環境委員会 第2号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/03/20
会議録
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に内閣府沖縄振興局長武田宗高君、警察庁刑事局長栗本英雄君、厚生労働大臣官房審議官青木豊君、経済産業省製造産業局次長仁坂吉伸君、環境大臣官房長松本省藏君、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君、環境省総合環境政策局長炭谷茂君、環境省総合環境政策局環境保健部長南川秀樹君、環境省地球環境局長岡澤和好君、環境省環境管理局水環境部長吉田徳久君及び環境省自然環境局長岩尾總一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(海野徹君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○愛知治郎君 おはようございます。自由民主党の愛知治郎でございます。 大臣の所信表明に対し質問させていただきます。 今、非常に重要な時期でもあるので、ちょっと気になることがありますので、そのこともちょっと触れたいと思います。 冒頭なんですが、この委員会、私自身、一年と七か月ぐらい大体所属していて、その中でもいろんな議論があったんですが、特に今非常に思いが深いというか、委員の御意見の中で思い当たるというか、意見を思い出しておるところでございます。高橋委員がずっと何度も何度もおっしゃっておりました、戦争というのは最大の環境破壊であると、これは絶対にあってはならないということを申しておりました。私自身もそのとおりだと思います。 そして、これはいろんな事情がありますけれども、今、その最大の環境破壊というのが行われようとしている。これは非常に残念なことだと思います。いろんな事情がありますので、何が正しいとか間違っているとか、なかなか言いづらい部分があるんですが、いずれにせよ戦争が起きれば環境破壊は起こってしまう。大変遺憾ではありますけれども、この点について、大臣の感想というかお考えをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。 今、愛知先生から、戦争というものが環境の破壊に対する最大なものであるというお話ございました。たしか、さきの臨時国会におきましても、高橋先生からも同様な御指摘をいただいたところであります。 環境破壊ということを考えてみますと、大規模に環境が破壊される、これは様々あると思います。例えば大水害でありますとか、大型のハリケーンでありますとか、自然に発火するような山火事、こういったものでも環境は大規模に破壊されるわけでありますが、これらはいずれも自然現象の中での破壊であります。 戦争というのは人が起こすものでありますから、人為的に行われる環境破壊というものであれば、これは愛知先生、高橋先生が御指摘のとおり、やはり戦争というのは環境に対する大きな破壊ということになる、そういう認識は私も持っているところでございます。
○愛知治郎君 本当に残念な結果が生まれようとしております。何とかこれが回避されればと最後の最後まで私自身も考えている次第でございます。 また、もちろん環境破壊を止めるということは大事なことですし、あってはならないことでありますが、その環境をいずれまた取り戻していかなくちゃいけない、それから、その回復を我々はしていかなくちゃいけないということも課題となってくると思います。 戦争についてはそれぐらいにしまして、次の所信に対する質問をさせていただきます。 先ほども言いましたけれども、私自身、一年七か月余りですか、環境委員会で委員として仕事をさせていただいておるところではあるんですが、その間、最初に川口大臣、そして大木大臣、今、鈴木大臣と、お三方にこうやって質問することになるとは私自身思っていなかったんですが、いずれにせよ、今回の所信、鈴木大臣の所信を見ましても、すごく前向きな、積極的な取組をされるということで大変に期待をしております。是非、責任を持ってしっかりと環境行政に当たっていただきたいと思います。よろしくお願いします。 その中身なんですが、一言、まず冒頭、全般なんですが、環境の保全という見地から一生懸命環境の保全に取り組んでいくとか、環境行政に取り組んでいくとおっしゃられておりますけれども、私自身は、是非、保全というのはもちろん大前提でございますし、力を入れていくべきだと思うんですが、環境、これはちょっと難しい哲学的なテーマになっちゃうかもしれないですけれども、環境を保全、保護していくだけではなくて、ベストな環境、人間にとって、生物にとってベストな環境を創出していかなくちゃいけない、そういう目的も十分考えられるというか、していかなくちゃいけないと私自身は考えております。 その点で、ベストな、より良い環境を創出していくための、環境との共生に向けた取組というのはどのような観点というか考えをお持ちでしょうか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。 大変レベルの高いというか哲学的な御質問でございますので、的確にお答えできるかどうか分かりませんけれども、若干指針を含めてお答えさせていただきたいと思います。 常により良い環境を目指して取り組むことはもう本当に重要なことだと思うんですけれども、月並みの言葉で大変申し訳ないんですけれども、基本的に二十世紀の時代というのは、私たち人類が大変豊かになって便利になった、人類の中で最も便利になった時代だと言われておりますけれども、その反面、最も地球に負荷を与えて、そしてそういう時代であったと、そういうようなことだと思います。 それからまた、今までは地球が無限であり、そして劣化しない地球であるというものが、これがもう正にその範囲を超えて劣化する地球である、有限であるということが証明された時代がこの二十世紀だと言われておるわけでございますけれども、そういう中で私たちは、残された自然だとか環境の保全を強化するだけではなくて、損なわれた自然環境を健全によみがえらせるということが非常に大切であると、そういうふうに先生がおっしゃるようなことを我々も念頭に置いていかなくてはならないと思っておりますけれども、このためには大変地道な努力と、そしてまた場合によっては、今まで得てきた利益のまたその反面、大変多くの資金が必要になるのではないかなと我々は想像しております。また、そういった意味では諸先生の皆様方の御理解と御指導をお願いしたいなというふうに思っております。 このような背景の下に、昨年三月には、保全の強化、自然再生、持続可能な利用を三つの柱とする新生物多様性国家戦略を政府として決定して、自然と共生する社会の実現を目指したいと、こういうことで進めさせていただいております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。大変抽象的な質問だったんで、答えにくかったかと思いますけれども、ありがとうございました。 ただ、これだけは、自分自身の考え方ではあるんですが、やはり今あるものをしっかり守っていくというのは、これはある意味では分かりやすいと。目に見えるものをそのまま保存していこうというので分かりやすいんですが、例えば一度失われた自然を回復しようということになりますと、一体いつごろまでの自然なのか。極論を言ってしまえばですけれども、原始時代に戻るのか、それとも例えば江戸時代、田んぼとかそういう風景というのがベストなのか。それはしっかりと見極めながら、コントロールをしながら考えて、ベストな状態を作らなくちゃいけない。 言っている我ながらというか自分自身も大変難しいなと思うんですが、だからこそ次の質問をしたかったんですけれども、この環境分野というのは何が正しいかというのがよく分かっていない部分が多いと思うんですね。先ほど、前述したように、どこまで回復するべきかとか、どういう形がベストなのか、もっともっと研究をする必要があるであろうと。 そしてもう一つ、その先につなげる、所信にもある話なんですが、環境教育、環境学習をどんどん推進していくべきだと大臣はおっしゃられておるんですが、そのためにも何を教えていいのか、何を学習していくのかということをある程度指針のようなものがないと、やはり学ぶ側としても分からない。我々としても、しっかりとしたこうあるべきだというのは、議論のたたき台でもいいんですが、学問がないとどうしても混乱してしまう。何がいいのか分からなくなっちゃうと。その点で、しっかりと環境学というのが確立してほしいと私自身は考えるんですが、その点の取組、大変難しいと思うんですが、どのように取り組むのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(望月義夫君) 先生のおっしゃったように、持続可能な社会を構築していく上で、環境教育、環境学習は極めて重要であると私たちもその認識をしております。 環境省では、環境学習プログラムの作成、提供や、こどもエコクラブの事業、環境カウンセラー登録制度の事業等、これは月並みで大変申し訳ないんですけれども、実施をしているところでございます。なお一層の推進を、環境学習だとか環境教育の、図っていくためには、その基礎となる環境に関する研究の発展、大学等における取組に加えて、環境省においてもその推進を図っていきたいと、このように考えておるところでございます。 実は私、そういったことでいろいろ調べさせていただいたんですけれども、最近といいますか、近年はいろんな大学に環境の学部ができてきたと。京都大学でも京都大学環境地球工学科というようなものが新しくできて、もう勉強する生徒が非常に多くなってきている。あるいはまた、頭に鳥取環境大学、ちょっとこれ先ほど調べたばかりですので、大学の名前に環境というような名前を付けるというようなことで、大変我々にとっても有り難いことであって、環境に対する認識というものが非常に深まってきたのではないかなと。 そしてまた、この環境学というものを確立していかなくてはいけない、社会的地位を与えていかなきゃいけないのではないかなというふうに考えております。国立環境研究所や地球環境戦略研究機関等を、総合推進費の活用等によって環境に関する研究の推進を進めていきたいと思っております。 そしてまた、これは私、実は昨日、地元から送ってきた、市役所の職員が、実は環境学習というのは子供たちにやっているんだと、たまたま昨日、私のところに手紙が、ごみの収集をやっている皆さんからいただきました。そこで、非常に子供たちが環境に対して我々大人が考える以上に大切だというようなことをいただいております。その中に一つ、日本のごみが太平洋の生き物たちを死なしている、それはみんなが何げなく捨てているお菓子の袋やおもちゃの袋が原因だと。子供たちがこういうようなことを言えるようになってきていると。 正に、環境教育、環境学習、環境学というものをこれから進めていくことが最も環境問題の基本的な問題ではないかなというふうに我々は考えておりまして、先生の御指摘、最も重要な問題だと考えております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 今のお話を聞いて、私自身も大変参考になりましたし、可能性というか希望はすごくあるんだなということを教えられた気がします。環境学というか、自分自身もそうなんですけれども、そうやって子供たちとかいろんな人が一緒にかかわって環境問題に取り組んでいく上で、逆に我々も、私自身もそうですけれども、大人たちも子供から多くのことを学べるのかな、そして積み重ねていって、本当に環境学というか、環境という考え方ができてくるのかなということを今もちょっとまた改めて教えられたような気がします。ありがとうございます。 ただ、一点だけちょっと怖いなと思ったのは、環境という言葉だけ乱発するというか、何でもかんでもイメージということで環境だけ付けてしまうという可能性もありますので、その点ではしっかり環境省、大臣中心として監督、コントロールをしていってほしいなというふうに考えております。そのためには、予算であるとか、また人手が足りないとかという問題はあると思うんですが、それも積極的に取り組んでいただければ幸いかと思います。 私自身にとって、今、日本の閉塞状況の中で、この環境というのは、ある意味なぜもっとみんな言わないのかな、言っては、政府で取り組んでいますけれども、本当に大きなチャンスだと思います。ピンチのときこそ最大のチャンスだとよく言われますけれども、自分にとってはチャンスとしか思えないというのがあるんで、是非積極的にそのチャンスをものにしていってほしい。日本が大きく飛躍するための大きな可能性を秘めている分野だと考えておりますので、その点、所信の中にもありましたので、御質問をさせていただきたいと思います。 所信の中に、環境の保全と経済の活性化との一体化というお話をされておりますけれども、これもだんだん段階的にどんどん進んできているというか、大臣替わって、いろいろお話あるんですが、環境と経済の両立という話ございましたし、今はお互いに本当に両輪として活用、活用し合うというか、協力し合っていきましょうという方向性がどんどん明確に出てきているような気がするんですが、この点、私自身、大変有り難く思いますし、積極的に取り組んでいってほしいと思うんですが、その中身についてちょっと御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境と経済の両立の話でありますが、昨年、環境大臣を拝命いたしましたときに総理から、これからは環境と経済を両立をする、このことを前提に施策を考えるようにという御指示がございました。これは、なかなかまだ、何と申しますか、きちっとした定義付けというのはなされていないんだと思うのでありますが、振り返って考えてみますと、昭和四十年代半ば、高度経済成長をするという時代、そのころは産業公害というのが本当に激しく各地で起こりました。四日市コンビナート公害でありますとか水俣病もそうであると思います。 そのころは、もう経済発展をすれば必ず公害という環境破壊が起こるという、そういう時代であったと思いますが、しかし、その後、公害対策等、技術も進みますし、制度も整うということの中で、今日は経済活動をしても、それは一部環境は壊しますけれども以前ほどではない。大分環境配慮がなされて、そして経済活動が進んでも、しかし環境破壊というものはある程度限定的なものになるというところまで進んで来つつあるのではないかと思います。 しかし、それを今後、環境と経済を両立させて、経済成長をしても、しかし環境は破壊しない、そういう段階が一つあると思いますし、それを更に一歩進めれば、経済活動の中に環境配慮システムというものが完全に取り込まれて、経済活動をすればするほど環境保全というのもどんどん進んでいくという、そういう段階もまたあるのではないかと、そんなふうに思っております。 しかし、それはまだきちっとした定義付けというのもないし、論理的に体系付けられているものもないと思いますが、昨年の暮れに環境省の中に環境と経済活動に関する懇談会というのを作っていただきまして、これは産業界の皆さん方、それからベンチャービジネスで環境ビジネスを先進的に進める方々、有識者の方々集まっての懇談会を開いていただいております。私も毎回参加をさせて議論に加わっておりますが、そういうことを通じて、こうした経済と環境の両立、更にそれを統合に向けてどういう道筋で行ったらいいのか、そういうことについてもきちっとした考えをまとめていきたいと思っております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 積極的にそうやって取り組んでおられるということをお聞きしまして、楽しみなことだと思っておりますので、大変期待をしております。 続いてなんですが、是非積極的にやっていかなくちゃいけないんですけれども、具体的にどんどん取り組んでいかなくちゃいけないことの一つで、所信にもありましたが、温暖化対策税という、まあ検討ということなのでまだ中身については多分はっきりはしていないんでしょうが、この点について、基本的に二酸化炭素の排出抑制対策の一環というか、そういった視点があるとは思うんですが、やはり一番大事な税金ですから、何に使うか、どのような使途があるのかということを、今検討しておる段階で構わないんですが、ある程度のものをお聞かせいただければ幸いかと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 温暖化対策につきましてはステップ・バイ・ステップのアプローチということで進めておりますけれども、温暖化対策税については、第二ステップの始まる二〇〇五年以降、必要があれば早い時期にこの導入を検討するということにしておりまして、現在、中央環境審議会の地球温暖化対策税制専門委員会におきまして具体的な案の取りまとめをしているところでございます。 御指摘の使途につきましても、その専門委員会の中での検討で、検討の対象にすることにしておりますけれども、想定されます使途といたしましては、例えば燃料電池や省エネなどの環境保全技術の開発や普及あるいは吸収源対策の推進といったものが考えられると思います。 いずれにしても、こうした対策につきましては、温暖化対策上の効果が高いというものであると同時に、環境産業の発展等を通じて、我が国経済の活性化と新たな雇用の創出にも資するようなものを選定していくことが必要だろうと考えております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 私自身としては、温暖化対策税というのもあるんですが、やはり、先ほどずっと申し上げておりましたけれども、研究であるとか、ちょっと時間がないんで先に言いますけれども、化学物質に関しての研究調査というのもありますし、人手が足りないということもありますし、いろんな面で積極的に取り組んでいくために広範な使途を検討すべきだと、そういった広範な使途があるような税金というか、考え方で積極的に取り組んでいってほしいなというふうに考えております。 ちょっと違う視点なんですが、先ほど戦争の話ありましたけれども、これが、京都議定書ということで日本は積極的に地球環境の問題に取り組んできたわけなんですが、それで、所信の中にもありましたけれども、米国や途上国を含むすべての国が参加する共通のルールの構築のための政策対話を進めること、もう本当にそのとおりなんですけれども、逆に、その問題というか、今、イラクの問題ありますけれども、アメリカの問題ありますけれども、これは過渡期でもありますし、チャンスでもあるのかなというふうに考えております。 といいますのも、アメリカはなかなか京都議定書に参加してくれる様子がない。今回、ちょっと違いますけれども、環境破壊という戦争を行っていること、これはまたちょっと事情が違うんですが、少なくともアメリカに対して働き掛けを、この環境に対する働き掛けをするチャンスでもあると思うんで、その点について御所見をお伺いしたいです。
