外交防衛委員会、内閣委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 232 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2003/07/09
会議録
○委員長(松村龍二君) これより外交防衛委員会、内閣委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私、外交防衛委員長が連合審査会の会議を主宰いたします。 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は、既にお配りいたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿部正俊君 自民党、保守党を代表してといいましょうか、代表質問じゃありませんので、そういった立場でお話を、御質問をさせていただきたいと思います。 今日は幸いにもといいましょうか、テレビが入っているということでございますので、むしろ、私どもの言葉と同時に、これは大事な国の進路にかかわる問題でございます。衆議院を通過した段階で何となく事が終わりかなというような感じがありますので、これは慎重に慎重を期して、これからの日本の進路を決める一つの政策だと思いますので、これは参議院の、事改めてもう一度検証して、誤りなきを期し、かつ、国際政治の中での日本の在り方ということでの総理の決断ということを受けた、それに引き続く支援策ということになると思いますので、そういう意味で少し、余り袋小路に入るようなことなく、基本的な国民の理解を得られるようなことを総理の方からお話しいただくということを中心にして、その理解を深めていきたいなと、こんなふうなことでお話をさせていただきたいと思います。 まず、百聞は一見にしかずということがありますので、私も、この任務を引き受けるに当たりまして、二十日から二十五日までバグダッド、イラクを訪問し、バグダッド、バスラを、行ってまいりました。大変厳しい状況下での極めて限られた日程でのことでございますので、私どもの体験してきたことは、まあ、葦の髄から天井をのぞくという話はちょっと極端にしましても、ほんの一部かもしれませんけれども、その百聞は一見にしかずということの気持ちはひとつ大事にしてお聞きいただきたいものだなと、こんなふうに思います。 ともかく、とかくこの外交・安全保障論議といいますのは、頭の中の体操のような論議がどうも余りにも、私の、素人からしますと横行しているように思いますので、そうではなくて、国際国家日本の中でどういうふうな進路を私どもは取るべきなのか、取った以上はそれに対する我が国民としての責任がある、こんなふうな立場をもっとしっかり踏まえて論議してほしいものだなと、こんなふうに改めて思った次第でございます。 行って、わずか五日間の旅でございましたけれども、ヨルダンのアンマンから入りまして、八百キロ余りの立派な道路を、砂漠の真ん中を百キロ以上の直線距離をつなぎ合わせたような道路でございますが、片道三車線の道路を通りましてバクダッドに入りました。後で触れますが、この道路はどうも一九八〇年代、いろんな日本の経済協力の中で日本の企業が造った道路だというふうに聞いておりますので、その辺の事情は後ほど外務大臣等から御説明いただければ有り難いというふうに思いますが、砂漠の中の道路を通りましてバクダッドへ入りました。 砂漠といいますと、いわゆる月の砂漠という童謡がありますが、それに歌われるような、何となくロマンチックな風景を思い浮かべるのが私ども日本人の通性かと思いますけれども、どうも様相が違うと。本当に荒れ荒れた荒地というふうに言った方がいいというふうに思います。乾燥し切った荒地、茫漠たる荒地、しかも遠くには蜃気楼が全部立っているというふうな灼熱五十度の大地というふうな中での国土でございます。 やはり我が緑あふるる、今、梅雨でございますけれども、雨が降りますと、どうも、あいにく今日は雨でと、こういう言葉が日本でははやりでございますが、主流でございますが、帰ってきて翌々日、私、結婚式の仲人だったんです。雨が降りました。大抵の方々の御祝辞は、あいにく今日は雨でして、悪路にもかかわらずと、こういうことがまくら言葉でございましたけれども、どうもバクダッドからの帰りになりますと、あいにくじゃなくて、雨こそ幸せのもとだと、こんなふうな印象が、深くして帰ったわけでございますが、我が国土の、ある意味での水の有り難さ、緑の景観の見事さというのを改めて思った次第でございます。 そんなふうな感想はともかく、具体的な話へ入りますが、やはり私の受けた一言で言うと印象は、バクダッドの二日間の滞在、それからバスラの、移行してのいろんな話を聞いた中で、様々な市街地を見るにつけ、どうも、戦火による荒廃というのもあります、もちろんピンポイント爆撃でやられた政府関係のビルというのは散在いたしますが、同時にそれと同じ程度にありますのは放火されたビルあるいは略奪に遭ったビルというのが物すごく多いわけですね。これはちょっと意外でした。これはやはり敵、味方ということでの戦火による被害というよりも、国全体の、何というか、疲弊といいましょうか惨状といいましょうか、というものであって、端的に、短絡すれば四半世紀にわたるフセイン政権の圧政といいましょうか、あるいは政治の悪さが今日を招いたイラクの惨状なんじゃないかということを痛感いたしました。 ある国立病院に私ども参ったんでございますが、その前に大きな戦車が置いてありまして、依然として、一体何で爆撃とか何とかないのに戦車が置いてあるんだと言いましたら、むしろ略奪を恐れていると言うんですね。病院ですら略奪、今ですらあり得るという話でございまして、これは非常に悲しいことですけれども、現実でございます。 そういうときに、むしろ、小銃を持った隊員を置いておけばそれは十分なのかもしれませんけれども、そのとき、撃ち合いが始まってしまったら困るんで、むしろ、何というかな、十あればいいところを百の防備をすることによって全体の事故の発生を防止するという意味での戦車の配置というふうなことで置いていたわけですね、そんなふうなことでございました。 やはり、これは後でお尋ねいたしますが、全体のことで、戦争について、何か大量破壊兵器あるいは生物化学兵器があるかないかというのがいかにも何か一番の水戸黄門の印籠のような形に位置付けられておりますけれども、逆かな、位置付けられておりますけれども、それだけじゃなくて、その背景には、そういうこと言っちゃちょっと総理、お困りになると思いますけれども、私どもがそういったふうなアメリカの武力攻撃、米英の武力攻撃を支持し、かつ総理の決断でそうしたふうな立場を取ったということについての背景には、フセイン政権の存在というのはあったろうと思うんです。この政権がイラクの国民のためにも果たしてなるのかなというふうな思いがあってのいろんな武力攻撃への容認ではなかったかなと思います。 そんなことも含めて、次の、これからの質問に入っていきたいと思います。 したがって、あらかじめ言っておきますが、そういう中での米英の武力攻撃への支持でございますので、その復興についても、自衛隊のできる範囲をもちろんのこと、それを超えても日本としては、国際国家日本としては、その復興のために相当な覚悟で取り組んでいかないといけないと改めて思った次第でございます。それは、イラク国民のためにも、世界平和のためにも、もっと別の意味からすると、我が国の国益といいましょうか、我が国にとって、人から言われてやるんではなくて、我が国にとっても主体的にこういうふうなことで復興に協力していくことが必要なんだということをもっと国民に訴えていかなきゃならぬなというようなことを私自身思ってまいりました。 既に十三か国が派遣し、米英を入れると十五か国ですか、イラクに支援を行う体制を整え、かつ十四、五か国が既に派遣を決定しているというふうな状況でございます。国際的な国挙げてそれに協力するという体制ができ上がりつつありますが。 それで、まず最初に総理にお聞きをしたいんでございますが、そういうことで、イラク復興支援をなぜ今私どもが急ぎこれだけの急遽立法をしながらやるのかということをもう一度御説明いただきたいんです。 と申しますのは、私も、言わばよく政治家は地元に帰ってこういう話をするわけでございますが、話をしますとみんな驚くんです。阿部さん、よくイラクに行ってきたなと、こう言うんですけれども、でも一方で、でもよう阿部さん、イラク復興よりも景気回復を早くしてくれよなと、こういう話が率直に国民の中から出るわけでございますね。そうすると、やはり私どもの国民性かもしれませんけれども、どうしても身内のことに、考えがそこから出ませんで、今や日本というのは国際国家日本になっているんだということをもう少し理解した上でのイラク支援の位置付けなんじゃないのかなと、こう思うんでございますけれども。 そんなことも含めて、総理にどうかひとつ、イラク支援というのは、例えば今G7、G8とかG7なんかに総理も出席されておりますけれども、正に世界の大国でございます、言わばいろんな意味での、というようなことでの国際国家日本としてのイラク支援だというようなことを明確にし、かつそれが我が国の国益に沿うことなんだということをおっしゃっていただきたい。何かよそから頼まれてやるんだというような発想ではなくて、我が国の選択としてそういうことをやるんだということを是非お願いしたい、こう思います。 それから、国際的な常識からしましても、もし仮に米英軍の攻撃を支持した日本が手をこまねいて何もしないで見ていると、傍観していたということになるならば、私は国際常識からして果たしてどうなのかなという感じがいたします。どうかそういう視点で、国民のそうしたふうな素朴な感情、一方での国際国家日本としての責務というようなところのずれといいますのは、そう生易しいものではないんじゃないかなという気もするわけでございますので、どうかひとつその辺について、まず最初に総理から我が国のためだということを基本にした考え方を率直にお答えいただきたいというふうに思います。お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 非常に厳しい環境の中、暑さやあるいは散発的に戦闘も行われている、そういうイラクの地域、バグダッド等に実際に足を運ばれて見てこられた。そして、この実際の視察を今後の復興支援に生かされようと努力されている御意見は、先日もじかに会ってお話を伺いまして、そのような積極的な活躍に敬意を表したいと思います。 私は、このイラク戦争が始まる前から、日本はたとえ国際社会とイラクとの間に戦争が始まったとしても戦闘行為には参加しませんと、武力行使はいたしませんということをはっきり申し上げておりました。しかし、戦争が終わった後、イラク国民のための人道支援、復興支援等については、日本としてできるだけのことをやっていきたいというふうに申し上げてきたわけでございます。 今、主要な戦闘が終わり、米英軍等多くの国々が、できるだけ早くイラク人のイラク人によるイラク人のための政府を作るための機構も設け、復興支援に当たっている。そういう中で、今や国連の安保理におきましても、当時の米英軍等の武力行使を支持しなかった国さえもイラク復興支援には賛成し、安保理決議におきましては、シリアは棄権をいたしました、欠席いたしましたが、出席国全会一致賛成の下で、このイラクに対する復興支援活動をしようという国連決議が採択されたわけであります。 そういう中にあって、日本としては今何ができるかということを考えた場合、世界で最も経済的にも豊かな国である日本としては、それにふさわしい役割があるのではないか。また、人道支援にしても、復興支援についても、今までの経験踏まえた活動ができるのではないかということで、私は、今後一日も早くイラク国民が自らの力で自らの国の再建に立ち上がることができるような支援をしていくのが日本としての役割だと思っております。 いろいろ事情、阿部議員からも聞いてみますと、戦争によって橋とか道路とか主要施設が大分破壊されていると思ったところが、道路もかなりきれいに整備されて、爆撃の跡はないと。むしろ、戦後の略奪者の無謀な動きによって破壊された施設がかなり目立つというような話を聞いております。 私は、そういう意味において治安が万全でないということは承知しておりますが、それでも大きな戦闘は終わっていると。また、十分な配慮をすれば非戦闘地域という場所の認定も可能だろうと思います。そういう中で、日本としては、自衛隊であれ、政府職員であれ、民間人であれ、それぞれの能力に応じて、またイラク国民の、どういう支援を期待しているのか、そういう状況を把握しながら、日本として国力にふさわしい支援活動をしていかなきゃならないと。 よく、人から言われたのかとか、アメリカから言われたからやるのかという議論が衆議院でも行われました。そうではない。かつて、ケネディ大統領が就任演説のとき、国民に向かって、諸君は国家が何をしてくれるかを問いたもうな、諸君が国家のために何をできるかを問いたまえと言いました。今、日本としては、私は、日本として主体的に、独自に、イラクの国民の復興支援のために何ができるのかということを考えるときではないかと思っております。
○阿部正俊君 そのとおりだと思います。 正に今のイラクの惨状は、私は、一言で言いますと、言わば無政府状態に近いんじゃないかなというふうに思います。例えば米軍の活動も、もちろん武力を行使する場面もございますけれども、どっちかといいますと秩序維持のために当たっていると。例えばガソリンスタンドの配給も、今は全然体制が壊れていますのでだれもやる人いませんで、わあっと駆け付ける。それを秩序立てて、待つ人は待って、順序よくやるようなことまで米英軍もやっているわけですよね。 というふうなことなんで、そうしたふうな状況からどうやって、総理がおっしゃったイラク人によるイラク人のためのイラクの政府というのを作るかというのは、本当にこれは壮大な事業だろうというふうに思いますし、そうした意味でのかかわりを我が日本は持たなきゃいかぬのだということを相当な覚悟でお願いしたいというふうに思います。 それで、これは外務大臣にお伺いしたいんですが、私は、これはもちろん実際的な一般支援なんか、自衛隊はともかく、一般支援の隊員、隊員といいましょうか、支援者は多分、内閣官房所属というようなことになるんだと思いますけれども、具体的には外交政策としての主導権というのはやはり是非外務省さんが僕は取っていただきたいと思うのでございます。広い意味での支援方策というのも外交だと思います。何か外交の一面というよりも重要なファクターだと思います、これからの日本にとって。復興を支援し、かつ平和を維持するために、言わば、別に血を流すとかいう意味じゃありませんけれども、人もお金も、あるいはいろんな意味での戦略的なことを持ってやらなきゃいかぬ。我が国の国益を実現すると。 国益といいますと、何か例えば借款の経済協力して企業が、我が国の日本の企業が行ってその事業をやって金をもらうんだとか、そういう意味での利的なこと、お金もありましょうけれども、それを超えて、もっと平和の利、利益、あるいは国際影響力のいろんな意味での力を付けるという意味での利益という意味での国益ということをやはり考えてやっていただきたいと思うし、それを考え、かつリードするのが私は外務省ではないかと、こんなふうに思います。 どうかそういう意味で、川口大臣、少しスタイルがいいものですから線が弱いんじゃないかと、こんなふうに言われることもおありかと思いますけれども、どうかひとつ、それとこれとは別でございますので、堂々と大声でおっしゃっていただきたいというふうに思います。お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 外務省及び私に対する激励をいただきまして、ありがとうございます。 委員がおっしゃいますように、中東地域に対して我が国がどのような基本的な戦略を持ち、やっていくか、そのための外交努力をやっていくかということは、このイラクの問題も含めて非常に重要であると考えています。 中東地域における我が国の国益、これは大変に大きなものがございます。 先ほど委員が一番最初の御質問の中で、選挙区の皆さんは国内できちんとやってほしいという御意見を持っていらっしゃるということをおっしゃられましたけれども、中東地域が平和で安定をしているということは、日本の国内、特に経済面でこれが安定して繁栄をするということと決して無縁ではない。基本的に非常に大きな関係がございます。 なぜかといいますと、日本は原油の九割を中東地域に依存をしているわけでして、中東地域が平和でなければ、安定をしていなければ原油の価格にも影響を与えますし、それはもろに我が国の経済の安定と繁栄に影響を与えるわけでございます。そういう意味で、我が国として、中東地域の平和と安定にイラクの平和、安定が非常に大きな影響を持ちますので、国益という点からいってもこれは非常に大事だと思っております。 それから、もちろん我が国として、中東地域との関係でいえば、アラブの世界と対話を持ってアラブの世界を、日本としては非常に距離的にも遠いですし、考え方の上でも遠いという意味で、なかなか身近には感じる人が少ない地域かもしれませんけれども、相互に理解をし合うという関係を作っていくことが大事であると思います。 そういったことを踏まえまして、我が国としては、イラク及びイラクの周辺国の支援にかなりのコミットメントを既にいたしております。イラクの関係でいえば、NGOの支援も含めて八千六百万ドルほどを既に支出をしておりますし、それからその周辺国に対しましても、たしか既に三億を超えるお金を支出を決定をいたしております。 そういったことを行いながら、基本的に中東に対して持っている戦略を踏まえて、外務省として、政府の他の関係部署と、内閣官房ももちろんのことですが、御相談をしながら、イラクの復興について貢献をしていきたいと考えております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 その中で、ちょっとこれは事務方でも結構ですが、既に、私は、四半世紀のイラクのフセイン政権下での日本との外交関係というのは、少し長い目で見ればほんのいっときだったんじゃないかなという感じもするわけでございます。もっとやはり過去との連続性ということをどうやって復興支援で回復していくのかと、より積極的な中東外交の柱として対イラク外交というのは考えてほしいなと、こんなふうに思うわけでございますので、思い出す意味で、一九八〇年代ごろまではフセイン政権じゃなかったわけでございますので、その間までに外交、イラクと日本との外交関係の中でどんなふうな経済関係が行われ、されてきたのかということをちょっと御説明いただければ、先ほど言いましたように、例えば道路の整備だとか、あと私、聞くところですと、何か十三の都市に四百床の病院を整備したというふうに聞いておりますが、これはどうなっているのか。その辺の実績とこれからの展望、是非お伺いできれば有り難いと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(川口順子君) 御指摘のように、我が国はイラクとの間では非常に親しい友好関係を持ってきております。外交関係を樹立しましてから、八〇年代初めにはイラクにいる日本の邦人は五千人を超えるというような水準までの関係を持ってきております。ただ、その後、イラク・イラン戦争がございまして、安全等の観点から影響がございましたので、九〇年には約五百名と、十分の一ぐらいに邦人の数は減っております。また、湾岸戦争に際しましては、実はイラクにおける邦人が百四十名ほど拘束をされるといったこともございました。 元々、イラクがお金を持っている、石油資源がありましてお金を持っている国でございますので、我が国とのイラクの関係は必ずしも全部ODAによったということではむしろなかったわけでございまして、民間ベースで、貿易保険とかそういうことはございましたけれども、支援を、我が国の民間企業がイラクに対して協力を行ってきたというところでございます。 先ほどおっしゃった高速道路でございますが、これは我が国の企業が造ったもの、全部かどうか分かりませんが、ものもございますが、それは基本的に民間の案件として行われております。それからその病院も、病院の中の器材、これについては我が国として支援をやっております。円借ということで言えば、肥料工場あるいは発電所といったものをやっておりますが、かなりの部分が民民ベースということで行われております。 いずれにいたしましても、潜在的にイラクというのはそういった民度あるいは経済面でも力を持った国であるわけでございますから、我が国として一日も早くイラクにおいてイラク人の手でイラク人の政府を作る段階にまで、早くそこまで行くように支援をしながら、またそういった暁には日本人とイラク人の長い伝統的な関係、友好的な関係をベースに、以前あったような友好関係を築き、日本として中東地域の安定に日本としても貢献ができたという形を取るということが非常にいいことであると、国益にもかなっているというふうに思います。
○阿部正俊君 どうかひとつ長い歴史的なスパンを見て、やはり復興支援とその後のイラクと日本との関係の友好な強いきずなを構築するというふうな視点でひとつ取り組んでいただきたいと。自衛隊を派遣するのかしないのかというふうなこと、どうしてもそこに議論が集中しがちですけれども、ちょっと待てよということで、もっと長いスパンで政策的な外交政策と考えていただきたい、こんなふうに要望しておきます。 さて、言わば今度の米英の攻撃のある種の大義になりましたのは、いわゆる大量破壊兵器並びに化学兵器、生物化学兵器の存在云々でございます。これは警察の証拠調べみたいな意味では見付かっていないのかもしれません。だけれども、それがないからどうだということなのかなという、それはそう大切なことですけれども、だからそれが攻撃の大義になったことは確かでございますが、私はそれの背景に、それが大義、にしきの御旗になったんだろうと思いますが、ただ、それがあればすべてどうなんだという決め手には果たしてなるのかなという気がいたします。その背景にはやはり、先ほど申しましたように、四半世紀に及ぶフセイン政権の圧制という中でのイラクの再生というのが私どもの気持ちの中ではやはりなければいけませんし、現に拝見するとそんな気持ちを持ちます。したがって、大量破壊兵器が見付からなければ支援する大義もなくなるのかということをまず総理にお伺いします。 と同時に、次のイラクの再生というものを、少なくとも武力攻撃、どんな大義があろうが、なかろうがじゃないけれども、ともかくとして、それを攻撃をしたわけでしょう。支持したんです。それならその復興について、イラク国民のためにも、対内的にも対外的にも、フセイン政権は非常に平和のためにも国内的にもまずい存在だというふうなことが私は背景にあるからこそ許容されたんではないかなというふうに思います。しかも、そんなふうなことで多分総理は決断されたんだろうというふうに思います。それを決断された以上は、やはりイラク政権なき後のイラクの再生、復興ということについて、我が国は支持したればこそ、なお大きな責務があるんじゃないか、こんなふうに思いますけれども、大義の問題とその後の復興への責務の問題について総理から御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大義の問題については何回も衆議院でも質問が出ました。 この点については私は、国連の六七八、六八七、一四四一、これは査察団も含めて国連安保理の参加国が一様にイラクに対する大量破壊兵器等の疑惑を持っていたわけであります。ないということを証明するのはイラクの責任だったんです。このないということに対して、いや、まだあるんじゃないかと査察団が入る、査察団を追い返す。そういうことから、どのようにこの大量破壊兵器、化学兵器、生物兵器等の疑惑にイラクがこたえるかということで何回も国連で議論が重ねられた。だから、そういう疑念を払拭するために、どうぞ査察団来てください、どこでも調べてくださいとイラクが言っていればこの戦争は起こらなかったんです。ところが、言わないために、一四四一、最後の機会を与えるということを昨年十一月、一四四一で決議した。最後の機会をイラクが有効に活用しなかった、これが私はイラクにとって大失敗だったと思います。 そういう点から、国連は、まあ、もう少し時間を与えようか、いや、もうこれで十分だろうと意見の対立ありました。結果的に戦争に入ったわけでありますが、私はこの国連決議で正当性はあると思って米英等の武力行使を支持いたしました。その後、主要な戦闘が終わった後は、この戦争に突入する前の意見に対してはそれぞれ見解の相違があると思いますが、イラクの復興に対しましては全会一致の国連決議が採択されました。 日本としては、先ほど申し上げましたように、戦闘前から、武力行使はしません、戦闘行為には参加しませんと言いつつも、戦後の復興には支援をいたしますということを表明していましたから、今そのときが来たなということで、これからこの法案の審議をお願いして、自衛隊であれ、政府職員であれ、民間であれ、できるだけのことをイラク復興支援、人道支援のためにやっていこうというのが考えでありまして、私は、既にこの武力行使を支持になった国の軍隊も今イラク復興支援のためにイラクで活躍されている国もあるわけでありますから、日本としてはできるだけ早く、国際社会の責任ある一員として、イラク復興支援、国連決議の要請にこたえてできるだけのことをやっていきたいと、これがまた日本の責務だろうと思っております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 それで、具体的な法案の中身は後で、後ほど触れますが、やはり事にはタイミングがあろうと思います。やはりタイミングを失しますと、日本語で夏炉冬扇という言葉がございますよね、夏のいろりと冬のうちわと、こういうことですけれども、そういうふうになったんではやはり国際的な常識から外れて、かえって日本を、信用を落とすということになりかねない面も国際環境の中ではやはり考えておかなきゃいかぬ問題じゃないかなと思うんですね。 そして、私どもが行ってきた感じとしては、今のある種の治安が、軍事という意味じゃ、戦闘という意味じゃありませんけれども、例えば外出禁止令が出ているとか、夜の自動車でも、独り歩きはともかく、もちろんのこと、自動車でも時々止められて銃で襲われるとかいうこともあり得ます。私どもの泊まったバグダッドでも、夜は停電だし水は出ないし、出ても赤水だとか、あるいは何というかな、下水道は、特に下町はもう荒れ放題で路上に下水が流れているという状況があるとかいうような意味での様々な不安といいましょうか、いうものが存在します。そういう中での支援というのは、やはり独立、自活ができること、あるいはそれなりの防護能力を備えること、これがやはり活動の原点だと思うんですね。そうなると、今のタイミングでむしろ私は自衛隊が一番適当かなと、こう思うんです。 何も自衛隊がすべてだとは言いません。むしろそこのところをむしろ逆に強調したいんですがね、そこから先が大事なんだよと。だけれども、タイミングを失しますと、例えば一年先、二年先に、さあ自衛隊でございますと行っても、果たしてどうなのかなというふうになるわけでございまして、そのタイミングで、むしろその、例えば、言葉じりとらえるようであれですけれども、CPOのブレーマーさんという言わば一番のリーダーなんでございますけれども、聞いても、日本はどういうことできるんでしょうかと、こう聞くわけですね、例えば。聞くとします。そうしますと、それはもうどうぞ日本が決めてください、時期もそれから業務も日本がやることを自主的にお決めください、それに私どもはできるだけ協力します、日本の自衛隊の、何というかな、全体の、性格として一定の範囲になるということはよく分かっています、その中でやれることを十分やってください、あれこれ、あれしてくれこれしてくれということを決めることは差し出がましいことでと私は思いますと、こうおっしゃるわけです。 でも、裏を返して言えば、非常に俗っぽく答えますと、いや、それは来てから言ってくれよ、まず来てくれることじゃないか、その上で自分で決めてくれよと、こういうのが、言わば私どもの庶民的な感覚からすると、まあそうかなと思うんです。ブレーマーさんは紳士ですからそういう言い方はしませんけれども、本当はそういうことじゃないかな、それが庶民の感覚というものじゃないかな。できることはともかくタイミングを失せずにともかく駆け付けるというのが、まず、気持ちがあってこそのやはり自衛隊であり、役目なんじゃないかと、感じがします。 むしろ本当の意味でのもっと重い課題は、インフラの整備だとかあるいは民政への移管だとかいうところでどういう協力できるかの方がもっと重い課題だと思うんでございますけれども、それはまた別のタイミングと、こうなるんではないかと思うんですね。 そういう意味で、タイミングがあるんだということでありますし、そうすると、今のタイミングでできるだけ早く送って活動できるのは、独立、自活であり、かつ一定の防護能力を持つ自衛隊というのが適切なんじゃないかなと、改めてそんな思いをしたんです。それを早くやらなきゃということを思いますので、その辺のタイミングの問題について総理から一言、どんなふうな感覚でおられるかお聞かせいただきたいと思います。法律が通るかどうかとか、そんなものとちょっと別にいたしまして、本来の在り方としてどうなのかということを少しお答えいただきたいなと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、現在でも活動されている各国の軍隊やら、あるいは民間人、NGO、NPO、政府職員、たくさんおられるわけです、イラクに入って。こういう状況を見て、確かに人によっては、完全に戦闘は終わっていないんだから危険だ、どこでも危険だと言う方もおられます。にもかかわらず、民間人も含めて世界各国の方が活動しているわけでありますね。 その点も含めながら、私は、この法案が成立し次第、既に政府調査団も派遣しておりますが、今後とも、民間人が行く場合にはどういう地域がいいのか、政府職員が行く場合にはどういうところがいいのか、またどういう部署がいいか、また自衛隊が行くためにはどういう地域がいいか、また自衛隊だったら何ができるかということを、この法案が成立した後できるだけ早く、自らの日本としての調査と、それから外国等からの得た情報を総合的に勘案しながら、日本としてできることをやっていかなきゃならないと。そのためには、まずイラク国民がやってほしい、またイラク国民にとって必要だと、自らの日本の活動が評価されるようなそういう協力をしていかなきゃならないと思っております。 今、こういう地点に何をということを言うのは時期尚早だと思っております。
○阿部正俊君 総論的の最後に一つだけ取り上げますが、タイミングの問題と絡む話でございますけれども、やはり我が国の国際活動の中で、自衛隊の海外派遣ということが本来業務と言えるかどうか、ちょっと、言うべきなのかどうなのかは検討を要すると思いますが、恒常的に派遣するということ、恒常的にといいましょうか、随時、弾力的に派遣できる体制を整えておくということは大切なことじゃないかなという気がします。 ただ、せんだって、これは事前に配付の予定もしていませんのであれですけれども、事態法のときに使った資料でございますが、これは、石破防衛庁長官は御存じだと思いますが、自衛隊員の心構えというのはすべての隊員に配付してある冊子なんですね。身に付けて日ごろよく理解しなさいということの教育に使っているんでございますが、これを見ますと、国際活動について、率直に言って、触れているところ余りないんですよね。 というようなことで、これの改訂も含めての話もお聞かせいただけると思いますけれども、もっと大きな意味で考えますと、そうした意味での自衛隊の海外での活動ということを弾力的に運用できる基本的な法制度といいましょうか、というようなことを考えておかなきゃいかぬ時期に来ているのではないかなというような気がしますけれども、様々な議論を今まで重ねられましたけれども、人によっては、あるいは考え方によっては、附則の中に検討規定を置くようにしたらどうかというような議論もございましたことを記憶しておりますけれども、今回の法律を見ますと、ちょっと痕跡がございませんので、その辺の事情、これからの検討の方向なりについてお聞かせいただければ有り難いと思います。 よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊の主要な任務は、我が国の平和と独立、安全を確保するため、これが主要な任務であります。 しかし、現在、PKO活動あるいは災害活動、そして、今でも東ティモールやゴラン高原やら等で各国の協力の下に自衛隊としての役割を果たしている、そういう経験もございます。 そういうことから、それぞれの特定の地域に絞って法案を出す、あるいは何か事が起きたときにそれに対応できるような法案をその都度出すということよりも、国際貢献といいますか、国際社会の中で戦闘行為、武力行使以外に自衛隊はどのような役割があるのか、また活動ができるのかということについてはいろいろ御意見があるのは私も承知しております。いわゆる恒久法を作れという御意見もあります。 その点につきましては、私は、今回の審議はイラク支援のための審議なんです。議論としては分かりますが、これは、今後、イラク支援関係のこの法案が成立して、そしてイラクでの実績を積んで、経験もできた、さてこれから国際社会で自衛隊というのは果たして国内だけの活動でいいのか、あるいは、PKO活動、その経験を踏まえて更に国際社会の中で自衛隊は活躍の余地があるのではないかという議論というもの、当然今でも出てきておりますが、この点については、国会での審議の状況、また国民的な議論、よく見極めながら将来の課題として検討していいのではないかと思っております。
○阿部正俊君 それじゃ、全体的なことについて一応切り上げさせていただきまして、時間もありませんけれども、法律案に沿った幾つかの論点について御質疑させていただきたいと思います。 一つは、これは感覚の問題なのかもしれませんけれども、法律案全体の構成でいろんな活動の目的の動機付けが、例えば目的規定の中に書いていますが、イラク国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和と安全を確保することが目的だと、こう書いてあるわけです。確保することが目的だということと、私はもう少し、我が国にとってどうなのかというふうな目的が明記されてもらうべきじゃないのかなと。よく分からないところがある、表現、どう表現すりゃいいか分からないんですけれどもね。イラク国家の再建と国際社会の平和と安全、これが目的だと、こういうこと、何となく余りにも抽象的過ぎて、大き過ぎて、もっと日本の、先ほど言った国益という、広い意味での国益でございますが、というようなことからとってどうなのかとというようなことを、視点を持ってもらうべきじゃないのかと。 少なくとも、今回の法律はともかくとして、将来、総理が今検討課題だとおっしゃられました将来の自衛隊の海外活動についての一般法の中では、もう少しやはり表現が検討されてしかるべきじゃないかと思いますけれども、この点につきまして、はしょって申し訳ないんですが、外務大臣の御見解なりをお聞きできれば有り難いなというふうに思います。 広い意味での、もう一度言いますけれども、防衛も広い意味での私は外交だと思います、海外活動である限りですね、いうふうなことで、外務大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 「目的」一条に、「もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。」というふうにございまして、もう少し国益との関係でストレートに書けないだろうかという御趣旨かと思いますけれども、まず、国際社会の平和と安全というのは、これは我が国の国益であると思います。 我が国が外交をやっていくときの目的としてよく申し上げていますのが、我が国の平和と繁栄である、安全と繁栄であるということを申し上げておりますけれども、我が国のような島国であって、資源を国際的に外国に依存をし、その資源を輸入するための外貨を輸出をすることによって稼がなければいけないということでずっと戦後やってきた国において、国際社会が、世界が平和であって安定的に繁栄をしているということは非常に重要であります。したがいまして、それも含めて我が国の国益であるということであるかと思います。 我が国としては、そういう観点から今まで国際社会の取組にも寄与をいろいろな形で申し上げてきたわけでございまして、イラクにおいて、まずイラクが復興をして国家として再建をするということは、先ほど来委員が御議論なさっていらっしゃるように重要であるということ、それから、国際社会がイラクの復興に対して取り組んでいるそのときに、我が国が国際社会の取組に対して貢献をしていくということは、非常にこれも我が国の国益につながっていくという意味で非常に重要なことであるので、二つがやはりそれぞれ重要であるということを申し上げたいと思います。
