金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2003/04/23
会議録
○委員長(清水達雄君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十二日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。 ─────────────
○委員長(清水達雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に金融庁検査局長佐藤隆文君、金融庁監督局長五味廣文君、厚生労働省職業安定局次長三沢孝君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長伊藤隆一君及び中小企業庁事業環境部長斉藤浩君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(清水達雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(清水達雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁武藤敏郎君及び預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(清水達雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(清水達雄君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。竹中金融担当大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年十二月六日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、昨年四月一日以降九月三十日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。 まず初めに、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について御説明申し上げます。 一昨年十二月二十八日に金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がなされた石川銀行については、昨年四月十八日、預金保険法第八十条の規定に基づき同行の金融整理管財人より金融庁に対して、同行の業務及び財産の状況等に関する報告並びにその経営に関する計画が提出されております。 また、昨年三月八日に管理を命ずる処分がなされた中部銀行については、同年五月二十日、預金保険法第八十条の規定に基づき同行の金融整理管財人より金融庁に対して、同行の業務及び財産の状況等に関する報告並びにその経営に関する計画が提出されております。 次に、被管理協同組織金融機関について申し上げますと、今回の報告対象期間中に、六信用金庫、三十八信用組合について事業譲渡が行われ、管理を命ずる処分が取り消されております。 次に、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構に対する、瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。 今回の報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については六十四件で、債権額千四百十三億円、支払額千二百二十九億円であり、あおぞら銀行については二十三件で、債権額千三百五十四億円、支払額千百八十一億円となっております。 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について御説明申し上げます。 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、破綻金融機関の債務超過の補てん等のために預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助の額は、今回の報告対象期間中において一兆七千三百五十四億円であり、これまでの累計で十八兆千九百四十四億円となっております。 このうち、ペイオフコストの範囲内の金銭の贈与に係る資金援助の額は、報告対象期間中で一兆千八十四億円、これまでの累計で六兆九千四百四億円であり、ペイオフコストを超える金銭の贈与に係る資金援助の額は、報告対象期間中で六千二百七十億円、これまでの累計で十一兆二千五百四十億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取り額は、報告対象期間中で五千九百六十八億円、これまでの累計で六兆千六百八十二億円となっており、金融再生法第五十三条に基づく健全金融機関からの資産買取り額については、報告対象期間中で債権簿価六千九百一億円、買取り額八百九十億円、これまでの累計で債権簿価一兆九千九百三十五億円、買取り額千四百三十九億円となっております。 これらの預金保険機構による資金援助等について、昨年九月三十日現在における公的資金の使用状況について申し述べます。 まず、特例業務勘定の特例業務基金に交付された十三兆円の交付国債の償還額の累計は九兆六千四百九十二億円となっております。また、一般勘定、特例業務勘定、金融再生勘定及び金融機能早期健全化勘定における政府保証付借入れ等の残高は、各勘定合計で二十兆九千七百一億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(清水達雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。 本日は、この金融問題並びに経済活性化に関する特別委員会で久しぶりにこの報告に対する質疑、質問に立たせていただき、誠にありがとうございます。 まず、この金融機関の不良債権の処理問題、これが日本の経済の中で大きな動脈硬化の大きな原因になっているというところで、金融庁においても大変御努力をいただいているわけでございますけれども、まず最初に、私は、今回御報告いただいた報告書の中での破綻金融機関の処理について、ちょっと御質問をさせていただきたいと思っております。 破綻、金融機関が破綻をいたしますと、まず受皿を探すと。受皿が見付からない場合には、要するにブリッジバンク、日本承継銀行の方にいったん引き受けるというふうな形になろうかと思うんですけれども、この報告書の中を拝見いたしておりますと、日本承継銀行というのがどういう形で機能しているのか見えないわけなんです。 そこで担当御当局の方にちょっと御質問したいんですが、日本承継銀行の今の現状、言ってみればBS、PL、貸借対照表等は、財務諸表がないものですから口頭で結構なんですけれども、ちょっと御説明をいただきたいということをまずお願いいたします。
○政府参考人(五味廣文君) お答え申し上げます。 日本承継銀行は、預金保険法に基づく承継銀行、いわゆるブリッジバンクとして設立をされた銀行でございます。その主たる目的は、被管理金融機関の業務を引き継ぎ、かつ当該引き継いだ業務を暫定的に維持、継続するということになっております。 この日本承継銀行は、具体的には今年の三月三日に中部銀行から営業の譲受けをいたしました。そして同日、清水銀行、静岡中央銀行及び東京スター銀行に中部銀行から引き継いだ営業を譲渡をし、また、三月の二十四日には石川銀行から営業を譲り受けました。そして同日、北陸銀行、北國銀行、富山第一銀行、金沢信用金庫及び能登信用金庫に石川銀行から引き継いだ営業を譲渡をいたしております。したがいまして、現在、預金や貸出金は保有していないという、こういう現況でございます。 なお、この承継銀行は、具体的な現状での仕事といたしましては、中部銀行及び石川銀行の清算法人の資金管理を行う、また中部銀行及び石川銀行の営業譲渡に際して預金保険機構から支払われました資金援助の金額の精査などを行うということを行っているところでございます。
○山下英利君 ありがとうございました。 そうしますと、日本承継銀行というのは、営業譲渡を受けて今度受皿へあてる場合に、右から左へパススルーするという形になるわけでございますか。それとも、そこの間で何らかしらの損益、これが発生するような形になるんですか。
○政府参考人(五味廣文君) ただいま御紹介をいたしました日本承継銀行の最初の仕事でございますが、これはちょっと特殊でございまして、石川銀行は平成十三年の十二月二十八日に破綻をし、また、中部銀行は十四年三月八日に破綻をしておりますけれども、この時期というのが預金等全額保護の期限であります平成十四年三月三十一日に非常に近接をしております。そこで、預金等全額保護の期限であります十四年三月三十一日までにこの二つの銀行の受皿金融機関を見いだすということが困難であったということがございましたので、日本承継銀行を救済金融機関として預金等負債の全額保護を確保をしたということでございます。 その後、石川銀行、中部銀行、それぞれの金融整理管財人の努力によりまして、両行ともに、先ほど申しました地元金融機関を中心とした最終受皿が確保をされたというところから、あえて日本承継銀行としての独自の営業は行わずに最終受皿に即日譲渡をするというやり方を取ったわけでございます。 あらゆるブリッジバンクとしての機能がこうしたやり方で果たされるということが想定されているわけではございませんで、独自の営業を行うということはあり得る形でございます。
○山下英利君 ありがとうございました。 したがって、右から左へそのままパススルーするという形ではないということである以上、この日本承継銀行における財務状況等について適切な御報告もいただければと思っております。 今、こういった資産デフレが進んでいる中で、やはり資産価値、それから、要するにそこから発生する、譲渡による、独自の業務による損失等が発生した場合、それは的確にやはり我々としても認識しておかなければいけないと、そのように思う次第でございます。 私がなぜまず最初にこういう御質問をしたかと申しますと、やはり公的資金が金融機関の不良債権の処理に対して注入される、そうすると公的資金がどういうふうに使われる、あるいはまた、公的資金というのはどういうものなんだということをきちっと認識をしておかなければいけないと、そういうふうに思うわけであります。 続きまして、ちょっと御質問させていただきたいのは、今度は預金保険機構の支援の内容でございます。 先ほど大臣の御説明もいただいたわけですけれども、預金保険機構からいわゆる資金贈与という形での支援がされているわけですけれども、この報告書の中を見ますと、全部累計で見ますと十八兆一千九百四十四億円と。その中で、ペイオフのコスト内あるいはそれを超えるものというところでの合計の金額が入っているんですけれども、じゃ、その内訳の説明を拝見すると、それは保険料、そしてそれを、不足分については民間金融機関による借入れであるというふうな文言にとどまっているわけでございまして、ちょっとこの内容をもう少し詳しくお聞かせください。
○政府参考人(五味廣文君) 預金保険機構による資金援助のうち、平成十四年九月末までの金銭贈与の累計額が、今御指摘のありました十八兆一千九百四十四億円でございます。 この財源の内訳でございますが、まず第一に、ペイオフコスト超の金銭贈与のために手当てをされました交付国債償還額、交付国債の使用額でございますが、これが九兆六千四百九十二億円、第二に、金融機関からの保険料により賄う額、これが八兆五千四百五十二億円、こうなっておるわけでございます。 そこで、お話のありましたこの保険料による賄う額のさらに内訳ということになりますが、この約八・五兆円のうち、現状、預金保険料収入で不足をする額がございます。この不足をする額は約三・九兆円、これは十四年九月末現在の一般勘定の借入金残高というものと符合するわけでございます。これにつきましては、民間金融機関から政府保証付きの借入金で調達をしているということでございます。 なお、この借入金につきましては、今後金融機関から収納する保険料により返済が行われるという関係にございまして、この返済が行われるのに応じまして借入残高が縮小していく、こういう仕組みになっております。
○山下英利君 どうもありがとうございます。 したがって、その借入れを返済する原資というのは今後の保険料であると。そういう意味合いからすると、やはりこの金融機関の破綻処理というのが、これが収束に向かわない限りはこの返済もなかなか時間の掛かる厳しいものではないかなと、そういうふうに私も感じているところなんですけれども。 実際、公的資金入った場合に、この公的資金が本当に行ったきりになるのか、あるいは返ってくる公的資金というのがあるのか。その辺の理解というのはやはりいつも気を付けていかなければいけないのではないかなと思っている次第です。 したがって、今ちょっと私がお聞きしたのも、結局保険料で回収できるということになると、実際、今は借金が預金保険機構に乗り替わったような形でありまして、これが、将来的にわたってそれが減ってくるということになって初めて、これは公的資金は今度戻ってくるんだというふうに理解させていただいてもいいんではないかなと、そういうふうに私は思っている次第であります。 したがって、ちょっと竹中大臣にお伺いをしたいんですけれども、この報告書を見ますと、やはり地方の中小金融機関を中心としたやっぱり破綻というものの数が相当列挙をされておるんですけれども、この中小金融機関の破綻というのはもうおおむね大体山を越えたというふうに認識をされているのか。これは、ある意味じゃペイオフを延期をいたしましたので、取りあえずそれに向かっての手だてをすれば今後どういうふうに落ち着きを見せるのか。そのようなところのお考えをお聞きしたいわけなんですけれども。金融庁も金融機関、検査をしていただいていますので、その辺で、金融機関の内情等を見て、具体的な個別の話ではなくて、全般的に見て、経営状態、世の中の景気が今の現状で推移すれば金融機関としての破綻は今後どういうふうに見込まれるか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融システムの健全性をどのように見るか、とりわけ、御質問がありましたのは中小金融機関ないしは地域の金融機関等々の動向についてどのように考えるべきかということであろうかと思います。これは、今正に決算の作業の最中でございますので、その決算に関して我々も是非しっかりと見たいと思っております。 ただ、直近のものでございますけれども、直近の、銀行については十四年九月期、協同組織金融機関については十四年三月期のもの、そうしたものの財務内容を見る限り、いずれもその健全性の基準は満たしていると。かつ、もう少し具体的に、例えば預金の動向とか、万が一にも預金流出があるというようなことだと、これは一つのサインになりますが、そういうことは特段見受けられませんし、資金調達等々の問題に関しても、現状ではそうした意味での問題がある状況ではないというふうに認識をしております。 お尋ねの中小等々の金融機関の問題に関しては、御承知のようにリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに盛り込まれました措置、これは不良債権処理の体制整備をしながらリレーションシップバンキングの機能そのものを強化していくというその具体策を掲げておりますけれども、そうしたことを実施することによりまして、今後二年間の集中改善期間、これは平成十五年、十六年というのをリレーションシップバンキングの集中改善期間と位置付けておりますけれども、こうした期間において中小地域金融機関の不良債権問題の解決を着実に目指していきたいというふうに思っております。 もちろん、これには大変な努力を要すると思います。しかし、それに向かって、それを実現していく以外に金融システムを改善する道もないわけでありますので、金融機関にも頑張っていただきたいし、我々としてもしっかりと検査・監督をしていきたいと思っております。
○山下英利君 ありがとうございます。 私に与えられた時間は非常に限られておりますので、質問もまとめてさせていただきたいと思うんですけれども。 今後の成り行きの予測、これについては非常に不確定要因も多い。特に、今また生保という問題も出てきております。そういった関係から、金融機関にどういう影響が与えるのか、それを的確に見ていただいて、できればやはりそういったことも委員会等でお示しをいただきたいと、そういうふうに思う次第であります。 したがって、従来から日本の金融機関、常々言われていた話というのは、オーバーバンキングであると。特に大手の主要行にしても、今四グループに合併、統合が進んでいるわけなんですけれども、地方においても中小の金融機関、この数を見た場合に、これだけ全体のパイが縮小してきている中でオーバーバンキングというふうなこともずっと言われてきたわけなんですけれども、こんな中でやっぱり破綻をする前にそれらを再編あるいは統合といった形で前へ進めていくというようなところ、これはもちろん民間の努力であるというような部分もあるんですけれども、やはりその辺のところを金融担当御当局としてどう考えていらっしゃるのか、それを改めてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の市場における金融に対するニーズというのは、非常に多様化しているのだと思います。それぞれの非常にきめ細かなニーズがあって、むしろそうしたニーズをいかに掘り起こしていけるかということが金融機関の重要な戦略になっていると。その意味では一律に、全く何かかつての高度成長期の例えば石油化学プラントがキャパシティーが多いか少ないかと、そういった意味での議論は、特に最近の金融に関して私はやはりできないのであろうかと思います。 したがって、一概にオーバーバンキングであるというような議論は私はいかがなものかなというふうにかねがね思っておりますんですが、そうしたためにもやはり需要の発掘をしっかりとやっていく、そうした経営のしたたかさといいますか経営力が正に問われているというふうに考えております。それで、破綻をやはり未然に防ぐということは、これは重要なことでありまして、これは金融機関にとっても重要だし、何よりも預金者、投資家に重要であり、金融行政の重要なかなめであると思っています。 そうした観点から、我々としてはこれまでも早目早目にいろんな措置をやると。これは金融再生プログラムの中で改めてそうした措置を確認しておりますけれども、今、早期是正の措置というのがありますが、それに先立つ措置として一種のアーリーウオーニングといいますか、いろんな指標で早期の警戒の措置というのも充実しているところでありますので、とにかく早目早目にいろんなシグナルを先方からも出してもらって、我々も送って、そうした中で未然に金融機関の破綻を防いでいただく。その中で、金融機関に関してはきめ細かなニーズを掘り起こしてしっかりと経営戦略を立てていただく、そういうような方向を是非目指したいと思っております。
○山下英利君 ありがとうございます。このアーリーウオーニングという話になると、やはり風評とか金融機関の経営にも影響を及ぼす話でございます。言ってみれば地域に多くの金融機関が固まっている状況、その中で新しいビジネスモデルを作る、これも一つの方法ではありますけれども、それをまとめていくというような動き、これは民間の、民間がやらなきゃいけないことだと思うんです、本来言えば。それは経営の責任だと私は思うんですけれども、そこにおいて、やっぱり今の金融破綻というのが進んでいる状況の中で金融庁が果たす役割というのは、やはり我々も一緒に一生懸命考えていかなければ、なかなか新しいビジネスモデルといってもこれは短兵急に作り上げられるものではない、そういうふうに私は思っております。 しかし今回、昨年十月の金融再生プログラムで発表いただきまして、いろいろワーキンググループで作業をしていただきましたこのリレーションシップバンキングという形での一つの御報告があるわけなんですけれども、正にここにうたってあることは中小企業の再生とそれから地域経済の活性化であると。主たる担い手は地域の金融機関と位置付けられているわけなんですけれども、これは新しいビジネスモデルを構築するということを目指しての作業だと思うんですが。これについてちょっと御質問をさせていただきたいと思うんですけれども。 まず今、大手行、いわゆる主要行の資産残高の中で、大企業と中小企業に分けると中小企業というのはどれぐらいありますか。
○政府参考人(五味廣文君) 申し訳ございません。手元に資料がございませんが、私の記憶で申しますと、主要行ということでございますと、中小企業向け貸付けは全体の残高の約四割であったと記憶しております。
○山下英利君 ありがとうございます。 今四割という話を承ったんですが、実際に今不良債権化している不良債権額の大体六割から七割ぐらいが中小企業であるというふうに私は記憶をしているわけなんです。 したがって、今回のこの地域金融機関、中小金融機関のいわゆるリレーションシップバンキング、それ自体はいいんですけれども、私が伺いたいのは、要するに中小企業取引、これを考えたときに、要するに地方の場合とそれから大都市圏と大分様子が変わってくるだろうと。特に、大手の都市銀行、主要行がたくさんの店舗を構えております東京であるとか大阪であるとか、こういったところでは中小企業のメーンバンクを目指した取引をやっぱり大手の主要行かなり力を入れてやっている状況でありまして、そういう中で、このリレーションシップバンキングが目指す内容が果たして主要行に対してマッチするものなのか。 あるいは、これは今回は地方のいわゆる中小金融機関ですと、ですから大都市にある主要行と競合するような状況にある環境における中小企業取引というのはやはりまた違うんですよというふうなことであればまた別なんですけれども、そうでないとすれば、この大手行の持っている、やろうとしている中小企業取引、これを今後どういう形で位置付けていくのかというところがちょっと見えないのかなという気持ちがいたしますので、その辺のところをちょっとお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、実は一言で言いますと、リレーションシップバンキングに関して審議会で報告書を出してもらって我々としてもアクションプログラムを作ったわけですが、その線引きを一体どこで引けるのかという問題だと思います。 同じ地域金融といっても、例えば地方銀行、信用金庫、信用組合は、考えてみるとこれはかなり違うだろうし、その意味では中小企業金融といっても主要行が行っている中小企業の金融と信用組合が行っているものも違う。その意味でいきますと、なかなかこう議論すればするほどトートロジーになっていく世界ではあるんですけれども、我々としては、やはりリレーションシップバンキングというのは一つの機能、ファンクションであると。情報の非対称性が非常に強いような場合には、その地域に根差した金融機関がその質的な情報をしっかりと把握して、その地域に貢献しながらビジネスをやっていくという機会があるはずであると。その意味でいきますと、その大手行、主要行それと地銀云々というのは、これは機構ではなくてプレーヤーの区分になります。 その意味ではすっきりと割り切れない部分というのはあるわけでありますけれども、我々としては、報告書においては主としてその機能についてしっかりと書いていただいた。それを受けた、一日遅れでアクションプログラムを我々出しているんですが、アクションプログラムとしてはそのプレーヤーに着目して地域の中小の金融機関等々を対象にしているということになります。 したがいまして、そのアクションプログラムに書いていることというのは主要行を念頭に置いたものではその意味ではございませんけれども、私はやはり、例えば地域に対していろんな情報を出すとか、そういうことは是非見習って積極的に自主的にやってくださる主要行が出てくるというのは大変好ましいことであろうかと思っております。 我々としては、当面行政としてはプレーヤーに着目してやっていくつもりでありますが、機能面でいろんなことが補えるように努力、注意をしていきたいと思っております。
