外交防衛委員会 第2号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/03/20
会議録
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官渡辺文雄君、防衛施設庁建設部長生澤守君、外務省北米局長海老原紳君、外務省条約局長林景一君及び環境大臣官房審議官小林光君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松村龍二君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 三月十九日、ニューヨーク時間の午前十時三十分よりイラク問題に関する安保理公開会合が開催をされました。日本時間で本日の未明でございます。その中で、アナン国連事務総長がこのような趣旨の発言をされました。共通の立場に到達できなかったという事実に対して多くの安保理メンバーより表明された無念さを完全に共有する、本日は国連と国際社会にとって悲しい日であると我々全員が感じなければならないと、このような趣旨の発言をされました。 全く同じような発言をアナン事務総長は一九九八年、いわゆる砂漠のキツネ作戦のときにおっしゃいました。正に事態は秒読み段階に、両大臣、入ってきていると思います。正に今この瞬間にもイラクへの武力行使が実施をされるかも分かりません。 そこで、両大臣にお伺いをしたいと思います。今、戦争が始まったら、外務省や防衛庁はどのような初動態勢を取られるのでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) アナン事務総長がそういうことをおっしゃったということは私も承知をしています。まだ戦争が始まっているわけではありませんけれども、始まっているわけではないと思いますが、そういう事態にならざるを得ないとしましたら、私も大変に残念に思っています。 日本として、この問題については平和的に解決ができるように、そして国際協調の中で平和的な解決ができるようにということを考えてずっと働き掛けを行ってきましたので、それが実らなかったということについては大変に残念に思っています。イラクが、サダム・フセイン大統領が前向きに査察に協力をしていてくれたら、それももっと早くしてくれたらこういうことにならなかったというふうに思います。 それで、そういう場合に何を日本として、外務省として考えているかということですけれども、一番大事なのは邦人の安全の確保ということでございまして、これについては既に手を打ってきております。イラク、それからクウェート、そしてサウジの東側のイラクに近い方、イスラエル等々に退避勧告を既に出しておりまして、現在、イラクにはまだそれでも邦人が二十九名いらっしゃいます。これに対しては、うち短期滞在者が二十三名でございまして、市民団体、個人等が九名、NGO六名、報道関係者十四名という内訳なんですけれども、イラクを出ていただけるようにいろいろな説得をしておりますし、ヨルダンからイラクに入るバスのバスストップに大使館の人が立って、日本の人というふうに思われる人がいたらばイラクに入らないようにという説得も今しております。 そういった邦人保護、それから、恐らくその難民あるいは周辺国でいろいろな問題が起こると思いますので、そういった問題についての検討を今加速化、具体的な検討を加速化させております。あとは経済関係とか幾つかいろいろやらなければいけないということはあると思っております。
○国務大臣(石破茂君) 三月十八日、一昨日でございますが、安全保障会議の席上、総理から、国内重要施設の警備強化等、国民の安全確保は重要な課題である、関係大臣は緊密な連携の下に万全を期すようにというお話もございました。 今の外務大臣のお話にも関連をいたしますが、例えば邦人輸送というような、そういう必要性が仮に生じた場合、それは、定期便も飛ばない、チャーター便も飛ばない、陸路も駄目と、そういう場合でございますが、そういうような必要性が仮に生じた場合には邦人輸送ができるような体制、こういうものを整えるということであります。 あるいは、現在におきましても、在日米軍共同使用施設の警備というような強化をしておるところでございますが、不測の事態が生じないようにそういう警備体制というものも図っていくということだというふうに考えておるところでございます。 そのほか、まだ具体的にこれこれということを申し上げる段階にあるとは思っておりませんが、私どもとして、法の定めのあるところに従いまして、政府の決定に従って万全を期すような体制は整えねばならぬというふうに思っておるところでございます。
○榛葉賀津也君 川口大臣にお尋ねをしたいと思います。 ヨルダン大使館員が兼務をしてバグダッドに出張していたわけでございますけれども、ブッシュ演説の前に早々に現地を引き揚げたということでございますけれども、これだけの邦人がまだいるという現実を考えると、このバグダッドから引き揚げるタイミング、これは少々早過ぎたんじゃないかと思うんですけれども、どのようにお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) いろいろな御意見はあると思います。 日本が引き揚げたのと同じころにロシアも引き揚げておりまして、それよりも前に既に主要国も引揚げを、そもそもいなかった国もあるわけでございまして、我が国としてはその時点で、実は同じぐらいの日本、六、七人の個人の方がいらっしゃって、その後で報道関係者で増えた分もあるんですけれども、いろいろな危険性についての情報を総合してそういうタイミングであるという判断をその時点でしたということです。 物事がいろいろな展開をいたしますので、もちろん全部見えているわけではない。その時点ではベストな判断をしたと思っております。
○榛葉賀津也君 今、ロシア大使館の例を挙げられましたけれども、この問題に対するロシアの対応とアメリカを追随している日本の対応では全く違うはずでございます。その中で外務省がそのような判断をしたと。私は、少し早かったんじゃないかなと。ブッシュが演説の中で開戦を表明する前の、はるか前の段階で撤退をしていたということを指摘をしておきたいと思います。 防衛庁長官にお伺いしたいと思います。 予想される、アメリカの支持を表明したわけですから、当然可能性として我が国を標的にした国際テロが起こり得る状況にあると思いますけれども、これに対する対応はどのようにされているんですか。
○国務大臣(石破茂君) 私は、合衆国に対する支持を表明したと、それによって必然的に我が国に対する国際テロの危険が増すということが、本当にそういうことがあるというふうに断定できるかといえば、それは違うかもしれないという感じは持っています。ただ、テロというのは、私いつも申し上げるのですが、本当に不測の事態の、全く予想もしなかったような事態というものがテロの特徴であるということも認識はいたしております。 そういう場合には、第一義的にこれは警察が対応するものだということも法が定めておるところでございますが、そういう場合にでも、テロというものが非常に一般の警察力をもってしては対処し得ない事態ということも考えられないではない。そういう場合に、本当に警察と連携をして、きちんとそういうようなテロの被害というものが最小限にとどまるようなもの、そういう形にはしておかねばならないというふうに考えております。 それは、法律的には先生御案内のとおり治安出動というものを用いるということだと思いますが、大切なことは、警察との連携を図ることによっていかにしてテロを起こそうとしている人たちの目的というものを達せないようにするかということであります。そのことは、私ども、警察と緊密な連携の下に訓練も行っておるところでございます。そういうようなテロリストの目的が達せられないように、今後とも万全を期してまいりたいと思っております。
○榛葉賀津也君 防衛庁長官、これからイラクの周辺国の支援であるとか、日本として、若しくは何らかの形で戦争が終結したその後の復興支援であるとか、様々日本が国際社会の一員としてやらなければならないことが出てくると思います。ただ、現実的に、さあ開戦だ、戦争が始まったと、その中で現実的に我々ができること、これは恐らくインド洋やアラビア海で今テロ特措法の枠組みの中でやっている燃料補給、この頻度を高めるであるとか量を増やすであるとかということが想定されるんですけれども、そのようなことは計画の中にあるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、テロとの戦いに従事をしておるアメリカ、イギリス等の軍隊に対しましてテロ特措法に基づいて支援を行っておるわけであります。そうしますと、私どもは、当然のことですが、テロ特措法の目的の範囲で事を行うということです。 先生御案内のことかと思いますが、テロとの戦いにおいて、それが今までは海上からアフガニスタンに対して攻撃を加える、そういう艦船に対する補給というものが主であったわけでありますけれども、それが、そのことも現在も行われておるわけですが、同時に、その艦船というものは、米英等の艦船ですね、そういうものは今度は、アフガニスタンから逃亡する、海路を使って逃亡する、そういうようなテロリストの行動というものを阻止するためにも活動を広げておるわけです。それは行動する海域というのも広がっている。そしてまた、例えば新たにニュージーランドが加わったというように、参加する国も増加をしておるということであります。 そういうような状況に適宜適切に対応いたしますように、法の定めた範囲に従いまして補給活動を継続をしておる。つまり、対象支援国を拡大をしたということはそういう意味合いでございます。あくまでテロ特措法の目的の範囲内で行うのが法治国家における私どもの行動だというふうに認識をいたしております。
○榛葉賀津也君 私はここに落とし穴があると思うんですね。アフガニスタンの状況はさほど急変しているわけではない。にもかかわらず、急激に求められる給油の量が増えたり補給する燃料の量が増えたというようなことは、すなわちこれは間接的にイラク攻撃にこのテロ特措法が流用されているという懸念がされるんですけれども、それに対する大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これも何度か国会でお答えをしておることでございますが、合衆国もそうですし、英国もそうです、新たに補給を拡大した国に対してもそうでございますが、その都度交換公文というものを取り交わしている。そこにおいてテロ特措法の目的というものを確認をいたし、私どもはそれに従って補給活動を行っておる。そのことは、我が国と補給を受ける国との間で、これはもう公の取決めとしてあるわけであります。一方的に我が国がそれを表明しておるだけであれば、それは実効性に乏しいというふうなおしかりをいただくかもしれませんが、交換公文という形をあえて取りまして、その補給を受ける国も我が国のテロ特措法の趣旨というものを理解をし、そしてまたその目的というものを理解をし、そこで交換公文に署名をしておるわけですね。 私は、私どもがテロ特措法の範囲の中で、目的の中でこのことをやっているのですよと、そのことをまた交換公文の上において相手の国も確認をしておるということでありますから、それは委員の御懸念のような落とし穴というようなことにはならないというふうに考えておるところでございます。
○榛葉賀津也君 それでは、もし米艦、英艦から給油の依頼が明らかに目に見える形で急増したと、我々はそれを断ることはできないわけですね。
○国務大臣(石破茂君) それは、テロ特措法の目的、そして交換公文、それにかなうものであればそれを拒むことはいたしません。しかし、それが本当にテロ特措法の目的の範囲を逸脱するというものであれば、それは法に基づいてそういうことはできないということだろうと思っています。それはそのときの状況によります。 今、そういうような、どういうようなことが起こるか、それは分かりません。そこに基づいてできるともできないとも、そういうことを私が申し上げるわけにはまいりません。実際に私どもはその法に従ってやるということですし、補給を受ける国も交換公文というものを結んで、そのことの意思はきちんと表明をしておる、そして私どもと補給を受ける国との間の信頼関係というのはそういうものだというふうに私は考えます。
○榛葉賀津也君 法的にはそのとおりなんでしょうけれども、私は現実問題としてテロ特措法にこのような抜け道があったということは指摘をしておきたいと思います。 次の質問に移ります。 自民党の山崎幹事長はゴールデンウイーク明けにもイラク新法を提出するというふうに報じられているわけですけれども、イラク復興に対しまして大臣はどの法律で対応するお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) これは、幹事長がそういう発言をなさったということは承知をいたしております。ただ、そのイラク新法なるものがどういうものであるか、そういうようなことを私は今のところ承知をしておるわけではありません。 それは、復興という場合に、これがどういう形で戦争が終わるのか、仮に起こった場合に。そして、戦争が終わった後にそのイラクというものがどういう形で統治される形になるのか。イラク政府というものはどのようなものになり、そしてまたそこに国連がどういう形で関与しという、いろんな場合が考えられるだろうと思っています。 今の法律、例えばPKO法で対応できる場合と、先生御案内のようにPKO五原則というものを満たさない場合だとすればどうなるのだということは、いろんなケースが考えられるだろうと思います。仮に現行法、つまりPKO法五原則を成就したと、PKO法で行けるということであればそういうこともございますでしょう。成就しない場合には、それは法に基づかないで行動するわけにはまいりませんので、それは新法というものもあり得るのだろうと思っております。 それは、いずれにいたしましても、法律がどのような形になるかは、どういう形で戦争が終わり、そのイラクの終わった後の形態がどういうことになるか、それによって変わるものだというふうに認識をいたしております。
○榛葉賀津也君 引き続き外務大臣にお尋ねをします。 一昨日のブッシュ演説についてお伺いしたいと思うんですけれども、このブッシュ演説の内容はあらかじめ打診があったんでしょうか、内容について。
○国務大臣(川口順子君) 内容については打診ありません。
○榛葉賀津也君 首相のスピーチは事前に準備をしてありましたか。
○国務大臣(川口順子君) これは官邸でのお話でございますので、外務省としてやったことは、十時にスピーチを聞きまして、その内容を急いでまとめて総理に御報告をしたということでございます。
○榛葉賀津也君 ブッシュ・スピーチのたった三時間後に日本政府は早々に支持を表明しました。このスピーチの中身をこの三時間で分析して検討されて支持を決定したというふうに理解してよろしいんですね。
○国務大臣(川口順子君) これは官邸で、内閣でスピーチ自体については御準備をなさいますので、外務省が作るという性格のものではありませんから、どういう段階でその準備がなされていたかということについては内閣に直接お尋ねいただいた方がいいかと思いますが、外務省はブッシュのスピーチがあるということは事前に通報は受けておりましたので、その内容を十時から私も聞いて、それでそれを御報告をしたと、そういうことでございます。
○榛葉賀津也君 官邸が支持をしたということは、イコール同時に同じ政府である、当然外交のトップである外務大臣並びに外務省も支持をしたということですよね。ですから、この三時間の中で外務省もこれを検討し吟味をして支持を表明されたということと当然認識すると思うんですけれども、そのように理解してよろしいんですね。
○国務大臣(川口順子君) 私はお昼に総理のところに伺ってそういうお話をいたしましたし、それからその前に外務省の副大臣や政務官の方々とはそういうお話をして、これもスピーチが終わった後ですけれども、その支持をするという方向についてお話はいたしました。
○榛葉賀津也君 それでは、以下の点について、ブッシュ政策を支持する、同意する理由をお尋ねしていきたいと思うんですけれども、まず武力行使の法的根拠についてお尋ねをしたいと思います。この問題は既に衆議院の予算委員会等で同僚の前原委員等が大分大臣と議論をされていますので、整理するためにポイントだけ確認をしていきたいと思います。 まず、国連加盟国が他国を攻撃できる法的根拠についてお伺いしますけれども、国連加盟国が他国を攻撃できる法的根拠は何ですか。
○政府参考人(林景一君) 国連憲章の下におきましては、いわゆる自衛権、憲章五十一条でございますけれども、に基づきます武力行使、それからこれの、安保理によります決定というものによって武力行使が容認される場合というそういう、基本的にそういう例外を除きまして武力行使は違法とされているというのが国連憲章の仕組みでございます。
○榛葉賀津也君 大臣、これから聞くことは基本的なことですし、大臣がずっと今まで答弁されてきたことですので、是非大臣にお答えをいただきたいと思います。 今、局長がおっしゃったとおり、すなわち国連決議、国連憲章二十五条若しくは七章若しくは自衛権ということで国連加盟国が他国を攻撃できるということですけれども、それでは国連加盟国の自衛権についてお伺いしたいと思います。 一連の今回のイラクのケースにおいて、国連加盟国が国連憲章に基づく自衛権を発動する要件はどのようなものでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 五十一条、憲章五十一条に基づきます自衛権の発動要件ということでございますれば、「武力攻撃が発生した場合」というふうに書かれておるところでございます。
○榛葉賀津也君 それでは大臣、今回のイラクの問題は、私、イラクのケースにおいてと言いました、イラクの問題は自衛権の行使で図られる問題なんですか。
○国務大臣(川口順子君) ブッシュ演説ではそういうことを言っていないと思います。
