環境委員会 第5号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/03/27
会議録
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省健康局長高原亮治君、厚生労働省医薬局食品保健部長遠藤明君、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君、環境省総合環境政策局環境保健部長南川秀樹君、環境省環境管理局長西尾哲茂君及び環境省環境管理局水環境部長吉田徳久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(海野徹君) 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小泉顕雄君 おはようございます。 私のような者に質問の機会を与えていただきまして本当にありがとうございます。自由民主党の小泉でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 与えられた時間は余り多くありませんので、若干の事項について質問をさせていただこうと思うんですけれども、二十一世紀という世紀は、二十世紀から非常に多くの負の遺産を引き継いで出発した、ある意味では大変不幸な世紀であるというような表現がされますけれども、この公害という問題もその一つであるということについては、これは疑いのないところだろうというふうに思います。 被害者の健康被害の補償等につきましても、平成十四年度ではおよそ七百億円近い補償給付が予算化をされておりますし、認定患者の今一番若い方は十五歳であるということも聞いております。そうすると、この制度というものは、あるいはこういう措置というものは今後まだかなり長い時間続いていくということで、改めて公害というものの持っておる問題の深さといいますか大きさというものを痛感をするわけですけれども、我々は、新しい世紀の出発に当たって、こういうことを二度と起こさないというような決意をすることも大変大事なことだというふうに思っております。 我が国におきましては、古くは足尾銅山の鉱毒事件でありますとか、あるいは昭和三十年代、四十年代に特に顕著でありました大気汚染あるいは水質汚濁に伴う公害の発生ということがあったわけでありますけれども、まず最初に、我が国における公害の歴史といいましょうか、の概括について総括をしたお話をいただきたいと思います。併せて、これまでのそれぞれの公害の発生に伴う行政の取組ということについても、概括で結構でございますので、総括をした御所見を賜りたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 日本における公害、それから公害行政のこれまでの総括という御質問でございますが、先生御指摘のように、明治時代には、古くは足尾鉱山の鉱毒問題というようなことも起こっております。明治時代以降、産業の近代化に伴う経済成長、それが様々な公害問題を引き起こしてきたわけでございます。都市地域の工場からのばい煙が既にそのころにも問題になっておりました。こうした公害の被害が誠に甚大となり、社会問題にまで発展してきたというのが昭和三十年代から四十年代の高度経済成長期ではないか、その成長期に発生したいわゆる四大公害というものを始めとした激甚な公害の経験であったというふうに思っております。 このような背景から、昭和四十二年には公害対策基本法が制定されました。また、昭和四十五年のいわゆる公害国会では公害関係十四法案の制定、改正が行われました。さらに、翌昭和四十六年七月には環境庁が設置されるに至ったわけでございます。 このように、政府では、急速に環境規制を強化するということをいたしました。また、企業の公害防止投資や技術開発も促してまいりました。こういうことから、公害の収束には効果をその後上げてきたと思っております。 このような取組によりまして環境の状況は相当程度改善されてきているものの、現在では、やはり大都市におきます大気汚染の問題、生活排水による水質汚濁の問題等、やはり残された公害の課題がございます。引き続き、これらの課題に対する取組に努めていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○小泉顕雄君 背景の大きなものとして高度経済成長ということがあったという総括的な御意見をいただいたわけでありますけれども、もう少し具体的に踏み込んだ背景分析ということにつきまして御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) やはり、戦後の経済復興を最優先した時代、それから、昭和三十年代から四十年代の高度成長期に至る過程で非常に激甚な公害が生じました。 その間、政府は公共投資を産業基盤の整備に集中させるなど、やはり経済発展を優先する政策を進めてきたということだと思います。また、企業においても、経済効率の追求を重視し、製品や生産工程における環境配慮あるいは公害防止の投資というものも少なかった時代であったと思っています。 このように、環境保全への知識や対策や取組というものが未成熟なまま経済発展が優先されました。そのため、被害の未然防止が図られなかった。そういうことから、かつての激甚な公害問題が発生したものであるというふうに認識しております。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。 私もそのとおりだというふうに思います。また、知識の不足ということもあったのではないか。そういう意味で、今後、学校教育あるいは社会教育の中でも、この辺にかかわった、二度とこういうことを起こさないというような方向での教育というものも考えられなければならないんではないかというふうに思います。 昨日も議論がありましたけれども、やはり経済成長と環境の保全ということをどういうふうに両立をしていくかということは、大変難しく、しかし重要な課題でもあるわけですけれども、今までのお話を踏まえて、これからの公害に対する対策というものにつきまして環境省としてはどのような方針で取り組んでいこうとされているのか、御見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。 公害対策に取り組む今後の基本的な姿勢ということでございますが、環境省の仕事、これは、温暖化対策あるいは廃棄物問題、誠に多岐にわたるものでありますけれども、良好な環境を創出をして、そしてこれを保全をしていく、それによりまして国民の皆さんの健康でありますとか生活環境を守っていくということは、これは環境省の仕事の中でも最も基本的な問題ではないかと、そのように認識をいたしております。 ただいまの西尾局長から答弁がございましたけれども、我が国はかつて、歴史的にも大変甚大な公害を受け、それを克服してきたというそういう経緯、歴史がございます。この間の教訓、経験、そういうものを学んで、そういうものを生かして、今後とも、公害の未然防止に努めていくということを基本姿勢に努力をしてまいりたいと考えております。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。 私、本当に環境省はよくやっていただいているなという印象を強く持っておりますし、この印象を今後も引き続き持ち続けたいなということで、これからのお取組に心から大きな期待をしておることを申し添えておきたいというふうに思います。 今回の提案はこの法案の一部の改正ということでありますけれども、実際に公害を取り巻く様々な状況の中で、この補償制度というものが果たしてきた役割というのは非常に大きいと思いますし、多くの方々から高い評価を得ているというふうに私は評価をしている一人でありますけれども、この予防補償制度というものが現在果たしている役割、あるいはこれまで果たしてきた役割というものがどのようなものであったというふうに評価をしておられるのか、御見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 公害健康被害補償制度につきましては、著しい大気汚染による健康被害者に対しまして、汚染原因者の負担による補償給付などを行うことによりまして健康被害者の迅速かつ公正な保護を図るということを目的にいたしております。また、予防事業につきましては、大気汚染の影響によります健康被害を予防するために特に基金を設けて事業を行ってきております。 これまで、公健法に基づきまして四十九年から認定患者に対する補償が着実に実施をされてきております。また、予防事業につきましても、地域住民あるいは認定された疾病から治癒された方を対象とした健康相談、診査、あるいは水泳、音楽教室などの訓練事業、知識普及などを行ってきております。 今後とも、適切な運用に努めてまいりたいと考えます。
○小泉顕雄君 ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いをしたいと思います。 さて、昨年の十月の末でありますけれども、東京地裁が大気汚染、特に自動車の排気ガスと呼吸器系疾患との因果関係というものを認めて、国と東京、それから首都高速道路公団に賠償を命じる判決を下しました。この判決に対する対応が国と東京都では全く異なっておるわけであります。この事実は国民にとっては非常に分かりにくい事実であるのではないかというふうに思います。 そこで、国民が理解をできるように国の立場というものあるいは見解というものにつきまして御説明をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 東京大気汚染公害訴訟第一次の判決につきましては、国としては、一つには、医学的には十分な知見がない中で本件各道路から自動車排出ガスと気管支ぜんそくの因果関係を認めた点及び二つには、道路の設置及び管理について責任を認めた点に不服があったということで、昨年十一月八日に控訴しておるところでございます。 国の考えはこういうことでございますが、この判決につきまして東京都では控訴をしなかったということでございますが、その際、同時に、東京都のお考えとして、判決の内容、論理は承服できないということをしておりまして、都知事が複合的な検討をされた結果であるというふうに聞いております。そういうことでございますので、地方自治体の首長としての御判断ということだと思います。 国としてはやはり基本に立っていくということでございまして、一つには因果関係については科学的知見を踏まえて対応をしていくと、二つには一層の大気環境改善の努力をするという基本に立って取り組んでまいるということで対応いたしておるところでございます。
○小泉顕雄君 ありがとうございました。 因果関係、科学的知見ということにつきましては、私は後でまた若干私見を申し述べさせていただくことにしますのでここまでにしますが、ただ、判決が採用しております大きな根拠に千葉大学の調査というのがあるわけでありますけれども、これは一方では説得力を持つようにも扱われているわけですけれども、国としてはその点については認め難いという姿勢ではないかと思うんですが、その辺の事情につきましてもう少し詳細に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今御質問のございましたいわゆる千葉大調査でございますが、これは学童の呼吸器疾患を追跡して行われた調査でございまして、また大気汚染以外の関連各要因の影響も注意深く検討、解析をなされておりますので、重要な研究であるというふうに考えております。 しかしながら、大気汚染物質の濃度と暴露との関係について十分な評価が行われていないという点がございますし、沿道の影響を観察するには調査母数も少ないというような点もございます。幾つかの問題点があると考えております。 それからもう一つ、こういう重要な判断要素であるこういう各種疫学調査ということにつきましては、いろいろな疫学調査が一致しているということが重要な判断要素ではないかと思うわけでございますけれども、多くの疫学調査でこの千葉大調査の結論と一致した結果が得られているというふうには言い難いと思っております。 以上のことから、千葉大調査の結果をもって因果関係を認めるということは適切でないと考えている次第でございます。
○小泉顕雄君 私も、いささか母集団が小さ過ぎるということにつきましては同感であります。 それでは次に質問を変えさせていただきますけれども、公害による健康被害者というふうに認定をされた人は、昭和六十三年の第一種地域の指定の解除以来、減少をしております。平成元年では十万七千人ほどおいでになった方が、十四年の三月では五万七千人余りになっておいでになると。これはもちろん、指定の解除がされて新たな認定をしないということですから当然のことなわけでありますけれども、一方、東京都を始めとしまして、例えば川崎とか大阪とか尼崎とか神戸、そういったところが条例等によりまして大気汚染による疾病であるというふうに、これは断定じゃなしに推定をして医療費を助成をしておいでになる方がたくさんおいでになります。そういう方々を合わせますと、実は大気汚染による疾病と断定又は推定をされるという人の数というのは増えているのではないかと思うんですけれども、このような事実につきましてどのような御見解をお持ちか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 地方自治体の中には、先生御指摘のように、ぜんそくなどの患者さんに対しまして、大気汚染のみならず様々な観点をもって医療費の助成を行うところもございます。私ども把握しておる限りでは、現在十二の自治体におきまして気管支ぜんそくなどの新規発症患者に対しまして新規認定が行い、医療費等の給付が行われております。 ぜんそくなどの疾病につきましては、大気汚染だけでなく様々な要因、例えば室内の各種汚染あるいはたばこ、そういったものによって発症すると言われております。長期的に見ますと、ぜんそくの患者さんにつきましては全国的に増加をいたしております。当然ながら、大気汚染の影響の少ないと考えられる地域におきましても増加傾向を示しておりまして、ぜんそくの患者の数が増加している主たる原因が大気汚染だというのは無理があるというふうに考えております。 東京都の場合でございますと、島嶼部を含む東京都全域を対象といたしまして、十八歳までのぜんそくの方の医療費の自己負担分を補助されております。これはこれで自治体としての一つの見識だと考えますけれども、ただし、ぜんそく患者が増加しているということで大気汚染のみをその主たる要因とすることはできないというふうに考えております。
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。 まだまだお聞きをしたいこともあるわけですけれども、時間がありませんので、今度はお金にかかわる事項につきまして若干の質問をさせていただこうと思います。 先ほども申し上げましたけれども、平成十四年度では予算ベースで六百九十六億円が補償を給付をされるということになっているわけですけれども、大変膨大な金額でありますが、前年度までのそれでは決算のベースでどれほどの補償給付が総額としてされたのか、お教えをいただきたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 旧指定地域につきまして、四十九年度から平成十三年度までの補償給付などの総額は、決算ベースで約二兆一千三百億円でございます。
○小泉顕雄君 非常に大きな金額が支出をされているわけですけれども、この金額を公害の未然防止であるとかいうような前向きな支出に使われればこれがどれほど大きな効果をもたらしただろうかということを考えるときに、私は非常に悲しい思いにもなるわけですけれども、いずれにしましても、先ほど公害発生の背景の分析についても言及があったわけですけれども、やはり、小泉首相もよくおっしゃいますが、歴史に学ぶということは大切なことでありまして、この公害という悲しい事実を元にしながら多くの教訓を学び取るようにしたいというふうに思います。 財源の一つとして自動車重量税の一部を引き当てるというふうになっておるわけですけれども、今年も総額の中の一・二%ほどでしたかがこちらの財源として充当されたというふうに聞いておるわけですけれども、自動車重量税の一部を引き当てるということにつきましての根拠について御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、十四年度予算ベースで計算いたしますと、自重税の中で一・二%がこの引き当てに使われておるということでございます。 この公健法に基づきます補償でございますが、補償給付の費用を汚染原因者がその寄与に応じて負担するということにしております。この大気汚染に係ります旧指定地域につきましては、工場、事業場などとともに自動車も総体として大気汚染に対する寄与度が相当程度あったというふうに認められるわけでございます。このため、自動車に係る費用負担につきましては、本制度発足以来でございますが、一つは四十六年にこの自重税が創設されましたときに、自動車の走行がもたらす諸社会的な、いろんな社会的費用に充てるんだということが明言されております。 また、その後、暫定税率が設定されております。例えば、昨年十一月の政府税調の答申を見ましても、その中で、自重税の暫定税率を維持することによって環境保全等の社会的要請に十分配慮するということが明記されております。 こういったことを踏まえまして、自重税の一部の引き当て措置を取っているところでございます。
○小泉顕雄君 ありがとうございました。 ただ、排出ガスというものの量というのは、車の重量ではなしにむしろ排気量の方に何ですか、大きく左右されるのではないかと思いますので、重量税よりもむしろ排気量というものを基準に取った方にシフトしたらいいのではないかというような考えを私は持っております。 補償給付の財源というのは、内訳は固定発生源が八、それから今、自動車が二という割合で負担をされているわけであります。固定発生源につきましては、全国のばい煙発生施設等を設置をしている事業者、八千七百ほどあるのかと思いますが、が賦課金を支払っておられるということであるわけですけれども、しかし、先ほどもお話がありましたけれども、自動車の寄与度というものを考えたときに、何千万台もの走っている車が果たして二ということでいいのかどうか、実態にはいささか合わないのではないかというような指摘もあるわけですけれども、それについての御見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 現在の補償給付などの対象につきましては、六十三年三月の地域解除前の大気汚染の影響によるものとして認定された方々でございます。したがいまして、工場などの固定発生源と自動車の費用負担につきましては、指定解除前までの大気汚染による寄与度に基づいて八対二とされております。 私どもの試算でございますけれども、地域指定がございました四十八から六十二年につきましては七七・二%が固定発生源から、二二・八%が自動車からとございます。もちろん、これはその後徐々に自動車のウエートが高くなっております。ただし、あくまで地域指定の時点での数字がベースでございますし、実際の多くの患者さんは更にそれ以前に発生しておりますので、その方を対象にして補償給付等を行っておりますので、この比率については変更の必要がないと考えております。
○小泉顕雄君 どうしても六十三年以前にこだわらざるを得ないということかと思います。ありがとうございました。 それで、今の固定発生源の汚染負荷量の負担金というのが、旧の指定地域とそれ以外の地域では随分違いがあるように思います。都市によっても違いがあるようなんですけれども、この辺の事情について、御説明をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 大気汚染による旧指定地域とそれ以外の地域、その他地域と私ども申しておりますけれども、大気汚染の程度が異なること。現に被害が発生している旧指定地域とそうでないその他地域に対して同一の負担を求めることは不公平だということから、両地域間での賦課金に格差を付けることといたしております。 具体的には、旧指定地域内に所在する事業者が本制度に要する費用のかなりの部分を負担すべきであるという考え方に基づいておりまして、旧指定地域の賦課料率の平均とその他地域の賦課料率では、硫黄酸化物一単位につきまして九対一という格差を付けております。もちろん、その指定地域の中でも、患者さんの多い地域少ない地域についてはまた若干の調整はしておりますが、原則としまして指定地域と指定地域外では同じ一単位の硫黄酸化物排出に対して九対一という割合で賦課率を掛けております。