○山下英利君 どうもありがとうございます。 その点が今回のちょっとアクションプログラムを拝見したときにこれからすり合わせていかないといけない問題だと思いますので、十分に御議論をさせていただきたいと、そのように思っておるわけであります。 そして、その中で一つのポイントとすると、やはり新しい中小企業金融のビジネスモデルであるという中に、やはり担保とか保証といった、そういった引き当ての問題が出てまいります。 これについては、やはり主要行の場合にはいわゆる国際決済業務という中でのBISの縛りというもの、これが出てくるわけでございますけれども、そういったものとはまた別、そういった外的な要因と、それからやはり今置かれている中小企業の立場、すなわち、今まで不動産担保で借入れをした、しかし不動産の担保価値がもう半減以下になってしまった、そして担保価値がなくなった、落ちてしまった分だけやはり裸といいますか、いわゆる無担保の状況が出てきている。これを何とか抑えなければいけないという銀行側の側面で、これが貸しはがしという問題にもなってきている、あるいは、この新しい資金需要に対して貸し渋りというのも、その担保がないから出せないんだと。 これを何とか解決をしないと、本当に地道にやっているまじめな中小企業、資金難で大変苦労している状況でありますので、今回のこのアクションプログラムの中に入っていた、やはり中小企業といえどもその辺のところの財務諸表と申しますか財務内容を開示ができるように、金融機関が理解できるように整えていくと、そして情報公開を進めていくというのは一つの理解を得る上での大きないわゆるプラスの要素になるんではないかなと私は思っておりますので、そういった面で、会計的な側面からもやはり、中小企業を指導していくというよりも、むしろそれが金融機関からの借入れに対して前向きにいくんだという応援をしてあげるという部分だと思いますので、その辺は金融庁もこのアクションプログラムを推進する際においては念頭に入れてやっていただきたいと、そういうふうに思うわけであります。 ちょっと時間限られておりますので、次の日銀の方の問題に進ませていただきますので、ありがとうございます。 今日は武藤副総裁、御出席いただきましてありがとうございます。 今回、人事で総裁、副総裁、皆さん入れ替わって、やはり日銀としてのこれからのいわゆる中央銀行としての方向性というもの、お考えというものを私はお聞きしたいと思いますけれども。 まず、最近よくマスコミ等で報告もされておりますけれども、日銀による銀行株の買取りであるとか、あるいは今出てきているETF、要するに株を担保にした信託、あるいはREITという不動産信託、こういった今までと比べるとリスクが大分高いというものに対する投資というふうなことも視野に入ってきている。この辺のお考え方なんですが、本来、中央銀行としてこういった手段を取るということは、副総裁として、どういう観点でこういう議論が出てきているのか、その辺をお聞かせください。
○参考人(武藤敏郎君) 御承知のとおり、この二年間日本銀行は量的緩和を続けてまいりました。相当の資金供給をしてきたわけでございますけれども、なお実体経済に十分な影響が行き渡っていかないということが課題となっておりまして、私どもとしては、いわゆるこの量的緩和の実体経済への波及のメカニズムが必ずしも十分ではないという問題意識を持っているわけでございます。 本来であれば、伝統的な手法といいましょうか、信用力の高い安全な短期の資産を購入することによって資金供給をするということが通常のことであるわけでございますけれども、今申し上げましたような波及メカニズムというものを更に強化する手段はないかということを考えますと、今までにはなかったような新たな資産についても購入を検討したらどうかということが課題になっているというふうに私は理解しております。 今御指摘ありましたその幾つかの資産について具体的にまだここでどうこうということを申し上げるような状況ではございませんけれども、簡単に申し上げますと、いわゆる資産担保証券のABCPとかABSというものをどのように有効に活用しながらこの波及メカニズムを強化できるかというのが当面の私どもの関心でございまして、それについて今実現の方向で検討を始めていると、こういうことでございます。
○山下英利君 どうもありがとうございます。 もう時間も大分迫ってまいりましたので、これを最後の質問にさせていただきたいと思います。 日銀は中央銀行でありまして、中央銀行がやっぱり民間のリスクを直接取るということが、これは金融政策上、金融仲介のシステムを本当に後押しするのかといったところで私はちょっと、もう今言われているこのアセットバックCP、要するに資産担保証券、これをやるのと、じゃ民間の金融機関が企業、中小企業に貸出しをする際に債務保証を、一〇〇%民間の金融機関じゃなくて、例えば今政府系の金融機関がやっているように、じゃ民間は五〇%、じゃ残りの五〇%をいわゆるリスクシェアリングという形で債務保証をすると、それは五〇%ということではなくて八〇%、二〇%でもいいんですけれども、そういう形で民間の金融機関のいわゆる中小企業貸出しを後ろから後押しをしてあげようと、そういうようなところと余り変わらない、むしろそちらの方が効果があるんじゃないかなというように思ったりするわけですけれども、その辺のところだけちょっと、時間もないのでお考えだけお聞きをして、私の質問を終わらせていただきます。
○参考人(武藤敏郎君) 政府系の金融機関が中小企業に対して信用保証するというようなお話については、またいろんな工夫の余地があるかもしれないということで、これはこれで、これは政府の方でお考えいただくことでございますけれども、私どももその両々相まってより効果が高まるというようなことは期待しているわけでございます。 ただ、日本銀行といたしましては、あくまでも流動性の供給ということが基本でございまして、貸出し、金融機関、民間金融機関に代わって企業に直接何か新規の融資あるいはそれに近いようなことをするという考え方は基本的に取っておりません。あくまでも市場に対する流動性供給の手段としてどんなことがあるかということが今検討されているというふうに考えております。
○山下英利君 どうもありがとうございました。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 先週の金曜日ですね、竹中大臣、私、原稿なしで本会議で質問させていただきました。その折に原稿なしで御答弁いただきまして、本当にありがとうございました。ただ、思い起こしてみると、大臣、大臣に就任当時はああいう形で原稿なしで随分お答えいただいていたような気がするんですね。それがだんだんだんだん官僚が作ってくる答弁書をお読みになっていくような私は気がしていたんですけれども、どうなのかなという感じがしました。 今日、まず最初に、ちょっと不良債権の処理のところから改めて考え直してみたいので、この点について質問させていただきたいと思います。 金融庁から資料をいただきました。不良債権の処分損の推移というものを見てくると、累計で、平成十四年度の中間期のところで不良債権の処分損というのが、ごめんなさい、四年度以降の累計ですね、八十三兆にも及んでいるということです。その直接償却等での処分損は幾らかというと、ちょっとこれは累計値はないんですが、恐らく三十兆から四十兆ぐらいの間ぐらいだろうと。ですから、これは間接償却で十分な引き当てが積まれていなかった分なのか、それとも例えば要注意先のようなところが急に破綻してしまったのか、そこら辺のところは明確ではございませんが、取りあえずそれだけの処分損は出してきているということです。 そうすると、これだけの不良債権を処理していながら、日本の国の経済は良くなってきているのかというと必ずしもそうではない、というよりもむしろ悪化してきています。今、リスク管理債権残高が約四十兆円あって、これの処理を本当にすればバラ色の世界が広がるのかどうかというと、むしろ今までの傾向から見てくると、これまで大臣が御答弁されていたように、不良債権の処理をやれば良くなっていくんだということにはちょっとつながらないような気がするんですけれども、その点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私、かねてから申し上げてきたつもりなんですが、構造改革をなぜ進めるかと。それは、やはり前向きの構造改革と後ろ向きといいますか受け身の構造改革とやはり両方やらないと駄目でしょうと。その受け身の構造改革の代表としてこの不良債権のものがあるんだと思います。これは我々が今引き継いでいる負の遺産であると、私は、この不良債権と財政赤字というのが引き継いでしまった負の遺産、これはどうすることもない、できてしまったものですから、これは償却してしっかりとこれを管理して社会全体がリスクを取れるような体質になっていくしかないのだと思います。 しかし、お尋ねの趣旨が、経済全体を良くしていくために何が必要かということになりますと、私は、やはりこの不良債権の処理というのは一種の必要条件ではあるけれども十分条件とは言えない。それは前向きの改革、ある専門家によれば日本の企業の競争力というのは既に一九八〇年代から弱体化を始めていて、生産性の上昇率が低下してきている、日本の新しいリーディング産業が出てこない、そういった意味でのいわゆる企業の革新、経済全体で見ると、供給サイドの強化というのはこれはこれでしっかりと行っていかなければいけない。そうしたことも考えて、実は、四本柱の改革というふうによく申し上げますけれども、金融改革、金融システム改革というのは重要な問題としてある、それと財政についての歳出の改革と歳入の改革がある、それに加えて規制の改革、この規制の改革というのは私は前向きの構造改革の重要な心臓部だと思っておりますが、そういうことを併せてやっていくことによって初めて日本の経済は活性化していくというふうに思っております。 したがって、不良債権の処理というのは、これはやはり避けて通れない問題であると。同時に、他の構造改革と併せてその中で位置付けることによって日本の経済の活性化が可能になると、そのように位置付けをしているわけです。
○櫻井充君 不良債権の存在がいいとは私も一つも思っておりません、そこは全く同じなんですが。 ただ、大臣、いつも大臣がおっしゃっているのは、不良債権の処理をすると、そうすると、銀行が焦げ付いているところに融資してきている、焦げ付いているというか動かないところに融資してきているから問題なのであって、そういう処理をしてくると新たなところに融資できるから、だから不良債権の処理をしなければいけないんだという話をされているわけですよね。 ところが、不良債権の処理を毎年毎年数十、数兆円の単位でやってきていても、じゃ融資は実際増えているかというと、むしろ融資はどんどん減っているわけですよね。その実態を考えてくると、大臣がよくおっしゃっているとおり、不良債権の処理をして、そして銀行側の方が負の遺産をなくしてくると融資が進んでいくんだというお話をされていますが、実態はそうなっていないんじゃないかというふうに私は思いますが、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと本論の前に少し技術的な問題もあろうかと思いますので申し添えますが、融資の残高というのは御指摘のとおり減っております。しかし、一方で、この中にも出てくるいろんなオフバランス化を進めます。銀行の融資残高は減っているけれども、それを例えば証券化して、つまりそれをオフバランス化してそれを持っているという意味でいうと、企業ないし個人に対するファイナンスは結果的にはどこかで行われているということになりますから、要は銀行の融資残高だけではなくて、特に最近証券化等々が進んでおりますから、そうした分まで含めて全体の評価をしなければいけないという若干の技術的な問題はあろうかと思います。 しかし、融資の残高に関して言うならば、これは以前も一度御答弁させていただいたと思いますが、日本の銀行、例えば銀行の融資の残高、総額は大体八〇年代ぐらいからずっとGDPの七〇%ぐらいで安定してきていました。ところが、バブルに向かう中でこの七〇%がどんどんどんどん上がっていって、一一〇%近いところまで上がっている。この信用をどうもやはり膨張をさせ過ぎたというのがバブルに向かう道だった。今、これがやはりある種、これが七〇%がいいのか八〇%がいいのか六〇%がいいのか分かりませんけれども、それが正常化されていくプロセスなのだと私は思っております。 やはり一種の、そういった今までのこれはある種バブルのときに膨れ上がり過ぎた信用創造を調整する、その後にどのような日本経済を作っていけるかということをやはり視野に入れなければいけないのだと思っています。 もう一点は、その融資の残高もさることながら、収益力の高い、ちゃんと頑張っている人たちのところにお金が回るようにする。つまり、同じ一兆円、同じ一億円のお金を使うにしても、やはりちゃんと収益を生み出して、そういうところにお金を回していくことによって経済が少しずつ良くなってくるはずであると。そういうことをやはり併せて考えていかなければいけないというふうに思います。 恐らく委員の御懸念は、それでも融資残高はまだ減っているではないかという点を大変重視されるんだと思いますが、これは言わば、今必要な調整のプロセスを日本経済全体が、正にバランスシート調整の必要なプロセスを今、日本経済が一生懸命進めていっているそのさなかにある。ここは頑張って、いろんなセーフティーネットとかを、また政府系金融機関の融資とかも活用しながらしのいでいかなければいけない局面であるというふうに思っております。
○櫻井充君 おっしゃることはよく分かります。ただ、大事な点は、じゃこういう状況の中で融資を受けられなければ、本来であれば融資を受けられれば存続できる企業も実際融資を受けられないがために破綻してしまうんじゃないだろうかと、そういう心配をしているわけです。 もう一つは、収益が高い低いというお話がありましたが、この収益というのは基本的には景気に大きく左右されるんだと思うんですよ。特に中小企業の場合には景気に極めて大きく左右されるところがありますから、その意味でいうと、今ここのところが極めて収益力が低いから融資ができないんだという判断には私はならないと思っています。 この景気の悪い時期に何とかしのげば、何とかしのげば、景気が良くなってくればまた企業として活発に活動できるようなところも全部破綻してしまうんじゃないだろうか、破綻さしてしまうんじゃないだろうかということを私は心配しているわけです。 もう一点言いますと、ちょっとまた後で話を戻しますが、じゃ銀行側はそういうことをやっておきながら、じゃ資金はどこに行っているんだということになりますと、都市銀行の国債の保有残高を調べますと、平成十一年が十一兆円ぐらい、それから平成十二年度の三月が十九兆円、平成十三年になりますとこれが一気に四十一兆円にまで膨らんでくると。平成十四年の三月には若干減って三十二兆円ではありますけれども、しかし平成十年や十一年が十一兆円台だったものから比べると、約三倍から四倍に銀行が抱えている国債の保有残高が増えているわけです。 ということは、結果的にはそういう資金が実はあるわけです。資金がありながらも、それを融資の方に回っていかなくて国債を抱えていると、そういう実態があるわけですから、どうも大臣がお話されているような局面では私はないんじゃないのかなという気がしますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 櫻井委員の御指摘は、正に今、日本経済がある意味でもがき苦しんでいるその点、そのポイント、ポイントについて非常に的確な御指摘を私はいただいているというふうに思います。 まず、重要なことを三点御指摘くださったと思いますが、融資を受けられるはずの企業がその信用残高の収縮の中で受けられなくなっているのではないか、それがやはり中小企業を営む当事者に対しては正に生死の懸かった問題であって、その実態がやっぱり大変重要ではないかと、もう私は正にそのとおりだと思うんです。 であるからこそ、例えば、これ本当に櫻井委員おっしゃるようにきちっとしてやっていける企業であるならば、もう本当は破綻し掛けているような、つまり塩漬けになっているような大企業に対してお金を貸し続けるのではなくて、そういうところにこそしっかりと貸してほしいと。だから、その資産の査定をきっちりとやって、悪いところについての不良債権を処理する過程で、本当に今おっしゃったようないいところにお金が回るような形でのバランスシートの調整をしっかりとやっていただかなければいけない。やはり解決策は私はそれしかないんだと思います。 ただ、その過程で、やっぱり一種の非常に、時間も若干掛かるし、フリクションが起こります。その間は、こういう中小企業に対してはやはりしっかりとしたセーフティーネットを張っていかなければいけない。これは特に中小企業庁との、我々との共同作業、連絡になりますけれども、これは政府系の金融機関の関連の融資、保証、そのようなものに関しては積極的に活用するということをやっております。 これ一つのまだ小さな事例なんですが、実は倒産件数、ここの半年間について見ますと、倒産件数はこの半年間に関しては減ってきております。実は、この減って、減り始めている時期は、セーフティーネット保証やセーフティーネット融資が増え出した時期とちょうど軌を一にしている。こういうセーフティーネットを自分たちでいろいろ工夫してやっていくことが、やっぱり今御指摘のような問題点を少しでも減らしていく大変重要なポイントになっていっているのではないかと思います。 もう一つは、景気に左右されているだろうと、マクロ経済をやっぱり良くしていくという努力が一方で必要なのではないのかと、多分委員の御指摘はそういうことだと思います。この点に関しても私たちは全く異論がない。 しからばしかし、この点、当面景気を良くしていく方法は一体何なのかということをつらつら考えていくと、これまたもう一つの我々にとっての負の遺産である財政赤字の問題があると。この財政赤字の問題で本当にプライマリーバランスの回復はできるのかというような厳しい御指摘、御質問もいただいておりますけれども、それを考えると、むしろ本当にぎりぎりの狭いところでできるだけ経済を刺激しようと。財政赤字が厳しい中でも、とにかく先行減税をやってみて、減税をやってみて企業の投資を刺激して景気を少しでも押し上げよう、さらには先ほどの規制改革で特区のようなものも試みてみよう、今そういう努力を我々なりにはやはりぎりぎりのところでしているつもりであります。 本当にこれ、ほかにどういうやり方があるか、この点については、これは先生方、それと民間の専門家にも我々としては是非知恵を仰ぎたいと思っておりますが、そういう努力としてはぎりぎりのところでかなりやっているつもりであります。 三番目の、しからば銀行がきちっとしたそういうポートフォリオを組んでくれているのか、資産運用をしてくれているのか、何で国債ばっかり買うのかと。リスクを、本来リスクを取って資金供給するはずの銀行が国債を買うんだったら、別に銀行なんかへ預けないで個人が直接買えばいいではないかと。 その点に関しては、私は、やはり銀行に対して、本当に正にしっかりとしたコーポレートガバナンスを発揮してもらって、銀行としてのその本来の社会的機能を果たしていただくようないろんな形での要請は、我々なりにもしっかりと続けなければいけないと思っています。 ただ、これを言うと必ず銀行は銀行の言い分が返ってきます。今我々の話の過程では、ここにきちっとしたいい中小企業があるはずだと、資金需要があるはずだというふうに、私も実はそう思いますし、そのような議論をしているわけですが、貸手の現場に行くと、本当にいい企業はもうどの銀行も取り合いして貸そうとしていると、これも一つの一面なんだと思うんですね。そこはやはりしっかりとした、銀行でも審査能力を持ってもらって、リレーションシップバンキングの報告書でも目利きという言葉が出てくるんですが、そうした銀行の本来の役割を果たしてもらえるようにする。 今申し上げたことは、どれ一つを取っても打ち出の小づちのようなものではないんですけれども、やはりそういうことを組み合わせて事態を良くしていくしか方法がないのではないかと、こういうふうに思っております。
○櫻井充君 認識は同じなんですが、私が申し上げたかったのは、要するに不良債権を処理して、だから融資ができるようになりますよねという、大臣よくお話をされるわけですが、資金は十分あると思うんですよ、私は。つまり、何回も申しますが、国債の方に向かっているわけですから、二十兆円以上ですね、そういう部分を融資すればいいはずなんです。ところが、なぜかそこのところに、融資ができないところに今大きな問題があるのであって、それを、じゃ、どう分析されるかということになるんだと思います。 もう一度繰り返して申します、申し上げますと、私は、これから不良債権を処理するから、処理したから新しい新規の融資先が見つかるという理論は間違っていると思っているんです。それを立証しているのは、その国債を買い取っている動きだと思っております。ですから、なぜ融資が進んでいかないのかと、これは私は不良債権の問題ではなくて、一つは銀行側からすると自己資本規制の問題だと思っているわけです。ですから、毎回自己資本規制を何とかしなきゃいけないんじゃないですかという話を申し上げているんです。 つまり、どういうことかというと、要するにプロパーで貸し出せばリスクウエートは一〇〇%です。で、それなりのリスクを取らなければいけないとなってくると、引当金も積まなきゃいけなくなる可能性もございます。そうすると、分母は大きくなって、分母は大きくなって分子は小さくなってしまう。国債を買えばリスクウエートはゼロですから、分子を小さくすることができるわけですから、自己資本規制を守らなきゃいけないという話になってくると国債に行かざるを得ないというのは、私は至極当然のことなんじゃないのかなと、そう思っているわけです。 そうなってくると、多分大臣のお考えには、自己資本そのものがかなり低くなってきているからその部分を何とかしなければいけませんねという話になってくるのかなと思うんですけれども、そこに公的資金を入れることを銀行がかなり嫌がっていますから、今はそのことだけを全部考えてくると、その国債の方に、自己資本規制というものがある限り国債の方に走っていくのは当然のことなんじゃないかなと、これは私が思っているんですが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 櫻井委員のロジックはロジックとしてよく分かりました。今の御説明でよく分かりました。ただ、私の認識は、自己資本比率八%というのは、これは現実問題としてやはり日本の置かれた国際的な立場、日本の主要行が置かれた国際的な立場としてこれはまあギブンと言わざるを得ないんだと思うんですね。これは一つの数字で、一つの指標で管理すると若干いろんな派生的な問題というのは生じますけれども、しかしその八%を動かせるかとかそういう議論のベースには、これは現実問題として私はもうなり得ないのだと思います。これは国際的につながった金融市場の中で活動している主要行。 で、一つの解釈、なぜ国債をこんなに買うのだと、これはいろんな要因が働いておると思いますが、一つの解釈は、私はやはり正にここが、これが不良債権だと。つまり、国債というのはリスクウエート、理論的にはゼロではないかもしれないけれども実際にはゼロであると、リスクはありません。なぜそんなリスクのないローリスク・ローリターンのところに投資するかというと、銀行自身が既にリスクを抱えているからだと。そのリスクとは何かというと、正に不良債権である。不良債権を抱えているからこそ新たなリスク、ハイリスク・ハイリターンのところに入っていくことに対して非常なるちゅうちょがあって、それで超安全資産である国債で運用していく。これはやはり、これはすべてを説明するかどうかはともかくとして、かなり今の日本の銀行行動を説明するのではないのでしょうか。 私は、銀行が本来、先ほど言った目利きを持ってきちっとしたリスクを取って融資をしていく、そういう機能を回復するためにもやはり不良債権をきちっと処理して新たなリスクが取れるような体制に持っていく。私がかねてから申し上げるような、申し上げているように、不良債権処理を進めることによって新たな貸付けが可能になるはずだというのはそのような趣旨で申し上げておるわけでございます。