○阿部正俊君 総理の答弁に、何というか、口が上手なんであれですけれども、もう一つやはり一般国民には理解できないんです、正直申しまして。今、大臣が答弁の中で言われた、例えば島国たる日本として、国際国家の関係を良好を保つことによってしか日本の存立はないんだということを具体的に、ストレートにむしろ法律に書いてほしいんです。それだと分かるんです。そこがないんですね。何か平和というのが非常に抽象的な概念ですから、それに協力するのなぜ悪いんだみたいな感じに受け取られるわけです。国際的な平和というのは、日本の経済なり国の存在なり、友好な関係を構築するということがどれだけ大事なのかということをもっと具体的に言ってほしいわけです。 そこのところがないものだから、先ほどの非常に素朴な疑問として、阿部先生、イラクよりも景気回復をどうしてくれるんだと、こういう話になっちゃうんですね。そういうことがないと景気回復もできないと。非常に迂遠な道かもしれませんけれども、そういうふうな、言える日本であってほしいと。どうしてもやっぱり、何か人に頼まれて事をする、あるいは何か抽象的な概念たる平和に貢献するんだからいいんじゃないかというふうな空気が私はあるんじゃないかというふうに思うんですね。 やはり我々の、イラクを、派遣するのも、イラクを復興支援するのも我々の税金でやるんです、ですね。それはやはり国民の何がしかの犠牲を払ってやるわけですから、その覚悟と、先ほど総理がケネディの話を持ち出して、国民が国際社会のために、国のために何ができるかということを問われなきゃならぬときもあるんだというような話をされましたけれども、正にそういうことだと思うんです。 単なる平和のためにということだって、私はその気にならないと思うんです。日本を作り上げる、これからの二十一世紀の日本を、国際国家日本として、平和愛好国家日本としてやるためには是非必要なんだということを具体的におっしゃっていただくと有り難いし、かつまた、そうした意味での日ごろの努力というのをお願いしたいし、法文上の書き方としてもできたらそう願いたいなというふうに思います。要望でございます。 それからもう一つは、いわゆる、これは防衛庁長官にお聞きしたいんですが、戦闘区域とか非戦闘区域というような区分がございます。それから、自衛隊の行動について様々な制限があります。一般の支援活動と違って、治安維持活動その他への、まあ言えば自衛隊の行動について様々な制限がございます。 これは、誤解がされるおそれがあるんで慎重に言葉を選びながら、選ばなきゃいかぬと、選びながら話しないといけないと思うんですけれども、これは極言すれば、様々なそういった制限があるのは、平和国家日本としての自衛隊の本来の性格からしてそうなんだと。言わば戦闘区域、非戦闘区域あるとしても、非戦闘区域にしか行きませんということは、隊員の安全確保ということはもちろん背景に、結果として出てまいりますけれども、そうではなくて、戦闘地域に行くことは日本の自衛隊の言わば、何というかな、基本原則としてあり得ないことであり、外国における武力行使ということは日本の我が自衛隊として取るべき道ではないというようなことから、より慎重を期してそうしたふうな区分を設けて、非戦闘区域にしか行きませんよということを言い、かつまた、実施区域なんかについても更に指定していますね。 それについてもより慎重を期すというようなことも、隊員の安全ももちろんですけれども、それより加えて、それより以前の問題として、日本の自衛隊の本来の性格、まあ端的に言えば外国における武力による威嚇又は行使ということにブレーキを掛ける、またそういうふうなことをすることが日本の在り方として必要だからそうしたふうな制限を設けているんだというふうに私は理解しておりますけれども、基本的にですね。 よりもっと具体的な例として、何か、重箱の隅とは言いませんけれども、様々論議がありますけれども、そういうことで済む問題じゃなくて、基本原則のところをやっぱりはっきりさしてもらいたいなと思うんですけれども、それはおまえ、そんなことは当たり前だよということを言われるかもしれませんけれども、私は確認しておきたいと思うんです。 安全の問題、一人一人の命の問題、あるいはけががあるかないかというようなこと等の問題とは別な問題なんだということを考えますけれども、防衛庁長官のその辺の総論的な意味での考え方をお示ししていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) お答え申し上げます。 基本的に先生の御理解のとおりでございます。 これは衆議院でも何度か御議論がありました。非戦闘地域という概念は、まさしく先生おっしゃいますように、憲法上の要請からくるものでございます。日本は海外において武力の行使はしない、これは憲法九条から出てくる要請でございます。我々が今回海外に出ると、こういうような法律になっておりますが、それは非戦闘地域で活動を行わなければいけないのだということをきちんと法的に担保をしておかねばいけないということでございます。 これは誤解をされる向きもございますが、イラクという国を、はい、ここが戦闘地域、はい、ここは非戦闘地域というふうに分けるという作業をするということがこの法律に書いてあるわけではございません。この法律に書いてありますのは、自衛隊の活動は非戦闘地域で行わなければいけないということが定められておるわけでございます。それは当然、憲法上の要請から出てくるものでございまして、これと安全か安全でないかというお話は相当に重複をいたしますが、ぴったりと重なるものではございません。 それは、この法案の中に、防衛庁長官の自衛隊員の行動に対する安全確保義務というものがございます。そして、実施区域というものを定めることになります。それは、相手が、国又は国に準ずる者が戦闘行為をやっているようなところでは元々行けないわけでございますけれども、たとえ泥棒であれ強盗であれ、そういうような自分が身を守るための必要な権限、必要な武器を持っていっても危険な地域というものはございます。なるべくそういう場所を回避してその地区を選ぶことになりますので、先生御指摘のように、戦闘地域、非戦闘地域という概念は憲法上の要請から出てくるものでございます。そして、我々の行動は非戦闘地域で行わねばならない、この憲法上の要請をきちんと法的に担保をする、そういう概念でございます。
○阿部正俊君 分かりました。 様々な制限がありますが、言わば、もっと前に進みたいんだけれどもできないんだ、憲法上制約があるというふうな考え方よりも、私はむしろ、できるんだけれどもやらないんだというふうな物の考え方といいましょうか、やりたいけれどもできないんだじゃなくて、何というかな、できるんだがやらないというのが国の在り方ではないかと、防衛隊の性格からして、防衛庁、隊員の、防衛隊という、そういう武力組織から見てそうなんだということに御理解いただきたいと思うし、私はそう理解したいと思います。 ただ、あと自衛隊員の武器使用についてちょっと申し上げたいと思うんですが、私は、あらかじめ小銃までがいいんだ、機関銃までがいいんだ悪いんだ、あるいは無反動砲みたいなことはいいんだ悪いんだというような議論が様々ありますけれども、私は、先ほどの基本精神さえはっきりしておれば、私は防護というのは相手次第のところがあるんじゃないかと思うんですね。それは相手の様子によって、あるいはその場所によって、任務によって様々な、違ってくるというのは当たり前じゃないかと。したがって、あらかじめ小銃までがよくて、ピストルまでがよくて機関銃は駄目だとか、あるいは無反動砲も、機関銃までよくて無反動砲は駄目だとか、あるいは装甲車が駄目だとか戦車が駄目だとかいうことでは必ずしもないんじゃないかと、論理的に言えばですね、というふうに思うんです。相手次第の出方次第によるところがあるんじゃないかと。 ただ、基本精神として、そもそも武力の行使というのがかなりの程度に想定されるということならば、そこは避けるというのが、勇気を持って撤退するというのも必要なことなんじゃないかなと、こんなふうに思うんです。そこのところを私は、何というのかな、何かいろんな仮定を置いていろんな議論をされますけれども、そこのところの精神が一番大事なんじゃないかなということを国民向けにおっしゃっていただければ有り難いなと思います。いずれにしても、自衛隊の最高指揮官として、まあ総理でございますが、具体的には防衛庁長官なりが判断をするわけでございますが、自衛隊員が不用意に危険にさらされるようなことがないように、十分な装備と態勢を取るということを私は明言してもらいたいなと、こんなふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) 先生の御指摘のとおりでございます。この後いろんな御議論があろうかと思いますので、もう一度言葉を整理をさせていただきたいと思います。 私どもが用います武力の行使とは何かと申しますと、「我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為」、これが政府が定めております武力の行使の定義でございます。では、戦闘行為とは何かと申しますと、「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」、これが政府が維持しておる解釈、考え方でございます。それで、今、先生御指摘の武器の使用とは何かということでございますが、火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置をその物の本来の用法に従って用いること。このような定義に従いまして議論をさせていただきたいと思っております。 その中で、先生御指摘の、何を持っていくのかということでございます。それは、自分の身を守るために必要な武器を持っていくということでございます。したがいまして、法に明示的に、ここまでならいい、ここから先は駄目ということが書いておるわけではございません。ですから、昔、機関銃一丁とか二丁とか、そういうお話がございましたが、何を持っていっていいかということになりますと、自己を守るために必要なものを持っていくという、おのずからそういう制限はございます。したがいまして、戦闘機でありますとか戦車でありますとか、そういうことになってまいりますと、確かに相手によって定まるものではございますが、自己を守るために必要な武器というふうに言えるか。あるいは、戦車や戦闘機というものが登場するような場面は、それはむしろもう戦闘行為が行われておって、私どもが活動してはいけない地域ということになるのではないだろうかと思っております。 したがいまして、何を持っていってもいいということではなくて、おのずから自己を守るために必要なという制限がございます。 大事なことは、私どもが憲法に定められております海外における武力の行使、そのように評価されないようにということで、先生おっしゃいますように、この法案では随所にそのような配慮をいたしております。同時に、自衛隊員が自己を守るために必要なものはきちんと持っていく、必要な権限はきちんと与える。権限も武器も与えないで自衛官をそういう危険な地域にほうり出す、そのような法案では一切ございません。
○阿部正俊君 では最後に、総理に全体のまとめのようなことをお尋ねして終わりにしたいと思うんでございますが。 ちょっと最後に、全くの私事でございますが、実は私の娘が今ホンジュラスに行っております。青年海外協力隊の隊員で一年前から行っておるんでございますが、この年末に多分帰るんじゃないかと思いますけれども、昨年の年の暮れから年明けにかけまして夫婦で全くプライベートに娘の様子を見に行ってまいりました。女だてらにと言われるかもしれませんけれども、本当に自己のことは自己で守るということを徹底してやらざるを得ない国でございまして、難儀な中で、ある意味じゃ、我が子ながら辛抱強くやっているなということを思ってきましたけれども。 それで、たまたま、別に頼んだわけじゃありませんけれども、総理が施政方針演説で我が国は国際国家になるんだよというようなことをおっしゃいました。その中で、一つの例として青年海外協力隊員のことを例示されました。覚えておられましょうか。二千四百人が行っておるんだということを言われました。私は、総理がこういうことを言ったよということをメールで娘に送りました。みんなで回覧して喜んだそうでございます。 今の青年は、私は、我々が経験した時代とはまた違った国際国家日本の担い手になると思います。どうかひとつ、そういったふうなこともありますし、今度のイラク支援も私は、アメリカの武力攻撃を支援したから、支持したからその後の復興支援ということもありますけれども、もっと広い意味で、国際国家日本への発展といいましょうか、新しい二十一世紀のありようを踏み出すんだというふうな心意気でどうか取り組んでもらいたいなと、こんなふうに思います。そういう意味で、そういう位置付けで今回のイラク支援法というのはあるんではないかというふうに思います。 もちろんその前には、目の前には、もっと幅広い、例えば医療、日本の医療支援を待っている子供たちもいるでしょうし、様々な食糧難に苦しむ人たちもいるでしょう。そういう意味で、自衛隊の派遣にとどまらず、もっともっと広い、深い責務があると思いますが、さらに、より広い世界全体を見渡せば、様々な国々があり、日本は言わば、株価も一万円台を超したというんで、大変総理、良かったと思いますけれども、相対的にやはり日本は豊かな国なんだと思うんです、国全体を考えますと、いや、世界全体を考えますとね。 そういう意味での日本の役目というのを考えまして、国際協力、国際支援と、それから大きな、主要な国としての役目というものの自覚を持って取り組んでいただきたいことを総理に申し上げ、かつ総理も御決意を披瀝いただければ有り難いと思いますし、それをもって私の質問を終わりにしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ホンジュラスにお嬢様が行かれているというお話でありますが、私は、日本にいても海外青年協力隊の話はよく聞いて、いつも感心しております。また、アフリカ等発展途上国に行った場合には、機会があれば実際に活動されている青年男女諸君と懇談をして、こういう、日本とは違う厳しい環境、常に病気の恐怖、あるいは食物の足りない、あるいは習慣、言葉の違いの中で、その国の国民のために自分たちが何をできるか、活躍している青年諸君を見まして本当に偉いなと感心しております。 先日、今ホンジュラスの話が出ましたけれども、ホンジュラスでは米百俵の話が非常にいいと思い掛けない話を聞きました。宇宙飛行士の向井さんからお話がありまして、日本の米百俵の話、これに感動したホンジュラスの文化大臣が、是非ともホンジュラスでこれを公演したいと。そこで日本の実際に演劇をされている方も指導され、現地人の方がその米百俵の演劇の役者になって各地であの米百俵をホンジュラスでやっているそうです。 これはやはり、私が発展途上国へ行きますと、貧困の解決も大事だと、しかし貧困解決よりももっと大事なことは教育なんだと。日本の明治以来、江戸時代からの米百俵の話をすることがあるんです。そして、あれはドナルド・キーンが英訳していますから、この英訳の本を渡す。そういうことによって、やはり自らの足で自らの国を作ろうと。人から援助してもらって貧困を解消するのではなくて、自分たちの努力によって貧困を解消しなきゃならないということで、非常に関心を持ってくれるんです。 その一つの表れが、ホンジュラスで、各地でそういう米百俵の演劇を見て、国民の自らの力で自らの国を立ち上げなきゃならないと。文盲をなくさなきゃならないと。やはり教育というものは、職を手に付ける上においても、字を読むことができるためにも大事だということで、貧困解消と同時に大きな啓発活動ということで活用していただいていることはすばらしいことだなと。日本としても、私に一万円寄附してくれないかという話ですけれども、一万円よりも、日本として支援できることは支援しますからということで、できるだけの支援をして、その発展途上国が自らの国によって、教育を重視して、貧困を解消して、そして日本と同じように豊かな国になってみたいという意欲を持って自国の国づくりに励んでくれればいいなというふうに考えております。 これからも日本としては、何で日本の財政状況が厳しいのに外国を援助するのかということでありますが、日本も苦しいときに各国からの援助を得て今日まで発展してまいりました。そして、今や発展途上国同士の中にも格差があります。一段発展段階上の国が経験を踏まえてもう一段発展しない国に援助するのも大事なんです。外国から援助を受けているから、国がまた援助、よその国に援助しているからおかしいじゃないかという議論も聞きますが、そうじゃなくて、やっぱり日本とは違った、その国の周辺だったらその国のことを知っている国もありますから、外国から援助を受けていても、さらにその国が若干より恵まれないところに援助をするという、いわゆる南南協力、これも大事だと思って、そういう考え方が今各国で進んでおりますので、日本としてもできるだけの支援をしていかなきゃならない。それはお金だけじゃありません、人の支援もあります、あるいは物資の支援もあると思います。人の支援においては、ある面においては、日本よりも経済的に進んでいない国が、お金は出せないけれども人の協力を出そうといってやっている国もあります。 だから、そういう点も考えながら、日本は資金においてもあるいは物資においても人的貢献においても、多くの国が自力で発展できるような支援体制を今後とも日本の国力にふさわしい形でやっていかなきゃならない。それがひいては、日本が世界各国から、貿易、輸出にしても輸入にしてももう世界各国とのつながり深いわけでありますから、国際協調、それで世界が戦争なく平和なうちにこそ福祉の向上がなされるんだという観点からも、私は、今後とも国際協調、国際協力の在り方というのは大事であり、日本としてもふさわしい役割は何かということを自問自答しながら、世界の中で責任ある一員としての役割を果たしていかなきゃならないと思っております。
○阿部正俊君 終わりますが、最後に、そのホンジュラスから既にイラクに三百人余りの国民が支援に行っておりますことを申し添えて、次の質問を、私の、河本先生にお譲りしたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 関連質疑を許します。河本英典君。
○河本英典君 外交防衛委員会所属の河本でございます。 阿部議員に引き続きまして、今日はこのイラクの人道復興支援法案が連合審査会の形で、今日、総理来ていただいて審議スタートしたわけでございますけれども、せっかく総理来ていただきましたので、総理から直接いろいろお話を伺いたいというふうに思うわけでございます。 参議院、今日から審議したところでございますけれども、先ほど阿部議員のお話もございましたように、衆議院終わったら何かもうほかに話が行ってしまったような感じもないこともないんですけれども、それじゃ困るわけでございまして、参議院は夏休みちょっと、延長しまして、飛ばしまして、こうして汗をかいてこの大事な法案の審議に取り組みたいという意欲でございますので、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思うわけでございます。 まず、このイラク人道復興支援法案の審議に当たりまして、一番大切なことであると思うんですけれども、この法案が単に自衛隊を海外に派遣するかどうかという視点からだけで検討されるべきじゃないということ、我が国の長期的な国益の視点から、またイラクという国、これは先ほどもお話ございましたけれども、我が国にとって死活的な重要な地域、つまり大変、石油産出国として依存している大変重要な地域の大国の安定化にどうかかわっていくべきかという外交戦略に基づいて考えていかなければならないということであります。自衛隊派遣が先にありきでは駄目なわけでありまして、自衛隊派遣だと言った途端に反対先にありというのもおかしいわけであります。 政府は、このような視点から、なぜこの法案を制定する必要があるのか、なぜ自衛隊の派遣が必要なのかを、テレビが入っておるわけでございますので、総理から、総理の口から国民に語り掛けていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。このような考え方から、政府に対しまして幾つか質問させていただきたいというふうに思うわけでございます。 過去の、カンボジア、ゴラン高原、東ティモールにおける自衛隊のPKO活動は平和維持、アフガンへの自衛隊派遣にはテロ撲滅という名目があったわけでありますが、今回の三月の米英軍によるイラク軍事行動の際には、米英とフランス、ドイツ、ロシアの先進国間での対立があったわけで、安保理での意見の一致が見られないまま武力行使となったわけでございます。イラクの大量破壊兵器の拡散を阻止するという名目での紛争ではあり、やむを得ないと考えており、理解しておるわけでありますけれども、今回のイラク紛争の意味、結果を総理はどのように認識されているかという誠に基本的な部分でありますけれども、改めてお聞きしたいというふうに思うわけでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 戦闘が始まる前は、確かにこのイラクの問題をめぐりまして国連安保理の中でも意見の相違はございました。いざ始まってみますと、長くて半年掛かるんじゃないかという見方もありましたけれども、予想の中で一番早く主要な戦闘が終わったと。そして今、主要な戦闘が終わった段階で、戦争前の意見の対立を超えて国連安保理においては一致したイラク復興支援の決議がなされたということで、日本としてもイラクのための支援策を国際社会の一員としてやらなきゃならない時期が来たなと思っております。 できるだけ戦争が始まった場合も被害を最小限にということを期待しておりましたが、既にもう復興支援の段階に入ったという段階でありますので、これからは、一日も早くイラク人が自らの力で立ち上がるような政府を作って、イラク人自身が自らの国づくりに立ち上がるような形に早く持っていければなと思っております。 そういう中で、いまだイラク政府が形成されていない段階におきましては、今の暫定的な施政機関というんでしょうか、CPAといいますか、英語で、この施政機関が国連安保理で認められたわけでありますので、この暫定施政機関と協力しながら日本としてできることをやっていかなきゃならない。 今回は、日本としてできることは自衛隊以外でもできることあるわけであります。しかし、一般の方々ができなくても自衛隊だったらできることもあると思うんであります。自衛隊も重要な国力であります。国力にふさわしい、自衛隊でできることは戦闘行為ではない、武力行使ではない、そうであるならば、イラク国民が必要とされるような支援活動も自衛隊がなされてしかるべきではないかと。当然、政府職員もやれるでしょうし、民間人も既に活動しておられる方もあるわけでありますので、私は、民間人、自衛隊員問わず、日本として復興支援活動にできることはできるだけのことをするという形で今後の支援活動を考えていきたいと思っております。
○河本英典君 九月十一日、九・一一の米国同時多発テロ以来、イラク紛争等世界情勢は大きく変わってきたわけでございます。日本の身近な問題としても北朝鮮という大変な問題があるわけでありますけれども、日本に対する脅威が高まっており、日本の安全保障に対する国民の意識も大きく変化してきているというふうに思うわけでありますけれども、最近の日本人の安全保障観といいますか、国民の安全保障観の変化について総理はどのように感じておられるかということをお尋ねしたいと思います。 随分、自衛隊の意義も変わったわけでありますけれども、日本人の、国民の安全保障観というのは随分変化があったというふうに思います。総理はいかがお考えでしょうか。どういうふうに感じておられるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 第二次世界大戦で日本は手痛い被害を受け、二度と戦争をしてはいけないと、そういう反省に立って、国際社会から孤立してはいけない、国際協調体制を取っていこうと、そして日本の独立と安全を図るためにはアメリカと安全保障条約を締結して、日本の平和と安全を確保していこうという方針を取ってまいりました。 そういう中で考えてみますと、軍隊があるから戦争を起こしたんだという考えが一方にあります。自分がもう戦争を起こさない、軍隊を持たなければ日本を侵害しようとする国なんかないんだと、だから一切日本は軍隊を持たない、そういう考えが一方にありますが、考えてみますと、第二次世界大戦後、日本に軍隊が存在しない期間は今まで一度もなかったんですね。自衛隊がなかったときはありました。しかし、戦争終わった直後から米軍が存在したんです、占領軍が。日本に軍隊の空白期間が生まれた時点は戦争中も戦後もなかった。 そういう中で、やはり自国を守るためには、他国に依存して本当にできるのかなと。自国さえ決して他国を侵害しませんということを表明すればよその国は侵害しないのかというと、そうでもないだろうというのがだんだん最近の北朝鮮の武装工作船やらスパイ船やら拉致の問題で明らかになってまいりました。世界は善意と好意だけでは成り立っていないなと。各地の紛争を見てもそうであります。 ということから、やはり自衛力が必要じゃないかということで、日本は自衛隊というものを創設して、米軍と協力しながら、アメリカと協力しながら日本の平和と安全を確保してきたわけであります。 これからも、いつ紛争が起こるか分かりません。ソ連とアメリカの冷戦構造が終わって、ああ、これから平和の時代が来ると思ったところが、各地では紛争が頻発しております。そういう点を考えますと、やっぱり日本の国の独立と安全、平和を守るためには、まず自らが自らの手で日本の国は守るんだという決意を日本国民が持つことと同時に、諸外国に分かってもらわなければならない。日本の国はだれかに守ってもらおうという、そのような気持ちで一体どこの国が援助の手を差し伸ばすかと。そんなことないと思います。まず、日本の国は日本の国で守る、そういう決意を示しているのが私は今自衛隊だと思います。 だから、非武装中立論ほど私は無責任な議論はないと思うんです。なぜならば、日ごろ、侵略者に対してどういう抵抗をするか、訓練をだれも受けなくていいというんですから。訓練を受けていない人に、もし起こった場合、あなた戦いなさいって言えますか。非武装というのは、非武装中立論者というのはそういうことだと思うんです。正に、泳げない人に泳ぎの訓練もしないのに飛び込めと言うようなものですよ。おぼれるに決まっているんです。 だから私は、一国にとって、自らの国は自らの国で守るという組織は必要だと思っております。それが日本は自衛隊であります。しかし、自衛隊だけでは不十分だ。だからこそ、日本は世界最強の軍隊を持っているアメリカと同盟を結んで、もし日本に侵害しようとする、侵略する国があったらば、アメリカは日本の攻撃とは受け止めない、アメリカの攻撃と受け止めますと言って、今、日米安保条約を持っているから、これが大きな抑止力になっている。日本を侵略しようとする勢力はアメリカと戦わざるを得ない。日本と戦うだけじゃない。だからこそ日本は、これは戦後一貫してこの五十八年間、平和のうちに日本の国内の整備を図ることができた。私は、今後もこの日米安保条約の重要性は変わらないと思います。 そういう面において、日米友好関係を発展させ日米同盟を強化していく、そういう中で世界の中の日米同盟の中で国際社会と協調していく。おかげさまで、世界各国の支援、援助によって日本は戦後廃墟の中から今日まで立ち上がってきた。今や世界第二位の経済力を誇る先進国サミットの主要なメンバーでもあります。日本の国のことだけ考えておけばいいんじゃないと。やっぱりこれだけ日本も発展してきたんだから、今発展のために努力している国に対してはその国力にふさわしい支援をしようじゃないかという、この考えは常に持っておかなけりゃならない。 やはり、いかなる福祉も、いかなる生活基盤の整備も平和のうちにでないと達成できないと。一たび戦争起こった後の復興よりも、戦争をさせないための努力がいかに重要かと。 そのためには、私は非武装中立論は取りません。日本国民が常に、この日本の国は日本自身のための国なんだと、日本自身が守るんだという、そういう組織は、国会の監視と協力の下に、国民自身が自らの力を、自らの力で立つんだという強い決意を持つことによって相手の侵略の気持ちを砕くということができるんだと思いますので、私はそういう点において、日本国民は、日ごろから、日本国民一般ができない、暑いときにも寒いときにも厳しい想像し得ないことに備えて訓練している自衛隊諸君に対してもう敬意を持って接する必要があると。また、そういう体制を整えていくのが政治として大事ではないかと思っております。
○河本英典君 今、総理がおっしゃいましたように、状況も変わったわけでありますけれども、安全保障観というのは本当に変わりつつあるというふうに思うわけであります。 本国会でも有事法案が、長らくこの空白になっていた部分を埋め切れたかどうかはともかくとしまして、埋める形で有事法案が、与党のみならず大多数の野党の賛成を得て成立したわけであります。そういう意味では、日本の政治史上画期的な私は国会になる、残るんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 防衛についての今、総理からお話聞いたわけでありますけれども、だれも平和を宣言したことによってのみ日本がここまで戦争に巻き込まれずに来たということを本気で思っている人はいないわけでありまして、米軍がいて自衛隊がいたからこそこうした日本があったわけでありますから。しかし、その辺は観念的な思想的な、もちろん憲法の制約はあるにしましても、この際、防衛、安全保障の考え方をこの際よく国民の皆さん方とともに私は議論をするいい機会だというふうに思うわけであります。それに乗じてこういう法案を通せという、そういう意味に取られたら困るわけでありますけれども、これは非常に私、大事な時期だというふうに認識しておるわけでございます。 昔の話になって申し訳ないんですけれども、一つの都市国家という考え方をすれば、京都の平安京というのは、昔、平和宣言をした非武装都市であったというふうに聞いております。日本人のどこか心の底に、私どもは攻めないんだと、平和を宣言すれば攻められない、戦争が起こらないというふうに、そういった思い込みがどこかで潜在的にあるんじゃないかなという気がするわけでありますけれども、今回、イラクの紛争にしましてもアフガンの問題にしましても、よく見てみますと、国際政治の怖さといいますか、その辺をもう少し正確に私は国民の皆さん方に分かっていただくような努力をこれは政府としてするべきじゃないかなということをつくづく思うわけでございます。 だから、今回の問題も、今回は人道復興支援で自衛隊を出すという話でありますけれども、決して自衛隊が、出す出さぬだけの議論で終わっては駄目だということはその辺にあるわけでございまして、一つ大変大事なところだというふうに思うわけであります。 いろんな経過の中で、先ほどからもお話ございましたように、いろんな経過の中でイラクへの軍事行動を日本は支持したわけでありますけれども、その辺を、今となって、これ総理から見られて、国民の理解が得られたかどうかということについてはどのようにお考えでしょうか。武力行使の前にいち早くタイミングよく総理は米英の武力行使を支持されたわけでありますけれども、今となって、これここまで来たわけでありますけれども、国民の支持が、理解が得られたかどうかということをどのようにお考えか、お伺いいたしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 戦争がいいか平和がいいか、武力行使がいいか悪いかと聞けば、平和がいい、武力行使嫌だというのは共通していると思います。 しかし、私は、そういう中でも今回の米英軍の行動を、イラクの問題に対して支持した。支持前は相当支持するなという声が強かったということは承知しておりますが、いざ支持して、今日のような状況に立ち至って、復興支援活動が始まっているということから見れば、もちろん賛否両論がありますが、大方の日本の立場として支持したことは正しかったのではないかというふうに私は認識しておりますし、これからも国民の理解と協力を得られるように努力をしていきたいと思います。
○河本英典君 我が国と中東諸国は長年にわたって良好な関係を維持してきたわけでありまして、今後も引き続いてこうした信頼関係を維持することはもちろん、イラク復興や中東和平問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと思いますし、この地域の平和と安定に寄与することがこの地域に石油供給の大部分を依存する我が国として重要と考えますが、総理はこの中東地域の外交上の重要性についてどのような御認識をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中東地域は、我が国のエネルギー事情を考えますと極めて重要な地域だと認識しております。九〇%以上、中東地域に油のエネルギー等を依存している。なおかつ、昭和四十八年の第四次中東戦争の際には、日本からはるか離れたイスラエルとアラブとの戦争によって、当時、油の値段が一バレル当たり二ドル前後だったのが十ドル前後に跳ね上がったわけですね。そして、狂乱物価を経験した。 あのとき私はちょうど国会議員の当選したてで、もう連日、一年生でしたから、トイレットペーパーがない、洗剤がない、どこかで売り惜しみしているんじゃないか、買い惜しみしているんじゃないかという選挙区からの問い合わせ、今でも昨日のように思い出します。いかに中東、遠く離れた動きが日本の国民生活に密接に響いているのか。当時はイスラエル、パレスチナ、ガザ地区とか、どこにあるのかと分からなかったですよ。それから地図を見出して、中東、ああ、バグダッドなんというと、見ると、あれはもう子供の絵本しか知っていませんでしたから、月の砂漠でね。そういう話だったのが、恐ろしい、非常に日本とはこんな戦争が起こるとこんなひどい影響を受けるのかというようなことを思い出しながら、いかにこの狂乱物価を早く収めなきゃならないかということで選挙区と国会を行ったり来たり、説明、理解を求めるための活動をしたころを思い出しております。 いかに世界から遠く離れても日本の生活には影響があるんだと。特にエネルギーにおきましては、日本はもうほとんど外国に依存しておりますので、こういう中東地域が安定的に発展するということは日本にとっても非常に重要だと思っております。世界の物資、安定的に日本に供給されなきゃならないし、日本も、中東地域が安定して発展してくれれば日本の製品も買ってくれるでしょうし、世界の安定につながる。言わば、前から中東は世界の火薬庫と言われるぐらい紛争の絶えない地域でありますけれども、それだけに今国際社会が、イラクの復興支援のみならず、イスラエル、パレスチナ、中東和平に大きく関与しようと踏み出した、こういう点におきましては、日本もイラク復興支援、中東和平に、日本のふさわしい役割は何かと、日本としてできる貢献策は何かということを考えながら、日本としてもできるだけのことをやっていかなきゃならないと思っております。