○榛葉賀津也君 私の質問に答えてください。ブッシュ演説で言っているんじゃないんです。今回のケースは、アメリカは、武力行使はイラクのケースにおいては自衛権の行使で図られるんですか。
○国務大臣(川口順子君) そうではないと思います。
○榛葉賀津也君 そのとおりだと思います。 次に、国連決議一四四一についてお伺いします。国連決議一四四一そのものはイラクへの武力攻撃を認めるものではありませんね。
○政府参考人(林景一君) 国連決議、安保理決議一四四一号そのものにおきまして、決議そのものの中に武力行使を容認する権限を与えるといった規定がないというのは御指摘のとおりでございます。
○榛葉賀津也君 では、なぜ新たに安保理決議なしに武力の行使ができるんですか、大臣。
○政府参考人(林景一君) これは、一四四一におきましても引用されております六七八、六八七、過去の一連の国連決議と一四四一により正当化され得るというのがブッシュ演説の基本的考え方だと思います。
○榛葉賀津也君 昨日、通告をしてあるわけでございます。是非大臣のお言葉をいただきたいと思います。これは全く新しいことでもなくて、今までさんざん議論し、昨日の衆議院の外交委員会でも議論されていることですから、是非お願いをしたいと思います。 今、局長がおっしゃったとおり、六七八というのは、これは武力行使を容認する言葉が入っていますね。そして、六七八、アーティクル二ですけれども、クウェート政府に協力している加盟国に対し、安保理決議六六〇及びそれに引き続くすべての国連決議を堅持かつ実行し、同地域における国連の平和と安全を回復するために必要なすべての手段を取る権限を与えると、ここに入ってくるわけでございます。 しかし、UNレゾリューションの六八七は御承知のとおり武力行使を容認する言葉が入っていません。六八七になくて六七八にあるこの武力行使の権限ということは、先ほど言ったように六七八に戻ってこれを解釈するということなんですね。
○国務大臣(川口順子君) と考えます。
○榛葉賀津也君 私、ここが分からないんです、大臣。六八七から六七八になぜ戻ることができるんでしょうか。その根拠が私どうしても分からないんですよ。それを大臣のお言葉で説明いただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃったように、六七八で武力行使が容認されて、武力行使の状態が続いていたわけですね。それで、それを、停戦になるときに六八七があって、イラクがその条件をのんで、それをやるということを言って、それで停戦が発効する。要するに、停戦の発効を、停戦の条件をイラクが受諾すれば停戦が行われるというふうに六八七はなっているわけですね。 それで、一四四一でイラクは六八七に違反をしているということは全会一致で決定をされたということは、六八七の根拠がなくなったということですね。したがって、六八七を発効、要するに六八七を発効させたイラクが守るべき条件、これをイラクが守らないという状態になったということで停戦がなくなったわけですから、六七八による武力行使は六八七によって止められていたわけですから、したがって六七八に戻ると、そういうことだと思います。
○榛葉賀津也君 確かに大臣の言うように、六八七には大量破壊兵器のことが書いてありますよ。そして、しかし六七八には、イラクがクウェートを侵攻したときのことについて、原状復帰しなければあらゆる手段を取ることができるとしているんです。六七八はこれはクウェートの問題なんですよ。正に今は大量破壊兵器のことを言っているんですね。なぜクウェートの六七八に戻ることができるのか、私はどうしても理解できないんですね。大臣、お願いします。
○政府参考人(林景一君) 済みません、若干法的な細かいところがございますので補足的に御説明いたします。 この安保理決議につきましては、湾岸戦争で確かに侵略をしたイラクに対しまして国連加盟国による武力行使が容認されたのが六七八でございますけれども、その停戦、終戦ではございません、停戦の条件として、六八七に、相当長大な文書でございますけれども、査察下での大量破壊兵器の廃棄等が義務付けられたという、そういう仕組みでございます。 それじゃ、今おっしゃいました六七八はクウェートそのものではないかというところでございますけれども、クウェート侵略の、何といいますか、排除だけではないかという御指摘でございますけれども、これは六七八につきましては、決議六七八の第二パラグラフが該当の部分でございますけれども、あらゆる必要な手段を取る権限を与えておるわけでございますが、ここで、そのための条件といたしまして、その目的条件といたしまして、安保理決議六六〇及びあらゆる累次の関連決議を堅持かつ実施するため、これが一つ。 これは、六六〇というのは、今おっしゃいましたようにクウェートからのイラク軍の撤退を要求したものでございます。しかし、及びといいますか並びにといいますか、アンドツーとなっていますけれども英語では、同地域におきます国際の平和及び安全を回復するためという二つを挙げておりまして、この二つがその加重要件ではなくて並列的なものであるというのが政府が従来から御説明しているところでございます。 もちろん、この考え方と申しますのは、六七八は確かにクウェート侵攻を契機として、イラクの行為がこの地域の平和と安全を破壊したということでこれを排除するということが契機としてあったわけでございますけれども、同時に、イラクがこの地域の平和と安全を再び脅かすというそちらの部分ですね、後段の部分を阻止するということを目的としているというふうに解すべきだと考えておるわけでございます。
○榛葉賀津也君 局長ね、私、それは根拠付けが弱いと思いますよ。今のお答えは二月二十四日の江田憲司議員による質問主意書に対しても全く同じことを言っています。昨日の参院予算委員会の福島瑞穂委員に対する答弁でもそのようなことを言っています。 しかし、こういった前の決議に戻るというようなことを安易に認めてしまったら、これから国連決議というのはどうなっていくんですか。イギリスのケンブリッジ大学のグレイ教授が指摘をしておりますけれども、六八七から六七八へ戻るといったような法解釈は安保理の新決議や議論の意味をなくし、対立する議題において安保理がまとまることを難しくするのではないか。簡単に言っちゃえば、常に昔の決議がこういうふうに簡単に使えるということになれば、これから苦労して別にこの問題で議論する必要はなくなっちゃうんですよ。いつでもこの六七八に戻ればいいじゃないかと。これ、クウェートの問題でもあるし、全く私は納得できないんですがね。
○政府参考人(林景一君) この六七八、六八七は確かに湾岸戦争当時の文書でございますけれども、これは、ここは是非御理解いただきたいんですけれども、この両決議というのは現在も国連の対イラク関係における基本的な文書なんです。正に現在の査察とかそれから対イラク制裁、こういうのは全部この六七八、六八七に書かれている条件から生じているわけでございまして、じゃ、いつでもかという話でございますけれども、これは念のために申し上げますけれども、六七八はこれまでも、先ほど冒頭にもちょっと御紹介ありましたけれども、九八年の米英等による武力行使の際の根拠としても引用されておりますけれども、その前にも、湾岸戦争停戦後の話でございますけれども、九三年一月あるいは九六年、その際にも六七八というのはその武力行使の根拠として引用されておるわけでございます。 ちなみに、九三年の場合にはフランスもその軍事行動に参加しておるということでございまして、この六七八、六八七の仕組みというのは連綿として続いてきているということでございます。 さらに、今の状況におきましては、決議一四四一、これは昨年の十一月八日に全会一致で採択されておるわけでございますけれども、この前文というところにも六七八あるいは六八七の内容を今、加盟国に対しあらゆる必要な手段を、国際の平和及び安全を回復するためにそういう手段を取る権限を与えたことを想起する、六七八が。それから、六八七がその平和及び安全の回復というその目的のために一定の義務を課しているということを想起するということを書いております。 さらに、主文のパラ一、これも要するに非常に重要なところでございますけれども、主文のパラ一そのものにおきまして、決議六八七を含む関連する決議に基づく義務の重大な違反をこれまでも犯し、また依然として犯していることを決定するということでございますので、これは六七八、六八七というのが全く今関連性を持たないのであれば、そもそもこういう重大な違反というようなことを安保理が全会一致で認定する意味が全くないわけでございます。そういうことじゃない、極めて今関連性を有している決議であるということでございます。
○榛葉賀津也君 細い糸で無理やりつないでいる。だからこそこの砂漠のキツネ作戦も一九九八年十二月十七日も同じじゃないですか。アメリカとイギリスと日本が孤立して、中ロがこれに反対する。世界各国も反対する。そしてアナン事務総長が同じことを言っていますよ。世界と国連にとり悲しい日であると。同じことを繰り返している。 加えて、言わば入口だけ六七八国連の安保理決議を利用して、攻撃は単独でやると。そして後始末はまたUNHCRなどの国連組織を利用してやれと。こんな御都合主義で戦争の入口と出口だけ国連を利用してやってしまったら、これ将来にわたってどのように運用されてしまうんですか。法的安定性が私は全く崩れてしまうと思うんですけれども、大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 国連の安保理の決議で正当性を持ってこのアメリカの行動は説明をできる、これは条約局長がおっしゃったとおりです。 それで、日本としては、国際的に協調ができて平和的に解決をするということが一番望ましいと思っていましたから、そういう努力をしました。しましたけれども、イラクがこれにこたえない。そして、一部の常任理事国が何があっても拒否権を発動するというような状況があって、万やむを得ずブッシュ大統領はそういう決断をしたということだと私は理解をしています。 日本としても、本当に平和的に解決をしたかったわけですけれども、重要な基本的な問題は、イラクの持っていると懸念されている、そして現にもう使った大量破壊兵器が廃棄をされるということが重要ですから、じゃ、それをやるためにどういうことが必要か、何がなされなければいけないかということをこれは考えざるを得ないということであると思います。 戦争が始まって人が傷付く、死ぬということになることは、残念な、非常にあってはならないと思いますけれども、それでは大量破壊兵器を放置しておいて将来日本人が何人も死ぬとか、それから、ほかの国に間違ったメッセージを送るようなことがあっていいだろうかということを日本としてはやはり考えるべきだと思います。
○榛葉賀津也君 情緒的な話もそれで結構ですけれども、私は今、法的にこれをどう解釈したらいいかと自分自身に今問い掛けているんですけれども、今一四四一の話が出ましたので、それじゃ一四四一の話に入りたいと思います。 一四四一には、重大な違反があった場合、また安保理に報告するというふうになっています。その一環としてブリクス報告やエルバラダイ報告が出てきたと。その内容は、疑いはあるが物的証拠もなく、更なる査察の継続が望ましいと出ている。首相は、ブッシュ演説の直後の会見でアメリカを支持する理由を、フセイン政権に武力行使の意思がないことが断定をされた、だからとしているんですね。
○国務大臣(川口順子君) 武装解除。
○榛葉賀津也君 武装解除の意思がないことが断定されたと。では、これは一体だれが武装解除の意思がないということを断定されたんでしょうか。国連安保理ではないですね。
○国務大臣(川口順子君) 総理も昨日お答えになっていらっしゃいましたけれども、我が国としても独自に特使を送ってお話をしました。それから、私もここの在京のイラク大使と二回お話をしました。おとといでしたでしょうか、話をした時点ですら、イラクはいまだに安保理の決議にイラクは従っているということを言っているわけですね。それは全く事実に反する。安保理の決議の一四四一あるいはその前からの決議が言っていることは、イラクが積極的に対応をしなければいけないということを言っているわけです。 それで、ブリクス委員長も言っているように、この査察、これについてはイラクは積極的に対応をしていないということを言っている。それから、その後二十九もほかに問題が残っているということを言っているわけですね。ということでして、イラクが実際に例えば査察団が必要としている科学者とインタビューをさせない、外国にも行くこともさせなかった、四、五百のリストを出しても十名とかその程度の科学者としかインタビューを出させなかったというようなこと、それから二十九、ほかにスカッドですとか弾道ミサイルの研究開発、スカッド用弾頭R400爆弾、タブン、サリン、マスタードガス、VX、炭疽菌、ボツリヌス毒素、こういったことについてイラクは積極的に何も見せてこない。十二月七日の報告でも新しいことは何も書いていない。 そういう状況が十一月の一四四一以降も四か月続いて、日本としてもイラクが積極的に協力をする意思があるということには私としては考えられなかったということです。
○榛葉賀津也君 ですから、それをだれが断定をしたのですか。
○国務大臣(川口順子君) 日本としてもそういうふうに考えていますし、それからブリクス委員長も決してイラクはうまくやっているとは言っていません。昨日の、今朝の会議の時点でもブリクスが言っていることは、どのようなアプローチが取られようと、結果はイラクによる実質面での能動的協力次第であるということを言っておりまして、残された問題の解決に資する実質面での新たな情報はこれまでのところ限られていると、これはブリクスが言っていることなんですね。 ですから、いろいろなことを、しかもそれを、それはさらにその前にブリクスが言ったことですけれども、これだけの圧力が掛かっていて、なおイラクが更に実質面で協力をして、それでも何か月査察に掛かるということで、実質的にイラクが協力をするということについては見えない。これはブッシュも言っていますし、ブリクスも言っていますし、日本もそう考えているということです。
○榛葉賀津也君 私は、このブリクスの発言では断定はしているとは言えないと思います。断定をしているのはブッシュだけですね。 イラクの大量破壊兵器保有についてもブッシュはこのように言っています。イラクが大量破壊兵器を保有していることが明らかになったと言っていますけれども、いつ、どのように大量破壊兵器を保有しているということが明らかになったんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) これは私の立場、日本の立場からは推測をするわけですけれども、ブッシュの言っていること、これは同盟国の大統領ですから私は信頼をしますけれども、いろいろなインテリジェンスの情報がアメリカ、イギリスにはありますから、そういったことがベースにあると思います。 我が国として考えるのは、ブリクス委員長が言っているこの二十九項目に当たることについてイラクが持っていないあるいは廃棄をしたということの証拠を出すというのはいとも簡単であると、それをやらないのはなぜかということは考えざるを得ないと思います。
○榛葉賀津也君 いや、ブリクス委員長の報告は、疑いがあるけれども明らかになるなんて言っていませんよ。それプラス、同盟国だから信用して私は推測するけれどもと。我々はこの大量破壊兵器をなくすために今さんざんすったもんだしているんですね。その問題を推測で、アメリカが言うから私の推測ですけれども多分持っているんじゃないんですかというのは、これは全く私は根拠として理由、納得いかないんですけれども、明確にどの時点でどのように明らかになったのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) イラクは過去に使ったわけですね。三万人を、クルドに対して使用し、それからイランで数千人をやはり死傷させたということがあるわけですね。 それで、九八年のUNSCOMの査察の時点で幾つかの疑問が出されていた。それに対してイラクは答える義務があるわけですね。これについて十二月の七日の段階の報告で出してこなかったということですね。それから、その出してきたのは前々からの資料である。これをイラクが平和的に問題を解決しようと思ったら非常に簡単にできる話、それを出してこなかった。 我々は疑わしきは罰せずではないんですね、これは。疑わしき、疑わしい人が疑わしくないということを自分で言わなきゃいけない。そういう、査察というのはそういうものであるということです。イラクはそれをやらなかった。イラクに問題があるとこれは考えざるを得ないということです。
○榛葉賀津也君 じゃ、疑わしかったら空爆を開始することはできるんですか。
○国務大臣(川口順子君) それは、そういう飛躍をした議論では私はないと思います。疑わしいから我々としては査察をやり、そしてイラクが協力をさせる。これはみんなが言っていますけれども、それはフランスでも認めていますけれども、圧力が掛かっていてイラクが前向きに協力をする。その二つの条件があって、それで協力をすることが、しかも小出しにしかしないという世界であった。したがって、今、日本が考えましたのは、必要なことは国際的に一致をしてメッセージを送る、イラクに対して毅然として国際社会が一致して出しなさいということであったわけですね。 それで、それをその一部の常任理事国はそれに対して拒否権を行使をすると言って、総理特使もイラクの副首相と話しましたけれども、それが間違ったメッセージを送っていて、イラクは今すぐに対応しなければいけないとは全然思っていない。この状態で査察を続けていって、じゃ大量破壊兵器の廃棄が可能かどうかというこれは判断があったということです。 それで、それがそういう形でできる、国際社会が一致してメッセージを送ることができない以上、一番の問題は大量破壊兵器を廃棄することですから、それをやるための一番有効な手段に、やりたくないけれどもやらざるを得なくなったと、そういうことだと思います。