○櫻井充君 そうすると、ただ、一方で、一方でそれでは銀行の実質業務純益はどのぐらいかと、ここ数年ずっと約六兆円なわけです。じゃ、不良債権はどのぐらいのペースで処理しているのかといいますと、平成十年の三月期には十三兆円、十一年の三月期も十三兆円と、もうその銀行の業務純益をはるかに超える処理をしなければいけないような状況になってきている。ということは、処理をすればするほど自己資本自体は毀損してくるんだろうと思っているんです、こういうことであったとすると。 ですから、果たしてその不良債権の処理を終えるとリスクがなくなるから貸し出せるのかということになってくると、自己資本自体がどんどん毀損していきますから、そういうことになると、大臣がおっしゃっているとおり貸し出せるのかどうかというのは私は疑問なんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、業務純益と、それと処理の費用のことを挙げてくださいまして、それで処理をすればするほど実はむしろ経営が苦しくなっているというのが実態ではないだろうかという御指摘がありました。 ちょっとこれ仮定ですけれども、こういう政策論を考えるときに重要なのは、処理をすればするほど状況は難しくなっている。じゃ、処理をしなければ何か逆にいいことが起こるかというとこれはあり得ないわけですね。そこで政策論の組立てとしてやっぱり処理はせざるを得ないと、私はそういうことだと思います。 次にやはり議論すべきは、処理はせざるを得ないけれども、それで不良債権処理が減っていくのかどうかと、これは次の時点での実態判断だと思います。この点は、実はこの問題を考えるときに大変重要なポイントで、もしそうでなければこの問題は解決不可能な問題であるというふうに認識しなければいけなくなる。問題は、私たちは現時点では少なくとも解決可能であるというふうに思っております。 今新しく不良債権の処理をたくさんしなければいけなかった最大の理由は何かというと、今までのバランスシートの中に実態的には不良債権なんだけれども、そうじゃない形で不良債権、つまり資産査定が厳格に行われてこなかった。だからそれが一気に不良債権としてどっと出てきて、それが十何兆円というような大きな処理になった。 そこで、とにかく資産査定をしっかりと行ってその不良債権を全部洗い出してしまおうと。洗い出して、もし完璧に今の時点で洗い出してしまえたならば、今度問題になるのは新規に発生する分がどれだけかということになる。新規に発生するものが、新規に発生するものがですよ、自然発生的に新規に発生するものが、今まで隠れていたものじゃないですよ、自然発生的に新規に発生するものが業務純益よりもし多ければ、これは先ほど言ったように、もうこれは通常の方法では解決が困難な問題だと認知せざるを得なくなります。 今、去年の特別検査の段階でそれが第一弾の洗い出しを行いました。今回新たにDCFとか、別の新たな洗い出しの方法をやっていますから、今回でも若干その追加の洗い出しの部分というのが出てきます。しかし、それ以外の新規の発生の部分というのは、少なくとも十四年九月期の決算を見る限り、私が申し上げたようなそういう破綻的な心配をするようなものではなかったというふうに認識をしております。 ただ、いずれにしても今回の決算が終わった段階で、DCFも含めて今度こそきっちりと洗い出されたということを踏まえて、じゃ、新規の発生がどれだけで、それに対してどれだけのオフバランスの処理をやっていった結果、二年後の不良債権比率がどうなっていくかと、この辺の見極めは是非監督当局としてはしっかりとしなければいけないと思っております。
○櫻井充君 何もしなければこれは悪くなるというお話をされました。何もしない方が良くなる場合もあると思うんですよ。つまり、どういうことかというと、済みません、治療をすると、むしろ副作用が前面に出て悪くなっちゃう場合もあるんですよ。ですから、そこは何とも言えないところでして、例えば、間接償却はしなきゃいけないと思っているんですよ、そこのところは。果たして本当に直接償却までやらなきゃいけないのかどうかというここは議論なんだろうと思うんですよ。 ただ、大臣、大事なことは、もう一つ申し上げますと、これは平成十四年の三月期における金融再生法開示債権の増減要因という中で、債務者の業況悪化等ということで、全国銀行で七・九兆円プラスになっていますよね。そのうち、もう一つはそうではなくて、要するに検査によって洗い出されたものというのが全部で約十兆円程度かなと。特に、特別検査をやっていますので、その特別検査の影響で五兆円ぐらいというような、こういうデータも出てきております。 つまり、そうしてくると、今度はもう一つ大事なことは、オフバランス化と景気の問題ということが極めて大事なことになるんだろうと思います。つまり、オフバランス化することによって景気が悪化するとすれば、ここにありますとおり債務者の業況悪化等によって不良債権が増えてきているわけですから、ですから、大臣がおっしゃるとおり何もしないと悪くなるかというと、むしろ何もしない方が悪くならない可能性もゼロではないと思っているんです。だから、ここが極めて大事なところなわけですよね。 もう一度申し上げますと、つまり、オフバランス化をすることによって企業全体の収益が落ちてくるとか例えば連鎖倒産が起こってくるとか、そういうようなことが起こってくれば、むしろ全体として景気は悪くなっていくんじゃないか、そう思うんですが、その点についていかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済の問題で私が議論すると、よく櫻井委員は人間の体に例えていろいろ御指摘をくださる。確かに経済というのは有機体でありますから、体となぞらえて多分議論するということはそれなりに意味があるんだと思います。 ただ、これ有名な稲田献一さんという数理経済学者が述べているんですけれども、体はいつか死ぬと、しかし経済は死なないと、なくならないと。そういう意味ではアナロジーの利点と欠点というのは多分私はあるのかなと思います。 確かに治療の場合、私は専門家ではありませんが、何もしなくての方がよい場合あると思いますが、それは例えば短期間にはそのようなことというのは経済についても間違いなくあろうかと思います。つまり、しばらくは何もしない方がいいかもしれない。しかし、その病理が治らない限りどっかで後でばかっと出てくるというのが経済のむしろ実態でありましょうから、これはやはり長い目で見て何もしない方がよいということは経済の場合は余りない。 唯一あるとすれば、例えば経済の、これ実際日本の経済そうだったわけですが、すごい潜在成長力を持っていて毎年一〇%ずつGDPが増えていく。そうすると、問題は解決しないんだけれども、経済の体力がどんどんどんどん増えていくからこれが相対的に小さくなっていくと。これはやはり日本の過去の事例でもあったのだと思います。こういった点は、実は慶応大学の池尾和人さんがかつてから指摘されていて、問題、日本は解決しなかったけれども、経済全体が大きくなったんで蒸発してくれたと。そういう面はあろうかと思いますが、しかし、今のように成長率が低いところではそういったこともなかなか望みにくいということなのではないかと思います。 櫻井委員の御質問との関連であえてもう一点申し上げますならば、我々も一方でやはり経済を良くしていく、特にこの場合、企業を再生させていくというメカニズムをこの不良債権処理の中に入れているという点が大変重要になってくるんだと思います。 経済が悪くなってくる、自然、不良債権も発生する、オフバランス化をする。しかしその中に、例えばですけれども要管理の債権については今回の産業再生機構等々で引き取って、そこできちっと再生させる。一方で、ですから一種、体でいうならば、体を良くしていく、良い細胞を生み出すというような新陳代謝機能も合わせることによって、今私が申し上げたようなシナリオを何とか実現したい。これは決して楽な仕事ではないと思っておりますけれども、それ以外どうも良くする方法は現実にはないと。そういう意味じゃ、再生機構のメカニズムなんかも活用しながら、今申し上げたようなシナリオを是非実現したいというふうに考えているわけでございます。
○櫻井充君 人の体とどうか、そこのところは分かりませんけれども、ただ、どこから話をしたら、極めて難しいところがあるんですが、これまでのじゃ政策はどうだったかというと、基本的にRCC送りと言われていました。つまり、破綻処理、つぶれるべきところはつぶれてくださいという考え方だったと思うんです。 今回のリレーションシップバンキングで、私は二つ今までの政策と違ってきたところがあると思っていて、その一つは、全部一本化していたものに対して、大手の金融機関、何と言ったらいいんでしょうか、大手行といった、大手行と中小の金融機関を分けたという点で、これは実態に合わせたと。ダブルスタンダードではなくて、実態に合わせたような形になってきたという点ではまず評価すべきことだと思っているんです。 もう一つは、産業再生機構とは全く別に金融機関がなるだけ企業を再生しなさいと、そういう方向性をかなりきちんと明示しました。今までは、不良債権をとにかく処理しなさいというのはどういう方向だったかというと、駄目なところは、駄目なところはという言葉を使っていいかどうか分かりませんが、本来破綻すべきところを早く破綻させなさいということだったんだと思いますが、そこに至る前に何とか助けられるところは助けられるように努力しなさいということを盛り込んだということは極めて大きなことだと思っているんです。 ですから、その意味で、今回のリレーションシップバンキングというのは今までの金融の行政の在り方の大きな方向転換だったと思うんですよ。ですから、大臣がおっしゃるとおり、不良債権の処理が産業の再生の方に、企業の再生の方に向かっていって、例えば要管理先であったものが要注意先に戻すというような処理をされるんならこれはこれでいいことだと思うんです。ところが、実態はどっちかというと、どちらかというと、結局オフバランス化ということが主になりますから、そうなってくると企業の再生の方向ではないんじゃないだろうか、そのことを私はずっと思っているわけです。ですから、そのことをやることによって企業が再生すればそれはいいわけですよ。でも、そうでなければ、先ほども申しましたとおり連鎖倒産などを起こして、むしろ経済全体が悪化するんではないのかなというふうに考えているんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、政策の方向が転換したかどうかに関しては、実はそう言っていただくのは良いことなのか悪いことなのかちょっと私も戸惑いがありますが、私としては、リレーションシップバンキングは主要行と違うということはもう以前から申し上げてきたつもりですし、それを今回、先生方のお知恵も拝借しながら一つ形にしたと。その意味では、方向としては以前から考えていたことを形に少しはできたと、そういう段階であろうかと思っております。 例えば、RCCについても、決してRCCというのは、そこはそれを処理するということだけではなくて、RCCの中に再生部門というのは私が金融担当大臣になる以前から実はあるわけで、以前からも再生というのは当然のことながら志向されていた。そういうものが具体的に不良債権処理を加速する中で再生機能が重要だというのは前から分かっていたことが少しずつ今形になってきていると。そういう状況なのではないのかなと思います。 もう一つは、オフバラということのイメージのとらえ方なんですが、オフバランス化するというのは、オフバランス化の中にも非常に重要な再生の部分というのは場合によっては入ってくるわけですよね。これは委員はもちろん御承知だと思いますけれども、例えばある銀行が持っている債権が、不良債権がある、この不良債権をオフバランス化する、どこかに引き取ってもらって、そこが、専門的知識を持っているところが引き取ってこれを再生させれば、これはオフバラ化は実はこれは再生につながるオフバラ化なわけです。 要は、再生というのは、できないものを再生してもこれは問題の先送りになるだけですから、本当に再生できるかどうかというのを、出口基準というふうに再生機構等々では言っていますけれども、きっちりと判断しなければいけない。それはオフバラ化であろうといろんな銀行の中で再生させるのであろうと、いずれにしても、それは形の問題ではなくて、実際にそれは再生できるコアビジネスを持っているか、ないしは再生させるためのリソースを十分に付けることができるかどうか、そういうところで判断されるべきなんだと私は思っております。 その意味では、再生に向けていろんなRCCの再生の機能、それと再生部門、銀行自身の再生機能、こういうところがようやく動き始めたと。たまたま、ここのところ日本経済新聞でも、再生のプロというのが結構いるんだというような特集がいろいろ組まれるようになっておりますけれども、そういうことも一つ今再生に向けて、不良債権の処理の加速と再生というのは車の両輪であるということが非常に社会的に認知され始めたということの一つの証左ではないかというふうに思っております。
○櫻井充君 もう一点、先ほど、短期的には何もしない方がよかった、中長期的にはどうか分からないというお話がございました。 そうすると、改めて考え直さなきゃいけないのは、ゼロ金利政策というのは果たしてよかったのかどうかという、それはある程度振り返らないといけない時期にもう来ているんじゃないかというふうに思うんですね。それから、増税しないで国債を発行し続けたということについても、果たしてあれの判断でよかったのかどうかということをもう一度考え直さないといけない時期に来ているんじゃないかと私は思っているんです。 つまり、前、この委員会かどうか忘れましたけれども、痛みを伴わないようなやり方をしたわけです。つまり、ゼロ金利にして、本来であれば破綻するかもしれないような企業もそのままゼロ金利のおかげで、金利が低かったがゆえに助かっていた企業というのもあるんだと思うんです。今になって、危ない企業、危ない企業というか、不良債権になったところを破綻させなさいというような、破綻させろというわけではありませんけれども、できればそういうところに融資するのはやめましょうという方向性を打ち出してくるとすると、ある種、例えばゼロ金利がゼロでなくて数%の金利だったとすると、実はマーケットの中で淘汰されていった可能性もあったんだろうと、そう思うんです。ましてや逆ざやの問題のような形も出てこなくて、生保の方々にとってもよかったであろうし、もう一つは預金者にとってみても、それなりの金利がありましたから、そうすると収入もあったろうしということを考えてくると、果たして痛みを伴わない政策が良かったのかどうかという議論を一度しなきゃいけないんだと思っていました。もう一つは、増税をしなかった、増税をしないで国債だけを発行し続けて財政が悪化してきたという、そういうこともあります。 ですから、目先の痛みを取るために、目先の痛みを取るために何らかの処置をしたときは、それは目先の処理としては良かったんだと思うんです。ですが、実は方向性が違っていたのかもしれないというところもありまして、大臣が先ほどおっしゃっていたようなことには私はつながっていかないんじゃないかと。だから、一つ一つの政策が、一つ一つの政策が本当にこれで合っているのかどうかということをある時期をもってして見て、それで方向性を決めていかないと、やり直しが利きませんから、社会実験できませんから、取り返しが付かないことになってしまうと思いますし、そしてその意味で、もう一つは、改めて方向性を打ち出していく、僕は変えていくこと自体全く問題ないと思っているんです。 つまり、これはまた例えて申し訳ございませんが、我々治療して患者さんが良くなっていかなければ、本当に自分たちが診断した診断面は正しかったのかどうか、この治療法でいいのかどうか、薬の量はこれでいいのかどうか再確認して、その上で投与し直すわけですから。ですから、そういうことから考えてくると、今まで自分たちがやってきた政策というのが果たして本当に正しかったのかどうかという判断をすべきなんだろうなと、そう思っています。 これは私の感想で、もし大臣の方から、ちょっとまだこれはきちんと分析できていないので、個人的にも、そこら辺の御見解があればと思いますが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の櫻井委員の御指摘は、やはり政策を考える上で極めて重要な問題だと思います。 つまり、日本の経済、ここ例えば一九九七年の一種の金融危機的な状況であるとか、それに引き続く景気の大幅の落ち込みであるとか、やはり緊急事態的な状況が発生したと。緊急事態が起こったならば、やはりこれはもうかなり思い切った政策をやらざるを得なくなる。しかし、思い切った政策をやることは、その時々の選択として私は正しかったこともたくさんあると思うんですが、同時にしかし、それを続けていく中で、次に出てくる政策課題というのは、そのような状況が持続可能なのか、サステーナブルなのかどうかと。 多くの私は政策問題というのは、このサステナビリティーの問題なんだと思います。ゼロ金利、これはやっぱりやらざるを得なかったんだと思います。しかし、ゼロ金利というのは、当然のことながら御指摘のように弊害がある。名目金利、資産を運用して名目金利収入で依存している保険等々の業界にはやはり直接的なダメージがありますし、何よりも金利がゼロというのは、金利がある程度、ある程度の水準であることによって、それこそ収益性の高いところにお金を回して収益性の低いところにはお金を回さないという資源配分機能が金利で働くわけですが、金利がゼロであるがゆえに資源配分機能が働かない。ですから、よく俗に言われるいわゆるゾンビ企業のような、本当は悪い企業が生き長らえてしまうというようなことも生じてしまう。 したがって、できるだけ早くサステーナブルな、持続可能な状況に戻していかなければいけない。これは、つまり一種の均衡から何か離れた状況になってしまったときに、できるだけ均衡状況に近付けていかなきゃいけないという努力が当然必要なのだと思います。 しかし、当然のことながら、この逆の政策で、じゃ金利を今すぐ上げられるかというと、これは上げられないというのはみんな分かっている。したがって、金利が自然に上がっていくような状況を作るためにはどのようにしていったらよいのか。そのためには、やはり経済を活性化して不良債権問題を処理してと、実は行き着くところはいつもあの四つの改革のところにどうしても行き着いてしまうのではないかなというふうに思います。 これは、財政赤字についても同じようなことが言えるんだと思います。正に日本の財政赤字、このままで本当にサステーナブルではない、そのぐらいに破綻的な状況になっているのではないかという認識の下で、今、短期的な痛みがあってもこれをやっていこう、健全化していこうという動きが出つつあるわけでありますので、その点は、選択肢は実はなかなか狭いんですけれども、やはり重要な問題と認識して改革を進めているわけであります。
○櫻井充君 あとは、政策を打つ時期の問題なんだと思うんですよ。不良債権の処理ももっと早い時期にきちんとしてしまえばよかったと思うんですね。日本の経済の体力がどんどんどんどん落ち込んできている中で手術をするということが果たして適当なタイミングなのかどうかということに行き着くんだろうと思っておりまして、私は、残念ながら、今の時期に大改革をやれるときにはないんじゃないかなと思っているんです。 ただ、やらないと言っているわけではありません。どうしていったらいいんだろうと思って調べてみると、一九三〇年代のやっぱりアメリカに近い状況にあるのかなという気がいたしておりまして、そうすると、あの当時はどうしているかというと、民間の金融機関は基本的には国債でも買って、そして不良債権を処理して、自分の体力を何とか回復するように努めなさいと。強制的に自分の収益よりも更に多くの不良債権を処理しろということではなくて、そういう形でとにかく何とか自分たちの健全性を維持するように努力しなさいと。一方で、じゃ融資はどうしたかというと、国の方で何とか面倒見ましょうという形でどんどんどんどん融資をしていったと、私は、勉強した範囲ではそういうふうになっているのかなと思います。 ですから、今、金融機関に融資を求めて、なおかつ健全性も求めていくということ自体がなかなか無理があるのかなという気がしています。本来であると、公的金融機関の整理とかいろんな話になってくるので、将来、ですから将来像と短期的な部分というのは分けて考えてこなきゃいけないだろうと思っています。 ここで問題になるのは、公的金融機関を使って、中小企業金融公庫やそれから商工、国民金融公庫などを使って融資をしていくことが本当にいいことなのか、それとも政府の信用保証などを使って融資をしていくことがいいことなのか。そこは議論の余地があるとは思うんですが、民間の金融機関にあれもこれも何もどれもやれと要求すること自体がちょっと難しいところがあるんじゃないのかなという気がするんですが、その点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一九三〇年代のアメリカの事例から公的金融の話について御指摘をいただきましたけれども、御承知のように、この公的な金融の在り方に関しては昨年の後半、経済財政諮問会議でもかなり集中的な議論を行ったところでございます。 言うまでもなく、公的な金融というのは民間の金融を補完するためにやると。その補完の目的というのはだれもが合意するわけでありますけれども、しかし現実には、補完されるべき民間の金融が本来の機能を発揮できない状況にある。典型が、例えば再建ないしは状況にある企業に対するDIPファイナンスですけれども、こういうDIPファイナンスというのはやはりそれなりの金融知識を必要として、それでリスクに合ったリターンを取れる。金融の新しい分野であるわけですけれども、こういうのはどこの国を見ても民間でやっているわけですけれども、日本では民間でそういうのが出てこなかったわけですね。そこで、政府の機関である政策投資銀行がむしろ初めてそういうことをやって、それで評価をされている。投資、再生ファンドなんかについても、これも民間のこれだけ資金のある国で民間でできないはずはないと思うんだけれども、実はそれをリードしているのは政府系の金融機関であるという現状がある。 そこで、我々としては、中長期的な在り方というのを一方で議論して、一方で当面は政策金融機関をむしろ活用して、機能を果たせない、十分に機能を果たせない民間をむしろ積極的に補うというような形を取ろうと、そのような一応我々の結論になっているわけであります。 そういった点からいきますと、中長期的な在り方としては、日本の場合、GDPに占める政府系の金融機関の貸出し残高を出しますと、これは御承知のように一九%とか諸外国の三倍とか、二倍とか三倍の高い比率になっています。これは日本の場合、実は直貸しといいますか、直接融資のウエートが非常に高い。ドイツなんかでもその比率が結構日本に次ぐぐらい高いんですけれども、中身は直貸しだけではなくて、間接融資であるとか保証であるとか、そういった意味からいうと、中長期的には、やはり日本の政府系金融機関はこの直接貸しの部分は減らしていってもらわなきゃいけないんでしょうね。そういうことは多くの専門家が恐らく指摘しておられる。 しかし一方で、その質的な補完に関しては、保証にしろ間接的な融資にしろ、民間の補完というのに徹しながらやっていくという余地は、これは諸外国の例を見ても結構あるのではないか、私自身はそのように認識をしております。 しかし、当面は、先ほどのDIPファイナンスの例に見られるように、民間の部門が傷んでいる中でこの政府系金融機関が果たす役割というのはかなり大きいものがあって、これはこれでしっかりとセーフティーネットの一部として活用していくつもりでおります。
○櫻井充君 そこで、もう一つ、信用保証のことについてなんですけれども、ある方から指摘をされたのは、信用保証が付いていながら、融資する際の金利がほとんどプロパーの貸出し金利と同じではないのかなと、そういう指摘があったんですけれども、実際その辺、金融庁でもし数字がございましたら教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 金融商品、銀行の金融商品自体、認可や何かの制度の対象になっておりませんので、体系的に報告を取ってまとめたものがございません。 ただ、銀行にヒアリングなどをいたしましたり、あるいは、提供する商品をPRするいろいろな書類などもございます。そういったようなものを見てみますと、保証協会付きの融資で担保あり、あるいは第三者保証あり、こういったようなケースですと二%台程度というのがございます。 これは、それからもう一つ、保証協会付融資で無担保、第三者保証なしという場合ですと二%から五%台程度というような商品が見られます。 なお、この保証協会が付いていないようなケースで無担保、かつ第三者保証がないというような場合ですと、これは一五%程度というような高い金利のものもあるということでございますが、ちょっと、いずれにしても、具体的な取引の相手方の信用状況ですとか、あるいは保証や担保をどの程度提供されているか、あるいは個別の銀行の資金調達、あるいは事務処理コストの水準がどの程度であるか、あるいは経営上スプレッドをどの程度取るという方針を取っているか、こういったような金利決定の基本な部分が経営判断に係るものですので、ちょっと今申し上げた程度の数字しかございません。
○櫻井充君 これ、本来であれば、銀行自体はリスクほとんどないわけですから、かなり低利で貸し出してやるというのが私は筋なんだろうなと思うんですね。 そういうことをやることによって、取りあえず現状のような景気の悪い時期を乗り越え、乗り切ってもらって、景気が良くなってきたらあとはリスクを取って民間が貸し出すという形にしていくのがいいので、今、五%台というところがありましたが、こういうことは若干違うんじゃないかと私は思っています。 これの制度設計しているのが経済産業省ですが、経済産業省としてこの辺のことについてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(斉藤浩君) 保証協会の保証付きの貸出しにつきましては、御指摘のとおり、金融機関にとって信用リスクが極めて低いということでございますし、またこの信用保証制度自体、中小企業の方々の資金繰りの支援というための制度でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、実際の金融機関の金利設定に際しましても、当該企業と十分な意見交換をして、納得のいく形で貸出し条件を決めていただくことが重要と考えております。そういう意味で、適切な対応をやっていただきたいと思っております。 現に、私ども保証協会を通じて調べてみますと、多くの金融機関におきまして、いわゆる信用保証付きの融資とそれからプロパー融資につきまして金利差を設けているという状況かと承知をいたしております。 今後とも、中小企業の円滑化という視点でございますので、私どもの保証の現場から上がってくる実態も踏まえながら、金融庁に対しましていろいろ働き掛けをする、あるいは連携して適切な運営が確保されるように努力してまいりたいと思います。