○河本英典君 今は、ただいまは中東地域の外交上の重要性ということを伺ったわけでありますけれども、今度のイラクの復興支援についての外交的な必要性ということについて少しお伺いしたいわけでありますけれども、イラクの国民はフセインという独裁者の下で二十年以上という長い間抑圧と恐怖と窮乏生活に耐えてきたわけであります。フセイン政権が崩壊した今、一日も早くイラクを再建し、イラクの人々の生活を正常化することをイラクの国民は強く望んでいるはずでございます。このため、我が国が主体的にイラク復興に取り組むことは、中東の大変な大国であるわけでありますから、イラクとの国民レベルからの友好関係の増進に資することとなり、日本の国益につながると考えております。 この辺で、そのイラク復興が日本外交において有している必要性ということについて、少しお話、認識をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今お話ししたとおりでありますが、日本としては、中東諸国とどのように友好関係、協力関係を維持発展させていくかということに対しまして、このイラク戦後も含めまして、注意深く動向を見ながら考えていかなきゃならないと思います。 特に、ようやくイスラエルとパレスチナの和平交渉も始まろうとしておりますし、日本としては、イラクだけでなくて、私も五月にはエジプト、サウジアラビアを訪問しまして、日本がアラブ諸国とどのような対話、交流、友好を深めていくかということについて、エジプトのムバラク大統領あるいはサウジアラビアのアブドラ皇太子等とも会談してまいりまして、既に、日本が独自にイラクに対して復興支援できることと、日本がエジプトと協力してイラク復興支援できることの計画は進めていこうということで合意しております。 そのほか、イラクの周辺国、トルコはイスラム国ではございませんが、アラブ国ではございませんが、周辺国ですね。トルコとかヨルダンとか、あるいはクウェート、いろいろなアラブの周辺国ありますので、イラクのみならず、イラクとの、周辺諸国との対話、交流も今後深めていく必要があると思います。 とかく文化、習慣が大きく我々と違う点もありますので、そういう点もよくお互いの違いを認識しながら、多様性を生かしていくという形でアラブ諸国、イスラム諸国との対話、交流を深めていくことが日本にとっても今後必要ではないかと思っておりますので、そういう点につきましては、イラク復興支援、イラクのことのみならず、アラブ諸国とともにイラク支援を考えていく、また今の米英を中心としたCPA、暫定的な施政機関とも協力していく、そして日本独自としてもやることがあるんじゃないかと、そういう多角的な見方をしながら、日本として中東の問題、イラクの問題にどうかかわりを持っていくかということを考えていく必要があると思います。
○河本英典君 総理にばかりお聞きして申し訳なかったんですけれども、外務大臣も少しその点、外交上の重要性ということで、中東地域での重要性、それからイラク復興の外交的な重要性ということについてお話ございましたら、伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今、総理からお話がありましたように、中東地域が平和で安定をしているということは、我が国の資源確保という観点からも、それから広く国際社会全体が石油資源については中東地域に依存をしていますので、そういった世界の経済全体の安全、繁栄が我が国に影響を持ち得るという意味でも重要であると思います。 それで、今、中東地域で考えている外交政策の柱、三つございまして、一つが正にこのイラクの復興ということでございます。我が国として、総理おっしゃいましたように、いろいろな手段を組み合わせて、それぞれ補完的な関係を持っていますので、これをできるだけ早くやっていかなければいけない。イラクの人たちの生活を考えますと、できるだけ早くあるレベルまで立ち上がるということが大事だというふうに考えています。 それからもう一つ、これと密接に関係があります二番目の柱と申し上げていいと思いますけれども、中東和平でございます。この中東和平というのは、むしろ中東全体の平和と安定ということから考えますと、かぎといいますか、コアの部分であると思います。イラクができるだけ早く復興していくことが中東和平にもいい影響を与えますし、また中東和平が、今起こっていますように前進をしていくということがイラクの復興にもいい影響を与えていくという相互に関連し合う関係を持っていると思います。 それから三つ目に、総理もお触れになっていらっしゃいましたけれども、日本人とそれからイスラム社会といいますか、中東地域との長い友好関係を築いていくことが長期的に両方のメリットであるということから考えますと、やはり相互理解が大事でございまして、我が国はやはり中東地域から遠いわけですし、イスラム文化からも遠いところにございますので、できるだけ我が国がイスラム世界の物の考え方を理解をし、そしてまた我が国の考え方についてもイスラム世界の方に、あるいは中東地域の方に理解をしていただくということが重要であって、これはいろいろな対話の枠組みを作って、時間は掛かるかもしれませんけれども、じわじわと、だけれども幅広くこの理解を深めていくということが大事だと思います。 それで、その援助、イラク復興の支援ということからいいますと、これは我が国として、政府もやりますし、もちろん自衛隊が自己完結的な組織として大きく力を発揮する部分もありますし、NGOの方、そして、少し時間的には先に行くかもしれませんが、企業の方にやっていただくと。いろいろな総合的に力を発揮をしながらやっていくということで、特にこの法案の、オールジャパンで復興に貢献をしていこうというそのアプローチといいますか、そういう部分というのは我が国のイラクへの復興への貢献として非常に大事であるというふうに考えております。
○河本英典君 今、外務大臣がおっしゃいましたように、イラクの問題が我々にとったら目に見える当面の問題であるとよく認識するわけでありますけれども、中東問題とこの二つ、相互、相関的な関係にあるということは私も思っていた以上だなということを改めて認識しております。 日本人から見れば、イラクはイラクであり、中東は中東で別の問題のように考えがちでありますけれども、非常に絡まった問題であるなということを痛感するわけであります。ただ、日本にとってはイラクの問題の方が近い問題であり、アメリカなんかから見れば中東の問題の方が重点があるのかなというような気はいたしますけれども、しかし日本とイスラムの文化の差ということは、これはまた予想以上に違いがありますので、我々も言われてみれば何も理解していないわけでありますので、これはこれから、これだけ国際化と言われる中で割と近いところだけ見ておるわけでありまして、イスラムというこの別の社会をもう少し理解する必要があるんじゃないかなということを本当に思うわけでございます。 そんな意味で、NGOの皆さん方がまた違った活躍、活動をされておるということについては非常に心強いというふうに思うわけでございますけれども、日本人、国全体でそういったイスラムの社会ということをもう少し理解する必要があるかなということを改めて今回の問題について感ずる次第でございます。 今、オールジャパンの取組ということを外務大臣おっしゃいましたんですけれども、これ、もう少し突っ込んでお話聞きたいわけでありますけれども、自衛隊を通じた貢献以外のイラクとの、イラク復興への取組ということで、落ち着いた後はオールジャパンの取組をやらないかぬということであります。 本格復興にはかなりの時間が掛かるというふうに思いますけれども、同時にまた、ある程度治安状況が安定し、基礎生活、インフラが改善された後は幅広い復興ニーズが発生するということが想定されるわけでありますけれども、この観点から、イラクの本格的な復興のためにこの本法案による自衛隊等を通じた貢献以外にもオールジャパンでの取組が必要になると考えられますので、イラク復興への取組というのはどういうこと、どういう考え方、どういうことを準備されておるかということをお話しいただければ、お話しいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) まず、支援、人道復興支援ということで、これは国際機関経由で我が国としてやっておりますもの、あるいはNGO経由でやっておりますものございますけれども、国際機関経由のものとしては、例えばユネスコを経由をして文化遺産の保存、修復をやったり、あるいは教育の支援をやったり、それから、一つ、国際的にもう一つ大きく評価をされていますのが南部のウンムカスル港のしゅんせつを我が国として国際機関経由でやりまして、これがないと正に荷物を荷揚げするということが難しかったわけですけれども、こういったこともやっております。イラクの人たちのためには、配電所、中央配電所で電力の、あちこちで発電をしたものをちゃんと行き渡るようにするというようなこともやっております。いずれまた、今後この分野では、水についても、その他病院等についてもやっていくことになると思います。 NGOの経由、NGO経由の支援というのも非常に大事でございます。緊急医療活動支援ということで、ジャパン・プラットフォームその他に対しまして合計、合わせまして七億円ぐらいをコミットをいたしておりまして、その中で水、NGOの支援等々でいろいろやっております。総理が行かれましたときに、エジプトあるいはヨルダンのNGOの人たちと一緒にこれをやっていきましょうというお話もしていただいて、それも今動いているわけでございます。日本として今いろいろ調査団を出したり専門家を出したりいたしまして、今後の、どういったことをやったらいいかという、どういうやり方をしたらいいかということについても子細に調査を始めております。 それから、イラク、直接ということではありませんけれども、周辺国に対しての支援というのも中東地域全体という意味では非常に重要な支援でして、これについてもヨルダン等に対しまして既に支援を行っております。当面、今申し上げたように、教育、保健、電力といった生活基盤の再建を優先をするということでございます。 そして、これはオールジャパンの取組というふうに申しましたけれども、オールジャパンだけではなくて、オールワールドといいますか、世界の全体、国々が全部が一緒になって取り組むという体制を作っていくことも大事でして、これについては日本は早くからこの体制作りについては働き掛けを行っております。 それで、その結果といいますか、日本がかなり大きなイニシアチブを取ってできましたのが、この間、六月に行われました支援国会合でございまして、日本はこれのコアグループの一つになっているわけです。そして、これの続きとして十月に支援国会合が予定をされております。日本は共同議長国の一つということになると思いますけれども、現在のところコアグループの一つとしてやっておりますが、これのために世銀ですとか、それからいろいろな国際機関がニーズアセスメントのミッションを送り始めております。 そういったことを通じて、これが国連で決議ができて、それに基づいて世界全体の国がイラクのために支援をしていくという体制をこの復興会議を通じて作っていくということについての我が国の取組、それから、それが具体的に、今後更に努力をしていかなければいけませんけれども、そういった面も重要であると考えております。
○河本英典君 引き続いて外務大臣にお伺いしたいんですけれども、現在、イラクにおいてフセイン政権が崩壊して、言わば権力の空白が生じておりまして、米英当局が占領地域の民生や秩序を回復、維持するために今暫定的な統治を行っているというふうに承知しておりますが、米英当局は占領軍と位置付けられるのか、また関連の安保理決議との関係ではどのような権限が付与されているかについてお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃられましたように、イラクに対する武力行使の結果、サダム・フセイン政権が崩壊をいたしまして、イラクにおいて権力の空白が生じたということになりました。それで、その空白がございましたので、米英はその支配下にある地域の民生、秩序を回復をして維持をするという義務を国際法上持っておりますので、そのために必要な措置を取るという一環で暫定的な施政を行ってまいりました。そして、そこで国連の決議の一四八三ができたわけでございます。 この国連の決議一四八三は、統合された司令部、当局ですけれども、の下にある占領国としての米英両国の関係国際法の下での特定の権限、責任及び義務を確認をしているわけでございまして、米英はこれによりまして占領国であるということは明らかにされているわけでございます。 同時に、この決議は、占領国としての権限、これに加えて、それ以上のものを米英に付与をいたしております。それは、例えば、実効的な施政を通じたイラク国民の福祉の増進に関する権限、イラク開発基金やオイル・フォー・フード計画に関する一定の権限、イラクにおける政治プロセスへの一定の関与などの権限ということでございまして、この一般的に占領国が有する権限、これを越える幅広い権限を国連の決議は当局に対して付与をしたということでございます。 ということで、現在、米英等は決議の一四八三に従って、国際法に認められた形でイラクにおいて暫定的な施政を行っているということでございます。
○河本英典君 もう時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、参議院の審議、今日スタートでございますけれども、十分に時間を掛けて、国民の理解を少しでも得られるように、また、先ほど申しましたように、安全保障に対する考え方に慣れていただくというと失礼、いけない、適切な言葉じゃないかもしれませんけれども、しっかりそういった議論を聞いていただくことが大事だというふうに思いますので、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。 終わります。
○委員長(松村龍二君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会 〔外交防衛委員長松村龍二君委員長席に着く〕
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会、内閣委員会連合審査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。 阿部正俊君の関連質疑を許します。亀井郁夫君。
○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。 今日は内閣委員会の皆さんの特別な御配慮によりまして、自由民主党・保守新党を代表して関連質問をさせていただき、今日初めて小泉総理に直接お伺いできる機会をいただきましたことを心からお礼申し上げたいと思うわけであります。 既にこの法案につきましては、衆議院において、また参議院におきましては今朝から審議が始まり、慎重に行われているわけでございますけれども、特にイラクの問題につきましては、今朝ほどからも議論がありましたように、日本の大事な石油資源を供給している地域だということで非常に大事な問題でございます。そういう意味では、小泉総理は、構造改革なくして成長なしという言葉の代わりにイラクなくして日本なしと、いかにも正にそういった気持ちでこの問題に一生懸命取り組んでおられるように思うわけでございます。 しかしながら、国民の理解は必ずしもこの問題については十分ではないように思いますので、今日はせっかくのテレビ放映でございますので、私が質問してそれに答えてもらうということではなしに、国民の皆さん方に総理の口から直接訴えてもらうということにした方がいいのではないかと思いますので、できるだけ簡単な質問をお願いいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。 特に、総論的な質問は今朝から阿部委員並びに河本委員の方からやられましたので、私はできるだけ具体的な問題から入っていきたいと思いますので、よろしく総理お願いしたいと思います。 まず最初に、総理にお願いしたいのは、総理のイラクの現状についての感覚でございます。 イラクは米英を中心とした攻撃により大変な打撃を受けたわけでございますけれども、そういう意味ではイラク国民の生活の改善、国土の回復というのは大きな課題でありますが、しかし考えてみますと、私たちも五十八年前の敗戦という厳しい経験をしました。主な都市はみんな空襲でやられてしまったということでございますし、そういう状況の中で敗戦を迎えたわけでございます。そして、私も小学校六年生でございましたけれども、しかし思い出しますと、電車にぶら下がると電車の外には駐留軍の命によりできないとはっきり書いてあったことを思い出すわけでございますし、また学校給食も粉ミルク、これが好きな人、嫌いな人おりましたけれども、給食のための粉ミルクの支給も行われたわけでございます。しかし、そういう中から我々日本人は団結して今日の繁栄を築いたというのが実態でございます。 そういう意味では、これからもイラクの再興につきましては手を差し伸べていかなきゃいけない、そのとおりでございますけれども、しかしイラクの国民たちが本当に喜んでくれる形でやっていかなきゃならないと私は思うんですが、そういう意味では、戦後の日本に比べまして今どういう状況なのか。いろんな方が言います。テレビでは厳しいことばかり報道されますし、また国会議員の方々の報告も、与党の方の報告と野党の方の報告ではかなり違うように思います。 いろんな方からの報告が総理には行っていると思いますけれども、総理は、日本の当時に比べてどのような状況にイラクが置かれているのだと認識されているか、非常に素直な質問でございますけれども、是非お答え願いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本の戦後の当時と比べて今イラク状況をどうかと言われても、私は、終戦時三歳でしたから余り記憶にないんですね。もちろん小学校に入ったころの記憶はありますが、占領当時、確かに物に乏しかった。学校の授業も、生徒数が多くて、午前、午後と分けられた。週ごとに、今日は午前組、今日は午後組、翌週は逆に午後組が午前組になると。そういう授業の覚えは今でもあります。 しかし、今のイラクの状況というのは、確かに言われたとおり、危険だ危険だといった目で見ると危険な面も多いでしょう。しかし、今の非戦闘地域というところに限られないんじゃないかという議論がありますが、現在でも多くの文民がイラクに入って支援活動をしている、そして米英軍だけでなく数十か国の国が軍隊を派遣されて復興活動にいそしんでいるということを見れば、客観的に、日本独自の調査団、そして外国等との協力を得れば、おのずから、ここは比較的危険でないな、戦闘が行われていないなという地域は、私はあると思います。 そういう中で、文民や政府職員のみならず、自衛隊の諸君がイラク国民のために何ができるかということをこれから考えていかなきゃならないんであって、私は、可能性を考えれば切りがありません。一%の可能性があればどこが危険かと、一〇〇%の安全性を考えればどこが安全かと、そういうのはなかなか難しいんでありますが、ごく常識的に考えれば、私は、今後、様々な機関、国独自の調査によって、非戦闘地域に限って日本の自衛隊なり職員なり民間人が活躍できる地域は指定することができると思います。そういう地域で、民間人ができない活動でも自衛隊だったらばよその国の支援、援助を受けないで自己の日ごろの訓練なり装備なりの中で独自の支援活動ができると。そういう点において、日本としては、幅広い情報を得ながら、自衛隊が戦闘行為でない、武力行使をしない復興支援活動に取り組む地域を指定して、それにふさわしい装備を持って活動していかなきゃならないと。 今後、そういう指定すべき地域はどこかということはよく慎重に考えて、派遣する際にはしっかりとした対応ができるような体制を持って派遣したいと思っております。
○亀井郁夫君 総理が終戦のときに三歳だったということでございますので、申し訳ございませんでしたが、総理も何か、しかし小学校に行き中学校に行かれる過程で、進まれる課程でいろいろと御苦労もあったかと思いますけれども、日本人もそれぞれの年代に応じてこの戦後を乗り越えてきたわけでございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思いますが。 今の総理のお言葉にもございましたけれども、このイラク法案が通ることによって、日本として具体的に自衛隊以外にも一般職員の派遣もしますし、NGOもありますけれども、そういう問題について、トータルとして総理はどのようなことを重点的に応援してやろうと考えておられるのか、一言で結構ですけれども、お話しいただければと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 重点的にというのは、今後検討すべき課題だと思いますが、現在、自衛隊の輸送機がイタリアとヨルダンの間を往復して医薬品等の援助物資を輸送しております。現行法では自衛隊の輸送機はイラク国内にはいれませんから、まずイタリア国内にある基地、そしてイラクの近いヨルダン、そこに物資を輸送して、あとはその物資はイラクにはいれる部隊にイラク国内に届けてもらうということでありますが、このイラク法が成立すれば直接自衛隊機もイラク国内にはいれるわけですね。 その際には、まずどういう物資が必要かと。当然、今言われているのは、医薬品等は足りなくてしようがない。あるいは、水の補給。水があればあるほどいいということでありますので、その水を確保するためにはどういう装備が必要かと。物資にしても、日ごろどういうものをイラク国民は欲しているのかということをよく調べて、私は、自衛隊機が入る際にはどの地域の空港が安全かということも確認を含めて、物資の輸送あるいは給水活動あるいは浄水、汚い水も日本にはきれいに飲めるような水にする設備が整っている部隊が、自衛隊は持っているといいますので、そういうこともできるのではないか。さらに、現地の暫定的な施政機関とも相談して、またNGO等の活躍されている方々等の意見も聞きながら、政府職員、民間人ができなくて自衛隊ができることもあろうと思いますので、総合的に判断して、何が必要かということを決めていかなきゃならぬと。 今の時点では、これとこれをやりますということはまだ言えない段階だということを御了解いただきたいと思います。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 総理のお話ですと、今はヨルダンまでしか運べないのが、これが通ればイラクの国内にも必要な物資を送ることができるようになると。そしてまた、水を作ったり水を運んだりできるわけでありますし、特に物資では、今言われました医薬品等についてやっていきたい、また、これからもいろんな問題については現地の話を聞きながらやっていきたいというふうなお答えだったと思いますけれども、そう理解させていただきたいと思います。 それでは次に、総理のお話にもございましたが、これから非戦闘地域における自衛隊の派遣ということになりますので、あの地域で、ここは非戦闘地域だということをある程度指定しなきゃいけない、非常に大事な問題でありますし、派遣されました阿部先生を始めとして、お聞きしますと、南の方は比較的いいけれども、北の方は危ないとか、いろんな話があります。そうした中で線引きをしていかなきゃならないという非常に大きな問題が残されるわけでございますけれども、よその国にそういうことを、線、それを引くというのはなかなか大変だろうと私は思うんですけれども、そうした大変な仕事も乗り越えていかなきゃならないわけでありますが、これについてはどういう手続で、どういう手順でやっていくのか。やはり国民の皆さん方、心配しておられますので、防衛庁長官の方、この辺、担当される大臣としてお話しいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(石破茂君) お答え申し上げます。 午前中、阿部議員の御質問にもお答えをしたことでございますが、非戦闘地域で活動は行わなければいけないということが法案第二条にございます。それは、我々がやる活動は憲法上の要請に従って、当然、非戦闘地域でなければいけないということを法的に担保しますためにそのような条文を設けました。それは、今、委員が線引きというふうにおっしゃいましたが、こうイラクの地図を広げまして、ここは非戦闘地域というふうに定めるという作業を行うわけではございません。それは、我々がやる活動は、当然、憲法の要請に従って非戦闘地域でなければいけない、そのことをきちんと法的に担保する、そういう意味で設けたものでございます。 条文の仕組みの御説明をお尋ねでございますので、させていただきたいと思います。 基本計画というものを作ります。これは閣議決定をいたします。この基本計画で何が決まるかと申しますと、法案第四条でございますが、対応措置を実施する区域の範囲といたしまして、自衛隊の部隊等やイラク復興支援職員が本法案に基づいて活動する区域を含みます大まかな区域の範囲をまず定めます。それはどういうところかと申しますと、その際にはイラクやイラク周辺国だけではございませんで、我が国の領域や我が国の領域からこうした地域に至る経路を含めまして示します。ですから、まず範囲というものを閣議決定で基本計画で決めますが、それは我が国の領域も含む非常に大まかな地域をまず設定をいたします。 次に、防衛庁長官が総理大臣の承認を得て実施要項というものを定めます。ここにおきましては区域の範囲、先ほど申しました非常に大ざっぱな区域の範囲の中で実施する活動の内容や治安状況を十分に考慮をいたしまして、自衛隊の部隊等が対応措置を実施する区域、まさしく実施する区域でございます、これを具体的に指定をすることになります。この行為は防衛庁長官が総理の承認を得て行うものでございます。 この実施区域をどうやって定めるかと申しますと、一つはニーズがあるのかないのか、実際に自衛隊がそこで活動しなければいけないのかということが一点。それから、第二点といたしまして、先ほど第二条のお話をいたしましたが、そこは非戦闘地域なのか、すなわち、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで行われる活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがない地域という両方の要件を満たすことに加えまして、加えまして、活動の安全性を十分に考慮するということが求められるわけでございます。 したがいまして、非戦闘地域の要件の充足につきましては、イラクを、ここは非戦闘地域です、戦闘地域です、非戦闘地域ですと色分けすることが求められるものではございませんで、実際に活動の見込まれる地域が非戦闘地域でなければいけないということであります。ですから、非戦闘地域と戦闘地域と分けられるのかいという御質問がございますが、はっきりしておりますのは、我々は非戦闘地域でなければ活動してはいけないということなのです。色分けができるできないという問題ではなくて、我々は非戦闘地域で行動するということが憲法上求められており、このことをきちんと法的に担保をする、そういう意味で非戦闘地域という概念を御説明しておるわけでございます。
○亀井郁夫君 なかなか分かったような分からぬような、何なんだ、その辺が非常に困るところでありますけれども、しかし、要は、大きく基本計画ではこの地域だと決められて、そこの中で対応措置を講ずる地域というのは防衛庁長官が総理の許可を得て決められるということになるわけですね。そこでもし戦闘状態が起こったら、そこは戦闘地域になるということですよね。戦闘地域は非戦闘地域というのと若干違うというお話でございますから、前もってこうじゃないよ、ここは大丈夫だよといって決めるんじゃなしに、決めたところでも何か起こればそれは戦闘地域に変わってくる可能性があって、自衛隊はそこから要するに行かなきゃいけないということが起こるわけですね。そういうふうに理解してよろしいわけですね。 この辺がやっぱり国民が一番分からないところなんですね。だから、量的に決めておっても質的に判断するんだというお話がございましたから、そうすると、その辺が難しいんですよね。ですから、その判断は現地の司令官が決めるのか、その都度また、例えば防衛庁長官に伺いを立てて決めるのか、その辺がよく分からないんですけれども、その辺はどうなんですか。済みません。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど申しましたような形で我々の活動は非戦闘地域で行います。そして、まずそこにおいては必要性、そしてまた安全性というものも考慮して行われます。しかしながら、そこが場合によりましては戦闘行為が行われている地域、戦闘行為って何だってこういうふうに申しますと、ドンパチと、簡単な言葉で言えばそういうことが戦闘行為なのかと、こういうふうに言われますが、私どもは、戦闘行為とは何かと申しますと、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為、これが戦闘行為でございます。それじゃ、国際的な武力紛争って何だと、こういうふうになりますと、国又は国に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いということになるわけです。 これは分かりにくいではないかと、こういうふうに言われますが、すべて憲法上の要請をきちんと満たして行動するということは、我々当然のことでございます。したがいまして、このような定義をきちんきちんと設けさせていただいて御説明をしておるわけでございます。 私どもが活動しておりまして、そういうような地域を設定をしてやったといたしましても、二つの危険があると思います。一つは、国又は国に準ずる組織、例えばバース党の残党でありますとか、お家再興みたいなものですね、そういうものが組織的、計画的に攻撃を仕掛けてきたということもあれば、非常に日々の食べ物にも困って、強盗や泥棒のたぐいとして攻撃を仕掛けてきた、両方あると思います。その場合に、これが、国又は国に準ずる組織が攻撃を仕掛けてきた場合には、これは戦闘行為になる可能性がございます。そこにおいて、実際に活動します自衛官が、きちんとそれがそうなのかそうでないのか判断するということは極めて難しいことがございます。 こういう場合にどういうふうになるかといいますと、そういう場合には活動を一時中断する、休止する、そして危険を回避する、そして防衛庁長官の判断を待つということになります。 そこで、私どもは、国際的な武力紛争の一環としての武力行使、それの可能性というようなことは絶対に回避をしなければならないことでございます。したがいまして、現場の自衛官にそういうような判断を全部負わせるというような過重なことは考えておりません。その場合に、基準を示すということは必要でございますが、いずれにいたしましても、そういう場合には活動を休止し、回避し、そして防衛庁長官の判断を仰ぐということに相なります。 ただ、相手が泥棒のたぐいであれ強盗のたぐいであれ、国あるいは国に準ずる者であれ、自己を守るために必要な武器の使用ができるということは同じでございます。自分に危険が迫っているということであれば、たとえそれが国又は国に準ずる者であったとしても、正当防衛、緊急避難の範囲において武器が使える。ということは、それは強盗のたぐいであれ、国又は国に準ずる者であれ、違いはございません。国又は国に準ずる者である場合に違いますのは、活動を休止し、回避し、そして中断するかどうか、そういう指示を仰ぐという行為が付け加わるわけでございます。
