規制は国際ルールだとおっしゃった。国際ルールは国際的な業務をやるところがやればいいんですよ。そうじゃないところになぜ国内ルールが設けられないんでしょうか。国内ルールを作って、しかも国内のルールでやったって健全性が保たれるようなルールを作ってみたらどうですか。そこから、アメリカからもらってきたルールがあって、それをただ喜んで使う、喜んで、失礼、言葉が悪い、それを、ただそのままを使っていくようなやり方では、残念ながら経済はよくなっていかないんじゃないだろうか。 改めて申し上げたいのは、私は融資を増やしていくためにどういうスキームを作っていったらいいのか、どういうシステムを作っていったらいいかということです。もし今民間の金融機関がお金を貸し出せないんであったとすれば、今言ったように信用保証の枠をもっと拡大するとか公的金融機関から融資を増やすとかいうことをしないと企業はやはりつぶれていきますよ、このまま。本当にこれでいいのかどうかです。 いつもですが、一九三〇年代のアメリカと僕は、私は同じような状況だと思っていて、あのときに民間の金融機関には健全度を確かに求めました。しかし、じゃ融資は一方でどうしたかというと、公的金融機関などを使って別な形で融資をしていっているわけですから、そこら辺のところをもう少し分けて実は考えていただきたいし、これは健全になったら、何年後になるのか分かりません。不良債権は何年後によくなります、なくなりますと言われ続けて、結局ならなくていつまでたってもリスクを持っているからなかなか貸し出せないんだという理論になってくると、これはどんどんどんどん経済自体は収縮してしまうんじゃないだろうかと、私はそう考えています。 済みません、あとちょっと、またこれも後日、この後質問させていただきたいので、もう一点。 今回りそなに対しては公的資金を入れました。平成十四年の四月にペイオフが解禁される前に半年間で四十五の金融機関が破綻しているんですね。この四十五も金融機関が半年間で破綻しているのは、これは金融危機のおそれとかそういうものがないと判断されるのかどうか、その点についていかがですか。竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平成十三年九月から平成十四年四月まで、御指摘のその半年ぐらいの間に地域金融機関、地銀まで入れますと四十五の金融機関が実は御指摘のように破綻処理をしております。りそなの場合は十五年三月期の自己資本比率がいわゆる四%、健全基準である四%を下回ったということになったわけですけれども、債務超過であったわけではない、これはもう繰り返し申し上げているとおりであります。また、預金流出、市場の資金調達困難という意味で破綻というわけでもない。しかし、このようなことを放置すると、先ほど申し上げたように、その金融秩序に重大な支障が生じるおそれがあったということなわけでございます。 その意味では、地域金融機関を多くが破綻したというのは誠に残念なことでありますけれども、これはやはり当時そのような事情があって最終的な経営判断をされたということなんだと思います。例えば、事業継続の見通しが立たなかった、債務超過に陥りこれを解消するめどが立たなかった、そういうことなわけでございます。 そういった意味では、今直面している問題とは基本的にやはり違う性格の問題であったのだろうというふうに思っております。
○櫻井充君 それじゃ、ここの百二条のところに何て書いてあるかというと、要するに「地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずる」と書いてあるんですよ。じゃ、例えば宮城県で徳陽シティ銀行というのがありました。じゃ、この徳陽シティ銀行が破綻して、これは救済されませんでしたから、この銀行が破綻されて信用秩序が今維持されているとお考えですか、調査されているんでしょうか。データがなければそれでも結構です。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今のお尋ねは預保法、改正預保法の前の話でございますので、その百二条の枠組みの中で少し議論するということはできないんだと思いますが、基本的には地域に対してどのような信用状況であるかというのは、これは我々も見ておりますし、日本銀行も常にそれはチェックをしております。より長い期間を取ってその金融機関が破綻した場合に地域にどのような影響があったのかということを内閣府で政策効果分析として行ったものも、これは一部でありますがございます。 我々としては、繰り返し言いますけれども、これはやはり地域の金融はしっかりと見なければいけない。地域においては財務局でしっかりと見ておりますし、日本銀行ともその情報交換をしながら、そういった意味でのその問題意識を持ちながらの運営はしております。
○櫻井充君 最初に知見という話がございました。その点ではこういう金融機関が破綻した際に地域に影響があったのかどうかということのフォローをきちんとされないと同じことを繰り返すんだと思うんです。 我が宮城県は高校生の就職率がびりから三番目です。ですから、決していい状況にはありません。それも、私が地域の人と話をしていると、徳陽シティのおかげで我々こうやって経営できてきたのに、これが破綻したことによって物すごく大きいんだということを地域の方が随分おっしゃっているんですよ。 ですから、そこら辺のところをちゃんと見ていただかないと、ただ規模で小さいからといってここは破綻、救済しなくていいとかそういう理論には僕はならないと思うので、是非それはフォローしたものを見ていただきたいと、そう思っています。 それからもう一つですが、りそなの点にもう一回戻りますけれども、要するにこの銀行法の、もう一つ銀行法の、前後して申し訳ないんですが、銀行法の三十一条の第三項に、「合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。」と、合併要件、こう書いてあるんですね。そうすると、りそな銀行のように合併した後に公的資金を入れなきゃいけなくなるようなところがとても、合併後にというここの条項に当てはまるとはとても思えないんですよ。いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、合併、分割等の認可基準というのがございます。認可基準というのは三つありまして、一つは利用者の利便からの観点から円滑な資金の需給が保たれるかという点。第二点は、競争条件が、競争環境が保たれるかという点。第三番目が、合併後に業務を的確、公正に、効率的に行うことができるかという点。そういう観点になるわけであります。 御指摘のように、りそなは正に合併を今年の最初、二月にしたわけでありますけれども、その時点で我々の一つの判断の基準というのは、財務的に言いますと昨年の九月期の財務諸表、それだけが利用可能な最新時点のものでありますから、それに基づいて、その競争条件が阻害されるわけではない、利便、利用者の資金需給に大きな影響があっているわけではないという判断をしたわけであります。 しかしながら、今回、御指摘のように、繰延税金資産に関して決算の詰めの段階で非常に大きな減額が行われたと。三月ぐらいの見込みでは六%台の自己資本比率が想定されていたんですが、それが二%台ということで、四%ポイント低下した。この四%ポイントの低下のうちの二・六%分がこの繰延税金資産の一部否認によるものでありまして、そのような変化が決算において生じたということでございます。
○櫻井充君 本来であれば、これは預金保険法の五十九条のところに資金援助というのがありますね、合併する際に。合併する際にこういう資金援助ができますという法律があるわけであって、もし自己資本が足りないようであるとすれば、この時点で本来は税金投入、注入なりなんなりするということが私は筋じゃないのかなと思うんですが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の御指摘の条項は破綻処理の場合の、その場合を、それを救済する場合の資金の援助ではなかったかと思います。その意味では、今回のりそなの合併のケースはこれには当たらない。 それか、ひょっとしたら合併、組織再編特措法のことを言っておられるんでしょうか。我々の理解では今先生御指摘になったのは破綻処理の場合の話ではないのかというふうに思います。
○櫻井充君 そうでしょうか。五十九条にはそう書いてありませんよ。合併等を行う金融機関で破綻金融機関でない者又は合併等を行う金融機関、こういう機構が合併を援助するためにと、こう書いてありますから、若干違うんじゃないですか。私の認識が違っているんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、条文のことでありますので、第五十九条の第二項のところを読んでいただきたいんですが、「前項の「合併等」とは、」、「「合併等」とは、次に掲げるものをいう。」ということで、破綻金融機関のことがここで出てまいります。
○櫻井充君 済みません。ここだけ、一項だけ読んでそのように勘違いしました。申し訳ございません。 それで、もう一つ最後にお伺いしたいのは、この間の財政金融委員会の参考人質疑の中で、朝日の監査法人の方が、りそな銀行が債務超過ではなかったのかということを御発言なさっていました。この点について竹中大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 櫻井委員が御質問になりまして、朝日監査法人、それと新日本監査法人の理事長がそれぞれ参考人として意見を述べられたのは私も承知をしております。 これは、ただ一方で、その朝日監査法人の岩本理事長は、債務超過であるかないかということについては、りそな銀行を監査しておりませんので答える立場にはありません。これ、実は委員がお尋ねになる二日前の衆議院の参考人の中でそのように述べておられる。我々の理解も、朝日監査法人というのは、りそなの外部監査人、正式な外部監査人の立場にはないと聞いておりますので、これは新日本監査法人の意見が最終的な監査意見としてやはり尊重されるべきであろうというふうに思っております。 ちなみに、新日本監査法人の理事長は債務超過ではないという旨の答弁を参議院の財政金融委員会でされたというふうに聞いております。