○榛葉賀津也君 またその点については後ほど触れますけれども、このブッシュ報告を原文でも日本語訳でも両方読んでみると、あいまいなこと、まだ明確でないことを次々にブッシュさんは断言していくんですね。 ブッシュ演説に戻りたいと思います。イラクはテロリストを支援してきた、テロ組織アルカイダの工作員の訓練も対象になっている、テロリストはイラクの支援を得て生物化学兵器を使うかもしれない、これはもう随分言っちゃってると思うんですよ、私は。 これは、イラクがテロを支援してきたという証拠が、大臣どこにあるんですか。
○国務大臣(川口順子君) イラクがテロを支援したかどうかということについては、イラクの北部にテロリストがいたとか、そういう情報はありますけれども、我が国として主体的に持っている情報においては、イラクが組織的にテロリストを支援を、(発言する者あり)アルカイダ、テロリストじゃなくて、ごめんなさい、アルカイダを支援をしていると、そういう情報は我が国としては持っていないと、組織的にアルカイダを支援したという情報は持っていない。 ただ、テロリストのコンタクトはイラクとあったという情報は持っています。
○榛葉賀津也君 イラク人のテロリストがいたと言いますけれども、日本人のテロリストもいましたよ。 続いて、イラクがBC兵器を持っているという根拠はどこにあるんですか。
○国務大臣(川口順子君) これはすべての、それぞれ一つ一つお尋ねですので一つ一つお答えしていってもいいですけれども、我々が気にしているのは、心配をしているのは、イラクが証拠を積極的に見せない以上、そしてその前提として国際社会が持っている疑念がある以上、懸念があってそれをイラクがきちんと対処しない以上、日本政府としては、このイラクの大量破壊兵器が拡散をし、ほかの国あるいはテロリストの手に渡って日本人の財産、生命に影響を与えるということを懸念をする。 今、何千人か何万人かの方が、あるいは何十万の方が難民になるとか、そういうことになる状況になるというのは非常に嫌なことですけれども、将来的にそれを、何百万の人が傷付く、あるいはこの近隣の安全保障情勢を考えたときに、そういった悪いメッセージを送るかもしれないということを考えて総合的な判断であって、一つ一つのことについて、これが確実である確実でないと、そういう議論ではないと思います。
○榛葉賀津也君 でも、それがブッシュ演説がそうだから戦争を始めると言っているんですね。イラクがテロを支援した証拠がある、イラクがBC兵器を持っている、テロリストがそのBC兵器を使う、だから攻撃するんだとブッシュは断言しているんですよ。そして、この何も定かじゃないことを断言して、それを小泉総理は日本として支持すると世界に表明した。 これ大臣、いつも私たちに言うじゃないですか、未来の話とか将来の話とか仮定の話というのは根拠にならないと。これ、根拠にならないんじゃないですか。何も明確じゃないですよ、何を取っても。
○政府参考人(林景一君) 武力行使の根拠ということでございますので、若干、法理的な説明を申し上げた方がいいと思うんでございますけれども。 この決議一四四一を是非改めて見ていただきたいわけでございますけれども、先ほど申しました決議一四四一のパラグラフ一でございますけれども、ここで、六八七で要請されている行動の完了をイラクが怠っていることにより、決議六八七を含む関連する決議に基づく義務の重大な違反をこれまでも犯し、また依然として犯しているということを決定すると。これを全会一致で決定したわけでございます。 したがって、イラクはそういう国際監視下におきます武装解除、大量破壊兵器の武装解除というものを行いますということを前提にして、それを条件にしてその停戦の状態が成り立っているという仕組みでございまして、その義務を怠っていないということを、その武装解除の義務を遵守する最後の機会を与えるということでございますので、これを、その最後の機会を生かすということをイラクがやらなければいけないわけです。 それはもう、違反しているということはもう国際社会、安保理が全会一致で認定しているんだと、そこから出発していただくことが必要だということでございます。
○榛葉賀津也君 そんなことを指摘しているんじゃないんです、法解釈を。 現実問題として、まだ定かじゃない、可能性があるかもしれないけれども、私もそう思いますよ、持っているかもしれないと思う。でも、断定はできないでしょう、明確に。そこがブッシュが、私は、すべてファジーなことをすべて断言してさあやるんだと言っている、それがおかしいんじゃないですかと言っているんです。 こうも言っています。恐ろしい日が来た、恐ろしい日が来る前に危険を排除する、自国の安全を守るために武力行使の権限がある、私たちは行動を起こす、行動を起こさないリスクの方が大きいからだと。 これ冒頭、大臣も明言されていますけれども、アメリカの今回の武力行使は自衛権の行使では図れないはずですよね。これ、でも完全に自衛権の行使による武力行使というような発言をしていますけれども、これに対する大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(川口順子君) イラクに対してブッシュ大統領は、同時にここで言っていますのは、依然として有効な安保理決議六七八、六八七、これブッシュのスピーチの中ですが、によって、米国及び同盟国はイラクの大量破壊兵器の廃棄のために武力行使をすることを容認されているということを言っているわけですね。ですから、正に目的は大量破壊兵器のためであって、安保理の決議六七八、六八七によってこれを行うということを言っています。
○榛葉賀津也君 大臣ね、ダブルスタンダードなんですよ。原文を読んでも日本語を読んでも、明らかに自衛権の行使でこの先制攻撃をやるということが読み取れますよ。九月の時点で、国家安全保障戦略会議でもテロ攻撃の阻止に向けて先制攻撃があり得るとアメリカは言っている。二月四日も、テロとの戦いに関する国家戦略と題した文書でも先制攻撃はあると言っている。 これ、正に先制攻撃だと思うんですけれども、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、この攻撃が、あり得る攻撃が先制攻撃ということで、要するに自衛権の発動としてなされるというふうに米国が考えているとは考えていません。これについては、米国もそういう、ブッシュ大統領もそう言っているわけですし、英国の法務院についても同じような見解を持っています。 それで、当然に、一国の大統領は自国民の生命と財産を守る、守らなければならない、これは当然であります。そして、当然なことをやると言っていることが、それが自衛権の行使であるという理解とは同じではない。我が国もなぜ支持をするかというと、これは日本の国民の生命と財産を脅威から守るためであります。それは自衛権の行使ということは一言も言っていないわけです。 何を理由付けにして行うかということと、その究極のところにあるねらいとするもの、国民の生命と財産を守るということと同じにするということではないと思います。
○榛葉賀津也君 これは、もう自衛権自衛権と、もうこれペーパーに書いてあるじゃないですか。ブッシュだって言っていますよ、もう。自国を守るために攻撃をするんだと。これ、自衛権でなくて何ですか。 川口大臣は、ブッシュ同様、以前から、この戦争はイラク対国際社会の戦争であるというふうに言い続けていらっしゃいました。ただ、この演説を読むとよく分かるんですけれども、これ、イラク対国際社会でも何でもないんですよね。正にイラク対アメリカ、若しくはイラク対米英、こういう格好なんですけれども、現時点で国連加盟国百九十一か国のうち何か国がこの行動を支援しているんですか、支持をしているんですか。
○国務大臣(川口順子君) 一番直近の数字は知りませんけれども、今のところ、四十五というふうに聞いています。 それから、フランスですら、これについては、もしイラクが対化学兵器、あるいは生物化学兵器を使うことがあれば問題は全然違うということを言っているということです。
○榛葉賀津也君 それは、もう戦争が秒読み段階になって政治的に現実対応としてどうしようかというから四十になった。アメリカが演説をして即座に表明したのは三十か国ですよね。 私は、国連主義、国際協調を日本が捨ててアメリカに賛同していると、もう今戦争に直面していますからこのような議論はこれくらいにいたしますけれども、これは大臣、これが、こういった行動が、こういった支持表明が、国連主義を捨て、国際協調を捨て、アメリカ一国支配主義に賛同するということが我が国の国益にかなうと大臣はお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 国連協調主義、これを守っているのが仏独であり、破っているのが米英のようなプリゼンテーションがなされているというのは、私は間違いだと思っています。 国連というものを大事にするということはどの国も考えているわけで、アメリカ、イギリスが考えていることは、国連の権威を守るということのためには国連が一致をしなきゃいけない、一致をして行動をするべきであるという考え方であると思います。 国連は一四四一で、サダム・フセインに対して、守っていないではないか、そして、それを、それに最後の機会を与えて、守らなければ重大な結果に遭遇をするということを言っているわけですね。国連がそう言って、そういう決議をして、その次に守らないときに行動できないような状況であれば国連の権威は地に落ちる、国連の権威を守らなければいけないというのが米英の考え方であると思います。独仏では今、委員がおっしゃるような違う考え方をしている。 これは違う、国連の権威をどうやって守るかということについてはいろいろな考え方が少なくともあって、ですから、片方が国連協調で片方が国連を無視しているという図式は全く該当しないと思います。
○榛葉賀津也君 それでは、なぜアナン事務総長が本日は国連と国際社会にとって悲しい日であると言うんでしょうか。米英が国連を軽視しているからアナン事務総長は悲しがっているんですよ。 アメリカは国内法があります、大臣、御承知のとおり。イラク解放法。イラクの政権を変えてイラク国民を解放するというアメリカの国内法なんですね。アメリカは憲法が最高機関であって、国連憲章などよりも、の国際法よりも上に位置されていると。アメリカの今回の行動を支持するということは、大臣もこのアメリカの国内法上位主義というものを認知されるんですね。
○国務大臣(川口順子君) アメリカの国内法、今、委員がおっしゃった国内法と国際法の関係については違う意見を持っていますので、あと条約局長から御説明をしたいと思います。
○政府参考人(林景一君) アメリカのこれは……
○榛葉賀津也君 簡潔にお願いします。
○政府参考人(林景一君) はい。成文法ではございませんので、判例の積み重ねでございますけれども、基本的には国内法と条約というのは同位にあるというのが従来の判例であると承知しております。 他方、国内法を理由に国際的な義務を免れることはできないというのは、これは確立された国際的な原則、法理、原則でございます。
○榛葉賀津也君 私は、現実問題としてこのイラクの空爆は先制攻撃だと思うんですね、先制攻撃。今るる説明をいたしましたけれども、国連決議に基づいた攻撃であるということは、私、全く皆さん、ほとんどの国民も感じているように、納得しておりません。だからこそ国連がこれだけ割れているんですよね。にもかかわらず、自衛権の行使によって先制攻撃をやっていくと。 こんな先制的な自衛若しくは自衛のための先制攻撃というものを認めてしまったら、これから国際秩序というのは歯止めがなくなりますよ。次はイランを攻撃する、シリアを攻撃する、ひいては北朝鮮も先制攻撃で危ないからやるんだということになっていく。ロシアはチェチェンをたたく。パキスタンがインドを、インドがパキスタンを、クルドと、攻撃すると。様々な歯止めがなくなってくる。 この論法でいくと、アメリカの北朝鮮への先制攻撃が私は論理的に成り立つと思うんですけれども、大臣はどうですか。
○国務大臣(川口順子君) イラクに対しては六七八という決議があるわけですね。六七八があって、その必要な措置を取るということがあるからこそ、そしてそれ以降の、それに停戦をするためのあと六八七があって、それ以降の一連の決議をイラクが守ってこないからこういう事態があるということであって、今、ほかの、イランとかおっしゃいましたけれども、そこに対して六七八があるわけではない。イランあるいはそのほかの国、ちょっと特定の国を挙げると問題がありますから挙げませんけれども、もしそういう決議がどこかの国に対してあったとしたら、それはそういうことは国連によって容認されるわけでして、ないわけです。そこが違い。 それからもう一つ、アナンさんがそういうことを、今日は悲しい日だとおっしゃったということについては、それは私も思いますけれども、それは、協調できなかった、国連としてまとまれなかったことについて言っているので、どちらが悪いということを言っているわけでは全くないです。
○榛葉賀津也君 国連がまとまらなかったということは、国連のあるべき姿が問われてきたということですよね。それを悲しんでいる。全くそのとおりだと思いますよ。 そして、今おっしゃった、安保理決議に基づいてやっているんだと。でも、先ほど来ずっと言っているように、大臣の解釈はそれで結構でしょうけれども、我々普通に考えたら、クウェートのことを言っている六七八に戻って攻撃やるなんというのは、これ、論理矛盾があるし無理なんですよ。それが見解の相違だとおっしゃるかもしれない。でも、この基本的な安保理決議の問題に関して世界が一致をせずに解釈の問題で攻撃できる、できないなんといったら、これどうなってくるんですか。 解釈できない人たちがどんどんこの先例を事例にして、これ、とんでもないことになってくると思いますよ。 引き続きお伺いしたいと思います。 フセインとその息子たちを四十八時間以内にイラクを去らなければいけないと、否定するなら軍事攻撃に、軍事行動に踏み切ると。フセインやその子供たちに国外退去、すなわち亡命をするということを求めることのできる法的根拠は何ですか。
○政府参考人(林景一君) 先ほど来申し上げておりますとおり、米英等が今、武力行使を行うということについて容認される、得る根拠というものは決議六七八でございますけれども、決議六七八は、先ほど来申し上げておりますとおり、地域の平和と安全を回復するために、加盟国に対し、あらゆる必要な措置を取る権限を与えておるわけでございまして、これは、そのあらゆる必要な措置というものは、正に武力行使を行ってすらその行動を取ることができるということでございます。 今、恐らく、国外退去の要求とおっしゃいましたけれども、これはひとえにその武力行使という一番極端な行動に至らないようにするために呼び掛けているという話だろうというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 大臣にお伺いをしたいと思います。 話題を変えて、中東の民主化と日本のこれからの中東政策について少し大臣と議論をしたいと思います。 ブッシュは中東の民主化を目指すと演説の中で明言しておりますし、昨今のアメリカの政治潮流を見ても、アメリカ政権が、PNACであるとかネオコンと言われる方々も主張をして、体制転覆も含む民主化路線にあるということは、これはもう明白な事実だと思うんですけれども、日本の政策として、民主化への体制転覆ということは目指しているわけではないですよね。
○国務大臣(川口順子君) 日本の政府として考えていることは、それぞれの国の政府はそれぞれの国民が選ぶべきであるということです。そして、中東の和平の問題というのは、中東の地域の平和あるいは発展の根本的なかなめの部分であるというふうに思います。これについては我が国も、委員御案内のように、いろいろな働き掛けをイスラエルにもパレスチナにもやって、ロードマップも作り、働き掛けているということです。 それで、一般的に、我が国は民主的な、民主主義を守っている国ですから、民主主義という価値が一国の持つべき価値として非常に重要であるというふうに思っています。ですから、いろいろな国において民主主義というのがあればその方が望ましいということは当然思っています。ただ、それを転覆をしてやるということは、日本もそうですし、アメリカもそういうふうに思っているとは思いません。
○榛葉賀津也君 いや、アメリカは体制転覆して民主化を目指すとあちこちで言っていますよ。 日本は、私は大臣のおっしゃったとおり、その姿勢であるべきだと思います。大量破壊兵器はあっては決していけない、それは大原則です。すべての大原則。そして、今おっしゃったように、私も民主主義の意義というものを大臣同様共有します。しかし、それをイラクに押し付けるかどうかというのは、それは別問題であって、イラクの体制はイラクが決める問題であると思いますね。そのとおりだと思います。 では、大臣、開戦後、我が国の政策としてどのように外交政策を、中東外交を展開していくお考えなんですか。具体的にどのような周辺国に支援をし、また、イラクへのアプローチはどのように考えているんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 今、具体的な検討を急いでやっておりますけれども、難民支援そして周辺国の支援に対しては、我が国としても今まで平和の定着の活動や人間の安全保障についての活動をやってきましたので、我が国としてやるのにふさわしい、そしてほかの国からも要望の非常に高い分野だと思っています。 それから、復興支援という分野がありますけれども、これについては石破長官が先ほどおっしゃったかと思いますけれども、どういうような状況でこれが終結をするかということにもよりますので、はっきりしたことは今の時点ではなかなか申し上げにくいわけですけれども、我が国としては、自分自身が戦後の廃墟から立ち上がった、そして経済や行政のシステムやいろんなことを立ち上げてきた経験を持っているわけですから、こういう段階で日本として貢献できることというのはいろいろあるのではないかというふうに思います。