○亀井郁夫君 少し分かってきましたけれども、要は戦争行為と、その中に戦闘行為が含まれるということですね。そして、その戦闘行為というのは、今言われたように国又はそういった国に準ずる団体がやる組織的な戦いだということになりますから、あるいはゲリラとかそういうのが起こってきても、それがどうかということを現地の司令官が判断しなければならないということですから、なかなか難しい判断を現地の司令官はやらなきゃ、やはり安全の問題がありますから大変だろうと思いますので、それについては、防衛庁長官の方からよく司令官に対する教育なりそういうのをやっていただきたいと私は思うわけでありますけれども。 これに絡みまして、自衛隊の人はまだ鉄砲持っているからいいですが、そうじゃなしに、政府の職員やらNGOの人たちがやはり行ってやっているわけでありますけれども、そういう意味では、官房長官にお尋ねしたいんですが、政府職員、いわゆるイラク復興支援職員と言われる人たち、これは政府の職員として行くわけですが、地方公務員や一般の人から採用して行くわけでありますし、同時にまたNGOの人たちもおるわけでありますから、そういう人たちが具体的にどんなことを今しているのか、どんなことをしようとしているのか、国民の皆さん方に分かるように官房長官並びに外務大臣に御説明いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(川口順子君) 政府の職員、現状で行っております、六名行っております。それから、NGOも現状で行っております。 それで、政府の職員につきましては、これは外務大臣の、外務省の職員として外務大臣の命により行っております。そして、CPA等と連携をしながら様々な活動をしております。政府の職員という意味では、また同時に大使館も、イラクにあります我が国の大使館も再開をいたしておりますので、そこで大使館員が活動をしております。 NGOでございますけれども、NGOは現在、イラクではジャパン・プラットフォーム、これが既に活動中でございます。それから、そのほかに五つのNGOの団体が活動を行っていると承知をしております。NGOが何をしているかということですけれども、国内の避難民の支援、これは生活の必需品を配ったりということですが、それから病院や学校の修復を行っております。 こういった人による、このほかに我が国は国際機関等を通じて支援を様々行っておりますけれども、人が実際に行って行う支援といいますのは、やはり顔が見えるということでもございますし、きめの細かいところに手が届く、あるいはやりながらまた新たなニーズが発掘できる等々のメリットがあるわけでございまして、NGOに対して今後、支援をますます深める、それからNGOとの連携、これも行ってまいりたいと考えております。 現状を取りあえず御説明をさせていただきました。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま外務大臣から現在やっております民間の方々の活躍ということで御説明申し上げましたけれども、これからのことについて若干説明をさせていただきます。 自衛隊以外にも、民間の方々にも今回の法案の枠組みの中で参加をしていただこうと、こういう考え方でございます。どういう方に行っていただくのかと、何をするのかと、こういうことになりますけれども、それを説明させていただきますけれども、例えば被災民に対する診療とか、それから公衆衛生に関する指導を行うというようなことでも一つ仕事になります。これは国立病院、地方公共団体の病院、それから民間の病院の医師、看護婦というような方々にイラク復興支援職員として、になっていただいて、それでこの仕事に参加をしていただくと、こういうようなことでございます。 また、被災民に対する食料とか医薬品などの生活関連物資の配給とか輸送、そういう分配ですね、分配などにつきましては、これは民間のボランティアの、これも経験のある方々に参加をいただくと、同じく復興支援職員としてこれは採用して、そして参加をしていただくと、こういうことですね。 それから行政事務、これは政府の仕事でございますけれども、行政事務に関する助言、指導を、そういう知見を有する方々に参加をしていただく、これは関係省庁の専門家、これを復興支援職員として採用して行っていただくと、こんなようなことを考えております。 これは今現在いろいろ考えている最中でございます。実際のニーズとかそういうことについての具体的な調査をした上で、どういう、そのニーズがどういうタイミングでどのぐらいの規模で必要かといったようなことも検討してこれは決定をすると、こういうことになります。 また、この待遇等について御説明申し上げましょうか、こういう民間の方々のね、復興支援職員と。簡単に申し上げますと、これは待遇については、まず安全が確保されなきゃいけませんね。自衛隊職員の場合には、やはりそういうことに訓練して、十分な訓練をして今までも国際平和協力活動をしてきているという観点から、非常に組織的に効果的にいろんなことができるだろうというふうに思いますけれども、今言いました民間の方々については、これは丸腰ですから、これは安全については十分な配慮をしなければいけないと、こういう考え方をいたしております。 この処遇とか補償、補償も大事でございます。もし何らかの問題があった、が生じたときには適当な補償をしなければいけないと、こういうこともございます。そういうようなことから、手当は、手当も支給しなければいけない。これは公務員の災害補償にかかわる平均給与額の基礎とできるように措置をするといったようなこと、それからまた警察官とかのバランスなんかもございまして、国家公務員と地方公務員との間で制度が異なるというために、一概に比較は困難でありますけれども、そういうふうな差はなるべく埋めていくとかいったようないろいろな配慮をして待遇をしていこうというように考えております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 現実には、政府の職員やら、今六人とおっしゃいましたけれども、そうした復興支援職員やら、そしてまたNGOの方々の活動に期待するところが大きいわけでありますけれども、もちろん自衛隊に頑張っていただかなきゃいけないんですけれどもね。しかし、具体的に、今何人ぐらいの規模であり、今、政府職員六人とおっしゃったんですが、これから何人ぐらいになることが可能性として、今、この法律が通ったときの話ですから仮定の話になりますけれども、どの程度の規模の人がこれにお手伝いすることになるのか。もし分かれば、考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これはなかなか難しい質問でございまして、今、端的にお答えしにくい。それはやはりニーズによるわけでございます。仕事の中身によって、人数がたくさん必要なものか、それとも、いろんな指導、行政上の指導をするとか、それからまた専門的な知見でもって指導するとかいったようなことであれば少人数ということになりますけれども、しかし、一般の民間の方々にも、これはイラクの治安が更に改善されるというような状況になれば相当程度の方々に行っていただくというような機会は生まれるんではなかろうかと思っております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 総理にちょっとお尋ねするんですが、これまでの議論でやはり非戦闘地域をどうするかとか、いろいろ厳しい問題があるわけでありますけれども、総理も近くまで行かれたんですけれども、やはり総理がちょっとでも現地に行かれて、現地の状況を直接見られた上でこうだよと言っていただきますと国民が納得する面が非常に強いという声もあるんですけれども、総理はそういう機会を、もちろん外交問題等でお忙しいのはよく分かっておりますから時間的には難しいと思いますけれども、このイラク法が通れば、その後、基本法作るまでにちょっとでも行ってこられるお気持ちがあるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は専門家でありませんから、行って、今私がいるときは安全だから果たして安全かとも言えないしね。その辺はよく専門家の、よく調査と各国の情報を収集して分析する必要があると思います。 私が行くところは常に大変な警備で、皆さん安全に気を配っていただいております。私が行って迷惑を掛けてもいけませんし、迷惑を掛けない状況だったら、いずれイラクも訪問したいと思っております。
○亀井郁夫君 分かりました。 総理がおっしゃるように、総理が行かれるとなったら安全なところしか連れていかないということになるかもしれませんから、総理の判断が間違うかもしれませんから、総理の方に本当の生の情報が全部入るようにひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、先ほど官房長官からもお話ございましたけれども、派遣される人の処遇の問題でございますけれども、いろいろ現在既に法律上決められたことがありますけれども、今度はある意味では非常に危険ではないかと、危険な地域に行くんだという思いで国民みんな心配しておるわけでございます。そういう意味では、行く人たちの名誉と誇りに懸けてもこれについては十分配慮していただきたいと思います。 そういう意味では、自衛隊の場合は警察官等と同じように賞じゅつ金というのがあって、亡くなりますと、聞くところによりますと最高六千万ということになっておるようでありますけれども、しかし警察官や消防関係その他いろいろありまして、調べてみますと随分金額が違うようでございますので、その辺を十分考慮しながら、官房長官言われたように、これに対する、行かれる人の対応をしっかり考えていただきたいと思いますし、同時に、外務大臣にお願いしたいのは、何と申しましても、NGOで行っている人が命懸けでやってくれているんですが、この方がもしも、いいことじゃありませんけれども、犠牲になられたという場合の取扱いはどうなっているのか。それからまた、今、随分外務省からも資金的に援助をしているというようにお聞きするんですけれども、どの程度の活動について資金を援助しているのか。これについて、外務大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) NGOの方々につきましては、これは正にその災害発生地ですとか危険な地域で活動をしていただいているわけでございまして、私は昨年アフガニスタンに行きましたときにも、アフガニスタンの各地で活動をしている日本のNGOの方々とお話をして、いかに安全に関する情報が手に入りにくいか、あるいはどのようにして手に入れているか等々のお話を直接に伺いました。イラクについても、NGOの方々は元々そういう地域で活動をなさるのには経験を積んでいらっしゃる方々ではありますけれども、やはり万全の体制を政府として組まなければいけないと考えております。 それで、現在は何をしているかということですけれども、これは通常の業務で政府として行っている邦人保護ということは当然でありますが、国際人道機関、国際機関も現地で活動をしていますので、そういったところと密接な連携体制を作るということが一つございます。 それから、在外公館とも連携体制を作って情報が緊密に伝わるようにしておく。例えばアフガニスタンですと、NGO担当の人を一人置いてございます。そして、その人をポイントにしていろいろな連携を行っているということをやっております。それから、もちろん最新の安全保障、安全情報を提供する。 そして、これは余り役に立つようなことがあってほしくありませんけれども、海外旅行傷害保険、これについても政府としてのNGOに対する支援の対象にいたしておりまして、戦争の特約も含む最高額の保険を掛けてくださいと、その支援を、その分の費用を政府で見させていただいております。 そういったことを行いながら、政府としてできるだけの支援をNGOの方に対してしていきたいと思います。 現在、ジャパン・プラットフォーム参加のNGOに対しまして、そこが行っている緊急人道支援活動に対し総額約七億円の支援を行っております。それから、そこに対しましては事前に一定額の政府資金をプールとして供与をいたしまして、それを使う段階では評議会というのが、外務省や経団連や学識経験者の方々から成る評議会というのができておりまして、そこの評議会で個別のプロジェクトや内容について評価をしまして、そこでその具体的な支援額を決めるという方式を取っております。 それから、その他のNGOの方、五つ既に活動をしていますし、近々あと二つのNGOの方が活動を考えていらっしゃるということのようでございますけれども、この方々に対しましては日本NGO支援無償資金協力ということで協力を検討をするということになります。そういったことについては、プロジェクトの内容ですとかNGOの方々のそういったプロジェクトを実施する能力、それから現地の治安状況等を勘案をいたしまして具体的な支援額を考えていくことになります。 いずれにいたしましても、NGOの方々の活動が安全に行われることが、NGOの方々にとっても、そしてそのイラクの復興という観点からも大事でございますので、政府として万全の支援を行いたいと考えています。
○亀井郁夫君 大臣、ありがとうございました。 NGOの活動というのが非常に大事なこともよく分かりましたので、これについてはよろしくお願いしたいと思います。亡くなったときのことについては御答弁ありませんでしたけれども、分からないんだと思いますので、これについても十分御配慮いただきたいと思います。 今回、一番中心になるのは何といいましても自衛隊ですので、自衛隊の派遣される人たちに対するそうした処遇というもの、自衛隊の人たちが本当に名誉と誇りを持ってしっかり頑張れるように考えてほしいと思いますけれども、それについて防衛庁長官の決意のほどを、考えのほどをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど来申し述べておりますように、隊員の安全ということには十分配慮をしてまいりたいと思います。 しかしながら、世の中には絶対ということはない、不測の事態があり得ないということはない。幾ら万全を期したとしても、不測の事態が全く排除されるわけではございません。そういう場合に、まさしく委員が御指摘のように、事に臨んでは身の危険を顧みず身を挺して国民の負託にこたえる。阿部委員が有事法制のときにも御指摘をいただきました。そういう宣誓をして、日本の国益のために、また日本の責任を果たすためにそういう地に赴いて、万が一の場合に遭遇したときに、それはやはり名誉と誇りということはきちんと考えなければいけないと思っています。それは政府もそうです。国民全体もそうなのかもしれません。 したがいまして、補償あるいは委員御指摘の賞じゅつ金あるいは手当、そういうもので、本当に後顧の憂いなく、そして同時にそういう人たちの気持ちにこたえる、それは国として万全を期すのは当然のことだと考えております。 委員の御指摘を踏まえまして、今後更にきちんとした対応ができますように万全を尽くしてまいりたいと存じます。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 是非とも派遣される自衛隊員が、喜んでと言うかどうか分かりませんが、誇りを持って参画できるような体制を是非考えていただきたいと思います。 最後になりますけれども、一つお願い、お聞きしたいのは、防衛庁の省昇格の問題であります。 現実に、議員の中にも防衛庁を防衛省にしようという議員連盟もできまして、明日はその会合もあるわけでございますし、一般の人たちも、なぜ防衛庁があれだけの組織でありながらいまだに庁なんだと。国を守り、こうした国際的な平和維持のために頑張ってくれている、命を懸けて頑張ってくれている自衛隊員のためにも、いつまでも防衛庁にするのはおかしいんではないかと。この際やはり、防衛省に昇格してあげることが、あげると言っちゃおかしいですが、昇格させることが必要ではないかということをよく聞くわけでありますけれども、これに対する総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この庁から省への昇格の問題はよく議論されるところであり、私も今までの議論、関心を持って見守っておりました。 現在、なぜ防衛庁を防衛省にしないのか、あるいは国防省にしないのかということでありますが、この問題につきましては、元々自衛隊というものに対してどのような配慮をすべきかと、あるいはよその国の軍隊とどう違うのかという議論もあります。自衛隊を軍隊と認めるということ自体に対してさえも根強い反対がある今の日本、外国へ行くと軍隊同様の扱いをされますが、日本では軍隊と呼んではいけないということになっております。そういう戦後の生い立ちですね、こういうこともやっぱり考えなきゃいかぬと。自衛隊の諸君がこうして今までいろんな分野に活躍の場を広げてきて、高い評価を受けている。しかるべき待遇をしなきゃならないというのは当然でありますが、庁を省にするというのと、それでは憲法を改正して自衛隊をはっきり軍隊と認めた方がいいのじゃないかと、それから省にしてもいいのではないかという議論もあります。いろいろあります。 だから、そういうのを見極めながら、今、国会での議論も、憲法調査会あるいはこういう場で、省昇格の問題ありますが、今までのいろいろな議論も踏まえながら、国民の動向を見ながら、庁から省にしなくても自衛隊の諸君の活動に対して敬意を持って接することができるような環境の整備することが政治の場、国会の役割ではないかと思いますので、いろいろ今後も議論を見極めながら、今後の問題として検討しなきゃならない問題だと思っております。
○亀井郁夫君 総理、ありがとうございました。 この問題は憲法の問題にも絡む大事なものでございますので、大変だと思いますけれども、ひとつよろしく御検討のほどお願いしたいと思います。 最後になりますけれども、総理は先ほども、今朝も話されましたように、米百俵の問題、あるいはまた改革なくして成長なしというような形で、こうした短い言葉で国民に納得させるすべには非常にたけておられるわけでありますから、このイラクの問題についても、イラクが日本のためにいかに大事なことなのかというふうな言葉を、簡単な言葉で結構ですけれども、是非とも考え出してもらって、そうしてこの問題に取り組んでいただけるよう心からお願い申し上げまして、私の質問に代えさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会、木俣佳丈でございます。 このイラクの新法ということで審議になるわけでございますけれども、やはり我々は、参議院は参議院でしっかり審議をさせていただき、我が党が今まで申し上げてまいりました修正というものを含めて、是非参議院は参議院としてのやり方をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いのほどお願いします。 まず初めに申し上げたいのは、今回の一連のイラク攻撃に対する支持表明等々、外交の大転換であると私は考えておるわけでございます。 今日御質問したいところは、イラク戦の大義の話が一つ、一つは日本外交、安全保障の大転換であるということが一つ、そしてまた、イラクの状況についてが一つ、そしてまた、初めての自衛隊の派遣ということが一つ、そしてまた、我が党が最終的に言いたいことは、やはりソフトパワーというか、もっと民生部門で行動を示すということが私はできると信じているというのが最終的な結論でございます。 初めに、戦後、戦争で負けて外交で勝ったという言葉を吉田茂が、勝った国はあるという言葉を使ったわけでございます。ある意味で私も、この経済的な繁栄を見たときに、確かに外交で勝ったという言い方ができるかもしれませんけれども、しかしながら、現在の経済状況を見たときに、最大の繁栄というものが、先ほど来総理から言われておりますような世界第二位、世界に冠たる経済的繁栄とすれば、しかしながら最大の負債というのは政治の不信というものではないか、そういうことさえ思うわけでございます。つまりは、どこかで何か転換をしなければならなかった何かがあるんではないか。今回、そういった意味で政府・与党が転換をしていったわけでございます。 今回のこの戦争の支持ということで考えますと、今まで我が国としては、国連中心主義ということが一つ、一つは日米安保ということが一つ、この二つの大きな柱の中で外交政策、安全保障政策というのをやってきた。しかしながら、イラクの攻撃に当たっては、基本的には国際協調というものが割れてしまった。そして日米安全保障、日米安保というものを最優先で取られた。私も、やはりこの日米安保というのは世界の中で最重要な二国間関係である、これは私も認めるところでございますが、しかしながら、この支持をした時点でこの大義が何だったのかといえば、これは総理が三月に言われたような大量破壊兵器は、この疑惑は否めない、そしてまたこの拡散も否めないんだということであったはずでございます。しかし、現在に至っても大量破壊兵器の問題、これが発見されていないということについて、まず初めに総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このイラクの戦争の前に、国連で武力行使等に対する議論が安保理理事国の間で盛んに行われました。度重なる決議をイラクが無視してきたということで、最終的に昨年の十一月には一四四一という決議で、この疑惑を晴らす最後の機会を与えるという決議がなされたわけであります。その後、査察団も入りまして依然として疑惑があると、不十分だという点についても開戦ぎりぎりまで査察団も安保理参加国も認めていたところであります。 しかしながら、武力行使ということに対しては、最終的に各国との意見の一致を見ないまま米英が武力行使に及んだわけでありますが、日本としてはこれはアメリカ、イギリス対イラクの問題ではないと、イラクの問題というのは国際社会全体との問題であるということから、武力行使には参加しないが米英の行動を支持して、復興後には、戦闘が終結した後には復興支援、できるだけのことをやるということを前から言ってきたわけであります。 そういう点において、私はむしろこのイラクの戦争というのは、イラクが国際社会の決議に沿って、はいどうぞ査察団も入ってきてくださいと、自分たちは何にも隠し持つべき大量破壊兵器も生物兵器も化学兵器もありませんと言っておれば解決していたはずでありますが、それをしなかった。 そして、いまだに大量破壊兵器が見付かっていないからおかしいという議論も私はこれもおかしいと思いますね。フセイン大統領が見付かっていないから、じゃ、フセイン大統領がイラクに存在しなかったのかといえばそんなことないでしょう。これは詭弁でも何でもありません。当たり前のことを言っているんです。そして、いずれ私はフセイン大統領も見付かると思いますし、大量破壊兵器も見付かると思っておりますが、時間が掛かると思います。 今後、イラクの復興支援のために、あの意見の対立を見た国々までも、今国連決議が採択されて、国連に加盟国は支援しなさいということで、お隣の韓国も軍隊を出している。そして、あのアメリカの、米英の武力行使を支持しなかったヨルダンもあるいはサウジアラビアもカナダも軍隊を派遣しようとしている。 やっぱり日本としては、武力行使、戦闘行為はしませんが、日本の国力にはふさわしいイラク支援活動をするべきだなと思っておりまして、今回このような法案を提出して、イラクにおきましても、政府職員においても文民においても自衛隊においても復興支援活動ができるんですから、自衛隊であるからできないというんじゃなくて、できることだったら自衛隊にもしてもらうという法案を提出しているわけであります。もちろん民間の方々もしていただきますので、そういう法案を国民に理解していただけるようにこれからも審議を通じて努力していきたいと思います。
○木俣佳丈君 総理に申し上げるのもなんなんでございますが、短く御答弁いただければと思っております。 私が申し上げたのは戦争の大義は何だったのかということで、大量破壊兵器の存在、そしてまたその疑義、そしてまたその拡散、ここが大義だったということは明確にこれは三月の総理の発言でございます。しかし、これが要は見付かっていないということで、フセインが見付かっていないのとはこれ同列でしょうか。全然違うと思いますね、それは。つまりは、犯罪者が例えば何かしたかもしれないということだけでその人を犯罪者だということを決めてしまうということは、要するに疑義があればどこでも戦闘行為を行ってもいいと、こういうような話にもなりかねない。世界じゅうには多くの疑義がある国があります。そこを全部攻撃しても仕方ない、それを支持するということですか、総理は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連安保理で議論されたのはイラクに対してであります。ほかの国に対してじゃないんです。 それでは、大量破壊兵器ないと断定できますか。私はできないと思いますよ。国際社会である可能性がある、査察団まで言っているんですから。断定、本当にないと断定できるんでしょうか。私は、フセイン大統領でさえ見付かっていないんですから。私は、フセイン大統領、イラクに存在したと思いますよ、見付かっていなくても。だから、断定できないだろうか、じゃ、ないと断定できるのかと。 今のところあると断定できなくてもいずれ私は見付かると思っていますし、国際社会が、安保理でもあるだろうということだからこそ査察団を派遣して査察に応じなさいと言ったのを、フセイン大統領が査察団を追い出しちゃったんですから、妨害しちゃったんですから。そういう状況で、一四四一で九月、最後の機会を与えると、その機会を生かさなかったのはイラクだったと。
○木俣佳丈君 いや、そんな詭弁を弄されても困るんですよね。 大義なき力は暴力だというのはあなたが言ったことなんですよ、実際に。その大義が見付かっていないのに暴力を行ったというのが今の現状じゃないんですか、米英については。 今、今日の新聞でもありますけれども、フライシャー米大統領報道官が、ウランの購入ですね、これについての情報が正しくないことを我々は以前から知っていたと述べたと伝えたと。今、現在この時点でCNNが世界じゅうに配信しているのが、今この情報操作に関する報道を一斉に始めたそうです、現在です。これはイギリスでもいろんな問題になり、米英ではオープンな議論、又は秘密会もありますが、そういうのが行われておるんですが。 今、あるかないかということが一番大事な私はところで、それを証明しなければ、我が国として証明しなければ、あの戦闘を支持したということはこれはどうなるんでしょうか、責任はありませんか、総理は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 我が国としてじゃないんだ、国連の決議を見てそれに正当性があるからといって支持したんですよ。我が国が独自で情報収集するわけじゃありません、査察団が情報収集しているんですから。これに対して疑惑があるという断定をしているんですから、査察団も。そして一四四一の決議があって、最後の機会を与える、続けるか続けないかの議論があって、それが一致を見なかったんです。
○木俣佳丈君 総理、武力容認の決議は出ておりません。一四四一ではこれは読めません。我々は、ですから、これでだから武力を容認するなんということは僕はないというふうに思いますが、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、一四四一に、最後の機会を与えるというのが、武力行使を認めるかどうかの意見を一致を見なかったのは確かであります。しかし、法について解釈の一致しないのはたくさんありますよ、今だって憲法九条は自衛隊を認めないという議論もあるんですから。だから、意見を一致見なかったのは当然です。私は事実を言っているんです。事実を言っているんです。 だから、一つの法、決議を、解釈の違いというのは間々あります。確かに国連では全会一致の意見の一致は見なかったんです。そういう中でも、あの、日本としては一四四一、六七八、六八七、この決議に正当性があると思ったから支持したんです。
○木俣佳丈君 そんな、古証文を持ち出してというのはこういうものでありまして、この三つで武力容認をできるなんというのは国連認めているんですか、実際に。
○国務大臣(川口順子君) 前の話に戻っての御質問ですので、武力行使がなぜ正当であるかということの御説明をもう一度させていただきたいと思います。 それで、これは六七八、六八七、一四四一と主な決議が三つありますけれども、六八七というのは停戦の条件を決めた決議です。その中で、査察に応じるとか、もういろいろな話があるわけですけれども、それで、一四四一において全会一致でイラクがこの六八七の定めているところに違反をしているという決定があるわけです。これは決定です。全会一致の決定です。それで、イラクに対して最後の機会を与えた。 イラクに課せられた義務というのは、単に査察団に入ってください、見てくださいというだけでは十分ではない。イラクが、これは破棄しましたという証明をイラクがしなければいけない。証明をする義務がイラクにあるわけです。それをイラクはしなかった。最後の機会を、イラクが自分の潔白を証明する機会をイラクは使うことができなかったということでありまして、我が国としては平和的に解決をしたいというふうに思いましたけれども、最後の段階でイラクが、そういったイラクの大量破壊兵器についての疑惑が武力行使なしに解明できないということになって、武力行使があった時点で我が国としてはこれを支持をしたということでございます。 したがいまして、一四四一それ自体では武力行使を正当化していませんけれども、一四四一によってイラクが六八七に違反をしているということが決定をされ、六八七がその条件が無効になったということで、六七八に戻って必要な措置を取るということが容認をされたということでして、これは、フランス自体も六八七に、九三年の時点で六七八に戻って武力行使をしております。ということでございます。 それから……
○木俣佳丈君 いいですよ、もう。
○国務大臣(川口順子君) じゃ、また御質問がありましたらお答えさせていただきます。
○木俣佳丈君 今、総理の方からありましたけれども、法の解釈でもいろんな解釈があると、憲法九条の解釈についてもいろいろあるというふうに言われましたけれども、総理は、要は我が国のこの九条の解釈がいろいろあるということを知っているという意味じゃなくて、認めるということでございますか、これは。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現実に憲法九条で、自衛隊は憲法違反だと言っている人は学者の中にもいます。いまだに政党の中にも自衛隊は憲法違反だと言っている政党もあるんじゃないですか。私はそうは思っていません。だから、同じ法律でも解釈が違うのがあるんですよ。見解の相違という言葉もありますね。それを言ったんです。
○木俣佳丈君 総理自体はどうですか。総理自体は一つに決まっていますか、解釈は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、憲法九条を読むと、そういう解釈もできるなというのは理解できます。しかし、私は憲法違反だとは思っておりません。反対する人の立場……
○木俣佳丈君 いや、総理の立場を聞いているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だから、私は解釈は一つで、自衛隊は憲法違反ではないと思っておりますが、憲法違反だと言っている方がいるということは承知しております。
○木俣佳丈君 ちょっと前に、質問が横道にそれましたけれども。 この大義ない状況が生まれつつある。おとといはガボンの元大使のウィルソンさんという方が、これはアメリカの派遣した核の売買の調査団の団長をやった人ですね。この方がニューヨーク・タイムズに投稿をいよいよしまして、実際あれは捏造なんだということを後押しした。本日はフライシャー報道官が以前から知っていたということを、捏造をですね、報じているということなんですね。 これ、先ほども申しましたように、米英ではいろんなところでこれをオープンに議論をしようという雰囲気がありますけれども、一番の大義、肝のところを、総理は特別委員会か何か作ってこれを詰めていこうという気持ちはないんですか。国民の皆さんに、要は大量破壊兵器を持っていたという事実を、又はその持っていたものが拡散しつつあったという事実を要は我が国として証明をしようという、そういう気はないんですか、オープンに。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 正にこういう委員会がそうでありまして、国会の場で議論をすればいいと思っています。
○木俣佳丈君 時間が足りません。ですから、総理からも是非、この国会に向けて、与党の自民党、そしてまた公明党の皆さんや、に向けて、もっと審議の時間を取るように是非指示してください、それでは。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もう国会は毎日開会していますから、いろんな場で議論していただければ十分時間が確保されると思います。
○木俣佳丈君 これ世論調査を見ますと、四月、六月、七月とずっと見ますと、これ随分変化があるんですね。米国支持を四月の時点では評価した人が、これは読売新聞で五一%いました。これが二二%に六月の後半には朝日新聞落ちるんですね。それから、この自衛隊派遣についてもついでに言えば、要するに四月の時点では六六%、民間と自衛隊両方を派遣したらどうだと、こういうふうに答えているのが、六月の後半の朝日新聞では要は賛成が何と四六%に、現在は毎日新聞、七月五日で一九%に減っている。イラクの攻撃自体も正当な理由があったと思うかということで、そうは思わないという人が六月二十八日の朝日新聞では五七%、そしてまた毎日新聞では七月の五日で六一%。 この状況をだから考えたら、フセインが証明せよというようなことではなくて、攻撃は終わったわけですから、今度は総理が国民の皆さんに証明する番じゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が証明しようといったって、どうやって証明するんですか。 私が武力行使支持表明前には、七〇%が武力行使を支持するのが反対だという状況でしたね。そういう中でも私は正当性があるから支持いたしました。今、いろいろな世論調査を出しました。新聞によって違います。これは新聞によると、恐らく問いの仕方が違うんでしょう。問いの仕方によっても世論調査というのはなかなか変わってきます。そういう点から、世論調査というものは新聞社によっても違うし、聞き方によっても違いますが、国会議員としてどれが必要かということで審議をして、適切な判断を下さなきゃならないと思っております。
○木俣佳丈君 私が思いますのは、例えばこの数か月でも審議によって国民の皆さんの理解が進んだというふうに私は解釈いたします。つまりは、審議が進めば進むほど、このつまりは正当性、大義というものが崩れていく姿が私は見えるんです。 ですから、これは仮に、仮にですね、例えば初めに大統領教書にあったようなニジェールからのウラン、これはごめんなさい、ニジェールは入っておりませんが、ウランを買った、三万発の弾頭、五千トンのサリン、マスタードガス、二万五千リットルの炭疽菌、こういったものが要は、大量破壊兵器の要はエビデンスということでありますけれども、これなかった場合に、仮に見付からなかった場合には、総理はどのように責任をお取りになりますか。それが大義として、要は攻撃を支持したわけですから、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、協力すれば戦争も起こらなかったのに、協力しなかったフセイン大統領の責任が大きいと思います。日本としては、国連決議に沿って正当性があるということで今イラク復興支援のために努力しているわけですし、国連の場におきましても武力行使支持するかどうかについては意見の一致を見ませんでしたが、戦闘に入って、今主要な戦闘が終わった時期におきましては、武力行使反対の国々も全会一致で賛成してイラク復興支援にみんな取り組んでいるんですから、私は日本がイラク復興支援に進んでやったから責任を取れという状況にはならないと思っております。
○木俣佳丈君 違いますよ。これは全然すり替えていますから。要するに、戦争を支持した責任はありませんかと僕は聞いているんです。 復興については、反対した各国も、もちろん復興は復興ですから、とにかく国民の、イラクの国民の皆さんのことを考えれば、それはとにかく何とか人道的にやろう、しようじゃないか、これが次の国連決議だと思いますけれども、しかし私が言っているのは大義です。攻撃の大義が、これがもし仮に見付からなかった場合は、これは大変な私はことだと思うんですよ。つまりは、国際協調と言いながら、最終的に言えば日米に、米国に追従をするということだけになるんじゃないかと。これから先もそういうふうになって、結局、だから、その大義が見付からなくても……(発言する者あり)いやちょっと、自分が証明するあれじゃなくて、要は相手方の犯人の方が証明をしなきゃいけなかったんだよ。それは私、じゃ警察や検察というのはなくなっちゃうんじゃないですか、そうしたら。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうだったんですよ、イラクに挙証責任があったんですよ。あのときはもう全会一致ですよ。査察団も含めて、全部イラクが、疑惑があるからイラクが証明しなさいというのが国連決議ですよ。そういう中で行われているんですから。私は、もうない、ないという断定の上で、今おかしかった、おかしかったと言う方がおかしいと思いますよ。 それで、アメリカ、日米同盟を重視する、国際協調体制を重視する。じゃ、アメリカやイギリス以外に今数十か国には軍隊を派遣していろんな人を派遣してイラクの復興支援にいそしんでいる、その国は全部アメリカに追随しているというんですか、そうじゃないでしょう。 私は、日本の立場として、国際協調体制、日米同盟重視、これは今後とも重要な国策でありますので、この方面からイラク復興支援のためにできることをやっていく、これがまた日本の国際社会の中での責任ある立場だと思っております。
○木俣佳丈君 私が冒頭ちょっと申し上げましたように、やはり今回の小泉総理のこの選択というのは、やはり日米同盟というのをぐうんと押し出した、つまりそちらを最重要と思い、要は国際協調が壊れた場合でも、そちらをとにかく支持していくという選択を私はされたと思うんです。 それはそれでいいんですけれども、しかしながら、戦争を起こした、つまり、要するに大量の殺人を要は仕掛けたわけですよね、結局は。その大義がないと、そして今、CNNが今この時間だあっと世界に向けて配信をしているという、こういう状況の中でまだそういう言い方しかできないかと思うと、私はちょっと残念だというよりも、私は、これはこれから復興に掛けて例えば自衛隊の方を派遣する、今回はとにかく占領行政下への編入ということ、それから自衛隊の隊員の生命の危機があるということ、それから要するに実際の武器の使用ということが考えられるという、そういうところへ派遣するという大義が根本から崩れるということになる。 もっと言いますと、要するに、幾つかの報道にありますけれども、日本が今回、総理は物すごく大きな気持ちで多分自衛隊を派遣されるということなんでしょう。つまりは、一歩も二歩も国際協調を、国際貢献をしなければいけないということで派遣をされると思うんです。しかし、アメリカの政府高官が新聞で、水や食料輸送だけの日本に対し不満を漏らしているということがだあっと配信されているんですよ。(発言する者あり)これ、いや、いろんなこと言うということじゃないんです、官房長官。こんなことまで言われて、隊員の命をさらして、そして武器使用も非常に縛って、手足を縛ってとにかく行かせると。(発言する者あり)何すればいいじゃないですよ、何言っているんですか。横から言わないでください、そんなことを。何すればじゃないんですよ。 だから、もっと我々はソフトパワー、民間のもっと力をもっと世界に出したらどうかと思うわけなんです。 こういう例えば、政府の高官もいろんなことを言うという、官房長官言われますがね。じゃ、ちょっと伺いますけれども、例えば初めからサウザンド・ブーツ・オン・ザ・グラウンドと、こういう言葉があったと。そうしたら、この間新聞見ましたら、ツー・サウザンズだと。要は千人の陸上部隊なんだと。いやトータルで千人じゃない。こんな話が濶歩しているんですね。しかも、それに対してもまた不満を持っているというんですが、こういった在り方に、どうですか、官房長官、どんな感じを。