○小泉顕雄君 ちょっとこれ前後、私の質問の仕方が悪いのかと思いますが、指定地域外から賦課金というものを徴収できるということについての理由付けについてもう少し御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) この公健制度におきましては、費用負担方式については汚染者負担の原則を基本としております。旧指定地域の大気の汚染に関係する者は、考え方としては、必ずしも当該地域内に所在する事業者などに限らないこと、また、大気の汚染に対しましては、事業者は共同で責任を負うのが適当であるということが当時議論されたわけでございます。そういった考え方から、拠出は幅広く全国から求めておるということでございます。 この旧指定地域につきましては、六十三年三月で解除いたしましたけれども、既被認定者につきましての費用につきましては従来の考え方を基本といたしまして、所定の要件に該当する全国の事業者から負担を求めているところでございます。
○小泉顕雄君 ありがとうございました。 それでは次に、予防の問題について若干の御質問をさせていただきたいと思います。 公害健康被害補償予防協会、これは協会独自が実施をされる予防事業、それと地方公共団体が取り組まれる予防事業への助成という形で健康被害予防事業に取り組まれるということになっておるわけですけれども、先ほども多少言及をいただいたわけですけれども、その取組の状況について若干お聞きをしたいのと、あわせまして、予防事業という観点から、大気汚染の軽減に大変有効だと考えられますディーゼル車の排気ガス対策並びに低公害車の普及ということにつきまして、併せて御見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) この予防事業でございますが、六十一年十月の中央環境審議会の答申におきまして、当時の大気の汚染がぜんそくなどの慢性の肺疾患に何らかの影響を及ぼしている可能性は否定できないことから、被害の予防を図るために総合的な環境保健施策を推進する必要があるということが指摘されまして、これを受けて開始いたしております。 具体的には、約五百億円のお金を基金として集めております。これは、大きく言いまして、九割が事業者関係、一割が国ということでございまして、その九割は、八対一で固定発生源と自動車関係から集めたところでございます。その運用益を用いまして地域の人口集団を対象としまして、ぜんそくの予防、回復を図るための環境保健事業、それからもう一つが大気環境の質自身の改善を図る環境改善事業というものが公害健康被害補償協会によって行われております。 これまで随分活動しております。例えば、地域の予防に直結します健康相談につきましては、今年度だけでも既に千五百回を超える健康相談が行われておりますし、また、健康診査につきましても、既に十一万人を対象にして行っています。また、機能訓練でございますが、水泳教室などにつきましても約五万人が参加をいたしております。そういったことでございますし、それ以外にも、知識の普及といたしまして「すこやかライフ」といった季刊を出しまして、この春も、例えば小児ぜんそくの治療のガイドラインを示したり、あるいは禁煙の勧めを出したりいたしておるところでございます。 それから、当然ながら、二つ目の大きな柱として、大気環境の質を図る改善事業がございます。これにつきましては、低公害車の自治体を中心とした普及について補助をいたしております。これも、実を申しますと金利でございますので、金利がこういう事情の中で非常に苦しゅうございますが、できるだけ身近に見えるところで重点を置いてこれからも両方の事業を両立していきたいと考えております。
○政府参考人(西尾哲茂君) ディーゼル車の排ガス対策につきましては、昭和四十七年の規制開始以来、排出ガス低減対策の進展を踏まえ、逐次規制を強化しているところでございまして、特に平成十七年からは規制を大幅に強化し、世界で最も厳しい規制を導入する予定でございます。 低公害車の普及につきましては、平成十三年七月に低公害車開発普及アクションプランを策定いたしまして、平成二十二年までに一千万台の低公害車を普及させることを目標に取り組んでおりまして、平成十四年末現在、各種の低公害車合わせて約三百八十一万台に達しておりますが、今後とも関係省庁が連携し政府における率先導入、低公害車導入のための補助、税制優遇措置などの支援措置を講じ、着実に推進していきたいと思っております。
○小泉顕雄君 もう時間がなくなってしまいました。 最後になるかと思いますが、せっかく副大臣においでいただきまして、ちょっと御意見をお伺いしたいと思いまして。 私は、かねてから環境の日というものを国民の祝日にせよという主張をしてきた人間であります。これにつきまして、副大臣の御見解を是非お伺いをしたいと思います。
○副大臣(弘友和夫君) 先生が六月五日環境の日を国民の祝日にすべきだというかねてからの御提言でございまして、私どもといたしましても、こうした日を設けることによりまして国民の皆様が環境問題について振り返り、意識を高め、また自ら環境問題に取り組んでいくというそのきっかけを提供することは非常に意義のあるというふうに考えております。 今、環境省といたしましては、その六月五日を中心として一か月間環境月間としていろいろな取組をさせていただいておりますけれども、まあ祝日といいますと国民の皆さんの議論が盛り上がってくるというのが必要でございますので、是非先生もそうした議論を国民の皆様と活発にしていただいて、国民の祝日になれるようにしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○小泉顕雄君 精一杯頑張りますので、どうぞそのときにお力添えをいただきますようにお願いをしておきたいと思います。 もう一点といいますか、通告しておったわけですけれども……
○委員長(海野徹君) 時間来ております。
○小泉顕雄君 はい、せっかく大臣においでをいただいてお答えをいただきたいと思っておったこともあるわけですけれども、またの機会に譲ることをお許しをいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。公害健康被害の補償等に関する法律案について質問させていただきます。 NOx・PM法の改正、それから昨年の判決の直後、それから今回と、私この三年ぐらいずっとこの関係の法律の審議に携わらせていただいているような気がしてしようがなくて、そのたびに同じようなことを言って、環境省さんしっかりしてくださいと申し上げているんですがなかなか前に進まないと。 で、今日、三月二十七日なんですが、ちょうど一月前の二月の二十七日に東京の大気汚染の訴訟団の皆さんが国会に被害者救済の措置を取ってほしいということで要請に来られました。それぞれの皆さんがぜんそくや気管支炎でいつ発作が起こるか分からない状況の中で百五十名の患者の方がお集まりをいただいて要請に来られたと。それから一月後ということなんですが、大臣、副大臣にお伺いをしたいと思います。 東京や大阪などの大都市ではまだ被害者の方たくさんいらっしゃいます。その多くは御案内のように未認定患者で、いつ発作に見舞われるか分からない状況の中で仕事にも就けない、家庭生活も本当にいつ発作が起こるんだろうとびくびくしながら毎日を過ごしておられる。さらには経済的にも非常に厳しい状況だと。で、医療費も本当に四月一日から三割負担になるという状況でございます。こういった方々から本当に切実な叫びとして救済措置を設けてほしいということが言われているわけですが、大臣、副大臣はこの現状についてどのように御認識をされているか、まずはお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) ぜんそく患者さんのお気持ち、それから置かれておられるお立場、状況、そういうものにつきましてはその厳しさ、大変さ、私も十分認識しているつもりでございます。 昨年の十二月でございましたが、板橋区の大和橋交差点現地を見てまいりました。いつもの、毎年行われる調査でも常にワーストあるいは二番目というような状況の地区でございますが、その際にも、このたびの訴訟団の原告団の皆様方、代表の方とも短時間でありましたけれどもお目に掛からせていただきました。そのときのお話でも、今は体調が良くてこうして普通にしていられるけれども、発作が起こればこれは大変だし、そういう状況の中で仕事も働くこともままならないと、体もつらいし、また経済的にも大変だというようなお話を伺っておりまして、私といたしましてもそうしたぜんそく患者さんの厳しい、またつらいお立場というものは十分に認識をいたしているつもりであります。
○副大臣(弘友和夫君) 私も北九州の出身でございまして、先ほど来、高度成長期に大変な工場から出る降下ばいじんという、あるときは小学校が丸々移転せざるを得ないという、そういう中でぜんそくの患者の皆さんもたくさん出られまして、本当にそのお苦しみというのは胸の痛む思いでございまして、一日も早い御回復というものを祈念しているところでございまして、以上でございます。
○福山哲郎君 お言葉でそういうふうにいただくのは非常に有り難いんですが、現実には環境省の施策が遅れたり調査や科学的知見の積み重ねが遅れて非常に政策が遅れているという実態もあって、幾ら大臣や副大臣がお言葉で言っていただいても患者さんのお苦しみは消えないわけですね。そこはやっぱりある種の政治決断なり行動が伴わないと現実の被害は減らないという実態があるということはお含みをいただきたいというふうに思いますし、先ほど、高度経済成長が背景にあったというお話が小泉委員の方からも御質問のときにありました。それも僕は事実だと思います。否定はいたしません。 しかし、現実に道路行政というのはいまだに継続をしているわけで、その道路行政の中で本来なら道路を造れば渋滞がなくなる、渋滞がなくなれば大気汚染は解消するんだという議論をずっと十年一日のごとし続けてきて事ここに至っているわけで、高度経済成長が背景としてもたらしたのではなくて、それはある時代まではそうだったかもしれないけれども、その後は、これは環境省に言ってもしようがないわけですが、それは建設省の道路行政と環境省の中でどういうふうに環境を調和するかということに対する視点が非常に足りなかったことが大きな要因だと私は思っていて、余り高度経済成長というような抽象的な理由にするのは非常に僕は問題だというふうに実は思っています。 で、環境省がおかしいじゃないかというような話はもう僕はさんざんこの委員会でしてまいりました。ただ、建設的に何とか被害者救済についての制度を国がいつやっていただけるのかとか、そのために我々国会議員が自らの議員立法なりでも何かアイデアが出せないのかということを本当に真摯に取り組んでいかなければいけないというふうに思いますので、これまで私が質問させていただいたこととダブることも、重複することも出てくるかもしれませんが、そのことも含めて今日は幾つか質問させていただきます。 まずは、先ほども質問ありました昨年の十月の二十九日の東京大気汚染公害訴訟の第一審判決で原告団七名について、自動車排出ガスと健康被害の因果関係が認められ、そのうち一人が未認定の方だったと、国は東京都に賠償命令、損害賠償を命じていると、ところが国は控訴したと。先ほども理由を大臣おっしゃっていただきましたが、なぜ控訴したのかもう一度お答えください。
○国務大臣(鈴木俊一君) 東京大気汚染公害訴訟第一次の判決におきましては、昼間、昼間の十二時間におきまして四万台以上の車の交通量、そして大型車の混入率も高いそういう路線、そして沿道五十メートルという、そういうところに住まわれておられます患者さんにつきまして因果関係を認めたと、こういうことでございますが、国としてはいまだにこの医学的、科学的なこうした排気ガスと健康被害の因果関係の知見が認められないと、こういう立場でございます。 それともう一つは、これは国土交通省の方の立場でございますが、道路の設置及び管理についての責任を認めた点、この二点につきまして不服があったために昨年十一月八日に控訴をいたしたところであります。
○福山哲郎君 この話をすると、もういきなり振出しへ戻ってしまうんですが、医学的な科学的な知見が足りないから控訴をしたという話があります。 実は後の質問にこれを言おうと思ったんですが、今言っておいた方がいいかなと思うので、言うだけ言っておきます。 その話は、もう御案内のように、衆議院でも出ていますが、十五年前からずっと出ているわけです。 ここに過去の附帯決議が全部あるんですが、平成十年も、科学的知見がいまだ十分ではないから、「必要に応じ、被害救済の方途を検討すること。」という文言が参議院、衆議院の附帯決議であります。これ平成十年です。平成五年にも同じ文言があります。さらには、昭和六十三年にも全く同じ文言があって、「科学的知見が十分でない現状にかんがみ、調査研究を早急に推進するとともに、」「必要に応じ、被害者認定の要件を明確にするなど、被害救済の方途を検討すること。」。昭和六十二年にも、「調査研究を積極的に推進するとともに、その結果に基づいて必要に応じ被害者認定の要件を明確にするなど、被害救済の方途を検討すること。」。もうこれ何回も議論出ているんですけれども、附帯決議に同じ文言で今の科学的知見がないということをもう十五年前からすべて書かれているわけです。 この期に及んで、裁判で五回負けて、そして医学的な十分な知見がありませんから控訴しましたと。これはやっぱり不作為責任を問われても仕方ないんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 患者さんの置かれている状況、それから私も原告団の方とお会いしてそのお話をされまして、やはり大変悩ましく思いますのは、やはり国として制度を作るときには、科学的な因果関係を明確にするということは、これはやはり必要であると思うのであります。 私も、どうしてこんなにこの調査に時間が掛かっているのか、どうしてもっと早くできないのかということは、環境大臣に就任をしてこの問題についてブリーフを受けたときに真っ先に申し上げたところでございます。 その中で、私なりに理解をいたしましたのは、やはりこういった調査が世界的にも先例のない調査で、調査設計からしなければならなかった、そして、かつまたいろいろな調査をするに当たっての機器、何かバッジみたいのを付けて生活していただいて、そこで暴露量を測るというような機器の開発等も自らしなければならなかった。こういうようなことで、そういう技術的なところで大変時間が掛かってしまったということでございました。 したがいまして、環境省が何か怠慢を決め込んでいたとかいうような問題ではないという点は御理解をいただきたいと思いますし、仮に、予算を今の何倍か付ければもうすぐにでも結論が出るというものであれば、もちろんそういうようなこともいたすわけでありますが、そうした様々な調査設計上の問題とか、そういうようなところに技術的に時間が掛かって今日に至っている。 しかし、これは誠に、何と申しますか、言い訳にしかならない問題でありまして、一日も早い結論が出るように最大限努力をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 患者さんにとっては毎日毎日が勝負なんですね。本当に、あした発作が起こるかもしれない。十五年間、技術が分からない、方策が分からないから掛かりましたと。それは、今はそう言えるかもしれないけれども、その間、十五年、患者さんがどんな思いでいたかと。本当に僕は環境省の不作為責任が問われているんだというふうに思います。 じゃ、この法律に書かれています一条なんですが、この公健法というのは、公害被害者への補償制度のための法律で、民事責任を踏まえて、公害による健康被害者を迅速かつ公正に保護し、迅速かつです、公正に保護し、健康の確保を図ることを目的としています。 東京大気汚染の公害訴訟を始め、過去五回の裁判では、連続して国の民事の責任が問われています。民事の責任が認められていますが、これらの判決は民事責任の救済迅速化を目指すこの法律の要件には満たさないんですか。いいですか、これには民事的な救済を早くしようとするためにこの法律ができたと書いてあるんです。裁判では五回、国の民事責任が問われているわけです。 ということは、早々に救済の措置を取らなきゃいけないということになりませんか、この法律で言えば。この第一条に書いてありますよね。大臣、いかがですか。
○政府参考人(南川秀樹君) この民事上の訴訟でございますけれども、原告と被告の間で個別の案件につきましてそれぞれの主張、立証を行いまして判決を得るものでございます。したがいまして、直ちに制度創設ということに結び付けることは困難だと考えております。 また、過去の五度の判決につきましては、いずれも国としては控訴いたしております。そのうち、東京訴訟以外の四つの訴訟につきましては、結果的に和解に至っておりますけれども、その中で、国としての因果関係に関する内容については認めていない、含まれていないということでございます。 いずれにしましても、大臣から先ほど答弁いたしましたように、その方途を検討するにつきまして、まずぜんそくと大気汚染の因果関係を裏付ける知見を集め、そして、その上でそれを裏付ける知見が得られれば必要に応じて方途を検討していきたいと考えております。
○福山哲郎君 いや、その話はもう平行線なんですけれども、少なくとも第一条には、「被害に係る損害を填補するための補償並びに被害者の福祉に必要な事業及び大気の汚染の影響による健康被害を予防するために必要な事業を行う」というのがこの法律の第一条に書かれているわけですよ。現実に、裁判では民事上の責任が国は五回問われているわけです。ということは、どう考えても、この公害健康被害の補償に関する法律の要件を僕は形上は、形式上は満たしているというふうに思うわけですね。幾ら控訴をしていても、現実には国は求められているわけですから。 だけれども、この話を幾らしても多分平行線だと思いますから、法律の趣旨にのっとっていないのではないかということをまず申し上げたいと思います。 この公健法に実はもう一つ一条に重要なことが書いてあります。この第一種指定地域というのは、著しい大気汚染を生じ、その影響により慢性気管支炎などの疾病が多発している地域と定められています。 この第一種指定地域が解除になったわけですが、旧第一種指定地域内の現在の汚染状況を見ると、環境省がいつも主張されていますように、硫黄酸化物は大きく減っています。しかし、窒素酸化物は指定解除後も横ばいかやや増加傾向にあります。浮遊粒子物質についても明確な減少傾向は見られていません、解除後ですね。 ということは、この局地的な汚染というのは、硫黄酸化物については減っているかもしれないけれども、他の問題については深刻であるというふうに私は思っているんですが、公健法上の著しい大気汚染を生じているというのは一体どの程度を指すのかお答えください。
○政府参考人(南川秀樹君) 四十九年に議論しました、審議会で議論しました際には、著しい大気汚染につきましては、有症率が自然有症率の二倍から三倍、時にはそれ以上になる程度の汚染の程度を指すと言われております。そして、二酸化硫黄、SOxを、SO2を例に取りますと、年平均値で〇・〇五ppm以上だということでなっております。この年平均値は日平均値の約半分相当でございますので、倍すれば〇・一、硫黄酸化物の環境基準が日平均値〇・〇四でございますので、環境基準の二・五倍という数字になるわけでございます。
○福山哲郎君 いや、私の質問に答えていただいていないんですが、硫黄酸化物は減少していることは私は認めているわけです。しかし、窒素酸化物と浮遊粒子物質については指定解除後も横ばいどころかやや増えている傾向があると。その状況は、局地的な汚染でこの法律の定める著しい大気の汚染には該当しないのかとお伺いをしているんです。