○櫻井充君 りそな銀行が合併する時点で、たしか株主総会で、株主総会で両方の監査法人が選任されていませんか。合併している時点で、合併している時点で株主総会が行われているはずであって、たしか両方ともこれが、これは私の記憶違いかもしれませんが、両方とも選任されている。商法上は選任されていませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そのような選任の手続はあったというふうに聞いておりますが、最終的には契約を結ぶには至らなかったということで監査法人からは降りたというふうに聞いております。
○櫻井充君 しかし、監査法人から降りたとおっしゃいますが、監査法人から降りるまでは、その経営、財務諸表などの内容は知っていたんじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正確には、株主総会においては監査法人の候補にするということを決めたんだそうでございます。候補が二つあって、最終的に新日本監査法人と契約を結んだというのが事実のようでございます。 お尋ねの、しかし朝日監査法人は途中まで見ていたのではないかと。その辺の詳細、どこまでごらんになったのかというのはいろいろな見方があるのかもしれませんが、いずれにしましても、決算の最終段階に立ち会ったわけではない。決算の最終段階に立ち会って正式の監査を行ったのは新日本監査法人であるというのが我々の認識でございます。
○櫻井充君 しかし、本当にそうでしょうか。私が聞いた、私の質問に対しては、質問に対しては、資産等を全部照らし合わせてみたときには、照らし合わせてみたときには資産が少なかったと、そのようにはっきり答弁されていますけれども。
○国務大臣(竹中平蔵君) 議事録を読ませていただきましたが、私の理解では、これは先ほど申し上げましたように、この資産もしなかりせばという議論は時として誤解を招くのではないでしょうかというふうに私申し上げましたけれども、そのときの岩本理事長の議論というのは正にそういうことなんだったと思います。 基本的には自分は申し上げる立場にはない、その監査はしていないということで、しかしこのここにある数字もしなかりせば、それは資産よりも負債の方が大きくなりますと、そういう言い方はされていたかもしれませんが、それは債務超過であるということを意味しているものではないと思います。
○櫻井充君 会計上は、会計上はじゃいろんなやり方があるんでしょうか。つまり、繰延税金資産を全部外してから、まず債務超過かどうかを確認した上で繰延税金資産を更に加えていくという、そういうやり方をしているところもあるようなんですよ。つまり、どちらが、そうすると、元々繰延税金資産も何も全部最初からあったことにして計上されるのかどうか。 もう一つ言えば、繰延税金資産だって、ゼロの場合もあれば一年の場合もあれば五年の場合もあるわけですから、それは元々の状況があって、その上で判断されるということじゃないですか。だから、なかりせばじゃなくて、会計上のやり方はそういうものじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、繰延税金資産の認定そのものは、これは監査法人の総合的な判断にゆだねられている。そのときにどのような論理の組立てをされるかというのは、正にこれは会計士が実務指針にのっとってどのような判断をされるか。これは、最初からこういうふうになかりせばで積み上げていくということなのか、トータルでやることなのか、これは正に会計士の御判断の一部なのだと思います。 いずれにしましても、岩本理事長は、りそな銀行を監査しておりませんので答える立場にありませんと、この十一日にお答えになっておられますので、この点は我々もやはり重視をしたいというふうに思っております。
○櫻井充君 監査法人があって、どうもやり方が違ってくるということ自体に本来は大きな問題があると思いますし、新日本の場合には、今まで長銀も日債銀も新日本ですよね、新日本というか前身かもしれませんが。とにかく、そういうところで、かなり問題のあるところだと私は認識しています。 ですから、その意味において、どちらのやり方が本当に正しいのかということをきちんともう少し詰めていかないと、いつまでたってもそれこそあいまいなものになってしまうんじゃないだろうか。そのことを指摘して、時間が来ましたので質問を終わらしていただきます。 〔委員長退席、理事櫻井充君着席〕
○大門実紀史君 大門でございます。 今日は、平沼大臣が御出席いただいていますので、中小企業と金融絡みといいますか、金融不良債権の関係で、私の方はちょっと、もう今の時点でぎりぎりに追い込まれている中小企業の問題を幾つか御質問したいというふうに思います。 最初に、マイカルの問題ですが、実はこれは、金融財政委員会でも決算委員会でも取り上げてきた問題ですが、二〇〇一年の九月にマイカルが破綻をして大問題になったわけですが、これはもう基本的には金融問題が根っこにある問題だったわけですね。一兆七千四百億の負債を抱えた破綻ですけれども。あのマイカルの破綻の後、特別検査が始まる。あるいは、マイカルというのは社債をかなり発行しておりましたから、日本の金融のこれからの在り方、直接金融なのか間接金融なのかという点で、社債発行の直接金融のもろさを示したという点もあるような、基本的には大きな問題だと思うんです。 その中で、もう一点、この問題を通じて、経済産業省、平沼大臣には大変御尽力いただいたわけですけれども、明らかになったのが、大手スーパーの中に入っている中小テナントの皆さんの問題でした。マイカルが破綻したために敷金、保証金が全額戻ってこないということで、もう社会問題、新聞でも大きく取り上げられてきたわけですね。数でいくと、全国でマイカルの中小テナントというのは数千店あります。その中の半分ぐらいの方が全国連絡会を作られて、大臣に私も一緒にお会いに、申入れに行きまして、大臣もいろいろ動いてくださってといういろんなことがあったわけです。 経済産業省は、研究会報告、このテナント問題の、出していただいて大変いい方向も出してもらって、そういう取組が私は反映したと思いますが、この五月の二十九日に更生計画案が出ました。これは、私、いろいろ限界ありますけれども、今までの中ではかなり画期的な内容ではないかというふうに思うんです。 〔理事櫻井充君退席、委員長着席〕 簡単に言いますと、弁済率といいますか、小口の債権者に対して幾ら返すかというところの弁済率ですけれども、ほぼ三割ということで、例えば長崎屋の場合も私かかわっていましたけれども、五%から七%なんですね。例えば、テナントの皆さんが敷金、保証金を一千万預けていたとすると、長崎屋ではもう五十万とか六十万しか返ってこなかったと。マイカルの場合は、今のところ、個々にいろいろあると思いますが、一千万だと三百万返ってくるということで、今までに比べるとかなり小口の債権者に対して配慮された、私、異例の結果が出たと思います。 これは、率直に申し上げて、私は、経済産業省、平沼大臣を先頭に流通産業課の方々が本当に一生懸命イオンに、この支援をしているイオンの方に働き掛けていただいたり、全国連絡会の方も申入れをやったし私も動きましたけれども、やっぱり経済産業省が非常に頑張ってやられた一つの結果だと思って私は大変評価しています。 平沼大臣として、この更生計画、ごらんになったと思いますが、どういうような御感想をお持ちか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変御評価をいただいて恐縮をしておりますけれども、大門先生が、やはり大変お困りのそういうテナントの皆さん方と私の部屋に来ていただきました。そういう中で、大変厳しい実情というのを承りまして、私どもとしても、やはり経済が右肩上がりのときは大家であるディベロッパーがテナントに対して大変強い態度で、ありとあらゆる保証金から始まって敷金等々を、大変お金を多額、長期にわたってそういうことがございました。 そういう中で、本当に真面目にやっておられる方々が本当に厳しい思いをされていると、こういうことでございまして、私どもといたしましては、今御指摘をいただきました、とにかくこの中小テナントが差し入れた保証金をめぐる問題については、現状、流通業の破綻リスクも高まってきていると、こういうことでやっぱり改善をしていかなきゃいけないと、こういうことでテナント保証金問題研究会というのを立ち上げまして、そしてそこで非常に精力的にこれやっていただいて、これはもう御承知だと思うんですけれども、皆さんお忙しい委員の方々が六回も会合を重ねて、そして一つの方向を出していただきました。 そういう中で、従来、長崎屋の例なんかもお示しいただいたんですけれども、そういった一つの線が出てきた。このことは私は良かったと思っておりますし、さらに、私どもはそういうお困りの方々のためにもよくフォローをしてしっかりとやっていかなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
○大門実紀史君 本当にお礼を申し上げたいと思います。 それと、根本的にはやはり法改正といいますか、経済産業省で出されましたこの中間報告にも書いてありますけれども、敷金、保証金というのは預り金なんですよね、やっぱりね、どう考えても。また、不動産の賃貸契約というその敷金、保証金との関連もありますから、法改正がやっぱりやられていかなきゃいけないというふうに思います。 そういう方向を出していただいているので引き続き御努力いただきたいのと、弁済率三割といっても、そうはいってもやっぱり現場の人たちは、長崎屋に比べて良かったよと言っても、自分たちの問題ですから、やっぱり一千万のところが三百万に下げられたということというのは大変なことですね。 それと、恐らくマイカルの方は六百億ぐらい保証金を預かっています、いると思うんです。それを百八十億にしちゃって、イオンが引き継ぐわけですから、イオンも私はかなり資本力あると思いますので、もっともっといろんな面で配慮をしてあげてほしいなと、例えば、共益費の問題、家賃の問題でいろいろやれることあると思うので、引き続き。この前も実は管財人に全国連絡会の方が会いに行かれたら、これは我が党の大沢辰美議員がお願いしましたけれども、けんもほろろにもう話聞かないというふうな態度をされたときに、大臣にお願いして、またそういうことをするなということでやっていただいて、またみんな話ができる関係になりましたけれども、引き続きいろんな困難な問題が起きてくると思いますので、経済産業省として御協力をお願いしたいと思います。一言だけちょっと。