○榛葉賀津也君 いずれにしろ、復興支援には何らかの形で参加していくということだと解釈をしています。 日本は、大臣御承知のとおり、アラブともイスラエルとも大変緊密な良好なバランスのある外交を展開してまいりました。よく、日本の外交が三流だとか外務省が駄目だとか面白おかしく言う方もおりますけれども、私は、一人の日本人として、海外で生活をしているときも日本外交や日本の外交官の努力というものに大変敬意を払って、今でもいる人間であります。とりわけ、このODA外交というものの意義というのは私、非常に大きかったと思うんですよ。 過去四十年間にわたって、現場で本当にJICAや外交官の皆さんが汗をかいてこられた。鈴木宗男事件によって非常にゆがめられたODA像も浮かび上がってきておりますけれども、私はODAの評価は評価として評価しなければいけないと思うんです。 私は、現在でも日本はODA外交をしっかりときっちりと進めるべきだと思いますし、規模を縮小するべきでないと信じている政治家の一人であります。この歴史を考えると、今、日本が外交としてイラクにやろうとしていることが私は背反すると思うんです、相反すると思うんです。正に長年にわたって信頼を醸成してきた、ODA外交で日本がきっちりとした国家間の関係を作ってきた、正にこの空爆ですべてが私は水泡に帰す可能性がある。ずっと政治的に中立でODA外交を進めて、イスラエルともアラブとも良好な関係を我が国で作ってきたじゃないですか。この今の外務省の行動というのは、自らの首を、大臣、絞めることになりませんか。
○国務大臣(川口順子君) 委員のODAに対するお考え、そして外務省に対する御期待、非常に有り難く思っています。 それで、中東との日本はおっしゃったように非常に今まで近い関係を持ってきて、お互いに国民同士で友好的な気持ちを持っている、これは今も続いていると思います。 今度のことについて言うと、イラクの周辺の国、この国も、決してその国々はサダム・フセインにいい感情を持っていない、そういう状況であると思います。戦乱、戦火が及んでしまうことになりそうだというのは非常に残念ですけれども、我が国としてやはり中近東の安定、それへの努力と並んで、また同様に、あるいはより重要なことが大量破壊兵器について二十一世紀、テロリストや他の国家にこれが渡って、あるいは開発をされて、何百万、場合によっては何千万の人間が死傷することになるようなことがないように、国際社会として毅然としてこれに対応するという、これは第一回目のテストケースであるわけですね。これをやることを国際社会が失敗をしたら、二十一世紀には非常に大きな脅威が存在をすることになると思います。 ですから、中近東は大事ですけれども、大量破壊兵器をこの世の中から、この世の中に許さないという観点からこの政策をやるということも日本にとって私は重要だと考えています。
○榛葉賀津也君 四十年の節目のODAの歴史のこの年に、恐らくイラクの復興支援でまた緊急ODAが発せられるんでしょう。さんざん使ってきたこのODA外交、そして苦労して構築したアラブ諸国との人間関係、それを戦争でずたずたにして、また戦争が終わったらあたかも慰謝料のようにODAをばらまいて札束外交をやると。そういったものをなくそうとして、もう少し戦略的に、計画的に、将来的展望を見てODA考えていこうというから、今ODA大綱の見直しをやっていると思うんですね。 私は非常に、小手先の議論ではなくて、我が国の外務省予算の七割以上を使っているODA、世界から尊敬をされているODA、私は先月イスラエルに行って、現地で頑張っているJICAの現地職員や今井大使を始めとする外交官の方々と会ってきました。彼たちの本当にこの緊張感の中においても汗をかいているあの姿には本当に敬意を表したいと思います。これだけ苦労してきて構築しているODA外交の私は根幹を揺るがしかねない非常に軽率な日本外交というのを改めて指摘をしておきたいというふうに思います。 少し話がそれますけれども、大臣、アメリカ文化について少し話をしたいと思うんです。 ブッシュだけじゃなくて、アメリカ人はよく演説の後に、このときもそうですけれども、神の御加護をと必ず言うんですね、神の御加護をと。このブッシュの言う神というのはヤハウェの神だと思うんです。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の信じるヤハウェの神。ユダヤ教もイスラム教も、もっと言ったらドゥルーズやサマリア人だってこのヤハウェの神を共有している。私は決して、ゴッド・ブレス・アメリカじゃないですけれども、神がアメリカだけをひいきするとは思っていません。 アメリカ文化にも大変精通している川口大臣ですから、是非私に教えていただきたいと思うんですけれども、アメリカは憲法で政教分離や宗教の自由というものを明確にうたっていますよね。じゃ、どうして大臣の任命式で聖書に手を置いて宣誓をしたり、ジーザスの誕生日である十二月二十四日が国のナショナルホリデーになったり、そして大統領の演説の最後にメイ・ゴッド・コンティニュー・ツー・ブレス・アメリカと言うのかと。アメリカにはキリスト教や、キリスト教の言うこのヤハウェの神以外のものを信じている人がたくさんいると思うんです。宗教を信じていない人もたくさんいると思うんです。なぜアメリカはこういうことになるのか。そして、宗教の自由や政教分離というのは本当にアメリカにあるんでしょうか。大臣の個人的な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 大統領の宣誓式で、あるいは裁判官や判事の宣誓式、任命式で聖書が使われるということがなぜかということは、私は存じません。 宗教と政治の関係、あるいは宗教と教育の関係、そういったことについてはかなりオープンにアメリカでは議論をされていると思います。アメリカについては榛葉先生の方が私よりもお詳しいと思いますけれども。そういったことについてアメリカの、サラダボウルたるアメリカの中で異なる宗教をどのように社会に位置付けていくかということについては、私はアメリカの社会というのは真剣に議論をしてきていると思います。それはアメリカの国柄からして、上からこうあるべきということを押し付けるわけではなくて、それぞれのコミュニティーあるいはそれぞれの州、そういったレベルで議論がなされ、それぞれの多様な解決方法がなされているというふうに思います。
○榛葉賀津也君 私は、党派を超えて、我々が外交をやっていくときに、アメリカというのは基本的にキリスト教の国なんだという基本的なポイントを押さえておく必要がある。 ヨーロッパに行って、神を信じますか、亡くなった後天国に行きますかと、はいと言う人が五割を切る、所によっては四割を切る。ところが、アメリカにおいては八割なんですね。非常に信仰心が厚い。だからどうこうということは言っていません。その事実を我々は知るべきだということ、そして、我々は何げなくふだん生活していますが、なぜ今年が二〇〇三年の三月何がしなのか、なぜ一週間は七日あるのか、なぜ七日のうち一日が休みになっているのか。私たちは何げなく生活していますが、すべてに理由があって、この理由によって世界が大きく回っていく。基本的なことかもしれませんが、我々一人一人が、教育の現場においても政治の現場においても、そして地域社会においても、このなぜを常に共有していく必要がある。そして、それをやってこなかったから、私は日本の外交がその場限りの、防衛問題もそうであります、その場限りの議論になってしまう。是非これから、こういった議論をこの委員会の場でも大臣たちとしていきたいと私は強く要望したいと思います。 あと二点お伺いしたいと思います。 私が一番今心配をしているのはパレスチナ問題でございます。イラクが再びリンケージ論をかざしてやけっぱちになってイスラエルを空爆する可能性がないとも限らない。キャパシティーの問題で疑問はあると思います。しかし、このイラクの問題に決してパレスチナ問題とリンクをさせてはいけないと思います。そして、イスラエルもこれをしっかりと肝に銘じなければいけないと思います。 大臣はイスラエルに対してどのようなアプローチをしてまいりましたか。
○国務大臣(川口順子君) 日本のまず中東和平問題、これが中東地域の平和と安定を考えるときのかなめの問題であるということだと思います。 これについては、有馬特使がもうここずっと、一年以上御活躍をいただいていまして、ごく最近でも、二度、有馬大使にこの地域に行っていただいて、日本の中東の和平についての姿勢、あるいは今後の進め方についての議論をしてきていただいています。これは非常に時間の掛かる長いプロセスでなかなか御案内のように早く進まないということが残念ですけれども、これは粘り強くやっていかなきゃいけないし、この間、ブッシュ大統領も発表しましたけれども、ロードマップが示されて、その首相が、パレスチナの首相が実権を持つような形になって、この話合いが現実的に進んでいくという形になることがこの際特に重要だと私は思っています。
○榛葉賀津也君 是非、その視点を忘れていただきたくないと思います。 時間が参りましたけれども、最後に一点、質問できませんでしたけれども、私の考えを申し述べたいと思います。 この問題を語るに当たって我々が忘れていた視点があると思うんです。それはアジアの視点だと思うんですね。私は、九・一一の直後に総理がワシントンに飛んだとき、朝日新聞に、なぜアジアやアラブ諸国を回ってからワシントンに飛ばないんだという記事を投稿させていただきました。今回も同じでございます。ワシントンとの関係も大事、そして中東と現地との関係も大事。しかし、なぜ我々は、このアジアのコンセンサスをまず取る、アジアのコンセンサスとして大量破壊兵器をなくそう、そして独裁政権というものも少しずつ縮小していこう、そのメッセージをアジアとしてなぜ発することができなかったのか。そして、そのプレッシャーをイラクにも掛けていく。そのメッセージをワシントンにも送っていく。 この問題は、私、三次元方程式だと思うんです。イラクから大量破壊兵器をどうやって撤去させるか、そしてどうやって平和的にこれを解決できるか、そしてそれをどのように国際協調してこの問題に対処していくか。この三つが解ければ、平和的に日本が一番国益にかなう形で解決できたはずです。その問題がないから苦労したんですね。アメリカは大量破壊兵器を除去する、それはどうして、武力で。しかし、それは平和的でもなければ国際協調でもない。フランスやドイツもきれいなことは言ったかもしれない。しかし、国連の中で、NATOの中で国際協調、そしてそういった問題はできなかったじゃないか。そして、平和的に解決しようと言っているだけでは、現実問題にイラクがこの大量破壊兵器を小出しにしか出さない。 この三つの方程式を解けば、私はこれは平和的に解決できる、そのキーが私はアジアだと思うんです。日本の外交がこれからアジアの視点をきっちり持って、中国も韓国もフィリピンだってインドネシアだって、せっかく今、九・一一以降、イスラム諸国の中でもアジアの中でも原理主義によるテロをなくしていこうと、反テロの機運が高まってきた。しかし、これによってまた再び嫌米感情、反米感情が高まってきて、現実問題、東南アジアもテロが始まってまいりました。また振出しに戻ってしまう。今こそ日本がアジアの視点にもう一度返って、アジアでまとまっていこう、少なくともアジアの中は大量破壊兵器をなくしていく、平和的に解決していく、そして独裁政権を許さないんだというメッセージを、日本がリーダーシップを持ってきっちりとメッセージを送っていく、これに私、大きなこれからの日本の役割があると思います。 私の所見を述べて、質問を終わりたいと思います。
○高野博師君 イラク問題について何点かお伺いしたいと思います。若干、同僚議員の質問と重複するところがあるかもしれませんが、お伺いいたします。 まず、イラクの問題について、このイラクの問題の本質は何だとお考えでしょうか、外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 私は、イラクのこの問題の本質というのは、大量破壊兵器の拡散から人類をどうやって守ることができるかということだと思います。この大量破壊兵器が問題であるということは日本は特によく分かっているわけでして、核についても生物化学兵器についても非常に厳しい対応を今までしてきているわけです。これが冷戦終了後、世界で拡散をしていって、それが自律できない人たちの手に渡って、自律というのは、律することができない人たちの手に渡って拡散をしていく。それは、日本としてサリン事件が、二億人分のサリン事件が起こせるようなそういうような状況にあるということは、これを事前に国際社会として毅然とした態度で止めておくということが大事である、これが本質だと思っています。
○高野博師君 そういうことであれば、このイラク問題に対する国際社会の対応というものが適切な対応でなければ、この大量破壊兵器がテロ組織あるいはテロリスト、その手に渡るという、あるいはその彼らに対して誤ったメッセージというものを送ることにならないかということを懸念しているわけであります。その点でのアメリカの、あるいは英米等の対応についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 国際社会が協調してそういったメッセージをきちんと送るということが非常に重要であったというふうに考えます。それがその新しい決議が望ましいと日本が言っていた、それは正にそういうことであったわけですけれども、一四四一まで、六七八から一四四一までの十何年間、これは国際社会は非常にこれを協調してうまくやってきたと思います。ただ、それがその最後の段階になって一緒の行動を取ることができないばかりか、イラクに対してこれをサボっても大丈夫だというメッセージを送るようなことになってしまったということは、私としては非常に残念であります。 国連として一四四一を作って、イラクに対して最後の機会を与えてイラクに迫った以上は、最後の機会というのは二度も三度もあるという状況であってはいけないわけで、国連として一四四一のメッセージを貫徹する、これのそのための協調行動がなかった以上、国連の権威を守り、国連のその信頼性を将来にわたって確保するためにアメリカが苦渋の決断をやったということについて、それはそういう結末になったのは、戦争という結末になったのは残念ですけれども、これはやむを得なかったというふうに思います。
○高野博師君 アメリカは最後通告を突き付けましたけれども、武力攻撃も時間の問題ということでありますが、その武力攻撃の法的根拠は何かと、国際法違反だという声もかなりありますが、また、アナン事務総長が武力行使の正当性には疑問があるという発言もしておりますが、これについてはどうとらえておられるでしょうか。
○政府参考人(林景一君) このあり得べき米英等の武力行使につきましては、一連の国連決議六七八、六八七、一四四一を含みます一連の国連決議によりまして正当化され得るものでございまして、国連憲章に合致する国連の枠内の行動であるというふうに認識しております。 すなわち、湾岸戦争で侵略をしましたイラクに対して、国連加盟国による武力行使が容認された決議六七八がその停戦、先ほども申しましたが終戦ではございません、の条件として、査察下での大量破壊兵器の廃棄等を義務付けたわけでございます。これがその義務付けた、条件を義務付けたのが決議六八七でございます。 しかし、その後何本もいろんな非難決議等も出ましたが、あるいは一切、武力行使も行われたりしておったわけでございますけれども、イラクは長年その義務を履行いたしませんで、それで昨年十一月に決議一四四一、全会一致で決議六八七を含む関連決議の重大な違反が認定されたということでございまして、その際、直ちにしかし、それで六七八に戻るといったことではなくて、最後の機会を与えられたということでございます。しかしながら、遺憾ながら違反が是正されなかったと、完全な協力が得られなかったということでございまして、重大な違反が継続的に起こっているということで、決議六八七の停戦の基礎が崩れた、これは重大な違反ということでございまして、軽微な瑕疵あるいは手続的な違反ということではございません。その重大な違反というものを認定し、それが発生したということで、この六八七の基礎が崩れた、その結果として六七八によります武力行使が再び容認されることになったと、こういう立論でございます。 それから、アナン事務総長の発言でございますが、先ほど大臣もちょっとお話しになられましたとおり、基本的には安保理が一致して行動できなかったということについてお話し、嘆かれたということだろうと思います。 それは、たしか十七日の記者会見での発言あるいはその報道におきまして、アナン事務総長が米英等のあり得べき行動についての合法性に疑問を投げ掛けたといった形で報じられておりましたが、私の理解では、アナン事務総長の発言というのは、もし安保理の支持を得ずに行動が行われるならば、「its legitimacy will be questioned and the support for it will be diminished.」ということでございまして、レジティマシーという言葉をあえて、リガリティーということでなくレジティマシーという言葉を使っておられることも私は個人的には注意深く言っておられるのかなと思いますけれども、基本的には、クエスチョンするのは受け身のことでございまして、やはり国際社会としての一致した行動が行われないと、安保理としての一致した行動が行われないということであれば、十分な正当性を持って一致した支援が得られるということがないだろうという見通しを言われたものだというふうに受け止めております。
○高野博師君 ちょっと確認したいんですが、レジティマシーというのは正当性という訳と違うんでしょうか、今、合法性とおっしゃいましたけれども。
○政府参考人(林景一君) いや、済みません、失礼しました。 いや、これはアナン事務総長の発言でございますので、私が余りとやかく言うべきではなかったかもしれませんが、レジティマシーというのは通常、正当性と訳し、合法性をもし問題にするのであれば恐らくリガリティーという言葉を使われたであろうというふうに私は受け止めておるということでございます。