○国務大臣(鈴木俊一君) この地球温暖化対策、とりわけ京都議定書に対します日本の立場というものは原則がございます。それは、もう早期発効を目指す、それからもう一つは途上国、先進国を含めてグローバルな取組を進めると、これが基本的な立場でございます。 その中で、今、アメリカの参加というものをもっと積極的に促すべきではないかと、こういうお話でございましたが、これもなかなか今、アメリカの態度、明確に京都議定書に参加をしないということを表明している中で、なかなかこれは、何といいましょうか厳しい状況にはございますが、しかし、私どもは、先ほど申し上げました原則の中で、いろいろなレベルでこのアメリカに対する京都議定書への参加といいますものは働き掛けを今までもいたしているところでございます。日米ハイレベル協議というものもございますし、私自身も昨年十月、COP8に参加いたしましたが、そのときにバイ会談でアメリカの次官にお会いしてこのことを申し上げたところでございます。 今後ともこうした働き掛けを進めていきたいと、こういうふうに思っておりますけれども、政府間だけではなしに、民間レベルでの働き掛けというものも私は重要ではないかと思っております。 実は来年度予算で日米気候変動問題セミナー実施事業というものを予算要求をさせていただいておりますが、そこでは、州とか地方自治体、企業、シンクタンク、研究者、こういう方々がお互いセミナーを開くという場を設定したいと思っておりますので、例えばこういう場も通じて、いろんなチャネルで、こうしたグローバルな取組に向けてのアメリカの参加というものは働き掛けを続けてまいりたいと思っております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 この問題はなかなか、温暖化は、特に取り組んでおられて分かると思うんですが、私自身もそうなんですが、実感がわかないという問題でもありますので、それを一生懸命巻き込むというか仲間に入ってやってもらうのは難しい話だとは思うんですけれども、粘り強く、そして積極的に働き掛けを行っていただきたいと、これはお願いでございます。 次の質問に移らさせていただきます。 これも所信で、ナノテクノロジーを活用した環境技術開発ということをおっしゃられておりますけれども、多分この所信の中では単なる一例だと思うんですけれども、ナノだけではなくて、バイオであるとか自然エネルギー、もういろんな分野においてこの技術開発の必要性とあとは可能性が秘められていると思うんですが、その辺の取組、このナノだけじゃなくて、ほかの部分ですね、取組というのはどのように検討されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) まずバイオにつきましては、環境省といたしましては、廃棄物などを利用いたしましたバイオマスを資源やエネルギーとして利用する技術、またバイオテクノロジーを応用いたしまして土壌や水質の浄化技術などの開発に取り組んでいると、取り組んでいきたいというふうに考えております。 また、バイオテクノロジーを、利用に伴う環境影響の防止という面も必要でございます。例えば遺伝子組換え生物による生物多様性への影響を防止するという法案も今国会に提出するなど、その取組を進めていかなければいけないというふうに考えております。 次に、自然エネルギーにつきましては、地球温暖化推進大綱におきましても二酸化炭素の削減対策としての柱として位置付けているところでございます。環境省といたしましては、今の申し上げましたバイオのほか、バイオマスのほか、例えば風力等を利用した自然エネルギーの利用技術の開発という面について、関係各省と連携をしながら積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。 積極的に取り組むというお話をしていただいたんですが、やはり技術開発だとか研究だとか、いろんな面で積極的に取り組んでいかなくてはいけない、今もうやられておるということなんですが、もっともっとやっていかなくちゃいけないということだと思います。 時間がちょっとぎりぎりあるんで、先ほどできなかった質問、できないと思っていた質問をさせていただきますが、今の技術開発というのももちろんなんですが、化学物質に関して、これは調査研究をしなくちゃいけないんですけれども、やはり今、日本が、環境省さんが持っておられる調査研究の技術的なものとか施設とか予算とかの面あると思うんですが、諸外国にやはり劣っているんじゃないかというふうに思うんですが、その点の取組、どのような状況か、お聞かせを願います。
○政府参考人(南川秀樹君) 化学物質に関しましての環境面の調査研究、これは化学産業自体の発展を追い掛ける形で進展してまいりました。そういう意味では、立ち上がりが欧米に比べて後れたということはあると思いますが、今日では、我が国における化学物質に関する調査研究も先進工業国の一つとして世界水準に達しているというふうに考えております。 一例といたしましては、例えば環境ホルモンでございますが、これは戦略計画を作りまして調査研究を鋭意進めております。その中で、ノニルフェノールにつきまして、世界で初めて魚類に対する攪乱作用を有することを確認したりいたしましたし、またメダカの性決定遺伝子を発見、同定などをいたしております。もちろんこれ以外にも、OECDの場あるいは国連の場を通じまして日米欧が現在同等の立場で分担、協力して様々な化学物質の評価などを実施しております。 今後とも、独善に陥ることなく、海外の情報も十分集めながらでございますけれども、世界的に質の高い成果を提供できるようにやってまいりますし、予算的にも、五年前に比べますと、化学物質、理解いただいておりまして、二・五倍程度に伸びております。そういう意味で、これからも一生懸命取り組んでまいりたいと考えます。
○愛知治郎君 ありがとうございました。 どうぞ積極的に継続的に責任を持って環境行政に当たっていただきたいと激励を申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也です。 今日は、ちょっとまとまった時間をいただきましたので、大臣と禅問答でもしようかと、そんな準備をしてまいりました。 今も愛知委員から御質問がありました環境と経済、いろんなところで使われている言葉でありますし、経済一辺倒から環境にも配慮するという、そんな形に社会がなってきたことに一定の評価をしております。しかしながら、経済というのがやはり非常に大きな地位を占めておって、経済は一番大事だけれども環境に配慮するかというのがまだ今日の私たちの国の姿ではないかなというふうに思います。しかし、御承知のとおり、地球温暖化問題、あるいは今日京都で水フォーラムなどというのも開催されています。地球全体の問題、本当に一つしかない星に我々が住んでいる、そしてそれを傷付けてきた歴史あるいは傷付けている現在、様々なことを考えたときに、本当にこれでいいのだろうかという疑問が私の中ではぬぐい去ることができません。 大臣所信のこの資料、ペーパーには私の傍線とラインマーカーがたくさん付けられています。大臣がこの委員会にいらっしゃって、この要旨を述べられたときに、一点一点、一字一句、私はなるほど同じ思いだということでうなずきながら聞きました。しかしながら、余計な言い方かもしれませんけれども、我々の社会とか、今日の政治情勢とか、あるいは様々な人の営みとか欲とか思いの中で、与えられた条件の中で精一杯大臣の務めを果たしておられる。非常に失礼な言い方かもしれませんけれども、与えられた環境の中で精一杯やっているという、そんな言い方もできるんではないかなというふうに思います。 例えば、環境庁が環境省になって、いろんな私の部屋に参ります役所の方とお話をしました。確かに環境庁のときよりも大変仕事がしやすくなったと。これは私の言う附帯状況、環境が変化したということであります。与えられた環境の中で一生懸命やっておられるのは分かるんだけれども、さらに、この大臣の活動や思いやあるいは環境省の皆さんの思いが、すなわち現実として、事実として思いが成就するような大きな土俵を作っていきたい、そんな思いから質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず、こういう大臣がすばらしい思いを大臣の所信ということで委員会で表明をしていただきました。与えられたこの我々の土俵ということでいいますと、政府がどうその環境問題や環境施策を実行していくかということだと思います。今、小泉総理、国際問題を中心に苦渋の決断をされたところだというふうに思いますけれども、私は、小泉総理は構造改革については非常に強い思いを持っていたけれども、この地球や日本のこの環境の問題に関して置かれている現状や変えていかなきゃならないという強い思いを私は感ずることができませんでした。 であるならば、ここに書いてあることが本当の思いであるならば、小泉総理やほかの国務大臣に、環境は重要なんだ、世界の中の一員としてもっともっとやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ、国民もそう望んでいるんだということを私はまず総理大臣と閣僚の皆さんに強く訴えてほしいと思う。閣議というのは、いわゆるセレモニー的なことが中心となると思いますけれども、閣僚懇談会なども開催されておられると思いますし、あるいは閣議、閣僚懇が終わった後、当然のことながら雑談の時間等もあると思います。大臣は、就任されてから、この環境問題の重要さ、どんなイシューでも構いません、多くの国務大臣の皆さんにどんな思いを伝えてこられましたでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 小川先生から、環境行政に対する更なる進展のために大変力強い激励もいただきましたし、またいろいろ従来も御指導をいただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。 私、今、先生の御指摘にございますとおり、環境大臣に就任いたしまして気が付きました、改めて気が付きました点は、これはやはり、環境行政というのは、環境問題というのは、いろいろな行政に、省庁間にまたがっていて、環境省だけの問題ではない。やはり環境問題を進めていくためには、それぞれの各省と連携しながらやっていかなければならない。しかし、環境保全、環境ということでありますから、その中でいかに、各省との連携はあっても、環境省がイニシアチブを取っていくかと、こういうことであろうかということをつくづく感じたところでございます。 他の閣僚、総理に対してどういうような働き掛けをしているのかというお話でございましたが、例えば先週一週間でも、先週の十四日、循環型社会形成推進基本計画が閣議に掛かりました。その折には、この基本計画の意義、重要性、それから各省間にまたがりますので、これについての各大臣への要請というのをお願いをいたしたところであります。 それから、同じ先週でありますけれども、ODA関係閣僚会議というのがございました。これは十年ぶりにODA大綱を見直すということでございます。そこの目的の中に、従来ODAと申しますのはやはり各国の要請主義でございますから、ともしますと、低開発国からは社会資本整備を進めたい、ダムを造るとか様々なものを造るという中で環境というものが配慮されない、そういうようなODAというものは、これはおかしいと。やはり今の大綱にも書いてあるわけでございますが、引き続き、今度の見直しにおいても、こうした環境配慮というものをODA大綱に書くようにという、そういうことも先週発言をしたところでありますし、また総理にも、これは先週でしたか先々週でしたか、ちょっと日にち忘れましたけれども、官邸に伺いまして、この循環基本計画につきまして事前に十分説明をさせていただいたところでございます。 これまでも、閣議におきましては、低公害車や燃料自動車への率先導入の問題、バイオマス・ニッポン総合戦略への協力要請、それから中央省庁における食堂の生ごみリサイクルへの協力要請等についても発言をいたしておりますし、このほかにも今度、沖縄の普天間基地が、これが移設をされるということでありまして、代替施設建設協議会というのがございます。そこの場でも、この移設を行うに当たっては環境配慮というものをしっかりやってもらわなくては困るというような発言もさせていただいてきたところでございます。 さらに、各閣僚への働き掛けということを申し上げますと、この国会にお願いをいたしております過去の廃棄物、時限立法で十年間でこれを一掃しようということでございますが、従来、こうした廃棄物の撤去と申しますか、原状回復には地方財政措置というのが取られておりませんでした。これによって代執行をする都道府県の負担というのが大変大きかったわけでございますが、総務大臣に直接掛け合いまして、この地方財政措置というのを認めていただいたこともございますし、またエネルギー特会の見直しにおきましては、このエネルギー特会の見直しというのは、あくまで環境省が従来から主張しております大綱の中の第一ステップにおけるエネルギーへの、特別会計のグリーン化であって、私たちが目指している温暖化対策税とは全く別物ですよという、その基本的な位置付けというのもきちんとお互いに確認をさせていただいたところでございます。 いずれ各省庁にまたがる課題が多い中で、環境省としていかにイニシアチブを取っていくかということは本当に先生の御指摘のとおり大切なことであると思います。私自身、至らぬところが多いかと思いますが、今の先生の御指摘も受けて、しっかりと今後とも対応してまいりたいと思っております。
○小川勝也君 総理の環境問題全般に対する御認識とか情熱はどのように感じておられますか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 総理とお会いしてみますと、環境問題に対する関心というのはかなりお持ちであると、そういうふうに思っております。小泉内閣ができましてからも、早々、公用車の低公害自動車への切替えということを進められましたし、それから中央省庁の食堂の食品廃棄物のリサイクルの問題も大変関心がおありであります。 それから、先般、総理のところに伺ったときも、例えばごみの減量化という中で、スタジアムなどで使う紙コップに代わるリユースカップを今後Jリーグとか野球で使うというようなことで現物をもって説明をいたしましたところ、とてもそれの推進をやっぱり言っておられましたし、それからその際一つ出てきましたのは、例えば間伐材なんかをもっと使うべきだと。町などにはよくコンクリートで、擬木というんでしょうか、わざわざ丸太のような形にやってお金を掛けてやっているのであれば、それはそのまま木を使ったらいいんじゃないかというような具体的な指示もございましたし、そういう意味では、決して環境問題を何かこう軽くとらわれているということではないと、そういうふうに理解をしております。