○櫻井充君 是非よろしくお願いしたいと思います。地元の方々の要望が極めてこの点についても強かったので、そのことも併せて金融監督される際にチェックしていただきたいなと、そう思います。 あと、少し前向きな話をしたいと思うんです。というのは、要するに、何かというと、将来が見えないから結局投資できないわけであって、どういうところに投資をしていったら経済が活性化していくのかということについて議論していきたいと思うんです。 ただ、これは、この間ちょっと同級生と話をしていたら、同級生の子供さんが大学に入るんで、幾らぐらい掛かるんだいと聞いたら、仙台の私立大学に入ると、それだけで年間、四年間で約三百五十万ぐらいだという話を聞いたんです。安いですよね、文化系で安いのかもしれません。理科系はもっと高いです。 ところが、例えば東京の国立大学なら東京の国立大学に出てくるとどうなるかというと、月の仕送り十五万ぐらいかなという話になって、というと年間百八十万円なんですよね。往復の交通費とか入れると大体二百万ぐらいですから、四年間で八百万、授業料入れると国立大学でも一千万円ぐらい掛かっちゃうんですね。そうすると、僕らの世代なんかはやっぱりお金使えないんですよね。 それからもう一つは、うちの隣の義理のおやじなんかに話を聞いてみると、かなり金持っているはずなんですよ。こんなことを言って怒られるかもしれないけれども、退職金は一銭も使わずに、キャッシュで隣に家建てていましたから、恐らく相当持っているはずなんですが、でも使わないんですよ、全然。それは何で使わないのと聞くと、要するに医療でどのぐらい掛かるか分からないし、それから介護でどのぐらい掛かるか分からないと。例えば、今、介護の設定ですと、保険料がどんどん引き上げられているだけじゃなくて、例えば要介護三なら三と認定されて、三十万ぐらいでしょう。それを一割で本来だったら三万円で済むはずなんですが、それ以上の介護掛かっちゃうと全額負担ですから。何が起こるか分からないんで、そのために全部備えているというところがあって、そこら辺の制度設計とかを変えていかないとなかなかお金を使ってもらえないのかなという感じはしているんです。それは個人消費の話で。 是非、ちょっと考えていただきたいんですが、私が一つ提案しているのがあって、例えば七十歳なら七十歳になったときに百五十万払ったらもうその後全額医療費ただで結構ですと、ただし病院は指定しますと。つまり、病院を指定するというのはどういうことかというと、延命治療もしませんと、そういう宣言をしてしまって、ある程度の額、百五十万じゃなくてもいいんです、これは幾らでも結構なんですけれども、ある年齢を区切ってしまって、従来どおりの保険は使っても、保険を使うか、若しくは一括全部払ったら後は無料でもいいですよと。これはギャンブルだと思うんですよ。九十歳まで生きたら相当もうかるでしょうし、明日死ぬかもしれませんから、そこは分からないんですが。何かとにかく安心して暮らせるような将来を、介護保険なら介護保険でも幾らという、そういう形のものを作ってあげると大分変わるんじゃないのかなと。これは個人的な考えですので、これは意見にとどめておきます。 そこで、大臣、やっぱり新しい産業を起こしてくることが大事なことでして、私は健康立国を目指すべきだということを常々主張しているんです。 それは何かといいますと、病気の種類が変わってきたんですよ。どういうふうに変わってきたかというと、今まではがんだとか糖尿病だとか高血圧とか、要するにたばこをやめるとか体重を増やさないとか運動するとか、要するに生活習慣さえ変えれば何とか減らせるような病気が主流だったわけです。ところが、最近増えてきているのはアレルギーでして、これは三人に一人です。花粉症だとかアトピー性皮膚炎だとか。三十数年前にIgEを発見した石坂先生なんかは、日本に患者さんがいなくてアメリカに渡って行っているわけです。今はそうではありません。三人に一人です。それから、化学物質過敏症、あと住宅から出てくる化学物質で汚染されてシックハウス症候群というのがありますけれども、これどちらの定義でもいいんですが、大体五百万人ぐらいでして、これ日本国内だけではなくて先進国皆同じです。どんどんどんどん増えてきています。 そうすると、こういうものって、解決するためには、個人の努力で何とでもなるかというと、残念ながら何ともならないところがありまして、そうすると、当たり前のことなんですけれども、きれいな空気とかきれいな水とか、安全な食料を食べるしかないんですよね。そうすると、本来であるとすると、そういうところに何らかの産業というのを起こしてこなきゃいけないんだと思っています。 もう一つ言いますと、今、睡眠障害、通勤通学の時間が長いとか、勤務時間が長いとか、そういうことも含めた睡眠障害の人たちが大体五人に一人です、この国で。ですから、便利になったとか物が豊かになっているかもしれないけれども、そのために苦しんでいる人たちは随分います。 アメリカは、睡眠障害を調べてみると、やっぱり四千万人程度と言われていて、その睡眠障害による経済的な損失は数千億ドルと言われています。それから、医療費だけで数百億ドル。交通事故は、その人たちの方が二・五倍起こしやすいんで、交通事故による被害が大体数十億ドルと言われているんですね。 ですから、そこのところを解決していくようなために、例えば食住近接の町を実現しますとか、そういう、何というか、今ある種の方向性を打ち出して、打ち出して、その産業を形成していくような形になってくると大分変わってくるんだろうなと思うんです。 その一環として、アメリカ辺りはハイブリッドカーを念頭に置いているようですが、カリフォルニア州では二〇〇六年までにその手の車を、CO2を削減できるような、一酸化、窒素酸化物もかな、そういうものを減らせるような車をシェアの一〇%にしなさいと。もうそういう方向性決めちゃうんですよね。規制ですよね、ある種ね。そうやって目標を立ててやっていきなさいという話になっています。 私はこれからやらなきゃいけないのはエネルギー革命だと思っていまして、そのエネルギー革命というのは、やはり水素を使った燃料電池だと思うんです。 その燃料電池でただ車だけ走る社会かというと、そうではありませんで、例えば携帯電話なんかはカートリッジ式になるんだそうですから、あれになると一か月充電しないで済むぐらいになるんだそうですね。それから、ノート型のパソコンなんかは十時間ぐらい連続して使用可能になるんだそうです。それだけじゃなくて、例えば、今はガスコンロとかふろがまとかみんな石油とかガスですけれども、そうじゃなくて、もう水素ボンベを用意してその水素ガスでやれるような、そういう社会になってくるとがらりと変わっちゃうんです。百兆円ぐらいの規模だという話なんです。そうすると、そういうエネルギーを水素に変えていきますよ。 もう一つ、もう一ついい点は、イラク戦争なんてなくなっちゃうんです、そうすると。石油は大分関係なくなりますから。 ですから、とにかくそういうエネルギー革命を起こしましょうと。そうすると、何年までにこういう方向にしますよと、そういうことを示していくと全然違うわけです。 例えば公共事業にしても、従来であったら道路とかなんとか造っていたのを、天然ガスが一番今のところ有力ですから、そうすると、パイプラインを引いてこなきゃいけない、ソ連から。そういう公共事業をやっておきゃいいわけですよ、十年先を見越して。 ですから、そこら辺の制度設計をしてやるとみんなこれから投資するようになります。 例えば風力発電だって、今までなかなか進まなかったのは安定供給できなかったからですから、これを、風力で水を電気分解すれば水素を取り出せますから、その風力のエネルギーを使って水の電気分解で水素を取り出すような技術を開発するとか。 生ごみから実は水素取り出せるんですよ、大臣、今はメタン発酵のレベルなんですが。このメタンから、もう北大で研究されているんですけれども、酵素処理して水素が取り出せる。ベンゼン環と一緒になってきますけれども、そういう技術もずっと進んできているわけです。 ですから、燃料電池の社会というのを実現すると、最後でき上がってくるのは水ですから、極めて安全な社会というものが実現できるはずなんです。 その辺のことを含めて、取りあえずエネルギー、この国のエネルギー政策について、経済産業省の方から御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(伊藤隆一君) 御質問いただきました燃料電池につきましては、御指摘のとおり、エネルギー効率が大変高く、CO2排出抑制に資するということで環境負荷が非常に低いということ。また、石油代替エネルギーは、御指摘のとおりの、バイオマスを使ったりあるいは天然ガスを使ったりというような形で石油代替エネルギーの利用の促進に資するといったようなことから、今後のエネルギー政策の中で重要な役割を果たし得るものと考えておりますし、また、産業競争力の強化、あるいは新規産業の創出の観点からも大きな可能性を持った重要な技術であると認識しております。
○櫻井充君 だからどうするんですか、それで。そんなのだれでも分かっていることで、じゃ、この国としてその方向性は、何年までどうすると、アメリカでカリフォルニア州の例を挙げましたけれども、そういう具体的な計画というのはないんですか。
○政府参考人(伊藤隆一君) 済みません。 このような、今申しましたような観点から、燃料電池につきましては、新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法というものに基づきまして、新エネルギー利用として位置付けて、その開発利用を推進しております。 総合資源エネルギー調査会が取りまとめましたエネルギー需給見通しというものにおきましては、二〇一〇年度の燃料電池の導入目標は二百二十万キロワットということで、それに向けて技術開発、導入促進、あるいは規制等の緩和等の環境整備、そういったものから成る取組を進めるようにという御指摘をいただいております。 そうしたものを受けまして、当省におきましても、平成十五年におきましては、燃料電池の関連予算という形で三百八億円ほどを計上させていただきまして、まず、燃料電池の一番重要な構成要素である固体高分子の膜の耐久性、あるいは経済性の向上、そういったための技術開発を進めておりますし、また、燃料となる水素を安全かつ低コストに製造、利用するための技術開発、そういったものを実施しております。また、燃料電池の自動車の実現可能性というのを実証するという観点から、首都圏におきまして、燃料電池ステーションの方の実証を含む公道走行試験といったものを産学官の連携の中で実施いたしております。 技術開発を始め、実証試験、さらには、使っていくためのいろんな基準であるとか標準、そういったものの整備、こういったことに関連しまして、関係省庁と連携しつつ施策の強化を図ってまいるということを考えているところでございます。
○櫻井充君 僕は、いや、もうちょっと具体的な目標があったらいいんだろうなと思うんですね。特に、一遍に車にしましょうとかなんとかということではなくて、実用可能な部分から行くのが筋だろうと思っているんですね。 ですから、先ほども言いました、いや、これからは後は技術論なんで、もっと専門家の方に話をお伺いしなければ分かりませんが、実用可能な部分から鋭意努力していくということにしていくと新しい産業というのはどんどん起こってくるんだろうと思うんですね。 三百億円というお金が私は高いのか安いのか、そこのところは分かりませんが、本当に国を挙げてこの政策に取り組むんだということ、方向性を打ち出すと企業もみんなそっち向いてやり始めるわけですよね。だから、どこの方向に向かっていくのか、なぜこのことが必要なのかということをもう少しきちんと明示していった方がいいのではないのかなというふうに思っているんですが、内閣としてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 以前、たしか予算委員会だったでしょうか、櫻井委員、花粉症のことで、それが、その事実の問題、それと、それを経済的側面から見た場合にこんなふうだと、大変目からうろこの話がございましたが、今の話も、ちょっと燃料電池の評価は、そのものは私はちょっとできないんですけれども、よく分からないんですけれども。 ただ、やはり今の御指摘のような意味で、そこに広がる潜在的なマーケット、特にそこに非常に高度な技術が絡む、そこに政府がいい意味での刺激を与えて、一種の目標を掲げるような形で日本経済全体の元気を高めていく、これはもう大変私は重要なことだと、重要な御指摘だというふうに思っております。 その気持ちは実は我々もありまして、私自身、実は内閣全体として、例えばですけれども平成のプロジェクトXのような何かシンボリックなプロジェクトを組むことができないかというふうなことを議論させていただいたこともございますし、実は昨年の骨太の中に、経済活性化の中に、今、櫻井委員御指摘になったような問題意識は少しはちりばめたつもりでございます。ちょっと、燃料電池の扱いはどうだったかちょっと記憶はしておりませんのですが。 例えばあの中では、たしか、今、日本では、技術はあるんだけれどもそれが必ずしも社会のニーズと明示的に結び付いていないものについて、それがどのようなシーズがニーズに結び付けるかのようなことに関して、これは分野ごとに専門家を集めて、それと各省庁の官僚とその専門家の間で共同でレポートを出してもらって、どういったことが可能かというようなものも、これはもう昨年の段階でレポートは出ております。それを受けて各省庁で何ができるかということを引き続き検討してもらっているという状況にある。 さらには、科学技術予算の中では、これもちょっと正確ではありませんけれども、たしか三十とか五十とかの代表的な、比較的短期にマーケットに結び付くようなものについて重点的に予算を配分して、正に知的な我々の技術、エネルギーをマーケットに、ニーズに結び付けていこうというようなこともやっております。 引き続き、骨太の次の方針を六月に発表したいと思っておりますけれども、何らかの形で、次の年度の重点予算にやはり具体的に結び付くような形で、今委員が御指摘くださったような問題点を具体的な形にしていけるように是非努力をしたいというふうに思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。 例えばガスより若干高くなったとしても、ガスコンロならガスコンロにしても、少し高くなったとしても、それが自分たちの健康に返ってくるんだということをはっきりさせて、そうすることによって、こういう社会を作るために少しコストが上がりますと。 ですが、そのコストが上がるということは一体何かというと、逆に言うと、私はデフレから脱却することなんだと思っているんですね。付加価値なんだと思うんですよ。デフレからの脱却というのは付加価値をどう付けていくかであって、申し訳ないんですけれども、ある会社のハンバーガーは五十九円のとき物すごく売れて、八十円に上げた途端に売れなくなったわけですよ。要するに、それは実力は結局五十九円の価値でしかないということなんだと思うんです。 そうではなくて、そのもの自体の値段ということを考えてきたときに、どういう付加価値を付けていくのかと、どういう付加価値を求めていく社会にしていくのかということが極めて重要なことでして、私は、そういう意味でいうと、医者だからかもしれませんが、体にとって安全であるとか安心である社会を目指していくべきではないのかなと思うんです。 ちょうどそれと対極を成してくるのは、これはどうか分かりません、総務省に怒られそうですが、テレビをデジタル化しましょうと。二〇一〇年まで全部デジタル化するとたしか経済効果が二百七十兆円だという試算をしていたかと思いますけれども。 あのことをやることは、要するに地上波の鉄塔のところを全部取り替えたり、それから、今使っているアナログテレビが全部映らなくなるからみんなテレビを買い換えなきゃいけないと。じゃ、そのテレビを買い換えたら一体何のメリットがあるのか。要するに、クイズ番組で、今まで電話だとかファクスで送っていたのがボタン一つでそちら側に参加できるぐらいでしてね、あとは、一つのチャンネルで三つのチャンネルが映るぐらいですから大したメリットというのはないわけですよ。それよりも、もうBSやCSでデジタル化されているわけですから、それからインターネットテレビだってこれから実現されてくるとわざわざ地上波をデジタル化する必要なんというのは僕はないんだと思うんですね。これは片山さんに怒られそうですけれども。 ですが、そういうところにお金を使って二百七十兆円の経済効果ですよと言ってもなかなか納得してくださらないけれども、自分たちの体の安全だとかいうことになってくると、ここは皆さん、お金使っても余り文句を言わないんですよ。 それで、ちょっと医療の話にさせていただきたいんですが、医療の現場の中で一番、じゃ医療費が高いということが今一番問題になるかというと、大臣、このことはないんですよ。一番最初に上がってくることは何かというと、自分たち患者さんの話を聞いてくださいとか、人間らしく扱ってくださいとか、もっときちんと説明してくださいということでして、医療費が高いとかそういうのは四番目か五番目かそんなぐらいのレベルなんですよ。 そうしてくると、それからもう一つ言いますと、私は、ちょっと時間がないので話をさせていただくと、日本の医療費というのは決して高いわけではありません。それは何かというと、例えば盲腸を例に取っていいますと、アメリカは一泊二日で二百五十万掛かります、盲腸の手術で。一泊二日ですよ。日本は、一週間入院しますが三十万程度で済みます。これは保険から全部、給付されたものも全部合わせてです。自己負担ではありません。そのぐらいアメリカと日本の医療の技術料というのは違っていますから。そうすると、同じだけ稼がなきゃいけないということになれば、入院患者を多く診なければいけないということになります。 アメリカで外来をやったときに、患者さんを診て、十人から十五人ぐらい診ると結構もう多い方になるんですよ。そうすると十分な説明ができるわけですよ。私、医者の時代、多い日は七十人から八十人外来を診ていました。これでどうやってきちんとして、いや、なるだけ早く説明していましたよ、きちんと。あるときはまとめて三、四人そこに来てもらって、新患の人は、ぜんそくとはこういうものなんだって全部説明もしていました。ですが、限界があるわけですよ。そうすると、大臣のここの医療サービスの中で、効率化を図りましょう、効率化を図ることによって別な部分にその資源を振り分けて、しかも五十五万人増やせるんだと、こう書かれていますが、私はこれは絵にかいたもちだと思っているんです。 要するに今の、もう一つ申し上げますと、イギリスは財政、サッチャーのときに財政再建をやろうとして医療費を削減しました。その結果、GDP比で言うと、今たしか六・八%ぐらいだったかと思いますけれども、世界で二十何番目ですね。先進国で日本よりもGDP比で医療費が少ないのはイギリスだけです。日本が七・数%で、ドイツやフランスなどは一〇%前後です。アメリカに至っては一二・何%ですから。そのぐらい世界の国々は多いわけですよ。日本の医療費というのは極めて安いんです。 医療の評価というのは三つありまして、一つはコストなんです、一つはコスト。もう一つはアクセスなんです。それからクオリティーです。アクセスというのはどのぐらいの時間で診てもらえるかということです。今イギリスはどういう状況にあるかというと、救急車で運ばれて、次の日来いです、予約で。アメリカに至っては、民間の保険会社にまず電話をしなきゃいけなくて、そして、その民間の保険会社でどこどこ病院に行ってくださいって、一週間なんです。がんの場合で診断付いてから三か月後に手術をしたとか、そういうこともあるわけなんですよ。その意味で言うと、日本はコストは低いし、それからアクセスは極めていいんです。問題になるのはクオリティーのところだけなんですよ。それを、じゃ株式会社化したら良くなりますかという話なんです。 皆さん、なぜか株式会社化すると競争原理が働いて良くなるというようにお考えですけれども、株式会社化になると間違いなく医療費は高くなります。なぜかというと、今、株式会社化と同じようなことを医療の現場でやられています。どういうことかというと、今までこの点数は取っていなかったから、これは点数取れるから取りなさいと事務の方から全部言われるんです。まだ私は月に二回働いていますからよく分かるんですが、判こを押さされて、その上で、これを書いてくれと言われて、全部書くんです。今まで取ったことがなかったようなやつまで、これは慢性疾患指導料で取れますから取ってくださいって。そこの病院も結構危ないものですから、財政再建のために。本当ですよ。こういうことになっちゃうんですよ。 効率、医療というのは今収入というのはほとんど保険点数ですから、保険点数から入ってくるためには、保険点数が高くなる患者さんを集めるか、それかあとは数を一杯診るか、若しくは無駄な検査を一杯して、頭が痛いと言ってきたらすぐCTとか、何とかがあったらすぐ胃カメラとか、そういう状況になっちゃっているわけなんですよ。ですから、株式会社化になったらさもバラ色のような形になると思われていますが、私は全然違うと思っているんです。その辺の大臣のちょっと御認識をお伺いしたいんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変興味深い御指摘をいただきました。 櫻井委員はアメリカでも患者をごらんになっていたという……
○櫻井充君 違いますよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) ああ、そうですか。 私自身は、アメリカで患者として病院に行った経験と日本で患者として病院に行った経験で、確かに本当にアクセス、もう日本のアクセスは私はすごいと思います。コストもすごいと思います。私、アメリカの場合、確かに本当に丁寧に物すごく説明されて、日本の場合とは随分違うなというふうに思った。 そのような意味でいきますと、今、株式会社化の話が具体的に出ておりますが、日本の場合、株式会社化すれば、それこそさっきの不良債権処理と同じで、これさえやればすべてうまくいくと、そういうものではもちろんないだろうなと私も思っております。日本の医療の、基本的にはアクセスやコストの面での高さというのは、私も患者としての日米比較を通してかなり強く認識しているつもりでございます。 ただ、今恐らく、いろんな形でこういうものが問題になっているのは、もう少し多様な医療のサービスがあってもよいのではないだろうか。そういうときにこういったいろんな形態、一種の経営形態、これも一種の病院のガバナンスの問題だと思いますけれども、そこに多様性を認めることによって良い結果が出てくることも期待してよいのではないだろうか、そういう観点から私は主張している、されているのではないかなというふうに思うんです。決して、株式会社化すればバラ色になると、そのような議論では私はないと思います。 ここは、櫻井委員御指摘になったように、日本の医療の場合、非常に日本の日本としての良さを認めながらより幅広い議論からの、経営形態だけではなくて様々なコスト負担のシステム等々から含めて、様々な総合的な議論をしなければいけないということに関して、私は全くそのとおりだと思っております。医療の問題というのは、その意味では、しかし大変我々にとってやはり身近な問題であるし、命ですから最も重要な問題の一つでありますから、そうした多様な議論の中で、今御指摘になったような本質的な議論がよりなされていく必要があるのではなかろうかというふうに思っております。