○国務大臣(平沼赳夫君) 本当にお困りの方々は、善意でそして一生懸命業に励んだ方々が大変厳しい目に立たされているわけですから、私どもはそういう立場をよく踏まえながらこれからも引き続きしっかりとフォローをしていかなきゃいかぬと、こういうふうに思います。
○大門実紀史君 是非よろしくお願いします。 もう一つ、ぎりぎりに追い込まれた方の、方々の話ということですが、今自殺者が年間三万人をずっと超えていて、経済的理由の自殺が三割と。自営業者の自殺がそのうち大体四、五千人になってきているという大変な事態ですね。これはいわゆる中小企業のおやじさんたちが追い込まれてということだと思います。これは平沼大臣として、恐らく経済産業委員会とかでそういう質問とかお受けになっていると思いますが、どういうふうに認識をされておられますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変、今中小企業を取り巻く環境というのは非常に厳しいわけでございまして、倒産件数も多い、そして今御指摘のいわゆる経営者の自殺という問題も非常に大きいわけでございまして、特に中小企業の経営者の自殺というのは、例えば法務省の統計によりますと、昨年は四千百というような数字も実際出ております。 そういう中で、私どもとしてはやはりこの中小企業に対して、本当にやる気と能力のある中小企業というものに対しては最大限支援をしていかなきゃいかぬと、こういう基本的な考え方を持っておりまして、いろいろ議論があったところでございますけれども、当面、やはり今の現状からいって政府系金融機関というのは、その機能というのは絶対に私どもは必要だと。こういう認識の中で、最終的には民間ができることは民間にと、これは私はベースだと思いますけれども、今の段階ではやはり政府系金融機関がきめ細かく対応しながら、そういったやる気と能力のあるそういう中小企業者の皆様方にはしっかりとした支援をしていかなきゃいけないと、そんな基本認識を持っているところでございます。
○大門実紀史君 もう一つ、そのセーフティーネットをもちろん強化していただきたいのと、個人保証の問題が、以前竹中大臣に質問させていただいて前向きな御答弁いただいて頑張っていただいているんですが、平沼大臣にもお聞きしたいと思うんですけれども、実は日本商工会議所が平成十五年に中小企業・小規模事業対策の拡充強化の要望というのが出されておりまして、この中で、自殺者が多いと、中小企業のおやじさんの自殺者が多いということで特別にいろいろこの中に入っているんですけれども、やっぱり個人保証が、厳しい個人保証があるから、最後のところで身ぐるみはがされて、あるいは生命保険で何とかしようというパターンの自殺が非常に増えているんで、個人保証の在り方を見直してほしいというのが要望で出ておりまして、全国商工団体連合会の中でも同じように、やっぱり自殺者が増えている中で、よく聞いてみると個人保証のために最後追い込まれるというのがかなり出ているわけなんですね。 これは、実は今、法務省マターだと思うんですけれども、倒産法部会の中でこの個人保証について見直しの作業が今進められているんです。 これは簡単に説明をしますと、破産法第六条の中で倒産したときには一切の財産の回収をするというのがまず前提にありまして、ただ民事執行法の百三十一条の中には差押禁止の動産と、全部差押えしちゃいけないよと、これだけは除きなさいというのが今決められておりまして、それが生活に欠かせない衣類だとか布団だとか寝具とか家具とか台所用品とか学用品だとか、いろいろあるわけですけれども、それと生活に必要な二か月間の食料及び燃料と、これもうぎりぎりの話ですけれどもね。で、最低生活費が今のところ二十一万円だけ残しておいてあげなさいというのがありまして、これはちょっと余りにひどいと、これは昭和五十五年か何かに決められたままですので余りにひどいということで、先ほど言いました法務省の倒産法部会で今検討がされておりまして、この前、担当の方に聞きましたら、今どの部分が見直しになっているか、の作業が進んでいるかといいますと、先ほど言いました最低生活費二十一万円だけ残しておいてあげるというのは余りにもひどいというので、一か月当たりの金額を上げて三か月分と、およそ九十万円ぐらいの引上げにしようか、になりそうだというふうなところの議論が進んでいるようなんです。 これは、竹中大臣に財政金融委員会でこの問題をお聞きしたときに、もう二十一万というのはもう野蛮なもう本当にひどい話だということで竹中大臣の方からも働き掛けていただいて、経済産業省の方もこの二十一万円の引上げをずっと要望されていたということを聞いているんですけれども、まずこの九十万円というのはどういうふうに評価、まだ決まっていませんけれども、およそその辺だということはどういうふうに評価されますかね。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変そういう個人保証、そしてまた一度倒産をしてしまったら再起できないと、こういうのが今の日本の現状にあります。平成十三年の中小企業白書によりますと、実は一度失敗した人の方が業を起こした場合に成功率が高いと。というのは、それはやっぱり失敗体験が生かされると、こういうことだと思います。 そういうこともありますので、やっぱり再起できるような、再チャレンジができるようなやっぱり仕組みを作るということは大事だと、こういう観点で、今御指摘の点も、私どもは法制審議会のその部会の中で中小企業の代表者の方々にも入っていただき、そして我々もしっかりお願いをしながら今やらしていただいています。 そういう中で今三か月という一つの線が出てきておりまして、これは七月末ぐらいには一つの結論が出ると思っておりますが、私どもは、やっぱり月三十万円以上でやっぱり私の気持ちとしてはお願いをして、法務大臣にお願いをしておりますけれども、やっぱり三けたの位に乗るぐらいのことをやっていただきたいと、そういうことを思っておりまして、私どもとしては引き続きお願いをし努力をしていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
○大門実紀史君 竹中大臣はその九十万辺りという数字、どういう評価されますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の気持ちはもう前回お話しさせていただいたとおりでありますが、今、平沼大臣おっしゃったように、やはり九十万円というのは今までの制度に比べれば評価される数字なんだと思います。 しかし、決して十分ではないということは、これは明らかでありまして、これは本当に、いろんなケースの中で最も厳しい立場に置かれている方の場合でありますから、そこは本当に後々のためにもしっかりとした制度に、もう一頑張りして、していっていただきたい、そのような気持ちでおります。
○大門実紀史君 私は、二十一万に比べたら九十万は三倍以上だというのがありますけれども、余りにも、九十万でも、ちょっと本当に何を考えているのか、そんなところでまとまったら本当に希望がないなと。実際、そこまで追い込まれた方々の立場になってみますと、家族抱えて、家は取られて、九十万で家族抱えてどこか住むところを探さなきゃいけない、三か月間の生活になるかどうかも分からないと。ですから、再起を図るどころじゃなくて、二十一万というのは本当に絶望を誘う金額ですけれども、九十万でももう投げやりになるような、今の御時世だと、そうなると思うんです。 これは私、アメリカの倒産法制をずっと調べているんですけれども、州によって違うんですけれども、アメリカは最低家は取らないとか、住むところは取らないとか、金額もこんなものじゃありませんよね。もちろん厳しい州もあったりしますけれども、全体としてやっぱり、竹中大臣よく言われるチャレンジしやすい社会かどうかは知りませんけれども、再起図れるような最低限のところはきちっと図られているんですね。そういう点では、もしこれが、この結果、七月か八月か知りませんが、九十万なんということでまとまって出てきたら、本当に、どういいますか、世界的には本当にばかにされるような話になると思います。 それと、これに抵抗しているのはやっぱり銀行関係だ、金融機関だという話が入ってきていますので、竹中大臣も御指導いただいて、平沼大臣と竹中大臣で力を合わせて、九十万なんというところじゃなくて、もっと大幅な、本当に再起できるようなところに結論を持っていくように努力を是非お願いしたいというふうに思います。これはもうお願いだけをしておきます。 もう一つは不良債権の処理の関係ですけれども、まず全体の話を竹中大臣にお聞きしますが、不良債権比率を二年後に半減という目標がございますね。これは私、予算委員会でも質問しましたけれども、かなり難しいことではないかと思います。 ちょっと時間の関係で細かい数字言いませんけれども、いろいろシミュレーションしてみますと、簡単に言いますと、要管理先、要管理先がずっと増えていますね、この間。増えたままですね。減っていませんね。それと、新規発生の金額。