○小川勝也君 総理のリーダーシップはすばらしい点もたくさんあると私は評価しています。その中で、公約だったのかどうだったのかは別として、一内閣一閣僚という言い方がありました。それともう一つは、思いの中で、役所が考えていることを大臣が具現化するというそんな比重から、大臣がやはり政治家としてどういう思いを持っているのかということを閣議で決まったことをそれぞれの役所にどう伝えていくのかという大臣の役割の比重の問題ですけれども、どちらかというと後者の方向に力を向けた内閣だというふうに私は評価をいたしました。政治家のリーダーシップ、内閣が決めたことをそれぞれ担当の役所に伝えて、それを具現化していく、そんな時代に近付いておるんだろうかというふうに思いますし、そのことは大変すばらしい方向性だというふうに思います。 そういう認識に立ちまして、例えば、今日、私、ここで委員会で質問に立たせていただいております。小川が質問した内容の中でちょっと気になる点があるな、これは例えば農林水産大臣の所管だ、大臣が政治家として素直に、ああ、気になる質問だったなというふうに感じる問題がもしあったとしたら、例えば農林水産大臣とか国土交通大臣とかに、こんな問題がありました、質問でこんな問題を指摘されて、ちょっと調べてみたらこんな状況なんですね、ちょっと一緒に勉強してみませんか、こんなことも期待していいでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 非常にまたがっているというお話をしましたが、それとこう、何というんでしょうか接点と申しますか、非常に線引きが難しい点もございます。 実は、これは一例でございますが、衆議院で、衆議院の田端代議士から質問を受けました。その内容は、カネミ油症の患者さんが、従来はPCBの被害だと、こう思われていたけれども、実はこれが変質をして、ダイオキシンにおける健康被害である、したがってダイオキシンを所掌する環境省としてこれはどうにかならないのかという御趣旨でございました。 ただ、健康被害に対する環境省の立場というのは公害ということになりますので、公害というのは、そういう物質が、悪い物質が一回環境中に放出されて、それが健康被害を与える、例えば水俣病の場合も、海という環境中に放出されて、それを魚が食べて、それをまた食べた人間が影響を受けるというのが公害であって、この場合はぬか油を、米ぬか油を作る過程で直接汚染をされたということでありますから、これは公害としては難しいという趣旨のお話をしました。 しかし、そういうお話もございましたので、私、坂口厚生労働大臣にお会いをいたしまして、これは厚生労働省の所管であるけれども、例えば環境省としても、水とか土壌とか空気とか、そういう普通の環境中にあるダイオキシンが通常の人が被曝をしている、そういうデータの蓄積があるので、今後、厚生労働省として患者の方の認定基準を作るようなときには、その対比として正常人の数値というデータ、これは環境省も持っておるので積極的に協力をさせて、お申出があれば協力させていただきたいということを厚生労働大臣にもお話をした経緯もございます。 そういうことで、今の先生の御指摘もそういうような方向で進めていきたいと思います。
○小川勝也君 今、大臣から御答弁があったとおり、環境の問題、環境行政を遂行しようとすると、多くの役所と関係を持ってくると思います。特に厚生労働省、経済産業省、あるいはさきの臨時国会でできました法案などは、自然再生法などは農林水産省や国土交通省との関係が濃密になってくる。冒頭も申し上げましたけれども、以前にも増してほかの役所と折衝をしなきゃいけない状況ができたときには充実した内容が結果として得られてきていると、こんな実感があるんだという役所の幹部の方のお話もいただきました。 大臣は、環境庁のときから御就任をいただいているわけではありませんけれども、そういった環境省全体のパワーが右肩上がりであるという、そんな思いについてどんな御感想をお持ちなのか、御披瀝をいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) これは基本的なその源泉と申しますか、それはやはり国民の皆さんの環境に対する関心の高さ、そういうことが近年高まっている、それを受けて行政としてまた環境省のいろいろな発言というものも受け入れられるようになっていると、そういうことであると思います。やはり基本は、国民の皆様方の環境問題に対する意識の高まりにあると思います。 そして、これは独り環境省が何か力が増してきたとか、そういうことではなしに、ではなしにというか、それのみならず、役所の方も、各役所の方におきましても、例えば経済産業省においても、あのエネルギー特会、来年度から環境省と共管で一部やっていくというようなことにもなりましたし、例えば国土交通省におきましても、この国会で社会資本整備の長期計画をお出ししておりますが、その中で明確に環境配慮ということを法律の中にうたっているという具合に、各省庁においても、やはり国民の皆様方の環境に対する、環境政策に対する期待ですとか環境問題に対する高まり、そういうものを意識されて、そういう方面も進んでいるんだということで、やはりそういう、何といいますか、力の源泉といいますか、一番の基本は、国民の皆様方の環境問題に対する意識の高まりであると、期待の高まりであると、そういうふうに思っております。
○小川勝也君 ますます、これ、国民世論の追い風を受けてどんどん強くなっていかなきゃならない分野だと思いますので、私も一生懸命その役割を果たしていきたいというふうに思います。 さて、世界という言葉、あるいは地球という言葉、難しい言葉ですけれども、表現の使い方が不適切だったら御容赦をいただきたいと思います。 特に私たちの国は、これ、江戸時代辺りは鎖国をしていました。しかし、情報は今瞬時に入ってくる時代になりました。その前ですけれども、人や物が入ってくるようになりました。ということで、私たちの国の制度やシステムというのが一国だけで何かできない時代になってきたな、こんな実感を持っています。 例えば、今WTOの農産物交渉、これは我が国農業にとっての大きな正念場を迎えている問題だろうというふうに思いますけれども、食糧さえも国境を越えてくる。そして、私たちの国は経済、貿易、輸出、これを非常に大事にしてまいりましたし、私たちが、別の言い方をすると、私が大きくなったのは、その経済とか貿易とか輸出の恩恵によって大きくなってきたのかもしれない。しかし、今そのことを守らんがために私たちの国の農業が瀕死の状況になっているんだというふうに思います。そして、様々なものがこの日本の中に入ってくる。農産物、小麦の自給率は御承知のとおり一けた、それは安いものを買うという経済が、あるいは経済というその大原則があるからだろうというふうに思います。 私が今申し上げたいのは、安いものを買う、そして欲しいものを買う、お金をゲットした人は次々に生活を変化させていくことができる社会になりました。一方で、世界は広いので、三百年前と同じライフスタイルを堅持しておられる方も一方でいます。私たちは、一九四五年を境に、大変厳しい生活状況から、今不景気と言われているけれども、今日の繁栄、例えばテレビは家に、一軒の家に三台ある、エアコンは各室に付いている、車は一軒に一台ではなくて、一軒に二台、三台になってしまう。 あるいは、去年アメリカ合衆国に行ってまいりました。飛行機の着陸寸前に空から見上げますと、日本の住宅事情はこんなに経済大国になってもまだまだだなと。空から見ておりましたら、敷地はどのぐらいあるか分かりませんけれども、その敷地の中に木が生えていて、そして空から水が見える、これはプールです。あるいは、アメ車と呼ばれる大型車がだんだんだんと駐車してある。こういう繁栄というのもあるのかなと。 そう考えたときに、この環境の問題ということとその経済活動と、いわゆる資本主義社会において自己目的を達成された人が歩んでいくその道のりとの矛盾というのを私は感じました。このことに気付いているのは私だけだろうとは思いません。やっぱり制度も大事だし、システムも大事なものはあるでしょう。 今、時あたかも水フォーラム、水は大事だ、水が得られないんだという人がいます。食糧が得られないんだ、子供が飢え死にするんだという地域もあるでしょう。予防接種ができないんだという地域もあるでしょう。その反面、例えば分かりやすく言うと、アメリカ合衆国や私たちの国では排気ガス、二酸化炭素を排出する自動車をたくさん走らせ、そして、家族全員が同じ部屋にいたら暖房効率がいいのに、それぞれのプライベートのお部屋で暖房を使わせていただいている。そのことによって地球温暖化のためになるガスを発生させているのは言うまでもないことだし、経済活動がうまくいってもうかっているんだから当たり前じゃないかといって片付けられるのかどうか。果たして、じゃ、おまえは、日本の江戸時代に戻れと言うのかと。そんなこと以外にいろんな言い方とか考え方というのはあるんだろうというふうに思います。 私の言い方がうまくいったかどうか分かりませんけれども、そういう世界の中での富が集積している地域の人たちが地球環境に負荷を与えていたり、地球全体の資源を浪費しながら生活をしていることについて、大臣はどんな思いを持たれるのか、お話を聞いてみたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 私は、人類というものがこの世に生存する限り、人類は常に発展を目指していく、そういうものだと思うんです。しかし、もはや今、先生も御指摘になられましたように、環境の制約あるいは資源の制約ということもございまして、もはや自分の生存基盤を壊すようなそういう発展というのはもう今後望むべくもない、そういう状況に今人類は立ち至っていると思います。 そして、今我々が直面している様々な環境問題、この発生というものを考えてみますと、これはもう今の日本の国の、あるいは先進国の、アメリカの例を出されましたけれども、社会経済の在り方そのものにかかわっていると思います。大量生産、よく言われる大量消費、大量廃棄、こういう状況にございますし、またライフスタイルも、もうこれだけ多くのエネルギーを使って、そして利便性を追求するという、そういうライフスタイル、あります。多くの環境問題がこうした通常の事業活動でありますとかライフスタイル、人の生き方から派生しているということでございますので、やはりこういうところをしっかり変えていかなければならないと、そういうふうに思います。 そのためにはいろいろあると思います。環境教育とか環境学習とかあると思いますが、ライフスタイルを変えろと、こう言っても、何かなかなかそこにはうまくすぐ進まないものもあろうかと思いますが、やはり人間の価値観というものを今後変えていかなければいけないんではないかと、そういうふうに思います。今までは、人間の価値観というのは富とか財を、これを所有をするということであったかと思います。こういうものを変えていかなければならない。 実は、今度政府で決めました循環基本法、その中では、循環型社会の具体的なイメージというのを作っておりまして、その中では、これからは富とか財というものは、特に財は所有するのではなくて、例えばレンタルとかリースとか、そういうような環境に負荷の少ないような、そういうようなものにだんだん切り替えていくとか様々な、それから、もうスローなライフスタイル、これも、家具にしても例えば時計などにしてもしっかりしたものを買って、買ったらそれを修理をして、メンテナンスをして、長時間、長期間、家にしても使っていくと。 日本のようにわずか、家というのは何か二、三十年で大体建て替えちゃうんだそうでありますが、例えばそれをヨーロッパの国のように百年ぐらい使っていく、そういうようなものに変えていく。例えばメーカーの方も、そういうことで、すぐ壊れてどんどんモデルチェンジするようなものではなくて、手を入れれば十分長持ちするようなものを作っておくような配慮、そういうような循環型社会の具体的イメージというものを書いてありますが、そういうようなものを良しとするような価値観への変化、そういうものが一方において求められているんではないかと、そんなふうに思っております。
○小川勝也君 御認識を承りました。 冒頭、経済と環境、このことについて申し上げましたが、やはり経済は経済で一番大事なんだ、車はたくさん売れた方がいいし、住宅着工件数も多ければ多いほどいいという考え方を超越しないと環境問題の本質に迫れないんではないか、これは私の思いであります。大臣も同じ御認識の方向性で今は御答弁いただいたというふうに私は認識をいたします。 例えば、今大臣からももうお話がありましたように、世界にはお金持ちという人がいます。お金持ちになると、さっき言ったように別荘を建てて、車を何台も持って、自家用機まで持つ。こんなスタイルが本当に一番いいのかどうかということよりも、もっと別な価値を持っていかなきゃいけないのかなと、そんな思いも持っているところであります。 例えばODA、その国の経済が発展してくれるようにということで、私たちの国も、巨額ですね、巨額のODAを様々な国にしてまいりました。そして、その裏の思いは、これはうなずいていただけるかどうか分かりませんけれども、その国の経済が発展をして購買力が高くなって、日本からの製品を買ってもらえたらいいな、そんな思いも今まではあったかと思います。 しかし、考えてみてください。これはODAの対象国かどうか分かりませんけれども、お隣の中国、例えばアメリカ合衆国や私たちの国のような自動車保有台数、人口何人当たりに何台の車が持たれているかということを考えたときに、我々が様々な思いを持って様々な国や地域の経済発展を、その経済が発展する方向性にお世話をしたりした結果が、私たちの国も経済発展しておたくの国と同じような自動車を保有できる国になりましたといったときに、私たちの国がもうもたないんだそうであります。これはある学者の方の説でありますので真偽のほどは分かりませんけれども、中国大陸から私たちの国の方向に風が吹いてまいります。中国で日本並みのその自動車が出す排気ガスがその風に乗って日本列島に来たときに、日本の森林は壊滅をするんだそうであります。 あるいは、自動車が増えれば、私たちの国がかつてそうだったように、道路をたくさん建設いたします。道路というのは、諸説あろうかと思いますけれども、我々にとって本当に重要な地球の表面を奪い取る行為でもあります。そんなことを考えたときに、正に持続、持続可能な発展というキーワードがありましたけれども、我々の地球を持続させていくために我慢しなければならないことはたくさんあるんではないかというふうに思います。 そう考えたときに、大臣からもお話があったように、経済と環境というのは、言葉の上で多くの皆さん、もう理解していただける。けれども、実際は環境問題が経済を超越しなければならない分野がたくさんあるんだということ、そしてもう一つ、さはさりながらという言葉で片付けられない、我々自身が便利なライフスタイルを変えていかなければならないということも多々あるんじゃないかというふうに思います。 先ほども御言及がありましたけれども、環境の問題というのはいろいろな問題がありますけれども、その全部ではなくて一部でも我々がライフスタイルを変えなきゃいけないんだと、こういう分野があることに対してもう一度御言及をいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほども申し上げましたけれども、やはり私たちの日本も含め多くの先進国、これだけ多くのエネルギーを使ってこれだけの利便性を追求をしていると、こういうことでございますから、これを更に進めていけば、これはこのまま立ち行かないことになってしまうと、そういうふうに思っております。 環境基本計画の前文で、世界としてと申しますか、我が国としてと申しますか、今後進むべき三つの道というものが示されておりまして、その第一の道は、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄と消費パターンを今後とも続けていく。第二の道は、現在の社会の在り方を否定して、人間活動が環境に大きな影響を与えていなかった時代の社会経済に回帰する道。そして第三の道は、環境の制約を前提条件として受け入れて、その制約の中で資源やエネルギーを効率よく利用する努力を行いながら、これまでの生産と消費のパターンを見直して、これを持続可能なものに変えていく道という三つの道がございまして、環境基本計画ではこの第三の道を取るべきであると、こういうふうに書いてあるわけであります。 ここに生産と消費のパターンを見直すと、こういうふうに書いてあるわけでありますが、正にこれが日本の社会経済の見直し、そしてライフスタイルの見直しにつながるわけでありまして、先生の御指摘のとおり、このライフスタイルの見直しというのは大変重要な柱の一つであると、そういうふうに認識しております。