○櫻井充君 例えば、介護保険に民間が参入しました。その結果どうなったかというと、不採算部門のところはもうみんなやめていっちゃっているんですよ。ですから──申し訳ないが、ちょっと静かにしていただけないかと言ってください。ここのところは極めて大事なところでして、社会のインフラとして基本的に必要なものなんですよ、病院というのは。そこのところを経営するに当たって、株式会社というのは利益を出さなきゃいけないところですから、そういうものが本当になじむのか、なじまないのか。それから、何回も言いますが、不採算部門を切り崩す、取り除かれてしまうんじゃないだろうか。 今でも、要するになぜ小児科が減ってきているのかというと、病院の経営上は小児科を雇った方がだんだん悪くなってきているんですよ。保険点数でいうと、同じように診たとしても、患者さんを外来で一人診たとしても、慢性疾患の人は三十日分の薬も投与できますし検査もいろいろできますけれども、手間暇掛かって風邪やそれから下痢でという形になっちゃうから余り収入が上がらないんです。ですから、そういう部分をみんな排除されていったりとか、だから医者もなり手がいなくなっているわけですよ。そういう問題が出てきているので、果たしてそういうところに株式会社のようなところが入ってきて、さあ後は皆さん競争してやりなさいということには僕はならないんじゃなのかなと思っているんです。 もう一点、雇用の点でいうと、ここでどういうことを考えてその五十五万人という数字を出されているのか分かりませんが、日本の医療の非効率的なところは、医者がやらなくていいところをみんな医者がやっているところが問題なんです。例えば、手術をする際にお腹を切るだけじゃありませんで、術野を広げるために鉤というのを持って広げる人たちがいるんですが、それはもう研修医なり看護婦さんたちの役割なんですよ。だけれども、そういうことは、そうやっているとちゃんと手術が見えるからいいんだという話になりますが、外国へ行くとそうじゃないんです。鉤持ちのスペシャリストがいるわけですよ。ですから、そういう人たちに仕事を作っていくような格好にするともっともっと増えるんだと思うんです。 今問題になるのは、建設業で働いている人たちをどうシフトさせていくかということですよね。昔、五五年体制のときには、四〇%ぐらいが農業人口でして、今五%程度です。その人たちが公共事業には割と簡単に移りやすかった。今度はその人たちが、今の医療の中で言ったらじゃその資格があるかというと資格がないわけです。ですから、そういう人たちがもっと簡単にその職に就けるようなものを見付けてくればいいと思うんです。 例えば、あとは、私は研修医のときに患者さんを検査まで行くときに、研修医が一番多いから結局その患者さんたち運ぶ役割までするんですよ。だから、まともな研修なんかできないんです。看護助手の役割まで全部しているんですよ。むしろそういう人たちを増やすような形にしてあげると雇用は増えてくるし、それだけじゃなくて、医者が医者らしい仕事ができるようになってくる。そういう分野で何十万人の雇用が確保できますよというんだったら分かるんです。でも、そのためには、そのためには結果的にはある程度医療費全体を増やさなきゃいけなくなるでしょうということなんです。 ですから、私は、雇用をここで五十五万人増やします、効率化を図ります、医療費はどうするのかというと、増えるのは仕方がないけれどもその増加率はなるだけ抑えるようにしますということになってくると、アクセルの部分とブレーキの部分と一緒にしているからどうしたってその整合性が取れないんじゃないかな、そこに産業が生まれないんじゃないのかなと思うんです。 もう一つ言うと、例えば大学なんかで、それから今カルテの電子化とかいう話になっていますが、アメリカの場合には隣で、いや、いいかどうか分かりませんが、タイプを打ってくれる人がちゃんといて、みんなカルテを書いてくれるわけですよ。ただ、日本の場合に、私それ一回やったことあるんですけれども、プライバシーの問題で、その人がいるのは嫌だとか言われることがあるものですから、全部自分たちで薬とか入力しているんですけれども、薬の入力なんかの部分をそういう人たちがやってくれると大分効率的になるんですよね、本当のことを言うと。だから、そういう部分を認めてくれるような人件費が出るぐらいの保険点数なり何なりにしてもらう。これがだから保険点数で払うべきものなのかどうかの議論になると思います。 それから、大学で研究する際に、犬の飼育から何から全部我々、飼育係の人が一人か二人いますけれども、やっぱりえさをやりに行ったりとかいろんなことを自分たちでやらなきゃいけないときもあるんですね。ですから、そのほかに、例えば自分たちが研究する際の実験道具から何から大体我々作っていたんですよ。そういう人たち、それから、試薬を作ってくれる人たち、そういう人たちが別にいると、もっともっと効率的になるわけであって、これから独立行政法人化になってその人たちが雇われるのかどうか分かりませんが、そういうスペシャリストを作ってくることによっても本当は雇用というのは生まれてくるんだろうと思うんです。 ですから、ここにあるところは確かに理論上正しいように見えますけれども、実態からすると絵にかいたもちなんです、正直言うとです。申し訳ございません。だから、これで五十五万人といっても、僕はちょっとおかしいなと。ただし、自分がそういう形でやらせてもらえるんだったら、こういうところで雇用はできるでしょうねというところは随分分野としてはあると。 それから、病棟なんかにもっと事務の方を置いていただけるといいんですね。レセプトのチェックは全部看護婦さんなりそれから研修医がやっていますから、そういうところだって医療事務が置けるようなぐらいの余裕があると、余裕があれば、それが置けないんです、なかなか。そういうところを何とか改善してもらえれば大分医療の質も上がってくるんだろうなというふうに思っていますので、御検討いただきたいと思います。 それから、何かございますですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) その医療関係の技術的な部分について十分にお答えをする資格を持っておりませんですけれども、御指摘になられたのは、島田晴雄先生のその島田委員会が、専門調査会が出された五百三十万人雇用の中で、医療サービス等々で雇用増を見込んでいる、そのフィージビリティーといいますか、その可能性についての御指摘、御懸念であったろうかというふうに思います。 この試算そのものは島田先生のところでそれぞれの分野についての非常に事細かなことを決して積み上げたわけではなくて、例えば、例としては諸外国との比較で、人口構成比、医療就業者の構成比でまだこのぐらいの余地があるのではなかろうかという可能性の示唆を行っているものであります。 実は正に、しかし、今、櫻井委員御指摘のように、これはやっぱりシステムが違うんだと。日本ではインターンがいろんな別のことをなされている。これは、そういうことを言い出すと私も実は言いたいことは随分ありまして、大学というところも、アメリカの大学の先生は決してやらなくてもいいようなところを事日本の大学の先生はやることになっている。それは、見てみると、日本の大学には事務職と教員職しかいない。その間の管理、研究のマネジメント、そういう人がすぽっといないわけですから、だから私たち、例えば大学の先生というのは、慶應大学の教授というのは何をやるかというと、試験問題の印刷をやるんですよ、印刷を。それは大学教授の仕事かというふうに言いながらこうやると。そういう例は日本の中にはたくさんある。 これは正に、先ほどの指摘に戻りますけれども、やっぱりシステム改革をやりながらそういう機会、雇用機会を作っていかなければいけないということなんだと思います。その意味では、絵にかいたもちというか一つの示唆でありまして、その中でのそれぞれの業界での問題点というのは、これはきちっと解決していくべき問題というのが随分たくさんある。そこはそこで、是非ともこれも構造改革の一環でありますから、やはりしっかりとやって、人々が生み出す付加価値を大きくできるようなシステムを作っていく必要があろうかと思います。
○櫻井充君 システム改革と一緒に財源付けないとどうしようもありませんから、そこのところはセットでやっていただきたいと思います。 それから、最後に、大和都市管財のことについてお伺いさせていただきたいと思うんです。 今裁判になっておりまして、約一千億の被害が出ています。これは、前も随分お伺いしたんですけれども、金融庁としては十分把握していなかった、だから行政権限で業務停止命令がなかなか出せなかったという答弁を随分いただいておりました。 もう一度確認させていただきたいんですが、これは金融庁として、あの当時は大蔵省でしょうか、何年ごろからその大和都市管財が危ない企業だというふうに認識されていたんでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) これは委員会でも何度か委員からもお尋ねがございまして、前任の副大臣からも御答弁をさせていただいているところでございますけれども、私どもとしましては、当時、大蔵省でございましたが、近畿財務局において大和都市管財に対して、平成六年の検査結果を踏まえた抵当証券の買戻し資金の確保と融資先の経営状況、見通しを把握した上での当社の経営改善等について指導をし、平成九年の検査結果を踏まえた業務改善命令の発出及びその後の当社の経営改善計画の実施状況の実態把握等、抵当証券業規制法に基づき可能な範囲で指導そして監督を行ってきたところでございます。 この検査をさせていただいているところから、この大和都市管財についてのやはり経営状況については把握をいたしておりまして、それに基づいて監督行政をし、そして大和都市管財は数度にわたりまして経営の健全化計画というものを提出をし、私どもとしましてはその経営健全化計画に基づいてヒアリングをし、指導し、経営内容を改善をするということを期待しながら指導を続けてきたということでございます。
○櫻井充君 その結果、一千億円以上の被害が出たということですよね。今、お金が返ってくるのは恐らく数%程度だろうと言われておりますから、とにかくその業務停止命令が遅れたがゆえに一千億の被害が出ているわけです。 これは平成十二年に内部告発で元社員という方が、これは近畿財務局などに内部告発をしている文書もありますが、そこの中を見てみると、要するに十億円で買った不動産を七十億に鑑定してもらって五十億円の抵当証券を発行して、その五十億円で買った不動産は二百億の抵当証券を発行して販売して、雪だるま式に金額が増え続けていますと、こういうことをやっていたわけです。 恐らく、そのことはお分かりになっていたんだろうなと思うんですよ。つまり、何かというと、例えば二百億で抵当権を付けてほしいといったときに、これは無理だと、せいぜい百億だと訂正したりとか、そういうことをやっています。法務省の役人がちょっと替わったときには五十五億を付けてしまったりとか、余分に五十五億付けたりとか、いろんなことがあるわけですよね。 これ、前回議論させてもらったときには、要するに本体は黒字だったからいいんだと。六つの子会社があるわけですが、その六つの子会社に対しての立入検査権限もないし、結局、大和都市管財本体は問題がないんだからなかなかその指導には当たれないんだという話をしていたわけです。 今回、これ内部資料を手に入れたんですが、これは本省の方の資料だと思います。そこの中に何て書いてあるかというと、役員の状況等から見て大和都市管財というのは融資先と融資している抵当証券会社とが一体となったため、極めて特異な状況、実質上の自己融資となっていると。もうこういうことをちゃんと分かっていますし、資金を回転させてはいるけれども、元本償還を迎える平成九年以降、資金繰りがかなり厳しくなることが予測されるとか、こういうことをもうきちんと分かっていたわけです。 しかし、それにもかかわらず、ここに書いてありますが、平成七年に八月二十一日付で業務改善命令書を交付しようとしたが、当社は業務改善命令書の受領を拒否するとともに、同和関連団体に属している旨を告げたため、近畿財務局長は業務改善命令を撤回してしまったというような、その資料も出てまいりました。 そうしてみると、早い段階から本来は分かっていたにもかかわらず、実際、業務改善命令を出せなかった。 もう一点、ここに坂井隆憲元衆議院議員が圧力を掛けたんではないのかという、そういう新聞記事もございましたが、どうも政治家の圧力もあったのかどうか分かりません。ここは定かではございませんで、何回もお伺いしましたけれども、電話はあっていろいろなことは尋ねられたけれども、圧力ではなかったんだという御答弁をいただいていますけれども、改めてお伺いしたいんですよ。こういう情報があって、こういう情報も把握されておきながら、その答弁のときには知らぬ存ぜぬを通されている。その結果、一千億もの被害が出ているわけです。このことについて金融庁としてどうお考えですか。
○副大臣(伊藤達也君) 私どもは知らぬ存ぜぬということではございませんで、委員御承知のとおり、平成六年そして平成九年に検査に入って、この大和都市管財についての経営状況について把握に努めてきたわけであります。 そして、まず平成六年の検査結果に基づきなぜ業務改善命令を発出しなかったかということでございますが、このときも私どもとしては発出の検討をいたしましたが、同社から業務の改善状況や資金繰りについて追加的な説明が出てまいりましたので、その実態を把握するということでこのときに業務改善命令を発出せず、その実態の把握に努めて、その後、業況をヒアリングをし、そして大和都市管財から経営健全化計画が提出をされたということでございます。 また、平成九年の検査におきましても、先生御指摘のとおり、融資先の経営状況が悪化をし将来的には同社の経営が困難になる可能性の確認をいたしましたものの、同社自身が更新登録拒否要件となる財政的基礎を有しない法人に該当するという見込み、これは確認はできませんでしたので、したがって更新登録の拒否ということをしなかったということでございますが、その後も引き続き経営健全化計画というものがしっかり達成できるように、私どもとしましてはフォローアップをし、毎月のようにヒアリングをし、そして監督上の指導を続けてきたということでございます。
○櫻井充君 しかし、ここにグループ全体の経営状況というのがあって、グループの連結決算の状況は約六十三億円の欠損の状態にありと。ここまでもうはっきり分かっているわけですよね。 前回、村田副大臣と質疑さしていただいたときに、このようなグループ全体のことについては十分把握されていないとか、ある程度赤字であることは分かっているけれども、しかしそんな連結でどうのという、そういうものがなかったというようなたしか御答弁だったんじゃないのかなと思うんですよ。 そうしてきてみると、実際は把握されていたのに、しかももう一つは改善計画が出されたとおっしゃっていますけれども、じゃ、改善計画がそのとおりになされてきたのかというと、毎年調べてみれば未達、未達、未達なわけですよ。その未達、未達、未達で、しかも十一年度ぐらいまでは返済余力があったけれども十二年になったら突然返済余力がなくなったというような御答弁もございました。どうしてそんな、一年間で一千億払えた企業が急に払えなくなるんでしょうか。そんな大きなことがあったわけでもないのにそのような状況に至ってしまったということは、金融庁自体は実際は実態を把握していたんだけれども、しかし何らかの圧力があってそれを実行できなかったんではないのかということを私は思っているわけです。 あえてもう一度お伺いさしていただきますが、これは金融庁の、だれからも圧力がなくて、自分たちの判断でここは大和証券は全く問題がなかった、大和都市管財です、ごめんなさい。大和都市管財は何も問題がなかったんだという判断を下されたんですね。ここは極めて大事なところですから。
○副大臣(伊藤達也君) 先生から何らかの圧力があったんではないかということでございますけれども、私もこれ、着任をいたしましてこの問題についていろいろ調べてみましたが、そうした圧力があって私どもがやらなければいけない指導をしなかったということではないというふうに思っております。 それから、融資先に対する貸付債権に係る必要額の引当金の計上については、その基礎となる貸倒見積高につき、平成十二年四月以降の会計年度については、金融商品に係る会計基準の導入によって抵当証券業者についても貸付金の債権を区分し、その区分ごとに一定の基準に基づき算定されることになっておりますので、当時は会計慣行にゆだねており、検査においての償却引当金の適切性まで検査する制度とはなっていなかったというところがございますので、今日の検査・監督の状況と当時が違っているという状況はございます。
○櫻井充君 どうも目をつぶって調べにいったような感じがするんです、そうだったとすると。じゃなければ検査能力なさ過ぎますよ。これは恐らく最後は裁判になるんだろうと思いますけれども、今のようなことでは、僕はちょっと、何というのかな行政の信頼感というんでしょうか、それは大きく失うんじゃないかなと、そういう気がします。 最後に、この問題とは別に、随分今日は竹中大臣と経済の話をさしていただきました。もう一度是非考えていただきたいのは、今の方向性で本当にいいのかどうか。私は別に、私は、方向転換したって、それは自分たちがやった処方せんが違っていれば方向転換するのはこれは当たり前のことだと思っています。それに対して責任を取れとかなんとかいうことではなくて、そこでその判断を下したこと自体が後は正しかったということさえ取れれば、別に何年間かやってみて、経済は生き物ですから、そこのところでまた処方せんを大胆に変えていくということは至極当然のことであって、そのことを変えないことによって多くの方々がこの先苦労されるということの方がもっと困ることですから、是非今までのやり方でいいのかどうかということの御判断を下していただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(清水達雄君) 午後四時に再開することとし、休憩いたします。 午後二時四十五分休憩 ─────・───── 午後四時開会
○委員長(清水達雄君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○荒木清寛君 まず、私は最初に、このやみ金融対策についてお尋ねをいたします。 違法な高金利を要求をするやみ金融がばっこし、社会問題になっております。いろいろな経済の不況の継続等の背景もありますけれども、またその背景の一つには、日本の金融機関は消費者金融部門を私に言わせると忌み嫌って切り捨ててきたと、ようやく最近一部の銀行が手掛けるようになってきた、こんなこともその背景には私はあると思います。 公明党は、昨日、やみ金融対策についての政策提言をさせていただきました。いろいろ言っておりますけれども、私はその中でも貸金業法と出資法の罰則の強化というのはもう早急にやってもらいたいと思うのです。 といいますのは、これはまだこの国会に提出されているだけで審議もされておりませんけれども、組織的な犯罪の共謀罪の新設という法案も出ているんです。このやみ金融の背後に暴力団があることはよくあるわけでありまして、いわゆる資金源ですから、そういうときにこの出先の実行行為者だけを捕まえておっても根絶ができないんです。 ところが、今度の組織的な犯罪の共謀罪に係る重大な犯罪というのは、長期四年以上の懲役、禁錮の刑が定められているものを言うということなんです。ところで、出資法なり貸金業法で無登録営業あるいは法定金利を上回る貸付けを行った場合の罰則というのは、三年以下の懲役あるいは三百万円以下の罰金あるいは併科ということでありまして、今言ったような共謀罪には当然掛かってこないんです。 私は、こういうやみ金融を政府として根絶しようという意思があるのであれば、やはり捜査機関にもそれなりの武器を与えなければいけないわけでありまして、こういう罰則の強化を含む法改正をこの国会でやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 荒木委員御指摘のように、正に違法な高金利での貸付け、それと脅し等々の過酷な取立ての問題、こうしたやみ金融の問題は、これはもう大変深刻な社会問題化している問題だというふうに我々も厳しく受け止めております。 金融庁としては、これまでも貸金業登録の審査の強化とか、それなりの監督を行ってきたつもりでありますし、また広報等々を通じた国民への周知、それと違法業者摘発のために捜査当局と連携をする、強めると、積極的な取組を行ってきたところでございます。しかし、現実はなかなか厳しいというのも御指摘のまたとおりだと思います。 この対応策、法改正を含む対策につきましては、今委員御指摘になりましたとおり、与党の各党においても大変精力的な議論がなされているというふうに承知をしております。そうした中で、被害対策の強化充実、関係当局等の体制の整備、無登録貸金業者の取締りの強化、登録審査の強化、登録要件の見直し、取立て行為規制の強化、適正な営業体制の確立、そして罰則の強化、そうしたことを内容とする対策案が与党等々で議論されていると、各党で議論されているふうに承知しております。 我々としましても、金融庁としても、この問題の重要性にかんがみ、各方面での御議論を踏まえながら、関係当局との一層の連携強化等を図りながら、是非、適切に対応してまいりたいと思っておるところでございます。
○荒木清寛君 次に、三月二十四日に与党三党の金融政策プロジェクトチーム、私も末席を汚しておりますが、ここで緊急金融対応策をまとめました。その中で、金融システムの安定化といたしまして、一つには、無税償却の拡大、金融機関に対する欠損金の繰戻し還付、繰越控除期間の延長をすべきであるということを提言をしております。このことはかねてよりの金融庁の要望事項でありますし、今日の日経の一面を見ますと、財務省も繰越控除期間の延長については何か検討しているような記事でございました。 そこで、我々はこういう認識を持っておりますけれども、金融庁としても、昨年来こうした要望を行っているということは、こういう税金の繰戻し還付も含めた対応をしなければいけないほど金融機関の経営は厳しい、こういう認識を持っているから要望をしているのか、大臣にお尋ねします。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 金融機関が不良債権の処理を行う際に、貸倒れ償却につきまして、企業会計上の費用の概念と税務会計上の損金の概念が異なることから、これらの処理は必ずしも税務上の損金に算入をされておりません。こうした差異を調整をするため、企業会計においては、税効果会計と呼ばれる手法により、将来における納税の減額分を繰延税金資産として資産計上し、それが自己資本にも反映される仕組みになっているところでございます。 しかしながら、このようにして計上された繰延税金資産については、資産としての価値が将来の税金支払の減額を通じて実現することから、様々な議論が行われているところでございます。 我が国金融システムの信頼を回復を図るためにも、繰延税金資産にかかわる議論を払拭をして、そして金融機関の自己資本を強化することが極めて重要であり、私どもが昨年の十月に公表させていただいた金融再生プログラムにつきましても、先ほど先生から御紹介をいただきましたように、三点から成る内容の税制改正要望を出させていただいたところでございます。 本要望につきましては、昨年末の与党の税制改正大綱において、引き続き検討するというふうにしていただいたところでございまして、さらに、先生が御参加をいただいている与党においてのプロジェクトチームにおきましても、本税制改正の早急な検討について改めて御提案をいただいたところでございますので、今後とも、与党及び政府において早急に検討が行われるものと認識をしており、金融庁といたしましては、引き続き、本税制改正の実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 やはり今日の朝刊で、小泉政権発足から丸二年、株価が時価総額で百五十一兆円減ったという、消えたという、そんな見出しがございました。百五十一兆円というと、もう二年分の国家予算に匹敵するぐらいでありまして、もちろん実体経済を良くするということが一番根本でありまして、小手先の株価対策あるいは市場対策に走ってはいけないわけでありますけれども、しかし、そういう意味での証券市場対策もしっかりやっていかなければいけないと考えます。 先ほどの与党の緊急対応策の中の市場対策の一つとして、日銀の銀行保有株の買取り枠の拡大、これは既に二兆円から三兆円にするという方針が出されました。加えて、銀行等保有株式取得機構の機能強化を挙げております。 後者についてお尋ねをしたいんですが、福井総裁も、日銀総裁も、この二兆円から三兆円に拡大をしたことに、することに関しまして、政府の銀行等保有株式取得機構による買取りは進んでいないと、あえて誤解を恐れずに打ち出したと、本来は政府の方でもしっかりやってもらいたいんだという趣旨が込められているわけです。 もちろん保有機構、買取り機構は議員立法で設けられたシステムでありますから、それはもう議員立法で改善をせよということかもしれませんが、しかし、政府としても、この銀行等保有株式取得機構が活用されない理由を分析し、改善できるところがあればやはり改善をすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) 機構の株式買取りにつきましては、株式保有制限の導入に伴いまして、銀行等による株式の処分の円滑を図るためのセーフティーネットとして設けられたものであります。会員が機構に株式をどの程度売却するかは、これは各会員の経営判断に左右されるところから、機構の買取り規模そのものについて評価を加えるということは難しいところがあるというふうに思います。機構による株式買取りは、日銀による株式買取りと相まって、市場への株式売却圧力を私どもとしては相当程度軽減していると考えております。 また、この機構の機能強化につきましては、現在、与党内でも現下の株式の動向等の諸情勢を踏まえ大所高所の御議論がなされているところでございますので、金融庁としましては、こうした検討状況について十分注視をしてまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 同じく、この市場対策の中に、与党の提案の中に、固定資産の減損会計、有価証券の強制評価減の見直しを、その検討を要請する、金融庁とこの機構、財務会計基準機構ですか、これに強く要請するということも提言をしております。 二〇〇二年の三月から時価会計が完全に導入されたわけでございます。したがいまして、長期保有株式につきましても時価評価をすることになっているんでありますけれども、もちろんこうした時価会計というのが国際会計の潮流といいますか、流れであることは私たちも十分承知をしておりますし、それを否定するものでは決してございませんけれども、しかし英独仏は当時採用を見合わせたとも聞いておりますし、これだけ株価が低迷しているときに更に売り圧力を強めるような時価会計基準を完全に導入したということは、私は判断が誤っていたんだと、こういう認識を持っております。 したがって、私は、この与党三党のといいますか、この時価会計の見直しについては大いに検討してもらいたいと思いますけれども、金融庁はどういう見解を持っておりますか。