○政府参考人(南川秀樹君) SO2ほどにはSPMもNO2もこういった形の結論が出ておりません。したがいまして、今の認識としましては、先ほど言いましたような数値、倍率が一つの目安になると考えております。
○福山哲郎君 つまり、これ解除したことの合理性がどんどんどんどんなくなってきているんじゃないですか。 硫黄酸化物に関しては減っているかもしれないけれども、現実にこの窒素酸化物や浮遊粒子物質についての大気汚染というのは顕著に出てきていて、それが健康被害を及ぼすということが判決にも出てきていると。ということは、この指定解除していること自身、それから著しい大気の汚染を生じているというのはどの程度を指すのかということの答えがないと、これ指定解除自身の合理性を失いつつあるというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 先ほど述べましたように、SOx、SO2で見ますと、環境基準の二・五倍というレベルでございます。少なくとも、窒素酸化物にしてもSPMにしても、そういった環境基準の二倍を超えるようなレベルには現状はないというふうに考えておりまして、その面的な広がりを持って病気が発生するという状況ではないと考えております。
○福山哲郎君 そうはいっても、環境基準の達成できなかったことが延々とこれも二十年以上続いているという実態があるわけです。 確かに、単年度を見れば二倍じゃないのかもしれないけれども、環境基準の未達成が二十年以上続いている状況の中で、それは恒常的な大気汚染はずうっと面的に広がると考えるのが普通なんじゃないでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 面的な広がりにつきましては、環境保健サーベイランスでその大気汚染のレベルと地域に住んでおられる小児の健康影響を比較しておりますけれども、そこでは明確な関係が出ておりません。したがって、現状で、面的にSOxなりSPMの汚染をとらえて、それが原因で集団としてのぜんそくが発生しているということは言えないと思います。
○福山哲郎君 これもいつまでたっても平行なので、もう一つ行きますね。 先ほど小泉委員からもありましたが、東京都は、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例というのを七二年、一九七二年に制定しているわけです。この条例によると、推定によって救済されると。要は、疾病が多発している地域に関して、東京では、ここは大気汚染があるのではないかということによって被認定患者が増えているわけです。 推定されるだけでは認定、東京では推定されるだけで患者認定をしているわけですが、国ではそれはなぜ駄目なのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(南川秀樹君) 東京都におきましては、御指摘のとおり、条例に基づきまして、大気汚染の影響を受けると推定をされる疾病として、医療費の自己負担分を助成するということでございます。これにつきましては、都心のみならず、伊豆諸島を含む都内全域に居住する十八歳未満の方を対象としております。 ただし、これ自身は、大気汚染、実際には大気汚染のみならず様々な影響を受けた方が含まれると考えておりますし、東京都内での環境保健サーベイランスの結果を見ましても、現在の広がりを持った大気汚染の状況下では大気汚染がぜんそくなどの主たる原因とは考えられないというふうに考えております。 また、仮に同じような考え方で同様の制度を設けるということになりますと、全国すべての患者さん、ぜんそく患者さんについて、大気汚染の程度にかかわらず医療費助成の対象というふうになりますが、これは少なくとも公健法が意図しております費用負担を汚染原因者に求めるというロジックとは合わないというふうに考えております。
○福山哲郎君 要は、自分たちの都合のいいときには公健法のロジックに合わなくて、そうじゃないときにはそこは違うんだという話になるわけですが、大臣や副大臣にちょっとお伺いしたいんですね、先ほどの話も含めて。 要は、民事責任を認めようというのがこの公健法の趣旨なんですけれども、裁判負けているにもかかわらず、全くそこは認めない。著しい大気汚染については、硫黄酸化物は減っているけれども、現実には窒素酸化物、浮遊粒子物質については減っていない。だから、そこは著しく汚染をされているわけです。 それから、東京都は逆に言うと推定で認定をしてくれているけれども、国はしてくれないと。これは患者さんの立場からいうと、一体どこによりどころを求めるんだと。じゃ、科学的知見があれば何とかしてくれるのかと思ったら、科学的知見は十五年たっても、いや、まだだまだだと言われると。これは一体どうしたらいいと大臣はお考えですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) やはり国として新たな救済措置を創設するということになりますと、これは一つの基本で、繰り返しになりますけれども、大気汚染とぜんそくの疾病との医学的、科学的な因果関係がございませんと、汚染者にその負担をしていただいて、仕組みを作る等においても、それが仕組みとしてできない。やはりその科学的知見を求めることが大切であると思っております。 本当にこのぜんそくで苦しむ方等がおられて、それと大気汚染との関係というのは、これがなかなか私は難しい面もあると思うんです。例えば、一例を挙げますと、私の出身地、岩手県でございますが、岩手県内では、各測定がございますけれども、どこの地点を見ましても岩手県では環境基準をオーバーしている地区はございません。そういう意味では大気がきれいだという岩手県でございますが、しかし、平成十一年の厚生省の調査によりますと、ぜんそく患者さんの受診率は東京都よりも高い受診率だと、こういうことでございます。極めて卑近な例でございますが、こうした大気汚染とぜんそくとの因果関係、これの因果関係を科学的に明らかにするということがやはり基本ではないかと考えております。
○福山哲郎君 その受診率の話もよく出てくるんですが、例えば病院に行く回数が、病院に行きなと、町のお医者さんに行って診てもらいなというようなことが風習というか風土として例えば強い地域とか、サラリーマンが多くてなかなか病院には行きにくくて、会社休まなきゃ行けないような状況で、本当に病院に行くのも極度に、なかなか行けないような地域とか、それは地域性によって受診率も異なると思うので、一概に受診率が高いからというような議論というのは僕は成り立たないと思うんですが、まあ次に行きます。 じゃ、ちょっと建設的に行きたいと思います。 じゃ、科学的な知見を今調査されていると思いますが、この第一種指定地域の、法律上ですね、復活があるとすれば、解除されましたね、解除されたわけですが、第一種指定地域に復活しようと、ここを第一種指定地域にしましょうということがあれば、一体どういうような要件がそろえば復活が可能になるんですか。
○政府参考人(南川秀樹君) ぴったりしたお答えがしにくいんですけれども、現在の公健制度を前提としますと、今の大気汚染の状況下におきまして、一定の広がりを持った、例えば何区とかそういったことで地域を指定することは考えられません。局地的な大気汚染による健康影響調査を急ぎたいと考えますけれども、そこで因果関係が認められた場合には必要に応じ方途について検討することになります。 ただ、それにつきましては当然ながら調査結果の内容を十分踏まえてのものになるわけでございまして、それ自身は現在の被害者の公健制度というものを前提にして考えるということではないと考えておりまして、基本的には制度設計を一からスタートするということになると考えています。
○福山哲郎君 今、随分はっきりお答えをいただいたので、それはそれで一つ、次のステップに上がるためには必要なのかもしれませんけれども、もう一度確認します。 ということは、第一種指定地域への復活はないと、今の状況ではそれは考えられないということは、この公害健康被害の補償等に関する法律の現状の枠組みの中では、今の未認定の患者さんを救済する措置というのは取れないということですね。
○政府参考人(南川秀樹君) 現在の大気汚染レベルを考えますと、取れないと考えます。あくまで、今の制度といいますのは、旧指定地域の制度でございますけれども、東京であれば十九区に住んでおる、大阪市はどこでもいいということで、そういった四十一の地域に一定期間以上住んでおる、あるいは通勤しておる、そして病気にかかるということであれば、大気汚染と健康被害の間に因果関係ありと割り切って補償給付を行っております。 したがって、現在の汚染レベルが特段に悪くならない限り、現在の形での再指定ということはあり得ないと考えております。
○福山哲郎君 そうすると、本当に具体的に新たな制度の設計図をかいていただかなければいけないということを前提に、次にちょっと質問を進めたいというふうに思います。 これもさっきから言っている話なんですが、指定地域解除後から十五年間、結局、いろんな附帯決議等も含めて、環境省は何をやってきたのかという話が出てきます。この十五年間、いまだに科学的に知見がはっきりしないんですが、何を具体的にやってこられたのか、お答えをいただけますでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 十五年が長いという印象を受けられたことについては私も非常に反論しにくいのでございますが、ただ、その間、いろんな形での努力は継続しております。 具体的には、地域集団と、地域の人口集団の健康状態と大気汚染の関係を三歳児を対象として観察する環境保健サーベイランス調査、それから、幹線道路沿道の局地的な汚染の健康影響に関する調査を進めております。 前者につきましては、従来から三歳児を対象にサーベイランス調査をしてまいりました。これの中では、面としての汚染と大気汚染の間には明確な因果関係はございません。 具体的には、たばこなんかですと、結構、家でたばこを吸う方がいると子供のぜんそくが出やすいというようなことがございましたけれども、大気汚染についてはそういった答えは出ておりません。ただし、これにつきましても、小児ぜんそくの患者の七割が三歳までに発症する、ただし、六歳まで見れば九割が発症するという報告もございますので、六歳児への拡大も考えたいと考えております。 それから、後者の主要沿道の局地汚染の健康影響評価でございますけれども、窒素酸化物、それから普通のSPM、更に細かな二・五のPM二・五につきましても、個人暴露量を把握するための機器の開発、方式の開発を行ってまいりまして、それについてはほぼでき上がっておるところでございます。 また、ぜんそくなどの疾患については、今度は、調査を行うに際しては、その健康影響というか健康指標の客観的な把握も必要でございますが、これにつきましては、従来は自己記入式の質問票によって把握をしておりましたが、呼気、吐く息のNOの分析などによりまして、より客観的な健康影響指標の導入ができると考えております。これまでにその指標の確立を急いでまいったところでございます。
○福山哲郎君 過去においてやってきていただいたこととこれからやられること、両方ともお答えをいただいたんですが。 そうしたら、同様に、先ほどやはり質問ありましたが、千葉大学の例の調査があります。幹線道路から、都市部の非沿道地域のところの幹線道路五十メートル以内のところでございますが、そこの調査についてですが、ここでは因果関係が認められているわけですが、この因果関係を認められている千葉大の調査について、先ほどもお答えいただきましたけれども、もう一度、どのようにお考えになっているのか、お答えください。
○政府参考人(西尾哲茂君) 千葉大調査に対する考えでございますが、これは疫学手法に様々な工夫をして実施されたということで、重要な研究と考えております。 しかしながら、この調査の内容を見てみますと、例えば一例を挙げますと、ここでは都市の沿道と非沿道を比べて分析しております。確かに、窒素酸化物については都市の沿道の方が濃度が高くて非沿道の方が低いということで比べられるわけですが、粒子状物質については逆になっているような地点もたくさんございまして、都市の沿道の方が、この具体の調査の地点で考えますと、非沿道よりもたまたま濃度が低かったようなものが混在している、そういったような問題点、これは濃度や暴露との関係についての評価ということで問題点がございます。そのほか何点か、こういう疫学上の問題点がございます。 ただ、なかなか疫学調査は難しゅうございます。問題点だけを申しているのではどうかという御議論もございます。その場合には、やはり他の各種の疫学調査と一致しているのだろうか、いろいろ問題点はありながらも全体として一致した傾向があるんだろうか、こういうことにもなるわけでございますが、例えば、同様の追跡調査であります杉並調査では関係は見られない、そういうようなことでなかなか多くの疫学調査で一致した状況になっているということも言えないということでございますので、やはりこのような手法での調査によりまして、この一つの調査によりまして因果関係を確定するということにつきましては、こうした疫学調査の限界があるのではないかというふうに考えております。
○福山哲郎君 これまで環境省さんは疫学調査をやられたことはございますか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 環境省の大気汚染と呼吸器疾患に関します調査でございますけれども、それにつきましては、公健法ができたころ以来、いろいろな形で調査を繰り返してきております。各地でも調査が行われておると思います。 ただ、しかしながら、これらの調査につきましては、先ほどから議論になっています他の大気汚染物質、窒素酸化物とPM等粒子状物質、その他いろいろな大気汚染物質との関係をうまく整理すること、あるいは非常に、地域集団で比べておりますので、局地的なところをどうやって評価をするのかなどにつきまして、いろいろな因子が交絡しておりまして、それぞれの調査の間では必ずしも一致した結果が得られていないというふうに考えております。
○福山哲郎君 疫学調査はしてこられたというふうに考えていいんですね。それとも、疫学調査としては今まではやられていないけれども、これまでの、先ほど言われたサーベイランス調査とか環境影響調査の中で判断として一致しないということなのか。疫学調査自身は行われているんでしょうか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 従来型の意味で大気汚染とそれから健康への影響を地域集団あるいは大きな地域で比較するという疫学調査は重ねてきておるわけでございます。 ただ、しかしながら、局地に非常にピンポイントでその影響を見ることができる疫学調査というものにつきましては、残念ながらまだ現時点で手法は開発されていないわけでございますので、そういうこの問題のピンポイントに対して的確に反応する設計の疫学調査というのは今までなし得ていないのだと思っております。
○福山哲郎君 南川部長にお伺いしたいんですが、先ほど、いろんな手法を開発してこれから調査をしていくというような先の話もされましたが、その中には新たな意味での疫学的な調査というのは含まれるのでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 環境省といたしましては、先ほども答弁しましたとおり、個人暴露量の把握あるいは客観的な健康影響評価指標の導入を急いでおりまして、そして、その後、それの準備を急ぎまして、十七年度から幹線道路沿道の局地大気汚染による健康影響に関する調査研究を推進したいと考えておりますし、また、先ほどございました千葉大の調査でございますが、私どもとして不十分な点があるということは申しますが、決して不適切だというふうには考えておりませんし、また、その千葉大調査の中心となりました研究者にもこの私どもの準備の中で重要な役割を果たしていただいております。そういう意味で、是非しっかりした調査をしていきたいと考えております。
○福山哲郎君 しっかりした調査はしていただきたいと思うんですが、簡単に言うと、個人暴露量の把握とかということに関して言うと、まだやられていなくて、今後ともやっていきましょうという話で、千葉大の調査が納得してできていないんだったら、開発等の話はあるのかもしれませんが、現実に千葉大がやっているわけですから、なぜ十五年間やってこなかったかということに、また元へ戻るわけですね、現実の話で言うと。 じゃ、さっさと疫学調査、千葉大の方と研究してやっている、出ているんだから、事前からやっておけばいいのにそれをやらないで、また千葉大の方を加えてやりましょうみたいな話というのは、自分のところではまだやっていない、しかし他人がやった調査はそこは不十分だと言うというのは、やっぱりもう何か納得できないんだけれどもな、私は。そうはいってももうあれですから、もう水掛け論になります。 ただ、その千葉大の調査に加え、欧米の研究蓄積を指摘した日弁連の意見書というのも出ているはずです。二〇〇二年の八月二十三日、日弁連から自動車排ガスによる健康被害の救済に関する意見書では、欧米での研究について、NO2や大気中粒子濃度の上昇に伴い、ぜんそくなどによる死亡や入院、治療が増加するとの有意な関連を見いだした研究が多数蓄積されているというふうにこの日弁連の意見書には述べられているわけですが、こうした欧米の研究成果については環境省はどのように認識し、また評価をし、またフォローをしているのか、お聞かせいただけますか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 御指摘の欧米の研究につきましては、一つは、アドベンティスト・ヘルス・スタディーということで、一般大気中の粒子状物質とぜんそくの発症などの長期影響を観察した追跡研究がございます。それから、そのほかに幾つかのものがございますが、死亡などの短期影響との関係を観察した一連の研究がございました。 ここに挙げられているものにつきましては、この前の東京の裁判の判決でも議論として取り上げられておるわけでございますけれども、ただ、これらの研究は大気汚染と健康影響を考える上で重要な研究ではありますが、残念ながら、これは一般大気中の粒子状物質とそれから様々な健康影響との関連を対象としておるものでございまして、自動車、道路沿道といったような局地的な影響につきましてこれを当てはめることは困難であると思っております。判決でも同様の考え方から千葉大調査というようなものを取り上げて、こうした調査につきましては千葉大調査と同じような証拠として取り上げられていないというふうに理解しております。
○福山哲郎君 じゃ、もう一つお伺いします。 国立環境研究所がマウスなどを使用して行った実験結果として、NO2やディーゼル微粒子などを含んだディーゼル排気とアレルゲンを複合して吸入することでぜんそくなどが悪化することが判明をし、発表されています。大都市圏ではNOxやSPMの約半分はディーゼル車から排出されていますけれども、こうした実験結果、これ、国立環境研究所ですからね、環境省はどのように認識をしているのか、お答えください。
○政府参考人(西尾哲茂君) 御指摘の国立環境研究所の動物実験は、DEP、ディーゼル排気粒子をマウスに気管内投与して健康影響を調べたものであります。こうした実験というのは、国内外で様々な動物実験がなされておりまして、健康影響を認めるような知見、あるいは発現が認められなかった知見、いろいろになっていると思っております。 それで、こうした動物実験の結果を人に当てはめるという場合の前提条件といたしましては、動物実験とそれから人の健康影響との機序に基本的に共通的なものがあるというような場合は、この動物実験の結果をその人の健康影響に当てはめることはできるのではないかということが言われておるわけでございますけれども、私どものディーゼル排気微粒子リスク評価検討会の専門家にも議論をしていただきましたけれども、これはこの動物実験の結果を人に直接外挿するということにつきましては、その機序等につきましての共通性が確認されていないので困難であるというふうに評価された次第でございます。