○小川勝也君 大臣おっしゃるとおりだと思います。 今、私たちがどんな生活をしているのか、ちょっと大げさに羅列してみますと、食糧の自給率が極めて低い、世界じゅうから農産物、水産物、食糧を輸入しているわけであります。それはいろんなところから来ているわけであります。 例えば、マングローブの林をつぶしてできたエビの養殖場からエビを輸入する。本来、私たちが家畜のえさにするために輸入しているものであっても、もっと貧しい国で言うと人間の食糧になるものを家畜飼料として輸入しているものもある。 あるいは、中東から石油を運んできて様々な形でそれを消費しています。例えば、石油は工場で様々な化学製品に化けます。百円ショップで売られているものはそういった原材料から作られているものが多いかもしれないけれども、先ほどの大臣がお話ししたいいものを長く使うということからすると、全く逆の生活だろうというふうに思います。そして残念ながら、その生産拠点は日本にはない。 あるいは大量輸送機関というのがあります。A地点からB地点に行くときバスに五十人乗っていけば、それはバスの方が排気量が多いので多くのガソリンや軽油を消費するかもしれないけれども、たった一人で自動車を運転して目的地まで行くよりも経済効率がいいわけであります。しかし、私たちの国はそれが自由に行われています。 ウサギ小屋と呼ばれる住宅事情の中にあっても多くの人が個室を持って、いわゆる冷暖房にエネルギーを使っている。そして、先ほど言った輸入した食糧の中で、私たちは食べたいものを食べたい分量だけ食べる、あるいはダイエットを気にして食べたいものを食べないというところまで生活が来ている。それどころか、多くの国々から輸入した食糧の中でも半分近くは廃棄されている。そして、廃棄されたものはどうなっていくのか。 私、昔、田舎に生まれましたので、私が子供のころは台所から出た食品廃棄物は養豚場の人が運んでいって豚のえさにしました。あるいは裏の畑に埋めました。今は巨額なお金を掛けてそれを廃棄物として処理をしています。廃棄物を運ぶ車がいわゆる中東からのエネルギーを消費しながら、二酸化炭素を排出しながら、いわゆるところのもっと人体に影響を与えている化学物質をまき散らしながら運んでいるというのも、これも事実であります。 食品、食糧の廃棄物の分野については、今、ツルネン議員が立法化に取り組んでいますけれども、それだけじゃないです。あるいはもっともっと便利な生活をしたいということで、我々の身の回りには化学物質やえたいの知れないものまで人類の英知によって開発をし、これが、先ほど愛知議員は環境ホルモンの問題も質問されましたけれども、様々な副次的な問題をはらんでいます。 人道的という言葉が当てはまるかどうか分かりませんけれども、地球全体で様々な地域や様々な暮らしをしている人がいると考えた場合に、我々の生活、ライフスタイルは余りにも行き過ぎている、間違っているというふうに申し上げて異論を挟む方はいらっしゃらないというふうに思います。 さて、先ほど大臣から一案、二案、三案という御提示がありました。ライフスタイルを変えていく方向性です。私は二番目をなぜそんな簡単に切り捨てるのか、そんなふうに思います。循環型ということであると、例えば学者の説によると、日本の江戸時代はすばらしい循環型の都市だったそうであります。あるいは、私は昭和三十年代の後半の生まれでありますので、昭和三十年代前半、人々が私たちがどんな暮らしをしていたのか分かりませんけれども、もっともっとエコで、循環型で、さっき大臣が言ったように物を大切にする社会だったように私は勉強しています。 なぜ二番をあっさり捨て去るのか。あるいは歴史の針を逆に戻すという直接的な形ではなくても、もっとお手本にしたり参考にしたりする例というのがあってもいいんじゃないかなというふうに思います。一部分でももちろん結構です。歴史に学ぶ。過去のいい時代、あるいは過去の中でも、私たちの国以外ですばらしいライフスタイルが具現化されていた地域や時代もあったんじゃないかというふうに思います。 歴史から我々のあるべきライフスタイルを学ぶという観点からのお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、小川先生から、江戸時代の状況、あるいは昭和三十年代の状況、そういうお話がございました。私もある方からお聞きをいたしましたら、江戸時代というのはある意味では大変資源循環型の部分があって、例えばし尿などにつきましてもきちっとこれは農業に転化をしたし、それから当時は電気じゃなくて、もちろんろうそくなわけでありますが、溶けたろうそく、下にたまったのを回収する商いをしている人がいて、そういう溶けた残りのろうそくをまた原材料に足して新しいろうそくを作って販売したというようなことも聞いております。 確かに、そういうことを聞けば、ある環境のリサイクルシステムもそこにあったというような感じがいたしますが、しかし現実の問題として、多くの国民の皆様方に、江戸時代とは言わずとしても、例えば昭和三十年代の生活レベルと申しますか、そういうものに、またそこに戻すということについてはなかなか難しいものがあるんだと思うんです。 しかし、その時々の環境の状況と、それから今の目指すべきものの間に学ぶべきものはあると思います。それは物事を、当時はやはりもったいないという、物事を大切にするというそういう考えをもうみんな持っていたと思います。先ほど、スローなライフスタイルに変えていくということの中で、しっかりしたものを買って、これを長く手入れをして使うということをお話ししましたが、昔は、私の子供のころはやっぱり町々に例えば時計の修理屋さんみたいのがいて、ちゃんとこうやって眼鏡みたいのを付けて一生懸命修理をしたとか、それとか、電気製品にしてもちょっと壊れれば必ず町の電気屋さんが来てそれを修理してくれたとか、そういうことでございました。 今になって気が付いてみると、町の時計の修理屋さんはもうなくなって、みんな時計は壊れれば買い換える。それから、家電についても町の電気屋さんが修理もしてくれない、そういう技術ももうなくなっちゃったかもしれない、そういうようなことであると思います。 ですから、生活のレベルとかそういうのを昭和三十年代に求めることはできなくても、目指すべき我々の環境保全のレベル、それとの差を埋めるのは、一つは先生の御指摘のように、過去をもう一度振り返ってみて、そのときのもったいないと思った気持ちだとか、物を大切に使う気持ちだとか、そういうようなことをやはり積極的に洗い出して、環境教育とか環境学習の中でそれをしっかりと知らしめるということが一つあると思います。それから、やはりその差を埋める一つは、私は技術革新であると思います。こういういろいろな技術革新が、昭和三十年代と比べれば、その後の科学技術の進歩があるわけでありますから、そういうようなものを相まって、両々相まってそうした差を埋めることになるのではないかと。 確かに先生の御指摘のとおり、こうしたかつての歴史に学ぶべき、特にライフスタイルの点において学ぶべき点というものは洗い出せば恐らく多々あるんであると、そういうふうに思います。
○小川勝也君 いい答弁をいただいたと思うんですが、一つ、我々がこの今生きている便利な今のライフスタイルが昭和三十年代よりも優れているんだというこの先入観はおやめいただいた方がいいんじゃないかというふうに思います。今、大臣から御答弁のあった科学技術が我々にとって取り返しの付かないものも開発してきたというのも御納得いただける問題だろうというふうに思います。 なぜこんなことを言うかといいますと、私が、おまえは昭和三十年代の生活に戻れるかと言われると、戻れないというふうに多分答えるだろうというふうに思います。しかしながら、今よりもかつての方が良かったことがあります。それは何でしょうか。安心して食べられるものが多かったということです。BSEの発生以来、食の安全というのが大きなテーマになりました。国会でも多くの議論に上ったことは御承知のとおりだろうというふうに思います。しかし、いろんなことを調べていくと、私たちが便利なライフスタイルを求めていけばいくほど、あるいは経済の枠という中で様々な活動をしていけばいくほど、危険な方向性に向かってきてしまったなという感をぬぐい去れないわけであります。 まず、ここは環境委員会ですので、食の安全と環境問題、どういったことを連想されるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 真っ先に今頭に浮かびましたのは、水俣病の問題でございます。水俣に住む人はもう昔から食べていたお魚、しかも前浜で取れた大変新鮮でいいものだと思って食べていたお魚が、これが有機水銀に汚染されていて、そしてそれを食べてああいう悲惨な水俣病というものが起こったということでございます。 そういうことを考えますと、食品安全を確保する上で、こうした環境保全というものが大変大事で、その前提になると。例えば農業にしても、水や土壌、あるいは空気も含めてそうかもしれませんけれども、そういうものが正常な形できちっと保たれているということが農業のこの前提、大前提になると、こう思いますし、また漁業についても、海というものがそうしたものに汚染されることなしに、きれいな状況にあるというのがそうした水産業の発展の大前提になると、こういうことでございまして、今日、食品安全に対する国民の関心というのは大変高いと思います。 そういう中で、やはりその前提となる環境の保全をしっかりしていくという立場、環境省にもございますので、関係省庁ともそれこそ連携をして、今度新たに食品安全委員会でしょうか、ができると、こういうことでございますから、それも含めて対応していくということが重要ではないかと、そういうふうに理解をしております。
○小川勝也君 まず農業分野でいいますと、とりわけ化学肥料と農薬の問題がまず浮かぶわけであります。化学肥料もそのまま環境にどのぐらい害があるかというと、余りリスクは高くないかもしれません。しかしながら、様々な化学物質が農地に投入されていますので、どこで、何と何がどういう変化が起きるのかということを具体的にすべて証明できているわけではありません。そして、農薬も化学肥料も、それは時間のタームは分かりませんけれども、農地から川、河川から海という経路をたどっていくわけであります。そしてそこには、川に行く前にも陸生の動物や生物がいる、川には水生生物がいる、海にもしかりであります。 例えば、日本は世界一のダイオキシン大国であります。世界のダイオキシンの半分が日本で製造されていると言われています。そして、そのダイオキシンの発生されるその主要な場所は廃棄物処理場であります。なぜ、そんな廃棄物処理場でたくさんダイオキシンが発生するのか。 一点は、私たちがたくさんのごみを排出するから。そしてもう一点は、燃やさない方がいいものまで燃やすから。あるいは、燃やさないものが何で廃棄物処理場に来るのか。それは、私たちが便利な生活を求めるがために、燃やしてはいけないもの、燃やさないものを、燃やさない方がいいものを便利な生活をするために製造しているからではないでしょうか。 そういったこともまずすべて考えてきますし、そのダイオキシンは焼却場の煙突から畑や土地、河川を通じて海に行きました。昨年の農林水産委員会で、私は質問をさせていただきましたけれども、日本近海で取れるいわゆる魚のダイオキシン濃度が極めて高い数値であります。あるいは魚の生態にもよりますけれども、回遊する魚よりも湾の中に定着性の高い魚種の方がダイオキシンを多く含んでいますし、底生魚と呼ばれる、いわゆる海の中の底泥の中に住んでいる魚も大変高い数値を示していました。 まず、そのダイオキシンのことはさておいて、農薬とかあるいは化学肥料が投入されることにやっぱり環境省として大きな関心を示していただきたいと思います。この農薬とか化学肥料とか化学物質は、ほかからもたくさん我々の自然界に放たれています。このことについての思いを一点、まず聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 農薬におけるいろいろな環境汚染、それがまた人体の健康被害にも影響を与える可能性、これは十分に注意しなければならない問題であると思っております。 農地だけではなく、ゴルフ場とかそういう用途も幅広いわけでありますので、どういうようなところでどういう量使われているかということはしっかりと把握をしながら、農薬取締法に基づく農薬の使用規制でございますとか、農用地土壌汚染防止法による農作物汚染の防止、一応法律の体系がございますので、そういう中でしっかりと対応をしてまいりたいと思っております。
○小川勝也君 子供のころ、大臣がいわゆる田んぼや畑と近接する地域で遊んだかどうかは分かりませんけれども、昔は、カエルとかドジョウとかメダカとかあるいはトンボ、チョウ、いろんな昆虫や生物がその周りにいました。あるいは希少と呼ばれる分野でいうと、私は生まれてからまだ一度も見たことありませんけれども、タガメなんというのも見たことがある人もいるかもしれません。いたはずのものがいなくなったということは、生物は我々にいろんな警鐘を鳴らしてくれているんだろうというふうに思います。環境を守る立場からしっかりと、今の御答弁どおり、法律の壁はありますけれども監視をいただきたいと思います。 そして、今日申し上げたかったことの中で一番その重要な問題の一つに海の汚染の問題です。先ほど、水俣病が非常に強いインパクトを持って記憶の中にとどめておられるという話でありました。それは、工場から流される廃液は水俣病の発生以降、大きく厳しい方向性に変化しているんだろうというふうに思います。 今私が問題にしているのは、養殖漁業の話であります。本田良一参議院議員とともに持続的養殖漁業の確保法の一部改正する法律案を本院に提出をさせていただきました。これはどういう思いからかといいますと、前提として、経済原則があります、競争社会があります。安くていい物が売れる、だから生産コストを下げなきゃいけない、だから養殖漁業の現場でおびただしい量の化学物質が投入されているという現場に、あるいはことに情報に接して、いても立ってもいられなくなって提出させていただいたというのがいきさつであります。 御存じのとおり、養殖魚はスーパーを含めてたくさん流通していますし、家庭にも多く食卓に、お皿の上に並んでいます。例えば、ハマチを養殖するのに単位当たりの生けすで飼う魚が二百匹と三百匹、どちらが効率がいいでしょうか。三百匹に決まっています。三百匹と四百匹、どちらが効率がいいでしょうか。半年で出荷するのと三か月で出荷するの、どちらが効率がいいでしょうか。 今、みんな生きるために必死です。経済競争を勝ち抜くために何かを犠牲にしなけりゃならない。何が犠牲になっているのか。当然、経済の方向性は、三か月で大きくなって、しかも一つの生けすで四百匹から五百匹飼えるような養殖漁法を模索しています。あるいは、もっといい方法はないだろうかというふうに日々模索しているのが経済の現場です。 病気が起こってしまったら魚が全滅して売り物にならなくなってしまう。じゃ、病気にならない方がいいな、病気にならないための薬を使おうと。様々な薬品が使われています。そして、その薬品の中にも、使っていい、許可されているものと許可されていないものがあるのは御承知のとおりであります。しかし、例えば経済原則に従っていくと、許可されている薬品が高くて効きが悪い、許可されていない薬品が、効くんだけれども値段も安いという現状だと、この経済という流れの中でどういう方向性に行ってしまうんでしょうか。 養殖漁業の中で、塩酸、硝酸、ホルマリン、これが日常的に使われています。そのことによって、一部の例を申し上げますと、例えばノリの養殖に酸類を使うことによって、それ以外の漁業が被害を受けました。有明海の一部の海域では、それまでタイラギ、タイラガイとかアサリとか、それ以外のお魚もたくさん取れていたのに、お魚が取れなくなってしまった。でも、ノリ、これはかつてこの干満の激しい海域で、一定時間そのノリを漬けてある竹みたいなものが空気中にさらされて太陽の光を浴びて殺菌されるというシステムが昔の浅草ノリの養殖方法だったそうであります。しかし、その天日の殺菌をカットして酸にノリ全体を漬けてしまった方が生産効率が上がるというのが今のノリ養殖のメジャーになっているんだそうであります。 そこまでだとまだ許されるのかもしれません。厳密に言うと余り善くないことかもしれませんけれども、もっと悪いのは、その漬けた漬け汁という酸処理の液体を、海はすべて水に流してくれるという哲学に基づいて海に流してしまわれた方がたくさんいたと、これが一番悪いんですけれども、まずそのことをなくすということと、せめて許可されているものを使おうというのがこの法律の趣旨であります。 海洋環境、このことが今非常に重要な時期に来ております。この酸処理の実態やホルマリン使用、このことについて、一義的には当然のことながら水産庁の仕事でもありますけれども、大臣は水産の方面についても精通しておられますし、今や海洋環境についても重要な責務を持っておられる立場であります。大臣なりに調査をしていただいて、何とか海を汚さない方向、そして一定の養殖漁家だけが幸せになる漁法ではなくて、海はみんなのものです、みんなが幸せになれるようなきれいな海を取り戻す方向性で御検討いただきたいと思うんですが、お答えをお願いをします。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生から、今養殖漁業、それによる様々な環境汚染の問題についてお話を伺いまして、大変に先生深く、いろいろなまた法律も考えておられるということをお聞きしたところでございます。 養殖漁業、経済原則、先生がおっしゃるとおり、とにかく早く育てなければいけない、病気をさせてはいけないということで、例えば早く育てようということでどんどんえさをまく、結局全部食べるわけではありませんから、それが海の底に沈んでそれが腐って、非常にそこの海洋を汚染すると。それから、病気しない、させないために様々な添加物、その中にはいろいろな薬を、抗生物質ですね、抗生物質とかそういうものを使う。また、フグの養殖などではホルマリンを使うというようなお話もかつてございました。 そういうようなことがございますので、そういうことをやはり環境汚染に、これが負荷の掛からないような形に養殖漁業の在り方そのものをやはり変えていかなければならないと思っております。 先生がおっしゃったように、一義的には水産庁でございますが、環境省も、例えばそういう養殖に使う網、網にほうっておくといろいろ海藻とかそういうのが付くものですから、それが付かないような、これは船の、漁船の船底などに塗りますが、化学薬物を塗っておりました。しかし、それは今ちょっと私名称は分かりませんけれども、それはきちっと禁止をして、それは有害でありますから、そういうことも環境省の分野としては進めているところでございますので、この問題につきましても、また各省連携の中で、基本的には海が汚れない、そして人の健康被害になるような、そういうような魚がそこで生産されない、そういうことが基本であると思いますので、そういうことを、しっかり基本を認識して取り組んでいかなければならないものであると、そういうふうに思っております。