○副大臣(伊藤達也君) やはり私どもといたしますと、利用者、投資家を保護していくというのは大きな使命でございまして、証券市場に対する内外の投資家の信頼を高めて市場の活力を維持向上を図るためにはやはり適正な財務認識とディスクロージャーというものが極めて重要である、不可欠であるというふうに考えております。会計基準の適用を仮に恣意的に操作することによって企業活動のその実態というものを隠すようなことになれば、これは内外の投資家の信頼を失いかねないということになってしまうのではないかと思います。 今、先生から欧州についてのお話がございましたけれども、英独仏は、売買目的あるいは短期保有の有価証券については、これは低価法又は時価評価を行っております。低価法というのは簿価と時価の低い方を取るということでございますけれども、低価法又は時価評価を行っております。また、長期保有株につきましては原価評価を行っておりますけれども、ドイツにつきましては、その時価が簿価の一〇%から二〇%下落した場合は減損を行わなければいけない。日本の場合には、商法の規定におきまして、強制評価減について五〇%ということでございますけれども、ドイツはそれよりもっと厳しい減損の処理が求められているところでございます。また、イギリスにおきましては、昨年、国際会計基準に準じた内容の公開草案を公表しているところでございます。 いずれにいたしましても、先般、与党の皆様方から御要請をいただき、その御要請を今財団法人の財務会計基準機構に伝達をさせていただき、そして同基準機構におきましては今厳正かつ精力的に議論が行われておりますので、その議論を私どもとしては見守っていきたいと考えております。
○荒木清寛君 どちらかというと消極的な、そうした答弁でございましたけれども、また議論してまいりたいと思います。 そういう中で、この時価会計の凍結といいますか、撤回ということの是非とともに、財務会計基準機構の方に政府といいますか、与党の方からそういう要請をしたことについてまたいろいろな意見がございます。「民主導に「政」の外圧」なんという、そういう見出しを付けていた新聞もあるわけでございます。 もちろん、この会計基準というのは公正妥当なものでなければいけないというふうになっているわけでありまして、したがって従来の、政府が密室といいますか、政府だけで裁量的に決めておったものをこういう財団を作って、機構を作って、そこで民間人に透明な議論で決めていただくということは私もよく分かるわけであります。だからといって、こういう問題を例えば国会の議員立法で特定の事項についてこの会計基準に言及するといいますか、定めることは私は一切排除されるものではありませんし、それは何も会計基準をゆがめるというような問題ではないと思うんですね。 国会の議員立法でそういう、正に公開された場で議論されて、国益も考えて、公正妥当な会計基準を例えば議員立法で特定の事項について決めるということは、何もこれは妥当性を欠くことではないと思いますけれども、この点について大臣なり副大臣はどういう考えをお持ちですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 言うまでもございませんけれども、国会は国権の最高機関であって、国民の代表たる国会議員が民意を反映する形で様々な枠組みを決めていくと、これ言わば当然のことであり、極めて重要なことであろうかと思います。同時に、国会が定めた商法において、ないしは証取法において、公正なる会計慣行をしんしゃくすべしということが書かれているわけでございます。その意味で、じゃ公正なる会計慣行とは一体何なのかという、そのやはり実態的な判断が私は大変に重要になってこようかと思います。 今、先ほど委員からも御指摘くださいましたように、これは以前は一つの定着した日本の考え方として、かつての大蔵省の企業会計審議会で国民各層の代表を集めて、そこで行われる議論というのが非常に大きな公正なる会計基準の尺度を決める基準になっていたわけでありますけれども、これがまた世界の様々な議論の潮流の中で、こういう機関というのは政府からも独立して、特定の民間企業、民間の利害からも独立していなければならない、そういう議論の中で、これはもう様々な皆様方にも知恵を絞っていただいて、数年前に、この財団法人で、開かれた場で、非常に各層の議論を反映する形で議論をしようではないか。ここの財団法人の議論を経団連、様々な業界団体が、これは、ここでの議論が大変公正妥当な社会の一つの基準であるということをエンドースするというか、裏書するような形で今の仕組みができ上がっているというふうに考えております。 一般に公正妥当なと、これは繰り返しますが、国民の代表たる国会が決めた商法、証取法に書かれているやはり非常に重い言葉でございますので、その中身は何なのかということに関して、数年前から始まった新しい仕組み、我々はこれはこれできちっとした仕組みだと思っております。それを更にどのように進化させていくかと、この議論はやはり中長期的な観点から常に心掛けて、先生方にも御議論いただきたいし、私どもも考えていきたいというふうに思っておりますが、やはり現時点において、これまで積み重ねてきた一つのプロセスはそれはそれとして尊重すべきものがあるというふうに思っております。
○荒木清寛君 次に、金融改革といいますか、銀行の財務体質の強化、不良債権の処理、競争力の強化という点について何点かお尋ねいたします。 冒頭もこのリレーションシップバンキングの機能強化に向けてという金融審の提言について質疑がございました。私もこの内容はほぼ全面的に賛成でございます。 私ども、地域を歩いておりますと、もしもこの地域の正に中小企業に密着をした金融機関についてまで主要行並みにこの二年間で不良債権を半分にせよというようなことをした場合には、私はもう正に中小零細企業経営者のクーデターが起きるというぐらいに思っておりますので、極めて妥当な地域金融ということを非常に重視をした提言であろうと思って評価をしております。 ただ、従来の竹中大臣あるいは小泉総理の構造改革、特に後ろ向きの構造改革の中心は不良債権の処理であるわけでありますから、それを強調してこられた立場からすると、若干従来の姿勢から後退といいますか、しているのではないかという気持ちも持つわけです。 そこで、そういういわゆる地域金融機関といいますか主要行以外の地銀あるいは信金、信組、そういう金融機関についても不良債権処理の数値目標のものは、数値目標のようなものは何ら設定しなくていいものかどうか、その点について大臣のお考えをお尋ねします。
○国務大臣(竹中平蔵君) リレーションシップバンキングのアクションプログラムの中で、荒木議員御指摘のように、メガバンク、主要行のような数値目標は作らないで違う手法でしっかりと基盤を強化していこうという考え方を我々はしっかりと持っております。 不良債権処理を進めようと思うとこれは非現実的であって非常に経済を壊してしまうんではないかという御批判を受けて、今回のように現実的にやろうと思うと改革は後退しているのではないかというような御指摘が一方では出てくる。これは常にそういうはざまに我々は置かれております。 ただ、方針云々に関して言いますと、九月三十日に金融担当大臣を拝命したその日の記者会見から、私は、主要行については本当にしっかりと世界の中から認められるような、オーソライズされた処理をしていこう、しかしこのリレーションシップバンキングの分野は、これはやはり違う分野としてリレーションシップの、地域に根差した金融を強化する中でこれを解決していこうと。そのことをもう当初からはっきり申し上げていたつもりでございますので、その意味では改革が後退したとか方針を変更したということでは決してないつもりでございます。 じゃ、具体的にこの地域金融機関の不良債権処理をどのように進めていくのかということでありますけれども、今回のアクションプログラムの中に明示しましたように、中小企業の再生と地域経済の活性化を図る、そういうその枠、取組を進めることによって結果的に不良債権が減少していくと、そのような姿を描いているわけでございます。 具体的にこのリレーションシップバンキングの集中改善期間としてこの二年間を位置付けておりますけれども、この二年の間の助走期間の中で、中小企業もしっかりさせる、中小金融、地域金融機関の健全性、収益性についてもしっかりとした基盤を作っていく。そういう中で、私としてはこの結果として不良債権が増加するとはもちろん思っておりません。しかし、現実的に、中小企業の基盤と地域金融機関の基盤が強化される中で不良債権処理も結果的に進捗していく、そのような姿を描いているわけでございます。
○荒木清寛君 これで最後にいたしますが、ある方に言わせると平成の金融改革のポイントは三つあると。一つには金融サービスの拡充、顧客本位のサービスの提供ですね、二番目には競争原理の導入、欧米のメガバンクと競争して伍していけるような体質の強化、三番目には国民負担の軽減ということが挙げられていて、私もそう思います。 いずれもしかし、まだ道半ばといいますか、この金融ビッグバン以来、銀行の窓口サービスが充実をしたという話は全く聞きませんし、欧米のメガバンクとの差はますます開くばかりのような気がいたしますし、また国民負担という点ではさらに金融審議会の中で、金融制度審議会の中で公的資金の更なる導入の在り方も検討しなければいけないという状況で、なかなか改革が進んでいないという気がするんでございますけれども、しかし、竹中大臣は金融再生プログラムを打ち出して以来、銀行経営者の意識改革も含めて強くこれは改革を促しているわけでございますけれども、現在までのそうした状況の認識と、今後どういうビジョンを持って取り組んでいくのか、最後にお尋ねいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融再生プログラムの中では、日本の金融システムと金融行政に対する信頼の回復ということで、銀行にもしっかりしていただきたいし、我々も是非しっかりとしていかなければならないということを明記したつもりでございます。 そうした中で、今、金融機関、正にそれぞれ新しいビジネスモデルを作る、企業のガバナンスを強化する、もちろん我々が求める資産査定の厳格化や自己資本の充実、これは我々はしっかりと求めていっているわけでございますけれども、そういう中で一種の産みの苦しみの状況にあるのだというふうに思っております。 委員が御指摘になられました顧客サービスの充実というのは、正にこれはすべてのビジネスの基礎であろうかと思いますが、これは一つの例として私も聞いておりますところでは、ある大手の、これメガバンクですけれども、中小企業向けの無担保融資の決裁権を支店長に大幅に委譲したと。正に、現場でしっかりと判断してくれ、これ二十億円まで支店長の権限でできるようにする、そういうことによって結果的に組織としてもこれはスピードアップでコスト削減につながると、そういうことを現実に行っております。 また、別のメガバンクでは、小規模法人の専門の先端の営業組織、ビジネスバンキングオフィスというのを今年度から順次各支店に設けていっていると。これはやはり非常に地道な努力でありますけれども、顧客サービスを改善する、それを通じて競争の中で自らを強くしていっていくというような一つのプロセスなのではなかろうかと思っております。 我々の方も努力、金融当局も努力するし、金融機関におかれてもこうした努力を積み重ねていっていただいて、是非結果を出せるようにしたいと思っております。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 あおぞら銀行のサーベラスへの売却問題についてお聞きをしたいと思います。 日債銀の問題はこの間の予算委員会などでも、破綻直前まで旧日債銀が債務超過でないというふうに言い続けて、奉加帳まで回して、そして税金投入しながら実は債務超過だったということで莫大な税金投入を行った、そういった経過も取り上げたこともございますし、ソフトバンクグループに譲渡されたときの瑕疵担保特約も大変問題になったわけであります。 今日お聞きしたいのは、今回の売却の問題でありますけれども、アメリカの投資ファンド、サーベラスがこの旧日債銀、現あおぞら銀行を買収することを決めたと。株を売却するソフトバンクは五百億円の利益を得るとされております。 最初に事実関係をお伺いしたいんですが、買収決定の経過について御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。 ソフトバンクが保有いたしますあおぞら銀行株の売却につきましては、昨年六月の衆議院財務金融委員会の参考人質疑におきまして、ソフトバンクの孫社長から、あおぞら銀行株の売却を検討しているが、まだ結論は出していない旨の発言がございました。 その後、今年の一月、あおぞら銀行において、当行株の譲渡に関しサーベラス及び三井住友フィナンシャルグループからの資産査定の要請を受け入れる旨の決定がなされております。 さらに、去る四月十一日、サーベラスから、ソフトバンクによるあおぞら銀行株の売却に関し、その全株に先買い権を行使することを決定した旨のプレスリリースがなされております。 以上が、本件に関するこれまでの経緯でございます。
○小池晃君 そもそも、旧日債銀を買ったとき、ソフトバンク社は一体幾らでこれ購入したのか、そして、今回の売却による利益見込み、この点について御答弁願います。
○政府参考人(五味廣文君) ソフトバンクは、旧日債銀の譲渡時におきまして総額で四百九十三億円の出資を行っております。これによりまして、現在あおぞら銀行の普通株式のうち約四九%を保有しております。 そこで、どのくらいの利益というお話になりますが、この点につきましては、今回のソフトバンクによる同行株の売却につきましては、現時点ではまだ売却条件などが明らかにされておりません。また、民間同士の個別の取引にかかわるというものでもございますので、御答弁できる状態にございません。
○小池晃君 これは、報道によりますと、買収戦での提示額は一千億円というふうにもされておるわけでありまして、そうなればソフトバンクの売却益は五百億円ということになってくると。 このあおぞら銀行、旧日債銀時代も含めてですが、多額の税金、公的資金が投じられております。今まで投入された公的資金の総額、それから、いわゆるその中から返ってこない額は一体どれだけあるか、お示し願いたいというふうに思います。
○政府参考人(五味廣文君) 旧日債銀、現在のあおぞら銀行に対しまして、預金保険機構が行いました資金援助等の額を項目別に申し上げます。 まず、特例資金援助で金銭贈与など、これが三兆二千八百十一億円。同じく特例資金援助で資産の買取り、これが三千九十九億円でございます。 次に、旧金融安定化法及び早期健全化法に基づく資本増強といたしまして三千二百億円。さらに、適資産、これは旧日債銀保有株式でございますが、これの買取り、これは平成十五年一月末現在でございますが、六千六百九十八億円。それから、瑕疵担保条項に基づく貸出し関連資産の引取り、これも十五年一月末現在でございますが、千九百十九億円。 以上が預金保険機構が行いました資金援助の額でございます。 これらのうち、ペイオフコスト超の金銭贈与に用いられました交付国債の使用額、これが二兆九千七百一億円ございます。この金額につきましては、現段階において国民負担として確定をしております。その他のものにつきましては、回収資産からの回収、あるいは資本増強に当たり引き受けました優先株式の処分収入等が今後返済に充当されることになってきておりますので、この部分について国民負担が発生するか否かというのは現時点ではまだ確定しておりません。
○小池晃君 今まで投じられた公的資金、今のお話では合計四兆七千七百二十七億円、約五兆円の公的資金が使われております。債務超過の穴埋めに使われた、先ほどお話あった三兆一千四百十四億円のうち、いわゆる預金保険法で保護されている一千万円以下の預金者の保護のためには、これは千二百四十五億円分しか使われておりません。ですから、大部分は大口預金者あるいは機関投資家のために三兆円以上がつぎ込まれて、これは丸々返ってこないということになってくる。正に、預金者保護というよりは、本当に機関投資家あるいは金融機関保護のためのやり方だったというふうに思うんですね。 戻ってこない額二兆九千七百一億というお話ありましたけれども、確定していないというふうにおっしゃるんですが、現時点で言えることは、一時国有化中のロスが、これはロス分が千三百九十七億円あると、それから譲渡の際に買い取った株式の含み損が二〇〇二年三月末時点で千六百三十一億円になっております。それから、瑕疵担保特約によって買い戻した債権、千九百十九億円のうち、少なくともその二割、三百八十四億円は減価していると思うんです。ですから、実際には戻ってこない額というのは合わせて三兆四千億ということになるのではないかというふうに思うわけであります。 本当に、五兆の公的資金、そのうち三兆円はもう血税という実態になっている。これだけの税金、公的資金がつぎ込まれた銀行です。 大臣、竹中大臣にお伺いしたいんですが、ソフトバンクはこれをわずか二年で海外の投資会社に売り渡し、そして五百億円もの莫大なもうけを上げると。私は、これは国民感情からいっても、こんなことが許されるんだろうかというふうに考えるんですが、大臣はどのような御見解か、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど監督局長からお話もありましたように、そのサーベラスからプレスリリース、つまり先買い権を行使するというようなプレスリリースがなされたことは承知をしております。しかし、現時点ではその条件等々は明らかにされておりませんし、具体的に、これ主要株主でありますから我々の認可が必要になるわけでありますけれども、現時点ではサーベラスから主要株主の認可申請が出されたという事実はございません。 そうした意味で、ちょっと仮定のことであるということと、それと、これはやはり個別の問題でありますので、詳細について私はコメントする立場にはないというふうに現時点では思っております。 いずれにしても、これは公的資金を投入していると、これは事実でございますから、万が一にも、今後そういうふうな手続が出てきた場合にはこれはしっかりとした手続を踏んで適切な判断をしていかなければいけない問題だと思っております。
○小池晃君 詳細にはというふうにおっしゃるんですけれども、申請出ていないというのは確かに知ってはおりますけれども、ただもう、報道ではほとんどもう既知の事実というか、もう常識のように流れているわけですね、五百億の利益が上がるんだということは。 だから、その詳細についてのコメントは結構ですけれども、やはりこういうやり方で公的資金が入った銀行を二年余りで譲り渡して五百億も収益を上げると、もうけを上げるということが大臣はどのようにお考えなのかということについてやっぱりコメントをしていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰り返し申し上げますけれども、その条件等々まだ分からないということでありますので、これはやはり私の立場ではコメントする立場にはないと、何よりもこれは個々の経営の判断でやるということでございます。 ただ、我々としては、金融行政を預かる立場からいいますと、銀行がしっかりとこの国の中で安定した銀行業務を行って、もって預金者や借入れ先のために貢献するようなそういう存在であってほしいというふうに思うわけです。そうするようにしっかりと検査をし、監督するのが我々の仕事でありますので、しっかりと経済に貢献していくということ、それと、責任ある経営体制が確立されていくということ、そうした視点で我々としての監督をしっかりと行っていきたいと思っております。
○小池晃君 財務副大臣にもおいで願っていますんで、財務副大臣にもお伺いしたいんですけれども、塩川財務大臣は、昨年の十二月十一日の衆議院の財政金融委員会で、この問題について、社会に貢献した形で収めてほしいというふうに答弁されています。さらに、税金が入った銀行で利益を上げるということは不当だ、やめさせるべきだという主張に対して、それは国民一般の考えであり感情だと理解できると、そういう指導の方向で努力したいというふうに答弁されました。こうした立場で、財務省としてはどのような指導ということを考えておられるのか、御答弁願いたいと思います。
○副大臣(小林興起君) 今、財務省は残念ながら金融行政は金融庁の方に渡ってしまいまして、これが一緒にやればいいなというふうには思っておりますが、そういう意味では、財務省の公式見解としては所管外のことでございますから答えられないということになるわけでございます。個人的にはいろいろありますけれどもね。
○小池晃君 財務大臣、国会答弁でここまでおっしゃっているんですから、やっぱりこれだけのことをおっしゃったんであればそれなりのコメントを私されてもいいんじゃないかと思うんですが、これは所管外ということで、そういうことであれば仕方ないと思います。 しかし、ちょっと聞き方変えていきたいと思うんですが、竹中大臣に改めて聞きたいんですけれども、たった二年半で売り渡すということについてなんですね。これ、そもそもソフトバンクに譲渡するに当たっては、私は一定期間を保有するということが前提だったということはこれは明らかではないかと。短期保有で売却益を上げるようなことは、その譲渡のときには想定していなかったというふうに思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 旧日債銀の株式売買契約書において、前文に次のように書いてあります。 主要株主、これはソフトバンク、オリックス、東京海上は、日債銀に長期的な視野から投資を行い云々、日債銀を収益性、成長性の高い銀行として運営する目的で日債銀の株式を購入する意図を表明する、そういうふうに書いているわけでございます。意図を表明しているわけです。この意図表明、意図の表明については、主要株主に対する契約書上の義務として具体的にその譲渡の制約を法的に課しているものではないわけでありますけれども、あおぞら銀行の主要株主においては、これは自ら契約書において株式の長期保有というのを表明しているという点も踏まえて、その趣旨も十分考慮した上で対処されているものというふうに考えております。
○小池晃君 一方、当時の金融再生委員会の側の考え方ですけれども、優先交渉を決めたときの金融再生委員長のコメント、二〇〇〇年の二月二十四日のコメントを見ますと、こう言っているんですね。譲渡先選定の基本的考え方として、責任ある経営体制が確立され、今後の日債銀の長期的な成長や経営の安定が図られる候補先を選定すると述べております。 そして、なぜソフトバンクかということについては、三つ理由を挙げているんです。一つは、中小企業金融の円滑化や地域経済の活性化が期待されると。それから二つ目に、ベンチャー企業に対する積極的な支援が期待されると。それから三つ目として、インターネット等を活用した二十一世紀に通用する新たな金融取引の導入が期待されると。かなりいろんなことを言っているんですね。だからソフトバンクだという、そういう打ち出しをやっているわけですよ。 大臣にお伺いしたいんですが、こういった決定した理由というのは実現されたというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 小池委員御指摘のように、十二年二月、平成十二年二月の時点ですね、金融再生委員会において、ソフトバンクと選定の理由を対外的に公表をしております。 繰り返しになりますけれども、三つあって、一つは貢献。どういうことかというと、その日債銀の特色を更に維持発展させ、具体的には日本の経済、特に中小企業や地域経済の振興に積極的に貢献するという、正に銀行として貢献するということ。それと二番目としては、経営の安定。しっかりとした経営体制を作って、銀行としての長期的な成長、それと経営の安定を図るということ。三番目として、結果的にそれが国民負担が総合的に見て最小限で済むことになると。そういう点を挙げているというふうに認識をしております。 これ、現在のあおぞら銀行に関しては、一生懸命経営を今改善している中で引き続きいろんな評価が出てこようかと思いますが、現状、時点で考えるならば、まず経営状況については、これは昨年十一月に発表した平成十五年三月期の業績の予想修正でありますけれども、業務純益が三百二十億円、当期利益が二百二十億円と、これはおおむね計画に沿った業績になっております。 また、中小企業関連の融資でありますけれども、通期の純増計画五十億円に対して、十四年九月末での純増実績百六十五億円というふうになっておりまして、これも計画を上回る一応順調な推移だというふうに考えてよいのではないか。 さらに、ベンチャーの育成というのを掲げているわけですけれども、関連会社であおぞらインベストメントというのがありますけれども、そこが管理運営する投資ファンドから成長力のある新興企業や有力なプロジェクトへの支援を行っていると。その意味では、経営は軌道に乗りつつある、乗りつつあるというふうな認識を持っております。 もちろん、あおぞら銀行については、安定的な経営の確立に引き続いて、引き続いて取り組んでほしいというふうに思っているところでございまして、しっかりと見ていこうというふうに思っております。
