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156回国会参議院2003/03/25

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

発言数
142
登壇者
23
会派数
5
開催日
2003/03/25

会議録

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、内閣府北方対策本部審議官坂巻三郎君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛施設庁施設部長大古和雄君、防衛施設庁建設部長生澤守君、外務省北米局長海老原紳君、外務省欧州局長小松一郎君及び気象庁長官山本孝二君を、また、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての審査のため、内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府北方対策本部審議官坂巻三郎君、外務省欧州局長小松一郎君、水産庁資源管理部長海野洋君及び国土交通省北海道局長村岡憲司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に日本放送協会理事関根昭義君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。中川義雄君。

中川義雄自由民主党・保守新党

○中川義雄君 先般行われました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。  一月十四日及び十五日の二日間、北方領土及び隣接地域の諸問題等に関する実情調査のため、本田委員長、小林理事、伊達委員、西銘委員、信田委員、小泉委員、大田委員及び私、中川の八名が北海道に派遣されました。なお、紙委員が現地にて参加しました。  今回の派遣に先立ち、一月九日から十二日まで小泉内閣総理大臣がロシアを訪問し、政治、経済など各分野での交流の指針となる日ロ行動計画が策定され、北方領土問題解決による平和条約早期締結の決意が共同声明によって確認されました。北方領土問題をめぐる最近の情勢は必ずしも楽観を許すものではありません。日ロ両国政府により平和条約締結に向けた交渉が続けられています。  私どもは、このような時期に、北方領土問題及び隣接地域の振興等につきまして、現地の実情視察と概況説明の聴取等を行い、併せて北海道、関係自治体及び関係団体などからの要望や意見を的確に把握するため、鋭意調査を進めてまいりました。  以下、その調査の概要について、日程に沿って御報告申し上げます。  まず、第一日目は、納沙布岬を訪問し、北方館等を視察いたしました。当日は、あいにくの荒天に見舞われ、北方四島の島々を十分展望することはできませんでした。しかし、北方館では展示パネルや北方領土の模型施設等を見ながら説明を聴取いたしました。  次いで、北海道立北方四島交流センターにおいて、北方領土隣接地域の根室市を始めとする一市四町及び千島歯舞諸島居住者連盟などの北方関係団体の各代表から意見、要望を聴取するとともに意見交換を行いました。  ここでは、北方領土の早期返還、内閣総理大臣の現地視察、北方領土問題に関する国内外の世論喚起と北方領土教育の充実、返還要求運動の後継者育成、北方領土隣接地域振興対策の促進、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律、その改正による北方領土隣接地域支援措置の充実強化、北方四島交流事業の充実強化、北方墓参や自由訪問に係る施策の充実強化、北方地域旧漁業権に対する補償措置、元島民の権益の保護、ロシアに対する強力な漁業外交の推進などについて要望を受けました。  この席上、派遣委員からは、北方領土問題の解決に両国首脳の信頼関係構築が不可欠であるとの意見、北特法の改正による隣接地域支援措置の充実強化に取り組むとの意見、北方領土返還要求運動は国民的規模で行うべきであり、後継者の育成が喫緊の課題であるとの意見等がありました。  会場となった北方四島交流センターは、北方領土問題に関する国内外の世論喚起や北方四島在住ロシア人との交流促進を図る拠点施設として平成十二年二月七日に開設された施設でありますが、広大なホールは多数の地元関係者に埋め尽くされ、活発な意見交換を行うことができました。  第二日目は、北海道知事を訪れ、北方領土問題への取組、ロシア・サハリン州との交流、北方領土隣接地域の振興、北方四島交流事業等について意見交換を行いました。  次に、道庁において、北海道から、北方領土復帰対策、北方領土返還要求運動、北方四島交流の推進と充実強化、北方四島元居住民に対する援護対策、北方領土隣接地域の振興対策等に関する説明を聴取するとともに意見を交換いたしました。  この席上、派遣委員からは、北方領土問題解決のための対ロ外交において外国での啓発活動が重要であるとの意見、曲がり角を迎えた北方領土返還要求運動に対して大胆な提案があるべきとの意見等がありました。  最後に、北海道副知事、北方領土復帰期成同盟及び千島歯舞諸島居住者連盟から要望を、北方領土問題対策協会から概況説明を聴取するとともに意見交換を行いました。  ここでは、北方領土の早期返還、北方領土問題に関する国内外の世論喚起と北方領土教育の充実、返還要求運動の後継者育成、北方領土関係団体への支援措置の充実強化、北方領土隣接地域振興対策の促進、北方四島交流事業の充実強化、北方墓参や自由訪問に係る施策の充実強化、北方地域旧漁業権に対する補償措置、元島民の権益保護などについて要望を受けました。  この席上、派遣委員からは、北方領土問題の解決には両国首脳の信頼関係構築が不可欠であるとの意見、北方領土返還要求運動は国民的規模で行うべきであるとの意見等がありました。  今回の派遣におきましては、地元から多岐にわたる要望をいただき、また、北方領土返還要求運動の原点の地を訪れ、北方領土の返還を早期に実現させなければならないとの思いを改めて強くいたしました。  最後に、今回の委員派遣に際して多大な御協力をいただきました北海道及び国の関係機関、北方関係団体の皆様に厚くお礼を申し上げます。  なお、委員派遣の文書による報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載されますようお取り計らいいただきたいと思います。  以上でございます。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) どうもありがとうございました。  以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  ただいまの報告につきまして、別途、詳細にわたる報告書が提出をされておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 次に、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 おはようございます。自由民主党の伊達忠一でございます。  今日は、政府参考人また副大臣、大臣もおいででございますが、御苦労さまでございます。順次質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、質問に先立ちまして今、中川委員から視察の報告がございました。私も北海道の一人として、大変お忙しい、一月の十四、十五ですから、本当に議員の皆さん方にとっては大変な忙しい日程の中をおやりいただきまして、納沙布岬までお越しをいただきましたことに心から私からも感謝を申し上げたいと存じます。  私事でございますが、私はあそこの納沙布岬に行くと思い出すことがございます。  というのは、かつてロシアから、四島から島を追われて逃げてこられた方が実は私の身内にもおりまして、当時、戦後、いろんな、貴金属というのはその当時はないんでしょうけれども、いろんな高価なものを持っている家庭にロシア兵が土足で上がり込んできて物を全部取ってしまう。せっかくためたやつですから、渡さないように大事に持って、抵抗すると殺されてしまうというようなことで、その情報が入って、実は夜中に家族で物を持って、子供を三人連れて山を越えて港に出て、実は漁船で北海道に渡ったという方がございまして。  そのときに、渡るときに、物を手一杯持って、山の中でこわいものですから一休みしたら、子供がすっかりぐっすりもう寝てしまって、一人は奥さんがおぶっていたそうでございますが、二人の子供が寝てしまったということで、物をたくさん持っているし、帰って生活しなきゃならぬということで、そのまま、子供にもう涙を流して謝りながら実は置き去りにして港に出て漁船で渡ってきたという方がいつも涙ながらにお話をするのを私も聞いておりまして。  当時、納沙布岬に住んでおられまして、実はあの日も、大変視察の日も寒い日だったんですが、そういう日でもいつの日でも、毎日、納沙布岬から島に向かって手を合わせて涙を流して子供に謝ったという話を実は聞いておりまして、あそこに行くと胸の熱くなる思いがするわけでございますが、私は、そういう人たちのやっぱり思いを一日でも早く、その方は十四、五年前に亡くなったんでございますけれども、かなえてあげるためにも、是非ひとつこれは実現させてあげたいということで一杯でございます。  私は、北海道議会のときに、炭鉱町出身なものですから、当時は石炭対策特別委員会に入っていたんですが、それを思い出してから、後期は、北方領土対策特別委員会というのが北海道議会はあるんですが、そちらに入って少しお手伝いをしたということがございます。  そのようなことから、是非ひとつ、これは、大臣もおいででございますが、一日も早くかなえてあげたいと、そういう立場から私も質問をさせていただきたいと、こう思っております。  それで、まず質問第一でございますが、今年の一月十日に小泉総理とプーチン大統領との首脳会談が実は行われました。平和条約を早期に締結をして、いわゆる両国間の完全な正常化を目指すべきだという決意を確認し合った後に、平和条約交渉を様々な形で進展をさせていくためにも日ロ行動計画というのが採択されたわけでございます。  しかし、その日の次の日の新聞を見ますと、大方の新聞が、領土は進展なしだとか、いわゆる領土は仕切り直しだとか、むしろ、中には後退というような新聞の記事まであるのがございましたし、あわせて、元島民の方たちももう失望感を抱いたという方が大変多かったということを実は拝見をいたしました。  しかし、戦後、返還運動をずっとやってこられて、経済支援であるとか人道支援であるとか、また先ほど話がありましたように、北方四島の水域における周辺のいわゆる安定操業に対する協力の問題であるとかを含めて、様々な形でやってきたにもかかわらずこのような評価ということになったということは、私は、結局は一歩も進歩がない、前進がないということなんだろうと、こう思っております。  そのようなことから、今日までのこの交渉について大臣はどう思っておられるのか、ちょうど大臣おいでになったものですから、お聞きをしたいと思っています。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 遅くなりまして、大変に失礼をいたしました。  小泉総理の一月の訪ロでございますけれども、これは、小泉総理とプーチン大統領の非常にいい関係が更にこの会談によりまして発展をしたというふうに思います。  それで、ここでやりましたことは、今御質問の中でおっしゃっていました日ロ行動計画について合意をしたということでして、これは項目が六つありますけれども、これは全体として日本とロシアの今後の二国間関係の言わば海図と言うべきものであるというふうに思います。いろいろな分野において、経済ですとか政治ですとか、もちろん領土問題、そして国際舞台での協力あるいは文化面も含めて協力を深めていって、日本とロシアの二国間関係を非常に強い、太い、深いものにしていくという海図でございます。  それから、その帰りにハバロフスクに寄って、ロシアが非常に今関心を持っています極東の発展という観点から意見を交換をしたということも、大変にいい、重要なメッセージだったと思います。  その中で、領土の問題については、これはそういう海図に表されたような、日ロ関係の太い、広い基盤を作りながら相互作用を進展をさせて、平和条約交渉を更に前に展開をしていくということ、前に進めていくという意味を持っているということでございまして、私が昨年の十月にロシアに行ってプーチン大統領とお会いをいたしましたときにも、プーチン大統領は、この領土問題については、これは過去から我々が引き継いだ問題であって、我々の世代、我々のときに解決をしていかなければいけないということをおっしゃって、そういった問題を解決して日ロ関係を更に強くしたいということで、領土問題についても大変前向きのメッセージを発していらしたと私は理解をいたしております。  今後、この海図を実行する段階で、相互作用を持つような形で領土の問題を進展をさせていきたいということを考えております。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 そういうとらえ方もあるんでしょうけれども、私は前進をするスタートにしたいという気持ちは分かるんですが、やっぱり前進がなかったら、私は位置に付いてだけじゃ意味がないと思うんです。やっぱり、スタートを切らなかったら、これは国民も私は理解をしないんじゃないかと、こう思うんですが。  そういう点から申し上げれば、川口大臣が大臣として十四年ぶりというんですから、全く、今までの大臣の交代というのは一年ぐらいが多かったわけで、ざっとあれすれば十四人ぐらいの方が行っていなかったと、こういうことなんですが。  八月に実は根室を訪問した際に、そのときのいわゆる会見で、日本外交を預かる者としてその責任の大きさを改めて痛感するとともに、日ロ関係を質的に新たなレベルに引き上げなければならない、こういうようなことを言っておられるんですが、これはやっぱり、質的に新たなレベルに一歩引き上げなきゃならぬということは、結局今までは前進がなかったから一歩前進させなきゃならぬという私は談話でないかなというふうに実は取ったんですが、いかがかということをまずお聞きしたいということと。  あわせて、実はこれは、先ほども中川委員が言っておられましたように、結局これはもう一特別委員会の委員の問題だけではなくて、やっぱり国民全体として、国全体として取り組んでいかなきゃならぬと、こう思うんです。  それが、御存じのように、もう旧島民の方というのは御存じのような数になってしまって、年齢的にも七十三、四歳ということでございますから、私はこの人たちがやっていく期間というのはもう限界があろうと、こう思っております。そうすると、次世代にどうやってあれしていくかということになると、やはり、理屈で言うよりも、目で見せてあげて肌で触れさせてあげるような、そういうことを私は必要だろうと、こう思っているんです。  ですから、技術的にどういうことができるのか分かりませんが、例えば洋上から、これが何々島ですよというような、子供たちに今のありのままの自然のこの島を見せてあげて感動を深めていくということも私は必要だと思うんですが、そういう方法というのはどういう方法があるのか、またどうしたらいいのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 目で見るということを今おっしゃいましたけれども、私も昨年八月にタウンミーティングを札幌でした後、根室で同じような会合を持たせていただいて、そのときに、目の前に島を見、それから海上保安庁のヘリコプターで上を飛んで、国後の爺爺岳ですとか、それからあとは花咲半島で貝殻島を、群島を見ました。それで、目で見ることの重要性は本当にあると思いました。やはり、目で見て、感情のレベルでこれらの島々は日本に属しているんだというふうに強く感じましたし、そのときに私は、やはりこの問題が日本全体の、日本の国民全体で共有をされるということのためには、多くの日本人に、修学旅行でも何でもいいんですけれども、この状況を見てもらうということが非常に大事だということは私自身しみじみとそのときに感じました。  この問題について大勢の人に共感を持ってもらい、理解を深めてもらうために何をしていくかということについて、今の時点でいろいろな試みはしておりますけれども、それに加えて更に何ができるかということについては、今ここで申し上げられるものは直ちにはありませんけれども、これを、引き続き何ができるかということを真剣に検討してみたいと思います。  あわせて、そのときに以前住んでいらした島民の方、今、年を取られてとおっしゃいましたけれども、お目に掛かってお話を聞きました。どういうふうな形でソ連軍が入ってきたか、どういう形でそこから出てきたかというお話、それぞれいろいろな御経験がおありになって伺いましたけれども、私はそれを聞きながら、ちょっと個人的な思い付きとして一つ思いましたのは、環境大臣をしておりましたときに水俣病というのがありまして、そこで語り部という人たちがいまして、患者ですけれども、その人たちが自分の経験を話をしているということをやっています。例えばそういうことも一つの参考になるのかなと思いながらお話を伺っておりました。  いずれにしても、真剣に考えてみたいと思っております。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 ちょっとそのときの心境も聞いたんですが、ちょっとお答え、なかったんですが、会見での、新たな一歩を踏み出さなきゃならぬということを感じたと。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) これを、なかなか難しい問題ではありますけれども、前に進めていくということをしなければいけないということは強く感じております。努力を重ねたいと思います。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 恐らく私は、あそこを見て感動して、今までの同じような状況じゃ駄目だなと、一歩やっぱり前進をさせなきゃならぬなという気持ちでの会見であったというふうに、こう思うわけでございます。やっぱり百聞は一見にしかずですから、例えば、こういうのはどうなのか分かりませんけれども、洋上から修学旅行的なもので子供たちに見せてあげるなんということも一つの方法かもしれませんし、ひとつ検討していただきたいと、こう思っております。  それでは、北方領土、大臣にお聞きいたしますが、先般この予算の概要について説明を実はいただきました。内示の状況を見ますと、中に新規事業が三つぐらいあるわけでございますが、私はこれはすばらしいことだなというふうに、今のこの大変厳しい状況の時期にあるところを、新規事業をのせていただいたということは大変私は評価するところなんですが、その一つに、北方領土隣接地域振興啓発費というものが二千百万のってございます。これは具体的にはどういう事業をされるのに予算を組まれたのか、ちょっと説明してください。