○小川勝也君 ありがとうございます。 だれも養殖漁業に携わっている人が悪いとは申しません。私は、無謀な発言かもしれないけれども、今私たちがいる、やはり経済を重視した社会、経済効率を余りにも過大評価する社会ということが通させているんだと思う。そういうことから考えると、自由主義経済とか資本主義経済とか、経済の原則は、それは枠組みとしてあっていいんだけれども、すべての分野において経済効率だとか経営効率だとか、そういうのを追求する社会を改めていかなきゃならないんだと思います。としますと、制度ということで解決される問題もさることながら、価値観を変えていかなければならない。先ほど大臣も御答弁の中でそういう御発言がなされました。 私たちは、この参議院に環境教育振興法案というのを提出させていただいております。この私の思いはちょっと行き過ぎているのかもしれない。しかし、さっきも言ったように、この世の中、生まれてきた以上は、経済戦争に勝ち抜いて金持ちになって便利な生活をするんだというのが人生の目標でない方が、ない方がいいんじゃないかなというふうに私は思うわけであります。地球全体に住んでいる人たちのことをおもんぱかれる、あるいは自分の周りにいる人たちを思いやれるような、自分だけ良ければそれでいいと思わないように、そして大切なみんなの住みかである地球を傷付けないように生きていくことがすばらしいことなんだということを早いうちから分かってもらうヒントを提示できるような、そんな教育というのはできないもんだろうかなと。 こんな思いを持って、まあ私の思いと法律の内容は若干違いますけれども、自然環境も大切、地球環境も大切、そして地域環境も大切なんだということを、様々な場面でその教育の機会を増やすようなそんな環境教育の法律についての思いについてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境教育、環境学習というのは、これは大変大切なものであると、そういうふうに思っております。そしてそれは、先ほど申し上げました、先生も御指摘になられましたとおり、正にそういうことが人間の、人としての暮らしぶりにかかわってくる問題であるということでありまして、これはもう各世代、これはもう小学生から、それから中高生あるいは社会人、またシルバー世代、そういう各世代通じてこうした環境学習、環境教育というのはなされなければならないと思っております。その中で、とりわけやはり小学生、中学生、こういう子供に対する環境教育というのは、将来を担う世代であるだけに私はとりわけ大切であると、そういうふうに思っております。 昨年、文部省で指導要領が変わって、総合的学習の時間というのができたということを聞いておりますが、正にこういう時間に学習していただくには環境問題というのは私は最もふさわしい分野の一つではないかと、そういうふうに思っております。そういうことも通じましてこの環境学習をきちっとやっていく、そういう対応をしっかりと構築していくことが必要ではないかと思います。 先生方の方でも法律を御準備いただいていると……
○小川勝也君 提出しました。
○国務大臣(鈴木俊一君) 提出されておられるということでありますし、また与党の方でも今検討をしているということでございます。環境省としても、そうした各党の御検討の状況、今後、議員立法でどう進んでいかれるのか、そういうこともあろうかと思いますが、注意深く見守りながら、いいそういう枠組みができるように環境省としても最大限お手伝いをさせていただきたいと思っております。
○小川勝也君 環境教育の法律も何とか実現に向けて頑張っていきたいなというふうに思うところでもありますし、今日ここにいらっしゃるすべての会派の委員の先生方にも御協力をお願いをしたいというふうに思うわけであります。 さて、難しいのは大人社会であります。大人社会、経済社会、これは価値観を変えていただこうにもちょっと難しいかなという気がいたします。 環境の方向性に理想があるとすれば、あるいは向かうべき方向性があるとすれば、それを規範として作るのは国会の仕事だろうというふうに思います。一つは法律、そしてもう一つは、先ほど愛知委員からも指摘があった税制の問題だろうというふうに思います。 この大臣所信の中では温暖化対策税、こういう表現でありました。様々な言い方がありますけれども、炭素税などという表現もありますけれども、多分同じような考え方なんだろうなというふうに思う中で、やはり環境をこうしなきゃならない、こういった方向性が望ましいということに対して言うと、それは経済社会でも国民生活でもやっぱり税というのは最も有効な手段だろうというふうに思います。大臣も、何度かこの御決意をお伺いをいたしました。表現が前よりもちょっと強くなっているかなというふうに感じましたので、どういった税制をどういった手法で確立していこうと考えておられるのか、現時点での考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 温暖化対策税につきましては環境省として従来から方針を持っております。温暖化対策、これは年次を区切って、第一ステップ、第二ステップ、第三ステップと、そのステップを追って進めていくということで、第一ステップは来年、二〇〇四年までであります。 今、第一ステップにおきまして、温暖化対策推進大綱に基づく百以上の具体的なパッケージを一生懸命やっているわけでございますけれども、来年、第一ステップが終わったときに、この間に行った効果、それから進捗状況、そういうものをレビューをすることにしておりまして、その上で第二ステップ、足りないところは追加的にまた施策を充実していくと。そういう充実をしようとする施策の一つとして温暖化対策税を考えているわけであります。 温暖化対策税といいますものは、これはイメージがいろいろございますので、今、中環審の税制専門部会に、委員会に具体案を検討をお願いしておりますが、イメージといたしましては、二酸化炭素の排出量に応じて課税をするわけでございますので、これは排出量が少なければ結局税金は少なくなるということでございまして、非常に価格インセンティブが働くという意味におきまして私は有効な手段であると、こういうふうに思います。 ただ、普通の税金と違いますのは、普通の税金というのはどんどん税収を確保するというのが一つの目的でありますが、温暖化対策税においては、みんなが一生懸命努力して温室効果ガスを出さなければ税収というのはこれは下がっていくわけでありますが、それはそれでこの税金の持つ目的の一つでございますので、これはそれでいいんだと思うんです。そこが普通の税金とまた違うと思うところであります。 しかし、そうはいっても、上がってくる収入に、税収につきましては、これは温暖化対策にしっかりと使っていく。例えば、吸収源であります森林整備に使うとか、あるいは燃料電池を始めとする温暖化対策に資する技術開発の支援に回すとか、そういうことによって経済にもプラスになるような形のものを作っていけたらと、こういうふうに思っているところであります。 いずれにいたしましても、税というものは、なかなか国民の皆様方の御理解とかそれから実際に課税される関係産業界の理解がなければ、とてもこれは導入は、抵抗が絶対にあります。今のところは温暖化対策税という、先生もおっしゃったように炭素税と言ってみたり、環境税と言ってみたり、みんながそれぞれイメージを持っているものですからなかなか議論が、ディテールに入るとなかなかかみ合わないということでございますので、先ほど申し上げましたとおり、中央環境審議会の温暖化対策税制部会、税制専門委員会ですね、専門委員会でもう既に御協議を始めていただいておりまして、この夏をめどに一つの具体案を出していただく、そしてそれを、何と申しますか具体案を示して、それで皆さんで、国民の皆さんも含めて検討していただくと、そういうふうな取組で今進めているところでございます。
○小川勝也君 この温暖化対策税導入に非常に力強い決意で臨まれていると思うわけでありますが、政府部内のほかのセクションの今のところの反応というか様子というのはどんな感じでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) やはり、まだこれから理解を得なければならないと、そういうふうに思っております。 ただ、一つ、エネルギー特会の見直しがなされましたが、そのときに、そのころ非常にこれは課題じゃないかと思っておりましたのは、いわゆる今回のエネルギー特会の見直しが、これが言われているところの環境税じゃないかというような議論もございました。しかし、冒頭申し上げましたけれども、平沼大臣と私も直接お話をいたしましてそこを詰めさせていただいて、今回のエネルギー特会の見直しというのは、我々の従来の主張であります第一ステップにおけるいろいろな特別会計のグリーン化の一環であって、これから導入を検討する温暖化対策税とはこれは別物であるということをきちっと両省で確認をいたしましたので、そういう部門におきましては、逐次、政府部内においても検討をされ、理解も一歩一歩でありますけれども進みつつあるのではないかと、そういうふうに思っているところであります。
○小川勝也君 その温暖化対策の、これ日本も果たさなければならない義務というのがあるわけであります。 森林の整備という言葉もありました。実は、私たちの国もその目標達成のために森林の吸収源に期待している部分もある。しかし現状は、森林整備にお金を増やしたというふうになっているわけでもないし、現場の国有林、民有林は材価が安いので荒れ放題であります。 そしてまた、もう一つは、原子力発電の温暖化問題に対する効果を期待しているということでありました。御承知のように、いわゆるところの原子力発電所が様々な検査のために止まっていたり、あるいは当初政府が目標としている原子力発電施設の建設が、住民、地域等の理解との関係から大変困難な状況になっている。 そうすると、私たちの国は世界に対して役割を果たしていくということも大切ですけれども、我々の国が約束を守れない方向に向かっているというふうに言えるんだろうというふうに思います。そのことについてどんなお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生も御承知のとおり、京都議定書での六%の削減約束、これは一九九〇年から比べますと逆に八%伸びているということでありますから、現状からいえば合わせて一四%減らさなければならないということで、これはもう決して容易なことではないと思っております。 国内的には、国内での森林整備で三・九%、これを吸収するということでありまして、これをカウントするためには森林整備をしっかりするということが前提になっているわけで、この点について、これも従来林野庁が、一つの林業という、産業という面からの林野庁の予算要求であったわけでありますが、今後はこれに加えて環境、この温暖化対策という面も含めて、もちろん林業、産業としても林業も大切でございますから、それ、従来進めていたそれだけでなしに、今度は環境という観点も加えて、所要の予算を確保しながらこれを的確に進めなければならないと思っております。 それから、原子力発電でありますが、これも温暖化大綱におきましては、安全性というものを大前提とした上で三割これを増やすということがこの大綱に示されているわけでありますが、御承知のように、東京電力のいろいろな不祥事もございまして、実際は今発電が止まっている、ほとんど止まっているというような状況にあるわけであります。これにつきましては、今保安院の方で対応を、原子力安全保安院の方で今きちっとやっております。 これによって、早く事業者に対する国民の皆様方の信頼というものが回復をして、この温暖化大綱のその基の、下敷きになっております、これは資源エネルギー庁で作った計画でありますけれども、エネルギー需給長期計画、それがその計画どおりにきちっと達成できるようにしてもらわなければならないと、そのように思っているところであります。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。大臣所信表明に対する質問をしたいと思います。 大臣は、重大な課題の一つとして地球温暖化対策の推進というものを挙げておりまして、それをするためには、やはり温室効果ガス排出抑制のための取組を積極的に進めてまいりますというふうに表明しております。非常に大事な点であると思います。それで私は、その関係で、フロンの問題というのもこれにかかわってくる話でありますので、これを是非取り上げてみたいと思います。 モントリオール議定書では生産を禁止したわけでありますけれども、これは特定フロンの関係でございます。使用の規制については各国の国内法にゆだねていると。あるいはドイツ、スウェーデンでは生産禁止後五年以内に使用禁止を決めております。 日本は、一九八八年にオゾン層の保護法が成立し、製造や輸入については禁止をしていると。ただ、使用を禁止するどういう規定はないということなわけでありますけれども、まず最初に、このCFC、特定フロンの回収状況等についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) CFCの回収率についてのお尋ねでございますけれども、平成十三年度の分で申し上げますと、平成十三年度のフロンの回収実績調査では、業務用の冷凍空調機器についての回収率は六一%、カーエアコンについての、これは破壊率でございますけれども一〇%という数字が出ております。しかしながら、その後、昨年四月一日からはフロン回収破壊法が業務用の冷凍空調機器について、または十月一日からはカーエアコンについて、機器を廃棄する際に冷媒フロンの回収の義務付けがされたところでございますので、十四年度以降はその数字が上がってきているものというふうに考えております。
○加藤修一君 これカーエアコンの破壊率でありますけれども、回収率というのは出ていないんですか。それと、破壊率が一〇%というのは非常に低いように私は思っているんですけれども、これ低い理由というのは何か想定、考えているところございますか。
○政府参考人(岡澤和好君) カーエアコンにつきましては、私どもの方では破壊率しか把握しておりませんで、破壊が届出になっていますのでその破壊率は把握しておりますが、回収率までは正確には把握しておりません。 また、数字が一〇%というように非常に低い数字になっておりますけれども、これはCFCの再利用というようなこともございますので、再利用のために回収はされるけれども、破壊まで回らないという量が相当あるものというふうに考えております。
○加藤修一君 それでは、フロンの輸出入の実態の関係でありますけれども、私は先ほど、輸出はできるけれども輸入はできない等々含めて話しました。モントリオール議定書の第一条では、生産プラス輸入マイナス輸出イコール消費という定義になっていまして、生産は当然禁止されたわけでありますけれども、これ輸出の実態の数値等々含めてちょっとお願いできますか。
○政府参考人(仁坂吉伸君) CFCの輸入につきましては、モントリオール議定書に基づきまして、平成八年以降、我が国への輸入を原則禁止にしております。 原則と申し上げましたのは、二つ例外がございまして、一つは、ぜんそく及び慢性閉鎖性肺疾患に対する医療用途につきましては、議定書上、不可欠用途といたしましてCFCの輸入が認められております。実績で申し上げますと、平成十三年のオゾン層破壊係数で換算した実績といたしましては六トン輸入しております。 また、もう一つは原料として使用する場合でございますが、この場合のCFCについても、オゾン層を破壊しない他の物質に変化することでございますので、議定書上、輸入が認められております。平成十三年のオゾン層破壊係数で換算した実績といたしましては六百八トン輸入されております。 それから、CFCの輸出でございますけれども、これは議定書上、議定書の非締約国に対する輸出を除いて認められておりますが、平成十三年のオゾン層破壊係数で換算した実績といたしましては六百三十四トン輸出をされております。
○加藤修一君 そうしますと、輸入はしていないということじゃなくて、適用除外があるということになりますね。 それで、これ別用途に使用された場合はどうなりますかね。これ平成八年の規制年度では両方とも、両方の用途ともゼロトンなんですよね。それ以降、原料用途に使っているものについてはどんどん増えてきている。これ後ほど質問の関係にありますけれども、密輸入等が増えているぐらいの話でありますけれども、これは原料に使っているならまだしも、ほかに使っているという可能性はあるんですか。まあ、ないですと、ないという返答だと思いますけれども。
○政府参考人(仁坂吉伸君) 本件の輸入に関しましては、外為法の輸入承認をしております。当然、その前提としては、これが原料としてどのように使われるかということを審査して承認をするということになっております。この審査のときに例えば虚偽の申出などをいたしますと、これは外為法に基づく罰則ということで、報告あるいは立入り等々行うことになります。 そういう観点から、私ども厳正にやっているつもりでございますが、現在のところ、そういう違反事例は一件もないと認識しております。
○加藤修一君 それじゃ、特定フロンの密輸入の関係でありますけれども、これ絵の具と偽って六トンを輸入したケースがあったり、あるいは密輸入がそういった面も含めて横行していると。これは価格が高騰しているから、生産禁止になって市場での量が払底しているということも相まって価格が高くなっていると。それで密輸入が横行しているということなんですけれども、これについてどう対処しているんでしょうか。