○福山哲郎君 大臣、副大臣、聞いてくださいね。 千葉大の調査はこうこうこうだから駄目。それから、日弁連から出てくる欧米の調査は一般的なところで局地的なものだから駄目。国立環境研究所、我が国の国立の機関が出しているものは今の話でいうと、また今の理由で駄目。環境省はやっているかというと、これからやりますと。これはやっぱり自分に都合の悪いものは排除して、自分に、自分のところは何も不作為でやらなくて十五年間放置していて、また元へ戻るんですけれども、これはやっぱり納得できないでしょう、大臣。ちょっとお答えいただけます。 もう大臣は、そこがもう厳しいのはお分かりいただいているし、もっと早くやっておけよと言われて今おしりをたたいていただいていることは僕は理解をしているつもりですが、やっぱりちょっと納得できないですよねと僕は思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 様々な実験が行われてそれなりの一つの結論が出ておるということでありますが、その実験の目的、それからその調査設計の仕方、そういうものがこの因果関係を究明する上でぴたっと当てはまるかどうかと。こういう問題になりますと、私もちょっと科学者じゃございませんので、率直に言って、そう言われればそれに対してそうじゃないんだと、こう言うだけのものはございません。 ただ、政治的な意味でお答えを申し上げますと、私どもは何か、これは駄目だあれは駄目だと言うて、ただただ時間延ばしをしていて何か新たな救済措置を作るのを阻んでいるというようなつもりはもちろん毛頭ないわけでありまして、そうした救済措置を作るにしても、まずそうした大気とぜんそくとの因果関係というものを科学的に明らかにしなければならない。それが明らかになった段階におきましては、新たな救済措置の方途についてもこれは検討をするんだと、こういうことでございまして、科学者じゃございませんので、一つ一つのこの研究成果について私がこれが採用できるじゃないかとかできないとかいう論評はできませんが、とにかくそうした十七年度から本格的な調査を環境省としてもいたしますが、こうしたものを一日も早い結果が出るように全力で努力をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 大臣の御決意は大変有り難く承りますが、それでもまた十七年度からなんですよね。今年、平成十五年ですよね。それでもまだ先なんですよね。副大臣、どうですか、今の話伺われて。
○副大臣(弘友和夫君) 基本的に大臣の答えと同じでございますけれども、突然のお尋ねで間違ったらちょっと訂正していただきたいんです。 先ほど来、本当に悩ましいといえば、先ほど当時の公害の問題とは違うんだというお話がございました。私は、その当時は自然有症率は他の地域と二、三割、二、三倍も違うとかいろいろな現象がはっきり出ているのでそういう判断ができたと思うんですけれども、今非常にいろいろ判断がしにくい部分があると。それで、いろいろな調査結果が出ている、それを全部排除しているんじゃなくて、それが全部じゃないという段階なんですね。 ですから、それぞれをやはり参考にしながら、やはり調査研究を進めていかなければならないというふうに思って、十七年度は、確かに苦労しておられる皆さんからいえば二年も先じゃないかというあれがあるかもしれませんけれども、いろいろな準備等もあると思いますんで、とにかくできるだけ早くそういう調査結果が出るように努力してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 いいですか。十五年放置して、また二年先なんですよね。これは、済みません、これはもう政治決断だというふうに思うんですが、環境省がそれぞれのスタッフは頑張っていただいていると思いますけれども、十七年度からだというのをできるだけ早くしろと、早く進めろというふうにそこもまげて大臣から御指示いただけるようには御指導いただけませんでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 私もこの点につきましては、とにかく早くできないかということで督励を、督促をしているわけでございます。 ただ、申し上げましたとおり、そうした技術的なこの問題に遭遇しての時間が掛かっているということでございまして、何か予算を、それにかかわる予算を今の倍とか三倍にすれば一気に進むとか、そういうことであればこれはもう環境省としても優先的に予算を使ってやるということでございますが、必ずしも予算を付ければ先に進むというような状況じゃないというのが本当に率直に言って悩ましいところでございます。しかし、でき得る限り確実なこの調査結果が出るように最大限努力をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 そうすると、例えば平成十七年度から始めますと言われる調査というのは、現実には先ほども御紹介いただきましたけれども、どのような内容になって、その結論は一体いつまでに出るぐらいのめどが今環境省では立っているんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の調査につきましては、道路沿道において自動車排ガス由来の大気汚染物質に個人がどのように暴露されているかを測定するとともに、ぜんそくなどの症状の健康調査をより的確に把握いたしまして、両者に相関関係が見られるかどうか、また見られる場合はどういう相関関係かということを十分に調査したいというものでございます。この疫学調査を適切に実施するための試行調査を現在進めておりまして、それを踏まえまして設計を行い、十七年度から本格調査を実施いたします。 ただ、この調査につきましては、最終的なまとめにつきましては今後の知見の集積の次第でございまして、現時点でそのめどを明言することは非常に困難でございます。もちろん、できるだけ急ぎたいと考えておりますが、いつまとまって発表できる、結果が示せるかということについてはなかなか今めどは明言できないというのが現実でございます。
○福山哲郎君 大臣、平成十七年度、二年後に始まって、科学的知見が集まって、いつか分からないと。科学的知見が集まってそれから制度設計に入るわけですよね、救済措置が、もしそれで因果関係が認められたら。それはあと何年掛かるんですかね。大臣、どうですか、今の答弁。
○国務大臣(鈴木俊一君) 繰り返しになってしまって本当に申し訳ないような気がいたすんですが、やはり国として新たな救済措置を作る。その救済措置をどのような形で仕組んでいくかということになりますと、やはりそこには大気汚染、そして大気汚染をしている汚染者を特定できて、そして一方において、それによる健康被害者がこれだけおられるというような、そういうような因果関係をやはりつかまなければならないということが、これは国の制度として仕組む以上必要不可欠なことであると、そういうふうに思っております。 そういう中で、調査がなかなか進まないということでありますが、繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、とにかくその調査結果を、しかもしっかりとした科学的な根拠のあるものを得るために最善を尽くしていかなければならないと思っております。
○福山哲郎君 もうあと幾つか、実はNOx・PM関係でも質問しようと思ったんですけれども、ずっと平行線なので、少しお話しして、ちょっと別の質問に移りますが。 実は、国は昨年六月にNOx・PM法を改正をしたんですね。これは、NOx・PM法というのをここ持ってきているんですけれども、「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準の確保を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的とする。」というのが第一条にあるんです。この法律を作るということは、このNOx・PMが国民の健康に被害があるからこうやって法律を作るわけだと僕は思っているわけですよ。 ましてや、東京都は、NOx・PMが大気中に排出されているが、その排出源の構成はどうなっているのかというと、東京都の資料によると、NOxの六七%、それからPMの八二・二%が自動車からの排出だというふうに出ているわけです。 さらに、国はこういう法律を作って、国民の健康を守ろうという法律も作っているわけです。ということは、法律を作って規制をしようということは、国自身がこのNOx・PMは健康被害があるということを認めているから法律を作って減らそうとしているわけで、今因果関係が分からない、因果関係が分からないと言って、言っていること自身が、NOx・PM法で排ガス規制を進める一方で、今、この一時間ずっと話をしてきました、因果関係はない、因果関係は明らかでないと言っているわけです。私は大変矛盾だというふうに思うんですが、どうですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境省としてと申しますか、国として、環境省としてでございますけれども、大気汚染とそれからぜんそく等の疾病の間に因果関係はないんだと言っているんではなくて、それの知見がないと、分からないということを申し上げているところでございます。 そこで、こうした患者さんの救済の努力と、継続した努力とまた別に、やはり大都市を中心としたこの大気汚染の改善というのは、これは一方においてこれは環境省に求められていることであると、そういうふうに思っております。したがいまして、こうしたNOx・PM法等の着実な施行を行いまして、そして、大都市部におけるこの大気汚染のより改善した状況に持っていくという、そういう努力はこれはこれで必要なんだと、そういうふうに思っております。
○福山哲郎君 それも環境基準を延々と達成できていないわけですから、達成できるように是非頑張っていただきたいというふうに思います。 今までの議論の中でずっとありましたように、従来の考え方では科学的な知見が得られないと救済はできないという、そういうふうにずっと今言われているんだと思うんですね。でも、その間に実は患者さんとか被害者は、もうある意味で言うとほったらかしになっているわけです。こうした問題については、少しやっぱり考え方とかパラダイムをチェンジをしていかなきゃいけないんじゃないかなと思うわけですね。 やっぱり日本には化学物質を含めてもう何千何万種類の化学物質があって、例えば土壌の汚染による地下水の汚染も含めて、大気の汚染も含めて、いろんなところで、実は科学的にはまだどの程度人間に被害があるのか分からないけれども、現実に我々の生活の中で使用されているいろんな物質というのはもう多く存在しているわけです。そのときに一々一々科学的知見がないからできないんだ、科学的知見がないからできないんだと言っていたら、全部後追いで、被害ばっかり出ていくと。 やっぱりこの考え方をいい加減パラダイムチェンジしないと、いつまでたっても患者さんは出てくるけれども役所の行政は後追い、後追い、後追いで、被害を被っている患者さんや被害者は何だこれはということで苦しんでいかなければいけないと。 私は、確かに補償制度というのはお金が要ることですから、無尽蔵にお金を払えばいいとか無制限にお金を払えばいいとかいうことは僕は決して思っていません。しかし、知見の蓄積がまだたとえ十分でなかったとしても、これだけいろんな因果関係を表すであろうということが積み重なっているような事例に対してはある種の補償制度をスタートさせて、同時に、疫学的調査の充実などで因果関係の究明を急ぐという手法もやっぱりこれからの時代は僕は必要なんじゃないかなと思うわけです。 なぜかというと、その状態で因果関係が多少まだすべて明らかになっていないかもしれないけれども、いろんな知見が出てきている状況でスタートさせれば、例えばその補償の負担をする方も、じゃ、もっと早く因果関係を究明しないとこの補償は続くんだという、逆のインセンティブも働くわけです。もっともっとその技術を開発しなければいけないとか、それから、今の現状を放置してはいけないから今の汚染物質を何とか除去しようという、そういうインセンティブも働くわけで、今のように、いつまでたっても科学的知見がなければできません、できませんみたいな話になると、インセンティブは生まれないし、いつになってできるのか分からないし、少しこういう被害者の早期救済と原因の早期解明を両立させるような制度設計を、これ、環境省、この問題に限らずですけれども、これから先、こういういろんな部分で化学物質による被害が出てくる可能性というのはあるので、こういう考え方を取り入れていただきたいというふうに前向きにちょっと考えていただきたいんですが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、環境省として基本に取り組むべきことは、ただいま化学物質等の問題でも汚染ができたらどうするんだということでありますけれども、やはり未然防止に努めていく、そのための対策をしっかりいたしまして、そして、国民の方々の健康被害、そういうものを起こさなくするということがまず大事であると思います。 そういう面につきましては、この大気汚染、先ほど申し上げましたとおり、それはそれとして、大気汚染の改善のためのNOx・PM法の円滑な施行を努めるというようなこと、あるいは化学物質につきましては化審法の適用をするとか、そういうことで未然防止、実際にそうした被害が起こらないような未然防止に全力を尽くすということがまず大切であると思っております。 その上で、ここは一つの割り切りで、こうした新たな救済策をいろいろな調査研究と並行してやっていくというようなふうに発想を変えろと、こういうことでございます。 しかし、国という立場におきまして、こうした新たな救済制度を創設するに当たりましては、やはり環境大臣といたしましては、そうした両者間におきます因果関係の特定、こういうことがやはり先立って明確にされなければならないのではないかと、そのように思っております。
○福山哲郎君 いや、だから、私は今この問題に限らずと申し上げているんです、これから先のことを考えたときに。 そうしたら、今日本で使われている化学物質、全部、すべて因果関係で健康被害がないということを証明してからじゃないと使用できないようにしないと、合わないですよ、合理性なくなりますよ。何か使った、被害が出た、因果関係を明らかにしなきゃいけないと言って、時間が掛かって例えば被害者が出るんだとしたら、元々その化学物質を使う前に、その化学物質は健康被害がないんだとか、被害が起こらないんだとか、生態系を破壊しないんだとか証明しないとそれが使えないという状況を作らないと、今の話はいつまでたっても被害者は出たときに解決ができないという話になるんですが、そこは、大臣、いかがですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 化学物質につきましては、二つ大きな制度がございます。一つが、大臣から先ほど答弁いたしました化学物質審査規制法でございます。この中では、毎年、三百ほどございますが、新規に我が国で使用したい、あるいは輸入したいと、そういう化学物質につきまして対象に、人の健康、あるいは、できましたら近い将来生態系影響ということもチェックして、そういった影響が、被害が出ないようなもののみを使用を許していくという形ができつつございます。是非それを強化していきたいと考えております。 もう一つは、PRTR法でございます。これは規制法ではございませんが、三百を超える人あるいは生態系に影響を及ぼすおそれがある化学物質をとらえまして、非常に幅広くとらえております。そして、それにつきまして、各事業場からどの程度どの物質が大気、水、土壌に出ておるかということを把握いたしまして、それを開示するということでございます。 そういう意味で、化学物質につきましては、極力、より事前に問題を察知して、幅広くお知らせし、また事業者などにも必要な努力を求めていくという体制を作りつつあるところでございます。
○福山哲郎君 今、部長がおっしゃっていただいたように、確かにPRTRとか化審法とかあるんですけれども、PRTRは逆に言うと公表されるだけなんですね。 例えば、今の例で言うと、ぜんそくなどの原因となるホルムアルデヒドの排出量などは、東京ではPRTRによってのデータによるとずば抜けて高いんです。いいですか。これはイコール東京の大気の汚染が進んでいることを表しているわけですけれども、それに対して、現実問題としては今何にもできないわけです。 それは、多いというのは分かったと。大気の汚染は、ホルムアルデヒド、ぜんそくの原因になるものは一杯出ていると、東京はずば抜けて高いと。でも、それに対して何にも規制はできないし、それがひょっとしたら被害者の方の原因なのかもしれないけれども、それに対してもどうしようもないという状況だから、いつまでたっても物が解決しないから、さっき申し上げたように多少そこは別の意味のインセンティブ、さっき申し上げた因果関係の解明のインセンティブとか、じゃこういう物質はなるべく使わないようにしようというインセンティブを働くためにも、そういう予防的な救済制度みたいなことが必要なんじゃないかなというふうに申し上げているわけですが、なかなか平行線なんですが、大臣、一言、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 大気汚染の問題とぜんそくの問題に限らず、また先生も化学物質のお話をされましたが、いずれにしましても、公害によって健康被害が受けたということになりますと、その間のやはり関係というものが基本にならざるを得ないのではないかと思います。それは、汚染原因者がだれかという特定にもつながるわけでございますし、そうした新たな救済措置の仕組みの制度設計にもそういうものが必要になるわけでございますので、先生から、本当に一つのこれはお考えだと思いますが、私としてもそこが大変悩ましいところでありまして、やはりそうした因果関係の解明というものが基本にならざるを得ないと、そのように考えております。
○福山哲郎君 そうなれば、逆に言うと、因果関係の解明のための仕組み、早くスタートできる仕組みをどう進めるのかというのは、やっぱり環境省としては僕は、それは今回の問題だけではなく、いろんな問題に対する僕は喫緊の課題だというふうに思いますし、附帯決議にあるものを十五年間も、具体的なものがないとは言いませんが、こういう状況というのは私は納得できないんですが、次、行きます。 公健法では、今の公健法の枠組みでは、被害者の救済ができないということを部長が先ほど明言をされました。じゃ、なぜ今のでできないのかとか今の制度はどうなっているのかをちょっと知っておかないと、例えば政治家同士で新たな救済制度を考えようといって御相談をさせていただくときにも分からないので、少し技術的な話になりますが、今の公健法の制度設計について幾つか材料をいただきたいというふうに思います。 補償対象となるための認定というのは、例えば公健法が制定された後は、初年度一万九千二百八十一人が認定患者として補償の対象者になりましたが、認定を行う際のプロセスはどういうふうにやられたのでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 認定を受けようとする方につきましては、住所を証明するための住民票の写し、あるいは主治医の診断書をもちまして、県などの指定します、県市区の指定します医療機関における検診を受けていただきます。その資料を地方自治体の認定審査会に提出をいたしまして、そこでお医者さんの集まりでございますけれども、そこで審査をいただくということになります。その審査会の意見を受けまして、県知事さんあるいは政令市長さんなどが認定の処分を行うということでございまして、認定されますと、今度は国が監督します協会の方から認定患者さんへの補償給付がまた自治体を通じて行われるということになっております。
○福山哲郎君 公健法において、じゃ認定されるんですよね、認定審査会で。補償を受けることができた患者の総数は申請者に対してどのぐらい認定者が出て、何%ぐらいだったか、お答えください。