○国務大臣(福田康夫君) それはアメリカ高官のお話ですか。千人、二千人。 いや、そういうことについて、アメリカの方で日本の軍隊はこのぐらいの規模でといったような話は、自衛隊ですよ、軍隊というのは、そういうような話はございません、はっきり申し上げまして。(発言する者あり)新聞に出て、新聞の方でどういうふうに言うのか、どうしてそういうのが出てくるのか知りません。知りませんけれども、政府からそういう話が出てはおりません。私ども、今は千人という数字を案として持っていることもございません。 それはそういう、もし御不満だったら新聞の方に聞いていただきたいと思います。
○木俣佳丈君 さっきから聞いていれば、もう要するに、世論調査の話もそうですが、新聞記事でだれが言ったということも書いてあるんですが、新聞の方に聞いてくれという。それでは国会やめて、だからもうマスコミの方々に聞いた方がいいという話じゃないですか。そんな国会軽視ってないですよ、そんなの。おかしいでしょう。ちょっとだからあれして、もう止めてくださいよ。ちょっと何言っているんですか。そんなばかな。(発言する者多し)
○委員長(松村龍二君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(松村龍二君) 速記を起こしてください。 木俣議員、質問を続行をお願いします。
○木俣佳丈君 いや、官房長官がマスコミの方に聞いた方がいいですよということで……
○国務大臣(福田康夫君) じゃ、もう一回言いましょうか。
○木俣佳丈君 じゃ、もう一回答えてください。
○国務大臣(福田康夫君) それは私どもは、千人、二千人という計画、作ったことない、プランとしても持ってないんです。私の頭の中にもないんですよ。ですから、そういう数字が独り歩きをしていると、こういうことを申し上げているんです。
○木俣佳丈君 要は、その割にはよく出てくるなという感じがするんですよね。 それで、いや、私は、そのことだけじゃなくて、要するに、具体的に要するに活動案に不満を出していると、内々いろんな計画をやり取りしておるのかもしれませんけれども、それにだから要するに不満を漏らしているということ自体が私は、我が国、例えば我々は反対しておりますけれども、我が国の決断、そしてまた我が国民のこの決断に対して、どんな重い決断で、つまりは、さっきの大義の話もそうですが、これは一国のやはり本当、宰相が言った言葉でございますから、戦争を支持するときに。これは私は、もしこれが出なければこれは辞任ものだと私は思いますけれども、そう思いませんか。それだけ重い決断を日本がしているということをやはりアメリカにもイギリスにも知っていただかなければ、これから派遣される自衛官の方々がたまったものじゃないというんです、実際に。 何をやりますかと石破長官に聞いても、水と輸送ですねと。水と輸送だけなんですかね。やれるものはもっとたくさんある、だけれども、具体的にはない。そして、現地の方から聞こえてくるものは何かといえば、結局はもっとやれるはずだと。こういう話が来たら、現地で、(「水は大事だ」と呼ぶ者あり)水は大切ですよ。だけれども、現地でとにかく行動する指揮官、そしてまた自衛隊員の方々が大変な惨めな思いを私はすると、結論からいうと。そういうことになりませんか、長官。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど来、委員が御指摘のアメリカが不満を述べたということでございますが、米側が不満を述べたという事実はございません。それは私どもとしていろんな、事務的ないろんな打合せはいたします。その中でいろいろと異なることはございます。しかし、それは、まず官房長官が先ほど答弁なさいましたように、二千足のブーツ、千人の派遣、そういうような具体的なお話をしたことはございません。そしてまた、アメリカ合衆国側から不満が漏らされたということはございません。日本ができますこと、そういうことについて歓迎はするということは述べられておりますが、不満が述べられたというようなことはございません。 また、水と輸送しかまだ提示をしていないじゃないかという御指摘がございます。先般の与党の調査団が行かれまして、その御報告で、とにかく水というもののニーズがある、あるいは航空輸送というもののニーズがある、そういうことが提示をされました。それだけということを申し上げているわけではございませんで、委員御案内のとおり、この法律は枠組み法でございます。この枠組み法を成立をさせていただきました後に詳細な現地のニーズというものをきちんと把握をいたしまして、何が自衛隊の能力としてあるか、そして何が現地のニーズにおこたえすることになるのか、そういうことをきちんと把握をいたしまして日本国として国際的な責任を果たしたい、そのように思っておるわけでございまして、自衛官が惨めな思いをする、そのようなことにはならないと考えておる次第でございます。
○木俣佳丈君 具体的なオペレーションについては後で伺いたいと思っておりますけれども。 現地の治安の状況でございますが、マイヤーズ統合参謀本部参謀長、それからCPAのブレマー代表が、これは七月に入ってからでございますけれども、この占領軍に対する攻撃というのはフセイン政権の軍の経験者によるものだ、プロによるものだ、軍事的知識があり、いわゆるイラク市民の散発的なものではない、全土にわたって大変危険な状態にあるのではないかというコメントを出しております。現に、五月一日、戦闘の終了以降、死者が米軍は六十九名、英国軍は十名、ほぼ連日抗戦があるわけです。我々の調査団では、五から十の、一日当たり、襲撃があるというのが我々の調査であります。 これでも、要は向こうで安全な地域がかなりあるということを言えるんでしょうか。どうですか。
○国務大臣(石破茂君) 六十名という御指摘がございました。ただ、六十名のうち事故で亡くなられた方々が相当あります。実際にそういうような射殺、そういうようなことで亡くなられた方は二十名程度というふうに私どもは把握をしておるところでございます。 実際に、非戦闘地域という概念を先ほど御説明を申し上げました。その中で、では安全な地域があるのだろうかということですが、例えばバグダッドと、こう一般に申します。バグダッドだけでも東京都の二・四倍ほどの広さがございます。東京都全体の二・四倍の広さがバグダッドでございます。イラク全体は日本全体の一・二倍の国土でございます。その中でそのような比較的安全な地域、自衛官が与えられた権限あるいは与えられた武器、自己を守るために、その中で安全な地域というものは非戦闘地域で行うという大きな枠の中で存在をするというふうに考えております。 それはイラクと申しましても、与党の方々が行かれたところ、野党の方々が行かれたところ、それは地域によって差がある、私はそのことは当然のことだと考えておる次第でございます。
○木俣佳丈君 午前中の質疑の中でも戦闘行為について、現在もありましたが、国際的な武力紛争というようなことでありますが、この定義は非常に古いと私は思いますね。基本的には、冷戦の前の、冷戦下のソ連からの着上陸というものを想定したものだと私は伺っております。その準用だということを伺っています。 この定義でいきますと、戦闘でないということで、例えば内戦にどんどん自衛隊を派遣するということでよろしゅうございますか。長官、内戦に。
○国務大臣(石破茂君) 内戦というものがどういうものなのか、これはそれぞれ具体的なケースというものを提示しなければ、内戦について加担をすることになるのかということにストレートにお答えすることになかなかならないと思っております。 要は、私どもが武力の行使をしてはならないという、今、委員がその定義は古いぞというふうにおっしゃいましたが、日本国憲法の定義によって、我々は武力の行使というものを海外でしてはならないわけでございます。それは、国又は国に準ずる者による国際的な武力紛争というものに私どもは武力を行使してはならない。これは、古いと言われようが何と言われようが、これは日本国憲法のきちんとした要請に基づくものでございます。我々が実際に海外において行動することが、国際的な武力紛争という場面において我が国が武力を行使したと、そのように評価をされないという行動をしなければいけません。 したがいまして、先生御指摘のように、内戦にどんどん介入していい、そのようなことには当然なりません。それが我々が憲法によって禁じられておる国際的な武力紛争、そしてまたそこにおける武力の行使、そのような評価にならないようにするということに気を付けなければならないのでありまして、内戦にどんどん介入していいと、そのようなことにはならないと考えております。
○木俣佳丈君 今のお答えで、どんどん介入していくというのではないんだと、そういう方針ではないんだという、いやいやごめんなさい、内戦に。例えばコソボとかアフガニスタンとか、こういった内戦が今までありました。こういった内戦に対して、又は将来的にもいろんな内戦が勃発、現在も勃発しておりますけれども、要は、そういったところに戦闘ではないという理由で行くことはないんだということでいいんですね。
○国務大臣(石破茂君) 戦闘ではないんだということでどんどんと行くということにはならない。要は、私どもがやりますことが国際的な武力紛争の一環としての武力の行使にならないようにということでございます。 仮に、内戦もいろんなケースがございますけれども、判断をいたしまして、国又は国に準ずる者による組織的、計画的な武力の行使というふうになります場合には、いずれにいたしましても本法案によりまして活動を中断する、危険を回避する、そして防衛庁長官が実施の区域の変更という行為をするかしないか、その指示を待つことになります。 ですから、私どもが、先生御指摘のように、どんどんと介入する、そのようなことはこの法案は予定をしておりません。そしてまた、そのような行為を日本国憲法は予定をしておらないはずでございます。
○木俣佳丈君 いや、もちろんこの法案でどんどん行けるということではございません。国の方針として、ごめんなさい、この法案を離れたところで、要は戦闘地域ではない、戦闘ではないと、つまりは国内の争いであるからということで要は出ていくということは基本的にはないわけですねということを確認したかったということです。 具体的なものに若干入りたいと思うんですが、例えば宿営地の食料などをねらって数十人、十人とか数人、十人、数十人のグループがこれを盗みに来たと。その場合に、自衛官に危害を加えることもないわけでありますけれども、この場合には防護の対象にこれはなりますか、このものは。長官。
○国務大臣(石破茂君) これは、要は、この法案の第十七条に該当するかしないかということでございます。十七条、つまり正当防衛、緊急避難、危害許容要件というふうになっておりますが、そしてまたできますことは、あとは自衛隊法九十五条というものが使えることになっておるのは先生御案内のとおりでございます。 その自衛隊員に危害を加えることなく食料だけ盗んだ場合は、あるいは盗もうとしている場合はそれは単に見ているだけかねと、こういうような御指摘でございます。 これも、そういうケースはなかなか想定しにくいことでございますが、相手方が自衛隊が輸送しております食料、輸送の場合を考えてみますと、他国の物品等の略奪、破壊を謀っていることが明らかであり、警告を行ってもなお略奪、破壊を試みるといった場合には、その試みに伴い、つまり向こうがやろうとしているわけですね。当該自衛官の生命又は身体に対する危険を及ぼすおそれがあると認められる場合には、十七条による武器の使用ができるということになります。 本当に持っていこうとしている場合には、やめろということを言うことは当然ございましょう。当たり前のことでございます、我々の食料ですから。持っていくのをやめろというふうに制止をする、警告をする、そういうことはございます。 しかしながら、そこに対して武器の使用があり得るかということを考えますと、これは十七条が規定をするような、そういう場面が生じました場合に限りまして武器の使用、危害許容というものが要件として認められると、そういうような考え方でございます。
○木俣佳丈君 つまり、丸腰の盗賊団が入っていってそれを盗む場合には危害を加えないで、それを警告は言葉では言うかもしれませんが、要は、そのときには武器を使用できません。 それからあと、NGOや国際機関から救援要請とかが行われた場合は、これは自衛官は出ていくことはできますか。
○国務大臣(石破茂君) 先生御指摘のように、丸腰の人が取っていくときに武器を使用するということはそもそも考えておらないところでございます。 また、NGO等々の救援要請があった場合にはどうかということですが、それはすべからく法案第十七条、これの要件を満たすか満たさないか、そのことによって判断をされることになります。
○木俣佳丈君 この場合にも、基本的には十七条の要件を満たす満たさないはありますが、一般的に言えば救援活動、救援要請には行けないということになっておると思います。 それからまた、輸送中に隊員が拉致された場合に、奪還するために出動はできますか。
○国務大臣(石破茂君) 拉致をされた場合にその者を捜索に行くということは当然のことでございます。そうしなければ自己保存機能といいますか、組織としての自己保存というものはできないことになります。拉致をされた人間を捜しにも行かないということであれば、組織は成り立ちません。 そこで、捜索に行きました場合に、また同じお答えになって恐縮でございますが、十七条のような場面が現出をしたということになれば、十七条に規定された武器使用権限を有します。
○木俣佳丈君 いずれにいたしても、奪還するときには武器の使用ということはできません。基本的にはできないでしょう。できないはずなんですよ。ですから、基本的に自衛隊の方々が、要はいろんなことができない中で出て行けということが、私はこれは本当に自衛隊の方々が惨めな思いをするだけじゃないかということを大変心配をしております。 最後になりますけれども、我々は民生部門のもっともっと活躍を日本国国民としてするべきだと思います。これは、例えば私はアフガニスタン行ってまいりましたけれども、婦女子の方を含めて大変教育を受ける権利が、権利というか、与えられなかった、本当に大変な国だった。この五百万人の子供たちをとにかく学校へ戻そうなんというバック・ツー・スクールなんという、こういったプログラムがユニセフで行われておりますが、これも実は計画をはるかに上回る規模で実は実行されました。これは日本のNGOの方が、もちろん日本政府の方々、外務省の方々も含めてこれが、一生懸命それをサポートしたからだということを伺いました。 私も実は小学校、私は愛知県でございますけれども、愛知の小学校や中学校、何校か総合学習の時間に参りました。そういう中で、子供たちがやはりこういう意見を持っておるんですね。 こんなに貧しい人たちがいるのに、私たちは食べ物もあり洋服もあって幸せだなと思いました。外に出ても面白い楽しい公園や遊園地もなく、ただ地雷や爆弾などしかなく、目の前でどんどん人が死んでいく、そんなところに住んでいる人たちはとても大変。私は文具や食べ物を大切にし、これからアフガニスタンの貧しい人たちにお金や食料、必要なものを寄附してあげたい。見ているだけでなく、そんな人たちの役に立つ人になりたいです。 これ、こういった作文、私も何百もいただきましたけれども、我々はやはりソフトパワー、これからは交渉力とか文化の力とか、そういうものをもっと発揮するべきじゃないか。つまりは、一階部分、有事ができました。二階部分、周辺有事、三階部分がこの国際協力というところでありますが、三階をこんなに大きくして要は家が建つのかな、私はそんな思いをいたすわけでございます。 あとはイラクにじかに行かれた若林同僚議員から質問させていただきます。終わります。
○委員長(松村龍二君) その前に、石破防衛庁長官、何か答弁ありますか。
○国務大臣(石破茂君) 木俣先生、一言、委員長のお許しをいただいておりますので。 捜索には行けます。ですから、全く見ないで……(発言する者あり)いや、奪還、つまり捜索に行くわけですね。拉致された人間がどこに行ったか、捜索に行きます。そこにおいて返せということは当然言うわけです。そこにおいて実際に自己を守るような必要があれば、危害許容要件が生じて十七条によるものはできるということです。だから、何もしないで捜索に行くということはできます。ただ、奪還という行為をやるということではなくて、捜索という行為はきちんとして行う。そうでなければ組織として成り立たないということを答弁を申し上げさせていただきました。
○委員長(松村龍二君) 関連質疑を許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。 本題に入るに、ちょっと一呼吸入れさせていただくために、私のこのいでたちの質問をさせていただきたいと思いますけれども、御存じのように、電力事情の悪化あるいは地球温暖化防止への対応ということで、自分ができることからやろうということでこういう格好をして、ちょっとなじんでないと思うんですけれども、私はこの格好をすると寒いんですね、ここ。今何度あるとお思いですか、この室温。まあ、お答えはしなくて結構ですが、調べたところによりますと二十四・五度ですから、本会議でさっき調べたら二十五度でございました。政府が推奨しているのは何度だか御存じですよね、二十八度です。ですから、私は、やはり国会あるいは内閣が本気で地球温暖化防止への対応を図ろうと思えば、まずは二十八度にきちっと上げて、そうしたらどういう服装が必要なのかということを我々みんな考えるべきじゃないかなというふうに思います。 大平総理のときにこういうことも着れるようになったというお話も伺いましたけれども、私は、やはり総理も率先してそういうことをやっていただくことも必要じゃないか。この服装が目的じゃありませんから、これはやっぱり二十八度でもネクタイがいいという人はネクタイを着ればいいんですけれども、そこまでやっぱり本気でやろうという姿勢が私は必要だというふうに思いますので、もしコメントがあればお答えをいただきたい、なければまたイラク問題に移りたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私、賛成ですね、その意見に。国会のことには総理は口出すなとよく言われますけれども、二十八度にすればいいんですよね、ネクタイも取って、上着も取って。だから、私はどっちかというと冷房、嫌いな方なんです。総理の執務室に入るとむっとするなとよく言われるんです。だから、総理の執務室に入るときは上着もネクタイも取ってくださいと言っているんですよ。 だから、二十八度にしろと官庁やっているのを国会も率先して皆さん働き掛けてくださいよ。そして、二十八度にふさわしい服装を皆さんがしていただければ、もっと省エネに協力できると思います。私は賛成です。
○若林秀樹君 前向きな御答弁ありがとうございました。 二十八度というと、本当にむっとするんですよね。総理もASEANなんかに行きますと、みんなそれぞれの民族の正装がありますよね。私は、やっぱりこれから長い何十年掛けて何がいいかということも、夏はもうここは亜熱帯ですから、そういうことも考える必要があるんではないかなというふうに思います。 イラクの本題に入らさせていただきたいと思いますが、今御紹介ありましたように、私も六月の三日から九日までイラクに行ってまいりました。参議院民主党を代表してということでございます。初めて私も中東を訪れまして、イラクに行ったわけですが、よく日本で言われますように、炎天下で額に汗して働くというそういう美徳のような感覚がありますけれども、炎天下で五十度で働いたらやっぱり死ぬ、そういう国じゃないかなと、全然根底から国の成り方がやっぱり違うんだなと。 イラクを見たときに一番思ったのは、やっぱりしっかりした国なんですよ。GDP一千から一千五百とか、一千五百から二千ぐらいですね。これは社会主義の国ですからなかなか測るのは難しいですけれども、一千五百、二千で見ますと、タイとかブルガリア、ロシアでも二千ちょっとですから、元々しっかりした国なんですね。技術者もいれば、お医者もいれば、看護婦さんもいるということですから、そういう状況の中で見た場合には、確かに被害に、戦争の被害もありましたけれども、やはり十二年間の経済制裁、あるいは二十数年間のやはり軍事優先の社会による疲弊が非常に大きいなというふうに思いましたし、正にこれこそ我が国が果たすべき役割は多いんではないかというふうに思いました。 私も、自衛隊派遣ということに対しては基本的には中立な立場で、何が本当にできるのかなという視点で見てきたつもりでございます。確かに、十数万の兵が動けば、それに対する支援活動というのはこれは一杯あります、これは本当に。じゃ、それを手伝わないでいいのかということもあると思います。しかし、今現状でこれ、用意された法案で見ると、私は余りにもちょっとお粗末ではないかなというふうに思います。 それで、復興支援に対しては、いろいろあると思いますけれども、これまた中期的にいろいろやらなきゃいけないことも多いんではないか。その辺、水とか輸送というのがありまして、私、この辺もまた意見がありますので後ほど申し上げたいというふうに思いますが、なかなか正直言って見いだすことはできなかったというのが正直なところでございます。 全体の感想でいえば、やはり今回の法案を見ると、イラクに対する自衛隊派遣、先にありきであり、本当にイラクの実態を見ているのだろうか。やはり目を覆って、私は、美辞麗句並べた法律の用語は確かにきれいかもしれないですけれども、私は、余りにも実態と懸け離れた状態の中で自衛隊に手足を縛って派遣するということは、私はちょっと今回は賛成できないんではないかなという、そんなふうに思ったところでございます。 実態と法律が違うとどうなるか。今回の法律でいえば、私は、意味のない死傷者が出る可能性がある、本当の意味のある支援ができるんだろうかという、そういう疑問に達したところでございますので、早速質問に入りたいと思いますが、いずれにせよ、今回の法案の戦争の大義というんでしょうか、これは大量破壊兵器の問題ですから、先ほど木俣委員の方から説明、質疑がありましたので、余りくどいことは避けたいというふうに思いますけれども、いずれにせよ、唯一の今回の法案の根拠は、やはり私は、大量破壊兵器があるかどうかというのはこれからもやっぱり非常に重要な問題ではないかなというふうに思います。 一つ、ちょっと角度を変えて質問をしたいんですけれども、総理に。 フセインは大量破壊兵器を持っていたとしたら、何ゆえに、じゃ米軍に対して使わなかったんでしょうか。ちょっとお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、私、フセインじゃないからフセインの気持ちまで分かりませんけれども、その前に、持っていないんだったら何で査察を受け入れなかったのか、戦争を避けなかったのかと私は聞きたいですね。
○若林秀樹君 査察の問題はちょっと別の角度でありますけれども、仮にフセインが大量破壊兵器を持ちながらそれを米軍に対して使わなかったということであれば、私は米英がさんざん言っていましたイラク脅威論ということに対する根拠も逆に失うんではないかなというふうに思います。 とにかく、大量破壊兵器というのは別にイラクだけじゃなくて様々な国が持っているわけですから、現実に使っていない、使おうと思ったのかどうかは分かりませんけれども、私は、やっぱりイラクが本当に大量破壊兵器を持っているかということに対する責任はこれからもいろいろ出てくるんではないかなというふうに思っているところでございます。 今回の情報収集をさせていただきました。私が現地へ行って聞いたり、これまでいろんなホームページ見たりしますと、米軍は、米国はと言った方がいいんでしょうかね、かなり前から今回のイラク攻撃、そしてその後の占領行政について計画的にやっていたなという感じはしました。 例えばホームページ見ますと、USAIDという開発庁のホームページ見ますと、四月の時点でもうセブラルマンスという言葉を使っていまして、もう数か月間、占領後の復興の在り方について議論をしてきたという、その上でこういうプランが出た。あるいは、ユニセフのイラク事務所に行ったときに聞きましたところ、一月の時点で占領後の占領行政に関してユニセフにやりたいことをやっぱり指示した、あるいはお願いしたという事実がありました。 しかし、ここまで私は早いとなると、元々イラク攻撃前提で、後はアリバイ工作のために様々なことを利用していたんではないかなという感じはしますけれども、その辺は小泉総理はどういうふうに思われますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 米国の用意周到さは今に始まったことじゃないと思います。というのは、第二次世界大戦で日本が真珠湾攻撃して戦勝気分に沸いていたころ、翌年ミッドウェー海戦で日本海軍は手痛い敗北を喫するわけですが、その前に既にアメリカは、日本が勝った勝ったと騒いでいるときに日本の占領計画を立てていたんですから。それほどアメリカというのは用意周到ですよ。 そういうことを考えれば、私は、ブッシュ米国大統領と会談したときにも、アフガンの際に、これはアフガンを攻撃する前には必ず、攻撃した後、アフガンの生活支援、復興支援に対してどういう方法が必要かということを十分考えて攻撃すべきだということをブッシュ大統領に強く言ったんです。 そういうことから考えれば、今回、既に十数年前にフセイン政権がクウェートを侵略して、その後停戦決議を守らない、次々の決議が可決されている。一四四一、昨年十一月、最後の機会を与えるといって、依然としてイラクが最後の決議を生かしていない、守らないという時点で、もう戦争したらどうなるか、戦争が終わったらどうなるか、イラクの復興支援どうなるかということは、当然私はアメリカぐらいだったら考えていると思いますよ。
○若林秀樹君 御見解は分かりました。ただ、用意周到ということのレベルを超えていたんではないでしょうか。むしろ指示をして、具体的にお願いしているわけですよね、その一月の時点で、いろんな機関を回って。 ちょっと角度を変えますけれども、例えばユニセフに対しまして、占領後に使う教科書の内容について改訂を指示した、ユネスコに行って。それは一月の時点でお願いしていたわけですね、指示をしていたわけですよ。これに対して、一般論で結構ですが、今日、文部いらっしゃいますね。じゃお答えいただけますか。これが本当にいいかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○副大臣(河村建夫君) お尋ねの件でございますが、私の得た情報では、一月、三月ごろにアメリカの開発庁がユネスコに対して教科書改訂を委託したということでございますが、ユニセフに対して、またユネスコに対しても同時にというふうに聞いておるところでありますが。 ただ、これ実際に、アメリカとユニセフとの具体的なやり取りの内容について私どもが承知をしているわけでございませんで、アメリカのイラク支援の在り方についてコメントする立場にないわけでございまして、ユニセフは、その委託については、時期尚早ということで断って、戦後、戦争終わった後に教科書の緊急発行で再発行して、フセインの写真を除いた教科書を新学期までに印刷するというところだけ引き受けたと聞いておるわけでございまして、これについて私の方からこれをコメントする立場にございません。
○若林秀樹君 聞きたかったのは、そういうことをイラク以外の国や機関がやることがいいかどうかということについてお伺いしたかったんです。 やはりこれは、戦後の教科書、何か昔、黒く墨で塗られたという話もありましたけれども、どんなにフセイン賛辞であっても、その内容についてはイラク人の手によって変えられなきゃいけないという基本原則に対してユニセフは断ったんです、一月の時点で。 これについて、文部行政を預かる、教科書行政を預かる立場としてどうあるべきかということであったわけで、そしたら、それからユネスコに行って、ユネスコはマスマティックスとサイエンスだけは改訂もしてもいいということでUSAIDからワンミリオンのお金が出ているわけですから、私は、やっぱりこういうことについても、一月の時点からそういう用意周到のレベルを超え指示をし、その内容までを変えるということは、私はいかがなものかということについてお話をしたかったし、やはり国際機関の中立性に対して私は賛辞を送りたいなという、そういう立場の質問ですので、そういう答えを欲しかったということでございます。 その上で、次にお話を進めさせていただきたいなというふうに思いますけれども、先ほどの冒頭のお話ですけれども、やはりイラクの実態と今回の法案というのは、やはりどう見ても合っていないんですよ。確かに、石破長官が、憲法の要請だ、法的な枠組みを担保するものだという意味は分かりますけれども、それはそれ、憲法からいったら。 しかし今、例えばブッシュ大統領が、我が国は依然として戦争のさなかにある、戦闘行為は依然と続いているというのはつい七月四日のインディペンデンスの話の中で言っているわけですね。そこに戦闘地域、非戦闘地域を分けるという概念を持ち込むこと自体が、もう私は例えばこれはずれている話だと思います。それは本質が一番分かっている石破長官だからお分かりだというように思いますし、武器の使用基準の問題とか、あるいはアメリカの占領軍の指揮下に入らないという話もそうなんです、これはもう全部。本当に主体的に自衛隊がイラクへ行って活動できるんでしょうか。 今、世界の各国が、送る国が何が起こっているかというと、むしろ実態的に、派遣する国をどうやって守るかということをアメリカと逆に話して、あるいはオランダの場合には、イギリスと話をして、いざという場合には守ってよという協定まで結んでいるわけですよ。それも、右も左も分からない自衛隊が行って、じゃアラビア語、何人しゃべれるんですか。そういう話なんですよ。 むしろ、何が起こっても大丈夫なように逆にアメリカとどうするかという話があってしかるべきだというふうに思いますし、本当の意味で、それが自衛隊が主体的にできる、安全なところは大丈夫なんだよということを、目をそらすこと自体が私は政府の罪だというふうに思います。 もし御意見があれば。
○国務大臣(石破茂君) 先生も外交官お務めでいらっしゃいましたから、よくよく御存じの上での御質問だと思います。 何度も繰り返してもう恐縮ですが、戦闘地域と非戦闘地域を分けるということをすることはいたしません。これがイラクですよというふうに地図を示しまして、はいここは非戦闘地域です、それ以外は戦闘地域ですというふうに分けるわけではなくて、我々がやることは非戦闘地域でなければならないということをこの法案は書いているわけでございます。これはおかしなことでも何でもなくて、当たり前のことなんです。私たちは非戦闘地域でしか活動してはいけませんから。 分けられるのかということをお尋ねになるならば、それはそもそもできないというふうな話になってしまいます。私どもは、非戦闘地域でなければ自衛隊というものは活動してはいけない、その法的な要請を条文に書いておるわけでございまして、このことは当然のことであって、分けること自体がおかしいんだという議論はお話が擦れ違っていると思うのですね。そこは御理解をいただけるものと思っております。 その上で、その上で、それでは非常にフィクションではないかというようなお話、非戦闘地域では行うことはよいのですけれども、じゃ安全なところでやれるのか、あるいは先ほど木俣委員の御質問にもございましたが、丸腰で自衛官を派遣するようなことをするのか、あるいはアメリカの指揮下に入らなくて大丈夫なのか、入るのではないかというお話です。 これは実際にこの法案が成立をいたしましたならば、きちんとした調査団を出しまして、行くのは実際に行く自衛官たちも参ります。実際に行く人たちが、どのような地域であればよいのか、何を持っていけばよいのか、どのような行動基準で行動すればよいのかということは、実際に行く人たちが、実際に武器を使って、場合によっては自己の身を守るために正当防衛、緊急避難を行わねばならない人たちが見てまいります。そこでニーズというものを把握をし、持っていくものを決めということになります。 そして、アメリカの指揮に入る入らないというお話がありますが、これは指揮下に入るのではございません。しかし、その場合において、それぞれの国が勝手なことをやりますと、イラクの復興自体が整合性のないものになってしまいます。したがいまして、日本はここにおいてこれをやるよというようなことについての調整は当然行いますけれども、指揮下に入ってアメリカから言われたとおりにやるということをこの法案は考えておりません。 したがいまして、フィクションの上でということは私はないと思っているのです。委員の御指摘は、確かにおまえの、おまえというのは私のことですが、法律上はきちんとしているかもしれない、しかし現場に行って大丈夫かということはあろうかと思います。ですから、あるいはアラビア語をぺらぺらとしゃべれる人間は今のところ自衛隊にはそんなにおりません、正直申し上げまして。今、でも、基本的な日常会話はできなければいけませんし、同時にイスラムの文化というものをきちんと理解していきませんと、とんでもないことを起こしかねない。その教育はきちんといたします。 その上において、本当に何が、何を行うことが日本としての国際的な責務を果たしたことになるのか、十分に考えてまいりたいと思います。
○若林秀樹君 今いろんな角度から申されたというふうに思いますので、いろいろコメントしたいところもあるわけですけれども。 確かに法律上、憲法の要請だからということで、そこから入らなきゃいけないというのはありますけれども、それでここの実態と合わないのであればこれ自体をやめるという選択もあるわけですから、これは私、結論で言おうと思ったのは、だから日ごろから基本法的なものあるいは恒久法的なものを議論する、それは中身は別ですよ、どうなるか、それがスタートなんですよ。先ほど小泉首相はそれはこれからのことだというふうに言っていますけれども、まずそこがない中でこういうことをやるから無理がいろんなところで来るわけですから、それを、申し上げたかったのは、結果として無意味な死傷者が出たりなんかすることを避ける、その順番があるでしょうという話なんです。 それについてはどうですか、小泉総理、もしよろしかったら。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、今までの議論を見ていれば、今、一般法、恒久法を作ろうと言ったら、また別の反対論が出ますよ。今までPKOを出すのだって徹夜で反対されていたんですよ。自衛隊を海外へ出すということだけでもう憲法違反だと。牛歩、のろのろのろのろ、私、経験ありますよ、よくこういうことをできるなと思うぐらい。自衛隊が海外に行くからすぐ戦争行為になる、戦争につながるという議論がこの二十数年間、延々と繰り広げられて、今PKO活動だったら自衛隊派遣しても結構ですよというのが、当時あれだけ賛否両論があったのが、今ほとんど、まあ自衛隊、PKOだったらいいだろうということになってきたでしょう。 そういう点において、自衛隊派遣すればすぐ戦争につながるという勢力は一部にありますが、これは、大多数の国民は自衛隊が海外に出ていっても十分平和協力活動はできるという意見に変わってきた。 今こういうイラクの支援法案が出て、こういう状況で各国と協力して、自衛隊も人道復興支援できるんだなという経験を積んでいけば、ああ、もうその都度、何か起きたら新しい法案じゃなくて、もっと基本的な恒久法を作った方がいいじゃないのかという議論が出れば、その時点で自衛隊も国際貢献活動を十分海外でできるんじゃないか、そのための法整備が必要だという点を見極めてそのような議論に入っても遅くないのではないかと私は思っております。