○政府参考人(仁坂吉伸君) 先生御指摘のとおり、CFC、具体的にはCFC12の密輸事件が発生しているということにつきまして、これはモントリオール議定書の規制の枠組みを崩す重大な問題であると認識しております。 当省といたしましては、昨年四月に関係業界団体に対して密輸品を購入しないように要請いたしました。例えば、自動車の関係あるいは中古のディーラー、ガソリンスタンド、それから自動車の販売の方々、こういうところの方々に対して、絶対密輸品を購入しないようにというようなことを要請しております。それから同時に、ちょっとこれはと思うような情報があれば関連情報の取締り当局への通報を呼び掛けておりまして、通報先などについても詳細に通知をしております。 また、関係省庁で構成するオゾン層保護対策推進会議というのを開いておりまして、密輸対策についての協議、情報交換、特に警察、税関等の関係部局の方々との取締りの強化、関係団体の要請等の取組についての議論をしながら、それぞれ役割分担に従って、密輸が起こらないように最大限の努力をしているところでございます。
○加藤修一君 このCFCから代替フロンに対しての転換が余りスピードアップした形で進んでいないということが一つは挙げられると思いますけれども、私は、やはり特定フロンの使用禁止というのは、ドイツにしてもスウェーデンにしてもかなり早くからやっているわけなんですね。ですから、これはスケジュール化する必要が当然、私はあるように思っておりますけれども、この辺について、転換の関係とそれからスケジュール化、この辺についてどうお考えですか。
○政府参考人(仁坂吉伸君) 転換の関係を申し上げたいと思います。 CFCを冷媒といたしますカーエアコンあるいは業務用冷凍空調機器につきましては、過去に生産されたもので現在まだ残っているものがあるということは御承知のとおりであります。新しいもの、これにつきましては、冷媒についてはすべて代替物質で機能を果たすように、そういうふうに転換されております。したがって、新しいものはもう出ないということであります。 例えば、カーエアコンにつきましては、平成四年から六年にかけまして、オゾン層を破壊しない、HFCでございますが、これへの転換が終了しておりまして、現在の新車はCFCは使われておりません。それから、そういうことでございますので、自動車の使用期間は約今十年ぐらいと計算されております。今後数年でCFCを使用したカーエアコン搭載車も急激に減少していく、すなわちCFCの需要自体が減ってくるというふうに私ども見ております。 それから、業務用冷凍空調機器でございますけれども、これについては自動車に比べますと比較的長期間使用される、業務用でございますので割と長もちをするというものであります。これについてもできるだけ転換を進めたいと考えておりまして、私どもは、政策として設備転換に対する特別償却の税制上の優遇措置とか、あるいは政策投資銀行及び中小企業金融公庫等の低利融資等の金融上の支援措置を用意をしているところでございます。 今後とも、こういう政策を使いまして、できるだけCFCから早く代替物質への転換ができますように支援をしていきたいと考えております。
○加藤修一君 私は、早くにCFC含めて、そのほかの関係についても非常に温暖化効果の係数が高いものがございますけれども、もちろんこれは代替のフロンをどういうふうに効果的に開発していくかという、そういったスピードと対応して考えなければいけないわけでありますけれども、EU含めて、その代替フロンに限らず使用を禁止するということについてのスケジュール化はしているわけでありますから、こういった面について積極的に対応していっていただきたいと思います。 それと、次の質問でございますが、環境大臣にお願いしたいわけでございますが、このフロンの回収とそれから破壊ということで、これは環境ビジネスの関係でも、破壊した後のいわゆるカルシウムが出てくるということを含めて、そういった面について極めて技術的には進んでいるわけでありまして、こういった面でのビジネス展開ができるように、ということは、つまり回収と破壊のリンクがより強化されるような形で考えていくべきではないかと思いますけれども、先ほどの使用禁止ということも含めて、できれば御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) フロン類でありますけれども、先生からも御指摘がございましたとおり、オゾン層の破壊、さらには温室効果というものも大変高いガスであると、こういうことでございますから、正に地球温暖化対策の上からもこうしたフロン類が環境中に放出をされないように抑制するということが大切であると、そういう認識を強く持っております。 そういう中で、フロン回収・破壊法というものが制定をされまして、フロン類を回収をして破壊することによって環境放出を抑制する制度、この全国制度が昨年スタートしたところでございます。この制度は昨年スタートしたばかりでございますので、今は着実にこれを推進するということが大切であると思います。そして、それを推進した上で、なおフロン類の排出抑制が進まない場合におきましては、先生御指摘のような使用禁止など、更に効果的な排出抑制のための方策について検討をするということもあると思うんでありますが、今の段階におきましては、この新しく導入された仕組みを着実に推進していくことが重要である、この仕組みによってフロンの排出量の削減がどこまで進むかを注意深く見てまいりたいと思っているところであります。
○加藤修一君 それでは、次の質問に行きたいと思います。今の件については、大臣、よろしくお願いいたします。 経済産業省はお帰りになってよろしいと思いますので。 先ほど、ほかの委員の方々の答弁に対して、大臣が、過去の廃棄物の撤去の関係、そしてただいまの中にもございましたが、不法投棄の問題でございます。 大臣の出身の県というふうに言って、岩手県と青森県ですか、そこに相当の量が不法投棄になっていたということは今更言うまでもない極めて著名な話になっているわけですけれども、これ税金で撤去をするということを考えている話で、これに関連しての法律案が今回出てくるわけですけれども、私は、非常にそういうことについてはモラルハザードの懸念があるなというふうに考えておりまして、非常に大きな課題を持っているなというふうに考えてございます。 それと、もう一点は、排出者の責任を相当厳しく追及していかなければいけないなというふうに考えておりますが、その排出者の責任を厳しく問うばかりでなくして、私は、いわゆる不適正な処理ルート、そういったものを明確にしていくことも重要であると。 今回のケースでは一万社が排出者になっているというふうに聞いておりますけれども、収集、収運業務をやっている人、あるいは処理事業者、あるいは再委託業者等、あるいは一発屋とか、穴屋とかいって、非常にその業界で使っている専門用語があるようでありますけれども、そういったいわゆる最終的に不適正な処理が行われてしまったという、そういった経路を含めてきちっと私は厳しく調査をしていくべきでないかなと思いますけれども、この辺については調査にかかわる予算化も含めてやっていく必要性が私はあるんではなかろうかと、そんなふうに考えておりますけれども、大臣、ほかの方々の御見解を是非お伺いしたいと思います。
○政府参考人(飯島孝君) 先生おっしゃったように、産業廃棄物の不法投棄に対しましては、公社だけではなくて、関係した収集運搬業者、中間処理業者、また排出事業者の責任を追及することが大変大事だと思っております。 平成十二年の廃棄物処理法改正で、委託基準違反の事業者とか再委託基準違反の処理業者に加えまして、不法投棄に関与した者や、あるいは適正な対価を払っていない排出事業者に対しても措置命令の対象となったところでございまして、こうした関係者すべての責任を徹底追及することで排出事業者が適正処理業者を選択するインセンティブが働くものと考えております。 青森、岩手の例でもそうでございますが、現在、報告徴収や立入検査によるマニフェスト等の調査によりまして不適正処理ルートの解明調査が行われているところでございまして、環境省といたしましても、これに対して支援をしてまいりたいと思っております。
○加藤修一君 先ほどお話ししましたように、約一万社、排出者、排出業者がいるということで、それにかかわってくるルートというのは相当数あると思うんですけれども、どの程度までやる予定ですか。
○政府参考人(飯島孝君) 排出事業者の数が一万社を超えるということでございますが、これは、先ほど申し上げましたように、処理業者、収集運搬業者のマニフェストの調査から始まりまして、最終的に初めに出した排出事業者がどんどん増えてきて一万社になったということでございます。 現在、排出事業者の所在する、首都圏の地域が多いわけでございますので、首都圏の都県市の協力もお願いいたしまして報告徴収等を行っているわけでございます。 実際に、先ほど申し上げましたように、違反事実があったかどうか、あるいは注意義務違反という、適正な対価の問題とか、そういったものについての詳細を今調べているところでございますが、これにつきましては、一遍に全部調査が終わってから手を付けるのでなく、明らかな違反事項が分かりましたら順次そうしたものに対して措置命令を掛けていくように今両県では検討しているところでございます。
○加藤修一君 それは徹底して調べていって、ルートが分かってきた場合に、そういった県について、これは質問通告しておりませんでしたけれども、名前の公表とか、あるいは追及をしていく段階で本社の立入り、あるいはその立入検査証を持っている行政官が今までとない形でかなり厳しい形でやっていかなくちゃ、なかなかこういったルートというのは特定できないように思うんですけれども、そういった面についてどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(飯島孝君) 確かに、一万社を超える排出事業者ということでございますが、その前段階で収集運搬業者の調査から入っているわけでございますので、順次、今調査掛けて、その報告をもらっているところでございます。 違反事実等がございますれば、当然公表ということになろうと思いますが、首都圏の多くの事業者、会社が関連しておりますので、全く違反のない排出事業者も当然あるわけでございますので、これは、先ほど申し上げましたように、全貌が分かってから措置を取るのではなくて、分かったところから順次措置命令を掛けていくという考え方で進めております。
○加藤修一君 よく行政には強制捜査権がないとか証拠押収権がないからなかなか難しいんだ、行政の限界があるんだというふうに指摘されるケースが非常に私は多いと思いますけれども、ある方の言葉を紹介いたしますと、それは言い訳にすぎないと。立入検査証等、そういったものがあるんであるから、相当やる気になれば、機動性を発揮していくことによってかなりの面について解明ができて、しかも不法投棄を相当数減らすことができるという、そういったことがあるわけでありますけれども。 そういった面におけるいろいろと経験含めて、様々な形でノウハウが蓄積しているわけでありますけれども、こういった面について、自治体の担当者に対して研修とかあるいはその指導等、そういった面を行えるような機会を設けることもまた重要でないかなと思いますけれども、この辺についてどうお考えですか。
○政府参考人(飯島孝君) 先生のおっしゃるとおりだと思っておりまして、現場の第一線業務担っている都道府県や保健所設置市の担当職員の対応能力の向上を図るということが非常に大切だと思っております。 現在、環境省では、環境研修センターにおきまして、廃棄物・リサイクル研修というのを持っておりまして、その中で特別に不法投棄対応のコースも設置しているところでございます。 また、これは来年度予算に提案させていただいておりますが、現場調査、あるいは関係の法令、あるいは企業会計等に精通した専門家のチームを環境省で設置いたしまして、現場に向かって都道府県の業務を支援するという計画ございます。これは、不法投棄事案対応支援事業ということで、来年度予算案にのっけているところでございますが、これを来年度から始めたいと思っておりまして、都道府県の現場の担当者の対応能力向上につきましても、環境省として精一杯応援していきたいと思っております。
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。 それでは次に、アスベストの関係でございます。 これ、今まで委員会でも取り上げられたことがあるかもしれませんが、今更説明する話じゃないわけでございます。アスベストは発がん性があるということで、英国、フランス、ドイツ、イタリア等々、欧州の十三か国が既に全面禁止しておりますし、さらに、EUは遅くとも二〇〇五年までに流通、生産を全面禁止するという、そういうことになっているわけですけれども。 我が国はまだまだ輸入もしたり、使っている段階でありますけれども、この辺について、EUのそういった世界的な動向の中でどのようにこういった面についてお考えか、是非、見解を示していただきたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) アスベストにつきましては、平成七年に、青石綿、茶石綿ということで、製造、使用等禁止しておりますけれども、白石綿についてはまだ使われているという状況でございます。 これにつきましては、国民の安全確保等のために、その使用がやむを得ないというものを除きまして使用等を禁止する方向で今検討を進めているところでございます。 具体的には、昨年の八月に石綿製品のメーカー、ユーザー団体、そういったところを対象にアンケート調査を行いました。その結果を踏まえまして、専門的、技術的観点から代替化の困難な石綿製品の範囲というものを絞り込む、そういう作業をするために学識経験者による検討委員会を昨年十二月から開催しているところであります。今年の四月にはその結果を取りまとめまして、禁止措置等について検討を進めたいというふうに思っております。
○加藤修一君 このアスベストの代替品の問題があると思いますけれども、これが相当数開発できる可能性、あるいは現存しているという、そういったレベルの問題が当然あると思いますけれども、この開発状況、これについてちょっと説明していただきたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) この代替品につきましては、今申し上げましたアンケート調査等、団体等に対するアンケート調査結果によりますれば、アスベストの代替品には、繊維状のものとして、ガラス、岩石を溶融して繊維状に加工したもので、グラスウールだとかあるいはロックウールというようなことで使われている、また化学的に合成したビニロン繊維などで代替をしている、あるいはパルプ等の天然の有機繊維あるいは金属が使用されております。 アスベストで使われている九割は建材等で使われておりますので、そういったところで代替等の開発状況も把握しまして、先ほど申し上げましたような段取りで検討を進めていきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 それでは、環境省がかつて調査した中には、建物にどれだけアスベストが使われているか、そして使っている建物それ自体が当然寿命が来るわけでありますけれども、その寿命が来てピークを迎えるのが二〇一〇年から二〇二五年の間であるという調査がございます。 それで、阪神・淡路大震災のときにも問題になったんですけれども、建物が倒壊したときに、そういった意味では非常時でありますけれども、災害時におけるアスベストをどうするかということについての、これ、マニュアルということが必要であろうと、私はそう思っておりますけれども、この辺についてどうお考えですか。
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘のとおり、平成七年の阪神・淡路大震災を契機といたしまして、関係八省庁で石綿対策関係省庁連絡会議の中で、建築物の解体・撤去に係るアスベスト飛散防止対策というものを策定いたしました。 さらに、平成十年には、当時厚生省でございますけれども、廃棄物処理に係る防災体制の整備等につきまして、震災廃棄物対策指針を策定しております。市町村は、震災廃棄物の処理・処分計画を作成し、震災時においても廃棄物を適正処理する応急体制を確保することを規定しておりまして、アスベストのみならず、他の有害廃棄物対策についても示しているところでございます。
○加藤修一君 そういった意味では、マニュアルが当然あるという理解をしていいんですか。 それでは次に、もう時間がないんですけれども、危機管理上の関係の話になりますけれども、サリンの関係でございますけれども、今日は八年前に例の地下鉄サリン事件があった日でありますけれども、サリン汚染廃棄物、サリンが染み込んだそういった物質、着物とかそういったものですね。その取扱方あるいは漏れないための保管方法、運搬、運搬に当たっての注意等々、そういった処理、処分にかかわるような、そういった面での指示書等が必要であると私は思っておりますけれども、これは非常に大きな問題になったんですね、当時。五トンぐらい、そういうサリンが染み込んだもの、そういったことから揮発して、医療従事者が逆にまた被害を、二次被害を受けるような状態になったと。 そういった意味では、廃棄物に相当するのがそこで出てくるわけでありますけれども、こういった面についての処理等、先ほど言った話も含めて、今どういう対応を考えているのか、是非聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(栗本英雄君) 今御指摘のサリン等の、いわゆるテロが発生した場合には警察として被害者の救護救出とか、あるいは二次災害も含めました被害の防止のために全力を尽くすわけでございますが、その中で具体的にサリン等の汚染物の処理についてのお尋ねかと存じますが、それにつきましては一つは、現場において動かせない施設等がございますから、現場におきまして警察あるいは関係機関が連携を取って除染をすると。 それから、証拠品等々におきまして、その場から持ち去らざるを得ないものにつきましては、今、先生からも御指摘ございましたように、例えばビニール袋を何重にしてその中に入れて他の安全な場所に運ぶとか、あるいは密封を要するものにつきましては、より密封度の高い容器を使ってその中に入れて運ぶと。 また、運ぶ際には、例えばそれが損壊を防ぐために発泡スチロール容器などでこん包して運ぶとか。さらに、その運んだ場所におきまして、いろんな災害も含めました被害によって拡散しないような十分な保管措置ができるように取り扱っている、そのような形で扱っているところでございます。