坂巻三郎内閣府北方対策本部審議官

○政府参考人(坂巻三郎君) 先生お話しの、御指摘のございましたように、来年度予算で北方領土隣接地域振興啓発経費二千百万円を計上しておりますが、この趣旨は、北方領土返還要求運動の原点の地である北方領土隣接地域の根室管内一市四町における啓発事業を支援をし、国民世論を活性化させるということでございますが、従来から北方領土隣接基金の運用経費を使用しまして地元市町村の独自の事業というのをやっていただいておりますが、基金の果実、非常に少ないということもございまして、それを何らかの形で御支援をしたいということで計上をしたものでございます。  実際、これ、御予算をお認めいただいた後は、地元市町村から、経費の足らないところで、従来やりたいけれどもやれなかった事業はどういうものがあるのかというような地元の御意向を十分にお話をお聞きしまして、それが復活して新たな形でできるように具体化してまいりたいというふうに考えておりますので、現在はこれこれの事業という具体的な事業のアイデアを私ども独自に持っておるわけではございませんが、一市四町の御意向等も十分にお話を聞きまして、有効に活用できるようにこれを実現してまいりたいというふうに考えているところでございます。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 まず、その事業の予算を組むときには、やっぱりそういういろんなところのを聞いて、こういうことをある程度やるんだというような目的で組んでいかないと、予算のせてからどうやったらいいか相談しますというのは、ちょっとこれは私はインパクトないんじゃないかと、こう思うんですが、そんな今の、猶予のあるような財政状況じゃないと思うんです。是非、きちっとやっぱりやることを決めて、何が何でもこれをやっていかなかったらこの返還運動にいろいろと障害があるんだということをきちっと検討して実はやってほしいと、こう思っております。  それでは次に、ビザなしのことと併せてピースボートのことで聞きたいんですが、ビザなし、十一年になるんですか、実行してから、やってまいりましたが、いろんな問題がやはり十年たつと出てきております。  ロシアの事情とはいえども二回続けて中止になりましたし、最近は同じような方が来られて、中にはディズニーランドに連れていけとか、先般は沖縄まで案内しろというようなことで案内をしたというような、もう余りにもわがままというか観光化が、俗化しちゃったような格好に実はなって、真の、本当の意味というものは果たしていないんじゃないかという私は気がするんですが、是非これは私は見直していただきたいと、こう思っております。  それと同時に、一方では、昨年の八月ですか、ピースボートと言われるNGOの方たちが、閣議決定をしており、またいろんな省庁の自粛要請にもかかわらず、それを無視して上陸をしてしまったと。相当な数なんですが、五百何十名という数なんですが、誠に私は残念だと、こう思っております。  しかし、話を聞いたら、大変好評なんで、旅行企画をまたしたいと、再度計画したいというような話があるようでございますが、その辺は把握をしているのかどうか、お聞かせをいただきたいと思っています。

矢野哲朗自由民主党・保守新党外務副大臣

○副大臣(矢野哲朗君) 御指摘の四島交流事業でありますけれども、既に十一年経過をしまして、その間の相互にお互いの島々を訪問された方々は九千八百人に上っております。その結果、四島の住民のそれぞれの間にも領土の問題の存在が、認識が深まった、そして、この問題を解決して真の友好関係を確立していこうというふうな一つの認識が徐々に広がったといういい結果が出たと思います。なおかつ、我が国国民が実際に四島を訪問することによって四島に対する関心も高まりました。なおかつ、返還要求運動の活性化にも役に立ったと考えています。  そして、御指摘の沖縄訪問でありますけれども、考え方としましては、サンフランシスコ平和条約締結後も米国の施政権下に置かれた沖縄であります。しかし、その後、日本に返還されまして、その歴史的な経過を実際見ていただくと。一つの成功例だと思うんでありますけれども、そういうものを一つ参考にいただきながらということで、なおかつ、沖縄自身が独自の文化をその後も維持しという一つの在り方、それがお互いに、より一層理解を深めるというふうな必要性もこれありということで、この訪問はこの種の交流ということの本来の目的に沿った一つの事業というふうに考えていますけれども、なおかつ、御指摘のとおり十一年も経過したということで、今後、更に工夫を加えて、るるどういうふうな形で実施していったらいいかということで考えてみたいと思います。  なお、またピースボートの件でありますけれども、大変残念なことでありまして、我が国の国民がロシアの出入国手続に従って四島に訪問すると、このことは北方領土に対する我が国の法的立場を害するおそれがあるというような判断で、平成元年九月十九日の閣議了解により、それぞれ入域を行わないように自粛してもらいたいというふうな再三にわたる注意を発した経緯もあります。  先生御指摘のとおり、人気があるからというふうなことでありますけれども、その辺の情報も十分察知しつつ、今申し上げたような見地から、自粛していただくべく最大限のまた注意をさせていただこうと思っております。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 これはもう北方領土交渉の日本の立場を逆に弱めるだけではなくて、私はやっぱり交渉の枠組み全体にも大きな影響を与えてくる問題だと思っておりますので、是非お願いしたいと、こう思っております。  それから、実は友好の家のことについてちょっと聞きたいんですが、先般、三月十一日ですか、沖北委員会として北方領土返還促進に関する国会の要請を受けまして、そのときに北連協の代表の林さんから、ビザなしで行って友好の家に泊まったんですけれども、暖房もなけりゃシャワーもお湯も出ないということで大変苦労したということを言っておられました。よく調べたら、日本からの運営管理費が滞っているのと管理人の給料が要するに支払われていないというようなことなんだという話を私どもに訴えておられましたが、せっかく造ってあげたものが、それが機能を発揮しないなんというのは、これは意味ないんじゃないかと思うんですが、これはどういうような状況だったのかちょっとお聞かせ願いたいと思います。

小松一郎外務省欧州局長

○政府参考人(小松一郎君) お答え申し上げます。  友好の家でございますが、元々、本来は島民の緊急避難所として設置されたものでございますが、委員御指摘のとおり、同時に四島交流の際における日本側及び四島側の訪問者の宿泊先として利用されております。  昨年の八月に日本側の方がいらっしゃったときにボイラーの調子が悪かったと。これは、毎回、訪問いたしますときに私ども外務省ロシア課の職員が必ず随伴して参りますので、そのときに確認しておりますけれども、その後、九月にも何回か訪問がございましたけれども、そのときにはシャワー、ボイラーの問題はなかったというふうに私は報告を受けております。  ただ、委員の御指摘のございました維持管理費でございますが、これは従来、支援委員会から年間約三万ドルを支出してきたわけでございますが、昨年いろいろな問題がございましていろいろ厳しい御指摘もいただいたということで、最近の維持管理費の支出状況につきましては、昨年の八月に、平成十三年度の第三・四半期分の我が方負担分八千百ドル、それから第四・四半期分の我が方負担分八千二百ドル、合計一万六千三百ドルを支援委員会事務局を通じて支払ったと、こういうことになっておりまして、確かに十四年分についてはちょっと遅れているのが実情でございます。  他方、今御指摘がございましたように、友好の家を今後とも有効に活用する、また、四島の交流事業を円滑に実施するという観点からこれは非常に必要だと思っておりますので、平成十四年度以降の負担の在り方につきましては今、鋭意検討をしているところでございます。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 時間がなくなってきましたので、実はこれもちょっと短くならお答えいただきたいんですが。  これに関連して、十四年度のいわゆる支援委員会の残高として百四十二億ございますね。残高があるんですよ。それなのに、十四年度のこの新事業、この百四十億の支出がある程度もうめどが付いていて──それで、新たに十億五千万ぐらいの事業の申請をしているんですが、聞いたら、これは全く支払のめどなんて一つもないんだということで、それだけあってなおかつ十億の事業に対して申請をしてくるということは、これはちょっと不自然な格好だなと、こう思うんですが、ちょっとこれを短く説明してください。

小松一郎外務省欧州局長

○政府参考人(小松一郎君) 短くお答えをするようにいたしますが。  基本的にこの支援委員会、旧ソ連邦の崩壊に基づきます混乱に対応するための緊急人道支援、それから市場経済化の改革を支援する枠組みとして、機動的にその活動を行いますために、国際機関として一定の繰越金を保有して機動的に活動ができるようにということで毎年拠出金を要求してまいりましたが、確かに、いろいろ御指摘をいただいておりますとおり、十年もたって惰性でそれをある程度行ってきたということは深く反省する必要があると思っている次第でございます。  御指摘の平成十四年度予算につきましても、確かに予算は付けていただきましたけれども、国会等の場において非常に種々の指摘をいただいたこともございまして、これは現実には拠出をしないことにいたしました。  それで、今後、支援委員会を廃止をいたしました後、この繰越金につきましては精算をいたしまして国庫に返納いたすという方向で今、事務的な作業を進めているところでございます。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 結果的に返納するというのであれば、私はやっぱり初めからこれは、事業なんというこんなもの、十億ぐらいだったら申請しなかった方が、変にこれは勘ぐられますよ。普通こんなことは私はあり得ないと、こう思っております。是非それはきちんとしてほしいと、こう思っておりますが。  それともう一つ、実はこれは、まあ私の言いっ放しにさせていただき、質問しようと思ったんですが、時間がないものですから。  旧島民の方たちといろいろと話をすると、とにかく一日でも早く実現してほしいという、これはもう切なる要望なんです。しかし、現状を見て、これはとても私どもが生きている間、目の黒いうちは無理だなということを正直言って感じているんですよ。それで、その人たちは、むしろ返らぬのであれば、いわゆる残地財産と言っているんですか、地元に残してきた財産、これらをひとつ補償してほしいという声というのは正直あると思うんですが、私も何人かの方に対応したことがあるんですが、ちょっとこれはという話をしたら、いや、かつて橋本大臣のときに、じゃどういう方法があるか検討してみようということを言った経緯があるんだという話をされておられました。  これらについて、後からひとつ一緒に検討していただきたい。これは答弁いいです。とにかく検討していただきたい。そして、島民の人たちにある程度納得するような回答をしてあげていただきたいと、こう実は思っております。  それで、最後の質問なんですが、実は先般視察に行きましたときに青年部の方たちから、領土、領土と言っているんであれば、日本の固有の領土と言っているんであれば天気予報も一緒にしていただいたらいいじゃないかという話が、要望がございました。  そして、いろいろと、二週間前ほどですか、気象庁の方にもおいでいただいたり、いろんな担当の方と話をさせていただきましたが、非常に技術的にも難しい面があるようで、今日はNHKの方、おいでいただいているんですが、私は、もちろん最近の天気予報の在り方を見ますと、技術的にも私は大変大事だと、こう思っております。相当正確な予報というものを知らせなきゃならぬと、こう思っているんだろうと、こう思うんですが。  私は、これ、政策的に、やはり領土と言っていながら、今の北海道の子供さんたちでさえ北方四島が日本の領土だと思っている人は、子は少ないんです、正直言って。あれはロシアの国なんだと、こう思っている人たちが多いんです、正直言って。  ですから、そういうこれからの運動の展開のためにも、やはり北方四島の天気予報なんかを表示すると、えっという、みんな疑問を持つと思うんです。そうすると、家庭でも話題になると思うんだ、朝。そうすると、いやいや、親たちは、あれはもうそもそも昔、日本の領土なんだよと、それでロシアが不法に潜入したんですよというようなことを家庭の会話の中でも、これはもういい私は啓蒙になっていくんじゃないかと、こう思うんです。  今、一生懸命、副読本出したり学校の授業に入れようかというようなことをこれからの後継者なんということでやっておられますが、私は、これは技術的な問題もあるかもしれませんけれども、政策的に国を挙げて、国民すべてを挙げて取り組んでいる事業だけに何かいい方法がないのかということを思っているんですが、今日はNHKの方、おいででございますが、その辺ちょっとお聞かせをいただきたいと、こう思っております。

関根昭義日本放送協会理事

○参考人(関根昭義君) お答えします。  今の北海道向けに放送しています画面を基にちょっと御説明させていただきます。(資料を示す)  これは、衛星から衛星写真で撮ったものをデザインしたものであります。現に、御指摘の北方四島につきましては、歯舞諸島、色丹島、国後島、そして択捉の一部は入れています。ただし、これはテレビの画面によっては両サイドがちょっと切れてしまうという問題があります。  この画面一つで北海道の十六の地方の天気予報を出しています。その北方四島を含みます根室につきましては、根室海峡の下辺りに根室という、これは根室地方を指しているんですけれども、これがありまして、これが反転しますと、こういったふうに晴れとか曇り、雪、そういったマークが出てきます。そのほかにも、衛星写真を基にしたデータ、これは当然、北方四島全部入っていますけれども、こういった情報も出しています。  現実の問題としまして、この北方領土すべてを含む形で北海道の天気予報を出しますと、本島そのものが非常に小さくなってしまうと。現実問題としまして、私どもとしまして、この北方領土問題ということを念頭にしまして、十年ほど前、四島を全部入れて出した経緯があります。  しかし、これに対しまして視聴者の方々からは、本島の情報が非常に分かりにくいという御指摘がたくさんありました。加えて、根室をもうちょっと上に上げて北方四島の一部が掛かるような形で出しますと、これは現にこの島に住んでいるロシアの人たちにサービスをしているんじゃないかという指摘もあります。そういったいろんな経緯も含めまして、私どもとしましては今のような形で天気予報を出しているのであります。  確かに、領土問題ということを念頭に置けば十全なものではないかもしれません。しかし、これまでいろんな視聴者の方々からいただいている意見、そういったものを優先的にしますと、私どもの日常生活に最も関心の深いこの気象情報、そういったものを今のような画面で出さざるを得ないということも是非御理解いただきたいというふうに思っています。