○高野博師君 したがって、アナン事務総長は、これは違法だという言い方はしていないということですね。
○政府参考人(林景一君) 米英の行動そのものについて違法だという発言はなさっておらないというふうに受け止めております。 念のために申し上げますけれども、この六八七、六七八の法理につきましては、先ほど九三年、九六年、九八年と三回、済みません、少なくとも六七八に戻って、湾岸戦争の停戦以降、つまりクウェートからのイラク軍の撤退というその目的がもう達成された後の話として、九三年、九六年、九八年にイラクに対する武力行使が決議六七八に基づいて行われているわけでございますけれども、例えば九三年一月のイラクに対する武力行使の際には、当時のブトロス・ガリ国連事務総長が、この措置は、イラクが決議六八七に違反したことが原因であり、決議六七八に従って合同軍が安保理により与えられた権限に基づくものであるとの見解を明らかにしているところでございます。
○高野博師君 十八日の夜にイラクのサブリ外相が、この日のために準備してきたというような発言をしているんでありますが、この先制攻撃かあるいは予防攻撃なのか、こういう点、この点についてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 先制攻撃、予防攻撃というものがいかなるものかというのは、いろいろ、学説上いろんなことはあろうかと思いますけれども、基本的には、巷間考えられておりますのは、自衛権の発動のタイミングといたしまして、攻撃が発生する前に攻撃をするというようなことかと思うわけでございますけれども、今回の、今の文脈におきましては、あり得べき米英等のイラク武力行使といいますのは、先ほど申しましたとおり、国連の安保理決議に基づいて国連の枠内で行われるものでございまして、自衛権によって説明しなければならない、そういったものではないというふうに受け止めておりますので、予防攻撃とか先制攻撃といった話ではないということでございます。
○高野博師君 ブッシュ大統領が国家安全保障を確保する権限があるという発言をしておりますが、アメリカは、国益ということに関しては国防政策の中で幾つか、四つぐらいのカテゴリーに分けておりまして、バイタルな、死活的な国益あるいは重要な国益、それ以下の国益、幾つか分けた中で、バイタルな国益の中の第一番目に核兵器あるいは生物・化学兵器によって攻撃を受けたときという項目がありまして、その国益を守るためには、一方的に単独で軍事力を行使してそれを排除するということもあるというのが国の方針、国防政策の中に入っているわけでありますが、基本的にアメリカというのは、国際社会あるいは国連というこの枠組みを外れても死活的な国益が侵害されたときは武力を行使するという、そういう考えを持っていると思うんですが、その辺はどうとらえておりますか。
○政府参考人(林景一君) その辺り、必ずしも法的な問題なのかどうかあれでございますけれども、少なくともアメリカのいわゆる国家安全保障戦略におきましては先制行動という言葉が使われておりまして、非常に巷間議論を呼んだところでございますけれども、これは必ずしもその攻撃を、失礼しました、その武力行使を意味するものではない、テロのいろんな脅威に対して先手先手を打って行動していかなければならない様々な対応というものを取っていかなければならないということも含んだ話だというふうに考え、受け止めております。 ただいずれにいたしましても、今回のこの行動に関しましては、先ほど来申し上げておりますとおり、一連の国連決議によりまして正当化されるものでございまして、先制攻撃と受け止める必要はないということでございます。
○高野博師君 それでは、アメリカの、アメリカとまた一方の、米英と仏独、これが安保理の中で対立をしたわけですが、査察を継続するかどうかというような、これをめぐってのその背景に、アメリカのユニラテラリズムと、あるいは仏独のそれに対する反発といいますか、そういうものが背景にあるんではないかと思うんですが、この辺はどういうふうにとらえておられますか。
○国務大臣(川口順子君) 査察を継続するか、あるいはもう継続をしても有効でないと考えるか、この違いの一番根本的なところは、イラクが積極的に査察に対応しているかどうか、あるいはするつもりがあるかどうか、そこについての判断の違いということがあると思います。査察が有効であるというところと有効ではないという国と違う、現状認識の違いだと思います。 それが基本的な違いだと思いますが、これは私は安保理の会議に直接入っているわけではありませんので確定的に申し上げることはできませんけれども、巷間よく言われていることは、アメリカ、超スーパーパワーたるアメリカに対して多極的に国際政治は動くべきであると考えるフランスとの政治的な対立というんでしょうか、そういうことがあったということはよく言われていると思います。 ただ、それがどれぐらいの強さを持って存在をするかどうかということについては、私の立場からは確たることは申し上げられないと思います。
○高野博師君 我が国は、自国の平和と安全、繁栄を国連中心主義という、この国連中心主義あるいは国際協調主義という形を取ってきたわけですが、今回の米英等の行動によって国連中心主義、我が国の国連中心主義が影響を受けないかどうか。あるいは、今、国連のシステムというそのものに、今回、国際社会の一致団結が得られなかったという、一致結束が得られなかったという問題があるんではないか。私は国連改革というのは今は正にそういうチャンスではないかと思うんでありますが、日本がイニシアチブを取って、安保理の改革も含めて国連改革を推進していくということは必要ではないかと思うんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるとおりだと思います。今、国連、いろいろな立場からいろいろな見方で国連について考えるきっかけがここにあるということは事実だろうと思います。ですから、我が国としては、その改革を今までずっと推し進めてやってきたわけですし、それを積極的にやる立場でございます。改革については引き続き進めていくという考えでおります。 なお、国連がこれで機能を失うんではないかという危惧があるわけですけれども、私はそれは全くそういうふうに思っておりません。国連の機能ということは引き続き重要ですし、それをむしろ強化をするということのために何ができるかということを考えるということだと思います。
○高野博師君 先般、アナン国連事務総長にうちの神崎代表と一緒に会って、平和的な解決の要求したんですが、そのときに事務総長の方から、もし武力攻撃が起これば、直後に約一千万人の人が食糧問題に直面する、それから二百万人の国内避難民が出る、あるいは百二十万人の難民が出る、五百万人が水不足と衛生上の問題に直面する、百万人の子供が栄養失調の状況に置かれると、こういう発言がありまして、こういうことが予測されるのでありますが、人道支援、あるいは人道支援ということについて、まだ起きているわけではありませんが、日本政府としてはどういう対応をするつもりでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 難民支援、周辺国支援等に含まれる人道支援は、我が国にとっても非常に重要であるというふうに考えております。それについて全く、いろんな、今こういう事態になりましたので、具体的な対応策については考えておりますけれども、それははっきり発表させていただくことができる段階になったときにはそういうことをしたいと思いますが、やはり国際機関を通じたり、あるいはNGOの方々を通じたりしていく対応については、我が国に対して力を発揮してほしいという期待は国際社会で多くあると思います。
○高野博師君 それでは、国際テロの脅威という点でお伺いしますが、そもそもテロリストというのはどのぐらいの数がいるんでしょうか、世界には。テロリズム、テロそのものの定義というのはきちんとできていないんですが、アメリカは二十八をテロ組織として指定しておりますが、これも含めまして、どういうふうにとらえて情報を持っておられますか。
○政府参考人(林景一君) 済みません。ちょっと私から申し上げるのもあれでございますけれども、日本として、どういう形でどういうレベルの情報として申し上げるべきかというところがございますけれども、様々な、アメリカ、国連等、様々な情報を非常に大ざっぱに申し上げますと、いろいろアルカイダとかアブ・サヤフ、ジュマ・イスラミヤ、モロ・イスラム解放戦線等々、あるいは高野先生も御案内のコロンビア革命軍、そういった世界各地のものを、全部いろんな諸情報を継ぎ合わせて推定いたしますと、推定できるだけのもので合計すると五万人ぐらいはいる、五万人以上に上るのかなと。これは非常にラフな形でございますけれども、そういった諸情報、様々な公開情報等継ぎ合わせたものとして一つ申し上げることができるかと思います。
○高野博師君 僕の計算でも大体五万から八万五千ぐらいという数字が出ておりますが、そのテロリストのシンパというのかサポーターというのかエージェントというのか、これが相当の数いると推定されますので、私はやっぱりテロリストというのは数十万人、十数万は少なくともいるかなと、あるいはその倍ぐらいを見た方がいいのかなというふうに思っておりますが、そのテロ組織への資金源というのは、大体麻薬とか非合法的な行為によってその資金源を持っているわけでありますが、先般もアルカイダのビンラディンが核兵器を入手しようとしたというNHKの報道番組がありました。実際に製造しようともしていたというような情報がありまして、この国際テロの脅威というのはもう我が国もそのターゲットに十分になり得るというふうに見ておりまして、その点での対応といいますか、日本としてテロ、国際テロに対する対応というのは相当しっかりしなくてはいけないと思っておりますが、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(林景一君) 御案内のとおり、サミット、累次のサミット等におきましてもテロ対策というのは極めて重要な課題として取り上げられてきております。 そのために、法的な枠組みといたしましても、この当委員会でも御審議いただきましたようなテロの関連の防止条約、十二本ございますけれども、こういったものを積み上げてきておりますけれども、そういった法的な対応、さらには国連の安保理におきます資金の流れをチェックするための動き、そういったものを着々とやっていかなければならない。一国だけでやはり対応できない、国際的な連携を持って対応していかなければならない、そういった新たな脅威であろうというふうに認識しております。
○高野博師君 テロリストと大量破壊兵器の関係という点から見ますと、北朝鮮もテロ支援国家という指定がアメリカによってなされていると。北朝鮮も核ミサイルあるいは生物化学兵器も持っていると、こう言われているわけですが、すぐ日本の身近なところでこの問題があるということについて、防衛庁長官はどうとらえておられますか。
○国務大臣(石破茂君) これは、北朝鮮が非常に閉鎖的な国ですから、正確なところは正直、どこにも分かりません。ただ、私どもが今考えておりますのは、北が核開発を進めているということはもうこれは間違いない事実である。アメリカでは、既に一個、二個の核兵器を保有していると、こういう報道もございます。少なくとも、確認をしたわけではありませんが、核開発が相当に進んでいるということは考えております。 また、化学兵器につきましては相当量を保有をしている、そしてまた、生物兵器についてはそれを製造する能力、施設を有しておる、このように考えておるところでございます。
○高野博師君 北朝鮮に対しては我が国は対話と抑止という基本的な政策を取っていると思いますが、先ほども若干議論の中に出ましたが、アメリカが北朝鮮に対して先制攻撃みたいなことをやるということは恐らく私はないだろうというふうに見ております。 それは、アメリカがあの北東アジアで単独でリスクを負うということはまずやらないだろうと。したがって、中国あるいはロシアも含めてのこの大量破壊兵器の廃棄という方向に持っていくような政策を取るんだろうと思います。 しかし一方で、先般もアーミテージ副長官にお会いしましたが、北の挑発に対しては毅然と対応するということでありますし、私は日米同盟の中で、日本が単独で防衛できないという、北朝鮮に対して、大量破壊兵器に対して単独で対応できないということから見ると、やはり日米同盟をしっかりして抑止効果をきちんと働かせるということが重要ではないかと思いますが、この北朝鮮の問題について、万一日本に何らかの攻撃があったときに、これに対応できないということであれば国民の生命と財産を守れないということでありますから、それは正に政治の責任を果たしていないということになると思いますが、そういう意味で、今回のイラクの問題との関連で、日米同盟の信頼性を損なうというような行動は日本は取れないと私は思いますが、長官はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これはイラクの問題を直接北朝鮮に結び付けて御議論をするということが必ずしも正しいとは思っていません。しかし、先生御案内の、正しく御指摘のように、日本の場合にはそういうような、北からそのような攻撃がなされた場合に、これは長い議論の積み重ねによって、私どもとしてそういう対地攻撃をする能力というものを有しておりません。これは長い議論の積み重ねでそうなっておるわけであります。 そうしますと、日本の場合には、それは日米安全保障条約、これによって日本の独立、平和、国民の生命、財産を守る、こういうことになっております。私どもはNATOのように多国間同盟というものを持っているわけではありません。日米安全保障条約というものに全幅の信頼を置いておるわけであります。 したがって、日本を守るために、日米安全保障条約の信頼性、実効性、これは総理がいつかおっしゃいましたが、日本がアメリカを信頼すると同様に、アメリカに信頼される日本ということだって必要なはずであります。そういうような観点において、同盟関係、信頼関係というものはきちんと維持をしていかねばならない。これはすべての場合に当てはまることだというふうに考えております。
○高野博師君 終わります。
○委員長(松村龍二君) 以上で高野博師君の質問を終わります。 次、小泉親司君。
○小泉親司君 イラク問題について引き続き質問をいたします。 伝えられるところによりますと、十一時三十分過ぎにアメリカがイラクに対する武力攻撃を行ったということであります。 私は、この場で、この大変理不尽な無法な武力攻撃は絶対に認められることはできない、特に国連安保理決議なしで先制的な攻撃をやるというのは断じて容認できないということをまず申し上げて、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 ブッシュ大統領は、今回の武力攻撃の根拠に国連安保理決議一四四一、これに基本的には基づいているということを主張して、特に大量破壊兵器をイラクが依然として保有し続けている、これを廃棄するために武力行使を行うんだということを言っております。イラクは間違いなく最も殺人的な兵器の幾つかを引き続き保有し、隠ぺいし続けているということで表されているというふうに思いますが、そこで私お尋ねしたいのは、日本政府は、日本政府もイラクは大量破壊兵器を保有しているというふうに判断をされたということで、これは間違いないんですか。
○国務大臣(川口順子君) イラクが大量破壊兵器の開発あるいはその保有をしているという疑惑があるということは、あるということは事実であります。そして、その疑惑を解明をするということが、国連の安保理によって、廃棄の証拠を見せるということをすることがイラクが国連安保理によって課されたイラクの責任であるわけですが、それをイラクは行っていないということは事実です。 化学兵器が、例えばVXガスが二・四トンとか、生物兵器、炭疽菌が一万リットルとか、ボツリヌス毒素約二万リットルとかいろいろ、これはもう一部であって、このほかに数多くの疑惑がある。このほかにもミサイルを含めた多くの問題が残されているわけです。 それで、イラクの大量破壊兵器の脅威、これはまたイラクが過去に実際に使ったことがある、二回にわたって使っているということでも脅威が存在をするということは分かっているということで、我が国もその脅威を、ほかの国と同様に脅威があるということを共有しています。
○小泉親司君 小泉総理は、会見の中で、極めて危険なフセイン政権に武装解除の意思がないと断定された以上、私はアメリカの武力行使を支持するのが妥当ではないかと思うと述べられておられます。つまり、フセイン政権に武装解除の意思がないと断定したわけで、私がお聞きしているのは、疑惑だとかそういうことじゃなくて、日本政府としては、大量破壊兵器を保有していると、イラクが依然として保有しているという御判断をされたんですねとお聞きしているんです。
○国務大臣(川口順子君) 総理は質問に答えられて、極めて危険であるフセイン大統領に武装解除の意思がないことを断定しているということをおっしゃっていらっしゃるわけですね。
○委員長(松村龍二君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(松村龍二君) 速記を起こしてください。 暫時休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後五時四十五分開会