○委員長(海野徹君) 時間が来ております。
○加藤修一君 時間が来ておりますので、そういった面でのマニュアル等を含めて、それは医療従事者にもやっぱり徹底させなければいけないと思いますので、そういった面についてもよろしくお願いしたいと思います。 以上です。
○委員長(海野徹君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ─────・───── 午後四時三十分開会
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩佐恵美君 まず最初に、今日、米軍がイラクに対する大規模な軍事攻撃を開始しました。この戦争は全く道理のない無法な戦争であり、国連憲章、国際法に違反します。戦争は、人々の命を奪うと同時に最大の環境破壊です。この無謀、野蛮な軍事攻撃を直ちに中止することを強く求めます。そして、いち早くこの戦争に支持を表明した小泉内閣に強く抗議をいたします。 そこで、私は、今日の本題であります所信に対する質疑に入らせていただきたいと思います。 大臣は所信で、「環境行政に責任を持つ者として、環境の保全という見地から、言うべきことははっきりと言うという強い姿勢で積極的に施策を展開していきたいと考えております。」、こう述べられました。大変力強く言われましたので、私は、その点、是非現実の行政に生かしていただきたいという願いから、今日は沖縄の泡瀬の干潟の問題について具体的にお伺いをしたいと思います。 まず、泡瀬干潟の埋立事業については、海草の移植先での生息、生育が可能であることを確認した上で行う、このことが環境影響評価の条件となっています。ところが、泡瀬地区環境監視・検討委員会は、機械移植した海草の生息、生育を確認したとは認めていないわけです。それにもかかわらず、沖縄総合事務局は昨年十月、手植えによる移植は適応性が高いと断定をして海上工事の着工を強行しました。環境省は手植え移植ならいいと評価をされたのでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 泡瀬干潟のこの埋立てにつきまして、昨年の十月でございますが、これはやや異例ではありましたけれども、事業者の内閣府の方に環境省として申入れをさせていただきました。 その一番の基本的なものは、沖縄県が実施をいたしましたその環境評価、そこに書かれておりますところの環境保全措置というものが着実に的確に実施されることが大切だということで申入れをしたわけでありまして、具体的には、海草の移植に当たってはあらかじめ移植計画が策定され公表される必要があること、そして、機械による移植の実用化に当たっての慎重な判断、さらには、希少藻類クビレミドロの移植については工事実施前に技術が確立されたことの確認に万全を期す必要性について申入れをしたわけでございます。したがいまして、手植え移植の評価を含むものではございません。 環境省といたしましては、手植え、機械のいずれの移植方法いかんにかかわらず、藻場生態系の保全のために必要とされた措置である海草の移植が確実に実施されることが重要であると考えております。
○岩佐恵美君 実は、泡瀬地区環境監視・検討委員会でただ一人の海草の専門家である金本委員は、沖縄総合事務局が手植え移植の適応性が高いことが監視・検討委員会で確認されたと一方的に断定して工事を着工したことに抗議をして辞職をしました。さらに、沖縄在住の専門家委員である吉野委員あるいは仲座委員、この方々は沖縄総合事務局に対して意見を述べておられます。 吉野さんは、手植え移植について、あくまでも機械移植との比較で示されたものであり、参考又は予備実験の域を出ない、適地選定を探るための一つの指標が示されただけであり、この指標の有効性を検証するための調査実験が当然必要となる。したがって、手植え移植でさえあくまでも予備実験の範疇にあり、何ら本格的評価の対象とはなり得ないのが実情である。 仲座氏は、これまでの手植えに関する議論は、藻場全体の移植を前提とした機械化による移植の規模と比較し、極めて規模の小さいものとなっています。あえて例えて言うならば、やんばるの森から数本の木を移植し、それが成功であると議論しているようなものです。これまでの委員会では、このように数本の木々を移植できたとしても森そのものを移植するという試みが極めて困難であるということでした。環境省の要求は、移植の成功のみではなく、藻場としての機能そのものが保全されることとなっています。前回の委員会では、これまでの試験結果から藻場移植の妥当性を判定するのは困難であり、来年まで様々な試験を試みなければならないという判断が下されています。委員のだれ一人として手植えによって藻場の移植が可能であるとする判定を下していませんと、厳しくお二人が強く批判をしているわけです。 さらに、移植計画を了解したという昨年十二月十一日の泡瀬地区環境監視・検討委員会は、金本氏の辞職に加えて、吉野、仲座両委員が出席できない日に開いたものです。しかも、その場で海草ワーキンググループの野呂主査も、科学的に言えば実験データというのは決して十分とは言えないと述べています。 環境省としても、こういう点をしっかりと踏まえて内閣府に対してきちんと意見を言うべきだと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(炭谷茂君) 事業者に伴う環境保全措置につきましては、環境影響評価書、また沖縄県知事等の意見を踏まえまして、事業者がまず自ら責任を持って判断をし実施すべきものであるということが基本でございますが、手植え工法の妥当性をめぐる昨年十二月当時の環境監視・検討委員会での委員からの意見として、例えば過去に実施した手植え移植実験はあくまで予備的なものであり、事業実施に伴う本格的な移植の方法の採否の検討材料にならないという、先ほど先生が御紹介されたような意見も出たというふうに理解しております。最終的には、手植え工法による移植と機械工法との減耗対策試験を行うことを含む移植計画が昨年十二月の環境監視・検討委員会において了承されたというふうに聞いている次第でございます。 環境省といたしましては、先ほど大臣が御紹介しましたように、昨年の十月に内閣府に対しまして、一つは、計画の策定に当たっては環境監視・検討委員会の指導助言を受けることに加えまして、計画の実施に当たっては継続的にモニタリングを行い、常に最新のデータを踏まえ、適時移植の成否を判断をし直し、その結果を移植計画、また今後の事業計画に反映すべきであるという申入れを既に行っているところでございます。 環境省としましては、事業者により当省の申入れを踏まえた環境保全上の必要な措置が確実かつ適切に実施されるよう注視してまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 沖縄総合事務局に伺いたいんですが、十二月二十四日から一月三十一日にかけて、今回の工事現場の藻場から百十五平米、運搬容器千三百十五個分を手植えによって移植をしました。その後のモニタリングの結果はどうなっているでしょうか、簡単に御説明ください。
○政府参考人(武田宗高君) お答え申し上げます。 手植えによります移植の藻場の状況でございますけれども、去る二月十九日に開催されました海藻草類移植・保全ワーキンググループにおきまして現地視察が行われた後、審議が行われました。その結果が三月十八日の中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会に報告されたというふうに聞いておるところでございます。 その評価は、現地視察では一部に葉枯れ等を確認した。主たる原因は移植によるストレスと考えられるが、成長が遅い季節でもあることも影響していると思われるというものであり、今後繁茂期である五、六月までは引き続き観察を続けるということにいたしております。
○岩佐恵美君 今、説明があったように、二月の七日から十日に行った調査では、手植え移植した五十九区画のうち四十八区画、八割以上で葉枯れが生じる。全体の四分の一以上に当たる十五区画では葉枯れが五〇%以上に達している。しかも、一月時点の調査より悪化している。これは一時的ストレスだという説明ですけれども、私は、その一時的ストレスだけだということで説明できるとは到底思えないんですね。何か事が起こると、いやこれはうそのこういう原因ですとか、ああいう原因ですとか、ああ言えばこう言うという、そういうたぐいのような気がして、今までずっといろんなことやってきたって成功していないんですね。 さらに、先月、減耗対策工法試験という名目で手植えの二倍近い二百五十平米を機械移植をしました。前の機械移植では移植したブロックの砂が流出して海草が壊滅したということから、今回は、海草ブロックのすき間を埋めて移植する、海草ブロックの周辺に土のうを並べ、ブロックのすき間に掘削土砂を詰める、移植場所を深さ二十センチ掘って移植し、すき間に土砂を詰めるという三つの方法でやりました。 ところが、昨年十一月、日本自然保護協会が発表した機械移植、この結果の調査報告では、単に土砂の流出にとどまらない、機械移植の重大な問題点が明らかにされています。一つは、移植地周辺の自然藻場に比べて明らかに株数の密度が劣っている。例えばリュウキュウスガモについて見てみると、自然藻場では一平米当たり千百株に対して、移植藻場は評価Aのブロックでも九百株程度、評価Bのブロックでは八百、評価Cのブロックでは二百株程度しかなかった。この点について報告書では、機械化移植実験では海草の種ごとの現存量等について全く調査されておらず、面積と移植ブロック群の生育状況をAからDの四段階で示しているのみで、著しく科学的な根拠を欠いている、そう指摘をしています。 また、底生生物についてですけれども、自然藻場では八類、四十一種類が確認されたのに対して、移植地ではわずか四類、四種類しか確認されなかったということです。明らかに生物多様性、生態系が移植によって破壊されているということを示していると思います。この問題について報告書では、移植地における底質や水質など、海草の生育環境やそこに生息する底生生物の調査など、海草藻場、生態系を把握するための基礎的なモニタリング調査さえほとんど実施されておらず、海草藻場生態系保全という重要な視点からの評価が全く欠落している、こう厳しく批判をしています。ところが、沖縄総合事務局の海草移植計画ではこうした点は全く対象外、触れていないわけですね。 環境省としてはこれでよしとするのでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま先生が指摘されましたように、藻場の海草の移植に当たりましては、単にその海草個体が活着したというだけでは明らかに不十分でございまして、私ども、昨年の十月に内閣府に対して申し入れました内容におきましても、それ全体が、例えば底質又は底生の動物、そのようなものを含めた生態系全体が藻場としての機能が保全されるという観点が必要であるという申入れをしているわけでございます。 このような趣旨から、例えば現在進められております機械化移植工法の試験に当たっても、また手植えによる移植地においても、藻場全体の生態系の保全若しくは生物生息域としての機能としての把握という見地が必要ではないかと、そのような形で私ども、内閣府に対して既に御意見を申し上げているところでございまして、内閣府ではこの御意見に基づいて、例えば手植えにおける移植地については、単に藻場の活着状態だけではなくて、移植藻場の生物生育状況も調査されるというふうなことを聞いているわけでございます。
○岩佐恵美君 大臣、どうですかね。この活着状況だけじゃなくて、生態系全体ですよね。特に底生生物なんか全く違うんですよね、自然のところと移植したところでは。ですから、そういうことについて、やっぱり大臣として細田大臣にきちっとその点は言っていただいて、納得のいくようなそういう調査をしなさいということを言っていただくのがいいと思うんですけれども、その点大臣からもきちっと言っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、総政局長の方からお答えをしたところでありますが、昨年の十月に、これは異例ではありますけれども、環境省の考えを申入れをしたところであります。そして、それがきちっと守っていただけるものと、そういうふうに私も信じているところであります。 やはり海草の移植というのは、何かこの一時的なものであってはいけないんであって、やはり世代を超えて、世代がこう続いていく、そういう形での移植が完了しなければならないということであろうかと思います。今もその御努力をいただいているところだと思っておりますので、モニタリングもしばらく続くというお話でございますので、そうしたことも十分に注視をしてまいりたい。また必要があれば申入れという形かどういう形か、必要があれば改めて環境省の考えを申し上げたいと思います。
○岩佐恵美君 最近、更に重要な問題が明らかになりました。泡瀬干潟を守る連絡会は、二月十九日の調査で、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種Ⅱ類に指定をされているヒメウミヒルモが第一期工事区域に生息している、このことを確認したということです。内閣府は確認しましたか。そして、それに対してどう対応されるのでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) お答え申し上げます。 ヒメウミヒルモでございますが、これは事業者の過去のモニタリングで、一度だけ一地点で確認されているというふうに聞いております。これは、一般には水深の深い場所に分布すると言われておる種でございまして、埋立地周辺の浅い海域は必ずしも生育の中心となっているとは考えにくいわけでございますけれども、私ども事業者といたしましては、今後専門家の御意見も承りながら、必要に応じて適切に対処したいというふうに考えておるところでございます。
○岩佐恵美君 今説明がありましたように、ヒメウミヒルモはこれまで水深十八メーターの海域に生育をしているということで、埋立予定地には生育していないとされてきたわけですね。学術的には日本では沖縄の瀬底島と中城北浜の二か所での確認しかないと、確認記録しかないという希少種です。 また、貝類保全研究会の調査で、仮橋、仮設橋ですね、の建設地周辺に絶滅のおそれがある希少貝類が十七種も発見されたということです。これらについて環境省はどう考えますか。希少種の保護が必要なのではありませんか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 希少な貝類の保護ということでございますが、私どもこの地元のNGOが沖縄総合事務局に埋立ての中止を求めたという新聞報道で承知いたしました。貝類については都道府県が幾つかレッドデータブックなどに掲載しておりますが、そのような種類の貝を希少貝類というふうに呼んだものというふうに承知しております。
○岩佐恵美君 聞くところによると、環境省のレッドデータブックでは海洋生物については極めて不十分だと、貝類については非常に後れているということでした。私は、早急に環境省として貝類を希少種にリストアップする、そういう作業を進めるべきだと思いますけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) レッドリスト、レッドデータブックに載せるリストの作成でございますが、分類や分布などの生物学的な知見が十分集積されている分類群から始めて、専門家の協力を得つつ作成しております。現段階では、我が国に存在する約九万種を超える野生生物のうち六万八千種の野生生物について評価し、その中から二千七百種を絶滅のおそれのある種として選定したところです。 先生御指摘のように、海産の貝類などですが、いまだ生物学的な知見の集積が十分でない分類群については評価選定を行う段階に至っていないというのが現状でございまして、今後、レッドリストの見直しに際して、このようなものに対して評価対象範囲を拡大していくなど、専門家の方々の意見も聞きながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