この二つが、減らさないと、不良債権比率というのは、総与信、つまり貸出金が分母で不良債権額が分子ですけれども、結局は、この間の発生状況を見ますと、要管理先と新規発生、これを本当に減らしていかないと、この半減、比率、半減にする、つまり八・四を四%台ですか、相当難しいというふうに私思うんですけれども、その辺の認識はいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 以前もこれは、この目標は達成可能かということで詰めた御質問をいただいたことを記憶しております。 ちょっと、二点申し上げたいのでありますけれども、基本的に、今御指摘になった要管理先をどうするかということと、それと新規発生をいかに抑えていくかがポイントだというのは、私もそのとおりだと思っております。 その意味で、要管理先を対象とした産業再生機構の活用というのが不良債権比率を減らすという観点からも実は大変重要になります。もちろんこれは産業を再生するということが最大の目標なわけですが、不良債権の問題という観点からも重要だということがあるわけです。それと、新規発生を抑えるためには、これはやはり安定したマクロ政策をきちっと続けていかなければいけないと。それも大変厳しい財政状況の中で難しくはありますが、やはりやっていかなきゃいけない問題だと思います。 ただ、第二の点として是非申し上げたいのは、十五年三月期の決算でこの目標実現に向けての一応良いスタート、グッドスタートは切れたというふうに思っています。 といいますのは、昨年の九月期の不良債権比率は八・一%でありました。これを四%台に持っていくためには二年半で四%ぐらい減らさなきゃいけないということになります。これは単純計算しますと、半期ごと、六か月ごとに〇・八%ポイントずつ減らしていかなければいけないということになります。十五年三月期の不良債権比率は七・二%になりました。八・一から七・二ですから、〇・九%ポイント下がったということになります。この〇・八%ポイントずつ下がっていくという、ほぼ軌道に、ほぼというか、何とか軌道に乗っているというのが現状だと思います。 もう一つは、今回の決算で不良債権の処理損というのが一部の銀行を除いておおむね業務純益の中に収まるようになってきたということです。そういう意味では、大変難しい目標ではありますけれども、その目標の実現に向けて今のように頑張っていってくれれば、銀行が、何とか達成は可能ではないかというふうに私自身は思っております。 ただし、産業再生機構の活用はその中で大変重要だというふうに認識をしております。
○大門実紀史君 予算委員会のときの論争は今日同じことを繰り返すつもりないんですけれども、私、予算委員会で同じことを答弁されたのでちょっとシミュレーションしてみたんですけれども、要するに、ちょっと資料でも作ればよかったんですが、結論だけ言いますと、要管理先の残高がもし減らないままで十一兆、今と同じ十一兆ベース。で、総与信、つまり貸出金が、これは、不良債権比率というのは貸出金を増やせば比率は下がりますよね、簡単に言えば。ところが、自己資本比率は逆ですから、なかなか自己資本比率を維持しようと思うと貸出しが増やせない中で、だけれども、不良債権比率だけ減らそうと思うと大きくしなければ。矛盾するところがある内容ですね。そうすると、例えば、総与信、貸出し額を十五年三月、この三月と同じ二百八十兆ぐらいと、もし、単純なはめ込みですけれども。そうすると、大臣が言われた〇・八ずつ半期ずつ減らしていくにはならなくて、来年の三月末だと、本当だったら五・六%ぐらいに減らなきゃならないんですが、六・六ぐらいになってしまうと。 私は、ここで数字を別にどうのこうの言う意味じゃなくて、なかなか、いろいろ言われただけでは大変で、どうしても相当の景気の回復といいますか、新規発生が減るとか、要管理もがばっと産業再生機構に持っていければいいですけれども、限界がありますよね。そうすると、要管理に転落する人たちを防がなきゃいけないというところでいくと、本当に景気の回復と同時にやらないと相当難しい、これからなってくるというふうに私は認識しているんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはもう正に御指摘のとおりで、非常に精緻に御議論をしてくださって感謝申し上げますが、我々、坂を上っていくことに例えますと、上りはやっぱりだんだんきつくなっていくということだと思います。 今ある、例えば破綻懸念先について、これを二年三年ルールでオフバランス化していくというのは、その準備も大分進んできましたし、これはやってきているわけですけれども、要管理については、これは正に再生させなければいけないと。産業再生機構の活用も重要だけれども、今、御承知のように、メガはその再生をさせるためのを別会社を作って、そこに例えば外資も入れてコンサルティングをやらせるとか、再生のための努力を本当に真剣に今行っているところです。 そこが奏功しない、この努力が奏功しないと実は上りは間違いなく厳しくなってくるわけで、この点は本当に我々も常に知恵を絞ってしっかりとやっていかなければいけないと思っております。
○大門実紀史君 私は、坂を上っているならいいけれども、下っているんじゃないかと思えて仕方がないんですよね。なかなか、そういうところに到達する前に、かなり経済状況、先ほど櫻井さんからもありましたけれども、相当逆の方向に悪く悪くなっているんじゃないかということを再三指摘しているところですけれども。 今日はその論争はやめて、具体的な、この一年どうなるかというところでお話ししますと、これは予算委員会で少し申し上げましたけれども、とにかくこの一年で、大手行だけで、破綻懸念先以下で、大体残高を、例の五割八割ルールでいきますと四兆から五兆円、残高を減らさなきゃいけないと。これは去年の、過去一年の例を見ますと、倍のオフバランスをしないとその残高は減らない。つまり、五兆円の、四、五兆の、まあ五兆とすると、五兆円のこの一年で不良債権残高を減らそうとすると、この一年で十兆円のオフバランスをしないといけないような経済状況に今なってしまっていると、新規発生がありますから。これはそういうことだと思うんです。これは十兆でも八兆でもいいんですけれども、とにかく大量のオフバランスをしないとそれだけ減らないという時代には間違いないと。それが例の大手行のヒアリングをしますと、ほとんどこの一年残っているのは中小企業ですとはっきりもうみんな認識をしておりますし、だから大変だ、この一年はとみんな言っているところですね。ですから、去年一年で大口はかなり私的整理も含めて整理したけれども、残っているのは中小企業だと。その中で、このまま行くと、単純にオフバランスしてしまうと、もうそれしかないということでやると相当の倒産件数が嫌でも生まれるだろうと。一遍RCCに送られても、何年か後の倒産も含めてかなり出るだろうと思います。 その中で、大臣言われたオフバランス化につながる措置ですね、これは私、何も否定しません。本当にみすみす生きていける中小企業を整理に追い込むぐらいなら、オフバランス化につながる措置の中で、五年なら五年というところで再生の猶予と条件を与えてあげるべきだというふうに思います。 ただ、このスキームで、信託スキームの方ですけれども、これ私、何もこれにけち付けるつもりじゃなくて、これ本当に使ってもらいたいから、いろいろ聞いてみたんですけれども、この三月末で、これは金融庁から聞いたら三千五百億このスキームが使われたと、信託スキームですね。信託スキームというのは、主要行がRCCに信託をして、その中で五年間要するに面倒を見て、それでも再生しなきゃRCCにやっと売却という、そういうスキームですけれども、これを使ったら、オフバランスにつながる措置ということで、銀行はオフバランスできるということに、いったんできるというわけですよね。そうすると、銀行も不良債権を処理したということになるし、本人はつぶされないしと、取りあえずつぶされないしというスキームですよね、簡単に言うと。 これなんですけれども、三月末で三千五百億というのを金融庁から聞きまして、幾つかの大手行に聞いてみました。そうしたら、私やっぱりちょっと懸念したように、それほど小さいところではありませんと。だから、どれぐらいが小さくてどれぐらいが大きいというのは難しいですけれども、私がイメージするのは、例えばさっき十兆円がオフバランスされるとすると、中小企業でもし一億円借りている中小企業だと十万社です。簡単に、単純に割ればね。ですから、最低それぐらいのレベルが救えるかどうかと思うんですが、聞いてみると、やっぱり五億とか、だから、中堅までいかないけれども、いわゆる町の中小企業よりもちょっと大きなレベルのところが多かったというのが今回の三月末のやっぱり現状なんですね。 これやっぱり、一億円なり一億円以下の人でもこのスキームで使っていって、すぐ本当に倒産に追い込まないで、整理に追い込まないで、景気さえ良くなればやっていけるんだからということで、このスキームを使ってもらうようにするには、私は、金融庁として特別に、やっぱりただ銀行にこのスキームを使いなさいということではなくて、何か特別のこの対策本部でも設けて、きちっと生きていけるところは、技術力があって将来性があって、今たまたま支払に困って延滞を起こしている、支払に滞っているというようなところは特別の対策でも取ってこのスキームを使うようにというふうな何か特別対策を今年一年は取らないと、ほっておくと、銀行も急いで大口だけここで使って、大口といいますか、中口といいますか、そういうのにだけ使って、実際にはいろんな中小企業は救われないと思うんですけれども、何か特別な対策が必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) このオフバランス化につながるスキーム、この信託のスキームに大門委員着目してくださって、我々も大変感謝をしております。 御指摘のように、これ三千五百億円の実績があります。全体として、大門委員前半に御指摘してくださいましたけれども、十四年度について見ると十一・七兆円オフバランス化しているわけですね。一方でしかし五兆円更に不良債権が増えている。だから、結果的に六・七ですか、六・七兆円その残高が減っていったと。やはりそのぐらいの規模のことをやはり、したがって十兆円規模のことをやっていかなければいけないというのは、その意味では事実であろうというふうに思っております。 その点で、この中小企業の再生型の信託スキームというのは我々も大変期待をしているわけでありますけれども、まず、今そんなに小さいところがないではないかということに関しては、RCCにおいてやはりちゃんとした実績を作っていただいて、これをどんどん広げていくという段階に今あると思っています。 したがって、そのために何をするかという御指摘なわけですが、金融問題タスクフォースというのがございまして、このタスクフォースの中で不良債権問題の解決に向けた政策のフォローアップを逐次行うことになっています。こうした中でこういう、こうした手段の活用の更なる促進についても是非議論をしてみたいというふうに思っておりますが、いずれにしても、大門委員御指摘のように、このスキームをやはりうまく使わないと、このきつくなってくる坂道、我々も上れないということは認識をしておりますので、これは前向きに正面から是非取り組んでみたいと思います。