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査を議題とし、外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小泉親司君 午前に引き続きまして、イラク問題について質問をさせていただきたいと思います。 午前の冒頭にも申し上げましたが、ブッシュ大統領が午前十一時三十分過ぎに行ったイラクへの武力攻撃に対して、私は、国連安保理決議もない、国連憲章や国際法の平和のルールを根底から踏みにじる無法な戦争であって、この点については強く抗議したいと思います。それと同時に、武力攻撃を即時中止することを要求したいと思います。 ブッシュ大統領の今回の武力行使の演説を見ますと、この武力行使、攻撃の目的がイラクの武装解除とイラク国民の解放にあるということを明らかにいたしました。先ほどの、私、質問に戻りますが、ブッシュ大統領は演説でも、イラクが大量破壊兵器を保有していると断定していることを今度の武力攻撃の最大の根拠にしているわけですが、日本政府はそれではイラクが大量破壊兵器を保有していると考えているのかどうなのか、この点について先ほど外務大臣に質問をいたしました。外務大臣のお答えは、疑惑はあることは事実だというふうにお述べになるだけで明確な答弁はされませんでしたが、単なる、イラクが大量破壊兵器を保有しているかどうかというのは疑惑だというだけの話なんですか。
○国務大臣(川口順子君) 戦争の理由は何かということでの御質問でしたら、これは、イラクが大量破壊兵器を廃棄をするという国連の決議に沿った行動を取らない、すなわち、持たれている疑念に対して、その疑念が存在しないなら存在しない、実際に廃棄をしたんだったらば廃棄をした証拠を見せる、そういうことをやらないということを問題だと考え、そして、したがってこのまま査察を続けていってもイラクは、イラクの武装解除を有効にできないという判断をせざるを得なかったと、そういうことです。 それはなぜかというと、大量破壊兵器が残っているということが、これからの世界の人類、日本も含めてですけれども、に対して非常な脅威である。テロリストの攻撃、テロリストの手に渡ったらどう使われるか分からない。無辜の民、何百万死ぬことになるか分からない。イラクが、要するに疑問を解消するためのやらなければいけないことをやらなかったと、そういうことです。 ですから、我が国としては、イラクが、これは国連で言われているように、疑念が持たれている、VXガス二・四トンとかいろいろ、繰り返しませんが、それは疑念として持っています。
○小泉親司君 小泉総理は、極めて危険なフセイン政権に武装解除の意思がないと断定された以上と、先ほども議論がありましたが、明確に保有するという、保有しているというふうな見解を明らかにされておる。 問題は、私は、今、外務大臣の答弁がありましたが、私がお聞きしているのは、日本政府としてそれではイラクが大量兵器を持っているというふうに判断されているのかどうなのかということをお聞きしているんです。
○国務大臣(川口順子君) ですから、小泉総理が言われていることは、サダム・フセイン大統領が大量破壊兵器を積極的に廃棄をするという姿勢を持っていないということを断定しているということをおっしゃっていらっしゃるわけですね。それは何によって断定されているかというと、決議の一四四一、これによって断定をされているということです。 それで、戦争の、今、委員の御質問と、戦争をした理由ということで、そう思っているのかということであれば、我が国が、この戦いをせざるを得なかった、そういう判断をしたアメリカを支持をしているということは、これは大量破壊兵器が使われるおそれがあるイラク、これが一四四一その他の決議にこたえて姿勢を見せない、積極的な姿勢を見せない。イラクに対しては、先ほども言いましたが、VXガス二・四トンその他いろいろ持っているということです。 ですから、その委員の御質問にストレートにお答えすれば、それは我が国としても疑念を持っている、そしてイラクはそれを晴らしていないと、そういうことです。 ただし、それが戦争の原因で、それをベースに戦争の原因と我が国はしているかというと、それはイラクが一連の国連決議に反しているということが、真にやむを得ないことですけれども、そういう決断に追い込まれてしまったという、そういうことです。
○小泉親司君 私、午前中の質問でも申し上げましたが、ブッシュ大統領はイラクが大量破壊兵器を保有していると言っているんです。保有しているから武装解除をするために武力攻撃をやると言っているんです。 だから、あなた方がそれを支持しているというのであれば、それはイラクが保有していると、大量破壊兵器を、そういうふうな判断に立っているんですねとお聞きしているんですよ。その経過の話をしているんじゃなくて、日本政府として大量破壊兵器を保有しているというふうに判断しているんですねというふうにお聞きしているんです。
○国務大臣(川口順子君) 我が国がブッシュ大統領の判断を支持をしている理由というのは、大量破壊兵器から世界の人類を守るためにそれをやるしか方法がないというところに追い込まれてしまったけれども、敢然としてその戦いをやろうとしているということを支持しているわけです。
○小泉親司君 ということは、ブッシュ、ブッシュ政権の立場と日本政府とは違うということですね。イラクのその武装解除という点では違うということですね。
○国務大臣(川口順子君) イラクの武装解除が必要だということについては全く立場を、世界の、世界じゅう全部の国がそれについては一四四一で合意をしています。
○小泉親司君 ですから、一番の大きな問題というのは、フセイン政権の武装解除するんだとアメリカのブッシュ政権が言っているんですから、武装解除するということは、持っていなかったら武装解除できないわけでしょう。単純な話なんですよ。だから、それだったら日本政府としてもこの戦争を支持するというのであれば、イラクが大量破壊兵器を保有しているという判断をしているということなんじゃないんですか。そんな疑念だとかで武力行使を支持するんですか、日本政府は。
○国務大臣(川口順子君) そういう単純な論理ではないと思うんですね。イラクが国際査察団に対して疑念を解消するための努力を、積極的な姿勢を示さなければいけない、これについては国際社会は全部一致しているわけですね。それに対してイラクはこたえていない。 我が国としては、イラクが大量破壊兵器を持っているという疑念を持っています。それは、例えばVXガスとかマスタードガスとかサリンとかいろいろ、ミサイルとかいろいろありますけれども、それを、疑念を持たれていることをイラクが解消していない。十二年間機会を与えられて、そしてさらにこの最近の四か月機会を与えられて、それでもそれをしようとしない。平和裏に問題を解決できなかった責任はイラクにあるわけですね。 ですから、我が国は疑念を共有しています、ほかの国々と一緒に。したがって、ブッシュ大統領の考えていることを、あるいはそのアプローチをほかの同盟国とともに支持をしていると、そういうことです。
○小泉親司君 ということは、ブッシュ大統領は大量破壊兵器をイラクが明確に、保有しているということを明確にしている。これを武装解除をするために武力攻撃をやった。日本政府は、その問題についてイラクが協力していないんだと。その協力姿勢がないからブッシュ政権の武力行使を支持するんだということをおっしゃっている。 それじゃ、お聞きしますが、ブッシュ大統領がイラクは大量破壊兵器を保有しているというふうに断定したわけですが、先ほどあなたは一四四一の国連決議でそれは断定されているというふうにおっしゃったけれども、いつの決議で断定されているんですか。一四四一なんてそういうことは、これから最後の機会を与えるとあなたも言っているとおり、これから査察をやって断定するんで査察をしていたんじゃないんですか。国連のどの決議なんですか。明確にしてください。
○国務大臣(川口順子君) 総理がおっしゃっていることは、イラクが、フセイン大統領は、ちょっと今手元に資料がないのでそのとおり言えませんけれども、イラクのフセイン大統領が武装解除を積極的にやろうという姿勢がないということが断定されているということをおっしゃっていらっしゃる。それは一四四一によって断定をされていると、そういうことであります。 それから、先ほど委員がおっしゃいましたけれども、我が国はイラクが協力の姿勢を見せていないからアメリカを支持しているのではなくて、イラクが国際社会が持っている疑念をぬぐい去ることをしない以上それが存在をするであろうというふうに疑念を持たざるを得ないと、そういうことです。
○小泉親司君 だから、それは、私の質問は、それはどこの国連安保理で決めたのかということを、どこの判断で国際社会がそういうことを決めたんだということをお聞きしているんですよ。 あなたね、例えば修正決議についてあなたは、あなた方は支持されたと言った。修正決議そのものは、国連安保理がイラクは大量破壊兵器の疑惑をこれは晴らしていないというふうに判断をしない限り駄目なんだということを明記しているのが修正決議なんです。つまり、その修正決議が通らなかったんだから、まだ依然として国際社会はそういう判断をしていないんですよ。どこで判断しているんですか。明確にしてください。
○国務大臣(川口順子君) そういうという、そういうというのが何をおっしゃっていらっしゃるのかよく分かりませんが、一四四一で言っていることは、決議六八七を含む関連する決議に基づく義務の重大な違反をこれまでも犯し依然として犯していることを決定するというふうに書いてあるわけです。
○小泉親司君 ちょっとね、そういうことを私お聞きしているんじゃないんですよ。私がお聞きしているのは、大量破壊兵器をイラクが保有していると、明確にこれは保有しているんだという、国際社会がどこで断定したのかと。 これは、一四四一は最後の機会を与えるから査察をしようということで、大量破壊兵器の有無について査察をしていたんです。しかし、これは米、英、スペインの修正決議案が出て、十七日までに国連安保理がこの一四四一に最終的に従っていないと判断するというふうな決議を修正決議として三国が提案しているんです。それは文面見れば明確なんですよ、修正決議案の中に書いてあるから。 だから、あなたが言っていることは、どこの国連安保理で国際社会がイラクは武装解除についてこれは明確にしていないんだという判断をしたのかということをお聞きしているんですよ。
○国務大臣(川口順子君) お答えを繰り返すことになりますが、決議六八七というのはイラクに対して停戦の条件として大量破壊兵器の廃棄を求めているわけですね。それで、その決議の一四四一において、決議六八七を含む関連する決議に基づく義務の重大な違反をこれまでも犯し、また依然として犯していることを決定しているわけですね、安保理で。そして、武装解除の義務を遵守する最後の機会を与えると。これは一四四一に全会一致で、一四四一に書いてあって全会一致で採択をされているわけです。これは国際社会がイラクが武装解除をしていないということを決定をして、そういう決議であるわけです。
○小泉親司君 そんな説明をされなくても、そんなことは分かっているんですよ。 問題は、私がお聞きしているのは、日本政府がイラクが大量破壊兵器を保有しているかどうかという判断をしたのかとお聞きしたら、いやそれはブッシュ政権がそういう判断をしているんだということをあなたが言うから、それじゃ、それは国際社会でどういう判断がどこでなされたのかと。これはないんです。だから、そのことに対してあなたは全く答弁していない。 これは、そんな古い、昔の六七八が一四四一だということを幾ら説明されても、その大量破壊兵器をイラクが完全に保有していると、これは明確なんだという判断を現段階では国際社会していないんです。これは査察によって、当然のこととして、ブリクス報告でも数か月の査察でやろうと。この査察を妨害したのが私はアメリカで、この点ではやはり当然のこととして、この査察を我々は継続して大量破壊兵器の有無をはっきりさせてやる必要があると私たちは主張してきたんで、その点で私、この点の日本政府の明快な答弁は全くないというふうに思います。 そこで、もう一つお尋ねしますが、ブッシュ大統領は武装解除をさせるために武力攻撃を行うと言っております。私、非常に分からないのは、何でアメリカの武力攻撃で大量破壊兵器が廃棄されるんですか。例えば、それは例えば大量破壊兵器の保有している工場やそういうところに対して爆撃をするという意味なんですか。
○国務大臣(川口順子君) まず、最初の方で分からないとおっしゃったことについて再度申し上げますと、私が申し上げているのは、日本は、イラクに大量破壊兵器が存在をしていて廃棄をされていないということを一四四一で全会一致で決定をした。それに従って、その一四四一の決定に従ってイラクが武装解除をしなければいけないのを最後の機会を与えられてもしていない、する姿勢が見えるかというとそれも見えない。したがって、このまま査察を続けていても有効に廃棄ができない、武装解除をさせられない。したがって、そういう手段が奪われた以上、アメリカが先頭に立ってそういう努力をする。それを我が国としては支持をしているということを申し上げているわけです。 我が国として、先ほど委員は我が国として我が国がイラクが大量破壊兵器を持っているということを断定していると言われましたけれども、そういうことではなくて、大量破壊兵器を、武装解除をしていないということを国際社会、一四四一によって断定をしているということを申し上げているということです。 それから、今の御質問について申し上げますと、武力行使をして、イラクに米国を始めほかの国の軍が入って、それからできるだけ早く武装解除の努力をする必要があります。これは、今よりもはるかに容易にできるであろうということを考えている。それはなぜかというと、恐らくイラクにたくさん廃棄をした証拠があるということでしょうから、もし全部廃棄をしているとしたらば。それから、していなければそれがあるでしょうから、それをできるだけ早く見付けて、その後で廃棄をすると、そういうことをするということです。
○小泉親司君 ということは、武力攻撃では大量破壊兵器は廃棄できないんですね。
○国務大臣(川口順子君) イラクの政府あるいはイラクの科学者、そういう人たちの協力が、今得られていない協力が得られることになるわけですから、廃棄をすることははるかに容易になるだろうと、そういうことを申し上げています。
○小泉親司君 極めてあいまいなんですよ。武力攻撃で何で大量破壊兵器の廃棄ができるのか、私、非常に疑問です。全然分からない、あなたの説明じゃ。 じゃ、お聞きしますが、例えばブッシュ大統領は今回の演説で、大量破壊兵器の廃棄ばかりじゃなくてイラク国民を解放するんだということを言った。以前にも、フセイン大統領が政権を握っている限り武装解除は行われないだろうと、この演説の中でも、一昨日の演説の中でもブッシュ大統領は言っている。今日、小泉総理の話を聞くと、同じように、フセイン政権がその政権の座にある限り武装解除はできないというようなブッシュ政権の立場、立場と共有する立場を表明された。 ということは、あなたもないしは日本政府は、フセイン政権を打倒しない限り大量破壊兵器は廃棄できないということだというふうに理解していいんですか。
○国務大臣(川口順子君) 総理が記者会見でおっしゃいましたように、今何でイラクの武装解除ができないかというと、これはイラクのサダム・フセイン大統領の独裁者の指示によってイラク政府が協力をしないということであるからですね。イラクが、査察が有効であり得るのはイラクの政府が協力をするということによってできるようになる。それができなかったので武力行使に立ち入る、立ち至るということになったわけですけれども、戦争が終われば協力をする政府になる。したがって、今の査察の目的を、査察がイラク政府の建設的な、積極的な協力によって達成されるならば、そういう状況が武力行使によって生まれると、そういうことです。 なぜそれができないかということであれば、今の査察をやることは意味がないということを委員はおっしゃっていらっしゃることになると思います。
○小泉親司君 ということは、まずフセイン政権打倒先にありきなんですね。
○国務大臣(川口順子君) ということを申し上げているわけでは全然ありません。
○小泉親司君 なら、どういうことを言っているんですか、そしたら。そんな、おかしいじゃない。
○国務大臣(川口順子君) 目的は武装解除であります。イラクの武装解除であります。
○小泉親司君 それは極めて矛盾した話ですよ。 あなた方は、フセイン政権を打倒しない限り、ブッシュ大統領はフセイン政権が政権握っている限り武装解除は行えないだろうということをもう一つの武力行使の目的に上げているんですよ。 ですから、ということをあなた方も同じような意見だと、共有しているというのであれば、これはフセイン政権を倒すということが先にありきになるじゃないですか。違うんですか。どういうことなんですか、その整合については。はっきりさせてください。
○国務大臣(川口順子君) 先にありきとは、総理も全然おっしゃっていらっしゃいません。 この武力行使の目的は、あくまで大量破壊兵器の廃棄、武装解除であるということです。そして、サダム・フセイン大統領がいなくなるということの意味は、その目的を達成する、要するにその武装解除をするという目的を達成するためにサダム・フセイン大統領が国を去るということが現実的な手段として唯一残された手段になった。要するに、武力行使になりましたから、その結果としてサダム・フセイン政権が替わるということがイラクの武装解除のための現実的な手段であるということであって、それ自体が目的ではない。目的は武装解除であるということです。ですから、初めにありきということでは全くないということです。
○小泉親司君 ということは、武装解除とフセイン政権の打倒というのは一体不可分だと、こういうことなんですね。
○国務大臣(川口順子君) 現実的には、イラクが協力をしない以上、そのようにつながってきている、結果的にはそういうことになってきているということです。
○小泉親司君 私、これは重大な発言だと思いますよ。何でこういうことが認められるのか。それは他国の主権尊重、内政不干渉を定めた国連憲章上もこういうことが認められるということであれば、大変重大だと思うんですよ。 じゃ、あなたが言うような、いわゆるフセイン政権の打倒と大量破壊兵器は一体不可分だと、これ一体そういうことがこれまでの国連決議のどこに書いてあるんですか。どこで認められているんですか。