○政府参考人(南川秀樹君) これは、大気汚染関係の旧指定地域について申しますと、全体で、累積でございます、四十九年から六十二年度まででございますが、全体で申請者が十六万四千五十二名、うち認定されました方が十五万九千二百六十九名でございまして、九七・一%が認定をされたということでございます。
○福山哲郎君 ほとんど、九七・一%ということだとほとんど認定、申請者が認定をされたということだと思いますが、そうすると認定審査会というのは何を審査されていたのか、認定審査会はどんな役割を担っていたのか。また、これ各県の認定審査会にこの申請書は行くみたいですが、都道府県はどういう役割をしたのか、お答えをいただけますか。
○政府参考人(南川秀樹君) この公健法におきましては、都道府県などに公害被害の認定審査会を置いております。ここでは、具体的に届出がございました検診結果などが正しいかどうかということを中心に認定の作業をしておりますし、また補償給付が行われた場合にはそれが定期的に正しく行われているかということのチェックをいただくことになっております。 それから、都道府県知事におきましては、その認定審査会の審査結果を受けまして認定業務を行う、あるいは、その認定された患者さんに対しまして国が監督します公健協会から給付いたします補償費等の患者さんへの給付を行うということでございます。
○福山哲郎君 都道府県、今おっしゃった都道府県の財政負担はどのぐらいでした。
○政府参考人(南川秀樹君) まず、全体としまして補償の中身でございますが、医療費関係の費用でございます。それから、二つ目が障害の補償費、働けないことなどによる補償でございます。それから、遺族関係、遺族の方への補償費。また、通院費などの療養手当、葬祭料でございますが、こういった費用はすべて公害健康被害補償予防協会で集めまして、自治体に具体的な個々人への給付をお願いしております。 したがいまして、それについての健康被害の補償についての自治体の負担はございません。 ただ、自治体は、先ほど申しましたような審査会の運営などの事務費用が要るわけでございまして、これにつきましては国が二分の一、自治体が二分の一ということで負担をいただいているわけでございます。
○福山哲郎君 そうすると、補償に関しては都道府県は全く財政的負担はないということですよね。
○政府参考人(南川秀樹君) ございません。
○福山哲郎君 でも、現実には都道府県からの要請とかも含めて、道路行政なり環境影響の問題とかは都道府県も十分責任があるわけですよね、何かすごい変な質問の仕方ですが、ですよね。これ何で都道府県の財政負担はないように設計されたんですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 当時の考え方でございますが、これ、その以前に、旧救済法というのがございました。その延長で今のような形になっておると承知しておりますけれども、その当時は医療費の自己負担分のみを補助するということでございまして、それについて自治体の方で認定作業をいただいて、そこに経済界などから集めた金を自己負担分を流すということででき上がっておりまして、その延長線上で事務を整理されたというふうに理解しております。
○福山哲郎君 もう一つお伺いします。 先ほど小泉委員からもあったと思いますが、費用負担の固定発生源と移動発生源の話があって、固定発生源八、移動発生源二ということになっているんですが、この八対二というのは、先ほどもありましたが、現在でも妥当だというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 先ほど小泉議員にお答えしましたのは、八対二が変える必要ないと答えましたが、その意味としましては、その既存の患者さんに対する支払を求める際の、支払を行う際のその費用負担として、その以前の、患者さんが発生した以前の大気汚染に係る寄与度ということで変更する必要がないと申したわけでございます。 現在では、全くの試算でございますけれども、その固定発生源と移動発生源はNOx、SOxを見ただけでも大きく変化をいたしておりまして、当時よりも自動車のウエートが高くなっていることは事実でございます。
○福山哲郎君 そうすると、費用負担の割合は、かなり、時代の変化によっては妥当性が少し揺らいでいるかもしれないという御認識でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 今、発症、もしそういう患者さんが発症すれば、当然ながら比率は変わってくると思います。
○福山哲郎君 もう一つ、今、現状、被害者の方は、未認定の方がやっぱり一番困っているのは医療費なんですが、これ認定されると一人当たりどの程度の療養費というか、を受け取っておられたのか、お教えください。
○政府参考人(南川秀樹君) 現在は、十四年三月末の認定者の数が私の手元にある最新の数字でございますが、全体で五万七千百三十八人の方がおられまして、障害補償費などの年間支給費がトータルで七百十億一千四百万円でございます。これを全く割り算いたしますと、認定者一人当たりの平均受給額は百二十四万ということになります。そして、その内訳でございますが、これも平均でございますが、約四割が医療費、これは全額でございますが医療費、それから約四割が補償費、あとは通院等の療養手当が約一割、その余が残りということになっております。
○福山哲郎君 そうすると、一人当たりの医療費というのは月幾らぐらいになるんでしょうね。
○政府参考人(南川秀樹君) ぜんそく患者さんにつきましては、公害健康被害法に基づきます医療費については少し通常の医療と点数が変わっておりますが、公害患者、認定患者お一人当たりの十三年度の平均的な治療費としましては三万六千円が掛かっておるところでございます。
○福山哲郎君 何で医療費は、今言われた、診療報酬の面で高めに設定されているんですか。今言われた、ちょっと違うとおっしゃったのは。
○政府参考人(南川秀樹君) 公害指定疾病に関する診療報酬につきましては、健康保険で手当てされない公害診療に特化した特掲診療、あるいは健康保険よりも手厚く技術料を評価する趣旨で一・二倍から一・五倍の単価が設定されております。 これは、過去の、四十九年のいろいろ書類等を見ますと、医療に関して診療時間が、一般患者に比べて時間が長く掛かる、あるいは家族、本人に対して家庭における療養あるいは日常生活についての指導を要することが多い、また、特殊な検査や治療を要することが多いというふうな事情もございまして高くなっておることがございます。 ただし、私ども、例えばその特掲診療の項目を減らすなど適正化を図ってきておるところでございます。
○福山哲郎君 なるほど、少し高めに設定されていることですか。 いや、何でこういう細かいことをお伺いしたかというと、民主党としては新たな救済制度の制度設計を少しでも形として作っていきたいというふうに今思っておりまして、我々の党だけでは全然力不足なんですが、やはりそういう制度設計を作る中で環境省さんとも議論を詰めながら、科学的知見が出てくる前にでも何らかの形の議論を深めたいというふうに思っておりまして、そうでないと、一九九六年以降、原告団、五十七人の未認定の患者さんが既にもう死亡されています。 先ほどの冒頭の話から言うように、因果関係を理由に、もう裁判も長期化するわ、救済制度も長期化するわという話になると、本当に患者さんがしんどい状況が続きますので、何とか、今日ここにいらっしゃる先生方のお力もいただいて、救済制度についての一つの設計図みたいなものを考えていきたいというふうに思っておりまして、とにかく、今日、平行線が多かったんですが、環境省の更に格段の努力とスピードアップをお願いをいたしまして、ちょっと早いですが、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(海野徹君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。 今日は公健法の改正案に関する質疑をさせていただきますが、公害といいますと、水と大気と土壌という、それぞれ環境の三大要因に起こっておる、そういうものに対する健康影響対策も含めてこの法律の中に取り入れられているんだと思います。 そこで、先ごろありました第三回水フォーラムに関しまして、最初に大臣の方に、出席されて閣僚宣言もまとめられたようでございますので、それに出られての感想、またその出られた中身を今後環境行政にどういうふうに反映されていかれるか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 第三回の世界水フォーラムでありますけれども、その規模としても、それからその後取りまとめられました閣僚宣言、行動集、そういう中身におきましても大変に意義のあるフォーラムだったと思っております。 私も、先週、二十二日、二十三日、京都の方に参りまして、閣僚級国際会議に出席をいたしました。閣僚級国際会議では幾つかの、五つの分科会に分かれて、そこで細かく議論されたわけでありますが、私は、そのうち環境省に関係の深い第三分科会、水質汚濁防止と生態系の保全の分科会に出席をいたしまして、我が国の経験に照らした具体的な行動の必要性につきましてスピーチをさせていただいたところであります。 この閣僚級国際会議において取りまとめられました閣僚宣言、これには、水環境保全のための環境教育の重要性、生態系と水質の一体的な保全、損なわれた生態系の再生等が盛り込まれておりまして、高く評価できるものである、そういうふうに思っております。 また、水行動集が取りまとめられたわけでありますが、これには、世界の水問題の解決に向けて、約三十六か国と十六の国際機関から四百二十二の具体的な行動提案というものが寄せられているわけでございまして、水に関する問題意識を具体的な行動に移すものとして評価ができるものでございます。 そして、この第三回世界水フォーラムを受けて、環境省として今後、水行政にどう取り組むかというお話でございますが、先ほど申し述べました水行動集、そこに環境省からもアジア水環境パートナーシップなど八つの取組を登録いたしました。世界の水問題の解決に向けて、この提案いたしました取組を積極的に進めてまいりたいと思っております。 また、国内の水環境問題につきましても、今般のフォーラムの成果を踏まえまして、環境保全上、健全な水環境が確保されますよう、水質、水量、水生生物等を総合的にとらえた広い観点から、関連する諸施策、これは関係省庁とも連携をしなければなりませんが、連携を取りながら進めてまいりたいと考えております。
○福本潤一君 水というものを取り出しただけでも、治水と利水と環境と、大きく三本柱ございますし、環境行政では環境の水質面が一番、今後対応していく場合、大きい問題になっていくだろうと思います。 循環型社会形成推進法という法律、ある意味では物質の循環、リサイクルも含めてやるような推進でしたけれども、水も自然の循環だけに任せていたら、人間生活、なかなかこれに対応してこの水の水質改善ができないということもございますので、今後、水の水質また環境の面から基本法を作ったらどうかということを予算委員会でお話しさせていただいたとき、大臣、水基本法を積極的に今後考慮していきたいというふうに言われました。ですので、今後、水循環を考えるときに、人間が営為で汚したものがまた公害等々まで行かないうちに水質を更に浄化していくという、人工的な促進法が一つ要るだろうというふうに思います。 ですので、浄化槽も含めて、今後、水質改善に法律、制度の面からどういうふうな対応をしていくかということを、これ環境省にお伺いしたいと思います。環境副大臣にお願いできますか。
○副大臣(弘友和夫君) 法律や法制度の改正等のお話もございましたけれども、今あります浄化槽法は、元来、元々、し尿処理のための法律として議員立法によって策定されまして、平成十二年度の議員立法による改正によりまして、し尿のみを行う単独浄化槽というのが廃止されました。それで、生活排水処理を行ういわゆる合併処理浄化槽のみを法律上の浄化槽とする法制度となっているわけです。 元々、そういうことで、浄化槽法というのはし尿処理から出発したという経緯がございまして、今お話しのように、水質保全の観点、それから市町村の責任の在り方など、今後検討すべき課題というのは非常に少なくないものと考えておりまして、水質保全に関しましては水質汚濁防止法や湖沼水質保全特別措置法など種々の法制度がございますけれども、水質保全をより一層図る観点から、浄化槽法の見直しを含めまして、制度全体についてレビュー、検討する必要があるというふうに考えておるところでございます。
○福本潤一君 そういう意味では、利水、治水以外でも、水質改善という面で様々、浄化槽法の改善も含めて今後取り組まれるということでございますが、これ、一層普及する必要があるんではなかろうかというふうに思います。 と申しますのは、かつて、大規模に流域下水道でやろうと、今、建設省が国土交通省になりましたけれども、とんでもない大規模でやることによる弊害というのを議論した時点がございますので、今後、一層の普及取組に対してどういうふうに進めていかれるか、これをお願いします。
○副大臣(弘友和夫君) 私もさきの水フォーラムに参加させていただきまして、浄化槽セッションがございましたが、非常に世界的にも家屋がまばらであるとか、そういう管渠が不要であるとかいうことで浄化槽が非常に有効的であるというふうな御意見でございました。 日本におきましては、今汚水処理施設、全国平均七〇%ぐらいでございますけれども、規模の小さな市町村ではまだ四九・幾らということで五〇%に満たないという現状でございます。そういう中で、市町村が整備を行う事業というのをやはり今後伸ばしていかなければ、面的整備が図られるということで、今まではどちらかといいますと補助事業、個人負担が六割という補助事業でございましたけれども、今までは特定地域生活排水事業ということで特定の地域というイメージの下で市町村設置型が行われておりましたが、今回、経済性、効率性というものを計れば、浄化槽市町村整備推進事業という名称も改めまして、市町村が責任を持って、下水であろうと浄化槽であろうと、そういう汚水処理に関しては市町村が責任を持って行うという部分を伸ばしてもらいたいというふうに考えておりまして、昨年の予算の約三・五倍に伸ばさせていただいたということでございまして、より一層自治体が本事業を実施いたしまして浄化槽の整備が推進されますよう、環境省といたしましても浄化槽事業の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○福本潤一君 水の循環全体の中での水質改善含めて取り組んでいただければと思います。 水と大気の中で、先に水、させていただきましたけれども、実は私、この法律、五年前、改正時に質疑しておりまして、具体的にその質疑の中で大気の問題、公健法、具体的にどういうふうに推進するかと。今回も改正の中身というのは余り多くありません。五年延長というのと協会の所在地を変えるという二点だけでございます。 ですので、あの時点でも様々質問させていただきましたけれども、先ほど福山委員の方から、大きなテーマで、私、五年前していた押し問答と同じようなことをやっておったのを聞かせていただきました。 と申しますのは、先ほどの福山委員のときは、旧第一種地域の復活の問題とか、あと、東京大気訴訟の控訴のときの問題発生と原因と結果の究明がない限りなかなか対応、補償も含めてできにくいという中での、環境省と福山委員との両方とも理にかなっている話ではあるけれども、環境省の、因果関係が明確になることを期待してという方向性を目指した答弁ございました。科学的認識からは、ある意味では原因と結果という因果関係というのはなかなか、究明というのはほとんど難しいぐらいで、先ほど環境保健部長言っておられました、相関関係までは出やすいんですけれども、それでもなおかつ難しいということがあると思います。ですので、今まで環境行政、問題発生対応型で来ていたけれども、問題発生対応型から事前、未然防止と、こういう形できちっとやっていくという発想に転換をしていかないと、いつまでも問題が深刻になるまで解決できないという問題が基本精神としてあると思います。 ですので、是非とも環境大臣、一番最後にもう一回、このテーマで投げたいと思いますけれども、姿勢をある程度、問題、被害者、そういった人の救済に当たるような精神でこの法律を対応していっていただければと思います。 五年前の時点でもやはり附帯決議というのを出しました。法律の文面は変わらなかったけれども、附帯決議という形で具体的に項目出ていますので、この五年間に、この附帯決議に沿ってどういう形で環境省、環境行政の推進をしていただいたかという面にねらいを定めてちょっとお伺いしたいと思います。 と申しますのは、あの附帯決議の中で、法律文面とは違うにしても、具体的に今後こういう方向でいくようにということで出した、全党派一致して出したものでございますので、具体的に一点一点お伺いしたいと思いますが、最初にありました認定患者の健康回復を図るために公害保健福祉事業、これを進めていただくということでございました。具体的にどういうふうに進めていただいたか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 公害保健福祉事業でございます。これは、指定疾病により損なわれました被認定者の健康を回復させ、回復した健康を保持させるために行われるものでございます。制度発足の四十九年から実施されておりまして、十四年度の事業費は予算ベースで約二億三千万円ということになっております。 内容といたしましては、リハビリテーション事業あるいは転地療養事業、それから家庭における療養に必要な用具の支給に関する事業、また家庭での療養の指導に関する事業を実施しておりまして、この中で被認定者の方のニーズあるいは社会情勢の変化を配慮いたしまして、個人の希望をできるだけ踏まえて、特定の施設でリハビリテーションを行うことができるように工夫を加えておるところでございます。
○福本潤一君 この事業を進めていただいてはおりますけれども、ある意味ではなかなか被害者救済という観点から活用されているとは言い難いという指摘もあるようでございますので、この事業費の規模を含めて、今後対応していくときに、具体的に、高齢化でお亡くなりになっておられることもあると、そういう高齢化に対する対応策も含めて、今後の実態を踏まえての方途、これについてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、認定されました患者の方々の高齢化に対応して内容を変えていく必要があるというふうに考えております。 ただ、今のところ、自治体からいろんな話は聞いておりますけれども、具体的に高齢化に伴ってここに重点というところまでの要望は把握できておりませんので、まずは実態把握をした上で、年々高まってまいります被認定者の方の高齢化に対応するような効果的な事業をしたいと思っております。これまでも幾つか改善はしておりますけれども、更にニーズを把握して対応したいと思っております。
○福本潤一君 午前中、小泉委員が質問されたのであえてもう避けておりましたけれども、この補償総額ですね。私も五年前のときも質問して、その当時までで一兆九千五百億円全部で投資しているというお話を伺いました。現在まで具体的にいかほどの費用が掛かり、またそれに対して、この費用に関しての環境省の多寡の感覚ですね、これもお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 決算ベースで申しますと、四十九年度から十三年度までの補償総額が二兆一千三百億でございます。今すぐ確認できません。多分、前回福本先生にお答えしたのは予算ベースでなかったかなという感じがしておりまして、その点、若干全体を積み上げますと差が出てくると思います。 それから、多寡の感覚というのは私ども分かりませんけれども、いずれにしましても、現在、患者さん、まだ六万人弱おられます。その中で等級を各々付けておりますけれども、医療費は全額すべての方を対象としております。 あとは、補償費につきましては、一番多いのが三級ということでございまして、補償費の三分の一を支給すると。あと、パーセントは五パーセント程度でございますが、二級の方がおられて、補償費の半額を支給すると。それ以上の方はほとんど数が少ないという状況でございまして、そういった積み上げから額が出てまいりますもので、多寡の感覚というのはよく分かりません。 ただ、私どもとしては、制度の趣旨にのっとってきちんとお金を集めて支給させていただいておるというふうに感じております。