○大門実紀史君 そうですね。このスキームのこのRCCチェック型というのは、そもそも規模の小さい中小企業、個人向けになっていますから、是非特段のそういう対策をお願いしたいと思います。 もう一つは、このオフバランス化につながる措置の中で、個人、中小企業向けの小口の債権、これは十億円、元本の、未満ですけれども、この部分償却の実施というのがあります。これはちょっとどういう内容か、そちらから説明していただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと済みません、時間を取って申し訳ありませんでした。 この趣旨は、部分償却を実施した場合に、その残ったものをオフバランス化というふうにみなすと、そのような措置であります。小口の債権十億円、元本ベース十億円未満について部分償却を実施して、それについての部分償却を行って、残ったものについてはオフバランス化というふうにみなすというふうに御理解をいただきたいと思います。
○大門実紀史君 これは破綻懸念先以下は使えないんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、範囲は限定されておりません。ただ、部分償却の実施ということでありますから、実態的には、破綻懸念先とか、そういうところになる場合が多いということは想定されると思います。
○大門実紀史君 それですと、私、これ物すごく役に立つといいますか、実は、レクチャー受けたときに、実質破綻先だけだと。それだと、もう本当に、何というんですか、もう本当に見込みのないところをただ銀行の処理上置いておくだけで、これ、もうただ延命にすぎない部分なんですね。これは破綻懸念先とか、要管理とまでは言いませんけれども、破綻懸念の部分まで使えれば、かなり私、救済策になると思うんですけれども。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、大変申し訳ありません。十分な準備ができてなくて申し訳ありません。 制度上は、これは実質破綻先以下になっているんだそうです。これを今申し上げたようにどのように柔軟に使えるかというのは少し検討をしてみますが、会計基準等々の問題がありますので、御指摘のように、こういうものがどのように使えるかと。幾つかそういうバリエーションを用意しておかないとなかなかこの先に進むのが難しいということもあるかと思いますので、ちょっとこれは、会計上の制約があるということでありますけれども、検討をしてみたいと思います。
○大門実紀史君 要するに、破綻懸念先以下をこの一年で大量に処理しようという中ですから、その中でも、私、そもそも二年三年ルールそのものが無理があると。中小企業がこの不景気が続いている中で二年、三年で起き上がりなさいというふうに言うことそのものが無理があると基本的に思っておりますので、いろいろ研究できるんでしたら、このオフバランス化につながる措置の、先ほど言いましたRCCの信託スキームとこの部分、部分直接償却の部分ですね、これを柔軟に使えるんだったらば、本当に今つぶすことがないと判断できるところはこういう措置をして、本当にこの不況さえ乗り越えれば頑張れる中小企業一杯あるわけですから、そういう検討をお願いして、私の質問を終わります。
○平野達男君 国会改革連絡会の平野でございます。 今日は三大臣おいでいただきましたけれども、私に与えられた時間が二十分で、質問は金融庁の関係に限定させていただきます。 そこで、私の質問は、通告を申し上げた質問のほとんどは先ほどの浅尾議員の質疑と重複しております。質問の内容は、なぜ三回目の公的資金注入をしなければならなかったのかということに関しての総括が不十分じゃないかということであります。 先ほどのやり取り聞いていますと、これからしっかりやりますという覚悟は十分お聞きしました。しかし、その覚悟がどういった確証で、どういった考え方でそれが実行できるのか。それを説明するためには、過去の二回目の公的資本注入後のりそながどういう経営をしてきたのか、あるいはその経営に対して金融庁がどのような監督あるいは注意をしてきたのか、このことについての十分な総括がないとこれからの経営の再建計画の実効性についても多分説明できないんだろうと思うんです。 そこで、今回のりそなに対する資本注入については、これはやっぱり見方が二つあって、一つは経営陣の問題、それからもう一つ金融庁の問題、これは二つ分けて考える必要があると思います。 浅尾議員の質疑の中にもありましたけれども、前回の公的資本注入を入れて経営改善計画というのを作っている。再建計画というのを作っている。これに対する、その経営計画どおりの運営ができていなかった原因というのは、まず経営陣の方にどういう問題があったのか。経営のやり方がやっぱり悪かったのか。それは一生懸命努力したけれども、要するに景気そのものが非常に悪くて努力を幾らやっても駄目だという状況だったのか。 これはいろんな見方があるかと思うんですが、ここに対しては金融庁さんはどのような総括をしておられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように幾つかの要因がありますので、余り物事を単純化するのはミスリーディングかもしれませんが、あえて申し上げますれば、景気自体の悪化、景気が厳しい状況というのは、りそなのみならずすべての銀行においてあったということだと思います。しかし、こうした中で、他の銀行が苦しい中で何とか自己資本比率を維持しているにもかかわらず、りそなにおいてこのような問題が出てきたということに関してはやはりりそな固有の正に経営上の問題があったということだと思います。 マクロの環境が厳しかったということは否定をいたしませんが、やはりこれまでの間の経営の、正に銀行の運営そのもの、この中には実は不良債権をどのようにきちっと把握していたかというような根本問題も含まれるわけでございますが、そうした点に関して、やはり不十分な点があったというふうに思っております。
○平野達男君 その不十分な点というのを具体的にもうちょっと説明するわけにいかないですか。 これは銀行の経営の問題にまで立ち入る話ですから、国会の中でどこまで言えるかという話はあるかと思います。あるかと思うんですが、今の御説明の中では一体どこに問題があったのかというのが依然としてよく見えないというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど冒頭で、平野議員は、やはり総括が必要だ、やはりこういう問題が再び生じたということに関しては総括が必要だという御指摘がありました。もう実は私自身が、八か月前に金融担当大臣を命ぜられて、その時点で私なりにこれまでの改めるべき点は改めるということは、総括、私なりには行ったつもりでございます。正にりそなのケースもその中に当てはまると思います。 それはまず第一に、繰り返しになりますが、資産査定にやはり問題があったんだろうということです。資産査定に関しては、金融庁は資産の査定を行います。債務者の区分を決めます。りそなはりそなで、りそなの前身は大和とあさひでありますが、それぞれで資産の査定を行っております。しかし、そこに非常に大きな格差があった。この格差は、特別検査等々を行って格差が非常にはっきりしてくるわけでありますが、この格差がどれだけかということを私が大臣になってから二か月目に初めてこれを公表をいたしました。この段階で、やはり今から振り返るとその格差が非常に大きかった、その意味では資産査定が不十分であったと。 したがって、資産査定の不十分であるということが表に出てきたのがここやはり半年、一年ぐらいの特に重要な問題であって、それがりそなの収益を悪化させたと、これは一つの総括といいますか、問題点の指摘であろうかと思います。 もう一つは、やはりガバナンスの問題でありますが、資産をきちっと査定するというのも正にガバナンスでありますけれども、その経費の比率等々に関しても、これは今回の経営健全化計画の中で経費の比率を大幅に削減するということがうたわれているわけでありますが、収益率が低いにもかかわらず、やはりその給与の水準を、今度三割下げるわけでありますが、それに見合ったような形の給与水準にはやはりなっていなかったのかな、そういう厳しい経営が行われていなかった、ガバナンスが行われていなかったということだと思います。 今回、これはりそなに対してだけではありませんけれども、ガバナンスを強化するためには、以前からある三割ルール、経営健全化計画の目標等々から三割下振れしたら、それに関しては報告を徴求して業務改善の指導、命令をしていかなければいけない、それを厳格に行うということをガイドラインを作って、その延長線上で必要に応じて優先株を普通株に転換するというガイドラインも我々は作ったわけでありますけれども、これは金融庁側の反省ということかもしれません。金融庁側の政策強化の必要性を認めたということかもしれません。そうした意味で、りそなに関しても正にそのガバナンスの問題があったというふうに認識をしております。 あとは自己資本の問題でありますが、総括としては以上のような点を御認識いただきたいと思います。