伊達忠一自由民主党・保守新党

○伊達忠一君 時間ですからこれで終わりますけれども、そういう技術的なことは、私は、ちょっと北方四島の一つの島が画面に入らないなんという技術なんというのは、もうこれは今の時代は解決されるぐらいの技術はもうあると思いますよ、それは十年前はどうだったか分かりませんけれども。  ただ、私は、そういう政策的に、技術の問題よりも政策的に、やっぱり今これだけの、もう両省にまたがって、そしてもう国を挙げて取り組んでいるあれをやっぱり官民一体となって取り組んで、何とかやっぱり訴えていくことが私は必要だろうと。これがかなり私はいいインパクトになるんじゃないかということでお願いを実はさせていただいて、是非ひとつ検討して実行していただきたいと、こう思って、これはもう両省庁にも、両大臣、副大臣、政務官にもひとつお願いをしたい、こう思っております。  以上で私の質問を終わります。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。  もうただいま伊達委員からもお話がありました。今はどこを向いても、国会の中もメディアもイラク、イラクということで大変な事態でありますけれども、やはりこういうときでも北方四島の問題、沖縄の問題、しっかりと考えて実行していくということが必要なんではないかというような観点で質問をさせていただきます。  この北方四島、ロシアに不法に占拠されてもう既に五十八年という日にちがたっております。そういう中で、元島民はもちろんでございますが、最近では、国民の中にもどうしても日本の領土を返還してもらいたい、返還すべきだという声が高くなっているような気がしております。  一月に小泉総理が訪ロした。プーチン大統領と会談をしました。今もお話がありましたが、その共同声明の中では、北方領土問題解決のための、解決と平和条約の締結に向けて強い意思を確認したと、こうあるんでありますけれども、これまでの経過を見ますと、五六年の──東京宣言等々、橋本・エリツィン会談、あるいは森さんのイルクーツクでのプーチン会談等々ずっとあるわけでございますが、残念ながら鈴木議員の動き等もありまして、何といいますか、二重外交というんでしょうか、相手側から見ればですよ、そういう間違ったメッセージが日本から送られてというような状況になったんではないか。  そして、ロシア側も、昨年の三月でしょうか、ロシアの国民議会はこの領土問題について大変厳しい、日本とのこの領土問題のアプローチを見直せというような議決もされている。そしてまた、極東サハリン州議会につきましては、この五六年宣言の九項目ですか、それについて破棄を要請するというような大変厳しい態度なんですね。  そういう中で小泉総理が訪ロをしました。先ほども現地の反応を伊達委員からも話がありましたが、時間がありませんので簡潔に申し上げますが、むしろこれは鈴木議員の後遺症といいますか、そういう中で仕切り直しに入ってしまったんではないか。要するに、小泉総理は今回の訪ロ前に、日ロ関係は対立分野より協力分野がはるかに多いということに着目すべきだと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、これはどうも、こういう厳しい対立点というものを少し、水を差すという言い方じゃなくて、何とかこれを和らげて環境醸成をしたいという気持ちは多少分からないことはないんですけれども、何かやっぱり一歩下がってしまったんだという印象が強いというふうに、元島民の方あるいは北海道の関係者の方もそういう受け止め方でございました。  したがって、この小泉訪ロ、小泉総理の訪ロの目的というのは一体何だったのかと。先ほどお話ありましたが、その辺をはっきりと明快なお答えをいただければと思いますけれども。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 一月にロシアを訪問を小泉総理がなさったときに、プーチン大統領との間で日ロ関係そして国際情勢に関する幅広い問題について協議を行いまして、両国関係を幅広い分野にわたって発展をさせていくということをお話しになられました。これが訪問の目的であるということでございます。両国関係を今後、幅広い分野にわたって発展をさせていくための訪ロであるということでございますけれども、その中でもちろん領土問題というのが入っているということです。  それで、首脳会談で、その領土問題といいますか、平和条約締結問題でございますけれども、それを含む日ロの二国間関係、北朝鮮に関係する国際情勢などの、イラクもありましたが、幅広い問題についてお話をしていただいて、そして六つの分野にわたる日ロ行動計画、言わば今後、日ロの両国の関係を前進をさせていくための海図というべきものでございますが、これが採択をされました。  それから、その訪問の目的ということでいいますと、日ロ両方にとって関心があるシベリアの開発問題、これについて日本としてロシアの、シベリアにおける、シベリアの発展を大事だと考えるというメッセージを発するという意味でハバロフスクに訪問になられまして現地の知事等と意見交換を行いました。これは今まで──という意味で、これは訪ロの意義を高めるということであったと思います。  領土の問題については、今までずっと言ってきていますけれども、四島の問題を、四島の帰属を解決して平和条約を締結をするということを言っているわけでして、今、二国間のレベルで取ると、日ロ関係というのは非常に弱い関係であるわけです。日中関係、日米関係は言うまでもなく、日中関係と比較をいたしましても、例えば人の交流ですとか、それから貿易量ですとかということを取ってみても、一けた日中関係よりもまだ低い状況にあるわけでして、こういう関係を太くしていく、その中で領土問題を前進させ、領土問題を解決をして、更に日ロ関係を幅広いものにしていくと、そういう観点で、相互作用が存在する中で領土問題の解決に向けて更に前進をしようと、そういう考え方でおります。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 日ロ行動計画ですか、これは目新しいものは、今、大臣がおっしゃったシベリアの、あるいはサハリンの石油の開発といいますか、パイプラインというような問題について協力する用意があるというところではないかと思うんですよね。ですが、やはり相当これは時間が掛かるんじゃないかということをむしろ受け止める方は強く感じたんではないかなというふうに思っております。  そして、今お話がありました、総理は、プリコフスキー極東連邦管区大統領全権代表ですか、ともハバロフスクでお会いになりました。普通、外交のレベルでいうと、総理が、知事というんでしょうか、全権代表とはいいながら地方の代表でございますよね、こういう方にお会いするというのはどうなんだろうかと、極めて異例の会談というふうに受け止めた向きもありまして、一部マスコミ等では、これはやはりこのプリコフスキー代表が金正日総書記と太いパイプがあると、そういうことで、これは領土問題というよりは北朝鮮の問題で要請に行ったんではないかと。  今、大臣のお話によると、極東代表ということで会ったんだというようなお話もあったように思いますが、この辺についての真相といいますか、お話しをいただければと思いますが。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 日本とロシアの経済の関係でいいますと、かなり補完的な面を持っているというふうに思います。特にシベリアとの関係では、日本はロシアと補完的な関係にある。シベリアには豊富な資源があり、日本には技術及び市場があるということだと思いますが、このロシアの極東が安定的に発展をしていくということは、我が国にも強い関心、関係がある北東アジア全体の安定的な発展という意味で非常に重要であるわけです。  そういう意味で、我が国は、ロシアの極東の発展を重視していて、このロシアの極東地域の発展に弾みを与えることによって我が国とロシアの関係を更に深くしていく、極東地域の潜在的な可能性を引き出すことによって我が国とロシアの関係に更に資すような形にしていくということが大事であるということでございます。  ロシアの、総理の極東訪問に当たっては、いろいろなうわさがございましたけれども、そういうことは全く関係がないことでございまして、小泉総理はハバロフスクでプリコフスキー極東連邦管区大統領全権代表と、及びハバロフスク地方の知事でいらっしゃるイシャーエフ知事と意見交換を行われまして、日本としてロシア極東地域の発展を重視しているんだというメッセージを発していただいたということと、それから、その地域にシベリア抑留者のための平和慰霊公苑がございます。ハバロフスクにございます。そこで献花をいたしまして、これは、日ロ間で二度とこういうことは起こしてはいけないことなんだということを首脳会談でもその前に取り上げたと、そういうことでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 これは北朝鮮の問題ですから余りここで更に質問するつもりはありませんが、いずれにしましても、この会談で、プーチン大統領との会談では北朝鮮の問題、テロの問題、お話しになられたようでありますけれども、北朝鮮に対するアプローチをよろしくお願いしたいということをおっしゃったようでありますが、当然そういう話もあったんではないかと。  これは邪推か推測か分かりませんが、その辺は、簡単で結構でございますが、そういうことは話題にならなかったんでしょうか。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) ちょっと今、きちんと確認をする必要があると思いますけれども、北朝鮮というのはもちろんこの地域、極東の地域とは非常に近い地域であります。ロシアとの関係では、先ほど委員もちょっとお触れになられましたように、ロシアが北朝鮮に対して国際社会の責任ある一員となるように働き掛けてくれるということは非常に大事なことであるので、プーチン大統領とはこの話をしています。  ロシア、極東に行かれて、総理が北朝鮮について触れられたかどうかということについては、私は、今きちんとした確認をしているわけではありませんけれども、当然、北朝鮮に国際社会の責任ある一員となるようにということの観点で話合いの中には出たのではないかと思いますけれども、巷間言われるような、拉致された方々との関係でそこで会うとか、いろんな報道がございましたけれども、そういうことは一切ないということでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 そこで、このような状況を踏まえて、両大臣から所信表明で、今後の北方領土問題の解決に向けての表明はされているんですけれども、そういう状況を踏まえ、今のような問題を含めて、特に小泉総理は北方領土に──本田委員長も出席され、関係の議員も出席されたようでありますが、そこでこの一月のロシア訪問について触れまして、日ロは領土問題で対立しているが国際舞台で協力しなければならない分野もある、政治、経済云々ということで、領土問題解決の基盤強化となる北方領土問題を国民一人一人の問題として関心を持つように啓発活動に一層協力願いたいというようなあいさつをされました。  こういうことを踏まえて、細田大臣に改めてこの返還に向けての決意をお願いしたいと思います。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) 委員の皆様方が委員会派遣ということで根室その他を訪れられまして、元島民の方や現地一市四町の皆さん方と意見交換をされたこと、御視察になったこと、私も昨年の暮れに現地根室市その他に参りましたけれども、強い御要望を承って帰ってきたところでございますが、私はこう思っております。  冷戦時代は、平和条約、平和条約といっても本当に平和条約を結ぶつもりがあったのかどうか、旧ソ連の時代は。それがロシアに替わって相当地盤の変化が生じた。そして、ただ、前の大統領の時代はまだまだ非常に政権も安定せず、なかなかサハリン州の言い分だ何だということで向こうが決め切れないという問題があった。しかし、プーチン政権になって徐々に安定してき、経済発展もしなければならない。冷戦時代も終了を遂げている。そして、彼らも経済発展をしなきゃならないし、日本との経済交流もしなければならない。したがいまして、私は、この平和条約に向けての、そして日ロの協力に向けての基盤は日に日に良くなっていると思うんです。  確かに、これまで非常に長く掛かっておりますから、いろいろな方の御意見を伺いますと、こんなに待ってもう本当に生きているうちに返ってくるのかなんという御意見には接しますけれども、私どもは、政府としても、あるいは立法府の皆様方としても、ここがやはり今後の頑張りどころであって、これは正に今、小泉政権が積極的に対応していかなきゃならない時期だと思っております。もし、向こう側がどうも日本の側が余り最近は熱意があるのかななどということを思ったんでは、これは交渉にも何もなりません。  私としては、断固、小泉総理、川口外務大臣を始め、皆様方と一体になって政府の姿勢をはっきり示して、国会の側でも更に示していただいて、一緒になってこの四島一括返還を必ず実現するように取り組んでまいりたいと思っております。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 是非その意気込みで頑張っていただきたいというふうに思っております。  さて、北方四島の問題で世論をいかに喚起するかということに関連して、先ほども伊達委員から天気予報の話がありました。私どもが現地へ行きましたときに、中標津の青年会議所の方の発言だったと思いますが、せめて天気予報というような番組に領土がきちんと表示をされ、場合によっては島名というんでしょうか、四島の名前とかそういうものが出てくれば大変盛り上がるのではないかというようなことがありました。    〔資料配付〕

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 そこで、皆さんのお手元に配っておりますが、ごらんになっていただきますけれども、ほとんど、これを見ますと、NHKさんも今日来られておりますが、例えば最初のページも、これ全国のあれでございますが、ちょっと切れているような感じもございますし、うまく入っているなというのは四ページですか、雨の予想というものでちょっと見にくいんですが、ここは何かせっかくの島のところに表示、何でしょうか、これ、どれぐらい降っている、雨、一時間に幾ら降るというような表示でかぶってしまいまして、せっかくの画面、画面といいますか、四島が台なしになっております。そんなことで──それから、アメダスについては次の、四島、少しやっぱりこれも切れておりますが、現地で気温とか風速とか測っていないということで表示がありません。  それから、以下民放の図面等もございますけれども、ちょっと見にくい。私が勝手に集めたものですから見にくいんですけれども、昨日、実はHBCの、これは皆さんのお手元にございません、画面の、これは小さくて申し訳ないんですが、ここに根室地方とわざわざ断って、北方四島が表示してあります。  こういう画面もあるということで、全然ゼロではありませんが、いずれにしましても問題は、気象予報を根室地方というようなことでおやりになっているわけでございますが、この北方四島について実際に気象予報の対象にしているのか、入っているのかと。そこは、気象庁長官、来られておると思いますが。

山本孝二気象庁長官

○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。  気象庁では、天気予報を発表するときに対象地域の名前を付けて発表しております。これにつきましては、地元自治体の要望とか報道機関の意見を聞いて定めると、こういうプロセスを経ております。  このようなことから、北方四島につきましては、当該地域が根室支庁に含まれているということもございまして、根室地方の名称を用いまして北方四島を含む天気予報を一日三回、週間天気予報を一日一回発表しているところでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 気象庁の予報警報規程ですか、それを見ますと、確かに根室地方に注書きがございまして、そこの中に色丹郡、国後郡、択捉郡等々ということで入っていると。これを含んだ天気予報を流されているということですね。  そういうことですから、これを受けてどう表示を──これは、しかも天気予報というのは、気象庁から出ているのは画面で出しているんではなくて、文字で根室地方は今日、明日、明後日こういうことですよというようなことで出しているんだそうでございまして、時間がありませんので勝手に言いますけれども、間違ったら訂正をいただきたいと思います。  ですから、あとは北方領土というものをどういうふうに、画面に地図をどういうふうに表示するか、その中に北方領土をどういうふうに入れるか入れないか。それから、場合によっては根室地方というふうに──気象庁の方ではこういうふうにここを根室地方と言うというふうになっております。確かにこれはきちんと四島が入っております。ただ、これをずばりここに書いてあるわけではありませんので、ここに例えば今言った択捉、国後、歯舞、色丹というような言葉が入れればもっとよろしいんじゃないかと思うんですが、そういう表示というのはうまくできないものでしょうか。

山本孝二気象庁長官

○政府参考人(山本孝二君) 今、先生お尋ねのように、天気予報につきましては、現在、報道機関あるいは地元自治体に対しては文字で伝えてございます。私どもは、その文字の管轄エリアについては予報業務規程で定めておりまして、それを図式化することについては、私ども現在行っておりません。  ただ、そういう関係機関から御要望があれば御相談に乗ると、協議に乗るということで対応してまいっております。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 関係機関から要望があればということでございますので、地元の北海道を始め関係者の方から要望あるいは当委員会からの要望ということも含めてお願いすればいい方向に行くのかなというふうにも思っております。  それから、それを天気予報を受けまして各放送局でどうしているのかということについて、今日は民放全部を呼ぶわけにいきませんので、代表してNHKさんに来ていただいておりますけれども、どういう現状でしょうか。時間がないので、簡単によろしくお願いしたいと思いますが。