○国務大臣(川口順子君) 二つ申し上げたいんですが、一つは、六七八には必要な措置、必要なあらゆる措置を講ずることができるというふうに、あらゆる必要な措置を取る権限を与えるというふうに書いてあります。それからもう一つは、さっきも言いましたけれども、サダム・フセインの政権を倒すということは目的ではありません。本来の目的ではありません。武装解除が本来の目的であります。 ただ、総理もおっしゃっていらっしゃるように、ここまで十二年間、十三年間、十二年間ですね、ずっと武装解除をしていっても、それを要求をしていっても、サダム・フセイン大統領に協力の意思がない限り武装解除はできないということであるわけです、武装解除が目的だから。 それで、サダム・フセイン大統領がそのように動かない以上、サダム・フセインが最高指導者である限り武装解除には応じないということでありますから、この武装解除をするという目的と、サダム・フセイン大統領が今、武力行使という、この期に及んでですよ、この期に及んでつながってくる話になっていると、そういうことをも言っているわけです。
○小泉親司君 あなた、国連決議のあらゆる処置というのは、これは私もしんぶん赤旗の特派員でもうその問題については取材を実際にしておりますが、あらゆる必要な処置というのは、国連憲章をはみ出すあらゆる処置なんてないんですよ。 国連憲章というのは主権を尊重するということが極めて明快に書かれてあることなんで、それを反する処置なんてのはないんです。つまり、政権を打倒するなんという処置があらゆる処置に含まれているはずないじゃないですか、あなた。日本の外務大臣がですよ、そんなことを知らないで、そんなことを国会で発言するというのは、私これはゆゆしき問題だと思いますよ。 そこで、私はお聞きしますが、あなたは、そういうことであれば、現実にフセイン政権を打倒するということもあなたは目的の一つだと、これはブッシュ大統領がそういうことを言っているんだから、そういうことをあなたはお認めになって、武力行使を支持しているということになるじゃないですか。これはどうなんですか。
○国務大臣(川口順子君) さっきから繰り返し注意深く申し上げていますけれども、目的は武装解除であります。我が国として政権を倒すということが武力行使の目的であるというふうには申し上げていないんです。
○小泉親司君 私は、それが目的だとかじゃなくて、明確にブッシュ大統領は、このフセイン政権が、大統領が政権を握っている限り武装解除は行われないと言っているんだから、まず通過点として、つまり武装解除をまず、失礼、武装解除をやる前にフセイン政権を打倒するんだということをこれ明確に言っているんで、これは正に、私たちは国連憲章で認められた他国の主権尊重、内政不干渉を明確にした点からしても、極めて私はこの点では許し難い行為だと思います。 これ実は、アメリカ国内では、もう多くの人がアメリカの議会で、ブッシュ政権の高官がアメリカの議会でもう繰り返し二月から言ってきたことなんですよ、これは。 例えば、国務次官グロスマン氏はアメリカの議会で、何はともあれフセイン政権を打倒するんだ、それから大量破壊兵器をやるんだと言っている。現実にアメリカ議会の報告書でも、今まではブッシュ政権はフセイン政権を打倒するということが目標だったんだ、しかし、これを言うと同盟国から批判されるんで、その点は口をつぐもうということになったんだと。しかし、この点についての一体不可分の関係は、つまり全く、この大量破壊兵器の廃棄とフセイン政権の打倒というのは全く分離されていないんだと、これはもう初めからブッシュ政権はそうだったんだと言っている。 もっとすごいのは、ウォルフビッツ国防次官補などは、イラク・アメリカ協会で何と言っているかというと、我々はハンガリーで自由のイラク軍の武装訓練やっているんだ、これで内部で打倒させるんだということまで言っている。ひどい私は国連憲章違反の行為を今度の武力攻撃でやろうというのは、これはもう国連決議どころか国連憲章に明白に違反する私は許し難い戦争で、この点でも私は、今度の武力攻撃については直ちに中止すべきだということを強く重ねて要求しておきたいと思います。 この前、予算委員会で防衛庁長官に質問できませんで、しませんでしたので、もう少し時間があるので防衛庁長官にお尋ねをしたい。 今度の、今日、参議院本会議で小泉総理が述べられた対処策の中に、我が国は、アフガニスタン等におけるテロとの闘いを継続する諸外国の軍隊等に対し、テロ対策特別法に基づく支援を継続、強化しますと。これは、これらの処置とは別にという前提がありますが、そういうことを言っておられる。これ、強化しますと。どういう強化をされるんですか。
○国務大臣(石破茂君) これは、午前中の質疑でもお答えをしたことでございますが、このテロとの戦いをしておりますアメリカ、イギリスを始めとします諸外国の軍隊、その活動は、アフガニスタンにおけるテロ掃討ということもありますが、それと同時に、海路を使って逃亡をする、そういうテロリストの阻止ということにもなっております。したがいまして、活動する海域が広がっておるということが事実としてございます。 もう一つは、参加しております国、例えばニュージーランド、これが新たに参加をしておるということがございます。そういう意味で、テロとの戦いというものが拡大をしておる、それに合わせて私どもの活動も強化ということになっておる。 要は、そのようなテロリストが海外に逃亡し、散逸をし、テロリストの脅威が世界に拡大しないようにという意味での強化であるというふうに承知をいたしておるところでございます。
○小泉親司君 あなたは、イージス艦による情報提供の問題について、衆議院予算委員会で、インド洋に派遣されているイージス艦が収集したイラクに関する軍事情報を米軍に提供できるかという問題について、これは、イラクとアフガニスタンの情報をきれいに切り分けられるかといえば、それは難しいことなんだろうということを答弁されている。ということは、今はもうイラクへの武力攻撃が始まりましたが、この時点においてもイージス艦が収集したイラクの軍事情報を提供することもあり得るということなんですね。
○国務大臣(石破茂君) これは、議員も御造詣の深いことかと思いますが、実際にイラク攻撃に従事をしております米英等の艦船の所在地と私どもの部隊が行動しております地域というのは、大体距離にいたしまして二千キロ以上離れております。そうしますと、これはもう日本の北から南までというようなことになるわけで、北海道から奄美大島ぐらいまでになろうかと思います。そうしますと、実際問題、それだけ離れておって、イージス艦が二千キロ離れたところで収集した情報というものが一体どのような形でイラク攻撃に従事をしておる米英の艦隊に裨益することになるのかということが一つあります。 もう一つは、データリンクのシステムというのは百数十キロしか届きません。それをもって情報の交換を行っておるわけであります。そうしますと、二千キロというものは、普通考えましたときに、私どもが収集しております情報、一般的な情報、その情報というものが届く範囲にはございません。そしてまた、テロ支援のために従事しております私どもの部隊が収集した情報というものが実際に、ストレートに考えてみまして、素直に考えてみまして、本当に役に立つものなんだろうかということでございます。 したがいまして、委員会で私がお答えをしましたのは、この情報はどう、この情報はこうというふうに情報というものをきちんと、ようかん切ったように切り分けることは不可能である。実際に不可能です。そのことを申し上げたのであります。 念のために申し上げておきますが、私どもの立場といたしまして、一般的な情報交換というものは憲法が禁じております私どもの武力の行使というものとは全く無縁のものでございます。したがって、法的にも何ら問題があるとは考えておりません。
○小泉親司君 私もイージス艦こんごうを調査してきましたけれども、実際にリンクすれば、それは一定の距離が離れても可能であるというお話でありました。ですから、私がお聞きしているのは、あなたが言っているのは一般的に情報提供をすることは問題ないということを言っておられるんですが、ここには当然のこととして、テロ特措法なのか、それともイラクの戦争なのかと、この面での切り分けが当然のこととして今必要になっているわけで、この点ではイラクの情報が、あなたは、イラクの情報とアフガニスタンの情報を切り分けできないということであれば、あなたが言う、一般的に情報が提供されるんだと、これは憲法上問題ないんだということになれば、イラクの情報も提供しても構わないということになるんじゃないんですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、構わないという言い方を委員はなさいますが、それは結果としてそういうことは否定はいたしません。全くないとは言いません。 しかし、先ほど答弁を申し上げましたように、これが二千キロ離れておって、二千キロも離れておれば、委員も御存じのように、イージス艦のデータリンクのシステムというのは二千キロも届くものではありません。それを、イラク攻撃に参加をしておるところの米英の艦船にその情報が届くということはないということは委員もお分かりかと思います。そしてまた、一般的な情報交換というものは、それは憲法の禁じておる武力行使に当たるものでもございません。 したがいまして、実際にその情報が届くこともないし、そして憲法上の問題も生じない。私どもがテロ特措法の目的に従って活動しておる、そういうこととも何ら反するものではないというふうに私は考えております。
○小泉親司君 先ほど、だけれども、冒頭あなたが言われたのは、一般的にイラクの情報を提供するということは、これはあり得ると。つまり、アフガニスタンの情報とイラクの情報というのは、これは別に、様々あるわけで、今インド洋の、主に北アラビア海に展開しているという艦船というのは、これは様々存在しているわけですね。これは別に、イラクに行く船も当然のこととしているし、これは様々な軍事情報があるわけで、そういうものも提供できるのかと。 これは切り分けできないというのであれば当然そういうことになるが、それもあなたは問題がないというふうに冒頭おっしゃっているわけだけれども、それは私は大変重大な発言だと思いますが、その点、最後にお聞きをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、現在イラク本土というものを攻撃をしておるわけですね。攻撃目標であるイラクの本土とは二千キロ以上離れておるということを申し上げておるわけであります。そうしますと、米軍の攻撃に必要な情報というものが実際に提供されることがあるのかということであります。 実際お考えになってみて、二千キロ離れておって、そこの情報というものが、これは委員も軍事は大変お詳しいと思いますが、そこで収集した情報というものが、本当に二千キロも離れて必要な情報というものがあるんだろうか。そしてまた、実際問題、技術の問題としてそこまで届くというようなものではございません。イージス艦のデータリンクシステムというのはそのようなものではございません。 その二点から申し上げて、私は委員の御懸念には当たらない、そしてまた、前提として申し上げておりますのは、一般的な情報の提供、情報の交換というものは武力の行使とは当たらないということでございます。
○委員長(松村龍二君) 時間が参りましたので、おまとめいただきたいと思います。
○小泉親司君 委員長、最後に。 こういう点での協力は直ちにやめるべきだということを要求して、質問を終わります。
○田村秀昭君 外務大臣にお尋ねいたします。 外務大臣が参議院の外交防衛委員会で所信を述べておられます。三月十一日ですね。その一番冒頭に、創造的な外交を力強く実践するということを言っておられますが、私、創造的な外交というのはどういう意味だかよく分かんないんですが、今のイラクの、米国のイラクに対する武力行使が今日あったわけですけれども、そういうときに創造的な外交というのはどういうことをやることをおっしゃっておられるのか、具体的におっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 所信の中で創造的な外交と私が申しましたときに考えていたことは、例えばスリランカの平和の定着、今、日本で会議をやっていますけれども、そのように国際社会の秩序を作るということに我が国として積極的にかかわっていくということを意味をして、申しました。 もう一つの例を挙げれば、WTOで今交渉が行われています。これは世界の国が協力をして新しい秩序を作ろうという試みですけれども、そういう秩序を作っていくときに、我が国として建設的に取り組んでいくということを意味しております。 イラクの場合にそれがどのような形で当てはまるかということは、今後の推移を見ないと、申し上げるのは、具体的に申し上げるのは難しいと思いますけれども、例えばイラクの復興の段階、これは国際社会が全部がかかわらなければいけない段階だと思います。ここでどのような形で我が国が役割を果たせるか、具体的にはまだ見えませんけれども、そういった局面で創造的な外交をやっていく可能性というのはあると考えています。
○田村秀昭君 そういうお答えでありますと、ここにはちゃんと、イラクや北朝鮮情勢などというものに直面している今こそ、創造的な外交を力強く実践していく考えですと言っておられるわけですね。それで、そういう秩序やルールを作るということみたいなお答えでしたけれども、今の米国のイラク攻撃について、どういう創造的な外交をおやりになるんですか。いましばらく見ているわけですか。
○国務大臣(川口順子君) これを書きました時点では、イラクに武力行使が行われる段階にはなっていませんでした。我が国として、今まで懸命に努力をしてきたのは、平和的に国際協調を作ってこの問題を解決をするという過程で我が国が建設的な役割を果たしていくという、そういうことをやっておりました。その我が国として国際協調を作って平和的に解決をするための努力、例えばそういうことを言っていたわけです。 北朝鮮について言えば、これは平和的に解決をするためにいろいろな知恵を出して対話を促進していかなければいけない、そういう段階で我が国として主体的に建設的な役割を果たす、そういうことを言っているわけです。
○田村秀昭君 この前も私、質問したんですが、先のことについては仮定の問題だから答えられないというお答えになったんですね。先のことについて外務大臣はコメントできないと、全部仮定の問題だからと。 この三月十一日に、イラクを攻撃するなんということは、私はもう確実にすると思っていましたよ。外務大臣がそういうふうなことを思っていないということは、ちょっとおかしいんじゃないですか、そういう外務大臣というのは。外務省って、そういう情報、取っていないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 一〇〇%武力行使が行われるということを言い切ることは、その段階ではできなかったと思います。我が国を始め、ほかの国も、このイラクの問題が武力行使によらないで解決ができるということを願ってみんなが努力をしていたと思います。
○田村秀昭君 いや、願うことと現実の政治を行っておられる外務大臣とは、そんな願ってりゃいいという話じゃないんじゃないんですか。こういう創造的な外交というのは、こんな、私はよく分からないけれども、こういうことをおっしゃるんならば、それは具体的にはどういうことをおやりになるかという質問を私はしているんで、今のようなお答えを聞こうと思っているわけじゃないんですよ。だから、創造的な外交というのはどういう外交なんですかと。 だから、例えば今日のようなことが起きたときにはどういうことをすることが創造的な外交なんですかと、こう聞いているんですよ。
○国務大臣(川口順子君) 先ほどスリランカの例を挙げましたけれども……
○田村秀昭君 いやいや、私はイラクのことを言っている、聞いているんです。スリランカの話をしているんじゃないんです。だって、所信の一番基本的なことのところに書いてあるわけですから。一番初めに書いてあるわけですから、これをやりますと。私は創造的な外交を力強く実践すると、一番初めに言っておられるんだから。
○国務大臣(川口順子君) 武力行使に至らないように、それを願っているだけじゃ駄目だとおっしゃられましたけれども、我が国としては願っていただけではありません。そのための働き掛けを様々に行っていたわけです。 ただ、創造的な外交というときには、そこにオリジナルな要素というのを、国際秩序を作っていくためのオリジナルな要素を出していくということが創造的な外交の意味です。ですから、三百六十五日、三百六十度、外交のすべてに創造的な外交が存在をするということではないと思います。大きくそれぞれの局面を取ったときに、例えばイラクであれば、アフガニスタンやスリランカでやっているのと同様に、復興の局面あるいは戦争をやめる局面、そういったところで知恵を出していくということだと思います。 アフガニスタンで我が国が出した知恵として、これは創造的な外交のいい例だと思いますけれども、復員庁という考え方があります。この復員庁という考え方は、復員兵、要するに武器を取って戦っていた人の武器を、刀狩りですね、昔で言う、それをして、その代わりお金を出し、あるいは教育をする、社会復帰ができるような教育をする。それをやって、その人たちを平和裏に社会に定着をさせる。また、その一部の人たちは、今アフガニスタンは国軍を作っていますけれども、国軍の兵士になってもらう。そういった動きですけれども、それの組織作り、あるいはそのための支援、これは我が国が考えて我が国がやったものです。 そういった試みが、武力行使をしている今ではなくて、この後でできるというふうに考えています。