○若林秀樹君 私は、それは遅くはないと、遅いです、もう。やはりテロ特措法からいろいろずっと積み上げてきましたけれども、やはりどこかできっちりと対応しなけりゃいけないので、今は時間が掛かるからじゃなくて、やっぱり順番というものを日ごろからやっておくということも必要ではないかなと思っています。 韓国の例を見ますと、この辺、なぜ三月の時点で韓国が動き出したかというのがその詳細は分からないんですけれども、いずれにせよ、韓国の場合は基本法があるわけじゃなくて、憲法に国際平和の維持に努めという項目と、一方では、国軍の外国への派遣は国会が同意権を持つというこの二つをもって、急にやっぱり三月の末の時点で承認をして、もう五月には七百数十名ですか、もう行かれて活動しているということですから、もう国会も終わろうとしているのに、やおらやっぱりやるんじゃなくて、もう、これは別にそのことを、自衛隊の派遣を推し進めているということじゃなくて、やるんであれば早めにきちっと、やるべきことをタイミングタイミングでやっぱりやるということも必要ではないかということを申し上げたいというふうに思っております。 治安状況でございますけれども、私ははっきり言って悪くなっているんではないかなというふうに思います。与党の調査団は、全地域が非戦闘地域ですか、あるいは良くなっているというお話もありましたが、私は悪くなっているんではないかという危惧を感じます。これは具体的にお答えを求めようと思いましたけれども、時間がありませんので進めたいと思いますが、例えば、イギリスが南部で六人殺されたという話がありました。イスラム文化の理解が不足している。しかし、イギリスというのはかつての宗主国であって、そういうことを分かりに分かった上でもこういう事故というのはやっぱり起きるんですよね。 私も、アメリカ軍というのは銃をこうやって持ちながら行きますけれども、向こうはなるべく刺激しないように、丸腰だったりベレー帽をかぶったり小銃だけだったりということで気を付けながらやりながらもそういうミステークというのはやっぱり起こるという状況ですから、私は、今、自衛隊に求められているのが、本当にぱっと行ったときに、そういうふうに三か月どころじゃやっぱり対応できないし、聞くところによると、アラビア語をしゃべれるのは四名ですか、そういうコミュニケーション能力というんでしょうか、どこかの安全地域へ行ってもそういうグループはいて、話を付けなきゃいけないわけですよ。みんなボランティアで守っている兵隊かもしれないのに、そこと話を付けるということに対して、とてもじゃないけれども私はおぼつかない。そのためにも、行くんであればアメリカとの協力というのは不可欠ですし、先ほど指揮下に入らないというのがありましたけれども、守ってもらうとしたら、もうそれは指揮下以前の問題ですから、やはり本当に、空港近くで水を何か売るといったって、それはもう自衛隊だけじゃなくて、全体をアメリカ軍がいろんな包囲をしながら防護しているからできる可能性もあるわけですから、余りそういうふうに安全などがどうのこうのという目をそらすようなことは私はやめてほしいなというふうに思いますんで、そういう意味を含めて、私は今の自衛隊にその能力はないし、極めて危険だなというふうに思っているところでございます。 その上で、ニーズなんですけれども、先ほどヨルダンから物資が云々という話がありました。これはちょっとお見せできないんで残念なんですけれども、これはヨルダンの国境でバグダッドで荷物を下ろして入ってくるトラックの列なんですね。十トントラックが数キロにわたってヨルダン国境を通過するだけに待っているんです。もう空なんです、一杯積んで。ですから、その道路というのは完全に確保されていますから、物資はばんばん入って、基本的な物資というのは私はかなり入っているんだろうと。それをあえて自衛隊が行ってその物資をバグダッドへ運ぶなんということは、むしろこれがやった方が安く早く簡単に、コストも掛からずできるわけですね。だから、緊急物資とか人の輸送というのはありますけれども、それだけ多くニーズがあるとは私は思えないと思います。 それから、水の問題なんですけれども、水についても基本的にはユニセフがやっていますので、やはりユニセフの援助活動に対して一元化すべきではないかなというふうに思います。 ですから、買える人の水というのはどんどん運ばれてきますし、できるわけですが、中長期的な水の復興というのは、上下水道も含めてこれはやらなきゃいけないんですから、それは自衛隊が自ら行ってやるんじゃなくて、そういうところを含めてやるというのが私は流れではないかなというふうに思っています。 アメリカ人があのチグリス・ユーフラテスの川を幾ら浄化したからって、それを飲むとはちょっと思いにくい。それは生活用水として使うかもしれないですが、一般の国民に配ろうと思ったらそれこそ配り方だってこれ大変なんですよね。それこそ水を運ぼうと思ったら輸送しなきゃいけないですし、来てもらおうと思ったら、いろんな人が集まって、それこそそこで何が起こるか分からないという状況ですから、私は必ずしも水の浄化するといったって、じゃ、本当にそうなんですかねというところが、思うところがありますので、もしそれに対して反論があればお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) このニーズについても現在確定をして、水の浄化が絶対的なニーズであるということを申し上げたことはございません。 しかしながら、先生も御指摘になりましたように、例えば水はある、しかし飲める水ではないというのもございます。水道をひねれば確かに水が出ることもあるが、これは飲めない、あるいは雑菌が入っている、さびが入っている、こういうようなこと現状は続いております。そして、国連の緊急アピールでも、これをやるなりには莫大なお金と、そしてまた長大な時間が必要であるということは国連の緊急アピールでも出ておることでございます。 私どもとして、浄化能力というもの、非常に高いものを持っております、自衛隊といたしましては。ペットボトルにいたしまして十何万本分の水が一日で作れる、そういうような能力を持っております。仮に、現地に行ってみまして、そういうニーズがある、そして我々がその能力を持っておる。先生御指摘になったように、じゃ、それを浄化して、皆さん取りに来てくださいねという形にするのか、それとも我々の方からお配りをするのか、そういうようなことは現地の治安等々を勘案しながら考えることだと思っております。 いずれにいたしましても、ニーズがあって、我々が能力があって、そしてまたそれが非戦闘地域で行われ、我々の任務が安全に保てるということがあるとするならば、我々の能力を活用したい、このように考えておる次第でございます。
○若林秀樹君 お話としては分からないわけではありませんけれども、水のもの一つ取っても、仮にやるにしても、とにかく人は一杯いるわけですよね。技術を持った人がいるから、やっぱり向こうの人を使って雇用を生み出すということが中長期的にも治安維持になるわけですから、自らやることがいいことではないということを申し上げたいというふうに思いますし、ユニセフで、一方でもうお金出しているわけですよ、ユニセフには。これは教育の分ですが、日本は。でもやっているわけですから、そういうところをいかに連動するかということをやっぱり考えてほしいなと。だんだんそうなっていくと、必ずしも自衛隊である必要はなくなってくるという部分も出てくるんではないかなというふうに思っているところでございます。 支援のところの話をしたんで、実は六月末に支援国、非公式の会合があったということで伺っておりますけれども、十月に本格的な支援会合をやろうということです。今、各国がそれぞれのニーズを持ち合って、どういうパッケージが作れるかということを議論しているかというふうに思いますけれども、川口大臣にこれからの復興支援の在り方、そして、是非この復興支援会合を私は日本でやられたらいいんではないかという気がしております。アフガニスタンでもやりましたし、私もイラクへ行って国連の機関、幾つか言いましたけれども、これはかまを掛けているのかどうか分からないんですけれども、実は日本でやるんですってという話を逆に言われたんです、そんな話一切もないのに。それだけ日本に対するやっぱりある意味での信頼感があるのかなというふうに思いますんで、是非ともそういうことを前向きに考えていただくことも必要じゃないかというふうに思いますんで、川口大臣の御意見をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この間のイラクの支援国会合でございますけれども、そもそもこれの発端は、実は日本が、国際機関を中心にこういうことをやったらどうだろうかということを言いまして、それを受けて国連がやりますというお話になって、G8のサミットでこれについてのエンドースメントをいただいて、国連等が主催をしてこの間ニューヨークでやったという形になっております。それで今後でございますけれども、日本としては、コアの国の一つとして、この支援国の会合の開催に当たっては共催国となる用意があるということは言っております。 場所についてのお話ございましたけれども、これはいろいろな関係国がある中で、これは全体、国際社会として決めることになりますけれども、やはり国際機関のあるところ、それからイラクの周辺国等々でやったらどうだろうかということで、次の会合についてはそういうことで考えております。具体的にどこになるか分かりませんけれども、日本、アメリカ、EU、ア首連、国連開発グループ、世銀、IMF等がこれの中核としてやっておりますので、そういった国々と相談をしながら場所は決まっていくことになると思います。 今回、次の会合について日本で行われるということは、そういう意味では、周辺国でもございませんので可能性は少ないと思いますが、一般的には、これは、我が国はこういうことについては大変に熱心でございまして、アフガニスタンでは昨年の一月にやり、また、ついこの間六月にスリランカの復興開発会議を東京でやって、アフガニスタンと同様の四十数億ドルの資金が国際的にはコミットをされたということで、日本がやると必ずうまくいくということにはなっておりますが、これについてはそういう状況では動かないのではないかと思います。 内容的にはしっかり日本としては中心となってやっている、場所についてはみんなの便利なところでやりましょうと、そういうことではないかと思います。
○若林秀樹君 ありがとうございました。 恐らく、日本が手を挙げれば、皆さん喜んで是非日本にという声になるんではないかなというふうに思いますが、それはいろんな事情があるかと思いますので、是非前向きに、その中身も含めて積極的に考えていただければなというふうに思います。 ちょっと順番があちこち行って恐縮でございますが、私は、今回の法案でこれも改正すべきだなと思うのは、やっぱり国会の事前承認の問題でございます。 小泉総理にお伺いしたいのは、衆議院の審議の中では、「議論の余地がある」と言っていたんですけれども、議論の余地はどこかへ行ってしまったんでしょうか。ちょっとお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の法案は、イラク復興支援に自衛隊を派遣することが認められるか認められないかという議論が今重ねられているわけであります。この審議こそが言ってみれば事前承認的な法案であります。でありますので、私は、今回の法案はそのようなことは必要がないんでないかと、この法案の成立によって自衛隊の派遣が承認されたと、事前承認的な意味を持つものではないかなと、私はそういうふうに思っております。
○若林秀樹君 小泉さんは「議論の余地がある」と言ったわけですから、それはどういう理由でなくなったのかということについてお答えいただきたいということです。今、冒頭おっしゃったところは理解できるところでございますけれども。
○国務大臣(福田康夫君) 確かに、議論の余地はあるというふうに総理が言われたのは私も承知しておりますけれども、その前に、この事前承認については現在の法案ではいいのではないかと思うと、こういうふうに言っているわけなんですよ。ですから、恐らく総理の意識としては、全体的なことについて議論の余地はあるというように考えられたのではないかと私は思っています。 今、総理から答弁されたとおりでございまして、この法案そのものは非常に限定的でございます。大原則というのは、もうイラク、今、総理も言われたイラクの国家再建への寄与と、こういうことでございまして、その中で、そういう前提の上で、基本原則でいわゆる非戦闘地域だとか受入れ同意の要件とか、また第三条には対応措置の内容もきちんと書いてあります。また、第十七条には防衛のための必要最小の武器使用の問題ですね、必要最小限の武器使用ということも書いてございますし、基本計画の決定、変更、終了後の、終了時の国会への報告、これは第五条であります。それから安全確保、第九条、また有効期限も四年と、こういうようなこともずっと書いてございまして、かなり限定的なんですね。ですから、特別措置法という名称も付いているわけでございまして、この法案そのものがこの一つの目的にかなう、その後のいろいろな行動についてこの範囲の中で行うということにおいて、あとは基本計画それから対応措置という面において閣議決定をするとか、また国会に対する事後報告をするといったようなそういうことも入っておりますので、事前承認で十分ではないかというのが政府の考え方であります。
○若林秀樹君 ありがとうございました。 今の官房長官の方から限定的、特別措置法というお話がありました。この法案自体が審議だという話もありましたけれども、そういうことであれば、もっともっとやっぱり具体的にどういうモデル事業があって、どういうことをやるのかということを逆に示してもらわないと、我々は判断できないですよ。こんな、やっぱり特別措置法であればあるほど、やっぱりそれは中身が整って、併せて承認するということになるわけですから、それは取りあえず枠組みだけ決めて後でニーズを調査して何かやろうと、それで基本計画だ、事前承認なしということは、論理としては私は、特別措置法、今、限定的ということまでおっしゃるのであれば、私は、それは参議院の役割としてそういうことをきちっと審議していく、そしてそちらから事業の提示をしていただくということが、私は必要ではないかというふうに思います。官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 私が限定的と申し上げましたのは、先ほど申し上げたような各条に記載されている、そういう限定があるということであります。そういう目的にかなった行動であるということでございまして、対応措置の内容についても記載がございます。ですから、そういう範囲でやらせていただく行動だということであります。 あくまでもイラクの復興に貢献する、そしてまた国際協力という観点から行うことであり、自衛隊の活動、そしてまた文民の方々にも参加していただくと、こういう活動でございます。
○若林秀樹君 これは、イラク限定のため、限定の特別措置法なんで、やっぱりそういうものを、もう少しやっぱり具体的に事業の中身として提示をしていただきたいというふうに思いますので、これは要望として、まだまだ審議時間はいろいろありますし、秋も臨時国会が開かれるかもしれませんので、時間はありますので、もっと具体的にこの通常国会の中でもお示しいただきたいと思いますので、そのことについて要望して、御答弁いただきたいと思いますが。
○国務大臣(福田康夫君) イラクの今の状況というのは、まあ御案内のとおりでございまして、変化がありますね、変化があるんです、これを認めないわけにいかないんです。ですから、そういう状況も、よく情報を入手して、そして調査して、そしてその上で、特にこの自衛隊の活動については武力を、武力の行使というものに当たらないという憲法上の制約があるという、その安全上の問題ですね、この点も十分に調査をした上で派遣をするということでございますから、また、その時々、今すぐ、これ法案が通ったらすぐ派遣するということでないということでありますので、時間的な問題もある、時間の経過によってニーズも変わってくるかもしれぬと、そういったようなことも考えながらこれから計画を立てていかなければいけない。 しかしながら、委員のおっしゃることもよく分かりますので、その点についてはできるだけの努力をしてみたいと思っております。
○若林秀樹君 ありがとうございました。 私、やっぱり参議院の役割として、慎重審議をやっぱりこの中でやるということが必要だというふうに思っていますので、可能な限り、できる限りそういう情報等を我々にお示しいただきたいなというふうに思っております。 もう時間が、なりましたけれども、今の答弁を聞いている限りにおいては、冒頭申し上げましたように、やや、実態とこの法案がやろうとしていることに対してまだまだこんな開きがあろうかというふうに思っていますので、引き続き、あしたから外交防衛委員会もありますので、私もあしたまた質問に立つ予定でございますので、質疑をさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○山本保君 公明党の山本保です。 私も先日、与党の調査団の一員としてイラクに行かせていただきまして、そこで見聞きしたことを基本に置きながら議論をしたいと思っております。 最初に少し感想めいたことを申し上げますと、見ました町の、いわゆる戦後とか敗戦後、終戦後というイメージというのは本当に一部の官庁街に限られておりまして、民衆の、普通の方の住んでいる住宅地でありますとか商店街、ほとんど変わっておりません。また、農村の方も変わっておりません。 ただ、問題は、その被害というよりは、正に、今日もお話ありましたように、この二十年、失われた二十年ですか、その間の独裁者の正に無策ということで、都市部は下水道、電気などはもう完全に疲弊しておりますし、また農村部につきましても、私はイラクは初めてですが、三十年ほど前にインドの田舎の方を回ったことがあるんですが、それなどと比べましても本当にまだまだ後れているな、水たまりで洗濯をしている女性でありますとか水を頭に運んでいる姿も見えました。 こういうところを助けていくということが大事なんですが、帰ってきましたら、何か非常に、技術的と言っては失礼ですが、自衛隊を派遣することだけが何か非常に問題になっているということを感じましたので、最初に、今日は総理にまずちょっと、端的にお答えしていただきたいなと思っておりますのは、イラク支援ということの本義は、今日いろいろございましたが、まず、日本の外交の国是であります、基本であります国連中心主義、これに基づく国際協調、こういうことで、今回きちんとした決議も出ております。今、占領、事実上占領している人も、その決議の中で、きちんと位置付けられた決議があり、各国が協力しているわけですから、こういうものを当然また我が国としては基本として守っていかなきゃいけない。また第二番目には、これはもう平和主義でありまして、そしてこの中に中東の安定ですとか、様々な日本の国益ということも関係しますし、またあの地域の方たちにもっと幸せな生活を保障するように私たちも応援していく、こういうことが大事だと思っております。 そういう議論の中でちょっと気になっておりますのは、自衛隊というようなこういう実力部隊が行くということは、大きな支援全体の中での当然最初の段階での、治安がまだまだ不確定なわけですから、そういう段階での仕事に当然限定されるだろうと思うわけです。この法案はもちろんそのことを決めている法案ですからそこだけを書いてあるんですが、よく読んでみますと、二十条のところにはそれ以外にも、その後のイラクの復興支援、そのイラク国民の努力に協力をするということも書いてあるわけでありまして、私は国民の皆様に分かっていただくためには、まずこれから、もっと長期的な、より長期的なイラクの復興支援というよりも、復興というよりも、もう私はイラクの国づくり支援だという気がするわけです。こういうものを全部出して、もちろんこれからやっていくわけですけれども、大きなその全体像の中で自衛隊はこの限定的な仕事をするんですよと、こういう説明をされれば理解されるんではないかなと思うわけです。 そういうものを自分でも考えてみようと思ったんですがなかなか力がありませんので、今日はその担当の副大臣にも来ていただいて、その中の幾つかの分野について具体的に、夢のようなことになるかもしれませんが、こんなことをこれからやっていったらどうだろうかということについてお話を伺いたいと思っております。 最初に、今の申し上げたことについて総理から、自衛隊の仕事というのは非常に限定的である、また今後そういうより長期的なものが必要であると、こういう私の意見について御所見をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先日、山本議員からイラク調査に自ら行かれたお話も聞かせていただきましたし、その際、御自身が撮られたビデオで現地の状況等も拝見させていただきました。 自衛隊ができること、各方面においてあると思います。もちろん自衛隊でなくてもできることもあると。こういう中で具体的にどのような活動を行っていくかということについては、正に国際協調、これはもう国連で全面賛同の上でこのイラク復興支援が決議採択されたわけですから、その加盟国はその要請にこたえるという点で、今、日本でもできることはやろうということでこの法案を提出しているわけであります。そういう点から考えれば、戦後一貫した日米協調と国際協調の重要性を両立させる、そういう方針に合致した私は法案だと思っております。 復興支援、分かりやすく言えばイラクの国の国づくりですね、国づくり支援。こういうことに対して、これから現地調査も法案成立後いたします、各国とも連携してまいります。そういう中において、私は、今までの自衛隊の海外における活躍ぶり、またそれによって得た経験、そういうものを生かして、このイラク国民が真に必要なものに対して自衛隊なり政府職員なり民間人がどうやっていくかということを総合的に考えていく必要があると思いまして、自衛隊が行くから戦闘行為に参加するというのはとんでもない誤解である。むしろ、戦闘行為でない、武力行使でない国づくり支援にすべての国民が関心を持ってやっていきたい、自衛隊でもできることならやってもらおうという趣旨がこの法案の本旨だということを是非とも御理解いただきたいと思います。
○山本保君 私も全くそのとおりだと思っておりますので。 では、その中で、いろいろもう全部は、主な分野について、まず外務大臣に、今日まだ議論になっておりませんが、これは当然、イラク国民が自主的に自分たちの政府を作りその国を作っていくということを前提として助けなくてはならないと思いますが、なかなか現地でも、実は行きましたら、当初の予定よりは時間が掛かるんじゃないかということも聞いておるんですけれども、外務省として、現地のイラク政府、政権といいますか、こういうものの成立の見通しというものはどのように今考えられておられるのかということを最初にお聞きいたします。
○国務大臣(川口順子君) 当局というのは、イラク人の手で政府ができるまでの間施政を行うということでございますけれども、そのイラクの見通し、新しい政府の見通しですが、今月の三日にブレマー行政官がイラク人、イラクの国民に対してのメッセージを出しました。その中で、今後二週間以内にイラク統治評議会、これを設立をして、その後すぐにイラクの新憲法を起草する過程を開始をする、新憲法が承認をされた時点でイラクの新政府がイラクの初めての民主的、自由かつ公正な選挙により選ばれることになり、その時点で連合国の仕事は終わることとなるということを言ったと承知をいたしております。 〔委員長退席、外交防衛委員会理事阿部正俊君着席〕 新政府の成立の時期という意味では明らかではございませんけれども、我が国としては、イラク人の手によるイラク人のためのイラクの政府が早期に成立をするということを望んでいるわけでございます。
○山本保君 アフガンが今なかなか大変なようでありますけれども、イラクはそうならないようにしてほしいと思っておりますし、このIIAというんですか、なかなか、そういうものができた段階にそうするとこういう実際上の武力というのは、一遍になくなるというものじゃないでしょうけれども、当然徐々になくなっていくだろうなという気もします。 それで、これはちょっとお願いでございます。 先ほど若林委員の方からもお話があったことと同じことを、既にお聞きしております。今度の十月の支援国会議でございますね。一つは、それまでに何か非常にニーズアセスメントの調査があって、これには是非日本も参加していただきたいなということをちょっとお願いと、それから、先ほどのように、アメリカ、EU、アラブ首長国連邦、そして日本と、こうなりますと、アラブ首長国連邦が一番近いとはいえ、いろんな状況から見て私は日本というのは、アメリカも、EUもいろんな意見があるでしょうし、是非次の、この次の段階ぐらいにはこの役割を主体的に担っていくのが大事じゃないかなと思いますので、これはお聞きしませんけれども、お願いをしておきます。 次に、経済産業副大臣おいででございますので、正にこの国は石油という点で日本と結び付いているわけであります。ところが、何か聞きますと、最近は大変その関係も薄くなっているということだそうでありますけれども、これはもう少し安定した後に、この経済関係で当然両国が協力し合っていくということが必要であると、重要であると思いますけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(西川太一郎君) 先生御指摘のとおり、九一年から、湾岸戦争後の国連の経済制裁に伴いまして、経済関係は薄くなったということは御指摘のとおりであります。しかしながら、七〇年代から八〇年代にかけまして大変活発な経済交流がございました。特に一九七九年は、日本からイラクに対しまする輸出はイラクの全輸入の四分の一に当たるぐらい活発に経済関係がございました。 そして、このたび私どもは、政府の身分を、政府職員ということにして民間の方を我が省の職員とともにバスラに赴かせておりまして、特にその中では、テレビのリハビリにつきましては、大変な圧倒的な、八〇%を超える地域をカバーする日本のインフラ整備がかつてあったわけでありますので、そういう経験やノウハウを生かしまして、活発にリハビリに努めていきたいと思っております。 今後は、暫定政権ができまして落ち着きましたら活発な経済交流が望めますので、当省としても全力で御支援をしていきたいと、このように考えております。
○山本保君 それで、次の今度は問題でございます。 行きまして最初、本当に私も、先ほど阿部委員からお話があったように、もう一面の地平線を見ておりましたら、そこに水が光っておりまして、こんな大きな川や海があるじゃないかと。一緒に車に乗っていた三人でそうだそうだ、どうなっているんだろうと、全くだまされておりまして、そういう要するに山がない本当の砂漠でございました。 当初、これを全部緑化してすごいサトウキビ畑でもできないだろうかなんてことを考えたわけですが、その後、生活とかそういうものを見たりしておりまして、ややそういう形、大かんがいをして水を引いてというようなものだとか、又は電力にしましても、大発電所を造って全国に送電線を回すというような、これはコストとしては安いんでしょうけれども、こういう形の開発というものをイラクで行うのではなくて、持続可能な開発というんですか、今正に地球環境でありますとか、又はその地域の文化というものを重要視し、あそこの地域はもう正にメソポタミアのときからオアシスをどのように作っていくのかという形でやってきたわけですから、こういうことから私は環境省の仕事というふうに聞きまして、こういうところにそういう技術面の応援をすべきではないかと思っておりますけれども、環境副大臣にその辺についてお聞きします。
○副大臣(弘友和夫君) 我が国の途上国に対する環境協力につきましては、既にODA等の事業で、例えば植林、砂漠化防止だとか、また先ほどお話が出ておりました水の給排水の対策だとか地球温暖化対策、そしてまた自然保護対策など、既に多くの実績を有しておりまして、そしてまたそれに対する十分な技術力も持っております。 〔委員長代理阿部正俊君退席、委員長着席〕 今お話しのように、復興後のイラクに安定政権が成立した暁にどういう環境協力ができるのかということでございまして、今、熱風の中を委員がずっと視察されたということで、そういうことで、石油もありますけれども、太陽も一杯でございますので太陽発電だとか、それからまた今基礎的なトイレ等の衛生施設にアクセスしていないのは二十四億人世界にいるという、そういう浄化槽だとかいろいろなそういう水の処理の問題だとかいう生活に密着した支援も考えられるんじゃないかと思いますけれども、いずれにいたしましても、今から関係省庁の皆様と話し合って、どういう要望があるのかということで今後検討していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○山本保君 本当に暑いというのを、初めて五十度の熱風というのを、五十度までいっていなかったそうで、もっと暑くなるというふうに言われましたが、木陰に入った方が暑いというぐらいの、正にああいう分厚いものをかぶっておられる方が自分の体温の方が低いわけで涼しいということが分かりました。特に環境省、大臣、副大臣を中心に、今までの公共事業型で全部水を作って下水をするというよりは、地域地域又は各戸ごとに処理していこうという合併浄化槽ですか、そういうのをやっておるということを私聞いておりまして、その発想で、ああ、ああいう地域についてはそういう形の支援がいいのかなと思って、ちょっとお聞きしたわけでございます。なかなか先が見えるんじゃないかと思っておりまして。 次に、外務大臣にお話を伺います。 私は専門が子供のことでございますので、子供の写真も撮りたかったんですが、今回は遠慮して、見るだけ一生懸命見てきたつもりです。学校がありまして、朝早く我々も六時に出発をしていきましたら、まだ七時過ぎの学校始まっていないのに、その門の前に子供たちがたくさん始まるのを待っている姿とか、またちょっと、夕方近く学校が終わって出てくる。実は、今ちょうど試験をやっている最中だというふうに聞いていまして、イラクの国は毎学年ごと試験があるんですね。本来なら夏休みのところを、もうこのことがありましたので遅らせてもやるんだと。その試験が終わった子供たちのさわやかな顔というのが、見ていまして我々の思っている教育とは違う、確かに子供たちに教育をしっかりしていただかなくちゃいけないと思っております。 それで、ちょっと今日持ってきましたのは、ユニセフが、もうお話で出ましたように、こういう子供たちの教育を一生懸命やっておられまして、日本のお金でユニセフがこれは簡単なスクールバッグ、まあかばんであります。(資料を示す) こういうのを、こっちですね、もう今年の予算で四十万人分ですかね、これは面白いのは、ユニセフと書いて、こちらのあれですが、日本の、ジャパンと書いてあるところがなかなか我々がなるほどなと、こう感心したわけでありますけれども、こういうのも配られている。また、これはちょっと大き過ぎるので持ってこられませんが、スクールセット、学校セットとでも言うんですか、スクールインナーボックスと。八十人分の授業がそれがあればできるという教具・教材、黒板、そんなものを全部セットにしたものを、これも五百ケースぐらいですか、そんな、まだまだだと思うんですが、こんなこともやっておられると聞いておりまして、日本のユニセフに対する支援というのが大変進んでいると。世界でも一、二位とも聞いております。 この辺の現状と、これからの見通しについて、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(川口順子君) まず、そのかばんのことでございますけれども、私たちは日本の顔が見える支援ということが大事だろうと思っています。したがいまして、そこにあるような日本のものであるということが分かるようにいろいろな、これは一例でございますけれども、現在努力をいたしております。 それで、ユニセフに対しましては、これは教育関係あるいは水関係で我が国は非常に大きな支援をしております。ちなみに、アフガニスタンにおいても、教育についてはバック・ツー・スクール・キャンペーンということでユニセフにやらせていただきましたが、ユニセフとの関係では、今アメリカが一番大きな拠出国でして、これは全体の二七%、そして二番目が我が日本でございまして、これが全体の一八%ということでございます。ユニセフには非常にこの点については感謝をされております。 今後も引き続き、我が国の発展の経験からしても教育は大変に重要でございますので、ユニセフに対して教育の面で、あるいは水も含めまして、支援をしていきたいと考えております。
○山本保君 もう一つ外務大臣に、私ども子供病院、国立の子供病院というところへ行きました。そうしましたら、立派な建物だったんですけれども、停電なんですか、エアコンは付いておりませんし、お母さん、子供たちでごった返しておりました。毎日何百人と来られるということも聞いておるんですけれども、ところが入口に汚水の流れが出たりして、余計その中通っていった方が危険だというような、危ないんじゃないか。それから、下町の方へ行きますと、もうそういうごみの山の中でヤギと一緒に子供たちが遊んでいたり、そして、そこの院長さんからは、薬がもうない、新生児が戦後もたくさん生まれているんだけれども、いわゆる予防接種もできない、ワクチンがない。これなどはなかなか温度の管理が必要であって、電気がないわけですからほとんどできない。また、運ぶにも危険があって、各センターが実は地域ごとに、バグダッドなんかは大都市ですから、あるそうですけれども、もうほとんど機能していないと。 こんなことも聞いておりまして、こういう部門にも是非、ユニセフを通じてだと思いますが、今後も、ひょっとして今度の自衛隊もできるかもしれませんけれども、この辺にも努力いただきたいと思いますが、外務大臣、一言お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 下水があふれているところは写真やテレビで私も見ましたし、医薬品についても非常にニーズがあるというふうに考えております。医薬品についてはNGO経由での支援も行っておりますが、今後引き続き、いろいろな調査の結果を踏まえて、必要性が大きいところに出していきたいというふうに考えております。