関根昭義日本放送協会理事

○参考人(関根昭義君) 民放まで含めてちょっとお答えというふうにいくかどうか分かりませんけれども、先ほど申し上げましたように、私どもとしましては、この北方四島も含めまして根室地方という中でやっています。ただ、その根室の表示が根室海峡のちょっと下辺りにやっているので、もっと右に寄ればこれは北方四島も含むという形で受け取ってもらえるんじゃないかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、余り四島の方に寄りますと、この島に住んでいるロシアの人たちに向けたサービスになるんじゃないかという受け取られ方、そういった御指摘もあります。  したがいまして、私どもとしましては、視聴者の要望といいますか、視聴者の立場に立ちまして、できるだけ分かりやすい形でこの気象情報を提供するということになれば今使っている天気図にならざるを得ないというのが私どもの考えでありまして、是非、これまでいろんないきさつがありましたけれども、今使っている天気予報については様々な経緯を経ましてこういう形になっているということについては御理解いただきたいというふうに思っています。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 ですから、天気予報としてこういうものをより、北海道の場合ですと、大きく映れば分かりやすいということで、この肝心の本島を大きくしますと四島の方が切れてしまうというようなことがある。  ですから、それは視聴者向けにいいサービスをしたいと、現実に北方四島には住民はいないというような状況もあってこういう結果になったのかもしれませんが、でき得れば、やはり日本領土である四島というものを含めて表示をしていただいて、画面上のいろいろの工夫もできると思うんですけれども、その辺をお願いをしたいというふうに思っております。  そこで、委員長、できれば、こういう問題につきまして、なかなか、これは放送法というのがありまして、番組編成、こうしろああしろというふうに総務省が直接発言をすることは恐らくできないんじゃないかと、してはならないということだと思いますけれども、我々が、あるいは民間人がこういうふうにしてください、こういう天気予報にしてください、領土を含んだ図示をしてくださいと言うことは自由だと思いますので、要望をしてはいかがかという御提案を申し上げたいと思いますので、御検討いただければと思いますが。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) これは理事会で、今の小林元君の件につきましては理事会で協議をしたいと思いますので、後日にしたいと思います。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 天気予報の問題といいながら、やはりあらゆる場面で北方領土問題というものをPRといいますか、国民に知ってもらう、忘れないようにするということは大変大事だと思いますので、細田大臣、御感想があれば何かお願いできましょうか。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) できればこの地図の中に入れていただきたいと思いますし、私は沖縄を担当していますから、九州と沖縄というふうに放映するときには何とか沖縄をかぎで囲って入れたりしていますね。だから、例えば北方四島、どうしてもこの後のページで入りにくいなんというときは、この右下の十勝の東の方は空いておりますから、そこへくくって四島を入れるとか、何か工夫をしていただきたいなと私も思っております。よく話をしてみたいと思います。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 大変いいお考えをいただきまして、ありがとうございました。我々も一生懸命頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  もう時間がほとんどありません。いろいろ質問を用意しましたけれども、最後に一つだけ簡潔に、防衛施設庁、来ていると思いますが、SACO関係。  沖縄の県民の強い願いの中でSACO最終報告というものが出されました。今、いろいろと普天間飛行場始め進捗はしているというふうに思っておりますが、その進捗の状況、あるいは多少遅れているんなら遅れている原因といいますか、そういうものについて簡潔にお答えをいただければと思いますが。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) SACO最終報告に盛り込まれた土地の返還につきましては、十一個の施設・区域が対象となっております。  これらの施設・区域の返還状況につきましては、まず安波訓練場でございますが、この返還が平成十年の十二月に既に実現しております。それ以外の十事案につきましては、普天間飛行場など八事案について地元の了解が得られまして、その一部については移設工事を行っているところでございます。  なお、残り二件のギンバル訓練場及び牧港補給地区の返還につきましては、引き続き地元と調整等に努めているところでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 もう時間がありますので、やめたいと思います。  この沖縄問題、大変重要でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。また機会がありましたら、通告をして、せっかく来ていただきまして時間がなくて質問できませんで恐縮でございます。時間がありましたら、またよろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。  私は沖縄のことを中心に今日お伺いをいたしますけれども、冒頭、答弁をされる方にお願いを申し上げたいと思いますが、私、時間が余りありませんので、簡潔明瞭にお願いをしたいと思います。  最初に、細田大臣に伺いますけれども、今、イラク攻撃が開始をされまして六日目になりました。今日の読売新聞にも出ておりますけれども、この攻撃の影響で沖縄に行く予定でありました修学旅行のキャンセルが、今日の記事によりますと十八校もう既に出ているということでありまして、二年前の九・一一のテロの際には沖縄の観光、大変な打撃を受けたわけでありますけれども、そのときの教訓も生かしながら、根拠のない風説が流れて沖縄への観光の足が止まるということがないようにしていただきたいと思いますが、政府として今どういう対応を取られているのか、簡潔にお願いいたします。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) 取りあえずは、今は、現在のところでは、沖縄県におきまして四十六都道府県の教育長あてに手紙を出し、かつ旅行会社、大きな旅行会社には文書を発出して、この現状について理解をしてもらうための文書を出されたということでございます。  そこで、沖縄県知事からも電話による緊急の連絡もございまして、これは、内閣府としてもこれからの影響を見ながら是非対応してほしいという御要望ありました。  そこで、今後、既に推進中の観光強化キャンペーンの実施に加えまして、特別調整費を機動的に活用をして観光のアピール、それから修学旅行のしおりやビデオテープの作成等、修学旅行生確保緊急対策事業を今般新たに実施するなど、県と連携しながら対応を図ってまいりたいと思っております。  今後とも、変化に応じてまた更に機動的にやってまいります。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 是非、大臣、沖縄が安全である限りは沖縄は安全であるという強いメッセージを大臣から発していただきたいと思います。  続きまして、今、同僚の民主党の理事からもお話ありましたけれども、普天間の移設問題についていろんな角度から議論させていただきたいと思います。  この普天間の移設問題につきましては、使用期限問題の未解決などの障害がございまして、今、はっきり言って膠着状態だというふうに少なくとも沖縄県民は思っております。この膠着状態を打破するために最近様々な議論がなされておりまして、その中で、新嘉手納統合案なるものが最近登場いたしまして高い関心を集めております。  私は、この普天間の移設の問題というのは、沖縄県だけの問題ではなくて日本全体の安全保障にかかわる問題であり、その意味では、活発な論争が闘わされるということは、特に政策論として、非常にいいことだというふうに歓迎をしております。  ただ、私は、この普天間の基地を嘉手納に統合するという代替案につきましては、個人的な考えですけれども、問題点が多々あるというふうに思っておりまして、これらの点について具体的に内閣府及び外務省の皆さんと議論したいと思います。  この嘉手納に統合するという案の前提の一つは、普天間基地を拠点とする在沖海兵隊の、アメリカの海兵隊の兵力削減をして、この削減した、兵力が削減された普天間基地を嘉手納に統合するんだという話が前提になっているわけですけれども、この削減のために、統合案の論者たちは、海兵隊の訓練地を海外に分散することによって現在約一万五千人いると言われている海兵隊員を三分の一にするという主張なんですね。ところが、私、調べてみましたら、実際に、既にアメリカの海兵隊で沖縄を拠点としている部隊は、ほとんどの訓練、海外に分散をしているわけですね。  ですから、ここから言えるのは、分散化すること自体が兵力の規模の縮小に自動的にはつながらないというふうに私は理解しておりますけれども、外務大臣、これでよろしいでしょうか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。  今の海兵隊訓練の一部移転の問題でございますけれども、これは、遠山委員も御案内のとおり、一昨年六月の日米首脳会談におきましても、今後とも日米の関係者の間で協議を進めていくということにはなっております。  ただ、実態がどうかということを申し上げますと、今おっしゃいましたように、実際には、沖縄におります海兵隊の訓練につきましては、例えば、一年間に参加している約七十回の演習のうち、現在沖縄県の中で実施しているのは既に一割程度というふうになっておりまして、しかも、そのうち約半数はいわゆる指揮所訓練ということで、余り地元への影響がないというような訓練という説明を米側から受けております。  そこで、このような訓練の移転が海兵隊の駐留の規模というものにどのような影響を与えるかということでございますけれども、これは必ずしも直結するというようなことは一概には言えないと。そのときの国際情勢とかそれから訓練の態様とか、いろんなことに関係をしてくるということだろうと思います。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 ちなみに、一部では、この海兵隊の沖縄の基地をフィリピン辺りに移転をすれば兵力削減できるという主張もありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 先ほども申し上げましたけれども、訓練といいましてもいろんな形態の訓練があると思います。典型的には大規模ないわゆる演習でございますけれども、こういうようなものは割と海外で行いやすいということがあると思いますけれども、同時に、海兵隊、当然どこかに駐留をしていなければいけないと、また、そこでいわゆる日常的な練度を維持するための訓練というようなものもやらなければならないということがございまして、どこかほかの国、具体的なところは別として、必ずしも外国での訓練というものが沖縄の中での訓練と結び付いているということでもないということだろうと思います。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 今の北米局長のお話ですと、いわゆる沖縄の海兵隊がやっている演習七十回のうち約一割、つまり七回程度は沖縄でやられているけれども、そのうちの半分程度はもう図上演習であると。ということは、実際には三、四回しか一年間に沖縄県内で海兵隊は演習をしていないという状況の中で兵力規模は実際に余り変わっていないということなわけですね。  それから、私はフィリピンというのをあえて出したわけで、北米局長は具体的な言及、避けましたけれども、フィリピンというのは憲法上外国の軍隊を恒常的に駐留させることができないわけですね、憲法上。だから、沖縄の海兵隊の基地を、訓練ではなくて、訓練はいいんですけれども、短期の、基地をフィリピンに移そうとしたら、これ、フィリピンの憲法、改正しなきゃいけない。非常に重大な──日本が、じゃそのために憲法改正しろといって簡単にできるような話ではないということですから、これも安易に前提にできない議論だということは私、指摘をさせていただきたいというふうに思います。  それで、再びちょっと外務省にお聞きしますけれども、この嘉手納に統合する、嘉手納にこの普天間基地を統合するという案の中でよく出てくる話が、兵力削減をすることによって普天間基地の航空機の離発着陸回数、これ、一年間で今一万四千回と言われていますけれども、これを半分にすることができると。普天間の飛行機の離発着陸回数を半分にすることができれば、嘉手納に統合しても騒音だとかそういった問題が減るという前提なんですが、一点だけ確認したいのが、海兵隊の海外訓練が増えても兵力規模が変わらないとすれば私はこの離発着陸回数が減るということもないと思うんですが、いかがでしょうか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 訓練と嘉手納におきます離発着回数との関係ということになりますと……(「普天間の」と呼ぶ者あり)失礼、普天間の離発着回数の関係ということになりますと、これは一言で言えば、一概に言えない。特に、航空機の離発着というのは言わば米軍の運用に関することでございますので、我々も必ずしもその詳細について承知しているわけではないということもございます。  理論的には、もし駐留している人数が減れば、その関連で離着の回数にも影響を与えるだろうということはあり得るかもしれませんけれども、その相関関係については我々は承知いたしておりません。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 分かりました。  次に、ちょっと別の角度から防衛庁にお聞きしますけれども、この普天間の基地、離発着陸回数はそう簡単に私、変わらないと今の議論で思っているんですが、この回数が変わらない普天間基地を嘉手納に統合すると──嘉手納は、今現在、離発着陸回数が一年間七万回なわけですね。普天間が一万四千回ですから、両方合わせると単純計算で八万回以上となってしまうんですけれども、そうなれば嘉手納周辺の騒音というのは増大します。  それから、嘉手納基地、空軍が利用しているわけですが、固定翼機が中心なわけで、海兵隊はヘリコプターが中心だと。ヘリコプターと固定翼機が同じ空港を共用で使ったら、これはやっぱり衝突して墜落するという危険性が増すというふうに思うんですけれども、防衛庁、どうですか。

守屋武昌防衛庁防衛局長

○政府参考人(守屋武昌君) 防衛庁の防衛局長でございますが、当時、嘉手納飛行場集約案というものを検討するに際しまして、先生の言われました固定翼というのは離発着のスピードが大変早うございます。それから、回転翼は離発着に要する時間が、大変時間が掛かるということで、スピードの二つの異なる航空機を一つの飛行場で管理できるかということが大きな問題であったということは事実でございます。  ですが、これの問題は航空機の飛行安全という問題でございまして、この問題を先生の御指摘の観点から検討したことは事実でございますけれども、嘉手納飛行場集約案を政府といたしましてこれを取りやめまして海上施設案に選択肢を選んだのは、あのときの考え方は、これはあくまでも一つの要素でございまして、そのほかに、航空機を運用する場合は周辺住民の方に関する騒音とかという問題もございます。それから、運用者としての米軍の問題もございます。それから、私ども、国の方としてこの問題を推進する立場からは、環境面に対する影響とか経費の問題も考えなければいけませんで、今私が申し上げましたことを総合的に勘案して嘉手納飛行場集約案を政府として取らなかった、日米ともに取らなかったという結論に至ったものであるということを御理解いただきたいと思います。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 分かりました。いろんな問題があるから、SACOの最終合意ができる前は、今度の嘉手納の統合案というのは出たけれども、日米両政府としては採用しなかったというふうに今の御発言を理解いたします。  そこで、今度は防衛施設庁にお伺いしますけれども、よく出てくる話で、統合案、嘉手納統合案の方が、統合した場合の方が、今言われております辺野古移設よりも安くコストが済むんだと。その際に、辺野古に移設した場合は約八千億円掛かるという議論が、これは報道でも出ておりますけれども、ありますが、防衛施設庁さん、この数字というのは適切なんでしょうか、八千億円掛かるというのは。