○田村秀昭君 私はよくおっしゃっていること分かりませんけれども、理解できない、能力がないんでできないんですが、言葉の遊びみたいなことはおやめになった方がいいんじゃないかと。 それで、これは今のイラクの攻撃は、国連の決議がなくても武力行使をすると言っていることに対して賛成をしておられるわけですから、それはそれなりに私は結構だと思うんですよ。そういうこといけないと言ってるわけじゃないんですが、私の一番申し上げたいことは、日本が信頼されるためには、日本が信頼される外交を実行するためには、そういっていいと言ったんなら汗をかかないといけないんですよ。ただいいとか悪いとかだけ言っているような状況にないわけですから。日本は何をするのかと、賛成したんなら何をするのかということをきちっとしないで、賛成ですって言っただけじゃ何にもならない、ばかにされるだけと。他国のために汗を流さない国は他国から支援は受けられませんよ。私はそう申し上げたい。 それで、それについてお答えになる必要はないんで、質問しているわけじゃないんだから。聞きたいのは、外務大臣は、北朝鮮のノドンですね、千三百キロぐらい飛ぶ、これが日本に向かって飛んできた場合には、日本は、東京なら東京に正確に、これは非常に精度が高いですから、北朝鮮は、非常に正確に当たるんですね。そのときに、0日本はどうしようと思っておられるのか、どうしようとしているのか。国民の生命、財産を守る閣僚のお一人でありますから、どういうふうにお考えになっているのか。
○国務大臣(川口順子君) 石破長官がお隣にいらっしゃいますから、石破長官の御所管の部分は後で石破長官にお答えいただければと思いますけれども、外務省として何をやるかということでいえば、一番大事なことは、そういうことが起こらないように外交を努力を重ねる、そういうことであると思います。 それで、何を今やっているかということで申しますと、これについては二国間の働き掛け、それから日米韓を中心にして、それから中国、ロシアといった近隣の諸国も含めて、さらにEUとか豪州とか、そういうところとも時々話をしますけれども、そういった近隣のこの問題に密接に関係を持っている国での働き掛け、そして三番目に、IAEAや国連といったような場での国際機関を通じての働き掛け、そういうことを行って、通じて、北朝鮮がノドンを発射するというようなことがないように外交努力をする、これが外務省にとって一番大事なことであると考えております。
○田村秀昭君 そういうことが起こらないように願うのは結構な話ですけれども、そういうことが起きたときにどうなるのかという私は質問をしているんです。だから、そのことは起きなかったら何も質問する必要ないんで、そうなったときにはどうなのかと、どうなるとお考えなのかということをお尋ねしているんです。 それで、もう外務大臣結構ですから、時間がありませんから、防衛庁長官に日本のミサイル対防衛システムのお考えについてお尋ねいたします。
○国務大臣(石破茂君) これは現在私どもが持っておりますシステムでノドンミサイルのような中距離ミサイル、非常に高速で落ちてくるようなミサイル、これを迎撃するシステムは我が国は有しておりません。パトリオットの能力改良、能力向上型、改善型と言ってもよろしいのですが、これも限定的に、非常に限定的に対応することができますが、元々、航空機対象としたものでございますので、これで確実に撃ち落とすことができるというふうにも私は申し上げません。 私どもが持っております装備はそのようなことを前提にしてできておるものでもございませんし、これはもう長い間、営々として、そういう場合には米国の打撃力というものに依存をするというような形で防衛力を構成をしてまいったところでございます。
○田村秀昭君 そうすると、ミサイルが飛んできたらもうどうしようもないと。そうすると、そのミサイルの基地を発進しないようにたたく以外にないと。それが防衛になるわけですね、侵攻ではなくて。そういうお考えはあるんですか。
○国務大臣(石破茂君) これはもう昭和三十三年に国会答弁がございますように、座して死を待つというのが憲法の予想するところとは到底考えられないというふうに言ってございます。 しかし、同時に、日米安全保障条約、さらには防衛力のための指針におきまして、必要な打撃力を米国は行使することを考慮するということに相なっております。総理が今日の会見でもおっしゃいましたように、日本に対する攻撃は米国に対する攻撃であるというふうに合衆国は言い切っておるわけでありまして、その場合に打撃力は米国の使用にゆだねるというのが立場でございます。 委員御指摘のように、それではそういうようなものを我が国としてたたく能力を有するかどうか、そういう御議論は私はあるのだろうと。それは憲法が禁じておるところではない。しかし、今まで私どもは、現政府の立場もそうでございますが、そういう場合の打撃力は米軍に、米国にゆだねるというのが政府が取ってまいった姿勢でございますし、現在もそうでございます。
○田村秀昭君 私は、このノドンというのは日本列島だけが射程に入るんですね。アメリカは届かないんです。ですから、一番困るのは日本だけなんですね。そうすると、日本のことについては自分のことで考えないといけないと、基本的に。それで、米軍に打撃力を頼むのもいいけれども、日本ではどうするのかということはきちっと防衛庁はお考えになっておく必要があるんじゃないかというふうに思っておりますので、それはもうお答えいただかなくて結構ですので、時間が参りましたので質問を終わります。
○大田昌秀君 川口外務大臣にお伺いします。 私も、大臣が所信表明で述べられた、創造的な外交を力強く実践していくと強調されたことについて、中身がよく分からなかったわけでお伺いしようと思ったんですが、今、田村議員がもう既にお聞きになったので飛ばしますが。 同じく所信表明で、大臣は北朝鮮問題との関連で、日朝平壌宣言に基づき、拉致問題及び核兵器開発問題等の諸懸案を解決し、北東アジア、ひいては国際社会の平和と安定に資する形で国交正常化を実現するため努力していくと述べておられますが、これまで、拉致問題が表面化して今日まで、どのような創造的な外交をこの問題で取ってこられたのか。具体的に、いつ、だれとだれが会って、どういうことを議論したかということがもしあるとすれば教えてください。
○国務大臣(川口順子君) 拉致問題について政府がずっとやってきましたことは、これは被害者の方々及びその御家族の方々の御意向を踏まえながら、北朝鮮側に対して事実の解明を行っていく必要がある、それをしてください、そして五人の北朝鮮にいる家族の方の早期の帰国を実現するようにしてくださいということをずっと言って取り組んできているということです。 そのために幾つかのことをやっていて、直接に働き掛けるということももちろんやっています。それから、国際機関ですね、例えば国連の人権委員会でつい先日、土屋政務官が拉致問題についてお話をしていただきました。そういうこともその一つです。それから、EUとか、それから関係の国々、ロシア、中国、いろいろな国にこの問題について説明をし、それらの国々から働き掛けてもらっているといったようなことをやっています。
○大田昌秀君 これ、何らかの前進があると認識しておられますか。
○国務大臣(川口順子君) 残念ながら、今、前進は遅々として、前進はほとんどないと言って差し支えないという状況であります。
○大田昌秀君 今回のアメリカの対イラク攻撃を日本政府が支持する理由の一つに、北朝鮮の脅威があるから日米同盟を大事にする立場からも米国を支持する必要があるという趣旨のことが言われておりますが、川口外務大臣と石破防衛庁長官、それぞれ北朝鮮の脅威についてどのように認識しておられますか。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮が大量破壊兵器について核の開発を行い、そして他の大量破壊兵器についても懸念を持たれているということは、一つの我が国にとって大きな懸念であります。それから、それだけではなくて、二国間の間で、例えば不審船の問題ですとかあるいは麻薬の問題ですとか、そういった様々な問題があります。そういったその二国間の問題あるいは安全保障の問題、それらを平壌宣言、日朝平壌宣言の精神と原則に従って、それを相手に守らせることによってその問題を解決をしていくということが必要だと考えています。
○国務大臣(石破茂君) 脅威という言葉を用いるかどうかは別にいたしまして、私は、北朝鮮の持っております能力につきましては、これは重大な懸念を有しておるところでございます。 それは、ノドンミサイルは、これはもう実戦配備に着いておる、すべて日本を射程に入れておるということであります。そして、核開発は継続中であると。そしてまた、生物兵器、これは保有をしておると考えられますし、そして化学兵器というものも製造ができるという施設を有しておるということであります。そして、先軍政治ということを明確に言っておるわけでございますし、地上軍百五十万を有しておるわけであります。これは意図というものはこれは分かりません、これは可変的なものでございますから。しかし、能力につきましては、私はそれを脅威と言うかは別に、どうかは別にいたしまして、重大な懸念を有しておるところでございます。
○大田昌秀君 日米安保条約第六条にいうところの事前協議について御説明ください。外務省ですか。
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。 日米安保条約第六条の実施に関する交換公文は、事前協議の対象といたしまして、合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更並びに日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用を挙げておりまして、このような場合は日本国政府との事前協議の主題とするというふうにされております。
○大田昌秀君 三番目の文言の中に戦闘作戦行動というのがございますが、戦闘作戦行動とはどういうことを意味するんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 戦闘作戦行動の意味するところでございますけれども、これは従来から答弁をさせていただいておりますけれども、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すということでございまして、したがいまして、米軍が我が国の施設・区域から発進する際の任務・態様がかかる行動のための施設・区域の使用に該当する場合には、米国は我が国と事前協議を行う義務を有しているわけでございます。
○大田昌秀君 去る三月十八日、沖縄の嘉手納基地報道部は、同基地の第十八航空団からF15戦闘部隊とともに最大八百人規模の兵員が中東地域に派遣されていることを明らかにしました。この部隊の動きというのは事前協議に当てはまるんですか、どうなんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 先ほど申し上げましたように、戦闘作戦行動というのは直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すものでございまして、ただいま委員のおっしゃいました動きにつきましては、米軍の運用上の都合によりまして他の地域にその米軍を移動させたものというふうに考えられると思いますので、事前協議の対象となるものではないと考えます。
○大田昌秀君 横須賀を母港とする空母キティーホークの場合はどうですか。これも事前協議の対象になりませんか。ならないとすれば、どうしてですか。
○政府参考人(海老原紳君) 今キティーホークのお話がありましたけれども、基本的にはこれも移動というふうに考えられると思います。 いずれにいたしましても、戦闘作戦行動に該当する場合には事前協議を行うというのが米側の義務となっておるわけでございまして、もしキティーホークの移動というものが直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動ということで戦闘作戦行動に該当するということであれば、当然米側から事前協議が行われるということでございますが、事前協議が行われていない以上、そのようなものではなく単なる移動というふうに考えております。
○大田昌秀君 この事前協議問題というのは、過去において安保条約が締結されてから事前協議制度が実行されたこと、つまり、アメリカから協議を求めてきたことはいまだかつて一度でもあったわけですか。
○政府参考人(海老原紳君) 米側から事前協議が行われたことはございません。
○大田昌秀君 川口外務大臣は、今回の所信表明においても、これまでと全く同じように、沖縄県民が我が国全体の平和と安全のために背負っている負担を軽くするため、普天間飛行場の移設・返還を始めとするSACOの最終報告の着実な実施に努めると述べておられるわけなんですが、改めてお伺いしますけれども、SACOの最終報告と現在政府が進めている普天間飛行場の移設問題とは内容が同じですか、どうですか。
○国務大臣(川口順子君) 先般、アメリカで2プラス2の会合を、石破長官も御一緒に行っていただいて、いたしました。そして、その場で報告を受けております。 それは何かといいますと、SACOの最終報告で、FIGというんでしょうか、これが普天間飛行場移設の計画について定期的な見直しをするということになっている、そして基本計画が民間と共用になったという意味で変更があったわけですけれども、そこについての取組、そこの部分について報告をSCC、2プラス2で受けました。 そのように変わったということについて受けましたということでございまして、その結果として、SACOの最終報告について、代替施設の具体的な内容に変化が生じたという部分については、ここで、そもそも趣旨に合致をしていると、SACOの趣旨に合致をしているということでございますけれども、それについて、SACOの最終報告を承認をしたSCCにおいてその旨の報告を受けているということでございます。
○大田昌秀君 だとしますと、どうしてそのSACOの最終報告を忠実に実行することということをおっしゃるんですか。どうして、そのSACOの最終報告を変更した案を実行していくとおっしゃらないんですか。
○国務大臣(川口順子君) SACOの最終、そもそもの普天間の変わった部分ですね、それはSACOの最終報告の趣旨に合致をしているということはいささかの変わりもないということです。そして、その着実な実施を行っていくということが重要であるということは変わりませんし、それが沖縄県民の皆様の負担の軽減につながるというふうに考えております。
○大田昌秀君 ちょっと今の御答弁は納得しかねます。 趣旨に沿ってというわけですが、具体的に規模の問題とか予算の問題とかそれから建設期限の問題とか、随分あるわけですよ、具体的に。趣旨とはどういうことですか。
○政府参考人(海老原紳君) 趣旨と申しますのは、現在の普天間飛行場が非常に市街地に位置をしているということから、これを移転をすることによって少しでも沖縄の皆様の御負担を軽減したいという趣旨でございます。
○大田昌秀君 これは防衛施設庁ですか、どこですか、お分かりの方がお答えいただきたいんですが、代替施設に係る予算は大体どれくらい見積もっておられますか。そして、建設期間はどれくらいとお考えですか。それから、滑走路の長さはどういうふうになるんですか。
○政府参考人(生澤守君) お答えいたします。 昨年の七月二十九日に開催されました第九回代替施設協議会におきまして、埋立て工法における普天間飛行場代替施設の建設費は約三千三百億円。工法を検討する参考としまして、積算基準や実勢価格に基づきまして、標準的な積算指標により算定したものでございます。
○大田昌秀君 建設期間はどれくらい見積もっておられますか。
○政府参考人(生澤守君) 埋立て工法による期間ですが、約九・五年を見積もっております。
○大田昌秀君 環境庁の方はいらしておられますか。 今のその移設先の環境問題について随分沖縄の方では懸念しておりまして、実は沖縄県の環境調査の結果、この移設先は現状のまま保全すべき第一位にランク付けされているところなんですが、環境庁としてはこの問題についてどのような関心をお持ちですか、またどうなさろうとしておられるんですか。
○政府参考人(小林光君) 環境省でございます。 この普天間基地の移転の問題でございますけれども、御案内かと思いますが、平成十一年の十二月に閣議決定をしておりまして、移設に係る政府方針というのがございます。 政府といたしましては、その際に、地域の住民生活あるいは自然環境に著しい影響を及ぼさないよう最大限の努力を行うというふうに方針を決めております。この方針にのっとりまして、現在、これも御承知のとおりと思いますけれども、環境影響評価の手続が始まる、こういうことでございまして、この手続の中で適切な環境保全措置というものが考えられていくということが重要だというふうに考えてございます。 御案内のとおり、大変自然の豊かなところでございます。今後、環境省といたしましては、この環境影響評価の準備をされる事業者の方々に適切な御助言等々申し上げられれば、またそれをし、また評価書の審査といったようなことを通じまして環境保全を図ってまいりたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 最後の質問になりますけれども、環境調査はいつから始められて、いつごろ終わる予定ですか。
○政府参考人(生澤守君) 普天間飛行場代替施設の建設に係る環境影響評価につきましては、環境影響評価法に基づきまして方法書の作成に係る手続を経て環境現況調査等を実施し、準備書及び評価書に係る手続を取ることとなります。 現在のところ、環境影響評価の方法を定めるための方法書について、本年一月末からその作成に取り組んでいるところでございます。方法書作成の後、公告縦覧等を行って住民の方々や沖縄県知事等から意見をいただき、これら意見を踏まえまして環境影響評価の方法を最終的に決定していくこととしております。 また、環境影響評価の終了時期につきましては、現時点で正確に見積もることは困難でありますが、少なくとも三年程度は掛かるものと考えているところでございます。
○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 本件の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十八分散会