○平野達男君 そうしますと、今、資産査定の問題だというふうに資産査定の話を大分御説明されましたけれども、要するに資産査定がしっかりしていなかったから多分引き当ても十分じゃなかったということなんでしょう。資産査定をしっかりやって、引き当てをしっかりやった結果、やると同時に不良債権の処理もやった、そういう中で処理損若しくは経理上のバランスシートが非常に悪化したと、こういう理解でよろしいんでしょうか。それだけじゃ……。
○国務大臣(竹中平蔵君) この間の自己資本の低下、収益の悪化に関しては、そうした意味での不良債権の処理というのは一つの大きな要因であったということは事実でございます。 更に言えば、株をたくさん、これもポートフォリオの問題でありますけれども、株式を、リスク資産としての株式をたくさん抱えておりまして、その処理損、この処理損が遅れていたという面もあるのかもしれませんが、この処理損がかなりの程度出たということ、それと今の与信、与信費用といいますのはこれは正に不良債権の処理でありますけれども、それと繰延税金資産の問題、繰延税金資産の問題というのは、収益力全体の評価に基づいて、今回、公認会計士が厳しい判断をしたわけでありますけれども、その株式の含み損の処理、それと与信費用、つまり不良債権の処理、それと繰延税金資産の取崩し、これが自己資本比率の低下のほとんどの部分を説明する三つの大きな要因であるというふうに思っております。
○平野達男君 大体分かりました。 そうすると、もう一つは、それを見てきた金融庁の今までのやり方、姿勢ということがもう一つ今度は問題になってくるかと思います。金融検査も、じゃない、失礼しました、検査もやってきた、それから経営改善計画についてのフォローも一応やってきている、それが今回の自己資本比率が四割から、失礼しました、二%弱の事態になってしまったということに対しての金融庁としての今度は総括というのはどうなりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、資産の査定、それとガバナンスの強化等々に関するやはり金融監督の枠組みが十分ではなかったという反省は必要であろうかと思います。 繰り返しになりますが、八か月前に、こうした反省に立って資産の査定をもっと厳しくやろう、きっちりとやろう、必要なプレッシャーは、データの公表という形でプレッシャーも掛けて銀行にしっかりとやっていただこうと。さらには、繰延税金資産に関しても、繰延税金資産を含む検査をこの会計年度からは我々はしっかりやろうというふうに金融再生プログラムに明記しておりますけれども、そういった形での、もう一つは、例えば優先株の普通株への転換についても十分なガイドラインがなく、そうしたガイドラインがあればもう少し健全な監督上のプレッシャーを掛けることができたかもしれない、そういうことは言えるかもしれません。 その意味では、枠組みの中で行政はその時点では懸命の努力をしてきたと、前任者も含めて、そういうふうに思いますが、枠組み自身をやはり強化する必要が生じてきたというふうに認識をしています。
○平野達男君 早期是正措置ということで二十四条の発動という措置もあるわけですけれども、これはできなかったといったこと、できなかった、事実上できなかったわけですね、しなかったわけですね。それに対する総括というのもこれはしなければならないと思いますが、同じようなやはり答えになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御承知のように、早期是正の措置というのは、自己資本比率に基づいて、健全な自己資本比率を下回った場合にその早期の是正を命ずるというものです。御承知のように、前の決算までこの比率を実は自己資本に関しては満たしておりました。その意味では、早期是正措置が発動できなかったということではないと思います。そういう状況ではなかったということに尽きるのだと思います。 ただ、一方で、早期の、アーリーウオーニングのシステム等々、これはやはり、我々は今それを強化しているところでありますけれども、そういうものが例えば五年前に、仮定の話ですけれども、早期ウオーニングのシステム等があれば、これは別の行政の監督の仕方もあったのかもしれません。それも含めまして、枠組みそのものはやはり強化する必要があったと、その点は反省して、我々は今その枠組みを強化しているということであります。
○平野達男君 分かりました。 じゃ、もう一つの問題で、いわゆる繰延税金資産の見方の問題なんですが、今回は五年計上から二年計上に落ちて、その期間が短縮されて、自己資本比率が大幅に短縮したわけですけれども、この今回のりそなの件で、繰延税金資産の見方について何か大きく変わったというか、今回の結果から得られるものというのは一体何なんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私自身は、今回の件で繰延税金資産に関する見方を大きく変えたということではございません。繰延税金資産というのは、資産項目として重要な調整資産項目ではあるけれども、それが非常に資産性について幾つかのマーケットからの疑問の声もあると。これは八か月、九か月前に我々自身が問題提起をして、この問題をきちっと行政の中でも位置付けていこうというふうに金融再生プログラムの中に織り込んだわけでございます。 今回、議員、今二年というふうにおっしゃいましたが、我々の認識では、将来の回収可能性について収益力等々を厳しく見積もったというふうにりそなからは聞いておりますが、参考人の中では五年から約三年へというようなことを新日本監査法人の竹山理事長はおっしゃったようでございます。これは当初から、今の実務指針というのは、それだけ非常に広い幅の裁量権といいますか、判断の権限を会計士、監査法人に与えていたわけでありまして、この点についても我々は問題点として、この繰延税金資産をどのように位置付けていくかということを問題提起をした上で金融審のワーキンググループで議論を重ねているところでございます。 ただ、あえて言えば、やはりこういう問題、我々が懸念していたような問題、なかなか資産性の認定が難しいという懸念していたような問題は現実になっているわけでありますので、当初の問題意識に立ち返って、しっかりとした枠組みを作るように努力をしていきたいと思います。
○平野達男君 この繰延税金資産の判定については、これはプロフェッショナルな判断ということを随分竹中大臣言っておられます。この判定がどのようになっているかというのは、どうも実務指針なんかがあるらしいんですが、私どもにとっては案外ちょっとしたブラックボックスになっているわけですね。ブラックボックスになっているんですが、今回の監査法人の決算の判断によって、りそなに一兆九千六百億という大変なお金の資本注入をするような事態になってきた。この繰延税金資産の見方ということに対して、もうちょっと具体的な説明があってもいいような気がするんですが、どうでしょうか、ここは。
○国務大臣(竹中平蔵君) その具体的な見方という、ちょっと御質問の趣旨なんでありますが、繰延税金資産というのは、実は我々八か月前に問題提起したとき、実は多くの方ほとんど御理解をいただけないほどまだ知られていなかったのだというふうに思います。その意味では、今回これが一気に、一般紙や週刊誌にも繰延税金資産という活字が躍るようになって、これは一体何だということに関して我々もしっかりと説明をしなければいけないというふうに思いますし、これについては分かりやすく言えば税金の前払分であって、後に納税したときに返していただけるはずの資産項目であるということでありますが、それについてはその将来の収益の可能性、将来の納税の可能性に非常に大きく左右されるということでありますので、そこは最終的には正に委員御指摘のように極めてプロフェッショナルな判断になってしまうということだと思います。
○平野達男君 プロフェッショナルな判断というのは非常に抽象的な言葉で分かりづらいんですが、その一方で過去の収益の状況を見ると、五年続けて、五年平均ででしたか、三千二百八十億のマイナスになっていた、当期利益がマイナスになっていると。そういう過去においてマイナスの状況の中では繰延税金資産はそんな長く見れませんよということであれば非常に単純な発想のような感じがしますし、今回のりそなの経験からこの繰延税金資産の取扱いについて一つのルールというか、定性的なものが出てきたのかどうかというようなことをちょっと聞きたかったんですが。そういう質問だったんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々が、我々の社会がよって立つ会計のルールというのは正に商法や証取法で示された一般に公正妥当と認められるルールということに尽きる。この一般に公正妥当と認められるという非常にあいまいな、だれが決めているわけでもないんだけれども社会で一般に公正と認められているもの。かつてはこれは公認会計士の、企業会計審議会等々での議論が中心であった。今はそれに代わる財団法人での議論が中心である。 もう一つ、やはり重要な役割を担っている公認会計士協会の実務指針でありますとか、会長の通達、通牒であるとか、そういうものの正に集合体が一般に公正妥当と認められるものであろうかと思います。 今回の件で何かそれが変わったかということに関しては、私は明確には申し上げられないというふうに思っております。会計士の実務指針は前から変わっておりません。金融庁が何かを変えたわけでもございません。 ただ、あえて言えば、こういう問題に関しては会計士、公認会計士にゆだねられた裁量の範囲というのは非常に大きいということで、そうした点も踏まえて今ワーキンググループで議論をしていただいているところであります。