生澤守防衛施設庁建設部長

○政府参考人(生澤守君) お答えいたします。  昨年七月に開催されました第九回代替施設協議会におきまして、建設費については約三千三百億円と示したところでございます。なお、この建設費の積算の対象となっているのは、護岸、埋立て及び連絡橋等でありまして、いわゆる上物工事であります建物や滑走路等については含んでおりません。全体の建設費用につきましては、施設の配置の検討等を踏まえまして算出する必要がありますので、現時点では見積もっておりません。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 そうすると、この辺野古に移設した場合のコストというのは、今分かっているのは、下の構造を造るのに埋立てするのに三千三百億と。滑走路と上のその部分について幾らかというのは分かっていないわけですね。もし仮に、巷間言われておりますこの八千億という数字が正しければ、上の構造を造るのに四千七百億掛かるという話になっておりまして、私はこれ、どういう計算して四千七百億としているのかよく分かりません、全然試算の根拠が議論の中で出ておらないので。私は、常識的に考えてそれはちょっと幾ら何でも高過ぎるんじゃないかというふうに思っております。  さて、ところが、巷間では八千億、辺野古は掛かるんだと、嘉手納の統合案の場合は一千億なんだと、差額七千億円もあるじゃないかと。じゃ、嘉手納の統合案にすれば一千億しか掛からないから、これも試算の根拠は定かじゃありませんが、仮に百歩譲ってこれが正しいとしても、今度、この浮いた額の七千億を沖縄振興費に使えるじゃないかという議論があるんですね。  これは、一見いい話なんですが、よく考えるとおかしい。なぜかというと、基地の建設費の予算というのはそもそも防衛施設庁が所管している予算であって、沖縄振興費というのは、これは内閣府が所管している予算なわけですね。ですから、基地の建設で、A案だったら八千億だったけれどもB案にしたから一千億で、七千億浮いたから所管の違うところの振興費にすぐさまそれを七千億使えるという話には実はならないわけですね。  この点、内閣府、ちょっと確認したいんですけれども、間違いございませんか、大臣。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) おっしゃいましたような数字の問題、あるいは、浮けば何か使えるかというようなことは、一切内閣府としては、政府としては採用しておりません。既定方針でまいります。数字についても、非常に不確定な内容の提示だと思っております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 それで、時間がなくなってきましたので、最後の論点、ちょっと私の方から申し上げたいんですが。  もう一点、よくこの統合案と辺野古移設案の比較で言われることは、この普天間の移設、辺野古への移設の場合、私、冒頭申し上げたとおり、使用期限の問題というのはあるんですけれども、仮にそれがクリアされたとしても、要するに環境、普天間を移設する先の環境アセスメントに三年、それから、埋立て工法で代替施設を造るのに大体九・五年から十年と言われているわけでありまして、その後、普天間の基地から米軍が、海兵隊が移動したとして、原状回復をして土地を沖縄県民の人に戻さなきゃいけませんから、それに大体最低でも七年掛かると言われているわけで、合計すると約二十年間ぐらいこの土地が地権者に戻るのに掛かるというふうに移設案の場合、言われているわけです。嘉手納統合案の場合はこれが早くなる、十年ぐらいで手元に返りますよという話はよくされているんですが、私、これはおかしいと思うんですね。  これは外務省にお聞きしますけれども、嘉手納統合案を採用するということは、SACOの最終合意の一部を日本側から破棄するという話になってしまいますから、これは米国と交渉をゼロからやり直さなきゃいけないと。米国は当然態度が非常に硬化してしまいますので、私はゼロから外交交渉をやり直して新しい合意を日米でやって、それからまた新しくすべてをやり直すということになると非常に時間が掛かることになるのではないかと思いますが、この点、外務省、いかがでしょうか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 今の委員のような形でもし物事を進めるとどのくらいの時間が掛かるかということにつきまして、率直に申し上げて、余り有権的なことを申し上げる立場にはないわけでございますけれども、いずれにしましても、普天間の移設問題につきましては、SACO最終報告を踏まえまして、また、その一部が少し変更になったと、基本計画におきまして、というようなこともございまして、そこの変更点につきましては、昨年の十二月に行われました日米安全保障協議委員会におきまして、川口外務大臣とパウエル長官あるいはラムズフェルド長官、石破長官との間におきまして、これは基本計画に基づいて物事を進めていくということが確認をされておりますので、政府といたしましてはこの基本計画に基づいて進めていくということだろうと思います。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 最後に、川口大臣と細田大臣に一言ずつお願いしたいんですが、今日つらつら、非常に足早にですけれども見てきたように、この今出ております新嘉手納統合案というのは、私は非常に多くの問題点があると、ですから、実現可能性が非常に現状では低いというふうに思っております。  今、北米局長もおっしゃったとおり、このSACOの最終合意を進めていくというのであれば、政府としては、この十五年の使用期限問題を中心にこれからももっと努力をして、この最終合意に基づいて普天間の移設が実現するようにやってほしいんですけれども、今日の議論も踏まえて、外務大臣と細田大臣に一言感想をいただきたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) SACOの最終報告につきましては、これは今、委員がおっしゃいましたように平成十一年末に閣議決定をしたということでございまして、稲嶺知事による移設先の候補地の表明あるいは岸本名護市長による受入れ表明を受けて行ったものでございます。  そして、この閣議決定に基づいて、今まで地元の地方の公共団体にも御参画をいただいて、代替施設協議会を設置をして基本計画の策定について協議をして、基本計画を昨年の夏に決めたということでございます。  SACO、その十五年使用期限問題については、地元の申出、お話をこれは重く受け止めておりますので、これにつきまして、今までも、それから今後もアメリカとの間で引き続き取り上げてまいりたいと思います。  それから、併せて地元の方の御負担の軽減、これ、より広く言いまして──というのがあって非常に大事なことであると私は思っております。そして、そのために日米間で今後とも必要な協議を行ってまいりたいと考えております。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) この問題は平成十一年に、沖縄県あるいは名護市、十分協議の結果、同年末に閣議決定をしておるわけでございます。その後、もちろん本年になりまして代替施設建設協議会も発足をいたし検討を開始されておりますが、いささかも方針に変更はございません。  それから、できるだけ早期にこの計画の着実な推進に取り組んでまいりたいと思います。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 以上で終わります。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 私も沖縄問題について質問をさせていただきたいと思います。  御承知のとおり、SACOの計画が進められておりますが、このSACOの計画というのは、元々、九五年のいわゆる少女暴行事件に端を発しまして、沖縄の米軍基地を整理縮小しようという方向で作られたものであります。  その後、このSACO計画が進展をするに伴いまして、だんだんこのSACO計画が非常に複雑な方向に進んでまいりまして、例えば、普天間移設の問題についても先ほど取り上げられましたが、SACO計画というのは、千五百メートルの滑走路だったのがいつの間にか二千五百メートルの滑走路になっちゃった、実弾射撃演習の問題でも同質同量だと言っておきながら、いつの間にか沖縄ではやらなかった夜間演習などが行われて、大変基地強化の方向に私はこのSACO計画は進んでいるんじゃないかというふうに思いますし、沖縄県民の中からもこういう懸念が出ております。  私、今日は那覇軍港の移設問題について取り上げたいと思いますが、この計画で私は、那覇軍港を新たに浦添に移転することによってこの軍港の基地の強化がされてはならないというふうに思いますが、まずこの点、外務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 那覇の港湾の施設でございますけれども、ここでは、米軍が必要とする貨物や人員の沖縄と他の地域との間の輸送のためにその積卸しをやっております。代替施設につきましても、この機能を超えることはないと考えております。  そして、この移設によりまして代替施設がこの機能の確保を目的といたしていることは、この移設に係る平成七年の日米合同委員会合意の前提でございまして、その意味で日米間の認識は一致をいたしております。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 機能を超えることはないということをおっしゃいましたけれども、これは、防衛庁長官も同じように機能を確保することなんだと言っておられる。機能を超えないという意味は、現機能というのはどういう機能だというふうに考えておられるんですか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 今、大臣から御答弁のありました機能と言うときに我々が考えておりますのは、先ほど大臣がおっしゃったこと、すなわち、米軍が必要とする貨物や人員の沖縄と他の地域との間の輸送のためにその積卸し等を行うということでございます。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 貨物等の積卸しとおっしゃいましたけれども、これはアメリカ軍がやることですから、単に民間船舶が船積みをしたりするような話じゃないということは明白だと思いますが、この那覇軍港の移設をめぐりまして九四年と九六年に米軍は那覇軍港の独自の構想案を出しております。この点については、防衛施設庁、外務省なのか防衛施設庁なのか分かりませんが、政府はどういうふうに理解されておられますか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 外務省といたしましては承知いたしておりません。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 だって、この問題は何遍も沖縄の新聞に出されている問題で、いわゆる九四年案では海兵隊の出撃拠点にしたいという要望が出された。九六年には、新たに政府も構想を練り直しをして、湾上の軍港を建設するという構想や揚陸艦の接岸岸壁も設けるというような案が出されておりますが、そういうことについては一切政府としては承知していないということなんですか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) この那覇軍港の移設の問題につきましては、今、委員がおっしゃいましたような米側の案については我々は承知をいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、平成七年の日米合同委員会合意におきまして合意ができております。  代替施設が那覇港港湾計画浦添埠頭地区に移設されることを条件としてということで合意をしておりまして、移設と、英語で言いますとリロケーションということでございまして、基本的にはその機能を、現行の機能を超えない、あるいは確保するということで、それを条件として合意ができたということでございます。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 今、北米局長は日米合同委員会の合意についてお話をされました。それでは、先ほど外務大臣が、今回のリロケーション、局長が言う移設、この移設については現有の那覇軍港を、現有施設を確保するんだと、機能を確保するんだというふうに言っておられるわけですが、この日米合同委員会の合意のどこにそれが書いてあるんですか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) それが正に今申し上げたことでございまして、ここには代替施設が移設されるということを書いてあるわけでございます。移設と言うときに、先ほども申し上げましたけれども、言わば英語ではリロケーションということで日米で了解がありまして、リロケーションというからにはそれは機能を維持するんだということで日米間で認識の一致があるということを申し上げているわけでございます。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 いや、それはおかしな議論で、リロケーションということだって、これ、書いていないでしょう、移設ということが書いてあるだけで。それじゃ、移設の中で、あなたがおっしゃるように移設と書いてあるだけで、現有施設を確保するということについては何ら合意がないじゃないですか。  例えば、あなた方は実弾射撃演習を移設した、これもそういう意味ではリロケーションの一つですわな。その実弾射撃演習のときには、例えば同質同量であるということが日米合同委員会合意で合意されている。いわゆる沖縄でやっている訓練と本土に移転するものは同質同量であるということが合意された。しかし、この同質同量というのはどういうんですかと我々、聞いたら、例えば沖縄でやっていない夜間演習をやるということは一体これは同質同量なのかと質問したら、これも同質同量だとあなた方は言ったけれども、少なくとも日米合同委員会の合意でその点は確保されている、確保された。しかし、この日米合同委員会の合意、あなた方からいただいたものでは、現有機能を確保する、もうそれ以上は絶対超えないんだということについては、これ、合意されていないんじゃないですか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、合同委員会合意におきましては移設という言葉が使われているということを御答弁申し上げたわけでございまして、その前提としての日米間の認識としては、現行の機能、さっきちょっと委員が施設とおっしゃいましたけれども、施設というようなことではなくて機能ということで、その機能は確保される、あるいはそれを超えるものではないという認識の一致があるということを申し上げているわけでございます。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 ということは、あなた方が言う現有機能を超えないという意味は、単に施設の形状ばかりじゃなくて、その施設を運用するに当たっての、米軍が、運用するに当たっての問題も那覇軍港を超えることはないと、こういうことなんですか。

海老原紳外務省北米局長

○政府参考人(海老原紳君) 基本的には、これは施設・区域の提供の問題でございまして、施設・区域を提供するに当たって現行の機能を超えることはないということを申し上げているわけでございまして、その施設・区域、これができましたときは地位協定二条に基づいて提供されることになるわけでございますけれども、その施設・区域を、提供された施設・区域を米軍がどのように運用するかということについては、これはもちろん使用目的、使用条件に合致した形で行われる必要がありますけれども、その範囲内において米軍が運用するということになっているわけでございます。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 それじゃ具体的にお聞きしますが、那覇軍港では現在、米軍艦艇の回頭水域というのは設定しているんですか。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 現行の那覇港湾におきましては米側の制限水域がございます。それにつきましては、主として保安上の理由により設けられていると聞いておりまして、いわゆる船舶が回頭するということで、そのための幅とかということで設定されているわけではないと聞いております。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 防衛庁の説明では、今度の浦添の移設に当たっては、民間船舶も回頭水域、つまり方向転換する水域、この水域を設定しているから、米軍からもそうした要望が出てくるんじゃないかというふうなお答えでございました。  で、先ほどもお答えがありましたように、那覇軍港では米軍が回頭できるような水域は設定されていない。これは御承知のとおり、大変那覇軍港が狭い区域で戦前からの軍港であったために、そうした機能を持っていない。  ところが、伝えられるところでは、米軍が、移設先である浦添の沖の今度のいわゆる新軍港においてはそうした回頭水域を設定したいという要望をしているということが伝えられております。これは、半径四百五十メートルというふうな大変大きな回頭水域を要望しているということでありますけれども、この点、防衛庁はどういうふうに把握しているんですか。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 那覇港湾施設の代替施設につきましては、移転先が民間港湾施設に隣接します。その関係で、改定が予定されている民間港湾計画との整合を図る観点から、米側及び沖縄県と地元自治体と調整を行ってきたところでございます。  その結果、米側と調整を行った代替施設の立地及び形状案に基づきまして同港湾施設の移設作業を進めることを沖縄県側と確認しているところでございます。この代替施設及び民間港湾施設のそれぞれを使用する船舶の円滑な運航が基本的にこれで確保されているというふうに我々、認識しております。  なお、お尋ねの回頭幅の関係でございますが、代替施設を使用するに当たって、米側艦船の具体的な航路につきましては、この回頭する水域を含め、今後、所要の調整が行われることになると思います。  ただし、制限水域につきましては、平成七年の日米合同委員会の合意におきまして、新しい港湾施設には隣接する約五十メートルの制限水域を含むというふうにされていることが合意されてございます。今回、新しい港湾施設の形状等が変更されますけれども、今後、この平成七年の合意を踏まえまして新しい移設先での制限水域については米側と協議していきたいと、こう思っております。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 いや、私がお話ししているのは、制限水域の問題に矮小化しちゃいけないと。制限水域というのは、那覇軍港にも五十メートルの制限水域が設定されていたんですよ。それは現有機能なんです。  私が言っているのは、その制限水域の五十メートルと全く区別された形で方向転換を行う回頭水域、この四百五十メートルの要望が、私たちが調査したところでは三か所の回頭水域が米軍から要望が出ている、こういうことをあなた方は了承しているんですかと。これを、あなた方がそういうことを認めたかどうかという問題より先に、米軍自身でそういう要望が出されているのかどうなのかということをお聞きしているんですよ。  そこをはっきりさせてください。それ、ごちゃごちゃしちゃ駄目です、あなた。問題をずらしちゃ駄目なんです。どうですか。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 那覇港湾施設が移設された後におきまして、港湾でございますので一定の船舶の回頭幅なりそういうものにつきましては米側との調整も必要でございますし、民間港湾側との調整も必要だと思っております。  ただ、新しい港湾におきましても、制限水域の問題につきましては主として保安上の観点から設定されるということで聞いておりまして、いわゆる米軍の船舶が専ら排他的に回頭するための制限水域というような話については、米側からは我々、聞いておりません。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 いや、これから協議されるということをおっしゃっているので、ということは、米軍から、私らが調査しているように、三か所の、四百五十メートルかどうかはいろんな問題があるかと思いますが、少なくとも回頭水域の問題については要求が出されている、間違いないですね。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 先ほども言いましたように、新しい港湾における米軍の回頭幅なりについては今後調整が必要だと思っております。  ただ、先ほども言いましたように、この港湾におきましては、平成七年に既に隣接する約五十メートルの制限水域を含むということで合意されておりまして、新しい港湾においては、形状は変わりましたけれども、この制限水域の問題については平成七年の合意を踏まえて今後、協議するというふうに考えております。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 いや、私が言っているのは、だから制限水域の問題じゃないと言っているじゃないですか。あなた、ごちゃごちゃにして混乱させて。問題を整理しないと駄目なんです。  私が言っているのは、別に制限水域のことを言っているんじゃないんですよ。制限水域というのは米軍の排他的な権利がある、そんなことは当たり前。私が聞いているのは回頭水域。これは、制限水域になるかどうかはこれからの御協議でしょう。それから、幅がどのぐらいになるかというのも、あなたは民間船舶についての調整が必要だとおっしゃっている。そこまでは、じゃ、あなた方がそういうことを言っておるんだったら、それだけは認めましょう。  問題は、それじゃ、三か所の回頭水域が要求されているというのは、これは間違いないんですか、どうなんですかとお聞きしているんですよ、あなたに。そんな、問題、ごまかしちゃ駄目です。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 回頭幅の問題については、今後、民間側との調整も必要でございますので、米側と協議の上、確認してまいりたいと、こう思っております。  現時点で、具体的に回頭の問題について米側から聞いているということはございません。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 ちょっとはっきりさせてくださいよ。その回頭幅の三か所の要求が、じゃ出されていないんですか、どっちなんですか。  あなたは調整すると言っておきながら、いつの間にかその回頭水域は出ていないなんというのは、それじゃ協議する意味がないじゃないですか。何、協議するんですか、あなた。そんなでたらめなことを国会でしゃべっちゃ駄目ですよ。そんないい加減なことで問題を片付けちゃいけません。  この問題というのは、SACO計画という、先ほど申し上げましたように、沖縄県民の、基地の整理縮小が懸かった問題なんですよ。  だから、問題は、回頭水域というのはあるんですか、ないんですか、そこをはっきりさせてくださいよ。もう時間がないんだから、あなた、そういうごまかしの答弁は駄目ですよ。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 先ほどから申していますように、米軍の港湾施設と民間港湾施設は隣接しております。そういう意味では、米軍の回頭する幅なりの問題については民間側と調整する必要がございます。そういう意味で、こういうところについては、米軍と協議の上、確認してまいりたい。これは先ほどから申し上げているところでございます。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 ちょっと委員長、ちょっと速記、止めてください。こんな答弁じゃおかしいですよ。  委員長、私、聞いていることに全然答えないんですよ、委員長、今のやり取りを見られても。私が聞いているのは、あなた方が言っている主張も認めましょうと。しかし、問題は、回頭水域という要求があるんですか、ないんですかと聞いているんですよ。そんなごまかしちゃ駄目ですって。それだったら、協議する必要がないじゃないですか。  じゃ、時間がないからイエス、ノーで言ってください。米軍の要求が、三か所の要求が回頭水域、ありますね。