○福本潤一君 五年前聞いたときには一兆九千五百億円というお答えでした。それ以後五年間たったときに二兆一千三百億円ということは、それ以後の間に一千八百億円、年間四百五十億円ぐらいは平均して費用を手当てをされているという形にはなります。これはある意味では患者を、事後対応的に対応してもこれだけ大変な金額が掛かるということでございます。問題発生前の未然防止というものに視点、主眼を置くならば、これだけの費用を投資、事前に環境、大気、また水質も含めて対応しておくことによって、苦しむ人を今後も発生しないようにするという姿勢が今環境省に求められておるんではないかというふうに思います。 さらに、この法律に関しまして公害補償地域の連絡協議会から具体的に要望書が出ております。これはもう事前にお見せいたしましたので、この要望書の対応はどういうふうに考えておられるのか、これをお願いします。
○政府参考人(南川秀樹君) 本年の一月に大気系の補償地域の連絡協議会より要望書をいただいております。全体的には国それから自治体が協力してやっていくことが多うございます。したがいまして、直ちにできることは限られますが、私どもとしては、要望の中で、例えば自治体の公害健康被害認定審査会などの事務の改善にかかわりましての不服申立ての事例集の作成、あるいは研修会等、可能な範囲では対応してきておるつもりでございます。
○福本潤一君 可能な限りの対応と、予算全体に環境省全体で大した金額ではない中での対応ではございますけれども、環境省の予算が大幅に拡大することによってこういう救済も、また対応も含めてできるようになるような、そういうふうな後押しを私どもしたいと思いますので、予算審議のときにも含めて環境大臣になお一層の御精励をお願いしたいというふうに思います。 先ほどの予算の金額も出したときに、私も若干、残った方の二種、第二種。一種が特定地域という形ではなくなったということでございます。この二種の中にある水俣病認定患者というのがございます。この法律に直接、補償総額というのはかかわらない話ではございますけれども、こちらの場合の場合に大体何年間で幾らぐらいの費用が掛かったのかということも同時に聞かせていただければと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 水俣病あるいはイタイイタイ病もそうでございますが、二種はケース・バイ・ケースで支払が行われております。 具体的に水俣病の件で申しますと、昭和四十八年に原因企業でございますチッソ及び昭和電工と患者団体が個別に協定を、補償協定を結んでおります。そして、認定自身は公害健康被害補償法に基づいて認定をした上で、支払はその協定に基づいて原因企業から直接その補償が行われているということでございます。現在まで約三十年経過いたしましたが、認定患者が全体で二千九百五十五名、そして総額が一千五百七十億円ということでございます。一人当たり約五千三百万という数字になっております。
○福本潤一君 こういう形で、様々具体的に、事後対応だと大変大きな費用が掛かるということで、あえて水質の問題も、水俣病、有機水銀の関係が食物を通して連鎖で入ってきたので、この時点で大変な金額を事前に水質改善また大気改善に投資するという発想にそろそろ切り替えていっていただければという思いで聞かせていただいたわけでございます。 と同時に、私どものところへ、様々な公害、患者の方も含めて、是非とも救済策を何とかしていただきたいという話、来られます。 カネミ油症という病気、これはダイオキシン類対策特別措置法を通させていただいたときにも、当時はPCBが原因だというふうに言って、PCBの健康被害に対する対応だけしかできなかった状況が、これはPCBが変質したダイオキシン類、コプラナPCBというような形の原因が物質になっているということが最近判明し始めて、環境省、厚生省も認めたところでございますので、このカネミ油症に対する被害額もやはり具体的にお教えいただければと思います。
○政府参考人(遠藤明君) カネミ油症認定患者の方々につきましては、原因者であるカネミ倉庫が昭和四十三年より油症に関する治療費として、保険診療の自己負担分、通院費、鍼灸費等について支払を行っているところでございまして、昭和六十二年の裁判所の和解におきましてもこれらの費用について支払を行うことが確認をされております。昭和四十三年十二月より平成十四年九月末まで医療補償としてカネミ倉庫が支払った総額は約二十三億円となっております。
○福本潤一君 そういう意味では、カネミ油症は特に特別にこの費用、対応策、補償総額小さいなというふうに思います。ベトナム戦争のダイオキシン類による子孫にまでわたる影響という意味では、この患者さんの方々のほとんど補償もないままで来ている現状と。 私も、未然防止とかそういうような発想で考えるならば、これに対してもきちっとした対応をしていかなければ、事後対応的になった段階での対応というのはほとんど、先ほど環境省ありましたが、また厚生省もよく言っていましたけれども、因果関係が証明できないということで終わっていくんだろうと思います。 この因果関係というのは、ほとんどはっきり言って証明できる、究極的に科学的立場で言ったらあり得ません。相関関係という形での証明までは努力して対応できると思いますが、因果となりますと価値判断も入ってまいりますし、よく太陽の黒点と地球上の災害が相関関係があるというときに、太陽の黒点が多い年は災害が多いという因果関係があるかないか、これはまた相関関係とは別個のものでございますので、是非とも、相関関係まではできる、科学にいつまでも頼って、ある意味では善政をいかにしくかというのがこの環境問題の被害者に対する対応だと思います。 そういう意味で、ダイオキシン類の法律作らせていただいたときにも、ダイオキシンの附則の第二条第三項でやはりこれ救済できるんではないかという問題意識、カネミ油症に対しても持たさせていただきましたので、この点に対する答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) ダイオキシン法の附則でございます。 私も当時、福本先生にいろいろ御叱咤いただきまして、役所の事務方としてダイオキシン問題を担当しておりましたが、条文上も、また当時の認識としましても、この附則自身は、ダイオキシンについて、ダイオキシン法の本則自身はあくまでダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去などということについての法律でございます。そして、ただし、ダイオキシン自身が食品からの経由が多いということで、それについての対応が必要だという認識でああいう附則が置かれたというふうに認識をいたしております。 したがいまして、なかなか損害補償とかそういった時点であの条文をとらえるのは難しい面があるように考えております。
○福本潤一君 問題がそういう形での法律条項にはなっていないし、またこれは厚生省、むしろ管轄になるんだろうと思います。ですので、先ほど福山委員のときにもありましたけれども、もう問題対応、対策時代にできた法律だとほとんど無理で、むしろ未然防止というような観点から物事を、環境行政を進めていけるときの新たな法律というのをやはり作っていく必要がこれあるんだろうというふうに思います。 そういう意味では、今回、法律改正が余りにも少ないものですから、具体的に行政、これに基づいて進めるときにもやはり附帯事項がこれ、大きく今後の行政の中で生かされていくことが大事になっていくだろうと思います。 引き続き、五年前に出していた附帯決議に対するフォローをやはり聞いておきたいと思いますけれども、環境保健サーベイランスの具体的な概要と実施状況、これも今後の予定を含めてお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の環境保健サーベイランスシステムでございますが、これは長期的かつ予見的な観点を持ちまして、地域の人口集団の健康状態と大気汚染との関係を定期的、継続的に観察しよう、そして必要に応じ所要の措置を講じようというものでございます。本格的には平成八年より稼働いたしまして、調査結果は毎年取りまとめ、公表をいたしております。昨年の十月にも取りまとめを行いまして、そこには単年度だけでなくてこれまでの経年変化の解析結果も詳しく取りまとめて公表いたしております。 ただ、その結果といたしまして、面的な汚染と、それから三歳児を対象としたぜんそくの発症については明確な相関関係が得られなかったというふうなことが現状でございます。まだこれについては途中だという認識をしております。 それから、これまで、十四年度でございますが、現在は三十八の地域でこの調査を実施しておるところでございます。 また、この調査が三歳児だけでは不十分だという指摘もございますので、六歳児にも拡充すべく調査設計を急ぎたいと考えております。
○福本潤一君 その意味では、あのとき、附帯決議の中にもありますけれども、この未然防止の観点から様々な対策もやはり環境省、進められることが今まで多かったようでございますけれども、対策として具体的に取り組んでおられることもあるんだろうと思います。 ですので、NOxとか浮遊粒子状物質とか、こういったものの環境基準に対する達成に向けて大気汚染の防止策ということで具体的にどういう取組をしてやるべきだということもお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 大気汚染に対しましての取組の全体像というお尋ねでございます。 大気汚染の発生源としては、工場、事業場等の固定発生源と自動車等の移動発生源があるわけでございまして、工場、事業場等の固定発生源対策につきましては、振り返ってみますと、窒素酸化物につきましては、昭和四十八年の排出規制の開始以来、施設の種類ごとに排出基準を設け順次規制強化を行ってきたほか、特に汚染の激しい大都市地域においては総量規制を導入してきているということでございます。 それから、浮遊粒子状物質につきましても、ばいじんに係る排出基準を順次強化してきておりまして、平成十年には廃棄物焼却炉に係るばいじんの排出基準の強化を行ってきたということでございます。 それから、自動車排ガス対策でございます。 まず一番目に、自動車単体からの排出ガスの規制でございますが、これは昭和四十八年に窒素酸化物についての規制を開始して以来、逐次規制を強化してきております。また、粒子状物質についても平成五、六年の規制開始以来、逐次規制を強化いたしました。平成十七年からは世界でも最も厳しい排ガス規制の実施を予定をしておるところでございます。 それから二番目に、特に大都市地域におきましては、平成四年に自動車NOx法を制定いたしまして、関東近県において車種規制による規制不適合車の代替を図るなどの措置を実施し、平成十三年には同法の改正強化により新たに粒子状物質を対象物質に加えるとともに、対策地域に愛知、三重県を追加するということにいたしました。 三番目に、低公害車の開発普及の促進でございます。小泉総理のイニシアチブの下、公用車への低公害車の率先導入を行うとともに、低公害車開発普及アクションプランを策定いたしまして、平成二十二年までに一千万台の低公害車を普及することを目標に掲げるなどをいたしまして、低公害車の普及促進などの施策を行ってきたところでございます。 主な大気汚染対策の概略は以上のようなことでございます。
○福本潤一君 小泉総理も燃料電池車導入を心掛けたりされてはおるんですけれども、ある意味では象徴のような話で、具体的に大気をきちっと改善するためにはそういう燃料側の開発と同時に、例えばディーゼルエンジンの持っている車に水と混合したような、水と油というのは元々混じらないと言っておりましたけれども、混合、化合できるようになって、これが低温で燃費することによって排気ガスも現状の車でも上昇するという形の燃料も出てきておるようでございますので、新しい取組をして環境大気汚染対策に一日も早く万全の対策を取られるような姿勢を望みたいと思います。 と同時に、大気の話ですので、私もう一つさせておいていただきたいと思いますのは、花粉症というのが最近出てきます。かつて、ディーゼルエンジンの排気ガスも花粉症と同じような要因を持っているとか、いろいろな俗説が、私ども真実かどうか分からないような俗説も含めて出てきておりましたので、この大気汚染の中での花粉症問題について、現状と今後の取組をどういうふうにやっておられるかということも同時に聞かせておいていただければと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 花粉症患者は、現在約千三百万人を超えるとも言われております。私ども環境省、あるいは農水省、厚生労働省など関係省庁と一緒になりまして取り組んでいるところでございます。 まず、私ども環境省においては、大気汚染と花粉症の関連性について解明しようということで、一つにはモルモットに大気汚染物質を暴露させまして、花粉症のような症状を誘発するか否かを確認する動物実験をやっております。もう一つが、都市部と地方を対象といたしまして、大気汚染物質の暴露量と花粉症の発生率との関係を統計的に分析するという作業を行っておるところでございます。 これまでの調査の結果からは、極めて高濃度の暴露では花粉症の症状が出るということは明らかになっております。また、都市部と地方部では、都市部の方が花粉症の患者の多いことも判明をしております。ただ、後者につきまして、都市部と地方部においては大気汚染以外の要因の違いも様々あるわけでございまして、専門家の間でも大気汚染物質と花粉症の関連性について評価が分かれているところでございます。 いずれにしましても、大気汚染物質と花粉症の関係につきまして、更に調査研究を鋭意進めてまいる所存でございます。
○福本潤一君 こういう多くの人がかかっていると、また都会の人の方が多いと。杉花粉に関しても中心、都心で生まれてくるというのは、環境ホルモンと同じようにレセプターが、受け止めた人だけが発症するという、同じように花粉が一杯あっても全然平気な人もおるというような個人差があった上で、その花粉をヒットすると言いますけれども、ヒットしたような人がなるという現状があるようでございますので、これに対しても、杉並病のときもありましたように、有害化学物質と同様の対策を今後取っていただく必要も出てこようかと思いますので、この点の努力もお願いしたいと思います。 さらに、先ほども具体的に東京大気汚染の訴訟判決のときにもありましたけれども、東京都と具体的な環境省との対応も違ってきたということがございます。そういう意味では、今後、先ほどの押し問答ではなかなかうまくいきませんでしたけれども、じゃ新たな救済制度を創設することをどういうふうにしてやっていく、方向性で進んでいかれるかと。未然防止という形で考えていただくならば、どういう形での新たな救済制度を考慮していただけているか、この点をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(鈴木俊一君) 公健法に基づく再指定の問題ということにつきましては、これは先ほどこの議論を通じましてお示ししておりますとおりに、これは著しい大気汚染によるぜんそく多発地域を指定をして、一定期間居住をされたり、通勤をされたりしている方々の中でぜんそく等に罹患された方に対しまして因果関係の制度的割り切りによって患者と認定をいたしまして、汚染原因者に負担をしていただいて補償をするということで、昭和四十八年に制定されたわけでありますが、しかし、その後、大気の汚染の改善というものが進んできたということによりまして、大気汚染と健康被害との因果関係に係る制度的割り切りを続けることの合理性が失われると、失われているという昭和六十一年の中環審答申を踏まえて、公健法の改正によって昭和六十三年に地域指定が解除されて、新規認定を行わないことになっているわけであります。 その後、お話に出ておりますように、環境サーベイランスシステムなどでずっと継続したサーベイランスをしているわけでありますけれども、しかし、大気汚染がぜんそくの疾病の主たる原因となすものとは考えられない状況にあるという、そういう結果でございますので、この公健法に基づく地域指定を再開をするということは、これは難しいんだろうと思うのであります。 ただ、今回の東京での大気汚染訴訟にありますように、局地的な沿道に住まわれている方々の問題につきましては、これはもう今日ずっと議論を、質疑があってお答えをしておるところで繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり新たな救済措置を作るということになりますと、そこには医学的な因果関係の知見というものを得られなければならないということでございまして、そうした知見が得られれば、必要に応じて被害者救済の方途を検討してまいりたいと思っております。 とにかく、この十七年度から本格調査をするわけでありますが、こうした調査を通じて早く科学的な医学的な因果関係の解明が分かりますように、環境省として最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○福本潤一君 もちろん因果関係の究明というのも大事でございますけれども、原因と結果というものが結び付くようになった時点では問題は深刻になるという現状があると思います。 そういう意味で、ある意味では未然防止という考え方が出てきておるわけでございますし、環境省も、未然防止という考え方を取り入れられるという発想に立って、被害者救済策、なお一層の前進をしていただければと思います。 特に、最初にお話しさせていただいたように、水と大気というのはもう生存の基盤でございまして、水と空気が健全、正常でなければ生存すら人間は危ういわけでございますし、地下鉄サリン事件のときも、大気からそういう有害物質が出たらやはり死亡するわけでございますので、水と大気の健全な、今後の環境省の立場から、保全をしていただくということをお願い申し上げて、質問を終わります。 以上です。
○岩佐恵美君 国は、一九八八年三月、大気汚染による汚染は終わった、被害はもうなくなったということで、公害健康被害補償法、いわゆる公健法に基づく第一種指定地域、これを全面的に解除をいたしました。そして、その後、新たな患者は認定しないということで進めてきているわけですけれども、まず伺います。認定患者の推移はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 認定患者さんは、指定解除直後が最多でございまして、約十一万人でございます。ピーク等正確に申しますと、ピークが昭和六十三年七月末でございまして、十一万七十四人ということでございます。これがその後、毎年度約四、五%の割合で減少いたしておりまして、平成十四年三月末現在で五万七千三百十八人というふうに減少をいたしております。
○岩佐恵美君 認定患者さんは、新規認定を打ち切った翌年の八九年三月末に十万七千二百七人に増えた。それをピークに、その後毎年四、五千人ずつ急激に減っております。ところが、それまでは毎年三千人程度の増加が続いていたわけです。八八年度以降、突然、公害患者が新たに発生しなくなった、そういうことはあり得ないと思うんですけれども、どうですか。
○政府参考人(南川秀樹君) ぜんそくは、例えば二種の水俣病などと異なりまして、様々な疾病により発症するいわゆる非特異的な疾患でございます。そして、全国的にぜんそく患者さんが増加しておるというのも統計上出ておるところでございます。 そういう意味で、全国的に増えていることの原因については私ども必ずしも把握をしておりませんけれども、大気汚染というのがその主要因ではないということでこういうふうに至っているというふうに考えております。