○平野達男君 今回のりそなの公的資本注入の中で非常に分かりづらくなっているところは、この繰延税金資産の取扱いがなぜこうなったのかということが全然説明されていないというのがまず一つあると思いますね。そこは竹中大臣の言葉をかりればプロフェッショナルな判断だよということなんですが、多分それはそういうことなんでしょう。 ただ、同時に、おととしちょっと、BSEが発生したんですが、話がちょっと変わりますが、BSEの発生がなぜ止められなかったか。それは、農林省の中に一つの組織があって、これはリスクアナリシス、要するにリスクの分析をやると同時に、例えばあれは飼料ですから飼料の業界のことも見ている、それから消費者も見ている、生産者も見ている。いろんなことを一つの機関が見ていたために客観的な判断ができなかったということが一つあって、今回は、そのリスク評価をするところの機関を食品安全庁ということで分離独立させたわけですね。 今回の監査法人の位置付けを見ますと、どうも銀行と監査法人の位置付けが、どうも昔からの護送船団方式という方式かどうかは知りませんが、はっきり分かれているのかどうかというのがよく分からない。それから、金融庁さんも監査法人に対してどれだけの影響力を持っているかもよく分からないんですが、こういう議論が一杯出てきている、分からないということでいろんな議論が出てきています。 こういう議論ができること自体、出てくること自体非常におかしくて、監査法人というのはもう完全にプロフェッショナルな集団ですよ、これは完全に独立していますよというようなことがまずはっきり分かるような状況になっていなかったんじゃないかなというのが一つ問題点としてあるんじゃないかというふうにちょっと指摘しておきたいと思います。 時間がなくなりましたので、最後にちょっと質問しますけれども、最後の質問に移りますけれども、今回りそなに一兆九千六百億の公的資金注入をして、これは破綻じゃなくて再生だというふうに言いました。その一方では、櫻井議員の質問にもありましたけれども、これは私も前に質問しましたが、百五十七行の金融機関を既にもう破綻させている。その破綻させるものと再生させるものとの区別がまだ付いていない。百二条の条文を読みますと、これもかなり抽象的な説明になっちゃっている。 私どもが受けますのは、どうも大銀行であればこれは破綻させないんですねというメッセージを、やっぱりこれは出てきたんじゃないかというふうに取っちゃうんですね。この破綻させるところと再生させるところの区別をある程度明確なものにしておかないと、一つ考えられるのは、預金のシフトが起こってくるんじゃないか、中小の金融から大銀行に対する預金のシフトが起こってくるんじゃないかということがやっぱり懸念されます。今そういうことがまず起こっているとはまだ聞いたことありませんが。 ただ、今回の議論の中で出てきたのは、やはりツービッグ・ツーフェールじゃないですけれども、大きなものは早く、自己資本率が落ちてきたものについては、ひょっとしたら早期注入をするかもしれない。しかし、中小の地方の銀行はどうなるんだろうかと。こういったことに対する説明がまだ出てきていないと思うんですね。これに対する竹中大臣の御見解を最後にお聞きしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆるツービッグ・ツーフェールについてコメントするとまた問題が生じるかもしれませんので、そのことについて申し上げるつもりはございません。ただ、今の預金保険法百二条の建て付けといいますか、構造というのは、その意味で非常に分かりやすくなっています。一号措置、二号措置、三号措置というものがありますが、大きい小さいという概念は何も出てまいりません。正に二号措置、三号措置、債務超過であったり破綻した場合にはそれなりの措置が準備されているということであります。 今回、大きいからどうこうということではなくて、むしろ本当に金融危機、我が国及びそれが営業している地域の信用秩序に重大な支障があるかどうかということでありますから、これは、預金保険法百二条というのは、その地域の金融機関にも理屈の上ではこれは当然のことながら適用されなければいけないケースがあり得るというふうに思っております。 重要な点は、債務超過であるかないか、破綻が起きているかどうか、過少資本かどうか、そういう問題であって、あとは正にその銀行の実態に合わせた判断が行われる。決して大小で判断されるものではないと思っております。
○大脇雅子君 今回のりそな銀行への一兆九千六百億円の公的資金の投入というのは国民に大きな衝撃を与えたと思います。国内金融、地域金融に特化して、大きな期待を持って再生のために出発したはずのりそな銀行だけに、公的資金の投入を理由にした中小企業への新たな貸し渋り、貸しはがしが生じてはいけないと考えますが、この点については具体的にどのような手を打たれているのでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) りそなホールディングスの各傘下銀行においては、これまでも地域企業を重視した経営が行っておりました。経営健全化計画においても、これを踏まえて、中小企業向けの貸出しの推進体制の整備強化や地域経済の発展を支援していく、そのための商品の提供などが掲げられているところでございます。こうしたことを踏まえて、十五年三月期に七六・六%の中小企業向け貸出しの比率を、十七年三月期には八〇%以上とするということとされております。 私どもといたしましては、これらの施策が着実に実行されることがりそなの経営の健全化に資するものと考えているところでございます。
○大脇雅子君 先ほど、平野議員の質問に対しても、早期是正措置が今回全くその効果がなかったというか、そのような御答弁でしたが、早期是正措置としての業務改善命令はいつの日付でどのような内容のものとして出されたのでしょうか。出されているはずですけれども。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、早期是正措置というのは、繰り返しになりますが、自己資本比率がある一定の、今回の場合は四%を割り込んだとき、もっと悪くなったらそれなりの対応があるわけですが、それに基づいて早期是正の措置を命ずるわけでございます。今回も、五月の十七日の金融危機対応会議の日にこの命令を出しているわけでございます。 しかし、基本的には、命令を出したけれども、とても回復できないということで、そういう判断の下に資本の注入をしているわけでございまして、我々としては正にこの手続に、ルールに乗っかって、まず報告徴求を行って、この報告徴求というのは罰則が付いている、正直に報告しなさいという意味でありますが、それについて過少資本になるということを確認して、早期是正の命令を出して、それでもこの復元がもう困難であるという判断の下に、この金融危機対応会議を開いて資本注入の必要性を認定したということであります。
○大脇雅子君 その早期是正措置が出された時間と、それから危機、金融危機対応会議が開始された時間と、その間どのくらいの時間差があったのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは基本的には、時間差は当然のことながら同じ日にやっておりますのでごくわずかでございます。 正確に申し上げますと、この日の十一時ごろにりそな銀行の決算取締役会が終了いたしまして、その時点で自己資本比率が二%程度になるという旨の連絡を金融庁は受けました。その時点、十一時で、直ちに二十四条の報告を徴求しております。十四時に報告が提出されておりまして、このことを、自己資本比率が二%であるということを正確に、正式に確認をいたしました。その上で、約二時間後の十六時ごろにこの早期是正の命令を発している。それを受けて十八時三十分に金融危機対応会議を開いております。
○大脇雅子君 そうしますと、早期是正措置が出てから二時間後にその金融危機対応会議が開かれたというのはどうも解せない。というのは、というのは、業務改善命令の内容が株式会社りそなホールディングスとその子会社の経営の健全性を確保するために合理的と認められる改善計画、原則として資本の増強に係る措置を含むというふうにして、それを平成十五年六月二日までに提出することとあったのではなかったでしょうか。 というのは、このりそな銀行のいわゆる資本増強というのは他の銀行と比べて非常に少ない増資をやったわけでありまして、この増資が少ないということはもちろん自己資本比率に対して過大な過信があったのかもしれませんが、何かこのところに余りにも金融危機対応会議というのが早過ぎて、こうした業務改善命令でもう少し資本増強その他の改善計画が実施することができたのではないかというふうに考えられるのですが、この点、どのように解釈したらよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) このような緊急の事態に至っての意思決定というのは極めてスムーズでなければなりませんし、金融機関と金融当局の意思疎通も極めてスムーズなものでなければいけないというふうに思っております。 先ほど報告徴求を行ったと、で、二十四条の報告が出てきたというふうに申し上げましたが、実はその二十四条の報告の中で公的資金による、りそなは公的資金による資本増強により早急に自己資本比率の回復を図るということを述べております。実はその時点で、実態的にはりそなは早期是正の命令を待たずとも自らの力でこの復元は困難であると、そのような意思は表明されているわけでございまして、そういうやり取りを前提にその日のオペレーションは行われたということでございます。