大古和雄防衛施設庁施設部長

○政府参考人(大古和雄君) 現時点では、具体的に米側から要望という意味では来ておりません。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 大変話がおかしいんですよ。あなたは、幅について協議するんだって。幅について協議するんだったら、来ているということじゃないですか。何の幅なんですか、そしたら。そんなでたらめをあなた、言っちゃ駄目です。この問題については、回頭水域の問題については、もう既に新聞でも巷間伝えられているし、米軍自体がそういう要望を出されているというのは、これははっきりしていることじゃないですか。何でそういうことをお認めにならないんですか。私、こういう態度で交渉するというのは非常に問題だと。  どうですか、外務大臣、今のやり取りお聞きになっていて。私は、これはそういう問題についてもはっきりさせて、これ、回頭水域という問題については那覇軍港には少なくともなかったんだから、現有的な施設の機能を超えないというんであれば、当然のこととしてこの回頭水域についても、これは米軍がもし、今ない、ないとおっしゃっているから、それを認めるわけじゃございませんが、もし米軍からあっても、これは当然のこととして拒否されるということに私はなると思いますが、最後に外務大臣にお尋ねしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) この問題については、防衛施設庁で適切に御判断なさると思います。

小泉親司日本共産党

○小泉親司君 私、こういう問題を非常にごまかして基地の強化を進めるこの那覇軍港の移設計画というのは断じて認められないということを申し上げて、質問を終わります。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 去る三月二十日、予算委員会から、三月二十五日午前の半日間、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  それでは、委嘱されました予算について細田沖縄及び北方対策担当大臣から説明を求めます。細田大臣。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) 平成十五年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。  初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。  内閣府における沖縄関係の平成十五年度予算の総額は三千七十二億九千七百万円、前年度当初予算額に対し九六・四%となっており、平成十四年度補正予算を含めた一体予算としては三千三百九十八億二千五百万円、前年度当初予算額に対して一〇六・六%となっております。  このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は二百七十六億六千二百万円、前年度当初予算額に対し一〇〇・六%となっており、沖縄の自立型経済の構築等を目指すための産業・科学技術振興、人材育成等を図るため、世界最高水準の科学技術大学院大学設立構想を推進するために必要な沖縄新大学院大学関連経費のほか、沖縄産学官共同研究事業、特別自由貿易地域振興事業、観光振興地域等整備事業等の経費を計上しております。  また、沖縄に関する特別行動委員会、SACO最終報告の着実な実施等に関連して、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進経費及び沖縄北部特別振興対策事業費を計上するとともに、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業等の経費を計上しております。  次に、沖縄振興開発事業費等の予算額は二千七百九十六億三千五百万円、前年度当初予算額に対し九六・〇%となっております。  その大宗を占める公共投資予算については、全国的に抑制された影響を受けて減額、九六・二%となっておりますが、このうち、沖縄の教育や人材育成の推進に必要な公立学校施設費は百九億五千七百万円、前年度当初予算額に対し一〇五・〇%となっており、沖縄工業高等専門学校については、平成十六年春の学生の受入れに向けて所要の施設費六十七億三千五百万円を計上し、前年度当初予算額に対し二三八・八%と大幅な伸び率を確保したところであります。また、不発弾処理等の戦後処理経費や赤土対策、都市排水循環利用調査等の環境対策経費を始めとする事業に必要な所要の予算を計上しております。  続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。  内閣府北方対策本部の平成十五年度予算総額は十億七千七百万円、前年度当初予算額に対して九八・〇%となっております。  このうち、北方対策本部に係る経費は一億九千百万円、前年度当初予算額に対し一〇〇・七%となっており、新たに、北方領土隣接地域で行う啓発事業への支援として北方領土隣接地域振興啓発経費を計上しております。  次に、北方領土問題対策協会に係る経費は八億八千六百万円、前年度当初予算額に比し九七・四%となっており、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、北方四島交流事業、北方地域元居住者に対する援護措置等を行うものであり、その主なものとして、新たに、中学校の社会科教師等を対象に北方領土問題に関する授業方法の研究を行うための教育指導者研究会議の開催など、各種の事業に係る所要の予算を計上しております。  以上で平成十五年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 私は、民主党・新緑風会の信田でございます。  まず最初に、私は、本委員会の性格ともつながると思いますが、日本とロシア、平和条約を、そしてまた北方領土の返還を求める本委員の一人といたしまして、米国のイラク、私から言わせれば侵略というように受け止めざるを得ない傲慢なやり方に対して強く抗議を申し上げたい、こう思うところであります。  さて、私は北海道の北見というところに住んでいまして、今でも私の近くのオホーツク海は流氷で埋まっておりまして、北方領土は歩いて行けると、今の時期は。そういうところに住んでおりまして、国会議員すべての中でも北方領土に最も近いところで実は私は農業をやっているわけですけれども、近いところに住んでいる議員と、こういうところで、したがいまして、私は北方領土の返還運動を長年道民や国民の皆さんとともにやってきた一人でございます。  しかしながら、先般の調査でもいろいろ言われましたけれども、領土返還も日ロ平和条約も何一つ前進していないのではないかと、そんなふうに思えてならないわけであります。日本とロシアの歴史につきましては、もう私から言うまでもなく、多くの人々や双方の国の人々のロマンがありましたし、国と国の間には悲しい問題を含めた深いきずな、関係が今日まで築かれてきたところであります。  したがいまして、北方領土元島民と日本国民は、日ロ平和条約の早期締結と北方領土の返還を同時に締結されることを強く求めていることは御案内のとおりであります。  一月十日のモスクワで行われた小泉・プーチン日ロ首脳会談を島民たちは、平和条約による経済優先を強く、平和条約によるところから、経済優先を強く懸念して、領土返還が後回しになるんではないかと、こんなような心配がなされているわけです。  いわゆる平和条約を求める国民の願いを優先させるために経済問題を、先般、全面に出ているんではないかというふうに島民は疑っているわけで、その中で領土問題が後回しになりはしないかと、こういうことを現地からも報告、受けたところでございますが、大臣の考え方をお伺いをいたします。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) 信田議員が北海道にお住まいになられて、しかも旧島民の皆さんや、また地域の皆様方と親しく接しておられて御理解が深いことについては敬意を表する次第であります。  私自身も、昨年暮れに参りまして、元島民の皆様方や地域一市四町の皆様方の強い御要望を承ってまいりました。そして、私は、やや見解を異にいたしますと申しますか、今が私は一番大きなチャンスでもあり、今こそ、私ども政府も議会も一緒になって強くこの点を要求していく時期だと思っております。  冷戦の時代には、やはり米ソの対立ということがあって、平和条約ということについても、本当に相手が平和条約を結んで何かプラスがあるのかと、考えていたのかどうかということは、今から振り返ってみれば相当疑わしいところもございます。そして、政権が変化いたしまして、その後なかなか政権が安定しませんでしたので、経済の困難とかあるいは地域の問題、サハリン州の問題等々があってなかなか、政府間の話合いは積極的に進んだものの若干の停滞があった。  そして、今こそ、プーチン大統領、いよいよ政権が定着しまして、そして平和条約への願いもお互いに強く、かつお互いに経済的な交流、投資の交流その他、この極東地域、ロシア極東地域の発展のために彼らも熱意がある。このときにこそ、我が国が最大限の前提となる提案として北方四島の問題を強力に主張すべき好機であると思っておりますので、それを逆に、これまで長い間掛かったからといって立場を弱くするような情勢ではない、むしろ客観情勢は、今こそ、私どもは総理にも外務大臣にもお願いしつつ強い交渉をすべき時期だと考えております。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 外務省もおいでかと思いますが、併せてお願いします。

小松一郎外務省欧州局長

○政府参考人(小松一郎君) ただいま細田大臣の方から御答弁ございましたように、それから先ほど来、外務大臣も御答弁申し上げているところでございますが、一月の総理の訪ロの際の首脳会談でございますけれども、経済問題のみならず平和条約締結問題を含みます幅広い日ロ関係について協議を行いまして、その結果、両国関係をあらゆる分野にわたって発展させていく上での共通の指針である日ロ行動計画というものを両首脳により採択したわけでございます。  これは、先ほど来、外務大臣、答弁申し上げていますとおり、あらゆる分野にわたってこの日ロ関係を発展させていくということを通じまして、その肯定的な相互作用を通じて平和条約締結の機運も高めてまいりたいと、こういうねらいに基づくものでございまして、大臣、先ほどから今後の日ロ関係の言わば海図となるべきものであるというふうに御答弁申し上げているところでございます。  その行動計画、六つの柱から成っておりますが、その中でも平和条約の締結問題は重要な柱の一つとして位置付けてございまして、この行動計画を採択するに当たりまして日ロ両首脳の共同声明というものが別途発表されているわけでございます。  この中で、四島の帰属の問題を解決することにより平和条約を可能な限り早期に締結して、もって両国関係を完全に正常化すべきであるとの決意、両首脳の決意がここで確認されている、明文で確認されている次第でございます。したがいまして、この両首脳の強い政治的な意思を表明している次第でございます。さらに、この首脳会談自体におきましても、両首脳の間で、そのための交渉を首脳レベルも含めて加速化していくということで認識の一致を見ている次第でございます。  以上申し上げたとおりでございまして、政府といたしましては、先般の首脳会談において領土問題を後回しにしたということは一切ないというふうに考えておりまして、むしろ、先ほど来、外務大臣も答弁を申し上げていますとおり、この行動計画の着実な実施を通じまして幅広い分野における協力の進展が肯定的な相互作用をもたらす中で平和条約交渉を更に前進させたいと、こう考えている次第でございまして、是非とも、委員を始めといたしまして領土問題に御熱心な皆様の御支持もいただきまして、その国民の声を背景に外交を進めてまいりたいと考える次第でございます。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 是非、島民は命懸けで運動しておりますので、誤解のないように、一生懸命やっておることは私も評価しておりますけれども、進めていただきたい。  あわせて、大臣と外務省にお伺いを申し上げますけれども、我が国の北方問題の取組につきましては、どう見ても私は極めて貧弱といいますか弱いんでないかと、こんなふうに思うわけです。予算にも含めても、北対本部などにわずか十億円余の予算を、目的から見て金額を言うべきではないかもしれませんけれども、どうも啓発運動ぐらいしかしていないと。特に、外務省が、支援委員会などの事業等の予算は本当に北方問題を考えているのかどうか、北方領土問題を考えているのかどうかと疑う状態でありますし、国民から見れば、一体外務省はこの領土問題を本気になって解決しようとしているのかと。先ほど、大臣から過去のソビエト時代の体制などもありましたから、時間的なものについては私も理解しないわけではありませんけれども、今日的状況におきましては本気になって考えているように受け取れないと。少なくとも、私が前半言いましたように、本当に近い、一番大切な国との平和条約や北方領土問題が解決していないということは非常に私はこの国際化の時代で残念なことだと、こんなふうに思っているところです。  そこで私は、プーチン大統領と小泉総理が首脳会談を行ったわけでありますが、この任期中にこの領土問題あるいは国交の回復について何らかの方向を付けるというのはチャンスだと思っているんですよね。  彼も、彼の人間性というか立場とか、様々な国際的な中へ入っていくロシアの国として、彼との交渉が非常に重要であろうと。プーチンは、ロシア憲法では二期しか大統領、認められていないわけですから、この次の再選も確実だというときに、外務省も我がこの委員会も積極的な取組で、何としても五十年以上もたっているこの問題の打開策を見付けるべきではないかと、こんなふうに思うわけでございますが。  そこで、北方問題を国家的な取組として国際的な支持を得るような、今私が言ったようなバイをもっと幅広くやっていく必要があるんでないか、そういうふうに私は思います。  その中で、たった十億の予算云々ではなしに、もっと限りなく様々なところにこの予算を付けていくためには、沖北予算でなくて、やっぱり経済協力や人的交流、文化交流やスポーツ──これは、スポーツなんかは特に私は二国間でもっと積極的にやるべきだと。歴史を持ったこの二国の問題や観光、あるいは国際会議などをより積極的に進めて、両国の要するに人間との交流をいかにたくさん積み上げていくかが結果的にはやっぱり結果を生むんではないかと。  ですから、各省庁が横断的に取り組むべきではないかと、こんなふうに思うんですが、大臣と外務省のお答えをいただきたいと思います。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) おっしゃったことは非常に大事だと思います。  先般も、皆様方も行かれたんではないかと思います。あのニ・ホ・ロの施設なんかに行きましても、日ロの言わば国民レベルの友好というものを非常に強調しておりまして、やはり相互の理解、交流がいかに大事か、しかもその歴史が長いかというようなことを言っているわけでございますが、日本国民一般でいいますと、その認識がやや薄いとか、あるいは具体的な今ロシアとのいろいろな意味での交流がまだ薄いんではないかと。  先ほどもちょっと外務大臣も答弁しておられましたけれども、日中の交流と日ロの交流を見ると、まだまだ日ロの交流は浅いところがあるということをおっしゃっていましたけれども、そういう意味で、私は交流を更に深め、理解を深めて、その中でこの領土の問題をしっかり位置付けていかなければならないと思っております。  しかも、今おっしゃいましたように、今やはり大統領が非常に親日的であるということとか、それから経済的、社会的環境が整ってきつつあると、国内の安定という意味ですけれども。もう一つは、やはりその地域、その当事者であるサハリン州とか、そういうところの人たちの世論も喚起すると、こういう条件が整うべきであって、なるべく強力に条件を整備して、できるだけ早期にこの問題は解決すべきであるし、解決できる問題だと思っております。