○岩佐恵美君 今、ぜんそく患者の数が増えていると言われましたけれども、厚生労働省の患者の調査では、全国の医療機関で受診した気管支炎及び慢性気管支炎の一日の推計患者さんは、九三年の二万六千三百人から九九年五万四千三百人と、六年間で二倍以上になっています。 全国十二自治体で不十分ながら被害者救済措置を取っていますけれども、二〇〇二年の三月末で九万一千人に上ります。この数は八九年度の二・三倍と、急増しています。大阪府内、十五歳未満の条例による患者さんは三万十一人で七・七倍、川崎市の場合、二十歳未満ですが、五千九百九十二人と二倍になっています。 文部科学省の学校保健統計調査でも、一九九一年度と二〇〇一年度のぜんそく患者数の割合、幼稚園で〇・七%から一・三%、小学校で一・一%から二・五%、中学校で一%から一・九%、高校で〇・五%から一・三%と、いずれも二倍前後に高くなっています。 どのデータを見ても明らかにぜんそく患者は増えている。これは先ほどお認めになったところですが、八八年以降、大気汚染による新たな患者は発生していない、ほかの要因は一杯ある、だけれども大気汚染による患者は一切発生していないんだというのは私は変だと思うんですね。実態から懸け離れているんじゃありませんか。その辺、いかがですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 公害健康被害補償法のという意味では認定を打ち切りました。これ自身は、患者さんについて、個々の因果関係は問わずに、その地域にある一定期間住んでおって、そしてぜんそくであるということで認定をしたわけでございます。 したがって、それ自身が全くのある種の割り切りで、制度的割り切りで大胆に認定をしておったわけでございまして、必ずしもその方が大気汚染に、本当に皆さんよっていたのかどうかについても議論いたせば切りはないわけでございます。したがいまして、それでは、そういう余りにも大胆な割り切りが大気汚染の現状下から続けられないということで地域を解除したわけでございます。 したがいまして、それ以降について非常に、ぜんそく患者、それ以降も含めて、ぜんそくの方が増えたことについては、大気の影響が全くないということは申しておりませんで、実際、私どもいろんな専門家の方と議論をしておりますが、その中で、大気汚染も含めて、大気汚染あるいは室内のそういういろんな化学物質、あるいは例えばお母さんなりお父さんのたばことか、含めて分析をしておるところでございまして、大気汚染が全く関係がないということは言うつもりはございません。
○岩佐恵美君 大胆な割り切りで、一挙に、もう大気汚染による患者さんは新たに認定しませんよ、これも本当にひどい話なんですよね。 そういうひどい行政のやり方があったために、新規の患者さんたちはもう本当にやむにやまれない、そういう思いで全国で大気汚染の公害裁判、これを起こしました。 九五年七月の大阪西淀川訴訟の大阪地裁判決から五回連続で自動車排出ガスによる健康被害が認定され、国などに賠償を命ずる判決が出された。これはもう周知の事実です。 ちょっとかいつまんで紹介したいと思います。 九五年七月、大阪西淀川訴訟判決では、固定発生源による二酸化硫黄と自動車排ガスによる二酸化窒素で相当高い濃度の大気汚染が生じて健康被害の一因になった。九八年の八月、川崎訴訟判決では、一九六九年から七四年ごろまではNO2とSO2で、七五年ごろ以降はNO2を中心としてSPM及びSO2の相加作用により健康被害を発生又は増悪する危険があった。二〇〇〇年一月、尼崎訴訟判決では、沿道五十メーターの範囲で自動車排ガスにより形成された局所的な大気汚染は健康被害を発生又は増悪させた高度の蓋然性が認められる。二〇〇〇年十一月、名古屋南部訴訟判決、ディーゼル車を中心とした自動車排ガス中のSPMによる沿道汚染で健康被害を発生、増悪させた。二〇〇二年十月、東京訴訟判決で、継続的に発生する大量の自動車排ガスにより生命に危険を及ぼす気管支ぜんそくを発症又は増悪させた。 つまり、これまでの五回にわたる道路公害裁判のすべての判決が自動車排ガスと健康被害との因果関係を認めているわけですね。既にもう司法の場ではこの見解が定着をしています。 国は、因果関係が科学的に立証されていない、そういう理由で控訴をしているわけですけれども、これらの、じゃこの患者のぜんそくと自動車排ガスがどう関係がないのか、具体的な根拠を示すことができますか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、先生御指摘の大気汚染、自動車排ガス等を中心にいたします大気汚染訴訟でございますけれども、ただ、それぞれの裁判におきまして、健康被害の原因とされている物質につきましては必ずしも一致していない。したがいまして、そこに持っていく因果関係の論理構成も少し違っているような点もございます。 しかしながら、基本的には、これらの判決に対しまして国といたしましては、医学的には十分な知見がない中で本件各道路からの自動車排ガスと気管支ぜんそくとの因果関係を認めた点等につきまして不服があったために控訴をしたという次第でございます。
○岩佐恵美君 さっきから押し問答ですけれども、要するに判決では、自動車の排ガスと患者さんの因果関係をいろんな知見から認めるという立場を取っているわけですね。環境省は、排ガスと患者との因果関係、これを否定する、因果関係というか、道路が患者に及ぼす影響、これを否定するわけじゃないけれども、あれもこれも一杯あるよ、だから特定できない、だから否定しちゃう、こういうことで否定をしてしまっているわけですね、ばっさりと。 だけれども、従来はちゃんと、とにかく大気汚染と患者の関係があるということで、一九八八年までは認めてきているわけですよね。その後、一切認めなくなった。やり方が本当に大胆なんですよね。だから今、大変な事態になっているわけです。これはもうおかしいと思うんですね。 各判決は、幹線道路沿いに住む児童はぜんそくの発症率が高い、先ほどから議論になっています、千葉大学の疫学的な調査を重視をしています。例えば東京地裁の判決は、昼間十二時間の自動車交通量が四万台を超え、大型車の混入率が相当高い道路から五十メーター以内に居住している場合には、千葉大調査と同程度の自動車排出ガスに暴露されていると判断をしているわけですが、伺いたいんですが、自動車交通量四万台以上の幹線道路はどのくらいありますか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 昼間の十二時間交通量が四万台以上の幹線道路の延長という御質問でございますが、これにつきましては、都市部やその他を問わず単純に考えまして、国土交通省が実施いたしました平成十一年度の道路交通センサスの結果から計算いたしますと、全国合計で約二千キロメートルになるというふうに試算されます。
○岩佐恵美君 国は、道路による大気汚染対策について、一貫して渋滞対策を優先する、新たな道路をどんどん造る、その結果公害をまき散らしてきたという繰り返しなんですね。この間、自動車の走行台キロというのが道路を造ることによってどんどん増え続けているわけですね。結局、道路を造ることによって、四万台以上の道路区間は減るどころか増加をしているという状況にあります。 九〇年度の道路交通センサスでは四万台以上の区間は千四百九十七キロでした。九四年度調査では千八百五十八キロ、九九年度調査では今お話がありました二千七十八キロ。九年間で五百八十キロ、つまり三九%、九年間で四割近く道路が増えているわけですね、その四万台以上の道路が。特に、五万台以上の区間を見ると五割以上も増加をしている。 結局、道路建設をすることによって、大気汚染公害をなくすどころか広げていっている。だから、道路を造ることによって渋滞を緩和することによって大気汚染をなくしますという、そういう論理というのは破綻をしていることは、私はこの数字から明らかだと思うんですね。 そこで伺いますけれども、四万台以上が通る幹線道路の沿道五十メーターの範囲、これは二万ヘクタール以上になるようですけれども、そこに住んでいる人はどのくらいいるのでしょうか。また、その中でぜんそく患者はどのぐらいいらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 把握を現在しておりません。これにつきましては、例えばサンプル的でも、ぜんそく患者がどの程度お住まいかとか、あるいは道路周辺の人口密度について調査をする必要があると思っておりまして、直ちにお答えできる状況にはございません。
○岩佐恵美君 千葉大学の調査では、千葉県の都市部の幹線道路沿いの五十メーター以内に住んでいる児童は、田園部の児童と比べて、男子で三・七倍、女子で六倍の高い確率で気管支ぜんそくを起こす危険があると解析をしています。そういうところに、国土交通省によると百二十万人住んでいるということなんですね。これ、一刻も、私、放置できない状態だと思います。 中央公害対策審議会の専門委員会の報告も、道路沿道などの局地的汚染がある地域では特別の考慮をする必要がある、一九八六年、今から十七年前に指摘をしているんですね。その後もずっと国会でこのことが議論をされているし、附帯決議にもそのことがずっとうたわれてきているわけですね。 それなのに、そういう地域にどれだけぜんそく患者がおられるのか、そういうことも調査もしていない。私は怠慢としか言えないと思うんですね。先ほどから行政の不作為ということが強調されています。私は前回の質疑のときにも言いました、行政の不作為。一体、十七年間、何やっていたんですか、十五年間、何やっていたんですかということになります。 特に、東京の判決で重要なことは、初めて未認定患者について国の加害責任を認めたことです。しかも、この未認定患者の居住地は世田谷区なんですね。つまり、旧第一種指定地域以外なんですね。指定地域の解除後も公害患者が発生している、東京の判決はそういうことを認めたわけですね。つまり、旧指定地域以外にも大気汚染の公害が広がっているということを示しているんだと思います。 私は、公害認定を五十メーター以内に限定するということは問題だと思いますけれども、少なくとも、判決が認定した自動車交通量四万台以上の幹線道路から五十メーター以内に住んでいる住民の健康実態調査、これを直ちに行うべきだと思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 私どもとしましては、局地大気汚染、主要幹線道路沿道でございますが、そこにおいて暴露状況並びに健康状況に関する調査を実施したいと考えております。 その際には、自動車交通量が四万台、あるいはまた沿道からの距離五十メートルといったことも加味して調査を行いたいと思っておりまして、当然その中では、その呼気のNOの分析も含めた健康影響の実態についてもできるだけ把握したいと考えております。
○岩佐恵美君 私は、非常に未認定の患者さんが大問題だというふうに思っているんですけれども、川崎市の場合、九九年十月に川崎市の医師会所属の三百九十六医療機関で受診をされた市内在住の気管支ぜんそく患者さんは一万五千七百三十七人、このうち認定患者さんは千五百十四人、つまり九割以上が未認定の患者さんなんですね。 多くのぜんそく患者の方々が何の救済も受けられずに苦しんでおられます。東京の大気汚染訴訟では、一次から四次までの原告五百十八人のうち百八十八人、三五%が未認定の患者さんです。未認定の患者さんは、毎日毎日、それこそ朝昼晩襲ってくる発作の苦しみと死の恐怖に加えて、休業、失業に追い込まれる、何の補償もない。そういう生活苦と重い治療費負担のために満足な治療も受けられない。そういう中で、症状がもっともっとひどくなっていく、二重三重の苦しみにさいなまれている。 この点について、お二人の具体的な事例をここで紹介させていただきたいと思いますが、六十二歳の女性の方ですが、平成六年、五十四歳のとき気管支ぜんそくと診断されました。住んでいるところは北区の豊島五丁目団地です。ベランダからは荒川を挟んで首都高速がすぐ近くに見えます。ぜんそくになった年は一年で四回、合計九十三日間入院し、医療費は合計で五十万円になりました。私は未認定なので、医療費の補助は何もありません。その後も年に何回も入院し、医療費は多いときで年に七十万円くらい掛かりました。ここ数年は入院した方がよいと何度も言われても、お金が掛かるので断ってきました。でも、入院しなくても、点滴、吸入、飲み薬で医療費は年に二十万円くらい掛かります。今年になって、とうとう二週間近く入院しました。酸素吸入と点滴を一週間やりっ放し、ベッドも立てたままの状態でした。寝られないんですね。ぜんそくと言われて八年以上になります。初めの二年間は泣いてばかりで精神的に参ってしまいました。平成六年から今までの医療費の合計は三百万円くらいになります。同じぜんそく患者なのに、同じ治療をしているのに、どうして未認定患者は医療費が無料にならないのですか。このままでは治療を続けることができません。せめて医療費だけでも無料にする制度を一日も早く作ってほしいです。大変ささやかな、そういう要求をされておられます。 もう一人の方は、五十二歳の男性の方です。 私が気管支ぜんそくを発症したのは十六年ほど前、三十六歳のときです。営業と配達に車を使い、朝から夜まで東京の幹線道路を走り回っていてぜんそくになったのです。ぜんそくになってから仕事も休みがち、会社もうまくいかなくなり、やがて働くことができなくなりました。生活苦から妻との関係も悪化し、ついに離婚しました。夜中に発作を起こして病院に行くと、タクシー代も含めて一万円は飛んでしまう。十日間入院すると六、七万円も掛かりました。わずかな蓄えもすべて医療費と生活費で使い果たし、いよいよ病院に行くお金もなくなり、もう死ぬしかないと思ったこともあります。ぜんそくを発病する前は妻と普通に結婚し、二人の子供に恵まれ、毎日元気で働いていました。会社をもっと大きくしよう、ささやかな夢がありました。しかし、自動車の排ガス公害は私の人生からすべての夢と希望を奪ってしまったのです。私のような人間をこれ以上出さないでほしい、公害患者はだれでもお金の心配をしないで病院に行けるようにしてほしい、そう心から願っています。 お二人のちょっと具体例を紹介をさせていただきましたけれども、大臣、この苦しみをいつまでも放置していいんでしょうか。行政の不作為の上に加えて、今も今日のこの委員会で押し問答をして何からちが明かない、こんな状態をいつまでも続けていい、そう思われるのでしょうか、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) ぜんそくの患者さん、この方々、これは認定の患者さんであれ未認定の患者さんであれ、またぜんそくになられた原因がどういう原因の方であれ、もう大変におつらい、厳しい状況にあるという思いは、私も十分認識しているつもりであります。 私自身、昨年の十二月に原告団の代表の方、ほんの短時間でありましたけれども、お話を伺いまして、そのときも、今は状態がいいけれども、いつ発作が出るか分からないと、そういう状況だから仕事もきちんと勤めることができない、経済的にも体だけではなしに厳しいんだというお話を伺いました。そして今、岩佐先生からお二人の方の言わば患者さんの心情を述べられたわけでありまして、そういう思いを今大変改めて強く思っているわけであります。 今のお話の中にもございましたが、そうした救済措置、新たな救済措置ということでありますが、これが本当に私ももう悩ましく思うんでありますが、国として新たな救済措置を考える場合には、これはやはり大気汚染とそしてぜんそくという疾病との医学的な因果関係というものが、これが解明されなければならないと、こういうことでございます。 そういう中で、大変、十五年掛かっているというような御指摘もございますが、今進めております医学的な調査研究、これをしっかりと進めたいと思います。そして、因果関係が明らかになった際には、必要に応じて救済の方途というものを検討すべきであると、そのように考えているところであります。
○岩佐恵美君 指定地域を解除してから、何度も繰り返すようですけれども、十五年たっているんですね。まだこれから先何年も掛かる。科学的解明を待っている間に未認定の患者さんはどんどんもう健康状態が悪くなって亡くなっていく、そういう苦しみの中に置かれているわけですね。 一九八七年の公健法改悪以来、当委員会でも五回も、主要な幹線道路沿道等の局地的な大気汚染による健康影響の早急な解明と救済制度の検討を求める、そういう附帯決議が採択をされているわけです。超党派でされているわけですね。それは、もう先ほどからも委員から、同僚委員から繰り返し指摘をされているところですね。いまだに自動車排ガスによる健康被害の因果関係が分からないというような私は言い方というのは、これはもう本当に通用しない、そう思います。 現行の公健法でも、移動発生源分として二割を自動車重量税から負担をしているわけですね。つまり、現行制度でも自動車排ガスに公害健康被害の責任があるということを認めて、二割負担をしているわけですから、私は、未認定患者への対応、これ可能なんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 現状につきましては、御指摘のとおり、八割は工場からの煙に原因がある、また二割については基本的には自動車総体としての原因があるということで、種々の方策を検討しましたが、結局、この自動車重量税が創設された、あるいは暫定税率が設定されたときの経緯にかんがみ、また実際に徴税コストなども併せ考えまして、自動車全体の責任を、二割分の責任をそこから引き当てているということでございます。 したがいまして、自動車に、調査を行いまして自動車にその原因があるということであれば、このことについての一つの考え方にはなると思いますけれども、いずれにしましても、その因果関係を証明し、そして必要な場合にはそれを踏まえて原因者の負担の中でだれが負担すべきかと、どのような方式が適当かについては改めて検討する必要があると思います。
○岩佐恵美君 先ほどの同僚議員とそれから環境省とのやり取りを伺っていると、既存の患者さんについては八対二、これでいいと。しかし、現在はNOxの方がいわゆるSOxよりも寄与度が高い、これはだれが見たってそうですよね、当たり前のことなんですよ。だから、私たちは、新たな仕組みが必要だと言っているんですね。 未認定の患者さんは、自動車メーカーあるいは道路管理者など汚染原因者負担による救済制度の確立を切実に求めているんですね。もちろん、補償で病気の苦しみがなくなるわけではありません。だけれども、治療費の負担が心配で治療を受けられないで症状が悪化する、そういう最悪の事態は何とか避けられると思います。 ですから、ぜんそくに苦しんで重い財政負担で生活困窮に追い込まれている特に未認定の患者さんの救済制度ですね、大臣、これは大臣にお答えいただきたいと思うんですけれども、新しい発想で、因果関係云々と言われますけれども、大胆な、何ですか、さっき、割り切りで一九八八年にばさっと切ったんですよね。切るときは大胆な割り切りでやるけれども、新しい制度をまた作るというときには、大胆な割り切りでやれない、そんなはずないじゃないですか。 先ほどから出されているように、予防原則の立場に立って、とにかく今の被害の実態がある、これ以上被害を広げないというためにも、きちんと、被害者が言っておられるように自動車メーカーがあるいは道路建設者が問題なわけですから、そういうところにもきちっと目配りした、そういう救済制度を確立していくということが必要だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 公健法、先ほど申し上げたような経緯の中で、一つの割り切りの中でそういう因果関係を認めて、そしてそういう制度を仕組んだわけでありますけれども、その後大気汚染の改善ということでその合理性が失われたということで、この制度というものが新規の地域指定がなされなくなった、それによって新規の認定患者さんが出なくなった、こういうことでございます。 それで、そういう中で、今後特に局地的な、沿道の住んでおられる方の中でのこのぜんそく患者さんに対する救済措置ということを、これもまた何か新たな割り切りでと、こういうふうにおっしゃられるわけであります。 しかし、私としてもそこは大変悩ましいところなんでありますが、繰り返しになって恐縮でありますけれども、やはり国としてこうした新しい制度を仕組むということになりますと、そこには大気汚染とそのぜんそく患者さんの間の医学的な因果関係が明らかにならなければならない。それによって、そうした大気環境に負荷をしている、寄与をしている人がどれぐらいいる、その人がまた負担の方になるというような形の制度設計にもかかわってくる問題であると思っておりますので、繰り返しの答弁で誠に恐縮でございますが、そうした調査研究、これも時間が掛かって恐縮でございますが、とにかく急いでこれを進めていくということだと思います。そして、その中で、因果関係が明らかになりましたら、必要に応じて新たな救済措置の方途について検討をしたい、そのように思っております。