○小池晃君 経営が順調かどうかということは、それはもう瑕疵担保特約まで付けて支えたわけですから、それは一定のものはあっていいと思うんですけれども、私が言ったのは、こういうソフトバンクになぜ決めたのかということでは、それならではの理由ということまで挙げたわけですから、それが実現しているのかどうかということについて見ると、いささか心もとない実態ではないかというふうに思うんです。二年で実現できるようなそもそも内容じゃないわけです。 これ実現しないまま本当に手放すというのは、私はソフトバンクの側は無責任だというふうに思いますし、このソフトバンクに譲渡を決めた政府の責任ということもこれ問われるんじゃないだろうかというふうに思うんですね。 財務副大臣、結構です。本当は思いのたけを所管外でも語っていただきたかったんですが、あとは聞きませんので、結構です。 そこで、もう少しお聞きしたいんですけれども、今後の在り方であります。 中小企業金融の円滑化とか地域経済の活性化、あるいはベンチャー企業に対する積極的な支援、インターネットを活用した新たな金融取引の導入、こういう方針を受け継ぎ、今後の譲渡先に対してもこれは受け継がせていくのか、それともソフトバンクに譲渡したときのこうした約束は今回もうこれでほごになっていくということになってしまうんですか。
○政府参考人(五味廣文君) この譲渡の結果、主要株主となるという株主に対しましては、そういった方が主要株主、すなわち保有割合が原則で二〇%以上、ただし役員派遣の場合には一五%以上となる、こういう主要株主になるために内閣総理大臣の認可が必要であるというふうにされております。 銀行の主要株主の認可申請がございました場合には、これを審査する基準があおぞら銀行の場合ですと長期信用銀行法にございます。内容を申しますと、保有目的などに照らし、当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと、申請者の財産状況等に照らし、当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと、申請者がその人的構成などに照らし、当該銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ十分な社会的信用を有する者であることということでございます。 現在、まだ認可申請がなされているわけではございませんので、今後認可申請がなされました場合には、こうした法令の定めに従って適正な審査を行うということになります。例えば長期保有の問題ですとか、先ほどの決定したときの経緯で述べられました決定理由ですとか、こういったような点につきましては、現時点で銀行の主要株主から認可申請が出ておりませんので、具体的なコメントができる状態ではございません。 いずれにいたしましても、法令の定めに従いまして、認可申請がございました場合には適正に審査を行うということでございます。
○小池晃君 その認可の問題ですけれども、まだ申請が出ていないからということで先ほどはお逃げになったんですが、報道によれば、ソフトバンクがなぜ売却をしたかと。これはむしろ本業の方の通信事業の競争が激化をして設備投資や販売促進費の負担が重くなったと、保有株の含み益も株価下落で目減りをして、昨年九月決算で五百五十八億円の赤字になったと、ブロードバンド事業に今後集中していくために銀行株を売って資金調達したいんだと、こういうふうに報道されているわけですね。 大臣、お伺いしたいんですが、こんな本業の、他業種だからこういうことになっていくんだと思うんですけれども、本業の方の経営の問題、そのことを理由にした無責任な売却ということをこれは認めていいんでしょうか。金融庁としては認可するんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) やや形式的なことになりますけれども、売却そのものは認可事項ではございません。主要株主になるかどうかというのは、これは我々の認可事項でございます。これは経営でありますから、予測し難いことがいろいろ起こるということはあり得ることだと思います。 具体的なソフトバンクの状況等々を詳細に私自身が承知しているわけではありませんけれども、そうした中で私たちとしては、銀行をしっかりと監督するという観点からは、繰り返しになりますけれども、その銀行がしっかりとした役割を果たしてもらう、そのことがやはり重要であって、その銀行がしっかりとした財産、財務的な基盤を持ち、人的な基盤を持つ、結果的にそれが地域に、国全体に資するような金融機関としての活動を続けていくと、この点が我々にとっての監督のやはり基準でありますので、そうした視点に沿ってしっかりともし申請があった場合は対応していかなければいけませんし、日々の監督、検査・監督の行政を行っていきたいというふうに思っているところでございます。
○小池晃君 しかし、おっしゃっているような基準に照らせば、正に自分勝手な都合で利益を上げるためにころころ転売すると、こんなことを認めて本当に銀行の社会性、公共性ということが守れるんだろうかと。私は、こんなことを認めたら本当に銀行に対する国民の信頼だって揺らぐし、金融行政に対する国民の信頼だって揺らぐんじゃないかというふうに思いますよ。 そういう点でいえば、大臣おっしゃるような趣旨でいくんであれば正にこれは認められないということになるんじゃないですか。その点いかがでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰り返し申し上げますけれども、売却そのものは認可事項ではございません。売却そのものを私たちが法的にどうこうするような立場にはない。これは法治国家である以上、そういう枠組みになっているということでございます。 平成十二年の時点で非常に難しい状況下で、いろんな情報に基づいて当時としては最善の意思決定がなされたというふうに思っております。しかしながら、その後の経済情勢、様々に変化して、その下での、その時々での適時、適宜、適切な経営の意思判断等々が行われていくというふうに思っておりますので、繰り返しますが、これはまだ認可申請が出ているわけでもございませんし、どういう条件かということも何にも分からない状況でございますけれども、我々としては、認可申請がもし出されましたら、金融業の検査・監督の立場からしっかりと対応をしていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 売却は認可できないというけれども、そういうところに譲渡したという責任は、これは問われなきゃいけないと思うんですよ。 じゃ、これからの譲渡先の問題で言えば、サーベラスに売却しても、もしかしたら再び短期売却で利益を上げることできるんじゃないかと。これは、国民はそういうふうに見るかもしれません。短期売却を歯止めすると、歯止めを掛ける措置というのは、これはあるわけですか。
○政府参考人(五味廣文君) 先ほどの御答弁と重複をしてしまいますけれども、主要株主になるということについての認可要件は、このあおぞら銀行の場合でございますと長期信用銀行法に法定をされておりますので、その認可要件に従って適切な審査をするということに尽きるということであろうと思います。 その項目の中に、保有目的ですとか申請者の社会的信用でございますとか財産状況でございますとかございますので、どういった方が申請をしてくるかによりますけれども、こういった点を適切に審査をするということに尽きると思います。
○小池晃君 基本的な考え方をお伺いしたいんですが、長期信用銀行法では、主要株主の認可要件としては、銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、十分な社会的信用を有するという基準があります。法の趣旨からいえば、短期で売却し、利益を上げる目的の企業をこれは認可することはできないということになるわけですね。その点、最後にちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) これ、具体的に認可に際してどういった目的で取得をなさるのかということを説明をいただき、認可書も見せていただかないと具体的なコメントをすることはできませんし、認可申請が出ていない段階で、したがって、だれが主要株主となるかもまだはっきりしていない段階でそういった点をコメントいたしますのは予断を持った審査につながりかねませんので、答弁は控えさせていただきます。
○小池晃君 認可の経過を見守りたいというふうに思います。 最後に、ちょっともう時間ほとんどないんですが、借換え保証制度の問題についてお聞きをしたいんです。 中小企業の経営が大変厳しくなっている中で、この借換え保証制度が大変歓迎をされているというふうに思います。これによって金融機関が活用すれば中小企業の貸出し増えるし、借換えによって業者が支払できるようになれば債権分類も良くなる、金融機関にもメリットがあると。これ積極的に活用していく取組を進めているというふうに聞いているんですが、実際いろいろ聞きますと、現場には十分伝わっていないということも聞くんです。 例えば、条件変更をした貸付けは門前払いだというような扱い、これは各地から報告されています。それから、借り換えるとその期間中は新規融資難しいと言われて、それじゃ困るということであきらめてしまうというような例もあると。中小企業庁のQアンドAとか国会答弁と反して、断る理由になっているんですね。 千葉県のある業者の話はこういう話なんです。市に相談行ったらば、借入額が年額、年間一〇%以上減っているから七号認定に当たるんだと。必要な残高証明の書類をもらいに金融機関に行ったらば、おたくは駄目だというふうに言われて門前払いになったとか。あるいは、別の業者は、金融機関に一本化の相談に行ったらば他行の分までは肩代わりできないとか、それからRCCに行った分については、これは新たに八号認定になったんだけれども、金融機関からは引き受けるつもりがないと言われると。こんな話が各地から私のところへ来ているんですね。 中小企業庁と、竹中大臣にも最後お伺いしたいんですけれども、これは正にやる気のある中小企業、資金調達を円滑化するということが重要な政策課題だということでせっかく作ったわけですから、やっぱりこれが積極的に活用されるように私は徹底すべきだというふうに思うんです。その点と、それから、やはり各金融機関の利用状況なども私は調査をしていただいて、極端に悪いところは必要な指導などもしていくことを考えるべきじゃないだろうかというふうに思うんですが、中小企業庁と竹中大臣に最後にお伺いします。
○政府参考人(斉藤浩君) 御指摘の借換え保証制度でございますが、二月の十日にスタートさせたということでございます。非常に短期間、わずか二か月強でございますが、その間に七万八千六百六十二件、一兆二千六百二十一億円という大変保証実績を上げておるということでございます。そのために、先生からも御指摘ございましたように、中小企業庁といたしましては、中小企業者の方々あるいは現場それから金融機関、保証協会に対しまして全力を挙げてPRに努めてまいっております。 条件変更中あるいは一回借換えを受けた場合に二度目が借りられない等、実際の運用上出てくるであろうと思われます様々な問題点につきましては、先生も御指摘になりましたが、私どものホームページでクエスチョン・アンド・アンサーという形で明確に、例えば条件変更中の中小企業の取扱いにつきましては、条件変更のみを理由として借換え保証の対象から除外する、門前払いをするということはいたしませんということを明確に書いておりますし、一度借りたらそこは条件変更ということで非常に具合が悪くなるんで、二度と借りられなくなるんじゃないかという点についても、私ども、そういうことはないんだということを金融庁にも確認をしていただきながら進めておるところでございます。 金融機関に対しましても、できるだけそういうことで制度の趣旨を理解していただきまして、私ども、この制度は中小企業の方々に無理のない返済に切替えをしていただくことによりまして資金繰りを円滑化するという、そういう制度で発足をいたしておりますので、その制度の趣旨が最大限に発揮されますように、今後とも適切かつ積極的な運用に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(五味廣文君) ちょっと事実関係の分だけ。 私ども、中小企業庁と連携をいたしまして、この制度の活用を図るということで周知徹底に努めておりまして、意見交換会などを業界と持ちます場合にも、こういった点を積極的にPRをしております。 特に、今お話のありましたようなこの制度を利用することそのものが融資に、今後の融資に差し支えるとか門前払いであるとかいったようなことがあるという御指摘が、国会でも先生以外の方からもいただいておりますので、この点については、私が業界との意見交換会に出席を今月いたしておりますけれども、そういった席で明示的に、債務者に融資をするかどうかというのは、その債務者の財務状況ですとか信用の問題とかそういったことを見て経営判断として決める話であって、この制度の利用をしているから、そういう条件変更があるからできるできないという話ではないし、それから金利についても、そうした条件変更がありましても、その金利が調達コストを下回るようなところまで下がっているようなケースを除けば、そのこと自体が問題になるわけではないんだというようなところを私からも言っております。 また、昨日、全国財務局長会議がございましたので、この場でも私から各財務局長に対しまして、地元の中小金融機関に対してもこの点窓口まで徹底してもらうようにということで昨日指示をしたところでございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、局長が答弁したとおりでございますけれども、金融庁としては、中小企業金融の円滑化、これは大変重要なことだと思っております。 中小企業庁と密接に連携して対応をしておりますし、お尋ねの資金繰り円滑化の借換え保証制度についても、これは二月十日に創設された後、速やかに金融機関に対して積極的活用を要請していると、その後も様々なレベルでこの要請は行っております。 一般論で言えば、信用保証協会の保証付きの融資を含めて金融機関の貸出しは、これは基本的には債務者の財務内容でありますとか事業の収益性の見通し等の実態を踏まえつつ、金融機関の借り手企業と自由な交渉の中で実態判断で行われるということでありますので、この点は今の局長の答弁のとおりでございます。我々は、個別金融機関の個別行動について許認可、それぞれに認可を与える権限はもちろんないわけでありますけれども、そうしたことが徹底されるように様々な努力はしているつもりでございます。 お尋ねの利用状況については、これは実は中小企業庁において調査が行われているものというふうに承知をしておりますので、今後ともこの周知徹底を行い、更に連携を深めながら、より一層の活用に努力をしたいというふうに思っております。
○平野達男君 国会改革連絡会の平野達男でございます。 預金等全額保護制度下における破綻処理、これは一応終了したということで、三月に理事長談話が出ております。 冒頭、ちょっとこれ通告を申し上げませんでしたけれども、このいわゆる預金等の全額保護制度下における破綻処理の終了したということに対しての金融担当大臣のちょっとコメントをちょっとお願いしたいなというふうに思います。 これは、結果としてみますと、百八十行の金融機関がまず破綻をしたと。それによる要するコストが資金贈与等で十八兆でしたか、約十八兆ですね。そのほかに債権買取りで六兆三千億ぐらいじゃなかったかと思うんですが、これ債権買取りはこれから回収やりますから、これは返ってくるものだと思うんですが、この十八兆というコスト、これは一部保険料で払っていますけれども、保険料と合わせて十兆の交付国債、これ使っています。この十八兆という金額は、一方で公的資本注入が大体十兆だと思いますので、それをずっと上回る額になりますね。これだけのコストを要した預金等全額保護制度下における破綻金融機関の処理というのが、これはどういう意味合いを持つのかということを、まず冒頭、竹中大臣に、これ通告申し上げていませんでしたけれども、ちょっとコメントをちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) どういう意味付けかというのはなかなかちょっと深い御質問で、どういう点にポイントを絞ればいいのかなとちょっと戸惑っておりますが、日本の金融システム、やはり非常に大きな試練を経験してきたし、今もまだ経験しているということだと思います。これまでの法律の枠組みの中でそれを最適に活用しながら金融システムの再生に努めているまだ途上でございますけれども、これまでの実績を受けながら、更に我々として策定した金融再生プログラムを着実に実施することによって、是非とも不良債権問題の終結を目指したいというふうに思っております。
○平野達男君 ここに日本の今までの金融機関の抱えるいろんな矛盾、あるいはバブルが終わった後のいろんな矛盾がやっぱり現れているんだろうと思います。 そこで、これが百八十行、しかも十八兆というお金、資金譲与、贈与、資金援助をやっているわけですが、これが、これからいろんな金融のいろんな動きがあると思いますけれども、金融機関の整理統合、そういったものもあると思うんですが、これは台風一過と見るか、それとももう一つ大きな動きの第一弾というふうに見るのか、どのように考えられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 要するにお尋ねは、この不良債権問題の終結までの道筋を一体どのように見ているのかと、これまでの評価と今の位置付けをいかに考えているのかと、そういう趣旨に基づく御質問であろうかと思います。 この点については、我々は今、金融再生プログラム、それの工程表を着実に実施しているところでございます。残された幾つかの重要問題、つまり新たな公的資金の枠組みが必要かどうかということも含めて金融審で検討する、さらには繰延税金資産等を含む自己資本の規制の在り方をどのようにするか、これも金融審で引き続き議論をしている。そういう議論の進捗も見ながら我々なりにもう少しはっきりとしたシナリオを作っていきたいというふうに思っておりますが、当面はこの金融再生プログラムで少し体勢を立て直して、これをしっかりと進めていく中で、我々自身もしっかりとした姿を描きたいし、それを国民の皆さんにも示していきたいと思っております。
○平野達男君 かつて銀行は倒産しませんよというふうに言われたんですけれども、平成八年十月以降に百八十行、まあ大小ありますけれどもこういうふうに整理されているということで、さっきの質問はもっとダイレクトに、もう破綻金融機関は出ませんか、もっと出るんですかというようなことを聞きたかったんですが、通告もしておりませんし、また質問自体がちょっと適切な質問でないかもしれませんので、この問題はここで切り上げます。 そこで、先ほどの資金援助なんですが、十八兆で、この内訳のうち十兆が交付国債ということで国費投入しています。残りの部分についてはこれ一般保険料と特別保険料という二つの保険料で徴収しておるんですが、この保険という仕組みから見ますと、責任準備金は当然プラスになっていなくちゃならないということなんでありますが、当然、保険料払うときは当然その保険料の範囲内で払いまして、それでプラスが出た場合には責任、じゃない、責任準備金で積んでおきますと。 で、まず崩していくのは責任準備金から崩していきますよということなんですが、今回四・八兆円ぐらいの大きなマイナスが出ておりますが、これ保険業法というか、これ預金保険法、法律ですかね、この中で責任準備金の取扱いについての規定が定めているみたいですが、このマイナスの数兆円という単位というのはもう想定しておりましたか、この法律を作った段階で。
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思いますが、先生御指摘のとおり、破綻金融機関数が百七十七金融機関に上って、金銭贈与が十八・七兆円に平成四年度から平成十四年度までなっているわけであります。これは、金融機関の破綻処理が増加をし、それが反映をされているわけでありますが、このことによって預金保険機構の一般勘定において現在約四兆円の累積の欠損金を計上しているところでございます。 預金保険法は五十一条によりまして、当該の累積欠損金については今後長期的に機構の財政が均衡するよう定める金融機関からの保険料によりその解決が図られる見込みでございます。この法の枠に従って対応をしていくということでございます。
○平野達男君 制度上は問題がないという答弁なんでしょうが、これから、先ほど、今四兆というお話でしたけれども、これを今の保険料〇・〇八四%じゃないかと思ったんですが、それで徴収していきますと年額たしか五千億ぐらいの保険料が入ってきて、仮に金融機関が破綻しないという前提だとしても八年間掛けてこれを償還していくという仕組みなわけですね。 先ほど言いましたように、責任準備金がマイナスになってしまいますと、一般の保険会社でしたら責任準備金がゼロになった段階でもうソルベンシーマージンだとか何か、何か難しい概念があるみたいなんですが、あそこがもうほとんどゼロになってしまいますから、保険の仕組みそのものとしては破綻してしまうんですが、これはもう破綻しない。破綻しない前提として保険料を強制的に徴収できるという仕組みになっているわけですね。しかも、この年間先ほども言いましたように五千億、それで金融機関は、農林系はちょっと違うみたいなんですが、金融機関は全部強制的に入っているという中で、いわゆる郵便貯金はこれ納めていないわけです。 年間五千億という預金の保険料を納めていくということについては、制度上の不公平性ということがやっぱり問題にされるんじゃないかと思うんです。その制度上の不公平性という問題と、この五千億というものを一般保険料として、これは一般保険料になるんでしたかね、特別保険料は廃止になりましたね、これずっと取り続けていくということが金融機関にとって特に大きな足かせになるんじゃないかなと。特に矛盾という意味におきましては、この保険についてはもう強制加入で、いい銀行もあれば悪い銀行もあるということなんですが、これだけのマイナスが発生した中で金融機関に負担を掛けるということについての制度上の矛盾ということと、それから先ほど言いましたように、金融機関のいろんなこれからの財務の健全性を確保する上に大きなマイナスになるんじゃないかという感じがするんですが、そこに対する御見解をちょっとお伺いしておきたいと思いますが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員の御質問は、お伺いして、やはりちょっと二つの問題を指摘しておられるのだと思います。 一つは、これがそもそも保険システムとして健全に回るのかという御質問、その意義も含めてであろうかと思います。しかし、預金保険そのものは多分これは必要だろうということはある程度お認めになるだろう。今御指摘のように、こういう四兆円というようなマイナスのアセットを予測していたのかということもございますけれども、これはやはり単純計算でも八年とかになるわけでありますから、大変厳しい状況であるけれども、これはしかしこの制度をしっかりと維持して運用していくというのが我々の基本的な考え方でございます。これはまあこうするよりほかに適切な方法はなかなかないのではなかろうかという点が基本でございます。 もう一つのは、より大きな問題として、しからばこの保険システムの外にいる郵貯という存在をどのように考えたらよいのであろうかと。これは、いずれにしても郵貯とその民間金融機関との競争条件という、これは決して保険料、預金保険だけではなくてより広いディメンジョンでの議論は、これはこれで是非必要になってこようかというふうに思います。この条件の整備としては、例えばディスクロージャーの問題とか、区分経理の問題とか、国庫納付金の納付の問題、いろいろございます。検査に関しては、今度、信用リスクに関しては金融庁の検査が入るようになった。我々としても引き続き、イコールフッティングと、競争条件のイコールフッティングという観点から言わば広くいろんな議論をしていきたいというふうに思いますが、預金保険の点だけでこの問題はなかなか議論できる問題でもない。問題意識としてはそういう少し大きな次元で引き続き是非議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○平野達男君 いずれだれかが負担をしなくちゃならないということなんですが、どうも、銀行、金融機関だけに負担させるということについてはちょっと割り切れなさが残るなという感じはちょっとします。もっとも、それ以外に十兆の国費を使っていますから、金融機関だけが負担しているんじゃないよということになるかもしれませんが。 そこで、ちょっと次の質問に移りますが、資金援助十八兆なんですが、片っ方で預金保険機構さんが民事上の責任追及をやっておりまして、これでたしか一千億の一応資金回収をめどに今一応動いておられるということだったと思います。片っ方で債務者の、お金を借りた方の、債務者の、取立てが非常に厳しくて、自殺者が出ているというような状況の中で、こういう十八兆も大きな資金援助をしなくちゃならないような事態を招いた経営者の責任というのは、やっぱり重いんだろうと思うんです。 そこで、今の民事上の責任追及の程度は、これ、どういう質問をすればいいかと私も迷ったんですが、妥当なものなのかどうなのかという非常に抽象的な質問になるんですが、これは松田理事長の答弁でお願いしたいんですが、お願いします。