小松一郎外務省欧州局長

○政府参考人(小松一郎君) 委員の今の御指摘は誠にごもっともであろうと考えておりまして、正に先ほど御答弁申し上げました日ロ行動計画でございますが、平和条約の締結のために、経済分野における協力、それから国際舞台における協力、それから国民間の交流の増進を通じました相互理解、信頼の醸成、そういった平和条約の締結のための基盤を作るような環境を醸成することが非常に重要だと考えておりまして、正に日ロ行動計画採択の基本的な考え方は、今、委員のおっしゃったとおりの考え方に基づくものでございます。  この日ロ行動計画の柱、六つから成っておりますけれども、第一番目が政治対話の深化、二番目に平和条約の交渉、三番目に国際舞台における協力、四番目が貿易経済分野における協力、五番目が防衛・治安分野における関係の発展、それから六番目、先ほど委員も強調されましたけれども、文化とか国民間交流の進展ということになっております。御指摘の経済分野での協力や人的交流についても重要な柱の一つと位置付けてございます。  予算の面につきましては、正に御指摘のとおり、外務省のみならずいろいろな省庁にまたがっている分野でございますので、正に政府の総力を結集いたしまして目的に向けて邁進してまいりたいと存ずる次第でございます。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 誠にごもっともだけでは前進しませんので、是非お願いしたいんですが。  私もソビエト時代に、そしてまたロシアになってからと三回、自ら行って、民族といいますか、国の様々なことを勉強しておりますので、やれば必ず前に進む、そういう信念で進めていただかなければならないと思います。  さて、本論の委嘱されました予算関係で大臣に伺いたいわけでありますが、私は先ほど言いましたように北方領土に近いところに住んでおりまして、基本的には北方領土の関係の質問にしたいと思いますが、一つだけ沖縄の予算について細田大臣にお聞きしたいと思います。  ということは、この沖縄問題はもう語れば長いんですが、私は、もう今日前半、いろんな方が所信に対して言ったことよりも、やはり本来は、沖縄は戻ってきて、完全に基地が返されて、沖縄本来のあの歴史をそのまま作っていく時代をやっぱり想定しなきゃならないし、それが本来のことですから、大臣も、みんな国民の願いだと思いますが、様々な国際関係、アメリカとの関係でやむを得ないと思いますが、もう既に今から、沖縄がすべてこの基地やなんかが返ったという想定で、沖縄が自立していくというところにもう既に大きな予算を付けたり様々な施策を集中しておくことこそ本当の意味での沖縄のための施策であろうと、こんなふうに考えているところでございますので、是非。  沖縄がいかに自立していくべきか、これは大変なことだと思います。先般、三日ほど行ってきましたけれども、やはり地主の皆さんが、さあ仕事せいと言ってもそう簡単に一気にできませんし、そういうこと一つでも大変なわけでございますが。  そこで、予算のこの非公共事業です。公共事業についてはおいておきまして、その中で、やっぱり今から人づくりと産地づくりをきちっとやっておかないともう間に合わないと思うんですね。さあ、アメリカは返してもいいですよ、あるいは基地はもうあれですよと言った途端にもう混乱するというようなことのないように、もちろん相当、事業で手掛けていることは予算で見えますけれども、これが最も大切なことで、移転後の沖縄を本気で考えているのかどうか、大臣にひとつお伺いをいたしたいと思います。

安達俊雄内閣府政策統括官

○政府参考人(安達俊雄君) 昨年お認めいただきました沖縄振興新法に基づきまして各分野別の行動計画を作りました。観光でございますとかあるいは情報通信、各般の分野での行動計画の下で県と政府一体になりまして産業興しに取り組んでいるところでございます。車の両輪として企業誘致そして地場の産業の育成と、両方重要だということでそれぞれ進めてきているところでございます。  ITの関係につきましても相当数の企業誘致が進みましたけれども、それと併せて、各地域で整備、十か所を超える数になってきていると思いますが、ITのインキュベート施設におきましては、そうした企業誘致効果とともに、沖縄における地場のIT産業の育成にも非常に大きく役に立っておるわけでございますし、情報通信に限らず、地場の産業興しということにつきましては県とも語らいました。県を中心に、地域産業興し会議といったものを中心に具体的な取組を進めております。  また、これに関連した何といっても人材育成が重要ということで、各分野ごとに、観光についても来年度の予算の中に盛り込ませていただいておりますが、人材育成に重点を当てて取り組んでおるところでございます。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 それでは、北方対策予算について、大臣若しくは関係者にお答えをいただきたいというふうに思いますけれども。  若干ダブりますので二つ一緒にお願いしたいと思いますが、この北方対策予算を見てみますと、わずか十億七千七百万円。いわゆるこれは北方対策本部へ助成して、様々な啓発行動、運動をして、言ってみれば、私は北対本部に丸投げしているんではないかと。こんなことだけで本当に、先ほども若干、国民的な啓発運動にしなければならないということで言っておきましたけれども、やはり省庁間を越えて、国民から本気になっているんだというのが見えるような垣根を越えた取組が必要ではないか、そういうふうに思うところであります。  すなわち、そういうふうな意味では、一月十日の首脳会議で、新たな領土返還に対して北方領土の元島民の皆さんは非常に期待を持っています。あるいは国民も、新たな北方領土問題に向けた、あるいは日ソ平和条約に向けた進展があるんではないかと、こんなふうに大きな期待をしているわけですが、現実は、あの現地調査で委員の皆さんもお分かりのとおり、むしろ後退していると言われる、あるいはまた、実りは何もないんではないかという強い口調で言われる。要するに、落胆している。一方で、国民や我々は期待しているにもかかわらず現地ではそういう状況になっているということは、五十年以上もたっても進展しないといういら立ちだと思うんですよね。これはやっぱり少なくとも解消していかなければならないし、何といっても、島民の一世の皆さんが七十歳を超えてしまって、返還運動の行動が非常に弱まっていくんではないかと。  そういう意味でも、後継者の育成などについて非常に重要な問題が出てきていると。やっぱり島民自身がいかに動くかということが国民世論の喚起になるわけでありますが、そういう意味では、曲がり角に来たこの運動をどういうふうに大臣はお考えでしょうか。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) おっしゃいますように、非常に長い時間が掛かっておりますので、関係者も高齢化していると。ともすれば、元島民の方の中にもなかなか時間が掛かるのではないかというおそれを言われる方もおられます。それから、昨年は非常に不幸にしていろいろなことが起こりまして、これまで非常に頼りにしてきた方がどうも善くなかったというようなことがあって、そういったことは率直に言ってあったと思います。  しかし、私は、客観情勢はそういうことではなく、先ほど申し上げたように、今こそ力を発揮すべきときだと思いますので、私は様々な若い方への、次代を担う方への運動の展開、これまでも様々な事業をやっておりますが、こういうところに若い世代に参加していただくということも必要だと思っておりますし、また、国民の認識としては、去年のああいう不幸ないろんなことがありましたけれども、むしろ認識は高まっていると思うんです。北方領土問題ここにあって、何とかしなきゃならない問題なんだということは、本当に全国民が認識したので、それをいい方向に向けていかなければならないと、私はそう思っています。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 皮肉って言えば、鈴木先生の取組などが国民の関心を得て、むしろ北方領土のことに国民の皆さんが若干目を向けたというふうに言えるんではないかと思いますが、是非、若い世代への、この予算の中にあります教育に対して、指導者の研究なども含めて取り組んでいただきたいと思います。  次に、今度は予算の内容ですから、坂巻審議官がいらっしゃっておると思いますが、北方領土隣接地域における啓発事業支援のため、今年新規に二千百万円が計上されました。この予算を計上した趣旨、そしてまた、どのような支援をすることでこの予算を活用していくのか、お答えください。

坂巻三郎内閣府北方対策本部審議官

○政府参考人(坂巻三郎君) お答えいたします。  北方領土隣接地域振興啓発経費二千百万円でございますが、これにつきましては、北方領土問題の啓発の重要性にかんがみ、北方領土返還要求運動の原点の地であります北方領土隣接地域の根室管内の一市四町における啓発事業を支援をし、国民世論を活性化させることをその目的としております。  地元における啓発事業といたしましては、従来から北方基金の運用益を活用した事業等が行われてきたところでありますが、最近の低金利等によりましてその果実が十分ではない。従来やってこれた地元での特色のある啓発事業、イベント等でございますけれども、そういったものができなくなっているという現状を踏まえまして、地元根室管内での啓発事業の拡充のためにこの予算を使っていただきたいということでございます。  具体的な事業名は、地元でも今いろいろ検討をしていただいておりまして、従来、納沙布望郷マラソンというようなものを非常に特色のある事業としてやっておられましたけれども、そういったものもできなくなってきてしまっているというようなこともございますので、そういったものの復活、継続というものもアイデアの一つとして議論をされているというふうに承知をしておりますが、実際の活用につきましては地元の意見とかアイデアを十分尊重したいということで、個々の事業名を現時点で申し上げることはできませんけれども、御要望、検討を踏まえて有効に活用をしていきたいというふうに考えているところでございます。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 是非、上からごちゃごちゃ言わないで、特色あるテーマをどんどん出させていくようにお願いしたいと思います。  時間が余りありませんので、次も審議官にお願いしますけれども、北方領土関係の情報データベースを構築した経費が新規にまたこれも盛り込まれております。このデータベースはどのような内容で盛り込まれるのか、またデータベース構築にどれだけの期間が必要なのか、お聞かせをいただきたいと思いますし、また、時間の関係もありますので、次に、インターネットに関する教育啓発資料にかかわる予算がこれまた新しく盛り込まれておりますが、これまで北方領土関係にかかわる教育についての副読本やパンフレットなどが用いられてきましたけれども、インターネットによる教育啓発資料の提供にはどのような役割を果たすのか、さらにまた、先ほど言いましたデータベースとはどのような関係にあり、効果を上げていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

坂巻三郎内閣府北方対策本部審議官

○政府参考人(坂巻三郎君) お答えを申し上げます。  初めに、北方領土問題関係情報データベース経費でございますけれども、これは、北方対策本部のホームページを活用いたしまして、内外の北方領土関係資料、北方四島交流事業等で得た情報を収集、整理をいたします。それから、青少年を始めすべての国民が北方領土問題を正しく理解するための情報を提供することにより北方領土問題の解決促進のための施策に役立てることを目的としております。  ただ、認められた経費が四百万円でございますので、来年度は、この事業の全体像を明らかにする、芽出しをするということではないかと思っておりまして、初年度以降は二、三年で実用化できるところまで構築をいたしまして、関係省庁、運動関係者、一般の方が活用できるようにしたいと考えているところでございます。  御質問の、どういう中身かというのは、初年度できっちりとそのための調査をしたいということでございますので、中身まではお答えできないのを御容赦いただきたいと思います。  それから次に、インターネットによる教育啓発資料の提供経費でございますけれども、これは、北方領土問題対策協会のホームページが平成九年にできておりますけれども、これはなかなかまだ、いまだしという御批判等もございますので、インターネットを活用した教育資材をこれによって提供することによりまして学校の授業における北方領土問題の学習を充実させると、こういったことを目的として資料内容や提供方法の検討を始めることとしているところでございます。  これも、二百万円の予算でございますので、まずこれを、手を付けるというところが大きいわけでございますが、先ほどのデータベースとの関係につきましては、このデータベースの情報を学校の授業で利用しやすい形で、この事業を提供することがいかにしたら可能かということも含めまして検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

信田邦雄民主党・新緑風会

○信田邦雄君 時間が参りました。北方領土が早期に返還されまして隣国ロシアとの平和条約が結ばれるよう、本委員会がその役割を果たすことができますように委員の皆さんと本田委員長に心からお願いを申し上げまして、私の質問を終了いたします。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  最初に、北特法の改正の問題について質問いたします。  それで、一月の委員派遣のときに、私も参加させていただきましたけれども、このとき、地元の根室などの自治体から要求された件で、自治体実施の公共事業について、この北特法七条の国庫補助率を現行のかさ上げ方式から特例方式にし、確実に補助率が引き上がるようにしてほしいと。沖縄振興法のようなスキームを願っているというようなことも出されました。  委員会としてもこの努力が求められているわけですけれども、昨年、この問題では、私もまた小泉議員も質問いたしました。そのときに、これに対して国土交通副大臣らが、内閣府ともよく相談をしながら検討していくというふうにお答えになりました。その後の検討状況についてどうなっているのか、お聞きしたいと思います。北海道局長。