○大脇雅子君 その場合、預金保険機構による破綻処理をいわゆる無視ないし政策判断によって破綻の予防的な手段として使っていくことにしますと、結果として金融機関の危機意識とか真剣な対処を実質的に減殺して、最終的には国民負担を積み増すだけではないかというような感じがいたします。 したがって、この早さというのは、結局取付け騒ぎの危機もあったわけではないし、インターバンクのいわゆる預金調達が不可能であったわけではないと。どうして、早過ぎる金融危機対応会議と、その処理のように思われますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いろんな見方があろうかと思いますが、私は、例えば業務改善の命令を出して、じゃ、まあ一週間ぐらい待ってどうするか考えるかと、そういうことは現実にはやはりあってはいけなかったことだと思います。 先ほど申し上げましたように、資産規模四十数兆円の銀行が自己資本比率二%であると、これは当然のことながらタイムリーディスクロージャーが求められることでありますから、そういうことをすぐに発表しなければいけない。週が明けて月曜、火曜に、そういうことを月曜日に言って、これからちょっとどうするか一週間ぐらい二週間ぐらい考えますということは、これは現実にはあり得ないことだと思っております。 繰り返しますが、いろんな御意見はあろうかと思いますが、一般には私は、金融関係者の中からは、このスムーズな迅速な意思決定は大変有効であったというような御評価もいただけていると思っております。
○大脇雅子君 こういうのは、政策の責任、選択の責任というものがあるのかないのかということの問題に尽きていくのかもしれませんが、この議論はさておいて、金融再生と再建策とリストラ策との関係についてお尋ねいたします。 金融機関の再生をするためには、取られている方策は、不良債権の処理やリストラ策の再生計画の策定とその実施ということで、今回のりそな銀行の場合も、主として返済計画等の根幹にあるのはリストラということとされておりますが、行員の賃金三〇%の削減及び人員の削減ということがこの健全化計画の中の大きな柱だというふうに言われておりますが、そう解釈すべきでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 今、先生御指摘のとおり、今回のりそなの経営の健全化に向けての取組でございますが、その第一として、リストラの具体的な中身として、従業員の方々の年収の水準を三割程度引き下げていくと、そのことによって一段の経営の合理化を進めていく、あるいは店舗の統廃合を進めていく、さらには関係会社、子会社についてもこれはゼロベースで一年以内に見直しをしていくと、そうしたことを通じて健全化に資する具体的な形を実現をしていきたいということでございます。 ただ、給与の問題につきましては、新たな経営体制の下で、従来以上に成果主義的な考え方を導入した給与体系や、黒字化、収益改善の状況に応じた賞与水準を検討していくということとなっておりまして、こうした施策の実施によって従業員の方々の士気が維持されていくものと考えているところでございます。
○大脇雅子君 通常の賃金の切下げに加えて、ボーナスゼロというのが決定されているということも伝えられています。公的資金投入を理由にボーナス全額カットは余りにも短絡的で、一律に賃金カットや人員削減だけが再建策につながるとは思えないと。店舗の統廃合やゼロベースの様々な検討がされておりますけれども、やはりもう少し経営責任を賠償責任も含めて検討するとか、株主への責任を考えるとか、少しバランスが欠けるのではないかと思います。 こうしたリストラ効果によって新しい再建がなされるということに対して私は大きな危惧を持っておりまして、新しいビジネスモデルとしての再建をするということであれば、ワークシェアリングなど労働者の連帯の汗というものをある程度頭に入れた日本再生を目指す方策というものが必要ではないかと思いますが、こうした新しいビジネスモデルと、モデル、いわゆるワークシェアリングの関係について各大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 不良債権の処理が加速化するに当たりまして、やはり非常に雇用の問題も深刻になります。今先生からそういう例が出されたわけであります。ですから、そういう意味では、やはり雇用のセーフティーネットをいかに張るか、そして御指摘のワークシェアリングというのも非常に私は重要な問題だと思っています。 特に、地域経済においてはやはりこの雇用をいかに確保するかということが一つ大きな私はテーマになっていると思っておりまして、昨年の八月に、失礼、平成十三年の八月に坂口厚生労働大臣との間で、我が省にも九か所の経済産業局があり、そして厚生労働省にも労働局が九つございます。ここで、ワークシェアリングを含めた、そういった地域の経済、雇用の活性化のために私どもは今連帯をして進めているところでございます。 またこれは、昨年の十二月に政労使の間でこのワークシェアリングを含めた雇用の活性化という形で基本的な枠組みができて、それがスタートしておりますので、私どもといたしましても、規制の緩和等も含めて、地域の経済の活性化、そして多様化に合わせたワークシェアリングというものを進めていきたいと、このように思っております。
○大脇雅子君 三大臣。
○委員長(佐藤道夫君) どうしますか。どうぞ。
○国務大臣(塩川正十郎君) 雇用問題で私も見ておりますのに、二〇〇〇年以降、大体失業率は安定してきておりまして、高いことは高いで残念ですけれども、その点において相当新規雇用の開発も行われておるのではないかなということを思っております。 ついては、実は私ももう三年前にワークシェアリングを提案いたしまして、全労なんかこれを取り上げてくれたことがございましたんですが、なかなかうまくいっていないような感じがしておりまして、それは何かといったら、やっぱり残業の制度というのが日本とヨーロッパなんかと全然違うということが、収入の一つにもう見ておるというところ等がございまして、そういう点をもう少し改善してくれたら良くなるのではないかなと思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) ワークシェアリングの考え方、特にオランダの例等々、やはり学ぶべきものが私もあると思います。ただ同時に、一律に、十時間働きたいと思っている人を、君、五時間にしなさいというようなやり方は常にいいわけではないという面もあろうかと思います。ケース・バイ・ケースだと思います。 恐らく日本としては、多様な働き方を認める、一日三時間働きたい人、五時間働きたい人、十時間働きたい人、その多様な働き方を認めることによって結果的にワークがシェアされると、そのような姿に持っていくのが一つの解決策ではないかと思っております。
○大脇雅子君 不良債権の処理と並んで、それが構造改革の中心に並んで、様々な不良債権処理の雇用に及ぼす影響ということが、失業率の高止まり、自殺率の上昇その他に影響しているのではないかと。したがって、働き方の構造改革であるワークシェアリングというものをやはりうまく組み込むか組み込まないかということが、やはり二十一世紀の日本の新しいビジネスモデルを作る上に私は不可欠だということを申し上げたいと思います。 さて、最後にこの三月期決算についてお尋ねをいたします。 まず、日銀は本年三月期に自己資本比率が十二年ぶりに八%割れして七・六二ということになりました。今後も資産担保証券とか銀行株の、いわゆる銀行保有株の買取りといったことに大きくリスクを負おうとしているわけでございますが、これが自己資本比率の低下に対して何らかの歯止めがない限り、日銀の金融のいわゆる信用ということにも大きな危惧が持たれるわけですが、こうした歯止め策についてどのようにお考えか、日銀にお尋ねしたいと思います。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。 日本銀行の平成十四年度末の自己資本比率でございますけれども、分母であります銀行券が超低金利の下で非常に大きく伸びまして、その結果、自己資本比率は七・六二%と、十三年度末、すなわち八・三八%と比べて低下をいたしました。 日本銀行としましては、この自己資本比率の低下をできるだけ抑えるように努めまして、今財務の健全性維持に努力をしております。 まず第一に、債券取引損失引当金及び外国為替等取引損失引当金につきまして、昨年度は取崩しを行わないということを行いました。また、法定準備金につきましても、現在、法律五十三条で義務付けられています当期剰余金の五%を超えまして、前期につきましては一五%を積み立てるということを行いました。日本銀行は、自己資本比率のめどとしまして、一〇%程度とすることをめどとして、おおむね上下二%の範囲とするよう運営するということを今掲げて運営をしております。先ほど申し上げましたこともそうしたことを意識して行っておるものでございます。 日本銀行としては、今後とも資産保有に伴います様々なリスクの適切な把握を行いつつ、財務の健全性確保に努めていきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 竹中大臣に最後にお尋ねしたいのですが、三月期決算における地銀及び第二地銀の決算評価をどのように把握しておられまして、今後どのような方向に導いていかれるのでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 地銀協、第二地銀協から、先般、十五年三月期決算が公表されておりますけれども、地銀、第二地銀とも、人件費を中心とした経費の削減もありまして、実質業務純益は前年並みの水準を確保している、しかし不良債権処理額は、昨年より減ったとはいえ、まだ高い水準にある、株式関係損益も大幅損ということでありまして、経常・当期利益ともに引き続き昨年に続いて赤字になっております。自己資本比率は昨年度とほぼ同様、リスク管理債権は減少しておりまして、その比率も横ばい又は微減というような状況である、基本的には厳しい状況が続いている、不良債権処理を進めながら、健全性を確保できるよう収益性の向上に各行とも努めているというのが現状だと思います。 先ほどから、リレーションシップバンキングの話が出ましたが、地域経済の活性化を行う、その中で収益性を高めるということで、その不良債権問題も同時解決していくという道を懸命に今模索しているところであるというふうに思っております。
○委員長(佐藤道夫君) 皆さん、大変御苦労でありました。 本日の委員会はこれにて散会いたします。 午後六時三分散会