○参考人(松田昇君) お答えいたします。 先生もよくよく御案内のとおりでございますけれども、破綻した金融機関の旧経営者に対します責任追及というのは二つの方法がございまして、一つは、預金保険機構などが金融整理管財人になったときに、営業譲渡までの間に旧経営者の非違について問うて民事賠償責任を問う、提訴する、その訴訟をRCCに引き継ぐと、こういうやり方が一つございます。もう一つは、営業譲渡までの期間にその提訴ができなくて、なおかつ疑いがあるのは、RCCがそういう損害賠償請求権を買い取りまして、譲り受けまして、引き続きRCCの下で調査をして、預金保険機構と協議を重ねて、私どもの責任解明委員会の議決を経た上で更に提訴をすると、この二つの方法で今までやってまいりました。 御指摘のとおり、預金保険機構グループといいますか、預金保険機構とRCCが関連をいたします今までの案件というのは、先ほど先生がおっしゃられましたが、三月六日の私の談話のときの段階なんですが、あれから五件ほど更に増えておりまして、また総額では一千十億以上になっております。件数としましては九十八件、百件にならんとしております。 果たしてこれが少ないのか多いのかと、こういうことになりますと、なかなか難しゅうございますけれども、元々、破綻した金融機関には資料が非常に乏しいということがございまして、それから我々は強制権がございませんから、任意の中で資料の中で探していくということがございます。 そういう調査の難しさと、それから具体的に経営者が融資をしたときに得られた客観的な情勢が、例えば資産デフレなんかで担保価値が客観的に下がってしまって、経営者の責任を問うのは、本当に問えるのかなと、故意過失を問えるかと、こういう問題、難しい問題もございます。そういう中で我々は、そういう困難の中でございますけれども、これだけのことはやってきたと、このように考えております。
○平野達男君 いずれ、私は、この百八十行の破綻金融機関が平成八年十月以降の中で集中したということは歴史的な事件で、もうこんなことはもう起こってほしくないともちろん思います。 その中で、こういった、なぜこういう破綻金融機関がこれだけ起こったのかという評価と、これもちょっと通告申し上げておりませんでしたけれども、その整理と併せて、責任者がどういう行動をしたのかということをきちっとやっぱり整理しておいてやはり公表するということを是非やっていただきたいと思うんですが、これは預金保険機構さんの仕事になるんでしょうか、金融庁さんの仕事になるんでしょうか、これ、どうでしょうか。
○参考人(松田昇君) 当然、私どもがいたしました責任追及の結果、その中身につきましては金融庁に御報告申し上げておりますし、恐らく国会に出される資料にも入っているのではないかなと、かように考えております。その意味では、私ども、自分のやりましたことはすべて公表させていただいていると。引き続き、我々はそういうものについては積極的にやりたいと思っています。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御指摘は、恐らく非常に大きな政策イシューがあったときに、その評価、レビューをやはりきちっとやっておけと、そういう御趣旨であろうかと思います。 実は、このFRC報告というのは、正にそれの重要な部分なんだと思います。我々としては、行政を担当する立場からしますと、こういうことを積み重ねていくことによって、理想的には、こういったものを外部の研究者が客観的に評価をして、九〇年代の金融政策を評価する。アメリカなんかでは、そういうのをブルッキングス研究所とかそういうのでよく本が出ておりますけれども、そういうふうになっていって、それが更に一つの知恵として行政に反映されてくるというのが理想ではなかろうかなと思います。 我々としてできることがあるかどうか、考えてみますが、基本的には、このFRC報告等々をしっかりとやっていって、それで一つの社会インフラとしての専門家集団にそういうものをレビューをしていただければ有り難いというふうに思っております。
○平野達男君 できれば是非、政府でも例えば金融審議会というところでやるのが妥当かどうか分かりませんが、これだけのお金を使いましたので、それの評価ということはやっておく必要がやっぱりあると思います。これは御要望という形で申し上げておきたいと思います。 それから、あと預金保険機構の今後ということなんですが、平成八年十月以降にこれだけの破綻金融機関が出て、恐らく今債権のいろんな評価の話とか、あと承継銀行へのいろんな事務手続、引き継ぐときのいろんな事務手続とか相当大変ではなかったかと思うんです。その一方で、一応終わりましたよということなんですが、この預金保険機構の体制の縮小というのは、これは今どのように考えておられるかということなんですが、どうでしょうか。
○参考人(松田昇君) 先生御指摘のとおりで、私どもの基幹業務であります預金保険機構の運用、特に資金援助の業務というのは、取りあえず今破綻した金融機関の処理が全部終わったという節目のときに当たっております。 ただ、私どもは、平成八年以降、預金保険機構ということではございますけれども、例えば旧住専とか破綻金融機関の不良債権の回収、それから先ほど言われた責任の追及、それから金融整理管財人業務、それから健全行に対する資本の注入、増強並びに健全銀行からの資産の買取り、回収、処分、企業再生と、これは非常に広範囲な任務がどんどん付与されておりまして、片一方で減っていくのはありますけれども、別に増えている分野もございます。 あれこれ考えまして、やはりできるだけスリム化にしていく、効率的な組織にしようということで、今年度では従来、前年度に比べて差引きで十一人減員をいたしまして、それで破綻処理のために臨時に金融界から出向していただいた方をお返しをするという形も取りました。ただ、一方で、いろいろな新しい業務がたくさんございますし、それにいわゆる合併促進法による資本注入業務とかあるいは産業再生業務とか、新しい業務が私どもに付与されておりますので、その辺の増員の必要性もあれこれ勘案しまして、大体十一人減の形で今やっております。ただ、引き続きスリム化については十分注意して効率的な運営をやっていきたいと、このように思っています。
○平野達男君 組織温存のために仕事を作っているというようなことはないとは思いますけれども、是非、しっかりとした仕事に見合った体制作りということを是非やっていただきたいというふうに思います。 時間、最後になりますけれども、預金保険機構の下に今RCCがありまして、今度、組織上は産業再生機構というのが今度できます。私は、いずれRCC、産業再生機構のような機能というのはこれは必要だと思うんですが、いまだにRCCと産業再生機構を何で分けたかというのがよく分からなくて、私なりの説明をすると、やっぱりこれは縦割り行政のそのままこっちへ来たんじゃないかなという感じをいまだに強く持っています。産業再生機構はもうできましたし、片っ方でやっぱりRCCもあると。形上はそれを束ねる形で産業再生機構があるわけです。 それで一方、RCCがいろいろやっている仕事というのは、破綻懸念先以下なんですが、例えば非メーン以下のいろんな整理をするときの債権の買取りをする、あるいは破綻懸念先以下でも産業再生についてのいろんな仕事もするということで、かなり、そういった面に産業再生に掛けるノウハウというのもかなり蓄積されている。産業再生機構は、確かに要管理先ですけれども、やることはやはり非メーンの債権を買って、いろんな調整をやりましょうということで、両者は物すごい共通するものがあるわけですね。じゃ、その両者の橋渡しをどうするのかということになりますと、RCCと産業再生機構が話合いをすれば一番いいんですが、どうも出発の時点からもう完全に二つに分かれてしまっていて、その中の、ブリッジバンクじゃないですけれども、中に入っている預金保険機構の果たす役割というのがやっぱり大きくていいんじゃないかなと。 ところが、やっぱりただ、今の制度上から見ると、預金保険機構さんの権限は限られていて、余りその仕事の中身には口挟めませんよというような仕組みになっているらしいんですが、是非、産業再生機構とRCCさんのいろんな情報の橋渡し、是非積極的に口を入れてやってもらうようにしたいと思うんですが、どうでしょうか、理事長。
○参考人(松田昇君) 御指摘のとおりで、扱う債権も違いますし、債務者も違いますし、やり方も違いますので、多分これはすみ分けが自然にできていくんだろうと思いますけれども、今度の産業再生法自体に、預金保険機構と、私どもの協定銀行になっているRCCと、それから産業再生機構が協力体制を作らなきゃいけないと、こう書いてございますので、私ども共通の株主でございますから、その点は抜かりなく積極的に両者間でいろいろ調整する、あるいはノウハウの交換をする、そういう点については尽力をしていきたいと思っています。 現に、今、産業再生機構を作るときの準備室に我々も人を出していますし、RCCからも事実上、人が行って、意見交換その他もやっていますので、そこはしっかりやっていきたいと思います。
○平野達男君 いずれ、同じ産業再生機構とRCCの役割の分担と同時に、協力ということについてはもう金融庁さんも是非やっていただくようお願い申し上げて、私の質問を終わります。 あと、通告申し上げたやつは、あした財政金融委員会がありますので、残りはあしたやりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○大脇雅子君 本報告は、政府が破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容その他金融機関の破綻の処理状況についてでありますが、この三月期決算におきまして銀行等が増資をいたしましたが、非常に株安が進行いたしまして、そうした効果を減殺しているということが言われています。 自己資本比率の四%基準あるいは八%基準をクリアしている金融機関の現状というものについて検査をしておられると思うんですが、その結果、更なる破綻可能性の銀行、あるいは金融機関の健全性について、どのような状況として把握しておられるでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。 確定しております直近の決算は平成十四年九月期でございまして、協同組織金融機関ですと、今のは銀行でございますが、協同組織金融機関ですと十四年三月期ということになります。この直近の確定決算での財務状況を見ますと、いずれも健全性の基準を満たしている状況にございます。こういったものも踏まえまして、早期警戒制度のようなものも中心とした総合的なモニタリングで健全性確保のための適切な運用を行っているというのが現状でございます。 なお、今三月期、十五年三月期ということになりますと、現在決算確定作業中でございますので、確たることを申し上げるというのはちょっと勇気が要るわけでございますが、株価下落や地価下落による影響というのはもちろんございます。ございますけれども、各金融機関では、収益力向上、あるいはお話のありました自己資本の増強ということに努めておりますので、現時点で私が認識しておる限りにおきましては、直ちに健全性に問題が生じるような状況にある金融機関があるとは承知していないということでございます。
○大脇雅子君 この報告書にございます石川銀行や中部銀行、あるいは六信用金庫や三十八、信用金庫というものの処理はまだ全体的に終結をしているとは言えないと思いますが、今後の、これからの公的資金の投入というものは考えられるのでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 本報告、今御審議いただいております報告の対象期間が平成十四年の四月から九月までということになっておりまして、この間は六信用金庫及び三十八信用組合の破綻処理が行われているということでございます。これらにつきましては、預金保険機構による資金援助が既に実施をされているという状況でございます。 なお、この報告の対象期間外でございますが、お話のありました石川銀行、中部銀行につきましても、破綻処理に係る資金援助が十五年の三月に既に行われておるところでございます。こうした資金援助が行われましたので、その後、破綻した金融機関はございませんので、現状において公的資金の注入が予定されているということではございません。
○大脇雅子君 預金保険機構による主な資金援助の実施状況について、金銭の贈与に関しまして、ペイオフコストを超える金銭の贈与に係る資金援助は、預金保険機構の特例業務勘定で経理されるという箇所につきまして、特例業務勘定は平成十四年度末に廃止され、特例業務勘定に属する資産及び負債は一般勘定に帰属させるということになりますと、その結果、資金援助に関する処理や手続というものについてはどのように変わるのでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) お話ございましたように、平成八年度から十三年度までに破綻した金融機関の破綻処理に関しましては、救済金融機関に対するペイオフコストを超える金銭の贈与及び破綻金融機関からの資産買取りは預金保険機構の特例業務勘定で経理をされておりました。この勘定が十五年三月末で廃止をされまして、この勘定の資産及び負債は一般勘定に帰属するということになったわけでございます。 今後、万一、金融機関が破綻をいたすというようなことがありました場合、この場合には、ペイオフコスト内の金銭贈与及び資産買取りにつきまして預金保険機構の一般勘定から資金援助が実施されることになりまして、その財源は金融機関の保険料で賄われるということになるわけでございます。 なお、ペイオフコスト内と申しましたけれども、平成十六年度まで普通預金、当座預金、別段預金、いわゆる特定預金は全額保護でございます。十七年度以降は決済用の預金が全額保護される、こういうことになっておるわけでございます。
○大脇雅子君 石川銀行、中部銀行についてお尋ねをいたします。 この資料編の六ページによりますと、総資産の査定結果、平成十三年九月期の当局の査定と自己査定の数値が、第Ⅲ分類と第Ⅳ分類における評価の差異が非常に大きいのですが、こういう結果は、これはどのように考えてよろしいのでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 石川銀行と中部銀行に対しまして、十三年九月期の決算を対象として検査を実施いたしております。石川銀行に対しましては十三年の十月二十四日から十二月十四日まで、中部銀行に対しましては十三年の十一月七日から十二月十一日までやっております。 この自己査定額と当局査定額が乖離しておるという原因といたしましては、そもそも銀行、それぞれの銀行の自己査定基準が妥当性に欠けている部分があったこと、それから自己査定におきまして、債務者の実態把握や財務内容の分析が不十分であったことというようなことで、当局査定におきまして債務者区分が変更されて、それが破綻懸念先以下に下方に遷移するということが多数認められたこと、あるいは担保不動産の処分可能見込額というものの算定が不適切であったことといったことが挙げられようかと思います。
○大脇雅子君 石川銀行につきましては第Ⅳ分類の自己査定がないのに当局査定で二百五十六億円ということで、回収不能又は無価値と判定される資産の処理についてはこれは中部銀行とかなり異なると考えますが、この処理方法や期間など、両行の具体的な差異をどのように見たらいいんでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) 査定の問題でございますが、今、検査局長からお話をいたしましたとおりの要因で、両行それぞれ程度の差があるということで異なる結論が出ておるわけでございますが、石川銀行の営業譲渡につきましても、中部銀行と同様、他の金融機関と同様に金融整理管財人におきまして国民負担の最小化あるいは預金者の保護といったような原則にのっとりながら譲渡後の受皿金融機関の健全性ということも考慮して実施をされているということでございます。 その際に、今お話で処理方法等というお話がございましたけれども、破綻から営業譲渡までに要しました期間は、石川銀行が一年と三か月と二十六日、中部銀行が一年と二十五日ということになっておりますが、平均的に大体一年三か月ぐらい掛かっておりますので、そう特別な期間が掛かったということではないように思います。 処理の方法は、今申しましたような原則で行われておりますので両行で違いがあるということはございませんで、地元の金融機関を中心に最大限かつ可能な限り迅速に受皿を探すということで取組が行われております。 それから、不良債権の方の関係で、石川銀行の持っておりました資産の切り分けでございますね、RCCに行く分と受皿に受け継がれる分、この部分につきましても、他の金融機関と同様に、金融整理管財人と、それから受皿、最終の受皿でございます北陸銀行などの金融機関との間で債務者の健全性に応じた資産の切り分けがなされておりまして、善意かつ健全な債務者への融資は最終受皿の方へ引き継がれると。最終受皿に引き継がれなかった資産はRCCに譲渡される、これは同じでございます。 ただ、今お話にもございましたが、石川銀行の方は結果が悪かったわけでございますが、これは県外の大口融資を中心にした資産の劣化が石川銀行の場合は著しかったということがございました関係で、最終受皿が例えば中部銀行に比較して多くの資産を譲り受けるということがなかなかできなかったということだろうと思います。ただ、これは県外の大口ということですので、これを債務者の方の数で見てみますと、これは県内を中心に、石川銀行の場合、全債務者の約九割が最終受皿の方に引き継がれているということでございます。件数で見ますと、そういう意味で、石川銀行が何か特異な状況になっているということではないように感じられます。
○大脇雅子君 この早期の受皿銀行の、受皿の金融機関についてですが、現在、株式会社日本承継銀行というものとの間に営業譲渡が行われて今おっしゃったような様々な作業が行われているのだろうと思いますが、この早期営業譲渡の見込みというものは大体いつごろになるのでしょうか。 その場合に気になりますのは、前の新生銀行やあおぞら銀行等と同じように、瑕疵担保条項というのが議論されているかどうかということと、それから経済産業省にお伺いしたいのは、取引先の中小企業の倒産防止とか地域の中小企業の再生のために何らかの手を打っておられるのでしょうか。
○政府参考人(五味廣文君) これらの最終受皿に対する承継では、いわゆる瑕疵担保条項というものは含まれておりません。
○政府参考人(斉藤浩君) 中小企業者にとりまして、取引金融機関が破綻いたしますと大変な事態でございます。したがいまして、中小企業庁におきましては、そのために経営困難が起こらないようにということでいろいろなセーフティーネット対策を講じております。 石川銀行、中部銀行につきましても、それぞれ破綻が公表されました同日付けで相談窓口を設置する、あるいは政府系金融機関による貸付け、特別な貸付けを始める、保証協会を使った特別なセーフティーネット保証制度の対象にする等によりまして、連鎖的な経営困難を生じさせないようなセーフティーネット対策を講じてまいりました。実績を申し上げますと、両行合わせまして約二千件、約四百億円の融資と保証を行っております。 全般的に言いまして、現在の中小企業の経営状況、大変厳しいものがございます。したがいまして、それらの中には、やはり金融機関あるいは経済、地元の経済団体と一緒になりましてその再生を図っていく、あるいは場合によってはその再生を支援していくということが非常に必要になっております。 そういうこともございまして、既にこの国会で御審議をいただきまして成立を見ました産業活力再生特別措置法の改正の中に、地域におきます中小企業の再生を支援するための組織というものを新しく追加をいたしました。これに基づきまして、各地の商工会議所、都道府県等におきまして、再生協議会、中小企業再生支援協議会というものを設けております。 その協議会におきましては、専門家、場合によっては金融の再生のプロあるいは法律のプロ、いろんな方々に専門家として二名ずつ入っていただきまして、中小企業の方々が御相談に見えましたら高度な視点あるいは非常に迫力のある相談と指導ができるようにということでやっております。 また、その際にできます、活用できます施策につきましても、金融面あるいは保証面でいろいろな施策を用意いたしまして、その活用も図りながら中小企業の再生を具体的に支援していくように努めてまいる所存でございます。
○大脇雅子君 当然に人件費の削減が行われるでしょうし、労働条件の引下げが行われるというふうに考えられますが、それぞれどのような規模や内容で、その対策についてどのようにお考えでしょうか。厚生労働省の方で。
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。 この中部、石川、両銀行の労働条件の問題については、私ども、必ずしも詳細に把握しているわけではございません。 ただ、金融整理管財人によりますれば、賞与カット、半期に一か月分の支給、権利性のものは従来どおりとするが、裁量的な部分は認めていないと、こういうふうな状況だと聞いております。
○大脇雅子君 今後の金融機関の安定につきましては、不良債権の回収の強化ということが今後の課題になるわけですが、いわゆる貸し渋りや貸しはがしということが企業の倒産、リストラを生み出して、現在の失業率の高止まりなどの状況を引き起こしている最も大きな要因と考えられますが、不良債権回収策の引き起こすマイナス要因というものを大臣はどのように考えておられて、それに対してどういう対策を考えておられるのかということをお伺いして、私の最後の質問とさせていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今日の午後、いろいろと御議論いただきましたように、不良債権の処理を進めなければ金融市場の活性化はない、さはさりながら、その過程でやはり起こり得るいろんな問題に関しては十分な配慮をしていかなければいけない、大脇委員の御指摘は、それについての見解を問うということであろうかと思います。 これは、先ほど申し上げましたけれども、これをやれば必ずうまくいくというようなものがなかなかない中で、非常にきめ細かくしっかりとセーフティーネットを張っていくということに尽きるのであろうかと思います。その意味では、中小企業及び雇用のセーフティーネット、これ様々な機会に講じておりますけれども、改革加速のための総合対応策等々に盛り込まれた措置をしっかりとやっていくということが我々にとって非常に重要な仕事になっているというふうに認識をしております。 同時に、事態をやはりしっかりと把握するという意味では、貸し渋りや貸しはがしのホットライン等々、これをしっかりと検査・監督に活用していかなければいけないというふうに思っておりますし、銀行自体に対しても、その副作用ができるだけ小さくなるようにやはり努力をしてもらう。例えばですけれども、いわゆる経営健全化計画を持っている資本注入行については、これは中小企業に対しての目標を掲げているわけ、融資目標を掲げているわけですから、これをしっかりと守ってもらう。御承知のように、中間決算の段階でこれを大幅に下回っているところについては、これまでよりは一歩進んだ厳しい措置として我々は業務改善の命令も打ったところでございます。 こうしたことを怠りなくといいますか、一つ一つを非常にきっちりとやっていかなければいけないというのが今の状況ではないかと思います。 繰り返しになりますけれども、そのような総合的な対応を内閣として是非しっかりと取ることによって、不良債権処理を進めて金融市場を活性化する、しかしそのときの様々に生じる問題を極力抑えていくというような努力をしていきたいと思っております。
○委員長(清水達雄君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十一分散会