村岡憲司国土交通省北海道局長

○政府参考人(村岡憲司君) 御説明いたします。  国土交通省では、今、委員からお話のございました法律に基づきまして、北方領土の隣接地域の安定振興を積極的に講じさせていただいておりますが、現行の第四期の振興計画が本年度、平成十四年度までで、最終年度となりますことから、現在、北海道で次期の振興計画、平成十五年から平成十九年度までの計画の策定に向けた作業を行っているところでございます。  国土交通省では、現在、一市四町が同計画に盛り込む内容につきましての検討状況を北海道から聞き取らせていただいているというところでございまして、その中で第七条の対象事業の見直しの必要性についても検討を行っているところでございます。  また、第七条の事業のほかにも、振興計画の中で大きな事業割当てとなっておりますいわゆる国の直轄事業でございますとか北海道庁の実施します国庫補助事業につきましても、事業の連携でございますとか重点化等の検討を進めまして、安定振興に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私たちは、なぜこの地域に特別の補助率が必要なのかということについて、一つは、この地域がやはり北方領土返還運動の拠点であると。ここにやっぱり安定した発展を図るということが重要で、地域が疲弊するということはそういう運動全体にとってもマイナスになると。基幹産業の漁業でいいますと、年々規制が強化されています。地域経済にも本当に大きく影響している現状があるわけで、その意味では、必要性、切実性ということでいいますと、法律制定当時よりも一層大きくなっているということ。  それからもう一つ。戦後、ロシアの占領によって島民の皆さんが移住を余儀なくされて、直接島民の皆さんの声もお聞きしましたけれども、多くの方がやっぱり島への復帰を本当に願っているわけですね。一方で、精神的な負担も伴いながら生活をされている。領土問題が未解決のために十分な経済活動も発展が損なわれているという事態があると。そういうことを考えても、やはり特別な助成があってしかるべきだというふうに思うわけです。  そこで、お聞きしたいんですが、対象となるこの北特法七条の直近の年の事業費が幾らなのか、そして、仮に国の補助率を一〇%上げた場合、また二〇%上げた場合に国庫負担額が幾ら増えるかということをお聞きしたいと思います。

村岡憲司国土交通省北海道局長

○政府参考人(村岡憲司君) 平成十三年度に、当該隣接地域でございます一市四町が実施をいたしました第七条のかさ上げの対象となります国庫補助事業の事業費は、一市四町の総額でございますが、三十五億千八百万円ということになってございます。内容といたしましては、雪寒地域の道路でございますとか、下水道あるいは公営住宅などが含まれているわけでございます。また、国庫補助額は、北海道特例等もございまして、十八億八千二百万円ということでございます。  今御質問のございました、補助率を一律に一〇%又は二〇%上げた場合ということでございますので、先ほどの総額の三十五億千八百万円に対して一〇%を掛けるあるいは二〇%を掛けるということでございますので、三億五千百万円あるいは七億三百万円というような数字になります。  以上でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今、一〇%上げだと三億数千万、あと、二〇%、七億幾らということで言われたんですけれども、財政的に非常に大変だという話がされるわけですけれども、国土交通省の北海道開発予算全体は八千百七十二億円ということで見ますと、それに占める割合でいうと、わずか〇・〇五%から一・〇%の範囲なわけですね。  ですから、先般、私、予算委員会で、この北海道の予算の中で、自然破壊や無駄な事業だということで日高横断道路の問題を取り上げさせていただいたんです。国の開発道路部分だけでも今年三十億円、この分野に使っているということで、実はこれ、国も道も見直しを掛けようということになっているわけですけれども、この日高道路ということでいえば、一つの例なわけですけれども、こういう既存の事業の見直しをする中で財源というのは捻出できるんじゃないだろうかと思うわけですけれども、いかがでしょうか。

村岡憲司国土交通省北海道局長

○政府参考人(村岡憲司君) 今御指摘がございましたように、補助の対象をどうするかということは、大変国の財政も厳しいという面もございますが、あわせて各地方自治体の財政も厳しいという面もございます。また、そういう意味で、国庫補助金・負担金の全体の見直しが議論されているということでございますので、これを見直すということは、当然それぞれの事業の緊急性でございますとか必要性というものをそれぞれに精査をしていくということが必要であろうかというふうに考えておるわけでございます。特に、当該地域の社会資本の整備の状況というようなものも十分に勘案しながら検討を求められているというふうに認識しているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう一つ、この地域から上がっている要求の中で、基金の運用益の問題がありました。  それで、目減りをしてきていて現地は大変苦労しているというお話があったわけですが、地域のために何ができるかということで、その役立つ中身、予算の中で盛り込まれて、どういうことが盛り込まれているのかということを北方審議官の方にお聞きしたいと思います。

坂巻三郎内閣府北方対策本部審議官

○政府参考人(坂巻三郎君) ちょっと今、部内の者と話をしておりましたので正確にお答えになるかどうか分かりませんけれども。  先生御指摘のように、根室支庁管内の一市四町は、北方領土問題が未解決であることから、地域社会として望ましい発展を阻害している地域であるという基本的認識は北特法の趣旨でもございますし、それから、地元から御要望で、先生御質問の七条関係の補助率のかさ上げの関係も御要望が出て、北海道局中心になって、いろいろ問題点も含めて……(「違うよ、そんなこと聞いていないよ」と呼ぶ者あり)申し訳ありません。  北方基金については、最近の低金利もございまして、一番多かったときの果実が半分ぐらいになっているということで、従来できていた事業もできなくなっているということでございます。  ただ、基金の目減り対策にはいろいろ私どもも勉強してみましたけれども、直接その対策というのはなかなかございませんということもありまして、先ほどから御議論に出ておりますように、少なくとも地元の啓発で従来できなかった部分を何らか支援ができるようにということで、十五年度予算では二千百万円の予算でございますけれども、それを使いまして、地元での啓発、従来できなくなっているもの、あるいはこういった状況の中でより積極的に地元啓発をするための新しいアイデアに対して支援をさせていただきたいということで、補てんそのものではございませんけれども、総体的に考えまして、地元の啓発に資するようなアイデアを出すという趣旨から二千百万円の予算を計上したところでございます。  済みません。話がちょっとあれでしたので、申し訳ございません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今の二千百万円という啓発の分野というのは、前回私も質問をしている中身でもあって、これは、付いたというのはよかったと思いますけれども、そのほかのできないかという、いろいろ勉強されているという話もありましたけれども、この間、私どもの現地の事務所で、いろいろ回って、あそこの羅臼の漁協の方とお話をしたときに出されていたもので、基金による事業がいろいろやられているんですけれども、例えば昆布の藻場の造成なんかもやっていて、それで、そういうことに使えるということはとても喜んでいるんですけれども、しかし、この幅が狭まっているために、手は挙げているんだけれどもなかなか満遍なく行き渡らない、待っていなきゃいけないということになっていまして、これをもう少し何とかならないだろうかという声も出ていて、これはどこにお聞きするかということで悩んでいたんですけれども、ちょっと質問通告はしていなかったので申し訳ないんですけれども、ちょっと水産にかかわる問題なので、副大臣、お見えですのでお答えいただければ。何らかの対策をということなんですけれども。

太田豊秋自由民主党・保守新党農林水産副大臣

○副大臣(太田豊秋君) 今、紙先生からいろいろずっと、今回の基金の問題の一連の御質問をずっとお聞かせいただきまして、やはり北方領土という日本の、私は、固有の領土であるというふうな考え方の中で、そこを今どういう形になっていくのかという非常に日本の国土として、国民としても大事な問題、しかし、そこに生きてきた人たちの生活、そういったことをもしっかりと守っていくというのもまた政府としての役割なんだろうと、こんなふうに考えましたときに、確かにその基金のいろいろな使い方、あるいは基金そのものの配分とか、そういったものが減ってきている中で、海にとって大変重要な藻場、干潟の造成というふうなことは、これはこれからの海を守っていく、また再生可能な資源としての海産物を守っていくということにおいては重要なことでございます。  そういった中で、私どもは、今、御承知のように、平成十四年からやっております五か年計画、十八年度まででありますが、おおむね五千ヘクタールの藻場の造成をしようということで位置付けてやらさせていただいております。  そういったことで、今後とも、地元漁業者とかあるいは地方公共団体等の要望を踏まえつつ、水産資源の増大のため、藻場などの漁場整備に対しましても積極的に支援をしてまいりたいと、このように考えております。  ただ、今回、例えば今、北海道にかかわる問題としても、今までの沿整事業の中でやってきておりましたものは、別海町の場合には約八億円、それから、同じように別海町でやっております七・五ヘクタールで例えば一億五千万、それから、キラク漁場などでは二ヘクタールで一億八千万円、こんなようなことで沿整事業で水産庁そのものの予算の中でもやらさせていただいておりますが、今後、例えば減ってきている中でも、小さな事業などにつきましては、これは九百六十万円あるいは九百十万円とかというふうな形で今、昆布の漁場整備なども、これはいわゆる北海道の、北方四島の基金の方からさせていただいておりまして、両方のお金を使いながら北海道の関係につきましては資金をつぎ込んでおりますから、今度、先ほど国土交通省からお話がございましたように、第四期が今終わろうとしておりますから、第五期のときに切替えをして、沿整の方の中の事業としてこれを入れ替えていったらどうだろうとか、そういったことが御要望がありますれば、そのことについてもまた地元の漁業の皆様方あるいは地方自治体の方々と御相談を申し上げまして、そしてそのような事業にも積極的に取り組んでいきたいと、このように考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私どもは、この七条対象事業の補助率の特例方式の問題、それから十条の基金対策では、目減りの対策が保証されるように、例えば条文に所要の財政措置を取るというようなことなども含めて意見を持っているわけです。法改正すべきだというふうに思っているわけですけれども。  そこで、委員長も一緒に現地に行かれて要望を聞いたわけですけれども、この委員会として是非積極的にこの問題、取り組んでいきたいということを御提案をしたいと思います。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) これも、理事会で協議をしましてお答えいたします。

紙智子日本共産党

○紙智子君 次に、北洋漁業の問題について質問いたします。  この地域は、基幹産業である漁業、特にロシアとの関係における北洋漁業の維持安定という問題が本当に重要な課題です。しかし、水産外交の努力はあるんですけれども、実態としては年々厳しくなるばかりと。  それで、四島周辺安全操業についても、割当て量が捕れないわけですけれども、それでも協力金や機材の供与の費用は払っていかなきゃならないと。経費を引くと赤字なんですね。その上、敷設している漁具の被害に遭っても補償は一銭もないと。それで、貝殻島昆布漁についても、水揚げのうちの二割もの採取料を払わなきゃいけないというふうになっています。ロシア側の水域への入漁の漁獲量も十年間で五分の一に減っている。  そこで質問なんですけれども、当然のことですけれども、この領土問題が解決すれば、もっともっと広い漁場で、豊かな漁場で我が国の主権をもって操業できるわけですけれども、それができないでいることからくる今のこの漁業の困難だと思うんです。そういう特殊事情にあるわけで、そういう中で直接、漁業の経営に対する助成とか支援策が、他の地域に比べて特別なものがあるのかないのかということについて、まずお願いします。

海野洋水産庁資源管理部長

○政府参考人(海野洋君) お答えいたします。  北方四島はロシアによって不法に占拠されておりまして、このため、関係者におかれては前浜の漁場が十分利用できないという特殊な状況にあるというふうに考えております。  現在、北方四島周辺水域で操業する漁業者、これをのみ対象として直接的な経営支援をするというふうなことは行っておりませんが、平成十年に、今お話のありました北方四島周辺水域における日本漁船の操業枠組み協定というのをロシアとの間で結びまして、関係漁業者の操業の確保と経営の安定に努めております。  そういった操業の確保ということの中から漁業者を支援するという方策を取っているということで御理解いただきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう一つ、サケ・マスの国庫支援というのがあるわけですけれども、率はずっと変わっていないわけですね。水揚げが減っている中で率は同じということでは、これをもっと上げるべきだというように思うんです。  今、小型船の十トン未満の協力金は、一隻につき大体三百六十万円なんですね。それで、一隻数百万円の水揚げからそれを支払って給料を払うということになると、赤字になってしまう。このまま出漁できないということで、このことが地域の維持や活性化にもかかわる問題になっているわけです。  それで、協力金の水準は十年前とずっともう変わらない同じ水準で来ているわけですけれども、その間、もうマスやサケの魚価というのは二分の一になっています。この協力金ではやっぱりやっていけないということでは、ここへの国の助成を強めるべきだというように思うんですけれども、いかがでしょうか。

海野洋水産庁資源管理部長

○政府参考人(海野洋君) サケ・マスは遡河性の魚種でございまして、国際的に母川国主義が認められております。今お話のあります協力金、これは我が国のEZの中で捕獲するロシア系のサケ・マスでございますけれども、今申し上げましたような原則がございまして、その再生産に協力するという観点からロシア側に漁業協力費を支払っているものでございます。  協力費の支払に当たりましては、本件の協力を日ロ間の漁業協力、その全体の中の一環であるというふうにまず位置付けまして、また、今お話のありましたサケ・マスの漁業の安定的な継続を図っていくという意味で必要であろうということから政府が一定の補助を行っているところでございます。平成十四年には、漁業協力費総額、これは五・五億円でございまして、政府がそのうち二・一億円の補助をしているところでございます。  今年のサケ・マス交渉、昨日から始まりましたけれども、この交渉、ロシア側との交渉を通じて、水産庁としてはできるだけ漁業協力費の支払の軽減にまず努める、それから漁獲全体の枠の確保を図るということに努力をするということと、あわせて、引き続きまして、政府から支援ができるように、継続できるということで努力をしてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ちょっと時間にもなってきましたので、最後にお聞きしますけれども、領土問題の未解決という特殊な事情からして、この北特法と同じようにこの地域の漁業経営の特別な助成を考えるべきだというふうに思います。そうでなければ、地域が疲弊し、安定した地域の維持ができない、返還運動にとってもこれは影響していくということで、これは北方隣接地域の振興にもかかわる問題なので、大臣の見解を求めて、終わりたいと思います。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) 政府としても、関係省庁とよく協議をしてまいりたいと思っております。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 以上をもちまして、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査は終了をいたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。細田沖縄及び北方対策担当大臣。

細田博之自由民主党沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣・情報通信(IT)担当大臣

○国務大臣(細田博之君) 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  沖縄振興については、自立型経済の構築等を目指し、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に沿って、観光、情報通信、製造業、農林水産業等の各種の産業の一層の振興、それを支える人材の育成や科学技術の振興などを図ることが重要な課題となっております。  こうした中で、沖縄振興の観点から、沖縄の電力用途の石炭に係る石油石炭税を免除することとするとともに、羽田—沖縄離島三路線に係る航空機燃料税の軽減措置を延長するため、ここに本法律案を提出申し上げる次第であります。  次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。  第一は、沖縄の電力用途の石炭に係る石油石炭税の免除措置の新設であります。  石油石炭税の課税対象に新たに石炭が追加される中で、沖縄にある事業場において発電の用に供する石炭に係る石油石炭税を免除することといたします。  第二は、羽田—沖縄離島三路線に係る航空機燃料税の軽減措置の延長であります。  宮古島、石垣島及び久米島と東京国際空港との間の路線を航行する航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の軽減措置の適用期限を一年延長することといたします。  以上がこの法律案の提案理由及び概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いいたします。

本田良一民主党・新緑風会

○委員長(本田良一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会

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