○岩佐恵美君 大臣、ジュゴンのときもそうでしたけれども、環境省は海の中には手を出さないというか、出せないとかということなんでしょうかね。とにかく、海の中についての知見というのは恐ろしくないんですよね。後れているんですね、研究が。 貝類についても、もう本当に専門家というのは日本でもそんなにいらっしゃらないようなんですね。やっぱり私は、環境省としてそういうことでは済まない、海の中というのは非常に豊かなところ、場所なわけですから、そこはもうしっかりリストアップをしていくための作業を進めていただきたいと、そういう御認識で進めていただきたいというふうに思います。 ヒメウミヒルモですけれども、これまで移植実験をしてきた海草よりももっと希少で、その生態も明らかになっていませんし、希少であるということは非常にデリケートな植物だということになると思います。ですから、安易な移植をすれば、それ自体が地域個体群の絶滅を招くおそれが強いわけです。新たに発見された希少貝類も同じだと言えます。 実は、現地の自然保護団体から、本年度の工事が原因で重大な事態が起こっている、そういう連絡が入りました。それはどういうことかといいますと、周辺をフェンスで覆って、その中に岩石を大量に投入したわけですね。フェンスで覆ったというのは、周りに汚染が広がらないようにということでフェンスで覆ったわけですけれども、岩石にまみれていた土砂の粉末、これがフェンスの内側にたまってしまった。工事終了後、フェンスを撤去した。それがきっかけで、このたまった土砂が周辺に広がってしまった、海が濁ってしまった、海底が覆われてしまった。つまり、赤土が海の中に流れ込んだと、それと同じような現象が起こってしまったようです。 自然保護団体は、背丈の小さいヒメウミヒルモが埋まってしまう危険があると指摘をしています。ある専門家の方は、このすぐそばにクビレミドロもいるのではないかということを指摘をしておられます。私は、すぐに現場を調査をして、被害があれば原状回復をして、さらにヒメウミヒルモ、クビレミドロや希少貝類について、しっかり生態調査を行うべきだと思いますが、内閣府、いかがでしょうか。
○政府参考人(武田宗高君) ただいま委員の方から御指摘ございました汚濁防止幕の撤去に伴います細かい粒子の拡散ということにつきましては、先日の環境監視・検討委員会でも委員の中から指摘を受けたというふうに聞いております。 ただ、現場に投入しております石材でございますけれども、これは事前に十分に洗浄した後に投入をしておるものでございまして、事業者のサイドでの目視による観察では、汚濁防止幕の撤去時においても砂の細かい粒子が大量に拡散したといった様子はないということでございますけれども、委員からの御指摘も受けまして、今後とも現地の状況を注視していきたいというふうにしております。 工事に伴います環境への影響につきましては、今後とも所要のモニタリングを実施し、委員会において御審議をいただくということにいたしております。 なお、ヒメウミヒルモでございますけれども、これにつきましては、今後、工事中に行う生物相の調査におきまして確認をして、その実態の生態などについて専門家の御意見も伺って、必要に応じて適切に対処することにしたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 泡瀬については、二〇〇三年度で予定をしているモニタリングサイト百二十九か所のうちの一か所に入っていると思うんですね。私は、環境省としてもこの部分のきちんとした調査をフォローしていくべきだというふうに思います。 さらに、その環境影響評価では、工事中に貴重な動植物が確認された際は関係機関と調整して保全策を講ずるとしています。新たに発見されたヒメウミヒルモや希少貝類の生息状況や生態を早急に調査をして、埋立てによる影響評価をして保全策を取るべきだと思います。それもやらないで事業をどんどん進めるということはとんでもないというふうに思います。そこは内閣府としてしっかりとやっていただきたい、このことを求めたいと思いますけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(炭谷茂君) まず、事業に伴う環境保全措置につきましては、先生が指摘されました環境影響評価書、また沖縄県知事の意見を踏まえまして、事業者自らの責任を持って実施すべきというふうに考えております。 今回の件につきましては、平成十二年の三月に出されました環境影響評に対する意見及びこれに対する事業者の見解といたしまして、その事業期間中にその保全、貴重な動植物を確認された、事業期間中に貴重な動植物が確認された際の対応として、その保全に必要な措置を適切に講ずるということが事業者において述べられているわけでございます。そこで、そのために必要な対応が私どもとしてはなされるんではないかというふうに理解しておりまして、環境省としてはその対応を注視してまいりたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 泡瀬干潟は、大臣、調査すればするほど多様な貴重生物の生息が明らかになってきているんですね。それほど重要な海域なんです。 この間沖縄に伺ったときに、その理由が中城湾の生い立ちと地形にあるということを知りました。琉球列島は、何度か大陸とつながったり分断されたりを繰り返して、その都度、大陸から、南方から渡ってきた生物が島で孤立して独自の進化を遂げてきました。そのために固有種が多いんですね。琉球列島の現在の骨格が固まったのは約二万年前と言われるわけですけれども、泡瀬干潟を含む中城湾というのは、外海に向かって島とリーフで狭められているということで非常に残りやすい地形だったということで、当時の沿岸生態を残している希少で貴重なところだということです。 だから、中城湾は非常に貴重だし、しかもその中でまとまって自然環境が残っているのは泡瀬だというんですね。海草藻場、トカゲハゼ、クビレミドロ、これがセットで残っているのはここだけだということです。だから、専門家は生態系の化石という言い方をしています。ラムサールの条約事務局長もわざわざ泡瀬干潟を保全しなさいという、してくださいという、そういう手紙も来ているのはそういうところにあると思います。 ですから、掛け替えのない泡瀬干潟の自然環境、生態系を破壊するような事業をどんどん進めるということを放置をしていては大変なことになる。私は環境省の存在意義が問われているというふうにも思います。是非、環境破壊を食い止めて泡瀬干潟を保全するということで、断固として頑張っていただきたいと、そのことを大臣に求めたいと思います。
○委員長(海野徹君) 要望ですか。
○岩佐恵美君 答弁をちょっと一言。
○国務大臣(鈴木俊一君) 泡瀬干潟、私まだ行ったことないんでありますが、岩佐先生からも写真をちょうだいをいたしまして、大変きれいなすばらしいところだと認識をしております。 ただいまお話がございましたとおり、このクビレミドロ等の希少な野生生物があり、その多様な底生生物の生育、育成の地、シギ、チドリの渡来地として重要な地であると認識しております。そういう地であるからこそ、昨年の十月、極めて異例でありましたけれども、内閣府に対し申入れをしたところであります。それは、事業が決まったときに沖縄県において環境影響評価というものがなされて、そこで事業を進めるからにはこういった環境保全措置を守るということが言われているわけでありますから、それをきちんと守っていただくということがこれはもう原則であると、そういうふうに思っているところであります。 事業者において環境保全上必要な措置が確実かつ適切に実施されるよう、注意、注視をこれからもしてまいりますとともに、事実関係の把握にも努めまして、今後とも必要があれば必要に応じて助言等の的確な対応を環境省としてやってまいりたいと思っております。
○岩佐恵美君 終わります。 ありがとうございます。
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。 今日、ちょうどアメリカがイラクを攻撃するというニュースを聞きまして、私は本当にショックを受けました。これはもう戦争というのはどうしてもしてはいけないと思います。今朝、愛知先生がおっしゃったんですけれども、また戦争と環境のことについて伺いたいと思います。 戦争は最悪の環境破壊の行為だと思います。平和を希求する国、日本の環境省は戦争行為に対してはっきりノーと言うべきだと考えます。そのことについて大臣の見解を伺いたいのですが、環境省の役割とは、日本政府の一員として、日本政府が午前十時のタイムリミットを設定したアメリカに対して、本当は毅然として、態度でノーと表明するべきだったと思うんです。そして、それは全力で働き掛けるべきだと思いますけれども、環境大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今朝の愛知先生の御質問でも戦争と環境破壊のお話がございました。 そのときも申し上げましたけれども、環境破壊、これはもう火山の大爆発でありますとか、もう大洪水でありますとか様々あると思いますが、そういうものはすべて自然における自然現象の中での環境破壊でありますが、戦争という人為的なもの、人間が起こす環境破壊ということを考えれば、その紛争、戦争の規模にもよると思いますが、これは大きな戦争によって環境破壊が起こると、こういうことでございます。先生は、今日のこのイラクの攻撃が始まったという事態を踏まえてのお話であろうかと思います。 イギリスにおきましては、環境大臣が抗議のために辞意を漏らしたということを一週間ぐらい前聞きまして、その後、実際にお辞めになったのではないかと思いますが、彼女の場合は恐らく、環境大臣だから辞めるということではなしに、政治家として反対だということでお辞めになったんではないかと、そういうふうに思うところであります。 環境省としてこれにノーと言うというよりも、私、環境大臣としてというよりも一政治家としてどう対応するかと、こういうことでございますが、私は、小泉内閣の閣僚の一員として内閣の方針、それを支持したいと、そういうふうに思っているところでございます。
○高橋紀世子君 そのお気持ちは分かりますけれども、やはり環境の見地からいろいろまた発言していただきたいと私は思っています。今日、戦争が実際起こってしまいました。いろいろな種類の兵器が使われることが予想されます。戦争の当事者として、人体への被害、そして地球環境そのものに与える影響などの予測、調査をするように、環境省に深くお願いいたしたいと思います。 やはりこのことは、私は日本としてアメリカの行動に同調するべきではなかったと思っています。環境の問題もそうですけれども、国際紛争を武力で解決しないという大きな理想を持っている日本がこのアメリカの攻撃に賛成してしまったことは、残念ながら本当に私は悔しく思っています。 今度、ちょっと違うことをあれします。 京都議定書の六%削減、約束をしましたけれども、二酸化炭素の六%削減を達成するための森林の吸収量の算定方法について、前回国会に続いて再びまたしつこくお尋ねいたします。 一九九〇年の森林の吸収量をゼロとして未来の森林の吸収量を算定するという方法はどうしても納得ができません。森林の増加量のみを算定する方法に変更するお考えはないでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 森林吸収源の問題でございますけれども、COP7でのマラケシュ合意におきまして、第一約束期間においては基準年からの吸収量の増加分というものではなくて、その期間における吸収量そのものを算定するということが国際ルールとして決定されたわけでございます。 この計上ルールを決めましたときにもいろんな御意見、いろんな議論がありましたし、また実際この計上ルールによりますと、この算定した数量というのは確かに吸収量の増分ではないわけでございますので、その点についての御意見があることも承知しておりますけれども、これは従前から森林整備などを実施してきていた国の努力というものを評価してあげようということで調整を重ねた結果、国際合意されたものでございます。このため、各国とも京都議定書の削減に絡む吸収量の算定に当たっては、このルールを用いて算定するということになっているわけでございますので、日本としてもそうしたルールに基づいて算定していきたいというふうに考えているわけでございます。
○高橋紀世子君 今までのいきさつは分かったんですけれども、私は何か納得できないものがございます。 日本政府は、原発の増設について、二酸化炭素の排出量を抑制していくとの見解を示されました。原発増設は世界的な時代の流れに逆行するだけではなく、コスト的に考えても安全性の面でも、そして環境の保全という立場からも決して支持される施策ではないと思うんです。環境省は原発の増設を止めるような、経済産業省などに働き掛けるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 原子力発電は発電過程で二酸化炭素を排出しないため、温暖化対策として重要な電源でございます。特に、京都議定書の目標の数字を達成するというタイムスパンで考えてみますと、これは不可欠な対策というふうに言えると思います。 このため、温暖化対策推進大綱におきましても、エネルギー供給面における二酸化炭素排出量の削減対策の重要な柱といたしまして、安全性の確保を大前提として原子力発電の推進を掲げたところでございます。原子力の安全性の確保につきましては、現在若干そういうことに対して疑義を感じさせるような事件が起きているわけでございますけれども、それに対しましては、原子力保安院等におきまして信頼回復に向けて努力がなされているというふうに理解をしております。 今後とも、安全性の確保を大前提とするということに変わりはございませんが、原子力発電を重要な温暖化対策として位置付けていくということで考えてまいりたいと思います。
○高橋紀世子君 やはり私は、いろんな意味で原子力を使うことは非常に問題があると思います。 もう一つ、日本のなすべき京都議定書の約束や、イラクに対する国連決議、アメリカの決定に従うことではなく、自らの二酸化炭素排出量を減らし、地球上の二酸化炭素削減に貢献しようとする精神、そして自ら紛争解決のため武力行使しないという不戦の精神を貫く精神が、私は持つことだと思うんですけれども、しつこいようですけれども、環境大臣の意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、二酸化炭素の削減の面におきまして、地球上の二酸化炭素を削減するために日本が積極的に貢献をすべきだという御指摘でございます。 京都議定書、御承知のとおり、ロシアがこれの批准の手続を進めているということでありますが、ロシアが批准をいたしますと、いよいよ発効要件を満たして京都議定書が効力を持つことになります。そういたしますと、日本は先生御指摘のとおり六%の削減をするわけでありまして、今、地球温暖化対策の推進大綱を作りまして、その下で、今、第一ステップ、一生懸命国内対策に取り組んでいるわけであります。 それと同時に、日本の国は、いろいろなこうした環境保全の技術、かつて大変な公害に見舞われて、それを克服するとき以来からのこうした面での技術がございます。こういうものを途上国に積極的に環境保全の技術協力をする、これが世界の二酸化炭素を減らす上での日本の貢献であると、そういうふうに思います。 従来、途上国に対します貢献、協力というのは、どちらかというと経済協力、お金を差し上げるということでございましたが、これからはこうした環境面の技術を積極的に低開発国に援助をする、そういうことが日本の途上国に対する協力の一つの柱になっていくんだろうと、そういうふうに思います。そういう意味で、今の高橋先生の御指摘、これは大いにその方向で進めていきたいと、そういうふうに思っております。 それから、不戦の精神を貫くべきだということでございますが、言うまでもなく、日本国憲法第九条に明記されておりますとおり、我が国が自ら紛争解決のため武力行使を行わないということが記されているわけであります。私も閣僚として、この日本国憲法の定められたところ、これをしっかりと守ってやっていくということでございます。
○高橋紀世子君 本当に、憲法九条の国際紛争を武力で解決しないというのは永遠の理想だと思うんです。しかし、私はもう一つ踏み込んで、そういう国があった場合に、そういうふうにしてはいけないんだと、こちらから積極的にノーということを働き掛けるようにしなければならないのではないかと私は考えています。 一つ、少し、自分が国際紛争を武力で解決しないというだけではなく、そういうふうな国々に働き掛けるということがもう一つ必要ではないかと思いますけれども、最後に一言いただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど申し上げましたとおり、我が国として、憲法第九条に書いてあることはこれは当然のことである、それはしっかり守ってまいりたいと思っております。 今回のイラクへの攻撃ということを念頭に先生がお話しになられているとするならば、これは総理が米国の立場を支持する旨表明したわけでありますが、これはブッシュ大統領の重大な決断が国際協調を目指して様々な努力を図った上での真にやむを得ない苦渋の決断であったとの認識に基づくものであると、そういうふうにも思うわけでありまして、私もこの点につきましては、先生からそういうお話ではございますけれども、小泉総理と同じ意見でございます。
○高橋紀世子君 本当に仕方がないと思うんですけれども、苦渋の決断といいましても、イラクは確かに大量兵器を持っているかもしれませんけれども、イラク自身がアメリカや何かに攻撃を加えて何かしたのではないということを私は考えてなければいけないと思います。私は正直言って、日本の決断もアメリカの決断も間違っていると思います。 今日はありがとうございました。
○委員長(海野徹君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十六分散会