○山本保君 それで、総理大臣にここでちょっと、まだほかにも分野があるわけです。今いろいろお話が出てきまして、大変多角的なところに正に戦略的に仕事を考えていかなくちゃいけない。復興の大使はおられるようでありますけれども、私は、こういう仕事はもちろん外務省、外務大臣に頑張っていただくというのが基本だと思いますけれども、これは今までの体制ではなかなか難しいんじゃないかななんということを素人的に考えまして、例えばアフガンとかイラクの担当大臣というのも急遽作られて、そして今話が出たような全面的な長期戦略というものを立てて、それを国民に発表していくという、そして実際細かいことはどんどん調整していかなくちゃいけないわけですから、そんなことはどうだろうかなという思い付きでございますけれども、いかがでございましょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各国の国づくりに日本がどのようにかかわっていくかということについては、これからも十分国連機関とも相談しながらやるべきことと。そして、日本独自、人材の養成、あるいは実際の支援体制のこと、今検討しておりますが、アフガンでいえば例えば緒方さんみたいな方も日本人として非常に国際的な活躍をされている方でありまして、国連でも高く評価されております。今でも元気で、アフガン等の活動については積極的に自ら足を運んでいろいろ助言もしてくれております。 日本としても、外務大臣が行けない場合は副大臣とかあるいはそれぞれの担当の大臣で行く場合もありますし、あるいは特使という形で国会議員の方あるいはしかるべき人を出して、そのときに日本の支援が必要だということについてはそれぞれ考えております。 ただ、担当の大臣を置くかといいますと、例えばイラク担当大臣置くとそれじゃアフガン担当大臣も置かなきゃなくなっちゃうということで、なかなか難しいもので、その辺はよく状況を見ながら政府が一体となって取り組む必要があると思います。
○山本保君 正に、石油から始まってそして環境緑化、生活、民生、子供、教育全部という非常に重要な仕事でありますので、現地だけではなくて、政府内にそのことを、大臣はともかくとしまして、有機的、戦略的に行う頭脳が必要だなと、そういうことを感じましたので提案をさせていただきました。 では次に、この自衛隊の派遣について、私、今日は一点だけ、まず具体的に官房長官にお聞きいたします。 難しい問題かもしれませんが、実は私の支持者、支援者からもこれは是非一度聞いてくださいと言われていることなんでございます。それは、アメリカ軍が劣化ウラン弾というものを使ったというふうに言われておりまして、お聞きしますと、アメリカはイエスもノーも言っていないようであります。ただ、私も有名な軍事評論家などに聞きますと、その方は明らかにこれは使っているということも言われますし、そのことによって過去の戦争においてもそういう障害を持った子供さんが生まれたり兵隊さんがその影響を受けたりということも実際はあるんだと、いろいろ政治状況があるので明らかにしていない国もあるようであると。 問題は、これからのことでございますが、ただ、自衛隊の方が行かれるときにそういうものがもしあれば、これはまずその方たちの命なり健康に大変な害があるかもしれません。この辺の調査というものはきちんとしていただきたいと思っておりますし、当然、その結果についてはその住民の方にも知らせる必要もあるだろうなという気もするわけですが、官房長官、まずこの辺についてお伺いします。
○国務大臣(福田康夫君) 今、委員からおっしゃられたとおり、正にこの劣化ウラン弾があるかもしれないという、そういう地域に我が自衛隊が行く、若しくは文民が行くと、こういう可能性があるわけですね。そういう意味で、このことについて我々としても大変関心は持っております。 そもそも劣化ウラン弾というのはこれはどういう健康被害を及ぼすのかといったようなことについて、国際機関等もいろいろと調査しております。しているんだけれども、まだよく分からないというのが実情のようでございます。 問題は、米軍が今回のイラクの軍事行動でもってその劣化ウラン弾使ったのかどうかと、こういったことにつきまして、じゃそれが明らかにされているかと申しますと、これは委員の御指摘のとおり、明らかにされていないんですよ。 このことについては、我が国も、我が政府も、米軍に問い合わせしております。問い合わせをしておりますが、今のところ回答はないというのが現状でございます。これは、専門家に聞きますと、米軍は軍事上のことでそういう実際の内容について明らかにしないのではないかというようなことも聞いておりますけれども、いずれにしても政府としては引き続き、これは我が方の安全問題ということもありますので、その照会をし、また米軍における検討の結果を知りたい、こんなふうに思っておるところでございます。引き続き検討を続けてまいりたいと思います。
○山本保君 ないということがはっきりしておればよろしいわけですが、分からないわけですからその準備も必要だろうと思いますし、また、今の調査についても、専門家の話ですと、もちろんここで使ったか使わないかというようなことは分からないにしても、正に制服を着た、軍服を着た人同士であれば、当然、簡単な鉄砲で撃つわけではありませんので、それなりの装備をした部隊の配置、こういうものは専門家同士で見れば大体想像が付くんだということも聞いておりますので、その辺を、全体を何も発表することはないかもしれません、少なくとも自衛隊が行かれるところについてはそれなりの準備をしていただきたいと思っております。 次に、この自衛隊の在り方といいますか、自衛隊の海外へ行くことについての少し議論、法律的な議論をしたいと思うんですが、こういうよその国が行っているのに後れてしまうということで、先ほどからもいわゆる自衛隊派遣の手続についての恒久法、一般法というような話が出ておりまして、私個人としてはまだまだ早いのかなという気もいたします。まだ、日本の皆様の状況を見てだと思うんですが。私、それより先にすべき、先といいますか並行でもいいんですが、一つそれは、今回勉強しましたら、自衛隊の仕事ということが自衛隊法に書いてある。それには本来業務ということで、正に我が国を防衛すると、侵略に対して防衛する、これがもちろん一番基本でありますが、それと並んで従たる任務として、これはもう我々、私たちもよく知っておりますように、災害派遣でありますとか、また先般も動き出したような海上警備でありますとか、こういうことが記されていると。 これが当然本務であると思うわけですけれども、本来業務ですが、そのほかに雑則というようなところ、若しくは今回のような時限立法の場合はそこまでもいかない、本体でもない、本法でもない、附則というところに、こういう海外へ、PKOもそうであります。ところが、その雑則のところを見ますとどういう仕事が書いてあるかといいますと、運動競技会に対する協力。これは具体的に何ですかといったら、箱根駅伝のときに応援しておりますとか、こういうお仕事と、正にこういう仕事と海外へ行く、行って平和構築を手伝おうという仕事が同じ、法律上同じであるというのは、どうもこれは納得できないわけでございます。 私は、これは憲法前文にきっちりもう、我々は「平和を維持し、専制と隷従、」云々と、こういう「地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」と、非常に文学的表現ではありますが、しかし、世界を平和にするということが私どもの憲法の精神だと思いますので、これが自衛隊の本務の中にきちんと位置付かなければ駄目だと、これを先にきちんとしなければいけないんじゃないかと思うんですけれども、これについては、総理にでもいいですし、防衛庁長官でも構いません。じゃ、お願いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 自衛隊の活動というのは、これは本務というのがございまして、それで、それが自衛隊活動の大宗でございます。そういう大宗の外ではあるんだけれども、しかし、国際平和協力活動というのは、これは自衛隊の仕事としてかなり大きな地位を占めてきたと、こう思っております。特にPKO活動、これはもう十回以上海外でいろいろと活動をしているというそういう実績もございますし、またそれが大変評価されていると、国際的に評価されていると、こういうこともございますので、これは国際社会からも、日本の自衛隊というのは戦争ということでなくて国際平和協力に努力をする、そういう集団なんだという、そういう評価というものも定着してきているのではないかなと、こう思います。 ですから、そういう意味において、これを本務とするということも、これも私はいいと思うんですよ、いいと思うんですが、しかし、国際社会においてはいろいろな懸念もございますから、自衛隊が海外に行くときには一体何のために行くのかといったこの基本的な考え方、若しくは枠組み、若しくは理念といったものを明確にしなければいけないというように思っております。その上で、その上で自衛隊の活動を本務にするというのは順序としてよろしいのではないかと思います。 そういう意味で、昨年の十二月に国際平和協力懇談会の報告書にございます、明石レポートでございますが、これなども大いに参考になるのではないかなというように思っております。
○山本保君 では、防衛庁長官にこれに関連してお聞きします。 実は先般行きましたときに、イギリス軍の司令官、バスラで、それと私も、いろいろ御質問皆さんしているときにふっと気が付きまして、イギリス、そのときはイギリスとデンマークだったですか、の兵隊、幹部がいろいろ御説明、説明していただいて、非常にその時点では国民、住民とうまくやっているんだと聞きながら、あっ、そうか、こういう国はそういうことを、植民地もあったせいもあるかもしれませんが、海外で言葉も通じないようなところでもきちんと仕事をし、そして先ほど言ったようないろんな多難なところに接続させていくというような仕事をやっているんじゃないか。一方、振り返って、我が自衛隊というのを見ますと、海外で活動をするということは、全くこれは前提されてないんではないかという気がしました。ふっと気が付いたんです。 で、そうなりますと、例えば防衛大学校でありますとか幹部候補生の学校ですか、こういうところでどの程度そういう海外で、もちろん侵略するわけでは、今までは侵略ではないとか武力攻撃ではないという、ないというネガティブじゃなくて、こういうことをするんですよということをポジティブリストをきちんと書けばいいわけでありまして、そのための勉強をきちんとしていますかということでございます。防衛庁長官、どうでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 現在、私ども防衛大学校あるいは幹部学校におきまして、そういうような教育を施すべく努力をいたしておるところでございます。防衛大学校の人間文化学科におきまして、アジア、イスラム、ヨーロッパ、アメリカ等の各地域の言語、文化、国民性についての教育を行っております。また、各自衛隊の幹部学校におきまして、キリスト教、仏教、イスラム教等の価値観、文化等々について教えております。 これは本当に大事なことであって、私どものPKO、例えばPKOですね、カンボジアあるいはティモールあるいはゴラン高原において派遣をされております。先生も機会があれば是非御視察をいただきたいと思うのでありますけれども、行ってみて本当に、現地の人たちの生活、文化、言語、そういうものを一生懸命学んでいる。例えば、ティモールなぞというのはポルトガル語があってみたりテトゥン語というものがあったり、いろんな言葉があります。でも、やはりそのコミュニケーションというのは、現地の文化あるいは言語、きちんと知らなければ仕事はできない、そのことを隊員たちもよく存じております。 今後とも、御指摘を踏まえましてきちんとした理解に努めるようやってまいりたいと思いますし、十年間私どものPKOが国際社会から信頼のある部隊だというふうに言われますのは、そういうような努力をしてきたからだと思っております。今後とも御指導を賜りますようお願い申し上げます。
○山本保君 時間がなくなってきましたので、最後に総理に。今のことも関連するんですが、これも実はバグダッドで、向こうの司令官の方といいますか、OCPAでお話ししているときに質問をさせていただいたんですが、日本の自衛隊は戦わない戦力、戦争しない部隊ですよと、こういう部隊が今こちらに来ても役に立ちますか、ちょっと皮肉な質問をさせていただきましたら、その方が、いや、そんなことはよく知っている、もうコンバットは終わった、でもその仕事はあるんですよと、こう言われました。 そこで、このことは別として、私どもは平和憲法である、外国で戦うことはない、そしてその国の建設を手助けするんだ、このことをもっとイラク国民にきちんと知らせていくということが必要だと思います。是非この辺について努力していただきたいと思いますので、総理にそのことをお聞きして、質問を終わります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今までイラクに対して自衛隊が現地に入って直接活動した経験がありませんので、今回法律が成立すれば、初めてイラク国民と直接接する機会もあり、またイラクの国づくりのために自衛隊の活躍する姿もイラク国民に見てもらえる機会もあるわけであります。 その際、先ほど御意見のありましたように、日本とイラクとは宗教も習慣も文化も違うんだから、よく行く前の教育活動、さらに行ってからのイラク国民との友好関係、そして理解を深める交流、そういう点にも十分配慮して、真に日本の自衛隊がイラクの復興支援、国づくりに活動しているんだということがよく理解し評価されるような活動ができるように、これから十分な配慮をしていきたいと思います。
○山本保君 ありがとうございました。終わります。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 私は、日本共産党のイラク調査団の団長として、先月半ばから一週間にわたりまして、衆議院の赤嶺政賢議員と、そして党国際局の森原公敏次長とともにイラク現地の調査を行いました。滞在中、連合暫定施政局、CPAの代表や、人道支援を進めているユニセフなどの三つの国際機関、国連の機関、NGO、在バグダッドのフランス、ドイツなど四か国の代理大使などと懇談いたしました。 それから、バグダッド以外に、そこから南東に二百十キロある町、クートというところ、それから南に百キロあるヒッラという町、そこにも訪問いたしまして、市民と懇談したり、また浄水場とかあるいは発電所などを視察いたしました。私は、昨年十月にやはりイラクに行っておりますので、その当時と今回と情勢がどう変わったか、国民の思いはどうかということ、それを比較できたのではないかな、そんなふうに思っている次第です。 私たちが訪問したときもそうだったんですけれども、その後も、連日イラクで米英兵がねらわれ犠牲になっているという事態があります。ブッシュ大統領がイラク戦争が終結した、そう宣言したわけですね、これは五月の一日。その後の事態は、とても戦争が終わったとは言えないような状況があると思うんですけれども、総理に伺います。イラクの現在の情勢をどうごらんになっておりますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 主要な戦闘は終結したと思いますが、まだ戦後の混乱といいますか、イラク国民が生活基盤が整備されていないために不自由を被っている状況は依然として続いているなと思っております。
○緒方靖夫君 私は、イラクで見聞したこと、もちろん私は、その私の見たことはほんの一部ですから、それをこうだというふうに言うつもりは全くありません。しかし、私が見たままのことをちょっとお話ししたいと思うんですけれども、イラクで最大の問題は治安と言われております。占領している米軍に対する憎しみ、そんな感情がだんだん強まっていると。最初は本当に歓迎だったというんですよね、広い意味でいえば。しかし、だんだんそれが憎しみとか不満に変わっている。そして、フセインの残党などの標的、これが米英が標的にされている。そういう状況が生まれているというんですね。しかも、この勢力が国民から遊離しているのではない。ごく一部の勢力と必ずしも言い切れない。そこがやはり大変問題だと思うんですね。もちろん、イラク国民はアメリカに協力する人もいます。いろいろいます。しかし、概して国民が占領軍に不満、怒りを持つ、そういう背景があると思うんですね。 私、三つ挙げたいと思うんです。 一つ目、フセイン時代よりも暮らしが悪くなっているために、その不満、怒り、これが高まっていること。二つ目、イラクの人たちはあのメソポタミア文明の末裔で、中東みんな誇り高いですけれども、とりわけ誇りの高い人たちです。彼らにとってこの戦争が不当なものであって、何で外国の人たちが、そういう軍隊が自分たちの国に来たのか、その屈辱感とかあるいは重圧感、あるということですね。三つ目、米英軍のイスラム文明を無視した振る舞い、これは本当に怒りを呼んでいると思いました。 影響力を持つシーア派の指導者が、占領軍はイスラムの敵、反米闘争を宣言した、この影響は私は決して小さくないと思うんですね。占領軍が掃討作戦を強め、治安を強化すればするほど、国民の反発は強まる、そういう構造ができつつある、そういうことだと思います。 ちょうど私、先月十八日にバグダッドでイラク人の仕事よこせのデモ、集会に出くわしました。その状況どうだったかというと、米軍は戦車、装甲車で固めて完全武装して銃をイラクのデモ隊に向けている。大変緊張高まっておりました。また、私が滞在していたバグダッド市内のホテルでも、夜中に自動小銃の音ですね、パンパンパンという音、それが聞こえる、悲鳴も聞こえる、そういう状況がありました。 これが三週間前の話です。もちろん事態は、さっきお話ありましたけれども、変化していると思います。アメリカでも、この戦争、この状態について、泥沼化とかベトナム化とか、そういう言葉も出ているようですけれども、その点で、私は、イラクで国民と占領軍との矛盾が深まって、そして長期化、そういうことが言われていると思うんですけれども、そういうことはないでしょうか。どうごらんになっていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、できるだけ早くイラク国民のための政府がイラク人によって形成され、よその国々がじかに軍隊等を派遣しなくても自らの力で立ち上がっていくような体制ができるように各国が協力していかなきゃならないと思っています。 また、御指摘の現状に対するイラク人の不満も私は理解できます。フセイン政権のときにそれは不安がなかったかというと、そうじゃないと思います。フセイン政権のときにはフセインに対する支持率一〇〇%でしょう。これは自発的な私は一〇〇%じゃないと思っています。圧政と専制と隷従による独裁政権だからこそ、あのようなフセイン政権支持率一〇〇%が国際社会に示されたと。あれを真に受けたらとんでもないことになる。現に、主要な戦闘が終結した後、フセインの銅像は引き倒されて、イラク国民も拍手喝采の場面も我々はテレビで見ております。 ですから、フセイン政権が崩壊して独裁体制が崩れて自由な生活ができるという安堵感と、かといってアメリカ軍に支配されるのは嫌だという、そういう気持ちもよく理解できます。しかしながら、今、それではアメリカがイラクから手を引いたら別の形でまた混乱が起こるでしょうね。そういう非常に難しい状況でもできるだけイラク人のイラク人によるイラク人のための政府を作ろうとすることで、今、CPA、暫定施政機関というものができている。これを、イランとアメリカとの戦争が始まる前から武力行使については意見の一致を見ませんでしたけれども、今回、イラク復興支援のためには国連安保理で全会一致でこの決議案が採択された。この決議案の中にも米英の施政当局に権限を与えることを認めているわけでありますので、そういう中での国連加盟国はイラク復興支援のためにそれぞれの力に見合った協力をしてほしいというのが国連決議の趣旨でありますので、日本としては当然、イラク国民は自分たちだけのための国づくりができないということに対する不満があると思いますけれども、日本としても国連の決議の要請に基づいて、私は、できるだけ、一日も早くイラク国民が自らの力で立ち上がるような生活基盤の整備なり復興支援のために手をかしていかなきゃならないなと思って今回法案を出しているわけです。 その際に、皆さん、野党の皆さん、特に共産党と我々政府との大きな違いは、自衛隊を派遣するなということと、自衛隊でも戦闘行為ではないんだから、復興支援なんだから自衛隊を派遣してもいいじゃないかと、この意見の違いはもうなかなかうずまらないと衆議院の議論の中でも私は感じました。これはもう見解の相違だから仕方ないけれども、自衛隊でも私は武力行使をしないでイラクの国づくりのために活躍できる分野は多々あると思っております。
○緒方靖夫君 そうじゃないんですよね。総理は国連決議をおっしゃられましたけれども、一四八三には、一番肝心なところはイラクの主権を尊重した国の再建、それだと思いますよ。そして同時に、軍隊を送れ、そうは書かれていない。私はこのことが非常に大事だと思うんですね。 私、質問しているイラクの情勢についてお答えがありませんでした、余り。私は、どんな状況かということについて一言述べたいんですけれども、私が訪問したクート、そこは一般の事務所に自動小銃が何丁も立て掛けられてあるんですね。イラク人は普通武器を持っていますよ。そして、イラクの抵抗勢力は戦車を破壊できるだけのロケット砲、そういう武器を持っている、重装備をしているわけですね。で、実際に使っている。ですから、先ほど総理が言われた用意周到な安全のために万全を取っている米兵が連日犠牲になっている、そういう状況があるわけですよ。 フセイン残党は、米側に立つ者は国籍を問わず、どこにいようと攻撃の対象にする、そう言っているんですね。実際、五日、米軍から訓練を受けている警察の方が、訓練を受けているイラク人警察官七名が殺害されました。イラク人でも例外ではない。しかも、ゲリラというものはどういうものでしょうか。仮に安全とされている地域を一夜にして危険な地域に変えてしまう。しかも、彼らは、地形、風土、国民の気分を熟知している。占領軍だけでなくて、それに味方する同盟軍は当然敵の直接の標的にされる。日本人も当然敵視される。私、イラクで、これまで日の丸を掲げていれば安全だった、しかし今、日の丸を出すとちょっとやばくなった、だからしまっている、そういう話さえ聞きました。 そうすると、自衛隊が仮に派遣されたら、自衛隊がひところ標的にされるという危険性、可能性、これはやはりイラクの現実から見て否定できないんじゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 可能性を論ずれば、それは切りがないんです。それは、イラク人でさえも米英と協力すれば殺されると今言われたでしょう。そうしたら日本だけじゃないですよ。じゃ、自衛隊でなくて日本人だったら標的にされる可能性はあるかと言われれば、ないと言えないでしょう。そこまでいったら、もう神学論争じゃないけれども、一%でも可能性があれば、そうしたら、全部危険なところはあるといえばある、安全なところはないといえばない。そういう可能性の議論をすれば、私は切りがないと思うのであります。 その点はよく情報収集しながら、日本として自衛隊でも活躍できる分野があるんだと、そういうことを今後、法案が成立したらば、よく日本独自の調査と、国際関係との協力を得ながら調査して、日本として、民間人でできることは何か、またできる地域はどこか、政府職員ならどこか、自衛隊員ならどこがいいかということをよく十分見極めて、日本にふさわしい活動をしていかなきゃならないと思っております。
○緒方靖夫君 総理、違うんですよ。自衛隊を出すからそうなるんですよ。ですから、それをやめろと、そういうことを私は言っているんですよ。(発言する者あり)いや、違いますよ。日本人は、日本は、自衛隊を出すから日本人が標的にされるという、そういう問題なんですよ。 ですから、私は、そういう点でいうと、やはり私は今、イラクの現状、これはやはり非常に深刻だと思いますよ。深刻ですよ。総理が言われたような戦後の混乱、そんな程度の問題じゃない。そして、イラクの国民と占領軍の間の矛盾、これがだんだん深まる、そういう状況にあると思います。 そうした中で、私は、一つはイラクでは、私、国際赤十字の職員から聞きましたけれども、安全、危険な地域は刻々と変わる、それがイラクだ、そう言っていますよ。ですから、私は、そういう中でイラクに行ったら、一体、自衛隊が派遣されたら、一体どういうことになるのか、そのことをきちっと見る必要がある、このことを指摘しているわけです。 そして、私、ここでちょっと是非、提起したいことがあります。 それは、委員長に申し上げますけれども、先ほどから話を聞いていますと、やはりイラクの情勢、状態、実態、これはどうなっているのか。これがやはり非常に大きな問題で、やはり総理から話を聞いても、戦後の混乱、その程度しか言われない。 ですから、私は、委員会が責任を持って、国会が責任を持ってイラクに調査団を派遣する、そのぐらいのことを責任を持ってやる、このことが必要あると思います。このことを要求したいと思います。
○委員長(松村龍二君) 後日理事会にて検討いたします。
○緒方靖夫君 そこで、イラク国民が本当に願っていること、それはやはり暮らしを支援する援助だと思います。食糧、雇用、医療、教育など、問題は本当に山積みです。私は国連の関係者から様々な話を聞きました。国連開発計画、あるいは食糧計画、そして国連の開発計画のデュボワ所長が、今求められているのは巨大な規模で緊急に援助することだ、そういった言葉を述べましたけれども、大変印象的でした。 私は、その点で、やはりこうした支援、いずれも自衛隊でなければ貢献できないというものは一つもないんですよ。今求められているのは自衛隊による支援ではなくて、各分野の専門あるいは日本の特性を生かしたそういう支援、これをやることが一番大事。非軍事を前提とした大規模なそうした人道支援、復興支援、やるべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうなんです、いろんな支援をやるべきなんです。 自衛隊が行くから軍事支援じゃないんです。自衛隊が非軍事活動をやるんです。そこをよく御理解いただきたいと思います。
○緒方靖夫君 あり得ない。 自衛隊が、いいですか、非軍事活動をする、人道活動をする、あり得ないですよ。同じ部隊が行って、一方で安全確保の活動をする、一方で人道支援の活動をする、そんなことは全くあり得ないと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各国でやって……
○緒方靖夫君 私は、いや、あり得ないですよ。なぜあり得ないのか……(発言する者あり)あり得ないですよ、そんなことはあり得ないですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各国でたくさんやって……
○緒方靖夫君 私は、私はその点で強調したいのは、いいですか、非軍事を人道支援のやはり大原則としていく、このことが今本当に求められていると思います。 今イラクでは、今述べましたように、やはり占領軍に対する反感、これが強まっています。その下に入っていくわけですよ、もし送られたら、自衛隊が。そしてその下で、一方で治安維持、領土保全のための活動を正に連合軍司令部の支援として行うと。その同じ部隊、自衛隊が、自衛隊が片や人道支援をする。私は、こういうことをやること自身が、人道支援を行っているその自衛隊、この存在、正に連合軍の、占領軍の仲間と見られてターゲットになる、そういう可能性がある。これが今のイラクの現実ですよ。ですから、私は、自衛隊が行って非軍事、そういう活動をすればいい、それはとんでもないことで、それは成り立たない話なんです。 なぜ成り立たないか。私はそこで問いたいと思いますよ。総理は国際のルール、人道支援をする際に国連が決めているルール、それがあるわけですけれども、それは御存じですか。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃっていらっしゃるのは、国連の関連の機関が人道支援をするときに、この間ルールを作りまして、それは拘束的なものではありませんけれども、三つのグループに分けて、直接人と相対するもの、それは例えば配給をするとか水を渡すとかそういうことですけれども。そのカテゴリーに対しては武装をしないで行うというルールを決めたということであるかと思います。 これは三つのカテゴリーに分かれておりまして、ほかの活動、例えば道路の支援、道路を直すとかほかのことをやっているときには、これは非武装というのは該当しない。それから、その非武装ということ自体、これは国連の組織全体がやっている安全確保のための努力、これを前提にしていると、そういうことであるということを申し上げておきます。
○緒方靖夫君 総理は御存じない。しかし、今、川口大臣が述べたことも大変不正確だと思います。 拘束力がないとおっしゃられました。確かにこれは、国連が行う人道支援は原則非軍事、そして直接支援を行うときには非武装にする、武器を持っている者も武器を持たない、武装解除して行う、そういう決まりなんですよ。 私、ここに最近決められたばかりのルール、ガイドライン、これを持ってまいりました。これはどういうものかといいますと、ちょうど今年の三月、イラク情勢、これをにらんで、大変危険なことが起こるかもしれない、そういう状況の下で、実は今年三月に改訂の準備をして、そして実際に先月の二十六日に改訂版が確定した、そういうものです。 起草委員会にはアメリカ、イギリス、フランスなど、また国連三機関も入っております。そして、この改訂作業には日本も含めて、入っていますでしょう、日本、それからNATO、そういう機関が入っております。 そして、ここで核心を成す一番の中心的な原則、三つあります。人道、中立、公平、この三つですよ。そして、その中で特に強調されているのが中立の立場を守ること。どう書かれているかというと、人道支援は政治、宗教、イデオロギー上の紛争で敵対行動やどちらかに味方することなく行わなければならない、そう書かれているわけです。つまり、紛争の一方の当事者とか、関係しているとか、あるいは支援をしているとか、そういうものが本来、人道支援の活動をすべきではない、このことを定めているわけです。 ですから、そういう原則、これ、私、非常に大事だと思うんですけれども、そういう原則がなぜ定められているのか。どうなんですか。
○国務大臣(川口順子君) これは先ほど申し上げたように三つのカテゴリーに分かれているうちの、直接受益者と相対して水を配る、食料を配るということだけですが、間接は異なった取決めになっておりまして、例えばその支援要員の輸送とか物資の輸送とか、そういうことについてはこれとは別なカテゴリーで武装をしていいと、武装を認めているということになっております。 それで、全く、直接相対して配る場合という場合も、全く安全性に配慮をしていないということではなくて、これは国連の人道支援機関が供給、供給といいますか、やっている安全措置に依存をするということとされていると、そういうガイドラインでございます。
○緒方靖夫君 人道支援がなぜ軍との関与について非常に神経質になっているのか、これには歴史があるんですよ。九〇年代の初めから軍隊がいろいろやる中で、入り込む中で人道支援が遅れる、そういう問題が起きてきて、そこできっちり軍についてそれを規制する、参加とかあるいは関与を規制する、そういう方向を作ったわけですよ。そして、イラクの問題についてもこういう方向が作られた。ですから、原則、今三つのカテゴリーたしかありますけれども、原則非軍事で行う、これが国連の原理原則なんですよ。 そして、特にその中では中立の立場を侵すことになる軍、部隊による人道支援、これについては支援従事者が敵対者の直接の標的にされる、そこまで指摘しているわけです。つまり、中立の立場でない自衛隊は客観的に、指針で言うところの敵対者の直接の標的となり得るものであって、自衛隊と連携する支援従事者も同時に敵の標的にされる、そういうことになるわけですよ。ですから、直接のそういう攻撃対象になる。そうした軍による人道支援の参加、関与、これが国連人道支援の援助従事者、それを犠牲にしてしまう、そういうことを指摘しているわけですね。ですから、まあこういう問題がある。 さらに、支援従事者に加えて、援助を受ける側の被災民についても述べられているわけです。それは、被災民への支援のアクセスが断たれる、このことが指摘されております。例えば、人道支援に参加している自衛隊の部隊、敵の標的とされ、攻撃されるとします。指針は、経験からそういうことが起こり得ると指摘しているわけですけれども、そうしたとき、肝心な被災民に支援が届かなくなる。そしてさらに、問題は、その時点の緊急支援が断たれることだけでなく、その後その地域での人道支援も断たれる、そういう困難をもたらす、そうなっているわけですね。 ですから、私は、国連のこうしたこれまで積み上げられてきた人道支援でいろいろ苦労してきた、人道支援の従事者というのは大変危険を伴う、その中でどういうふうに身を守るのか、そのことが知恵として生まれてきている。 したがって、人道支援の分野で自衛隊がイラクに行って、そしてこれをやる、あれをやる、そのことが人道支援を進めている、実際に進めている人たちの活動を妨害することになるわけですよ。ですから……(発言する者あり)そうですよ、ですから、NGOの方々は言っているじゃないですか、もし私たちが活動を続けていて、自衛隊が来ると、そのために私たちの活動がやりにくくなると。(発言する者あり)それはそうですよ、それが現実なんです。ですから、私は、その国連の常識、これをきちっと踏まえていく、このことが私は非常に大事であると、そのことを主張します。
○国務大臣(川口順子君) 我が国の自衛隊も、それからよその国の軍隊も、人道支援の支援をイラクで行う人たちは、これはすべて国連の要請を受けて、一四八三の要請を受けて正に中立的な立場でこれを行うわけです。それが国連の要請であり、それが必要であるから国連が要請をしているわけです。 そういったことをやらない、あるいはやることは適切ではないというのは委員のお考えかもしれませんけれども、イラクの人々とそれから国際社会はそういうことをやるべきであると思っている、これが一四八三が全会一致で採択をされた理由であると思います。