○岩佐恵美君 私は大臣の答弁、本当に納得がいきません。行政の不作為、これ以上また上塗りをしていくというこのやり方というのはだれが聞いたっておかしい、そう思います。大臣だって、余り胸張って今の御答弁をされているようには見受けられません。是非きちっと前向きに対応を、よく詰めた対応をしていってほしい、このことを希望しておきたいと思います。 次に、ちょっと細かい点で伺いたいと思います。現行制度の改善です。 一つは、障害補償標準の給付月額の男女格差の問題です。男性の場合、最高額は五十歳から五十四歳で三十六万九千円になります。女性は、同年齢階層で二十万九百円です。約半分ですね。最高額の女性でも、三十五歳から三十九歳で二十一万二千四百円、余りにも格差が大きいと思うんですね。大気汚染の公害補償地域の自治体で構成している連絡協議会も、一月二十四日の環境大臣あて要望で、男女格差の縮小、改善を求めております。 私は、男女格差は改善すべきだと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、五十歳から五十四歳を取りますと、男子が十四年度で三十六万九千八百円、女性が二十万九百円、十五年度、若干、今改定作業をしておりますけれども、男子が三十六万七千七百円、女子はそのままで二十万九百円ということでございます。 この水準につきましては、これは遺族補償費も同じでございますけれども、非特異的な疾患における補償費の給付水準としまして各種の公害裁判における判決に見られる水準、それから社会保険諸制度の水準、そういったそういう制度的な並びを踏まえまして現在のような形になっておる次第でございます。 平均賃金自体に相当差がございます。旧労働省が調べましたデータを見ましても、これは十三年でございますけれども、同じ年齢で男子が四十五万六千円で、女性が二十四万九千円ということでございまして、基本的に社会保険等も含めてこういったことをベースに算定をしておるということでございますので、現状ではやむを得ないということで御理解いただきたいと思います。 ただ、近年、徐々に賃金の男女格差が縮小傾向にあることも事実でございまして、当然ながら、それが縮小すれば障害補償費等についても縮小するということでございます。
○岩佐恵美君 全く時代遅れだと思います。是非改善をしていってください。 連絡協議会の要望では、遺族補償費の支給期間についても十年間の制限があるんですね。これをなくしてほしいと。配偶者の公害健康被害でさんざん苦労して、亡くなってから十年たつと後は知らないということで本当にもう無慈悲だ、是正してほしいという要望がありますが、どうですか。
○政府参考人(南川秀樹君) この遺族補償費でございますが、被認定者の方が疾病、ぜんそく等に起因して亡くなられた場合に、遺族の生活の回復と安定に資するために給付されるものでございまして、一定の範囲の遺族に対しまして定期的な支払金として支給されております。 御指摘のとおり、四十七年に制度発足以来、十年ということになっておりますが、これは遺族の生活が回復、安定するまでに要する期間、それから遺族補償費の総額と通常の民事賠償として支払われる額の均衡を考慮して決められたものでございます。これにつきましていろいろ要望があるのは承知しておりますけれども、少なくとも、これまでの運用をしておる中で特に変更するということについての事情はないというふうに考えております。
○岩佐恵美君 自立できればいいんですけれども、そうでない方々おられるわけですよね。それを、変更する必要はないなんて冷たく言わないで、きちっと実態を踏まえて対応していただきたい、これも要望しておきたいと思います。 それから、指定地域の解除と引換えに盛り込まれた健康被害予防事業ですが、連絡協議会が要望している二点についてです。転地療養事業等の円滑な実施を図るための施設や専門スタッフのあっせんをしてほしい、それから小児気管支ぜんそくの予防、回復を図るための事業への助成を拡充してほしい、こういう要望がありますけれども、これは具体化してほしいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の健康被害予防事業でございます。 まず、各自治体における事業、いろいろございまして、随分工夫をいただいております。私どもとしても、自治体が努力することについて極力応援をしたいと考えております。例えば、自治体相互間でも事業内容の情報交換ができるように協会が行う実務者会議等の場を設けたり、毎年実施しております機能訓練研修などにおいても事業の事例紹介を行うなど、各事業の効果的な運営の参考になるようにいたしております。 それから、民間医療機関等において質の高い機能訓練事業を実施しているものがあることは承知しております。ただ、私ども、全体といたしまして、制度的に自治体が実施する健康被害予防事業に対して助成するということになっておりまして、自治体の方でいろいろ御工夫いただいて対応するものについては極力それに沿いたいということでございます。ただ、自治体が関与されないとこれはもう制度的に対応、助成ができないということでございますので、私どもも是非、自治体と連絡を取りながら充実を図っていきたいと考えております。
○岩佐恵美君 東京地裁の判決では、初めて、自動車メーカーについて、環境への負荷が少ない自動車を製造、販売し、環境への負荷の低減に資するべき責務があると認定をしました。自動車メーカーは健康被害について予見できたにもかかわらず、ガソリン搭載可能な車種までディーゼル化を進めたことは問題があった、こう指摘をしています。実際、この間、ディーゼルトラックの保有台数は十五年間、八五年から二〇〇〇年見ると、十五年間で一・五倍に増えています。ディーゼル乗用車も三・二倍に急増しています。売れるからといって安易にディーゼル化を推進した自動車メーカーの責任も大きいと思います。当然メーカー責任が問われます。 大臣、この点についてどう考えられるか。そして、有害物質の排出が少ないガソリン車あるいは天然ガス車への転換、これを強力に推進するよう環境省としても積極的に取り組んでいただきたい。この二点について簡単にお願いします。
○国務大臣(鈴木俊一君) ディーゼル車の御指摘でございますけれども、我が国では、昭和四十七年、黒煙規制以降、それぞれの時点で可能な限りの厳しい自動車排出ガス低減目標値を設定いたしまして、それに基づく規制強化を実施してきたところでございます。メーカーにおいても、これに対応した技術開発を行って規制適合車を市場に提供をしてきたと、そのように認識しております。 そして、平成四年に自動車NOx法を制定したわけでありますが、それによって今まで増えておりましたディーゼル車の増加傾向、これにも歯止めが掛かる、そういう効果があったと、そのように認識をしておりまして、ディーゼル車の占める割合は平成八年から減少傾向に転じてございます。 また、現在、実施に移しつつありますNOx・PM法によります車種規制におきましても、ディーゼル車の市場を抑制をしているところであります。 そして、今後でございますけれども、二〇〇五年に世界で最も厳しいレベルを目指す新長期規制をすることになっておりますが、今までも極めて厳しい規制をするということによって技術革新が起こり、それに適応する車というものもメーカーも作り出してきたという、そういう経緯もございますので、一層の技術開発が進みまして、有害物質の排出の少ない自動車の開発、こういうものが今回もそれによって促進されるのではないかと期待をしているところであります。
○岩佐恵美君 終わります。
○高橋紀世子君 先ほど、岩佐先生が質問なさった男女で補償の率が違うというのは、本当に良くないと思います。 私は、日本では憲法でちゃんと男女平等だということがうたわれているんですけれども、皇室もどちらかというと、もちろん天皇は男性ですし、それから結婚する場合に女性は必ず皇室のあれを出るようになっていて、男性は皇室に残るという、何か本当にそういう不平等というのは人間の社会を暗くしていると考えます。 私、また今日、お話は一つ、大臣に通告はしてなかったんですけれども、また昨日に続いて、私がとても気にしていることですから、もう一度申し上げます。 戦争は最悪の環境破壊行為です。平和を希求するとき、日本の環境省は戦争行為に対してはっきりとノーと言うべきだと考えます。これは掛け替えのない人間の命の問題です。この戦争が続く限り、しつこいと言われても私は主張し続けたいと思います。 鈴木大臣、昨日述べられた戦争の支持のお気持ちに、今日もお変わりありませんでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 戦争が環境の最大な、被害を与える最大のものだというかねてからの高橋先生の御指摘は、私も先ほど、昨日も答弁させていただきましたとおり、現実、自然界で起こる環境破壊を除けば、一義的なものとしてはやはり戦争は最大な環境破壊であると、そのように思っているところであります。 しかし、今回の日本政府の対応ということについて、環境大臣という立場ゆえに反対をすべきだという御意見について言えば、これはやはり小泉内閣の閣僚といたしまして、一政治家として、一閣僚としてやはり考えなければいけないことであると、そのように思っております。 昨日も申し述べましたが、今回のイラクの紛争というのは、もう十年を超える国際社会の一致した要求にイラクが誠実にこたえてこなかったというのが一番の原因でございますし、確かに国際世論は割れております。しかし、ヨーロッパの国々とまた日本の国では、置かれている状況も立場も違う。この北東アジアにおきましては、直接日本に対する脅威というものが存在をするということを考えますと、こういう判断というのは最後は冷徹なまでに国益というものを守っていかなければならないと思います。 私は、究極の国益というのは、これは国民の生命、安全、国家の独立を守るということでありますから、日本の北東アジアで置かれている状況を考えれば、やはり日米同盟というものを原則に判断しなければいけないと、そのように一政治家、一閣僚として思っているところであります。 なお、こういう事態になりましたことはもとより誠に残念でございまして、戦争の早期の終結を望むものであります。 また、実際にこの戦争によって油井に火が付けられたり油の被害等あるわけであります。かつての湾岸戦争のときに、戦争終結後に日本もJICAを中心とする日本の代表団の一翼を担って、こうした環境破壊に対する回復に向けての取組をさせていただきましたが、今後また政府部内の検討の中で、環境省としても戦後の環境面での復興においてでき得る限りの努力をさせていただきたいと思っているところであります。
○高橋紀世子君 お言葉ではございますけれども、大量破壊兵器をイラクが持っているといっても、イラクは決してまだそれを使って攻めてきたわけではないんです。そこの辺の私は、そのイラクに対して武器を持って攻撃するのは、どうしても殺人、殺りくをしているように思えてなりません。どうしてもやはりそのことについては疑問を持っています。 それから、さて、私の郷里徳島の空気は、東京に比べるととても澄んでいます。私自身、自然あふれる徳島が大好きです。一方、東京の空気も、経済の高度成長期に比べると大分きれいになったように感じられます。これからも日本の空気がもっともっときれいになっていくように祈っています。 私は、人間の澄んだ心が澄んだ空気を作ると信じています。そして、澄んだ空気が澄んだ心の人間を育てると思っています。当たり前のことですが、空気がなければ私たちは生きられません。だから、空気を大切にすることは自分たち自身を大切にすることにほかならないと思います。 これまで、私たちは、空気を汚染することによって私たち自身を汚染してきました。そろそろ、私たちは、空気を大切にすることで私たち自身を大切に扱うことに気付かねばならないと思うんです。今こそ人類は、豊かさか環境かという二者択一の考えを捨て、環境を大切にすることこそ人間の真の豊かさをもたらすという真実に生きる必要があると思うんです。 鈴木大臣と同じ自民党の衆議院だった父が環境庁長官を務めていたときに、厳しい自動車の排ガス規制を行いました。そのことで、父は自動車メーカーなど産業界から、当時としては嫌われました。産業界主催のパーティーで父が会場に入ると、人がすっと避けるように近くからいなくなったことがあったようです。 けれども、父の苦労も無駄ではなかったのかもしれません。鈴木大臣が所信の中でおっしゃったように、日本の自動車排ガスの規制強化が自動車メーカーの技術革新を促し、その後の世界市場における日本の躍進の一因となったのかもしれません。 人間の政策によって人間の環境が決定します。私たち一人一人、そしてもちろん鈴木大臣の決断一つで、日本の未来、そして世界の未来に大きな影響を与えることができます。どうか大臣、澄んだ空気に包まれた地球の未来を見据え、環境行政の最高責任者として勇気を持った決断をされますことをお願いいたします。 環境行政に当たっての大臣の御決意をもう一度伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 高橋先生の御尊父、三木武夫先生が、昭和四十七年十二月から約二年余り環境庁長官をお務めになられたわけでありますが、環境庁ができましたのは昭和四十六年の七月でございますから、正に環境省の創成期に当たりまして、日本の環境行政の方向性を築かれた、そういう意味で大変大きな御功績を残されたと思っております。今、先生から御激励をいただいたわけでありますが、そうした諸先輩のこの御努力というものを無にしないように、私も今の職責を全うをして責任を果たしていきたいと思っております。 今、先生のお話の中で、空気の大切さというお話がございました。そしてまた、環境に対するいろいろな規制というものが、これがまたそこに新たな技術革新の要請を生み出して、そして、それによっていろいろな経済面での発展にも寄与するということを自動車の例も挙げてお述べになったところでございます。 御承知のとおり、御指摘のとおり、我が国の自動車産業の発展の歴史、これは環境問題の克服の歴史であったとも思います。自動車排出ガス規制の強化、これが、当時はもう自動車メーカーもこれはかなわぬということを言ったとしても、そこに、技術革新するというそういう要請を促して、そして今日、低公害車を始めといたしまして日本の自動車が国際市場で大変高い評価を受けているというのは先生の御指摘のあったとおりであると思います。 環境省といたしましても、大気汚染改善のために、国はもとより、関係者すべての努力を結集する必要があると思っておりますが、特に環境対策については、高い技術力を有する我が国の自動車メーカーの果たす役割は引き続き大きいと、そのように認識をしておるところであります。 空気をきれいにするということでございますが、環境省といたしましては、二〇〇五年に世界で一番厳しい自動車単体規制を導入するなど、排ガス規制の強化を進めます。それから、より低公害な自動車の技術開発及び市場への早期導入を督励をいたします。このような点について、自動車メーカーに対して環境対策への積極的な取組を求めてきたところであります。 今後とも、こうしたような取組を通じて、先生が空気をきれいにすることというのは極めて大切なことだという御指摘がございましたが、大都市の大気汚染の改善のための施策を関係省庁とも連携して強力に今後とも進めてまいりたいと考えております。
○高橋紀世子君 本当にそうしていただきたいと思います。 私自身、やはり環境に悪いことをしたらペナルティーを付けるというのはどうしても良くならないと思うんです。隠れて不法投棄したり、いろいろなことが起きますから。ただ、環境にいいことをしたら何か恩恵が得られる、それが税金なのかよく考えていかなければいけないとしても、システム全体に、環境にいいことをするとその方も恩恵を得られる、そういうふうなシステムを構築していかなければならないと思います。 それについてもう一度鈴木さんに、総理にお願いいたします。(「大臣だよ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境問題の取組というのは、これは、本当に国民一人一人が自分のできるところからやっていく、それの積み重ねというのがやはり基本だと思います。そういうことを考えますと、先生が今おっしゃったように、何か罰則とか、何か強制力をもってやらせるというんではなしに、いろいろな仕組みの中でそういう取組をエンカレッジしていくというような方向が必要であると思っております。 今、いろいろ環境教育にもつながる問題であると思いますが、民主党では法案をお出しになられたということを聞いておりますし、与党でもそうした取組もなされております。 いずれ、そういう環境に取り組むような社会の仕組みづくり、そういうものについてはもう重要な問題であると思っておりますので、そうした先生方のお取組とともに、環境省も十分研究をさせていただきたいと思います。
○高橋紀世子君 はい、分かりました。 私は、やはり戦争のことはどうしてもこだわりを持っております。これから、この人類の中に戦争がなくなるように、それはやっぱり環境にもプラスだと思いますので、皆さん、力を合わせてやっていただきたいと思います。 どうも。
○委員長(海野徹君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(海野徹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。 小川勝也君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各会派共同提案によります附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、被認定者に対する認定更新等が適切に行われるよう関係自治体の長を指導するとともに、治癒によって制度を離脱した者に対するフォローアップ事業についても、再発の防止に役立つよう努めること。また、被認定者の健康回復を図るための公害保健福祉事業については、その一層の充実強化を図ること。 二、補償給付額の改定に当たっては、被害者保護の本旨にもとることのないよう十分に配慮すること。 三、健康被害予防事業については、地域のニーズ、被認定者の要望等を十分に把握した上で、適切かつ効率的な実施に努めること。また、環境保健サーベイランスシステムについては、引き続き調査を実施し、その精度の向上に努め、必要に応じて適切な対策を講ずること。 四、近時の大気汚染訴訟の判決等を踏まえて、主要幹線道路沿道等の局地的な大気汚染による健康影響に関する調査を早期に実施するとともに、必要な被害者救済のための措置を検討すること。 五、大都市地域における二酸化窒素、浮遊粒子状物質等による大気汚染は、自動車交通量の増加等により、依然として深刻な状況にあることにかんがみ、自動車単体規制の強化、低公害車の普及促進に一層努めるとともに、交通量抑制策など自動車環境対策の総合的推進を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(海野徹君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(海野徹君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木環境大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
○委員長(海野徹君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十九分散会