○緒方靖夫君 違います。 なぜ違うのかというと、それは国連決議一四八三、これは軍隊を派遣せよ、軍隊の派遣を要請しているんじゃないんですよ。人道支援は当然ですよ。ですから、人道支援は当然やる、このことを主張しているわけですよ。しかし、大事なことは、軍隊がそうした派遣をしてほしい、援助を、軍隊による人道支援をしてほしい、そうしたことは書かれていないわけですよ。このことが非常に大事です。 そして、もう一つ、私は更に述べたいこと、それは指針が述べていること、それは同時にこういうことを述べていますよ。被災民が敵対者の直接の標的とされてしまうと。この危険性、これが軍隊が人道支援に参加する、そのことによって生まれるというんですね。今、川口大臣はCPAの下での云々云々と言われました。私、手元に資料を持っておりますけれども、CPAと、つまり連合暫定施政局と国連との間で相互関係についてのゼネラルガイダンスというものが作られております。そこには、人道支援の在り方として、原則として、やはり繰り返し、人道、そして中立、公平、この三つの原則が書かれているわけです。 ですから、これをやはり今のイラクの下で進めていく、これは当然なんですよ。国連の中で決められているこのガイダンス、人道支援、これを行う場合には原則非武装にする、そしてなるべく軍隊の関与を行わない、このことは非常に大きな教訓から得ているわけですね。 私は、国際赤十字の委員長のソマルガさんの論文を読みました。中立の基本目標、これを述べているんですけれども、それは目的として、すべての当事者の信頼を確保すること、二つ目にすべての被災者へのアクセスが妨げられないこと、このことを一番大事なこと、自分たちの経験を積み上げてきて一番大事なことというふうに指摘しているわけですよ。そして、その中で、この二つの基本目標を達成する、そのために一番大事なこと、それは紛争に関係していると解釈されるいかなる要素ともかかわり合いを持たない、そういう者がその支援活動に従事する、このことが決定的に大事だということを主張しているわけです。 このことから見ても、私は、今ここで議論されていること、そしてまたその中で政府が答弁されていること、自衛隊が出て人道支援を行います、そして可能なことはできるでしょう、私はそういうことというのは本当におかしいと思います。民間でできること、非軍事でできることはたくさんある、にもかかわらず自衛隊を出す。しかも、その自衛隊を出すということについては、国連のこの取決め、合意、議論され、日本政府も参加して作っているこのガイドラインの中にも、指針の中にも、原則人道支援の活動については、支援者もそして被災民も危うくなるから軍隊の関与はすべきではない、このことがはっきり書かれているわけですよ。ですから、そうした点で私は、自衛隊が人道支援のためにイラクに行く、これは私は、人道支援は民間で行っていく、それが当然だと考えるわけです。 そして、私はその中でもう一つ言っておきたいこと、それは、なぜ自衛隊が行って、そして一方で安全確保の支援を行う。連合軍の活動、これを支援する活動を行う、その一方で人道支援の活動を行う、このことが一体どんな事態をもたらすのか。それは、先ほども言ったようにイラクの事態が非常に証明していると思います。つまり、イラクの抵抗勢力から見れば、全部日本は敵にされてしまう、日本人であれば敵にされる、そういうことになるわけです。私は、そういう中ですべての日本人、オール日本が敵にされるそうした事態、あるいは日の丸を畳んでしまうような事態、こうしたことを決して繰り返してはならない、そういうふうに考えるわけです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) なかなか変わった意見を紹介していただきまして、ありがとうございます。 国連の決議は、イラクの復興支援のために加盟国は軍隊を派遣するなとは言っていないんです。同時に、緒方議員指摘のとおりに、軍隊を派遣しろとも言っていないんです。国連加盟国はイラク復興のためにそれぞれの国のできることをやりなさいというのが国連決議の趣旨であります。にもかかわらず、軍隊派遣しろと言っていないのに、なぜ現に四十数か国も軍隊派遣してイラクに行っているんでしょうか。 それは、軍隊だからといっても戦争じゃないんです。イラクの復興支援のためなんです。自衛隊が行けばすぐ軍事行動か、武力行使かと。日本は憲法で武力行使を認めていないし、戦闘行為に参加することも認めないし、小泉内閣もそんなことをやろうとはまるっきり考えていません。自衛隊が海外派遣に今まで行って、東ティモールにおいてもカンボジアにおいても、その国の支援作りに汗をかいて高い評価を受けている。今回も、文民であろうとも政府職員であろうとも自衛隊であろうとも、イラクの復興、国づくりのためにできるだけのことをやろうというのが今回の趣旨でありまして、自衛隊がイラクに出ていくから戦争をしようという一方的なこじつけは是非ともやめていただきたい。
○委員長(松村龍二君) 質疑時間が参っておりますので、おまとめいただきたいと思います。
○緒方靖夫君 私は総理に申し上げたい。総理が今述べたこと、それは、日本政府の常識は世界の、国連の非常識だ、このことを私述べておきたいと思います。 これはやはりよく考えていただきたい。人道支援のためにはそうした原則をしっかり守っていく、このことが大事なんだ。そして同時に、何のために人道支援を持ち出すのか。それは私は、これはまじめな動機ではないと思います。世論が通りやすい、そういう形で、私は、正に米英占領軍の側に立って正にイラクに自衛隊を送る、これが目的である。したがって、私たち日本共産党は断固として廃案を求めていく、このことを表明して、質問を終わります。
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国会改革連絡会の広野ただしです。 私は、実力部隊の自衛隊を海外に派遣をする、このときはやはり非常に抑制的に、また慎重でなければならないと、こういうふうにやっぱり考えております。そういう中で、今回海外に、イラクに派遣をする、そういう法律でありますけれども、特に国内の有事法制、国内の場合は、国内における国民の生命、財産にかかわる問題だし、人権にかかわる問題なんですね。しかし、海外に行くということになりますと、海外の諸国民にどんなことが起こるかは分からない、特に、歴史あるいは民族、宗教、そして文化というものが違う、そういう国の中でどういうことが起こるか分からない。ですから、やはり極めて慎重に考えなければならないと、こう思っているわけですが。 今度のこのイラクに自衛隊が派遣をされるということになると、英米軍、米英軍、米英占領軍への協力ということが非常に色濃く出るのではないかと、こう思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 米英軍とも協力していくし、国際機関とも協力していくし、日本独自としてもやることがあるし、あるいは他の国と一緒にやることもある、いろいろなイラクの復興支援の活動があると思います。
○広野ただし君 それで、私は、その占領軍への協力ということは、これはやはり非常に問題があると思うんです。特に日本の経験に照らして、日本は敗戦を、まあ残念ながら敗戦国ということになりまして、そういう中で、やはり占領されるということを正に経験として持っているわけですね。そしてまた、占領される前段階には、アメリカからはどんな目に遭うかもしれないと、特に女性や子供たちはある意味で大変な覚悟で、実際、沖縄戦争のときには数万人あるいは十万人と言われる人たちが死んじゃったわけですね、アメリカ軍に対する恐れでもって死んでしまったと。そういうところがあるわけです。 やはり、民族ですとか文化ですとか政治の主義主張が変わる、違っているところから占領を受ける、そういうときには、イラク国民、私はフセインはとんでもない独裁者だし問題だと、こう正に思っておりますけれども、フセインとやはり国民というのは違うわけで、今、国民の中には、イラク国民の中には非常に屈折した感情があるんだと、こう思うんですね。 ですから、占領軍とともに日本が来るということになりますと、今まで日本というのは中近東に対して非常に手が汚れていないし、正に親日的な国々が結構多いんですね。そういう中で、占領軍とともに来るということになりますと、これは歴史に、非常な日本の歴史にとって汚点を残すと、こう思うわけですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、米英軍のみならず各国の軍隊が既にイラク国内に入って支援活動を続けております。日本の自衛隊はまだ行っておりません。この法案が成立してから、現地の状況を調査の上、派遣する予定であります。 当然、CPAとも協力をして、どういう支援活動がイラク国民にとって必要かということを考えながらやっていきますので、自衛隊の諸君あるいは政府職員、民間人が活動する場合にも、イラク国民から敵対視されないで評価されるような活動をするように、またできるように、よく調査の上派遣したいと思います。
○広野ただし君 総理は占領軍と考えられてもいいとおっしゃるんですか。そこをちょっとはっきり言ってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は交戦していませんから、占領軍じゃないんです。なり得ないんです。今のCPAは、国連も認めているように、施政機関です。施政当局です。それに協力していくんです。日本は戦っていないんだから、交戦国でもありませんし、ましてや占領軍でもありません。国連決議に基づいてイラク復興支援のためにできることをやろう、そういうための活動を自衛隊でも政府職員でも民間人でもやろうということであります。
○広野ただし君 この一四八三の決議は、治安維持のことあるいはイラクの安定と安全に関することはこの当局ですね、CPAにゆだねるということであり、人道復興支援は国連あるいは国連関係機関がやるんだ、そして人道支援あるいは復興については全加盟国に要請、コール・アポンをしているんですね、出してくれるように。しかし、治安維持に関しては、これはアピールをして、そして全メンバーにとは言っていないんですよ。賛同をしたというところに出てくるという、それをウエルカムすると、こういう表現になっているんですね。歓迎をするということになっているわけで、出さなければならないというわけではないんです。 ですから、そこへ治安維持の、安全の維持のために協力をするということになると、占領軍に対する協力と受け止められかねないということを私は言っているんです。ですから、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連決議に沿ってできることを全部やるというものでもないです。できることをやる、非戦闘地域で。イラク国民が必要な、日本として貢献できることをやるということであります。
○広野ただし君 やはり日本の経験に照らして、軍が入ってまいりますと、軍隊が入ってまいりますと、今まで、軍隊でないところがいろんな形で協力するんなら分かりますよ、軍隊が入ってまいりますと、やはりアメリカとイギリス、その占領政策に協力していると、やはり思われるんじゃないですかね。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラクの復興支援のためにアメリカともイギリスとも韓国ともオーストラリアとも、いろいろな各国の軍隊とも協力する。いいと思いますけれども。
○広野ただし君 国連の決議に基づいて出ていくという場合に、私はやはり集団安全保障の問題、集団自衛権の問題、それがしっかりと位置付けられていないと、じゃ何か起こった場合に、結局アメリカに守ってもらうのか、そしてまた日本がさっさと逃げていくのか、こういう問題になるんですね、いざという場合にですね。そういう問題についてどう思われますか。
○国務大臣(石破茂君) これは、我が国は武力を行使しに行くわけではございませんので、この問題は集団的自衛権とは関係のない議論でございます。そしてまた、集団安全保障のお話がございましたが、これもまた武力を行使しに行くわけではございません。私どもとしては、自己を守るために必要な権限、武器を持っていくということでございます。そしてまた、戦闘行為になりそうな、国際的な武力紛争の一環としての行為、そういうような場面に遭遇をいたしました場合には、休止し、回避し、中断するかどうか、これを日本国におきまして主体的に判断を行うということでございまして、集団的自衛権並びに集団安全保障の問題とこの問題は直接の関係を持っておりません。
○広野ただし君 いや、現在まだイラクは非常な騒乱状態にあるということなんですね。 これはタイムのところにも、これは六月三十日ですね、ザ・ポストウオー・ウオー、戦後の戦争と、こういう言葉が使われているんですね。それと、さらに、この最近号になりますと、これはザ・ウオー・ザット・ネバー・エンズ、終わりのない戦争、決して終わらない戦争ということを、これ、七月七日号ですからね、こういうものを示している。これはタイムです。 やっぱり、そういう面では、世界的にこのイラクの情勢をどういうふうに見ているかということになれば、終わりなき戦い、あるいは戦後の戦争と、こういう状態にあるということなんですね。そこへ自衛隊を派遣をする。どういう事態が起こるか分からない。そうしますと、どうやって自衛隊の安全を守るのか、こういうことになるから、私は集団自衛権の問題もあるんだと、こう言っているわけなんです。 ところで、まず、現在の状態について、どういうふうに総理は思っておられますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 主要な戦闘は終わったと思いますが、治安状況はかなり悪いし、混乱も続いている地域もあるし、生活基盤も整備されていないし、確かに戦後の戦いは長く厳しいものだと思います。そういうイラク国民の生活を良くしていこうという戦いに、日本としても国際社会と協力して、できるだけの支援をしていきたいと思っております。
○広野ただし君 これは、ブッシュ大統領は五月の一日、戦争終結宣言をしました。しかし、イラク側は降伏宣言というのはしていないんですね。日本はポツダム宣言に基づいて無条件降伏というのをしました。ですから、その国が無条件降伏ということをしますと、これは戦う意思を捨てるわけですから。しかし、イラクの場合はどういうふうになるか。まだ大規模テロだってどういう事態になって起こるか分からないわけなんですね。ですから終わりのない戦争と、こういうことがやっぱり世界的には言われているわけで、実際、五月一日以前、戦争中にアメリカ軍人が亡くなったのは百三十八名ですか、それに対して、五月二日以降に亡くなっている軍人が六十数名になっているんですね。ですから、相変わらず戦争状態が正にタイムの言うように終わりのない戦争という形で続いている、このことをどういうふうにお考えか、もう一度伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 主要な戦闘は終結したとしても、復興への戦いは長いものと思います。イラク人のイラク人によるイラク人のための政府というのは容易じゃない、作るのに。このためにやはり国際社会が協力していかなきゃならないと思っております。
○広野ただし君 私は、やはり自衛隊を出すときはきちんとした大義の下に、そしてきちんとした理由付けで、そしてまたきちんとした装備の下に出ていかないと、これは本当にとんでもないこと、危険なところへただ出すというようなことになります。 私は、イラク周辺国のシリアあるいはトルコですね、またレバノン、エジプトというのを昨年の参議院の国際問題調査会から行ってまいりました。そしてまた、ゴラン高原にも行ってまいりました。そしてこのゴラン高原では五十度の非常に暑い中で、しかもサソリに悩まされながら兵力の引き離しのために日本の自衛隊は貢献をしています。しかし、そのときには、UN、国連の旗の下にきちっとやっているんですね。ところが、今度行く場合はどうなるんですか。日本の旗を掲げて行くんですか、UNの旗の下に行くんですか。そこのところをちょっと。
○国務大臣(石破茂君) 委員、これは別に言葉じりをとらえてと聞こえましたら申し訳ございません、お許しをいただきたいと思いますが、きちんとした目的、そしてまたきちんとした権限を与えるためにこの法律を立法いたしまして、今御審議をいただいておるわけでございます。私ども自衛隊というのは、法的な権限がなければ、法的な根拠がなければ一切動くことはできません。したがいまして、今回イラクに行くということがございまして、この法律を立案し、今御審議をいただいておるわけでございます。ですから、ちゃんとした目的、ちゃんとした権限、それを付与していただくためにこの法律を御審議をいただいている、そういうことだと思っております。 それから、現地において国連の旗で活動するのか、それとも日の丸でやるのかということでございますが、これは日の丸でやることになります。そういう形で活動することに相なります。 それから、なぜ自衛隊でなければいけないかということでございますが、これも委員御案内のとおり、例えば水のニーズがあったといたします。私どもとしては、例えば一日に浄水車十台を出したといたしまして、これ一人四・五リットル使うとして十七万三千人分、一日で水をきれいにすることができます。飲める水が本当にイラクでいつ出るようになるか、それは分かりません。一日で十七万三千人分の四・五リットルの水を浄水できる、そういうような組織は世界にもそんなにあるものではございません。このようなものは民間にはありません。これは自衛隊にしかないものでございます。これをどうやって活用し、イラクの人道支援に使うか、そういうこともまた私どもとしてはお願いをしておるわけで、可能性の一つとして考えておるわけでございます。
○広野ただし君 先ほどのやはり議論に非常に戻るんです。 ですから、日本の旗を掲げて行きますと、日本が占領軍のごとくに思われるおそれがある。しかしUNの、国連決議にきちっと基づいて、UNの下に行きますと、国連は今までPKO等でそれなりの実績があるんです。そしてまた、人道支援でも大変な実績をやってきているんですね。ですから、そういう面では、やはりしっかりと、協力に来たんだ、イラク国民のためにやってくれるんだと、こういうふうになるわけでありますけれども、そこが何か占領政策に、アメリカの占領政策に協力をするという形に陥るんではないかという、また、向こうにそういうふうにとらえられるおそれがあるんではないかということを指摘させていただきたいと思います。 それともう一つ、人道支援、これは、国連は本当にやはりしっかりと今やっていますね。ですから、日本もPKOで基づいてイタリアから食糧あるいは水等をヨルダン、周辺国まで、本来だったらイラクに持っていきたいんでしょうけれども、ありませんから、自衛隊機でもってヨルダンまで持ってくると、こういうことだと私は解釈をいたしておりますけれども、そういう中で、日本もしっかりとしたことをやっています。これはもう資金的な面だけではなくて、例えばこれはイラクの、ユニセフのイラク初等教育再建計画、先ほども同僚議員が指摘をしておりましたが、やはり米百俵の問題ですね。やはり教育からしっかりと立て直さなきゃいけないということで、これは日本だって黒柳徹子さんがアフガンの場合は行かれたり、これはまた、アグネス・チャンというのがユニセフの日本大使というような形でまたやっている。こういうことで、人道支援をしっかりとやっていくということも私は大切なことだと思うんですね。 まず、今の戦争状態がなかなか終結しない段階で前のめりになって自衛隊を出すということではなくて、日本は、ちゃんとイラクの暫定行政機関、これがしっかりとできて、そこからの要請、そして国連の要請というものがきちっとあれば、これはPKOとして出せるわけですから、実際。そういう形で治安を維持することはできるわけですね。ですから、しっかりとした大義の下に出しませんと、それこそいざ何か起こったときに、本当に私は、自衛隊員の人、また家族の方々が、本当に悲惨な目に遭われ、また大変な悲しみに遭われるということになるわけで、ここに私は非常に懸念を持つわけです。 ですから、極めて、実行部隊を海外に出すということは総理の最大の判断なんですね。慎重の上にも慎重に判断しなきゃならない。そういうときに、何か前のめりになって、アメリカ、イギリスというところから要請、そういう要請に基づいてやっている、そういうところに前のめりになってやっていくということになると、正にアメリカの金魚のふんだということで思われるというところを私は懸念をいたすわけでございます。しっかりとした大義の下に出すということを私は要請をしておきたいと思います。 どうもありがとうございました。終わります。
○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田昌秀でございます。 社民党は、他の党と同じように、今回、イラクへ調査団を派遣いたしまして、その報告によりますと、自衛隊を派遣しなくても十分に国際貢献できる分野がたくさんあるというようなことを申しております。 それで、社民党といたしましては、自衛隊の派遣にはあくまでも反対でございますが、今、世論調査なんかを見ますと、国論は正に二分されているというふうに見ておりますが、この件について、総理は国会を解散して国民に真を問うお考えはございませんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このイラクに復興支援、どのようにやるかというのが今回の法案の趣旨でありまして、それは民間人にもお願いしたいし、政府職員も行くでしょうし、なおかつ自衛隊員の諸君にも活躍の場があるということで、特に今までの法律の枠内では自衛隊を派遣する場合には無理ですので、今回、自衛隊がイラクに入って活動する場合にはしっかりとした法の後ろ盾があって、根拠の下に出さなきゃいかぬということで審議をお願いしているわけであります。 これは、確かに賛否両論あります、各政党の中で。しかし、国会の役割といいますか、審議をして成立した暁には私は国民の多数も理解していただけると思いますので、この問題のために解散・総選挙という必要はないのではないかと、そういう考えは現時点ではございません。
○大田昌秀君 次に、総理を始め防衛庁長官、外務大臣の御決意を伺いたいわけですが、実は、この法案が提案されるようになりますと、私のところに、このような法律を作るならば、総理大臣、外務大臣、防衛庁長官は御自分の息子さんたちを真っ先に出すべきだという趣旨のことを言ってきておりますし、また沖縄の新聞にもそういう投書が見られます。 なぜ、そういうことになるかと申しますと、実は、去る沖縄戦のときに、いよいよ沖縄が玉砕が間近に迫ったときに、当時の鈴木総理大臣が官民一体となって沖縄の人々とともに特攻精神を持って勝ち抜くというようなことをおっしゃったわけです。公言されたわけですが、そういうことは全く起こらなかったわけですね。 ですから、いざという場合に、まあ、先ほども似たような御質問がありましたけれども、総理を始め防衛庁長官は自らその苦難の道を選ばれるという御決意を持っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、戦時中と違って、日本の自衛隊は志願制です。自衛隊の諸君は、自衛隊の仕事、自分に向かないなと、不適切だなと思ったら自衛隊に入隊する必要はないんです。強制でも何でもありません。自ら進んで志願してこの尊い任務に就こうとしている、入隊された方ばかりであります。徴兵制じゃありません。そういう諸君に対して、政府として強制しているんじゃないんです。自衛隊の諸君は、自らの任務を立派に成し遂げたいという意欲を持ってインド洋にも東ティモールにもカンボジアにおいても、あるいはゴラン高原にも行っていっている。よく認識する必要があると思います。強制ではないと。
○大田昌秀君 イラクの大量破壊兵器は武力でもってしか排除できないということを言って、アメリカ、米英軍は近代的な兵器をもってイラクを攻撃したわけでございますが、一体、今回のイラク攻撃で米英軍が使用した近代兵器というのはどういう種類があって、どれだけの被害をイラクの一般民衆に与えたか、政府はどのように把握しておられるか、外務大臣からお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 米軍がいかなる武器を使ったか、そしてどのような武器をもって攻撃目標を攻撃をしたかということについて全貌を知っているわけではございません。ただ、米軍としては当然に国際人道法を遵守をして行動しているというふうに考えております。 それから、特殊爆弾、いろいろあるだろうと思いますし、その幾つかは多分軍事機密であるということであろうかと思いますけれども、それが今後イラクの復興の妨げになるかどうかといったようなことにつきましては、これは必ずしも定かではないわけでございます。若干の問題、例えば不発弾をどういうふうに処理をするかといった、そういった問題は存在をしているだろうというふうに思います。 それから、健康被害、例えば劣化ウラン弾というようなことで健康被害についての議論がございますけれども、この劣化ウラン弾については、先ほど別な委員の方で官房長官の御答弁がございましたけれども、米軍はそれを今回使ったかどうかということについては明らかにしていないということでございます。それで、政府として一回問い合わせをいたしましたけれども、それについては今後開示をする予定はないという返事をもらっておりまして、更に改めて現在、再度問い合わせは行っていると、そういう段階でございます。
○大田昌秀君 本法、本法案第一条「目的」では、国連安保理決議第一四八三号を踏まえ、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うとなっています。決議の一四八三号では米英軍司令部を当局と呼んでいますが、その当局による占領行政下の活動と新たに設置される国連特別代表の下にある活動との二つが併存することになっています。本法案によって自衛隊が当局の直接的な指揮下に入るかどうかは別として、米英軍の後方支援に当たるというならば、それは占領当局の下での活動と言わざるを得ません。 そこで、官房長官にお伺いします。 一九八一年四月十四日及び同年五月十五日の政府答弁書には、憲法第九条二項で禁止している交戦権とは、相手国の占領、そこにおける占領行政、中立国の船舶の臨検等が含まれるとあります。その解釈に現在も変わりがないとすれば、今回、占領当局の下での自衛隊の活動は占領行政にかかわることになります。とすると、交戦権の行使、つまり憲法第九条に違反することにはなりませんか。
○国務大臣(福田康夫君) 憲法第九条第二項では、「国の交戦権は、これを認めない。」と、こういうふうになっております。ここに言う交戦権というのは、これは相手国領土における占領行政なども含むと、こういうことでございます。 そういうことではありますけれども、今回のイラクに自衛隊が行くということにつきましては、イラクに対して武力を行使したことのない我が国は非交戦国なんですね。それが一つ。それから、そういうような我が国が、安保理決議千四百八十三号に基づいてイラクにおいてこの法案に規定します支援活動を自衛隊がすると、実施したといたしましても、それは、我が国がこの決議に基づいて国際社会の取組に主体的かつ積極的に寄与するために活動するものであると、こういうことでございますから、我が国が米英軍の指揮下に入るものでもないということであります。 我が国は武力の行使に当たる活動を行うというものでもございませんから、我が国自身が交戦権行使するというようなこともないわけでございます。
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いします。 今回の米英のイラク攻撃に関連して、在日米軍基地からイラク攻撃に参加した部隊がおりますか。
○国務大臣(川口順子君) 参加の意味がよく分かりませんけれども、我が国の基地から移動をした在日米軍はあるかと思います。その先については存じません。
○大田昌秀君 昨日の沖縄の新聞によりますと、嘉手納基地からF15十機が参加したということが報じられております。それから、中東地域に沖縄の基地から五百名ほどが行っているということも報じられておりまして、現在、そのうちの百名ほどがイラクに残っているということも報じられておりますが、これは事前協議がございましたでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(松村龍二君) 質疑時間が参りましたが。──じゃ外務大臣、川口外務大臣。簡潔にお願いします。
○国務大臣(川口順子君) いずれにいたしましても、事前協議の対象となることではないと考えております。
○大田昌秀君 終わります。
○黒岩宇洋君 総理、最後ですので締まっていきましょう。私、無所属の黒岩宇洋でございます。 冒頭、こちら、これ、ニューヨーク・ポストの全面広告なんですね。(資料を示す)これ、実はリーダーではなく、ブッシュ大統領のことをまあミスリーダーとやゆしてありますね、ミスリーダーと。これ、実は、左の部分に今までブッシュ大統領が発言した内容を日付ごとに五項目書きまして、最後にウイ・ウオント・ツー・ザ・トゥルース・ナウと、私たちは真実を求めるということで、ブッシュの今までの発言がうそではないかという、そういう全面広告なんです。 これはNGO団体が出しているんですけれども、ちょっと二点ほどここを読みますけれども。二〇〇三年一月二十八日、諜報機関の推定では、サダム・フセインは、五百トンのサリン、マスタードガス、VX神経ガスを製造する資材を所有していた、二〇〇三年三月十七日、諜報機関によると、イラク政権が今まで講じたことのない最も致命的な兵器、リーサルウエポンを所有し隠していることは明白であると、こうブッシュ大統領はおっしゃったわけです。それに対してこのNGOはこうおっしゃっています。我々は今真実を求めている、アメリカは大量の兵器廃棄の切迫性を求め、それらを所有していることは明白であると証言し、確約したブッシュの下に結集した、今、数か月がたち兵器は一つも見付かっていない、更に悪いことに、諜報機関の報告は意図的に誤って読まれていたことが明らかであり、アメリカ国民を意図的に誤った方向へと導いた、このミスリードによって若者や女性が生死を懸けてイラクに送られるのであれば、それは悲劇の何物でもないと。 私、これを申し上げたのは、確かにイラク戦争勃発時、大変な高支持率でブッシュ大統領というのは米国民から支持を受けていた。しかし、それから数か月たって大義名分に誤りがありそうとなると、やはりアメリカの市民、民主主義というのはこうして立ち上がるという、このことを私は総理に認識していただきたいとともに、我々国会議員も当然国会の場で追及していきますけれども、多くの国民の皆様にも、一体イラク戦争の大義は何であったか、そしてそのことに誤りがこの先あるのかないか、このことに目を光らせていただきたいと、その思いでこれを掲げさせていただきました。 それでは、本論に入らせていただきます。 時間がないんで、幾つか通告しておりましたが、私、多くの条文読みながら、いろいろと疑問点はあるんですけれども、特に腑に落ちない条文がございます。それは第八条の五項です。 衆院の特別委員会でも余り議論されていないのが私には不思議なんですけれども、この八条の五項、一部を読ませていただきます。「自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該活動を実施している場所の近傍」、これ、近い傍らですね。「近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合又は付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該活動の実施を一時休止し又は避難するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、前項の規定による措置を待つものとする。」と、こうあります。 これを素直に読むと、やはり活動しているところですね、近傍、この近くで戦闘行為が起こるという、それを想定しているわけです。戦闘行為が起こって、それを危険だとして避難していくわけですね。このときに、私は当然戦闘に巻き込まれるおそれがあると思います。そのことについてあるかなしか。それに対して、当然、武器使用基準に照らし合わせて武器を使用することもあり得ると思います。このことについてあるかなしか。この場合、戦闘に巻き込まれた中での武器使用は、それこそ戦闘行為と言えるのではないか。 この三点について、総理、お答えください。
○国務大臣(石破茂君) 戦闘行為にはなりません。 なぜならば、そこで行いますのはあくまで武器の使用でございます。武器の使用として、自分を守るために、つまり、相手が国又は国に準ずる者であったとして、それが組織的、計画的な攻撃を仕掛けてきたといたします。しかしながら、派遣された自衛官が使える武器使用の権限は、あくまで十七条に定められた自己を守るためのものでございます。自己を守るための武器使用を行っております限り、それは戦闘行為ということになりません。そうならないようにこの条文は作ってございます。
○黒岩宇洋君 これは総理、よくお答えいただきたいんです。 私、総理の身上というのは分かりやすさだと思うんです。今、私はあえて読み上げました。これを素直に読んでリアルにその現場を頭で想定すると、やはり戦闘行為に巻き込まれて、その近傍ですから、近い傍らですよ、そこでドンパチが始まって撃ち返す、これこそ私は戦闘行為だと、今これを聞いている国民は皆さんそう思うと私は思っているんです。 総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、正当防衛までが戦闘行為だといえばそう言えるかもしれませんが、自衛隊は非戦闘地域での活動であります。そういう意味において、散発的な、あるいは略奪者等、野盗、強盗のたぐいが全く起こらないとは言えない。そういう場合には、自衛隊の派遣隊員は、これは正当防衛として、まあ戦闘と言っていいのか正当防衛と言っていいのか、これはいわゆる法律の定義による戦闘行為とは違うと。 私は、はっきりしないといえばそうなんですけれども、例えば憲法九条もそうですね。いかなる戦力も保持しない。自衛隊は戦力じゃないのかと言われたら、はっきり答弁できない点もあるでしょう。何でもはっきりしない、わけじゃない。分かるでしょう、そういうの。難しい法律用語。だから……(発言する者あり)いや、自衛隊は戦力だから憲法違反だという政党もいる。しかし、これは自衛のための戦力なんだと。こういう、日本の憲法というのをよく読んでいくと、本当はっきりしない点たくさんあるんですよ。 そういう点も考えて、法律の定義のこの戦闘地域と正当防衛の場合の、その辺、ちょっとやっぱりはっきりしない点もあるといえばあるんですけれども、法律の中でははっきりしているんですよ。それは違うということ。
○黒岩宇洋君 総理、ちょっと自家中毒を起こしていますよ。 いいですか、総理。総理は分かりづらい法律用語を分かりやすくはっきりと述べるのが私は総理の身上だと申し上げているんですよ、分かりにくいの。だから分かりやすく、総理、語ってくださいよ。(発言する者あり)分かっています、分かっている。私も憲法を勉強しました。 総理、じゃ総理、もうあと一問ぐらい聞きますけれども、私、やはりこれ、武器使用基準だ、正当防衛だと言っているわけですから、当然、自衛隊員が殺されるかもしれない、海外で。可能性はあると思いますよね。イラク人を殺傷するかもしれない。 このことについて総理は今まで衆院等でも明言をしておりません。私は、このことは重要なことですので、当然、自衛隊員が死ぬかもしれない、そしてイラク人を殺すかもしれない、このことの認識はお持ちかどうか。その点についてと、それと、そのことを国民は了承しているとお考えか。 二点、お答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、自衛隊員でもあるいは政府職員でも民間人でも、野盗や強盗のたぐいに襲われたら、殺される可能性はないといえば、それは言えない、あるかもしれない。そういう場合に、それじゃ野盗、強盗のたぐいと戦って相手を殺す場合がないかといえば、これもないとは言えない。 しかし、戦闘行為に行くというものではないんです。復興支援活動に自衛隊が行くと、これが大事なんですよ。細かいところへ、この戦闘、正当防衛まで戦闘行為と言われると、これはやっぱり法律の定義とは違うんです。そこはやっぱり混同しないように。 しかし、襲われたら戦うというのは、これは人間本来の活動でしょう。やっぱり自分の身は防がなきゃならない。自分の命は守らなきゃならないという場合に、殺されるかもしれないといったら、相手殺すかもしれない。それは絶対ないとは言えないんです、ないとは。それは本来の目的じゃないんですから。本来の目的は、イラク国民のための復興支援活動ですから。それをよく御理解いただきたい。
○黒岩宇洋君 分かっていますよ。私、今、戦闘行為かどうかを議論したんじゃないんです。少なくとも今の総理の答弁、大変重要だったと思います。要は、自衛隊員が殺される可能性はあることをお認めになりましたし……(発言する者あり)いや、そうでしょう。だって、死ぬわけですから、強盗だろうが野盗だろうが。 私ね、このことを、総理、しっかりと国民に言わずして、いざ将来にわたって自衛隊員が死にましたといったときに、これは野盗、強盗のたぐいであって戦闘でないとしても、私は大変国民というのはパニックになると、そう思います。ですから、今、総理が国民に向けて明言したことは重要なことだと思っておりますし、やはり今まで安全、安全と言っていましたが、やはり死ぬ可能性とか殺す可能性というのはあるという、この答弁を承りました。 もう時間ないんで質問、答弁いただきません。私は、将来、総理がミスリーダーと呼ばれることのないことを願って、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 以上で質疑は終了いたしました。 本日の連合審査会はこれにて終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後五時六分散会